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2012-01-27 第180回国会 衆議院 本会議 3号 公式Web版

  1. 平成二十四年一月二十七日(金曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第三号   平成二十四年一月二十七日     午後二時開議  一 国務大臣演説に対する質疑 (前会の続)     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  国務大臣演説に対する質疑  (前会の続)     午後二時二分開議
  2. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  国務大臣の演説に対する質疑(前会の続)
  3. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) 国務大臣の演説に対する質疑を継続いたします。井上義久君。     〔井上義久君登壇〕
  4. 井上義久

    ○井上義久君 公明党の井上義久です。  私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました野田総理の施政方針演説に対して質問をします。(拍手)  東日本大震災から間もなく十一カ月になります。改めて、亡くなられた方々の御冥福を心よりお祈り申し上げるとともに、地震・津波被害、原発事故被害から、いまだに厳しい避難生活を余儀なくされている方々に、心よりお見舞い申し上げます。  ことしは、東日本大震災からの本格的な復興へのスタートとなる復興元年です。ことしこそは希望あふれる一年にしたい、誰もがそう願い、迎えた二〇一二年。しかし、現実は極めて厳しい状況にあります。  世界的な金融危機と世界同時不況という厳しい経済社会の現実。国内では、東日本大震災からの復興のつち音はいまだ遠く、厳しい冬に耐えながら先の見えない避難生活を余儀なくされている現実。原子力災害による、自宅に帰りたくても帰れない現実。政治が果たすべき役割はいや増して大きくなっています。  野田内閣発足から四カ月がたちました。  総理の言う適材適所とは何だったのか。四カ月で、はや六人の閣僚が交代しました。資質を欠いた大臣の相次ぐ失言と、それによる政治の停滞。総理の任命責任は免れません。  さらに、マニフェストは総崩れ。建設中止を掲げた八ツ場ダムは一転建設続行へ、高速道路無料化や子ども手当も頓挫しました。  民主党政権は、もはや正統性を失っています。  最低でも県外と鳩山元総理が約束した米軍普天間基地の移設問題は、結局、県内に舞い戻る迷走で沖縄県民の期待を裏切り、さらに、防衛大臣のたび重なる沖縄への無理解な発言で、県民の不信は決定的となっています。  財政も、予算を見直せば十六・八兆円の財源を生み出せると強弁していたにもかかわらず、民主党政権は、三年連続で税収額を上回る新規国債を発行し、さらなる財政悪化を招きました。  さらに、消費税は四年間上げないと言いながら、消費税増税に躍起になっているありさまです。  こんな民主党にもはや政権を任せることができないというのが、国民の率直な思いではないでしょうか。  公明党は、山積する我が国の諸課題に誠実に取り組み、本年を日本再建へ大きく前進する一年とするために全力を挙げてまいります。  以下、具体的に質問します。  東日本大震災からの復旧復興について質問をします。  総理、あなたは、二〇一二年を日本再生元年と位置づけ、東日本大震災からの復旧復興を内閣の最重要課題として全力で取り組むと表明されました。その御決意に誰も異存はありません。しかし、被災者の思いや被災地の現実をどこまで本当に理解しておられるのか、甚だ疑問です。  多くの被災者が身を寄せる仮設住宅。一年のうちで最も厳しい冬を迎え、入居されている被災者は大変につらい思いをされています。公明党は、今、二回目となる仮設入居者のアンケート調査を行っていますが、お風呂の追いだきができない、水道管が凍結をするなど、切実な問題点がたくさん上がってきています。  総理は、施政方針演説の中で、仮設住宅で不自由な暮らしを余儀なくされている方々に少しでもぬくもりを感じていただきたいと言われ、その言葉が本当であるならば、指摘したような問題点はとっくに解決していなければなりません。  また、被災した自治体の多くが、復興計画を具体化するに当たって人材が不足し、それによる復旧のおくれが危惧されています。  被災者一人一人に寄り添い、被災者や被災自治体の支援に迅速に対応するのが、政府、そして現地対策本部の役割ではないでしょうか。  産業再生への取り組みにも、いま一つ政府の真剣さが見えません。  例えば漁業。補正予算には漁船の修理や新規購入を支援する補助事業が計上されていますが、事務手続などの負担が大きく、書類のやりとりだけで数カ月が過ぎたとの声も聞かれます。支援の枠組みがあっても、被災企業のために有効に機能しておりません。  雇用問題が深刻です。被災地では短期雇用の求人が多いため、安定した仕事を求める被災者との雇用のミスマッチが頻発をしています。  産業再生とともに、安定的な雇用創出環境が整うまでの間、職業訓練と生活支援を組み合わせた対策などきめ細かな対応が求められます。  あわせて、こうした厳しい雇用情勢を踏まえ、二月末で終了予定の医療、介護負担の特例措置についても、被災者の現状に即した対応を検討すべきではないでしょうか。  施政方針からは、こうした課題に対する具体的な施策が見えてきません。総理の見解を求めます。  さて、復興への取り組みで見落としてはならない大きな課題に、人口流出の問題があります。岩手、宮城、福島の各県が発表している毎月人口推計などによると、昨年三月からの九カ月間で、被災三県では七万四千人を超える人口が減少しています。  この中には震災で犠牲になられた方々も含まれますが、原発事故や住居の問題などで住民票を移さずに転出された方もおられるので、減少幅はもっと大きいと考えられます。事実、壊滅的な打撃を受けた宮城県南三陸町のアンケート調査では、実に住民の約二割が町外への転居を予定していると回答しています。  人口流出の大きな要因の一つが、先ほど指摘した地元雇用のおくれであることは明らかです。二十代、三十代、さらには四十代の働き盛りの人口流出が、被災地域の中長期的な衰退をもたらすことを強く危惧します。  また、こうした人口動態は、人口減少社会に突入した日本の近い将来の姿にほかなりません。そうした傾向を反転させる取り組みが、復興の中で、今、求められています。  私は、震災版ニューディール政策ともいうべき総合的な復興・成長戦略と復興事業への集中的な投資によって、被災地の新規需要や雇用創出を図る取り組みが必要と考えます。また、被災自治体が復興に取り組みやすいよう、復興交付金や復興特区制度などの柔軟な運用が重要です。総理の見解を求めます。  福島の再生、復興について質問します。  総理、民主党政権による、まさに泥縄式の原発事故対応で、一体どれほど多くの方々が危険にさらされ、今なお放射能の恐怖と向き合わざるを得ない生活を強いられているか、あなたは認識をされていますか。  昨年末、総理は事故の収束を宣言されました。しかし、事故現場の作業員からは、うそを言っているとの声が噴出し、福島県議会では、宣言撤回を求める意見書が全会一致で採択されています。  東京電力福島第一原発は、応急的な循環冷却装置により、何とか冷温停止状態を維持している状況です。それがどうして事故収束なのか。総理、福島県民が納得する説明を求めます。  次に、原発事故の賠償方針について質問します。  昨年十二月上旬、原子力損害賠償紛争審査会は、自主避難した場合の賠償を福島県内の二十三市町村に限定する指針を示しました。  原発事故で福島県の全県民が不安を感じ、風評被害等で今なお日常生活が阻害されている現状にもかかわらず、賠償範囲を県内で線引きしたこの方針は、県民を引き裂き、県民の心情をないがしろにしていると言わざるを得ません。総理の見解を求めます。  公明党は、福島の再生と復興、特に暮らしの安心と夢のある福島を取り戻すために、新たな特別法の制定に向けた提言を取りまとめ、発表しました。  現在、政府でも特別措置法案を準備しているようですが、原子力災害という福島県の特別な事情を深刻に受けとめ、一刻も早く国を挙げた支援策が講じられるよう、成立を急ぐべきです。  以下、具体的に提案をします。  まずは、福島県の十八歳以下の医療費無償化です。福島の復興に向けて、子供の健康を守り、総合的に子育てを支援するために、ぜひとも実現すべきです。  また、全県民の放射能による健康上の不安解消と、安心して暮らすことができる生活環境を実現しなければなりません。  長期的な県民に対する健康調査を法的に明確にすること、被曝に起因する健康被害が生じた場合の保健、医療、福祉にわたる総合的な措置の実施についての規定を設けるべきです。  さらに、地域の復旧復興、新産業創出に向けて、規制緩和や税制上の特例、財政的支援など、抜本的な支援措置も重要です。  福島県の全県民が、放射能の不安や風評被害の中で懸命に戦っておられます。県民に分け隔てなく支援が行き渡るよう、復興交付金、復興基金、原子力被害応急対策基金の積み増し、また、その弾力的運用も検討すべきです。  総理、以上の提案について、福島県民に安心と希望を届ける明確な答弁を求めます。  次に、除染について質問します。  放射性物質汚染対処特措法が今月全面施行しましたが、地元住民からは、既に、除染の大幅なおくれを危惧する声が相次いでいます。  除染を確実に進めるためには、例えば、中間貯蔵施設に必要な土地の買い上げや借り上げ、受け入れ自治体や住民の意向を踏まえた新たな補償措置など、求められる対策を具体的に提示すべきです。また、自治体による除染を国が代行することも含め、支援体制を強化すべきです。総理の見解を求めます。  福島県の米の信頼回復について質問をします。  昨年の秋に収穫された米から相次いで放射性セシウムが検出されたことを受け、福島県は、この秋の県産米から、ベルトコンベヤー式測定機器により出荷前の全ての米を袋ごと検査できる体制を整備する方針を固めました。  政府は、こうした取り組みに対して、財政支援措置のみならず、検査人員を派遣するなど、さまざまな支援策を積極的に講ずるべきです。総理の見解を求めます。  関連して、食品中の放射性物質に係る安全対策について質問をします。  政府は、来年度から学校給食モニタリング事業を導入するとしています。しかし、計算上、福島県内でも一市町村当たり一校程度、福島県外では一都道府県当たり二校程度にとどめるなど、極めて不十分であり、体制をさらに強化すべきです。  また、同じく来年度から、食品中の新たな放射性物質の許容基準の適用に伴い、自治体における食品の検査機器整備に対する補助制度の創設を目指しています。ところが、対象自治体を都道府県や政令市、中核市等に限るなど、極めて不十分です。  新基準運用の実効性確保と、広範かつ網羅的な放射能検査体制の確立のため、希望する全ての自治体にまで対象を拡大するなど、抜本的に拡充すべきです。加えて、福島県のようにベルトコンベヤー式測定機器による検査体制を準備する自治体についても本制度の補助対象とするのかどうか、総理の答弁を求めます。  平成二十四年度予算案について質問をします。  平成二十四年度予算案は、端的に申し上げれば、理念不在の財政健全化取り繕い予算、マニフェスト総崩れ予算です。  民主党の前原政務調査会長は、八ツ場ダム建設再開を容認した際の記者会見で、政権交代の理念が骨抜きになった、責任を感じると発言し、党の会合でも、マニフェストの実施を断念したことをしっかりと国民におわびして出直すと発言したと伝えられています。  総理、民主党代表であるあなたこそが、イの一番に国民におわびすべきではありませんか。答弁を求めます。  さて、二十四年度予算案は、三年続けて新規国債の発行が税収を上回る異常事態となりました。  一般会計の新規国債発行は約四十四兆円となり、表面上は財政健全化路線を堅持したように装っています。しかし、内実は、基礎年金国庫負担二分の一のための財源を一般会計に計上せず、交付国債で対応するなど、粉飾的な手法で取り繕っています。総理、このような手法が本当に正しいとお考えですか。  交付国債の償還財源は、現時点では全く担保されていません。来年度の年金給付は、結果としてその穴埋め分は現在の年金積立金を活用して給付せざるを得ず、中長期的な公的年金の安定化を脅かすことになります。総理の見解を求めます。  さらに、民主、自民、公明の三党で合意した、子どもに関する手当や農業者戸別所得補償制度などの見直しについても、民主党の対応は極めて不誠実です。  具体的に申し上げます。  まず、子どもに関する手当について、実務者協議が途中で一方的に打ち切られ、結局、民主党が見切り発車をして、予算措置し、改正法案を提出しようとしています。公党間の信義にもとるものであり、まことに遺憾です。  公明党は、今後、法案審議の場で名称や所得制限のあり方などについて修正を求めていきます。特に名称については、これまでの協議の経過から、当然、児童手当とすべきです。提出予定の改正法案も児童手当法の改正であり、そのとおり児童手当の名称を用いることが整合的です。総理の答弁を求めます。  戸別所得補償制度の見直しも、民主党内の検証作業がおくれた結果、予算案に反映させるのは困難として協議を一方的に打ち切り、今年度と同規模の予算を計上しています。  公明党は、戸別所得補償制度の見直しに当たっては、定額部分については一定の評価をするものの、米価変動補填金については収入保険的な制度に見直すこと、また、担い手の育成支援や環境直接支払いを充実することなどを主張してきました。  また、現在、同制度は予算措置で行われているため、法的な安定性がなく、農業者からは将来の見通しに不安の声が上がっています。民主党の歴代農水大臣は法律の国会への提出を明言してきましたが、いまだに提出されていません。今通常国会の提出予定法案にも入っていません。  今後、どのように検証を進め、制度に反映させていくのか、また、関係法律を今国会に提出する考えはあるのか、総理の答弁を求めます。  景気・経済対策について質問します。  歴史的な円高やデフレ脱却への道筋は全く不透明です。特に、ヨーロッパの債務危機はいまだに予断を許しません。  そうした世界経済情勢の中にあって、日本経済は長期のデフレ圧力にさらされ続け、経済社会生活や雇用に大きなゆがみが生じています。歴史的な円高に、企業経営者からは、国内ではもう仕事ができない、背に腹はかえられず、海外移転を真剣に考えざるを得ないとの声が日増しに強まっています。  産業の空洞化と雇用の喪失。まさに、日本沈没の危機にあるという認識と、危機打開に向けた具体的な施策の実行が強く求められます。  こうした日本経済を取り巻く厳しい現実に、民主党政権は、これまで、成長戦略や景気・経済対策、金融政策と本当にどこまで真剣に向き合ってきたのか。また、国際経済の安定化に向けた各国との連携、協調についても、政府から力強い発信がなされたとはとても思えません。  民主党政権には経済の司令塔が不在であると言わざるを得ません。政権交代で経済財政諮問会議がなくなり、国家戦略会議が立ち上がったものの機能せず、無為無策のまま時間だけが経過してしまった責任は重大です。総理の認識を伺います。  総論的に、二点、質問いたします。  総理、デフレからの脱却はいつになるのですか。具体的な展望と時期を明示してください。  政府が決定した日本再生の基本戦略によって、二〇二〇年までの十年平均で、名目成長率三%程度、実質成長率二%程度とした政策目標は、本当に達成できますか。平成二十四年度当初予算案の重点化措置を見ても、その決意のほどは感じられません。  また、財政運営戦略に基づく財政健全化目標である、二〇一五年度までに国、地方のプライマリーバランスの赤字を対GDP比で半減するとの目標達成は、本当に可能ですか。明快な答弁を求めます。  以下、具体的に質問します。  公明党は、昨年来、円高対策を含めた経済対策の提言を初め、政府に対して、一貫して総合的な経済対策の必要性を訴えてきました。  二十三年度第三次補正予算には、産業空洞化対策としての立地補助金や住宅エコポイントの再開、第四次補正予算案、二十四年度税制改正案には、エコカー補助金、エコカー減税が盛り込まれており、それらについては一定の評価をします。  しかし、デフレ脱却に向けていかに需要を拡大させるかという点では、成長戦略の着実な実行を含め、力不足の感は否めません。  私は、具体策の一つとして、全国における防災対策の戦略的推進を提案します。  東日本大震災は、日本が地震、津波を初めとする災害頻発国であることを改めて強く認識させるとともに、自然災害に対する備えが十分ではなかったことを再認識させました。被災され、命を落とされた方々の思いに報いるためにも、東日本大震災の教訓を生かし、全国における防災のあり方をつぶさにチェックし、全国で集中的な取り組みを行い、一層の災害に強い国づくりに取り組むべきです。  民主党政権の誕生以来、公共投資は年々縮小され続けていますが、待ったなしの必要なインフラを整備することこそ、国民、国土を守る先行投資であり、需要拡大にも大きく寄与すると考えます。総理の答弁を求めます。  もう一点は、中小企業対策です。  日本経済を支え、経済成長の源泉となる元気な中小企業を育て、強化する視点を政府は常に持つべきです。震災で課題となったサプライチェーンを担うのも中小企業、地域の雇用を支えているのも中小企業です。  昨年は、中小企業を中心に、円高倒産が過去最高となりました。産業の空洞化が強く懸念されることから、円高対策や日本再生に向けた政策、展望を明確に示すべきです。円高メリットを生かし、積極的に海外展開を目指す中小企業への支援も強化すべきです。  また、中小企業の資金繰りは依然として厳しく、一層の支援策を講じるとともに、中小企業金融円滑化法の期限延長も必要と考えます。  以上、中小企業対策について、総理の答弁を求めます。  社会保障と税の一体改革について質問します。  公明党は、一昨年の十二月、新しい福祉社会ビジョンをまとめました。そこでは、年金、医療、介護など現行制度の機能強化とともに、急増する虐待やうつ病など社会の病理的側面への対応をも包摂した、新しい福祉の考え方を提案しています。そして、その実現のために与野党協議を呼びかけてきました。  あわせて、政府・与党に対しては、初めに消費増税ありきではなく、協議の前提として、まず民主党が考える各制度の具体的設計と所要額を明らかにするよう求めてきました。  しかし、今般の一体改革素案では、民主党が主張してきた最低保障年金を含む年金抜本改革案や高齢者医療制度の見直し案など、制度の根幹部分がいまだに具体的に示されていません。  特に年金制度については、現行制度に基づく改善案を列記し、今国会に関連法案の提出を予定する一方で、総理は、二〇一三年に民主党が考える抜本改革の法案を国会に提出すると明言しています。  これでは進め方が逆ではありませんか。初めに全体像を具体的に示し、それに沿った改革を進めていくのでなければ、後で整合性がとれなくなり、結局、議論をやり直さざるを得なくなってしまいます。これでは国民の理解は得られません。なぜ、今回、一緒に法案を提出できないのでしょうか。  また、素案に明記された消費税一〇%には、最低保障年金の所要額は含まれていません。実現にはあと何%の引き上げが必要なのか、明らかにすべきです。  今後の年金の給付水準について、その見通しさえ示すことができないような素案で、本当に国民に負担をお願いできるでしょうか。  総理、もうこれ以上逃げることは許されません。民主党の言う年金抜本改革の具体案を早急に提示すべきです。いつまでに示すのか、明言してください。もしそれができないなら、潔くマニフェストの非を認めて国民に謝罪するか、この二つに一つです。総理の答弁を求めます。  以下、素案について、その他の問題点を指摘します。  一点目は、高齢者医療制度の見直し内容が明記されていません。  現行制度は既に定着しており、導入前と比べ保険料格差が縮小し、多くの世帯で保険料が下がったことなど、現行制度のメリットをきちっと説明した上で、廃止ありきではなく、どう見直すのか、明らかにすべきです。  二点目に、高額療養費制度の見直しが不十分です。  我々が改善を求め、政府も検討していた七十歳未満の年間所得三百万円以下の世帯の負担限度額の引き下げは見送られ、年間の上限設定のみになっています。財源確保も不透明です。患者が安心できる抜本的な見直し内容とすべきです。  三点目に、被用者年金一元化についてです。  平成十九年に法案が提出されましたが、当時、審議すらせず廃案に追い込んだのは民主党でした。いわば官民格差の是正をおくらせてきた張本人であり、なぜ今になってそれを認めるのか、国民への謝罪と説明が必要です。  四点目は、年金の特例水準の解消です。  低年金の高齢者や、同時に減額される児童扶養手当等の受給者の生活にも配慮し、年金額の引き下げではなく、デフレ脱却によって解消すべきです。  五点目に、介護職員の処遇改善についてです。  我々が進めてきた一万五千円の給与アップを介護報酬で対応する方針になっていますが、他方、民主党はマニフェストで月額四万円の引き上げを主張しています。三年に一度の報酬改定であるこの機を逃せば、実現は極めて困難となります。公約は断念したのでしょうか。  以上の主な問題点の指摘に対し、総理の真摯な答弁を求めます。  ここで、あえて一言触れておきます。  野田総理は、施政方針演説で、持続可能な社会保障の実現を訴えた麻生元総理の演説を引用し、私が目指すものも同じですと述べられました。  ところが、麻生元総理の施政方針演説に対し、当時、鳩山元総理は、民主党を代表し、「私は、今なぜ消費税なのか、それがわかりません」と消費税の議論を拒否し、続いて、「社会保障に使うといっても、年金の何に幾ら使うのか、医療のどこに幾ら使うのか、介護をどうすることにより幾ら必要なのか、明らかにしなければ、国民も納得せず、もとより増税を語る資格すらない」とまで追及されています。  民主党がこれまでのこうした言動を真摯に総括した上で、野田総理が同じと言うならともかく、何の反省や謝罪の弁もなく、麻生元総理の演説を逆手にとって協議を迫るようなやり方では、協議の前提となる信頼関係は生まれません。総理、そうではありませんか。  次に、がん対策について質問をします。  公明党が主導したがん対策基本法と、同法に基づく具体的な取り組み、数値目標を定めたがん対策推進基本計画が策定されてから間もなく五年になり、現在、見直し作業が進められています。  現行の基本計画には、公明党の主張である三本柱、すなわち、患者自身が治療法を選択できるよう、放射線治療、化学療法の普及や、がんと診断されたときから痛みを取り除く緩和ケアの実施、基礎データを把握するためのがん登録推進に加え、検診受診率のアップなど、日本で立ちおくれてきた分野が骨格に取り込まれています。  昨年六月には、公明党の提案で基本計画の中間報告が発表になり、今後の課題が浮き彫りになりました。  早期発見、完治につながるがん検診受診率はいまだに低迷状態。緩和ケアは現場にまだまだ浸透しておらず、患者の痛み、苦しみが続いています。手術か放射線治療かなどの治療法の選択も、医師の認識が薄く、セカンドオピニオンが行われづらい状況にあります。がん登録の法制化を求める強い声もあります。  これらの課題を、引き続き、次期基本計画の重要課題として盛り込むべきと思いますが、総理の見解を求めます。  加えて、公明党は、さらなるがん対策の充実に向けて、これまでたびたび具体的な提案を行ってきました。  がん検診無料クーポン事業の恒久化や、検診種目の拡大、子宮頸がん予防法の制定、小児がん対策の強化、がん教育の実施、がんプロフェッショナル養成プランの発展などです。次期基本計画に中間報告を義務づけることも求めております。  がんは、我が国の死亡原因の第一位であり、国民病です。次期基本計画が絵に描いた餅にならないよう、がん対策を国家戦略と位置づけ、地方自治体と連携し、総理みずからが先頭に立って取り組むべきです。がん対策強化への総理の決意を伺います。  次に、環太平洋経済連携協定、いわゆるTPPについて質問します。  TPPをめぐっては、菅前総理の唐突な参加表明から、野田総理の、交渉参加に向けた協議に入るとの表明を経て、今日に至るまで、政府が十分な情報開示と丁寧な説明を怠ってきた結果、産業界を初め、国論を二分する対立を招いています。拙速な外交が国益を損なう危機感を覚えます。  情報の提供や正確な分析なくして、国民的な議論はできません。政府は、関係国によるTPP交渉の進捗状況を国民に丁寧に情報開示すべきです。  また、総理は、施政方針演説で、アジア太平洋自由貿易圏、いわゆるFTAAP構想の実現を主導するとしていますが、日本が推進してきた日中韓、ASEANプラス3、プラス6といった広域的経済連携とTPPとの関係、整合性を含め、我が国のFTA戦略の全体像をどのように描いているのか示すべきです。総理の見解を求めます。  原子力政策について質問します。  昨年九月の臨時国会における代表質問で、私は、公明党を代表して、「我が国において発生した重大な事故を直視し、原子力発電に依存しない社会への移行に今こそ本格的に取り組むべき」と訴えました。また、今後、原子力発電所の新増設は基本的に行わず、原子力発電を段階的に縮小していくことを主張いたしました。  民主党政権は脱原発依存を掲げていますが、脱原発依存とは具体的に何を指しているのか、総理の考えを改めて伺います。  原子力規制改革について質問します。  政府は、利用と規制の分離を図るため、環境省の外局として原子力安全庁を設置するとしています。  しかし、利用と規制を分離し、客観的、科学的な規制を確保するためには、政治や利用推進行政からの独立性の確保が不可欠です。政府案ではこれが不明確です。独立性をどのように担保するのか、総理の答弁を求めます。  エネルギー政策について質問します。  公明党は、原発の段階的縮小に向けて、思い切った省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの導入、化石燃料利用の高効率化を掲げています。このうち、再生可能エネルギーの導入については、太陽光や風力などでつくった電気の全量買い取りを電力会社に義務づける特別措置法が成立し、ことし七月の施行から三年間に集中的に利用拡大を図ることとされています。  ところが、新年度予算案を見ても、政府にその意気込みは感じられません。送電網の利用、整備を含めて、三年間にどのように再生可能エネルギーの利用拡大を図るのか、総理の答弁を求めます。  一方、思い切った省エネルギーの推進、化石燃料利用の高効率化については、発電等で排出される熱の利用が一つの鍵になります。その燃料として期待できるのが天然ガスです。日本ではまだまだシェアが低い状態ですが、日本周辺諸国や世界じゅうに豊富な資源があり、将来的な価格低下傾向も明確です。また、単位熱量当たりのCO2排出量も石炭より五割も少ない。  ところが、日本は欧米と比べてかなり高い価格で輸入しており、国外とのパイプラインも敷設されていません。エネルギー効率も高い天然ガスコンバインドサイクル発電等、エネルギー戦略のかなめとして、今こそ天然ガスの確保と利用を強化すべきです。総理の見解を求めます。  エネルギー政策の見直しに当たっては、安定供給、特に政治的、経済的な状況変化に対応できるエネルギー安全保障の観点が重要です。その要諦は、エネルギー源や供給元等の多様化にあります。その点で、国内炭の役割についても再評価していくべきではないかと考えます。  また、石炭火力は、今なお、我が国においても世界においても発電の主力であり、温暖化対策上、その効率化は喫緊の課題です。先進的な石炭ガス化複合発電等の開発を含め、日本の技術は世界一とされており、これを途上国等に展開すれば大きな貢献が可能です。  国内を含め、石炭に係る政策について、総理の見解を求めます。  温暖化対策の国際協力について質問します。  ことしは、気候変動枠組み条約が署名されたブラジル・リオデジャネイロでの地球サミットから二十年を迎え、六月には世界の首脳が集まって国連持続可能な開発会議、リオ・プラス20が開催されます。その際に問われるのは、地球温暖化問題に対する日本の姿勢です。  昨年の気候変動枠組み条約締約国会議、COP17では、京都議定書の単純延長は回避され、全ての国を対象とする法的枠組みの二〇二〇年発効、二〇一三年からの京都議定書第二約束期間の設定で合意しました。  しかし、日本は、京都議定書の第二約束期間には参加しないとの立場です。二〇二〇年からの、米国、中国を含む新たな枠組みがこれから議論される中にあって、日本の発言の立場が弱くなることが、果たして国益にかなうでしょうか。  日本に有利な仕組みを組み込むためにも、交渉力を維持しなければなりません。そのためには第二約束期間に参加すべきと考えますが、総理の答弁を求めます。  次に、国会議員歳費、国家公務員給与について質問します。  今必要なことは、我々国会議員や国家公務員が、みずからの身を削り、国民の改革への共感を得る努力をし続けることです。  公明党は、昨年の東日本大震災の発災後直ちに、国会議員歳費を削減して復旧復興のために役立てるべきと主張し、国会議員歳費削減法を成立させ、半年間で二十一億六千三百万円の削減を実現しました。  今後、さらに、恒久的な国会議員歳費の削減を実現すべきと考えます。総理、民主党代表である総理の見解を求めます。  国家公務員給与の削減については、昨年の臨時国会で給与削減のための協議を行いながら、合意を待つことなく、政府・民主党が一方的に国会を閉会してしまいました。その結果として、期末・勤勉手当は、昨年比で四・一%増、国費ベースで実に約百二十億円の支出増となりました。  政府・民主党の猛省を促すとともに、早期の削減に向けた合意を目指すべきです。総理の決意を伺います。  選挙制度改革について質問します。  衆議院の選挙制度の改革にあわせ、一票の格差の是正、議員定数の削減が急務です。  衆議院の選挙制度について、最高裁は、一票の格差という観点で民意を反映しないゆがみを憲法違反としました。また、現行の小選挙区比例代表並立制は、得票率と議席率の乖離が大きい点でも民意を反映しないゆがみがあり、この二つの観点から、より民意を反映する選挙制度への改革が急務と考えます。  民主党の言う現行制度で比例区を八十削減する案は、このゆがみをさらに増幅することになり、民意の反映という民主主義の原則に逆行します。より民意を反映できる選挙制度に改革する中で、一票の格差是正と定数削減を確実に実現すべきです。民主党代表としての総理の見解を求めます。  郵政改革について質問します。  郵政民営化は、二〇〇五年の衆議院選における民意を受けて実現しました。ところが、民主党政権が強行した郵政株式凍結法の成立により、所有する株式や資産の売却ができないため、新規事業にも参入できず、総資産は減少する一方です。このままでは、国民の財産である郵政システムが日々失われ、国民生活に多大な損失を与えることは必至です。  民営化の理念を維持しつつ、現行の民営化法を、郵政三事業のユニバーサルサービスを確保するという観点で見直し、早急に結論を出すべきです。総理の見解を求めます。  最後に、改めて申し上げます。  総理は、さきの民主党大会で、消費増税関連法案に野党側の理解が得られない場合、法案を参議院に送って、野党に、法案を潰したらどうなるのか考えてもらうと発言されました。協議を呼びかけるその先から、おどし、開き直りと受け取られるような物言いでは、とても信頼関係はできません。  施政方針演説やその後の質疑を聞いても、協議に応じない野党が悪いという責任転嫁の理屈しか聞こえてきません。総理が本気で協議を求めるならば、真摯な姿勢と、これまで民主党が主張してきた社会保障の全体像を示すなど、協議できる環境を総理みずから整えるべきではないでしょうか。  公明党は、東日本大震災、原発災害からの復旧復興に、どこまでも被災者に寄り添い、与野党を超え、最優先で取り組む決意です。そして、日本が直面する難局を乗り越え、日本再建、国民が希望を持てる日本再建に確実に一歩を踏み出すために全力を尽くす決意であることを表明し、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  5. 野田佳彦

    内閣総理大臣(野田佳彦君) 公明党の井上幹事長の御質問に順次お答えをしてまいりたいと思います。  まず最初に、仮設住宅の寒さ対策についてのお尋ねがございました。  本格的な冬の寒さを迎えている中で、応急仮設住宅の寒さ対策は重要であります。私自身、今月八日に福島を、十日には岩手、宮城を訪れ、仮設住宅にお住まいの皆様からお話をお伺いしてまいりました。  昨年九月からの、窓の二重サッシ化、断熱材の追加、暖房器具の設置などは、おおむね年末までに完了したところでございますが、引き続き、被災された方々の生活の負担を少しでも軽減できるよう取り組んでまいります。  続いて、被災者、被災自治体への支援についての御質問をいただきました。  被災地の早期の復興を図るため、被災者や被災自治体に支援を行うことは、国の重要な役割と認識しており、これまでも全力で取り組んできたところでございます。  御党におかれましては、これまでも、被災者や被災自治体と密接に接触され、地に足のついた御提言をいただきました。政府としては、それを踏まえて累次の予算措置等を講じさせていただいてまいりましたが、今後ともよろしくお願い申し上げます。  二月十日に設置する復興局は、従来の現地対策本部の人員を大幅に上回る体制を確保するとともに、合同支援チームを編成、派遣することなどにより、被災自治体の復興事業の実施等の支援を行うこととしております。  さらに、岩手県、宮城県、福島県にはそれぞれ二カ所の支所を、青森県、茨城県には事務所を設置し、現地のニーズに即応できる体制を整えます。こうした体制により、被災者や被災自治体に対し、より一層きめ細かな支援を行ってまいりたいと考えております。  東日本大震災に係る産業再生への取り組みについての御質問をいただきました。  被災地域の産業の復興は、被災者の方々の働く場の確保や地域経済の再建のために喫緊の課題であり、政府としてもさまざまな施策を講じてきております。  御指摘のあった漁業の補助事業については、被災地における漁業生産活動の一日も早い再開を図る観点から、極力事務手続の簡便化を図り、七道県において、十二月末現在で約千九百隻の復旧に活用されたところでございます。引き続き、漁業及び水産加工業など、被災地の産業の振興に全力を尽くしてまいります。  続いて、被災地の雇用問題、医療、介護負担の特例措置についてのお尋ねをいただきました。  被災者の方々が生活の再建を進める上で、最大の不安は、働く場の確保であると認識しております。  このため、「日本はひとつ」しごとプロジェクトに基づき、産業政策や復旧復興事業で生じる求人をハローワークで開拓、確保するとともに、個別の状況に応じてきめ細かな就職支援を実施する、被災地の強みである農林漁業、水産加工業などに対して産業政策と一体となって安定的な長期雇用を創出するなどの施策を強力に推進し、被災地の働く場の確保に全力を尽くしてまいります。  また、医療、介護負担の特例措置については、福島原発事故による警戒区域等の住民の一部負担金の免除措置を最長一年間延長するとともに、その他の地域でも、無職や高齢者の方が加入する国民健康保険後期高齢者医療制度介護保険の一部負担金の免除措置を一定期間継続する方針でございます。  被災地の新規需要や雇用創出の必要性についてのお尋ねがございました。  震災版ニューディール政策という御提案もございましたが、中長期的な視点から、被災地での戦略的な投資を行い、新産業及び雇用の創出を図ることは重要な課題と認識しております。  具体的には、企業立地や研究開発に係る予算措置、域内投資に対する思い切った税制上の特例措置を講じる復興特区制度等を活用することにより、再生可能エネルギーや医療などの新産業の創出を図り、被災地の復興を加速してまいります。  また、復興交付金や復興特区制度は、被災地方公共団体がこうした取り組みを進める上で有効な仕組みであるため、被災地域の創意工夫を生かした柔軟な運用が行われるよう配慮してまいりたいと考えております。  続いて、原発事故対応、事故収束についての御質問をいただきました。  今般の大震災に伴って、津波のために非常用電源が作動せず冷却機能が停止するという、我が国にとってこれまで経験したことのない重大な原子力事故が発生してしまいました。  その後、大変厳しい状況が続き、放射性物質の外部への放出が生じた結果、避難生活など、大変不便をおかけしております。改めて深くおわび申し上げるとともに、原子力事故の被害に遭われた皆様を最後までしっかりと支援していくことを、改めてお約束申し上げます。  また、事故収束に関しては、循環注水冷却システムの中期的安全の確保などに関する専門家による緻密な検証作業を経て、原子炉が冷温停止状態に達したことを確認したことから、発電所の事故そのものは収束に至ったと判断いたしました。  このように、発電所の中の事故そのものについては一つの区切りがつき、周辺住民の皆様に再び避難をお願いせざるを得なくなることはなくなったという意味において、発電所の事故そのものは収束に至った旨を申し上げましたが、このような区切りがついたことを踏まえ、警戒区域の解除や避難指示区域の見直しを検討する段階に移ってきているところであり、できるだけ早期に避難者が帰郷できる環境を整えてまいります。  他方、言うまでもなく、周辺地域の除染を初め、原発事故との戦いは決して終わっておりません。発電所の安全維持に万全を期しながら、廃炉に至る最後の最後まで全力を挙げていきたいというふうに思います。  続いて、自主的避難に関する原子力損害賠償についてのお尋ねがございました。  原子力損害賠償紛争審査会においては、法律家などの有識者が集まり、さまざまな要素を勘案、議論して、原子力事故との相当因果関係が住民に一律に認められる対象区域を指針で定めたものでございます。  また、指針は迅速な賠償のための目安を示すものであり、指針の対象区域外でも、個別具体的な事情に応じて事故との相当因果関係が認められれば賠償の対象となり得ることが指針にも明記をされております。  政府としては、原子力損害賠償紛争解決センターによる和解の仲介などの枠組みを活用しながら、被害者の皆様に対して、迅速、公正、適正な賠償が実現するための取り組みを全力で進めてまいりたいと思います。  続いて、十八歳以下の医療費無償化についての御質問をいただきました。  本件については、私が今月八日に福島県をお訪ねした際にも佐藤福島県知事などから改めて要請を受け、現在、政府内で検討しているところでございます。  この問題については、大変重要な課題であると受けとめさせていただく一方で、課題の多い問題でもございます。このことから、関係者間で慎重に検討を進めているところでございます。  長期的な健康調査及び被曝に起因する健康被害についての措置についての御質問をいただきました。  将来にわたって福島県の住民の方々の健康を守るため、福島県が実施する県民健康管理調査を円滑に進めるための法的な手当てなど、必要となる措置について、県からの要望を踏まえながら検討してまいります。  続いて、福島の復旧復興のための支援措置についてのお尋ねがございました。  原子力災害により深刻かつ多大な被害を受けた福島の復興再生には、安心して暮らすことのできる生活環境の実現や産業の復興再生、新産業の創出が必要でございます。  このため、今国会に福島復興再生特別措置法案を提出することとしており、福島の復興再生を促進するための規制や手続の特例、課税の特例などの支援措置を講じてまいりたいと考えております。  続いて、復興交付金、復興基金や原子力被害応急対策基金の積み増しなどについてのお尋ねがございました。  福島の復興に向けては、復興交付金のほか、福島県原子力災害等復興基金など必要な予算措置を講じてきたところであり、平成二十四年度予算にも必要な経費を盛り込んだところでございます。また、その運用については、被災地の復興に効果的に活用できるよう努力をしてまいります。  福島県から要望のあった原子力被害応急対策基金の創設については、現在、政府部内において検討をさせていただいているところでございます。  除染についての御質問をいただきました。  除染については、本年一月一日に全面施行となりました放射性物質汚染対処特措法に基づき、国が責任を持って、迅速かつ着実に、除染を確実に進めることが重要であると認識しております。  このため、国が直轄で除染を実施する地域については、役場周辺等の除染を先行的に実施するとともに、昨日公表した除染ロードマップに基づいて市町村等との協議を進め、年度末を目途として除染の実施計画を策定し、本格的な除染を実施してまいります。  市町村を中心に除染を実施いただく地域についても、迅速に進められるよう、国として必要な財政的な措置や技術的措置に万全を期すとともに、一月には福島県に福島環境再生事務所を開設、四月には本省等も含め四百人規模の体制を確立し、市町村の仮置き場の設置等の活動を強力に支援してまいります。  また、中間貯蔵施設については、平成二十四年度内に立地場所を決定し、平成二十七年度より供用を開始することが重要でありますので、御指摘のような対策も検討を進めさせていただきたいと思います。  福島県産米の信頼回復についての御質問をいただきました。  安全な米を安定的に供給し、消費者の信頼回復につなげていくためには、放射性セシウムの効果的かつ効率的な検査体制を整備することが重要であります。  こうした中で、福島県においては、一部の地域の米から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出されたことを受け、二十四年産米については出荷される全ての袋の検査を実施することを検討していると承知しております。  政府としては、二十三年産米についても、検査の実施につき、測定機器の購入に対する助成、試料採取等に従事する職員の派遣等の支援を行ってきているところであり、二十四年産米についてもできる限りの支援を講じてまいりたいと考えています。  学校給食の安全、安心の確保についての御質問をいただきました。  御指摘の学校給食モニタリング事業は、福島県等の御要望を踏まえ、二十四年度予算案に計上したものであり、第三次補正予算で措置した給食用食材の検査機器の導入と相まって、学校給食のより一層の安全、安心の確保に資するものと考えております。  政府としては、これらの施策を着実に進め、学校給食の安全、安心の確保のための取り組みの充実に努めてまいりたいと思います。  食品の検査機器整備について御質問をいただきました。  御質問の放射能測定機器の整備事業に関しては、補助対象を、食品衛生法に基づき食品の検査を実施している都道府県、保健所設置市及び特別区としたものでございます。このほか、住民の不安払拭のため、全ての都道府県、市町村を対象に検査機器を貸与し、より消費者に身近なところで食品の放射性物質を検査する体制を整備しています。また、放射能測定機器の整備事業については、ベルトコンベヤー式測定機器などの簡易測定機器も対象にすることとしています。  今後とも、食品の安全と信頼を確保するため、政府と地方自治体がしっかりと連携して、適切に取り組んでまいります。  マニフェストについての御質問をいただきました。  八ツ場ダムについては、政権交代以降、四代にわたる国土交通大臣のもとで、予断を持たずに検証を行ってまいりました。国土交通大臣が、その結果に沿って、事業継続との判断を行ったものです。  また、予算執行に当たっては、利根川水系の河川整備計画、ダム事業中止に伴う生活再建支援法に関する官房長官裁定を踏まえることとしております。  マニフェストと異なる結論に至ったことは、真摯に反省いたし、おわびをしたいと考えます。  今後とも、マニフェストはできる限り実現する努力を行うとともに、できない場合は、国民の皆様に対して説明を尽くし、御理解いただけるよう努めてまいります。  平成二十四年度予算における年金交付国債による対応に対する御質問をいただきました。  年金交付国債による対応は、二十四年度基礎年金給付費の二分の一と三六・五%の差額を国庫の負担としつつ、年金財政への国庫金の繰り入れは消費税引き上げ後に消費税収を充てて行うことを明確にするために行うものであり、粉飾的な手法とは考えておりません。  償還財源の担保がないとの御指摘については、基礎年金国庫負担二分の一の財源を消費税を含む税制抜本改革に求めることは、自公政権から引き継いだ年金法本来の考え方にかなうものであり、年金財政の安定確保のためにも、御党の御協力をお願いしたいと考えております。  なお、来年度の基礎年金給付費を賄うため、年金積立金の一部資産を現金化することとなりますが、かわりに年金交付国債を積立金に組み入れることにより、年金積立金は目減りせず、年金財政の安定に支障は生じないものと考えております。  続いて、子どものための手当についての御質問をいただきました。  二十四年度以降の子供のための現金給付については、昨年八月に三党で合意して以降、与野党間での議論が進展しなかったと承知をしております。  このため、予算編成や法案の提出までの時間が限られる中で、三党合意にある文言に即して、子どものための手当という名称とする児童手当法改正法案を本日閣議決定いたしました。今後、与野党で速やかに協議を開始し、法案の成立に御協力をお願いいたします。  続いて、戸別所得補償制度の見直しについての御質問がございました。  戸別所得補償制度に関する三党実務者による協議については、協議結果を二十四年度予算に反映させることが時期的に難しくなったことから、昨年八月九日の三党合意に基づく協議としては、一旦打ち切ることとなったものと承知をしています。本制度については、地方自治体や農業者の方々からも早期の法制化を求められているところであり、できるだけ早く法制化する必要があると考えております。  このため、今通常国会においては、検討中の法案として戸別所得補償法案を位置づけているところであり、御党からの御提案も参考にして検討を進め、準備が整った段階で国会に提出したいと考えております。法案の円滑な成立のためにも、二十五年度以降の本制度のあり方について、できるだけ早期に三党協議が再開され、検証も踏まえた合意に達していただくことを強く期待しております。  日本経済の厳しい現実への対応、経済の司令塔についての御質問をいただきました。  民主党政権は、政権発足以降、いわゆる失われた二十年がもたらした閉塞感を打破するため、新成長戦略を策定し速やかに実行に移すとともに、厳しい経済状況のもと、円高やデフレに対応した経済対策や補正予算の編成等を機動的に行い、金融政策を行う日本銀行と連携した経済財政運営に努めてまいりました。  さらに、日本再生のための数多くのプロジェクトを盛り込んだ平成二十四年度予算は、経済再生の次なる一歩であり、日本再生重点化措置を活用し、日本経済の成長と雇用の確保につながる施策を重点的に措置しております。  また、国家戦略会議は、これまで、国家の内外にわたる重要な政策を統括する司令塔として、日本再生の基本戦略のほか、予算編成の基本方針など、成長戦略や来年度予算に係る重要課題について精力的に取り組んでまいりました。  今後とも、力強い経済成長と雇用創出を実現するため、国家戦略会議において、新成長戦略の実行を加速するとともに、日本再生戦略を年央までに策定し、官民が一体となって着実に実行してまいります。  デフレ脱却の展望と財政健全化目標の達成についての御質問をいただきました。  来年度は、国内需要に主導された着実な成長が見込まれることから、消費者物価がプラスに転じ、GDPデフレーターは前年比でマイナス幅が縮小する見込みであります。政府としては、デフレ脱却に向け、日本銀行と一体となって、速やかに安定的な物価上昇を実現することを目指して取り組んでまいります。  また、経済財政の中長期試算によれば、慎重な経済前提のもとで、社会保障・税一体改革の実施により、二〇一五年度中に、財政構造としては基礎的財政収支赤字の対GDP比半減目標の水準が達成される姿となることが見込まれますが、引き続き、二〇一五年度における財政健全化目標の達成に向けて、成長力の強化を初め、あらゆる政策努力に全力を挙げる方針でございます。  次に、災害に強い国づくりへの取り組みについての御質問をいただきました。  東日本大震災、そして、その後も相次いだ台風などの教訓をしっかりと生かし、今までの想定を大きく上回る規模の災害についても防災対策の充実を図ることが喫緊の課題でございます。  政府においては、昨年十月に中央防災会議の専門調査会として防災対策推進検討会議を設置し、全国の自治体の実情も踏まえながら、法制度や政府の体制を含め幅広く検討を進めており、本年春には中間報告を行う予定でございます。この検討会議を中心に、全国の自治体とも緊密に連携しながら、災害に強い国づくりを推進してまいります。  また、二十四年度予算においては、御党の御提案もあり、公共施設の耐震化、津波対策等の推進、激甚な水害、土砂災害が生じた地域等における災害対策、高速道路のミッシングリンクの解消など、国民生活の安全、安心の確保のための公共投資に関する経費を計上したところでございます。  東日本大震災などを契機として、国民の安全、安心を守ることが社会資本整備の最も重要な使命であると再認識されたところであり、今後とも、真に必要な社会資本の整備を戦略的に実施してまいります。  中小企業の資金繰り及び中小企業円滑化法の期限延長についての御質問をいただきました。  我が国経済を支える中小企業を育成強化していくためには、資金繰り支援を初めとした総合的な中小企業支援策を講じていくことが重要であります。  特に資金繰り支援については、これまでの累次の補正予算に加え、第四次補正予算においても予算額七千四百十三億円を計上し、事業規模十六兆円程度の追加的な資金需要に対応することとしております。  さらに、平成二十四年度予算案では、復興枠で、予算額八百八十二億円、事業規模〇・七五兆円を計上しており、今後とも資金繰り支援に万全を期してまいります。  また、中小企業金融円滑化法の期限を一年間再延長するための改正法案を提出することとしており、その間に、中小企業に対する事業再生等の支援措置を集中的に講じることを考えております。同法案の早期の審議、成立をお願いいたします。  続いて、年金抜本改革についての御質問をいただきました。  一体改革素案では、新しい年金制度について、所得比例年金と最低保障年金の組み合わせから成る一つの公的年金制度の創設という基本的な考え方を示し、国民的合意に向けた議論や環境整備を進めた上で、平成二十五年に法案を提出することにしております。  一方で、新しい年金制度は、その創設までに一定の時間を要することと、創設を行っても当分の間は新制度と旧制度の両方から年金が支給されることから、二〇一五年までの間においても、新しい年金制度の方向性に沿って現行制度の改善を図ることとし、本通常国会への必要な法案の提出に向けて検討を進めます。  新年金制度の具体的な給付や負担の姿は、平成二十五年の法案提出に向けて、まずは民主党内で検討していくことになりますが、その検討内容については、どのように議論を深め整理するか、党が判断した上で取り扱うことになると承知しております。  なお、相当長期の移行期間を要する新年金制度については、二〇一五年の段階において、現行制度による場合と比較して、消費税率の引き上げ幅に影響を及ぼすほどの大きな追加財源が必要になるものではないと認識しております。  このように、素案の中では、これまで民主党が掲げてきた抜本改革も含め、年金制度改革の検討について、時間軸を示した上で、社会保障、税の一体改革の姿を描いております。ぜひ全体像を御理解いただいた上で協議に応じていただきますようにお願いを申し上げます。  一体改革素案に関し、高齢者医療制度の見直しについて御質問をいただきました。  高齢者医療制度の見直しについては、厚生労働大臣主宰の高齢者医療制度改革会議で検討が進められ、一昨年の十二月に最終的な取りまとめが行われております。  この取りまとめに対しては、地方自治体を初めとする関係者からさまざまな意見が出されていますが、一体改革素案にあるとおり、関係者の理解を得た上で今国会に法案を提出することとしており、関係者の理解を得られるよう、さらなる検討、調整を行ってまいります。  続いて、高額療養費の見直しの御質問をいただきました。  長期に高額な医療費がかかる患者の負担を軽減するため、高額療養費の見直しは重要な課題であります。  このため、平成二十四年度からの外来の現物給付化に引き続き、所要の財源を確保した上で、年間での負担上限等の導入を目指します。その際、年収三百万円以下程度の、所得が低い方に特に配慮いたします。その上で、抜本的な見直しに向けて、高額療養費を保険者が共同で支え合う仕組みや、給付の重点化を通じた取り組みをさらに検討いたします。  被用者年金一元化について御質問をいただきました。  平成十九年に自公政権が提出した被用者年金一元化法案については、民主党所属の議員から個別の問題点を指摘したことはありますが、同法案は、衆議院の解散に伴い審議未了で廃案となったものであり、民主党として廃案に追い込んだということではございません。  今回の被用者年金一元化については、職種を問わず全ての人が同じ制度に加入するという民主党の新しい年金制度の方向性に沿って、まずは、被用者年金制度全体の公平性、安定性の確保の観点から、一体改革素案に盛り込まれたものでございます。今国会での法案提出に向けて検討を進めてまいりたいと思っております。  次に、年金額の特例水準をデフレ脱却により解消すべきとの御意見とその御質問についてお答えをいたします。  政府としては、デフレ脱却に断固として取り組み、日本銀行と一体となって速やかに安定的な物価上昇を実現することを目指していく方針であることは、言うまでもありません。しかしながら、年金等の物価が上昇しない状況が続き、特例水準が解消されていない結果、本来の給付水準に比べて毎年約一兆円の給付増となっております。  このため、年金財政の安定と世代間の公平を図る観点から、早急に特例水準の計画的な解消に取り組むこととしております。同様に、児童扶養手当等についても特例水準の解消を図ることとしています。  その際、年金額等を一度に引き下げたのでは、高齢者や一人親家庭の方々の生活への影響が大きいことから、三年間で徐々に解消することとしております。  特例水準の解消は、年金財政の安定的運営、世代間公平の実現の観点から、避けて通れない課題であり、何とぞ御理解を賜りたいと思っております。  次に、介護職員の処遇改善についてのお尋ねがございました。  サービス提供体制の機能強化を推進する観点から、処遇改善を通じたマンパワーの増強は非常に重要であり、平成二十四年度の介護報酬改定では、大変厳しい財政状況の中、一・二%のプラス改定を行うことにより、現行の処遇改善交付金により講じてきた処遇改善と同様の取り組みを介護報酬の中で行うこととしております。  今後とも、介護職員の処遇改善に取り組んでまいります。  麻生元総理の演説の引用についての御質問をいただきました。  私が施政方針演説で麻生元総理や福田元総理の発言を引用させていただきましたのは、これは逆手にとろうなどという発想からではございません。社会保障・税一体改革は、野田内閣のみならず、自公政権時代の内閣においても、避けては通れない重要な問題と認識されてきました。私は、歴代の総理の思いを引き継ぎ、共感を込めて引用させていただいたものでございます。  公明党は、一貫して福祉の党として政治を担ってこられたと考えます。今、待ったなしのときにおいて、ぜひ、各党各会派の皆様をリードし、改革に向けての協議に臨んでいただきますよう重ねてお願いを申し上げます。  続いて、がん対策の推進についての御質問をいただきました。  がん対策推進基本計画については、現在、がん対策推進協議会の御意見を聞きながら、本年六月を目途に見直しの作業を進めております。  御指摘の次期計画の重要課題については、認識を同じくするところも多く、引き続き、放射線療法や化学療法など、がん医療のさらなる充実、緩和ケアやがん登録の推進、検診受診率の向上を盛り込むとともに、働く世代や小児へのがん対策の充実を新しく追加することを検討しています。  がんは我が国の死亡原因の第一位であり、今後も、がん対策基本法の基本理念に基づき、がん患者を含めた国民の視点に立って、地方自治体や医療関係者等と連携し、がん対策の推進に全力で取り組んでまいります。  次に、我が国のFTA戦略の全体像についてのお尋ねがございました。  一昨年十一月に閣議決定した包括的経済連携に関する基本方針に基づき、より幅広い国々と高いレベルの経済連携を戦略的かつ多角的に進めていくことが基本であります。  御指摘のあった日中韓FTA、ASEANプラス3、ASEANプラス6、そしてTPPは、いずれもアジア太平洋自由貿易圏、FTAAPの実現に寄与する地域的な取り組みであると認識をしています。  TPP交渉参加に向けて関係国との協議を進めるとともに、日中韓やASEANを中心とした広域経済連携の取り組みも積極的に推進し、アジア太平洋地域における二十一世紀型の貿易・投資ルールの形成に向け、主導的役割を果たしていく考えでございます。  次に、脱原発依存についての御質問をいただきました。  これまで原子力発電に電力供給の過半を依存するとしてきた現行のエネルギー基本計画をゼロベースで見直し、中長期的には、原子力発電への依存度を最大限引き下げていくという方向を目指すべきと考えております。  今後のエネルギー政策については、国民が安心できる中長期的エネルギー構成のあり方について、幅広く国民各層の御意見をお伺いしながら、ことしの夏を目途に結論が得られるように、エネルギー・環境会議を中心に検討してまいります。  原子力安全規制組織の独立性についての御質問をいただきました。  井上議員御指摘のとおり、原子力の安全規制は、原子力を利用推進する組織はもとより、ほかのいかなる圧力によっても影響を受けることがあってはなりません。  このため、新しい原子力安全規制組織が独立して客観的、科学的な規制を行えるよう、その長の権限を明確化するなどの仕組みを整えるとともに、第三者機関である原子力安全調査委員会が規制組織による規制の内容をチェックすることにより、その独立性を担保していきたいと考えております。  再生可能エネルギーの利用拡大及び天然ガスの確保と利用の強化の方策についてのお尋ねがございました。  再生可能エネルギー特別措置法に基づき、本年七月からスタートする再生可能エネルギー固定価格買い取り制度に加え、第三次補正予算において再生可能エネルギーの設備導入に対する補助や、平成二十四年度予算において研究開発支援の大幅な拡充を行っています。さらに、保安規制や立地規制の見直しといった規制・制度改革にも取り組むなど、政策を総動員して再生可能エネルギーの導入拡大を推進してまいります。  天然ガスの確保と利用については、まず、資源権益の獲得を平成二十四年度予算の重点事業の一つと位置づけ、天然ガスの確保を積極的に進めていく考えであります。また、天然ガスコンバインドサイクル発電についても導入支援を行っているところでございます。  石炭政策についてのお尋ねがございました。  石炭は、現在、我が国の一次エネルギーのうち二一%を占め、重要な役割を担っています。国内炭は、コスト面での競争力がないため、我が国における石炭消費量の〇・六%を占め、残りの九九・四%が海外炭となっています。こうした現実に即し、石炭の安定供給確保に万全を期してまいります。  また、我が国は世界一の高効率な石炭火力発電技術を有しており、石炭ガス化複合発電などの新たな技術開発を進めるとともに、途上国を含めた海外展開もあわせて進めてまいります。  今後とも、エネルギー源としての石炭の安定供給確保、石炭火力発電の高効率化に向けた技術開発及びインフラシステム輸出を通じた国際貢献を進めていきたいと考えております。  京都議定書第二約束期間への参加に関するお尋ねがございました。  京都議定書第二約束期間の設定は、我が国の目指す、全ての主要国が参加する公平かつ実効性のある国際枠組みの構築に資さないため、我が国がこれに加わらないとの立場に変わりはございません。  引き続き、我が国として排出削減に向けた取り組みを進めるとともに、世界全体での低炭素成長の実現に貢献しつつ、将来の枠組みの構築に向けた交渉に積極的に参画をしてまいります。  国会議員歳費の削減についての御質問がございました。  行政の無駄を徹底排除することは、当然の前提として、議員がみずから身を切る覚悟なくしては、大きな改革、国民負担を語ることはできないと考えます。各党がそれぞれの考え方、提案を持ち寄って、ぜひ、与野党協議で具体的に詰めていき、成案を得られるよう与野党がお互いに努力することを提案し、私も努力することをお約束いたします。  続いて、国家公務員給与の削減についてのお尋ねがございました。  給与臨時特例法案は、我が国の厳しい財政状況と東日本大震災という未曽有の国難に対処するため、平均約八%という厳しい給与減額支給措置を二〇一四年三月末まで講じようとするものでございます。  この法案については、昨年来、与野党間の協議が行われてきたところであり、さきの国会では合意に至ることができませんでしたが、今国会では、ぜひとも、早期に成案を得て、成立させていただきたいと考えております。  なお、昨年十二月期の期末・勤勉手当が前年比で増加したのは、期末・勤勉手当の年間支給月数は変更せずに、六月期の配分を減らし十二月期の配分を増加させたこと、平均年齢が上昇していることが主な要因でございます。  続いて、一票の格差の是正と議員定数削減についての御質問がございました。  違憲状態とされている一票の格差を是正するための措置に加えて、衆議院議員の定数を削減する案を民主党として決めたと承知しております。  しかし、各党にそれぞれ御意見があり、各党協議会において、各党から提案されている、一票の格差是正、定数削減、制度の抜本改革の三つの課題について、同時決着を目指して協議を行うこととされていると承知しています。  各党協議会において、与野党が胸襟を開いて議論し、早急に結論を得ることを強く期待しております。  最後に、郵政改革についての御質問をいただきました。  現在、国会で継続審議中となっている郵政改革関連法案は、郵政民営化によって生じた諸問題を克服し、郵政事業サービスが、地域の利用者の立場に立って郵便局で一体的に提供され、将来にわたり、あまねく公平に利用できることを確保するためのものでございます。  郵政改革については、現在、法案の取り扱いも含め、全般的に与野党で精力的に協議を進めていただいているものと承知しており、一日も早く協議がまとまることを期待しております。  内閣を挙げて、郵政改革の今国会での実現に全力を尽くしていく決意でございます。(拍手)     ―――――――――――――
  6. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) 志位和夫君。     〔志位和夫君登壇〕
  7. 志位和夫

    ○志位和夫君 私は、日本共産党を代表して、野田総理に質問いたします。(拍手)  二〇〇九年夏の総選挙での政権交代に国民が託したものは、自民党政治を変えてほしいという願いでした。それから二年半。三代を数える民主党政権によって、この願いは果たされたでしょうか。  野田政権が、今、その政治生命をかけて突き進むとしている、消費税一〇%への大増税も、米軍普天間基地の辺野古移設も、国民への公約を裏切るものであるとともに、自民・公明政権が始めた動きをそっくりそのまま引き継いだものではありませんか。その上、日本の食料と農業、国民生活をアメリカに売り渡すTPP参加への暴走です。野田政権は、今や、自民党以上に自民党的政権と言っても過言ではありません。  総理、あなたには、政権交代に託した国民の願い、自民党政治を変えてほしいという願いをことごとく裏切っているという自覚と反省はありますか。  なぜこうなったのか。それは、民主党政権が、アメリカ言いなり、財界中心という旧来の政治の二つの害悪に縛られ、そこから抜け出すことができなかったからです。政治を変えてほしいという国民の願いに応えようとすれば、この二つの害悪を断ち切る改革こそ必要です。  私は、この立場から、国政の熱い焦点となっている問題について、総理の見解をただすものです。  まず、東日本大震災と原発事故についてです。  大震災から十カ月が経過し、被災地では復興への懸命の努力が続けられていますが、なお三十三万人を超える方々が仮設住宅などで厳しい避難生活を強いられています。仮設住宅での寒さ対策への万全の措置とともに、医療、介護の負担減免措置を三月以降も継続するなど、被災者の命と健康を守るためにあらゆる手だてをとることを強く求めます。  復興に向けてさまざまな課題が山積していますが、大震災で失業した十二万人を超える方々に安定した仕事と収入を保障することは待ったなしです。  失業給付の延長を初め、職を失った方々が生活に困窮することがないよう、緊急措置を講じることが必要です。同時に、被災した中小企業、自営業者の事業再開は雇用確保の最大の鍵となっております。事業再開と雇用確保への一体的支援を、急いで、かつ深刻な実態に即した規模で進めなければなりません。  国が行っている被災事業所へのグループ補助や、被災者を雇用した企業への賃金補助は復興の力となっていますが、いずれもさまざまな条件や制限がつけられ、切り捨てられる事業者が多数に上っています。再建の意思のある全ての事業所を支援する仕組みへの抜本的拡充を強く求めます。  岩手県宮古市では、県と協力して、被災した店舗、工場などの修繕資金の二分の一を補助し、これが大きな力となって、被災した商工業者の八割が営業再開に踏み出しています。こうした自治体の努力を思い切って応援することこそ、国の責任ではありませんか。答弁を求めます。  政府の原発事故への対応に対して、福島県から、政治的立場の違いを超えて、不信と怒りの声が噴き出しています。  総理が行った原発事故の収束宣言に対して、福島県議会は、全会一致で意見書を採択し、「避難者の不安・不信をかき立てる」として撤回を求めています。福島県知事は、政府が、全面賠償に背を向け、県南、会津、南会津の市町村を賠償の対象外としたことに強く抗議し、県内全域、全県民を対象に賠償を行うことを求めています。  政府が最終処分に至る除染の全体方針を示さず、除染が遅々として進まないもとで、国と事業者は除染に全面的責任を持て、国の責任で十八歳までの子供の医療費を無料にせよという強い要求が寄せられています。県内の原子炉十基全ての廃炉を求める意見書も、福島県議会で全会一致で採択されています。  総理は、オール福島のこれらの痛切な声にどう応えるのか、しかと答弁を願いたい。  総理が、収束宣言と一体に原発再稼働に取り組むと表明したことも極めて重大です。  政府はストレステストを再稼働の口実にしようとしていますが、やらせを行った電力会社が実施し、やらせを組織した保安院が審査したテストなるものを、一体、誰が信用しますか。原発事故の原因は多くが未解明であり、放射能被害がどこまで広がるかもわからない状態です。  昨年九月の予算委員会で、私の質問に対して、総理は、再稼働について、事故の究明が全てのスタートの大前提と答弁しました。この答弁に照らしても、再稼働など論外と考えますが、いかがですか。答弁を求めます。  政府が、社会保障と税の一体改革の名で、二〇一五年までに消費税を一〇%に増税する方針を決めたことに対して、国民のごうごうたる批判が広がっています。  まず総理にただしたいのは、消費税の大増税が大震災からの復興にどういう影響を及ぼすと認識しているのかということです。  大震災と原発事故で苦しんでいるさなかにどうして大増税か、被災地のこうした怨嗟の声にどう応えますか。生活となりわいの再建に立ち上がろうというときに、被災地も情け容赦なく襲う大増税を強行するなど、常軌を逸した冷酷な政治です。総理には胸の痛みさえないのですか。答弁を求めます。  総理は、消費税大増税について、どの政権でも避けて通れないと言うだけで、なぜ大増税か、なぜ消費税かについて、まともな説明は一切していません。  私は、次の三つの大問題について、総理の見解を問うものです。  第一は、無駄遣いを続けながらの大増税という問題です。  なぜ、コンクリートから人への目玉政策として公約で中止を約束した八ツ場ダム建設を復活するのか。なぜ、過去に一兆円もの税金を投じながら事故続きでとまったままの「もんじゅ」を含め、原子力推進予算を四千二百億円も計上するのか。なぜ、重大な欠陥が指摘され、完成してもいない、一機百億円もの次期戦闘機を四十二機も買い入れようとするのか。なぜ、年間三百二十億円の政党助成金には一切手をつけようとしないのか。そして、なぜ、庶民には大増税を押しつけながら、富裕層と大企業には年間一・七兆円もの新たな減税をばらまくのか。  国民に納得のいく説明をしていただきたい。  第二は、一体改革といいますが、社会保障で用意されているメニューは切り捨てばかりではないかということです。  年金では、まず総額二兆円に及ぶ年金支給額の大幅削減を進め、続いて支給開始年齢をさらに引き上げるとされており、高齢者にも現役世代にも大幅カットを押しつけようとしています。医療では、お年寄りをうば捨て山に追いやる後期高齢者医療制度を形だけ変えて温存し、二〇一三年度には七十歳から七十四歳までの医療費窓口負担の二割への引き上げを進めようとしています。保育所探しを保護者の自己責任にするなど、保育への公的責任を投げ捨てる子ども・子育て新システムを導入しようとしています。  これらは、民主党がかつてあれだけ批判していた、自公政権時代の社会保障切り捨て路線を復活させたそのものではありませんか。  第三は、消費税一〇%への大増税が国民生活にはかり知れない打撃を与え、経済も財政も共倒れになるという問題です。  一九九七年の橋本内閣による消費税五%への増税など九兆円の負担増は、当時、回復しかけていた景気をどん底に突き落とした上、景気悪化による税収の落ち込みと景気対策のための財政支出によって、国と地方の借金がわずか四年間で二百兆円も膨らむという財政の大破綻も招きました。  総理自身、野党時代の国会質疑で、九兆円負担増を、最も愚かで、最も無意味で、破壊的な経済政策と指弾していますから、この大失政の惨たんたる結果は十分承知しておられると思います。  ところが、あなたが今強行しようとしている消費税一〇%への大増税は、一九九七年の九兆円負担増と比べても、はるかに破壊的な経済政策であります。  まず、今回の負担増の規模は、消費税増税だけでも十三兆円、年金支給額の切り下げなどを含めると総額十六兆円に上ります。そして、今回の大増税は、日本経済の長期低迷と大不況のさなかの大増税です。サラリーマンの年間給与は、九七年と比べて五十五万円も下がっています。働く貧困層と言われる年収二百万円以下の勤労者は一千万人を超え、赤字に苦しむ中小企業の割合は七三%にも達しています。  世界経済危機のもとで、もはや外需頼みの経済成長は不可能です。そのときに、経済再生の頼みの綱である家計、ただでさえ冷え込み続けている家計から十六兆円も奪い取って、どうして経済成長ができるというのですか。それは、日本経済をどん底に突き落とし、結局は財政破綻も一層ひどくする道ではありませんか。  加えて、複数の閣僚から一〇%では足りないという発言がされていますが、総理は、消費税率のさらなる引き上げが必要だと考えているのですか。答弁を求めます。  それでは、どうやって社会保障充実と財政危機打開のための財源をつくり出すか。  日本共産党は、次の三つの柱の政策を実行することを提案するものです。  第一の柱は、無駄遣いの一掃と、富裕層、大企業優遇の不公平税制の見直しに直ちに取り組むことです。  浪費型の巨大開発、原発推進予算、米軍への思いやり予算を初め軍事費、政党助成金など、無駄遣いに聖域なくメスを入れるべきです。株取引への特別減税をやめ、富裕層に応分の負担を求める税制改正を行うべきです。大企業への新たな減税を中止し、研究開発減税、連結納税制度など、特権的な優遇制度をやめるべきです。  増税というなら、まず富裕層と大企業に応分の負担を、これが民主的な税金のあり方ではありませんか。  第二の柱として、社会保障を抜本的に充実するためには、それだけでは足りません。次の段階では、国民全体で支えることが必要となってきます。  その場合も、所得の少ない人に重くのしかかる消費税という不公平税制ではなく、応能負担、負担能力に応じた負担の原則、累進課税の原則に立った税制改正によって財源を確保すべきであります。  第三は、第一、第二の柱と同時並行で、国民の暮らしと権利を守る、ルールある経済社会に前進することです。  労働者派遣法の抜本改正を初め、正社員が当たり前の社会をつくる、最低賃金を大幅に引き上げ、働く貧困層をなくす、大企業と中小企業の公正な取引づくりに取り組むべきであります。  それは、大企業にたまった二百六十兆円に上る内部留保を社会に還流させ、国民の所得をふやし、家計を温め、内需主導の健全な経済成長をもたらすとともに、着実な税収増をもたらすことになるでしょう。  日本共産党は、暮らしも経済も財政も壊す消費税大増税に断固として反対を貫くとともに、以上述べた税財政、経済の民主的改革に取り組むことを提案いたします。財界に言われるままに庶民の暮らしを踏みつけにする政治から、大企業、財界に、もうけにふさわしい社会的責任と負担を求める政治への大転換が今こそ必要であります。答弁を求めます。  次に、TPP問題、普天間問題という、アメリカ言いなり政治にかかわる二つの熱い焦点について質問いたします。  私は、昨年十一月の代表質問で、TPP参加がもたらす次の四つの大問題について、総理に見解を求めました。  第一に、大震災からの復興の最大の妨げになるのではないか。第二に、TPP参加の条件である関税ゼロと、政府が掲げる食料自給率五〇%がどうして両立するのか。第三に、食料と農業だけでなく、食の安全、医療、政府調達など、国民の暮らしのあらゆる分野でアメリカの対日要求がごり押しされるのではないか。第四に、世界の成長を取り込むと言いますが、アメリカの対日輸出戦略に日本が取り込まれることになるのではないか。  この四つの大問題に対して、総理は何一つまともに答弁ができませんでした。にもかかわらず、直後のAPEC首脳会議でTPP参加方針を表明した。私は、この暴挙に強く抗議するものであります。  総理がそのときに言いわけにしたのは、情報収集と説明責任を果たし、十分な国民的議論を経た上で、TPPについての結論を得ていくということでした。ところが、その後、この言明を根底から覆す重大な事実が発覚しました。  ニュージーランド政府の公式発表によって、TPP交渉では、交渉開始に当たって、各国の提案や交渉文書を極秘扱いとする、これらの文書は協定発効後四年間秘匿されるという合意があることが明らかにされたのです。  TPPの交渉内容を秘密にする合意は、総理が約束した、情報収集と説明責任も、十分な国民的議論も、不可能にするものではありませんか。交渉国の国民に知らせないなどという驚くべき秘密交渉に日本は参加すべきではありません。TPP交渉への参加表明は撤回すべきであります。総理の答弁を求めます。  米軍普天間基地問題でも、野田政権は、辺野古移設への暴走を続けています。  年末に政府が行った行動は、言語道断の暴挙であります。新基地建設に向けた環境アセス評価書を宅配便で送りつける。それが失敗すると、午前四時に沖縄防衛局長が段ボール箱を守衛室に持ち込む。こういう卑劣なやり方そのものが、政府がやろうとしていることに正当性がないことをみずから示すものではありませんか。総理に反省はないのですか。  さらに、この環境アセス評価書は、環境に深刻な影響を与える垂直離着陸機オスプレーの配備を提出の段階まで住民や自治体に知らせず隠し通した、とんでもない欠陥アセスであります。環境学会や自然保護協会からも、環境アセスの精神を踏みにじった史上最悪のアセスと厳しい批判が突きつけられていることに、総理はどう応えますか。  私は、沖縄県民の総意を無視する辺野古移設の日米合意を白紙撤回し、普天間基地の無条件撤去を求めて米国と交渉することを重ねて強く求めるものであります。  TPP問題も普天間問題も、昨年九月の日米首脳会談でアメリカから結果を出せと言われて始まった、やみくもな暴走です。こんな恥ずかしい、アメリカ言いなり政治でいいのか、この問題が問われています。総理、あなたにはアメリカ言いなりから抜け出す意思はないのですか。しかと答弁されたい。  日本共産党は、日米安保条約を廃棄し、対等、平等、友好の日米関係への抜本的転換を図ることを強く求めるものであります。  最後に、議会制民主主義の根本にかかわる重大問題について質問いたします。  民主党は、消費税増税を口実に、衆議院比例定数を八十削減する法案をこの国会に提出するとしています。  そこで、総理の基本認識を伺います。  小選挙区制は大政党有利に民意をゆがめるという害悪を持っているという認識を総理はお持ちでしょうか。比例定数を半減すれば、小選挙区制のこの害悪はいよいよ極端なものになります。民主党、自民党以外の中小の政党を支持する多様な民意をばっさり切り捨てる選挙制度が民主主義と両立するとお考えでしょうか。  日本共産党は、国民の多様な民意を切り捨てる比例定数削減に断固反対いたします。我が党は、民意をゆがめる小選挙区制を撤廃し、比例代表中心の選挙制度への抜本改革を提案するものです。同時に、議会制民主主義を守るために、比例定数削減反対、民意が反映する抜本改革で、党派を超えて力を合わせることを呼びかけるものであります。  政治の特権にメスを入れるというなら、何よりも、総額三百二十億円、国会議員一人当たり年間四千六百万円の政党助成金にこそメスを入れるべきであります。  驚くべきことに、民主党の収入の八二・七%が政党助成金です。国民の税金に首までつかってぬくぬくとしている党の体質こそ、まず正すべきではありませんか。  日本共産党は、憲法違反の政党助成金を直ちに廃止することを強く求めるものであります。  消費税増税、TPP参加、辺野古移設など、あらゆる分野で国民への公約を裏切り、暮らし、平和、民主主義を壊す暴走を続ける民主党政権に、もはや国政を担う資格はありません。衆議院を解散し、国民の審判を仰ぐことを強く求めて、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  8. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 共産党志位委員長の御質問にお答えをいたします。  まず第一に、公約の実現状況と、政権交代に託した国民の願いについてのお尋ねがございました。  昨年の夏、民主党において、マニフェストの中間検証を実施いたしました。政権交代の結果、高校授業料無償化や農家戸別所得補償などが実現をしています。一方で、約束実現に至っていないものがあることも率直に認め、国民の皆様に反省とおわびを申し上げたと承知しております。  消費税について民主党が前回総選挙時に国民に約束したことは、衆議院の任期中には消費税の引き上げは行わない、引き上げを行う際には国民に信を問いますということでございました。野田内閣は、現在の政権任期中において消費税率の引き上げは行いません。したがって、公約違反ではございません。行政改革、政治改革など、身を切る改革もあわせて包括的に実施してまいります。  普天間代替施設の建設については、〇九マニフェストで「米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」と述べていました。政権交代後、鳩山内閣のもとで、県外移設を追求した後、二〇一〇年五月、米国との間で、訓練移転の促進や環境配慮などを新たに盛り込んだ合意に達しました。  その上で、日米合意を踏まえ、引き続き、沖縄の皆様の声に真摯に耳を傾け、誠実に説明し、理解を求めながら、沖縄の負担軽減を図るために全力を尽くしてまいります。  仮設住宅の寒さ対策、医療、介護の負担軽減、失業給付の延長についての御質問をいただきました。  本格的な冬の到来を迎えて、応急仮設住宅の寒さ対策は重要であると認識をしています。  このため、応急仮設住宅の寒さ対策として、窓の二重サッシ化、断熱材の追加、暖房器具の設置などをおおむね年末までに完了したところであり、引き続き、被災された皆様の生活の負担を軽減できるよう取り組んでまいります。  また、被災された方々の健康を守る観点から、福島原発事故による警戒区域等の住民の医療や介護の一部負担金の免除措置を最長一年間延長するとともに、その他の地域でも、無職や高齢者の方が加入する国民健康保険、後期高齢者医療制度や介護保険の一部負担金の免除措置を一定期間継続する方針としております。  さらに、これまで特例として二百十日分の延長をしてきた失業給付の期限が到来する方が出始める中で、産業政策や復旧復興事業で生じる求人をハローワークで開拓、確保し、必要な求職者には、個別対応、職業訓練などきめ細かな就職支援を実施する、被災地の強みである農林漁業、水産加工業に対して産業政策と一体となって安定的な長期雇用を創出するなどにより、被災された方々が働くことで収入を得られるよう、被災地の雇用創造に全力を尽くしてまいります。  被災した商工業者に対する支援についてのお尋ねがございました。  中小企業等グループ補助金については、これまで、百七十二グループ二千七百二十一社に対し、国費千三百七十六億円、県費と合わせて二千六十四億円の支援を実施しております。この事業は、厳しい財政制約の中で、被災地域の早期復興を最大限に図る観点から、小規模企業や商店街等も含め、国と県が連携して、復興のリード役となる中小企業等グループを支援しております。  平成二十四年度政府予算案においても五百億円を計上しており、引き続き、しっかりと事業を進めてまいります。  また、平成二十三年度第三次補正予算により、都道府県に造成している雇用創出のための基金を積み増し、被災地の本格的な雇用を創出するために、産業政策と一体となって、被災者を雇い入れた場合に助成する事業を創設しております。この事業は、自治体が地域の実情に応じて柔軟に制度設計できる事業であり、積極的に御活用いただきたいと考えております。  これらの事業が、御指摘のような自治体の独自の取り組みと相まって、被災地の早期の復旧復興に資するよう、しっかり取り組んでまいります。  原発事故収束のステップ2完了宣言に関するお尋ねがございました。  東京電力福島第一原発それ自体については、専門家による緻密な検証作業を経て、原子炉が冷温停止状態に達したことを確認したことから、発電所の事故そのものは収束に至ったと判断し、ステップ2が完了したことを宣言いたしました。  このように、発電所の中の事故そのものについては一つの区切りがつき、周辺住民の方々に再び避難をお願いせざるを得なくなることはなくなったという意味において、発電所の事故そのものは収束に至った旨を申し上げましたが、このような区切りがついたことを踏まえ、警戒区域の解除や避難指示区域の見直しを検討する段階に移ってきているところであり、できるだけ早期に避難者が帰郷できる環境を整えてまいります。  他方、言うまでもなく、周辺地域の除染を初め、原発事故との戦いは決して終わってはおりません。発電所の安全維持に万全を期しながら、廃炉に至る最後の最後まで全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。  原子力損害賠償についてのお尋ねがございました。  原子力損害賠償紛争審査会においては、法律家などの有識者が集まり、さまざまな要素を勘案、議論して、原子力事故との相当因果関係が住民に一律に認められる対象区域を指針で定めたものでございます。指針は迅速な賠償のための目安を示すものであり、指針の対象区域外でも、個別具体的な事情に応じて事故との相当因果関係が認められれば賠償の対象となり得ることが指針にも明記をされております。  政府としては、原子力損害賠償紛争解決センターによる和解の仲介などの枠組みを活用しながら、被害者の方々に対し、迅速、公正、適正な賠償が実現するための取り組みを全力で進めてまいります。  除染や子供の医療費に関するお尋ねがございました。  除染については、放射性物質汚染対処特措法に基づき、国が責任を持って、迅速かつ着実に除染を進めてまいります。平成二十四年度予算に盛り込んだ約四千五百億円を含め、今後とも十分な予算を確保していくとともに、一月には福島県に福島環境再生事務所を開設し、四月には本省等も含め四百人規模の体制を確立し、市町村ごとに丁寧に対応してまいります。  子供の医療費の無料化については、私が今月八日に福島県を訪問した際に佐藤福島県知事などから改めて要請を受け、現在、政府部内で検討しているところでございます。  この問題については、大変重要な課題であると受けとめさせていただく一方、課題の多い問題でもあります。このことから、関係者間で慎重に検討を進めているところであります。  今後とも、地元自治体の御要望をよく承りながら、被災地の皆様の立場に寄り添って、きめ細かく対応をしてまいります。  福島県議会で採択された廃炉を求める請願書についてのお尋ねがございました。  昨年十月、福島県議会において、福島第一、第二原発の廃炉を求める請願を採択するとともに、昨年十二月、福島県が、国及び原子力発電事業者に対し、県内の原子力発電所については全てを廃炉にすることを求める旨を示した復興計画を決定、公表していることは承知しております。  政府としては、地元の意向を重く受けとめる必要があると考えていますが、まずは、立地市町村も含めた地元のさまざまな意見や経営状況等も総合的に勘案しながら、原子炉設置者である東京電力において適切に判断を行っていくべきものと考えております。  次に、ストレステストと原発の再稼働についてのお尋ねがございました。  いわゆるやらせの問題については、経済産業省に設置した第三者調査委員会の報告書を踏まえて、原子力行政に対する国民の皆様からの信頼を一から築き上げるべく、再発防止策に取り組んでいます。また、電力会社に対しても、信頼回復、再発防止への取り組みを促しています。  また、事故原因の究明については、先月末に政府事故調査委員会で中間報告が取りまとめられるなど、さまざまな調査が進められており、事故原因は、これまでに一定程度は明らかになってきていると考えております。その上で、各原子力発電所において、事故の状況を踏まえ、緊急安全対策等の措置を講じてきています。  こうした対策等を踏まえ、現時点での安全上の余裕をチェックするストレステストについては、事業者による評価結果を保安院がIAEAのレビューも受けつつ確認したものを、さらに原子力安全委員会が確認いたします。その上で、再稼働については、最終的には、地元の理解や国民の信頼が得られているかどうかという点も含め、政治レベルでの総合的な判断を行ってまいります。  震災復興と消費税増税についてお尋ねがございました。  大震災からの復興はこの内閣の最優先課題であり、復興庁や復興交付金、復興特区制度などを活用して、被災地の復興を加速してまいります。  一方で、社会保障・税一体改革は、社会保障の充実、安定化を図り、若い世代を含めた国民の不安を解消し、将来に希望を持てる社会を取り戻すための、どの内閣であっても先送りできない課題であります。全て国民に還元するものであり、消費税率の引き上げに当たっては、低所得者等にも十分配慮をしてまいります。  この改革の実施に当たっては、国民の皆様の御理解と御協力を得るために、改革の意義や具体的な内容をわかりやすくお伝えしていく努力が欠かせないと考えており、私と関係閣僚が先頭に立って、国民の皆様への情報発信に全力を尽くしてまいります。  八ツ場ダムについてのお尋ねがございました。  八ツ場ダムについては、政権交代以降、四代にわたる国土交通大臣のもとで、予断を持たずに検証を行ってまいりました。国土交通大臣が、その結果に沿って、事業継続との判断を行ったものであり、今後、官房長官裁定を踏まえ、国土交通大臣が適切に対処するものと考えております。  原子力関係予算についてのお尋ねがございました。  平成二十四年度予算案における原子力関係予算については、既存の経費を大幅に縮減するとともに、安全・事故対策の強化や、除染などの原子力災害からの復興に向けた取り組み等に必要な経費を重点的に計上しているところでございます。  なお、「もんじゅ」については、安全性が確保されることを前提に、維持管理に最低限必要な経費を計上しているところでございます。  次期戦闘機の整備についてお尋ねがございました。  F4戦闘機の減勢に適切に対応し、我が国の防空体制に欠落が生じないよう、平成二十四年度以降、次期戦闘機F35Aを着実に整備していくことが必要であります。  なお、F35Aは開発中の機体でありますが、同機の提案者である米国政府は、防衛省の要求する期限までに防衛省の要求する性能を備えた機体を納入する旨、確約しているところでございます。  続いて、議員定数の削減と政党助成金についてのお尋ねがございました。  御質問の中で、二度にわたり政党助成金に関する御質問をいただき、また、比例定数削減に関しても御質問をいただきました。一括してお答えさせていただきたいと思います。  改革実施には、誰よりも、政治家自身が身を切り、範を示す姿勢が不可欠であります。各党にそれぞれ御意見があることは承知をしており、各党協議会において、与野党で胸襟を開いて議論し、早急に結論を得ることを強く期待しております。  もとより、私も、リーダーシップを発揮して、税金の無駄遣いの根絶、行政改革の推進につきまして全力を尽くす決意であります。  なお、比例定数の削減が民意を切り捨てるとの御指摘、政党助成金が憲法違反であるとの御指摘は、日本共産党の御主張として承りますが、そのような認識に立ってはいないことを申し添えさせていただきたいと思います。  政党助成金のあり方につきましては、各党各会派で十分御議論をいただきたいと存じます。  個人や企業の課税のあり方についてお尋ねがございました。  平成二十三年度税制改正における法人実効税率の五%引き下げについては、我が国企業の国際競争力強化等を通じて雇用や国内投資の拡大を図る観点から実施するものであります。  また、上場株式の配当、譲渡益等に係る軽減税率については、平成二十三年度税制改正において、景気回復に万全を期すため二年延長することとしたものでありますが、社会保障・税一体改革素案においても、経済金融情勢が急変しない限り、平成二十六年一月から確実に二〇%の本則税率に戻すということとしております。  一体改革における社会保障についてのお尋ねがございました。  今回の一体改革は、社会保障の機能強化を確実に実施するとともに、社会保障全体の持続可能性の確保を図ることにより、全世代を通じた国民生活の安心を確保する、全世代対応型の社会保障制度の構築を目指すものでございます。  このため、全体では最大三・八兆円程度の充実を行う一方、最大一・二兆円程度の重点化、効率化も行い、あわせて二・七兆円程度の機能強化を行うことにしています。  具体的には、保育などの子育て支援の量的拡充と質の向上、在宅医療・介護の充実、低所得者への加算など現行の年金制度の改善、低所得者の保険料の軽減、総合合算制度など貧困・格差対策の強化を行うこととしています。  このように、一体改革は、社会保障の必要な機能の充実と重点化、効率化をあわせて行うものであり、社会保障の切り捨てばかりとの御指摘は当たらないと考えております。  経済成長と消費増税についての御質問をいただきました。  人口構造の急速な高齢化、社会経済状況の変化、欧州の政府債務問題に見られるグローバルな市場の動向を踏まえれば、社会保障の充実、安定化を図ることは、先送りできない課題であります。こうした一体改革を実施することは、先ほども申し上げましたが、将来の不安を取り除き、人々が安心して消費や経済活動を行う基礎を築くものと考えております。  なお、二〇一五年度以降については、素案において、「今回の改革に引き続き、少子高齢化の状況、財政の状況、経済の状況などを踏まえつつ、次の改革を実施する」とされており、新成長戦略、日本再生の基本戦略等を実施し、力強い経済成長を実現するとともに、歳出歳入両面から最大限の努力を行っていく必要があると考えております。  続いて、無駄遣いの一掃、富裕層・大企業優遇の不公平税制の見直し及び社会保障の財源確保に係る税制についてお尋ねがございました。  無駄の削減については、これまでも、事業仕分け等を通じ、最大限取り組んでまいりました。平成二十四年度予算においても、提言型政策仕分け等を予算に適切に反映させるとともに、公務部門において徹底した無駄を排除することとしております。  今後とも、不断の努力として無駄の削減に全力で取り組みつつ、真に必要な分野については予算を確保してまいります。  社会保障の財源となる税収については、高い財源調達力を有し、経済の動向や人口構成の変化に左右されにくく、安定していることが求められます。また、高齢化が進む中で、勤労世代など特定の者への負担が集中しないものであることが必要であります。消費税は、これらの特徴を有することから、高齢化社会における社会保障の安定財源としてふさわしいと考えております。  なお、今回の税制抜本改革においては、所得税について、特に高い所得階層に一定の負担増を求めることによりその累進性を高めるとともに、資産課税についても相続税の基礎控除の見直し等を行い、税制全体としての再分配機能の回復を図ることとしています。  派遣法改正案、最低賃金、大企業・中小企業間の取引ルールについてのお尋ねがございました。  労働者の生活を安定させ、中小企業の活力を高めることは、分厚い中間層を復活させ、日本経済を再生させるために重要です。  このため、派遣労働者を保護するための労働者派遣法改正案の早期成立を目指します。また、最低賃金については、新成長戦略で掲げた目標の実現に向けて、雇用、経済への影響にも配慮し、労使関係者との調整を丁寧に行いながら、その引き上げに取り組んでまいります。  さらに、大企業による中小企業に対する違法な行為を排除するため、引き続き、独占禁止法や下請法の厳正な執行に取り組んでまいります。  消費税及び大企業、財界の税負担についてのお尋ねがございました。  社会保障制度は、現在でも全体として給付に見合う負担を確保できておらず、その機能を維持し、制度の持続可能性を確保するためには、受益も負担も特定の世代に過度に偏ることなく、将来世代に負担を先送りすることのない仕組みをつくらなければなりません。そのために消費税率を引き上げることとしております。  なお、これも先ほど申し上げましたが、平成二十三年度税制改正における法人実効税率の引き下げについては、我が国企業の国際競争力強化等を通じて雇用や国内投資の拡大を図る観点から実施するものであります。  TPP交渉における文書や情報の取り扱いに関する御質問をいただきました。  ニュージーランド外務貿易省のホームページに、TPP交渉中のテキスト及び交渉の過程で交換されるほかの文書を秘密扱いとする旨の記述が掲載されていることは承知しております。  一般に、外交交渉において、交渉相手国が非公開として提供する文書については、当該国の意向を尊重することは当然であると考えます。  実際、この記述においても、これは通常の交渉の慣行に沿った扱いであるとされております。その一方で、TPP交渉参加国政府は一貫してTPP交渉に関する透明性の向上にともに尽力してきている旨、記載をされているところでございます。  いずれにせよ、我が国は交渉参加に向けた協議を行っている段階であり、協議を通じて得られた情報については、出せるものはきちんと出していくとの考えのもと、適切な情報提供や説明にしっかりと努め、十分な国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立って、TPPについての結論を得てまいりたいと思います。  普天間飛行場代替施設に係る環境影響評価書についての御質問をいただきました。  普天間飛行場代替施設に係る環境影響評価書については、昨年末の沖縄県庁舎の状況等を勘案し、評価書の提出に伴う混乱をできる限り避けるため、やむを得ず、課業時間外に県庁に搬入することとしたものでございます。  また、昨年六月、米国防省が普天間飛行場に配備されているCH46をMV22オスプレーに換装する旨の発表を行ったことを踏まえ、同評価書にはMV22オスプレーについて適切に反映されており、関係法令等に基づき適切に対応しているものと考えております。  普天間飛行場の移設及びTPP協定交渉を含む日米関係についてのお尋ねがございました。  普天間飛行場の移設については、日米両政府間で、同飛行場の危険性を早期に除去するため、可能な限り早く移設、返還を進めていくとの共通認識のもと、日米合意を着実に実施していくことを確認しています。  普天間飛行場の移設を含む在日米軍再編に関する現在の日米合意は、在沖縄海兵隊のグアム移転や嘉手納以南の土地の返還も含み、全体として、沖縄の負担軽減につながると考えています。  政府としては、この点を含め、政府の考えを誠実に説明し、引き続き、沖縄の皆様の御理解を得るべく努力していくとともに、沖縄の負担軽減に全力を挙げて取り組んでいく考えであります。  また、TPPについては、さきに申し上げたとおり、あくまで国益の視点に立って結論を得ていくこととしており、在日米軍の再編の問題も含めて、アメリカの言いなりとの御指摘は当たりません。  解散について、最後にお尋ねがございました。  繰り返し申し上げておりますが、野田内閣の使命は、大震災復興、原発事故との戦い、経済再生、そして社会保障・税一体改革であり、何としても、行政改革、政治改革の推進とあわせてやり抜く決意でございます。  御指摘のそれぞれの政策判断の是非については、次の選挙において国民に御判断いただくべきものであり、やり抜くべきことをやり抜いた上で御判断を仰ぎたいと考えております。(拍手)     ―――――――――――――
  9. 横路孝弘

    議長横路孝弘君) 内山晃君。     〔内山晃君登壇〕
  10. 内山晃

    ○内山晃君 新党きづなの内山晃でございます。(拍手)  まず、東日本大震災で、被害を受けられました皆様に心からお見舞いと、亡くなられました方々には衷心よりお悔やみを申し上げます。新党きづなは、一日も早い復旧と復興に全力を尽くすことをお約束申し上げます。  さて、野田総理の施政方針に対し、新党きづなを代表し、質問いたします。  結党後初めての質問になりますが、同じ思いであの夏の総選挙を戦い、昨年末まで同じ県連に所属していた野田総理に野党の立場で質問することになろうとは、正直、夢にも思っておりませんでした。  私たちが、離党を決意し、新党きづなを立ち上げたのは、現在の民主党の進む方向、理念が、総選挙時に掲げた方向、理念と真逆になり、約束したことはやらずに後回し、約束していないことを強引に推進するからであります。  官僚主導の政治から国民主導の政治へ、理念は一体どこに行ってしまったのでしょうか。逆に、消費増税やTPPはどこからやってきたのでしょうか。  民主党の中には、私たちと同じ思いの議員がたくさんいます。そして野党の皆さんの中にも、私たちと同じ理念の方が多くいるはずです。国民のための政治を前に進めるには、同じ思いを持つ仲間が再結集し、今こそ、国民の生活が第一の政治を実現させなければなりません。  質問に入ります。  さきの総選挙の際に民主党として国民に約束をした政権公約、マニフェストは、その目玉となる多くの課題がいまだに実行されていません。施政方針演説の中には、やめると言って再開した八ツ場ダムのことも、最低保障年金のことも、全く触れておりません。マニフェストに掲げたことは、一体どこに行ってしまったんでしょうか。  特に八ツ場ダム建設工事の継続は、与野党協議の必要がなく、政権与党が主体的に建設の中止を進められるはずなのに、みずからの約束とは反対の決定をしたのです。  総理にお聞きしたい。  なぜ、マニフェストを破り捨てて八ツ場ダムの建設工事の継続を決めたのか、きちんと国民に説明してください。総理自身の、判断をした基準についてお聞きしたいと思います。  総理は、街頭演説で、マニフェストに書いていないことを平気でやる、それはマニフェストを語る資格がないと思っていただきたいと国民に訴えました。  総理は、マニフェストを命がけで実行されたと思っておられますか。総理就任後の言動を見ていると、やらないと書いていたことや、書いていないことを必死にやろうとしているとしか映りません。また、昨日の自民党谷垣総裁の質問に対し、マニフェスト違反ではないと開き直られました。  御自身のかつての発言を踏まえ、総理、あなたの政権公約に対する考え方をお聞かせください。これは、次の総選挙で国民が何を根拠に投票行動を決定するかにかかわる非常に重大な命題と思っています。  私たち新党きづなのメンバーも、民主党の候補者として総選挙を戦いました。そして、実際に政権与党となり、政権運営を行う過程で、一〇〇%全てマニフェストに書いてあるとおり実行するのが難しいことも、東日本大震災により状況が変わったことも、見直すべき項目があることも、十分理解しております。  しかし、少なくとも次の総選挙までは、マニフェストに掲げた理念は守り、可能な限り実現できるよう努力する姿勢は崩すべきではないと考えます。そして、もし総選挙で訴えた理念を捨てて大幅に方向転換するのであれば、国民に信を問う、すなわち解散・総選挙を行うことが政治の常道と考える。  解散・総選挙について、総理の見解を求めます。  私たち新党きづなは、増税の前にやるべきことがあるということを強く訴えています。  野田総理は消費税を上げるのが与党の責任と言っていますが、これは逆だと思います。無責任です。税率を上げて税収を確保するという手法は一番簡単です。政治が汗をかかなくともできる愚策だからであります。  しかし、二年前の選挙では、ここにいる民主党の皆さんとともに、私たちは、国民に対し、既得権益に思いっ切り切り込んで財源を確保するという約束をしました。  国民に負担を強いる前に、歳出改革、行財政改革を行う、さらには、税外収入の確保など、歳入改革を実行する。目いっぱいやれることをやった後に、最後に国民に負担をお願いすべきで、努力もしないで増税というのは愚の策であります。  消費税を五%上げたらどのように安心した社会保障制度ができるのか、具体的な答弁を求めます。  野田総理は、二年前の街頭演説で、消費税五%分、皆さんの税金に天下り法人がぶら下がっている、シロアリがたかっているのです、シロアリを退治して天下り法人をなくして、天下りをなくす、そこから始めなければ、消費税を引き上げる話はおかしいのです、徹底して税金の無駄遣いをなくしていく、それが民主党の考えですと訴えました。  野田総理の言うシロアリ退治は終了したとお考えでしょうか。天下りはなくなったと言えますか。答弁を求めます。  私たち新党きづなは、国家公務員の総人件費の二割カット、国会議員の歳費カットや議員定数の削減、議員特権の見直し、つまり、数の削減だけでスリム化を終わらせるのではなく、立法府としての機能を強化しつつ、年間六百六十億円とも言われる国会運営に係るコストを大幅に削減することを基本政策に掲げています。例えば、ペーパーレス化するだけでも十三億円が削減できます。  一方で、人件費が全支出に占める割合は五%にすぎず、民主党内の議論の中でも、人件費を削っても増税は防げないという議論がありました。特会を含めた予算全体の組み替え、独法、公益法人など、歳出全体の組み替えが求められています。  そこで、新党きづなとして、少し視点を変え、本体事業の支出ルールそのものを変える競り下げ方式の基本的導入を提案したいと思います。  競り下げは、既に試験的に行われていますが、入札で負けた業者が一定時間内により安い価格の入札を繰り返す、いわば逆オークションであります。イギリスでは一四%のコスト削減の実績があり、日本国内の民間企業でも八百二十社以上が導入し、大幅なコスト削減を達成しております。  支出のルール全体を変える競り下げ方式について、総理の御認識をお尋ねいたします。  もう一つ、私たちが歳入改革として掲げているのが、歳入庁の創設であります。  税や保険料で国が徴収し損ねている額は、年間数兆円にもなります。穴のあいたバケツをしっかりと塞ぐために歳入庁の創設が必要だと考えていますが、総理の考えを伺います。  また、徴税の不公平をなくすために必要な国民番号制の導入について、報道によりますと、総務省は番号の交付などの業務を担う新機関の設置方針を決めたということですが、実際の制度の運用の開始をいつごろから想定しているのかについてお尋ねいたします。  一九九七年、消費税三%を五%に上げたのは、自民党、橋本龍太郎総理です。税率を上げて、税収は上がりましたか。消費税率を上げたことで、個人消費や民間投資は落ち込み、一九九八年の実質経済成長率はマイナス一・八%と、二度目のマイナス成長を記録いたしました。その結果、消費税、所得税、法人税の三つ合わせての税収は、消費税を上げたにもかかわらず、ほぼ消費増税分に近い、三兆八千億円も減ってしまいました。  結局、消費増税をしても、税収は上がらず、プライマリーバランスはさらに悪化し、赤字が膨らんだ事実がございます。  この増税は、財政の悪化だけでなく、国民の生活を苦しくさせました。  消費税の滞納額は、九七年から九八年に四割もふえました。税金を払えずに、さまざまなものを差し押さえられ、廃業する個人商店や、立場の弱い中小零細企業がばたばたと倒産しました。九八年は、金融危機もあり、自殺者は、この年、初めて三万人を超えました。  緊縮財政と増税を進めた橋本総理は、三年後、私は九七年から九八年にかけて緊縮財政をやり、国民に迷惑をかけた、私の友人も自殺した、本当に国民に申しわけなかった、これを深くおわびしたいと国民に謝罪しています。  デフレ経済下での増税というのは、古今東西、成功したためしはありません。恐慌のトリガーを引く、大変危険な施策です。ましてや、現在、欧州危機が叫ばれ、リーマン・ショック以上の金融危機が起こるのではないかと不安視されている、行き先の見えない状況にあります。  現在の人口構造、社会保障費の増加を鑑みれば、消費税を初めとする増税が将来的に必要なことは国民も理解しているところです。だからこそ、消費税増税により本当に困る人々は誰なのか、低所得者や資金繰りに苦しむ個人商店や中小零細企業経営者をどのように救うのか、増税の前に、その道筋を示し、社会不安を取り除かなければなりません。  消費増税により、生活保護者が増加したり、企業が倒産したり、みずから命を絶つ選択に迫られるような経営者がふえてしまってはなりません。政治ではありません。まずは、身を切り、政治に信頼を取り戻す、同時に、低所得者や中小企業へのセーフティーネットをしっかりつくった上で、景気の動向を見きわめ増税するという順番を決して間違えないよう、慎重な判断をお願いいたします。  そこで、野田総理にお伺いします。  デフレ経済下での消費増税が失敗しているにもかかわらず、なぜ歴史に学ばないのか、デフレ経済下での増税がさらにデフレを呼ぶという認識がおありになるのか、答弁を求めます。  次に、郵政改革について質問します。  私たちは、二年前の選挙で、郵政民営化見直し、郵政改革関連法案を成立させるという約束をいたしました。  郵便の現場からは、四分社化の弊害が出て大変困っているという話をよく聞きます。例えば、震災直後、被災地の日本郵便の配達用の車やバイクが津波にのまれました。一方、郵便局会社に無事なバイクや自転車が残っていても、会社が違うので、許可を得ないと使えない。避難所で、郵便局の配達員が、被災者から郵貯のお金をおろしてほしいと頼まれても、それはできないと断ることしかできませんでした。  お客さんは、簡保も郵貯も郵便も、一つの会社だと考えているのです。  報道等によれば、TPPでは、米国が、簡易保険を非関税障壁の一つと捉え、郵貯と簡保の開放を求めているようです。TPPの推進と郵政改革法案の成立というのは、ベクトルが真逆で、政策の整合性がとれません。  私たち新党きづなは、現在の枠組み、ルールでのTPP参加には反対であり、郵政改革法案の成立、ユニバーサルサービスの維持ということを強く訴えています。  野田総理は、二年前の国民との約束である郵政改革法案をどのように考えているのか、米国との事前協議で簡保、郵貯のあり方について米国にどのように説明しようとしているのか、お尋ねをいたします。  東日本大震災では、自衛隊、消防、警察の方が、自分の家族が被災しているにもかかわらず、被災者の命と財産を身を捨てて守る姿がありました。食料がなくなった避難所では、自分の家から食料をおのおのが持ち出し、炊き出しをして命をつなぎました。  被災者が団結する中で、残念ながら、政治の初動のおくれ、二次補正予算の編成、成立が政局に使われたことで、復旧復興の立ち上がりが大幅におくれてしまいました。  今こそ、原発事故や津波で家を失ってしまった方々に夢と希望を与える、思い切った生活支援が必要です。  放射能に汚染された長期間住める見込みのない土地の買い上げについて、総理はどう考えておられるでしょうか。無理やり転居せざるを得ない被災者に安心した住居を早急に提供するために、適正な価格で国が土地を買い上げ、新しい場所で安心して生活できる政策が必要です。この点についても答弁を求めます。  また、仮設住宅は二年で出なくてはなりません。国として被災者の住宅確保にどのような計画があるのかをお聞かせいただきたいと思います。  また、電気料金の値上げだけに取り組んでいる東電を今後どうされるのかについてもお尋ねしたいと思います。  先日の野田総理の施政方針演説からは、消費税率を上げる決意しか感じ取ることができませんでした。私は、消費税増税の前に、やることが山のようにあると思っています。  最優先課題は被災地の復興と原発事故の収束と放射能除染対策であることは当然ですが、さらに、デフレ経済からの脱却、内需拡大、円高の解消が優先だと考えますが、野田総理の考えをお伺いいたします。  最後に、民主党なら、官僚主導を打破し、政治主導、国民主導で国民の生活が第一の政治を実現できると期待し、多くの国民が一票を投じたのではないでしょうか。  私たちは、国民の皆さんが幸せを実感できる生活と、日本人の誇りと自信を取り戻すために決起しました。日本の歴史と文化、伝統に基づく和の心で日本国の繁栄と世界平和の礎を築くことを綱領に明記しています。目指すのは、共生自由主義、自主自立、協同社会、きずな社会の構築を基本理念に掲げています。  野田総理、政権公約を国民に約束したことを忘れてはいけません。国民の生活は二の次、官僚の言うことが第一とならないような総理の明確な答弁を求め、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  11. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 内山議員の御質問にお答えをしたいと思います。  まず、八ツ場ダムについてお尋ねがございました。  八ツ場ダムについては、政権交代以降、四代にわたる国土交通大臣のもとで、予断を持たずに検証を行ってまいりました。国土交通大臣が、その結果に沿って、事業継続との判断を行ったものであります。  また、予算執行に当たっては、利根川水系の河川整備計画、ダム事業中止に伴う生活再建支援法に関する官房長官裁定を踏まえることとしております。  今後とも、マニフェストはできる限り実現する努力を行うとともに、できない場合は、国民の皆様に対して、説明を尽くして、御理解いただけるように努めてまいりたいと考えております。  マニフェストについて御質問をいただきました。  昨年の夏、民主党においてマニフェストの中間検証を実施いたしました。実現したものもある一方で、実現に至っていないものがあることも率直に認め、国民の皆様に反省とおわびを申し上げたと承知しているところであります。  その上で、マニフェストについては、経済財政状況の変化と三党合意を踏まえながら、政策の優先順位、政策選択に基づき、今後も一つでも多くの政策を実現できるように努力していきたいと考えております。  マニフェストに記載していない政策についても、政府としては、リーマン・ショック後の緊急景気経済対策の実施と新成長戦略の展開、地方交付税の増額、三十五人学級や学校耐震化の推進など、政権交代後の状況の変化に基づいて、さまざまな事業を、国民のためと思ったものはやってまいりました。  大震災からの復旧復興、原発事故との戦い、さらに、日本経済の再生にも取り組んでまいりました。  社会保障・税一体改革も、前政権から引き継ぎ、避けては通れない、先送りすることができない、与野党共通の課題として実現を目指しております。  こうした政策判断の是非については、次の選挙において国民に御判断いただくべきものであり、やるべきことをやり抜いた上で御判断を仰ぎたいと考えております。  安心した社会保障制度についてのお尋ねがございました。  今回の一体改革では、消費税率を段階的に一〇%に引き上げ、その引き上げ分を全額社会保障財源化することとしています。  具体的には、五%の引き上げ分のうち、一%分に当たる二・七兆円程度で、子ども・子育て支援の強化など、社会保障の充実を賄うことにしています。また、四%分に当たる十・八兆円程度で、年金国庫負担の二分の一など、社会保障の安定化を賄うことにしています。  今後とも、税外収入の確保に努めるとともに、歳出削減や行政改革についても、国、地方を通じて不断に続けなければなりませんが、それだけでは、毎年一兆円規模に上る社会保障費の自然増などへの対応は困難であり、一体改革をこれ以上先送りすることは許されないと考えております。  消費税引き上げとシロアリ退治についての御質問をいただきました。  一体改革を進めるに当たっては、みずから身を切る改革を実施し、国民の納得と信頼を得ることが必要であります。  これまで、政権交代後、三度の当初予算編成において、独立行政法人に対する支出は約一割の削減、公益法人向け支出は約二五%削減など、大幅に削減をしてまいりました。  また、天下りの根絶のために、民主党政権発足後直ちに、府省庁による再就職あっせんを内閣の方針として全面禁止するとともに、独立行政法人の役員人事において公募を実施するなど、再就職の適正化について取り組んできたところでございます。  これに加え、再就職等規制の監視機能強化を目的の一つとする、国家公務員制度改革関連法案の早期成立を図ってまいります。  行政改革については、さまざまな制約、限界がありましたが、みんなで力を合わせてこれまでもやってまいりました。これからもやり抜いていく決意でございます。  競り下げ方式についてのお尋ねがございました。  競り下げ方式については、複数省庁で試行を実施しており、コスト削減や新規参入促進等の効果、中小企業の受注機会や事業活動への影響等について検証を行っているところであります。  今後とも、効率的な調達、契約のための改革を推進してまいります。  歳入庁の創設についてお尋ねがございました。  歳入庁については、社会保障・税一体改革素案において「直ちに本格的な作業に着手する」としており、新しい年金制度の内容や番号制度の導入状況などを踏まえつつ、国民の皆様の視点に立った徴収体制を構築する観点から、作業に着手してまいります。  番号制度の運用開始時期についてのお尋ねがございました。  社会保障・税番号は、より公平な社会保障制度の基盤となるものであり、確実に実現する必要があります。  このため、平成二十七年一月からいわゆるマイナンバーの利用開始を目指して、マイナンバー法案について、関係者との詰めの調整を行い、二月中旬にも閣議決定し、今国会に提出をしたいと考えております。  デフレ下での増税についてお尋ねがございました。  欧州政府債務危機や日本の財政事情を考えれば、財政健全化は待ったなしの課題であり、市場の信認が失われ、金利が上昇するようなことがあれば、経済にも大きな打撃を与えることとなります。  社会保障と税の一体改革により、社会保障の安定財源を確保し、財政健全化を進めることは、将来の不安を取り除き、人々が安心して消費や経済活動を行う基礎を築くものと考えております。  郵政改革とTPPについてのお尋ねがございました。  現在、国会で継続審議中となっている郵政改革関連法案は、郵政民営化によって生じた諸問題を克服し、郵政事業サービスが、地域の利用者の立場に立って郵便局で一体的に提供され、将来にわたり、あまねく公平に利用できることを確保するためのものでございます。  郵政改革については、現在、与野党で精力的に協議を進めていただいているものと承知しており、一日も早く協議がまとまることを強く期待しております。内閣を挙げて、郵政改革の今国会での実現に全力を尽くしていく所存でございます。  また、今後、米国との間で我が国の交渉参加に向けた協議を進める中で、仮に米国が郵政改革法案について問題提起する場合には、我が国としては、法案は、郵政事業は同種の業務を行う事業者との競争条件の公平性に配慮して行われるものとすることを基本方針としており、WTO協定を初めとする国際約束との整合性を確保していくとの従来からの我が国の考えを引き続き表明し、同国の理解を求めていく考えであります。  土地の買い上げ及び被災者の住宅確保についてのお尋ねがございました。  ふるさとへの帰還が困難な地域の不動産の取り扱いについては、損害賠償上の扱いなどを踏まえ、県、市町村等の意見を伺いつつ、当該地域の住民に対する支援パッケージ全体の中で対応を検討してまいります。  また、御指摘のありました二年で仮設住宅を出なければならないという点については、実際には、被災者の方々のニーズに応じて、延長して仮設住宅にとどまることができるようになっております。  他方、仮設住宅にとどまらず、東日本大震災により住宅を失われた被災者の方々が安心して長期にわたって居住できる住宅を確保することは、重要な課題であると認識しています。  このため、自力で住宅を確保することが困難な被災者に対しては災害公営住宅の供給を進めることとし、現在のところ、岩手県、宮城県において約一・七万戸の整備が計画されています。  一方、自力で住宅を再建しようとする方に対しては、住宅金融支援機構の災害復興住宅融資について、金利引き下げ等の措置を実施しています。  これらの措置を通じて、被災者が安心して居住できる住宅が確保されるよう支援をしてまいります。  東京電力の今後についての御質問をいただきました。  東京電力の中長期的な経営のあり方については、東京電力と原子力損害賠償支援機構が今春を目途に策定する総合特別事業計画に盛り込まれます。  計画の策定に際しては、あらゆる可能性を排除しない幅広い選択肢を検討するよう、東京電力及び原子力損害賠償支援機構に対して経済産業大臣から指示を行ったところであります。  現在、両者において引き続き検討が行われている途中段階であり、総合特別事業計画の認定の申請があった場合、賠償の迅速かつ適切な実施の確保や経営合理化が徹底されているかなどの観点から、政府として判断することとなります。  なお、規制部門の料金値上げについては、現在、制度、運用の見直しが行われている途中であり、こうした検討が行われた後、議論の俎上に上るべき話と認識をしています。  仮に規制部門の料金値上げ申請があった場合、電気事業法に基づき、料金が能率的な経営のもとにおける適正な原価に適正な利潤を加えたものとなっているか否か等を判断し認可することとなっており、政府としてしっかりと判断してまいります。  消費税率引き上げと他の政策課題の関係についての御質問をいただきました。  人口構造の急速な高齢化、社会経済状況の変化、欧州の政府債務問題に見られるグローバルな市場の動向を踏まえれば、社会保障の充実、安定化を図ることは先送りのできない課題であり、一体改革はやり遂げなければなりません。  被災地の復興、原発事故との戦いに全力で取り組むことは言うまでもありませんが、一体改革についても、経済再生、身を切る政治、行政改革とも一体で包括的に進めてまいります。  最後に、政治主導、国民主導についての御質問をいただきました。  民主党は、国民の生活が第一を訴えて総選挙を戦い、政権交代後、国民の生活が第一という基本理念のもと、人と人とが支え合う社会をつくることを目指してまいりました。  この国難に立ち向かっていくために必要なのは、スピードであり、マンパワーであります。閣僚を含む政権与党が一丸となって職責を果たして、官僚は専門家として持てる力を最大限に発揮し、与野党は徹底的な議論と対話によって懸命に一致点を見出すこと、心を合わせて、力を合わせて国の危機に立ち向かうことが肝要だと考えております。  再三にわたり、民主党の原点、そして理念についての言及がありました。  国民の生活が第一という我々の原点は不変であります。これからも、これまでマニフェストに掲げてきた政策をできる限り実現できるように力を合わせて頑張っていくことをお誓い申し上げて、答弁を終わりたいと思います。(拍手)     〔議長退席、副議長着席〕     ―――――――――――――
  12. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) 重野安正君。     〔重野安正君登壇〕
  13. 重野安正

    ○重野安正君 私は、社会民主党・市民連合を代表して、政府四演説について野田総理に質問いたします。(拍手)  総理は、ネバー・ネバー・ネバー・ネバー・ギブアップと、消費税の税率アップ実現に不退転の決意を示されました。しかし、これは、ナチス・ドイツの猛攻を耐え抜いて英国を勝利に導いたチャーチル首相の言葉であります。  消費税増税を理解しない国民は敵なのですか。やるべきことをやらず、国民の六割が反対している消費増税を強行しようとしていること自体が間違いだと思いませんか。まず、総理の見解を伺います。  社会保障と税の一体改革案についてお尋ねをいたします。  本来、社会保障と税の一体改革は、憲法二十五条の理念に基づいて、あるべき社会保障の姿を描いて、そのために財源と負担をどのようにするのが公正なのかという点であります。しかし、素案の社会保障の項目には、今後検討するという文言ばかりが並び、年金制度の抜本改正も先送りされております。  全体像は不明確で、国民に消費税増税の請求書を突きつけるだけの素案を認めることはできません。  税制についても、格差の拡大が指摘される中、なぜ低所得者に負担感が重い消費税増税ありきなのか。逆進性対策や中小企業対策、高所得者層の負担増による所得再分配機能の強化も不明確であります。消費税社会保障目的税化は、消費税を引き上げなければ社会保障を充実できない、また、逆に、消費税の枠内におさめるための給付抑制にもつながります。これらについての総理の見解をお聞かせください。  さらに、岡田副総理は、最低保障年金などの実現には消費税率を一〇%よりさらに引き上げる必要があるなどと発言しています。次世代にツケを回さないと言うのなら、正直に将来設計を語り、議論すべきです。  まず、幾ら上げるつもりなのか、明確にしていただきたいと思います。  総理、税による所得の再分配機能は著しく低下し、OECD諸国の中で、税と社会保障制度という政府による再分配が貧困を深めているのは、我が日本だけであります。  所得税の最高税率の引き上げ、ブラケット幅の縮小による税率構造の大幅な見直しなどによって、実質的な累進性を先進国並みに高めるべきではありませんか。  あわせて、非正規労働者が増大する中、短時間労働者に対する社会保険適用の拡大や、厚生年金、共済年金の一元化は、喫緊の課題であります。  今国会で、必ず、法案を出し、成立させる決意のほどもお聞かせください。  社会保障制度を強化する根本は、何より、社会保障の担い手を厚くし、強化することであります。そのためには、公正な労働条件、安定的な雇用が必要です。  労働者派遣法は、登録型派遣の原則禁止、製造業派遣の原則禁止、みなし雇用制度の導入などを盛り込む抜本的な改正が必要であります。  労働法制の改善とセーフティーネットの整備にどのように取り組まれるのか、お聞かせください。  消費税増税の前提として、国会議員定数の削減や公務員給与の削減などを喧伝しています。  しかし、選挙制度は、国民の代表をどう選ぶのかという理念から議論すべきであります。自分の思いが国政に届かないと感じる国民がふえている中で、一方的な定数削減論ではなく、多様な民意、少数の意見も議席に反映するよう、選挙制度の抜本改革をあわせて議論すべきと考えますが、総理はどのようにお考えでしょうか。  労働基本権を制約された公務員労働者の賃金、労働条件の代償措置である人事院勧告を無視して政府が一方的に給与を切り下げるとすれば、憲法違反のそしりを免れません。  公務員労働基本権の前進について、総理の決意をお示しください。  次に、大震災からの復旧復興について伺います。  十カ月が過ぎ、被災地は、雪深く、寒さ厳しい冬に覆われています。  八ツ場ダムはもとより、大都市圏環状道路の推進、首都圏空港の強化、国際戦略コンテナ港湾の整備、整備新幹線の未着工三区間の新規着工、仕分けされたスーパー堤防など、人からコンクリートへ逆転したかのような大型公共事業を認めるのではなく、被災地の復旧復興の事業こそ優先すべきであり、内容を豊富化すべきだと考えますが、総理、いかがお考えでしょうか。  TPPについて伺います。  野田総理は、世界に誇る日本の医療制度、日本の伝統文化、美しい農村は断固として守り抜くとしています。しかし、昨年末の米国下院歳入委員会でのTPP公聴会では、郵政、自動車、保険、牛肉などに非関税障壁があると指摘されています。  まず、政府は、米国内の意見をどのように把握し、その情報をどのように公開するのでしょうか。  また、TPPは、被災地の復旧復興、地域社会、医療や郵政、保険、サービス産業、公共事業など、いろいろな方面に悪影響を及ぼします。  どのような方針のもとでTPP交渉事前協議に対応し、国益を守っていくのでしょうか。総理の答弁を求めます。  次に、水俣病について尋ねます。  水俣病の公式発見から、本年五月で五十六年を迎えようとしています。  政府は、〇九年の水俣病被害者の最終解決に関する特別措置法の成立を受け、現在行われている救済措置の申請をこの三月で締め切ろうとしています。申請期限の締め切りは、特措法で「救済を受けるべき人々があたう限りすべて救済される」と定められていることに反します。  特措法に規定された被害地域の健康・環境調査も行わずに申請期限を区切ることは、これまでと同様に、行政による幕引き、患者を切り捨てるものと言わざるを得ません。  全ての被害者の掘り起こしが終わるまで申請を受け付けるべきであります。総理の見解を伺います。  次に、福島第一原発事故原子力について伺います。  新しい年を迎えてもなお、事故の収束も終わりが見えず、多くの人々が生活の復旧から取り残され、苦しい苦しい暮らしを余儀なくされ、放射性物質も広範囲に拡散し、国民に大きな不安を与え続けています。  このような中で、汚染した瓦れきについて、環境省は、自治体が独自の基準を設けることを否定して一律に瓦れき受け入れを強要し、ストレステストに関する意見聴取会では、市民を排除して、推進派の委員のみで議事を進めてきました。経産省前で抗議の声を上げている市民のテントも強制排除されようとしています。  市民の不安の声に、どう向き合い、応えていくのか、総理の考えをお聞かせください。  原発の運転期間を定める原子炉等規制法について、四十年と定めた上、二十年間の延長を認めるという改正がどうして規制の強化になるのか、全く理解できません。  少なくとも例外の規定を設けるべきではないと思いますが、お考えをお聞かせください。  福島の子供たちの医療無料化も見送りと報じられていますが、ぜひとも再考を求めます。総理の見解をお聞かせください。  四月から農作業が始まります。農業者の不安に応え、国の責任で一刻も早く水田土壌や玄米への放射能検査体制を徹底強化し、汚染の原因を解明し、消費者に的確に説明した上で、水田ごとの汚染マップの作成、汚染度に応じた適切な作付規制の提示、営農基準、除染などの対応策を講じるべきであります。  また、放射性物質が検出された地域の米の買い上げや、汚染稲わらの保管管理方法や処分方法の策定と、保管農家に対する公的支援について、総理の見解をただします。  さて、林業の衰退とそれに伴う林業労働者の減少、高齢化は、山村地域の疲弊、衰退に直結しています。東日本大震災からの復興とも連動させながら、林業を中心とした新たな雇用拡大と定住対策を進めるべきであります。  また、地域林業の再生や温暖化対策などにおいて、国有林野事業は重要な役割を担わなければなりません。一般会計へ移行に際しては、人材育成や民有林への支援、地域貢献を果たし得る体制の充実が必要だと考えます。  これらについて、総理の見解を伺います。  COP17で日本政府京都議定書第二約束期間への不参加を決めたことは大いに問題であります。不参加になったことで、温暖化対策について手を抜くようなことがあってはなりません。  対策の重要な柱の一つである森林吸収源対策の充実のためには、これまでのように補正予算等に頼らない安定的な財源確保が必要だと考えますが、いかがですか。  沖縄問題についてお尋ねします。  沖縄振興費総額について、沖縄の希望に一定の配慮を示しました。しかし、その直後に、夜陰に乗じて運び込むというこそくな方法で、辺野古の環境影響評価書を沖縄県に提出しました。  米国との約束を重視し、札束で米軍基地の移設受け入れを迫るようなやり方は、通用しないし、我が党は断じて認めるわけにはいきません。  あめとむちのあめとしての沖縄振興ではなく、真に沖縄県民が望む振興策へと転換すべきだと考えます。総理、いかがですか。  今、ワシントンでは、山内徳信参議院議員を団長とする、アメリカへ米軍基地に苦しむ沖縄の声を届ける会の訪米団が、米関係者に沖縄の米軍基地の現状を訴えています。  今や、米議会が海兵隊のグアム移転関連予算を凍結するなど、米国内でも日米合意を見直す機運が起こりつつあります。  現行の日米合意と沖縄県民の意思は、どうやっても両立はできません。日米合意の実現可能性についての総理の認識を伺います。  野田総理は、施政方針演説において、女性を、これからの日本の潜在力の最たるものと表しておられます。しかし、改造内閣の女性閣僚はたった一人にすぎません。  なぜ積極的に女性を登用しないのか、その理由をお聞かせください。  私は、昨年、この本会議で、菅総理と野田総理に、選択的夫婦別姓などの導入を盛り込む民法改正案をいつ提出するのかとお聞きしました。  前進しない政治にいら立ち、夫婦別姓を求める当事者が初の違憲訴訟を起こしています。また、大阪高裁が、婚外子相続分に関する民法規定は憲法違反であると判断し、国連女性差別撤廃委員会が、民法改正を行わない日本政府を厳しく追及しています。  法改正を求める国民の声、差別撤廃の立ちおくれを指摘する司法や国連の指摘にどう応えるのか、総理の考えをお聞かせいただきたい。  野田総理は、四年前の福田首相の演説や三年前の麻生首相の演説を引用して、私が目指すものも同じ、立場を超えて協議に応じていただきたいと呼びかけました。自民党との違いがないということを総理自身が明言したこと、何のための政権交代だったのか、残念でなりません。  自民党政治の転換を求めて、熱い思いで政権交代に期待した多くの国民を裏切ることがあってはなりません。それでもなお、公約違反の消費税増税に固執するとともに、TPP参加を促進し、辺野古移設を強行せんとするのであれば、民意を問うべきであります。  国民生活が第一に立ち返るよう強く求め、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  14. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 重野議員から、幾つか御質問をいただきました。  まず第一に、消費税率の引き上げについてのお尋ねがございました。  若い世代を含め、国民が将来に不安を持たないようにするため、社会保障の充実、安定化と財政健全化を同時に達成するための一体改革は、どの内閣であっても先送りできない課題でございます。  この改革の実現に向けて、国民の御理解と御協力を得るために、少子高齢化が急速に進む中、子育てや若者就労支援を強化するなど、全世代対応型へと社会保障制度を転換することや、将来世代への負担のツケ回しを行うことなく社会保障のための安定財源を確保していくことなど、改革の意義や具体的な内容をわかりやすくお伝えしていく努力が欠かせないと考えております。  私と関係閣僚が先頭に立って、国民の皆様への情報発信に全力を尽くしてまいります。  消費税増税を理解しない国民は敵なのかというお尋ねがございましたが、国民を敵視する政治はありません。国民のための政治を実現してまいりたいと思います。  消費税率引き上げの目的等についてのお尋ねがございました。  人口減少と少子化、高齢化の同時進行、格差の拡大といった社会の変化に対応するため、子供からお年寄りまで、全ての国民をカバーする全世代対応型へと社会保障制度を転換するとともに、その財源についても、幅広い国民が負担を分かち合う仕組みをつくる必要があります。  このため、今回の改革では、消費税率を段階的に一〇%まで引き上げるとともに、引き上げ後の消費税収は、現行分の地方消費税を除く全額を社会保障の費用に充て、全て国民の皆様に還元し、官の肥大化には決して使わないこととしたところであります。  また、今回の税制抜本改革においては、低所得者や立場の弱い事業者への配慮、対策を行うとともに、特に、高い所得階層に一定の負担増を求める所得税の見直しや相続税の見直しを行い、税制全体としての再分配機能の回復を図ることとしております。  最低保障年金の実現と消費税率の引き上げについてお尋ねがございました。  社会保障・税一体改革素案では、子ども・子育て、医療、介護、年金など、社会保障制度全般にわたる改革の全体像を示しております。ここでは、最低保障年金を含む新しい年金制度についても、基本的な考え方を示し、国民的合意に向けた議論や環境整備を進めた上で、平成二十五年に法案を提出することとしています。  今後、民主党での議論を踏まえて、政府としても必要な検討を進めていきたいと考えております。  なお、新しい年金制度については、現行制度からの切りかえに相当長期の移行期間が必要であることから、二〇一五年の段階において、現行制度による場合と比較して、消費税率の引き上げ幅に影響を及ぼすほどの大きな追加財源が必要になるものではないと認識しています。  所得税の累進課税の強化についてお尋ねがございました。  所得税については、所得再分配機能が低下していることに加え、今後、消費税率の引き上げにより、税制全体としての累進性がさらに低下することも踏まえ、所得再分配機能の回復を図ることとしています。  一方で、今回の消費税率の引き上げや復興特別所得税による負担増等をもあわせ考えれば、幅広い所得層に対して負担増を求めることは慎重に考えるべきであり、今回の改革では、特に高い所得階層に絞って一定の負担増をお願いすることとし、課税所得五千万円超について最高税率を四五%に引き上げることとしております。  社会保険の適用拡大、厚生、共済年金の一元化、労働法制の改善に関するお尋ねがございました。  被用者でありながら厚生年金、健康保険の適用を受けられない短時間労働者に、被用者にふさわしい年金、医療保障を実現していくことは、働き方に中立的な制度を目指し、かつ格差是正を図っていく観点から、喫緊かつ重要な課題であります。  一体改革素案に基づき、関係者の意見を聞きながら検討を進め、今通常国会に必要な法案を提出いたします。  また、被用者年金制度の公平性、安定性を確保する観点から、共済年金制度を厚生年金制度に合わせる方向を基本として、被用者年金を一元化するための法案提出に向けて検討を進めてまいります。  さらに、現在、国会で継続審議となっている労働者派遣法改正案については、与野党で精力的に議論いただき、速やかな成立をお願いしたいと考えております。  選挙制度改革に関するお尋ねがございました。  民主党は、違憲状態とされている一票の格差を是正するための措置に加えて、衆議院議員の定数を削減する案を民主党として決めたと承知しております。  しかし、各党にそれぞれ御意見があることも承知しており、各党協議会において与野党で胸襟を開いて早急に結論を得ることを強く期待しております。  公務員の労働基本権について御質問をいただきました。  国家公務員の労働基本権については、国家公務員制度改革基本法を踏まえ、国家公務員制度改革関連法案を国会に提出しており、その早期成立に向け、最大限の努力を行ってまいります。  公共事業と被災地の復旧復興の事業の優先関係について御質問をいただきました。  大震災からの復旧復興は、我が内閣が全力を挙げて取り組むべき優先課題であります。このため、復興庁、復興交付金、復興特区制度や、これまでの三度にわたる補正予算や平成二十四年度予算に盛り込んだ経費を用いて、復興事業をこれまで以上に加速化してまいります。  同時に、持続可能で活力ある国土、地域づくりを進めるため、国民生活の安全、安心の確保はもとより、我が国の国際競争力や地域の産業、経済を支える都市・交通基盤等の形成など、真に必要な社会資本整備を着実に推進していくことも必要であると考えております。  TPPに関する米国内の意見の情報公開及び参加に向けた協議の方針についてお尋ねがございました。  TPPについては、交渉参加に向けて、関係国との協議を進めているところでございます。  米国内の意見については、さきに取りまとめられたパブリックコメントの結果について情報提供しておりますが、今後とも、国民の皆様への一層の説明や情報提供に適切な形でしっかりと努めていく考えであります。  また、TPPをめぐり、御指摘の、被災地の復旧復興、医療や郵政、保険などといった分野における国内への影響について、国民の間にさまざまな議論や御意見があることは承知をしております。  我が国としては、関係国との協議を進め、各国が我が国に求めるものについてさらなる情報収集に努め、十分な国民的な議論を経た上で、あくまで国益の視点に立って、TPPについての結論を得てまいりたいと考えております。  水俣病問題に関するお尋ねがございました。  水俣病については、その公式発見から既に五十年以上経過していることから、水俣病特措法においては、被害者のあとう限りの救済を一定の期間の間に早期に行うべき旨を規定しています。このため、今後、適切な時期に救済の期限を定め、周知、広報の徹底に努めることにより、可能な限りの救済を目指し、取り組んでいく考えでございます。  具体的には、平成二十五年四月末を目途に救済対象者を確定させることが法律で規定されており、救済対象者の確定の診断、審査に一定の期間を要することを考えますと、一定の時期に申請期限を設けることが必要でございます。  政府としては、被害者の方々が可能な限り救済されるよう、申請に関し、周知、広報に努めてまいる考えであります。  瓦れき処理や原発事故等に対する市民の声についての御質問をいただきました。  災害廃棄物の広域処理については、その安全性を確保するためのガイドラインを策定していますが、受け入れる自治体がより安全サイドに立って独自の基準を設けることは可能であり、一律に受け入れを強要しているものではございません。  また、ストレステストについては、透明性を確保しつつ、まずは、専門家に冷静な議論を行っていただきたいと考えております。  原子力の安全についてさまざまな御意見があるのは当然だと考えており、それらがルールにのっとった形で議論の俎上にのせられることが重要だと考えております。そうした中でいただくさまざまな御意見については、真摯に耳を傾け、判断してまいります。  なお、経済産業省前に設置されている市民の方のテントに関しては、現在、同省から市民側に対してテントの撤去を求めるなど、同省と市民側との間で話し合いが行われているものと承知をしています。  いずれにせよ、原子力は国民の関心の高いテーマであり、幅広いレベルでさまざまな御意見を伺ってまいります。  原発の運転期間についての御質問をいただきました。  お尋ねの原子力発電所の運転期間の制限については、これまで運転期間に制限がなかったものに四十年という制限を設けることに加え、さらに、重大事故への対策の義務づけや、既存の設備に対しても新たな知見を取り込んだ技術基準を適合させる措置など、大幅な規制強化を行います。  こうした厳格な規制を課すことで、四十年を超えて運転することは、結果として、極めて例外的なケースに限られるものと考えております。  子供の医療費無料化についての御質問をいただきました。  本件については、私が一月八日に福島県を訪問した際に佐藤福島県知事などから改めて要請を受け、現在、政府内で検討しているところでございます。  この問題については、大変重要な課題であると受けとめさせていただく一方で、課題の多い問題でもあります。このことから、関係者間で慎重に検討を進めているところでございます。  米の放射能汚染問題についての御質問をいただきました。  水田土壌や玄米の放射性物質汚染については、効果的、効率的な検査体制を整備して検査を進め、汚染の原因究明と消費者の皆様に対する的確な情報提供に努めるとともに、水田土壌中の濃度分布図の精緻化を進めてまいります。  また、二十四年産稲の作付について、福島県等関係自治体の意見を十分伺いながら、できるだけ早く方針を決めてまいりたいと考えています。  あわせて、農地の除染やカリ肥料の施用等に対する支援を行ってまいる考えであります。  なお、汚染稲わらについては、関係自治体と連携して保管や焼却などを進めており、この費用は、東日本大震災復旧・復興予備費により支援しております。  また、百ベクレルを超えた米については、生産者等に出荷代金相当額を支払い、市場流通から隔離する対策を実施することとしております。  続いて、森林・林業の再生についてのお尋ねがございました。  森林は、水源の涵養、地球温暖化防止などの公益的機能を有しており、緑豊かな国土を次世代に伝えていくことが政治の使命と考えております。  このため、森林・林業基本計画に基づき、東日本大震災からの復興に必要な木材を安定供給するための全国的な対策を進める中で、現場技能者などの人材育成等の施策を講じ、新たな雇用や定住を促進しながら、森林・林業の再生に努めてまいります。  また、国有林野については、その組織、技術力、資源を活用して、民有林や地域振興も含めた森林・林業の再生に貢献できるよう、債務を区分経理した上で一般会計に移行することとし、関連法案を今国会に提出する考えであります。  森林吸収源対策については、平成二十四年度税制改正大綱を踏まえ、平成二十五年以降の地球温暖化対策の国内対策の策定に向けて検討する中で、国全体としての財源確保を引き続き検討してまいります。  沖縄振興のあり方についての御質問をいただきました。  沖縄は、アジア太平洋への玄関口として大きな潜在力を持つ日本のフロンティアの一つであり、その振興は、私の内閣の最重要課題の一つでもあります。  そして、沖縄振興に関する施策は、新たな基地の受け入れと切り離して推進することとしており、基地を受け入れれば、それを条件に振興策を展開するという立場には立っておりません。  二十四年度予算においては、極めて厳しい財政状況のもとではありますが、使い道を限定しない、自由度の高い一括交付金千五百七十五億円を含め、前年度を大幅に上回る総額二千九百三十七億円の沖縄振興予算を計上いたしました。  今後とも、沖縄県の主体性を尊重し、地元の御意見もよくお伺いしながら、沖縄の経済の真の自立と持続可能な発展を実現できるよう、政府を挙げてしっかり取り組んでまいります。  米軍再編に関する日米合意の実現可能性についてのお尋ねがございました。  沖縄における基地問題については、日米合意を踏まえつつ、普天間飛行場の危険性の一刻も早い除去を目指し、沖縄の負担軽減を図ることがこの内閣の基本的な姿勢でございます。  沖縄において普天間飛行場の県外移設を求める声があることは承知していますが、現在の日米合意は、全体として、少なくとも現状に比べると、大きな沖縄の負担軽減につながると考えており、政府としては、引き続き、沖縄の皆様の声に真摯に耳を傾け、誠実に説明し、理解を求めながら、沖縄の負担軽減を図るため全力で取り組んでまいります。  女性の登用について御質問をいただきました。  施政方針演説で述べたとおり、社会のあらゆる場面に女性が参加し、その能力を発揮していただくことは、社会全体の多様性を高め、元気な日本を取り戻す重要な鍵であります。日本再生の担い手たる女性が、社会の中でさらに輝いてほしいと思っております。  閣僚の任命に当たっては、政治家としての経験と蓄積、政策能力などを勘案し、それぞれ適格であるとの判断に基づき任命しています。  現内閣で、結果的に女性閣僚が一名となりましたけれども、政権交代以来、政務三役には相当数の女性が登用されていると認識をしており、今後も積極的にさまざまな分野で女性の登用に努めてまいりたいと考えております。  最後に、選択的夫婦別氏制度の導入などに関する民法改正についてのお尋ねがございました。  選択的夫婦別氏制度の導入などの民法改正については、平成八年に、法制審議会が民法改正案の要綱を決定し、法務大臣への答申が行われたところであります。  こうした、民法改正についてはさまざまな意見がありますが、この答申を踏まえ、引き続き、政府及び与党間において議論してまいりたいと考えております。  以上で答弁を終わります。(拍手)     ―――――――――――――
  15. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) 渡辺喜美君。     〔渡辺喜美君登壇〕
  16. 渡辺喜美

    ○渡辺喜美君 みんなの党、渡辺喜美であります。(拍手)  大阪では維新が始まりました。地域主権改革、公務員改革、教育改革などについて、国がやらないなら大阪から始めよう。官僚統制、中央集権という日本の統治構造のゆがみを正す行動を、みんなの党は応援いたします。  みんなの党は、大阪都構想のように、それぞれの大都市がそれぞれの地域の判断でみずからに最もふさわしい制度、つまり、事務配分や財源配分を選択できるようにするための地方自治法改正案を提示しております。総理はこれに反対ですか。  大阪維新の会が、教育について、首長が目標を設定できるという条例案を出しています。野田内閣は、私の質問主意書に対し、首長の目標設定は違法と閣議決定をしました。  本当に、首長は目標設定してはならないとお考えですか。なぜでしょう。  みんなの党は、地方教育行政の改革推進法案を準備しています。地方公共団体の長が教育目標を設定する権限を持っていることを確認する規定を置きます。地方公共団体が、その地域の実情に応じ、教育委員会、首長及び校長の役割分担の柔軟な変更を可能にする措置を講じます。これに反対されますか。  我々は、超党派の議連で、道州制への移行のための改革基本方針を定める法案をつくり、提出の準備をしています。法律の施行後七年以内に道州を設置するものであります。  野田総理も、かつては、基礎自治体に権限と財源を集中させた上で、基礎自治体ではできない部分を補う広域行政体として道州制を取り入れるべきと主張していました。この道州制議連の提案に反対ですか。  消費税増税について、総理は、実施時期が任期後だから公約違反ではないという詭弁を弄しています。  増税法案を出してくること自体がマニフェスト違反なのではありませんか。  総理は、二万五千人の公務員OBが天下りした四千五百法人へ流れる十二兆円の血税にシロアリが群がっている構図がある、このシロアリを退治しなければならない、天下りやわたり、無駄遣いのからくりを残したまま消費税を上げても、砂漠に水をまくのと同じだと言っています。  シロアリを退治し、天下りやわたり、無駄遣いのからくりはなくなったという御認識でしょうか。  これまでどおりの天下りが水面下で続いている。それを放置し、その上に、現役出向という裏わざを正面から容認し、民間企業にまで現役天下りを拡大させた。  再就職等監視委員会はいまだに立ち上がっていないじゃないですか。総理の言うシロアリの巣を膨張させているだけじゃありませんか。  今回閣議決定された独立行政法人改革は、とんでもない代物です。  民主党マニフェストでは、独法について何と書いてあったんですか。全廃でしょう。なぜ全廃しないんですか。お答えください。  中には、酒類総研のように国に戻すなんというとんでもないものがある。本来なら、独法をステップにして民営化に進むべきものじゃありませんか。  なぜ逆行させるんですか。なぜ国営のきき酒機関が必要なんですか。  現在百二ある独法を六十五に再編するというが、これこそ数合わせですよ。  肝心かなめの予算が、一体幾らカットできるんですか。  かつて福田内閣のもとで私がつくった独法改革プランからすると、著しく後退です。  渡辺プランでは、独法を、各省に従属する子会社という立場を切断し、ガバナンスや人事の一元化、外部監査もかけダブルチェックを行うこと、独法役員が子会社に天下ることを規制、へそくり埋蔵金の召し上げなどを盛り込みました。当時の民主党は、政権をとってから抜本改革をやるといって、拒否したじゃないか。  今回の民主党・政府案は、こうした問題認識がないんです。独法への天下りも、独法から子会社への天下りも、全く手つかず。なぜ渡辺プランを取り上げないんですか。  特会改革もひどい。  国債整理基金特会、労働保険特会のへそくりを温存し、数合わせ。役人天下りというシロアリさん退治もせず、独法というシロアリの巣も数合わせだけ。シロアリの餌であるへそくりも手つかず。これで、シロアリ退治がうそだったことがばれたじゃありませんか。今やあなたは、シロアリ城の親玉ですよ。  また、増税の前にやるべきことは、成長戦略です。その第一歩が円高是正とデフレ脱却。  為替レートは内閣の通信簿です。安倍内閣百十九円に対し、鳩山内閣九十一円、菅内閣八十三円、野田内閣は七十七円です。空洞化が起こるのは当たり前じゃないですか。  一刻も早く世界標準の金融政策を講じるべきではありませんか。  昨日、FRBがインフレ目標二%を導入すると発表しました。これは、バーナンキ議長の長年の意向を反映した、歴史的政策転換です。  先進国でインフレ目標を持たないのは日本だけですよ。日銀との一体政策を進めるというのなら、日本も物価安定目標を採用すべきですが、いかがでしょうか。  みんなの党は、政府が物価安定目標を日本銀行に指示する日銀法改正を提案しています。これも反対ですか。  こんなデフレ下で消費税を一〇%にしたら、年収五百万円の標準世帯で可処分所得が年間三十一万円、月二万五千円、実勤一日当たり千円以上も目減りし、昼食代を節約しても追いつかない、居酒屋にも行けなくなるという大和総研の試算があります。何が国民の生活が第一なんだ。ばかも休み休み言え。家計はますます苦しくなるじゃありませんか。  増税の前に、マニフェストに書いてあった歳入庁の創設はどういう検討をしたのか、詳細にお答えください。  歳入庁は、国税の切り離しを恐れる財務省、年金事務の切り離しを恐れる厚生労働省と闘わなければならない。いつも、官僚との闘いを逃げて、国民に負担を押しつけるのが野田総理じゃありませんか。  いつまでに歳入庁設置法案を提出するのか、ここで明言してください。  国税庁と日本年金機構が有する法人数データは八十万件も差がある。このことによる保険料の取りっぱぐれが、最大で、医療保険料六兆円、年金保険料六兆円あると言われている。  歳入庁をつくり、こういう保険料の取りっぱぐれの問題に取り組む考えはないのですか。  施政方針演説で触れなかった議員歳費カット。  みんなの党は、議員歳費三割・ボーナス五割カット法案、今回、六度目の提出をいたしました。今度こそ、のんでください。  総理御自身の覚悟をお聞きします。  みんなの党は、国家公務員総人件費二割カット法案も四度目の提出をいたしました。これも丸のみしてください。  増税に加え、電気料金も値上げです。総理は、庶民の暮らしを圧迫するだけではなく、企業も海外に追い出したいんですね。  東電を破綻処理し、株主責任や銀行の貸し手責任を求めれば国民負担が減るんですよ。東電の国有化というが、なぜ破綻処理型の国有化をやらないんですか。  枝野大臣は、電気料金値上げに否定的な見解を示していたはずだが、現在では値上げを容認しているのではないですか。なぜ容認したんですか。規制緩和で競争促進すれば、電気料金は下がりますよ。  みんなの党は、選挙制度改革は、一票の格差是正ではなく、一人一票の実現を訴えています。自民、民主の〇増五減案では、一票対〇・六票の住所差別が残るんです。  なぜ住んでいる場所で差別されなきゃいけないんですか。  小選挙区制になり、自民党と、でき損ないの自民党である民主党という偽りの二大政党制ができました。民主党政権になって政治が変わらなかったことに、国民は深く失望をしております。  この際、選挙制度は抜本的に変え、投票区割りはどうあれ、一人一票の全国集計でやる比例代表制にすべきではありませんか。  みんなの党は、次期総選挙において、法的拘束力はないけれども、参考投票で国民が首相を選ぶ、事実上の首相公選制を実現する法案を提出したいと思います。この考え方に総理は反対ですか。  今、政治に求められていることは、決断と実行。早く解散して、国民に信を問う。くるくるかわる総理は、野田総理をもって最後にしましょう。  私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  17. 野田佳彦

    内閣総理大臣野田佳彦君) 渡辺議員から、大都市制度の見直しについて、まず第一問いただきました。  大都市制度のあり方については、現在、第三十次地方制度調査会に諮問しているところであり、御党において検討されている地方自治法改正案については、政府としての賛否を申し上げる段階にはございません。  いずれにせよ、政府としては、第三十次地方制度調査会の審議の状況を踏まえ、各方面からの提言をお聞きしつつ、大都市制度の現状や課題、その解決方策について、さまざまな観点から検討してまいる所存でございます。  地方教育行政のあり方についてのお尋ねがございました。  地方公共団体における教育目標の設定については、法律上、その内容が首長の職務権限に属するとされた事項に関するものである場合を除いて、教育委員会の職務権限に属するものであり、首長にその職務権限はないと解されております。  議員立法につきましては、議員立法が提出され、与野党間で活発な議論が行われることは、国民の代表機関である国会がその機能を発揮するものとして期待されているものと考えています。  いずれにいたしましても、政府といたしましては、今後の地方教育行政のあり方について、地方の声も受けとめながら、しっかり検討してまいります。  道州制についてのお尋ねがございました。  地域主権改革においては、まず、受益と負担の相関関係が一番見える基礎自治体、つまり市町村に権限と財源を集中するべきと考えます。  その上で、基礎自治体だけでできない部分を広域自治体が補っていくこととし、広域自治体については、当分の間、現行の都道府県の枠組みを基本と考えております。  ただし、地域の自主的な判断として基礎自治体の足りないところを補完するための道州制については、将来的に検討していくことはあり得ると考えております。  消費税マニフェストについてのお尋ねがございました。  まず、現在の政権任期中において消費税率の引き上げは行いません。したがって、公約違反ではございません。  また、行政改革、政治改革など、身を切る改革もあわせて包括的に実施をしてまいりたいと思います。  社会保障・税一体改革は、前政権から引き継ぎ、避けては通れない、先送りすることができない、与野党共通の課題として実現を目指しております。そして、消費税率引き上げの最終判断は、具体的に税率引き上げを実施する半年前に行うことを想定しており、現在の衆議院議員の任期中に民意を問い、新しい政権が引き上げの最終判断を行うことになります。  消費税引き上げと、シロアリ退治、天下りの放置、現役出向の拡大、再就職等監視委員会の立ち上げについての御質問をいただきました。  一体改革を進めるに当たっては、みずから身を切る改革を実施し、国民の納得と信頼を得ることが必要であります。これまで、政権交代後、独立行政法人に対する支出や公益法人向け支出については、大幅に削減してきております。  また、天下りの根絶のために、府省庁による再就職あっせんを内閣の方針として全面禁止するとともに、独立行政法人の役員人事において公募を実施するなど、大いに取り組みを進めてまいりました。  なお、現役出向、官民人事交流は従来の天下りとは性格の異なるものであり、また、再就職等監視委員会については、その人事案を第百七十七国会及び前国会に提出しましたが、残念なことに、採決に至らず会期末となったものでございます。  今後とも、行政改革については、不断の取り組みを続けていく決意でございます。  独立行政法人改革についてのお尋ねがございました。  民主党マニフェスト二〇〇九においては、独立行政法人の実施する事業について、不要な事業や民間で可能な事業は廃止し、国が責任を負うべき事業は国が直接実施することとしており、法人のあり方は、全廃を含めて抜本的な見直しを進めるとされていたところでございます。  今回の改革は、現行の独立行政法人制度を廃止し、新たな法人制度を構築するものであり、マニフェストの考え方に沿ったものになっていると考えております。  なお、酒類総合研究所については、その中核的業務が、酒税の適正な課税に必要となる酒類の品目の特定のための高度な分析・鑑定業務という、酒税の賦課徴収に必要不可欠で、国税庁の酒税行政と一体的に実施している業務であるため、国に戻し、運営コストの削減を図ることとしたものでございます。  予算の削減額等については、これまで約二兆円の不要資産が国庫納付されることとなったほか、国からの財政支出も、政権交代前と比較して約一割の削減となっております。  今回の改革は、法人の政策実施機能とガバナンスの強化を主な目的として新たな制度、組織を構築しようとするものであり、これにより、一層効率的な業務運営が確保され、従来発生した無駄の発生を未然に防止することを通じ、将来的に国の財政負担の軽減に寄与していくものと考えております。  今回の独立行政法人改革における制度のあり方について、さらに御質問をいただきました。  今回の改革において、監事機能の強化を初めとする法人の内部ガバナンスの強化、一貫性、実効性のある目標、評価の仕組みの構築、役員任命に当たっての公募の活用、法人から関連会社等への再就職の規制等を行うこととしており、かつての改革案について、取り入れるべき部分は取り入れることとしております。  これらの取り組みを含め、今後、法制化に向けてさらなる検討を行い、国民から信頼される新たな法人制度を構築してまいります。  特別会計改革等についての御質問をいただきました。  今回の特別会計改革は、全ての特別会計及び勘定について見直しを行い、区分経理の必要性が乏しくなったものを廃止、統合し、国全体の財政状況の総覧性を向上させることを基本原則として行うものであり、数合わせといった御批判は当たりません。  なお、国債整理基金特会の基金残高は将来の国債の償還財源であり、労働保険特会の雇用勘定の積立金は失業給付等の支払いの財源とするため保険料を積み立てているものであり、他の財源として活用することはできないと考えております。  いずれにせよ、公務員制度改革や独立行政法人改革を含め、不退転の覚悟で、聖域なき行政改革の取り組みを進めてまいります。  金融政策と日銀法改正についての御質問をいただきました。  日本銀行は、消費者物価上昇率で二%以下のプラス、中心は一%程度とする中長期的な物価安定の理解に基づき、物価の安定が展望できる情勢になったと判断するまで実質ゼロ金利政策を継続するとの方針を明らかにしていると承知しております。  また、みんなの党提案の日銀法改正案については、政府の関与をこれまで以上に強めるものとなっており、中央銀行の独立性の観点等から、慎重に考える必要があります。  いずれにせよ、デフレ脱却に向け、日銀に対しては、内外経済の動向等を踏まえながら、政府とのさらなる緊密な情報交換、連携のもと、適切かつ果断な金融政策運営を行っていただくことを期待しています。  消費税率の引き上げと家計への影響についてのお尋ねをいただきました。  デフレ脱却や経済活性化に向けた取り組みは重要でありますが、これらと、社会保障と税の一体改革は同時に進めていく必要があります。  一体改革により、社会保障の充実、安定化を図り、財政健全化を進めることは、将来の不安を取り除き、人々が安心して消費や経済活動を行う基礎を築くものと考えております。  なお、所得の低い方々に対する配慮については、低所得者への年金加算など、今般の一体改革に盛り込まれたきめ細かな施策を実施するとともに、二〇一五年度以降の番号制度の本格稼働、定着後の実施を念頭に、総合合算制度や給付つき税額控除の導入を検討いたします。また、そのような再分配に関する総合的な施策の実現までの間の暫定的、臨時的措置として、簡素な給付措置を実施することとしております。  歳入庁の創設についての御質問をいただきました。  民主党マニフェスト二〇〇九では、年金保険料の問題に取り組むとの観点から、社会保険庁国税庁と統合して歳入庁を創設するとしておりましたが、二〇一〇年一月に社会保険庁を廃止して日本年金機構を設立し、同機構のもとで年金の信頼回復に取り組んできたところであります。  現在、歳入庁については、社会保障・税一体改革素案において「作業に着手する」としておりますが、新しい年金制度の内容や番号制度の導入状況などを踏まえて判断するべき課題であるため、時期については、今後、国民の皆様の視点に立った徴収体制を構築する観点から作業を進めた上で判断してまいります。  なお、厚生年金健康保険の保険料に約十二兆円の未収があるとの御指摘は、全ての給与所得者が、厚生年金健康保険に加入し、一定の仮定のもとに計算された保険料を支払うとの前提に立つ試算と承知しています。  しかしながら、現行制度は全ての給与所得者を厚生年金健康保険の加入対象とするものではないため、歳入庁を創設しても、御指摘のような増収が実現されることはないと考えております。  国会議員歳費の削減についてお尋ねがございました。  行政の無駄を徹底排除することは当然の前提として、議員みずから身を切る覚悟なくしては、大きな改革、国民負担を語ることはできないと考えます。その象徴が、議員定数削減という大きな課題であります。  みんなの党の御提案を含めて、ぜひ、与野党協議で具体案を議論し、成案を得るようお互いに努力することが、国民の期待に応える道だと確信しております。  国家公務員人件費の二割削減について御質問をいただきました。  国家公務員総人件費の削減については、地方分権推進に伴う地方移管、各種手当、退職金等の水準や定員の見直し、労使交渉を通じた給与改定など、さまざまな手法を組み合わせることにより平成二十五年度までにめどをつけることとし、二割削減という目標の達成に向けて取り組んでいるところでございます。  特に国家公務員の給与については、平均約八%を減額する法案を国会に提出しており、現在、政党間で協議が行われております。ぜひとも、早期に成案を得て、成立させていただきたいと考えています。  選挙制度改革について御質問をいただきました。  現状においては、衆参とも一票の格差は憲法上も看過できない状況となっており、国会の不作為が問われる事態となっております。この違憲とされる状態を一刻も早く脱却するために、各党が知恵を出し合っていると認識しております。  衆議院においても参議院においても、各政党がそれぞれの御主張と御提案を持ち寄り、最終的には、与野党が、お互いに党利党略を超えて、今国会において速やかに成案を得られることを強く期待しております。  最後に、首相公選制についての御質問をいただきました。  御党が首相公選制法案を提案されたいとのことでございますが、議院内閣制との相違点を含めて内容を十分に承知しておらず、また、憲法にもかかわる問題であり、内閣総理大臣の立場として、この場で見解を述べることは差し控えさせていただきたいというふうに思います。(拍手)  なお、大阪のさまざまな動き、橋下知事の動きについては、私は、改革者として注目するところ大でありますが、この動きにもシロアリがたかることがないことを祈ってやみません。     〔国務大臣藤村修君登壇〕
  18. 藤村修

    ○国務大臣(藤村修君) 渡辺喜美議員から、大都市制度の見直しについての御質問、総理及び通告において官房長官にも見解を問う、こういうことでございます。  政府答弁としては同内容でございますが、御党において検討されている地方自治法改正案については、政府としての賛否を申し上げる段階にはございません。  いずれにせよ、政府としては、第三十次地方制度調査会の審議の状況を踏まえ、各方面からの提言をお聞きしつつ、大都市制度の現状や課題、その解決方策について、さまざまな観点から検討してまいります。  以上でございます。(拍手)     〔国務大臣枝野幸男君登壇〕
  19. 枝野幸男

    ○国務大臣(枝野幸男君) 渡辺喜美議員にお答えをいたします。  東京電力の経営問題に関する御質問をいただきました。  東京電力と原子力損害賠償支援機構が今春を目途に策定する総合特別事業計画策定に際しては、一時的な公的管理も含め、あらゆる可能性を排除しない幅広い選択肢を検討するよう、昨年十二月に、東京電力及び原子力損害賠償支援機構に対して指示を行ったところであります。  これを踏まえて、現在、両機関において検討を行っている段階であり、現時点で、国有化をすることが決まっているわけではありません。  なお、東京電力を法的整理した場合、被害者の方々の賠償債権や、事故処理に関係する事業者が有する取引債権の完全な履行が不確実になります。また、東京電力の信用不安から、海外からの燃料の調達や、これらに関する権益確保の支障を生じるおそれもあります。これらの問題をクリアすることにはなかなか困難が多いため、現時点では、適切でないと考えております。  次に、東京電力の電気料金についての見解に関する御質問をいただきました。  東京電力が、自由化部門について値上げを実施する方針を発表したこと、また、規制部門についても値上げ申請する意向があることについては承知をしておりますが、まず、自由化部門の需要家に対する料金は、文字どおり自由化されており、その料金については、東京電力みずからの責任において顧客と誠実に交渉した上で、双方合意の上で決定されるべきものと理解をしております。  既に、有力顧客の一つである東京都から厳しい指摘があると承知しておりますが、声を上げにくい中小企業の声なき声も含め、こうした声に一層真摯に対応すべきであると考えております。  他方、一般家庭等の電気料金の値上げについては、経済産業大臣による認可が必要であります。  現在、私が主宰する電気料金制度・運用に係る有識者会議において制度、運用の見直しを検討しており、また、今春を目途に策定予定の総合特別事業計画においては、あらゆる選択肢を排除せず、徹底的な経営合理化策が盛り込まれるよう求めています。  規制部門の料金値上げについては、こうした検討がしっかりと行われ、新生東電として生まれ変わることが前提となって初めて議論の俎上にのるべき話と認識をしております。  したがって、現時点で値上げを容認しているといったことはありません。  以上でございます。(拍手)     〔国務大臣平野博文君登壇〕
  20. 平野博文

    国務大臣平野博文君) 渡辺議員にお答えをいたします。  先ほど、総理に対する質問と同趣旨の質問に答えます。地方教育行政のあり方についてのお尋ねでございます。  地方公共団体における教育目標の設定については、先ほど総理が答弁したとおりでございます。  なお、地方教育行政の組織及び運営に関する法律におきまして、教育委員会の職務権限として、公立学校の教職員人事教育課程、生徒指導教科書に対する取り扱い、これが規定されておるわけであります。首長の職務権限としては、教育財産の取得、処分、契約締結予算の執行等が規定されておるところであります。  したがいまして、教育目標の設定についても法律上の職務権限の分担に応じて行われる、こういうことでございます。  今後の地方教育行政のあり方につきましては、我が省といたしましても、課題の整理と改革の方策を、本年度中を目途に検討いたします。省内の検討チームを設置いたしておりまして、その検討結果を踏まえ、教育関係者や外部の有識者等の意見も聞きながら必要な施策を講じてまいりたい、このように考えているところでございます。  以上でございます。(拍手)     ―――――――――――――
  21. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) 田中康夫君。     〔田中康夫君登壇〕
  22. 田中康夫

    ○田中康夫君 与党統一会派、国民新党・新党日本、田中康夫です。(拍手)  民主党定期大会で、私どもの亀井静香はいさめました。暴風雨の中を、TPPや消費税の風を吹かせ、帆を上げ、安全航海ができると本当にお思いですかと。  野田佳彦さん、かけ声ばかり勇ましい、大増税、TPP、放射能の行方に、国民の多くは不安や疑問を抱いています。  弱きをくじき強きを助ける倒錯した社会、個性を認めぬ金太郎あめな悪平等社会、そのいずれでもない、社会的公正と経済的自由を同時に達成し、人間の体温を感じさせる一億総中流社会復権を目指すべき日本は、公正な税制、公正な通商、公正な資源の確立に向け、新しい方程式に基づく抜本的変革が不可欠。  毎年繰り返してきた対症療法はもう限界、野田さんは消費税引き上げ宣言しました。それこそ、問題先送りの対症療法ではありませんか。  国税の法人税、地方税の法人事業税、株式会社の七割がびた一文払っていません。連結納税導入の日本経団連加盟超大企業も、その六六%が一円も納めていません。昨年十一月、あなたも本会議で認めた事実です。  企業のわずか三割しか法人税を納めていない、そのわずか三割の実直な企業に過重な負担を強いる。  一票の格差どころでない不条理は、利益に対して課税する仕組みが原因。  だから、国民新党・新党日本は、企業の利益でなく、企業の支出に対し広く薄く課税する、公正、フェアな外形標準課税の全面導入を繰り返し求めています。  前回、私の代表質問に、野田さんは、新たな課税を行う際には、その目的や影響等を含め、慎重な検討が必要と答弁。  ならば、消費税という新たな増税を行う際こそ、その目的や影響等を含め、慎重な検討が必要です。古今東西、増税で景気浮揚した国家はどこにも存在しません。  もう一点、国民新党・新党日本は求めてきました。生産にかかった国内消費税額を海外への商品輸出に際し還付する輸出戻し税制の不公正を正すべく、取引明細書、インボイスの導入こそ急務と。  製造、流通の中間段階でそれぞれの業者がどれだけ消費税を納付したか証明する上で不可欠な取引明細書、インボイスを先進国で日本だけ未導入。  年間三兆円にも上る輸出戻し税は、最終販売業者の自動車、家電、電子機器等の超大企業にのみ還付され、日本の物づくり産業を支える材料や部品の中小納入業者には戻ってきません。仮に消費税率一〇%になれば、大手企業へ還付される輸出戻し税は、毎年、二倍の六兆円にも膨らみます。これぞ不条理。  この問題も、野田さんは、前回、事業者の事務負担への配慮が必要と、後ろ向き答弁。  八%、一〇%の二段階引き上げこそ、事業者に事務負担を強います。レジスターのソフトをその都度入れかえねばなりません。  取引明細書、インボイス方式の導入こそ、中小事業者への福音。二十三年前の消費税法施行時と異なり、今や小さなパパママストアでもパソコンで税務処理しています。  なぜ後ろ向きなのですか。なぜ超大企業の益税を年間三兆円も放置し続けるのですか。それは公正な税制ですか。国民が納得できる明快な答弁を求めます。  しかも、岡田克也さんは、消費税が一〇%になっても、さらに新たな増税が必要だと発言。日本が目指す中負担・中福祉を既に実践するイギリスの消費税に当たる付加価値税が一七・五%だからですか。  いいえ、実質的なイギリスの付加価値税率は、何と一〇%未満です。  医療、教育、福祉、保険等は非課税。食料品、医薬品、公共交通、住宅建築等はゼロ税率。そして、電気、ガス等は五%の軽減税率。残りの品目が一七・五%。一律課税の日本の制度に当てはめれば、中福祉・中負担のイギリスの消費税率は九・八%。複数の経済研究所が公表しています。  なのに、一〇%でも足りないとおっしゃる岡田さん、日本の制度のどこかに問題がある、漏水のごとくだだ漏れしている税金の支出がある、むしろ、こう捉えるべきです。  だから、前回の総選挙で、シロアリがたかっているんです、シロアリ退治しないで今度は消費税引き上げるんですかと街頭演説された野田さん。そのシロアリ退治は完了しましたか。  世論調査で八割もの有権者が賛同する国会議員定数と国家公務員給与の削減は、必要条件の一つにすぎず、十分条件ではありません。この認識は間違っていますか。  岡田さん、実質破綻状態の年金制度、その年金生活者より恵まれる、総額三兆円突破の生活保護制度は、労使ベア交渉のごとき数字いじりでは抜本解決に至らず。発想と仕組みを大転換すべきです。  乳幼児から高齢者まで、毎月一定の金額を一律に個人単位で配当する最低所得保障、ベーシックインカム、地域密着型事業で全ての成人に週二十時間の就労と賃金を最低保障するベーシックワークを提唱するゆえんです。  TPPには、中国も韓国も台湾もインドネシアもタイもフィリピンも、そしてインドも、経済成長著しいアジアの国はどこも参加しません。どうやってアジアの成長を取り込むのですか。  野田さん、枯れ葉剤でベトナム戦争に加担、今や遺伝子組み換え作物市場で占有率九割に達する米国モンサント社と長期協力関係を結ぶ住友化学で会長を務める日本経団連の米倉弘昌さんとあなたが手をとり合って進めるTPPは、アメリカひとり勝ちの時代錯誤なブロック経済、日本にとっては貿易阻害協定。  案の定、米国生命保険評議会は、USTR、米国通商代表部に文書で要求。かんぽ生命保険と共済保険に関する積年の課題を一挙解決するのがTPP参加、日本に認識させよと。  三事業サービスを一体で提供し、利用者の利便性を高める郵政改革の今国会での実現を約束した野田さん、どうやって二兎を得るのですか。  自動車大手三社で構成される米国自動車貿易政策評議会は、日本のTPP参加に現時点では反対と表明。日本独自の軽自動車規格は国内メーカーのみ恩恵を受ける非合理的政策と、廃止を求め、アメ車輸入に向けての市場開放を義務づけるのがTPP参加の大前提と主張し始めました。  大好きな日本を守りたい、この美しいふるさとを未来に引き継いでいきたいと演説された野田さん、アメリカが非関税障壁だと主張する軽自動車を、日本国内の雇用を奪っても廃止するのですか。美しい農村のあぜ道も、美しい京都の路地も、その田園を潰し、その町家を壊し、アメ車が通れるため、財政悪化も何のその、公共事業を大展開ですか。  私たちの仕事と生活を奪うな、日本を壊すな。羊の皮をかぶったオオカミ、TPP反対の大きなうねりは、右も左も関係ない、イデオロギーを超えた新しいムーブメント。  あなたがバラク・オバマさんのふるさとホノルル・APECへ出かける直前、私を含む十名が衆議院で呼びかけた国会決議、TPP交渉協議への参加表明を日本政府は行うべきでない。直筆賛同署名の代議士は、わずか二日半で、過半数に肉薄の二百三十二名。  みんなの党を除く全ての政党会派から集まったのも、中国、韓国、インド、オーストラリア等を加えたASEAN、東アジア諸国連合プラス6で自由貿易協定を結び、その上で同盟国アメリカとも協調する戦略こそ、通商国家日本に求められると感じていたからです。  首相就任直後の九月二十一日、ウォールストリート・ジャーナルは、単独インタビューを内外のメディアで最初に掲載。  野田首相は、国民の間で盛り上がる反原発の機運を一蹴し、現在停止中の原発を二〇一二年夏までに再稼働させると決意を固めた、原発なしで日本国家が立ち行くはずもなく、原発の速やかな段階的廃止の検討など不可能と述べた。お考えは今も同じですか。  四月に原子力規制庁が発足する前に十基程度の原発を再稼働と、官僚が在京大使館関係者にブリーフィング中との情報もあります。これは私のそら耳ですか。それとも、あなたと枝野幸男さんの指示ですか。  メルトダウンを超えた東京電力福島第一原子力発電所の周囲は放射能に占領された領土と冷徹に捉えるべき。原発から少なくとも三十キロ圏内は居住禁止区域に設定し、愛着を抱くふるさとから離れる当該住民には、国家が新たな住居と職業を保障、提供すべき。それが、国民の生命と財産を守る政治指導者の責務。昨年十二月八日、衆参両院が合同設置の事故調査委員会で私が述べた提言です。  十二月六日付ニューヨーク・タイムズも、福島の除染作業は、日本最大最悪のありがた迷惑な公共事業、無用の長物と批判。  除染は、放射能汚染を他の場所に移す移染にすぎず、作業に当たる人々の内部被曝の悲劇をさらに生み出します。  京都大学、筑波大学、気象研究所の合同調査で、福島県阿武隈川から太平洋に流れ出る放射性セシウム量は一日五百億ベクレルにも上ると判明。  今のところは大丈夫会見を続けた枝野さん、今は既に大丈夫発言を続ける細野豪志さん、身命を賭しての移住命令こそ抜本的解決ではありませんか。  値上げは電力会社の義務であり権利、西澤俊夫社長が会見した東京電力への数兆円に上る血税投入を国民は納得しません。一時国有化は、銀行の債権を守り、天下りポストをふやし、責任の所在を曖昧にし、負担は国民に押しつける無責任そのもの、往時の国鉄分割・民営化に学んで、新社、旧社に分割処理する公正な気概をと、年末にも亀井とともに野田さんに申し上げました。  安全チェック機能強化のため、国家行政組織法第三条に基づく独立性の高い原子力安全規制委員会を創設、住民の安全確保に国が責任を持って取り組む体制を確立。この民主党マニフェストに明記された、内閣から独立の三条委員会でなく、腰砕けに終わったのはなぜですか。  書いてあることは命がけで実行する、それがルール。まさしく、野田さん、そのとおり。連立を組む民主党の皆さんの覚悟と気概に期待し、協力を表明し、国民新党・新党日本、代表質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  23. 野田佳彦

    内閣総理大臣野田佳彦君) 国民新党新党日本代表しての田中康夫議員の御質問にお答えいたします。  まず、消費税を引き上げる前の抜本的改革についてのお尋ねがございました。  かつて我が国は、一億総中流の国と呼ばれて、分厚い中間層の存在が経済発展と社会の安定の基礎となってきました。分厚い中間層を復活させることが、我が国の活力を取り戻し、社会の安定を高めるために重要だと考えており、目指すところは田中議員と共通をしております。  一方で、社会保障と税の一体改革も、今、国民のため、この国の将来のため、やり遂げなければならない課題でございます。  国民の理解を得つつ一体改革を実現するために、議員定数削減などの政治改革、国家公務員総人件費削減などの行政改革とあわせて包括的に推進することが重要と考えております。  法人税及び消費税についてのお尋ねがございました。  御指摘のように法人税を外形標準化する場合、法人の利益に関係なく、事業規模等に応じて課税する新たな仕組みを設けることになりますが、一般論として申し上げれば、新たな課税を行う際には、その目的や影響等を含め、慎重な検討が必要と考えます。  人口構造の急速な高齢化、社会経済状況の変化、欧州の政府債務問題に見られるグローバルな市場の動向を踏まえれば、社会保障の充実、安定化を図ることは避けることのできない問題であり、その財源については、高い財源調達力や、経済動向、人口構成の変化に左右されにくいことに加え、勤労世代など特定の者への負担が集中せず、経済活動に与えるゆがみが小さいという性質から、消費税によることが適当であると考えております。  このような一体改革は、将来の不安を取り除き、人々が安心して消費や経済活動を行う基礎を築くものと考えております。  消費税のインボイス制度及び輸出戻し税についてのお尋ねがございました。  インボイス制度の導入については、その課税の適正化に資するという面と、事業者の事務負担への配慮とのバランスを踏まえた検討が必要と考えております。  今回の改革においては、単一税率を維持することや、中小事業者の事務負担等を踏まえ、いわゆるインボイス制度の導入は行わないことといたしました。  また、輸出取引については消費税を免税とし、他方で、輸入国側が輸入の際に課税する仕組みは、国際的なルールとなっております。  輸出企業消費税の還付を受けていますが、これは、他の事業者と同様、仕入れの際に支払った消費税分を控除した結果として還付が生じているものであり、中小納入業者が損をしているわけでも、輸出企業が得をしているわけでもなく、輸出企業の益税になっているとの御指摘は当たらないと考えております。  消費税引き上げとシロアリ退治についての御質問をいただきました。  一体改革を進めるに当たっては、みずから身を切る改革を実施し、国民の納得と信頼を得ることが必要であります。  これまで、政権交代後、三度の当初予算編成において、独立行政法人に対する支出は約一割の削減、公益法人向け支出は約二五%削減など、大幅に削減をしてきてまいりました。  また、天下りの根絶のために、民主党政権発足後直ちに、府省庁による再就職あっせんを内閣の方針として全面禁止するとともに、独立行政法人の役員人事について公募を実施するなど、再就職の適正化について取り組んできたところであります。  これに加え、再就職等、規制の監視機能強化を目的の一つとする国家公務員制度改革関連法案の早期成立を図ってまいります。  行政改革については、政権交代後、以上申し上げたとおり、最大限取り組んできたところでありますが、今後とも不断の取り組みを続けていく決意でございます。  議員定数国家公務員給与削減について御質問をいただきました。  施政方針演説で、私は、まず隗より始めよと申し上げました。政治・行政改革は、社会保障・税一体改革に限らず、どのような政策課題に取り組むに当たっても、政治と行政を担う者が国民に示すべき国家の矜持でございます。  その上で申し上げれば、議員定数削減や公務員総人件費削減など、みずから身を切る改革を実施した上で税制抜本改革による消費税引き上げを実施すべきであるというのが私の基本的な考え方であり、そのことは、素案にも明記したとおりであります。  同時に、社会保障・税一体改革は、国民福祉を将来にわたって持続可能なものとするための改革であり、行政改革、政治改革とともに、必ずなし遂げてまいります。  TPPとアジアの成長国及び米国との二国間懸案事項についてのお尋ねがございました。  世界の成長センターであるアジア太平洋地域の力強い成長を促し、膨大なインフラ需要や巨大な新中間層の購買力を取り込んでいくことは、我が国自体に豊かさと活力をもたらすものと考えております。  このような観点から、我が国は、アジア太平洋自由貿易圏、FTAAPの実現を目指していますが、TPPは、その実現に向けた重要な地域的な取り組みの一つと考えます。  TPP交渉には、アジアからはベトナムマレーシア等四カ国が既に参加しており、また、TPPはAPEC地域に拡大することが目指されています。  現在、TPPの交渉参加に向けて関係国との協議を進めており、各国が我が国に求めるものについてさらなる情報収集に努め、十分な国民的議論を経た上で、あくまで国益の視点に立って結論を得ていきます。  今後、米国を含む関係国との協議をしていく中で、御指摘のような個別の二国間懸案事項への対応が求められる可能性は否定はできませんが、その場合でも、我が国としては、何が対応可能で、何が対応困難かを明確にし、あくまでも個別に対応する考えでございます。  TPP及びASEANプラス6についての御質問をいただきました。  アジア太平洋地域に位置する貿易立国である我が国にとって、世界の成長エンジンであるアジア太平洋地域の成長力を取り込むことの意義は大きいと考えます。  このような考え方に立って、我が国は、FTAAP実現に向けてさまざまな道がある旨を強調してまいりました。特にTPPは、FTAAPに向けた取り組みの中で実際に交渉が進められている唯一の枠組みであり、その意味でTPPの意義は大きいと考えております。  私が昨年十一月のASEAN関連首脳会議で主張したとおり、我が国としては、TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入るとともに、ASEANプラス6などの取り組みも積極的に推進し、アジア太平洋地域における二十一世紀型の貿易・投資ルールの形成に向けて、主導的役割を果たす考えであります。  次に、原子力発電所の再稼働及び原子力政策についての御質問をいただきました。  御指摘のような報道については、私の考えを正確には反映しておりません。  まず、定期検査で停止中の原子力発電所の再稼働に当たっては、事業者が行ったストレステストを保安院が評価し、さらに、その妥当性を原子力安全委員会が確認した上で、地元の理解や国民の信頼が得られているかという点も含め、政治レベルで総合的な判断を行っていきます。  また、原子力発電については、中長期的には、原発への依存度を最大限引き下げていくという方向を目指すべきと考えております。  今後のエネルギー政策については、国民が安心できる中長期的なエネルギー構成のあり方について、幅広く国民各層の御意見をお伺いしながら、今夏をめどに結論を得られるよう、エネルギー・環境会議を中心に検討してまいります。  それから、原子力規制庁発足と原発再稼働の時期との関係について御質問をいただきましたが、御指摘のような情報は承知しておりませんし、私や枝野経済産業大臣が指示をしたということもございません。  それから、これが多分最後の質問だったと思います。原子力の安全規制組織についてのお尋ねがございました。  今般の原子力事故対応の反省点を踏まえるならば、大規模な原子力事故に際しては、政府の総力を結集して、俊敏に対応することが何よりも重要であります。  そのための体制を整備するため、新しい原子力安全規制組織は、内閣から独立した合議制委員会形式ではなく、内閣の責任のもとで、迅速な意思決定が行われ、適切に危機管理対応が行われる組織形態であると考えております。  残余の質問については、関係大臣が答弁をいたします。(拍手)     〔国務大臣岡田克也君登壇〕
  24. 岡田克也

    ○国務大臣(岡田克也君) 私には、二問、御質問いただきました。  まず、消費税率のさらなる引き上げに関する私の発言についての御質問でございます。  政府・与党でまとめました社会保障・税一体改革素案におきまして、次のように表現しております。「二〇五〇年以降、高齢化のピークを迎えることを考慮すれば、今後も改革を進める必要がある。今回の改革に引き続き、少子高齢化の状況、財政の状況、経済の状況などを踏まえつつ、次の改革を実施する」。  このように、少子高齢化のさらなる進展の中、社会保障制度の持続可能性を確保するためにはさらなる取り組みが必要なことは、社会保障・税一体改革素案の中にも明記されていることです。  さらに、素案では、新しい年金制度の創設について、国民的合意に向けた議論、環境整備を進めた上で、平成二十五年に法案を提出することとしています。  私の発言は、全額税で賄う最低保障年金を含む新しい年金制度を導入した場合には、将来的に、従来の制度と比べ税負担が増すことを指摘したものであります。  ただし、制度の切りかえには相当長期の移行期間が必要です。今回の一体改革が視野に入れている二〇一五年の段階において、現行制度による場合と比較し、大きな追加財源が必要になるものではありません。  次に、無駄削減への取り組みについての御質問がありました。  政権交代以来、事業仕分けの手法を用いて、予算、独立行政法人、公益法人、特別会計などについての見直しを推進してきました。また、各府省に仕分けマインドを定着させるため、行政事業レビューを毎年実施し、さらに、昨年十一月には、政策的、制度的な問題にまで掘り下げた大きな議論を行う提言型政策仕分けを実施したところです。  また、現在、民主党内において行政改革全般にわたった今後の取り組みが検討され、その中で行政改革に向けた法案も検討されていると承知しております。  さらに、行政改革を政府で一体となって総合的かつ強力に実行していくため、近日中に、内閣に行政改革実行本部を設置することとしております。  こういった政府・与党一体となった取り組みの中で、無駄の削減に全力を尽くしてまいります。  以上です。(拍手)     〔国務大臣枝野幸男君登壇〕
  25. 枝野幸男

    ○国務大臣(枝野幸男君) まず、原発再稼働の時期に関する御質問をいただきました。  総理からもお答えがございましたとおり、御指摘のような、四月より前に十基程度を再稼働させるとの事実はございませんし、総理初め私も、指示をしたことはございません。  原子力発電所の再稼働については安全性のチェックと安心についての一定の信頼ということが最優先でありまして、これらがいつ得られるかということは、まさにやってみないとわからないことでありますので、いつまでにどうこうということを想定はいたしておりません。  また、安全や安心が、今進めている作業が最短で確認されることがもしあったとしても、御指摘された、四月より前に十基程度というような数の、そういった手続をとれるような客観的な状況には全くございません。  そら耳であるのか、それとも、ためにするような情報を意図的に流している方がいるのか、それは私にはわかりません。  それから、その上で、居住禁止区域に関連するお尋ねをいただきました。  もう帰れないということで、生活についてしっかり保障や賠償をして、お帰りいただかないということを決めてしまうのも一つのお考えかもしれませんし、また、そういったことをお求めの方もいらっしゃるかもしれませんが、一方で、住民の方の少なからずの皆さんが、できるだけ早くふるさとに帰りたいという強い思いを持っておられる。  そうした中で、除染あるいはさまざまな生活の基盤整備等を最大限急ぐ中で、帰還したいという住民の皆さんのお気持ちに応えていく努力を進めていくことも政府の責務であると考えております。  帰還される住民、あるいは避難の継続を余儀なくされる住民、いずれに対しても、地元自治体や住民の方々としっかり相談しつつ、居住の安定確保や雇用の確保などの諸課題に対応をしてまいります。  次に、原子力安全規制組織について、総理からもお答えがございましたとおりでございまして、原子力事故等が万一生じた場合の危機対応をしっかりとできる組織でないといけないという観点から、合議体の委員会形式ではなく、内閣の責任のもとで迅速な意思決定と適切な危機管理対応を行うことができる組織形態が適切であると判断したものであります。  以上でございます。(拍手)     〔国務大臣細野豪志君登壇〕
  26. 細野豪志

    国務大臣細野豪志君) 私に対しましても、原子力安全規制組織について御質問をいただきました。  今般の改革は、福島原子力事故を受けまして、二度とこうした事故を起こさない体制と制度を整備するために実施したものであります。  このため、規制と利用の分離独立、関係業務の一元化、危機管理体制の整備、人材の養成確保、そして規制そのものの強化など、こうした考え方に基づき検討を行ってまいりました。  特に、私自身が今般の原子力事故対応に当たった際の経験と反省点を踏まえるならば、緊急時対応を責任を持って行うためには、内閣から独立した合議制委員会形式ではなく、内閣責任のもとで、迅速な意思決定が行われ、適切に危機管理対応が行われる組織形態が適切だと考えたところでございます。  こうした観点から、環境省外局として、新しい原子力安全規制組織を設置することといたしました。  緊急時対応以外の規制に係る判断を行う権限をこの組織の長に法律委任することなどによりまして、原子力安全規制の独立性を厳格に確保したいと考えております。  以上でございます。(拍手)
  27. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) これにて国務大臣の演説に対する質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――
  28. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) 本日は、これにて散会いたします。     午後六時二十八分散会      ――――◇―――――  出席国務大臣        内閣総理大臣   野田 佳彦君        総務大臣     川端 達夫君        法務大臣     小川 敏夫君        外務大臣     玄葉光一郎君        財務大臣     安住  淳君        文部科学大臣   平野 博文君        厚生労働大臣   小宮山洋子君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        経済産業大臣   枝野 幸男君        国土交通大臣   前田 武志君        環境大臣        国務大臣     細野 豪志君        防衛大臣     田中 直紀君        国務大臣     岡田 克也君        国務大臣     自見庄三郎君        国務大臣     平野 達男君        国務大臣     藤村  修君        国務大臣     古川 元久君        国務大臣     松原  仁君  出席内閣官房副長官        内閣官房副長官  齋藤  勁君  出席政府特別補佐人        内閣法制局長官  山本 庸幸君