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2019-04-12 第198回国会 衆議院 本会議 18号 公式Web版

  1. 平成三十一年四月十二日(金曜日)     ―――――――――――――   平成三十一年四月十二日     午後一時 本会議     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出)並びに業務等における性的加害言動の禁止等に関する法律案西村智奈美君外五名提出)、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の一部を改正する法律案(岡本充功君外五名提出)及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案西村智奈美君外五名提出)の趣旨説明及び質疑     午後一時二分開議
  2. 大島理森

    議長大島理森君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案内閣提出)並びに業務等における性的加害言動の禁止等に関する法律案西村智奈美君外五名提出)、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の一部を改正する法律案(岡本充功君外五名提出)及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案西村智奈美君外五名提出)の趣旨説明
  3. 大島理森

    議長大島理森君) この際、内閣提出、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案並びに西村智奈美君外五名提出、業務等における性的加害言動の禁止等に関する法律案、岡本充功君外五名提出、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の一部を改正する法律案及び西村智奈美君外五名提出、労働安全衛生法の一部を改正する法律案について、順次趣旨の説明を求めます。厚生労働大臣根本匠君。     〔国務大臣根本匠君登壇〕
  4. 根本匠

    国務大臣(根本匠君) ただいま議題となりました女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  急速な少子高齢化の進展や社会経済情勢の変化に対応していくためには、女性をはじめとする多様な労働者がその能力を十分に発揮して活躍できる就業環境を整備することが重要です。こうした観点から、女性の職業生活における活躍に関する取組の推進や、いわゆるパワーハラスメント、セクシュアルハラスメント等のハラスメントのない職場づくりを推進するため、この法律案を提出いたしました。  以下、この法律案の内容につきまして、その概要を御説明いたします。  第一に、女性の職業生活における活躍に関する事業主の取組を更に推進するための仕組みを整備します。  具体的には、行動計画の策定や女性の職業選択に資する情報公表義務の対象を常時雇用する労働者の数が三百人を超える事業主から百人を超える事業主に拡大するとともに、情報公表の内容や履行確保の強化を行うほか、女性活躍の推進に関する取組が特に優良な事業主の特例認定制度の創設等を行うこととしています。  第二に、パワーハラスメント、セクシュアルハラスメント等のハラスメントの予防、解決に向けた事業主等の取組を推進するための仕組みを整備します。  具体的には、国の施策として、職場における労働者の就業環境を害する言動に起因する問題の解決を促進するために必要な施策を充実することを明記することとしています。  また、事業主に対して、パワーハラスメントを防止するため、相談体制の整備等の雇用管理上必要な措置を講ずることを義務付けるとともに、パワーハラスメントに関する労働者と事業主の間の紛争について、都道府県労働局長による紛争解決の援助、紛争調整委員会による調停の対象とすることとしています。  さらに、セクシュアルハラスメント等に起因する問題に関する国、事業主及び労働者の責務の明確化や、労働者が事業主にセクシュアルハラスメント等の相談を行ったこと等を理由とする不利益取扱いの禁止等を行うこととしています。  最後に、この法律案の施行期日は、一部の規定を除き、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日としています。  以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)     ―――――――――――――
  5. 大島理森

    ○議長(大島理森君) 提出者西村智奈美君。     〔西村智奈美君登壇〕
  6. 西村智奈美

    ○西村智奈美君 業務等における性的加害言動の禁止等に関する法律案、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の一部を改正する法律案及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案につきまして、提出者を代表して、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  職場におけるセクシュアルハラスメントやマタニティーハラスメント、パワーハラスメントは、労働者の尊厳や人格を傷つける、許されない行為であります。  しかし、連合が二〇一七年に行ったハラスメントと暴力に関する実態調査によれば、職場でセクハラを受け、又は見聞きした人は四一・四%、同じくマタハラについては二一・四%、そしてパワハラについては四五・〇%にも上っております。しかも、雇用の入り口に立とうとする就職活動中の学生に対するセクシュアルハラスメント事件が多数発生するなど、まさにセクハラ、マタハラ、パワハラ対策の強化は喫緊の課題となっております。  それにもかかわらず、政府提出法案にはセクハラ禁止規定は設けられておらず、セクハラ、マタハラ、パワハラ対策も不十分な内容にとどまっております。  そこで、我々は、全ての働く人が自分の能力を最大限発揮できる社会を実現するため、セクハラを禁止するとともに、セクハラ、マタハラ、パワハラ対策を強化する三法案を提出いたしました。  以下、三法案の概要を御説明いたします。  まず、業務等における性的加害言動の禁止等に関する法律案について申し上げます。  本法案では、業務等における性的加害言動について、従業者等が、その業務に関連し、又はその業務上の地位を利用して、就職活動中の学生やフリーランスの方を含む他の従業者等に対して行う当該他の従業者等の意に反する性的な言動であって、他の従業者等に精神的又は身体的な苦痛を与えるおそれがあるものと定義した上で、禁止規定を置いております。  さらに、従業者の懲戒等の措置、指針の作成、相談体制の整備、紛争の迅速かつ適切な解決に資する施策、二次被害の防止、教育、啓発などについても規定しております。  次に、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案では、他社の従業者からのセクハラ、マタハラに係る対応強化として、事業主に対し、その労働者から他社の従業者によるセクハラ、マタハラに係る相談を受けたときは、他社の事業者に対して対応を求め、又は厚生労働大臣に対して是正を図るように求める義務を課しております。  そして、その実効性確保のため、加害者側の事業主による不利益取扱いの禁止、その違反等の際の厚生労働大臣による公表等の仕組みを設けることとしております。  また、セクハラ、マタハラに関する対処の周知、迅速かつ適切な事後対応その他の事業主が講ずべき措置についても具体的に法律で定めております。  最後に、労働安全衛生法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案では、パワーハラスメントに関し、事業主は、その従業者に対する周知及び啓発、実態把握、相談体制の整備、パワハラ発生時の迅速かつ適切な被害者保護等必要な措置を講じなければならないこととしております。  さらに、消費者対応業務に係るハラスメントに関し、事業者は、ハラスメントに対処するための体制整備等必要な措置を講じなければならないこととしております。  そして、指針の策定、助言、指導及び勧告、公表、調査研究、国の援助等について規定しております。  以上が、三法案の提案の理由及び内容の概要であります。(拍手)      ――――◇―――――  女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案(内閣提出)並びに業務等における性的加害言動の禁止等に関する法律案(西村智奈美君外五名提出)、雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律の一部を改正する法律案(岡本充功君外五名提出)及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案(西村智奈美君外五名提出)の趣旨説明に対する質疑
  7. 大島理森

    ○議長(大島理森君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。高橋ひなこ君。     〔高橋ひなこ君登壇〕
  8. 高橋ひなこ

    ○高橋ひなこ君 自由民主党の高橋ひなこです。  女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案について、自由民主党を代表して質問させていただきます。(拍手)  現在、育児や介護等のさまざまな事情や地域社会への参加などにより、女性を始めとする働く方々のニーズや働き方が一層多様化しています。  こうした中、働き方改革が推進されていますが、女性活躍を更に加速させるとともに、多様な方々が安心してその能力を十分に発揮できる社会を実現していくことがますます重要となっています。  この法案は、社会の要請に応える、働く女性が待ちに待ったもの、その観点から何点かお尋ねいたします。  初めに、女性活躍推進法についてお尋ねします。  安倍政権発足直後から、総理のリーダーシップのもと、女性活躍の旗を高く掲げ、次々と政策が打たれてきました。その象徴とも言えるものが女性活躍推進法です。  そして、この六年間で、新たに二百八十八万人の女性が就業し、子育て世代の女性の就業率が八・八ポイント上昇しました。また、女性の正規雇用者の数が増加する一方、非正規の職についている女性の割合が継続的に低下する等、着実に成果が上がっています。  また、政府においても、内閣人事局を設置することで、これまでの省庁縦割りの人事管理から、省庁横断的な人事管理が可能となり、女性の登用が進みました。  しかしながら、まだまだ就業を希望している女性が一定数存在すること、また、女性管理職の割合が諸外国と比べると低い状況にあることなど、依然として課題も残されています。  そこで、この法案によりどのように女性活躍の取組が推進されることになるのか、わかりやすい御説明を女性活躍担当大臣にお願いいたします。  次に、パワーハラスメント防止対策についてお尋ねします。  職場における嫌がらせ等を受けたことによる精神障害の労災認定件数や、都道府県労働局が受ける職場のいじめ、嫌がらせの相談の数は年々増加し、パワーハラスメントの問題は、もはや見過ごすことができない深刻な状況となっています。また、企業にとっては、生産性の低下や企業イメージの悪化となり、職場のパワーハラスメント防止は喫緊の課題となっています。  この法案は、職場のパワーハラスメントの防止措置を初めて法制化する、画期的なものです。  その一方で、パワーハラスメント防止対策の推進に当たって御留意いただきたいことがあります。パワーハラスメントとされることを恐れて、企業が萎縮して、業務上の必要な指導や人材育成をちゅうちょすることがあっては、企業の生産性の低下を招きかねません。  そこで、この法案によるパワーハラスメント防止対策のポイントと、それによりどのような効果が期待されるのか、また、パワーハラスメントの防止措置と業務上の必要な指導とを両立させることの重要性をどのように企業に伝えていくのか、厚生労働大臣に改めて御説明をお願いいたします。  次に、セクシュアルハラスメントについてお尋ねします。  セクシュアルハラスメントの防止措置は、平成十九年の男女雇用機会均等法の改正により事業主の義務とされ、現在では、セクシュアルハラスメントという言葉は社会に相当浸透しています。  その一方で、セクシュアルハラスメントの被害を受けた方が企業に相談しづらい、あるいは他社の労働者などから行われるセクシュアルハラスメントについて事実確認が難しい等の課題も指摘されており、防止対策のさらなる強化が求められていると考えます。  この法案でセクシュアルハラスメント防止対策の実効性をどのような措置を講じ向上させるのか、厚生労働大臣に伺います。  最後に、中小企業への配慮についてお尋ねします。  我が国の雇用の七割を担う中小企業の方々にも、働き方改革関連法に基づく長時間労働の是正や同一労働同一賃金への対応に精力的に取り組んでいただいております。この法案の内容も働き方改革を進めるためのものであり、積極的な取組が期待されます。  その一方で、一般事業主行動計画の策定やパワーハラスメントの防止措置が義務づけられ、中小企業の負担がふえることが予想されます。  そのため、中小企業に対してどのような配慮や支援を行っていくのか、厚生労働大臣に伺います。  結びに、この法案により、女性を始めとするさまざまな方々が活躍できる就業環境の整備が進むことになり、誰もが能力を十分に発揮して生き生きと働くことができる社会が実現されるということを心から期待をいたしまして、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣根本匠君登壇〕
  9. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 高橋ひなこ議員にお答えをいたします。  パワーハラスメント防止対策についてお尋ねがありました。  働き手や働き方のさらなる多様化が見込まれる中で、誰もが安心して働くことのできる、ハラスメントのない就業環境を整備することが重要です。  このため、本法案では、パワハラの予防から事後の対応まで一連の措置を事業主に義務づけることとしています。これにより、各企業の実情を踏まえた主体的な取組を促し、問題の未然防止や円滑な解決促進につながるものと考えております。  また、今後定める指針において、パワハラの基本的な考え方や具体例、適正な範囲の業務指導はパワハラに当たらないことなどを示すことにより、適切な指導や人材育成が円滑に行われるようにしつつ、パワハラのない職場づくりを図ることの重要性を企業に対して周知してまいりたいと考えております。  セクシュアルハラスメント防止対策についてお尋ねがありました。  本法案では、御指摘のような課題を踏まえ、セクハラ防止対策の実効性のさらなる向上を図るため、労働者が事業主にセクハラの相談を行うことにちゅうちょすることがないよう、相談を行ったことを理由とした不利益取扱いを禁止するとともに、企業間で生ずるセクハラについて円滑な問題解決が図られるよう、自社の労働者等が他社の労働者に対してセクハラを行った場合に他社が講じる事実確認等の措置に協力する努力義務を新設する対応を行うこととしています。  また、今年度から、平日の夜間や土日も労働者等からの相談に対応するフリーダイヤル等を設置し、相談体制の強化を図ってまいります。  こうした対応により、セクハラのない職場づくりを一層推進してまいります。  中小企業の方々への配慮や支援についてお尋ねがありました。  本法案においては、先般の働き方改革関連法の施行時期も踏まえ、中小企業に十分な準備、周知期間を設けるため、女性活躍に関する行動計画策定等の義務の対象拡大やパワハラ防止措置の義務化の施行時期について、公布後三年以内の政令で定める日とし、それまでの間は努力義務としています。  その上で、義務化が施行されるまでの努力義務となっている間においても、可能な限り早期に対応を進めてもらえるよう、利用しやすい行動計画策定支援ツールの策定や、事業主向けセミナーやコンサルティングの実施、中小企業等が適切な外部相談窓口を活用できるような支援策の検討など、中小企業等への十分な支援を実施してまいります。(拍手)     〔国務大臣片山さつき君登壇〕
  10. 片山さつき

    国務大臣片山さつき君) 女性活躍推進法の改正による女性活躍の取組の推進についてお尋ねがありました。  今回の法改正は、安倍内閣で推進してまいりました女性活躍の流れを更に力強くするために、企業などの行動計画の策定と女性活躍情報見える化を進めるものでございます。  まず、行動計画策定と情報公表義務の対象企業を常用雇用者数三百一人以上から百一人以上の企業に拡大することにより、現行の約三倍の企業において計画的に女性活躍の取組が進められることとなります。  また、女性活躍に係る情報開示を充実させるため、職業生活に関する機会の提供と職業生活と家庭生活の両立の両面での情報公表を義務化いたします。  今回の法改正を通じまして、女性活躍の取組の裾野を社会全体に着実に広げていくことにより、我が国の女性活躍を次のステージに推し進めてまいりたいと存じます。(拍手)     ―――――――――――――
  11. 大島理森

    議長大島理森君) 池田真紀君。     〔池田真紀君登壇〕
  12. 池田真紀

    ○池田真紀君 立憲民主党の池田真紀です。  立憲民主党・無所属フォーラムを代表し、質問いたします。(拍手)  質疑に先立ち、一言申し上げます。  櫻田大臣の論外の発言と辞任の例を見るまでもなく、安倍内閣や与党の気の緩み、おごりは、もはや限度を超えています。大臣や副大臣が暴言、失言をするたびに、安倍総理は通り一遍の謝罪の言葉しか発しませんが、総理の言葉の発する気持ちの入らない言葉はもはや聞き飽きました。任命責任を感じるというなら、それを行動で示すべきではないでしょうか。  我々野党は、この櫻田大臣や、塚田前国交副大臣のそんたく発言、さらにはF35Aの墜落事故などを受けて、予算委員会における集中審議を要求いたしました。任命責任を感じると総理みずからがおっしゃったのですから、当然これにも応じると思いきや、与党側は全く応じようとしていません。任命責任と口先では言いながら、国会での説明から逃げ回るのでは、何の説得力もありません。これ以上の緩み、おごりは御免です。まずは集中審議に応じるぐらいの気概と誠意を見せてはいかがでしょうか。改めて、厳しく指摘をさせていただきます。  それでは、本日議題となりました女性活躍推進法の一部を改正する法律案並びに三法案について質問をさせていただきます。  女性が個性と能力を十分に発揮できるようにするには、国として、女性一人一人の活躍を応援しようという意識を、あらゆる施策を通じ、しっかり社会に示すことが求められています。  具体的には、働く女性に対する社会の理解を増進するべく、働く上でのあらゆる障壁を取り除き、女性にとって働きやすい環境整備を行い、女性への偏見や差別を解消するとともに、育児や介護、家事という固定化された女性役割を社会全体で担っていくことこそが、まずは大前提です。  しかし、自民党を始めとする与党議員の直近の発言からは、この女性活躍を真に理解しているのか、思いは本当なのか、疑念を抱かざるを得ません。  例えば、昨年、平成三十年の四月、財務省事務次官が女性記者へ、胸さわっていいなど言動したセクハラについて、麻生大臣は、はめられた、セクハラ罪という罪はない、事実を言っただけという発言をされました。  平成三十年四月、とある自民党衆議院議員は、セクハラ撲滅を訴える野党女性議員の写真とともに、セクハラとは縁遠い方々とツイッターで書き込みし、後に削除しました。  平成三十年の五月十日は、とある自民党衆議院議員結婚披露宴にて、新郎新婦は必ず三人以上産んでほしい。  平成三十年三月二十九日のとある自民党衆議院議員は、党の部会にて、雇ったら、実は妊娠、産休、違うだろうと、マタハラと批判されかねない発言がありました。  また、少し前ですが、平成二十六年の三月、私のおります北海道五区補欠選挙では、自民党候補の応援に来道されたとある自民党衆議院議員が、みこのくせに何だと思った、みこさんを誘って、夜、説得しようと思ったと放言し、続いて、四月には、国会で質問中の野党女性議員に、早く結婚して子供を産まないとだめだぞとやじを飛ばしました。  ひっくり返るような言動が続くのは、そもそも、安倍政権では、セクハラをしてはいけない以前に、セクハラが何かをわかっていないからではないでしょうか。  昨年、財務省ではセクハラ研修が行われ、財務省幹部が受講されましたが、名乗り出ることがそんなに苦痛なのかと発言し、撤回もしなかった財務省官房長も、セクハラ罪はないと言い放った麻生大臣も参加されていません。  今回の法改正は、女性活躍推進法施行の三年後の見直しです。この女性活躍推進法が成立した翌月、平成二十七年九月の二十九日、菅官房長官は、芸能人の名前を出して、○○さんの結婚を機に、一緒に子供を産みたいという形で国家に貢献してくれればいいなと思うと発言され、抗議も多くあったものの、失言かと問われると、全くないと明言をされました。  菅官房長官にお尋ねいたします。  今でも、産んで国家に貢献ということは失言ではない、全くないと思っていますか。三年後の見直しに向けて、どのような意気込みがおありですか。お答えください。  現行の男女雇用均等法は、事業主が講ずべき措置を規定していますが、セクシュアルハラスメントによる被害は依然として多く発生しています。抜本的な解決を図るためには、法律でセクシュアルハラスメントの禁止を明記し、それが違法なものであると明確にする必要があると考えます。また、国連女性差別撤廃委員会からも、セクシュアルハラスメントの禁止の法制化が強く要請されています。  セクハラ禁止法案は、セクシュアルハラスメントの禁止規定を設けた画期的な法案であると考えます。提出者に対し、セクハラ禁止を明記した趣旨を伺います。  政府に対しては、政府案においてセクハラ禁止規定を置かなかった理由を厚生労働大臣にお聞きします。  最近では、OB訪問の機会を悪用するなど、早く内定をとりたいという就活中の学生の心理につけ込んだ、ひきょうきわまりないセクシュアルハラスメントが社会問題となっております。  また、企業等に属していない、いわゆるフリーランスの方々についても、仕事を打ち切られるかもしれないとの不安から、セクシュアルハラスメントの被害を受けても声を上げられずにいる事例が存在します。  就活生やフリーランスのように、声を上げにくい、弱い立場にある方々こそ、セクシュアルハラスメントの被害を受けないように守らなければなりません。  このように、労働者に限らず、広くセクシュアルハラスメント規制による保護の対象とする必要があると考えますが、セクハラ禁止法案におけるセクシュアルハラスメントの対象の範囲について伺います。  また、政府案に対して、フリーランス、就活中のセクハラについてどのように措置をするのか、厚生労働大臣にお聞きします。  内閣提出法案は、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること」と定義しています。  厚生労働省は、取引先や顧客等からの著しい迷惑行為については、法律上の措置義務の対象とはしないが、指針において労働者からの相談体制の整備や被害者への適切な配慮等を行うことが望ましい旨を記載すると説明しています。  取引先や顧客などは対象に入らず、定義を置くことでかえって対象を狭めるのではないかと懸念があると考えます。  野党のパワハラ規制法案において、いわゆるカスタマーハラスメントや取引先の従業員によるパワハラも規制の対象とした趣旨をお聞きします。  内閣提出法案において、取引先や顧客等からの著しい迷惑行為を法律上の措置義務の対象としなかった理由及び法律上の措置を講じる必要性について、厚生労働省の見解を伺います。  我が国は、ILOの分類では、ハラスメントに対する法規制がない国として分類されています。このままでは、世界的におくれた現状となってしまいます。  二〇一九年六月、ILO条約への批准について、どうするつもりなのか、政府にお尋ねいたします。  野田市で起きた児童虐待の事件では、DVを受けていたお母さんが加害者として逮捕をされました。DVの被害者を加害者にしない。今回の女性活躍推進法の改正は、ここにもつながる根本的な土台の部分です。  私は介護の現場にもおりましたので、訪問先での利用者や家族からセクハラがあった場合、被害を訴えても、プロとして、セクハラを受けたあなたが悪いと否定されることも多く、介護現場では離職する要因の一つともなっています。  医療現場と違って、介護は、長く続くその人の人生そのもの、生活そのものであり、性を尊重し、同性介護の徹底がなされることが理想であり、原則ではありますが、実際には、特に高齢者の介護現場では行き届いていません。  排せつや着がえ、入浴介助など、プライバシーにまで踏み込み、ケアをする。羞恥心に配慮し、自己肯定感を阻害することないよう、さりげなく介助することが必要です。しかし、中には、介護の現場においても、利用者やその家族などから暴言や暴力、セクハラがあった場合、これが不当な要求なのか、疾患や心理面からくる、ケアする対象そのものなのか、非常に迷い、悩みます。  特に、訪問介護は密室です。夜間介護もあります。  関係性からすると優越な立場とは言いがたい立場で、かつケアを必要とする方たちです。介護現場における暴言、暴力、セクハラについての調査結果が新聞などでようやく報道され始めましたが、対象者がケアを必要とする方々であり、その判断にも専門的な見立てが必要となります。  介護業界は、これからも大変な人手不足を抱え、外国人ケア労働者もふえてきており、誰も被害者にも加害者にもさせないケア現場のあり方、専門的なセクハラ対策が必要と考えます。  また、フリーランスや就活中の学生など、範囲の拡大とともに、職業生活だけではなく、町内会や学校、地域のスポーツクラブや塾など、あらゆる場所においても、とにかくセクハラはだめなんだという文化、風土を国全体でつくらなければならないと考えます。  法の抜け穴でもあります議員なども、マタハラ、セクハラ、票ハラなどが報道されるようになりました。  三歩歩けばマンスプレーニングに当たるというこんな現状を変えなければ、女性が活躍できる社会とは言えません。  女性が真に活躍できる社会、国とは、性差だけではなく、性的指向、性自認や人種、国籍、障害、妊娠や子育て家庭など、多様な、全ての人々が個性を生かし、生きやすい社会へとつながります。  今回の女性活躍推進法改正においては、活発な国民議論となりますように、今回はここまで、でも次のステップはこれだと示すような有意義な審議となるよう、与野党ともにお願いを申し上げまして、質問を終了させていただきます。(拍手)     〔国務大臣根本匠君登壇〕
  13. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 池田真紀議員にお答えをいたします。  セクハラ禁止規定についてお尋ねがありました。  セクシュアルハラスメントの禁止規定については、昨年十二月の労働政策審議会の建議において、民法等他の法令との関係の整理や違法となる行為の要件の明確化等の課題があり、中長期的な検討を要するとされました。  一方で、職場におけるセクシュアルハラスメントは、労働者の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるものであり、あってはならないものです。  政府案では、セクハラ対策の実効性のさらなる向上を図るため、国、事業主及び労働者の責務として、セクハラは行ってはならないものであり、他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきであることを明確化するほか、労働者が事業主にセクハラの相談を行ったことを理由とした不利益取扱いの禁止等を行っており、これにより、セクハラのない職場づくりを一層推進してまいります。  フリーランスや就職活動中の学生に対するセクハラについてお尋ねがありました。  男女雇用機会均等法は、事業主に対し、その雇用する労働者に対するセクハラの防止についての雇用管理上の措置義務を規定しております。このため、フリーランスや就職活動中の学生など雇用関係にない方々については、対象に含まれておりません。  一方で、セクシュアルハラスメントを行ってはならないことは、相手が誰であっても当然のことです。  今回の政府案では、事業主や労働者の責務として、セクシュアルハラスメントを行ってはならないことや、その言動に注意を払うよう努めるべきことを明確化しています。こうした責務規定の趣旨も踏まえながら、フリーランスや就職活動中の学生などに対してもセクシュアルハラスメントを行ってはならないという認識が職場で十分に浸透するよう、必要な対応を検討してまいります。  取引先や顧客等からの著しい迷惑行為への対応策についてお尋ねがありました。  取引先や顧客等からの著しい迷惑行為は、社外の相手との関係で起きる問題であり、顧客等への対応業務には一定程度のクレーム対応が内在していることもあるため、どこからが迷惑行為に当たるかといった判断が、社内のパワーハラスメント以上に難しいものがあります。また、再発防止まで含めた一連の措置を課すことも難しい面があるため、今回、措置義務の対象には含めないこととしたものであります。  しかしながら、取引先や顧客等からの迷惑行為は、労働者に大きなストレスを与える悪質なケースもあり、労働者のケアなど必要な対応を企業に促すことが重要と考えています。  このため、今後定める予定のパワハラ防止措置に関する指針において、取引先や顧客等からの迷惑行為に関する企業の望ましい取組を明示し、周知啓発に取り組んでまいります。  ILO条約の批准についてお尋ねがありました。  ILOの仕事の世界における暴力とハラスメントに関する条約案は、本年六月のILO総会において議論された上で、採択されることが想定されています。この条約案について、世界各国が効果的にハラスメントの防止対策を進めていくことができる基準の内容となるよう、日本政府としても、ILO総会の議論に引き続き積極的に参加してまいります。  仮に条約がILO総会で採択された場合、その批准については、採択された条約の内容等を踏まえて検討してまいりたいと考えています。(拍手)     〔国務大臣菅義偉君登壇〕
  14. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 私の過去の発言と、今般の女性活躍推進法の見直しに向けた認識についてお尋ねがありました。  御指摘の発言につきましては、その発言をした、約三年半ほど前でありますけれども、国会において、結婚や出産は個人の自由であることは当然であり、結婚、出産、子育てに伴うさまざまな負担や障害をなくし、誰もが個人の希望をきちんとかなえることのできる環境を整備することが政府の役割であると認識していることを答弁いたしております。  こうした認識に立って、全ての女性が輝くような社会の構築に向けて、今般の女性活躍推進法の見直しを始め、我が国の女性活躍が更に前進するよう全力で取り組んでまいりたいと考えております。(拍手)     〔尾辻かな子君登壇〕
  15. 尾辻かな子

    ○尾辻かな子君 業務等における性的加害言動の禁止等に関する法律案、いわゆるセクシュアルハラスメント禁止法案及び労働安全衛生法の一部を改正する法律案、いわゆるパワーハラスメント規制法案について御質問いただきましたので、順次答弁いたします。  まず、セクシュアルハラスメント禁止法案でセクシュアルハラスメントの禁止規定を設けた趣旨についてお尋ねがありました。  議員も御指摘のように、現行の男女雇用機会均等法は、事業主の措置義務を規定していますが、セクシュアルハラスメントを行うこと自体を禁止する規定はありません。  そのため、セクハラ罪という罪はないなどという発言に象徴されるように、セクシュアルハラスメントは悪いものであるという認識が十分に浸透しておらず、依然としてセクシュアルハラスメントによる被害は後を絶ちません。  そもそも、セクシュアルハラスメントは従業者等の生活に深刻な影響を及ぼすものであり、法律においてセクシュアルハラスメントの禁止を明らかにする必要があります。  そこで、セクシュアルハラスメント禁止法案では、セクシュアルハラスメント自体を禁止することを明記し、セクシュアルハラスメントが法的に禁止された違法なものであることを明確にしております。  続いて、セクシュアルハラスメント禁止法案におけるセクシュアルハラスメントの対象者の範囲についてもお尋ねがありました。  議員も御指摘のとおり、最近では、就職活動中のセクシュアルハラスメントやOB訪問での性被害等が問題となっており、労働者だけでなく、雇用の入り口に立とうとする就職活動中の学生についても、セクシュアルハラスメントの被害を受けないように守らなければなりません。また、企業に属していない、いわゆるフリーランスの方についても、契約を解消されるおそれがあるという弱い立場であって、セクシュアルハラスメントの被害を訴えにくい環境にあります。  そこで、セクシュアルハラスメント禁止法案では、採用面接やOB訪問等における就活生へのセクシュアルハラスメントやフリーランスへのセクシュアルハラスメントについても禁止の対象としております。  このように、本法案では、禁止しているセクシュアルハラスメントの被害者の範囲を就活生やフリーランスの方まで広く規定することにより、これらの方々の保護を図ることとしております。  最後に、パワーハラスメント規制法案において、顧客からのハラスメント、いわゆるカスタマーハラスメントや取引先などの他社の従業者によるパワーハラスメントを規制の対象とした趣旨についてお尋ねがありました。  顧客からの悪質なクレームなどのハラスメントであるカスタマーハラスメントや取引先など他の企業の従業員からのパワーハラスメントについても、セクシュアルハラスメントや社内におけるパワーハラスメントと同様に、労働者の心身に深刻な影響を与えるものとして重大な問題となっております。  そのため、このようなハラスメントから労働者を保護するための措置を講ずることを事業者に義務づける必要があると考え、私たちのパワーハラスメント規制法案では、いわゆるカスタマーハラスメントも取引先の従業員による企業横断的なパワーハラスメントも規制の対象としております。  以上です。(拍手)     ―――――――――――――
  16. 大島理森

    ○議長(大島理森君) 西岡秀子君。     〔西岡秀子君登壇〕
  17. 西岡秀子

    ○西岡秀子君 国民民主党、長崎一区選出、西岡秀子でございます。  ただいま議題となりました女性の職業生活における活躍推進に関する法律の一部を改正する法律案並びに野党四会派提出三法案について、国民民主党・無所属クラブを代表して質問いたします。(拍手)  政府提出の本法律案は、主に五つの法律の改正案から成る束ね法案でございます。  令和の時代を目前に控え、平成の時代は、働く女性を支援する法律がこれまで一歩ずつ整えられてきた歴史と重なります。  一方で、政府が本格的に女性活躍推進に取り組み始めたのは、急速な少子高齢化に伴う人口減少や社会状況の変化による労働力不足が深刻化してからと言えます。  一五年に女性活躍推進法が十年間の時限立法として施行され、今回の改正は、附則の三年後の見直し規定及び衆参両院の附帯決議を受けてのものとなります。  しかし、政府の女性活躍の華々しい旗とは裏腹に、依然として年齢別階級別労働力率はいわゆるM字カーブを描いており、特に三十五歳から三十九歳において実際の労働力率と潜在的労働力率の差が大変大きく、また、管理的職業従事者に占める女性の割合も、昨年一四・九%で、国際的にもいまだ低水準であります。また、賃金の男女間格差についても、約三割の格差が残ったままとなっております。  この現状を踏まえ、まず、女性活躍推進法改正についてお尋ねをいたします。  今回、新たに義務化され、行動計画策定の対象となる、常用労働者百一人以上から三百人の中小事業者の負担を考え、施行日が、公布の日から起算して三年を超えない範囲内で政令において定めるとなっております。  これは、働き方改革関連法案の中小事業者の関連する施行時期も考慮されたものでございますが、中小企業者に対するどのような負担軽減策を考えておられるのか。また、今後、百人以下の事業者に対してもさらなる義務化の拡大を図り、全ての事業者に義務化する必要があると考えますが、厚生労働大臣の見解をお尋ねいたします。  また、今回の改正によって、女性の職業生活における活躍に関する情報公開義務を、常用労働者百一人以上から三百人の中小事業者に拡大し、十四項目のうち一項目以上の公表を義務づけることとなりました。一方、既に義務の対象である三百一人以上の事業者については、今回、十四項目を職業生活に関する機会の提供に関する実績と職業生活と家庭生活との両立に資する雇用環境の整備に関する実績の二つに区分し、それぞれから一項目以上公表することといたしました。  しかし、十四項目はいずれも大変重要な項目であり、二項目以上にする程度では極めて不十分であり、また、現在、平均五・五項目公表されている項目については、事業主の裁量で公表されているために偏りがある状況でございます。  各事業者の女性活躍推進の取組を促し、求職者の職業選択に資するためにも、計画策定に当たっては、現状把握の基礎項目については必須とすべきではないでしょうか。厚生労働大臣の見解をお尋ねいたします。  また、衆議院の内閣委員会の附帯決議で、一般事業主行動計画を策定するに当たって、男女の賃金格差の差異を省令によって状況把握の任意項目に加えることについて検討するとありますが、今回、どのような対応になっているのか。また、男女の賃金格差の差異を情報公開の項目とすべきと考えますが、厚生労働大臣の見解をお尋ねいたします。  次に、ハラスメント対策についてお尋ねいたします。  昨年の財務省の前事務次官の女性記者に対するセクハラ発言の際に、極めてセクハラ対策に後ろ向きな安倍政権の体質が浮き彫りとなりました。今回、ハラスメント対策に関する本法案の審議入りに当たり、政権としてどのような決意を持ってこの対策に取り組まれるのか、菅官房長官にお尋ねをいたします。  次に、セクハラ対策についてお尋ねいたします。  本法案は、自社の労働者から他社の労働者へのセクハラについては、事実確認等に必要な協力に応じる努力義務だけで、加害者側の事業主に措置を義務づけておりません。どうして措置を義務づけなかったのでしょうか。厚生労働大臣にお尋ねをいたします。  また、例えば、元請企業の社員が下請企業の社員にセクハラ行為をした場合、下請企業の事業主は、取引をとめられることなどを恐れ、元請企業の事業主に対応を求めることをちゅうちょするのが現実です。会社間で対応を求めた場合に不利益な措置をこうむることがないような仕組みがぜひ必要であると考えますが、厚生労働大臣の見解をお伺いいたします。  また、この二点について、国民民主党などが提出した男女雇用機会均等法の一部を改正する法律案においてはどのような内容を規定しているのか、議員立法提出者に御説明をお願いいたします。  就職活動を行う学生に対するセクハラも大変深刻な問題となっております。ことし二月には、大手ゼネコンの男性社員が逮捕されるという事案も起きております。  野党四会派で提出したセクハラ禁止法案は、その対象者に、従業員を始め、就活中の学生など従業員になろうとする者、また、フリーランスを含む個人事業主も含む内容となっております。  政府提出の法案では、就職活動中の学生やフリーランスで働く人に対するセクハラについては対象外となっております。  このままの状況でいいとお考えなのでしょうか。今後どのように取り組んでいかれるか、その方針について厚生労働大臣にお尋ねをいたします。  次に、パワーハラスメント対策についてお尋ねいたします。  大手広告代理店の新入社員の過労自殺の原因の一つがパワハラであったと言われております。その後も、パワハラが原因で自殺をする痛ましい事案は後を絶ちません。  私たちは昨年の通常国会で参議院にパワハラ規制法案を提出いたしましたが、与党が反対したため、否決されました。政府がやっとパワハラ対策に乗り出した今回であれば、与党の皆様も、国民民主党などが再提出したパワハラ規制法案に御賛同いただけるものと考えます。パワハラ規制法案に対する厚生労働大臣の見解をお尋ねいたします。  本法案では、パワハラの定義について、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること」と規定しています。法案の説明資料では、就業環境を害することの説明として、身体的若しくは精神的な苦痛を与えることと書かれております。つまり、明らかなパワハラが行われていても、パワハラを受けた本人が苦痛を感じていないと言えば、パワハラに当たらないことになってしまいます。  パワハラで精神的にダメージを受けても、職場で声を上げられない人が多いというのが実情です。そこで、就業環境を害するおそれのあることと広く定義して、誰が見ても明らかにパワハラであるという行為が職場内で行われたら、事業主が措置を講ずるようにすべきであると考えますが、厚生労働大臣の見解をお尋ねいたします。  また、本法案では、取引先など他の会社の社員からのパワハラについては、事業主の措置義務の対象となっておりません。既に、セクハラについては、他の会社の労働者からの被害が事業主の措置義務の対象となっております。なぜパワハラについては措置義務の対象としていないのか、厚生労働大臣に答弁を求めます。  以上のこの二点について、国民民主党などが提出したパワハラ規制法案ではどのように規定されているのか、議員立法提出者にお尋ねをいたします。  関連して、悪質クレーム対策についてお尋ねをいたします。  労働組合のUAゼンセンのアンケート調査では、客からの迷惑行為に遭遇した人の割合が七割を超えるなど、悪質クレームは深刻な社会問題となっております。  悪質クレームは、セクハラやパワハラと同様、労働者の心身に深刻な影響を与えます。そればかりか、悪質クレームは、職場全体の就労環境や事業者の経済活動を害するおそれのあるものであり、その対策を推進していくことは喫緊の課題です。  UAゼンセンが、悪質クレームの抑止、撲滅に向けて、法制化を始めとした対策の早期具体化を求める署名活動を実施したところ、百七十六万超の署名が集まり、昨年八月に当時の加藤厚生労働大臣に提出をされました。  政府は、なぜ本法案に悪質クレーム対策を盛り込まなかったのでしょうか。その理由について、厚生労働大臣に明快な答弁を求めます。  一方で、パワハラ規制法案では悪質クレームについてどのような対策がとられているのか、議員立法提出者にお尋ねをいたします。  次に、ILO条約についてお尋ねいたします。  仕事の世界における暴力とハラスメントに関する条約が、ことしのILO総会での採択を目指し、全ての形態の暴力及びハラスメントを法律で禁じることが求められております。対象となる労働者は、契約上だけではない、働く人々も含め、加害者、被害者に取引先、顧客などの第三者も含む内容となっております。  この条約に対して我が国としてどのように対応されるのか、政府の方針について厚生労働大臣にお尋ねいたします。  女性が活躍していくためには、待機児童の解消が不可欠です。  国民民主党など野党は、子ども・子育て支援法改正案の審議の際に、待機児童解消のために必要不可欠である保育士の処遇改善を求め、全ての保育士の月給を五万円アップさせる野党提出法案の審議を求めましたが、与党は、審議することなく、採決を行いました。  政府も保育士の処遇改善を一昨年から実施しておりますが、全職員に対する処遇改善は少額であり、月額四万円の処遇改善の対象は経験年数七年以上と限定的であるなど、十分なものとは言えません。また、今年度予算に盛り込まれた処遇改善は月三千円相当にすぎません。  子育て・子ども支援法改正案の附帯決議には、保育等従事者の職務がその重要性にふさわしい魅力あるものとなるよう、保育等従事者の賃金その他の処遇改善について、速やかに、必要な措置を講ずるものと盛り込まれました。  この附帯決議を踏まえ、政府として早急にどのような対応をとる方針であるか、また、保育の質の確保についてどのように取り組まれるか、厚生労働大臣の答弁を求めます。  WHOの調査によれば、全世界の十六歳以上の女性の三五%である八億一千八百万人が家庭やコミュニティーや職場で性暴力や身体的暴力を受けている、厳しく悲しい現実があります。ハラスメントの被害に遭うのは、圧倒的に社会的に弱い立場におられる方々です。  今回の法改正の機会に、改めて、あらゆるハラスメントは、人格を傷つけ、人の尊厳を傷つけ、その人の健康や安全を脅かす、まさに人権侵害であるということを私たちは共有し、改めて肝に銘じ、あらゆるハラスメントの根絶に向けて取り組んでいかなくてはなりません。  また、全ての女性が自分の居場所で夢と希望を持って生き生きと活躍できる社会の実現を目指し、今後とも国民民主党は全力で取り組んでまいることをお誓いし、私の質問を終わります。  御清聴いただき、ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣根本匠君登壇〕
  18. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 西岡秀子議員にお答えをいたします。  中小企業への負担軽減策と計画策定義務の対象企業のさらなる拡大についてお尋ねがありました。  女性活躍の取組を進めるため、常用労働者数が百一人以上の企業が義務化になるまでの間においても、早期に行動計画の策定を行ってもらうことが重要であると考えています。  このため、行動計画に基づく取組に対する助成や、利用しやすい行動計画策定支援ツールの開発、セミナーの実施、事例集の策定等による周知啓発などの十分な支援措置を実施してまいります。  また、百人以下の企業については、企業における負担や、次世代育成支援対策推進法の行動計画策定義務が百一人以上企業であることを考慮して、引き続き努力義務としています。努力義務の中小企業においても取組が進むように、百一人以上の企業と同様に支援を実施してまいります。  情報公表項目の対象についてお尋ねがありました。  今回、政府として提出する法案では、企業の自主性を尊重しつつ、女性が継続的に活躍できる環境整備を進めるため、三百一人以上の事業主について、これまで比較的公表する企業の多かった職業生活に関する機会の提供に関する項目のみならず、継続的な活躍に不可欠な職業生活と家庭生活との両立に関する項目の見える化を促すため、双方の区分から一項目以上選んで公表することを義務づけています。  各項目から一項目以上というのはあくまで最低基準であり、各企業に対しては、どのような項目を情報公表しているか自体も求職者などから評価されていることなどを伝えるなどして、積極的な情報公表を促していくこととしています。  賃金格差については、既に状況把握の任意項目になっていますが、勤続年数などさまざまな背景が複合した最終的な結果指標でもあり、企業間で比較した際の解釈が難しい面もあります。このため、今回の法案では、その公表を義務化しておりません。  しかしながら、今回の見直しにより、女性の継続的な活躍につながる取組が促進されることで、賃金格差の改善が進むものと考えています。  企業間で生じるセクハラへの対応についてお尋ねがありました。  今回、政府として提出した法案では、加害者側の企業に対し、被害者側の企業からセクシュアルハラスメント防止に関する措置の実施について必要な協力を求められた場合に、これに応じる努力義務を設けています。求められる協力の内容は、その状況等によってさまざまなものがあると考えられること等から、当該措置への協力については努力義務としています。  この規定の趣旨に鑑みれば、加害者側の企業が、被害者側の企業から協力を求められたことを理由として、被害者側の企業に対して取引を打ち切るなどの不利益な取扱いをすることは、制度の趣旨に反し、望ましくないものと考えます。  政府提出法案が成立した際には、こうした法案の内容や制度趣旨についてしっかりと周知啓発を進め、企業におけるセクシュアルハラスメント防止対策が円滑に進むよう努力してまいります。  就職活動中の学生やフリーランスの方に対するセクハラについてお尋ねがありました。  男女雇用機会均等法は、事業主に対し、その雇用する労働者に対するセクシュアルハラスメントの防止についての雇用管理上の措置義務を規定しております。このため、就職活動中の学生やフリーランスなど雇用関係にない方々については、対象に含まれておりません。  一方で、セクシュアルハラスメントを行ってはならないことは、相手が誰であっても当然のことです。  今回、政府として提出した法案では、事業主や労働者の責務として、セクシュアルハラスメントを行ってはならないことや、その言動に注意を払うよう努めるべきことを明確化しています。こうした責務規定の趣旨も踏まえながら、フリーランスや就職活動中の学生などに対してもセクシュアルハラスメントを行ってはならないという認識が職場で十分に浸透するよう、必要な対応を検討してまいります。  パワハラ対策と議員立法についてお尋ねがありました。  働き手や働き方のさらなる多様化が見込まれる中で、誰もが安心して働くことのできる、ハラスメントのない就業環境を整備することが重要です。  このため、今回、政府として提出した法案では、パワーハラスメントの予防から事後の対応までの一連の措置を事業主に義務づけることとしています。これにより、各企業の実情を踏まえた主体的な取組を促し、問題の未然防止や円滑な解決促進につながるものと考えております。  また、御指摘の国民民主党などが提出した法案については、議員立法に関するものであることから、国会において御判断いただくべきものと考えています。  パワハラの定義についてお尋ねがありました。  今回、政府として提出する法案においては、パワーハラスメントの定義について、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であつて、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されること」とし、事業主に対して雇用管理上の必要な措置を義務づけています。  パワハラの定義の具体的内容は、今後、法律に基づく指針においてお示しする予定ですが、本法案を策定するに当たっての労働政策審議会の建議においては、就業環境が害されるかどうかの判断に当たっては、平均的な労働者の感じ方を基準とすべきとされています。  指針の内容は、今後、審議会で議論することとなりますが、この平均的な労働者の感じ方については、その言動を受けた場合に、社会一般の労働者の多くが、能力の発揮に重大な影響が生ずるなど就業する上で看過できない程度の支障が生じたと感じる言動であることといった内容とすることが考えられます。  他社の労働者等からのパワハラを措置義務の対象としない理由についてのお尋ねがありました。  他社の労働者等からのパワーハラスメントは、社外の相手との関係で起きる問題であり、どこからが迷惑行為に当たるかといった判断が、社内のパワハラ以上に難しく、また、再発防止まで含めた一連の措置を課すことも難しい面があります。このため、今回、措置義務の対象には含めないこととしたところです。  一方で、取引先等からの行為についても、労働者に大きなストレスを与える悪質なケースもあり、安全配慮義務の観点からも、労働者のケアなど必要な対応を企業に促していくことは重要です。このため、今後定めるパワハラ防止措置に関する指針において、取引先等からの迷惑行為に関する企業の望ましい取組を明示し、積極的な周知啓発を行ってまいります。  悪質クレーム対策についてお尋ねがありました。  顧客等からの迷惑行為は、社外の相手との関係で起きる問題であり、顧客等への対応業務には一定程度のクレーム対応を伴うこともあるため、どこからが迷惑行為に当たるかといった判断が、社内のパワハラ以上に難しいものがあります。また、再発防止まで含めた一連の措置を課すことも難しい面があるため、今回、措置義務の対象には含めないこととしたものです。  しかしながら、顧客等からの迷惑行為は、労働者に大きなストレスを与える悪質なケースもあり、労働者のケアなど必要な対応を企業に促すことが重要と考えています。  このため、今後定めるパワハラ防止措置に関する指針において、顧客等からの迷惑行為に関する企業の望ましい取組を明示し、周知啓発に取り組んでまいります。  ILO条約についてお尋ねがありました。  仕事の世界における暴力とハラスメントに関する条約案は、本年六月のILO総会において議論された上で、採択されることが想定されています。この条約案について、世界各国が効果的にハラスメントの防止対策を進めていくことができる基準の内容となるよう、日本政府としても、ILO総会の議論に引き続き積極的に参加してまいります。  仮に条約がILO総会で採択された場合、その批准については、採択された条約の内容等を踏まえて検討してまいりたいと考えています。  保育士等の処遇改善と保育の質の確保についてお尋ねがありました。  保育士等の処遇改善は、所管である内閣府と連携して取り組むべき大変重要な課題であると認識しています。  このため、これまでも、二〇一三年度以降、月額約三万八千円に加え、二〇一七年度からは、技能、経験に応じた月額最大四万円の処遇改善を実施し、さらに、今年度からは、新しい経済政策パッケージに基づき月額三千円相当の処遇改善を行っております。  また、保育士の勤務環境の改善を図るため、保育業務のICT化や保育士配置の改善、業務補助者の雇い上げの支援などに取り組んでいます。  高い使命感と希望を持って保育の道を選んだ方々が長く働くことができるよう、引き続き支援に努めてまいります。  また、幼児教育、保育の質の向上を図ることは、大変重要であると考えております。  内閣府の所管である子ども・子育て支援新制度の予算においては、消費税率が一〇%に引き上げられたときに実施することにしていた〇・七兆円のメニューについて、三歳児の職員配置の改善など、質の向上も含め、全ての事項を既に実施済みです。  消費税財源以外の財源により実施することとされている、さらなる質の向上を実施するための〇・三兆円超のメニューについても、これまで、保育士等の処遇の二%の改善などを実施しています。  この〇・三兆円超メニューについては、骨太の方針二〇一八において、適切に財源を確保していくとされており、政府として、これに沿って対応してまいります。(拍手)     〔国務大臣菅義偉君登壇〕
  19. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 職場におけるハラスメント対策への決意についてお尋ねがありました。  職場におけるハラスメントは、働く方の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるものであり、あってはならないものと考えております。  このため、政府としては、ハラスメントのない社会に向けて、今回の法案に基づくセクハラやパワハラの防止対策の強化などを通じて、誰もが働きやすい職場づくりを進めてまいりたいと考えております。(拍手)     〔岡本充功君登壇〕
  20. 岡本充功

    ○岡本充功君 西岡秀子議員にお答えをさせていただきます。  セクハラ規制強化法案及びパワハラ規制法案について御質問いただきました。順次お答えをしてまいります。  まず、自社の労働者から他社の労働者へのセクハラに関して、加害者側の事業主の措置義務についてお尋ねがありました。  現行の男女雇用機会均等法では、他社の労働者に対するセクハラについて、加害者側の事業主には措置義務が設けられていません。この点は、今回の内閣提出法案についても同様であります。  取引関係にある企業の労働者の間のセクハラを防止し、労働者の保護を図るためには、企業横断的な対策が不可欠と言えます。つまり、被害者側の事業主が十分な措置を講じていたとしても、加害者側の事業主がその労働者や役員に対してセクハラを行わないように措置を講じなければ、セクハラの根絶は図ることができません。  そこで、セクハラ規制強化法案では、事業主に対し、その従業者が他社の労働者セクハラを行わないように必要な措置を義務づけることとしています。  具体的には、従業者に対する研修の実施、事実関係の調査やセクハラを行った従業者に対する懲戒等といった事後の迅速かつ適切な対応などの措置を講ずることを想定しています。  続いて、会社間で対応を求めた場合において不利益をこうむることがないような仕組みについてお尋ねがありました。  セクハラ規制強化法案では、他社の従業者によるセクハラから労働者を保護するため、事業主が、その労働者から他社の従業者によりセクハラを受けたとの相談があった場合において、必要があると認めるときは、次の二つの措置のいずれかを講じなければならないこととしております。  その一つ目は、他社の事業主に対してセクハラに対する対応を直接求めることであります。  ただ、例えば、加害者側の事業主が元請企業で、被害者側の事業主が下請企業であるような場合などには、弱い立場にある被害者側の事業主が対応を求めることが困難な状況も想定されるところであります。  そこで、二つ目の措置として、被害者側の事業主は、厚生労働大臣に対して事実を申告して是正を図るように求めることができるようにしています。  この申告を受けた厚生労働大臣は、加害者側の事業主に対し、報告を求め、又は助言、指導若しくは勧告をすることができます。  そして、この措置義務の履行の実効性を確保するため、まず、加害者側の事業主に対し、被害者側の事業主から対応を求められたこと等を理由とした、契約の解除その他不利益な取扱いを禁止しています。その上で、この禁止規定に違反したときなどには、被害者側の事業主は、厚生労働大臣に対してその旨を申告して是正を図るように求めることができることとし、厚生労働大臣は、被害者側の事業主からの申告について必要な調査を行い、その申告の内容が事実であると認めるときは、公表等の措置をとることとしています。  以上のような仕組みにより、他社の従業者からのセクハラに関する事業主の措置義務が確実に履行されるようにし、労働者の保護が図られることとしています。(拍手)     〔大西健介君登壇〕
  21. 大西健介

    ○大西健介君 私からは、西岡議員の御質問のうち、労働安全衛生法改正案、いわゆるパワハラ規制法案についての質問にお答えをさせていただきたいと思います。  まず、措置義務の対象となるパワハラの程度についてお尋ねがありました。  議員も御指摘のように、パワハラを受けた本人の感じ方を問題にすることなく、同じ職場の同僚等から見て明らかに苦痛を与えるような言動があれば、労働者の保護の観点から、事業主の措置義務の対象とする必要があります。  そこで、パワハラ規制法案では、措置義務の対象とするパワハラの程度について、精神的又は身体的な苦痛を与えるおそれのある言動と規定することにより、被害者に対して実際に苦痛を与えることまでは要求せずに、社会通念に照らして、平均的な労働者であれば苦痛を感じるおそれのある言動を広く対象とすることとしております。  次に、取引先などの他社の労働者等からのパワハラが事業主の措置義務の対象となるかとのお尋ねがありました。  御指摘のように、例えば親会社の従業者と子会社の労働者の関係や、元請会社の従業者と下請会社の労働者の関係においては、業務上の優位性を利用したパワハラがなされることは容易に想定されるところであります。  このような企業横断的なパワハラについても、事業者の措置義務の対象としなければ、労働者の保護を図ることはできません。  そこで、我々のパワハラ規制法案では、同じ会社内でのパワハラだけではなく、他社の労働者に対するパワハラ、他社の従業者からのパワハラについても、広く事業者の措置義務の対象としております。  最後に、悪質クレームの対策の中身についてお尋ねがありました。  日本には、お客様は神様ですという言葉がありますが、近年、お客という立場を利用して、非常識な迷惑行為や悪質なクレームを行うカスタマーハラスメント、いわゆるカスハラが問題となっています。  UAゼンセンのアンケート調査によれば、多くの労働者が客からの迷惑行為に遭遇しており、具体的には、人格を否定するような暴言を受けたり、長時間にわたり正座をさせられたり、威嚇、脅迫、暴力行為等を受けているという実態が明らかとなっています。  このように、客からの悪質なクレームについても、セクハラやパワハラと同様に、事業者の措置義務の対象にすることにより、労働者の保護を図らなければなりません。  そこで、パワハラ規制法案では、消費者対応業務に係るハラスメントに関して、事業者の措置義務を設けております。  具体的には、事業者が、マニュアルの作成、労働者の研修の実施、労働者の負担を軽減するための業務体制の整備、相談窓口の設置、ハラスメントを受けた労働者の交代や配置転換、ハラスメントを受けた労働者のメンタルケア等の措置を講ずることとしております。  なお、これらの措置を事業者に義務づけるほか、厚生労働大臣による指針の策定、事業者への助言、指導、勧告や、勧告に従わなかった場合の公表等についても規定をしております。  以上でございます。(拍手)     〔議長退席、副議長着席〕     ―――――――――――――
  22. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 高木美智代さん。     〔高木美智代君登壇〕
  23. 高木美智代

    ○高木美智代君 公明党の高木美智代です。  私は、公明党を代表し、女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)  先月、第五回国際女性会議WAW!/W20が開催されました。私も開会式に参加しましたが、ノーベル平和賞受賞者のマララ・ユスフザイ女史や国連人権高等弁務官のミチェル・バチェレ氏を始め、各国から延べ三千人以上が参加し、大盛況の二日間だったと聞いています。  安倍総理から、G20大阪サミットにおいて、日本政府として、女性活躍に向けたリーダーシップの発揮や途上国の女子教育への支援が表明され、各国から高い評価が寄せられました。  我が国では、自公連立政権の安定した基盤の上に、安倍総理が女性活躍の旗を高く掲げ、女性の就業率、就業者数ともに大きく増加しました。  しかし、依然として、昨年、世界経済フォーラムが発表したジェンダーギャップ指数では、百四十九カ国中百十位。経済分野は百十七位、政治分野は百二十五位です。女性活躍を更に加速する必要があります。  今回の女性活躍推進法等の改正は、我が国を次のステージに進める、そのための重要なステップと言えます。  公明党は、女性が輝く社会を目指して、二〇〇八年、女性の一生を支援する女性サポート・プランを提言、また、二〇一四年には、約三割を占める、全国九百六人の女性議員が、各地で視察やヒアリングを実施し、現場の女性たちの声を集大成して、女性の元気応援プランを総理に申し入れ、また、昨年五月には重ねての提言を行うなど、女性活躍をリードしてきました。  その提言内容も踏まえ、質問させていただきます。  女性の持つ、しなやかで強いパワーは、政治の世界においても重要です。  昨年五月、超党派による議員立法、政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が公布、施行されました。今回の統一地方選前半戦では、女性の立候補者数は過去最多となっています。しかしながら、道府県議選の当選者は約一割にすぎません。  我が国の政治分野での女性参画拡大のためには、政党や議会はもとより、政府においても多様な人材が政治に参画できるよう、環境整備に取り組む必要があると考えます。  そこで、まずは片山担当大臣に、政治分野の男女共同参画について、政府としてどのように具体的に進めていくのか伺います。  また、我が国の女性管理職の割合は、上昇傾向にあるものの、国際的には依然低い水準にとどまっています。そして、女性の年齢階級別労働力率も、改善してきているものの、いまだM字カーブを描いています。  女性が結婚、出産等のライフイベントを経ながら仕事を続け、キャリアを重ねて管理職に登用されていくには、まず、このM字カーブの解消が急務であると考えます。  そのためには、男性の育児や育児休業取得をどう促していくかといった課題があります。女性の継続就業に関する課題認識と対応策について、根本厚生労働大臣に伺います。  次に、中小企業支援について伺います。  今回の改正案では、一般事業主行動計画の策定義務や情報公表義務の対象を常用雇用者三百一人以上から百一人以上の事業主に拡大することとされています。  中小企業に対して、働き方改革などさまざまな義務が課されていく中で、実効的な取組を進めるためにも、中小企業への配慮、支援が必要と考えます。  そこで、根本大臣に、中小企業に対する配慮、支援策についてどのような対応をお考えか伺います。  次に、パワーハラスメント防止対策について伺います。  職場におけるさまざまなハラスメントは、労働者の尊厳や人格を傷つけるなど、人権にかかわる許されない行為です。企業にとっても損失につながります。  二〇一七年度に寄せられた労働相談で、パワハラなどのいじめ、嫌がらせは約七万二千件と、十五年連続で増加傾向にあります。また、政府の調査では、実に三人に一人が被害に遭っていることがわかり、パワハラが原因でうつ病や自殺に至る深刻な事例も相次いでいます。  人を死に追いやりかねないのがパワハラであります。職場におけるパワハラ防止対策の強化を図り、事業主による具体的な措置の明確化や行政機関による的確な指導など、必要な対策を講じることが急務です。  しかし、一方で、どのような行為がパワハラに当たるのか線引きが難しいとの声もあります。業務指導や叱責とパワハラとの違いは何か、明確にして実効性を確保する必要があります。  今回の改正法案では、パワハラについて、どのような考え方で、どのように定義づけ、今後どのような措置を講じるのか、根本大臣に伺います。  また、パワハラは、職場だけでなく、取引先や顧客といった第三者から受けるカスタマーハラスメントも深刻です。  顧客や取引先からの暴力や悪質なクレーム等の迷惑行為について、業種や職種に応じた実態を把握し、こうした行為の定義やガイドラインの策定など必要な対策を検討し、実施してはいかがでしょうか。その際には、厚労省だけでなく、消費者庁、総務省、国交省、経産省とも連携が必要となります。根本大臣のお考えを伺います。  さて、セクハラについては、都道府県労働局に寄せられた男女雇用機会均等法に関する相談の約四割を占め、圧倒的に第一位となっています。  しかし、これは氷山の一角であり、もっと多くの方々がセクハラに遭って悩み、苦しんでいる現状があります。こうした実態を放置したままでは、女性が活躍できる社会を実現することはできません。  セクハラは明白な人権侵害であるとの認識を社会全体でより一層共有するため、どういった言動が該当するのかを周知、広報するとともに、事業主や行政機関におけるセクハラ対策の強化等を進めることが必要です。さらに、事業主による救済が図られない場合の相談体制の整備や被害者救済のあり方についても検討が必要と考えますが、大臣の答弁を求めます。  LGBTの方々の人権問題についてお伺いします。  性的指向や性自認に関して侮辱的な発言を行い、精神的苦痛を与える行為も明確にパワハラに当たる行為です。先月の参議院予算委員会で公明党議員がその点を厚生労働大臣に確認したところ、該当し得ると明確に答弁いただきました。  一歩前進とは思いますが、政府はLGBTの方々へのパワハラ対策にどう取り組むのか、大臣の答弁を求めます。  最後に、一人一人の人権が守られ、輝いていける社会実現のためには、何人もいかなるハラスメントを行ってはならないことを強く申し上げ、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣根本匠君登壇〕
  24. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 高木美智代議員に対してお答えをいたします。  女性の就業継続についてお尋ねがありました。  女性が継続的に活躍できるようにするためには、女性が仕事と家庭生活の両立を図りながらキャリアを積んでいける職場環境を整備するとともに、男性の育児参画を促進することが重要です。  このため、本法案においては、女性活躍に関する行動計画策定等の義務の対象企業の拡大を図るほか、職業生活に関する機会の提供と職業生活と家庭生活の両立の両面からの情報公表の強化を行うこととしています。  また、保育の受皿整備とともに、男性の育児参画が進むよう、男性が育児休業を取得しやすい職場風土の醸成を企業に促す等の取組を引き続き進めてまいります。  中小企業への配慮、支援についてお尋ねがありました。  今回の女性活躍推進法の見直しは、働き方改革関連法の施行時期も踏まえ、中小企業に対する女性活躍に関する行動計画策定等の義務づけの施行時期について、公布後三年以内の政令で定める日とし、十分な準備、周知期間を設けることとしています。  その上で、義務づけの施行までの間においても、可能な限り早期に中小企業に行動計画の策定等を行ってもらえるよう、利用しやすい行動計画策定支援ツールの開発、行動計画に基づく取組に対する助成、セミナーの実施や事例集の策定等による周知啓発など、十分な支援を実施してまいります。  パワーハラスメントの防止対策についてお尋ねがありました。  働き手や働き方のさらなる多様化が見込まれる中で、誰もが安心して働くことができる、ハラスメントのない就業環境を整備することが重要です。  このため、本法案では、職場のパワーハラスメントを、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより労働者の就業環境が害されることの全てを満たすものと定義し、パワハラの予防から事後の対応まで一連の措置を事業主に義務づけています。  また、今後定める指針において、パワハラの基本的な考え方や具体例、適正な範囲の業務指導はパワハラに当たらないことなどを示すことにより、適切な指導や人材育成が円滑に行われるようにしつつ、パワハラのない職場づくりを推進してまいります。  顧客や取引先からの暴力や悪質なクレーム等の迷惑行為への対応についてお尋ねがありました。  顧客や取引先等からの迷惑行為については、労働者に大きなストレスを与える悪質なケースもあり、労働者のケアなど必要な対応を企業に促すことが重要と考えています。  このため、これまでも企業にヒアリングを行って実態の把握に努めてきたところであり、今後、パワハラ防止措置に関する指針において、顧客や取引先等からの迷惑行為に関する企業の望ましい取組を明示してまいります。  また、取引先との関係が元請、下請関係である場合があることや、消費者への周知啓発が必要であること等を踏まえ、関係省庁等と連携した周知啓発を図ってまいります。  セクハラ対策の強化等についてお尋ねがありました。  本法案では、セクハラ対策の実効性のさらなる向上を図るため、セクハラは行ってはならないものであり、他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきであることを、国、事業主及び労働者の責務として明確化するほか、労働者が事業主にセクハラの相談を行ったことを理由とした不利益的取扱いの禁止などを行っております。  改正法案の施行に当たっては、どのような言動がセクハラに当たるかも含め、セクハラを行ってはならないこと等について周知徹底を図ることで、セクハラのない職場づくりを一層推進してまいります。  また、都道府県労働局における相談対応に加え、新たに、平日の夜間や土日も対応するフリーダイヤル等による相談窓口を設置することにより、労働者等からの相談体制の強化を図ってまいります。  LGBTの方々へのパワハラ対策についてお尋ねがありました。  性的指向、性自認に対する不当な差別や偏見はあってはならず、多様性が確保され、全ての人々がお互いの人権を尊重し、支え合う共生社会を実現していくことが重要と考えます。  性的指向や性自認に関する言動は、業務上必要ないものであり、性的指向や性自認を理由に仕事から排除したり、性的指向や性自認に関して侮辱的な発言を行うこと等によって精神的な苦痛を与えたような場合には、パワハラに該当し得るものと考えられます。  こうしたことについて、法案の成立後、労働政策審議会で議論する予定のパワハラ防止措置の指針に記載するなど、明確化や周知啓発の方策についてしっかりと検討してまいります。(拍手)     〔国務大臣片山さつき君登壇〕
  25. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) 政治分野における男女共同参画の推進についてお尋ねがありました。  我が国の現状は、国民の代表である政治の場に女性議員が少なく、衆議院議員の女性は約一〇%で、世界百九十三カ国中百六十五位と、国際的に見てもおくれている状況です。  民主主義社会では、政治的意思決定に対して男女が積極的に参加し責任を担うことができなければならず、国又は地方公共団体の政策の立案及び決定において多様な国民の意見が的確に反映されるために、政治分野における男女共同参画の推進は極めて重要です。  政府としては、昨年五月に政治分野における男女共同参画の推進に関する法律が施行されたことも踏まえ、各政党に対して、数値目標の設定やポジティブアクション導入などに向けた自主的な取組を進めていただけるよう御要請を実施するとともに、諸外国の取組も含む政治分野への女性の参画拡大のための多様な情報の収集、提供、地方議会ごとに女性議員比率や両立環境の整備状況を見える化したマップの公表などを実施しております。  引き続き、こうした施策を進めていくことにより政治への女性の参画が拡大するよう、全力を挙げて取り組んでまいります。(拍手)     ―――――――――――――
  26. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 本村伸子さん。     〔本村伸子君登壇〕
  27. 本村伸子

    ○本村伸子君 私は、日本共産党を代表し、女性活躍推進法等改正案について質問をいたします。(拍手)  ハラスメントは、個人の尊厳、人格を傷つける許されない行為であり、働く場でのハラスメントが、一人の人生を狂わせ、一人の働き手を経済社会から失わせるという深刻な結果をもたらしています。  被害者が声を上げ、ミー・トゥーなど世論が高まる中、包括的なハラスメントをなくす立法が待たれています。  世界では、働く場におけるハラスメント規制が大きな流れになっています。  ILO、国際労働機関は、ことし六月の総会で、ハラスメント禁止を盛り込んだ、働く場での暴力とハラスメントをなくすための条約を採択する見込みとなっており、加盟国にはこの国際基準に沿った取組が求められています。  日本政府は、この条約にどのような姿勢で臨むのですか。今回の法案はILO条約の批准を前提としているのかどうか、答弁を求めます。  日本でも被害は深刻です。  職場のハラスメントが原因で起こった生活上の変化についての連合の調査では、仕事のやる気がなくなった、ミスやトラブルがふえたが約五割、仕事をやめた、かえたは約二割、心身に不調を来した、三割強、夜、寝られなくなったは約二割となっています。  ハラスメントがどのような影響を与えるのか、大臣の認識を問うとともに、厚生労働省はしっかりとした調査を行うべきです。  今回の法案には、セクシュアルハラスメント、マタニティーハラスメントと同様に、パワーハラスメントについて、事業主の防止措置義務が入りました。  なぜ、最も期待されていた、ILO条約案にもあるハラスメント禁止規定を入れなかったのですか。ハラスメント禁止規定の必要性について、提出者にも認識を伺います。  現行の男女雇用機会均等法は、セクシュアルハラスメントに対して事業主の防止措置を義務づけています。  しかし、被害を受けた女性が労働局に相談に行っても、どちらが悪いという判断はできないと言われている実態があります。しかも、相談しても、その後どうなったか知らせてくれないとの声も出されています。  紛争解決援助や調停も、事業主が協力を拒めば、解決されないまま終わってしまいます。  裁判に訴えても、均等法は事業主への行政指導のための法だからと、人権侵害に対して適正な救済がなされていません。長期間かかる裁判に勝ったとしても、低い賠償金で、職場復帰もできていない実態があります。  事業主の防止措置義務だけでは被害者が救済されないことは、こうした実態からも明らかです。  被害者の願いは、被害を認めてほしい、謝罪をしてほしい、二度とないようにしてほしいというものです。少なくとも、セクシュアルハラスメントは、禁止規定を入れ、何が禁止される行為なのか法律に明記し、被害者を迅速に救済する独立した救済機関を早急につくるべきです。  安倍首相は、相談したことによる不利益取扱いの禁止規定の創設によって、労働者がちゅうちょなく相談できるようになると私に答弁しましたが、相談しても、禁止規定がなければ、結局、被害が認定されず、人権侵害に対する適正な救済はなされません。  また、ハラスメントを受けたときの対応に対する不利益取扱いも禁止するべきです。  就職活動をしている学生へのセクシュアルハラスメント、性暴力も深刻です。保護、救済の対象は、ILO条約案にも示されているように、就職活動の学生、求職者、インターン、フリーランスなど、対象者を広げ、第三者によるハラスメントも規制の対象とするべきです。  世界銀行グループの二〇一八年のレポートは、OECD高所得の国の中で、日本だけがセクシュアルハラスメントから女性を守っていないと名指ししています。国連女性差別撤廃委員会は、日本政府に対し、セクシュアルハラスメント禁止、制裁措置の立法を求めています。指摘を重く受けとめ、早急な対応をするべきです。  次に、女性活躍推進法についてです。  今、ジェンダー平等の実現に欠かせないのは、男女賃金格差の是正です。ジェンダーギャップ指数世界第一位のアイスランドでは、二〇二二年までに男女賃金格差をなくすために、二〇一八年から、男女賃金格差がないことを証明することを雇用主に義務づけ、格差がある場合の罰則を設けるなど、本気になって取り組んでいます。日本もこうした取組に学び、男女賃金格差をなくすべきです。  そのためには、格差の実態をつかむ必要があります。非正規雇用を含めた全ての労働者の平均賃金及び中央値で見た男女の格差について、答弁を求めます。  諸外国の法制度の研究やハラスメント被害者の実態調査などを行う検討会をスタートさせ、ILO条約水準のハラスメント禁止法や均等法の抜本改正、ジェンダー平等法の創設に踏み出すべきです。  そのことを強く求め、質問とさせていただきます。(拍手)     〔国務大臣根本匠君登壇〕
  28. 根本匠

    国務大臣根本匠君) 本村伸子議員にお答えをいたします。  ILO条約批准についてお尋ねがありました。  ILOの仕事の世界における暴力とハラスメントに関する条約案は、本年六月のILO総会において議論された上で、採択されることが想定されています。この条約案について、世界各国が効果的にハラスメントの防止対策を進めていくことができる基準の内容となるよう、日本政府としても、ILO総会の議論に引き続き積極的に参加してまいります。  仮に条約がILO総会で採択された場合、その批准については、採択された条約の内容等を踏まえて検討してまいりたいと考えています。  ハラスメントが与える影響や調査の必要性についてお尋ねがありました。  平成二十八年度に実施した職場のパワーハラスメントに関する実態調査において、パワハラを受けて、心身にどのような影響があったか調査を行っております。  その結果、怒りや不満、不安を感じた、仕事に対する意欲が減退した、職場でのコミュニケーションが減ったなどの影響があったという回答が多くありました。  また、都道府県労働局において、セクハラの被害を受けたとする方々からの相談や調停の申立てを受けています。こうした事案においては、セクハラを受けたことを上司に報告したが、適切な対応がなされなかったため休職せざるを得なくなった事例等があると承知しています。  こうした実態も踏まえつつ、労働政策審議会において議論を行い、今回の政府提出法案においてハラスメント防止対策の強化を行うこととしています。  ハラスメント禁止規定についてお尋ねがありました。  ハラスメントを禁止する規定については、昨年十二月の労働政策審議会の建議において、民法等他の法令との関係の整理や違法となる行為の要件の明確化等の課題があり、中長期的な検討を要するとされました。  しかしながら、職場におけるハラスメントは、働く方の尊厳や人格を傷つけ、職場環境を悪化させるものであり、あってはならないことです。  このため、今回、政府として提出した法案では、国の取り組むべき施策に、ハラスメント対策全般を充実することを明記した上で、セクシュアルハラスメント、マタニティーハラスメントに加え、喫緊の課題となっているパワーハラスメントの防止のための事業主の措置義務を設けるとともに、国、事業主及び労働者の責務規定を設け、これらのハラスメントを行ってはならない旨を明確化しています。今回の改正により、ハラスメントのない職場づくりを推進してまいります。  セクハラ防止のための措置義務についてお尋ねがありました。  政府として提出した法案では、これまでの取組に加え、セクハラは行ってはならないものであり、他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきことを関係者の責務として明確化するほか、労働者が事業主にセクハラの相談を行ったことを理由とした不利益取扱いを禁止すること、労働局の調停制度における意見聴取の対象者の拡大等を行っています。  これらの取組を通じ、セクハラ被害を受けた方の救済に向け、セクハラ防止措置の実効性の向上を図ってまいります。  セクハラ禁止規定と独立した救済機関の創設などについてお尋ねがありました。  セクシュアルハラスメントの禁止規定については、昨年十二月の労働政策審議会の建議において、民法等他の法令との関係の整理や違法となる行為の要件の明確化等の課題があり、中長期的な検討を要するとされました。  また、独立した救済機関を設けることについては、司法以外の機関において正確な事実認定が可能であるか、裁判制度等との関係性をどのように整理するか、どのような組織体制を確保する必要があるかなど、さまざまな課題があるため、その必要性も含めて慎重な検討が必要であると考えられます。  今回、政府として提出した法案では、セクハラ対策の実効性を高めるため、セクハラは行ってはならないものであり、他の労働者に対する言動に注意を払うよう努めるべきであることを、国、事業主及び労働者の責務として明確化するほか、労働者が事業主にセクハラの相談を行ったことを理由とした不利益取扱いの禁止等を行っています。  現状でも、悪質な行為は刑法違反に該当し、不法行為として損害賠償請求の対象となり得ます。本法案による改正内容とあわせ、こうした点についても周知啓発を図ることで、セクシュアルハラスメントを行ってはならないことについて国民の理解を深めてまいります。  就職活動の学生等へのハラスメント及び第三者によるハラスメントについてお尋ねがありました。  男女雇用機会均等法等は、事業主に対し、その雇用する労働者に対するセクハラ等の防止についての措置義務を規定しております。このため、就職活動中の学生など雇用関係にない方々については、対象に含まれておりません。  一方、今回、政府として提出する法案では、事業主や労働者の責務として、セクハラ等を行ってはならないことや、その言動に注意を払うよう努めるべきことを明確化しています。こうした責務規定の趣旨も踏まえながら、就職活動中の学生等に対してもセクハラ等を行ってはならないという認識が浸透するよう、必要な対応を検討してまいります。  また、顧客など第三者からの著しい迷惑行為については、今後定める予定のパワハラ防止措置に関する指針において、企業の望ましい取組を明示し、周知啓発に取り組んでまいります。  こうした取組を通じて、ハラスメントのない職場づくりを推進していきたいと考えております。  男女間の賃金格差の是正や実態把握についてお尋ねがありました。  日本の男女間賃金格差には、さまざまな背景が複合した最終的な結果指標という意味合いがあり、特に、管理職比率と勤続年数の差異が主な要因となっています。このため、各企業に対して、これらの要因の解消について、組織的な対応を求めていくことが重要と考えています。  女性活躍推進法では、各企業に対して、この二大要因を含む状況把握や課題の分析、それを踏まえた行動計画の策定等を義務づけています。こうした具体的な取組を通じて、女性管理職への登用を進めるとともに、職業生活と家庭生活を両立しやすくすることなどにより女性の勤続年数が延びることで、男女間の賃金格差の解消が進むと考えています。  なお、男女間の賃金格差の実態を正確に把握するためには、全ての雇用形態の労働者の平均賃金や中央値について比較するのではなく、雇用形態ごとに比較することが適当と考えています。  ハラスメント禁止法の創設や男女雇用機会均等法の抜本改正に向けてのお尋ねがありました。  ハラスメントのない職場づくりを推進するため、今回の政府提出法案では、労働施策総合推進法第四条の国の取り組むべき施策に、ハラスメント対策全般を充実することを明記した上で、パワーハラスメントを防止するための事業主の措置義務を設けるとともに、男女雇用機会均等法を改正し、国、事業主及び労働者の責務規定の新設や、労働者からの相談を理由とした不利益取扱いの禁止等、セクシュアルハラスメント防止対策の強化を図っています。  ハラスメントの禁止規定を設けることは、昨年十二月の労働政策審議会の建議において、中長期的な検討を要するとされましたが、本法案により、ハラスメント対策は大きく前進するものと考えています。今後とも、ハラスメントのない職場づくりを一層推進してまいります。(拍手)     〔国務大臣片山さつき君登壇〕
  29. 片山さつき

    ○国務大臣(片山さつき君) セクシュアルハラスメントの禁止や制裁措置の立法などについてのお尋ねがありました。  セクシュアルハラスメントは重大な人権侵害であり、政府でも、昨年六月に取りまとめたセクシュアルハラスメント防止に関する緊急対策に基づき、外部の者からの通報窓口の整備など、職場における取組も含めた実効的な対策を進めているところです。  新たに禁止規定を設けることは、違法となる行為の要件を明確化するなどの課題があり、慎重な検討が必要であると考えておりますが、引き続き、被害の予防、救済、再発防止に向けて、しっかりと対応してまいります。  男女間賃金格差の是正についてのお尋ねがありました。  アイスランドにおいて、二〇一八年一月から、従業員二十五人以上の企業について男女賃金平等の証明取得を義務づける法律が施行されていることは承知をしております。  我が国における二〇一八年の男女間賃金格差は、男性の所定内給与額を一〇〇とした場合の女性の所定内給与額が七三・三となっており、縮小の傾向にはあるものの、依然として開きがあり、主要国と比較しても低い水準でございます。  この男女間賃金格差の要因につきましては、職場における役職や勤続年数の男女差が大きく影響しているものと考えられます。  このため、今回の改正法案により、女性活躍情報の見える化を更に進めて、企業などによる自主的な女性の採用や育成、役職への登用、両立支援などを促してまいります。  ハラスメント等に関する法改正及び法創設などについてのお尋ねもございました。  ハラスメントに関する諸外国の法制度や実態に関する研究につきましては、昨年六月から、男女共同参画会議のもとの女性に対する暴力に関する専門調査会を開催いたしまして、セクシュアルハラスメントの国内外の法制度や実態などの調査審議を行い、我が国のセクシュアルハラスメントの法制度に係る検討課題などの報告書を取りまとめたところでございます。  また、男女間の賃金格差の解消などの男女の均等な機会及び待遇の確保は非常に重要な課題でございますので、今後とも、先ほど申し上げたような取組を進めてまいりたいと考えております。  以上です。(拍手)     〔西村智奈美君登壇〕
  30. 西村智奈美

    ○西村智奈美君 ハラスメント禁止規定の必要性についてお尋ねがありました。  現在、ハラスメントの被害が、従業者等の職業生活を害し、生活に深刻な影響を及ぼしていることは、議員の御指摘のとおりです。中でも後を絶たない悪質なセクシュアルハラスメント被害の現状に鑑みれば、セクシュアルハラスメントについては早急な対応が必要であると考えております。  それにもかかわらず、男女雇用機会均等法は、先ほどの答弁でお聞きになられたとおり、主に事業主の措置義務を規定するものであり、セクシュアルハラスメントを行うこと自体を禁止する規定ではありません。  そこで、私たちが提出した、いわゆるセクシュアルハラスメント禁止法案では、このような現状を打開するため、セクシュアルハラスメントについて禁止規定を設けることといたしました。  これにより、セクシュアルハラスメントは法的に禁止される違法なものであるということを明確にし、従業者等の職業生活の充実等を図るものであります。(拍手)     ―――――――――――――
  31. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 重徳和彦君。     〔重徳和彦君登壇〕
  32. 重徳和彦

    ○重徳和彦君 社会保障を立て直す国民会議の重徳和彦です。(拍手)  政府提出の女性活躍推進法改正案に対し、野党四会派が対案として提出している三法案には、我が会派の中島克仁議員も提出者の一人として名前を連ねさせていただいております。  野党案は、この社会の不条理で深刻な課題に正面から向き合い、就職活動中の学生やフリーランス等の個人事業者をもセクハラから守ろうとするものであり、取引先や顧客もパワハラ規制の対象にするなど、政府案より格段にすぐれたものと評価していることを冒頭申し上げ、政府への質問に入ります。  このたびの労働施策総合推進法改正案により、我が国で初めてパワーハラスメント防止に関する制度が法律で定められることになります。  本法案では、パワハラの三要件が定義され、事業主には、パワハラ防止のため雇用管理上必要な措置を講ずることとされています。  私は、実は、パワハラ対策は、日本の職場慣行や風土改善につながる、働き方改革の本丸だと考えております。  我が国における職場慣行の象徴は、働き過ぎです。長年にわたって形成し、定着してきたこの慣行は、一朝一夕に変わるものではありません。昔ほどではないにせよ、いまだに、自分の仕事が終わっても上司がいる間は帰りづらいとか、なかなか有給休暇を消化しづらいといった職場の雰囲気は、多分に日本社会に残っていると思われます。  また、働き方を規定するはずの労働法制は、原則として最低基準を定めるものです。  だから、近年、働き方改革として整備された一連の法制度を見ても、残業規制については月百時間の上限が定められましたが、これは過労死レベルと言われる水準を超えるものです。年次有給休暇を最低五日取得させる義務も設けられましたが、本来、労働者には年休を十日とる権利があり、繰り越した場合は最大二十日とれるのですから、これも最低限のルールにすぎません。結局、我が国の職場の慣行や風土を根本から変えるのは、それぞれの職場や労使間の努力に委ねられてきたのです。  その点、今回の法案に盛り込まれた規定は、これまでの各種労働法制と比べ、あらゆる人の働き方にかかわるものであり、職場の慣行や風土のあり方に幅広く影響を及ぼす可能性があるのではないでしょうか。まず、この点について根本大臣の認識を伺います。  具体的には、第一の優越的な関係要件は、上司など優越的な立場にある者自身が、その影響力の強さを改めて意識することにつながります。自分の言葉一つで職場の雰囲気が変わることを自覚するようになるでしょう。  第二要件の業務上必要かつ相当な範囲を超えた言動についても、例えば、期限がまだ先の仕事をあすまでにやれと言えばパワハラに当たる可能性があると知れば、仕事の納期と指示内容に対する意識が高まり、きょうは早く帰って、残りの仕事はあしたやればいいからねと一声かけることにもつながるでしょう。  部下などに対する自分の言動が、第三要件の身体的、精神的な苦痛になっていないかどうかの意識が高まれば、過度な残業を避け、年休を取得しやすい職場づくりにつながるでしょう。  このように、パワハラ対策は、典型的な暴言やいじめ、嫌がらせの防止だけでなく、これまでの労働法制による最低基準では規定しづらい、長時間労働の抑制や有給休暇の取得を促進する側面があると考えます。長年にわたり形成されてきた日本型の職場慣行を改善するためにも、今回の法案の運用を有効に活用してはいかがでしょうか。  長時間労働の観点から、一点付言しておきたいことがあります。それは、勤務医の残業規制の例外についてです。  医師の働き方改革に関する厚生労働省の有識者検討会が三月二十八日に報告書をまとめ、地域医療を支える医療機関の勤務医などの残業時間上限は、例外的に、一般の医師の年間九百六十時間を大幅に上回る年間千八百六十時間とされ、月当たりに換算すると、過労死の労災が認められる目安である月八十時間の約二倍に相当する、月百五十五時間とされたのです。  報道によれば、医師の勤務時間が減れば地方の医療が立ち行かなくなるおそれがあるとして、厚労省も日本医師会も容認したとのことです。しかし、現場の医師からは、ネット上で、医師を殺すのかといった声が上がっているそうです。この案で当直なしの週休二日にするなら、平日は朝七時から午後十一時まで働くぐらいの計算になります。深夜も椅子で仮眠し、二、三時間ごとに患者に対応し、仮眠明けの手術をこなすことにもつながります。  この例外規定が適用される医療機関は、全国で約千五百カ所に上ります。現状でも、救急救命機能を備えた病院の八四%、大学病院の八八%に、年間千八百六十時間を超える勤務をしている医師がいるとされています。  医師の勤務時間を短縮するための方策として、子供の病気や救急車の要不要の助言を行う短縮ダイヤルの活用など、さまざまな案が検討されているようですが、決め手がありません。もはや打つ手がないのでしょうか。  地域医療を人質にしているとまで言われるこの問題が残されたままでは、到底、働き方改革の名に値しません。  事ここに至れば、半世紀以上続いている現行の医療制度を抜本的に改革し、かかりつけ医を制度化し、身近な医師がいつでも予防、相談などに応じる体制を構築し、医療資源の極端な偏りを是正するとともに、国民にとって今以上に安心できる仕組みを導入すべきと考えます。  かかりつけ医の仕組みがしっかり地域に定着し、極度な長時間労働を強いられている勤務医にかかる負担を適切に分かち合うことができれば、医療分野における真の働き方改革が実現すると考えますが、大臣、いかがでしょうか。  以上で質問を終わります。(拍手)     〔国務大臣根本匠君登壇〕
  33. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 重徳和彦議員にお答えをいたします。  今回の法案が職場の慣行や風土に与える影響についてお尋ねがありました。  本法案では、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務を新たに設けることとしています。  パワーハラスメントについては、職場における慣行や風土等の問題が背景にある場合もあります。これまでの労働法制の見直しにおいても、多くの労働者の働き方に影響するものがありましたが、本法案において、パワーハラスメント防止対策を進めることで、職場の慣行や風土が改善され、あらゆる労働者にとって働きやすい職場づくりにつながるものと考えています。  パワハラ防止対策と長時間労働抑制等の日本型職場慣行との関係についてお尋ねがありました。  パワーハラスメントについては、長時間労働が多い、あるいは有給休暇が取得しにくいといった企業風土等がその背景にある場合があります。このため、各企業に効果的にパワーハラスメントの防止対策を進めていただくためには、こうした企業風土、職場環境自体の改善を促すことが必要です。  このため、本法案では、事業主に対し、パワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置義務を新たに設けています。また、昨年十二月の労働政策審議会の建議では、今後定める予定の指針において、職場環境の改善等についても望ましい取組として示すことが適当とされています。  このように、今回の法改正を通じて、パワーハラスメントの防止には、長時間労働の是正など職場環境自体の改善を図ることが有効であることについて積極的に周知啓発を行い、御指摘のような問題の改善にもつなげてまいります。  勤務医の長時間労働是正の観点から、かかりつけ医の定着についてお尋ねがありました。  御指摘のとおり、特定の医療機関に負担が集中しないようにする観点からも、患者が身近な地域でかかりつけ医を持つことができるように環境整備を進めることが重要です。  このため、都道府県が医療機関等の情報を集約し、わかりやすく提供している制度を見直し、新たにかかりつけ医機能に関する情報も提供することとしています。また、診療報酬においても、かかりつけ医機能の評価を推進しているところです。  さらに、かかりつけ医の普及を推進するため、二〇二〇年度までに、全ての都道府県においてかかりつけ医の普及に資する事業を実施することを目標とし、昨年度より、事業の実施、未実施を把握することにしています。  このような取組を通じて、都道府県や医師会等の関係団体と連携しながら、かかりつけ医の普及、定着を図りつつ、労働時間が長時間に及んでいる医師の働き方改革に取り組んでまいります。(拍手)
  34. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) これにて質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――
  35. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。     午後三時十三分散会      ――――◇―――――  出席国務大臣        厚生労働大臣  根本  匠君        国務大臣    片山さつき君        国務大臣    菅  義偉君  出席副大臣        厚生労働副大臣 高階恵美子君