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2018-05-25 第196回国会 衆議院 国土交通委員会 18号 公式Web版

  1. 平成三十年五月二十五日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 西村 明宏君    理事 鬼木  誠君 理事 金子 恭之君    理事 新谷 正義君 理事 土屋 品子君    理事 盛山 正仁君 理事 矢上 雅義君    理事 小宮山泰子君 理事 赤羽 一嘉君       秋本 真利君    岩田 和親君       大塚 高司君    大西 英男君       加藤 鮎子君    門  博文君       神谷  昇君    工藤 彰三君       小寺 裕雄君    鈴木 憲和君       田中 英之君    高木  毅君       谷川 とむ君    中谷 真一君       中村 裕之君    根本 幸典君       鳩山 二郎君    藤井比早之君       三谷 英弘君    宮内 秀樹君       望月 義夫君    簗  和生君       山本 公一君    神谷  裕君       初鹿 明博君    道下 大樹君       森山 浩行君    早稲田夕季君       伊藤 俊輔君    津村 啓介君       森田 俊和君    北側 一雄君       高木 陽介君    大串 博志君       もとむら賢太郎君    宮本 岳志君       井上 英孝君    森  夏枝君     …………………………………    国土交通大臣       石井 啓一君    国土交通副大臣      あきもと司君    国土交通大臣政務官    秋本 真利君    国土交通大臣政務官    高橋 克法君    国土交通大臣政務官    簗  和生君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 塚田 玉樹君    政府参考人    (財務省理財局次長)   富山 一成君    政府参考人    (国土交通省鉄道局長)  藤井 直樹君    政府参考人    (国土交通省海事局長)  蒲生 篤実君    政府参考人    (国土交通省航空局長)  蝦名 邦晴君    政府参考人    (環境省大臣官房審議官) 江口 博行君    国土交通委員会専門員   山崎  治君     ――――――――――――― 委員の異動 五月二十五日  辞任         補欠選任   門  博文君     小寺 裕雄君   初鹿 明博君     神谷  裕君   大島  敦君     津村 啓介君   広田  一君     大串 博志君   井上 英孝君     森  夏枝君 同日  辞任         補欠選任   小寺 裕雄君     門  博文君   神谷  裕君     初鹿 明博君   津村 啓介君     大島  敦君   大串 博志君     広田  一君   森  夏枝君     井上 英孝君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案(内閣提出第五三号)      ――――◇―――――
  2. 西村明宏

    ○西村委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として国土交通省鉄道局長藤井直樹君、海事局長蒲生篤実君、航空局長蝦名邦晴君、外務省大臣官房参事官塚田玉樹君、財務省理財局次長富山一成君及び環境省大臣官房審議官江口博行君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 西村明宏

    ○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 西村明宏

    ○西村委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。道下大樹君。
  5. 道下大樹

    ○道下委員 立憲民主党の道下大樹でございます。  本日、船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案について質問をさせていただきたいと思いますが、まず冒頭、今ちょっとニュースで入ってきましたけれども、熊本空港において、国内の航空会社、JALというふうに伺っているんですけれども、その部品が落下して被害が出たという情報を入手したんですが、この点について国土交通省としてどのように把握、認識をされているのか、また、大臣としてどのようにこの今回の状況について認識をされているのか、また、再発防止等について大臣からお話をお聞きさせていただければというふうに存じます。
  6. 石井啓一

    ○石井国務大臣 御通告はありませんでしたが、今記者会見で聞かれたところでありますので手持ちに資料がございますので、お答えをさせていただきます。  昨日十五時五十五分ごろ、熊本空港発羽田空港行き日本航空六三二便、ボーイング767型機が熊本空港を離陸後、左側のエンジンにふぐあいが発生をいたしたため、同空港に引き返す事案が発生をいたしました。  到着後の点検でエンジンのケースに穴が確認をされ、本件は重大インシデントに該当することから、運輸安全委員会が本日調査官三名を現地に派遣をし、原因の調査を行うこととしております。  なお、当該エンジンから飛散したと見られます金属片によりまして、熊本県上益城郡益城町における車両や建物のガラス等が破損したとの情報を入手をしております。  国土交通省といたしましては、昨日のうちに日本航空に対しまして、運輸安全委員会の調査に協力するとともに、会社としても原因を究明をし、運輸安全委員会の調査の進捗を待たずに必要な対策を講ずるよう指示をいたしました。  航空輸送におきまして安全確保は大前提であり、今後とも、運航の安全確保に万全を期してまいります。  また、地上で被害が発生をし、地域住民の方々に御心配をおかけしたことを重く受けとめておりまして、原因究明と再発防止に努めてまいりたいと考えております。
  7. 道下大樹

    ○道下委員 きのうの夜のことだったので質問通告できなかったんですけれども、今回、重大インシデントということでありまして、これは非常に大きな問題でございます。  再発防止に取り組むのは当然のことでありますけれども、今現在、羽田空港の航空路の検討もされています。新たな、人口が密集しているところの上空に航空路を広げようということも国土交通省として検討されているわけでありまして、こうした重大インシデント、ちっちゃな部品でも落下した場合には甚大なる被害が発生するわけでありますので、そうした点も含めて今回のこの事案を、そして今後の対策、再発防止、また、この航空路の拡大について十分慎重に検討していただきたいというふうに指摘をさせていただきたいと思います。  それでは、船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案について幾つか質問させていただきます。  まず、法律のもととなるシップリサイクル条約についてなんですけれども、この発効要件として、一つには、十五カ国以上が締結すること、二つ目に、締約国の商船船腹量の合計が総トン数で世界の商船船腹量の四〇%以上となること、それから三つ目に、締約国それぞれの過去十年間における最大年間船舶再資源化量の合計が、総トン数でこれらの国の商船船腹量の合計の三%以上となることとありますが、この三つの発効要件が充足する見込み、スケジュールをまず伺いたいと思います。  端的にお答えいただければ幸いに存じます。
  8. 塚田玉樹

    ○塚田政府参考人 ただいま御指摘のございました三つの発効要件でございますけれども、これを充足した後に二十四カ月で条約は効力を生ずるということになっております。  このうち、第一の締約国数に関する要件でございますけれども、現在、締約国数は、ベルギー、コンゴ共和国、デンマーク、フランス、ノルウェー及びパナマの六カ国でございまして、EU域内法の施行後は、二〇一八年内には、EU加盟国による締結の動きも進むというふうに考えられております。  また、船腹量の第二の要件につきましては、世界トップのパナマを含む現在の締約国数全体で約二一%でございまして、今後、二%を占める我が国、あるいは未締結国全体で約一九%を占めるEU、さらに中国、これらが締結すれば充足されるという見通しでございます。  最後に、船舶解体力に関する第三の要件についてでございますが、主要な解体国であるインド及び中国が締結すれば充足される見通しでございまして、ちなみに、中国は既に国内関連法の整備を終えておりまして、早期の締結が見込まれるほか、インドにつきましても、早期締結の意思を示しているというふうに承知しております。
  9. 道下大樹

    ○道下委員 ありがとうございます。  これは日本が主体的に進めてきた条約でございますので、一日も早く発効するように私も望んでいるところでございます。  続きまして、有害物質一覧表の作成について伺いたいというふうに思っております。  この有害物質一覧表の作成なんですけれども、条約発効前の建造船においては四物質、条約発効後の建造船については十三物質の有害物質の記載をした一覧表を作成するということになっていますが、この既存船と新造船の有害物質の一覧表、記載するものの一部が違うこと、その理由について伺いたいと思っております。
  10. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  シップリサイクル条約に基づきまして有害物質一覧表に、新造船については十三物質、既存船には四物質ということで、今委員の御指摘のとおりでございます。  こちらを義務づける方向で検討しておりますが、この差でございますが、これは、シップリサイクル条約におきまして、既存船の場合、建造終了後に時間がかなり経過しておりますものも多うございますので、また、その間、所有者が変わり得ることなども踏まえますと、船内に存在する十三物質全てを正確に調査することは現実的ではないのではないかということで、特に、他の条約などで既に新規の使用が禁止されている四物質に限って記載することを義務づけておりまして、有害物質の種類に差が設けられているのは、このような事情が反映しております。  これによりまして、既存船にとりまして現実的な規制とすることに加えまして、本法律案では、今回、造船会社や設備の製造会社に対しましてもその点をしっかり周知してまいりたいと思っております。
  11. 道下大樹

    ○道下委員 ありがとうございます。  本来であれば判明したものを次から次へと追加していくことが望ましいというふうに考えられますけれども、これは条約等に鑑みてということで、既存船については四物質ということで理解をさせていただきました。  続きまして、この有害物質一覧表は、船舶の建造時に、そして既存船は条約発効後五年以内にこの一覧表を作成し、以降は五年に一度、国土交通大臣の確認を受ける必要があるというふうにしておりますけれども、最初の確認と二回目以降の確認の内容は同様なのか、また、申請するときの書類などそういったものは同様なのか、また、その確認は国土交通省の職員の方が行うのか、それともどこかに委託することもあり得るのか、また、こうした一覧表の確認について抜き打ち検査等は検討をしているのか、伺いたいと思います。
  12. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  有害物質一覧表の初回以降の二回目の確認に関しましては、変更のなかった箇所につきましてこれまでの書類を有効なものとして扱えるために、改造等により変更があった箇所を中心に二回目以降は確認を行うことなどによりまして、確認に係る船舶所有者の負担が軽減されるよう二回目以降の確認手続の合理化を図ってまいりたいと考えております。  また、この確認でございますけれども、船舶所有者の利便の確保や民間ノウハウの活用の観点から、国土交通大臣の登録を受ければ、いわゆる船級協会に関しましても、国土交通大臣にかわって行うことができるということにしております。  さらに、実際のこの法律案での規制の実効性の確保でございますけれども、船舶所有者に対しましての報告徴収、立入検査の権限を法律上定めております。  したがいまして、確認後五年以内でありましても、一定の改造等により有害物質一覧表の変更、確認が必要になるにもかかわらず適正に手続がなされていない疑いがあるなどの場合につきましては、しっかりと立入検査等を通じまして実効性を担保していきたいと考えているところでございます。  以上でございます。
  13. 道下大樹

    ○道下委員 確認については委託もあり得るということでありますが、二回目以降は船舶所有者等の負担の軽減ということで進められるということでありますので、これは一定の評価をさせていただきたいというふうに思っております。  そこで、有害物質一覧表について、今回は、条約発効後の建造船、新しくつくる船には十三物質の有害物質を記載した一覧表を作成するということでございますけれども、これについて新たに追加する有害物質というものがあるのか、この一覧表に記載する有害物質を追加する可能性はあるのかということについて伺いたいと思います。
  14. 石井啓一

    ○石井国務大臣 有害物質一覧表に記載を義務づけられる有害物質は、シップリサイクル条約の付録に記載をされておりまして、本法案では、当該付録に従って主務大臣が告示することとしております。  この付録に新たな有害物質を記載する場合には、追加を希望する締約国が、IMO、国際海事機関に対して提案をし、人の健康又は環境に対する重大な悪影響をもたらす可能性等について議論した上で海洋環境保護委員会において決めることとなっております。  現在、新たに規制すべきとの指摘がなされている物質については承知をしておりませんが、今後そのような提案があった場合には、国際的な議論の結果を踏まえて、適切に国内法においても担保してまいります。
  15. 道下大樹

    ○道下委員 ありがとうございます。  今のところ追加する予定の有害物質というのは承知していないということでありますけれども、今、非常に地球環境や、また、ほかにもマイクロプラスチックの問題だとか、いろいろそういう地球環境の保護をしっかり取り組まなきゃいけないという世界的な流れはますます大きくなっているわけでありまして、今は有害物質ではないと思っているものであっても、研究など分析が進むことによって、地球環境、また、動植物、私たち人間の体に有害であるということが判明したものをしっかりと速やかにこの有害物質一覧表の義務づけのリストにするということが起こり得るわけでございますので、そうした場合には、速やかな対応、迅速な行動をとっていただきたいというふうに思っております。  次に、再資源化解体の許可について伺いたいと思います。  再資源化解体の許可と更新における手続、内容は同様のものなのでしょうか。また、その許可、更新のための審査等は国土交通省の職員の方が行うのでしょうか。また、先ほどもお聞きしたとおり、委託する場合もあるのでしょうか。安全要件や環境要件などに関する抜き打ち検査についても行う予定が検討をされているのか。伺いたいと思います。
  16. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  再資源化解体の許可の更新時でございますが、その場合には、変更のなかった箇所につきましてそれまでの書類を有効なものとして扱えることができますので、変更があった箇所を中心に審査を行うなどによりまして、審査に係ります事業者の負担が極力軽減できるように更新手続の合理化等を図ってまいりたいと思っております。  さらに、許可又は更新の際でございますけれども、その際の審査でございますが、これに関しましては、労働災害の防止及び環境汚染の防止の観点から、再資源化解体を適正に行うことができるかどうか審査するために、国土交通省の職員のほか、他の主務大臣であります厚生労働省及び環境省の職員が共同して審査を行ってまいりたいと思っております。  先ほどのケースと違いまして、これに関しましては、民間への委託という仕組みにはなっておりません。主務大臣の方で責任を持って審査していきたいと思っております。  また、この法律案でも、規制の実効性を確保するために、再資源化解体業者に対しましても報告徴収、立入検査の権限を定めておりますので、そういったものを機動的に展開することによりまして、再資源化解体の実施に関しまして不適正な疑いがある場合や、施設の変更なども含めて許可が必要となる重要な変更事項があるにもかかわらず適正な手続がとられていないような疑いがある場合などにつきましては、立入検査等を機動的に実施してまいりたいと考えております。  以上でございます。
  17. 道下大樹

    ○道下委員 ありがとうございます。  続きまして、特定船舶の再資源化解体の目的での譲渡し等、また、譲受け等の手続について伺いたいというふうに思います。  これも先ほどの質問と同様に、この再資源化解体計画の審査及び承認は国土交通省職員の方が行うのか、それとも委託という場合もあり得るのか、伺いたいと思います。
  18. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  再資源化解体計画の承認に関しましても、国土交通省の職員並びに主務大臣の職員の方で責任を果たしてまいりたいと思っております。
  19. 道下大樹

    ○道下委員 それから、この再資源化解体についてでありますけれども、計画どおりこの開始の報告を主管庁に行って、そして実際に解体をして、そして解体が終わった後、完了したということの報告がまた主管庁に送られるわけで、解体業者から主管庁に報告がなされるんですけれども、その報告を受けた後も、こうした一連の流れの中においてもしっかりと主管庁として調査、検査をすることが必要だというふうに思いますが、必要に応じて立入検査をすることができるということでよろしいのでしょうか。
  20. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  再資源化解体計画の審査の段階におきましても、必要に応じて立入検査等、必要になってくる場合には行いたいと思っておりますし、その計画自体に従いまして実際の解体が行われた後も、そちらの事業者さんに対しては、事業者さんでございますので、我々の方におきます法に基づく報告徴収等、こういった規定を通じましてしっかりと監督していきたいと思っております。
  21. 道下大樹

    ○道下委員 ありがとうございます。  これまでのその一覧表の作成と確認、それから再資源化解体の許可、そして、再資源化解体の目的でのさまざまな手続、これはしっかりと、最初と最後だけじゃなくて途中も含めてですけれども、必要に応じて立入検査等万全の体制で、この条約に基づき、また、国内法をしっかりと踏まえた上で取り組んでいただきたい、そして安全対策、労働安全、また、環境、安全に取り組んでいただきたいというふうに思います。  最後でございますけれども、締約国に対する監視体制についてでありますが、締約国が条約を遵守しているか監視する体制はどのようにとられているのか、伺いたいと思います。
  22. 塚田玉樹

    ○塚田政府参考人 お答え申し上げます。  本条約には、締約国の施設が条約に違反しているという証拠がある場合には、他の締約国が所在国政府に対して立入調査を要請する、さらにそれを報告を行わせる、こういう規定が設けられておりまして、違反の疑いがある場合にはこうした制度を活用するということになります。  なお、この条約及び関連指針には、解体施設あるいは船舶の再資源計画の要件について詳細に規定しておりまして、その遵守を締約国に義務づけているところでございますけれども、これらのルール作成の交渉には、主要な船舶の解体国である途上国も参加しております。  今後は、こうした国々が先進国の協力も得ながらこの条約に沿った適切な改定を行うため、国内法整備を進めていくということでこの条約の実効性が確保されるというふうに考えております。
  23. 道下大樹

    ○道下委員 ありがとうございます。  日本がこのシップリサイクル条約について主体的に取り組んでこられたということもありますので、こうした発効後も含めて、世界において、締約国において、そしてそれ以外のところにもしっかりとこれが守られるように、主管庁、国土交通省や外務省を含めて、日本が先頭に立って活動していただきたいというふうにお願いをしておきたいというふうに思います。  続きまして、JR北海道問題について伺いたいと思います。  JR北海道は、二〇一八年三月期連結決算で営業損益四百十六億円の赤字で、これはもう過去最大でございます。また、北海道新幹線の営業赤字は、見込み数字でありますけれども、約百億円と、前期の二倍に拡大するところでございます。最終損益八十七億円の赤字というこの二期連続の赤字であるJR北海道、依然として厳しい経営状況が続いております。  こうした状況について大臣の認識を伺います。
  24. 石井啓一

    ○石井国務大臣 JR北海道は、今月十日に平成二十九年度決算を発表したところであります。  連結決算の営業損益は前年度から十八億円悪化し四百十六億円の赤字、最終損益は前年度から六十一億円改善したものの、八十七億円の赤字となったところであります。  また、北海道新幹線の平成二十九年度の営業収支は、現時点における概算でありますが、前年度から四十九億円悪化し百三億円の赤字となる見込みであり、引き続き厳しい経営状況に置かれているものと認識をしております。  国土交通省は、これまでJR北海道に対しまして累次の支援を行ってきているところでありますが、JR北海道は、地域の人口減少やマイカー等の他の交通手段の発達に伴い、輸送人数が減少し、大量高速輸送という鉄道特性を生かすことのできない路線が増加をしていることから、平成二十八年十一月に単独では維持困難な線区を公表し、各線区の置かれた状況を踏まえた持続可能な交通体系のあり方について、地域の関係者の方々への説明、協議を進めているところであります。  国土交通省といたしましては、JR北海道の厳しい経営状況を踏まえて、JR北海道の事業範囲の見直しや経営自立に向けた方策について関係者とともに検討を進めているところでありまして、本年夏ごろまでに大まかな方向性について取りまとめたいと考えております。
  25. 道下大樹

    ○道下委員 立憲民主党においては、JR北海道問題検討ワーキングチームを設置しております。このワーキングチームでは、JR北海道の経営再建や路線維持等についての取組について議論、検討を踏まえた上で、また、国、道、またJR北海道からなど、また、各自治体などからこれまでも話を伺ってきましたけれども、これからも伺いつつ、民進党時代から話を伺ってきたんですけれども、これを踏まえつつ、道民の足、公共交通をしっかりと守っていく、その政策提言をしていきたいというふうに思っております。  国は、ことしの夏ころにはJR北海道に対する支援の大まかな方向性について示す、公表する予定、そういうふうに承知しておりますけれども、JR北海道の経営再建はどうあるべきと考えているのか、どのような経営見通しが求められているのか。経営再建に向けたあり方と、国としての支援策の方向性について伺いたいと思います。
  26. 石井啓一

    ○石井国務大臣 JR北海道が経営再建に向けて経営見通しを立てるに当たっては、まず何よりも、JR北海道自身の徹底した経営努力によりまして収益の増加とコストの削減を図っていくことが求められるものと考えております。  収益の増加のためには、約二百万の人口を抱える札幌市圏内において、非鉄道部門も含め、最大限の利益を上げていくことが求められます。  また、年間二千二百万人の利用者を数える新千歳空港へのアクセス手段としての競争力の一層の強化も求められます。  さらに、急激に拡大いたしますインバウンド観光客を利用者として取り込むための観光列車の充実等も課題になるものと考えております。  コストの削減のためには、地域の関係者の方々との十分な協議を前提に、事業範囲の見直しや業務運営の一層の効率化等を進めることが求められるものと認識をしております。  このようなJR北海道の徹底した経営努力を前提といたしまして、国、地方自治体、関係者等が必要な支援、協力を行うことにより、JR北海道の収支改善を図り、経営自立を目指していきたいと考えております。
  27. 道下大樹

    ○道下委員 時間が来ましたので質問はこの程度にいたしますけれども、JR北海道問題は、JR北海道の今までの三十年間の経営努力というものをしっかりと踏まえた上で、そして、もう一方では、国鉄分割・民営化する当初からJRは赤字経営が想定されて、六千八百二十二億円の経営安定基金を積んで、当時の七・三%の金利というもので、運用益で赤字を穴埋めするという国の計画がまず大前提にあったわけでありまして、低金利、そしてこの間のさまざまな社会状況の変化というものを踏まえれば、これは、JR北海道のみ、そして北海道や沿線自治体のみに責任を押しつけるわけにはいかないというふうに思っております。  国の責任も十分あるというふうに思っておりますので、その点に十分留意されながら、JR北海道に対する支援策についてしっかりとしたものを御検討いただきたいというふうにお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございます。
  28. 西村明宏

    ○西村委員長 次に、早稲田夕季君。
  29. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 おはようございます。立憲民主党の早稲田夕季でございます。  それでは、引き続きましてこの本法案について、船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案、いわゆるシップリサイクル法案について質疑をさせていただきます。  冒頭、先ほど道下議員からもございましたが、航空機のインシデント、重大事故ということでございます。大変これが、人的被害がなかったとはいえ、大きな問題でありますし、また、飛行機からの落下物という事故は相次いでおりますので、この原因究明と、それから再発防止、いつもそのようにおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、これが起こらないようにしっかりと再発防止策を、事業者に対しても、また、国土交通省の姿勢としても示していただけるように要望をさせていただきます。  法案についてでございますが、シップリサイクルの問題が世界的にも知られることとなりましたのは、バングラデシュのチッタゴン海岸のいわゆる船の墓場というものが写真が公表されて、船舶解体現場の報道が大変ショッキングな映像だったと思います。劣悪な労働環境と、それから環境、海洋汚染、そしてまた児童労働と、発展途上国の問題の縮図のような状況が映し出されました。そして、過去三十年間には少なくとも千人もの方が事故などで亡くなっているとも言われております。  御存じのとおり、日本はこれまで、世界に誇る造船で海運大国として世界をリードしてきたわけでございますので、こうした、船が生まれて、働き、そして命を終えるまで、やはり海事産業国としての責務を果たすべく、この法案をしっかりと実効性のあるものにしていかなければならないという立場で質問をさせていただきます。  まず、先ほど来もございましたが、条約の方でございますが、大変日本が条約制定にかかわり、素案の段階から積極的に役割を果たしてきたということは仄聞をしておりますが、今なおその条約に参加をしていない理由、そして今後の見通しということについて、大臣にお尋ねいたします。
  30. 石井啓一

    ○石井国務大臣 我が国は、世界有数の海運・造船大国として、国際海事機関、IMOにおいて、本法律案のもととなるシップリサイクル条約の素案の作成を行うなど、条約の策定を主導してまいりました。  二〇〇九年にこの条約が採択された後、二〇一二年末に各種国際ガイドラインが国際海事機関で採択をされております。  本法律案によりまして、船舶所有者、再資源化解体業者、また、間接的には、関係する造船所、船舶用機器の製造事業者に対しても規制がかかることになるため、シップリサイクル条約に係る国際議論の動向を踏まえ、各種ガイドラインがそろった上で、これらの関係業界と慎重に意見交換を行い、十分な調整を行った上で本法案の提出に至ったものであります。
  31. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 関係者とも十分な議論を行った上でということでありますが、少し長く時間がかかっていると思いますので、今後の見通しについてはいかがなのでしょうか。伺います。
  32. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  まず、この条約の発効の見通しでございますけれども、現時点におきましては、先ほど外務省からの御説明もありましたが、ベルギー、コンゴ共和国、デンマーク、フランス、ノルウェー及びパナマの六カ国に加えまして、トルコもシップリサイクル条約締結の最終段階にあると聞いておりますので、実質七カ国というふうに計算できるかなと思います。  なお、この条約はまだ現時点では発効しておりませんけれども、我が国におきましては、主要な解体国でありますインドに対しまして、条約の早期締結を促す取組を進めてまいりました。  また、バングラデシュも、条約の交渉に非常に積極的に参加するなど、条約について前向きな態度をこれまで示してきております。  さらに、我が国から二〇一七年九月に、インドにおける解体施設を改善するため、ODAによる支援を決定いたしまして、日印共同声明におきましては、インド政府と条約の早期締結の意思を確認しているところでございます。  また、EU理事会はEU加盟国に対しまして条約の早期締結を促しておりますので、EU加盟国を含む各国で条約締結に向けた手続が進められておりますので、早期に発効要件が充足され、発効することが期待されていると思います。  以上でございます。
  33. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 今るる御説明いただきました。インドもトルコも積極的に今進めているということでございますが、バングラデシュ等の主要解体国に対しても日本としてもいろいろ支援をして、そして早く発効ができるように、日本みずからでございますけれども、やっていただきたいと思います。  そしてまた、条約の早期発効の意義、必要性について伺いたいと思いますが、これが発効された場合の条約の影響、それからまた日本に対するメリット、また、課題などについてはどのように捉えられていらっしゃいますでしょうか。
  34. 石井啓一

    ○石井国務大臣 本法律案のもととなるシップリサイクル条約は、主に開発途上国において労働災害や環境汚染が国際問題化したことを踏まえまして、安全、環境に配慮した船舶の再資源化解体の国際的な統一ルールを定めることを目的といたしまして二〇〇九年に採択されたものであります。  本条約では、未締約国の船舶でありましても、締約国から有害物質一覧表の備置きの有無の確認を求められ、その航行が差し止められる可能性があります。本条約を締結することで、日本船舶は、事前に日本政府から有害物質一覧表の確認を受けることにより、本条約に関して自由な航行が担保されることとなります。  また、本条約では、締約国の再資源化施設は未締約国の船舶を受け入れることが禁止をされております。本条約を締結することで、日本船舶は、締約国の再資源化施設で再資源化を行うことが可能となり、これは、海運市場から老朽船の円滑な退場に寄与するものと考えております。  さらに、有害物質一覧表により、国内の再資源化解体施設におきまして、再資源化解体に従事する者の安全及び環境汚染の防止を確保することが可能となるところであります。
  35. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 日本が未締約国であると海洋に入ることを阻止されることもあるということでございますから、しっかりとその必要性はもう十分にわかっているわけなので、それに向けて鋭意進めていただきたいということを申し上げたいと思います。  それから、シップリサイクル法の国内法でございますが、この施行によりまして、日本船舶の所有者、それからまた造船所、こちらが受ける具体的な影響についてどのようなものがあるのでしょうか。
  36. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  本法律案の施行によりまして、総トン数五百トン以上であること、さらに、排他的経済水域の外を航行すること、この二つの要件を満たします船舶の所有者におきまして、いわゆる有害物質一覧表、有害物質が船舶のどこにどの程度あるのか、どのようなものがあるのか、そういったものを作成することが必要になります。  現在、この要件に当たる船舶として国土交通省が把握しているものに関しまして、商船といたしまして約二百三十隻ほどある。二百三十隻です。そういったものが、今後、現存船として五年以内につくる対象になるというふうに把握しております。  一方で、内航船でありましても、五百トン以上の船舶が年間二百隻ほど、海外に売船されております。これらの船舶に関しましては、通常の使用時におきましては、内航船でございますのでEEZを越えることはございませんが、海外に売船するときにはEEZを越えて航行することになります。そのため、五百トン以上の船である場合には、有害物質一覧表の作成が必要になるというふうに承知しておりますので、こういった船に関しましてはいずれ必要になるということで、今の段階から、つくることにつきまして我々の方でお願いしていくということも必要かと思っております。  さらに造船所でございますが、造船所におきましては、いわゆる有害物質の情報を船舶所有者の方に提供する必要がございますので、造船所及び舶用工業メーカー、これに関しましては、新造船をつくるときに、自社製品に使用されている有害物質の情報を特定いたしまして、それらを造船所に提供することが必要になってくる。求められるということでございます、船舶所有者から。また、造船所はこれらの情報を取りまとめて船舶所有者に提供する。  そうなりますと、このような有害物質情報を収集、整理するということが必要になってくると思われますので、これに関しましても既に関係機関の方でデータベースなどの整備が進んでおりますので、そういった整備に関しましても、我々の方からも働きかけていくことにより、事業者の負担を減らしていきたいということも思っております。  以上でございます。
  37. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 五百トン以上が二百三十隻、また、内航船であっても売船で外航に出るというものが二百隻というお話がございました。いずれにしても、しっかりと有害物質の把握をしていくんだということであります。  そうしますと、船主はもとよりですけれども、造船所でしっかりとやるべく、データをどうしていくかとか、資料を作成するのに、多大な、今まで以上のことが必要になってまいりますので、これをデータベース化するとか、国交省の方もお考えだと思いますけれども、なるべく負担が過度にならないように、そしてまた、しっかりと書くべき有害物質を把握できるように、実効性の高いものにしていただくということを要望させていただきます。  それでは、今の五百トン以上ということですけれども、日本船舶の国内外における解体、そしてリサイクルの量がどのくらいになっているのか。伺いたいと思います。
  38. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  総トン数が五百トン以上の日本船舶の国内における解体は、二〇一四年以降の三年間で十一隻、年間では三・七隻と把握しております。  一方、総トン数が五百トン以上の日本船舶につきまして、再資源化解体のため海外へ譲渡する事例、近年、確認していないところでございます。
  39. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 十一隻と大変少ないわけですけれども、これは、老朽化してしまうまでに中古で売船をするということが多くなっているのでしょうか。
  40. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  日本の船舶に関しましては、非常に船齢が若い船が多うございます。なおかつ性能もいいということもございますので、ある程度使った段階におきまして、高く売れるときに海外に売船するケースが非常に多いというふうに承知しております。
  41. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 性能のいいうちに売船するということもあるんでしょうけれども、やはり、海外に出したときの、その後の影響も考えてしっかりと進めていただきたいと思います。  日本がこの条約締結に先立ちまして国内法の整備を急ぐ意図というものについて伺いたいと思います。
  42. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  本条約でございますけれども、発効要件が満たされた日の二年後に発効することとされておりますけれども、条約の発効前に準備が必要でございます。  具体的には、造船所及び舶用機器メーカーによります有害物質情報の把握や提供体制の整備などの準備が必要不可欠でございます。  いわゆる造船のサプライチェーン全体に関しまして、これは約千社ぐらいが絡んでくるというようなことも言われておりまして、それらの会社が条約に対応できるように、十分な周知期間や準備期間の確保が必要だと考えております。  したがいまして、詳細な規制内容や申請手続を確定させ、関係事業者との調整を十分に行うためには、速やかに本法律案を成立させていただきたいというふうに考えているところでございます。  よろしくお願い申し上げます。
  43. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 条約締結後、発効までには二年ぐらいあるんだけれども、サプライチェーンが千社ということで、そこに周知も、それから徹底もしていただかなくてはならないし、事業者の方では大変準備に時間もかかるということで、早目にというお話でございました。  海運企業の多くが、船籍をパナマ等のタックスヘイブンにおいて登録をする便宜置籍をしているというふうにも仄聞しておりますが、そうしたときに、このシップリサイクル条約がきちんと発効がここにも影響をしていくのかどうか、大変心配をされるところですけれども、その点について最後伺います。
  44. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 この条約の仕組みといたしまして、いわゆる締約国は未締約国において船舶の解体、再利用することを禁じられております。したがいまして、未締約国においてそのような施設をつくることによりますメリットというのはなくなってまいります。  便宜置籍国に登録している国において、便宜置籍国が締約国になりませんと未締約国のあれを使うことができませんので、そういう意味で締約国になることを進めていくようなシステムになっておりますので、便宜置籍国におきましても、パナマなども既に締約しておりますので、自分たちのビジネスとしてそういったものを締約していって、そういった解体に関しましても、サービスの一環として、便宜置籍国にいわゆる籍を置く国の方にサービスをしていくというような流れという形でこの条約がしっかり広がっていくというふうに我々は期待しておるところでございます。
  45. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 そういうことも含めてしっかりとやっていただきまして、日本籍でなくても、締約国がふえて、こういう環境に対する土壌、環境に対する意識が世界全体で高まるように、日本もリーダーシップを更にとっていただきたいと思います。  世界の新造船のシェアの三割を占める日本が、この船舶解体、リサイクルの局面にもしっかりと対応をしていくこと、そしてまた、世界規模で持続可能な海事産業ということで先進国としてリーダーシップをとっていただくこと、また、この国内法も実効性を大変高いものにしていただくように運用を求めまして、私のこの法の質問を終わります。  次に、森友学園について伺ってまいります。  これは、大阪航空局ということで私もこの国土交通委員会で何度も質問をさせていただいているわけですけれども、一昨日、膨大な、千ページという資料が提出をされてまいりました。ないないと言われていた、また、廃棄をしたと言ってきた、そういう資料が一年後にこれだけ膨大に出てくる。こうしたことについて、本当に時間が無駄だなと改めて思うわけですけれども、皆様の膨大な作業も含めてですけれども。こんなことをやっていて、どうなのかと私も思っています。  でも、それは、出てくるべきものが出てこない。そして、正直に話していただければ解明が進んでいくものが、話されない。うその答弁が重ねられる。そういうことに怒りを感じているわけですけれども、それはきっと、こういう資料をつくっていらっしゃる官僚の皆様も同じお気持ちではないでしょうか。  その中で、九月四日の資料というのがございます。これは、川内委員も二十三日の委員会でも質問をされておりますけれども、この九月四日の資料によりますと、最後に、「今回問題となった箇所は一旦埋戻しの上、工事を続行させることとした。」と書かれておりますけれども、これが法違反ではないか。  とにかく、適正にやられてきたと大阪航空局もずっと答弁をされているわけですけれども、この九月四日の「こととした」というこの結論において、今どのような御感想をお持ちでしょうか。これは法違反ではないでしょうか。
  46. 蝦名邦晴

    ○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘の点につきまして、財務省の方から交渉記録が公表されたことを受けまして、記載されている内容の事実関係について今確認を行っているところでございます。  御指摘の廃棄物処理法との関係についてでございますが、現場において具体的にどのような手法で掘削工事が行われて、掘削された土砂にごみがどの程度含まれていたかということは、有益費の検証に当たって用いました工場報告書等の資料に記載もないということで、承知できておりません。  また、御指摘の九月四日の打合せの結果、ごみがどういうふうな扱われ方をしたのかということについても、現時点では承知しておりません。  いずれにいたしましても、工事の内容が廃棄物処理法に違反しているか否かということにつきましては、その御所管であります地方公共団体において御判断がなされるのではないかというふうに考えております。
  47. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 地方公共団体が判断をするのは、何を判断するんですか。
  48. 蝦名邦晴

    ○蝦名政府参考人 これはもう一般論でございますけれども、工事の内容が廃棄物処理法に違反しているか否かということについて、その所管であります地方公共団体において御判断がなされるのではないかというふうに考えております。
  49. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 いやいや、そういうことではなくて、ここで、現場で立会いをされたわけですよね。そして、ごみが、ガラスの破片等々があったけれども、ここで協議をした結果、このように埋め戻しをすることとしたというのはどうですかということを伺っているんです。  大阪府が判断するということではなくて、豊中市ですか、が判断するということを聞いているのではなくて、ここではきちんと大阪航空局補償課高見係長以下書かれております、名前が。きちんと立ち会っていらっしゃるわけですから、そういう人ごとの答弁ではなくて、このことについて調べていらっしゃると思いますよ、ずっとですから。それで、まだ出ていないんでしょうか。  もう積み残しの問題があり過ぎて、何を聞いたらいいかわからないぐらいの状況になっております。こちらが忘れてしまうけれども、皆さんも忘れた方がいいかなと思いながら答弁されているのかななんて、うがった見方までしてしまうところですけれども、しっかりと今の時点でわかることをお答えください、これが出ているわけですから。  皆さんも必死になっていろいろと調査されていると思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。
  50. 蝦名邦晴

    ○蝦名政府参考人 産業廃棄物についての取扱いについては、有益費の工事について、工事事業者において法令等に基づいて適切に行われるべきものでございまして、当時の大阪航空局が廃棄物処理法違反がないかどうかといった観点から確認は行っておりません。  一般論として、今申しましたように、個別の工事の内容が廃棄物処理法に違反しているか否かということにつきましては、その廃棄物の排出の状況も踏まえて、地方公共団体において御判断がなされるということだと承知しております。
  51. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 お答えいただけないようですので次の質問に移りますが、そうではなくて、そこで一緒に航空局が立ち会ったんでしょうということを申し上げているんです。それで、埋め戻しを承認をしたということはどうですかということを申し上げているんですから、地方公共団体の方で判断というのは違うと思います、そのことについての御見解を伺っているわけですから。  それで、私もずっと質問をさせていただいたのは、そのごみの見積りが適正であったのですかという質問を以前にもさせていただいたときに、航空局長は、私の質問ですね、航空局として、値引きの根拠になったごみの積算一万九千トン、これは今でも適切とお考えでしょうかという質問に対して、「二週間という限られた時間の中、検証、見積りを報告しなければならないという状況下で行われたぎりぎりの対応であった」、これは繰り返し答弁されているわけですけれども、適切とお答えになっていないんですよ。当局でやられたことなのに、適切とはお答えになっていない。  そして、私がこの間も御質問させていただいて今調査中という、ごみの水増しを財務局の方から指示をされたのではないかということについて今調査をされていると思いますけれども、これの結果は出ましたでしょうか。  そしてまた、適切とお答えにならなかったのは、もうその時点で適切ではないということが薄々わかっていらしたのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  52. 蝦名邦晴

    ○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。  近畿財務局の方から見積りを八億円ほどとするように持ちかけられたという点につきまして、今委員も御指摘のように、当時の見積作業にかかわったと考えられる大阪航空局を中心に、聞き取りなど、調査を行っているところでございます。  本件見積りにつきましては、二年以上前の事案だということもございまして、当時の職員に一人一人記憶を繰り返し丁寧にたどっていかなければいけないということで、まだ現時点におきまして調査結果をお示しするには至っておりませんけれども、再三にわたって御指摘もいただいております。可能な限り早期に調査結果をお示しできるよう、作業を進めてまいりたいというふうに思っております。  それから、ぎりぎりということでございますが、会計検査院などからも、慎重に検討すべきであったといったような御指摘もいただいておりますので、そういう御指摘もいただいている上に、ただ、他方で、当時の置かれた、時間が、制約がある中で、瑕疵担保免除の特約をつけながら、当時、検証可能な材料の中で見積りを行っていくということがぎりぎりの状況だったというふうに申し上げているということでございます。
  53. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 全くわかりません。理解ができません。  最後に、時間でございますが大臣に伺いたいと思います。  一年以上もたって財務省からこのような膨大な資料が出てまいりました。その中には、航空局同席の資料もたくさんございます。そして、こうやって調査を依頼しているにもかかわらず、一月、二月、もうずっとたっております。私がこの衆議院で務めさせていただくようになってからも、半年間何も進んでいない。これについて、航空局……
  54. 西村明宏

    ○西村委員長 申合せの時間が過ぎておりますので、簡潔にお願いします。
  55. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 はい。  大臣としては、内閣の一員としてどのように責任を感じておられるのか、最後に伺います。
  56. 石井啓一

    ○石井国務大臣 国土交通省に関する調査につきましては、可能な限り早期に調査結果をお示しできるよう、作業を進めてまいりたいと考えております。
  57. 早稲田夕季

    ○早稲田委員 ありがとうございました。終わります。
  58. 西村明宏

    ○西村委員長 次に、井上英孝君。
  59. 井上英孝

    ○井上(英)委員 きょうはちょっと会派の都合もありまして、委員長を始め、理事、オブザーバーの委員の先生方の御理解を得て少し質疑時間を早くさせていただくということで、本当にありがとうございます。  それでは早速、シップリサイクル法についての質疑をやらせていただきます。  船舶は、日本の貿易の九九%以上というのを担っている主要な輸送手段であります。これまで、船舶の安全性能をどれだけ高めるか、また、船舶の燃費向上や、船舶の運航中の海洋汚染をどのように防ぐかということにつきましては、国際的な議論や対策というのが進められてきました。  しかし、船舶の耐用年数が過ぎた後、最後に船舶を解体するときの対策、つまり、船舶をどのようにリサイクルするかということについては、国際的な枠組みが十分に構築されておらず、発展途上国でのリサイクルに伴う労働災害や環境汚染というのが大きな問題になってきている。  今回のシップリサイクル法案や、そのもととなるシップリサイクル条約は、この点にスポットを当てて、船舶のリサイクルに関して新たな国際的枠組みを構築するという意味で、非常に画期的なものではないかなというふうに思います。  一方で、本法案は、船舶の所有者やリサイクル事業者の義務をふやす規制法ですので、その内容は十分に議論する必要があると思うので、幾つか質問させていただきます。  今回の法案により、船舶の所有者のほか、造船所、設備メーカー、船舶リサイクル業者など、多くの関係者が影響を受けることになるかと思います。本法案が整備されることで関係事業者にメリットというのは生まれるのでしょうか。お答えいただけますでしょうか。
  60. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  本法律案は、我が国がシップリサイクル条約を国内的に実施するためのものでございます。  シップリサイクル条約では、まず、海運業に関しまして、締約国は、他国籍船が自国の港に入港した際、有害物質の目録の確認ができることとされており、場合によっては日本籍船が当該港から退去させられることもあり得ます。  本法律案によりまして条約を担保し、船舶所有者が有害物質の目録の確認を受けることにより、このような問題が起こらなくなるというふうに考えております。  また、造船業に関しましては、本条約により円滑かつ適正な船舶解体が可能となることから、古い船舶から安全、環境性能がすぐれた新造船への更新が進むことが期待されます。  さらに、船舶解体業に関しましては、国内の解体施設におきまして、有害物質の目録の情報により適切な解体計画を作成することが可能となり、従業員の安全確保及び環境汚染の防止が図られると考えております。  このように、本法案によりましてシップリサイクル条約を国内的に実施することは、我が国の海事産業にも幅広くメリットがあると考えているところでございます。  以上でございます。
  61. 井上英孝

    ○井上(英)委員 今御答弁いただいたように、メリットはあるということなので次に移りますけれども、次に、事業者の負担についてお聞きしたいと思います。  今回の法案では、船舶の所有者に対して、有害物質一覧表というのを作成し、国土交通大臣の確認を受けることというのが求められています。船舶に含まれる有害物質を網羅的に調査し、その内容を取りまとめるとなると、船舶の所有者にとって負担がふえるのではないかなということが懸念されます。そのことについてはいかがでしょうか。
  62. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  本法律案では、総トン数が五百トン以上の日本船舶であって、EEZ外において航行の用に供される船舶の所有者に対し、有害物質一覧表の作成を求めております。  これは、船舶の再資源化解体に従事する者の労働災害及び環境汚染の防止のために、船舶の所有者、いわゆる事業者に一定の御負担をお願いするものでございます。  しかしながら、有害物質一覧表の作成者の負担を軽減することは非常に重要でございます。船舶の設備や材料に関する有害物質の情報をデータベース化しまして、抽出できるシステムの構築が極めて重要かと思っております。  そのため、海運会社、造船所、設備メーカー、認証機関等関係者に対しまして、広くデータベースの構築、利活用を働きかけることが、有害物質一覧表に関しての事業者の御負担を減らす観点から必要だと思っております。  加えて、現在、官民が保有するさまざまなデータを活用いたしました船舶の検査、総トン数の計測、いわゆる測度でございますが、そのあり方に関しての検討も進めております。  有害物質一覧表の確認についても、こうしたデータを活用するとともに、その申請を電子化することなどによりまして、より効率的かつ事業者に負担を極力かけない形で実施することを予定しております。  なお、有害物質一覧表は、新造船については新造時にあわせ作成し、また、現存船も各種船舶検査のタイミングにあわせて物質をサンプリングすることで、船の航行に影響を与えることなく対応が可能になると考えているところでございます。  以上です。
  63. 井上英孝

    ○井上(英)委員 有害物質一覧表ですね、さまざまな御努力いただくことによって少しでも負担を減らして、デメリットをやはり小さくして、享受するメリットを大きくしてもらうということが非常に大事ですので、いろいろな知恵をまた出していただいて検討いただけたらと思います。  次に、国際的な取組についてお伺いをいたします。  今回の法案のもととなったシップリサイクル条約は日本が主導して作成されたということでありますけれども、一方で、条約は発効して初めて意味を持ちますので、多くの国にこの条約に加入してもらう必要があります。特に、実際に大型船舶のリサイクルを行っている国の加入がやはり不可欠だというふうに思うんです。  その中で、例えばインドなどにどのように条約参加を働きかけてきたのか、また、今後どのようにして支援なり要請していく予定なのか、お聞かせいただけますでしょうか。
  64. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  委員の御指摘のとおり、シップリサイクル条約の発効には、主要船舶リサイクル国の締結が不可欠でございます。多数の船舶を保有する海運大国であり、世界有数の建造量を持つ造船大国でもある我が国は、船舶に関するさまざまな知見を有しております。官民を挙げて、リサイクル国による条約の締結に向けた取組を支援してまいりました。  具体的には、二〇一六年に英国でシップリサイクル国際セミナーを主催しました。また、二〇一七年には、インドのリサイクル施設の改善に際しまして、ODA供与、円借款の取決めをいたしました。二〇一二年より、我が国の認証団体におきましては、インド、中国等のリサイクル施設に対しまして、条約適合に関する民間認証を実施しております。その認証業務の中で、条約に真に適合するような施設改善のあり方などのアドバイスなども実施しているところでございます。  今後も引き続きリサイクル国への支援を行いまして、シップリサイクル条約の早期締結及び早期発効を促してまいりたいと思っております。  以上でございます。
  65. 井上英孝

    ○井上(英)委員 ふたをあけてみたら少ないということにならずに、たくさんの国に、この考え方は非常にすばらしいと思いますので、ぜひ働きかけていただきたいと思います。  日本が造船大国ということで、船舶に関する産業政策、経済産業省所管ではなくて、国交省所管の、海事所管の、船舶用部品メーカーの競争力というのについてお伺いをしたいと思います。  日本は世界有数の造船大国とのことですけれども、中国や韓国と最近競争が非常に激化しているというのがあります。船舶用の設備や部品については、中小企業を始めとする多くの設備メーカーが高品質なものを供給し、日本製船舶の競争力強化に貢献しているというふうに思います。  日本が高品質な船舶を供給し続けるためには、このような設備、部品のメーカーさんの競争力の確保というのが必要だと思います。特に地域の中小企業の生産性向上の支援策について、お答えいただけますでしょうか。
  66. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、我が国造船業の競争力を確保するためには、それを支えるエンジンやプロペラなどを製造している舶用品メーカーの競争力の向上も必要不可欠と認識しております。  国土交通省では、舶用品メーカーを中心とする中小企業の競争力の向上を目的といたしまして、中小企業等経営強化法に基づきます経営力向上計画の認定を実施しております。認定を受けた中小企業は、同法に基づきます固定資産税の減免や金融支援等の支援措置を受けられるようになっております。  これに関しまして国土交通省では、舶用品メーカーを含む船舶産業におきます円滑な認定の取得を促進するため、船舶産業の経営力向上に向けた指針を定めるとともに、事業者による計画作成への助言を行うなど、支援を実施しているところでございます。  引き続き、関係省庁と連携しつつ、中小企業の生産性向上に向けた取組をしっかりと支援してまいる所存です。  よろしくお願いいたします。
  67. 井上英孝

    ○井上(英)委員 ちょっともう時間もなくなってきましたので、この後、我が国の海洋政策についてお聞きしようと思っていたんですけれども、要望にちょっとさせていただきたいんですけれども、我が国は、領海と排他的経済水域を合わせた面積というのは世界第六位となっています。完全な海洋大国なんですけれども、海洋資源の開発技術というのに着眼すると、やはり欧米が先行しているという話があります。  我が国の海洋開発技術の現状、そして、欧米が本当に先行しているという事実があれば、挽回策というのをしっかりやはり考えていただきたいと思いますので、その辺また要望しておきます。  そしてまた、海洋開発市場の人材育成、大事だというふうに思います。今後、海洋開発市場に日本人がチャレンジしていくためには、技術開発のみならず、人材開発というのが不可欠ですので、その点も二点、要望させていただきます。  では、最後に大臣にお伺いをいたします。  世界有数の海運国、造船国である日本として、安全、環境の強化といった規制政策と産業競争力強化といった産業政策の両輪をどのように回していくか、大臣の決意をお聞かせください。
  68. 石井啓一

    ○石井国務大臣 我が国では、ユーザーである海運業、メーカーである造船業、舶用工業が互いに結びついて集積をいたしました、世界でも有数の海事クラスターが形成されておりまして、世界トップレベルの技術力を背景に、国際海事機関における安全、環境に係る規制に関する議論も主導してまいりました。  このような形で国際的な技術基準の策定を主導する一方、その基準をクリアできる技術開発を進めることを両輪にしまして、我が国海事産業の競争力強化を図ってまいります。  一例としましては、我が国の提案をもとに新造船の国際的な燃費規制などを国際条約として実現をしつつ、省エネ技術の開発を推進をしてまいりました。さらに、国際海運が目指すべき中長期的な温室効果ガス排出削減目標や、その実現のためのさらなる対策を検討すべく、我が国が国際交渉を主導しております。  その一方で、LNGなどの新たな燃料やIoTなどの高度な技術を採用した先進的な船舶を普及させるための新制度を昨年導入するなど、省エネ、CO2排出削減に資する各種技術開発、普及を推進をしております。  今後も引き続きまして、IMOでの安全、環境分野における諸問題の解決に積極的に参画をしつつ、我が国海事産業の国際競争力強化を図る等、国際ルールづくりと産業政策を一体的に推進してまいりたいと考えております。
  69. 井上英孝

    ○井上(英)委員 ありがとうございました。
  70. 西村明宏

    ○西村委員長 次に、津村啓介君。
  71. 津村啓介

    ○津村委員 日本の海運、造船業を応援し、また、観光立国を実現していくために、本日は、クルーズのさらなる振興に向けた幾つかの具体的な提案を行っていきたいというふうに思っております。  それに先立ちまして、昨日の熊本における飛行機の部品落下につきまして、二〇二〇年を目途に今後羽田の新ルートの実現を目指している中で、厳正かつ詳細な調査を強く求めたいと思います。  それでは質問に入ります。  まず、シップリサイクル条約に関連してでございますが、環境意識が高まる中で、近年、シップリサイクル条約、そして二〇二〇年にはSOx規制の強化ということもスケジュールに入ってきていると思いますが、日本の海運、造船事業者に一定の負担増が見込まれると思います。  その一方で、さまざまなメリットもあると思いますけれども、この二〇二〇年の燃料油規制、そしてシップリサイクル条約の発効に向けて、日本の海運、造船業は十分時間的に、あるいは体力的に対応していくことができるのか。大臣はどのようにごらんになっているか、お聞かせいただきたいと思います。
  72. 石井啓一

    ○石井国務大臣 シップリサイクル条約につきましては、有害物質一覧表の作成等に関しまして、海運、造船事業者に一定の御負担をお願いすることとなります。  これにつきましては、有害物質の情報をデータベース化し、その利活用を働きかけるとともに、有害物質一覧表の確認に係る手続を効率化する等、海運、造船事業者に負担を極力かけないよう努めてまいります。  また、船舶の燃料油中の硫黄分濃度規制は、人の健康や環境への悪影響を低減すべく、二〇二〇年から全世界的に強化されることとなっております。我が国は、環境先進国として、官民連携のもと、適切に対応していく必要があります。  環境対策にはコストがかかりますが、海運事業者等に過度の負担がかからないよう、関係省庁とも連携をしつつ、規制対応の円滑化に向けて取り組んでまいりたいと考えております。  燃料油の高騰対策といたしまして、例えば、特定の燃料油に需要が集中することを防ぐため、燃料油の燃焼試験の実施による使用可能な燃料の種類の拡大、排ガス洗浄装置、スクラバーの搭載による高硫黄燃料油の使用、液化天然ガス燃料船などの代替燃料船の導入促進などの対策を進めまして、船舶の燃料油の需給、価格の安定化を図っていきたいと考えております。  このように、環境規制にしっかりと対応しつつ、LNG燃料船など、我が国が得意とする先進的な船舶の技術開発や普及促進を図り、我が国の海運、造船業の競争力強化にもつなげていけるよう、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  73. 津村啓介

    ○津村委員 国土交通委員の皆さんにぜひお話を聞いていただきたいんですけれども、今、日本は、訪日外国人観光客が急ピッチでふえているという中で、全国の、特に必ずしも都会でないところも含めて、大変大きなチャンスが訪れているわけですけれども、このクルーズ船の誘致の仕方の工夫次第で、今非常にある意味では偏っているこのクルーズ船誘致が全国展開できるのではないか、そういう観点から図表を幾つか用意いたしましたので、できればごらんいただければと思います。  図表三枚のもののうち、まず一枚目をごらんいただければと思いますが、左側が、これは日本のマーケット、日本人が乗るマーケットと外国人と両方ですけれども、黄色と青でグラフをつくっております。  今、日本人のクルーズ船需要も、これは、いわゆる団塊の世代が高齢化をして、時間がある、お金がある、体力もあるという中で、潜在的なマーケットとしては非常に大きいと思うんですけれども、この黄色い棒グラフをごらんいただきますと、残念ながら、日本船社が運航するクルーズ船の寄港回数というのは必ずしも順調には伸びていない。  足元の二年間は、六十日ルールという、外国人の船員を雇用している場合に、外航クルーズと外航クルーズの間に六十日間しか国内クルーズを運航できないというルールを、三十日から六十日に緩和したので少し伸びていますが、しかし、まだまだこれはふやしていく余地があると思っています。  大臣には、この日本船社が運航するクルーズ船の寄港回数が伸び悩んでいる理由について分析をしていただきたい。  そして、もう一つは青い方でありますけれども、右側の訪日クルーズ旅客数、これは、寄港回数じゃなくて旅客数、人間の数ですけれども、確かに、二〇一三年から二〇一四年で二・三九倍、二〇一四年から二〇一五年で二・六八倍、二〇一五年から二〇一六年で七八%の伸び、昨年は二七%の伸びとなっていますが、若干伸び率が鈍化をし始めています。  これでは三年後の五百万人達成にはさらなる工夫が必要と思いますけれども、この伸び率の鈍化についての分析も大臣に伺いたいと思います。
  74. 石井啓一

    ○石井国務大臣 日本船社が運航いたしますクルーズ船の我が国港湾への寄港回数は、今資料で御提示いただきましたが、近年、約五百回から六百回の間で推移をしていたところですが、二〇一七年には七百五十一回となったところであります。  日本の外航クルーズ運航会社は、これまで主に経済的、時間的に余裕のある日本人客を対象としたサービスや施設の提供を行うクルーズを運航してまいりました。ある意味では、固定客を対象にしたクルーズを運航してきたと言えるかもしれません。  しかしながら、昨今、日本の外航クルーズ運航会社も、日本の自然や文化等の特色を生かした短期間の国内周遊クルーズなど、多様な旅客のニーズを踏まえたクルーズ商品を開発、提供をしているところであります。  また、国内旅客船事業者においても、単に旅客輸送にとどまらず、観光需要の取り込みに向けた豪華客船の新規建造など、新たな動きが見られているところでありますので、こういった動きに期待をしていきたいと思っております。  外国船社の方でありますが、昨年の訪日クルーズ旅客数は、前年比二七%の、二百五十三万人、外国船社が運航するクルーズ船寄港回数は前年比四〇%増の二千十四回となりまして、いずれも過去最高を記録いたしました。  御指摘のとおり、訪日クルーズ旅客数の伸び率自体は鈍化しておりますが、それは、どんどん母数がふえていきますから、同じ伸び率でいったらこれは大変なことになるわけで、逆に言いますと大変な伸びになるわけでありますが、その絶対数につきましては着実に増加をしているところであります。  また、外国船社が運航するクルーズ船の寄港回数の増加数につきましても、着実に増加をしているところでございます。  今後も、外国クルーズ船社が大型の新造船を逐次投入していく計画を持っていることから、我が国の港湾へのクルーズ寄港は引き続き着実にふえていくと見込まれております。  国土交通省といたしましては、訪日クルーズ旅客を二〇二〇年五百万人の目標達成に向けまして、ハード、ソフト一体となった施策を展開をし、クルーズ船受入れのさらなる拡充を図ってまいりたいと考えております。
  75. 津村啓介

    ○津村委員 皆さん、図表を一枚おめくりいただきたいと思います。  全国から選ばれて国会に来られている先生方は、ぜひ御地元の港がどういう状況かというのを図表二で御確認をいただきたいというふうに思いますけれども、クルーズ船、ボリュームゾーンが中国から来ている三泊ないし四泊、五泊といったクルーズが多いものですから、どうしても西日本、特に九州に今のところは需要が偏りがちになっております。  例えば博多港、こちらは、二年前は二百四十五、外国から寄港していたものが、今、三百二十六引く十七ですので、三百九、外国から寄港しているということです。しかし、博多港はメーンのバースは一つしかありませんので稼働率が極めて高くなっておりまして、ある意味では、これでいっぱいだからその日はだめだよと言って、お断りをしているというケースが出てきています。  こうしたものをほかの地域に誘致をして、西日本、そして場合によっては東日本も含めて、もっともっと誘致ができるのではないかというのが私の論の趣旨です。  副大臣に伺います。トップスリーである博多港、長崎港、那覇港のバースの稼働率は、今どのぐらいになっているでしょうか。
  76. あきもと司

    ○あきもと副大臣 二〇一七年のクルーズ船の寄港回数は、御指摘の上位三港である博多港、長崎港及び那覇港におきまして、クルーズ船専用バースと、それを補完する貨物と併用で利用するバースにおいてクルーズ船を受け入れておりますけれども、正直申し上げ、港全体での稼働率を一概にお答えすることは困難でありますけれども、それぞれのクルーズ船の専用バースが一年のうちに利用される日数の割合をバース稼働率とした場合、二〇一七年のバース稼働率は、博多港で二百七十日利用で七四%、長崎港では二百五十七日利用で七〇%、そして那覇港では百七十四日使用で四八%となっております。
  77. 津村啓介

    ○津村委員 クルーズ船については、今、二百五十三万人来ているのを五百万人にしていこう、そして、将来的にはもっと潜在的な需要は恐らくあると思うんです。  これを受け入れていくに当たって、一番人気といいますか、ほとんど寄っている博多港は七四%の稼働率になっていて、昨年実は、私も国土交通委員会筆頭理事をさせていただいておりましたが、西村さんや当時の西銘委員長と一緒に、このバース、理事の皆さんと一緒に見に行ったまさにあれなわけですけれども、稼働率が七四%ですから、これをさらに倍、受け入れることはできないわけです。  長さの延長は今やっていますけれども、バースをふやしているわけではありませんから、博多で受け入れられない、ある意味、余ったといいますか、さらなる需要をほかの地域で受け入れていく努力をしていくべきですし、博多港は多い日には貸切りバスが二百台も待っているという状況ですから、ある意味では、いろんな意味で飽和状態に近づいているわけです。  これを、ほかの地域、例えば、今回も落下事故がありましたけれども、震災の爪跡残る熊本であるとか、金子筆頭の御地元でありますけれども、熊本の八代であるとか、いろんな地域にこれは展開していくポテンシャルがあると思っています。  そういう中で、国土交通省は、既に二〇一五年の段階で、クルーズ船の受入れを円滑化するための先導的事業として、三つの港に着目をして応援を始めています。  その三つというのは、今申し上げた熊本の八代港、そして静岡の清水港、さらには広島の広島港、この三つでありまして、この三つは実際に、たった二年間でクルーズ船の寄港は大きくふえております。八代港は、二年前は年間十隻しか来なかったものが昨年は六十五隻、清水港は、五隻だったものが三十一隻、広島港は、二十五隻だったものが四十三隻とふえてきております。  しかしながら、昨年の港湾法改正を受けた、改めての国際旅客船拠点形成港湾には、八代港、清水港を含む六つの港が選定されたにもかかわらず、広島港は二年前は三つのうちの一つとして入っていたのに、昨年は広島港は抜け落ちました。  この指定がなされなかった理由は、大臣、どういうことでございましょうか。
  78. 石井啓一

    ○石井国務大臣 クルーズ船の受入れを円滑化するための先導的事業につきましては、急増するクルーズ船需要に対応するため、既存の物流ターミナルで円滑なクルーズ船の受入れを図るためのものといたしまして、これまで六つの港で実施をされておりまして、平成二十七年度には、御指摘のあった清水港、広島港、八代港の三港で実施をされました。  この事業によりまして、それぞれの港湾においてクルーズ旅客の動線計画が立案をされまして、物流ターミナルにおけるクルーズ船受入れの円滑化が図られたところであります。  一方、国際旅客船拠点形成港湾は、昨年改正された港湾法に基づきまして、旅客ターミナルビル等への投資を行うクルーズ船社に岸壁の優先的な利用などを認める制度でありまして、これまでに、横浜港、清水港、佐世保港、八代港、本部港、平良港の六つの港が指定をされております。  この制度の指定を受けるためには、まず、港湾管理者とクルーズ船社との間で優先的な利用と投資に関する調整が整うことが必要となります。  これまでに指定された六つの港は、そうした調整が整ったことから国に対して応募があり、港湾法に基づいて指定したところであります。広島港につきましては、これまでに応募がなかったため、指定に至っていないというふうに承知をしております。
  79. 津村啓介

    ○津村委員 ぜひ皆さんにも知っていただきたいんですけれども、国土交通省の中でこの取組をしていてもなかなか、いろいろ多省庁にまたがる規制があって、何といいますか、ハード面で埠頭が足りない、バースが足りないということだけではなくて、一定の航路は船が通れないということも含めて、私は伸び悩みの背景があるのではないかと思っております。  先ほど広島のことを御紹介しましたけれども、他の地域は五倍から六倍、つまり、九州がもうあふれてきていますので、ほかの西日本、あるいは、清水港は静岡ですけれども利用がふえているにもかかわらず、広島は、二十五から四十三、倍にも至っていない。あるいは、宇野港というのは瀬戸内海にございますけれども、これは十二隻が十六隻と、必ずしも、他の地域に比べると伸び悩んでいる。  この背景は、三枚目のグラフ、図表をごらんいただきたいんですけれども、二百メートル以上の船は瀬戸内海に夜間航行できないという、古い、漁業とのかかわりでの規制がございます。  クルーズ船というのは海外から来るわけですから、二百メートル以上の大型の船に三千人、四千人という人が乗っている船が大半でございますけれども、クルーズ船というのは、夜間移動して、昼に港に停泊して、観光バスでその地域を見るということですから、この瀬戸内海で二百メートル以上の船が入れないというのは大きなボトルネックになっているんです。  これによって西日本でのクルーズ船の利用が全体として伸び悩んでいることが、日本全体のクルーズ船需要が伸び悩む一因になっているのではないかということで、もうあと数分しか時間がございませんので、次回以降も取り上げていくんですけれども、最後に大臣に伺わせていただきます。  二年前の国土交通委員会におきまして、私、この問題を取り上げて、瀬戸内海のこませ網漁業の実態把握をお願いいたしました。その後、海上保安庁における漁業の操業実態、船舶の通航実態の調査というのはきちんと行われているんでしょうか。
  80. 石井啓一

    ○石井国務大臣 一昨年八月から約一年間にわたり巡視船を使用して詳細な漁業実態を調査した結果、季節による違いはあるものの、こませ網漁のほか、小型底びき網漁や流し刺し網漁などの漁法による漁船が、昼間に限らず夜間も多く操業している状況と聞いております。  さらに、瀬戸内海の航行環境といたしましては、船舶の通航データの解析による船舶の通航量が、昼間より夜間が多い状況でございます。平成二十九年の備讃瀬戸海域におけるAIS搭載船の一日平均通航隻数は、昼間が九十四隻に対しまして、夜間が百四十一隻となってございます。  また、平成二十年から平成二十九年までの十年間の備讃瀬戸海域における船舶衝突及び乗り上げ事故の発生状況につきましては、昼間が八十五隻、夜間が九十四隻ということで、夜間の方が多く発生している状況であると聞いております。
  81. 津村啓介

    ○津村委員 こませ網漁の実態につきましては、季節でありますとか、あるいは船のサイズでありますとか、いろいろと分析がございますので、それは次回以降また議論させていただきたいと思います。  本日はこれで質問を終わります。
  82. 西村明宏

    ○西村委員長 次に、伊藤俊輔君。
  83. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 国民民主党の伊藤俊輔でございます。  津村委員に引き続きまして、シップリサイクル法案について質問をさせていただきたいと思います。  冒頭、各委員からも、きのうの重大インシデントについて指摘等々ありましたけれども、今のところ、乗客並びに落下物によるけが人等々の報告はないということであります。  エンジンを含むケースに長さ九センチの裂け目があった、あるいは、半径五十メートル範囲内で五センチ程度の金属片が、落下物、少なくとも約十カ所以上で見つかった、病院の一階のガラスが割れた、多くのそんなニュースになっております。  これまでも、落下物によるインシデント案件は多く発生をしているかと思います。これからも、羽田の新ルート含め関連する案件を抱えていると思いますので、どうか重く受けとめていただいて、そして、原因究明、再発防止ももちろんですが、努めていただきたいと思っております。  それでは質問に入らせていただきます。  二〇〇九年にシップリサイクル条約が採択されて、日本も条約策定に先導的な役割を果たしたというふうに聞いております。改めて、条約の必要性について簡単にお聞きしたいと思います。     〔委員長退席、鬼木委員長代理着席〕
  84. 塚田玉樹

    ○塚田政府参考人 シップリサイクル条約の必要性につきましてでございますけれども、船舶の解体作業の多くは途上国において行われておりまして、船舶に含まれる有害物質による環境汚染ですとか、あるいは労働者の事故、疾病が発生しております。  また、多くの場合、旗国と輸出国が違うという船舶の特殊性、こうしたことに鑑みまして、有害廃棄物の規制に係る既存の法的枠組みの適用が困難であるという点も指摘されてきております。  本条約はこうした状況を踏まえまして採択されたものでございまして、船舶における有害物質を含む装置等の設置、使用、あるいは禁止、制限するとともに、締約国によって許可を与えられる船舶の再資源化施設の要件等について定めておりまして、これらにより船舶の安全かつ環境上適正な再資源化が確保されるものであるというふうに考えております。  この条約は、船舶が建造されて、その役割を果たした後に速やかに解体されまして再資源化されるまでの循環を健全に機能させるという意味におきましても、条約の締結が必要というふうに考えております。
  85. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 環境汚染、あるいは廃棄物、あるいは人権等、国際的な問題としてさまざまな団体からも指摘があるというふうに聞いておりますけれども、また、先進国で製造した船を最貧国で処理をしている、そんな指摘もされる現状だと思います。  日本がどのようにかかわるか、貢献をするか、そんな大きな役割も果たさなければならないと思いますけれども、条約採択から九年が経過をしております。条約を先導した日本がいまだ加入をしていないという現状でもあります。  改めて、九年を要し加入をしていないその理由と、そしてまた、この間いろんな調査をされているんだろうということも想像できますけれども、この間のその調査、検討等も含めて、簡単に教えていただきたいと思います。
  86. 塚田玉樹

    ○塚田政府参考人 この条約につきましては、二〇〇九年の五月に採択されたところでございますが、その後も、国際海事機関、IMOにおきまして、この条約に規定されている各種手続等の詳細を定める指針の作成作業が行われまして、我が国はこの作業を主導してきたところでございます。  二〇一二年の十月には全ての関連指針が採択されまして、この条約を実施するための手続の詳細が定まりましたことから、船舶解体業者等の国内関係業者を含めた検討会等を国内的に実施してきたというふうに承知しております。  また、この条約は、環境、労働分野における規制を広く含みますことから、さまざまな側面から関係省庁間での検討及び調査、調整等に取り組むなど、適切な国内法制化に向けた準備を進めてきたところでございます。  その結果、この条約の国内担保措置案につきまして関係省庁間で今般意見の一致を見ることに至りまして、今次国会においてこの条約の締結についてお諮りして、先般御承認を得たものでございます。
  87. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 バングラデシュなど解体国の労働者のアスベスト被害だったり、環境汚染、あるいは低賃金、あるいは過酷な労働条件も含めてですが、そんなことが多方面では言われている現状だと思います。  この解体施設の改善につなげる意図もこの法案は大きいかと思いますけれども、インド、中国、トルコ、特にバングラデシュなど解体施設の今の現状、そして労働者の状況、これも、できればなるべく新しい現状がわかれば教えていただきたいと思います。
  88. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  近年の外国におけます船舶の再資源化中の事故といたしまして我々が承知しておりますのは、まずバングラデシュでございますが、二〇一六年四月に有毒ガスの吸入によりまして二人が死亡し、同年五月には三人、六月にも一人が死亡。またパキスタンにおきましては、二〇一六年十一月にタンク内の油への引火によりまして二十八人が死亡いたしまして、二〇一七年一月にも火災等により六人が死亡。またインドにおきましては、二〇一八年三月にガス漏れによりまして二人が死亡するなど、悲惨な事故が発生していることは承知しているところでございます。  なお、中国、トルコにおきましては、大きな死傷事故の発生については、私どもの方としては承知していないところでございます。  以上でございます。
  89. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 よく報道や写真等で見るバングラデシュの過酷な現状というのは、この数年間で少しずつよくなってきているということも一方ではお聞きはしております。  この発効要件を満たすには、このバングラデシュ始め中国やさまざまな参加ということが極めて重要かと思いますけれども、この条約に加入をしないというか、日本にどのような影響があるか、改めてお聞きをしたいと思います。
  90. 塚田玉樹

    ○塚田政府参考人 お答え申し上げます。  仮に我が国の締結しない状況のもとで条約が発効するという場合には、まず、この条約の条件を満たさない日本船籍につきましては、締約国の港から退去させられるという可能性がございます。  また、同じくこの条約の条件を満たさない日本船籍は、締約国の船舶の解体施設に受け入れられない、そういう可能性も出てきます。  さらに、日本自身が日本国内において締約国の船舶を解体することができなくなるという可能性、こういった不利益が生じる可能性がございます。  以上でございます。     〔鬼木委員長代理退席、委員長着席〕
  91. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 航海の停止命令等々、かなり厳しい要件が入っているかと思いますけれども、この背景には、EUのシップリサイクル規則の影響も大きいのかなと思っております。  同規則の現状がどうなっているか。あるいは、解体の方式も大きく分けて四つ方式が伝えられておりましたけれども、ビーチング方式等々が排除されるような要件が入っているのか。あるいはシップリサイクル条約への影響等々、EUのことを含めて教えていただきたいと思います。
  92. 塚田玉樹

    ○塚田政府参考人 EUの規則の状況でございますけれども、EUのシップリサイクル規則につきましては、二〇一三年に採択をされておりまして、本年内にもその施行が見込まれているというふうに承知しております。  このEU規則は、EU加盟国に対しては本条約の担保法の役割を果たすものであるというふうに承知しておりまして、この規則が施行されることでEU加盟国による今条約の締結の動きが進んで、この条約の早期発効にもつながるものというふうに考えております。  他方で、EU規則は、基本的には本条約の要件に沿ったものではありますけれども、一部において条約で規定されたものを上回る規制があるというふうに承知しておりまして、EUに対しては、本条約と乖離しない制度を構築するよう、これからも促していく考えでございます。
  93. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 これからEUが参加をしていくことを想定すると、この発効要件もかなり進んでいく現状かと思っております。今現在六カ国、あるいは船腹量も二一・八%。そして、一番比重が重たいのは船舶の解体力〇・〇四%、これを引き上げる。インドや中国が入る可能性があるということでもありますけれども、その発効の要件を満たす可能性も少しずつ高まっているという現状だろうと思いますが、この解体国の対応によるところが極めて大きいんだろうと思っております。  条約発効に伴ってリサイクル施設の改善等々も進むと考えられると思いますけれども、条約に先立って改善が行われた事例としてよくインドが挙げられるかと思います。インドが成功したその背景、分析等々がされていれば、教えていただきたいと思います。
  94. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  我が国の海運事業者にとりまして、劣悪な環境の再資源化解体施設で解体を行った場合、みずからの国際的な評価にも影響が出るリスクがあるというふうに我々は考えております。  現に、我が国の代表的な海運事業者が運航する船舶の海外における再資源化解体の実績でございますが、二〇一六年以降、インドで二十一隻、中国で七隻、トルコで六隻と、比較的設備の整った国々で実施されていると承知しております。  このように、インドにおきまして設備が向上してきていることに関しましては、やはり近年のインド自身の経済成長などもあり、作業の現場におけます安全性、環境問題の意識の高まり、そういったものを踏まえて、再資源化解体施設におきましても、コンクリート床の敷設など、安全、環境対策を講じているものというふうに承知しております。  また、条約では、締約国の船舶は締約国により承認された再資源化解体施設でのみ解体することが義務づけられておりますので、今後、締約国の増加に伴いまして、インド以外のバングラデシュなどにおきましても、条約締結に向けた再資源化解体施設の改善が進むものというふうに期待しております。  以上でございます。
  95. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 インドがその改善が進んでいるという現状を踏まえて、バングラデシュ等々でも同じようなことが通用するのかということも一方では言われているのかなと思いますが、懸念をされることだと思いますが、いま一度、インドに含めてバングラデシュ等々、今の一番過酷な労働条件で労働されているような国々でも同じような要件が当てはまるのかということもちょっと教えていただきたいと思います。
  96. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 インドに関しましては、我が国のいわゆる海運事業者などもかなり活用しているということもございまして、そういった意味で、国としても、インドにおきます再資源化解体施設の改善に向けて、例えばODAなどによるいわゆる支援をするというような取組とか、さらには、一方でバングラデシュなどにおきましても、IMOなどが、いわゆるノルウェーの基金を使いながら、改善に向けた取組などについての調査を行っている。  そういった意味で、いわゆる先進海運諸国におきましてそういった解体国におけます支援を連携して進めていくということが、そのそれぞれの国におけます意識の高まりとともに相まって改善に向けた動きにつながるというふうに我々は期待しておりますので、そういった面でもしっかり取り組んでいきたいと思っております。
  97. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 資金的なもの、経済的なものや、あるいは技術的なところの支援等々も必要かなと思っておりますけれども、インドは日本からODA支援も行っていると思います。  このインドにおいて施設の整備に関連するものでいえば、約八十億ぐらいをODAで支援をしているというふうに聞いておりますが、バングラデシュ等ほかのところにも、日本からの技術的、経済的な支援という、その可能性、検討というのはされるんでしょうか。
  98. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 この条約がしっかりとした形で機能するためには、解体国におきますいわゆる施設の基準が上がっていく、施設が改善されていくというのが不可欠だと思っております。  そういう意味で、今は、インドに関しまして国際社会のいわゆる支援というものが日本も含めまして非常に多く行われておりますが、バングラデシュや、さらにはパキスタン、そういったところにおきましても、この条約の趣旨を徹底するためには、国際社会において支援していく必要があろうかというふうに思っておるところでございます。
  99. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 ありがとうございます。  本法律の施行で実際に我が国の船舶所有者が受ける影響について、どの程度か、大臣にお伺いしたいと思います。
  100. 石井啓一

    ○石井国務大臣 本法律案により船舶所有者に求められている事項のうち、主なものといたしまして、有害物質一覧表の作成が挙げられます。  これは、船舶建造時等に、どのような有害物質がどこにどの程度存在するかなどをまとめたものでありまして、再資源化解体に従事する者の安全及び環境汚染の防止のために、船舶所有者に一定の御負担をお願いをするものであります。  この有害物質一覧表は、新造船については建造時にあわせて作成をいたしまして、また、現存する船も各種検査のタイミングにあわせて物質のサンプリングにより作成をするため、船舶所有者の御負担は非常に小さくなるものと考えております。  一方、本法律案のもととなるシップリサイクル条約では、締約国は、未締結国の船舶が有利な取扱いを受けないために、必要に応じて条約の規定を適用できることとされており、未締約国の船舶であっても、締約国の港において有害物質一覧表の備置きの有無の確認を求められ、その航行が差し止められる可能性があるという点で大きな影響があります。  我が国の船舶所有者が、本法律案の規定に基づき事前に日本政府により有害物質一覧表の確認を受けることで、本条約に関しまして自由な航行が担保されることとなるわけでございます。
  101. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 有害物質一覧表の作成等々も一定の負担がかかることだと思います。五百トン、四十メートル、一番ミニマムなものにおいても約五億ぐらいの予算のかかっているものに対して、この有害物質一覧表を委託した場合、大体百万円から二百万円ぐらいかかるという話も聞いております。もっと大きなものにおいては、よりその負担も大きくなると思いますけれども。  現在、二〇二〇年の国際的な燃油中の硫黄分の規制強化など、さまざまな環境規制が迫られているということも一方ではあって、船の所有者、並びに、多くが中小零細企業の方も多いと思いますけれども、その負担も大きいかと思いますので、そういったこともしっかりと認識をして検討に当たっていただきたいと思っております。  そして、日本含め解体施設の充実等々がやはり必要だと思いますけれども、重要だと思いますけれども、本法の施行で、体制面だけでなくて、再資源化解体計画の作成など能力も問われると思いますが、その対応等々の比重というか問題についてお伺いしたいと思います。
  102. 石井啓一

    ○石井国務大臣 国内の再資源化解体施設について申し上げたいと思いますが、既に、国内の再資源化解体施設におきましては、基本的な安全、環境対策はとられていると認識をしております。  これに加えて、例えば、再資源化解体施設における事故、火災などの緊急事態に係る対応のための計画等を作成することにより、大きな負担なく条約基準に適合できるものと考えております。  また、再資源化解体計画の作成につきましても、本法律案施行後は、船舶所有者から有害物質等情報の提供を受けることが可能となります。  また、これまでも安全に再資源化解体ができていることから、現在実施している解体の体制、手順等を計画として作成することで足りると思われます。  こういったことから、大きな負担なく再資源化解体計画の作成ができるものと考えております。
  103. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 その負担等々も十分考慮していただきたいと思っております。  日本が一番対応を考えるべきはPSCかと思います。条約非適合船に対して、外国船舶に対する監督、船舶の安全性や海洋汚染等とは異なり、運航時に直ちに問題が生じない性質でも運航停止など強力な命令等々が行えるということですけれども、一方で、この内容が性質として厳しくなればなるほど、この条約に加入するインセンティブが上がるというか、加入する国が多くなるのではないかという見方もありますけれども、その辺の、PSCについてお伺いしたいと思います。
  104. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  現在、全国の各地方運輸局に、合計で約百四十名の外国船舶監督官が在籍しております。いわゆる外国船舶に対するポートステートコントロール、PSCを日々実施しているところでございます。  このようなポートステートコントロールの結果、必要な証書が備えられていない場合など、条約で定められた基準に適合していない場合には、その是正のために、本法律案の規定に基づく外国船舶監督官によります命令の発出もできます。  外国船舶監督官による命令が発出されますと、原則として、当該船舶は、その状況が改善されない限り再度航行することはできないということになります。  万が一、外国船舶監督官による命令によります指摘事項に従わなかった場合、又は従わないことが明らかな場合には、国土交通大臣により出港停止命令なども発することができますので、そのような権限もあることも踏まえながら、PSCという形で、いわゆる安全とかそういった面での基準をしっかり守るよう指導してまいりたいというふうに考えております。
  105. 伊藤俊輔

    ○伊藤(俊)委員 ありがとうございます。  最後に、この条約もそうですけれども、解体のところでの労働条件、あるいはアスベスト等々、その問題を踏まえれば、もっと効率的な船をつくれるような環境をまずはつくるべきではないかと思っております。CO2の削減、あるいは、有害物質ができるだけ発生しないような船をつくるところからインセンティブが与えられるような、そんな仕組みにもしていただきたいと思っております。  時間が来ていますので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございます。
  106. 西村明宏

    ○西村委員長 次に、もとむら賢太郎君。
  107. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 無所属の会のもとむら賢太郎です。どうぞよろしくお願いいたします。  船舶の解体は、主にインド、バングラデシュなど開発途上国で行われていることは承知をしておるわけでありますが、今回の法改正につきまして、このリサイクルの現場では劣悪な労働環境や環境汚染が問題となっているというふうに指摘をされております。  作業現場のまず状況についてお伺いしてまいりたいと思います。
  108. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 今先生の御指摘のように、現在、船舶の解体の多くは開発途上国で行われておりますが、これらの国々では船舶の解体に伴う労働災害や環境汚染が多く発生し、国際問題化しているのは事実でございます。  例えば、バングラデシュでは、二〇一六年四月に有毒ガスの吸入により二人が死亡し、同年五月に三人、六月にも一人が死亡。パキスタンでは、二〇一六年十一月にタンク内の油への引火によりまして二十八人が死亡し、二〇一七年一月にも火災等により六人が死亡している。インドでは、二〇一八年三月にガス漏れにより二人が死亡するなど、事故が相次いでいることは承知しております。  また、インドの解体施設におきましては、金属、木材、電気ケーブル、プラスチックなどのごみが散乱し、二〇一一年には、浜辺で解体中の船舶から大量の油が海上に流出し、一方、浜辺で解体中の船舶の燃料タンクに油のかすが残留し、波にさらわれることで恒常的に油が海上に流出するなどの環境汚染の日常的な実態が報告されているとも承知しております。  以上でございます。
  109. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 今御答弁ありましたように、この船舶リサイクルは、アスベストが飛散し、廃油が垂れ流され、環境への悪化が懸念をされているわけでありまして、労働者の多くがヘルメットなしであったり、あとは素足で、極めて危険な状態で、不衛生な環境で作業されているというような指摘もございますし、また、我が国でも建設業でアスベスト問題もございますので、これを見ていくと人権問題にもつながっていくんじゃないかなと思っております。  こういった劣悪な状況ということをまず指摘をしながら、次の質問に入らせていただきます。  次は、二〇〇九年五月に、国際海事機関、IMOのもとで本条約が採択をされ、日本が主導的な役割を果たしてきたということでありますけれども、その後、二〇一二年十月に関連指針が採択され、本条約のための手続の詳細が定まったというふうに伺っておりますが、このシップリサイクル条約は、我が国が主導的役割を果たしてきたものにもかかわらず、二〇〇九年の採択から九年、現在まで経過しているわけでありますが、その理由についてお伺いいたします。
  110. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 御説明申し上げます。  今委員の御指摘のとおり、シップリサイクル条約に関しましては、二〇〇九年に条約が採択された後、二〇一二年末に各種国際ガイドラインがIMOで採択されました。また、二〇一五年には、有害物質一覧表の国際ガイドラインについての一部の改正なども行われております。  本法律案によりまして、船舶所有者、再資源化解体業者、また、間接的には、関係する造船所、舶用機器の製造事業者に対しましても規制がかかることになります。  このため、シップリサイクル条約におきます国際議論の動向を踏まえまして、各種ガイドラインが出そろった上で、これらの関係業界と慎重に意見交換を行いまして、十分な調整、周知を行う必要があったことなどから、条約の採択の段階まで、締結の段階まで一定の時間を要したというところでございます。
  111. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 次に、これは多くの委員の方からも御質問が出ていますが、シップリサイクル条約の発効見込みについて、先ほどから御答弁がございまして、締約国数、そして締約国の船腹量、締結国の船舶解体力などのお話もございました。  そういう中で、主要解体国であるインドや中国の現状の話もいただいたわけでありますが、随分答弁に出てきておりますので、バングラデシュやパキスタンの状況についてお伺いしてまいりたいと思います。
  112. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  南アジアのインドやパキスタンやバングラデシュが主要な解体国になっている中、特に、インドにおきましては施設の改善が進んできていると承知しておりますけれども、バングラデシュとパキスタンにおきましては、まだインドのような状況までは至っていない。  しかし、一方で、やはりこういった条約の発効を見据えて取組も始まっているところでございます。そういったものをIMOや先進海洋国などにおきまして支援するということがバングラデシュなどでは行われております。  ただ、パキスタンに関しましてはまだそのような具体的な動きにはなっていないという情報もありまして、ある意味、この条約の発効が迫っていく中、そういった三国に関しまして、国際社会においてしっかり支援していくことが改めて必要かなというふうに感じているところでございます。  以上です。
  113. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 先ほど、中国は国内関連法の整備が済んだというお話もありましたし、また、インドもその方向性の意思があるというお話も伺いました。今、バングラデシュ、パキスタンのお話もありましたが、解体国の理解が進んでいくことが非常に大事でありますので、今後も各国との連携を深めていただきたいということをお願いしてまいりたいと思います。  次に、今回の対象を五百トン以上の船舶とした理由についてお伺いしてまいりたいと思います。
  114. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 今回、対象を五百トン以上の船舶とした考え方でございます。  総トン数五百トン未満の船舶に関しましては、これらの船舶を規制対象とした場合、船舶所有者及び解体事業者の負担が過度に増大することが見込まれることから、こうした関係業界に与える影響を総合的に判断した結果、五百トン未満の船舶については規制の対象から除外することといたしまして、対象を五百トン以上としたものでございます。  なお、この法律案のもととなっております二千九年の船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港国際条約、いわゆるシップリサイクル条約におきましても、総トン数五百トン以上の船舶が対象となっているところでございます。  以上でございます。
  115. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 五百トン以上の船舶の理由は今お話をいただきましたが、五百トン以下の船舶もたくさんございますので、この五百トン未満の船舶に関して、有害物質一覧の作成や解体施設の事前許可制など対応を実施しなくてもよいのか、お伺いしてまいりたいと思います。
  116. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 現在、我が国の国内で行われております船舶の解体を行っている施設におきましては、現状、環境面、労働者の安全面での特段の問題は生じていないと認識しております。これは五百トン以上の船舶に関してもそうでございます。  ただ、総トン数五百トン未満の船舶に関しまして、仮に五百トン以上の船舶と同じような規制をすることになりますと、そういった五百トン以上の船舶と比較いたしまして有害物質の使用量が少ないということや、そういったことなども考えますと、五百トン未満の船舶に関しまして、有害物質の一覧表の作成や解体施設の事前許可などについて五百トン以上と同じようにそれを求めるのは、必要性が低いのではないかというふうに判断させていただきました。  以上でございます。
  117. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 次に、国内では、海外での解体が難しい官公庁船を中心にした小型船の解体が行われているというふうに承知をしておりますけれども、我が国の国内におけるリサイクル能力は現在どうなっているのか、お伺いいたします。
  118. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  我が国におきまして、二〇一四年から二〇一六年の間に総トン数五百トン以上の日本船舶を解体した実績のある再資源化解体事業者は、全国で八事業者というふうに確認しております。  これらの再資源化解体業者におきましては、国土交通省で把握している限り、二〇一四年から二〇一六年の間に十一隻の解体実績がありますが、今先生の御指摘のとおり、これは大宗がいわゆる官公庁船でございました。  以上でございます。
  119. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 船をつくっている責任からも、国内でシップリサイクルを行う環境も整える必要があるんじゃないかなというふうに今感じたわけでありますが、それについてはいかがでしょうか。
  120. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 現在のところは国内におけるそのような需要は少のうございますが、今後、国内におけます船の船齢が上がってくるという傾向がございますので、そういった意味では、国内での解体ということが行われ得るような環境が出てくる可能性はあろうかなというふうに感じております。
  121. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 可能性があるということは、やはりリサイクル能力を、今後もその環境を整えていく必要があるということでよろしいでしょうか。
  122. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 リサイクル能力を供給する方が事業としてそれを行うということが前提になりますので、そういう意味では、さまざまな事業環境、例えば労働賃金とかを含めまして、そういったものも勘案した上での判断になろうかなと思っております。
  123. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 海上運送法の改正が昨年行われまして、経済安全保障上、日本船籍等の日本船舶をふやしていくこととしているわけでありまして、日本船舶がふえていくのであれば、なおさらリサイクルの環境も整えていく必要があるんじゃないかなということは指摘をしてまいりたいと思います。  次の質問に入らせていただきますが、内閣官房地域活性化政策である地方の元気再生事業に選ばれ、その成果が評価され、国交省の先進国型シップリサイクルシステムの構築に関する調査事業にも採択をされた、船が生まれ変わる室蘭プロジェクトというのがございます。  室蘭シップリサイクル研究会の座長であり、室蘭工業大学の清水一道教授が中心となって行われているものでございますけれども、平成二十二年三月から九月にかけて、日本初の大型船舶解体実証事業が行われたことも承知をしておりますけれども、世界的にもこれは高い注目を浴びて、それ以降、毎年シンポジウムを開催し、国交省の皆さんも参加をされているというふうに伺っておりますが、この船が生まれ変わる室蘭プロジェクトはどのような成果があったのか、お伺いいたします。
  124. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 今委員から御指摘のありましたプロジェクトでございますが、こちらは国土交通省の事業として行ったものでございます。  先進国型のリサイクルモデルの検討のため、室蘭市の埠頭で大型商船の解体を行い、事業性評価等を実施いたしました。  その結果、例えば、先進技術であるウオータージェット切断機により、安全かつ効率的な解体が可能であることが実証されたというふうに承知しております。  一方で、リーマン・ショック以後のスクラップ鉄の市場価格の低迷を受けまして、先進技術を活用してもなかなか収益に関しては難しい点があるということで、我が国で民間の事業として安定的に船舶の解体を行うためには、スクラップ鉄市場価格の動向などにも注視しつつ、さらなるコストの削減を図ることが必要であるというふうにそのプロジェクトの中では述べられていたというふうに承知しております。
  125. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 次に、大臣にお伺いいたします。  今の、この室蘭プロジェクトを中心に進めた室蘭工業大学の清水一道教授は、「近い将来、産学官民連携により、確立した事業化モデルを全国的に展開し、先進国型シップリサイクルを室蘭から世界へ発信することを期待している。」と述べておりますが、今お話がありましたこの室蘭プロジェクトを進めている清水一道教授のこれらの言葉に対しての御所見をお伺いしてまいりたいと思います。
  126. 石井啓一

    ○石井国務大臣 室蘭プロジェクトにおきましては、国内の岸壁において大型商船の解体を行うことが技術的に可能であることが確認できた一方で、コスト面に一定の課題が残ったと認識をしております。  このような中で、室蘭工業大学の清水教授を始めとしまして、地元の関係者の方々から国土交通省に対して、室蘭プロジェクトの成果を世界に発信したいとの御要望もいただいております。  国土交通省といたしましては、関係者のさらなるコスト低減に向けた取組について注視をしながら、船舶解体の事業化に意欲がある者に対しまして室蘭プロジェクトで得た成果を提供する等の支援を行うとともに、船舶解体国に対し我が国のノウハウを積極的に提供し、シップリサイクルが世界的に安全かつ環境保全が図られた形で実施されるよう引き続き努めてまいりたいと考えております。
  127. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 我が国の輸出入の九九・六%が海上輸送であり、特にエネルギー関連はほぼ一〇〇%が海上輸送となっていることも現実のこととして捉えている中で、ぜひとも、清水一道教授が目指している、近い将来、産学官民連携というこのことも大事でありますし、今度は室蘭から世界へという発信も私どもも期待をしてまいりたいと思いますので、国土交通省としてさらなる御支援をお願いしてまいりたいと思います。  次に、有害物質一覧表の作成及び国土交通大臣の確認を受けることを所有者に義務づけているわけでありますけれども、造船業者の理解、協力がなければ有害物質一覧表を作成することはできないわけでありますので、造船業の皆さんの理解、協力の状況についてお伺いしてまいりたいと思います。
  128. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、有害物質一覧表を作成するためには、造船所の協力が必要不可欠でございます。  有害物質一覧表を作成するためには、材料メーカーから造船所に至る造船サプライチェーン全体、千社以上とも言われますが、そこで有害物質含有の有無や使用箇所及びその量を特定し、確実にデータを集約できる体制を構築する必要があると考えております。  これに向けまして、国内では造船所や舶用メーカー等との意見交換を重ねてきておりまして、有害物質一覧表の作成体制の構築に向けて、造船所や舶用メーカーも本法律案の重要性を理解した上で、官民が一体となって前向きに取り組んでいるところでございます。  以上でございます。
  129. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 次に、造船国の責任として、シップリサイクルも本来ならば国内でより行っていくべきではないかと先ほども指摘をしたわけでございます。あわせて、ビジネスとしてシップリサイクルを行っている主要解体国の皆さんのことを思えば、今後、技術支援を積極的に行っていくべきではないかというふうに考えますが、政府の見解をお伺いいたします。
  130. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  造船国であり、シップリサイクル条約の策定を主導してきた我が国が、世界的に安全、環境に配慮した船舶の解体が実施されるよう取り組んでいくことは非常に重要だと考えております。  しかし、近年の日本国内でのスクラップ鉄価格の低迷等に鑑みますと、我が国ではなかなか民間事業としての船舶の解体の事業化というのは難しい点もあろうかなと思いますが、そういう面に関しましては、事業化を行うような意思を持っている方に関しましてしっかりと技術支援を行ってまいりたいと思っております。  また、一方で、今御指摘のありましたように、解体国に関しましての技術支援、そういったものに関しましては、しっかりとこれも続けていきたいと思っておりますので、そういう意味で、その点に関しましても官民一体でそういった支援についても取り組んでいきたいというふうに考えております。
  131. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 我が国は世界三位の造船国であり、また、実質保有する船腹量は世界第二位ということでありまして、一九五六年以降、二〇〇一年までの日本の建造量は世界一位、シェアは最大で五〇%を超えていたということでありますし、現在は中国、韓国の台頭で世界三位ということになりましたが、シェアは約二〇%。今治造船では二〇一五年には世界二位の造船量にも及んだわけでありますし、過去八十五年間で造船業界は約六十倍に成長している産業でもあります。  そういった中から、この技術支援を今後も積極的に各国に行っていただきたいと思っておりますし、安全で、汚染を食いとめる環境に優しいシップリサイクルを実現させるためには日本の造船技術が必要でありますので、そういった点では、ぜひ、国土交通省の皆さんの強いリーダーシップによってこの技術支援を積極的に行っていただきたいということを要望してまいります。  最後の質問になりますけれども、昨年の海上運送法改正の審議に際しまして、大臣からは、「我が国の海運は、我が国の経済活動、生活物資輸送に欠かせない基幹的な輸送インフラであります。また、造船は、国内に生産拠点を維持し、地域経済と雇用を支えている重要な産業であります。 このように、海運、造船を始めとする海事産業の振興は極めて重要でございますので、海運業、造船業の活性化や国際競争力の強化を図ることが重要と認識をしてございます。」「海事大国日本の実現に全力で取り組んでまいりたい」という力強い答弁もいただいております。  我が国は海洋国家であり、海運日本、造船日本という誇りがあります。このシップリサイクルにおいて我が国の果たすべき役割について最後に大臣に質問して、終わりにします。
  132. 石井啓一

    ○石井国務大臣 我が国は、世界有数の海運・造船大国として、これまでもシップリサイクル条約の作成を主導するとともに、官民を挙げて条約の締結に向けた取組を行ってまいりました。  今後も引き続き我が国の持つ専門知識、技術を活用し、インドを始めとする解体国への支援を行うとともに、シップリサイクル条約の締結を働きかけることでシップリサイクル条約の早期発効を目指してまいります。  これによりまして、世界における船舶のリサイクルの際の労働災害や環境汚染の防止に貢献するとともに、海運市場から老朽船を円滑に退場させて、海運、造船業の持続的な発展を目指してまいりたいと考えております。
  133. もとむら賢太郎

    ○もとむら委員 これで質問を終わりにします。ありがとうございました。
  134. 西村明宏

    ○西村委員長 次に、根本幸典君。
  135. 根本幸典

    ○根本(幸)委員 自民党の根本幸典であります。  本日は、質問をさせていただく機会をいただいたことに心から感謝を申し上げたいと思います。  それでは、早速、シップリサイクル法に関して質問をさせていただきたいというふうに思います。  先ほどからずっとありますように、船舶の解体は、労働コスト、リサイクル材料のニーズの観点から、バングラデシュとかインドなどの発展途上国で実施されている。こういったところの労働災害とか環境汚染が国際問題化され、そして、これを解決するためにシップリサイクル条約というのが二〇〇九年に作成、採択されたということであります。  そして、今国会において、国内法を整備しようということで今審議をされているわけでありますが、この九年間の経過、経緯と、さらに、今国会でこの法案を整備をしようというその必要性、まず意義についてお伺いをしたいというふうに思います。
  136. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 今委員の御指摘のように、この条約自身は二〇〇九年に採択をされております。その際、条約の素案の作成などを我が国が行ったという意味で、この条約の策定に関しましては、我が国が主体的に主導してきたということが言えると思います。  そういう主体的に主導した中でありながら現在まで採択できていないということに関しましては、この条約の中身に関しましての関係者が非常に多うございます。そのために、いわゆるガイドライン、手続を踏めるようなものにつきましても、関係国と、条約の打合せぐらいに及ぶような、それに匹敵するような形での丁寧な議論が必要でございました。  その間、ガイドラインなども二〇一二年にあらかたそろった上で、一五年には有害物質一覧表の国際ガイドラインの一部改正なども行われたということでございまして、そういったガイドラインができたことを受けまして、いわゆる船舶をめぐる関係者の方々、そういう方々が非常に多うございますので、そういう方々と国際議論なども踏まえながらつつのいわゆる調整などを行わせていただいて、そういう意味で、意見交換なども大変な数をやらせていただきました。  そういう意味で、そういったものが一通りまとまったということを受けて、今回、条約についての御承認と国内法化に関しましてのこの法案を提出させていただいているという状況でございます。
  137. 根本幸典

    ○根本(幸)委員 それでは次に、今度は、船舶のリサイクル施設についてお伺いをしたいというふうに思います。  安全、環境基準に適合するようハード、ソフトを整備した上で主務大臣の許可を受けること、法律の中でそのようにされているというふうに思いますが、リサイクル施設は、日本では、どちらかといえば小さな事業者が船舶を解体しているというふうに聞いているんですけれども、今回のこの許可制は小規模な事業者にとって多大な負担になるんではないのかなというふうに思いますが、このあたり、御説明いただきたいというふうに思います。
  138. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  確かに、国内の解体施設に関しましては、小規模なものが多うございます。  ただ、やはり、国内の既にあります労働関係法制とか、あとはいわゆる環境関係の法制、そういったものに適合するような形のものにもなっておりますので、今回の条約に基づく基準に関しまして、さらなる上乗せといいますか対応が必要となるようなものは少ないというふうに我々認識しておりまして、現に、既にこういった条約を先取りした認証機関の認証を受けている施設もあるんですが、そういったところではハード面でのいわゆる対応は必要ではなかった。具体的には、ソフト面で、いわゆる火災とか災害時、こういったときの対応をするための対応要領とか、そういったものをつくるぐらいの対応で済んだということでございまして、今回の条約の内容に関しましても、大きな負担がなく適用できるものではないかなというふうに我々推測しておりますが、大きな負担があるようであれば、しっかりと対応してまいりたいと思います。
  139. 根本幸典

    ○根本(幸)委員 今ありましたように、進めてみて負担があるようであれば、しっかり中小企業の皆さんはやっていますので、この辺はフォローしていただければというふうに思います。  次に、有害物質一覧と、あとは解体の承認についてお伺いをしたいというふうに思います。  まず、適用されるのが日本の船舶に限られるのかどうか、この辺を確認するのと、さらに、有害物質一覧表の作成、これは聞くところによると千ページぐらいのものになるというふうに聞いていますが、これは造船業者とか船舶の事業者にとって負担が大分ふえるんじゃないかなというふうに思っていますが、このあたりの見込みをお聞かせいただければというふうに思います。
  140. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 本法律案の対象でございますが、これは日本の法律でございますので、基本的には日本船舶が対象となっております。したがいまして、御指摘の有害物質一覧表の作成義務及び再資源化解体の承認とかそういったものに関しましても、基本的には日本船舶が対象になるところでございます。  一方で、いわゆる有害物質一覧表でございますが、物によっては千ページを超えるような大部なものになるとも承知しております。そういったものをつくるに際しまして、やはり船舶所有者の中には、非常に負担になるんではないか、それに情報を提供する造船所の方においてもそういった懸念などもあるやに聞いております。  それに関しましては、我々といたしましては、いわゆるデータの共有化、データベース化をするとともに、そういったものをデジタルで共有、提供できるような仕組みに関しましても検討したいと思っておりまして、紙で千ページであっても、デジタルにすれば、そういった面でのいわゆる負担といいますか、そういったものが軽減されるのではないかということで、そういった観点からのいわゆる軽減措置をしっかりしていきたいと思っております。  以上です。
  141. 根本幸典

    ○根本(幸)委員 ぜひそういったデジタル化等々を含めて、それぞれの事業者さん、さらには造船業者さん、さらには船舶の所有者さん等々が負担にならないように、この辺はまたぜひ一緒に検討していただければというふうに思います。  それでは、今ありましたように、日本の船舶に限られるということでありますけれども、大型船舶というのは、パナマとかリベリアといったいわゆる便宜置籍国に所属するなどのさまざまな国籍の船があるわけでありますが、この法案のもとになったのはシップリサイクル条約でありますから、この実効性をどういうふうに確保していくかということが非常に重要だというふうに思います。  この実効性をどう確保していくか、お聞かせいただければというふうに思います。
  142. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 シップリサイクル条約の実効性を、便宜置籍国との関係等々について、それがどういうような形で守られるのかというお話だと承知しました。  この条約では、締約国は、未締約国の船舶が有利な取扱いを受けないために、必要に応じて未締約国の船舶にもこの条約の規定を適用できることとされております。  加えて、締約国の港に寄港する船舶に対しまして、当該船舶の旗国が条約未締約国であっても条約の規定を適用することが認められておりますので、外国船舶監督制度によりまして、いわゆるPSC、それを通じましてこれを担保する形になっております。  我が国におきましても、このような制度を適切に運用することによりまして、日本船舶以外の船舶についても適正に対応を求めてまいりたいと思っております。  これによりまして、本法律案やシップリサイクル条約の実効性をしっかりと担保してまいりたいというふうに考えております。
  143. 根本幸典

    ○根本(幸)委員 ありがとうございました。  日本籍だけではなくて、ほかの船もしっかりその実効性を確保していただいて、国際的に日本の果たす役割というのは大きいと思いますので、しっかり対応していただければというふうに思います。  それから、このシップリサイクル条約、先ほども御答弁の中でありましたように、日本が主導したというふうに聞いていますけれども、やはり、多国間交渉というのは利害関係者も多いので、意思決定というのは大変御苦労なさったのではないのかなというふうに思います。  一方で、船舶を取り巻く課題というのは、シップリサイクルだけではなくて、いろいろなものがあるというふうに思うんです。例えばCO2の排出削減であったり安全対策などなど、極めて重要なものがたくさんあるというふうに思います。  こういった国際的な課題について国土交通省がどのように対応されていくのか、国交省の御見解をいただきたいというふうに思います。
  144. あきもと司

    ○あきもと副大臣 御存じのように、海運・造船大国である我が国は、船舶の建造から運航に至るまで多くの知見を有しております。御指摘のCO2排出基準を始め、国際海事機関における船舶からの安全、環境にかかわる規制に関する議論を主導してきたところであります。  例えば、旅客船の転覆防止に関する基準が我が国の提案のもとに見直されているほか、自動運航船に関する安全基準についても主導していくこととなっております。  今後も引き続き、官民双方の技術や専門知識をIMOの活動に反映させることにより、船舶に起因する環境汚染の一層の防止や安全性能の向上に取り組んでまいるところでございます。
  145. 根本幸典

    ○根本(幸)委員 ありがとうございます。  船舶に関してはいろいろと課題がありますので、日本は、造船もそうですが、船舶に関しても大国でありますので、ぜひ世界をリードしていただければというふうに思います。  それでは、今度は造船産業について少しお伺いをしたいというふうに思います。  私の地元も造船業があります。私が小学校の三年生か四年生ぐらいのときに造船所ができまして、自宅からその造船所ができていく様子を見ていまして、大きなものができたなというふうに思って、そして、親に言って初めての進水式を見せてもらいまして、大変大きな船でして、いやあ船というのは大きい、すばらしいなと思って感動して見たのが、多分一九七〇年代の前半だったのかなというふうに思います。  そして、過日、今治にちょっと行く機会があったんです。もともとの目的は、しまなみ海道が、自転車のまちづくりを今治がしているというので、その様子を見てみたいなと思って自転車をこいで行ってみたんです。  ちょうどその今治は造船の町だというふうに聞いていまして、高速道路を百メートルぐらい上がると周りの景色が見えて、もう造船所がぶわっとあるわけです。それを見るたびに、ああ、こうやって造船で地元の産業を支えて、地域がこれで発展しているんだなというのを改めて実感をさせていただいたわけですけれども、そんな中で、日本は世界有数の造船大国でありますが、最近は、中国、韓国等々との競争が激化しているというふうに言われています。  貿易立国である日本にとって、造船業の国際競争力の確保、そして国際シェアの向上、これは経済成長のために不可欠だというふうに思いますが、世界における我が国の造船業の現状についてお伺いをしたいというふうに思います。
  146. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  我が国の造船業は、世界の市場におきましては、中国、韓国、日本という形で、いわゆる三強の一角という形で今でもそのプレゼンスを維持していると言えるかと思いますが、相対的に、やはり中国、韓国との競争におきましては次第次第に押されているという状況もあろうかという状況でございます。  そのために我が省といたしましても、i―Shippingとか、そういった形で生産性の向上に取り組んでいるところでございますが、道半ばという部分もございますので、しっかりとこれからも取り組みたいと思っております。  その世界の造船業でございますけれども、海運市況の低迷によりまして、二〇一六年に受注量が大幅に減少いたしまして、二〇一七年は回復基調に転じたものの、低水準にとどまりました。そういう意味では二〇一六年が本当に一番の底で、一七年にやや回復しつつあり、足元の二〇一八年の一月から三月の受注量から回復基調はより一層強まってきているというふうに我々見ております。  引き続きこのようなペースで回復していくことを期待しているところでございます。  しかしながら、先ほど申し上げました韓国と中国との競争でございますが、いずれにいたしましても、彼らが仕事量を確保するために、国の公的支援などを背景に安値で積極受注をしておりまして、我が国造船業は厳しい競争環境下に置かれているということが相変わらず言えるかと思っております。  以上でございます。
  147. 根本幸典

    ○根本(幸)委員 ありがとうございます。  そういう意味では、これからその中国、韓国と戦っていくには、やはり、生産性を上げていくというのが大切だというふうに思います。まさに国交省は生産性革命という言葉を使いましたし、我々も、前回の選挙におきまして、自民党は生産性革命をやっていくというふうにやっております。  そういう意味では、我が国の造船所の生産性向上に向けた課題と、それを国交省がどう支援していこうというふうに考えているのか、お伺いをしたいというふうに思います。
  148. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  我が国造船業の生産性でございますが、これはまだまだ、中国、韓国のそれら生産性と比較いたしましても高い状況にございます。ただ、今後の競争を考えますと、さらなる現場の生産性の向上が必要だというふうに認識しております。  そのため、IoTやビッグデータ等を活用した造船工程の生産性向上に資する革新的技術の開発を行う事業者への補助の制度を二〇一六年度に創設しております。  現在までに三十三件の補助事業を採択したところでございまして、国交省としては、このような補助事業等を通じまして、引き続き、現場の生産性の向上を図り得るような取組、技術、そういったものを支援してまいりたいというふうに考えております。
  149. 根本幸典

    ○根本(幸)委員 一方で、我が国はやはり少子高齢化という大きな課題を抱えていまして、この造船業もほかの産業と同様で、担い手不足というのは大きな課題になっているというふうに思います。  その意味において、若者とか女性、これをどう活躍してもらうかというのはほかの産業と含めて一緒だというふうに思いますけれども、若年層をどういうふうに確保していくのか、どう育成していくのか、国土交通省の取組をお聞かせいただきたいと思います。
  150. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、造船業は非常に人手のかかる仕事でもございます。そういった意味で、人材の確保というのが非常に重要と思っています。我が国造船業が今後とも中長期的に発展を続けていくためには、将来の造船業の担い手となる若年層の確保、育成が大変重要というふうに改めて考えております。  このため国交省では、造船教育の充実、人材の確保に関する取組を進めているところでございます。  具体的には、二〇一六年度は、高校における造船教育を充実させるため造船工学の教材を作成したほか、学生が造船業に対しまして理解を深められるよう、長崎県と大分県におきまして、地域の複数の造船事業者と教育機関が連携したインターンシップのモデル事業なども行い、インターンシップ実施ガイダンスとして取りまとめを行ったところでございます。  また、二〇一七年度からは、若手造船教員育成のための研修プログラムを開発しております。  さらに、本年三月には、新高等学校学習指導要領におきまして、新たな科目として船舶工学というものが創設されました。  国交省といたしましては、今後とも、造船事業者、教育機関と連携いたしまして、造船人材の育成、確保に努めてまいりたいと思っておりますが、女性のいわゆる造船現場におきます採用増加ということにも今取り組んでおりまして、そういった女性をフネージョというふうに呼んで、そういった女性方のいろいろなニーズといいますか考え方なども聞く機会などを設けて、そういった方々の意見が反映できるような働く場にしたいというふうに取り組んでいるところでございます。  以上です。
  151. 根本幸典

    ○根本(幸)委員 ありがとうございました。  今、人材の育成、さらには生産性を上げていく、こういうことでしっかりと造船を応援していただきたいというふうに思いますが、地方にやはり造船業というのがありまして、地域の雇用だったり地域の経済の発展というのはもう不可欠だというふうに思います。その一方で、厳しい国際競争力、打ちかっていくためには知恵も出していかなきゃいけない。  その意味において、我が国の造船業の発展を国土交通省としてどう支援していくのか、最後にお聞かせいただきたいというふうに思います。
  152. あきもと司

    ○あきもと副大臣 御指摘のように、我が国の造船業の多くは地方圏に生産拠点を置いていまして、多数の周辺産業を有する裾野の広い産業として、地方の経済、雇用を支えている重要な産業と理解しております。  国土交通省では、二〇二五年に我が国の造船業の世界新造船建造シェア三〇%の獲得を目指して、我が国の造船業の生産性向上を目指す海事生産性革命、いわゆるi―Shippingを国土交通省生産性革命プロジェクトの一つに位置づけ、強力に推進しているところであります。  具体的には、先ほども答弁申し上げましたけれども、IoTを活用した革新的生産技術の研究開発補助等の技術開発支援、高校における造船専門教育拡充など、技術を担う人材の確保、育成など、積極的に取り組んでおります。  今後とも、この海事生産性革命を更に深化させて、我が国の造船業の一層の競争力強化に取り組んでまいりたいと思っております。
  153. 根本幸典

    ○根本(幸)委員 ありがとうございました。時間が来ましたので終わります。
  154. 西村明宏

    ○西村委員長 次に、鬼木誠君。
  155. 鬼木誠

    ○鬼木委員 自由民主党の鬼木誠でございます。  船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案、いわゆるシップリサイクル法案について質問をいたします。  これまでも多くの委員の皆さんが述べてこられたように、日本は海洋国家でございます。海は太古から日本に富と文化を運んでまいりました。  平安時代には、私の住んでいます博多、博多港に平清盛が日宋貿易を開いて富を運んでまいりましたし、また、江戸時代には、私の母方の島、対馬におきまして、朝鮮貿易、朝鮮通信使といった形で富や文化が運ばれてまいりました。また、鎖国時にも、北前船を通じまして莫大な富が日本国内を流通いたしまして、各都市が豊かになりました。明治期の大都市、人口の多い都市を見ていますと、富山や徳島といった都市が人口上位の都市として栄えていたことがわかります。  物流が、時代の変化とともに、鉄道が開かれ、そしてトラックが栄えという形で変わってまいりましたが、それにしても、海洋国家日本において、海運の大事さということは変わらないわけでございます。  今回、この法案は、日本の海運業者の皆様が心待ちにしている法案ということで、私も張り切って質問したいと思います。  この法案は、シップリサイクル条約への対応の必要性から生じたものでございます。船舶は、老朽化や経済的な理由から最終的には解体されていくものでありますが、その部品や材料は鉄材などとして再利用をされております。現在、大型船の解体の多くは、インド、中国、パキスタン、バングラデシュといった国々で行われておりますが、一部の国々では、劣悪な労働環境とそれによる作業員の健康被害が問題となっており、また、廃棄物の適正な処理がなされていないなど、環境保全の面でも問題が見られておりました。  船舶解体による労働災害や環境汚染とは、どういうことが世界で起こっているのでしょうか。それぞれ具体例をお示しください。
  156. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 お答え申し上げます。  現在、船舶解体の多くはいわゆる開発途上国で行われておりますが、これらの国々では船舶の解体に伴う労働災害や環境汚染が多く発生し、国際問題化しております。  例えば、バングラデシュでは、二〇一六年四月に有毒ガスの吸入によりまして二人が死亡、同年五月には三人、六月にも一人が死亡、またパキスタンでは、二〇一六年十一月にタンク油への引火によりまして二十八人が死亡し、二〇一七年一月にも火災等により六人が死亡、さらにインドでは、二〇一八年三月にガス漏れにより二人が死亡するなどの事故が発生していることは、我々も報道等によりまして承知しておるところでございます。  また、インドの解体施設におきましては、金属、木材、電気ケーブル、プラスチックなどのごみが散乱し、浜辺で解体中の船舶の燃料タンクの油かすが残留いたしまして、波にさらわれることで油が海上に流出するなどの、日常的に環境汚染が起こされているというふうにも承知しております。  以上でございます。
  157. 鬼木誠

    ○鬼木委員 私も、以前、インドのスラム街を視察に行ったことがありまして、そこでは、スラムといっても別にみんな浮浪者じゃないんです。仕事をしているんです。そこは海辺ではなかったんですが、船の解体ではなかったんですが、巨大なスラム街の中でいっぱいビルがあって、みんな何か仕事をやっているんです。何かミシンでいろいろなものをつくったり、染料で布を染めたり。その染めた真っ赤な染料をそのままどばどばどばと川に流す様子を見て、その真っ赤な染料が流れ込む川がもう既に真っ黒というのを見たこともあります。  そうした最貧国で働く人たちのもとに船が運ばれて、労働災害、インドでいえば、ガスの死亡事故、そして油の流出といった環境汚染、そうしたことが起こっているというのは、私の頭の中にも想像できるものでございます。  現在、国連では、SDGs、持続可能な発展目標が推進されている中、労働者の健康被害や海の環境悪化などは、まさに持続可能でない、改善すべき問題だと言えます。  その問題に対し、国連の専門機関である国際海事機関が採択したのがシップリサイクル条約であります。労働災害、環境汚染などを防ぐべく、船舶解体に関するルールが決められました。本条約の発効が迫っている中で、日本の海運業者もこれらのルールを遵守する必要が出てきております。  シップリサイクル条約が発効した場合、今審議しているこの法案がもしなかったら、どのような不利益が日本の海運業者に予想されるでしょうか。また、逆に、この法案が成立することによって、どのような利益が日本の海運業者に与えられるでしょうか。
  158. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 本法律案に関しましては、これは、我が国がシップリサイクル条約を国内的に実施するためのものでございます。  シップリサイクル条約では、締約国は、未締結国の船舶が有利な取扱いを受けないために、必要に応じて未締結国の船舶にも条約の規定を適用できることとされております。  したがいまして、本条約発効後は、日本が条約を締結しているかにかかわらず、日本船舶が締約国に入港した場合、有害物質の目録の確認などを受ける可能性がございます。このため、本条約を締結できなかった場合、日本船舶が締約国の港から退去させられるような場合があり得るという問題が生じます。  本法律案によりまして条約の国内実施法が整備されます。日本が本条約を締結することで、我が国海運事業者は、事前に日本政府より有害物質の目録の確認を受けることができ、本条約に関しまして自由な航行が確保されるというメリットが発生いたします。  そのほか、本条約では、締約国の船舶の解体施設は、条約の要件に適合する船舶のみを受け入れることが義務づけられております。  本条約を締結することで、日本船舶が有害物質の目録の確認など各種手続を経て、締約国の解体施設で船舶の解体を行うことも可能になります。これによりまして、海運市場から老朽船を円滑に退場させ、我が国海運、造船事業の持続的な発展を促すことになるとも考えられます。  また、国内の解体施設においては、有害物質の目録の情報によりまして適切な解体計画を作成することが可能になります。それによりまして、労働災害、環境汚染の防止も図られるというメリットも発生いたします。  以上でございます。
  159. 鬼木誠

    ○鬼木委員 世界の海の環境、また、世界じゅうの船舶解体労働者の健康、そしてまた、日本の海運業者にとっても大切な条約であるということがわかりました。  それでは、現在、日本の海運業者は船舶の解体をどのように行っているのでしょうか。
  160. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 二〇一六年以降でございますが、我が国の代表的な海運事業者が運航する船舶の海外における解体実績は合計三十四隻でございました。その内訳は、インドで二十一隻、中国で七隻、トルコで六隻となっておるところでございます。  また、解体を行った施設自体につきましても、設備の整っている中国、トルコの施設や、日本の民間団体によりまして条約の要件に適合する認証を受けているインドの施設、そういったものが多うございます。また、インドにおきます認証施設の増加に伴いまして、年々、認証施設の利用割合もふえておりますので、そういった意味では、安全面、環境面で条約上もしっかりとした施設で行われているというふうに認識しております。  以上でございます。
  161. 鬼木誠

    ○鬼木委員 大型船舶の解体といいますと、リサイクルされる資材は鉄などが思い浮かびますが、私がかつて福岡県議会にいたころには、FRP船の不法投棄が問題となっておりました。プレジャーボートなどです。FRPとは繊維強化プラスチックのことでありまして、高強度で破砕が困難、耐用年数が長いということで、放置艇の沈廃船化や不法投棄が問題となっておりました。  大型船舶の解体の状況はこの法案の審議を通じてわかってまいりましたが、小型船、また、プラスチック素材のリサイクルというものがどうなっているのか。日本におけるFRP船のリサイクルについてはどういう対応が図られておりますでしょうか。
  162. 蒲生篤実

    ○蒲生政府参考人 いわゆるFRP船のリサイクルのシステムでございますが、これに関しましては、二〇〇五年度から、一般社団法人の日本マリン事業協会におきまして、廃棄物処理法に基づきましてリサイクルを実施しているところでございます。  これは、いわゆるシュレッダーなどによりましてFRPの破材を二から三センチにシュレッダー処理をして、それを最終的にセメントの原料とか、又は、ポリエステル樹脂については燃料として活用する、そのような形でのリサイクルシステムが動き出しております。  このシステムによりますリサイクルの実績でございますが、二〇一七年度は五百九隻、近年は毎年五百隻前後で推移しております。なお、二〇〇五年度から一七年度までの累計の実績は七千六百八隻となっております。  日本マリン事業協会におきましては、引き続き、ユーザーの利便性の向上、所有者及び自治体への周知等を積極的に実施しておるところでございます。  国交省といたしましても、関係省庁と連携し、同協会の活動を支援することによりまして、プレジャーボート等の適正な処理の推進を図ってまいりたいと考えております。  以上でございます。
  163. 鬼木誠

    ○鬼木委員 ありがとうございます。  漁船などは産業廃棄物として処理できているからいいとして、個人が、一般の方が持つプレジャーボートが、まさに一般廃棄物ということで、もう捨て場がないような状況で放置されてきたというところにこうしたリサイクルの出口をつくっていただいたということ、ありがたく思います。ぜひ、地方にも周知して、解決にこれからもお取り組みいただきたいと思います。  私は、環境大臣政務官として海に関するさまざまな環境問題にも取り組んでまいりました。海洋国家日本は四方を海に囲まれており、世界の環境と日本の海岸とが直接つながっております。先日は奄美沖におきまして油の流出もございました。国交省、環境省の皆さんに、解決、改善に向けて大変お世話になりました。漂着ごみやマイクロプラスチックなど、私たちの海に直接影響を与えるような環境問題もたくさんございます。  遠く離れた場所で起こることを他人事、人ごとだと思わず、世界の海を美しくすることが日本の海を美しくすること、また、日本の海を美しくすることが世界の海をきれいにすることだと考えて行動するべきであろうと考えます。  海洋環境の問題といたしまして、今挙げたマイクロプラスチックの問題がありますが、今どういうことが問題になっていて、どういう対応をなさっているのでしょうか。環境省に伺います。
  164. 江口博行

    ○江口政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘のマイクロプラスチックにつきましては、ポリ塩化ビフェニル、いわゆるPCBなどの有害化学物質を吸着する性質がございまして、こうした化学物質が食物連鎖などを通じて海洋生物や生態系に影響を及ぼすことが懸念され、国際的な課題ともなってございます。  このため、環境省におきましては、マイクロプラスチックの実態を把握するための調査を実施するとともに、その発生抑制のため、マイクロプラスチックになる前の海洋ごみの回収処理、その原因となるプラスチックごみなどの発生抑制、リユース、リサイクルや適正処理の推進などによりまして、海洋に流出するごみを減らすための取組を進めているところでございます。  また、マイクロプラスチックを含めました海洋ごみ対策を国際的に進めていくには世界的な海洋ごみの実態把握が重要でございますことから、日本近海の実態把握を進めるとともに、マイクロプラスチックのモニタリング手法の国際的な調和を主導しているところでございます。  引き続き、関係省庁とも連携いたしまして、マイクロプラスチックを含めました海洋ごみ対策を総合的に推進してまいりたいと考えてございます。
  165. 鬼木誠

    ○鬼木委員 時間となりましたのでこれで終わります。ありがとうございました。
  166. 西村明宏

    ○西村委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十一時四十三分休憩      ――――◇―――――     正午開議
  167. 西村明宏

    ○西村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。宮本岳志君。
  168. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 日本共産党の宮本岳志です。  まず法案について聞きます。  本法案は、二千九年の船舶の安全かつ環境上適正な再資源化のための香港国際条約、略称シップリサイクル条約の国内法整備の法案であります。船舶をリサイクルのために解体する際に海洋汚濁などから環境を保護し、労働者の安全確保を図ることは当然であり、我が党は条約承認にも賛成をいたしました。  しかし、船舶の売買、解体、資源のリサイクル市場への売買、再資源化というサイクルの中で、利潤のみを追求すれば、おのずとコストが安く、再資源化市場の活発な開発途上国へ売船することにならざるを得ないと思うんです。  そこで大臣にお伺いいたしますけれども、船舶の海外での解体は公害の輸出に該当する、こういう意見もあると思うんですが、それについての大臣の御所見をお伺いしたいと思います。
  169. 石井啓一

    ○石井国務大臣 途上国の劣悪な施設での船舶の解体は公害の輸出に該当するのではないかとの指摘が、国際NGO等からなされていることは承知をしております。  そのような指摘が出ていることも踏まえまして、我が国の海運業者は、解体に当たりましては、インド、中国等主たる解体国のうち、シップリサイクル条約で求められております環境汚染防止対策、労働災害対策が自主的にとられている施設を選ぶように取組を強化をしていると承知をしております。  今回御審議いただいております本法律案及びシップリサイクル条約では、海外であっても適切に管理された施設でのみ船舶の解体を承認する仕組みとなっておりますので、この仕組みを強力に推進することによりまして、船舶の解体による途上国等での環境汚染の防止及び労働災害の減少に寄与するものと考えております。
  170. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 外務委員会の質疑でも、我が党の穀田委員が、そういう開発途上国で危険な作業をやらせるやり方について、自主規制するくらいのことを指導するのは当たり前だと指摘をいたしました。その上で、この条約に加わる以上、国内法の整備は当然であり、我が党も賛成をいたします。  さて、残された時間を使って、この間私が一貫して聞いてきた森友学園への国有地売却問題にかかわる国土交通省の対応についてただしたいと思います。  先ほど大臣は、この間の私たちの調査要求に対して、依然として調査中だという御答弁をされました。  けさ、麻生財務大臣は森友文書の廃棄を謝罪し、佐川氏らを処分する考えを示したと報じられております。きょうは理財局次長に来ていただいておりますが、これは事実でございましょうか。
  171. 富山一成

    ○富山政府参考人 お答え申し上げます。  私ちょっと今御指摘のあった点については、別の業務をやっておりましたので確認がとれておりません。申しわけございません。
  172. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 けさのことですので通告が間に合っていなかったようでありますが、報道で確かにけさ麻生大臣は謝罪をされたというふうにお伺いいたしました。  四月四日、前回、私が大臣とこの問題を議論したときに、大臣は私に、財務省において調査が進められているので、財務省の調査の状況も見きわめながら、丁寧に調査を進めると答弁をされました。そして、その財務省は、三千ページに及ぶ決裁文書の原本、九百四十五ページに及ぶ交渉記録、合計四千ページを超える資料を国会に提出をいたしました。  これを受けて、当然、国土交通省も間もなく調査結果を出すということで大臣よろしいですか。
  173. 蝦名邦晴

    ○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。  決裁文書の改ざんを依頼したということにつきましては、今現在、職員への聞き取りなどを行っておるところでございます。  大阪地検による捜査が進められている中で、財務省において引き続き調査が進められているところでございますので、正確性を期すためにも、財務省で行われております調査の状況も見きわめながら、丁寧に進める必要があると考えておりますけれども、できるだけ早期に確認を進めてまいりたいと思っております。
  174. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 報道では、改ざんの依頼があったということとあわせて、工事業者が地下埋設物についての計算にかかわって虚偽の報告をさせられたと語っているという報道、それから、一度航空局が出した見積りについて近畿財務局が更に額を増額するように要請した、こういう報道、それぞれあったわけでありまして、それぞれ調査を要求していると思いますが、いかがですか。
  175. 蝦名邦晴

    ○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。  今御指摘のございました、近畿財務局が見積りを八億円ほどとするように持ちかけたとの点などにつきましては、大臣からの御指示に基づきまして調査を進めているところでございます。  現在、大臣官房立会いのもとで、本省航空局におきまして、当時、本件見積作業にかかわったと考えられております大阪航空局の職員を中心に聞き取りなどを行っているところでございますけれども、本件見積りにつきましては、二年以上も前の事案でございまして、既に本件の担当を離れ、別の部局で業務に当たっている者もいる中で、当時の大阪航空局の職員一人一人の記憶を繰り返し丁寧にたどっていかなければならないというようなこともございまして、現時点におきまして、調査結果をお示しするに至っていないところでございます。  いずれにいたしましても、委員の御指摘も踏まえまして、可能な限り早期に調査結果をお示しできるよう作業を進めてまいりたいと考えております。
  176. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 前のことだとおっしゃるんだ。財務省と国土交通省で時期が違うわけがなくて、まさに財務省が今回これだけのものを出したのも、同じ時期のものを同じように調査をして出しているわけです。  いずれにしても、財務省からは、このたび九百四十五ページに上るこの交渉記録が提出されました。そして、この交渉記録を見ると、私が四月四日に指摘したとおり、交渉や契約の折々に大阪航空局が近畿財務局と一緒に協議してきた事実がはっきりと示されております。  きょうは、その交渉記録のうち二つのものを配付資料としてお配りをいたしました。  一つは、平成二十八年三月三十日午前十一時から十三時まで、大阪航空局の補償課長と課長補佐が近畿財務局の二人の職員とともに森友学園を訪問して行われた交渉についての応接記録であります。  実は、この会合は、この前日に大阪航空局の職員四名と近畿財務局の職員二名が森友学園の当時の顧問弁護士の弁護士事務所を訪問し、打合せを行った上で持たれた会合であります。  これは、理財局、間違いないですね。
  177. 富山一成

    ○富山政府参考人 お答えをいたします。  三月三十日の前日、平成二十八年三月二十九日に今御指摘のような会合が持たれたのは、交渉記録の上では確認ができております。
  178. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 この前日、三月二十九日の応接記録を見ますと、弁護士はまずこう切り出しております。  本件を収束させる方法として、国側において廃棄物埋設の実態や様々な事情を勘案した売払価格を出していただき、学園が土地を買い取ることにより問題解決を行いたいと考えている。その場合、今後の損害賠償請求は行わないという整理をしたい。   本件には複雑な問題が多すぎて状況を打開するにはこれしかないと考えるところ。   副園長は事業を中止して損害賠償請求に打って出たいようである。その場合、学校用地として借受けている用地が、現状のままでは学校用地で使えないことに対する債務不履行の責任など、訴訟提起する切り口は沢山あるが、事業中止・損害賠償請求に進むと学園も国も相当の負担が生じるし、泥沼になると考えている。   理事長は事業を進めたい意向を持っており、私の提案について理解を示しているため、土地を買受けることで事業を中止することなく問題解決を図りたいと考えている。   当然、国が提示する金額次第では、合意できずに訴訟にならざるを得ないが、私はできる限り土地の買取りでの問題解決に向けて理事長・副園長を説得しようと考えている。 その後、幾らかのやりとりがありますけれども、最後は、近畿財務局と大阪航空局がそろって「よろしくお願いする。」と弁護士の提案に乗っております。  理財局、これも間違いないですね。
  179. 富山一成

    ○富山政府参考人 お答えをいたします。  今委員が御指摘になったとおりでございます。
  180. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 こういうシナリオをつくった上での三月三十日の訪問でありました。  資料一を見ていただきたい。弁護士が「本当の理屈は、国がいますぐトラックを出して処理できれば問題のないことであるが、それが難しいと言うことですね。」と水を向けると、航空局は「困難である。」と。「では、学園が撤去するとして、所要額をすぐに支払っていただけるのか。」と聞くと、航空局は「予算が確保できていないため、今回の有益費の支払いと同様に次の年度の予算になる可能性がある。」と答えております。そうすると、弁護士が、一番下の箇所、「それは国の都合であり、全く理由にならない。実際にもう撤去を始めなければ開校できない状況。予算がない、いつ支払えるかわからないということであれば、これを解決するための最も合理的な方法は売却価格から減額することである。 それができないのであれば、学園側で撤去した上で損害賠償請求となるざるを得ない。」と述べ、資料二に行きますけれども、籠池氏が「六月の棟上げ式には首相夫人を招待するスケジュールを組んでいる。やらざるを得ない。これができなければ、私は切腹する覚悟。」とまで述べて、そして弁護士は、損害賠償請求となれば、私は利息も含めて請求するつもりだと畳みかけます。  そこで文書を見ていただきたい。財務局が航空局に対して、「認識されたい。」こう言います。すると航空局は、「状況は認識した。」と出てまいります。  これは航空局長に聞きますけれども、これは、訴訟を避けるためには売却価格から減額する、すなわち、大幅値引きをして売り払う以外にないということを認識したということでありますね、航空局長。
  181. 蝦名邦晴

    ○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。  三月三十日に近畿財務局から見積りの依頼があったことを受けまして、近畿財務局と協議、調整をしながら見積作業を行っております。  委員御指摘の応接記録におきましては、くい掘削工事の過程で出てきたごみへの対応をめぐりまして、相手方が損害賠償について言及するなど、厳しいやりとりがなされているということは事実でございますが、見積りは、既存の調査あるいは職員などの現地確認など、当時の検証可能な材料を根拠に行っているというものでございます。  いずれにいたしましても、現在さまざまな調査を進めているところでもございますので、そうしたことの結果をお示しした上で丁寧に御説明していきたいというふうに思っております。
  182. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 その後を見ていただきたい。「財務局・航空局」、まさに両者一体で、「ここで国が何もしないとして立ち止まるわけにはいかないと考えている。解決策がある限りは検討したい。打合せをお願いする。」ということで、四月五日の現地打合せが決まっております。  そして資料三、最後の結論。これまた「財務局・航空局」両者一体で、「今、考えられる唯一の解決策であることは認識しているため、財務局と航空局で協議して検討を進めたい。」となっています。  航空局に聞きますけれども、八億二千万円の大幅値引きと、そのつじつま合わせのためのごみの積算は、こうして財務局と航空局一体で進めてきたことではないんですか。
  183. 蝦名邦晴

    ○蝦名政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど御答弁申し上げましたように、三月三十日に近畿財務局からの見積りの依頼を受けて、近畿財務局と協議、調整をしながら見積作業というのは行ってきております。  今の、四月五日の応接記録を見てみますと……(宮本(岳)委員「いや、三月三十だよ、今のは。今は三月三十だよ」と呼ぶ)あっ、三月三十、はい。三月三十日は、そういう協議、調整をしながら見積りを行ってきておりまして、先ほど申しましたように、くい掘削工事の過程で出てきたごみへの対応をめぐりまして、何らかの対応をしなければいけないということを認識しておりまして、そのために、さまざまな資料を提供を受けて、既存の調査や職員の現地確認なども経て、検証可能な材料を根拠にして見積りを行っていたということでございます。
  184. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 ではどういうことをやったか。まさに、先ほど出てきた四月五日の現地打合せ。  その次の資料は、その四月五日現地打合せの面接記録であります。私の示した音声データでも、工事業者は盛んに、我々の方から三メートルより深いところから新たなごみが出てきたと言った覚えはないと抵抗しておりましたけれども、この文書でもそれがうかがえます。  資料五の中ほど、工事業者が、   グランド側においても深度三メートル程度からゴミ等が含まれている層は確認されている。ただその層がどこまでかは確認できていないし、写真・資料など残していない。改めて掘削するしかないが、掘削しても廃棄物層の範囲・深さの推定は困難なもの。   国が求めている廃棄物の推定埋設量の算出は難しいので、国で判断していただけないか。掘削自体は行って、国に確認いただける状況は用意する。 と述べ、航空局が「どの深さまで掘削できるか。」「九メートルまでは可能か。」と聞くと、「それほど深くまでは無理。三メートル程度が限度。」と答えております。  航空局に聞きますけれども、国が求めている廃棄物の推定埋設量の算出、これは一体何のことなんですか。
  185. 蝦名邦晴

    ○蝦名政府参考人 お答えを申し上げたいと思います。  記載内容の詳細は近畿財務局の作成でございますので、詳細を御説明することはちょっと難しい部分もありますのでその点は御理解いただきたいと思いますが、その上で申し上げますと、この当該文書も示しながら当時の状況について職員にも確認をいたしておりますけれども、大阪航空局といたしましては、三月三十日に見積りの依頼を受けて以降、御指摘の四月五日の応接記録に添付されております、きょうは添付がされておりませんけれども、この四月五日の添付文書には、「提供を依頼する書類」という一覧がございまして、当時、地下埋設物の数量の見積りをするためにどんな資料を提供していただきたいかというリストがついておりまして、そういうことのお願いをしているという状況でございまして、地下埋設物の数量の見積りのための資料というものをこの打合せの際に出していただきたいということをお願いをしているという記録だというふうに理解をしています。
  186. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 資料六を見ていただきたい。「項目「オ.確認させていただきたい内容」について」というところが出てまいります。弁護士が一般論を述べた上で「口頭で構わないか。」と尋ね、航空局は「口頭による回答で構わない。」と答えております。  これは理財局に聞きますけれども、この項目オというのは、まさにこの面接記録に添付された、先ほど航空局が答弁した「提供を依頼する書類」の中に出てくるわけでありますけれども、二項目書いてありますけれども、このオというものはどういうものでありますか。
  187. 富山一成

    ○富山政府参考人 お答えをいたします。  「提供を依頼する書類」という表題のリストの中には、ア、イ、ウ、エ、オと五項目ございます。このオで「確認させていただきたい内容」とございまして、二つ内容がございます。一つは、「杭打ちに伴い発生した廃棄物混在土壌はどの範囲に存在していたと推測されますか? また、場外搬出する概算土量はどの程度ですか?」。もう一点が「グラウンド側に存在する黒い土の層は、地表からどのあたりに存在していると推測されますか(範囲・深度)?」というものでございます。
  188. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 まさにこれが口頭なのは、これこそ、私が示した音声データで、口裏合わせを行った項目だからだと思うんです。  それで、そもそも航空局はこの間、この見積りは決してごみの量を見積もったものではなく、「どれだけ価格を下げておくべきかということを地下埋設物の撤去処分費用という形で見積もった」、こう答弁されております、佐藤航空局長が。  これはつまり、ごみの量の形をとりながら、どれだけ価格を下げておくべきかを見積もった。航空局長、そういうことでいいですね。
  189. 蝦名邦晴

    ○蝦名政府参考人 三月三十日に御依頼を受けまして、四月十四日に見積りの結果を出してまいりまして、その後、鑑定評価によって売却の手続に入ってまいりますけれども、この見積りは、その土地のいわば価値といいますか、それをどういうふうに見るかということで見積りを行っているということでございます。
  190. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、私は改めて、当然、大阪航空局や国土交通省も、財務省と同じく、職員の手控え、個人のパソコンの端末なども含め、洗いざらい調査して国会に提出する必要があると考えます。  委員長、ひとつ、理事会でそのことをお諮りいただきたいと思います。
  191. 西村明宏

    ○西村委員長 理事会で協議いたします。
  192. 宮本岳志

    ○宮本(岳)委員 時間が参りましたので、以上で私の質問を終わります。
  193. 西村明宏

    ○西村委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  194. 西村明宏

    ○西村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出、船舶の再資源化解体の適正な実施に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  195. 西村明宏

    ○西村委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  196. 西村明宏

    ○西村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  197. 西村明宏

    ○西村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十一分散会