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2016-05-18 第190回国会 衆議院 外務委員会 15号 公式Web版

  1. 平成二十八年五月十八日(水曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 岸  信夫君    理事 島田 佳和君 理事 新藤 義孝君    理事 土屋 品子君 理事 中山 泰秀君    理事 橋本  岳君 理事 小熊 慎司君    理事 武正 公一君 理事 岡本 三成君       小渕 優子君    大野敬太郎君       城内  実君    黄川田仁志君       小林 鷹之君    佐々木 紀君       鈴木 隼人君    薗浦健太郎君       辻  清人君    根本 幸典君       前川  恵君    松島みどり君       三ッ矢憲生君    八木 哲也君       大島  敦君    吉良 州司君       篠原  豪君    寺田  学君       長島 昭久君    大平 喜信君       笠井  亮君    丸山 穂高君       玉城デニー君     …………………………………    外務大臣         岸田 文雄君    外務副大臣        木原 誠二君    財務副大臣        坂井  学君    外務大臣政務官      黄川田仁志君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  芹澤  清君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  市川 正樹君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  岡田  隆君    政府参考人    (警察庁長官官房審議官) 斉藤  実君    政府参考人    (外務省大臣官房審議官) 大菅 岳史君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 大鷹 正人君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 飯島 俊郎君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 宇山 智哉君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 宮川  学君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 高橋 克彦君    政府参考人    (外務省国際情報統括官) 鈴木  哲君    政府参考人    (国土交通省大臣官房審議官)           佐南谷英龍君    政府参考人    (防衛省大臣官房サイバーセキュリティ情報審議官)           笠原 俊彦君    政府参考人    (防衛省地方協力局次長) 谷井 淳志君    政府参考人    (防衛省統合幕僚監部総括官)           高橋 憲一君    外務委員会専門員     辻本 頼昭君     ――――――――――――― 委員の異動 五月十八日  辞任         補欠選任   佐々木 紀君     根本 幸典君   山田 美樹君     八木 哲也君   笠井  亮君     大平 喜信君 同日  辞任         補欠選任   根本 幸典君     佐々木 紀君   八木 哲也君     前川  恵君   大平 喜信君     笠井  亮君 同日  辞任         補欠選任   前川  恵君     山田 美樹君     ――――――――――――― 五月十六日  核兵器全面禁止に関する請願(池内さおり君紹介)(第一九七二号)  普天間基地の無条件撤去に関する請願(田村貴昭君紹介)(第二〇四七号)  同(高橋千鶴子紹介)(第二〇四八号)  同(畑野君枝紹介)(第二〇四九号)  同(畠山和也紹介)(第二〇五〇号)  同(藤野保史紹介)(第二〇五一号)  同(堀内照文紹介)(第二〇五二号)  同(真島省三紹介)(第二〇五三号)  同(宮本岳志紹介)(第二〇五四号)  同(宮本徹紹介)(第二〇五五号)  同(本村伸子紹介)(第二〇五六号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  国際情勢に関する件      ――――◇―――――
  2. 岸信夫

    ○岸委員長 これより会議を開きます。  国際情勢に関する件について調査を進めます。  この際、お諮りいたします。  本件調査のため、本日、政府参考人として外務省大臣官房審議官大菅岳史君、大臣官房参事官大鷹正人君、大臣官房参事官飯島俊郎君、大臣官房参事官宇山智哉君、大臣官房参事官宮川学君、大臣官房参事官高橋克彦君、国際情報統括官鈴木哲君、内閣官房内閣審議官芹澤清君、内閣審議官市川正樹君、内閣審議官岡田隆君、警察庁長官官房審議官斉藤実君、国土交通省大臣官房審議官佐南谷英龍君、防衛省大臣官房サイバーセキュリティ・情報化審議官笠原俊彦君、地方協力局次長谷井淳志君、統合幕僚監部総括官高橋憲一君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岸信夫

    ○岸委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 岸信夫

    ○岸委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新藤義孝君。
  5. 新藤義孝

    ○新藤委員 おはようございます。自由民主党の新藤義孝でございます。  外務委員会の一般質疑、私も同僚の理解をいただいて、この時間を頂戴したことをまず感謝を申し上げたいと思います。  それから、この国会において、外務委員会の与党側の筆頭理事を務めさせていただきました。この外務委員会に付託されたのは、一つの法案と十の条約です。それらを全てきちんとした審議をすることができた、この委員会としての責任を果たすことができたという意味においては、与野党を超えてこの外務委員会として大きな成果であって、また皆の喜びとするところではないか、このように思っております。  引き続き、外交をしっかりと充実させていくこと、これは我が国の国力に密接不可分、そして成長に大きな影響を与えることになってまいります。ですから、議論を深めてまいりたい、このように思うわけであります。  その意味におきまして、ここのところの安倍第二次政権が設立されてから三年数カ月、国際協調主義に基づく積極的平和主義、それから地球儀を俯瞰する外交、この名のもとに、本当に総理そして岸田大臣が世界を飛び回っていただいております。  私は、ここの何年間かの外交というのは、これまでとは違うステージに日本外交が上がったのではないかな、このように率直に思っております。そして、それは何よりも、やはり、国と国との交渉ではありますが、しかし、究極、つまるところは、相手との一対一の交渉、また一対一の腹の探り合いというものも大きく出てくるわけです。  その意味において、岸田大臣がずっと継続して日本の大臣として外交の責任者を担われて、そして、いい関係をつくりながら、極めてクレバーな、そして時には熱い外交をやってきた。私は、大臣のお人柄も含めて、これを率直に評価したい。  それが国際社会で、いろいろなところで、経済交渉にしても、それから環境や世界の問題に対して、日本の発言力が大きくふえている、これは紛れもない事実だと思いますし、我が国に対するインバウンドがここで急増していますね、そしてあわせて旅行者消費も数倍に膨らんできた、こういったことも、この国の経済の成長と外交の信頼、充実、これはやはり密接不可分ではないかな、このように思っているわけであります。  そして、いよいよG7伊勢志摩サミットが近づいております。念願の、大臣が肝いりのオバマ大統領の広島訪問も実現することになりました。ですから、ここで一つ節目をつくった上で、そして、せっかくここまで来たんですから、さらに日本の外交は質と量を充実させて、さらに次のステージを目指していくべきだ、私はそういうふうに思っているんです。  その意味において、自由民主党といたしましても、先週、国際社会を主導する外交を求める決議を出させていただきました。六つの大きな柱を立てまして、予算や制度を充実させよう、こういうことを我々は既に大臣に御提案をさせていただいているわけなのであります。  その中で、きょうは、私は特に、五つ目の柱として打ち出していただきました「戦略的な対外発信の強化」、このことについて少し具体的な提案をさせていただきたい、このように思っているんです。この「戦略的な対外発信の強化」、私たちの決議の五番目、(1)に書いてあります。  これは、「昨年のユネスコ世界記憶遺産の件や、その他マルチの場でのわが国として受け入れられない発言等があったことを踏まえ、わが国への国際社会の理解の促進を通じて外交努力の効果を一層高めるため、予算規模の維持・拡大を含め、戦略的対外発信を更に強化する。」この決議を私たちは提言しております。そして、領土、領海、歴史認識、積極的平和主義を含め、シンクタンクの整備、連携や海外テレビの活用等を通じた対外発信をさらに強化しようではないか、こういうことを私たちは提言させていただいたわけなのであります。  これは、我々の、自由民主党が選挙のたびに公約で出しますJ―ファイルというものがございます。この二〇一二年、一三年、一四年、私たちが政権をとらせていただいてからの選挙に全て同様の公約を書かせていただいております。それは、領土、主権、歴史に関する第三者研究機関の新設ということであります。  私は、この政策を打ち上げるに当たりまして、当時、野党でございました自由民主党時代に領土の特命委員会というものを立ち上げさせていただいて、その中で、この国の基本的な問題であって、この国のスタンスを国際社会にきちんと届ける、そういうための政策を充実させていこうじゃないかということで、幾つかの提言をさせていただきました。  この領土の問題に関しましては、まず第一に、担当大臣をつくろう。なかったんですね。それから、領土や主権、歴史問題を担当する組織を内閣の中に設置しよう。これもなかったんです。そして、あわせて三つ目に、こういった問題に対する第三者の学術的な調査研究機関をつくろうじゃないか、シンクタンクを国としても整備しようではないか。こういう提案をやってまいりました。  そして、最初の二つ、担当大臣、もう既に山本一太さん、そして山谷えり子さん、島尻安伊子さんと、すばらしい大臣のもとでこれは大きな成果が上がっております。それから、領土・主権対策企画調整室、こういったものが立ち上がって、資料の整理をしたり、さまざまな国民への啓発活動であるとか、もう既に始まっているんです。  最後の、もう一つつくらなきゃいけない第三者研究機関。これは結局のところ、我が国の今までやっている主張は、政府の中で、自分たちが主体的に集めて主張している問題であります。ですから、それは他国に対しては、自国の都合のいいように言っているのではないか、このように受け取られる。また、それは私たちとあなたたちと見解が違いますねで、ずっと同時並行になっていってしまうんですね。そうではなくて、こういった問題については、まず歴史の事実、それから客観的な調査研究、そして、それに基づいた法と正義、これの解決が必要だと私は思っているんです。  ですから、国としても、私たちの歴史の中でどんなことが起きたのか、そして、どのようにしてこの国の領土は形成されてきたのか、また、さまざまな歴史問題についてはどんな事実があったのかということを、客観的な、学術的な調査機関がしっかりとそれを捉まえて、そして、それに対する国内や国外の研究者もそこに参加してもらって、そういう中から、客観的な歴史の事実に基づいて、その上で法と正義にのっとった解決をしていこう、またアピールをしていこう、こういう体制を整えることが急務だというふうに思っているわけであります。  既にもうこの二つ、大臣と担当組織が機能し始めた今のタイミングで、いよいよ政府としても、第三者の調査研究機関を新設する、そのための方針を打ち出して準備に入るべきだ、このように私は思いますが、まず大臣に御所見をお伺いしたいと思います。
  6. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 まず、委員御指摘のように、領土、主権そして歴史、こうしたものの重要性に鑑みて、今の内閣におきましても取り組みを進めてきました。御指摘がありましたように、領土担当大臣が設けられました。そして、内閣官房の中に領土・主権対策企画調整室が設置をされました。こうした取り組みを通じて戦略的な対外発信が行われてきたわけです。  三番目のポイント、第三者研究機関でありますが、領土、主権そして歴史、こうした課題における第三者研究機関の果たす役割、これは大変大きいものがあると認識をいたします。第三者研究機関の新設について、既存のシンクタンク等との関係も含めて、何が有効であるか、鋭意検討をしてまいりたいと考えます。
  7. 新藤義孝

    ○新藤委員 今、非常に重要な御発言があったと思います。これはきちんと検討して、準備に入るべきなんです。  その意味において、領土・主権対策企画調整室、この組織が既にもう動いているわけでありますが、こうやって領土関係の資料を収集して広報をしよう、それから、さまざまな歴史的な事実を調べていく、こういう中で、実務をやっている企画調整室としては、恐らく、この問題についてかなり現場の感覚があるのではないか、やってみればおわかりになることがいろいろ出てきているのではないか、このように思うんです。  その意味において、領土の企画調整室として、この第三者調査研究機関の必要性、これをどう捉えているのか。それから、シンクタンクができなくても、今、同様の関連の調査それから事業を行っているかと思われますけれども、どんな検討をしているのか、状況をちょっと報告してくれますか。
  8. 市川正樹

    ○市川政府参考人 領土、主権に関する内外発信においては、歴史的事実に基づいて冷静かつ論理的な発信を行うことが重要であり、御指摘の第三者調査研究機関の必要性についても認識しております。  また、内閣官房領土・主権対策企画調整室における関連の事業としては、尖閣諸島及び竹島に関する資料調査事業を平成二十六年度から実施しております。昨年度の尖閣諸島に関する資料調査においては約三百点、竹島に関する資料調査においては約四百五十点の資料を収集し、先月、これらの資料に関する報告書、それから、昨年八月に公表した尖閣諸島資料ポータルサイト及び竹島資料ポータルサイトの英訳を公表したところであります。  今年度も引き続き調査を継続してまいりたいと考えております。
  9. 新藤義孝

    ○新藤委員 この必要性はわかった、こういうことなんですが、でも、予算や人員、それから、そもそも研究者をこの企画調整室の中で受け入れられるのかというと、これはあくまで企画調整室が、役人が自分たちで一生懸命調査をしている、こういう域を出ないわけですよね。ですから、その意味において、シンクタンクをつくって、そこにきちんとした研究者に従事してもらって、それからまたそこでさまざまな研究の成果を発表していく、こういうことも重要だと思うんです。  その意味において、非常に好例といいましょうか、よく機能していると思われる例がすぐ近くにありますね。それは、韓国の東北アジア歴史財団でございます。これがどんなものなのか、ちょっと紹介してもらえますか。
  10. 大菅岳史

    ○大菅政府参考人 御指摘の韓国の東北アジア歴史財団でございますが、二〇〇六年、現在の教育部に当たります教育人的資源部傘下の公的機関として設立され、北東アジア地域の歴史問題の研究などを行う機関であると承知しております。  この財団は、北東アジアに係る歴史記述や竹島に関する調査研究を行うとともに、韓国政府に対する政策提言や市民団体に対する支援、広報、教育、出版、知識普及、こういった活動を行っていると承知しております。  財団の予算でございますが、韓国政府からの補助金として二〇一六年度は約百九十五億ウォンが拠出されており、また、この財団の人事につきましては、例えば財団の理事長は、教育部長官の推薦により国務総理の承認を得て大統領が任命するものと承知しております。
  11. 新藤義孝

    ○新藤委員 承知していると思いますけれども、この財団が、国内で研究をしている、海外からの研究者をここの財団に受け入れて、そしてそこでいろいろな調査研究をやってもらっている。それから、自国内だけではなくて、アメリカやヨーロッパにおいて、例えば日本海呼称問題だとか慰安婦の問題だとか、いろいろな問題で、ずっと継続的にセミナーをやりながら、自国の主張を相手の国に受け入れてもらえるような、プロパガンダも含めて精力的にやっているということです。そしてこれは、理事長が大臣級、それから事務総長は外交官、大使ですね、次官級、こういった人たちが入ってきているということなんです。  これに対して、企画調整室でもいいんだけれども、うちの方でつくる財団とすれば、どういう規模のものがあった方がいい、そしてどんな機能を持たせた方がいい、このように思いますか、企画調整室。
  12. 市川正樹

    ○市川政府参考人 お答えいたします。  私どももそういった研究機関の必要性は十分に認識しているところでございますが、当方として何ができるか、これについていろいろ調べているところでございます。  いずれにせよ、できることについてはできる限り全力でやっていきたい、このように考えております。
  13. 新藤義孝

    ○新藤委員 一つ一つきちんと、どういう機能を持たせるべきなのか、それから、例えば予算の内容についても、どういう予算が必要なのか。  例えば、今、歴史問題や領土や主権にかかわる資料というのは、政府、行政機関だけが持っているとは限りませんね。民間にもございます。個人が持っている場合もあれば、書店で流通しているような古書もございます。こういったものを、国として今それを収集できるような予算が果たしてあるのかということなんです。  それから、何よりも研究者は自腹でやっているわけですよ。たくさんの方がいらっしゃいますけれども、その人たちはみんな、みずからの独自の研究としてやっているだけであって、それを国として受け入れて活用する場がない。それが、私たち外交の場で、また政府として、いろいろな国際社会に、また国民に対して広報や啓蒙する際に、客観的なものがない、それから客観的なものを押さえることができていない、こういう状況があるということなんです。  ですから、ぜひ今回のことを、私たちとしても、党としてもしっかり詰めていきたい、準備をしていきたい、このように思っておりますが、この研究機関は、どこかの一つのセクションがつくるのではなくて、全政府的に取り組んでいかなくてはなりません。そしてそれは、国内における国民への意識啓蒙、広報とともに、国際的な対外発信につながっていくわけであります。その意味において、私は外務省が本腰を入れてこの問題に取り組んでいかなくてはならない、このように思うのでございますが、もう一度大臣、新設の調査研究機関について、この取り組みについての心意気というものをお示しいただきたいと思います。
  14. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 まず、御指摘のような第三者研究機関を新設するなどの取り組みを進めるに当たっては、外務省のみならず、政府全体としてこれは取り組まなければならない課題だと思います。  そして、御指摘のような課題に対する対応としては、従来から外務省としましては、外交、安全保障のシンクタンクを育成強化するという観点から、シンクタンクによる調査研究、分析、あるいは対外発信、国際世論形成への参画、人材育成、こうした活動を支援するということで、補助金を交付する、こういった取り組みを行ってきました。  こうした取り組みとの整理とか整合性も考え、そして今委員が御指摘になられた民間での取り組みをどのように活用していくか、こういった点もしっかり検討した上で、何ができるのかを検討していかなければならないと思います。それによって、人事とか予算も決まってくるというふうに考えます。  いずれにしましても、今御指摘の点、そして今私が申し上げたようなこれまでの取り組み、こういったものも踏まえて、しっかりと検討を進めていきたいと考えます。
  15. 新藤義孝

    ○新藤委員 ぜひ検討をさらに加速していただきたいと思います。私たちもしっかりと作業していきたい、このように考えております。  次に、ジャパン・ハウスの活用です。  これも、日本の対外外交発信力を強化しようという意味において、日本の魅力を世界にもっと知ってもらおう、これはいい試みだと思います。そして、せっかくつくるんですから、機能的に、合理的に、かつ戦略的に活用するべきだ、このように思います。  その意味において、ジャパン・ハウスにおいて領土、主権、歴史問題をどのように取り扱っていくか、ここを確認していきたいと思います。  この国の基本問題として当然取り扱われることは私も承知をしておりますが、しかし、どのように取り扱っていくかです。これがアドホックに、例えばあるときの企画としてぽつんとやるのではなくて、恐らく日本の魅力となれば、四季、自然、文化、芸術、そして国民、いろいろな日本の活動を、こんな楽しいことがあるよ、こんな魅力的なものがあるよということをアピールしつつ、私たちはこういう国なんですということを世界に対してアピールする場になると思います。  ですから、私は、領土や主権、歴史問題というのも、国の一環として、常時、我が国を紹介する中の要素として必ずきちんと恒常的に入れるべきだ、このように思っておりますが、これは間違いないかどうか、確認をしておきたいと思います。
  16. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 領土、主権、そして歴史、こうした我が国の重要政策をしっかりと発信する、そして常時発信していく、こういった取り組みは大変重要だと思います。  そして、ジャパン・ハウスにおきましても、セミナーですとか講演会、こういったものの開催はもちろんですが、常時こうした重要政策について発信するということを考えた場合に、例えば、今、一つのアイデアですが、タブレットとかパソコン等を活用して、マルチメディア発信スペース、こういったものを設けようではないか、こういったアイデアも出ております。こういったスペースを活用することによって常時発信する、こういったことも考えられるのではないか、このように考えます。  いずれにしましても、その際に、外務省とか関係者の固定概念にとらわれずに、外部の有識者あるいは地元の関係者、こうした方々の発想あるいは理解や共感は大変重要であると思います。有識者諮問会議あるいは現地の運営委員会、こういった組織ともしっかり協議しながら、今申し上げたような取り組みを進めていきたいと考えます。
  17. 新藤義孝

    ○新藤委員 日本がつくるんですから、品よく知性的に、しかし断固たる信念を持って、こういったものをきちんと織り込んでいくことが重要だというふうに思います。  それから次に、人的交流についても、これは新しい戦略的アプローチ、テーブルをもう一つつくってはどうか、またステップアップしてはどうか、このように思うんです。  既に、いろいろな目的を持って、さまざまな国との人的交流がございます。しかし、人的交流の当面の成果としては、やはり、人的交流を通じた社会的影響力のある知日派を世界じゅうにつくっていく、それからプロパガンダに対する我が国の効果的な反応、こういったものも重要だと思います。それから、情報流通量をふやしていく、こういうようなことが必要だと思うんです。そして、それが結果的に、日本と価値観を共有する人たちを、まだそうでない国の中に新しい社会勢力としてつくっていく。また、そういった人的なネットワークを組んでいく。これは極めて重要な、また時間をかけてもやっていかなければいけない戦略的アプローチだと思うんです。  だとするならば、これをもう少し次元の違う予算や規模でやっていかないと、なかなかこれは難しいんじゃないか。今私が調べた限りでいえば、ジョージ・ワシントン大の論文でございますけれども、中国の対外的な発信費用は年間約一・一兆円かけていると言われております。そして、アメリカが約千二百億です。我が国は五百四十億ですね。  ですから、予算の額だけではないんですが、いろいろなところにちりばめてございますけれども、ぜひ、人的交流の戦略的アプローチ、例えば、中国などでは対日感情が急速に悪化している、そういった部分がございますから、そういう必要な国に対して、そういった人的交流のアプローチ、これを質を高めていく、また規模を拡大していく、どのようにお考えになりますか。
  18. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 我が国が、広報外交あるいは広報文化外交、こうしたものを進めていく、戦略的な対外発信を行っていく、こういった点において、中長期的な観点から考えますときに、御指摘のような知日派あるいは親日派、こういった方々をふやしていくことはまことに重要なことであると認識をいたします。  こうした観点から、従来から、アジア、大洋州、北米、欧州等の各国、地域において、対外発信力を有し将来を担う人材を積極的に招聘、派遣し、各国、地域における知日派そして親日派の育成に努めているわけですが、さらに言うと、こうした各国におられる親日派、知日派と言われる有識者の方々はみんなそれぞれ発信力がありますから、こういった方々をネットワーク化する。単に一対一でいろいろ情報を提供するだけではなくして、横のネットワークをつくってもらう、こういった取り組みも重要なのではないか。たしか昨年の予算の時期から、こういった取り組みも進めていきたいという説明をさせていただいていたかと思いますが、現実問題、そういった取り組みも進めつつあります。  こうした取り組みを通じて、親日派、知日派をふやしていきたいと思いますが、特に、戦略的な対外発信という観点から、重要な国、地域において今言った取り組みを、より力を入れる、重点化していく、こういった視点は重要であると認識をいたします。御指摘も踏まえて努力いたします。
  19. 新藤義孝

    ○新藤委員 ぜひ、次の予算に反映できるようなことをしていただきたい。私の勝手な規模感ですけれども、これはやはり十億円ぐらいのオーダーはないと、短期、それからある程度中期的な滞在も含めてやっていかなきゃなりませんので、ぜひ、そういったことを、またよく外務省と相談したいというふうに思います。  それから、最後に一つ、領土や主権、歴史問題、これについて、私は殊さらそこだけこだわるつもりはないんです。でも、この問題が国の基本である。  国が形成されるのは、国民の意識の統合と、それから、そこに国民が住む場所を安全に確保する、領土を保全し、そこに主権が確立されて初めて国家が成立する。だから、国の基本として、ここをおろそかにしてしまえば、外交的な信頼を、本当の信頼を得ることはできないんだという意味において、私はここの分野をきちんと確立させたい、こういうように思っているんです。  その意味において、そうはいいながら、国民に対して、きちんとそれを皆さんにもっと知っていただく必要があります。領土の関係の資料、今、対策室ができて、大臣のもとでいい資料が随分できてきました。であるならば、これを常設できちんと国民の皆さんにいつも見ていただくような、そういう常設展示というものを整備したらどうかと、私はことしの予算委員会で、正月のときに御提案させていただきましたが、その後の検討状況はどうなっているのか、状況を教えてもらいたいと思います。
  20. 市川正樹

    ○市川政府参考人 当室としましては、資料や史実に基づく国内啓発及び対外発信に努めてきているところでございますが、これらの一環として、先般の新藤議員からの御指摘を踏まえて、本年二月に東京都で開催した領土、主権に関する広報啓発行事において、海上保安庁が保有する竹島、尖閣諸島に関する海図等を用いたパネル展示を行っております。また、島根県の竹島資料室においても、現在、同様の展示を行っております。  二十八年度予算においても、御指摘の常設展示や全国各都市での企画展についても関係機関と連携しながら実施することができないか、現在、政府部内で検討しているところでございます。  さらに、ウエブサイト等についても取り組みを行っておりますけれども、御指摘の点も踏まえて、さらに検討してまいりたいと考えております。
  21. 新藤義孝

    ○新藤委員 しっかり取り組んでもらいたいと思います。  時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。
  22. 岸信夫

    ○岸委員長 次に、武正公一君。
  23. 武正公一

    ○武正委員 質問をさせていただきます。民進党、武正公一でございます。よろしくお願いいたします。  来週にはG7サミットということでございまして、ちょうど一週間後ということになろうかと思います。きょうは、安倍総理の欧州訪問、各首脳会談について伺いたいと思いまして、外務省の資料をお手元の方に用意させていただいておりますので、ごらんいただきたいと思います。  イタリア首相との間では、「機動的な財政出動が求められているとの認識で一致し、」ということで、金融政策と財政出動そして構造改革、この三つについて、今般、安倍総理はヨーロッパを訪問し、そして、特に機動的な財政出動が必要であるというメッセージを各国に伝えてこられたということがそれぞれわかるわけでございますが、イタリアでは特に財政出動について一致ということでございます。  二ページ目、EUでございますが、「世界経済を牽引する上での財政政策の役割の重要性についてEU側から賛同。」ということで、イタリアに比べるとちょっとトーンダウンということがおわかりだと思います。  三ページ、ドイツでございますが、「構造改革と財政出動を、バランスをとって進めていくことの重要性について完全に一致。」ということでございまして、さらに、ドイツとすれば、特に財政再建を主導してきたゆえに、これについてはやはりくぎを刺したという感じは否めない。  イギリスでございますが、「世界経済の持続的かつ力強い成長を牽引していくことを確認し、金融政策、機動的な財政出動、構造改革を各国の事情を反映しつつバランスよく協力して進めていくことが重要である点で一致。」ということであります。  それぞれ、首脳会談の細かな資料もおつけをしておりますが、特に五ページでございます。日独首脳会談。  安倍総理からは、先ほど触れましたように、機動的な財政出動を求められており一段と強いメッセージを発出したい旨述べ、メルケル首相が言うとおり構造改革は最も重要でありと。安倍総理とすれば、機動的な財政出動を求めヨーロッパへ行きましたが、日独首脳会談では、構造改革が最も重要なんだ、こう述べた。そして、メルケル首相からは、財政出動においては自分はフロントランナーではないが金融政策、財政政策及び構造改革を同時に進めていくことが重要である旨、特に民間投資喚起の重要性を指摘したということであります。  来るG7サミットで、日本とすれば、機動的な財政出動、これを強いメッセージを出したいということで、シェルパの皆さんも腐心をされているようですが、報道されているように、なかなか、G7は足並みがそろわず、あとはやはりサミットでの首脳会談での協議に持ち越しと報じられておりますが、この点について、外務大臣としての御認識を伺いたいと思います。
  24. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 今般、安倍総理は欧州を訪問しまして、欧州のG7メンバーの首脳を中心に会談を行いました。  会談の中身においては、伊勢志摩サミットで議論になるであろう世界経済のみならず、テロあるいは難民問題、さまざまな国際社会の喫緊の課題について意見交換を行ったわけですが、その中にありまして、世界経済に関しましては、御指摘のように、さまざまな力点の置き方の違いはあるわけですが、金融政策、財政政策そして構造改革、それぞれの国の事情を反映しつつも、バランスよく協力を進めていくこと、このことが重要であるということにおいては一致できたと認識をしております。  いずれにしましても、今回のG7伊勢志摩サミットにおきましては、現下の世界経済の情勢を踏まえた対応策、これが最大のテーマになるということは関係者一致しているところです。ぜひ、引き続きしっかり調整を行い、そしてG7サミットにおいてしっかりとした議論を行った上で、世界に向けて明確なメッセージを発出することができるよう、最後まで努力をし、準備をしていきたいと考えます。
  25. 武正公一

    ○武正委員 浅川財務官も、きのうですか、日経の中で、「皆が一緒に同じことをやるのが「協調」だと捉えれば慎重意見もあるだろう。」と。「政策の組み合わせはそれぞれの国情に応じて決める。」ということでありますので、そこら辺に腐心をしたメッセージを取りまとめていくということだと思います。  ただ、そのときに、日本なんですね。これは当委員会でも、あるいは財務金融委員会でも議論がありますが、巨額な財政赤字を抱える中で、日本が議長として機動的な財政出動を求めていく旗振り役をやるということが、果たして、二〇二〇年の中期財政目標の実現なども含め、そしてまた、これも同じく日経では、さきおとといか一日前でしょうか、総理から消費税増税先送りを自民党幹部へ指示と、盛んに、サミット後に消費税増税先送り表明というようなことがもう既に言われている中で、果たして日本の財政が議長国として旗振りをするだけのものがあるのか、これが一点。  それから、金融でありますが、異次元の金融緩和ももう四年目を迎えております。ついにはマイナス金利であります。そして、きのうきょうですか、ニューヨーク・ダウ、上げております。これはやはり、アメリカの経済が好調な中で、早期の利上げ、既にもうアメリカは出口を進んでおりますが、そうした中、日本はいつになったら果たして出口戦略を描けるのか。ずるずるずるずる、世界の金融緩和の責任を一人しょうことになるんじゃないのかという意味では、財政と金融の、同僚委員も指摘をしておりますが、果たして日本が議長としてそのリーダーシップをとれるのかといったところは非常に懸念をするんですが、この点についての外務大臣の御認識を伺いたいと思います。
  26. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 御指摘のように、日本においての財政政策、金融政策のありようがあるわけですが、これはどの国においても同様であり、G7各国を見ましても、財政政策、金融政策そして構造改革に対する取り組み、これはそれぞれの国の事情があり、さまざまであります。  しかし、その中にあっても、このG7、特に今のG7というのは、自由、民主主義、市場経済あるいは法の支配、こういった価値観を共有する枠組みとなっています。  こういった国々の中で、この経済政策、世界経済においても一つの方向性を示し、そして、成果文書ですから、ボトムラインとして、このラインまでは参加国全てが一致できた、こういったものをしっかり示すということは大変重要なのではないかと思います。  日本もその中にあって、日本独自の事情の中で最大限貢献していかなければならないと思いますが、議長国が全てを、責任を負うというものではありません。各国の理解を得ながら、ともに協力していく、こうした方向性を示すことは重要であると思いますし、そのために、八年ぶりのG7議長国として、日本は責任を果たしていくべきであると考えます。  ぜひ、こうした世界経済の中で明確なメッセージを発する、意義あるG7サミットにしたいと考えます。
  27. 武正公一

    ○武正委員 京都会議、地球温暖化。やはり日本が議長国ということで、当然、議長国としての取りまとめがずっと日本政府に課せられてきたことは御承知のとおりでありますので、やはり今回、G7議長国としての責任は重いということも改めて指摘をしたいと思います。  G7サミットにおける主要議題には、核拡散防止も含めて今取り組みがあろうかと思いますが、オバマ大統領の広島訪問を受け、よりこの核拡散防止が重要性を帯びているということは指摘をさせていただきたいというふうに思っております。  また、きょう、これもやはり報道で、インドネシア、マレーシア、フィリピンが海洋での一方的な行動への懸念。これはG7外相会談で共有をしておりますが、海洋テロ共同監視ということで一致を見ている点は歓迎をしたいというふうに思っております。特にインドネシア、マレーシアは、いわゆる東南アジアの海賊対策条約、ReCAAPにはまだ加盟をしておりませんので、ぜひそのことを引き続き促していただきたいのと、米英のみにこうしたReCAAPへの参加も限られておりますので、他のG7各国への働きかけも引き続きお願いをしたいというふうに思っております。  そこで、日本海呼称調査結果、四月末に当委員会で行いまして、今国会中には調査結果を明らかにしたいと。外務省、五月初旬には在外公館からの取りまとめ、今順次報告が上がっているということを聞いておりますが、現状、在外公館を通じての調査結果、御報告をお願いしたいと思います。
  28. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 日本海の呼称問題につきましては、本年四月、我が国の全ての大使館に対しまして調査訓令を発出いたしまして、各国の立場を改めて調査しております。現在まで各国政府から回答が得られた国、今九十カ国に上っていますが、その中で、名称として日本海を単独で用いている国は八十一カ国、すなわち九割という結果が得られております。  ただ、これは今回、百九十五カ国に対象を広げており、回答がまだ得られていない国がありますので、引き続き、回答の回収に努めていきたいと考えております。  より包括的な調査結果が得られるよう努めていかなければならないということで、今回は、各国の外務省、大統領府、首相府、あるいは国土地理院に該当する政府機関に対する調査のみならず、地図会社、教科書会社、航空会社、あるいはメディア、こういった調査も行っております。  ぜひしっかりと調査を行い、そしてその上で、この日本海の名称が当該海域の国際的に確立した唯一の名称であるという立場に基づいて、しかるべく対応していきたいと考えます。
  29. 武正公一

    ○武正委員 その九〇%、これは四月の段階でもお話がありましたが、その地図あるいは民間航空会社、メディア、それぞれの具体的な報告をいただきますと、多分、やはり数字のばらつきが出てくるのではないのかというふうに想像にかたくありませんので、今国会中の御報告を、国会に対しても、そしてまた国民の皆さんに対してもお願いをし、私の質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。
  30. 岸信夫

    ○岸委員長 次に、小熊慎司君。
  31. 小熊慎司

    ○小熊委員 民進党の小熊慎司です。  国立西洋美術館が世界遺産にということで、大変いいニュースが飛び込んできました。文科省の努力もあるんでしょうけれども、これも、八七%の支持を誇る岸田外交の成果の一つかなというふうに感じ入ったところでありますけれども。  また一方で、世界記憶遺産の南京の件がありました。その後、日本政府の方でもこの改革を求めて、今進んでいるというふうに聞いておりますが。ただ一方で、選定方法の改革をするのはいいんだけれども、中身についてはやはり各国のいろいろな違いがあるというふうにも聞いております。  現状をちょっと明らかにしていただきたいと思います。
  32. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 ユネスコにおける記憶遺産の制度改革についてですが、まず、我が国としては、この記憶遺産事業というものが、加盟国間の友好と相互理解の促進という、ユネスコ設立の本来の趣旨と目的を推進するものになるよう、制度改善に向けた加盟国間の議論を促進してまいりました。  このような改善を受けて、先月、四月十四日ですが、ユネスコ執行委員会におきまして、本件制度改善に係る決議、こうした制度の見直しを歓迎するという決議がコンセンサスで採択されたこと、このことを評価しております。  本年三月に、国際諮問委員会のもとに、記憶遺産の登録手続や基準を定める記録遺産保護のための一般指針と登録手引を改正するためのレビューグループ、見直しグループが立ち上げられました。そして、見直しの対象となる事項やスケジュールが公表されております。  我が国としましては、こうした専門家自身による制度改善に向けた具体的な取り組みが前進していること、これを歓迎しております。専門家も含め、適切に意見交換を行っていきたいと考えます。
  33. 小熊慎司

    ○小熊委員 この方向性はみんな一致するのは当然だと思いますけれども、具体的になってきたときに、やはりこれは歴史認識ともかかわることにもなってくると思いますので、具体的にこれが本当にどう制度改正されるのかというのは、いろいろこれから努力をしていかなければならないというふうに思っています。  日本というのは、歴史上のことは冷静な判断において国際社会の中でも主張してきたとは思いますが、やはり国によっては、いろいろな、ちょっと極論を主張するような国も国際的には見受けられるところでありますので、方向性はみんな一致していますが、具体的なところではこれから努力が必要だというふうに思っています。  日本の冷静な主張がそういった制度改正にしっかりとつながって、よりよい改革になるようにこれからの努力に期待をしたいというふうに思いますし、衝突するということは目に見えてもう明らかでありますから、これは緊張感を持って対応していただきたいというふうに思っています。  次に移りますけれども、アジア開発銀行とアジアインフラ投資銀行、ADB、AIIB、これは協調融資がパキスタンの道路で決まりました。この件については、麻生財務大臣も前向きなコメントを寄せていただいておりますけれども、やはりAIIBについては、中国主導ということでいろいろな緊張感もあるところであります。  この協調融資について、また、今後のこのあり方も含めて見解をお伺いいたします。
  34. 木原誠二

    ○木原副大臣 お答えを申し上げます。  今、委員御指摘いただきましたように、AIIBとアジア開発銀行との間で覚書署名をされまして、協調融資を含めた協力を強化していくということで合意をしたと私どもも承知をいたしております。  御案内のとおり、膨大なインフラ需要がアジアにございますので、それに効果的に応えていくという意味においては重要なワンステップかなというふうに思います。  また同時に、AIIBが国際金融機関にふさわしいスタンダードを備えることによって、アジア地域の持続的な発展に資する機関として役割を果たしていくという上においても、ADBを含む既存の国際金融機関との協調はこのような趣旨と合致するものではないか、このように理解をしているところであります。
  35. 小熊慎司

    ○小熊委員 日本はAIIBに参加をしないという判断、アメリカもそうでしたけれども、そういう中で、やはり私は、日本がさまざまな開発については一日の長がありますし、また、ほかの先進国の中でも、日本が国際的に果たしてきた役割というのは決して間違っているものではないというふうに思っています。  そういう中で、中国もこれから頑張ろうとしているんですけれども、やはり、その地域のためということではなくて、自国の利益に走らないように、暴走しないようにしていかなければいけないというふうに思っています。  また、AIIBのチェック体制も、これは透明化も図られていないということで日本も入らないという判断が一つにあったわけでありますけれども、では、ADBだけでやっていけるかといえば、それはほかの国々は、やはりAIIBに期待する部分もあるわけでありますので。日本がAIIBに入ってそれをコントロールするという手段をとっていないわけでもありますから、このADBを通じて、私は、逆にこの協調融資というのをいろいろとふやしていく中で、しっかりとこの国際社会の中で日本がそこのリードを保っていく、先頭を走っていく、この中国中心のAIIBの暴走を許さない、要らぬ開発をさせないというためにも、この協調融資はこれからもふやしていって、ある意味、AIIBをまともなものにしていくということが必要だというふうに思います。  今後の取り組みとしてはどうでしょうか。
  36. 木原誠二

    ○木原副大臣 今、委員の方から、AIIBについての課題についてもるる御指摘をいただきました。  私どもも、公正なガバナンスが本当に確立ができるのか、また、借入国の債務の持続可能性であるとか、環境、社会に対する影響への配慮はしっかり確保されるのかといったことについて、これからの実際の運用をしっかり注視していきたい、こう思っております。  その中で、ADBと協調融資をしていくということが、こういった点も含めて、AIIBの国際的なスタンダードにのっとった貸し出しがしっかり行われるかどうかという意味において役立つものであるというふうに思っておりますので、しっかりとこの点も注視をしてまいりたい、このように思っております。
  37. 小熊慎司

    ○小熊委員 やはり、価値観外交と言っている部分もありますから、日本の価値をしっかり普遍的なものに変えていくという意味でも、ぜひともこれから、協調融資といったものを積極的に行うことによってリードをしていくということを、ぜひ取り組んでいただきたいというふうに思っています。  そういう中で、開発協力大綱がつくられた中で、このODA、私は選択と集中と拡大というのを常々言ってきておりますけれども、この協力大綱の中にも、対GNI比の〇・七%目標に向けて、これを「念頭に置く」とは書いてありますが、しかしながら実態としては、ODA額としては先進国の中でもトップクラスではありますけれども、対GNI比でいうと、もう中位以下になっているわけです。  ということは、これは財政的なこともありますけれども、やはりこれはしっかりと、ほかの国、日本よりGNI比が高い国もありますし、これは平均にもいっていません、確かにこの平均値も〇・七にいっていないわけでありますけれども、日本はその平均値以下でもあるわけです。  これは先ほど武正委員も言っていたとおり、ことしサミットで議長国として国際社会をリードしていくと言っている割には、ちょっと形として情けない限りだなというふうに思っていますし、日本が国連の改革、安保理改革、常任理事国入りというのも私は一つの方向性だと思いますけれども、我が党の同僚議員が、随分前ですけれども、元の事務次長の明石さんと対談したときに、常任理事国入りを目指すのであれば、やはりODAもちゃんとGNI比でやっていかなきゃいけないんだということを言及もしているんですね。  やはり、世界で日本がリードをしていくという意味では、一つの数値として国際的な目標でありますから、我が党も今回のこの参議院選挙のマニフェストに向けては、しっかりとODAをやっていく、しかもGNI比〇・七%目標に向けて努力をしていくということを書き切っています。  大綱にも必要な努力をしていくと書いてあるんですが、では、必要な努力、どういうふうにしていって、そこに具体的にどういうふうに向かっていくのか。改めてお伺いをいたします。
  38. 木原誠二

    ○木原副大臣 お答えをいたします。  このODAの対GNI比、一九七〇年の国連総会で合意されていたわけであります。そして、今御指摘いただいたように、昨年改定をいたしました開発協力大綱におきましても、私ども、これを念頭にしっかり努力をしていくということを申し上げているところでありまして、引き続き、我が国として、この目標にコミットをしているという状況にございます。他方で、委員御指摘いただいたように、現状は、我が国の場合、〇・二二%というところにとどまっているのも事実でございます。  他方、本年は、SDGs、持続可能な開発のための二〇三〇年アジェンダの実施の初年でもありますし、今委員から御指摘いただいたG7の伊勢志摩サミットもあります。また、アフリカ初開催になりますTICAD6もございます。したがいまして、日本外交にとって極めて重要な年でもありますので、平成二十八年度予算においては、久方ぶりにですが、政府全体のODA予算を十七年ぶりに増額をするということができたわけであります。  引き続き、大変厳しい財政状況ではありますけれども、ぜひ、与野党の御理解をいただきながら、GNI比〇・七%目標を達成できるよう、また念頭に置きながら努力をさせていただきたい、このように思っております。
  39. 小熊慎司

    ○小熊委員 増額になったというのも、そんな声高に言えるぐらいの増額ではないので、むしろ、これは倍増と言っているんですから。だから、これはしっかりと、このサミットの機会にももうちょっと打ち出していいというふうに思います。ぜひ、時間は短いですけれども、この伊勢志摩サミットの中でも、しっかりとこの辺も言及をしていただきたいというふうに思います。  常々お話しさせていただいているとおり、これは財務省との闘いになっているとは思いますが、これはだから、国民の中でも理解がされていないんです。何回も例に出します、イギリスは、財政が厳しくなったときでも、あらゆる予算をカットしながらも、逆に国際協力の予算をふやしているわけですよ。  これは単なるチャリティーじゃないんだということを事あるごとにやはり訴えかけていかなければいけないし、これをやることが、その開発国のためだけではなくて、その国がよくなるということは日本もよくなるんだ、これだけ世界経済がグローバル化して伸展している中で、ほかの国が豊かになる、発展するということは日本のためにもなるんだということを、もうちょっと、これは国民一人一人にも向けて訴えかけていかなければ、やはりこの予算が拡大していくということにはならないと思います。  そのためにも、こういうサミットみたいな機会をしっかり捉えて情報発信をしていくということが必要であるというふうに思いますので、ぜひ、この来週のサミットの中で、八七%の評価をいただいている岸田外務大臣がコメントとして何らかを発することを期待してニュースを見ておりますので、よろしくお願いいたします。  あと、最後の質問ですけれども、昨年、島サミットが、我が福島県いわき市で行われました。その前の沖縄での島サミットも評価されましたけれども、いわきでのサミットも非常に評価をされていて。ただ、大変だったのでもう手を挙げないと言っていたんですけれども、この間、いわきの市長に会ったら、もう一回手を挙げようかなと言っていました。  ことしの秋に、また次回第八回の場所が選定をされると聞いておりますけれども、それに向けた取り組みをお伺いしたいと思います。
  40. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 太平洋の島嶼国は、太平洋を共有し、そして、防災ですとか気候変動といった共通の課題に取り組む共通のパートナーであると認識をしております。  太平洋・島サミット、こうした太平洋島嶼国との関係強化のための我が国にとって主要な外交ツールでもあると考えます。一九九七年以降、七回開催をし、首脳間での議論を通じてパートナーシップを強化してまいりました。  こうした積み重ねを踏まえて、引き続き、太平洋島嶼国が抱える諸課題の重要性が増大する中、しっかりと手を携えていかなければならない、このように考えます。昨年のサミットで盛り上がった機運を失うことのないように、引き続き取り組み、連携を強化していきたいと考えております。  そして、本年中には、第三回中間閣僚会合を開催し、第八回太平洋・島サミットの開催地について提議をする、このことが首脳間で確認をされています。  こうした取り組み、準備、鋭意検討を進めていきたいと考えています。
  41. 小熊慎司

    ○小熊委員 沖縄から福島に来て、次は広島かなと思っていましたが、もう一回福島でさせていただきたいというふうに、ぜひ御支援をよろしくお願いします。  以上で終わります。
  42. 岸信夫

    ○岸委員長 次に、大島敦君。
  43. 大島敦

    ○大島(敦)委員 おはようございます。二十五分間、質問をさせていただきます。  きょうは、テロ対策についての質問をさせていただきます。  今から三十年前に、私、デュッセルドルフで駐在員をしていました、二十代後半。当時の経験で今でも鮮烈に思っている経験があって、ドイツに住んでいても別にストレスを感じることなく、結構楽しんで生活をしていたんです。出張で初めてイスタンブールの飛行場におりたとき、今から三十二年ぐらい前ですかね、そのときに、ほっとした感じを覚えたんです。  ヨーロッパ社会のドイツで、少し言葉ができたものですから、全く何不自由なく生活して、体力的にも十分だった私が、イスタンブールの飛行場におりて、市内に入るとほっとした感じ。アテンドいただいた商社の方からお話を聞くと、イスタンブールの人口の何%かはわかりませんけれども、蒙古斑があるんだという話を伺ったんです。ボスポラス海峡、西洋と東洋のちょうど真ん中ですから、多分、私がアジア人として実感した初めての経験だと思っていまして。  前回も外務大臣に質問をさせていただいたのは、このヨーロッパ的な価値外交、ヨーロッパ的なストーリーの外交。今でも価値外交は必要だと思う立場なんですけれども、若干私がアジア人だと自覚したこの感じ、アジア人としての立場、ボスポラス海峡から東の皆さんへの親和感というのかな、彼らが私たちに対して思ってくれる、日本というのはいい国だよなという、伊勢崎先生の言葉だと美しい誤解ということなんですけれども、これをできるだけ長く続けたいというのが私の立場なんです。  そうすると、テロについて、今、外務大臣に一番最初に伺いたいのは、我が国に対するテロのリスク、外務省として、各国におけるテロのリスクをどのように考えて情報の収集、分析、評価をしているのか、その点についてお聞かせいただけると助かります。
  44. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 テロに対する認識や考え方ですが、昨年のシリアの邦人殺害テロ事件、あるいはパリの連続テロ事件、こうした事件を見ましても、テロの脅威は国際社会において高まっていると思いますし、そしてどの国であってもこうしたテロのリスクからは逃れることはできない、これが今の現在の国際情勢であると考えます。そして、その中にあってやはり最も大切なものは、テロに関する情報の収集、分析あるいは評価であると考えます。  こういった観点から、まずは情報の収集、分析に努めなければならないということで、さまざまな努力を続けてまいりました。昨年、国際テロ情報収集ユニットの新設等も行いましたが、引き続き情報収集に努め、そしてあわせて国際社会とも連携しながら、こうしたテロ対策、テロとの闘いに貢献していかなければならない、このように考えます。
  45. 大島敦

    ○大島(敦)委員 外務大臣としては、我が国に対するテロのリスクが高まっているのか高まっていないのかというのはなかなか言いにくいところかなと思います。ですから、テロのリスクについては、これだけ政府が取り組んでいるのはテロのリスクが高まっているから取り組んでいるというふうに考えたいなと思います。  我が国においても過去においては結構テロがあった国だなと思っていまして、警察にも過去どういう事例があったのか答弁を求めたいということを通告してあるので、若干、過去、日本でテロと思われる事例としてどういうものがあったのか説明していただけると助かります。
  46. 斉藤実

    ○斉藤政府参考人 お答えいたします。  過去に我が国において発生した主なテロ事件といたしましては、昭和四十九年八月、東京都千代田区所在の三菱重工ビル正門玄関前に仕掛けられた爆弾が爆発し、八人が死亡、三百八十人が負傷をした三菱重工ビル爆破事件、また、平成七年三月、東京都内において地下鉄車内でサリンが散布をされ、乗客、駅職員十三人が死亡、五千八百人以上が負傷をした地下鉄サリン事件というものが挙げられるところでございます。
  47. 大島敦

    ○大島(敦)委員 ありがとうございます。  過去のテロの事案は、行ったのは日本人だと思うんですよ。日本人が考え、日本人が日本人を対象にしてテロを行ったということだと思っています。でも、今のテロの危機は、日本人が起こすテロリズムではなくて、海外の影響下に置かれた者あるいは海外の影響にある者が日本国内で起こすかもしれない、起こすおそれのあるテロリズムが高まってきているのかなと考えております。  そうすると、大臣御指摘になったとおり、一番必要なのは情報の収集だと思います。もう一つが中東諸国への関与、中東諸国へどうやって我が国が関与するか。この二つが必要だと思っています。  情報の収集につきまして、先ほど大臣がお述べになりました、去年の十二月ですか、国際テロ情報収集ユニット、これは外務省の中に警察庁出身の方も入られて共同作業で各国からの情報、多分国内の情報も含めて議論をし情報交換していると思うんですけれども、その点につきましての大臣の評価、あるいはどのようにお考えなのか、これは質問通告していないので御所見でいいんですけれども、お聞かせいただければと思います。
  48. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 まず、外務省を初め我が国政府としましては、さまざまな情報収集あるいは分析、これが重要であるということで、地域情勢あるいは言語に通じた専門家を育成する、さらには、在外公館や本省においてさまざまな情報源、媒体から幅広く情報収集をし、分析、評価を行ってきたところですが、昨今のテロをめぐる環境を考えますときに、情報収集の中でも特に国際テロに特化した情報収集を行わなければいけないということで、国際テロ情報収集ユニット、こういった新しい組織を立ち上げたということであります。  これは外務省の中に設けたわけですが、あくまでも政府全体として、官邸を司令塔とした新たな体制をつくらなければいけないということでこうした組織を立ち上げております。  ぜひ、この体制に基づいて、特にテロに特化した情報収集に努め、そしてその情報を政府全体として共有することによって、こうしたテロの脅威に対応していかなければならない、このように考えます。
  49. 大島敦

    ○大島(敦)委員 政府内の情報の共有というのは結構難しいし、仕組みも必要だなと思っています。外務省もそうですし、警察の皆さんも、あるいは防衛省の皆さんも、それぞれの省庁、内調もそうですし公安調査庁もそうだと思うんですが、それぞれの役所が相当努力をして情報を収集していますから、それをすぐに明らかにせよといってもなかなか難しいと思うんです。  おととし、NSC、国家安全保障局の議論が国会であったときに、私たちの政党は、NSCには賛成をさせていただきました。プラス、修正を行って、ここは権限を強化しています。その点について、部局の方から手短にコメントいただければと思います。
  50. 芹澤清

    ○芹澤政府参考人 お答え申し上げます。  国家安全保障会議におきまして実質的な議論を行って、また、国家安全保障局におきまして国家安全保障政策の企画立案それから総合調整を行うに当たっては、質の高い情報が不可欠でございます。  国家安全保障会議設置法の第六条に基づきまして、各省庁等は国家安全保障会議に対して資料、情報を提供する義務を負うこととなってございます。これによりまして、会議の事務を担う国家安全保障局の方に情報が集約されることになります。  委員御指摘のとおり、平成二十五年の十二月に成立しましたこの法律の審議過程におきましては、各省庁等における情報の提供義務、これをより明確化するという観点から、当時の民主党を含めまして、与野党において合意の上、政府提出法案に対して修正がなされたと承知しております。  国家安全保障会議の設置の後は、この会議それから国家安全保障局の方に現に関係省庁から有益な情報が着実に集約されてきてございまして、引き続き、これらの情報を活用しまして、国家安全保障会議を外交・安全保障政策の司令塔としてさらに機能させてまいりたいと考えております。  以上でございます。
  51. 大島敦

    ○大島(敦)委員 キッシンジャーの書物というのは結構示唆に富んでおりまして、この審議に当たって、「キッシンジャー秘録」の中にこういう文があるんです。官僚同士の論争では、自分の方が上だから権利があるのだという以外の論拠を持たない側は敗れがちである。やはり、NSCに、できる規定ではなくて義務規定を置いたことによって、多分、役所の方は、その規定があることで各省庁はNSCに情報を上げるわけですよ。  今回、私も国際テロ情報収集ユニットあるいは新設された内閣官房国際テロ情報集約室等々を勉強させていただいたんですけれども、法的根拠がないわけ。内閣官房副長官、事務の副長官のもとに置かれるから、属人的に多分情報が上がってくる組織がこれらの組織かなと思っています。  やはり、大臣、こういう組織をつくったときには、まず、個々の政治家の質問能力、関心事も必要だと思うんですけれども、法的にある程度バックアップしてあげないと、各役所というのは、先ほどの繰り返しになりますけれども、自分の方が上だから権利があるのだという以外の論拠を持たない側は敗れがちになってしまう。  その点、ぜひ留意いただいて組織運営を図っていただければと思いますので、手短に御答弁いただければと思います。
  52. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 組織のあり方の難しさを改めて感じるところですが、特に、国際テロ情報ユニットを初めとする組織は、情報を扱うわけですので、より情報が政府の中で共有されるようなしっかりとした仕組みをつくっていかなければなりません。運用面も含めて、ぜひ、しっかり検討し、取り組みを進めていきたいと考えます。
  53. 大島敦

    ○大島(敦)委員 制度改革を行うときに、私たち政治の側は、昔はハードの箱をつくる、今は組織の箱をつくったりすると、そこで問題が解決してしまうのかなというふうに勘違いしがちなんですけれども、既存の組織に魂を入れるということがまずその前に必要だと考えております。ですから、その点を御留意していただいて、多分組織が機能しているとは思うので、さらに機能するようにしていただければと思います。  続きまして、先ほどの論点の中で、中東とのかかわり方ですね。  おととしの夏にイスラエルとパレスチナを訪問してきました。イスラエルは、四国ほどの大きさで、人口が八百万人ぐらい、ユダヤ教が七五%ぐらいですか。パレスチナは、三重県ぐらいの広さで、当時、ガザ地区からミサイルが発射されていたんですけれども、二十三区の六割程度の小さいところがガザ地区だと承知をしております。  イスラエルにお伺いしたのは、杉原千畝氏の顕彰のレリーフをイスラエル政府に寄贈するために超党派の議員団で伺いまして、そのとき、一番最初に外務省から注意をされたのが、空襲警報が鳴ったらすぐ避難してくれということを飛行場に着いて言われました。  イスラエルは私たち日本に対して物すごく親日的な国でして、当時、杉原千畝氏のビザによって救われた御婦人の方とも面談することができて、多分、配偶者がモサドの長官だったかしら、その女性の方、物すごく私たち日本人に対して感謝をしていただけました。  議連のメンバーは、帰るときに、午後ですか、ちょっと郊外で昼食をとっていると、空襲警報が鳴るんですね。空襲警報が鳴って、すぐに二階から一階の奥の方に避難をして、空襲警報が解除されて外に出てみると、迎撃するミサイルの雲跡があったりするような、そういう状況でした。  その後、私、二日間、議員団が帰った後も残って、イスラエルではなくて、パレスチナも視察をさせていただいて、どういう取り組みをしているのか、あるいは、逆にパレスチナ側から見るイスラエルも見させていただくと、なかなか私たち日本人からははかり知れない歴史の深さがあるのだなという感じがしています。  その後全て渡航が禁止されたので、当時、日本の国会議員としては一番最後に残った国会議員になったわけですけれども、そのとき考えたのは、やはりパレスチナも私たち日本に対して極めて友好的な感じを持っていただいています。  パレスチナから我が国は多くの研修生を受け入れています。四千人だと思います。そのうち、ガザ地区からは四百人程度かな、来ていると思うんですけれども。その点について、もしも外務省が知っていたら答弁していただけると助かります。
  54. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 手元の資料を見ますと、今委員の御質問に直接答える資料がございません。後ほど整理して御説明に上がります。
  55. 大島敦

    ○大島(敦)委員 私が聞いているのは、四千四百人、ガザ地区から四百人で、その後、JICAの職員の方とお話しすると、当時、これは国連の枠組みでガザ地区への人道的支援を日本国政府は行っています。そのときに、地元のJICAの事務所と我が国で研修を受けたガザ地区の方がテレビ会議でやりとりしています。  JICAは、非常にいい活動をしていて、研修生のOB会を各国につくっています。それで、ガザ地区にいらっしゃるOBの皆さん、向こう側はヘルメットをかぶってテレビ会議。ですから、どういう救援物資が必要かということをしっかりと具体的に我が国も把握した後に、救援物資を国連の枠組みで乗せて送っているわけです。  こういうことは、私は、先ほどの情報収集とともに、中東への関与の仕方として物すごく大切だと思っています。こういう我が国に対する好意的な感情をできるだけ長く伸ばすためにも、こういう活動について後押しすべきだと思うんですけれども、その点について大臣の御所見をお聞かせください。
  56. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 こうしたJICAの帰国研修員の同窓会、OB組織ですが、パレスチナ人のJICA帰国研修員同窓会はガザに組織されており、メンバー百六十六名、JICAの助成を受け、各種勉強会、年次総会を開催しています。  そして、二〇一四年七月から八月に発生したガザ紛争の際には、JICAが、帰国研修員同窓会、パレスチナ自治政府、UNRWA、そして現地のNGO等の協力を得て、避難しているガザの住民に対して食料や医薬品等の物資を提供した、こういった実績もあるようです。  こうした取り組みは、実際、有効に作用している、こういったことも確認されています。ぜひ今後も大事にしていきたいと考えます。
  57. 大島敦

    ○大島(敦)委員 ぜひその点についてお願いしたいんです。予算規模としては、私が聞いたので年間百万円ぐらいだったと思います。そんなに多くの費用をこの同窓会の運営には使っていないはずなんです。  ですから、私たちの国として中東にできることは、できるだけ人的なネットワークを強く持って、彼らの社会の中で我が国に対する友好的な感じというのをやはり維持し続けることが、テロのリスクを要は大きく考えれば減らしてくるのかなと思っています。  もう一つは、警察庁がやっていただいている要は海外の治安に対する取り組みですが、シンガポールであったり、インドネシアであったり、今、ブラジルで交番システムをずっと警察の皆さん、私も数年前に、これはインドネシアで視察させていただいたんですけれども、こういう取り組み。  ですから、今の時代は、国対国の戦いはそんなに起きにくくなっていて、よくおっしゃる国対テロの戦いですから、テロが起きるというのは国内治安の問題なので、これまでどおり、我が国としては、治安の問題の相手国に対する支援、治安をしっかりと保つ国にしていくという過程が、まずはその国でのテロのリスクを抑えることにつながっていくと思いますので、ぜひ、その点についても、外務省の限られた予算の中での配分の仕方について、大臣としても御関心を持っていただければと思いますので。  最後にこの質問で終わります。よろしくお願いします。
  58. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 テロに対してどう取り組んでいくのか、さまざまな観点があり、さまざまな分野、関係者の関与が必要であると考えます。その中にあって、国内の治安という点も重要なポイントであると考えます。  そういったことから、水際対策ですとか、資金の還流の問題ですとか、さまざまな視点から国内の安定をしっかり維持するということも大変重要であると認識をいたします。  御指摘の国内治安の点も含めて、さまざまな切り口からテロとの闘いを進めていかなければならない、このように考えます。
  59. 大島敦

    ○大島(敦)委員 御答弁ありがとうございました。  終わります。ありがとうございます。
  60. 岸信夫

    ○岸委員長 次に、篠原豪君。
  61. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 民進党の篠原豪でございます。  G7伊勢志摩サミットがいよいよ来週に迫ってまいりました。この実現に向けては、外務大臣を初め外務省の職員の皆さん、大変な御苦労があったことと思います。あと少しでございますので、我が国の国益のため、そして全世界の平和構築に向けて、大きな成果を導き出していただきたいということを心より願っております。  オバマ大統領が核なき世界を訴えてから七年がたちました。そして、今回、伊勢志摩サミットの終了後の二十七日、正式に広島訪問をされます。歴史的な決断だというふうに思います。  報道によりますと、岸田大臣も御一緒されるんでしょうか、岸田大臣、広島にオバマさんと一緒に行かれるんでしょうか。
  62. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 まだ、オバマ大統領の広島訪問については、訪問すること自体はアメリカから発表されたわけですが、具体的なロジ、日程、これはまだ引き続き調整中でございます。ですから、具体的にどういった形でお迎えするかも含めて、今引き続き調整をしておるところでございます。
  63. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 済みません、一部報道にちょっとそういうのが出ていましたので伺いました。  二〇〇九年に、大統領になってから初めて我が国にオバマさんがいらしたときに、当時、広島に御訪問なさることを期待されていまして、多分いろいろな議論があって実現しなかったんだというふうに理解しています。  そのときはかないませんでしたけれども、先週の委員会において、武正委員からも、我が国の与野党挙げての過去からの経緯が結びついているということについてはお話もいただいて、そのことは岸田大臣も党派を超えてということでしっかり指摘するということをおっしゃっていただいたところです。  いよいよ今回実現するに当たって、私としてもう一つ伺っておきたいのが、やはり米側にも相当な努力があったんだろうというふうに思います。そのことについて、まず、今回、訪問実現に対して、ケネディ駐日大使そしてケリー国務長官、それぞれの努力と経緯、これをどのように理解して評価されているのか、お伺いします。
  64. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 今回のオバマ大統領の広島訪問は、核兵器のない世界を目指すという国際的な機運を盛り上げるという意味で歴史的な機会になると認識をしています。  そして、今回の訪問の背景には、御指摘のケネディ大使もこれまで広島、長崎の平和記念式典に出席を重ねてこられるなど、こうした御努力があったと思いますし、また、先日のケリー国務長官のG7外相会談における広島訪問、そしてその際に、平和記念公園、資料館、さらには原爆ドームまで、これは当日のハプニングでありましたが、足を運んだ、こういったことも背景にあったと考えます。  こうしたさまざまな関係者の御努力も背景にある中で、今回は米国政府としてさまざまな検討を行い、決断をされ、そして、二十七日オバマ大統領の広島訪問を発表されたものであると認識をしております。     〔委員長退席、新藤委員長代理着席〕
  65. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 かなりそのお二人が説得に当たったんじゃないかというようなことも一部で言われていますので、本当によかったなというふうに思っております。まあ、それをやられたのは、岸田大臣と一緒にやられたということだと思っているんですが。  これまでの歴代のアメリカ大統領を見てみますと、大統領、任期末を見据えて、有終の美を飾るというのかわかりませんが、歴史的に評価をされる実績づくり、いわゆるレガシー、これをどうしていくのかということに励んでいくということが多いんだと思います。  歴史で残っているところでいえば、レーガン大統領は、一九八七年にワシントンDCで、時のソ連のゴルバチョフ大統領と一緒に、中距離核戦力全廃条約に調印しました。これによって両国の核戦力が大幅に削減することになりまして、代表的なのがソ連のSS20とパーシング2ですか、何本かあるんですけれども。それで、今、両国の博物館に、アメリカだったらスミソニアン博物館ですか、一緒に並んでいる、その象徴として展示されているというふうに聞いています。  これに対しては、日本の外務省も、両国の戦略核戦力は大幅に減少することになった、核軍縮の観点からも非常に好ましい動きであったと評価されていて、もう少し言えば、START、このプロセスの結果、冷戦期の約六〇%に戦略核弾頭の数が縮減されるということになったということです。  これにとどまらず、このときは、後のペレストロイカに結びついていって、東西冷戦の終局、この初めの一歩だったと言っても過言ではないのではないかというふうに思っています。ですから、世界に向けて、その後の大きな歴史の転換点になるようなメッセージの発信の瞬間だったというふうに考えています。  先ほど大島委員からも話が少しありましたが、一九九三年、オスロ合意というのがあったと思います。これは、当時はまだ解放機構のアラファト議長とイスラエルのラビン首相が、ホワイトハウスでクリントンさんを真ん中に握手をした。これはなかなか衝撃的な、本当にこの後中東の和平というのがしっかりと成っていくんじゃないかと非常に期待されるもので、新しい中東時代の幕あけを予感させたものです。これは、今お話がありましたが、なかなかうまくいっていない。  ですので、大事なのは、歴史的瞬間というのは、一つつくられる、しかしその後どう動いていくかというのをしっかりとやはり学んでいかなければいけないと思うんです。  その中で、岸田外務大臣としては、レーガン、ゴルバチョフ大統領による中距離核戦力全廃条約、そしてアラファト議長とラビン首相における、これはクリントンさんが真ん中に立ってやったオスロ合意について、それぞれどういうふうに評価をされていて、その後どういう課題が起きてきたのかということ、御認識を伺いたいと思います。
  66. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 まず、一つ目の中距離核戦力全廃条約、INF全廃条約ですが、この条約は、中距離核戦力という特定のカテゴリーの核兵器を全廃する、こうした義務づけを行いました。  当時、我が国の外務大臣も外交演説の中で、これは貴重な核軍縮への第一歩であるということで歓迎をしております。  一九八八年、同条約が発効されました。三年間で米ソ両国の中距離射程の陸上発射型弾道巡航ミサイル二千六百基以上が全面的に廃棄され、核軍縮の進展につながったものであると評価をいたします。  今後とも、こうした中距離核戦力が廃棄されたままの状態がしっかり維持されることが重要であると認識をいたします。  もう一点、オスロ合意ですが、一九九三年、調印されたものですが、イスラエル政府とPLOが相互承認し、中東和平交渉に進展をもたらすものとして、これもまた当時、我が国の外務大臣談話が発せられ、歓迎をしております。  ただ、中東和平をめぐりましては、二〇一四年四月に交渉が中断して以来、交渉再開の見通しは立っていないというのが現状であります。  我が国としましては、独立したパレスチナ国家とイスラエルが平和かつ安全に共存する二国家解決、この二国家解決という考え方を支持しており、この考え方に従いまして、我が国としての貢献を引き続き行っていきたい、このように考えます。
  67. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 国際間で取り決めをやっても、リーダーがかわったら、やはりなしよということが、本来であればなかなか通用するはずはないんですけれども、これがどうも最近怪しいことが多くてですね。  そういった中で、アメリカのアーネスト報道官がワシントンで、今回、広島でオバマ大統領が前向きなメッセージ、オバマ大統領の強い思いを送るつもりだというふうにおっしゃっていますので、本当に期待されるところであります。広島の松井市長も、ぜひ被爆の実相とか被爆者の思い、広島の心というものを、先生の御地元でございますが、みずからしっかりと実感をしていただいて、それがとても大事だと。  しかし、その中で、日本から出てくるのは、やはり人道的な謝罪を求めるということが、長崎、広島、核という非人道的な大量破壊兵器、多くの一般市民が亡くなってしまったということに言及してほしいという人もいれば、アメリカの方を見てみれば、広島訪問が友好をもたらすならばすばらしいことと思うけれども、その一方で、日本が先制攻撃をした、先に攻撃したのになぜ謝らなければいけないのかというようなことを言う方もいて、これは、人道的には謝った方がいい、あるいはこれ以上戦争をさらに泥沼にさせないためにはある程度抑止的なこととしてやむを得なかったんじゃないかという声もアメリカにはあるんだと思っています。一般の声としてですね、皆さんがそう言っているというわけじゃないですよ、もちろん。  その中で、歴史的なメッセージ、本当にぎりぎりまでどうなるかわかりませんが、先ほどケリー国務長官のときにはハプニングであそこまで行ったというのがありますので、どこまで用意をしているかわかりませんが、実際に見ていただいて、それがしっかりと反映されるように、そういった御努力を最後の最後までしていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いします。  一方で、我が国の周辺を見ると、核を持とうとしている国があります。三十六年ぶりの北朝鮮労働党大会で核保有を宣言した北朝鮮です。  これは、党大会の二日目に、我が国は責任ある核保有国として、敵対勢力が核で我が国の自主権を侵害しない限り先に核兵器を使うことはしないとして、保有国という立場からどう考えているかをあらわしました。パレードとかの様子に報道で接した方もいらっしゃるかもしれませんけれども、パレードの中で山車みたいのがあって、核強国、軍事強国というのがぱあんと書いてあったり。これについては、国際的に、今回の核保有宣言は義務に違反しているというふうにアメリカも言っていますし、日本もそういう立場だと思います。  これらに対しては、我が国としても、関係国と連携をとりながら北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的解決に全力を尽くしていきたいというふうにメッセージを出されていますが、この動きに対して、政府は、関係国と連携をとりながら北朝鮮をめぐる諸懸案の包括的解決に全力を尽くしていきたいということはおっしゃるんですが、さっき小熊委員がまた違うことを言っていましたが、では、具体的に、いつ、何をどうするのかという話が全く見えないので、その点についてどうされるおつもりかお伺いをいたします。     〔新藤委員長代理退席、委員長着席〕
  68. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 北朝鮮による核そしてミサイル開発、これは、我が国にとりまして重大な脅威であるのみならず、累次の安保理決議等にも反するものであり、これは容認することはできません。  御指摘の第七回朝鮮労働党大会におきましても、核保有国を自称し、そして核武力を質、量ともにさらに強化していく、こういった意思を示した、これは容認することはできないと考えます。  我が国は、引き続き諸懸案の解決に向けて、対話と圧力、そして行動対行動の方針のもとに努力をしていかなければならないと思いますが、御質問は具体的にどうするのかということであります。  対話と圧力の方針ということでありますが、圧力に関しましては、引き続き強い圧力をかけていかなければならないということで、まずは、先日、国連安保理におきまして採択されました決議二二七〇の実効性をしっかり確保しなければなりません。あわせて、米国、韓国、そして我が国は独自の措置も発表しております、こういった措置の実効性をしっかり確保していくことが大事であると考えます。そのためにしっかり貢献していく。  そして、そうした強い圧力が北朝鮮に対してしっかりと届くことを確認した上で、北朝鮮側がどのように反応していくのか、これをしっかり確認しなければなりません。この反応をしっかり確認した上で、何が最も効果的なのか、これを考えていく、これが具体的な段取りであると考えます。  引き続き、強い圧力をかけつつ、対話につきましても、決して我が国から対話の窓を閉ざすことなく、ストックホルム合意に基づいて対話についてもしっかりと働きかけていく、こうした対話と圧力の方針を続けていくべきであると考えます。
  69. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 ありがとうございます。  現実的に拉致の問題を一つとっても、では本当にうまくいっているのかというと、いろいろと皆さん大丈夫なのかなと思っていらっしゃいます。いろいろなことを包括的といっても、結果がやはり求められるというところだと思いますので、よろしくお願いします。  今回、何でこの話をしたかというと、同じ五月にオバマさんが広島に来て、核廃絶、核軍縮、そして不拡散、一体どこまで言うかわかりませんが、その思いを恐らく述べられるのかもしれない。その一方で、広島から平壌は距離にして七百八十八キロです。これは国会から委員長の山口県までの距離と一緒です。そのぐらい近いところでこれだけの違うことがある。世界のリーダーが、それぞれの判断によって、まさにこの東アジア地域においていろいろと決めていっているということがあります。その中心に、今我々はいるんだというふうに思います。  何やら不安なのが、そのリーダーでありますけれども、今、どんどんと、これまで目指してきた和平であるとか交渉が一たび決められて、大きな世界的な外交メッセージが発表されても、いつの間にかその努力が次のリーダーによって崩されていく、まさにそういうことが起きているんだろうというふうに思います。  人類がこれまで獲得してきた、本当に多くの苦難を乗り越えてやってきた自由や微妙なバランスで保たれてきた国際社会のあり方が、これは本当に悩ましいんですが、自国や、自国ならまだしも、自国民ならまだしも、自己の持つ権力の側の利益だけを追求する、そういった方向で国民の皆さんが大変になっていったり世界がどんどんおかしくなっていくということは、やはりいけないんだろうと思います。  そのことがいろいろなところで実際起きているような何か不安なものを感じますので、我が国がこういうことに一緒に巻き込まれていかないように、G7の大臣の中で一番長い期間外交の担当のトップをやられていますので、そのことについて、これから日本は日本の政治、国内外、どういうふうに行っていくのかということを、今の観点から手短に一分ぐらいでお伺いさせていただければと思います。よろしくお願いします。それで質問を終わります。
  70. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 委員御指摘のように、今、国際社会においては今までとは随分と異なる動きが起こっています。  新興国の台頭によるパワーバランスの変化ですとか、あるいは国際秩序における強力な指導力の減退さらには多極化、また、国際課題もより複雑化しておりますし、力による現状変更の試みも行われていますし、また、秩序自体が不安定化している、こういった動きがあります。  その中にあって、先ほども議論になりました、大量破壊兵器、弾道ミサイル等の移転、拡散、そして国際テロの拡散、多様化、こうしたものも指摘をされ、重大な懸念となっています。  これに対してどう対応するのか、これは簡単な話ではありません。しかし、基本的なスタンスとしては、こうした複雑化し、多様化し、そして不透明になっている世の中であるからこそ、改めて私たちは、自由ですとか民主主義ですとか、あるいは法の支配、人権、こういった基本的な価値あるいはルールをしっかり守っていく、こうした基本的な価値観に基づいて国際秩序を維持、擁護していく、こういった姿勢が重要であるということを認識しなければならないのではないかと思います。  具体的には、さまざまな取り組みが必要ですが、こうした基本的な価値観の重要性を再認識し、我が国としてこういった考え方に基づいて努力することこそ、結果として我が国の国民にとっても大きな利益になるという考えに基づいて、国民の皆さんにも説明をし、取り組みを進めていくべきではないか、このように考えます。
  71. 篠原豪

    ○篠原(豪)委員 どうもありがとうございました。
  72. 岸信夫

    ○岸委員長 次に、吉良州司君。
  73. 吉良州司

    ○吉良委員 おはようございます。吉良州司でございます。  きょうは、ある意味では積み残しになりましたが、前回指摘したこと、G7において議長国日本が、財政出動により世界経済を再活性化する、そういう主張をしているということに対して問題意識を持ちながら、きょうもう一度質問させていただきたいというふうに思っています。  その中で、お断りさせていただきたいのは、途中からは私の持論展開になると思います。質問というよりも持論展開。そのことによって、政権党の自民党に対して、批判的ながらエールを送って、もっと頑張ってくれ、しっかりしてくれというメッセージを送りたい、このように思っています。  まず最初に、再確認にはなりますけれども、伊勢志摩サミットにおいていろいろなアジェンダが提示されることになりますけれども、その中で、最も重要なテーマとして世界経済の再活性化。我が国としては、というか議長国としては、その再活性化を財政出動を通した需要創出というものを一つの手段として、手法として俎上にのせるということで間違いないか、その辺についてお答えいただきたいと思います。
  74. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 もちろん、サミットですので、テロとか難民といった政治、外交問題ですとか、あるいは開発とか気候変動といった世界的な直面する課題、こういったものも議論されますし、さらには、女性の輝く社会、あるいは国際医療、保健、八年ぶりのアジアで開催されるサミットですからアジアの問題、こういったものも議論されます。  しかし、その中にありましても、御指摘のように、世界経済情勢を踏まえた対応策が最も大きな議論になると認識をしております。そして、この議論に向けては、先日の安倍総理の欧州訪問の中で、金融政策、財政政策そして構造改革、この三つをバランスよく進めていくべきであるという点において一致をしたと認識をしています。  ただ、その国によってさまざまな事情や考え方もあります。引き続きぎりぎりまで準備が進められ、そして、サミット当日も突っ込んだ議論が行われるものだと思います。そうしたものも踏まえて、ぜひ、しっかりとした成果文書等を通じて明確なメッセージを国際社会に発していきたいと考えます。
  75. 吉良州司

    ○吉良委員 今大臣もおっしゃったように、近くなってはいますけれども、これからまだまだ詰めるべき点があると思います。今、金融政策、構造改革もあるけれども、やはり財政出動というものもあると、前回の委員会においてもそのような答弁がありましたが。  財政出動の中身については具体的なアイデアがあるんでしょうか、手短に。
  76. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 サミットでの議論については引き続き準備を進めなければいけません。そして、これはサミットの議論ですので、私の立場からサミットの中で安倍総理がどんな発言をするのか、提案をするのか、今この時点で何か申し上げることは控えなければならないと思います。  しかし、各国ともさまざまな事情があります。一方、各国とも、どの国においてもそれぞれの、金融であれ、財政であれ、あるいは構造改革であれ、百点満点をとれるというような国はないかと思います。それぞれの事情の中でぜひそれぞれの強みを生かして協力をしていこうという議論をリードしていく、これが議長としての立場であると考えます。
  77. 坂井学

    ○坂井副大臣 手短にお答えをさせていただきます。  機動的な財政政策の中身ということでございますけれども、一応、G20におきましても、経済成長、雇用創出及び信認を強化するための目的を持って財政政策をとっていこうということになっておりまして、これらに資する分野へ重点化をしていきたいと考えております。
  78. 吉良州司

    ○吉良委員 それらへ資する分野というところが本当は一番大事なんですけれども、現時点で詰まっていないか、また、ここでは公表できないんだろうというふうに思います。  質問という形で聞こうと思ったんですが、ちょっともう時間も押してくるので。外務省の事務方から私がレクを受けた限りにおいて、安倍総理の欧州歴訪時に財政出動による世界経済の再活性化ということを切り出したことに対して各国がどういう反応をしているか。  フランスは、構造改革にあわせて機動的な財政政策により効果的に需要を創出する必要がある点で一致と。これはフランスの政府の成り立ち、立場からいえば理解できると思っています。  ドイツは、構造改革と財政出動をバランスをとって進めていくことの重要性ということと、民間投資が重要だという言及があったというふうに聞いています。  英国については、これは前回大臣が最後に答弁されたことですけれども、金融政策と機動的な財政出動、構造改革を、各国の事情を反映しつつバランスよく協力して進めていくことが重要、こういう対応であったというふうに聞いています。  前回も私、指摘しましたが、今言ったフランス、そして今は言及しませんでしたけれどもイタリアの立場はわかります。ただ、ドイツは明らかに、財政出動、そんな時代じゃないでしょう、そんな状況じゃないでしょう、民間投資が大事なんでしょうということを言っていると思います。外交的な場ですから、あえて、機動的な財政出動なんて冗談じゃありませんなんて言えませんからね。今言った構造改革とあわせてということで、えんきょくに否定したというか、肯定をしていないと思います。  ましてや、今、保守党のキャメロン首相、当然、民間活力による経済再生ということを主眼に置いていると思いますので、これも、財政出動によって何とかしましょうということに首を縦に振るはずがないと私は思っています、本音の部分でですよ。  だから、そういう意味で、私は日本が伊勢志摩サミットにおいて財政出動による有効需要創出、そして世界経済の活性化ということをテーマにすること自体、本当に今からでも避けてもらいたいというふうに思っているんですね。  その問題意識を持った上で、大臣、これは質問通告はないですが、常識の範囲だということでお聞きしたいと思うんです。一九九一年という年は、世界史的に、日本史的にどういう年だったと御認識でしょうか。
  79. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 一九九一年、具体的に何がその年に起こったのか、ちょっと、今すぐに確認できませんが、世の中一般に言われているのは、一九九〇年代に入って日本の経済のバブルが崩壊したと言われております。大体その時期が一九九一年なのではないかと今たちまちは思います。済みません、具体的には何かちょっと思い浮かびません。
  80. 吉良州司

    ○吉良委員 今おっしゃったことはそのとおりだと思います。いわゆる日本のバブルが崩壊したというか、し始めた年、それが九一年。これは日本史的な極めて重要な出来事だと思うんです。  世界史的には、御承知のとおり、ソ連の崩壊です。八九年のベルリンの壁、そして九一年のソ連の崩壊です。  一九九一年のソ連の崩壊、それをどう見るかというのはいろいろな見方があります。東西冷戦、西側が勝利した、資本主義国が勝利した、自由が勝った、こういう見方が一般的にはされています。それは間違いないんだろうと思います。けれども、私は一方どういう見方をしているかというと、官僚統制経済の敗北だと思っております。  これも前に言ったことがありますけれども、アブラハム・マズローという米国の心理学者が、人間の欲求五段階説ということで、生理的欲求があって、安全の欲求があって、人と交わりたい、人と交流したいという社会的欲求があって、そこまである程度衣食住足りて人との関係ができてくると、自分を認められたいという第四の欲求が出てくる。そして最後は、自己実現の欲求が出てくる。これが人間の欲求の五段階だと。  私はよくそれを国の発展段階にも例えます。もう一段階、二段階は言いませんけれども、三段階、今言った衣食住足りるというところまでが第三段階だと思っているんですね。第三段階までは、実は、とにかく腹いっぱい食いたい、安全でいたい、雨露しのぐ家に住みたい、こういう要求というのはほとんど人類共通でありますから、これは別に、自由主義だとか資本主義じゃなくても、社会主義だって共産主義だってそこまでは持っていけるんです。だから、ある時期まで共産主義国もソ連も、第三段階までは何とかいったんです。  目を転じて、アジアで見てみれば、民主主義という形はとっていますけれども、ある時期、ネシアにしろフィリピンにしろ、マレーシアも含めていいかもしれません、民主主義という形でリーダーは選ばれているけれども、実際は、ある意味では独裁体制をしいて、そして開発独裁をやっていく。いろいろな意見を認めませんから、非常に効率よく、ある段階まで経済社会を持っていける。  けれども、そこでつまずくのは何かといえば、よく言われる中進国のわな、中所得国のわな。それ以上発展しようとすれば、さっきのマズローでいえば、衣食住足りて、第四段階、第五段階、自己実現を目指したそういう社会になってくる。そうすると、やはりどうしても自由でなければ、多様性を認めなければという段階に入ってくる。そういう中で、私は、ソ連も崩壊をしたと。それは、官僚が五カ年計画だ何だをつくって、今言った、官僚が中心となる統制経済がそれ以降は機能しない、こういうことだと思うんです。  我が国はどうか。これは、私はいつも言いますけれども、あの焼け野原の我が国を見事に戦後復興させ、そして戦後復興から経済成長という政策をとる中で、世界の一流国、世界第二位、今、第三位の経済大国にした最大の功労者は、頑張り抜いた国民ですけれども、それを引っ張った自民党ですね。そして、岸田外務大臣の宏池会、それが物すごく重要な役割を果たしてきたというふうに思っています。  けれども、それはある意味、自民党一党、または自民党と官僚の連合政府による開発経済、開発独裁だったと言っても過言ではないと思うんです。だから、そのときは第二段階、第三段階までは非常に機能した、世界のモデルケースになっている、成功体験だった、このように思っているんです。  ちょっとお配りした資料、これは余りにも当たり前の資料ですけれども、三枚の資料を見ていただきたいと思います。  さっき申し上げました一九九一年、平成三年でありますけれども、これはまさにバブル崩壊の年。けれども、そこからいわゆる建設国債それから赤字国債が急激に膨らみ、税収はふえず落ち込む、予算需要は高まっていく、ワニの口が出てくる。  そして、二ページ目にある、この国債の発行の積み重ねがここまで膨大な国債残高となり、今や、地方も合わせれば一千兆円を超えている。  三ページ目ですけれども、その間、公共事業、平成三年ぐらいから非常にふえています。もちろん、バブル崩壊の景気減速を何とか補おうとしたことは間違いないと思いますけれども。そして、私自身は公共工事全部を否定するつもりはもちろんありませんが。でも、結果的に見れば、これは前回も申し上げましたように、幾ら財政的にお金をつぎ込んでも、失われた十年、失われた二十年というものは解決できなかった、これが現実です。  私は、あえて共産主義の話、そして開発独裁の話をした。我が国も、さっき言いました、国民とそれを引っ張った自民党の大貢献によって、第三段階までは見事に卒業しているんですね。もう四段階の半ば、五段階に近づこうとしている社会において、このような財政出動による開発独裁的な手法が通じるわけがないんです。それを世界経済の再活性化の重要な手段にしようと持ち出すこと自体が間違っている。  そのことがよくわかっているから、メルケル首相は、えんきょくにお断りし、先進国日本、もう先進国でしょう、先進国の経済を活性化するのは民間でしょう、民間投資でしょうと。キャメロン首相も、今言った、礼儀として完全否定はしないけれども、金融政策、財政出動をあえてわざわざ出して、だけれども一番大事なのは構造改革でしょうということを言ったんじゃないでしょうか。  そういう中で、このG7の会合において、私は再度、くどいほど言います、財政出動による世界経済の再活性化、こういうものを持ち出すべきではない。そして、自民党も、もういいかげんに、かつての成功体験を忘れていただきたい。  繰り返しますけれども、かつては大貢献しています。けれども、それは今この時代には通用しないんです。それを持ち出したいのはなぜか。それは、今、日本じゅうにあるほとんどの産業が自民党が生みの親、育ての親なんです。そして、それが自民党の応援団なんです。本来なら、育てて一人前になった、二十になった大人についてはもう自立しろというのが人間の当たり前の姿です、家庭の当たり前の姿ですけれども、まだ困っているから何とかしてくれというときに、おお、おまえ、大変だなというのでまた財政出動で何とかしましょうとやり続けているのが今の我が国の姿なんです。  これを、私は、さっき言いましたように、批判的な思いも込めながら、自民党、もう一回目を覚まして頑張ってくれとエールを送りたいし、世界経済の再活性化について財政出動は持ち出さないでいただきたい。  もう時間が来ましたので、手短に大臣の所見をお願いします。
  81. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 我が国の財政政策については、そもそも外務委員会で議論するのが適当かどうかわかりませんし、そもそもこれは大変大きな議論ですから、国会を挙げて、政府を挙げて引き続きしっかり議論をしていかなければいけない課題だと思います。  ただ、今度サミットで議論する世界経済は、我が国のみならず、世界全体の大きな経済の動きについて議論いたします。そして、その中で、少なくとも財政出動そのものを否定した国はないと思います。財政出動も含めて構造改革、金融政策がバランスよく行われることが重要だということについては最低限一致できたというのが安倍総理の先日の欧州訪問であったと考えます。  ぜひ、こうした認識に基づいて、いよいよ本番、二十六日と二十七日、G7伊勢志摩サミットが行われます。準備もぎりぎりまで続くと思いますし、何よりも本番での首脳同士の率直な議論が重要であります。それを経た上で、しっかりとした成果文書をまとめ上げたいと思います。議長としてしっかりとした成果文書をまとめ上げて、世界にG7としての建設的な発信ができるよう、ぎりぎりまで努力を続けたいと考えます。
  82. 岸信夫

    ○岸委員長 吉良君、時間が来ています。
  83. 吉良州司

    ○吉良委員 はい。  G7の成功を心からお祈りして、質疑を終わりたいと思います。  ありがとうございました。
  84. 岸信夫

    ○岸委員長 次に、大平喜信君。
  85. 大平喜信

    ○大平委員 日本共産党の大平喜信です。  比例中国ブロックの選出、広島県の出身です。きょうは、外務委員会で初めて質問をさせていただきます。どうぞよろしくお願いをいたします。  まず、私は、核兵器廃絶の問題について質問したいと思います。  オバマ大統領が、アメリカ大統領として初めて被爆地広島を訪問することとなりました。これは被爆者の長年の切実な願いに応える重要な、前向きな一歩であると同時に、この一歩を核兵器のない世界の実現につなげるためには、米国政府が核兵器禁止条約の国際交渉開始に背を向けてきたこれまでの態度を改めることが必要であるということを私は率直に指摘したいと思います。  それは、昨年八月六日の広島市の平和宣言で、オバマ大統領ら各国為政者の被爆地訪問を求めて、各国為政者が、被爆者の思いを直接聞き被爆の実相に触れることで、核兵器禁止条約を含む法的枠組みの議論を始めなければならないという確信につながるはずだと述べているように、何よりも被爆者と被爆地が切実に願ってきたことであります。  岸田外務大臣にお伺いいたします。  米国政府のこれまでの姿勢についての大臣の御認識を伺いたいのと同時に、大臣にはオバマ大統領広島訪問の際にぜひこの被爆者の思いというものを伝えていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
  86. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 まず、御質問は、米国政府の今日までの取り組みについてどう考えるかということがありました。  これにつきましては、オバマ大統領は、二〇〇九年にプラハ演説を行って、核兵器のない世界にコミットしました。これを踏まえて、新STARTを交渉締結し、あるいは核セキュリティーサミットを主導しました。そしてオバマ大統領は、二〇一三年にはベルリン演説におきまして、最大三分の一の配備戦略核弾頭の削減及び戦術核の大幅削減に向けたロシアとの交渉の推進を提唱しました。こうした取り組み自体は、まず、評価しています。  ただ、その後、国際情勢、米国とロシアとの対立の中で、核兵器のない世界に向けての機運が今しぼんでいる、こういった現実もあります。ぜひ、今回のオバマ大統領の広島訪問、これを一つの機会とし、再び国際社会において核兵器のない世界をつくっていこうという機運を盛り上げる、この反転攻勢に転ずる機会にしたいと強く思っています。  そして、我が国のこうした核軍縮・不拡散に対する対応ですが、こうした核軍縮・不拡散において結果を出すためには、核兵器を持っていない国が強い思いを述べる、もちろん重要ですが、核兵器を持っている国にも協力させないと結果につながらない、これも現実であると思います。この核兵器国と非核兵器国の協力がなければ結果を導くことができない、こういったことも強く感じております。  そういったことから、我が国はこれまで、核兵器の非人道性に対する正確な認識と、一方、厳しい国際社会における安全保障環境に対する冷静な認識、この二つの認識を持つことが重要であるということでこの議論に臨んできました。この正確な認識があるからこそ非核兵器国の理解も得られる、そして、冷静な認識があるからこそ核兵器国の協力も得られる、この二つの認識がそろうことが重要であるということで取り組んできました。このように、この二つの認識のもとに引き続き核兵器国と非核兵器国の協力を求めていきたいと思います。  そして、御指摘の核兵器禁止条約のあり方ですが、協力を実現する上において有効なのかどうか、こんなことも考えながら、どのような議論を進めていくのかを考えていかなければならないと私は考えます。
  87. 大平喜信

    ○大平委員 日本政府の姿勢は次の質問で聞こうと思ったんですけれども、大臣にまとめて答えていただきましたので飛ばします。  核兵器のない世界を実現するために、具体的に、とりわけ日米両政府がどのような行動を行っていくのか。米国は今までの態度を改める必要があるというふうに私は思いますし、あわせて問われているのは、今大臣に御答弁いただいた日本政府の姿勢だと思っております。  日本政府は、国連総会で圧倒的多数の賛成で採択されている核兵器禁止の国際交渉開始を求める決議案に対して、一九九六年に初めて提案されてから昨年の二〇一五年の総会に至るまで、二十年連続で棄権をしている。こうした姿勢を根本的に改めることこそ、私は日本政府に求められていると思いますし、大臣、先ほど、核保有国と非核保有国の協力を促していくという御答弁がありました。しかし、実際、私は、日本政府がやっていることは、専らアメリカなど核保有国が唱える核抑止力論でしたり段階的措置論を代弁するばかりではないかと感じずにはおられません。  もちろん核軍縮の個々の部分的措置を前進させることは重要ですが、そうした部分的措置の積み重ねだけでは核兵器のない世界には決して到達できないというのは、歴史と事実が示していることと思います。  広島市の平和宣言は、核兵器が存在する限りいつ誰が被爆者になるかわからない、こういう痛切な思いで核兵器の禁止、廃絶をうたっており、それこそが被爆地の最大の願いである。大臣も十分承知だと思います。  今こそ、こうした被爆者と被爆地の思いに応えて、そして圧倒的多数の国々も求める核兵器禁止条約など法的枠組みを構築するための国際交渉を開始するためのイニシアチブを日本政府がとることを強く求めて、次の質問に移りたいと思います。  ことし二月の予算委員会分科会で、私は米軍岩国基地の被害について岸田外務大臣に質問をさせていただきました。  私の地元中国地方では、岩国基地から飛び立った米軍機などによる低空飛行訓練が、島根県の西部から広島県の北部、岡山県北部、鳥取県の東部若桜町に至るまで、中国地方全体、山間地域を初め、また島根県西部の自衛隊訓練空域で激しく行われております。その爆音被害は、住民に耐えがたい苦痛を与えております。  きょうは、前回の質問でできなかった、どうしても看過できない具体的な事例について質問をさせていただきたいと思います。  二〇一五年の三月十七日正午ごろ、島根県川本町と邑南町の上空を、二機のジェット戦闘機が数度にわたって低空飛行を行いました。  川本町役場にある騒音測定器では、お昼の十二時十分から十二時三十四分までの間に計四回騒音を測定し、最大値は百一・四デシベル。邑南町役場では、十二時十七分から十二時二十六分までに計六回測定をし、最大九十三・二デシベルを観測しています。  地元の住民の方は、この日は特に低空飛行で、機体がはっきり見えるほどだったとおっしゃっておられました。  防衛省に確認ですが、この件について島根県から中四国防衛局に照会があったと思いますが、どういう対応、返答をしたんでしょうか。
  88. 谷井淳志

    ○谷井政府参考人 お答えいたします。  昨年三月十七日、島根県川本町及び邑南町上空において航空機が飛行したことにつきましては、翌十八日に島根県から中国四国防衛局に苦情が寄せられました。防衛省といたしましては、これを受け、同月の二十日、米軍に対し苦情の内容を通知するとともに、飛行の有無の事実関係を問い合わせており、翌月七日、米軍から米軍機ではないとの回答があったことから、同日その旨を島根県に情報提供しております。
  89. 大平喜信

    ○大平委員 米軍が米軍機ではないと言ったから、独自に聴取をすることもなく、そのまま島根県に回答した、そういうことでした。  先ほど、川本町の最高観測値が百一・四デシベルだと紹介をしました。これは観測し始めてから二番目に高い数値であり、すさまじい爆音でした。  では、米軍機ではないとしたら、一体どこの飛行機なのかということになります。  続けて防衛省に伺いますが、では、この日、この時間にこの場所を自衛隊の戦闘機が飛んだという記録はありますか。
  90. 笠原俊彦

    ○笠原政府参考人 お答えいたします。  お尋ねの日時、場所におきまして、自衛隊機が飛行したという事実はございません。
  91. 大平喜信

    ○大平委員 米軍機でもなければ自衛隊機でもない、これは国籍不明機ということになります。  さらにお伺いしますが、この日、この時間に領空侵犯があったという記録はありますか。
  92. 高橋憲一

    ○高橋(憲)政府参考人 お答えいたします。  先生御指摘の日時、場所において領空侵犯があったという事実はございません。
  93. 大平喜信

    ○大平委員 米軍機でも自衛隊機でもなく領空侵犯もなかった。そうすると、では、この時間、この地域で何も飛んでいない、防衛省はそういう認識なんでしょうか。
  94. 谷井淳志

    ○谷井政府参考人 お答えいたします。  昨年の三月十七日の島根県川本町及び邑南町上空の航空機の飛行につきましては、先ほど御答弁いたしましたとおり、米軍からは米軍機ではない旨の回答があり、また、自衛隊機についても該当がなかったところでございます。防衛省といたしまして、これ以上のお答えをすることは困難だというふうに思います。  その上で申し上げますと、米軍機の飛行につきましては、防衛省として、日ごろより、米軍に対し、安全面に最大限の配慮を払うとともに地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう働きかけているところでございまして、今後も働きかけを継続してまいりたいと思っております。  他方、米側としても、米軍機の飛行に際し安全面には最大限の配慮を払うとともに地域住民に与える影響を最小限にとどめるよう努力しているという旨を明らかにしております。  また、自衛隊機の飛行につきましても、地域住民に与える影響に十分配慮すべきことは言うまでもなく、基地周辺における飛行訓練を必要最小限の時間で行うなど、騒音を抑制するといった取り組みを実施してございます。
  95. 大平喜信

    ○大平委員 全く無責任な答弁であります。全く矛盾しているじゃありませんか。答弁しながら感じませんか、次長。米軍機でも自衛隊機でもなく領空侵犯もない。米軍が米軍機じゃないから、何か飛んだんだろうが何かはわからない。  私、伺いました。川本町では、保育所の園児たちが怖がって職員に抱きついて泣いたという苦情が寄せられておる。邑南町でも、議会中の質問や答弁が聞きにくかった、窓を閉め切った室内でも恐怖を感じたなど、苦情が寄せられております。こんなにも住民が不安や恐怖におびえている、平穏な生活が脅かされているのに、防衛省、あなたたちはまともに調べもせず、米軍が米軍機じゃないからといって、それをそのまま平気で現場に伝える。全く無責任きわまりない態度だと言わなければなりません。  では、米軍に聞く以外に確認をする手だてはないのかといえば、決してそんなことはない。質問を続けたいと思います。  防衛省は、米軍に問い合わせをするだけでなくて、自主的に調査をして米軍機が飛行する情報を受け取れるはずです。今回問題となっている島根県上空は、エリアQとエリア7という自衛隊の訓練空域ですが、米軍もここをエリア567という呼称で使っております。米軍機が使用する際は自衛隊と空域調整をすることになっていると思います。  そこで伺います。昨年の三月十七日に米軍と自衛隊は空域調整をしていますか。
  96. 笠原俊彦

    ○笠原政府参考人 お答えいたします。  今委員が言われましたように、一般的にでございますが、自衛隊の訓練試験空域を米軍が使用する際には、当該空域の使用の重複を避けるために、自衛隊の担当部隊が米軍と使用日時の事前調整を実施しているところでございます。  お尋ねの昨年三月十七日については、自衛隊訓練空域の使用について、米軍から調整が行われていたと承知をしております。
  97. 大平喜信

    ○大平委員 空域調整をしているという御答弁でした。しているということは、米軍機が飛んだ可能性が大いにあるということになると思います。  きょう配付資料を委員の皆様にお配りいたしました。一枚目をごらんいただきながら聞いていただきたいと思うんです。  我が国では、航空法に基づき、米軍機もフライトプランを日本政府に提出する義務があります。防衛省は、このフライトプランを飛行管理情報処理システム、FADPというシステムで管理していると説明を聞きました。防衛省は、このFADPで米軍のフライトプランも確認しているということであります。  配付資料の二枚目につけましたが、防衛省が監修する「マモル」という雑誌の二〇一二年四月号のコピーをつけました。ここではFADPの特集が組まれておりまして、そこには、見出しにあるとおり、「日本の空を飛ぶ航空機はすべて把握している!」と、大々的な見出しでその能力の高さを誇っております。  防衛省に確認ですが、今回問題の低空飛行について、自衛隊は米軍のフライトプランを当然受け取っておりますね。
  98. 笠原俊彦

    ○笠原政府参考人 お答えいたします。  飛行計画、フライトプランが提出されているか否かを含めまして、米軍機の運用にかかわることでございますので、お答えは差し控えさせていただきます。
  99. 大平喜信

    ○大平委員 防衛省は米軍のフライトプランを、航空法の仕組みから、そしてこの一枚目に配付した皆さんの管理システムの仕組みから、当然受け取っていると思うわけですが、米軍の運用については答えられないというお答えでありました。  しかし、この「マモル」にもあるように、防衛省として日本の空を飛ぶ航空機は全て把握していると皆さんはおっしゃっているではありませんか。  FADPは、領空侵犯にも対応するものだと私は聞いておりますが、領空侵犯もなかったと先ほど御答弁がありました。  これだけのシステムを導入して、米軍機も含めた全ての航空機の飛行を注視しておいて、しかし、米軍の運用に関しては答えられない、領空侵犯もない、でも飛行機は飛んでいて、どこの飛行機かわからないと。では、一体何なのか。こんないいかげんな対応は私はないと思いますよ。  配付資料の三枚目を皆さんごらんいただきたいと思います。  これは、私の地元広島を中心とする地方紙、中国新聞の昨年三月十八日付の記事のコピーを持ってまいりました。先ほど問題になっている十七日の翌日の記事でございます。ここに問題となっているジェット機の写真が、当社の記者が撮ったということで載っております。  この拡大図をつけてみました。このジェット機の尾翼に私には黒いシルエットが写っているように見えます。通告していないんですけれども、大臣、これは何に見えるでしょうか。
  100. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 資料を見る限り、航空機、あるいはジェット機であるということは間違いないと思います。
  101. 大平喜信

    ○大平委員 尾翼に写っている黒いシルエットのことをお聞きしたんですけれども。  私はコウモリが羽を広げた姿に見えるわけですが、防衛省は、コウモリの印を持つ米軍の戦闘機があるかどうか、確認です、お答えください。
  102. 谷井淳志

    ○谷井政府参考人 お答え申し上げます。  岩国に配備されておりますFA18ホーネットには、コウモリのような形のマークが入った尾翼のものがあるというふうには承知をしております。
  103. 大平喜信

    ○大平委員 私も調べてみましたら、米海兵隊岩国航空基地の第二四二全天候戦闘攻撃中隊が運用しているFA18Dという航空機がこの印をつけていると、岩国基地の公式ウエブサイトに載っておりました。私も手元にその戦闘機写真を持っておりますが、まさにうり二つに見えるわけでございます。  これだけ情況証拠と物的証拠があり、そして米軍に真実を明らかにするよう迫ることができるにもかかわらず、米軍が米軍機ではないと言うから米軍機ではないと、そのまま日本政府として調査もせず現場に返す。そして、米軍機の運用だから答えられないと言う。米軍が黒と言えば黒で、白いものも黒と言えば黒になる。  日ごろから標的のように、島根県、広島県の住民の皆さんは被害を受けている。そうした人たちから見れば、加害者であるこの戦闘機が一体どこのものかもわからない、こんな答弁、こんな姿勢では、到底住民の皆さんは納得できるはずがありません。  大臣に改めてお伺いしたいんですが、こうした日米関係は、大臣、異常だとは思われませんか。いかがでしょうか。
  104. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 まず、御指摘の昨年三月十七日の事案につきましては、先ほど来防衛省からも答弁がありましたとおり、事実関係が明確でないところがあると承知をしております。  ですので、一般論として申し上げますが、こうした騒音の問題、これはもう、地元住民の方々からすれば深刻な問題であります。  米軍の訓練ということで申し上げるならば、こうした訓練は、日米安全保障体制を維持していく、日米安全保障条約目的を達成していく、こういったことにおいて重要であるとは認識をしておりますが、全く自由に飛行訓練を行ってよいというものでは当然ありません。  ぜひ、こうした地元住民の方々への影響について、安全面に最大限配慮を行いながら、影響を最小限にとどめるよう、我が国としてしっかり米側に働きかけていかなければいけない、これは当然のことであると考えます。
  105. 大平喜信

    ○大平委員 私は、日本政府の姿勢一つだと思いますよ。世界から見ても異常だと言わなければなりません。イタリアドイツでは、米軍機の自由な飛行訓練は決して許していない、明確な取り決めをしているのであります。要は、主権の問題であります。  国民の平穏な生活を踏みにじる、米軍機による傍若無人な飛行訓練は直ちに中止するよう求めて、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  106. 岸信夫

    ○岸委員長 次に、丸山穂高君。
  107. 丸山穂高

    ○丸山委員 おおさか維新の会の丸山穂高でございます。私からも一般質疑させていただきたく存じます。  まず、時間も二十分ということで短くなっておりますので、早速質問に入らせていただきたいんですけれども、いわゆる慰安婦問題について、昨日、十七日、日韓での局長級協議があったと伺っております。この局長級協議も含めて、進展状況を外務省側にお伺いしたいと思います。  報道によると、韓国側が、いわゆる財団の設立に向けて、準備委員会のメンバーを既に決めて、今月中にも委員会を発足させる、そして来月中には財団を設置したい考えということだ、報道ベースですが、こういうものも出ております。  そういった意味で、進展が出てきているんじゃないかなというふうに客観的に見て思うんですが、その点も含めて、外務大臣、見解をお伺いできますか。
  108. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 昨日、十七日ですが、石兼アジア大洋州局長と鄭炳元韓国外交部東北アジア局長の間で局長級協議が行われました。  そして、北朝鮮が挑発行動を繰り返す中、一層、日韓両国で緊密に連携して対応していく、こういったことを確認するのとあわせて、昨年末の慰安婦問題に関する日韓合意のフォローアップについて、率直な意見交換を行いました。そして、財団の設立を含め、合意のさまざまな点について集中的に議論を行いました。そして、着実かつ迅速にフォローアップしていく重要性について一致をいたしました。  詳細については控えなければなりませんが、御指摘のような財団設立について、具体的な日程、スケジュール等について決まったということは承知しておりません。私自身、そういった日程は決まっていないと認識をしております。
  109. 丸山穂高

    ○丸山委員 そうすると、進展がなかった、進捗がなかったということなんでしょうか。大臣としては、進捗があったという理解でいらっしゃるんですか。
  110. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 昨年末の日韓合意については、日本政府、韓国政府、それぞれが合意の内容を誠実に履行することが重要であると思います。それぞれの取り組みについて率直な情報交換を行い、意見交換を行った。これは大変重要な会議であったと思っています。  具体的なスケジュールについては決まったとは承知しておりませんが、韓国内における取り組みについても、現状、しっかり情報提供があったと認識をしております。  我が国としましても、引き続き、我が国のやるべきことを行うべくしっかりと準備を進めていきたいと考えます。
  111. 丸山穂高

    ○丸山委員 ぜひこれを前に進めて、合意をもとにやっていかなければいけないというふうに思います。  そうした中で一番危惧しているのは、財団はもちろん約束ですので、やる必要があるというふうに思うんですが、しかし、もう一個の約束であるはずの、いわゆる慰安婦像の撤去の話。  十億円の財団をつくって、言い方も悪いんですけれども、十億円だけとられてしまって、結局この慰安婦像も進展しないというのが一番最悪の、危惧するパターンでございます。  韓国側は、一部、あれでは努力は約束したけれども撤去に合意したわけではないというふうな、不届きなおっしゃり方をする人もいるそうですけれども、この慰安婦像の撤去についても当然議題に上がったという理解でよろしいですね。また、言える範囲で構いませんけれども、これも進捗があったという理解でいいんでしょうか。
  112. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 まず、昨年の合意では、少女像につきまして、「公館の安寧・威厳の維持の観点から懸念していることを認知し、韓国政府としても、可能な対応方向について関連団体との協議を行う等を通じて、適切に解決されるよう努力する。」とされています。合意の中身はこれに尽きております。  そして、韓国政府は、この合意の実施に向けて、元慰安婦の方々への説明等を今行っていると承知をしています。今回の局長級協議では、韓国側より元慰安婦の方々の最新の動向について説明があったと報告を受けております。
  113. 丸山穂高

    ○丸山委員 少しずつですが進展しているなというのは客観的に見ても思うところでございますけれども、韓国側は、例えば政治背景が変わってきたりすると急激に変化する可能性もある、まだまだ安心もできないし、ここからが正念場だというふうに思います。  特に、さっきの、努力は約束したけれども撤去は合意したわけじゃないという形で、十億円だけとられてしまう、その結果、日本の求めているものがとれないという、そんな形にはならないように、引き続きしっかりと交渉していただきたいと思います。  また局長級協議は引き続きあると思いますので、その中でのしっかりとした国益を守る、そんな外務省の立場を守っていただきますようにお願い申し上げます。  次に、中国側の動きの話を伺っていきたいと思うんですけれども、まず、いわゆるユネスコの世界記憶遺産関連です。  先ほど民進党の委員からも少しお話がございましたが、重ねてさらに細かいところをお伺いしていきたいんですけれども、まず、もう既に登録されてしまった案件からお伺いしていきたいと思います。  非常にこれは問題だと認識しているんですけれども、南京大虐殺の文書、既に、昨年秋ごろでしたかね、登録されてしまった。この問題について、現状、伺っていますと、中国側にどんな資料なんだと要求しても、結局、出てこない、一部しか出てこない。そういった状況を伺っているんですけれども、その事実関係と、そして外務省としての見解と対応をお伺いできますでしょうか。
  114. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 登録された南京事件の資料については、まずは、いかなる資料が登録されたのか、中身の精査が重要であるという認識のもと、これまで一部の施設に所蔵されている資料を閲覧いたしました。しかし、中国当局は、その他の施設については、一度閲覧を認めたにもかかわらず、その後、技術的問題等を理由に、受け入れられないとしています。このように、いまだ全ての資料へのアクセスが拒絶されている状況は問題であると認識をしています。  ユネスコが規定しております、記憶遺産保護のための一般方針の趣旨、この方針の中に、三の四として、アクセスの原則と方法、こういったものが定められていますが、こういった指針の趣旨にも反するものであると認識をしています。  これを受けて、中国側には、各施設の対応について遺憾である旨を伝達し、関係資料へのアクセスを引き続き強く要求しております。  さらに、かかる状況をユネスコ事務局に情報共有をするとともに、中国側の対応の改善をユネスコからも強く求めるよう申し入れを行っている、これが現状であります。
  115. 丸山穂高

    ○丸山委員 調べていきますと、非常にいろいろな問題があるなと思います。ユネスコの審査体制にも問題があると思いますが、それをしたたかに中国側はついてきているなというふうに、見ていて思います。  例えば、どういう審査過程だったかというと、資料の現物もコピーもない状態で、しかも、資料の一覧の目録とそして資料を保管する七カ所の公文書の所在、これのみで審議したというふうな話が出てきている。  そして、もう一つ懸念しているのは、日本政府側が南京の事件を否定するものではない、公式見解では否定していません。しかし、例えば中国側が出してきた資料の中でも、ほとんどの日本人の学者は否定しているような資料が一部あるんじゃないかという、これは直接外務省から聞いたわけじゃないが、そういうのもあるというふうな話も聞いています。  一方で、南京事件があったかどうかすら否定する学者もいて、数にしても、すごくいろいろな学説が今あって、定かではないわけです。そうした中で、この問題が、今回のユネスコに登録されたに当たって、日本政府が否定するものではないという部分も大いに今回の登録に寄与した、影響があったんじゃないかというふうな話も出てきています。  そうした意味で、ほかの案件もずっとこの委員会でお話ししてきていますけれども、この件も本当にしたたかに中国側はやってきていますので、しっかり、今おっしゃった対応からさらに先には、恐らく取り消し、どうやって取り消していくかというところが非常に大事になってくるというふうに思いますけれども、もちろんそこも、もしこれ以上、中国側が出してこないということであれば、明らかに一般の方が見られない。世界で見られないのが記憶遺産というのは変な話ですから、おかしいじゃないかということは言っていけるし、言っていくという対応でよろしいんですね、大臣。
  116. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 今後の対応ですが、まず、何といっても、登録されたとされる資料、これをまず検証しないことには、今後の対応を決定することはできません。先ほども言いましたように、ユネスコにも協力をしてもらいながら、どういった資料が登録されたのか、これをまずしっかり確認したいと思います。その確認を行った上で、どのような対応をとり得るのか、これをしっかり検討していきたいと考えます。
  117. 丸山穂高

    ○丸山委員 しっかりやっていただきたいと思います。  とはいえ、日本政府も手をこまねいていたわけじゃないと私は思っていまして、それは率直に評価もしたいと思います。  馳大臣が先方と会談してちゃんと主張していますし、重ねて、日本人の委員ですかね、きちんと専門家を派遣して、その委員会できちんと発言できるようにしていくというふうなことも聞いていますので、これはしっかりやっていただきたいんですが、しかし、もう既に登録されてしまったら遅きに失しているなというのは正直なところです。だから、これを二度と繰り返さないために、まず南京の問題はしっかりと取り消しに向けてやっていただく。  もう一つ、前回は外れました慰安婦の関連資料も、恐らく中国は再度出してきているというふうなことで、非常にこれもゆゆしき問題になっていく可能性があります。これについては、政府はどのようにお考えで、どのような対応をされているんでしょうか。
  118. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 まず、我が国としましては、過去の不幸な歴史に過度に焦点を当てるのではなくして、国際社会が直面する共通の課題に未来志向で取り組む姿勢が重要であると考えています。  他国の申請状況について申し上げる立場にはありませんが、当該案件の申請が、日中両国の国民感情改善によい影響を及ぼさないことは明らかであり、加盟国間の友好と相互理解の促進というユネスコ設立の本来の趣旨と目的にも反すると考えます。かかる観点から、中国側に対しては、本件の申請を差し控えるよう求めております。  いずれにせよ、我が国としては、この関連の動向を注視しており、引き続き遺漏なきように対応していく考えであります。
  119. 丸山穂高

    ○丸山委員 南京の件と同じような形にならないように、登録される前に水際でとめるというのが非常に大事だと思います。そういった意味で、韓国と中国の連携の話がこの件は出てきております。  そういった意味で、大臣、年末の合意というのは、お互いに非難し合うのはやめようというのは、これは一つ政府側にはくさびは打てているなというふうに率直に評価できると思います。しかし、韓国側は、民間団体が推進するべきものなので政府としては距離を置いているという主張もしているんです。だから、そういった意味では、そちらの方向から登録に向けて動くということも非常に考えられるところでございます。  派遣されている日本人の専門家の方々としっかりタッグを組んでいただいて、この件、登録されることがゆめゆめないように、しっかりと防御、カバーしていただきたいというふうに重ねて申し上げます。  そういった意味で、このユネスコ、日本は負担金が一〇%ほどということで、三十七億円負担しております。そこで、しっかりこれらの件も言っていける立場にあると思いますので、その点、大きく大臣うなずいていただいていますけれども、改革も含めて、しっかり成果を出していただきますようお願い申し上げます。  重ねて、少し安全保障関係、防衛省に伺っていきたいんですけれども。この夏にハワイ沖で、日米と、そして韓国も含めて、MD、ミサイル防衛の合同演習をされるというふうなことを聞いております。これは事実でしょうか。そして、もう一つ重ねてなんですが、来月、沖縄周辺で、今度は日米にインドを重ねて共同の訓練をされるというふうに聞いていますけれども、この事実関係と、そして、その意義をどのように政府として考えているのか、防衛省、お答えいただけますでしょうか。
  120. 笠原俊彦

    ○笠原政府参考人 お答え申し上げます。  まず、日米韓の方でございますが、日米韓三カ国は、定期的に共通の安全保障に関する事項等についての協議を実施してきております。  本年夏に実施予定のリムパック、環太平洋合同演習の機会を利用して、御指摘のような訓練に我が国の自衛隊が参加することについては、現段階で詳細はまだ決定をしておりませんけれども、日米韓三カ国で訓練に係る調整を実施しているところでございます。本訓練が実現をすれば、防衛大綱にも示されております日米韓三カ国の連携強化にも資することから、引き続き調整を進めていきたいと考えております。  次に、マラバール、米印主催の海上共同訓練の関係でございますが、本年の米印主催海上共同訓練、マラバールの詳細につきましては、こちらも現在関係国間で検討中でございまして、お知らせできる段階にはございませんが、我が国は、マラバール訓練に恒常的に参加をしているところ、今後、関係国間の検討がまとまったところで発表させていただくことを考えております。  防衛省としては、日米関係を基軸とするとともに、我が国のシーレーン上に位置するインドとは、普遍的価値を共有するのみならず、海洋安全保障を初めとする地域の安全保障問題に関しても利益を共有していることから、日米印が安全保障、防衛分野で協力を強化していくことが重要と考えており、同訓練の参加等を通じて、米印両国との協力関係を一層強化してまいりたいと考えております。
  121. 丸山穂高

    ○丸山委員 東アジアの今の安全保障の環境を考えたときに、先ほどの歴史問題の件では韓国との意見の相違があるので、ここはきちんと外交上やっていかなきゃいけないんですけれども、一方で外交は、もう大臣には釈迦に説法ですけれども、片方は殴り合っていても片方は握手しているというのが外交の基本だと思いますので、そういった意味で、特に、北朝鮮という脅威に対してミサイル防衛という形で韓国と手を組む、米軍だけじゃなくて韓国と手を組むというのは、アジアの安定と、そして何より日本の安全保障上重要だと思います。そういった意味で、しっかりこの点もやっていただいているなというのが率直なところなんです。  重ねて、中国との関係。もちろん経済は手を結んでいくところは多々ありますけれども、一方で、安全保障上の問題で非常に昨今出てきているのが東シナ海の問題、そして、G7でも議題に上げられると述べられている南シナ海の部分でございます。  その意味で、もし、インドとのこの合同訓練が実現すれば、まずは、東シナ海の部分に関して防御体制に対しての進展を望めるものでございますし、重ねて、南シナ海に関しても、いろいろな動きを防衛省はきっちりされているなというのが思うところでございます。この間、フィリピンに、あれは護衛艦かな、船をたしか派遣されているというのも伺いました。いろいろ聞いています。  そして、今回、他国も中国の南シナ海の動きにはかなり警戒をしているなという報道は見ているんですが、大臣も行かれて、この話、たしか前回の一般質疑で、東南アジアの歴訪をされたのはどうだったか、特に、中国との安全保障関係、南シナ海の問題でどうだったかという部分でお聞きしたんですけれども、率直に、南シナ海の問題について周辺国は意識しているというのが現状だと思うんです。  特に、インドネシアも、今回、潜水艦の基地の計画を立てているというふうな話を聞きました。これは直接聞いたんじゃなくて報道ベースなんですが、これについて外務省はどのように把握されているのか、そして見解としてどうお考えなのか、お伺いできますでしょうか。
  122. 大菅岳史

    ○大菅政府参考人 インドネシア政府が御指摘のナツナ諸島に潜水艦基地を建設する計画を有しているという報道は承知しております。他国の軍の運用に関することでございますので、コメントすることは差し控えたいと思いますが、南シナ海をめぐる問題については、昨年十二月に東京で開催されました、日本とインドネシアとの間の外務・防衛閣僚会議、いわゆる2プラス2においても議論されまして、インドネシア側からはナツナ諸島をめぐる状況について説明がございました。  また、この2プラス2の場では、日・インドネシア双方の間で南シナ海の問題が地域の平和と安定に直結している、こういった認識を共有いたしまして、全ての関係者が、国連海洋法条約を含む国際法に従って平和的手段により相違や紛争を解決する必要性について一致したところでございます。
  123. 丸山穂高

    ○丸山委員 もう時間が来ましたので終わりますけれども、中国側は、明らかに第一列島線、第二列島線を意識して安全保障の体制を組んできている中で、日本一国ではこの防衛、東アジアの平和と安全というのは難しいと思いますので、しっかりと他の国々とタッグを組んでいただきましてアジアの安定を保っていただきますようにお願い申し上げまして、恐らく最後となりそうなので、私の今回の質疑を終えさせていただきます。  ありがとうございました。
  124. 岸信夫

    ○岸委員長 次に、玉城デニー君。
  125. 玉城デニー

    ○玉城委員 生活の党と山本太郎となかまたちの玉城デニーです。  きょうは十分間という質問時間ですので、いろいろ申し上げたいことはたくさんあるんですけれども、暫時、またお答えをいただきたいと思います。  きょうの十八日付の東京新聞では、ワシントンに今訪米活動をしております翁長雄志沖縄県知事の単独会見の様子が一面、二面で紹介されております。あらゆる手法で辺野古新基地建設を阻止するという沖縄からの申し出に、関係者もある一定の理解や関心を示しているということがございます。  やはり二十年かかってできないものはできない、この現実をしっかり直視し、辺野古が唯一の解決策というそのドグマに陥っている状況は、政府と沖縄県が協議をし、オール・ジャパンでアメリカに対して申し入れをする、それこそが独立国家の真の姿だというふうに私は信頼をし、信じておりますので、そのことをまず真っ先に報告をさせていただきたいと思います。  それでは、質問に入らせていただきます。  実は、今月五月十五、十六の二日間、北京市北京大学で、沖縄、中国の歴史研究者が一堂に会し、琉球・沖縄史や中国との交流などをテーマに研究成果などを議論する第二回琉球・沖縄最先端問題国際学術会議が行われました。参加した双方の発表者からは、沖縄は東アジアにおける平和的かなめや交流の拠点として重要な位置にあること、沖縄の自己決定権について理解を示す意見などが上がっております。これも地元の新聞でも既に報道されております。  また、近年は、このように琉球、沖縄の古代、近代の歴史研究への関心が高くなっており、研究成果物としての書籍上梓も数がふえています。私が持っておりますのは、中琉間に築かれてきた五百年にわたる平和的な外交史ということで、中国天津工業大学中琉史専攻の孫薇教授が書かれた「中国から見た古琉球の世界」という本です。こういう本がいっぱい現存する中国側の書籍の中で、その歴史を、経緯を継承することによって、平和的な外交が行われていたということを研究していくことは私は非常に重要だと思います。  ちなみに、一四二九年から琉球王国として尚巴志が三山を統一し、第一尚氏王統が始まります。それから、一六〇九年は薩摩藩の侵攻によって、明、清との、それから江戸幕府との、二国体制の中で二面外交が行われるわけですが、この一六〇九年から以前を古琉球、一六〇九年から一八七九年までを近世琉球というふうに区分をし、歴史研究家の方々は、この歴史を丹念に丁寧に探ることによって、沖縄の地理的優位性が平和的外交に資するための、その取り組みを進めていきたいということの研究を進めている。私は大変すばらしい方向性に向かっているというふうに申し上げておきたいと思います。  では、質問いたします。  国家としての自己決定権を持っていた琉球王国が存在した歴史上における事実について、我が国政府はどのように認識しておりますでしょうか、外務省にお答えいただきたいと思います。大臣、できればお答えいただけますか。
  126. 岸田文雄

    ○岸田国務大臣 琉球王国、こうした長い歴史を持っているということ、これは承知をしておりますが、ただ、琉球王国をめぐる当時の状況については必ずしも明らかではないこともあり、自己決定権等についても触れられましたが、確定的なことを述べるのは困難であるというのが我が国政府の立場であります。
  127. 玉城デニー

    ○玉城委員 過去の衆議院における議員の先生方の質問主意書にも今大臣がおっしゃったようなことが述べられているんですが、では、なぜ調査をしないんでしょうか。  確かに王国が存在したということは紛れもない事実だということが、さまざまな文献によって残されているわけです。ですから、そういうことを調査することによって定かではないことを明らかにしていく、これは政府の責任でもあり、そして外務省、あるいは関係する省庁の責任にもつながるというふうに私は思っております。  琉球王国は、一八五四年、琉球・米国通商条約をアメリカと結び、五五年は琉球・フランス、五九年は琉球・オランダと通商条約を結んでいます。当時の日本は、一八五四年に日米和親条約を結び、一八五八年七月、米国との間に江戸幕府が、日本を代表する政府として日米修好通商条約を結んでいます。間違いなく、江戸幕府を日本国政府の代表として条約を結び、琉球国を琉球国の政府の代表として条約を結んでいる事実が残されているわけですね。  これらの条約は、当時の琉球と日本が、それぞれ主権を有する国家体制として相手国と結んだものであるという認識かどうかについて確認したいと思います。
  128. 黄川田仁志

    ○黄川田大臣政務官 お尋ねの琉球王国による各条約については、いずれも日本国として締結した国際約束ではなく、その当時における法的性格につき政府として確定的なことを述べるのは困難であります。  また、お尋ねの日米修好通商条約については、国際法上の主体の間において締結され、国際法によって規律される国際的な合意であるという意味において、我が国と米国との間で締結された国際約束であると考えております。
  129. 玉城デニー

    ○玉城委員 ですから、そこを、国家が存在したということの歴史をもう一度踏まえていただきたいんです。  琉球王国は、一四二九年から一八七九年までの四百五十年間にわたり存在した王制の国であり、首里城は、その王国の政治、外交、文化の中心として栄華を誇ったと、首里城公園の公園案内ホームページでもわかりやすく丁寧に紹介されています。  戦前は日本軍の駐屯地や学校として使われ、大戦で焼失し、琉球大学キャンパスの移転後から復元事業が進められてきており、二〇〇〇年十二月には、琉球王国のグスク及び関連遺産群の一つとして、首里城跡も世界遺産に登録されているんですね。これは世界が認めている事実です。王国があったという事実です。  そのことについて、もう一度、確認の意味で伺いたいと思います。  実は現在も、この首里城公園の公園内の復元整備など、事業計画が鋭意進められています。国が王国として認められない、あるいは、交わした条約が国として存在しないというために、その条約は条約としての位置づけがなされないということなんですが、しかし、国は予算を投じてこの首里城の復元整備を現在も進めています。これは私は非常にありがたいと思いますし、歴史の姿を明らかにしていくことこそ、後世に残していく歴史の検証にほかならないわけですね。  国交省に伺います。この整備事業については、どのような資料などに基づいて行われているんでしょうか。
  130. 佐南谷英龍

    ○佐南谷政府参考人 ただいま御質問のございました国営沖縄記念公園首里城地区は、沖縄の復帰を記念する事業の一環といたしまして、首里城跡地約四ヘクタールを国営公園として整備することが昭和六十一年に閣議決定されております。  首里城地区の復元整備に当たりましては、沖縄県が昭和五十九年に策定いたしました首里城公園基本計画との整合性や、首里城の歴史などに配慮いたしております。  各施設の復元整備は、遺構や往時の写真、絵図等の根拠資料を参考といたしまして、学識経験者等から成る専門委員会での意見を踏まえて実施しております。  今後とも、貴重な歴史文化資産として、首里城地区の計画的な復元整備を推進してまいりたいと考えております。
  131. 玉城デニー

    ○玉城委員 ありがとうございます。  以上で質問を終わりますが、歴史の事実、それを絶対に見過ごすことはできないし、またそれをおろそかにすることはできません。  先ほどの答弁にもありましたとおり、きちんと残っている資料をもとにして復元作業が進められている。それは、そこに住んでいる人々の歴史や文化をさかのぼって、それを保護することにもつながると思います。ぜひ、日本政府もその認識を改めていただいて、しっかり調査をし、文献もしくは現存資料として改めて残していただくことをお願いして、私からの質問を終わらせていただきます。  イッペーニフェーデービタン。ありがとうございました。
  132. 岸信夫

    ○岸委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四分散会