運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2019-01-30 第198回国会 衆議院 本会議 2号 公式Web版

  1. 平成三十一年一月三十日(水曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第二号   平成三十一年一月三十日     午後一時開議  一 国務大臣の演説に対する質疑     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  国務大臣の演説に対する質疑     午後一時二分開議
  2. 大島理森

    ○議長(大島理森君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  国務大臣の演説に対する質疑
  3. 大島理森

    ○議長(大島理森君) 国務大臣の演説に対する質疑に入ります。枝野幸男君。     〔枝野幸男君登壇〕
  4. 枝野幸男

    ○枝野幸男君 立憲民主党・無所属フォーラムを代表して、施政方針演説に関し質問いたします。(拍手)  ことし五月、新しい時代が始まります。  立憲民主党は、結党以来訴えている、多様性を認め合い、お互いさまに支え合うという新しい社会像を更に高く明確に掲げ、次の時代の扉を開きます。  どんな人でも、自己責任だけで、自分の力だけで一生を通じて生きていくことはできません。人生の中では、誰もが一人では乗り越えられない困難に直面することがあります。不慮の病気やけがに見舞われることもあるでしょう。避けがたい理由で職を失ったり貧困に陥ったりすることもあります。子供を育てることには大きな困難が伴いますし、誰でも必ず年をとります。どんな人も、互いに支え合わなければ安心して生きていくことができないのです。  支え合いの機能が弱まるほど、人々の不安は大きくなります。それは、人を内向きに、守りにと向かわせ、社会と経済の活力を奪います。グローバル化の中で不確実性が高まり、少子高齢化による人口減少が進んで、ただでさえ不安が大きくなりがちな時代です。支え合いによって安心感を強めることは、ますます不可欠になっています。  ある時期まで、支え合いの中心を担っていたのは、家族、親族や隣近所など身近なコミュニティーでした。しかし、明治維新以降、特に戦後の高度成長期を経て、都市化と核家族化が進み、こうした支え合いの機能は著しく弱まりました。  そのこと自体は、近代化を進め経済発展をする上で避けられないことだったと思います。また、女性の社会的地位向上など、さまざまな進化をもたらした側面もあります。後戻りさせるべきではなく、また、後戻りすることは不可能です。  では、誰がどうやって弱まった機能を補うのか。私は、これこそが、次の時代に政治が担わなければならない最大の役割であると確信します。  困っている誰かを助けることは、その困っている人のためだけではありません。困ったときでも支えてもらえるという社会的な仕組みがあるからこそ、今は困っていない人も安心して暮らすことができ、さまざまなことに挑むことができます。  年金や介護など、高齢者を社会全体で支えることで、子や孫などの現役世代は、自分の親や祖父母の老後を支える負担が軽減され、さまざまなことにチャレンジできます。  経済のために子供が生まれてくるわけではありませんし、社会や、まして政治が産めよふやせよと圧力をかけることは間違っています。しかし、希望する人が安心して子供を産み育てることができる仕組みが強化されて、多くの人が希望をかなえ、子供の数がふえれば、結果的に経済や社会が活性化します。  にもかかわらず、最近の政治と社会は、これとは逆に、競争ばかりを強調し、自己責任をあおる傾向にあったのではないでしょうか。これでは、経済を活性化させるどころか、不安がますます高まり、消費や投資意欲を冷え込ませ、本格的な経済発展につながりません。  立憲民主党は、教育を含む子育てや老後、障害者や失業対策など、社会全体で困ったときに寄り添い、お互いさまに支え合うための仕組みを強化すること、こうした支え合いの社会こそがこれまでの競争社会にかわって次の時代に社会と経済の活力を生み出すとの考えを明確に示し、新しい選択肢となります。  安心して暮らすには、多様性を認め合うことも不可欠です。なぜなら、画一的で同調圧力の強い社会では、全ての人が、差別や偏見を受け、排斥される可能性にさらされるからです。  例えば、多くの障害者が差別や偏見、さまざまな不利益と闘っていますが、事故や病気で自分や家族が障害を負う可能性は全ての人にあります。また、今は顕在化していなくても、何かのきっかけで差別や偏見、排斥などの対象にされかねない少数者の側面を誰もが一つや二つは抱えています。  だから、少数の立場や意見を認め合い、差別や分断を許さない社会にすることは、全ての人の安心につながります。  同時に、多様性は、国際社会の中で日本が生きていく上での最大の原動力となります。  先進国となった日本は、高度成長期に成功した、同じものを安くたくさんつくるという規格大量生産分野で、人件費の安い新興国との厳しい競争にさらされています。日本が先進国としての豊かさを維持するには、新興国ではすぐにまねのできない技術、製品、ノウハウなど、新しい付加価値を生み出すことが不可欠です。  同調圧力の強い、金太郎あめのような社会では、独創的なアイデアが生まれにくく、また、生まれかけても潰される危険が大きくなります。違いを認め合い、少数の立場や意見を大切にするからこそ、独創的な新たな価値が生まれ、経済の活力を生み出せるのです。  私たちは、LGBT差別解消、選択的夫婦別姓、性暴力被害者支援などの法案を既に提出しています。また、選挙でのパリテ、すなわち男女同数に向けて、まずは女性比率四割を目標とし、現時点で決定している参議院選挙の公認候補は、女性の数が男性の数を上回っています。さらに、障害者やDV被害者、LGBTなど当事者の声が直接政治に届くことを目指して、統一地方選挙を含めた候補者擁立を進めています。  一番困っている人が安心できる社会は、全ての人が安心して暮らせる社会です。立憲民主党は、そんな多様性を認め合う社会に向け、みずからもできることから最大限の努力を続けます。  もっとも、どんな社会を目指すにしても、基盤となるシステムが健全に機能する真っ当な社会でなければ実現は不可能です。残念ながら、まずは、こうした観点から、国家としての基礎が揺らいでいる件について問わなければなりません。  厚生労働省は、毎月勤労統計調査において、抽出調査の結果を全数調査の結果として扱うという不正なやり方で、統計上の賃金額をゆがめ、雇用保険給付対象者などに大きな損失を与え続けてきました。さらには、昨年一月からこっそりとデータ復元を行っていたことや、不当な抽出調査を東京都のみならず他府県での調査にも拡大しようとしていたことまで発覚しました。  公的統計は、政策判断と国民による意思決定の基盤となる重要な情報です。病気の疑いがあるとき、さまざまな検診を受け、その結果を踏まえて治療方針が決まるように、政策決定において検診結果に相当するのが各種統計数値なのです。その意義と重要性が全く理解されていないことに、私は強い危機感を覚えます。  間違った検診結果を前提としたのでは病気の診断と治療を誤るように、不適切な統計数値のままでは適切な予算案や法案の審査ができません。内閣府は、今回の不正なデータ修正によって、経済関連指標の少なくとも九十項目以上について影響が及ぶことを明らかにしています。内閣には、影響が及ぶ対象と内容を早急に明らかにする責務があります。  総理は、今回の毎月勤労統計の不正によってどのような経済指標や統計指標などにその影響が及ぶと考えているのか、その対象と内容について、内閣府を含む政府全体で考え得る全てを列挙してお答えください。少なくとも、全てを明確にする時期を、万一明確にする意思がない場合はその理由を明らかにするよう求めます。  これらの事項が明らかにならない限り、国会は不確かな統計数値などをもとにして予算案や法案審議を強いられます。真っ当な議論のためには、到底容認できません。総理はそれでもよいと考えているのかもお答えください。  根本厚生労働大臣は、昨年十二月二十日に不正の報告を受けたとされています。ところが、その翌日の二十一日には、勤労統計調査の十月確報値が不正な調査に基づきそのまま発表され、また、不正な調査に基づき算出された雇用保険給付額等を含んだ平成三十一年度予算案が閣議決定されています。この予算案は、追加給付額などを盛り込んで閣議決定をし直すという異例の措置がとられました。  不正の事実を認識した時点で、翌日の統計発表についてストップをかけるのが当然です。また、追加支給のために予算措置が必要であることにも気づいて当然であるにもかかわらず、漫然と閣議決定に賛成したというのはどういう認識なのでしょうか。隠蔽に加担したと言われても仕方がありません。  なぜ十二月二十一日の確定値発表や予算案の閣議決定をとめなかったのか、厚労大臣にお伺いします。  統計に対する信頼を回復するには、全貌解明が不可欠です。  先日発表された厚生労働省の特別監察報告の会見では、組織的隠蔽は認定されなかったとの説明がありました。しかし、厚生労働審議官などが聞き取りに同席するなど、全く第三者性を欠いたものであることは既に明白であり、到底信じられるものではありません。調査が不十分であっただけでなく、組織的隠蔽が認定されなかった合理的理由について何ら説明できず、結論ありきのアリバイづくりにすぎません。  こんないいかげんな調査で幕引きを図ろうとした点でも、根本大臣の責任は重大であります。  このような調査でよしとした現在の監察委員会で幾ら再調査をしても、信頼できるはずがありません。厚生労働省と利害関係を有しない完全な第三者に強い権限を与え、問題の発端までさかのぼるとともに、幹部や東京都の資料や関係者を含め、幅広い調査を行う必要があります。こうした抜本的な再調査を実施する意思があるのか、厚労大臣に伺います。  総理は、こうした根本大臣の判断と行動を是とするのでしょうか。統計と厚生労働省に対する信頼失墜を少しでも取り戻し、適切な善後策を進める上からも、事態の深刻さを理解しない根本大臣は罷免すべきであります。総理の見解を伺います。  そもそも、これらを厚生労働省や根本大臣限りで判断したとすることには疑問があります。異例の予算修正につながりかねない重大問題である以上、総理や官房長官などの官邸政務に相談しているのが普通です。  今回の件について最初に報告を受けたのはいつなのか、そして、その時点でどのような指示をしたのか、総理と官房長官に伺います。  こうした不祥事を防ぎ、また、万一発生した場合でもいち早く全貌解明するには、公文書の適切な管理と公開が不可欠です。  安倍政権は、財務省による公文書の改ざん、自衛隊のPKO日報の隠蔽など、公文書に関する前代未聞の不祥事を繰り返しながら、責任の明確化も、抜本的な改善策も、全く不十分です。  立憲民主党は、公文書管理法改正案や公文書記録管理院設置推進法案などの具体案を明確に示しています。  麻生財務大臣の罷免を含め、公文書改ざん問題などの責任明確化を進めるとともに、公文書の改ざんや隠蔽を許さないための抜本的な対案を示されるよう強く求めます。総理の認識をお答えください。  辺野古沖への米軍基地建設問題についてお尋ねします。  先日、私も現地をこの目で見て、更に確信しましたが、多くの沖縄県民の感情を逆なでしながら工事を強行し、海を赤土でどんどん埋め立て、県民を分断させようとする政府のやり方は、到底許されるものではありません。  特に、以前から指摘があった辺野古沖の埋立予定区域内における軟弱地盤の存在については、政府もようやくその事実を認め、設計変更を行うとの報道が流れています。  埋立予定区域に軟弱地盤があることを政府は認めるのか、明確にお答えください。また、その対応策と、技術的に基地建設が本当に可能なのか、現時点で基地建設にどれくらいの費用と期間がかかると見積もっているのか、総理の具体的で明確な答弁を求めます。  総理は、NHKの番組で、土砂を投入していくに当たって、あそこのサンゴについては移している、絶滅危惧種が砂浜に存在していたが、砂をさらってしっかりと別の浜に移していくと明言されました。  公共の電波に乗せて発言した総理御本人にお聞きします。  あそこのサンゴとは、具体的に、どこの何のサンゴですか。絶滅危惧種とは何を指し、どこの砂浜の砂をさらって、どこにどのように移したのですか。現実はそうなっていないという玉城知事の問いには、どうお答えになりますか。そして、サンゴや絶滅危惧種の件を誰から説明を受けたのですか。明確にお答えください。  世界は再生可能エネルギーを主力の電源とする流れに大きくかじを切っています。設備容量において、風力は原子力を追い越し、太陽光もほぼ同量に達して、更にふえ続けています。発電コストは大幅に下がり、世界的には再生可能エネルギーが最も安い電源となりつつあります。不安定だと言われてきた問題点も、予測技術の向上と市場メカニズムの活用などによって克服されつつあります。まさに、原発ゼロは不可能なものではなく、実現可能なリアリティーなのです。  にもかかわらず、原発再稼働にこだわり、原発輸出にこだわり続けた結果、日本は世界からますますおくれていく結果となっています。  政府が掲げる二〇三〇年の原発割合を達成できるだけの原発稼働は、ほぼ不可能になっています。核燃料サイクルは破綻して、最終処分場の候補地選定も全く進んでいません。プルトニウムは大幅に過剰ですし、原発輸出は、ベトナム、リトアニア、トルコ、台湾と凍結などが続き、米国では東芝が経営危機に、英国では日立が計画を凍結と、さんざんな状態です。  政府がこれほどまで原発に固執しなければ、民間企業の経営危機や巨額損失もなかったのではないかとも言われています。日本の優良企業を危機に陥れている原発政策を即刻見直すべきです。  再生可能エネルギーを拡大し、地域でお金を回し経済を活性化する、日本の再生可能エネルギー関連の高い技術を輸出する、これこそが真の成長戦略だと確信します。  原発輸出に対する政府の関与や支援をやめること、そして、国内での原発ゼロに向けて大きくかじを切ることを明確にすべきです。総理の見解を求めます。  あわせて、原発を今後利用したいと思っている国がマジョリティーとおっしゃった根拠について、世耕大臣にもお尋ねします。  延期してきた消費税率一〇%への引上げを本年十月に実施すると閣議決定しました。しかし、予測困難なアメリカ経済と米中関係、不透明なイギリスのEU離脱など、二〇一六年六月の引上げ再延期と比べて、世界経済のリスクは極めて高くなっています。  国内経済についても、政府は戦後最長の景気拡大局面が続いているとの説明を繰り返していますが、多くの国民はその実感を全く持っていません。実質賃金はふえず、消費は拡大せず、多くの人が社会保障の負担増や自分の老後の不安におびえています。  そもそも経済状況に関する総理の発言が既に信頼に値しないことは毎月勤労統計調査の不正問題だけでも決定的ですが、それだけではありません。  毎月勤労統計調査は、平成二十七年十月の経済財政諮問会議における麻生財務大臣の指摘などを踏まえ、調査方法の変更について議論され、平成三十年一月に新しい方式が導入されました。同時に行われた六年ぶりと言われるベンチマーク変更などの影響もあり、そのときからの賃金のデータが、過去の統計結果との連続性が失われる形で大きく上昇することになったことは、総務省の統計委員会でも報告され、議論されています。  GDP統計についても、平成二十八年に計算方法の変更が行われ、その結果、名目GDPは約三十二兆円もかさ上げされました。  消費税増税を控えたタイミングで計算方法の変更が行われ、まるでアベノミクスの成果を支えるがごとく数字がよくなっていく。このことについて違和感を覚えるのは私だけではないようです。経済や統計の専門家からは、統計のマジックが隠されているのではないかという指摘が強まっています。  政府は、国内経済に配慮して、住宅、自動車関連の減税やポイント還元、プレミアム商品券などのびほう策を打ち出しています。  増税分は、総理自身が施政方針演説で認めているように、全てを還元する規模で、こうした制度を利用できる国民にのみ還元されます。消費増税によって最も大きな打撃を受ける、例えば無資産の低年金生活の方、貧困にあえぐ一人親家庭、過疎地域に住む高齢者などの中にはこうした制度を利用できない方が少なからずいますから、不公正を拡大させます。  そもそも、これだけ大がかりな国内景気対策を伴う必要があるということ自体、景気回復局面が続いているという政府の見解と矛盾します。  これら二点について、総理の見解を伺います。  あわせて、今回の引上げでは、天下の愚策、複数税率が導入されます。複数税率では、高額所得者ほど金額的に大きな恩恵を受け、将来不安を軽減するための社会保障や教育への財源を大きく食い込ませます。また、小売の現場に大きな混乱をもたらすだけでなく、軽減するか否かという恣意的な選別を政治に許すことで、新たな利権を生む温床となりかねません。このようなさまざまな問題を抱える軽減税率について、総理は今回の施政方針演説で具体的には一言も触れていません。  私たちは、真に低所得者の生活を支える給付つき税額控除方式を対案として明確に掲げ、複数税率の導入に強く反対をいたします。  どう考えても、消費増税に踏み切るのは適切ではありません。今ならまだ間に合います。十月からの消費税率引上げを凍結し、まずは、暮らしの下支えと将来不安の緩和に向けた政策を進めることで、消費を回復させる道を選ぶべきと強く求めます。総理の見解を求めます。  待機児童は、把握されているだけでも、昨年四月時点の集計で二万人弱存在します。保育園に入れない子供を放置したまま、在園している子供の幼児教育の無償化をなぜ無理に先行させるのでしょうか。  立憲民主党は、希望する全ての子供たちが恩恵を受けることができるよう、待機児童問題に集中投資し、これを解消した上で、幼児教育の無償化を行うべきと考えます。  待機児童を解消せず無償化に踏み切ることで生じる不公正についてどう説明するのか、総理にお尋ねします。  当初、無償化に関する予算は全額国費で賄うという方針でしたが、二〇二〇年度以降は地方負担が発生するという内容に変更されました。各自治体では、消費税の地方増収分について無償化予算とは別に予算編成を行っており、政府の急な方針転換への対応に追われています。  財政の独自性を縛るような進め方は地方自治の侵害でないのか、現場の混乱の責任をどう考えるのか、総理にお尋ねします。  今回の幼児教育無償化措置は、三歳から五歳までの子供たちの家庭について所得制限が設けられていません。これによって、高所得者層ほど大きな恩恵を受け、格差の拡大につながります。この点についての認識も総理に伺います。  防衛予算の後年度負担、すなわち兵器ローンの借金残高は、第二次安倍内閣当初の平成二十五年には三兆二千億円余りでした。しかし、その後、急激に伸び続け、平成三十一年度予算案では五兆三千億円余り。当初予算として初めて兵器ローンの残高が年間防衛予算を上回りました。  我が国の国家予算は、会計年度ごとに予算を編成する、いわゆる単年度主義を基本にしています。防衛装備品のような高額で納入に時間がかかるなどの事情がある場合のために、国庫債務負担行為が可能であることは承知していますが、本来例外であるはずのこれら兵器ローンの残高が年間防衛予算を超える額になっているのは、予算編成の基本的な考え方を大きく逸脱する異常事態です。この点について、総理の認識をお尋ねします。  政府は、昨年十二月、新たな防衛大綱と中期防衛力整備計画を閣議決定しました。これまでの累次にわたる防衛大綱は、おおむね十年を目途として策定されてきましたが、前の大綱の決定からわずか五年しか経過していません。なぜ今、防衛大綱を改定する必要があったのか、疑問です。  専守防衛に関する従来の政府答弁を逸脱し違憲の疑いもある護衛艦「いずも」の事実上の空母化、ミサイル防衛の実効性や電磁波による健康被害など懸念の多いイージス・アショアの導入、高額の調達費用が財政に悪影響を及ぼしかねないF35の百五機追加取得など、これらについては、その必要性や有効性を含め、国会はもとより国民、有識者の間でも十分な議論がなされておらず、国民の理解が十分に得られているとは言えません。  特に、護衛艦「いずも」の事実上の空母化がどういう理屈で専守防衛に反しないと言えるのか、あわせて、イージス・アショアの有効性について、それぞれ総理の具体的な答弁を求めます。  米国の内政は、政府機関の閉鎖が例を見ない長期になるなど、異例の状況です。辞任したり解任されたりした閣僚、補佐官、報道官も数え切れないほどです。米国の政府機関閉鎖や相次ぐ閣僚らの辞任について、我が国にどの程度の影響があるのか、総理の認識を伺います。  過熱する一方にある米中貿易摩擦が日本に与える影響も大変心配されています。米中貿易摩擦について、総理はトランプ大統領に対して事態打開に向けた何らかの直接的なアプローチをしているのでしょうか。日本経済への影響に関する認識も含めてお答えください。  総理は、北方領土問題に対する歴代内閣の取組を、一ミリも進んでこなかったと切り捨てましたが、安倍内閣のもとで、むしろ後退しているのではないかと危惧しています。  そこで、確認をいたします。  北方四島は、いまだかつて一度も外国の領土となったことがない我が国固有の領土であると私は認識していますが、総理の認識も同じでしょうか。明確にお答えください。また、ロシア側にこの認識を繰り返し主張しているものと思いますが、いかがでしょうか。  安倍政権は一九五六年の日ソ共同宣言を基礎に交渉していますが、共同宣言には、平和条約締結後に歯舞、色丹を引き渡すと記されるのみで、それ以上の領土問題に関する言及はありません。  しかし、一九九三年の東京宣言では、四島帰属問題の解決が文書に明記されています。二〇〇三年にまとめられた日ロ行動計画でも、日ソ共同宣言を交渉の出発点としつつも、東京宣言に基づく四島帰属問題の解決を文書で共有しています。我が国の歴代首脳が粘り強い交渉を積み重ね、一貫して四島の問題であることを確認してきたのです。  もちろん、四島の全てがすぐに一気に引き渡されるような簡単な問題でないことはわかっています。しかし、四島とも日本の固有の領土である以上、その一部であっても、主権そのものを放棄したと受け取られてはなりません。  安倍総理は、これらの積み重ねの努力を後退させ、一九五六年の日ソ共同宣言のみに時計の針を戻してしまったのではないかとの疑いが持たれています。ぜひ、明確に否定していただきたいと思います。答弁を求めます。  以上、立憲民主党の目指す社会像を示すとともに、特に国民の関心が高く重要と思われる点に絞り、我が党の考え方を示しながら質問しましたが、ぜひ、いわゆる御飯論法などでごまかすことなく、真正面からお答えください。  立憲民主党は、一昨年の十月、多くの有権者の皆さんに背中を押されてつくられた政党です。その原点を忘れることなく、草の根からの民主主義という、これまでの政党とは違う新しいチャレンジを進めています。これからも、きょう示した基本姿勢に基づき、多くの国民の皆さんの草の根の声に寄り添いながら、具体的な政策提言と行政監視を進めてまいります。  政治を動かし、時代を切り開くのは、政党でも政治家でもありません。主権者の皆さん、皆さんお一人お一人です。真っ当な政治を取り戻し、多様性を認め合い、お互いさまに支え合う社会をつくるのは、主権者の皆さん、あなたです。あなたにはその力があります。  私も全力で、右でも左でもなく、前に進みます。私にはあなたの力が必要です。一緒に、新しい時代に合った新しい社会を築いてまいりましょう。  ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
  5. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 枝野幸男議員にお答えをいたします。  毎月勤労統計の事案の影響についてお尋ねがありました。  毎月勤労統計について、不適切な調査が行われ、雇用保険、労災保険といったセーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわびを申し上げます。  高い専門性と信頼性を有すべき統計分野において、長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかった責任については、重く受けとめています。  今回の事案によってGDP等については影響がないことが確認されていますが、それ以外のどのような経済指標に影響が及び得るかについては、現在、関係省庁において調査を行わせており、まとまり次第、公表させる方針です。  いずれにせよ、予算案や法案の審議に際しては、政府として誠実に対応してまいります。  毎月勤労統計の事案に関する根本大臣の責任や私への報告についてお尋ねがありました。  根本大臣は、十二月二十日に事実を把握した後、必要な指示を行いつつ、全力で対応に当たってきたものと認識しております。  根本大臣には、引き続き、不足した給付の速やかな支払いや今回の事案の徹底した検証、再発防止の先頭に立って、全力で取り組んでいきたいと考えています。  また、本件については、昨年十二月二十八日に、厚生労働省から秘書官を通じて報告を受けました。その際、私からは、しっかりと事案を精査するよう指示しました。  今回のような事態が二度と生じないよう徹底して検証を行い、信頼を取り戻すことが何より重要であり、再発防止に全力を尽くすことで、政治の責任をしっかりと果たしてまいります。  公文書管理についてお尋ねがありました。  昨年の通常国会においては、決裁文書の改ざんなど、行政をめぐるさまざまな問題が明らかになり、国民の皆様の信頼を揺るがす事態となってしまったことに対し、行政府の長として、改めて大きな責任を痛感しております。  政府としては、一連の公文書をめぐる問題を受けて、昨年七月、全閣僚から成る閣僚会議において、文書管理の実務を根底から立て直すべく、公文書管理の適正化に向けた総合的な施策を決定したところです。  決定した施策については全て着実に実行に移しているところであり、麻生財務大臣を始め各大臣にもしっかりとその職責を果たしていただきながら、引き続き適正な公文書管理の徹底に万全を期してまいります。  普天間飛行場の辺野古移設に係る埋立予定区域の地盤についてお尋ねがありました。  住宅や学校で囲まれ、世界で一番危険とも言われている普天間飛行場の固定化は、絶対に避けなければなりません。これが大前提であり、政府と地元の皆様の共通認識であると思います。  普天間の全面返還に向けた辺野古への移設は、防衛省において法令に従って進めているものと承知しています。  今般、沖縄防衛局において、地盤の検討に必要なボーリング調査の結果を踏まえ、米軍キャンプ・シュワブの北側海域における護岸等の構造物の安定性等について検討した結果、地盤改良工事が必要であるものの、一般的で施工実績が豊富な工法により地盤改良工事を行うことにより、護岸や埋立て等の工事を所要の安定性を確保して行うことが可能であることが確認されたと聞いております。  現時点で今後の工期や費用について確たることを申し上げることは困難ですが、今後、沖縄防衛局において地盤改良に係る具体的な設計等の検討を十分に行うものと承知しています。  今後とも、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するため、全力で取り組んでまいります。  NHKの番組における私の発言についてお尋ねがありました。  住宅や学校で囲まれ、世界で最も危険と言われる普天間飛行場の固定化は、絶対に避けなければなりません。  普天間の全面返還に向け、辺野古への移設を進めていますが、移設作業に当たっては、保護対象のサンゴについては移植し、国指定の天然記念物や絶滅危惧種に指定されている貝類、甲殻類なども移動させる方針であると承知しています。  現在、米軍キャンプ・シュワブの南側海域について、周囲の海域に影響を与えないよう、埋立海域全て護岸で閉め切った上で、埋立てを進めているものと承知しています。  サンゴに関しては、護岸で閉め切ると、周囲の海と切り離され、海水の出入りがとまってその生息に影響が生じるため、海域を閉め切る前に、南側の埋立海域に生息している保護対象のサンゴは移植したと聞いております。  なお、サンゴ類の保護基準は、那覇第二滑走路の工事に伴う埋立ての際の基準よりも厳しいものであると承知しています。  また、国指定の天然記念物であるオカヤドカリ類や絶滅危惧種に指定されている貝類、甲殻類などについても、専門家の指導助言を得ながら、工事区域の海岸や海底から他の地域への移動を適切に実施していると聞いています。  これらについては、防衛省の幹部から説明を受けたものであります。  なお、自治体の首長の御発言の逐一につき、政府としてコメントすることは差し控えたいと思います。  今後とも、事業者である沖縄防衛局において、関係法令に基づき、専門家の指導助言を受けながら、環境保全に最大限配慮して工事を進めていくものと承知しています。  引き続き、普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現するため、全力で取り組んでまいります。  原発輸出、原子力政策についてお尋ねがありました。  徹底した省エネ、再エネ、最大限の導入に取り組み、原発依存度を可能な限り低減する、これが政府の一貫した方針です。  資源に乏しい我が国にとって、経済的なコストに加え、気候変動問題への対応、エネルギーの海外依存度を考えれば、原発ゼロということは責任あるエネルギー政策とは言えません。  その上で、我が国の原子力技術、人材の基盤を維持強化しながら、世界における原子力の平和利用、気候変動問題への対応などにしっかりと責任を果たしていくとの観点から、今後とも原子力に関する国際協力を推進していく考えであります。  消費税率引上げに際して、所得の低い方々への支援と消費税対策の必要性についてお尋ねがありました。  消費税率引上げに当たっては、消費税に逆進性があることに鑑み、所得の低い方々など、真に支援を必要とする層にしっかりと支援の手が行き届くことが重要であります。  まず、消費税率引上げに伴い、所得の低い方々への配慮として、飲食料品等を対象に軽減税率制度を実施します。また、消費税率引上げによる増収分を活用して、所得の低い方々に対して、介護保険料の軽減の拡充、年金受給者への給付金の支給などの措置を講じることとしています。  十月から実施する幼児教育の無償化は、三歳から五歳の子供たちを対象に実施することとしていますが、さらに、所得の低い世帯にも配慮し、ゼロ歳から二歳までの住民税非課税世帯の子供の幼児教育を無償化するとともに、来年四月から、真に支援を必要とする所得の低い世帯の高等教育の無償化を実施することとしています。  加えて、所得の低い方々や小さな乳幼児のいる子育て世帯に対しては、税率引上げから一定期間使用できるプレミアムつき商品券を発行、販売します。  こうした措置を総合的に勘案すれば、所得の低い世帯に手厚く、全体として逆進性に対して十分な緩和策になるものと考えています。  また、消費税対策の必要性について、前回の八%への引上げの際に耐久財を中心に駆け込み需要と反動減といった大きな需要変動が生じた経験を踏まえ、あらゆる施策を総動員し、経済に影響を及ぼさないよう、全力で対応することとしています。  いただいた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとしてまいります。  消費税率引上げ凍結についてお尋ねがありました。  軽減税率制度は、ほぼ全ての人が毎日購入している飲食料品等の税率を八%に据え置くことにより、消費税の逆進性を緩和しつつ、買物の都度、痛税感の緩和を実感できるという利点があります。こういう利点があることから、低所得者への配慮として実施することとしたものであります。  一方、給付つき税額控除は、所得が低い方に焦点を絞った支援ができるといった利点はあるものの、消費税そのものの負担が直接軽減されるものではなく、消費者にとって痛税感の緩和の実感につながらないという問題、所得や資産の把握が難しいといった問題等があるものと承知しています。  また、本年十月の消費税率引上げについては、全世代型社会保障制度の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するために必要なものです。  これまでも、法律で定められたとおり十月に現行の八%から一〇%に引き上げる予定であると繰り返し申し上げており、この方針に変更はありません。  消費税率の引上げに当たっては、八%への引上げ時の反省の上に、経済運営に万全を期してまいります。  幼児教育の無償化についてお尋ねがありました。  本年十月から実施する幼児教育の無償化は、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るという少子化対策と、生涯にわたる人格形成の基礎やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育、保育の重要性に鑑み、行うものです。  同時に、子育て安心プランに基づき、待機児童の解消を強力に進めており、昨年は十年ぶりに二万人を下回りました。今年度も十七万人分の保育の受皿を整備します。  他方で、やむを得ず認可外保育施設を利用せざるを得ない人がいることから、こうした方々も負担軽減の観点から無償化の対象としています。  幼児教育の無償化の財政負担については、消費税率引上げに伴い国と地方へ配分される増収分を活用することとしており、国の責任において必要な地方財源をしっかり確保します。また、昨年、国から地方団体に提案し、その内容について御了解をいただいたものですが、引き続き、地方自治体の皆様の御意見をしっかりと伺いながら、本年十月からの実施に向け、準備を進めてまいります。  なお、高所得者層ほど大きな恩恵を受けるとの御指摘については、もともと世帯所得に応じて保育料が決まる制度であり、所得の低い方の保育料は、既に公費を投じ負担軽減を図っていることから、所得の高い方よりも少なくなっており、さらには、平成二十六年度以降、低所得者世帯を中心に、先んじて段階的に無償化の範囲を拡大してきていることなどから、今回の無償化による公費負担額のみをもって高所得者層ほど大きな恩恵を受けるとする御指摘は当たらないと考えています。  さらに、今般の幼児教育無償化においては、住民税非課税世帯のゼロ歳から二歳までの子供たちを対象とした幼児教育無償化も進めるほか、平成三十二年度から、真に支援を必要とする低所得世帯を対象とした高等教育の無償化を実施するものであることから、今般の教育の無償化は低所得世帯に配慮したものと考えています。  防衛費の後年度負担についてお尋ねがありました。  兵器ローンとの御指摘がありましたが、ローンというのは、例えば、車を買って、納入を受けた後、それを使いながら残金を払い続けることだと思います。他方、防衛装備品の場合には、国に納入される際には、代金を全額支払っているところであります。  防衛装備品の場合、契約から納入まで、長いもので四年から五年を要することから、契約段階では全額支払うことはしませんが、これをもって生じる後年度負担をローンと表現することは適切ではないというか、これは間違っていると思います。  その上で、防衛費については、我が国の予算制度に従い、歳出予算、国庫債務負担行為及び継続費から成り立っているものであり、また、中期防衛力整備計画に基づき計画的に予算を編成しており、予算編成の基本的な考え方を大きく逸脱するとの御指摘は当たりません。  なお、防衛大綱のもとに定められた新たな中期防衛力整備計画においては、初めて、五年間に新規に契約する事業費の額を明示し、これを上限として明確な経費の歯どめをかけ、後年度負担を含む防衛費の管理の一層の適正化を図ったところであります。  防衛大綱の見直し、イージス・アショア、「いずも」の改修についてお尋ねがありました。  今、国際社会のパワーバランスは大きく変化しつつあり、我が国を取り巻く安全保障環境は、前大綱の策定時に想定していたよりも格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しています。  また、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域が死活的に重要になっており、陸、海、空での対応を重視してきたこれまでの安全保障のあり方を根本から変えようとしています。  新たな防衛大綱は、このような状況を踏まえ、策定したものです。  なお、冷戦後に策定された四つの防衛大綱については、民主党政権時代も含めて、全て十年を待たずに見直しが行われています。安全保障環境の変化に対応し、適切な判断が行われてきたものと考えています。  イージス・アショアについては、弾道ミサイルの脅威から我が国全土を二十四時間三百六十五日切れ目なく防護する能力を抜本的に向上させるものであり、我が国の安全に大きく寄与するものと考えています。  もとより、イージス・アショアの配備に当たっては、地元の皆様の御理解をいただくことが大前提です。地元の皆様からいただいているさまざまな御懸念や御要望について、一つ一つ丁寧に対応してまいります。  また、新たな安全保障環境に対応し、広大な太平洋を含む我が国の海と空の守りについて備えを強化していく必要がありますが、太平洋には戦闘機の使用可能な飛行場は一カ所しかありません。現状では、トラブルが発生した場合や天候が急変した場合などにはパイロットの安全確保が困難であり、ひいては我が国の防衛を全うすることも困難であります。  このような現実を踏まえれば、専守防衛のもと、隊員の安全を確保しながら、広大な太平洋を含む我が国の海と空の守りについてしっかりとした備えを確保するためには、「いずも」型護衛艦における航空機の運用が必要不可欠であると考えています。  このように、「いずも」型護衛艦の改修は、あくまでも自衛のための必要最小限度のものであり、憲法上保有が許されないものではありません。  また、武力の行使の三要件を始めとする憲法上の厳格な歯どめのもと、我が国の法令と憲法に関する基本政策に従い、厳格な文民統制を確保して運用されるものであり、専守防衛との関係で問題を生じるものではありません。  なお、今般追加取得を決定したF35については、老朽化したF15を代替するものであります。  米国の情勢及び米中貿易摩擦についてお尋ねがありました。  米政府との間では、私とトランプ大統領との間を始め、あらゆるレベルで緊密に意思疎通をしており、日米同盟はかつてなく強固なものとなっています。御指摘のような米国の情勢がこうした強固な日米同盟に影響を及ぼすことは全くありません。  米中間の貿易摩擦に関しては、日本を含め、国際社会の大きな関心事項となっていますが、複雑なサプライチェーンを通じた日本企業や日本経済への影響について一概に申し上げることは困難です。引き続き、米中間の協議の動向や日本も含めた他国への影響について注視していきます。  いずれにせよ、貿易制限措置の応酬はどの国の利益にもなりません。我が国は、いかなる貿易上の措置もWTO協定と整合的であるべきと考えています。こうした日本の基本的な立場については、これまでも、トランプ大統領を始め米国及び中国の双方に対して、私自身を含め、さまざまなレベルで伝えてきています。  北方領土問題についてお尋ねがありました。  北方領土は、我が国が主権を有する島々です。この立場に変わりはありません。  日ロ間では、これまで、一九九三年の東京宣言、二〇〇三年の日ロ行動計画を始め、多くの諸文書や諸合意が作成されてきており、これらの諸文書や諸合意を踏まえた交渉を行ってきています。  その中でも、一九五六年の日ソ共同宣言は、両国の立法府が承認し、両国が批准した唯一の文書であり、現在も効力を有しています。  一九五六年の共同宣言の第九項は、平和条約交渉が継続されること及び平和条約締結後に歯舞群島、色丹島が日本に引き渡されることを規定しています。  従来から政府が説明してきているとおり、日本側は、ここに言う平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるとの一貫した立場です。  その上で、交渉内容にかかわることや我が国の交渉方針、考え方については、交渉に悪影響を与えないためにも、お答えすることは差し控えます。  いずれにせよ、政府として、領土問題を解決して平和条約を締結するとの基本方針のもと、引き続き粘り強く交渉してまいります。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)     〔国務大臣根本匠君登壇〕
  6. 根本匠

    ○国務大臣(根本匠君) 枝野幸男議員にお答えいたします。  十二月二十一日の毎月勤労統計調査の十月確報値の公表や予算案閣議決定に対する私の対応についてお尋ねがありました。  本件については、十二月二十日に事実関係の一報を事務方より受けました。  具体的には、長年にわたって、五百人以上規模の事業所において全数調査とすべきところ、東京都において抽出調査を行っていたこと、抽出調査の結果に必要な統計的処理を加えず、適切な復元処理を行わずに集計していたことについて報告を受け、私からは、経緯、原因等について速やかに徹底的に調査を行うよう指示をいたしました。  翌二十一日に十月分の確報値をそのまま公表したことについては、事務方に確認したところ、今回の事案について具体的な経緯等が明らかでなかった状況の中で、毎月定例の業務として事務的に公表したものであり、確報まで思いが至らなかったと聞いております。(発言する者あり)
  7. 大島理森

    ○議長(大島理森君) 御静粛に。
  8. 根本匠

    国務大臣(根本匠君)(続) また、一報を受けた時点では、事案の具体的な内容や影響が明らかになっておらず、予算案との関係性を判断できる状況にはありませんでした。  私としては、今回の問題を統計部門だけのものとして捉えるのではなく、省全体として、統計に対する姿勢を根本から正し、再発防止の徹底に努め、厚生労働行政に対する国民の皆様の信頼の確保に努めてまいります。それが私の責任と考えております。  同時に、雇用保険等の追加給付につきまして、できる限り速やかに、簡便な手続でお支払いできるよう、万全を期して必要な対策を講じてまいります。  特別監察委員会による調査についてお尋ねがありました。  今回の事案については、極めて遺憾であり、国民の皆様に御迷惑をおかけしていることを深くおわび申し上げます。  特別監察委員会は、平成二十三年に設置され、任命された厚生労働省監察本部の外部有識者の五名に加え、統計の専門家であり、総務省統計委員会の前委員長を務めた樋口美雄氏を委員長とするほか、統計の専門家等を加えた構成です。  特別監察委員会では、ヒアリングから得られた記述内容や関係資料の精査等を通じて、第三者の視点から集中的に検証し、事実関係と関係職員の動機、目的、認識など、さらに、責任の所在を明らかにしていただきました。  その上で、現在、先日の国会における議論等も踏まえ、事案に関連した幹部も含めた職員等に特別監察委員会の委員のみが質問する形式でのさらなるヒアリング、東京都など自治体へのヒアリングなど、さらなる調査を行っているところであります。  厚生労働省としては、統計に対する信頼、厚生労働省という組織に対する信頼を回復していくため、今後とも、特別監察委員会において、第三者の視点から厳正な調査を賜り、事実解明を進めるとともに、再発防止や雇用保険等の追加給付の対応に万全を期して必要な対策を講じてまいります。それが私の責任であると考えております。(拍手)     〔国務大臣菅義偉君登壇〕
  9. 菅義偉

    国務大臣菅義偉君) 統計の事案に関する報告の時期と指示の内容についてお尋ねがありました。  今般の事案については、最初に報告を受けたのは昨年十二月二十八日であります。私からは、しっかりと事案を精査するように指示いたしました。(拍手)     〔国務大臣世耕弘成君登壇〕
  10. 世耕弘成

    国務大臣(世耕弘成君) 原発を今後利用したいと思っている国がマジョリティーであると述べた根拠についてお尋ねがありました。  この発言の根拠は、IAEAや各国政府の公式情報において、将来の原発利用についてスタンスを示している国のうち、脱原発の方針を掲げている国よりも、将来原発を利用する方針を示している国の方が多いという事実に基づくものであります。(拍手)     ―――――――――――――
  11. 大島理森

    ○議長(大島理森君) 二階俊博君。     〔二階俊博君登壇〕
  12. 二階俊博

    ○二階俊博君 自由民主党の二階俊博です。  私は、自由民主党を代表して、安倍内閣総理大臣の施政方針演説に対し質問をいたします。(拍手)  平成という一つの時代が間もなく終わりを告げ、今まさに新しい時代の幕あけが目前に迫っています。  私自身、昭和五十八年の初当選以来、平成の初めから今日に至るまで、継続して国政に参画させていただきました。  子供のころは、戦争を経験し、疎開先の小学校で終戦を迎えました。  その後、日本全体が食料の乏しい苦難の時代を乗り越え、戦後の目覚ましい復興と発展を経験しながら、政治の歩みを続けてまいりました。  そして今、平成最後の国会が開会されるに当たり、改めて、苦難の時代を生き抜かれた先人の皆様に感謝の気持ちをささげたいと思います。  平成の時代が戦争のない平和な時代であったことに対し、与野党を超えて、この議場に集う全ての国会議員で、そのとうとさを改めてかみしめながら、質問に入らせていただきます。  平成の始まりは、まさに新しい時代の幕あけでありました。  国際情勢は、ベルリンの壁の崩壊に象徴されるように、東西冷戦体制が終えんを迎え、国内では、株価が約三万九千円の史上最高値をつけ、いわゆるバブル景気の真っただ中にありました。  しかし、間もなくバブルは崩壊し、日本経済は、失われた二十年と言われる経済の低迷の時期に入りました。  第二次安倍内閣は、未曽有の長期デフレに正面から挑んで、これを脱却するためにアベノミクスを果敢に展開し、まさに雇用の面でも、求職の時代から求人の時代へと大きな成果を上げてきました。  昨年来の米中貿易摩擦などにより、世界経済の先行きに不透明感が広がり始めた今、アベノミクスを中心とする今後の経済政策の進め方について、最初に安倍総理のお考えをお尋ねしておきたいと思います。  平成の初め、我が国は、高齢化社会の到来を目前に、税、社会保障制度の大転換を迫られていました。  その中で、竹下内閣により、消費税が我が国に導入されました。お互い、選挙の洗礼を受ける立場として、国民の皆様に増税をお願いするのは生易しいことではありませんでした。  今思えば、竹下総理のこの英断が今日の社会保障制度を支えていることに、国民の多くが理解するところまで来ております。  ことし十月には消費税率が一〇%に引き上げられる予定でありますが、この引上げは、安倍内閣が目指す全世代型の社会保障制度を実現するためにも、財政健全化を推し進める上におきましても、避けては通れない道であります。  他方で、税率の引上げに伴う経済への影響に十分留意する必要があり、前回の八%への税率引上げのときの経験を生かして、あらゆる政策を総動員して、経済の回復基調に悪い影響を及ぼさないよう、万全の対応を図らなければなりません。  消費税率の引上げは、国民生活に深くかかわる極めて重要な問題であります。今回の税率引上げの趣旨と駆け込み需要の反動減対策について、安倍総理から国民の皆さんに向けて、わかりやすく丁寧な説明をお願いいたします。  また、誰もが安心して暮らすことのできる全世代型社会保障制度を構築するためには、消費税の使い道を一部変更し、幼児教育、保育の無償化と高等教育の無償化を着実に進めていかなくてはなりません。これらの政策の実現に向けた総理の御決意をお伺いいたします。  平成の時代は、自然災害との闘いの時代でもありました。阪神・淡路大震災や東日本大震災では、多くのとうとい命が失われました。近年では、熊本地震や西日本豪雨でも、今なお多くの方々が避難生活を強いられています。私たちは片時もこの被災者の皆さんのことを忘れていないということを、改めて皆さんとともにここで申し上げておきたいと思います。  また、世界各地でも多くの災害が発生しました。昨年九月には、インドネシアにおいて大規模な津波が発生し、二千人を超えるとうとい命が奪われました。昨年の全世界の自然災害による被災者は六千万人を超えるという国連の発表がありました。各地において、いつ発生するかわからない自然災害は、平和で安心な暮らしを脅かしております。  一人の命も失わせてはならない、これが私たちお互いの目標であり、誓いでもあります。  幾多の災害からの教訓を得て、災害対応のレベルを引き上げてきているにもかかわらず、いまだに多くの命が失われていることは、これに対して重く受けとめなくてはなりません。  昨年、これまでのさまざまな災害を受けた経験を踏まえ、全百六十項目、総額七兆円規模の三カ年の緊急対策が安倍総理指示のもとに取りまとめられました。政府のこの対策を私は高く評価する一方で、更にもう一歩踏み込んで国土強靱化の取組が必要であると再認識しております。三カ年の緊急対策の後を見据えた対応が、今後求められていることが大事であります。  亡くなられた多くのみたまにお応えするためにも、防災・減災、国土強靱化の努力はたゆみなく続けなければなりません。安倍総理の御決意をお伺いしたいと思います。  日本が戦後一貫して貫いてまいりました平和外交の道のりは、国際社会から高く評価をされております。一方で、平成の安全保障政策は、湾岸危機や米国同時多発テロ、北朝鮮の核・ミサイル開発など、国際情勢の変化を前に、我が国の国際貢献のあり方が常に問われ続けるものでありました。  昨年末の新聞の世論調査において、平成の日本社会に最もよい影響を与えたのは、政治的な出来事として第一位に国連平和維持活動、いわゆるPKO協力法の成立が挙げられました。自衛隊の国際貢献が国民の皆さんに広く認められ、高く評価をいただいている証拠であります。  また、阪神・淡路大地震や東日本大震災での災害派遣や災害復興で自衛隊が国民の信頼を得ていることも御承知のとおりであります。  昨年、私は、千葉県にある習志野駐屯地を訪問する機会を得ました。危機や大規模災害に備え、昼夜を分かたず、休むことなく備えておられる自衛隊の皆さんの覚悟とその真摯なお姿は、日本の、私たちの誇りであります。  私たちは、昨年十二月に新たな防衛計画の大綱と中期防衛力整備計画を策定いたしました。  安倍総理に、防衛力強化の必要性と防衛力のあるべき姿についてお伺いをいたします。  私が一貫して取り組んでまいりました、防衛庁の省への昇格や平和安全法制の成立など、我が国と国際社会の平和と安定を守るために努力を進める中で、自衛隊を憲法違反だと主張し、その存在すら認めてこなかった政治勢力が残念ながら存在していたのも事実であります。  安倍総理は、一昨年、自民党総裁として、憲法改正に向けた基本的考え方をお示しになりました。平成の時代を通じた自衛隊に対する国民の評価、憲法改正の考え方について、これらについて、総理のお気持ちを国民の皆さんにしっかりとお聞かせをいただきたいと思います。  安倍内閣の外交についてお尋ねをいたします。  私は、外交を推進する上で最も重要なことは、首脳同士の信頼関係の構築にあると考えます。  第二次安倍内閣発足以来、総理は、七十八カ国を訪問され、約七百回もの首脳会談を重ねてこられました。各国首脳との確固たる信頼をこうして築いてこられたのであります。国際会議で、国同士が鋭く意見対立する中にあって、安倍総理の存在感が増していることは、大いに国益に資するとともに、私たち国民にとって誇るべきことであります。  平成の時代を振り返ってみても、これほど信頼関係を各国首脳との間に築かれた総理大臣はおられないのではないかと考えています。  日ロの平和条約締結交渉は、多くの国民が交渉の行方に期待を寄せております。  この問題の解決にかける安倍総理の熱意には並々ならぬものがあると感じる一方で、極めて難しい交渉でもありますので、一層気を引き締め、今後の交渉に当たっていただきたいと思います。国民は大いに期待をしています。御答弁を願います。  日中関係は、双方の努力もあって、近年は大きく改善してまいりました。  日中平和友好条約締結四十周年の昨年は、李克強首相が来日し、その後の安倍総理の約七年ぶりの訪中により、首脳の相互往来が実現し、日中関係は新たな段階に入りました。ことしは習近平国家主席の来日が予定されています。  首脳往来は、間断なく繰り返し、継続していくことこそ、両国にとって何よりも大切なことであります。この動きを大いに歓迎するとともに、さまざまなレベルでの重層的な交流につなげていくチャンスと捉えることも重要であります。  中国による日本産食品の輸入規制の緩和も進展を示しております。  昨年は、精米工場や薫蒸施設が新たに認定されたり、新潟産米の輸入規制が解除されるなど、輸出拡大への道を切り開くことができました。残された規制は科学的根拠に基づいて解除されるべきであり、引き続き、自由民主党も積極的にこの交渉を前進させていきたいと考えております。  最近の韓国の振る舞いは、大変残念でなりません。  旧朝鮮半島出身労働者問題に関する韓国大法院の判決はまことに遺憾であります。この問題は一九六五年の日韓請求権協定で解決済みであり、我が国としては到底受け入れることはできません。  海上自衛隊の哨戒機に火器管制レーダーを照射した事実では、客観情勢を示してなお事実を否定する態度に、日本国内から非難の声が上がっています。  東アジアの安定化のために、北朝鮮が依然保有する核、ミサイル、そして拉致問題の解決が必要であります。  近隣諸国の情勢に対する安倍総理の御認識をお伺いいたします。  観光産業の発展は、平和の象徴であると私は考えております。  平成十一年の小渕内閣で運輸大臣を拝命し、私は、この観光産業の問題をライフワークとして取り組み、十二年度の当初予算で史上初めてインバウンド促進策として三億円を計上いたしました。それから二十年が経過し、今や百億円を超える規模となり、訪日外国人も三千万人を突破するに至りました。  平成という平和な時代に、観光が我が国の基幹産業の一つに成長したことはまことに感慨深いものがあり、来年の東京五輪と二〇二五年の大阪・関西万博に、さらなる飛躍のチャンスを与えるものであります。  そして、東京や大阪に集う訪日外国人を更に地方に呼び込むのに、この際、知恵を結集し、地方創生につなげなければなりません。  二国間における相互の観光客数は、その両国間の関係と比例します。観光客がお互いの国を頻繁に行き来する関係において、この関係が悪化している国は観光客も減少する傾向にあります。  世界における観光の重要性は、グローバリゼーションの時代の中で高まっております。だからこそ、世界の観光のあるべき姿を示す観光立国日本をつくることが新たな時代における我が国の役割であると考えますが、安倍総理のお考えをお尋ねいたします。  人生百年時代を掲げる上で、国民の健康をいかに守るかということは、私たちにとって大変重要な問題であると認識しております。  がんにかかる方は年間百万人近くおられ、患者御本人のみならず、御家族や医療関係の皆さん、大変多くの方々がこの病気と日々闘ってくださっております。  ある日突然がんと宣告され、眠れない日々が続く肉体的、精神的負担を考えれば、政府が患者の皆さんや御家族に寄り添い、手厚い支援を用意すべきことは当然であります。  一方で、最先端の治療法が日進月歩で開発され、五年生存率も平均で六割を超えるようになり、今では、治療をしながら社会で御活躍されている方々も多くおられます。  患者や御家族が日常生活と治療の両面で身近に相談できる体制の拡充と医療関係者への支援体制が必要と考えますが、安倍総理、総理御自身のお考えをお聞かせ願いたいと思います。  平成二十九年度の児童虐待の相談件数は過去最高の十三万件を超えて、痛ましい事件が後を絶たない、大変深刻な状況にあります。  虐待を受けながらも、死の間際まで両親の思いに応えようとする幼い心を思うと、胸が締めつけられるような思いであります。  虐待によって幼い命が奪われるようなことを、もう二度と繰り返してはなりません。このことは、国民みんなで誓おうではありませんか。  政府は、児童相談所や自治体の体制強化を迅速に図る必要があります。児童虐待防止に向けた安倍総理の御決意をお伺いいたします。  平成三十年産米から新たな米政策が始まり、米の生産と販売を、市場動向や販売実績に基づき、それぞれの産地が主体的に行うことになりました。  私は、昨年十一月、北海道、東北の農業者の方々と米政策について語り合う機会がありました。  農業が、安心して米つくりを行い、安定した所得を得るためには、きめ細かな情報の提供や水田フル活用に向けた支援が万全に行われなければなりません。  農林水産物や食品の輸出額は年々伸びて、ことしの目標である一兆円の達成にあと一息のところまで来ています。  新しい米政策の定着と農林水産物や食品の輸出拡大に向けた安倍総理の御決意をお聞かせいただきたいと思います。  林業従事者の減少や高齢者によって、手入れもされず放置されている森林の保全と育成は、全国的な課題であります。  山を守らなければ、保水や山崩れ防止などの機能も果たすことはできません。  林業再生には、公共建築物に国産材を利用するなど、需要も積極的に掘り起こしていくことが必要であります。  安倍総理に、税制を含めた林業再生への力強い御方針をお伺いしておきたいと思います。  毎月勤労統計の不適切な調査は、国の統計の信頼を揺るがせるものであり、まことに遺憾であり、残念であります。  原因究明を急ぎ、国民の皆さんが不利益をこうむることのないよう、再発防止と支給策を具体的に進めていかなくてはなりません。  既に自民党は、今、雇用保険等を受給中の方に対し、三月末までに不足分の支給開始を順次行うよう、政府に指示したところであります。  基幹統計は政策の根幹であるという職業規範と使命感を高く持ち、政府全体で緊張感を持って間違いのない作業をすることは当然であります。  この問題の解決に向けて、安倍総理の御決意を伺っておきたいと思います。  平成の時代は、政権交代を何度か経験した時代でもありました。  特に、平成二十一年の総選挙で自民党は大敗をし、政権に返り咲くまで三年三カ月の間、国民の皆さんから再び信頼をかち得るために、真摯に政策作成に取り組んでまいりました。  謙虚とは、それぞれが最も不遇だったときのことを忘れないという姿勢が大事であります。不遇をかこつ人々への思いを忘れないということに通ずるわけであります。  さまざまな困難な課題を解決し、実行していくためには、政治の安定と政治家自身の自覚が何よりも重要であります。  したがって、長期政権の中で生じやすいおごりや緩みは決してあってはなりません。  いよいよ平成最後の国会が始まりました。  私たちは、国民の皆様の前で、丁寧な上にも丁寧な議論を重ねて、来るべき新しい時代にも、平和で安心できる国を引き継ぎ、世界の平和と安定に最も貢献していると自負できる国を目指さなくてはなりません。  自由民主党は、国民の皆様に御納得のいただけるよう、真の和の政治を進めてまいることをここにお誓いを申し上げて、質問を終わらせていただきます。(拍手)     〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
  13. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 二階議員の御質問にお答えする前に、先ほどの枝野議員への答弁の中で、「いずも」の改修について、我が国の法令と憲法に関する基本政策に従いと発言いたしましたが、正しくは、我が国の法令と防衛に関する基本政策に従いでありましたので、訂正させていただきますので、よろしくお願いをしたいと思います。  それでは、二階俊博議員の御質問にお答えいたします。  今後の経済政策の進め方についてお尋ねがありました。  失われた二十年。その最大の敵は、日本じゅうに蔓延したデフレマインドでした。政権交代後、アベノミクスの三本の矢で取り組み、名目GDPは一割以上成長し、もはやデフレではないという状況をつくり出しました。安倍政権の発足以来続く今の景気回復期は、今月で七十四カ月となり、戦後最長となった可能性が高くなっています。  こうした中で、特に国民生活にとって最も大切な雇用は大きく改善しており、この五年間で、生産年齢人口が四百五十万人減少する中にあっても、就業者数は二百五十万人増加し、中でも正規雇用者数は七十八万人増加し、景気回復により仕事が増加したことにより、正社員の有効求人倍率は調査開始以来初めて一倍を超えました。賃上げも、連合の調査によれば、五年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが実現するなど、確実に経済の好循環が生まれています。  この成長の果実をしっかりと分配に回すことで、次なる成長につながっていく。デフレマインドが払拭されようとしている今、アベノミクスのさらなる強化に向けて取り組んでまいります。  具体的には、我が国の持続的な成長にとっての最大の課題である少子高齢化を克服し、全世代型社会保障制度への転換をなし遂げてまいります。また、未来へのイノベーションを大胆に後押しし、ソサエティー五・〇を世界に先駆けて実現することで、我が国の未来を開いてまいります。  安倍内閣は、本年も引き続き、経済最優先。通商問題の動向、中国経済の先行きなど、海外経済の不確実性には十分留意しつつ、経済運営に万全を期してまいります。  消費税率引上げの趣旨と反動減対策等についてお尋ねがありました。  本年十月の消費税率引上げについては、全世代型社会保障制度の構築に向け、少子化対策や社会保障に対する安定財源を確保するために必要なものです。  消費税率の引上げに当たっては、消費税率八%への引上げ時の反省の上に、経済運営に万全を期してまいります。  具体的には、軽減税率制度を実施するほか、プレミアムつき商品券の発行を通じて、所得の低い皆さんなどの負担を軽減します。また、思い切ったポイント還元や自動車、住宅への大幅減税といった駆け込み需要、反動減対策でしっかりと消費を下支えします。  来年度予算では、いただいた消費税を全て還元する規模の十二分な対策を講じ、景気の回復軌道を確かなものとすることで、戦後最大のGDP六百兆円に向けて着実に歩みを進めてまいります。  また、本年十月からの幼児教育の無償化、そして、来年四月からの真に支援が必要な子供たちの高等教育の無償化は、社会保障を全世代型に転換するための重要な第一歩であります。その実現に向け、今国会に関連法案を提出するとともに、地方自治体等とも連携しながら、円滑な実施ができるよう全力を尽くしてまいります。  防災・減災、国土強靱化についてお尋ねがありました。  まず初めに、二階議員におかれては、これまで、災害が起こるたびに現地に赴き、災害対応の陣頭指揮をとられるとともに、国土強靱化基本法の成立に尽力されるなど、一貫して防災・減災、国土強靱化の取組を主導されてきたことに、改めて敬意を表します。  御指摘のとおり、平成の時代は大きな自然災害が相次ぎ、昨年も、集中豪雨、地震、激しい暴風、異常な猛暑など、異次元の災害が相次ぎました。災害への対応は、もはや、これまでの経験や備えだけでは通用せず、命にかかわる事態を想定外と片づけるわけにはいきません。  このため、昨年末に、これまで培ってきた最新の知見を踏まえ、中長期的な目標や方針を明らかにする国土強靱化基本計画の見直しを行うとともに、事業規模がおおむね七兆円程度の防災・減災、国土強靱化のための三カ年緊急対策を取りまとめ、ハードからソフトまであらゆる手を尽くし、三年間集中で対策をしっかりと実施することとしました。  この緊急対策を講じた後も、国土強靱化基本計画に基づき、オール・ジャパンで国土強靱化を強力に進め、国家百年の大計として、災害に屈しない強さとしなやかさを備えた国土をつくり上げてまいります。  防衛力強化の必要性と防衛力のあるべき姿についてお尋ねがありました。  政府の最も重大な責務は、国民の命と平和な暮らしを守り抜くことです。これは、独立国家として第一義的に果たすべき責任であり、みずからの主体的、自主的な努力によってその責任を果たしていくことが安全保障の根幹です。  今、国際社会のパワーバランスは大きく変化しつつあり、我が国を取り巻く安全保障環境は、格段に速いスピードで厳しさと不確実性を増しています。  また、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域が死活的に重要になっており、陸、海、空での対応を重視してきたこれまでの安全保障のあり方を根本から変えようとしています。  このような中にあって、必要なことは、我が国として、みずからを守る体制を主体的、自主的な努力によって抜本的に強化し、みずからが果たし得る役割の拡大を図っていくことです。  同時に、これこそが、日米同盟の抑止力と対処力を一層強化していく道であり、各国との安全保障協力を戦略的に進めていくための基盤となるものです。  防衛力の強化に当たっては、従来の延長線上ではない、真に実効的な防衛力を構築するため、防衛力の質及び量を必要かつ十分に確保していく考えです。  特に、陸、海、空という従来の発想から完全に脱却し、宇宙、サイバー、電磁波といった新たな領域を含む、全ての能力を有機的に連携させた新たな防衛力を構築してまいります。  未来の礎となる、国民を守るために真に必要な防衛力の構築に向け、従来とは抜本的に異なる速度で変革を図ってまいります。  平成の時代を通じた自衛隊に対する国民の評価と憲法改正の考え方についてお尋ねがありました。  憲法改正の内容について、私が内閣総理大臣としてこの場でお答えすることは本来差し控えるべきものとは思いますが、私の気持ちを述べよとのことですので、丁寧にお答えをさせていただきたいと思います。  私が自民党総裁として一石を投じた考え方は、現行の憲法第九条の第一項及び第二項を残した上で、自衛隊の存在を憲法に明記することです。  大きな自然災害が相次いだ平成の時代。困難な災害の現場には、常に自衛隊員の姿がありました。夜を徹し、泥にまみれ、雨に打たれながらも、危険を顧みず黙々と任務に当たる隊員諸君は、被災された皆さんの心に寄り添い、被災地の力となりました。  また、PKO法の制定以降、延べ約六万人の自衛隊員が、世界各地で平和と安定のため汗を流してきました。現地の目線に立った支援、高い規律と丁寧な仕事ぶりで、国際社会から高い評価を得てまいりました。  自衛隊は、かつては厳しい目で見られた時代もありました。それでも、歯を食いしばり、ただひたすらに職務を全うしてきた。今や、国民の約九割は、敬意を持って自衛隊を認めています。  しかし、近年の調査でも、自衛隊は合憲と言い切る憲法学者は二割にとどまります。君たちは憲法違反かもしれないが、何かあれば命を張ってくれというのは余りにも無責任ではないでしょうか。  多くの教科書に、自衛隊の合憲性には議論がある旨の記述があります。その教科書で自衛隊員のお子さんたちも学んでいるのです。  さらには、今なお、自衛隊に対するいわれなき批判や反対運動、自治体による非協力な対応といった状況があるのも事実です。  例えば、自衛隊の、自衛官の募集は市町村の事務ですが、一部の自治体はその実施を拒否し、受験票の受理さえも行っていません。また、防衛大臣からの要請にもかかわらず、全体の六割以上の自治体から、自衛隊員募集に必要となる所要の協力が得られていません。  優秀な人材確保のためには、地域に密着した採用活動が重要ですが、自衛隊の採用説明会等の取りやめを求める要請がさまざまな団体により行われており、このため、昨年、採用説明会が取りやめとなった事例もあります。  自衛隊は、これまで四万回を超える災害派遣を行い、助けを求める自治体に直ちに駆けつけ、献身的な働きを行っています。このような現状はまことに残念と言わざるを得ません。  このような状況に終止符を打つためにも、自衛隊の存在を憲法上明確に位置づけることが必要ではないでしょうか。  同時に、国民のため命を賭して任務を遂行する隊員諸君の正当性を明文化し、明確化することは、国防の根幹にかかわることだと考えています。  自衛隊に対する国民の信頼は政治の力で得たものではありません。自衛隊員の諸君は、みずからの手で国民の信頼をかち得たのであります。  次は、政治がその役割をしっかりと果たしていかなければなりません。全ての自衛隊員が強い誇りを持って任務を全うできる環境を整える、これは今を生きる政治家の責任であります。  憲法改正は、国会が発議し、国民投票により決められるものです。国会の憲法調査会の場において各党の議論が深められることを期待しています。  近隣諸国との関係についてお尋ねがありました。  ロシアとは、国民同士、互いの信頼と友情を深め、領土問題を解決して平和条約を締結いたします。領土問題を次の世代に先送りすることなく、必ずや終止符を打つとの強い意思をプーチン大統領と共有しました。首脳間の深い信頼関係の上に、一九五六年共同宣言を基礎として、平和条約交渉を加速してまいります。  中国については、昨年秋の訪中によって、日中関係は完全に正常な軌道へと戻りました。習近平主席と確認した、今後の両国の道しるべとなる三つの原則の上に、首脳間の往来を重ね、あらゆる分野、国民レベルでの交流を深めながら、日中関係を新たな段階へと押し上げてまいります。御指摘の輸入規制の緩和についても、引き続き、あらゆる機会を捉えて、科学的根拠に基づく輸入規制の撤廃、緩和が進むよう、粘り強く働きかけを行ってまいります。  韓国とは、御指摘のように、旧朝鮮半島出身労働者の問題を始め、これまで日韓両国が築き上げてきた関係の前提すら否定するような動きが続いていることは大変遺憾です。政府としては、国際法に基づき毅然として対応していく考えであり、我が国の一貫した立場に基づき、主張すべきは主張し、韓国側に適切な対応を強く求めていきます。  北朝鮮の核、ミサイル、そして最も重要な拉致問題の解決に向けて、相互不信の殻を破り、次は私自身が金正恩委員長と直接向き合い、あらゆるチャンスを逃すことなく、果断に行動いたします。北朝鮮との不幸な過去を清算し、国交正常化を目指します。そのために、米国や韓国を始め国際社会と緊密に連携してまいります。  外国人観光客の地方への誘客及び観光に関する我が国の役割についてお尋ねがありました。  観光は、我が国の成長戦略の柱であり、地方創生の切り札です。  安倍内閣では、できることは全て行うとの方針のもと、観光立国の実現に向け精力的に取り組んでまいりました。  この結果、昨年、日本を訪れる外国人観光客は三千万人の大台に乗り、その消費額は四兆五千億円となるなど、観光は、全国津々浦々、地方創生の核となる、たくましい一大産業となりました。  今後は、来年のオリンピック・パラリンピック東京大会、二〇二五年の大阪・関西万博など、集客力のあるイベントも活用しながら、我が国の魅力を世界に発信するなど、幅広い国や地域からの誘客を官民一体となって進めてまいります。あわせて、国際観光旅客税も活用しながら、観光地における町ぐるみでの観光客受入れの取組を支援するなど、地方への誘客を進めてまいります。  また、観光を通じて他国への理解を深め、活発な異文化交流を進めることも重要です。特に、若い世代の日本人が海外旅行に出かけ、世界の人々との双方向の交流を進めることが大切です。二階議員が長年にわたり御尽力されてきた日中や日ロの交流を始め、各国との観光交流の拡大に積極的に取り組み、国際的な相互理解と相互信頼を深めてまいります。  がん対策についてお尋ねがありました。  がん患者が安心して治療を受け、地域で生活していくためには、本人や家族などが身近に相談できる場所や人の確保が重要です。  このため、平成三十年三月に閣議決定した第三期がん対策推進基本計画に基づき、全国約四百カ所のがん診療連携拠点病院等に設置されているがん相談支援センターの機能強化や、地域の身近な拠点として患者や家族の心理面、生活面のサポート等を行う地域統括相談支援センターの充実、質の高いがん医療や患者支援を提供するための医療従事者研修の推進などに取り組みます。  今後とも、患者やその家族の目線に立ちながら、がん対策を推進してまいります。  児童虐待の防止対策についてお尋ねがありました。  多くの幼い命が今も虐待によって奪われている現実があります。子供たちの命を守るのは、私たち大人全員の責任です。  児童虐待防止対策に政府一体となって取り組むため、昨年七月の関係閣僚会議において緊急総合対策を決定し、自治体の取組に対する警察の全面的バックアップや、子供の安全確認など、全ての子供を守るためのルールの徹底を図りました。  さらに、昨年十二月には児童相談所強化プランを前倒しして見直し、新たなプランのもとで、児童福祉司を二千人程度増員するなど児童相談所の体制の抜本的拡充や、全市町村への身近な相談拠点の設置などを進めてまいります。  何よりも子供の命を守ることを最優先に、あらゆる手段を尽くし、やれることは全てやるという強い決意で、児童虐待の根絶に向けて総力を挙げてまいります。  米政策と農林水産物の輸出拡大についてお尋ねがありました。  安倍内閣では、これまでの米政策を見直し、行政による米の生産数量目標の配分をやめて、農家がみずからの経営判断で作物をつくれるようにするとともに、麦、大豆、飼料用米など、需要のある作物の生産振興を進めてきました。  これにより、米の取引価格は着実に回復しています。生産農業所得も三年連続で増加するなど、着実に成果があらわれ始めています。  今は、こうした取組を支援し、安倍内閣で進めてきた米政策を定着させることが何よりも重要です。農家の皆さんに安心して生産していただけるよう、飼料用米を含めた水田活用の直接支払交付金による支援について、引き続きしっかりと行っていく決意です。  農林水産物・食品の輸出拡大に向けて、安倍内閣では、海外での需要拡大、輸出拠点の整備、諸外国の輸入規制の撤廃、緩和に向けた働きかけ等を強力に進めてきました。輸出額は五年連続で過去最高を更新し、輸出目標一兆円も、もう手の届くところまで来ました。  TPP11や日・EU・EPAの発効を契機に、この流れにさらなる弾みをつけるとともに、輸出額一兆円目標の達成に向けて全力で取り組んでまいります。おいしくて安全な日本の農林水産物を世界に売り込んでいく決意です。  林業再生についてお尋ねがありました。  我が国の森林は、戦後植林されたものが本格的な利用期を迎えていますが、十分に利用されず、また、適切な森林管理も行われていないという課題に直面しています。  このため、森林バンクを創設し、意欲と能力のある経営者に森林を集約するとともに、経済ベースに乗らない森林については市町村が公的に管理することなどを通じ、森林整備をしっかりと加速させていきます。あわせて、山崩れを防ぐ治山事業についても、今後三年間で集中的に進めていきます。  また、国産材の新たな需要創出も待ったなしで進めなければなりません。公共建築物の木造化など、国産材の利用拡大に向けて、政府一体となって取り組んでまいります。  新たに創設する森林環境税も活用し、こうした林業改革を推し進め、切って、使って、植えるというサイクルを定着させることで、林業を再生し、次世代へ豊かな森林を引き渡してまいります。  毎月勤労統計についてお尋ねがありました。  毎月勤労統計について、不適切な調査が行われ、セーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわび申し上げます。  高い専門性と信頼性を有すべき統計分野において、長年にわたって誤った処理が続けられ、それを見抜けなかった責任については、重く受けとめています。  また、今般、その他の基幹統計についても緊急に点検を行いましたが、手順の誤り等の問題があったことは遺憾であり、速やかに是正の措置を講ずることとします。  引き続き、統計の信頼回復に向け、統計委員会に新たな専門部会の設置を要請し、基幹統計に加えて一般統計についても徹底した検証を行い、再発防止に全力を尽くしてまいります。  また、雇用保険、労災保険などの給付の不足分については、できる限り速やかに、簡便な手続でお支払いできるよう、万全を期して必要な対策を講じていきます。  現に雇用保険等の給付を受給している方については、三月から順次、本来支給すべき金額で今後の支給を開始する予定です。(拍手)     〔議長退席、副議長着席〕     ―――――――――――――
  14. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 玉木雄一郎君。     〔玉木雄一郎君登壇〕
  15. 玉木雄一郎

    ○玉木雄一郎君 国民民主党代表の玉木雄一郎です。  国民民主党・無所属クラブを代表し、安倍総理に質問いたします。(拍手)  まず冒頭、一点申し上げます。  この代表質問、タブレット端末を持ち込んでやらせていただきたいとお願いしましたが、認めてもらえませんでした。議場の皆さん、もう平成の時代が終わろうとしています。国会のペーパーレス化のためにも、こうした古いルールを改めて、ペーパーレス化を進めていこうではありませんか。  さて、私たち国民民主党は、共生を理念として掲げる改革中道政党です。「つくろう、新しい答え。」を党のキャッチフレーズに掲げ、新しい時代へ進む新しい解決策を提案していきます。また、右か左かといった二元論的な対立を乗り越え、社会全体を包み込む温かさを持って、野党勢力の結集に尽力してまいります。  質問に入ります。  総理の演説を聞きましたが、憲法改正は一番最後にたった三行。日ロ交渉も四行だけで、北方領土という言葉さえ見当たりません。拉致問題に至ってはたった二行。安倍総理がことし十一月二十日まで続けば、桂太郎首相を抜いて憲政史上最長との話もありますが、憲法改正にしても、日ロ交渉にしても、拉致問題にしても、順調に進んでいるようには見えません。  安倍総理、総理が任期中に一番やりたいことは何ですか。まず伺います。  さまざまな課題が行き詰まっているからこそ、都合のいい数字だけつまみ食いし、時にはかさ上げまでして、都合よく成果を宣伝することばかりに腐心しているように見えます。しかし、庶民に戦後最長の景気回復の実感は全くありません。  例えば、総理は子供の貧困が改善したと胸を張っていますが、依然として、一人親家庭の相対的貧困率は五〇%を超えています。総理、御存じですか。  また、現役世代の生活保護世帯が八万世帯減ったと演説ではありましたが、この間、生活保護世帯の半数以上を占める高齢者の受給世帯は増加の一途をたどり、安倍政権になってから約二十万世帯もふえています。総理、御存じでしょうか。  働く現役世代にとっても、五十代以降に教育費と介護費を同時に負担しながら自分の老後の備えをすることは相当厳しいものになっています。現に、安倍政権六年間で、年収三百万の世帯で、収入から税などを除いた実質可処分所得は約二十万円減少、年収四百万で、約二十五万円減少しています。  総理、都合のいい数字だけを並べて国民生活の厳しい現状から目を背けることは、もうやめませんか。国会は、あなたの自慢話を聞く場ではなく、厳しい国民生活に向き合い、その解決策を導き出していく場です。そして、都合のいい数字で飾り立てるために役所のそんたくと不正が招いた結果が、今回の毎月勤労統計の問題ではないでしょうか。  昨年六月に名目賃金の伸び率が公表された際、二十一年ぶりの高い伸び率と報道されましたが、今回の統計不正が発覚し、再集計では当初発表の三・三%から二・八%に下方修正されました。  さらに、学識経験者から構成される中立の第三者機関である総務省統計委員会は、景気指標としては、再集計した二・八%より、同じ企業サンプルを比べた参考値の一・四%の方が実態に近く、重視すべきだとしています。これは、皆さん、当たり前です。違う人間の身長を比べて背が伸びたと言っているような数字に意味は全くありません。  総理に伺います。  昨年六月に名目賃金が二十一年五カ月ぶりの高い伸び率だったという主張を撤回しますか。  さらに、物価上昇を差し引いた実質賃金の伸び率を試算すれば、昨年六月は更に低くなり、〇・六%となります。かつ、六月以外の参考値はマイナスとなります。ということは、同じ企業サンプルを比べたら、つまり同じ人間の身長を比べたら、昨年一月から十一月の期間における実質賃金の伸び率は、結局マイナスだったのではないですか。昨年一月から十一月までの物価上昇を差し引いた実質賃金の伸びは、具体的に何%になるのか。少なくとも、プラスなのかマイナスなのか、明確な答弁を求めます。  二十一年ぶりの高い伸び率と公表された年の実質賃金の伸びが実はマイナスだったということになれば、事態は極めて深刻です。これはまさに、賃金偽装、アベノミクス偽装といった深刻な大問題です。  厚労省による調査は、第三者とは名ばかりのお手盛り調査でした。根本大臣は、二十四日の国会第三者調査について間違った答弁をしていたことを昨日認めました。しかも、根本大臣は、昨年十二月二十日に報告を受け、徹底調査を指示したとしていますが、統計の不正を知りながら、翌二十一日に予算案の閣議決定にサインをしたことになります。安倍総理、根本大臣を罷免すべきではありませんか。  また、麻生大臣は、上がっていないと感じる人の感性といった言い回しをしましたが、実質賃金が上がっていないのは感性の問題ではなく、まさに事実そのものだったわけです。予算の修正を余儀なくされたことも含め、麻生財務大臣も謝罪すべきではありませんか。  そして、統計不正によって、雇用保険の失業給付などの支払い不足が発生しています。本来必要な人に支払われるべきお金が支払われていません。  政府は、追加給付額として約七百億円を計上していますが、平成十六年から平成二十三年については、もとのデータが破棄されて、ありません。ですから、本来支払うべき正確な額は不明のままです。  その意味で、追加給付額には確たる根拠がありません。根拠のない追加給付額を計上した修正予算をもとに議論することはできません。データを全て探し出して不正の全容を解明するのが先であり、その上で予算の修正案を提出するべきではありませんか。根拠のない支出を含んだ欠陥予算案を国会で審議することはできないはずです。総理の見解を求めます。  安倍政権が発足してからもう六年。大規模な金融緩和に頼った経済政策に限界が来ていることは明らかです。総理はいまだにデフレは貨幣現象だと信じているんでしょうか。それとも、デフレの原因はほかにもあると考えを変えたのでしょうか。お答えください。  マイナス金利の導入もあり、地方銀行の収益が極めて悪化しています。地方銀行の収益が悪化すれば、地方経済にも大きな影響を与えます。地方銀行の収益悪化の影響をどのように考えているのか、総理の認識をお答えください。  また、企業の内部留保が五百兆円にも上る一方で、企業が生み出した付加価値を労働者にどれだけ還元しているのかを示す労働分配率は下がっています。働く人にもっと還元されるべきです。  私は、労働分配率を上げた企業の法人税率を引き下げると同時に、必要以上に多額の内部留保を持つにもかかわらず労働分配率が低い企業の法人税率を上げる労働分配促進税制を導入すべきだと考えますが、総理の見解を伺います。  グーグルやアマゾンといったGAFAなど、プラットフォーマーと言われる巨大IT企業のひとり勝ち状況が進み、一部の企業は、実質的に日本で上げた収益を他国に移しかえることで、本来日本で払うべき法人税を払っていません。また、優越的地位の濫用と見られるケースも散見されます。  これら巨大IT企業への課税や独占禁止法の適用をEU並みに厳格化すべきと考えますが、総理の見解を伺います。  今、企業には大量の個人データが集まっています。そんな中、ポイントカード大手のTカードを運営する会社が、裁判所の令状なしに会員情報や利用履歴を捜査当局に提供していたことが明らかになりました。  公文書や統計データ改ざんする信頼できない政府が、膨大な個人情報を収集し、国民思想、信条も含めたプライバシーを監視するという恐ろしい社会になるのではないか、危機感を覚えている国民も多いと思います。  裁判所の令状なく捜査当局が個人情報の提供を受けている企業は、Tカードの運営会社を含め、現在何社あるのか、総理の明確な答弁を求めます。  東京オリンピック・パラリンピックの招致に関して、フランス当局から贈賄の容疑がかけられています。  疑惑を払拭し、世界から祝福される大会にするためにも、政府としても、日本オリンピック委員会、JOCの調査をうのみにせず、JOC竹田会長や電通などの関係者から事情を聞くなど、全容を解明すべきではありませんか。また、国内法では必ずしも禁止されていないIOC委員等への贈賄行為を明確に禁止する法改正を行うべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。  原発については、福島第一原発事故以降、安全対策費用が高騰し、イギリストルコも断念の方向となり、原発輸出は事実上全て頓挫しました。  今後、再生可能エネルギーのコストが低下する中で、輸出に限らず、国内においても、民間企業の経済合理性に基づく民営原発は難しくなってきているのではないでしょうか。総理の認識を伺います。  地方と中央の格差が広がっているのもアベノミクスの弊害です。  安倍総理は、農林水産業が万事うまくいっているように演説しましたが、地方の実態は違います。人口減少は底が抜けるように進み、空き家、耕作放棄地、鳥獣対策、この三点セットが加速する一方です。総理、地方の現状が本当に見えているのでしょうか。  こうした流れに歯どめをかけるため、国民民主党は、市場原理を重視する産業政策としての農業だけではなく、農業や農地の持つ多面的機能を重視する地域政策としての農業にもっと力を入れてまいります。  具体策として、かつての農業者戸別所得補償制度を改良し、GAPなど環境や食の安全に配慮した農法を採用する農家には新型の加算措置を講じ、加えて、地域ごとの生産コストを踏まえた地域別の支払い単価を導入する新たな所得補償制度を提案いたします。総理の見解を伺います。この新たな所得補償制度の導入によって、安心して営農継続できる環境を整え、農村集落の衰退に歯どめをかけていきたいと思います。  また、物流コストの低減を通じて地方経済の活性化にも資する政策として、高速道路料金の値下げを提案します。  現在は、やがて無料になることを前提に高い料金設定となっていますが、永久有料制度とすることにより、その分の安定永続収入が見込まれ、料金値下げの原資ともなります。この永久有料制度への移行による料金値下げを検討すべきだと考えますが、総理の見解を伺います。  地方では、深刻な人手不足が発生しています。しかし、四月に施行される新制度では、特定技能外国人は転職の自由があります。そのため、給与の高い地域に人が集中し、結局、地方の人手不足は解消しないとの懸念がありますが、昨年十二月に閣議決定された基本方針を見ても、具体策が全くありません。これで給与の高い都会への集中を一体どうやって防ぐのか、具体策について総理に伺います。  人口減少を国難と呼ぶ割には、安倍政権の取組はかけ声倒れと矛盾に満ちています。  例えば、待機児童問題。当初、二〇一七年度中に待機児童ゼロと言っていたのに、突如、達成期限を三年延ばして二〇二〇年度としたのは記憶に新しいところです。総理は、待機児童ゼロの目標は必ず実現いたしますと演説の中で力を込めて述べましたが、その期限は二〇二〇年度末で変わらないのか、確認したいと思います。  幼児教育の無償化によって保育ニーズが高まり、むしろ待機児童問題は悪化するのではないかとの指摘もあり、更に目標が先送りされる永遠の道半ばになることを心配します。この質問は、大学生からぜひ聞いてほしいと頼まれた質問ですので、はぐらかさずにお答えください。  少子化の原因の一つは、経済的理由から子供を諦めてしまうことですが、その解決策として、私は、第三子に一千万円給付というコドモノミクスをかねてから主張しています。  金額だけ聞くとびっくりするかもしれませんが、現在の児童手当をベースとして、第一子には月一万円、第二子には月二万円、第三子以降には月四万円を給付すれば、第三子には、十八歳の成人になるまで累計八百六十四万円、約九百万円が支援されることになります。追加の財源も約一兆円程度で始められます。我が国最大の課題が少子化、これを乗り越えるのであれば、異次元の金融緩和ではなく、例えば第三子一千万のような異次元の子育て政策を講じるべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。  人生百年時代といいますが、多くの人は百歳まで生きることに不安を感じています。政府が現在検討しているように、現役世代を延長し、仮に七十歳まで働き続けるとして、その後の人生がまだ三十年あります。生活を支える最低限の所得の確保が重要です。来年度から、低所得年金者向けに、民主党政権時代に決めた最高月額五千円、年間六万円の福祉給付制度が始まります。一歩前進ですが、まだまだ不十分だと思います。  私たち国民民主党は、安定財源の確保を前提に、年金の最低保障機能を更に高め、人間としての尊厳ある生活を全ての高齢者に保障する、高齢者向けのベーシックインカムとしての最低保障年金制度や、高齢者向け住宅などのベーシックサービスを提供する総合的な政策を導入していく方針です。貯金がゼロでも不安がゼロ、これが私たち国民民主党が目指す社会像です。  総理、今からでも間に合います。軽減税率は撤回しましょう。混乱しか生み出しません。軽減税率の適用、不適用の線引きは国民にとってわかりにくく、また、免税となっている事業者が取引から排除されかねません。軽減税率は、廃業促進税制となりかねないのです。そして、何より、不公平きわまりない。  具体的に総理に伺います。  なぜ、宅配の新聞には軽減税率が適用され八%の一方で、同じ中身の新聞でも、駅売りやコンビニで買えば一〇%、そして電子版を読むと一〇%。意味がわかりません。その理由を明確にお答えいただきたいと思います。  安倍政権は、五%ポイント還元やプレミアム商品券といった小手先の対策ばかりに熱心で、議員定数の削減や税金の無駄遣いの徹底など、本来やるべきことをやっていません。いわゆる逆進性対策も、軽減税率ではなく、所得税の減税と年金額の上乗せといった給付の組合せでやることが最もわかりやすく効果があることは、この議場におられる多くの方は理解しているはずです。  しかも、安倍総理は、今回消費税を引き上げた分は全部お返しし、更にお釣りが来ると言いましたが、そんなことをするなら増税をやめた方がましです。  二〇一二年に民主党、自民党、公明党合意をした社会保障・税の一体改革の精神は、安倍総理によって完全に踏みにじられてしまいました。残念でなりません。  次に、外交・安全保障政策について聞きます。  三月にも開始される日米通商交渉では、日本から輸出される自動車の数量規制を求めてくる可能性が高いです。  しかし、数量規制は、最も自由貿易を阻害し、ガット第十一条違反になり得ます。WTO体制を遵守し、自由貿易の旗を高く掲げるというなら、米韓FTAやメキシコカナダとの貿易協定においてアメリカから求められた自動車の数量規制だけは絶対に容認しないこと、ここで総理に明言してもらいたいと思います。これを受け入れてしまえば、日本の自動車産業はがたがたになってしまいます。  日ロ関係について伺います。  私は、昨年、一つの現実的な解決策として、一九五六年の日ソ共同宣言を土台とした交渉を提案いたしましたが、交渉がロシアペースになっているように見えます。  そこで、安倍総理の日ロ交渉の基本方針について伺います。  まず、総理の言う日ソ共同宣言を基礎としてという意味は、二島先行返還ではなく、国後島択捉島は永久に返ってこない、二島のみという意味でしょうか。もしそうなら、それはこれまでの日本政府の方針とは大きく異なるものになり、明確に国民に説明すべきではないでしょうか。  国後島択捉島の帰属は日本にあるのかロシアにあるのか、総理の考えを明確に示していただきたいと思います。  さらに、総理が年頭記者会見で、ロシアの住民の方々に、日本に帰属が変わることについて納得、理解していただくことも必要だと述べたことにロシアが抗議をしましたが、島の帰属がロシアにあることを前提にしたような発言は、日本国総理大臣としては不適切であります。  総理は、色丹島の帰属さえ既にロシアにあると認めて交渉を継続されているのですか。色丹島の帰属は日本にあるのかロシアにあるのか、総理の考えを明確にしていただきたいと思います。  あわせて、歯舞群島の帰属についても、総理の考えを明確に示していただきたいと思います。  アメリカは、高速大容量の5G技術で先行するファーウェイ社など中国製品を米国の息のかかった経済圏から排除する、いわゆるデカップリング政策を同盟国に求め、世界の経済圏を分断するような状況になっています。  日本は、安全保障上のリスクを理由に、情報通信機器の政府調達からこれらの製品を排除することを決めましたが、ドイツフランスは必ずしも排除を決めていません。  日本は、何を根拠に中国製品の排除を決めたのでしょうか。情報窃取の可能性がある機器を特定しているのでしょうか。  日本は中国との経済的結びつきが強く、また、自由貿易の旗を高く掲げるとした日本が米国の政策に単につき合うだけでいいのか、安倍政権の戦略を伺いたいと思います。特に、アメリカのデカップリング政策の日本経済への影響、とりわけ日中貿易への影響をどのように分析しているのか、明確な答弁を求めます。  いわゆる徴用工判決、火器管制レーダー照射など、我が国にとっては受け入れがたい問題です。今、日韓関係は大変厳しい状況にあると認識しています。だからこそ、日本の主張をはっきりと伝え、しっかりと対話をすべきではありませんか。  しかし、総理は演説で、こうした困難な問題についての言及を避け、なぜ韓国スルーをしたんですか。レーダー照射問題について、問題解決の責任があるのは韓国側だと考えますが、日本政府としては、今後、どのように対応していく方針なんでしょうか。もう何もしない方針なんですか。総理の答弁を求めます。  韓国スルーだけではなく、北朝鮮問題解決に向けた熱意も感じられませんでした。  昨年八月、韓国政府は、国連禁輸品の北朝鮮産の石炭を韓国に密輸することに加担していたとして、外国籍貨物船四隻の入港を禁止しました。一旦ロシアのサハリン港に寄って、ロシア産として韓国の港に運んだケースです。  しかし、実は、これら四隻の船は、日本の港には自由に出入りしています。国連制裁違反貨物船舶が、何らの制裁を受けることなく日本の港に入港しています。日本には実効性ある形で取り締まる国内法がないために、韓国でさえできている国連制裁の執行ができていないのです。なぜ放置したままなのか。  安倍総理、北朝鮮に対して威勢のいいことを言うばかりではなくて、制裁逃れを許さないよう、穴を埋める法整備を急ぐべきではないでしょうか。総理の見解を伺います。  先日、一昨年十二月に米軍機からの部品落下事故があった緑ケ丘保育園を訪問しました。そのとき、あるお母さんから、沖縄の子供たちの命は本土の子供たちの命より軽いんですか、そう言われました。このお母さんの言葉に対して、私たち政治家は何と言えばよいのですか。国民の生命と財産を守るべき政府はどう応えるべきなのか。胸をえぐられる思いでした。  国民民主党は、昨年十二月二十六日、日米地位協定の改定案を取りまとめました。主権が大幅に制限された、治外法権とも思われる状況は、主権国家として一日も早く改めるべきだと提案しています。  そこで、まず、総理に、在日米軍に対する国内法の適用に関する原則について伺います。  政府は、本年一月一日、地位協定に関する外務省ホームページ上での説明を突如変更しました。政府は、本年一月一日、これまで政府が、一般国際法を根拠に、在日米軍には国内法が適用されないと説明していましたが、年明けの修正で、この一般国際法という記述を削除し、軍隊の性質に鑑み、免除されるという説明に変えました。なぜ修正したんですか。また、この修正によって、在日米軍にも、原則、国内法が適用されることに変わったのか、総理の明確な答弁を求めます。  日本の主権を守り、日本の子供たちの安全を守るために、単なる運用改善ではなく、地位協定そのものの改定をすべきだと考えますが、日米地位協定改定に向けた総理の思いを伺います。  新防衛大綱について伺います。  「いずも」を事実上空母化し、ヘリコプターのかわりにF35Bを積んだ場合、「いずも」の本来の任務であった対潜水艦の哨戒活動に支障は生じないんでしょうか。総理の明確な答弁を求めます。  また、中国やロシアが開発していると言われている、音速の五倍で飛行し、探知と迎撃が困難な極超音速ミサイルは、イージス・アショアで迎撃できるんですか。総理の見解を伺います。  ロシアは今年中にも実戦配備すると言っていますが、イージス・アショアが無力化することにはなりませんか。そもそも、イージス・アショアが実際に迎撃できるようになるのはいつなんですか。また、運営費を含めた総コストはどの程度になると考えているのか、総理の明確な答弁を求めます。  憲法改正国民投票について、国民民主党は、CM規制を含め、資金力が国民投票に与える影響を最小化するための法案を提出済みです。業界の自主規制ではなく、法律に基づくCM、広告規制を導入すべきです。憲法審査会で積極的に議論を進めていきたいと思っています。  国民民主党は、立憲主義の観点に立ち、憲法改正議論には真摯に向き合っていきますが、自民党の条文イメージにおける九条改憲案では、単に自衛隊を明記するだけではなく、制約のない自衛権の拡大を認める内容になっており、こうした案に国民民主党は反対です。  そもそも、総理が主張してきた、何も変わらないとする自衛隊明記案と、いわゆる自民党の九条の条文イメージは果たして同じなんですか、違うんですか。明確な答弁を求めます。  総理は、自民党の条文イメージでも、自衛隊が行使する自衛権の範囲は全く変わらず、拡大しないと考えているのか、明確な答弁を求めます。  今上陛下は、昭和五十八年、御自身の五十歳の誕生日の際に、論語の一節を引いて次のように述べられました。  好きな言葉に、忠恕があります。自己の良心に忠実で、人の心を自分のことのように思いやる精神です。この精神は一人一人にとって非常に大切であり、さらに、日本国にとっても忠恕の生き方が大切ではないかと感じています。  ことし五月に即位される予定の皇太子殿下も、同じ五十歳の誕生日に、今上天皇のこの言葉を引用されました。  私たち国会議員も、この忠恕の精神を持って、国民の期待に応える論戦を国会で展開していくことが必要ではないでしょうか。  その意味で、総理には改めて、正直で誠実な答弁を、とりわけ、野党の質問の先にも多くの国民の声があるということに思いをはせて答弁いただくことを求めたいと思います。  また、野党各党各会派の同僚議員にも、さまざまな思いを乗り越え、自民党にかわるもう一つの選択肢をつくるため、大同団結することを呼びかけたいと思います。  なお、総理の答弁が不十分な場合には、再質問、再々質問をさせていただくことを申し添え、私の質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
  16. 安倍晋三

    ○内閣総理大臣(安倍晋三君) 玉木雄一郎議員にお答えをいたします。  まず最初に、総理大臣として一番したいことは何かとのお尋ねがありました。  自分がやりたい仕事だけをやるという姿勢では、国民の負託に応えることはできません。内政、外交にわたる幅広い政策課題に、いかに困難であろうとも真正面から取り組むことが、総理大臣としての、また責任ある政党のリーダーとしての私の職責であると考えます。  少子高齢化、激動する国際情勢、山積する全ての課題に対し、引き続き、我が国の未来をしっかりと見据えながら、この議場にいる自民党、公明党の同僚議員とともに全力で取り組む決意であります。  毎月勤労統計の実質賃金についてお尋ねがありました。  毎月勤労統計について、不適切な調査が行われ、雇用保険、労災保険といったセーフティーネットへの信頼を損なう事態を招いたことについて、国民の皆様におわびを申し上げます。  今回の再集計により下方修正となった平成三十年の毎月勤労統計の各月の伸び率の数値のみをお示ししてアベノミクスの成果であると強調したことはこれまでなく、したがって、昨年六月の数値について、私が二十一年五カ月ぶりの高い伸び率との主張を行ったことはありません。  また、議員御指摘の平成三十年の参考値については、今回の再集計でそれほど大きな影響を受けていないものと承知しており、そのことがこれまでの賃金動向に関する判断に影響を与えるとは考えていません。  なお、参考値をベースとした実質賃金の算出が可能かどうかについては、担当省庁において検討を行っているものと承知しています。  いずれにしても、連合の調査においては、五年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが継続しており、現時点において、所得環境は着実に改善しているとの判断に変更はありません。  毎月勤労統計の事案に関する根本大臣の責任についてお尋ねがありました。  根本大臣は、十二月二十日に事実を把握した後、必要な指示を行いつつ、全力で対応に当たってきたものと認識しております。  また、厚生労働省の答弁に一部誤りがありましたが、国会における御審議においては、常に緊張感を持って正確な答弁を心がけるべきと認識しています。  根本大臣には、引き続き、不足した給付の速やかな支払いや今回の事案の徹底した検証、再発防止の先頭に立って全力で取り組んでいただきたいと考えています。  毎月勤労統計事案により行う追加給付を含む予算案についてお尋ねがありました。  不適切な調査が行われた期間の追加給付額の算定に当たっては、再集計された毎月勤労統計のデータを基礎として行うことを原則としていますが、必要なデータの一部の存在が確認できていない期間についても給付を行う必要があります。  この期間については、残されたデータから給付のための推計値を計算し、不足分の給付を行うこととしています。  三十一年度予算においては、そのための予算を計上したところですので、何とぞ速やかに御審議いただくことをお願い申し上げます。  追加給付については、できる限り速やかに、簡便な手続でお支払いできるよう、万全を期して必要な対策を講じてまいります。  デフレの認識についてお尋ねがありました。  従来から申し上げているとおり、デフレはさまざまな原因があるものの、基本的には貨幣現象であり、デフレ脱却において金融政策が大きな手段であるという考えに変わりはありません。  政権交代後、デフレ脱却に向けて、金融政策を含めたアベノミクスの三本の矢で取り組み、名目GDPは一割以上成長し、もはやデフレではないという状況をつくり出しました。  経済の好循環は着実に回り始めており、民需主導の力強い経済成長が実現し、デフレ脱却への道筋を確実に進んでいます。  引き続き、政府、日本銀行で緊密に連携しながら、あらゆる政策を総動員して、デフレ脱却、そして力強い成長を目指してまいります。  地域銀行の収益悪化の影響についてお尋ねがありました。  現時点において、地域銀行の資本基盤は充実しておりますが、その経営環境は、低金利環境の継続や人口減少等の影響により、年々厳しさを増しています。  政府としては、地域経済において重要な役割を担っている地域銀行が、将来にわたる健全性を確保し、金融仲介機能を継続的に発揮することを通じて地域経済に貢献し続けるよう促してまいります。  企業に対する法人課税についてお尋ねがありました。  安倍政権においては、企業の収益力拡大に向けた前向きな投資や継続的な賃上げが可能な体質への転換を促すため、課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げるとの考え方のもと、法人税改革を行ってまいりました。  さらに、平成三十年度税制改正において、過去最高の企業収益をしっかりと賃上げや設備投資につなげていくため、賃上げ等に積極的な企業の税負担を引き下げる一方、収益が拡大しているにもかかわらず賃上げや投資に消極的な企業には研究開発税制などの適用を停止するなど、めり張りをつけた見直しを行ってきたところであります。  政府としては、こうした改正を既に行ってきており、企業の積極的な賃上げや投資等が行われ、経済の好循環に寄与することを期待しているところです。  巨大IT企業への課税や独占禁止法の適用についてお尋ねがありました。  経済の電子化に伴う課税上の課題については、二〇二〇年までにグローバルな解決策を取りまとめるべく、OECDを中心として国際的に議論を進めているところです。  我が国は、G20議長国として、解決策の合意に向けた国際的な議論に貢献していくとともに、国内においても、他国の動向を注視しつつ、適切な対応を検討してまいります。  また、独占禁止法の運用については、昨年十二月に、プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備のために、関係省庁が基本原則を定め、公表しており、現在、これに沿って具体策の検討を進めているところです。  捜査機関による捜査情報の収集についてお尋ねがありました。  政府としては、捜査機関が刑事訴訟法に基づいて行った照会結果を把握する立場にはなく、お尋ねの企業数をお答えすることは困難です。  なお、捜査機関においては、法令に基づき適切に職務を遂行しているものと承知しております。  オリンピック・パラリンピック東京大会の招致をめぐる問題についてお尋ねがありました。  東京大会の招致活動に関し、当時、招致委員会の理事長であったJOC竹田会長からは、昨年末、フランスの担当判事からヒアリングを受けたが、不正なことは何もしていない旨説明したとのコメントが示されているものと承知しています。  当時の招致活動の具体的な内容については、招致委員会の主体となっているJOCと東京都が説明責任を果たしていく必要があると考えています。  政府としては、引き続き、フランス当局による司法手続などの動向を注視することとし、仮に今後、何らかの対応が必要となった場合には適切に対処してまいります。  また、御指摘のIOC委員等への贈賄行為については、国際スポーツ界において、IOCの倫理規程により禁止されており、違反した場合には制裁措置が科されることとなります。さらに、国内法によって処罰の対象とするか否かについては、他の刑罰とのバランスなど、慎重な検討を要するものと考えます。  原発の経済合理性についてお尋ねがありました。  経済合理性があらゆるプロジェクトの大前提であることは言うまでもありませんが、原発の建設などに伴うコストは、各国の立地環境や国内制度、経済情勢などによって異なるものであり、一概に申し上げることはできません。  その上で、我が国においては、現在、多くの原発が停止している中で、震災前に比べ、一般家庭では平均で約一六%電気代が上昇し、国民の皆さんに経済的に大きな御負担をいただいている現実があります。  資源に乏しい我が国にとって、こうした経済的なコストに加え、気候変動問題への対応、エネルギーの海外依存度を考えれば、原子力技術という選択肢を手放すことは責任あるエネルギー政策とは言えません。  当然、原発については、いかなる事情よりも安全性が最優先です。高い独立性を有する原子力規制委員会が、科学的、技術的に審査し、世界で最も厳しいレベルの新規制基準に適合すると認めた原発のみ、その判断を尊重し、地元の理解を得ながら再稼働を進めるというのが政府の一貫した方針です。  農業者戸別所得補償制度についてお尋ねがありました。  旧戸別所得補償制度については、全ての販売農家を対象に交付金を支払うものであったことから、担い手への農地の集積ペースをおくらせる面があったと考えています。  また、十分な国境措置がある米については、交付金を交付することは、他の農産物の生産者や他産業、納税者の理解を得がたい等の課題があります。  そして、何よりも、主食用の米は需要が年々減少しています。旧戸別所得補償制度のように米への助成を基本にするのであれば、仮に加算措置や地域別の支払い単価を導入したとしても、米の過剰作付を招き、需要のある作物への転換は進みません。それでは農家の所得向上にはつながりません。  このため、安倍内閣では、旧戸別所得補償制度は廃止し、麦、大豆、飼料用米といった需要のある作物の生産振興による農地のフル活用など、前向きな政策を強化してまいりました。同時に、日本型直接支払制度を創設し、中山間地域に対する直接支払いなど、地域を元気にする施策を展開しています。  これにより、生産農業所得は三年連続して増加して九千億円も拡大するなど、着実に成果があらわれ始めています。  安倍内閣では、引き続き、農林漁業者の皆様と真摯に向き合い、改革の成果も丁寧に説明しながら、強い農林水産業と美しく活力ある農山漁村の実現に向けた施策を強力に展開してまいります。  高速道路の永久有料制度についてお尋ねがありました。  我が国の高速道路は、その建設や維持管理に要する費用を利用者からの料金収入で賄い、債務の償還満了後は無料開放することを原則としています。  この債務の償還に関し、平成二十六年の道路法改正時の附帯決議においては、償還期間の短縮や償還満了後の利用者負担のあり方などを検討することとされています。  現在、国土交通省において、これらの課題について検討しているところであり、利用者の理解といった点にも留意しながら議論を深めてまいります。  新たな外国人材の大都市圏等への集中防止策についてお尋ねがありました。  新たな受入れ制度の運用に当たっては、人材が不足している地方の状況に配慮することが極めて重要であると認識しています。  こうした観点から、政府としては、地方で就労するメリットの外国人への周知、外国人の地方定着を促進する優良事例の受入れ機関や地方自治体への紹介、地方自治体の外国人受入れに係る先導的な取組に対する地方創生推進交付金による支援などの取組を行ってまいります。  また、受入れ機関が参加する分野別の協議会を設け、地域ごとの外国人の就労状況を把握するとともに、過度な集中が認められた場合には、受入れ機関に対して受入れ自粛の要請を行うなどの措置を講じることにより、大都市圏等に外国人が過度に集中することを防止してまいります。  待機児童ゼロの目標の期限についてお尋ねがありました。  待機児童の解消は待ったなしの課題であり、最優先で取り組んでいきます。  二〇一八年四月時点の待機児童は、前年より約六千人の減少となり、十年ぶりに二万人を下回りました。  子育て安心プランによる必要な保育の受皿三十二万人分については、二十五歳から四十四歳までの女性の就業率が二〇二二年度末に他の先進国並みの八割まで上昇することを想定して、必要な整備量を推計したものです。  したがって、今後、さまざまな要因によって保育ニーズの増大があったとしても、十分対応可能なものとなっています。  引き続き、子育て安心プランに基づき、二〇二〇年度末までに待機児童を解消するために全力で取り組んでまいります。  少子化対策についてお尋ねがありました。  世界で最も速いスピードで進む少子高齢化を克服するためには、もはや、これまでの政策の延長線では対応できない。次元の異なる政策が必要です。  そのため、我々は、消費税率引上げ分の使い道を変更し、年間約八千億円を投じ、本年十月より、三歳から五歳までの全ての子供たちの幼児教育の無償化をすることとしました。  これは、子育てや教育に係る費用負担の軽減を図るという少子化対策と、生涯にわたる人格形成の基礎やその後の義務教育の基礎を培う幼児教育、保育の重要性に鑑み行うもので、小学校、中学校九年間の普通教育無償化以来、実に七十年ぶりの大改革であります。  こうした次元の異なる政策を実行することにより、子供たちの教育に係る負担を大幅に軽減し、日本を、子供たちを産み育てやすい国へと大きく転換をしていく、そのことによって希望出生率一・八の実現を目指します。  軽減税率制度についてお尋ねがありました。  定期購読契約に基づく新聞については、日常生活における情報媒体として、全国あまねく均質に情報を提供し、幅広い層に日々読まれていること、この結果、新聞の購読料に係る消費税負担は逆進的になっていること等の事情を総合勘案し、軽減税率の適用対象としたところです。  他方、駅売りの新聞については、必ずしも日々の生活の中で幅広い層に読まれているとは言えないこと、さらに、電子版の新聞については、他のインターネット上の情報提供サイトとの間で合理的かつ明確な線引きが困難であること等から、軽減税率の適用対象とはしなかったところです。  いずれにせよ、具体的な税率の適用の事例も含め、軽減税率制度の周知、広報等に全力を尽くし、円滑に実施できるようにしてまいります。  日米通商交渉と自動車の数量規制についてお尋ねがありました。  日本としては、いかなる協定もWTOルールに整合的であるべきと考えます。自由で公正な貿易を歪曲する、管理貿易につながりかねない措置については反対であり、その旨は、昨年の日米共同声明に向けた協議の中で、茂木大臣からライトハイザー通商代表に明確に伝えているところです。  いずれにせよ、我が国として、国益に反するような合意を行うつもりはありません。  北方領土問題についてお尋ねがありました。  北方領土は、我が国が主権を有する島々です。この立場には変わりはありません。  日ロ間では、これまで、多くの諸文書や諸合意が作成されてきており、これらの諸文書や諸合意を踏まえた交渉を行ってきています。  その中でも、一九五六年の日ソ共同宣言は、両国の立法府が承認し、両国が批准した唯一の文書であり、現在も効力を有しています。  一九五六年の共同宣言の第九項は、平和条約交渉が継続されること及び平和条約締結後に歯舞群島、色丹島が日本に引き渡されることを規定しています。  従来から政府が説明してきているとおり、日本側は、ここに言う平和条約交渉の対象は四島の帰属の問題であるとの一貫した立場です。  その上で、交渉内容にかかわることや我が国の交渉方針、考え方については、交渉に悪影響を与えないためにも、お答えすることは差し控えます。  いずれにせよ、政府として、領土問題を解決して平和条約を解決するとの基本方針のもと、引き続き粘り強く交渉してまいります。  情報通信機器の政府調達についてお尋ねがありました。  サイバーセキュリティーを確保する上では、悪意のある機能が組み込まれた機器を調達しないようにすることが極めて重要です。  昨年十二月、政府は政府調達に関する申合せを行いましたが、これは各府省庁において特に防護すべきシステムとその調達手段を定めたものであり、特定の企業や機器あるいは特定の国を排除することを目的としたものではなく、他国政府の要請によるものでもありません。  米国による特定の政策が日本経済や日中貿易等にいかなる影響を与えるかについては、グローバルなサプライチェーンが複雑に絡み合う中で、一概に申し上げることは困難ですが、政府としては、引き続き、米中間での事態の推移及び日本も含めた他国への影響について注視していきます。  日韓関係についてお尋ねがありました。  旧朝鮮半島出身労働者の問題を始め、これまで日韓両国が築き上げてきた関係の前提すら否定するような動きが続いていることは大変遺憾です。政府としては、国際法に基づき毅然として対応していく考えであり、我が国の一貫した立場に基づき、主張すべきは主張し、韓国側に適切な対応を強く求めていきます。  その上で、今般の施政方針演説では、非難合戦のようになることは適切ではないと考え、韓国についての言及は、北朝鮮問題に関する連携のみにとどめました。  韓国軍艦によるレーダー照射事案等については、専門的、技術的観点から防衛当局間で協議が行われたところであり、この事案等に関する認識及び今後の対応については、これまで岩屋防衛大臣や防衛省が累次明らかにしているとおりです。  対北朝鮮措置についてお尋ねがありました。  御指摘の四隻の船舶が我が国の港に入港した際には、関係法令に基づき関係省庁が立入検査を実施してきており、これまでに、北朝鮮産石炭の運搬や国内法令に違反する事実は確認されていません。  その上で申し上げれば、我が国は、国連安保理の決議等で制裁措置の対象となっている船舶に加え、北朝鮮籍船舶及び北朝鮮に寄港歴のある船舶に対しても入港禁止措置を講じてきているところでありますが、今後とも、安保理決議の完全な履行及び実効性の観点から、我が国における対北朝鮮措置のあり方について不断の検討を続けてまいります。  日米地位協定についてお尋ねがありました。  御指摘の外務省ホームページについては、日米地位協定について国民の皆様によりよく理解していただけるよう、今般書きぶりを改定したものであり、この改定の前後で趣旨が異なるものではないと承知しています。  日米地位協定は大きな法的枠組みであり、政府として、事案に応じ、最も適切な取組を通じ、具体的な問題に対応してきています。  安倍政権のもとでは、環境及び軍属に関する二つの補足協定の策定が実現しました。国際約束の形式で得たこの成果は、日米地位協定の締結から半世紀を経て初めてのものです。  また、例えば、日本側に第一次裁判権がある犯罪の被疑者たる米国人、軍属の拘禁についても、日米合意に基づき、実際に起訴前に日本側への移転が行われてきています。  今後とも、このような目に見える取組を一つ一つ積み上げていくことにより、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいります。  「いずも」型護衛艦の改修とイージス・アショアについてお尋ねがありました。  「いずも」型護衛艦は、ヘリコプターの運用機能、対潜水艦作戦機能、指揮中枢機能、人員や車両の輸送機能、医療機能等を兼ね備えた多機能な護衛艦であります。  改修後は航空機の運用機能が加わることになりますが、航空機の運用は、有事における航空攻撃への対処、警戒監視、訓練、災害対処など、必要な場合に行うこととしています。  「いずも」型護衛艦については、今後とも、対潜水艦作戦を含め、さまざまな事態に応じて、保有する機能を十全に発揮できるよう、適切に運用していく考えです。  御指摘の極超音速ミサイルに対するイージス・アショアの対処能力については、装備品の個別具体的な性能に関する内容であり、我が国の手のうちを明らかにすることになるため、お答えは差し控えたいと思います。  イージス・アショアの運用開始時期については、来年度から五年間でシステム本体を製造し、その後、性能確認の試験や設置等の作業をできる限り速やかに行うべく米国と調整中である旨、防衛省から報告を受けています。  また、同様に、現時点で判明している経費は、取得経費に維持運用経費等を加え、約四千億円であり、今後、施設整備費その他の経費も含めた、いわゆるライフサイクルコストを確定させ、適切な時期に公表する考えであると報告を受けています。  憲法九条改正に関する自衛隊明記案と自民党の条文イメージについてお尋ねがありました。  憲法改正の内容について、内閣総理大臣としてこの場でお答えすることは差し控えさせていただきたいと思います。  その上で、お尋ねですので、私が自民党総裁として一石を投じた考え方についてあえて申し上げれば、現行の憲法第九条第一項及び第二項の規定を残した上で、自衛隊の存在を憲法に明記することであり、これによって自衛隊の任務や権限に変更が生じることはないものと考えています。  他方、御指摘の条文イメージを含め、現在、自民党の党内において行われている憲法改正をめぐる議論の状況や方向性についてお答えすることは差し控えたいと思います。  この案について当然議論したい、こう考えておられるのであれば、憲法審査会について自民党の議員とぜひ議論を交わしていただければ、このように思料いたします。  なお、自民党として、さきの総選挙で公約として掲げたのはあくまでも自衛隊の明記であり、御指摘のような自衛権の範囲の拡大を公約してはいないということは申し上げておきたいと思います。  憲法改正は、国会が発議し、国民投票により決められるものです。国会の憲法審査会の場において各党の議論が深められることを期待いたします。  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。(拍手)     〔国務大臣麻生太郎君登壇〕
  17. 麻生太郎

    ○国務大臣(麻生太郎君) 玉木議員から、賃金に関する私の発言について、一問お尋ねがあっております。  私は、昨年十二月、賃金に関連する記者からの質問への回答として、連合、労働組合総連合のことですが、連合の調査によれば、二%程度の高い水準の賃金アップが五年連続で実現している、また、そのとき、あわせて、業種差、地域差はある程度あるのだろうと思うと申し上げたところでありまして、これらは現在でも妥当するものだと考えております。  一方、今回、毎月勤労統計において不適切な取扱いがあったことはまことに遺憾なことであります。  国民の方々に生ずる影響をできる限り小さくするということが重要であって、雇用保険の追加給付等に万全の対応を行うため、政府として、しかるべき必要な金額を計上した予算を立法府に提出をさせていただいております。(拍手)
  18. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 玉木雄一郎君から再質疑の申出があります。五分余ありますので、これを許します。玉木雄一郎君。     〔玉木雄一郎君登壇〕
  19. 玉木雄一郎

    ○玉木雄一郎君 再質問いたします。  複数ありますので、ぜひよく聞いてください。  まず最初の、二十一年五カ月ぶりの高い伸びではないか。これは、総理が御主張されたというよりも、三・三だったのが二・八になって、実は一・四だったと。この一・四%は、二十一年ぶりではございませんね。ここをしっかりと答えていただきたいと思います。  二つ目に、昨年の一月から十一月の実質賃金の伸びがマイナスなのかプラスなのか。今聞いたら、計算ができるか、可能かどうか検討しているということでしたが、驚きました。  総理、昨年の賃金上昇率がプラスかマイナスか、方向さえわからずに予算編成をし、消費税増税を決めたんですか。  ちなみに、その前は、前の年から去年の、実質賃金の伸び率はマイナス〇・二です。  我々が機械的に計算したら、十二月は出ていませんが、単純計算すると、二〇一八年、昨年度の実質賃金の上昇はマイナス〇・五になります。  ですから、これは、単純計算すれば出るので、少なくとも、総理、プラスかマイナスかということぐらいお答えいただけませんか。  先ほど、厚生労働省と総務省を呼んで、ヒアリングを野党でやったところ、十二月以外の数字については、一月、マイナス一・四、二月、マイナス一・〇、三月、マイナス〇・一、次、マイナス〇・四、マイナス〇・五、六月がプラス〇・六、そして、七月がマイナス〇・四、八月がマイナス〇・六、九月がマイナス一・三、そして、十月がマイナス〇・八、十一月が〇・〇ということで、簡単に計算できます。  こんな、誰でもできるような計算をせずに、計算できるかどうか、厚労省と総務省に検討させているなんというのは、こういう態度が今回のような統計の不正を招いているのではないんですか。明確な答弁を求めたいと思います。  そして、もう一つ……(発言する者あり)
  20. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 静粛に願います。
  21. 玉木雄一郎

    ○玉木雄一郎君(続) 皆さん、これは国家の信用と根幹にかかわる問題ですから、冷静に聞いてください。冷静に聞いてください。自民党の席からやじを飛ばさないでください。自民党の同僚議員の皆さん、黙ってください、お願いします。今からもう一問聞きます。
  22. 赤松広隆

    副議長(赤松広隆君) 不規則発言に応えないでください。続けてください。  静粛に。
  23. 玉木雄一郎

    ○玉木雄一郎君(続) 追加の給付額を計上した予算、一旦決定した予算案をやり直すというのは、私も、多少予算編成にかかわった人間ですから、前代未聞です、これは。  今の答弁であったのは、平成十六年から二十三年はデータがないので、推計値でその支出すべき追加の給付額を計算して乗せたと言いました。  でも、皆さん、冷静に考えてみてください。あくまで推計の推計だから、税金を使う根拠としては、その推計に基づいて出した本来の給付額というのは、これはバーチャルな、架空なものです。そんなものに基づいて給付をすることが財政民主主義に本当に適合しているか、冷静に考えてみてください。  法的根拠が、今提出されている予算案にはありません。もう一度答弁を求めたいと思います。  次に、これは予想された答弁でしたので、もう一度聞きます。日米貿易交渉です。  必ず、管理貿易はやらないと答えるんです。私が聞いているのは違います。自動車の数量規制をやらないか。数量規制をやらないかどうかを明確にここで答えてください。米韓FTA、そしてメキシコカナダとの交渉でも、ここを全部突っ込まれたんですよ。ですから、数量規制だけはやらないと、ここでぜひ明言をいただきたい。管理貿易について聞いているのではありません。  次に、領土の問題です。  国後島択捉島、そして色丹島、歯舞群島にさえ主権、帰属を認めていないとしたら、それは大きな問題です。このことについては、ごまかさずに、我が国の基本的な立場を答えてください。交渉がもちろんあります。ただ、現在における我が国の立場をぜひ答えてください。  そして、最後です。  自民党の条文イメージと、総理がおっしゃった、読売新聞に出したあの中身は同じなのか違うのか、答えていただいていません。自衛権は拡大するのか、どう総理が自民党案について考えているのか、お答えください。(拍手)     〔内閣総理大臣安倍晋三君登壇〕
  24. 安倍晋三

    内閣総理大臣(安倍晋三君) 今回の再集計により下方修正となった平成三十年の毎月勤労統計の各月の伸び率の数値のみをお示しして、アベノミクスの成果であると強調したことはこれまでもなく、したがって、昨年六月の数値について、私が二十一年五カ月ぶりの高い伸び率との主張を行ったこともありません。  また、参考値をベースとした実質賃金の算出が可能かどうかについては、担当省庁において検討を行っているものと承知をしております。  いずれにしても、連合の調査においては、五年連続で今世紀に入って最高水準の賃上げが継続しており、現時点において、所得環境は着実に改善しているものとの判断に変わりはありません。  不適切な調査が行われた期間の追加給付額の算定に当たっては、再集計された毎月勤労統計データを基礎として行うことを原則としていますが、必要なデータの一部の存在が確認できていない期間についても給付を行う必要があります。  この期間については、残されたデータから給付のための推計値を計算し、不足分の給付を行うこととしております。  そして、日米通商交渉と自動車の数量規制について再質問がありました。  日本としては、いかなる協定もWTOルールに整合的であるべきと考えます。自由で公正な貿易を歪曲する、管理貿易につながりかねない措置については反対であり、その旨は、昨年の日米共同声明に向けた協議の中で、茂木大臣からライトハイザー通商代表に明確に伝えているところであります。  北方領土についての再質問でございますが、北方領土は我が国が主権を有する島々です。この立場には変わりありません。(拍手)      ――――◇―――――
  25. 星野剛士

    星野剛士君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、明三十一日午後二時から本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会されることを望みます。
  26. 赤松広隆

    副議長(赤松広隆君) 星野剛士君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  27. 赤松広隆

    副議長(赤松広隆君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。  本日は、これにて散会いたします。     午後四時五分散会      ――――◇―――――  出席国務大臣        内閣総理大臣  安倍 晋三君        財務大臣    麻生 太郎君        総務大臣    石田 真敏君        法務大臣    山下 貴司君        外務大臣    河野 太郎君        文部科学大臣  柴山 昌彦君        厚生労働大臣  根本  匠君        農林水産大臣  吉川 貴盛君        経済産業大臣  世耕 弘成君        国土交通大臣  石井 啓一君        環境大臣    原田 義昭君        防衛大臣    岩屋  毅君        国務大臣    片山さつき君        国務大臣    櫻田 義孝君        国務大臣    菅  義偉君        国務大臣    平井 卓也君        国務大臣    宮腰 光寛君        国務大臣    茂木 敏充君        国務大臣    山本 順三君        国務大臣    渡辺 博道君  出席内閣官房副長官        内閣官房副長官 西村 康稔君  出席政府特別補佐人        内閣法制局長官 横畠 裕介君