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2013-05-09 第183回国会 衆議院 本会議 20号 公式Web版

  1. 平成二十五年五月九日(木曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第十五号   平成二十五年五月九日     午後一時開議  第一 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案内閣提出)  第二 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案(内閣提出)  第三 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案内閣提出)  第四 内閣法等の一部を改正する法律案内閣提出)  第五 地方公共団体情報システム機構法案(内閣提出)     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  日程第一 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案内閣提出)  日程第二 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案(内閣提出)  日程第三 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案内閣提出)  日程第四 内閣法等の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 地方公共団体情報システム機構法案(内閣提出)  災害対策基本法等の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明及び質疑     午後一時二分開議
  2. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  日程第一 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案(内閣提出)
  3. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 日程第一、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。法務委員長石田真敏君。     ―――――――――――――  国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――     〔石田真敏君登壇〕
  4. 石田真敏

    ○石田真敏君 ただいま議題となりました法律案につきまして、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結に伴い、我が国において子の返還等に関する援助を行う中央当局を指定し、その権限等を定めるとともに、子が常居所を有していた我が国以外の条約締約国に子を返還するために必要な裁判手続等について定めようとするもので、その主な内容は、次のとおりであります。  第一に、子の返還等に関する援助については、援助を行う中央当局を外務大臣とするとともに、援助の手続として、その申請方法、子の住所等の特定のための手段、援助の決定及び却下の要件、子の個人情報に関する取り扱い等を定めることとしております。  第二に、子の返還の裁判手続等については、子の返還事由及び返還拒否事由を定めるとともに、子の返還申し立て事件の管轄裁判所を東京家庭裁判所及び大阪家庭裁判所に集中し、非公開で審理を行うこととするなど、審理や裁判等に関する所要の手続規定を設けることとしております。  また、調停や和解による解決を図るための手続規定や、裁判手続中の出国禁止命令に関する規律を設けるほか、子の返還の具体的な執行方法等について定めることとしております。  本案は、去る四月四日、本会議場において趣旨説明及び質疑が行われた後、本委員会に付託され、十日谷垣法務大臣から提案理由の説明を聴取し、十二日から質疑に入りました。十九日には参考人から意見を聴取するなど慎重に審査を行い、二十六日、質疑を終局し、採決した結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、本案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  5. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 採決をしますから、席へ戻って。  採決をいたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案は委員長報告のとおり決するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決をいたしました。      ――――◇―――――  日程第二 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案(内閣提出)  日程第三 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案内閣提出)  日程第四 内閣法等の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 地方公共団体情報システム機構法案(内閣提出)
  7. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 日程第二、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案、これに関連する日程第三、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案、同じく関連する日程第四、内閣法等の一部を改正する法律案、同じく関連する日程第五、地方公共団体情報システム機構法案、右四案を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。内閣委員長平井たくや君。     ―――――――――――――  行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案及び同報告書  行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案及び同報告書  内閣法等の一部を改正する法律案及び同報告書  地方公共団体情報システム機構法案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――     〔平井たくや君登壇〕
  8. 平井たくや

    ○平井たくや君 ただいま議題となりました四法律案につきまして、内閣委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案は、行政機関、地方公共団体その他の行政事務を処理する者が、個人番号等の有する特定の個人等を識別する機能を活用し、並びに情報システムを運用して、効率的な情報の管理及び利用並びに他の行政事務を処理する者との間における迅速な情報の授受を行うことができるようにするとともに、これにより、国民が、手続の簡素化による負担の軽減、本人確認の簡易な手段その他の利便性の向上を得られるようにするために必要な事項を定めるもので、その主な内容は、次のとおりであります。  第一に、個人番号の指定及び通知並びに利用範囲等について定めるものであります。  第二に、個人番号カードの交付について定めるものであります。  第三に、個人番号をその内容に含む個人情報の保護について定めるものであります。  第四に、特定個人情報保護委員会の設置等について定めるものであります。  第五に、法人番号の指定及び通知等について定めるものであります。  次に、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は、住民基本台帳法等三十六の関係法律の規定の整備等を行うものであります。  次に、内閣法等の一部を改正する法律案は、内閣官房における情報通信技術の活用に関する総合調整機能を強化するため内閣官房に特別職の国家公務員として内閣情報通信政策監を置くとともに、内閣情報通信政策監を高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部の本部員に加える等の措置を講ずるものであります。  最後に、地方公共団体情報システム機構法案は、個人番号の生成の業務等を行う組織として、地方公共団体情報システム機構を設立することとし、その組織、業務の範囲等に関する事項を定めるものであります。  以上の四法律案は、去る三月二十二日、本会議において趣旨説明及び質疑が行われた後、直ちに本委員会に付託されました。  本委員会においては、同月二十七日、甘利国務大臣、山本国務大臣及び新藤総務大臣から提案理由の説明を聴取し、質疑に入りました。四月五日には参考人から意見を聴取し、同月十一日には総務委員会、財務金融委員会、厚生労働委員会との連合審査会を行いました。  同月二十四日、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党の五会派共同提案により、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案に対し、この法律の目的として、行政運営の効率化及び行政分野におけるより公正な給付と負担の確保を図ることを明記すること、この法律の基本理念として、国民の利便性の向上及び行政運営の効率化に資することを明記すること、特定個人情報を提供できる場合を追加すること、政府は、給付つき税額控除の施策の導入を検討する場合には、給付つき税額控除の施策に関する事務を実施するために必要な体制の整備を検討するものとすることを内容とする修正案が、内閣法等の一部を改正する法律案に対し、内閣情報通信政策監に対する事務の委任主体を高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部長とするとともに、本部長は、関係行政機関の長等に対する資料の提出等の協力の求めに係る事務を内閣情報通信政策監に行わせることができること、本部長は、内閣情報通信政策監の意見及び報告に基づき、必要があると認めるときは、関係行政機関の長に対し、勧告することができること等を内容とする修正案がそれぞれ提出され、両修正案の趣旨の説明を聴取し、次いで、各案及び両修正案を一括して質疑を行いました。  同月二十六日、安倍内閣総理大臣の出席を求めて質疑を行い、質疑を終局いたしました。質疑終局後、討論を行い、順次採決いたしましたところ、まず、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案の修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。次に、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。次に、内閣法等の一部を改正する法律案の修正案及び修正部分を除く原案はいずれも賛成多数をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決しました。最後に、地方公共団体情報システム機構法案は賛成多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律案及び内閣法等の一部を改正する法律案に対し附帯決議が付されました。  以上、御報告を申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  9. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 四案を一括して採決いたします。  日程第二及び第四の両案の委員長の報告はいずれも修正、日程第三及び第五の両案の委員長の報告はいずれも可決であります。四案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  10. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 起立多数。よって、四案とも委員長報告のとおり議決をいたしました。      ――――◇―――――  災害対策基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
  11. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 次に、内閣提出、災害対策基本法等の一部を改正する法律案について、趣旨の説明を求めます。国務大臣古屋圭司君。     〔国務大臣古屋圭司君登壇〕
  12. 古屋圭司

    ○国務大臣(古屋圭司君) ただいま議題となりました災害対策基本法等の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  本法律案は、東日本大震災から得られた教訓を生かし、今後の災害対策を充実強化するための災害対策法制の見直しの一環として、昨年六月に公布、施行された災害対策基本法の改正に引き続き、同法の附則及び附帯決議等も踏まえ、さらなる法制化を図ることを目的とするものであります。  以上が、この法律案を提出する理由であります。  次に、本法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一に、災害に対する即応力の強化等についてであります。  災害緊急事態の布告があったときにおいて、災害応急対策のみならず、被災地外も含めた国民生活、国民経済等の重要課題について、政府が対処基本方針を定め、内閣総理大臣の指揮監督のもと、政府が一体となって対処する仕組みを創設するとともに、内閣総理大臣は、物資の買い占めの自粛等についての協力を国民に要請できることとし、要請を受けた国民は必要な協力をするよう努めることとしております。  また、災害により地方公共団体の機能が著しく低下した場合、国が地方公共団体の災害応急対策を応援し、または応急措置や広域一時滞在に係る協議を代行できるようにすることとしております。  さらに、被災者の救助、援護等のため特別の必要がある場合は、平常時における各種の規制の適用除外措置を講ずることとしております。  第二に、住民等の円滑かつ安全な避難の確保についてであります。  市町村長は、防災施設の整備の状況、地形、地質その他の状況を勘案して、安全性等の一定の基準を満たす施設または場所を、洪水、津波その他の異常な現象の種類ごとに、指定緊急避難場所として指定しなければならないこととしております。  また、市町村長は、高齢者、障害者等の災害時の避難に特に配慮を要する者についての名簿を作成するとともに、本人の同意を得て、消防機関、民生委員等の関係者にあらかじめ情報提供するものとするほか、名簿の作成に際し必要な個人情報を利用できることといたしております。  さらに、市町村長は、迅速かつ適切な住民避難を図るため、屋内での待避その他の屋内における避難のための安全確保に関する措置を指示できるものとするほか、避難指示等を行うに際し、市町村長が国または都道府県に助言を求められることとし、この場合において国または都道府県は、必要な助言を行わなければならないこととしております。  このほか、市町村長は、指定緊急避難場所、避難路その他の事項を住民に周知させるための印刷物の作成、配布その他必要な措置を講ずるよう努めるものとするほか、非常災害のおそれがある場合において、内閣総理大臣が、予想される災害の事態及びこれに対してとるべき措置について、国民に対して周知させる措置をとらなければいけないことといたしております。  第三に、被災者保護対策の改善であります。  市町村長は、災害の発生時における被災者の滞在先となるべき適切な施設の円滑な確保を図るため、生活環境等の確保に関する一定の基準を満たす施設を指定避難所としてあらかじめ指定しなければならないこととしております。  また、被災者支援のための情報基盤の整備として、都道府県知事または市町村長は、照会に応じて被災者の安否情報を回答できることとするほか、個々の被災者がその被害の程度等に応じた適切な支援を受けられるよう、罹災証明書の交付及び被災者に対する支援状況等の情報を一元的に集約した被災者台帳の作成を市町村長の事務として制度化することとし、安否情報の回答及び被災者台帳の作成に際しては、必要な個人情報を利用できることとしております。  さらに、被災者の広域避難のための運送の支援に関する仕組みを創設することとしております。  このほか、災害救助法について、都道府県間の救助の応援に要した費用を国が立てかえる仕組みを創設するとともに、同法の所管を厚生労働省から内閣府に移管することとしております。  第四に、平素からの防災への取り組みの強化であります。  災害対策に関する基本理念として、減災の考え方を明確化するとともに、災害応急対策等に関する事業者の責務を定めるほか、国及び地方公共団体とこれらの民間事業者との協定の締結を促進することとしております。  また、地域の防災力の向上を図るため、住民の責務として、生活必需物資の備蓄を明記するほか、市町村地域防災計画において、一定の地区内の居住者等が共同して行う防災活動に関する地区防災計画を定めることができるものとし、居住者等は、市町村防災会議に対し、地区防災計画を定めるよう提案できることとしております。  さらに、国及び地方公共団体の努力義務として、ボランティアとの連携を規定することとしております。  このほか、異常な現象の種類ごとに指定緊急避難場所を指定することに伴い、災害の定義の例示として、崖崩れ、土石流及び地すべりを追加することとしております。  また、特定非常災害の被害者の権利利益の保全等を図るための特別措置に関する法律において、相続の承認または放棄をすべき期間に関する民法の特例を設けることとしております。  その他、所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が、本法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛同あらんことをお願いいたします。(拍手)      ――――◇―――――  災害対策基本法等の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  13. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告がありますので、順次これを許します。まず、林田彪君。     〔林田彪君登壇〕
  14. 林田彪

    ○林田彪君 自由民主党の林田彪でございます。  私は、ただいま議題となりました災害対策基本法等の一部を改正する法律案について質問をいたします。(拍手)  改めまして、東日本大震災を初め、数々の災害でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災に遭われた方々にお見舞いを申し上げます。  そして、なお、ふるさとを取り戻すべく、日夜復旧復興に取り組んでおられる関係各位の御努力に、まず敬意を表します。  さて、我が国、日本国土は、ユーラシア大陸の東縁に位置し、太平洋に弧状に延びる列島でございます。周りを全て海に囲まれ、また、地中奥深くでは複数のプレートがせめぎ合っております。なお、地表では、幾筋から成る火山帯が急峻な山岳部を形成し、そこに降った雨は一気に海沿いの平野部へと流れてまいります。その平野において、人口、資産の大半が集積され、日々の生活が営まれておるのが現状でございます。  何もなければ、きょうみたいに平穏であれば、春夏秋冬、四季折々の季節がめぐる自然豊かな瑞穂の国ですが、一皮むけば、地震、津波、火山の噴火、台風、梅雨期の高潮、豪雨、それに伴う土砂災害、そして今冬のように、冬季の豪雪等、ありとあらゆる形態の災害が発生する災害大国でもあります。  そこで、質問に入ります。  まず、本法案の全体像と基本理念についてお伺いいたします。  災害対策基本法は、一昨年の三・一一の東日本大震災の教訓を踏まえ、昨年、第一弾として改正が行われました。今回は、中央防災会議の防災対策推進検討会議の最終報告も踏まえ、いわゆる第二弾として本格的に改正を行うわけですが、そこで、まず、東日本大震災以前の災害対策基本法と昨年の第一弾改正、そして第二弾改正の全体像とあわせて、基本理念についてでございますが、昭和三十六年の法制定当時から、災害に対する考え方は大きく変わってきました。今回の法改正では、今までの災害対策基本法には規定されていなかった災害対策の基本理念が明確化され、その中では、まさに減災の考え方等も盛り込まれているところでございます。  減災といえば、メキシコ湾で発生した二〇〇五年八月のアメリカのハリケーン・カトリーナが有名ですが、国土交通省の災害レポートによると、その被害総額は約二十二兆円、その復興費用は約六兆八千五百億円となっております。しかし、もし事前に対策をとっておれば、被災額の百分の一、復旧費の三十分の一の約二千二百億円の投資で済んだことが報告されております。  このように、事前の対応を含め、防災、減災を含めたところの災害対策の基本理念とはどのようなものか、古屋防災担当大臣にお伺いいたします。  次に、災害緊急事態への対応について伺います。  東日本大震災は、まさに想定外の災害でありました。しかし、このような想定外をも想像し、南海トラフ巨大地震など今後発生が懸念される巨大地震に備えていくことこそが災害対応の要諦であると考えます。  今回の法改正では、法制定後一度も発したことがない国家的災害緊急事態の布告についての関係条文が大幅に拡充されておりますが、それによって、国の総力を挙げ、国民が一丸となって国難に立ち向かい、乗り切ることが可能となるのか、古屋防災担当大臣のお考えをお伺いいたします。  次に、民間事業者の防災活動についてお伺いいたします。  東日本大震災では、多くの民間事業者が、それぞれの事業活動を継続的に実施し、その中で、くしの歯作戦のように、行政と連携しつつ、さまざまな支援活動を行いました。このような災害時の民間事業者の協力が最大限得られるようにするためには、平時から協力関係を構築しておくことが大切だと思います。  そこで、今般の法改正において、民間事業者との協力をどのように位置づけ、一層の連携をどのように進めていくのか、古屋防災担当大臣にお伺いいたします。  最後に、避難行動要支援者名簿について伺います。  災害時には、往々にして多くの高齢者や障害者の方などが犠牲になられます。まず、災害が発生すれば、その事象から自力で逃げること、避難することが肝要でありますが、不幸にしてそれが困難な高齢者、障害者の方々も、現実には地域で一緒に暮らしているのが現状でございます。  このように、避難するに際し要支援が必要な方々の避難行動の事例として、二〇〇五年四月に発生した福岡県西方沖地震での玄界島の事例がございます。  玄界島は、博多湾の入り口におわんを逆さにしたような島で、約七百名の島民が漁業で生活を営んでおられます。平地は少なく、家屋は、斜面に折り重なるように建てられております。日常の生活道路としてガードケーブルが張りめぐらされているような、なおかつ、御多分に漏れず、高齢化の進んだ島でした。  地震を受け、それこそ家屋は折り重なるように倒壊いたしましたが、誰一人の犠牲者も出ませんでした。これは、日ごろから島民一体となった強いつながりがあることにより、もし、一旦事が起きれば、災害が発生すれば、若い元気のいい消防団員のそれぞれが、どこの家の寝たきりの誰それを完全に面倒を見るという、仕分けじゃなくて、きちっとした区分けができ上がっていたということが徹底されております。また、そのとおり実行された結果で、犠牲者が一人も出ませんでした。  このように、市町村では、災害時に支援が必要な方々が的確に避難できるように種々の取り組みがなされておりますが、今回の法改正では、そのような要支援者名簿の作成を市町村に義務づけました。  そこで、このような避難行動要支援者名簿の作成を市町村に義務づけることの意義を、改めて古屋防災担当大臣から、わかりやすく御説明いただきたいと思います。  終わりに。  東日本大震災から二年以上が経過いたしました。しかし、被災地の復旧復興はいまだ道半ばでございます。今後とも、国力を総動員して取り組まなければなりません。一方、南海トラフ巨大地震や首都直下地震などの今後想定される大規模災害に対しては、万全を期さなければなりません。  最後に、災害大国日本ではありますけれども、その国土を、強靱でしなやかな国土形成に向けて、先頭に立って防災対策を推進される古屋防災担当大臣の健闘に期待し、私の質問を終わります。  よろしくお願いいたします。(拍手)     〔国務大臣古屋圭司君登壇〕
  15. 古屋圭司

    ○国務大臣(古屋圭司君) 林田議員の御質問にお答えをいたします。  まず、災害対策基本法改正の全体像についてのお尋ねがありました。  災害対策基本法は、防災に関する組織、計画や、災害予防、応急、復旧などの災害対策の基本を定める法律であり、東日本大震災から得られたさまざまな教訓をこれにしっかりと反映をさせ、今後発生が懸念される大規模広域災害に備えていかなくてはなりません。  このため、まず、昨年の通常国会において、いつ起こるかわからない災害に備えるために、特に速やかに取り組むべき事項として、自治体間の応援に関する規定の拡充、救援物資等を被災地に確実に届ける仕組みや、広域避難を円滑化するための仕組みの創設、災害教訓の伝承、防災教育の強化などを第一弾法律改正として措置したところであります。  これに加え、今回の法改正においては、第一弾改正で拡充をした自治体間の応援のほか、国が被災自治体を支える仕組みの創設や、災害緊急事態の対処の拡充、避難行動要支援者名簿の作成など、住民の避難に関する規定の拡充や、被災者台帳の作成など、被災者支援のための基礎的な仕組みの整備、住民、企業、ボランティア等の多様な主体による連携の推進や、地域レベルの防災力の向上など、昨年七月の防災対策推進検討会議の最終報告を踏まえた法制上の措置を講じたところであります。  東日本大震災の教訓を踏まえ、早急に必要な防災対策充実強化のうち、法制面については、これら一連の法改正によりおおむね整ったものと考えております。  次に、災害対策の基本理念についてのお尋ねがございました。  災害対策は、国や地方公共団体のみならず、地域の住民、企業、ボランティア、関係団体など、多様な主体が力を合わせて取り組む必要があることから、災害対策に取り組む姿勢や基本的な考え方をこれらの者で共有できるよう基本理念を明確化することは、大変重要であると考えます。  東日本大震災の教訓を今後発生が懸念される大規模広域災害への備えの充実につなげていくため、今般、災害対策の基本理念として、いわゆる減災や自助、共助、公助の考え方、施策の適切な組み合わせや一体的な実施などを災害対策基本法に規定することとしたものであります。  次に、災害緊急事態への対処についてのお尋ねがございました。  首都直下地震や南海トラフ巨大地震のような大規模広域災害が発生した場合、被災地における甚大な人的、物的被害にとどまらず、全国レベルの経済的混乱や国民生活への支障が生ずるおそれがあります。  このため、こうした事態に至った際には、災害応急対策にとどまらず、国民生活や経済活動など国の経済の秩序を維持し、また、災害に伴って発生をしたその他の重要な課題に対応するため、災害緊急事態の布告を行うこととし、閣議決定した対処基本方針に基づき、内閣総理大臣の指揮監督のもと、政府が一体となって対処することといたしました。  あわせて、国が被災地方公共団体の行う災害応急対策を支援すること、平常時を前提に定められている各種の規制を適用除外とすること、物資の買い占め等の自粛について内閣総理大臣から国民に協力を求めることを新たに規定いたしております。  今回の法改正で拡充した規定に基づき、国の総力を挙げて災害緊急事態に対処してまいります。  民間事業者との協力についてのお尋ねがございました。  東日本大震災を初めとする災害時においては、物資運送、災害復旧等の分野で民間事業者の方々と行政の間で締結した協定が有効に機能する等、民間事業者の方々が大変重要な役割を果たしており、今後発生が懸念される大規模広域災害等についても、災害緊急対策等の円滑化のため、民間事業者の方々の協力が必要不可欠であると認識しているところであります。  これを踏まえ、今般の法改正では、災害対策に関する民間事業者の責務を明確化すること、行政と民間事業者との協定締結を促進すること等について規定することとしました。  政府としては、行政と民間事業者が連携した災害対策が効果的に図られるよう、引き続き取り組んでまいります。  最後に、避難行動要支援者名簿の作成を市町村に義務づけることのメリットについてのお尋ねがございました。  要介護の高齢者や障害者など自力で迅速な避難行動をとることが困難な方々に対する避難支援を行うため、これまで市町村においては、いわゆる災害時要援護者名簿の作成が独自に進められてきたところでございますが、こうした名簿の作成に当たっては、障害者等に関する個人情報の利用が個人情報保護条例によって制限をされ、福祉部局や民間団体と防災部局との連携が困難となるなど、名簿作成の取り組みでは、全国でまだ六割程度の市町村にとどまっているところでございます。  このため、今回の法改正では、名簿の作成を市町村長に義務づけ、名簿の作成に必要な個人情報の利用が可能となるよう、個人情報保護条例との関係を整理するとともに、名簿の活用に関して、平常時と災害発生時のそれぞれについて、地域の支援者に情報提供を行うための制度を創設したところであります。  これによって、各市町村では、名簿の掲載対象となる者が的確に把握できるようになるとともに、作成された名簿が、災害発生時の避難支援や発災直後の安否確認、さらには避難訓練に有効活用されることにより、災害時における要介護の高齢者や障害者等の生命身体の保護がより一層推進されることになると考えております。(拍手)     ―――――――――――――
  16. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 次に、吉田泉君。     〔吉田泉君登壇〕
  17. 吉田泉

    ○吉田泉君 民主党、吉田泉であります。  ただいま議題となりました災害対策基本法等の一部を改正する法律案につきまして、民主党・無所属クラブを代表して質問をいたします。(拍手)  一昨年の東日本大震災において、民主党は、政府・与党として、全身全霊、全力で対応をいたしました。そして、そのときのさまざまな教訓を踏まえ、緊急を要する項目について、災害対策基本法改正第一弾を昨年政府として提案し、成立をさせていただきました。  その他の諸課題についても、昨年七月の中央防災会議における防災対策推進検討会議の最終報告などを踏まえて、さらに検討を進めました。その際の基本的な考え方や内容が本改正案でしっかりと反映されているかどうか確認しながら質問をいたします。  東日本大震災から二年二カ月が経過しようとしている今も、被災地では復興のための懸命の努力が続けられております。今後も、国を挙げた取り組みを長く続けていかなければなりません。  他方で、この東日本大震災が発生したことにより、今後、南海トラフや首都直下の巨大地震、富士山の噴火など、新たな大規模災害の可能性が高まったという指摘が専門家からされています。国全体として的確な防災意識を高めるためにも、正確な状況認識は極めて重要と思います。  そこで、まず、東日本大震災以降、我が国は地震静穏期から地震活動期に入ったと考えているのかどうか、認識を伺います。  本改正案では、災害対策に関する基本理念が初めて規定をされました。災害が発生した場合における被害の最小化及びその迅速な回復、いわゆる減災の考え方が明確にされました。また、災害に備えるための措置を適切に組み合わせて一体的に講ずる、つまり、ハード、ソフトの組み合わせによって対応することも盛り込まれました。これらの理念の重要性については、我々も政府と認識を共有するものであります。  他方で、与党においては、現在、国土強靱化法案の検討がされていると聞きます。その内容はいまだ明らかではありませんが、昨年、自民党が野党時代に提出した国土強靱化基本法案の、十年間で総額二百兆円をインフラ整備などに集中投資するという内容に鑑みると、ハード整備の偏重につながりかねないとの懸念があります。  そこで、本改正案の減災及び災害に備えるための措置の適切な組み合わせという基本理念は、国土強靱化の理念や施策と矛盾しないのかどうか、伺います。  さらに、新設される基本理念として、人の生命及び身体を最も優先して保護することというものがあります。災害対策の基本中の基本が、人命第一、何としても災害から国民の命を守ることであるのは論をまちません。  とりわけ、災害発生からの七十二時間は、それを超えると生存率が急激に低下する、救命救助活動において極めて重要な時間帯とされております。一方で、その時間帯は、通信が途絶し情報が錯綜する大変困難なときでもあります。その中で、人的、物的資源を最大に活用して対応せねばなりません。  大規模災害時に都道府県を超えて消防、警察、自衛隊などの広域の応援を求める場合、現行制度上では、都道府県から要請がなされます。つまり、人命救助に当たる諸団体の活動については、都道府県が中心となって調整をすることになっております。  課題は、それら諸団体の活動のさらなる一体化であります。つまり、救命救助活動に関する指揮調整機能の一層の明確化であります。それをどう図っていくか、御見解を伺います。  今回の東日本大震災及び原子力発電所事故を経て、改めて我が国の危機管理体制、防災のあり方が問われることになりました。防災対策推進検討会議の最終報告においても、政府全体の自然災害対応組織のあり方についての検討、国、地方を通じた危機管理経験職員の増加、危機管理時における相互補完等の必要性が指摘されました。  しかし、現行法では、人材の育成までは規定されておりません。人は石垣、人は城であります。法律にしっかりと書き込んで、国、都道府県や市町村にくまなく危機管理の専門家が配置されるようにすべきと考えますが、御見解を伺います。  現行法では、内閣総理大臣は、国の経済及び公共の福祉に重大な影響を及ぼすべき異常かつ激甚な災害が発生し、特別の必要があると認めるときは、災害緊急事態の布告を発することができるとされております。その際は、必要な物資の価格の制限など、経済的措置を実施することができるとされております。  本改正案では、さらに、この布告があったときは対処基本方針を定めるものとされ、その内容としては、災害応急対策及び経済秩序の維持、その他とされました。この三つ目の、その他当該災害に係る重要な課題への対応に関する重要事項とは、具体的には、どのような事態に、どのような事項を定めることを想定しているのか、お伺いします。  本改正案では、高齢者など、災害発生時にみずから避難することが困難で、避難の確保に支援を要する避難行動要支援者について、市町村長は、名簿を作成し、市町村、消防や警察などが避難支援等を行う際に活用できるようにしておかなければならないとされております。  確実な避難を確保するためには、支援を必要とする人と支援を行う人とをマッチングさせた計画をつくっておくことが必要となりますが、支援者の選定の困難さも指摘されているところであります。  東日本大震災では、社会福祉施設、病院等において支援者の数が不足しました。また、消防団員等の避難支援者が誘導中に被災し、犠牲となった事例が多数に上ってしまいました。  本改正案は、支援を要する方々への対策という面では一歩前進でありますが、確実な避難のためには、避難支援者を確保すること、そして、その支援者の安全を確保することが極めて重要になります。どのようにお考えか、お伺いをいたします。  災害による被害を軽減するためには、公助、自助、そして共助がぜひとも必要です。現行法でも、住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織の充実を図ることが市町村長の責務とされております。  本改正案では、市町村の一定地区内の居住者等が、地区防災計画を定めることを市町村防災会議に提案できるとされております。  地区防災計画は、地区居住者等の自発性を尊重する部分もあり、義務的なものではありませんが、市町村が広域化している現在、地区を単位として防災計画を策定することは大変重要なことであると考えます。そのためには、国としても、計画作成等の自主的な取り組みを大いに奨励するための支援措置を行っていくべきと考えますが、御見解を伺います。  本改正案では、災害救助法を改正し、都道府県が災害救助に要した費用の国からの支払い方法が改善されることになっております。  災害救助法は、被災地においては物資やサービスを購入できないということを前提としており、救助は、避難所や仮設住宅の設置、食料や衣料品の提供、医療の応急処置などの現物をもって行うとする現物支給を原則としています。  一方、今回の大震災では、みなし仮設と言われる民間住宅の借り上げが大変大きな役割を果たしたわけですが、県が借りて被災者に現物支給するため、契約や支払いに余分な手間がかかっているとの会計検査院からの指摘がありました。また、今回の改正では、この災害救助法の所管が厚生労働省から内閣府に移管されるということになっております。  こうした状況の変化を踏まえて、この際、一定の範囲内での現金給付を検討すべきと考えますが、御見解を伺います。  最後になりますが、本改正案の審議においては、災害から国民の命を守ることを最優先に、議員各位が知恵を結集し、あらゆる角度から徹底的に議論し、もし足らざるところがあれば、修正も含めてさらに万全な改正とすることを切に求めまして、私の代表質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣古屋圭司君登壇〕
  18. 古屋圭司

    ○国務大臣(古屋圭司君) 吉田議員にお答えいたします。  まず、地震の活動期についてのお尋ねがございました。  東日本大震災以降、地震の活動期に入ったという専門家からの指摘があることも承知いたしております。しかし、政府の地震調査委員会においては、地震の活動期についての評価は行っておらず、また、日本地震学会も、活動期に入ったかどうかはわからないとしているところであります。  その一方で、気象庁の観測によれば、東北地方太平洋沖地震の余震活動も含めてマグニチュード六以上の数で比べると、震災後二年間は、震災前の十年間の平均の約三倍の地震が発生をしているところであります。  いずれにしても、被害をもたらす地震はいつどこでも起こるものであると考えて、常日ごろから注意を怠らないことが大切と認識をいたしております。  次に、災害対策基本法の基本理念と国土強靱化との関係についてのお尋ねであります。  国土強靱化は、大規模な災害に対して、ハード施設のみで防御するのではなく、国土政策や産業政策も含め、ハード、ソフト一体となった総合的な対策を行っていくことで我が国の抵抗力と回復力を高めていく取り組みであります。  今般、災害対策基本法の基本理念に盛り込んだ、災害に備えるための措置を適切に組み合わせて一体的に講ずるという考え方は、こうした国土強靱化の取り組みとも軌を一にするものであり、矛盾しているものではないというふうに考えます。  次に、災害発生当初の救命救助体制のお尋ねがありました。  自衛隊、警察、消防及び海上保安庁の実動部隊が救命救助活動を行うに当たっては、それぞれの特性や能力、知見を生かすとともに、地方公共団体、国の出先機関及び民間事業者の行う被災状況調査、道路障害物の除去、排水などの支援を受けつつ、積極的に連携することが重要と考えています。  具体的には、大規模災害が発生をした場合、国の緊急災害対策本部において人的、物的資源の適切な配置について総合調整を行った上で、県や市町村の災害対策本部でそれぞれの実動部隊の活動方針や活動地域等の調整を行いつつ、活動現場に設けられた現地調整所で具体的な活動の調整を行うことといたしております。  また、緊急災害対策本部が設置をされた場合には、法律上、必要に応じ、本部長である内閣総理大臣が各実動部隊が属する機関の長に指示できることとされています。  今後とも、国の緊急災害対策本部等において、国と地方公共団体間及び各実動部隊間の連携確保を適切に図り、一体的な活動が効果的に展開をされるよう努めてまいります。  次に、人材育成についてのお尋ねがありました。  南海トラフ巨大地震などの大規模広域災害に対処するためには、国と地方公共団体の職員等の人材育成とそのネットワークの構築により、我が国全体の防災体制を充実させることが重要と認識をいたしております。  このため、平成二十五年度予算において、国と地方の防災を担う人材育成のための経費として約一億三千万円を盛り込んだところであります。  具体的には、一年間を研修期間とする都道府県と指定公共機関の職員約二十人と、三カ月を研修期間とする市町村の職員約四十人の計六十人に対し、災害対策全般に関する地方の防災エキスパートを育成するための研修を実施します。この研修は、内閣府防災担当の業務に従事するいわゆるOJTを中心としつつ、災害の予防から応急対策、復旧復興等に係る講座、演習等もあわせて行うものであります。  さらに、この研修とは別に、国と地方公共団体の職員等約四百人に対し、有明の丘基幹的広域防災拠点施設を活用して、一般職員、中堅職員及び幹部職員それぞれの職務と経験に応じた災害対応能力の養成と、防災担当職員間のネットワークを構築するための研修を行います。  また、本年度、新たに人材育成を主に担う参事官を設置することといたしております。  これらの施策や体制の強化により、計画的に防災に関する人材の育成に努めてまいります。  次に、災害緊急事態の布告についてのお尋ねがありました。  災害緊急事態の布告の要件については、今回の改正において、従来の災害応急対策の推進に加え、経済統制を念頭に置いて、国の経済の秩序の維持を確認的に規定するとともに、あらかじめ想定することが困難な重要課題にも対応する観点から、その他当該災害に係る重要な課題の対応も規定したところです。  このその他当該災害に係る重要な課題は、まさに災害の状況に応じてさまざまなことがあり得ると考えていますが、例えば、電力エネルギー等の臨時の需給調整であるとか、国際的な信認の保持等が該当し得るものと考えています。  次に、避難支援者の確保がどう行われるかについてのお尋ねがありました。  避難行動要支援者と避難支援者をどうマッチングしていくかについては、市町村において、確保し得る避難支援者の数など、地域の実情を踏まえてあらかじめルール化しておくことが適切です。  具体的にどの避難行動要支援者に誰を避難支援者として割り当てるかについては、市町村または市町村から名簿情報の提供を受けた民生委員や自主防災組織等がコーディネーターとなり、調整を行うことを想定しています。  そういった手順について、今後、見直しをしている災害時要援護者の避難支援ガイドラインの中で明らかにし、市町村に周知徹底をしていきたいと考えております。  避難支援者の安全確保についてのお尋ねがありました。  東日本大震災においては、消防職員、消防団員の死者、行方不明者は合わせて二百八十一名に上るなど、避難支援に当たった方も多数犠牲になられたと承知をいたしており、実際に避難支援に当たられる方々の安全確保は重要であると考えております。このため、今回の法改正においても、災害応急対策に従事する者の安全確保への配慮規定を設けたところです。  平成二十四年度の災害時要援護者の避難支援に関する検討会報告書においても、支援者は支援者本人または支援者の家族等の生命及び身体の安全を守ることが大前提となる、また、地域で避難支援の撤退ルールについても決めておくことが望ましいとしているところであり、これを踏まえ、今後、災害時要援護者の避難支援ガイドラインを見直して、避難支援者の安全確保について徹底してまいります。  地区防災計画についてのお尋ねがありました。  災害対策においては、行政による公助のみならず、地域の居住者等による自助、共助に基づく自発的な防災活動が、地域防災力の向上の観点から必要不可欠であると認識いたしております。  このため、今般の法改正においては、市町村防災会議は、居住者等による防災訓練、物資及び資材の備蓄、災害時の居住者等の助け合いなど、コミュニティーレベルでの防災活動を内容とする地区防災計画を市町村地域防災計画に定めることができる旨規定をいたしております。  今後、関係省庁と連携しつつ、地区防災計画に関するガイドラインの作成やモデル地区の設定、支援について検討を行い、地区防災計画が広く活用されるよう取り組んでまいります。  最後に、被災者支援のための各種給付に関し、現金による給付の拡充についてのお尋ねがございました。  現行の災害法制においては、被災者の応急救助を目的とする災害救助法に基づき、現物支給を原則として被災者支援が実施をされています。また、被災者に対する見舞金的なものとして、被災者生活再建支援法による現金支給なども実施されています。  現金給付の拡充については、現物給付との目的、効果の違いを踏まえつつ、それぞれの制度の成り立ち、類似の制度とのバランス、財政負担などを勘案して、慎重に検討すべきものと考えております。  以上でございます。(拍手)     ―――――――――――――
  19. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) それでは、高橋みほ君。     〔高橋みほ君登壇〕
  20. 高橋みほ

    ○高橋みほ君 北海道選出、日本維新の会の高橋みほでございます。  災害対策基本法等の一部を改正する法律案に関しまして、日本維新の会を代表いたしまして質問いたします。(拍手)  私は、十八年前、勉学のため神戸に住んでおり、阪神・淡路大震災に遭遇いたしました。そのときの恐ろしかった思いは、今も消えることはございません。  揺れたとき、机の下に潜ろうとしましたが、余りにも大きな揺れのため、姿勢を維持できず、吹っ飛ばされ、気を失っておりました。しばらくして気がつき、外に出てみますと、左隣の家は一階が潰れ、右隣の家は道路にはみ出し、近くを走る鉄道は橋桁が垂れ下がっておりました。加えて、近隣で出火しておりましたが、その火を消す消防車は来ず、火は自然鎮火に任せるしかありませんでした。  震災時、私は、多くのことを感じました。  まず第一は、地震が起きたときに、小学校などでたたき込まれた、地震が起きたらどうすべきかということは、大人になってもかなり役に立つことが多いということでした。机の下にすぐ潜ろうとしたのは、そのあらわれだと思っております。  第二に感じたのは、大震災のような未曽有の災害のときには、通常行われるであろうと思っていること、すなわち、火事が起これば消防車が来るというような常識は通らないということでした。したがって、今では、想定外のことが起こるのが常識だと考えるようになっております。  第三に、命を守るには、最低限、耐震性のある住居に住むべきであること。  第四に、家が倒壊してしまったような場合は食料を取り出すことはできないので、備蓄などの自助にはある程度限界があり、交通網などを一刻も早く復旧させ、ほかからの物資の供給等が必要であるということです。  東日本大震災では地震に加えて津波の影響がありましたので、私が感じたこと以上に、考えなければならないことは多いかと思いますが、大事なのは、経験と想像力をフルに働かせた事前の対策をとっておくこと、そして、あとは、臨機応変に現場の判断を尊重して事に当たることだと考えております。  このような観点から今回の法改正を検討しますと、現時点で考え得ることはかなり網羅されているのではないかという印象を受けました。しかし、幾つかの点では、物足りない点があります。  そこで、以下、質問をしていきたいと思います。  まず、本改正では、国や市町村など各主体の役割の明確化を図りながら、平素からの防災への取り組みの強化を提唱しております。  平素からの防災への取り組みは大変大事な点であり、法案の七条三項で、住民は、基本理念にのっとり、食料、飲料水その他の生活必需物資の備蓄その他のみずから災害に備えるための手段を講ずることなどに努めなければならないとされていることは、もっともではありますが、先ほど述べましたように、家が倒壊したり、流されたりした場合を考えますと、個人で物資を保管していても、一定の限界がございます。  とするならば、国や地方公共団体などで必要数を確保するか、そうでなければ、民間事業者などと協定を締結し、必要数を確保する必要があるかと思います。  今回の法案では、四十九条の三によって、災害予防責任者は、物資供給事業者との協定締結など、必要な措置を講ずるよう努めなければならないとされていますが、では、現在、これらの協定などはどのくらい結ばれているのでしょうか。それは、一定の必要量を賄う程度のものなのでしょうか。これら協定の締結はかなり以前から存在がクローズアップされておりますが、もし、余り協定の締結等が進んでいない、進みそうではない場合は、その理由はどこにあり、どう改善していけばいいと考えていらっしゃるのでしょうか。お答えください。  さらに、五条の三で、国及び地方公共団体はボランティアとの連携に努めなければならないとされております。  では、現在、どれほどのボランティアと協定などが結ばれているのか、把握されていらっしゃるでしょうか。これら連携によって、どのくらいの人数のボランティアを動員できる見込みなのでしょうか。さらには、ボランティアの意見などを取り入れる仕組みなどができているのか、お尋ねいたします。  震災時、心温まるものとして、海外からのボランティアや、海外政府の災害救助として来ていただける人たちの存在があるかと思います。よく災害救助犬などが話題になりますが、実際には、援助を断ったり、断られたりすることも多いと聞いております。  そこで、海外からのボランティアなどの受け入れの可否の判断や、個別具体的にどこに入ってもらい、どのような活動をしていただくのかの判断などについて、一元化して、わかりやすく、迅速化する必要があると思いますが、いかがお考えでしょうか。  次に、本法案では、市町村長は、高齢者、障害者などの災害時の避難に特に配慮を要する者について名簿を作成し、原則として、本人からの同意を得れば、消防機関や民生委員等の関係者に対して、必要な限度で、あらかじめ情報提供するものとされています。  私は、高齢者や障害者など避難が困難とされる方たちの名簿をつくり、それをもとに避難確認をすることは大事なことだと思っております。ただ、避難行動要支援者名簿をつくっただけでは余り意味をなさず、これらの方たちを実際にどう避難させるのかの方がもっと重要だと考えます。  ですから、名簿をつくって、名簿に記載された要支援者をどのように支援していくことが可能と考えているのか、どのような体制をとっていく予定なのか、お答えください。  次に、市町村長の名簿提供に際しては、名簿情報の提供を受ける者に対して名簿情報の漏えいの防止のために必要な措置を講ずるよう求めることができると規定されておりますが、これは、実際にはどのような措置を予定しているのでしょうか。漏えいされると、個人のプライバシーの観点から問題がある上に、名簿が悪用されるなど、問題点が多いと考えますので、お尋ねいたします。  次に、今回の改正では、国民に対して、生活必需品をみだりに購入しないよう求めるなど、協力を要請できるとされています。しかし、東日本大震災においても、政府が呼びかけたにもかかわらず、買い占めなどはなくなりませんでした。  災害は、物流網を寸断させ、停電や断水を生じさせるなど、普通に暮らしていた日常生活を一変させてしまうものです。今まで自由に買えたものが突然買うことができなくなる、あした買おうと思っていたものが突然買うことができなくなる、当然、誰もが不安に襲われるかと思います。子を持つ親や、孫を預かった祖父母などは、自分は我慢できるけれども、この子だけはと思うでしょう。また、経済的理由などで備蓄できなかった家庭は、より焦りが高まり、買い占めに走ってしまうのは、無理のないことかもしれません。  とするならば、被災地で必要とされている物資を確保するためには、買い占めなどをしないように要請するだけでは実効性が薄いのではないかと考えます。その点、いかがお考えでしょうか。  私は、物を欲しいと考える人たちに協力を求めるのではなく、これら物資を生産あるいは販売する事業者に対して、売り惜しみをしないように指導したり、協力を義務づける方が現実的ではないかと思うのですが、いかがでしょうか。  次に、今回の法案では、災害緊急事態布告の要件に、国の経済の秩序を維持し、その他当該災害に係る重要な課題に対応するため特別の必要があると認めるときが追加されるとのことですが、これはどういった趣旨でしょうか。布告がなされたときには、対処基本方針が作成されますが、それは強奪や暴動などが生じた場合などを想定されているのでしょうか。そうでありましたら、そのような場合に具体的にはどのような対処を検討されるのか、お尋ねいたします。  今回の法律案では、市町村長は、学校などの一定期間滞在するための避難所と区別して、安全性などの一定の基準を満たす施設または場所を緊急時の避難場所としてあらかじめ指定することとされています。  確かに、緊急避難的に滞在する場所と、一定期間滞在するための避難場所を区別する必要はあると思います。ただ、多くの避難者の方は、一時的にでも一つのところに避難すると、そこから動きたくない、動くなら自宅へ戻るときだと考えている方も多いかと思います。  ですから、指定緊急避難場所から、長期にわたって居住空間を提供する避難場所へスムーズに移転してもらうためには、事前の周知など、行わなければならないことが多いかと思います。その点、どうお考えか、移転を嫌がる避難者の方たちがいらっしゃった場合の対応など、どうされるのか、お尋ねいたします。  この緊急避難場所に指定された場所が民間人の所有だった場合、かなり問題が生じる可能性があるかと思います。例えば、ビルに一時的に避難することを認めたとしても、天井が崩落して避難された方がけがをするなど、避難者の滞在中に問題が生じた場合、民間人が全て責任をとらなければならないとしたならば、ビルなどを提供するのをちゅうちょしてしまうかとも思われます。その点につきまして、どのような仕組みを考えているのか、お答えください。  次に、避難場所について質問いたします。  よく災害のときに、体育館にシートを敷いて、簡単な間仕切りでごろ寝をしている姿がテレビなどで放映されます。二、三日ならそれでもいいのですが、それが例えば一週間以上になったら、ストレスがかなりたまるかと思います。できたら、旅館などにすぐに避難する環境をつくれないのでしょうか。予算の問題があるかと思いますが、体育館での避難生活は御高齢者や女性にはかなりつらい環境であることから、お尋ねいたします。  次に、災害で直接亡くなった方以外にも、震災と関連して体調を壊され、亡くなったり、病気になったりする方が大変多くいらっしゃいます。東日本大震災でも、震災関連死とされた方は、二十四年九月三十日現在で全国で二千三百三人いらっしゃいました。避難所などにおける生活の肉体、精神的疲労や、避難所などへの移動中の肉体、精神的疲労などが原因とされているようです。  生活環境の整備という観点では、本法案の八十六条の六で、「災害応急対策責任者は、災害が発生したときは、法令又は防災計画の定めるところにより、遅滞なく、避難所を供与するとともに、当該避難所に係る必要な安全性及び良好な居住性の確保、当該避難所における食糧、衣料、医薬品その他の生活関連物資の配布及び保健医療サービスの提供その他避難所に滞在する被災者の生活環境の整備に必要な措置を講ずるよう努めなければならない」という条文と、八十六条の七で、「避難所以外の場所に滞在する被災者についての配慮」という条文があるだけです。  この点は、福祉の問題であるとも言えますが、震災関連死を防ぐような手だてをとるために、災害応急対策責任者がもっとなすべきことがあるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。  最後に、災害は、いかに対策を立てても、予想を超えて起こるものであると考えます。とはいうものの、少しでも被害を少なくするためには、今までの経験を生かした上で、できる限りの想像力を働かせて、もしもの場合の対策をとっていく必要があるかと思います。そして、できる限りの策を立てた上で、現場での判断を尊重していくのがベストの方法だと考えます。現場にいる人たちが、法律の壁によって現実的な対応ができずに苦労することがないよう、臨機応変に活動できるように制度の仕組みを考えていかねばならないと思っております。  以上で質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣古屋圭司君登壇〕
  21. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 高橋議員にお答えをいたします。  まず、民間事業者との協定についてのお尋ねであります。  東日本大震災を初め、近年の災害時において、物資運送、災害復旧等の分野で民間事業者と行政の間で締結した協定は、重要な役割を果たしています。これを踏まえ、今般の改正でも、行政と民間事業者との協定締結の促進について規定を置いたところであります。  地方公共団体と民間事業者との協定の締結状況について申し上げれば、例えば、物資に関する協定は、平成二十四年一月現在で、全ての都道府県が締結をしているほか、千三百九市区町村でも締結をしており、件数的にはかなり取り組みが進んでいると思われます。  一方で、相手方の民間事業者やその協定の内容等については十分に把握ができていないところもあり、今後、これらの協定の内容について分析を行い、それを踏まえ、実効ある協定の締結の促進に取り組んでまいります。  次に、行政とボランティアとの連携についてのお尋ねであります。  東日本大震災を初めとする各災害時においては、ボランティアの方々が行政と連携をしてさまざまな活動を行うなど、大変重要な役割を果たされました。今後発生が懸念される大規模広域災害においても、このようなボランティアの方々の協力が必要不可欠であると認識をしています。  行政とボランティアによる協定について、その数は把握できておりませんが、地方公共団体が策定する地域防災計画において、ボランティアとの連携協力について規定している例が数多く見られるところであります。  また、ボランティアは自発的な活動であるため、その参加者数について予測することは困難ですが、例えば、平成二十三年社会生活基本調査によれば、平成二十三年に災害ボランティア活動に参加した者は約四百三十二万人と推計をされております。  さらに、政府においては、このようなボランティア活動の環境の整備について、ボランティア、有識者、行政等の関係者が意見交換を行う防災ボランティア活動検討会を毎年開催し、活動についての課題や解決策について検討を行っています。  今後とも、行政とボランティアとが連携し、災害対策が効果的に実施されるよう取り組んでまいります。  海外からのボランティア等の受け入れについてのお尋ねであります。  海外からの支援の受け入れに関し、外国政府によるものについては、緊急災害対策本部が中心となって、受け入れ判断や受け入れ後の円滑な活動のための調整を関係省庁と行うこととなっています。  一方、海外からのNGOやボランティアの受け入れについては、東日本大災害時には、明確な受け入れ窓口がなかったことや、自己完結型での活動が望まれること、被災地のニーズとボランティア側とのマッチングが難しいなどのさまざまな課題があったと指摘されているところであります。  今後、海外からのボランティア等の受け入れに当たっての課題を整理し、そのあり方について検討してまいる所存であります。  次に、名簿に登載された要支援者に対する避難支援についてのお尋ねであります。  市町村が作成した名簿に掲載をされた要支援者の方々については、災害時の避難支援が迅速かつ円滑に行われるよう、本人の同意を得て、あらかじめ、市町村から消防団民生委員といった地域の避難支援者に名簿情報を提供することとしております。  これを受け、避難支援者は名簿に掲載された要支援者と個別的に面談を行い、災害時に必要な避難支援の内容や避難経路等を事前に確認しながら、一人一人の要支援者について具体的な避難支援計画の作成を行うこととなります。  また、こうして作成した個別の避難支援計画に基づき、災害の発生に備え、要支援者とその避難支援者が日ごろから避難訓練等を十分に行っていくことにより、実際に災害が発生した場合にも実効性のある避難支援が実施できる体制が構築されるものと考えております。  このような取り組みについては、国において今後見直しを予定している災害時要援護者の避難支援ガイドラインの中でも具体的に示し、関係者に対し十分な周知を行ってまいります。  次に、名簿情報の漏えい防止のための措置についてのお尋ねです。  名簿情報の漏えい防止は、要支援者のプライバシーを保護するとともに、名簿を活用した避難支援そのものに対する信頼性を確保し、要支援者と地域の避難支援者との協働を円滑なものにする上でも極めて重要であります。  このため、市町村長は、名簿の提供先に対し名簿情報の漏えい防止に関して具体的な措置を講じるよう求めることとしており、この際に想定される措置の内容として、例えば、施錠可能な場所への名簿の保管を徹底すること、受け取った名簿を必要以上に複製することを禁止すること、名簿提供先が個人ではなく団体である場合には、その団体内部で名簿を取り扱う者を適切に限定することなどが考えられます。  次に、物資の確保についてのお尋ねであります。  東日本大震災においても食料品や日用品の不足は一部で生じており、今後、南海トラフや首都直下地震などの大規模災害が発生した場合には、深刻な物資不足が起こるおそれがあります。  このような事態において、国民に対して買い占めの自粛を要請することは、全国規模での経済的、社会的混乱を最小限に抑えるのみならず、被災地に必要な物資を確保することにも資するものであると考えております。  このほか、被災地に必要な物資を確保するためには、今回の改正で災害対策基本法に規定を置いた災害時協定に基づく民間事業者からの物資の提供や、災害対策基本法に基づく生活必需物資の配給の緊急政令、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律、いわゆる売り惜しみ防止法に基づく物資の売り渡しの指示、命令の措置などの仕組みもあるところであります。  これらの仕組みを適切に活用して、被災地で必要とされている物資が適切に確保されるよう努めてまいります。  災害緊急事態の布告についてのお尋ねがありました。  災害緊急事態の布告の要件については、今回の改正において、従来の災害応急対策の推進に加え、経済統制を念頭に置いて国の経済の秩序の維持を確認的に規定するとともに、あらかじめ想定することが困難な重要課題にも対応する観点から、その他当該災害に係る重要な課題の対応も規定したところであります。  また、被災地における治安の維持については、状況によっては、その基本的な考え方について対処基本方針に定めることも考えられますが、具体的な対処については、刑法や警察法等の規定に基づいて、関係機関において適切に行われるものと考えております。  次に、避難所への移転を円滑に行うために必要となる対応についてのお尋ねであります。  緊急時の避難場所については、緊急の避難時における住民等の安全を確保する観点から、例えば高台にある公園や広場といった場所を含め、指定緊急避難場所として指定することとしております。  一方、被災者が一定期間避難生活を送る場としての避難所については、円滑な救援活動を実施し、また一定の生活環境を確保する観点から、学校や公民館などの公共施設等を指定避難所として指定することといたしております。  住民等の避難所への移転が円滑に行われるためには、住民等に対して、緊急時の避難場所と避難所のそれぞれの役割についての周知徹底を図ることが重要であります。  このため、市町村を通じて、住民に対して制度の趣旨の徹底と、これにあわせて、緊急時の避難場所や避難所の所在地等の情報の周知について十分に取り組んでまいります。  次に、民間人所有の指定緊急避難場所における避難者の滞在中の事故に係る当該民間人の責任に関するお尋ねがありました。  民間人所有の指定緊急避難場所において避難者の滞在中に事故が生じた場合、ケースによっては、当該施設提供者にも事故の責任が生じることも考えられます。  一方で、市町村長民間人所有の施設を指定緊急避難場所として指定する場合には、当該施設を管理する者の同意を得ることが必要とされています。当該同意を得る際に、あらかじめ、市町村と施設提供者と協議を行い、避難者の滞在中の事故に関しての責任関係を明確に定めておくことが、同意手続の円滑化のために重要であると考えております。  このために、市町村と施設提供者との間の責任関係を定めた協定の事例を市町村に紹介するなどにより、民間人所有の施設についても有効な活用が図られるよう取り組んでまいります。  旅館など一定の生活環境が確保された避難所の確保についてのお尋ねがございました。  災害が発生した場合には、その規模によっては避難生活が長期に及ぶことも考えられ、特に要介護高齢者障害者、乳幼児を含む世帯といった配慮を要する方々に対して、個室を確保することなどができる旅館等を有効活用することが重要であると考えております。  このため、内閣府においては、平成二十四年度、避難所における良好な生活環境の確保に関する検討会の報告書において、旅館やホテル等の宿泊施設を発災時に避難所として使用すべきことなどが指摘されているところであります。  今後、これを踏まえて、避難所における良好な生活環境に関する指針を市町村に示し、要介護高齢者障害者、乳幼児を含む世帯なども安心して滞在できるよう、旅館等の活用を含め、避難所の生活環境の確保にしっかりと取り組んでまいります。  最後に、災害関連死の防止についてのお尋ねがありました。  避難生活が長期にわたる場合は、生活環境の変化による被災者の心身の機能の低下、生活習慣病などの疾患の発症や悪化等の課題が生じます。  それらの課題に対し、災害関連死を防ぐ方策については、平成二十四年度の避難所における良好な生活環境の確保に関する検討会の報告書において、避難所の衛生環境の改善を図ること、被災者の保健、医療ニーズの把握、被災者の体調の変化への気づき等が行えるように体制を構築しておくこと、被災者の体調の変化については保健師等専門職が健康管理を実施すること、常時の治療等が必要となった者については速やかに病院等への入院手続をとること等とされているところであります。  今後、これらを踏まえ、避難所における良好な生活環境の確保のための取り組み指針を策定し、災害関連死を防ぐための取り組みの強化をしてまいります。(拍手)     〔議長退席、副議長着席〕     ―――――――――――――
  22. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 高木陽介君。     〔高木陽介君登壇〕
  23. 高木陽介

    ○高木陽介君 ただいま議題となりました災害対策基本法等の一部を改正する法律案につきまして、公明党を代表して質問をさせていただきます。(拍手)  改めまして、東日本大震災を初めとする災害でお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災者の方々にお見舞いを申し上げます。  東日本大震災から、瞬く間に二年の月日が流れました。我々の想定を超える津波が押し寄せ、当たり前の日常が津波にのみ込まれ、言葉を失うばかりの光景が広がりました。  一方、首都圏においては大量の帰宅困難者が発生、首都機能が集中する都内に災害が直撃した際の危うさを痛感させられました。  公明党は、この未曽有の災害に対し、被災者に寄り添う姿勢を第一に、党の総力を挙げて、被災者の支援、復興を具体化するための法整備など、あらゆる手だてを尽くしてまいりました。  この災害で得られた教訓を今後の我が国の災害行政にどのように生かすのか。これは我々議員に課せられた重要なテーマであり、この教訓を後世へ伝えていかなければなりません。  特に、我が国は災害多発国であります。東日本大震災以降も、集中豪雨や竜巻、豪雪などに見舞われ、最近では、爆弾低気圧がもたらす荒天も珍しくありません。  その意味において、昨年に引き続き、災害対策基本法の改正に着手し、災害に対する備えを強化する意義は大きいと考えます。  災害対策基本法は、昨年、いわゆる第一弾として改正が行われました。  この第一弾の改正では、第一に、大規模な広域災害に対する即応力の強化として、災害発生時における積極的な情報の収集や伝達、共有、自治体間の応援業務について、国や都道府県による調整機能の強化、日常的な相互応援、円滑化のための政策が盛り込まれました。  第二に、教訓の伝承、防災教育の強化や多様な主体による地域の防災力の向上として、住民の責務として災害教訓の伝承が明記され、各防災機関における防災教育実施の努力義務が明確になりました。  このほかに、大規模で広域な災害に対する被災者対応の改善も実現をいたしました。  いずれも東日本大震災で浮き彫りとなった課題の改正であり、我が国の防災体制の一歩前進と評すべきものであります。  さて、今回は、いわゆる本格的な改正を含む第二弾となるわけですが、改めて、東日本大震災の教訓をどのように捉え今般の改正を行うのか、古屋防災担当大臣に伺いたいと思います。  東日本大震災においては、多くの高齢者や障害者など、御自身では迅速な避難が難しい方々の多くが犠牲になりました。このような災害時における避難について特に配慮を要する方々について、あらかじめ名簿を作成し、それを消防など実際に支援を行う方々にあらかじめ情報提供しておくことが非常に重要であります。  このような名簿作成の取り組みは、非常に進んでいる市町村がある一方で、住民の個人情報を保護するとの観点から作成が進んでいない市町村もあり、作成率は約六四%にとどまっています。これらの実情を踏まえて、今回の改正では、どのように個人情報保護との関係を整理し、市町村の名簿の作成を進めていくのかを伺いたいと思います。  東日本大震災では、せっかく避難所にたどり着いたにもかかわらず、その避難所に津波が押し寄せて、多くの方が犠牲になった事例がありました。  今般の改正では、その反省も踏まえて、避難所と避難場所を区別して法定化するわけですが、どのような場所を避難所とするのか、または避難場所とするのか、この違いをわかりやすく、具体的なイメージで、古屋防災担当大臣に御説明をいただきたいと思います。  その中で、中長期的に被災者の方々が生活する避難所については、まだまだ環境の整備が必要だと考えます。被災者の方々の最低限のプライバシーが保たれ、特に高齢者や障害者、女性にも配慮したものでなければなりません。  公明党は、三・一一直後、女性の視点を防災対策に反映するため、公明党女性防災会議を発足させました。東北の避難所を回ると、着がえる場所がない、授乳できるスペースがないなどの声が寄せられました。その後、全国の約九百人の女性地方議員が中心となって、十八都府県、六百四十市区町村の防災担当部局に聞き取り調査を行い、数々の提言を行ってまいりました。  そこで、避難所における生活環境の整備をどのように進めていくのか、また、国としてどのような支援策を講じていくのか、古屋防災担当大臣に伺います。  被災者に対するきめ細かい支援をしていく上でも、情報を一元的に集約することが必要です。  被災者には、生活再建支援金や、税の減免、仮設住宅の入居など、さまざまな支援策が用意されていますが、これらをそれぞれ個別に手続する負担は余りに大きいと言わざるを得ません。被災地からはこうした声が多く寄せられました。情報を一元的に管理することで、より円滑に生活の立て直しへ移行することにつながるはずです。  今回の改正では、今まで先進的な市町村が取り組んでいる、被災者台帳を作成することを法定化しました。  そこで、被災者台帳とはそもそもどのようなもので、それを作成することで市町村や被災者それぞれにどのようなメリットがあるのか、具体的に、わかりやすく御説明をいただきたいと思います。  阪神・淡路大震災以来、防災対策におけるボランティアの皆様の存在は、非常に欠かせないものとなっています。また、民間事業者の方々が果たすべき役割の重要性も非常に高まっており、今回の東日本大震災などでも、ボランティアや民間事業者の方々の活動が非常にクローズアップされたところであります。  このような実情を踏まえて、今回の法改正では、民間事業者やボランティアの方々の役割をどのように位置づけ、今後、国や地方公共団体と地域コミュニティー、民間事業者、ボランティアなど、多様な主体との連携をどのように進めていくお考えなのか、伺います。  災害時には、被災地に物資をできるだけ迅速に供給することが大切です。  例えば首都直下地震の場合、東京都内の避難所は、島嶼部を除き、二千六百六十一。最大の収容人数は三百九十五万人。被害想定の最も厳しい東京湾北部地震の場合、それらの避難所に二百六十万人が避難すると見られています。  では、食料はどうかというと、二百六十万人ですから、三食供給すると考えると、一日七百八十万食が必要になります。  ところが、東京都に確認したところ、都と二十三区三十市町村を合わせた備蓄食料は一千五百万食しかありません。たった二日分です。三日目からはどうするのか。それは、全国から集めなければなりません。  しかし、首都直下地震の場合、道路は寸断され、火災も発生し、首都圏に入ることさえ厳しいかもしれません。想定外はもう許されません。最悪の事態を想定して物資の輸送も考えなければならないと思います。  また、東日本大震災の際も、食料は被災地に届いたが、肝心の避難所までは届かなかった事例も多くありました。その際、混乱を避けるためには、日ごろから物資の運送等を専門的に手がけている民間事業者の協力を得ることも効率的であると考えます。  今後、災害時に被災地に支援物資を迅速に届けるため、国はどのように取り組んでいくのか、お尋ねをいたします。  災害時には、迅速な情報収集が必要となります。しかしながら、市町村が壊滅的な被害を受ける大災害の場合、従来の、市町村から都道府県、国へというボトムアップ方式のみでは、必要な情報を迅速に集めることは困難であります。  そこで、今回の法案にも国が積極的に情報収集を行う規定が置かれましたが、法律に規定を置くだけではなく、的確な運用がなされてこそ、所期の目的を達成することができると考えます。  そこで、国による情報収集について今後どのように具体的な取り組みを進めていくのか、古屋担当大臣に伺います。  東日本大震災を経験した我が国では、教訓を踏まえて、次の大災害に備えなければなりません。特に、発生が懸念されている南海トラフ巨大地震や首都直下地震対策は、政府一体として取り組む喫緊の課題であると考えます。  首都直下地震については、公明党は、対策本部を設置し、首都圏の地方議員も含め、具体的にその対応策について議論を進めています。南海トラフ巨大地震についても、対策本部を設け、高さ三十メートルを超えると予想される津波被害から沿岸部を守る具体策について検討しています。  こうした巨大地震の発生確率が高まる中、今回の災対法改正はその対策の一つに位置づけられると考えますが、今般の改正により、南海トラフ巨大地震や首都直下地震などの今後の巨大災害への備えとして、法制上はどのような改善がなされたこととなるのでしょうか。多数の地方自治体の機能喪失や全国的な経済混乱などの課題に的確かつ迅速に対応できるのでしょうか。古屋防災担当大臣に伺います。  防災は、備えあれば憂いなしという言葉のとおりであります。今回の改正は、東日本大震災の教訓を踏まえ、来るべき首都直下地震や南海トラフ巨大地震など大災害への備えを本格的に行ったものと位置づけられると思います。  最後に、古屋防災担当大臣を初め、日夜防災業務に携わっておられる関係省庁、地方公共団体などの関係機関、ボランティアの方々に対し深く敬意を表するとともに、東日本大震災で被災された皆様の一日も早い住まいの確保、生活再建の取り組みを加速させることをお誓いし、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)     〔国務大臣古屋圭司君登壇〕
  24. 古屋圭司

    ○国務大臣(古屋圭司君) 高木議員にお答えをいたします。  まず、東日本大震災の教訓と今般の法改正との関係についてのお尋ねであります。  東日本大震災に際しましては、災害対応に想定外があってはならないこと、災害から命を守るため逃げるということが重要であること、被災者のニーズの変化や多様性に応じた支援が必要であること、行政のみならず、地域、市民、企業による取り組みとの協働が必要であることなどなど、さまざまな教訓があったところであります。  現在の災害行政の最大の課題は、こうした東日本大震災の教訓を、今後発生が懸念をされる大規模災害への備えの充実につなげていくことであると考えております。  このため、今般の法改正により、大規模広域な災害に対する即応力の強化や、住民の円滑かつ安全な避難の確保、被災者保護対策の改善などにより、災害対策を充実強化することとしたものであります。  次に、避難行動要支援者名簿の作成と個人情報保護との関係の整理についてのお尋ねであります。  各市町村が制定している個人情報保護条例では、通常、市町村内部での個人情報の目的外使用や市町村外部への個人情報の提供等が禁止をされており、これまでの市町村独自の取り組みにおいては、防災部局と福祉部局との間での個人情報の共有や消防団等の外部の避難支援者への情報提供が行えず、名簿の作成、利用が円滑に進まないといった問題もあったところです。  このため、今回の改正では、災害発生時の避難に特に支援を要する方々の名簿の作成を市町村に義務づけるとともに、全ての市町村において名簿の作成に必要な個人情報の利用が可能となるよう、所要の規定を設けたところであります。また、こうして作成をされた名簿については、本人の同意を得て、地域の支援者に平時から提供するほか、実際に災害が発生した場合や災害が発生するおそれがある場合には、本人の同意の有無にかかわらず、避難支援者に対して名簿を提供できることとしたところであります。  次に、指定緊急避難場所及び指定避難所の概要についてのお尋ねがありました。  指定緊急避難場所については、津波、洪水等が切迫した状況において、住民等が緊急に避難する際の避難先として位置づけるものであり、安全が確保されることが最も重要です。具体的には、津波避難タワーや高台、土砂災害警戒区域外にある学校、公民館といった公共施設について、市町村長が当該場所または施設の管理者の同意を得た上で、指定緊急避難場所として指定することとしております。  また、指定避難所は、発災後に被災者が一定期間避難生活を送る場として位置づけるものであり、円滑な救援活動を実施し、また、一定の生活環境を確保することが可能であることが重要です。具体的には、学校や公民館等について、市町村長が当該施設の管理者の同意を得た上で、指定避難所として指定することとしております。  避難所における生活環境の整備についてのお尋ねです。  避難所における生活環境の整備については、平成二十四年度において、有識者から成る検討会を設置し、避難所における良好な生活環境を確保するための取り組み指針に盛り込むべき事項などの検討を行い、報告書を取りまとめたところであります。  今後、国として、同報告書を踏まえ、避難所における良好な生活環境の確保に関する取り組み指針を作成し、その周知徹底に努めてまいりたいというふうに思っております。  具体の支援策としては、避難所のハード面の整備については、避難所等の耐震改修または建てかえについて、防災・安全交付金や耐震対策緊急促進事業により、その耐震改修工事費を国費により補助する等の支援が講じられております。  ソフト面の整備については、例えば物資の備蓄については、これまでも地方交付税により措置してきておりますが、さらに、災害救助法において積み立てが義務づけられている災害救助基金を活用し、あらかじめ応急的に必要と考えられる食料、飲料水、毛布等の生活必需品を備蓄しておくことも可能であることから、その積極的な活用を促してまいりたいと思っております。  高齢者、障害者や、議員御指摘の女性などへの配慮も含め、避難所における生活環境の整備が適切に行われるよう、しっかりと支援をしてまいります。  被災者台帳についてのお尋ねでありました。  被災者台帳とは、個々の被災者について、被害の状況や支援の実施状況、支援に際しての配慮事項等を一元的に集約した台帳であり、被災者支援を総合的かつ効果的に実施するための基礎として、被災自治体の関係部署において共有、活用されるものであります。  こうした被災者台帳を作成することにより、被災者の方々にとっては、未申請の支援措置について自治体から情報提供を受けることができます。  また、被災市町村としても、各支援措置の窓口となる部署ごとに被災者の情報を個別に管理する手間が省けること等により、被災者支援業務の効率化、迅速化が期待されているところであります。  次に、多様な主体との連携についてのお尋ねがありました。  東日本大震災を初めとする各災害時においては、民間事業者やボランティア等の多様な主体が、行政と連携してさまざまな活動を行うなど、大変重要な役割を果たされました。今後発生が懸念される大規模広域災害においても、このような多様な主体の協力が必要不可欠であると認識しています。  これを踏まえ、今回の法改正では、災害対策の基本理念の一つとして、多様な主体の自発的な防災活動の促進について規定するとともに、行政とボランティアとの連携を促進すること、災害対策に関する民間事業者の責務を明確化するとともに、行政と民間事業者との協定締結を促進すること、地域防災力向上のためのコミュニティーレベルでの地区防災計画を制度化することについて規定をいたしました。  政府としては、災害からの被害を軽減するため、行政と多様な主体とが連携をして、災害対策が効果的に実施されるよう取り組んでまいる所存です。  次に、被災地への支援物資の供給についてのお尋ねがございました。  大規模広域災害時に支援物資を被災地に円滑に供給するためには、行政機関や指定公共機関のみならず、物資の専門的ノウハウを有する民間事業者との連携が重要です。  このため、昨年六月の法改正で、要請を待たずに物資を送り込む、いわゆるプッシュ型の物資供給に関する規定と、国による運送事業者である指定公共機関に対する物資運送の要請、指示等の規定を創設いたしました。  さらに、今回の法改正では、国、地方公共団体と民間事業者との連携協力体制の構築を進めるための規定を新たに設けたところであります。  これらの規定を具体化するため、物資の調達、輸送に必要な情報を関係機関で共有するシステムの整備や、国、地方公共団体と民間事業者との協力協定の締結の促進など、支援物資の供給に関して、国、地方公共団体、民間事業者等の連携を促進してまいります。  国による情報収集についてのお尋ねであります。  災害対応は情報が命であり、被災地に係る情報をいかに迅速かつ十分に得られるかが災害対応の成否を左右します。  特に、首都直下地震や南海トラフ巨大地震のような大規模広域災害が発生した場合、被災地方公共団体が被害状況の把握やその伝達、支援を要請することすらできない状況に陥り、被災地方公共団体の支援におくれが出ることが想定をされます。  このため、今回の法改正では、国が積極的に情報収集を行うことを規定しました。あわせて、この規定の具体化を図るべく、緊急災害対策本部において、民間サイドが収集、発信する災害情報も積極的に収集するとともに、災害情報の評価・分析体制を充実強化するなど、運営面での改善に取り組んでいるところであります。  これらの取り組みに加え、実際に大規模広域災害が発生した場合には、被災地に職員を迅速に派遣したり、ヘリコプター等の機材や各種通信手段を効果的に活用したりするなど、あらゆる手段を尽くして、主体的かつ積極的に情報収集を行ってまいります。  大規模災害への対応についてのお尋ねがありました。  首都直下型地震や南海トラフ巨大地震のような大規模広域災害が発生した場合、被災地における人的、物的被害にとどまらず、全国の経済的混乱や国民生活への支障が生じるおそれがあります。  このような事態を想定し、今回の法改正では、災害応急対策にとどまらず、国民生活や経済活動など国の経済の秩序を維持し、また、災害に伴って発生したその他の重要な課題に対応するため、災害緊急事態の布告を行うこととし、閣議決定した対処基本方針に基づき、内閣総理大臣の指揮監督のもと、政府が一体となって対処することといたしました。  あわせて、国が被災地方公共団体の行う災害応急対策を支援すること、平常時を前提に定められている各種の規制を適用除外すること、物資の買い占めの自粛等について内閣総理大臣から国民に協力を求めることなどを新たに規定いたしております。  このような法改正により、大規模広域災害に対する即応力が大幅に強化されると考えており、さらに運用面の充実にも取り組んでまいります。(拍手)     ―――――――――――――
  25. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 椎名毅君。     〔椎名毅君登壇〕
  26. 椎名毅

    ○椎名毅君 みんなの党の椎名毅です。  私は、みんなの党を代表いたしまして、ただいま議題に上がりました災害対策基本法等の一部を改正する法律案に関しまして質問をいたします。(拍手)  今般の災害対策基本法の改正は、昨年六月に行われた第一弾改正の積み残しを含めて、今後起き得る災害への対応を念頭に置いた包括的改正と言われております。  自然災害との闘いは、私たちの想像力との闘いです。本改正案が、災害が起きた後に対処療法的に行う改正ではなく、今後私たちが遭遇し得る自然災害に備えるに十分な内容であるか、その前提として十分に想像力を働かせているかという観点から、本日は質問したいと思います。  まず第一に、非常事態における超法規的措置の必要性に関して伺います。  改正法第百五条に基づき災害緊急事態の布告が行われる際には、改正法第百八条の三により、内閣総理大臣は国民に対して物資の買い占め防止の協力を要求することができるほか、内閣は、政令で、生活必需物資の配給、譲渡制限や物価統制ができるとされています。これは、基本的には、あくまでも立憲主義の範囲内です。  しかし、憲法の定める国民の権利保障を前提としていては、対応が不十分または遅滞すると思われるような甚大な災害もあり得ます。まさに、私たちの想像力の範囲を超えた事態を想定しておくことが重要なのです。  想定外の事態が生じた場合に、憲法秩序一時停止して、一定条件のもとで内閣総理大臣に権限を集中する国家緊急権、これを、憲法改正の上、新たに憲法に定めることの検討も必要ではないでしょうか。内閣府防災担当国務大臣の見解を伺います。  第二に、非常事態における権限の集中の必要性に関して伺います。  私は、昨年、国会事故調で事務方として勤務しており、役所の方々や県職員の方々から話を伺う機会をいただきました。その中で、通常業務に加えて災害対応を行う状況にある方々も散見されました。  これに対して、チェルノブイリ原発事故の収束に当たったウクライナベラルーシロシアの各国の非常事態省の方々から話を伺った際には、災害対応、特に原子力災害への対応は、戦争と同じであり、非常事態省という組織により、縦割りではなく一括して対応することが、迅速な災害対応という観点から非常に有効であるという指摘をいただきました。  そこで、内閣府防災担当国務大臣に伺います。  災害対応を専門に行う非常事態省の設置、特に災害対応専門の実力部隊をも備えた組織の設置は検討に値すると考えます。この点についての御所見を伺います。  第三に、国の行政機能が麻痺するような大規模災害への対応について伺います。  首都直下地震は、高い確度で発生が予想されており、その想定被害の甚大さが問題となっています。特に、その最大の特徴は、政府機能の中枢そのものが罹災する点です。  本改正案では、地方公共団体の機能が麻痺した際に、国が、災害応急対策全般について応援を行い、応急措置を代行することが定められています。  しかし、首都直下地震によって政府の機能そのものが麻痺するような場合には、どのように対応されるのでしょうか。こういった想定される災害時の権力のバックアップの問題は、災害対策の一般法である本法に盛り込むべき内容ではないかと思いますが、内閣府防災担当国務大臣の御所見を伺います。  第四に、現実の災害応急対応における海外からの支援受け入れに関して伺います。  東日本大震災の際には、我が国は海外から多大なる支援をいただきました。こうした海外からの支援受け入れについては、本法百九条の二の定める厳しい要件のもと、内閣が政令で決定できるとされているところであります。  東日本大震災においても、医療など国内資格をその活動の前提とする業務については、その支援受け入れについても、手続的に問題がありました。  今後、大規模災害が発生する場合には、他国の支援を受け入れることが必要不可欠となりますが、こうした他国による支援の受け入れについても、災害対策基本法において柔軟な定めをするべきではないでしょうか。内閣府防災担当国務大臣の御見解を伺いたいと思います。  第五に、災害弱者の円滑かつ安全な避難における国の役割に関してお伺いします。  本改正案では、避難行動要支援者の名簿作成等について新たに定められたことは、評価するべきものと考えております。しかし、基本的に、災害弱者が避難を行うに際し、自助、共助の精神が重視されている点は、みずから避難を行うことが容易な方々と変わりません。  病院や老健施設といったような災害弱者を多数抱えた組織が大規模災害からみずから避難をするというのは、難しい点もあります。福島第一原発から二十キロ圏内の病院が避難するに当たり、多数の患者が避難の過程で亡くなりました。私も、国会事故調に勤務していた際に、当事者からその思いを聞いてまいりました。  これらの施設に暮らす災害弱者の生命身体の安全を確保することは、国家の極めて重要な役割です。  そこで、病院、老健施設の事業継続や、そこに生活する災害弱者をいかに保護していくか、特に、こういった施設に暮らす災害弱者の避難の支援に関して、国が主導的な役割を果たしていくべきと考えますが、厚生労働大臣の御所見をお尋ねします。  最後に、本改正案第二条に、ハード、ソフトの施策の組み合わせによる防災政策の実現を含む本法の理念が明確化されています。  岩手県宮古市田老町には、日本一とうたわれた防潮堤が存在しましたが、東日本大震災による津波は、いとも簡単にこれを破壊し、乗り越えてきました。  ハードによる防災には限界があります。ソフトによる施策、特に、知恵の伝承という点が重要になってきます。この点は前回の改正で法的な手当てがなされたところではありますが、実際に防災教育、防災訓練の実効性を持たせるための施策について、内閣府防災担当国務大臣に御所見を伺います。  国家の究極的な役割は、国民の生命、身体、財産の保護でありますから、想定を超えた災害が起きた場合に、この目的を達成するために、国が主導して災害対応を行っていくことこそが重要であることを再度確認いたしまして、私の質問を終わりにしたいと思います。  どうも御清聴ありがとうございます。(拍手)     〔国務大臣古屋圭司君登壇〕
  27. 古屋圭司

    ○国務大臣(古屋圭司君) 椎名議員にお答えをいたします。  まず、国家緊急権などについてのお尋ねでございます。  議員御指摘の、想定外の事態が発生した場合に、憲法秩序を一時停止して、一定条件のもとで総理に権限を集中することや、経済的な統制を超えて国民の権利を制限することなどについては、統治機構のあり方であるとか基本的人権のあり方などについて、憲法の規定と深く関係することであります。  両院の憲法審査会など国会の場や、あるいは政党間において、適切に議論をされることが適当と考えております。  非常事態省の設置についてのお尋ねがございました。  災害対応に関する組織のあり方については、重要なテーマであると認識をいたしております。  今後とも、大規模災害への備えを万全にするため、政府の体制の強化に取り組むことが必要であると認識をいたしております。  一方で、議員御指摘の、災害対応専門の実力部隊も備えた非常事態省のように、災害対応を専門的に行う新たな組織を創設することについては、行政改革との関係や、消防、警察等現行組織との関係などの課題があり、さまざまな観点から検討をなされるべきと認識いたしております。  次に、首都直下地震が発生した場合の政府機能の確保についてのお尋ねがありました。  首都直下地震が発生した場合に、政府機能が麻痺することなく、その継続性を確保するためには、あらかじめ業務継続計画を策定することが重要であります。  このため、中央省庁業務継続ガイドラインを策定し、各省庁に対し、非常時に優先すべき業務の絞り込み、それらの業務に必要な人員等の確保、本庁舎での執務が困難となった場合の代替拠点の確保等を内容とする業務継続計画を策定するよう求めているところであり、現在、ほとんどの省庁で策定済みであるものの、内容が不十分または不整合があるなど、課題が見受けられるところであります。  このため、現在、各省庁において業務継続計画の見直しを進めているところであります。さらに、各省庁の業務継続計画の基本となる政府全体の業務継続計画についても、速やかに策定をしてまいります。  海外支援の受け入れについてのお尋ねがありました。  災害対策基本法は、海外からの防災に関する支援の受け入れに関する事項を規定するとともに、防災基本計画等において受け入れ手続等を定めているところであります。  また、災害緊急事態の布告がなされた場合、法律の規定によっては海外からの支援を緊急かつ円滑的に受け入れることができない場合であって、国会閉会中等のときには、必要な措置をとるために政令を制定できるというふうに規定をされています。  東日本大震災においては、防災基本計画等も踏まえ、海外からの医療チーム等の受け入れに際し、医師免許の問題など、法令の柔軟な運用により対応した一方で、被災地のニーズとのマッチングが難しかったことや、自己完結型を要請していたにもかかわらず、国によっては準備状況に大きな違いがあったなどの課題も指摘されたところであります。  このため、現在、海外支援の受け入れに関する教訓や改善点を取りまとめているところであり、今後、関係省庁とも連携して、円滑な海外支援のあり方についてさらに検討し、受け入れ体制の整備を図ってまいる所存であります。  防災教育、防災訓練の実効性、知恵の伝承についてのお尋ねがございました。  東日本大震災において、中学生が率先して近隣の小学生や住民とともに避難した、いわゆる釜石の奇跡のように、過去の災害教訓に基づく防災教育や避難訓練により住民が適切な避難行動をとることができた事例が報告されており、防災教育や防災訓練は大変重要なものであると認識をいたしております。  このため、これまでも、過去の歴史災害の教訓や体験集を取りまとめた「災害史に学ぶ」「災害を語りつぐ」等の冊子の作成や、近年の災害における成功、失敗事例に基づく教訓を伝えるなどの取り組みを行ってきたところであります。  今後とも、これらの取り組みの充実強化を図り、防災に関する意識を高めるとともに、行動を促進するよう努めてまいる所存であります。(拍手)     〔国務大臣田村憲久君登壇〕
  28. 田村憲久

    ○国務大臣(田村憲久君) 椎名議員より御質問いただきました。  病院等の事業継続や災害弱者への避難支援についてのお尋ねでございましたが、厚生労働省といたしましては、病院や社会福祉施設などの公益的な事業者に対して、災害発生時の業務継続計画、いわゆるBCPの策定を指導するとともに、患者搬送を担う災害派遣医療チーム、いわゆるDMATの整備や、施設利用者の広域的な受け入れの調整の推進などを行っております。  引き続き、このような取り組みを推進することにより、災害発生時の利用者保護やサービスの提供が円滑に行われるための体制を構築してまいりたいと思っております。(拍手)     ―――――――――――――
  29. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 高橋千鶴子さん。     〔高橋千鶴子君登壇〕
  30. 高橋千鶴子

    ○高橋千鶴子君 私は、日本共産党を代表し、災害対策基本法等一部改正案について質問します。(拍手)  東日本大震災の検証を進めながら行った昨年の災害対策基本法改正案審議においては、災害対策の基本的理念の明確化や、復興の枠組みの整備を図ることが、積み残された課題とされていました。本法案並びに同時に提出された大規模災害からの復興に関する法律案は、防災に関する制度のあり方の全般的検討を踏まえたものとされています。  災害対策や復興のあり方を考える際には、東日本大震災を初め、阪神・淡路大震災など、この間の災害の経験と教訓を生かすことが必要であります。  そこで、東日本大震災では、国の復興基本方針と第三次補正予算が成立した十一月末まで実質被災自治体は復興計画を具体化できず、復興のおくれにつながりました。今後の大規模災害における基本方針や予算の枠組みの決定のプロセスはどのように改善されるのか、伺います。  「いうまでもなく、地震は自然現象であるが、地震による災害の多くは人災であるといえる。したがって、人間の英知と技術と努力により、地震による災害を未然に防止し、被害を最小限に食いとめることができるはずである。」一九七一年に制定され二〇〇〇年に全部改正された、東京都震災予防条例の前文であります。  ここで言われているように、相次ぐ災害からの教訓は、災害の発生そのものを防止することに知恵と力を集中すること。そして、災害が発生してからの対策は、再度災害防止と被災者の生活再建を柱とした復旧復興とすることを基本とするべきではないでしょうか。  その点で、まず、災害の発生を予防し、被害の拡大を防止するための対策についてです。  経済効率性を追求した土地利用が優先され、水害や崖崩れ対策、地震、津波対策は、開発行為の後追い、災害が発生するまで対策が行われないなどの深刻な状況にあります。東日本大震災の被災地でも、住民が長年求めていた防潮堤が整備されないまま放置されたことにより、被害が拡大したなどの事例が生じています。  こうした事態を打開するためには、まちづくりを含めた、災害対策基本法第八条が規定する、災害の発生を予防し、災害の拡大を防止するための事項について、防災上の配慮ではなく、行政が優先して取り組むべき義務として明確にすることです。  災害復旧事業は原形復旧であるという原則を見直すときではありませんか。お答えください。  次に、発災直後の応急対策から被災者の生活再建を視野に入れた支援のあり方です。  大規模災害からの復興に関する法律案では、「基本理念」に、被災地域における生活の再建とあります。これは被災者一人一人の生活再建という意味でよいのか、明確にお答えください。  一方、災害対策の基本的理念を明記する災害対策基本法には、「被災者の援護」とあるだけです。大規模な災害の場合だけではなく、小規模、中規模な災害でも、被災者一人一人の生活再建は理念として明確にすべきと考えますが、答弁を求めます。  被災者の生活再建を進める上で、東日本大震災を初め、この間の災害を通して、以下の点が改めて求められています。  第一に、被災者生活再建支援法の拡充です。  支援金支給額の限度額を当面五百万円に引き上げるとともに、圧倒的多数を占める半壊、一部損壊を支援の対象とすることです。  第二に、災害救助法については、これまで以上に被災地の状況に即した柔軟な運用が行われる必要があります。  住宅の応急修理や障害物の除去の所得要件などを撤廃し、国庫負担の割合を最大で全額とするべきです。また、避難が長期化している中で、子供の進学などさまざまな事情で住みかえが必要となっており、仮設住宅の住みかえは複数回認めるべきです。  第三に、被災中小企業に対する支援については、いわゆる二重ローン対策や、仮設店舗、グループ化補助金など、今回切り開いた経験を踏まえて、被災事業所の再建へ直接支援を行うことを明確にすることです。  これら三点の改善を速やかに行うべきだと考えますが、答弁を求めます。  最後に、災害緊急事態布告に伴う対処基本方針について伺います。  改正案では、災害緊急事態の布告があった場合、対処基本方針を閣議決定し、内閣総理大臣が行政各部を指揮監督できるとしています。  これに対し、災害緊急事態が発生した場合、政府が国民の権利を一時的に制限する必要があるなどの踏み込んだ考えも報道されています。  しかし、被災地の現状や被災者の生活再建と無関係に政府に権限を集中しても、政府の決定は被災現場の実情とかけ離れたものとなり、結果として、地域の復興をおくらせることにならざるを得ません。  国民の権利制限については慎重であるべきですが、答弁を求めます。  東日本大震災から二年目の三月十一日、河北新報の社説は、生存権が脅かされている、いら立ち、不安、焦りが募ると指摘をしています。  震災関連死が二千三百人を超えるという中、こうした東日本大震災の現状から出発し、被災者の生活となりわいが再建されてこそ、地域社会や町の復興があることを改めて指摘をして、私の質問を終わります。(拍手)     〔国務大臣古屋圭司君登壇〕
  31. 古屋圭司

    国務大臣古屋圭司君) 高橋議員にお答えをいたします。  まず、大規模災害における復興の基本方針などの決定プロセスについてのお尋ねがありました。  これまでの大規模災害における復興の枠組みは、その都度、特別法の制定により対応をしてきたところですが、今回の大規模災害からの復興に関する法律案においては、政府による復興対策本部の設置や復興基本方針の策定、市町村の復興計画の作成などの基本的な枠組みについて、あらかじめ法制化を図ることといたしております。  これにより、これまでのように、災害発生後の特別法の制定を待たず、迅速に、閣議決定により復興対策本部を設置して、基本方針を策定することなどが可能となります。  さらに、このような国の取り組みを受けて、地方公共団体においても、早期に見通しを立てて復興計画を作成することが可能になるものと考えております。  このように、大規模災害からの復興に関する法律により、全体として、これまでよりも速やかな復興への取り組みが期待できるものと考えております。  次に、行政が優先して取り組むべき義務についてのお尋ねがありました。  災害対策基本法第八条は、国及び地方公共団体が実施すべき防災上の重点事項を幅広く明示し、努力義務として規定したものであります。その上で、津波、洪水、土砂災害などの個別の災害対策を進めるため、このような努力義務を超えて行政が対応すべき事項については、個別法で具体的に規定をされております。  例えば、津波対策に対しては、津波防災地域づくりに関する法律において、都道府県が津波防護施設の管理を行うことや、都道府県知事津波災害特別警戒区域を指定することにより、区域内での一定の開発行為や建築物の建築を制限できることなどが明記されているところであります。  次に、大規模災害からの復興に関する法律案と災害対策基本法における基本理念についてのお尋ねがありました。  大規模災害からの復興に関する法律案における被災地域における生活の再建とは、大規模災害から地域住民の生活を立て直し、安定をさせることであり、被災者一人一人の生活再建を図ることを意味しております。  一方、災害全般を対象とした災害対策基本法においても、今回明確に規定した基本理念規定の一つとして、被災者一人一人の生活再建を図ることを含めて、被災者の援護を図り、災害からの復興を図る旨を規定しております。  被災者生活再建支援法の拡充についてのお尋ねがありました。  支給限度額の引き上げについては、与野党一致の議員立法により成立をした立法経緯、見舞金的な性格を有するものとしての他の制度とのバランス、国、地方の財政負担などを勘案して、慎重に検討すべきものと考えます。  また、被災者生活再建支援制度は、自然災害によりその生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対し、自立した生活再建を支援し、被災地の速やかな復興に資することを目的とした制度であることから、住家に全壊や大規模半壊等の重大な被害を受けた世帯に限って支援の対象としております。  このような制度の趣旨からすれば、半壊世帯、一部損壊世帯まで支援の対象とすることについては、制度の根幹にかかわることであり、慎重な検討が必要と考えます。  次に、被災事業所の再建支援についてのお尋ねがありました。  大規模災害からの復興に関する法律案においては、今後発生が懸念される大規模災害からの復興に共通する一般的な枠組みを定めています。  これに加えて、災害の個別具体の状況については、法制上の対応も含めた追加的な措置が必要となることも考えられ、このようなケースを想定して、今回の法律案においては、特別な必要があると認めるときは、別に法律で定めるところにより、復興のための財政上の措置等を速やかに講ずべき旨の規定を設けております。  御指摘の地域経済の再建支援についても、今回の法律案に定める一般的な枠組みのほか、必要に応じ、個別具体の災害ごとの被害状況や地域の実情等を踏まえ、既存制度の活用を含め、関係省庁と連携をしながら適切に対処してまいります。  最後に、災害緊急事態における国民の権利制限についてのお尋ねがありました。  今回の改正において、災害緊急事態の布告があったときには、対処基本方針を閣議決定し、これに基づき、内閣総理大臣が行政各部を指揮監督することといたしておりますが、対処基本方針を根拠として、直接的に国民の権利を制限するような仕組みとはしておりません。  一方で、大規模広域災害時における国民の権利制限のあり方については、さまざまな指摘もなされているところであり、この問題については、憲法の規定と深く関係することから、両院の憲法審査会、国会の場やあるいは政党間において、適切に議論されることが適当であると考えております。(拍手)     〔国務大臣太田昭宏君登壇〕
  32. 太田昭宏

    ○国務大臣(太田昭宏君) 災害復旧事業についてお尋ねがございました。  御指摘のように、河川、道路、海岸等の公共土木施設の災害復旧事業におきましては、被災前の形態、機能に戻す原形復旧を基本としております。  しかし、例えば、斜面崩壊により道路が被災し、従来の道路位置での復旧が困難な場合には、現道の復旧ではなく、トンネルを掘り、新たなルートで復旧するなど、必要な機能が確保できるように対応することが可能となっております。  また、災害復旧事業にあわせて、堤防のかさ上げや川底の掘削を行い、河川の流下能力を拡大し、浸水被害を軽減するなど、施設の機能の向上や再度災害防止を図るための改良復旧を行うことも可能となっています。  国交省としては、これらの災害復旧関係事業が適切に活用され、迅速に必要な復旧が図られるよう、被災自治体をしっかりと支援してまいります。  自然災害による被害の軽減を図るため、事前の備えとしての減災・防災対策と災害発生後の災害復旧の両面から、引き続き対策を強力に推進してまいる覚悟でございます。(拍手)     〔国務大臣田村憲久君登壇〕
  33. 田村憲久

    ○国務大臣(田村憲久君) 高橋議員からは、災害救助法の柔軟な運用についてのお尋ねをいただきました。  応急修理や障害物除去の諸要件のあり方については、被災者の住宅確保策を総合的に検討する中での課題と考えております。  また、救助費用については、現行で最大九割の国庫負担をいたしておりまして、地方と国の役割分担を踏まえますと、国庫負担を十割とすることは、慎重に対応すべきことと考えております。  なお、仮設住宅の住みかえに関しましては、被災者の転居先として恒久住宅を想定いたしておりまして、基本的には困難と考えております。(拍手)     ―――――――――――――
  34. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 畑浩治君。     〔畑浩治君登壇〕
  35. 畑浩治

    畑浩治君 生活の党の畑浩治でございます。(拍手)  東日本大震災は、我が国に甚大な被害をもたらしました。この大震災においては、さまざまな教訓が得られました。そう遠くない時期にかなりの確率で発生すると見込まれている東海、東南海、南海地震首都圏直下型地震は、国家の中枢、経済の中枢に係る被害となる可能性も高いものであり、東日本大震災の教訓を生かした根本的な対策が必要となります。  大災害時に行政機能が麻痺するのは、もちろん地方公共団体だけではありません。被災により国家的な行政機能の喪失、すなわち、中央省庁が壊滅的被害を受けた場合にどのように対応するのかの観点も必要です。このような場合に本法案ではどのような対応が想定されているのか、伺います。  東日本大震災の教訓の一つは、今後いかなる未曽有の大災害の事態が生じた場合でも、我が国としての政治行政機能、経済社会活動が円滑に維持されるよう、国土政策的観点からも考え直す必要が生じているということであります。  例えば、ドイツでは、ボンとベルリンに省により配置を分けて、かつ、どの省もボンとベルリンに局により配置を分けています。いわば分都構造をとっているわけであります。  特に、首都圏直下型地震の切迫性に鑑みれば、首都中枢機能の維持、確保を図るため、首都機能について分散して、重層型の国土構造をつくっておくこと、あるいは、最低限でも、最悪の事態を想定したバックアップ体制を早急に構築することが求められていると考えます。  この点は、どのような検討及び対策が行われているのでありましょうか。  今回の改正案では、災害緊急事態の布告の要件に、国の経済の秩序を維持し、その他当該災害に係る重要な課題に対処するため特別の必要があることが追加され、国民に対して、生活必需品の買い占めを控えるよう求めることとされております。  大規模災害発生時における国の経済や国民生活の秩序維持を重視した改正であると思いますが、これだけで実効性ある対応がとれるか疑問があります。  例えば、同様の問題として、石油の供給確保に係る問題がありました。一定規模以上の石油業者に対し、計画作成を義務づけ、経済産業大臣が同計画に係る措置の実施を勧告するという、供給者側への一定の義務づけを行う法律改正が震災後なされました。これとのバランスからも、実効性確保の手段が弱いのではないかと考えます。  被災地で必要とする物資を確保するための実効性を担保するためには、物資を生産あるいは販売する事業者に対しての協力を義務づけるべきだと考えますが、いかがでしょうか。  また、著しく巨大な災害時においては、応急活動や復旧復興活動をスムーズに進めるために、既存制度を前提にした緩和措置を講じるのではなく、一定の場合には、一時的な既存制度の要件や手続の適用の停止について措置することも重要であります。  例えば、まちづくりに係る制度農地転用保安林解除、埋蔵文化財調査等、多くの平時のルールに縛られ過ぎているという声、高齢者などに配慮して一階部分に商業施設を入れようとしてもルール上できないのはおかしいという声、所有者不明土地等の扱いについて、市町村が権利の保全措置を行うことを前提としつつ管理処分を可能とする制度が必要という声、あるいは、防災集団移転促進事業とその他の移転事業との間で支援内容の違いがあることに対する疑問の声などが多く聞かれました。  東日本大震災では、千年に一回の大災害であるにもかかわらず、復興に当たっての規制のあり方が、平時を基準としてその緩和が議論、実施されている現状に批判があり、すき間が出てきて、不十分な点が生じるものであります。  東日本大震災でとられた特例措置を大規模災害の場合に一般化した改正を行うのではなく、既存制度の適用の一時的停止等、平時とは異なる規制のあり方の準則を規定しておくべきだと考えます。  本法律案においては、一部の法律について、平常時の規制の適用除外等が規定されておりますが、その他の法律も含めて、総則的にはそのような規定は不十分であると考えます。  さらには、復興段階を規定する、大規模災害からの復興に関する法律案で、そのような規定は十分ありません。この点はなぜでしょうか。また、本法律案の中の災害緊急事態の布告があった場合に定める対処基本方針の中で、このことについて措置されることになっているのでしょうか。  また、財政的措置でありますけれども、復興交付金も、国のメニューに沿う事業に充当されるものであり、関連した効果促進事業も、復興施策全体の効果促進ではなく、個々の事業の効果促進事業であり、自由度もそれほど高くないことにより、せっかく措置された予算が、やりたい事業に自由に使えずに繰り越されているという批判があります。  また、予算措置についても、災害時に、単年度予算を前提にして、明許繰り越し、事故繰り越しというその都度対応ではなく、災害からある程度の年限は特段の手続なしに繰り越せるような措置が必要です。  このような問題を踏まえて、極めて自由度の高い財政支援制度及び災害における復興予算のあり方の準則を本法律案で明確に規定すべきと考えますが、現行規定のレベルにとどまっているのはなぜでしょうか。  今、被災地は、復旧復興に向けて一丸となって取り組んでいます。私の地元を舞台にしたNHKの朝の連続ドラマ「あまちゃん」が、全国に笑いを、被災地に元気を与えています。そして、すばらしい地域資源に気づき、生かすことの重要性を教えています。  私は、東日本大震災の被災地の議員として、この教訓が生かされ、私たちの大震災のつらい経験を生かして、本法律案が、よりよい地域をつくり、将来の災害に負けない国をつくる契機となることを祈念して、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣古屋圭司君登壇〕
  36. 古屋圭司

    ○国務大臣(古屋圭司君) 畑議員にお答えをいたします。  まず、中央省庁が壊滅的被害を受けた場合の対応及び首都機能のバックアップ体制についてのお尋ねがございました。  首都直下地震が発生した場合に、政府機能が麻痺することなく、その継続性を確保するためには、あらかじめ業務継続計画を策定することが極めて重要であります。  このため、中央省庁業務継続ガイドラインを策定し、各省庁に対し、非常時に優先すべき業務の絞り込み、それらの業務に必要な人員等の確保、本庁舎での執務が困難となった場合の代替拠点の確保等を内容とする業務継続計画を策定するよう求めているところであり、現在、ほとんどの省庁で策定済みであるものの、内容が不十分または不整合があるなど、課題が見受けられるところであります。  このため、現在、各省庁において業務継続計画の見直しを進めているところであります。さらに、各省庁の業務継続計画の基本となる省庁全体の業務継続計画についても、速やかに策定をしてまいります。  また、政府のバックアップ体制については、官邸が被災した場合等の最悪の事態を想定して立川広域防災基地を整備しているほか、東京圏外の代替拠点として大阪合同庁舎第四号館を確保し、その通信施設等の機能強化を進めているところであります。さらに、東京以外のほかの代替拠点についても、必要に応じ、検討してまいります。  物資の確保についてのお尋ねがありました。  東日本大震災においても食料品や日用品の不足は一部に生じており、今後、南海トラフや首都直下地震などの大規模災害が発生した場合には、深刻な物資の不足が起こるおそれがあります。  このような事態において、国民に対して買い占めの自粛を要請することは、全国規模での経済的、社会的混乱を最小限に抑えるのみならず、被災地に必要な物資を確保することにも資するものであると考えております。  そのほか、被災地に必要な物資を確保するためには、今回の改正で、災害対策基本法に規定を置いた災害時協定に基づく民間事業者からの物資の提供や、災害対策基本法に基づく生活必需物資の供給の緊急政令、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置に関する法律、いわゆる売り惜しみ防止法に基づく物資の売り渡しの指示、命令の措置などの仕組みもあるところであります。  これらの仕組みを適切に活用し、被災地で必要とされている物資が適切に確保されるよう努めてまいります。  次に、災害時における特例措置についてのお尋ねがございました。  今般の災害対策基本法の改正においては、今後の大規模広域災害に備え、避難所等に関する特例、臨時の医療施設に関する特例、埋葬及び火葬の特例及び廃棄物処理の特例の四つの法律上の特例措置を必要な範囲内で講ずることができるよう、所要の規定を置いております。  さらに、災害緊急事態の布告があった場合には、当該災害により現実に発生している状況を確認せずとも、甚大な被害が当然生じているものとみなして、これらの四つの特例措置を自動適用することといたしております。  これらの特例措置は、いずれも災害応急対策に関する法律上の特例措置であり、大規模広域災害が発生した場合に講ずる必要性が予見され、かつ、その具体的内容も特定できるため、発災後に緊急立法をするのではなく、あらかじめ措置の発動を国会から政府に授権し、一般制度化しておくことが適当であると判断したものであります。  これらの特例措置の適用に当たっては、災害緊急事態における災害応急対策に関する重要事項として、対処基本方針に所要の定めを置くことを予定いたしております。  また、大規模災害からの復興に関する法律案においては、復興に必要な事業を円滑かつ迅速に進めるために、必要となる開発許可や農地転用などに関する特例を設けているところですが、さらに、特別の必要があると認めるときには、別に法律で定めるところにより、規制の特例などを含めて、その他の措置を速やかに講ずべき旨規定しており、これらについては、具体的な災害の規模や災害状況等に応じて、適切に対処してまいります。  最後に、復興予算のあり方についてのお尋ねがありました。  大規模災害からの復興に関する法律案においては、大規模災害が発生した場合において、特別の必要があると認めるときは、別に法律で定めるところにより、復興のための財政上の措置を速やかに講ずるものとする旨の規定を設けているところであります。  一方で、災害のための財政措置については、具体的な災害の規模や被害状況、発災時の国の財政状況、被災した地方公共団体の財政力、財源確保のための発災時の国民全体の負担等を踏まえる必要があります。あらかじめ法制化を図ることは困難であると考えております。  以上です。(拍手)
  37. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) これにて質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――
  38. 赤松広隆

    ○副議長(赤松広隆君) 本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十九分散会      ――――◇―――――  出席国務大臣        総務大臣    新藤 義孝君        法務大臣    谷垣 禎一君        厚生労働大臣  田村 憲久君        国土交通大臣  太田 昭宏君        国務大臣    甘利  明君        国務大臣    古屋 圭司君        国務大臣    山本 一太君  出席副大臣        内閣府副大臣  西村 康稔君