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2019-02-15 第198回国会 衆議院 本会議 6号 公式Web版

  1. 平成三十一年二月十五日(金曜日)     ―――――――――――――   平成三十一年二月十五日     午後一時 本会議     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  総合科学技術・イノベーション会議議員任命につき同意を求めるの件  預金保険機構理事長、同理事及び同監事任命につき同意を求めるの件  電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの件  労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件  中央社会保険医療協議会公益委員任命につき同意を求めるの件  社会保険審査会委員任命につき同意を求めるの件  中央労働委員会公益委員任命につき同意を求めるの件  運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件  運輸安全委員会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件  石田総務大臣の平成三十一年度地方財政計画についての発言並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案(内閣提出)、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明並びに質疑     午後一時二分開議
  2. 大島理森

    ○議長(大島理森君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  総合科学技術・イノベーション会議議員任命につき同意を求めるの件  預金保険機構理事長、同理事及び同監事任命につき同意を求めるの件  電波監理審議会委員任命につき同意を求めるの件  労働保険審査会委員任命につき同意を求めるの件  中央社会保険医療協議会公益委員任命につき同意を求めるの件  社会保険審査会委員任命につき同意を求めるの件  中央労働委員会公益委員任命につき同意を求めるの件  運輸審議会委員任命につき同意を求めるの件  運輸安全委員会委員長及び同委員任命につき同意を求めるの件
  3. 大島理森

    ○議長(大島理森君) お諮りいたします。  内閣から、  総合科学技術・イノベーション会議議員  預金保険機構理事長、同理事及び同監事  電波監理審議会委員  労働保険審査会委員  中央社会保険医療協議会公益委員  社会保険審査会委員  中央労働委員会公益委員  運輸審議会委員 及び  運輸安全委員会委員長及び同委員に 次の諸君を任命することについて、それぞれ本院の同意を得たいとの申出があります。  内閣からの申出中、  まず、  総合科学技術・イノベーション会議議員に上山隆大君を 任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  4. 大島理森

    ○議長(大島理森君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。  次に、  総合科学技術・イノベーション会議議員に小谷元子君及び篠原弘道君を、  中央労働委員会公益委員に荒木尚志君を、  運輸審議会委員に原田尚志君を 任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  5. 大島理森

    ○議長(大島理森君) 起立多数。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。  次に、  預金保険機構理事長に三國谷勝範君を 任命することについて、申出のとおり同意を与えるに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  6. 大島理森

    ○議長(大島理森君) 起立多数。よって、同意を与えることに決まりました。  次に、  預金保険機構理事に保坂直樹君及び久田高正君を、  同監事に坂本裕子君を、  電波監理審議会委員に饗庭由理子君及び林秀弥君を、  労働保険審査会委員に鰺坂隆一君及び都築民枝君を、  中央社会保険医療協議会公益委員に中村洋君及び長谷川ふ佐子君を、  社会保険審査会委員に大谷すみれ君を、  中央労働委員会公益委員に岩村正彦君、畠山稔君、沖野眞已君、角田美穂子君、守島基博君、高橋佳代君、杉原麗君、磯部哲君、松下淳一君、森戸英幸君、両角道代君、柴田和史君、鹿士眞由美君及び相原佳子君を、  運輸安全委員会委員長に武田展雄君を、  同委員に柿嶋美子君、宮下徹君、宮澤與和君及び中西美和君を 任命することについて、申出のとおり同意を与えるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 大島理森

    ○議長(大島理森君) 御異議なしと認めます。よって、いずれも同意を与えることに決まりました。      ――――◇―――――  国務大臣の発言(平成三十一年度地方財政計画について)並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案(内閣提出)、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
  8. 大島理森

    ○議長(大島理森君) この際、平成三十一年度地方財政計画についての発言並びに内閣提出、地方税法等の一部を改正する法律案、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。総務大臣石田真敏君。     〔国務大臣石田真敏君登壇〕
  9. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 平成三十一年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。  まず、平成三十一年度地方財政計画の概要について御説明申し上げます。  本計画の策定に際しましては、通常収支分については、極めて厳しい地方財政の現状等を踏まえ、人づくり革命の実現や地方創生の推進、防災・減災対策等に対応するために必要な経費を計上するとともに、社会保障関係費の増加を適切に反映した計上を行う一方、国の取組と基調を合わせた歳出改革を行うこととしております。  あわせて、引き続き生ずる財源不足につきましては、適切な補填措置を講ずることとして、地方の一般財源総額について、前年度の地方財政計画を上回る額を確保することとしております。  また、東日本大震災分については、復旧復興事業について、直轄・補助事業に係る地方負担分等を措置する震災復興特別交付税を確保することとしております。  以上の方針の下に、平成三十一年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出総額の規模は、通常収支分については、前年度に比べ二兆六千九百五十七億円増の八十九兆五千九百三十億円、東日本大震災分については、復旧復興事業が、前年度に比べ九十二億円減の一兆九百八十七億円などとなっております。  次に、地方税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  現下の社会経済情勢等を踏まえ、経済の好循環をより確かなものとし、地方創生を推進する等の観点から、地方税の税源の偏在性の是正に資するための特別法人事業税の創設にあわせた法人事業税の税率の引下げ、自動車税の税率の引下げ、環境への負荷の少ない自動車を対象とした自動車取得税、自動車税及び軽自動車税の特例措置等の見直し、自動車重量譲与税の譲与割合の引上げ等の車体課税の見直しを行うこととしております。  また、地方公共団体に対する寄附に係る個人住民税の寄附金税額控除における指定制度の導入等を行うほか、税負担軽減措置等の整理合理化等を行うこととしております。  次に、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  地方税の税源の偏在性の是正に資するための特別法人事業税を創設し、その収入額に相当する額を特別法人事業譲与税として都道府県に対して譲与することとしております。  次に、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  森林の有する公益的機能の維持増進の重要性に鑑み、市町村及び都道府県が実施する森林の整備及びその促進に関する施策の財源に充てるため、森林環境税を創設し、その収入額に相当する額を森林環境譲与税として市町村及び都道府県に対して譲与することとしております。  次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。  平成三十一年度分の通常収支に係る地方交付税の総額について、十六兆一千八百九億円を確保するとともに、普通交付税の算定に用いる単位費用の改正を行うほか、環境性能割の臨時的軽減に伴う地方公共団体の減収額を埋めるために地方特例交付金を拡充することとしております。また、平成三十一年度分の震災復興特別交付税について、新たに三千二百五十億円を確保し、総額四千四十九億円とすることとしております。  以上が、平成三十一年度地方財政計画の概要並びに地方税法等の一部を改正する法律案、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の趣旨でございます。(拍手)      ――――◇―――――  国務大臣の発言(平成三十一年度地方財政計画について)並びに地方税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案(内閣提出)、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案(内閣提出)及び地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  10. 大島理森

    ○議長(大島理森君) ただいまの地方財政計画についての発言及び四法律案の趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。あかま二郎君。     〔あかま二郎君登壇〕
  11. あかま二郎

    ○あかま二郎君 自由民主党のあかま二郎です。  私は、自由民主党及び公明党を代表し、ただいま議題となりました平成三十一年度地方財政計画地方交付税法等の一部を改正する法律案、地方税法等の一部を改正する法律案、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案及び森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案について、安倍総理及び石田総務大臣に質問をさせていただきます。(拍手)  日本経済は着実な景気回復が続いております。景気の状況は地域や業種によって異なり、まだ景気回復を実感できないとの声もいただいており、真摯に耳を傾けなければなりません。しかしながら、日本経済を俯瞰すれば、名目GDPは過去最大、企業収益は過去最高を記録し、雇用環境も大幅に改善をしております。  少子高齢化が急速に進行する現在の我が国においては、こうした経済成長の果実を幼児教育の無償化等の行政課題に的確に分配をし、全世代型社会保障への転換を進めていくことが必要であります。  他方、経済成長とあわせて財政健全化の取組が大切であり、二〇二五年度を目標とするプライマリーバランスの黒字化、対GDP比債務残高の引下げを実現していかなければなりません。  これらの行政課題への対応と財政の健全化を両立しながら実現するためには、国、地方が一体となって課題に取り組む必要があり、地方財政においても安定的な財源確保と債務残高の抑制が求められます。  平成三十一年度の地方財政計画においては、前年度を〇・六兆円上回る一般財源総額が確保されるとともに、臨時財政対策債が大幅に抑制されておりますが、石田総務大臣自身は今回の地方財政対策をどのように評価されておられるのか、御所見をお伺いいたします。  昨年は、大阪北部地震、七月豪雨、台風二十一号、北海道胆振東部地震など大規模な自然災害が発生し、我が国における災害の多さと対策の必要性を改めて再認識した年でありました。  災害対策としては、速やかな復旧復興が重要であることは言うまでもありませんが、その被害を最小限に抑える取組や災害に強い国土の形成も大きな課題であります。  政府においては、昨年末に防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策を策定し、これに沿って対策を進めることとしておりますが、災害対策は、国のみならず、地方にとっても喫緊の課題であります。  そこで、地方が取り組む防災・減災、国土強靱化のための対策について、平成三十一年度地方財政計画においては新たにどのような対応を行うのか、総務大臣にお伺いをいたします。  今年度の税制改正においては、昨年度の与党の税制改正大綱で結論を得ることとしていた、地方法人課税における新たな偏在是正の取扱いが主要な論点の一つでありました。  我が国が持続的に発展していくためには、大都市部が将来にわたり発展していくことはもとより、地方の活力の維持が不可欠であります。すなわち、都市と地方がともに発展していくことこそが大切であると考えております。  現下の情勢を見ると、政府・与党においてさまざまな取組は行っているものの、東京一極集中には歯どめがかからない状況であり、この是正には引き続き粘り強く取り組んでいく必要があります。  東京一極集中を是正し、また、持続可能な地域社会を実現するためにも、地域の安定的な地方税財政基盤を確立することが不可欠であります。こうしたことからも、今回の新たな偏在是正措置は大きな意義を有するものであると考えております。  そこで、今回の地方法人課税における新たな偏在是正措置を進めることとした趣旨と東京一極集中の是正に向けた決意を総理にお伺いをいたします。  次に、車体課税の見直しについてお尋ねをいたします。  今年度の税制改正においては、自動車税の恒久減税を行いつつ、それに見合った地方財源を確保するとともに、消費税率引上げに係る需要変動の平準化対策を実施するなどの改正が行われることとなっており、与党としても、消費税率の一〇%引上げを決定した抜本改革法以来の懸案事項であった車体課税の見直しについての最終的な結論と位置づけているところであります。  我が国の基幹産業である自動車産業が熾烈なグローバル競争下に置かれていることを踏まえ、国内自動車市場の活性化を引き続き図っていくものであるとともに、地方の税財源が将来にわたり確保される形で改正内容がまとめられたものであり、この改正は、経済界のみならず、地方団体からも評価されていると認識をしております。  そこで、この税制改正を通じて期待される効果はどのようなものかという点を含め、今回の制度改正の目的について、所管大臣のお立場から御説明をいただきたいと思います。  最後に、今後においても、各地域、各地方の創意工夫や努力に十分に応え得る地方税財政制度のあり方を不断に求め続けるさらなる政府の取組をお願いし、自由民主党及び公明党を代表しての質問とさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
  12. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) あかま二郎議員にお答えをいたします。  地方法人課税の偏在是正と東京一極集中の是正についてお尋ねがありました。  地方創生を推進し、地方団体が安定的に行政サービスを提供していくためには、税源の偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築が必要です。  平成三十一年度税制改正では、地域間の財政力格差の拡大や経済社会構造の変化等に対応し、都市と地方が支え合い、ともに持続可能な形で発展していくため、地方法人課税における新たな偏在是正措置を講じることとし、特別法人事業税及び譲与税を創設することとしております。  こうした措置により、地方がみずからのアイデアでみずからの未来を切り開く取組を後押ししてまいります。  さらに、東京一極集中の是正については、東京圏への転入超過の大半を十代後半、二十代の若者が占めていることを考えれば、地方に魅力あふれる学びの場、働く場をつくることが極めて重要です。  このため、引き続き、地方創生推進交付金などを活用し、魅力あふれる地方大学づくりや地域おこし協力隊の拡充、地方へ移住し、起業、就業をスタートする際に最大三百万円を支給する新しい制度によって、地方にこそチャンスがあると考える若者たちの背中を後押ししてまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)     〔国務大臣石田真敏君登壇〕
  13. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) あかま議員にお答えをいたします。  まず、平成三十一年度地方財政対策の評価についてお尋ねがございました。  平成三十一年度の地方財政対策におきましては、一般財源総額の確保、その中でも地方交付税総額の確保、臨時財政対策債の抑制、さらに、幼児教育の無償化等の新たな政策に係る財源の確保、そして、相次ぐ災害に対応した防災・減災対策の強化といったことが最大の課題でありました。  これらにつきましては、一般財源総額を前年度から〇・六兆円増となる六十二・七兆円確保する中で、地方交付税総額を〇・二兆円増の十六・二兆円確保するとともに、臨時財政対策債を〇・七兆円減の三・三兆円と大幅に抑制することができました。  また、幼児教育の無償化の財源につきまして、平成三十一年度は臨時交付金を創設し全額国費により対応するほか、防災インフラの整備に係る事業費及び地方財政措置を拡充することといたしております。  このように、厳しい財政状況の中で、最大限の対応ができたと考えております。  なお、これらの内容につきましては、地方六団体からも高い評価をいただいているところであります。  次に、防災・減災、国土強靱化のための対策についてお尋ねがございました。  大規模な自然災害が相次ぐ中で、持続可能な地域社会の実現のためには、地方における防災・減災の取組は極めて重要であります。  このため、平成三十一年度地方財政計画におきましては、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策に基づく国直轄・補助事業を計上するとともに、その地方負担につきまして、地方財政措置を講ずることといたしております。  また、防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策と連携しつつ、地方が単独事業として実施する防災インフラの整備を推進するため、新たに緊急自然災害防止対策事業費を計上するとともに、地方財政措置を講ずることといたしております。  最後に、車体課税の見直しについてお尋ねがございました。  今回の税制改正におきまして、車体課税につきましては、消費税率の引上げが予定されるとともに、基幹産業である自動車産業が大きな変革期を迎えている中、国内自動車市場の活性化を図るため、自動車ユーザーの負担を軽減すべきという要請と、地方における社会インフラの維持更新等に係る地方財源をしっかり確保すべきという要請の双方の観点に十分配慮した調整が求められました。  さまざまな検討を行い、自動車税の恒久減税を実現するとともに、特例措置の見直しや国から地方への税源移譲によりまして、減収額に見合った地方税財源を確保いたしました。あわせて、需要平準化対策として、環境性能割の臨時的軽減を行い、その減収は全額国費で補填することといたしました。  これらの措置によりまして、消費税率の引上げ前後における需要を平準化するとともに、国内自動車市場の活性化と新車代替の促進による燃費性能のすぐれた自動車や先進安全技術搭載車の普及等が図られる効果を期待しているところであります。(拍手)     ―――――――――――――
  14. 大島理森

    ○議長(大島理森君) 高井崇志君。     〔高井崇志君登壇〕
  15. 高井崇志

    ○高井崇志君 岡山から参りました高井崇志です。  私は、立憲民主党・無所属フォーラムを代表して、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案等四法案につきまして質問いたします。(拍手)  信なくば立たず。総理が好んでよく使う言葉ですが、総理はこの言葉の本当の意味を御存じでしょうか。論語の一節に出てくる孔子の言葉ですが、弟子から、政治には食料、軍備、信義のいずれが一番大事かと問われ、信義が一番大事だと答えた後に述べられた言葉です。為政者に信義がなければ、民にも信義がなくなり、国家の存立が危うくなるという意味です。つまり、官僚のモラルの崩壊も国民のモラルの崩壊も、その原因は全て為政者、すなわち総理にあるという意味です。  昨年一年間だけで、森友学園決裁文書の改ざん、破棄、裁量労働制のデータ捏造、自衛隊の日報隠蔽、障害者雇用の水増し報告、外国人技能実習生の調査データの改ざん、そして今回の統計不正、まさに悪夢のように信じがたい不正が相次いでいます。  でも、こうした不正はなぜ行われたのでしょうか。その原因をたどれば、いずれも、不正を行ってでも安倍政権を擁護しなければならないという官僚のそんたくではないですか。  昨年から相次ぐ、民主主義の根幹を揺るがしかねない悪夢が続く原因を、総理はどのようにお考えですか。明確にお答えください。  私は、そんたくの原因は、長期政権の弊害による人事権の濫用と強権的な政治にあると思います。  古今東西、権力は腐敗するんです。人事は組織を動かす最大の権力ですが、だからこそ抑制的でなければなりません。霞が関人事を政治主導で行うために必要なことがあります。それは、人事権を持つ人に高い倫理観と見識が備わっていることです。安倍政権は余りにも強権的、恣意的な人事を行ってきた結果、そんたくが生まれてしまったのではありませんか。  また、官邸から内閣記者会に対する特定の記者を排除するための申入れなどは、まさに強権的政治の象徴であり、あってはならないことだと考えますが、官房長官の見解を求めます。  昨年七月の西日本豪雨災害では、私の地元岡山県では六十八名の方がお亡くなりになり、いまだ三名の方が行方不明です。  この大災害を経験し、大きな課題が明らかになりました。  その一つが、我が国の災害対策は市町村に依存し過ぎているという点です。  避難勧告、避難指示を出すのも市町村、自衛隊の派遣を要請するのも市町村、避難所の運営も全て市町村の仕事です。しかし、市町村だって被災者です。  昨年末、私は、同僚議員とともに、災害対策の先進国であるイタリアへ視察に行ってまいりました。  そのときお会いした市長が、災害に遭ったときに自分が判断することは何もなかったと言われていたのが印象的でした。イタリアでは、災害発生から二十四時間以内に、被災を免れた近隣の自治体が、備蓄されたテント、ベッド、簡易トイレを大型トレーラーに積んで百人体制で被災地へ向かい、避難所の設営から運営まで全てを担います。  日本とイタリアの最大の違いは、イタリアは、日本の人口の半分にもかかわらず、七百名の専任職員から成る市民保護省があり、さらに、二十二の州ごとに地方支分部局があることです。我が国の防災組織は、内閣府に百名ほどの組織があるのみで、その職員の多くは兼務であり、頻繁に人事異動で入れかわります。  与党の中にも防災省を提唱する方はたくさんいらっしゃいますが、イタリアのように専任職員による防災省を創設する考えはないか、総理に伺います。  被災者に支援金を支給する被災者生活再建支援制度は国と都道府県が費用を折半する制度ですが、全国知事会は、みずからの負担増を覚悟の上で、支給対象を大規模半壊以上から半壊以上まで拡大することを国に提言しています。これを受けて、被災者生活再建支援法を改正し、支給対象を半壊以上に拡大する考えはありませんか。総理に伺います。  今回の災害で河川氾濫の大きな原因となったのがダムの放流でした。  民間企業が所有するダム、利水ダムは、国や都道府県が所有するダム、治水ダムと異なり、洪水調節が義務づけられておりません。しかし、河川法五十二条では、河川管理者は、災害が発生するおそれがある場合には、ダム設置者に対して洪水調節を指示できると定めています。ところが、国はこれまで一度も河川法五十二条を発動したことがありません。なぜ河川法五十二条を発動しないのですか。  また、河川法五十二条を根拠に、民間企業が所有するダムとも定期的に協議を行い、事前放流などの洪水調節を行う必要があると考えますが、国土交通大臣の見解を伺います。  岡山県では、今回の災害で、長年行政改革を断行し、こつこつと蓄えてきた財政調整基金のほとんどを取り崩し、災害対応の予算に充てました。今年度の特別交付税の増額によって被災自治体の財源は十分補填できるのか、総務大臣に伺います。  平成三十一年度地方財政計画では、十一年ぶりに折半対象財源不足が解消され、臨時財政対策債も約七千三百億円減りました。しかし、引き続き、四兆四千億円を超える財源不足が生じています。  これらを解消するために、地方交付税の法定率引上げなど、特例措置に依存しない、持続可能な制度を構築する考えはないか、総理に伺います。  今回の幼児教育無償化に関し、全国市長会は、政策形成過程において地方側との協議がなかったことはまことに遺憾であり、今後の地方に関する政策立案の際には十分に地方の意見を尊重し、合意形成の上で政策を遂行するよう要望すると表明されています。  今回、これだけ大きな地方財政に影響を与える政策決定において、なぜ十分な協議を行わなかったのか。今後どのように協議を行っていくのか、総務大臣にお聞きします。  今回の地方税法等改正で、ふるさと納税は総務大臣が指定する地方団体のみ可能となりますが、総務大臣が指定する際の基準の制定や改廃、さらには地方団体の指定や取消しを行う場合に地方団体の意見を聴取する機会があるのでしょうか。  また、返礼品を地場産品に限定することにより、豊富な特産物を持つ自治体とそうでない自治体の間に格差が生じるおそれがあります。どのような対策を考えているのか、総務大臣にお聞きします。  今回大幅に見直される車体課税は、自動車の取得、保有、利用の各段階で課税が行われますが、今後普及が見込まれるカーシェアリングは車の所有者と利用者が異なる状況も想定され、電気自動車はガソリンを消費しないため燃料課税は適しません。排気量ではなく走行距離に応じた課税なども一部報道にありましたが、今後、中長期的視点に立って、車体課税、燃料課税のあり方についてどのように考えるのか、総務大臣の見解を求めます。  森林環境税・譲与税について伺います。  今、日本の森林は、保水力を失い、危機的状況にあります。その最大の要因は、戦後、拡大造林政策により天然林を伐採し、植えられた杉、ヒノキの人工林が放置され続け、荒廃していることです。  放置された人工林は、保水力が低下し、昨年の西日本豪雨災害や北海道胆振東部地震でも土砂崩れの大きな原因となりました。熊などの野生動物が、山で生きられなくなって、里へ出てきて捕殺される事例も相次いでいます。農家の被害は深刻ですが、動物たちも放置人工林の被害者です。さらに、国民の三割が杉、ヒノキの花粉症に悩まされているという弊害もあります。  今回の森林環境税・譲与税を活用し、放置人工林を保水力豊かな天然林に戻すことを進めるべきと考えますが、総理の見解を伺います。  特別法人事業税・譲与税について伺います。  今回、偏在是正措置として特別法人事業税・譲与税を創設することとしていますが、税制だけでなく、税源が大都市部に集中する社会構造そのものを変えない限り、根本的な解決にはなりません。東京一極集中を始めとする偏在の是正に総理はどのように取り組むつもりか、見解を求めます。  今、国会改革が叫ばれています。確かに、総理や大臣の国会への出席時間なども検討はすべきでしょう。タブレットも持ち込めるようにしましょう。しかし、まず真っ先にやらなければならないのは、後刻理事会で協議します、国会のことは国会でお決めになることといった、事実上国会の熟議を封殺する、極めて形式的な決まり文句をやめることです。  国会の重要な役割は、言うまでもなく、立法と行政の監視です。しかし、政府と与党が完全に一心同体の今の状態では、国会の監視機能は果たせません。国会の存在意義がありません。国会の自殺行為です。  与野党を超えて、胸襟を開いて、真の国会改革ができるように、皆さん、力を合わせようではありませんか。  私たち国会議員が背負っているのは、政党でも、ましてや政権でもない、国民一人一人である、その当たり前のことを我々は改めて肝に銘ずることを強く申し上げて、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
  16. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 高井崇志議員にお答えいたします。  行政各部で相次ぐさまざまな問題の原因についてお尋ねがありました。  行政をめぐるさまざまな問題について、国民の信頼を揺るがす事態となってしまったことに対し、行政府の長として、大きな責任を痛感しており、率直におわび申し上げます。  真摯な反省の上に、二度とこうしたことが起こらないように、全力を挙げて、原因を究明し、再発の防止に向け、総理大臣としての責任を果たす覚悟であります。  行政府の長として、一層身を引き締めて政権運営に当たることにより、国民の皆様の信頼を取り戻してまいります。  防災、危機管理対応組織の創設及び被災者生活再建支援金の支給対象拡大についてお尋ねがありました。  行政府の防災や危機管理への対応に関しては、内閣総理大臣の指揮のもと、内閣官房や内閣府が中心となって、省庁横断的な取組を行ってきております。現在の枠組み自体については、最近の大規模災害に際しても十分な機能を果たしたものと認識しており、新たに統一的な組織を設置する必要性は低いと考えております。  大切なことは、災害発生時に、国と地方自治体とが、適切な役割分担のもと、被災者の救出や復旧復興に早期に取り組む体制を整えることであり、今後とも、関係省庁や地方自治体の連携のあり方について不断の見直し等を行い、万全の危機管理体制の確保に努めてまいります。  被災者生活再建支援金の支給対象を半壊世帯まで拡大することについては、国や基金を拠出している都道府県の財政負担面での課題もあり、慎重に検討すべきものと認識しております。  他方で、昨年十一月に全国知事会からも同一の提言を受けたことも踏まえ、私からの指示により、目下、内閣府において、全国知事会と協力して半壊世帯の実態を把握するとともに、継続的に意見交換を行っているところであり、今後も、被災者に寄り添う観点から、必要な対応を行ってまいります。  臨時財政対策債など特例措置に依存しない地方財政制度の構築についてお尋ねがありました。  アベノミクスの政策により、来年度の地方税収や地方交付税の法定率分が増加となったことに伴い、平成三十一年度の地方財政対策においては、財源不足が大幅に縮小し、これによって臨時財政対策債の発行額を〇・七兆円減と大幅に抑制しました。  今後とも、法定率の見直しなど制度的な対応の議論も行いつつ、歳入面では、地域経済の好循環を全国津々浦々で一層拡大することなどにより、地方税等のさらなる増収を図るとともに、歳出面では、めり張りをつけて歳出構造を見直すことで、臨時財政対策債のような特例債に頼らないよう、財務体質の強化を図ってまいります。  森林環境税と森林・林業についてお尋ねがありました。  我が国の森林は、戦後植林されたものが本格的な利用期を迎えていますが、十分に利用されず、また、適切な森林管理も行われていないという課題に直面しています。  このため、森林バンクも活用し、森林整備をしっかりと加速させてまいります。その際、地域の自然条件等に応じて、針葉樹だけでなく、広葉樹がまじった森づくりも進めます。  新たに創設する森林環境税・譲与税も活用し、こうした政策を推し進め、次世代へ豊かな森林を引き継いでまいります。  東京一極集中を始めとする偏在の是正への取組についてお尋ねがありました。  全国津々浦々、力強く地方創生を進めるためには、地方が誇る農林水産品、観光資源、地場企業のオンリーワンの技術力など、その地方ならではの特色を生かす発想が必要です。そうした観点から、安倍内閣では、これまでも地方の皆さんの熱意やアイデアを一千億円規模の地方創生推進交付金などで全力で後押ししてまいりました。  その結果、地方に働く場所が生まれる中で、史上初めて、全ての都道府県で有効求人倍率が一倍を超えるとともに、政権交代前と比べて、地方の法人関係税収も、ほとんどの都道府県で四割から五割増加しています。  今後とも、地方独自の創意工夫を応援するとともに、民間企業の本社機能の地方移転を支援することなどにより、東京一極集中を始めとした偏在の是正に取り組んでまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)     〔国務大臣石田真敏君登壇〕
  17. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 高井議員にお答えをいたします。  まず、特別交付税の増額についてお尋ねがございました。  今年度の災害の状況を踏まえ、特別交付税を七百億円増額いたしました。  これは、災害関連経費の今年度の算定見込み額が、過去五年の算定額の平均を上回る額を増額したものでございます。  現在、被災団体の実情をお伺いしながら、特別交付税の算定作業を進めているところであり、財政運営に支障が生じないよう適切に対応してまいります。  次に、幼児教育の無償化に係る地方負担に関する地方との協議についてお尋ねがございました。  国において、地方自治体に対し、新たに事務又は負担を義務づける施策を立案する場合には、地方に事前に情報提供し、国と地方とが十分に協議することが重要であります。  この観点から、幼児教育の無償化に関し、平成三十年七月の十日付で、制度所管府省に対し、制度の詳細を検討するに当たっては、制度の円滑な運用が可能となるよう、地方の意思を十分に踏まえることについて、総務大臣名で要請を行いました。  今般の幼児教育の無償化における国と地方の財源負担のあり方につきましては、地方の皆さんからさまざまな御意見をいただいたところでございますけれども、昨年十一月及び十二月には、国と地方のトップレベルによる教育の無償化に関する国と地方の協議が開催され、私自身も参画してまいりました。  この協議を経て、最終的には、国と地方の財源負担のあり方について御了解をいただけたものと認識をいたしております。  幼児教育の無償化につきましては、引き続き、本年十月からの実施に向けまして、認可外保育施設の質の確保、向上を始めとするさまざまな課題について、制度所管府省と地方自治体のハイレベルによる協議の場が開催されていると承知しており、制度所管府省においては、今後とも、実務を担う地方自治体の皆さんの御意見をしっかり伺っていく必要があると考えております。  次に、ふるさと納税についてお尋ねがございました。  新たなふるさと納税の指定制度下においては、総務大臣による基準の設定、地方団体の指定等については、地方六団体による推薦者を含めて構成される地方財政審議会の意見を聞くことといたしております。  また、個別の団体の指定やその取消しに当たっては、当該団体の実態を丁寧に伺ってまいります。  地場産品の範囲につきましては、地域の実情に応じてさまざまな形態があることから、現在、全国の地方団体から意見を伺いながら、検討を進めているところであります。地方団体の中には、区域内の地域資源が乏しいといった意見もありますが、地域資源を活用し、地域経済を活性化しようと創意工夫を行う地方団体の取組を尊重しつつ、丁寧に検討してまいります。  最後に、今後の自動車関係諸税のあり方についてお尋ねがございました。  自動車関係諸税は、道路や橋梁の整備、維持管理等、地方における社会インフラの維持更新等に係る貴重な地方財源であります。  今後の自動車関係諸税のあり方については、与党税制改正大綱におきまして、技術革新や保有から利用への変化等の自動車を取り巻く環境変化の動向、環境負荷の低減に対する要請の高まり等を踏まえつつ、国、地方を通じた財源を安定的に確保していくことを前提に、中長期的な視点に立って検討することとされていると承知をいたしております。  以上です。(拍手)     〔国務大臣菅義偉君登壇〕
  18. 菅義偉

    ○国務大臣(菅義偉君) 国家公務員の人事と内閣記者会に対する申入れについてのお尋ねがありました。  国家公務員の人事については、政策の実現や行政の適正かつ円滑な運営を行うため、最適な人事配置を目指し、能力・実績主義に基づいて、公正中立に行っているところであり、強権的、恣意的の御指摘は当たりません。  また、御指摘の申入れについては、官房長官記者会見の主催者たる内閣記者会に対し、事実に基づく質問を心がけていただくよう協力をお願いしたものであり、特定の記者を排除することを意図したものでは全くないと承知をいたしております。  官房長官記者会見が国民の知る権利に資するものとなるよう、今後とも、内閣記者会と協力しながら、適切に対応してまいります。(拍手)     〔国務大臣石井啓一君登壇〕
  19. 石井啓一

    ○国務大臣(石井啓一君) 高井崇志議員にお答えをいたします。  河川法第五十二条についてお尋ねがありました。  平成三十年七月豪雨では、これまでに経験のないような異常な豪雨により、西日本を中心に各地で甚大な被害が発生をいたしました。  議員御指摘の河川法第五十二条は、洪水による災害の防除又は軽減のため緊急の必要があると認められるときは、河川管理者がダムの設置者に対し必要な措置をとるよう指示することができることを規定したものであります。  これにつきましては、本来、洪水調節を目的としない利水ダムに洪水調節を行わせようとするものであり、ダムの位置や容量、洪水吐きゲートの有無などの制約があり、実施に当たっては、河川管理者とダム設置者において、事前に十分な協議が必要と考えております。  一方、過去に水害を受けた地域からの要請により、一部の発電専用ダムでは、現状の構造や洪水予測精度等を踏まえ、十分な技術的検討を行った上で運用を見直し、治水協力が行われているダムもあります。  いずれにいたしましても、激甚化、多発化する自然災害に対して、現在ある施設を活用することは有効であると考えており、課題や事例を踏まえ、利水ダム管理者と協議を行い、利水ダムの治水への活用について検討を行ってまいります。(拍手)     ―――――――――――――
  20. 大島理森

    ○議長(大島理森君) 日吉雄太君。     〔日吉雄太君登壇〕
  21. 日吉雄太

    ○日吉雄太君 国民民主党・無所属クラブの日吉雄太です。  会派を代表し、ただいま議題となりました地方税法等の一部を改正する法律案、特別法人事業税及び特別法人事業譲与税に関する法律案、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案につきまして質問をいたします。(拍手)  まず初めに、安倍総理に確認いたします。  財務省による公文書の改ざん厚生労働省による裁量労働制をめぐるデータの捏造及び毎月勤労統計の偽装など、行政機関における不祥事が続いています。国会審議の前提となる資料の真実性が疑われる状況では、審議は成り立ちません。  組織には、通常、不正や誤りを防止するための仕組みが備わっています。これを内部統制といいます。行政においても、当然、内部統制が整備、運用されているはずですが、現実には数々の不正が発生しました。そういう意味では、行政において、内部統制に重要な問題が存在することになります。  では、そもそも内部統制を適切に構築する責任は一体誰にあるのでしょうか。  一般企業においても、当然、内部統制が整備、運用されています。金融庁企業会計審議会が公表している財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準によると、経営者は、組織の全ての活動について最終的な責任を有しており、その一環として、取締役会が決定した基本方針に基づき内部統制を整備及び運用する役割と責任があると規定されています。企業においては、内部統制を構築する責任は経営者、つまり会社のトップである社長に内部統制を構築する責任があるわけです。だからこそ、不祥事が起きた会社では、社長が辞任して責任を果たしています。  行政権は内閣に属し、内閣は、その行使に当たって、国会に対し責任を負います。内閣のもとに省庁といった行政機関が設置され、行政作用の大部分が内閣の責任のもとに行政機関によってとり行われています。  それでは、伺います。  公文書の改ざんデータの捏造、統計の偽装を防ぐ内部統制を構築する責任は一体誰にあるのか。私は、行政の長である内閣総理大臣にあると考えますが、総理の明確な答弁を求めます。万が一、内閣総理大臣内部統制構築の責任がないというのであれば、その旨、明言してください。  また、財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準によると、経営者は、組織内のいずれの者よりも、内部統制の基本的要素に影響を与える組織の気風の決定に大きな影響力を有しているとされています。すなわち、組織のトップは組織風土の決定に絶大な影響を与え得るということです。誠実なトップのもとでは誠実な組織が形成され、不誠実なトップのもとでは組織も不誠実になるわけです。  財務省による公文書の改ざんは、不正に対して職員一人一人の意識が希薄であったことを起因としているということですが、組織のトップである総理自身が、不正を排除して誠実に職務を遂行するという意識が欠けていたからこそ、起こり得た事件であったのではないでしょうか。  なぜ、行政の長である安倍総理のもとで財務省職員が不正行為をするに至ったのか、その因果関係について、財務報告に係る内部統制の評価及び監査の基準の記載を踏まえて、安倍総理の答弁を求めます。  二〇一二年末に自民党が政権を再び獲得し、もう六年以上も時が過ぎております。  二〇一四年の衆院解散に当たっては、アベノミクスの成功を確かなものとするため、消費税率引上げは延期、二〇一六年の参院選前には、世界経済が大きなリスクに直面しているため、消費税率引上げは再延期し、アベノミクスをもっと加速すると総理は記者会見でおっしゃいました。  しかしながら、アベノミクスの成果はいまだ国民にもたらされていません。国民の大半が成果を認めていないからといって、統計不正により偽装まで行われていたとなっては、あきれて物も言えません。  二月五日の衆議院予算委員会で、安倍総理は、消費税の引上げについては、反動減等に対する十二分な対策を講じた上で、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律で定められたとおり、十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定と述べられました。  本年に入ってからは、リーマン・ショック級という言葉遣いはされていなかったので、消費税率引上げ再々延期もあり得べしとの答弁に軌道修正されたと受けとめておりますが、そうした解釈でよいか、安倍総理の答弁を求めます。  次の延期理由は、世界経済危機前夜のリスクがあるから、アベノミクスを究極進化させるとでもいうのでしょうか。言葉遊びや数字いじりはやめ、国民生活向上のために少しは力を割いていただきたいと思います。  もし、消費税率引上げが再々延期されるとなれば、気になるのは幼児教育、保育の無償化の行方です。子育て世帯から期待は高まっていますし、少子化対策の観点からも重要な施策ですが、本年十月に消費税率を引き上げないとの判断をされた場合、幼児教育、保育の無償化も延期されるのですか。安倍総理の答弁を求めます。  日本経済を支えているのは、全国三百八十万に及ぶ中小企業であります。その企業は、地方において、必死になって地域経済を下支えする牽引役として頑張っておられます。アベノミクスに期待など、とうにしていないのであります。政府は、地域経済の活性化は、市町村にとって死活問題であり、大変重要な問題であることを認識しているのでしょうか。  少子高齢化が進む中で、人口の都市圏への流入は歯どめがかかりません。地方で安心して仕事ができ、子供を産み育てることができることを実現するのは政治の役目であります。  そこで、子育て世帯を応援し、社会保障を全世代型へ抜本的に変えるため、幼児教育の無償化を一気に加速するとうたっている、無償化における市町村の対応についてお尋ねします。  予定どおり無償化が実行されたとしても、問題はあります。  政府案によれば、認可外保育施設についても、ことし十月から五年間は、原則として、児童福祉法に基づく届出があれば無償化の対象に含まれることになります。ただ、例外があって、この期間内に、市町村が条例により基準を定める場合は、対象施設をその基準を満たす施設にできることになっています。  つまり、市町村が非常に厳しい基準を条例で定めることによって、認可外保育施設を無償化対象から除外できることになります。市町村により取扱いに差が出るのは不公平ではないですか。  財源については、臨時交付金を創設して、全額国費で賄うことになりますが、対象が定まらない以上、その額も定まらないのではないですか。  また、二〇一九年度はこの臨時交付金で財源を賄うとのことですが、消費税率引上げ再々延期において、二〇二〇年度以降はどうするのか、総務大臣にお伺いいたします。  森林環境税について伺います。  現在、東日本大震災の復興財源に充てるための復興特別税として、住民税については一人年一千円を上乗せしています。今回の法案では、その期限が切れる二〇二四年度から森林環境税を導入して、住民税の負担を継続させる案になっています。  本来であれば、復興特別税の期限が切れた段階で、一度、税負担をもとに戻すべきです。なぜ、課税の根拠が全く異なるにもかかわらず、全く同じ一人千円の負担となるのでしょうか。今まで一人千円課税としていたから、そのままであれば批判も出にくいだろうという思惑で看板をかけかえたのではありませんか。総務大臣にお伺いいたします。  所得税についても、復興特別税として税額に二・一%上乗せされていますが、二〇一三年から二十五年間が経過すると、その期限が切れます。その後はどうするのでしょうか。今回と同様に看板をかけかえて、新税を導入するのでしょうか。財務大臣にお伺いいたします。  森林環境税の税収は年六百二十億円とされています。使い道として、森林整備と称して、かつてのスーパー林道のように、自動車道に近い道路などに予算を投入するばらまきは排除すべきと考えます。  森林整備等に必要な地方財源を安定的に確保することが何よりも重要であり、森林整備を担う人材の育成や担い手の確保についても重要になってまいります。適正な使い道をどのように担保していくのか、農林水産大臣にお伺いいたします。  日本の国土面積の三分の二に当たる約二千五百万ヘクタールが森林であります。今はその多くが整備されずに放置された状態になっています。そもそも、森林は、国土の侵食防止や保水の作用を持ち、災害を防ぎながら、多様な生態系を支えていると言われています。  私の地元である浜松市天竜区は、森林における有名な町であります。林業に携わる方に意見を聞くと、最近は、山村も外部経済の影響をかなり受けていて、山と向き合う文化から離れてきている。本当は、まず山村があり、自然と向き合いながら営まれる人の暮らしがあって、その中の一つとして森や木を利用する林業があるはずなのに、これを植えればお金になるということで、杉やヒノキ、カラマツばかりの人工林を育ててきた。そうすると、外部経済に頼らざるを得なくなり、山を地域循環の中で利用していくことが難しくなってしまったということであります。  人の暮らしと山とのかかわりを強くしていくことが重要だと考えますが、今後の林業における方針について、農林水産大臣にお伺いいたします。  地方税源の偏在是正について伺います。  昨年度は、地方消費税の清算基準が見直されました。今回の改正案では、法人事業税の一部を分離して特別法人事業税とし、全額都道府県に譲与することになっています。  地方税源の偏在是正措置についてはこれで完了するという理解でよいですか、それとも、来年度以降もさらなる措置が続くのでしょうか。総務大臣にお伺いいたします。  次に、ふるさと納税について伺います。  ふるさと納税の返礼品競争の過熱を受け、一昨年、総務省は、返礼割合を三割以下とするなどの見直しを要請しました。要請を守らない自治体がいるので、総務省はこのたび、返礼割合三割以下、返礼品は地場産品との基準を満たさない自治体については、本年六月より、ふるさと納税の対象から外すとする案を出してきました。  しかし、同じ年の所得について、ある時点から取扱いが変わるのは不公平ではありませんか。また、駆け込み寄附を生み、混乱のもとになりませんか。総務大臣に答弁を求めます。  ふるさと納税がもたらしているゆがみは、返礼割合だけではありません。ふるさと納税は、所得が高ければ高いほど、青天井に年間上限も高くなり、高所得者が節税に利用しているという批判が出ています。  また、寄附を受ける自治体にとっても、年による変動が大きく、毎年保証されているわけではない不安定な財源であり、中長期的な事業には利用しにくいという面があります。  こうした指摘を踏まえ、年間上限を頭打ちにして、ゆがみを抑えるといった考えはありませんか。総務大臣に伺います。  人への投資や地域主権改革などの抜本的な改革を誠実に実行できるのは我々であることを国民の皆様にお約束申し上げ、私の質問といたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
  22. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 日吉雄太議員の御質問にお答えいたします。  行政をめぐるさまざまな問題に対する内閣総理大臣としての責任についてお尋ねがありました。  行政をめぐるさまざまな問題について、国民の信頼を揺るがす事態となってしまったことに対し、行政府の長として、大きな責任を痛感しており、率直におわび申し上げます。  真摯な反省の上に、二度とこうしたことが起こらないように、全力を挙げて、再発の防止に向け、総理大臣としての責任を果たす覚悟であります。  行政権の行使に当たり、国会に対して連帯して責任を負う内閣について、上場企業等に適用される内部統制基準がそのまま当てはまるわけではありませんが、行政府の長として、一層身を引き締めて行政運営に当たることにより、国民の皆様の信頼を取り戻してまいります。  財務省による文書改ざん問題についてお尋ねがありました。  財務省における決裁文書の改ざんは、あってはならないことであり、国民の皆様の信頼を揺るがす事態になったことに対して、行政府の長として大きな責任を痛感しています。  改ざんの主たる目的については、平成二十九年二月以降の国会審議において森友学園案件が大きく取り上げられる中、さらなる質問につながる材料を極力少なくすることにあったことが、昨年六月の財務省の調査報告書において明らかにされております。  真摯な反省の上に、二度とこうしたことが起こらないように、再発防止策を講じ、組織を立て直していかなければなりません。  既に麻生財務大臣に指示しているとおり、大臣がその先頭に立って責任を果たしていただきたいと考えております。  消費税率引上げの判断についてお尋ねがありました。  消費税率の引上げについては、全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するために必要なものです。  反動減等に対する十二分な対策を講じた上で、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律で定められたとおり、十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定であると繰り返し申し上げており、この方針に変更はございません。  幼児教育の無償化については、消費税率引上げによる増収分を活用し、本年十月から実施することとしており、今国会にその実現のための法案を提出しました。  幼児教育の無償化は消費税率の引上げを前提として実施することとしており、政府としては、それに向け、経済財政運営に万全を期してまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)     〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
  23. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 日吉議員からは、復興特別所得税について、一問お尋ねがあっております。  復興特別所得税は、東日本大震災に係る復興のための時限的な措置として導入したものであり、平成二十五年から平成四十九年までの二十五年間、適用することといたしております。  復興特別所得税については、平成四十九年の期限をもって終了することとしており、お尋ねのように、森林環境税と同様に看板をかけかえて、新税を導入するといった予定はありません。(拍手)     〔国務大臣石田真敏君登壇〕
  24. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 日吉議員にお答えをいたします。  まず、幼児教育の無償化についてお尋ねがございました。  認可外保育施設の指導監督基準は厚生労働省の所管ではありますが、市町村が条例により無償化の対象となる認可外保育施設の基準を設定することができるのは、保育の提供体制が十分に確保されている場合など、各市町村において、地域の保育の需要及び供給の状況等を勘案して、必要があると認める場合と承知いたしております。  私といたしましては、各市町村が地域の実情に応じて無償化の対象基準を適切に設定するとともに、必要な幼児教育、保育サービスが地域住民に提供されることを期待いたしております。  平成三十一年度の地方負担の全額を国費で措置するために創設する子ども・子育て支援臨時交付金につきましては、零歳から五歳の人口や、認可施設の利用者の所得階層区分、認可外保育施設等の利用者のうち保育の必要性のある子供の割合などを考慮して、制度を所管する内閣府において精査した無償化全体に係る所要額をもとに、昨年の地方との協議を経て決定した国と地方の負担割合を踏まえた地方負担相当額二千三百四十九億円を国の予算に計上し、総額をしっかり確保しております。  また、各地方団体に対しましては、幼児教育の無償化の対象となる子供の数など、客観的な指標により臨時交付金総額を案分した額を交付することとしております。  したがって、子ども・子育て支援臨時交付金の額が定まらないとの御懸念は当たらないと考えております。  消費税率の引上げにつきましては、先ほど総理大臣から申し上げたとおり、政府としては、消費税率の引上げに向け、経済財政運営に万全を期すということに尽きると考えております。  次に、森林環境税の税率と課税時期についてお尋ねがございました。  森林環境税の税収規模を検討するに当たり、パリ協定の枠組みのもとにおける我が国の温室効果ガス排出削減目標を達成するために必要な森林整備やその促進に要する費用等について、林野庁から六百億円程度との試算が示されたところであります。  また、森林環境税につきましては、国民の皆さんに広く一定の負担を求める観点から、個人住民税均等割の枠組みを活用することとし、その納税義務者数は六千万人強と見込んでいます。  森林環境税の税率につきましては、これらの必要な財源や国民の負担感などを総合的に勘案し、年額一千円としたところであります。  また、森林環境税は国民に広く均等に御負担いただくものであることから、課税を開始する時期につきましては、国民の負担感に十分配慮し、全国の地方団体による防災施策の財源を確保するための個人住民税均等割の引上げ措置が終了する時期を考慮して、平成三十六年度としたところであります。  次に、地方税源の偏在是正措置についてお尋ねがありました。  新たな偏在是正措置は、偏在性の小さい地方税体系を構築する観点から、地域間の財政力格差の拡大や経済社会構造の変化等に対応し、大都市部に税収が集中する構造的な課題に対処するものであります。また、都道府県の行財政運営において、将来の収入に対する予見可能性を確保することも重要であります。  こうしたことを踏まえ、今般の措置につきましては、将来に向かって安定的な制度とするため、恒久措置とすることといたしております。  現在直面している、財政力格差の拡大や経済社会構造の変化等に対する地方税制上の対応としては、この新たな偏在是正措置により行われることになるものと考えております。  なお、中長期的に経済社会情勢が大きく変化する場合や税制全体の抜本的な見直しが行われるような場合には、あるべき地方税制の観点から検討を行うことも必要になると考えております。  次に、ふるさと納税制度の見直しについてお尋ねがございました。  今般の税制改正におけるふるさと納税制度の見直しは、法改正の成立以後、速やかな新制度への移行を図りつつ、制度の対象となる地方団体の指定手続や寄附者への周知に要する期間を確保するため、六月一日に施行することといたしております。  いずれの地方団体にとりましても、いずれの寄附者の方にとりましても、六月一日以降、一律に新たな制度が適用されることとなりますので、不公平との御指摘は当たらないものと考えています。  また、制度の見直しに伴い、不適切な募集によって駆け込み寄附が生じないよう、地方団体に対して良識ある対応を要請するとともに、国民の皆様に対して制度見直し内容の周知徹底を図ってまいります。  最後に、ふるさと納税の上限についてお尋ねがございました。  平成十九年に開催されたふるさと納税研究会におきまして、地域社会の会費という個人住民税の性格を踏まえれば、住所地の地方団体に納付される個人住民税額が大きく減少するような仕組みをとることは適当でなく、一定の上限額を設定する必要があるとされており、ふるさと納税の特例控除額は、現在、個人住民税所得割の二割を上限としております。  また、高所得者の方々が、ふるさと納税を通じて積極的にみずからのふるさとや地方団体を支援していただければ、地域の活性化に大きな効果を生むことにもつながることから、現段階において、御指摘のような見直しを行う考えはございません。  今回の制度見直しが実現することによりまして、ルール外の返礼品を送付する一部の地方団体にふるさと納税が集中する状況が改善され、一定のルールの中で、地方団体同士が創意工夫し、ふるさと納税制度が健全に発展していくことを期待いたしております。(拍手)     〔国務大臣吉川貴盛君登壇〕
  25. 吉川貴盛

    ○国務大臣(吉川貴盛君) 日吉議員の御質問にお答えいたします。  森林環境譲与税の使途についてのお尋ねがありました。  森林環境譲与税は地方譲与税であり、地方団体がそれぞれの地域の実情に応じて、法律で定める使途の範囲内で弾力的に森林整備等を実施することが可能なものです。  また、その使途については、毎年度、インターネット等による公表が各地方団体に義務づけられており、地方団体の判断で適正な使途に用いられることが担保されるものと考えております。  農林水産省としては、これまでこうした税の趣旨や仕組みを市町村等へ丁寧に説明してきたところでありますが、税創設後も引き続き、市町村等による森林整備や人材育成等の取組が効果的なものとなるよう支援していく考えです。  今後の林業の方針についてお尋ねがありました。  戦後造成された人工林が本格的な利用期を迎えている中で、我が国の森林資源を守りつつ、切って、使って、植えるといった循環利用を進めていく必要があると考えております。  山村を活性化し、林業の成長産業化と森林資源の適切な管理の確立を確実に進めていくため、本年四月に施行される森林経営管理制度に基づく経営管理の集積、集約化、路網整備や高性能林業機械の導入による林業の生産性向上、緑の雇用事業等を通じた人材の育成、確保、公共建築物の木造化、木質化など木材の需要拡大等、川上から川下に至る施策を総合的に推進し、豊かな森林を次世代に引き継いでまいりたいと考えております。(拍手)     〔議長退席、副議長着席〕     ―――――――――――――
  26. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 本村伸子さん。     〔本村伸子君登壇〕
  27. 本村伸子

    ○本村伸子君 私は、日本共産党を代表して、二〇一九年度地方財政計画外四法案に対し質問をいたします。(拍手)  まず、統計不正調査の問題です。  一九四七年、統計法の立法趣旨は、客観的な認識のために必要な正確な統計が失われたために、国民に戦争の惨禍をもたらしたことを反省し、次のように述べています。日本国民は、この痛ましい経験を反省し、今後は正確な統計に基づく現実の科学的認識を平和なる建設の道標として国民全ての前に打ち立てることを固く期さなければならない。  総理、公的統計は国民の共有財産です。その共有財産が深刻に傷つけられているという認識と反省はありますか。  うそと組織的隠蔽は、国民に対する極めて重大な背信行為であり、絶対に許されません。統計不正の真相を徹底的に究明して、公的統計の中立性と信頼性を取り戻し、政治からの独立性を明確にするべきです。答弁を求めます。  千葉県野田市の十歳の栗原心愛さんが、虐待で命を失いました。心から哀悼の意をささげます。  心愛さん自身がSOSを発し、一時保護など、児童相談所も対応してきたのです。守れる命を守れなかった。ここを出発点としなければなりません。  総理、児童虐待がふえている根本的な原因をどう認識されていますか。  児童相談所の体制強化、児童福祉司、児童心理司の大幅増員を一刻も早く進めるべきです。  学校、保育所、病院、児童相談所、保健所、子育て支援センター、児童養護施設など、専門機関の体制と連携を強化するとともに、全ての職員が徹底して子供の視点に立つ専門性を身につけるために、国が総力を挙げるべきです。  また、国は、現場への専門家の派遣や弁護士配置への支援、定員超過の一時保護所の増設など、具体的支援に乗り出すべきです。  困難を抱える御家庭や妊婦さんにきめ細かく支援をする質の高い養育支援訪問事業を全ての自治体で行うために、予算と人を抜本的に拡充するべきです。  地方財政についてです。  第一に、消費税の一〇%増税です。  総理、増税が、上下水道料金や給食費、公営バス、施設使用料など、あらゆる公共サービス料金の引上げにつながることは必至です。さらに、地域の医療機関の経営を圧迫することも明らかです。住民生活に大打撃となる消費税の一〇%増税は、きっぱりと中止するべきです。  第二に、法案は地方税制に新たなゆがみを持ち込むものです。  総理、自治体間の財政力の格差は消費税の増税のたびに拡大してきたという認識はありますか。  特別法人事業税の創設は、地方の財源を国が取り上げ、ほかの自治体に回すというやり方です。これは、地方税制の原則に背くものではありませんか。国による地方税制の悪用は許されません。  さらに、森林環境税です。  これは、東日本大震災を口実に持ち込んだ個人住民税均等割への上乗せ増税千円を、期限が切れる二〇二四年度以降、今度は森林環境税と看板をかえて取り続けるものです。温室効果ガス排出の主な原因者である排出企業の負担を求めないのはなぜですか。  地方交付税によって、地方の財源を保障するとともに、自治体間の財政調整機能を果たすというのが憲法と地方自治に基づく地方財政のあり方です。  地方交付税の法定率を抜本的に引き上げる考えはないのですか。富裕層と大企業に応分の負担を求め、税制を総合的に見直すべきです。地方税財政に新たなゆがみを持ち込むことは許されません。  次に、自治体行政のあり方です。  安倍総理は、公共サービスの産業化を強調し、水道事業の広域化、民間委託とコンセッション方式を進めようとしています。  これに対し、静岡県浜松市では、多くの市民が命の水を守れと声を上げ、コンセッション導入は延期に追い込まれています。海外でも再公営化の動きが広がっています。住民の暮らしを支える公共サービスを、利益優先の大企業に売り渡す市場化はやめるべきです。  もう一つ、職員の確保です。  統計専任職員の増員や、たび重なる自然災害からの復旧復興、防災を担う技術系職員などの人員確保は喫緊の課題です。  総理には、国が自治体に迫ってきた職員の削減路線が、今や行政のさまざまな現場を危機的な事態に追いやっているという認識はありますか。  学童保育の指導員の配置基準を改悪し、子供の安全確保を後退させることは許されません。職員の数の削減率を交付税算定の評価の基準とする仕組みは直ちにやめるべきです。  最後に、沖縄県の米軍新基地建設の問題です。  県知事選挙で示された辺野古新基地建設反対の圧倒的な民意を踏みにじり、埋立土砂の投入を強行する安倍政権に断固として抗議をいたします。  政府は、辺野古の北側海域の軟弱地盤の存在を認めました。埋立工事は直ちに中止し、誠実に沖縄県と話し合うべきです。  内閣府沖縄担当部局が所管する沖縄振興費は、沖縄県が増額を強く求める一括交付金を、制度創設以来最低水準にまで削る一方、県を介さない市町村向けの新たな交付金を創設するとしています。  これは、新基地建設に反対を貫く沖縄県への嫌がらせそのものではありませんか。基地建設に協力的か否かによって予算額を増減させ、地方の財政を左右するやり方は直ちにやめるべきです。  国家権力を総動員し、問答無用に米軍新基地の建設を進めることは、憲法と地方自治に真っ向から反するものであり、断じて許されません。  以上、申し述べ、質問といたします。(拍手)     〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
  28. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 本村伸子議員にお答えをいたします。  統計不正の問題に関してお尋ねがありました。  公的統計は、国民にとって合理的な意思決定を行うための基盤となる重要な情報です。  しかしながら、毎月勤労統計について、不適切な調査が行われ、セーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわび申し上げます。  高い専門性と信頼性を有すべき統計分野において、長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかった責任については、重く受けとめています。  いただいた御批判は真摯に受けとめ、今回のような事態が二度と生じないよう徹底して検証を行い、信頼を取り戻すことが何より重要です。  厚生労働省の特別監察委員会においては、先般、それまでに明らかになった事実等について報告書を取りまとめていただいたところですが、今般、委員会のもとに、元最高検検事の方を事務局長に迎え、民間有識者で構成される事務局が新たに設置されたところであり、より独立性を強めた形で裏づけや検証作業を進めていただいています。  また、統計委員会においては、既に点検検証部会を設置したところであり、基幹統計のほか、一般統計も加えて、徹底した検証を行うこととしています。  こうした取組を通じて再発防止に全力を尽くすことで、政治の責任をしっかりと果たしてまいります。  児童虐待防止対策についてお尋ねがありました。  児童虐待相談対応件数の増加の背景には、核家族化による育児不安を抱える方の増加等が考えられることから、児童虐待防止対策については、発生予防、早期発見、児童虐待発生時の迅速、的確な対応、被虐待児童への自立支援が重要と認識しており、政府としては、そのために必要な体制強化、職員の専門性の向上、関係機関の連携強化などに取り組んでいます。  まず、児童相談所等の体制強化及び専門性向上については、一時保護所の整備費に係る補助の拡充、現在三千名の児童福祉司を、来年度、一気に千名増員し、二〇二二年度には五千名体制とするなど、児童相談所の体制の抜本的強化を図ることとしています。  これに加えて、児童心理司を八百名増員するとともに、全ての児童相談所に保健師を配置するほか、弁護士の配置促進や、平成二十八年度の児童福祉法改正により義務化された研修の推進などに取り組んでいます。  関係機関の連携強化については、昨年七月の緊急総合対策に基づき、児童相談所と学校、病院等の関係機関の連携強化に取り組んできましたが、今月八日の関係閣僚会議で、その点検、徹底を指示しました。  養育支援が特に必要な家庭に相談、助言や家事援助を行う養育支援訪問事業については、子ども・子育て支援交付金において補助を行っていますが、来年度予算では百億円以上を増額し、より多くの市町村で事業が実施されるよう取り組んでまいります。  何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。  消費税率引上げについてお尋ねがありました。  消費税は、公共サービスを含む消費に上乗せする形で薄く広く御負担いただくものであり、負担が特定の世代に集中せず、税収が景気や人口構成の変化に左右されにくく安定していることから、社会保障に係る費用を賄うための財源としてふさわしいと考えています。  その上で、消費税率の一〇%への引上げは、全世代型社会保障の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するためにどうしても必要なものです。  引上げに当たっては、消費税に逆進性があることに鑑み、低所得者など真に支援を必要とする層にしっかりと支援の手が行き届くよう、軽減税率制度の実施、教育無償化や低年金者への給付等の社会保障の充実策の実施などを行うこととしております。  こうした低所得者対策等を講じた上で、リーマン・ショック級の出来事がない限り、法律で定められたとおり、十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定であると繰り返し申し上げており、この方針に変更はございません。  地方税制と地方財政のあり方についてお尋ねがありました。  地方消費税は地域間の偏在性が小さい税であり、また、地方消費税率の引上げに伴う地域間の財政力格差の拡大については、地方法人課税の偏在是正措置を講じているところです。地方消費税の引上げのたびに地域間の財政力格差が拡大したとは考えておりません。  特別法人事業税については、偏在性が小さい地方税体系を構築する観点から創設するものです。その税収の全額は、譲与税として、客観的基準に基づき地方に再配分される仕組みであり、実質的な地方税源であることから、地方の財源を国が取り上げるなどの御指摘は当たりません。  税制の総合的な見直しに言及していただきましたが、今後の税制のあり方については、これまでの改正の効果を見きわめるとともに、経済社会の情勢の変化等も踏まえつつ検討する必要があるものと考えています。  地方財政については、地方の行政サービスに係る財源はできるだけ地方税により賄うとともに、地方交付税との適切な組合せにより、その必要額を安定的に確保することが重要と考えます。  地方税の充実確保に取り組むとともに、地方交付税については、今後とも、法定率の見直しなど制度的な対応の議論も行いつつ、財源保障機能と財源調整機能が適切に発揮されるよう、必要な総額の確保を図ってまいります。  以上を踏まえれば、今回提案している法案が地方税制にゆがみをもたらすとの御指摘は当たりません。  水道事業のコンセッション方式の導入等についてお尋ねがありました。  先般の国会で成立をした改正水道法は、PFIの一類型であるコンセッション方式について、海外の再公営化事例の教訓を踏まえ、地方自治体が引き続き水道事業の最終責任を維持することなど、公の関与を強化した仕組みとするものであり、利益優先の大企業に売り渡すものではありません。  また、あくまでも官民連携の選択肢の一つであり、住民サービスの向上や業務効率化等のメリットが大きいと判断した自治体のみが導入するものです。これにより、水道事業の基盤強化を図ってまいります。  地方公共団体の職員の確保と放課後児童クラブの指導員の配置基準についてお尋ねがありました。  地方公共団体の定員管理については、地域の実情を踏まえつつ、各団体において自主的に御判断いただくものと認識をしています。  地方公共団体においては、総職員数を抑制する中においても、例えば、防災対策に携わる職員や、土木・建築技師、児童相談所等の職員は増加するなど、行政需要の変化に対応しためり張りのある人員配置を行っていると承知しています。  引き続き、各団体において、効率的で質の高い行政の実現に向け、適正な定員管理の推進に取り組むことが重要と考えています。  放課後児童クラブに従事する者の資格と人員については、地方が従うべき基準を参酌すべき基準に改める法案を提出することを予定していますが、これは、地域の実情に応じて、利用者が少ない場合の特例を定めることなどを可能にするものです。  放課後児童クラブにおけるサービスの質をしっかりと確保することは当然の前提であり、この法案において、特例を定める場合には、市町村議会の審議を経て、条例で定めることとしています。また、これにあわせて、放課後児童クラブの職員について、研修や処遇改善等の取組を推進してまいります。  普天間飛行場の辺野古移設と沖縄振興予算についてお尋ねがありました。  住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化は、絶対に避けなければなりません。これが大前提であり、政府と地元の皆様の共通認識であると思います。  米軍キャンプ・シュワブの北側海域については、地盤改良工事が必要であるものの、一般的で施工実績が豊富な工法により、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認され、今後、沖縄防衛局において、地盤改良に係る具体的な設計等の検討を十分に行うものと承知しています。  政府としては、今後とも、地元の皆様の御理解を得る努力を続けながら、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するため、全力で取り組んでまいります。  また、平成三十一年度の沖縄振興予算における一括交付金は、沖縄県が作成した、これまでの事業計画における実績を踏まえ、所要額が確保されているものと認識しています。  一方、沖縄振興特定事業推進費は、一括交付金を補完し、機動性を持って迅速、柔軟に対応すべき市町村等の事業を推進する予算として計上したものです。  それぞれの目的に必要な額を確保したものであり、御指摘は当たりません。  今後とも、沖縄振興策を総合的、積極的に推進してまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)     〔国務大臣石田真敏君登壇〕
  29. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 本村議員にお答えをいたします。  まず、森林環境税の納税義務者についてお尋ねがございました。  森林は、地球温暖化防止や災害防止等の公益的機能を有し、広く国民一人一人が恩恵を受けているため、その整備等に必要な財源となる森林環境税は、国民に広く均等に御負担をいただくことにいたしております。  一方で、法人につきましては、産業界のこれまでの温室効果ガスの排出削減への取組や、地球温暖化対策のための税を負担していることなど、地球温暖化対策に係る取組に貢献していることなどを勘案し、さらなる負担を求めないこととしたところであります。  次に、職員数削減率を用いた交付税の算定についてお尋ねがございました。  普通交付税の算定におきましては、職員数削減率といった指標を用いて行政改革の取組を算定に反映しています。  一方、児童虐待防止対策体制総合強化プランに基づき児童相談所の体制強化を行う必要があること等を踏まえ、職員数削減率を用いた算定につきましては、平成三十二年度算定以降、見直しを行う予定でございます。(拍手)     ―――――――――――――
  30. 赤松広隆

    副議長赤松広隆君) 足立康史君。     〔足立康史君登壇〕
  31. 足立康史

    ○足立康史君 日本維新の会の足立康史です。  私は、党を代表し、地方税法等の一部を改正する法律案外三案について、安倍総理に質問いたします。(拍手)  質問に入る前に、他の野党と同様、統計不正について触れざるを得ません。  しかし、それは、閣僚の罷免を求めるためでもなければ、アベノミクス偽装といったレッテル張りをするためでもありません。もちろん、ありもしない疑惑を安倍総理になすりつけ、あたかも総理がうそつきであるかのような印象操作をするためでもありません。  むしろ、今の国会の中で誰がうそつきかといえば、それは、悪夢の民主党政権の重荷を背負いながら政権運営に力を尽くしてきた政府・与党ではなく、共産党と連携しながら真っ当な政治とうそぶく、あの面々ではないでしょうか。  私たち日本維新の会は、統計不正の問題は、厚労省だけの問題でもなければ安倍政権だけの問題でもない、長年にわたって霞が関の全体に広がってきた根深い問題であると認識し、最新の合理的な調査手法を導入した独立性の高い英国型の国家統計局の創設を打ち出してきました。  ずさんな公文書管理についても、理財局だけの問題ではないと考え、廃棄という概念のない新しい公文書管理法を既に国会に提出しました。  また、不適切な不動産鑑定評価についても、ひとり森友学園だけの問題ではなく、国有地、公有地のずさんな払下げは全国に広がっているとの認識から、一貫して公正公平で生産的な国会論戦に努めてまいりました。  特に、ポスト平成の日本が繁栄を続けるために必要な国と地方の新しい関係の構築には、地方から生まれた唯一の国政政党の責任として、最優先で取り組んできました。  自民党が、一九五五年の結党以来、国と地方との役割分担をあえて明確にせず、いわゆる融合型の行政システムを全国に張りめぐらしてきたのとは対照的に、私たち維新の会が目指す社会は、国、広域行政、そして基礎自治体の三つが、それぞれの有する権限と責任を明確にしながら、公正公平な都市間競争、地域間競争に臨んでいく、そうした透明な社会なのであります。  本日議題となっている地方税法改正案等において、その修正が提案されているふるさと納税についても、本来、地方自治体がそれぞれ工夫をすることによって発展していくべき制度であって、国が上から目線で場当たり的にルールを変えていくのは、絶対に控えるべきと私たちは考えています。  石田総務大臣と千代松泉佐野市長との応酬を見ていると、そうした地方行政のあり方に関する自民党の考え方と維新の会の考え方との決定的な違いを痛感します。自民党的な、全国の自治体を束ねる総務省による護送船団行政と、維新的な、一定のルールのもとで、それぞれの自治体がみずからの税収と住民サービスを最大化するために経営努力をする公正公平な行政との、本質的な戦いなのであります。  総務省が一方的につくったルールのもとで、懸命に努力をしている地方自治体の一部に対して、上から目線で非難するのは、自民党では当たり前でも、私たち維新の会から見れば非常識、絶対に許すことができません。  安倍総理に伺います。  国が一旦ルールを設定すれば、その土俵の上で、それぞれの自治体が住民の厚生を高めるために全力を尽くす、私たちは当然であると考えていますが、いかがでしょうか。  私たちの考え方に御賛同いただけるのであれば、内閣を率いる総理大臣として、総務省に、上から目線の場当たり的なルール設定を改め、自治体の努力に敬意を持って臨むよう、御指導を賜りたく存じます。  もう一つ、我が党の基本理念から見て特に問題だと考えるのは、地方法人課税の偏在是正措置です。  こうした場当たり的なびほう策を続けていては、地方の財政運営の予見性が損なわれるばかりか、中央政府に対する地方自治体の信頼まで失われてしまいます。  東京、愛知、大阪という三大都市圏は、日本経済の機関車役であると同時に、高齢社会に対応した福祉の充実や、大地震、津波等の災害対策、さらには上下水道の老朽化対策まで、大都市特有の財政需要に対応しなければなりません。三大都市圏の活力を維持し、ひいては国の成長を牽引していくためには、集権型の統治機構を分権型に再編し、それにふさわしい税のあり方を再構築することが不可欠なのであります。  私たち維新の会は、地方交付税を廃止して国への財政依存を断ち切り、安定財源である消費税を地方財源とした上で、自治体間の格差の是正は水平的な財政調整で行うべきと訴え続けてまいりました。  税のあり方は国の骨格であります。平成から新しい時代を迎えるに当たり、安倍総理におかれましては、国家百年の計に取り組まれんことを切に希望しつつ、御見解を伺いたいと存じます。  以上、ふるさと納税制度と地方法人課税の偏在是正措置の二点について、総務省の取組がいかに場当たり的であるか、自民党的であるかを批判的に指摘するとともに、日本維新の会は、それがいかに困難な道であっても、日本の繁栄を持続させるために必要な統治機構改革に取り組んでいくことを支持者の皆様、国民の皆様にお誓いし、私からの質問といたします。  ありがとうございました。     〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
  32. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 足立康史議員にお答えをいたします。  ふるさと納税についてお尋ねがありました。  ふるさと納税は、ふるさとや地方団体の取組を応援する納税者の気持ちを橋渡しするとともに、地方団体がみずから財源を確保し、さまざまな施策を実現するために有効な手段となっています。  議員御指摘のとおり、この制度は各地方団体の創意工夫により発展することが期待されるものですが、その一方で、一部の地方団体が過度な返礼品を送付し、多額の寄附を集めていることが制度そのものに対する批判につながっています。  このため、制度が健全に発展するよう、今般の税制改正において、寄附金の募集を適正に行う地方団体をふるさと納税の対象とする見直しを行うこととし、一定のルールの中で地方団体が切磋琢磨できる環境を整えたいと考えています。  新たな偏在是正措置、地方団体間の財政調整及び消費税を含めた地方税のあり方についてお尋ねがありました。  今般の地方法人課税の新たな偏在是正措置は、企業の事業活動以上に大都市部に税収が集中する構造的な課題に対処するものであり、偏在性の小さい地方税体系を構築するために必要なものと考えております。  また、地方の交付税制度は、財源の均衡化を図るとともに、標準的な行政サービスを提供するために必要な財源を保障する大変重要なものと考えています。  水平的な財政調整については、他の地域のために地方税を徴収し、拠出する側の住民の理解が得られるのかなどの課題があるものと考えています。  消費税は、社会保障・税一体改革において、引上げ分の税収について、全額社会保障財源化されるとともに、年金、医療、介護、子育てといった社会保障における役割分担に応じて国と地方に配分することとされました。この消費税を地方に移管するのであれば、社会保障について地方に大きな責任を担っていただく必要がありますが、これは結果的に大きな地域間格差を生じさせることにもなりかねないことから、極めて慎重な検討が必要と考えております。  今後とも、地方税の充実確保を図りつつ、偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むことが重要であると考えております。(拍手)     ―――――――――――――
  33. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 重徳和彦君。     〔重徳和彦君登壇〕
  34. 重徳和彦

    ○重徳和彦君 社会保障を立て直す国民会議の重徳和彦です。(拍手)  連日、登壇の機会をいただき、ありがとうございます。  我が国は、国土の七割を森林が占めており、日本人は古来より、山の神々をあがめ、畏敬の念を抱きながら、山林、川、里、そして海へと連なる自然の恵みを享受し、木材を燃料や建材に使いながら農耕を営み、国土の隅々まで村落を発展させてきました。  森林は日本の成り立ちそのものです。森林資源を適切に管理し利用するのは日本人の英知そのものであります。  しかし、戦後の経済成長に伴う人口移動と都市型のライフスタイルの定着に伴い、私たちは、そうした成り立ちや、国土を守り継ぐ重要性を忘れつつあるのではないかと危惧しております。  森林環境税は、森林資源管理の財源であるだけでなく、税を通じて、都市住民も含む全ての国民に森林の恩恵と国土の保全への理解を広げるものであり、日本の国益に資する重要な施策だと考えますが、安倍総理の認識を伺います。  国土の保全といえば、我が国の土地所有の現状も危惧されます。  我が国の国境離島や北海道の過疎地、山林、農地、水源地などが外国資本に買収されています。国家の基本である国土に係る権利を、自由に外国人や外国資本に委ねることを容認し続けざるを得ない原因は、法律の不備と、長年積み重ねてきた各種の国際協定における土地取得に関する内国民待遇義務にあると言われています。  このままでは、国防はもちろん、食料や水資源といった日本人の生存にもかかわる安全保障上の致命的な問題になりかねません。  法的な課題を乗り越え、国際交渉においても強い意思を持って取り組む必要があります。この問題に対する安倍総理の認識をお尋ねいたします。  冒頭に申し上げたとおり、森林環境税は、我が国の国益に資する重要な制度と認識していますが、その制度設計については、幾つか疑問点や確認しておかなければならない点があります。  まず、森林環境税の導入時期についてです。  この四月から、市町村による新たな森林経営管理制度が始まります。本来、森林環境税は、この制度とセットでスタートさせ、国民の皆様に受益と負担の納得感ある制度とすべきなのに、何の関係もない個人住民税均等割千円上乗せの終了時期まで五年待ち、その間は税収を前借りする形で財源調達する方式をとることには疑問を感じます。余計な金利もかかるでしょう。国民の理解をいただき、少しでも早く森林環境税をスタートさせるのが筋ではないでしょうか。安倍総理の見解を問います。  次に、森林環境税の徴収方法についてお尋ねします。  国税を市町村が徴収する仕組みをとる税目は、森林環境税と、同じく本議題に上がっている特別法人事業税の二つだけです。税務上の効率性は上がるかもしれませんが、納税者にとって納税先が不分明となります。  このように国税を国にかわって市町村が徴収することをどのように合理的に説明するのですか。お答えください。  次に、森林環境税の交付基準についてお尋ねします。  森林環境税の市区町村への交付基準は、私有林人工林面積五〇%、林業就業者数二〇%のほか、人口三〇%とされています。  このため、例えば、東京二十三区の森林はゼロですが、人口が九百二十七万人もありますので、試算したところ、計三億六千万円ほど交付されることになります。  私の地元、森林が市域の六割を占め、私有林人工林が一万二千ヘクタールの愛知県岡崎市は三千二百万円ほどになり、人口九十万人の世田谷区は三千四百万円となり、こちらの方が多くなる計算になります。  今回の森林環境税は、都市住民にも森林保全への御負担を理解いただくものであり、地元への財源の還元をもって理解を得るものではないはずです。だからこそ、地方税でなく国税と位置づけているのでしょう。  人口割を三〇%とする趣旨を御説明ください。  次に、森林環境税の使途についてお尋ねします。  川下の都市部の自治体であっても、森林環境税の使途は、森林整備を目的とする事業に充てられることになります。  川上の木材供給地域からすれば、都市部で木材利用が促進され、販路が拡大することは重要なことですが、県と比べてエリアの狭い市区町村が川上、川下でうまく連携できるか心配です。  政策目的に沿った使途をどう担保するのでしょうか。また、外国産の木材利用に充てることは明確に禁ずるべきではないですか。答弁をお願いします。  また、森林環境税は市町村譲与税として各市町村に交付されますが、譲与税は一般財源であっても、森林経営管理法による新たな財政需要に充てるものであって、譲与税が入ってきても、その分地方交付税は減らされることにはならないと考えてよろしいか、確認を求めます。  次に、ふるさと納税について質問します。  今回の改正により、過度に高額な返礼品競争を避けるため、返礼品は、返礼割合を三割以下とし、地場産品とすることが要件とされます。  私は、今回の要件厳格化を通じ、ふるさと納税の本来の制度目的に合致した地域の創意工夫が生まれることを期待しています。  今後は、どこでも使える単なる金券は返礼品として認められなくなりますが、例えば、当該地元の地場産品購入に限定した地域通貨や、当該地元のおもてなしを含む体験型周遊ツアーの旅行券などは、返礼割合が三割以下であれば認められるべきと考えますが、具体的なルール運用をどのように検討しているのでしょうか。  最後に、地方法人課税による新たな偏在是正措置について質問します。  今回の改正により、法人事業税の三割を特別法人事業税へと国税化し、国が一旦吸い上げて、県内総生産の分布に合うように配分するルールとなります。  企業の本社機能が都内に集中している上に、企業組織の分社化や電子商取引の進展等により、地方法人税収の東京一極集中は強まる傾向にあり、地方が企業を誘致しても税収がなかなか増加しないという背景はわかりますが、地方税を国税化して国が再分配するやり方は、いかにも中央集権的です。  現行の分割基準を変更し、例えば、小売業チェーンについては利益でなく売上げに着目した基準にするとか、IT企業へのデジタル国際課税の議論を参考に、都道府県ごとのIPアドレス利用や付加価値を積算するなど、新たな課税の仕組みを検討してはどうでしょうか。  また、法人事業税の三割を恒久的に国税とするならば、これを特別法人事業税としてではなく、正規の国税の法人税とし、その分、消費税を地方税源とする税源交換を進めるべきではないでしょうか。地方税源の強化こそ、地方自治の体制強化につながります。総理の見解を伺います。  以上で質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
  35. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 重徳和彦議員にお答えいたします。  森林環境税についてお尋ねがありました。  森林は、地球温暖化防止、国土の保全や水源の涵養などの公益的機能を有しており、国民一人一人がその恩恵を受けています。豊かな森林を次世代へ引き継いでいくことは、我々の使命です。  森林環境税は、こうした森林の有する公益的機能の重要性に鑑み、地方団体が実施する森林整備等に必要な財源を安定的に確保する観点から創設するものであります。  地方団体が国民の皆様に御負担いただいた森林環境税を有効に活用し、喫緊の課題である森林の整備を着実に進めることを通じ、国民の森林に対する理解がより一層高まることを期待しています。  外国資本による土地取得についてお尋ねがありました。  政府の最も重要な責務は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことです。このことは、我が国の土地、食料や水資源にかかわる政策を考える際にも、また国際交渉に臨む際にも当然の前提であります。  また、国境離島や防衛施設周辺等における外国人や外国資本による土地の取得に関しては、国家安全保障にかかわる重要な問題と認識しており、安倍政権において、我が国として初めて策定した国家安全保障戦略にも明記し、現在、土地所有の状況について計画的に調査を行っています。同時に、水源の保全等の観点から、森林所有者の異動の状況についても把握を行っています。  国会においても、さきの臨時国会には、議員立法として、国家安全保障上重要な土地等に係る取引等の規制等に関する法律案が提出されたものと承知しています。  政府としては、国会における御議論の状況も注視しながら、関係省庁間の連携を図りつつ、制限の必要性や個人の財産権の保護の観点、国際約束との整合性等の諸事情を総合的に勘案した上で、必要な施策について検討を行っていく考えです。  森林環境税の課税時期についてお尋ねがありました。  森林は、地球温暖化防止や災害防止等の公益的機能を有し、広く国民一人一人が恩恵を受けています。このため、その整備等に必要な財源となる森林環境税は、国民に広く均等に御負担いただくことにしています。  一方、課税を開始する時期については、国民の負担感に十分配慮する必要があります。したがって、本法案によって森林環境税の創設に国民の理解をお願いしつつも、開始時期については、全国の地方団体による防災施策の財源を確保するための個人住民税均等割の引上げ措置が終了する時期も考慮して設定しているところです。  地方法人課税と消費税の税源交換と、地方税源の強化についてお尋ねがありました。  消費税は、社会保障・税一体改革において、引上げ分の税収について、全額社会保障財源化されるとともに、年金、医療、介護、子育てといった社会保障における役割分担に応じて国と地方に配分することとされました。  消費税がこのように国、地方それぞれの社会保障の財源とされていることを踏まえれば、地方法人課税と消費税の税源交換という御提案については慎重な検討が必要と考えております。  もとより、地方自治の強化のためには、みずからの財源である地方税によって財政運営を行うことが理想であり、地方税の充実確保を図りつつ、偏在性が小さく、税収が安定的な地方税体系の構築に取り組むことが重要であると考えています。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)     〔国務大臣石田真敏君登壇〕
  36. 石田真敏

    ○国務大臣(石田真敏君) 重徳議員にお答えをいたします。  まず、森林環境税を市町村が徴収することについてお尋ねがありました。  森林環境譲与税の性格は、その原資となる森林環境税の全額が交付税及び譲与税配付金特別会計に直入され、地方団体に譲与される仕組みであり、実質的な地方税源と評価し得るものであります。  また、森林環境税につきましては、国民の皆さんに広く一定の負担を求める観点から、個人住民税均等割の枠組みを活用することとしております。  したがって、森林環境税につきましては、地方団体に納税者に対する周知や徴収を主体的に担っていただくことが適切と考えております。  なお、現行の地方法人特別税及び今般法案を提出させていただいた特別法人事業税についても、都道府県が法人事業税とあわせて賦課徴収を行うこととしています。  次に、森林環境税の譲与基準についてお尋ねがありました。  森林環境税につきましては、都市部の住民を含めた国民全体の理解を得ていく必要があることから、木材利用の促進や普及啓発を使途の対象としています。  また、都市部の地方団体が間伐材等の木材利用を進めることで、山間部における森林整備から都市部における木材利用までの間の好循環が生まれることが期待されます。  さらに、多くの府県等で実施されている森林環境の保全等を目的とした超過課税について、平均すればおおむね三割程度を森林整備以外の事業に充てているところであります。  こうしたことを総合的に勘案し、森林環境譲与税のうち三割を木材利用の促進や普及啓発等に相関する指標である人口を基準として譲与することとしています。  次に、森林環境税の使途についてお尋ねがございました。  森林環境譲与税の使途については、法律に使途を明記するほか、毎年度インターネットなどにより使途を公表することを各地方団体に義務づけることにより、適正な使途に用いられることが担保されるものと考えています。  森林環境譲与税を活用して木材の利用促進に関する施策を行う場合に、WTO協定における内外無差別の原則から、外国産の木材利用を禁ずることは適切ではありませんが、我が国の森林の整備及びその促進につながるかどうかという観点から、地方団体において御検討いただくべきものと考えております。  次に、森林環境譲与税と交付税の関係についてお尋ねがございました。  普通交付税の算定に当たっては、森林環境譲与税を基準財政収入額に全額算入することとしております。それに伴って地方交付税が減少することのないよう、森林環境譲与税を財源として実施する森林整備等に要する経費につきましても、基準財政需要額に全額算入することといたしております。  次に、ふるさと納税についてお尋ねがございました。  今般の税制改正において、寄附金の募集を適正に行う地方団体をふるさと納税の対象とするとともに、地方団体が返礼品を送付する場合には、返礼割合三割以下かつ地場産品とするよう、制度の見直しを行うこととしています。  地場産品の範囲につきましては、地域の実情に応じてさまざまな形態があることから、現在、全国の地方団体から意見を伺いながら検討を進めているところです。  地域資源を活用し地域経済を活性化しようと創意工夫を行う地方団体の取組を尊重しつつ、丁寧に検討してまいります。  最後に、地方法人課税の分割基準の見直しについてお尋ねがありました。  地方法人課税は、法人の事業所等が所在する地方団体が課税権を有することとした上で、分割基準により地方団体の間の課税権を調整する仕組みとなっております。  近年、大都市部への企業の本店等の集中や地域子会社化等の組織再編の進行、インターネット取引の拡大等を背景として、大都市部に企業の事業活動以上に税収が集中する状況が生じており、これら経済社会構造の変化への対応は、地方法人課税の課税権のあり方そのものにかかわる課題であり、分割基準の見直しのみによって対応することは困難であります。  こうした点も踏まえ、大都市部に税収が集中する構造的な課題に対処するため、今回、新たに地方法人課税における偏在是正措置を講ずることとしたところであります。(拍手)
  37. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) これにて質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――
  38. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。     午後三時十二分散会      ――――◇―――――  出席国務大臣        内閣総理大臣  安倍 晋三君        財務大臣        国務大臣    麻生 太郎君        総務大臣    石田 真敏君        厚生労働大臣  根本  匠君        農林水産大臣  吉川 貴盛君        国土交通大臣  石井 啓一君        国務大臣    菅  義偉君        国務大臣    平井 卓也君  出席内閣官房副長官及び副大臣        内閣官房副長官 西村 康稔君        総務副大臣   鈴木 淳司君