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2019-03-08 第198回国会 衆議院 外務委員会 2号 公式Web版

  1. 平成三十一年三月八日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 若宮 健嗣君    理事 小野寺五典君 理事 木原 誠二君    理事 新藤 義孝君 理事 武井 俊輔君    理事 堀井  学君 理事 寺田  学君    理事 小熊 慎司君 理事 遠山 清彦君       小田原 潔君    小渕 優子君       大野敬太郎君    木村 次郎君       黄川田仁志君    小林 鷹之君       高村 正大君    國場幸之助君       佐々木 紀君    杉田 水脈君       鈴木 憲和君    鈴木 隼人君       辻  清人君    中曽根康隆君       中山 泰秀君    穂坂  泰君       三浦  靖君    山田 賢司君       岡田 克也君    櫻井  周君       山川百合子君    青山 大人君       高木 陽介君    穀田 恵二君       杉本 和巳君    玄葉光一郎君       井上 一徳君     …………………………………    外務大臣         河野 太郎君    外務副大臣        あべ 俊子君    経済産業副大臣      関  芳弘君    外務大臣政務官      鈴木 憲和君    外務大臣政務官      辻  清人君    外務大臣政務官      山田 賢司君    政府参考人    (外務省大臣官房長)   下川眞樹太君    政府参考人    (外務省大臣官房地球規模課題審議官)       鈴木 秀生君    政府参考人    (外務省大臣官房審議官) 岡野 正敬君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 田村 政美君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 宇山 秀樹君    政府参考人    (外務省総合外交政策局長)            鈴木  哲君    政府参考人    (外務省総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長)   吉田 朋之君    政府参考人    (外務省北米局長)    鈴木 量博君    政府参考人    (外務省中南米局長)   中前 隆博君    政府参考人    (外務省経済局長)    山上 信吾君    政府参考人    (外務省国際協力局長)  梨田 和也君    政府参考人    (国土交通省航空局安全部長)           高野  滋君    外務委員会専門員     小林 扶次君     ――――――――――――― 委員の異動 三月八日  辞任         補欠選任   小田原 潔君     小林 鷹之君   黄川田仁志君     大野敬太郎君   高村 正大君     穂坂  泰君   杉田 水脈君     木村 次郎君 同日  辞任         補欠選任   大野敬太郎君     黄川田仁志君   木村 次郎君     杉田 水脈君   小林 鷹之君     國場幸之助君   穂坂  泰君     三浦  靖君 同日  辞任         補欠選任   國場幸之助君     小田原 潔君   三浦  靖君     高村 正大君     ――――――――――――― 三月八日  在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号) 同日  核兵器廃絶に関する請願(田村貴昭君紹介)(第一六四号)  沖縄県民の民意尊重と、基地の押しつけ撤回に関する請願(近藤昭一君紹介)(第二八八号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第二〇号)  国際情勢に関する件      ――――◇―――――
  2. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房長下川眞樹太君、大臣官房地球規模課題審議官鈴木秀生君、大臣官房審議官岡野正敬君、大臣官房参事官田村政美君、大臣官房参事官宇山秀樹君、総合外交政策局長鈴木哲君、総合外交政策局軍縮不拡散・科学部長吉田朋之君、北米局長鈴木量博君、中南米局長中前隆博君、経済局長山上信吾君、国際協力局長梨田和也君、国土交通省航空局安全部長高野滋君の出席を求め、説明を聴取したいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。櫻井周君。
  5. 櫻井周

    ○櫻井委員 おはようございます。立憲民主党・無所属フォーラムの櫻井周です。  本日は、質問の機会をいただきまして、ありがとうございます。  それでは、早速質問に入らせていただきます。  まず、ODAについて質問させていただきます。  これは臨時国会のときの委員会でも質問させていただきました。今回も、大臣の外交演説の中にODAの実施に関してのお話がございました。演説の中では、ODAの実施に関して、JICAと競争できる実施主体を養成していきます、こういうくだりがございました。  このJICAと競争できる実施主体、しかも養成する、これはどういうことなのかなと思いまして、この部分についてもう少し教えていただけますでしょうか。
  6. 河野太郎

    ○河野国務大臣 今、日本のODAといいますと、何となくJICAがやるというような雰囲気になっておりますが、さまざまなNGOをもう少し強くして、NGOが日本のODAをやるという、あるいはJICAとNGOが競争をできる、そういう状況にするのが私は望ましいと思っておりまして、今回、少し、NGOに対する支援、一般管理費の割合をふやす、あるいは、今、無償資金の中にNGO連携無償というのがありますが、本来ならNGO連携無償などと言わずに、無償資金をNGOがどんどんとって、NGOがやるという状況を最終的にはつくり出したいというふうに思っております。  そういう意味で、このJICAとNGOがある面競争して、日本の援助の質というものをしっかり高めていけるようにするのがやはり将来のあり得べき姿ではないかというふうに考えております。
  7. 櫻井周

    ○櫻井委員 大臣のお気持ちといいますか、お考えはわからなくもないんですが、JICAという組織がどういう役割を果たしているかというところで、若干ちょっと私と考え方が違う。また、私自身の思いとしては、実際に即しているのではないかと思うわけです。  といいますのも、NGOも確かに実施主体、JICAも実施主体ということで見えますけれども、実際JICAがやっているのは、更にコーディネーションをやっているようなところでありまして、JICAはそこから先に、民間企業であったり、又は各省庁、特に日本国内の現業省庁であったり、また大学であったり、地方自治体であったり、NGOであったりと、いろいろなノウハウを持っているところにお願いをして、いろいろな仕事の割り振りをする。それから、実際海外に出ていって途上国でいろいろ活動するわけですから、いろいろな問題も起きてくるといったときに、相手国政府も最初に言っていたことと違うことを言い始めたりというようなことがあって何か行き違いがあったりしたときに、ちゃんとサポートをしていく、そういうお世話係のようなものを主としてやっている機関だというふうに認識をしているところです。  ですから、NGOに活躍していただく、どんどんどんどん強化していく、これは本当に必要なことだと思います。しかし、だからといって、JICAと競争するような、何かその立ち位置が違うんじゃないのか、競争というよりは協調する主体ではないのか、こういうことでちょっと疑問に思っているわけでございます。  かつて、日本のODA、いろいろな実施機関があって、JICA、国際協力事業団と言っていた時代、海外経済協力基金が円借款をやり、また、各省庁がそれぞれODAの予算を持っていてということで、ばらばらにやっていて、隣で日本のODAがやっているのにお互いに何やっているか知らないとか、そういったようなこともかつてはあったわけです。  それが、いろいろなものがほぼJICAに集約をされていって、そもそも日本のODAでやっている部分についてはおおよそお互いわかるようになった。その地域でどういうことが行われているか、その国に対してどういう援助が行われているかというのが総括的にようやくわかるような体制になってきたわけなんですね。ある種、一元管理をしているところがあった方が効率よくできるという意味で、JICAはNGOと競争するような主体ではなくて、協調して、コーディネーションしていく主体ではないのか、こういうことで質問させていただいているわけです。  一方で、大臣は、過去の、大臣になる前のブログを拝見すると、JICAが生ぬるい組織ではないのか、このような疑問というか懸念もお持ちだったというふうに理解をしております。  それに関しては、確かにJICAは国内では一元的にやっていく。ただ、例えば、アメリカであればUSAIDであるとか、イギリスであったらDFIDとか、そういったそれぞれの機関、各国一元的に管理をしている機関があるわけですから、それぞれなんですけれども、それぞれ援助機関同士はある種競争をしているわけですし、また、国際機関とも競争しているということですので、決してJICAが競争にさらされていないというわけではなくて、むしろ、厳しい国際競争、それこそ、場合によっては国益をかけた競争をやっているわけですので、こういった部分については、しっかり国際競争に勝ち抜けるように、しっかりサポートしていくといいますか、こういうことが必要だと思うんですね。  こうした背景も踏まえまして、大臣、このNGOとJICA、これはむしろ協調していく立場同士ではないかと思うんですが、いかがでしょうか。
  8. 河野太郎

    ○河野国務大臣 競争にさらされない組織というのは大抵だめになりますから、私はもっとJICAを競争にさらさなきゃいかぬと思います。  昨年のJICAの予算の管理の失敗などを見ると、それはもう競争にさらされていない典型的な組織に今なっていると思いますので、そこはしっかりとNGOがJICAから仕事を、事業をどんどんとる、それぐらいの勢いでやってもらわなきゃいかぬと思いますし、今の日本のNGOというのは、何となく、世界的にいけば規模も小さく、また、事業も小さいという感じになっていますが、世界的にも名が知られ、大きな事業がやれる、そういうNGOをやはり幾つもつくっていかなければいかぬというふうに思っております。  そうなれば、必然的にJICAもうかうかしていられなくなるということなんだろうと思いますので、私はもっともっと積極的にJICAを競争にさらしていくつもりでございます。
  9. 櫻井周

    ○櫻井委員 先ほど申し上げたとおり、JICAも競争はしている、そういう競争している相手として各国の援助機関であるとか国際機関ということを申し上げました。  ちょっと次の質問に移らせていただきますけれども、その競争している相手である国際機関への拠出金なんですが、しかし、そういう意味で、競争を促進するという意味であれば、国際機関への我が国政府からの拠出金というのもふやしていく、少なくとも減らすという方向にはならぬだろうと思うんですが、しかし、来年度当初予算案を見る限り、ちょっと減らされているという現状がございます。  これは二割以上、それは国際機関によって、大きく減らされたところと、余り減っていないところと、いろいろあろうかと思いますが、二割以上減らされた国際機関というのが幾つもあると思うんですが、ちょっと教えていただけますでしょうか。
  10. 鈴木哲

    ○鈴木(哲)政府参考人 お答えいたします。  平成三十一年度外務省所管政府予算案におきまして、任意拠出金は全体として二百八十四億円を計上しておりますが、総額として、我が国の財政事情を踏まえまして、対前年度比八億円、二・六%の減となっております。  このうち、国連女性機関拠出金、国際原子力機関の平和的利用イニシアチブ拠出金、国際農業研究協議グループ拠出金、クメール・ルージュ特別法廷国際連合信託基金拠出金など、合計三十五の拠出金で、円ベースで、対前年度比二割以上の減少となってございます。
  11. 櫻井周

    ○櫻井委員 こういうふうに、JICAが競争していく相手であるところで二割カットということになると、しかも日本は大口の拠出国だったりもしますから、これこそ、こういったところでむしろ競争が阻害されてしまうのではないのか、こういうふうにも懸念するところですので、競争とおっしゃるのであれば、こうした部分についてもしっかりと目くばせをしていく必要があるのではないかというふうに思います。  その上で、特に、先ほど冒頭おっしゃいました、国連女性機関への拠出金も二割以上カットされているというお話でございます。実際は三割近くカットされているわけですが、これ、女性活躍というのは安倍内閣の看板政策というふうにも理解をしているところです。なぜ国連女性機関への拠出金が大幅に減額されたんでしょうか。
  12. 河野太郎

    ○河野国務大臣 JICAの競争相手が国際機関だという認識は間違っていると思います。別に、JICAが国際機関と何か金を争っているわけではありませんから。やはり、JICAの競争相手というのは、国内のNGOにきちんと競争してもらって、我が国のODA予算をどこがとるかということをきちんと争う、そういうことをやらなければいかぬと思います。  また、残念ながら、来年度の拠出金トータルで二・六%減少になっております。これは、何もしなければ一律二・六%減ということになりますが、そういうわけにはいきませんので、めり張りをつけて、伸ばすところはしっかり伸ばしてやる。そのかわり、財源が全体で二・六%減っておりますから、めり張りをつけるためには、削るところは大幅にばさっと削る、もう場合によったらやめちゃうということも視野に入れるしかないかなというふうに思っております。  御指摘をいただきましたUNウーマン、三十一年度予算では四億三千万円を計上しております。前年度と比べると減少になっておりますが、依然としてトップドナーの一つであるということには変わらないだろうと思っております。  女性活躍の分野は、昨年度補正予算で、世銀の中に事務局が設置されている女性起業家資金イニシアチブというものに五十億円の拠出をしております。これは、二〇一八年から二〇二二年までにかけて実施されるイニシアチブで、女性が輝く社会の内外での実現を目指す我が国の政策と一致をするものでございます。  女性活躍トータルで考えますと、ここに五十億の拠出をしているということを考えれば、UNウーマンへの拠出金の減少というのはある面やむを得ないというふうに思っております。
  13. 櫻井周

    ○櫻井委員 まず、世界銀行の方に五十億拠出したから国連の方への拠出が減ったというところで、それは、どこの機関がより女性の活躍を推進するための政策を推進できるか、それは国際機関同士で競争してもらってという観点であるならば、大臣のおっしゃるように、競争ということになろうかと思います。安倍内閣としては、女性活躍の分野で、国際機関への支援という部分、拠出金提供という部分では後退しているわけではないという御答弁で、それはそれで理解をさせていただきました。  先ほどのJICAの話に戻りますけれども、これは国際機関と確かに予算獲得の面で競争しているわけではないんですが、現地、開発途上国の現場に行ったときに、どの事業を支援をするのか、どの分野を支援していくのか。やはり、今現状、余りうまくいっていないけれども、伸び代が非常にあって、今このタイミングで支援したらぐっと伸びる、成果を上げられる、その結果として日本のプレゼンスも上げられる、そういう案件があったとするときに、それをどこの機関が支援をするのかということで、やはり案件のとり合い、事業のとり合いみたいなことはやっているわけなんですね。  それで、いかに成果を出せるか、どこの機関はその国で成果を出していて、ある国は成果を出していないということになったら、やはりそれは成果を争うという意味において競争にさらされているわけでございまして、決して国際機関と日本の援助機関が競争していないというわけではなくて、それは熾烈な競争をやっている。  ただ、競争ばかりやっていては相手国の発展のために必ずしもつながらない場合もあるので、それはそれで余り過度な競争にならないように協調もしているというのが開発援助の現場だということを重ねて御理解いただければというふうに思います。  次に、子ども権利条約についてお尋ねをしたいと思います。  子ども権利条約に関しましては、国連子ども権利委員会が、子どもの権利条約の日本の実施状況に関する審査を行いまして、先月、二月七日に総括所見を公表しております。  この中では、緊急措置をとるべき分野ということで幾つか列挙をされております。差別の禁止、差別というのは、門地による差別であるとか、いわゆる人種による差別であるとか、それ以外にも、性的マイノリティーに対する差別であるとか、そういったことは一切禁止するような、そして実効性を上げていかなきゃいけませんよ、こういう話でございました。それから、子供の意見を尊重していこうとか、あと、体罰、児童虐待、こうしたものが日本は多いんじゃないか、こういう指摘もあります。  いろいろこうした課題は挙がっているわけですが、子どもの権利委員会からの勧告、日本政府としてどのように受けとめて、どのように対応するのか、大臣の御所見をお願いいたします。
  14. 河野太郎

    ○河野国務大臣 今回公表されました総括所見の中では、前回審査からの進展として、民法、刑法、児童福祉法、児童買春、児童ポルノ禁止法の改正など、児童の権利保護に係る国内法の改正や新たな施策が肯定的な側面として挙げられております。  他方、差別の禁止、児童の意見の尊重、体罰の禁止、家庭環境を奪われた児童の保護、少年司法などに関して委員会の見解及び勧告が含まれたと承知をしております。  この総括所見は法的拘束力を有するものではもちろんございませんけれども、今般示されました委員会の勧告等につきましては、関係府省庁間で内容をまず十分に検討していきたいというふうに考えております。
  15. 櫻井周

    ○櫻井委員 もちろん、この委員会からいただいた勧告について内容を各省庁で十分吟味をしていただきたい。中には、ちょっと読んでいて、どういう意味なのかな、日本の実態を必ずしも的確に把握いただけていないのではないのか、そうした勧告がないわけではないので、それも含めて、それは、現状、日本のこういう状況ですよということ、既に反論なり意見は提出されているんでしょうけれども、重ねて丁寧に、そういった誤解と思われる部分があるのであれば、誤解を解くようにしていただきたいと思います。  ただ、多くの部分については、確かに、日本でも問題になっている、話題になっている、そして問題意識を持っているけれどもまだ取り組めていないというところもあろうかと思います。特に児童虐待の部分についてはまさに今政府でも取り組んでいる最中かと思いますので、こうしたところについてもしっかりそれぞれ取り組んでいただきたい。  大臣も冒頭、枕のように言われました、法的拘束力がない、確かにそのとおりなんですけれども、そういうふうにおっしゃると、ああ、もうやる気がないのかというふうにも思われてしまいますので、そうではないんだ、しっかり取り組むんだ、問題をいろいろなところから指摘をされたらしっかりそれに誠心誠意応えて改善していくんだというところで、しっかり取り組んでいただくようお願いいたします。  その意見の中の一つに、子供の意見の尊重、子供に関するさまざまな事業をやっていますけれども、それを実施するに当たって、当事者である子供からも意見を聞くんだということをもっと進めるべきだ、こういう勧告を受けています。  これはなかなか、日本の学校教育も含めまして、子供の意見を聞くという体制になっていないのではないのか。これは文部科学省なり厚生労働省の管轄の部分かとは思いますが、ただ、条約に基づいてこうやって勧告を受けているわけですので、この部分、どういうふうに取り組んでいったらいいのか、各省庁との連携に関して、また日本政府としてどう取り組んでいくべきなのか、大臣のお考えをお聞かせください。
  16. 河野太郎

    ○河野国務大臣 まず、御指摘をいただきました、我が国に対する誤解があるような文言につきましては、それをしっかりと説明をしてまいりたいと思っております。  また、別に法的拘束力がないからやりませんと言っているわけではなくて、そこは真摯に対応をしていきたいというふうに思っておりますので、まずそこはしっかりと申し上げたいと思います。  今般公表された児童の権利委員会の総括所見のパラグラフ二十二におきまして、児童に対する脅迫及び処罰を防止するための保護措置をとりつつ、意見を形成することのできるいかなる児童に対しても、年齢制限を設けることなく、その児童に与える全ての事柄について自由に意見を表明する権利を保障し、また、児童の意見が正当に重視されることを確保するよう要請することとの勧告が示されております。  これはもちろん、文科省、厚労省としっかりと協議をしながらやっていくことではございますが、この勧告につきまして、そうした省庁と十分調整をし、どのような対応ができるか政府内でしっかりと協議をし、所管をする省庁にしっかりと実施をしてもらうべく、外務省としても努力をしてまいりたいと思います。
  17. 櫻井周

    ○櫻井委員 ぜひ、子供の意見の尊重という部分についても取り組んでいただくようお願いいたします。  といいますのも、日本の学校教育、ともすれば、児童生徒を、伸ばすというか、伸び伸びと育てるというよりは、ちょっと管理をするというところにきゅうきゅうとしている部分があるのではないのか、そのような懸念も感じるところですので、しかし、それですとやはり自由な発想とかイノベーションとかが起きにくいような人材に育ってしまうのではないのか、言われたことはきちっとするけれども、それ以上のことができない人間になってしまうのではないか。  そういったことも含めまして、やはり子供が伸び伸びと育って、自分の社会の問題に対して目を向けて、これは解決しなきゃいけないんだと積極的にかかわっていくような児童生徒になっていただくためにも、子供の意見の尊重というのは非常に重要なポイントだと思っておりますので、よろしくお願いします。  あと、こうした子どもの権利委員会からいただいた勧告について取り組むというのは、これは別に日本だけがやっているわけではなくて、世界各国がやっている。アジアの各国でもそうした取組をやっております。  こうした分野で、NGO、先ほど大臣おっしゃった、NGOをもっと強化して活躍してもらうべきだというお話でしたが、まさにこういう分野でもNGOは活躍をされていて、アジア各国ではNGOがいろいろ活躍されて、いろいろな成果を上げられている。日本においてもこうした分野でNGOがしっかりと、海外に出ていって活躍するだけじゃなくて、ODAの分野じゃなくて、国内でも幅広く活躍していただく。また、NGOですと、ノンガバメントですから、国境も関係なく、各国でいろいろな知見を蓄積しながらどんどんいいプロジェクトを展開いただけるものだと思うんですが、こうした観点でも、このNGOとの連携、どのように考えていますか。
  18. 河野太郎

    ○河野国務大臣 NGOというのは、援助の部分だけでなく、さまざまな分野で非常に大きなステークホルダーになっているというのは間違いないことでございますし、昨今のSDGsを考えれば、それはもうあらゆる分野でNGOと政府がいかに連携をしていくかというのは非常に大事なことなんだろうと思います。  今度の委員会に出しました政府の報告についても、報告を作成するに当たって、一般市民の方々あるいはNGOを含むさまざまなステークホルダーとの意見交換会を実施をし、それぞれの分野でそれぞれの官庁とNGOを含む市民社会との意見交換を行って政府報告を出してきたというプロセスを踏んでまいりましたので、今度の勧告を受けて、また対応をする中で、しっかりとNGOと協業できるように、政府としても努力をしていきたいというふうに思います。
  19. 櫻井周

    ○櫻井委員 ぜひ取組をよろしくお願いします。  ちょっとこれは私の政治経験が浅い中での勝手な印象ではございますが、外務省はこれまでODA関係ではNGOとの連携、特に海外ではNGOと連携してどんどんいろいろな事業を進めていくんだということをたくさんやっている。そういった経験があって、外務省も、そういった海外のほかの機関がそうやっているから日本もやらなきゃということで、この二十年、三十年、NGOとの連携に取り組んでこられたと思います。  もしかすると、日本国内でのほかの省庁に比べると、外務省の方が相対的にNGOとの連携の経験というものは多くあるのではなかろうか、このようにも期待をするところですので、ぜひそうした経験を各省庁にどんどん広めていく、そういった観点でも、大臣の指導力に期待したいというふうに思います。  次に、もう一つ、外交演説で、国際機関で活躍する日本人をふやしていく、こういう話もございました。  しかし、国際機関で日本人職員がなかなかふえないということについて、英語力が問題だというふうに指摘をされております。ただ、確かに英語力も課題ではあろうかと思いますが、問題はそれだけではないんじゃないのかというふうにも感じているところです。  例えば、私の友人で、弁理士をやっている、知的財産の分野でずっと仕事をしてきた、そういう友人がいます。帰国子女ということで、アメリカに昔、中学、高校時代に住んでいたということもあって、英語も堪能という友人なんですが、世界知的財産機関、ワールド・インテレクチュアル・プロパティー・オーガナイゼーションに勤めたいということで試験を受けたんですけれども、不採用になった。なぜかというと、いや、英語ネーティブじゃないとだめなんだ、日本人は、まあ、言ったら、要らない、こういうふうに言われちゃったみたいなんですね。  翻訳部分では、日本語、英語、それから英語、日本語の翻訳もやっています。ですから、日本語ネーティブが少なくとも一人ぐらいいなきゃいけないんじゃないのか、その友人が適格かどうかは別として、少なくとも日本人は一人ぐらいいなきゃいけないんじゃないのかと思うんですが、その当時は、日本人は要らない、日本人はいないという状況でございました。  これは我が国の知的財産戦略にかかわる大きな問題だというふうにも思いますが、こうしたことが、そういう一つ一つ細かい部分で見ていくと、実は、英語ができないというか、単に日本人で一生懸命英語を勉強したから解決するんだというものではない、別な何か見えない壁があるのではないのかというふうにも考えます。  そういう意味で、英語力不足も国際機関で日本人がふえない理由の一つではあろうかと思いますが、それ以外にもあるのではないのか。一つ一つ結構丁寧に見ていかないと、なかなかふえていかないのではないかというふうに考えるんですが、大臣の御所見をお願いいたします。
  20. 河野太郎

    ○河野国務大臣 個別の案件のことについては知りませんけれども、国際機関に今、日本人が少ない圧倒的な理由は英語です。もうこれが最大かつ相当部分を占めていると言わざるを得ないと思います。  それ以外に考え得るものとして、修士号を必要とする国際機関が多いんですが、残念ながら、今の日本の教育システムの中では限られた人しか修士号を取っていない。いざ国際機関に行こうと思っても実は修士号を持っていない、そういう方が多い。  それからもう一つは、多くの場合、任期があらかじめ決まっている。日本人の就職活動のときに、任期何年のところへ行くよりは、会社へ就職しようと思って就職活動をする人が多いものですから、なかなか、任期が最初から何年と決まっているところへ、その先どうなるのかわからないまま飛び込むところに対する不安というものはあるんだろうと思います。  そういうことを少しずつ解決をしていかなければならないわけでございますが、今、外務省の中には、国際機関への日本人の送り込みを強化すべくタスクフォースを立ち上げまして、一つ一つの国際機関を、御指摘いただきましたように、この国際機関にはどう対応する、この国際機関には何を売り込むのか、そういうことを少しきめ細かく対応しようと思っておりますので、WIPOについても、少ししっかりとそこで見てもらうようにしていきたいというふうに思っております。  やはり、人数をふやそうと思ったら、個別にどこまで対応できるかというのは非常に重要だというのは御指摘のとおりでございます。
  21. 櫻井周

    ○櫻井委員 ありがとうございます。  個別に丁寧にやっていただけるということで、期待させていただきます。  それから、大臣の外交演説の中で、上を狙う国際機関の日本人のために外務省のポストを活用、こういうお話もございました。  上を狙うというからには、外務省でもそれ相応のポスト、つまり、管理職のポストを用意するのかなというふうにも聞こえたんですが、ちょっと具体的にイメージできなかったものですから、この部分についても教えていただけますでしょうか。
  22. 河野太郎

    ○河野国務大臣 外務省で、経験者の採用試験、あるいは任期つきの職員というようなことを今考えておりますが、例えば、明石康さんとか緒方貞子さんなんという方は、外務省で公使などをお務めになったということもありますので、大使、公使、総領事、そうしたものを含め、必要に応じて外務省のポストについていただいて、更に上を目指していくべく努力をしていただきたいと思っております。  そこは、今、日本は女性の大使が少ないものですから、女性の大使をふやすべく努力をしている中で、国際機関からそういう方に来てもらうというのも十分ありだというふうに思っております。
  23. 櫻井周

    ○櫻井委員 今のお話で大使とか公使とかというかなり高いポストについても言及いただきましたので、期待したいと思います。  最後の質問にさせていただきます。  国際機関のトップをとるためには、日本も政治家を候補者として擁立というお話がございました。  河野大臣は英語にも堪能で、現職の外務大臣ということで、まさにトップをとりに行くにふさわしい候補なのかなというふうにも印象を持ったものですから、そしてまた、こうした分野でのパイオニアになっていただける方ではないのかというふうにも期待申し上げるんですが、大臣の御決意を最後にお聞かせいただければと思います。
  24. 河野太郎

    ○河野国務大臣 いずれ、総理大臣経験者として、しかるべく国際機関に名乗りを上げたいと思います。
  25. 櫻井周

    ○櫻井委員 質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
  26. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 次に、山川百合子君。
  27. 山川百合子

    ○山川委員 立憲民主党の山川百合子でございます。  大臣の所信表明について御質問をさせていただきます。  本会議で所信をお聞きしまして、印象として、御自分の言葉ですごく語られていて、大臣の思いが非常によく伝わってくる外交演説だなというふうに思いながら拝聴しておりました。  それで、いろいろとあるんですけれども、きょうは最初ですので、四つ、ざっくり、余り細かいところまでは聞けませんが、伺っていきたいというふうに思います。また、大臣の演説は六つの柱をずっとおっしゃっています。それに追加してということでたくさんおっしゃられました。外務省の予算は四つの柱で大別して組まれていますので、ちょっとそれを織りまぜながらお聞きしたいというふうに思います。  まず、テロ対策の中で、大臣は穏健化の促進ということをおっしゃられています。  早速ですが、その穏健化の促進というビジョンにつきまして、それから、予算の中では中庸・穏健主義への支援というふうに出ておりますが、その取組の具体例と評価、それから期待され得る成果についてお伺いをしたいと思います。
  28. 河野太郎

    ○河野国務大臣 日本は、ことしのG20あるいはTICAD、即位の礼、そして来年の東京オリンピック、また大阪万博といった国際的な大きな行事がこれからあるわけでございます。そういう中で、我が国の治安を考えれば、テロ対策というのは、これはもう相当優先順位を高くやらなければいけないという現実がございます。  また、今、シリアあるいはイラクといったところでISの戦闘員として戦っていた、そういう人がだんだんとそうした地域から本国へ戻るという状況がございまして、特にアジアでも、アジアのイスラム諸国にISの戦闘員が戻り始めているという現実がございます。そういう中でこのテロ対策を考えますと、もちろん日本の水際対策というのも大事でありますけれども、それだけやっていてはなかなか勝ち目がないものですから、テロの根本的な原因である暴力的過激主義を何とか排除をし、テロを生み出さないような穏健な社会を構築していくということがやはりこれから必要になってくるだろうと思います。  そういう意味で、例えばヨルダンのアブドラ国王がやられているアカバ・プロセスなどというものに日本はかなり緊密にコミットをしておりますし、日本も、そういう視点から、各国で暴力的過激主義対策、穏健化という観点からやられている方々を招聘をしたりということをやってきているわけでございます。  暴力に訴えず、多元的な共存あるいは寛容、ジェンダー間の平等といったものをベースにした社会をつくるということをどうやるかというのが一つ大事だと思いまして、例えば、具体的に申し上げますと、インドネシアにおいては、若者の思想形成に大きな役割を持つであろう教育にかかわっている方々に異文化あるいは異なる宗教への理解を深める機会を提供していったり、あるいは現地機関を介してNGOによる活動を支援をしたり、あるいは、その地域地域で暴力的過激主義の拡大要因を特定をして、それを抑え込むようなプロジェクト、こういうものを支援をしているところでございます。  中東に関して、河野四箇条と申しておりますが、その中の知的・人的貢献というものの中で、中東における暴力的過激主義対策に関する対話というのを昨年から実施を始めております。昨年は中東六カ国から宗教関係者をお招きをし、本年はGCC及びイラクの七カ国から若者を招聘をし、各国で地域経験を共有する場を提供をしております。こういう事業を通じて日本型の社会発展モデルを理解をしてもらうとともに、このプログラムに参加をしてくださった参加者間同士の信頼関係を深めることができたというふうに思っております。  こういう取組をこれから続けていくことで、中東全体に穏健派のコミュニティーというものを立ち上げるべく努力をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  29. 山川百合子

    ○山川委員 ありがとうございます。  中東の方、宗教的指導者とか、あと若者を招聘してという御説明もいただいたんですけれども、きのうちょっと聞いたところ、六百万円ぐらいの予算でやられているということで、その取組自体は非常にすばらしいなと思うんですね。ぜひ継続してやっていただきたいと思うんです。  あわせてお願いしたいのは、そういうところに招聘される方々というのは非常にエリート層であるというふうに思うんですね。数もすごく少なく、十数名だったかな、済みません、きのう聞いたらそうだったと思うんですけれども、やはりテロというか暴力的過激主義に走るようなそういう状況というのは、海外との接点があるエリート層より、非常に生活が大変だったり、差別があったり、貧困があったり、環境的に非常に大変な状況があるということがやはり暴力の温床になるというふうに思います。平和学で言うところの、構造的暴力があるところにやはり紛争とか争いが起こるということがあろうかと思います。  ですので、そういうエリートはもちろん、本当に指導者になる人たちですから大事なんですけれども、あわせて、特に中東などではそういう人々の支援をしていくということが実は暴力的過激主義を生み出さない、平和学で言うところの積極的平和をつくり出していくことではないかなと思うんですね。  それで、インドネシアの国内でやってくださっている事業についての御説明が最初にあったんですけれども、こういった事業も中東の方でも広げていくというようなこともお願いしていきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  30. 河野太郎

    ○河野国務大臣 おっしゃるように、テロの温床となっているところというのは、中東の社会の中でもいろいろな層なんだと思います。おっしゃるように、貧困層から、余り先が見通せずテロに走る人もいれば、エリート層の中でも、テロ組織を率いるビンラディンのような人も出たわけでございます。  日本としては、予算の制約があるものですから、人数多くべったりやるというよりは、そういうプログラムの中核になるような人をまずお招きをしてということをやってまいりましたが、ことしから、例えば、パレスチナのガザ地区の教員を、学校の先生方を十人ずつぐらい日本に招聘をするというプログラムを始めました。十人ですから限られてはいますが、十年やれば百人、その人たちが教える子供たちの数は更にそこから広がるということを考えると、いろいろなことが可能性があるのかなというふうに思います。  そういう制約の中で、日本としては、ある程度こういうプログラムの中核を担っている方とまず一緒にやりたいということと、それから、さまざまな国の刑務所で過激的暴力主義を矯正、啓蒙するようなことをやっているところは、そういうプログラムに対する支援とか、あるいはそういうプログラムをほかの国に広げるようなお手伝いみたいなことも考えられるかな。インドネシアでやっているプログラムも、そういう例をアカバ・プロセスの中で紹介をしたり、いろいろなやり方ができるのではないかと思っておりますので、日本としてもそこはしっかりやってまいりたいというふうに考えております。  特に、インドネシア、マレーシアを始め、アジアのイスラム国に外国人戦闘員が戻ってきている、フィリピンではあのマラウィの事件などというのもございましたので、中東に限らず、アジアのイスラム圏ともしっかり連携をしてテロ対策の取組をやってまいりたいというふうに考えております。
  31. 山川百合子

    ○山川委員 ぜひ、日本だからこそできる、本当に人が人をつくっていくというような、そういう取組を広げていっていただきたいと思います。  きょうはたくさん用意してきまして、どんどん移らせていただきたいんですが、次にサイバー外交について伺いたいと思います。これもいろいろとちょっと準備はしているんですが、時間もないので、端的に聞きたいことだけを聞かせていただきます。  まず、サイバー外交というものについて、余り聞きなれない言葉であります。一般的に余り聞きなれない言葉でありますから、このサイバー外交ということについて、ずっとサイバー対策に取り組んでこられていると思いますが、これについてわかりやすく御説明いただきたいということと、あわせて、国際社会でサイバー空間におけるルールづくり、日本もリードしようということでやってきていると思いますが、どのようなルールづくりの議論があるか、法の支配の推進、信頼醸成措置の推進などを踏まえて、これについてもお聞かせいただきたいと思います。  そして、もう一つですが、サイバー外交の中の三つの柱を立てていらっしゃいますが、その三番目に能力構築支援ということを掲げていらっしゃいますけれども、これは具体的にどのような事業かということと、ことしはTICADなどもありますので、アフリカに対してのこの分野での支援を、より私は日本として積極的にやっていただきたいと思っているんですが、それについてもあわせて伺えればと思います。
  32. 河野太郎

    ○河野国務大臣 いろいろ御質問をいただきましたので、なるべくわかりやすく。  日本のサイバー外交は、昨年八月、閣議決定をいたしましたサイバーセキュリティ戦略というものがございまして、サイバー空間における法の支配、信頼醸成、能力構築、この三本柱でやっていこうというふうに考えております。  法の支配の推進につきましては、日本の立場は、サイバー空間に従来の国際法が適用されるんだという立場から、国連のサイバー政府専門家会合等にそういう立場から積極的に貢献をしていきたいと思います。G7の枠組みの中でも伊勢志摩サイバーグループを設置するなど、そういう意味では主導的な役割を果たしていると言ってもいいのかもしれません。  また、各国との協力、信頼醸成の推進におきましては、アメリカ、EU、イギリス、ドイツ、フランス、オーストラリア、インド、それからイスラエルとの間の関係、あるいは日中韓の三カ国といった枠組みでサイバー協議を、二カ国あるいは三カ国のサイバー協議あるいはサイバー対話というものをやってきております。また、ASEANの地域フォーラムの中でサイバーセキュリティーに関する会期間会合というのを立ち上げたりということをやってまいりました。  サイバー空間におけるルールづくりにつきましては、今申し上げた二国間協議に加えて、国連の政府専門家グループ、G7、G20、ASEAN地域フォーラムなど、さまざまな多国間の協議において議論が行われてきているところでございます。  そういう中で、先ほど申し上げましたように、既存の国際法をどのように具体的に適用するのかということ、あるいは国際的な規範の形成、普遍化について議論をしているところでございまして、二〇一五年第四期のUNGGE、これは国連の政府専門家グループでございますが、これの報告書、二〇一五年のG20のアンタルヤ・サミット首脳宣言、二〇一七年のサイバー空間における責任ある国家の行動に関するG7ルッカ宣言などにまとめられているところでございます。  また、サイバー分野における能力構築支援に関して申し上げますと、専門家の派遣や研修といったことを中心に、日本の技術を生かしたサイバーセキュリティー能力の構築、強化というのをやってきているわけですが、これは主にASEANを中心にやってきているわけでございます。  御指摘のアフリカでございますが、これまで日本の研修にアフリカから政府の行政官が参加をしているということはございますが、ことしはTICADもありますので、その中で例えばこの分野においても何ができるかということを少し検討しているところでございます。  これまでは、どちらかというとASEAN、アジア各国が中心だったというところは否めないという状況でございます。
  33. 山川百合子

    ○山川委員 ありがとうございます。  ぜひアフリカの方の支援も日本としてやっていただければと思います。いろいろな国の思惑が交錯する、サイバー空間をどう取り扱うというのはそれぞれ思惑があると思いますが、日本としてもぜひリーダーシップをとっていただければというふうに思います。  続きまして、戦略的対外発信について伺っていきたいんですが、これは、予算の中では、四本ある柱の中の三本目として、正しい姿を含む政策、取組や日本の多様な魅力を戦略的に発信し、親日派、知日派の育成を図るというふうに出ているわけなんですね。  去年も、実は予算の説明のときに、この正しい姿というのは何かなと思っていたんですけれども、これを、大臣は、そういう言い方よりも、むしろ戦略的対外発信というふうに言われているというふうにもお聞きしておりますけれども、まず、戦略的対外発信の目的についてお伺いをしたいというふうに思います。
  34. 河野太郎

    ○河野国務大臣 広報文化外交を強化する、あるいは日本の政府が行っている政策や取組を正しく理解をしていただく、あるいは日本の多様な魅力を発信してインバウンドにつなげる、あるいは日本文化、日本語といったものに興味を持っていただく、あるいは、ひいて言えば親日派、知日派の育成、こういうところにつなげていきたいというふうに思っております。そういう意味で戦略的と申し上げております。  また、最近、誤った情報を意図的に流されることがございますので、そういうことに対してはしっかりと正しい情報を発信をする、そういう意味で、日本の正しい姿をしっかり理解をしてもらうということで、戦略的広報、なおかつ正しい姿を理解してもらうための広報というふうに申し上げているところでございます。
  35. 山川百合子

    ○山川委員 何が正しくて、では何が間違っているかという議論になっていくと、それはまたいろいろと広がっていっちゃうと思うんですが、今の大臣の御説明を伺っていて、あるいは、きのう担当の方ともお話をしたんですけれども、政府が進めようとされていることというのは、あるいは大臣が思われていることというのは、むしろ、ありのままの姿をちゃんと伝えていくという、事実は事実としてちゃんと伝えていくということになるのかなと思いまして、私は、むしろ等身大の姿とかという言い方の方がより伝わるんじゃないかなと思いましたので、それはちょっとお伝えをさせていただきます。  その上で、今お話にも出てきた中の範囲だというふうに思いますが、ジャパン・ハウスを通じた情報発信や海外シンクタンクとの連携、また海外メディアへの発信強化ということが予算には計上されていますけれども、もう既に五年がジャパン・ハウスなんかはたっていると思いますが、その評価と期待する成果。  それから、あわせて、これは提案なんですが、ジャパン・インフォメーション・センター、これは今現在は主要国の大使館、公館に設置されているというふうに伺っていますが、これを全ての在外公館に置いていただければなというふうに思って、これを提案させていただきます。  時間もないんですが、具体例をちょっと挙げさせていただきますと、私の夫は一九八五年にイギリスに留学をしていて、イギリスの大学でジャパン・インターナショナル・ソサエティーというのをつくったんですね。夫とそれからイギリス人の共同代表でつくりまして、毎週一回、ジャパン・インフォメーション・センターから十六ミリフィルム、昔ですが、十六ミリフィルムを借りてきて、日本の映画を流したそうなんです。そうしたら、毎週、もちろんイギリス人を含めてですが、百名を超える学生が楽しみに参加して、今もインターナショナル・ソサエティーは続いているということなんですね。  ジャパン・インフォメーション・センターが果たせる役割というのは非常に大きいと思いますが、これを全ての在外公館に設置をすることを含めて、お伺いしたいと思います。
  36. 河野太郎

    ○河野国務大臣 正しい姿と申し上げましたのは、例えば、尖閣諸島などの領土問題について正しい情報を発信をしなければなりませんし、旧朝鮮半島出身労働者の問題、あるいは、最近は旭日旗をめぐるフェークニュースみたいなものが流されたりということがございますので、そういうものはやはりしっかりと正しいものを理解をしていただくということで、これは積極的にやっていきたいというふうに思っているところでございます。  また、これまでジャパン・ハウスを通じた情報発信ですとかいろいろなことをやってまいりました。外国メディアに対する発信の強化、それから、正しい姿ということでいえば、適切な反論といったことをやってまいりましたし、ホームページ、動画といったものを使っていろいろ情報を発信したり、あるいは、有識者やオピニオンリーダーをお招きをして日本のことについて詳しく理解をしていただくというようなこともやってまいりました。また、ジャパン・ハウスは、サンパウロを中心に非常に大きく地域でも取り上げられ、入場者が非常に多いというようなメリットもございましたので、これは非常にいい取組だったのかなというふうに思っております。  今、広報文化センターは、十九カ国、二十三カ所だったかと思いますが、に設置をしてございまして、これは予算その他の制約がなければ、おっしゃるように、全部やりたいところでございます。なかなか予算の問題もあるものですから、物理的に設置をするというところまでは正直いっておりませんが、今、恐らくほぼ全てと言っていいかもしれませんが、各国の大使館には広報文化班というものを設置し、担当者を置いております。それから、広報文化センターのないところには、ジャパン・ハウスのようなものもございますし、あるいは、南米などに行きますと、日系人の方々の日系人会館のようなものがあって、そういうところとも連携をするということができないだろうかというふうに思っております。  あるいは、物理的に少しいろいろなことが考えられるのではないかなと思っておりますので、大使館の中にできればセンターを設置するのが一番いいとは思いますけれども、なかなか全部それができないならば、もう少し何かいいやり方がないかというのを少しずつ考えて、できるところから手をつけていきたいというふうに思っております。
  37. 山川百合子

    ○山川委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いいたします。  それから、幾つもあるんですが、ちょっとまとめて。  親日派、知日派を育てていく、生み出していくためには、日本語教育、日本語を世界じゅうに普及していくことというのはすごく大事だと思うんですね。取組もされていると思うんですけれども、TOEICとかTOEFLとか、私たち日本人も英語力をはかるのに、あるいは自分の英語力を証明するのに非常に重要な試験になっていますけれども、ぜひ、日本語の、これで何点とればクリアしていますよというような、日本語の教育を普及していくために、日本語の権威ある語学の検定のようなもの、これをぜひつくっていっていただきたいなというのがございます。  それから、あわせて、戦略的対外発信の中で、これは文科省になってしまうかもしれませんが、大臣のお考えというかビジョンを伺っておきたいんですけれども、留学生を、日本に来る留学生、そして日本から海外に出ていく留学生、これをもっとやはり拡大していきたいと思っているんです。特に高校生レベルであります。  近年、日本は、若者が内向き志向ということでなかなか海外に出ていかない。二十年ぐらい前に比べて随分少なくなってしまっていると思うんですね。ですから、特に若い時期に交流をすること、特に、日本に滞在をして、そして、その人たちが今度は帰って日本のよさを伝えてくれますし、また、日本人が海外に行くことによって、その周りにいるコミュニティーが日本というものを知るようになります。  高校生の海外留学を広げて、海外留学で日本に来る留学生を広げていくことについての所感もあわせて伺いたいと思います。
  38. 河野太郎

    ○河野国務大臣 日本語に関する検定は、今度、外国人材の受入れが始まりますので、まず生活、就労に必要な日本語能力をはかるテストというものをクリアしてもらって外国人材を受け入れるということになっておりますので、外務省と国際交流基金で連携をして、まずアジアの九カ国を対象にしてこれを実施をいたします。  これはコンピューターでやれるものですから、これを九カ国以外に展開をするのはそう難しくないというふうに考えておりますので、まずこれをしっかりとやりたいと思っておりますし、日本企業の採用に当たっては、これを参照していただけるように、しっかりと広報に努めていきたいと思っております。  また、高校生の交換留学のプログラムについては、これは文科省それから地方自治体で今やっていただいているものでございますので、外務省としては、在外公館を通じたりして必要に応じた支援というものをやっていきたいというふうに思っておりますが、これは非常に大事なことだと思っております。  高校生より少し年上になってしまいますけれども、今かなり多くの国とワーキングホリデーの制度を始めて、これはヨーロッパから中南米までいろいろなところでやろうということで始めさせていただきました。定員の枠いっぱいにすぐなってしまうようなところは、その枠の拡大をしていくというようなこともやりたいと思っておりますし、さらには、大学、大学院レベルでやはり日本の人材がもっともっと海外へ出ていかなければならない。  これは、その費用負担をどうするかという議論も当然出てくるだろうと思いますので、そういうことについても少し政府全体として考えていけるように努力をしていきたいと思います。
  39. 山川百合子

    ○山川委員 ありがとうございます。ぜひよろしくお願いをいたします。  それで、最後になりますが、これはODAとNGOの連携、ちょっと時間もないので詳しくは次回にしたいと思うんですけれども、河野大臣の所信のところで、外交は、外務省だけ、政府だけで行うものではありませんということで、この言葉は私も本当に共感をいたしました。  それで、私はNGO出身ということで、河野大臣に本当にNGO関係者はみんな期待しているところでありまして、国民とともにある外交ということも、NGO側からも提案させていただいております。  その中で、一般管理費一五%、これが所信の中にも述べられています。ぜひこれを具体的に実現をしていっていただきたいと思いますが、それについてお伺いできればと思います。
  40. 河野太郎

    ○河野国務大臣 今のように、事業をやるときに一般管理費を五%分とってくださいというだけでは、事業はやったけれども赤字だというところが結構ございますので、最大一五%ということで、ただ、全てが一五%ということではなくて、きちんと、責任ある、説明責任を果たせる、そして事業もしっかり実施してくれるNGOからこういうことをやってまいりたいと思いますので、今、外務省それから財務省でやり方について検討しているところでございます。
  41. 山川百合子

    ○山川委員 ありがとうございます。  いろいろとちょっとルールも設けるというようなこともわかるんですが、ぜひ、小さなNGOも育てるというところで財務省と交渉もしていっていただければと思います。  また、改めます。きょうはありがとうございました。
  42. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 次に、岡田克也君。
  43. 岡田克也

    ○岡田委員 立憲民主党・無所属フォーラムの岡田克也です。  きょうは、北朝鮮の問題を中心に議論したいというふうに考えております。かなり丁寧に事前通告してありますので、生産的な議論ができればというふうに思っています。  まず、第二回の米朝首脳会談がまとまらないまま終わりました。その際の安倍総理の、トランプ大統領との電話会談の結果なんですが、我が国は全面的に支持するという言葉が出てまいりました。私は少し驚いたんですが、注意深く読むと、トランプ大統領の決断を我が国は全面的に支持すると。そのトランプ大統領の決断は何かというと、朝鮮半島の非核化を実現するとの強い決意のもとに、安易な譲歩を行うことなく、同時に、建設的な議論も継続し、北朝鮮の具体的な行動を促していくというトランプ大統領の決断、これを我が国は全面的に支持するということであります。  その限りにおいては、これは私も異論がないわけですけれども、議論が継続したことも、そして安易に妥協しなかったことも正しい判断だというふうに思います。  ただ、問われているのは、やはり、米朝首脳会談が結論が出ないまま終わったことについて日本政府としてどう考えているかということが問われているわけで、それを勝手に限定して、トランプ大統領の決断に限定して、それについて全面的に支持するというのは、私はちゃんと答えていることになっていないんじゃないかと思うんですね。  そこで、大臣にお伺いしたいんですけれども、この、米朝首脳会談は開催されたけれども合意に至らずに終わってしまったことについて、日本政府としてどう考えておられるんですか。
  44. 河野太郎

    ○河野国務大臣 非核化の合意がなされずに終わったというのは、それは非常に国際社会全体として残念だと言わざるを得ないと思いますが、中身は、トランプ大統領の決断が正しいと思っております。  というのは、核、生物化学兵器を含む大量破壊兵器のCVID、あるいは全ての射程のミサイル、これを放棄させる、そして制裁を解除して北朝鮮に対する経済支援という、それが国際社会のいわばコンセンサスというふうに考えておりますが、残念ながら、北朝鮮はその非核化あるいはミサイルの放棄ということに対する態度を明確にしなかった。それである以上、トランプ大統領としては席を立たざるを得なかったんだろうと思います。  ただ、今回、ベトナムを会談場所にしたのは、少なくとも、いまだ共産党が一党支配をしているベトナムという国で、なおかつアメリカとベトナム戦争を戦ったベトナムという国が、ある面、正しい決断をすれば、経済を外国に対して開放し、経済発展が実現しつつあるという現実を金正恩委員長に自分の目で見てもらう、そういう狙いについては、実際、金正恩委員長がベトナムまで来て、実際にごらんになったわけですから、そこについて言えば、さまざま考えるところがきっとあるんだろうというふうに思います。  そういう意味で、合意がなされなかったのは大変残念ではありますが、合意に至る中で、日米で、さまざまなレベルでやりとりをする中で、今回の会談に対する見通しというものも我々は共有をしておりました。そういう中で、今回は非核化で合意をする見通しは非常に小さいということもわかっておりましたので、そういう意味では残念ではありますが、このプロセスの次に期待をし、このプロセスを後押しをしていきたいというふうに考えております。
  45. 岡田克也

    ○岡田委員 まとまらずに残念であったということがまずあって、その上で、しかし、そういう状況の中で、トランプ大統領の決断については全面的に支持しますというふうに言わないと、その前段の部分が、どこに遠慮しているのかわからないんですが、ないわけですね。これだと、日本政府として会談をどう考えているのかということについて世界に発信できていない、あるいは誤解して伝わっているということだと思います。  かつて、アメリカ政府のNPRについて、河野大臣が高く評価するというふうに言われました。よくよく見てみると、それは、日本に対する抑止力を重要視しているということについて高く評価しているということだとわかるわけですけれども、しかし、NPRそのもの全体について高く評価しているというふうに受け取られかねない、そういう誤解を招きやすい表現だったと思うんですね。  まず、NPR全体についてどう考えるのか、私はかなり辛口に言うべきだったと思いますが、その上で、日本に対する抑止力を維持しているところは評価すると言うならまだわかるわけですね。その前段がないものだから、無条件に高く評価したり、あるいは全面的に支持するというふうに国際的に受け取られかねない。それは日本政府にとってもあるいは日本外交にとっても決してプラスにならないというふうに私は考えるんですが、いかがですか。
  46. 河野太郎

    ○河野国務大臣 御指摘の点はわかるんですが、北朝鮮の核、ミサイルの脅威というものがかなり深刻な状況の中で日本の力点はどこにあるかといえば、やはり、アメリカの抑止力がきちんと同盟国をカバーをするというところに日本として力点を置かなければいけない状況であったというふうに考えております。  今回のことも、メディアがどういう情報をベースにしているのかわかりませんが、さまざまな、スモールディールの可能性みたいなことの報道が、これは日米だけでなくいろいろなところの報道が出されている中で、そういうこともなくトランプ大統領が席を立ったというところがやはり大きな力点だったんだろうと思います。  もちろん、全く非核化の合意がなかったのは残念だというのは、それはもう大前提ではありますけれども、そこでトランプ大統領がきちんと決断をされたということについて焦点が当たっている中で決断を評価するというのは、その時々のどこに力点が置かれているかということを考えれば、そういう発言があっても、世の中が誤解をするというよりは、日本がそれをきちんと支持しているんだというところが今回は重要だったということになるのではないかと思います。
  47. 岡田克也

    ○岡田委員 わかりやすく言うと、安易な妥協をトランプ大統領がしなくて本当によかったということだと思うんですね。  これはやはり、しかし、首脳会談がまず設定されて、もちろん実務者あるいは外相間でいろいろな議論をされたと思いますけれども、そういう積み上げの上に首脳会談がなされたのかどうか。私はかなり危うかったというふうに思うんですね。だから、こういうやり方をまた続けるわけには私はいかないんだと思うんです。  したがって、やはり実務者あるいは外相間でのきちんとした積み上げの議論がまず関係国であって、それを踏まえて、米朝間で実務者あるいは外交責任者の協議があって、その上での首脳会談という、普通はそういうふうにやると思うんですが、そういうやり方をしないと危ういよということは、私は米国政府にしっかりと日本の政府の意思として伝えるべきだと思うんですが、いかがですか。
  48. 河野太郎

    ○河野国務大臣 普通はそういうふうにやるんだろうというのはもうよく御存じだと思いますが、今回、事前に日米の間でやりとりをしている中で、北朝鮮の実務者がどこまで権限を与えられていたのかというと、協議をまとめられるほどの権限が果たしてあったのかどうかというところがあるんだろうと思います。ああいう体制ですから、下から積み上げられるだけの用意が北朝鮮の体制に一つはあったかどうかということは、なかなか難しいところもあったんだろうと思います。  ただ、そういう中で、実務者協議が調わないから首脳会談をやらないというと、恐らく、なかなか北朝鮮を交渉の場に引きずり出すということにつながらない。だから、ある程度先は見えているんだけれども、首脳同士が会うというのがやはり大事だという部分もこの米朝会談の中ではあるんだろうというふうに思いますし、シンガポールのときとは違って、今回はかなり実務者同士でまずまとめられるものはまとめようという努力があったと思います、一回目に比べると。しかし、残念ながら、その努力が、さまざまな理由で合意に至らなかった。  じゃ、やらないかというと、それよりは、やはりベトナムまで金正恩委員長に来てもらって、自分の目でベトナムの経済の発展ぶりを見てもらうというところ、さらに、トップの決断というのが非常に重要な体制ですから、そこでトップがどのような決断をするか、そこに若干の可能性がある、そういうことであったんだろうと思いますが、残念ながらそのトップの決断に至らなかったということであったと思います。
  49. 岡田克也

    ○岡田委員 最初に大臣が言われた、実務者と金正恩委員長との間がうまくつながっていなかった可能性があるということですが、同じことは米国側についても言えるんだと私は思うんですね。果たしてトランプ大統領がCVIDということについてどう考えているのかということに私は少し心配をしているわけです。  終わった後のトランプ大統領の記者会見で、トランプ大統領は、北朝鮮側は我々が望んでいた非核化の大部分を行う用意があったというふうに言っているんですね、大部分があったと。しかし、我々が承知している北朝鮮側の提案というのは、寧辺核施設の廃棄、範囲はどの程度かというのはよくわかりませんが、仮に寧辺全体だとしても、それが大部分だというふうにトランプ大統領が受け取っているとすると、かなり認識が間違っているんじゃないかと思うんですが、いかがですか。
  50. 河野太郎

    ○河野国務大臣 トランプ大統領のCVIDという考え方と我々とそんなに差があるとは思っておりませんし、それは、日米でいろいろ詰めている中で、日米、言っていることはほとんど同じであると思っております。  トランプさんがツイートでいろいろなことをおっしゃったり、記者会見でいろいろなことをおっしゃったりというのはございますが、それは、御本人の性格上、いろいろ揺れがあるんだろうと思います。  寧辺について言えば、それは、あくまでも非核化の中の一部分だけという認識は、トランプ大統領を含め、アメリカ全体と日本とそこは共有をしておりましたので、そこについて差があるということにはならないと思います。  また、トランプさんが、対外発信の中で一生懸命、金正恩委員長を持ち上げて次へつなげようとしている。北朝鮮側も、トランプ大統領御本人は批判をしないということをやって、次に糸をつなげていこうという努力はありますから、そこは、それでまた次に向けてしっかりと努力を国際社会としても続けていかなければいかぬと思います。
  51. 岡田克也

    ○岡田委員 トランプ大統領が本当に完璧なCVIDを追求しているかどうかということ、私は疑問を持っているわけですが、もう一つ、この首脳会談後の記者会見の中でトランプ大統領は、記者が、全面的な制裁解除の条件として今もCVIDを求めているのかというふうに問うたのに対して、交渉の中身になるので話したくない、しかし、北朝鮮には多くを放棄することを求めているという答えを返しているわけですね。  まず、ここで明確に、全面的な制裁解除の条件としてCVIDを求めているという答えがなぜ返ってこなかったのか。それから、多くを放棄するというのは完全な放棄ではない、トランプ大統領はそういうふうに考えているのではないかと思われるわけですが、そこは大丈夫なんですか。
  52. 河野太郎

    ○河野国務大臣 アメリカ側が求めているものは大量破壊兵器並びにミサイルのCVIDであるというのは、これは日米間で完全に共有をしております。  トランプ大統領の対外的な情報発信が多少揺れがありますけれども、何がアメリカの方針であるのかというのは、これは大統領を含め、CVIDであるということは日米で共有をしておりますし、日本側は割と厳格に言葉を使いますけれども、アメリカ側はいろいろな言い方があって、かつてポンペオ国務長官が何項目と言ったときに、何項目というのは何が入るんだ、いや、それはざっくりとした数字だから全部入るんだというようなやりとりをしたことがありますけれども、そこは、対外的に、厳格にきちんと言っているわけではありませんけれども、求めているものがCVIDであるということは日米間で確認をしております。
  53. 岡田克也

    ○岡田委員 問題は、トランプ大統領がきちっと認識しているかどうか、それから、金正恩委員長との会談で正確に言っているかということですね。そこが非常に不安が残るということです。  そもそも、CVIDというときに、私は、きちんとCVIDを追求するということであれば、まず、あらゆる核関連施設についてリストを提出させる、そしてそれを客観的に検証する、その上で廃棄についてのロードマップを作成する、そういう手順が必要不可欠だというふうに考えているんですが、そういう話というのはこの米朝首脳間で議論になったんでしょうか。リスト化とかロードマップとか検証とか、そういう言葉が全く出てこないように思うんですが。
  54. 河野太郎

    ○河野国務大臣 少なくとも実務者協議の中でそういう議論が行われております。しかし、実務者協議でそれがまとまっていないというのが現実的にあるのもそれは事実でございます。
  55. 岡田克也

    ○岡田委員 ここの基本がしっかりしていないと、例えば、あらゆる射程のミサイルとかあらゆる大量破壊兵器といったところで、全体像が明らかにならなければ、それはあらゆるかどうかもわからないわけですから、やはり全体のリスト化、そしてその検証という、ここのハードルを越えられるかどうかというのが、私、最も大事なところだと思うんですね。  かつての六者会合でも、そこがうまくいかずに最終的には流れてしまったというふうに認識をしているわけですが、そこのところについて米朝間できちんと合意ができる見通しというのは、河野大臣はどういうふうに考えておられるんですか。
  56. 河野太郎

    ○河野国務大臣 少なくとも、その合意がなければ経済制裁あるいは経済支援という道を踏み出せないわけですから、国際社会としてはしっかりと同じ方向を向いてやっていくということが大事なんだろうと思います。
  57. 岡田克也

    ○岡田委員 ロードマップ作成に当たって、経済制裁以外に、例えば戦争の終結宣言とか事務所を設置するとか、あるいは外交関係を正常化するとか、いろいろなメニューが、経済制裁以外のメニューがあるというふうに考えるわけですけれども、最終的には、この経済制裁の解除というのは、非核化が全てなされてから安保理に基づく経済制裁の解除がなされるべきだというふうにお考えか、それとも、経済制裁の部分的な解除というのは非核化のプロセスにおいてあり得るというふうに大臣は考えておられるのか、どちらでしょうか。
  58. 河野太郎

    ○河野国務大臣 基本的には、非核化が終わってから経済制裁を解除しますということではありますが、例えば、その非核化といったときに、核関連施設を含むわけでございます。そうすると、例えば、原子炉の解体から更地にするまでというのはかなり長い年月がかかる。そうすると、どの時点でこれは後戻りができなくなったのか。それは、例えば原子炉の中にコンクリを流し込んでしまって、これはもう後戻りがその時点でできないよねというのか、あるいは、完全に更地になって、その時点でいうのか。  そこはいろいろな考え方はあるんだろうと思いますが、基本的に、部分的にやるのではなくて、きちんと非核化がなされて制裁が解除されるというのが国際社会の一致した考え方というふうに考えております。
  59. 岡田克也

    ○岡田委員 私は、前回の首脳会談を見ていて、部分部分のディールになってしまうんじゃないかということを非常に恐れるわけですね。  一部の制裁解除と一部の核の廃棄ということで、例えば寧辺を廃棄するからここまで制裁解除をする、そういう流れの中で議論が行われていたのではないかというふうにも思うわけですが、そういうことはあり得ないというふうに断言できますか。
  60. 河野太郎

    ○河野国務大臣 少なくとも、ここまでの中で、部分的な制裁解除というのは日米の間ではないということで、ずっとこの首脳会談に向けてやってまいりました。
  61. 岡田克也

    ○岡田委員 実務者あるいは外相間ではそういう話だと思いますが、果たしてトランプ大統領がそういう考え方で首脳会議に挑んだのかどうか、その後のいろいろな発言を見ているとかなり疑問もありますので、そういったことについては、しっかりと日米間でそういうことのないように、たがをはめていくということが非常に大事ではないかというふうに思います。  それから、そういう中で、いろいろな国がいろいろなことを言っている。経済制裁の緩和についても、ロシアとか中国は言っているわけですね。それから、韓国は、明確には言っていないけれども、南北交流の一環としての開城工業団地の事業再開やあるいは金剛山の観光事業については、これをカードとして使うということは発言している。  こういう中で、果たして、各国が歩調をとって、今大臣がおっしゃったようなことで進んでいくのかどうかというのは、相当私は心配が残るというふうに思うんです。  そのためにも、かつての六カ国協議の中の北朝鮮を除いた五カ国のしっかりとした連携というのが私は非常に重要になるというふうに考えるんですが、しかも、その中で日本外交がどういう役割を果たしていくかということが非常に重要だと思うんですが、大臣の御見解を聞きたいと思います。
  62. 河野太郎

    ○河野国務大臣 六カ国協議の五カ国の枠組みがいいかどうかというのは、これはさまざまな議論があると思いますが、日本として、この北朝鮮の問題に関しては、安保理決議に基づいて国際社会が一致した対応がとれるようにしっかりと努力をするのが日本の役割というふうに考えておりますので、これは累次、さまざま、外相会合あるいはさまざまな場面で、日本としてしっかりと安保理決議をバックアップするよう努力をしてまいりましたし、今後ともしっかりそれを続けていきたいというふうに思っております。
  63. 岡田克也

    ○岡田委員 米朝首脳会談は非常に注目を集めましたが、実は日本も当事者中の当事者、核、ミサイルの脅威に最もさらされている国であり、かつ拉致問題もあるということです。  六者協議をやっているときはもう少し日本は主体的にかかわっていたと思いますが、今は米朝首脳会談というものがあるものですから、なかなか日本の外交として主体的にかかわることができないでいるんじゃないかというふうに思うわけですけれども、まずはそういった近隣の国々とうまく調整する、その役割を果たしていくということからスタートするべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  64. 河野太郎

    ○河野国務大臣 外交をやっているときに、外から見える外交と、外には見えない外交と、両方あるんだろうというふうに思っております。  恐らく今の北朝鮮の立場は、核の問題については、これはもうアメリカとやるんだという立場ですから、日本の役割としては、さまざまな国際社会を一致団結させる、あるいは、核兵器そのものはP5がやることですが、核関連施設について、ゴーサインが出たときにどのように査察をするのか、あるいはどのような手順でやるのかというのは、これは日米間あるいはIAEAの中でさまざまな準備をしてきております。  それは、決して外に華々しく見えるものではありませんけれども、青信号が出たときにきちんとスタートができるように準備をするという中では非常に大事なことだと思っておりますので、今、日本の外交として大事なのは、この米朝のプロセスをしっかりと後押しをしていくことであり、国際社会も、アメリカの後ろにさまざまな形で日本がいるというのは多くの国が認識をしてくれているわけでございますから、日本が別に前面に出ることなくとも、この米朝プロセスを前に進めて、北朝鮮の核あるいはミサイルを放棄させるということが実現できるように努力をしてまいりたいというふうに思っております。
  65. 岡田克也

    ○岡田委員 そのためにも、やはり現在の日韓関係、もちろんいろいろな理由はあるし、日本の言い分はあるわけですけれども、しかし、日本の安全保障にかかわる北朝鮮の核、ミサイルの問題あるいは拉致の問題を解決していくために、いろいろなものを乗り越えて、やはり日韓関係、その信頼関係を築いていかなきゃいけないというふうに思います。  現状は非常に残念な状況、もちろん韓国側の対応に非常に問題があることは事実だと思いますが、そういうものを乗り越えて、日韓関係、信頼関係を築いていく、そういうお気持ちはありますか。
  66. 河野太郎

    ○河野国務大臣 予算委員会などで累次申し上げたわけでございますが、今、日韓の人の交流は昨年一千万人を双方向で超えました。昨年、インバウンドで日本に三千万人の方が来ていただいておりますが、国別に見れば韓国がトップでございます。また、日本から韓国を訪れる方も、昨年一年間で二五%、対前年比でふえておりますので、国民同士の交流という意味では、日韓は実はいい方向に向かっているわけでございます。  さまざまな出来事がございますが、一番のネックになっているのは、旧朝鮮半島出身労働者に関する大法院判決、これが日韓の両国関係の法的基盤を損ないかねないという、これが一番の問題でございまして、これをしっかりと韓国側に対応していただかなければなりません。そこについては、累次の外相会合の中でさまざま話をしておりますし、日韓議連の額賀会長にも韓国を訪問をしていただいて、先方とさまざま意見交換をしていただくなど、外交努力を続けてきているところでございます。  日韓関係は、安全保障の面でも経済面でも非常に重要な二カ国の関係でございますので、この厳しい状況をしっかり乗り越えて、またいずれ未来志向の日韓関係を議論する、そういう場面に戻していきたいというふうに思っております。
  67. 岡田克也

    ○岡田委員 もうこれで終わりますけれども、北朝鮮の問題にやはり日本が主体的にかかわっていく状況をつくっていかないと、かつてのKEDOのときのように、決まるのは米朝間で決まって、請求書だけが回ってくるということにもなりかねないし、トランプ大統領の発言を見ていると、相当大きな請求書が回ってくることにもなりかねない。  ぜひ、ここは日本外交の踏ん張りどころだと思いますから、頑張っていただきたいと思います。  終わります。
  68. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 次に、小熊慎司君。
  69. 小熊慎司

    ○小熊委員 国民民主党の小熊慎司です。  一月二十八日の河野大臣の外交演説、私もすごくよかったなというふうに思いますし、我が党の同僚議員である篠原孝代議士も御自身のブログで大絶賛をしていまして、安倍総理の空疎で美辞麗句はもう聞くにたえなかったけれども、河野大臣の外交演説はすばらしかったと。あと、特に、国連の機関のトップに与野党を超えて政治家もなって、我こそはというとき手を挙げたんだけれども、年齢を考えて手をおろしたということを書いていました。  年齢に関係なくやれればいいなと思いましたし、適材適所という言葉を気にしなければ、私も手を挙げようかな。自分に何のスキルがあるかといえば、宴会パーティー要員というのがないということに気づいて、私も手をおろさざるを得なかったわけでありますけれども。  また、この委員会の質疑は丹念に大臣に聞いていていただけるなと思ったのは、地道に寺田委員が公邸料理人の話を提案をしていたのもしっかり入っていた、また、ODAに関しても前向きなことがあったということで、非常に私もよかったなというふうに思っています。  その外交演説の中で、これは確認みたいな質問になりますけれども、安保理改革のところで、二十一世紀の現実が反映されていないという言及がありましたが、この二十一世紀の現実というのはどういうふうに大臣は捉えているのか、お伺いいたします。
  70. 河野太郎

    ○河野国務大臣 国連が創設されたときは恐らく五十カ国程度だったのが、今、百九十三カ国になっておりますし、当時はアフリカに独立国というのは極めて少なかったのが、今、アフリカで五十四カ国を数えるわけですから、アフリカだけで当時の国連加盟国より数が多いということになっているわけです。また、当時と比べて、さまざまな経済状況も変わっている。  また、これだけ国際化が進んでくると、ASEANとかEUといった地域連合、もちろんAUもそうですし、地域連合のようなものもあれば、NGOのような国境を越えた市民社会の活動というのも重要になっているわけですが、では、それがどれだけこの安保理の中に反映をされているかというと、それはないわけですし、日本も世界第三の経済大国という中で、アジアで民主化をリードする立場にあると言ってもいい日本の立場というのも、残念ながら現実に反映されていないという状況がある中で、これは、やはり一度、二十世紀半ばの状況から離れて、二十一世紀の現在、あるいは二十一世紀のあるべき姿を反映した国連、特に安保理というものをつくらなければならないと思います。  今、安保理の中で議論される議題の中で、アフリカがかかわってくるものというのは非常に多いわけですが、そのアフリカの中で安保理が、常任理事国が一つもない、そういう現実もございますし、何か物事を決めようとしても、五つの国が持っている拒否権で重要な物事が前に進められないということで果たしていいのか。その五つの国が、五つの国のどこかが議論をとめてしまう拒否権を持っているだけ、そんな世界情勢なのかというと、恐らくそれは違うんだろうと思います。  そういうことを考えて、それぞれの国あるいはそれぞれの国民が信頼に足ると考えてくれる国連安保理というのをつくっていく、それも、早急にやる必要があるというふうに思っております。
  71. 小熊慎司

    ○小熊委員 まさにそのとおりでもあり、また、常任理事国の話もありましたけれども、常任理事国も大きく国が変容していて、ソ連とロシアは本当は違う国なんですけれども常任理事国にとどまっていて、中国も今や自由貿易を叫び、ファーウェイなんかは三権分立と、自分の国が三権分立があるのかどうかというのもある中でそういうことを言っているということで、常任理事国自体も大きく変容しているというところがありますので、これは大臣が言うとおり大きく改革をしなければならないけれども、とりわけこれがおくれているのは、やはり、ほかの国が理解がないのではなくて、常任理事国が、自分の既得権益ではないけれども、そこを変えたくないというところがあるというふうに思います。  今大臣の言った取り組むべき考え方というのは、これはもう誰しもが否定をしないし、世界からも支持をされる考え方ですけれども、実際に、では具体的にはどうやっていくのか。とりわけ、世界の理解というのは得られると思います、じゃなくて、常任理事国たちにそうした考えを理解させていくためには具体的にはどうやってやっていけばいいのか、お聞きします。
  72. 河野太郎

    ○河野国務大臣 まず今やろうとしているのは、安保理改革が必要だというと、反対する国は極めて限られた国だけで、多くの国はそうだと言ってくれますが、これは、そうだそうだと言っているだけでは何も進まないので、今、日本は、さまざまな国と連携をして、では、文章に基づいて交渉を始めようということを申し上げております。この交渉をまずしっかりと始めたい。それに対して、さまざまな国が後ろから、交渉に乗るなとか交渉を始めるな、こう言っているという話もございますが、そこは正々堂々と交渉しようじゃないかということを申し上げたいと思います。  この百九十三の中で、限りなく百九十に近い国々がまとめたものというのは、それは幾ら残った幾つかの国が反対をしようとも、その流れがきちんとできれば、その流れにさお差すというのはなかなか難しくなってくると思いますので、まずテキストベースの交渉を始めるというのが最初の一歩だと思いますので、それを実現できるようにしっかり頑張っていきたいと思います。
  73. 小熊慎司

    ○小熊委員 これは日本の外交力、総力を挙げてやらなければいけないと思いますし、我々議員の側も、与野党を超えて、議員外交なども通じて、こういうことに力を加えていきたいというふうに思いますので、ぜひまたいろいろな形で意見交換をさせていただき、連携をとらせていただきたいというふうに思っていますので、よろしくお願いします。  また、次に、外交演説の中に、文化で稼げるように頑張るんだというところがありました。まさにそのとおりですし、あのくだりでよかったのは、日本の文化予算が足りていないという反省もあったという、指摘をしていただいたというところもまさにそのとおりでありますし、フランスと韓国の例を挙げていました。フランスは文化を前面に出していますし、韓国においては、とりわけ映画の部分においてなんかは、日本の数倍も国が支えてやっているということで成功しているというのもありますから。  では、文化で稼ぐというのは、どうやって具体的にはやるんだという話なんですね。
  74. 河野太郎

    ○河野国務大臣 稼ぐといったときに、現実的に金を稼ぐ部分と、例えば、漫画やアニメを通じて日本に興味を持ってもらって、日本語を勉強する、あるいは日本に来る、日本に興味を持つ、そういう親日派、知日派と言われる人たちをふやすという意味で稼ぐというのもあるんだろうと思いますし、何となく、日本に対する憧れをいろいろな国のいろいろな人が持ってくれるというのも、この稼ぐという中に私は入れているつもりでございます。  今委員おっしゃったように、日本の映画やドラマや歌を海外で売って収入を上げるというのも当然、これはもう漫画やアニメではいろいろなことが起きていますが、例えば、そこの契約が今うまくいかなくて渡し切りになっちゃっているというのは、もう少し法律面できちんと対応することをやっていかなきゃいかぬと思いますし、韓国のドラマなんかと比べると日本の方が売れていなかったり、それは原因は何なんだろうかということを考えていかなきゃいかぬ。  あるいは、今、大勢の方が日本にインバウンドで来てもらって、日本の風景、日本の料理、あるいは渋谷の交差点に至るまでインスタで撮って展開をしてくれているというような状況もありますから、そこは、日本のいいものをどんどん世界の人に知っていただいて日本に興味を持ってもらうというのが、この文化で稼ぐというもののまず第一歩というふうに考えております。
  75. 小熊慎司

    ○小熊委員 私も、最近、海外の人が日本に来ていて、何で日本に興味を持ったのというと、やはり漫画、アニメということが本当に多くなりました。  ただ一方で、これは確かに足りていないし、効果は、今大臣言ったとおりで、あるんですけれども、例えば漫画といっても、フランスで一番評価されていた、もう亡くなりましたけれども、谷口ジローさん、勲章までもらっているのに、では日本はどうだったんだ、何もしていないというか、そういう状況にもありました。だから、まだまだ、世界で評価されているのに、それをもっと広げましょうという話じゃなくて、世界で評価されているのに日本側が気づいていないという部分があって、だから、もうちょっと国が支援をすればもっと広がるのに、気づきが、実は世界の人にないんじゃなくて、世界は知っていて、我々がないんだというところがあると思います。  ですから、今言った大臣の狙いはいいんですけれども、逆に、変わるべきは我々であって、それでもっとそういう効果が上がってくるというふうに思います。  予算的なこともあるところもありますから、これはしっかりそれを捉えてやっていただきたいと思いますし、その中に、何回もこの委員会でも、原発事故に由来する風評被害のことも、リスクコミュニケーションといったストレートなことではなくて、まさに文化を通じて、福島県に来てもらう、東北に来てもらうということが、今の段階はもっとやらなきゃいけないこと。  一つの成功事例でいえば、青森県は、台湾の女優さんを使ったら、もう一番伸び率があるとおり、それは何もリスクコミュニケーションで、東北は大丈夫ですよという情報発信じゃないわけですよ。これは、福島のことも、福島は安全ですよという言い方ではなくて、まさに映画とかそういうソフトなコンテンツの情報発信を福島からしていくことによって払拭をしていくということが必要だというふうに思います。  ただ、ここでちょっと足りていないことの一つに、いろいろな省庁、連携してやらなきゃいけないんですけれども、とりわけ外務省の方々は真面目な方が多いので、そういう文化、高尚な文化を知っている人は多いと思いますけれども、サブカルチャーみたいなものには全然疎い人がちょっと多いなというふうに思いますので、これもいろいろな人の提言を受けながら、売り込みを図っていかなければいけないというふうに思いますが、大臣、どうでしょうか。
  76. 河野太郎

    ○河野国務大臣 高尚な人が外務省にたくさんいるかどうかはよくわかりませんけれども、例えば、「ゴルゴ13」を一巻から最後までずっと読んでいて、作者のさいとう・たかをさんの御了解をいただいて、新しい絵は描かないけれども、今まである絵は自由に使っていいといってつくったのが、あのゴルゴ13と外務省がコラボしたやつで、あれはゴルゴ13を全部知っている人間が外務省にいたからこそできたわけでありまして、それを聞いたときには、ちょっとすごいのがいるなと思いました。  今ここにつけているODAマンも、これも、鷹の爪団をどこかから発掘してきたのがおりますし、ODAマンみたいな人がそこに座っていますけれども、キティちゃんやらピカチュウも大阪万博で随分使わせていただきましたし、もう文化といったときに、伝統文化、ポップカルチャーに限らず、使えるものはみんな使わせていただきたいというふうに思っております。
  77. 小熊慎司

    ○小熊委員 僕もゴルゴが好きなので、あれはよかったなと思ったんですけれども、若い人には、あれは知らぬということで、だから、一人の熱い思いというのも大事なんですけれども、そういうことではなくて、前にもフィギュアもちょっと売り込みをやっていたようなところもありましたから、自分が好きなものをやるという個人のことじゃなくて、だったら、じゃ、谷口ジローは知らなかったからやらないみたいになっちゃうから、客観的にちゃんと把握して売り込みを図っていただきたいというふうに思いますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  また、文化発信ということで、これはまた違う機会にやりますけれども、ことしはアメリカにおける日系移民百五十周年です。昨年はハワイ、ゼロイヤーのやつが、国が支援をしていただいて、ハワイで大きな式典があり、皇族の方も行かれましたけれども、ことしはアメリカそのものの日系移民百五十周年です。イギリス人からすればプリマスに等しいものがカリフォルニアで、歴史的事実が残っているところに、今、国の方の関与がちょっと薄い状況であります。現地のサンフランシスコ総領事館は連携をとらせてもらっていますけれども、これはぜひ今後とも支援をいただきたいなというふうに思っていますので、お願いします。  次に移りますけれども、昨年、JICAボランティアの制度が変わりました。この中において、これからまた発展性を持っていかなければならないんですけれども、この制度変更に伴って、今までと特段違う点、細かいことはいいです、大きく違う点などをまず御説明いただきたいと思います。
  78. 梨田和也

    ○梨田政府参考人 今回の見直しは、二〇一七年秋の行政事業レビューの指摘を受けて見直しを行ったものです。  主な変更点は三つあります。  一つは、今まで、二十歳から三十九歳を青年、四十歳から六十九歳をシニアという区分で待遇を変えておりましたが、今回、この年齢区分は撤廃して、一定の技能、経験があるかということで待遇を変えるという制度にしました。  二つ目は、名称をJICAボランティアからJICA海外協力隊に変更しました。英語名JOCVは変更ありません。  三点目、現職参加者の所属先への人件費、給与の補填、これを廃止。一方で、各種の保険といった、参加者の雇用を継続するためにどうしても必要な経費、これは引き続き支払う。また、現地生活費、住居費なども改善の方向で見直しを行いました。  以上です。
  79. 小熊慎司

    ○小熊委員 ありがとうございます。  先ほど櫻井議員も質問されていましたけれども、私は、大臣が言ったNGOとの競争みたいなところは、逆に、切磋琢磨してお互いに相乗効果を上げていくというふうに解釈をしましたし、私は今まで、まあ、JICA本体そのものがどうかは別として、協力隊の隊員がやってきたこと、積み上げてきたことというのは、さっきの文化発信と同じで、非常に大きなものがあったと思いますし、そもそも、歴史をひもとくと、この創設のときに国会でも議論があったときに、当時の坂田道太代議士がこの理念をしっかり打ち立てたというのはよかったと思います。  当初は技術系が七割ですよ。今はもう技術系は下がって、ソフト分野の教育、文化、スポーツといったものが七割です。女性隊員も二十年前にもう既に男性隊員を超えているというのもありますし、これからの少子高齢化、人口減少の中でどうやって隊員を確保していくか、人材を確保していくかという課題とこそ闘っていかなければいけないところでありますし、その中で、やはり、ほかの産業界もそうですけれども、シニア層の活躍というのももっともっと伸ばしていかなければならないわけですから、これからの協力隊の体制をもっと手厚くやらなきゃいけません。  その坂田さんが言っていたのは、技術系というのは結局上下関係になっちゃう、教える、教わるということで。でも、そうではなくて、行ったときに、水平の人間関係で、まさに日本人として共生をしていくんだというところでやらなきゃいけないというところです。今、そのソフト分野が七割になっているということは、坂田代議士が言っていたこの狙いというものをまさにストレートに出せる、出さなきゃいけない今の情勢になっているというふうに思います。  ですから、ここは、私は、そういう意味では、現地で、ほかのいろいろな国の国際ボランティア機関もありますし、こうしたところと競争するというよりも、切磋琢磨して相乗効果を上げていくという視点で、さらに日本に本部があるNGOなんかとも、競争ということではなく、そういうふうにやっていくべきだなというふうに思います。  近年では、アフリカ連合の中にもそうしたボランティア機関ができていますし、ASEANにもできてきたというところがありますから、日本は一日の長がありますので、そういう意味では、NGO又はほかの国のそうした国際ボランティア機関とも相互に切磋琢磨をしていくという体制が必要であると思います。  ただ、人材確保はなかなか成っていきません。これは制度改正もなされましたけれども、OB、OG会で組織しているJOCA、青年海外協力協会との連携もうまくやっていかなきゃいけないと思うんですね、ある意味、活動の面でも、人材確保についても。  これも変わっていくわけですよ。今までJOCAが隊員の募集に前面に立ってやっていたものが、新たな事業として、民間競争入札で行われましたけれども、これは二〇一八年度から二〇二一年度にわたる入札でありましたが、ボランティア募集関連業務ということでやりましたけれども、これはちょっと、大臣、精査して、その要項は立派なんですけれども、その入札をとった民間会社のは立派ですけれども、これは本当に現場レベルからすると大丈夫かなということがありますから、これは二一年度までの事業ですけれども、しっかりちょっとチェックを厳しくして見ていただきたいなというふうに思っています。  そのように、今までJOCAがやっていたことをこれでやるんですけれども、JOCAがやっていたことも、満点ではなかったけれども一生懸命やっていましたよ。でも、それを超えているのか、超えていないんじゃないの。それこそ、書類は立派だけれども。この点については、しっかりちょっと注目をしていただきたいというふうに思います。  何かあれば。
  80. 梨田和也

    ○梨田政府参考人 どうもありがとうございます。  JOCV、協力隊の発展にはJOCAが不可欠だということは論をまたないと思いますが、一方で、やはりかつても、JOCAと癒着といいますか、一者応札といいますか、そういった競争性を入れるべきだという御指摘があったことは私も胸に刻んでおります。  そういった中で、OBでつくるJOCAが先頭に立ちながら、より多くの人が協力隊のあり方を支援していただける、そういった絵姿をつくっていきたいと考えています。
  81. 小熊慎司

    ○小熊委員 その募集の件については、JOCAの手から離れてこっちに行っちゃっているので、これはちょっと厳しく見た方がいいと思いますので、よろしくお願いします。  次は、原発輸出政策についてお話をさせていただきます。  これは、はっきり言えば破綻を来しました。安倍政権の中では成長戦略の一つとして位置づけていましたけれども、何の成果も得られませんでした、今のところ。これはやはり見直した方がいいと思います。  これを質問するに当たって、皆さんのお手元の配付資料、一カ月前に頼んだのが、一カ月かかってやっと来たんです。紙っぺら一枚で、これのより詳細なものと言ったら、一週間かかっても来なくて、きのうの夜、あしたの質問で使いたいんだと言ったら、やっときのうの夜によこしてきたんですね。これ一枚つくるのに一カ月ですよ。  国民の貴重な税金を使って、しかも失敗してしまった。これは直接の真水の部分だけですから。JBICなんかに入れているお金を見れば、もっと逆に公的なお金が使われていて、何の成果もないということで、これは安倍政権としてちゃんと説明責任、反省をしてもらわなきゃいけないんですよ。  まず、この点についてどうですか。
  82. 関芳弘

    ○関副大臣 資料が遅くなりました点、おわび申し上げて、できるだけ早く出せるようにまた努力してまいりたいと思います。  金額からしますと、資料でございますとおりですが、合計をいたしますと、原発輸出推進に関しまして、事業の実施可能性の調査等の事業を、国からの合計でございますけれども、五十二億円を支出しているところでございますが、安倍政権としまして、原発輸出を成長戦略の柱に位置づけているところでございますけれども、今いろいろ報道がなされたりはしているところでございますが、まず、トルコの原発建設プロジェクトにつきましては、現在協議を行っているところでございまして、何らかの決定がなされたということの事実はまだないところでございます。  また、英国につきましても、日立は今後、英国のエネルギー政策に貢献すべく、本プロジェクトを含め原子力発電システムに関する英国政府との協議を継続しているというところでございますので、今のところ、原発輸出が破綻という御指摘はそのまま当たっていないとは思うんですけれども、今後、原発輸出につきまして、日本の原子力技術に期待を世界の方からしていただいているところ、相手国の意向を踏まえまして、安全最優先ということで、世界におけます原子力の平和利用、また気候変動問題への対応にしっかりと責任を果たしていきたい、その方針につきましては変更のないところでございます。
  83. 小熊慎司

    ○小熊委員 破綻していないという認識でありますけれども、これは、各マスコミ含め、そんな認識ではいない。このずれをまず感じていただかなければならない。破綻していないと言っているのであれば、多くの国民またマスコミ等を含め、大きくずれていますので、それに対して理解を得られる説明責任も果たしていないし、勝手に経産省だけが破綻していないと言っているだけですから。  この国民的なずれ、世間感覚のずれについては、どう副大臣は問題意識を持っていますか。今、破綻していないと言ったけれども、そんなことを理解している人はいませんよ。マスコミもそうですよ、NHK始め民間も。ずれていますよ。  ずれている我々が間違っているということで、じゃ、どう努力していくんですか、理解を得られるように。これは国民の税金を使うんだから、国民の理解がなければ、そんな進めるべきじゃないですよ。我々が間違っている、国民が間違っているんだったら、どう説明責任を果たしていくんですか。そういう意味での責任を果たせと言っているんですよ、安倍政権。果たしていませんよ。  副大臣、どうですか。
  84. 関芳弘

    ○関副大臣 これは、両国、二つの国が、日本だけではなくて相手国が関与することでございますので、きちんとした結果、結論が出ましたときには、それはまた、きちんとした結果が出たということで、その時期をもってまたその実際についての発言があると思いますので。  ただ、原発の輸出につきましてでございますが、日本の原子力技術に対する期待は、これは日本の方から売り出していこうというよりは、各国の方からも当然寄せられているところでございますので、安全性を最優先とした前提のもとに、原子力の平和利用ですとか気候変動問題への対応、この責任を果たしていくと同時に、海外での原発事業の機会というのが、日本の原子力の人材、技術、産業基盤の維持強化に貢献もするものでございまして、これは、今後の日本の原発の安全な運転や保守、円滑な廃炉などにも資するものという点から政策意義があるという点につきましては、これはまた事実であると思いますので、こうした観点から、この原発輸出に関する予算を事業化したというところでございます。  ただ、そのプロジェクトにつきましては、いかんせん、その時期が参りましたら、ある結論がはっきり出た段階では、それはきちんとした報道がなされていくと思っております。
  85. 小熊慎司

    ○小熊委員 全然違う世界の人と話しているみたいで議論がかみ合わないんですけれども、世界の潮流でも、総電源における原発の比率は下がっていて、こんなのは電源の中枢になっていないんですよ、ベース電源になっていないんですよ。だったら、もっと違う、原発以外のところの技術を売っていくことの方が日本の果たすべき役割であるし、日本の技術を世界に広めていくというのは、そっちの方がパイが大きいんですよ、安全であるし。  核の不拡散ということをもってしても、これを広めるということは、世界の潮流、自然の趨勢に従っていないということだというふうに私は思いますし、その時代感覚のずれ、世界の潮流からのずれというのをしっかり認識してほしいし、国民的感覚からもずれているわけです。  だって、国が直接じゃないJBICなんかの場合だと、火力や水力に対して投資をするときは安全環境確認をするんですよ。ところが、知っていますか、副大臣。原子力の場合は、JBICは安全環境確認をしないんですよ。なぜか。それは国がやってくれるから。では、国がやっている安全環境確認はどうなんだといったら、さらっとしていますよ。こんなので大丈夫と思いますよ。  安全も確認しながらと言っているけれども、こんなのは世界も評価するような安全確認はされていませんし、JBICの場合は、火力と水力はみずからやっている。だけれども、原子力はJBICは手を出さない、国がやるから。こんな状況で、それも投資を進めていくということ自体もよろしくないんですよ、おかしいんですよ。  ここはやはり一旦立ちどまって、だって、今までは、途中で結果が出ていませんと言うけれども、途中結果でも全然、ぼろぼろじゃないですか、これだけ税金投入していても。もう一回立ちどまって考えるべきだし、見直すべきだと思いますけれども、これは日本の成長戦略、外交戦略の柱にもなっちゃっていますから、外務大臣としてはどう思いますか。
  86. 河野太郎

    ○河野国務大臣 申し上げたいところはたくさんございますが、外務省として原発政策を所掌しておりませんので、残念ながらお答えする立場にございません。
  87. 小熊慎司

    ○小熊委員 安倍内閣の一員として、河野外務大臣としても、しっかり成長戦略の柱から外して、違う形で世界に貢献していくということにぜひ取り組んでいただきたいということを、先ほど言ったとおり、原子力技術を輸出していくということは、ある意味では核の不拡散からも違う形になってしまいますから、ぜひ、もう時間もありません、立場にないということですが、安倍内閣の一員として、この方針を見直すということを河野大臣に努力していただくことを御期待申し上げて、質問を終わります。  ありがとうございました。
  88. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 次に、青山大人君。
  89. 青山大人

    ○青山(大)委員 国民民主党の青山大人でございます。  先日の河野外務大臣の所信について幾つか質問をさせていただきます。  その前に、一点、東日本大震災から間もなく丸八年になろうとしております。当時、私は茨城県議会の真っ最中でございまして、ちょうど議会の委員会で審議中に建物が揺れて、そして茨城県も、御承知のように、大きな被害となったわけでございます。その際に、海外からも多くの御支援をいただきました。その中でも、台湾の方がいち早く支援表明してくれたことや、多大な義援金をいただいたことも今でも覚えております。  そんな中、ちょっと話はそれますけれども、昨年の九月の十四日に、大阪に駐在していた台湾人の外交官の方がみずからとうとい命を絶ったという報道がなされました。聞くところによりますと、とても優秀な外交官だった、本当に台湾と日本の友好のために多大な御尽力をされた方というふうにも伺っております。  この台湾の外交官の方の自殺の発端と言われていますのが、昨年九月に起きた台風二十一号による関西国際空港での大規模な浸水被害の際のフェークニュースであったというふうにも言われております。  まだ記憶に新しいと思いますけれども、台風二十一号で一部が水没した関西国際空港では、大阪湾に停泊していた貨物船が流されて、本土と空港を結ぶ連絡橋に激突してしまい、橋が閉鎖され、中国人や台湾人を含む大勢の旅行者の方たちが空港内に取り残されてしまいました。その後、関西国際空港で手配したバスにより、無事に全ての乗客が脱出し、目的地まで運んだということだったと思います。  しかし、その際に、こういったフェークニュースが台湾国内で流れたそうです。中国の総領事館が独自でバスを手配し、中国総領事館が手配したバスで空港の敷地に入り、中国人の方だけを優先的に救出したと。  そのときに、台湾の大阪総領事館、済みません、台湾は一応国交がないので領事館とは言わないと思いますけれども、ちょっとわかりやすく、今回便宜的にそういうふうに言いますけれども、日本にある台湾の大阪総領事館の方ではそういったバスの手配等をしなかったため、何だということで、SNSや台湾メディアでそういった、台湾外交官がだめだみたいな、何で中国の方だけやって台湾の外交官の方はやらないんだみたいな感じで多く批判されてということでございます。  それが原因で、その外交官の方が責任を感じて、いわゆる大阪総領事だった方がみずからとうとい命を絶ったということでございますけれども、その後のファクトチェックにより、これは台湾人の大学生が発信したうその情報だと判明したとのことでございます。  私は、この報道や、いろいろこういった話を聞く中で、とても悲しい思いになりました、つらい思いになりました。異国の地で本国との友好に尽力している最中に、無念さがあったと思います。  大臣、この一連の出来事について、私はもう悲しいと思ったんですけれども、大臣はどのように感じられますでしょうか。     〔委員長退席、木原(誠)委員長代理着席〕
  90. 河野太郎

    ○河野国務大臣 御指摘の蘇啓誠処長が亡くなられたということは承知をしております。大変残念で、お悔やみを申し上げたいというふうに思います。
  91. 青山大人

    ○青山(大)委員 日本政府として何らかの手段で、そういった事実はなく、これはフェークニュースであった、そういったことを公表したりなどはできないでしょうか。
  92. 河野太郎

    ○河野国務大臣 特に考えておりません。
  93. 青山大人

    ○青山(大)委員 これは、外務大臣、私は他人事では済まされないというふうにも思っております。  今でも世界じゅうで、日本人の外交官の方たちが異国の地へ赴任され、日本との友好のために尽力をしているわけでございますけれども、例えば、そういった外交官の方が、フェークニュースによって日本国内で誤った情報が流されてしまって、つらい思いをするようなケースがこれからもあるかもしれない。  そういった中で、それは違うんだよというふうに例えば日本の外務大臣がかばったとしても、一旦そういうのが流れてしまうと、何かまるで身内をかばうみたいな感じに見られてしまう危険性もございますし、そんなときに相手国の方としてしっかりと、いや、それは事実と異なりますよ、そういったことを言っていただけたらどんなに、その方の名誉にもなりますし、結果としてお互いの友好にもなりますし、大変必要なことだというふうに私は思っております。台湾と国交があるとかないとか、そういった話とは別の次元の話かなというふうに思います。  改めて大臣に伺います。政府としてでなくて、何かしらこれについての考えはないでしょうか。
  94. 河野太郎

    ○河野国務大臣 熊本で地震がありましたときに、私は防災大臣と国家公安委員長を兼務しておりました。あのときに、ツイッターでフェークニュースが流され、その流した犯人を検挙したということがございます。  こういうインターネットあるいはSNSがこれだけ広まっていったときに、このフェークニュースというのをどのように取り扱うかというのは、これはもう全ての国民の皆様に関連をすることだというふうに思っております。  外務省として一つ一つのことに対応するということは今のところ考えておりません。     〔木原(誠)委員長代理退席、委員長着席〕
  95. 青山大人

    ○青山(大)委員 わかりました。  ただ、先ほど大臣も、お悔やみ申し上げますというふうに答弁していただきましたし、この質問については以上で終わりにいたします。  次の質問に移ります。  大臣の所信の中で、先日、我が国周辺の安全保障環境を踏まえつつ、近隣諸国等との関係の強化を進めます、こういった所信がなされまして、その中で、ちょっと韓国の件について質問させていただきます。  ほかの予算委員会等でもこれまで何度も質問されていますけれども、やはり、二月七日の、韓国の国会議長がアメリカのマスコミとのインタビューで、従軍慰安婦問題についてのあの発言については本当に大変遺憾でございますし、遺憾というか、もうただただあきれるばかりでございます。  外務省としても、当然大臣としても、これまで、強く抗議するとともに、さまざまな手法で謝罪と撤回を再三要求されたというふうにも伺っていますし、二月十三日の衆議院予算委員会でも、総理も、韓国に対して引き続き謝罪と撤回を求めていく、そういった答弁もなされました。  繰り返しになってしまうかもしれませんが、そういった二月十三日以降も含めて、外務省として韓国側にどのような手法で謝罪と撤回を求めているのか、まずはお伺いいたします。
  96. 河野太郎

    ○河野国務大臣 この文喜相韓国国会議長の一連の発言というのは、これは甚だしく無礼であり、不適切な発言だというふうに思っております。  この発言が深刻なのは、国会議長というよりは、韓日議連の会長を務めたこともある方の発言だからでありまして、韓日議連あるいは日韓議連というのは、これまでも両国の関係が、さまざま山、谷ありましたけれども、両国の関係が極めて厳しいときに、日韓議連、韓日議連の幹部の方々が前へ出てきて両国関係をしっかりと強くする、あるいは維持していくための努力をしてくださったという意味で、この韓日議連という組織は日韓両国関係において大変大切な組織でありましたが、その組織のトップを務めた人がこのような不適切な発言をするということが、我々としては非常に驚きましたし、また残念でございました。  我々としては、韓国側に謝罪と撤回を求めておりますが、それと同時に、これは韓国の国会議長の発言というだけでなく、韓日議連の会長を務めた人間がこのような発言をするようになったということへの驚きと、残念であるということもあわせて申し上げてまいりました。  引き続き、謝罪、撤回をされるように我々としては望んでおりますが、韓日議連について、やはり、韓国側の心ある政治家の方々がこの韓日議連というものをしっかりと立て直してくださることを我々としては期待をしたいというふうに考えております。
  97. 青山大人

    ○青山(大)委員 ありがとうございます。  今大臣がおっしゃったように、もともと親日派といいますか知日派の方がそういった発言をされる、本当にただただ驚くばかりでもございますし、この一連のレーダー照射事件ですとか徴用工問題とか、本当に今さまざまな日韓問題を抱える中で、ただ、この件だけは本当に決して許されないものだなとも思います。  もちろん、今大臣がおっしゃったように、本当にさまざまな手法でやられているのはわかっていますけれども、場合によっては駐韓大使の召還も含めて、より強い姿勢で臨むことも必要なのかなと思いますけれども、それについてはどうでしょうか。
  98. 河野太郎

    ○河野国務大臣 そのようなことは全く考えておりません。
  99. 青山大人

    ○青山(大)委員 わかりました。  いずれにしましても、引き続き謝罪と撤回を求めて、相手が誠意ある対応をするように、さまざまな手法でこれからも交渉をしていってください。  次の質問に移ります。  日中関係について質問させていただきます。  茨城県では、日立市にある北関東最大級の動物園、かみね動物園というのがございます。このかみね動物園と茨城県が連携してパンダの誘致に取り組もう、そういった方針を決め、茨城県でも新年度の予算に調査費ということで事業を計上をしております。  これまで、中国は外交の重要局面でパンダをほかの国に贈ったりする、いわゆるパンダ外交をされているわけでございまして、もちろん今はワシントン条約の規定で一九八四年以降は贈呈できない動物で、あくまでも繁殖のための貸与としてパンダを国外に贈っていることも承知でございます。  昨年十月、総理が訪中された際に、日本に新たなジャイアントパンダを貸与するように中国政府に求めたというふうにも聞いておりますが、その際、どういったやりとりがあったのか、まずはお伺いさせていただきます。
  100. 河野太郎

    ○河野国務大臣 私も、上野動物園にカンカン、ランランが来たときに、それにも驚きましたけれども、行列のすごさにも驚いたという経験がございまして、今、日本は全部で十頭いるんだそうでございます。  それで、総理が訪中をされたときに、日中双方で、パンダの供与に関する環境を整備すると同時に、パンダの繁殖研究を後押しするため、政府間で覚書の作成に向けた交渉を速やかに進めようということで一致をいたしました。  これは、中国がどこかの国に繁殖研究ということで貸し出したパンダが、ちょっと正確にはあれなんですが、亡くなってしまったか何かで、自治体間あるいは動物園同士の取決めではなかなか責任が持てないということで、まず国と国の覚書を締結してやりましょうということでやろうということになったというふうに理解をしておりますので、外務省としては、この覚書の作成に向けて速やかに努力をしてまいりたいというふうに思っております。  一義的に、パンダの誘致は自治体と動物園でやられるというふうに承知をしておりますので、ぜひ頑張ってくださいというのもちょっと他人事みたいであれでございますが、何か外務省の方で御協力が必要なことがあれば言っていただければというふうに思っております。
  101. 青山大人

    ○青山(大)委員 まさに、今大臣が御答弁いただきましたように、基本的に自治体動物園の話ですけれども、やはりそういった、繁殖でうまくいかなかったケースもあって、自治体だけでは対応できない部分もありますので、もちろん、国としても、外務省としても、そういった自治体の動きに対して積極的にバックアップしてほしいなと要望させていただきますし、もしパンダの新規貸与が実現すれば、二〇一一年以来というふうにも聞いています。  今、神戸市ですとか仙台市が以前からパンダの貸与について取り組んでいる中で、茨城県は本当につい最近の話ですので、非常にまだまだ周回おくれでありますけれども、先ほど申しましたように、北関東一の動物園、日立市のかみね動物園茨城県パンダ誘致に取り組むことを表明しましたので、大臣もぜひ認識していただいて、今度のG20も、茨城県つくば市でも大臣会合をやりますし、含めて、バックアップの方を重ねて要望をさせていただきます。  この質問については以上で終わりにいたします。  続きまして、これも近隣諸国の関係で、先日、外務省の地域の魅力海外発信支援事業というものの一環で、茨城県を含めて五つの道県と多くの中小企業で、ロシア・モスクワの方で日本のイベントと大規模な商談会を開催したとのことでございます。  茨城県は、NPO法人の日露友好親善協会の磯崎久喜雄さんという元県議会議長、今は御勇退されたんですけれども、その方を団長として、地元の中小企業と一緒に参加されたわけでございますが、まずは、この一連の、今回のロシアでの地域の魅力海外発信支援事業の総括と今後の期待や成果についてお伺いをいたします。
  102. 河野太郎

    ○河野国務大臣 茨城県には、地域の魅力海外発信支援事業に参加をしていただきまして、北海道、茨城、新潟、山口、沖縄、この五県がイベントに出展をしていただきました。モスクワ市内の商業施設において開催されたこの事業の中は、各自治体がブースを出展していただいて、観光名所や特産品の紹介をしていただいて、二日間で二万人来場していただいたと聞いております。  また、三月四日には、在ロシア日本国大使館において、茨城県を含む地方の企業とロシアの企業約八十社との商談会が実施されました。茨城県からは三社ですかね、お酒、干し芋、環境配慮型洗剤という三社に御参加をいただきました。  ロシアにおける日本の各地の魅力ある産品を発信することができたのではないかと思いますし、スペシャルセレモニーにはザギトワ選手と秋田犬のマサルが来てくれたということもあって、それなりにニュースにも取り上げていただけたのではないかというふうに思っております。  外務省として、引き続き地方の産品の魅力発信ということは続けていきたいと思っておりますし、こうやって現地に行くものとあわせて、都道府県別に、飯倉公館を使っていただいて、都道府県と共催でレセプションもやらせていただいております。海外から日本に来られている大使、あるいは海外の商工会議所その他、レセプションに出席をいただいて見ていただいておりますので、こうしたことを地道に外務省としては続けてまいりたいというふうに考えております。
  103. 青山大人

    ○青山(大)委員 こういった地方自治体ですとか中小企業の海外進出支援といった事業は、外務省のみならず、経済産業省、そして当然ジェトロなども取り組んでいますけれども、私はとても重要だなというふうに思っております。  先般も、外務省さんやジェトロさんの御支援をいただきながら、若手の中小企業経営者約二十名でカンボジア・プノンペンの方に私も一緒に行ってきました。プノンペンに限って言えば、経済成長も著しくて、中国資本もとても多いんですけれども、例のカンボジアの内戦以降の日本の支援活動がやはりきいていて、とても親日な方が多いなという印象も受けましたし、そういった中で、やはりそういう支援をもらいますと、いきなり個人で行っても会えないような方々との面会や、現地で活躍している日本企業への視察など、そういったことをしてもらって、参加者からも大変好評でございました。そのうち数社が、既に新たに海外展開に向けて早速取り組み始めたところでもございます。  そういった中で、ぜひ、繰り返しですけれども、外務省として、中小企業の支援ということで、もちろん現地での日系企業の相談窓口体制も当然必要ですけれども、新たに進出しようとする地方自治体や中小企業の支援活動にも、これからも、経産省に負けず劣らずといいますか、経産省と当然共有しながらやっていってほしいなと思います。  特に、この地域の魅力海外発信支援事業、大体見ると年間二回ということですけれども、今後はより回数をふやしていったりですとか、地方自治体により参加を促してもらうことなどが必要だと考えますけれども、大臣の御見解をお伺いいたします。
  104. 河野太郎

    ○河野国務大臣 大企業だけでなく、中小企業にさまざまな形で海外展開をしていただくというのは、これからの日本経済を考えたときにも、あるいは日本外交を考えたときにも非常に大事だと思いますので、外務省としては、できる限りの御支援をしてまいりたいというふうに思っております。  在外公館はそういうことができる体制をつくっておりますので、御要望があればしっかりと対応できるようにしてまいりたいというふうに思っております。  予算に限りはございますが、できるところから積極的にやっていきたいと思いますし、また、具体的にこういう支援が必要なんだというものがあれば、ぜひ言っていただければ、そうしたこともメニューに加えていけるように検討していきたいというふうに思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
  105. 青山大人

    ○青山(大)委員 ありがとうございます。  茨城県も、昨年だけでも、常陸牛、トップセールスで、アメリカの東海岸、西海岸に行ったりですとか、茨城県内の各自治体でも、境町なんかはハワイで、ふるさと納税をもとに財源を集めて花火を打ち上げて、何か日本ハワイフェスみたいなものをやったり、結構本当に若い首長さんたちがそういった積極的にやっている中で、ぜひ、外務省の方も、相談体制ですとか、そういった支援をできればというふうに思っています。  最後の質問に行きます。  これは、昨年の十一月のこの外務委員会でも質問いたしました。東日本大震災による原発事故、先ほども言いましたように、間もなく丸八年になろうとしていますけれども、やはり、日本産食品の輸入規制、まだまだ続いております。その解除についての質問を前回の外務委員会でいたしました。  最近の規制解除の動きですとか、最近の政府の格段の取組について改めてお伺いいたします。
  106. 河野太郎

    ○河野国務大臣 輸入規制措置を導入した八十一カ国・地域のうち、三十カ国・地域で規制が完全に撤廃をされ、四十九の国・地域でも緩和措置がとられるようになりましたが、いまだ輸入規制が残っている国がございますので、そこはしっかり対応してまいりたいというふうに思っております。  各国の報道関係者あるいは影響力のあるキーパーソンを被災地に招聘をするなどして、この風評被害を払拭し、規制緩和へつなげるための取組というのを行っておりますし、また、さまざまな先ほどのイベントなどを通じて日本産の食品の安全性や魅力の発信というものをやってきてございます。また、SNSなどを活用して、一般市民を対象に、それぞれの国でソフトな情報発信ということで取組をしているところでございます。  中国などでは、食品の見本市、あるいは日本紹介イベントなどを通じてこうした働きかけをしているところでございます。  香港では、昨年七月、茨城、栃木、群馬、千葉の野菜、果物などの輸入停止措置を条件付で解除していただきました。まだ福島県が残っておりますので、これは引き続きやりたいと思っております。  また、台湾は、昨年の十一月、いわば公民投票という形で、ちょっと消費者の御理解を得ることができなかったというのは非常に残念でございますが、台湾につきましては、早期撤廃につながるように今さまざま努力をいろいろしているところでございますので、これは引き続きやってまいりたいと思っております。
  107. 青山大人

    ○青山(大)委員 済みません、これは政府参考人の方で結構なんですけれども、いろいろ外務省の資料を見ていまして、シンガポールが何か輸入停止を含む規制というのに一部なっていて、もう一個はことしの三月にシンガポールは解除されましたよとなっているんですけれども、シンガポールの現在の輸入の規制状況についてちょっと簡単に御説明いただけないでしょうか、特に茨城県の方を中心に。
  108. 山上信吾

    ○山上政府参考人 お答えいたします。  今大臣から答弁ございましたように、輸入規制の撤廃を働きかけているということで、例えば昨年の話ですと、トルコ、ニューカレドニア、ブラジル、オマーンといったところが輸入規制を撤廃するという動きを見せております。  お尋ねのシンガポールでございますが、まだ輸入規制の撤廃には至っておりませんが、緩和ということで、今具体的に言及いただいた、ことしの三月でございますが、例えば放射性物質の検査証明の添付を不要にするといった形で一定の緩和措置がとられたということでございまして、私どもとしては、さらなる緩和、そして最終的には規制の撤廃に向けて引き続き働きかけをしてまいりたいと考えております。
  109. 青山大人

    ○青山(大)委員 丁寧な御答弁をありがとうございました。  あと一点、昨年の外務委員会の質問のときに、河野大臣の方から御答弁で、特に茨城県産に対して、中国の動きについて非常に前向きに、規制解除と捉えられるような発言、御答弁がございましたけれども、今度のG20に向けて、国家主席の来日に向けて、中国は大きな規制解除の動きとかがあるんでしょうか。改めてお伺いいたします。
  110. 河野太郎

    ○河野国務大臣 中国は、昨年十一月、新潟県産の米の輸入規制というものを解除いたしましたので、これをきっかけに、これからも、規制緩和あるいは規制の撤廃に向けて動きがあるというふうに考えております。  外務省として、中国にしっかりと働きかけを続けてまいりたいというふうに思っております。
  111. 青山大人

    ○青山(大)委員 以上で私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
  112. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 次に、穀田恵二君。
  113. 穀田恵二

    ○穀田委員 日本共産党の穀田恵二です。  先月末に行われた第二回米朝首脳会談について質問します。  最初に、改めて、今回の首脳会談の結果に対する受けとめを河野外務大臣にお聞きしたいと思います。
  114. 河野太郎

    ○河野国務大臣 米朝で合意が成立しなかったことは残念と言わざるを得ませんが、事前の実務協議の段階で、なかなか進展は難しいということを日米で共有をしておりました。国際社会は、北朝鮮が大量破壊兵器あるいはミサイルのCVIDを目指すという、この決意でしっかりと団結をしておりますので、さらなる米朝プロセスを後押しをし、北朝鮮の非核化をしっかりと実現をしてまいりたいと思っております。  先ほども申し上げましたが、今回、ベトナムで会談が行われたということは、金正恩委員長に、共産党の一党支配、あるいはアメリカとベトナム戦争という戦争を戦ったという、このベトナムという国が、正しい決断をすれば経済をしっかりと発展させられるということを金正恩委員長の自分の目で見ていただこうということもあって、このベトナムという会場が選ばれたわけでございますが、そこについては、金正恩委員長がみずからハノイに出かけて、そうした状況を目でしっかりと見た、北朝鮮も経済発展のためには非核化が大事だということは認識をしてもらえたのではないかというふうに期待をしているところでございます。
  115. 穀田恵二

    ○穀田委員 アメリカ側は、今回の首脳会談の結果について、合意には至らなかったものの、いずれも建設的それから生産的だったと評価しています。  トランプ大統領は、会談後の記者会見で、非常に建設的な二日間だったと述べ、サンダース大統領報道官も、三月一日の声明で、米朝首脳は極めて生産的な会談を行ったと発表しています。ポンペオ国務長官も、昨年の首脳会談よりも前進したと強調しています。  このように、米側は、今回の首脳会談では米朝双方の主張の隔たりを埋めるまでには至らなかったものの、会談が成果のないものでは決してなかったと評価しています。  河野大臣も、その点ではそういうことの認識でよろしゅうございますね。
  116. 河野太郎

    ○河野国務大臣 金正恩委員長とトランプ大統領の首脳会談が続いているということに関して言えば、非常に、成果というんでしょうか、会談が続いているということについてはいいことだと思いますし、前回と比べて、実務者協議がなかなか結論を見るには至らなかったとはいえ、かなり丁寧なプロセスを前回に比べて踏んだということは一定の評価があるというふうに思います。
  117. 穀田恵二

    ○穀田委員 今大臣からありましたように、内容的にも、そういう準備の過程やその経過についても前進があったということについては共通の認識だと思うんです。  今回の首脳会談の結果については、北朝鮮側も、三月一日付の朝鮮労働党の機関紙、労働新聞で、生産的な対話を継続することになったと伝えています。今大臣からもありましたように、私も続いているということが大事だと思うんですね。  私は、昨年の米朝会談が行われる前に、この外務委員会で、南北の話合いが行われ、米朝が話合いをするということが報じられた中にあってこの発言をして、対話が継続することが今後大事だ、いろいろ紆余曲折はあるけれども、話合いを続けていくということが大事だということを当時主張しましたが、その意味でも私は大事なことだったと思うんです。  したがって、米朝双方が今回の会談を建設的、生産的だったと高く評価し、双方とも、今お話あったように、交渉を継続させることを表明している、ここが重要ですし、今大臣のお話にもあったように、極めて重要な位置づけといいますか、そういう点は共有できると思うんです。ツイッターなんかを見ていますと、トランプ大統領は、お互いのどこを、何を求めているのかわかり合えたということも言っていますので、私は貴重だったと思うんです。  そこで、今回の首脳会談について、関係国はどんな反応を示しているのか、韓国、中国、ロシアの反応について、外務省からお答えをいただきたいと思います。
  118. 田村政美

    ○田村政府参考人 お答え申し上げます。  韓国は、二月二十八日に、大統領府報道官が、首脳会談で完全な合意に至らなかったことは残念に思う、米国と北朝鮮が今後もさまざまなレベルで活発な対話を継続することを期待すると発表しています。また、三月四日には、文在寅大統領が、結果としては非常に残念だが、非常に重要な成果を確認できた旨述べたと承知しております。  中国につきましては、二月二十八日に、外交部が、米朝双方が引き続き対話を維持することを強く希望すると述べたと承知しております。  また、ロシアにつきましては、二月二十八日に、外務省が、トランプ大統領と金正恩委員長の米朝対話を継続しようとする志向を肯定的に評価している旨発表していると承知しております。  以上でございます。
  119. 穀田恵二

    ○穀田委員 今回の首脳会談について、今お話ありましたけれども、文在寅大統領は、今月の四日、過去と違う点があるとしまして、米朝が合意に至らなかったにもかかわらず、両国が互いを非難しなかった点や、両首脳が相手への変わらない信頼を表明し、対話の継続を通じて妥結の意思を明確にしたことを評価しています。  中国の王毅外相は、先月の二十八日、北朝鮮の李吉聖外務次官と会談した際に、米朝双方が辛抱強く対話を継続して歩み寄り、目標に向かって努力することを望むと述べています。  ロシア大統領府のペスコフ報道官も、同じく二十八日、米朝双方が柔軟性や譲歩を示し、少しずつ合意にたどり着く必要があるとの考えを明らかにしています。  私、先ほど報告ありましたように、共通しているというのは、対話と協議の継続を期待しているということと、また、半島の非核化と平和体制の構築を関係国として一緒にやっていくという意味での見解が明らかにされているというのが重要だと思うんですね。  このように、六カ国協議の関係国が共通して指摘しているのは、今お話ししたように、粘り強い対話と交渉の継続ということだと思うんですが、外務省はその辺についてどうお考えですか。
  120. 河野太郎

    ○河野国務大臣 北朝鮮とのあらゆる交渉が粘り強くやらなければいかぬというのは、もうこれまでの枠組み合意、六者協議その他から我々はよく学んでいることでございまして、当初、ポンペオ国務長官が北朝鮮といろいろと話合いを始めたころに、我々としては、これはもう粘り強くやるしかないんだ、北朝鮮というのは非常に交渉相手として手ごわい、だから、結果がすぐに出ないからといって落ち込む必要もないし、諦める必要もないというようなことを申し上げたことがございます。  やはり、きちんと対話を続けるということがこれは大事だというふうに思いますし、そのためにも、国際社会がこれまでのように一致団結しているということがやはり同じように大事だというふうに思っております。
  121. 穀田恵二

    ○穀田委員 その意味で、私も今お話ししましたように、六カ国協議の関係者がやはりそういう立場に立っているということについては、大事なことだと思っています。  何度も言いますけれども、やはり米朝というのは長年にわたって厳しく対立関係があったわけですよね。その意味では、非核化と平和体制の構築という事業を成功させるためには、長い、いろいろな経過がある話をまとめ上げるわけですから、それなりの時間がかかるということについては私は必要だと思っています。  そこで、当委員会への大臣の所信表明でもありましたように、米朝プロセスを後押しする立場を表明されているけれども、米朝両国が非核化と平和体制構築に向けたプロセスを前進させる上で何が重要だと認識されているか、外務大臣に基本の考え方だけお聞きしたいと思います。
  122. 河野太郎

    ○河野国務大臣 二つあると思っておりまして、一つは、やはり国際社会がこれまでのようにきちんと一致して安保理決議を履行していくということ、それからもう一つは、米朝間でお互いに信頼関係をしっかりと醸成していくということなんだろうと思います。  特に、北朝鮮に核、ミサイルの放棄を求めているわけですから、その後の体制の安全の保証というのがしっかりと得られるという確信が北朝鮮側になければなかなかCVIDにはつながらないということから、米朝間の信頼醸成が大事でありますし、逆に、国際社会はそれを後押しをするということもしっかりやっていかなければいけない。  ですから、北朝鮮に対して安保理決議を通じて交渉へ出てくることを促すと同時に、北朝鮮に対して、アメリカの体制の保証を国際社会である面担保するというようなことができるんだと北朝鮮に確信を持ってもらうということが大事なんだろうと思います。
  123. 穀田恵二

    ○穀田委員 とても大臣のは大事な発言だと思うんですね。  もちろん当たり前のことですけれども、やはり安保理決議に基づいて国際社会が一致して行う、しかも、そのことによって、全体が、国際社会が担保しているんだよということを相手にもわからせるという意味でも非常に大事かと思うんです。  同時に、今ありましたように、二つ目の、信頼関係の醸成という意味では、長らく対立関係にあった両国としては大変大事なことだと思うんです。  今回の首脳会談では、何が大事かということを浮き彫りにする事例がありました。北朝鮮の李容浩外務大臣が三月一日未明に行った記者会見によれば、北朝鮮側は、今回の首脳会談で、寧辺のプルトニウムとウランを含む全ての核物質の生産施設を、米国の専門家の立会いのもとで、両国の技術者が共同作業で永久的に完全に廃棄すると提案しています。これについて、李外相は、朝米両国間の現在の信頼基準で見るとき、現段階で我々ができる最も大きい非核化措置だと説明したそうですけれども、事務方の方に事実関係について確認したいと思います。
  124. 田村政美

    ○田村政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、三月一日未明に、北朝鮮の李容浩外相はベトナム・ハノイで記者会見を行いました。  その際、李容浩北朝鮮外相は、朝米当局の首脳は今回すばらしい忍耐力と自制力を持って二日間にわたり真摯に会談を行ったと述べた上で、我々は、第一回朝米首脳会談においてなし遂げた信頼醸成と段階的な解決という原則に基づき現実的な提案を行った、これは、朝米両国間の現在の信頼水準に鑑みると、現段階において我々が踏み出すことのできる最も大きな歩幅の非核化措置であると述べました。  また、委員御指摘のとおり、寧辺地区のプルトニウムとウランを含めて全ての核物質の生産施設を、米国の専門家による立会いのもとで、共同作業により恒久的に完全に廃棄するという提案を行ったということも述べております。さらに、李外相は、今後、米国側が交渉を再び提起した場合にも、我々の方策に変わりはないだろうということも述べております。
  125. 穀田恵二

    ○穀田委員 報告があって、李容浩外相の記者会見の内容はそういうことだと。  ここで着目すべきは、北朝鮮側が、寧辺の核施設廃棄の提案について、これが現段階の米朝両国間の信頼水準で可能な最大非核措置と主張したことだと思うんですね。現段階の米朝両国間の信頼水準というのは、すなわち、これが最大の提案だという態度を示したということだと思うんです。  この北朝鮮側の対応からも、米朝両国が非核化と平和体制の構築を達成するためには、互いに相互不信を解消し、先ほども外務大臣もお話あったように、一層の信頼醸成を図りながらプロセスを前に進めていく、そのことの重要性を示しているんじゃないかと思うんですが、大臣の見解をお伺いしたいと思います。
  126. 河野太郎

    ○河野国務大臣 国際社会が求めている大量破壊兵器、ミサイルのCVIDということから考えると、この寧辺の施設というのはその一歩でしかないわけでありまして、北朝鮮がもし経済制裁の解除を求めるならば、しっかりと非核化を実現をしてもらわなければならないわけであります。  次回の交渉に至る道筋で、北朝鮮側がしっかりと核、ミサイルのCVIDに向けた大きな歩幅で踏み出してくれることをしっかり期待をしたいと思います。
  127. 穀田恵二

    ○穀田委員 北朝鮮の外務大臣の歩幅というのもありまして、今引用されましたけれども、そういう意味で、CVIDの問題の解決というのは、当然、凍結、無能力化、廃棄、検証などの段階が必要で、一歩ずつ、一段階ずつ進んでいくアプローチが現状況では非常に唯一の進め方だという点では論をまたないと思うんです。  そこで、相互の信頼関係の醸成というのは非常にこの問題の解決に向けて大事な一歩なんだろうと、先ほどありましたし、昨年の参議院の外交委員会で外務大臣はそのことを一貫して述べています。ですから、河野外務大臣の一貫した立場は、その意味では、相互の信頼関係の醸成というのは極めて重要だということをずっと言っておられる、その辺は私は共有できると思っています。  北朝鮮側の寧辺の核施設廃棄の提案に対し、トランプ大統領は記者会見で次のように述べています。ポンペオ国務長官と十分に協議した上で、寧辺の施設の規模は非常に大きいが十分ではなく、我々はそれ以上を要望したと述べて、今お話があったように、双方の主張に隔たりがあったことが明らかになっています。  こうした米朝双方の主張の隔たりを埋めていくためには、相互不信を解消し、信頼醸成を図る一層の努力が双方ともに私は求められると思うんです。  それで、米朝両国をめぐっては、この間、北朝鮮が核・ミサイル実験の中止を表明し、核実験場を破壊するという行動をとりました。それに対して、米国は米韓合同軍事演習を中止するという行動を決定しました。  そうした一つ一つの積み重ねによって、双方が相互不信を解消し、信頼醸成を図り、プロセスを前に進めていく、そうした努力の継続が重要だと私は考えているということを述べておきたいと思います。  そこで、最後に、拉致問題についても一言お聞きしておきたいと思います。  安倍総理は、今回の首脳会談に関連して、拉致問題について、我が国として、拉致問題を解決するために何が最も効果的かという観点から今後の対応を真剣に検討していくと、去る三月五日の参議院予算委員会で答えています。  河野大臣は、日朝首脳会談の実現を含め、対話による問題解決を図る上で何が重要だと考えているか、その辺のポイントをお示しいただければと思います。
  128. 河野太郎

    ○河野国務大臣 核、ミサイルの問題が主に米朝プロセスで行われているのに比べると、この拉致問題というのは日朝間の問題でございますから、日朝で最終的には解決をしなければならないという問題でございます。  今の時点でトランプ大統領が米朝の会談の中で拉致問題を再三にわたり提起をしてくださっているということは、逆に言うと、アメリカを始め国際社会がこの拉致問題に関して日本をバックアップしているということを明確に示してくれている、そういう意味で、非常にありがたいことだと思っております。  最終的にこの拉致問題を解決をするために、いずれ首脳会談ということもこれは考える必要があると思いますが、そこに至る道筋というのはまだまだいろいろあるんだろうというふうに思っております。  日本側として、日朝平壌宣言にうたっているとおり、核、ミサイル、拉致問題を解決し、不幸な過去を清算して国交正常化をし、そして国交を正常化した後には経済支援をするという用意がある。この日朝平壌宣言でうたったこと、ここから日本政府の立場に変わりはないわけでございますから、それを北朝鮮側にしっかりと認識をしていただいて、核、ミサイルの交渉と並行して、この拉致問題の解決に向けた糸口をしっかりとつかんでいきたいというふうに思っております。
  129. 穀田恵二

    ○穀田委員 今大臣からありましたが、私も、日朝首脳会談の実現を含め、対話による問題解決を図る上で最良の指針が二〇〇二年の日朝平壌宣言だと思います。  日朝平壌宣言の考え方というのは、核、ミサイル、拉致、過去の清算など、両国間の諸懸案を包括的に解決して国交正常化に進もうというものです。  そこで、包括的な解決とは何か。それは、交渉に当たって、諸案件に優先順位をつけないということだと思います。日本が拉致問題は最優先だと言い、北朝鮮は過去の清算が最優先だと言い、互いに優先順位をつけて、それを相手に認めさせようとしたら、交渉のテーブルに着けない。どれも大事な問題ですが、優先順位をつけないで、全てをテーブルの上にのせて、ワンパッケージで解決する、この考え方をまとめたのが日朝平壌宣言であります。ここには外交の英知が働いていると思います。  こうした立場で取り組んでこそ、拉致問題の解決の道も開かれ得ると思いますが、そういう認識で大臣も臨まれているということでよろしゅうございますね。
  130. 河野太郎

    ○河野国務大臣 もちろん、核とミサイルの問題は、現実的には今、米朝プロセスの中で取り上げられているわけでございますから、日本が全面的に北朝鮮と交渉をする、話し合うというときには、拉致問題と過去の清算というものが議題になるわけでございまして、しかし、それと核、ミサイルの問題の解決というものが足並みをそろえて行われていくということが大切なんだろうというふうに思っております。
  131. 穀田恵二

    ○穀田委員 日朝平壌宣言には、もう一つ大事な観点が書かれてあります。  それは、宣言の第四項に明記されている、北東アジア地域の平和と安定のために互いに協力していくということであります。両国間の諸懸案を解決するとともに、更に広く、北東アジア地域の平和と安定のために協力しようという合意であります。  日本政府として、今後、外交交渉に乗り出す際に、北東アジアの平和体制をどうやって構築していくのかということについて、主体的な外交ビジョンを持って臨む必要があります。この点でも日朝平壌宣言を指針にしていくことが大切ではないかと私は考えているんですが、その辺の考えをお示しいただければと思います。
  132. 河野太郎

    ○河野国務大臣 北朝鮮の核実験、ミサイルの実験といったものが北東アジアの安全保障に大きな脅威となっていたのが現実でございます。実験は行われなくなりましたが、核とミサイルの放棄というのがやはり北東アジアの平和と安定に大きく寄与するのは間違いのないことでございますので、ここは、日朝、あるいは周辺国を含めた信頼醸成をしっかりとやりながら、この問題をしっかり解決に導き、北東アジアでの平和と安定をつくり出すということにつなげてまいりたいというふうに思っております。
  133. 穀田恵二

    ○穀田委員 私ども日本共産党も、北東アジア平和構想ということで、北東アジアにおける平和が今どういう形で進むべきかということについての方向性も出しております。  そこで、今、北東アジアの地域の敵対関係の解消ということになりますと、米朝間には、朝鮮戦争以来の戦争状態が法的にはいまだ続いている。戦争状態に終止符を打ち、平和協定に進むという課題があります。南北間でも、朝鮮戦争以来の戦争状態から、いかに平和、繁栄の半島に転換するかという問題があります。  この地域には解消すべき敵対関係が二重にあるということでもあります。その点でのお考えを示していただきたいと思います。
  134. 河野太郎

    ○河野国務大臣 朝鮮戦争の状況が法的にはまだ続いているという中で、これをいかに終わらせるかというのは先々考えていかなければいけないことだろうと思います。しっかりと米朝プロセスを後押しをする中で、核、ミサイルのCVIDをなし遂げ、両国の、米朝間の信頼醸成のもとにこのプロセスが前に進めば、最終的に平和条約の締結というところに恐らく持っていけるだろうというふうに期待をしているところでございます。
  135. 穀田恵二

    ○穀田委員 その意味では、私、日本と北朝鮮はどうかという問題だと思うんですね。  日本は、朝鮮戦争の際に、米軍の出撃、兵たん基地になりましたが、直接、朝鮮戦争に参加したわけではありません。日朝は戦争状態にあるとは言えませんが、しかし、日本は、過去に朝鮮に対する植民地支配を行った、その清算ができていません。日本として、戦後処理が進んでいない唯一の国が北朝鮮だということであります。  日朝は、やはり対立状態が続いており、それを解消するという課題があります。この地域の敵対的対立関係を全て清算し、友好協力の関係を築こうとすれば、南北、米朝とともに日朝の国交正常化は不可欠であります。それなしにはこの地域の敵対的、対立的関係の終結になりません。そうした歴史的視野を持って日本政府は取り組む必要がある、そのことについて強調して、私の質問を終わります。
  136. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩をいたします。     午後零時五分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議
  137. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。杉本和巳君。
  138. 杉本和巳

    ○杉本委員 維新の杉本和巳です。よろしくお願いします。  きょうは、大臣所信に対する質問ということではございますが、改めて、ちょっと私、いつも話が長くてまたかよと言われることもあるんですが、聞いていただければと思います。  一国平和主義と言われた時代から積極的平和主義の流れというのが、やはり安倍政権になってきちっとできてきているというのは、私はこれは評価するべき、別によいしょするつもりはないですけれども、客観的に見て、積極的平和主義というのは価値があることではないかと思っています。  そんな意味で、さきの予算委員会でも中東和平について河野大臣とも質疑をさせていただきましたけれども、中東和平への我々の、国民を含めた、国会議員も含めた理解という意味では、ぜひヨルダン国王に国会に来ていただいて演説をしていただくということを、引き続き、きょうは外務省の方々、主要な方々にもお運びいただいているので、ぜひその認識を共有していただきたいと、この場をかりてお願いを申し上げます。  それで、きょうは、時間が許せばですが、2プラス2ということについて認識を深めたいというのがメーンでございまして、時間が許せばG20あるいは在外公館のことを質問させていただきたいと思います。  言葉で、ホウレンソウという言葉は皆さんよく御存じでいらっしゃると思いますが、報告、連絡、相談ですけれども、最近、ザッソウという言葉があるそうで、雑談、相談ということが大事だということで、2プラス2のようなものを公式会議として行うと、余計な発言ができないとか重たい発言をしなきゃいけないというお立場はそれぞれ外務大臣も防衛大臣もお持ちだと思うんですけれども、一方で、やはりコミュニケーションを深めて、いざというときに連携を深めるというような意味では、雑談をするような時間というのも、極端な話、必要ではないかと思いますので、そんな意味で、積極的平和主義を掲げる我が国としては、積極的にこちらから働きかけをして2プラス2を開いていくということが大事かなというふうに感じています。  世界は目まぐるしく動いていて、きょうの日経には、エストニアの議会の構成が、極右というのが反ロシアということだと思うんですけれども、百一議席のうち十九議席と倍増したというようなニュースが載っていたりしていますので、世界は目まぐるしく動いていて、外務大臣の責務も、あるいは防衛大臣の責務も大変重いと思いますけれども、2プラス2の積極的活用をお願いしたいと思います。  それに先駆けて、ちょっときょうは、尖閣の点を一つの着眼点としてこの2プラス2を考えてみたいと思っています。  御案内か、一九九六年の九月十五日に、当時のモンデール駐日大使が発言をされて、ニューヨーク・タイムズに対する発言だったかと思うんですけれども、いろいろな波風が立って、日米双方のいろいろな動きが出る中で一カ月後に辞任されるというような動きがあったということがあったようでございます。  その後、ちょっとさかのぼったところから歴史を戻っていくんですけれども、二〇〇五年の十月、2プラス2、コンドリーザ・ライスさんとラムズフェルドさん、当方、日本側は町村外務大臣と大野防衛庁長官だったかと思うんですが、署名をされて、「日米同盟:未来のための変革と再編」、この中で、役割、任務、能力の基本的考え方の、日本の防衛及び周辺事態への対応の中に、日本は、弾道ミサイルやゲリラ、特殊部隊による攻撃、島嶼部への侵略といった新たな脅威や多様な事態への対処を含めて、日本を防衛し、周辺事態に対応するというようなことが合意されたということかと思うんですけれども、主語が日本で、島嶼部への侵略に対して日本が防衛するといったことで、この二〇〇五年の2プラス2では、日本の防衛は一義的に日本にあるということが確認されたというふうに私は認識しています。  最近になって、二〇一七年二月二十一日公表のCRS、米国連邦議会調査局の報告書によりますと、これはタイトルが「尖閣問題:米国の条約上の諸義務」、ザ・センカク・ディスピュート・US・トリーティー・オブリゲーションズという報告書ですけれども、米国の立場については、これは尖閣のことですが、主権の問題に関して特定の立場を示さない一方、尖閣諸島に係る日本の施政権と日米安全保障条約第五条の尖閣諸島への適用を認める方針が基本的な姿勢として沖縄返還、ニクソン政権期に定着したとし、このような中立性に基づく基本方針が現在に至るまで継続しているという指摘をこの報告書がしております。  これはちょっと報告書の話ですけれども、その後、平成二十九年、一昨年の八月十七日、これは小野寺防衛大臣が御出席されている日米安全保障協議委員会、日米2プラス2で、地域戦略環境において、当時の四閣僚は、尖閣諸島に日米安保第五条が適用されること及び同諸島に対する日本の施政を損なおうとするいかなる一方的な行動にも反対することを改めて確認するとともに、東シナ海の平和と安定のため、日米が引き続き協力していくことで一致というふうなことがあったようでございます。  そこで、直近のトランプ政権の状況でございますけれども、御案内のとおり、国務長官はレックス・ティラーソンさんからマイク・ポンペオさんにかわられ、国防長官はジェームズ・マティスさんから、長官代行というポストとして一月一日付でパトリック・シャナハンさんにかわっているということでございます。  こういう状況の中で、私はやはり、次の質問にかかわるかもしれませんが、2プラス2を積極的に開いて、先ほどのザッソウということではないですけれども、アメリカと会うときは常にかみしもを着てきちっとやるということも大切かと思うんですが、一方で、やはりコミュニケーションを高めておいていただく。  特に、当方は、外務大臣が長くお仕事されている状況でもありますので、2プラス2で、この尖閣の問題、確認は直近もしていると思いますけれども、改めて新しい先方の2の国務長官、国防長官に対しても確認をしていく必要があると思っておりますが、この尖閣の防衛について、キーワードは主権、施政権、日米安保第五条、こういった点を念頭に2プラス2で確認されてはいかがかと思いますし、御答弁いただきたいのは、現時点での外務省の、米国の姿勢についての御認識の確認をさせていただければと思います。
  139. 河野太郎

    ○河野国務大臣 日米間の2プラス2というのは、ことしもどこかで行う予定にしてございます。  2プラス2は、会合だけでなくワーキングランチがあったり、そういう意味では、今委員がおっしゃった、まあ雑談ほど軽くはないんですが、少なくとも会議の場より少しオープンな雰囲気でいろいろな話ができるという意味では、更にいいものもあると思います。  マティス長官がおやめになって、シャナハン国防長官代行でございますので、そういう意味では、また新しい組合せで、ことしどこかでやらせていただきたいというふうには思っております。  尖閣の防衛については、米国は、尖閣諸島が日本固有の領土であるという日本の立場を十分理解をしておりますし、累次にわたり、この尖閣諸島が日米安保条約五条の適用対象であり、現状を変えようとするいかなる一方的行為にも反対する旨表明をしておりますので、改めて確認するまでもなく、アメリカ政府の方針というのは、あるいはコミットメントというのは、もう明確であるというふうに認識をしております。  そういう意味で、別に議題にしないと決めているわけでもございませんが、2プラス2などで累次確認をするまでもなく、アメリカのコミットメントは極めて明快であるというふうに申し上げてよろしいかと思います。
  140. 杉本和巳

    ○杉本委員 現状の認識を確認させていただきましたが、今、日本国というのは、先ほどの質疑でも、国連安保理のメンバー入りの話みたいな質疑もあったかと思いますけれども、日本の国力といった意味では、今の状況では心配ないと思いますけれども、長い将来を考えていくと、ちょっと私は悲観的なのかもしれないですが、国力が現状を守れなくなっていく中で、やはり中国とのバランスとか、そういった中で、ナショナルインタレストということで、インタレスツかもしれないですが、国益ということで米国も動かれるし、日本国も自国の国益があるわけでございます。  そういった意味では、今おっしゃった、固有の領土への理解という表現を大臣はされましたけれども、主権について認めてくださっているわけではなくて、施政権というところの範囲での日米安保五条適用ということだと思っておりますので、そういった意味では、都度都度という必要はないと思いますけれども、適宜適切な確認をしていかなきゃいけないし、冒頭申し上げましたけれども、一義的には我が国の防衛は我が国が当然行うということの中で、我が国の領土、領海、領空をしっかりと守っていく必要があるという認識をさせていただきたいと思います。  それで、この後は、もう時間もないのですが、一つ一つ、2プラス2の意義を、ちょっと確認できる範囲で、時間の範囲でさせていただきたいんです。  まず、日印の2プラス2を開こうじゃないかという話が出ているようで、この一月八日にも、年内早いうちに開こうということで、アジア太平洋、インド等を含めた広い範囲で、やはりインドとの連携というのは大切だと私は思っておりますが、まず、日印の2プラス2の可能性について、どなたか御答弁いただければと思います。
  141. 河野太郎

    ○河野国務大臣 日印の2プラス2の、閣僚級の2プラス2につきましては、昨年の十月でしたか、インドのモディ首相と安倍首相の間の首脳会談で、新規に閣僚級の2プラス2を日印でやろうということで合意をいたしました。  インドはこれから総選挙の季節でございますので、総選挙が終わってから日程の調整その他に入るという予定にしております。
  142. 杉本和巳

    ○杉本委員 ありがとうございます。ぜひ、この2プラス2、積極的に日印で進めていただきたいと思います。  次に、日豪の2プラス2はもう延べ八回開催されていると伺っておりますけれども、日豪の2プラス2の現状、それと、インド太平洋という意味では大変意義深いと思いますが、意味合いを、ちょっと概観を御説明いただければと思います。担当の方からでもお願いします。
  143. 宇山秀樹

    ○宇山政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、豪州との間では、これまでに2プラス2は計八回開催されておりまして、第二次安倍政権発足以降は四回開催されております。  我が国と豪州は、基本的価値と戦略的利益を共有する特別な戦略的パートナーでございまして、2プラス2におきましては、インド太平洋地域の安定と繁栄に積極的に貢献するための両国の連携強化の方策、地域情勢等について意見交換を行ってきているところでございます。
  144. 杉本和巳

    ○杉本委員 もうちょっと掘り下げた御答弁をいただきたいと思いますけれども。  では次に、五回ほど開かれているという日仏の、フランス国との2プラス2について、どなたか御答弁をお願いいたします。
  145. 宇山秀樹

    ○宇山政府参考人 お答え申し上げます。  フランスとの間では、委員御指摘のとおり、これまで五回、2プラス2を開催しております。直近では、本年一月にフランスのブレストで2プラス2を開催したところでございます。  フランスとの間では、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携強化を始めとします二国間の安全保障、防衛協力に加えまして、北朝鮮情勢を始めとした地域情勢等につき意見交換を行ってきておるところでございます。
  146. 杉本和巳

    ○杉本委員 では、続きまして、また掘り下げてできるだけ答弁をお願いしたいんですが、その意義とか、あるいは、もうちょっと具体的に、どういう連携を例えば防衛関係でもしているとかということも言っていただければありがたいですが、ちょっと防衛省さんがいらっしゃらないので外務省の範囲で結構ですが、日英についてまたお願いいたします。
  147. 宇山秀樹

    ○宇山政府参考人 お答え申し上げます。  英国との間では、これまで三回、2プラス2会合を行ってきておりまして、直近では、平成二十九年十二月にロンドンで開催したところでございます。ことしの春にも東京で第四回の会合を開催すべく、現在調整中でございます。  内容につきましては、これはフランスと類似してございますけれども、英国との間でも、英国は日本にとりまして欧州における最も緊密な安全保障上のパートナーという位置づけでございまして、自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた連携強化を始めとする二国間の安全保障協力、防衛協力、これについていろいろとこれまでも協議をしてきたところでございまして、また、北朝鮮情勢を始めとした地域情勢についても緊密な意見交換を行ってきております。  英国は、例えば、北朝鮮の瀬取り対策につきましても、海軍艦船を太平洋地域に派遣するなど、日本との連携を強化してくれているところでございます。
  148. 杉本和巳

    ○杉本委員 ありがとうございます。  イギリス、フランス、両国とも、北朝鮮の問題を積極的に話し合っていただきたいと思いますし、中東のことであったりアフリカのことについても、やはり旧宗主国というか、そういう国々でもあると思いますので、積極的平和主義の観点からは、両国との2プラス2といったものをまた掘り下げていただければと思っております。  北方領土問題があるロシアについても、2プラス2が、一度だけか何度かも含めて、こちらも積極的に行うべきだと思いますけれども、現状を教えてください。
  149. 宇山秀樹

    ○宇山政府参考人 お答えを申し上げます。  ロシアとの間では、実はこれまで三回、2プラス2を実施してございます。第一回が平成二十五年十一月、第二回が平成二十九年三月、これはいずれも東京で行いました。第三回は、昨年七月に、河野大臣にモスクワに行っていただきまして、第三回会合を行ったところでございます。  ロシアとは、意思疎通を強化して、安全保障分野での両国間の信頼醸成を一層進めるということで、防衛交流の話などもして、実際に、昨年でいえば、河野統幕長の訪ロもございましたし、部隊間交流などもやっておるところでございます。また、地域情勢につきましては、北朝鮮の動向などを踏まえて、これも日ロ連携についての話をしてきているところでございます。
  150. 杉本和巳

    ○杉本委員 ありがとうございます。  それで、もう時間が来てしまうので終わりますが、私としては、中国、韓国とも、いろいろな緊張関係があるわけでございますけれども、やはり2プラス2を開いていただくような方向感というのが必要ではないか。  先ほども、韓国の在ソウル大使を戻せみたいな質疑もありましたけれども、そういったバランスではなくて、積極的平和主義の観点から、韓国、中国との2プラス2を開くべきではないか、あるいはこちらから提案しておくべきではないかと思いますが、この点についてだけ確認させてください。
  151. 河野太郎

    ○河野国務大臣 日中では、まだなかなか2プラス2という枠組みが見通せる段階にはないのが現実だろうと思いますが、韓国は、北朝鮮の問題を始め、2プラス2をやる、そういう枠組みがあってもいいのかなというふうに思います。  今、ちょっと日韓はいろいろございますが、波静かになれば、そういうことを考えるという余地は十分にあろうかと思います。
  152. 杉本和巳

    ○杉本委員 終わります。ありがとうございます。
  153. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 次に、玄葉光一郎君。
  154. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 玄葉光一郎です。社会保障を立て直す国民会議に所属をしています。  きょう、何人かからお話がありました、北朝鮮の非核化の問題について議論したいと思います。  特に、米朝首脳会談が二月の下旬にあったわけでありますけれども、この非核化と制裁解除との関係について焦点を当てて、時間も余りありませんので、議論したいと思います。  とりわけ懸念していることが幾つかあるわけです。果たして、米国、トランプ政権は本当に北朝鮮に対してCVIDを求めているのかどうかということが、私は見ていて心配であります。トーンダウンしているんじゃないかということが心配なのでありますけれども、河野外務大臣はどうお考えになっていますか。
  155. 河野太郎

    ○河野国務大臣 日本のメディアでそういう報道あるいは質問があるわけでございますが、今度の米朝首脳会談の前に、日米、さまざまなレベルですり合わせをいたしましたが、核兵器を含む全ての大量破壊兵器並びにあらゆる射程のミサイルのCVIDというのがゴールだというところは、これは日米で全くぶれがないというのが現実でございます。
  156. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 昨年のある段階から、CVIDという言葉にかわってFFVDという言葉が飛び交うようになっているわけでありますけれども、これは事務方にお尋ねをしたいと思いますが、このFFVDというのは一体何ですか。
  157. 吉田朋之

    ○吉田政府参考人 FFVDについてお尋ねがございました。  御案内のように、CVIDといいますのは、安保理決議に従いまして、北朝鮮の全ての大量破壊兵器、それからあらゆる射程の弾道ミサイル、これについて完全、検証可能かつ不可逆的な廃棄を行うということでございまして、日米両国ともにこの方針をとっていくことにおいて全然変わってはおりません。  今お尋ねのございましたFFVDでございますけれども、これはファイナリー・フリー・ベリファイド・ディニュークリアライゼーションの略かと思いますが、日本語で言いますと、最終的な、かつ完全に検証された非核化ということになろうかと思います。  アメリカ政府は、累次の機会、これは上院の公聴会におきましてもそのような説明をしておられると思いますけれども、その機会に、CVIDと何ら意味するところは変わりはない、このように説明をしていると承知しております。
  158. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 そうすると、何ら変わりがないのにあえてFFVDという言葉を使うというのは、一体どういう意図だと推察をされますか。
  159. 河野太郎

    ○河野国務大臣 アメリカ側は日本ほど言葉を厳密に使うということではなくて、要するに、同じことを言っているんだという説明であります。時々、話がぶれたり新しい言葉が出ると、それはどういう意味だと言うと、逆に向こう側がきょとんとして、はっという感じになって、それは同じ意味だ、同じことを違う単語で言うこともあるだろうというあれなものですから、そこはそんなに神経質になる必要はないなというふうに私は今思っているところでございます。
  160. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 私は、さっき岡田さんも例に挙げていましたけれども、トランプ大統領の首脳会談後の記者会見が気になっていて、その中でこういうふうに言っています。つまり、記者団から、引き続き制裁解除の前に北朝鮮に完全な非核化を求める考えかと問われ、交渉の観点からそれについては話したくない、しかし、北朝鮮には多くを放棄することを求めている、こういうふうに言っているわけです。  非核化に応じた見返りの出し方というのは、さまざまな考え方はあるかもしれませんけれども、やはりベースは、何といっても、非核化が実現する前に制裁解除はしないということを断固として守り抜かないと、過去失敗をしたことを思い出させることになるというふうに思っていますけれども、外務大臣はいかがですか。
  161. 河野太郎

    ○河野国務大臣 そのとおりだと思います。アメリカを含めた国際社会、日本も当然同じですが、非核化の後に経済制裁を解除するということで、これは一致をしております。  トランプ大統領がいろいろなことをいろいろな形でおっしゃるものですから、そこは若干揺れがあったりということがありますが、そこは余り気にしなくてもいいのかなというふうに思っております。  それからもう一つは、先ほども申し上げましたけれども、例えば原子炉を解体するときに、全部が更地になるまでには相当な時間がかかりますので、どの時点でこれはCVIDなんだという判断というのは、原子炉の中にコンクリを入れて全部コンクリで埋めちゃった時点なのか、更地になった時点なのか、あるいはその間のどこかの時点なのか、これはいろいろな技術的な判断というものが将来出てくる可能性はあると思いますが、いずれにしろ、全ての大量破壊兵器、あらゆる射程のミサイルのCVIDが終わってから経済制裁を解除する、国際社会の共通認識はそういうことであると思います。
  162. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 先ほどもお答えになられていた、河野外務大臣の今のような姿勢が貫かれるならば、私は安心をして見ていることができるのでありますけれども、非常に危ういなと思うんです。  イリバーシブルという、後戻りできないというところの解釈については、おっしゃるようなことはあるかもしれない。そういう範囲内なら構いません、私も。ただ、そうじゃなくて、例えば寧辺、東倉里だとか、そういった幾つかの施設の査察と廃棄が行われ、かつ、例えば非核化についての工程表あるいは申告、そういったものがなされただけで、今のトランプ政権は何らかの経済制裁解除をしてしまうんじゃないか、そういう心配を正直私はしています。  それがそうなってしまうと、かなりの程度、北朝鮮の思うつぼではないかというふうに考えていまして、そういう意味で、そんなことが絶対にないと言えますか、外務大臣。
  163. 河野太郎

    ○河野国務大臣 この米朝会談の前に、何度もポンペオさんと会談あるいは電話会談を行いました。あるいは、外務省の金杉局長とビーガン特別代表の間でやりとりをし、あるいはさまざまなレベルでやりとりをいたしましたが、CVIDが達成されるまで経済制裁の解除はないというのは、アメリカ側は全くぶれずにそういう姿勢でございます。  ただ、北朝鮮が、手始めに東倉里とか、手始めに寧辺といったときにではどうするというのはいろいろな議論がありましたが、その議論の中に、経済制裁の解除というのは全く最初から含まれておりません。  具体的な中身を申し上げることはできませんが、少なくとも、経済制裁の解除というのが、一部の非核化の対価として部分解除が何かテーブルにのっていたということは、今回のハノイの首脳会議に向けて一度もございませんでしたので、そこは、アメリカの姿勢というのは全くぶれておりません。
  164. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 いろいろなメニューの中でのメーンメニューというのは、やはり経済制裁の解除だと思います。  例えば、平壌に連絡事務所を設置するとか、あるいは終戦宣言だとかというのは、表現が必ずしも正しくないかもしれないけれども、一種、前菜のようなものだと思います。ですから、特にそのメーンメニューのところで安易な妥協をしないということがすごく大事だ。でも、トランプさんの会見を聞くと、寧辺プラスアルファをすれば、まるで何か制裁解除をするのではないかというふうに聞こえたというのも事実なので、このことについては、日本がこの米朝のプロセスを後押ししていくというときに、正しい後押しをしていくという意味で、外務大臣と総理大臣の大事な役割がそこにあるというふうに思いますので、しっかりそのことをお願いをしたいと思います。  あわせて、制裁の点でいうと、やはり気になっているのが、制裁の強化とまではいかないですけれども、制裁のたがの締め直しというものが必要じゃないかというふうに思っているんです。  今回、制裁の解除というものを言ってきた、そこまでこだわったということは、相当きいているということだとも思うんですね。特に、二〇一七年十二月までに行われたあの数カ月、あるいは数年、二〇一六、一七で行われた経済封鎖というか経済制裁が非常にきいているということだと思うので、このことで安易な妥協をしないということと、このことのたがの締め直しをぜひやってほしいと思っているんです。  安保理制裁が形式上緩んだとはもちろん思っていませんけれども、どうも実質的に緩んでいるんじゃないか。中国、ロシア、韓国、大丈夫ですか、河野外務大臣。
  165. 河野太郎

    ○河野国務大臣 経済制裁の緩みという意味で心配をしているのが瀬取りでございまして、瀬取りによって石油精製品が相当量北朝鮮に流れているというのは現実にあろうかと思います。  これについては、日本、アメリカ、カナダ、オーストラリア、それに加えてイギリス、フランスが、船又は飛行機のアセットを現実に出して瀬取り対策に乗り出すということ、さらに、瀬取りがだんだん中国に近いところで行われるようになっていたりという情報もありますので、これは中国とも情報をきちんと共有をして、少なくとも中国近海は中国が責任を持ってこれに当たってもらわなければなりませんということは累次申し上げてきているところでございますので、この瀬取り対策というものをきちんとやる。それこそ、おっしゃるように、たがを締めるという観点からすれば、この瀬取り対策が一番大事だというふうに思っております。  また、外国へ出ている北朝鮮の労働者の数を減らしていくというところも、これがきちんと行われているかどうかというところはしっかりと確認をしていく必要があるというふうに思っております。  中国との国境線の話でいえば、いろいろな動きがあると言われておりますが、中国政府は少なくとも、安保理決議にうたわれているものについては遵守するということを繰り返し言っておりますので、中国独自の制裁についてはさまざま意見はあろうかと思いますが、そういうことについてはしっかりとできると思いますので、まず当面、瀬取りに焦点を当てて、ここはきっちりやってまいりたいというふうに考えております。
  166. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 やはり、二〇一七年十二月に石油精製品をたしか二百万から五十万バレルにしたのが相当きいているんだと思うんですね。ですから、必死に瀬取りをやっているということではないかと思います。  おっしゃるように、自分のところにもさまざまな情報が入るのですけれども、上海沖で行われる瀬取りが非常に多いというふうに聞いています。これはやはり、北朝鮮に対する経済制裁を考えるときには、何といっても中国だと思います。言うまでもないことかもしれませんけれども、北朝鮮から石炭を買って、石油を送って、これが北朝鮮にとっての命綱というふうに言っても過言ではないと思います。  二〇一七年の年末段階で、やはりアメリカに加えて中国が、北朝鮮が場合によっては崩壊したっていいんだぐらいの前提で北朝鮮に向き合った結果として、北朝鮮が対話に乗り出したという側面も私はあると見ています。  でも、今は、ある意味、非常に緩んできているというところがあって、もう一回、中国と、河野外務大臣は四月中旬に中国に行くという報道もありました。特にこのことについては、もちろん東シナ海の問題もとても大事です。私は、安倍首相が言うように、日中関係は完全に正常な軌道に戻ったとは思っていません。なぜかといったら、尖閣の状況は全く変わっていませんからね、全く変わっていないから。だけれども、正常な軌道に戻ったというなら、特に北朝鮮の問題では、なかなか日韓が話せないだけに、中国と、特に経済制裁のことで外務大臣がしっかり話すということがすごく実を得ることになるんじゃないかと思いますけれども、いかがですか。
  167. 河野太郎

    ○河野国務大臣 日本だけでなく、アメリカも米中の対話の中でこの問題は取り上げていると認識をしておりますし、これまでの日中外相会談の中でもこの瀬取りの問題を提起して、情報の共有をするということにもなっておりますので、これは非常に大事なことだと思いますので、日中あるいは日韓の文脈でもしっかりと問題提起をし、議論をしてまいりたいと思っております。
  168. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 四月中旬は、これはメーンテーマでやっていくというふうに考えていいですか。
  169. 河野太郎

    ○河野国務大臣 まだ四月中旬の訪中というのが決まっているわけではございませんが、次に行くとすると日中のハイレベル経済対話でございますが、そこで外相会談も予定されることになろうかと思いますので、北朝鮮問題ということも当然議論されるというふうに考えております。
  170. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 時間がないんですけれども、もう一つ気になったのは、米韓合同軍事演習をやめるということなんですね、コストがかかるから。この発想も非常に心配です、はっきり言って。  これは、外務大臣としてはコメントできるんですか。米韓合同軍事演習をやめるということについて、日本の外務大臣としてどう考えるか。
  171. 河野太郎

    ○河野国務大臣 米朝のこのプロセスを後押しするという意味で、軍事演習を、やり方を変えるということはあるんだろうと思っております。全てやめてしまうのではなくて、新たな軍事演習、あるいは縮小レベルでの軍事演習が行われるというふうに認識をしております。  マティス国防長官がまだ現職にいられたときにこの話を随分いたしましたけれども、共同軍事演習そのものはやめたからといって、即応性が落ちることがないように米軍としてはしっかりと対処しているというお話もございましたので、米朝のプロセスを後押しをするという意味で、一つ、アメリカ側のコミットメントなんだろうなというふうに思っております。
  172. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 これも御存じだと思いますけれども、一定期間ごとに米兵は当然入れかわるわけで、そういう意味では、定期的に演習をしていないと、対応力とか即応性という意味では弱くなるんじゃないかという心配が私はあると思っているので、そういう意味で注意が必要だというふうに思います。  もう時間がなくなりましたので、最後に。  先ほど、終戦宣言とか連絡事務所の話はメニューでいえば前菜だ、こう言いましたけれども、そういう話は恐らく今回実務的にはあったのかなというふうに思っています。他方で、日本も拉致の問題の解決のために、平壌に連絡事務所を設置した方が情報収集しやすいのではないか、こういう議論があるわけでありますけれども、これについては、外務大臣、いかがお考えですか。
  173. 河野太郎

    ○河野国務大臣 拉致問題に関して言えば、核、ミサイルと違って、これは日朝間でやらなければいけないことでございますので、さまざまなルートでやりとりをしているところではございます。  一足飛びに連絡事務所になるかといえば、今の段階では、その前にやらなければいけないことがいろいろあるというふうに認識をしております。そういう意味で、今、一足飛びに日本が連絡事務所ということにはならないというふうに思っております。
  174. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 この北朝鮮の非核化の問題では、日米韓中ロ、これは外相同士での連携というのが非常に重要だと思いますので、ぜひ、場合によっては全員で会ったっていいかもしれない、そういう提案をしたっていいかもしれませんけれども、最後、外務大臣のそういう決意を聞いて終わりたいと思います。
  175. 河野太郎

    ○河野国務大臣 国際社会がこの米朝のプロセスの後押しをするという上で、かつての六者のメンバーがいいのかどうか、そこはいろいろな議論があると思いますが、少なくとも今おっしゃった五カ国というのは周辺国でございますから、どこよりも関係が多いというのはこの五カ国なんだろうと思います。  それぞれの外相会談の中では北朝鮮問題が議題になっておりますが、日米韓あるいは五カ国、いろいろな枠組みの可能性というのは考えてまいりたいと思います。
  176. 玄葉光一郎

    ○玄葉委員 アメリカの北朝鮮に対する要求、特にCVIDがトーンダウンしないように、ぜひよろしくお願いをしたいと思います。  終わります。ありがとうございます。
  177. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 次に、井上一徳君。
  178. 井上一徳

    ○井上(一)委員 希望の党の井上一徳です。  本日は、日米地位協定について質問をさせていただきたいと思います。  資料でお配りをしておりますけれども、日米地位協定について、これは国際法上はどうなんだというような議論がありまして、この地位協定、おかしいんじゃないかという議論があって、ここの特に最初のところですね、「一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されず、」こういうふうになっていて、こういうのは本当に国際法上あるのかないのかというのが議論になって、私も質問主意書でこの点については確認し、質問主意書では、答えは、そこの部分は削られて、「一般国際法上、受入国の同意を得て当該受入国内にある外国軍隊及びその構成員は、受入国の法令を尊重する義務を負うが、その滞在目的の範囲内で行う公務について、受入国の裁判権等から免除されると考えられる。」ということで、先ほどの部分については削られております。  それで、やはりこういうことであれば、きちんとホームページも変えた方がいいのではないかという指摘をさせていただいて、その点については外務省も直していただいたので、その点については評価させていただきたいと思いますが、ただ、この変えたことによって、考え方は変わったんですかということが参議院の予算委員会でも議論になっておりましたが、政府の答弁では、政府の考え方に特に変わりがあるわけではありません、よりわかりやすく説明したものですというふうに言っております。  やはり私は、これは考え方を変えたというのが国民に対してわかりやすい説明だと思うんですけれども、この点、いかがでしょうか。
  179. 鈴木量博

    ○鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘いただきました、外務省ウエブサイトに掲載している「日米地位協定Q&A」につきましては、同協定をよりよく理解していただくとの観点から、今般改定を行ったものでございます。  具体的には、米軍には日本の法令が適用されないのですかという質問に対して、従来は、一般国際法上、駐留を認められた外国軍隊には特別の取決めがない限り接受国の法令は適用されないというふうに記載しておりましたけれども、今般、「一般に、受入国の同意を得て当該受入国内にある外国軍隊及びその構成員等は、個別の取決めがない限り、軍隊の性質に鑑み、その滞在目的の範囲内で行う公務について、受入国の法令の執行や裁判権等から免除される」、すなわち、外国軍隊及びその構成員等の公務執行中の行為には、派遣国と受入れ国の間で個別の取決めがない限り受入れ国の法令は適用されませんというふうな形で記載することといたしました。  この改定は、国民の皆様によりわかりやすく知っていただきたいということで改定を行ったものでございまして、改定の前後で考え方に異なるということはございません。  以上でございます。
  180. 井上一徳

    ○井上(一)委員 素直に言って、やはりここは説明を変えたというふうに私は理解しております。  あと一つ確認は、質問主意書の中では一般国際法上云々とあるんですけれども、これを、あえて新しい「日米地位協定Q&A」のホームページでは、一般国際法という言葉を使わずに「一般に、」というふうにしているんです。これはきのう聞いたら、そんな違いはないんだというふうにおっしゃっていましたけれども、ここの一般国際法というのを「一般に、」にした理由は何でしょうか。
  181. 鈴木量博

    ○鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど申し上げましたとおり、この改定というのは、国民の皆様によりわかりやすく御理解いただくという観点からしたものでございます。  そして、ここに言う「一般に、」というのは、従来から御説明してきた、受入れ国の同意を得て当該受入れ国内にある外国軍隊及びその構成員等の法的地位に関する一般国際法を指すものでございます。  一般国際法というのは、一般的に、国際社会の国々を一般的に拘束する国際法というものを指しているんですけれども、必ずしも国民の皆様に広く知られているとは言えないというふうに私ども考えまして、今般の改定では、ウエブサイト上における記載である、そういう皆様に広く知っていただく記載であるという性格を踏まえまして、このような専門用語の使用は避けまして、国民の皆様にとってよりわかりやすいと思われる説明ぶりを用いたものでございます。
  182. 井上一徳

    ○井上(一)委員 私は、ホームページには載っていないんですけれども、主意書の答弁書のここの部分が非常に大事だと思っていて、「免除の具体的内容については、個々の事情により異なり、必要に応じて、こうした一般国際法上の考え方を踏まえつつ、当該軍隊の派遣国と受入国との間で個々の事情を踏まえて詳細が決定される」。要は、一つ一つ個々の事情を踏まえて決定していくんだ、ここの部分が非常に重要だと思っているんです。  それで、そういうような意味で、では航空法がどうなっているのかということをちょっと資料で示しているんですが、資料の四のところで、いろいろ書いてあるんですけれども、航空法の特例法というのがあります。  航空法はどうなっているかというと、当然、国内の民航機については全部航空法が適用されているわけですけれども、米軍については、航空法は適用するという前提のもとで特例法があります。これこれについては適用しない、これこれについては適用しないというふうに書いてあって、一番最後の三項のところで、「航空法第六章の規定は、政令で定めるものを除き、適用しない。」というふうになっているんです。  次のページをちょっとめくっていただきまして、資料五の一。航空法第六章と米軍と自衛隊との比較ということで、当然、自衛隊も適用除外があります。  在日米軍の場合、これを見ていただいたらわかるとおり、六章については全部適用除外になっているんですね。他方で、自衛隊については、一つ一つの条について、これは適用除外するかどうか、適用除外する場合にはどういう場合に適用除外するんだというのを一つ一つ全部細かくやっているわけです。私は、この違いが、大きな違いがあるなと思っているんです。  例えば八十五条、資料五の二に八十五条があるんですけれども、粗暴な操縦の禁止、これは自衛隊については適用、これは当たり前の適用だと思います。しかしながら、米軍についてはこれは適用除外になっております。  ここについて、自衛隊には適用し、米軍については適用除外にしている理由、これについて教えてください。
  183. 高野滋

    ○高野政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘の航空法第八十五条、粗暴な操縦の禁止につきましては、運航上の必要がない低空飛行や高調音の発出、急降下等の操縦を禁止し、他人に迷惑を及ぼすような行為を規制するために設けられているものでございます。  当該規定につきましては、日米地位協定の実施に伴う航空法の特例法により、米軍機に対してはその適用が除外されておりますが、自衛隊法においては航空法の適用除外にはされていないというのが事実でございます。  航空法は、そもそも民間航空の国際的な枠組みを規定する国際民間航空条約の規定等に準拠をして、航空機の航行の安全等を図るための方法を定めるために制定されたものでございまして、国際民間航空条約の適用を受けない米軍機につきましては、日米地位協定の実施に伴う航空法の特例法により、民間航空機の円滑な航空交通を確保するためのものを除き、航空機の運航に関する規定などについて適用が除外をされています。  これは、我が国が締結した国際約束である日米地位協定に基づきまして、米軍が我が国において活動することが認められていることを踏まえ、その履行を担保するために認められたものと承知をしております。  一方で、自衛隊につきましては、国際民間航空条約におきましては、国の航空機に直接適用されるものではありませんが、締約国に対して、自国の国の航空機の規制に対して民間航空機の航行の安全に妥当な考慮を払うということを求めております。この観点から、自衛隊機につきましては、自衛隊の航空機や任務の特殊性に鑑みまして、自衛隊法等によりまして航空法の一部の規定を適用除外としているところでございます。  以上でございます。
  184. 井上一徳

    ○井上(一)委員 このほかにも、例えば航空法の七十条、前のところでありますけれども、アルコールを飲んじゃいけない、当たり前の規定なんです。これについても同じように、自衛隊機には適用されますけれども、米軍には適用されない。  それで、もう一つめくっていただいて、資料の六のところで、日米地位協定の五条、これが移動するときの根拠なんですけれども、航空機を含めて移動しますから、それに対してどういうような法令を適用するかということで、日米地位協定の合意議事録の第五条の四のパラグラフなんですけれども、「この条に特に定めのある場合を除くほか、日本国の法令が適用される。」ということで、原則日本国の法令を適用するというふうにしているわけです。  にもかかわらず、先ほどの八十五条、それから七十条を始め、第六章の規定はほとんど丸ごと適用除外というふうにしているわけです。  ここは、日本国の法令が適用されるということにしているんだから、あえて六章の規定を丸ごと適用除外する必要はないと思うんですけれども、この考え方、ちょっともう一度教えてください。
  185. 鈴木量博

    ○鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。  今御指摘いただきました、日米地位協定第五条に関する合意議事録の四でございますけれども、ここで規定されている日本国の法令と申しますのは、地位協定第五条の趣旨、すなわち、これは船舶、航空機の出入り及び移動に関する規定でございますので、同条に言及のある船舶及び航空機等の通行主体の通行行為自体を通行秩序維持の観点に立って規制する法令を指すものと解しております。  以上です。
  186. 井上一徳

    ○井上(一)委員 であれば、先ほどの粗暴な操縦の禁止とかアルコールの禁止、こういうのも当たり前の規定なので当然適用にすべきだと思うんですけれども、どうなんでしょうか。
  187. 高野滋

    ○高野政府参考人 お答えを申し上げます。  繰り返しになりますが、航空法第六章の規定について、航空法第九十六条から九十八条まで及び第九十九条の二を除きまして適用除外にしております。航空法の特例法におきまして適用除外にしております。  これは、我が国が締結した国際約束である日米地位協定に基づきまして、米軍が我が国において活動することが認められていることを踏まえまして、その履行を担保するために定められたものと承知をしております。  以上でございます。
  188. 井上一徳

    ○井上(一)委員 普天間第二小学校で米軍のヘリが窓枠を落とした。幸いに児童にけがはなかったわけですけれども、けがをするおそれがあった。日本政府は米側に飛ぶなというふうに言ったにもかかわらず米側はまた飛んでいるということであれば、やはりこういう危険な飛行をしてはだめなんだということを米側に認識させるためにも、この条項は絶対適用させるべきだと思うんですけれども、重ねてちょっと質問いたします。
  189. 鈴木量博

    ○鈴木(量)政府参考人 お答え申し上げます。  お尋ねの、米軍に適用する我が国の法令の範囲の問題につきましては、仮に必要と判断される場合にいかなる方法でこれを行い得るかは、個別具体的に検討する必要があることから、一概にお答えすることは差し控えたいと思います。  いずれにしましても、米軍に適用する我が国の国内法令の範囲の見直しについては、米側及び関係省庁との調整を要するものと考えております。
  190. 井上一徳

    ○井上(一)委員 こういうところについては、私、米側と協議しても米側も理解すると思うんですけれども、米側と協議する考えはないですか。
  191. 鈴木量博

    ○鈴木(量)政府参考人 政府といたしましては、米軍の運用に当たって、地域住民の安全確保、それから地域における環境の保全がしっかりとなされることが重要と考えておりまして、累次、米側と協議を行っているところでございます。
  192. 井上一徳

    ○井上(一)委員 この点についても米側と協議を行っているというふうに理解してよろしいでしょうか。
  193. 鈴木量博

    ○鈴木(量)政府参考人 航空機の安全の問題につきましては、日米合同委員会等の枠組みがございますので、いろいろな場で私ども、米側とは協議を行っているところでございます。  また、同時に、米軍機は全く自由に飛行を行ってよいというわけではございませんで、日米地位協定第十六条に、我が国の国内法を尊重する義務を有するということが明記されておりまして、ここで言う我が国の国内法には、当然、我が国の航空法等も含まれておるわけでございます。米軍も公共の安全に妥当な考慮を払って飛行を行っているというふうに認識しております。
  194. 井上一徳

    ○井上(一)委員 だから、先ほどの普天間第二小学校の例ではないですけれども、尊重していない部分があるので、米側にこういった点について強く認識させるためにも協議した方がいいというふうに私は強く思っているんです。  大臣、最後、やはり協議すべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。
  195. 河野太郎

    ○河野国務大臣 地位協定に関するさまざまな問題については、政府として、最も効果的かつ機動的に対応できる方法で対応してまいりたいと思います。
  196. 井上一徳

    ○井上(一)委員 では、時間が来ましたので、質問を終了します。      ――――◇―――――
  197. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 次に、本日付託になりました内閣提出、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより趣旨の説明を聴取いたします。外務大臣河野太郎君。     ―――――――――――――  在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  198. 河野太郎

    ○河野国務大臣 ただいま議題となりました在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、提案理由を御説明いたします。  改正の第一は、在スワジランド日本国大使館等の名称及び位置の国名を変更することであります。  改正の第二は、在外公館に勤務する外務公務員の在勤基本手当の基準額を改定することであります。  改正の第三は、在外公館に勤務する外務公務員の子女教育手当の支給額を改定することであります。  以上の改正内容のうち、在勤基本手当の基準額の改定及び子女教育手当の支給額の改定については、平成三十一年度予算案と一致させて行うため、四月一日から実施する必要があります。  以上が、この法律案の提案理由及びその概要であります。  何とぞ、御審議の上、本件につき速やかに御賛同くださいますようお願いいたします。
  199. 若宮健嗣

    ○若宮委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、来る十三日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時二分散会