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2017-05-26 第193回国会 衆議院 経済産業委員会 16号 公式Web版

  1. 平成二十九年五月二十六日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 浮島 智子君    理事 うえの賢一郎君 理事 大見  正君    理事 佐藤ゆかり君 理事 白須賀貴樹君    理事 吉川 貴盛君 理事 北神 圭朗君    理事 近藤 洋介君 理事 高木美智代君       穴見 陽一君    石川 昭政君       小倉 將信君    尾身 朝子君       大串 正樹君    岡下 昌平君       梶山 弘志君    勝俣 孝明君       神山 佐市君    工藤 彰三君       佐々木 紀君    塩谷  立君       島田 佳和君    高木 宏壽君       鳩山 二郎君    星野 剛士君       三原 朝彦君    宮崎 政久君       八木 哲也君    簗  和生君       山際大志郎君    大畠 章宏君       落合 貴之君    篠原  孝君       鈴木 義弘君    田島 一成君       田嶋  要君    中根 康浩君       福島 伸享君    中野 洋昌君       畠山 和也君    真島 省三君       木下 智彦君     …………………………………    経済産業大臣       世耕 弘成君    経済産業副大臣      高木 陽介君    環境副大臣        関  芳弘君    経済産業大臣政務官    大串 正樹君    環境大臣政務官      比嘉奈津美君    政府参考人    (金融庁総務企画局審議官)            天谷 知子君    政府参考人    (厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長)           北島 智子君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           佐藤 文一君    政府参考人    (経済産業省大臣官房審議官)           竹内 芳明君    政府参考人    (経済産業省製造産業局長)            糟谷 敏秀君    政府参考人    (環境省大臣官房審議官) 室石 泰弘君    政府参考人    (環境省大臣官房審議官) 早水 輝好君    政府参考人    (環境省総合環境政策局環境保健部長)       梅田 珠実君    経済産業委員会専門員   木下 一吉君     ――――――――――――― 委員の異動 五月二十六日  辞任         補欠選任   山際大志郎君     鳩山 二郎君   田嶋  要君     田島 一成君 同日  辞任         補欠選任   鳩山 二郎君     山際大志郎君   田島 一成君     田嶋  要君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五二号)(参議院送付)      ――――◇―――――
  2. 浮島智子

    ○浮島委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、参議院送付、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として金融庁総務企画局審議官天谷知子さん、厚生労働省医薬・生活衛生局生活衛生・食品安全部長北島智子さん、経済産業省大臣官房審議官佐藤文一君、経済産業省大臣官房審議官竹内芳明君、経済産業省製造産業局長糟谷敏秀君、環境省大臣官房審議官室石泰弘君、環境省大臣官房審議官早水輝好君及び環境省総合環境政策局環境保健部長梅田珠実さんの出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 浮島智子

    ○浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 浮島智子

    ○浮島委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大畠章宏君。
  5. 大畠章宏

    ○大畠委員 おはようございます。民進党の大畠章宏でございます。  きょうは、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案について質問をさせていただきます。  この法律は化学物質ということでありますが、私の地元、日立市は、かつて江戸時代から開発をされていた赤沢銅山の鉱害が非常に厳しくなりまして、さまざまな影響も出ました。山の木が枯れてしまったわけでございますが、これを何とかしなければならないということで、明治四十一年ぐらいからオオシマザクラの試験植林、木を植えるという植栽の試験等も行いましていろいろ試行錯誤をやったんですが、同時に、煙を拡散させる、こういうことで、大正四年に、当時としてはかなり高い百五十五・七メーターの大煙突を完成させまして、煙害を防止しながら、かつ、山が枯れてしまったというものに対して植林事業を、桜の木を植えるという事業を行いまして、昭和七年までの間に二百六十万本の桜の木を植える、こういうことで大変な努力をしながら、いわゆる鉱害を防止するための対策をとってきたところであります。  現在では、この桜が日立市の一つの名物になりまして、桜祭り等も毎年行われているということでありますが、いずれにしても、日本の歴史を尋ねますと、経済が大きく拡大する中でこのような鉱害あるいは化学物質における被害というものが現象として出てきまして、それをどう対策するかということを先人たちがかなりしっかり取り組んできたところであります。  この今回の法律案の改正でありますが、過去においても幾つかの改正がなされております。そういうものを踏まえながら、今回、この改正案を提出した背景について、大臣からは一応の話はもう聞いておりますが、改めて、この背景についてお伺いしたいと思います。
  6. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 今委員御指摘のように、日本近代化、工業化の過程の中で、公害ですとか、あるいは環境汚染ということが発生をし、また、それを抑える取り組みをしていくということがずっと続いてきているわけであります。  今回は、化学物質による環境汚染を適切に防止をするという観点から、今回の改正の中には大きく二点含まれているというふうに思っています。  まず第一に、事業者が新しい化学物質を少量製造したり輸入したりする場合に審査を簡素化する審査特例制度について、規制の趣旨を変えることなく、事業者の規制対応コストを減らす改正を行います。  この背景としては、まず、化審法の審査特例制度では、その年度に製造、輸入される量に上限を設ける全国数量上限を導入しておりまして、同一の物質を別の事業者が申し出ている場合、国がその数量を調整しなければいけない、そういう制度になっております。  しかし、事業者が実際にどの程度の量を製造、輸入できるかは国からの審査結果を受け取るまでわからなくて、これが申請量と異なることで、事業者が事業機会を喪失するというケースが発生をしているわけであります。  その化学物質がどの程度環境に排出されるかは用途に応じて異なっていることから、今回このような環境排出量に着目した改正を行うことで、国が数量を調整する件数が減少することになります。  その結果、事業者の予見可能性が高まって、事業機会を失うことが少なくなり、我が国の化学物質の開発能力の向上が促進されるものと考えています。  もう一点は、最も規制措置の少ない分類に該当する物質の中に毒性の強いものが出現をしている。こうしたことを踏まえて、こうした物質の不用意な環境排出を防止するため、指導助言及び取り扱い状況の報告の求めなどの措置を法律に明記することとしております。  化学物質は、イノベーションの促進に資するものである一方、それによる環境影響を考慮して適切な管理を行うことが重要であります。  引き続き、環境汚染の防止を大前提としながら、イノベーションの促進にも貢献できるよう、全力を尽くしてまいりたいと思います。
  7. 大畠章宏

    ○大畠委員 今の御答弁によりますと、これまで製造・輸入数量を制限していたんですが、これを環境排出量換算で制限することにした、こういうお話であります。  基本的に妥当な基準の変更であろうと考えますが、ここで、通告はしておりませんが、世界的にも、このような形で製造・輸入数量を制限するということではなく、環境排出量の換算で上限量を制限しているということに受けとめてよろしいのかどうか。この件についてお伺いします。
  8. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 日本の場合、全国で数量の上限を設けまして調整を行っております。こうした全国レベルでの数量の上限を設けているのは日本だけでございます。  したがって、海外においては、そもそも全国レベルでの数量調整がございませんので、環境排出量に着目するとか、製造・輸入量を直接足し合わせるとか、そういう問題がそもそも生じないという状況でございます。
  9. 大畠章宏

    ○大畠委員 そうすると、日本という国は非常に厳しい条件をつけて規制をこれまでもやってきた、こういうことだろうと思いますので、そういう意味では、より厳しいという意味では妥当なのではないかと思いますが、そこで、この改正案以前の経過等についてお伺いしたいと思います。  この化学物質に関する規制関係の法案がなぜできたかというのを尋ねてみますと、昭和四十三年、カネミ油に関する健康被害の事件が起こりました。これをちょっと調べてみたんですけれども、もともと混入するつもりは全くなかったんですけれども、製造過程で脱臭のために熱触媒として使用されていたPCB、ポリ塩化ビフェニルが、配管作業のミスで配管部から漏れて混入し、これが加熱されてダイオキシンに変化した。このダイオキシンを油を通して摂取した人々に、肌の異常、頭痛、手足のしびれ、肝機能障害、こういうものが引き起こされた。  こういうことで、これに対応するために、最初に、PCB健康被害を踏まえて、その防止のための法制定に至ったと伺っておりますけれども、この法律が施行されて以降の状況について、現在把握している状況についてお伺いしたいと思います。
  10. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 委員御指摘のとおり、この化審法は、昭和四十八年に、昭和四十三年のカネミ油症事件の人の健康被害などを受けて、世界に先駆けて制定された法令、法律でございます。  このポリ塩化ビフェニル、PCBといいますのは、一般に生産、流通されている化学物質で、国民生活に有用なものとして使われていたわけでありますけれども、この物質、急性毒性はないものの、継続的に摂取された場合に人の健康に被害を生じるおそれがあるということであります。こうした化学物質について適切な管理を行う必要があるということから、この化審法の制定に至ったものであります。  化審法では、原則として、新規の化学物質の製造または輸入については、事前にその化学物質の性状について審査をするという制度を設けております。人の健康や生態に被害を生じるおそれのある性状を有する化学物質については、製造、輸入、使用等について必要な規制を行っております。  このように、化審法において化学物質の性状に応じて規制等を行ってきている結果、カネミ油症事件のような事件を再び起こすことがないような形で今日まで来ているというふうに認識をしております。
  11. 大畠章宏

    ○大畠委員 我が党の篠原議員からけさ聞いたんですが、このカネミ油の件は、同じ年に鶏が四十万羽変死した、こういうことが人体にあらわれる前に影響として出ていて、それから人体の方の影響が出始めた、こういうことでありますが、それを防止するために、世界でも早い時点でこのような対策がとられた、こういう経緯だということがわかりました。  続いて、今度は昭和六十一年になって、機械油対策とか、OECDでの加盟国の国際安全基準を採用する、こういうことで改正がなされたわけでありますが、この改正以降の状況についてお伺いしたいと思います。
  12. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 昭和六十一年の化審法の改正の主な点は二点でございます。第一点は、当時、化審法で規制対象となっていなかった生態蓄積性の低い化学物質による環境汚染への対応が必要となったことであります。  具体的には、金属の洗浄に用いられるトリクロロエチレンですとか、クリーニング業で使用されるテトラクロロエチレンといったような物質を規制する必要が生じたということであります。  この問題に対応するために、新たな規制のカテゴリーとして第二種特定化学物質という区別を設けまして、これらの化学物質を指定いたしまして、これについて製造・輸入予定数量の届け出を義務づけたり、それらを含む製品について、環境汚染を防止するために定められた技術上の指針にのっとって取り扱うよう求める。また、取扱事業者は、川下事業者に譲渡、提供する場合には、環境の汚染を防止するための措置等について表示をするように義務づけを行ったわけであります。  この六十一年改正の主な点の二点目は、OECDで国際調和のために合意をされた事項を我が国としても遵守するための措置を講じたということでございます。  具体的には、化学物質の安全性に関する試験方法の標準化を目指したテストガイドラインですとか、事前審査制度において必ず評価すべき項目を定めた上市場前最小安全性評価項目、MPDと言われておりますけれども、これに関する勧告を守る必要が生じて、これに対応したということでございます。  MPDに関する勧告は全部で三十八項目ありまして、うち二十九項目を化審法の改正で対応いたしました。それ以外の項目については、毒物劇物取締法ですとか廃棄物処理法などでそれぞれ対応をしたところでございます。  また、我が国は、このOECDのテストガイドラインにのっとった試験方法をいち早く採用いたしまして、これまで、膨大な試験データを蓄積をしてまいりました。これから、こうしたデータを用いまして、AI、人工知能による最先端の有害性予測手法の開発を目指すプロジェクトを本年度から開始をする予定でございます。  このプロジェクトで、化学物質の安全性評価に必要な動物実験を仮想実験で代替するということができるのではないかというふうに考えておりまして、これが実現いたしますと、欧州を中心に動物実験を避けようとする国際的な潮流の中で、国際的な貢献にもつながると考えているところであります。  このように、六十一年改正を受けて、国際的に調和をした形で、国際的にも特に多い、充実したデータの収集等を進めてまいったということでございます。
  13. 大畠章宏

    ○大畠委員 わかりました。  続いて、今度は、平成十五年にも改正が行われています。この改正については、従来の人体への影響という観点だけではなく、動植物への影響を考慮した対策をとったということでありますが、環境省にお伺いしますけれども、この法改正とその後の状況についてお伺いしたいと思います。
  14. 梅田珠実

    ○梅田政府参考人 お答えいたします。  先生御指摘のとおり、化審法は、平成十五年の改正によりまして、動植物の生息または生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境汚染の防止を含めることとなりました。  この改正によりまして、新規化学物質の審査及び既存化学物質の評価に動植物への影響の観点を加え、影響に応じた措置を講ずることとなっております。  現在、優先評価化学物質二百一物質のうち、動植物への影響の観点からですと百十四物質を指定しておりまして、評価を行っているところであります。リスクが懸念されれば、第二種特定化学物質に指定されることとなっています。  こうした措置によりまして、化学物質による環境汚染の未然防止がより確実に行われるようになったと考えております。
  15. 大畠章宏

    ○大畠委員 ただいま環境省から、動植物への影響を考慮した対策をとった、こういうお話がありましたが、実は二年ほど前のある番組で、「海に漂う“見えないゴミ”~マイクロプラスチックの脅威~」、こういう番組が報道されました。私もちょうど二年前にこれを見たわけですが、こういう脅威もあるのかということで驚いたわけであります。  このことについて環境省にお伺いしますけれども、いわゆる海中のマイクロプラスチック、海に出てしまったプラスチック製品が波にもまれまして微細化して、五ミリ以下のプラスチックが世界には大体千三百万トン漂っているんじゃないか、こういうふうに言われているわけでありますが、このマイクロプラスチックの影響等についてはどういうふうに環境省として捉えているのか、お伺いしたいと思います。
  16. 早水輝好

    ○早水政府参考人 お答えします。  今御指摘のマイクロプラスチックでございますけれども、海洋中で先ほども出ましたPCBなどの有害化学物質を吸着するという性質がありまして、これを海洋生物が捕食する、食べる、それによりまして、食物連鎖を通じて海洋生物や生態系に影響を及ぼすということが懸念をされているということでございます。  近年では、これはやはり地球規模の課題だということで、G7などでも対策の必要性が確認されております。  これに対する対策として、環境省の方でつけ加えて申し上げますと、環境省では、マイクロプラスチックを含む海洋ごみについてのまず実態把握のための調査を実施しておりますし、そのほか、その発生抑制のために、廃棄物の適正処理等の推進によりますプラスチックごみの流入防止、それから、自治体に対する財政支援などによります、マイクロ化する、今の分解する前の海洋中のプラスチックごみの回収を促進しております。  また、これは国際的な問題だということで、アジアを含む国際的な海洋ごみの発生抑制に向けて、例えばですが、マイクロプラスチックの調査手法の国際的な標準化に取り組みますとともに、中国、東南アジアも参加するG20あるいはAPECなどを通じて、積極的に海洋ごみ対策が促進されるよう働きかけている、こういう状況でございます。
  17. 大畠章宏

    ○大畠委員 このプラスチックの影響は私も余り知らなかったわけですが、単なるプラスチックの破片というだけじゃなくて、そのプラスチックそのものが海の中の有害物質を吸着させるという特徴を持っていて、これがいろいろ懸念される、こういうお話でございます。  これからも環境省としてぜひ監視をいただいて、できるだけプラスチック社会から、リサイクルできるような、プラスチックも最近リサイクルのサイクルに入ってきましたけれども、できるだけそういうものじゃない形に転換することが必要じゃないかと私も常に考えておりますので、また調査をし、対策をお願いしたいと思います。  それからもう一つ、これも私知らなかったんですけれども、洗剤等に入っている、化粧品等にも入っている、入っていたというんですか、去年の三月にはもう既に使用は自主規制されたということを聞いていますが、マイクロビーズの問題、直径が〇・一ミリというんですね。これも下水処理でおおよそ取ることはできるんですが、それが海に出てしまって、それが同じように有害物質を吸着し、いろいろ生態系にも悪影響を与えているんじゃないかという指摘がされております。  この課題について環境省はどういうふうに捉えているのか、お伺いしたいと思います。
  18. 早水輝好

    ○早水政府参考人 お答えします。  今先生御指摘のとおり、マイクロプラスチックは二種類ございまして、最初に御指摘のありました、大きなプラスチックが分解してできる二次的なマイクロプラスチックと、最初から小さいサイズで製造、使用される一次マイクロプラスチック、これをマイクロビーズと呼びますけれども、この問題がございます。  これも今御指摘のあったとおり、下水と一緒に、十分処理されずに排水管を流れて海洋に出てしまう。そうしますと、やはり先ほど申し上げたとおり、食物連鎖を通じて海洋生物に影響を及ぼす、あるいは生態系に影響を及ぼすということが懸念されておるということでございます。  環境省では、このマイクロビーズを含むマイクロプラスチックの実態を把握するということが重要ということで、東京湾、伊勢湾などの沿岸海域、あるいは本州、四国、九州周辺の海域におきまして、海水中のマイクロビーズを含むマイクロプラスチックの分布状況を調査しております。また、このマイクロプラスチックに含有、吸着されておりますPCBなどの有害物質についても分析を行っております。  環境省としましては、引き続き、マイクロビーズを含みますマイクロプラスチックによる海洋汚染の実態把握のための調査を推進してまいります。
  19. 大畠章宏

    ○大畠委員 いろいろプラスチックも有効なんですよ。非常に利便性もありますし、軽いというのがあるんですが、しかし、いろいろなことを考えると、できるだけ従来のガラス瓶とかガラス容器がいいんですけれども、ただ、これは重いということで、ペットボトルから瓶にかえたらどうかと私も随分、もう二十年ぐらい前からこれはやってきたんですが、高齢化社会になって、購入してもそれを運ぶのが重いというので、どうしてもプラスチック容器のものを購入してしまうという傾向もあるようであります。  さてそこで、経済産業省と環境省に一問ずつお伺いしますが、このプラスチックにかわる何か有効な材料の開発というのができないか。分解性プラスチックと言われていますけれども、これについては経済産業省、それから、平成十二年六月には循環型社会形成推進基本法というのが制定されたわけでありますが、循環型社会への転換の現状について、二問、それぞれお伺いしたいと思います。
  20. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、マイクロプラスチック問題に対処するためには、プラスチックの環境への排出をいかに減らしていくかということも大変重要かと思っております。  プラスチック業界では、まず、当省とも協力しまして、プラスチック製品を加工する際に使用する小さな樹脂の原料、いわゆる樹脂ペレットが製造工程から環境へ排出しないように、漏出防止のためのマニュアルを整備して会員各社に対し啓発活動を行っているとともに、各社では、工場の排水溝に非常に目の細かい金網を設置するといったこんな取り組みも進めております。  御指摘の代替技術についてでございますけれども、自然界で水と二酸化炭素に分解される生分解プラスチック、これは非常に有効な手段の一つかと思います。これが開発されておりまして、日本製品のすぐれた生分解機能を正しく評価するための評価手法について、経済産業省としても、国際標準化を支援するなどの社会実装を進めてきたところでございます。  ただ、確かにコストが高いといったような課題がございまして、実際にはまだまだ普及はこれからということかと思っております。  このような中で、近年、バイオテクノロジーの技術が大変革新しておりまして、生分解プラスチックを含めた、環境負荷が少ない革新的なバイオ素材を効率的に創出することが可能になってきているかと思っておりまして、具体的には、生物の物質生産機能を遺伝子レベルで解析、設計して最適利用することが可能になってきておりますので、経済産業省では、こういったことの技術基盤の整備に取り組んでおるところでございます。  引き続き、マイクロプラスチック問題の解決に資するような、こういった技術基盤の整備に取り組んでまいりたいと考えてございます。
  21. 室石泰弘

    ○室石政府参考人 後半の方についてお答えをいたします。  平成十二年に制定されました循環型社会形成推進基本法に基づきまして、発生抑制であるリデュース、使い終わったものを繰り返し利用するリユース、再使用できないものを再資源化するリサイクルの順番で、循環型社会の形成に向けた施策を進めておるところでございます。  御指摘になりましたプラスチックにつきましては、容器包装リサイクル法に基づきまして、プラスチック製容器包装のリデュース、リユース、リサイクルに取り組んでおるところでございます。  循環型社会形成推進基本計画におきましては三つの指標がございまして、どれだけ大きな豊かさを生み出しているかということをあらわす資源生産性、資源のうちどれだけ循環利用された資源が投入されているかをあらわす循環利用率、それから、埋立量をあらわします最終処分量の三つの指標を定めております。  このうち最終処分量につきましては、十二年度から平成二十六年度までに約七四%の削減を達成しまして、目標も達成しておるところでございます。一方、資源生産性と循環利用率につきましては、平成十二年度から約十年間は大幅な改善が見られましたが、近年は横ばい傾向でございます。  このような現状を踏まえまして、現在、循環型社会形成推進基本計画の見直しを進めておるところでございます。循環型社会の形成の推進に向けまして、さらなる対策を進めてまいりたいと思っております。
  22. 大畠章宏

    ○大畠委員 北神理事から、少し早目に終わるように、こういう要請も受けておりますので、最後の質問にします。  実は、先日、この法律案とはちょっと異なる質問ですが、ランサムウエアという大規模サイバー攻撃がございました。今回の件は、個人がやっているというよりも、もう何か組織的にやっているんじゃないかというような話でございますが、民間企業も影響を受けましたけれども、もしもこれが、重要インフラ、電力ですとかそういうところに攻撃をしかけられますと、国民生活に大変な被害を受けるわけでありまして、そういう意味からすると、この問題に対して一番の民間企業の親分である経済産業省としては、どういう対策といいますか対処をしておられるのか、大臣にこの件についてお伺いして私の質問を終わります。
  23. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 先日のランサムウエアは、最初、ヨーロッパで大きな被害が出たときに日本はまだそんなに広がりがなかったんです。これはたまたま日曜日だったから、会社が開いていなくてパソコンが立ち上がっていないんじゃないかという話もありましたので、私の方から、IPA、情報処理推進機構、独立行政法人に指示をして、各企業にきちっと連絡をしろ、業界に連絡をしろと。さらに、日曜日ですけれども記者会見を開いて、国民に対しても、月曜日、パソコンをあけるときに気をつけてくれという注意喚起をきちっとやろうということをやりました。  その結果、明けて月曜日、日本ではそんなに、一部被害が出ましたけれども、大きな被害は出なかったというふうに思っていますが、やはりもうサイバーセキュリティーは、今後はもう少し、特に重要インフラが襲われた場合は大変な打撃を受けることになりますから、きちっと警戒感を持っていかなければいけない。特に経営者が、これはもう人に任せるんじゃなくて、我が事としてしっかり意識をしていただいて、そして、人材育成とかあるいはソフトウエアとか、そういったところにきちっとした投資を行っていただくということが非常に重要だと思いますし、経産省は、IPAに産業サイバーセキュリティセンターというのをつくって、ここで人材育成というのをきちっと行っていくということも始めていますので、よく企業と連携をして取り組んでまいりたいと思っております。
  24. 大畠章宏

    ○大畠委員 これで終わりますが、ぜひ循環型社会を前進させてもらいたいということと、先日、党としてこのサイバーセキュリティーの問題についての対策会議をやったんですが、まだまだ政府の方も、内閣府、警察庁とか経産省とか、ちょっとばらばらなような感じがしますので、集中的にこれは対策を強化するということを大臣に要請して、終わります。  ありがとうございました。
  25. 浮島智子

    ○浮島委員長 次に、鈴木義弘君。
  26. 鈴木義弘

    ○鈴木(義)委員 おはようございます。民進党の鈴木義弘です。  きょうは鬼のような人がいらっしゃらなかったので、仏の鈴木と言わないようにしてスタートしたいと思います。  先ほど先輩からもいろいろお話があったんですけれども、例えば、具体名を出しちゃうと怒られちゃうんですけれども、ビールを飲んだときに、Aビールさんというのは昔ながらの大きさの瓶なんです。Kビールさんがやっているのが、きらきらきらっと少し細長いんですよ。中身の容量は、六百三十三ミリリットル入っていますので両方中身は一緒なんですけれども、そのKビールさんが使っている容器というのは、プラスチックがガラスの中に内包されていて、重量が一五%ぐらい低い瓶なんです。だから、外見に見るときらきらきらきら見えるんですけれども、それは物流コストを下げる意味で容器を変えたというのがあって、それだけプラスチックというのは、私たちの生活を豊かにする、経済活動を活発にするために行ってきた部分もあったんだと思います。  昭和三十年から四十年代にかけては公害事件が多発した時代だったと思います。その中で、化審法が制定された昭和四十八年からこの法律がスタートしているんですけれども、約四十五年ぐらいたっていますけれども、では、今、この化審法で言われているような長期毒性や生活環境、生態系への影響、これがどのぐらいこの四十五年間で出てきたのか、簡略で結構ですからお答えいただきたいと思います。
  27. 比嘉奈津美

    ○比嘉大臣政務官 どれぐらいの数値かはちょっと事務方にお答えしていただきますが、環境省では、昭和四十八年の化審法制定時の附帯決議を踏まえ、環境リスクが懸念される化学物質について、一般環境中の残留状況を把握する目的として、化学物質環境実態調査を実施しております。  平成二十七年度までの約四十年間で約千三百の物質について調査を実施しております。得られたデータは、各種化学物質に関する施策に活用されております。  例えば、調査で明らかになった環境中の化学物質残留状況も踏まえて、化審法における第二種特定化学物質の指定のための評価や化学物質排出管理促進法の対象物質の指定を行い、環境影響の防止を図るための措置を講じております。
  28. 鈴木義弘

    ○鈴木(義)委員 そういうことをお尋ねしているんじゃなくて、自然界にどれだけの影響があったのかというのを数値で示してもらえないかということなんですよ。河川であったり湖沼であったり、海でもそうです、山でもそうです。では、畑や、そういったところの土壌がどれだけ悪くなったのか、そこに化学物質が蓄積しちゃっているのか、余り変わらなかったのか。大気中もそうですよ。  その辺の四十年間の数値がもしあるんだったら、悪くなったのか、よくなったのか、普通だったのか、わからないのか。それをちょっと簡潔にお答えいただきたいと思います。
  29. 梅田珠実

    ○梅田政府参考人 お答えいたします。  これまで四十年間、環境中の、環境リスクが懸念される化学物質の残留状況を把握する化学物質環境実態調査を実施しておりまして、これは今傾向として改善しているということで、この数値を参考にさまざまな対策が、例えば企業の方でも自主的にとられたり、あるいは我々も、このようなデータを公開していることによって、さまざまな目が行き届いてきているというふうに思っております。  また、先ほど政務官から話がありましたように、調査で明らかになった残留状況を踏まえた取り組みとして、化審法における第二種特定化学物質指定のための評価、それから、化学物質排出管理促進法の対象物質の指定というようなことを行っております。  具体的には、第二種特定化学物質の指定に至るほど相当広範囲な地域でリスク、懸念が認められているというような事例はございませんが、一方で、化学物質排出管理促進法の対象物質の指定に当たって、このデータを参考にして、事業者によって環境の保全上の支障を未然に防止するために排出量の把握、管理に関する情報を報告するという取り組みは、幾つかの物質について指定を行って、実際にそれが制度として運用されているという状況にございます。
  30. 鈴木義弘

    ○鈴木(義)委員 なぜ前段でこの話をお尋ねするかというのは、この法律をつくったときの時代背景と今の時代背景があると思うんです。大気汚染防止法だとか水濁法もそうです。いろいろな環境にかかわる規制をかけるということは、産業活動は少し抑制したとしても、私たちの健康を保持するとか、自然の環境を改善するとか保持をするという目的があるから規制をかけるのであって、それがデータ化していないのにもかかわらず、今度は第一種です、第二種です、何かまた違う懸念があるから規制をかけますというのは、ちょっとどうなのかなという考え方に基づくんです。  だから、そこのところがわかってなくて、環境省の方のお立場で何でも厳しく厳しくすれば、では私たちがハッピーエンドになるのかといったら、やはり、物をつくって外に売っていく、私たちも使って生活をしていく、だから冒頭申し上げたように、物量を、少しでもコストを安くするために瓶メーカーさんが考えたように、ガラスの中にプラスチックを入れてコストを下げて、それで少しでも物流コストを下げることによって、利益を上げて社会に還元していくという考え方があるわけですから、それもだめだということになれば、それはもうもとの瓶に、だから先輩とちょっと考え方が逆になってしまって申しわけないんですけれども、そういうものが前提にあるということです。  では、日本が今までやってきた評価、リスク評価だとかスクリーニング評価とかというんですけれども、日本と外国の評価の基準が統一されているのか、全然違うのか。そういったものが世界的に統一すれば全ていいわけじゃないんでしょうけれども、まずその辺のところをお尋ねしたいと思います、その評価方法について。  それともう一つ、化学物質が環境に及ぼす環境調査を、十八年前はダイオキシンであれだけ騒いだんです。ダイオキシンも含めてどれだけの物質の評価が終了しているのか、そこのところをお示しをいただきたいと思います。大丈夫かな。
  31. 梅田珠実

    ○梅田政府参考人 お答えいたします。  まず、済みません、先ほどの御質問でちょっとお答えが言葉足らずだったところを補わせていただければと思います。  化学物質環境実態調査で、昭和四十九年度から平成二十七年度までの四十二年間で千三百三十三物質について調査を実施し、うち七百五十七物質が、いずれかの媒体、水質、底質、生物、大気等で検出されているということですが、これによって、このようなデータをもとに改善が図られてきているというような状況がございます。  それから、今の御質問で、化学物質の評価方法、諸外国と比較してどうなのかということでございます。  化審法では、化学物質の有害性と人や動植物への暴露量によってリスク評価を行っておりまして、これは、海外の化学物質管理制度である、例えば、ヨーロッパにおけるREACHという規則であったり、あるいは米国の有害物質規制法、TSCAと同様の手法でございます。  有害性情報につきましては、毒性試験の方法が国際的に共通化されておりますので、我が国においても、こうした諸外国の情報を収集、活用しております。  暴露情報につきましては、国によりまして、国土の状況や人口分布、化学物質の使用・排出量等、前提となるさまざまな状況が異なりますので、我が国の実情に合わせて開発した手法を活用して評価しているという現状にございます。
  32. 鈴木義弘

    ○鈴木(義)委員 簡潔な答弁で結構ですから。  もう一つ、環境ホルモンで、このときダイオキシンで騒いだときに、雌化するという話があって、それもポリスチレンのダイマー、トリマーという物質だったんです。これを評価は終了したのか。また、その他の環境ホルモン調査というふうに言われている、いろいろな懸念材料があったと思うんですけれども、先ほどのあの、千幾つ評価しているんですと言うんですけれども、あれだけ環境ホルモンに作用される化学物質がいっぱいあるんだと言われたんですけれども、それの調査の結果は出ているのかどうか、教えてもらいたいと思います。
  33. 梅田珠実

    ○梅田政府参考人 お答えいたします。環境ホルモンということの御指摘でございます。  例えばスチレンダイマー及びスチレントリマーというものがございます。これは、平成十年に当時の環境庁が策定した環境ホルモン戦略計画SPEED98の中で、当初、疑われる化学物質のリストに掲載されておりました。しかしながら、その後収集された知見を踏まえまして、平成十二年に、リスクを算定する必要性はないと専門家により判断されております。そのような新たな知見をもとに判断を加え続けているというところでございます。  環境省では、その後、生物への影響を中心に、「化学物質の内分泌かく乱作用に関する今後の対応」、EXTENDという報告書でございますが、これを取りまとめまして、内分泌攪乱作用を有する化学物質、いわゆる環境ホルモンが環境中の生物に与える影響を評価するための枠組みを構築し、そのもとで知見の収集や試験を進めております。  現在、このEXTENDの評価検討対象として百五十七物質を選定し、順次評価を進めております。これまでに、第一段階の試験としまして、細胞を用いた試験を四十九物質、魚類を用いた試験を十二物質を対象に実施しております。また、これは継続して行っているところでございまして、引き続き調査を継続し、リスク評価等の取り組みを進めてまいりたいと考えております。
  34. 鈴木義弘

    ○鈴木(義)委員 ありがとうございました。  ちょうど十八年前にダイオキシンで騒いだときに、塩素が入っているプラスチックがダイオキシンを形成するという話で大騒ぎになったんです。  当時、私たちの生活のもう本当の必需品になっていた、商品名を言っちゃうとよくないんですけれども、サランラップがあったと思うんです。それを容器の上にかけて、冷蔵庫にも入れるし冷凍庫にも入れるし、出してきてチンと電子レンジでやっても、切れないんです。  それで、メーカーは何をやったかといったら、あれは塩ビでできているんですよ、もとはたしか。間違っていなければです。それを、塩素が入らないプラスチックで代替しようと思って一生懸命研究開発したんですけれども、あれと同じような効能が出てこない。  それと同じように、私たちの生活の、特に建築資材のベースになっている塩化ビニール、塩ビ塩ビと言われているものが、今は日本の製造がどんどん落ちてきています。でも、世界的な需要はどんどん上がっているんですけれども、塩ビを使って、焼却するとダイオキシンが出るからといって、日本はなるべく塩ビをつくらない方向に来ちゃった。それを海外でつくって売っているだけの話で、海外の需要は、塩ビはまだどんどん右肩上がりで伸びていっているのに、日本では生産を落としているんです。  だから、一度環境で大騒ぎしてしまうと、なかなかメーカーさんは、違うよというふうに環境省が出したとしても、やはり一歩、二歩、三歩進んで、やらなくなっちゃうんです。  だから、そこのところを、疑わしいと言っただけでもうメーカーがつくらなくなると、それを海外でつくるしかなくなってしまうというのが現実の問題としてあるというのだけお含みおきいただければなと思います。  次に、スクリーニング評価の排出係数とリスク評価、データをいただきますと、これが三倍の格差があるんです。ライフサイクルステージごとの幾何平均値を合計して算出しているためで、同じ用途分類でも、本来の数値と大きく異なってしまっている。  この係数の考え方をいま一度検証したことがあるのかどうか。それを一度お尋ねしたいと思います。
  35. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 お答えいたします。  今御指摘のとおり、リスク評価用排出係数と、それからスクリーニング評価用排出係数というのがございまして、リスク用の評価係数というのは、第二種の指定をする際にその評価の過程で用いるものでありますので、これは規制の対象ということで、製造・輸入量の制限の可能性があるために、非常に慎重に行う必要があるので、精緻な暴露量の推計ということを行って、細かい用途別の数字を求めているところでございます。  御指摘のとおり、スクリーニング用については、一次スクリーニング評価を行うということなので、これは大体どれぐらい排出される可能性があるかということを見るということで大まかな数値をつくっておるものでございまして、あのEUのデータあるいはPRTRの排出データ、こういったものをもとに、専門家の皆さんにお諮りしてこの数字をつくっているということでございます。  同じ排出係数という名前でありましても、この二つの数字がありまして少し異なるということなんですけれども、その使い方の違いによって、細かい数字を使う場合と大くくりの数字を使う場合ということがございますので、そういった分類があるということを御理解いただければと思います。  また、数字については、PRTRのデータ、あるいは専門家との議論をしながら、必要に応じて見直しをしていく、そういったものだと理解してございます。
  36. 鈴木義弘

    ○鈴木(義)委員 ありがとうございます。今後も、データに基づいた見直しをぜひお願いしたいと思います。  時間が大分押してきていますので、三つぐらいまとめて質問したいと思います。  既存化学物質の中に、毒性が非常に強いという言葉を使うんです。これは、どのような定義に基づいて毒性が強いというふうに言うのか。  それとあと、リスク評価用の排出係数の最大値を念頭に置いた、安全側という言葉を使うんですね。安全側というふうに言われても、実際に、用途情報に基づいた環境排出量の実態と当該化学物質の特性を踏まえて検討すべきじゃないかというふうに指摘する人もいるんです。これで、少量とか低生産量と一般化学物質の排出係数の定数が同一でいいのかという考え方です。  それともう一つ、いつまでも、少量新規、低生産量新規、それぞれの特例制度の特徴に応じて、これも安全側に立った排出係数の設定、運用についてというような形で、安全側に立つということの科学的根拠がきちっと確立されているのかどうか。  この三点を一括でお尋ねしたいと思います。簡潔にお答えいただければと思います。
  37. 大串正樹

    ○大串大臣政務官 三点のうち一点目の、御質問ありました毒性についてお答えいたします。  化審法は、御承知のとおり、毒物及び劇物取締法、毒劇法のような、短期間で発現する急性毒性を規制するものではなく、人や動植物への長期毒性を有する化学物質による環境汚染を防止するため、事業者に対して、化学物質の製造、輸入、使用について規制する法律であります。  そういう意味では、化審法が規制いたします化学物質に関しましては、御承知のとおり、第一種、第二種とございまして、難分解かつ高蓄積性のあるもの、人の健康または高次捕食動物への長期毒性を有する第一種と、人の健康または生活環境動植物への長期毒性を有するもので、環境中に相当程度残留している第二種、これらの指定がありまして、これについて、厚生労働省、経済産業省、環境省の三省合同審議会で専門家の御意見を踏まえることとしております。
  38. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 二点目と三点目についてお答えいたします。  リスク評価の排出係数は幅がありまして、大きいのと小さいのがありまして、実は、用途が小さいものを示すものについて最大値を適用するということは、これは少し不合理ではないかなということも思っておりまして、必ずしも最大値にこだわるべきではないので、それぞれの用途ごとに詳細の用途、使用形態をしっかり検討して、これから使う排出係数については改めて検討していきたいと思っております。  その際に、業界団体等へのヒアリングなどをしっかり行って検証を行った上で、用途の分類をさらに整理をし直して、さらには、環境省、厚労省さんの意見、あるいは専門家の意見を伺いながら設定していきたいと思っております。  それから、安全側に立ったということはどういうことかという御質問かと思いますけれども、実は特例制度に応じた排出係数については、今申し上げたとおり、これからつくるということでございまして、ただ、これまでのところ、特例制度に特に特徴的な用途があるとは認識しておりませんので、まずは、今までの知見に基づいて安全側に立った排出係数を設定して運用させていただきまして、そして、運用していく中で特例制度に特有な用途のばらつきなどが確認された場合には、これはその知見に基づいて排出係数を見直していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
  39. 鈴木義弘

    ○鈴木(義)委員 ぜひその排出係数の見直しをするときに、先ほど冒頭御質問申し上げた、環境にどれだけの負荷がかかっているのかというのを、モニタリングしたところをやはりベースに考えなくちゃいけないと思うんです。ただ専門家の方はこの場だけを考えておやりになるから、でも、国全体としての考え方はこうあるべきだと思うんです。それのベースになるのは、環境の負荷がどのぐらい悪くなったのか、改善されたのかというところをやはり入れて考えてもらいたいなと思います。  大臣に幾つか考え方をお聞かせいただきたいと思います。時間がないので、続けてまた御質問いたします。  例えば、化審法では、一%以上の不純物が含まれる場合、その特定と、それが新規化学物質であった場合は届け出が求められる。当該不純物単独、あるいは、他の化学物質と当該不純物との混合物としての評価が必要になります。欧米ではこの不純物の評価を求めていない。  分解生成物の取り扱いについては、化審法では特定が求められていて、一%以上生成している場合は、その評価も必要となっているんです。米国では分解生成物の特定は不要となっている。日本では、分解生成物をやりなさいというふうにまず第一番目でやっているわけです。欧州では、年間百トンの製造・輸入数量を超えない化学物質から生成する分解生成物については、その特定すら求められていない。国によってばらばらだということを申し上げたいんです。  これで人の健康や生態系に対する安全性の確保を前提とするのは誰も異論を挟むところはないんですけれども、欧米と類似評価の方法が求められているにもかかわらず、日本が採用している制度の科学的な根拠がきちっと確立されているのか、お尋ねしたいと思います。  それともう一点、高分子化合物、俗に言うポリマーです。日本は、これは原則届け出対象になっています。欧州は、ポリマーそのものが登録対象になっておらず、米国ではポリマーを登録対象にしているんですけれども、既存化学物質として収載されていないモノマーのウエートパーセントが二%以下など、一定基準を満たすことで、国に報告することをもって届け出を免除している。対応がばらばらなんです。  ですから、基準の厳しい日本で物をつくるよりは海外でつくった方がいいという結果になって、結局、素材メーカーさんは、国内でとどまるよりは、海外で製造して、そこから日本に戻すか、そこからまた加工して商品として売っていくか、こういう道を選択するのは自明の理だと思うんです。  その辺の対応をどういうふうに今後考えていくのか、大臣にお尋ねしたいと思います。
  40. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 まず、不純物の制度の違いについて申し上げます。  化審法においては、新規化学物質として申請される物質の中に別の新規物質が不純物として含まれていた場合に、その不純物についての安全性評価を求めているところであります。  具体的には、一%以上の不純物については、原則として別の物質であるとみなして、その物質が新規化学物質である場合は、安全評価を行って届け出ることを求めているわけであります。  ただし、安全評価については、主成分と一緒に試験を行うことも可能というふうになっています。  これに対して欧米では、基本的に、不純物についてはそもそも評価の対象としなくてよいということになっているわけであります。  次に、ある新規化学物質が分解して生成された物質、すなわち分解生成物の取り扱いについても、日本と欧米では制度上の違いがあります。  具体的には、化審法では、分解生成物がもとの新規化学物質と比較して一%以上生成している場合は、別の物質としての評価が必要になります。  一方、米国では、分解生成物が何であるかの特定は必須ではなくて、情報がある場合に提出を求めているのみという形になっています。  また、欧州でも、製造・輸入量が百トン未満の新規化学物質の場合は、そもそも特定が不要となっています。さらに、百トン以上であっても、生成した分解生成物の割合が一〇%未満であれば、特定が不要となっています。  このように、我が国の不純物及び分解生成物に関する基準は、欧米と異なって、かつ厳しい措置となっています。これは、不純物としての新規化学物質や分解生成物に、例えば第一種特定化学物質相当の物質が含まれていないことを確認するためということになっています。  そして、こうした厳しい措置によって、これまで、不純物や分解生成物によって安全性に懸念を生じた事例が生じていないという効果も出ているわけであります。  一方で、試験にかかる事業者の負担の軽減も重要でありますから、制度の合理化の検討も進めておりまして、例えば一%以上の分解生成物が生成する場合であっても、最終的には消失すると考えられる物質については、その後の評価を不要とするなど、負担の少ない制度への変更を考えております。  また、ポリマーについてでありますが、化審法では、原則、その単量体、すなわちモノマーとは別の物質として届け出なければならないことになっています。  ただし、高分子化合物は、一般的に人体を含む生体に吸収されにくいものが多いため、化審法では、物理化学的な安定性等を確認するための、より簡易な試験のみとすることができる制度としています。  また、審査済みのポリマーと、同じく審査済みのモノマーと化学反応させて得られた物質等についても、一定の条件のもとで、新規化学物質としての届け出を不要としています。  それでもなお海外においてはポリマーはそもそも登録の対象になっていないなど、日本に比べて規制が緩い面があります。  こうした状況を踏まえて経産省では、環境汚染の防止を前提としながら、より事業者に負担の少ない方法を検討しております。  昨年度までに、ポリマーに求める試験のさらなる簡素化や、新規化学物質として取り扱わないポリマーの範囲の拡大について一定の成果を得たところでありまして、今後、審議会への報告やパブコメ等必要な手続を行って、平成二十九年度中に運用改善をしたいと思っております。
  41. 鈴木義弘

    ○鈴木(義)委員 ありがとうございます。  続いて、新規化学物質の名称の公表についてなんです。  現行法では、五年経過後に全ての化学物質について、原則、化学構造が特定できる名称が公示され、他の事業者による製造、輸入が可能になってしまう。これは営業秘密にかかわるものだということです。それが、公示期間が画一的、五年たてば全部オープンにしちゃうということです。届け出事業者のニーズを少し踏まえた運用が求められるんじゃないかというふうに指摘されているんです。  また、名称から推定される化学構造は、今も申し上げたように、営業秘密に該当したり、欧州では、新規化学物質の名称をマスキングして製造、輸入することが認められているんです。ここも日本はおくれている。  だから、新しい新規物質をつくって、それを量産化していっていろいろな国に売っていきましょうといったり向こうから輸入をするといったときに、名称がわかってしまうこと自体で構造がわかってしまう。これもやはり少し運用の改善を考えた方がいいんじゃないかということです。  それともう一つ、国が用途情報を厳密に把握していくというふうになっているんですけれども、実際に用途情報を持っているのは、製造・輸入者自身ではなくて、川下にいる、それを加工する顧客さんなんです。また、一次加工するだけじゃなくて、二次、三次というふうに、川下にいる加工者、製造業者が実際はそれを使っていくんですけれども、用途情報を得て、先ほど御答弁をいただいたように、排出係数を変えていくんですよというふうにいったときに、この用途情報を開示してもらうのは至難のわざなんです。  なぜ至難のわざかといったときに、用途情報そのものが技術や営業情報にかかわるもので、本来、知的財産や不正競争防止法等の懸案として保護されるべきものだというふうに言われているんです。単に、尋ねたから情報を開示してください、何に使ったんですかというふうに単純なものじゃないということなんです。  それを、情報を集めて、どれだけの影響評価にデータとして取り入れていくのかといったときに、今の化審法の制度では、それを情報として上げられるような担保がない。それと、インセンティブが働くような法体系になっていないんです。  そこのところをどう考えるか、大臣にお尋ねしたいと思います。
  42. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 化審法の新規化学物質に係る事前審査制度では、事業者は、分解性、蓄積性及び毒性に関するデータをみずから入手をして国に提出することが求められています。事業者がこの試験をやるに当たっては、一物質当たり、一年半から二年の時間と三千万円のコストがかかるということであります。  仮に、この名称、名称を公表ということはもう化学物質の情報が出るということですが、その前に、同一の新規化学物質を開発した他の事業者が届け出を行う場合は、試験を重複して実施することになるために、このような社会的コストを避けるには、名称を遅滞なく公示することが望ましいわけであります。  しかし、一方で、試験費用を負担した届け出者と負担をしない後発者の公平性の観点からは、名称を一定期間公示しないことにより、開発者の利益が回収できるようにする必要があります。  そこで、化審法では、このような届け出事業者の利益と後発事業者の利益のバランスを勘案して、名称公示まで五年という期間を設けているわけであります。  五年が過ぎたとしても、特許を取得することなどによって、開発者の利益を保護することは可能となっているわけであります。  また、審査特例制度について、全国数量の上限を製造・輸入量から環境排出量に変更するに当たっては、用途情報の重要性が増してきますので、この用途情報の追加情報を事業者から求めることとしております。  具体的には、化学物質の提供先の川下事業者と交わした売買契約書のコピーなどを、用途情報を把握するため提出いただくことなどを検討していますが、この用途情報は、電気・電子材料ですとか芳香剤、消臭剤といった、割とばくっとした、五十種類ぐらいの用途ということを考えておりますので、機微情報に当たるような詳細な情報を求めることは考えておりません。  国が正確な用途情報を把握することによって、数量調整を減少させることができるという事業者のメリットもあるわけですから、そういう法の改正の趣旨について、川下事業者も含めて理解を求めてまいりたいと思います。
  43. 鈴木義弘

    ○鈴木(義)委員 今、時代は、特許を取らないんですよ、特に素材については。二十年しか保護してくれないんだから、その先ずっと使い続けるにはどうすればいいかといったときに、素材の特許を出さないということは御理解いただきたいんです。  だから、その辺も全般的に考えた中での制度改正をしていただかないと、日本の知的財産の流出につながっていくんじゃないかと思いますので、ぜひお願いしたいと思います。  終わります。
  44. 浮島智子

    ○浮島委員長 次に、小倉將信君。
  45. 小倉將信

    ○小倉委員 自由民主党の小倉將信です。  本日は質問の機会を頂戴いたしまして、どうもありがとうございます。  化審法の質問に入る前に、前回の委員会で維新の木下委員が触れていらっしゃいました次官・若手プロジェクトについて私も簡単に触れさせていただきたいと思います。  私も、この次官・若手プロジェクトを拝見させていただいて、非常によくできているなと思います。こういった官公庁の公表物にしては珍しく、今風の表現で言えばバズってると言うんですかね、インターネット上で非常に議論が喚起をされています。もちろん賛否両論あるのは承知しておりますけれども、霞が関の官僚の政策立案能力あるいは発信能力が衰えているというふうな指摘もある中で、やはり、霞が関というのは我が国の超一流のシンクタンクなんだなということを思わせるのに十分なできばえだったというふうに思っております。  経済産業省は談論風発を旨としている省庁だと思っております。公表していないまでも、こういった若手を巻き込んだプロジェクトを数々やられていると思いますので、ぜひ出し惜しみをせずにどんどん世にあらわしていっていただきたいなと思います。  また、これも維新の木下委員が指摘をされていましたけれども、やはり実行に移すということが重要だと思います。これは産構審の資料ということではありますけれども、このプロジェクトの末語に書かれていたように、二〇二五年、団塊の世代が後期高齢者、七十五歳以上になるまであと数年しかない、もう既に猶予が数年しか残されていない中で、二度目の見逃し三振は許されない。かなり切迫感のある表現で結んでおります。  ですから、経産省が、ここで書かれていることを、言いっ放しになるだけではなくて、ぜひできるところから、できる限り早く実行に移していただきたいなと思いますし、それに際しては、せっかくこういう優秀な若手官僚がいるわけですから、こういったことを実行に移すに当たっても、若手官僚、多分、二十代、三十代ですから、大体補佐までの方々がやられていたプロジェクトだと思いますけれども、こういった若手を中心に政策を実行に移せるような体制を、これは高木副大臣のリーダーシップのもとで、政治のリーダーシップでやっていただきたいなということを申し上げたいというふうに思います。  エールを送らせていただいて、化審法の審議に移らせていただきます。  この化審法の改正のポイントは、大きく分けて二つあると思います。  一つは、特定新規化学物質、特定一般化学物質という概念を導入いたしまして、この物質に関して事業者に対する報告義務等を課すということであります。これは、これまで行政指導等で行われてきた部分を法に明記するわけですから、ある種、規制強化の法改正だと思います。  二点目は、審査特例制度におけます規制の合理化というふうに表現をされていると思います。これについては、見方によっては規制緩和とも捉えられるとは思いますけれども、ここであえて規制の合理化というふうに称している意味を、これは法の趣旨から考えて非常に重要なポイントだと思いますので、改めて副大臣にお伺いをしたいというふうに思います。
  46. 高木陽介

    ○高木副大臣 今回の化審法の改正におきましては、健康や生態に影響を与えないという規制の趣旨を変えることなく、事業者の予見可能性を高めて機会の損失を減らすことを目指すものでございまして、具体的には、事業者が新規化学物質を少量製造・輸入する場合には審査を簡素化する特例制度について、化学物質を製造、輸入する量ではなくて、環境に排出される量に着目をする見直しを行ってまいります。  その際、特例制度による、事業者が安全性データの提出が不要となっている場合の上限値は、引き続き、全国合計で一トンとすることが前提となっておりまして、これはすなわち、環境汚染の防止のための規制は緩和されておらず、これまでどおりの安全性が確保されております。  その上で、最新の知見を取り入れた、より合理的な化学物質の審査制度への転換をすることで、事業者の予見可能性を高め、事業機会を失うことを少なくするということでございます。  このようなことから、規制の緩和ではなく、規制の合理化という説明がふさわしいと認識をしておりますので、引き続き、環境汚染の防止を前提としつつ、イノベーションの促進にも貢献できるように全力で尽くしてまいりたいと思います。
  47. 小倉將信

    ○小倉委員 どうもありがとうございました。  世界で最も厳しい我が国の環境、健康基準を維持しながらも、一方で、我が国の化学産業のイノベーションを振興していくということだと私も理解をしております。その両輪を失わないような運用が重要になるんじゃないかなというふうに思いますし、この観点から、細かい点ではありますけれども、引き続き質問させていただきたいと思います。  まず、環境、健康面への配慮の観点から、今回導入されます環境排出の設定というのが非常に重要になるわけであります。  これについては、現在のところ、製造、調合、使用段階におけます環境排出量については考慮をするということでありますけれども、製品が廃棄された段階での環境排出量はいまだ検討中である、このように伺っております。  ただ、一方で、やはり、環境や健康に与える影響を考えますと、化学物質のライフサイクル全体にわたってどれぐらいの影響があるかということを考えなければいけないというふうに思っておりますし、しまいのところ、製品が廃棄されたときの環境排出量をもきちんと考慮に入れなければ、真に環境や健康に配慮をした制度にはならないというふうに思っております。  現在、どのような方向性で政府部内で検討しているのか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
  48. 梅田珠実

    梅田政府参考人 お答えいたします。  現在、化審法のリスク評価において活用されております排出係数は、化学物質ライフサイクル全体を考慮しまして、製造段階、調合段階、使用段階を考慮している一方で、御指摘のとおり、化学物質を廃棄物として処理する段階での排出に関する情報につきましては、現時点で情報が乏しいことから、廃棄段階については数値の設定に含めておらず、調査検討を進めているところでございます。  廃棄段階における環境汚染の防止は廃棄物処理法等によりまして対応がなされているというところでございますが、今回の審査特例制度の合理化に伴い用います排出係数につきましては、既存の排出係数に安全係数を掛け合わせるなどの安全側に立った設定、運用を行うことによって、安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
  49. 小倉將信

    ○小倉委員 どうもありがとうございます。  幾つか技術的な課題もあろうかと思いますけれども、この点については、引き続き、環境省と経産省が連携を図りながら、しっかりと安全面を守っていただきたいなというふうに思います。  一つ質問を飛ばさせていただきまして、四問目、引き続きまして、排出係数の設定方法についてお伺いをしたいと思います。  この排出係数の設定方法がこの法案の肝になるということは、先ほど申し上げたとおりであります。これまで最も競合していた物質というのは、二十四社だったというふうに聞いております。ですから、二十四社に一を加えて二十五、一をこれで割った数字、〇・〇四以下に環境排出係数が設定をされれば、過去の実績に照らしていえば、ほぼ数量調整がなく、申請どおり化学物質を使えるということになりますでしょうし、恐らく、芳香剤のようにほとんど大気に放出されるような物質に関しましては一ということでありますので、一として設定された化学物質に関しましては、法改正後も、運用上、これまでと変わらないということであります。  ですから、それぞれの化学物質について、用途ごとにどういった係数が設定されるかが非常に重要でありますし、これが実態に即した係数でなければいけない。経済産業省さんもそれぞれの用途ごとにきちんと情報収集をして設定することになるわけでありますけれども、ただ、実際に、厳密に追求をすればするほど、これは事業者にとっても、特に中小事業者にとっても、新たな負担になるわけであります。  とりわけ、今回、特定新規、一般化学物質という新たな制度ができまして、川下企業への情報提供義務も、努力義務でありますけれども、課されるわけでありますし、法改正した後も、かえって事業主の負担が増すようでは化学産業のイノベーションが阻害をされてしまいますので、事業主負担の軽減という観点も非常に重要だと思います。  これは、一部、鈴木委員の質問にも重複しておりますけれども、非常にこれは重要なポイントだというふうに思っておりますので、簡潔で結構ですので、改めて考えをお聞かせください。
  50. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 確かに、用途の報告のために追加情報を得る上では、交渉力の弱い中小企業等にとっては、追加情報をとることは困難ではないかという御指摘もあるところであります。  そういう過度な負担を課すことになれば、合理化をされた制度が十分に活用されないということにもなるわけでありますので、今回、具体的な制度設計を行うに当たりましては、売買契約書のコピーに限らず、現実的かつ効果的な方策となるよう、現実の商慣行を踏まえて検討していきたいと思います。  また、特定新規化学物質に係る情報伝達については、既に事業者の多くの人が安全性データシート、SDSというのをつけて取引されております。こうした方法を使うということを想定しておりまして、事業者に対して過度な負担となるものではないというふうに考えております。
  51. 小倉將信

    ○小倉委員 どうもありがとうございます。引き続き配慮していただきたいというふうに思います。  同様に、化学産業の振興という観点から幾つか質問をさせていただきたいなというふうに思います。次の質問とあわせて御質問をさせていただきます。  一つは、審査特例制度の申請回数であります。現在、新規化学物質の特例制度におけます確認の申し出受け付けは、通常新規が随時であるのに対しまして、少量新規は年四回、低生産量新規は年一回とされております。申請回数が少なければ、その分、申請確認作業の時期に偏りが出てしまって、事業主の負担が増したり、あるいは、通常よりも多目の申請を予防的にしてしまうような不都合も生じてしまいます。  そういった観点から、審査特例制度の申請回数をふやしていってほしいなという思いもありますし、あるいは、既に認められた数量に不要分が生じた場合に、同じ社に対して申請を追加で受け付けることもあっていいんじゃないかというふうに思っております。これが一つ目の質問です。  二つ目の質問が、今回、審査特例制度の合理化を図っていくわけでありますけれども、引き続き、通常新規の手続で申請する件数も相応存在すると思われます。  この通常新規の場合は、審査に一年以上、そして、費用も数千万かかると言われております。この通常新規の手続の合理化も同様に図っていくことがトータルで化学産業の振興にもつながると考えられますが、この点についてお考えをお聞かせ願いたいというのが二点目です。  続きまして、三点目も申し上げたいと思いますけれども、三点目は、この法案が成立をした暁の施行の時期についてでありまして、これは、法律を見ますと、公布後三年以内というふうに書いてあります。ただ、これはできるだけ早めていただきたいというふうに思うんです。  この化学産業というのは非常にマーケットシェアの奪い合いが激しい産業でありまして、恐らく、一年開発がおくれれば、その分どかっと他国の企業にマーケットシェアを奪われてしまう。そういった観点からいえば、三年以内と悠長なことを言わずに、できる限り公布施行していただきたいというふうに思いますけれども、この点についてもあわせて、三点目といたしまして、お考えを伺いたいと思います。
  52. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 お答えいたします。  細かく言いますと四点あったかと思っておりまして、一点目は少量新規等に係る申請回数の件でございますけれども、これは、その総量が全国上限を超えないように調整をするということをやっておりまして、事業者に機会を均等に与えてしっかりと案分をするということが必要なので、今のところ、受け付け期間を切って申請を受け付けております。  また、件数が三万六千件という数でございますので、これをしっかりとチェックしてやらなきゃいけない。特に、化学物質の同一性というのを確認するときに、画像データ上で構造式を目視によって確認するというようなことを今やっておりまして、このチェックに時間を要しているので、事務上の都合等によって現在のところは年四回以上の受け付けが困難ということになっておりますが、御指摘のとおり、もっとふやしてくれというような要望、特に事業機会を逃がす可能性があるのでもっとふやしてくれという要望があることは重々承知しておりまして、先ほど申し上げたような、構造式を確認する作業を、新しい手法でありますSMILESという、化学物質コードを提出していただくことを検討しておりますので、こういうコードの導入をして、一対一でひもづけることができれば、これはシステムで恐らく処理ができるようなことが可能になるのではないかなと思っております。  このような効率的な手法を導入することができるということになりましたら、ぜひ申請回数はふやしたいと思っておりますので、その点については関係省庁と連携して進めてまいりたいと思っております。  細かい二点目でございますが、既に認められた量に不足分が生じた場合に改めて申し出を受けることができないかということですが、認めた分に不足分が生じて、事業者からその確認の取り下げがあったということを前提としますと、恐らく、この人が改めて申し出をするということは多分なくて、他の事業者から確認の申し出があるということになるかと思うんですが、この場合については、申し出を受け付けることは可能ではないかなと思っておるような次第でございます。  それから、三点目の通常新規制度の合理化についてですけれども、これについては、新たな知見として今後期待していることが、先ほど申し上げたことに関連しますが、データの活用とそのシステムの開発、あるいは新たな国際評価基準への対応といったことがあるかなと思っておりまして、今、一点目につきましては、現在も既に一部では運用を開始しておるんですけれども、QSARというシステムがございまして、この適用範囲の拡大、それから、AIを使って有害性予測手法を開発するというプロジェクトを本年度から始めるということになっております。  それから、二点目については、最近の国際的な評価、試験方法の動向なども踏まえまして、分析性試験の合理化、あるいは高分子に特化した試験の合理化など、こういうことを検討してまいりたいと思っておりますし、これらに加えて、事業者の利便性向上の観点から、他の法令との関係をわかりやすくするための規制手続の一覧性の向上とか、あるいは可能な範囲での申請手続の統合、こういったことも目指してまいりたいなと思っておるような次第でございます。  それから、四点目でございますけれども、施行を早くできないかということかと思いますが、法律上は、御指摘のとおり、毒性の強い化学物質の管理の強化については公布から一年、それから、審査の特例制度の合理化については三年と規定してございますが、この合理化に当たっては、用途情報に応じた排出係数を用いて環境排出量を算出するシステムを新たにつくらなきゃいけないということになっておりまして、こういったシステム面への対応、それから事業者への周知、あるいは国民に混乱を生じさせないような施行に向けた一定期間の確保、こういったことが必要かな、こういった準備は確実に行わせていただきたいなと思っております。  ただ、それを前提に、具体的な施行日については、早期履行を要望する事業者の要望も踏まえまして、なるべく早く施行できるように三省庁で検討していきたいと思ってございます。
  53. 小倉將信

    ○小倉委員 前向きな御答弁、どうもありがとうございます。  例えば、フィンテックとか、インステックとか、あるいはアドテックという言葉がございます。別な分野とテクノロジーを融合させて新たな分野を切り開くという意味でありますけれども、この中に、最近、レグテックという言葉も出てきました。レギュレーションあるいはレギュラトリーテクノロジーですね。規制もIT等を活用してコストを下げていく取り組みです。  そういう意味では、化審法にかかわる手続についても、お答えになっていただいたように、ITを使ったり、あるいはAIの技術を使ったりして、大分コンプライアンスコストを下げることも今後考えられるんじゃないかなというふうに思いますし、先進的な経産省さんなので、このレグテックに関しても先進的に取り組んでいただきたいなというふうに思います。  次の質問に移ります。  経済効果に関する資料が参考資料の中にございました。これを見ると、今回の法改正によって、化学メーカーだけで売り上げが八百六十一億円増、サプライチェーン全体で見ますと五千億円近い売り上げ増という経済効果が見込まれると推計されております。このとおりになれば日本経済にとって少なくないインパクトになるわけですけれども、大体こういった経済効果の推計は、予算や法律を通すときだけ大きく膨らませて出して、通った後は、実際にそのとおりいったかどうか一顧だにされないというケースも間々散見をされます。  そういう意味では、これからエビデンス・ベースド・ポリシー・メーキング、証拠に基づく政策運営をしなきゃいけないという中で、やはり、ただ数字を出すだけではなくて、法改正をして政策が実施された後の効果検証も重要だというふうに思っておりますが、この点についてのお考えをお聞かせください。
  54. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 お答え申し上げます。  今般の改正案には、新法の施行後五年を経過した場合において、新法の施行状況を勘案し、必要があると認めるときには、新法の規定について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨、こういうふうに規定をされてございます。  したがいまして、今回の改正に伴う経済効果を含めて、審査特例制度施行状況を検証し、今後、必要に応じて制度改正や運用改善などの検討を行ってまいりたいと考えてございます。
  55. 小倉將信

    ○小倉委員 どうもありがとうございます。どうぞよろしくお願いします。  一問飛ばして、最後の質問に移りたいと思います。  当然、今回の法改正は化学産業の振興自体も目的といたしておりますけれども、今後の化学産業をどう振興していくかというビジョンについてお伺いをしたいと思います。  御案内のとおり、我が国の化学産業の規模で見ますと、アメリカ、中国に次ぐ三番目の規模でありまして、国内の業種別で見ても、自動車産業に次ぐ二番目の基幹産業となっております。さらに、化学産業の特徴は付加価値が高い資本集約型の産業ということですから、労働条件の制約の大きい我が国の経済の未来を託すことができる産業の一つなのではないかなというふうに思います。  一方で、問題もございます。  我が国の化学産業のメーカーを見ると、非常に企業数が多くて、欧米や中国と比較すると、大手の化学メーカーといっても小粒であるというふうな点です。  例えば、フォトレジストという製品がございます。これは、半導体をエッチングする際に必要となる機能性の化学製品でありますけれども、日系企業全体でシェア八割を超えていると言われておりますけれども、ただ、世界的に日本企業が八割を超えているといっても、日本企業同士の競合が非常に激しくて、結果として、ユーザーの半導体メーカーに安く買いたたかれている、十分な価格競争力を持てずに利益を失っているという話もあります。  もう一つ問題点を挙げれば、化学産業を支える人材についてであります。  先ほど申し上げたように、資本集約型の産業でありますから、研究者の比率が最も多い産業の一つが化学産業です。  ただ、一方で、我が国の化学メーカーの博士号取得者の割合を見ると、他国に比べて低いという指摘もなされています。冒頭申し上げた次官・若手プロジェクトの中でも紹介されておりましたけれども、我が国の大学の若手研究者の活躍の場が急速に失われているという指摘が一方でございました。  そう考えると、化学産業を支える若手の人材の活用ですとか、あるいは産学連携についてももうちょっと工夫が必要なんじゃないかなというふうに私自身は考えております。  こうした化学産業の状況を踏まえて、政府としてどのようなビジョンを描いているのか、あるいは、どのようなビジョンをもとに支援が考えられるのかについて、最後に副大臣にお伺いしたいと思います。
  56. 高木陽介

    ○高木副大臣 我が国の化学産業、これは、液晶ディスプレーだとかリチウムイオン電池の材料など、高機能化学品分野での高い競争力を有しておりますが、他方で、国内の競合日本企業の数が多くて個々の化学メーカーの規模が小さい傾向にあることは、委員今御指摘のとおりだと思います。  一方で、国際競争が激化し、製品のライフサイクルが短くなる中で、新しい高機能化学品の開発をより効率的に、またスピーディーに進めていくことが重要な課題というふうに私どもは認識しておりまして、経済産業省としては、新しい高付加価値化学品につきましては、AIなどを活用してスピーディーに開発するための研究開発プロジェクトの実施、また、オープンイノベーション促進のための研究開発税制の見直し、また、産業革新機構による出資などを考えております。一方で、開発能力をもたらす事業再編、新陳代謝の促進などに取り組んでおります。  またあわせて、世界トップクラスの日本の化学分野の大学の研究力を生かしていくことも重要でありますので、近年、新素材につながる化学分野の研究シーズが大学発の素材ベンチャーへと成長する分野も出てきております。今後は、こうした素材系技術シーズの成長加速に向けて検討を深めてまいりたいと思います。  化学産業の若手人材の育成、活用につきましては、研究開発力や技術力を有する高度理系人材が国際競争力の強化に貢献するものと産学官で共通認識を持っておりますので、化学業界は、化学人材育成プログラムを平成二十二年に創設いたしまして、大学において産業界が求める博士人材像の発信、化学分野で将来活躍するために今何を勉強すべきかを考える機会とする化学産業論講座の開設、また、奨学金給付や人材育成、確保に積極的に取り組んでおります。  引き続きまして、イノベーションを生み出す環境整備をしていくことで、我が国の基幹産業である化学産業の競争力を維持強化してまいりたい、このように考えております。
  57. 小倉將信

    ○小倉委員 どうもありがとうございます。  人材、資本、そして研究、多岐にわたる支援を将来性のある化学産業にしていただきたいなというふうに思います。  あと一、二分時間を残しておりますけれども、切りがいいのでここで終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
  58. 浮島智子

    ○浮島委員長 次に、高木美智代さん。
  59. 高木美智代

    ○高木(美)委員 公明党の高木美智代でございます。  本日は、化審法につきまして質問をさせていただきます。  ちょうど大臣、お戻りいただきましたので、大臣には、先般開かれましたTPP参加十一カ国の関係閣僚会合、ハノイに行かれまして、アメリカのライトハイザー代表とも会談されたと伺っております。  今後のTPPの方向性につきましてどのようにお考えか、また、どういう感触を得られたのか、ぜひともお話をいただければと思います。
  60. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 TPP閣僚会合の方は、実際には石原大臣の御担当で石原大臣が出られたんですが、このTPP11の閣僚会合では、やはりTPPが結束していくことが重要だということが確認をされ、そして、秋のAPEC首脳会合へ向けて、いろいろな選択肢があるわけです、TPP11としてやるのであればどういうやり方があるか、そういうあらゆる選択肢についての検討を十一月の首脳会合までに完了させるということで合意をしたということであります。  これは非常に大きな成果だったと思います。アメリカの離脱表明後、TPPはどうなるんだろうかという世の中の見方があったわけですが、ここで一致を確認して、TPP十一カ国でも成立を目指すという方向性が明確になったという意義は大きかったと思います。  現に、TPP11の閣僚会合のその後、RCEP閣僚会合が開かれたわけであります。これも、一部の国には、低いレベルで、物品、マーケットアクセスだけで合意をしてしまおうという動きがあったわけでありますが、やはり、TPP11の合意を受けて大分流れが変わったという感覚がありました。やはり質の高い、ルールも含めた協定にしなければだめだというモメンタムがぐっと高まって、日本はずっとそれを主張してきたわけで、どちらかというとちょっと少数派かなと思っていたんですが、TPP11の合意で流れが大分変わって、RCEPでも、最終的な取りまとめの中では、マーケットアクセスだけではなくて、ルール分野も含めて質の高いものを、だけれども、RCEPは途上国も入っていますから、そういう意味で、ステップ・バイ・ステップで進めていこうという合意ができた。  そういう意味でも、TPP11が結束を確認したという意義は大きかったというふうに思っております。
  61. 高木美智代

    ○高木(美)委員 ありがとうございました。  我が国が推進する自由貿易は大変重要でございますので、ぜひとも、やはりここは、日本がリーダーシップをとって前に進めていくという、その姿勢が重要ではないかと思います。  他方で、中国のさまざまな動きもありますので、そうしたことを含めて、やはりASEAN諸国は特に日本に期待しているところも多いのではないかと思います。私も、お会いしました国につきましても、ともかくアメリカ抜きにしても日本がリーダーシップをとってやってよ、こういうお声も既にいただいたところでございます。  ぜひともまた、世耕大臣、石原大臣と力を合わせて、よろしくお願い申し上げます。  そこで、化審法につきましては、もう参議院でも、そしてまた、きょう、委員会におきましても、さまざま議論がありまして、ほとんど重複した質問を用意させていただきました。  そこで、何点か重ねて伺っておきたいところだけ重ねて伺わせていただくこともあろうかと思いますので、よろしくお願いいたします。  まず、今、私たちの身の回りにあるあらゆる製品のほとんどが化学物質でできておりまして、むしろ、ここを自然素材に戻していく、こうした方向性も重要なのではないかと思っております。  世の中に流通している化学物質は世界で約十万種、日本でも約六万種と言われておりまして、プラスチック等、工業材料の原料から、洗剤、調味料のような日用品まで広く利用され、便利で豊かな生活を営む上で今や必要不可欠なものとなっております。  世界における化学分野市場は約五十兆円というふうに言われておりますが、我が国が得意としてきた電池部材であるとか、またディスプレー素材、こうしたものも、我が国はかつては高いシェアを占めておりましたが、徐々に下がる傾向にあります。  こうした中で、アジア勢の存在感は大変薄く、どちらかというと、欧米化学メーカー、そこの大半、企業が高いシェアを持っている、こういう状況にありまして、したがって、イノベーションや社会課題の実現、省エネなど、こうしたことを実現するために、やはり成長の種として強化する必要があると受けとめております。  また、一方で、ただいまも議論がありましたとおり、化学物質は、製造、流通、使用、廃棄などのさまざまな過程において環境中へ排出され、私たちの体内や環境中の化学物質が一定量を超えると健康や生態系に悪影響を及ぼす可能性もあるということから、この両者のバランスの適正化を図るのが今回の法改正の目的でもあると受けとめております。  改めて高木副大臣に、今般の法改正の趣旨、そしてまた、法改正により人の健康や環境への悪影響が生じるおそれはないのか、御答弁をお願いいたします。
  62. 高木陽介

    ○高木副大臣 委員御指摘のように、健康そして環境に関する問題というのは大変重要でございますので、今回の化審法の改正におきましては、健康そして生態系に影響を与えないという規制の趣旨を変えることなく、ここが一番重要でございまして、事業者の予見可能性を高めて、機会損失を減らす制度の合理化を目指すものでございます。  具体的には、事業者が新規化学物質を少量製造・輸入する場合には審査を簡素化する特例制度について、化学物質を製造、輸入する量だけではなくて、環境に排出される量に着目をする、こういう見直しを行うこととしております。  その際、特例制度により事業者が安全性データの提出が不要となっている場合の上限値、これは引き続き全国で合計で一トンとすることが前提となっております。  引き続き、人の健康、そして環境への悪影響が生ずることがないよう、環境汚染の防止を図っていくものでございます。  その上で、最新の知見を取り入れた、より合理的な化学物質の審査制度への転換とすることで、事業者の予見可能性を高めて、事業機会を失うことを少なくすることでございます。  さらに、一般化学物質に分類される化学物質のうち、毒性が強いものに対する管理を強化する部分につきましては、むしろ安全性をより高めるための措置でもございまして、引き続き、環境汚染の防止、これを大前提としつつ、イノベーションの促進にも貢献できるように全力を尽くしたいと思います。
  63. 高木美智代

    ○高木(美)委員 ありがとうございました。  では、改めまして、国内総量上限を、少量新規一トン、また低生産量新規十トン、こうした妥当性につきまして伺います。  あわせて、重ねて質問ですが、今回の法改正によりまして、先ほども小倉委員から御質問がありましたが、イノベーションを促進する観点から、どの程度の経済効果が見込まれるのか。機会損失の解消及びサプライチェーン全体での試算、これにつきまして、あわせて御答弁をお願いいたします。
  64. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 お答えいたします。  まず、少量新規特例制度についてでございます。  これは、高蓄積、難分解かつ長期毒性を有するというものが対象になりますので、化審法で最も強い規制がかかる第一種特定化学物質のうち、その中でも最も有害な物質であるディルドリン、これは用途は主に殺虫剤でございますが、これが日本全体にくまなく拡散した場合を想定して、その人健康及び生態に及ぼす影響の評価を行ったものでございまして、この結果、単一または複数の事業者から年間合計一トン放出されたとしても一日の許容摂取量を下回ると推計されたことから、一トンという数値を採用してございます。  次に、低生産量新規特例制度についてでございます。  この制度は、難分解性かつ低蓄積性の性状を有する化学物質が対象になるものですから、第二種特定化学物質の中から最もリスクの高い物質を選定して評価を行ったということでございまして、現在、第二種特定化学物質は二十三の物質が指定されておりますが、このうち二十物質については、ここ十年、製造、輸入の届け出がありませんので、リスクに注目しますと、残り三物質の中から選定するということになりまして、この三物質のうち毒性の高い物質、人についてはトリクロロエチレン、生態系についてはテトラクロロエチレン、これを代表的な物質としてシミュレーションを行ったものでございます。この結果、これら十トンを全国に排出したと仮定して、大気や水を経由して摂取したとしても、人健康や生態に影響が特段問題がないという結果を得たことから、十トンという数値を採用しているところでございます。  経済効果についてお答えいたしますと、今回の改正によりまして、化学メーカーの予見可能性が高まりまして、事業機会の損失が少なくなると考えてございます。過去に事業機会を逸した事業者からヒアリングをして、その結果をもとに試算いたしますと、現在生じている損失が、売り上げ、利益、付加価値、それぞれ八百六十一億円、六十九億円、二百二十四億円、こういった額でございますが、これが制度改正によって解消されるのではないかと期待しておるところでございます。  また、最終製品を含めたサプライチェーン全体ではさらに大きな数字となりまして、売り上げ、利益、付加価値、それぞれで四千七百七億円、三百七十六億円、千二百二十三億円の損失が解消されるのではないかと期待して、試算をしているところでございます。
  65. 高木美智代

    ○高木(美)委員 少し質問の順番を変えさせていただきたいと思います。  八番目のところに、これは大臣の御答弁のところになろうかと思いますが、化学物質に関する法律、この法律につきましては、今さまざまな法律がありまして、化管法もそうですが、労働安全衛生法とか農薬取締法とか、全部合わせますと約十五本ということになりまして、大変複雑でわかりにくい状況があります。したがいまして、事業者が情報を入手しやすくすることが求められております。  私たちは、そういう問題意識を持ちながら、先般、四月でしたが、NITEに視察に行かせていただきました。NITEの中でもさまざまな事業が展開されておりまして、ここは経産省傘下では唯一の行政執行法人型独立行政法人、国家公務員型、本来、直接経産省が執行すべき行政事務を担っているという独立行政法人でございます。  ここは私も以前、何年か前に視察に伺ったんですが、製品安全分野や、ほかにもバイオテクノロジー分野など五つの分野のうち、化学物質管理分野を担うのは化学物質管理センターで、ここから話を、辰巳理事長を初め、詳しく伺いました。職員百十一人のうち五十二人が化審法関係業務に当たっていらっしゃる。しかも、その五十二人のうち二十人が女性でございまして、大変心強い思いがいたしました。  化審法におけるNITEの役割は、上市前の事前審査、上市後の継続的な管理及び規制によりまして化学物質による環境汚染を防止するというのが目的でございまして、当然、新規化学物質の審査であるとか、十トン以下、低生産の申し出、また、少量新規、一トン以下、中間物、また、低懸念高分子化合物、私にとっては具体的にどのようなことかだんだんわからなくなった内容でございましたが、こうしたことを確認させていただいたわけでございます。  大変高い専門知識を持ちながら、特に必要な専門知識は、物質の構造、名称に係る知識、合成、試験、評価手法、環境中の挙動、試験の信頼性に係る知識、また、環境排出に関する知識、当然、今議論になっております生産、廃棄プロセスに関する知識など、こうしたことを総合して、関連する評価ツール、情報源に係る知識、こうした知識を駆使しながらやっていらっしゃるわけでございます。  この化審法、新規審査における有害性等評価項目、これにつきましても話を伺いましたが、一つは分解性。これは、自然環境中で無害な物質に分解されやすいかどうか。これを使っているのは微生物など。  また、蓄積性。これは、生物の体内に入った場合に体内にとどまりやすいかどうか。これは魚介類を利用している。今申し上げたこの二つは経産省の所管である。  また、三つ目に人健康影響。ここは連携をしながらですが、人に対するがん原性や毒性の疑いがあるか。ここは哺乳類を利用しながら、先ほど来議論がありますが、動物実験ということになろうかと思います。ここは厚労省が国衛研を使ってやっていらっしゃる。  もう一つは、生態への影響。魚や植物等に対する毒性があるかどうか。ここは環境省が国環研でやっていらっしゃる。  こうしたことを連携しながらやっていらっしゃるわけですが、この化学物質管理センターにおきましては、月に三十件から四十件の届け出があり、そこに添付される分解性、蓄積性などの複数の試験結果の内容を確認して、その妥当性を検討している。  類似した化学構造を有する物質、これが本当に似通っていて、逆さまだったり、ちょっと違ったりというこの違いを肉眼で見つけるというのはほとんど大変ということから、ここでは親水性の比較によりまして、水に溶けやすいかどうかというその比較によって蓄積性を評価する手法をこのセンターで開発いたしました。  この評価手法につきましては、実際の審査でセンターで用いているとともに、OECDの化学品合同会合におきまして承認されまして、OECDのホームページ上に公開されているという大変すばらしい活躍もされているわけでございます。  化学物質の名称ですが、ここも安全衛生法と化審法では全く異なる。これをできるだけまとめていかなければ、事業者が探してもここにたどり着かないということから、こうした化学物質の公示名称の共通化も取り組んでいらっしゃいまして、名称原案はNITEが一元的に作成をしている、こういう話もるる伺わせていただきました。  今持っていらっしゃる年間約四百物質に関する情報、また、一万数千件の安全性に関するデータ、これを活用していくということは大変重要なことでございまして、私どもも、そのNITEの取り組み、さらに後押しをさせていただきたいと思った次第でございます。  一方で、これらを使う企業、事業者の側にとりますと、例えば、先ほどありましたSDS、こうした安全シートの記入につきましても、どこのサイトにたどり着いていけばそうした化学物質に関する情報が得られるのかどうか、なかなかそこがわからない。下手すると、ずっとサイトをさまよいながら今自分は何を調べていたのかを忘れてしまうというような手間暇がかかるという、こうした苦情を受けとめて、NITEではCHRIPという、こういう新しいシステムをつくっておりまして、このサイトにアクセスすれば大体そこでその特性がわかるという、ここで活用されているわけでございます。  やはり、こういうふうに企業を支援していく、情報を入手しやすくしていく、これは重要なことでございまして、例えば、大企業の場合は、その専門家を既に雇用していて、コンサルタントのような、化学物質に関する情報を得ている。しかし、中小企業や小規模の事業者につきましては、なかなかそうしたことができない。  したがって、法律を所管している省庁間の連携を強化していただき、どのような規制がかかり、どのような手続が必要かといった情報提供がワンストップで得られるさまざまな体制整備、先ほどから環境排出係数などもこれからシステム開発をされるというお話がありましたが、こうしたこともできるだけワンストップで、そこにアクセスすればすぐわかる。  その書き方も、私は見ていて、例えば、これはこれに該当しますか、これは使用することはできませんかというようなことに、ずっと説明があって、ですからできません、こういう書きぶりなんですが、これは逆にしていただいて、最初に回答が一言あって、だったら、その先は読んだり読まなかったり、時間の省略にもつながるという、これはちょっと細かい、余計な話でございますが、いずれにしても、そのようにワンストップで得られるような体制整備をさらに進める必要があると考えております。  対応につきまして、いかがでしょうか。
  66. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 今御指摘のように、我が国の化学物質に関する規制は、例えば、製造、使用、廃棄といった、それぞれのライフサイクルの段階別の視点があったり、あるいは、使う場面が、労働者として使うのか、消費者として使うのかという、接する場面の違いですとか、あるいは、毒性に関して、急性のものなのか、あるいは長期にわたってきいてくる慢性的なものなのか、こういう違いがそれぞれありまして、それに対応した法体系になっておりますので、十五本の法律が存在しているというのが現状であります。これは、世界的にもそういう感じになっているわけです。  ただ、今、高木委員御指摘のとおり、化学物質の規制法が多岐にわたって、そして複雑でわかりにくいという声もありますので、今後の取り組みとして、化学物質ごとの性状データですとか規制内容、規制対応手続などを全部集約したプラットホームを構築するよう、私の方から事務方に指示をしているところであります。  具体的に、今御指摘のNITEの化学物質に関する情報提供サイトであるCHRIP、これを改良して、取り扱う個別の化学物質を入力すると、各法令でどういう申請手続が必要かという情報を逆にアクセスできるようにしていってはどうかというふうに考えております。  こういう取り組みを各省と連携して進めることで、中小企業者などの事業者にとってわかりやすい情報提供を行って、手続にかかるコストとか時間といったものを最大限減らしてまいりたいと考えております。
  67. 高木美智代

    ○高木(美)委員 ありがとうございます。  五番目の質問に戻らせていただきます。  こうした規制の趣旨を変えることなく課題を解決していくには、規制をこのように合理化していく、一トン、十トン、また、申請の仕方を排出係数等を使いながら合理化していくということも大事だと思いますが、その一方で、申し出事業者の申請時点での用途情報と違う用途で使用された場合、どのように対応されるのか。  やはり事後監視も重要であると思っております。NITEでは立入検査などの権限を持っているという話ですが、なかなか使われた実績もないようでございまして、今後どのように対応されるのか、伺います。
  68. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 御指摘のように、改正後の制度におきましては、排出係数をつくるのに必要になる用途の情報、これを正確に把握することが非常に重要になるわけであります。  確認の際に、売買契約書のコピーなど必要な書類を提出いただくことをやりますけれども、また、事後的にも、必要に応じて、確認を受けた製造・輸入事業者に対する報告徴収や立入検査を行ったり、また、川下の事業者に対して任意の調査や行政指導を行ったりということを考えております。  特に、複数の用途で確認の申し出がされる化学物質については、重点的にこうした事後監視を行うことを検討しておりまして、そのために必要な立入検査をNITEと連携して追加的に、これまで行っていたものに追加をして実施をしていきたいというふうに考えております。  事後監視の結果、万一、申し出された用途と異なる用途に使われている、そのことによって確認された環境排出量を超える量となる場合には、国からの確認を取り消すということを考えております。  確認の取り消し後、確認を受けないままに製造、輸入した場合には、処罰の対象となるわけでございます。  こうした対応によって、事前の確認、事後の監視を行ってしっかりと用途を把握し、適切な対応を行ってまいりたいというふうに考えております。
  69. 高木美智代

    ○高木(美)委員 ありがとうございます。  続きまして、やはり化学物質管理はライフサイクル全体を視野に入れて講じることが重要だと考えます。排出係数は製造から使用段階のみを考慮されているということですが、廃棄段階も含めるべきではないかと考えます。環境省の見解を伺います。
  70. 梅田珠実

    ○梅田政府参考人 お答えいたします。  御指摘のとおり、化学物質の管理、ライフサイクル全体という視点は大変重要というふうに思っております。  化学物質のライフサイクル全体を考慮して、製造段階、調合段階、使用段階を、現在の化審法のリスク評価において活用する排出係数で考慮しているところでございますが、一方で、化学物質を廃棄物として処理する段階での排出に関しましては、繰り返しになりますが、情報が乏しいということがございますので、廃棄段階について、数値の設定に含めておらず、調査検討を進めているというところでございます。  廃棄段階における環境汚染の防止は廃棄物処理法等により対応されているということでございますが、今回の審査特例制度の合理化に伴い用いる排出係数につきましては、既存の排出係数に安全係数を掛け合わせるなどの安全側に立った設定、運用を行うことによって、安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
  71. 高木美智代

    ○高木(美)委員 環境省に申し上げたいのですが、先ほど、人体への環境ホルモン等の影響についてという御質問がありました。  エコチル調査、今も多分継続をしていただいていると思うんですが、済みません、これは通告していませんのでお聞きいただければと思うんですが、二〇一一年から、出生コーホート調査、追跡調査をしております。これは我が党の斉藤議員が大臣のときにスタートしていただきまして、お母さんのおなかにいるときからそのお子さんが十三歳に達するまで、ずっとこれを追跡していく。全国十万人、そして十五カ所で国環研が担って展開をしてくださっております。  子供の健康と環境に関する全国調査ということで進めているわけですが、先ほどありました、環境ホルモンの影響によって雄が雌化しているのではないかとか、そうした疑問に対して、これを科学的に、調査で何らかの結論を導いていこうという調査と承知しております。  化学物質の暴露であるとか生活環境などの環境要因が子供たちの成長、発達にどのような影響を与えるのか、これを明らかにしていくという大きな目的でございまして、二〇一一年からスタートして、お母さんのおなかにいるときから十三歳までとなりますと、どう見ても二〇二四年が最終的な結論だと思いますが、もしこのことについて何か御答弁いただけるようでしたらお願いいたします。もし御無理であれば、この調査をしっかりと進めていただきたいということを要望させていただきます。いかがでしょうか。
  72. 梅田珠実

    ○梅田政府参考人 お答えいたします。  委員御指摘のとおり、化学物質の評価手法の確立のための取り組みや、子供の健康と環境に関する全国調査、エコチル調査を進めるなど、まだ未解明の問題、化学物質、ございますので、それを大規模な全国調査で、子供たちの成長、発達にどのような影響を与えるのか明らかにするということを進めているところでございます。  これは、予防的な取り組み方法ということとも、その考え方にも基づいておりますので、引き続き必要な施策、このエコチル調査の充実に努めてまいりたいと考えております。
  73. 高木美智代

    ○高木(美)委員 最後に、施行時期につきまして、先ほど小倉委員から、できるだけ速やかにという、気持ちは私も一緒に受けとめておりますが、例えば、先般、平成二十六年の六月、労働安全衛生法が改正になりまして、施行されました。そこで化学物質のリスクアセスメントの実施が事業者の義務となりまして、いわゆる安全データシート、SDSの交付義務対象である六百四十物質、これを扱うところ、また、そういうSDSを使っているところ、そうしたところにつきましては全て係るということから、リフラクトリーセラミックファイバーといいますが、RCFという略称になっておりますが、これは、高温の金属を溶かす炉に張りまして、断熱効果が高いということから使っている金属系の企業が多かったようでございます。工場の中にファンを設置するとかさまざまな対応策が求められまして、これが施行から猶予期間も若干あり、昨年の四月、本格施行になったと承知しておりますが、そのような中にありまして、かなり設備投資であるとか企業の努力が必要だったということを聞いております。  このように、事業者のさまざまな負担のあり方につきましては十分に勘案していただきまして、趣旨としては、そうした周知徹底も重要ですし、事業者の具体的な対応、先ほどの環境排出係数システムがいつごろまでに完成できるのか、そうしたことを総合的に判断していただきながら、十分な周知期間につきましては、やはりこれは置いていただきたいということを要望させていただきたいと思います。  その上で、速やかに、できるだけそうした作業を急いでいただいて、先ほどの答弁もそうした趣旨であるかと思いますけれども、こちらが見えないところで、これは安全上必要だから事業者がやらなければいけない、そういう倫理のもとで執行する話につきましてもこのような課題が生じておりますので、ぜひともそうした対応策、お願いしたいと思います。  もし資金繰り等の支援が必要であれば、そうしたことも視野に入れるべきかとは思いますが、今回のことはそこまでは必要ないかと思っております。  ただ、また今後このような改正があるときには、そうしたことをぜひとも念頭に置いていただきまして取り組んでいただきたいということを申し上げまして、時間になりましたので終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  74. 浮島智子

    ○浮島委員長 次に、落合貴之君。
  75. 落合貴之

    ○落合委員 民進党の落合貴之でございます。  本日は、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案について質問させていただきますが、まず、また新たな展開がありました商工中金の不祥事について、冒頭、取り上げさせていただければと思います。  まず金融庁に伺いたいのですが、経産省が所管する商工中金が不正な融資を繰り返していたこの問題、半数近くの支店で、わかっている範囲でも九十九人も関与していた問題で、金融庁が一昨日の二十四日に商工中金本店に立入検査を行ったとのことです。  まず、金融庁から、この検査の状況についてお聞かせいただければと思います。
  76. 天谷知子

    ○天谷政府参考人 お答えさせていただきます。  商工中金に対しましては、今回の危機対応業務に関する不祥事件を受けまして、金融庁におきまして、経済産業省それから財務省と合同いたしまして、五月九日に、継続的な調査の実施や根本原因の特定を求める業務改善命令を発出するとともに、主務省庁共同で立入検査を実施する旨通知し、そして、今お話しございましたように、二十四日より立入検査を開始したところでございます。  今回の検査におきましては、商工中金の危機対応業務における不正行為の根本原因を特定するということとともに、経営管理態勢、法令等遵守態勢及び内部管理態勢につきまして確認することといたしておりまして、しっかりとした検証を行ってまいりたいというふうに考えております。
  77. 落合貴之

    ○落合委員 世耕大臣に伺いますが、この金融庁の検査をどのように受けとめていらっしゃいますでしょうか。
  78. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 これは金融庁の検査じゃなくて、金融庁、財務省、経産省、農水省共同での検査ということになりますから、我々も検査を行っている側ということになります。  それぞれ検査については、各役所、視点が違いまして、経産省は、中小事業者に対する金融の円滑化を図るという商工中金の役割に照らして、主として中小事業者への資金繰り支援が適切に行われているか、財務省の視点は、主として政策金融機関として適切な財務運営の確保ができているか、そして金融庁は、主として預金者保護ですとか信用秩序の維持という観点から、それぞれ監督を行う立場でありますので、そういう立場で今回検査を行っているということであります。  今般の立入検査については、商工中金法第五十八条に基づいて共同で実施するものでありまして、この事案の全容を解明するという一つの目的のもと、その根本原因を特定することや、法令遵守態勢ですとか経営管理態勢及び内部管理態勢等の検証を、省庁を超えたチーム一体となって行っていくことになるんだろうと思っております。  詳細については、これは、検査の手のうちを見せるわけにはいきませんので、控えさせていただきたいと思います。
  79. 落合貴之

    ○落合委員 大臣はこれまでも、これから新たに処分するかも含めて、全容をまず明らかにしなければならないというふうにおっしゃっていらっしゃいました。  この、金融庁並びに経産省を初め関係する省庁による検査、この結果次第では、危機対応業務のあり方も経産省としても検討することもあるかもしれませんが、本当にめちゃくちゃな状態であれば、商工中金自体、このまま業務を続けていていいのか。これは廃止することも、選択肢というか、検討の俎上にのる、こういうことはありますでしょうか。
  80. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 今行っておりますこの検査、そして及び、あと、商工中金側に求めております危機対応業務の全数をしっかり調査をしてほしいという、この二つの結果を踏まえて判断をしたいというふうに思います。  まだ結果が出ていない以上、予断を持って申し上げることは控えさせていただきたいと思います。
  81. 落合貴之

    ○落合委員 予断を持たないということですが、たまたまだということですが、商工中金のトップは歴代経産省の出身者がついてきました。今の社長も経産省の元事務次官の方である。いわば、悪く言えば、なれ合いの状況が生まれやすいわけでございます。  それから、もともと完全民営化が決まっている商工中金が、危機対応という目的を掲げることで、政府の出資比率さえも下げてきませんでした。一方で、中小企業DIは過去最高と言えるぐらい、そのぐらいのレベルの状況である。こういう状況でも、商工中金が危機対応業務をやっていかなければ日本経済全体に波及を及ぼしてしまうような状況であるというふうに言って、税金を使って危機対応業務を商工中金にさせてきたわけですが、私は今の状況のままでいいとは思いません。  これまで中小企業庁は不正の事態を把握していたんですが、問題ないという判断をこれまでもしてきました。二〇一五年の十二月から二〇一六年の六月は立入検査にも入っているわけですが、不正がないということで、不正を見つけることができませんでした。これほど大規模なものを、今までも立入検査していても見つけることができなかった。中小企業庁の監督のあり方も大いに問題があるんじゃないでしょうか。  所管の大臣として、監督責任について御見解を伺えればと思います。
  82. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 これまで経産省としては、主務官庁として監督を行ってきているわけであります。  具体的には、商工中金法に基づいて、危機対応業務に関して年度ごとに提出される業務報告書、あるいは半期ごとの中間業務報告書及び業務運営委員会による点検結果などにより状況を把握をして、商工中金に対して指導を実施してきました。  それとともに、二年から三年ごとに定期的に商工中金の本支店に対して、数カ月にわたる長期の立入検査を通じて業務の適切な実施を確認するということもやってきているわけでありますが、結果として今回のような不正事案の発生を防げなかったということは事実でありまして、商工中金を監督指導する立場として、これは重く受けとめなければいけないというふうに思います。  このため、今回の対応で徹底的に問題を洗い直して全容を解明していく中で、国の監督のあり方がどうだったか、このことについてもしっかりと検証して、そして、その結果を踏まえて立入検査を、はっきり言うと我々は、まさか改ざんを行うようなことはないだろうという前提に立っていたわけですが、これからはそういうこともあり得る、そういう不正を行われることもあり得るということを踏まえたものとして、少し性悪説に立つとか、あるいは頻度をもっとふやすとか、あるべき検査体制についても検討をしてまいりたいというふうに思っております。
  83. 落合貴之

    ○落合委員 歴史ある組織で、しかもいろいろなしがらみもあったので、今までいろいろな問題がうやむやになってきてしまった部分もあったと思います。  しかし、こういった大きな問題が表に出てきた以上、やはりここはうやむやにしてはいけない。これを機に、しっかりとした処置をとらなければならないと思います。指導力ある大臣にしかできないことですので、ぜひここでびしっとやっていただければと思います。  この問題は改めてまた取り上げさせていただきます。  では、法案の質問に入らせていただきます。  まず、今回のこういった改正、このタイミングで改正案が出てきたわけですが、なぜこのタイミングでの改正の内容なのか、伺えればと思います。
  84. 大串正樹

    ○大串大臣政務官 お答えいたします。  今般の改正案は、第一に、審査特例制度に関連する部分については、化学物質の排出量を合理的に算出することができるようにするための排出係数という新しい技術的知見が得られたことから、提案させていただいたものであります。  この排出係数は、平成十三年度に化学物質管理促進法が施行され、化学物質が事業所から環境へどれだけ排出されたかなどを届け出ることが義務づけられ、一定の期間を経て、排出データを安定的にとれるようになったことから作成が可能になったものであります。  この排出係数を活用することにより、化学物質の製造、輸入する量ではなく、環境に排出される量に着目できるようになりました。  事業者と政府がともに化学物質管理を着実に実施してきたことから規制合理化が可能となったものでありまして、引き続き、化学物質管理にしっかりと取り組み、その過程で得られた知見やデータを、制度の合理化を含め、さまざまな形で社会に還元していきたいというふうに考えております。  また、第二の改正点といたしましては、最も規制措置の少ない分類に該当する物質の中に毒性の強いものが出現していることが明らかになりました。これを踏まえまして、こうした物質の不用意な環境排出を防止するために、指導、助言及び取り扱い状況の報告の求め等の措置を法律に明記するものであります。  化学物質は、イノベーションの促進に資するものでもある一方、それによる環境影響を考慮し、適切な管理を行うことが重要であります。  引き続き、環境汚染の防止を前提としつつ、イノベーションの促進にも貢献できるよう、全力を尽くしたいというふうに考えております。
  85. 落合貴之

    ○落合委員 イノベーションという言葉が出てきましたけれども、こういった分野、技術がどんどん発達してきている。しかも、最近はさらにその速度が速まってきているわけでございます。  前回の改正、平成二十一年ですか、これを見てみると、附則に、五年経過したらもう一回見直して、必要あったらいろいろな検討を加えていきますと、検討条項がつけられていました。今回も附則に検討条項が入っているわけですけれども、五年というふうに書かれています。  これだけ速度がどんどん速まっている中で五年というふうにしている理由というのは、どういう理由なんですか。
  86. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 法令の見直しの条項につきましては、ほかの法令でも五年あるいは十年とするような例が多いというふうに承知をしておりまして、それに倣ったものでございます。  もちろん、その間もいろいろな事業環境の変化、スピードが速くなっているというのは御指摘のとおりでありますので、そうした流れをしっかりと捉まえながら、今後、必要なタイミングで必要な見直しができるようにしっかりと対応していきたいというふうに考えております。
  87. 落合貴之

    ○落合委員 五年だと遅いかもしれないという認識はあるというふうに考えてよろしいですね、役所側にもあるという認識で。
  88. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 法律の必要な見直しがおくれることによってさまざまな問題が生じるようなことがあってはいけないというふうには考えております。
  89. 落合貴之

    ○落合委員 今までも、ほかの法律でも見直しというのは一般的に五年だということで五年にしたということですが、やはり経産省が扱うような事例は、ビジネスもかかわっていますので、この年数についてもよく考えていく必要性を指摘させていただきたいと思います。  こういう規制は、経済性と安全性、この二つの両立をしっかりと考えて、両方とも問題がないようにしていかなければならないということが重要であると思います。  今回のこの一つ目の改正は、特に、総量規制の計算方法を変えていきますということで、よく中身を見てみると、今までの計算方法で言う総量よりも、一般的にはもっと上限は高くなる。要は、量はふえる可能性が高いと思います。  事業者寄りの立場に立っての変更であると思うんですが、安全性の確保、これはしっかりと制度的な仕組みが組み込まれているのかどうか、改めて御説明をいただければと思います。
  90. 大串正樹

    ○大串大臣政務官 今回の化審法の改正は、健康、生態に影響を与えないという規制の趣旨を変えることなく、事業者の予見可能性を高めて機会損失を減らす制度の合理化を目指したものであります。  具体的には、事業者が新規化学物質を少量製造・輸入する場合に審査を簡素化する特例制度について、化学物質を製造、輸入する量ではなく、環境に排出される量に着目する見直しを行うものであります。  その際、御指摘のありました特例制度により事業者が安全性データの提出が不要となっている場合の上限値は、引き続き全国合計で一トンとすることが前提でありますので、環境汚染の防止のための規制は緩和されておらず、すなわち、これまでどおりの安全性が確保されるものであります。
  91. 落合貴之

    ○落合委員 安全性の観点というところからこの改正案等を読んでみますと、例えば第八条の二ですとか、情報提供について、「努めなければならない」と努力義務規定になっているんですけれども、しっかりと安全性を確保していると説明するのであれば、義務規定、しなければならないにした方がいいんじゃないかなと。  改正のこの条文はただ努力義務規定になっているんですが、ここは、こういうふうにしている理由はどういうことでしょうか。
  92. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 お答えいたします。  特定新規化学物質の情報伝達については、化審法において、有害性や使用状況を詳細に把握する物質と指定されています優先評価化学物質に対する措置に準じて、努力規定、努力義務ということにしているような次第でございます。
  93. 落合貴之

    ○落合委員 しっかりと安全性が確保された上でないと、この法案、もともとできた趣旨から外れてしまいますので、ぜひこの部分はしっかりとチェックをしていただければと思います。  それでは次に、安全性と同じように重要な経済性についてなんですが、法案の説明にも、今までの仕組みだと事業機会が失われることが実際にあった、これを改善しなきゃいけないというふうにあるんですが、今までどういう事例があったのか、どう把握されていますでしょうか。
  94. 大串正樹

    ○大串大臣政務官 経済産業省が企業から聞いているところでありますが、まず、予定数量に満たない数量しか確認されておらず、減らされた分だけビジネスの規模が縮小した事例があるということでございます。個社名は控えさせていただきますけれども、こうした事例は、少量、高価な新規化学物質を製造、販売する国内中小化学メーカーにとって、特に大きな痛手となっております。  また、こうした化学メーカーのビジネスだけにとどまらず、その物質を用いた最終製品も含めて、サプライチェーン全体にわたってビジネスが消滅しているとの声もあります。例えば、ディスプレーに用いる液晶部材において、海外企業連合に市場を席巻されたとも伺っております。  さらに、数量調整によって予見可能性が低下することによるビジネスの不確かさを避けるため、化学メーカーと化学物質の譲渡先である電気、電子メーカーが海外に生産拠点を移しているとの声もございます。  今回の化審法の改正は、環境汚染の防止を引き続き前提としつつ、予測可能性を高めることで事業者の機会損失を減らし、イノベーションの促進にも貢献するものと考えております。
  95. 落合貴之

    ○落合委員 今おっしゃった事業機会の損失は、今回の改正で、安全性がまず確保された上という条件ではしっかりと解消がされるというふうに考えてよろしいですね。
  96. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 平成二十七年度に全国数量調整を行いました案件のうち、約八割について、今我々が想定しておる排出係数を前提といたしますと、全国数量調整が必要なくなるのではないか、そんなふうに捉えております。  もちろん、毎回出てくる届け出の内容は違いますので、必ず八割ということで予断するわけにはいきませんけれども、その程度の効果が見込まれるのではないかというふうに期待をしておるところでございます。
  97. 落合貴之

    ○落合委員 これも先ほどの見直しにもかかわりますけれども、ことし、来年、どういう状況になるか、やはりしっかりと数字を見ていただければと思います。  条文の確認ですけれども、製造の届け出につきまして、第三条の二項で、「省令で定める」、「政令で定める」ということで書かれているんですけれども、具体的にどういう内容を規定するのか、教えていただければと思います。
  98. 大串正樹

    ○大串大臣政務官 今般の改正案は、審査特例制度の全国数量上限について製造・輸入量から環境排出量へと変更するものでございますが、そのため、少量新規審査制度の全国数量上限を定めた規定である法律案第三条第二項では、省令で定める方法により産出される新規化学物質の数量を合計した数量が政令で定める数量を超えることとなる場合には、確認をしない旨、規定しております。  具体的には、政令において一トンと規定することを考えております。  また、省令における環境排出量の定め方については、排出係数と製造・輸入数量から算出する旨を新たに定めることを考えております。
  99. 落合貴之

    ○落合委員 今の条文もそうなんですけれども、この法律は、厚生労働経済産業、環境というように、三つの省の共管となっているわけでございます。改めて、役割分担、これはどうなっているんでしょうか。
  100. 大串正樹

    ○大串大臣政務官 お答えいたします。  適切な化学物質管理のため、事業者の実態把握及び分解性、蓄積性に関することは経済産業省、人健康へのリスクに関することは厚生労働省、生体影響へのリスクに関することは環境省が主に担当しております。  こうした役割分担を行っている中で、化審法の新規化学物質の審査、一般化学物質リスク評価等の法施行及び制度改正等については、三省の合同審議会を開いて決定しているところであります。
  101. 落合貴之

    ○落合委員 そのように役割分担をしている中で、許認可等の行政の手続ですとか、あと、一般市民の方から相談があったりとかもすると思います。この窓口の一本化ですとかワンストップ化というのは図られているんでしょうか。
  102. 大串正樹

    ○大串大臣政務官 事業者からの申請件数が特に多い少量規制制度については、環境省、厚生労働省経済産業省が共同で受付窓口を開設して一元的に申請を受け付けております。また、低生産量新規制度については、経済産業省が一元的に受け付けております。  また、化審法に関する相談については、三省間であらかじめ役割分担を共有していることにより、事業者が三省のいずれに連絡しても、その相談内容に応じた担当省庁に取り次がれるようにしておりまして、たらい回しにされることがないような体制を構築しております。
  103. 落合貴之

    ○落合委員 参考人に伺いたいのですが、今、そういった形で役割分担をしていますということで、実際にたらい回しになったりですとか、そういった苦情等はそんなには起きていないというふうに考えていいんでしょうか。
  104. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 そのような苦情は承知しておりませんし、もしそういう苦情がございますようでありましたら、教えていただきましたら直ちに対応させていただきたいと思います。
  105. 落合貴之

    ○落合委員 それでは、やはりイノベーションでどんどん時代が変わっていって、新しい物質もどんどん出てくるということで、新規の化学物質の審査等、これというのは大変鍵を握ってくるものだと思います。  今、独立行政法人の製品評価技術基盤機構、NITEという組織が審査を行っているわけですが、どんどん新しい物質が出てくるという中で、この審査体制、現状追いついているのか。それから、今後この組織はどういうふうに変えていくとか、そういう計画は行われているんでしょうか。
  106. 大串正樹

    ○大串大臣政務官 独立行政法製品評価技術基盤機構通称NITEでございますけれども、これは、化学物質管理分野、製品安全分野、バイオテクノロジー分野、適合性認定分野など、幅広い分野において技術評価の実施や技術情報の収集、提供を行っております。  このうち化学物質管理分野に従事する百二十二名の職員総数のうち、化審法の担当者は五十二名ございまして、さらに、議員御指摘の化審法上の審査につきましては、新規化学物質の事前審査における支援業務を担っているのは、そのうちの十七名でございます。  化審法の審査のうち、通常新規審査制度においては、機能の高度化による特異な性状の物質の種類や量がふえてきたことに伴いまして、物質の性状に応じたきめ細かい審査制度が必要とされてきた結果、その審査における難易度も上がってきているのは現実でございます。  しかし、同時に、NITEにはこれまでの審査における知見の蓄積もなされておりますし、これらを活用して効率的な審査の実施を進めているところでもあり、現状の体制でも引き続き対応は可能であると考えております。  他方、少量新規による審査特例制度については、申し出件数は、平成二十三年の二万八千五百十九件から平成二十八年の三万五千八百四十八件と大幅に増加していることでありまして、こうした中で、NITEには申し出物質の突き合わせを担当しているところでありますけれども、国際的に用いられております化学構造のコード化手法であるSMILES、こういったコード化の手法を活用することによって、業務量の削減を図ることとしております。
  107. 落合貴之

    ○落合委員 このNITEの事務的な対応、それから、初めの方に取り上げました法整備を迅速に行うこと、これがこの分野では大変重要だと思います。これに注視していただきまして、どんどん施策を打っていただければと思います。  私の質問はここで終わらせていただきます。ありがとうございました。
  108. 浮島智子

    ○浮島委員長 次に、田島一成君。
  109. 田島一成

    ○田島(一)委員 民進党の田島一成でございます。  前回、二〇〇九年の法改正審議では、この化審法の改正にあっては衆議院参議院も連合審査を行ったところでありますし、また、今回、参議院先議でありますから、参議院での様子を見ても、環境委員会と経産委員会の連合審査でありました。この衆議院でも連合審査を期待しておったのでありますけれども、残念ながら経産単独の審査ということになりました。残念ではありますけれども、こうして環境委員会から質問のバッターに立たせていただけること、御配慮いただいた理事の皆さんに感謝を申し上げたいと思います。  さて、今回の化審法の改正、いろいろと言いたいこと、この後申し上げますけれども、評価すべき点も幾つかあります。製造量等の届け出を事業者に義務づけたこと、さらには、既存化学物質対策に着手をしたこと、そして、対象を難分解性物質に限定しない仕組みとしたことなど、こうした点については私も一定評価をさせていただいております。  ただ、参議院における本法案の審査、さらにこれまでの審査のやりとりを振り返っていくと、何やら化学物質を取り扱う事業者のビジネスチャンスの消滅であるとか損失に対応するための議論が非常に活発であったように、そんな印象を持っているところでもあります。  改めて、この化審法の目的たるをひもといてみたいと思います。  化審法第一条において、「この法律は、人の健康を損なうおそれ又は動植物の生息若しくは生育に支障を及ぼすおそれがある化学物質による環境の汚染を防止するため、新規の化学物質の製造又は輸入に際し事前にその化学物質の性状に関して審査する制度を設けるとともに、その有する性状等に応じ、化学物質の製造、輸入、使用等について必要な規制を行うことを目的とする。」というふうに規定をされているわけであります。  今回の改正にあっても、この目的条項は変わってはおりません。事業者ないし化学産業の振興が目的ではない、さらには、今回の法改正が、本来の規制の趣旨、環境汚染を起こさないという趣旨を変えるものではないということを、改めて冒頭、提案者に確認をさせていただきたいと思いますが、いかがですか。
  110. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 化審法は、昭和四十八年当時、PCBのように、一般に生産、流通されている化学物質のうち、継続的に摂取された場合に人の健康に被害が生ずるおそれがある化学物質について、適切な管理を行う必要があるとの認識のもとで制定をされました。  こうした背景のもとで、化審法の目的規定、すなわち第一条に盛り込まれた「化学物質による環境の汚染を防止するため、」という文言は、現在も変わらず存在しておりますし、本改正でも変更するものではありません。  今回の化審法の改正における新規化学物質の特例制度の合理化は、環境汚染を防止するという規制の趣旨を変えるものではなく、事業者の予見可能性を高め、機会損失を減らすため、制度の合理化を図るものであります。  具体的には、事業者が新規化学物質を少量製造・輸入する場合に審査を簡素化する特例制度について、化学物質を製造、輸入する量ではなく、環境に排出される量に着目する見直しを行います。  その際、特例制度により事業者が安全性データの提出が不要となっている場合の上限値は、引き続き全国合計で一トンとすることが前提でありまして、引き続き、環境汚染の防止の目的に沿ったものであると考えております。
  111. 田島一成

    ○田島(一)委員 ありがとうございます。ちょっと安心をいたしました。  今も触れていただきました新規化学物質の審査特例制度改正に伴う担保措置についての具体的な質問に入らせていただきたいと思います。  環境排出量は、新規化学物質の製造・輸入予定数量に、用途に応じて設定される排出係数を乗じて算出されることになります。つまり、排出係数次第で環境排出量が大きく変わってくるので、排出係数の設定のあり方が重要というふうに認識をしております。  ことし二月に出された答申の中には、安全側に立った排出係数の設定、運用の必要性が示されましたが、この安全側に立つという考え方、具体的に言うとどのように捉えればよいのか問いたいと思います。  さらに、参議院の審査においても、排出係数の設定に当たっては、廃棄段階を考慮する必要性も指摘をされました。化学物質ライフサイクルを踏まえて、廃棄の段階も考慮に入れて排出係数を設定する必要があるというふうに考えるわけでありますけれども、現時点ではどのようにお考えなのか、その見通しも含めてお答えいただけますか。
  112. 梅田珠実

    梅田政府参考人 お答えいたします。  現在、化審法のリスク評価において活用されている排出係数は、化学物質ライフサイクル全体を考慮して、製造段階、調合段階、使用段階を考慮している一方で、化学物質を廃棄物として処理する段階での排出に関する情報が乏しいことから、廃棄段階については数値の設定には含まれておりません。この点につきましては、調査検討を進めているところであり、成果が得られ次第、必要に応じて排出係数に反映させていくという考えでございます。  また、安全側に立ってということについての御指摘がございました。  廃棄段階における環境汚染の防止自体は、廃棄物処理法等により対応がされているところですが、今回の審査特例制度の合理化に伴い用いる排出係数につきましては、例えば、既存の排出係数に安全係数を掛け合わせるなどの安全側に立った設定、運用を行うことによって、安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。  この安全側に立った排出係数や廃棄段階を含めた排出係数の設定に当たりましては、三省合同審議会において審議をし、さらには、パブリックコメントにかけるといった透明性を確保した手続等、しっかりとしたプロセスを経て進めてまいりたいと考えております。
  113. 田島一成

    ○田島(一)委員 データがそろっていないからなかなか踏み出せない、しかしながら、その認識はしっかりとあるということを確認させていただきました。ぜひスピード感を持ってやっていただきたいなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。  さて、用途情報の取得のあり方についてお尋ねをしたいと思いますけれども、この排出係数は用途に応じて設定されると先ほど申し上げましたけれども、この用途情報が非常に重要でありまして、正確性をどのように担保するかが課題になってくるというふうに思います。  先ほども引用いたしました二月の答申にありましては、少量新規化学物質確認制度の届け出、申し出に際し、事業者から追加情報を求めるなど、国が情報を厳密に把握できる体制の構築について速やかに検討すべきであるというふうに指摘をされています。  用途情報を厳密に把握する体制の構築、早期に行う必要があるというふうに私ども考えておりますけれども、体制構築に向けた検討はいつごろ始めて、どのようなスケジュールで行われようと考えているのか、参考人、ぜひお答えください。
  114. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 用途情報を厳密に把握する体制といたしましては、事前の追加情報を求めるということ、それから、事後的に調査を行うということ、それぞれについての体制構築が必要になるわけでございます。  まず、事前の用途についての追加情報については、正しく把握する必要がある一方で、過度に厳格にすると事業者に過度の負担をかけるという可能性もあることから、例えば契約書などの写しなど、通常の商慣行の範囲の中で得られる信頼性の高い情報を最大限に活用したいというふうに考えております。もしこの法律案を成立させていただきますれば、できるだけ早い段階で関係者を集めた検討の場を設けまして、商慣行を踏まえて、どのような情報を求めるか、検討を速やかに開始したいというふうに考えております。  また、これは少量新規制度改正後の受付電子システムの改修の仕様にもかかわることであります。また、事業者への十分な周知期間を図るためにも、早期に内容を決定することが必要だというふうに考えておりまして、なるべく早期の決定を行ってまいりたいと思います。  また、事業者に対する事後的な調査でありますけれども、これは、必要に応じて、確認を受けた製造・輸入事業者に対する報告徴収や立入検査を行うほか、川下の事業者に対する任意の調査や行政指導を行うということを考えておるわけでありますが、このような事後の監視に必要な体制、こうした事後の監視は、これまで行っている立入検査等に加えて追加の対応になりますので、それがしっかりできるための体制構築は、施行期日までにしっかりと行ってまいりたいというふうに考えております。
  115. 田島一成

    ○田島(一)委員 参議院の審議の中でも議論になっていたんですけれども、数量が確認された後の用途変更がどこまで把握できるのか、監視体制がきちっととれるのかというのも非常に重要になってくると思います。その点については、事後監視をしっかりやっていくような検討をするというような答弁もなされていたわけでありますけれども、環境排出量に、上限を変更することによって法の抜け穴ができて、用途変更が行われるようなことがあってはやはりならないなというふうに私ども思います。  事後監視の徹底をしっかり図っていく体制づくり、それと、申し出の用途と異なる用途に使用された場合の対応というのは非常に重要だと思うんですけれども、お考えを聞かせていただけますでしょうか。
  116. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 用途の把握は非常に大事でありまして、これは、先ほど申し上げましたように、製造・輸入事業者に対する報告徴収、立入検査、またさらに、川下の事業者に対する任意の調査によって行うこととしております。もし用途が確認できないという場合には、排出係数は一ということで計算をすることになるというふうに考えております。  また、用途が異なって用いられた場合、それによって排出係数が下がる場合には問題ないんですけれども、排出係数が高くなって全国上限値を超えてしまう場合、こういう場合には、確認の取り消しを考えております。
  117. 田島一成

    ○田島(一)委員 安心しました。やはり急な変更等々も当然あり得るだろうと思いますが、その段階でしっかりと把握できる体制づくりをぜひ進めてください。お願いいたします。  あと、少量新規、低生産量新規化学物質における毒性情報収集についてお伺いしたいと思います。  残念ながら、この少量新規、低生産量新規化学物質の審査項目については、今回、毒性は対象とはなっておりません。審査特例制度の合理化によって少量多品種の化学物質の使用や輸入の増加が今後も見込まれる中で、毒性の情報収集についてもやはり積極的に進めていく必要があるというふうに考えますが、どのようにお考えか、お答えください。
  118. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 化審法は、PCB、ポリ塩化ビフェニルの健康被害に端を発する法律でございます。  PCBのように生物の体内に蓄積しやすい性質を持つかどうかというのは非常に大事なポイントだと考えておりまして、審査特例制度でも、一トン以上の生産、輸入をする場合、これは低生産量新規制度でありますけれども、この場合には、分解性と蓄積性の情報について事業者から届け出を求めることにしております。  国の審査の結果、難分解性、高蓄積性でないとは言えない化学物質については、審査特例制度の対象としないということにいたしております。その場合、事業者は、通常の審査を受けなければいけないということになりますので、通常の審査を受けなければ生産、輸入できない、したがって、毒性の情報収集を進めるということになろうかと考えております。
  119. 田島一成

    ○田島(一)委員 ありがとうございます。  次に、毒性が強い新規化学物質の管理についてお尋ねをしたいと思います。  今回、残念なことに、この情報提供が努力義務にとどまってしまったということ、これについてちょっとお尋ねをしたいわけであります。  平成二十一年の改正によって、化学物質のハザードのみに着目した規制体系から、人や動植物へどれだけの影響を与える可能性があるのか、暴露量を加味したリスクベースでの評価体系へと変わりました。  こうしたリスクベースの評価、管理のメリットは理解するんですけれども、毒性が非常に強いと判明しながら、暴露量が少ないために優先評価化学物質等に指定されない物質、いわゆる特定新規化学物質については、不用意に環境中に排出されないよう厳格に把握することが必要だというふうに考えます。  何といっても、新規の化学物質ですから、内輪で済ませるような問題ではありません。パブコメの中でも、ハザード管理の観点から毒性データ届け出の義務化を求める声も上がっていましたけれども、なぜ、今回、この届け出が努力義務になったのか、その背景と理由を、環境省、お答えいただけますでしょうか。
  120. 梅田珠実

    ○梅田政府参考人 お答えいたします。  まず、特定新規化学物質ですが、新規化学物質として毒性のデータがあるという前提で、それをもって、毒性が強いということについて、情報提供等の新たな努力義務を課しているということがございます。  この情報伝達でございますが、化審法において有害性や使用状況等を詳細に把握する物質として指定されております優先評価化学物質に対する措置に準じて努力義務としているところでございます。  今回の法改正によりまして、国は、特定新規化学物質の取扱事業者に対し当該物質の取り扱い状況の報告を求めることができますので、仮に、報告を求めた場合に、その結果、情報伝達が実施されていないということが判明した場合などには、事業者に対し措置の徹底などを指導助言してまいります。  また、取扱事業者に対する指導助言の具体的な内容といたしまして、特定新規化学物質を譲渡等する場合に、その相手方に化学物質の毒性や適切な取り扱い方法等を記載した安全データシートを交付するよう指導するということも想定しております。  法律上、こういった措置が位置づけられることから、事業者に対する情報伝達の努力義務は実効性を持って果たされていくものと考えているため、義務化に向けた検討をすることは想定しておりません。  また、これに加えまして、情報提供につきましては、関係省庁の連携のもとで、GHS分類ガイダンスを作成し、化学物質のGHS分類作業を進めるとともに、その結果を公表することで、GHSに基づく表示に係る事業者の取り組みを支援してまいります。  環境省としては、こうした取り組みを引き続き進めてまいりたいと考えております。
  121. 田島一成

    ○田島(一)委員 不用意に環境中に排出することを防いで、事業者にしっかりとした取り扱いを促していくためには、私は、義務化を視野に入れて検討していくことがやはり必要だろうというふうに思います。  この話、やりとりしていても多分答弁を変えられる様子はありませんので、次の質問に入らせていただきたいと思います。  WSSD二〇二〇年目標達成に向けた取り組みの進捗状況、そして、加速化に向けた取り組みについてお尋ねをしたいと思います。  御承知のとおり、二〇〇二年に開催されたヨハネスブルク・サミット、WSSDでは、化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化するために、生産と使用を確立することが合意をされたものであります。  この目標を達成するために、例えばEUのREACHでありましたら、データの届け出の義務化とともに、高懸念化学物質への規制強化、許可制を導入するわけでありますけれども、許可制の導入を定めております。  この合意目標の達成に向けて、化審法におけるWSSDの二〇二〇年目標の達成のイメージと方策がこれまで示されてきたわけでありますが、高懸念化学物質の生産・使用規制や消費者製品中の有毒化学物質規制の強化等の対策は今回の化審法の改正だけで十分と本当に言えるのかどうか。私は、イエスとはなかなか言えないような気がしております。  二〇二〇年目標、これは、人の健康や環境への影響を最小化することをそもそも求めています。確かに、今回の改正内容は既存化学物質のリスク評価を促進させるものではありますけれども、人の健康や環境への影響最小化という観点からは十分に捉えているとはなかなか言えません。現行の化審法の枠組みだけでは十分に対応できないと私は考えます。二〇二〇年目標を実現するための国家戦略を速やかに立案し、そのもとでの個別法の整備を進めていくことが重要ではないでしょうか。  まず、現在の政府の取り組み状況を伺いたいのですが、中でも、二万物質を超える既存の化学物質のスクリーニング評価、リスク評価を行っていくに当たっては、技術面や体制面でどんな課題がこれまで明らかになってきているのか、また、今後、取り組みの加速化に向けて具体的な方策を描いていらっしゃるのであればお示しいただきたいと思います。
  122. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 WSSDでは、二〇二〇年までに、化学物質が人の健康や環境への著しい悪影響を最小化する方法で使用、生産されるように目指すということにされたわけであります。  この目標の達成に向けたより詳細な戦略といたしまして、国際的な化学物質管理のための戦略的アプローチ、SAICM、これが定められております。我が国においても、このSAICMを実施するための国内実施計画を定めて、各省が連携して対応をしているところであります。  御質問いただいたうち、まず、消費者製品中の有害化学物質規制の強化等について申し上げますけれども、これについては、確かに化審法だけでは十分ではありません。例えば家庭用品について、重大製品事故の原因と推定された化学物質の公表等の取り組みを行うなど、化審法以外で対応をされているというふうに承知をしております。  また、御質問の高懸念化学物質の生産・使用規制でありますけれども、化審法では、平成二十一年の改正で、化審法制定以前から存在をしていた化学物質を含む全ての化学物質について、事業者に製造・輸入数量等の届け出義務を課し、その数量等を踏まえて優先的に評価対象とする物質を絞り込み、絞り込んだ物質に対するリスク評価を行った上で、その結果に応じて規制を行うということにしたわけであります。二〇二〇年度までに全ての優先評価化学物質のリスク評価を終了させる、これを目指して作業を進めてきたわけであります。  これまで、優先評価化学物質になる可能性があるというふうに平成二十一年の改正時に想定をされておりました、旧法、改正前の法律の第二種監視化学物質及び第三種監視化学物質の全てについてスクリーニング評価は行いまして、このうち八十八物質を優先評価化学物質に指定を行っております。これ以外の化学物質でスクリーニング評価を実施したものも含めまして、現在、優先評価化学物質として二百一の物質を指定いたしまして、これについてリスク評価を行い、第二種特定化学物質に指定をする必要があるのかどうか、そういう判断のための評価を行っているところであります。  他方で、平成二十一年の改正法を受けて、こうした評価を行うに当たりまして、改正当時には想定をされておらなかった難しさも判明をしたわけであります。  例えば、一つの化学物質名の中に毒性の異なる物質が多数含まれるものがあるわけであります。例えばアルキルベンゼンスルホン酸なんという物質、この中には複数の構造式を持つ化学物質が含まれておりまして、それぞれの物質ごとに毒性が異なるということがわかってまいりました。したがいまして、これを一律に評価するということが難しいわけでありまして、それを分けて評価するということが必要になってまいります。  また、化学物質が環境中でどのように動くのか、また、人や生態に吸収されるのか、こうしたことを科学的に推定する必要がありまして、そのための新たな推定方法を確立する、そこから始めなければいけない、そんなことも必要性がわかってまいりました。  こうした状況を踏まえまして、昨年の九月に三省合同の審議会を行いまして、目標達成のための方策の検討を行いました。公開の場での検討を行った結果、二〇二〇年までにこういう状態を達成しようというふうに定めました。  まず第一に、科学的な信頼性のある有害性データが得られている物質については、スクリーニング評価を一通り終えて要件に該当するものを第二種特定化学物質に指定するということであります。  第二に、評価を行うためのデータが得られなかった物質については、評価を行えるめどが立っている、そういう状態に二〇二〇年までにしていこう。このために、評価の合理化、加速化のためのさまざまな具体策を講じることとしたわけであります。  これを踏まえて、第一に、国内外で確立された知見を積極的に活用するということで取り組んでまいります。  第二に、優先評価化学物質の中でも、有害性と環境排出量の多い物質、こうした物質のリスク評価に特に注力をするということによって、対応を加速してまいりたいというふうに考えております。  また、一つの化学物質名の中に複数の物質が含まれている、これに対応するために、そうした物質群の構造や組成に関する追加情報を事業者に求めていく、こうしたことも進めていくこととしておるところでございます。
  123. 田島一成

    ○田島(一)委員 丁寧なお答え、ありがとうございました。  そうなんです。国内外の知見をどこまで活用していくかしか今や残された方法はないんです。  本当に今、次から次へと新しいものが出てくる、また、組成によってどんどん変化もしてくるので、同じ物質であったとしても、使用される製品によって、化粧品とまた洗剤とによっては名称も異なっているというような問題も私は前回の改正のときに指摘させていただきましたが、こういう混乱は、末端の利用者である消費者の目の前にやってくるときには全くわからなくなってきてしまう。ましてや、製品が小さければ、その物質名が書かれても、記述が多過ぎて全く理解不能というようなことにやはりなってきているわけであります。  これは、よほど三省が根性を込めてやらないと、多分達成し切れないと思うんです。今わかっているものだけでも、数字的にもまだまだ足りないというお話がありました。実際、二万物質ある化学物質には到底及んでいないということ、この危機感だけはぜひ忘れないでいただきたいと思います。  さて、そんなふうにリスク評価等々がなかなか進んでいない物質の一つ、ナノマテリアルについてお尋ねをしたいと思います。  平成二十一年の法改正の審議のときにも取り上げられていたテーマであります。今からもう八年も前の話でありますが、残念なことに、このナノマテリアルは、今回、新規化学物質として管理することには含まれませんでした。  もうナノについて私が一々解説するつもりもありませんけれども、サイズが小さくなることで特性が大きく変わり、新たな材料として期待される一方、新たな有害性が懸念されている、それがナノマテリアルであります。  既に、このナノマテリアルが人と生態系に重大な影響を及ぼす可能性があることを示唆する多くの研究が発表されています。にもかかわらず、このナノマテリアルに関するデータ及び管理基準なしに、さまざまなナノ製品と呼ばれるものが次々と市場に出てきております。  平成二十年、「今後の化学物質環境対策の在り方について」の答申では、「今後の課題」として、ナノテクノロジーは、次世代の産業基盤技術として、幅広い分野で社会的に大きな便益をもたらすことが期待される一方、ナノマテリアルは、その粒径が極めて小さいため、もとの状態とは異なる特性や形状を有している、このため、人の健康や環境に対するナノマテリアルの影響については、現状では明らかではないとされて、今後の科学的な知見の蓄積や国際的な動向を踏まえて、対応策について引き続き検討していく必要性が指摘されました。  その後、平成二十八年の三月にまとめられた化審法施行状況検討会の報告をひもといてみますと、「前回改正から五年が経過した」、二十八年ですから五年ですね、「五年が経過した現在においても、ナノマテリアルの影響については、国際的に試験方法、評価手法の検討がOECDにおいて進行中と認識しているところである。」で終わっています。五年たってもまだOECD頼りという認識で終わっている。  大変残念と思うところでもありますが、この試験や評価の手法開発は、国際機関に一任するのではなく、やはり、ナノマテリアルに関する規制が現在諸外国において行われている状況等々をしっかりと把握し、それを利活用していくことが重要だというふうに考えるわけでありますが、もし、現段階でその規制の状況、世界各国の規制状況を把握されていたら、まずお示しいただけますでしょうか。
  124. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 お答え申し上げたいと思います。  まず、現在、諸外国において、ナノマテリアルの製造、輸入に関する規制はないものと私どもは承知してございます。  その上で、現在の状況を少し御説明させていただければと思います。  まず、国際的には、今御指摘ありましたとおり、OECDの工業ナノ材料作業部会において、安全性を確保するための評価手法の共同開発、ベストプラクティスの共有が行われておりまして、参加国が、現在、分担して人健康、環境影響に関するデータを収集しておりまして、現在までに十一物質についてデータ収集が行われ、公表され、我が国も、このうちの三物質、単層カーボンナノチューブ、多層カーボンナノチューブ及びフラーレンの担当をしたところでございます。  このような状況を踏まえて、平成二十五年九月には、御案内かと思いますが、ナノ物質の安全性試験・評価に関するOECDの理事会勧告、これが出されておりまして、その中では、工業用ナノマテリアルのリスク管理を行うこと、安全性を評価するためのテストガイドラインを開発すること、さまざまな安全性データの収集、公表等を行うこと、こういったことが勧告をされております。  こうした状況のもとで、現在、EUでは、ナノマテリアルについて、REACHの登録対象として試験データの提出を指導しているということでございます。また、アメリカでは、有害物質規制法、いわゆるTSCAに基づいて、炭素系ナノマテリアルを新規物質届け出の対象として、ここでは試験データの提出を求めている、こういうような状況になってございます。  日本ですけれども、先ほど御指摘ありました、平成二十年の三省の合同審議会の答申の中で、これも御指摘ありましたとおり、今後の科学的知見の蓄積や国際的動向を踏まえ、対応策について引き続き検討するということになっております。  この指摘があったことを踏まえまして、経済産業省では、平成二十一年三月に、有識者による研究会を開催いたしまして、ナノマテリアル製造事業者等の安全対策のあり方について取りまとめを行い、事業者ごとの実態を踏まえたきめ細かい対応が可能となるように、二つのことを決めております。自主管理によって安全対策を講じることが望ましいこと。自主管理の透明性、実効性を高めるために積極的に情報収集、発信を行い、知見の集積を行うこと。こういうことを決めてございます。  これを受けまして、平成二十一年七月に、製造産業局の局長通達によりまして、ナノマテリアル製造事業者が持つ用途情報、有害性情報や、あるいはリスク管理対策に関する情報の提供依頼をしてございまして、毎年度、これらの情報を経産省として取りまとめて、公表をしているという状況でございます。  これまで六物質について二十三社からの情報提供がありますが、実はこの二十三社の中には全ての大手企業が含まれておりまして、したがいまして、国内の製造・輸入量のほとんどの部分をカバーしているものと私どもでは理解をしておるところでございます。  加えて、評価方法について、国際機関に任せるべきではないというお話もありましたが、実は、二十三年から二十七年に、ナノマテリアルの安全性評価のスクリーニング試験方法の開発を行ってございまして、現在は同試験方法の国際標準化に向けた取り組みを進めているということでございまして、この分野でも日本としての貢献を図っているところでございます。  そして、環境や人健康に関する知見についての御質問もありましたが、これは、それぞれ環境省、厚労省で担当していただいているものと理解しておりますが、私どもが伺っているところによりますと、まず、環境省では、環境中におけるナノマテリアルの挙動の把握や影響評価に関し、OECDのもと、試験、評価方法の開発に参加して知見の収集に努めている、こういうふうに伺っております。  また、厚労省におきましては、多層カーボンナノチューブの特定製品について、ラットを用いた長期吸入発がん試験により発がん性が確認されたために、労働安全衛生法に基づくがん原性指針を改正いたしまして、労働者の健康障害を防止する措置を講じるように指導するということをやっているということを伺ってございます。  最後に、今後の取り組みでございますけれども、経済産業省といたしましては、現在事業者が行っている自主管理、それから事業者からの情報提供、これを引き続き着実に進めた上で、関係省庁あるいはOECDとともに情報交換、連携を行い、今後も引き続きナノマテリアルに対する対応を図ってまいりたいと思いますし、さらには、国際的な議論を注視しながら、各国の動向も踏まえながら、もし規制の必要性が生じた場合には、適切に対応を検討してまいりたい、このように考えているところでございます。
  125. 田島一成

    ○田島(一)委員 ありがとうございます。  やはり、この法律ができたそもそもの、PCBの問題等々に照らし合わせると、いまだに影響が明らかではないというような状況である中、それでも、今、市場ではあふれている現実。やはり、いち早くこの問題点や原因等々を解明していくことが何より待たれるわけであります。  本来ならば、明確に安全性が確保されてから製品化、製造がされるべきなのが化学物質だろうというふうに私は認識をしておりますけれども、今の段階では、やはり、審査体制やスクリーニング等々をよりスピーディーに、より現実的にやっていくことが何より重要だと思います。  どうぞ、こうした管理基準をしっかりと確立していくことに全力を挙げていただくことを強くお願いしておきたいと思います。  時間がなくなってまいりました。最後の質問に入らせていただきます。  これは、前回の改正時にもお尋ねをした問題でありますけれども、化学物質に関する総合的、統一的な法制度の検討についてであります。  山積する多くの化学物質にまつわる問題点の中には、直ちに手をつけなければならないものもたくさんありますし、国際目標や諸外国の動向に照らしていくと、化審法のみでは対応できない事項も山ほどあります。先ほど局長の答弁の中にも、化審法の中だけでは十分対応できない、他の法律でというようなことも引用されましたけれども、できる限り早期にこの化学物質管理についての総合的な戦略を立案し、その上で、化審法を含む個別法の見直しを行う必要があろうかというふうに私は考えております。  そのためには、本化審法改正と同時に、基本理念、そして、化学物質管理を一元化するための省庁横断的組織を定める基本法の制定が望まれるところでもあります。  我が国における化学物質規制は、暴露経路やライフサイクルの段階に応じて、さまざまな法律によって管理が行われています。この中で、化審法は、環境を経由した人への長期毒性や生活環境、生態系への影響の評価を対象としています。化学物質の暴露やその用途、毒性ごとに多数の法令が縦割りで制定されることによって、その分野でのリスク管理が効率的に行われるという利点がある一方で、他の省庁、他の法令との連携が欠如し、規制のすき間が生じる欠点というのもあります。  平成二十一年の改正時に、私、同じ例を実は取り上げたんですけれども、そのとき聞いていらっしゃった方がほとんどいらっしゃいませんので、もう一度引用させていただきたいと思います。  例えば、ハエや蚊といった虫退治の殺虫剤は厚生労働省所管の薬事法で規制されているんですけれども、アリであるとかナメクジといった、いわゆる不快害虫と呼ばれる虫の駆除剤、シロアリの駆除剤を規制する法律は、八年たった今もなお、存在しません。シロアリの防除は、依然として、安全性よりも効果に重点が置かれた薬剤が製造、使用されているので、今なお健康被害の苦情が国民生活センターにも寄せられているのに、政府は、残念ながら、具体的な対策を講じているとは言えません。  我が国の化学物質管理の法体系は、基本的に省庁や所管ごとの縦割り規制となっており、しかも、それを統合するような横断的、包括的な法規というものが欠如しています。化学物質に関する包括的な法制度の必要性については、平成二十一年の改正化審法審議時にも取り上げましたし、衆議院及び参議院の経産委員会では、それぞれ附帯決議に、化学物質に関する総合的、統一的な法制度のあり方についての検討を行うようと盛られているのですけれども、何ら措置された形跡が私には見てとれません。関係省庁間での連携が図られているのかどうか、疑問にも感じるところであります。  八年前、当時経産大臣だった二階さんは、「本当に」と力を込めておっしゃいました。「本当に三省で十分話し合って、今後の問題に共通の責任で対応していく」と答弁を締めくくられたんですけれども、何もできていないというのが現状であります。  附帯決議で示された統一的な法制度について、これまでの検討状況、さらに今後の見通しについて、きょう経産大臣と、そして環境副大臣にもお越しいただいておりますので、どうぞ、それぞれのお立場でお答えをいただきたいと思います。
  126. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 化学物質は、一般工業用の化学品のほか、農薬、医薬品、食品添加物など、さまざまな用途で利用されています。また、それらの人や動植物への影響についても、人が口から摂取する直接的な影響から環境経由の間接的なものまで、極めて多様であります。  このため、化学物質の管理を行うに当たっては、さまざまな化学物質の特性、用途や、人や動植物への影響を生ずる経過に応じて、きめ細かい評価、規制を専門的な見地から行うことが有効であります。このような観点から、現行の規制体系となっているわけであります。  一方で、政府としては、平成二十一年当時の附帯決議を踏まえた対応も行ってきております。  具体的には、化学物質の適正な利用及び化学物質によるリスクの低減に関する長期的、計画的な施策を推進するに当たって、関係省庁間の連携を図る観点から、平成二十四年に第四次環境基本計画を閣議決定し、その計画に基づいて、各省が連携をして、科学的なリスク評価の効率的な推進、ライフサイクル全体のリスクの削減などを進めてきているところであります。  さらに、化審法におきましては、化審法の執行で得られた情報を関係省庁に通知する規定があり、それに基づいて、平成二十四年度から二十八年度までの五年間で、家庭用品規制法、労働安全衛生法、消防法を所管する省庁の担当部署に対して、化学物質の有害性等の情報提供を実施しております。  引き続き、各省連携を進め、迅速な規制対応と効率的なリスク評価を進めてまいりたいと思います。
  127. 関芳弘

    ○関副大臣 化学物質のリスクの低減に向けまして、田島委員のおっしゃる省庁間の連携を図ること、これは非常に重要なことだと認識をいたしております。  このために、第四次環境基本計画を踏まえまして、市民、労働者、事業者、そして行政、学識経験者等、さまざまな主体間での議論を行いまして、包括的な化学物質管理にかかわります実施計画でございますSAICM国内実施計画を平成二十四年に策定したところでございます。  計画の策定後も、SAICM関係省庁連絡会議、これを設置いたしまして、計画に基づきます取り組みを着実に進めるべく、進捗状況の点検などを、関係省庁が連携を行いまして、取り組んでいるところでございます。  こうした枠組みを活用いたしまして、関係省庁間の連携を強化いたしまして、また、環境NGOや産業界などのあらゆる主体とも協力を進めまして、包括的な化学物質対策が実施できていきますように取り組んでまいりたいと思います。
  128. 田島一成

    ○田島(一)委員 八年前の大臣答弁のように、耳ざわりのいいお答えもいただけませんでしたが。  やはり、最終的に被害に遭うのは人であったり生態系であります。そのことを、過去の反省にしっかり立って取り組んでいただくことをお願いして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  129. 浮島智子

    ○浮島委員長 次に、木下智彦君。
  130. 木下智彦

    ○木下委員 日本維新の会、木下智彦です。  本日もお時間をいただきまして、ありがとうございます。  今回の法案なんですけれども、我が国の化学産業の促進というのをしっかり後押ししていくということが非常に必要だなというふうに思っているので、今回の法案は非常に、私、いつも言うんですけれども、評価できるかなというふうに思っております。  思い起こせば、私、いつも言っておりますが、サラリーマンをやっていたときに三井物産という会社にいたんですけれども、大正時代に化学部門が分離いたしまして、今ではそこの会社が東レという会社になっております。三井物産からしてもお客様というような、そういう大きな会社になっていて、大きな取引をしておりまして、やはり、一つの部門が一つの大きな会社になっていく、それぐらいのことを日本のこの今までの歩みの中でやってきたんだなと。  では、化学製品等々の日本での産業の状況というのをちょっと調べてみたんです。そうすると、今の出荷額でいうと、産業別で見ると日本の中でも三位に位置しているということ。それから、付加価値額で見ても日本の産業の中で三位。大きくこの日本の産業を支えてきた、そういう分野なのかなというふうに改めて実感いたしました。  そういう意味で、今回のこの法案、中身を見ていても、今までの規制を見直して、非常にバランスよく産業を振興していこうというふうな、そういう取り組みがかいま見れるなというふうに思っているんです。  ただ、そうはいいながら、では環境に対する影響について本当にしっかり安全性が担保できているのかどうか、ここのバランスというのがやはり一番重要なのかなというふうに思いました。  それで、きょうは環境省に朝から来ていただいておりまして、私からも改めて、きょう皆さんほとんど質問されていることは一緒だと思うので、改めてになってしまいますけれども、環境省にまずお聞かせいただきたいんです。  何かというと、先ほど来話題になっています、排出の係数を新たに導入して、総量もしっかりと定めながらやっていくということなんですけれども、排出の係数自体が、本当に環境に対する影響、これをしっかりと配慮されたような数値がとられているかどうかということが一つ大きなポイントになるのかなと。先ほど来言っていますが、用途情報等々についてもそうなんですけれども、この係数というのは非常に重要なのかなと。  ただ、ちょっと私が疑問、疑問というのか、私の頭ではまだしっかり理解できていないところなのかもしれませんが、もともとこの全国の数量の上限というのを、少量の新規では一トン、それから、低生産量新規制度というのでは十トンという形で制限されていた。今回は、制度の中で、新たにこういう排出係数を換算して、それで全体的な環境の排出量をそれぞれ一トン、十トンという形になるということなんです。  ここで、考えてみたら、それぞれの化学製品によって本当に環境に対する影響というのはいろいろあると思うんです。係数でやるといいながら、一トン、十トン、そういう制限があるといったときに、頭が私はちょっとこんがらがってしまったんです。というのは、下手をすれば一キロ、一キロというよりも、五百グラムぐらいでも非常に影響がある可能性があるものもあるんじゃないかな、そういうものも含まれて、でもここは上限で一トンとするのかな、どうなんだろうというふうに思ったんです。  毒性の高いものについてはほかの法律等々で規制があるんだと思っているんですけれども、それを考えると、やはり、排出係数とそれから全国の数量上限というものの関係、そこの中でこういう環境に対する影響をはかっていくというのが、全体的に見て整合性がとれているのかどうか、本当に安全を配慮した形になっていくのかどうか。  そういうところを踏まえて、改めて、この数値の捉え方を教えていただきたいんです。
  131. 梅田珠実

    ○梅田政府参考人 お答えいたします。  毒性に関しての御懸念の質問かと思いますが、少量新規制度の上限の設定につきましては、高蓄積、難分解かつ長期毒性を持つ第一種特定化学物質の中で、毒性が最も強いディルドリンという物質がございます。この毒性が最も強いディルドリンを事例として用いまして、これが年間一トン製造され、その全量が仮に環境中に排出される用途に全国で使用された場合において、人の健康や生態に及ぼす影響があるかどうかということのシミュレーション、評価をいたしました。この結果、第一種特定化学物質が年間一トン放出されたとしても、一日の許容摂取量を下回り、人健康や生態に影響がないと推計されたことから、問題はないというふうに考えているところでございます。  また、十トンの方の低生産量新規制度の上限の設定につきましては、同制度が対象とする性状を有する化学物質の事例として、第二種特定化学物質の中で、過去に大量に使用されていた代表的な化学物質でありますテトラクロロエチレン、トリクロロエチレンを取り上げまして、これを年間十トン全国に排出した場合というシミュレーションを行いましたところ、人健康や生態に特段の影響がないという推計結果、これを根拠としているところでございます。
  132. 木下智彦

    ○木下委員 ありがとうございます。  今ある情報の中で予測する形で数値を設定しているということで、それなりの論理性はあるのかなというふうに理解いたしました。  そうはいいながら、これから先どういうものが出てくるかわかりませんので、そういったときに本当に毒性をどういう形で判断していくのかというところは、これは常日ごろ、これからも見ていかなければならないのかなというところもまだ少しちょっと疑問は残っているんですけれども、そこもしっかりやっていただくんだというふうに事前にも聞いておりますので、うまくこの制度を使ってそういうところをウオッチしていっていただければいいかなというふうに思います。  片や、今回の法案なんですけれども、そういう環境に対する影響というものと、それから、それによる規制、それによって、冒頭私が言いましたような、化学産業に対する機会の損失があった、ビジネスチャンスを逸している部分があったというふうな、それが契機となって今回の法律案というふうになっていると思うんです。  そこで、いろいろと情報を私の方も見せていただきましたけれども、改めて、ここにも書いてあるんですけれども、サプライチェーン全体でビジネス機会の喪失があった、あるんだ、だからというふうに言っているんですけれども、では、一体、具体的にどんなビジネス機会の喪失があったのか、これをまず、このインパクトによって判断できると思うので、その辺を教えてください。
  133. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 経済産業省が企業から聞いている話でありますけれども、まず、全国数量調整の結果、本来届け出をした、確認を受けたかった予定数量を製造することができずに、予定数量よりも少ない数量しか確認されなかった、それによって、減らされた分、ビジネスの規模が縮小したという例がございます。こうした事例は、特に、少量でかつ高価な新規化学物質を製造、販売する国内中小化学メーカーにとっては非常に大きな痛手であります。  それから、こうした化学メーカーから供給を受けるサプライチェーンにわたっても影響があるわけでありまして、例えば、必要な量だけ提供できなかったことを受けて、ディスプレーに用いる液晶部材において、海外の企業連合、これは韓国とヨーロッパの企業連合でありますけれども、全国数量調整制度のない両国の企業連合に仕事をとられたという話も聞いております。  また、数量調整によって予見可能性が低下をするということに伴うビジネスの不確かさを避けるために、化学メーカーとそれから化学物質の譲渡先、取引先である電気、電子メーカーが海外に生産拠点を移しているというような声もあるところであります。  こうした点を踏まえて、今回の改正では、健康、生態に影響を与えないという規制の趣旨を変えることなく、ただ、今までの全国数量調整に当たっては、製造、輸入したものが全量環境に排出されるという前提で積み上げて、それで上限にヒットすると数量調整をかけておりましたけれども、実際に排出されるのは用途によって相当異なるわけでありまして、そういう排出係数を加味して積み上げていって、それでも一トン、十トンという上限にヒットする場合には数量調整を行う、こういう規制は変えないままにしながら、他方で、機会損失を減らし、制度の合理化を目指す、そういうものでございます。
  134. 木下智彦

    ○木下委員 ありがとうございます。  私の聞き方が悪かったのか、インパクトを教えてほしかったので、私が手元で読みますと、いただいた資料によると、今の制度だと、化学メーカーの売上喪失額は八百六十一億円、サプライチェーン全体で売上喪失額は四千七百億円を上回っているということなので、これが改善されると少量新規を用いた化学物質の売り上げは四五%増が期待できるということなので、そこは非常に、これはやはりやっていくべきなのかなと。  ただ、先ほど液晶ディスプレーの話で言っていたかと思うんですけれども、欧州であるとか韓国であるとか、総量の制限のないようなところ、こことこれからも戦っていかなければならないわけですよね。これを考えたときに、明らかなのは、何で世界にそういう総量制限がないんだろうと。こういうところとずっと戦っていかなきゃいけないというのも非常に難しい問題だな。だからといって、数量制限をなくしてしまうというのも、これも本末転倒だ。だから、国際社会に対して、こういうルールをしっかりつくっていくようなことも、これは政府として発信していくべきだというふうに改めて感じました。  それからもう一つ、きょう、これも環境省にお聞かせいただきたいんですけれども、これも何度か質問にありましたけれども、今回の法律、これは、化学物質の製造・輸入段階及び使用段階に係る規制を中心とした法律、廃棄物の取り扱いについては対象にされていないということでした。これは別の枠組みで取り扱っていくんだというふうな御答弁がありましたけれども、それとあわせて、これをもう一度簡単に説明いただきたいんです。  それともう一つ、ちょっと思っていたのは、希少なものであった場合はリサイクルをするようなことも考えられると思うんです。しかも、化学物質によっては、もともとの用途と同じ用途で用いられるリサイクルもあるかもしれませんけれども、違う用途に転用される可能性も出てくる。科学技術が、イノベーションが起こって、そういったものもどんどんどんどん出てくる可能性はある。  そうなったときに、これは廃棄物と同じように、リサイクルについてもそれなりの手当てというものをしっかり考えていかなければならないというふうに思うんですけれども、それについては、何か、どういうふうなことをやられているかということはあるんでしょうか。
  135. 梅田珠実

    ○梅田政府参考人 お答えいたします。  現在、化審法のリスク評価において活用されている排出係数について、重ねての御説明になりますが、これは、化学物質のライフサイクル全体を考慮して、製造段階、調合段階、使用段階を考慮しておりますが、御指摘の点ですが、廃棄物として処理する段階での排出につきましては、現時点でこの情報が乏しいことから、廃棄段階について数値の設定に含めてはおらず、今後の課題、調査検討を進めているというところでございます。  したがいまして、現時点では、廃棄段階における環境汚染の防止は廃棄物処理法等により対応がなされているということでございますが、今回の審査特例制度の合理化に伴いまして用いる排出係数につきましては、既存の排出係数に安全係数を掛け合わせるなどの安全側に立った設定、運用を行うことによって、安全の確保に万全を期してまいりたいと考えております。  それから、委員御指摘のリサイクルということでございます。  化学物質を含む廃棄物、製品を原料として再生利用するマテリアルリサイクルした場合は化学物質も一緒に循環するという御懸念は、重要な御指摘というふうに考えております。  これは、今後のマテリアルリサイクル技術の進展などに伴い循環し続ける化学物質、このようなものについて、関係部局で連携をして実態把握などを行うなど、検討を進めてまいりたいと考えております。
  136. 木下智彦

    ○木下委員 ありがとうございます。  本会議があるということで、早く終わろうと思ったんですけれども、一問残しているのでどうしようかなと思ったんですけれども、一言だけ、もう本当に一言で結構なんですけれども。  こういう有害物質を、どれぐらいの有害性があるかというときに、動物実験がやはり行われる。これが、いろいろと経産省さんに聞いていると、これは動物実験をしなくてもやる方法がだんだんだんだん確立されてきているんだということも聞いたんですね。こういうのをどんどんどんどん進めていっていただければまたおもしろいことができるんじゃないかなと思っているので、その辺、一言だけで結構ですので、説明をください。
  137. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 お答えいたします。  おっしゃるとおり、欧州を中心に、動物実験を避ける、こういう国際的な流れがございまして、これに対応するための技術開発というのを私どもとしては今検討を実施するという段階でございます。  これは、化審法が昭和四十九年からのデータはたくさん蓄えておりますので、このデータと最近のAI技術、これを組み合わせることによって現在できるようになっているのではないかということで、本年度から、コンピューターシミュレーションによる仮想実験で動物実験を代替できないかという研究開発に着手したいと思ってございます。  これによって、もし動物実験のかわりになれば、これは企業側それから規制当局側にも大変大きなメリットがあるのではないかなと思ってございます。  以上でございます。
  138. 木下智彦

    ○木下委員 新たな産業が生み出されるんだというふうに期待がされるものだと思いますので、ぜひともこれを推し進めてください。  周りから、よし、よしという声が聞こえておりますので、これで終了させていただきます。ありがとうございます。
  139. 浮島智子

    ○浮島委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時二十二分休憩      ――――◇―――――     午後一時二十五分開議
  140. 浮島智子

    ○浮島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。真島省三君。
  141. 真島省三

    ○真島委員 日本共産党真島省三です。  化審法改正案について質問します。  四月十一日の参議院経産委員会で、我が党の岩渕友議員経産省は、一九七三年の化審法制定の背景としてカネミ油症事件などの社会問題があったと述べ、四月六日の参議院経環連合審査では、我が党の武田良介議員に山本環境大臣が、「環境省はこの化審法の成立の時期の原点を忘れることなく頑張っていきたい」と決意を述べられました。  まず、化審法の主務大臣である世耕大臣にお聞きします。  化審法制定の背景となりましたカネミ油症事件の被害者の苦しみ、同事件の教訓をどう受けとめておられるでしょうか。また、化審法の原点とは何でしょうか。
  142. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 昭和四十三年に起きましたカネミ油症事件は、ポリ塩化ビフェニル、すなわちPCBが混入した食用油などを摂取された人々に障害等が発生した事件であります。被害者の方々のその後の苦しみを思いますと、筆舌に尽くしがたいものだというふうに思っております。  PCBの毒性は、毒物や劇物などの急性毒性とは異なって、環境汚染を通じて人の健康をじわじわとむしばんでいく長期毒性でありまして、当時の化学物質対策の一種盲点をつくようなものであったわけであります。  こうしたカネミ油症事件の教訓を踏まえて、このような悲惨な事態を二度と引き起こさないとの決意のもと、PCB及びそれに類似する化学物質による環境汚染を未然に防止するため、これらの化学物質の製造、使用等について管理を行うべくこの法律が制定されたものと承知をしておりまして、これが化審法の原点だと考えております。  化審法制定後は、PCBと同じような、難分解性であり高蓄積性、そして人への長期毒性を有する物質については、順次、第一種特定化学物質に指定をし、原則、製造、使用等を禁止をしてまいりました。  化審法に基づく措置によって化学物質による環境汚染の未然防止を図ってきた結果、現在、PCBのような健康被害が生じたという例は承知をしておりません。  引き続き、カネミ油症事件の被害者の方々の苦しみと事件の教訓を片時も忘れることなく、厳正に法執行を行うことにより、国民の健康被害が生じないよう、万全を期してまいりたいと考えています。
  143. 真島省三

    ○真島委員 一九六八年十月、米ぬか油を使って料理したものを食べた人たちが、皮膚や内臓、骨の疾患など次々さまざまな病に侵される、カネミ油症の発生が確認されました。  私が住んでおります北九州市に本社がありますカネミ倉庫が米ぬか油を精製する過程でダイオキシン類の物質が混入し、その油を使った料理を食べた人たちにこの病が発症いたしました。世界でもまれで、重大な食品公害です。被害者の方は、西日本を中心に一万四千人とも言われております。  私、五月四日に、その二世患者になる三苫壮さん、カネミ油症被害者福岡地区の会事務局長の方からお話を聞きました。  三苫さんは、父と母は認定されたが、祖母は最後まで認定されなかった。自分と兄は生後すぐ認定された。兄は心臓の右心室と左心室に穴があく大病で、子供のころに大手術をした。父母は事件の直後は死ぬ思いをしたと言っていた。その後も、疲れやすいと口にする。当時、ライスオイルというのは健康食品というふうにふれ回られていたということで、その後、患者の皆さんの中には、認定されずに、にせ患者と呼ばれたり、認定、未認定が分かれて家族が引き裂かれた。こういう方々の苦しみを忘れちゃいけないんだというふうにおっしゃっていました。  事件の直後、黒い赤ちゃんという報道がありました。死産、流産、早産が相次ぎ、通常分娩で生まれた赤ちゃんは、体全体に黒褐色の色素沈着があり、皮膚がかさかさして剥げ落ちる。母親がため込んだ有害な化学物質胎盤と母乳で子供や孫に引き継がれる。母親にとってこんなに残酷なことはありません。  化学物質による被害を未然に防止する。先ほど大臣が言われたように、これが化審法の原点です。  では、この化審法制定によって世界に先駆けて新規化学物質の事前審査制度を採用したわけですが、その意義は何なんでしょうか。
  144. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 昭和四十八年四月十二日の商工委員会で当時の齋藤化学工業局長から、「このような事前審査制度を世界に先がけまして採用することとしました背景には、PCBの例に見られますように、問題の発生後、諸般の措置を講ずるといたしましても、後手後手となることはいなめないのでありまして、化学物質による環境汚染を未然に防止することができないという深い反省があったからでございます。」という答弁がありました。  当時の委員会でもありますように、昭和四十八年に制定された化審法は、世界に先駆けて事前審査制度を導入し、事業者が市場投入する予定の化学物質を審査をしてきたわけであります。  その後、少量であれば毒性試験が不要となる審査特例制度も導入してきましたけれども、事前審査制度も相まって、我が国では、化審法の規制対象となるPCBのような化学物質で、環境を経由して引き起こされる重篤な健康被害を引き起こした事案はないということになっております。  今後も、化審法における事前審査制度と審査特例制度とを組み合わせて活用することで、環境汚染の防止を前提としながら、イノベーションの促進にも貢献できるよう、関係省庁協力して法施行を進めてまいりたいと思います。
  145. 真島省三

    ○真島委員 カネミ油症事件で問題が発生した後、今大臣が言われたように、措置が後手後手になった、環境汚染を未然に防止できなかった、こういう深い反省から、新規化学物質の事前審査制度を採用したということです。  政府が深い反省をしたという、この後手後手になった経過について確認をいたします。  カネミ油症の原因物質、そして、その物質が原因だと判断した時期はいつでしょうか。
  146. 北島智子

    ○北島政府参考人 お答えいたします。  カネミ油症は、議員御指摘のとおり、昭和四十三年に福岡県、長崎県を中心とした西日本において、カネミ倉庫株式会社製のカネミ米ぬか油を摂取することで発生したものであり、その原因物質は、高濃度のポリ塩化ビフェニル、PCB類やダイオキシン類であるものとされております。  これらの原因物質につきましては、油症が発生した当時は、その毒性、性質等についてはほとんどわかっていない状況であったことから、油症研究班において進められている調査及び研究の成果、検診の結果等を通じて集積される科学的知見を踏まえながら、順次特定をされてきたものです。  具体的には、PCBについては昭和四十七年十月二十六日に、PCDFについては平成十六年九月二十九日に油症診断基準にその内容が盛り込まれるなど、カネミ油症に関する調査研究の成果等を踏まえながら、随時、診断基準の見直しが行われているものと承知しております。
  147. 真島省三

    ○真島委員 それでは、ダイオキシン類の一種であるPCDFの血中濃度の測定を始めたのはいつでしょうか。
  148. 北島智子

    ○北島政府参考人 お答えいたします。  平成十六年九月二十九日の油症研究班油症診断基準の改訂によりまして盛り込まれたものと承知しております。
  149. 真島省三

    ○真島委員 今おっしゃっていただいたように、医学の発展は被害の後から追いついてきたというふうに言われました。これが実態、現実でございます。  一九六八年に発生したカネミ油症は、最高裁で製造メーカー、カネカと和解をし、国への訴えを取り下げたのが一九八七年、救済法であるカネミ油症患者に関する施策の総合的な推進に関する法律が成立したのが二〇一二年。被害に遭った方々自身がみずから因果関係医学的な証明を求められ、数十年にわたる裁判を強いられ、公的な支援を得るまで四十数年かかりました。  この最高裁での和解後にも、診断基準の改訂で新たに認定された方が今でもふえ続けておりますし、二世、三世の方の救済という課題もあって、事件はまだ終わっていない。カネミ油症被害者五島市の会は五月二十日に市内で総会を開きまして、被害二世、三世の早期救済など、国や原因企業のカネミ倉庫に引き続き要望していくという方針を決定しています。  大臣にちょっとこれは確認なんですけれども、化学物質の性状を審査せず、必要な規制を怠れば、このカネミ事件のように、重大な被害を未然に防止できない。そして被害者の対策もおくれる。これがカネミ油症事件の教訓であり、化審法の原点。繰り返しのお尋ねになりますが、確認です。
  150. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 全く御指摘のとおりだと思いますし、今回、何かそこの考え方を変えるというような立場には全く立っておりません。
  151. 真島省三

    ○真島委員 それでは、法案について聞いていきます。  参議院での審議では、本法案により、化審法の大原則である事前審査制度の特例として設けられております少量新規と低生産量新規の製造・輸入数量の全国上限を数量ベースから環境排出量ベースに変更するという点について相当な議論になりました。環境排出係数の設定によっては環境負荷が増大するが、どうやって環境排出係数を設定していくのか。用途別には環境排出係数を掛け合わせるのなら、その用途情報をいかに正確に把握していくのか。重要な点でございます。  少量新規というのは全ての毒性審査が免除されています。つまり、毒性がわからないものが製造され輸入される。だから、その化学物質が第一種特定化学物質と同等の強い毒性を持っているもので、万が一外に漏れ出した場合でも、人間の健康や生態系、環境に影響を及ぼさない限度として、現行法では、個社数量上限一トン、かつ、国内数量上限一トンという二重の上限を置いております。  低生産量新規は毒性審査の一部が免除されるため、第二種特定化学物質と同等の強い毒性を持っているものが外に放出しても影響を及ぼさない限度として、十トンという上限が設けられております。  この少量新規制度の利用実態を確認しますけれども、二〇一五年度の申し出件数と用途の上位三つは何でしょうか。
  152. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 お答えいたします。  二〇一五年度の少量新規制度の申し出件数は三万五千三百六十件でございます。  申し出の多かった用途は、上から順番に申し上げますと、電気・電子材料、これが約二六%、薬等の中間物、これが約二二%、フォトレジスト・写真・印刷版材料、これが約一一%、これが上位三つの順番でございます。
  153. 真島省三

    ○真島委員 この少量新規制度の申し出件数、十年間で倍加しているんです。審査特例制度のニーズが増加しているというふうに言われているとおりです。  政府の法案説明資料では、現行制度がビジネスに与える悪影響としてビジネス機会の喪失ということを挙げて、化学メーカーのみならず、川下メーカーにも影響しているというふうに言っています。  用途の上位を占める化学物質を使う川下メーカーで特例審査制度のニーズが増加しているというその事情は何でしょうか。どういうものでしょうか。
  154. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 先ほども事務方がお答えしましたように、この少量新規制度で申し出された化学物質の用途については、電気・電子材料が一番トップになっているわけであります。  この少量新規制度では、時間やコストのかかる事前審査用の試験が不要であるということから、開発競争の激しい化学物質を用いた、例えば液晶パネルですとかスマートフォンといった製品のイノベーション、こういったところで活用されているというふうに認識をしております。  また、化学メーカー側においても研究開発を盛んに行っておりまして、非常にライフサイクルが短くなっている傾向があるんだろうと思います。  そういう意味から、市場投入する場合に、時間やコストのかからない少量新規制度で申し出が行われているというふうに認識をしています。
  155. 真島省三

    ○真島委員 結構、化学メーカー側の要望としてこれは語られているんですけれども、事前のレクで経産省にお聞きしましたら、大体、化学物質というのは、化学メーカーが自分で研究開発して、それを、こういうのがありますよと店頭に並べて買ってもらうという形ではなくて、川下のユーザー企業から、新商品でこういうニーズがあるんだ、こういうものをつくってくれという要望を受けて化学メーカーが開発をしていくというパターンが多いんだという説明を受けました。  つまり、川下ユーザーのニーズに応えるためには、通常新規の手続ではなく、特例制度の方が非常に使い勝手がいいということなんでしょうか。
  156. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 もともと、川下で電気、電子で使われる場合に、大量に膨大に使うことではないという事情もあると思います。  したがって、少量新規制度の利用ができる。それで、少量新規制度を使えば、毒性データそれから蓄積性、分解性についてのデータを取得することなく製造や輸入ができる。そういうことから活用をされているというふうに理解をしております。
  157. 真島省三

    ○真島委員 今おっしゃったように、特例制度は非常に使い勝手がいい。しかし、国内数量上限があるために、希望する製造・輸入量がかなえられないんだという要望だと思うんです。  実際、二〇一五年には、申し出がありました三万五千三百六十件のうち、四千二百七十六件で数量調整が行われています。  実際の申し出の状況がどうなっているのかということで配付資料をお配りしていますが、二〇一六年度に少量新規、低生産量新規の製造申し出があった事業者数が多かった化学物質上位十個を表にしたものでございます。  特例による製造・輸入量の個社上限は、少量新規一トン、低生産量新規十トンですが、それぞれを使って十一トンということではなくて、少量新規一トン枠を利用したら、低生産量は九トンということになります。  最も多い二十四社が競合しているこの一番上の化学物質Aは、少量新規九千七百四十キログラムの申し出を一トンにおさまるように調整をし、低生産量新規十トンを九トンに調整する。  二番目の化学物質Bは、少量新規四千九百五十五キログラムの申し出を一トンにおさまるように調整をし、低生産量新規十六トンを九トン以内で調整をしている。  この上位の二つの物質を見ますと、企業が希望しました製造・輸入数量を足し合わせると約四十トン強というところですが、国内数量上限がきいて、この二つで最大二十トンの範囲にとどめさせられてきた、こういう理解でいいんでしょうか。
  158. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 お答えいたします。  今御説明いただきました表でございますが、御説明のとおり、上位十の、競合企業数の多かったものの表かと理解してございます。  おっしゃるとおり、この数字に基づいてそれぞれ少量新規制度それから低生産量新規制度の調整をこの申し出数字に基づいて行うわけでございまして、例えば一行目のAという物質については、合計で十九・七トンの申請がございますが、低生産量、少量新規を合わせて十トン以内におさめるということでございますので、調整の結果、十トン以内におさまるように調整をするというのが私どものやっている作業でございます。
  159. 真島省三

    ○真島委員 確認いただきましたが、国内上限が数量から環境排出量に変わるとどうなるのかということで、参議院の審議で、排出係数が〇・〇四以下であれば数量調整は生じないはずだという答弁があっております。  この表の物質Aは、中間物、化学プロセス調整剤など五つの用途で利用されるものですけれども、これについては経産省、厚労省、環境省の三省合同審議会で了承し、現在、スクリーニング評価に用いております用途別の排出係数を見ますと、いずれも〇・〇四以下なんです。  例えば、物質Aだと、国内上限が数量から環境排出量に変更されれば、二十四社が申し出た少量新規九千七百四十キログラム全量の製造、輸入が可能になるということなんでしょうか。  また、物質のB、D、H、I、この用途の現行の排出係数でいいますと〇・〇四以下なんですけれども、環境排出量に変更されたら、少量と低生産の申し出数量の合計四十六・五トン全量が認められるということになるんでしょうか。
  160. 佐藤文一

    ○佐藤政府参考人 お答えいたします。  まず排出係数については、これからさらに専門家の皆さんと一緒に議論をするということでございますので、現在の数字がそのまま使われるかどうか、これはわからないということでございます。  競合企業数が多い場合に各社がどの程度の量を製造、輸入できるかについては、今申し上げた用途別の排出係数、それから各社の申し出量、そして用途、この三つのファクターがございますので、それをもとに各社の確認量が計算されるために、一概に全てが製造、輸入ができるようになるとは言えませんが、仮定といたしまして、競合企業数が二十四社で、二十四社全ての企業の申し出量が例えば一トンであって、そして用途も全て同じ、そして、その用途に対応した排出係数が〇・〇四以下、今後設定するものが〇・〇四以下という場合には、各社のお申し出量そのものが認められることになります。
  161. 真島省三

    ○真島委員 一般化学物質の届け出に今用いられております四十九区分のうち、現行の排出係数が〇・〇四以下のものは実に三十八もあるんです。ですから、新たな排出係数を少し高く設定したとしても、毒性検査も行っていない化学物質が大量に製造、使用できるようになります。  参議院の審議で環境省は、複数の化学物質の相互作用の科学的評価は困難だ、だから、単体の化学物質の毒性について厳しく評価する安全係数を設けているんだというふうにおっしゃっています。  複数の化学物質の相互作用についての科学的な知見が今ない上に、単体では少量でも申し出件数が急増しているというわけですから、環境負荷が増大するということは否定できないと思うんですが、いかがでしょうか、大臣。
  162. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 今回の審査特例制度について、化学物質を製造、輸入する量ではなくて、環境に排出される量に着目する改正を行うことによって、新規化学物質の製造量や輸入量が増加すること、これは考えられるというふうに思います。  しかし、仮に新規化学物質の全量が全国にくまなく拡散されるようなことになっても、健康や生態に与えるリスクが生じないということを前提とした制度の考え方は維持をしておりまして、今回の制度改正によって、環境被害を引き起こすリスクは生じないというふうに考えています。  なお、今御指摘の、複数の化学物質の影響を加味した複合暴露の評価方法、これは国際的には確立していないので、我が国のみならず、欧米の審査特例制度においても、複合暴露を考慮したもの、こういうものはないわけであります。  規制の国際的動向も見きわめながら、化学物質の複合影響の考慮についての研究を進めて、これらによる成果が得られれば、規制のあり方に反映してまいりたいと思います。
  163. 真島省三

    ○真島委員 現在、数量は法定されているわけですが、新たに用いる用途別排出係数というのは、これから政府が決めていくということで白紙委任になっています。  参議院の審議では、環境排出量の設定に不可欠な用途情報の確認は売買契約書で確認すると答弁がありました。この売買契約書というもので、直接取引するユーザーよりも川下の、最終段階の用途までしっかりと特定できるんでしょうか。また、用途情報を偽っていた場合、どんな措置がとられるんでしょうか。
  164. 糟谷敏秀

    ○糟谷政府参考人 用途の確認は、売買契約書のコピー、その他商慣行上使われる文書で行うことになりますが、環境汚染を防止するという趣旨に鑑みれば、どのような企業が間に入っていようとも、最終的な用途が確認できることが重要であるというふうに考えております。  仮に、例えば商社が間に入っている場合であっても、最終的な用途が確認できる事業者から、どのような用途で使うかがわかるための資料を求めることになります。仮にそれが明らかにならなければ、排出係数は一として扱うということになろうかと思います。  また、申請時の用途確認を行うことに加えて、事後的に用途違いの可能性があるという場合、その場合には、川下事業者を含めて、任意の調査や行政指導を行ってまいります。万一、異なる用途に使われることによって確認された環境排出量を超える場合には、国からの確認を取り消すことを考えております。
  165. 真島省三

    ○真島委員 この環境排出係数は、化学物質の生産、調合、製品としての使用から廃棄までのライフサイクル全体を含んだものにすべきだ、こういう議論がきょうもありました。私、それに加えて、労働者の暴露量、これが一番、最終的な品物になる前の段階で非常に深刻だと思うんですが、これも加味しなきゃいけないと思いますし、より安全側に立った科学的なものでなければならないと思います。  大臣は、新しい化学物質を開発し少量利用するニーズが高まる中、現行制度のもとでは、国内における事業活動が海外に比べて制約される例が増加していると提案理由で説明をされて、今国会の中でも、化学産業の振興をどう図っていくかが今回の改正の一番大きな根源的な考え方だともおっしゃっています。  新規化学物質の審査制度の見直しの提案理由では非常に産業側の視点ばかりが述べられているように聞こえるんですが、政府として今回の改正の検討を開始することになったのは、例えば規制改革会議に検討を求められたということなんでしょうか。
  166. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 今回の改正は、全国数量上限による数量調整という制度を維持した上で、健康、生態に影響を与えないという規制の趣旨を変えることなく、事業者の規制対応コストを減らすように制度の合理化を図るものであります。これは、ですから規制緩和とかではありません。制度の合理化ということであります。  こうした制度合理化の要望は、御指摘の規制改革会議以前から、事業者の方から寄せられていたものであります。  これまで対応できなかったのは、製造ですとか輸入量がふえて許容しがたいリスクが生じることを防ぐためのセーフティーネットが構築できなかったわけであります。  排出係数は、平成十三年に化学物質管理促進法が施行をされて、化学物質の環境への排出量データを安定的にとれるようになったことから作成が可能になったものでありまして、前回、平成二十一年度の改正で導入された化学物質のリスク評価の中で、排出係数の試行的活用を進める中で、排出係数の精度が向上して、この係数を用いた環境排出量による全国上限管理というセーフティーネットが構築できるようになったため、今回の制度の提案に至ったということでございます。
  167. 真島省三

    ○真島委員 二〇一三年五月の規制改革会議創業等ワーキング・グループの議論の入り口で座長がこういうふうに言ったんです。政府として国際先端テストという考え方をとっておりまして、規制に関しては、国際的に見て日本の規制が最も緩やかなものであるようにしていくという大方針ですと。  私、これを読んでびっくりしたんですけれども、大臣は今、規制の緩和じゃないんだ、規制の合理化だとおっしゃいました。しかし、この規制改革会議のワーキンググループで座長が、日本の規制を世界一緩やかにしていくのが大方針だと言われている。  この規制の緩和と規制の合理化というのは何が違うんでしょうか、大臣。
  168. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 今回の化審法の目的も含めて、規制の精神を変えていない、緩めていないということであります。ただ、合理的に制度の合理化を進めるということをやらせていただきたいということでございます。  決して、規制改革会議よりはるか前に事業者からの要望があった。やってこなかったのは、その排出量をきちっと把握するシステムがなかったからであって、それができたということを踏まえて今回の法改正の提案に至っているわけでございます。
  169. 真島省三

    ○真島委員 化審法の目的規定自体は、大臣が繰り返しおっしゃっているように、カネミ後に制定された後から変わっていないんです。環境汚染を未然に防止するために、事前審査制度で化学産業を規制するんだという法律になっています。  ところが今回の改正は、議論の入り口から非常に規制緩和ありきで、化学、電気、医薬品、製造企業の製品サイクルのスピードに合わせるために、事前審査制度免除の特例という、規制法にあけた穴をさらに拡大しようとしているように私は見えるんです。正真正銘の規制緩和なのになぜごまかすのか、合理化と言い直すのかと思うんです。  最後にもう一度確認しますが、カネミ油症被害者福岡地区の会事務局長の先ほど言った三苫壮さんは、過去の公害の深刻な反省からつくった、世界に先駆けた事前審査制度のもとでせっかく安心、安全、環境保護というジャパン・ブランドをつくってきたのに、なぜ今それを捨てるのかとおっしゃっていました。  そこで最後に大臣にちょっと聞きますけれども、化審法が環境保全上果たしてきた成果、どのように評価されているでしょうか。
  170. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 これは、化審法が制定をされ施行されて以降、あのカネミ油症のようなことが起こっていないということから、非常に大きな役割を果たしてきていると思います。  我々はその役割を今回何ら変更するものではないということは明確に申し上げておきたいと思います。
  171. 真島省三

    ○真島委員 もう時間が来ましたので終わりますけれども、変更はしていないとおっしゃるけれども、変更しているわけです。穴を大きく広げようとしているんです。  それで、本法案は、カネミ油症事件の反省の上に立った、環境汚染の未然防止という規制法であるわけです。国民の健康、生態系、地球環境を保全するという政府の責務、そして、化学物質がもたらす悪影響を最小化しようという国際的合意に沿ってこの危険な規制緩和路線を見直すことを強く求めて、私の質問を終わります。
  172. 浮島智子

    ○浮島委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  173. 浮島智子

    ○浮島委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、これを許します。畠山和也君。
  174. 畠山和也

    ○畠山委員 私は、日本共産党を代表して、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。  化審法制定のきっかけとなったのは、国内最大の食品公害であるカネミ油症事件です。その後の調査によって、人体や環境中に相当量のPCBが蓄積されるなどの汚染の実態が明らかになったことから、世界に先駆けて、国による新規化学物質の事前審査を柱とする本法が制定されました。  健康被害、環境汚染の未然防止、これが化審法の最も重要な役割です。しかし、事前審査の全部または一部が免除される特例制度が導入されたことにより、既にこの基本的な枠組みには大きな穴があいています。このため、審査を免除された新規化学物質がふえ続け、安全性が確認されていない化学物質が大量に生産、消費、廃棄されてきました。  本法案に対する中心的な反対理由は、特例制度による国内総量上限を、これまでの数量から環境排出量係数に見直すことにより、実質的に総量の上限なしに新規化学物質の製造、輸入を可能とし、環境負荷の増大に対する懸念が拭い切れないからです。  財界と化学産業界は国内数量上限の撤廃を要求してきましたが、本法案は、事実上、これに応えるものです。化学、電気、医薬品産業などの製品サイクルのスピード化、低コスト化に規制を合わせようとするもので、人の健康や生態系への影響よりも産業界の要請を優先させるものと言わざるを得ず、容認できません。  さらに本法案は、化学物質が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化する方法での使用、生産を二〇二〇年までに達成することを求めるWSSD目標の履行措置に支障を及ぼすものとなりかねず、極めて重大です。  化審法は環境の汚染防止を目的とした規制法です。地球規模での環境汚染の現状をこれ以上悪化させることは、もはや一刻も放置できません。科学的な根拠に基づく規制措置により、人の健康や生態系に対する安全性の確保を大前提にする、この原則を貫くべきだということを重ねて指摘し、反対討論といたします。
  175. 浮島智子

    ○浮島委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  176. 浮島智子

    ○浮島委員長 これより採決に入ります。  内閣提出、参議院送付、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  177. 浮島智子

    ○浮島委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  178. 浮島智子

    ○浮島委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、吉川貴盛君外三名から、自由民主党・無所属の会、民進党・無所属クラブ、公明党及び日本維新の会の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。北神圭朗君。
  179. 北神圭朗

    ○北神委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表し、その趣旨を御説明申し上げます。  まず、案文を朗読いたします。     化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講ずべきである。  一 審査特例制度の見直しに併せて、事前確認により製造・輸入が認められる化学物質の管理状況及び使用状況について、事後監視の徹底を図るとともに、化学物質の有害性情報の収集に積極的に努めること。  二 審査特例制度の全国数量上限の算出に用いる用途別排出係数については、廃棄段階も考慮に入れるなど、化学物質のライフサイクルにも配意し、環境への排出量を過少評価することのないよう知見を結集した設定・運用を行うこと。    また、用途情報の正確性を担保するためには、企業の保有する技術・営業情報等の秘密情報が保護されるよう、速やかに国が用途情報を厳密に把握できる体制の構築について検討し、人の健康や生態系に悪影響を及ぼすことのないよう万全を期すこと。  三 化学物質管理に関する規制・制度については、化学産業の国際競争力の強化、事業者の負担軽減及び国際的な動向との整合性を踏まえて、合理的な規制や制度の運用に向け、引き続き検討すること。なお、その際には我が国の商慣行や事業者間の公平性にも充分留意すること。WSSD二〇二〇年目標の確実な達成、化学物質の適正な利用及び化学物質によるリスクの低減に関する長期的・計画的な施策を推進するため、利用の実態を踏まえ、包括的に化学物質を管理するための総合的、統一的な法制度等のあり方について早期に検討を行うこと。  四 化学物質のリスク評価に当たっては、その透明性及び客観性を確保する観点から、政府の行ったリスク評価の妥当性を審査する外部委員会を用いて行うこと。 以上であります。  附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解いただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。  何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
  180. 浮島智子

    ○浮島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  181. 浮島智子

    ○浮島委員長 起立多数。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、世耕経済産業大臣から発言を求められておりますので、これを許します。世耕経済産業大臣。
  182. 世耕弘成

    ○世耕国務大臣 ただいま御決議のありました本法案の附帯決議につきましては、その趣旨を尊重してまいりたいと考えております。     ―――――――――――――
  183. 浮島智子

    ○浮島委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  184. 浮島智子

    ○浮島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  185. 浮島智子

    ○浮島委員長 次回は、来る三十一日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時二分散会