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2015-07-31 第189回国会 衆議院 経済産業委員会 29号 公式Web版

  1. 平成二十七年七月三十一日(金曜日)     午前九時三分開議  出席委員    委員長 江田 康幸君    理事 佐藤ゆかり君 理事 鈴木 淳司君    理事 田中 良生君 理事 三原 朝彦君    理事 八木 哲也君 理事 中根 康浩君    理事 鈴木 義弘君 理事 富田 茂之君       穴見 陽一君    井上 貴博君       石川 昭政君    大見  正君       岡下 昌平君    梶山 弘志君       勝俣 孝明君    神山 佐市君       佐々木 紀君    塩谷  立君       瀬戸 隆一君    関  芳弘君       武村 展英君    冨樫 博之君       野中  厚君    福田 達夫君       細田 健一君    堀内 詔子君       宮崎 政久君    若宮 健嗣君       神山 洋介君    近藤 洋介君       篠原  孝君    田嶋  要君       渡辺  周君    落合 貴之君       木下 智彦君    國重  徹君       藤野 保史君    真島 省三君       野間  健君     …………………………………    経済産業大臣       宮沢 洋一君    経済産業大臣政務官    関  芳弘君    政府参考人    (内閣官房内閣審議官)  岡本  宰君    政府参考人    (外務省大臣官房審議官) 中村 吉利君    政府参考人    (外務省大臣官房審議官) 岩井 文男君    政府参考人    (外務省大臣官房参事官) 滝崎 成樹君    政府参考人    (経済産業省貿易経済協力局長)          寺澤 達也君    政府参考人    (経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長)     高田 修三君    経済産業委員会専門員   乾  敏一君     ――――――――――――― 委員の異動 七月三十一日  辞任         補欠選任   黄川田仁志君     堀内 詔子君   白石  徹君     瀬戸 隆一君 同日  辞任         補欠選任   瀬戸 隆一君     白石  徹君   堀内 詔子君     黄川田仁志君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件(内閣提出、承認第四号)      ――――◇―――――
  2. 江田康幸

    ○江田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本件審査のため、本日、政府参考人として内閣官房内閣審議官岡本宰君、外務省大臣官房審議官中村吉利君、外務省大臣官房審議官岩井文男君、外務省大臣官房参事官滝崎成樹君、経済産業省貿易経済協力局長寺澤達也君及び経済産業省貿易経済協力局貿易管理部長高田修三君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 江田康幸

    ○江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――
  4. 江田康幸

    ○江田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。渡辺周君。
  5. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 おはようございます。  本日の承認案件に当たりまして、与えられた時間の中で質問をさせていただきます。  まず冒頭に、遺骨収集について、近く、八月に遺族ら十人が訪朝することになった、これは七月二十一日付の産経新聞の紙面で書かれているわけでございますけれども、まず冒頭伺いますが、昨年七月の制裁解除、いわゆるストックホルム合意に基づく幾つかの案件の中で我々として最優先で求めるべき拉致の解決が、並列的に、例えばこの遺骨収集の問題、墓参りの問題、それから日本人妻の問題等々、当初横並びで解決のために挙げられたわけでございます。  我々としてはまことに遺憾だと思っておりまして、この順番で私ども当時ただしたときには、どうして遺骨の問題が最初に出てくるのか、拉致が最優先じゃないのかと言ったら、いやいや、これは時系列的に書いただけで他意はございませんと言うから、そんな誤解を招くような文書じゃだめだと言って、我が党の中でも、あるいは拉致議連でも、随分厳しくそのことについては指摘をさせていただきました。その後、拉致最優先は変わりないということで、慌てて何か言葉を翻したところがございました。  しかし、北朝鮮にしても、当初の合意が遺骨収集から始まるということで、そもそもなぜこのような交渉になったのかということについては、これまでもいろいろな場で我々として申し上げてきたところでございます。  今回報道されているとおりに、八月の中旬に遺族十人が北朝鮮に行きまして、そして遺骨を収集するということになったのか、その報道については事実かどうか、まずお尋ねをしたいと思います。
  6. 滝崎成樹

    ○滝崎政府参考人 お答えいたします。  御指摘の報道については外務省としても承知しておりますけれども、詳細につきましては外務省としてお答えする立場にはないということでございます。
  7. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 そんな答弁が通じると思っているんですか。だって、北朝鮮に行くと言って、行くか行かないか、どっちなんだと。報道は大体そうじゃないですか。報道は承知しているけれども詳細はちょっとお答えできないと。だって、報道には出ているじゃないですか。  行くんですか、行かないんですか。把握していないんですか。把握していないなら、把握していないと言ってください。
  8. 滝崎成樹

    ○滝崎政府参考人 お答えいたします。  繰り返しになりますけれども、報道は承知しておりますし、この団体の方たちが行くことを計画しているということは承知しておりますけれども、これは団体として御遺族の方たちが行かれるということで、政府として何らかの形で関与しているというものではないということでございます。
  9. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 いいですか。国交のない国に行くんですよ。承知していないなんてことがあり得るわけないでしょう。何かあったらどうするんですか、向こうの国に行って。そんな答弁が許されるわけないでしょう。  計画している。しかし、ここまで出た以上は、計画をして訪朝するとなれば、政府だって、今この時期に行かれちゃ困るとか、いやいや、行くことについては、ちゃんと邦人保護として、たとえ国交のない国であっても、北朝鮮という国に行くからには国としても万全の対応をする、当然対応するわけですね。  何よりもここで伺いたいのは、ストックホルム合意で遺骨収集ということが明記されました。では、それの一環で行くということですか。そんな勝手に行けると思わないですよ、あの国に、遺族が幾ら何と言ったって。当然、朝鮮総連から入国の許可を得て、そして政府にも相談して、御遺族だってこんなときに行くということの政治的意味合いはわかっていますから、政府として何らかの形でこのことについてはある程度の心合わせをしながら、こういう段取りになるのではないかと思いますけれども、もう一回聞きます。  今、計画をしているのは知っているけれども詳細は把握していないなんてことはあり得ない。それについてどうなんですか。行くなら行くと言ったらいいじゃないですか、いかがですか。
  10. 滝崎成樹

    ○滝崎政府参考人 お答えいたします。  まず最初に申し上げておきたいのは、北朝鮮による拉致問題というのが安倍政権の最重要課題であって、政府としては拉致問題の早期解決に向けて最優先で取り組んでいるということをまず申し上げたいと思います。  その上で、この遺骨の問題についてですけれども、終戦前後に北朝鮮で亡くなられた日本人の遺骨や墓地の問題についても、戦後未解決の重要な人道上の問題であるというのが政府の立場でございます。御遺族からの強い要望を踏まえて、人道問題として政府として何ができるかということを検討はしておりますけれども、政府として何をするかということについて決定していることはないということです。  その上で、委員から御指摘のありました報道についてですけれども、報道についても承知しておりますし、この団体の関係者が、御遺族の方たちが訪問を計画しているというのは承知しておりますけれども、政府が何らかの形で関与して北朝鮮に行かれるということではないということでございます。
  11. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 それはあんまりな答弁だと思いますよ、関与していないと。関与というのはどういう意味の関与かわかりませんけれども、しかし、行くとなれば当然、邦人保護として、これは外務省の責務ですね、するわけですよね。承知はしていないけれども行くのはもうしようがない、行ったはいいけれども何が起ころうと知ったこっちゃない、そういう意味ですか。そういう誤解を招きますよ、そういう答弁ですと。当然、邦人保護として最大の関心を持って臨まなければいけない事案だと思いますけれども、外務省、いかがですか。
  12. 滝崎成樹

    ○滝崎政府参考人 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、御遺族の方などの団体の方とは意見交換を行っているのは事実でございます。したがいまして、北朝鮮に行くという計画があるということも承知しております。ただし、政府の事業として行っていただくということにはなっていないということを先ほど申し上げたということです。  もちろん、邦人保護は外務省あるいは政府の重要な任務でありますので、万が一にも何か起こらないようにいろいろ配慮するということはありますけれども、あくまでもこの事業は、政府の事業としてではなくて、御遺族の方たちの団体の事業として行かれるというふうに承知しております。
  13. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 最初の答弁、先ほどお答えしましたと言っているけれども、全然答えていないことを、私が追及したから、だんだんだんだん核心に触れ始めたわけですよ。そこはさっきは全然答えていない。それをまず指摘します。  もう一回聞きますが、政府としては関与はしていないんだけれども、行くことは計画を聞いているし、話し合いもしていると。意思疎通はできているということでいいんですか。それをまず確認します。  それから、これはいわゆるストックホルム合意に基づいて、拉致と同列に並べられたこの遺骨収集。私、遺骨収集のことについて、先ほどお話があった人道的な問題、当然、異国の地で祖国を思いながら亡くなられた方々が、そこに無念の思いで倒れられた、その方の遺骨が残っている。だとすれば、それは御遺族としてはやはり懇ろに祭ってあげたい、祖国の地に帰したい、それは当たり前のことです。  ただ、それが当然北朝鮮としてみれば、ここにおいて、ストックホルム合意で、いや、それはもうストックホルム合意について我々は誠実に履行しているではないか、その一環として今回の遺骨収集団を我々として迎えるではないかと。だから、このストックホルム合意というのは有効で、一つ一つ誠実に履行しているんだという進展をアピールするための材料にされるのではないかという思いがあるわけです。  もう一回聞きますが、政府としては、北朝鮮と交渉をしながら、つまり、これは進展の一つのあかしであるということではないということでいいですね。
  14. 滝崎成樹

    ○滝崎政府参考人 お答えいたします。  繰り返しにはなりますけれども、この遺骨の問題についても、戦後未解決の重要な人道上の問題であるというのが政府の立場であります。  ただ、一方で、委員から御指摘のありましたように、ストックホルム合意というのは政府と北朝鮮との間の合意でありまして、今回の御遺族の方たちの北朝鮮訪問というのは政府の事業として行われるわけではないということですので、ストックホルム合意に基づいて行われるものではないというふうに御理解いただければと思います。
  15. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 ということは、北朝鮮が今回のことで日本人の遺骨を引き渡すに当たって、北朝鮮政府がストックホルム合意に基づいて誠実に対応しているといって、恐らく北朝鮮側は発表するでしょう。当然、国際社会に向かって言ってくるでしょう。  だから、ちゃんと一つ一つ誠実に、まあ彼らの言う誠実などというものは我々は信用できませんけれども、進展しているではないか、そのあかしが今回の遺骨収集ではないかという話をもし北朝鮮側が発表すれば、日本は、それは今おっしゃったように、いや、これは政府の事業としてやっているわけではないので、ストックホルム合意の履行と進展とは違う話だということを言い切れますか。言い切ってくださいね。どうですか、そこは。
  16. 滝崎成樹

    ○滝崎政府参考人 お答えいたします。  先ほども申し上げましたように、もう委員もよく御存じのとおり、拉致問題が我が国にとって最重要な課題であるということ、それから全ての拉致被害者の安全確保及び即時帰国、それから拉致に関する真相究明並びに拉致実行犯の引き渡しということが必要であるということは、もう北朝鮮側に繰り返しこれまでも伝えてきている、強調してきているということです。  したがいまして、拉致問題の進展なくして誠実な対応がなされたということは全く政府としては考えておりませんので、先ほども申し上げましたように、今回の御遺族の方々の北朝鮮訪問というのは政府の事業として行われるものではないということですので、そこは北朝鮮側に、仮に向こうがそういったことを言ってくるときには、きちんと説明するということかと思います。
  17. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 この問題について、もう一点ちょっと確認をしていきたいんです。  これまでもよく言われているように、北朝鮮における遺骨収集事業というのは外貨獲得のビジネスの一環、一つでもある。つまり、我々の、やはり先人に対して一日も早く祖国の土を踏ませたいというその純粋な思いとは裏腹に、向こうは、いや、返してほしかったら何ぼのお金を出せと。  これも報道ベースの話ではありますけれども、実は、北朝鮮側が言うには、どうもアメリカの場合は、一柱に対して二万ドル、朝鮮戦争で戦死したアメリカの兵士にはそれを要求した、支払っているというふうにあるわけです。これが一つの日朝政府の交渉でのスタンダード、基準ではないかということも書かれています。  ここでよもや、遺骨引き渡しに当たって、その見返りで日本政府から、御遺族の方が払えるわけありませんから、日本政府がまさかどこかでお金を出すようなことは、よしんばあり得ないと思いますが、そこはありませんね。
  18. 滝崎成樹

    ○滝崎政府参考人 お答えいたします。  今委員から御指摘のありましたような報道については承知しておりますけれども、日朝間で遺骨返還の経費についてやりとりしたことはございません。
  19. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 それでは、後から特別な経費がかかったといって請求されるようなこともない、あったとしてもそれは全く無視するということでよろしいですね。
  20. 滝崎成樹

    ○滝崎政府参考人 北朝鮮側がどのような対応をとってくるかということは今の段階で予測することはできませんけれども、仮にそのような要求があったとしても、それに応えるということはないというふうに考えております。
  21. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 またこの問題については改めて伺いたいと思います。  もう一点質問しますが、今回の承認案件の一つの経済制裁なんですけれども、現実問題として、もう既に余り効果はないというのが、私や、あるいは私が会長代理を務めています拉致議連の認識なんです。かつて、安倍総理は、拉致の再調査はかつてない体制で評価できる、だから行動対行動にのっとって制裁を緩和するということをやりました。  日本独自の制裁については緩和をして、結果的には進展は見られないわけですよ。また一年たったって、結局はまた先送りして、先送りをしたその理由も、それからどれだけ先送りするかという回答についても明確に答えられないまま、多くの家族会を初めとする皆さん方の思いは失望に変わっているわけであります。  そこで伺いますけれども、こうした今回の日本独自の制裁のみならず、核、ミサイルも含めた国際スタンダードな制裁に対して、実際、日本と北朝鮮の貿易量というのはゼロだと思っていますけれども、現状どうなんですか。  それから、北朝鮮の通商政策について、本当に効果があるかどうかということについては少しは経産省なり拉致対策本部なりは検証しているんでしょうか。そこはいかがでしょうか。
  22. 寺澤達也

    ○寺澤政府参考人 経済産業省におきましては、対北朝鮮輸出入禁止措置を実施する立場から、北朝鮮と各国との貿易動向について把握しているところでございます。  現状、委員御指摘のとおり、北朝鮮の日本との貿易量はゼロになっております。  その上で、貿易、経済面を含む北朝鮮全体の状況について、政府全体として鋭意把握に努めているところでございます。
  23. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 今回質問するに当たりまして、北朝鮮のいろいろ資料を調べていましたら、「国連制裁も「どこ吹く風」…北朝鮮が加速させる“アフリカ・ビジネス”」と記事がございました。日本のメディアに余り報じられていないんだけれども、北朝鮮は実はアフリカの赤道ギニアというところから三十億ドル規模のIT事業を受注したと。アフリカ第三の産油国であって、大統領の独裁政権、直轄政権のもとで、こうした資源を使ってアフリカでの地位を固めている。そこで、北朝鮮はそこからIT事業三十億ドルのビジネスを受注したと。北朝鮮のIT事業というのはどれだけの能力があるんだかわかりませんけれども、実際、ほかに幾らでも、そうやって外貨を稼ぐ道は残している。  そういう中で、日本として、やはり国際社会と連携をした、北朝鮮に対して実効性ある制裁をしなければいけないということなんですが、経済産業省として、こういう分析をしながら、新たな先ほどの北朝鮮の通商政策あるいは外貨獲得というものがどのような手法で行われているかということについては、情報収集をしているのかどうか。そして、それによって、国際社会とさらに連携をした、実効性ある何らかの制裁を行わなければいけない、そのように考えるわけですが、国際社会との連携は今どうなっているか、その点についてお答えいただきたいと思います。
  24. 滝崎成樹

    ○滝崎政府参考人 国際社会との連携ということでしたので、外務省の方からお答えさせていただきます。  もちろん、北朝鮮に対して、拉致、核、ミサイルの種々の問題に対して一層効果的に対応していくためには、もう委員御指摘のとおり、国際社会の各国が関連の国連の安全保障理事会の決議を厳格に履行していくということが重要だというふうに考えております。  そういった観点で、我が国が、まずはみずから必要な措置を講じるということはもちろんですけれども、他の同じような志を持つ国、アメリカや韓国を初めとするそういった国々、あるいは国連と緊密に連携協力しながら対応していくということが必要だと考えております。  したがいまして、さまざまな、国連を初めとする会議の場、あるいは二国間の文脈で、国際社会のみならず個別の国に対しても働きかけをこれまでもしてきておりますし、今後とも働きかけを強めて、国連安保理決議の着実かつ全面的な履行を求めていきたいというふうに考えております。
  25. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 かつて南アフリカがアパルトヘイト政策をとっていたときに、国際社会からやはり南アフリカに対して制裁をしたわけであります。これは別に、軍事力を使ったことでも、あるいは、北朝鮮のような、独裁国家が粛清という名のもとに次々に処刑をするようなことをしていたわけではない。しかし、人道的な問題に基づいて、このような人種差別政策をとってきたということで、国際社会がやはり南アフリカに対してそうした厳しい制裁を科したわけだ。  だとすれば、北朝鮮では、この拉致問題を含めて、世界じゅうからいろいろな人間を拉致してきた。何よりも、側近も含めて粛清をする、しかも公開処刑などという非人道的な、二十一世紀の世の中ではあり得ないようなことをいまだに地球上でやる国がある。この国に対して、世界が、人道問題、人権問題ということで、私たちは、世界で包囲網をつくって、あの国にやはり体制の転換を促さなければいけない、こう考えるわけであります。  実際、「人権侵害でも北朝鮮制裁発動?」というような一部報道があります。七月八日に、国務省のソン・キム北朝鮮担当特別代表、新たな分野で何ができるか重要だと述べ、人権侵害を理由にした制裁を発動する可能性も示唆したと。  これは私も、拉致議連でアメリカに行きましたときに、このような働きかけをしてまいります。北朝鮮は、我々が、アメリカや日本だけが制裁を科しても、アフリカを初めとする国々で新たな外貨を受注するようなことができれば、相変わらず北朝鮮の幹部はぜいたく品にうつつを抜かして豪華な暮らしをしている、そして民は泣くということにつながっているわけでございます。  ぜひ、国際社会に対して、我が国は連携をさらに、情報を提供しながらあるいは共有しながらやっていくべきだと思いますが、最後に、安倍内閣の閣僚である大臣に、この問題について経産省として何ができるかというお答えをいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  26. 宮沢洋一

    ○宮沢国務大臣 まさに委員のおっしゃるとおりだと思って伺っておりました。  正直、経産省だけでできる分野というのはそう多くないと思っておりますけれども、まさに外務省を中心として政府一丸となって、国際的な包囲網をつくる努力といったものをやっていかなければいけないと考えております。
  27. 渡辺周

    ○渡辺(周)委員 終わります。
  28. 江田康幸

    ○江田委員長 次に、藤野保史君。
  29. 藤野保史

    ○藤野委員 日本共産党の藤野保史です。  今回の案件は、北朝鮮を外交のテーブルに着けるというか、対話のテーブルに着かせるということが私たちとしては大変重要な目的だというふうに思っております。  しかし、対話という点につきまして、最近、北朝鮮で重大な発言が繰り返されていると認識をしております。今月の二十八日には北朝鮮の池在竜大使が核開発の凍結や放棄に向けた対話には応じないという発言をされたということが報道をされました。何でこのタイミングでこんな発言をしたのかということなんですが、これは結局、七月十四日にイランと六カ国がいわゆる核開発等に関する最終合意に達したということを受けての発言であります。  そこで、まず前提として、このイランと六カ国の合意について、外務省にお聞きしたいと思います。この合意について、外務省はどのように評価されていますでしょうか。
  30. 岩井文男

    ○岩井政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のイランの核問題に関する最終合意、包括的共同作業計画という名前がつけられておりますけれども、これが七月十四日に合意をされ、発表されました。  これを受けまして、岸田外務大臣は同じ十四日に談話を発表いたしまして、その中で、日本政府として、この重要な合意を歓迎し、問題の解決に向けて全ての交渉当事者が粘り強く努力をしたことを高く評価するという旨表明したところでございます。
  31. 藤野保史

    ○藤野委員 ありがとうございます。  今御答弁いただいたように、包括的共同作業計画、JCPOAというのを高く評価するということでありまして、私もこれは大いに注目をしているところでもございます。  これは宮沢大臣にもお聞きしたいと思うんですけれども、この合意を大臣としてはどのように御認識されていらっしゃいますでしょうか。
  32. 宮沢洋一

    ○宮沢国務大臣 やはりイランをめぐる状況というのはかなり切迫したものがあったわけでありまして、今回の合意につきましては、私としては高く評価をしたいと考えております。
  33. 藤野保史

    ○藤野委員 ありがとうございます。  まさにイランも切迫した状況であるけれども、外交そして対話によってこうした一つの道が切り開かれようとしているということで、大いに注目して、日本政府としても努力をされるというふうに先ほど答弁いただきましたので、大いに頑張っていただきたいというふうに思っております。  しかし、翻って北朝鮮なんでありますけれども、北朝鮮は、このイランの合意を受けて、大使が、先ほど言ったように発言をされる、対話に応じないと。その前段にこういうことをおっしゃっているんですね。我々の核抑止力は、アメリカの核の脅威云々、それらから国の自主権と生存権を守るための手段だというようなことをいろいろ言っておりまして、結局、核抑止力論というのが、大変関心がないという前段に大きく据わっているというのが事実であります。  また、ことしの四月の段階でも、北朝鮮のナンバーツーと言われる方が、核抑止力論の問題、バンドン会議という国際会議で非常に強い口調で発言されるということもありました。  もちろん、経済制裁の実効ある形でのやり方を私たちは求めているわけですけれども、それとあわせて、今北朝鮮がよって立っている核抑止力論の問題、これについてはやはり日本政府としてさまざまなイニシアチブを発揮することができるんじゃないかということをちょっと御質問させていただきたいと思っております。  とりわけ、経産省はこの核抑止力論、決して無関係ではない、むしろ大いに関係しているというふうに思っておりまして、例えば、昨年経産省がまとめられたエネルギー基本計画に核燃サイクルの問題が明記をされているわけで、こうやって原発を動かすことによってプルトニウムというものもできてくるわけであります。これは核兵器の原材料にも転用できるということで、国際社会としては、日本に対してある意味そうした懸念の目で見ているわけで、IAEAもほぼ一年じゅうずっと六ケ所村を常時監視といいますか、ウオッチしているという状況であります。  内閣府にお聞きしますと、二〇一四年末時点で四十七・八トンのプルトニウムがある、日本の関連で。前年から比べると〇・七トンふえているということであります。  問題は、こうした日本の現状そして世界を見る目ということのもとで、世界の懸念というものを裏づけるような言動というのも、過去あるいは現在も行われているということだと思うんですね。  ちょっとある雑誌のインタビューを御紹介したいと思うんですけれども、二〇一一年の雑誌のインタビューでして、二〇一一年ということですから民主党政権なんですけれども、自民党の政調会長をされていた、石破現在は地方創生大臣ですけれども、当時政調会長ということで、ある雑誌でインタビューにこう答えられているんですね。  見出しがすごいんです。「「核の潜在的抑止力」を維持するために私は原発をやめるべきとは思いません」という大見出しがついていて、本文でも、もちろん、核兵器を持つべきだとは思っていませんが、原発を維持することは核兵器をつくろうと思えば一定期間のうちにつくれる核の潜在的抑止力になっていると思います、逆に言えば原発をなくすということはその潜在的抑止力をも放棄することになるというふうに石破当時の政調会長は指摘をされております。  これも認識をお伺いしたいんですけれども、いわゆる潜在的抑止力を維持するために原発をやめるべきじゃないというこの発言について大臣はどのように御認識されていますか。
  34. 宮沢洋一

    ○宮沢国務大臣 私はその雑誌というものを読んだことはございませんけれども、今話を承りまして、私は、少なくとも、核兵器を将来的につくる能力を維持する観点から再稼働を進めるというようなことは一切考えておりません。
  35. 藤野保史

    ○藤野委員 ありがとうございます。当然だというふうに思うんですね。  この時代、二〇一一年という時間の問題もあるとは思うんですけれども、やはり北朝鮮を対話のテーブルに着かせようというときに、まるで潜在的な核抑止力を外交カードとして考えているというようなことがメッセージとして伝わるというのは大変な問題だというふうに思っております。  やはり対話による打開という点で、まさにイランのような例もあるわけであります。それ以外でも、やはりそうした核抑止力論を包囲していくといいますか、孤立させていく、そうした流れが今世界で広がっているということをちょっときょう御紹介したいと思うんです。それは、核兵器の非人道的な側面あるいは結末、そういったことが世界の今大きな共通認識になりつつあるという点であります。  二〇一二年にオーストリア、ノルウェー、スイスなど十六カ国が共同声明を発表しまして、この共同声明の中身が、核兵器の人道的側面についての共同声明というものでありまして、例えば、核兵器の無差別的な破壊力によって人道的に受け入れがたい結果をもたらす、なので、核兵器というのはいかなる状況のもとでも決して再び使われないことが人類の生存にとって利益であるということを強調している声明であります。  この声明というのは、初めは二〇一二年段階で十六カ国だったんですが、その年に行われた国連総会では三十四カ国にふえて、二〇一三年のNPT再検討会議の第二回準備委員会では八十カ国、そして二〇一三年の国連総会では百二十五カ国に急速にふえている。  私も、若いころといいますか、アメリカの映画か何か見て、核兵器を描く場面で、確かにキノコ雲だとかあるいは建物が全部なくなっちゃうというシーンはあるんですけれども、本当の意味での核兵器の非人道性といいますか、人体に与える、「父と暮らせば」じゃないですけれども、本当にそうした、人間を人間でなくしてしまうのが核兵器なんだという認識は、率直に言って、これまで世界にそれほど広がっていなかったというのが現状だと思うんですが、そこを今、国際社会が大きく共通の認識にしつつある。これは大変大事だなと思って、私は注目しております。  そこで、外務省にお聞きしたいんですが、二〇一三年の国連総会第一委員会でニュージーランドにより提案された人道的声明について、日本政府はどういう態度をとったのでしょうか。
  36. 中村吉利

    ○中村政府参考人 お答え申し上げます。  委員御指摘のとおり、一昨年十月にニューヨークで開催をされました第六十八回国連総会第一委員会におきまして、百二十五カ国を代表してニュージーランドが核兵器の人道的結末に関する共同ステートメントを行っております。  このステートメントは、核兵器のない世界に向けた各国の強い政治的意思を示すものであって、我が国の安全保障政策ですとか核軍縮アプローチとも整合する内容であることを踏まえまして、我が国もこれに参加をしているところでございます。
  37. 藤野保史

    ○藤野委員 ありがとうございます。  今御答弁いただいたように、二〇一三年の国連総会で日本政府は初めてこの共同声明に賛同されたということで、私も注目をいたしました。それまでのさまざまな、例えば二〇一二年の総会ではそこまで日本政府は踏み込んでいなかったわけですけれども、二〇一三年で踏み込まれたということで、こうした国際的な大きな流れの中に日本政府が今共同歩調をとられているということは、私も非常に注目しております。  もう一つ、この取り組みがなぜ重要かということなんですが、こうした非人道性についての認識が高まることによって、核抑止力の立場に立つ国々の態度、発言にも微妙な変化が生まれてきているということなんですね。  例えばアメリカ。これは二〇一四年の第三回NPT再検討準備委員会で、アメリカの代表は、核兵器の健康上の破滅的影響を含め、核使用の影響を深く理解しているといった旨の発言をされております。あるいはイギリス。これも同じ委員会で、核兵器の使用によって破滅的な人道的結果が起きるという点には同意するとおっしゃっているんですね。あるいはフランス。フランスというのは、核兵器をもう絶対放さないぞみたいな時期もかなりありましたけれども、この国も、同じ委員会で、核兵器の甚大な影響を全面的に認識する、核兵器は戦場の兵器として使われてはならない、こういう旨の発言をされておりまして、私も正直言ってびっくりいたしました。  そういう意味では、本当に、やはりリアルに核兵器の非人道的な影響、結末というものが共通認識になってくれば、これは、いかに核保有国であっても真正面からそれを使うのがいいんだなんということは言えないし、むしろフランスのように、核兵器は戦場の兵器として使われてはならないというところまで発言が出てくるというのは、やはり非常に重要なことだなと。  ことしNPT会議が行われたわけですけれども、五年前のNPT会議ではこうした議論はほとんどなかったし、この五年間でこうした認識が一気に広がってきているというのは、私は今、国際社会の非常に大きな前進だというふうに思っております。そういう意味で、こうした取り組みというのを日本政府も大いに後押ししていただきたいと思います。  岸田大臣が、日本が賛同した後の十月二十二日の記者会見でこうおっしゃっております。核兵器による破滅的な結末が、人類の生存、環境、社会経済的な発展、経済、将来世代の健康に深く影響すること、核兵器による破滅的な結末への意識が、核軍縮に向けた全てのアプローチ及び努力を支えなければならないとかたく信じることが述べられており、この考えを、唯一の戦争被爆国であり、核兵器使用の悲惨さを最もよく知る我が国として支持するものですとおっしゃっておりまして、これは大変重要な発言だなと思いました。  最後に、同じ被爆地広島の出身である宮沢大臣にお聞きしたいんですが、今こうした認識が世界に広がっているというもとで、だったら核兵器は抑止力だというような考えはやはりやめるべきだということを北朝鮮に向けても大いに発信し、政府としても取り組んでいくべきだと思うんですが、御認識はいかがでしょうか。
  38. 宮沢洋一

    ○宮沢国務大臣 まさに岸田外務大臣の発言については、全く心から同感をしております。  一方で、北朝鮮が、核兵器は抑止力だ、こう言っていること自体若干おかしいなと思っておりますのは、抑止力というのは攻撃された後の話。抑止力で、核を持っているということで相手に対して大きな損害を与える、こういうことが抑止力のもとだと思っておりますが、少なくとも今、北朝鮮に攻め入ろうとしている国は恐らくないわけでありまして、そうした意味でいうと、抑止力論というのはなかなか北朝鮮には当てはまらないのかなと思っております。
  39. 藤野保史

    ○藤野委員 そうした北朝鮮のおかしさも含めて、ただ、やはり唯一の被爆国である日本がそうしたことをいろいろな形で発信していくことが大事だというふうに思いますので、その努力を求めまして、私の質問を終わります。
  40. 江田康幸

    ○江田委員長 これにて本件に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  41. 江田康幸

    ○江田委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出、外国為替及び外国貿易法第十条第二項の規定に基づき、北朝鮮を仕向地とする貨物の輸出及び北朝鮮を原産地又は船積地域とする貨物の輸入につき承認義務を課する等の措置を講じたことについて承認を求めるの件について採決いたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  42. 江田康幸

    ○江田委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本件に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 江田康幸

    ○江田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  44. 江田康幸

    ○江田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前九時四十三分散会