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2019-04-11 第198回国会 衆議院 科学技術・イノベーション推進特別委員会 3号 公式Web版

  1. 平成三十一年四月十一日(木曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 古本伸一郎君    理事 小渕 優子君 理事 大岡 敏孝君    理事 中山 展宏君 理事 八木 哲也君    理事 山本ともひろ君 理事 阿久津幸彦君    理事 岡本 三成君       井林 辰憲君    今枝宗一郎君       今村 雅弘君    尾身 朝子君       大隈 和英君    岡下 昌平君       神谷  昇君    木原  稔君       小泉 龍司君    高村 正大君       杉田 水脈君    竹本 直一君       谷川 弥一君    渡海紀三朗君       西田 昭二君    馳   浩君       宮下 一郎君    簗  和生君       和田 義明君    櫻井  周君       中谷 一馬君    山本和嘉子君       吉田 統彦君    青山 大人君       浅野  哲君    古屋 範子君       畑野 君枝君    井上 英孝君       重徳 和彦君     …………………………………    国務大臣    (情報通信技術(IT)政策担当)    (知的財産戦略担当)    (科学技術政策担当)    (宇宙政策担当)     平井 卓也君    財務副大臣       うえの賢一郎君    文部科学副大臣      永岡 桂子君    環境副大臣        城内  実君    文部科学大臣政務官    中村 裕之君    厚生労働大臣政務官    新谷 正義君    政府参考人    (内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略内閣審議官)           時澤  忠君    政府参考人    (内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略内閣審議官)           二宮 清治君    政府参考人    (内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略内閣参事官)           八山 幸司君    政府参考人    (内閣官房日本経済再生総合事務局次長)      佐藤 正之君    政府参考人    (内閣府政策統括官)   赤石 浩一君    政府参考人    (内閣府地方創生推進事務局審議官)        中原  淳君    政府参考人    (内閣府知的財産戦略推進事務局長)        住田 孝之君    政府参考人    (内閣府宇宙開発戦略推進事務局審議官)      行松 泰弘君    政府参考人    (総務省総合通信基盤局電気通信事業部長)     秋本 芳徳君    政府参考人    (文部科学省大臣官房審議官)           玉上  晃君    政府参考人    (文部科学省大臣官房審議官)           渡辺その子君    政府参考人    (文部科学省高等教育局学部長)         白間竜一郎君    政府参考人    (厚生労働省大臣官房審議官)           佐原 康之君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           吉田 博史君    政府参考人    (経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官)         江崎 禎英君    政府参考人    (特許庁総務部長)    米村  猛君    政府参考人    (環境省大臣官房政策立案総括審議官)       和田 篤也君    衆議院調査局科学技術イノベーション推進特別調査室長           吉田 郁子君     ――――――――――――― 委員の異動 四月十一日  辞任         補欠選任   馳   浩君     西田 昭二君   和田 義明君     高村 正大君   高井 崇志君     山本和嘉子君   青山 大人君     浅野  哲君 同日  辞任         補欠選任   高村 正大君     和田 義明君   西田 昭二君     馳   浩君   山本和嘉子君     高井 崇志君   浅野  哲君     青山 大人君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  科学技術イノベーション推進の総合的な対策に関する件      ――――◇―――――
  2. 古本伸一郎

    ○古本委員長 これより会議を開きます。  科学技術、イノベーション推進の総合的な対策に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室内閣審議官時澤忠君、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室内閣審議官二宮清治君、内閣官房情報通信技術(IT)総合戦略室内閣参事官八山幸司君、内閣官房日本経済再生総合事務局次長佐藤正之君、内閣府政策統括官赤石浩一君、内閣府地方創生推進事務局審議官中原淳君、内閣府知的財産戦略推進事務局長住田孝之君、内閣府宇宙開発戦略推進事務局審議官行松泰弘君、総務省総合通信基盤局電気通信事業部長秋本芳徳君、文部科学省大臣官房審議官玉上晃君、文部科学省大臣官房審議官渡辺その子君、文部科学省高等教育局私学部長白間竜一郎君、厚生労働省大臣官房審議官佐原康之君、経済産業省大臣官房審議官吉田博史君、経済産業省商務情報政策局商務・サービス政策統括調整官江崎禎英君、特許庁総務部長米村猛君、環境省大臣官房政策立案総括審議官和田篤也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 古本伸一郎

    ○古本委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 古本伸一郎

    ○古本委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。和田義明君。
  5. 和田義明

    ○和田委員 おはようございます。自由民主党の和田でございます。  本日は、平井大臣の所信表明演説に関連した質疑の機会をいただきまして、まことにありがとうございます。委員長、理事そして委員各位に心から御礼を申し上げます。  また、本日は、平井大臣そして新谷政務官を始め政府参考人の方々にもお越しをいただきました。重ねて感謝、御礼を申し上げる次第でございます。  それでは、早速質疑に入らせていただきます。  まず最初は、IT政策、デジタルガバメントに関する質疑でございます。  デジタルガバメント構想は、自民党のIT戦略特命委員会で平井大臣が委員長をされていたときに骨格がつくられました。私も、平井大臣のもとで事務局次長として本法案の準備に携われたことは、大変光栄でございます。平井大臣の強力なリーダーシップに心から敬意を表する次第でございます。  今国会で審議が予定されておりますデジタル手続法案でございますけれども、これは、その実行により、行政サービスの一〇〇%デジタル化、行政保有データの一〇〇%オープン化、そしてデジタル改革の基盤整備を目指しております。国民の皆様にとってわかりやすいメリットの一例といたしましては、登記事項証明書、住民票の写し、戸籍抄本など添付書類、これらの提出が不要になるといったことであると理解をしております。そしてまた、引っ越しや介護、死亡、相続手続のワンストップ化など、利用者中心の行政サービスを目指して、国民の皆様にとって実感できるメリット、これを生み出すことが最大の目的でございます。  また、業務改革やシステム改革を実施することで、行政機関の人口減少対策のソリューションとするとともに、真の働き方改革の推進にも寄与するものというふうに考えております。  IT、デジタルの力をかりることで、人間は、人間の手でしかできない業務に専念をして、そしてサービスの質を向上し、そしてまた同時に、残業等々を減らしてワーク・ライフ・バランスを向上させることで、QOL、生活の質を向上するということがビジョンの一つでもあると思っております。大変大きな期待を持って、私も本法案の準備に携わらせていただきました。  最初の質問でございますけれども、平井大臣にお伺いをいたします。  デジタル手続法案の意義、そして国民が実感できるメリットについてお話を伺えればと思いますので、よろしくお願いします。
  6. 平井卓也

    ○平井国務大臣 和田議員には、本当に、党のとき特命委員長を支えていただきまして、ありがとうございます。  今まで、IT、デジタル政策について、自民党内でいろいろ長年議論してきたことがいよいよ法律で決定をして社会に実装していくという段階に来ましたので、これからが大切だと思います。  共通認識としては、我が国の置かれている現状、特に少子高齢化とか人口減少という状況の中で、生産性の低下とか地方が消滅するのではないか等の危惧とか、このままでは立ち行かなくなっていくのではないかというふうに思ったときに、要するに次の時代にふさわしい行政をつくるというのがデジタルガバメントだと思います。ですから、必ずしも今の行政そのものをデジタル化をするということではなしに、次の時代にふさわしい行政のあり方をこれからつくっていくチャンスだと思います。  また一方で、GAFAに代表される巨大IT企業がいろいろなデータを利活用したビジネスモデルを構築して、社会全体、世界全体がデジタル化にもう突き進んでいるという状況です。我が国においても、七五%の世帯がスマートフォンを所有していますし、七割以上の方々がSNSを利用しています。これは、二〇〇〇年、二〇〇一年、IT基本法が施行されたときから比較して考えてみても、もう大幅に変わったなというふうに思います。ライフスタイルさえも変わっているというのが、我々気づかない間に大きく変わったということだと思います。  そういう状況の中で、政府においても、ソサエティー五・〇というものを掲げて経済発展と社会的課題の解決を両立する次の新たな社会を目指していますが、そのためには、やはり次世代の社会基盤を構築するためにデジタル技術を最大限に使うということだと思います。  日本は世界で高齢化の先頭を走っていますので、日本で社会実装されていくいろいろなシステムは世界からも注目されている先行事例だと思っています。ですから、これはもうまさに日本のチャレンジが世界へ広がっていく、そういう局面ではないかなというふうに思っておりまして、もう一つは、やはり、どう考えても、行政の効率化ということが実現できますので、添付書類の要するに省略のようなこともありますが、手数料を下げていくというようなこともあるだろうし、二十四時間三百六十五日行政は受け付けられるというのも、全く新しい世界だと思います。  これから次の世代に対してどれだけのことを我々は残せるかという意味で、このデジタル化を含むいろいろな行政手続の法律は非常に重要な法律だと思っています。
  7. 和田義明

    ○和田委員 平井大臣、ありがとうございました。  もう次の時代に向けて待ったなしの満を持した法案ということで、私もしっかりとこの法案の通過を応援させていただきたいと思っております。  二点目も平井大臣にお伺いをしたいと思います。  このデジタル手続法案でございますけれども、政府の情報システム改革を通じて運用コストを大幅に削減できる、また、数多く今存在するシステムの数についても集約が可能というふうに伺っております。具体的なコスト削減効果についてお聞かせください。
  8. 平井卓也

    ○平井国務大臣 政府の情報システムに関しては、政府CIO、IT室と自民党のIT戦略特命委員会で長年ずっと取り組んできた問題です。年間の運用コストの削減というものはある程度実現できておりまして、二〇二一年度に二〇一三年度比で三割削減の一千百十八億円が削減できるという効果がもう既にこれは実現できているわけです。  今回のデジタル手続法案では、情報システム整備計画に従って情報システムを整備しなければならないということにしてあって、この計画に基づき、例えば、クラウド・バイ・デフォルトの原則や情報システムの共用化やデータの標準化、情報システム間の情報連携というものをその前提に、利用者にとって使い勝手がよい情報システムをつくっていくということになります。  こうした情報システムの整備に当たっては、政府全体で横断的に新技術を活用した生産性の向上や、セキュリティーを確保しつつスケールメリットを生かしたさらなる効率化といった観点が重要になると思います。  そして、今回の法律の中でも明記されますが、各行政機関等の所掌するそれぞれの事務の特性を勘案しながら、予算、調達の一元化、予算の要求から執行までを通じた一元的なプロジェクト管理の強化を進めていくというのが、これからの大きな我々の責任だと考えております。
  9. 和田義明

    ○和田委員 ありがとうございました。  運用コストが、二〇一三年度比で三割、一千百十八億円という巨額のコストメリットがあるというようなことを了解いたしました。極めて大きいコスト削減効果であり、なおさら、やはりこのデジタル手続法案、進めなければいけないという思いを新たにした次第でございます。  デジタルガバメントの構想は、政府のみならず、これは地方公共団体レベルまでつながり、そして浸透しなければ、国民の皆様は実感できないというふうにも考えております。とりわけ、規模の小さい地方公共団体には、予算やマンパワーの制約もある中、大胆な行政改革を推進するための連携ときめの細かい支援、そして経済的な支援が不可欠だと思っております。政府の地方公共団体に対する応援、心からお願いを申し上げます。  また、普及がおくれておりますマイナンバーについては、健康保険証、本人確認用途でありますけれども、健康保険証を活用したり、またマイナンバーをスマホに搭載するなどといった議員立法の検討も進められているというふうにも承知をしております。利便性を追求するべく、運転免許証やパスポートとの連携、またさらには戸籍と住民票の統合等々、数多くの課題もありますので、こちらにつきましても引き続き御検討のほど、よろしくお願い申し上げます。  続きまして、IT政策と科学技術イノベーション政策、がんゲノム医療に関して質問をさせていただきたいと思っております。  アメリカは、二〇一五年、オバマ大統領の一般教書演説で、プレシジョン医療の重要性を強調いたしました。これが大統領の言葉でありますけれども、医師は個々の患者さんの違いを認識してきたし、それぞれの患者さんに最適な治療を提供しようと続けてきた、どうしてがんを治療するために遺伝子情報を簡単に利用することができないのかという疑問を投げかけております。ここでアメリカ政府はゲノム医療に対する強い必要性を訴えております。  そして、その翌年の二〇一六年でありますけれども、同じく一般教書演説では、我々が失った愛する人たちのために、まだ助けることのできる家族のために、アメリカをがんを治せる国にしようというような強いメッセージを発しております。  私の高校時代の仲間二人が今がんと闘っております。私のおやじも今がんと闘っております。この言葉は大変胸に響いた次第でありまして、きょうは、このがんゲノム医療に関しての質問をこれから最後までやらせていただきたいと思っております。  最初のがんゲノムに関する質問でございます。  日本政府のがんゲノム医療に対する現在の方針と取組の状況について御説明をお願いします。
  10. 新谷正義

    ○新谷大臣政務官 お答え申し上げます。  委員御指摘のがんゲノム医療につきましては、第三期がん対策推進基本計画、これは平成三十年三月に閣議決定がなされたものでございますが、これにおきまして、がんの予防、また、がんとの共生、そしてさらに、がん医療の充実、これらを柱に据えまして、さまざまな対策を進めているところでございます。  具体的には、がんゲノム医療提供体制の構築を図るため、この中核となる拠点病院の整備、これは全国に十一カ所指定をしておりますが、また、質の高いゲノム情報の集約、管理、利活用を行うがんゲノム情報管理センター、これはいわゆるC―CATというものでございまして、これを国立がん研究センターに設置をしているところでございます。また、がんゲノム医療等の研究推進、こういった取組を行っているところでございます。
  11. 和田義明

    ○和田委員 新谷政務官、ありがとうございました。  がんは、早期発見すれば治癒率が高いものが大変多うございます。とりわけ、前立腺、甲状腺、大腸、腎臓、膀胱など、部位によっては早期発見時の治癒率が極めて高く、ステージ1で発見した場合には治癒率が九割前後というふうになっております。  そこで重要になってくるのが、やはりがんのスクリーニングの比率の向上。日本では、残念ながら、現在五〇%未満というふうに低くとどまっております。また、がんの超早期再発診断法又は超早期治療の開発、的確な治療法の選択、新しい治療薬の開発、分子標的治療薬と免疫療法等々がございます。  次の質問でございますけれども、現在、がんゲノム医療の一つである遺伝子パネル検査というものがありまして、これが実際に行われているのは、基本的には、特定の国立大学病院や国立がん研究センター、慶応大学病院など、百六十七の病院があります。  ただ、実際、がん診療連携拠点病院といたしましてはまだまだ数があるわけでございまして、課題も多く残っていると思います。今後、遺伝子パネル検査をできるだけ多くの病院で実施するために、これをどのように広げていくかということについて、お答えをいただければと思います。よろしくお願いします。
  12. 佐原康之

    ○佐原政府参考人 お答えいたします。  厚生労働省では、がんゲノム医療の提供体制の整備のため、遺伝子パネル検査を実施することができる医療機関として、これまでに全国十一カ所のがんゲノム医療中核拠点病院を指定、また百五十六カ所のゲノム医療連携病院を公表したところであります。  さらに、今年度は、自施設で遺伝子パネル検査を完結できる医療機関として、がんゲノム医療拠点病院を指定することを予定しており、それらを通じて、がんゲノム医療を必要とするがん患者さんが全国どこにいてもがんゲノム医療を受けられるようにしてまいりたいと考えております。
  13. 和田義明

    ○和田委員 ありがとうございます。  なかなかいつまでに全部というふうなことの計画は立てづらいとは思うものの、やはりこのがんゲノム医療の進捗といいますものが国民の幸せに直結する、また同時に医療費の最適支出にも寄与するというふうに考えておりますので、ぜひとも全力を挙げて進めていただきますようにお願いを申し上げます。  次の質問でありますけれども、現在、戦略的イノベーション創造プログラム、SIPにおきまして、AIホスピタルによる高度診断・治療システムの研究が進められております。そして、その中のサブテーマで、リキッドバイオプシーによる超精密医療の研究も着々と進められております。  データ解析には、データの分量と、そしてスピードが鍵であります。そこでどうしても必要になってきますのが医療用AIでありますけれども、現在の日本政府における医療用AIの研究開発体制、これがどうなっているか、また、どのように支援をされているか、また、アメリカ、英国、フランスなどの先進国における先進的な取組についての御紹介をお願いしたいと思います。
  14. 佐原康之

    ○佐原政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、がんゲノム医療につきましては、官民が連携して、AIも活用しながら推進することが非常に重要であると考えております。  御指摘の予算面でも年々充実を図っておりまして、平成三十一年度予算では、がんゲノム医療中核拠点病院やがんゲノム情報管理センターなどに五十三・二億円を計上しており、これは前年に比べて四・一億円の増となっております。  がんゲノム医療の推進におけるAIの活用等につきましては、厚生労働省に平成三十年七月から、AI研究者や医療従事者、またAI開発企業などで構成される保健医療分野AI開発加速コンソーシアムを立ち上げまして、議論を進めております。  そこでの議論も踏まえて、がんゲノム情報管理センターにおいては、集約したゲノム情報や臨床情報をAIによる解析等を通じて新たな治療、診断法の開発につなげるための支援をすることとしております。
  15. 和田義明

    ○和田委員 ありがとうございました。  英国政府は、二〇一二年に、英国民の診療記録、それからゲノムデータをリンクさせる最初の国になるというような宣言をいたしました。  これを受けて、英国保健省は、医師、生物学者、ITエンジニアから構成されるゲノミクス・イングランドという政府出資一〇〇%の会社を設立いたしました。そして、まずは、希少疾患やがん患者、そしてその家族、約十万人分のゲノムデータを収集し、そして解析を進めております。  医療データを標準化して、個人が特定できないようにアノニマイズして、そして研究データに変換をして研究に活用しております。今後五年間で人口の一〇%に当たる五百万人分の全ゲノムデータ解析を目指すというような新たな目標も設定しております。  そこで、次の質問に移りたいと思います。  がんゲノム医療の中で、遺伝子パネル検査のデータは、フォーマットやメッシュを標準化して、かつ大規模医療データベースを構築しなければならないと考えております。今後、その先のソリューションになるかもしれない全ゲノム解析、全エキソン解析や、リキッドバイオプシーに至っては、なおさらこういったものが必要になってくると思います。  日本政府のデータベース構築の取組の進捗についてお聞かせください。これは医療用データベースというふうに御理解ください。
  16. 佐原康之

    ○佐原政府参考人 お答えいたします。  厚生労働省では、第三期がん対策推進基本計画に基づきまして、がんゲノム医療を受けた患者さんの臨床情報やゲノム情報を効果的に集約、管理、利活用するために、がんゲノム情報管理センターを設置し、新たな診断法や革新的な創薬の開発に役立てることとしております。  また、三十一年三月には、国民、患者を含めたゲノム医療にかかわる関係者で構成されますがんゲノム医療推進コンソーシアム運営会議を開催しまして、集約されたがんゲノム情報の利活用に向けた方針等を整理するなど、取組を進めているところでございます。
  17. 和田義明

    ○和田委員 ありがとうございました。  遺伝子検査によりがんの特性が特定されましても、まだ分子標的治療薬や免疫治療法が開発されていない症例が実は圧倒的に多いです。約四千百あると言われております症例のうち、約一〇%しかないというふうにも言われております。日本は、世界第二位の創薬大国である一方で、研究開発費には膨大な予算がかかり、また膨大なデータベースも必要といたします。  事の緊急性を鑑みると、がんの創薬における政府間、ほかの国との政府間、又は企業間の協力を推進する必要があると思います。日本政府のこの点に関するイニシアチブと今後の方向性についてお聞かせください。
  18. 佐原康之

    ○佐原政府参考人 お答えいたします。  厚生労働省では、関係省庁の連携のもと、がん研究十カ年戦略に基づきまして、基礎研究から実用化に向けた研究まで一体的に推進をしているところであります。  また、今後、がんゲノム情報管理センターに集約されたデータを分析、利活用できる体制を整備しまして、創薬等の革新的治療法や診断技術の開発などに役立ててまいる予定でございます。
  19. 和田義明

    ○和田委員 ありがとうございました。  シカゴ大学医学部の内科、外科教授で、がんゲノム医療の世界的権威でもあります中村祐輔氏は、今、日本のがんゲノム医療はアメリカから十年おくれをとっているというような警鐘を鳴らしております。ぜひとも、政府におかれましては、このがんゲノム医療をしっかりと推進していただきますよう心からお願いを申し上げまして、私の質問を終えさせていただきます。  まことにありがとうございました。
  20. 古本伸一郎

    ○古本委員長 次に、岡本三成君。
  21. 岡本三成

    ○岡本(三)委員 皆様、おはようございます。公明党の岡本三成です。  質問の時間をいただきまして、ありがとうございます。  きょうは、平井大臣に、大臣が所信の中で強力に推進すると述べられました戦略的イノベーション創造プログラム、SIPについて質問をさせていただきたいと思います。  私、このSIP、大変重要な役割を持っておると思っておりますし、その役割を果たすために、現場の事務方の方は最大の努力をされていると思いますけれども、よりよい運用ができると思っておりますし、その運用を妨げているのは、現場の幹部の皆さん、あと私も含めた議員ではないかというふうに思っておりますので、その問題意識を持ちながら提案も幾つかさせてください。  確認しますけれども、SIPは、平成二十五年に、総合科学技術・イノベーション会議、これは内閣府設置法におきまして重要政策会議に位置づけられているものですが、ここが司令塔機能を一層発揮して科学技術イノベーションを実現するということを目的に創設をされまして、大変な権限が与えられております。  当時までは、科学技術イノベーションといいますと、府省ごとに縦割りでさまざまな技術の開発並びに前進が進められていたものを、横串の責任を十分に与えながらこれを前に進めようというものですが、SIPは課題を特定して予算を重点配分する権限を与えられて、課題ごとにそのリーダーであるプログラムディレクターを選んで、基礎研究から出口、実用化、事業化までを見据えて、例えば規制・制度改革や特区制度の活用も視野に入れてその権限を振るうことができるという大変重要な役割であります。  これは平成二十六年にスタートをいたしまして、ちょうど平成三十年で丸五年が過ぎたわけですけれども、第一期のSIPが終了して、報告もされているわけですが、この五年間で予算はトータル千五百六十億円使われているんですが、まず、この第一期の十一のそれぞれのテーマについてどのような成果が出たのか、また、全体的な大臣のSIPの評価を伺いたいと思います。
  22. 平井卓也

    ○平井国務大臣 質問ありがとうございます。  委員のおっしゃるとおり、平成二十六年に創設された戦略的イノベーション創造プログラム、SIPは、五年間の研究開発プロジェクトとして、これまで、自動走行や次世代農業の推進など、我が国が抱える社会的課題の解決や産業競争力の強化に大きく貢献する成果を上げてまいりました。  具体的には、自動走行の実現に必要な高度三次元地図を開発、事業化、ダイナミックマップですね、それと、SIP防災で開発したSIP4Dが、平成三十年七月豪雨や北海道胆振地震などの災害時に、政府として災害現場での情報集約を支援するISUT、災害時情報集約支援チームですが、で活用することができました。昨今話題となっている農作物のゲノム編集技術も実用化をされています。また、複数の農業トラクターの自動走行など、第一期として掲げた目標を十分達成したと考えています。  SIPでは、研究開発成果の社会実装を厳しく求めておりまして、省庁連携による分野横断的な取組を産学連携で推進するという特徴を持っています。また、総合科学技術・イノベーション会議の司令塔機能に基づいて、SIPで取り組む課題、プログラムディレクター及び予算をトップダウンで決定して実施しています。こうした特徴を有するSIP第一期を平成二十六年度からスタートして、その結果、多くの成果が着実に得られた点は高く評価できると考えています。  SIPは我が国の研究開発に係る重要な施策の一つであり、引き続き、総合科学技術・イノベーション会議のリーダーシップのもとで、関係省庁と緊密な連携を図りながら、研究開発の成果の社会実装につながるように、私としても積極的に取り組んでいきたいと思っております。
  23. 岡本三成

    ○岡本(三)委員 ありがとうございます。  ことしの二月二十八日に、第一期、五年間の最終報告書がまとめられております。それぞれの十一のプロジェクトに関して、プログラムディレクター十一人の方々、大変多くの知見、経験を有した方で、バックグラウンドは実業界であったりアカデミアだったりするわけですけれども、最終報告を読んでいますと、それぞれのプロジェクトの成果は、何が一番大きく左右したかというと、このプログラムディレクターの資質と情熱、それぞれ頑張っていらっしゃいますけれども、当然それはあります。  もう一つ、サポートスタッフの活躍の度合いということもいろんな方のヒアリングで言及をされていまして、要は、これだけ肝いりなのに、それぞれのプログラムに、内閣府で、サポートスタッフとして、事務方が基本一人、ちょっと多いところで二人なんですね。しかも、このほとんどが民間企業からの出向者です。今大臣もいろんな役所と連携をしつつと言いましたけれども、民間企業出向者が、例えば、プログラムディレクターの依頼を受けて、農水省に何か指示をする、経産省に依頼する。緊張するんですよ。お作法もわからないんです。  やはり、民間からの出向者だけではなくて、もともと官僚の方、役人の方も一緒にペアでつけないと、有能なプログラムディレクターの方々に五年間もコミットしていただいているのに、十分なサポート体制ができていなくて本当に申しわけないなというふうに思っているんですが、事務方のスタッフの今後の増員、ぜひ取り組んでいただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  24. 平井卓也

    ○平井国務大臣 先生御指摘のとおり、SIPにおいて着実に成果を出していくためには、各プログラムディレクターが持っている能力を最大限発揮してもらえるようにすることが非常に重要だと考えています。  内閣府としては、プログラムディレクターの活動を着実に支えていくということが一番重要な仕事だと思っていますが、まず、SIPを推進する内閣府事務局の体制としては、省庁出身の管理職をリーダー又はサブリーダーとして位置づけて責任を明確にした上で、民間企業出身の担当者が補佐することによって、プログラムディレクターを支えているということでございます。各課題の実施を現場で支援するため、課題ごとに一つの国立研究開発法人を管理法人として定めて、管理法人においてもプログラムディレクターの活動を支える体制整備を強化しています。  先生のおっしゃるとおり、PDの方がいかに気持ちよく仕事ができるかが一番重要なところなので、これからも考えていきたいと考えております。
  25. 岡本三成

    ○岡本(三)委員 大臣、ぜひお願いいたします。  やはりそれぞれ得意分野があると思いまして、民間御出身の今内閣府で勤務されている方も得意な分野がありますし、もともと官僚御出身の方も得意分野がありますので、やはりペアでサポートしていただくような体制をとっていただけることが重要だと思うので、ぜひさらなる改善をお願いいたします。  次に、これらのプロジェクト、まず、第一期が、平成二十六年で五年プロジェクトとして始まりましたので、本来であれば平成三十年で終わり。これを最終評価をして、その評価をもとに、よりよいものにするために第二期を始めるというのが当初の予定だったんですが、何と、第一期は、平成二十六年から予定どおり平成三十年まで行われまして、第二期は、本来であれば平成三十一年から始めるところを、一年前倒して平成三十年から始まっています。要は、第一期の五年目と第二期の一年目が同じ年に始まっているんですね。つまり、第一期目の評価をして、よりよいものにするためにということの、その分析をもとに第二期目は始まっていないわけです。  何でこんなことが起きているのかと考えますと、実は、平成二十九年に補正予算が組まれてしまいまして、この補正予算でSIPに対する予算がアサインされてつけられてしまったがゆえに、平成三十年から一年前倒しで始まっているというふうに私は認識しているんですね。  私は、補正予算、災害等が起きたときに緊急的なものとして大変重要だと思っていますけれども、一部に、残念なことに、補正予算、ついでなのでこれもぶち込んでおけみたいな雰囲気があるというふうに思っているんですよ。その被害者が、SIPを担当している有能な現場の官僚の方々ではないかなというふうに思っているんですね。多くの方は、五年しっかりやった後に評価して、次をやりたいと思っていたそうなんです。けれども、いろんな、大臣、今の現平井大臣ではないにしても、役所の幹部の方々、与党議員にも大きな責任があります。金をとれるからやってくれよという感じで、さまざまな検証もなく二期目が進んでしまったということは、本当に現場で活躍していらっしゃる方々に申しわけないと思っていますし、与党議員として私は反省しているんですけれども。  大臣、予算編成のあり方やSIPのプロジェクトを前に進めるに当たって、どういう反省点があるのか、今後どういうふうに取り組んでいきたいのかということをお答えください。
  26. 平井卓也

    ○平井国務大臣 平成二十九年十二月に閣議決定された新しい経済政策パッケージにおいて、平成二十九年度補正予算を編成し、生産性革命に向けて、研究開発の促進のための戦略的イノベーション創造プログラム、SIPの取組等を着実に実行するということを受けて、第二期のSIPを前倒しで始めることになったというのは、先生の御指摘のとおりでございます。  SIP第二期は、SIP第一期の途中ではあったものの、SIP制度のあり方について改善すべき点があるかどうかという観点から平成二十八年度に実施した外部有識者による評価を十分に踏まえ、開始をしたと聞いております。  なお、昨年度、一年間をかけてSIP第一期の最終的な制度評価を行ったところであり、本年度、評価結果を踏まえ、マッチングファンド方式の導入やプログラムディレクターを支える体制の強化等を行うなど、可及的速やかにSIP第二期の制度に反映しております。  先生の御指摘も踏まえて、不断の見直しは図っていかなきゃいかぬと思っております。
  27. 岡本三成

    ○岡本(三)委員 大臣はトップとしてお答えになる言葉も選んで言っていらっしゃると思いますけれども、要は、補正で緊急的にやるようなプロジェクトではないと私は思っておりまして、そのことも踏まえながら今後はよりよい運営体制をとっていただければと思います。  続きまして、この五年間の第一期の報告書がことしの二月二十八日に出ておりまして、十一のプロジェクトをさまざまに分析をされていて、本当によく分析されています、評価されています、すばらしいんですよ。  私は、この科技特の理事と同時に内閣委員会の理事もしていますけれども、今回、質問に立たせていただくことで自分で調べに行って、初めてこの報告書の存在を知りました。多分、この中の同僚委員の皆さんも、SIPは知っていても、報告書が出ていることを御存じの方は少ないと思うんですね。私は、こんなに肝いりで、総理トップダウンで、大臣が強力に今後も推進していくと言われる五年間の総合評価、今後のための羅針盤が何で委員に説明されて共有されていないのかということに、すごく高い問題意識、違和感を覚えるんです。  これは、官僚の方に対して、委員に説明する責任があるみたいな、そんなことを言っている上から目線のつもりではなくて、一緒に進めるものなので、行政の方が立法府のメンバーを味方にするぐらいの気持ちで、これぐらいのことをやってきました、次はもっと応援してくださいぐらいの営業トークをかけたらいいと思うんですけれども、全く内閣委員会の委員に対しても説明がなされていないことに関して、大臣、どう思われるか、御答弁お願いします。
  28. 平井卓也

    ○平井国務大臣 SIP第一期の成果等を含めた評価報告書については、プログラムディレクター、関係省庁、管理法人等の関係者に共有するだけではなくて、内閣府のホームページに公開をして広く情報を提供してはいます。しかし、先生のおっしゃるとおり、それで十分かといえばそうではないと私自身も思います。  ことしの二月の二十日と二十一日の二日間において、SIP第一期の成果と第二期の内容等に関するシンポジウムと展示会を実施して、一般の方々に対して積極的に情報提供を行いました。私もこれに二日続けて参りまして、シンポジウム、展示会の両方に出させていただきました。多数の来場者があり、成果を発信する上では大変有意義なイベントだったと思うんですが、確かに、先生のおっしゃるとおり、国会議員がそこにたくさん来ておられたかといったらそうでもなかったし、あれはぜひやはり見てもらって、そして、PDの皆さんとそこでいろいろな話をしていただくというのは今後につながるし、PDの人たちも議員に説明したいと思うんですよね。  そういう意味で、今後は、関係議員の皆さん方がもっと見ていただいて、いろいろと議論に参加していただけるように、どのようにPRするか、また先生の方からでもお話しいただければ前向きに考えたいと思います。
  29. 岡本三成

    ○岡本(三)委員 本来は、私たち議員一人一人がこういう報告書にアンテナを張ってとりに行くべきだと思うんですが、残念ながら議員も忙しくてなかなか手が回らないので、やはり、役人の方に、こんなのが出ました、読んでくださいねというふうに一声おかけいただくというのは非常に重要かなと思います。  ちなみに、第二期に入りましてもう年数がたっていますけれども、一年ごとに中間の課題評価をされていまして、これはすばらしいんですね。七段階評価をされていまして、SからBまで。一番上のSだったらその次の予算は五〇%マックスでプラスアルファ、プラスB、下から二番目だったら予算三〇%ダウン、Bだったらもうだめ。実際に、B評価というのは結構あるんですよ。  僕はこれはすごいと思っていまして、普通、一旦採用したら何となくなあなあの評価をするのに、だめだという評価をする。じゃ、どうしてもともとそんなだめなのを選んだのかというふうに言われるリスクをちゃんととりながら、だめなものはだめというふうに言っている、本当にすばらしいプロジェクトのチームだと思っていますので、ぜひ応援していきたいと思います。  最後に、これだけすごいことをやっているんですが、しかも、このSIPの目的の一つが省庁横断的な取組なんですけれども、文科省が出しています科学技術の振興に関する年次報告書、いわゆる白書、去年、三百四十四ページあるんですが、この中に大臣所管の総合科学技術・イノベーション会議における司令塔機能の強化に関して書かれているのは、三分の一ページ、十五行です。ちょっと残念過ぎませんか。だって、これは文科省のものですといっても、そういうのを横串で刺して科学技術を前に進めるんだと立ち上げたにもかかわらず、重要な役割を担っているその皆さんの活動に関して、科学技術白書で言及されているのがたったの十五行です。  これはもっとがっちり書き込んで、日本全体としてこういうふうに取り組んでいるということをアピールして、広く国民に知っていただくような努力をしたいというふうに思うんですけれども、現場の方に伺いますと、それは文科省でつくっているものなのでと。そういう縦割りが嫌だから内閣府でこれは担当されていると思うので、ちょっともう本年度のには間に合わないんですが、次年度以降がっつりと、しっかりやられたことを書き込んで、プログラムディレクターや役人の方々の誇りも確立させていくというぐらいの大臣の意気込みを最後にお伺いしたいと思います。
  30. 平井卓也

    ○平井国務大臣 ありがとうございます。  委員のおっしゃるとおりだと思いますので、科学技術白書の作成を担当する文部科学省に対して、SIPに関する情報提供を更にもっと行いまして、科学技術白書におけるSIPでの取扱い等の記載が充実するように努めていきたいと思います。
  31. 岡本三成

    ○岡本(三)委員 今回の質疑をさせていただくに当たりまして、さまざまSIPの取組を勉強する中でわかったことは、やはり私自身を含めまして議員の役割、応援が何より重要だというふうに反省をいたしまして、科学技術特別委員会に所属させていただいているわけですから、その責任をしっかりと果たしていきたいと思います。  では、以上で質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  32. 古本伸一郎

    ○古本委員長 次に、中谷一馬君。
  33. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 立憲民主党の中谷一馬でございます。本日はどうぞよろしくお願い申し上げます。  科学技術・イノベーション特別委員会では初めての質問をさせていただきます。私からは、第四次産業革命の基盤となる技術への見解とその活用についてるる伺ってまいりますので、よろしくお願いします。  今生まれた子供は、きっと免許を取る必要はない。次世代の自動運転車の普及を念頭に、このような話がダボス会議における議論で語られました。  今、世界じゅうで技術革新による未来が語られるようになりました。サイエンスフィクションの父とも呼ばれるジュール・ベルヌは、人が想像できることは人が必ず実現できるという言葉を残されており、実際に私たちの現在の生活においても、数十年前に描いていた、こんな未来が来るかもなと想像していた多くの出来事や技術が実現されております。  例えば、ドラえもんというアニメは私たちの近未来を想像するのにとてもイメージがしやすい物語かと思いますが、そのサイエンスフィクションであった秘密道具からも、現実世界においてそれらに近い形で実装されているものが多々あります。例えば、ほんやくコンニャクというどんな言葉でも操れるようになる道具は、ウエアラブル翻訳端末という形で実装され、個人で空を飛べるアイテムであるタケコプターは、ジェットエンジン搭載のフライボードという形で、それらに近いものが実現されております。  こうした社会の変化に私は大変わくわくいたしますが、それと同時に、こうした科学技術の進化による社会構造の変化にしっかりと対応し、国富を最大化することで国民生活を豊かにするといった使命を本委員会のメンバーには与えられているという気概を持っております。  私は、政府・与党と野党は、政策を競い合うライバル同士であったとしても、嫌悪感を持ち合うような対象であるべきではないと考えております。山の登り方は違えど、目標として、日本をよくしたい、国民生活を豊かにしたい、こうした思いは同様であると信じております。  そうした観点から、私は、否定論理ではなく、未来への展望を交えながら、第四次産業革命の基盤となる技術への見解とその活用についてるる質問をさせていただきたいと思いますので、平井大臣、そして政府参考人の皆様におかれましては、明快かつ真摯な御答弁をよろしくお願い申し上げます。  それではまず、私からは、ブロックチェーンについて伺わせていただきたいと思います。  インターネットは、情報の交換、共有をすることに革命を起こしました。そして、このブロックチェーンは、価値の交換、共有をすることに革命を起こすものであり、インターネットの登場に匹敵する大きなインパクトを社会に与えると私は考えております。  ブロックチェーンは、ゼロダウンタイムのシステムで、分散型で管理ができ、改ざんができないなど、技術面のメリットを言い出せば切りがありませんが、このブロックチェーン技術について大臣はどのように捉えているのか、まずは御所見を伺いたいと思います。
  34. 平井卓也

    ○平井国務大臣 この二、三年、ブロックチェーンという言葉に誰もが注目をして、私、一時的には、これはバズワードになりかねないなと心配していたんですが、一方で、公共部門なども具体的に使ってみようということですし、私が何度も訪問しているエストニアではもう、これはブロックチェーンとは呼んでいませんでしたが、その技術は既に社会実装されています。  ですから、これからの時代の中で、セキュリティーを考えてみたり、取引記録を暗号技術を用いて分散的に管理、処理するという考え方は、間違いなくこれからも進んでいくだろうというふうに思います。  ですから、今、多くの方々が、ブロックチェーンの技術者をいかにつくっていくかという段階で、日本でも幾つかそういう専門学校みたいなものも立ち上がっていることを承知しております。  今後、やはり解決していかなきゃいけない問題としては、大量処理というものに時間的な問題があるということと、いざ何か本当のトラブルが起きたときに責任を誰が問うことになるのかというようなことも、これからやはり解決していかなきゃいけないというふうに思いますが、一方で、登記や身分証明書などの行政分野とか、サプライチェーンの管理や電力取引など、サービス部門なんかではさまざまな使い方があるんだと、そこは大きなポテンシャルがあるというふうに思っておりますので、今後、官民を問わず、幅広く活用される可能性があるので、それをやはり国も支援するべきだと考えております。
  35. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 ありがとうございます。  非常に見識の深い答弁をいただいたなと思いました。  今、大臣のおっしゃっていただいたとおり、ブロックチェーンは世界じゅうで活用、検討をされておりまして、世界のブロックチェーン市場に対する支出予測、これが出ているんですけれども、二〇一七年から二二年にかけて、五年で年平均七三・二%のペースで成長して、二〇二二年には十七億ドル、一兆二千八百七十億円程度に達するということが予測をされております。  アメリカやイギリス、スウェーデン、オランダ、スイス、ドバイ、今大臣のおっしゃったエストニアなど、こういった国々がブロックチェーンの活用、検討をスピード感を持って始めている中で、日本はちょっと、残念ながら、少しスピード感が今遅いんじゃないかなということを思います。  例えば、スマートコントラクトの活用であったりとか、利便性向上に資する電子行政の実現に向けた課題整理や計画策定、サブワーキンググループの中で去年かおととしぐらいにもうこの提言がなされていたのに、まだそれに対する検討や計画策定が進んでいないということに対して、私はちょっと危機感を持っているんですけれども、大臣はこうした現状についてどのように捉えられているか、所見を伺いたいと思います。
  36. 平井卓也

    ○平井国務大臣 日本がブロックチェーンに取り組むスピードということですが、ブロックチェーンに限らず、日本のスピードは、新しいことに取り組むスピードは遅いと私は思っています。ただし、割と細かくいろいろなものをチェックをしていくので、まだ技術的な問題なんかも残っておりますし、ここは日本が挽回できるチャンスは十分にあるなというふうに思っています。  平成三十年度には各省でさまざまな分野で実証や検討がもう既に行われていますが、総務省では、政府調達における落札情報や入札参加資格等の管理をブロックチェーンでやろうと。経産省は大学における学位、履修、履歴証明をブロックチェーンで管理するときの課題について検討しているし、環境省は再生可能エネルギーによるCO2削減量の取引をブロックチェーンで管理する実証実験などを進めているということであります。  我が国も、やはりブロックチェーン技術の実用化で世界をリードできるようにしたいというふうに思っていて、今後やはり政府の調達なんかでもそういうことを、POCではなくて、もう具体的な社会実装の中で実現すべきではないか、そのように思っている次第でございます。
  37. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 実証実験が行われていることは私もよく存じております。  しかしながら、せっかくその検討課題で大事なことが書いてあって、スマートコントラクトを電子行政にどう生かしていくか、こうしたことが書いてあるのに進んでいないのはちょっと残念だなと思いましたので、そのあたり、まさにブロックチェーンの根幹部分になると思いますので、御検討を進めていただければと思いますのと、また、大臣もおっしゃっていただいたとおり、技術革新に対応するスピードは、日本はすごく遅いなと私も感じます。その中でも、AIやIoTはちょっと頑張ろうとしているんですけれども、ブロックチェーンは、予算規模から見ても、いろいろな意味でやはり力が入っていないのかなと少し残念な思いになるときがありますので、中長期的な視点を持って発展に尽力をいただきますことを要望をさせていただきたいと思います。  そして、各論の方で少しお話をさせていただきたいと思うんですが、ブロックチェーンを活用した事業について、例えば暗号資産についてまず伺わせていただきたいと思うんですが、ビットコインやイーサリアムなどのブロックチェーン技術を活用した暗号資産における市場全体が、時価総額、一時百兆円に近づいた時期がありました。世間を大きくにぎわせたわけなんですけれども、そのときに、暗号資産を成長分野とみなして競争力を高め、経済成長を地方創生のエンジンとするべく戦略的に取り組んでいる国や地域があります。  例えばベラルーシにおいては、暗号資産、イニシャル・コイン・オファリングの発展を目指した法令が採択をされ、暗号資産の発行、取得、発掘によって得た所得を二〇二三年まで非課税にして、国家レベルでブロックチェーン技術を成長させる狙いがあると言われております。  また、アメリカ・カリフォルニア州のバークレー市においても、暗号資産を用いる技術で地方債を販売する試験プログラムの検討を行政担当官に求める決議が全会一致で可決されました。  そして、日本においても、岡山県西粟倉村や長崎県平戸市などの自治体が、暗号資産の技術を使って資金調達を行うことを目的とした自治体ICOの発行を構想している自治体があります。自治体ICOについて、経済学者である一橋大学の野口悠紀雄名誉教授は、成功すれば地方財政の構造を大きく転換させるだろうが、国の動向がはっきりせず、実現は容易ではないとコメントをされております。  そこで伺いますが、これらの暗号資産を活用した経済成長、地方創生の取組について大臣としてはどのように捉えていらっしゃるのか、御所見を伺いたいと思います。
  38. 平井卓也

    ○平井国務大臣 今では暗号資産と呼んでいますけれども、これはビットコインが最初に紹介されて、経産省金融庁でどちらも所管したくないということで、自民党の方でしばらく預かったときには、価値記録、バリューレコードという概念でやっていました。ですから、そのときには当然消費税がかかっていたんですね。  その後、法改正によって、要するに通貨の方に、仮想通貨の方に寄り、今度は暗号資産というふうに変わってきた流れを見ていて、最初は半信半疑だったものが、ここに来て、やはりこれは一つの時代の要請の中で、一過性のものではないと判断する人がふえたと思います。  その意味で、低コストの金融取引とか新たな金融手段としての活用というのは十分にあるというふうに思っておりますし、自国の通貨の信頼度が低い国家においては、当然考えることだと思います。  一方で、地方自治体における暗号資産の活用というのも、これは、要するに、地方自治体というものは、いわば一般の民間よりも信用度が高いわけで、それだけ信頼性のある暗号資産というものを扱うこともあるわけですね。  これは、考えてみると、昔の藩札みたいなものですよ。デジタルの藩札というものを要するにつくれる。ここと同じようなものがもう一つあるのが、自治体ポイントというものが実はもう既に一部社会実装されているんですよ。  このあたりをうまく整理をすれば、地方自治体にとって、藩札であり、暗号資産であり、自治体ポイントであり、国民の利便性に資するような新しい考え方というものをつくることは可能ではないかと、これはあくまでも私の私見ですけれども、思います。  ですから、ここも、そういうことに明るい首長さんがおられるところじゃないと進まないと思いますが、そういうところが議会や住民の理解を得られれば、十分に次の時代は可能だと私は思います。
  39. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 大変見識の深い御答弁をいただきました。  私は野党の人間ですが、こういう方がIT担当大臣をやってくださっていてよかったなと本当に思いました。  私見と私もすごく同感するところがありまして、やはり生かし方によっては非常にいい形で地方創生や経済成長につながっていくと思いますので、ぜひ大臣からも後押しをしていただけたらなと思っております。  次に、中央銀行が発行するデジタル通貨、セントラル・バンク・デジタル・カレンシー、CBDCについて伺いたいと思います。  暗号資産でさっきは地方の話をしたんですけれども、政府が今、新紙幣の発行を発表して話題となっているんですけれども、世界では、もう紙じゃなくて、デジタル通貨の発行によって、競争力を高めると同時にコストカットや経済成長を目指して、戦略的に取組を進めている国々があります。  例えば、スウェーデンにおいては、デジタル通貨、eクローナの発行を検討しており、スウェーデン中央銀行の副総裁は、五年以内に完全なキャッシュレス社会になるとの見通しを示しました。  また、国際通貨基金、IMFのクリスティーヌ・ラガルド専務理事は、キャッシュ需要の減少とデジタル通貨への関心の高まりを踏まえて、国家にはデジタル経済に通貨を供給する役割があるかもしれませんという発言をされました。  各国でブロックチェーン技術を活用したデジタル通貨についての研究が進んでいる中、日本においても、日本銀行でさまざまなレビューがまとめられ、研究をされております。十年後、二十年後を見据えれば、むしろそちらの方が主流になっていることすら想定できると私は考えております。  そこで伺いますが、中央銀行が発行するデジタル通貨であるセントラル・バンク・デジタル・カレンシー、日本的に言えばe円について、大臣はどのように考えているのか、御見解を伺いたいと思います。
  40. 平井卓也

    ○平井国務大臣 これは、私は直接の所管ではありませんので、答え方が難しいんですが、今先生がおっしゃったように、スウェーデンなどの中央銀行等において、各種研究が進められているのは承知しています。  ただし、通貨のあり方については、当該通貨を使用する国民の利便性及び決済の安全性や当該通貨を発行することによる金融システムへの影響等について考慮し、さまざまな側面から検討されることが必要ではないかというふうに思っておりまして、今、中央銀行の方でも、日本銀行と欧州中央銀行が、ブロックチェーンなんかについても一緒に研究を進めているということでございます。  一方で、日本国民の特徴として、キャッシュが好きだ。先進国の中でキャッシュレスが進まないのは日本、次いでドイツあたりなんですね。これは国民の中にある何かがあるのではないかと私は思いますが、特に、まあ、もう余分なことは申しません。  キャッシュレスを進めるためには、これから高齢社会ということも含めて、やはり世界で一番高齢者が多いわけですから、比率が、そういう方々が安心できるキャッシュレス化というものを日本は考えていくべきだろうと思っております。
  41. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 御答弁いただきました。  本当に、世界のデジタル通貨発行、私はすごく研究している意義があると思っていて、シンガポールの金融当局における委託調査では、現金や小切手といった紙ベースの決済手段の利用コストがGDPの〇・五二%に達するという試算がなされていて、カナダの中央銀行の職員が、セントラル・バンク・デジタル・カレンシー、これを導入したときには、カナダの消費が〇・六四%ふえて、アメリカだと一・六%ふえるんじゃないかということが言われています。  日本でも、現金インフラを維持するためのコストが年間一・六兆円、GDPの〇・三%と試算されていますので、ぜひ、検討していただいても私はすごくいいんじゃないかなと思いました。  時間も参りましたので最後の質問とさせていただきたいと思うんですけれども、今までるるお話をさせていただきましたが、技術革新に対応できなかった国や組織はいつの時代も新興勢力に打ち負かされて衰退してしまうという現実は、歴史を振り返っても明らかだと思うんですね。  最強と言われた武田の騎馬隊が、織田勢が導入した新兵器である鉄砲を用いた戦略の前に大敗したという歴史は日本人にもなじみの深いところだと思いますが、こうした教訓から学べることは、テクノロジーの進化をとめることは時代の潮流を考えても不可能、しかしながら、この進化をとめるような動きじゃなくて、どう健全に発展をさせて、その恩恵を公正公平に分配をしていくのか、こうした知恵が求められているのかなということを思っています。  そうした中で、現在の日本は、世界のリーダーとして第四次産業革命を牽引して、社会のデジタル化、スマート化をしっかりと進めていくのか、それとも、現状のルートをそのまま進んでしまって、もう先がない、じり貧の状態になってしまうのか、まさに大きな時代の分岐点だということを思っています。  こうした現状を踏まえれば、日本においても、よりよい未来をつくるべく、近未来を想定して、その未来から必要な政策を逆算して施策を推進することが必要だと思っています。  そして、政府においても、ムーンショット型の開発制度創設を行って、ビジョナリー会議を立ち上げられました。構成員には、世界経済フォーラムの、私はグローバルシェーパーズなんですけれども、大変お世話になった江田麻季子さんだったりとか、落合陽一さんとかスプツニ子!さんとか、そういう方がメンバーに加わっていて、とても期待はしているんですけれども、その一方で、ムーンショットを掲げているものの、現時点では研究開発の構想を打ち出したのみでありまして、何を目標にして、どういう基礎研究を育てて、どういうふうに進めていくのかというロードマップがまだなかなか見えてこないなということを思っておりますので、この政策策定とその実現をどのようにして目指していこうと考えているのか、その展望について大臣の所見を伺いたいと思います。
  42. 平井卓也

    ○平井国務大臣 このムーンショットのように、社会課題からバックキャストした目標に研究、基礎研究をつなげる取組というのは、実は日本だけじゃなくて欧米もみんなやっています。Xもそうですし、スペインでいうとアルファもそうですし、同じようなことをやっているんですが、日本はここではちょっと負けたくないなと思っていて、ビジョナリー会議のメンバーも今までとはちょっと違う、次の世代の方々に入っていただいているので、どのようなことになるかわからないんですが、ビジョナリー会議のメンバーのお話を横で見ておりますと、やはり目標設定というものが大事だと。そのことが、国民がやはり一緒に共感してくれるような目標設定、それをどのようにつくっていくかということで、まだ具体的な内容を今ここでお話しする段階ではありませんが、先生にもぜひ、このムーンショット型の目標設定というものにまたいろいろ御知見をおかしいただければと思います。  夏ごろに、多くの人を魅了できるような野心的な目標を設定したいと考えております。
  43. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 御答弁いただきました。  そのムーンショット型へ出てくる目標であったりさまざまなロードマップ、楽しみにいたしております。  質問を終わります。ありがとうございました。
  44. 古本伸一郎

    ○古本委員長 次に、吉田統彦君。
  45. 吉田統彦

    ○吉田委員 おはようございます。立憲民主党の吉田統彦でございます。  るる、たくさんいろいろ質問したいので、早速始めさせていただきたいと思います。  まず、大臣、副大臣、ともに所信表明演説で大学改革等に関して述べられています。  ここで御提言したいんですが、欧米では、資産家や企業の高額な寄附だけでなくて、一個人による寄附の積み重ねが、大学の運営はもとより科学技術やイノベーションの下支えをしている現実があります。例えば、私がいたジョンズ・ホプキンス大学はノーベル賞をたくさん、多数輩出しておりますが、これはジョンズ・ホプキンス氏が事業で得た資産を背景に設立された大学であります。  欧米のアカデミアの建物やホールなどのネーミングは、寄附者や、そのアカデミアの誇る、若しくは代表する科学者の名前によるものがほとんどであります。そこで、我が国も大学や研究機関への寄附を税制上しっかりと優遇することによって、寄附を促すことは非常に重要ではないでしょうか。  また、膨張する医療費がある中で、それでも現行の診療報酬体系の中で非常に厳しい運営を強いられて、十分な人件費も捻出できていない中核病院への寄附も同様に税制上で優遇して、その運営の一助とするとお考えになられてはいかがかと思います。  公的、公立のさまざまな機関に関して、寄附者等のネーミングライツもどんどんと進めていくことは極めて重要であると思いますが、この点、全てまとめていかがでしょうか。
  46. 永岡桂子

    ○永岡副大臣 御質問にお答えいたします。  文部科学省といたしましては、国立大学法人の運営費交付金や私立大学等の経常費補助金等の大学運営に不可欠な予算の確保に加えまして、寄附金など外部資金によります大学の財源の多元化が図られることは大変重要と認識をしております。  このため、大学の寄附に係ります税制改正といたしまして、国立大学法人に対します修学支援のための寄附の税額控除の導入、これは平成二十八年度から始まっております。  そして、国立大学法人等への評価性資産、これはつまり土地建物、株式などのことでございますが、これの寄附に対しますみなし譲渡所得税の非課税承認を受けるための要件の緩和などがあります。これは平成三十年から始まっております。  また、大学の外部資金獲得に係ります税制改正といたしまして、私立大学が行います受託研究、これは企業などから受けます研究のことでございますが、これに係ります法人税の非課税措置の拡充、平成二十九年度から始まっておりますが、こういうことに取り組んできたところでございます。  文部科学省といたしましては、今後とも、大学の運営基盤強化に必要な予算の確保に努めますとともに、各大学の外部資金獲得に向けまして、関係団体の要望も踏まえつつ、必要な税制改正等を検討してまいりたいと考えております。
  47. 吉田統彦

    ○吉田委員 そうですね、副大臣、いろいろやっていただいているんですよね。  やっていただいているのは承知しているんですけれども、じゃ何で寄附が、副大臣、ふえないんですか。そこをちょっとはっきりとお答えください。副大臣、お願いします。
  48. 永岡桂子

    ○永岡副大臣 これは、御質問いただいて、通告はいただいておりませんが、私の個人的な私見といたしまして、やはり日本という国内に寄附の文化、土壌ができていないのかなというふうにも考えております。
  49. 吉田統彦

    ○吉田委員 副大臣、通告いただいていないとおっしゃいましたが、一応それも言ってあります。なぜ、課題として何があるのかということは言ってありますので、もうちょっと、また今後しっかりと御答弁いただければと思います。  では、また大臣、副大臣、今回、所信表明演説で、若手研究者の活躍促進などの科学技術イノベーション基盤の強化について述べられましたね。これは、あらゆる分野において、研究者は、若手、中堅、ベテラン問わず、研究費は潤沢じゃありません。科研費も非常に不足しています。その中で、学会費、学会登録費、旅費などは、多くは自己負担を強いられています。果たして、彼らの給与や報酬がそれに見合うほど十分かと問われたら、それは否であります。  研究者にとって、国内外で研究成果の報告、研究進捗の情報交換など、多くの目的で参加するものであって、学会は、このような費用は研究の上でも必要不可欠なものであります。しかし、一方で、こういった負担が重くのしかかっている事実もあります。加えて、これらの支出に対して税制上の優遇などがなく、もちろん、例えば特別控除の対象等にもなっていないわけであります。  このままでは、特に若い研究者の活動を狭めてしまうのではないかと私も危惧しております。実際、若手研究者の多くは、特に海外の学会、理由は参加費が高いとか旅費の負担などで、避ける傾向が顕著になっています。  こういった諸経費に関して何らかの優遇措置を今すぐとるべきだと考えますが、いかがでしょうか。
  50. うえの賢一郎

    ○うえの副大臣 お答えいたします。  今御指摘の点でございます。大変重要な点だと思いますが、税制上の課題で申し上げますと、所得税の、例えば特定支出控除をどうするかというような議論があろうかと思います。これにつきましては、勤務との関連性が強い支出といたしまして、通勤費、転居費、あるいは研修費などに対象を限定をしているところでございます。  これは、特定支出控除が、給与所得者の経費の算入につきましては、給与所得控除によるいわゆる勤務費用の概算控除にかえて実額の経費を勘案する、そういった仕組みとなっているわけでありますが、今御指摘のありました学会の関連の経費ですが、この費用が、例えば会社員の通勤費と同じように扱えるか、考えられるかといいますと、なかなか所得を得るために直接必要となる経費ということにはならないのではないかなというふうに考えますが、いずれにいたしましても、実態等をよく見きわめて、必要な対応等について検討すべきだと、慎重な検討をすべきだというふうに考えています。
  51. 吉田統彦

    ○吉田委員 慎重でなく、ぜひ前向きな対応。  直接関係ないとおっしゃいましたけれども、研究者というのは、研究して飯を食っているわけですよ。だから、学会活動というのは仕事と完全にリンクしているわけであって、今の御答弁はちょっとおかしいし、これ、全国の研究者、今の答弁、副大臣の答弁を聞くとがっかりするし、何だ、俺たちは、じゃ、研究するのは仕事じゃないのか、それなのに研究者をやっているのかとなりますが、副大臣、本当にそれで大丈夫ですか。
  52. うえの賢一郎

    ○うえの副大臣 今し方申し上げましたのは、税の仕組みとして、所得の稼得に直接関係をするものに今限定をしているというふうに申し上げましたので、税制上の問題としてはそういった課題があるということでございます。
  53. 吉田統彦

    ○吉田委員 ちょっとわかりにくいですね。  そこを、今後、本当に関係あるかどうかというのは、じゃ、どういうふうに決めていくんですか。この研究者の今私が申し上げた諸経費に関して、実際の勤務、そして所得を得るための仕事と強く関係するかどうかというのは、誰がどのようにこの後決めていくんですか。
  54. うえの賢一郎

    ○うえの副大臣 その点に関しましては、もし関係省庁からそういった御要請があれば、我々の方としても、十分実態に即し検討していくという形になろうかと思いますが、いずれにいたしましても、この課題につきましては、これまでも国会等で十分議論があったことでありますので、そうしたことも踏まえて、我々としては慎重に検討したいと思います。
  55. 吉田統彦

    ○吉田委員 ありがとうございます。  では、次の話に移ります。  朝日新聞デジタルの四月十日の記事に、日本仏教の研究者の記事が出ていました。この方は、二〇〇四年に博士号、二〇〇五年に月四十五万の奨励金が支給される日本学術会議の特別研究員に選ばれました。二〇〇九年度には若手研究者が対象の賞を相次いで受賞、非常に高い成果を上げていると評価されるほどすぐれた研究者であったそうです。  しかし、特別研究員の任期は三年、その後は経済的に困窮し、非常勤講師、アルバイトで研究費を賄ったそうであります。自腹ですかね。そして、研究職につこうと二十以上の大学に応募したものの、なかなか採用されず、結果、悲しい結末を迎えたそうであります。  このような話は、九〇年代に政府が進めた大学院生の急増や、科研費の競争資金の導入などによって任期つき研究員が増加したことも関係があるのではないかと思います。このポスドク問題は、今後、研究者を志す若い学生に不安を与え、研究開発にマイナスの影響を与えかねないかなと危惧をしております。  そもそも、私が問いたいのは、研究者のポストの数も給与も十分じゃないと思うんですね。そういった中で、大臣はこういった所信表明を出されたわけでありますが、研究者のポストの数、給与、そして、今るる申し上げた体系に大きな問題があると私は考えますが、ここに関して政府の御所見を伺います。
  56. 平井卓也

    ○平井国務大臣 私も、この若手教員のポストとか待遇とか、何とかしたいと思っているんですね。  そして、今回、文部科学省などと、国立大学における人事給与マネジメントを進めていくということで、私は最近、役人から、経由で話を聞くのではなくて、直接現場の意見を聞くというふうにしないと情報にバイアスがかかっちゃうので、そういう意味で、今できるだけ多くの方々、研究者の方々のお話を聞かせていただいているところであります。  その中で、日本というのはやはりすばらしい研究者がたくさんあるし、日本はこれからその潜在力を開放すれば海外に伍していけるというふうに思うので、お金の問題やポストの問題は、これからそういう若手が前向きに進められるように支援をしていけるシステムを考えたいと思います。
  57. 吉田統彦

    ○吉田委員 大臣、ありがとうございます、非常にいい御答弁をいただきまして。  本当に現場の声は大事だと思います。そして、大臣、文系も理系もかなり違うんですよね、置かれた立場。そして、理系の中でも、医療関係の学者とほかはまた違ってくる。まさに現場の声を聞いていただかないとわからないことばっかりですので、大臣、ぜひそれをしっかりやっていただきたい。大変いい御答弁をいただきました。ありがとうございます。  では、次の質問に移ります。  大臣は原子力政策を述べられましたですね。同じ原子力でも、臨界点を超えると制御不能になる核分裂を利用した技術は、東日本大震災においても、あのまがまがしい結果をもたらしました。いまだ制御できていない福島第一原発の例を見ても、危険であり、今すぐやめるべきです。  しかしながら、それに比して、次世代のエネルギー政策として夢の技術である核融合は、地球に太陽をつくる壮挙である。分裂炉のような大規模な核分裂の連鎖反応によるメルトダウンの危険性は存在しません。核融合の前提となるプラズマ状態は、プラズマが炉壁に直接触れただけで不純物がまじったプラズマは冷えてしまい、融合反応はとまる、比較的安全な技術だと言えます。  現在、実用化が目指されている核融合は、トカマク型であります。プラズマ状態の重水素とトリチウムを反応させて、ヘリウムと中性子とエネルギーを生み出すタイプであります。  現在、フランスのカダラッシュで、日本、欧州連合、ロシア、米国、中国、韓国、インドの七カ国が総建設費二兆三千億円を費用負担し、進められているITER計画、これは、当初、二〇一九年から二〇二〇年にはファーストプラズマと言われていましたね。副大臣、御存じだと思います。二〇二七年には五十万キロワット級のエネルギー出力を得られる核融合反応を行う予定でありましたが、おくれが出ていますね、副大臣。  こういった核融合技術に関しての御存念を中心に問いたいのは、原型炉ですね、次世代の。また、次世代の発電能力を持つ次世代炉、商業炉を日本に誘致していくおつもりがあるのかを含めて、御所見をお伺いします。
  58. 永岡桂子

    ○永岡副大臣 本当に御質問ありがとうございます。  先生、大変興味を示していただいておりますITER計画、核融合エネルギーの実用化に向けまして、このITER計画等への参画を通じまして、科学的、技術的実現性を確認した上で、技術的な実証、経済的実現性を検証するための原型炉への移行判断を行いまして、研究開発を進めていく必要があります。先生、おっしゃってくださって本当にありがとうございます。  文部科学省といたしましては、科学技術・学術審議会に置いてあります核融合科学技術委員会が取りまとめました核融合原型炉開発の推進に向けてでございますが、あともう一つ、原型炉の研究開発ロードマップ等の報告書を踏まえまして、原型炉に必要な技術開発の進捗を定期的にチェックをし、レビューをしつつ着実に研究開発を進めてまいりたいと考えております。
  59. 吉田統彦

    ○吉田委員 副大臣、ありがとうございます。  二点、課題についてかなりきのうレクさせて、お話しさせていただいて、課題について二点、副大臣、教えてください。  先ほど指摘したように、ITER計画自体が、二〇二五年の運転開始、これがいわゆるファーストプラズマですよね、副大臣。二〇三五年十二月核融合運転開始と、現時点でも大幅におくれが出ていますね。ここをどう考えますか。
  60. 永岡桂子

    ○永岡副大臣 先生もおっしゃいますとおり、なかなか計画どおりには事が進んでおりません。これは現実でございます。  その中で、我が国では、ITER計画の幅広いアプローチ活動なども踏まえまして、研究開発を推進をしております。  具体的には、一番大変なものが、ITER計画におけます超電導トロイダル磁場コイルなどの重要機器の調達になります。これは、将来の原型炉の実現を目指しました産官学が結集する研究開発などでございます。  この超電導コイル作成に必要な大型構造物の超精密加工技術など、これまでに経験したことがない高度な機器の製作技術の確立などが課題となっておりますので、そういうことの実現に向けまして、産業界とも一生懸命連携をいたしまして、克服に努めてまいりたいと考えております。
  61. 吉田統彦

    ○吉田委員 今の関連ですが、副大臣、予算、大丈夫ですか、膨らんじゃうんじゃないですか。ちょっと、そこを答えられないんだったら先にもう一問行きますので、そこを後ろに考えておいていただいて。  もう一つ、副大臣、将来、商業炉をつくるときに、技術的な懸念点として、核融合反応で生じる中性子の高エネルギーな中性子エネルギー、ここが製造された時点から炉に傷害を与えていくわけです。猛烈な中性子のエネルギーが、その包み込む商業動力炉の炉壁にダメージを与えていくわけですよ。  これに関して、これも課題としてしっかりきのう言っておいたんですが、これ、可能ならどうやって実現するかを、今、国際核融合材料照射施設、IFMIFにおいて開発が進められていると聞いておりますが、この点はどういうふうに考えて、ここがかなり大事なポイントになると思うんですね、実現に向けて。  予算の点とこの点をお答えください。
  62. 永岡桂子

    ○永岡副大臣 大変お待たせいたしました。  核融合炉材料研究のために必要な核融合中性子源の実現に向けまして、IFMIF、これは原型加速器ですね、につきましても、国際約束となっておりますので、これはしっかりと予算もついているということでございます。  以上です。
  63. 吉田統彦

    ○吉田委員 ちょっと通告の仕方が、課題、いろいろな巷間言われている課題という言い方をしてあったので、ごめんなさい、細かく何点か言ったんですが、ちょっと今のは難しかったかもしれませんけれども、ぜひ、副大臣、こういった課題を認識して、いい御答弁いただいていますので、予算も心配をしているだけなので、しっかりと確保してやっていっていただければいいという思いで申し上げたので、決して文句を言っているわけではないので、よろしくお願いします。  それと、ちょっともう時間が迫ってまいりましたので、ぜひ本当に、安全な核融合、核分裂とは違ってメルトダウンは起こりませんから。核融合、これは将来的に、商業炉をつくるにせよ、グローバルな商業炉になる可能性が高いんじゃないかと思うんですよ。世界にどこか一個商業炉をつくって、そこから、送電線もこれからどんどん改善されますから、そこを伝って世界じゅうにエネルギーを供給する。エネルギー問題による戦争状態、そういったものを解消していく可能性もありますので、そういった意味で非常に大きな期待がグローバルにあるところでございますので、頑張っていただきたい。  大臣に余り御答弁をいただいていないので、少し問題を飛ばしまして、大臣が御答弁いただけると聞いておりますこの質問をやりたいと思います。  文科省の科研費は、民主党政権時代に基金化をされました。無駄がなくなって、非常に極めて使い勝手が、副大臣、よくなりましたね。あれは本当にいい政策だったと思います。文科省の基金化、あれは本当に、予算のあり方に関しても大穴をあける非常にすばらしい政策だったと思っています。  しかし、残念ながら、AMED関連予算、関連研究費とか、経産省、農水省、さまざまな省庁の采配する科研費、研究費というのはいまだ基金化されていないんです。だから、年度末に無駄なものを買ったり、今は減ったでしょうけれども、プール金として預ける、これは不正です、はっきり言って。こういったことがなされている現実があるので、もういっそのこと、これは大臣、ああいったすばらしい所信表明をやっていただけるんだったら、全ての研究費、科研費を基金化して使い勝手をよくして、特に若手研究者に使い勝手をよくして応援してあげる、こういったことが大事だと思うんですが、大臣、いかがですか。
  64. 平井卓也

    ○平井国務大臣 国の予算については、会計年度の原則で単年度執行となっていますが、第五期科学技術基本計画においても、「研究の進展に合わせた切れ目ない支援が可能となるような制度間の接続の円滑化並びに複数年にわたる研究実施の円滑化に向けた検討を行い、必要な措置を講ずる。」とされているところであります。  そして、先ほどお話がありました科研費の一部、平成二十三年度から、FIRSTが二十一年から二十五年、ImPACTが二十六年から三十年度については基金を組成して、複数年にわたる円滑な研究開発実施を可能にした。  また、昨年の臨時国会で、議員にも御協力いただいた、議員立法の科学技術・イノベーション活性化法によって、実はいろいろとこれから基金が積んで進められる。ムーンショットもまさにそうなんですね。  そういう意味では、研究成果の最大化に資するように、これからもいろいろな措置を講じていきたいと思っております。
  65. 吉田統彦

    ○吉田委員 大臣、引き続きよろしく、何とぞお願いします。  これは本当に、研究者にとって、予算を積み増さずに勇気づけられ応援できる制度ですので、やっていただきたい。  最後、もう時間がないので最後になります。簡潔にいきたいと思います。  大臣はまた、持続的成長、地球的規模課題といった重要課題の解決に向けた取組等の推進とおっしゃっていました。  核融合みたいな夢の技術も大事なんですが、原子力発電の再稼働をとめて、依存度を一刻も早く減らしていきたい。原発ゼロ社会というものを将来実現するためには、核融合、風力、潮流、太陽光、そういったものに加えて、摩耗の少ない電線の開発とか、そういったグローバルにエネルギー問題を解決することをやはり目指していかなければなりません。  その中で、日本もやはり火力発電にある一定程度頼らなければいけないわけですが、炭化水素が日本は圧倒的に足りないわけですよね。光合成をするボツリオコッカス・ブラウニーとか、光合成をせずに有機物を吸収して反応するオーランチオキトリウム、これは両方とも炭化水素を生み出します。また同様に、炭化水素混合物である軽油系類似物質を生み出すシュードコリシスティスとかも実用に向けて、民主党政権のときにしっかりと予算措置をしたんですが、その後、国民の期待とは裏腹に、文科省とか農水省の予算というのは時限的になくなってしまって、経産省のみが継続的に予算措置をしている現実があるんですね。  これは本当に、やはり政権がかわってもしっかりとやっていった方が、日本国発の日本国のイノベーションですし、ぜひこれは平井大臣にリーダーシップをとってやっていただきたい。これは最後の質問にさせていただきますが、大臣、どうでしょう。
  66. 古本伸一郎

    ○古本委員長 申合せの時間が来ていますので、短目にお願いします。
  67. 平井卓也

    ○平井国務大臣 今、エネ庁の方で、バイオ燃焼の生産システム構築のための技術開発事業等において、実用化に向けて、コスト面の課題等を克服して研究開発を推進しようということを承知しています。  我々もやはり必要なことだと思っておりますので、応援できる体制を検討していきたいと思います。
  68. 吉田統彦

    ○吉田委員 ありがとうございました。終わります。
  69. 古本伸一郎

    ○古本委員長 次に、青山大人君。
  70. 青山大人

    ○青山(大)委員 国民民主党の青山大人です。  きょうは、我々国民民主党は、私と浅野君で、二人とも茨城県選出の新人議員同士でございます。  私の地元つくば市は、いろいろな研究機関がたくさんございます。ちょうど四月の十五日から二十一日の間が科学技術週間ということで、そういった科学技術週間の前にこの科学技術・イノベーション推進特別委員会で質問させてもらうことを本当に大変光栄に感じております。  この科学技術週間、よく見ますと、ことしで六十回目ということですけれども、最初は昭和三十五年ということですと、なかなか余り、広く一般の国民の皆様にはまだまだ周知が足りないのかなと私も感じております。  これは質問ではありませんけれども、大臣、こういったことし六十回目を迎える週間、うちの方、つくば市は、当然、そういった研究施設がたくさんあるので、開放したりとか、子供たちから大人たちまでそういったもので触れ合う機会が多いんですけれども、ぜひ、広く一般に周知広報してほしいなと。これはまず冒頭、要望をさせていただきます。  まさに、つくば市にある研究機関の中で、つくば市小野崎というところに国立環境研究所というのがございます。この国立環境研究所とJAXAと環境省の方で、地球の温室効果ガスをはかる専用の重要な衛星である「いぶき」が、JAXAそして環境省の方と国立環境研究所で、共同で運用、研究開発されているという中で、御承知のように、昨年の十月に「いぶき」の新しい二号が打ち上げに成功したとのことでございます。  二〇〇九年に打ち上げられた初代「いぶき」一号の後継であり、地球温暖化の原因である二酸化炭素排出量を世界最高の精度で観測し、地球温暖化対策の国際的枠組み、パリ協定の目標達成に大きく貢献する役割を担うものというふうにも聞いております。  繰り返しますが、日本は、「いぶき」一号、約十年前に世界最初の温室ガスを観測する本格的な衛星を打ち上げたわけであり、この十年間、こうやって継続して観測しているのは日本だけであるとも聞いております。この分野、地球温暖化ガスの観測について、日本が今後も世界をリードしていくために政府としてどういった取組を行っていくのか、まずは総論をお伺いいたします。
  71. 城内実

    ○城内副大臣 お答えいたします。  「いぶき」シリーズは、青山先生御指摘のとおり、環境省が国立環境研究所、まさに茨城にございますけれども、それと、宇宙航空研究開発機構、いわゆるJAXAと共同で運用、実施しているものでございます。二〇〇九年に、委員御指摘のとおり、世界初の温室効果ガス観測専用衛星として「いぶき」一号機が打ち上げられました。そして、十年たった現在でも観測を継続しているところであります。  この十年間、主な温室効果ガスであります二酸化炭素及びメタンの地球全体の濃度分布を継続的に観測し続けており、これは世界で最も長期間の観測となります。さらに、観測データの利用者からは、各国の衛星の観測データと比較して高精度であると評価されており、「いぶき」の観測データは世界じゅうの研究者に非常に広く利用されているところであります。  引き続き、委員御指摘のとおり、世界をリードするために、昨年十月に後継機として、観測精度を更に向上させました「いぶき」二号を打ち上げまして、ことし二月から定常的な観測を開始し、五年間の継続観測を目指しているところでございます。特に、「いぶき」二号は一酸化炭素を観測することができるようになりまして、その結果、人為起源の温室効果ガスの排出源を特定することが新たにできたわけでございます。  いずれにしましても、これらの取組によりまして、青山委員御指摘のとおり、引き続き、温室効果ガス観測衛星の分野で、しっかりと世界の中で日本がリードしていきたいというふうに考えております。
  72. 青山大人

    ○青山(大)委員 昨年十二月にポーランドで開かれた第二十四回の国連気候変動枠組み条約締結会議、この中で、各国の温室効果ガスの排出の削減についての情報公開をするなど、各国のルールの大枠が採択されたということでございます。これはもう大変意義が大きいと思うんですけれども。  とはいっても、じゃ、各国が排出を削減、このぐらい達成しましたよと言っても、その二酸化炭素の排出量の計測の方法が各国ばらばらの基準であっては、それを客観的に評価できないわけでございます。  そういった客観的な評価をするためにも、国際的な標準化、そういった基準の尺度をつくるべきだと思いますし、そういった中で、まさにこの日本が積極的にそういったものをつくっていくべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
  73. 城内実

    ○城内副大臣 お答えいたします。  二〇〇九年の「いぶき」打ち上げ以降、アメリカ、中国、そして欧州が温室効果ガスを観測する衛星を打ち上げております。  温室効果ガスを観測するセンサーの特性は確かに各国ごとに異なるため、各衛星から得られたデータの標準化の取組を進めることが、委員御指摘のとおり、非常に重要であります。  具体的には、国立環境研究所と宇宙航空研究開発機構、JAXA、これらが、米国NASAを始めとして、欧州、フランス、ドイツの各宇宙機関と協定を締結しておりまして、各衛星データの比較検証などを行っているところでございます。  こうした比較検証を通じまして、それぞれのセンサーの特性の分析やデータの補正を行うことで、青山委員御指摘のとおり、我が国がしっかりと中心となって、国際的な観測データの標準化を進めてまいる所存でございます。
  74. 青山大人

    ○青山(大)委員 力強い御答弁、ありがとうございました。  ぜひ日本がリードしてやっていってほしいなという中で、「いぶき」一号、衛星の寿命が約五年と言われていますが、今も飛んでいる状況でございます。「いぶき」二号も、寿命を一応五年という設計というふうに聞いていますけれども、公表されています宇宙開発計画を見ていますと、今度、二〇二三年度に「いぶき」三号機も打ち上げることを目指すというふうに明記されていますけれども、その「いぶき」三号の現在の進捗状況。  そして、先ほど副大臣の方から「いぶき」一号と二号の違いを御答弁いただきましたけれども、じゃ、逆に、この「いぶき」三号は、これまでの一号や二号と比べてどういった部分が進化して、バージョンアップされているんでしょうか。これは参考人でも結構ですので、御答弁をお願いいたします。
  75. 和田篤也

    和田政府参考人 お答えいたします。  「いぶき」シリーズによります継続的な観測の実施のため、環境省は、文部科学省とともに、今委員御指摘ございました三号機につきまして検討しているところでございます。宇宙基本計画にのっとりまして、昨年度、平成三十年度より、三号機の観測センサーの設計に着手したところでございます。  あわせて、三号機についてのいわゆる特性、一号機、二号機よりどういう点がさらなる強化点かというところでございますが、一号から二号への変遷につきましては、いわゆる人為起源の温室効果ガスを把握できるといったところが二号機のバージョンアップの点でございましたけれども、三号機につきましては、更にその人為起源の温室効果ガスの測定についてより精度を上げるという点が非常に大きな効果を上げる、こういうふうに考えている点でございます。
  76. 青山大人

    ○青山(大)委員 ありがとうございます。  三号機ができると、じゃ、また四号機、五号機となっていくんですけれども、もちろん、四号機、五号機とどんどんどんどん開発もすることも当然大切ですし、そういったある程度の計画ももちろん立ててほしいんですけれども。  ただ、ずっとこのまま、日本が単独である意味地球全体のそういう貢献を担っていくのも大切だと思うんですけれども、場合によっては、先ほども副大臣の方から、アメリカや中国なんかもどんどん後続して打ち上げているわけですし、そういった、日本単独じゃなくて、「いぶき」を中心に、あくまでも、さっき副大臣がおっしゃったように、国際的な標準の規格、そういった尺度をつくった後の話ですけれども、各国との、お互い分担したりとか連携したりすることも今後はやろうというようなお考えもあるんでしょうか。
  77. 和田篤也

    ○和田政府参考人 お答え申し上げます。  パリ協定に基づきまして、各国による削減努力の効果をはかるためにも、各国と協調しつつ、衛星による観測を続けていくことが重要と考えているところでございます。  この分野の先駆者として、今後も日本が中心となりまして、各国の宇宙機関との協定も活用しつつ、各国とのデータの共有、検証を通じました全球観測体制の確保や委員御指摘の役割分担のあり方などにつきまして、将来的な連携方法について各国と意見交換を進めてまいる所存でございます。
  78. 青山大人

    ○青山(大)委員 ありがとうございます。  これまでのそういったデータの話ですけれども、じゃあ、そういった幾ら精密な客観的なデータがそろったところで、実際、温室効果削減ということで、世界規模、地球全体で各国共通して温暖化対策に取り組んでいかなければいけないわけでございます。  そういった中、来月、五月に京都で国連の気候変動に関する政府間パネル、IPCCの第四十九回の総会が開催されるというふうに聞いております。温室効果ガスの排出量の算定や計上に関する衛星観測データを利活用するためのガイドラインの改定が行われる見通しとも聞いております。政府として総会にどのように臨むのか、お伺いいたします。
  79. 和田篤也

    ○和田政府参考人 お答え申し上げます。  委員言及のございました来月京都で開催されますIPCC第四十九回総会では、各国が温室効果ガス排出・吸収量を算定する際に用います共通のガイドラインにつきまして、最新の科学的知見を踏まえた改良が議論される予定でございます。  二〇〇六年に策定されました現行のガイドラインでは、観測データの活用について若干の記載はございますけれども、衛星を用いた観測データの活用については言及がございません。今回の改良におきましては、二〇〇九年に打ち上げた「いぶき」の実績を始めとする衛星を用いた観測データの活用を含め、記載が充実されるよう科学的な議論に貢献してまいりたいと考えております。
  80. 青山大人

    ○青山(大)委員 頑張ってほしいと思います。  これまで「いぶき」の話をしてきました。本当に当然、日本のみじゃなくて世界的にも、地球規模で考えても、「いぶき」の重要性というのはみんな認識していると思うんですけれども。  じゃあ、その「いぶき」を支えている、冒頭言いましたように、これは環境省さん、JAXAさん、そしてつくば市にある国立環境研究所で行っているわけですけれども、「いぶき」を支えている国立環境研究所では、研究系の働いている方たちを見ると、正規雇用と非正規雇用、五年契約の非正規雇用の職員の数、正規雇用の方が四に対して五年契約の非正規雇用の方が三、四対三の割合でございます。  非正規雇用の研究者の方に現場が支えられているというのも事実でございます。当然、地球温暖化対策、短期では結果が出ない研究分野であることは言うまでもありません。しっかり予算を確保して、現場を支えている研究系の人材の処遇改善もしっかりすべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  81. 和田篤也

    ○和田政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、国立環境研究所におきましては、研究を推進する上で非正規雇用の職員の担う役割は重要でございまして、現場を支える研究系人材への必要な処遇の確保は重要であると認識しているところでございます。  働き方改革関連法の施行などを踏まえまして、各種研究プログラムがより一層円滑かつ効果的に進められるよう、研究系人材の処遇改善に関しましても、国立環境研究所の取組をしっかりと支援してまいりたいと考えております。
  82. 青山大人

    ○青山(大)委員 済みません。処遇改善と言っちゃったのでそっちに行っちゃいましたけれども、端的に言うと、五年間の非正規の研究者の方たちじゃなくて、できればもっと彼らもどんどん正規にしてあげて、やはり安心した研究をできるように、しっかりやってほしいということでございます。  さらに、国立環境研究所の施設自体の老朽化、これも問題になっています。  一月には、環境大臣以下政務三役も現地の方に行かれたというふうに伺っております。まさに環境分野において世界をリードしていく、日本にふさわしい研究環境をハード面から整備すべきと当然考えます。施設の老朽化対策についてしっかり取り組むべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
  83. 城内実

    ○城内副大臣 青山委員御指摘のとおり、つくばの国立環境研究所は昭和四十九年に発足しておりまして、現在、築四十五年近くでありまして、特に国立研究機関の中でも比較的初期に建設されたため、老朽化が御指摘のとおり進んでいる施設もございます。例えば、国立環境研究所の共同溝、これはエネルギーセンターから各施設へ供給されている各種エネルギーの配管使用施設なんですが、コンクリートの中の鉄筋が腐食が進んでおりまして、その結果、コンクリートに切れ目が、爆裂が生じておりまして崩落の危険性がありまして、また、配管破損によるエネルギー供給が停止されるというようなことが懸念されているところでございます。  環境省といたしましては、こうした状況を踏まえまして、国立環境研究所の適切な老朽化対策に努めてまいりたいというふうに考えております。
  84. 青山大人

    ○青山(大)委員 副大臣、どうしても、研究の方ももちろんお金がかかるんですけれども、やはりそこを支える施設の方が大事ですので、財政当局の方としっかり、まさにつくばの国立環境研究所もそうですけれども、これは環境省の管轄じゃないんですけれども、農研機構ですとか森林総研なんかも、やはり結構、大臣、済みません、質問じゃないんですけれども、筑波学園都市ができて大分たっているんですよね。  もう四十年近くたっていまして、本当に何もないところに国が莫大な投資してそういった研究機関をつくってもらって、多分そろそろ更新の時期が来ているんですよね。大臣もぜひ、まさに日本の最先端の技術をやっているそういった研究機関、その施設とか老朽化対策、ぜひ大臣も財政当局としっかり闘ってほしいな、これは要望にとどめさせてもらいます。ぜひよろしくお願いいたします。  「いぶき」の話は終わりにしまして、残り、時間がないんですけれども、まず一点目。  まさにつくばで国際戦略総合特区、これは二〇一一年に指定されておりまして、本当に、次世代のがん治療法、BNCTの技術ですとか、藻類バイオマスエネルギーの実用化など、いろいろな研究結果、実用化もできていますけれども、つくば国際戦略総合特区について、政府として、今の取組状況ですとか支援状況、また課題等ございましたら、お答えください。お願いいたします。
  85. 古本伸一郎

    ○古本委員長 申合せの時間が来ていますので、簡潔にお願いします。
  86. 中原淳

    ○中原政府参考人 お答え申し上げます。  つくば国際戦略総合特区においては、例えば、財政支援については、酸味を甘味に感じさせるたんぱく質、ミラクリンを多く含むトマトの開発及びミラクリンを安定的かつ高効率で精製する技術の確立を支援するため、平成二十九年度に推進調整費一・四億円を措置しております。  また、規制の特例措置について、遺伝子組み換え生物等を国内で使用等する場合、生物多様性への影響評価のための研究開発段階の承認申請と産業利用段階の承認申請を一回で実施するようにという提案を、二十九年度に向け、国と地方の協議の結果、提案内容のとおり、現行制度で対応するように実施したところでございます。  今後とも、つくば国際戦略総合特区の構想の実現に向けて、関係省庁と連携しながら、着実に支援を行ってまいりたいと思います。
  87. 青山大人

    ○青山(大)委員 ぜひ、これからも引き続きよろしくお願いします。  以上で質問を終わりにします。ありがとうございました。
  88. 古本伸一郎

    ○古本委員長 次に、浅野哲君。
  89. 浅野哲

    ○浅野委員 国民民主党、浅野哲でございます。  本日、約二十分弱になりますけれども、質問をさせていただきます。  まず最初に、通告はできていないんですけれども、大臣に一言だけ御所見をいただきたいことがございます。  昨夜十時から世界的に一斉に、ブラックホールの初観測に成功したという大変すばらしいニュースがありました。地球からかなり遠い、五千五百万光年先にあるM87という銀河の中心にあるブラックホール、この観測に成功したということなんですけれども。本当に長い間、日本の研究者を含む世界じゅうの研究者がこの研究に取り組んで、一般相対性理論、アインシュタイン博士が百年前に実証した、百年たったことし初めて観測されたということで、大変歴史的なイベントだったというふうに思っています。  直接の管轄ではないかもしれないんですけれども、日本の科学技術を振興する若手研究者、そして、これから、宇宙政策も担当されております、ここで培ったデータ解析技術等は今後のビッグデータ解析技術等にも転用ができるということなので、ぜひ、こうした研究者に一言、激励の意味も含めて、御所見をいただきたいと思います。
  90. 平井卓也

    ○平井国務大臣 日本の国立天文台を含む国際研究グループが、世界の八つの電波望遠鏡を用いて巨大ブラックホールとその影の存在を初めて画像で直接証明したということは、もうこれは画期的なことだと思います。  我が国の研究者も重要な役割を果たしたと聞いておりまして、まことに喜ばしいというふうに思いますし、天文学、宇宙物理学などの研究分野のさらなる発展につなげていってほしい、そのように思います。
  91. 浅野哲

    ○浅野委員 ありがとうございます。ぜひ、政府、そして国会全体で、日本の科学技術の振興、若手の育成、取り組んでいきたいと思います。  早速質問に入りたいと思いますが、本日一問目は、アバターというロボットですね。自分の分身となるようなロボットの技術を駆使して、障害をお持ちの方々が就労するような試みを昨年行ったという事案についてちょっと確認をさせていただきたいと思いますが、まず冒頭、この概要について簡単に説明をいただけますでしょうか。
  92. 吉田博史

    ○吉田政府参考人 お答えいたします。  経済産業省では、平成二十九年度まで、独立行政法人情報処理推進機構を通じまして、IoTを活用して先進的な技術やアイデア等を有する企業が実施するプロジェクトの社会実装に向けた取組を支援する事業を行ってまいりました。  御指摘の事案は、オリィ研究所というところでございますけれども、平成二十八年十二月から二十九年九月まで支援を実施してございます。支援を行った事業は、体が不自由な方であっても、ロボットを通じて学んだり働いたりして社会に参加できるようにすることを目的とするものでございます。カメラとかマイク、あるいはスピーカーを内蔵して、アバターとおっしゃったロボットをインターネットに接続することで遠隔から操作ができる。障害者、体が不自由な方を含めまして、操作者の分身となるロボットということで、開発、実証を行ったものでございます。
  93. 浅野哲

    ○浅野委員 ありがとうございます。  本日私が配付した資料の一枚目に新聞記事を載せております。これを見ますと、IoT、IT技術、そしてロボティクス技術が、結果的に障害をお持ちの方の希望につながっている。これまで支えられてきた立場であった方たちが、社会に貢献できる可能性を感じて、そこに強い希望を抱いている、そんなことが読み取れます。  まさに、科学技術の力で、これから迎える少子高齢化、そして多様な方々が活躍できる社会の基盤をつくるという意味では、希望となる試みではなかったのかというふうに私は高く評価をしております。そういう意味では、きょう、本日最初の質疑の中で、大臣も、日本は高齢化、先進的な課題がある国で、社会実装が進めば、それが世界に先駆けた事例になる、そのような旨の発言をされておりました。私もまさにそう思うわけですけれども。  こうした最新技術を駆使して、これから高齢者の方々、そして障害をお持ちの方が活躍できる、そういった制度の整備あるいは取組について、今政府としてどんなものをやっているのか、少しお伺いをしたいと思います。     〔委員長退席、阿久津委員長代理着席〕
  94. 平井卓也

    ○平井国務大臣 先生のおっしゃるとおりで、高齢者、障害者が社会で活躍できないというような状況では、日本の未来はもうだめだというふうに思います。  そのために、ありとあらゆる政策を進めていきたいというふうに思うんですが、内閣府としては、ソサエティー五・〇の実現に向けて、きょう話題になっているSIP等を通じて、最新技術の活用によるイノベーションもこの分野でも起こしていきたいと思います。  農業従事者が高齢化、減少する中で、農機の自動運転による農業生産性の向上とか、中山間地域における自動運転による移動手段の確保、重介護ゼロ社会を目指したアシストスーツの開発など、社会課題の解決に向けた具体的な技術開発、社会実装に取り組んでいます。  AIに関しても、人間中心のAI社会原則というのを我々策定したところであり、その理念の一つとして、多様な背景を持つ人々が多様な幸せを追求できる社会、ダイバーシティーとインクルージョンを掲げました。高齢者、障害者などの多様な背景を有する人々が、それぞれのライフスタイルを実現しつつ社会に十分参加できるようになることが極めて重要であると考えているからであります。  内閣府としては、関係各省、産業界と連携して、高齢者、障害者の方々の活躍も含めて、人々が快適で活力に満ちた質の高い生活を送ることができるよう、そのような形のイノベーションの創出に今後とも取り組んでいきたいと考えています。     〔阿久津委員長代理退席、委員長着席〕
  95. 浅野哲

    ○浅野委員 ありがとうございます。  今御答弁の中で、農業の生産性向上ですとか自動運転、そしてアシストスーツや人工知能、こうした新しい技術をダイバーシティーとインクルージョンというキーワードでこれから社会実装していくということなんですが、まさに私はその方向性は間違っていないと思います。  ぜひ、この委員会等を通じて、日本国内におけるこういう技術開発、社会実装というのを加速していかなければいけないと思うんですが、そこで、ちょっと次の質問に行くんですけれども、その基礎となるやはり大学の研究開発力というのが非常に重要になってくると思います。  そこで、まず、国内大学の研究開発力が今国際社会の中でどのような現状にあるのか、そして、これを更に高めていくための方策について伺います。
  96. 中村裕之

    ○中村大臣政務官 お答え申し上げます。  世界の大学の評価については、多様にありますけれども、例えばタイムズ・ハイアー・エデュケーション誌の世界大学ランキング二〇一九では、世界二万校に及ぶ高等教育機関の中から千二百五十八校がランクインをしておりますけれども、その中に我が国の大学は百三校ランクインしておりまして、国別で申し上げますと、昨年、世界第三位であったものが第二位と、米国に次ぐ順位となりました。  また、日本で最高位となっている東京大学については、二〇一八年、四十六位だったものが四十二位へ、また、二位の京都大学については、七十四位から六十五位へと順位を上げているところであります。  一方、ランキングの各指標から、我が国の大学の主な課題として、論文引用数ですとか、留学生等の指標で構成される国際面の評価が低いことが挙げられておりまして、こうした大学のランキングにおける各指標を分析しながら、我が国の大学の国際的な評価を知り、改善する方向で進めていこうというふうに考えております。  以上でございます。
  97. 浅野哲

    ○浅野委員 ありがとうございました。  今御答弁いただいた内容に関係する資料を私の方でも準備をさせていただきまして、資料の三に今答弁いただいた内容の方は情報が記載されてございますが、今、東京大学については、昨年の四十六位から四十二位にことしランクアップして、上昇しているということでありました。  ただ、もう少し長い目で見ますと、二〇一五年は東京大学は二十六位だったんですね。一度順位が落ちて、それを巻き返そうと頑張っていただいて、ことしランクアップをしたということなんだろうと思いますけれども、ぜひ、この勢いを維持をしていかなければいけないと思います。  そして、次の質問なんですが、国立大学については、東京大学、京都大学、ランクアップをしているということで、ぜひ引き続き頑張っていただきたいんですが、きょうこれから議論したいのは、私立の大学についてであります。  資料の四の方をごらんいただくと、ちょうど一昨日掲載された新聞記事が載っておりますが、文部科学省が、私立大学の目玉研究に最長五年間支援を行う私立大学研究ブランディング事業を計画途中で打ち切ることを決めたというような報道がされております。  非常に私学界には大きなインパクトをもたらしているんですけれども、まずは、これが事実かどうかの確認をさせてください。
  98. 白間竜一郎

    ○白間政府参考人 お答え申し上げます。  今御指摘がございました私立大学研究ブランディング事業でございますけれども、これは、私立大学の機能強化を促進をするために、学長のリーダーシップのもとで、大学がみずから行う特色ある研究を基軸としながら全学的な特色を大きく打ち出す取組、これを行う私立大学に対しまして、私立大学等経常費補助金、経常費の補助金を一定額措置するというものでございまして、これは個別の研究に対する事業費として措置するものではございません。  これの支援期間についてのお尋ねでございますが、平成二十八年度、平成二十九年度にこの私立大学研究ブランディング事業に選定をされました大学に対する支援については、平成三十一年度の予算に盛り込むとともに、教育研究そのものの質の向上に対する支援を優先をするという考えのもとで、支援期間を平成三十一年度までとする見直しを行ったところでございます。
  99. 浅野哲

    ○浅野委員 非常にわかりやすい訳し方をすれば、事実であるということで理解をしてよいのかと思いますが、やはり、先ほど議論させていただいた中でも、日本国内の教育界の研究開発力を強化しなければいけないという問題意識は全員が共通するものだと思うんですね。  そうした中において、今回打切りを決めたということなんですが、きっかけは、ちょっと因果関係を裏どりはしていませんけれども、東京医科大学の贈収賄事件がきっかけとなっているような報道もされております。  こちらについて事実かどうか、きょうは議論しませんけれども、その以外の大学が、いわばとばっちりを受けたわけですね。なぜ我々の助成まで打ち切られなければいけないんだというような声が現場からたくさん上がっておりますし、この記事にもありますように、私立大学ブランディング事業委員会というのがございまして、支援の途中で短縮されてしまう、打ち切られてしまうことについては極めて遺憾だ、連帯責任をとらされるのは納得がいかないというような意見が多数出てございます。  こうしたことを受けて、今後、ちょっと更問いとなってしまいますが、代替措置といったもの、あるいは救済措置といったもの、これを文科省として検討していく予定であるかどうか、御答弁をお願いします。
  100. 白間竜一郎

    ○白間政府参考人 お答え申し上げます。  先ほどの御説明で申し上げましたとおり、私立大学研究ブランディング事業は、私立大学等経常費補助金を一定額措置をするというものでございます。  したがいまして、私どもとしましては、私立大学における質の高い教育研究を支援していくということ自体は大変重要なことと理解をしておりまして、このために、平成三十一年度の私立大学等経常費補助金についても、対前年度五億円増の総額三千百五十九億円を計上しているところでございまして、私どもとしては、引き続き、私立大学の教育研究の質の向上に向けて、私立大学経常費補助金の必要な予算の確保に努めてまいりたいと考えております。
  101. 浅野哲

    ○浅野委員 前年度五億円増ということなんですけれども、私も、事務方の方と事前に質問通告をした際に聞いたんですが、これはもともと年間五十億円の事業だったわけですよね。今回、打ち切るかわりに年間五億円増ということなので、金額だけ見れば十分の一になってしまうわけです。大学側からしてみたら、五年という比較的中期の事業であって、それに向けて現場では研究者を採用したり、さまざまな事業に合わせた現場の調整というのがされてまいりました。  こうしたことを考えれば、ある程度、政府が事業実施者でありますから、実施者の責任というのが多少あるのではないかなと思うんですね。しっかり、少なくとも納得できる説明をいただかないといけないというのと、あとは、やはり実施した以上は最後まで責任を持つという姿勢を具体的な形で示していかなければいけないと思うんですが、しっかり説明をするという点、あとは責任を果たしていくという点について、文科省の方からございましたら、よろしくお願いします。
  102. 白間竜一郎

    ○白間政府参考人 お答え申し上げます。  今ございました説明ということについては、私どももしっかりと本事業が短縮になる大学からの相談等に丁寧に御説明をしてまいらなければならない、このように考えております。  また、先ほど申し上げましたように、私立大学等経常費補助金という形で増額措置をするということでこれまで対応してきたものでございますので、私どもとしては、私立大学の質の高い教育研究を支援をするということ、この重要性をしっかりと認識をして、私立大学経常費補助金の確保に努めてまいりたいと考えております。
  103. 浅野哲

    ○浅野委員 そろそろ時間ですので、最後、意見を述べて終わりにしたいと思いますが、やはり、きょう最初に申し上げたように、文科省あるいは政府が拠出するさまざまな予算が、事業が、最終的には高齢者、障害者の希望につながったり、あるいは歴史的な科学の大進歩を生み出す、そういうところに出てくるわけですね。  ですので、今回、どういった経緯があって事業を打ち切られたのか、今後、引き続きしっかりと、実態解明というか、国民が納得する形で説明をしなければいけないと思いますし、予算とコンプライアンスの問題、これはしっかり守らなければいけないですけれども、社会に対して大きな変化をもたらし得る事業なんだということをしっかりと自覚をいただいた上で、ぜひ、私立大学、国立大学含めて、日本の国内の研究開発力の強化に向けて積極的な姿勢を今後示していただくことを最後にお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  104. 古本伸一郎

    ○古本委員長 次に、畑野君枝君。
  105. 畑野君枝

    ○畑野委員 日本共産党の畑野君枝です。  平井卓也大臣は、四月九日の所信で、第五期科学技術基本計画や統合イノベーション戦略に基づき、ソサエティー五・〇の実現に向けて、誰もが人工知能を使いこなすための教育改革を始め、大学改革、若手研究者の活躍促進などに取り組むと述べられました。  そこで伺いますが、ソサエティー五・〇の実現に向けて、なぜ大学改革や若手研究者の活躍促進が必要なのでしょうか。
  106. 平井卓也

    ○平井国務大臣 未来社会としての超スマート社会、すなわちソサエティー五・〇は、科学技術イノベーションの活動を通じて人間中心の社会を構築する壮大な構想ですが、その実現のためには、イノベーションエコシステムの中核となる大学の役割が極めて重要であり、そこで頑張っている若手研究者の活躍が必要だと考えたわけであります。  大学においては、民間資金等の獲得が少なく財源多様化が十分図られていない、創造力の発揮が期待されている若手研究者のポストや研究資金が十分に確保されていないことから、研究環境改善等の大学改革を推進するとともに、創造性豊かな若手研究者の活躍促進を図ることによってイノベーションエコシステムの構築を目指すとしたものであります。  ソサエティー五・〇というものが、これからだんだん具体的に、一体これは何なんだと、今は人によっては全然違うと思うんですが、それは要するに具体的な研究開発の成果を社会実装しながら共有していくものだというふうに思うので、どう考えても次の世代の研究者が担っていくものだというふうに思っています。
  107. 畑野君枝

    ○畑野委員 イノベーションエコシステムというふうにおっしゃられました。  日本経団連が二〇一八年二月二十日に「Society5.0の実現に向けたイノベーション・エコシステムの構築」という文書を発表されています。その中で、我が国の多くの企業はデータやAIの利活用について国際競争の中で明らかに周回おくれになっていると述べて、そのおくれを取り戻すための切り札としてソサエティー五・〇というコンセプトを掲げ、官民で連携して推進しているというふうにも述べているんです。  要するに、日本の大企業を官民挙げて支えて国際競争力をつけてもらおう、そのために、企業のシンクタンクとして都合よく使えるように大学を改革しようとしているのではないかというふうに私は思うんですね。  なぜかというと、統合イノベーション戦略は、日本経団連の「イノベーション・エコシステムの構築」という後に、二〇一八年六月十五日に出されました。そして、そこでは何と言っているかというと、大学改革の内容について具体的に言っています。大学改革によるイノベーションエコシステムの創出として、経営環境の改善、人材流動性、若手活躍、研究生産性の向上、ボーダーレスな挑戦などなど、研究生産性の向上では、二〇二〇年度までに総論文数をふやしつつ、総論文数に占めるトップ一〇%補正論文数の割合を一〇%以上にするという目標が掲げられているわけです。  伺いますけれども、二〇一八年版科学技術白書は、我が国の研究力に関する国際的な地位の低下の傾向がうかがえるとして、被引用数トップ一〇%補正論文数の国際シェアの減少を指摘しています。部門別の論文生産数で見ると、大学等部門、公的機関部門、企業部門、それぞれどのような傾向がありますか。
  108. 渡辺その子

    ○渡辺政府参考人 お答えいたします。  平成三十年版科学技術白書にも掲載しております科学研究のベンチマーキング二〇一七によりますと、我が国の各部門の平成二十六年のトップ一〇%補正論文数は、十年前の平成十六年と比較しまして、大学部門は三千二百十五件から三千四十八件に減少、これは五・二%減少でございます。公的研究機関部門は八百二十九件から七百九十九件に減少、三・六%の減少となっております。企業部門は三百五十四件から二百五件に減少でございまして、四二・一%の減少となっております。  したがいまして、各部門のトップ一〇%論文数の平成二十六年の割合を十年前の平成十六年と比較いたしますと、大学等部門の割合は七〇%からほぼ横ばいで七二%、公的機関部門の割合は一八%からほぼ横ばいで一九%、企業部門の割合は八%から減少し、五%となっております。  以上でございます。
  109. 畑野君枝

    ○畑野委員 今御説明いただきました点について資料を配付させていただきました。下の方のグラフですけれども、日本のトップ一〇%補正論文における各部門区分の割合ということで、緑色のところ、企業部門が減っているということが明らかになっております。  そこで、大臣に伺いますけれども、企業部門の論文生産数が減少している理由についてどのようにお考えになりますか。
  110. 平井卓也

    ○平井国務大臣 企業部門の論文生産数が減少していることは、近年減少傾向にある我が国の論文数の伸び悩みの一因であることはもう間違いないと思います。  これについては、企業の方々ともお話をさせていただいているんですが、日々厳しい競争環境にさらされているため、成果が出やすい開発研究の方へシフトしがちだ、みずからが基礎研究に注力するだけの余裕がないというようなことをおっしゃっていたと思います。  近年、企業と大学等の産学連携による共著論文は企業の論文数の三分の二を占めるということで、主に基礎研究分野での大学等との連携を深めています。  内閣府としては、関係省庁と連携して、大学等を中核としたイノベーションエコシステムの構築を図るとともに、共同研究を始めとする産学官連携のさらなる推進に取り組んでまいりたいと思います。
  111. 畑野君枝

    ○畑野委員 大企業は、一九八〇年代に、基礎研究や既存の技術や理論を最終製品に結びつけるための応用研究効果的な製造工程を構築するための生産技術研究などに取り組む基礎研究所や中央研究所の拡充や新設を行いました。  しかし、リーマン・ショック以降は選択と集中が進み、短期のリターンを求める外国人株主比率も高まったこともありまして、多くの企業は利益が上がる目先の研究開発を重視する方針に転換した。大臣もおっしゃったとおりだと思います。  企業基礎研究の投資を支えられなくなってオープンイノベーションが進んだことや、中央研究所の閉鎖、縮小、研究員のリストラが行われて、企業研究力の低下を招いている、こういう指摘もあるわけです。  そこで、大臣に伺いたいんですが、第五期科学技術基本計画や統合イノベーション戦略は、これまで企業部門で行われてきた基礎研究大学に肩がわりさせるために大学改革を行う、こういうものですか。
  112. 平井卓也

    ○平井国務大臣 そういうことではございません。  やはり時代も変わってきたので、企業、大学との連携とか一緒に共同研究するというようなことが非常にこれからふえていくと思いますし、日本の大企業も、もう自分たちでできない新しい野心的な取組はCVC等を使って資金を供給してやってもらうとか、試行錯誤しながら、要するに、自分たちの、はっきり言って大企業もビジネスモデルとしてはちょっと時代おくれになりつつあるんですね、そこを取り戻すことを試行錯誤しながら進めているんだと思います。  私は、やはりイノベーションの中核は大学がなるべきだというふうに思っておりまして、地方都市においても、大学を中心としたイノベーションエコシステムというのは地方創生にもつながる重要なポイントだと思っております。
  113. 畑野君枝

    ○畑野委員 しかし、日本経団連の先ほどの「イノベーション・エコシステムの構築」では、「成果が出るまでに長期間が必要な研究や、実用化までの道程が長い基礎研究については、企業が自らの経営資源のみで取り組むのは困難である。こうした分野は非連続的なイノベーションの種となることからも、オープンイノベーションのパートナーとして、知の源泉である大学や国立研究開発法人への期待は大きい。」とあからさまに言っているんですよ。  企業自身はお金も時間もかかるから基礎研究はやらない、しかし、イノベーションのシーズ、種は基礎研究にあるから、それを大学にやってもらおう、これは余りにも都合のいい話だと思いますよ。  しかも、政府の進める大学改革というのは、あなたたちの言うような基礎研究すら行い得ないような環境に大学を追い込んでいるんです。その最たるものが運営費交付金の再配分です。  今年度から導入される評価対象経費を、運営費交付金の一〇%に拡大するということなんですね。これは、昨年、二〇一八年十二月二十日の総合科学技術・イノベーション会議で安倍総理の一声で決められたものです。突然こんなことをおっしゃいました。  来年度から、国立大学の運営費交付金の約一割を対象に、若手研究者比率や民間資金の獲得状況など、客観的で比較可能な共通指標を中心に、改革の実績に応じた配分とすることで、経営改革に取り組む大学を支援する。突然の発表です。  これに対して、昨年十一月に国立大学協会が声明を発表いたしました。再配分の割合を拡大することは「国立大学の経営基盤を一層不安定で脆弱なものとするとともに、中長期的な戦略に基づく積極的な改革の取組を困難にするだけでなく、財政基盤の弱い大学の存在自体を危うくし、ひいては我が国の高等教育及び科学技術・学術研究の体制全体の衰弱化さらには崩壊をもたらしかねないものであって、国立大学協会としては強く反対せざるを得ない。」と厳しく批判をいたしました。  短期的な評価によって運営費交付金の配分が増減すれば、短期的な成果に結びつく研究にばかり研究内容が偏って、息の長い基礎研究には取り組みにくくなるわけです。こうしたことが、大臣がおっしゃるイノベーションを生み出すためだというような、研究の多様性や研究テーマを自由に選べるような環境を奪っていると言わなくてはなりません。  二〇一八年度版科学技術白書では、新しい研究領域を生み出すような挑戦的な研究、新たな研究テーマを見出すための探索的な研究が減少し、研究の多様性の確保という観点からは好ましくない変化が見られると指摘しています。  研究費を競争的資金化してきたことで基礎研究が後景に追いやられ、研究内容の多様性が奪われている。これで基礎研究が支えられるとお思いになりますか。
  114. 平井卓也

    ○平井国務大臣 今年度の予算では、科学技術関係予算を一〇%以上増加させて、平成七年の科学技術基本法制定以降最大規模の四兆二千億円余りを計上しました。研究力の向上等を目的とした大学改革や、科研費等の基礎研究費の若手研究者への大胆なシフト、また、今回、非連続的なイノベーションに向けて大胆な挑戦を行うムーンショット型研究開発制度の創設というようなことで、全体として科学技術イノベーションのさらなる推進に取り組んでいこうということであります。  今年度の国立大学運営交付金の配分等についての新たな共通指標についての御指摘ですが、それは、会計マネジメントや外部資金獲得実績など、教育研究を支える財務基盤の強化に関する指標、若手研究者比率や人事給与マネジメントなど、人材育成に関する指標、第三類型の大学についてのみ、試行的にトップ一〇%論文数という研究力に関する指標が導入されたところでありまして、必要な資金の確保と人材育成を通じて基礎研究の強化を促すものだと考えています。  今回、研究成果に関する唯一の指標とされたのは単なる論文数ではなくてトップ一〇%論文数であり、短期的に成果が出る研究をふやすことにより安易に数値を上げられる指標ではないということでございます。  研究に関する指標のあり方については、来年度以降の配分について、関係者と意見交換をしながら、文部科学省においてさらなる検討が今進んでいると承知しております。
  115. 畑野君枝

    ○畑野委員 資料の二枚目と三枚目の点について今大臣がお答えになりました。これは本当にひどいんですよ。基幹経費というのは、人件費、ここを支えた上で、その上でどういうふうに競争していくかという話なので、その土台が削られているわけです。  大臣は若手研究者の活躍促進と述べられましたが、今、若手研究者が減少し、博士課程を修了しても研究職を志す若手がいないという状況です。その原因をどのようにお考えになりますか。
  116. 平井卓也

    ○平井国務大臣 私も、いろいろな大学に赴きまして、若手研究者のお話を直接伺っています。非常にうまくやられている方もおられれば、なかなか現状に不満を持たれている方もいらっしゃる。これはやはり、ある意味では企業の、要するに外部資金の獲得などが非常に上手な大学もあれば、まだまだそういうものになれていないところもある。それぞれなんですね。  私は、若手の皆さんは、野心的なプロジェクト、例えば今回の我々が掲げたムーンショット型の研究開発なんかにもぜひ参加したいというような前向きな意見も言っていただいておりますし、明らかに、次の時代は我々の時代だというような前向きな方々にとっては、間違いなく今回の制度改革の中でも成果を上げていくことができるんだろう、そのように思います。
  117. 畑野君枝

    ○畑野委員 運営費交付金が減らされてきたもとで、安定した研究職の確保が困難になっているんです。そういう問題に手をつけないばかりか、今年度から、その配分指標で常勤教員数のうち四十歳未満の若手教員比率を算出して、これに基づいて配分すると言っているんです。四十歳未満の若手教員には任期つき教員も含まれるんですか。
  118. 玉上晃

    ○玉上政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、二〇一九年度の国立大学法人運営費交付金におきまして導入しました、客観的な成果指標に基づく新たな資源配分の仕組みにおける若手教員比率の算出に用いた四十歳未満の若手教員数については、任期つき教員が含まれております。
  119. 畑野君枝

    ○畑野委員 そういうことですよ、大臣。不安定なんですよ。運営費交付金に競争的資金の割合をどんどんふやして、大学同士を競争させて不安定な研究環境を拡大しておいて、大学はイノベーション創出の場なんだから基礎研究を頑張れと言われても、できるわけないじゃありませんか。  まともな基礎研究を行う場所を大学から奪うような政府の大学改革は見直すべきだということを強く求めて、時間が参りました、質問を終わります。
  120. 古本伸一郎

    ○古本委員長 次に、井上英孝君。
  121. 井上英孝

    ○井上(英)委員 日本維新の会の井上です。  まず冒頭、委員長を始め、両筆頭始め、理事会メンバー、オブザーバーメンバー、けさの理事会を失礼いたしました。御理解いただいたことに感謝を申し上げたいと思います。  それでは質疑に入らせていただきます。  まずは、知的財産戦略についてお伺いしたいと思います。  先月三月十八日、岡山県は、二〇一九年度、海外での育成品種や県ブランド農産物などの知的財産保護の強化に乗り出すというニュースがございました。海外では、桃やブドウなど、それぞれの県ブランドの農産物の模倣品というのが横行しておって、そして、あげくの果てには第三者が商標出願するというような事態まで起きているということでありますけれども、そのためだということであります。  我が国では意匠を含めた複合的な保護というのが積極的に図られていないのではないかというふうに考えられますが、知的財産権による複合的な保護の効果や重要性について幅広く、改めて普及啓発活動というのをしっかりと行うべきだと考えます。  今後、産業財産権による保護を推進するために、国としてどんな普及啓発を進め、支援をしていくのか、お伺いしたいと思います。
  122. 米村猛

    ○米村政府参考人 日本の産業競争力やイノベーションの源泉として、企業が持つすぐれた技術やアイデアが知的財産として保護、活用されることは大変重要でございます。  例えばでございますけれども、日本の中小企業、大変大事な中小企業ですが、これは三百五十八万者、全企業数の九九・七%を占めます一方で、特許の出願比率というのは実は約一五%にすぎないというところがございます。このように、知的財産活用の意識が広がっていない中小企業などに対しまして、知的財産の活用を促していくことが非常に重要だと思ってございます。  そこで、今年の四月から、今月から、全ての中小企業を対象に特許料金を一律に半減いたしました。さらに、軽減申請の手続は、定款や法人の登記事項証明書などの証明書を不要といたしまして、抜本的に簡素化を図っているところでございます。  また、初めて出願する方々を含めまして、どなたでも身近に相談できる場所として、全国四十七都道府県に知財総合支援窓口を設置しております。経営の相談を受け付けるよろず支援拠点を始めとした他の中小企業支援機関とも協力しまして、知財に関する各種相談に対しまして、弁理士、弁護士などの専門家も活用して対応しております。  さらに、知的財産制度やこのような支援策を地域の中小企業などに知っていただくために、特許庁がみずから地域に出向きまして、知財セミナーですとか面接審査を実施する巡回特許庁も実施しております。  このほか、全国四十七都道府県におきまして、特許等の出願経験のない方も含めました初心者向けの制度説明会を開催いたしますとともに、日ごろから中小企業の方々と接する機会の多い商工会、商工会議所や地域の金融機関の方々などにも知的財産制度の支援策の周知に御協力をいただいているところでございます。  地域のあらゆるネットワークを活用しまして知財活用を広げて、地域経済の持続的な発展につなげていくべく、一層努力してまいりたいと思っております。  以上でございます。
  123. 井上英孝

    ○井上(英)委員 ぜひ進めていっていただきたいと思うんですね。  中小企業が三百五十八万軒ですよね。その中小企業の方々の財産権に関する意識がやはりまだまだ低いというか、大企業の方はたくさんある。実際の申請が四万件ぐらいですか。件数ですから、者数じゃないので、ですからもっと低くなってくると思うんですね。ですから、ぜひ、特に中小企業の経営者の方々を中心に、先ほど言われる商工会も含めて、しっかりと周知、告知に全力を挙げていただきたいと思います。  大臣にちょっとお伺いをしたいんですけれども、昨年六月、約一年前に知的財産戦略ビジョンというのを提唱されて、今後、二〇二五年から二〇三〇年の目指すべき社会の姿として、価値デザイン社会が提唱されました。所信の中にも「価値デザイン社会の実現に向け」という文言がありましたけれども、私が勉強不足だと思うんですけれども、価値デザイン社会とはどのような社会なのかが、正直、非常に抽象的過ぎてわからないんです。  また、このビジョンをつくるに至った経緯や、今後、ビジョンの実現のための施策や工程というのがどうなっているか、お伺いしたいと思います。
  124. 平井卓也

    ○平井国務大臣 ぱっと言葉を聞いても確かにわかりづらいと思うんですね。私も当初そうでした。  昨年六月に知的財産戦略において、知的財産戦略ビジョンということで、目指すべき未来社会の姿として価値デザイン社会を掲げました。これは、多様な主体がそれぞれの個性や能力を生かして、日本の特徴をうまく活用して、新しいアイデアを次々と構想、すなわちデザインして、それが共感を得て、新しい価値として世界に広がっていくようなことだということであります。  近年、デジタル化とかグローバル化が急速な進展、また、供給サイドよりも需要サイドがリードするイノベーションの変質、物より事、共感やシェア等の人々の価値観の変化、価値観の多様化と、それらを包摂する社会への要請の増大、少子高齢化等の社会問題の顕在化といった大きな社会変革が起きている中で、こういう変化を念頭に、どんな未来社会をつくるかということをイメージしながら、未来を引き寄せるようなフューチャープルというかバックキャストというか、そういう中で検討を行って、価値デザイン社会を目指そうということになったわけでございます。  現在、有識者においては、例えば、新しい価値をデザインするとがった才能を持つ人材が育ち、活躍するための環境整備や、挑戦しやすく、それが適正に評価される仕組み、具体的に何をすべきかということについて、現在、有識者の専門調査会等でいろいろな議論をさせていただいている中で、ことしの六月に決定予定の知的財産推進計画二〇一九の中に盛り込もうというふうに考えております。
  125. 井上英孝

    ○井上(英)委員 丁寧に大臣に答弁をいただいたんですけれども、まだ私の中では若干、言葉明瞭、意味不明瞭なところがあって、これから私もさらに勉強していきたいとは思うんですけれども、いずれにしても、未来の変化に的確に応じて価値観をデザインしていくというようなことかなというふうには思うんです。  その中で、先ほどの答弁の中にもありましたけれども、人材育成についてなんです。  新たな価値創造を行える人材の育成として、特に創造性、デザイン力、数理リテラシー、芸術的素養などを初等中等教育の段階から育むとともに、これらをビジネスの現場で実践できる力を大学生や社会人が身につけられる環境を整備するという記載もあって、先ほどの答弁では、とがった才能が育ち、活躍するための環境整備を進めるということでありますが、具体的にどのような環境を整備し、どのような人材を育成したいというふうにお考えなのか、お聞かせいただきたいと思います。
  126. 住田孝之

    ○住田政府参考人 人材育成でございますけれども、今申し上げておりました価値デザイン社会の実現のためには、豊かな創造性を備えている人材、こういうのが必要でございますし、もう一つは、ユーザー目線に立って物や事を構想していく、まさにデザインしていくという、このデザイン思考を行うことができる人材というのが不可欠だというふうに考えております。  この創造性ということに関しましては、二〇一七年、一八年に小学校、中学校、高等学校の学習指導要領が順次改訂をされまして、この中で、例えば総則の中で、「豊かな心や創造性の涵養を目指した教育の充実に努めること。」というふうに記載がございまして、その一層の推進が図られているところでございます。  こういったことも踏まえまして、産学官から成ります知財創造教育推進コンソーシアムというのを設置いたしました。そこで、新しい創造をするということを楽しみながら体験をするということ、また、創造されたものを尊重するということの大事さを実感するという、この二つのことを軸に知財創造教育というのを全国で推進をしているところでございます。  具体的には、例えば、先生が使いやすいように、通常の各科目のカリキュラムのどの部分にこの知財創造教育を組み込めるのかということを明確にしましたり、あるいは、それらに関連する教材、あるいは工場見学のプラン、出前授業、こういったものにどういうものがあるかというのを関係者から集めまして、これをホームページで公開して誰でも利用できるようにするといったようなことも行っておりまして、こういった形で、全国で知財創造教育を進めるべく、実証事業なども含めて取組を行っておるところでございます。  また、デザイン思考の話もございましたけれども、特に企業におきましては、新しいアイデアを生んで共感を得ていくということのためのデザイン思考が、まさにバックキャスト的にユーザーの側から考える、そういうビッグピクチャーを考えるということが重要でございます。  こうしたことのために、昨年五月に内閣府の方で経営デザインシートというようなものを公表いたしたところでございますが、こうしたものも今申し上げたようなデザイン思考の補助ツールとして非常に有効に活用ができるということで、この普及を通じまして、デザイン思考を実践できる人材の育成に努めているというところでございます。
  127. 井上英孝

    ○井上(英)委員 答弁ありがとうございます。  更に私のわからない世界にどんどん進んでいっているような感じもするんですけれども、ただ、先ほど言われるような知的財産権に対する考え方だとか、それから、創造性やデザイン力といったものを初等中等教育時代から育んでいくということはやはり非常に大事なことだと思いますので、必ず今大臣がおっしゃっているようなことがかなうように、しっかりとやっていただけたら、そしてすばらしい人材を育成していただけたらというふうに思います。  次に、またビジョンの中で、クールジャパンの魅力分析、効果的発信や、そして、クールジャパンに関して言うと科技特ではないと厳密にはお聞きをしたんですけれども、クールジャパンを支える外国人等の集積、活用がうたわれている訪日外国人の増加や外国人の定住化というのを広げるために、国全体のブランド強化というのが必要だと考えます。  クールジャパン戦略としてどのように日本の魅力を伝え、どのような外国人をターゲットとしてどのように展開していこうとお考えなのか、お聞かせいただけますでしょうか。
  128. 住田孝之

    ○住田政府参考人 クールジャパン戦略については政府一丸となって取り組んでおるところでございますけれども、まさに日本ファンをふやしていくということ、そして日本の潜在的な魅力が適切に発信をされていくということによって、観光客の数もふえるでしょうし、日本に愛着を持っていただける観光客の質の向上といったようなものにも寄与するのではないかというふうに考えておるところでございます。  クールジャパン戦略につきましては、近年のデジタル化あるいはグローバル化の進展を踏まえまして戦略の強化が必要ということで、平井大臣のもとでさまざまな有識者の意見も伺いながら検討を進めておるところでございます。  外国人なども含めた意見交換をさせていただきますと、日本人からすると非常に意外なものが魅力的であるということがわかるとか、あるいは、SNSとかインフルエンサーを活用するとか、柔軟に試行錯誤しながらやっていくことが大事だなといったような新しい気づきがいろいろと得られております。  このクールジャパンが長期的に、持続的に発展をしていくということのための基盤づくりというのが極めて重要だというふうに思います。  この基盤としましては、例えば、より丁寧に世界じゅうの日本ファンというのを把握して、彼らがどういうことを考えているのかということを踏まえて日本の情報を届けられるような、こういった仕組みづくりをするということも重要だと考えております。こういった取組が我が国への愛着を深めて、訪れていただく外国人の増加にもつながるんじゃないかということを考えてございます。  引き続き議論を進めまして、クールジャパンの新しい戦略の内容を夏ごろまでには固めていきたいというふうに考えているところでございます。
  129. 井上英孝

    ○井上(英)委員 あと残り五分なので、二問ほど最後にさせていただきたいと思うんですけれども、クールジャパンですね。  クールジャパンの機構というのが設立をされました。細かく言うと経済産業省所管になるんですけれども、クールジャパンがどんどんどんどん盛り上がっていっているのはいいんですけれども、報道等によれば、マレーシアでイセタン・ザ・ジャパン・ストアが撤退したり、アニメコンソーシアムジャパンの損失とか、失敗もあるんです。ただ、投資をいただいて、会計検査院の検査では、日経新聞にも出ているんですけれども、この機構は、十七件、約三百十億円の投資額で四十四億円の損失を生じさせている。  投資なので、当然、失敗というのも出てくるものだと思っているんですけれども、極力、失敗等は抑えられるようにした方がいいですし、それから、海外で、現地で起きているニーズというのを的確につかみ取れるような、常に柔軟にやっていただけるようなクールジャパン戦略の立て直しをお聞かせいただけますでしょうか。
  130. 住田孝之

    ○住田政府参考人 ただいま御指摘のとおり、経済産業省の所管でございますけれども、クールジャパン機構、いろいろな案件がございました。  実は、昨年六月から経営陣も新たになって、また取組を新たにいろいろとしているわけでございますけれども、その中で、特に、今までのように、日本のいいものがあるから、これをどんどん出していこうということよりは、現地でどういうようなものが本当に求められるのか、まさに現地の方の視点で、そういったことを起点としたある種のマーケットインといったような観点から、現地のパートナーを重視するといったような投資方針を新たに打ち出しているというふうに伺っております。  まさにこうしたマーケットインあるいは現地重視ということがクールジャパン戦略の今後の検討の中でも極めて重要だと考えてございまして、御指摘を踏まえまして、今後、先ほど申しましたようなクールジャパンの戦略というのをつくっていきたいというふうに考えてございます。
  131. 井上英孝

    ○井上(英)委員 先ほども言いましたが、投資ですので、多少の失敗とか損失というのはないわけがないわけで、ただ、少しでも小さくするためには、的を外れた活動をするよりも、やはり的を得たしっかりとした活動をしていただいて、うまくいっていただくように、しっかり頑張っていただくようによろしくお願いいたします。  もうあと二分ですので、最後に自動運転についてるるお聞きしたかったんです。  大臣がこの一月に米国、マレーシア、シンガポールに行かれたときに、シンガポールで南洋工科大学内の自動運転研究所というのを訪問なさったということなんですけれども、今の日本の自動走行についての進捗度合いも含めて、シンガポールで視察をされてどのようにお感じになったのか、お答えいただけますでしょうか。
  132. 平井卓也

    ○平井国務大臣 ことし一月にシンガポールにおいて、南洋工科大学というんですが、自動運転に関する取組を視察してまいりました。  この南洋工科大学では自動運転の研究所を訪問して、カメラによる周辺の人、車や障害物など画像認識や、AIによる交通予測、路車間通信などの研究開発状況を視察するとともに、実際に自動運転車の試乗をやってまいりました。  我が国のいろいろなメーカーも参加しておりますので、今後の展開等について意見交換をしてきたんですが、南洋工科大学は間違いなく日本に比べても遜色のないレベルの研究開発が行われておりまして、日本企業と共同研究が行われておりまして、日本とシンガポールの連携した取組が進んでいるということはとてもすばらしいというふうに思いました。  テストコースで使用した自動運転もスムーズな動きですし、ちょこちょこ充電するバスというのがあるんですね、二十秒で充電して、次のバス停でまた充電するというような。ああいうのは初めて見ましたけれども、社会実装に非常に近いのかなというふうに思います。日本の自動車研究所も、自動運転、これは「みちびき」の測位情報でやっているんですが、走る正確性からいえばこっちの方が上だなと私は思いました。  それぞれ、いろんな技術の組合せによって世界各国の企業、研究機関と連携を深めていくことが非常に重要だと思っております。
  133. 井上英孝

    ○井上(英)委員 ありがとうございました。
  134. 古本伸一郎

    ○古本委員長 次に、重徳和彦君。
  135. 重徳和彦

    ○重徳委員 社会保障を立て直す国民会議、衆議院議員の重徳和彦です。  昨日、5Gの周波数の割当てが総務省の方で行われました。二十八ギガヘルツ、毎秒二百八十億回揺れるという、一秒でですね。すごい速い、タイムラグもない、そして多数同時接続ができる。すごい時代に入ってまいりました。  いろんなサービスがこれからどんどんどんどん開発されて、世の中も随分変わるんだろうなということを期待される時代に入ってまいりましたけれども。ただ、これは、よい物とかよいサービスをつくれば、おのずと物が売れるから、それでいいんだという発想だけでいいのかという議論を、ちょっときょうはしてみたいと思うんです。  一瞬で、世の中、シェアが奪われたり奪ったり、こういう時代でありますので、社会に技術革新の恩恵をちゃんと普及させて、そして、恩恵を受ける、受益者はちゃんと受ける、消費者は受ける。こういう時代をつくっていくためには、誰かが適切にイノベーションのコストとかリスクを負担する、こういう仕組みも必要なんじゃないかという議論でございます。  今国会、総務省から電気通信事業法改正案が提出されていますね。これはスマホの話ですけれども、スマホを売るときに、最初の二年間通信料金を値引きするから、その分、スマホの端末を実質ゼロ円とか格安で売る、こういういわゆるセット割引というものを禁じよ、こういう法案だと理解しておるんですけれども。  これって、この後御答弁いただければと思うんですけれども、いろいろあるんですけれども、ただ、消費者は買いやすいかな、それから、業者から見ても、乗りかえてもらいやすくなるとか、そういう効果があり、また、そのコストを通信事業者が、通信料金を割引するわけですから、負担しているという関係性にあるんじゃないかな、こう見るんですね。つまり、端末を売っている事業者に対して通信事業者が補助金を出しているような形だと思うんですけれども。  ここで質問なんですけれども、そもそも、こういう端末購入と通信料金のセットの割引、これは、なぜこれまで行われてきたんでしょうか。
  136. 秋本芳徳

    ○秋本政府参考人 お答えいたします。  まず、セット販売がなぜ行われているかにつきましては、委員から御紹介のございました、昨日割り当てた5G、第五世代移動通信システムであれば、その5Gの周波数に対応した端末が不可欠であり、現在のスマートフォンであれば、4G、第四世代移動通信システムの周波数に対応した端末が不可欠であるためであります。  また、セット販売に際しましてなぜ割引が行われているのかという点につきましては、利用者の方々による端末の買いかえのタイミングを新規利用者の獲得の有効な機会と携帯電話事業者が捉えていることから行われているものと認識しております。
  137. 重徳和彦

    ○重徳委員 そうですよね。だから、事業者側からすれば、今こそというときにセットで割引にすると買いかえが起こりやすいということを狙っているということなんですが、逆に、今回、法案でそれはだめだというわけですから、何が問題で、逆に言うと、完全に分離するということですね、端末と通信サービスを完全分離するということですから、そのメリットというのは一体どこにあるのかということ。  それから、他の国で完全分離というルールを適用している国はどこかあるのか、お答えください。
  138. 秋本芳徳

    ○秋本政府参考人 まず、何が問題なのかという点についてお尋ねをいただきました。  端末の買いかえ需要に依存したビジネスモデルが続いております結果、端末を購入するかしないか、また、どの端末を購入するかによりまして、同じ通信事業者の同じ内容の通信サービスであるにもかかわらず、通信料金が異なるという実態がございます。  また、端末を買いかえない利用者の方々ほど、高い通信料金を負担しているという不公平がございます。  また、利用者の方々にとりましても、一体、御自身が通信料金に幾ら、端末代金に幾ら払っているのか、極めてわかりにくく、正確な理解、比較が困難でございまして、結果として、携帯電話市場における競争が阻害されているのが実態でございます。  このため、総務省におきましては、通信料金と端末代金の分離を徹底するための法案を本通常国会に提出しております。これによりまして、利用者の方々が通信料金のみに焦点を当てて事業者を比較しやすくすることによりまして、同じ端末を長期間使い続ける利用者の方々も含めまして、競争を通じた料金の低廉化を促す環境が整うものと考えております。  また、諸外国の、先進国、他の先進国における状況がどうかについてもお尋ねをいただきました。  まず、欧米におきましては、端末を購入した利用者の方々に対しまして、日本のような大幅な割引を広く行っている例は見当たりません。結果として、完全分離に取り組んでいる例も見当たらないところでございます。  韓国におきましては、通信サービスと端末のセット販売に際しまして大幅な割引などが行われていた実態がございました。このため、二〇一四年に、移動通信端末装置流通構造改善に関する法律が制定、施行されております。この法律の中に、通信事業者や販売代理店から利用者に対する端末購入補助金の上限額を政府が定めることとする規制を二〇一四年の十月に導入しております。ただ、この上限規制規定は三年間の時限の規定でございまして、二〇一七年に時限を迎えているものと承知をしております。
  139. 重徳和彦

    ○重徳委員 一言で言えば、わかりにくいから不公平が生まれている、わかりやすくした方が競争が促せるんじゃないかということだと思うんですね。だけれども、それは、どっちをとるかというような話のような感じもします。  確認なんですけれども、今おっしゃった問題点はそれはそれで理解しますけれども、やはり、そうはいっても、今度完全分離することによって、端末をそれなりの値段で買わなきゃいけないわけですから、そういう意味では、消費者が、新しいものが出たからといって、余り安くないのでちょっと買うのを、買いかえるのをやめようかなというふうになっちゃうんじゃないか。逆に言うと、今回、逆というか、なっちゃうんじゃないか、そういうふうに思うんですけれども、要するに、負担感が増すんじゃないか。ここは否定できないところでしょうか。
  140. 秋本芳徳

    ○秋本政府参考人 お答えいたします。  特定の端末を購入される利用者に対しまして大幅な割引が行われる場合におきましても、結局、つまるところ、その割引の原資は端末を買いかえない利用者の方々も含めた通信料金収入全体で賄われているのが実態でございますことから、今回の電気通信事業法の改正案では、通信料金と端末代金の分離を図ることによりまして通信料金と端末代金それぞれについての比較を容易にすることで、競争を通じて通信料金の低廉化を促していきたいと考えております。  委員御指摘の端末につきましては、特に高価格帯の端末につきましては、割引が今よりも減少する可能性はございます。他方で、手ごろな価格帯の端末の供給や中古端末の流通が拡大することが期待されるところでございます。  総務省といたしましては、利用者の方々が通信料金と端末代金のそれぞれを正確に理解できるようになることで、さまざまな通信サービスと端末の中から御自身のニーズに合った合理的な選択が可能となり、全体として利用者利益が向上するものと考えているところでございます。
  141. 重徳和彦

    ○重徳委員 ちなみにこれは、公平な、公正な競争が行われるということによって、どのぐらい端末なり通信料金が下がると見込んでおられるのか、何か見込みがあったら。
  142. 秋本芳徳

    ○秋本政府参考人 お答えいたします。  具体的な料金水準につきましては、個々の通信事業者の方々の経営戦略によって利用者の方々に提案していただくということが本筋だと思っております。  私ども行政といたしましては、競争環境を整えるということで今般の電気通信事業法の改正案を提出させていただいているものでございます。
  143. 重徳和彦

    ○重徳委員 法案を提出している以上、それを否定するようなことも余り言えないという状況だと思いますし、官房長官肝いりですしね、ここは余りごちゃごちゃ総務省の方がおっしゃるということはそもそもできないのかもしれませんが。  私が言いたいのは、通信事業者が確かにちょっと余計にもうけているのかもしれませんが、しかし、その上がりをもって端末への補助金を出す、これによって買いかえが促進されれば、何が正義で何が正義じゃないかという、考え方はいろいろあるかもしれませんが、結果として、この大変速いスピードでイノベーションが進み、社会への波及を進めなきゃいけない時代にあって、一つの方策じゃないかなというふうに思うんですね。  各国では、ほかの国ではこんな極端なことはやっていないというお話でしたので、このやり方が世界的に見ても本当にいいのかどうかもよくわかりませんが、しかし、同じようなことは、これから携帯だけじゃなくて、例えば、もうIoTですから、家に帰りながら、その道すがら、あと三十分で家に着くから風呂を沸かしておけよ、こういうことを指令を出したりできる時代になるわけですよね。  平井大臣、ちょっとお聞きしたいんですけれども、このお風呂を沸かす端末を、やはり我が国は大変高齢社会ですし、だから、なかなか買うのも、わざわざお金を出して買うほどのことでもないやというふうに、新しいものに飛びつくタイプの人は別として、一般に高齢者の方は、ちょっとやめておこうかなというようなことになりがちなような気もします。  そういう意味では、せっかくの5G、あるいはIoT、世の中、経済波及効果は二〇三〇年に七十三兆円という試算もある、こういう時代にあって、今の、端末への補助金を通信事業者が出すでも何でもいいから、何かしらそういった促進する策があっていいんじゃないかなと思うんですけれども、そういった考え方について、大臣、どのようにお考えでしょうか。
  144. 平井卓也

    ○平井国務大臣 この5Gの問題は、各国、今、まさにこれから社会実装するということで、アメリカとか韓国とか中国の方が実際インプリは早いかもわかりませんが、日本もちゃんと、地方も含めて基盤を整備していこうということだと思います。  5Gは、確かに、自動運転とか遠隔医療とか、いろいろなものに役には立つということはもう明らかです。いろいろなデバイスに情報をとって、それを国民の生活にフィードバックしていくことも想像はできるんですが、誰がその費用を負担をしていくのかというビジネスモデルはまだまだ私から見ても曖昧なところがあって、通信料というのは社会基盤のところだと思いますので、我々は、これはセキュリティーの問題も非常に高いと思いますから、安価で、セキュリティーレベルが高くて、地方もカバーするインフラをつくるために事業者の皆さんにはまずは頑張ってもらいたいし、その上で、そこを使ったいろいろなビジネスモデルというのはこれから世の中に紹介されていくのではないだろうか、そのように想像しております。
  145. 重徳和彦

    ○重徳委員 今の御答弁は、必ずしも否定しないような言いぶりだったかなというふうに一応受けとめさせていただきます。  ちょっと答えはまだまだわかりませんので、こういったことについてもみんなで注目していければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  ありがとうございました。
  146. 古本伸一郎

    ○古本委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時六分散会