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2019-05-14 第198回国会 衆議院 総務委員会 16号 公式Web版

  1. 令和元年五月十四日(火曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 江田 康幸君    理事 あかま二郎君 理事 井上 信治君    理事 小倉 將信君 理事 小林 史明君    理事 西銘恒三郎君 理事 高井 崇志君    理事 奥野総一郎君 理事 桝屋 敬悟君       井林 辰憲君    池田 道孝君       上杉謙太郎君    大西 英男君       金子万寿夫君    川崎 二郎君       木村 次郎君    木村 哲也君       佐藤 明男君    田野瀬太道君       冨樫 博之君    長坂 康正君       鳩山 二郎君    福田 達夫君       古川  康君    穂坂  泰君       三浦  靖君    務台 俊介君       宗清 皇一君    山口 俊一君       山口 泰明君    吉川  赳君       伊藤 俊輔君    小川 淳也君       岡島 一正君    中谷 一馬君       長尾 秀樹君    山花 郁夫君       稲富 修二君    日吉 雄太君       國重  徹君    本村 伸子君       足立 康史君    吉川  元君       井上 一徳君     …………………………………    総務大臣         石田 真敏君    総務副大臣        佐藤ゆかり君    総務大臣政務官      大西 英男君    総務大臣政務官      國重  徹君    政府参考人    (総務省大臣官房総括審議官)           安藤 英作君    政府参考人    (総務省自治行政選挙部長)           大泉 淳一君    政府参考人    (総務省情報流通行政局長)            山田真貴子君    政府参考人    (文化庁審議官)     内藤 敏也君    参考人    (東京大学大学院法学政治学研究教授)      宍戸 常寿君    参考人    (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究教授) 中村伊知哉君    参考人    (立教大学社会学部メディア社会学教授)     砂川 浩慶君    参考人    (日本放送協会経営委員会委員長)         石原  進君    参考人    (日本放送協会会長)   上田 良一君    参考人    (日本放送協会専務理事) 木田 幸紀君    参考人    (日本放送協会専務理事) 荒木 裕志君    参考人    (日本放送協会理事)   松原 洋一君    参考人    (日本放送協会理事)   黄木 紀之君    参考人    (日本放送協会理事)   松坂 千尋君    総務委員会専門員     近藤 博人君     ――――――――――――― 委員の異動 五月十四日  辞任         補欠選任   井林 辰憲君     吉川  赳君   福田 達夫君     古川  康君 同日  辞任         補欠選任   古川  康君     上杉謙太郎君   吉川  赳君     井林 辰憲君 同日  辞任         補欠選任   上杉謙太郎君     木村 哲也君 同日  辞任         補欠選任   木村 哲也君     福田 達夫君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  放送法の一部を改正する法律案内閣提出第三六号)      ――――◇―――――
  2. 江田康幸

    ○江田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  本日は、本案審査のため、参考人として、東京大学大学院法学政治学研究教授宍戸常寿君、慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究教授中村伊知哉君及び立教大学社会学部メディア社会学教授砂川浩慶君、以上三名の方々に御出席をいただいております。  この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多用中のところ当委員会に御出席いただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  次に、議事の順序について申し上げます。  まず、各参考人からそれぞれ十分程度で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答えいただきたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、御発言の際にはその都度委員長の許可を得て御発言くださるようお願い申し上げます。また、参考人は委員に対して質疑をすることができないことになっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。  それでは、まず宍戸参考人、お願いいたします。
  3. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 東京大学の宍戸でございます。  私は、憲法それから情報法を研究しておりますが、総務省で開催されました放送を巡る諸課題に関する検討会の構成員として、このたびの改正の前提となります検討に加わっておりました。  本日は、その観点から、本委員会で審査いただいております放送法改正案につきまして、参考人として意見を述べさせていただきます。  お手元の資料に即して御説明を申し上げます。  まず、日本放送制度について申し上げたいと思います。  これは、放送法と、そのもとでの関係者のプラクシスにより形成されてきたものでございますが、その基礎は、受信料を財源とする公共放送と、広告収入や有料放送として行われる民間放送が、お互いの長所を発揮し、互いにジャーナリズムとして競争する、ここにありました。このいわゆる二元体制により、放送が広く普及し、知る権利に奉仕するとともに、健全な民主主義の発展に貢献してきたものと理解されております。  また、平成二十九年の最高裁大法廷判決は、NHKの放送を受信できる設備を設置した受信者にNHKとの受信契約締結義務づける受信料制度につきまして、知る権利を実質的に充足する、こういう目的のために合理的な立法裁量の枠内にあるとして、その合憲性を認めたところでございます。  ところが、このような放送制度は、現在、技術の発展、メディア環境の変化によって大きな変化を受けております。社会に広く普及した放送サービスが、今後の日本社会の変化を踏まえて、より一層知る権利民主主義に奉仕することができるよう、絶えず見直しや新しい取組を進めることが求められております。  とりわけ、最近では、海外プラットフォーム事業者を含む動画サービスが進展し、グローバルなコンテンツ競争が進んでおります。また、世界では、フェークニュースなどにより選挙や投票が操作されたり、あるいは健全な世論形成が妨げられたりする、こういった問題も生じているところでございます。  今回の改正案は、このようなメディア環境あるいは放送をめぐる環境変化に対応し、NHKや民間放送に対して課題の解決を促すとともに、知る権利への一層の貢献を可能にする意義がある、このように私は考えているところでございます。  以下、順番に申し上げたいと存じます。  第一に、NHK関係の制度改正について、インターネット活用業務の対象の拡大とNHKグループのガバナンスの充実、この二つの改正事項が挙げられております。  この二つの関係につきましては、何かNHKの業務拡大を認めるかわりにガバナンスを強化するということを求める、そういったいわばトレードの関係にあるものではないと私は考えております。  ソサエティー五・〇における公共メディアとしてNHKがその機能、役割を適切に果たすことという観点からは、この二つの改正事項はいわば表裏の関係にあるというふうに理解しております。NHKが新しい技術を使ってより広く、より深く視聴者の間に根をおろして社会的基盤を築く、そのために、これまでよりも視聴者の理解が広がり、積極的な評価や批判も含めた議論のもとで適正な業務を遂行し、健全に経営される事業体であるために、この二つの改正事項は一体のものであるというふうに私は理解しているところでございます。  まず、インターネット活用業務の対象の拡大についてでございます。  これまでNHKによる放送番組の同時配信には限定がついておりましたが、改正案は、その限定を外し、常時同時配信を可能としております。これは、いつでもどこでも番組の視聴を可能にして知る権利を充実させるとともに、見逃し配信を含めた通信サービスの展開によって放送サービスのメディア価値を全体として高める、その先導的な役割をNHKに担わせるためにも不可欠な機能であると私は考えております。  したがいまして、放送の補完としての常時同時配信を求められたNHKの御要望を受けて、それを可能とする制度改正を行うことは適切なものと考えております。  また、その実施に当たりましては、国民の負担であります受信料の価値が毀損されないように適切な規律が必要であります。それとともに、公共放送には言論報道機関として自主自律が求められる、このことも考え合わせますと、政府による直接的な規制でも、また自主規制に委ねるのでもなく、まずはNHKが実施計画を立て、経営委員会議決によりそのコミットメントを確保した上で、政府の監督を組み合わせるという、いわゆる共同規制の手法が適切であると考えております。  したがいまして、改正案における実施基準認可、実施計画の届出、公表の義務づけ、そして、義務に違反した場合に政府による遵守を勧告する、こういった仕組みは十分かつ適切なものと考えております。  それと、一点、お手元の資料で、二十条の十から十三号と書いておりますが、この号は項の誤りでございます。大変失礼をいたしました。  さらに、その下でございますが、常時同時配信は、その二元体制によって普及してきた放送サービスのメディア価値を向上させるものとして、NHKと民間放送協力が期待されるところでございます。この観点から、先導的役割を担うNHKが民放に協力するよう努める義務を規定したことは、この改正案の特に重要な点であるということを強調させていただきたいと思っております。  また、放送法地域向け放送番組の提供をNHKに求めていること、放送の区域が基幹放送普及計画において定められていることからしますと、放送の補完として行われる常時同時配信についても地域向けの放送番組の提供が適切であると考えております。  お手元の資料を一枚おめくりいただきたいと存じます。  次に、NHKグループの適正な経営を確保するための制度の充実でございます。  まず、経営委員会それから監査委員会の事後チェックによるコンプライアンスの強化が掲げられております。これは一般の会社法制を参考にしたものであります。この制度整備によって、受信料を負担されている視聴者の信頼を裏切るような不祥事が起きないよう、NHKグループ全体における再発防止の徹底を強く期待しております。  また、公共メディアとしての支持を得るためには、NHKの業務、受信料の水準、体系等について、その適切さが常に確保されるよう継続的な見直しが必要であると考えております。  改正案におきましては、経営委員会パブリックコメントを経て中期経営計画を策定し、それに基づいて毎年度の予算、事業計画が策定され、適宜見直しが行われる、さらに、そのマクロなプロセスとして、状況の変化を踏まえて中期計画も見直される、こういったPDCAサイクルが予定されているところでございます。  このようにNHKのあり方が適切であるということが視聴者に対して透明性を持つということも重要であると考えております。さきの最高裁判決におきましても、受信料制度が視聴者の理解によって支えられるということの意義というのが指摘されているところでございます。  したがいまして、視聴者とNHKの間にこれまでより深いコミュニケーションがなされ、そのことによって、受信料制度への疑問も、あるべき受信料の水準や体系についても、国民的な議論があって、それを受けてNHKも政府も適切な解決を図っていくことが望ましいと私は考えております。そのためには、NHKグループ全体について広く情報共有されるということが前提となりますが、この点で、わかりやすい情報提供、情報公開のための根拠規定が改正案に置かれているということを私は評価しております。  なお、こうしたコンプライアンスの強化につきましては、同時に、言論報道機関として番組編集の自律が確保されるべきことは当然でございます。また、NHK、政府におかれましては、例えば外部の専門家が経営委員会監査委員会をサポートする仕組み、手続を導入するなど、監督、監査の実効性を高めるための工夫について、改正案の趣旨を踏まえた検討をお願いしたいと私は考えております。  それから、今回の改正法案の大きな二つ目の柱であります衛星基幹放送の帯域の有効利用を図る点についてでございます。  大容量、高画質の番組を全国を区域として経済的、効率的に提供できるその衛星放送の特質からしますと、その帯域は、マルチチャンネルや高画質化など、ますます有効に活用されるべきだ。とりわけ、国民の間に普及している右旋につきましては、帯域が逼迫しておりますことから、効率的な利用を積極的に推進すべきだと考えております。  そのために、今回の改正案が、衛星基幹放送の認定及びその更新に当たって、帯域が有効に活用されているか周波数使用基準に基づいて審査し、場合によっては割当て済みの帯域の一部を事業者から返上してもらう、そのことを法制度として明確に位置づけたということが適切であると考えております。  なお、今後の周波数使用基準の策定に当たりましては、現実に視聴者のニーズに応えて放送を行っている事業者を含め、関係者の意見を聞く機会を十分に設けるべきものと私は考えております。  以上、駆け足でしかも雑駁ではございますが、私からの意見陳述は以上でございます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)
  4. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、中村参考人、お願いいたします。
  5. 中村伊知哉

    中村参考人 中村伊知哉と申します。  今回の改正案、三つの柱から成りますけれども、特にNHKの同時配信が注目されています。私は、賛成というよりむしろ遅きに失した、その立場から意見を申し上げます。  ネットの同時配信は、通信放送融合の推進でございますが、この通信放送融合という言葉、これは一九九二年の郵政省電気通信審議会の答申で初めて登場いたします。つまり、議論は二十七年前からあります。  二〇〇五年には、ライブドアや楽天といったITの企業放送局を買収するという動きを見せましたけれども、特段の変化はなく現在に至ります。  一方で、世界的には、二〇〇六年の一月、アメリカのラスベガスのCESというイベントで、IT企業がハリウッドのコンテンツあるいは放送局を軸にして、映像配信を世界市場で行うと宣言をしまして、これが号砲となりました。アメリカ放送局も、立て続けにIT企業と連携をしまして、コンテンツ配信を始めました。ヨーロッパも、BBCやフランステレコムなど公営企業が中心となって配信を強化いたしました。  日本は、NHKはオンデマンドを二〇〇八年の末にスタートさせていますので、三年のタイムギャップがあるわけです。BBCは、もうその年には同時配信を始めています。これからNHKが取り組んでも十二年のおくれということになります。日本は、民放も含めてテレビのビジネスは順調でしたので、変化のインセンティブが乏しかったというのが大きいんじゃないかと私は考えております。  ただ、制度の整備は進みました。以前通信放送分野は、縦横に入り組んだ約十本の規制法があったんですけれども、この通信放送の縦割りを緩めて、四本に整理をした上で、通信放送の両方に使える電波免許を用意するといった、通信放送を横断するサービスが提供しやすい体系に改められました。これは、五年ほどの調整を経て二〇一一年に施行されまして、日本は世界に先駆けた法体系を整えたと私認識をしておりますけれども、しかし、その後、これを事業として活用する放送局は少なくて、一方、NHKの動きも制限されてきたというふうに私は見ております。  その間、日本放送局は、地デジの整備に忙しくしていました。地デジは、SDからHDへと画面を高精細、きれいにすることは達成したんですけれども、デジタル化のより重要な機能である、コンピューターを使って便利にするということは必ずしも成功はしていません。便利で楽しい機能は、ネットとスマホに持っていかれているわけです。  ラジオでは、ラジコが同時配信を行っていますけれども、テレビのICT化は、民放はTVerなどでオンデマンド配信を進めているものの、NHKを含めて、本格化はこれからということだと思います。  この放送側から見た課題を一口で言えば、非成長性ということじゃないでしょうか。  融合論が始まった二十七年間、ネットで通信は大きく伸びました。広告の規模も、ネットがテレビに今並ぼうとしています。テレビはそれでも横ばいで、よく耐えていると思いますけれども、体力の差はついていまして、東京キー局の時価総額を総計しますと、これは一兆四千億円弱となります。昨年度のNTTの営業利益だけで一兆七千億円。一年の利益だけで全局を買収できる、そういう体力差がある中で、放送だけで成長戦略を描くのは、これは非常に難しいと思います。NHK、民放を含めて、日本放送ないし映像産業としての戦略が今問われているんじゃないでしょうか。  次の波はとうに来ていまして、二〇一〇年ごろ、グーグルやアップルが、スマートテレビと称して、テレビをネット端末にするという戦略を打ち出しました。その後、ネットフリックスやアマゾンなどが映像配信を本格化して、次の波がアメリカから押し寄せています。これにどう対応するかという場面だと思います。  参考になる国もあります。例えばイギリスイギリスは、BBCと民放があって、日本産業構造が似ています。英語圏でありますから、ネットフリックスなどがアメリカから先に攻め込んでいる、そういう場面も見られます。これに対抗するために、イギリスでは、BBCと民放が共通プラットフォームをつくっています。これは、イギリスの関係者は皆、アメリカへの対抗策だと口をそろえます。  イギリスは、ハード、ソフトが分離されていまして、つまり、電波と番組が分離されていて、BBCも電波やケーブルの配信を外部委託しているんですけれども、そのハードを運営している会社レッドビーというところがあるんですけれども、そこは、全ての放送局のコンテンツを、IPベース、インターネットプロトコルベースで、つまり、通信のクラウド環境でソフトウエア管理するというシステムをもう用意をしています。クラウドにコンテンツを乗せて、電波、ケーブル、あらゆるネットワークテレビ、スマホ、パソコン、あらゆるデバイスに送る、これが通信放送融合の未来像だと思いますけれども。BBCはあと十年で電波を返上するんじゃないかといううわさも現地では流れております。  そして、データです。  日本でも、ネット広告テレビに並ぼうとしていまして、しかも、その八割、約一兆円がターゲット広告で占められているということであります。ユーザーの閲覧履歴あるいは支出履歴などを分析をして、広告はもはやデータビジネスになっているわけですけれども、ですから、もはや、通信放送かという伝送路の違いよりも、視聴者のデータを使うか使わないか、その違いが決定的になっていると思います。しかし、まだ放送はそれをきちんと使えていないという状況であります。  イギリスでは、NPOが放送局や機器メーカーのコミュニティーをつくっていまして、放送局データを利用できるようにしています。これもアメリカへの対抗策だと言われています。  そこで、今回の法改正案なんですけれども、NHKのガバナンス強化、役員忠実義務情報公開などはもう当然のことで、私は特に感想はないんですけれども、NHK同時配信はようやく実現するのかと考えております。実施基準認可あるいは計画の届出というチェックに加えて、民放ネット業務への協力がうたわれておりますが、この協力がどうなるのかに注目をしています。  日本も、イギリスのように、NHKと民放が連携をした基盤整備の戦略を持つべきではないか。  テレビ版ラジコのような同時配信プラットフォームをつくる。IPクラウドの対応、あるいはデータ利用の活用を進めるためのNHK、民放連携の基盤を構築する。そして、放送局の共同プラットフォームをつくって、プロモーションを高めていく。IPのクラウドベース、それを用意して、多様な伝送路で多様なデバイスに展開をするとともに、それによって将来的なコストを格段に下げる。そして、視聴履歴のデータビッグデータも、AIを回して視聴行動を導く。こういう基盤が構築できるといいなと思っているところです。  あわせて、ネット配信を促進するための課題としては、著作権処理の円滑化が挙げられます。  放送通信では著作権の位置づけが異なりますので、権利処理が複雑となります。これを改善するには、著作権法制度の改正も必要になる可能性もありますけれども、まず、民民の努力は重要だと考えます。これにNHKが果たす役割は大きいのではないでしょうか。  私は、遅かったなと個人的に思っておりますのは、ネット対応はNHKの使命と考えているからです。放送法上、NHKの目的は、あまねくよい放送、つまりナショナルミニマムを確保するということと並んで、進歩発達国際という先端を開拓すること、テクノロジーを開発導入をして日本をリードするということが特殊法人として国がかかわる理由とされています。  ちなみに、NTTも安定サービス技術研究の二本が特殊法人目的に掲げられていますけれども、NHKは技術の導入がおくれてきたということだろうと思います。  では、民放との関係で、民業圧迫という理由で受信料の二・五%の歯どめということが取り沙汰されていますけれども、私は、この数字には、国民から見れば特段の根拠はないのではないかと見ております。総額で二百億円弱ということですけれども、国家ベルで調整を要するような規模ではなくて、国家戦略としては、千億円単位あるいは兆円単位でこの分野にどう投資を呼び込むかというのを考える場面ではないかなと。  そこで、NHKや国にお願いをしたいのは、まずは国民利便の向上です。マルチネットワーク、マルチデバイスで、いつでもどこでも視聴できるようにしていただきたい。  そして、民放ネット業務への協力の具体化。先ほど課題として掲げましたような項目を、これはもう受信料の大きな割合を使ってでも、民放と連携して使うなどして、次世代環境を開拓していただけないでしょうか。国内でタコつぼの競争をしている時代ではなくて、世界の中で日本のメディア産業がどう立ち回るかという観点で政策を編んでいただきたい。  私、今回の法案は大きな宿題を果たすものであって、その次にはより長期的な観点の論点があり得るんだろうと思います。県域免許マスメディア集中排除といった放送固有の制度もありますし、NHKの目的や経営形態、あるいは通信放送研究開発業務といった多様なテーマが考えられるところでございまして、メディアの未来を見据えた大きな議論に進んでいただければと考えているところでございます。  以上でございます。ありがとうございました。(拍手)
  6. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、砂川参考人、お願いいたします。
  7. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 砂川でございます。  お手元のメモに即しながらお話をさせていただきたいと思っております。  まず、NHKのインターネット活用業務の拡大という点でございますが、法案に対する賛否というよりかは、どちらかというと懸念点を述べさせていただきたいと思っております。  まず、常時同時配信を行う理由というところで、これは、長年にわたりましてNHKの方から、こういった時代の要請とともに、それから若年層にNHKに接してもらうというようなことで、こういった常時同時配信をやりたいというニーズがあったことは承知しているわけなんですが、私どもの学生にこういったNHKの常時同時配信をやるということについてどう思うかということを聞いたところ、今回始まる常時同時配信につきまして、利用したいというのは皆無でございました。  と申しますのも、インターネット、これは各委員御案内のように、どこでもというところが大きなメリットなわけなんですけれども、放送というのは、過去、同報型という形で編成を組んでおります。  つまり、学生からすれば、いつでも自分の欲しい情報を手に入れられる、そういうものでスマートフォンインターネットを使っているわけですが、それに対して、今回の同時常時配信につきましては、NHKの総合と教育の編成そのもの、同じものが流れるということですので、例えて申し上げれば、ニュースが欲しいというときに、学生たちは当然スマートフォンでキーワード検索でアクセスするわけですが、それを七時のニュースまで、じゃ、待つのかというと、全くそれに対しては反応がないということでございます。  しからば、じゃ、どうするのかというところですが、他方、NHKが今ウエブ上で展開しておりますニュースのアーカイブですとか、それから選挙ウエブ、こういうものに対しては学生の関心も高うございまして、それにアクセスしていろいろな情報を得るということに関しては、かなり高い関心を示しております。  これを実は広げてまいりますと、NHKの場合は非常にもう格段の整備が進んでおって、例えばNHKが過去放送されている番組のアーカイブ、これにつきましても、NHKの職員の方に伺いますと、もう既に各職員の端末でそれぞれの、例えば役者さんの名前を検索すると、その方が出たシーンごとに検索ができるぐらいまで整備をされている。少なくとも民放とはもう格段の差がございます。  こういったことを考えますと、今の同時常時配信だけではなくて、NHKがまさに公共放送から公共メディアというふうな言葉に変えているように、インターネットならではのサービスをできる状況は、NHKのポテンシャルといいましょうか、NHKさんが整備された中でできているわけなんですね。  じゃ、これについて、今後どこまでNHKがこの通信領域サービスを行うかという議論は、少なくとも、承知している範囲では、余りされていないのではないか。つまり、今回、常時同時配信の先に、よりどこでも誰でもというようなサービスについてやはり議論をして検討していく必要があるのではないかと思っております。  それから、二号受信料財源業務ということですが、いわゆる上限をどう設定するかですが、先ほど中村参考人からの御発言のように、これに何か合理的な理由があるわけではないのですが、まずはこの二・五%ということの、どういう経費に使われるのかというのはやはりつまびらかにして、その上で、仮に増額の必要があるのであればそれを提示するということが必要なのであろう、まずは詳細を明らかにする必要があるのではないかと思います。  それから、テレビを持たない者につきましても、今回の常時同時配信では、結局、受信契約を結んでいない世帯については正直言って見にくいというか、見えない程度のものが想定されているわけですので、そういたしますと、若年層に対する接触拡大という当初目的とは離れていってしまうわけですね。つまり、現在受信契約を結んでいない視聴者で、かつこの常時同時配信を扱う方々に対して、NHKはどういうように今後その受信契約件数をふやしていかれるおつもりなのか、こういう点についても具体策というのがまだ見えてきておりません。  それから、見逃し配信とNHKオンデマンドサービスの関係につきましても、NHKオンデマンドサービス、十年以上たっておりますが、なかなか財源的にも伸びを示しておらず、累積も、七十億を超える累積を持っております。  陳述メモの二ページ目に参りますが、こういったオンデマンドサービスと今回の見逃し配信。この今回の見逃し配信も、まだ、じゃ、どのぐらいの期間見逃し配信が可能なのかとか、じゃ、このオンデマンドサービスとどういう関係性があるのかということについては詳細は明らかになっておりませんので、民放のTVerとの関係とかも含めて、こういうことの目配りが必要なのではないかと思っております。  それから、民放との関係で申し上げますと、そもそも民放のテレビとNHKのテレビでは放送エリアが異なっております。  具体的に申し上げますと、民放の場合は、岡山香川は一つのエリア、一つの放送局でございます。それから、鳥取島根、これも民放の場合は一つのエリアでございます。これを地域番組で区切った場合には、そのエリアの中だけで放送が完結しなきゃいけないわけなので、NHK、民放と共同のサーバーで管理をするということが想定されます。そういたしますと、これに対する経費負担をどうするのかというような話合いが行われるわけなんですが、御案内のように、民放テレビ百二十七社はそれぞれ別々の会社でございますので、キー局からそれを扶助するわけにもいきません。  これは、地デジのときの中継局建設でも、非常に多くの労力をかけて中継局建設、そういったものをやった経緯がございますので、一口に地域情報を拡充と言うこと、そのものは結構なんですけれども、ローカル民放とどういうような協力関係をつくっていくのかというのは多くの論点がございます。  それから、先ほど来お話も出ております権利処理のことでございますが、これについても、既にNHKは各権利団体との交渉を始めておりますが、その中でやはり懸念されますのは、NHKがルールを決めてしまいますと、民放では到達できない、実施できないようなルールが実際には決まってしまうおそれがございます。  具体的に申し上げますと、例えば、NHKの地上波の番組に出ている出演者の方が、プラス一〇%でオンデマンド、インターネット同時配信もオーケーですということを仮に契約したといたしますと、NHKと民放で、同じタレントさんで、一人の方で一万円と十万円という、タレントに支払われるギャラの差というのはよくあることでございます。  そういたしますと、一〇%プラスといっても、NHKに出られている方は一万円のプラス一〇%、千円でございますが、民放の場合は十万円プラス一万円ということになりますので、これはとてもじゃないけれども同じパーセンテージを適用されては困るという話になりますね。  こういったことが著作権処理においては非常に大変でございまして、余りこれをNHK、民放両方で話合いなどをやりますと、独占禁止法上の問題も出てまいります。非常にナイーブな問題ですので、その辺のルールメーキングをどうされるのかというところがあろうかと思っております。  あと、ふくそうのリスク管理の問題もあろうかと思っております。  二点目、NHKのグループの適正な経営の確保ということですが、今回の改正案に対して反対するものではございませんが、実効的には余り上がらないだろうというふうに考えております。  と申し上げますのも、やはり政権与党とNHKとの関係というのは、今回の改正案に限らずずっと長い年月課題となってきたことでございまして、現状に照らした場合に、参考資料として四月九日付毎日新聞のネット配信の記事を添付させていただいておりますが、これは、NHKエンタープライズの板野社長が専務理事としてNHKに返り咲くということに対する懸念を書かれた記事でございます。  こういった状況を考えますと、上田会長御自身も御認識されているというふうに聞いておりますが、一点目といたしましては、やはり経営委員会の委員が会長になるということは禁止されるべきであろうと思いますし、それから、関連団体役員になった方は本体の役員になるべきではなかろうと。こういったことは、一般企業においてはもう既になされている、制度趣旨としてなされていることですので、なぜNHKにだけこういうことができないのかというのは非常に疑問に思っている点でございます。  最後、三、衛星基幹放送関係ですが、これも法案そのものに対して賛否を述べるものではございませんが、やはりこれだけスマートフォン等が普及している中で、高画質というような、非常に多額の整備を必要とする衛星、及びそれから、周波数があいておりますVHF帯の地上波の高画質、こういったものに対する計画というのがやはり策定されないといけないのではないかというふうに思っております。  陳述は以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。(拍手)
  8. 江田康幸

    ○江田委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の意見の開陳は終わりました。     ―――――――――――――
  9. 江田康幸

    ○江田委員長 これより参考人に対する質疑を行います。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。小林史明君。
  10. 小林史明

    ○小林(史)委員 自民党の小林史明です。  きょうは、質疑の機会をいただきまして、理事、委員の各位の皆様には御礼を申し上げたいと思います。  早速質疑に入りたいと思います。  この件、私も政務官時代に参考人の先生方とも議論をさせていただいて、この法改正まで持ってこれたことを本当にうれしく思っております。  先ほど、中村参考人からあったように、この法改正はほとんど二十数年の宿題返しだ、こういうふうに御指摘をいただきました。私も同様だと思っていまして、なので、これからの質疑は、この先の話をメーンで、議論を参考人の先生方と深めさせていただきたいと思っています。  冒頭、二つ、宍戸参考人とちょっとやりとりをさせていただきたいと思っていまして、今回のネット同時配信、やはり技術の進展を考えれば、もちろんやるべきことだということだと思っています。  しかしながら、さまざま懸念点があるんですけれども、私自身は、技術の進展はとめることができないというふうに思っておりまして、むしろ、そのデメリットをどうカバーするか、それに対して、新しい技術を活用する、場合によっては社会制度を変えていくということで対応することが、この国の発展にもつながる、そして国民の利便性向上にもつながるんだろう、こういうふうに思っています。  そういう意味では、私はとても技術のことを信用している、信じているんですけれども、これだけインターネット発達をし、デジタル化が進展をすると、デメリットもやはりあるというふうに思っています。  その一つがフィルターバブルと言われるようなものであったり、フェークニュースもあるでしょうし、場合によっては、インターネットによってパーソナライズされたサービスを徹底的に活用した場合に、あのアメリカで起こった、ケンブリッジ・アナリティカ、こういうようなターゲット広告を使った分断を誘発するようなサービスが出てきているというのも確かだと思っています。  そういう背景があるからこそ、私は放送の持っている広くあまねく多くの方に同じ情報を届けるという機能は実はとても重要だと思っていまして、私は、放送が持っているこの機能を、やはり社会を安定化する重要な装置だというふうに思っています。  そういう意味で、今私たちの生活が多様化をし、だんだんテレビというデバイスから離れていく中で、手元にあるスマートフォンであったりとか持ち歩いているデバイスでまたこの放送を見ることができるというのは、実は、健全な民主主義を育てる上でも意味があるんじゃないかというふうに思っていますが、改めて宍戸参考人から、このNHK同時配信に始まる、放送がネット側に融合していくことの意義をお答えいただきたいと思います。
  11. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 小林委員、御質問ありがとうございます。  おっしゃられましたとおり、技術発達して、そしてしかし、それに伴うデメリットがとりわけICTの空間において起きている部分がある、そういった中で、伝統的な、広くあまねく公共的な情報を広く社会の構成員に共有するといった放送の使命というものが、新しいICT環境のもとでこそその真価が問われるというか、発揮するべきではないかというような御質問、御発言だと思いますし、私も強く共感するところでございます。  とりわけ、委員御指摘のとおり、パーソナルデータを活用した情報の提供というものがしばしば、フィルターバブルであったり、世論の不安定化ということがある中で、今現在、世界では、フェークニュースあるいはディスインフォメーションに対して、御承知のとおり、デジタルジャーナリズムを強化することによって対抗する、言論を規制することによってよりも、むしろ、より質の高い、豊富な情報が、しかも必要な人に必要な形で届くというような社会建設することで対応していく、そして、そのためにジャーナリズムのあり方も変わっていくというような取組が進められており、今回の法改正によるNHKの番組の常時同時配信が、その意味での新しい社会をつくるきっかけになればと私も願っているところでございます。
  12. 小林史明

    ○小林(史)委員 ありがとうございます。  そういう点で、ニーズがあるかどうかという議論もあるんですけれども、必要なときに見に行くということになると、これはインターネットと変わらないということでありますので、いつでも見れる環境に常に流れているという状況が重要なんだろうと思っていますので、もちろん、これからニーズを喚起することも重要だと思いますが、まずは多くの方にいつでも届けられる環境をつくるということで、私もこれに意義があるんだろうというふうに思っています。  加えてもう一問、宍戸参考人に伺いたいと思っています。  憲法も専門でありますし、特に、国家も含めてガバナンスに関して大変造詣の深い参考人ですので、このNHKのあり方についてもお伺いしたいと思っています。  今回のネット同時配信の解禁に当たって、一つ、これまでの二十数年滞ってきた要因は、やはり民放の皆さんの民業圧迫になるんじゃないか、ここが最も大きかったと思っていまして、ここの調整に最も我々が苦労したところだというふうにも感じています。  今回、この同時配信をやることに当たって、もちろん、取引ではない、表裏一体だというふうに宍戸さんはおっしゃいましたが、実際のリアルなところを言えば、そうはいっても、民放の皆さんにNHKが肥大化するということではないよということもしっかり示していかなければいけないということで取り組んだこと、そしてあわせて、国民の皆さんにとってもNHKが納得感のある存在であるということを示すためにもやってきたこととして、条件として、例えば、衛星放送の帯域の返還を、インターネットでやるんだったら、BSは一時返還をして少しスリムになっていただけませんかということであったりとか、少しグループ会社が多過ぎるんじゃないですか、イベント会社が一つも二つも必要なのかということがあって、そういったことはスリムにできるんじゃないかであったりということも条件として総務省としては提示をしてきました。  それに応えていただいたということなんですが、こういうことをまず先に私は議論しないといけないと思っていまして、何でこんなことを言っているかというと、NHKの受信料の値下げがあったときに、これが安いのか高いのか、十分なのかどうなのかって議論があったんですけれども、そもそもNHKの事業規模が決まっていないと、それが高いか安いかってわからないと思うんですよ。ですから、余り値段だけ見た議論というのは意味がないと思っています。  そういう意味では、今後の論点として、まず、NHKの事業規模の適切性というのはどうやって決めるのか。そして、それが決まれば、受信料の徴収率が上がれば、むしろその頭割りの金額は下がっていくはずですから、自動的に国民の負担は一律的に下がっていくというふうに料金の設定をすべきじゃないかというふうに思っています。  そのときに必ず議論しなきゃいけないのは、どうやってNHKの事業規模、内容、サイズを考えていくかというのが結構重要だと思っていまして、これはどのように考えていったらいいというふうにお考えがあるか、ちょっと教えてください。
  13. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 大変難しく、しかし同時に本質的な御質問をいただきまして、ありがとうございます。  私の考えを申し上げさせていただきたいというふうに思います。  公共放送NHKという存在をつくる、設置するというのは、国民、そして国民代表者であります国会において、法律においてつくっていただいているものということがまず出発点になろうかと思います。  そして、したがいまして、最高裁判所が、これは立法裁量の行使であるというふうに言われているとおり、法論理的には、これは、NHKを全面的に廃止する、あるいは業務をぐっと縮小するところから、逆に、国民知る権利を充足するために必要であるということであれば、ずっと業務を拡大して広く視聴者に負担を求めるということもできるというのがまず出発点になろうかと思います。  その上で、したがいまして、健全な民主主義社会の中で、適正な公共放送の、そのように広く受信料にて支えられる事業体の規模というのはどうあるべきかということを、いろいろなオプションがある中で現実解を探していくということになろうかと思います。  そして、そのことを考える上で、まず一番最初に考えなければいけない論点は、民主主義社会におきましては言論報道機関が多元的に存在することが、先生方の前で申し上げるのもなんでございますが、政党の多元性、複数政党制と並んでリベラルデモクラシーの要諦と考えられております。その意味で、NHKが余りにも肥大化するということになるのは極めて危険だというふうに私は考えております。  他方で、公共的な情報をあまねく国民に届ける、そしてそれを民間のビジネスベースでは必ずしも十分に達成できないといったような問題であるとか、民間放送広告収入に基づくビジネスモデル、あるいはインターネット上の情報発信も広告に依拠している部分が大きいというところからすると、公的な財源によって番組であったり情報供給するという価値も高いわけでございます。  そうすると、議論の出発点としては、今ほどの規模というのをまず出発点にした上で、他方で、ここからどう持っていくか。例えば、今、テレビ番組について申しますと、地上二波それから衛星二波ということでやっているわけでございますけれども、この四波というのが多過ぎるのではないのかと考えるのか、むしろその四波全体でもって公共性を実現するというので、適切と考えるか。そこがまず大きな選択肢であり、現在のところは、地上二波プラス衛星二波で、しかも衛星二波は付加受信料ということで若干中途半端な状態にありますけれども、それをどっちに振っていくか。このことを、今回の同時配信をきっかけにして、NHKのあるべき役割、あるいはそれに対する国民の需要性というものを考えながら事業規模を決めていくべきでないかと私は考えております。  長くなりましたが、以上でございます。
  14. 小林史明

    ○小林(史)委員 ありがとうございます。これは重要な論点だと思いますので、これからも深めていきたいと思います。  続いて、中村参考人に伺いたいと思っていまして、先ほど、この放送、映像コンテンツのマーケットを見れば、国内だけで競争するんじゃなくて、もう少し広い視野で見た方がいいんじゃないかという御指摘がありました。全く同感で、これは国内のマーケットをとり合っている場合じゃないと思っています。  そういう観点で、この二・五%のインターネット事業の上限、これはやはり見直しがあってしかるべきだと思いますが、一方で、砂川さんからお話があったように、順番があると思っていまして、まずは中の細目、何に使っているんですか、これをまず明確にしていただくこと。  その中で、共通的にプラットフォームとしてやる事業については私は除外していいんじゃないかと思っていまして、その最たるものは、国際的な通信の配信事業。これについては、海外のチャンネルをNHKワールドでとるよりも、アプリケーション、ソフトウエアでとっていった方が、間違いなく、外国の方にも日本のコンテンツを効率的に配信できると思うんですね。これが、民放とNHKが協力した方が私は強力だと思っています。  そのほかにも、JOCDNであったりとかラジコの事業なんかも私は除外してもいいんじゃないかというふうに思っていますが、一歩踏み込んで、どういう観点でどういった部分を共通的にやっていくべきか、二・五%のところをどう考えるべきか、お考えかというのを参考人にお伺いしたいと思います。
  15. 中村伊知哉

    中村参考人 御質問いただきありがとうございます。  私も、二・五%の拡充ということも、拡大ということも考えてしかるべき場面が出てくるだろうと思っておりますけれども、それは、例えば民放との共通プラットフォームをつくっていくというような、NHKと民放が折り合って次の時代を築く、そうしたメディア環境をつくっていくということに充てるということが一つの選択肢になるのではないか。  それは、配信基盤でありますとか、それからアプリ、あるいは権利処理を進めていくといった、NHKと民放に共通する課題を解いていくための措置ということが考えられますし、あるいは、その次を目指して、IPクラウドですとかデータ活用といったことに駒を進めていくということもあるでしょう。またそれは、ともすると、放送業界だけではなく通信業界やIT業界とも連携をして考えるということが必要になってくるかもしれません。  またさらに、コンテンツの活用ということでいいますと、今御指摘ありましたように、私は、NHKの番組コンテンツは非常に貴重な国民の資産だと考えますので、それを海外に向けて展開をする、あるいは教育に使うとか、いろんな活用の方策があろうかと思いますので、そのあたりも民放と連携をして進めていただければと思います。  放送コンテンツの海外展開ということでいいますと、政府も力を入れてきていて、その規模も、二〇一〇年からの五年間で四・四倍に広がってきている、そういう現状でもございますので、更に力を入れていけばより大きな潜在力を発揮することができるであろうと考えております。  以上でございます。
  16. 小林史明

    ○小林(史)委員 というわけで、この法改正で、いろいろ、民放の皆さんやローカル局の経営はどうなのかという御不安もあるんですけれども、やはりこの変化をいかにチャンスに変えるか、これがとても重要だと思っています。そういう意味では、インターネット同時配信で、地方局が世界に、若しくは地方局が全国にいいコンテンツを配信するということも出てくるものだと思っています。  こういう放送業界の活性化の意味でも、新しい人たちがどんどん新しい舞台に上がれる環境整備というのがとても重要だと思っていまして、そういう意味で、最後、中村参考人に衛星放送の話を伺いたいと思っています。  今回の衛星放送の改正は、むしろ、衛星放送にどんどん新しい人を呼び込むための改正だというふうに私自身は思っています。そういう観点で新規参入にもっともっと取り組むべきだと思っていますが、一方で、IT業界の皆さんに声をかけると、放送って参入できるのという声からまず始まるんですね。  ですから、もっと知っていただいて、一時期、放送の買収みたいな話がありましたが、今や衛星放送は、まさにハード、ソフト分離をされた、参入しやすいモデルになっています。これを多くの方に知っていただいてたくさん呼び込むという取組が必要なのではないかと思いますが、そこについていかがお考えかということと、もう一つは、オリパラ以降、放送大学の跡地が地上波であくことになります。ここも多くの方のチャレンジの場にするべきだと思いますが、そのあたりの可能性をどのように考えていらっしゃるか、最後お答えをいただいて、質問を終了したいと思います。
  17. 中村伊知哉

    ○中村参考人 今回の放送法の改正案でございますけれども、衛星については、技術が進歩して、圧縮技術が進歩してきて、少ない帯域で放送を行うことが可能になってきている、そこで新規参入も促す措置だと認識をしておりまして、サービスあるいはコンテンツを向上させる、多様化させる非常に重要な施策であると認識をしております。  より豊かな映像文化を国民が享受できるようにするということで参入を促進したいとしても周波数の逼迫が最大の課題でございますので、衛星の波はその中でも非常に重要な資源でありますから、これをできるだけ有効に活用するという措置は非常に意味が大きいと思いますし、また、地上波の中でも有効に活用できる部分については有効に、新しい、これまでの放送にできなかったようなことをさまざまなテクノロジーを使って実現できるような、そんなことにも有効に活用できればと望んでいるところでございます。
  18. 小林史明

    ○小林(史)委員 ありがとうございました。
  19. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、高井崇志君。
  20. 高井崇志

    ○高井委員 岡山から参りました高井でございます。  きょうは、三名の参考人の皆様、お忙しいところお越しいただき、ありがとうございます。  まず最初に、中村参考人にお伺いしたいと思いますが、二十七年前からあった議論だということで、一九九二年という数字を聞いて、私は一九九三年に郵政省に入省しまして、そのとき中村さんは係長か課長補佐だったと思うんですけれども、そのころから、ああ、もうそんなに長いことやっているのかという感じがいたしました。  今回のこの放送法改正は、私は一貫して感じるのは、どうも国民・視聴者の視点に欠けているんじゃないかなというのをずっと指摘しています。二・五%の問題もそうですし、やはりこれだけ、もう放送からネットに、特に若者なんか移行している中で、なぜ上限というのが要るのか。せっかくつくったコンテンツを広くネットで流すというのはまさにNHKの使命ではないか、公共放送じゃなくて公共メディアとしての使命だと思いますし、あと、これもずっと前から言っているんですけれども、私は岡山ですけれども、NHKの岡山放送局がつくった番組を東京で見たいんですよね。岡山のニュースを見たいんだけれども、これが見れない。ネットになったらようやく見れるかと思ったら、またこの制度では見れないということで。  わかるんです。NHKと民放との関係、NHKを肥大化させてはいけない、いろんな放送の業界の中での関係はわかりますが、しかし、国民・視聴者を考えたら、特にNHKは受信料で成り立っているんですから、やはりこの視点を忘れてはいけないというふうに考えています。  そこで、中村参考人も提案されている、NHKと民放が共通のプラットフォーム、基金をつくったりしてネット配信を同時にやるというのは非常にいい提案だと思います。  先日、党内の部会で民放連の方にも来ていただいてそんな話をして、私は、思い切って、その財源はNHKが全部出したらいいんじゃないか、受信料で全部賄ったらいいじゃないか、もともと国民の皆さんが支払っているお金ですからと言ったら、民放の方も、はっきり言いませんでしたけれども、それならいいですねみたいな反応でしたけれども。  こういうちょっと思い切ったことも含めて、中村参考人がそういう提案をしていただいて、総務省の中でも一部の方はそういう考えを持っているようですけれども、しかし、総務省全体に聞いても、正式に聞いても、なかなか前向きな答えが返ってこないんですが、これは非常にいい提案だと思いますけれども、どうやって実現していったらいいかということを中村参考人にまずお伺いします。
  21. 中村伊知哉

    ○中村参考人 ありがとうございます。  二・五%の上限については、私、民放の懸念は理解をいたします。理解いたしますけれども、国民から見れば、より今後のメディア環境を整備していくという意味で、NHKの受信料を活用するという選択肢もあるだろうと考えておりまして、これは同時配信にとどまらずに、ITをより駆使をしていく、あるいはデータやAIも使っていくというところにどう広げていくのか、新しいメディア環境を、国民のためのメディア環境というものを民放とどのように連携をして進めていくのかというのは非常に今後の重要な論点だと思いますし、これは放送だけではなくて、ITも含めて、今世界じゅうでメディア環境が激動する中で、日本はどのような環境を用意していくのかという観点が必要で、そうしたNHKによる投資や業務コストは、そうした観点の中で決定をしていくのがよいのではないかなと考えております。  また、地域の制限を行うということも考えられるわけですけれども、将来的に言いますと、民放のローカル局を含めて、地域の番組、地方の番組をいかに全国に、あるいは海外に発信をしていくのかという観点も重要になってきているのではないかな。現実に、関西の独立U局がネット同時配信の実験をしたりしていまして、こうした動きを放送全体でどう捉えるのかということが重要なのではないかと考えます。  以上です。
  22. 高井崇志

    ○高井委員 やはり、これだけ大きなことをやろうと思うと、当然、放送会社だけではだめで、総務省が、私は、法改正も恐らく必要になると思いますから、主体的役割を果たすべきで、中村参考人の同期は山田局長であったり谷脇局長でありますので、ぜひアドバイスをしていただいて、総務省にしっかり音頭をとっていただきたいというふうに思います。  それでは次に、宍戸参考人にお伺いしたいと思いますが、ちょっと同じような視点で、私は、やはり国民・視聴者の視点が抜けているんじゃないかと。  宍戸さんは諸課題検討会の委員も務めておられて、そこの議論も、私もたまに議事録とかをちょっと見ますけれども、全体の議論は承知していないんですけれども、ただ、宍戸参考人も先ほど、地域向け放送番組は今のままやはり提供した方がいいという、つまり、私がさっき言った、NHKのローカル局の、ぜひ見たいといってもそれはできないという考え方に賛成をされているというふうに受けとめましたけれども、ちょっとこのあたり、諸課題検討会でどんな議論があってとか、あるいは、今私が申し上げたようなことに対して、宍戸参考人としてのコメントもいただけたらと思います。
  23. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 御質問ありがとうございます。お答えを申し上げます。  まず、総務省の諸課題検におきましては、ちょっと視聴者視点が薄いのではないかというふうに御指摘を受けまして、私も反省をしておりますが、一応、諸課題検においては、第一次取りまとめにおいても第二次取りまとめにおいても、今までのような事業者目線ではなくて、視聴者視点で今後の新しいメディア環境をどうつくっていくか、その観点からの課題解決をするということは、いわば大きな目標として報告書等にもはっきりと明示し、その方向で議論してきたつもりではございます。  したがいまして、委員御指摘の二・五%というのは、別に我々諸課題検においてそれを正面から議論しているものではございません。  その上で、第二番目の地域制限のことでございますけれども、私はこのように考えております。今回のNHKの常時同時配信につきましては、現在行われている放送の補完として実施する。したがいまして、本体が放送そのものでございます。そして、それにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、基幹放送普及計画制度があり、その中で放送の区域を区切るということになっているので、いわばそれの関数とした結果として、地域番組向けの放送の提供をそれぞれのエリアで行うということになっているということでございます。  したがいまして、それにプラスアルファとして、今回法改正をする常時同時配信のプラスアルファとして、例えばNHKのローカルの番組というものがいわばモアサービス的に、例えば違うところで見られる、違う場所でも見られる、例えば関係人口のような方であるとか、その地域に関心の深い方が見られるようなことを何らかの形でNHKがサービスとして提供するということが望ましいと私自身は考えております。  ただ、それは、今回の法改正の常時同時配信を今回認めるということとまた別枠でそういうことをやっていき、また、それについて民間放送とも共通のプラットフォームなどでやっていく、そういうことが望ましいのではないかと。  ただ、その一番ベースになる部分として、常時同時配信は放送の関数としての地域限定をひとまずかけておいて、まずベースは実施する、こういう趣旨でございます。
  24. 高井崇志

    ○高井委員 ありがとうございます。  諸課題検の議事録を全て読んだわけじゃないのに、大変失礼なことを言ったかもしれません。申しわけありません。  ぜひ、恐らく検討会のテーマ設定がそうだったということだと思うんですけれども、やはり我々、皆さんが期待しているのは、放送と通信の全般的な検討をあの場はぜひしていただきたいなと。そういう意味では、第二次というか、次なる、またより大きな視点での検討をぜひ委員の皆さんには御期待したいと思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。  それでは、砂川参考人にもお聞きいたしますが、実は、大変、おっしゃった同時配信の話とか、私も、何で常時なんだ、アーカイブをもっとどんどんやるべき、NHKオンデマンドなんか、何で金を取るんだと私はずっと思っていまして、受信料でつくったものなんだから、どんどん広くみんなで公開すればいいと思って、全く我が意を得たりと思ったんですが、そのことも聞きたいんですけれども、それ以上に、NHKと政権与党の距離についてお話がありました。  私がこの委員会でも取り上げた板野専務理事の話もまさか出てくると思わなかったんですけれども、私はこの委員会でも何度か取り上げました、やはりこの間、非常に政権との距離が近くなっているんじゃないか。  例えば、森友学園の籠池理事長が記者会見をする日に南スーダンの撤退を決めた、それがNHKだけが詳細にあらかじめ情報をとって報道を長々するとか、あるいは「NHKスペシャル」で北方領土の秘密交渉を、ホテルの部屋で打合せをしている、総理と幹部だけがしているのをなぜかNHKだけが独占してニュースしているとか、その他枚挙にいとまがありません。  現場の方、私も知り合いが何人かいますけれども、聞くと、やはりちょっとおかしい、記者会見と同時にテロップが流れるとかいうのは今までなかった、あるいは放送時間も明らかにふえている、こういったことを私なんかは聞くわけですけれども、より先生は専門家で、あるいは現場にもお知り合いもたくさんいらっしゃるんじゃないかと思いますので、こういった政権与党との関係を改めてどう見ておられるか。  そして、あと、イギリスの話、BBCの話が中村さんから出ましたけれども、BBCというのはかなりその辺は異なっていて、これはやはり私は制度設計にも問題があるんじゃないかと。つまり、NHKの場合は経営委員会が会長を決めるわけですけれども、経営委員の任命は国会同意人事なんですけれども、しかし、事実上、やはり政権側が特に最近決めていっているような。しかし、BBCは違うんですね、より中立性の高い決め方をしている。  こういったことにも制度上の欠陥もあるんじゃないかと思っていますが、このあたりについて、先生の御所見をお聞かせください。
  25. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 御質問ありがとうございました。  やはり、これは既に指摘されているように、籾井前会長時代、もっとさかのぼればNHKの歴史自体が、政権与党、特に自民党との関係で執行部が生まれてきたというのは御承知のとおりだと思いますし、それから、私の教え子も含めまして、NHKの現場で話をしておりますと、現場の方から聞くのは、やはりこの数年、よりニュース、特にストレートニュースに対する政権与党へのそんたく、これが非常に、特に若手というよりかは中堅以上の管理職から強く出されていると。こういったところはさまざまな週刊誌等でも報じられているところなので、本当にこういう話があるのかということを関係の方に聞きますと、ほぼそのとおりであるということですので、しからば、じゃ、こういったことをどう制度的に解消していくかというのはまさに必要なことでございまして。  ただ、放送法の概念自体は、委員も皆さん御案内のように、民主主義に基づいて選ばれた国会議員が経営委員を決めていきという仕組みでございますので、その仕組み自体が悪いということではないのですが、そこで、じゃ、報道機関である公共放送が一定の政治との距離をどう保つかという意味でいいますと、先ほど来出ているようなBBC、BBCもこれが決まりという制度ではなくて試行錯誤をしているわけですが、やはり、執行と経営を分離した際に、しからば、じゃ、執行に対してある種の中立的な任命機関をどうつくるのかということにつきましては、日本でもさらなる検討が加えられ、それを制度改正まで持っていくことが妥当ではないかというふうに考えております。  以上でございます。
  26. 高井崇志

    ○高井委員 まさに今先生がおっしゃったように、現場の声もそうなんですよね。あと、私は郵政省にかつて勤めていましたけれども、でも、今ほど、やはりもうちょっと当時は政権与党の距離というのは気を使いながらというか、やっていたと思います。そういう意味では、非常にやはりそこのたがが外れてきているんじゃないかなというのを強く感じます。  中村参考人に最後にお聞きしたいと思いますが、中村さん、イギリスに先日視察に、テレビ業界をずっと回ってこられたと聞いていますけれども、私はイギリスにそんなに長いこと住んだことがないので伝聞なんですけれども、やはり、でも、BBCって非常に評価が高いと聞いています。それはどういう点にあるのかというか、私は、政権との距離を、むしろ政権批判をするような公共メディアとして評価されているというふうに聞くんですけれども。  あるいは、BBCだけじゃなくて民放も含めたこの二元体制というか、日本と似たような仕組みの中で、私は、イギリスがうまくいっている部分というのは日本も大いに参考にしなきゃいけないと思うんですが、つい直近のイギリスを視察されて、イギリスの評価というか、ぜひお聞かせいただけたらと思います。
  27. 中村伊知哉

    ○中村参考人 イギリスは、先ほど申し上げましたように、放送の産業構造が日本と共通している点があるだけではなくて、ブレグジットで非常に政治的に揺れているとか、さまざまな課題も抱えているということで、いろいろ放送業界としても悩み多きところ、皆さん悩んでおられるという実態も同時に見てまいりました。  同時に、イギリスは、テレビ、放送の文化がまださほど傷んでいないといいますか、健全に機能していて、アメリカからさまざまな大きなメディアの波が押し寄せているけれども、それに懸命に対抗している、危機意識が非常に強いといいますか、そこでBBCも民放も一緒になってプラットフォームをつくるとか、データの活用を進めるということに汗をかいていて、それは、日本にとっては近未来といいますか、非常に参考になる面があるなとは思いました。  以上でございます。
  28. 高井崇志

    ○高井委員 どうもありがとうございました。  以上で終わります。
  29. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、奥野総一郎君。
  30. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 国民民主党の奥野総一郎でございます。  きょうは、お忙しい中おいでいただきまして、三先生方、本当にありがとうございます。  私も、中村先生がおっしゃっておられたように、遅きに失したというふうに感じています。この委員会でも常時同時再送信については速やかに実行すべしということで発言をしてまいりましたし、結局、媒体の違いにしかすぎないと思うんですね、光でやるのか、電波で飛ばすのか、あるいは衛星を使うのか。コンテンツを流す媒体の違いによって規制の対応が違っては私はいけないと思いますし、できるだけ自由にいろんな媒体を使い分けられるような仕組みをつくるべきだというふうに思います。  そういう意味で、今回、このNHKの常時同時再送信を認め、そして、これは民放がなかなかローカル局の問題もあって難しいんですが、これが先導することによってネットでのテレビ放送というものがどんどん進んでいく、この先駆けになるという意味で、非常に私はこの改正自体には大賛成であります。ありますが、何点か気になるところもあるので、そのあたりを少し伺いたいときょうは思います。  先ほど砂川先生が、テレビを持たない者への対応についてということで御指摘がございましたよね。宍戸先生は知る権利を拡大するという話がありましたけれども、知る権利の拡大という意味では、いつでも、どこでも、誰でも見られるように、放送コンテンツが見られるようにすべきだということになると思うんですけれども、これは穴があるといいますか、この今回の法改正だと、まずテレビ受信機がない場合、パソコンとかワンセグとかスマホで見る場合ですけれども、今の制度だと、テレビ受信機、テレビが映る受信機なりスマホを持っていないと視聴できない、こういうことになるわけですよね。  でも、アイフォンはテレビついていませんから、アイフォンとマックしか使わないという人が例えばいれば、それでテレビがなければ、これは常時NHKの放送は見れないということになりかねないわけですよね。これはそもそもの狙いとずれてしまうんだと思うんです。  では、これをどう、なぜこれが問題かというと、これは、本来ならここであわせて受信料の体系について議論をすべきだったと思います。NHKは少し議論はしたみたいですけれども、本来、制度改正として、受信料の体系については議論すべきだったと思うんですね。  そこで、ちょっとそれぞれの先生方に伺いたいんですが、どうすべきか、この状況についてどうすべきか。  いろいろありますよ、フリーでもいいんだ、完全にフリーにしてしまう、そういう受信機を持っていない人にも完全にフリーで見せてしまう。ただ、これは、負担の公平性の観点から問題がありますよね。そうすると、じゃ、受信料体系を見直す、どう見直すんですか。あるいは、そういうスマホだけで見る人にだけ特別に課金する、いろんな方法があると思います。私は従来から言ってきたのは、ドイツ方式で、世帯にかけるのが公平じゃないか、世帯に課金をして、できるだけ受信料の水準を広く薄く下げていくというのが望ましいと思うんです。  これは私の意見ですけれども、それぞれ先生方の御意見を伺いたいと思います。じゃ、最初に砂川先生から。
  31. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 私の意見では、委員おっしゃったように、ドイツ型の方式が最も合理的なのではないかと思っておりますが、ただ、日本の場合、世帯というものが、単身世帯、特に高齢及び若年でも単身世帯というのはふえておりますので、制度としては世帯ごとの契約で考えた方が合理的だとは思うんですが、実際の徴収に当たりましては、やはり日本の高齢化等の対応は必要になろうかというふうに考えております。
  32. 中村伊知哉

    ○中村参考人 テレビを見る見ないにかかわらず受信料を徴収すべきという意見もありましょうし、テレビを見ない人から取るなという意見もあろうかと思います。当面、非契約者に対してメッセージ画面で対応するということですけれども、当面の措置としては妥当なのではないかと思いますけれども、今後のテレビ離れあるいはネットの普及などの動向を見据えて、受信料の仕組みを抜本的に見直すという必要性は生じてくるでありましょう。  ドイツあるいはイギリスも似ていますけれども、テレビを見る見ないにかかわらず料金や負担を取る、徴収する、そういう方法も参考になるかと思いますけれども、税ではないといいながら税に近い性格を持っておりますので、これは広い国民全体の理解が大前提になってくると思いますし、そのためにも、NHKの透明性あるいは情報公開、ガバナンスということが鍵になってくるかと思います。  また、ネット受信料を立てる、そういう議論もあるかと思いますけれども、私は、通信・放送融合の中で、放送とネットの料金を分けるのではなくて、いかにそれを融合させていくのかということが今後の議論の方向ではないかと思います。  NHKは、公共放送から公共メディアと言っていますけれども、ネットを含む公共メディアを国民のどういう負担で支えるのか、そういう、同時配信の推移も見ながら本格的に議論をする必要が生じると考えております。  以上です。
  33. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 御質問ありがとうございます。お答えを申し上げます。  受信料体系をどういうふうに見直していくか、その際に、いわゆるドイツ方式、全世帯受信料方式というものをどう考えるかということは、私、ドイツ憲法の研究をしております関係で、これは非常に大きなテーマだというふうに思って考えているところですが、私自身の現時点での考えでは、委員の御発言とは逆でございまして、全世帯受信料、ドイツ方式は、日本では今のところ、とるべきではないというふうに私は考えております。  その理由を申し上げますと、全世帯に、つまりテレビの有無あるいはインターネットへの接続の有無とは関係なく受信料の支払いを義務づけるということは、やはりこれは非常に税金的なものが大きいのではないか。少なくとも、それを採用する場合には、日本のナショナルなマスメディアというのがほぼNHKだけになってしまって、あとは非常に無力になってしまう。そして、そのナショナルな民主主義を守るためには、NHKは、いわば一本足打法的に、ここに任せるしかないといったような状況であり、かつ、NHKのインターネットの同時配信等が非常に広く広がって国民に受容されている、みんな国民がそれを頼りにしているという状況になるまでは、この全世帯受信料のような方式というのは、健全なメディア間の多元性を維持するということとの関係も合わせますと、やはり適切ではないのではないかと私は考えているところでおります。  かわりに、例えばインターネットに接続している段階で、NHKの番組を見る見ないにかかわらず受信料を取るというのも、少しまだ早いのでは、行き過ぎではないかと。やはり現時点では、先生も御指摘になりましたように、例えばアイフォンでありますとか端末をテレビとして、あるいはテレビ類似のものとしては、例えばアプリであるとかを導入してNHKの番組を見るために使う、いわばNHKを支える受信契約者の仲間になるという方にNHKの受信料を負担いただくということが、やはりバランス上適切ではないかと私自身は考えているところでございます。  以上でございます。
  34. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 それぞれ非常に参考になりました。  砂川先生の御指摘はもっともで、今、日本は非常に世帯数が、人口は減っているにもかかわらず、世帯数はふえているわけですから、そういったお一人でお住まいの高齢者の方、年金暮らしの方向けには、もっと低い受信料と。そこは、所得別に割り引くような制度があってもいいのかもしれません。  中村先生のおっしゃるように、もう少し長い目で見たときに、抜本的な見直しが必要だということも、そのとおりだと思います。  そして、宍戸先生おっしゃるような形、ということは、あれですよね、放送法の、そもそも、受信機を設置した者について受信料が発生する、そこの概念をむしろ改めるべきだということでよろしいですか。
  35. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 ありがとうございます。  そのとおりでございまして、受信機を設置するというときの、そこで言う受信機というものについてより広く捉えていくということによって、広い意味で、NHKのあり方というものを支える人たちの範囲というものを広げていく。  ただ、どうしてもそれに入りたくないという方は当然おられて、その思想、良心の自由等への配慮というのは同時に必要であろう、こういう趣旨でございます。
  36. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 非常にリベラルな御意見でありまして、全く同感であります。  十五分しかないので、あっという間に時間がたってしまって、もう一点、ちょっとそれるんですけれども、同時再送信の番組については、実は放送法はかかわらない、直接的にはかかわっていないんですよね、ネットで配信されていますから。しかし、同じ番組を流しているわけだから、放送法の規律に基づいて編集された番組が流れているので、フェークニュースなんかは流れないだろう。NHKがフェークニュースを流すということを言っているわけじゃなくて、制度的にそういうふうになっているんだろうと思いますが、これからいろんな形で展開してくると思いますよね。ネットフリックスじゃないですけれども、ネット専用の、専門の番組をつくるということだってあり得るかもしれない。  そういったときに、昨年も問題になったんですが、ネットでの規律ですよね。テレビは、電波を使った、無線局を使った放送については、放送法の規律がかかわってくる。政治的な公平性であったり、真実に基づく報道、フェークニュースはだめだという規律があったり、いろんな角度から取り上げなさいという規律があるわけですけれども、じゃ、これについて、逆に、ネットについて一定のルールをつくる、世間一般では、ネットはできるだけ自由にあるべきであると言っていますが、しかし、最近はフェークニュースなんかの話もありますし、いろんな議論が起きていると思うんですが、ネットでこうした放送法四条のようなルールを将来に向けて検討すべき、あるいはつくるべきだと思われますか。それとも、ネットについては全くフリーにコンテンツを流すべきだと思われますか。これは、じゃ、宍戸先生から順番にお願いします。
  37. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 お答えを申し上げます。  私自身は、ネットにおける情報発信というものは、原則としてやはり自由であるべきだと。それは、免許ないし認定ということで公的な規律がかかっている放送とは違うべきだというふうに思っております。  ただ、委員御指摘のとおり、現在、ディスインフォメーションやフェークニュースが流通するといったときに、それに対する対応は必要でございます。そうなったときに、例えば、むしろ、情報発信者よりは、その情報の流通を媒介しているプラットフォーム事業者に対して自主的な規律を求めることと、他方で、NHKのような伝統的なメディアが、政治的公平であるとか中立をみずからの自主的な規範として掲げて、ネット上できちんとした情報発信をしていく、そのこととのかけ合わせで対応していくべきでないかというふうに、現状、私は考えております。  以上でございます。
  38. 中村伊知哉

    ○中村参考人 私、日本の場合、ネットのコンテンツをチェックするといいますか、国民がそれをきちんと捉える、情報リテラシーですとか、それに対応する力を持っていると信じておりますので、安易にそこに規制をかけない方がよろしかろうと思っております。  ただ、そうはいっても、放送事業者が自主的につくっているBPOのような、コンテンツをチェックするような機関を民間が自主的な努力によってつくる、あるいはユーザーがそうしたチェック機構をつくって、自主的につくった上で、そのコンテンツ、チャンネルの信頼性を高める、そういう努力は今後あってもいいのかなと思っているところです。  以上です。
  39. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 考えを述べさせていただきます。  まず、法的規制はなじまないというのは大原則だと思います。  ただ、放送型の、じゃ、自主規制をどうやってつくっていくのかということに関しましては、これは、そういったNHK、民放連の放送基準のようなもの、それから各社が持っている番組基準というようなものもあるんですが、より実態的には、やはり考査担当者のような実務者をどうやって育成するかというのも大きな問題でございまして、つまり、ネットの方々と御議論させていただく際に、やはりそういった意味での倫理的なもののマインドというのがなかなか醸成されていないという大きな問題がございます。  実は私は東京メトロポリタンテレビの番組審議会というところに入っておりまして、「ニュース女子」という番組が、これは持込み番組でございましたが、これはネットでも放送されている番組ですが、それが地上波で放送されたときに、番組審議会として、これに対して会社に是正策を求めた経験がございます。  その経験から申し上げると、やはりネットでそういったコンテンツを制作されている方々は、いまだにそういった倫理という面については極めてまだ関心が低うございますので、そういった従事者に対する関心を上げつつ、視聴者、ユーザー側にもそういうネットリテラシーというようなものを上げながら、相乗的に実効力を上げ、かつ自主規制を有効に機能させるというのが一番ではないか、そういうふうに考えております。
  40. 奥野総一郎

    ○奥野(総)委員 時間になりましたけれども、通信と放送の融合ということでいえば、普通の今のテレビジョン受信機だって、グーグルクロームか何か使って見れば、これはネットの画像なのか地上波なのか衛星なのか、全く意識せずに見ることができるわけですよね。  これは、よほど見る側が意識を持って見ないと、僕、去年、予算委員会で、安倍総理が延々と二時間AbemaTVに出た話をしたんですけれども、放送の政治的な中立性などというのは一切きかなくなるわけですから、そこはやはり見る側が意識しなければいけないし、どっちかに寄せなきゃいけない、いずれどっちかに寄せなきゃ。  それは通信の側に放送の規制を寄せるのか、あるいは放送の規制、ルールのようなものをネットの世界にも導入するのかという話になってくると思います。非常に難しい話だと思いますので、また引き続き御示唆いただければと思います。  きょうは、ありがとうございました。
  41. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、桝屋敬悟君。
  42. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 公明党の桝屋敬悟でございます。  お三人の参考人の先生方には、きょうはありがとうございました。  随分専門的な、きょう、先ほどから質問しておりますのは、この委員会きっての専門家ばかりでありまして、私、ずぶの素人でありますが、先日、このNHK常時同時配信などをめぐって、五月十三日でしたか、毎日新聞の社説を読んでおりましたら、ちょっと紹介しますと、こんな記事がありました。  NHKが初めてテレビ放送を始めたのが一九五三年、昭和二十八年、今からもう六十年以上も前であります。そして、民放も含めて、家庭においては、家族の団らんの真ん中にテレビが、受信機が座っている、こういう時代があったわけであります。  今もそうなんでありますが、平成の時代に入って、いよいよスマートフォン、スマホの画面で、ゲームのみならず動画配信等も今はできるようになっておりまして、今回、まさにNHKの常時同時配信というような法律改正になったわけであります。  このスマホの登場というのは、まさに、NHKも公共放送から公共メディアとおっしゃっていますけれども、メディアそのものがお茶の間から個人の世界に移っているんじゃないか、そのことは、ある意味、若者のテレビ離れということも特に言われておりますけれども、人を、人の社会を内向きにしてしまっているんじゃないのというような指摘もあるわけであります。  先ほど中村参考人から、そうはいいながら、日本のテレビ、奇跡的に頑張っているというようなお話もございましたけれども、こうしたスマホの時代、あるいは放送と通信の融合、こういう時代にあって、テレビの役割、映像の役割ということもあるんだろう、こう思っているんですが、初歩的な話で恐縮ですが、お三方の参考人の御意見を承りたいと思います。
  43. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 御質問ありがとうございます。委員御指摘のとおりだろうと思います。  つまり、ますます、どんどんどんどん情報というものがパーソナル化していき、一人一人がばらばらになっていくということは、これは社会の健全な発展にとって、いい面と同時に悪い面と両方あるわけでございます。  そうした中で、例えば社会全体でどういうものを公共的な事柄として議論するのか、よくこれは議題設定機能というふうに呼んでおります。また、人々がこの問題について大体どう考えているのか、そして、それに対して自分の立ち位置というのはどこにあるんだろうかということを知る、これは世論認知機能というふうに呼んでおりますが、こういった議題設定、アジェンダの設定、それから世論の認知機能というものがないと、我々、この社会の中で、いわば自分の立ち位置も、全体も見えなくなってくる。  そういった中で、広く国民の間に普及したメディアとしての放送が今のような二つの機能を果たして、人々が社会の中でつながったり、また自分を楽しんだりということを選べるような、そういう基本的な社会インフラであり続けるべきだというのが私の理解でございます。
  44. 中村伊知哉

    中村参考人 スマホが登場しましたのが今から十一年前のことでございますので、もうそのころにはネットというのはインフラになっていたのではないかと私考えておりまして、今回のNHKの同時配信を認めるというのも、それはインフラとなったということを裏づけるものではないかと考えているのですが、ネットの普及によって、それだけではなくて、例えばSNS、ソーシャルメディアなどの利用も進んで、これまででは得られなかったようなコミュニケーションやコミュニティーができてきたという面もありますし、民主主義が強化された面もあるのではないかと思いますけれども、これが、より豊かな国民生活、国民社会文化というものに結びつけていくためには、何よりもそれを使いこなす国民全体の情報リテラシーといいますか教育、これが何よりも大事なのではないかと思います。  よい情報もあれば間違った情報もあふれていくであろうという中で、一人一人がそうしたことをきちんと判断し、選び、使える、そういったことを身につけていくという教育がこれからますます重要になってくるのではないかと考える次第です。  以上です。
  45. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 社会に対する情報の基盤となるべきであるということはそのとおりでございまして、やはり、ネットとテレビ情報が混在する、今回まさに同時常時配信でそうなるわけですけれども、やはり、ユーザーから見て、テレビ情報は信頼に足るものなんだ、そういう認識があることが極めて大事なので、中村参考人がおっしゃっていたような、情報リテラシーを上げるという部分と、やはり放送事業者側も、よりテレビに対する信頼度を増すような番組をつくっていく、こういうところが両方相またないと、なかなか進んでいかないのではないかというふうに考えております。
  46. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 ありがとうございます。  先ほど、いわゆる、これから、今私が申し上げたような時代状況の中で、テレビを持たない者がふえてくるだろう、そんな中で受信契約等をどう考えるかということで同僚の議員も議論されておりました。  お三方の参考人の意見は拝聴させていただいたのでありますが、いずれも、これからの時代を展望して、ここはしっかりと公共メディアを国民全体でどう支えるかということで議論しなきゃならぬ、こういう御意見だったと思うんですが、奥野先生のお話は、ドイツ世帯型の話を言われたので、砂川先生の御意見が、ちょっと私、砂川先生御自身のお考え、先ほどの御説明でも、NHK自身が決めなきゃいかぬ、NHKがきっちり選択をしなきゃいかぬということもおっしゃっていますが、砂川先生自身の、これからの時代を見据えたNHKの受信料、受信契約のあり方について、もう少しお話を聞かせていただきたいと思います。
  47. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 私自体は、今の契約義務制というものそのものは結構だと思います。ただ、それが、根拠となっている条文が機器の設置というところになっているところにつきましては、やはり、機器の設置という、放送法が制定された一九五〇年当時の状況とは違いますので、それに応じた対応が必要、つまり変えていく必要はあろうかと思っております。  その際に、一つの参考として、ドイツにあるような、放送の受信の有無にかかわらず情報機器を持っている際は契約を一旦義務づける、こういうところから議論をスタートさせて考えていかないと、つまり、じゃ、しからば、今どんどんどんどん機器も新しくなってきておりますので、例えば、ハードウエアだけに着目しても、実はソフトウエアの側も考えないと、パソコンに後でソフトウエアで機能追加ということもどんどんできますよね。だから、そういう意味でいうと、全体に一回網をかけた上で、本当に実効的なものはどうなのかという議論をする必要がある、そういう考え方でございます。
  48. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 ありがとうございます。  さらに、宍戸先生にお伺いしたいんですが、NHKの同時配信について、個々の受信者なり社会全体に過大なコストを要するものであれば、ここは視聴者利益に資するとは言えないというようなこともおっしゃっておられますけれども、今後、NHKの、そういう意味では、先ほどから議論が出ておりますけれども、同時配信のコストについて、これは先ほどから話が出ておりますが、受信料とそれから二・五%の上限のところも含めて、先生の適切なコストというのはどのぐらいなのか、これから始まるのでありますが、御見解を伺いたいと思います。
  49. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 御質問ありがとうございます。  私自身は、具体的に数字で申しますと、やはり、受信料収入の二・五%というのは、これは一つの目安にすぎないものというふうに考えております。  むしろ、まずは、NHK自身が、差し当たり地上波の基幹放送二波分ということになりますけれども、それを、テレビを今既に契約している方あるいはそれ以外の方も含めて大体どれぐらいのニーズがあり、そこに向かってこれを送るためにはどれぐらいの費用がかかるのかということをきちんといわば計算をしていただいて、そして、それが一体、NHKの受信契約者あるいは受信料のうち、どれぐらいのコストになるのか。そして、それとの関係でどれぐらいの負担が適切であるかということについて、しっかり、他の事業者もそうですし、我々視聴者・国民に対してきちんと話をしていただく。その前提として、やはり情報公開であるとか情報共有というものをしていただいて、その結果として、その数字が二・五に落ちつくこともあれば、それを上回るあるいはそれを下回るという場合もあるものだろうと。  したがいまして、二・五というのは一つの目安にすぎず、まずは、NHKがやるべきこと、そしてそのためのコストというものをきちんと算出すること、それを公開していただくこと、これが必要だというふうに考えております。  以上でございます。
  50. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 ありがとうございます。まさに、今回の法律がそうなっているわけであります。  それで、もう一つ、中村参考人にお伺いしたいのでありますが、三人の御参考人の御意見も伺いたいのでありますが、特に中村参考人に伺いたいと思います。  民放との関係、共通の技術開発など、NHKの先導的な役割というのが期待されるわけでありますが、きょうは、ユーザーの情報活用というような話までいただいたわけであります。  今後の、放送通信の融合というこの時代にあって、NHKの役割、特に民放との関係で早急に取り組んでもらいたいというようなテーマがありましたら、お話をいただきたいと思います。
  51. 中村伊知哉

    中村参考人 ありがとうございます。  私は、まずは、今回の同時配信をきっかけとして、テレビ版ラジコのような、民放もNHKも一緒になったような配信のプラットフォームといいますか配信の基盤を、ぜひとも国民のためにつくっていただきたいなと。それは、スマホのアプリのようなもので簡単に見られるというところまでやっていただけるとありがたいですし、そのためにも、民放と連携協力をしながら著作権権利処理にも当たっていただければと思っています。  更にその次を見据えた動きもしていただきたいと思っていまして、それは、今後ますます通信放送が融合していって、クラウドの環境でコンテンツの、ソフトウエアを管理していくとか、視聴者のデータを分析をしてよりよい放送に導いていく、そういった業務も想定されるわけでして、そのあたりの連携も進めていただければありがたいなと思っております。
  52. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 じゃ、最後にもう一問だけ。砂川参考人にお伺いしたいのでありますが、今回、参考人からも御意見がありました、NHKが常時同時配信をする、トレードオフの関係ではないけれども、NHKもしっかり中身を正せ、こういうことになっているわけでありますが、考えてみれば、NHKは今までも、みずから、自主自律の観点から三カ年経営計画を立てて計画的にやってきているわけですね。  それを今回、届出の義務と、そして公表の義務を改めて法律でうたうというようなことは、まさに公共放送の不偏不党という観点から、場合によっては行き過ぎじゃないの、今までもやっているではないか、こういう声もあるわけでありますが、御意見があったら伺いたいと思います。
  53. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 委員御指摘のような御意見も当然あろうかと思うんですが、むしろ、今回新しい事業として常時同時配信を始めるに当たり、改めて、やはりそれだけの重みを持った制度的な対応もあったんだということで、これは規制強化と申しますよりかは、新規事業に対する意味で、適正な管理がされるという観点の方が強いのではないかと思いますし、それをもってNHKの自主自律が阻害されるというふうには余り考えられぬのではないか。  むしろ、日常的な、特にストレートニュースに対する国民の疑義という方が強いので、そこの面でのNHKの自主自律というのを番組面で見せてほしいというのが一般的な視聴者の意見ではないかと考えております。  以上でございます。
  54. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 ありがとうございます。  先ほど宍戸委員からも、今回の規制については、まさに共同規制だ、このようにおっしゃった、一体としてやっていくんだ、こういう御意見にも通ずるお話かなと思っております。  御三人の参考人の御意見に感謝申し上げて、終わりたいと思います。ありがとうございました。
  55. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、本村伸子さん。
  56. 本村伸子

    ○本村委員 日本共産党本村伸子でございます。  参考人の先生方におかれましては、お忙しい中、貴重な御意見を本当にありがとうございます。  御指摘にもありましたように、ネットの社会というのは、フェークニュースも多く、玉石混交だ、過激な表現も多いという中で、正確で安心して視聴できる良質な番組がネットの世界で存在感を強めていくというのは非常に重要だと私どもも感じております。  今回の放送法は、NHKの番組の常時同時配信ということを認める内容になっておりますけれども、ネットに流す番組、放送の質が問われているというふうに思っております。  今回の放送法についても、この法律を通してほしいからということもあって、政権に対する批判、あるいは政治家に対する批判というのをニュースや調査報道の中で抑制しているのではないかというお声もお伺いをいたします。  また、予算承認もそうですけれども、本来はジャーナリズムとして機能しなければならないわけですけれども、予算承認をしてほしいということで、そんたくなども働き、そのジャーナリズムとしての機能を果たすということが難しくなっているのではないかというふうに思っております。  どのように改革をすれば、政治からの独立、不偏不党、真実、自律ということが貫かれる公共放送、この公共放送として質の高い番組、放送を発信することができるようになっていくのかという点について、参考人のお三人にぜひお考えをお伺いしたいというふうに思っております。
  57. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 御質問ありがとうございました。  私、憲法研究者でございますし、その意味で、表現の自由というものについては、今委員が御指摘になった問題というものを重く受けとめて、日々放送の分野についても考えているところでございます。  その上で申し上げますと、例えばでございますが、公共放送NHKがそれ単体で、必ずいつも言っていることが正しいとか不偏不党であるということを維持することは、私は不可能だというふうに思っております。  むしろ、二元体制の最大の長所は、公共放送NHKが仮に、例えば政権でありますとか特定の社会的、経済的勢力との関係で不偏不党でないといったような状況があったときに、他のメディア、とりわけ民間放送からそれについて鋭い、厳しい批判があり、そしてそれを視聴者が見て、NHKに対して厳しい批判をするということにNHKの番組の自主自律の最大の保障の根拠はあるというふうに私は考えております。  その意味で、一つには、もちろんNHKについてきちんとした自主自律の規律がかかっている、内部でもしっかりやっていただくということはもちろんでございますが、それと同時に、民間放送において、より自由で多様な情報発信、番組の編集、そこが民間放送についても認められることと、もう一点は、NHKと受信者の間での、先ほど私が申し上げましたが、深いコミュニケーションが図られるような仕組みというものを更につくっていくこと、この二点が必要だと考えております。  以上でございます。
  58. 中村伊知哉

    中村参考人 言論報道機関の自主自律をいかに確保、保障していくのかという点と、それをいかに国会などでもチェックをしていくのか、そのバランスの問題だと存じますが、まず第一には、平成十九年でしたか、放送法の改正によって、経営委員会の機能が強化をされた、その経営委員は国会同意人事でございますので、それを通じたチェックをするということが一つの道だろうと思いますし、今回の法案にありますような、NHKの透明性を高める、情報公開を進める、それを通じて国民側がNHKをきちんとチェックをしていく、そういった機能も大事だろうと思います。  さらには、多様なメディア環境を確保して、つまり、これはインターネットも含めてですけれども、さまざまなメディアがあるということでの、情報の多元性の中でのNHKの番組の内容の健全性というものをチェックしていく、そういった全体の措置が大事なのではないかと考えます。  以上です。
  59. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 委員御指摘のように、それを実際どうしていくかということについては、やはり、特にNHKに関しては内部的自由というものがどれだけ尊重されるか、そういうところは当然ございます。  それから、昨今余り聞かなくなった言葉に皆様のNHKという言葉がございまして、つまりNHKはどこに向いているのかというと、本来は受信料を負担している一般の視聴者・国民に向いている、それが果たしてそうなのかという疑念が出るようなことが種々出てきているわけでございますね。そういう疑念が他から示されるということも、またこれも大事なことではあるんですが、それに対して、NHKの内部でやはり改革をできるだけの内部的自由と、それから番組編集責任というのが単に経営にあるということだけではなくて、つまり多様な番組をNHKの中から発信できる体制をどう確保しているか。  それから、宍戸参考人からも出ましたように、それに対する民間放送放送の世界ではそうですし、それから新聞ですとかそういった多元な情報発信からこういった問題を喚起していくという必要もあろうかと思っております。  そのためには、今の、特に若者が、メディアに対する不信というのが非常に強くなってきておりますので、他方、インターネットしか触れない人たちは一面的にしか情報というものを考えようとしていないので、その意味での、先ほど来出ているように、教育分野における情報リテラシーというもの、それからメディアの民主主義における役割、国家権力との関係、こういったものについても学校教育社会教育で培っていく必要があろうかと思っております。  以上でございます。
  60. 本村伸子

    ○本村委員 ありがとうございます。  砂川参考人に伺いたいと思います。  先生は、著作権の問題などもお詳しいというふうに思いますけれども、常時同時配信でどのようなコスト、労力がふえるというふうにお考えになっているのかということをぜひお聞かせいただきたいと思います。
  61. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 これは、一つはNHK内のコストの問題と、それから、それによる波及効果の問題と二点あろうかと思っております。  NHKに関しましては、既に出演契約段階でもう常時同時配信を見越して出演契約をしておりますが、その際に、日本代表的な芸能事務所からは、インターネットに流すものに関してはノーということが、これは民放、NHK、広く言われておりまして、これは実務的に、じゃ、その芸能事務所とどういうネゴシエーションをしていくのかというのは大きな問題ではございます。  他方、音楽著作権に関しましては、既にNHKは代表的な音楽関係の著作権団体とはインターネットを含んで契約を結んでいるんですが、ただ、同じ放送番組でも、インターネットに流すということになりますと、今度はレコードに関しては改めて許諾を得なければいけない。  一例を挙げますと、CMの世界がそうなんですが、ビートルズの楽曲を五秒使うと四千万と言われております。同様なことが、外国曲が入っている放送番組をインターネットに流そうとすると、まず許諾を得て、それから対価を交渉しなきゃいけないという、これは日本著作権法でそういうふうになっておりますので、その意味で、NHK番組の中で外国曲を使っている番組、これに対する対応のコストが非常に上がってきます。  そのために、NHK内ではもう既に、既存の楽曲、CDとかは使わないで、NHKが発注した楽曲、そういたしますと著作権権利も全部とれますので、そういうような動きがあろうかというふうに考えております。  ですから、グロスで幾らというよりかは、個別に対応は違いますが、NHK内での実演家の問題、それから外国曲を中心とするレコードの問題、このコストは上がってこようかと思います。  これに対する、発生する、民放を中心とするほかのコストの上がり方が、これが先ほど陳述で申し上げたように、NHKルールが先に決まってしまいますと、そのあおりという表現が適切かどうかあれでございますが、かなりコストがふえて、実は耐えられないぐらいのコストがかかってくるおそれがあるということと、同様に、じゃ、民放も、CDなどを使わないで、外国曲も使わないで、委嘱の楽曲だけ使えばいいじゃないかというと、そういうことはできませんで、かつて民放連の調査で、一局当たり、じゃ、CDをどのぐらい、楽曲をどのぐらい使っているのかという調査で、まあ随分古いデータなんですが、一年間で一局当たり十万曲とございましたので、一年間十万曲を全て権利処理を改めてやるということになると、これは大変なコストになってまいりますので、その辺のルールづくりも必要になってくるのかなと思っております。  以上でございます。
  62. 本村伸子

    ○本村委員 ありがとうございます。  次は三人の参考人の皆様方にお伺いをしたいというふうに思いますけれども、先ほども砂川参考人が言われましたように、民放への影響というのは大きなものがあるというふうに思いますけれども、民放、とりわけローカル局にどのような常時同時配信で影響が出るのかという点をお伺いしたいというふうに思っております。
  63. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 お答えを申し上げます。  まず、NHKの番組の常時同時配信がその地域限定で行われるということでありますと、要するに、今までその住民の方がNHKをテレビで見るのとネットで見るというので大きな違いはないかというふうに思います。  これに対しまして、キー局の番組について常時同時配信が行われ、それがまたネットで地域限定もなく行われていくということになりますと、これはローカル局の経営といいますか、そういったものにも当然影響が起きてくるといったようなことが当然に考え得るわけでございます。  ただ他方で、そのようなローカル局の経営のことを考えて、全体として、国民知る権利を拡大する機会があるのにそれをしない、常時同時配信しないというのもこれは考え物だと思いますので、そこは適切なバランスと、もう一点お願いをいたしたいと思っておりますのは、今後の人口減少や少子高齢化、あるいは過疎化が進んでくるという日本国土全体の地方政策というものとの中で、このような常時同時配信、そしてローカル情報供給と、それからローカル局の経営のあり方、全体のパッケージでの考え方というのが必要ではないかと私は考えております。  以上でございます。
  64. 中村伊知哉

    中村参考人 通信放送融合論、二十七年の間にどれだけ対応、準備してきたのかということが、民放局、ローカル局にも問われる場面ではないか。ネットの対応をしていくのは当然のことだと思いますが。  ただ、他の産業と比較をしますと、例えば音楽、CDの売上げは十年で半減いたしました。書籍でいいますと書店の数が三割減ったというようなことに比べると、テレビ局というのはよく頑張っているなと私は考えております。  ただ、これからより大きな波が来ると思いますし、ネットの影響も間違いなく来るでしょう。今回の放送法の改正だけではなく、より大きな波が海外からも来ているというところで、いよいよ経営力が問われてくるということではないかと思います。  これに対応するための規制緩和なども考えられるのですが、まずは、それも個々の会社あるいは業界がどう考えるのかということが大事だと思います。  最近のローカル局を見ていましても、地域の番組の中身を充実させて、より地域で喜んでもらうような対応をしようという局があったり、イベントなどに力を入れて、別のビジネスに力を入れようというところもあれば、ネットユーザーの方々の声を番組の中にどんどん取り入れていくという、本業回帰にネットを使うというようなところがありまして、さまざまな戦略も出てきたので、そういった方向でいろいろと頑張っていただきたいと思っているところです。
  65. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 今回の同時常時配信そのもので、ローカル局の経営が左右されるということはないと思うんです。  ただ、インターネットがこれだけ普及をしてまいったときに、当然ながら、テレビを見るということが減っていく。しかも、キー局、特に民放の場合はキー局のいわゆるネット番組は見たいけれども、ローカルの情報は要らないという視聴者が出てきている。さらに、例えば、ある地方局では、ゴールデンタイムで視聴率三〇%のローカル番組は現存します。しかし、スポンサーが極めて弱小なので、ネット番組、ネットって、東京から流れてくる番組でネット配分金というのをローカルが受けた方が、いわゆるぬれ手にアワで、金額は絶対額、高かったりするんですね。  したがいまして、ローカル放送局情報発信というものは極めてやはり大事な情報インフラ社会インフラでございますので、これを守るというよりかは、どうやったらこのインターネット時代の中でローカル情報というのは構築できるかという、守るというと極めて防御的な話になりますので、それをポジティブな発想にどう変えていくか、その辺が今後の課題かというふうに考えております。  以上です。
  66. 本村伸子

    ○本村委員 どうもありがとうございました。
  67. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、足立康史君。
  68. 足立康史

    ○足立委員 日本維新の会足立康史でございます。  三先生、きょうはありがとうございます。  限られた時間でありますので、砂川参考人にはちょっと届かないかもしれませんが、御容赦をいただきたいと思います。  まず最初に、私がきょう参考人の先生方に伺うポジションだけ先に申し上げておきたいと思いますが、実は、我が党、日本維新の会は、この放送法について、きのうまでかんかんがくがくの議論をしまして、反対だ、賛成だと。反対だという意見については、一言で言えば、改革が遅過ぎるという意見です。だから、政府与党がつくってこられた今回の放送法について、異議を申し立てる観点から反対すべきだと。その最右翼が私だったんですが、片山虎之助共同代表を始めとして、しかし共産党と一緒になるのはちょっと困るという、余り受けないですね、済みません。そういう意見も強くありまして、やはりここは賛成をしながら、しかし、委員会質疑の中でしっかりと、改革の必要性を国民の皆様にしっかり訴えていくべしということになっておることを御紹介をいたしたいと思います。  そういう観点から、まず宍戸先生に伺いたいのは、まさに諸課題検討会をやってこられたわけですが、これは、言うまでもなくというか、平成二十七年からやっているんですね。だから、第一次取りまとめで風呂敷広げて、第二次取りまとめを去年の秋にまとめた。どんな放送法が出てくるかと思ったらこれかという大変な幻滅を感じております。  その背景として、私がどう見ているかというと、結局、NHKと民放連が、NHKと民放が足を引っ張り合って、お互いに牽制し合って放送という世界に籠城していると。今回の法案もそういう側面が否めないと思いますが、宍戸参考人、どうですか。
  69. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 御質問いただきましてありがとうございます。  委員を幻滅させてしまいまして大変申しわけございませんが、やはりここは放送事業者に、もうまさにこれは変わっていかなければいけない、とりわけ国民・視聴者の目線で、そして、インターネットを利用して、より新たに民主主義社会なり、いろんな、貢献していこう、新しいビジネスを展開していこうということを、いわば事業者の方々あるいは放送界含めて腑に落ちていただく、納得していただくという意味で、やはりこれはある意味では、どうしてもこれだけ期間というのがかかってしまったのかなというふうに私も思っております。  差し当たり、以上でございます。
  70. 足立康史

    ○足立委員 じゃ、ごめんなさい、中村先生、同じ質問をお答えいただけますでしょうか。
  71. 中村伊知哉

    中村参考人 私、今回の放送法改正、遅きに失したと申し上げましたけれども、それはまさに、NHK、民放含めて、ネットへの対応というのが日本の場合海外に比べておくれている面があるからで、それに今回道を開いてくださるのは非常にありがたいことだと思っております。  一方で、NHKのガバナンスを強化するような話というのは、これは会社法の規定に倣って強化されるということですので、上場企業以上の公益性が求められるNHKとしては、まあ当然のことなのではないかなと考えているところでございます。
  72. 足立康史

    ○足立委員 私が今質問申し上げたのはネット同時配信についてということでございますが、それは補足しておきます。  さて、宍戸参考人にぜひ、ちょっと伺いたいのは、きょう、NHKの肥大化はまあだめだろう、あるいは、民主主義ということで、多元とおっしゃったかな、多元性の大切さ、これも大変私は共感をするところでありますが、あるいは、先ほど二元体制のところで不偏不党の最終的なとりでは民放だ、そういうお話もありました。そうであれば、私はもうNHKは要らないんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  73. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 御質問ありがとうございます。  私、先ほど質疑の中でも申し上げたところでございますけれども、最後、NHKを、もう要らない、NHKがなくても、この国民の、この世の中において自由情報が流通して、それで重要な情報が行き届くんだというふうな判断をして、社会全体として、あるいはこの国会において、NHKを廃止するということは、私はこれは当然できるものと考えております。  その上で申しますと、現代社会において、やはり貧富の格差でありますとかあるいはデジタルデバイドといったようなものも大きい中で、社会情報社会において必要な公共的な情報というものが国民の中にあまねく行き渡るようにするというのは、国もそうですし、我々社会の構成員が、いわば連帯的に相互に対して負っている責務を、こういうNHKをつくり受信料を支払うという形で支えるということは、やはり今、現代社会において意味のあることだろうと私個人は考えているということでございます。
  74. 足立康史

    ○足立委員 正直、私は、いろんな方とお話をしますが、生活をしていて、災害時とか、あるいは報道、さまざまなニュースを受け取る、大体、今最新のニュースはツイッターでとることが普通の感覚になってきているわけでありますから、そういうときに、地上波の、いわゆるNHK、公共放送の必要性は、私は限りなくなくなってきている、特に、宍戸先生がきょう御指摘になったような観点からいえばなくなってきていると私は思います。  更にちょっと宍戸先生に伺うと、ドイツ型の全世帯からの徴収、これは違うだろう、それから、スマホでNHKを視聴することが定着というか、それが本質的に重要になってくればスマホに課金をするというようなことも、要は受信機としての契約の対象に入れていくということも視野に当然入るだろうという趣旨の御発言があった際に、どうしても入りたくない、要すればNHKと契約をしたくない方にやはり一定の配慮が要るんじゃないかというコメントが先ほどありましたが、どういう配慮が考えられるでしょうか。
  75. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 お答えを申し上げます。  例えば、現在で申しますと、テレビを持たないということによって放送全体を支えるということに自分はくみしないという方の自由というのは、これは放送法保障しているわけでございます。同じことが、インターネット放送が同時再送信されるといった場合においても、その自由を確保するということがあって初めて、むしろみんなが自発的に放送制度を支える、公共放送を支える、真によりよい放送をつくるという意味で必要な部分があるのではないかと私は考えております。
  76. 足立康史

    ○足立委員 済みません、ちょっと更問いですが、テレビでも、本当はNHKの映らないテレビが欲しいという方が一部いらっしゃいますが、極めて限られています。だから、それはちょっとおいておくとして、そういう議論も総務委員会ではしてきましたが、それはちょっと脇に置いておくとして、スマホ、NHKは私は必要ないんだけれども、でも、だからスマホを持つなとは、今の現実的なネット配信を考えると、私はそれは解にならないと思うんですが、そこに解はありますか。
  77. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 お答えを申し上げます。  一つのやり方は、例えばNHKの番組、あるいはNHK以外も含めて、民間放送も含めての同時配信を受けるというような場合に、何か端末に、例えばアプリを入れて専用のビューアーで見る、そういうふうな方については、スマホをテレビとしていわば使うということなので、受信料あるいはそれ相当の負担をしていただく、それを入れていない方はそうではない、端末をテレビとして使われているわけではない、そういった線引きができるのではないか、これが一つのアイデアでございます。
  78. 足立康史

    ○足立委員 私は大賛成でありまして、これからの時代、スマホに、どうしてもNHKを見たいんだということでNHKのアプリを導入している方は、これは契約だ、そうでない方は、それはNHKは見ないというようなことができるのが、これからのネット時代、私は当然だと思っています。  そこで、中村伊知哉先生にちょっとその流れの中で伺いたいんですが、きょう、共通プラットフォームということをおっしゃいました。まさに今、宍戸先生がおっしゃったような議論というのは、もうまさにある種の共通プラットフォームになっていくと思うんですが、今の宍戸先生のアイデアを敷衍すると、それって端的に言うと有料放送ですよね。有料コンテンツ提供というか、要すれば、アプリを入れた方には課金するわけですね。それって、今民間がやられている有料で映像なりを提供する仕組みと全く一緒ですよね。違いますか、だって、選べるわけですから。要は、テレビを、受像機を家庭に置かないという選び方じゃなくて、アプリを入れるかどうかで選べるんであれば、それはもうほとんど民間がやっていることと一緒だと思うんですが、中村先生、どう思われますか。
  79. 中村伊知哉

    中村参考人 今具体的なイメージを私は持ち合わせてはいませんけれども、それはアプリの設計の仕方によってできるのではないかという気もいたします。NHKが見られてそれが受信料を適用されるアプリもあれば、民間のところは広告で支えられて無料で見られるようなアプリの設計の仕方もあると思いますが、それをNHK、民放で、どのような形のプラットフォーム、どのような形のアプリにすればよいのかということを今の観点も含めて議論して、解を出していただければと思います。
  80. 足立康史

    ○足立委員 あと三分ほどですが、まず、ありがとうございます。大変貴重な御意見を賜りました。あと残りの時間で、ちょっと放送に話を戻して。  きょう、中村先生が、成長戦略が問われると。大変重要な視点だと思います。  私も、ほぼ、この放送通信の世界は、世界の中での日本というものを考えざるを得ないわけでありますが、今、NHK、民放が何をやっているかといったら、ACASチップというチップを受像機に入れて、有料放送が普通使うCASシステムをチップで埋め込んでいるんですね。NHKだけであれば、これはRMP方式でソフトウエアでできるのに、民放と一緒になって、有料放送事業者が使うべきシステムをNHKが使って、まさに先ほどの話である、視聴者を識別してメッセージを出すという、世界でも類例のない極めてガラパゴス性の高い仕組みを導入しています。  私は、この、今のNHK、もう退任をされました坂本専務が中心になって進めてこられたACASチップに大変否定的であります。ガラパゴスだからです。なぜ、BBCもやっていないことをNHKだけがやるんだと。  両先生に、このACASチップって、私は否定的ですが、ポジティブかネガティブかだけ、ちょっと教えていただければ。
  81. 中村伊知哉

    中村参考人 現在のチップの仕組みといいますか、コンテンツ保護等のためにとられている仕組みというのが、NHK、民放、それからメーカーも含めた民民の中ででき上がってきたものだと理解しておりますけれども。  それも、現在はそのような形で使われていますけれども、今後どうしていくのか、次の新しい放送システムができてくるときにどのように改めるべき改善点があるのかについても、今、総務省の場で研究会を開いてそれを議論しましょうということになりましたので、その中で広く意見を、私はそれにかかわっておりますので、意見を聞いてまとめていきたいと思っております。  以上です。
  82. 足立康史

    ○足立委員 ごめんなさい、宍戸先生、また個別にちょっと時間をとらせていただいて、あと一問だけ中村伊知哉先生に。  著作権の話をされました。私、今回の法改正に伴って、あわせて報酬請求権、許諾権を改めて報酬請求権にするという著作権改正があわせて行われていないのは異常だと思っています。なぜできないんですか。
  83. 中村伊知哉

    中村参考人 先ほど砂川参考人からもありましたけれども、権利者がさまざまあります。そうした利害を調整をして法制度改正に持っていくということも十分考えられますけれども、ようやくその議論がこれをきっかけに緒につくというタイミングではないかと思っておりまして、私も、その著作権の処理の円滑化ないしは制度の整備に向かってこれから議論を本格化すべきであると考えます。
  84. 足立康史

    ○足立委員 大変ありがとうございました。  最後の点は大変重要で、音事協がポジションを変えて法改正に賛成をしてきているにもかかわらず、レコ協が籠城しています。そういう特定の意見に左右されず、速やかに報酬請求権への改正を文化庁に求めていくことを国民の皆様にお誓いして、この質問を終わります。  先生方、ありがとうございました。
  85. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、吉川元君。
  86. 吉川元

    ○吉川(元)委員 社会民主党吉川元です。  三人の参考人の皆さん、大変お忙しい時間にもかかわらず、こうやって貴重な御意見をいただいていること、まず私からも感謝を申し上げたいというふうに思います。  最初に、少し大きな話といいますか、お聞きしたいんですけれども、既にもう答えられている部分もあるかと思いますが、既にネット上では、動画配信サービス、あるいはインターネットテレビ局なども存在をしております。今回、常時同時配信、これは一体どういう意味があるのか。  特に、NHKなんかは、公共メディアへの進化という言い方をよく、三カ年の計画の中でもされております。それは何か。その中の具体的なものを見ていくと、同時配信であると。同時配信とは何か。それは公共メディアへの進化であると。  一種の、私が聞いていても、なかなかこれはトートロジーのようなイメージを持ってしまっていて、いわゆる今回同時配信を常時行っていくわけですけれども、これがどういうふうな意味を今後公共メディアという形の中で果たしていくものになっていくのかということを、三人の先生方から御意見を伺いたいと思います。
  87. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 御質問ありがとうございます。  一つには、やはり、伝送路に限られず、公共放送としての役割として期待されている、社会における基本的な情報をあまねく構成員に届ける、その役割を達成させるために同時配信が必要なのではないかというのが一点目でございます。  二点目は、更にそれが公共メディアへと進化していくというためには、いろいろ、見逃し配信でありますとか付加的な情報の提供というのはありますけれども、いわばそれは目玉焼きでいうと黄身を外して白身の部分だけを食べているようなものでございまして、やはり、まず同時配信という太い柱があって、それで番組を見て、そういえばこの番組の前の回を見たいなというときに見逃し配信で受け取るといったように、全体として、公共メディアとして、いろんな形で、現在の技術サービスの状況のもとで、国民知る権利をより高度に充足するために、そのための一番真ん中の機能として同時配信が必要ではないかということでございます。  以上でございます。
  88. 中村伊知哉

    中村参考人 ありがとうございます。  私は、ネットがインフラとなる中で、追加コストなく、いつでもどこでも受信できるというのは、知る権利を強化する措置だと考えております。  民間の調査ではございますけれども、同時配信を利用したいという回答が半数に上るとも聞いておりまして、それを解禁する時期が来ているんだと思うんですが、これは見方を変えますと、イギリスフランスドイツ、韓国の公営放送局ないしアメリカの四大ネットワークがもう常時同時配信をしている中で、なぜ日本は常時同時配信が認められなかったのかというのが論点だろうと思いますし、またこれは、ネットをインフラと見るのかどうかの政策判断でもあると思います。私は、スマホが登場した十一年、十二年前には、もう日本でもネットはインフラになっていたと見ております。  以上です。
  89. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 実はNHKの人とも何回か議論をしたことがあるんですが、やはりNHKの中でも放送から公共メディアへといったときのイメージが一様ではないという話を聞いておりますが、つまり、どこまで社会インフラとしての作業を、同時配信だけではインターネットのメリットの部分というのは十分に生かせてはいないということがあります。  そういたしますと、例えば、過去にさかのぼったアーカイブを、それこそ視聴者が見たいというものを、それを見えるということも大事なことですし、例えば知る権利という観点でいえば、社会的な事象に関するNHKスペシャル、NHK特集のようなものを視聴者が見ることもできる、ないしはストレートニュースをある項目だけ取り出して見える、こういうようなことができて初めて、十分にインターネットのメリットを享受できるということになりますので、今回の法改正のターゲットではないのかもしれませんが、それから先のいわゆる公共メディアとは何ぞやという議論は、これから先、まさに関係者で議論していくべき、その中で決まっていく話ではないかというふうに考えております。
  90. 吉川元

    ○吉川(元)委員 それに関連してなんですが、少し細かなお話なんですけれども、まさにネットというのは、いつでもどこでも、そしてあらゆる情報、まあ有料コンテンツは別にすれば、に自由にアクセスできるというのがインターネットの最大の、大きな特徴の一つだろうというふうに思います。今回の常時同時配信が決まれば、NHKは実際にやっていくわけですけれども、その中で、NHKの中で地域制限を実施する方向だという話を聞いております。  これは、両側面あるんだろうと。何でもかんでも東京からの情報発信ではなくて、その地域ではその地域の発信されているものを見てくださいというのもあるかもわかりませんが、一方で、やはり、ネットの特質というものをこれは逆に殺してしまうというか、矯めてしまうものになってしまうのではないかというふうにも私自身は説明を聞いていて感じます。  例えば、民放の場合は当然、経営の問題としてのスポンサーとの関係がありますし、非常に複雑な問題が絡み合っているとは思うんですが、この地域制限について、それぞれ三人の参考人の方はどのようにお考えになっていらっしゃいますか。
  91. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 御質問ありがとうございます。  まず、現行法上、NHKに対して、地域向けの放送をつくることということを放送法においてNHKのミッションとして課しているということが議論の大前提であろうかと思います。単に中央の、あるいは国の、全体のということだけではなく、地域の住民のニーズにも放送を通じて応えるということがもともとNHKにミッションとして課されている前提で地域制限というのをかけるというのは、まず一つの出発点であろうと私は思っております。  ただ、これも先ほど申し上げましたけれども、まさに委員御指摘のネットのよさというものを引き出すという点では、他の地域放送番組もネット上でモアサービスという形で見られるように、何らかの、例えば費用なりなんなりのやり方もあるかと思いますが、そういう仕組みを更にプラスアルファで取り入れていくということが適切ではないかと私は考えております。
  92. 中村伊知哉

    中村参考人 NHKが地域制限を行うこと自体は認めてよいとは思いますけれども、それ以上に現在問われるのは、NHKだけではなくて、民間、民放のローカル局も含めて、地方の番組をいかに全国に発信をしていくのか、さらには海外に発信をしていくのか、その政策ではないかと考えます。  以上です。
  93. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 NHKの地域制限に関しましては、宍戸参考人からもございましたように、法律的な要請もございますのでそれは必要だと思うんですが、委員御質問の趣旨であるインターネット上では別のところを使って全国の人が見えるような仕組みというのはあってよくて、例えば民放で、ラジオの方で、ラジコというのがラジコプレミアムという形で、著作権の問題を解決した上で地域制限を外して特別サービスをやっておりますが、ああいう仕組みというのは、例えば、ある県出身の方が東京に働いていて、東京でやはり地元の番組を見たいということはあろうかと思いますので、それは別フェーズで今後考えられるべきことで。  民放の場合は非常に、いわゆるキー局のネット番組というのが複雑には絡みますが、やはり、中村参考人からもございましたように、地方局からの情報発信、これに関しましてはまた別の枠組みでインターネット上で確保できることを考えられるべきだと思っております。  以上です。
  94. 吉川元

    ○吉川(元)委員 まさに今お話のあった民放なんですけれども、私自身も、地域の番組を積極的にぜひつくっていただきたいと思いますし、それを発信するような、それがまさに、いわゆる放送では当然できない、だけれどもネットではそれができるということを最大限使ってもらえればいいと思いますし。  昨日NHKの方と、この後質問をやりますけれども、レクをした際には、いわゆるGPS機能を使って、例えば私は地元が大分ですけれども、大分にいるときには大分の番組しか視聴できない、ネット上で、というようなことも、まだ検討中ではあるけれども考えているというようなお話もございました。  やはりそうすると、先ほどから私が指摘したとおり、ネットのよさというものが、逆に、コンテンツをつくることは積極的にやっていただきたいけれども、それに対するアクセスというのは、それは広く、世界じゅうからアクセスできるというのがやはりネットのすばらしい側面だというふうに思いますので、そう感じております。  そうなると、先ほど言ったとおり、民放、これが非常に難しくなってくる。特に、東京あるいは大阪のキー局の番組ばかりがネットで見られるようになると、これは当然、広告収入を含めて地方のローカル局というのは大変厳しい。今でも大変厳しい環境にありますが、今後このローカル局の果たすべき役割といいますか、とりわけ、いわゆる財務基盤といいますか、そうした点についてはどのようにお三人の方は考えていらっしゃいますでしょうか。
  95. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 御質問ありがとうございます。  一つにはやはり、地方の時代と申しますか、地方においてさまざまな課題が、過疎化なども含めていろんな課題が起きてくる、そういうのを解決していくという中で、地方のジャーナリズムを担うという意味でのローカル局の役割というのは、これはますます私は高まっていく、あるいは、世代をまたいで情報共有というものをしていくという意味で、ローカル局の役割って非常に重要だろうと思います。  他方、委員御指摘のとおり、財務基盤をどうやって確保していくかということは非常に重要な課題でございまして、その意味で、先ほど中村参考人からも御指摘ございましたけれども、例えば視聴データを利活用して、地域に根差した、例えば他事業者との連携をして、放送番組を見ることと、その視聴データと、それから地域での、物産とか、いろいろな交通であるとかというのを組み合わせたような、地域において情報のエコシステムのハブとなっていって、地域経済の活性化に貢献し、ローカル局自身もいわば稼いでいくといったようなビジネスモデルへの転換ということを一つ考えられるのではないかと私は考えております。
  96. 中村伊知哉

    中村参考人 先ほど砂川参考人からラジコの地域制限を外したというお話ありましたけれども、テレビについてもそのような経験も生かしてサービスの充実を図っていっていただければよいのではないかと思いますが、その際にも、個々の放送局の経営判断が第一でありますので、まさに経営力が問われていくところだろうと思います。  これまで、日本放送局、たくさんある中で、何とかうまくビジネスを進めてきたわけですけれども、これからより大きな波、大きな変動が来るのではないかということも考えられますし、業界の再編や集約などもあり得るのではないか、そういった将来を展望しての制度対応ということをそろそろ考えておくべきではないかと思います。  以上です。
  97. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 民放ローカルの対応については、二極化をしていると思っております。一つが、中継局になってしまって、つまりキー局の番組を垂れ流す、これは経営効率が非常に高うございます。他方、やはり地域情報が大事である、番組をつくっていくんだ、そういう自社制作に傾注する局と二極化しているわけですね。  やはり、考えなきゃいけないのは、自局で番組をつくっている局に対して、じゃ、どういうような具体的な政策があり得るのかということになろうかと思ってまいります。  現在、民放では、一社二波方式といって、一つのビルの中にあって二つの会社が同居しているというのが沖縄にございます。琉球朝日放送というのと琉球放送というのがございますが、そういう、経営的に合理化というのが、現状、マスメディア集中排除原則等では、同一地域の中での対立事業体でのそういった集中排除原則の緩和というのはなされていないところがございますので、では、ローカル局の経営実態に合った対応策ってどういうものなのかと。これをまずやはり関係者で検討する。そこから、やはり地域情報は大事なのであれば、その番組をつくれる環境をどうつくるか、そういう検討が必要だと考えております。  以上でございます。
  98. 吉川元

    ○吉川(元)委員 もう少し聞きたかったんですが、時間が参ったようでありますので、ここで終わりたいと思います。  本当にありがとうございました。
  99. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、井上一徳君。
  100. 井上一徳

    ○井上(一)委員 希望の党の井上一徳です。  きょうは、三人の参考人の先生方に貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。私も幾つか質問をさせていただきたいと思います。  いろいろちょっと勉強してみると、世界各国の放送体制というのは、基本的には公共放送商業放送で成り立っているということですけれども、ヨーロッパの国は、最初は公共放送から始まって、商業放送が認められたのは一九八〇年代以降ということであります。基本的には、だから、まずは公共放送があって、商業放送がある。アメリカの場合は、また逆に、商業放送主体で、公共放送が認められたのは、これは後で認められて、後でやっている。  ということで、ヨーロッパ型、それからアメリカ型、あると思うんですけれども、他方では、公共放送しかないところも当然ありますが、ちょっとそれはおいておいて。  日本は、戦後公共放送商業放送が並立した形で成り立ってきたというふうになっておりますけれども、いわゆる、私はこの日本の二元体制というのは国民の間にかなり定着しているんではないかと思っているんですけれども、日本の二元体制における意義と、今度の放送法の改正がこの二元制に影響を与え得るのか否か、どのようなインパクトがあり得るのか、それをちょっと三先生方にお教えいただきたいと思います。
  101. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 御質問ありがとうございます。  委員御指摘のとおり、世界の放送の発展というものの中で見たときに、日本の場合には、公共放送民間放送のバランスというものが、とりわけ戦後はきちんとバランスがとれた形でいわば発展してきて、しかもそれが、両者が競争することによって放送の普及あるいは高度化というものを達成してきた、そういうプラクシスを持っているというふうに思っております。  今回の同時配信ということにおきましては、あるいは同時配信をNHKについて認めることによって二元体制が壊れるんじゃないかというふうな御指摘もあり得るところかとは思いますが、むしろ、このままだと二元体制を維持したまま全体として放送がいわば小さくなっていって、社会的役割も、あるいは国民の視聴というものも縮んでいくのではなくて、むしろ、インターネットにいわば出ていく、それで、幅広い視聴者を、とりわけ若い世代を獲得することによって、いわば二元体制を新しい時代の中でバージョンアップしていく、そういった取組ではないかと私は理解しているところでございます。
  102. 中村伊知哉

    中村参考人 御指摘のように、日本は、ヨーロッパ型、アメリカ型とも違う日本独自の二元体制でこれまでやってきて、しかもそれはかなり有効に機能しているのではないかと私は思っております。  豊かな放送文化、これは世界に誇ってよい放送文化をこれまで培ってきたのではないかと思いますし、また、NHKなどに対する国会政府のチェックがありながらも、各放送局の番組審議機関などを通じて、自律性の高い、そういった機構になっていると思っておりまして、国民からの信頼も一定以上得ているのではないか。  つまり、制度全体の柱は変えなくてもよいのではないかと思いますが、ただ、一方で、インターネットという第三元のメディアが出てきたと思っておりまして、日本の培ってきた放送の二元体制とあわせて、三元のこの新しいメディア空間をどのように育てていくのかという観点が今重要になっているのではないかと考える次第です。  以上です。
  103. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 二元体制は世界でも日本独特と言っていいかと思いますし、これが十分な効用を示してきたのは今までそうだと思うんですけれども、今回の同時常時配信が行われた場合に、一つ、普及が図られて、非常に普及して、みんなが見ているという状況になったときに、民放に対して、当然、じゃ、何で民放はやらないのか、そういうことになりますね。  現状をキー局の方と議論したことがあるんですが、多分そのまま、権利処理問題もありまして、インターネットに、じゃ、民放が常時同時配信ができる番組ってどのぐらいあるんだろうといったら、ほとんど、限りなくゼロに近いんですね。これはローカル局への影響の問題もございますが、そういったことを想定して番組をつくってございませんので。  そういたしますと、多分、放送での二元体制は、インターネット上ではなかなか二元体制というまでにはいかないであろうというところがございます。  じゃ、しからば、ネットでも二元体制のよさというものをどう生かしていくのか。つまり、民放は具体的にネットに対してどういうような公共的役割を果たすか。つまり、今は商業ベースのサービスは行っておりますが、ある意味の公共的なサービスは当然していないわけですので、二元体制の民放に対する公共的なインターネット利用、こういうところの検討が今後必要なんではないかというふうに考えております。
  104. 井上一徳

    ○井上(一)委員 私も、おっしゃるとおりで、今回の放送法の改正というのが、NHKの常時同時配信、これが焦点になっているんですけれども、実は、やはり民間放送における常時同時配信をどうしていくか、これが結局議論になっているところだと思うんですよね。この二元体制を、三先生方もありましたように、やはり、日本型としてある程度定着して共感も得ていると思いますし、この体制を何とか守っていってほしいと。  他方で、NHKは常時同時配信できるかもしれないけれども、民間放送がそれをやった場合にどういうようなインパクトが出てくるのか。だから、民間放送の方からは、できる限りNHKの常時同時配信については制約的にやってくださいということになっていると思うんですけれども。  今後、やはり大きな流れとしては、この常時同時配信というのは拡大していく方向にならざるを得ないと思うんですけれども、その場合に、民間放送が、今後どういうような、それを受けとめて、どういうように対応していくのが望ましいのか。この点についても三先生方にお話しいただきたいと思います。
  105. 宍戸常寿

    ○宍戸参考人 お答えを申し上げます。  やはり、民間放送局においても、公共放送ではないですが、しかし同時に、やはり公共的な役割を果たす。それは、ジャーナリズムを発揮して、表現の自由であるとか民主主義社会であるとか、あるいは健全な娯楽の供給ということをおやりになるために、放送局というのは免許を取ったり認定を受けてやっておられるんだというふうに私承知しております。  そうだといたしますと、同時配信というのは、やはりビジネス的にいろいろ課題はあるかと思いますけれども、いわばジャーナリズム、あるいはメディアとしては、影響力、あるいはやりたいことを更に広くやる機会だというふうに前向きに受けとめていただいた上で、そのコンテンツの制作のあり方であるとか、あるいは人材、それから、これまで出ておりますプラットフォームルールづくりなどなど、そこは先導的役割を果たすべきNHKと協力して、そして、自分たちがおやりになりたいようなやり方というものを、やはり当然業務改善とかをしていただく必要はあるかと思いますが、それによってやっていただく。本来的なメディアとしての役割を果たすためのいい機会だと捉えていただけないかなと私は考えているところでございます。
  106. 中村伊知哉

    中村参考人 民間放送局は、もう現在の制度で同時配信などを自由にできるわけですので、そこは経営判断ということでありましょうし、ラジオはラジコでやっていますから、テレビもそれに倣ってどんどんやっていただきたいものだと思いますけれども。  ただ、常時同時配信が、これはビジネスになるかというとなかなか難しい面もあろうかと思います。ですから、それだけではなくて、いかにITを始めとする新しいテクノロジーに民間局として向き合うのかという観点が大事でありましょう。ですから、それは同時配信だけではなくて、そのネットならではのコンテンツを充実させていくとか、データやAIを使って新しいサービスを講じていくというような工夫が必要になってくると思います。  そういった点でいいますと、例えば、日本テレビプラットフォームであるHuluを買収するとか、フジテレビがネットフリックスに番組を提供するとか、あるいはテレビ朝日がAbemaTVを始めるといったさまざまな、民間放送局でも戦略が出てきていますので、そういった戦略を高めて個別対応していただければと思う次第です。  以上です。
  107. 砂川浩慶

    ○砂川参考人 中村参考人からありましたように、やはり民放ならではのインターネット展開って絶対必要でして、そういったオリジナルな対応に対して政策スキームの中で何か対応することがあり得るのかということは一つあろうかと思いますが。  もう一つ、NHKの今回の同時配信を受けて、じゃ、民放もやるべきだというような合意がもしなされるのであれば、次の再免許というのは二〇二三年、その次が二〇二八年ですから、やはり、放送の同時配信というのをどういうふうに位置づけるのかを考えた上で、二〇二八年という、つまり次の次の再免許時のときに補完するようなものをどういうふうにするのか、こういう議論を今から始めることはあり得るかと思いますが、次の再免許時に、ある種、民放にも同時配信を義務づけるというのは余りにも短兵急だと思いますので。  つまり、放送の補完としてのインターネットなのか、二元体制をそのままインターネットでも維持するのかという議論をした上で、十年後ぐらいの放送免許に対してどういう制度改正を行っていくのかというのが現実的かなと思っております。  以上でございます。
  108. 井上一徳

    ○井上(一)委員 時間が来ましたので、これで終わりたいと思います。ありがとうございました。
  109. 江田康幸

    ○江田委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。  参考人各位におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会代表して厚く御礼を申し上げます。  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時三十五分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議
  110. 江田康幸

    ○江田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前に引き続き、内閣提出、放送法の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として日本放送協会経営委員会委員長石原進君、日本放送協会会長上田良一君、日本放送協会専務理事木田幸紀君、日本放送協会専務理事荒木裕志君、日本放送協会理事松原洋一君、日本放送協会理事黄木紀之君及び日本放送協会理事松坂千尋君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 江田康幸

    ○江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として総務省大臣官房総括審議官安藤英作君、自治行政選挙部長大泉淳一君、情報流通行政局長山田真貴子君及び文化庁審議官内藤敏也君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  112. 江田康幸

    ○江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  113. 江田康幸

    ○江田委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。井林辰憲君。
  114. 井林辰憲

    ○井林委員 ありがとうございます。自由民主党の井林でございます。  本日は、放送法の一部改正案につきまして質問をさせていただきたいと思います。  まず、この質問時間につきまして、委員の皆様方また理事の皆様方の御配慮をいただいて質問の機会をいただいたことに御礼を申し上げたいというふうに思っております。  この放送法改正の一番大きな柱でありますインターネットの常時同時配信ということでございますけれども、私は、これは完全に個人的でございますけれども、NHKオンデマンドの見逃し放送と特選ライブラリー、これも自分で申し込んで、ずっと長く愛用しているというか見させていただいていて、便利なものだなというふうに思いながらいつもいろんな放送を見させていただいている、そういう立場でもございまして、時宜にかなったものだというふうに思っておりますし、できれば、これはNHKさんだけじゃなくて、いろんなところ、民放各社もやっていただきたいなというふうに一個人として思っております。  この放送法の改正でございますけれども、この法律目的を読ませていただきますと、「放送公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図る」ということで、「放送国民に最大限に普及されて、その効用をもたらすことを保障すること。」ということでございまして、私は、インターネットの常時同時配信というのは、適合するというふうに思っております。  ただ、日本放送協会目的というのも放送法の第十五条に書いてありまして、ちょっと読ませていただきますと、「協会は、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、良い放送番組による国内基幹放送を行うとともに、放送及びその受信の進歩発達に必要な業務を行い、あわせて国際放送及び協会国際衛星放送を行うことを目的とする。」というふうに書かれてございます。  今回は、二号業務というんですかね、任意業務ということでございますので、この協会の目的そのものをいじる改正案ではない、変更する改正案ではないというふうには思っておりますが、そうはいっても、常時同時配信というのは、やはり放送のあり方そのものについて大きな変更、影響を与えるものだというふうに思っております。  そこで、こうした大きな改正を行いながら、放送法第十五条にある日本放送協会目的をまず変更しなかった理由を御答弁お願いします。
  115. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  放送法第十五条、今委員の方から御指摘ございました、放送を行うことをNHKの目的として規定しております。その目的を達成するための任意業務として、NHKの放送番組などをインターネットを通じて提供する業務、いわゆるインターネット活用業務が規定されており、幾つかの業務が既に実施されているところでございます。  今回解禁する常時同時配信でございますが、NHKの全ての放送番組をインターネットで配信する業務でございまして、これまでよりも大きな規模とはなります。NHKからの要望も踏まえまして、これまでのインターネット活用業務と同様に、任意業務の位置づけで、あくまで本来の目的である放送の補完として実施することを前提としていることから、第十五条の目的は変更を要しないと判断し、本法案を提出しているものでございます。
  116. 井林辰憲

    ○井林委員 ありがとうございました。  二号業務だからということで、事前からお話もこれはやりとりの中でいただいていたんですけれども、恐らくこの法律の中では検討してきてそういう答えに達したんだろうというふうに思っております。極めて大きな変化でございますので、これは、一号、二号ということではなくて、やはりしっかりと随時見直していって、所要の検討を加えていっていただきたい。  そして、この大きな目的というのは、やはり法律というのは非常に大事だと思っておりますので、そういうものの中でNHKがしっかりと活動できるようにしていっていただきたいというふうに思っております。  先ほど申し上げましたように、私はNHKオンデマンドを愛用しておりまして、きのうも夜、いろんな番組、そういえば、あした質問に立つなと思いながら見させていただきました。  ただ、やはりこういうNHKのオンデマンドとかを見ると、どうしても夜十時、十一時ぐらいになるんですが、大変、たまに、えっと思うことがありまして、それは、配信がとまるというんですか、画面が考え込んじゃうということがございます。  いろんな方にこれは何でというふうに聞くと、NHK側のシステムじゃなくて、ネットワークに非常に負担がかかっているということが問題で、確かに、動画はネットワークに負担がかかります。携帯でも、ちょっと動画を見ると、それだけで契約している容量制限に達してしまうこともあります。  そこで、このインターネットの同時配信の基盤でありますネットワークの負荷について御質問をさせていただきたいというふうに思っております。  今回のインターネットの常時同時配信は、放送の補完ということでございまして、いろいろ聞くと、ビットレートも最大一・五メガということで、それなりにネットワークにも優しいというか配慮した計画になっているということで、これはいろんな方に聞いても、まあ合理的な範囲じゃないかというお話をいただいているところでございます。また、回線の状況やアクセスの集中等で可変にするということで、通信が混み合った場合には画質の調整をするということも予定をしているというふうに聞いてございます。  しかしながら、将来的に、いろんなお客さんのニーズに応えたり、また4K、8Kの対応の高画質化を目指していくことや、安定的に視聴できるようにしていくことが求められるということがありますけれども、こういうことの可能性があるのかどうかということ。  そして、続きまして、そういうニーズに応えていきたいとするのであれば、これはもうNHKだけで実現できる話ではなくて、一般のインターネット利用に影響を及ぼさないように、通信事業者とも連携していく必要があるというふうに思っておりますし、特に今、携帯で5Gがもうすぐ始まるということでございます。そちらでも大容量、通信に負荷がかかるということでありますれば、ネットワークに更に負担がかかるんではないかというふうに思っております。  これは、NHKだけじゃなくて、ユーチューブなどの動画配信サービス事業者全体に言えることでございますけれども、こういうことをするときには、やはりNHKにおいても通信事業者のネットワーク構築や増強に必要な費用負担をすることも考えていく必要があるんではないかというふうなことをNHKとしてどう考えているかということをお伺いをしたいと思います。  そして、全体として、やはりこういうことをやるときに、総務省として、ネットワーク構築についてどう考えていくのか。特に、電波利用料、今回、更にいただくという法案も出していますけれども、これを当て込む、電波利用料は今使途を聞くと、ネットワークでもそんなに多くのところにはかかってはおりませんが、特に、NHKのインターネット常時同時配信のように、こういうものが民放各社にも広がっていくと、大きなネットワークに負荷がかかり始めてくるというふうに思っております。そうした将来を見越しても、総務省の考えもあわせてお聞かせください。
  117. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えいたします。  常時同時配信の開始時で実施するサービスとしましては、総合テレビ教育テレビについてPCとモバイル端末を対象に提供いたします。  配信画質のビットレートは最大一・五メガbpsとしております。過去の試験的提供の際にもこの画質で配信を実施しております。実用上十分な画質のレベルというふうに考えております。また、災害時などアクセスが集中する場合には、画質を落として対応いたしまして、システム通信環境への負荷がかかり過ぎないよう工夫をします。  なお、4K画質など高画質の配信につきましては、今後の研究課題でありまして、現時点では具体的な計画はございません。  また、通信事業者と放送事業者とが率直な情報共有や意見交換をする場として、放送コンテンツ配信連絡協議会が去年十月に発足しております。高画質の配信や安定的な視聴といった課題についても、この場を通じて意見交換が行われるのではないかというふうに考えております。
  118. 佐藤ゆかり

    ○佐藤(ゆ)副大臣 お答えいたします。  ネットワーク負荷への対応について御質問いただきました。  インターネットトラフィックの増大などの変化に対しまして良好な通信環境を維持していくためには、電気通信事業者が将来に向けて必要な設備投資を適時適切に行っていくということが重要でございます。  他方で、放送事業者によりますネットワーク同時配信の取組が拡大していった場合の通信ネットワークへの負荷は、検討すべき重要な課題と認識しているところでございます。  総務省では、昨年八月まで開催しておりました放送コンテンツの製作・流通の促進等に関する検討委員会というものがございますが、ここにおきまして、ネット同時配信が本格化した場合の通信ネットワークへの影響についても検討を行っております。  御答申をいただきましたけれども、この中で特に、ネット同時配信の本格化に備え、ピークトラフィック需要の推計に必要なデータの蓄積を図ること、それから、安定的な配信を確保するための措置を総合的に検討できるよう、放送事業者通信事業者などのステークホルダー間の連携体制の構築を支援することなどの内容をいただいたところでございます。  これを受けまして、昨年十月、放送事業者通信事業者等がネット配信に関する情報共有及び課題検討を行う放送コンテンツ配信連絡協議会が設置されておりまして、ネット同時配信のコンテンツ配信技術の現状と課題、ネット同時配信の本格化が通信ネットワークに与える影響、そして、5Gの普及、展開とネット同時配信などをテーマとした検討が進められているところでございます。  総務省といたしましては、5G時代を見据えながら、同協議会における議論の動向等も踏まえまして、今後見込まれるインターネットトラフィックの増加に対応するため、コンテンツを効率的に配信するための手段でありますCDN、コンテンツ・デリバリー・ネットワークの活用を進めるなど、ネットワーク逼迫対策の取組を推進してまいるところでございます。
  119. 井林辰憲

    ○井林委員 ありがとうございます。  事前の質問のときに、まずは賢く今ある容量を使うということを考えていきたいということで御説明いただいて、そういう御答弁をいただいたんですけれども、それはそれでぜひやっていただきたいんですけれども、そうはいっても、世界の潮流というのもありますし、やはりこういうものには予算が入れられないとか、そういうようなことではなくて、大胆にそして柔軟に考えていただいて、多くの皆さんが多様なサービスを受けられるということが一番大事だと思いますので、そのように検討を進めていっていただきたいというふうに思っております。  時間が来ておりますので、通告した衛星放送のところについてはちょっと飛ばさせていただきまして、最後なんですが、このインターネット常時同時配信もそうなんですが、やはり技術の進歩というのが非常に大きく世の中を変えてきているというふうに思っております。  ただ、そうはいっても、私の実家、田舎の方だと、まだ光ケーブルが引かれていないところがございます。そういうところは、二号業務とはいえ、こういう新しいサービスを享受できないということになりますし、また他方で、インターネットだけじゃなくて、例えばワンセグ、こういうのも新しい技術でございますけれども、私の地元だと、駅周辺だと見れるんですけれども、ちょっと離れちゃうともう見れないというふうになっております。だからといって、みんなが使えないからといって、それをやめるかといえば、やはり私は、新しい技術をどんどん取り込んでいって、利便性を高めていくべきだというふうに思っております。  こういう技術革新放送の世界を大きく変えようとしております。そういう中で、そういう技術が全部進展しないということも含めて、放送の将来像やまたあるべき姿、そのために総務省が取り組むべき次なる課題などがあれば、大臣にお答えをいただきたいと思います。よろしくお願いします。
  120. 石田真敏

    ○石田国務大臣 お答えさせていただきます。  インターネットサービスの高度化あるいは多様化による視聴環境の変化に伴いまして、スマートフォン等を用いてさまざまな場所で放送番組を視聴したいという国民・視聴者からのニーズ、そういうことが求められているというふうに認識いたしております。  したがいまして、放送インターネット配信の本格化が喫緊の課題でありますことから、魅力のある多様な放送コンテンツが、インターネットを含めさまざまなメディアを通じまして、国民・視聴者に提供されるような環境の整備に取り組んでまいりたいと考えています。  同時に、ソサエティー五・〇時代に向けまして、都市地方格差のない放送及びインターネットの視聴環境を整備することが、持続可能な地域社会を構築していく上で大変重要な課題であるというふうに考えております。  このため、条件不利地域等を対象にケーブルテレビの光化への支援措置等を加速させることによりまして、災害に強い放送ネットワークの構築に取り組むほか、通信ネットワークにつきましても、光ファイバーや5Gの地域展開を早期に進めまして、ソサエティー五・〇時代の地方の実現に向けまして、それを支える情報通信インフラと利用環境の整備に取り組んでまいりたいと考えております。
  121. 井林辰憲

    ○井林委員 ありがとうございます。  大変難しい課題だと思いますけれども、だからこそ、大臣を始め、リーダーシップを持って取り組んでいただければというふうに思います。  質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  122. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、穂坂泰君。
  123. 穂坂泰

    ○穂坂委員 自由民主党の穂坂泰です。  本日は、このように質問の時間をいただきましたこと、心から感謝申し上げます。  放送法の一部を改正する法律案について、本日は、NHKの方々、総務省の皆様に御質問させていただければと思いますので、よろしくお願い申し上げます。  今回、大きな、インターネット同時配信ということが進められます。民放も検討されているようですけれども、やはり事業性が見出しがたいとして慎重な姿勢をとっている、そのように聞いております。  放送というのは、本日午前中の参考人の皆様も言っておりましたけれども、公共放送があって、そして民放があって、ローカル局もある、だからこそ情報の多元性そしてまた地域性、そういったものが確保できる、そんな話をされておりました。こういった体制はぜひともこの日本で維持すべきだ、そんなふうに私も思っているところであります。  ここでNHKさんの方にお聞きしたいんですけれども、民間がやはり事業性でちゅうちょしているもの、そういったものを、受信料をいただいているNHKだからできてしまう、こういったことになると、やはり、民業圧迫、民放の競争力をそぐことにつながるのではないか、ひいてはNHKの肥大化につながる、こんなことも思ってしまうところでもありますし、また、そうならないためにも、やはり、この法改正を通して、NHKが、放送全体の利益につながるような、全体価値の向上につながるような同時配信にぜひとも取り組んでいただきたい、そんなふうに思っておりますが、どのようにお考えなのか、NHKさんにお聞きしたいと思います。
  124. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  インターネットの利用拡大や視聴者の情報取得のあり方は時代とともに変化していることを踏まえまして、NHKは、放送を太い幹としつつ、インターネットも適切に活用して、信頼される情報社会的基盤の役割を果たす必要があると考えております。  NHKが受信料によって放送を実施する目的で運営されていることを踏まえまして、インターネット活用業務につきましては、適正な上限の中で抑制的な管理に努め、厳格な区分経理など、会計上の透明性確保の新たな考え方に従って、十分な説明を尽くしていく所存であります。
  125. 穂坂泰

    ○穂坂委員 ありがとうございます。  これは、新しいテクノロジーの挑戦だというふうに思いますし、また、著作権等いろんな問題があるというふうに思います。ぜひとも、放送業界全体の利益につながるような、そんな同時配信を進めていただければというふうに思います。  それについて、今NHKさんからもいただきましたが、総務省のお考えをお聞かせいただければと思います。
  126. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  今委員からも御指摘がございました、我が国の放送は、NHKと民放がいわゆる二元体制のもとで互いに切磋琢磨することによりまして、放送番組の質の向上や放送の健全な発達に貢献してきております。  NHKがインターネット活用業務を行うに当たりましても、放送メディア全体の価値向上のため、NHKが民放と協力して取り組んでいくことは大変重要と考えているところです。  常時同時配信を含みますNHKのインターネット活用業務につきましては、NHKの目的あるいは受信料制度の趣旨に沿って適切なものとなる必要があると考えております。また、その費用についても、必要最低限かつ適正なものとなるよう、NHKにおいてまずは適切に検討していただきたいと考えております。  また、今回の改正では、NHKに対し、他の放送事業者によるインターネット番組配信等の円滑な実施に必要な協力をする努力義務を課すこととしております。  NHKにおいては、常時同時配信を実施するに当たりましても、この努力義務の規定を踏まえまして、民放と協力して取り組んでいただきたいと考えているところであります。
  127. 穂坂泰

    ○穂坂委員 ありがとうございます。  ぜひとも放送全体の利益につながるように、そしてまた、放送法の第一条にもあります「放送が健全な民主主義発達に資するようにすること。」、こういったことがありますので、ぜひそういった目的を達成するような取組をよろしくお願い申し上げます。  続きましての質問をさせていただきますけれども、この同時配信、当然コストもかかってくるものだというふうに思います。ぜひとも多くの国民の皆様に使っていただきたい、そう思っている中で、まず、このような同時配信をどのように受信契約者に対して周知をしていくのか、どのような仕組みにしていくのか、またスケジュール、そういったところも、もし今わかれば教えていただければと思います。
  128. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  常時同時配信は、放送の補完と位置づけまして、受信契約世帯の構成員は追加負担なく利用できるようにいたします。  このため、サービスの利用に当たりましては、利用を希望する方についてNHK側で受信契約と照合を行い、契約が確認できれば配信を視聴することができるようにするというふうに考えております。受信契約が確認できなかった場合には、画面にメッセージをつけた形での配信にとどめます。  ただ、災害時など広く情報を提供する必要がある際には、誰にでもメッセージなしのサービスを提供することを考えております。  また、放送電波が届かないところでも、通信環境があれば、いつでもどこでも、それぞれのライフスタイルなどに合わせて利用できる利便性の高いサービスになるというふうに考えております。  放送法の改正が行われた場合には、それを踏まえまして、NHKのインターネット実施基準を新たに策定しまして、総務大臣認可を得ることが必要となります。また、実際のサービスの開始に向けましては、関連するさまざまなシステムの整備や個々の利用者の認証方法の決定など、具体的な準備作業を進める必要があります。  法改正が行われれば、視聴者の皆様に新たなサービスについて御理解いただく取組も含めまして、必要な準備を着実に進めてまいりたいというふうに思っております。
  129. 穂坂泰

    ○穂坂委員 ありがとうございます。  ぜひとも多くの国民が享受できるように、そしてまた、不正という問題も出てくるというふうに思います。認証についても、しっかりと進められるように、ぜひとも取り組んでいただければと思います。  続きまして、御質問になりますが、今回、インターネット同時配信、私は、これは民放に先駆けての挑戦、そんなふうに捉えております。国民の多様な生活スタイルに合わせた放送体制、こういったものがつくられていくのかなと思っているんですけれども、ぜひこういったことがマイナスに捉えられてほしくないなと。  その不安の一つに関しますと、やはり徴収の対象拡大というものが今後出てくるんじゃないか、そんな不安が国民の中にはあるのかなというふうに思います。  放送法第六十四条では、NHKの放送を受信できる受信機を設置している人にNHKとの契約義務が生じる、こういった形でありますけれども、今後、ネットやスマホ、そういったものも、受信できる受信機、このような形として捉えられてしまい、それが徴収の対象になってしまうんじゃないか、そのような不安があるというふうに思いますが、そんな不安に対しての御意見、お考えをお聞かせいただければと思います。
  130. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  認証情報の適正な管理及びセキュリティーにつきまして最大限の対策を行うことは、常時同時配信を開始するための前提と捉えております。  認証などのシステム構築に当たりましては、最新のセキュリティー動向や事故などの事例分析を踏まえましてリスク評価を行い、適切なセキュリティ対策を実施してまいります。  また、運用体制につきましては、アクセス権限や監視体制を適切に設計してまいります。  設備についても、人の管理についても、万全を期す考えであります。
  131. 穂坂泰

    ○穂坂委員 済みません、それは先ほどの、不正に関しての答弁だというふうに思いますので。  済みません、今改めまして、今後、そういったネットやスマホ、そういったところまで徴収の対象が拡大になっていくんじゃないか、そんな懸念がある中でどのようにお考えになっているのか、改めてお聞かせいただければと思います。
  132. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  テレビ放送インターネットでの常時同時配信と見逃し配信サービスにつきましては、受信料制度のもとで、放送を補完するものとして、受信契約世帯に対して追加負担なく提供するものであります。  テレビを持たない方に対して公共性の高い情報やコンテンツを届けていくことは、信頼される情報社会的基盤という役割を果たしていく上で重要な課題だと認識しております。  こうした観点から、放送通信の融合時代にふさわしい受信料制度のあり方については、研究が必要な課題だというふうに考えております。
  133. 穂坂泰

    ○穂坂委員 ありがとうございます。  それでは、済みません、時間もございますので少し飛ばしまして、今回、適正な経営を確保するための制度の充実、こういったことも法改正に盛り込まれました。  こういったことをやることによってどのような具体的な効果が生まれていくのか、総務省にお考えをお聞かせいただければと思います。
  134. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  近年、NHK職員による受信料着服事案、また、委託事業者による個人情報流出事案など、NHKグループのコンプライアンス、リスク管理にかかわる不祥事が発生しております。受信料によって支えられているNHKにおきましては、国民・視聴者の信頼の確保を図っていくことが大変重要でございます。  こうしたことを踏まえまして、今回の放送法改正では、NHKグループの内部統制に関する規定の整備、NHK役員のNHKに対する忠実義務規定、監査委員会によるチェック機能の強化など、NHKグループのコンプライアンス確保のための措置を整備することとしております。  これに基づきまして、NHKグループのコンプライアンス確保体制の整備、NHK役員による責任ある業務の執行と子会社の監督の適正な履行、監査委員会によるNHK本体また子会社による業務に対するチェックが適正に行われまして、NHKグループの全体としてのコンプライアンス確保が図られるものと考えているところでございます。  NHKにおきましては、法改正を踏まえて、公共放送としての社会的使命と責任を改めて自覚し、国民・視聴者からの信頼確保に向けて組織を挙げて取り組んでいただきたいと考えております。
  135. 穂坂泰

    ○穂坂委員 ありがとうございます。  国民から受信料をいただいている以上、やはり信頼、そしてまたコンプライアンスの遵守は必要だというふうに思いますので、ぜひともよろしくお願い申し上げます。  今回の、適正な経営を確保するための制度の充実、そういったものを受けまして、NHKのお考え、お聞かせいただければと思います。
  136. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  公共放送にとりまして何より重要なのは、視聴者・国民の皆様からの信頼であります。これまで何度も、職員やグループ会社社員などに、築城三年、落城一日という言葉どおり、視聴者・国民の信頼を裏切るようなことがあれば、その回復は並大抵のことではないと伝えてまいりました。  不祥事の再発防止に向け、NHK倫理・行動憲章、行動指針の理解、徹底を図るとともに、全ての役職員に向けて、コンプライアンスの留意点をわかりやすく解説した文書を毎日送るなど、あらゆる機会を捉えまして、組織風土として、コンプライアンス意識を高め、徹底するよう努めてまいっております。  視聴者・国民の皆様からの信頼を第一に、不祥事を起こさない組織づくりに向けて、私が先頭に立ち、グループ一体で取り組んでまいる所存であります。
  137. 穂坂泰

    ○穂坂委員 ありがとうございました。  ぜひとも、しっかりとよろしくお願い申し上げます。  最後になります。  今回のデジタル同時配信もそうですけれども、通信と放送の融合、そしてまた5Gなどの技術革新、どんどん進んでまいっております。国民ライフスタイルの変化、そういったものもございますし、これからの公共放送のあり方、これもしっかりと考えていかなければというふうに思っています。  ぜひとも、最後に佐藤副大臣の方から、今後の総務省としての見解、展望についてお聞かせいただければと思います。
  138. 佐藤ゆかり

    ○佐藤(ゆ)副大臣 お答えをいたします。  国民・視聴者の受信料によって支えられておりますNHKには、国民・視聴者の信頼に応えつつ、引き続き公共放送としての社会的使命を果たしていただくということが求められます。  そして、今回の改正もその一環として、NHKが国民・視聴者の期待に応え、常時同時配信を実施することを可能にするとともに、NHKに対する国民・視聴者の信頼確保を図る観点から、ガバナンスの強化を行うものでございます。  NHKにおきましては、今回の改正で可能となります常時同時配信を含むインターネット活用業務の適正な実施に取り組んでいただくとともに、NHKグループのコンプライアンス確保、既存業務を含むNHKの業務全体の見直し、受信料水準や体系などの受信料のあり方の見直しなどの課題について、引き続きしっかり取り組んでいただきたいというふうに考えております。  総務省といたしましても、今後、NHKの取組や放送をめぐる環境の変化を踏まえて、公共放送のあり方について不断に検討を行ってまいりたいと存じます。
  139. 穂坂泰

    ○穂坂委員 時間が来ましたので、質問を終わります。ありがとうございました。
  140. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、中谷一馬君。
  141. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 立憲民主党の中谷一馬でございます。  本日もどうぞよろしくお願い申し上げます。  私からも、放送法改正案と公共放送のあり方についてるる質問をさせていただきます。  まず、テレビ離れ、スマホファーストが進む令和時代におけるNHK財源と受信料負担のあり方について伺いたいと思います。  通信放送を融合したサービス、これまでも段階的にできるようになっておりましたが、本改正案においても常時同時配信を可能とすることとなりましたが、これを扱う新しいビジネスモデルが日本においてはしっかりと構築ができていないことが大きな課題であると捉えております。  しかしながら、時代の流れは速く、若年層を中心に、ファーストスクリーンがスマートフォンになり、テレビ離れが起きている現状があります。  総務省放送を巡る諸課題検討会において示された資料では、二〇〇五年に九八・九%であったカラーテレビの普及率は、二〇一五年には九五・七%まで下がっております。また、世帯主が二十九歳以下の世帯に限れば八四・七%にまで落ち込んでおりまして、テレビ離れが進んでいく流れが顕著であり、この傾向は世界的にも同様であります。  その一方で、現行の放送法ではテレビの設置者のみを受信料支払いの対象としておりますが、今後更にスマートフォン等のテレビ以外の受信機しか持たない人の増加が予想される中、中長期的に見れば、現在のビジネスモデルでNHKを維持していくことは難しくなりますから、時代のニーズに合わせた転換を図らなければならないと思います。  そうした中、本改正案においては、放送法第六十四条に規定された受信料のあり方など、収入についての変更は行わないとのことでございますが、令和の時代に、昭和の時代から全く変わっていないこの仕組みのままでよいと考えているのか、まずは石田大臣、NHK会長の御見解を伺いたいと思います。
  142. 石田真敏

    ○石田国務大臣 お答えをいたします。  御指摘のように、スマートフォンの急速な普及とか、あるいは各種動画配信サービスの進展、若年者を中心とするテレビ離れの拡大といった放送をめぐる環境変化が生じていることは、総務省としても十分認識をいたしております。  将来的なNHKにおける受信料制度につきましては、今後のNHKの常時同時配信の実施状況あるいは国民・視聴者から十分な理解を得られる制度とすべきといった観点も踏まえまして、中長期的に検討すべき課題であると認識しております。
  143. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  NHKは、放送法第十五条で、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように豊かで、かつ、よい放送番組による国内基幹放送を行うことが求められております。  受信料は、こうした公共放送公共メディアの業務を支える貴重な財源であります。テレビは依然として九五%の世帯が保有する基幹メディアでありますが、インターネットの利用拡大や携帯端末の急速な普及などにより視聴者のコンテンツ視聴や情報取得のあり方が多様化する中、NHKは、視聴者・国民の利便性を高めるため、放送を太い幹としつつ、インターネットも適切に活用し、信頼される情報社会的基盤の役割を果たし続けたいと考えております。  放送インターネットへの常時同時配信と見逃し配信サービスは、今日的なメディア環境の変化に適切に対応して、受信契約世帯を対象に、視聴機会の拡大を図り、いつでもどこでも必要なコンテンツを得られるよう、放送を補完するものとして実施したいと考えております。  こうした考え方や取組の内容をまず丁寧に説明し、視聴者・国民の皆様に御理解いただけるように努めてまいりたいと考えております。
  144. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 大臣とは、中長期的な検討課題だということは共有できたかなと思っているんですけれども。  受信料における諸外国の例として、先ほど来の質問の中でも少し出ていたんですけれども、イギリスでは、BBCのコンテンツを使用し得るパソコン等の受信料、これも徴収の対象としていたり、また、ドイツであったり、スイススウェーデンなどでは、全ての世帯から徴収をする放送負担金制度が導入をされている現状があります。  公共放送インターネットに進出をする時代において、その財源を誰が負担するのかという根本的な議論というのは私は避けて通れないと思っているんですけれども、世界的にテレビ離れが進む状況において、ヨーロッパ諸国のような、テレビを持つ者だけではなくて、パソコンやタブレット、スマートフォン等のネット機器のみを持つ者も含めて受信料徴収を行う仕組みや、デバイスの有無にかかわらず、全ての世帯の方々に公共放送を維持するための負担をお願いする事例については、どのように大臣と会長は捉えているのか、それぞれの御見解を聞かせてください。
  145. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  委員から御指摘ございましたドイツ制度についてお答え申し上げます。  ドイツにおきましては、二〇一三年の一月一日から、従来の、受信機を設置した方に支払い義務を課す制度から、受信機の設置の有無にかかわらず、全ての住居占有者及び事業主を徴収対象とする放送負担金制度に移行されていると承知をしております。  一方、我が国における受信料制度につきましては、委員御指摘のとおり、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」と規定されておりまして、この契約義務に基づくNHKとの受信契約によりまして、受信料をお支払いいただくということとされております。  いずれにしましても、特にドイツのように全ての世帯に受信料の支払いを義務づける制度とすることにつきましては、国民・視聴者から十分な理解を得られる必要がありまして、慎重に検討すべきであると考えているところでございます。
  146. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 私、大臣に伺ったのと、イギリスの事例の話が漏れているので、もう一度答弁いただけますか。
  147. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 ただいま御指摘のございましたイギリス制度につきましては、名称は受信許可料というふうになっておりまして、BBCが徴収することとなっております。  また、徴収の対象となる端末につきましても、委員御指摘のとおり、幅広く対象とするということになっていると承知しておりますけれども、やはり、これにつきましても、日本に導入するとなりますと、大きく制度を変えることとなりますので、国民・視聴者の十分な理解を得ることが必要かと考えております。
  148. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  テレビ放送インターネットでの常時同時配信と見逃し配信サービスは、受信料制度のもとで、放送を補完するものとして、受信契約世帯に対しまして追加負担なく提供するものであります。  テレビを持たない方に対して公共性の高い情報やコンテンツを届けていくことは、信頼される情報社会的基盤という役割を果たしていく上で重要な課題だと認識いたしております。  こうした観点から、放送通信の融合時代にふさわしい受信料制度のあり方につきましては、研究が必要な課題だと考えております。
  149. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 御答弁をいただきました。  フランスイギリスのような制度を導入するにはやはり国民の理解が必要だ、私も全く同じ意見でありますし、それを得られるようなNHKになっていけるのかというのがすごく大きな問題だと思っています。  その中でなんですけれども、フェアな受信料のあり方、誰が負担をするのかということも踏まえてやはり考えていかなければならないと思うんですけれども、仮に、受信料の負担の対象者を拡大する検討を行うということがあったときに、私は、その負担を薄くして、負担を減らすことがしっかりできれば、国民の理解が得られる可能性があるんじゃないかなということを思っているんです。  NHKが、二〇二〇年十月までに受信料を実質四・五%まで引き下げることを決定されたばかりなんですけれども、私は甘いなって思っているんです。  私見なんですけれども、NHKの現状程度の事業規模と総収入七千億円程度、この水準を維持できる前提で、受信料のさらなる引下げは、私は十分可能であると考えておりまして、制度のあり方を見直せば、少なく見積もっても三〇%オフ、経営改革までしっかりとやれば五〇%オフの半額程度まで将来的には受信料を落とせるんじゃないかなって思っているんです。  その心は何かというと、平成二十九年の決算の数字、これをもとに私が仮に試算をしたんですけれども、NHKが受信料徴収をドイツのように全ての世帯から徴収する形にしたと仮定をして計算をすると、支払い率が約八〇%から一〇〇%になります。約七千億円程度の受信料の収入が二〇%上がれば、約一千四百億円程度の財源が生まれます。また、受信料の約一〇・九%、約七百七十・九億円程度を占める徴収コスト、営業経費もそうなれば必要がなくなりますから、単純に計算をしても、二千億円以上の財源がこれで生まれることになります。  そして、この二千億円を国民に対して公平に分配をすれば、これだけでも受信料は約三割削減できますし、地上契約の月額受信料も、現在の千三百十円から八百円台の、数百円単位まで引き下げることが可能でありまして、年間払いも、現在の一万三千三百九十円から九千円台の、一万円を切る水準まで落とすことが私は現実的に可能なんじゃないかなということを考えているんですけれども。  このように、受信料負担の対象者を広げる場合、大幅な負担額の引下げを行う制度を整えることが国民の理解を得るという方法の一つとして考えられるんじゃないかなと思うんですが、石田大臣、上田会長はそれぞれどのように考えられているのか、御所見を伺いたいと思います。
  150. 石田真敏

    ○石田国務大臣 この段階で仮定の御質問にお答えをするということは難しいわけでございまして、先ほど来御議論のありましたドイツにおける放送負担金制度の議論についても、約七年ぐらいかけてやっておられるということでございます。  当然、先ほども申し上げましたけれども、今後も、受信料のあり方、放送環境の変化の中で考えていかなければならないと思っております。  時間をかけて、そして国民の皆さん方の理解を得られる形で議論を進めていくべきものと思っております。
  151. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  受信料は、放送法を根拠とし、NHKが公共放送としての業務を行うために必要な経費を受信機の設置者に公平に負担していただくという考え方に基づくものであり、これにより、高度な自主性を財源面から保障する制度でもあります。  このため、NHKは、受信料制度の理解促進と公平負担の徹底に組織を挙げて取り組んでまいっているところであります。  世帯数の減少やテレビ保有率の低下など、NHKを取り巻く経営環境が厳しさを増す中で、中長期的な収支の見通しを総合的に勘案し、収支相償の観点から値下げを実施することといたしました。  厳しい経営環境を見据えて、将来にわたって効率的、効果的で持続可能な業務体制を構築するため、業務改革推進会議を改革のエンジンとして、NHKグループ一体で抜本改革を進め、事業規模、支出を一定の適正な水準におさめるよう厳正に管理してまいりたいと考えております。  こうした取組により、受信料の価値を高めていければと考えております。
  152. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 会長から御答弁いただきましたが、受信機の設置者だけではフェアな受信料徴収にならないというのが、まさにこれからのスマートフォンファーストの時代なのかなということを思っておりまして、それに対する、ちゃんと財源のあり方というのを徴収方法も含めて考えていかなければならないということで、私は今の提案というかをさせていただいたことがあるんですけれども。  私的には、こうして総収入だったり事業規模を変えずに受信料の削減とフェアな徴収というのは行える可能性があるということを思っておりますし、あと、それに加えて、広告収入だったり副次収入による多様な財源を確保することができれば、私は、受信料を半額、五〇%にすることも夢物語では全然なくて、現実的に国民負担を減らせるんじゃないかなということを思っております。  世界の公共放送を見ますと、収入確保の手段として、受信料以外の副次収入があります。NHKにおいても、番組に関するDVDや出版物の販売による収入がありますが、全体の一%程度であり、ほとんどが受信料収入で占めている状況があります。  そうした中で、資料を配付をさせていただきましたが、フランスドイツイタリア公共放送や韓国のKBSでは、放送法の規定により広告放送を財源とすることが認められているほか、KBSでは、番組の販売による副次収入も約三一・五%の収入源となっており、大きな財源となっております。  そこで、まず広告収入について伺いますが、広告収入については、現在日本では認められておらず、仮に推進しようとしても、民放との関係もあり、簡単にはいかないだろうなということを思っている一方で、ドイツフランスイタリア中国、韓国、カタールのアルジャジーラなど、日本以外の多くの国では公共放送広告収入が認められながら運営が行われている現状があります。  そこで、まず政府に伺いますが、G20諸国の中で公共放送広告収入を認めている国が何件あると承知しているのか、教えてください。
  153. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のG20全体についての調査というのは、残念ながら私どもでしておりませんけれども、御指摘のとおり、フランスドイツ公共放送では広告放送を行っております。  また、韓国KBSにつきましても、広告放送が実施されているというふうに承知しております。
  154. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 私の独自の調べでは、G20の中では十二カ国ぐらいが広告収入を持った、事業収益を上げている制度をやっているんですけれども、G20の中でもいろいろな国が広告収入を認めている中で、日本広告収入を認めずに受信料という形での国民負担に依存する仕組みになっているのはなぜだと考えているかということを石田大臣に伺いたいんですけれども、私的には、何で日本だけができないのかなという理由がわからないので、御見解を伺えればと思います。
  155. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、我が国の放送は、広く国民・視聴者が公平に負担する受信料を収入源とする公共放送NHKと、主に広告収入収入源とする民間放送の二元体制のもとで発展してきたものと認識をしております。  NHKの収入の安定的な確保のため、NHKの収入源の多様化、今御指摘ございましたが、一定程度必要と考えておりますけれども、NHKの放送は、公平中立の立場で行われるべきでございまして、特定の者の利益のために行われるべきでないことなどの理由により、現行法上、NHKが広告放送を行うことは禁止されているところでございます。
  156. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 今の後段のところについて聞きたいんですけれども、では、何でほかの国々は、公平性、客観性を担保しながら広告放送が認められていると局長はお考えですか。
  157. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  今委員御指摘のとおり、他国では広告収入に依存しているところもあるところでございますけれども、基本的には、NHKの放送が公平中立の立場で行われるべきこと、また、二元体制という日本独自の放送の発展の状況ということもございまして、現行法上は、NHKは広告放送を行うのではなく、受信料財源を主たる財源として運営をすべきというふうに考えているところでございます。
  158. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 他国では、広告収入を得ても、公平性であったり中立性の担保が要するにできているから、運営ができているんだと思うんですね。なので、必ず広告収入を導入しなさいということを言っているわけでは全くないんですけれども、やはり、多様な財源確保ということをしっかりと考えた上で国民負担を減らしていくという議論というのは、私は、なければならないんじゃないかなということを思っています。  ダーウィンではありませんけれども、私は、時代のニーズに対応して変化をし続けるものがやはり生き残ると思うんですね。  広告自体もデータビジネス化している中で、新しいビジネスモデルを研究することすらせずに、できない言いわけを探して進化の研究を放棄する社会には、残念ながら、その先の維持発展も見出せないと思いますので、現状のルートをそのまま進むだけの戦略ではなくて、時代に対応した経営戦略をしっかりと描いていただきたい、ビジョンを示していただきたいという思いで質問をさせていただきました。  それで、もう一点伺わせていただきますが、NHKは、契約者以外は映像を見ることができないようデータを暗号化するスクランブル化について、公共放送の理念に矛盾するといった見解を示されております。しかしながら、放送通信の融合する新時代のNHKのあり方を考える際には、これらのシステムについても国民目線で研究をする必要があるんじゃないかなということを思います。  産経新聞以前行った世論調査によれば、NHKの地上波放送スクランブル化を導入すべきかという問いに対して八八%がイエスと答え、NHKの番組を見たいかという問いに関しては六九%がノーと答えました。  これらの現状を踏まえて、私的には、ベースの受信料を大きく引き下げることを前提に、例えば、災害時の緊急放送報道、Eテレの教育教養番組など公共性の高いコンテンツや、社会的に必要ではあるが民間では採算が合わないコンテンツなどに関しては、広く国民にノンスクランブルで提供することが必要だと思います。  その一方で、それ以外の多くのコンテンツに関しては付加的な受信料を徴収するスクランブル化を検討することにより、民間放送事業者と公正な競争環境のもとで、コンテンツの競い合い、付加的な受信料を払ってでも見たい優良な番組づくりを進めることは、ネット時代のビジネスモデルとは相性がよいように感じますので、メリット、デメリットの研究ぐらいはまずしてもいいんじゃないかなということを思いました。  そこで伺いますが、放送通信が融合する令和の新時代に、NHKの番組において、受信料のベースを大きく引き下げることを前提に、安価にノンスクランブルで配信するコンテンツと、スクランブルで付加的な受信料を徴収して配信するコンテンツを切り分ける制度について、メリット、デメリットの研究並びに導入に関する検討を行う余地があると考えているのか、政府、NHKのそれぞれの見解を伺います。
  159. 佐藤ゆかり

    ○佐藤(ゆ)副大臣 お答えいたします。  まず、受信料は、視聴の対価ではなく、受信機の設置という客観的な事象のみに着目をして徴収をしているものでございます。  NHKの主な財政基盤を受信料としましたのは、NHKが、公共の福祉のために、豊かで、かつ、よい放送番組を広く国民全体に向けて放送するという公共放送社会的使命を果たすために必要な財源を、広く国民・視聴者全体に公平に御負担いただくことが適当であるとされたためでございます。  したがいまして、NHKの放送スクランブル化につきましては、こうした公共放送としてのNHKの基本的性格に影響を及ぼしかねないということでございますので、慎重な検討が必要であるというふうに考えるところでございます。
  160. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 済みません、議論がかみ合っていないなと思ったんですが、メリット、デメリットとかの研究ぐらいは始めてもいいんじゃないかと思うんですけれども、その余地はありますかという質問をさせていただきました。いかがでしょうか。
  161. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 ただいま副大臣から御答弁させていただいたところでございますけれども、NHKにつきましては、受信料は視聴の対価ではないというふうに位置づけているところでございまして、広く国民・視聴者全体によい放送番組を放送するという公共放送の位置づけを考えますと、NHKの放送スクランブル化につきましては、慎重な検討が必要と考えているところでございます。
  162. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 これ以上は続けませんが、財源の多様化と国民負担の軽減という目線で先ほど来質問をさせていただいておりまして、私自身は、やはり多様な財源化策を図って国民負担を減らして、現在の事業規模、総収入の水準を維持したまま受信料を大幅に下げる軽減策というのは具体的にできるんじゃないかなと思いますので、検討、研究をしっかり重ねていただきたいなということを思っております。  質問しても多分同じような御答弁をいただくことになると思うので、この辺でやめさせていただきますが、中長期的にこのビジネスモデルのままでは、多分フェアでもないですし、負担的にも重たいなと思いますので、ぜひ検討、研究を重ねていただければと思います。  次に、インターネット活用業務に要する経費の上限規制について伺わせていただきます。  現在、受信料の二・五%を上限ということが、先ほど来いろいろなところで議論があったんですけれども、これは、民放連等が、NHKの肥大化、民業圧迫等を理由に、常時同時配信が行われることになったとしてもこの二・五%の上限の維持を求めることに配慮をしていることが大きな要因であるということを伺っておりまして、民放の皆様のお気持ちは一定理解をいたしますが、しかしながら、このように公共放送におけるインターネット活用業務に要する経費の上限規制をかけている諸外国の事例は、私の調査では見つけられなかったんですね。  政府の皆さんに伺いたいんですけれども、二〇一九年現在、他国で公共放送においてインターネット活用業務に要する経費に上限規制をかけている国が存在するのか、政府の見解を教えてください。
  163. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  諸外国の事例につきまして、網羅的に調査しているわけではございませんけれども、公共放送インターネット活用業務に係る費用の上限規制を設けている事例は、現時点では確認できておりません。
  164. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 私も確認できなかったんです。いろいろなところで調べたんですけれども、やはりそういうことをしている国というのは見当たらなかったんですね。  要するに、そういう状況ということは、他国には事例がない、日本特有の変わった規制であるということが理解はできるわけなんですけれども、放送通信が融合する新時代において、これからどんどんと視聴者がふえるであろうネット戦略にかける予算に対して上限をかけることに私は違和感を感じます。  世界の例を見ますと、イギリスのBBCは、二〇一七年に、インターネット活用業務に要する経費として約四百八億円、全体に占める割合としては七・五八%の予算規模で事業を進めている現状がある中で、日本のNHKに関しては、今後も二・五%の上限を維持するのか、それとも方針転換を行うのかについての方針に関する見解を、大臣、会長、それぞれに伺いたいと思います。
  165. 石田真敏

    ○石田国務大臣 今回の法改正によりますNHKの常時同時配信は、現行のインターネット活用業務と同様に、任意業務として実施できることとするものであることから、現行制度と同様に、過大な費用を要するものでないことを法律上求めることとしております。  御指摘のインターネット活用業務に係る費用の上限につきましては、現在、NHKが総務大臣認可を受けてみずから定めるインターネット活用業務の実施基準において規定されているものであります。  今回の法改正の後も、NHKの目的や受信料制度の趣旨に沿って、インターネット活用業務の費用が必要最低限かつ適正なものとなるよう、まずはNHKにおいて実施基準のあり方について適切に検討していただきたいと考えております。
  166. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  NHKが受信料によって放送を実施する目的で運営されていることを踏まえますと、常時同時配信を含むインターネット活用業務に係る費用に上限を設けて適正に運用するという視点は重要だと認識いたしております。  放送法の改正が行われた場合には、それを踏まえてNHKのインターネット実施基準を新たに作成し、総務大臣認可を得ることになりますが、その中で適切に実施してまいりたいと考えております。  その際、昨年十一月の諸課題検討会の場で総務省から説明のあった区分経理など、会計上の透明性の確保についての新たな考え方も踏まえて、事業費の内訳など、何にどれくらいの費用がかかるかをよりわかりやすく説明してまいりたいと考えております。  適正な上限の中で抑制的な管理に努め、会計上の透明性確保の新たな考え方に従って十分な説明を尽くしてまいりたいと考えております。
  167. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 今、会長が重要だとおっしゃったインターネットの上限規制、やっている国が今のところ日本しかない。私はその重要さが、ちょっとうまく理解することができませんので、ぜひ、これからの時代に対応した、上限規制の拡大なのか撤廃なのかわかりませんけれども、私は対応していただいた方が国にとってもいいんじゃないかなということを思いますし、公共放送にとってもいいんじゃないかな、ひいては国民にとってもいいんじゃないかなと思いますので、ぜひ御検討をいただきたいと思います。  それに続きまして、公共放送民間放送の連携によるOTTへの対抗策についても伺いたいと思うんですが。  今地方局が、キー局と、地方局を通じて番組を全国放送して地方局が広告収入を得るという全国系列ネットワークのビジネスモデルを展開していますが、これにNHKの常時同時配信が出てくることによって、そのビジネスモデルを崩す可能性があるということが危惧をされ、地域制限、こうしたものをするべきなんじゃないのという話が出ています。  でも、その一方で、ネットフリックス、Hulu、アマゾンプライムなどのOTTと呼ばれる海外の事業者が、近年、日本においても巨大な資本を生かした良質なコンテンツの制作により動画配信サービスを展開していて、テレビ離れが顕著に進んでいる若者を中心に視聴をする人が多くなっている現状があります。  世界的にコンテンツの提供のゲームルールが変わっている状況を踏まえれば、インターネット鎖国でもしない限りは、既存の放送局が行っていたビジネスモデルがあと何十年も長きにわたって継続できないことは容易に想像ができるわけでありますから、これに対する対応が必要だと思うんですけれども。  イギリスでは、国策として、公共放送民間放送協力して動画配信サービスを行うことにより、海外展開を行い、収益を上げていくことでOTTに対応しようという取組を進めているんですが、日本においても、地域制御というナンセンスな対策じゃなくて、NHKと民放の両者が協力をしてOTTに対抗していくような対策を講じる必要があると考えるんですが、いかがでしょうか。大臣、上田会長のそれぞれの御見解を伺います。
  168. 石田真敏

    ○石田国務大臣 御指摘のように、近年、海外事業者による動画配信サービス日本市場に相次いで参入をし、テレビによる視聴が可能となるなど、放送との競争が激しくなっているほか、スマートフォン等を用いてさまざまな場所において放送番組を視聴したいという国民・視聴者のニーズが高まっていることから、放送事業者による番組のインターネット配信を促進することが課題であると認識をいたしております。  このため、配信基盤の構築、利用等を始めとする分野においてNHKを含む各放送局が連携協力を進め、国民・視聴者の利便性向上や配信コストの低減を図っていくことが重要であると考えておるところであります。  総務省としても、放送番組を、インターネットを通じて迅速、安定的、効率的に提供できる共通配信基盤の整備に向けた実証などの取組を進めてまいりたいと考えております。
  169. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  民放との協調、連携につきましては、放送で培ってきた二元体制を維持しながら、放送通信の融合時代においても、相互にメリットをもたらす協調や連携を進めることは重要というふうに認識しております。  NHKは、公共放送公共メディアとして、放送を太い幹としつつ、インターネットも積極的に活用して、正確で迅速なニュースや質の高い多彩な番組をいつでもどこでもごらんいただけるように提供することで、放送通信の融合時代においても、信頼される情報社会的基盤の役割をしっかり果たしてまいりたいというふうに思っております。
  170. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 専務理事、私、OTTへの対抗策を聞いたんですけれども、今のは対抗策でしょうか。
  171. 荒木裕志

    ○荒木参考人 民放と協調し、連携していくことは重要でありまして、これまで培ってきた二元体制を維持しながら、相互にメリットをもたらす協調、連携を進めていくことは重要だというふうに認識しております。
  172. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 やはり、どういうふうにグローバルマーケットを相手に戦っていくかという目線を、もっとしっかりと、戦略的にあえてビジョンを示された方がいいと思います。  国民・視聴者の目線で見ると、公共放送民間放送区別なく、とにかく質の高い番組を見たいというニーズがあります。そうした中で、政府、NHKは、民放のことは大切にするけれども国民のことを大切にしないじゃないかと誤解を受けるような姿勢というのは私はよくないと思っていて、NHK、民放、その両者が、自分たちの体制のことを考えてつばぜり合いをしているような誤解を受けてしまうような状況じゃなくて、やはり、ちゃんと協力をして進めていくような体制整備をして、OTT相手に立ち向かっていけるような対策というのを私はつくっていく必要があると思うんですね。  そうした中で、本日、参考人で、慶応義塾大学中村伊知哉教授にお越しをいただきました。  その中で、中村教授が、例えば、ネット業務のためにNHKと民放の共通の基金をつくるなど、次の市場、次のメディアの環境をどうつくっていくかを議論してほしいということを毎日新聞の取材で述べられているんですけれども、私もこれらに対しては全く同感でございまして、二・五%の上限を設けて発展の足を引っ張り合うような対策じゃなくて、むしろ、民放との共同事業にNHKが積極的に投資をすることで民放とのウイン・ウインな関係を築く方が、海外事業者との競争において、とても私は有益だと思うんですね。  現在、大手キー局を中心にTVerがあるんですけれども、今回の放送法の改正で、他の放送事業者との協力が努力規定とされたことを踏まえて、費用面も含めてNHKが積極的に参加をしていくことが必要だと思います。  そこで伺いますが、次の市場、次のメディア環境をつくる目線で、民放との共有基金の組成やインターネット配信プラットフォームの構築に際しては、NHKからも積極的に投資を行い、民間と共同してグローバルマーケットで戦うことのできる建設的な事業戦略を描いていただきたいと考えますが、いかがでしょうか。大臣、会長、それぞれの御所見を伺いたいと思います。
  173. 石田真敏

    ○石田国務大臣 NHKがインターネット活用業務を行うに当たって、御指摘のように、NHKが民放と協力して取り組んでいくことは大変重要なことと考えております。  このことは、本法案では、NHKに対し、他の放送事業者によるインターネット番組配信等の円滑な実施に必要な協力をする努力義務を課すこととしているところであります。  NHKにおかれては、常時同時配信を本改正後に実施するに当たっては、この努力義務の規定も踏まえまして、国民の利便性を向上させる観点から、例えば、民放と協力、連携しつつ、配信基盤の構築、利用を進めるなど、NHKと民放の共通する課題の解決に積極的に取り組んでいただきたいと考えております。
  174. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  民放との協調、連携につきましては、放送で培ってきた二元体制を維持しながら、放送通信の融合時代においても、相互にメリットをもたらす協調や連携を進めることは重要と認識いたしておりまして、具体的な連携策に取り組んでおります。  例えば、民放ラジオ局が参加するインターネット配信プラットフォーム、ラジコでのNHKラジオ番組の配信につきましては、今年度から正式なサービスとして実施いたしております。また、民放の公式テレビポータル、TVerにつきましては、今年度に参加できるよう、具体的な調整を進めているところであります。  NHKは、公共放送公共メディアとして、放送を太い幹としつつ、インターネットも積極的に活用し、正確で迅速なニュースや質の高い多彩な番組をいつでもどこでもごらんいただけるように提供することで、放送通信の融合時代においても、信頼される情報社会的基盤の役割をしっかり果たしてまいりたいと考えております。
  175. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 このあたりで放送法関係の質問はまとめたいと思うんですけれども、私的には、フェアな受信料の徴収のあり方をしっかりと考えて、国民負担を減らしつつも、グローバルマーケットでしっかりと戦っていけるような、そんな事業戦略が求められると思いますし、会長、大臣におかれましては、しっかりとそのビジョンを検討していただいて、示していただくことを要望させていただきたいと思います。  それでは、最後に、私の方からインターネット投票に関しての質問を一、二問させていただきたいと思います。  資料を配付をさせていただいたんですが、このたび日本政府において在外選挙におけるインターネット投票の実証実験を始めるということで、私は歴史的な第一歩を踏み出すことを大変うれしく思っております。  その中で、まず伺いたいんですけれども、マイナンバーカードに依存しない私はインターネット投票システムをつくった方がいいと思っているんですね。現在、国民の約八六・九%がマイナンバーカードを持っておらず、国民の九九・九九九九%の人がマイナポータルにおいてマイナンバーカードを活用した電子決済を行っていない現状があります。  マイナポータルを利用した電子申請について、内閣官房からいただいた資料によりますと、電子申請を試みた数は七万六千百九十件、でも、実際に申請を成功させられた人の数は九千三百五十四件しかなくて、申請成功率は一〇・四二%、要するに約九〇%の人が試しているんですけれども失敗しているんですね。  なので、これはマイナンバーカードを用いた電子申請のハードル高さを如実にあらわしているものだと思うんですけれども、私は、インターネット投票制度の超応援団だという自負を持っておりますが、ユーザー目線に配慮しない、設計ミスで使いづらいサービスになってしまって、国民にとって要らないシステムになってしまうことを危惧をしておりますので、マイナンバーカードに限らない多様な本人確認方法を真剣に検討していただいて、私はそういった構築を行っていただきたいと思うんですが、大臣、いかがでしょうか。
  176. 大泉淳一

    ○大泉政府参考人 インターネット投票についてお答え申し上げます。  昨年八月の総務省研究会の報告書に基づきまして、ことしからインターネットの実証実験を行うということとしておりますけれども、その中で、マイナンバーカードということでございます。  インターネット投票は、投票立会人がいない中で個人端末から投票することが想定されておりまして、このため、その研究会におきましては、公的個人認証サービスにより本人確認を厳格に行うということと、投票データの暗号化を施す必要があるというようなことから、当該サービスが標準搭載されているマイナンバーカードを活用すべきとされておりまして、これが研究会の議論の中では、新たなシステムの構築に比べまして社会的コストを下げることができるなどというような意見もあったところでございます。  いずれにしましても、この実証実験に向けましては、研究会の報告書を踏まえまして、マイナンバーカードの活用を中心に検討してまいりたいと考えております。
  177. 中谷一馬

    ○中谷(一)委員 時間が参りましたので終了いたしますが、今の御答弁、私はちょっと、しっくり全くこないので、この続きは次の総務委員会でまたやらせていただきたいと思います。  ありがとうございました。
  178. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、日吉雄太君。
  179. 日吉雄太

    ○日吉委員 国民民主党の日吉雄太です。  質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  本日は、放送法の一部の改正案、これについて質問をさせていただきます。  まず最初に、もう既にいろいろと話題にはなっているんですけれども、この常時同時配信を導入する意義について、やはりどうしてもしっくりこないところがありますので、改めてお伺いをさせていただきたいと思います。  先ほど来、民放では、ビジネスモデルとして、この常時同時配信、これは難しいのではないかということで、余りそれが普及していない中において、今回、常時同時配信を導入するということになってきておりますが、どのぐらいの必要性があるのか、どのぐらいの視聴率を想定しているのか、こういったことが不明確な中で、この意義について、改めて大臣とNHK会長にお伺いしたいと思います。お願いいたします。
  180. 石田真敏

    ○石田国務大臣 若年層を中心とするテレビ離れの拡大といった視聴環境の変化が生じつつあることは総務省としても十分認識をいたしておりまして、本法案は、そうした視聴環境の変化に対応して、NHKが放送の補完として常時同時配信を行うことを可能とするものであり、常時同時配信は、スマートフォン等を用いてさまざまな場所においても放送番組を視聴したいという国民・視聴者の期待に応えるという意義があるものと認識をいたしております。
  181. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  インターネットの利用拡大や視聴者の情報取得のあり方の変化の中にあっても、NHKは、放送を太い幹としつつ、インターネットも活用して、信頼される情報社会的基盤の役割を果たし続けたいと考えております。  放送インターネットへの常時同時配信は、その役割を果たすために、視聴機会の拡大を図り、いつでもどこでも必要なコンテンツを得られるよう、放送を補完するものとして実施したいと考えております。とりわけ、災害時や緊急時に安全、安心にかかわる情報をきちんと得ていただくためにも、日ごろから常時同時配信を通じて情報を取得していただく必要があると考えております。  こうした取組を通じて、今の三カ年経営計画で掲げております、正確、公平公正な情報で貢献や、安全で安心な暮らしに貢献などといった六つの公共的価値の実現につなげてまいりたいと考えております。
  182. 日吉雄太

    ○日吉委員 もう一度、大臣にお伺いさせていただきます。  若者を中心にテレビ離れというお話がございました。そういった中で、テレビではなくてインターネットであれば視聴をするのか、それとも、テレビの番組自体に対して、若者が見るということから離れてきてしまっているのかというような認識なのか。要するに、インターネットであれば若者はテレビを見るのか、この辺の認識をちょっと大臣にお伺いしたいと思います。
  183. 石田真敏

    ○石田国務大臣 若い方と年齢的にギャップがありますので、その辺はなかなか理解しにくいところがありますけれども、私の子供なんかを見ていますと、テレビをつけながら一方ではスマホを見ている、そして何か関心事があるとぱっとテレビの方を見たりというような、そういう見方がされているわけでありまして、そういう意味で、今までの我々の世代あるいはそれに近い世代の皆さんがテレビを中心にして見ていた、そういう状況ではないということはもう十分言えるのではないか。  それと同時に、例えば、テレビのない外で、表の、そういうほかの場所でそういう番組を見たいというような、そういうニーズもあるということだと私は思っております。
  184. 日吉雄太

    ○日吉委員 ほかの場所で見るニーズもあるかもしれないんですけれども、テレビで見なくて、じゃ、インターネットでその番組を本当に見るかというのはちょっと疑問なところもあるかなというふうに私は思っておりまして、そういった意味で、本当にインターネット配信をすることによってその裾野が広がっていくのかといったところが明確でないなというような思いがあります。  そういった中で、NHK会長にお伺いをさせていただきます。  先ほど来、会計を区分経理したりすることによってそういった透明性を高めるというようなお話がございました。ちょっとこれは通告はしていないんですけれども、同時配信とテレビ、この会計を区分する方法、これは収益についても区分されるんでしょうかね。教えてください。
  185. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  収益に関しましては、現在の放送法に基づいて、受信料収入というのが全てベースになります。
  186. 日吉雄太

    ○日吉委員 そうしますと、受信料収入については、同時配信と今のテレビ放送、これを切り分けることはしないということで、費用面だけ区分する、こういうふうに理解いたしました。  そういった中で、今、常時同時配信をしても受信料への影響がないということで、受信料は上げるというような方向にはならないということになった場合、今現在の受信料が過大なのではないかというようなこともちょっと危惧されます。一方で、今ある受信料のレベルを維持するために、むしろ新たなサービスを追加するんじゃないか、こういった見方もあろうかと思うんですけれども、そのあたり、どのようにお考えになられますでしょうか。
  187. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  信頼される情報社会的基盤としてのNHKの役割を果たしていくためには、放送を太い幹としつつ、インターネットも更に積極的に活用して、正確な情報や豊かでよい番組、若年層にも響くような、広く届けられるような、こういうことをやっていく必要があると考えておりまして、したがって、放送を太い幹とするという、受信料に基づいていますので、当然インターネットに係る費用に関しましては適正な、適切な上限を設けて、その使途を明確に示すことによって御理解を得よう、こういうふうに考えておるわけでございます。
  188. 日吉雄太

    ○日吉委員 しかしながら、収益について区分をしないとなると、インターネットで採算がとれているのかとれていないのか、とれていなくちゃいけないのか、とれていなくてもそれでも必要なのかという、こういった判断というのができないような気がするんですけれども、そのあたり、今後どのように考えていくのか、教えてください。
  189. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  繰り返しになりますが、NHKがこの通信と放送の融合という環境の変化の中で情報社会的基盤としての役割を果たしていくためには、ある一定程度インターネットを活用して、正確な情報や豊かでよい番組を届ける、こういう仕組みをつくる必要があると考えております。  したがいまして、インターネットに関しましては、繰り返しになりますけれども、受信料は放送の受像機を設置した方から頂戴しているわけで、これは、今の放送法のもとでは放送にかかわる受信料に収入は限られるわけですが、インターネットを一部この社会的役割を果たすために使った場合には、これに適切な上限を設けて、それで使った明細をしっかりと示しながらやっていきたい、こういうことを繰り返し申し上げているわけであります。
  190. 日吉雄太

    ○日吉委員 そうすると、明確な採算がとれているかどうかは余りわからないのかなというふうに理解をいたしました。  その中で、先ほど来、受信契約における受信料のあり方についていろいろお話が出ておりますが、改めましてお伺いさせていただきます。  今後、インターネットで同時配信を視聴する人で、テレビを持っていない人、この方はどのように受信料を徴収するのか、教えてください。
  191. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  テレビ放送インターネットでの常時同時配信と見逃し配信サービスは、受信料制度のもとで、放送を補完するものとして、受信契約世帯に対して追加負担なく提供するものであります。  通信と放送の融合の時代における新たな受信料制度のあり方につきましては、さきにもお答えをさせていただきましたが、大きな課題でありますので、今後しっかりと検討してまいりたいというふうに考えております。
  192. 日吉雄太

    ○日吉委員 済みません、ちょっと不明確だったのでもう一度確認させていただきますが、パソコンでインターネット接続をしていて、そこからだけの、インターネットでの配信だけを視聴する人がいて、テレビの機械を持っていない、こういった人に対して、この常時同時配信で、インターネット、パソコンで見た、テレビを視聴している人、この人はどういう、視聴契約を結ぶということなんですか。
  193. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  テレビを持たない方に対して公共性の高い情報やコンテンツを届けていくことは、信頼される情報社会的基盤という役割を果たしていく上で重要な課題だと認識いたしておりまして、こうした観点から、放送通信の融合時代にふさわしい受信料制度のあり方については、研究が必要な課題だと考えております。  いずれにしましても、テレビ放送インターネットでの常時同時配信と見逃しサービスは、現在の受信料制度のもとで、放送を補完するものとして、受信契約世帯に対して追加負担なく提供するものということであります。
  194. 日吉雄太

    ○日吉委員 現状はわかったんですけれども、今後についてはまだ決まっていない、これから研究をしていくというふうに理解をいたしました。  そういった中でちょっと気になることが、常時同時配信をインターネットですることになった場合に、そうしたときに、今申し上げたように、インターネットしか使っていない、こういった方々に受信料を、契約するというような、今後そういうふうにしていくための布石といいますか、そういった形で、今回、常時同時配信を導入していくというような見方をされる方もいらっしゃるのかなと思いますけれども、そういった意味合いはあるのかないのか、教えてください。
  195. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  繰り返しになりますが、テレビを持たない方に対して公共性の高い情報やコンテンツを届けていくことは、信頼される情報社会的基盤というNHKの役割を果たしていく上で重要な課題だということを認識いたしております。  こうした観点から、放送通信の融合時代にふさわしい受信料制度のあり方については、研究が必要な課題だと考えておるわけであります。
  196. 日吉雄太

    ○日吉委員 研究が必要ということで、決まっていないと理解いたしました。  それと、もう一つお伺いさせていただきます。  先ほど、インターネットの場合ではアプリを導入して、それを契約した方は見れるようにするというようなお話が午前中にありました。  そういった中で、そうすると、例えば、スマホだけ持っていた段階では受信料は支払わないんですけれども、そのアプリを導入して契約した段階で支払いをする。その一方で、今、テレビは機器を、テレビを購入して設置した段階で受信料契約をしなければならないというようになっていて、そうではなくてテレビを、そもそもテレビを購入、設置したときにはNHKは見れない状況になっていて、その契約をした段階に見れるようになるというような形、今とは違いますけれども、その二つ、インターネットの場合とテレビとの場合に整合しないような感じがするんですけれども、午前中の参考人の意見につきましてどのようにお考えか、教えてください。
  197. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  現在の放送法のもとで、私どもNHKは受信契約を結んでいただいて受信料を頂戴しているわけですが、受信契約締結して受信料をいただいている方に対して、補完的なサービスとしてインターネットサービスを提供する。そのために、アプリケーションといいますか、しっかりと受信契約を結んでいただいているということを確認した上で、インターネット情報にアクセスできるような権限を付与させていただく、こういうことを考えております。
  198. 日吉雄太

    ○日吉委員 ちょっと、余り質問をさせていただいたことに直接お答えいただけなかったかなと思っておりますが、余り時間もなくなってきたので、最後に、最後というか、この件についてもう一回。  やはり、テレビからインターネットにシフトしていくような感じがするんですけれども、将来的に、将来いつかはわからないんですけれども、テレビというものがなくなってしまう可能性、こういったことは考えられたことはございますか。
  199. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  あくまでも、現段階においては、放送を太い幹として、インターネットを補完的に活用して、情報社会的基盤としてのNHKの役割をしっかり果たしてまいりたいということであります。
  200. 日吉雄太

    ○日吉委員 じゃ、将来については今のところ検討されていないというふうに、現状について検討しているというふうに理解をさせていただきました。  そうしますと、次の質問に移らせていただきたいと思います。  先ほど来、インターネット配信の地域制限についてお尋ねがございました。インターネットにおいても、テレビと同じような形で、同じような番組をその地域で見るということになると伺いましたが、地域制限をなぜ行うのか、もう一度教えてください。
  201. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えいたします。  常時同時配信は、放送の補完というふうに位置づけておりまして、地域放送番組をどのように配信していくかという課題は重要だというふうに認識しております。  放送が対象地域ごとに行われていることから、地域放送番組を配信する際には地域制限を求める声も強くあります。こうした点も考慮に入れて対応していくことが必要だというふうに考えております。  総務省放送を巡る諸課題に関する検討会の第二次取りまとめにおきましても、放送の補完として行われる常時同時配信について、地域制限を行うことに一定の合理性があるというふうにされております。
  202. 日吉雄太

    ○日吉委員 済みません、その一定の合理性のところ、その合理性を、もう少し具体的に教えてもらえますか。
  203. 荒木裕志

    ○荒木参考人 これは、放送が対象地域ごとに行われているということから、地域放送番組を配信する際には地域制限を求める声が強くあるということであります。こうしたことも考慮に入れまして対応していくことが必要だというふうに考えております。  また、常時同時配信を実施する際の地域放送番組の配信につきましては、コストや運営体制の面から、段階的に拡充していきたいというふうに考えております。このため、地域放送が行われている時間帯については、当面、東京発の地域放送番組を配信する予定であります。
  204. 日吉雄太

    ○日吉委員 今のお話ですと、段階的に地域放送も見れるようにしていくというように伺いました。  テレビ放送の方における地域制限、こういったものは、今後外していくといいますか、緩和していく、そういったことはあるんですか。
  205. 荒木裕志

    ○荒木参考人 今のところ、考えておりません。
  206. 日吉雄太

    ○日吉委員 わかりました。ありがとうございます。  それと、もう一つ、インターネットでの常時同時配信を行う際の、先ほどもお話ありましたけれども、アクセスが集中したりすることによってサーバーに大きな負担がかかるとかいう話がありましたが、この対策にかかるコストをどの程度想定されているとか、どの程度のアクセスであれば大丈夫なのかとか、こういった検討の状況を教えてください。
  207. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  動画配信では、アクセスが集中した場合でも処理を分散しまして大もとのサーバーに負担がかからないようにするコンテンツ・デリバリー・ネットワーク、CDNという仕組みを利用するのが一般的であります。NHKの常時同時配信におきましても、CDNを利用して配信を行う予定であります。  常時同時配信が実際にどの程度利用されるのかを具体的に想定することは難しいところがありますが、仮にアクセスが集中した場合でも、CDN事業者と情報共有などを進めるなどして、配信が滞ることがないような対応をとれるようにしていきたいというふうに考えております。
  208. 日吉雄太

    ○日吉委員 結構インターネットの接続がうまくいかないとかいう話がございますので、よろしくお願いをいたします。  それと、もう一つ、見逃し配信や有料のオンデマンドの配信、これにおきまして、特にそのあたりお伺いしたいんですけれども、放送政治的な中立性の話なんですが、これを保つために、インターネット配信における中立性というのはどのように担保されるのか、教えてください。
  209. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  放送法は第一条で、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保することを、また、第四条で、国内放送番組の編集に当たり、政治的に公平であることや、報道は事実を曲げないですることなど、四つを挙げております。  放送法の規定を踏まえまして、NHKは国内番組基準を定めております。この中で、全国民の基盤に立つ公共放送機関として、何人からも干渉されず、不偏不党の立場を守って、放送による言論と表現の自由を確保することを明記いたしております。  放送通信の融合時代にありましても、こうした考え方は不変であると考えております。
  210. 日吉雄太

    ○日吉委員 確かに、原則論としてそういう話で、インターネットで配信される内容につきましても、現時点ではテレビ放送と同じような形で常時同時配信されるので、テレビで公平性が確保されていればインターネットでも確保されるというような流れになると思うんですけれども。  その一方で、見逃し配信や有料の配信について、これは、そもそもメニューが限られている中で、特定の主張についてメニューに置いておきますけれども、特定の主張はメニューに載っていないとか、こういったことになっていく可能性もあると思いますし、先ほどでは、テレビでは地域制限を撤廃することはないけれども、インターネットでは今後地域制限を段階的に外していくというような話もあった中で、そうすると、インターネットでの公平性の確保というのはどうなるのかといったところを検討しなければいけないのかなと思ったときに、まず、見逃し配信、これについて、メニューをそろえる、どういうふうに公平にそろえていくのか、このあたりを教えてください。
  211. 木田幸紀

    ○木田参考人 お答えいたします。  見逃し配信につきましては、基本的には、常時同時で流したものを見逃し配信に回していくということを基本に考えておりますけれども、著作権処理の過程とかでいろいろなまた違う課題が出てくる可能性もあります。  今のところは、基本的には常時同時配信したものを見逃しに回していく予定で考えております。
  212. 日吉雄太

    ○日吉委員 そうすると、確かに一義的には常時同時配信で公平性が確保されるような内容になっておりますけれども、その後、見逃していた方々がもう一度見たいといったときに、ある一定の主張についてはそれを見れるんですけれども、ある一定の主張については見れないというようなことが起こらない、起こってはいけないのかなと思うんですけれども、それは起こってはいけない、こういう認識でよろしいですか。
  213. 木田幸紀

    ○木田参考人 基本的には、同じものを見逃しでも配信する予定で考えております。
  214. 日吉雄太

    ○日吉委員 済みません、同じものを配信されるんですけれども、その同じものといいますか、それ全てを見逃し配信をするというのだったらいいんですけれども、一部だけなんですか。どうなんですか。
  215. 木田幸紀

    ○木田参考人 常時同時配信したものを基本的には見逃し配信する予定で考えております。
  216. 日吉雄太

    ○日吉委員 ということは、そこで不公平が生まれることはないという、こういう理解でよろしいですか。
  217. 木田幸紀

    ○木田参考人 原則的にはそれで結構です。
  218. 日吉雄太

    ○日吉委員 今、原則的とおっしゃられましたけれども、例外的な場合があれば、ちょっと教えてください。
  219. 木田幸紀

    ○木田参考人 これは、コンテンツによって、著作権処理がどういう形になるか、これはまだこれからのことですのでわかりませんけれども、原則的には、常時同時配信と一定期間の見逃しは同じものであるということです。
  220. 日吉雄太

    ○日吉委員 ありがとうございました。  今、著作権という話が出ましたので、著作権料についてお伺いをさせていただきます。  同時配信と見逃し配信における著作権料の考え方、これを教えてください。
  221. 木田幸紀

    ○木田参考人 お答えいたします。  権料につきましては、権利者や権利団体との協議の中で決まっていくものだというふうに考えております。  具体的な権料のあり方やその総額の見通し等について触れることは、個々の契約に影響することが懸念されますので、回答を差し控えさせていただきたいと思います。  なお、今後の権利団体等との交渉に当たっては、常時同時配信が受信料で賄われる公共サービスであることを御理解いただき、経費を抑えられるように努めていきたいというふうに考えております。
  222. 日吉雄太

    ○日吉委員 個々の契約で、この場で明らかにできないところは結構なんですけれども、基本的には、同時配信をすれば、負担する著作権料はふえていく、こういう考え方でよろしいですね。
  223. 木田幸紀

    ○木田参考人 まだ協議をしている段階ではありませんので、ここではちょっと、具体的な内容については差し控えさせていただきたいというふうに思います。
  224. 日吉雄太

    ○日吉委員 わかりました。  時間も大分なくなってきましたので、最後に、民放との連携についてお伺いをさせていただきます。  今後、テレビ番組の動画配信、同時配信に向け、民放各社との連携はどのように考えられているか、教えてください。
  225. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  放送で培ってきた二元体制を維持しながら、放送通信の融合時代においても、民放との相互にメリットをもたらす協調や連携を進めていくことは重要というふうに認識しております。  例えば、民放ラジオ局が参加するインターネット配信プラットフォーム、ラジコでのNHKラジオ番組の配信については、今年度から正式なサービスとして実施しております。また、民放の公式テレビポータル、TVerにつきましては、今年度に参加できるよう、具体的な調整を進めております。  このほかにも、これまでNHKが行った同時配信実験、試験的提供の検証結果について民放と情報共有を図ってまいりました。  具体的には、字幕の配信技術地域放送番組の配信に関するシステムや運用などについて説明をしてまいりました。  民放との連携協力を引き続き積極的に進めてまいりたいというふうに思っております。
  226. 日吉雄太

    ○日吉委員 時間が参りましたので終わりますが、最後に、受信料の話なんですけれども、だんだん、受信料の考え方というのは非常に複雑になっていくのかなというふうに思っていて、今、機械を設置したところから、今後、何か人に対して受信料を取っていくというようなことになっていかないかなということをちょっと、若干危惧しているんですけれども、それについて、人を対象に受信料を徴収する、こういうことは現時点で考えていないということでよろしいですね。
  227. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  テレビを持たない方に対して公共性の高い情報やコンテンツを届けていくことは、信頼される情報社会的基盤という役割を果たしていく上で重要な課題だということを何度も繰り返し申し上げていますが、こうした観点を踏まえまして、放送通信の融合時代にふさわしい受信料制度のあり方につきましては、研究が必要な課題だ、こういうふうに考えております。
  228. 日吉雄太

    ○日吉委員 否定はされなかったというふうに理解しました。研究を待ちたいと思います。  どうもありがとうございました。
  229. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、本村伸子君。
  230. 本村伸子

    ○本村委員 日本共産党本村伸子でございます。  どうぞよろしくお願いを申し上げます。  初めに、NHK会長と総務大臣に伺いたいというふうに思います。  インターネットサービスについては、不正確な情報が多く流れてしまうことや、あるいは、自分の都合のよい情報だけを見るようになる傾向があること、さらに、事業者の側が個人の嗜好に沿って情報を流すということによって、自分と違った立場や視点の情報に接する機会がなくなってしまう、遮断されてしまう、いわゆるフィルターバブルといった現象も起きてくる、そういうさまざまな指摘がございます。  先ほども申し上げましたけれども、フェークニュースが多く、玉石混交で過激な表現も多いという中で、そういう中で、公共放送であるNHKの放送番組が常時同時配信として配信されるという意義を持つためには、肝心の放送内容自体が公正なものとして、正確なものとして、視聴者の皆さん、国民の皆さんから深く信頼、評価されることが不可欠であるというふうに考えております。  この点、NHK会長と総務大臣に御見解を伺いたいと思います。     〔委員長退席、桝屋委員長代理着席〕
  231. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  NHKは、報道機関として、正確な事実に基づいて、公平公正、不偏不党、何人からも干渉されることなく、みずから律して放送に当たっております。NHKのよって立つところは、視聴者・国民の皆様の信頼だと考えております。常時同時配信の実施に当たりましても、この考えが変わることはいささかもありません。  こうした視聴者・国民の皆様の信頼を維持向上させるためにも、自主自律、不偏不党の立場を堅持し、公平公正を貫いてまいりたいと考えております。
  232. 石田真敏

    ○石田国務大臣 NHKは、放送法の規定に従いまして、公共の福祉のため、豊かで、かつ、よい番組を放送することや、報道は事実を曲げないですることなどが求められているところであります。  常時同時配信については、NHKの放送番組そのものをインターネットを通じて同時に配信することから、その内容についても、こうした放送法の規定に沿ったものになると認識をいたしております。
  233. 本村伸子

    ○本村委員 例えば、前会長の時代、籾井会長みずからが放送法の根本的な理解を欠く発言を繰り返し、国民の皆様から、視聴者の皆様から批判を受けてきたわけでございます。  NHKは、肝心の放送に寄せられる批判をどのように受けとめた上で常時同時配信を行おうとしているのでしょうか、会長にお伺いしたいと思います。
  234. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  先ほど申し上げましたとおり、NHKのよって立つところは、視聴者・国民の皆様の信頼だと考えております。視聴者・国民の皆様からいただいたさまざまな御意見につきましては、常に謙虚に受けとめ、経営と現場で共有いたしております。  NHKの全ての番組は、放送法放送ガイドラインにのっとって制作しておりまして、正確で公平公正な情報や豊かで良質な番組を幅広く提供することで、健全な民主主義発達文化水準の向上に寄与しているものと認識いたしております。  放送番組のインターネットでの常時同時配信の実施に当たりましても、これまでどおり、放送法放送ガイドラインを遵守する姿勢に変わりはなく、自主自律、不偏不党の立場を守り、視聴者・国民の皆様に信頼される公共メディアに向け、最善の努力を尽くしてまいりたいと考えております。
  235. 本村伸子

    ○本村委員 先ほど参考人として来られておられました砂川先生もおっしゃっていますけれども、NHKは批判に対して誠実に耳を傾け、視聴者との対話をもっとオープンにやっていく必要があるのではないかというふうに考えますけれども、会長、御見解をお願いしたいと思います。
  236. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  NHKは、豊かでよい放送番組をあまねく全国に届けることを基本的使命とし、受信料によって支えられる公共放送として、視聴者の皆様からの信頼が重要であると考えております。  放送や経営などへの視聴者の皆様からの問合せや意見は、ふれあいセンターが電話やメールなどを受け付けております。また、本部を含む全国の放送局と一部の支局にNHKハートプラザを設けて対応いたしております。  寄せられた声は、基本的に全て記録され、全ての役職員がパソコンで見ることができ、放送番組や業務の改善などに生かしております。毎日寄せられる視聴者の視聴者意向は、毎週取りまとめて報告書を作成し、NHKホームページで公開いたしております。月ごと、年度ごとにもまとめて公表いたしておる次第であります。
  237. 本村伸子

    ○本村委員 ちょっと順番を変えたいと思いますけれども、ガバナンスの問題でさまざま御議論がある点について確認をさせていただきたいんですけれども、経営委員長にお伺いをいたします。  四月九日、経営委員会では、元専務理事の板野裕爾NHKエンタープライズ社長を専務理事に復帰させることについて、佐藤友美子さん、この方は監査委員でもございます、小林いずみさんの二名の委員が棄権をし、十二名中十名で同意したと報じられております。  二名の経営委員の方が棄権をされた理由は何なのか、経営委員が棄権となる、どんな議論があったのかということを御紹介いただきたいと思います。
  238. 石原進

    ○石原参考人 お答え申し上げます。  年齢構成とかもともとの職種、それから女性の登用など、全体的なバランスについて気になるという話や、あるいは、板野氏が、固有名詞を申し上げますけれども、再任されると反発があるのではないかという話がありました。  そういったことの中でいろいろ議論をいたしまして、採決の際に棄権をしたいと、今おっしゃったお二人が棄権をされたもので、残り十名で採決をしまして、決定いたしました。  以上でございます。
  239. 本村伸子

    ○本村委員 先ほども砂川先生が御紹介をしていただきました毎日新聞の記事ですけれども、複数のNHK関係者は、政権に太いパイプを持つとされる板野氏の復帰は、首相官邸の意向と明かしたというふうに記事に書かれております。  そして、二名の経営委員の方のうちのお一人でいいますと、何年かやってくる中で、ちょっとこれはどうかと思うようなことが幾つもありました、私としては板野さんに対して抵抗感があって、そこは拭えませんということなどがございまして、それは、例えば「クローズアップ現代」のキャスターの降板を主導した人物じゃないか、そういうこともあってなのかというふうにも思うんですけれども、その辺の議論はあったんでしょうか。
  240. 石原進

    ○石原参考人 お答えいたします。  板野氏について、大変リーダーシップのある立派な人だと私は思っておりますけれども、いろんな意見がございまして、十二名の経営委員の中で、全体で賛成の意見、反対の意見、いろいろ闘わせた、その結果、決定したということでございますが、今おっしゃったような、具体的な、「クローズアップ現代」とか、そういったお話についての議論はございませんでした。
  241. 本村伸子

    ○本村委員 会長にお伺いをしたいんですけれども、板野裕爾NHKエンタープライズ社長を専務理事に復帰させることについて、官邸の意向というのはあったんでしょうか。
  242. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  今回の執行部役員人事は、自分自身の判断で決め、放送法の規定にのっとり、経営委員会同意をいただいた上で任命したものであります。  NHKとしては、放送法にのっとり、番組編集の自由を確保し、公平公正、不偏不党、自主自律を貫くことが視聴者から信頼されるかどうかの生命線だと考えておりまして、これからもこの認識を持って業務の執行に当たってまいりたいと考えております。
  243. 本村伸子

    ○本村委員 万一、官邸の意向というものが存在し、上田会長がこれを容認したということであれば言語道断ということになってまいります。絶対にあってはならないわけですし、この方だけではなく別の方からもそういうお声が聞こえてまいりますので、不偏不党と公正中立、これは確実にやっていただきたいということを強く改めて申し述べたいというふうに思います。  常時同時配信の問題なんですけれども、現行のNHKのインターネット活用業務は二〇一四年の法改正で常時同時配信を除いて実施可能となっておりまして、常時ではない同時配信は一部やられているわけですけれども、東京オリンピック・パラリンピックのときに現行の同時配信では具体的にどのような不都合があるんでしょうか。
  244. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  これまでのオリンピックやワールドカップサッカーなどの際に実施いたしました同時配信は、現状のインターネット実施基準に基づきまして、権利処理上の課題や配信システムへの負荷、視聴ニーズなどを検証する目的で、あくまでも試験的提供として実施したものであります。  NHKとしては、来年の東京オリンピック・パラリンピックでは最高水準の放送サービスを実施することを目指しておりまして、これに間に合うように常時同時配信を実施したいというふうに考えております。  インターネットやモバイル端末の急速な普及の中で情報を取得する手段が大きく変化する中にあってもNHKが信頼される情報社会的基盤の役割を果たし続けるために、常時同時配信を実施することによって視聴機会の拡大につなげていくことが重要だというふうに考えております。
  245. 本村伸子

    ○本村委員 まず、現行でも同時配信はできているということを一応ここの時点では確認をさせていただきたいというふうに思います。  新たな権利処理への対応の問題についてなんですけれども、放送を巡る諸課題に関する検討会では常時同時配信に関するさまざまな重要課題を検討してこられましたけれども、まだ多くは解決をしていない問題がございます。その中の一つに新たな権利処理に対する対応がございます。  総務省の検討会の最終報告では、現段階で具体的な権利処理方法を絞り込むことは困難であり、今後の取組状況を踏まえ、継続的な検討に向けた体制を整備するというふうにされております。  そして、NHKと権利団体等とは、NHKさんに質問をいたしましたら、文書で、権利処理ルールについての協議を始めたところという御回答をいただいております。  ここで文化庁さんにお伺いをしたいんですけれども、規制改革推進に関する第三次答申では、コンテンツ流通の推進として、同時配信に係る著作権等処理の円滑化のため、総務省の検討委員会の検討結果を踏まえ、放送事業者における具体的な同時配信の展開手法やサービス内容を勘案し、所要の課題解決を行うなど必要な見直しを行うというふうにされております。  これについて、二〇一八年度中に検討開始、検討状況を踏まえて順次実施、著作権制度のあり方についての見直しは二〇一九年度措置とされております。この著作権処理についてどこまで取組が進んでいるのか、現状をお示しをいただきたいと思います。     〔桝屋委員長代理退席、委員長着席〕
  246. 内藤敏也

    ○内藤政府参考人 お答え申し上げます。  同時配信に関しましては、権利団体により権利の集中管理の取組が現在進められておりまして、NHKと日本コード協会との間でも既に包括契約が行われていると承知してございます。  文化庁といたしましても同時配信等に係る権利処理の円滑化を図る観点から、こうした権利団体に所属されていない、いわゆるアウトサイダーの方々の情報も含めまして、音楽分野における権利情報データベースの構築を進めているところでございます。  一方で、権利処理の円滑化に向けましては、法律により権利の内容を見直してはどうかとの御意見もあるところ、一部権利団体からは、データベースの構築などのような取組により円滑な権利処理は可能であるといたしまして、法律による権利内容の見直しに関しましては慎重な意見も出ていると承知してございます。  放送業を所管する総務省としてもまずは運用面、技術面の取組を進めていくと伺っておりますので、文化庁といたしましてもデータベースの充実などを着実に進めてまいりたいと考えているところでございます。  以上でございます。
  247. 本村伸子

    ○本村委員 同じ放送番組でもインターネットで流そうとすると、先ほど来御議論がありますけれども、改めて事前に権利処理を行うことが必要となってまいります。そこでは膨大な費用そして手間がかかるというふうに言われておりますけれども、NHKでは常時同時配信でどのくらい膨れ上がるというふうにお考えでしょうか。
  248. 松坂千尋

    ○松坂参考人 お答えいたします。  常時同時配信に係る著作権の費用につきましては、今後、権利団体や個別の権利者との協議を行うことにより決まってくることになります。法改正がされましたら、詳細な計画を作成して、必要なコストを見積もって実施してまいりたいと思います。  今後の権利団体等との交渉に当たりましては、常時同時配信が受信料で賄われる公共サービスであることを御理解いただき、経費を抑えられるように努めていきたいと考えております。
  249. 本村伸子

    ○本村委員 受信料制度に支えられているNHKと広告収入に頼る民放とでは、対応力にも大きな差が出てまいります。NHKのやり方次第では民放にも大きな影響が及ぶことが予想されておりますけれども、民放ローカル局への影響をどのように考えておられますでしょうか。これは総務省にお願いしたいと思います。
  250. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  総務省としては、放送事業者によるネット配信、活用につきまして、競争するところは切磋琢磨していただき、協調分野では連携をとりながら、国民のニーズや期待に応え、取り組んでいただきたいと考えております。  今般の法案は、NHKに対しまして、他の放送事業者との協力を求める努力義務規定を盛り込んでおります。ネット同時配信に係る円滑な権利処理の手法につきましても、NHKと民放が意思疎通をしっかりと図りながら進めていただきたいと考えておりまして、総務省では昨年十二月からネット同時配信に係る権利処理に関する勉強会というのを開催しておりまして、円滑な権利処理の実現に向けて必要な対応策の検討を進めておりますけれども、NHKとローカル局を含む民間放送事業者の連携状況等につきましてもしっかりと注視をしてまいりたいと考えております。
  251. 本村伸子

    ○本村委員 もう一つ確認をしたいんですけれども、現行の第二号受信料財源業務の費用区分の整理は維持して、常時同時配信の必要経費は全て第二号受信料財源業務費用に加えるということかという点と、内訳を示すというふうにおっしゃられていますけれども、常時同時配信の実施に加わる権利処理などの新たなコンテンツ経費、インフラ経費も内訳として分けて示すということを確認させてよろしいでしょうか。
  252. 松坂千尋

    ○松坂参考人 お答えいたします。  インターネットの活用業務にどのような費用がかかっているかを示す現行のネット活用業務に係る経費についての考え方は維持してまいります。  インターネット活用業務の経費は、現状は国内放送費や国際放送費などさまざまな費目に含まれておりますけれども、去年十一月の諸課題検討会で総務省から説明がありました区分経理など、会計上の透明性の確保についての新たな考え方を踏まえまして、何にどれぐらいの費用がかかるのかをより詳しく、よりわかりやすく説明してまいりたいと考えております。
  253. 本村伸子

    ○本村委員 なので、その新たなコンテンツ費用、インフラ経費も内訳として分けて示すということでよろしいんでしょうか。
  254. 松坂千尋

    ○松坂参考人 インターネットに係る費用をどのように透明性を確保しながら説明していくかということについては、詳細は今後検討いたしますけれども、何にどのようにかかっているのか、できる限りわかりやすく、詳しく説明してまいりたいと思っております。
  255. 本村伸子

    ○本村委員 総務大臣に次にお伺いしたいんですけれども、改定案では、その実施基準を定める項目に、常時同時配信事業に関する業務の種類、内容及び実施方法、業務の実施に要する費用に関する事項などを追加し、これを総務大臣認可をするというふうになっております。  どこまでを放送事業の関係経費とし、どこまでをインターネット活用事業の関連経費とし、これを認めるかということが重要になってくるというふうに思いますけれども、この法案では、法律上は、総務大臣認可を下すに当たっての判断基準というのは一切示されておりません。  そこで、インターネット業務関連の経費のどこまでが適正なのかの判断については、NHKによる区分経理の追認になるのか、また、NHKインターネット関連業務のあり方を、総務省がNHKのその業務のあり方を通じてNHKに関与を強めることになるのか、どちらかになると思うんですけれども、お答えをいただきたいと思います。
  256. 石田真敏

    ○石田国務大臣 現行の放送法では、NHKが第二十条第二項第二号及び第三号に定める業務、いわゆるインターネット活用業務を実施する場合には、実施基準を定め、総務大臣認可を受けなければならないとされており、この基本的な枠組みは今回の改正後も同様であります。  改正法の施行後、NHKから実施基準認可申請が提出されれば、総務省として第二十条第十項各号に規定する認可基準に照らして認可の適否を判断することとなるものでございまして、従前と同様に、放送法に基づき厳正に審査を実施してまいりたいと考えております。
  257. 本村伸子

    ○本村委員 それでは、インターネット業務の関連の経費はどこまでかということが明確にわからないので聞いているわけでございますけれども、これから省令改正なども行うということなんですが、総務省からの提出資料では、厳格な区分経理と適切な情報公開を行うことにより会計の透明性を確保するため、省令改正等を行うというふうに言われております。省令といっても、総務省が自分の責任で、その範囲で改変をするということができるものでございます。  省令改正等というふうにありますけれども、等というのは一体どういうものでしょうか。
  258. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 お答え申し上げます。  本法案による改正後の放送法に基づきまして、NHKの常時同時配信を実施する場合、インターネット活用業務の費用については、受信料を負担する国民・視聴者等に対する説明責任を果たす観点から、区分経理や情報開示の実施を求めることにより会計上の透明性の確保を図るということは適当と考えておりまして、そういう対応を図ってまいります。  その具体的な方法といたしましては、総務省令、また、インターネット活用業務の実施基準に係るガイドラインがございまして、そちらの改正をすることを考えております。
  259. 本村伸子

    ○本村委員 二〇一四年の改正のときに衆参で付された附帯決議では、「政府は、協会がインターネット活用業務を行おうとするときに定める実施基準総務大臣認可に関し、国民・視聴者や利害関係者からの意見、苦情等については適切に対応すること。」とございます。  NHKはやはりこれをしっかりと踏まえていくべきだというふうに思います。そして、この省令改正等の中で、やはりこの附帯決議を生かしていくことが必要だというふうに思います。それを生かして、省令改正の中で具体的に基準や手続等の扱いについて反映していくべきではないかと思いますけれども、大臣に最後に御答弁いただきたいと思います。
  260. 石田真敏

    ○石田国務大臣 平成二十六年の放送法改正案に対する本委員会附帯決議を踏まえまして、総務省では、実施基準認可に関し、手続の透明性や認可の適否の予見可能性を確保するため、総務省令案やインターネット活用業務の認可に対するガイドライン案につきまして、広く意見募集を行い、提出された意見等を踏まえて、これらを策定したところであります。  今回の法改正につきましても、改正法が成立した場合には、国民・視聴者からの意見等を踏まえて、総務省令等の改正を検討してまいりたいと考えております。
  261. 本村伸子

    ○本村委員 権力からの独立というのは公共放送としてNHKに最も求められるものでございます。今回の改定によってNHKに対する関与が強化されるということはあってはならないということを申し述べ、質問を終わらせていただきます。
  262. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、足立康史君。
  263. 足立康史

    ○足立委員 日本維新の会足立康史でございます。  きょうは、少しちょっとばたばたしていまして、全ての質疑を拝見をできていないものですから、ちょっとダブるというか、同じような内容がもしかぶるようでしたら御容赦をいただきたいと思います。  ちょっと順番が通告と変わりますが、まず最初に、事務方で結構ですが、いわゆるスマホ、これはスマホですね。いわゆるスマホ、まあ、ネット端末ですね。私は、これ、テレビは受信できないスマホですので、テレビというか放送はですね、放送波を受信できないですので、ネット端末スマホ、これをNHKの契約対象にしていく将来的可能性、これについて質問させていただいています。  これは、きょうの午前中の参考人質疑でも、私が宍戸参考人に聞きますと、まあ、ちょっと曲解にならないようにしなければいけませんが、要すれば、十分にあり得るし、その際には、NHKと契約したくない者をしっかりと除外してあげる、そういう仕組みが要るかなというような御説明があったやに記憶をしております。  ちょっとそういうところを、一旦、三分の一ぐらい使ってやりたいと思いますが、総務省、いかがでしょうか。まず、ネット端末を契約対象とする将来的可能性はあるでしょうか。
  264. 佐藤ゆかり

    ○佐藤(ゆ)副大臣 お答えいたします。  まず、今回の改正では、スマートフォンなどを用いてさまざまな場所においても放送番組を視聴したいという国民・視聴者の期待に応えるため、NHKによる常時同時配信を可能とするものでございまして、NHKとしては、常時同時配信を放送の補完として位置づけ、新たにスマートフォン等の所有者の方から受信料を取るといった考え方はしていないというふうに承知をしているところでございます。  将来的なNHKにおけるインターネット活用業務のあり方ですとか受信料制度につきましては、今後のNHKの常時同時配信の実施状況ですとか、国民・視聴者から十分な理解を得られる制度とすべきといった観点もございますので、こうしたことを踏まえまして、中長期的に検討すべき課題であるというふうに認識をいたしております。
  265. 足立康史

    ○足立委員 副大臣、だから、そういうことは、可能性があるということですね。確認です。誰でも結構ですよ。
  266. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 ただいま副大臣から御答弁申し上げましたけれども、仮にスマホのみをお持ちの方を対象として受信契約ということになりますと、受信料制度というものを大きく見直すということになります。  将来的にNHKがどういった形でインターネット活用業務をやっていくのか、また、受信料制度をどういうものにしていくのかということにつきましては、今後の常時同時配信の実施状況ですとか、あるいは、国民・視聴者から十分な理解を得られる制度とすべきといった観点を踏まえまして、中長期的に検討すべき課題であると認識をしております。
  267. 足立康史

    ○足立委員 いや、だから、ということは、可能性があるということですね。もう一度お願いします。
  268. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 今御指摘の点につきましては、中長期的に検討すべき課題であると認識をしております。
  269. 足立康史

    ○足立委員 ちょっと、これ、だめですよ。大臣、可能性ありますね。
  270. 石田真敏

    ○石田国務大臣 先ほど来御答弁申し上げていますように、中長期的課題として、これは国民的な御理解とかそういう要素が当然絡んでくるわけでございますから、今の段階で申し上げる状況にはないと思っております。
  271. 足立康史

    ○足立委員 いやいや、おかしいな。だって、可能性ですよ。蓋然性が高いか低いかという質問をしているんじゃないんです、可能性があるかないかですよ。可能性はあるかないか、どっちかじゃないですか。現時点で中長期的検討課題だというのであれば、可能性はあるという答えしか私は論理的に導かれないと思うんですが、それはなぜ答弁できないんですか。
  272. 石田真敏

    ○石田国務大臣 中長期的課題ですので、なる場合もあれば、ならない場合もあるということであります。
  273. 足立康史

    ○足立委員 今まさに石田大臣がおっしゃったように、なる場合があるわけですよ。(石田国務大臣「ならない場合もある」と呼ぶ)いや、当たり前じゃないですか、だから。与党の皆さん、わかりますよね。私、間違ってないですね。これは懲罰動議、出ないですよね。だって、なる場合もあれば、ならない場合もある、そういうことを一般に日本語では可能性があると言うんです。  大臣、もう一度。スマホをNHKの契約対象とし、課金というか受信料を徴収する可能性がある、しっかり答弁してください、しっかり。
  274. 石田真敏

    ○石田国務大臣 これは、今後、中長期的課題として、しかるべき有識者等の場でしっかり御議論いただいていくべきものだと考えております。
  275. 足立康史

    ○足立委員 もうやめますが、こういう答弁しかしないから国会がおもしろくないとか、意味がないとか言われるんですよ。だって、意味ないですよ、こんな答弁していたら。可能性はあるってもうはっきり今の答弁でわかったと思うけれども、それを言わない。わかっていることを言わない。僕は、参院選、このままだと本当に自民党は負けると思いますからね。まあ、野党も弱いけれども、まあいいや、やめておきましょう。  さて、この放送法改正案については、日本維新の会は賛成をします。しかし、この法案の内容に合点がいっているわけでは全くありません。むしろ、ほとんどは反対です。しかし、現状より前進してないかと言われると、それは一歩前進しています。だから、それは賛成をしますが、しかし、今、放送通信の大融合時代を迎えて、時代も平成から令和にかわり、この局面で日本国総務省放送通信の融合に正面から向き合っていない、一歩前進ではあるけれども、放送というその小さな枠の中にNHKも民放も、そして総務大臣総務省も籠城している、外を見ようとしない、私は大変批判的でございます。  その証拠を幾つか挙げたいと思いますが、一つ、これは事務方、まあ、総務大臣でも結構ですが、通告は総務大臣に申し上げているのかな。総務大臣放送通信の融合を検討する部署、総務省にありますか。
  276. 安藤英作

    ○安藤政府参考人 お答え申し上げます。  委員が御指摘をいただきました通信と放送の融合への対応につきましては、かねてから必要に応じて総務省内で検討をしてきているという状況にございます。本日、私が、この件につきまして御答弁申し上げておりますとおり、情報通信行政局の中で検討するということが、基本的には担務となってございます。
  277. 足立康史

    ○足立委員 その、よくわからない、情報通信何たら局の中に、誰がやっているんですか、担当者は何人いるんですか。
  278. 安藤英作

    ○安藤政府参考人 情報流通行政局の中の情報通信政策課が総合的な政策の企画立案を担当するということでございまして、本通信と放送の融合への対応につきましても検討するということでございます。
  279. 足立康史

    ○足立委員 今御答弁いただいているのは安藤総括審議官ですか。  要すれば、安藤総括審議官というのは、誰もやってくれないやつを拾う、国会対応の、誰もやってない、誰も受けれない質問を受ける人なんです、あの人は。本当にかわいそうですよね。だから、安藤大臣官房総括審議官には、心からかわいそうだなと思いますが。  いや、聞いたんですよ、事務方に、当然あるだろうと。放送通信の大融合時代に、通信を見ている部署と放送を見ている部署が二つあるんです、一つの役所の中ですよ、そこに放送通信の融合について考えているスタッフ、やっている人はいません。いや、事務方から内々に聞いている、ちょっと事務方が後で怒られたらかわいそうだから。怒らないでよ、安藤さん。大臣、後で僕のところにレクに来た人に怒っちゃだめですよ。しかし、僕のところに来た人は、やっている人はいません、プロジェクトもありません、将来の課題ですと言って、まだ課題としてテーブルにのってないんですよ。そして、放送部局の中に、放送側から見たときに、この新しい環境にどう対応していくかということで、いわゆる諸課題検討会がある。  そこで、びほう策ですよ、びほう策に終始してきたのがこの今の放送法でして、まあ自民党というのはそういうところですよ。石田大臣もそういう人です。改革はできません。  改革ができないもう一つの理由。きょう文化庁来ていますね。ネット同時配信をするんだったら、諸外国でやっているように、あるいは国際条約がここまででいいよと言っているところまで著作権法変えないといけないじゃないですか。それが、いわゆる許諾権を見直して、報酬請求権でしたっけ、日本著作権法に規定されている許諾権を見直して、いわゆるサイマルキャスティング等に係る報酬請求権の規定というのをつくればいいんですよ。これをやらずにネット同時配信をするなんというのは、おためごかしもいいところ。  これは、文化庁に聞いたら四の五の言う。でも、文化庁しか通告していないか。総務省にも通告した、あっ、首振っていますね、したような気もするんだけれども。まあ、文化庁、これは何でやらないんですか。
  280. 内藤敏也

    ○内藤政府参考人 お答え申し上げます。  同時配信に関しましては、現在も権利団体により集中管理の取組が進められておりまして、NHKと日本コード協会との間でも包括契約が既に行われております。  文化庁といたしましても、同時配信等に係る権利処理の円滑化を図る観点から、権利団体に所属していないアウトサイダーの情報も含め、音楽分野における権利情報データベースの構築を進めていき、権利処理の円滑化を一層進めているところでございます。  権利団体からは、今御指摘のように、許諾権を報酬請求権にするというような御意見がある一方で、権利団体の一部からは、このような取組により、より円滑な権利処理は可能であるというようなことから、法律により許諾権を報酬請求権に引き下げることについては慎重な意見も出ているというふうに承知してございます。  放送業を所管する総務省としても、まずは運用面、技術面の取組を進めていくと聞いており、文化庁としてもデータベースの充実などを着実に進めてまいりたいと考えております。  なお、インターネットによる同時配信を行うことにより、通常の放送の場合と比較いたしましても放送番組が視聴される機会が増大することになり、権利者の利益に与える影響も大きくなることが想定されるため、著作権法による権利のあり方が異なることにも一定の合理性があるものと考えているところでございます。
  281. 足立康史

    ○足立委員 反対している権利団体、どこですか。
  282. 内藤敏也

    ○内藤政府参考人 本件につきましては、権利団体のうち、実演家の主要団体が前向きな意向を示している一方で、レコード製作者の意見を代表している日本コード協会から慎重な意向が示されているというふうに承知してございます。  また、実演家及びレコード製作者ともに、こういった団体に所属されていないいわゆるアウトサイダーの方々の意向については、現時点では明らかになっていない状況であると承知してございます。
  283. 足立康史

    ○足立委員 ちょっと、時間がないので急ぎますが、今御紹介があったように、かつては、この権利団体、反対がすごく多かったんですよ。でも、明らかに今の時代の中で、許諾権を維持していると、日本競争力日本がどんどん世界からおくれていくということで、いわゆる音事協、私も経産省時代に大分けんかしましたよ、でも、その音事協も賛成に回ってくれた。僕は感謝を申し上げたいと思いますよ、その御理解に。でも、レコ協だけですよ、もうほとんど。その、極めて、端的に言うとノイジーマイノリティーですよ。そこに手足を縛られて動けない。本当に、自民党ですよね。まあ、やめましょう。  ちょっと、余り時間がないんだけれども、あと二つやりたいので。  以上のように、今回のネット同時配信は極めておためごかしであり、不十分であり、第一歩とはいえ、本当に、〇・一歩ぐらいしか進んでいません。これから大きくジャンプをしていかなあかん時代に、大変、日本放送は、NHKを含めてガラパゴスになっています。  そのガラパゴスの象徴がいわゆる内蔵のCASチップということで、何回かここでやってきました。  もう一度だけやります。  これはガラパゴスだと私は思います。大臣、私は、これまた大臣、ちょっと申しわけないけれども、ガラパゴスですよね、これ。  ガラパゴスというのはどういう意味かというと、歴史的経緯からそうなっているけれども、世界の中で類例がないという意味です。  ガラパゴスですね、日本のそういうCASの制度を使っているのは、無料の公共放送にCASを適用しているのはガラパゴスですねというのを大臣に、御答弁ください。
  284. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 CASの問題に関しては、たびたび御質問をいただいております。  放送番組につきましては、その制作者、出演者など、さまざまな著作権者の権利が適切に保護されるべきものと考えております。  我が国では、無料放送といいますか、公共放送も含めてコピー制御の仕組みが導入されておりまして、これは、地デジの導入に際しまして、コピーを繰り返しましても画質、音声が劣化しない特性に対応したものでございます。  一方、欧米の状況を見ますと、公共放送にコピー制御が行われていない国が多いと承知しておりますけれども、例えば、韓国あるいは英国では、コピーの制御の仕組みが一部導入されているところもあるというふうに承知しております。
  285. 足立康史

    ○足立委員 英国、韓国で導入されている制度というのはCASですか、何ですか。ちょっと教えてください。
  286. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 韓国について申しますと、地上波の4K放送におきまして、スクランブル機能、暗号化とコピー制御情報を使ったRMP、つまり、ライツ・マネジメント・アンド・プロテクション、コンテンツ権利保護というものが導入をされております。  英国につきましては、BBCのハイビジョン放送につきまして実装をされているという例があるというふうに承知しております。
  287. 足立康史

    ○足立委員 今御紹介があったRMPというのはソフトウエアでできるんですよ。日本でもそれは開発されています。だから、チップなんかを埋め込む必要ないんですよ。ところが、NHKは、ソフトウエアでできるのに、わざわざ有料放送と同じようなチップ、CASチップをテレビ受像機に埋め込んでメーカーにつくらせているということは、再三ここでも申し上げてきたとおりであります。  私が心配しているのは、そういうことの結果、ますます日本だけが特殊なテレビ、特殊な放送に足をとられながら、結局、世界の大競争の中でおくれをとっているということを指摘をしておきたいと思います。  最後に、NHKから国民を守る党というよくわからないグループが、今、東京などで地方議会で議席を獲得をしています。総務省からは、以前、余り国会で取り上げると宣伝になるからやらない方がいいよと言われましたが、私がやらなくても、もう議席をとっていますから。何か参議院に出してくるみたいですよ。  そして、きょう私が放送法に賛成する理由の一つはこれですよ。この集団が僕にエールを送ってくるんですよ、反対しろって。おまえらに反対しろと言われたら絶対俺は賛成するということで賛成をさせていただくわけでありますが、この集団、恐ろしいですよ。国民に違法行為を促しています、違法行為を。  立花という代表がユーチューブで、足立康史さんに悪口を言われたので言い返しますとか、これは動画の名前です、見出し。それから、やってもいい法律違反とやってはいけない法律違反があるんだ、罰則がなければ法律違反はいいんだということを国民に促して、受信料を払うなという運動をしている政治集団ですね。私は、これは大変問題がある。違法行為を促す。  視聴者に違法行為を促すような活動をしているこのNHKから国民を守る党、これ、総務省、どう捉えていますか。
  288. 山田真貴子

    ○山田政府参考人 総務省といたしまして、特定の政治団体の活動についてコメントすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、その上でNHKの受信料について申し上げますと、「協会の放送を受信することのできる受信設備を設置した者は、協会とその放送の受信についての契約をしなければならない。」と規定しておりますので、受信設備の設置者は、NHKとの受信契約により、NHKに受信料を支払うことが法律上定められているところでございます。
  289. 足立康史

    ○足立委員 だから、そう定められているから、要は、政治団体についてコメントはしないが、まあいいか、それ以上聞いてもかわいそうか。  私は政治家ですから申し上げます。こういう、我々政治的主張をするときには、国会議員が矢面に立って、そして法制度をつくっていく、これがもう当たり前ですよ。自民党でも、共産党は、共産党もそうかな、ちょっとまたゆっくり調べますけれども。しかし、この集団は、国民に、何もよくわかっていない国民に違法行為を促しています。これもユーチューブに出ていますから。  私は、NHKから国民を守る党から国民を守るために、しっかりと、この国会で広く国民の皆様に支持されるような放送通信の大融合時代をつくっていくためにしっかりと働いていくことをお誓いをしたいと思います。  彼が今、彼というか彼ら、彼女らが今ネットで、俺たちはNHKに高等裁判所東京高裁でNHKをやっつけたと喧伝をしています。これはまず事実ですか、NHK。
  290. 松原洋一

    ○松原参考人 お答えします。  四月に高等裁判所がNHKの主張を退ける判決をしたということを言っているんだというふうに認識をしています。  この裁判は、平成三十年の二月に、未契約事業所に対して受信契約締結と受信料の支払いを求め、NHKが東京地裁に提訴をしたというものであります。平成三十年の九月に東京地裁がNHKの主張を退ける判決を出したため、NHKは同年の十月に東京高裁に控訴をしていたということでございます。  この本件の争点は、新規に衛星契約締結したその月に衛星設備を撤去した場合、同じ月の中で設置と撤去をしたという場合、該当月に支払うべき受信料は衛星料金なのかあるいは地上料金なのかというものであります。  NHKは、放送受信規約の規定により衛星料金が適用されるというふうに主張していましたが、東京高裁は、同規約の別の規定により地上受信料が適用されるとして、ことしの四月に、一審に続き、NHKの主張を退ける判決を出した。  本件のように、新規に衛星契約締結した月に衛星設備を撤去するケースというのは極めてまれではありますが、NHKのこれまでの取扱いとは異なるため、上告受理申立てなどの必要な対応を行っていきたいというふうに思っております。
  291. 足立康史

    ○足立委員 もう時間が来ましたから終わりますが、NHK、一言。私に言わせれば、これはささいな訴訟です。そして、この受信規約、受信規約の複数の条項の読み方が解釈が分かれて高裁はNHKが負けということになりましたが、これ、規約を見直しますね。それだけ、一言。規約の見直しが必要だと思いますが、そうですね。
  292. 松原洋一

    ○松原参考人 今後の訴訟の推移を見て、必要な対応を行っていきたいというふうに思います。
  293. 足立康史

    ○足立委員 済みません、ありがとうございました。  以上で終わりますが、以上申し上げたように、とにかく違法行為を促すような政治グループには断固抗議をしながら、一方でNHKの改革は維新の会がリードすることをお誓いして、この場での質問を終わります。  ありがとうございます。
  294. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、吉川元君。
  295. 吉川元

    ○吉川(元)委員 社会民主党吉川元です。  最初に、今回の改正案とは直接関係はありませんが、先般審議をいたしました改正電波法に関連して質問いたします。  放送事業者電波料金は、今年度から大幅に値上がりすることになりました。たしか、NHKは二〇一七年度で電波利用料二十億六百万円だったというふうに思いますけれども、この改正電波法によってどの程度の額になるものと想定をしているのかが一つ。  あわせまして、今年度のNHK予算、赤字予算となっておりますが、値上がり分は事業支出のうちのどの部分で吸収することになるのか、お聞かせください。
  296. 松坂千尋

    ○松坂参考人 お答えいたします。  改正電波法にのっとってNHKの電波利用料負担額を試算しましたところ、およそ三割程度、現在およそ二十億円ですから、およそ六億円の増額を見込んでいます。  増額になった電波利用料については、既に御承認いただいております事業支出の予算の範囲内で賄い、各費目で経費の抑制に努めるほか、予備費の適用などで対応することとしたいと考えております。
  297. 吉川元

    ○吉川(元)委員 それでは次に、改正案の常時同時配信について何点か伺いたいと思います。  今回の改正、これで常時同時配信可能ということになるわけですが、どうやら聖火リレーからその同時配信が開始されるやに聞いております。  既に、同時配信については、常時でないものとしては、災害時、あるいは国会中継、又はサッカーワールドカップ、冬季オリンピック、試験的に提供をされておりました。二〇一七年には、試験的提供として約一カ月弱、総合テレビとEテレ、同時配信がされております。スポーツに特化した試験的提供よりも通常番組の配信の方が視聴者のニーズを判断する材料としては私も適当かなというふうには思います。  この実験結果を改めて見させていただきます。そうしますと、日別のサービス利用量の平均値二〇%。これは、二〇%と言っておりますけれども、見ますと、十七年十月三十日にスタートしたときにはおよそ三六、七%利用率があったんですが、これは日が進むことにどんどん減っておりまして、十一月の後半に入りますと、利用率は二〇%に届いていない。あくまで高かったものも含めて平均すれば二〇%ということですから、実態は、平均すれば、もっと長い期間やれば、これは二〇%を大幅に下回るのではないかというふうに思います。  さらに、その累計の利用率ですけれども、同時配信の利用率五九%に対し、見逃し配信は五三・九、ほぼ、大きな差は見られませんでした。  また、注目すべきは、テレビの保有者の同時配信利用率が五九・三%、一方、非保有者の利用率は五一・三%。まあ、私自身は、テレビを持っていない人の方が同時配信を利用するのかなと思ったら、さにあらずということになっております。  いずれにしても、この試験的提供の結果を見る限り、常時同時配信が喫緊の課題として大きなニーズを持っているというふうには思えませんけれども、この実験結果、どのように受けとめていらっしゃいますか。
  298. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  総務省放送を巡る諸課題に関する検討会の第二次取りまとめでは、NHKの試験的提供や国内外の各種データ、調査を踏まえますと、常時同時配信についての国民・視聴者のニーズは一定程度顕在化しているものと判断されるとされております。  平成二十九年度の試験的提供Bにつきましては、試験を行った四週間で、実験参加者の日ごとの利用率の平均は二〇%で、継続的に利用していただいたというふうに考えております。期間中に一度でも利用した人が、実験参加者のおよそ六〇%でありました。また、利用した人の満足度はおよそ九〇%となっておりまして、視聴機会の拡大の可能性があるというふうに捉えております。  インターネットサービスが、一層高度化、多様化し、視聴環境が大きく変化する中で、放送番組をさまざまな機器、場所、時間において、いつでもどこでも視聴したいという視聴者の期待に応えていきたいというふうに考えております。
  299. 吉川元

    ○吉川(元)委員 平均利用率二〇%というのは、それは全体を押しなべての二〇%でありまして、グラフになっているのを見ますと、十月の三十日にスタートした時点では確かに三六、七%ありましたけれども、十一月の八日の日に二〇%を割り込んで、そのあと、十一月の二十六日までの期間で、二〇%を超えたのはたった一日、あとは大部分が二〇%未満。  この平均の出し方というのは、ちょっと私自身は恣意的なものが感じられるし、最初は、珍しいですから、とりあえず見てみようということでやったのが、だんだん、まあいいかな、もうという感じで、利用率が下がっていったと。  ですから、ここら辺は、どの程度利用が予想されるのか、しっかりもう一度検証は私は必要だと。平均二〇%だというのは、これは数字のマジックだということを指摘させていただきたいと思います。  ちょっと飛ばして質問いたします。  次に、インターネットの同時配信の費用に関して伺いますけれども。  いわゆる二号受信料財源業務ですけれども、予算ベースでその費用を見ますと、昨年度が百五十六・三億円、今年度が百六十八・七億円、こういうふうになっております。この費用については、各年度の受信料収入の二・五%を上限とすることが実施基準で定められておりますが、この実施基準の二・五%にもうぎりぎり張りついている。例えば、昨年度は二・二%、そして今年度は二・四%というふうになっております。  これから本格的に常時同時配信を行うということになりますと、サーバーも含めた通信網の整備、これは当然能力の強化も含めて求められるのではないかというふうに推測をいたします。  そこでまずお聞きしたいのは、この常時同時配信に向けて必要な新たな投資額はどの程度になるのか、また、年間の維持運営コストは今よりもどの程度上がるというふうに考えているのか、お答えください。
  300. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  テレビ放送の常時同時配信と見逃し配信のサービスを本格的に始めた場合の初期投資や運用に係るコストにつきましては、システム認証の仕組みなど、具体的なサービスを実施していくための検討とあわせまして、現在改めて精査しているところであります。  これまで、総務省の諸課題検討会などでは、初期投資と受信契約の照合など運用に係るコストにつきまして、それぞれ五十億円前後になるという試算結果を説明してまいりましたが、これについて、現在、改めて精査しているところであります。
  301. 吉川元

    ○吉川(元)委員 今、試算では五十億、今後、もう少しふえるのか減るのか精査をされるということでありますけれども、そういたしますと、現在の実施基準、受信料二・五%が費用の上限というふうになっているわけですけれども、これは会長にお聞きしたいんですが、例えば昨年の十一月三十日に開かれた第二十一回の諸課題検討会において、NHKは、「常時同時配信を含むインターネット活用業務にかかる費用に上限を設けて適正に運用する視点は重要だと認識している」このように記載をされた資料を配付をされていらっしゃいます。  重要という認識を持っているけれども、上限を設けると断言しているわけではありませんし、また、上限を現行の二・五%以内にするというふうにも言っておりません。これは一体、上限設定をするのかしないのか。する場合には、やはり二・五%というふうに考えていらっしゃるのか。  少なくとも、先ほど、百六十八・七億円、今年度ですけれども、今二・四%ですが、二・五%にすると百七十五・七億円、あと七億円しかないんです、余裕は。どう考えても、仮に五十億かかるとすれば大幅に二・五%を超えるということになるんですけれども、この点、どのように整理をされているんでしょうか。
  302. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  NHKが受信料によって放送を実施する目的で運営されていることを踏まえますと、常時同時配信を含むインターネット活用業務に係る費用に上限を設けて適正に運用するという視点は重要だと認識いたしております。  放送法の改正が行われました場合には、それを踏まえてNHKのインターネット実施基準を新たに策定し、総務大臣認可を得ることになります。その中で適切に実施してまいりたいと考えております。  その際には、昨年十一月の諸課題検討会の場で総務省から説明がありました区分経理など、会計上の透明性の確保についての新たな考え方も踏まえて、事業費の内訳など、何にどれぐらいの費用がかかるかをよりわかりやすく説明してまいりたいと考えております。  適正な上限の中で抑制的な管理に努め、会計上の透明性確保の新たな考え方に従いまして、十分な説明を尽くしてまいりたいと考えております。
  303. 吉川元

    ○吉川(元)委員 そうしますと、この二・五というものは、これは二・五ではない可能性が高い。上限は設けるけれども、上限といいますか、その重要性は認めるが、実際、先ほど言いましたとおり、五十億かかるとすると、同じ受信料収入であれば、恐らく三・二%程度になると思います。  そういう意味でいうと、二・五をはるかに超えるわけでありまして、ここら辺はやはり民間の事業者、民業圧迫の批判がある中でどの程度のものをやっていくのかということについてはしっかり御議論をいただきたいというふうに思います。  もう時間がありませんので少し飛ばしまして、先ほど少し議論をされておりましたが、地域情報の提供の確保という点について伺いたいと思います。  NHKの経営計画では、地域の魅力や課題を広く発信し、多様な地域社会に貢献することが重点方針に掲げられております。また、会長御自身も、ローカル局の整備やローカル局発のコンテンツの重要性、かねてから指摘をされていたというふうに承知をしております。  そうしますと、地域放送枠、地域放送番組の整備、これは速やかに進めるべきだというふうに考えますが、どのような計画になっているのでしょうか。
  304. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  地域放送サービスの充実は、多様な地域社会への貢献として経営計画の重点方針の一つに掲げておりまして、地域の魅力や課題を広く発信し、地域に寄り添う放送サービスの強化を図っていくことが重要であると考えております。  常時同時配信を実施する際の地域放送番組の配信につきましては、コストや運営体制の面から、段階的に拡充していきたいと考えております。このため、地域放送が行われている時間帯につきましては、当面、東京発の地域放送番組を配信する予定であります。
  305. 吉川元

    ○吉川(元)委員 段階的にやっていくというのは、私はそれはしようがないと思います。それはいろんな整備にいろんな時間がかかったりしますので。  それで、関連してなんですけれども、この地域制限を実施する方向性、けさの参考人質疑の際にも少し紹介をしたんですけれども、例えば、いわゆるスマホのGPS機能を使ったりして、この県にいるときはこの放送局しかネット上で見ることができないというような形で今検討をされているというふうにきのう伺いました。そうすると、ローカル局発のコンテンツ、これを、例えば地方枠の中で放送された場合には、他地域の方が見たいなと思っても、これは見ることができない。  インターネットの特性というのは、例えば、世界じゅうで起こっていることについて、いながらにしてその情報にアクセスすることができる、これがやはりインターネットの一つの大きな利点だというふうに思うんです。これを、逆に地域制限をかけてしまえば、見たいなと思っても、その地域に行かないと見られない。これはまさに放送の世界の論理であって、通信の世界の論理ではないと思うんですよね。  これはきょう、けさも言ったんですけれども、民間の事業者にとってはこれは非常に難しい問題だ、広告収入の関係がありますから簡単にはいかない話なんですが、結果的に、地域制限をかけるということは、このインターネットの特性、角を矯めて牛を殺すじゃないですけれども、そういうものにつながっていくんじゃないのか。  なぜ地域制限を行うのか、また、どのような基準で行う予定なのか、この点について教えてください。
  306. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  常時同時配信は、放送の補完というふうに位置づけておりまして、地域放送番組をどのように配信していくかという課題は重要だというふうに認識しております。  放送が対象地域ごとに行われていることから、地域放送番組を配信する際には地域制限を求める声も強くあります。こうした点も考慮に入れて対応していくことが必要だというふうに考えております。  総務省放送を巡る諸課題に関する検討会の第二次取りまとめにおきましても、放送の補完として行われる常時同時配信について、地域制限を行うことに一定の合理性があるというふうにされております。
  307. 吉川元

    ○吉川(元)委員 私自身は、放送通信の融合、あるいは公共放送から公共メディアへの進化、そうした、ある意味でいうと美しい言葉だ、まあ美しいと言うのかどうかわかりませんが、ただ、その中身が一体何なのか、まだ具体的に私自身は聞いておりませんし、いろんな課題を設定されているのは見ておりますが、けさの参考人質疑の際にも、NHKの中でも十人十色だ、いろんな意見があると。今言った地域制限についても、これは放送通信の融合といったときに、果たしてこれが適切なのかどうか、それが公共メディアの進化なのかどうか、こうした点はぜひNHKの皆さんの考えをお聞きしたいと思っております。  また別の機会があると思いますので、その際に会長を含めて質問させていただくことを予告いたしまして、質問を終わります。
  308. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、井上一徳君。
  309. 井上一徳

    ○井上(一)委員 希望の党の井上一徳です。  まず、NHKのインターネットでの常時同時配信、これについて質問をしたいと思います。  今回の常時同時配信、あくまでも放送の補完業務という位置づけになっております。これはほかの、イギリスとかドイツはもう本来業務となっているわけですが、あくまで補完業務としております。受信料についても、あえて特段の変更をすることはなくて、今の受信料のままでということだと思います。  それで、NHKの上田会長が、昨年十一月一日、将来的な受信料制度のあり方は根本から考えていかなくちゃいけないというふうにおっしゃっています。これは恐らく、常時同時配信を本来業務にしていくのかどうかということについても深く関係してくる認識だと思うんですけれども、会長自身は、このように根本的に変えていかなくちゃいけないとおっしゃっている、この問題意識というか、それをお聞きしたいのと、今後の方向性についてお考えがあればお聞かせいただきたいと思います。
  310. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  テレビ放送インターネットでの常時同時配信と見逃し配信サービスは、今の受信料制度のもとで、放送を補完するものとして、受信契約世帯に対して追加負担なく提供することを考えております。  テレビを持たない世帯公共性の高い情報やコンテンツを届けていくことは、信頼される情報社会的基盤というNHKの役割を果たしていく上で重要な課題だと認識いたしておりまして、こうした観点からも、放送通信の融合時代にふさわしい受信料制度のあり方につきましては、研究が必要な課題であると認識いたしております。
  311. 井上一徳

    ○井上(一)委員 NHKの中でも、やはり、常時同時配信を要望する理由として、テレビを持たない人もインターネットを利用してNHKの放送番組をごらんいただけるようにしたい、いわゆる本来業務にしていきたいということだと思うんです。そうすると、やはり受信料のあり方も根本から変えていかないといけないということだと思います。  この点について、総務大臣としてはどのような認識か、お聞かせいただきたいと思います。
  312. 石田真敏

    ○石田国務大臣 議員御指摘のように、本来業務ということになれば、今お話のありました受信料の問題とか、放送法の問題とか、いろいろな課題が出てくるわけでありますが、今回、インターネットによる放送番組の常時同時配信について、NHKが、受信契約者への補完的なサービスとして実施可能とする制度整備を要望してきたことを踏まえまして、本法案を提出をさせていただいているものであります。  また、他方、若年層を中心とするテレビ離れの拡大といった環境変化が生じつつあることは総務省としても十分認識をいたしておりまして、そういう意味合いから、将来的なNHKにおけるインターネット活用業務のあり方、あるいは御指摘のありました受信料制度については、今後のNHKの常時同時配信の実施状況、あるいは国民・視聴者から十分な理解を得られる制度とすべきといった観点から、中長期的に検討すべき課題であると認識をいたしております。
  313. 井上一徳

    ○井上(一)委員 今回の常時同時配信は、NHKはいろんなチャンネルを持っておりますけれども、今回については総合テレビとEテレ、この地上波二波に限定しているわけですが、この二つに限定した理由、それから、今4K、8K、こういった普及を進めていこうとしているわけですけれども、将来的に衛星放送についても対象を拡大する方向なのか、これについてお聞きしたいと思います。
  314. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  常時同時配信につきましては、地上放送、すなわち総合テレビ教育テレビ放送番組を放送と同時にインターネットでも配信する考えであります。  衛星放送の番組の配信につきましては、現時点では検討しておりません。
  315. 井上一徳

    ○井上(一)委員 現時点では検討していないということですけれども、将来的にどういうふうなことを考えているのかということをお聞かせいただきたいんですが。
  316. 荒木裕志

    ○荒木参考人 常時同時配信につきましては、地上放送インターネットで配信するということで進めまして、その後、段階的に、普及状況などを勘案しながら更に検討していくということであります。  現時点では検討していないということであります。
  317. 井上一徳

    ○井上(一)委員 やはり、民間放送との関係とかを考えるとなかなか踏み込んだ発言はしにくいと思いますが、やはり将来的には4K、8Kも含めて同時配信をしていくということは考えられるのではないかと思いますので、中長期的な検討課題としてぜひ捉えていただきたいと思います。  先ほど、初期投資はどのぐらいかかるのかというのは答えがありましたので、これは飛ばしまして、NHKがインターネット業務に充てる費用を受信料収入の二・五%に抑えるという観点の質問ですけれども。  これについては、午前中の参考人質疑の際に中村先生が、この二・五%という数字にこだわるのは余り意味があることではないということで、中村先生的には、この二・五%を計算すると二百億弱ぐらいになって、これでは足りずに、もっと、一兆円規模ぐらいにどんどん投資していくべきものではないかというふうにおっしゃっていました。  この二・五%の水準について、NHKの考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  318. 荒木裕志

    ○荒木参考人 お答えします。  NHKが受信料によって放送を実施する目的で運営されていることを踏まえますと、常時同時配信を含むインターネット活用業務に係る費用に上限を設けて適正に運用するという視点は重要だというふうに認識しております。  放送法の改正が行われた場合には、それを踏まえましてNHKのインターネット実施基準を新たに策定しまして、総務大臣認可を得ることになります。その中で適切に実施してまいりたいと思います。  その際には、昨年十一月の諸課題検討会の場で総務省から説明のありました区分経理など、会計上の透明性の確保についての新たな考え方も踏まえまして、事業費の内訳など、何にどれくらいの費用がかかるかをよりわかりやすく説明してまいります。  適正な上限の中で抑制的な管理に努めて、会計上の透明性確保の新たな考え方に従いまして、十分な説明を尽くしてまいりたいというふうに考えております。
  319. 井上一徳

    ○井上(一)委員 中村先生は、やはりそういった、NHKが、もっと共通基盤の整備、こういったところに積極的に投資していってもいいのではないかというふうにおっしゃっていました。  その関連で、ことしの三月二十日の民放連の大久保会長の質疑の中で、こういうのがありました。記者の方から、民放とNHKが共通プラットフォームをつくってネット配信をしてはどうかという議論があるが、検討状況はいかがですかという質問に対して、大久保会長は、現在、それに向けて具体的な動きがあるとは聞いていない、ただ、キー局がTVerへの参加をNHKに求め、それに対しNHKが協力しようと述べているということですけれども、今NHKとしてどういうような協力をされているか、お聞かせいただきたいと思います。
  320. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  放送で培ってきました二元体制を維持しながら、放送通信の融合時代におきましても、相互にメリットをもたらす協調や連携を進めることは極めて重要だと認識いたしておりまして、これに取り組んでいます。  民放の公式テレビポータル、TVerにつきましては、今年度に参加できるよう、具体的な課題の検討や調整を進めているところであります。
  321. 井上一徳

    ○井上(一)委員 二・五%というのが一応、何か上限値みたいに捉えられていますけれども、こういった共通基盤にNHKが積極的に協力するということであれば、これは二・五%の枠外で考えても私はいいんじゃないかなと思いますので、これは意見であります。  続きまして、NHKオンデマンド。  これについて、今度、常時同時配信がされますと、見逃し配信が可能となるわけですが、このオンデマンドと見逃し配信との関係、これはどういう切り分けになるのか、教えていただきたいと思います。
  322. 木田幸紀

    ○木田参考人 お答えいたします。  総務省放送を巡る諸課題に関する検討会の第二次取りまとめにおいて、一定期間の見逃し配信を提供することは、国民・視聴者のニーズに対応するものであり、一定の合理性があるとされたことなどを踏まえ、常時同時配信のサービスにあわせて見逃し配信を行うことを検討しております。  民放各社などが行っている見逃し配信の状況等を見ると、一週間の無料配信を行っている事例が多い状況です。こうした状況も参考にしながら、受信料を財源とする地上放送の見逃し配信サービスと、有料で提供するNHKオンデマンドとの関係について、サービス財務の両面から今検討を進めております。  現在のNOD利用者の利便性を損なわないことを前提に、収支均衡を意識しながら、より魅力的で利便性の高いサービスを提供することを目指しております。
  323. 井上一徳

    ○井上(一)委員 では、最後の質問で、上田会長にはいつもお願いをしているんですけれども、今度の大河ドラマ麒麟がくる」が決まりまして、京都北部の皆さんも大変喜んでおります。  地域の活性化のためにも、ロケーションを京都北部等でいろいろやってほしいというお願いはしているわけですが、この間の附帯決議の中でも、協会は、地域の魅力を生かした活性化と発展の観点から、地域のさまざまな分野の関係者と連携を強化し、それぞれの地域ならではの魅力の紹介地域の発展に寄与するコンテンツの充実をやってくださいということであります。  この「麒麟がくる」を活用して、地域の活性化にもぜひ生かしていただきたいと思っておりますけれども、現在の取組状況とか考え方があれば、お聞かせいただきたいと思います。
  324. 上田良一

    ○上田参考人 お答えいたします。  NHKは、経営計画の五つの重点方針の一つに多様な地域社会への貢献を掲げ、地域の魅力や課題を広く発信し、多様な地域社会への貢献を目指しております。  大河ドラマの「麒麟がくる」につきましては、撮影はまだ始まっていませんけれども、ドラマのロケ地は、企画内容や予算規模、場面や設定にふさわしい風景、交通の便、地域からの要望など、さまざまな要素を総合的に勘案し、番組制作部門が決定いたしております。  大河ドラマも含め、さまざまな番組で、それぞれの番組ならではの切り口で地域を取り上げ、多様な自然、歴史文化、人々の暮らしなど、地域ならではの魅力を広く発信し、放送を通じて地域の発展に寄与してまいりたいと考えております。
  325. 井上一徳

    ○井上(一)委員 地域の皆さん、大変期待しておりますので、地域の活性化のために、ぜひNHKとしても御尽力いただきたいと思います。  では、質問を終わります。ありがとうございました。
  326. 江田康幸

    ○江田委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  327. 江田康幸

    ○江田委員長 これより討論に入ります。  討論の申出がありますので、これを許します。本村伸子さん。
  328. 本村伸子

    ○本村委員 私は、日本共産党代表して、放送法改定案に対する反対討論を行います。  NHKによる常時同時配信の実施をめぐっては、さまざまな重要課題が検討されてきましたが、十分な解決には至っていません。  例えば、民放キー局がNHKの常時同時配信の後を追って、配信エリアを越えてネットで番組を流すようになれば、地方のユーザーも視聴が可能となり、民放地方局のビジネスモデルが壊れることになります。本法案では、地域制限を含め、民放との協力関係の具体化については、NHKの努力義務としているだけです。  また、常時同時配信の実施によって、同じテレビ番組でも、インターネットで流そうとすると、全ての番組について改めて事前に権利処理を行うことが必要となり、膨大な費用と手間がかかることになります。この点では、受信料制度に支えられているNHKと広告収入に頼る民放とでは対応に大きな差が生まれ、NHKのやり方次第では民放にも大きな影響が及びます。しかし、この課題についても、NHKは、権利団体等と権利処理ルールについての協議を始めた段階にすぎません。  東京オリンピック・パラリンピックまでには実現をというスケジュールありきではなく、重要課題をしっかりと解決し、関係者はもちろん、国民的な納得と合意を得て実施をするべきです。  また、本法案が、常時同時配信を認める条件として、政府の不透明な関与権限を強めるものとなっていることも問題です。  常時同時配信の実施に際しては、放送法第四条が規定するNHKの公共性がこれまで以上に大きな意義を持ちます。政府から独立した第三者機関による監督、規律の確保を始め、その公共性をしっかりと担保する新たな体制の確立が求められることを指摘しておきます。  なお、NHKは、公共メディアの役割と具体的な姿を国民の皆様に示し、受信料のあり方についても広く議論をするべきです。  以上申し述べて、討論といたします。
  329. 江田康幸

    ○江田委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  330. 江田康幸

    ○江田委員長 これより採決に入ります。  放送法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  331. 江田康幸

    ○江田委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  332. 江田康幸

    ○江田委員長 この際、ただいま議決いたしました法律案に対し、あかま二郎君外七名から、自由民主党、立憲民主党無所属フォーラム、国民民主党無所属クラブ公明党日本共産党日本維新の会社会民主党市民連合及び希望の党の八派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。高井崇志君。
  333. 高井崇志

    ○高井委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。  案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。     放送法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府及び日本放送協会は、本法の施行に当たり、次の各項の実施に努めるべきである。  一 協会は、その番組が放送法に基づき公正なものとして、国民・視聴者から深く信頼されるよう一層努め、インターネット活用業務が協会の目的や受信料制度の趣旨に沿って適切に実施されるよう、公正競争確保の観点から、適正な規模の下、節度をもって事業を運営するとともに、会計上の透明性を確保すること。  二 協会は、インターネット活用業務の実施基準認可申請に当たっては、常時同時配信の業務の種類、内容及び実施方法並びに実施に要する費用等が適正な水準となるよう努め、二号受信料財源業務の費用については、会計上の透明性確保の考え方に基づき、できるだけ詳細にその内訳を示すこと。  三 政府は、協会が行うインターネット活用業務の実施基準認可に当たっては、国民・視聴者や利害関係者からの意見・苦情等について適切に対応すること。  四 協会は、常時同時配信を行う際は、地域情報の提供を確保するとともに、民間地方放送局の事業運営に十分に配慮すること。  五 協会は、常時同時配信を行うにあたり、サービスインフラ等の面において、民間放送事業者とできる限りの連携・協力を行うこと。  六 協会は、国民・視聴者の信頼を確保するため、外部監査の強化も含め事後チェック体制を充実させるとともに、情報公開により、意思決定プロセス等の透明性を確保すること。  七 経営委員会は、「役員の職務の執行の監督」としての経営委員の役割を徹底すること。  八 協会は、「公共メディア」の役割と具体的な構想を広く国民に示し、それを支える受信料体系のあり方について検討を行うこと。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  334. 江田康幸

    ○江田委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  335. 江田康幸

    ○江田委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。  この際、総務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。石田総務大臣
  336. 石田真敏

    ○石田国務大臣 ただいま御決議のありました事項につきましては、その御趣旨を十分に尊重してまいりたいと存じます。     ―――――――――――――
  337. 江田康幸

    ○江田委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  338. 江田康幸

    ○江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  339. 江田康幸

    ○江田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時十四分散会