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2013-04-04 第183回国会 衆議院 本会議 14号 公式Web版

  1. 平成二十五年四月四日(木曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第十一号   平成二十五年四月四日     午後一時開議  第一 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)  第二 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出)  第三 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)  第四 エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する等の法律案(内閣提出)  第五 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  日程第一 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)  日程第二 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出)  日程第三 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)  日程第四 エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する等の法律案(内閣提出)  日程第五 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)  国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結について承認を求めるの件及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明及び質疑     午後一時二分開議
  2. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  日程第一 地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出)
  3. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) まず、日程第一、地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。環境委員長吉野正芳君。     ―――――――――――――  地球温暖化対策の推進に関する法律の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――     〔吉野正芳君登壇〕
  4. 吉野正芳

    ○吉野正芳君 ただいま議題となりました法律案につきまして、環境委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、地球温暖化対策の一層の推進を図るため、地球温暖化対策計画を策定することとし、地球温暖化対策推進本部の所掌事務の変更を行うとともに、三弗化窒素を温室効果ガスに加える等、所要の措置を講じようとするものであります。  本案は、三月十九日本委員会に付託され、同日石原環境大臣から提案理由の説明を聴取し、二十二日及び二十六日の両日にわたり質疑を行い、二十九日に質疑を終局いたしました。  質疑終局後、本案に対しまして、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党より、国の責務として、温室効果ガスの排出の抑制等のための技術に関する研究開発の推進及びその成果の普及に努めること等を追加することを内容とする修正案が提出されました。  本修正案の趣旨説明の後、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し附帯決議が付されましたことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  5. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) それでは、採決いたします。  本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  6. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。      ――――◇―――――  日程第二 戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案(内閣提出)  日程第三 駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
  7. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 日程第二、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案、日程第三、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。厚生労働委員長松本純君。     ―――――――――――――  戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案及び同報告書  駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――     〔松本純君登壇〕
  8. 松本純

    ○松本純君 ただいま議題となりました両案について、厚生労働委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、戦没者の妻及び父母等に継続して支給してきた特別給付金国債が最終償還を終えるため、これらの者に改めて特別給付金を支給しようとするものであります。  次に、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、駐留軍関係離職者及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者の発生が今後においても引き続き予想される状況に鑑み、これらの離職者に対する臨時措置の有効期限を、それぞれ五年延長しようとするものであります。  両案は、去る三月十九日本委員会に付託され、同日田村厚生労働大臣から提案理由の説明を聴取し、二十二日から質疑に入り、二十九日に質疑を終局いたしました。  質疑終局後、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党より、戦没者等の妻に対する特別給付金支給法及び戦没者の父母等に対する特別給付金支給法の一部を改正する法律案に対し、施行期日についての修正案が提出され、趣旨説明を聴取した後、採決の結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決され、本案は修正議決すべきものと決した次第であります。  次いで、駐留軍関係離職者等臨時措置法及び国際協定の締結等に伴う漁業離職者に関する臨時措置法の一部を改正する法律案について採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  9. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) ただいまの両案を一括して採決いたします。  日程第二の委員長の報告は修正、日程第三の委員長の報告は可決であります。両案は委員長報告のとおり決するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 異議なしと認めます。よって、両案とも委員長報告のとおり議決をいたしました。      ――――◇―――――  日程第四 エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する等の法律案(内閣提出)
  11. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 日程第四、エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する等の法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。経済産業委員長富田茂之君。     ―――――――――――――  エネルギーの使用の合理化に関する法律の一部を改正する等の法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――     〔富田茂之君登壇〕
  12. 富田茂之

    ○富田茂之君 ただいま議題となりました法律案につきまして、経済産業委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本法律案は、産業部門だけではなく、民生部門においても省エネルギー対策を一層進めるとともに、電力需給の早期安定化の観点から、需要側においても電力の需要の平準化を図ろうとするものであり、その主な内容は、  建築材料等に関してトップランナー制度を導入すること、  工場、事業場等における電力ピーク対策を円滑化する措置を導入すること、  エネルギー等の使用の合理化及び資源の有効な利用に関する事業活動の促進に関する臨時措置法、いわゆる省エネ・リサイクル支援法を法の定める期限の到来に伴い廃止すること 等であります。  本案は、去る三月二十一日本委員会に付託され、二十二日に茂木経済産業大臣から提案理由の説明を聴取した後、二十七日質疑に入り、二十九日には参考人から意見を聴取するなど審査を重ね、昨日質疑を終了いたしました。  質疑終局後、自由民主党、民主党・無所属クラブ、日本維新の会、公明党及びみんなの党の五会派共同提案により、省エネ・リサイクル支援法の廃止に関する規定の施行期日を平成二十五年三月三十一日から公布の日に改めるものとすることなどを内容とする修正案が提出され、趣旨の説明を聴取いたしました。  次いで、採決を行った結果、修正案及び修正部分を除く原案はいずれも全会一致をもって可決すべきものと議決いたしました。  なお、本案に対し附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  13. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) それでは、採決いたします。  本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり修正議決いたしました。      ――――◇―――――  日程第五 福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
  15. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 日程第五、福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。  委員長の報告を求めます。東日本大震災復興特別委員長後藤田正純君。     ―――――――――――――  福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――     〔後藤田正純君登壇〕
  16. 後藤田正純

    ○後藤田正純君 ただいま議題となりました法律案につきまして、東日本大震災復興特別委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  本案は、福島の復興及び再生を一層推進するための措置を講じようとするもので、その主な内容は、  第一に、避難を余儀なくされている被災者のための生活拠点を形成する事業を行う地方公共団体に交付金を交付する制度を創設すること、  第二に、国による公共事業の代行等を、居住制限区域及び帰還困難区域においても実施可能とすること、  第三に、企業の立地をさらに促進するため、避難解除区域における課税の特例について、対象事業者を新規事業者に拡大するとともに、対象区域も避難指示解除準備区域及び居住制限区域に拡大すること などであります。  本案は、去る四月一日本委員会に付託され、翌二日根本復興大臣から提案理由の説明を聴取し、昨三日に質疑を行い、質疑終了後、採決の結果、全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、本案に対し附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ―――――――――――――
  17. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに御異議はありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ――――◇―――――  国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結について承認を求めるの件及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明
  19. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) この際、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結について承認を求めるの件及び内閣提出、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案について、趣旨の説明を順次求めます。  まず、外務大臣岸田文雄君。     〔国務大臣岸田文雄君登壇〕
  20. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) ただいま議題となりました国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この条約は、昭和五十五年十月にハーグ国際私法会議において作成されたものであります。  この条約は、監護の権利の侵害を伴う国境を越えた子の連れ去り等が生じた場合に原則として常居所を有していた国に子を迅速に返還するための国際協力の仕組み、国境を越えた親子の接触の実現のための協力等について定めるものであります。  具体的には、各締約国が指定する中央当局は、子の返還を求める申請または子との接触を求める申請を受けて、子の所在の特定、子に対するさらなる害悪の防止、子の任意の返還または友好的な解決の促進等のため、全ての適当な措置をとることを定めています。  また、司法当局または行政当局は、子の返還のための手続を迅速に行い、原則として子の返還を命ずることを定めています。さらに、返還することによって子が心身に害悪を受けるなどの重大な危険がある場合、子が返還されることを拒んでいる場合等、一定の場合には、子の返還を命ずる義務を負わないことを定めています。  我が国がこの条約を締結することは、このような国際的な協力を通じ、不法な連れ去り等によって生ずる有害な影響から子を保護するとともに、親子の接触の機会を確保することにより子の利益に資するとの見地から有意義であると認められます。  以上が、この条約の締結について承認を求めるの件の趣旨でございます。(拍手)     ―――――――――――――
  21. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 次に、法律案について、法務大臣谷垣禎一君。     〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕
  22. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案につきまして、その趣旨を御説明いたします。  この法律案は、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結に伴い、我が国において子の返還及び子との面会交流に関する援助を行う中央当局を指定し、その権限等を定めるとともに、子が常居所を有していた我が国以外の条約締約国に子を返還するために必要な裁判手続等について定めるものであります。  その要点は、次のとおりであります。  まず、子の返還等に関する援助につきましては、第一に、これらの援助を行う中央当局を外務大臣と定めることとしております。  第二に、子の返還等に関する援助について、その申請方法、子の住所等を特定するための手段、援助の決定の要件、子の個人情報に関する取り扱い等を定めることとしております。  次に、子を返還するための裁判手続等につきましては、第一に、子の返還事由及び返還拒否事由のそれぞれについて、条約に則した要件を定めることとしております。  第二に、子の返還申し立て事件の管轄裁判所を東京家庭裁判所及び大阪家庭裁判所に集中し、非公開で審理を行うこととしております。  第三に、子の返還申し立て事件の審理や裁判等に関する所要の手続規定を設けるほか、調停や和解による解決を図るための手続規定を設けることとしております。  第四に、裁判手続中の出国禁止命令に関する規律を設けるほか、子の返還の具体的な執行方法等について定めることとしております。  このほか、条約上必要な所要の規定の整備を行うこととしております。  以上が、この法律案の趣旨でございます。(拍手)      ――――◇―――――  国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の締結について承認を求めるの件及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案(内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  23. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) ただいまの趣旨の説明に対し質疑の通告があります。順次これを許します。まず、菊田真紀子君。     〔菊田真紀子君登壇〕
  24. 菊田真紀子

    ○菊田真紀子君 民主党の菊田真紀子です。  ただいま議題となりました、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約及び国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案につきまして、民主党・無所属クラブを代表して質問いたします。(拍手)  いわゆるハーグ条約の批准については、締約国が八十九カ国に達し、G8諸国中、日本のみが未締結となっていたため、これまで各国政府から強い要請があり、米国、英国、フランス、カナダなどとの首脳会談においては、たびたび話題に上がってきました。欧米人男性との夫婦関係が破綻した日本人女性が日本に子供を連れて里帰りすることが多く、ハーグ条約に基づいて子供の返還手続を行えないことから、外交問題に発展していたのです。  最初の要請は自公政権時代で、二〇〇六年六月、日加首脳会談において、カナダのスティーブン・ハーパー首相から当時の内閣総理大臣である小泉純一郎氏に対し、条約批准に向けて協力要請があったと承知をしております。小泉総理は、子の親権問題につき、話し合い、協力できることがあれば協力したいと述べられました。  米国からは、二〇〇九年三月のクリントン国務長官と中曽根外務大臣の会談で最初の要請がありました。以来、ことし二月の日米首脳会談に至るまで、実に二十二回、米国政府は、日本政府に対してハイレベルでの要請を繰り返してきました。  三年半前、民主党政権にかわってからは、政務三役が主導して、精力的な取り組みが始まりました。  私も、当時、外務大臣政務官として、論点を整理し、関係省庁間の調整を進め、日本弁護士連合会や、外国人配偶者に子供を連れ去られた経験のある当事者からのヒアリングも行いました。  そして、昨年三月、野田内閣で閣議決定をし、三月九日に国会提出されたのです。  しかし、国会提出後は、当時の野党自民党の激しい抵抗戦術、審議拒否に遭い、結局、十一月に廃案となってしまいました。  昨年の常会の外務委員会は、わずか七回しか開催できず、実質審議日数は例年の三分の一でした。衆議院に提出された七件の条約全てを参議院に送ることができなかったのです。  今回、自民党は、与党になられて、推進に立場を変えられたのでしょうか。(発言する者あり)
  25. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 与野党とも、静かに話を聞いてください。
  26. 菊田真紀子

    ○菊田真紀子君(続) なぜ、昨年は抵抗で、ことしは推進になられたのか、きちんと御説明いただきたいのです。  自民党は、政策が優先なのか、それとも政局が優先なのか。本来であれば、とっくに条約は締結、法案成立していたはずなのに、この一年間たなざらしにしてきたことについて、当時の自民党総裁であった谷垣法務大臣、当時の国対委員長であった岸田外務大臣に御説明を求めます。  このたび、安倍政権で外務委員長に就任された河井克行委員長は、当時、衆議院外務委員会の野党筆頭理事でありました。  去る二月、ルース駐日米国大使を委員長室に迎え、六月中旬の英国G8サミットまでに国会承認されるよう全力を挙げると発言され、御自身のホームページ上にもそのようにアピールをされておられますが、残念ながら、野党筆頭理事を務められていたときには、早期締結に向けての御協力をいただいたことはありません。  当時の立場を百八十度変えて、今は推進のスタンスのようですが、本来、公平中立の立場で委員会を運営すべき委員長が独断で対外的に成立の時期まで述べられることは、国会の原則に照らして、立場を逸脱しているように思いますが、外交関係を所管する外務大臣としてどう思われるか、御所見を伺います。  二〇一一年の厚生労働省の人口動態統計によると、日本人の国際結婚は二万五千九百三十四件でした。十年前の二〇〇一年は三万九千七百二十七件でしたので、国際結婚の数は減少しています。その一方で、国際離婚は、十年前一万三千六百六十七件だったのが二〇一一年で一万七千八百三十二件と、増加しました。  これに伴い、諸外国との間で子供の連れ去り等をめぐる問題が表面化する事例がふえ、外交問題に発展しています。  本条約は、国境を越えた不法な子供の連れ去り等が生じた場合に原則としてもとの居住国に子を迅速に返還するための国際的な取り決めであり、現在、G8諸国の中では日本だけが未締結となっています。子の利益を最大限実現するために、国際的ルールや国際協力の仕組みに参加することに、ちゅうちょする理由はありません。  しかし、本条約の締結に当たっては、当事者の中にも不安を覚える方々がいらっしゃり、これまで、さまざまな懸念が指摘されてきました。  条約締結とあわせて、国内法の整備が極めて重要であり、女性の権利保護や子の利益が最大限確保される国内法が運用されるよう、以下、質問をいたします。  まず、条約が締結された場合、日本人にとってどのような意義、メリットがあるのか、国民の皆さんに広く御理解いただかなくてはなりません。  現在、日本が未締結国であるために、離婚後、子供を連れて日本に帰国できない事態が発生していますが、そうした問題は改善されるのでしょうか。また、子供を連れ去った場合、欧米諸国の国内法の犯罪者として訴追され、有罪の判決を受けるケースがありますが、ハーグ条約締結後はどのように変わるのでしょうか。外務大臣にお伺いいたします。  民主党は、これまで、チルドレンファーストを掲げ、政策の実現を進めてまいりました。子どもの権利条約の理念を踏まえ、子供の最善の利益を何より最優先することが大切だと考えています。  本条約の冒頭でも、「子の監護に関する事項において子の利益が最も重要であることを深く確信し」と明記されております。  子の監護をめぐる紛争では、ともすると、親の都合で子供の強制的な引き離しが行われ、当事者としての子供の権利が軽視されかねません。  本法案において、子の利益とは何を指すのか、そして、子の利益、これを具体的にどのように守っていくのか、本法案の理念を法務大臣にお伺いいたします。  外国人配偶者から家庭内暴力等のDVや児童虐待を受け、身の危険を感じ、日本に逃げ帰ってくる日本人女性は少なくありません。そのような場合においても、子供の返還が命令されてしまうのか、DV被害を受けた母親たちは不安を感じています。  民主党政権下での法案策定で最も労力を割いたのは、まさにこの点であり、いかにしてDV被害者の子供を守るかが焦点でした。  本法律案では、返還拒否事由として、子が心身に害悪を受け、または他の耐えがたい状態に置かれることとなる重大な危険があることと定めていますが、民主党政権下で、外務省、法務省等の政務三役で議論を重ね、重大な危険の判断について、裁判所に丸投げすることなく、DVの場合も返還拒否事由に該当することを法律に盛り込むことについて、閣議了解しました。それを踏まえて検討が行われた結果、考慮事情として法文に書き込むことができました。これこそ、政治主導の成果であると自負しております。  これらの趣旨については、現政権においてもしっかりと引き継がれ、貫かれるものと期待しておりますが、改めて確認をさせていただきたい。DV被害者の子供に関する返還命令についてどのように考えるのか、法務大臣、お聞かせください。  さらに、DV被害者の保護についても対策が必要です。  被害者のプライバシーに関しては、管理を厳密にし、既存の国内法とあわせて、被害者の保護が適切かつ迅速に行われる必要がありますが、本法律案ではどのような仕組みとなっているのでしょうか。法務大臣、お答えください。  もう一点懸念されるのが、返還命令が出た後の、執行官による子供の強制的な引き離しです。子供に重大なトラウマをもたらすとの懸念があり、最大限の配慮が必要です。そもそも、強制執行は最後の手段にすべきと考えます。  専門家によるカウンセリング等、子供の心身に配慮する処置が必要ではありませんか。政府は具体的にどのような支援を行うのか、法務大臣と外務大臣にお伺いいたします。  現在、我が国の在外公館においては、在留邦人からの離婚や子供の問題、DV被害や児童虐待等の相談に対して、どのように対応しているのでしょうか。ハーグ条約締結後は、こうした相談について、より一層きめ細やかな対応が求められると考えます。  欧州、アメリカでは州によって法律や制度が違うところもあります。ケースワーカーや弁護士といった専門家の紹介など、支援体制を強化していく必要もあるのではないでしょうか。また、今まで以上に、領事業務の迅速化や、相談窓口として丁寧な対応が求められると考えますが、どのように準備されているのでしょうか。外務大臣にお伺いいたします。  今回、我が国が条約を締結しても、アジア地域には未締約国が数多くあります。日本人の国際結婚の相手国として最も多い中国は、香港とマカオのみの締約となっており、フィリピンなども締約しておりません。相手が締約していない国の場合、この条約は適用されませんので、邦人の利益保護が図られるよう各国における速やかな条約締結が望まれますが、日本政府としてどのように働きかけるのでしょうか。外務大臣に伺います。  最後に、本条約の施行とそれを担保するための国内法の運用に当たっては、当事者である子供の利益と女性の権利保護が尊重され、十分に確保されることを要望し、民主党・無所属クラブを代表しての質問を終わりにいたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣岸田文雄君登壇〕
  27. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 菊田議員にお答え申し上げます。  ハーグ条約及び条約実施法案に対する自民党の立場についてお尋ねがありました。  昨年の国会における事実関係については、まず、第百八十回国会において、条約及び条約実施法案が三月九日に提出され、八月三十一日、衆議院外務委員会でハーグ条約の提案理由説明が行われました。その後、条約及び条約実施法案がともに第百八十一回国会に継続審議となりましたが、十一月十六日に衆議院の解散をもって廃案となりました。  審議に至らなかった理由については、その当時の国会における与野党のさまざまな議論の結果であったと認識しております。  政府としては、国際的なルールにのっとって子の不法な連れ去り問題に対応できるよう、ハーグ条約の早期締結を実現することが極めて重要と考えています。(発言する者あり)
  28. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 静粛にしてください。
  29. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君)(続) ハーグ条約についての河井委員長発言に関するお尋ねがありました。  ハーグ条約について、河井委員長とルース駐日米国大使との間でやりとりがあったことは承知しておりますが、そのやりとりにおける立法府の同委員長の発言に関して、私の立場からお答えすることは必ずしも適切ではないと考えております。  政府としては、先ほど申し述べましたとおり、同条約の早期締結の実現が極めて重要であると考えております。  子供を連れた一時帰国の制限や、相手国における訴追、有罪判決といった事態に対するハーグ条約締結の効果についてお尋ねがありました。  まず、海外に在住する日本人が子供を連れて一時帰国することへの制限については、我が国のハーグ条約未締結が理由である場合も多いため、条約締結により、状況の改善が期待されます。  次に、日本への子の連れ去り事案について刑事訴追されるか否か等は、当該国の関係機関の判断によるものと考えられます。ただし、我が国の本条約締結により、条約に基づく子の返還手続が利用可能となることで、残された親が告訴しない、あるいは告訴が取り下げられて刑事訴追されなくなるといったことはあり得るものと考えられます。  次に、強制執行時に政府がどのような支援を行うのかについてお尋ねがありました。  中央当局となる外務省からの支援について御説明を申し上げます。  子の返還の代替執行を実施する場面における中央当局の協力としては、例えば、中央当局で採用するソーシャルワーカー等の子の福祉に関する専門的知見を有する職員が代替執行の場面に立ち会う、返還実施者が安全に子を返還することができるよう国内での移動に同行するといった協力を検討しております。  ハーグ条約締結に関して、我が国の在外公館における対応につき、お尋ねがありました。  在外公館においては、従来、在留邦人から広範な問題につき相談を受けており、その中に、離婚、子供の親権問題、家庭内暴力被害や児童虐待など、家庭内のトラブルに関するものも多く含まれています。  DV被害や児童虐待の相談を受けた場合、任国の保護・救済制度を説明し、弁護士や福祉専門家、シェルターの紹介を行うなど、解決に向けた支援を行っています。生命に危害が及ぶ場合等、緊急の場合であると判断される際には、在外公館が、現地の警察や裁判所に通報、救護要請を行う等の支援を行っています。  ハーグ条約締結後の在外公館における邦人への支援体制については、国境を越えた不法な子の連れ去りを行う在留邦人が、家庭内暴力や夫婦間の問題等に関し、現地で適切な相談機関、救済機関がないことを訴える例が多いため、在留邦人による家族問題に関する相談に対し、適切に対応できるようにすることが重要です。  外務省は、領事業務の迅速化や、相談窓口として丁寧な対応を行うために、ハーグ条約締結国に所在する我が方公館の領事担当者を対象として、ハーグ条約に関する研修を実施していきます。ハーグ条約を締結すれば、これらの支援措置が一層重要なものとなってきますので、さらなる支援体制の強化に努めてまいります。  ハーグ条約未締結国に対する日本政府からの働きかけについてお尋ねがありました。  我が国を含む各国がハーグ条約を締結することは、子の利益を保護する国際的なネットワークを構築する上で有意義なものと考えます。  このような観点から、我が国としては、今後、子の連れ去り等をめぐる問題が生ずる可能性が潜在的に高いと考えられるアジアの国々を初めとして、ハーグ条約未締結の国々との間で、本条約締結の重要性について協議を行っていきたいと考えております。(拍手)     〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕
  30. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 菊田真紀子議員にお答え申し上げます。  まず、昨年の国会に提出された条約の承認案件及びその実施法案が審議されなかった理由についてお尋ねがありました。  その理由につきましては、当時の国会をめぐるさまざまな情勢によるものと考えております。  次に、本法律案における子の利益の意義や理念等についてお尋ねがありました。  本法律案は、子の利益に資することを目的とするものです。  本法律案の、子の利益は、ハーグ条約におけるそれと同義であり、親の都合や利益を捨象した、子自身の幸福を意味するところ、本法律案では、子の返還申し立て事件の手続が子の利益に配慮した裁判手続となるよう、家庭裁判所は、子の意思を把握するように努め、子の年齢及び発達の程度に応じてその意思を考慮しなければならない旨の規定を設けることとするなど、子の利益について細やかな配慮をしております。  次に、家庭内暴力の被害者の子に関する返還命令についてお尋ねがありました。  子の返還申し立て事件の相手方が申立人から過去に家庭内暴力の被害を受けたという事情は、子の返還拒否事由の一つである、常居所地国に子を返還することによって、子の心身に害悪を及ぼすこと、そのほか、子を耐えがたい状況に置くこととなる重大な危険があることの判断において考慮されることになりますので、具体的事案において、この返還拒否事由に該当すると判断された場合には、裁判所は子の返還を拒否することになります。  次に、家庭内暴力の被害者の個人情報の取り扱いについてお尋ねがありました。  本法律案は、中央当局が子の所在の特定のために関係機関から収集した個人情報について、子の返還の裁判手続を行う裁判所に提出する場合等を除き、第三者に提供することができないこととするとともに、裁判記録の閲覧等を制限することとしており、家庭内暴力の被害者の住所等の個人情報が、加害者である他方の親に知られるということがないように配慮しております。  最後に、子の返還の強制執行についてお尋ねがありました。  本法律案は、子にとって心理的負担の少ない間接強制を行っても返還が実現しない場合に初めて代替執行の手続を行うこととした上で、代替執行の手続においても、家庭裁判所が返還を実施するのに相当な者を指定し、中央当局がソーシャルワーカー等の専門家を立ち会わせるなど必要な協力をすることができることとするなど、子の心身に配慮して、安心な返還を実現するための措置を講じております。(拍手)     ―――――――――――――
  31. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 小熊慎司君。     〔小熊慎司君登壇〕
  32. 小熊慎司

    ○小熊慎司君 日本維新の会の小熊慎司です。(拍手)  グローバル化の進展とともに、日本人と外国人との国際結婚も増加し、各国との交流の幅が広がっていくことは、国際社会において相互理解の一助となり、歓迎すべきことではあります。しかしながら、一方で、国際離婚、またあるいは、夫婦が別居する件数も増加しているところであります。  そうした中、一方の親による国境を越えた子の連れ去り事案も増加をしております。親が我が子を奪い合う、大変世知辛い場面も多数見受けられます。  こうした子供の連れ去り問題を解決するための国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約は、子の監護に関する事項において最も重要なものは子の利益であるとの立場に立ち、不法な連れ去りなどから子を国際的に保護し、子供が常居所を有していた国へ迅速な返還を確保することを目的とし、そのための手続等を定めたものであるのは、御承知のとおりであります。子供を常居所地の国に戻すことが子供の利益に合致するという理念が、条約の前提に置かれています。  また、我が国を含め百九十三の国と地域が締約国となっている児童の権利条約は、その第三条において、子供に関する措置をとるに当たっては、子供の最善の利益を主として考慮すると定めています。また、第九条三項では、児童が定期的に父母のいずれとも人的な関係及び直接の接触を維持する権利を尊重するとし、両親が離婚したとしても共同養育を実現することが子供の利益であるという考え方に立っています。  しかしながら、一方で、子の最善の利益がイコール常居所地となる国への返還とする本条約に関しては、そもそも子供の利益に反するとの意見もあり、国内において、本条約締結に反対する理由の一つとして主張をされているところであります。  そこで、まず初めに、子供の常居所地国への返還が子供の最善の利益と言えるのか、政府の見解をお伺いいたします。  我が国の本条約締結に対しては、諸外国から早期締結を求められるとともに、子の返還拒否事由に関しては限定的であるべきとの意見も表明されているところです。  本条約は、国境を越えた不法な子の連れ去りまたは留置に関しては、原則、常居所地国への返還を義務づけています。  その一方で、子供を常居所に返還することが必ずしも適当でない場合もあることから、本条約は、返還を拒否できる場合として、五つの規定をしているところでもあります。  これらの返還拒否事由のうち、これまで諸外国における事案で最も適用事案が多いものは、第十三条一項bの、子の返還をすることによって子供が心身に害悪を受け、または他の耐えがたい状況に置かれることとなる重大な危険がある場合となっております。  この事由は抽象的であり、実際の適用に際しては、より制限的に解釈され、例えば、子供ではなく親に対する家庭内暴力をもって返還拒否事由に当たると拡大解釈することに関しては、各国とも、おおむね慎重に対応をしてきているところであります。  我が国は、本条約実施のための国内法において、子を返還することによって子供が心身に害悪を受け、または他の耐えがたい状況に置かれることとなる重大な危険がある場合の判断に当たり、裁判所には、三点の規定を盛り込んでおります。  我が国が国内法にこうした規定を盛り込んだことで、返還拒否が幅広く認められる可能性が生じます。これは、例えば、やむにやまれぬ理由により日本に子供を連れ去った者にとっては、子供を手放さないで済むという点で歓迎されるべきことではありますが、返還拒否の判断をする際の考慮事項に関しては、海外から見ると、条約の趣旨に反するといった批判が生じるおそれもあります。  そこで、この条約の趣旨に反するといった批判に対して、政府の見解をお伺いいたします。  また、裁判所における返還拒否の判断をする際の考慮事項に関しては、これまでの締約国における判例をもとにまとめられたものであり、言いかえれば、我が国の考慮事項は国際基準に沿ったものであると言えます。また、三権分立のもとで、裁判官の広範囲な裁量は尊重されなければなりません。  そこで、政府においては、条約締結に当たり、こうした我が国の対応を、これまで締結を要請した諸国に丁寧に説明すべきです。我が国は、条約の精神を十分に理解し、子の利益を第一に運用していく旨、誤解の余地をあらかじめなくし、もって円滑な条約の実施体制を整えていく必要がありますが、そのために今後どのように対応するのか、具体策をお伺いいたします。  また、本条約は、国際的な子の連れ去り事案を対象とするものであり、国内での連れ去り事案を対象とはしていませんが、子の連れ去りによって生じる問題は、国内での連れ去りであっても同様なものが生じます。子供の最善の利益を確保するという前提に立てば、本条約の理念、枠組みは、国内の離婚においても当然妥当であるという判断になります。  そこで、本条約の批准に際し、日本国内の連れ去り事案にも着目し、子供の最善の利益が確保されるよう、あるべき離婚後の親子法を構築すべきであると考えますが、今後の対応をお伺いいたします。  また、本条約は、条約に定める協力を円滑に遂行する上で中心的な役割を果たす機関として、各締約国に対し、中央当局を指定するように求めています。  我が国の場合、二〇一一年五月二十日の本条約の締結に向けた準備についての閣議了解においては、中央当局を外務省に設置する、子の返還に関する援助の申請に対する中央当局の任務を四項目定め、これらの任務を遂行するために中央当局は必要な事務を行うことなどを決定されました。  そこで、本条約締結国の半数以上は、我が国でいう法務省に中央当局を設置しておりますが、あえて外務省に設置することとした背景と理由をお伺いいたします。  あわせて、外務省が中央当局の業務を遂行していくためには、関係機関の協力はもちろんのこと、外務省自身も、在外公館を含めた組織体制の整備や職員の研修等も必要となりますが、体制整備に要する期間はどのような見通しを持っているのか、お伺いいたします。  さらに、中央当局の規模、構成等についても、その具体像をお示しください。  また、この条約に対する周知徹底が求められております。国民に対する御理解、そしてさらには、とりわけ在外邦人、また、国内の外国人に対する周知徹底はどのようになされるのか、お伺いをいたします。  この条約が発効されて、三十年以上が経過をしてまいりました。この間、日本は慎重な態度をとってこの締結をしてきませんでしたが、しかし、諸外国からはさまざまな要請を受け、時には拉致という言葉を使われてまでその締結をしていないことを非難されてきたのも、一つの事実であります。  この三十年間、こうしたいわゆるハーグ条約に取り組んでこなかったことに対して、国際社会の中において日本のイメージが大きく損なわれてきました。  今、安倍政権におかれましては、価値観外交といったものを進めています。普遍的な価値で、しっかりと世界との連携をしていく、その中において、こうした人権の問題や、自由や民主主義といった問題を高らかに、外交上の金字塔を打ち立てようとしているときに、一方で、この条約を締結しなかったことによって日本の失ったイメージを今後どう回復していくのか。  また、この条約を締結してこなかった、この失われた三十年間の中で、日本がこうした価値観外交を推し進めていこうとしているときに、それが単なる言葉倒れの、単なる表紙だけの外交ではないかという、そうしたそしりに対して、また、拉致とまで非難をされたこの日本の国のイメージをどう解決していくのか、そしてさらには、この締結後も残された連れ去りの事案に対してどのように対応していくのか、今まさに、日本外交の真価が問われています。  この失われた三十年間の中で、これは、政府だけではなくて私たち政治家一人一人が、また国民一人一人が、この失われた三十年間を真摯に受けとめ、さらに、日本が発展をしていく、まさに価値観外交を推し進め、日本の地位を確立していく、そうした態度が必要なのであります。これは、単に政府だけでなくて、我々自身に突きつけられた重要な問題であります。  最後に、そうした日本の失われたイメージをしっかりと取り戻し、そして日本の価値観外交を推進していくためにはどのような体制をとっていくのかお聞きをいたしまして、壇上よりの質問を終わります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣岸田文雄君登壇〕
  33. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 小熊議員にお答えいたします。  子をもともと居住していた国に返還することが子の最善の利益と言えるのかというお尋ねがありました。  条約の前文において、「子の監護に関する事項において子の利益が最も重要であることを深く確信し」とされているとおり、この条約は、子の利益を最重要視しています。  国境を越えた不法な連れ去りによる一番の被害者は、子自身です。  ハーグ条約は、子の監護に関する事項を決定するための手続は、子がもともと居住していた国、すなわち子がなれ親しんできた生活環境がある国において行うことがその子にとって最善であるとの考え方に立って、まずは、子が不法に連れ去られた状況の原状回復を図るものであり、今や、これが国際的なルールとして確立しています。  ただし、いかなる場合であっても子がもともと居住していた国への返還が子の最善の利益になるとは限りません。ハーグ条約においては、返還により子の心身に害悪を受ける重大な危険がある場合など一定の場合には、子の返還を拒否できるものとされています。こうした観点からも、ハーグ条約は、子の利益を最重要視した条約であると言えます。  条約実施法における裁判の返還拒否事由に関するお尋ねがありました。  条約第十三条一項bは、返還することによって子が心身に害悪を受け、または他の耐えがたい状況に置かれることとなる重大な危険がある場合には、子の返還を命ずる義務を負わないと規定しています。  条約実施法においては、条約第十三条第一項bの規定に基づき、返還拒否事由を判断するための考慮事項が条約実施法案第二十八条第二項に規定されています。法案のかかる規定は、裁判規範としての明確化を図り、当事者による予測可能性を確保する観点から、ハーグ条約の各締約国の判例等も参考にしつつ、その典型例を確認的に例示したものです。  したがって、法案のかかる規定は条約の趣旨と合致するものであり、御指摘のような批判は当たらないと考えております。  中央当局を外務省に設置する理由に関するお尋ねがありました。  各国の例も参考にしつつ慎重に検討を行った結果、外国の中央当局との緊密な連携、在外公館を通じた適切な支援等を行う体制を確保する観点から、中央当局を外務大臣として、外務省を実施の窓口とするとともに、法務省を初めとする関係府省庁との間で緊密に連携することにより、政府全体が一丸となって必要な任務を遂行することが適当であるとの総合的な判断に至ったものであります。  中央当局の体制整備に関するお尋ねがありました。  中央当局の業務を始めるに当たっては、政省令及びガイドライン等の制定、広報活動、在外公館の支援体制の強化等の準備作業が必要となりますが、これらの作業には一定の時間を要することが想定されます。  中央当局には、外務省と法務省から人材を適切に配置するほか、専門家としてソーシャルワーカー及び弁護士を中央当局の職員として採用し、全体として、発足当初は十名程度の体制で取り組む考えです。  本条約の締結後の在外邦人や国内外国人への周知徹底についてお尋ねがありました。  本条約を適切に実施していく上で、御指摘のような広報をしっかり行っていくことが非常に重要です。  このような認識のもと、本年一月には、外務省主催でハーグ条約公開シンポジウムを開催したところです。また、既に在外公館においてハーグ条約に関するパンフレットを配布しております。今後は、本省及び在外公館の外務省ホームページを通じた広報や、説明会の開催等を初め、関係省庁、地方公共団体、各種団体等とも協力しつつ、幅広く広報を行い、周知を図っていく所存です。  ハーグ条約の適用対象外となる子の連れ去り事案についての解決策についてお尋ねがありました。  本条約発効前に起きた個別の事案を初めとするハーグ条約の適用対象外となる事案については、それぞれの国内法令に従って友好的な解決が図られるよう、政府として可能な限り支援を行っていきます。  今後とも、例えば、個別の事案について関係国間で情報の交換を行ったり、関係国の協力のもと、面会交流の実現に向けた支援を行うなど、困難な状況に置かれた子の福祉を重視することを基本としつつ、本件問題に引き続き取り組んでいく所存です。  ハーグ条約の非加盟国との間で生じる子の連れ去り事案についての解決策についてお尋ねがありました。  そのような事案については、それぞれの国内法令に従って友好的な解決が図られるよう、政府として可能な限り支援を行っていきます。  今後とも、例えば、個別の事案について両国間で情報交換を行ったり、両国の協力のもと、面会交流の実現に向けた支援を行うなど、困難な状況に置かれた子の福祉を重視することを基本としつつ、本件問題に引き続き取り組んでいく所存です。  最後に、我が国がハーグ条約を締結していないことによる国際的イメージの回復に関するお尋ねがありました。  我が国への子の連れ去りを、アブダクション、拉致と非難する海外の報道があるのは、まことに残念ながら事実であります。  しかしながら、一方の親による子の連れ去りと、北朝鮮当局の関与のもとに我が国の主権及び国民の生命と安全が侵害された拉致問題を同一の文脈で論ずることは、論理の飛躍であるのみならず、国際社会による拉致被害者救済に向けた努力を損なうものであり、不適切であります。  他方、我が国のハーグ条約未締結により、我が国が子の不法な連れ去りをあたかも容認しているがごとく批判され、対外的なイメージが損なわれていることも、また事実です。  我が国としては、本条約を早期に締結し、引き続き、自由、民主主義、基本的人権、法の支配といった基本的な価値に立脚した戦略的な外交を展開してまいります。(拍手)     〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕
  34. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 小熊慎司議員にお答えをいたします前に、先ほど、菊田議員からの、子の返還の強制執行についてのお尋ねに対しまして、子の心身に配慮して、安心な返還を実現するための措置を講じておりますと答弁いたしましたが、安心な返還を、安全な返還に訂正させていただきます。失礼いたしました。  そこで、小熊慎司議員にお答え申し上げます。  まず、本法律案における返還拒否事由の考慮事情と、ハーグ条約の円滑な実施体制の整備についてお尋ねがありました。  この考慮事情が条約の趣旨に反するものでないことは、外務大臣がお答えしたとおりであり、本法律案において考慮事情を明記した趣旨が締約国の関係機関等にも十分理解されるよう、中央当局を中心として広報に努めるとともに、今後の運用を通じて、考慮事情を明記したことは条約の趣旨に反するものでないことが明らかになるものと認識しております。  次に、国内における離婚後の親子法制についてお尋ねがありました。  ハーグ条約は、不法な連れ去りまたは留置があった場合に子を返還するための手続等を定めたものであり、親子法制のあり方は各締約国に委ねられておりますので、離婚後の親子法制のあり方については、ハーグ条約の締結とは別に、慎重に検討する必要があるものと考えております。(拍手)     ―――――――――――――
  35. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 次に、大口善徳君。     〔大口善徳君登壇〕
  36. 大口善徳

    ○大口善徳君 公明党の大口善徳でございます。  私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約、いわゆるハーグ条約、及び、国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約の実施に関する法律案、いわゆる条約実施法案について質問いたします。(拍手)  まず、本条約及びその実施法案の必要性についてお伺いします。  厚生労働省の統計によると、過去十年間の平均で、国際結婚は年間約三万六千五百件、国際離婚も年間約一万七千二百件弱で、国際離婚におきましては、平成四年の七千七百十六件から平成二十三年の一万七千八百三十二件と、この二十年間で約二・三倍と大きく増加しております。このような国際離婚の増加に伴い、子の監護の問題は、国際的にも大きく取り上げられております。  本条約の締約国は八十九カ国に及び、G8では日本だけが未締結となっており、欧米を初めとする条約締約国が、我が国に対し、日本への子の連れ去りがあった場合、子の監護権の侵害問題の解決が困難になっているとして、我が国に早期の締結を求めています。  そして、締約国の裁判所において、離婚した日本人親が子を連れて我が国に一時帰国することが、本条約の未締結を理由に許可されない事態が生じているほか、我が国においても、外国人親が日本から条約締約国に子を連れ去っても、日本人親は何らの手段も与えられない現状です。  しかし、日本の場合、外国人親の児童虐待やドメスティック・バイオレンス、いわゆるDVから子やみずからを守るために子とともに帰国する事例が多数あり、子がもとの居住国に戻されることにより、邦人の保護や子の利益に対する懸念があり、ハーグ条約を締結することに慎重な意見もあります。  このような懸念が指摘されているハーグ条約を締約する必要性、それが子の最善の利益を確保することにつながるのか、締約しなかった場合の問題点はどのようなものであるのか、外務大臣にお伺いいたします。  次に、中央当局についてお伺いいたします。  実施法案では、我が国の中央当局を外務大臣としております。中央当局は、条約締約国の中央当局との連絡調整のほか、日本国内においても、本国に連れ去られた子の所在の特定や、連れ去ってしまった親からの任意の返還のための協議のあっせん等、重要な業務を課されております。日本に連れ去られた子は北海道から沖縄まで全国各地に散在する可能性があり、中央当局に課せられたこれらの重要な業務を実施するに当たり、外務省はどのような組織、人員で対応していく予定なのか、外務大臣の見解をお伺いします。  また、本条約に基づく返還の対象となる子は十六歳未満であり、子の福祉に十分配慮した対応が求められ、子の福祉に精通した専門家の配置が必要と思われますほか、DVや児童虐待などの支援業務に携わっている人材の配置も不可欠と思われます。中央当局の体制整備に当たっては、そうした専門家の方々の配置も予定されているのか、あわせて、外務大臣にお伺いいたします。  次に、中央当局からの子の所在等に関する情報の提供の求め等についてお伺いします。  DV被害者が、加害者から子やみずからを守るために民間シェルターに身を寄せることがあり、民間シェルターは、DV被害者を一時的に受け入れ、その自立を支援しています。そこでは、加害者からの追及をかわすために、保護した被害者はもちろんのこと、団体そのものの情報についても厳重に秘匿されております。  実施法案では、中央当局である外務大臣は、子の返還援助申請がなされた場合、申請に係る子やその子と同居している者の氏名、住所等を特定するため、国や地方の行政機関等のほか、政令で定める者に対し、氏名、住所等に関する情報の提供を求めることができるとされていますが、もし、情報の秘匿が前提となっている民間シェルターに情報提供を求めることになりますと、DV被害者との信頼関係を大きく損なわせるおそれも出てきます。  したがって、中央当局が民間シェルターに情報提供を求める必要が生じた場合であっても、配偶者暴力相談支援センターや民間シェルターのネットワーク団体を通じて間接的に情報提供を求めるなど、できる限り、直接民間シェルターに情報提供を求めることがないように特段の配慮をする必要があると思いますが、外務大臣の見解をお伺いします。  さらに、子らの所在等の情報収集に関しては、内閣府男女共同参画局及び民間シェルターのネットワーク団体の代表も交え、情報収集のためのガイドラインを作成することも必要と考えますが、外務大臣の御所見をお伺いいたします。  また、裁判手続が開始されても、裁判所は、中央当局から得た日本にいる親子の住所等の情報を開示せず、裁判記録に含まれるその他の情報についても、子の利益や当事者等の私生活の平穏を害するおそれがある場合は開示しないこととし、さらに、裁判所における記録の閲覧等の手続の運用面においても、子を連れ帰った親がDV被害を受けたと疑われる事案については、国内DV事案の記録の取り扱いと同様に、親子の所在の記録が外部に漏れないように配慮すべきと考えますが、法務大臣の御所見をお伺いします。  次に、子の返還申し立て事件の裁判管轄についてお伺いいたします。  実施法案では、子の返還申し立て事件の裁判管轄を東京家庭裁判所及び大阪家庭裁判所の二庁のみに限定しております。この裁判管轄は、子の住所地等により決定されることになり、子が北海道にいる場合は東京家裁に、沖縄にいる場合は大阪家裁に裁判管轄があるとされ、子を含め関係者が裁判所に出廷する際は、経済的、時間的に負担を強いることになると思われます。  管轄裁判所を東京家裁及び大阪家裁の二庁に限定した理由と、当事者の負担を軽減する方策について、法務大臣の見解をお伺いします。  次に、子の返還拒否事由についてお伺いします。  子の返還拒否事由の一つである実施法第二十八条一項四号には、「常居所地国に子を返還することによって、子の心身に害悪を及ぼすことその他子を耐え難い状況に置くこととなる重大な危険があること」とありますが、連れ去った日本人親がもとの居住国に入国できない、逮捕、刑事訴追のおそれがある、もとの居住国への帰国後の生計維持が困難等の事情がある場合、また、連れ去った日本人親が、過去のDVのために、もとの居住国に戻るとPTSDの精神症状が出て、子が耐えがたい状況に置かれると認められる場合などは、同第二十八条二項の重要な考慮要素として、返還拒否事由に該当することになるのか、法務大臣にお伺いします。  さらに、子の返還手続の裁判において、日本に帰った親が、DV被害等の有無を立証するため、中央当局を通じて、在外公館におけるDV相談内容の記録、外国の病院の診断書、外国の警察の相談記録等を入手できるようにし、また、家庭裁判所による職権調査等が積極的になされるべきと考えますが、外務大臣、法務大臣の見解をお伺いします。  次に、在外公館における体制整備についてお伺いします。  在外公館においては、DVや虐待を受けた邦人や子の相談に適切に対応していくこと、DV等の相談内容を記録保存しておくことが非常に重要であり、現地の支援団体とも連携するなどして、在外邦人の支援体制を構築しておくべきであると考えます。  また、子をもとの居住地に返還することになれば、その国の裁判所で監護権に関する裁判が行われることになりますが、現地の弁護士をあっせんしたり、支援制度や支援機関を紹介するなどの援助も必要になってくると考えます。  また、邦人保護の観点から、DV被害等のため緊急に帰国する必要があると認められる邦人に対しては、パスポートの発給などの帰国支援を行うべきであると考えます。  このように、ハーグ条約締結に向けた準備の中でも、在外公館の支援体制の構築は大変重要だと考えますが、外務大臣の御所見をお答えください。  次に、家庭裁判所の審理における援助についてお伺いします。  DV等を原因として、やむを得ず日本へ子を連れ帰ってきたような場合には、外国人親から家庭裁判所に子の返還申し立てがなされた場合、子を連れ帰った日本人親が家庭裁判所の審理に臨むに当たり、弁護士を依頼する費用や外国の書面を翻訳する費用が工面できないこともあろうかと思います。  我が国では、法テラスによる民事法律扶助制度により、弁護士費用等の一時立てかえが可能ですが、ハーグ条約案件の特殊性による翻訳費用の高額化について、現行の上限を撤廃し、適切な対応をすべきと考えますが、法務大臣の具体的な対策をお伺いいたします。  次に、子の返還の代替執行についてお伺いします。  実施法案において、子の返還を命ずる決定の具体的な執行方法として、間接強制を前置していますが、実際に子が返還されない場合には、代替執行を行わざるを得ません。  実施法案においては、「執行官は、」「子に対して威力を用いることはできない。子以外の者に対して威力を用いることが子の心身に有害な影響を及ぼすおそれがある場合においては、当該子以外の者についても、同様とする」と規定されております。  しかしながら、実際において、親から子を引き離すことになりますので、子が大変大きな精神的ショックを受けるおそれがあると思われます。代替執行を行う際には、慎重の上にも慎重な対応が不可欠と思いますが、代替執行を行う際の子に対する配慮をどう講じるのか、ガイドラインの作成も含め検討すべきと考えますが、法務大臣の御所見をお伺いします。  次に、面会交流における連れ去りの防止についてお伺いします。  日本にいる子に対する面会交流申請がなされた場合、面会申請を行った親が、面会の際に、子を日本国外へ連れ去ってしまうおそれが全くないとは言えません。子の返還申し立て事件については、家庭裁判所に事件が係属している間は、家庭裁判所による出国禁止命令により、子の連れ去りを防ぐ対策が講じられております。面会交流の際にも、子の連れ去りを防ぐ何らかの対策が必要であると考えますが、外務大臣の見解をお伺いいたします。  次に、ハーグ条約の適用関係についてお伺いします。  ハーグ条約は、「この条約が当該締約国について効力を生じた後に行われた不法な連れ去り又は留置についてのみ適用する」としておりますので、効力発生前に生じた不法な連れ去りや留置は対象とならず、実施法案にもその旨が明記されています。  そこで、条約適用の有無を判断するため、特に不法な留置の起算点が問題となりますが、これにつき、法務大臣の見解をお示ししていただきたいと思います。  次に、運用実態の把握についてお伺いいたします。  ハーグ条約を締結した際には、何よりも子の権利利益の保護が第一に考えられるべきもので、中央当局は、子の権利利益の保護が図られているかを監視しておく必要があります。また、実施法案施行後、定期的に運用実態を調査、検証し、その内容を公表し、国会に報告することが必要だと考えますが、外務大臣の御所見をお伺いします。  最後に、条約の受諾書の寄託の時期についてお伺いします。  ハーグ条約は、受諾書等の寄託後の三カ月目の月の初日に効力が生じることとされております。条約締結に対しては、早期締結を求める意見もありますが、関係者に対する制度の周知を十分に行うとともに、中央当局及び在外公館における体制整備には万全を期しておくべきと考えます。  今国会において条約が承認された場合、体制整備を整える準備期間をどれくらい確保して受諾書を寄託されるのか、外務大臣にお伺いいたします。  以上で質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣岸田文雄君登壇〕
  37. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 大口議員からは、私に九問御質問いただきました。  まず、ハーグ条約の締結の必要性についてお尋ねがありました。  我が国のハーグ条約締結の意義は、国際的なルールに基づく子の不法な連れ去り問題の解決、さらなる子の連れ去り事案の未然防止、国境を越えて所在する親子の面会交流の機会の確保といった点にあると考えております。  国境を越えた不法な子の連れ去りが子に悪影響を及ぼし得るとの認識のもと、本条約は、子の利益を最重要に考えて問題の解決を図るものであり、本条約の締結は、子の最善の利益の確保につながるものと考えます。  本条約を締結しない状態が継続することは、我が国国民にとっての大きな不利益であるとともに、国際社会における我が国の姿勢も問われかねません。我が国国民も当事者となっている子の不法な連れ去り問題に待ったなしで取り組むために、条約の早期締結が極めて重要と考えております。  中央当局の組織や人員に関するお尋ねがありました。  中央当局は、外務省及び法務省から人材を適切に配置するほか、専門家としてソーシャルワーカー及び弁護士を中央当局の職員として採用し、全体として、発足当初は十名程度の体制で取り組む考えです。  また、DVや児童虐待などの支援業務にかかわる人材を対象として、公募を行うことも検討しております。  中央当局が民間シェルターに子の所在に係る情報の提供を求める際の配慮の必要性についてお尋ねがありました。  DV被害者を受け入れている個別の民間シェルターに対し、中央当局が直接、子の所在に係る情報提供を求めることについては、極めて強い懸念があると理解しております。また、DV加害者に被害者の所在を知られることのないよう、情報管理に十分配慮する必要があります。  これらを踏まえ、子の所在に係る情報については、まずは各都道府県に配置されている配偶者暴力相談支援センターに対して提供を求め、同センターを通じて得られない場合には、民間シェルターに提供を求めることを検討します。  さらに、民間シェルターに対し情報提供を求めることが必要になった場合でも、民間シェルターのネットワーク団体から必要な協力が得られることを前提として、直接民間シェルターに対してではなく、当該ネットワーク団体を通じて、かかる情報提供を求めることを検討します。  このような協力が得られるよう当該ネットワーク団体に働きかけるとともに、実際の運用に関し、関係省庁、機関等と協議を進めていく考えです。  子の所在に係る情報収集のためのガイドラインの作成についてお尋ねがありました。  中央当局がどのように子の所在に係る情報提供の求めを行うかについて、条約実施法案第五条第一項に基づき、求める情報及びその手続を法令で定めることとしています。  さらに、実際の運用方法については、必要に応じ関係各府省庁と協議し、ガイドラインを作成し、その運用が適切に行われるように準備をしてまいります。その際には、御指摘の内閣府及び民間シェルターのネットワーク団体も含め、各種支援団体とも連携していきたいと考えております。  次に、子の返還手続の裁判におけるドメスティック・バイオレンス被害の立証に関する資料の入手についてお尋ねがありました。  条約上、望ましい場合には、中央当局間で子の社会的背景に関する情報を交換することが規定されています。これを踏まえ、条約実施法案においては、裁判所が、子の返還に関する審理を行うに当たり、例えば、子がもともと居住していた国におけるDVの実態について調査することが必要と判断すれば、中央当局である外務大臣に、当該国におけるDVの実態について調査を嘱託することが可能となっています。  また、在外公館は、海外に在留する日本人のDV被害者から相談を受けた場合、その相談内容を記録、保管します。この記録は、希望があれば相談された御本人に提供可能であり、また、求めがあれば裁判所にも提出可能です。  ハーグ条約の締結に向けて、在外公館の支援体制構築の重要性についてお尋ねがありました。  国境を越えた不法な子の連れ去りを行う在留邦人は、家庭内暴力や夫婦間問題等に関し、現地で適当な相談機関、救済措置がないことを訴える例が多いため、ハーグ条約締結に向け、邦人からの家族問題に関する相談について適切に対応できるようにすることが重要です。  在外公館では、これら相談に対して、任国の保護・救済制度を説明し、弁護士や福祉専門家、シェルターの紹介を行うなど、解決に向けた支援を行っていきます。また、家族問題について相談を受けた際には、相談記録を作成し、相談者本人が希望する場合には当該相談記録を提供します。  さらに、DV被害等のケースにおいて、現地の官憲の保護やシェルターが有効に機能せず、邦人の生命や身体に差し迫った危険が及ぶといった状況下においては、邦人保護の観点から、その緊急性に鑑み渡航文書を発給する必要があると認められる場合には、帰国のための渡航書を発給することが適当であると考えています。  なお、外務省は、ハーグ条約締約国に所在する我が方在外公館の領事担当者を対象として、ハーグ条約に関する研修を累次にわたって実施してきています。ハーグ条約を締結すれば、これらの支援措置が一層重要なものとなってきますので、さらなる支援体制の強化に努めてまいります。  次に、面会交流における連れ去り防止のための対策に関するお尋ねがありました。  中央当局は、安全な面会交流実現のため、仲介を行う機関を紹介し、第三者の入った形で安全な面会交流が実現するよう支援をいたします。  特に、面会交流の際、子の連れ去りが強く懸念される場合には、そのような状況を踏まえ、適切な形で面会交流が実現するよう、関係機関と協力の上、可能な限り当事者の懸念の払拭に努めます。  また、面会交流の実現の方法等につき、当事者の意思に沿った形での実現を最重視し、懸念に十分に配慮するよう慎重に対応していきます。  条約実施法案施行後の運用実態の調査、検証及びその内容の国会への報告についてお尋ねがありました。  政府として、条約実施法施行後も、連れ去り事案の実態を調査、検証していく所存であります。また、国会における審議の結果として、実態の調査、検証について国会へ報告が求められる場合には、政府としてこれを誠実に実施していく所存です。  最後に、条約の受諾書の寄託時期に関するお尋ねがありました。  御指摘のとおり、関係者に対する制度の周知を十分に行うとともに、中央当局及び在外公館における体制整備等には万全を期す必要があると考えます。同時に、子の利益を保護するという見地から、同条約の早期締結を実現することが重要です。  今後の具体的な作業としては、外務省においては政令の制定及びガイドライン等の作成、最高裁においては最高裁判所規則の制定等、条約の実施に係る運用の細則を新たに定めることが必要となります。ハーグ条約の受諾書の寄託の時期については、これらの作業の進捗状況を踏まえつつ確定させることを想定しております。(拍手)     〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕
  38. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 大口善徳議員にお答え申し上げます。  まず、親子の所在地等の情報が含まれる裁判記録の取り扱いについてお尋ねがありました。  本法律案は、家庭内暴力の被害を受けた者の住所等の情報については裁判記録の閲覧を制限することとしており、裁判記録から加害者である親に被害者である親子の所在地等の情報が漏れることがないよう、特段の配慮をしております。  次に、子の返還申し立て事件の管轄裁判所の集中及び当事者の負担軽減策についてお尋ねがありました。  子の返還申し立て事件を適切かつ迅速に処理するためには、事件処理に携わる裁判所等が、事例の集積を通じ、専門的知見やノウハウを獲得、蓄積する必要があります。  そのため、予想される事件数なども考慮して、管轄裁判所を東京家庭裁判所と大阪家庭裁判所の二庁に集中させることとしておりますが、同時に、電話会議システムの利用を可能とすること等によって、遠隔地に住む当事者の出頭の負担を軽減することができるよう配慮しております。  次に、子の返還拒否事由についてお尋ねがありました。  本法律案は、常居所地国に子を返還することによって、子の心身に害悪を及ぼすこと、そのほか、子を耐えがたい状況に置くこととなる重大な危険があることを子の返還拒否事由の一つとするとともに、その有無を判断するに当たっての重要な考慮事情を法文上明記しております。  子を連れ去った日本人親が常居所地国に入国できないことなど、御指摘の事情は、いずれもこの重要な考慮事情に当たり得るものと考えられますので、具体的事案において、これらの事情を総合勘案した結果、子を耐えがたい状況に置くこととなる重大な危険があると判断された場合には、裁判所は子の返還を拒否することになると考えております。  次に、家庭内暴力の被害等に関する裁判資料の収集についてお尋ねがありました。  子の返還の裁判手続においては、必要に応じて家庭裁判所が職権で裁判資料を収集することが想定されておりますので、国外において家庭内暴力の被害を受けた事実につきましても、中央当局を通じて、在外公館等に存在する資料の収集が適切に行われるものと考えております。  次に、民事法律扶助制度による翻訳費用の立てかえについてお尋ねがありました。  ハーグ条約案件の特殊性を考慮すれば、現在定められている立てかえ上限額の範囲内で対応することは困難であるとの御指摘もあるところでありますので、この点については、法律的な文書を相当量翻訳する必要があるなどのハーグ条約案件の特殊性をも踏まえて、関係機関との間の協議を進めてまいります。  次に、子の返還の代替執行を行う際の子に対する配慮についてお尋ねがありました。  本法律案は、代替執行の手続において、家庭裁判所が子の利益に照らして返還を実施するのに相当である者を指定し、執行官に子に対する威力の行使を禁止し、中央当局が立ち会い等の必要な協力をすることができることとするなど、子の利益のために細やかな配慮をしております。  また、裁判所においても子の利益に配慮した運用がされるよう、必要な検討が進められているものと承知しております。  最後に、不法な留置の起算点についてお尋ねがありました。  不法な留置とは、子が常居所地国に戻ることが妨げられており、これにより監護の権利が侵害されている状態を意味するものです。  例えば、一方の親が一定期間経過後に子を帰国させることを条件に子を連れて出国しながら、そのまま子を帰国させない場合には、その一定期間が経過した時点で、不法な留置が開始することになります。(拍手)     ―――――――――――――
  39. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 最後の質疑者、三谷英弘君。     〔三谷英弘君登壇〕
  40. 三谷英弘

    ○三谷英弘君 みんなの党の三谷英弘です。  国際的な子の奪取の民事上の側面に関する条約、いわゆるハーグ条約の締結について承認を求めるの件等について、みんなの党を代表して質問いたします。(拍手)  子供の連れ去り案件というのは、国内、国外を問わず数多く発生していることは周知の事実です。  私自身も、弁護士として仕事をする中で、突然子供を連れ去られてしまい、本当につらい思いをしている方にお会いしたことがあります。また、一方的に連れ去られ、もう永遠に会えない、このつらさから、自分で命を絶つ決断をされる方すらいるという話を伺ったこともあります。自分の子供に会えなくなる状況というのは、私も二人の娘を育てる立場ですから、想像するに余りあります。  一九八〇年にハーグ条約が成立し、既に世界で八十九カ国が締結済み。世界の主要国であるG8諸国の中でも、未締結の国は日本だけ。子供の連れ去り問題の取り組みにおいては、非常に世界から取り残された状況です。この状況を改善する上で、日本がハーグ条約を締結することは、非常に大きな一歩です。  しかしながら、その一方で、やむにやまれぬ事情から、子供を連れて日本に戻ってくるという決断を迫られた方も少なくありません。子供のためを思えばこそ、そのような決断をした方々の思いを理解することも、また重要です。  この問題は、その両者の思いをしっかりと受けとめていくことが大切ですが、子供の奪い合いという不幸な結果を避けるためにも、いかに処遇することが子の福祉に最も合致するのかという観点、これをしっかりと持つことが最も重要であると考えます。  ハーグ条約の前文にも、「子の監護に関する事項において子の利益が最も重要である」と明記されているところではありますが、ハーグ条約においては、子の福祉という観点が中心に据えられているのかについて、まず伺いたいと思います。  また、ハーグ条約を締結したとしても、それで全て問題が解決するわけではありません。  まず、近時、国際結婚の数が増加するにつれ、アジア諸国との間で国際的な子供連れ去り事案の件数は増加しています。しかしながら、アジア諸国の中でハーグ条約を締結しているのは、わずか四カ国。ハーグ条約未締結国との間で子供の連れ去り事案が起きることも数多く想定されます。その場合に備えて、政府として何らかの対応策を講じていらっしゃるのでしょうか。  また、日本において共同親権が認められていないことから生じる問題もあります。  例えば、アメリカでは共同親権が認められているため、アメリカから無断で子供を連れ去ってきたときには、アメリカの共同親権者から容易に子供の連れ戻しというものを求められてしまいます。これに対して、今の日本の制度では、離婚後に無断でアメリカに子供が連れ去られてしまったときは、日本に残された親は、何の権利もなく、子供を取り戻せない、そして会えないという結果になりかねません。  このような片務的な結果を認めていくのか否か、これはまさしく共同親権を認めるか否かにかかわってくる問題ですが、この問題についての見解を伺います。  他方で、子の福祉という観点からは、ただ単に子を戻せばよいということではありません。ハーグ条約第十三条において返還拒否事由が規定されていますが、具体的に、どのような場合に返さなくてもよいのか、しっかりと定めていくことが重要です。  この点、いわゆるDVの被害が子に生じている場合に返還拒否するのは当然のこと、配偶者に被害が生じている場合でも、そのような家庭内で子供を育てることは、それだけで児童虐待とも言い得る状況なのであって、そのような家庭に子供を戻すべきか否か、これを考えなければなりません。  配偶者にDV被害が生じる場合に子の返還拒否をすることを認めるか、見解を伺います。  また、この問題を考える際に、現在の家庭裁判所の実務のあり方を見直す必要もあります。  日本の家庭裁判所では、残念ながら、事実認定に難がある場合も少なくなく、母方の言い分を無批判に採用する傾向にあることも否定できません。DV冤罪の可能性を含め、家庭裁判所の事実認定の精度を上げていかなければ、安心して裁判所に判断を委ねることはできません。家庭裁判所の事実認定の精度を上げるため、その取り組みについて見解を伺います。  さらに、国内においては、子供の連れ去り問題に対処するため民法第七百六十六条が改正されましたが、その運用においては法改正の趣旨が徹底されておりません。  家庭裁判所の実務を前提にすれば、まず子供を連れ去れ、もう一方の親から引き離せと指導し、金もうけをする弁護士がいると言われます。  というのも、今の家庭裁判所では、既成事実を追認し、子供を連れ去った親に親権、監護権を与える傾向が強くあるからにほかなりません。これが、子供を連れ去った方が勝ちというような、拉致司法と国内外で批判される実態です。民法七百六十六条が改正された今でもこのような対処法がまかり通っているのは、まさに家庭裁判所の実務上の対応が間に合っていないことの証左です。  今のままハーグ条約を締結しても、子供の連れ去り案件への対応という意味では、国内外でダブルスタンダードとなってしまいます。今まで泣き寝入りをしていた親を救うためにも、ハーグ条約の締結を機に、家庭裁判所を改革し、事実の認定を柔軟にし、家庭裁判所裁判官等に対して、改めて、国内の民法第七百六十六条、この立法趣旨の徹底を図るべきと考えますが、この点の見解を伺います。  みんなの党は、子の福祉の確保という観点から、この問題について、引き続き全力で取り組んでまいります。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣岸田文雄君登壇〕
  41. 岸田文雄

    ○国務大臣(岸田文雄君) 三谷議員にお答えいたします。  ハーグ条約と子の福祉についてお尋ねがありました。  御指摘のとおり、ハーグ条約は、子の利益を最重要視するという基本理念を前文に掲げ、子の福祉という観点を中心に据えた条約です。  国境を越えた不法な連れ去りによる一番の被害者は、子自身です。  ハーグ条約は、子の監護に関する事項を決定するための手続は、子がもともと居住していた国、すなわち子がなれ親しんできた生活環境がある国で行うことがその子にとって最善であるとの考え方に立って、まずは、子が不法に連れ去られた状況の原状回復を図るものであり、今や、これが国際的なルールとして確立しています。  また、ハーグ条約においては、返還により子の心身に害悪を受ける重大な危険がある場合などの一定の場合には、子の返還を拒否できるものとされています。こうした観点からも、ハーグ条約は、子の利益を最重要視した条約であると言えます。  次に、アジア諸国のハーグ条約未締結国との間での子の連れ去り事案への対応についてお尋ねがありました。  我が国としては、子の連れ去り等をめぐる問題が生ずる可能性が潜在的に高いとも考えられるアジアの国々を初めとして、ハーグ条約未締結の国々との間で、今後、本条約締結の重要性について協議を行っていきたいと考えております。  また、ハーグ条約未締結国との間で生ずる個別の事案については、それぞれの国内法令に従って友好的な解決が図られるよう、政府として可能な限り支援を行っていきます。  今後とも、例えば、個別の事案について両国間で情報の交換を行ったり、両国の協力のもと、面会交流の実現に向けた支援を行うなど、困難な状況に置かれた子の福祉を重視することを基本としつつ、本件問題に引き続き取り組んでいく所存です。(拍手)     〔国務大臣谷垣禎一君登壇〕
  42. 谷垣禎一

    ○国務大臣(谷垣禎一君) 三谷英弘議員にお答え申し上げます。  まず、離婚後の共同親権制度の導入についてお尋ねがありました。  離婚後の共同親権制度の導入につきましては、賛否の意見が分かれているところであり、実際にも、離婚に至った夫婦間では意思疎通がうまく図れず、子の養育監護に必要な合意が得られないなど、かえって子の利益の観点から望ましくない事態が生ずるおそれもあることから、慎重に検討する必要があると考えております。  次に、配偶者に家庭内暴力の被害が生じる場合の子の返還拒否についてお尋ねがありました。  ハーグ条約及び本法律案においては、子の利益の観点から返還拒否事由が定められていますが、配偶者が家庭内暴力の被害に遭ったことをもって直ちに子の返還拒否事由に該当するものとはされておりません。  しかし、具体的事案において、配偶者に対する家庭内暴力によって子の心身に悪影響を及ぼし、子を耐えがたい状況に置くこととなる重大な危険があると認められる場合には、裁判所は子の返還を拒否することになります。  次に、家庭裁判所の事実認定についてお尋ねがありました。  家庭裁判所の手続においては、当事者の手続保障の観点から、当事者双方に十分な主張や裁判資料の提出の機会を与えるとともに、必要に応じて裁判所が職権で裁判資料を収集することとされており、家庭裁判所は、一般論としては、これらの主張や裁判資料に基づいて、適切に事実認定を行っているものと承知しております。  最後に、民法第七百六十六条の改正の趣旨の周知についてお尋ねがありました。  民法第七百六十六条は、離婚の際に親子の面会交流や養育費の分担について取り決めることが子の利益の観点から重要であることに鑑み、改正がされたものであり、引き続き、その趣旨を広く一般に周知徹底してまいります。(拍手)
  43. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 以上で質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――
  44. 伊吹文明

    ○議長(伊吹文明君) 本日は、これにて散会いたします。     午後二時四十九分散会      ――――◇―――――  出席国務大臣        法務大臣    谷垣 禎一君        外務大臣    岸田 文雄君        厚生労働大臣  田村 憲久君        経済産業大臣  茂木 敏充君        環境大臣    石原 伸晃君        国務大臣    根本  匠君  出席副大臣        法務副大臣   後藤 茂之君        外務副大臣   鈴木 俊一君