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2018-05-15 第196回国会 衆議院 環境委員会 8号 公式Web版

  1. 平成三十年五月十五日(火曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 松島みどり君    理事 金子万寿夫君 理事 北川 知克君    理事 関  芳弘君 理事 高橋ひなこ君    理事 武村 展英君 理事 生方 幸夫君    理事 西岡 秀子君 理事 江田 康幸君       井上 貴博君    大隈 和英君       河井 克行君    木村 弥生君       笹川 博義君    武部  新君       中村 裕之君    百武 公親君       福山  守君    古田 圭一君       細田 健一君    三浦  靖君       務台 俊介君    近藤 昭一君       堀越 啓仁君    山崎  誠君       横光 克彦君    下条 みつ君       鰐淵 洋子君    田村 貴昭君       玉城デニー君    細野 豪志君     …………………………………    環境大臣         中川 雅治君    環境副大臣      とかしきなおみ君    環境大臣政務官      笹川 博義君    環境大臣政務官      武部  新君    政府参考人    (農林水産技術会議事務局研究総務官)       大角  亨君    政府参考人    (資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官)         小澤 典明君    政府参考人    (国土交通省大臣官房審議官)           首藤 祐司君    政府参考人    (環境省大臣官房環境保健部長)          梅田 珠実君    政府参考人    (環境省地球環境局長)  森下  哲君    政府参考人    (環境省総合環境政策統括官)           中井徳太郎君    参考人    (WWFジャパン自然保護室室次長)        小西 雅子君    参考人    (認定特定非営利活動法人気候ネットワーク東京事務所長)          桃井 貴子君    環境委員会専門員     関  武志君     ――――――――――――― 委員の異動 五月十五日  辞任         補欠選任   木村 弥生君     大隈 和英君 同日  辞任         補欠選任   大隈 和英君     木村 弥生君     ――――――――――――― 五月十五日  動物愛護法の改正に関する請願(源馬謙太郎君紹介)(第一一〇五号)  同(木村弥生君紹介)(第一一九九号)  同(川内博史君紹介)(第一二三一号)  同(もとむら賢太郎君紹介)(第一二四九号)  動物虐待事犯を厳正に処罰するために法の厳罰化とアニマルポリスの設置を求めることに関する請願(馬場伸幸君紹介)(第一一〇六号)  同(浮島智子君紹介)(第一一五七号)  同(木村弥生君紹介)(第一二〇〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  気候変動適応法案(内閣提出第二七号)      ――――◇―――――
  2. 松島みどり

    ○松島委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、気候変動適応法案を議題といたします。  本日は、本案審査のため、参考人として、WWFジャパン自然保護室室次長小西雅子さん及び認定特定非営利活動法人気候ネットワーク東京事務所長桃井貴子さん、以上二名の方々に御出席いただいております。  この際、参考人各位に一言御挨拶を申し上げます。  本日は、御多用のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  次に、議事の順序について申し上げます。  まず、小西参考人、桃井参考人の順に、それぞれ十五分以内で御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  なお、念のため申し上げますが、御発言の際はその都度委員長の許可を得て御発言くださいますようお願いいたします。また、参考人から委員に対して質疑をすることはできないことになっておりますので、御了承願います。  それでは、まず小西参考人にお願いいたします。
  3. 小西雅子

    ○小西参考人 皆様おはようございます。WWFジャパンの自然保護室室次長をしております小西雅子と申します。  本日は、WWFにこのような機会をいただきまして、まことにありがとうございます。  WWFというのは、百カ国で活動している世界最大級の自然保護団体で、私のような専門オフィサーが、五千人が活動しております。  本日の気候変動の適応法案の意見としまして、本法案の重要性をまず述べさせていただいた後に、改善案としまして、まず、緩和策が大前提であること、そして、PDCAサイクルを回すときにやはり第三者機関の評価が必要ではないかという意見、その二点について述べさせていただきます。  最初に、きょうも暑くなっているんですけれども、ここのところのこの暑さ、国民の皆様もひしひしとこの温暖化の影響による異常気象のことは感じていらっしゃるんじゃないかと思います。お手元にあるパワーポイントに沿って説明させていただきますが、例えばアメリカでは、去年、過去最大の気象被害額、三百ビリオン、約三兆円の被害が出ております。  被害額はこれからふえる一方なんですが、今世紀末の気温変化として、このままでは四度上昇するという予測がIPCCからされております。これを二度未満に抑えるということが今パリ協定の中で各国の長期目標として共有されているわけですが、温暖化の主な影響としましては、日本を含めたアジアでは、洪水ですとか熱中症のリスク、干ばつによる水、食料不足が挙げられております。  このときに大事なのは、気温上昇は、四度上昇した場合と二度上昇した場合においては非常に大きな差があるということです。と同時に、たとえ二度の上昇でもこれは被害がかなり深刻でして、例えば洪水被害ですと、リスクは中程度の上となっております。  つまり、この温暖化の被害に対して軽減する努力をする適応努力というのは、緩和と同時にもうやっていかなければならない非常に喫緊の課題であるということです。  続いての次のページ。パリ協定、御存じのように、気温の上昇を二度に抑えるために、今世紀後半に人間活動による排出をゼロを目指す目標を持つ初めての国際協定です。  その中の第七条、適応において、適応のグローバルゴール、世界目標を設定すること、そして、全ての国は適応計画のプロセスに従事して、実施することが義務となっております。このように、パリ協定から要請されているわけですね。  あともう一つ、パリ協定の大きな特徴として、第八条に、損失と被害という項目が入りました。これは、気候変動の悪影響によって、適応をしたとしても既に防ぐことができないような、発生してしまう損失や被害に対して、国際的な対応の仕組みを強化していく、こういった新しい項目も入っております。これについては、ちょっと後でまた述べさせていただければと思います。  続いて九ページ。このパリ協定の大きな特徴として、五年ごとにこの目標を見直すということが決まっております。パリ協定で言う国別の目標というのは、緩和の目標だけではなく、適応の目標も入ることになっております。つまり、緩和と同時に、適応についても、五年ごとに実施計画を立て、進捗を評価し、そして改善点を見て、そして改善していくといった、PDCAサイクルを回すことになっております。  ということで、本法案、適応法案は、まさにパリ協定からの、国際社会からの要請を受けた時宜を得た法案ということが言えます。長期目標の設定ですとか、適応計画の実施、報告、そして定期的な更新、こういったものが含まれている本法案は、実に時宜を得た的確な法案であるということが言えると思います。  あともう一つ、この法案の重要なところは、国が率先して地方自治体の適応計画を方向づけるということが決められていることです。  次、めくっていただきますと、今まで、主に適応の主体というのは、地方自治体さんが大きな役割を果たします。  というのは、基本的には、異常気象に対する防災計画、治水計画、そして、各地の農業とか漁業とか、そういった産業の適応計画を進めるということは、既に、既存に行われている施策の中にこの適応の視点を入れていく、これを国際社会では適応の主流化と呼んでいますが、地方自治体さんに今までは適応の計画を立てましょうと私たちも申し上げてきても、ああ、でも、今、国もまだやっていないしということで、かなり二の足を踏む自治体さんが多かったんですが、二〇一五年に適応計画ができて、地方自治体さんに非常に弾みがつきました。  さらに、本法案によって法的根拠がここにできますので、主体化として、地方自治体さんにとって、非常に適応計画を立てるという重要性とともにその推進が図られることが期待されます。  自治体さんにとってやはり大きな課題は、適応計画を理解して、それを進める能力のある人材、この人材の不足といったことも挙げられますが、その点では、この法案において、例えば、この十一ページにありますように、情報収集が一カ所でできるような環境省さんの気候変動適応情報プラットフォームとか、あと、隣の自治体さんはどうしているかなということが日本の自治体さんとしては気になるところだと思いますが、適応計画をどういうふうに持っているかという自治体のこともすぐわかりますし、また、これからは日本の産業界にとっては適応技術が非常に大きなニーズとなってきます。その適応ビジネスというもののグッドプラクティスも一カ所でわかるようになっております。  また、気象庁によって、気象災害への備え、私も気象予報士なんですが、気象予報士を自治体に派遣して、こういった防災計画になるべく視点を入れて防災の強化を図っていこうといった、こういったことも進められていますが、こういったことが全て法的根拠を持ってできるようになりますので、非常に時宜を得た法案だと言えると思います。  ただ、その中でも、改善案としまして二つ申し述べさせていただきたいと思います。  というのは、本当は、この気候変動の対策というのは、皆様よく御存じのように、まず温室効果ガスの排出削減を行う緩和策が第一前提です。ただ、この緩和策の方は、まだ日本の中においては、パリ協定に沿った緩和策の法案というのは残念ながらございません。  ですので、この適応の法案が今回成立することは非常に喜ばしいことなんですが、本法案の第一条に、緩和と適応が温暖化対策の車の両輪であるということをぜひ明示していただいて、後々に緩和の対策について、なるべく早く法案ができるような形で、ここにうたっていただければありがたいなと思っております。  あともう一つ重要なことは、今まで御説明申し上げたように、これからの気温上昇が、四度になるのか、それとも、国際協力をなして二度未満に抑えることができるかによって、随分適応の必要性が変わってきます。四度上昇する世界にまっしぐらになるのか、それとも、二度に抑えられるのか。  パリ協定では二度未満ということをうたっていますので、本当でしたら、本法案の中にも、パリ協定に沿って二度未満に対策を強化していき、二度未満になっても、それでも起こってしまう対策に対して適応をやっていかなければならないといったような、本当はそういう形で目指すべき気温上昇の幅というものも書かれるべきなんですけれども、そこがないというのが非常に残念に思っております。  そこから考えますと、現状の日本がパリ協定に出している目標は、国際社会からは著しく不十分だとの評価を受けています。  本来は、気候変動対策の基本法を制定して、その中に緩和と適応法を位置づけるというのが本来の姿ではないかと思っております。  といいますのは、もし四度上昇した場合、日本は、世界が平均気温で四度上昇した場合は、緯度三十度にありますので四・五度ぐらい上昇する予測ですが、その場合、東京は大体、現在の屋久島の気候になると言われています。これは、気象庁が出した温暖化予測情報、これまで九回出しているんですが、この第九巻目に出された知見なんです。  ここで、気象庁は、今まで実は、ずっとこの温暖化の予測というのは中程度の予測を使用していました。ところが、今回初めて、四度上昇するRCP八・五と言われるシナリオに基づいた影響予測を出したんですね。といいますのは、次の十八ページにありますように、現実の世界の排出量というのは四度上昇するシナリオに沿っているんです。ですので、このままだと四度上昇してしまうということになります。  次のページへめくっていただいて、環境省さんも、もし四度上昇した場合と、そして二度未満に抑えた場合の、これは熱中症の患者の搬送数の例で持ってきましたけれども、その倍率も、例えば東京で厳しい温暖化対策をとった場合には二倍ぐらいなんだけれども、もし四度上昇した場合には四倍から八倍にふえるといった予測が出されています。つまり、気温上昇の予測によって準備するべき適応も変わってくるわけですね。  ですので、やはりここは適応法案としては、緩和法案と両輪で、しかも、どのレベルを日本として目指すのかということがぜひ本当は入ってほしいなと思っております。  パリ協定の主要な決定事項としては、二度未満に抑える、できるならば一・五度未満にと入っております。そのためには、今世紀末に温室効果ガスの排出量を実質ゼロにということがうたわれております。しかし、今パリ協定に世界各国が出している目標では、気温上昇は大体二・八度、三度ぐらいになると予測されております。  ということで、本来は、緩和と適応の両方を含む気候変動の基本法があって、その上でこの適応法案が位置づけられるといいなと思っております。  そして、最後に、PDCAサイクルを回していくという、パリ協定に沿った非常にいい内容を持った適応法案なんですが、本当は、独立した第三者機関の評価が、今回の適応の進捗状況ですとか評価がどうであったということが入ってほしいなと思っております。  といいますのは、パリ協定に出す国別目標の中でも、こういった適応計画の評価の国際的妥当性というものも提出する必要がありますので、それのためにも、日本の適応法案の中にもこうした独立した第三者機関の評価と勧告の仕組みというものが入ったらいいなと思っております。  そのほか、御参考までにいろいろな資料も持ってまいりましたので、もしよろしければ、また質疑応答のときにでも聞いていただければと存じます。  ありがとうございました。(拍手)
  4. 松島みどり

    ○松島委員長 ありがとうございました。  次に、桃井参考人にお願いいたします。
  5. 桃井貴子

    ○桃井参考人 気候ネットワークの東京事務所、桃井と申します。  本日は、このような貴重な機会をいただきまして、まことにありがとうございます。  私が所属します気候ネットワークは、一九九七年京都議定書が採択された気候変動枠組み条約第三回締約国会合の開催された翌年、一九九八年に設立され、ことしでちょうど二十周年を迎えます。市民の立場から、気候変動の解決に向けて専門的に取り組み、国際交渉への参加、政策提言、地域レベルでの草の根活動や子供たちへの環境教育などを行ってまいりました。そして、人類にとってリスクの大きな原発には頼らず、化石燃料による温暖化もない、持続可能な社会を構築することをミッションに、活動を展開してまいりました。  今回、気候変動適応法案が上程されるに当たり、二月二十八日、私たちの立場を示したプレスリリースを発表しましたので、そのコピーをお手元にお配りさせていただいております。  今回申し上げたいことは、大きく二点ございます。一つは気候変動対策のかなめである緩和策について、そしてもう一つは適応法案に対してです。  まず第一に、気候変動対策において、適応策は最大限の緩和策の実施が大前提であるということです。  パリ協定では、一・五度から二度未満の目標が明記され、温室効果ガスの排出を早期に削減し、実質的に人為的な温室効果ガスの排出をゼロとする脱炭素社会の構築が決められました。  本年四月二十四日の環境委員会の参考人質疑で、茨城大学の三村先生や国立環境研究所の原澤先生が御出席され、その際にも御発言されていましたが、一・五度から二度未満に抑えたとしても適応策が必要であるということをおっしゃっていたと思います。つまり、適応策をとる上で一・五度から二度の上昇に抑えるということが大前提になるということです。  しかし、今、日本は一・五度から二度未満に抑えるための最大限の緩和策が実施できている状況にあるとはとても言いがたい状況です。パリ協定が発効し、世界が脱炭素社会を目指す中、日本はいまだに二十年前と変わらず進歩がないということを指摘しておきたいと思います。  クライメート・アクション・トラッカーという環境NGOが、毎年各国の気候変動政策評価を行っています。今月発表された評価では、日本の削減目標が極めて不十分であることを改めて指摘しています。そして、気温上昇を四度上昇させるレベルだというふうに評価しました。  いわゆる適応策だけ前に進めても、四度も上昇するような、人類生存に危険なレベルになっては意味をなしません。現在、日本の温室効果ガス削減目標は、二〇三〇年に二〇一三年度比二六%とされていますが、その見直しを含めて、日本の気候変動政策、エネルギー政策全体をパリ協定に合致させることが必要であると考えています。  とりわけ日本において気候変動政策に逆行しているのが、石炭火力発電所の扱いです。  パリ協定の一・五度から二度未満の目標達成には、新たな石炭火力はもちろん、先進国は二〇三〇年にも既存の石炭火力も全廃しなければならないとされています。そのため、先進諸国はもとより、途上国でも石炭火力発電所から脱却する動きが加速化しています。再生可能エネルギーを優先的に系統接続して主力電源とし、石炭などCO2排出量の多いものはカーボンプライシングなどのインセンティブで削減するなどの、石炭火力を廃止していく政策対応もさまざまにとられています。日本の気候変動対策を考えるとき、まず考えるべきは、緩和策が全く不十分で、むしろ真逆の状況にあるということです。  気候ネットワークでは、国内の石炭火力発電所の新増設計画をウオッチしてきましたが、二〇一二年以降の計画は五十基に上りました。そのうち、計画が中止になったのはわずか六基です。そのほか四十四基に関しては、もし全て動けば設備容量は約二千万キロワット、CO2排出量は年間約一億千三百七十三万トンに上ります。  環境省は、ことし三月に行った、電気事業分野における地球温暖化対策の進捗状況の評価において、石炭火力発電所の計画が全て実行され、稼働率七〇%で稼働し、かつ、老朽石炭火力発電が稼働開始後四十五年で廃止されると仮定すると、石炭火力発電からのCO2排出量は、二〇三〇年度の削減目標や電源構成と整合する排出量を六千八百万トン程度超過することを発表しました。  今の計画が今後のCO2排出量の増加を招くことがわかっていながら、政府は何も手を打たずに、計画が進められることを容認しています。本法案で検討する適応策は、緩和策を十分に講じないことの埋め合わせや口実にすることであってはなりません。  次に、本法案に対しての意見を申し上げたいと思います。  まず第一に、基本方針についてです。  緩和策の強化は、未然に影響と被害を回避する最大の適応策であるとも言え、緩和策と適応策を総合した国全体の気候変動対策の基本方針を位置づけることが必要です。本法案の説明では、環境省は緩和策と適応策は車の両輪だとしていますが、緩和策が先ほど申し上げたような状況で、適応策のみしか扱わないということでは、車が片輪あるいは脱輪の状態だと言えるでしょう。これでは車は走りません。本法案においても、包括的な気候変動対策方針を描くことができていません。  まず、本法案が緩和策を弱体化させることなく、緩和策を更に強化して影響を最小化させる必要があることを明示し、気候変動リスクを回避するためにとるべき緩和策についてフィードバックすることを法に位置づけるべきだと考えます。  次に、企業や自治体、市民など、各主体の気候変動影響評価のあり方についてです。  本法案の第十条で、政府が中央環境審議会の意見を聞き、気候変動影響評価報告書を策定することとされています。しかし、気候変動の影響やリスクは幅広い分野にまたがり、まだ把握や証拠が不十分な領域も多々あります。適切な適応策を講じるためには、適切に評価できる影響やリスクの把握が大前提となりますが、そのための仕組みが本法案では極めて不十分です。  参考に、イギリスの仕組みを見ますと、イギリスでは、適応計画をつくる前に影響評価を行いますが、その際に証拠レポートというものを作成しています。そして、リスクが十分把握できるだけの証拠がそろっていない領域がどこにあるかについても詳細に把握し、そのギャップを埋めるような対応が検討されています。  イギリスでも、まだ把握できていないことは多くあるようです。たまたま研究が充実しているですとか、又は影響が測定できるということだけで評価報告をすると、研究が行き届いていないけれども重大な影響があるということについて見落とされ、適応計画は重要な要素を欠くことにもなりかねません。  そのため、イギリスの証拠レポートでは、証拠を集めるためにステークホルダーや企業の深い関与があります。二年にわたりワークショップを開き、ステークホルダーも百から二百団体がレビューをしており、どこが緊急領域かなどについて意見を述べています。適応策を講じるには、まず評価報告書をつくるまでの過程が重要です。  しかし、日本の法案では、中央環境審議会の意見のみのプロセスだけで、深みのない影響評価を行おうとしています。ここは、企業、自治体、市民団体の積極的な関与を位置づけることが非常に重要だと考えています。  地方自治体に対しては、地域の適応計画の策定が奨励されていますが、計画の策定の前に、十分な影響評価を行うことを求めることがまず重要だと言えます。  特に影響が大きい事業分野に携わる業種の企業に対しては、政府が定期的に情報の提出を義務づけることも必要です。その上で、各省庁が情報提供に協力し、全省庁挙げて横断的に推進することを明記すべきだと考えています。  第三に、適応対策の名のもとの無駄な公共事業のチェックと排除を行う必要があるという点です。  これまでも、気候変動適応策の名のもとに、さまざまな事業の必要性が論じられてきました。例えば、無駄な公共事業と言われてきたような治水ダムや防波堤設置などに代表される事業、あるいは、熱に強い遺伝子組み換え農作物などの研究、周囲の生態系に影響を与えかねないような事業です。  こうした事業が適応策として妥当か厳しく事業評価が行われるよう、計画に基づいて実施された適応事業を報告し、真の適応策か、ほかに環境負荷の少ない方策や費用の少ない方策で代替が可能かなどを評価する透明性の高い仕組みを導入することで、適切性を欠く事業に国家予算を無駄遣いすることのないようにすることが不可欠です。  第四に、第三者の評価の仕組みの導入です。  評価情報の的確性、計画の内容の妥当性を確保するためには、独立した第三者機関の評価と勧告の仕組みが必要であり、これを法に位置づけるべきです。  法案では、影響評価報告書の策定に関する中央環境審議会における検討と意見を踏まえることとされている以外には、客観的な検証のプロセスや場もありません。各主体の参加による影響評価の必要性は前に述べましたが、適応計画の内容の妥当性、そのもとで実施される事業の的確性などについては、新たな研究を踏まえた、専門家による第三者機関による評価が必要だと考えます。そのためには、環境省のもとの中央環境審議会よりも独立性の高い第三者機関を設置し、当該機関における勧告、助言を行い、適応計画の見直しが実施される仕組みが必要だと考えます。  第五に、市民の幅広いリスクの共有とソフト面での適応策の強化についてです。  国内でもさまざまな気候変動と関連する影響が起こり始めているにもかかわらず、一般の市民にとって、さまざまな場所でさまざまな形で起こる気候変動リスクは、まだ実感が伴うものとはなっていないと思います。また、地域の環境の変化のみならず、グローバルな気候変動がもたらす経済への影響やインフラへの影響、食料や資源供給に対する影響などの、私たちの安定した社会や基盤を脅かすリスクについては、理解しがたいものです。  気候変動を横断的に理解し、起こり得る被害や影響に対して迅速かつ適切に備えることのできる強靱な社会をつくるためには、ハード面だけではなく、市民や自治体、企業の人々や組織のネットワークや連携化が重要です。法案では、十三条、十四条で地域の適応センターや協議会の設置を位置づけていますが、単に組織の設立を促すのではなく、ソフト面での対応強化を図る拠点として位置づけるべきだと考えます。  最後になりますが、日本は、気候変動のリスクに対しては、私たちの生活や経済基盤を脅かす問題であるという理解は十分に市民に行き渡っていない面があると思います。遠い島国や将来世代に影響があるかもしれないから、できることをやっていこうというレベルを超えていないと言えるかもしれません。あるいは、日本は資金力や技術力があるから対応可能だと、たかをくくっているところもあるかもしれません。  しかし、食料や資源の多くを他国に依存し、周りを海に囲まれた島国である日本は、実は極めて脆弱な国の一つと言えます。スイスの再保険会社は、世界の六百以上の都市の中で、最も自然災害のリスクの高いトップテンをランキングしていますが、その中には東京、大阪、名古屋の三大都市が入っています。日本にいる私たちこそが、みずからの極めて深刻な気候変動のリスクを理解していないのではないでしょうか。だからこそ、政治の中でもほとんど重要視されず、脇に置かれた課題になっているのかもしれません。  ですから、今申し上げた点を改善した上で、法案の成立を望みます。また、同法案が、日本の各主体に対し、気候変動リスクを広く共有し、緩和策の必要性と緊急性に改めて気づき、緩和対策が大きく進展することも、同時に強く期待します。  どうもありがとうございました。(拍手)
  6. 松島みどり

    ○松島委員長 ありがとうございました。  以上で参考人の方々からの意見の開陳は終わりました。     ―――――――――――――
  7. 松島みどり

    ○松島委員長 これより参考人に対する質疑を行います。  質疑の申出がありますので、順次これを許します。福山守さん。
  8. 福山守

    ○福山委員 おはようございます。ただいま質問させていただきます、自由民主党の福山でございます。どうかよろしくお願いいたします。  ただいま、気候変動適応法案についての、小西、桃井両参考人の方からいろいろ御意見を賜りました。非常に参考になる御意見、そして、この地球温暖化という問題につきましては、考えていることは皆さん一緒だなというふうに思っております。  近年、この地球温暖化、高温ということが非常に言われておりまして、特にサンゴの白化、これは、沖縄周辺のきれいな海、この底でも、もう既にサンゴの白化が始まっております。  また、いろいろ、米あるいは果物、そういうものについても、米の白濁化、あるいはオレンジの皮が浮く浮き皮とか、そういう問題も出てきております。  また、魚の方に関しても、今、北海道の方でブリがたくさんとれる。  そしてまた、サワラという魚があるんですね。このサワラという魚は瀬戸内海の魚である、私は徳島でございますので、そういう意識がありました。ところが、去年の夏に、連休に東北の方に視察に参りましたときに、気仙沼漁港という非常に大きなところです、そこに行ったときに、サワラがあるんですね。ああ、珍しいですねと言うと、ああ、先生、サワラを知っているんですねと言うから、いや、それはもう四国ですからと言ったら、今、たしか宮城県のまだ上の上の青森県、ここがサワラを非常に売り物にして出すということを聞きまして、そういう事実もあるわけなんです。ということは、やはりこの温暖化によって海流変化、いろんな形の中で本当に変わっているのだな、そういうことも思います。  そしてまた、ゲリラ豪雨、これも、私どもの地元で平成十六年、大きな災害があって、そのとき、今でも記憶しておりますけれども、もう大変な思いで、それから全国至るところに入っております。  そしてまた、台風の被害、この被害というのは、我々四国あるいは九州というのは、台風銀座と言われるような、毎年来ておるところでございました。しかし、今では、東北そして北海道、かつて上陸しなかった、そういう地域に直接台風が上陸するというふうな現状もございます。そういう意味では、だんだん北上していっているのかなと、改めて痛感するところでございます。  そういう中で、国民の安心、安全とか、事業者の事業をしっかり守る中で国が安定するわけでございますけれども、そういうことも含めた中で、この適応策の充実強化を進めていくということが非常に大事なものでございます。  それでは、お伺いをいたしますけれども、気候変動適応計画の実効性を高めていくために何を留意していくべきか、両参考人にお伺いをしたいと思います。
  9. 小西雅子

    ○小西参考人 御質問ありがとうございます。  この実行計画を進めていくに当たっては、私は連携が一番重要だと思っております。  というのは、適応というのは、結局は主体が大勢なんですね。政府だけではなく、地方自治体、そして各事業者、そして国民、全てがかかわることになってきますので、この法案で私が一つ残念だなと思うのは、連携というものをもっと強くするべきというふうになったらよかったなと思っております。  というのは、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、例えば同じ政府でも、省庁間で、環境省、国土交通省、農林水産省、いろんな省庁がそれぞれの分野において全て適応をやはりやっていかなければならないんですね。それに横串を通すというのが、皆さん御存じのように一番難しいことになりますので、それをした上で、さらに、地方自治体におけるそれぞれの局の連携も含めたところでやっていくというのが非常に重要になってきますので。  今回、情報プラットフォームとかいろいろな地域のセンターとか、あと一つ、広域で、つまり一つの市町村だけじゃなくて、場合によってはほかの市町村も含めた形で広域で協議してもいいですよといった、いろんな場が用意されています。これは全て場ですので、そこをいかに生きた血を通わせていくか、本当にそこで連携する血を通わせていくかということが非常に重要なんじゃないかなと思っております。
  10. 桃井貴子

    ○桃井参考人 御質問ありがとうございます。  実効性を高めるために何が一番必要かというような御質問だったと思いますが、私は、評価をきちんとしていくということが重要だと思っています。  気候変動の影響に対して、先生がおっしゃられたように、現状でも既にさまざまな影響が出ているわけですけれども、こうした影響に対して、一体その影響がどんなことがほかにもあるのかということを、やはり情報を集約し、それを徹底的に評価するという仕組みが必要なのではないかと思っています。そのためには、今提案されているだけではなくて、企業の情報、企業自身にもリスクをしっかり評価をしていただくような仕組みが必要なのではないかと考えています。  ありがとうございます。
  11. 福山守

    ○福山委員 それぞれ御答弁をいただきました。今御答弁いただいた中で、小西参考人の方は、それぞれの各地域地域、いわゆる都道府県単位、あるいは市町村単位、それとあるいは広域、そういうことが、その連携をとるのが非常に大事だということですね。私も、それは当然そういうことが非常に大事なことと思っております。  また、桃井参考人さんの方には、また違う角度から、企業の方の連携とか、そういうふうなお話も出ました。  それぞれの立場、行政がやる立場、あるいは企業がやる立場、それぞれ私はあると思います。そういう中で、例えば、先ほど桃井参考人さんの方のお話の中に、そういう各地域地域で一つ何かをやっていくときに、新しい組織を構築するべきだと。  例えば、私ども田舎の方で、徳島県で鳴門わかめというのがあります。地球温暖化に合わせた、海洋温度の上昇に合わせた、これを、上がってもいけるようなものに改良をしようということで、今そういう改良をやっております。また、愛媛県の宇和島の方では、ブラッドオレンジという、これはコルシカ島が原産地で、そういう非常に温暖化に強いものを、約十年ぐらい前からそういうふうに始めております。また、米についてもしかり。  そういうところで、いろんな行政体、そしてまた企業の方もやられておると思うんですね。こういう連携の仕方、それぞれが違う形で今、私は御答弁いただいたと思っておるんですけれども、具体的に、では、どういうふうに地域の実情に応じて適応策を推進していくというアドバイスがあれば、小西参考人にお伺いしたい。  また、桃井参考人さんの方には、またそういう自治体とは違った企業の方の形の発言が多かったように思うんですけれども、やはり、そういう方についてのアドバイス、それイコール、自治体についてどういうふうになるか、そういうことについてちょっとお伺いしたいと思います。
  12. 桃井貴子

    ○桃井参考人 御質問ありがとうございます。  具体的にということなんですけれども、まず、企業に関しましては、それぞれ気候変動のリスクということをどれぐらい現時点で把握しているのかというのがまだ十分ではないのではないかと思っています。  ですので、気候変動のリスクよりも、むしろ対策をする方がリスクが大きいのではないかというふうに感じているようなところがあるのではないかと思っていまして、それを、今私が申し上げたように、気候変動が及ぼしている、また、これから及ぼしかねぬ影響というのをしっかりと認識して、気候変動のリスクというものの気づきを与えていくという意味でも、この法案の中でしっかりと企業の情報を把握していくということが必要なのではないかと思っています。  それによって、企業も気候変動に対しての適応策というのをみずからつくっていくということにもつながると思いますし、その情報を積極的に開示していくということにつながっていくのではないかと思っています。  自治体に関しても、同様のことが言えると思います。今は、それぞれ、農業の分野ですとか漁業の分野ですとか、できることをできる範囲でいろいろやっているところは多いと思います。これがグッドプラクティスとして、事例としていろいろな形で出てきていると思いますけれども、それだけではなくて、もう少しさまざまな影響評価というのを多角的に集めていくというような作業が、地域レベルでも必要なのではないかというふうに考えています。  ありがとうございます。
  13. 小西雅子

    ○小西参考人 御質問ありがとうございます。  具体的にということなんですけれども、私は、まず、自治体の場合は、私も自治体の環境基本計画をつくる委員会の場とかに時々、よく出させていただいているんですけれども、なかなか、適応というのは、今ある例えば治水対策とかに、降水量、例えば百ミリを超える集中豪雨までというようなそれぞれの単位があるんですね。そこに適応の視点を入れると、より、本当はもっとそれが高い数値で備えなければならないかもしれない。特に都市の場合とかだったら、内水対策とかですね。  ですので、今やっている防災とか、先生がおっしゃったような農業の品種改良とかの今やっていらっしゃることに、適応でこれからどのような影響が更に日本にあるのかということをまず知ってもらって、その適応の視点の策をそこのところに一つ一つ入れていくという作業が実は一番重要なのかなと思っております。  とすると、ちょっとつまらない話に聞こえるかもしれないんですけれども、適応の科学の影響評価というのは、実は、温暖化の科学の中では、前も三村先生もおっしゃっていたと思いますけれども、まだ進んでいないところと進んでいるところとがあるんですね。ですので、その科学的知見をいかにそれぞれの農家の方まで、あるいはその防災担当の方まで行って、その視点を入れた上で計画を立てられるようにするということを推進するのが重要なんじゃないかなと思っております。  あと、もう一つ、企業の場合は、今桃井さんがおっしゃったように、まだなかなか適応の視点までいっていないと思うんですね。経産省さんも環境省さんも、今、一生懸命適応のグッドプラクティスを広める活動とかをされていますけれども、実は、ある意味、温暖化の影響は深刻化する一方ですので、これは、世界からすごくニーズのある、一つのビジネスチャンスではあると思うんですね。  ですので、そういった企業さんが新たにそういった適応の視点を持っていくということを推進していく、それは啓発と言ってしまえばそれだけかもしれないんですけれども、その推進ということも非常に一つ重要なことじゃないかなと思っております。
  14. 福山守

    ○福山委員 済みません、いろいろ勉強になりました。ありがとうございました。  もう時間がございますけれども、簡単で御答弁は結構ですから、もう一点だけ。  先ほど、それぞれ説明の中にありました適応策の国民の理解を深めていくために、今後、政府としてどのように取り組めばいいかということをお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
  15. 小西雅子

    ○小西参考人 国民理解は非常に重要だと思っております。  一つ、全体的な国民の理解ということも重要なんですけれども、私、まず、自治体さん、企業さん、そういった、動くと、行政側と、それから実際に適応のビジネスができる側、そこにやはり最初は集中して普及していくことが実は重要じゃないかなと思っているんです。  もちろん、国民全体というのもすごく重要なんですけれども、どうしても、普及啓発というと、普及啓発によって、例えば、温暖化対策を進めましょうとか、適応をやっていきましょうとかいうような全体的な話になると、非常にちょっと漠然としてしまうので、どちらかというと、まさに今回の法案の中にあるような、そういった情報プラットフォームの中において、ターゲットを決めて伝えていく。なるべく多くそこの協議会の場にいかに参加してもらうかということを考えていくとか、本法案に沿ってそこを進めて、ターゲットを決めて進めていくということが、まず最初は重要なんじゃないかなと思っております。
  16. 桃井貴子

    ○桃井参考人 ありがとうございます。  政府の役割ということだと思いますけれども、まずは、気候変動問題に対して政府が本気になってやっていくということが重要だと思っています。  今は、先ほど申し上げたように、国際社会からも非難されるぐらい逆行している状況だと言えます。そこを、やはりもっと大きく、今グローバルに動いているような展開を日本もして、政府が率先して気候変動の緩和策に取り組み、そして適応策にも取り組んでいくという本気度を示せば、国民もそこに、もちろん、全体的に底上げするような環境が整っていくのではないかというふうに思います。  ありがとうございます。
  17. 福山守

    ○福山委員 どうもありがとうございました。これで終わります。
  18. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、堀越啓仁さん。
  19. 堀越啓仁

    ○堀越委員 立憲民主党・市民クラブ、自然系国会議員の堀越啓仁でございます。  本日は、本当に、お忙しいところ、お二人の参考人においでいただきまして、まず心より御礼を申し上げたいと思います。そして、貴重な御意見を賜りましたこと、重ねて御礼を申し上げたいと思います。  限られた時間になります。両参考人の皆さんにお話をしていただく時間を多くとりたいものですので、早速質問に入らせていただきたいというふうに思います。  まず、先ほど御意見をいただく中で、本法案の全般的な評価に関しては、さまざまな御意見があったかと思います。まず一つは、緩和策、これがもう大前提であるということ、それから、連携の重要性、このことについてもあったと思いますし、やはり無駄な公共事業を展開していかないように第三者機関の設立等々が必要なのではないかという御提言をいただいたということと承知しております。  その中で、法案の提出の時期について、このあたりについての御所見があれば、両参考人から伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。
  20. 桃井貴子

    ○桃井参考人 本来であれば、提出というのはもっと早い段階で行われているべきだったと思います。しかも、これは、気候変動対策、例えばイギリスですと、気候変動法という法律があって、その中に緩和策、適応策という位置づけがなされていますけれども、そのような形で上位法があり、それが基本法であるということを、我々は昔、提案していましたけれども、そういう中で適応法というのも位置づけられておくべきだったのではないかというふうに思っています。  時期というのは、そういう意味でよろしかったですか。(堀越委員「そういうことです」と呼ぶ)はい。  以上です。
  21. 小西雅子

    ○小西参考人 私も同じです。本来は、本当は、二〇一〇年のころに基本法の案が三つ出てきて、そのときにいろいろ、排出量取引制度とかいろいろな実効力のある政策も含めて、さらに適応という形でありましたので、本当はその形が一番だと思います。  ただ、今、この法案は、もちろん、遅過ぎるということはないので、ぜひここに、次、基本法あるいは緩和法が今後すぐにできてくるんだよということのフックが入った上で成立してもらえることを望んでおります。
  22. 堀越啓仁

    ○堀越委員 ありがとうございます。  まさしくそのとおりだなというふうに私も感じておりまして、イギリスであれば、二〇〇八年に気候変動法が制定されていることと承知しています。  日本も、気候変動の影響を大きく受けていく中で、やはりとにかく早目に適応策というものを講じなければいけないということが求められていたわけでございますが、今回提出されたことについては私も非常に評価をしておりますし、だからこそ、この法案の厳格化を求めていかなければいけないということだというふうに考えております。  そのイギリスの気候変動法について、日本の、今回、本国会に提出されています適応法と比較をしていただいたときに、もし御存じであれば、こういった点がイギリスの気候変動法は非常にすぐれていて、逆に、日本のこういったところは足りない、あるいは、こういったところを盛り込んであるのは日本の法案の方が進んでいるんじゃないかというような点がもしあれば、苦笑されておりますけれども、お答えいただければと思いますが、いかがでしょうか。
  23. 桃井貴子

    ○桃井参考人 イギリスの気候変動法は、基本的には、気候変動対策、全般的なものなので、緩和策を重視しているところもあると思いますけれども、最もすぐれているというふうに私が感じている部分は、やはり、カーボンバジェットというのを取り入れて、いわゆる炭素予算ですね、排出していい量というのを決めて、将来、二〇八〇年までの排出量というのを的確に、それを達成させるようにまずはつくられているということ。そこに向けてしっかりと評価をしていくような気候変動委員会という委員会をつくって、そこも第三者の客観的な評価を導入して、五年置きに見直しをしているというような点がすぐれているというふうに思っています。  適応に関してもその中に位置づけられているというふうに認識しておりまして、そこでも五年置きの見直しというような形で、徹底した評価を行う。リスク評価を行って、計画を立てて、またそれをきちんと評価していくというようなサイクルで動かしているというところに非常に重要性があるというふうに思っていまして、そういう客観的な評価を取り入れているというところが、逆に、日本の今の法案には足りない部分ではないかというふうに思っております。  以上です。
  24. 小西雅子

    ○小西参考人 ほんの追加ですけれども、やはり、イギリスの気候変動法の場合は、カーボンバジェット、今、桃井参考人が御説明されたものがあって、明確に気温目標があるわけですね。ですので、この気温上昇に、目指していくためのカーボンバジェットの形で、残りの炭素予算の割当てで目標を決めて、そうしますと、適応の方も気温上昇のレベルに応じた定量的な影響評価というのができますので、研究のためにもよりこの方がやりやすいですね。  日本のこの適応法案だったら、一体何度の上昇の影響の定量的な評価をしていけばいいのかということが今の段階ではばくっとしていますので、そこがやはり、緩和と適応の連携がとりにくいというところが日本の法案の今後のすごく大きな課題だと思っております。
  25. 堀越啓仁

    ○堀越委員 ありがとうございます。  気候変動法、イギリスの法律について、御提案というか御意見いただいた点というのは、先ほど御意見いただいた点に大きく影響しているものだというふうに考えています。  ですので、そういった、一番最初に伺った提言を含めた法案が、まさしく厳格化されることによって日本の適応法というのも大きく進むのではないかなというふうに私も非常に考えております。  そして、今度はWWFの小西さんにお伺いしたいんですが、WWFといえばかわいいパンダのアイコンが有名でございますけれども……(小西参考人「これも」と呼ぶ)あ、ピンバッジもあるんですね。後で下さい。  まず、小西さんといえば、先ほど御紹介の中にもありましたとおり、気象予報士でございますので、そういった観点から、最近に見られる気候変動、気象の現象に関する変動の御所見等々をお伺いできればと思いますが、いかがでしょうか。気象予報士としての、もしあれば。
  26. 小西雅子

    ○小西参考人 ありがとうございます。パンダのマークがあります。  気象予報士ということなんですけれども、今までは、実は今起きている、例えば暑い日がずっと、今回、桜も早く咲きまして、ありますよね、こういったものがどれぐらい温暖化に影響しているかということは、直接は語ることはできなかったんですね、一つ一つの気象というのは揺らぐものですから。ただ、長期的に見ると高温傾向が続いている、あるいは雨の量がふえてきているとか、そういった長期的な傾向では見れるけれども、一つ一つの現象では言えないというのが今までの気象の立場だったんです。  でも、今はイベントアトリビューションという新しい科学ができてきておりまして、一つ一つの温暖化の影響に対して、特に気温関係ですけれども、これはどれぐらい温暖化の寄与度があるといった、そういったこともわかるような形の科学が進んできております。  これから第六次評価報告書が出てまいりますけれども、そのときの中にもイベントアトリビューションと言われるものが一つの分野として出てきますので、これからこういった影響の定量的な評価という科学は進んでいくんだと思います。  そうすると、一般の方々にも肌感覚として何かいろいろ起きているなというのがわかったとしても、これがやはり温暖化が進むことによってこれぐらいふえてくるんだよということがより明確になってくるという時代が来ると思っております。
  27. 堀越啓仁

    ○堀越委員 ありがとうございます。  やはり肌感覚というところにおいては、国民の皆さんも認識されている部分が非常に多いと思います。今、桜の開花時期も、入学式のときにはもう散っているという状況が当たり前のような形、私も地元で桜祭り等々に行くと、大体もう桜は散っているというようなのが非常に多くなってきている中で、やはり国民の皆さんもそういうのが気候変動の影響によるものなんだということについては御認識をいただけるのではないかなというふうに思います。  さらに、気候変動の適応、これはやはり緩和策、ここが大前提である、そして、それらに対して取組をしていかなければ大きな経済損失を招いてしまうんだということは御意見の中でもいただいたことだと思います。  その反面、適応策を講じることによるビジネス展開、適応ビジネスというところについても一言触れていただいたと思いますが、このあたりについて、こちらにWWFさんの資料でいただいているもので一部ちょっとあるんですが、このことについてもそうなんですけれども、それ以外に適応ビジネスというところで何か情報がありましたらばお伝えをいただきたいと思いますが、両参考人の方で結構です。よろしくお願いします。
  28. 小西雅子

    ○小西参考人 ありがとうございます。  適応ビジネスですが、これからアジアで影響が非常に深刻化すると言われているのは、実は水不足なんですね。ヒマラヤの氷河がどんどん融解していまして、短期的には水の量がふえて地元に土石流とかの被害が起きますけれども、長期的に見ると、いずれはアジアの国際河川の水量は減ってくるのではないかと予測されています。そうした場合、例えば日本の企業が持つ淡水化の技術ですとか、そういった、今既に多く行われている企業さんもありますけれども、適応のビジネスというものに日本の企業が持っている技術力が非常に生かせる場面がこれからふえてくると思います。  ここのところに例として出させていただいているのは、これはある化学会社さんなんですけれども、日本の昔からある蚊帳ですね。この蚊帳に、いわゆる殺虫効果のある蚊帳を持たせて、それでアフリカでマラリアを媒介する蚊を防ぐといった、こういったビジネスを展開されています。  つまり、日本企業がこれまで持っていた技術で、日本だけではなく、世界に役立つビジネスが多く生まれるということになりますので、やはりここは、むしろ日本の中で緩和の政策そして適応のこういった法案の中で、どんどん先取りするぐらいの勢いで入れていくことによって日本企業の競争力が増すことにもなると思うんですね。やはり先んじてということになりますので、それをするには国内でまずそれを醸成してからということになりますので、ぜひ適応のビジネスというものについても日本企業が更に海外で競争力を増すような状況になっていけばいいんじゃないかなと思っております。
  29. 桃井貴子

    ○桃井参考人 済みません、専門外ですのでビジネスのことは余りわからないんですが、具体的な例が今、日本では少ないという話は伺っております。その少ない要因としては、やはり気候変動のリスクをしっかりと企業の中で評価するということができていないからではないかというふうに思っています。  それを、きちんと今回の適応法を通じて事業者がリスクを評価することによって、またビジネスの機会というのが生まれてくるのではないかというふうに思っているところです。  ありがとうございます。
  30. 堀越啓仁

    ○堀越委員 先ほどお答えいただいた桃井さんの、本当にそのとおりだなというふうに私も思っておりまして、企業が、やはりどれぐらいこの気候変動が起こることによって経済的損失を招いてしまうのかということについての評価がまだなされていないというのが大きなことだと思います。  先日も、気候変動適応法案の法案審議の際に私も質問させていただきましたが、伊勢湾で一メーター例えば海面が上昇することによっての経済損失が二十兆円に上るという試算があります。これは日本全体で見れば更に大きくなっていってしまうものでありますので、企業がやはりビジネスモデルとしても適応策を、適応ビジネスを展開していくということそのものももちろん重要なことだと思います。それとあわせて、緩和策を企業側がしっかり取り組んでいくことというのが私も大前提であるというふうに思っております。  先ほどお話しいただいた淡水化の技術等々について、非常に高い技術力を持った日本だからこそそれが実現可能ですし、また、気候正義という概念からも、我々、温室効果ガスを排出する国々が、いわゆる第三世界というようなところに、その気候変動の影響を大きく受けていってしまうのは、私たちはそれは先進国としてあってはならない姿であるというふうに私は考えておりますので、今後とも、皆さんから御意見いただいたそのことをしっかり法案に盛り込めるように、与野党問わず、全力で取組をさせていただきたいということを申し上げさせていただいて、私の質問時間を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  31. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、下条みつさん。
  32. 下条みつ

    ○下条委員 国民民主党の下条みつでございます。  きょうは、両参考人に、本当に貴重な時間をいただきまして、ありがとうございました。  限られた時間なものですから、その範囲内で、個別にちょっと一問一問お聞きしたいなというふうに思っております。学校じゃないので、そんな厳しい質問はないので。  それぞれ、いい、私も、うちの事務所にファンがいるので、これを持っております。「地球温暖化の目撃者」ですね、先生が書いていただいた。この中にもいろいろ、それぞれの証言が各地区であったりとか、特に、東京の方も温暖化によって四季がなくなっているとか、インドとかロシア、いろいろありました。本当にすばらしい本でございますし、また、桃井参考人に関しては、私どもと同じ仕事を前なさっていたりとか、いろいろな積み重ねの中できょうおいでいただいたこと、本当にありがとうございます。  それでは、一問一問ちょっとお聞きしたい、まず、小西参考人にお聞きしたいというふうに思います。  数万年規模で気候変動が本来起きているものが、我々のこの時代は、もう百年でいきなりどんとその変更が来ているということだと思います。  我々としても生物の適応能力を超えているような感じがしていますが、我々は、寒ければ服を着ればいいし、暑ければ、そこで一時的に氷があったりエアコンがあったり、過ごすことができる。しかし、人類以外の生物というのは、買物してすることはできない。葉っぱをしたり、暑ければ寒いところの海水に行ったりするしかないということもあると思うんですけれども、生物の環境の変化が非常に多くこれから言われてくるんじゃないかというふうに思います。  そしてまた、多くの種が絶滅してしまう、現状でもすごく絶滅している。逆に一方で、異色の、また人類にとっては余りプラスでない種も多く今度繁栄してしまうというか、なることもあると思います。  この気候変動のまず自然界への影響をどう参考人は考えているかということをちょっとお聞きしたいというふうに思います。答えられる範囲でお願いいたします。
  33. 小西雅子

    ○小西参考人 大きなお題、自然界の変化。今回の適応の範囲の中で答えさせていただきますと、私は、一番怖いのは、実は影響になれていない地域にその影響が及んでしまう点かなと思っております。  例えば、先ほどの望ましくない種の繁栄というところでいきますと、例えば蚊ですね。蚊が一番致死率が高い生物らしいですけれども、例えばマラリアを媒介する蚊、これは、アフリカ、我々は一緒のところと思ってしまうんですけれども、実はアフリカでもマラリア蚊がふだんいないところもあるわけですね。ところが、温暖化によってそういった蚊の生息域が広がると、体の中に抵抗のないエリアにそのマラリアが蔓延してしまう、そのことによって被害が大きくなるといったことがあります。  それは、もちろん日本も一緒で、これから、マラリアを媒介する蚊ですとか、ジカ熱とかデング熱とか、ちょうど、おととしぐらいですか、デング熱が非常に代々木公園で話題になりましたけれども、ああいった熱帯の伝染病が来た場合、日本人は、当然ですけれども、それに抵抗力のない方が多いですので、そういった影響力のないところにいろいろな新しいものが来てしまうという点が、自然界の人間に及ぼす変化としては一番今後懸念される点ではないかと思っております。  そして、例えば、マラリアの専門家とお話ししていたときに私がはっと思ったことが、日本ではマラリアはそんなに心配することはないんですよと言われたんです。というのは、マラリアというのは、基本的にやはり衛生状況の悪いところで、いわゆる食べるものも不十分なところで非常に大きく被害をもたらすところなので、日本のように医療が発達しているところだったらば、もちろん、我々もアフリカに行くときにはマラリアのための予防の薬を飲んでいきますよね。そういった医療で抑えることもできるし、栄養状態もいいので、それほど懸念することはない。つまり、自然界の変化というのは、途上国、特に非常に開発のおくれた途上国ほど強く出てしまいますね。  ですので、今回の法案の中の第十八条に国際協力がうたわれていますけれども、やはりこの日本の持っている技術力というもの、そして、それを普及するということにとどまるのではなく、それをどうやって途上国に広げていくかという、特に資金支援も含めたインセンティブを実は日本社会はすごく真剣に考えるべきではないかなと。  ですので、本法案の中でいいますと、十八条の国際協力のところ、ばくっと技術支援とかなっているんですけれども、ここはぜひ、資金支援も含めた支援をしていくということを今後のPDCAサイクルの中でうたっていただきたいなと思っております。
  34. 下条みつ

    ○下条委員 ありがとうございます。  私も、実を言うと、先般、本会議場で、支援についてはちょっと大臣に御要請させていただいて、まさにおっしゃっているとおりで、結局、気候にしろ、人間のつながりにしろ、支援にしろ、やはり地球一体となって弱い部分に対してやっていくのが政治の信念だと思っていますので、おっしゃっているとおりです。それを、私はこの法案は、私どもの党は賛成でございますので、また附帯決議を含めて検討させていただきたいと思います。  ありがとうございました。  次に、桃井参考人にお聞きしたいんですが、そんな怖い質問じゃないので。  二酸化炭素の排出量というのが一般的に言われていて、エアコンの頻度が上がった、そして産業部門の二酸化炭素排出量が少し減少したというのがいろいろ言われています。ただ、家庭部門の電力というのは、そもそもやはり電力で賄われているのがほとんどですから、太陽光もありますけれども。ですから、家庭部門が二酸化炭素排出量のそもそもの要因というのがまず第一にあるんじゃないかというふうに思っています。  そんな中で、よく言われる、石炭発電について、例の東北の震災のときは、石炭火力発電は原子力発電と並んでベースロードという電源ということがありましたけれども、ただ、それ以降も、そのベースロード電源というのはずっとそのまま石炭になっちゃっているということがあります。  海外では、もう石炭というのは逆行していて、やるべきじゃないと。先ほどもお話ありましたけれども、そんな中でやっている中で、日本は、再生可能エネルギーが余りできない理由としていつも言われているのが、エネルギーが気候その他に左右されちゃっているよ、だから非常にベースロードとして使いにくいんだという言い方、非常にいつもエクスキューズで言われているというふうに僕らは思っています。  ところが、一方で、日本は、世界一気象観測とか気象予測の技術が発達している。だから、私は、そのところをうまく、今後は、百点の法案はないですから、加味していかなきゃいけないなと僕は思っていて、いまだに日本が石炭火力にずっと頼って、これからもずっと続けていくという発想を持った予算づけもしていますけれども、この辺について参考人の方から御見解をもしいただければというふうに思います。よろしくお願いします。
  35. 桃井貴子

    ○桃井参考人 御質問ありがとうございます。  まず、一番最初に先生がおっしゃった、産業部門は減っているけれども、家庭部門がふえてしまっているのではないかというお話なんですけれども、今は、直接排出量、間接排出量でいうと、間接排出量で排出量が報告されて、それに基づくと家庭部門がふえているように見えるということがあると思いますが、それぞれ細かく分析していくと、家庭からの排出というのは、電力の大もと、排出原単位でふえている分、それから、家庭の数、核家族化がふえて、戸数がふえているということによる排出量の増加というのもあると思いますし、そして、最後に、電力消費量自体がふえているというようなことも原因としてはあるのではないかと思いますが、やはり、一番大きなところは、電力の部分での排出原単位がふえているというところに起因すると思います。それが、まさしく先生がおっしゃった、火力発電による、とりわけ石炭火力の排出がふえているというところに起因するものだと思っています。  ですので、先生おっしゃったように、ベースロード電源で石炭火力が位置づけられているという点、これを大きく変えて、再生可能エネルギーの方に転換していけば、おのずとそれを使用しているユーザー側の電力消費量も減り、CO2の排出量も減っていくという方向に動いていくのではないかというふうに考えています。  そして、電力構成の中で、石炭それから原子力発電についても、今のエネルギー基本計画ではベースロード電源というふうに位置づけられてしまっていますけれども、低廉なエネルギーだからということが理由で位置づけられているところがありますが、むしろ今は、LNGの価格の方が下がってきているというようなことを考えれば、石炭と原発をベースロード電源とすることはおかしいのではないかというふうに考えています。  そして、再生可能エネルギーを利用していくというところで、気象予測などを用いてもっとこれから発展させられるのではないかという先生のおっしゃっていたこと、私もそうだというふうに思いますし、そこを主力電源化することによって、むしろ、再生可能エネルギーで足りない部分は、中間的にはLNGなどの調整電源で賄っていくというような、中期的な位置づけというのが必要なのではないかと思っています。  気象予測の再エネに関しては小西さんの方がむしろ専門なので、小西さんの方からも御意見いただけるのではないかと思います。  ありがとうございます。
  36. 下条みつ

    ○下条委員 ありがとうございます。  本当は、がちゃがちゃもっと聞きたいんですが、ちょっとあと五分しかないと来たものですから、済みません、ありがとうございました。  ちょっとあっという間に時間がたっちゃったんですけれども、あともう一個だけ質問します。それは、恐縮ですけれども、両参考人からお答えいただければというふうに思っています。  先ほどちょっと出ましたカーボンプライシング、炭素税の件であります。本年三月に環境省は、可能な限り早期の累積排出量の低減をしていこう、二度目標に向かってですね、環境省がやって、二〇五〇年は八〇%、現行施策の延長線上では現状は困難ということを言っていて、その中で、社会の隅々で経済社会システムと技術のイノベーションを起こして、脱炭素社会に向けた円滑な移行を誘導していくためにはカーボンプライシングが有効というふうに言っているんですね。  それで、見込みで見れば、二〇三〇年には石炭火力が最高の出力に達する。ばんばん出てくる、これから十年。非常に暗い話でございます。ただ一方で、先ほどおっしゃった、石炭火力発電は高効率のものでもLNGの発電の二倍程度になってしまっている。そんな中でカーボンプライシングを導入すれば、当然、石炭火力発電所のコスト優位性は全くなくなっていくということの中で、日本においてカーボンプライシング導入を真剣に検討するべきだと僕は思っていまして、本当に時間がないので、両参考人からぜひ一言ずつお答えをいただければというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
  37. 小西雅子

    ○小西参考人 もう先生のおっしゃるとおりです。  今、よく、日本には既にカーボンプライシングはあるんだということをおっしゃる産業界の方がいらっしゃって、それで、暗示的に、あるということをよくおっしゃるんですけれども、もし本当にそうならば、これだけ石炭火力の新設計画があるわけはないわけで、やはり日本も、ちゃんと炭素含有量に応じた、インセンティブとなるカーボンプライシングが絶対必要だと思っております。  先ほどのイギリスの気候変動法もそうですけれども、カーボンバジェットを決めて適応を決めていく場合において、では、そのカーボンバジェットを、守っていくための手段としてということを位置づけて、排出量取引制度とか位置づけられておりますので、日本は、本当は、今、カーボンプライシングが必要かどうかという議論をする段階ではなく、カーボンプライシング、日本は、どれだったらば日本に一番適しているのかということを、それを前提に話していくべきだと思っております。
  38. 桃井貴子

    ○桃井参考人 ありがとうございます。  カーボンプライシングの議論に関しては、もう相当前から日本の中においても行われていると思います。しかし、いざ導入するという話になると、大きな反対があって導入できないということを繰り返してまいりました。今は、もうそこを脱却するときなのではないかと思っています。環境省の方でも取りまとめは行われていますけれども、検討の段階はもう終わり、導入の時期に来ているのではないかというふうに考えています。  短目ですけれども、ありがとうございました。
  39. 下条みつ

    ○下条委員 時間が来てしまいました。  ありがとうございます。非常に力強い御参考の意見をいただきましたので、これをしっかり委員会の場で生かしていくように頑張りたいと思います。  本当にきょうはありがとうございました。お時間をいただきまして、ありがとうございました。
  40. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、鰐淵洋子さん。
  41. 鰐淵洋子

    ○鰐淵委員 公明党の鰐淵洋子でございます。  本日は、お忙しい中、小西参考人、桃井参考人、国会までお越しいただきまして、大変にありがとうございました。また、貴重な御意見を賜り、心より感謝を申し上げます。ありがとうございました。  大変に重要な法案ということで、実効性のあるものにするためにも、お二人の御意見をしっかりと伺いながら、しっかりと審議を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。  重なる点もあるかと思いますが、何点か質問させていただきたいと思います。  まず初めに、両参考人、お二人にお伺いしたいと思います。  これはもう言うまでもなく、今、さまざま気候変動が既に国民生活に広く影響を及ぼしているという中で、緩和策と適応策をしっかりと同時に、おっしゃったように、しっかりと緩和策をやった上で適応策を講じていくことが重要であるということで、そういった御意見を賜りました。  そういった中で、政治の役割は、やはり地球環境を守ること、また、国民の皆様の生活、健康、命を守るということで、こういったことはしっかりと具体的に手を打っていかなければいけないと思っております。十年先、二十年先、更に先を見た上での対策を講じていくことが重要だと思っております。  そういった中で、今、日本の社会もさまざま大きな変化が進んでいる中で、例えば、少子高齢化、人口減少、こういった日本の社会構造も変わっておりますし、また、IoTとかAIの技術革新も進んでいく中で、本当に目まぐるしくいろんな変化、変化の中でのこういった対策を講じていくことになると思いますが、具体的には、少子高齢化、人口減少、こういった日本の社会構造が大きく変わっていく中で、この緩和策、適応策を進めていく上での何か御見解があればお伺いをしたいと思います。例えばほかの政策と連動させるとか、いろいろな具体的なお話も含めてで結構なんですが、ぜひ御意見を頂戴したいと思います。
  42. 桃井貴子

    ○桃井参考人 御質問ありがとうございます。  適切に回答できるかわからないんですけれども、少子高齢化ですとか人口減少ですとかということが、これから先、前提になってくるんだと思います。その上での気候変動対策ということが、もう一つ大きな柱としてさまざまなところに組み込んでいくということが必要なのではないかというふうに思います。  例えば、人口減少すれば、当然、エネルギーの使用量、需要量というのも減っていくことになると思いますけれども、今まだそういう人口減少などを前提にしたシナリオという形で描かれているのだろうかというところがあります。むしろ、これまでと同じように、物をたくさんつくり続け、消費がふえていくということが前提になって気候変動政策というのも今政府の方でつくられているように見られますので、そこはもっと、現実の社会構造の変化というところを踏まえた上での気候変動政策というのが必要なのではないかと思いますし、適応についても同様のことが言えるのではないかというふうに思います。  ありがとうございます。
  43. 小西雅子

    ○小西参考人 ありがとうございます。  少子高齢化とか人口減少とか、逆に言えば、よく小宮山先生がおっしゃるプラチナ社会、日本は課題先進国であるからこそ、その課題を克服する過程で世界に範となれるという。その点でいきますと、やはり、コンパクトシティー化していくといった流れにおいて、より適応のサービスというのも行政からしやすくなっていくのだと思います。ですので、やはり、そういった日本の現状というものを見据えた上での施策というのがこれから求められていくのだと思います。その方が、この適応のやり方次第も楽になっていくんだと思います。  プラス、あと、今、桃井参考人がおっしゃったように、これからの例えば日本の人口減少を本当は見据えた上でこの緩和策のエネルギーの計画とかは立てていくべきだとは思うんですね。でも、いまだに、例えば、これだけもう都市の中の都市鉱山化している中でも、まだまだ鉄をつくり続けるとか、そういったことを生産量の前提にした緩和策というものがまだまだ日本の中ではありますので、やはり、緩和と適応、両方の視点の中の特に緩和策の方には、人口減少とかあるいは少子高齢化とか、そういった日本の現状というものを反映した形の計画を立てていくべきではないかなと思っております。
  44. 鰐淵洋子

    ○鰐淵委員 ありがとうございました。  今おっしゃっていただいたとおり、これから、社会の変化の中で先々を見た政策を打っていくということと、あと、本当にもう喫緊の課題、目の前でさまざまな影響が出ておりますので、しっかりと対応していくことが重要になってまいると思いますが、その上で、ちょっと改めて、この気候変動適応策の評価手法についてお伺いをしたいと思います。  この点につきましては桃井参考人からも詳しく御提案はいただいておりますので、できましたら、小西参考人からも詳しくお伺いをしたいと思います。  国におきまして、農業とか防災などの各分野の適応を推進するために、気候変動適応計画を策定することになっておりまして、その進捗状況について把握、評価していく、そういった手法も開発することに努める、そのようになっております。  これは、気候変動適応を適正に進めて実効性のあるものにするためにも、この評価手法のスキームが大変に重要になってくると思いますが、この点について具体的にお伺いしたいと思います。桃井参考人も、もし追加がありましたら、済みません、あわせて御意見をいただければと思います。
  45. 小西雅子

    ○小西参考人 評価手法については、実は今、国連のところの場でも、パリ協定の中で、パリ協定の実際の実施していくための指針として、ルールづくりが行われております。ですので、その国際交渉の中での議論というものも反映しながら、この適応法案の中も改善していくのがいいのではないかなと思っております。  というのは、適応というのは、まだまだ研究が進んでいない分野もあるものですので、その中で、評価手法というものを今の段階で全部決め打ちするのは非常に難しいとは思うんですね。でも、イギリスの気候変動法の場合でも、五年ごとに評価、科学の進捗状況に応じて改善してこられていますので、今回の適応法案の中にはそういった五年ごとの見直しという仕組みが入っていることが、すごく重要だと思っております。  ですので、五年ごとに、国際交渉の中での評価手法というものも参考にしながら、研究の中での最新の科学的知見というのも参考にしながら、改善していけるというのが一番いいのではないかなと思っております。
  46. 桃井貴子

    ○桃井参考人 済みません、特に追加的なことはございませんが、先ほど意見陳述の中でも申し上げたとおり、しっかりとした第三者機関による評価の仕組みというのを位置づけていくということが必要ではないかと思っております。  以上です。
  47. 鰐淵洋子

    ○鰐淵委員 ありがとうございました。  続きまして、小西参考人にお伺いしたいと思います。  事業者の適応策の取組の推進についてお伺いをしたいと思います。  これも今、これまでも具体例も含めて御紹介をいただきました。今回の本法で国、自治体、事業者の役割を明確にしておりまして、事業者による取組、適応ビジネスの促進も私も重要だと思っております。  現在、政府としての取組は、気候変動適応情報プラットフォームで、このポータルサイトで、事業者の適応取組、この事例が紹介をされております。先進的な取組ということで、これを広く共有して、事業者による取組を促進していこうということだと思いますけれども、ちょっと私、個人的には、これだけではなかなか進まないのではないかと思っておりまして、何らかのインセンティブ、そういったものもあっていいのではないかと思っております。  この点につきまして、事業者が適応策を進めていく上で、促進するための取組について何かアドバイスがありましたら頂戴したいと思います。
  48. 小西雅子

    ○小西参考人 これは、実は私は迷っている分野なんです。といいますのは、適応ビジネスというのは、まだまだ緩和のビジネスに比べて世界的に見て進んでいないものなんですね。  どうしても、緩和はエネルギーの分野でもありますので、いわゆる市場に任せて進んでいくという方法が成り立ちます。実際にとても大きくなっています。でも、適応の分野というのは、どうしても公的資金に頼る部分が多いんですね。ですので、日本の適応法案の場合で考えるときには、国内における適応の取組を進めるため、これは恐らく事業者さんに、今回の法案には財政措置がついていないんですけれども、そういった形も本当は考えるべきなんじゃないかなと思ってはいるんです。  ただ、私は、やはり国際交渉に出ていますと、日本のような先進国と、それから途上国における適応のまさに悲痛な需要といいますか、この差をすごく感じるんですね。  ですので、私たち先進国の人間にとっては、温暖化というのは、特に都会に住む人間にとっては、まだ恐らくふだんの生活には感じないものだと思うんですね。でも、途上国の同じWWFのオフィサーとかとしゃべっていますと、まさに自分の住んでいる家が、海面上昇と、それから嵐による被害で海岸侵食されていきますので、もう住めなくなって内陸部に移動した、でも、更にそこからまだ海岸が迫ってくるといったような、本当に深刻な悲痛なところがあるんです。  それを見ていると、やはり日本としての責任として、途上国の適応の支援というものをいかにインセンティブをつけていくかということが、とても喫緊の課題なのではないかなと思っているんです。  ですので、日本の中の適応というのは、日本技術大国ですし資金もありますので、進めることは実はその気になれば本当に進んでいくんだと思うんですね。  ですので、そこの中で、日本の培った技術というものを、また、実は日本にとっては当たり前のもの、例えば天気予報ですね、日本にとっては天気予報は当たり前で、実際に台風が来るときは、二、三日前からもうテレビのことで、我々はすごく準備できますよね。でも、実は世界百九十七カ国ある中で、天気予報がない国がまだ八十カ国もあります。  ですので、衛星があって初めてこの台風の被害というのはすごく激減されたんですけれども、そういった情報手段もないまま嵐にさらされてしまう途上国の人たちが、更に温暖化の影響によってそれが深刻化するということを思った場合、やはり途上国の適応を支援していく仕組み、特に資金メカニズム、そういったものを日本政府としてはすごく真剣に考えていってほしいなと思っております。  それで、この法案の中の第十八条の国際協力も、ばくっと技術協力ではなく、その他の国際協力ではなく、その中にインセンティブの付与というものを入れていただけたら本当にありがたいなと思っております。
  49. 鰐淵洋子

    ○鰐淵委員 ありがとうございました。  海外支援についてもお伺いしたかったので、今ちょうど御答弁というか、お答えいただきまして、大変にありがとうございました。  同じ質問ということで、ぜひ桃井参考人にもお伺いしたいと思うんですが、我が国ができる海外、途上国を中心とした支援、我が国ができる支援について御見解をあわせてお伺いしたいと思います。
  50. 桃井貴子

    ○桃井参考人 そうですね、済みません、私、そこの専門外なので、的確なお答えができるかわからないんですけれども。  やはり日本として、今までたくさんの排出を行ってきた国としての責務で、しっかりと途上国の、とりわけ気候変動の影響を受けている国々に対しての支援というのを充実化させるということが必要だと思っていますし、それは適応策、適応の分野だけではなく、緩和の分野においても必要だと思っています。  今回は、適応法案の中でもきちんと位置づけていくということが一つ方策としてあると思いますので、小西さんが言われたような形で位置づけるということが重要なのではないかと思います。  ありがとうございます。
  51. 鰐淵洋子

    ○鰐淵委員 ありがとうございました。  済みません、重ねて小西参考人にお伺いしたいと思いますが、今お伺いした途上国への支援、また、世界に貢献できる日本の役割ということで、もしほかにもう少し具体的なところで教えていただけるところがあったら、最後に御意見を伺いたいと思います、国際支援。
  52. 小西雅子

    ○小西参考人 具体的なところとなりますと、私はどうしても気象出身なので、日本の気象予測というものは、当然ですが、世界に冠たるもので、やはりアメダスのデータによって、データが、観測場所がたくさんあるので、より予測が正確なんですね。  ですので、今回の適応法案は連携をすごくうたっています。今まで、例えば気象庁さんは気象庁さんで国際協力をされて、環境省は環境省でといった形で、農林水産省もそれぞれ途上国の支援とかをされているんですけれども、それをやはり適応という視点で一つくくって、そこに、ぜひ本当はより途上国支援の資金援助もついた形で進んでいくことが一番ありがたいなと思っております。  特に異常気象とかの場合においては、日本ではすごく当たり前の技術が、途上国ではそれによって多くの人命が救えるんですね。例えば、ほんの早期警戒システムサイレンを鳴らして、来るぞというのがあるだけでも、多くの人命を救えるんです。  ですから、日本にとっては当たり前と思っていることを、ぜひこの適応法案で、連携のときのきっかけに、途上国の人のニーズとかを、我々、国際交渉に携わっている、省庁さんのたくさん携わっている方だけではなく、現場の人間の人たちも、ぜひ、実際に日本ができ得ることということを、そういったいろいろな協議の場とかで知っていただいて、進めていただければなと思っております。
  53. 鰐淵洋子

    ○鰐淵委員 貴重な御意見をありがとうございました。  以上で終わらせていただきます。
  54. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、田村貴昭さん。
  55. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。  参考人の小西雅子さん、そして桃井貴子さん、きょうはどうもありがとうございます。  私の方からも質問をさせていただきたいというふうに思います。  最初に、桃井参考人の方にお尋ねをいたします。  桃井さんがお書きになられた、「生活と環境」昨年十一月号の「脱炭素社会構築を目指すパリ協定時代に日本がすべきこと」、これを拝読させていただきました。日本の温室効果ガス排出量が十三億六千四百万トン、CO2、これは二〇一四年度ですけれども、こうした中で、三三%が発電にあると、グラフの方も示されていました。巨大な排出を占める火力発電所の転換を図る、このことが効果的な削減効果であるというふうに指摘をされています。  きょうは意見陳述の中で、緩和策が真逆の方向にあると。私も本当に同感であります。三三%の発電というのは、これは火力発電がほとんど占めているというふうに理解してよろしいんでしょうか。
  56. 桃井貴子

    ○桃井参考人 御質問ありがとうございます。  火力発電がほとんど占めています。そのうちの半分が石炭、半分がLNGというような割合、大体の割合だったと思います。     〔委員長退席、関(芳)委員長代理着席〕
  57. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 引き続いてお尋ねしますけれども、日本の温室効果ガス排出は約九割がエネルギー起源CO2であるというふうな指摘もされています。このことについても御説明をいただけるでしょうか。
  58. 桃井貴子

    ○桃井参考人 約九割がエネルギー起源CO2というのは、化石燃料を燃やして、それを熱や電気にして使っているという意味で、日本の排出量全体のうちの化石燃料を燃やしている部分がそれに当たるということです。それ以外は、フロンとかそういうものが占めているということになります。
  59. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 気候ネットワークさんの方がいろいろな統計を解析して、そして今の状況を分析して、そして公表されているといったことについて、気候ネットワークの分析数値に対して日本政府は同じ認識をしているのでしょうか。食い違う点があるのでしょうか。  せっかくこうやって政府からの資料をもとに算出しているのに、どうも自分たちの主張が認められていないのではないか、あるいは政府は別の考え方をしているのではないか、そういったことがあれば、この際、お聞かせいただければというふうに思います。
  60. 桃井貴子

    ○桃井参考人 御質問ありがとうございます。  分析をしているものというのが、恐らく、一番最初にいただいた御質問の、日本の総排出量の排出の割合の構造についてだと思います。  気候ネットワークでは、環境省が行っている温室効果ガスの算定報告制度を情報開示請求をしまして、それをもとに排出量を、政府が出しているのは間接排出量といって、全て電力部門はユーザー側で排出しているということにして排出量をカウントしているんですが、これを、電力会社は発電しているところから直接排出しているものとしてこちらは算定をし直して、それで分析を行っているということです。そこで、電力部門が三三%の排出があるというような形を示してきたわけです。  政府は、これまで、先ほど申し上げたように、間接排出量で情報を示していました。ところが、ことしになって、環境省の排出量の確定値、日本の温室効果ガスの排出量の確定値というのが先月出されたんですけれども、それを見ますと、そこに、これまで全くなかった直接排出量の割合というのが初めて示されていました。私たちがずっと政府に求めてきたことを今回環境省の中で示されたということで、これは非常に評価しております。  しかしながら、本来であれば、直接排出量によって、排出されている電力部門の排出をもっと分析をして、そこで、気候変動対策の重要な部分は何なのか、そして電力部門から排出を減らしていく方策は何なのかというようなところまでを分析しなければいけないと思うんですけれども、それが行われていないということ、排出量が石炭がふえることによってふえているということが示されたにもかかわらず、そこが具体的には文章の中には書かれていないというようなことが、まだまだ政府の方での発表の物足りなさだというふうに感じています。  ありがとうございます。
  61. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 大事な御指摘ではなかったかなというふうに思います。  初めて直接排出量が出されてきた、そしてもっと深い分析を行うべきだ、そして、出された数値について、またこれを市民的に検証していくことも大事ではないかなというふうに思います。私は、そうしたことも政府の方に求めていきたいというふうに思っております。  今度出された資料を見ても、それから桃井さんのこれまでの御主張の中でも、石炭火力にかかわるところの指摘が多いわけなんですけれども、気候ネットワークの、最大の発生源対策はやはり石炭火力である、こうしたところの主張に今の政府はしっかりと応えておられるでしょうか。冒頭の意見陳述の中でも、なかなかそうではないといったところはあるんですけれども、要求についてお聞かせいただければというふうに思います。     〔関(芳)委員長代理退席、委員長着席〕
  62. 桃井貴子

    ○桃井参考人 ありがとうございます。  石炭火力発電所の建設計画というのが二〇一二年以降で五十基も出てきてしまっているということは、政府の方針として石炭火力発電所を高効率のものは推進するということが、エネルギー政策の中に位置づけられてしまっているからだというふうに認識しています。  しかも、環境アセスメントという手続を踏む段階においても、環境省はこれまで、過去、容認できないといった意見書を環境大臣から出しているものが五つほどあったんですけれども、それでも、それは環境アセスメントの審議自体は経済産業省の方で行われるために、結果的には全て容認していく方向で動いており、建設が進んでいってしまっているというような状況にあります。  まさに、本来であれば、先生おっしゃるように、石炭火力発電所のところが最大の発生源対策で、一番、気候変動政策の一丁目一番地というか、やらなければいけない対策のところだと思うんですけれども、そこから逆行してしまっているような政策をとっているというのが今の日本政府だと思います。
  63. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 よくわかりました。ありがとうございました。  それでは、WWFジャパンの小西参考人の方にお伺いをさせていただきたいというふうに思います。  私は九州なんですけれども、去年、九州北部水害というのがありまして、未曽有の災害に見舞われました。そういう経験をしたところなんですけれども、小西さんは気象予報士でもあられます。異常な降雨で甚大な被害が、いろいろなところで今、日本は起こっているわけなんですけれども、日本における気候変動と異常気象、災害誘発との関係について御所見をお聞かせいただければというふうに思います。
  64. 小西雅子

    ○小西参考人 ありがとうございます。  先ほどの答弁とかぶってしまうんですけれども、やはり、日本の一つ一つの異常気象によってどれぐらいが温暖化に寄与しているかということはなかなか言いにくい、特にまだ降水の場合は。気温の方が言いやすいというところがあるそうなんです。  ただ、気象庁の言う異常気象の定義というのは、過去三十年の中で起きる異常気象の定義となっていますので、実は十年ごとに更新されていくんですね。ですから、今は異常気象なんだけれども、将来においてはそれが当たり前になって、異常気象にもうならないかもしれないです。平均的な気象になっていくかもしれないです。  実際に、もう過去十年ごとに異常気象の定義というのは変わってきていますので、やはり、温暖化が進んでいくと、そういった、今では異常気象と言われているものが、それが通常の気象の変化になってしまうような、そういったこともあり得るんだと思っております。  やはり、今の日本の中で、例えば台風ですとか、そういったものに対する、定量的にこれぐらいの影響が出てくるということは既に研究報告で出されていますので、そういったものを反映して、今回の適応法案の中でどういう適応の準備をしていかなければならないかということをこれから考えて、計画を立てて、実施していくということは、これからますます重要になるということと同時に、やはり、五年ごとにどんどん新しい知見が出てきますので、それを入れてつくり直していくというこのサイクルを日本がつくり上げて、今、適応法案は五年ごとのサイクルなんですけれども、実は緩和の方が、その同じ本当は五年サイクルで回ってこそ、緩和と適応の、同時に、緩和の政策がこれぐらいだから今適応はこれぐらいだというような形で本当はやっていくべきなところが、今緩和の方はそういったサイクルで回っていないので、ぜひ緩和策もこれをきっかけに更に入れていくといったことを検討いただきたいと思っております。
  65. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 小西さんは、昨年のCOP23フィジー会議に出席されて、いろいろな方とお会いしたというふうに思います。  レポートも、私は楽しく拝見させていただきました。トランプ大統領がパリ協定離脱を宣言するもとでも、アメリカの非国家アクター、ウイ・アー・スティル・インですか、この力強い決意であるとか、それから、フランスのマクロン大統領がWWFと意見交換をされたなど、頼もしい限りだなというふうに思うわけであります。  国連の会議とか世界を見詰められる中で、すばらしいと感じられる指導者あるいは団体等の取組について、印象に残ったところ、これは教訓とすべきだというふうにお感じになっておられるところを、きょうは御紹介していただけるでしょうか。
  66. 小西雅子

    ○小西参考人 ありがとうございます。  国連交渉のリーダーシップに関しては、済みません、三時間ぐらい語れちゃうんですけれども、きょうは、適応法案にぜひ関係するということで、今先生がおっしゃった、ウイ・アー・スティル・インを御紹介させていただけたらなと思っております。  御存じのように、やはり、トランプ大統領のパリ協定の離脱宣言で、すごく世界は動揺しました。しかし、このウイ・アー・スティル・インに参加しているカリフォルニア州のジェリー・ブラウン知事ですとか、多くの、アメリカというのは州政府の力が非常に強いところがありますので、その州政府のリーダーたち、そしてまた市長たちといった人たちが立ち上がってつくったのがウイ・アー・スティル・インで、実は、アメリカの人口の半分以上を占める人たちが、もう既にこのイニシアチブに入っております。  ですので、アメリカ連邦政府レベルでの温暖化対策が停滞したとしても、こういった州政府レベルでのイニシアチブというのは、我々はまだまだ、文字どおり、ウイ・アー・スティル・インで、パリ協定を遵守していくと宣言していますので、実は、それでいくと、一国レベルでいくと非常に大きな国レベルの動きなんですね。  こういったものが象徴するように、パリ協定というのは、実は、今までずっと、京都議定書を経た国連交渉というのは政府間のものでした、政府対政府、百九十六カ国から七カ国の政府が国際交渉をしていたんですけれども、今は、実は、こういった自治体の市長たち、あるいは企業さんのイニシアチブ、そういったイニシアチブが大きく力を持っています。  パリ協定、今世紀末に脱炭素化するという非常に、ちょっとあり得ないような、画期的な世界共通の国際協定ができたわけですけれども、その裏には、こういった企業さんの集まりですとか自治体のイニシアチブとか、もちろん、NGOの主導するものとか、そういったものがすごく力を持ってきて、それらが、より強い温暖化対策を我々は支持するということを言うことによって、政府も、このパリ協定を成立させるといったことが可能になりました。それの一つの象徴が、まさに、政府が抜けた後のアメリカのウイ・アー・スティル・イン活動なんですね。  ですので、実は、温暖化対策のリーダーというのは、これからは、そういった政府以外の自治体とかあるいは企業さんとか、そういったところからより力強く出てきているんだと思います。  そこからいっても、今回の適応法案においても、やはり、各自治体さんですとか企業さんとか、そういったところのリーダーシップをぜひ期待したいと思っております。
  67. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 大変貴重な、COP23でのお話をいただきました。ありがとうございます。  「不都合な真実」という映画なんかを見ていますと、本当にびっくりするようなことがいっぱいあるんですけれども、やはり、最後、頑張ったら何とかなるんだ、そして、勇気と力をいただくというのが今の世界の取組じゃないかなというふうに思うわけです。  人類がしでかしたことはやはり人類が修復していくといったところで、行政も、そして企業も、政治も、全てがやはりこの方向に向き合っていかなければならないかなというふうに思います。きょうは、桃井さんと小西さんのお話を聞いていて、そんな思いを強くしたところです。  貴重な御意見をありがとうございました。終わります。
  68. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、玉城デニーさん。
  69. 玉城デニー

    ○玉城委員 自由党の玉城デニーです。  きょうは、お二方の参考人の貴重な御意見を本当にありがとうございます。質問が少し重なるところがあるかもしれませんが、どうぞ、その点は御了解をいただければと思います。  さて、ごらんになって、見てわかると思いますが、私は沖縄の出身で、環境委員会の中でこのかりゆしウエアを普及しようということで、議員の皆さんにも御理解をいただいて、このように、クールビズの期間になったらできるだけこのかりゆしウエアを着て国会活動をするようにしております。時々、寒いときは上着を羽織ればいいやと思う感じで、暑い方が上着を脱いで歩くよりも、最初から半袖を着ていた方が割と快適に過ごせるなというふうに思います。  ですから、きょうの室内も、実は少し、ちょっと寒いのではないかと思うぐらいの気温設定ではないかなと思うんですが、できるだけ、できるところからできる努力をしていくということが国民の皆さんにわかっていただければ、なじんでいただければ、沖縄よりも本州の内陸部では、山沿いのところでは本当に気温が高くなるところがありますので、特にそういう地域では、着るものの文化として、普通に快適に過ごせる衣料というか、それがビジネスとつながって地域で浸透していったらもっといいなというふうに思います。  さて、きょうは、先ほどの意見陳述の中でも非常に貴重な御意見もたくさんいただきました。  そこで、それぞれの考えについて改めてお伺いしたいと思いますが、実は、きょう午後、この参考人の意見陳述を経て、この法案の審議をすることになっていますが、きのう私が前もって質問レクをさせていただいた内容と非常に通ずるものがありまして、認識として、一つ一つ丁寧に確認をさせていただければと思いますので、ちょっと総論的な話と細かい点があるかもしれませんが、その点もぜひ忌憚のない御意見をお聞かせいただきたいと思います。  では、まず桃井参考人からお伺いいたします。  パリ協定の目標である平均気温上昇を一・五度から二度抑制するというこの共通の目標なんですが、全体で見て、日本がとるべき行動で、これが今重要だろうと思われる点、それをまずお聞かせいただきたいと思います。
  70. 桃井貴子

    ○桃井参考人 ありがとうございます。  私が先ほどの冒頭の陳述でも申し上げましたとおり、一・五度から二度に抑えるためには、そのために排出していい量というのがもう決まっています、地球レベルで。そのために、排出量の多いものからやはり削減していくということが必要でして、とりわけ先進国は、二〇三〇年くらいまでには石炭火力発電所はもうほぼ廃止するということをやるのが、このパリ協定で言われている一・五度から二度に抑えるために必要なカーボンバジェットの枠だというふうに考えています。  ですので、日本として、今、石炭火力発電所を高効率だからいいといって進めているこの現状をまず変える必要があるというふうに思っています。  ありがとうございます。
  71. 玉城デニー

    ○玉城委員 ありがとうございます。  再稼働や新設が抑制されている原発の実は代替エネルギー源として、石炭火力発電などがベースロード電源とされています。  二〇一三年、これは長期エネルギー需給見通しの、参考人の資料からですが、二〇一三年で、原子力が二〇三〇年になると二〇から二二%、石炭が二六%というふうに、依然として、原子力にも頼り石炭にも頼る、しかし、再エネ、再生可能エネルギーの割合も非常に低いということが、現実にそういう方向性になっています。さらには、電源のピークアウトが二〇三〇年まで続いていく。つまり、先送りというか、これは、私は別の意味で放置しているというふうに思います。  ですから、再生可能エネルギーへの転換がもっと図られて、企業全体がそこに向かって努力をしていくということが非常に重要だと思いますが、この石炭火力発電や原発をベースロード電源に置いている日本が、脱炭素社会の構築に向けた取組、その中での再生可能エネルギー比率への転換で必要と思われる点について、もう一度お聞かせください。
  72. 桃井貴子

    ○桃井参考人 ありがとうございます。  まずは、第一に、このベースロード電源という考え方をやめた方がいいと思っています。再生可能エネルギーをメーンの電源にしていくということが必要で、まず第一優先的に再生可能エネルギーの接続をするということ、そのためにまず、過渡的に、最終的には再生可能エネルギーを一〇〇%に向けていくということを目標としても掲げるべきだと思いますが、いきなりそこには向かいませんので、自然の変動に合わせて発電する再生可能エネルギーに対して、調整電源的に必要なものはCO2の排出のできるだけ少ない電源、例えばLNGの高効率のものなどで、それを調整電源として使っていくというような方向が必要なのではないかというふうに思っています。
  73. 玉城デニー

    ○玉城委員 電力の自由化になってからはこの接続の問題が非常に大きな問題となっています。我々は常に、電力の自由化とは、小型化であり、地域化であり、分散化である、ですから、地域で賄える電力を小規模で、例えばバイオマスで発電をしたとして、発電と熱の利用にもっとコストをかけていけば、十分、大型の火力発電に頼らずとも地域の分散化は可能である、しかも、そのエネルギー源をしっかり接続していくということについてもっと力を入れていくべきであるというふうに思います。ありがとうございます。  では、今度は小西参考人にお伺いいたします。  気象予報士の資格を持ってその活動もしていらっしゃるんですが、沖縄はかつて台風銀座と言われていましたが、今でも沖縄近海で発生した台風が勢力を強くして本州などへ上陸するというパターンがよく見られるわけですね。ですから、地球環境そのものは、温暖化も合わせて気候の変化が著しくなってきている。要するに、急に寒くなったり大雨が局所的に降ったり、それが、日本のみならず世界各地で頻繁に起こっているということは、情報を見れば、今はネットの社会でも、物すごい、国際社会の中で地球温暖化と気候変動に対する取組はもう待ったなしだという状況が見てとるようにわかると思います。  そこで、国際社会における日本の姿勢の評価について、まずお伺いしたいと思います。  今回、我が国における温暖化対策において、冒頭でもありましたけれども、丸川元環境大臣も所信表明で述べていたことですが、緩和策と対応策が車の両輪と位置づけられている点について、これは国際社会で、特にパリ協定などにおける国際的認識としてはどうなっているのか、まずお聞かせください。
  74. 小西雅子

    ○小西参考人 ありがとうございます。  パリ協定においては、やはり、緩和、削減をしていくということがすごくメーンの議論にはなるんですけれども、その際に途上国側から、適応も一緒に進めていかなければ自分たちは存続の危機なんだということをとても言っています。彼らがよく使う言葉は、サバイバルなんだということを言っておりまして、実は、その問題自体が国際交渉を、非常に対立を深刻化させる一つの要因になっています。  先進国側はやはりどうしても緩和を進めたい。特に中国とか、そういった大きな新興国に対して、削減目標を持ってきっちりやっていくということを目指すのに対して、やはり途上国側は、適応の視点をどんどんどんどん、適応による一番技術支援と資金支援ですね、入れてもらわない限り、緩和だけが進むということに対するすごく警戒感がありますので、実は適応と緩和というのは、国際交渉においても、一つ、それぞれのステークホルダーによって違うんですけれども、これが両輪であることはまず誰も疑わないことなんですね。  ですので、実は日本のような先進国は、国際社会において一番求められることは、まず削減を進めることなんです。みずからの、先進国の責任にふさわしい削減をきっちりやっていくという姿勢を見せるということが一番求められています。  その点においては、日本は今の国際交渉では、京都議定書のころには本当に一つの大きな主役だったんですけれども、今はどちらかというと、なるべく目立たないようにという姿勢に見えます。ですので、日本が国際交渉の中で唯一目立つ点は、石炭推進を非難されるときなんですね。ですので、その意味においては、恐らく会場外では一番存在感があるかもしれないです。  現地のNGOとそれから国際NGOによる非難がずっと行われているだけではなくて、例えば中においても、今回、グローバル・コール・アライアンス、石炭連盟というのがカナダの首相とかを中心にして、実は国レベルで石炭を廃止していきましょうといったアライアンスができているんですね。ですので、会議場の外でも中でも、日本の石炭偏重の姿勢というのは非常に特異なものになってきています。  ですので、日本人のオフィサーというのは、実は、国際交渉に行った場合、我々NGOの場合は自国の政府との間をつなぐということがとても求められるんですね、国際NGOの立場でいうと。ところが、今の私の立場で行くと、石炭のことは多くほかの同僚から言われるんですけれども、日本の国際交渉における貢献ということに対しての貢献が求められなくて、ちょっと残念です。
  75. 玉城デニー

    ○玉城委員 やはり、国内での議論、海外での、特に国際社会での議論の場面になると、非常にそこをつなぐ役割が大変だろうなというふうに思います。  もう一点、お聞かせください。  では、パリ協定を議論する場であるCOPにおける日本への評価と、それから、これからやはりこういう提案をした方がいいということの話をまたお聞かせいただきたいと思います。
  76. 小西雅子

    ○小西参考人 日本は、実は資金支援においては非常に感謝されております。  特に、今、トランプ大統領がパリ協定、実際にはアメリカが抜けられるのは二〇二〇年の十一月四日ですので、次の大統領選挙の翌日ですので、それまではアメリカはパリ協定の締約国ではあり続けるので、アメリカ代表団はきちっと参加はしているんですけれども、それでもやはり、アメリカが約束した資金支援とかに対してはもう出さないと言っておりますし、オバマ大統領の時代に、グリーン・クライメート・ファンドというところに約束した量の三分の二ぐらいは出しているんですけれども、残りが見込みが立たないというときに、やはり日本は、そこで、事務局の運営に対しても、あるいは途上国の資金支援に対しても約束は守っていますので、その点においては存在感はこれからもあると思います。  ただ、緩和に対して日本に求められている削減目標のレベルというのが非常に著しく低いという国際的な評価ですので、やはり緩和そのものにおける国際交渉における存在感というのは、日本はもっと、国内をまずきちっと法案で押さえてから、それから国際交渉において、本来は日本ができ得る立場になって、国際交渉の緩和においてもリードしていってほしいなと思っております。
  77. 玉城デニー

    ○玉城委員 ありがとうございます。  国際社会の取組と我が国における取組がやはりイコールといいますか、もっと先進的に努力をする、そういう期待もあるのだということもあわせてお伺いいたしました。  さて、最後にお二人にお伺いいたします。  小西参考人からは、これまでの中程度予測からRCP八・五の予測へ動いているという現実的な判断で、四度上昇もあり得るということをおっしゃっていました。それから、桃井参考人からは、遠い地域のことである、あるいは未来への取組である、だから、まだ先の話だとか、あるいはここではない別のところの話ということがこの地球温暖化対策として考えられている、国民はそういうふうに受け取っているのではないかということもありました。  最後に、小西さん、桃井さんの順にお伺いいたしますが、では、温暖化対策における国の責務、日本国政府としての責任、どのように取り組むべきかということを最後にそれぞれお伺いしたいと思います。お願いいたします。
  78. 小西雅子

    ○小西参考人 それでは、時間がないので、なるべく短く。  国の責務は、やはり整えることだと思います。ですので、緩和と適応、まさに削減目標というのは一つの象徴なんですけれども、そこに向かって、今世紀末には脱炭素化するんだという長期戦略を今、二〇二〇年までに出すことを求められていますが、まだG7の中で日本はおくれております。  ですので、将来的な戦略をきちっと、いずれ脱炭素化するということを出して、それを法にうたって、そこからバックキャスティングで、カーボンバジェットの考え方で、きちっと日本はこういう方向でいくんだということをやはり法的根拠を持って示すのが一番の責務だと思っております。それがあってこそ、企業さんも、そして自治体も、国民も、その方向に向かっていけるんだと思っております。
  79. 桃井貴子

    ○桃井参考人 ありがとうございました。  私も、国の責任としては、やはり、今、気候変動対策に関して、政府の政策の端の方に追いやられてしまっているというふうに思います。むしろ、気候変動を中心に据えるくらいの形にして、そのために新しいビジネスをつくっていったりとか、自治体の、地域のあり方を見直していったりということで、パリ協定というのは、もう新しくこれから時代を変えていく革命的なことだというふうに思っていますので、それくらいの意識を持って政府の政策として気候変動を位置づけ、緩和策、そして適応策、両方ともきちんとした評価をとりながらやっていくべきではないかというふうに思っております。  ありがとうございました。
  80. 松島みどり

    ○松島委員長 質疑時間です。
  81. 玉城デニー

    ○玉城委員 貴重な御意見をありがとうございました。どうぞこれからもまた、私たちにたくさんの御教示を賜りますよう、御活躍を御期待いたします。  きょうはどうもありがとうございました。質問を終わります。ニフェーデービタン。
  82. 松島みどり

    ○松島委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、参考人各位に一言御礼を申し上げます。  小西参考人、桃井参考人におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。  この際、暫時休憩いたします。     午後零時一分休憩      ――――◇―――――     午後二時十四分開議
  83. 松島みどり

    ○松島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  午前に引き続き、内閣提出、気候変動適応法案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として農林水産技術会議事務局研究総務官大角亨さん、資源エネルギー庁長官官房資源エネルギー政策統括調整官小澤典明さん、国土交通省大臣官房審議官首藤祐司さん、環境省大臣官房環境保健部長梅田珠実さん、環境省地球環境局長森下哲さん、環境省総合環境政策統括官中井徳太郎さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  84. 松島みどり

    ○松島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  85. 松島みどり

    ○松島委員長 質疑の申出がありますので、順次これを許します。近藤昭一さん。
  86. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 立憲民主党の近藤昭一でございます。  きょうは、久しぶりにこの環境委員会で質問の時間をいただきましたことを感謝申し上げたいと思います。  私も自然系議員といいましょうか、ただ、私が初当選したころは環境系という言い方をしておったわけでありますが、自然系も環境系も、いずれにいたしましても、持続可能な社会をつくっていくということで、環境保護といいましょうか、環境の面からいろいろなことを検討していく、こういうことだと思っております。  それで、この気候変動に関する法律について質問をさせていただきたいと思います。  世界気象機関、WMOと言われるわけでありますが、三月の二十二日、二〇一七年に世界各地で、地球温暖化の進行に伴ってハリケーン、洪水などの気象災害が多発をしている、その経済損失が過去最高の三千二百億ドル、日本円にすると約三十四兆円でありますが、これほどの大きな金額に上ったという試算を公表したわけであります。  日本においても気候変動の影響があらわれて、日本の年平均気温は百年当たり一・一九度Cの割合でこれまで上昇しており、今後さらなる上昇が見込まれるということであります。  もちろん、この間、本委員会でも、この経済損失が非常に多額になっている、そうしたことに対して、いわゆる、そうした温暖化ガスを排出してきた、そうしたところにかかわってきた企業、こうした言い方をすると語弊があるかもしれませんが、そうしたことを排出することによってある種成長してきたところにとっても、災害等々が大きくなる中で、この損害が大きくなる中で、改めてそうした温暖化ガスの排出を見直さなくてはいけない、こういう機運が出てきているんだと思います。機運と言いましたが、これは必要なことでありますが、そういうところが出てきているんだと思います。  そういう中で、気候変動が原因と思われる災害の激烈化による損害がどの程度あると政府は考えているのか、改めてお伺いをしたいと思います。
  87. 森下哲

    ○森下政府参考人 お答え申し上げます。  個々の気象災害とそれから気候変動との因果関係は必ずしも明らかではございませんけれども、将来、気候変動が進行することで水害や土砂災害、高潮、高波などの災害リスクが増大することが予想されているというところでございます。  先ほど議員御紹介されましたように、気象災害につきましては、世界気象機関、WMOが本年公表した報告書におきまして、二〇一七年における世界各地での気象災害における被害額が三十四兆円になったとの試算が紹介されてございます。  気候変動は、世界そして我が国においても大きな影響を及ぼすものでございます。温室効果ガスの排出削減対策に全力で取り組むことはもちろんのこと、本法案によりまして、その被害の回避、軽減を図る適応策を充実強化してまいりたいと思っております。  先ほど、被害額ということで御質問がございましたけれども、冒頭申し上げましたように、因果関係が必ずしも明らかではないということもありまして、必ずしも容易ではないというふうに考えてございますけれども、環境省といたしましても、調査研究等を推進しまして、知見を蓄積してまいりたいというふうに考えてございます。
  88. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 因果関係が明らかでないと。  ただ、いわゆる地球温暖化の問題については、環境省もよく御存じといいましょうか、かかわっておられるわけでありますから、気候変動については、多くの世界的な研究者が、因果関係があるといいましょうか、統計的にも、そして、時にそうしたものを新たな研究のもとでより確実なというか、より精度の高いものとして研究をしているんだと思います。気候変動と排出ガス、そして、今局長がお答えになったように、そういう中で、温暖化によってそうした損害、これがどれだけ出ているのかというのは更に検証が難しい問題なんだとは思います。  しかしながら、きょうも午前中の参考人の方々の話にもあったように、これをそれぞれが、市民の皆さんとしても、あるいは企業としても、さまざま、当事者意識として取り組んでいかなくてはならない、ある種のインセンティブをしっかりと持ってほしいというような言及があったと思うんです。  そういう意味では、なかなかそうした因果関係が難しい中ではありますが、わかりやすいといいましょうか、それによって過度というか正しくない反応が出るということも問題かもしれませんけれども、明らかに損害額が大きくなっていると思うんです。  例えば、最近で、年間の自然災害による損害というものがどれほどここ数年で大きくなっているのか、それに対して、因果関係は難しいとおっしゃるかもしれませんけれども、どのように認識を持っておられるのか、お答えをいただければと思います。
  89. 森下哲

    ○森下政府参考人 近年、日本でも、例えば水害の被害額を見てみますと大きな数字が出ております。例えば、岩手県で統計開始以来最大の被害額ということで、約一千六百八十億円の被害が出たということを、平成三十年の三月に国交省が公表の資料に掲載もされてございます。都道府県別の被害等も見てみますと、一位が岩手県、二位が北海道、三位が鹿児島県、水害の被害額では全国で約四千六百六十億円というようなことでございます。  また、台風あるいは梅雨前線、そういったものとの関係でも水害が出てきておりますが、例えば台風を見てみますと、近年は、これまでになかったルートをたどり、日本に近づくにつれて逆に勢力を増してくる、これは、海の、海面上の温度が高いことによってパワーを更に増加をさせて日本列島に近寄ってくるというようなことも起こってございます。  今後、こういったことも十分注意をしながら、また、国民の皆様方にもわかりやすくそういったことがあるんだということもお伝えをしてまいりたいというふうに考えてございます。
  90. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 ありがとうございます。  今お答えいただいたように、近年、非常にそうした損害が、明らかに自然災害による被害が大きくなっているということなんだと思います。そして、今いみじくも被害が大きかったところをおっしゃっていました。  私も最近九州の方に行ったときに、昔、よく台風シーズンになると、今回も鹿児島は被害が大きかったということでありますが、台風シーズンになると、非常に、沖縄であったり鹿児島であったり、そうしたところに大変に大きな台風が来て、あるいは宮崎でしょうかね、そういうところに被害が大きかった。ところが、最近はルートが変わって、実は違うんだ、こういうお話もあったわけであります。  そうしたことが、午前中の参考人がおっしゃったように、どれだけ多くの国民の皆さんに共通の認識としてあるのかなということを思うわけでありますし、これは午前中の参考人の方にも言及がありました、実は、どうしても、災害というと、少し都市部の方の認識の中にいささか大きくはないみたいなところがあった、しかし、大都市である東京とか大阪とか名古屋とか、こういったところで実は災害の被害が大きくなっているというような言及があったわけでありますが、その辺に対する、例えばそういう認識でいいのかどうか、そしてまた、そうしたものをどういうふうに環境省としてもあるいは多くの皆さんに知らしめているというか、その辺はいかがでありましょうか。
  91. 森下哲

    ○森下政府参考人 お答え申し上げます。  御指摘のように、大都市でも、特に豪雨、短期的に大量の雨が降るというような現象が起こってございます。こういったことに対応する必要が、適応という観点からも非常に重要だと私ども考えております。  現在、地域コンソーシアム事業ということを国交省さん、そして農林水産省さんと一緒に展開をさせていただいておりますけれども、その中で、例えば、集中豪雨による被害をいかに適応策を講じることでミニマイズ、減少させていくのか、そういう観点からのアプローチも地方自治体あるいは国交省、関係機関の方々と一緒に取り組んでいるということでございまして、全く、御指摘のあったことは非常に重要なことだというふうに考えてございます。
  92. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 ありがとうございます。  それで、私もそうしたことを多くの方に体感をしてもらいたい。一つは、適応のために、適応することをきっちりと進めていくということ。もう一つは、やはりこれは、そうした排出、温暖化の原因を、緩和ですね、しっかりと取っていく。そうしたものを共通の認識として持ってほしいということで私も申し上げています。  そういう中でいうと、先ほど、台風の通るコースが変わってきたということ、あるいは、雨の降り方も変わってきたような気がするんです。先ほどの、やはり、参考人の方の言及でありましたでしょうか、このまま、このままだったと思いますが、このまま地球が温暖化をしていくと、東京のあたりの気象が屋久島のような気象になるというような言及があったと思います。  そういうことでいうと、私は、時々、最近の雨が、日本は温帯地方だ、しかしながら、それがもう何か、いわゆる亜熱帯のようになって、雨もスコールのような雨になってきた、こういうふうに言うわけでありますけれども、これはこういう言い方でいいのかどうか、まさしくスコールのような雨なのか、例えば、統計的にもそういう降り方が明らかにふえているのかどうか。いかがでしょう。
  93. 森下哲

    ○森下政府参考人 先ほど御質問にありました、統計的にも、集中的に短期間の間に雨が降るというようなことも確認をされておりますし、それから、雨の降り方もやはり変わっておりまして、帯状に、一気に、集中的に豪雨が起こるというようなことも近年観察されておりまして、それに伴って水害も発生するというようなことも起こってございます。こういったことは確実に今観察されている事実だというふうに考えてございます。
  94. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 ありがとうございます。  そうしたことで、かなりの人がそうしたことを体感している、そして、新聞報道等でも非常に損害が大きく出ている。因果関係のことをさっきおっしゃられたわけですが、非常にそうしたものが変わってきているということを体感しているし、もちろん、環境省さんも、環境省としてもホームページ等々で、そうした今の状況、気候変動に関することを積極的に、プラットフォームをつくり、広報に力を入れておられるということはよく承知しております。ぜひ、こうしたものをそれぞれが認識として持つことが非常に重要だと改めて思うわけであります。  そういう中で、本法案の提出に至るまでの経緯についてということでちょっとお伺いをしたいと思います。  先ほど来から申し上げておりますけれども、気候変動が深刻化をしている、こういう状況の中で、本気候変動適応法案が今国会に提出されたということであります。  適応については、これまで委員会の質疑、附帯決議などにおいて、何度も早期法制化が求められてきた。二〇一六年の地球温暖化対策推進法改正案の審査時には、適応の法制化を内容とする修正案を私もかかわって提出したところでありますが、取り入れられなかったわけであります。  また、これまで政府は、二〇一五年十一月に閣議決定された政府適応計画に基づいて気候変動の適応策を行ってきたところであります。しかし、このようなスキームに基づく取組に対して、国会では政府適応計画の法定計画の必要性がたびたび指摘され、二〇一六年の地球温暖化対策推進基本法改正案の審査時には、改めて衆参両院の環境委員会において、気候変動の影響への適応計画の早期法定計画を求める附帯決議も付されたわけであります。  しかるに、二〇一五年から、今は二〇一八年でありますけれども、政府適応計画の策定、それから本法案の提出に至るまで、これまでの時間を要した理由は何だったのかということをお聞きしたいと思います。
  95. とかしきなおみ

    ○とかしき副大臣 お答えさせていただきます。  平成二十七年、二〇一五年に、政府の適応計画、これを閣議決定させていただきました後、適応計画のもとで各省庁が適応策を実施させていただきました。平成二十八年、翌年、適応策の情報基盤である気候変動適応情報プラットフォーム、これを構築させていただきまして、そして翌年の平成二十九年には、関係省庁の連携による地域協議会の立ち上げ、さらに適応計画のフォローアップを行ってまいりました。  こうした一連の動きの中で、充実強化を図っていくということと、法制度の必要性について関係者の中から認識が広がっていったということと、あとは、やはり現場に近い地方公共団体の方からも法制化を求める要望が上がってきたということで、ここで、法制化の機運が高まってきたな、こういうふうに判断をさせていただきまして、これを受けまして、平成二十九年の十月に、関係省庁の局長級の連絡会議、これを開催させていただきまして、適応策の法制化について議論を始めました。そして本年一月には、中央環境審議会からも法制度について御審議をいただいた。  このように、平成二十七年の閣議決定から本法律をつくるまで、同計画に基づいて取組を着実に進めるとともに、やはりその実施の状況を踏まえながら法制化に向けて段階を積んで検討を重ねてきたということで、法律をつくることも大切なんですが、やはりその機運を高めていくこと、環境の法律というのは多くの皆さんの賛同を得ながら前に進めていかなくてはいけませんので、そのように丁寧な時間をかけながら、今国会の法律に至ったものであります。
  96. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 副大臣、どうもありがとうございます。  いろいろなことを着実に進めていくこととか、あるいは、着実に進めるに当たっての計画とか体制とかそういうものがある。そういう中で、機運、副大臣も機運とおっしゃったので機運と言いますけれども、機運を高めていかなくてはならないのは理解するわけであります。  ただ、今質問させていただいた趣旨は、二〇一五年の時点、そういう中でも、衆参の両委員会でも早期法制化というものが言われてきた、そういう中で、今、いろいろなものを高めなくてはならないともおっしゃったわけでありますが、しかし一方で、そういう中で、温暖化も進んでくる、こういう状況も同時にあると思うんです。そういう意味では、なぜこのことがもっと早くできなかったのかということでありますが、改めていかがでしょうか。
  97. とかしきなおみ

    ○とかしき副大臣 先ほどお答えさせていただきましたように、やはり環境の法律というのは、多くの皆様の賛同を得ながら、理解を得ながら前に進めていくということが大切であります。  国会の方ではそういう御審議、そして附帯決議もしていただきましたけれども、現場の地方公共団体とか、あと民間の市民の皆様の御理解とか、そういった機運を高めていくことがやはり大切だなということで、今回は特に、適応策、今までに、余りまだ考え方として浸透していない提案でございますので、やはり理解をしていただくことに時間をちょっと割いて、そして丁寧に段階を踏んで法整備まで持っていったということでございます。
  98. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 繰り返しになってしまいますのであれですが、やはり、そうした理解とともに、そうした理解があるからこそいろいろなことが着実に進むということだとは思うんですが、一方で、こうしたことが、温暖化が残念ながら進んできている、こういう状況に鑑みて今法案が出ているわけであります。  先ほど来からも、ちょっと局長にも何回か答弁していただきましたが、本当にこの問題点を、問題というものを深刻に受けとめて、まさしく環境省におかれましては、今後、この適応法が成立した暁には、しっかりと取組がそれぞれスピーディーに着実に行われるように期待をしたい、期待というか取り組んでいただかなければなりませんし、我々としても、私も私の立場でしっかりと取り組んでいきたいと思います。  それでは、脱炭素化の推進と地球温暖化対策推進法との関係についてということでお伺いをしたいと思います。  温暖化効果ガスの排出削減、緩和策については、地球温暖化対策推進法のもとで施策が進められてきたわけであります。パリ協定では、一・五度から二度C未満目標が掲げられて、温室効果ガスの排出を早期に削減し、脱炭素社会を構築することが決められました。  しかるに、日本では、そのために必要な実効ある緩和策がとられていないと考えざるを得ません。緩和策の強化は、未然に影響と被害を回避する最大の適応策であると言えると思います。緩和策と適応策を総合した国全体の気候変動対策の基本方針を位置づけることこそが必要だと思います。  午前中の参考人の方も、あるいはこの委員会の議論の中でも、よく両輪の輪というふうに言われるわけであります。適応策はもちろん重要だ、しかしながら、一方で、やはり根本的には緩和策をしっかりと取り組んでいかなくてはならないわけであります。  しかしながら、地球温暖化対策推進法及び本法案に、車の両輪となるべき、その考え方が規定はされていないわけであります。気候変動への取組の施策はそれぞれ独立したものと考えられるおそれがあるわけであります。法案にしっかり両輪の輪となるべきという考え方が規定されていない。  そもそも、現状の取組でパリ協定の目標が実現できると考えているのか。午前中の参考人の方の中にも言及もありました。日本は中ぐらいの、いわゆる地球温暖化の予想の最大ではなくて中ぐらいのところで想定をしているのではないか、これは本当にある意味で問題ではないか、こういう指摘があったわけであります。  このパリ協定の目標が実現できると考えておられるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
  99. 中川雅治

    ○中川国務大臣 パリ協定は、二度目標の達成のために、今世紀後半に温室効果ガスの実質排出ゼロを目指して各国の取組を前進させていく歴史的な、画期的な枠組みでございまして、全ての国が脱炭素化に向けて取り組み、この目標を実現しなければならないと考えております。  我が国におきましては、平成二十八年五月に閣議決定いたしました地球温暖化対策計画に基づく取組を着実に実施し、まずは二〇三〇年度二六%削減目標の達成に向けて取り組むこととしております。  この計画では、対策、施策の進捗状況を毎年厳格に点検することとしておりまして、二〇一六年度について申し上げれば、例えば、産業界の自主的な取組である低炭素社会実行計画については、百十五業種中百三業種について取組が進捗し、産業部門で二〇一三年度比一〇・五%の減少になっております。運輸部門では、次世代自動車の着実な普及等により、運輸部門で二〇一三年度比三・八%の減少、家庭部門では、高効率な給湯機器や照明の導入等が着実に進展していること等によりまして、二〇一三年度比八・三%減、こういう状況でございまして、個別の目標達成に向けて進捗しているところもかなりあるわけですけれども、逆におくれている対策もございまして、こうした毎年度の点検で、引き続き着実に取組を進めていかなければならないと考えております。  こうした進捗状況の点検を積み重ねるとともに、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すということにもなっております。  この二〇三〇年度二六%削減の目標は、いずれにしても確実に達成しなければならないということは当然のことでありますが、さらに、二〇五〇年八〇%削減、そしてその先の世界全体での脱炭素社会の構築に向けて、長期戦略の策定をいたしまして、しっかりと取り組んでまいりたいと考えております。
  100. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 大臣、ありがとうございます。  そうして積極的に取り組み、それを検証しながらということでありますが、私はそういう意味でも、本法案にきちっと、緩和策を弱体させることなく、緩和策を更に強化して影響を最小化させる必要がある、こういうことを明示すべきだと考えるわけであります。  また、そういう中で、やはり本法案に、地球温暖化対策推進法と本法案とが車の両輪の関係、これも車の両輪だと思うんですが、温暖化対策法と本法案、両輪の関係にある旨がなぜ盛り込まれなかったのか。また、今後、気候変動対策に対する総合的な基本法を制定する考えはおありになるのかということをお伺いしたいと思います。  着実にやっていくんだ、それを検証していくんだということでありますが、だからこそ、そうしたことを本法案にきっちりと、今申し上げたことを書き込むべきであるのではないかということであります。
  101. 中川雅治

    ○中川国務大臣 緩和策の重要性につきましては、既に地球温暖化対策推進法に明記されております。二〇三〇年度二六%削減の達成に向けて、地球温暖化対策推進法に基づき、徹底した省エネルギーや再生可能エネルギーの最大限の導入等の対策を政府一丸となってしっかり進めてまいります。さらに、二〇五〇年八〇%削減を目指して、長期戦略の策定に取り組んでいく考えでございます。  緩和策と適応策は、どちらか一方を推進することがもう一方を推進することの前提という関係のものではなくて、どちらもそれぞれしっかりと推進すべきものでございます。車の両輪というのは、そういう意味だというように理解をいたしております。  こうした観点から申し上げますと、緩和策と適応策をそれぞれ個別の法制度に基づいてしっかり推進することとする現在の案というようになったというふうに御理解をいただきたいと思います。  適応策につきましてはこれまで法的位置づけがございませんでしたが、今回の法案により、緩和策と適応策を車の両輪として進めるための法的基盤が整うことになります。  このため、総合的な基本法案を制定することは現時点では考えておりませんが、地球温暖化対策推進法と御審議いただいております本法案の二つを礎に、緩和策と適応策をしっかりと推進してまいります。
  102. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 そうすると、大臣、そうしたことをしっかりやっていくということでありますが、最後に、さっき御質問させていただきました総合的な基本法案を、そういう意味でもつくった方がいいのではないかと思うんです。そういう意味で、そこはどうお考えなのか。  あるいは、パリ協定、目標が達成できるのかどうか。この委員会でも、また午前中も指摘があったんですが、残念ながら、日本の国内で今、石炭火力発電所の計画が多い。環境省は頑張ってここでいろいろとチェックというか意見は発せられておるわけでありますが、そうしたことで本当に、パリ協定の日本が目指す目標、あるいは、最近よく指摘されるのは、海外に、インドネシア等々に石炭火力発電所の計画に日本が融資、そうしたことにかなり意見も出ているわけであります。  そうしたことに対してどういうふうに大臣はお考えになっておられるのか、改めて聞かせていただきたい。
  103. 中川雅治

    ○中川国務大臣 石炭火力発電所につきましては、排出ガスの、CO2の量が天然ガスの発電所に比べて二倍はございます。これは高効率でもそのような排出をするということでございまして、経済効率性という観点からのみ石炭火力発電所の新増設を進めるということは許されないことだと考えておりまして、特に、二〇五〇年八〇%削減、その先の実質排出ゼロという社会を考えますと、ここで石炭火力発電所を高効率といえどもつくるということは、耐用年数などを考えますと、これはかなり事業者にとってもリスクのあることだと思います。  そういう意味では、本当にここは慎重にお考えいただきたいということを環境省としてはいろいろな機会に申し上げているところでございます。  そしてまた、海外に対する石炭火力の、高効率、超超臨界といえども、これは今、世界の流れを見てまいりますと、そういった石炭火力発電に対する融資はもう引き揚げる、あるいは、もう新規の融資はしないという流れがどんどん起こっております。  そういう意味では、我が国もそのような流れをしっかりと認識していただいて、適切に対応してもらうことが大事ではないかというように考えております。
  104. 近藤昭一

    ○近藤(昭)委員 大臣、どうもありがとうございました。  ぜひ、持続可能な社会をつくっていく、環境省の役割はますます大きくなっていると思います。今、大きな決意をいただきましたので、ますます御奮闘いただきたいと思いますし、一緒に頑張ってまいりたいと思います。  政務官にも質問もしたかったんですが、ちょっと時間がなくなってしまいましたので。  午前中にもありましたように、第三者機関というのが重要だなというふうに思っております。  以上です。ありがとうございました。
  105. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、山崎誠さん。
  106. 山崎誠

    ○山崎委員 立憲民主党の山崎誠でございます。  私も、自然系と言うんですね、自然系議員の五番バッターということで、環境委員会、途中から参加をさせていただくことになりました。よろしくお願いいたします。  私も、今二期目なんですが、一期目のときは、実は本当に環境が話題になっておりました。民主党政権、政権交代の後、私も環境委員会の委員だったんですが、合い言葉が経済と環境の両立とか、それから、私の言葉で言えば、環境の主流化のようなお話をずっとさせていただきました。  二〇一〇年の十月には、名古屋市の生物多様性条約第十回締約国会議、いわゆる名古屋議定書が締結をされるというようなことで、遺伝資源とか、生物多様性という言葉が非常にメディアの中でも取り上げられて話題になっていたということでございまして、環境というのが非常にクローズアップをされて、いい流れができてきたかなと思っていました。  残念ながらというか、あれなんですが、自然災害ですからどうしようもございませんが、二〇一一年の東日本大震災、原発事故などもありまして、残念ながら、今、環境に対するいろいろな関心とか、あるいは政策の展開とかが若干下火になってしまっているのではないか。  言うまでもありませんけれども、気候変動の問題というのは当然もう大問題でございまして、世界的に、二〇一五年のパリ協定を機会にしまして、大きく今クローズアップをされています。  先ほど、気候ネットワークの桃井参考人も、これは時代を変える革命的な取組を求めるものだということで、環境政策、環境を政策の中心に据えるべきだという御主張を最後になさっておりますが、私も全く同感でございます。  そういう今までの思いを込めて、大きな質問で恐縮なんですが、一つ、気候変動という、この問題についての意義、気候変動が人類に投げかけているものは何なのかというのを、大臣、所感をお伺いしたいと思います。     〔委員長退席、関(芳)委員長代理着席〕
  107. 中川雅治

    ○中川国務大臣 気候変動の科学に関する国際的な組織でありますIPCCによれば、地球温暖化の進行はもはや疑う余地はなく、人為活動が支配的な原因であることは明らかでございます。産業革命以降、既に〇・八五度平均気温が上昇しておりまして、雪氷の融解、海面水位の上昇などが観測されております。  また、現状を上回る温暖化対策をとらなかった場合、二十一世紀末までに最大で四・八度平均気温が上昇し、多くの生物種の絶滅、世界の食料安全保障に対する大きなリスクをもたらすなどの不可逆な影響が起こると指摘されております。  このように、気候変動問題は、その予測される影響の大きさや深刻さから見て、人類の生存基盤にかかわる最も重要な問題の一つと認識いたしております。
  108. 山崎誠

    ○山崎委員 ありがとうございます。  気候変動の、人類基盤を揺るがすという、非常に重要な、大変な課題なんだということはわかりました。  私は、ここで環境省の皆さんと共有したいのは、この原因なんですよ。この原因が、いろいろな気候変動自体については、太陽の活動の問題とかいろいろな問題が絡んではいるが、大きな特徴は、やはり人類の活動、人類が排出しているCO2のようなもの、温暖化効果ガスの影響が、地球環境という、今までは人間が生きていくということの行為をのみ込んでくれていた地球環境が、実はもうのみ込み切れなくなったということだと思うんですよ。  要するに、大事なのは、私たちの暮らしや私たちのライフスタイル、あるいは産業や経済のあり方、そういったものが実は地球環境の許容範囲を超えている、いわゆる宇宙船地球号のような考え方ですよね。そこがこの気候変動の私は一つ大きな要所だと思っています。  中川大臣、どうですか。
  109. 中川雅治

    ○中川国務大臣 まさに御指摘のとおりだというように思います。  IPCCの第五次評価報告書におきましても、人為起源の温室効果ガスの排出が、二十世紀半ば以降の観測された温暖化の支配的な原因であるということを述べておりまして、この点についてはもう疑う余地はないというふうに考えておりまして、そういう意味では、まさに人類がいろいろな形でもたらした気候変動というものを、自然界がもう吸収することはできませんので、人類がしっかりと人為的にこれをまた解決していかなければならない、そういうときに来ているというふうに考えております。
  110. 山崎誠

    ○山崎委員 なのでということなんですよ。  私は、環境省の役割が非常に大きくて、先ほどもお話をしましたが、経済と環境、この調和をどうするのかとか、あるいは両立をどうするのか。経産省だとか国交省、この後もちょっとお話を聞きたいんですが、それぞれの役所で今までどおりのある意味経済的な活動を、あるいはいろいろな生活基盤、インフラ、そういうものを整えてきた流れはあります。これは、残念ながら今までの、もちろん大事な役割を果たしているんですが、形をなかなか変えようとしないと思います。  その中で、では、このかじ取りを国のかじ取りとして、環境の問題が大事なんだ、環境をちゃんと配慮して調和しなきゃいけないんだというかじ取りができるのは環境省さんしかいない、あるいは環境省だと思うんですが、いかがですか。
  111. 中川雅治

    ○中川国務大臣 御指摘のとおりだという、そういう認識に立って環境省の職員は、環境庁が設立されて以来、そういった意気込みで、政府部内のさまざまな施策に環境という視点を織り込んで施策を進めてもらうことができるように、調整作業や、あるいはいろいろな形で施策を各省庁にお願いをしたり、あるいは時には反対をしたり、そういった形で政府部内全体での施策に環境配慮を織り込むように努力をしてきております。今後ともそのような努力を続けてまいりたいと考えております。     〔関(芳)委員長代理退席、委員長着席〕
  112. 山崎誠

    ○山崎委員 ありがとうございます。  先ほど中川大臣から石炭火力の話は、私は結構思い切ったことをというか、いい発言をいただいたと思って、今の発言、非常に私も力強く感じております。  では、具体的に少しお話を聞きたいと思います。  緩和策と適応策は車の両輪という話は何度も出てきていまして、非常に私は大事だと思います。これがある意味要所だと思うんですね。という視点で、では、気候変動への適応策を見てみたときに、どんなふうにその適応策を組み立てていくのかな。この適応策を組み立てていくときに、緩和という観点も私は踏まえた計画を立てるべきと考えるんですが、この質問に書きました、気候変動への適応を考えるに当たっての基本的な考え方があれば、まずお聞きをしたいと思います。
  113. 中川雅治

    ○中川国務大臣 適応策につきましては、気候変動影響に関する科学的知見に基づいて、国、地方公共団体、事業者、国民が連携協力しながら推進していくことが重要でございます。  こうした基本的な考え方のもとで、本法案では、政府が気候変動適応計画を策定し、国、地方公共団体、事業者、国民が連携協力して適応策を推進する旨を規定しております。  また、国立環境研究所を中核とした適応の情報基盤を整備し、精度の高い気候変動影響の予測情報に基づき、実効性の高い適応策を展開するための仕組みを規定いたしております。  この法案のもとで具体的な気候変動適応計画を策定し、科学的知見に基づいて、関係者一丸となって適応策の充実強化を図ってまいります。
  114. 山崎誠

    ○山崎委員 ちょっと一点、短く確認なんですが、これは、平成二十七年十一月の、閣議決定をされた、あの法定化されていない、前の計画についても同じですか、その適応の考え方。
  115. 森下哲

    ○森下政府参考人 お答え申し上げます。  適応に関しては、さまざまな関係者がございますけれども、関係者が連携をしてしっかりと効率的に取り組んでいくということが非常に重要でございまして、これは共通をしておるというふうに思っております。  一方で、現在もう既に策定をいたしております、これは閣議決定で策定をしております適応計画につきましては、これは行政計画ということでございます。このため、主には関係省庁がこういった取組をしていますということが内容になってございますけれども、この法案が成立をいたしまして、法定計画として策定を予定しております新たな適応計画につきましては、さまざまな関係者が、国だけではなくて地方自治体、事業者の皆様方、国民の皆様方、そういったさまざまな方々が適応に取り組んでいく、そういった取組をしっかりこの計画の中に書き込んでいくというような考えでございます。
  116. 山崎誠

    ○山崎委員 きょうは、国土交通省の皆さん、それから農林水産省の皆さんに来ていただきました。時間が限られるので手短になんですが、現在持っています気候変動の適応計画の概要、そして今までの実施状況についてお聞きをしたいと思います。  国土交通省さん、いかがでしょうか。ポイントとして水害対策とかを少し、もし具体的にお話しいただけるのであれば。
  117. 首藤祐司

    ○首藤政府参考人 お答えいたします。  気候変動の影響によりまして、自然災害の頻発化、激甚化や気温上昇による国民生活への影響などが懸念されておりますので、適応策を進めることは極めて重要と認識しております。  このため、国土交通省は、平成二十七年十一月に国土交通省気候変動適応計画を策定いたしました。この計画は、自然災害分野それから水資源・水環境分野、さらには国民生活分野等における適応策を内容としております。  この計画に基づきまして、幅広い分野において、ハード、ソフト両面から総合的な対策を講じるとともに、防災、気候変動に関する知識の普及啓発等を行っているところでございます。  特に水災害分野におきましては、比較的発生頻度の高い外力に対しては施設により災害の発生を防止し、施設の能力を上回る外力に対しては、できる限り被害を軽減することとしているところでございます。  具体的には、洪水氾濫を未然に防ぐ堤防整備や河道掘削等のハード整備を実施するとともに、現況施設能力を上回る規模の洪水から氾濫被害を軽減するため、想定最大規模の降雨による浸水想定区域図を策定、公表するなどしているところでございます。  引き続き、幅広い分野における総合的な適応策につきまして、全力を挙げて取り組んでまいります。  以上でございます。
  118. 山崎誠

    ○山崎委員 農水省さんはいかがでしょうか。農水省さんには森林関係で少し。
  119. 大角亨

    ○大角政府参考人 お答え申し上げます。  農林水産分野は気候変動の影響を受けやすい分野でございまして、既に我が国でも、高温による米や果実の品質低下、あるいは豪雨による農業被害や山地災害など、気候変動の影響が顕在化しているところでございます。  このため、農林水産省気候変動適応計画を平成二十七年八月に策定したところでございます。  本計画に基づきまして、高温により米に白濁が起きる等の品質低下につきましては、高温でも品質低下が起きにくい品種や技術の開発、農地の湛水被害等の防止のためのハザードマップの策定や、排水機場、排水路等の整備等に取り組んでいるところでございます。  特に森林に関しましては、山地災害を防止するため、その危険性の高い地区の的確な把握、治山施設の設置や機能の低下した森林の整備、高潮等に対する被害軽減効果の高い海岸防災林の整備や既存の海岸防災林の機能の維持強化、気温上昇等により被害域の拡大が懸念される松くい虫等の森林病害虫に対します抵抗性品種の開発等に取り組んでいるところでございます。  今後とも、環境省を始め関係府省と連携しまして、農林水産分野におきます気候変動への適応をより一層推進してまいりたいと考えております。
  120. 山崎誠

    ○山崎委員 私は、ここで言いたいんですよ。  今お話を聞いて、ちょっと概要しか今御説明いただく時間がないので、詳細はわかりません。私も計画を読ませていただきました。印象としては、気候変動適応という観点は一応、一応というか、押さえていらっしゃって、それなりにもちろん重要なことは書いてあるというのは認識をしました。ただ、私が残念だなと思ったのは、要するに、緩和と適応というこの両輪を回すんだという視点で、施策がやはり優先順位が上がってこなきゃいけないんじゃないかなと思っているんですよ。  例えば、水害対策、水資源の対策等であれば、例えば森林の整備というのは、CO2吸収源にもなります森林をやはり大事に育てていく、それで、水を、きちっと保水能力のあるいい山をつくるということが水害対策にもなるはずですよね。そういう感覚でいくと、例えば国交省にもそういった視点で施策が盛り込まれてもいいと思いますし、それが国交省の計画にないとしても、全体として、そういう視点でそういう施策がどこかにきちっと上がってくるというのが正しいのではないか。  例えば、水田なんかも同じですよね。水の保水の力がある。やはり水田をうまく、休耕田ではなくて、水を張るということで、それは一つの水害防止にもなる。あるいは、都市部の緑化の話とかですね。コンクリートではなくて、緑化をして水をためるところをつくる、あるいは地中に浸透することができるところをつくる。そういった施策が、要するに緩和にも適応にも役に立つという施策があるはずだ、そういうふうに思うんです。  思いつきだけで、まだほかにもいろいろな施策として、この緩和と適応。だから、適応を考えるときにも緩和を意識して、そこに優先的に、優先順位を上げていくという考え方が私はあっていいのではないかと思いますし、それが、せっかく環境省が音頭をとってやっていく気候変動対策としては重要な視点ではないかと思うんです。  今の、残念ながら、皆さんのこういう書類を見ると、それぞれ投げて、自分たちの施策を並べて、それぞれが出てきたものを束ねて事業を推進していくということだと思うんですが、もっと一歩突っ込んで、私は、環境省が、例えば適応策、緩和策をもっと融合させて、いい施策を出してくれ、それを優先順位を上げて優先的にやっていくんだ、そういう流れがこの適応策の検討の中に出てくるべきだと思うんですが、中川大臣、いかがですか。
  121. 中川雅治

    ○中川国務大臣 今御指摘のように、例えば森林を整備するということは、吸収源としての役割を更に高めることになりますが、同時に災害を防止していくということにもなる。ですから、一つの施策が、緩和策にもなるし、同時に適応策にもなる、そういう関係にあるものは多々あると思います。  地球温暖化対策、地球温暖化防止のための対策と適応策というものはまさに車の両輪ということでございまして、それぞれの計画に基づいて、それぞれの役所が、全体として政府が取りまとめて、個別に実施をしていくというものはたくさんあるわけでございますが、そこは常に、そういった車の両輪だ、緩和策と適応策は車の両輪だということを念頭に置いてさまざまな政策を実施していくということが重要であると理解しております。
  122. 山崎誠

    ○山崎委員 時間なので、まだ言いたいことはたくさんあるんですが、基本的には、私は、環境省がホッチキスどめで各省から上がってくるのをとじて、はい、これが適応策ですというのではなくて、その中でいろいろな調整を行う。自治体だとか民間のいろいろな活動も当然あると思います、そういうものをうまく融合して、適応策が緩和策ともくっついた形で、そういったものに優先順位を置いて、もちろんほかの施策もあると思いますよ。
  123. 松島みどり

    ○松島委員長 質疑時間が終わっておりますので。
  124. 山崎誠

    ○山崎委員 よくその辺も検討していただければと思います。  終わります。ありがとうございます。
  125. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、玉城デニーさん。
  126. 玉城デニー

    ○玉城委員 自由党の玉城デニーです。  気候変動適応法案、閣法二七号に関する件で質問をさせていただきます。  午前中も、小西参考人、桃井参考人から、非常に深い意味での貴重な御意見を拝聴させていただきました。その中でも、やはりこの気候変動に対する取組は、例えば、遠く離れた地域で行われていること、少し先の未来で起こりそうなこと、だから今どうにかしておこうということではなく、今起こっていることに対して既にもう取組がおくれているんだという認識を持って、迅速に、そして世界と連携をして進めていかなければいけないということを改めて確認をいたしました。  その点で、きょうは、この法案と、それから、法案から少しはみ出るかもしれませんが、大臣のお考えなども、できればあわせてお聞かせいただければと思います。  気候変動に関する政府間パネル、IPCCの二〇一三年九月から二〇一四年十一月に公表されている第五次評価報告書では、この気候変動が、人類の存続基盤である環境に深刻な影響を及ぼし、長期間にわたる極めて深刻あるいは取り返しのつかない影響をもたらすことがあると指摘しています。  そのため、気候変動の影響に対処するため、温室効果ガスの排出の抑制を行う緩和だけでなく、既にあらわれている影響や中長期的に避けられない気候変動の影響に対処して被害を回避、軽減するための適応を求められています。  新興国では、この適応について、生命の存続が危ぶまれているという状況にあります。ですから、この適応策は、本当に、それこそ世界を挙げて、日本が率先して取り組んでいくためのこの法案になるべきであるというふうに私は思料いたします。  パリ協定の世界共通長期目標である、産業革命以前比二度Cより十分低く保ち、一・五度Cに抑える努力、そして、できる限り早く温室効果ガス排出量をピークアウトし、二十一世紀後半には温室効果ガス排出量と森林などによる吸収量のバランスをとる、そういうことが挙げられています。途上国を含む新興国を始め、先進国、全ての参加国に排出削減の努力を求められることになっています。  さて、日本では、中期目標として、二〇三〇年度の温室効果ガスの排出を二〇一三年度水準から二六%削減することが目標として定められています。再生可能エネルギーの導入をふやすなど低排出なエネルギーミックス等の推進、エネルギー効率の追求、徹底した省エネの推進などで実行していくとされていますが、しかし、二〇三〇年まで、石炭火力発電所などが五十基の計画が進められていること、それから二〇三〇年度で排出量のレベルピークに達するということを考えると、非常に我が国の脱炭素化に向けた取組はおくれている、参考人の意見にもありますとおり、そのように認識せざるを得ないのが現状ではないかと思います。  経産省にお伺いいたします。  我が国における温室効果ガス排出を抑制する緩和について、特に産業界における脱炭素社会に向けてのこれまでの取組状況についてお聞かせください。
  127. 小澤典明

    ○小澤政府参考人 お答え申し上げます。  地球温暖化対策の推進に当たりましては、委員御指摘のとおり、産業界の取組、極めて重要でございます。  その中で、例えば電力業界、電力業界は非常に二酸化炭素の排出量が多いわけでございますが、電力業界は、電気事業低炭素社会協議会、こういったものを設立いたしまして、二〇三〇年度までに一キロワットアワー当たりの二酸化炭素排出量を〇・三七キログラムとする計画、いわゆる低炭素社会実行計画を自主的に取りまとめて、意欲的に取り組んでございます。  あるいは、それ以外の、自動車、鉄鋼、化学、石油、ガス等も同様の計画を策定して取り組んでございます。  経済産業省といたしましては、毎年、審議会におきましてこうした産業界の取組に対するレビューを行ってございまして、例えば電気事業につきましては、省エネ法によりまして発電効率の向上を、あるいはエネルギー需給高度化法によりまして販売する電力の低炭素化をそれぞれ求めることで取組の実効性を確保するように要請をしているところでございます。  引き続き、経済産業省として、産業界あるいは環境省とも連携をいたしまして、地球温暖化対策の取組をしっかりと進めてまいりたいというように考えてございます。
  128. 玉城デニー

    ○玉城委員 大臣、今の答弁を聞いて、私はすぐ、ではこういう状況はどうなっているのかということを見ますと、長期エネルギー需給見通しの、これは参考人がきょうお持ちいただいた資料の中の一つなんですが、やはり、石炭火力の二〇三〇年度までの政府見通しとして、二〇一三年度実績と三〇年度の見通しなんですが、石炭火力のエネルギーに対して電力需要が二六%というふうに計上されています。そして、原発が二〇から二二、私が一番必要だと思う、訴えている再生可能エネルギーについては二二から二四。二〇三〇年度でも、やはりまだピークレベルに達しているという現況を見て、二六%の依存率なんですね。  しかし、これからは、世界的には脱炭素社会を目指すということが一番の目標で、日本はそのCOPの考え方からもやはりおくれているのではないかという厳しい指摘があるということが参考人の意見の中にも述べられておりました。  大臣にお伺いいたします。  二〇一六年当時の丸川元環境大臣が、地球温暖化対策について、所信表明では、排出削減と適応を車の両輪として取り組むと発言した件に関して、きょうも各委員から質問が出ております。  包括的な気候変動への対策については、私は、車の両輪も必要ですが、例えば、各省庁と連携をして同じ方向に進んでいくという四輪駆動方式が重要だと思います。それぞれのタイヤにきちんと力をかけて、一輪たりとも脱輪することなく前に進んでいく。ですから、今回の法案は、まさにその車の両輪のシャフトとなる法案だと思います。  しかし、それもなおかつ包括した上で気候変動への対策を考えていかなくてはならないと思いますが、この法案ではどのような関連性を持って取り組むことになるのか、大臣のお考えをお聞かせください。
  129. 中川雅治

    ○中川国務大臣 気候変動の脅威に対応するには、温室効果ガスの排出削減対策である緩和策と、気候変動の影響による被害の回避、軽減のための適応策を車の両輪として進める必要がございます。当時の丸川大臣もその考えを発言されたものと思います。  パリ協定あるいはIPCCも、緩和策と適応策の両者を推進することの重要性を強調しております。  このため、パリ協定及び地球温暖化対策推進法のもとで地球温暖化を防止する緩和策に全力で取り組むことはもちろん、本法案のもとで気候変動影響に対する適応策を充実強化させてまいります。  この地球温暖化対策推進法と今回御審議いただいております本法案の二つを礎に、緩和策と適応策をしっかりと推進してまいりたいと考えております。
  130. 玉城デニー

    ○玉城委員 本法案では、気候の変動に起因して、生活環境の悪化、生物多様性の低下、社会、経済、生活等において生ずる気候変動影響と、それから、気候変動影響に対応して、被害の防止、軽減、社会若しくは経済の健全な発展又は自然環境の保全を図るものとする気候変動適応について定義されています。  気候変動への適応策として、これまでにも国交省を始めとするさまざまなハード及びソフトのインフラ等の整備が行われてきた経緯を踏まえ、影響、そして緩和、適応に対して、さらなるその需要に応えようとする場合の財政及び適正規模の対応策は、主管省庁として環境省を中心として対応策をとるべきだというふうに思います。  先ほども申し上げましたとおり、やはり環境政策は、世界とともに取り組んでいくことの一番重い責任を環境省が持ち、そして各省庁にその強い意思を持って協力をしてもらうということが肝要だというふうに私は思います。  では、政府参考人にお伺いいたしますが、この財政及び適正規模の対応策をどのように図ろうとするものか、お答えいただきたいと思います。
  131. 森下哲

    ○森下政府参考人 お答え申し上げます。  平成二十七年に閣議決定されました気候変動適応計画に基づいて、今、各省庁が適応策を実施してきてございます。事例は、先ほども御紹介がありましたが、ハード対策として、例えば自然災害の分野、それから防災施設の整備、あるいはソフト対策として、ハザードマップの作成、あるいは私ども国立環境研究所でやっていただいております気候変動適応情報プラットフォームの構築、そういったものに取り組んできているということでございます。  今後は、この法案に基づきまして、適応策を法的に明確に位置づけまして、法定計画であります気候変動適応計画のもとで、国、地方公共団体、事業者、国民の皆様方が連携協力を一層強化をして、総合的かつ計画的に対応策を推進していくということが非常に重要だと思ってございます。  その際、最新の科学的知見を踏まえまして気候変動影響の評価を行いまして、その結果を踏まえて気候変動適応計画を改善していくということで、定期的にこの適応策の充実強化を図っていくということが重要だと思っております。  それで、政府全体としての適応関係の予算の規模というようなことにつきましては、これは、今後さまざまな省庁がそれぞれの施策の中で予算を獲得されて実施をしていくということだと思いますし、それから、予算の中でどの程度が気候変動の適応に貢献をしているのかという部分につきまして、どこで線引きをするのかということが必ずしも明らかでないところもございまして、現時点では適応関係予算の全体の規模が明確にはなってございませんけれども、今後も、こういったさまざまな取組をしっかりと、政府全体の取組を把握いたしまして、環境省としても、その進捗状況を的確に把握、評価できるように取り組んでまいりたいというふうに考えてございます。
  132. 玉城デニー

    ○玉城委員 この適応の総合的推進の中で、国、地方公共団体、事業者、国民が気候変動適応の推進のため担うべき役割を明確化するとあります。そして、今ありましたように、国は、農業や防災等の各分野の適応を推進する気候変動適応計画を策定し、その進展状況について、把握、評価手法を開発し、その評価をおおむね五年ごとに行い、その結果を勘案して計画を改定していくというふうになっております。  この気候変動適応を推進していく上で、国、地方公共団体の責務、事業者、国民への努力がこの法案でも規定されております。  第三条から五条の規定において、気候変動適応の推進当事者とみなされる国、地方公共団体それから民間事業者等については、努めるものとすることという規定にしておりますが、これが、ねばならないということではなく、努めるものとすることという規定にしている理由は何でしょうか。
  133. 森下哲

    ○森下政府参考人 お答え申し上げます。  本法案第三条から第五条までの規定におきまして、ここで、国、地方公共団体及び事業者が気候変動適応の推進のために担うべき役割ということを明確にしているところでございます。  国につきましては、気候変動等に関する科学的知見の充実を図るとともに、適応に関する施策を総合的に策定、推進することを義務づけております。  一方、御指摘のように、地方公共団体及び事業者につきましては、個別の主体によりましてそれぞれの知見や責任の程度などに差異があるということから、御指摘のように、現時点におきましては、取り組むべき方向性や期待される役割を、努めるものとして規定されることが適当と考えているということでございます。  また、こうした地方公共団体及び事業者の取組を促進するために国が講ずる具体的な措置についても、努めるものとして規定してございます。  これらの規定のもとで、新しい法定の気候変動適応計画のもとで、政府のみならず、地方公共団体、事業者、国民の皆様方、さまざまな幅広い主体の連携協力によりまして、関係者が一丸となって適応策を強力に推進していく、そういうふうに取り組んでまいりたいというふうに考えております。
  134. 玉城デニー

    ○玉城委員 では、最後に質問させてください。  これまで国民の皆さんに対しては、いわゆるCO2を削減するということで、さまざまな緩和の政策に関する啓発を行ってきておると思います。今回はさらに適応です。  これからどういうふうにして、その緩和と適応の施策に関する国民への周知、これまでどのように行われてきたのか、そして、本法案では更にそれをどのように進めていく、取り組んでいくということで計画しているのか、最後にお伺いしたいと思います。
  135. 森下哲

    ○森下政府参考人 緩和と適応に関する周知ということについての御質問でございます。  まず、緩和につきましては、私ども、クールチョイス、賢い選択、これを旗印とした国民運動を展開しておりまして、CO2の排出削減を始めとする取組、この周知を図っているところでございます。  一方、適応でございますけれども、平成二十八年に気候変動適応情報プラットフォームを立ち上げておりまして、関係省庁の皆様方と連携をいたしまして、気候変動の影響や適応策についてのさまざまな情報を、例えばインターネット、さまざまなその他の手法を通じて広く発信をしてきております。  さらに、この法案におきまして、国が適応の重要性に関する国民の関心と理解を深めるための措置を講ずる旨の規定を盛り込んでございます。  この法案は、適応という言葉を国民に知っていただく、認知を広げていく絶好の機会であるというふうに考えております。この言葉が十分に浸透いたしまして、国民の皆様方の理解のもと、全国各地で適応策が進展するようにしっかりと取り組んでいくべく、適応情報プラットフォームのさらなる充実、あるいは広報資料の作成、各地でのセミナーなどを通じまして、国民の皆様方の理解を深める取組に汗をかいてまいりたいというふうに考えております。
  136. 玉城デニー

    ○玉城委員 ありがとうございました。  ぜひ、国民が喜んで楽しんでそういう取組に参画していけるよう、鋭意努力をお願いして、質問を終わりたいと思います。  ありがとうございました。ニフェーデービタン。
  137. 松島みどり

    ○松島委員長 次に、西岡秀子さん。
  138. 西岡秀子

    ○西岡委員 国民民主党、長崎一区、西岡秀子でございます。  昨年初当選をいたしまして、きょう環境委員会で初めて質問させていただきます。どうぞよろしくお願い申し上げます。  早速、気候変動適応法について質問をさせていただきます。  午前中、参考人より大変貴重なお話をいただきました。現在、地球温暖化の影響によりまして、我が国においては、今までになかったような大雨、洪水などの自然災害が頻発をしておりますし、気温の上昇、海水温の上昇、水位の上昇など、農林水産、自然生態系、また、自然災害、人、産業へ幅広い分野で大変大きな影響が波及をしてきております。  先ほど参考人からも陳述がございました。リスクをどう捉えるかということで適応策が大変変わってくるというお話がございました。例えば、気温の上昇を二度にするのか四度にするのかということによって全く状況が違ってきて、適応策の内容も違ってくるということがお話にございました。このお話を聞きまして、改めてこの適応策の重要性というものを再認識するわけでございますけれども、どこに目標を置いていくのかということも一方で大変重要なことであるというふうに考えます。  先ほどから質問の中でもたびたび出てきておりますが、温室効果ガスの排出削減対策である緩和策と、今回提出をされております気候変動影響による被害の回避、軽減対策である適応策というのは、車の両輪であると位置づけられております。  まさに、今回の適応策に取り組むに当たって、その基本となる緩和策についての取組というものが大変重要であると認識をいたしております。  京都議定書から今日に至るまで、二〇一六年十一月発効のパリ協定に至るまでの間に、これまでの我が国の取組の経緯と、今後、二〇一〇年、二〇二〇年、また二〇五〇年といった中期、長期にわたる取組を含めた我が国のこれからのスタンス、また方針、取組について中川大臣にお伺いをいたします。
  139. 中川雅治

    ○中川国務大臣 一九九七年に採択されました京都議定書は、温室効果ガスの排出削減に関する法的拘束力を持つ初めての国際枠組みでございまして、地球温暖化問題に関する重要な一歩でございました。我が国は、六%削減約束を遵守すべく、京都議定書目標達成計画を策定いたしまして、総合的かつ計画的な地球温暖化対策を講じ、その結果、この目標を達成いたしました。  しかしながら、京都議定書では、一部の先進国のみにしか排出削減義務が課されていなかったことから、世界全体で温室効果ガスの削減を進めるため、歴史上初めて全ての国が参加する、公平かつ実効性のある枠組みでございますパリ協定が二〇一五年に採択されたわけでございます。  こうしたパリ協定のもと、我が国は、二〇三〇年度二六%削減目標を掲げ、その着実な達成に向けて、徹底した省エネルギー再生可能エネルギーの最大限の導入等、地球温暖化対策計画に基づく取組を進めております。  さらに、二〇五〇年八〇%削減、そしてその先の世界全体での脱炭素社会の構築に向けて、長期戦略の策定に取り組んでまいります。  この長期戦略につきましては、G7伊勢志摩サミットで、COP21の決定でございます二〇二〇年の期限に十分先立って策定、提出する旨をコミットしたことも踏まえまして、政府全体としての検討作業の加速化に向けて調整を進めてまいりたいと考えております。
  140. 西岡秀子

    ○西岡委員 ありがとうございます。  先ほど小西参考人からも少しお話がございましたが、このパリ協定からアメリカのトランプ大統領が離脱を表明されております。このことについて、我が国として、どのようにその影響を受けとめておられるのか、また、今後、このことについて、大臣として、見通しも含めまして、その対応についてお尋ねをいたします。
  141. 中川雅治

    ○中川国務大臣 昨年六月の米国のパリ協定からの脱退方針表明につきましては、私としても大変残念でございましたが、世界は既に脱炭素化に向けてかじを切っておりまして、この大きな流れは変わらないと考えております。  米国の脱退表明の直後に開催されました昨年のG20では、米国以外のG20メンバーは、パリ協定は後戻りできないものであり、同協定への強いコミットメントを改めて確認いたしました。  また、米国におきましても、州や企業などのレベルでは、排出削減に向けた積極的な動きが広がっております。  我が国といたしましては、気候変動問題は世界全体で取り組むべき課題であり、全ての国が大きな関心を持って取組を進めていくことが重要だと考えております。  米国には、昨年十一月のCOP23の機会などを捉えて、私からも働きかけを行っておりますが、引き続き、パリ協定のもとで気候変動対策に取り組むことの必要性を伝えていきたいと考えております。
  142. 西岡秀子

    ○西岡委員 ありがとうございます。  一方で、緩和策についてお尋ねをいたします。  エネルギーの多くを海外からの輸入に頼っております我が国におきましては、再生可能エネルギーの導入、拡大というものが、自給エネルギーの安定的な確保の面はもちろんのことでございますが、地球環境の面、特に温暖化防止のためにも大変重要な課題であると考えております。  特に風力発電につきましては、今大きな期待が寄せられております。その風力発電の中でも、特に洋上風力発電、これには大変な将来性が今見出されております。海底に着床式のものと浮体式のものというものが二種類ございますけれども、特にこの浮体型の風力発電というものが、安定的に効率的にエネルギーを確保する上で、大変期待される再生エネルギーとなっております。  私の地元である長崎県の五島列島におきまして、浮体式洋上風力発電が四年間の国内初の実証実験が行われ、そして、その発電状況、環境への影響、安全性の評価など、さまざまな実証が環境省において行われました。地元自治体の皆様や住民の皆様の大変深い御理解のもと、また、漁業者の皆さんの本当に深い御理解のもとで、大きな成果が得られ、現在既に実証化されております。そして、地域においても、自給可能な再生可能エネルギーとして、地元の方も大変大きな期待を寄せておられます。  現在は、その普及のためには、コストを抑えていくということが大変重要な視点でございまして、平成二十八年からは、環境省支援のもとで、施工の低炭素化、低コスト化の手法確立のための事業というものが実施をされていたところでございます。  実は先日、この洋上施工に当たって、従来は大型クレーン船にてこの風力発電施設が設置をされておりましたが、今回、いわゆる世界初の風力発電設置をするための専用の船が完成をいたしまして、五月十二日の日に、五島の福江港で起工式が行われ、その起工式にとかしき副大臣が御出席をいただきました。  副大臣に、今後の取組、洋上浮揚風力発電の課題、そして今後のさらなる普及について、また、とかしき副大臣が現地に行かれた上での所感、感想も含めまして、ぜひお話を聞かせていただきたいと思います。
  143. とかしきなおみ

    ○とかしき副大臣 お答えさせていただきます。  先週末、長崎県の五島市沖の浮体式洋上風力発電の現場に出張させていただきまして、専用台船の完成披露式典、これにも参加してまいりました。  当日は非常に状況がよくて、二メガワットの雄大な風車が、これまで激しい雨、風、台風に耐えて、五島市の住民の皆さんに電力を供給し、地産地消、まさにこれを実現しているという姿を目の当たりにし、我が国の、日本の高い環境技術力、これを体感してきたところでございます。  先ほど委員御指摘のように、洋上風力発電、これは、脱炭素社会の実現の中では、我が国は、これから物づくりの中核を狙っていくということでは避けては通れないところであります。  そして、環境省といたしましては、特に日本は海洋国でございますから、海を使って再生可能エネルギーをいかに生んでいくのか、そしてそれを普及させていくこと、これが我が国のある意味責務でもないかな、このように決意を新たにしたところでございます。  この洋上風力を全国的に普及させるには、一番のネックはやはりコストでございます。ということで、このコストを下げるためにということで、先ほど西岡委員もお話しいただきましたように、これを大幅に低減を目指すための実証実験ということで、今回、専用台船をつくらせていただいたところであります。  これは、巨大クレーンを使わないで船に載せていくということでコストを抑えていこうということで、風車を船に載せてそのまま沖に持っていって、船をちょっと沈めて、そしてその浮力でもって自分で起き上がって設置ができるということで、非常に効率よくコストダウンで、うまくいけば半額ぐらいに抑えられるのではないか、それを目指して頑張っていただきたいなというふうに挨拶でもお話をさせていただきました。  この低コスト化の道筋をつければ、どんどん皆さんが投資をしてくださいますし、風力発電をやるのがふえてくるわけでありますから、これによってまた量産化が見込めて、更に低コスト化が望める。このいい循環を起こしていく起爆剤になっていけばいいなというふうに思っております。  あと、やはり我が国の強みは防災、災害にいかに強くしていくのか。これから気候変動が世界じゅうで起こってまいりますので、そのときに、再生可能エネルギーの弱点は、やはり気候変動に弱いというところでありますので、防災の部分は我が国はやはり強いわけでございますから、この防災と再生可能エネルギー技術開発、これをかけ合わせたのを日本技術の強みにしていきたいということと、あともう一つは、地域振興の強み、地産地消のエネルギーをこれからいかに生んでいくのか。  こういった特徴をつくって、日本のすぐれた環境技術を世界に広めていこう、成功事例をたくさんつくっていこうということで、環境省としては全力で取り組んでいこう、このように考えております。
  144. 西岡秀子

    ○西岡委員 ありがとうございます。  五島の方でも、離島でございますので、本当に地域の人口が減少している中で大変大きな期待を寄せるところでございますし、我が国にとっても本当に大切な自給エネルギーの再生エネルギーとして今後大きく普及をしていくように、ぜひ今後とも取組をお願いしたいと思います。よろしくお願いいたします。  それでは、適応策に戻りまして質問をさせていただきます。  適応策につきましては、既に世界的にはイギリス、フランス、アメリカなど、国として適応計画を策定して法的な根拠を与えております。我が国においても、今回法的な位置づけをされることになり、大変大きな一歩であると評価をいたしますけれども、従来からの取組の経過も含めまして、この適応策の基本的な方針について再度お尋ねをいたします。
  145. 森下哲

    ○森下政府参考人 適応に関するこれまでの取組の経緯とそれから基本的な方針についての御質問でございます。  まず、経緯でございますけれども、政府におきましては、今から五年前、平成二十五年から中央環境審議会での気候変動影響評価の議論を開始してございまして、平成二十七年に気候変動影響評価の報告書を取りまとめた上で、適応計画を閣議決定いたしてございます。その後、適応計画のもとで各省庁が適応策を実施するとともに、平成二十八年に適応の情報基盤でございます気候変動適応情報プラットフォームを構築し、さらには平成二十九年に関係省庁連携による地域協議会の立ち上げ、さらには適応計画のフォローアップというものを行ってきてございます。  このように、適応策を展開していく中で、その充実強化を図るための法制度化の機運が高まったということを受けまして、本法案を国会に提出をさせていただいているということでございます。  基本的な方針ということでございますけれども、適応策は、気候変動影響に関する科学的知見にしっかりと基づきまして、国、地方公共団体、事業者、国民の皆様が連携協力をしながら推進していくことが非常に重要だというふうに思ってございまして、こうした方針のもと、この法案では、政府が気候変動適応計画を策定いたしまして、先ほど申し上げました、さまざまな関係者が連携協力して適応策を推進する旨の規定を法案の中に盛り込んでおるということでございます。  それから、国立環境研究所を中核としました適応の情報基盤を整備いたしまして、精度の高い気候変動影響の予測情報に基づきまして実効性の高い適応策を展開するという、そのための仕組みについても規定をしているというところでございます。
  146. 西岡秀子

    ○西岡委員 ありがとうございます。  今、気候変動適応情報プラットフォームのお話がございました。これは、地方自治体、事業者、そして国民が適応策を検討するための情報基盤となるものであり、大変有効なものであると考えております。  既に各省庁間で蓄積されているデータを一元管理するとともに、さらなる調査研究によって知見の充実を図られるものと理解をしておりますけれども、その取組のためには、関係各省庁の一層の連携、情報の共有化というものが大変重要であると考えておりますが、その連携のあり方、取組についてお尋ねをいたします。
  147. 森下哲

    ○森下政府参考人 御指摘いただいているところは、本当に適応の取組を進めるための肝の部分であるというふうに考えてございます。  気候変動は、農業、自然災害、生物多様性など、さまざまな分野に影響を及ぼします。これらの影響に対処していくためには、環境だけではなく、気象、農業、防災など、さまざまな分野の科学的知見を充実し集約をするということが必要というふうに考えておりまして、このため、この法案におきましては、適応の情報基盤の中核となります国立環境研究所が、国交省さん、農水省さんを始めとする関係省庁の所管の研究機関との連携に努めるという旨の規定も盛り込んでおるというところでございます。また、地方の研究機関と国立環境研究所が気候変動影響に関する情報を共有して連携していくという旨の規定も盛り込んでございます。  これらの規定のもとで、国立環境研究所が中核となりまして、国あるいは地方の研究機関との連携協力体制の構築を図りまして、気候変動適応情報プラットフォームに情報を集約しまして、さまざまな気候変動の影響に関する情報を提供してまいりたいというふうに考えてございます。
  148. 西岡秀子

    ○西岡委員 ありがとうございます。  今回の適応法の大変重要な部分であると思いますけれども、地方公共団体に気候変動適応計画の策定というものを義務づけをされました。大変、これが大きな一つの今回の法律の柱というふうに私は思っております。  私の地元、長崎県におきましては、昭和五十七年長崎大水害を始めとした、大変風水害の多い地域でございます。それに伴って農業被害というものも、大変な深刻な被害がその風水害ごとに起こっております。近年、特に大型台風が多発をし、急激な大雨、それに伴う土砂災害、浸水の被害というものが大変深刻化をいたしております。  長崎県におきましては、独自に長崎県地域温暖化適応策というものをまとめております。今回の法整備がされることによって一層この充実が図られるというふうに期待をいたしております。現在、長崎県独自として取り組むべき適応策、百二件を設定いたしております。そして、そのときに、午前中の参考人質疑でもございました、上昇気温を二度以下とする排出量の低いシナリオと、最大、大きな排出量のシナリオの二種類を使いまして試算をいたしております。  それぞれの地方公共団体の規模や体制によって一律に策定が難しいところもあるというふうに思いますけれども、国として、この地方の公共団体の計画を策定するに当たりましての支援のあり方、また、地方においては、大変、その知見がまだまだ充実していない面があるというふうに思いますけれども、この適応策充実のための調査研究、そして知見の充実のために、国としてどのような支援策をされるのかということをお尋ねいたします。  また、先ほどお話がございましたところとも一部ダブりますけれども、地域における適応策を推進するに当たりまして、国や研究機関、そして大学などの専門的な人材というものが、大変この支援が不可欠であるというふうに思っております。人材の地域への派遣を含めて、また、専門性を持った人材の育成というものも大変必要な課題であるというふうに思いますけれども、このことに対して、今後の取組について政務官にお尋ねをいたします。
  149. 笹川博義

    ○笹川大臣政務官 御質問ありがとうございます。  今委員が御指摘のとおり、地方公共団体にはそれぞれ気候変動適応計画策定をお願いしたい、努めていただきたいという規定がございます。  もちろん、今御指摘がございましたとおり、地域においてそれぞれ気候も違いますし、また、自治体のそれぞれの経済状況も異なります。特にまた、お話があったとおり、長崎県では農業の被害もあったということでありますので、農業そしてまた防災ということで、実施すべき適応策というのは非常に分野が多岐にわたっております。そのため、それぞれの地方公共団体が地域の実情に応じての適応策を進めていく、推進をしていくことが肝要でありますので、地域ごとの気候変動影響や適応策に関する情報を分野横断的にきめ細かく収集、提供していく必要があるというふうに考えております。  こうした認識のもとで、環境省は、これまで、農林水産省、国土交通省と連携をしながら、地域における気候変動影響の将来予測に関する調査や、科学的知見に基づく適応策の検討を進めることなどにより、いわゆる地域適応コンソーシアム事業として地方公共団体の取組を支援してまいりました。  引き続きこのような支援を行っていくとともに、広域的な取組も必要でありますので、広域協議会を通じて地域の関係者が連携をして行う調査研究の推進、さらには、本法案に基づく国立環境研究所による技術的、また情報提供も含めてのサポートを充実させていただきたい。また、地域ごとのきめ細かい情報を収集し、提供をしてまいりたいと思っております。  特に、先ほど委員からお話ございました長崎県の取組ですとか、このような形の優良事例、それから情報を共有していただくということも大事なことだというふうに思っておりますので、引き続いて、また、環境省職員、精力的にそれぞれの地域に足を運んで、地方公共団体の計画策定からしっかりと支援をしてまいりたいという思いでございます。  ありがとうございました。
  150. 西岡秀子

    ○西岡委員 ありがとうございます。  今政務官からもお話がございましたけれども、既に今、地域におきまして、六つの地域協議会において、地域ごとの特性に沿った調査研究課題について研究が進められております。  このそれぞれの調査項目につきましては、地方自治体からのそれぞれの要望によるものであるというふうに聞いておりますけれども、今、地域協議会で進められておりますこの研究の体制の状況、進捗状況、また今後の取組については、この法律が成立をした暁には、より充実していかれるものと考えておりますけれども、この今の体制状況、進捗状況について、また、その取組の中で何か今後の問題点、課題というものがもしありましたら、お聞かせいただきたいと思っております。
  151. 森下哲

    ○森下政府参考人 環境省では、農林水産省さん、そして国土交通省さんと連携をいたしまして、平成二十九年度からの三カ年の計画で、先ほどお話がございました、地域適応コンソーシアム事業というものを実施しております。  この事業ですが、全国を六ブロックに分けまして、国の出先機関ですとか地方公共団体、地域の研究機関等によりまして構成される地域協議会を環境省が事務局となって立ち上げるとともに、各地域のニーズを踏まえまして、農業、水産業、自然災害、水環境、生態系、健康など、さまざまな分野を対象としまして、要望形式ということで、御提案をいただいたものを拾い上げるという形で、将来の気候変動影響に関する全三十五項目の調査を実施しているというようなところでございます。  例えば、九州・沖縄地域におきましては、有明海、八代海における漁業への影響に関する調査ですとか、将来の降水量の増加等を想定した水害リスク評価などを実施しておるというところでございます。  昨年度は、地方公共団体の研究機関や地域の大学等との連携協力体制のもとで、主に気候変動影響の将来予測に必要なデータの収集等を行いましたが、今後は、シミュレーションモデルを活用しました将来予測計算ですとか、その結果を踏まえた適応策の検討を行ってまいりたいと思っております。  プロセスを通じて、やはりうまく情報を共有できるような仕組みをしっかり、データフォーマットも含めて、そういったこともしっかりと統一化していかなければいけないといったことも少しわかってきておりまして、こういうプロセスを通じまして、法定計画に基づく地域協議会の活動にしっかりとつなげてまいりたいというふうに考えております。
  152. 西岡秀子

    ○西岡委員 ありがとうございます。  次に、気候変動適応計画について策定をして実施する中で、その実施状況を評価し、よりよきものとしていくということは大変基本であると考えております。  その評価手法についての検討というものが大変必要であると考えておりますけれども、計画の進捗状況の管理や指針の検討というものがぜひ必要であり、我が国においてまだこの体制が十分でない面があるというふうに考えますけれども、今後の取組についてお尋ねをいたします。
  153. 森下哲

    ○森下政府参考人 御指摘の点も非常に重要なところだと考えてございます。  気候変動適応計画の進捗管理におきまして、やはり適応策の効果を定量的に把握、評価をしていくということが非常に重要でございます。そのためには、それぞれの施策が気候変動の影響による被害の回避、軽減にどれだけ貢献したのかなど、しっかりと把握、評価していくことが大事だというふうに思ってございます。  しかしながら、この適応策の効果を把握、評価する手法につきましては、適切な指標の設定が困難であること、適応策の効果を評価するには長い期間を要するなど等の課題がございまして、これまで、諸外国におきましても、その手法というものが確立をされてはいないということでございます。  このため、法案の中で、政府は気候変動適応の進展の状況を的確に把握し及び評価する手法を開発するという旨の規定を置かせていただいているところでございまして、この規定に基づきまして、把握、評価手法の確立に向けて、調査研究等をしっかりと進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  154. 西岡秀子

    ○西岡委員 ありがとうございます。  また、先ほどからも議論となっておりますけれども、国民の皆さんに対して、この気候変動対応策というものの重要性、それを意識づけをしていく、普及をしていくということも大変重要な視点であると私は考えております。  ただ、大変幅広い範囲でございますので、一つ取り組みやすい課題から、その分野の中からの適応策というものについて国民の皆さんが知っていただく、そのきっかけづくりというものも私は必要であると考えております。  例えば、国民の皆さんにとって大変身近な防災という面からのアプローチというものも私は大変有効であると考えておりますし、農林水産の作物が、いろいろな地球温暖化の影響で作物にも大変大きな変化が出てきているということ、この食の面からのアプローチというものも、国民の皆さんに今回の適応策を理解していただき、認識をしていただく意味で大変有効なものではないかというふうに考えております。  また、学校教育におきましても、子供たち、子供のときから、やはりこのような緩和策と適応策、この両方というものを子供のころから動機づけをして教えていくということが大変私は必要であると思っております。  主権者教育、消費者教育、この教育が、今、子供たち、この教育に国として取り組んでおられますけれども、この地球環境の問題につきまして、緩和策、また今回の適応策、これを教育の面からも、私は子供のころから身につけていくということも必要であるというふうに思っておりますけれども、この面について環境省としての今後の取組等ございましたら、お聞かせをいただきたいと思っております。     〔委員長退席、北川委員長代理着席〕
  155. 森下哲

    ○森下政府参考人 お答え申し上げます。  気候変動による影響ですけれども、真夏日、猛暑日の日数の増加ですとか桜の開花日の早まり、大雨の頻度の増加ですとか強い台風の発生数の増加とか、非常に国民一人一人の皆様方の生活に密接なかかわり合いがあるということだというふうに考えております。  このため、気候変動適応情報プラットフォームを通じまして、気候変動の影響や適応策についてのさまざまな情報をインターネット等を通じて広く発信するとともに、広報資料の作成ですとか各地でのセミナーの開催などによりまして、適応について国民の皆様方に広く関心を持っていただけるように取り組んでまいりたいというふうに思ってございます。  学校教育についても御指摘をいただきましたけれども、非常に効率のいい、重要なアプローチだというふうに思っておりまして、教育現場で取り上げていただけるよう、適切な情報を提供していくことが重要だというふうに思っております。  このため、昨年でございますけれども、文部科学省さんの御協力をいただきまして、適応の情報基盤でございます気候変動適応情報プラットフォームに関する情報を教育の現場にも周知をさせていただいたところでございます。  この法案におきましては、国が適応の重要性に関する国民の関心と理解を深めるための措置を講ずる旨の規定を盛り込んでございます。本法案に基づきまして、教育現場において活用しやすい広報用の資料の充実等によりまして、国民の皆様方の理解を深める取組を更に進めてまいりたいというふうに考えてございます。
  156. 西岡秀子

    ○西岡委員 ありがとうございます。  この適応策、大変重要な法案であるというふうに思っております。適応策につきましての法律が通りましてから、より一層、これを使いまして充実をしていくことが必要であると思っております。  本日はありがとうございます。これにて質問を終わらせていただきます。
  157. 北川知克

    ○北川委員長代理 次に、田村貴昭さん。
  158. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 日本共産党の田村貴昭です。  質問に入る前に、せんだってのチッソの社長の発言について質問をさせていただきたいというふうに思います。  五月一日、チッソの後藤社長は、水俣市で開かれた犠牲者慰霊式に参列した後に、記者団に、水俣病特措法の救済は終了したと述べました。  地元の熊本日日新聞によりますと、後藤社長は、チッソが患者補償で生じた多額の債務を抱えることを踏まえ、企業間競争に勝っていく上で、手かせ足かせをできるだけ早く取り除くことが必要だと述べたんです。  また、朝日新聞によりますと、水俣病特措法に盛り込まれた事業子会社JNC株売却要件の一つである救済終了について、異論はあるかもしれないが、私としては救済は終わっていると述べました。さらに、JNC株の売却について、ぜひやりたいと思っていますと意欲を示したと報じられています。そして後藤社長は、現在も続く訴訟の原告らを念頭に、いろいろ紛争がありますけれども、その広い範囲の救済にもかからなかった人たちですからと述べたのであります。これは私は大問題だというふうに思います。  大臣、式典に参加されて、出席されておりました。私もあの場におりました。大臣が退席された後、後藤社長が何でこんなに取り囲まれているのかなというふうに私が不思議に思っていたら、こうした発言が連続して行われたということなのであります。  社長の祈りの言葉の中には、補償の完遂という言葉も入っていたんですけれども、その言葉の直後ですよ、この発言が放たれたというのは。私は問題だと思います。  患者団体不知火会、水俣病不知火患者会の大石利生会長は、加害者のチッソが、やるべきことはやったと自分で判断するような言い方は絶対に許せません、救済を求める人がまだ存在する中で、加害者としての責任を放棄するものだと抗議をしているところであります。  そこで、お伺いしたいと思いますけれども、水俣病特措法では、市況の好転と救済の終了を条件に、環境大臣の承認を得てJNC株を売却できる手続が盛り込まれています。チッソの社長が言うように、この特措法に定めるところの救済の終了という状況にあるのでしょうか。大臣の認識を伺います。     〔北川委員長代理退席、委員長着席〕
  159. 中川雅治

    ○中川国務大臣 JNCの株式譲渡につきましては、水俣病特措法では、救済の終了及び市況の好転まで暫時凍結することとなっております。  しかしながら、多くの方が公健法の認定申請をされていること、訴訟が提起されていることから、救済の終了とは言いがたいと考えております。  したがって、現時点では、JNCの株式譲渡について、環境大臣として承認できる状況にはないと考えております。
  160. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 それでは環境省にお伺いしますけれども、救済の終了というのは、どういう時点で、どういう状況をもって終了となるのでしょうか。
  161. 梅田珠実

    ○梅田政府参考人 お答えいたします。  現時点で、救済の終了につきましては、どういう時点で、どういう状況をもってそうと言えるかは、予断を持って申し上げることはできませんが、多くの方が公健法の認定申請をされていることや訴訟が提起されていることから、救済の終了とは言いがたいと考えております。
  162. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 どういう状況をもって終了となるのかとお伺いしているので、こういう状況だということを具体的にちょっと披瀝していただきたかったんですけれども。  私は、やはり、社長の、救済は終了という言葉は、絶対使ってはいけない言葉だ、加害企業として、今なおこれだけ患者の方が苦しんで、そして、行政の救済がままならないから司直に委ねる、こういう状況にあって、この言葉は絶対に許されないと思うわけであります。  原因企業のトップからなぜこのような暴言が出てくるのか。実は、後藤社長は、チッソとJNCの分社化前の二〇一〇年にも問題発言をしているわけなんですね。そのときの発言は、特措法に基づき分社化ができれば、水俣病の桎梏、つまり手かせ足かせの意味ですね、桎梏から解放されると言っているわけですよ。そしてまた同じような発言をしているわけですよね。加害企業としての責任をわきまえていないからこの発言が続くのではないですか。  大臣にまたお伺いしますけれども、環境省は、この社長の発言をただす立場にあります。そして、チッソのこの責任をやはり環境省としてたださなければならないと思います。この社長の、患者や被害者の感情を逆なでするような発言に対して、具体的にはどうされるんでしょうか、大臣。
  163. 中川雅治

    ○中川国務大臣 チッソの社長の発言が報道されました。また、共産党の先生方からも、私のところにわざわざお越しいただきまして、お話を承ったところでございます。  その後、担当の政策統括官が、チッソ株式会社の役員を環境省に呼びまして、報道にあったような発言は、患者の皆様、御家族や御遺族の方々の感情を傷つける不用意なものであり、大変遺憾であると申し上げるとともに、環境省の考え方、認識をしっかりと伝えたところでございます。  具体的には、水俣病特措法に規定する救済の終了とは言いがたく、そのため、環境大臣として株式譲渡の承認をすることができる状況にはないこと、それから、国、熊本県等によるこれまでのチッソへの公的支援は、チッソに水俣病の原因企業としての責任を全うしていただくためであること、環境省として、引き続き、これまでの多くの方々の努力や思いの積み重ねに寄り添いつつ、関係地方公共団体と密に連携し、責任を持って水俣病問題に取り組む所存であること、以上をお伝えしております。  これを受け、チッソとしては、今後も真摯に補償、救済を継続する旨の意向が示されまして、環境省としてはその動向を見守ってまいりたいと考えております。
  164. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 チッソの方の役職者を呼んで、そして環境省の立場を伝えたと。それはわかりました。  相手は、自社の社長の発言について、会社としてはどういうふうに総括しているのかといったところの発言はなかったんでしょうか。これは大臣でもいいですし、大臣と一緒にお聞きになった方でもいいんですけれども、いかがですか。
  165. 中井徳太郎

    ○中井政府参考人 お答え申し上げます。  先ほど大臣の方から御答弁させていただきましたように、私が、後藤社長の発言の一件がありました後、大臣の指示によりまして、チッソの役員を環境省に来ていただきまして、先ほど大臣が御答弁なさったような趣旨、環境省として、今回報道にあったような発言は、患者の皆様、御家族、御遺族の方々の感情を傷つける不用意なものであり、大変遺憾であると、まずこのことについてしっかりと環境省としての考えを伝えるとともに、具体的に、この特措法での、先ほど大臣もお答えいたしましたような責任について、環境省の見解を伝えたところでございます。  この役員の方、チッソの会社といたしまして、今後も真摯に補償、救済を継続するという見解でございます。  そういう状況の中で、後藤社長という形でも、やはりチッソという会社としての方針を環境省としてはいただかなきゃいかぬという趣旨で、この役員にこういう見解をいただいておるという中で、その動向を見守ってまいりたいということでございます。
  166. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 統括官、確認ですけれども、不用意であり遺憾であるというのは、環境省の立場で言葉としてあるんですか、向こうが言ったんですか。
  167. 中井徳太郎

    ○中井政府参考人 環境省として、この報道を受けまして、不用意で遺憾であるという環境省としての認識を伝えたところでございます。
  168. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 チッソとして真摯に今後も被害補償をやっていくというのは、これは当たり前の話なんですよ。  こういう、不用意で、そして環境省の方が遺憾であると思うのであったら、社長はやはりわびを入れにゃいかぬですよ、患者、被害者に対して。そのことをやはり公表しないといけませんよ、会社としても。そういう指導をしないといけないんですよ、環境省は。違いますか。  大臣、この後藤社長の発言は、公式にやはり撤回する、撤回させなければ、またこの発言続きますよ。桎梏だとか手かせ足かせ、今回、二回目ですよ、また。こういう、不用意で遺憾ともとれる発言がだめだというのであれば、今回はちゃんとけじめをつけて、社長にこの発言を撤回を求めるべきだというふうに思いますけれども、大臣、いかがですか。
  169. 中川雅治

    ○中川国務大臣 ただいま私からも、中井政策統括官からも申し上げましたが、我々のチッソに対する発言を受けて、チッソの役員として、会社をその場で代表して、今後も真摯に補償を継続するという意向を示されたわけでございます。  それから、さらに、チッソは、決算発表の役員会見におきまして、株式売却については環境大臣の意向で決まるものであり、コメントを差し控える、こういう回答を行っております。  チッソに対しましては、今後とも、環境省の考え方や地方公共団体の意向等をしっかりと伝えてまいりたいと考えております。
  170. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 やはり、大臣、社長に大臣から一言言わなければ、私はけじめはつかないというふうに思いますよ。  社長は、いろいろ紛争がありますけれども、その広い範囲の救済にもかからなかった人たちですからと。特措法にもかからなかった人たちはもう私たちは面倒見ませんと言っているのと一緒やないですか。  今もやはり裁判をやっている人がいるわけですよ。そして、裁判で水俣病患者と認められた、あるいは公健法の患者として認められた人には、これは救済しないといけない、被害補償しないといけないんですよ。そういうスキームがあるにもかかわらずこういう発言をするというのは、やはりたださなければいけない。それは、環境省として対応をとっていただきたいというふうに思います。  そして、ノーモア・ミナマタ第一次訴訟の和解条項に基づいて、全ての被害者を救済するまでチッソの幕引きを許すべきではない、このことを強く求めたいと思います。  それでは、法案の審査に移ります。  気候変動適応法案について質問します。  まず最初に、確認をしておきたいんですけれども、るるきょうは議論がありました。そして、午前中は参考人のお二方からも大変貴重な意見の陳述がありました。  気候変動適応化というのは、何といっても緩和策の実施が前提にならなければなりません。最大限の緩和策の実行が大前提であること、私はそう思いますけれども、大臣、いかがでしょうか。最大限の緩和策を実行することが適応策の軽減につながっていく。車の両輪という話もあったんですけれども、緩和なくして適応はないわけなんですけれども、基本的な認識を大臣にお伺いしたいと思います。
  171. 中川雅治

    ○中川国務大臣 御指摘のとおり、まずはしっかりと緩和策をとっていく、これはもう、世界が連携をしてパリ協定の目標を達成していくということが何よりも重要なことだと考えております。  一方で、現実に気候変動の影響がさまざまな形であらわれておりまして、また、更に深刻化するという状況でございますので、緩和策と適応策は車の両輪と申し上げております。  と申しますのは、どちらか一方を推進することがもう一方を推進することの前提という考え方ではなくて、どちらもそれぞれしっかりと推進すべきものだというのが、この車の両輪という考え方でございます。  もちろん、緩和策をしっかりとっていくということが重要であるということは当然の前提の上で、緩和策も適応策もどちらもそれぞれしっかり推進をしていく、こういう観点から、それぞれの法律をつくって、二つの礎をつくって、そのもとに緩和策と適応策をしっかりと推進してまいりたいと考えているところでございます。
  172. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 基本的にはしっかりと緩和策をとるといったところに基づくならば、やはり温室効果ガスの削減目標というところに行き着くわけなんです。ここをやはり手直ししないと私はいけないと思います。  二〇三〇年までに二〇一三年比で二六%削減、先ほどから答弁あっていますけれども、これを国際的な基準である一九九〇年比に直しますと、わずか一八%の削減にしかならないわけなんですよね。長期的な基準である二〇五〇年までに八〇%の温室効果ガスの排出削減を目指すとするのであれば、政府の二〇三〇年削減目標のスピードは、到底達成できないわけなんです。ですから、何としても今の目標値を変えなければいけません。  長期的目標である二〇五〇年までに八〇%削減というのならば、二〇三〇年までに日本が野心的に温室効果ガスを一九九〇年比で少なくとも四〇%から五〇%削減を目指すことが今求められると思いますけれども、環境省、いかがですか。
  173. 森下哲

    ○森下政府参考人 お答え申し上げます。  パリ協定のもとで、我が国におきましては、平成二十八年の五月に閣議決定をいたしました地球温暖化対策計画に基づく取組を着実に実施し、まず、二〇三〇年度二六%削減目標を達成することが非常に重要だというふうに考えております。必ず達成をしないといけないというふうに考えております。  また、同計画は、少なくとも三年ごとに目標及び施策について検討を行い、必要に応じて計画を見直すということといたしてございます。  さらに、御指摘のありました我が国の長期的目標としまして、二〇五〇年までに八〇%の排出削減を目指すということでございますけれども、このような大幅な排出削減には、従来の延長の取組では実現が困難でございます。  このため、本年三月に、環境省から、長期大幅削減に向けた基本的考え方というものをお示しをさせていただいております。その中で、一つは、技術のイノベーションはもとより、技術を普及させる経済社会システムのイノベーション、そしてもう一つ、施策を今から講じ、二〇四〇年ころまでに大幅削減の基礎を確立することが重要であるといったような、長期大幅削減の鍵となるメッセージをまとめているというところでございます。  この長期大幅削減に向けた基本的考え方は、これから政府全体で検討をいたします長期戦略の議論の土台の一つとして生かしてまいりたいというふうに考えてございます。
  174. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 長い流れの中で、悠長なことを言っている時代ではないかなというふうに思うわけなんです。  ヨーロッパ、EU諸国は、一九九〇年比で少なくとも三〇、四〇%、四〇%削減すると言っているんですから、できない数値ではないというふうに思います。国際社会の中でリーダーシップを発揮していく、日本政府、いつも言っているじゃないですか。だったら、せっかくこの適応策を出していくというのであれば、両輪というのであれば、緩和策もこの機会に思い切って進めていくという提案があってこそ、私は車は回っていくものだというふうに思います。  この温室効果ガスの基準を大幅に引き上げていくということを、野心的な目標を持つことを強く要求したいというふうに思います。  その温室効果ガスの削減についてなんですけれども、石炭火力発電についてお伺いをいたします。  世界が石炭火力から撤退の道を歩んでいる中で、日本ではこの流れに逆行するかのような新増設計画を容認している。きょう、気候ネットワークの桃井参考人がいみじくも真逆という言葉を使われましたけれども、大臣、聞かれておられたでしょうか。そういうふうにおっしゃったわけです。私も本当にそうだというふうに思います。  不十分な削減目標の達成も危ぶまれているのに、まして、石炭火力を世界がやめようというのに、五十基も新増設、今から認めていくというのは真逆ですよ。何度もこの委員会で私は主張しますけれども、きょうは、やはり見直すというふうに言っていただきたい。せっかくの適応策の審議ですので。  気候ネットワークによれば、日本の温室効果ガスの排出量のうち、一番大きな比重を占めているのは発電で三三%と。けさも私はお伺いしました。この巨大な排出所である火力発電の転換を図ることが、今、最大の適応ではないかと思いますけれども、環境省、いかがでしょうか。
  175. 森下哲

    ○森下政府参考人 電力部門は、我が国のエネルギー起源CO2の排出量の約四割を占めておりまして、この電力部門の低炭素化が課題となっているということでございます。  特に、石炭火力発電は、ほかの火力発電と比べましてもCO2の排出量が多いことから、英国、カナダが主導する脱石炭連合の発足や、石炭関連資産からの投資を引き揚げますいわゆるダイベストメントなど、石炭火力発電及びそれからのCO2排出を抑制する動きがあるということでございます。  我が国におきましては、二〇三〇年度の削減目標及びエネルギーミックスとも整合いたします排出係数〇・三七キログラムCO2、これは一キロワットアワー当たりという、この目標の達成に向けまして、電気事業分野における対策の進捗状況のレビュー等の取組を行っているというところでございます。  さらには、パリ協定の目標といたします世界全体での脱炭素社会の構築に向けまして、我が国は、二〇五〇年までに八〇%の排出削減を目指すということにしてございます。  これを踏まえまして、本年三月に環境省からお示しをしました長期大幅削減に向けた基本的考え方においては、九割以上の電源を低炭素化するということが重要としておりまして、環境省として、その実現に向けて尽力してまいりたいと考えております。  特に石炭については、厳しいスタンスで臨みたいというふうに考えてございます。
  176. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 厳しく、もう新増設認めないと。どうなんですか、新増設認めませんと。今から聞いていきますけれども。  三月六日の大臣所信質疑で、私は中国電力の三隅発電所のことを尋ねました。きょうは、神戸製鉄所火力発電所について尋ねるわけであります。  環境省は、三月二十三日、神戸製鉄所火力発電所設置計画環境影響評価準備書に対する環境大臣意見を提出しました。今回もまた同様なんですけれども、具体的な道筋が明確にできなければ、事業計画の撤回を含めてというわけです。その一方で、本事業が稼働する場合には、所有する低効率の火力発電所の休廃止、稼働抑制、LNG火力発電所の設備更新など、目標達成に向けた具体的な道筋が不可欠としているという意見であります。  大臣、やはり、休廃止や稼働抑制、LNG火力発電所の設備更新を行えば、換言すれば、これは容認する、認めるということでないですか。認めるんですか、いかがですか。
  177. 中川雅治

    ○中川国務大臣 今のアセスでの環境大臣意見の記述は、「二〇三〇年度のベンチマーク指標の目標との関係では、」「具体的な道筋が示されないまま容認されるべきものではなく、目標達成に向けた具体的な方策や行程の確立及びCO2排出削減に向けた不断の努力が必要不可欠である。」と申し上げているわけでございますけれども、その前段で、「本事業者においては、石炭火力発電に係る環境保全面からの事業リスクが極めて高いことを改めて自覚し、二〇三〇年度及びそれ以降に向けた本事業に係るCO2排出削減の取組への対応の道筋が描けない場合には事業実施を再検討することを含め、事業の実施についてあらゆる選択肢を勘案して検討することが重要である。」と述べております。  この再検討というのは、もう一度一から考え直すということでございまして、あらゆる選択肢の中には事業計画の中止や撤退も含まれるということでございます。
  178. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 三隅の発電所に続いて、やはり大臣、ここは曖昧にしてはいけないと思います。そういう曖昧さが新増設を認めていくことになるわけですよ。世界から批判を浴びることになっていくわけです。大臣は十分御承知だと思うんです。ここはやはり、もうやめないといけません。  この神戸製鉄所火力発電所ですけれども、どういうところなのか。計画地は、一九七〇年代から工場周辺道路の大気汚染公害が長年にわたり対象地域とされ、多くの公害患者が現存する地域にあるんですよ。ここでCO2をふやしていくんですか。大臣意見にもありましたように、今度の指摘の中では、「現状においても大気の汚染に係る環境基準の一部を達成していない地点が存在するなど、大気環境の改善が必要な地域である。」と。ここで石炭火力、また認めるんですか。  さらに、事業所は、神戸製鋼所ですよ。昨年十月に、製品検査のデータ改ざんが問題として発覚した。社会的に信頼があるのかないのか、こういう指摘が上がっている企業であります。  大気汚染地域で環境悪化に拍車をかけるかのような新増設を環境省は認めるのですか。いろいろいろいろ条件を言われて、厳しい目を向けていくと言うけれども、結局、増設、稼働に道を開いているだけじゃないですか。そこはやはり道を断たないと、この問題は解決できませんよ。  私は、やはり事業者としての適格性さえ疑わしいし、こういう地域でこういうものを認めるべきではない、明らかに是認すべきでない案件だと思いますけれども、いま一度、大臣、いかがですか。
  179. 中川雅治

    ○中川国務大臣 神戸製鋼所に対しましては、大気汚染防止法に基づく排出基準の遵守は当然のこと、より一層の大気環境の改善に向け、環境大臣意見の中で、兵庫県や神戸市からの意見も踏まえ、神戸市との環境保全協定を積極的に見直すことを求めるとともに、大気汚染物質の排出量を最大限抑える不断の姿勢と努力が必要である旨、述べております。  また、事業者としての社会的信頼の回復に取り組む必要があり、地域住民等の理解、納得が得られるよう、誠意を持って丁寧かつ十分な説明を行うことも求めております。  しかし、こうしたことがしっかりと実現できない、道筋が描けない場合には再検討というふうに申し上げておりますが、再検討というのは、先ほども申し上げましたが、もう一度一から考え直すということでございまして、あらゆる選択肢の中には事業計画の中止や撤退も含まれるというふうに考えております。  環境省としては、神戸製鋼所の今後の計画的な取組等について継続的にフォローしてまいります。
  180. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 是認すべきでないことを重ねて主張したいというふうに思います。  午前中、WWFの小西参考人が、気候変動、異常気象についてこういうことをおっしゃったんですね。今は異常としか見えないような事象でも、それが将来的に当たり前、なれてしまうことがやはり怖いんだと。  私は、経済社会現象で、今そういう石炭火力があることが当たり前となっているかに見えるんだけれども、気候変動と地球温暖化の中で見ると、CO2をいっぱい出すようなこの電力方式が現存していること自体がやはり異常であるんだと。この異常をなくさなければならないというわけです。当たり前と思っていることが、やはり全世界から見たら、地球環境から見たら異常であるということをいま一度認識していただきたいというふうに思います。  神戸製鉄所火力発電所の運転については是認すべきでないということを申し上げたいと思います。  時間が参りましたので、そのほかいろいろ質問を用意していましたけれども、次回に譲りたいと思います。  最後に、大臣、きょう、水俣病の、後藤社長の暴言について伺いました。大臣からちょっとなかなか私としては納得いく答弁は得られていないんですけれども、環境省も含めて、折を見てやはりチッソに対して、社長の発言に対しては、患者と市民に釈明をすべきではないかと。やはり間違った発言なんです、救済は終わったという間違った発言なんだから、患者とそれから被害者の方に対してはちゃんと釈明をし、陳謝するところはするべきだ、そういうことをやはり環境省としては言わなければいけないかなと思うんですけれども、それについてはいかがですか。チッソに対してちゃんと物を言わなければいけないと思いますけれども、どうですか。大臣でも。
  181. 中川雅治

    ○中川国務大臣 チッソに対しましては、環境省の考え方をこれからもしっかりと伝えてまいりたいと思います。
  182. 田村貴昭

    ○田村(貴)委員 次回にまた質問します。  きょうは終わります。ありがとうございました。
  183. 松島みどり

    ○松島委員長 次回は、来る十八日金曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時二十四分散会