運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

2012-05-11 第180回国会 衆議院 本会議 20号 公式Web版

  1. 平成二十四年五月十一日(金曜日)     ―――――――――――――   平成二十四年五月十一日     午後一時 本会議     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案内閣提出)及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明及び質疑     午後一時二分開議
  2. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案(内閣提出)及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣提出)の趣旨説明
  3. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) この際、内閣提出、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案について、順次趣旨の説明を求めます。財務大臣安住淳君。     〔国務大臣安住淳君登壇〕
  4. 安住淳

    ○国務大臣(安住淳君) よろしくお願いいたします。  ただいま議題となりました社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案の趣旨を御説明申し上げます。  本法律案は、世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度を構築することにより支え合う社会を回復することが我が国が直面する重要な課題であることに鑑み、社会保障制度の改革とともに不断に行政改革を推進することに一段と注力しつつ経済状況を好転させることを条件として行う税制の抜本的な改革の一環として、消費税法、所得税法、相続税法等について所要の改正を行うほか、その他の税制の抜本的な改革及び関連する諸施策に関する措置について定めるものであります。  以下、その大要を申し上げます。  第一に、消費税につきましては、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成を目指す観点から、その使途を明確にするため、原則として、その税収を制度として確立された年金、医療及び介護の社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費に充てることを規定した上で、現行四%の消費税率を、平成二十六年四月一日から六・三%に、平成二十七年十月一日から七・八%に引き上げることとするほか、事業者免税点制度等について所要の見直しを行うこととしております。  第二に、所得税につきましては、所得再分配機能の回復等を図る観点から、課税所得のうち五千万円を超える部分に対して四五%の税率を新たに設け、平成二十七年分から適用することとしております。  第三に、資産課税につきましては、資産再分配機能を回復する観点から相続税の基礎控除の引き下げ及び最高税率の引き上げ等の見直しを行うとともに、資産の現役世代への早期移転を促進する観点から、贈与税の税率構造の緩和及び相続時精算課税制度の拡充を行い、平成二十七年以後の相続または贈与について適用することとしております。  第四に、その他の税制の抜本的な改革及び関連する諸施策について、政府は、本年二月十七日に閣議決定した社会保障・税一体改革大綱に示された基本的方向性に沿って具体化に向けて検討し、それぞれの結果に基づき速やかに必要な措置を講じなければならないことを規定することとしております。  このほか、附則において、消費税法等の改正に伴う経過措置を規定するとともに、消費税率の引き上げに当たり、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて必要な措置を講ずる旨の規定のほか、消費税率の引き上げ前に、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる旨の規定を設けることとしております。  以上、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)     ―――――――――――――
  5. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) 総務大臣川端達夫君。     〔国務大臣川端達夫君登壇〕
  6. 川端達夫

    国務大臣川端達夫君) 社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。  世代間及び世代内の公平性が確保された社会保障制度を構築することにより支え合う社会を回復することが我が国が直面する重要な課題であることに鑑み、社会保障制度の改革とともに不断に行政改革を推進することに一段と注力しつつ経済状況を好転させることを条件として行う税制の抜本的な改革の一環として、地方における社会保障の安定財源の確保及び地方財政の健全化を同時に達成することを目指す観点から、地方消費税の税率の引き上げ及び引き上げ分の地方消費税についての使途の明確化を行うとともに、消費税に係る地方交付税の率を変更する等の必要があります。  次に、法律案の内容について、その概要を御説明申し上げます。  第一は、地方税法の改正に関する事項であります。  地方消費税の税率を、平成二十六年四月一日から消費税額の六十三分の十七に、平成二十七年十月一日から消費税額の七十八分の二十二に引き上げることとしております。これは、消費税率に換算した場合、それぞれ、一・七%、二・二%に相当いたします。  次に、地方消費税のうち引き上げ分に相当する額に係る市町村交付金については、各市町村人口で案分して交付することとしております。  また、道府県は地方消費税のうち引き上げ分に相当する額から市町村に交付した額を控除した額を、市町村は当該引き上げ分に相当する額として道府県から交付を受けた額を、それぞれ、制度として確立された年金医療及び介護社会保障給付並びに少子化に対処するための施策に要する経費その他社会保障施策に要する経費に充てることとしております。  第二に、地方交付税法の改正に関する事項であります。  消費税収入額に対する地方交付税の率を、平成二十六年度は二二・三%に、平成二十七年度は二〇・八%に、平成二十八年度以降は一九・五%に変更することとしております。これは、消費税率に換算した場合、それぞれ、一・四%、一・四七%、一・五二%に相当いたします。  このほか、附則において、地方税法等の改正に伴う経過措置を規定するとともに、地方消費税率の引き上げに当たり、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて必要な措置を講ずる旨の規定のほか、地方消費税率の引き上げ前に、種々の経済指標を確認し、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行停止を含め所要の措置を講ずる旨の規定を設けることとしております。  以上が、社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)      ――――◇―――――  社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法等の一部を改正する等の法律案内閣提出)及び社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための地方税法及び地方交付税法の一部を改正する法律案内閣提出)の趣旨説明に対する質疑
  7. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。古本伸一郎君。     〔古本伸一郎君登壇〕
  8. 古本伸一郎

    ○古本伸一郎君 古本伸一郎でございます。  民主党・無所属クラブを代表し、ただいま議題となりました二法案につきまして、内閣総理大臣に御質問申し上げます。(拍手)  社会保障と税の一体改革を説明するために、現在、私ども民主党としても全国を回っております。消費税の話をする前に、無駄を削ればお金は出るとしたマニフェストの反省が先ではないかとの厳しい御指摘もいただきます。また、選挙で約束していないのではないかとの御意見もいただきます。正しくは、引き上げ幅や使途を明らかにした上で国民に信を問う、このように、二〇〇九民主党政策集に記しました。  政府・与党として、大変な議論の末、ここに、率と、そして使い道をお示ししてございます。どうか、国会での真摯な議論をよろしくお願い申し上げる次第でございます。  一体改革の必要性は、きちんと話せば多くの方々が理解してくださいます。けれども、増税には納得できないとも言われます。議員定数の削減がいい例ではないでしょうか。国民は、定数を削減すれば増税してもいいとは決しておっしゃっておられません。定数削減さえできない人々に増税を語られたくない、このように思っておられます。だからこそ、野党の皆さんも含め、もちろん私ども与党も含め、行革や政治改革から逃げてはならないと思います。  総理、国民の声に耳を澄ませば、税収が減ったとの説明もございますけれども、予算を組み替えれば財源は出るとした当初の理想と、各省の要望を熱心に支える議員の熱い思いの間で、三度の予算編成を通じ、大変御苦労されたのではないでしょうか。社会保障費の不足を借金で穴埋めする予算フレームの自転車操業をもう続けるべきではない、そのように思っておられるのではないでしょうか。  無駄遣いの正体とは、議場にいらっしゃる皆様、一体何だと思われるでしょうか。国民から預かった税収の半分が借金の返済に消えることこそ、国家の無駄遣いであります。大きく削るためには借金を抑制するしかないことに、政治はもうそろそろ気づいた方がいいのではないでしょうか。総理の御所見を求めます。  こうした予算は、民主党政権になってから始まった話ではありません。ずっと昔から繰り返されてまいりました。当時の与党は、まずは行革と言って逃げ、野党だった我々も、増税反対という、人気が出る、それにあぐらをかいてきました。国民受けすることにあぐらをお互いかいてきたのです。  民主党は、消費税の話を国民的な話題に今しようとしております。国民の皆様にもさまざまな御意見があると思います。それでも、過去の政治が問いかけることさえできなかったことに挑戦しているのです。政権交代の成果ではないかと思います。総理の御所見を伺います。  自公政権時に、年金の国庫負担二分の一に引き上げました。自公の皆様が年金国庫負担二分の一に引き上げました。老齢基礎年金月額六万五千円の半分を税で補うに当たり、恒久財源を確保するともされました。ところが、埋蔵金へ逃げ、今年度も約二・八兆円、いまだ恒久財源は見つからず、消費税一%分が、新たに借金を重ねることで、何とかお年寄りの皆様に年金を支払うことができています。この事実を国民に語りかけてきたでしょうか。  また、物価が下がれば年金支給額も下がる物価スライドを自公政権で三年停止し、そのまま一度も反映せず、本来の給付水準より払い過ぎてまいりました。デフレが続き、現役は就職できず、給料も下がっているのに、十二年間で七兆円がシニアの皆様に原資移転しました。しかも、将来世代がこの返済に当たらなければなりません。嫌な話でも逃げずにお願いしてこそ、政治ではないでしょうか。  ことし生まれた赤ちゃんが社会の中心となる二〇五〇年、お年寄り一人を現役一人で支える時代になります。このまま手を打たなければ、毎月の給料の多くが社会保険料に費やされる大変な時代となってしまいます。無理な給付の見直しが改革の第一歩だと思います。  また、経済がよくなるまで消費税は待てないのかという御意見もいただきます。しかしながら、二年後には団塊世代の全員が年金受給者になられます。社会保障史に残る、恐らく大転換の年を二〇一四年に迎えます。だからこそ、抜本改革は、二〇一四年、その先まで待ってはいられないのです。  経済がよくなるように頑張るのは、ここにいらっしゃる皆様全員で頑張ろうではありませんか。けれども、年金の支給額は削らず、保険料の負担はふやさず、穴埋めは借金で先送る、それでいいなら政治は要りません。待ったなしの改革だからこそ、今取り組んでいるのではないでしょうか。総理の御認識を伺います。  社会保障を安定化させるためには、国民全体で分かち合わなければなりません。こんな単純な話でも、政治は、みずからに自信がなかったからお願いしてきませんでした。私は、国民はきっと分かち合ってくれると信じています。だから、この抜本改革を進めたいのです。  税は、社会をつくる力がございます。  民主党は、所得控除を中心とした控除税制を見直し、税額控除を中心の税制とし、手当による直接給付の組み合わせによる改革を行ってまいりました。  これまで、夫婦子供二人、専業主婦世帯をモデルとし、所得控除などにより負担軽減してまいりました。モデル世帯ほど恩典があったわけでございます。ところが、今や一人世帯が全体の三割を超える状況の中で、日本における一番のモデル世帯となってしまいました。  こういう状況の中で、改めて、税を通じて社会を変えていかなければなりません。社会保障と税を通じ、少子高齢社会にも対応でき得る世の中に変えようではありませんか。  この際、高所得層により恩典のある控除税制を改め、子供の数に応じて給付を厚くする、子育てを支援してまいりたいと思います。  年少扶養控除の廃止と、そして児童手当の支給を通じ、年収一千万円の世帯におかれては、子供二人の世帯の場合、約九万円の負担をお願いしなければなりません。その一方、四百万円の平均的世帯では、約七万円の可処分所得増となっております。  シニアの皆様からは、手当てがなくても子育てしたものだとのお叱りもいただきます。しかしながら、七十歳のシニアの皆様は、生涯に支払った保険料の四・五倍の年金を受けておられます。現在四十歳の現役は、一・六倍にとどまる見込みです。  現役世代は子育てにも苦労しておられます。親が近くにいる地方と、託児所が不可欠の都会では、ニーズが全く異なります。さまざまな子育てを支援し得る、世代で分かち合える、支え合える、そんな仕組みをつくろうではありませんか。  こうした現実を前に、社会保障をより確かなものとするために、高齢者三事業と、子育ての充実、安定化のための財源が必要なんです。残念ながら、今は一億総中流が望める時代ではありません。所得税を支える年収六百万円以上の世帯は、全体の三割にとどまります。社会保障の財源を分かち合っていただくために、消費税を通じてどのような社会や家庭をつくりたいのか、国民にお示し願います。  その消費税には、特性として、逆進性がどうしてもございます。食料品の軽減税率を求める御意見もいただいております。複数税率には、一方で問題もございます。  一%当たり二・五兆円の税収を見込む中、外食を含む食料品は約六千億円に上ります。五%引き上げても、仮に軽減すれば、実質一%分が消えてしまうことになります。何のための抜本改革か、わかりません。  また、食材は、可処分所得に応じて、より高級食材を使っていただく傾向にございます。三千円のお買い物をされた場合、百五十円の消費税の負担が負担と感じる方と、一万円のお買い物をされ、五百円の負担を負担とそうは感じない方といらっしゃいます。こうした負担感の違いこそが逆進性の本質ではないでしょうか。  対策として、手続が簡素な給付を八%の引き上げ段階から導入し、一定額を単純に給付するやり方で負担を軽減してまいりたいと考えています。その水準や対象者について、現在政府・与党で議論をしておりますが、野党の皆様からもぜひアイデアをいただきたい、御提起いただければ幸いに存じます。  また、マイナンバーが導入された際には、所得の把握を前提に、税制としての給付つき税額控除を導入する予定です。給与所得者の平均年収は約四百十二万円、所得二百六十一万円以上の世帯が納税をしていただく納税世帯となります。夫婦と子供二人の世帯の場合でございます。同じ所得でも、独身か、子供は何人か、一人親家庭なのかなどを考慮せずに一律控除しても、きめ細かな逆進性の対策にはなりません。  複数税率には、インボイスなど、技術的な課題もございます。特に、ある物品だけを軽減すると、かつての物品税の不公平が復活してしまいます。  国民の皆様の、せめて食料品だけでも軽減すべきとの根強い声に代表される、消費税の持つ逆進性の対策について、総理のお考えをお伺いいたします。  庶民増税をする前に、豊かな人がもっと負担すべきとの御意見もいただきます。  所得税の年少扶養控除の廃止により、高所得層がより負担をしていただいた財源で、低所得層に対する手当てを実現してまいりました。日本における富裕層を議論した結果、所得が五千万以上の方を最高税率の四五%引き上げの対象にしようではないかという議論を進めてまいりました。青天井だった給与所得控除も、一千五百万の上限を設け、御負担を願います。  相続税も、バブル期の地価高騰時に控除を拡大したまま放置され、地価が三分の一に下落している現状に見合うよう、控除の縮減を行いたいと思います。相続税を通じても御負担のお願いをしたいと思います。同時に、贈与税を減税し、子や孫への贈与を促進したいと思います。  さらに、十一年続いた証券優遇税制も本則に戻します。  消費税をお願いするに当たり、こうした高所得層への御負担もお願いしてまいります。  消費税は、赤ちゃんからお年寄りまで御負担をいただくからこそ、多くの国民が受益者となる高齢者三事業、その中でも代表的な年金、医療、介護に絞り、そして子育ての、四事業に限定して使わなければなりません。一円たりとも社会保障以外には使わない、この大原則が、対話集会を通じ、余り御理解いただけていないという実感を感じています。  この際、国民の皆様に、四経費に限定することについて、よりわかりやすく御説明を願いたいと存じます。  総理の好物はカレーライスと伺っております。この前まで、散髪は千円カットで我慢しておられました。そんな庶民宰相が、社会保障と税の一体改革を現在背負っておられるんです。前政権が権力の座に恋々とする余り国民にお願いできなかった負の遺産を背負っておられるんです。  過去の政治が逃げて通った険しい道のりを、庶民宰相である野田佳彦総理がどんな思いで歩んでおられるのか、心の色をお伺いしたいと思います。  かつて、未来を真剣に考え、国民に負担をお願いした先輩たちも大勢いらっしゃいました。田中角栄氏がお考えになった道路特定財源は、道路建設を加速させるための目的税として、高度成長を目指した二十世紀に歴史的な使命を果たしたと思います。  二〇一二年、今世紀最大の国家事業は、消費税の社会保障のための特定財源化ではないでしょうか。  ことし生まれた赤ちゃんが社会の中核になるころ、私たち現役は、支え手から受給する側に回ります。一人で一人を支える時代に無事に年金を受け取ることができるだろうか、多くの国民が不安に思います。総理には、現役と子供たちに、これからの社会保障を私とつくろうではないか、そう語りかけてほしいんです。  現在、既に二人で一人を支える大変苦しい状況です。けれども、親世代は、こども園や特養のない時代に、家庭内で介護や子育てを担ってまいりました。総理には、シニアの皆様に、約束した社会保障を守る責任がある、そのためには、いま一度、子供やお孫さんたちと一緒になり、分かち合っていただけないだろうか、そうお願いしていただきたいわけであります。  増税に命をかける、総理は一度もおっしゃっておられません。将来にわたり社会保障を安定化させることに命をかけるとおっしゃっておられる、そう信じております。赤ちゃん、お父さんやお母さん、祖父母の各世代の幸せの源泉となる、そのための財源の確保と、社会保障の充実、安定化に命をかけている、一体改革に政治生命をかけておられる、私はそう信じております。  国民に語りかけていただきますようお願い申し上げ、質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  9. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 民主党を代表しての古本伸一郎議員の御質問にお答えをしてまいります。  まず、社会保障の安定財源確保と財政健全化についての御質問をいただきました。  国の税収が歳出の半分すら賄えていない状況に照らせば、社会保障関係費は、その相当部分を将来世代の負担にツケ回ししているのが現状であり、さらに、毎年一兆円規模の自然増が不可避となっております。また、社会保障費の増加に伴う歳出の増加に対して、これまで十分な税収を確保してこなかった結果、公債残高は著しく増加し、その元利払いのための国債費に税収の半分以上が充てられている状況であります。  議員御指摘のとおり、この自転車操業のような状況をこれ以上続けるべきではありません。これからの日本の社会保障、そして、日本の財政が持続可能となるかどうかという、まさに正念場だと思います。  社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成への第一歩を踏み出す社会保障と税の一体改革は、まさに逃げることのできない課題であり、国家国民のため、与野党が建設的な議論を行い、改革を実行していくことが必要であると考えます。  次に、消費税増税と政権交代に関するお尋ねがございました。  今般の法案は、自公政権時代に成立した平成二十一年度税制改正法附則百四条の規定に従って提出したものであり、自公政権時代の問題提起も踏まえながら、政権交代によって政策運営に責任を負う与党となった民主党として、一昨年十月以来、党内の政治家同士による熟議に熟議を重ねてまとめたものであります。  一体改革は、先送りすることのできない、与野党共通の課題であります。この改革は国民に御負担をお願いするものであり、自民党、公明党も、与党時代の経験から、その難しさをよく御認識されているものと思います。政治が、この困難な課題から逃げることなく、与野党が互いに胸襟を開いて大いに議論し、決められない政治からの脱却を目指したいと考えます。  次に、年金国庫負担二分の一の財源をめぐる経緯と、消費税増税の必要性についてのお尋ねがございました。  自公政権下の平成十六年の年金改正において、税制抜本改革で安定財源を確保した上で基礎年金国庫負担を二分の一に引き上げることを決めましたが、税制抜本改革を実現できないまま平成二十一年度から国庫負担二分の一への引き上げを実施したことから、毎年度の予算編成において、三六・五%との差額を賄うための財源確保に苦心してきている状況であります。  年金法本来の考え方に立ち戻り、消費税率引き上げにより基礎年金国庫負担の引き上げ財源を確保する必要性については、例えば野党第一党の自民党とも認識を共有しているところであり、党派を超えて、力を合わせて取り組むことをお願いしたいと考えております。  また、議員御指摘のとおり、二〇一四年には団塊世代の全員が年金受給者となり、年金、医療などの社会保障費の一層の増加が見込まれることからも、社会保障の負担を先送りせず、消費税引き上げを決断しなければならない、極めて切迫した時期であると考えております。  次に、社会保障と税の一体改革が目指す社会についてのお尋ねがございました。  私は、きょうよりもあしたがより豊かで幸せになるという希望を誰もが持つことができる社会をつくることが、国づくりの基本であると考えております。少子高齢化という避けられない社会環境の変化や、現代という新しい時代の文脈に即した形で、誰もが希望を持てる社会をつくり上げ、それを将来の世代に引き継いでいくことこそが政治の使命であると考えております。  我が国では、家族や社会のあり方が過去の時代と大きく変わっていると思います。高齢者の介護や子育てなど、かつては家族で担ってきた役割を社会全体で担うことが求められているのだと思います。  このため、今回の一体改革においては、給付面で、子ども・子育て支援などを中心に未来への投資という性格を強め、社会保障制度を全世代対応型に転換するとともに、負担面でも、従来は所得税や保険料の形で現役世代が中心となって負担してきた費用を、国民全体が皆で分かち合うという考え方のもと、世代を通じて幅広い国民が負担する消費税率の引き上げに取り組んでいくこととしております。  次に、軽減税率の導入についてのお尋ねがございました。  食料品等に軽減税率を導入することについては、合理的な線引きが困難であり、商品、サービス間で不公平感が生じ得ること、適用税率ごとの区分経理やインボイス制度の導入が必要となり、事業者の事務負担が増加することなどを踏まえ、今回の改革においては単一税率を維持することとしたところであります。  所得の低い方々への対応については、二〇一五年度以降の番号制度の本格稼働、定着後の実施を念頭に、給付つき税額控除等の施策を導入するほか、その実現までの間の暫定的、臨時的措置として簡素な給付措置を実施することとし、現在検討を進めております。  次に、消費税の全額社会保障財源化についてのお尋ねがございました。  今回の一体改革は、さきにも申し上げたとおり、給付面で社会保障制度を全世代対応型に転換するとともに、負担面でも、現役世代中心の負担から、世代を通じて幅広い国民が負担することにするものであります。  こうした基本的な考え方に立って、社会保障の充実、安定化を図るために、消費税率の引き上げにより得られた安定財源は、全額社会保障財源化し、国民に還元をいたします。官の肥大化には一切使いません。  このような一体改革の意義や内容について、これまでも、私や関係閣僚が全国で対話集会を行うなど、積極的に発信をしてまいりましたが、政府として、引き続き、国民の御理解が得られるよう工夫、努力をしてまいります。  次に、一体改革に関する基本認識についてのお尋ねがございました。  社会保障の立て直し、そのための安定財源の確保、この国民的、国家的な課題を何とかしたいという思いは、前の政権でも同じであったと私は思っております。  我々民主党が政権を担っている今日、いろいろな条件も重なり、いよいよ待ったなしの状況になった。与党である以上、人のせいにはできない、責任を持って現実の課題に対する回答を示し、相互理解のもとで、お互いの違いを乗り越えていかなければならないと決意をしている次第であります。  最後に、一体改革の実現に向けた決意についてのお尋ねがございました。  未来を担う子供たちが、そして今を生きる現役世代が、将来、この国に生まれてよかったと思える国にするためにも、持続可能な社会保障制度をしっかりと構築していかなければなりません。私は、子育て世帯を中心とする現役世代への支援を広げ、働く世代や子供の貧困への対応などによって、ぬくもりのある社会を取り戻したいと思います。  団塊世代が支える側から支えられる側に移ることにより加速する社会保障費の自然増、さらには、欧州の経済状況などを踏まえれば、改革は待ったなしであります。また、将来世代のポケットに手を突っ込んで制度を維持する今の姿は、我々世代の責任をもって改めなければなりません。  改革の必要性は、与野党ともに一致し、共有をしています。政府・与党として、建設的かつ実りある審議を進めて一致点を見出し、国民と日本の将来を切り開くためにお互いに努力をしたい、不退転の決意を持って臨みたいと思います。(拍手)     ―――――――――――――
  10. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) 野田毅君。     〔野田毅君登壇〕
  11. 野田毅

    野田毅君 私は、自由民主党無所属の会を代表して、税制抜本改革二法案について、野田総理に質問をいたします。(拍手)  冒頭、東日本大震災から一年以上が過ぎましたが、いまだに厳しい生活を強いられている被災者の方々に対して心からお見舞いを申し上げると同時に、被災地の一日も早い復興、再興を目指して我が党も努力してまいる所存であることを申し上げます。  また、先般、茨城、栃木両県で発生した竜巻や、北関東各地での落雷によって被害に遭われた皆様に、衷心よりお見舞い申し上げます。  さて、ようやく、消費税を含む社会保障と税に関する議論が本格的に始まりました。  まず、我が党の基本的スタンスを申し上げておきます。  我々は、今世紀に入って、急速な高齢化を展望する中で、借金依存体質と安易な増税路線に傾くことのないよう、徹底した歳出構造の見直しや財投改革、無駄の撲滅を中心に財政再建を進めてまいりました。  しかし、この過程で、安全保障産業政策や農業対策、人材育成、福祉、医療など重要な政策経費を削減し過ぎた結果、さまざまなひずみを引き起こし、その結果もあって、二〇〇七年の参議院選挙で敗北をいたしました。  このことを通じ、我々は、画一的な歳出削減によるだけでは財政の再建を進めるには限界があり、無駄の排除の不断の努力と同時に、消費税の引き上げを避けて通れないことを痛感させられました。  その反省に基づき、麻生内閣時に、持続可能な社会保障構築とその安定財源確保に向けた中期プログラムをつくり、税法附則百四条も定めました。そして、前回の総選挙における公約、特に一昨年の参議院選挙公約などにおいて、正々堂々と、消費税の引き上げを含む税制抜本改革を唱えてきたのであります。  また、私ごとではありますが、大平総理の一般消費税を皮切りに、地元で一万人の反対集会の中で、わら人形までつくられ最後は燃やされた、中曽根総理時代の売上税、竹下総理や山中先生のもとで奔走し、その成立の際にともに涙を流した消費税を思い起こします。  消費税引き上げには、政党や政治家にとってそれだけの政治リスクがあるのです。我々は、それだけ、人生をかけて、政治生命をかけてやってきているんです。  したがって、我々は、税制改革の足を引っ張る気持ちは全くない。むしろ、推進勢力であります。  我々は、前に進めたい気持ちはあふれるほどあるにもかかわらず、進められないハードルがあって、すんなり進むには、残念ながら、違和感が拭えません。  総理、よく身の回りを見てください。本当に議論を進められる環境は整ったと思えますか。国民の理解、民主党内政局、政策理念、それぞれに大きな壁があります。このことを政策の中身の議論に入る前に指摘し、総理のリーダーシップのもと、その壁を取り除くことこそ、今、総理に求められているのであります。  国民理解とは、国民との契約であるマニフェストのことであります。  このたびの消費増税は、マニフェスト違反であり、国民との契約違反ではないかという国民の批判にどう応えますか。先日の我が党の大島副総裁に対する答弁で、相変わらず、ちまちまとした詭弁まがいの言いわけを聞きましたが、誰も納得しておりません。何よりも、マニフェスト作成の主役の一人、小沢さんが、明確な違反だと言っているではありませんか。総理は、この小沢発言について、国民にどう説明されますか。  そもそも、総理自身も、前回の総選挙の際には、消費税引き上げの必要性を訴えるどころか、その前提としてシロアリ退治が先だと、真っ向から違うことを言っていたのではありませんか。それが、なぜ、急に、政治生命をかけるところまで成長されたのか。リーマン・ショックや東日本大震災のせいにしているようでありますけれども、では、リーマン・ショックや大震災がなかったら、消費税増税は喫緊の政策課題ではなかったというのでしょうか。  財政の責任者となって学習をされたのであれば、私はそれでもよいと思います。普天間問題と同様に、国政を預かる立場になれば、結局は戻るべきところに戻ったのでありましょう。  総理、まずは、国民に対して率直に、野党時代の自分の考え方が甘かった、間違っていたと素直に非を認め、謝罪した上で、改めて国民に理解を求めることが、この消費税議論に入る前になすべきことではないでしょうか。  多くの国民が釈然としないのは、こうした総理の過去と現在の言動、そして、増税はしないと言った民主党マニフェストの存在ではないでしょうか。この場で釈明すべきです。  政権の存続をかけるくらいの大課題は、議院内閣制のもとでは、政府・与党が一体となって事に当たるのがイロハではありませんか。特に消費税のような問題では、過去において、政権与党が一丸となって進めても困難をきわめた、重い政治テーマであったことは承知のことでしょう。まず、党内の一体化に全力を尽くす、むしろそれがスタートであります。  誰が見ても公然たる反対勢力が、現在もなお、党内で大手を振っているではありませんか。総理は、言葉だけで、一体、党内を取りまとめるための具体的な動き、努力をみずから行ってこられたのでしょうか。  特に、総理、このたび、小沢さんの党員資格の復活に際して、少なくとも消費税賛成への約束を取りつけたのですか。そのような努力もしないで、今後説得できる見通しはあるのでしょうか。  また、強調したいのは、このたびの消費税議論だけではなく、決められない政治の大きな原因は衆参のねじれが問題なのではありません。与野党のねじれも原因ではない。そもそも与党内のねじれこそが問題なのです。我が党に協議を呼びかける前に、まず、与党内の一体化を求めることが先であります。  党内を二分したままでもあえて断行するというのなら、最低限、総理は、幹事長以下の執行部との綿密な打ち合わせと意思疎通が当然必要だ、これは常識であります。  ところが、野田総理は一体改革に政治生命をかけているとおっしゃるけれども、一方で、肝心の幹事長以下の皆さんは、消費税よりも、党を割らないことを優先しているではありませんか。継続審議や大幅な会期延長などということが連休前から民主党内から流れているということを、総理、あなたはどう受けとめているのか、お答えください。  この状態のままで我が党に協議を求めることは、不成立の場合の責任を野党の非協力に転嫁しようという意図があるのではないかと勘ぐらざるを得ません。  総理という頭と、党執行部という胴体がばらばらでは、与党として政権を担当する資格はない。政治生命をかけるなら、いっそのこと、民主党を解党したらどうですか。この党内政局をどう乗り越えるのか、総理の真意、今後の民主党の対応方針が明確でないことが大きなハードルとなっておるんです。  いずれにせよ、総理に、党代表として党内をおまとめになり、六月二十一日の会期内までに採決を行う覚悟のほどをお伺いいたします。  さて、私は、税制改革の重要性、必要性を長年訴えてきましたが、一体改革とはあえて言わなかったんです。  野田総理、社会保障と税の一体改革の理念とは、そもそも何なんでしょうか。誰が一体という言葉を使い始めたんでしょうか。いつから社会保障と税の一体改革を民主党政権の最重要課題と位置づけるようになったんですか。  政策論議なく、政治と金を中心に展開された民主党代表選、その後の第二次菅内閣。そのときに初めて、TPP、法人税減税と並んで唐突に言い出したのではありませんか。政策的なバックボーンはそれまで聞いたことがありません。動機不純は明らかだ。経済界、マスコミ、そして自民党支持層の上前をはねようというさもしい意図、党利党略的発想であったと断ぜざるを得ません。  また、福田、麻生内閣社会保障国民会議中間報告を横取りしようとしたことは明らかではないですか。さらに、消費税引き上げというむちだけではまずいと思って、あめを用意したのでしょう。  マニフェストにこだわって、年金や子育て後期高齢者医療制度など、上乗せ、はみ出し、後退をさせて、厚化粧を施してしまったために問題が拡大したのであります。結局、年金制度の矛盾や低所得者へのばらまき拡大等、消費税の使い道としては大きな問題をビルトインしてしまいました。  社会保障改革の本質は、保険料や税金を負担する立場なくして給付のあり方を論ずることはできないことを明確にすることから始まるのであります。我々は、この理念なき社会保障改革案なるものが消費税論議の大きな障害物、これを前提とする限り、前には進めないと考えています。  以上、幾つかの越えなければならない壁、ハードルを指摘してまいりました。ぜひ、政府・与党は、これらのハードルを処理していただきたい。そして、我々も、冒頭述べたように、前に進めたいんです。  社会保障の問題については、各分野について、特別委員会の論戦を通じて問題点を詳細に指摘してまいります。その上で、社会保障の給付と負担のあり方の基本的な我が党の考え方を取りまとめたいと思っています。それが受け入れられることを前提として、その財源たる消費税の論議に入りたいと考えています。  消費税への対応については、法案そのものが率直に言って検討事項のオンパレードで、よく法制局がこのような形での法案を了承したものだと目を疑いました。今後は特別委員会で問題点を指摘してまいりますけれども、いずれ、環境が整えば、我々の考え方を示すことになります。  きょうは、最も気になる一点だけ触れます。  政府は、低所得者対策として給付つき税額控除の導入を検討しているようですけれども、給付つき税額控除は、不正直に申告した人が逆に過大に給付を受け取る可能性があって、二重の意味で不公正を拡大させるものだと私は考えています。  基本的に、所得税の課税最低限以下の者の所得は国税庁で把握できるわけがありません。どのように低所得者の所得を捕捉するのか。加えて、マイナンバー法案によっても金融所得の把握はできないのではないですか。  給付つき税額控除は実際に実施可能なのか、総理の見解を伺いたい。  政治の基本は信頼です。  しかしながら、信頼が整っているとはとても思えません。先月、参議院において、田中防衛大臣、前田国土交通大臣に対する問責決議案が可決されましたが、いまだに総理は、立法府の意思を無視しているだけではなく、誰が見ても不適格な大臣を更迭できずにいます。あなたの見識よりも党内力学の反映だと国民は見ており、これでは国民から信頼は得られません。  さらに、冒頭で述べたように、総理自身もみずからの変節について釈明もありません。  総理、消費税増税と社会保障一体改革へのあなたの思い、方向性は間違ってはいないのです。ただ、それを今行う環境を整えるための努力を、国民に対して、そして党内に対して行ってきているのかが問題なのです。  我が党は、正直に誠実に説明を重ねることを旨とし、甘い言葉で選挙民を誘惑するようなことはいたしません。民主党の考えは、現実には存在しない夢を売る青い鳥政策であり、普天間基地移設問題の迷走と同じではありませんか。もはや、通り一遍のちまちました詭弁まがいの言を弄することなく、潔く、誠実に、正直に、素直に語ったらいかがですか。  総理並びに与党の皆さん、まさに、政局ではなく大局に立って、謙虚に反省すべきは反省し、判断していただきたい。正直に国民に説明し、決めるべきは決め、進めるべきは進める政治を目指してほしい。  国民の閉塞感がきわまっている結果、新たな政治勢力への期待となっていることは承知のとおりです。  ちなみに、大阪維新の会などが主張している、消費税を全額地方税にや所得税のフラット税率化についてどう考えているのか、総理に所感をお伺いしておきます。  我々は、正々堂々と国家国民のために本音で議論を行いたいと願っております。そのことを申し上げ、私の質問を終わらせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  12. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自由民主党野田毅議員の御質問にお答えをいたします。  まず、国民の理解、民主党内、政策理念と、私のリーダーシップに関する御質問をいただきました。  野田議員から、消費税を含む社会保障と税の一体改革に関する自由民主党の基本的なスタンスを御説明いただきましたことに対し、まず、感謝申し上げ、敬意を表します。  大平総理時代の一般消費税議論に始まり、野田議員が日本国を思いながら汗と涙を流されたお話についても、尊敬の念を持って伺わせていただきました。野田議員から頂戴した教訓と叱咤を胸に刻み、御指摘の、壁を乗り越えて一体改革をなし遂げる決意、政治生命をかけてやり抜く覚悟を貫いてまいります。  税制改革の推進勢力であるという力強い御主張を伺って改めて思ったことは、与党と野党という立場の違いこそあれ、我々は、国民のため、この国のために共通の問題意識を持ち、同じ方向性の解決方法を志向している、そして、今なさなければ、改革の実現はこの先もないということであります。  協力は無条件ではない、三つの壁を私のリーダーシップで乗り越えよという議員の御忠告について、確かに、国民の理解、政策理念、そして民主党内のことは、私自身、内閣全体、与党として乗り越えていかなければならないことであり、全力を傾注してまいりたいと思います。  同時に、民主党と自民党の前には大河が横たわっているように見えますが、国民は、橋をかけ、双方が歩み寄って胸襟を開いて話し合い、握手することを求めております。我々が改革の大義を同じくする限り、渡るべき川は、広くなく、深いものではありません。必ず乗り越えられると確信をしております。  虚心坦懐、正心誠意をもって、これからの国会審議の中で私の決意を体現させてまいります。大局に立って建設的かつ実りある審議を進めていただき、改革を必ず実現させるために、必ず一致点を見出してまいりたいと存じます。  次に、消費税とマニフェスト等との関係についてのお尋ねがございました。  民主党は、総選挙の際に、今回の任期中に消費税引き上げはしない、税率引き上げを実施する際には国民に信を問いますと主張いたしました。今回の提案がこのお約束自体に反するものではないとしても、野田議員のおっしゃることを全く否定するつもりはありません。  さきの総選挙における私たちの発言の中に舌足らずや行き過ぎた点があったこと、そして、マニフェストを含めて、野党時代の私たちに甘さや検討の不十分さがあったことについては、真摯に反省し、おわびをいたします。そして、今日、待ったなしの改革の必要性について国民の皆様の御理解を十分にいただいていない点については、今後、乗り越えるべく全力を挙げてまいりたいと思います。  改革の必要性について、過去一貫して改革を目指してこられた野田議員にここで改めて御説明するつもりはございませんが、国会審議を通じて国民の皆様にも十分に説明を尽くし、また、自由民主党の御批判と御提案をお伺いしながら一致点を見出し、共通の課題である改革実現を何としても今国会において実現したいと考えております。何とぞ御協力をお願いいたします。  次に、民主党内と会期内成立についてのお尋ねがございました。先ほどの三つの壁という御指摘に関連する御質問かとは存じます。  まず、民主党内にさまざまな意見があることは否定をいたしません。しかし、民主党にも、自由民主党と同様、自由な議論という党風と、党の意思決定のルールがございます。  確かに、民主党は、一昨年の参議院選挙で敗北を喫し、消費税の議論において慎重な意見があります。しかし、昨年の六月の一体改革成案、ことし一月の素案と大綱、そして三月の法案閣議決定、国会提出に至る議論と決定という積み重ねがございます。まさに丁寧な議論と決定を積み重ねてまいりました。国民に責任を持ち、政権を担う与党として、大変重い党議の決定であります。  したがって、所属議員全員がこの決定を尊重する義務を国民に対して負っており、党議拘束は、党所属議員である限り、処分云々にかかわらず、全員にかかっております。  そして、幹事長を先頭に、執行部全体が今国会での一体改革実現にかたい決意と意思統一を行っており、会期延長に言及した党幹部はおりません。今国会における成立へ向けて、意見があれば説得をし、党が一致結束して対応することを確信し、また、全力を挙げていく決意であります。  次に、社会保障・税一体改革の理念についてのお尋ねがございました。  社会保障と税の一体改革とは、社会保障の充実、安定化と、財政健全化を同時に達成することにより、少子高齢化が進む中、社会保障制度を持続可能なものとし、若い世代を含め、国民が安心で希望と誇りが持てる社会の実現を目指すものであります。  こういった理念に基づく一体改革は、自公政権下での社会保障国民会議や安心社会実現会議などにおける議論も踏まえ、民主党政権下では菅内閣において初めて取り上げられ、政府・与党として取り組みを進めてきたものでございます。  私は、民主党代表選挙においてもその必要性を掲げ、政権発足後においても、最重要課題の一つとして、持続可能な社会保障と財政健全化を一体のものとして取り組んでいるところでございます。  次に、給付つき税額控除及びそれを実施する際の所得捕捉等についてのお尋ねがございました。  消費税に係るいわゆる逆進性の問題を踏まえ低所得者対策を考える必要があり、その一つとして、給付つき税額控除の導入を検討しております。  この給付つき税額控除制度について、その適正かつ効率的な運用を確保するためには、諸外国の例も踏まえれば、番号制度を用いた所得把握のための仕組みが整えられている必要があると考えています。  給付つき税額控除の制度設計に当たっては、御指摘のように、所得把握のあり方などの執行面での対応可能性を含めさまざまな論点がありますので、総合的な検討を行っていく必要があると考えております。  潔く、誠実に、正直に、素直に語るべきとの御提案がございました。  野田議員から懇切丁寧なアドバイスをいただき、本当に感謝をしております。  確かに、内外ともに難題が山積しており、初めて政権を担っている民主党にとっては反省と教訓の毎日であることを率直に申し上げます。しかし、自由民主党は、何十年もその重荷を背負い、責任を果たされてこられました。民主党もまた、国民の負託を受けた以上、政権任期内において責任を全うしない限り、健全な議会制民主主義のあかしでもある、選挙による国民の政権選択というシステムは確立しないと確信をしております。  脱イデオロギー、政策連合という考え方は、政党間の垣根を低くして、国会におけるねじれ現象も今だけのものではありません、新しい政治の構図の中で、問責の問題も改めて考えていく必要性は与野党共通のものであり、大きな改革に当たっての政党内の議論、政党と所属議員のあり方も問われていると考えます。  現在の年金制度も、五十年も経ており、改革は不可避です。経済や社会の変化の中で、国民全体が時代の変化への対応と新しい展望を求め、決断する政治、実行する政治を求めております。  今問われているものは、政党の存在意義と政治家のあり方であるとも思っております。その意義を示すためにも、一体改革をなし遂げ、そして政治生命をかけることは、今、民主党代表にある者の責任と考えております。  最後に、消費税の地方への移管及び所得税率のフラット税率化についてのお尋ねがございました。  人口構成が大きく変わっている状況下で社会保障を持続可能なものにしていくためには、高い財源調達力を有し、勤労世代など特定の国民に負担が集中しない消費税を社会保障の安定財源として確保することが重要と考えます。  その消費税を全額地方に移管するのであれば、年金、医療、介護、子育てといった社会保障について地方に大きな責任を担っていただく必要がありますが、これは結果的に大きな地域間格差を生じさせることにもなりかねず、果たしてそれで国民の理解が得られるかどうか、疑問であります。  また、仮に、消費税を地方に移管する一方で、社会保障の根幹は国が担うとするならば、その財源は現役世代に負担が集中する所得税や保険料などで確保することとなり、世代間の公平の観点から問題があると考えております。  次に、消費税とともに車の両輪をなす所得税は、累進的な税率構造による所得再分配機能を特徴としておりますけれども、所得税による所得再分配機能は近年低下をしてきており、今後、消費税率の引き上げにより税制全体としての累進性がさらに低下することも踏まえれば、所得税についてはむしろ累進性を高めるための改革を進める必要があると考えております。  以上、答弁とさせていただきます。(拍手)
  13. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) 内閣総理大臣から、答弁を補足したいとのことであります。これを許します。内閣総理大臣野田佳彦君。     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  14. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 野田議員の二番目の御質問の中で、リーマン・ショックや大震災がなければ消費税増税は喫緊の政策課題ではなかったのかという、そこについてきちっと正面からお答えをしていないのではないかということでございましたので、あえてつけ加えさせていただきたいというふうに思います。  リーマン・ショックや大震災も、これは一つの要因ではあります。でも、その震災の前から、やはり社会保障の持続可能性あるいは財政再建を考えたときに、消費税はいずれにしてもその前から大きな政策課題であったことは間違いございませんが、それにプラスの要因になっているということも事実だということで、答弁とさせていただきたいというふうに思います。(拍手)     ―――――――――――――
  15. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) 金子一義君。     〔金子一義君登壇〕
  16. 金子一義

    金子一義君 自由民主党金子一義です。  私は、自由民主党無所属の会代表して、ただいま議題となりました両法案につきまして、野田内閣総理大臣に対し、質問いたします。(拍手)  その前に、ただいま自民党野田毅議員への答弁に対し、我々が本当に聞きたいことは全てこれからの審議を通じてと繰り返された答弁、この本会議の場を審議の場と考えておられないんでしょうか。  一番聞きたい問題で、小沢さんの問題はどうなったんですか、問責決議問題はどうされたんですか。改めて、私からも今の問題を繰り返し、答弁を求めさせていただきます。誠実にお答えいただきたいと思います。  まず、経済成長消費税増税の関係について伺います。  今回の法案には、いわゆる景気条項として、今後十年の平均で、名目成長率三%程度、実質経済成長率二%程度を目指した望ましい経済成長のあり方に早期に近づける、そのための総合的な施策の実施その他必要な措置を講ずると記されております。  そもそも、この数値は、民主党政権において閣議決定された新成長戦略日本再生の基本戦略において掲げられた目標であり、この実現に野田内閣が取り組むのは当然であります。  わざわざ法案に規定せざるを得なくなったのは党内事情があったとマスコミで報じられておりますが、その結果、この当然の目標があえて法案に明記されると、この数値は、単なる努力目標を超えた、大きな意味を持つことになったと考えます。すなわち、名目三%、実質二%の経済成長の実現が消費税増税の前提条件となった、あるいは、少なくともデフレ脱却が確実に見込める状況が必要であると思いますが、総理の認識を伺います。  名目三%、実質二%が民主党の新成長戦略、日本再生戦略にとどまっているならいざ知らず、我々が政権に復帰した後、こんな、どう解釈するのか理解に苦しむ附則に縛られるのは御免こうむりたいと思います。  一方、消費税五%の引き上げで実質GDPを一・五%程度押し下げると言われる中、どのような施策で成長を達成していくのか、そのための予算をどう確保していくのでしょうか。  民主党成長戦略、日本再生戦略に並べられている項目、人、物、金の交流、アジアの成長力の取り込み等は、消費税とは関係なく我が国が取り組む課題であります。  では、附則に掲げられた高いハードルを越える牽引力は何なのか、具体的施策を示していただきたい。  特に、デフレ脱却の道筋を示していないことは致命的であります。デフレからの脱却を図らずして消費税を増税した場合、消費と投資のさらなる減退、経済的損失の膨張を招き、雇用への悪影響を拡大するとの認識は共有されていると思います。  デフレからの脱却とは、すなわち、名目GDPを底上げすることであります。  名目成長率は我が国で十九年連続で三%を下回っており、この間の平均はプラスの〇・〇一%と、まさに失われた二十年を象徴する指標であります。一方で、OECD加盟国の平均名目成長率は直近十二年間の平均でプラスの四・三%であり、日本経済にとって高く見える三%の名目成長率は、世界的には、最悪レベルを抜け出して、普通の状況に戻るというものであります。  このような状況を踏まえれば、やはり、名目三、実質二%の経済成長率に示される経済成長をないがしろにして消費税率のみを引き上げることは、絶対に避けるべきであります。  しかしながら、デフレ脱却に向けた関係閣僚会議は、つい先月、初会合を開いたばかりであり、具体的な政策を早期に実現することは到底困難であると思われます。  このようにデフレ脱却に向けて動きが鈍い民主党政権下では日本経済はその実力を発揮することができないと私は考えますが、総理はどう対応されようとしているんでしょうか。伺います。  野田総理は、消費税増税とマクロ経済の関係について、将来の不安をなくしていくことで消費や経済を活性化させる要素もあると述べております。この主張には、増税や歳出削減を進めても、社会保障制度の持続可能性に対する国民の不安をなくすことによって逆に消費を喚起するという、いわゆる非ケインズ効果の発現が盛り込まれていると思います。  しかし、かつて経済財政白書が指摘したように、非ケインズ効果を引き出すためには、内閣に対する国民の信頼が大前提となっていることをお忘れですか。各種の世論調査の結果を引用するまでもなく、ばらまきをやろうとして既に国民の信頼を失っている野田内閣では、この効果を発現させることは到底期待できそうにもありません。  この指摘を総理はどう受けとめられているか、伺います。  次に、野田内閣の財政健全化への姿勢を伺います。  野田内閣が二月十七日に閣議決定された社会保障・税一体改革大綱では、今回の消費税増税に引き続き、少子高齢化の状況、財政の状況、経済の状況などを踏まえつつ、次の改革を実施することとし、今後五年をめどに、そのための所要の法制上の措置を講ずること、これを今回の法案の附則に明記することとなっております。  しかしながら、今回の提出法案においては、これがすっぽり抜け落ちております。これは、野田内閣みずからが閣議決定した大綱に反するのではありませんか。今回五%消費増税したとしても、二〇二〇年にはプライマリーバランスの黒字化を目指すとしている民主党政権下では、さらに六%程度の消費税相当の財源が必要なのではないですか。  閣議決定した方針を簡単にすりかえてしまうその姿勢は、みずからの信じる道を進む不退転の決意とは全く異なるものであり、野田内閣の財政健全化への姿勢を甚だしく疑わせるものであります。  なぜ逃げたのですか。民主党内の反対が強かったからですか。国民にどう説明するのですか。野田内閣みずからが閣議決定した大綱と今回の提出法案のそごについて、総理からの説明を求めます。  党内の法案決定過程で、将来の財政の姿を担保する重要なパーツが抜け落ちたり、書き込まれなくてもいい規定が盛り込まれ、かえって大変な重荷をしょわされている、極めて不可解な法案になっていませんか。このままでは、到底賛成できません。  野田内閣の姿勢にかかわらず、我が国の財政健全化は喫緊の課題であります。  我々自民党は、単に、社会保障財源の確保、赤字国債削減による財政再建にとどまらず、本来財政が持つ対応力を回復させるまでのことを、消費税を含む税制抜本改革の狙いとしております。  この考えのもと、自民党は、増税によって生じた余力の一部を使い、財政出動を行ってデフレ脱却を図り、その上で、景気回復後に財政出動を抑制する政策をとるべきと考えます。そして、この際に行うべき財政出動は、日本経済、成長力強化につながる未来への投資といたします。  自民党政権下で景気状況に応じた財政出動の抑制がかつて適切になされたのかということについては我々も反省するべき点があることを認めた上で、消費税率引き上げを契機として、我々は失われている財政の対応力の回復を図りたいと考えますが、総理の御所見を伺います。  ことしのダボス会議で指摘されたように、先進国で見られる深刻な所得格差は、極端な富裕層と極端な貧困層を生み出し、民主主義市場経済を中核として支えてきた中間層の崩壊を招いております。しかし、我々は、また、新興国や途上国において存在感を示す中間層の存在も知っています。彼らは、成長力の原動力となり、巨大な市場を生み出し、安定した民主主義の土台となりつつあります。  翻って、日本の現状はいかがでしょうか。  野田総理は分厚い中間層をつくるとたびたび発言されていますが、最低保障年金に代表される民主党政権の政策は、成長よりパイの配分に軸足を置き過ぎているのではないでしょうか。そもそも、新たな財政出動を認めていない。これでは、単に赤字国債の削減に振り向けるだけの、いわば、これまで貸したものは返してもらうという取り立て型の発想に支配されているのではないですか。つまり、国の財布を痛めることなく、本来中間層が得るべき所得を低所得者に配分しているだけと考えますが、総理の認識を伺います。  中間層の意欲や活力をそぐだけの政策では、デフレからの脱却と安定的な経済成長を望むことはできません。財政健全化と経済成長をいかに両立させるか、その鍵を握るのが中間層の意欲と活力であります。我々自民党は、消費税の導入以来、働き手の中核である中間層に対し、累次、累進税率をフラット化してまいりました。  政権交代以降の生活保護受給者の急増にあらわれているように、このまま民主党政権が続けば緩慢な衰退を余儀なくされるのではないか、これが、国民の抱く不安の根源とも言えます。この国民の問いに対し、総理はどう答えるのか、お聞かせ願いたい。  最後に、一言申し上げます。  今回の社会保障と税の一体改革の議論を通じて我々政治家が国民になすべきことは、一体改革を行った後の我が国の社会経済の姿やビジョンを示すことであります。これから、特別委員会でこうした将来像について真摯に意見を交わし、この難局を乗り越えていこうではありませんか。  野田総理の尊敬する政治家大平正芳元首相は、昭和五十三年の一般消費税(仮称)を掲げて、選挙に敗れました。最大の敗因は、身内の反乱でした。このことを先般の予算委員会でも私は指摘いたしました。  これを肝に銘じておられることと思いますが、民主党内における総理のリーダーシップを注視しつつ、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  17. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自民党金子一義議員の御質問にお答えいたします。  まず、小沢議員が消費税の議論で反対をしているけれどもということについてのお尋ねだと思います。  これは、先ほど野田議員の御質問にも包括的にお答えしたつもりなんですが、長い間時間をかけて、そして民主的なプロセスを経て結論を得てきているわけでございますので、小沢議員に限らず、民主党の議員はこの結論を十分尊重しなければいけないというふうに考えております。  それから、二大臣の問責決議に対しての対応についてのお尋ねでございます。  問責を一つのハウスの中で受けたということは、これは真摯に厳しく受けとめなければいけないと思います。指摘をされることを踏まえて、反省すべき点は反省をしながら、この二大臣だけではなくて、全ての閣僚が緊張感を持って職責を果たしていただきたいと考えているし、そのような指示をしているところでございます。  次に、消費税率引き上げの景気弾力条項についての御質問をいただきました。  デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みは重要であり、これらと一体改革は同時に進めていかなければなりません。  このため、法案では、平成二十三年度から三十二年度までの十年間の平均において、名目三%、実質二%程度の経済成長を目指すという政策努力の目標を示し、こうした望ましい経済成長のあり方に早期に近づけるため、デフレ脱却や経済活性化に向けて必要な施策を講じていく責務を課しています。ただ、これは、消費税率引き上げの前提条件として規定をしているものではございません。  次に、成長戦略の施策とデフレ脱却についての御質問をいただきました。  日本経済を再生させ、その活力を高めていくことは、将来に繁栄を引き継いでいくために不可欠であり、全力で取り組んでいるところであります。  グリーンイノベーションでは、国の戦略目標を設定して、規制、制度や予算の改革等に取り組みます。まずは、七月一日に再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を実施し、さらに、夏までに大胆な政策パッケージをグリーン成長戦略としてまとめます。  ライフイノベーションにおいては、臨床試験体制の強化、医療機器と再生医療に係る規制の見直し、研究開発の一元的な支援等は、重要課題として取り組んでまいります。  また、資金を必要とする主体に対して、より円滑に成長マネーが供給されるための仕組みづくりの具体化を速やかに行ってまいります。  さらに、女性の活躍を推進するため、関係閣僚による会議を設けて、重点課題を整理し、女性登用の見える化などの取り組みを強化してまいります。  こうした具体的な施策を日本再生戦略に盛り込み、財政規律を守りつつ、必要な財源を確保し、着実に実行してまいります。  また、政府としては、景気の持ち直し傾向を確かなものとするとともに、長引くデフレを克服するため、金融政策を行う日本銀行との一層の連携強化を図り、切れ目のない経済財政運営を行っております。新成長戦略の加速や日本再生戦略の策定、実行など、デフレ脱却に向けた取り組みを全力で進めてまいります。  次に、消費税とマクロ経済についてのお尋ねがございました。  財政赤字や債務残高の増大は、将来の社会保障などへの不安を通じて、家計の消費を抑制し、国内の実体経済や国民生活にも好ましくない影響を与えていると考えております。  社会保障と税の一体改革により、社会保障の安定財源を確保し、財政健全化を進めることは、こうした将来への不安を取り除き、人々が安心して消費や経済活動を行う基礎を築くものと考えております。  財政再建により消費などが増加する場合は非ケインズ効果と呼ばれますが、この効果が発現する前提は、かつての経済財政白書でも述べているとおり、政府の財政構造改革へのコミットメントに対する国民の信頼が重要であります。  そうであるからこそ、この一体改革の実現について、私の内閣において全力を挙げて取り組んでいるところでありますので、ぜひとも、国会、そして国民の皆様の御理解を賜りたいと思います。  次に、今後の改革についての大綱と法案の関係についてのお尋ねがございました。  大綱においては、今後の改革の検討に関して今回の法案の附則に明記するとしておりましたが、民主党における法案の議論も踏まえて、まずは、今回の一体改革の実現に向けて政府・与党一丸となって全力で取り組んでいくべきであると判断をし、今回の法案の附則に明記しないこととなったものであります。  今後、高齢化のピークを迎えることを考慮すれば、今後も改革を進める必要があることに変わりはなく、社会保障制度の持続可能性を確保するとともに、二〇二〇年度までに基礎的財政収支を黒字化するなどの財政健全化目標を達成するという観点に立って、さらなる検討、議論を行っていくべきと考えております。  次に、消費税率引き上げを契機として財政の対応力の回復を図るべきとの御質問をいただきました。  今回の社会保障と税の一体改革は、社会保障の充実、安定化のための安定財源確保と財政健全化の同時達成への第一歩を踏み出すものであります。  ただ、先ほども申し上げましたように、基礎的財政収支の黒字化、さらに言えば、金子議員のお父上が御尽力された、赤字国債脱却による財政の対応力の回復には、さらなる努力が必要であります。  他方、議員御指摘のデフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みが重要であることは言うまでもなく、これらと社会保障と税の一体改革は同時に進めていかなければなりません。  一体改革とともに、新成長戦略の加速や日本再生戦略の策定、実行を初め、デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みを全力で進め、財政健全化と経済成長の両立を図ってまいります。  中間層への対策についての御質問をいただきました。  私が掲げる分厚い中間層の復活のためには、まずは、長引くデフレ経済からの脱却を図り、日本経済の再生を通じて国民生活全体の水準を向上させることが重要であります。同時に、低所得者や非正規労働者が増加する中で、消費税など、広く国民に御負担いただきながら、低年金受給者に対する年金額の加算など、低所得者に対するセーフティーネットを強化し、あわせて、働きがいのある人間らしい仕事の実現に向け、非正規労働者の雇用の安定、処遇の改善なども行います。  このように、成長戦略や一体改革など、さまざまな政策を総合的に展開することにより、中間層の厚みを増していきたいと考えております。  中間層の活性化について御質問をいただきました。  中間層の活性化を図るためには、中小企業を初めとする企業の競争力と雇用の創出を両立させ、日本経済全体が元気を取り戻すことが必要です。  そのため、企業の国内投資や雇用創出の足かせとなってきた障害を取り除き、産業と雇用の基盤を死守いたします。同時に、新たな付加価値を生み出す成長の種をまき、新産業の芽を育てていくための環境整備をしてまいります。  これらを実現するため、国家戦略会議において、新成長戦略の実行を加速するとともに、新たな成長に向けた具体的な工程表を伴う日本再生戦略を年央までに策定し、官民が一体となって着実に実行してまいります。  以上、答弁を終わらせていただきます。(拍手)     ―――――――――――――
  18. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) 竹内譲君。     〔竹内譲君登壇〕
  19. 竹内譲

    ○竹内譲君 公明党の竹内譲です。  私は、公明党を代表して、消費税率引き上げを中心とした税制関連二法案に対し、野田総理大臣に質問をいたします。(拍手)  四年間は消費税は上げないとして民主党が政権を奪取してから、わずか二年半余り。政権交代が実現した二〇〇九年に、今のような状況、すなわち、民主党三人目の総理が消費増税に政治生命をかける事態を、国民の一体誰が想像し得たでしょうか。  当時、リーマン・ショックによる影響で、我が国の経済、財政ともに深刻な状況にあったことは周知の事実でありました。にもかかわらず、当時の民主党は、世界的な危機を乗り越えるために党派を超えて協力するどころか、政権批判に終始し、さらに、国民の危機感を利用して、無駄を削減すれば財源など幾らでも捻出できるかのような幻想を国民に振りまいたのです。  それとも、民主党が野党であった当時は、経済や財政そのものがわかっていなかったのでしょうか。もしそうであれば、財政を語る資格はおろか、そもそも政権担当能力を持ち合わせていなかったということになります。  しかし、少なくとも野田総理は、野党時代から財政の厳しさは認識していたはずであり、あのようなマニフェストが実現不可能なことはわかっていたに違いない。とすれば、野田総理は国民をだましたことになります。  二〇〇九年の選挙のときに、民主党も総理も、なぜ消費増税の必要性を訴えなかったのか。総理、不誠実ではありませんか。ここに多くの国民が根本的な不信感を抱いているのです。総理の答弁を求めます。  さて、さきの衆議院選挙の際に、総理自身が街頭演説で有権者にどう語っておられたのか、よく思い出していただきたい。  マニフェスト、イギリスで始まりました、ルールがあるんです、書いてあることは命がけで実行する、書いてないことはやらないんです、それがルールです、書いてないことを平気でやる、これっておかしいと思いませんか、それはマニフェストを語る資格がないというふうにぜひ皆さん思っていただきたい。総理の口から出た発言です。  消費増税は、二〇〇九年マニフェストのどこに書いてあるのでしょうか。どこにも書いてありません。インデックスにも、消費税は「現行の税率五%を維持し、税収全額相当分を年金財源に充当します」とあります。つまり、書いてないことを平気でやる、書いてないことを命がけでやる、これこそ、野田総理、あなた自身のことではありませんか。  これっておかしいと思いませんか、それはマニフェストを語る資格がないってことですという言葉も、全部ブーメランのように野田総理自身に返ってくるのです。恥ずかしいと思いませんか。総理の見解を求めます。  社会保障と税の一体改革は、日本の高齢社会を見据えれば、避けて通れない最重要課題であり、このこと自体を否定するものではありません。  しかし、我が国は民主主義の国家です。選挙でやらないと言ったことをやるという公約破りにとどまらず、国民の生活に直結する増税という極めて重大な意思決定が、国民の負託を受けずに実行されようとしている。これは余りにもひどい暴挙であります。  野田総理が消費増税に政治生命をかけることは勝手ですが、国民軽視の、民主主義を否定するやり方で政治生命をかけると言っても、説得力を持つはずがありません。  総理、さきの衆議院選挙公約と今般の消費増税法案とは、明らかに矛盾しています。やはり、直ちに解散・総選挙を断行し、民主党政権に対する総括としての審判を受けるとともに、改めて消費増税の可否を国民に問うのが筋であり、まことの政治ではありませんか。総理の答弁を求めます。  さて、私たち公明党は、まずは、社会保障のあるべき姿、改革の全体像が示されなければならないと申し上げてきましたが、その観点からは、増税法案の審議に入る大前提が整っていないと指摘せざるを得ません。中途半端で全体像なき社会保障改革では、負担の詳細な議論に入ることはできません。  よって、以下、一体改革の前提となるべき課題を中心に質問いたします。  公明党は、国民に負担をお願いする場合には五つの条件が必要であることを一貫して訴えてきました。  第一に、国民負担の議論を開始するのであれば、まずは、社会保障の全体像、具体像を示せということであります。  検討項目ばかりが並ぶ大綱ではなく、あなた方が目指す社会保障改革によって、国民の暮らしがどのように変化し、将来の生活がどの程度保障されるかなど、具体的に提示していただきたい。  しかし、今般の社会保障と税の一体改革の法案の基礎となっている大綱を一言で表現するならば、はっきり消費税増税、がっかり社会保障改革と申し上げざるを得ません。すなわち、消費税率の引き上げ幅と引き上げ時期だけが鮮明ではあるが、社会保障改革は検討、検討のオンパレード。どこが一体改革なのでしょうか。消費税増税は決められるが社会保障は決められない、これが民主党政権の実態です。  具体的に指摘しましょう。  最低保障年金の創設を柱とする年金の抜本改革、これはどうするのですか。  民主党は、政権取得後、これが、到底実現できない、絵に描いた餅であることに気づいたのではありませんか。しかし、みずから撤回するのは恥ずかしいので、かわりに、民主党員でない与謝野氏を大臣に招き入れて、一旦は事実上の棚上げをしてもらった。ところが、どういうわけか、それをまた、今回、わざわざ棚卸しをした。棚卸しをしたはいいが、消費税増税の明確さとは対照的に、具体策は一つも示されず、来年に先送り。民主党は、やる気があるのか、ないのか、もう、いいかげん、はっきりさせたらいかがですか。国民を愚弄するにもほどがあると、総理、思いませんか。  やはり、年金抜本改革、そして高齢者医療制度の見直しは、直ちに撤回すべきであります。総理の答弁を求めます。  さらに、引き上げる消費税のうち、四%で現行の社会保障制度を守り、残りの一%で社会保障の充実を図るとしております。しかし、その社会保障制度の中身は、自公政権時に取り組んだ内容がほとんどです。中には、あなた方民主党が、選挙目当てに、当時反対した内容まで含まれています。  なぜ、民主党は主張を変えたのですか。与党になって初めて勉強されて、自公政権の正しさがわかったのですか。かつての民主党の主張は間違っていたということですか。総理、明確に御答弁願います。  第二には、景気、経済についてであります。  大綱では、復興需要と、民需主導での経済成長への移行によって経済状況は好転していくとの見通しを立てています。しかし、日本経済が長年デフレ下に置かれている現状、さらには、欧州の債務危機が再燃しかねない状況にあっては、決して楽観できるものではありません。  具体的にお聞きします。  一、仮に、欧州の経済危機が再燃し、世界経済に異変が起こったとしても、増税のスケジュールは変わりませんか。  二、また、法案附則第十八条には名目三%の成長等と書かれていますが、この達成が引き上げの前提になるのか、ならないのか。  三、さらには、わざわざ、名目三%、実質二%と明記している以上、素直に読めば、少なくともデフレ脱却が前提になると考えますが、総理は、デフレ脱却や経済成長が見込めなかった場合でも、消費税引き上げは断行すべきと考えますか。  明快な答弁を求めます。  第三に、行政改革、行政の無駄削減の徹底です。  総理、二〇〇九年のマニフェストのとおり、税金の無駄遣いと天下りを根絶して十六・八兆円もの財源を生み出せれば、そもそも消費税増税など必要なかったのではありませんか。  二〇〇九年のマニフェストには、「国の総予算二百七兆円を徹底的に効率化。ムダづかい、不要不急な事業を根絶」九・一兆円等とした上で、平成二十五年度には合計で十六・八兆円もの財源を生み出すと明確に書かれています。  増税の議論に入る前に、こうした公約は一体どうなったのでしょうか。幾らの財源が生み出されたのか、数字で明確にお答えいただきたい。  さて、総理、マニフェストの中にはこのような公約も記されております。  すなわち、「天下りの在籍する独立行政法人、特殊法人、公益法人などへの支出(一年に約十二兆円)や、国の契約を見直して、国の政策コスト、調達コストを削減する」「補助金改革で関連の事務費、人件費を削減」「独立行政法人、特殊法人、公益法人の仕事を徹底的に見直し、天下りのためにある法人・仕事は廃止して、その団体への補助金等を削減」するとした上で、六・一兆円の財源を生み出すとしておりました。  では、天下り法人への支出約十二兆円は一体幾ら削減できたのですか。補助金改革で、関連の事務費、人件費は幾ら削減できたのですか。天下り法人は幾つ廃止して、補助金は幾ら削減できたのですか。これらの削減で、財源は一体幾ら生み出されたのですか。数字でお答えください。  また、さきの街頭演説で、総理は、皆さんの税金には天下り法人がぶら下がっているんです、シロアリがたかっているんです、シロアリを退治して天下りをなくす、そこから始めなければ、消費税率を引き上げるという話はおかしいんですと述べていますが、シロアリ、すなわち天下り法人は退治されて、天下りは根絶されたのでしょうか。総理、言い逃れは許されません。明快にお答えください。  さらに、民主党政権は、行政改革の一環として特別会計を減らしたとしていますが、その結果、一体どの程度の財政的な効果が上がったというのでしょうか。数字でお答えください。単なる数合わせではないですか。この一点だけでも、行革の努力や成果が全く見られません。  総理、要するに、政権交代以降進められた行政改革、無駄の削減は、民主党が国民に期待させたほどの効果は全く上がっていないということです。それどころか、消費税の前にやるべき行政改革が、いつの間にか議員定数の削減や公務員総人件費の削減だけになっており、独法の見直しや天下りの根絶など、改革の本丸部分がごっそりと抜け落ちてしまっているのです。  要は、マニフェストの実現は不可能などとは今さら言えないため、いかにも身を切る改革を断行しているかのように取り繕っているだけではありませんか。消費増税の前に、二〇〇九年マニフェストにあるとおり、脱官僚、政治主導の予算編成によって、国の総予算を全面的に組み替え、税金の無駄遣いと天下りを根絶することこそ、総理が政治生命をかけて取り組むべき課題ではありませんか。総理の答弁を求めます。  最後に、消費税には、その税の性格上、逆進性が存在することは論をまちません。仮に引き上げによる負担を求めるのであれば、低所得者対策を講じることは当然です。しかし、いまだに政府・民主党からその具体的な制度設計が示されていないのはどういうわけでしょうか。  法案では、確かに給付つき税額控除等の施策を導入することは法案の本則に盛り込まれたものの、残念ながら、具体的な導入時期や方策は示されておりません。また、導入されるまでの間の簡素な給付措置も、財源を含めて、曖昧のままです。  逆進性対策、低所得者対策に対する総理の見解を求めます。  いずれにいたしましても、このように課題は山積です。今後さらに野田内閣の無為無策を徹底的に追及する旨を申し上げ、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  20. 野田佳彦

    内閣総理大臣野田佳彦君) 公明党竹内議員の御質問にお答えをしてまいります。  まず、総選挙時の消費税に関する訴えについての御質問をいただきました。  前回の総選挙はいわゆるリーマン・ショック後に行われており、その時点で経済状況が厳しいことは十分に認識をしていましたが、それでも、九兆円もの急激な税収減が生じることまでは想定できませんでした。この点も含めまして、マニフェストの財源確保について、実現可能性の見通しが甘かったこと、検討が不十分だったことは事実であり、この点については、昨年の中間検証でも率直に認め、おわびをしておりますが、改めておわびを申し上げたいと思います。  〇九年の総選挙時点で、任期中に消費税率引き上げは行わない、税率引き上げ実施の際には国民に信を問うと申し上げておりました。さきの総選挙における私たちの発言に舌足らずや行き過ぎた点があったこと、そして、マニフェストを含めて、野党時代の私たちに甘さや検討の不十分さがあったことについては、真摯に反省し、おわびをいたします。  これまでの説明不足を踏まえ、今回の改革の意義と必要性を丁寧に国民に説明し、御理解いただくことに全力を挙げるとともに、公明党の御批判と御提案を真摯に伺い、一致点を見出して、何としても改革を実現したいと考えております。  次に、総選挙時の消費税に関する私の発言についてお尋ねがございました。  御指摘のとおり、〇九年総選挙マニフェストでは、消費税には触れておりません。一方で、インデックスには、「消費税改革の推進」という項目の中で、税率について、「引き上げ幅や使途を明らかにして国民の審判を受け、具体化します」と書いてあります。  総選挙時の私の発言については、先ほど申し上げたとおり、舌足らずや行き過ぎた部分があり、この点は、率直に反省をしておりますし、おわびを申し上げたいと思います。御批判は真摯に承ります。  同時に、改革に待ったなしの今日、国会審議の中で、御党の建設的な御提案も誠実に受けとめさせていただきます。社会保障の改革と安定財源の確保という共通目的のために、御協力を切にお願いいたします。  解散についてのお尋ねがございました。  消費税率の引き上げについては、マニフェストには記載をしておりませんが、政権交代後に税収の大幅な落ち込みが明らかになり、東日本大震災などが重なって、その早急な回復が見込めないこと、社会保障費の自然増や基礎年金国庫負担問題、欧州の金融危機が波及しかねないことなどから、消費税の問題をもはや先送りする時間はないと判断をいたしました。  民主党が前回総選挙時に国民に約束したことは、衆議院の任期中には消費税の引き上げは行わない、税率引き上げを実施する際には国民に信を問いますということであります。したがって、提出法案に明記してあるとおり、現在の政権任期中において消費税率の引き上げは行いません。当然、引き上げの前には総選挙で民意を問うことになります。  反省するべきは真摯に反省し、そして、内閣の使命、やるべきことをなし遂げた後には、しかるべき適切な時期に、民主党の政策判断の是非について民意を問います。  次に、目指すべき社会保障改革と年金抜本改革と高齢者医療制度の見直しについてのお尋ねがございました。  一体改革大綱では、子ども・子育て、医療、介護、年金など社会保障制度全般にわたり、改革の項目や実施時期、手法など、改革の全体像を既にお示ししております。さらに、社会保障の費用と負担について、一定の前提を置いた上で、公費と保険料の負担の内訳を含めた将来の見通しも示しております。  また、年金抜本改革と高齢者医療制度の見直しは直ちに撤回すべきとの御指摘をいただきました。  しかし、年金制度については、最低保障機能の強化など現行制度の改善が必要であるとの問題意識は、与野党で共有されていると承知をしています。また、高齢者医療についても、支える国民健康保険など現行制度も大変厳しい状況にあることについては認識を一致できるのではないかと考えております。  ぜひ、各制度の向かうべき方向について、それぞれの認識、提案を持って、胸襟を開き、国民の立場に立って御協議に応じていただくよう、重ねてお願いをいたします。  社会保障改革についての御質問がございました。  今般提案をしている社会保障改革のうち、子ども・子育てシステムなどにつきましては自公政権時代の取り組みを尊重しつつ議論を進ませたところもありますが、その他の部分では、自民、公明両党のお考えに共通する部分も多々あるものと考えております。  その意味で、おっしゃるとおり、民主党が政権を担う中で、改めて、具体的な改革の手法、内容において取り入れさせていただいた点も多く、御検討の御労苦に感謝も申し上げたいと考えております。同時に、それゆえに、民主党としても反省すべきは反省した上で、一体改革の議論については、お互いに胸襟を開き、率直な議論を行う中で、一致点は必ず見出せるものと考えております。  なお、今回の提案において、過去において民主党が問題点を指摘した内容と部分的に同じ点や類似の点、違う点、その理由などについては、今後の審議、質疑の中で具体的にお答えをしていきたいと考えております。  経済状況と消費税率引き上げの関係についてのお尋ねがございました。  デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みは重要であり、これらと一体改革は同時に進めていかなければなりません。  このため、法案では、平成二十三年度から三十二年度までの十年間の平均において、名目三%程度、実質二%程度の経済成長を目指すという政策努力の目標を示し、こうした望ましい経済成長のあり方に早期に近づけるため、デフレ脱却や経済活性化に向けて必要な施策を講じていく責務を課していますが、これは、消費税率引き上げの前提条件として規定しているものではございません。  また、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、税率の引き上げに当たっては、経済状況の好転について種々の経済指標を確認し、デフレ脱却や経済活性化に向けた総合的な施策等を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、必要と認められる場合に、引き上げの停止を含め、所要の措置を講ずることとしております。  財源確保の状況についての御質問がございました。  〇九マニフェストでうたった財源確保については、政権交代後、全力で取り組んでまいりました。この結果、二十四年度予算までに確保した恒久財源については、歳出削減について、事業仕分けの結果なども活用し、対二十一年度比で二・九兆円程度、税制改正について一・一兆円程度となっております。また、このほか、税外収入について、二十二年度予算で十・六兆円程度、二十三年度予算で七・二兆円程度、二十四年度で三・七兆円程度を確保しております。  ただ、〇九マニフェストどおりの数字となっていない点については、昨年夏に取りまとめたマニフェストの中間検証において、リーマン・ショック後の大幅な税収の落ち込みなどとともに、マニフェスト作成時に検討、検証が不十分な部分があったことも率直に認め、真摯に反省しなければならないとしているところであります。  天下り法人への補助金や天下りの根絶についての御質問をいただきました。  国家公務員の再就職者が在籍している公的法人向けの財政支出について、例えば独立行政法人向け財政支出は、対二十一年度比で約三千億円の削減を行っております。  補助金の見直しに伴う事務費、人件費の削減については、その効果を定量的にお示しすることは困難ですが、公的法人向け支出の削減と合わせ、二十四年度予算までに確保した歳出削減による恒久財源二・九兆円の財源の一部に寄与しているものと考えております。  また、これら公的法人の見直しについては、独立行政法人の大胆な統廃合等により、法人数を四割弱削減するといった改革を行うこととしております。  天下りの根絶については、政権交代直後、府省庁による天下りあっせんを全面禁止するとともに、独立行政法人の役員公募の実施などに取り組んできたところであります。  さらに、今国会に提出している公務員制度改革関連法案においては、先般立ち上がった再就職等監視委員会の監視機能を強化することにしております。  特別会計改革による財政効果に関するお尋ねがございました。  特別会計については、政権交代後、約十五兆円の剰余金、積立金を一般会計の財源及び復興財源に組み入れるなど、最大限に活用してまいりました。  今回の特別会計改革による予算の削減効果を定量的に示すことは難しいものの、会計数を十七から十一に減らし、全体の勘定の数をおおむね半減させることにより、一般会計による財政のチェック機能が高まり、さらなる無駄の排除や対象事業の柔軟な見直し等を徹底することにより、財政資金の効率的な活用が達成されるものと考えております。  予算の全面的組み替え、行政改革、無駄の削減に取り組むべきとの御質問をいただきました。  行政改革や無駄排除については、政権交代以降、行政刷新会議を中心に大いに取り組み、事業仕分けや提言型政策仕分け、さらには行政事業レビューを実施し、予算に反映させるとともに、独立行政法人改革や特別会計改革等の制度改革につなげるなど、成果を上げてまいりました。  また、予算の組み替えについても、このような成果も踏まえつつ、公共事業について政権交代以降三年連続で減額する一方、特別枠を活用して必要性や効果の高い政策に予算を重点配分するなど、大胆な組み替えを行ってまいりました。  なお、改革から抜け落ちていると御指摘のあった独立行政法人については、不要資産の国庫納付や国からの財政支出の削減を行ってきたほか、本日、制度面の抜本的な改革を行うための法律案について閣議決定したところであります。また、先ほど申し上げたとおり、法人数を四割弱削減するといった改革を行ってまいります。  同様に御指摘のあった天下りの根絶についても、先ほど申し上げたとおり、これまでさまざまな取り組みを行ってきたところであります。  引き続き、全閣僚をメンバーとする行政改革実行本部を中心に、また、先日初会合を開催した、民間有識者を集めた行政改革に関する懇談会の議論の成果も反映させて、行政の無駄や非効率を排除し、総人件費改革を初めとする行政改革を推進してまいります。  最後に、低所得者対策についてのお尋ねがございました。  所得の低い方々への対応については、給付つき税額控除等の施策を導入、その実現までの間の簡素な給付措置の実施という方針を決定しております。  その具体的な内容は、今回の改革に盛り込まれた他の社会保障施策などを踏まえ検討していく必要があることから、今後、与野党の協議を踏まえ決定していくこととしております。  これらの措置に要する財源については、施策の内容の具体化を行う過程で、財政運営戦略等を踏まえ検討してまいります。  以上です。(拍手)     〔議長退席、副議長着席〕     ―――――――――――――
  21. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) 佐々木憲昭君。     〔佐々木憲昭君登壇〕
  22. 佐々木憲昭

    ○佐々木憲昭君 日本共産党を代表し、消費税増税法案について質問します。(拍手)  野田総理が政治生命をかけると言って打ち出した消費税増税に、多くの国民が反対しております。長引く景気低迷や雇用不安、所得の減少などで生活苦が広がり、これ以上の消費税増税に耐えられないという声が庶民の切実な声であります。  以下、具体的にお聞きします。  第一は、選挙公約との関係です。  二〇〇九年の総選挙で民主党が掲げたマニフェスト、政権構想五原則、五策及びマニフェスト政策各論五十五項目、これらのどこを探しても、消費税を引き上げるという公約もありませんし、消費税増税法案を提出するという方針もありませんでした。そればかりか、民主党は、選挙期間中、消費税は四年間引き上げないと繰り返し発言していたのであります。ところが、民主党が政権について一年以上経過してから、突然、消費税増税法案を提案すると言い始めたのであります。  生活第一の公約を投げ捨て、法案の成立を図ろうとするのは、明らかに国民に対する裏切り行為ではありませんか。答弁を求めます。  連立を組んでいる国民新党はどうか。マニフェストに、消費税は上げないとはっきり書いていたのであります。ところが、自見大臣は、消費税増税法案の閣議決定に署名し、公約を破りました。  国民にどう説明するのか、答弁を求めます。  第二は、消費税はもともと最悪の欠陥税制だという点であります。  その一つは、逆進性の問題です。  消費税は、原則として全ての消費に課税され、食料品などにも例外なく課税されます。そのため、低所得ほど負担率が高くなる不公平な税制であります。これは、生活費に課税しないという税制の原則を真っ向から否定する税制だと言わなければなりません。  野田内閣は、逆進性対策として、給付つき税額控除や軽減税率の導入を検討しているようですが、一年以上検討しても何も決めることができないのは、逆進性を克服する有効な手段が見当たらないことを示しているのではありませんか。  仮にこれらの対策を実行するにも、大規模な財源が必要となります。それはどこから捻出するんでしょうか。その財源を確保するため、さらに消費税率を引き上げるのでしょうか。お答えください。  二つ目は、消費税が転嫁できないという問題です。  消費税は、最終消費者に負担を求めていますが、事業者に納税義務が課されております。そのため、転嫁できなければ、事業者がみずから身銭を切って負担せざるを得ません。  政府が依頼して行った中小企業団体のアンケート調査では、売り上げの低い中小企業ほど消費税を転嫁できない実態を浮き彫りにしております。売上高三千万以下で、七割以上の事業者が、消費税の転嫁が困難になると回答しているんです。初めのうちは貯蓄を取り崩して消費税を納税するけれども、その資金がなくなれば消費税を滞納せざるを得ず、最後には廃業に追い込まれる、これが実態であります。  消費税導入当時も、独禁法などのガイドラインや監視体制の強化に取り組むと言われました。しかし、何も解決しておりません。  野田総理は、安心して消費税を払っていただく仕組みをつくると言いますが、安心どころか、不安は募る一方であります。実際に、国民の所得と消費は低下し、消費税を転嫁できない事業者はますますふえ続けているではありませんか。  その影響は、地方の公共交通機関にも及んでおります。国土交通省の資料によれば、消費税増税分を料金に上乗せすれば、乗り合いバスやタクシーなどで乗客が減少し、経営に重大な影響があるとの調査結果が出ているのであります。  地域でただ一つの足となっている公共交通機関が廃止に追い込まれるなら、地域社会が存続の危機に直面するのであります。一体、どうするつもりでしょうか。  第三に、消費税の大増税が日本経済を重大な危機に突き落とすという問題です。  消費税一〇%への大増税で、新たな国民負担が十三兆円を超えます。その上、政府は、老齢年金、障害者年金の給付削減などを皮切りに、年金の支給開始を六十八歳、七十歳に先延ばしすることも検討しております。また、医療費の窓口負担をふやしたり、保育への公的責任を放棄する新システムを導入するなど、社会保障のあらゆる分野で、高齢者にも、現役世代にも、子供にも、負担増と給付削減という連続改悪のオンパレードであります。  消費税増税と年金削減などを含めると年間十六兆円、さらに、既に決められた制度改悪による年金、医療などの保険料引き上げによる負担増を合わせると、年間、実に二十兆円もの大負担増になるのであります。冷え込んだ家計からこれだけ大規模に購買力を奪うのですから、一九九七年の九兆円負担増と比べても、はるかに大きな衝撃を国民生活と日本経済に及ぼすことは明らかではありませんか。  政府は、消費の落ち込みは一時的ですぐに回復すると言いますけれども、しかし、増税と負担増によって所得と消費を恒常的に奪う事実を、なぜ無視するのでしょうか。民間の研究機関も、駆け込み需要と反動減だけではなく、恒常的な所得の減少を見るべきだと指摘しているのであります。  消費が冷え込めば、税収全体も落ち込みます。九七年に消費税率が五%に引き上げられたときに、景気の冷え込みによって、法人税収や所得税収が大きく落ち込みました。国と地方の税収総額は、一九九六年の九十兆円から、二〇一〇年の七十六兆円へと、十四兆円も減ったのであります。  野田総理、あなたは、二〇〇五年二月の衆議院財務金融委員会でこう述べました。「一挙に増税路線に政府がシフトした後の惨たんたる日本の経済の状況を私も肌をもって感じた」と。そう言いながら、なぜ同じ過ちを繰り返すのでしょうか。  消費税増税が引き起こす問題は、枚挙にいとまがありません。これらの問題を放置し、対策もとらず、ただただ増税法案成立に邁進する。こんなことは、政府のすべきことではありません。法案は直ちに撤回すべきであります。  その一方で、野田内閣は、法人税を、国、地方合わせて一兆四千億円も減税するというのであります。今、中小企業の七割が赤字ですから、その法人税減税の大部分は大企業向けとなります。しかし、大企業に減税しても、内部留保がふえるだけで、内需拡大につながらないことは明らかです。  日本共産党は、社会保障充実と財政危機打開の提言を発表しました。無駄遣いを聖域なく一掃する、その上で富裕層と大企業に応分の負担を求める、これこそが問題解決への道であります。  政府も財界も、日本の法人税率は高いと言いますけれども、大企業の実際の法人税負担率は、表面税率四〇%を大幅に下回っており、上位三百社の平均をとっても三三%程度にすぎません。中には、わずか一二%、一三%という低い負担率の大企業もあるのであります。それは、大企業にしか使えない優遇税制の仕組みがあるからであります。この際、研究開発減税や連結納税制度など、大企業向けの優遇税制を見直すべきであります。  政治の姿勢を変えれば、消費税に頼らなくても、社会保障拡充と財政再建への道は開かれるのであります。このことを強く強調して、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  23. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 共産党佐々木憲昭議員の御質問にお答えをいたします。  まず、選挙公約と消費税についてのお尋ねがございました。  民主党は、総選挙の際に、今回の任期中に消費税引き上げはしない、税率引き上げを実施する際には国民に信を問いますと主張しました。今般の提案が、この約束自体に反するものではないとしても、待ったなしの改革の必要性について、国民の皆様の御理解を十分にいただいていない点については大いに反省し、今後乗り越えるべく全力を挙げたいと思います。  社会保障の機能強化やその財源の確保、欧州の金融危機などを鑑みるとき、社会保障と税の一体改革は、与野党ともに、もはや逃げられない課題であります。国民の皆様にも十分に説明を尽くし、理解を得る中で、法案の成立を何としても今国会において実現したいと考えております。  そして、内閣の使命、やるべきことをなし遂げた後には、しかるべき適切な時期に、民主党の政策判断の是非について民意を問いたいと考えております。  次に、低所得者対策についてのお尋ねがございました。  所得の低い方々への対応については、給付つき税額控除等の施策を導入、その実現までの間の簡素な給付措置の実施という方針を決定しております。  その具体的な内容は、今回の改革に盛り込まれた他の社会保障施策などを踏まえ検討していく必要があることから、今後、与野党の協議を踏まえ決定していくこととしております。  これらの措置に要する財源については、施策の内容の具体化を行う過程で、財政運営戦略等を踏まえ検討してまいります。  次は、中小企業の転嫁対策、公共交通への影響についてのお尋ねがございました。  中小企業の方々の転嫁対策については、先月、内閣に検討本部を設置したところであり、今後、事業者の方々の意見を把握した上で課題の整理等を行い、消費税率の八%への引き上げ時に先立って、速やかに総合的な対策を講ずることとしております。  与党のワーキングチームが実施した業界団体からのヒアリングにおいては、例えば、消費税は転嫁を通じ最終的に消費者に負担していただく税であることを国民に理解していただくよう強く発信すべき、中小事業者が大規模事業者の優越的地位の濫用を告発することは困難であることを踏まえ、実効性のある転嫁の仕組みや執行体制の強化を検討すべきといった意見があったと聞いており、今後、与党のワーキングチームとも緊密に連携しつつ、事業者の方々の実態を踏まえた方策について検討を進めてまいります。  公共交通への影響については、価格転嫁についてどのような問題があるのかなど、交通事業者の実態を十分に把握し、関係行政機関で緊密な連携をとりつつ、徹底した対策を講じてまいります。  社会保障と税の一体改革による負担増の経済や家計への影響についてのお尋ねがございました。  人口構造の急速な高齢化、社会経済状況の変化、欧州の政府債務問題に見られるグローバルな市場の動向を踏まえれば、社会保障の充実、安定化を図ることは、先送りできない課題であります。また、一体改革により、社会保障の安定財源を確保し、財政健全化を進めることは、将来への不安を取り除き、人々が安心して消費や経済活動を行う基礎を築くものと考えております。  さらに、今回の改革において、消費税収は、現行分の地方消費税を除いて全額を社会保障財源化し、国民に還元するとともに、低所得者への年金加算や保険料の軽減など、きめ細かな低所得者対策を実施していくこととしています。  加えて、デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みは重要であると考えており、これらと一体改革は同時に進めていくこととしています。  なお、一九九七年の景気後退については、同年七月のアジア通貨危機、十一月の金融システムの不安定化という他の要因によるものも大きいと考えております。  法案を撤回すべきではないかというお尋ねがございました。  消費税率の引き上げに伴う、いわゆる逆進性対策や転嫁対策など御指摘の課題については、先ほどお答えしたとおり、さまざまな取り組みを行うこととしており、問題を放置しているとの御批判は当たらないものと考えております。  先ほど申し上げたとおり、一体改革は先送りすることのできない与野党共通の課題であり、責任ある政権党のなすべきことは、法案を撤回することではなく、この困難な課題から逃げることなく、改革を実現すべく法案の成立を図ることであります。  残余の質問については、関係大臣が答弁をいたします。(拍手)     〔国務大臣自見庄三郎君登壇〕
  24. 自見庄三郎

    国務大臣自見庄三郎君) 共産党佐々木憲昭議員からの御質問にお答えをさせていただきます。  国民新党マニフェスト消費税との関係いかに、こういう御質問でございました。  さきの三月三十日の閣議において消費税法等の改正法案等に署名をいたしましたが、これは、三月二十九日に開催されました我が国民新党議員総会において、所属議員八人のうち六人が参加をしたわけでございますが、出席者六人全員の賛成をもって可決されたものでございまして、国民新党の当時副代表として、その決定を踏まえたものでございます。  国民新党では、党結党の精神である、一丁目一番地である郵政民営化の見直しについて、政権を担う連立与党の一員として、最後まで責任を持って取り組んでいくことがより重要であるというふうに判断をしたわけでございます。  今回御審議をしていただく法案では、消費税率を、国、地方合わせて、二〇一四年四月には八%、二〇一五年十月には一〇%に引き上げる内容となっており、当該選挙において負託された政権担当期間中においては、これは御存じのように二〇〇九年九月から二〇一三年八月でございますが、税率の引き上げは行わないものでありまして、したがって、消費税を引き上げないとした国民新党マニフェストには違反をしていないというふうに考えております。  以上でございます。(拍手)     ―――――――――――――
  25. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) 豊田潤多郎君。     〔豊田潤多郎君登壇〕
  26. 豊田潤多郎

    ○豊田潤多郎君 新党きづなの豊田潤多郎です。  私は、新党きづなを代表し、消費税の増税の前にやるべきことがあるという主張に立って、総理に質問をします。(拍手)  私たちは、かねてより、社会保障と税の一体改革という問題提起の仕方はおかしいと指摘してきました。  なぜなら、社会保障を受けたければ消費税の増税が必要だ、逆に、消費税の増税が嫌なら社会保障は受けられないという二者択一で、選択の余地がない、消費増税ありきの問題提起であるからです。  これに対して、私たちは、歳出と歳入の一体改革というアプローチをすべきであると主張してきました。  社会保障といえども、全てが聖域ではありません。社会保障を含む全ての歳出について徹底した行財政改革を行うとともに、予算の効率化を進めることにより、歳出の大幅削減を実現、実行しなければなりません。  この歳出削減を最大限に行ったとしても、まだ足りないところがあるとすれば、歳入をふやすということになります。歳入をふやすに当たり、国債の発行に頼らないという財政規律を守るとすれば、まず、税外収入を可能な限り捻出し、そこでどうしても足りないときに、初めて増税の議論となるのです。  さらに、税は消費税だけではありません。他のさまざまな税目の増税も検討し、全体のバランスを考えて、最終的に消費税のあり方を決めるべきです。  今回内閣から提出された消費税の増税法案について、以上の基本的な考え方に立って検討を行ってみると、次の三つの大きな問題があります。第一に、行財政改革なくして増税なし、第二に、社会保障のビジョンなくして増税なし、第三に、景気の回復なくして増税なしであります。  そこで、総理に質問します。  第一点の、行財政改革なくして増税なしについてです。  民主党は、二年八カ月前の政権交代に当たって、公務員の人件費削減、国の地方出先機関の整理縮小、廃止、特別会計や特殊法人等の整理縮小、廃止、天下りの全面禁止等を国民の皆さんに約束しました。しかし、いずれも、いまだに何もできていないか、もしくは極めて不十分な対応です。  さらに、コンクリートから人へと称しながら、今年度の予算では、八ツ場ダム、整備新幹線、高速道路等が軒並み復活し、人からコンクリートへと、全く逆戻りしているありさまです。  増税を行う前に、全ての歳出について徹底した行財政改革を行うとともに、予算の効率化を進めることにより、歳出の大幅削減を実現、実行しなければなりません。  国民の皆さんに約束したことを実行せず、逆に、引き上げないと言った消費税を引き上げようとする、このような国民の皆さんの思いを裏切る行為は、断じて許されるべきものではありません。  総理の責任を厳しく問いただしたいと思います。  次に、第二点の、社会保障のビジョンなくして増税なしについてです。  私たちは、本来、歳出と歳入の一体改革というアプローチをすべきであると主張してきていますが、仮に、テーマを社会保障と税の一体改革と狭く絞ったとしても、大きな問題があります。  すなわち、第一に、年金の将来ビジョンが不明確であること、第二に、生活保護のあり方や高齢者の高額医療のあり方など、社会保障の中にも見直し、検討を行うべき課題が数多くあり、かつ、行政の無駄が相当程度あるにもかかわらず、対応策がとれていないこと、第三に、基礎年金の国庫負担分の財源を、赤字国債減らしの粉飾まがいの交付国債としていること、第四に、さらには、この交付国債の償還財源に成立もしていない消費増税を充てていることなど、極めて問題があります。  このように、社会保障の将来ビジョンが不明確で、課題に対する対応策がとられていないままで国民の皆さんに負担増をお願いすることは、到底理解が得られるものではありません。  総理の対応の仕方について、その責任を問いただしたいと思います。  最後に、第三点の、景気の回復なくして増税なしについてです。  我が国の経済は、長期のデフレと円高で、景気の低迷が続いています。この状況下で消費税の増税を行うことは、必ずや、我が国の経済を一層深刻で、かつ危機的な状態に陥れることになるでしょう。  その結果、企業や家計の所得が大きく落ち込み、法人税、個人所得税が大幅な減収となります。消費税も想定を下回り、全体の税収も想定を大きく下回るおそれがあります。  このように税収の落ち込みも大きな問題ですが、さらには、企業の倒産やリストラにより失業者が増加し、雇用不安などの大きな社会的問題を引き起こす可能性もあります。  政府・与党は、有効な景気対策を全く打てておりません。日銀による思い切った金融政策も総動員して、景気の回復を図るべきです。  消費増税の前に景気を回復すべきだということは自明の理ですが、総理はいかがお考えですか。  以上、消費税の増税の前にやるべきことがある、すなわち、第一に、行財政改革なくして増税なし、第二に、社会保障のビジョンなくして増税なし、第三に、景気の回復なくして増税なし、このことを強く主張し、政府・与党が増税の前にやるべきことをやらないのであれば、消費税の増税に断固反対することを明確に申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  27. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 豊田議員から、三問、御質問をいただきました。  最初は、消費税率の引き上げの前に徹底した行財政改革を実行すべきとのお尋ねでございます。  無駄や非効率の排除については、行政刷新会議を中心に、事業仕分けや提言型政策仕分けの成果を予算に反映させるなど、大いに取り組んできたところであります。  また、最近でも、国家公務員の給与引き下げの実施、新規採用抑制の決定などを行っておりますし、独法改革、特会改革なども進めてまいりました。  全閣僚をメンバーとする行政改革実行本部を中心に、また、先日初会合を開催した、民間有識者を集めた行政改革に関する懇談会の議論の成果も反映させて、引き続き、行政の無駄や非効率を排除し、総人件費改革を初めとする行政改革を推進してまいります。  しかしながら、こうした取り組みだけでは、必要な社会保障の充実や、毎年一兆円規模になる社会保障費の自然増への対応を図ることは困難であり、消費税率引き上げを含む社会保障・税一体改革に取り組むことが必要であると考えております。  社会保障の将来ビジョンについてのお尋ねがございました。  一体改革大綱では、社会保障全般にわたり、改革項目や実施時期、手法など改革の全体像を示した上で、医療、介護の効率化や生活保護制度の見直しを含めた、社会保障の充実と重点化、効率化をあわせて行うこととしております。  加えて、御指摘の年金交付国債による対応は、年金財政の安定を確保するため、消費税引き上げ前の二十四年度においても、基礎年金の国庫負担割合を二分の一としつつ、年金法本来の考え方を踏まえ、年金財政への国庫金の繰り入れは消費税引き上げ後に消費税収を充てて行うことを明確化するものであり、赤字国債減らしの粉飾まがいとの批判は当たりません。  今回の一体改革は、基礎年金国庫負担の引き上げを初め、持続可能な社会保障のために必要な財源を消費税により確保しようとするものであり、その必要性について、国民の皆様に丁寧に説明し、理解を求めていきたいと考えております。  最後に、景気対策についてのお尋ねがございました。  政府としては、景気の持ち直し傾向を確かなものとするとともに、歴史的な円高と長引くデフレを克服するため、金融政策を行う日本銀行との一層の連携強化を図り、切れ目のない経済財政運営を行っております。  具体的には、引き続き、復興需要の早期顕在化に努めるとともに、新成長戦略の加速や日本再生戦略の策定、実行など、デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みを全力で進めてまいります。  また、税制抜本改革法案においても、平成二十三年度から平成三十二年度までの十年間の平均において、名目成長率三%程度、実質成長率二%程度の経済成長を目指すという政策努力の目標を示し、デフレ脱却や経済活性化に向けて、こうした望ましい経済成長のあり方に早期に近づけるための総合的な施策を実施することを明記したところであります。  なお、金融政策を行う日本銀行に対しては、日銀がみずから設定した物価安定のめどの達成に向けてしっかりと努力を行うことが重要と考えており、引き続き、政府との緊密な連携のもと、果断な金融政策運営を期待しております。  以上です。(拍手)     ―――――――――――――
  28. 衛藤征士郎

    副議長衛藤征士郎君) 中島隆利君。     〔中島隆利君登壇〕
  29. 中島隆利

    ○中島隆利君 社会民主党・市民連合を代表し、消費増税関連二法案について質問をいたします。(拍手)  深刻なデフレ不況で、国民生活は疲弊しています。国税庁の民間給与所得調査の結果を見ると、リーマン・ショック前の二〇〇七年度と二〇一〇年度の比較で、平均年収がマイナス二十五万円。十五年前の九七年と比較すれば、実に五十五万円以上の減収となり、家計を冷え込ませています。  ここに加え、年少扶養控除の廃止と成年扶養控除の縮小、健康保険や厚生年金保険料の引き上げ、来年一月からの復興特別所得税など、負担増のメニューはメジロ押しです。  この折に、額にして十三・五兆円という戦後最大級の増税をすれば、国民生活や家計が破壊されるという認識はお持ちではないのでしょうか。総理の見解をお聞かせください。  国民が安心して税と社会保険料を負担できるような環境を整備することこそ、問われているのではないですか。そのためには、増税ではなく、所得と雇用を安定させ、デフレから脱却することが最重要課題です。総理の認識をお聞かせください。  さて、今年度予算で、基礎年金、老人医療、介護の総経費と国の消費税収の差額、いわゆるすき間は、基礎年金の国庫負担割合引き上げを含めると、十・四兆円になります。消費増税五%の国税分は約九兆円ですから、少子化対策費用を除いても、すき間部分を埋めることすらできません。  ましてや、政府は社会保障費の自然増が毎年一兆円と言っていますから、実は、五%の消費増税の後に、青天井の税率アップを考えているのではないですか。総理、本音で言って、消費税率は何%にすべきと考えておられるのか、お尋ねをいたします。  国民年金、介護保険、国民健康保険の保険料は消費税以上に逆進性が強いとされていますが、社会保険料率の見直しは検討されたのでしょうか。  所得税制について、課税所得五千万円超の税率を五%引き上げますが、対象者は給与所得者の〇・一%。四百億円程度の税収増では、再分配機能の回復からほど遠い内容です。課税所得階級と適用税率区分の見直しなど、所得税制の抜本改革に、なぜ手をつけないのですか。  G8の先進国で、均一税率で消費税一〇%以上の国は皆無です。欧州では、生活必需品には軽減税率や非課税措置がとられています。逆進性対策と称して、なぜ、複数税率ではなく還付方式を選択したのでしょうか。  中小企業が消費税増税分を価格転嫁できないのではないかと指摘されています。政府の対策は、相談の場の設置や監視機能強化にとどまっています。税制の設計上で、中小企業が損益を出さない仕組みをつくるべきではないですか。  関連し、事業者の取引を透明化するため、この際、税額票、インボイス方式を採用すべきではないですか。中小企業に対する大企業の圧力の実態が把握しやすくなると同時に、病院の医療機器や学校の建設費に係る消費税負担分の把握にも有効ですが、いかがでしょうか。  最後になりますが、総理が、消費税の大増税ではなく、国民生活第一、家計に対する支援といった政権交代の出発点に戻り、そこにこそ政治生命をかけていただくことを強く訴え、私の質問といたします。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  30. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 社民党中島議員の御質問にお答えをいたします。  まず、デフレ不況やさまざまな負担増の中での増税についてのお尋ねがございました。  若い世代を含め、国民が将来に不安を持たないようにするため、社会保障と税の一体改革により、社会保障の充実、安定化を図ることは、待ったなしの課題であります。一方で、デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みも重要であり、これらと一体改革は同時に進めていかなければなりません。  このため、税制抜本改革法案では、平成二十三年度から平成三十二年度までの十年間の平均において、名目成長率三%程度、実質成長率二%程度の経済成長を目指すという政策努力の目標を示し、デフレ脱却や経済活性化に向けて、こうした望ましい経済成長のあり方に早期に近づけるための総合的な施策を実施することを明記したところであります。  また、今回の改革において、消費税収は、現行分の地方消費税を除いて全額を社会保障財源化し、国民に還元するとともに、低所得者への年金加算や保険料の軽減など、きめ細かな低所得者対策を実施していくこととしております。  次に、デフレ脱却についてのお尋ねがございました。  政府としては、景気の持ち直し傾向を確かなものとするとともに、長引くデフレを克服するため、金融政策を行う日本銀行との一層の連携強化を図り、切れ目のない経済財政運営を行っております。  新成長戦略の加速や日本再生戦略の策定、実行など、デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みを全力で進めてまいります。  将来の消費税率の水準についてのお尋ねがございました。  大綱で述べているとおり、今回の一体改革は、社会保障の安定財源確保と財政健全化の同時達成への第一歩を踏み出すものであり、まずは、この実現に向けて取り組んでいくことが重要であります。  一方で、我が国の高齢化のピークがまだ先であることを考慮すれば、社会保障の持続可能性を確保する観点から、さらなる検討、議論を行っていくべきと考えております。  次に、所得再分配に関する社会保険料、所得税、消費税についてのお尋ねがございました。  中島議員御指摘の社会保険料の見直しに関しては、国民年金について低所得者に対する免除の制度があるほか、介護保険、国民健康保険について、今回の一体改革で低所得者の保険料軽減の拡充を図ります。  所得税については、所得再分配機能が近年低下しており、これらを回復させるため、所得控除や税率構造の改革を進める必要があると考えております。  一方で、今回の消費税率の引き上げや復興特別所得税による負担増等もあわせ考えれば、幅広い所得層に対して負担増を求めることは慎重に考えるべきであり、今回の改革では、特に高い所得階層に絞って一定の負担増をお願いすることとしています。  食料品等に軽減税率を導入することについては、合理的な線引きが困難であり、商品、サービス間で不公平感が生じ得ること、事業者の事務負担が増加することなどを踏まえ、今回の改革においては単一税率を維持することとしたところであります。  所得の低い方々への対応については、二〇一五年度以降の番号制度の本格稼働、定着後の実施を念頭に、給付つき税額控除等の施策を導入するほか、その実現までの間の暫定的、臨時的措置として簡素な給付措置を実施することとし、現在、検討を進めております。  最後に、中小企業の転嫁対策、インボイス制度の導入についてのお尋ねがございました。  中小企業の方々の転嫁対策については、先月、内閣に検討本部を設置したところであり、今後、事業者の方々の意見を把握した上で課題の整理等を行い、消費税率の八%への引き上げ時に先立って、速やかに総合的な対策を講ずることとしております。  与党のワーキングチームが実施した業界団体からのヒアリングにおいては、例えば、消費税は転嫁を通じ最終的に消費者に負担していただく税であることを国民に理解していただくよう強く発信すべき、中小事業者が大規模事業者の優越的地位の濫用を告発することは困難であることを踏まえ、実効性のある転嫁の仕組みや執行体制の強化を検討すべきといった意見があったと聞いており、今後、与党のワーキングチームとも緊密に連携をしつつ、事業者の方々の実態を踏まえた方策について検討を進めてまいります。  いわゆるインボイス制度については、今回の改革では、単一税率を維持することや、中小事業者の事務負担などを踏まえ、その導入は行わないこととしております。  以上でございます。(拍手)     ―――――――――――――
  31. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) 江田憲司君。     〔江田憲司君登壇〕
  32. 江田憲司

    江田憲司君 みんなの党、江田憲司です。(拍手)  総理、あなたは、所信表明演説で、きょう生まれた子供一人の背中には既に七百万円を超える借金があると嘆いてみせました。これを聞いた国民は、我々のせいでこんなに借金を背負わせているのかと罪悪感すら感じ、増税やむなしと考えた人も多いと思いますよ。  しかし、そうおっしゃるなら、なぜ、同時に、五百万円の資産を持って生まれてくるとつけ加えないんですか。それがバランスシートの考え方というものです。右側の負債だけ取り出して大変だ大変だと言うなら、どの会社だってあした倒産ですよ。左側の資産にも触れないと公平じゃない、国民をミスリードする。総理、いかがですか。  また、日本海外純資産は二百五十兆円、外貨準備も百兆円、国全体の金融資産も五千六百兆円、経常黒字も十七兆円。これでどうして増税しなければ財政破綻なんですか。財務省も、私と同じ数字を挙げて、海外には、日本経済のファンダメンタルズは強固だ、日本国債デフォルトは考えられないと主張しているじゃありませんか。一方、国内では、借金は一千兆円でGDPの二倍だと言って、国民をおどす。完全な二枚舌ですよ。  総理、説明してください。ただし、それは十年前の話だなんて逃げちゃいけませんよ。十年前より、この海外純資産等の数字は、よくなりこそすれ、悪くなっていないんですから。  だから、私は、こうした意図的な情報操作を財務省の増税マインドコントロールと呼んでいるんです。国民には、増税に都合のよい数字しか言わない、増税に不都合な真実をあえて隠す。原発事故のときもそうでした。  ただ、このマインドコントロールという言葉、何も私だけが使っているわけじゃありませんよ。ついこの前までお身内だった前総務大臣片山善博さんも、こう言っているじゃありませんか。多くの与党議員が財務省にマインドコントロールされている、メディアも同じだ、野田政権になってほとんど自民党時代に戻ってしまった、野田さんとは一年間つき合ったが、財務官僚が設定した枠を超えられなかった。  総理、何か反論がありますか。違うとおっしゃるなら、片山さんがうそをついているということですね。では、そうしたうそをつく人を、なぜ野田政権の行革懇談会のメンバーにしたんですか。お答えください。  みんなの党は、増税の前にやるべきことがあるだろう、結党以来、一貫して訴えています。  今、日本はデフレで景気が悪いんですから、そこに大震災と原発事故が追い打ちをかけ、国難の中にあるんですから、まずは復旧復興、そして、景気をよくして経済を成長路線に乗せる、税収を上げていく、それが最優先課題でしょう。  こんなときに増税すれば、さらに景気が悪化し、税収が下がる。結局、復興財源も社会保障の財源も調達できない。当たり前の話です。現に、九七年増税時に五十四兆円あった税収が、今や四十二兆円。これが歴史の真実なんです。  野田政権と財務省は、消費税を五%上げれば十三・五兆円増収になると単純に計算していますが、経済は生き物です、これこそ、とらぬタヌキの皮算用ですよ。総理、何か反論がありますか。  次に、増税の前に、国民に負担を求める前に、隗より始めよ、国会議員や役人が身を切る改革を断行すべきでしょう。  みんなの党は、国会議員の大幅定数削減、衆院百八十減、参院百四十二減、歳費月額三割、賞与五割カット、国家公務員の人件費二割カット、天下りの根絶や国債整理基金の十兆円を超える剰余金の活用、歳入庁設置による税や保険料の増収策などを提案しています。それぞれにつき、総理の見解を求めます。  我々は、まだまだ日本経済成長できる、そのポテンシャルは大きいと考えています。具体的には、既得権益を打破する規制大改革、技術革新への重点投資、二%のインフレ目標設定などの大胆な金融緩和、この三つが大きな柱です。  特に、規制改革については、福祉、農業、電力、エネルギーといった将来有望な分野から官僚の手かせ足かせを取り払い、株式会社やNPOなどの新規参入を促進し、経済の牽引力、資本ストックの増強を図る。  これらは、既得権益の打破なくしては絶対にできません。しがらみだらけの既成政党にはできない。民主党政権肝いりの新成長戦略も、みずから、九割が効果なかったと自己評価しているじゃありませんか。いかがですか、総理。  このような議論に対しては、もう経済成長は要らないんだ、成熟した国家ではそんな成長は見込めないんだといった敗北主義的な反論があります。  しかし、そういう人たちに私は言いたい。では、千兆円になんなんとする大借金をどうやって返していくんですかと。千兆円といえば、単純に計算すれば、消費税四〇〇%分ですよ。増税で返すという人は、一体幾ら増税すれば財政再建できるというんですか。まさに焼け石に水でしょう。  みんなの党は、この大借金を持続的に返していくためには成長しかないと考えています。経済成長なくして財政再建なし。総理、いかがですか。  私は、九七年、総理側近として、前回の消費増税のプロセスに直接立ち会いました。当時は、景気に十分過ぎるぐらい配慮した。すなわち、増税に先行するところ三年間、年五・五兆円規模の所得・住民減税を実施し、その結果、当時の統計で、経済は、九五年には二・二%、九六年には三・六%成長し、株価は何と二万円を超えていたんです。そして、増税の半年前には橋本五大改革を打ち出し、かつ、総選挙で増税を訴えて勝利した。国民の理解を得たんです。  しかし、今の野田政権は、こうした丁寧なプロセスを全てすっ飛ばして、何が何でも増税路線をひた走っています。野田総理、あなたや財務省のやり方では絶対に増税はできない、最後に断言して、私の質問を終わります。  ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  33. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 江田議員からの御質問にお答えをいたします。  まず、国の借金について述べる際には資産についても言及すべきとの御指摘でございました。  平成二十一年度の国の財務書類において、負債合計が千十九兆円である一方、資産合計が六百四十七兆円で、その差額は三百七十二兆円となっています。  ただ、国の財務諸表上の資産については、民間企業などと異なり、例えば道路や堤防など、直ちに売却して債務の償還や利払いに充てることができないものも多いことは事実であります。  したがって、資産の数字を単純に捉え、それを踏まえて、国の財務諸表上の資産・負債差額をもって我が国の財政を論じることは適当ではありません。  次に、海外純資産、外貨準備、国全体の金融資産、経常黒字を踏まえても財政危機になり得るのかというお尋ねでございました。  御指摘の外国格付会社宛ての財務省の意見書については、平成十四年、格付会社に対して、格下げの理由について、より客観的な説明を求めたものであり、我が国の財政健全化の必要性を否定したものではありません。  また、議員の御指摘の指標は、経常黒字、海外純資産、国内金融資産について申し上げれば、政府の債務状況をあらわしているものではなく、また、例えば、今般の欧州債務危機の中で、経常黒字国であっても国債市場で金利が急上昇している例もあること、外為特会の保有する外貨準備についても、その性質上、直ちに売却して政府の債務の償還や利払いに充てることができるものではないことなどを踏まえれば、これらの指標をもって、極めて厳しくなっている我が国の財政状況を楽観視することは適当でないと考えております。  さらに、欧州諸国の深刻な財政危機など、十年前に考えられなかった事態が生じており、これらをめぐる最近の市場の動きを考えれば、財政規律を維持し、財政健全化を着実に進めていくことで市場の信認を確保していくことの重要性は、当時以上に高まっていると認識をしております。  次に、片山善博元総務大臣の発言等についてのお尋ねがございました。  政権交代以降、政治家同士の真摯な議論の積み重ねによって、政策の骨格を政治主導で決めてまいりました。このことは、一昨年の十月以来、政治家同士が我が国の将来を真剣に考えて熟議を重ね、一体改革をまとめた経緯からも明らかであると思います。  なお、行政改革に関する懇談会については、岡田副総理のもと、行政のあり方や改革について幅広く御議論をいただくため、これまでの御経験等も踏まえ、行政刷新会議のメンバー等、各界の有識者に幅広くお願いをしていると承知しております。  一九九七年以降の税収の推移を踏まえたデフレ不況下における税収増についてのお尋ねがございました。  九七年以降、税収が減少している要因としては、同年のアジア通貨危機及び金融システムの不安定化と、その後の深刻な不良債権問題等による景気低迷のほか、地方への三兆円の税源移譲、法人税についての累次の税率引き下げ等も大きいものと考えております。  また、二〇〇七年度に税収は五十一兆円となり、税源移譲の影響を除けば、実質的に九七年当時の水準に戻っており、その後の税収の落ち込みは、リーマン・ショックの影響が大きいものと考えております。  デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みは重要であると考えており、これらと社会保障・税一体改革は同時に進めていくこととしております。  みんなの党が提案する、身を切る改革についてのお尋ねがございました。  御指摘の各事項について申し上げれば、まず、政治家みずからが率先して身を切るべきだということは、そのことについては論をまたないと私も思います。これは、いずれも政党間で国会において御議論、御決定いただくことが前提ですが、さきに、議員歳費の削減については、みんなの党も含めまして、大多数の政党会派の賛成をもって実現したと理解しております。  また、議員定数削減についても、各党が、それぞれの建設的な提案を踏まえ、協議が重ねられていると承知しており、一刻も早く成案が得られることを強く期待しております。  公務員人件費については、国家公務員給与を平均七・八%削減する措置を既に実施しております。引き続き、行政改革実行本部を中心に、政府一丸で総人件費改革に取り組んでまいります。  天下りについては、各府省による天下りあっせんを全面禁止するとともに、独立行政法人の役員公募の実施の取り組みなどを行い、公務員OBの独法役員も大きく減少しております。  国債整理基金については、一般会計からの繰り入れと償還との時期のずれから積み立てられているものであり、全て、国債の償還に将来必要となるものであります。  歳入庁に関しては、徴収体制の見直しに伴う保険料の増収について御党が試算をされていることは承知しておりますが、推計として過大な部分や、現実的ではない仮定を置いているため、御指摘のような増収は現実的ではないと考えます。  いずれにせよ、歳入庁については、このたび作業チームで取りまとめた中間報告をもとに、税と社会保険料の徴収体制の構築について、引き続き議論してまいります。  規制改革等による経済成長についてのお尋ねがございました。  日本経済を再生させ、その活力を高めていくことは、将来に繁栄を引き継いでいくために不可欠であり、全力で取り組んでまいります。  特に、規制・制度改革については、野田政権において強力に取り組んでいるところであり、本年四月三日、太陽光発電など再生可能エネルギーの導入促進に向けた、エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針を閣議決定したところであります。  また、総合特区については、地方からの規制緩和要望について幅広く実現すべく、早急に調整を進めているところであります。  新成長戦略のフォローアップに関しては、年央にまとめる日本再生戦略をより強力で実効あるものにするため、あえて厳しい目でレビューを行ったものであり、レビューを通じて見出されたボトルネックの解決を図ることが重要であります。このための具体的なアクションと、関連する達成目標を明らかにした日本再生戦略を策定し、経済成長に向けた取り組みを力強く実行してまいります。  最後に、経済成長と財政健全化についてのお尋ねがございました。  我が国の債務残高は累増の一途をたどっており、財政健全化に向けて、これを安定化させていくことがまず必要です。今回の社会保障と税の一体改革は、そのための重要な一歩を踏み出すものですが、同時に、決して増税一本やりではなく、力強い経済成長を実現するとともに、無駄の根絶や歳出削減に取り組む等、総合的な政策努力が必要と考えております。  他方、経済成長した場合、成長に伴う金利上昇により国債費が増加することにも留意することが必要であり、経済成長による増収等に頼るのみでは、毎年一兆円規模になる社会保障費の自然増などに対応し、財政の持続可能性を確保することは困難と考えております。  以上です。(拍手)
  34. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) これにて質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――
  35. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後四時二分散会      ――――◇―――――  出席国務大臣        内閣総理大臣   野田 佳彦君        総務大臣     川端 達夫君        財務大臣     安住  淳君        国務大臣     自見庄三郎君  出席内閣官房副長官及び副大臣        内閣官房副長官  齋藤  勁君        総務副大臣    大島  敦君        財務副大臣    五十嵐文彦君