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2011-10-31 第179回国会 衆議院 本会議 4号 公式Web版

  1. 平成二十三年十月三十一日(月曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第三号   平成二十三年十月三十一日     午後一時開議  一 国務大臣演説に対する質疑     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  国務大臣演説に対する質疑     午後一時二分開議
  2. 横路孝弘

    議長横路孝弘君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  国務大臣演説に対する質疑
  3. 横路孝弘

    議長横路孝弘君) 国務大臣演説に対する質疑に入ります。谷垣禎一君。     〔谷垣禎一君登壇〕
  4. 谷垣禎一

    谷垣禎一君 私は、自由民主党無所属の会を代表して、先般の野田総理の所信表明演説、安住財務大臣の財政演説について質問いたします。(拍手)  冒頭、東日本大震災並びに相次ぐ台風の被害によって不自由かつ不安な日々をお過ごしの皆様に対し、心からお見舞い申し上げるとともに、地域における復旧復興に向けて、自民党は引き続き総力を挙げてまいることをここにお約束いたします。  また、先般のタイ王国大規模洪水及びトルコ共和国大地震災害に対して、政府においては最大限の支援策を講じることを強く求めます。  さらには、歴史的な円高の影響によって、多くの企業が厳しい経営を強いられております。政府は、本日、市場介入を行いましたが、引き続き市場に対して断固たる姿勢を示すよう求めます。  さて、政権交代より、はや二年の歳月が過ぎ、その間、民主党政権において三代目の総理に至りました。我が自民党も、小泉総理で総選挙を行い、その後、三人の総理がかわったことは公平に述べておかねばなりません。  しかし、その際に、野田総理、あなたは、与党のトップが交代する際には民意を問うべきであると言われたことを覚えておられるでしょうか。今もその意見は変わりありませんか。  この二年間、民主党の、絶え間ない内紛、統治能力の欠如によって国政の著しい停滞を招き、内政、外交にわたって多大なる国益の損失をもたらしました。これを民主主義のコストとして安易に片づけてしまうことは、到底許されません。  国際社会においては、来年の主要国における権力の移行期を控えつつ、欧米諸国の財政リスクが顕在化し、他国を顧みるゆとりもなく、ひたすらみずからの国益を追求して、しのぎを削り合う情勢にあります。  一方、国内に目を向ければ、少子高齢化は急速にその進行の度を深め、経済の高成長、それによって立つ財政の分配を期待する経済社会システムは、もはや昔日のものとなりました。その上に、この大震災が我々を襲ったわけです。  これらを踏まえれば、民主党の政権担当能力を磨くための授業料を支払う余裕が残されていないことは、国際情勢からも、国民の懐ぐあいからも、明らかであります。  また、民主党政権におけるマニフェスト施策の実現が進まないどころか、後退、違背を繰り返すことによって、国民との契約違反の状態が続いております。  野田総理は、その不履行の要因として、景気後退による税収減、ねじれ国会、東日本大震災、この三つを挙げています。しかし、これらはすべて、無駄を省いて財源を確保することで施策を実施するというマニフェストの基本構造に対しては、何ら関係がありません。どれが無駄の削減策を左右し得たのでしょうか。震災前の昨年末に野田財務大臣のもとで編成された平成二十三年度予算において、十六・八兆円と言っていたマニフェストの実行額がわずか三・六兆円にとどまっていたことこそ、その構造的欠陥の明らかな証左です。  国民は、さきの総選挙で票という代金を支払ったものの、約束された商品を受け取れないままとなっております。うそをついて奪い取った政権はそのままに、誠実な履行をすることができないのであれば、根強い政治不信を払拭することもできず、国民は、コストをひたすら払い続けるのみです。  これらの厳然たる事実を、政権運営に当たる野田総理においては十二分に認識すべきと考えますが、いかがでしょうか。  さて、平成二十三年度第三次補正予算案と東日本大震災に係る復興財源の確保のあり方について、我が党の基本的考え方を申し述べつつ、政府・与党の考え方をただしてまいります。  初めに明らかにしておきますが、我が自民党は、七月八日には、総額十七兆円の震災対策を公表しております。その財源のうち、歳出削減や税外収入で賄えない分について復興債を発行することとし、その信認を担保するために、所得税、法人税等の付加税により償還の道筋を明確にすべきであると、いち早く表明しております。  我が国財政事情は深刻さをきわめており、東日本大震災からの復旧復興対策経費が巨額に上る中で、いかに財政規律を確保するかという基本的認識において、政府・与党と私どもとは違いはありません。  しかし、今回の政府・与党の三次補正予算案と復興財源確保法案は、我が党の取りまとめから三カ月半以上おくれている上、その間、内容についてよほど詰めが進んでいるのかと思いきや、国民の皆様に負担を求めるにしては、随分粗っぽい、いいかげんな案を出してきたとの印象であります。  国民の皆さんに負担を求めるためには、丁寧な説明と合理的な制度設計が必要であります。政府・与党の案はその双方の要素に欠けており、運び方も、案の内容も、稚拙そのものです。このような政府・与党が、今後、消費税でさらに大きな国民負担をお願いすることに取り組むというのであれば、その資質からして、大いに疑問を抱かざるを得ません。このことを、質問を通じて明らかにしてまいる所存です。  我が党は、第一に、現在の政府・与党案の復興債の償還期限が十年とされているのは短過ぎると考えており、その大幅な延長を求めております。  理由としては、まず、千年に一度という大震災の復旧復興経費に係る財源調達を現世代の負担によってのみ賄うとすれば、現世代が前後の世代と比較して、大震災があったばかりに過重な負担を強いられることになり、不公平と言わざるを得ません。特に、復興による受益を後の世代が享受することを踏まえれば、世代をまたいで負担を分かち合う必要があります。  しかも、復旧復興経費の内容を見れば、三次補正で計上されている全国防災対策費などは全国で行われるハード事業であり、中身において、通常の建設公債発行対象経費と明確に区別が可能なものとは到底思えず、復興債及びその償還財源としての税制措置で賄わなければならない理由がわかりません。  また、我々は、単に、長く償還期限を延ばせと申し上げているつもりはありません。我が国財政に対する市場の信認を高める上で大事なことは、償還の道筋をしっかりとつけることであって、償還期間をいたずらに短くすることではありません。政府・与党は、この点を混同しております。  さらには、我が国財政の今後の課題を見据えれば、いたずらに短く設定することには疑義があります。  我が国は、基礎的財政収支の黒字化などの財政健全化目標を設定しており、その達成に向けて、消費税を含む税制抜本改革は避けられません。目先の性急な復興財源確保のみにとらわれず、マクロの財政健全化の取り組みとの関係にも配意し、償還期間を長くとることで、その負担を薄いものにしておく必要があります。  そこで、総理に質問いたします。一つ一つお答えください。  まず、三次補正予算に係る東日本大震災復興経費十一兆七千三百三十五億円のうち、公債発行対象経費とそれ以外は幾らずつか。言いかえれば、この部分について、今回のような異例の対応ではなく、通常の公債の追加発行による対応をとった場合、建設公債、特例公債はそれぞれ幾らとなったのか、伺います。  その上で、それらについて、建設公債等によらず、あえて復興債及びその償還財源の確保のための税制措置というスキームによることとした理由を改めて伺います。  次いで、政府・与党案では復興債の償還期間が通常の六十年償還ルールに対して十年と大幅な短縮がなされたことについて、いかなる理由づけがあるのか、お答えください。  さらには、そこまで償還期間に差を設けるからには、債券の発行で賄われる事業の性質についても明確な差が認められるのでしょうか。例えば、全国防災対策経費の定義は何か、単なる公共事業が紛れていることはないのか。両者を区別する基準は何でしょうか。  さらに伺いますが、消費税の取り扱いなどを含めて今後の財政健全化への取り組みが具体的に固まっていない中で、短い償還期間を設定して単年度当たりの国民負担を大きなものにしてしまうことが、今後の取り組みへの足かせとなるのではないでしょうか。  これらに対する答弁を踏まえた上で、改めて、償還期間の大幅延長を求めている我が党の見解に対するお答えをいただきたいと存じます。  第二に、我が党は、二十三年度予算における子ども手当の減額措置に伴って、特例公債を減額することを求めております。これは、民主党のマニフェスト施策を目のかたきにして、その歳出削減に見合う特例公債減額を立てることであえて辱めに遭わせようとしているわけではありません。子ども手当の見直しの要因を震災に求めることが筋違いだと申し上げているわけです。  そもそも、特例公債発行額を極力圧縮するというのが財政運営の基本ルールであり、特例公債の発行によって全体の予算が賄われている以上、歳出の削減を行う一方で建設公債発行対象経費の増額が行われた場合、特例公債を減額して建設公債に振りかえるのが補正予算の通例であるはずです。なぜ、今般はそのような対応をとらないのでしょうか。  政府・与党が、マニフェスト政策については特例公債に頼らず財源をきちんと確保したという建前と、復興債と建設公債を同時発行しないことにこだわる余りに、特例公債発行の減額に努めるという財政運営の基本ルールをないがしろにしてしまっているのが今回の対応ではないかと考えますが、いかがでしょうか。お答えください。  そして、このような対応を今後も踏襲していくとなると、二十四年度以降の当初予算についても、復興財源となる歳出削減分については、その見合いとなる復興経費に幾ら公債発行対象経費があっても特例公債発行額を減額しない措置をとり続けることになりかねませんが、それでよろしいのでしょうか。本来圧縮できるはずの相当規模の特例公債発行額が毎年度圧縮できないということになってしまいますが、そのことは財政運営として妥当なのか、あわせて御回答願います。  以上を踏まえた上で、改めて、今般の三次補正予算、さらには二十四年度予算以降における子ども手当の歳出削減分を特例公債減額に充てることを求めます。  第三に、我々は、復旧復興経費を管理する特別会計の創設を求めています。  今回の政府・与党の復興財源確保のスキームが、余りにいいかげんで、国民にとって受益と負担の対応関係が見えにくいものであることを踏まえると、特別会計の創設は、いよいよ必要となります。それにより、復興経費は新たな特別会計で管理されることとなるため、その他の経費との差別化が進み、単なる通常の公共事業関係費が全国防災対策費として復興経費に紛れ込んでくるようなことも防がれていくと考えられ、B型肝炎対策との区分も明確になります。税財源が確保されている復興事業の進捗度合いが明確になり、今後、国民からも、さらなる税制上の措置が必要な状況にあるのかどうかということが見えやすくなります。復興を名目に講じられた税制措置による増収分が、他の事業に費消されることなく、必ず被災地向け歳出に充てられることが明確になることで、国民の納税意識も高まるものと考えます。  政府・与党は、今回の復興財源確保のスキームについて、よくよく居ずまいを正した上で、国民に増税の理解を求めていくべきです。特別会計設置に関する野田総理の見解を改めて伺います。  復興財源としての税外収入、歳出削減をめぐっては、前原政調会長と政府側とで、増税額をめぐって行ったり来たりのやりとりが続くという混迷ぶりを見せつけましたが、相変わらず取り扱いがすっきりしておりません。  関連してお尋ねしますが、国家公務員給与特例法案による国家公務員給与の引き下げ分は復興財源にカウントされている一方、二十四年度予算などで連動して行われる地方公務員給与に係る地財措置、さらには義務教育国庫負担金や独立行政法人運営費交付金の見直しなどによって生み出される財源については、復興財源に使うのではなく財政再建に使うとの報道もあり、現段階では復興財源としてはカウントされていないようです。  しかし、やはり公的部門全体で捻出する復興財源として整理することが適切であり、今後、復興経費の増加が確実な中で、これ以上税負担をふやさないために用いるべきと考えますが、いかがでしょうか。  次に、社会保障・税一体改革について伺います。  先般、五十嵐財務副大臣が、二〇一五年度までの消費税率の一〇%への引き上げは二段階に分けて行い、その第一段階目は再来年秋の衆院任期満了後に行う旨を示唆しましたが、本来、財政や経済の状況を踏まえ決せられるべき消費税率の引き上げのタイミングが、それらとはおよそ関係ない政治日程との関係で決まるというのは、いかにもナンセンスであり、いかにマニフェストとの関係で民主党が消費増税の検討を行うことが破綻を来しているかのあらわれであります。  そもそも、あなた方が法案提出のよりどころとしている消費税を含む税制抜本改革の規定を含む平成二十一年度税制改正法に、民主党は反対されたのではありませんか。さきの総選挙におけるマニフェストには、消費税について一言の言及もありませんでした。当時の鳩山代表は、消費税は二十年間上げないことを公然と述べておられました。  社会保障・税一体改革は必要な政策ではありますが、ここでもまた国民に対して言行不一致な行動をとろうとするあなた方は、票を投じた有権者にどう説明するのでしょうか。  また、平成二十一年度税制改正法附則第百四条との関係で今年度内に具体的な法案提出ということになれば、年内にはその概要を固める必要があります。しかし、議論の時間が余りに不足しています。  六月に成案を取りまとめて以降、社会保障機能強化の進め方等、具体的な検討が進んでいるようには聞こえてきません。複数税率など逆進性対策をどうするのかといった受益と負担の関係も全く見えないまま年末までの二カ月ですべてを決めてしまうことには、相当無理が伴います。  このように、無理に無理を重ね、国民に言ったことと違う政策を押し通そうとするあなた方の社会保障・税一体改革への取り組みの前途は多難と考えますが、野田総理としては、この窮屈な日程の中で具体的なスケジュールをどのように進めていこうとされているのか、具体的にお示しいただくとともに、改めて御決意を伺います。  過去二代にわたる民主党政権によって我が国の外交の基盤は大きく揺らぎ、今や、その失地回復にのみきゅうきゅうとせざるを得ないのが現状であります。普天間基地移設問題についても、その迷走によって米国との信頼関係を大きく損ねたために、政府・与党は、そのツケをなりふり構わず返そうとしているかのように見受けられます。  TPP交渉への参加をめぐっても同様であります。  そもそも、日米関係において日々の情報交換や意見調整等が円滑になされていれば、このような切迫した事態に陥っていなかったはずであります。また、国益にかかわる重要事項にもかかわらず、政府が情報を提供しないため、参加の可否を判断するための国民的議論が全く熟しておりません。それに加え、藤村官房長官や前原政調会長は交渉途中の離脱の可能性を明言されていますが、入り口から逃げ腰の国を相手に、他の参加予定国が真剣に向き合うことはあり得ません。  これまでの経緯から昨今の騒動まで、極めて稚拙な取り運びとなっていることについて、民主党並びに野田政権の責任は極めて重いものと考えますが、その点について総理の見解を伺います。  いずれにせよ、我が国は、世界に物を売って、自国で賄い切れないエネルギーや資源を買って成り立っている以上、自由貿易体制を志向せざるを得ず、その中で国内産業にも十分な目配りをする。その際、不断の外交努力でみずからの国益を主張し他国の譲歩を可能な限り引き出すとともに、国内産業に対しては、不安と弊害を払拭すべく、財源に裏づけられた対策を適切に講じていくことが、我が国の基本戦略ではないでしょうか。前者は先ほど指摘しましたが、後者についても、その対策が不十分なものと考えます。  民主党政権は農家の戸別所得補償制度を推進していますが、これは、基本的には価格差補てんの仕組みであります。したがって、関税障壁が除かれて市場価格が払底しても、これより高い生産価格との価格差を補てんすることで、TPPへの一定の対応策にはなります。しかし、価格差が拡大していけば、それを埋めていくための巨額の財源を要します。  TPPで輸出企業に、戸別所得補償で農家にもいい顔をし、その結果、財源はないとなれば、まさに、あの詐欺マニフェストと同じことであります。  そもそも、財源が限られた中では、頑張って競争力を発揮できる農家には担い手として支援するとともに、農業の多面的機能の観点からも直接支払いを中心として支えていくといった、政策目的に応じた農業政策こそが求められるものと考えます。その見きわめもないままばらまくのみでは、財源は枯渇して、結局は農業を守ることもできず、民主党が五〇%まで掲げた食料自給率は見る見る低下し、農村は荒廃し、過疎化が進む一方となります。  政府においては、積極的に情報を開示し、今後の確たる展望を示すことで国民の議論に供するよう、強く求めます。  APECも差し迫っておりますが、TPPがもたらすメリット、デメリットは具体的に何か、TPP交渉に参加するのか否か、野田総理の明確な答弁を求めます。  野田総理が早期成立の意欲を示しておられる国家公務員給与特例法案について伺います。  我が党は、国家公務員の給与引き下げ自体に反対しているわけではありません。協約締結権とセットであることを問題視するとともに、人事院勧告を実施した上で、さらに深掘りすべきと考えております。これによって、地方公務員等を含め、より大きな削減が実現できるわけです。  さて、本法律案は、その策定過程で、自治労、日教組が大宗を占める職員団体と交渉を行った結果まとまったものと承知しており、官が身を切るという、一見改革的でありながら、組合配慮ありきの法律案であるとすれば、働きアリの税金にシロアリがたかる構図が総理の足元で始まっているということとなりかねません。  その点に関して、まずは、協約締結権の付与を行う国家公務員制度改革関連四法案との関係を確認いたします。  給与特例法案が仮に協約締結権の付与と交換条件になっているとしたら、本法案は組合天国への誘い水であるということになり、論外であります。  連合などは、ホームページで、十月十一日の政府とのトップ会談における、国家公務員制度改革関連法案と国家公務員給与特例法案を同時期に成立を目指すという基本姿勢は変わっていないという関係閣僚の答弁を成果として喧伝していますが、これは事実でしょうか。四法案とのセットを組合と取引しているとすれば、復興財源捻出を装いながら、実際は協約締結権の取得対価としての手あかにまみれた引き下げ法案であることになり、我々としては、審議にも値しないということになります。  この答弁をした閣僚を明らかにしていただくとともに、事実であるとすれば、撤回を求めます。事実でないとすれば、この答弁を否定し、四法案の処理とは完全に切り離す旨をこの場で明言してください。  重ねてお尋ねします。  政府は、閣議決定において、国家公務員給与特例法案は人事院勧告の趣旨を内包しているとして人事院勧告不実施を決めましたが、人勧の趣旨は、労働基本権の制約の代償に尽きると言って過言ではありません。  給与特例法案は、人勧どおりのマイナス〇・二三%ではなく、マイナス七・八%にまで労働者の給与を一段と大幅に引き下げるわけですが、これのどこが、どうして、その趣旨を含むことになるのでしょうか。含んでいないとすれば、虚偽の閣議決定であったということになりますし、人勧無視の憲法違反ということになります。含んでいることになれば、それこそ四法案とは連動しないものであることが明らかになるので、四法案の棚上げを求めます。この点の確認をお願いいたします。  なお、内包しているという閣議決定がそのとおりであれば、独立行政法人義務教育国庫負担金を初め、国家公務員給与の改定に伴う公的部門の人件費に関する扱いは人勧の際と全く同様でなければ、閣議決定が偽りとなるということを申し添えておきます。  いずれにしても、内包云々という苦しい説明をしていますが、政府には、人勧を実施した上で給与特例法案も成立させる選択肢もあったのに、わざわざダイレクトに人勧を不実施にする理由がどこにあったのでしょう。ぜひ御教示ください。  人勧不実施を高らかにうたう背景に、よもや、人勧制度の廃止、協約締結権の付与に向けて、人勧不実施の実績をつくりたいという何らかの政治的思惑はなかったのか、あわせて伺います。  国民の皆様には、各種の組合が政府に対して人勧不実施を申し入れているという事実を申し添え、組合依存という民主党の実態をよく見きわめていただくとともに、保守政治家を自認する野田総理におかれては、ぜひ、組合との取引によって国政が壟断されることがないよう、衷心から御忠告申し上げます。何かおっしゃりたいことがあれば、反論していただいて結構であります。  次に、選挙制度改革と一票の格差是正について伺います。  先般、衆議院の選挙制度について各党の協議会がスタートしました。我が党も、具体的な提案を行い、積極的に参加してまいります。  私は、既に衆議院議員の任期が二年を切っており、まずは当面の対応として、衆議院の小選挙区における一票の格差が憲法違反と判断されている状態を一刻も早く解消すべきと考えます。  そのためには、現在、最高裁判決を受けてストップしているいわゆる区割り審の審議を早急に再開することが、不可欠の第一歩となります。今国会でその前提となる条件をクリアする必要があると考えますが、野田総理は、どのような条件が整えば審議を再開できると理解しているのか、伺います。  また、区割り審が直ちに調査審議を進めたとしても、来年二月二十五日の期限までに審議を終えて勧告を行うことが困難な場合、勧告期限の延長期間は必要最小限のものとすべきであります。早期の解散を避ける意図を持ってわざと長く延長しているといった疑念を国民に抱かれるようなことがあってはなりません。  延長は最小限の期間とし、勧告が出たら、速やかに区割りを改定する法律を成立させる、かつ、その公布から施行までの間、すなわち周知期間は、十年前と同様の一カ月とすべきであると考えます。この点についての野田総理の見解を確認します。  一票の格差是正のための区割りの改定は、先ほど述べた手順でいけば、次期通常国会のうちに実現し、憲法に違背しない制度で国民に信を問うことが可能となります。なお、それまでの間においても、今の民主党政権の状態では、即刻解散・総選挙を行う以外に日本を救う道がないという状況を迎えることも十分に考えられます。その場合には、私は、現行制度のもとでの解散・総選挙も必要だと考えております。  区割り審の審議や法改正の途上である場合でも解散権は常に制約されないと理解しておりますが、この解散権の解釈について、野田総理の見解をここで明確にお示しください。  なお、最高裁判決から一年を経過しても国会が法改正の道筋をつけられないことは、国会の権威にかかわる重大問題であると重ねて申し上げておきます。  本日は、多々政策課題について伺いましたが、政策を実現するに当たっては、何より、その主体となる為政者の資質が問われます。クリーンな政治を標榜する民主党において、野田総理を初め、鳩山元総理、菅前総理、小沢元代表、前原政調会長などの幹部が相次いで政治資金問題を引き起こしているまま、その説明責任も十分に果たされてきていないことは、その資質の欠如のあらわれと考えます。我々は、この問題をいたずらに復旧復興の議論の妨げとするつもりはありませんが、政党間の信頼関係を構築し、議論を円滑に進めるための環境整備に意を砕くことは、与党の務めであります。  これに関して、二つ伺います。  まず、野田総理御自身の外国人及び脱税関係企業からの献金問題について、今国会において説明責任を必ず果たしていただくよう求めます。九月三日に、調査する、結果が出たら報告すると述べてから、途中経過の報告も公表のめども示さないままに二カ月がたちます。  また、小沢元代表に対し、国民から選ばれた公人として、証人喚問に応じ国会においてその説明責任を果たすよう、民主党代表として指導力を発揮するのかどうか、総理は、誠実かつ明確にお答えください。  さきの臨時国会において、私は、野田総理に対し、保守政治家としての理念を問い、民主党の理念のあらわれである綱領の有無について伺いましたが、いずれも明確な回答を得られませんでした。  政権発足後しばらくは、野田三原則、余計なことは言わない・やらない、派手なことはしない、突出しないとの安全運転などのおかげか、大きな混乱はもたらされませんでした。しかし、これは、何の見るべきことも進められなかったということであり、いわば停滞であります。結局は、理念なき総理、綱領なき政党において、大局的な政策判断の物差しを欠く以上、内政、外交にわたる重要課題を乗り越えていくことはできません。  それに加え、何より、マニフェストの破綻と、かつてみずからが批判した信を受けないままの総理たらい回しによって、この政権は、主権者たる国民に対して正統性を欠いていることは明らかであります。  被災地で延期されていた地方選挙も十一月二十日にはすべて実施されるとともに、復旧復興の補正予算も三次を数えるに至りました。にもかかわらず、復興を理由に、被災地を含む全国民との契約違反の状態は放置されたままにあります。  国民との契約違反の十字架を背負い、国民からの信という権威の裏づけもないがゆえに、確たる政策体系は構築できず、その場を取り繕うことのみが野田政権に許されたことなのではありませんか。  したがって、今後一気に押し寄せるであろう政治的かつ政策的な矛盾によって、これまで同様、もしくはそれ以上の政治的混乱がもたらされることは不可避であり、早晩行き詰まることは必至であります。  この混乱を回避し、国政の停滞を打開するためには、解散・総選挙によって国民との再契約を行って信を受け、大事に当たるための政権の基礎体力を回復することが求められます。それを欠いたままで、マニフェスト違反の消費税や普天間問題、TPPや選挙制度改革といった重要課題をすべて乗り越えられるとお考えでしょうか。  これらの課題を総合的に組み立て、実現していくためには、政治の力を要するわけであり、各省が行政の発想で描く絵のとおりには決して事は進みません。  何もなすこともなかった二代にわたる亡国の宰相の轍を踏まないためにも、賢明なる回答を野田総理に心から期待し、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  5. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 自民党の谷垣総裁から御質問をいただきました。順次お答えしていきたいというふうに思います。  まず、民意を問うことについてのお尋ねがございました。  我が国の目の前には、震災からの復興、原発事故の収束、経済金融危機への対応という、乗り越えなくてはならない危機が存在しています。政府、与野党を超えて克服することが国民の願いであると認識しています。  民意を問うことは大切であり、その考えは不変ですが、まずは、政府、国会、全政党が、大震災からの復興、原発事故の収束、経済金融危機からの脱却という共通目標のもとで協力することを国民の大多数が望まれていると理解をしております。  自由民主党谷垣総裁におかれましては、この間、建設的な御意見をいただき、また、国会審議を初め多大な御協力をいただいておりますことを感謝申し上げますとともに、引き続きの御理解、御協力を切にお願いいたします。  続いて、マニフェストについての御質問をいただきました。  御指摘については、党の前執行部が八月に取りまとめたマニフェストの中間検証で指摘されているものであり、私も、基本的に同様の認識を持っております。  私としては、中間検証が指摘している経済状況の変化、ねじれ国会、東日本大震災、マニフェスト作成時の検討、検証が不十分という点について、いずれもがマニフェスト実現のハードルとなっていることは事実であると考えております。  ただし、検討、検証が不十分は率直に認めなければならないと考えており、これは民主党自身の責任であり、そのことから、中間検証でも、真摯に反省しなければならないとしております。  中間検証でも述べているとおり、政権交代の結果、高校授業料無償化を初め多くの政策が実現されている一方で、残念ながら、いまだ実現できていない政策があることも事実でございます。  マニフェストについては、経済財政状況の変化と三党合意を踏まえながら、政策の優先順位、政策選択に基づき、今後も、一つでも多くの政策が実現できるよう努力をしていきたいと考えています。  続いて、公債発行対象経費及び復興財源のスキームについてのお尋ねがございました。  与野党の合意により成立した復興基本法において、東日本大震災からの復興に必要な資金を確保するため、つなぎ財源として復興債を発行することとしており、また、これを、その他の公債、つまり建設公債や特例公債と区分して管理するとともに、あらかじめ償還の道筋を明らかにすることとされております。  このように、東日本大震災からの復興費用は建設公債によって賄われていないため、三次補正予算において計上された東日本大震災関係経費についても公債発行対象経費を区分していませんが、お尋ねでございますので、通常の予算における基準を機械的に当てはめますと、おおむね四兆円程度が、通常の予算における公債発行対象経費と共通した性質の経費と考えられます。  したがいまして、通常の公債発行による対応をとった場合、おおむね四兆円程度が建設公債、残余の額が特例公債と考えられます。  復興債の償還財源について考える際には、国家の信用が厳しく問われている歴史的な事態が進行している国際情勢のもと、我が国財政をめぐる厳しい状況、国債の信認の確保についても十分に配慮する必要があります。  こうした考え方を念頭に、歳出削減や税外収入の確保に最大限努めるとともに、それでもなお足らざる部分については、基幹税である所得税や法人税の付加税などにより、今を生きる国民の皆様に一定の御負担をお願いすることとしております。  次に、復興債の償還期間の合理性と事業の性質に関する御質問をいただきました。  復興債の償還期間については、次の世代に負担を先送りせず、今を生きる世代全体で連帯して負担を分かち合うとの復興の基本方針における考え方に立って、復興期間と同じ十年間としております。  これは、少子高齢化、人口減により将来世代の負担が増加していく中、将来世代へのさらなる負担の先送りは避けるべきであろうという考え方や、税金の使途がはっきりと実感できる間に税制措置を行う方が理解していただきやすいのではないかという考え方に基づくものであります。  復興基本法では、復興に必要な資金を確保するために復興債を発行することとされており、復興の基本方針において掲げられた、真に復興に資する施策を復興債の対象となる経費として予算に計上することとしています。  例えば全国防災対策費については、復興基本法第二条において、「地震その他の天災地変による災害の防止効果が高く、何人も将来にわたって安心して暮らすことのできる安全な地域づくりを進めるための施策」が復興に向けて推進されるべき施策の一つとして掲げられていることから、全国的に緊急に実施する必要性が高く、即効性のある防災、減災事業については、復興施策に含めることとしております。  単年度当たりの国民負担についての御質問をいただきました。  復旧復興のための時限的な税制措置については、歳出削減や税外収入をできる限り活用することで全体の負担を抑制するとともに、所得税付加税については、たばこ税や二十三年度税制改正を活用することでその負担を抑制し、また、法人税付加税については、平成二十三年度税制改正とセットで実施することで、企業経営にとって過大な負担となることを回避しています。  また、復興のための歳出については、短期間に集中的な投資が行われること、社会保障・税一体改革については、社会保障の安定強化と財政健全化とを同時に達成することで国民生活の安定や雇用、消費の拡大につながると考えられることなども含めて考慮していく必要があるものと考えております。  償還期間の大幅延長を求めている自民党の見解についての御質問をいただきました。  長い償還期間を設定すれば、若い世代は負担をし続ける一方、高齢世代は短い期間しか負担を負わないこととなります。例えば、きょう生まれた子供一人の背中には、既に七百万円を超える借金があります。長い償還期間は、こうした若い世代に、我々の世代がさらに負担を先送りすることにほかなりません。  こうした認識に基づき、復興債については、先ほど申し上げましたとおり、今を生きる世代全体で連帯して負担を分かち合うという基本的な考え方を踏まえて期間を設定しておりますが、野党の御意見も真摯にお伺いをしながら、柔軟に対応してまいりたいと考えております。  特例公債発行の減額という財政運営の基本ルール、それに従えば、特例公債を減額して建設公債に振りかえるべきではないか、さらに、復興財源となる歳出削減分の、二十四年度以降の予算を含めた取り扱いについてのお尋ねでございますが、谷垣総裁も財務大臣の重責を三年間にわたって務めてこられましたので、御指摘のとおり、特例公債に極力頼らない財政運営を心がけることが大変重要であることについては、私も認識を同じくするところであります。  その上で、今回御提案申し上げている復興債は、本日、これまでの答弁でも申し上げてきたとおり、与野党の合意により成立した復興基本法において規定されたものであり、建設公債や特例公債と区分して管理するとともに、あらかじめ償還の道筋を明らかにすることとしているものであります。  その財源である時限的な税制措置について、全体の負担を抑制するため、最大限、歳出削減や税外収入の確保に努めることが重要であります。  こうした観点から、与野党合意がなされたような特定の歳出見直しに係る削減分についても優先度の高い復興事業に振り向けることとしており、二十四年度予算以降においても同様の方針でございます。  子ども手当の歳出削減分についての御質問をいただきました。  この子ども手当の歳出削減は、先ほど御答弁申し上げた、与野党合意がなされた特定の歳出見直しに係る削減であります。したがって、歳出削減分を震災からの復興という優先度の高い歳出への振りかえに充て、時限的な税制措置の幅を一定程度縮小することとしており、今般の三次補正予算、さらには二十四年度予算以降についても、こうした方針にのっとって対応してまいりたいと考えております。  特別会計についてのお尋ねがございました。  復興基本法及び復興の基本方針における区分管理及び資金の流れの透明化の要請を踏まえ、政府としては、三次補正の一般会計予算等において、復旧復興関連であることを項に明示するなど、他の経費と区分することといたしております。  特別会計については、財政法上、「特定の歳入を以て特定の歳出に充て一般の歳入歳出と区分して経理する必要がある場合」に認められており、復興予算を経理するための特別会計の設置は、区分管理及び資金の流れの透明化の要請にこたえる一つの方法と考えられます。  二十四年度からの特別会計の設置について御党より御提案があったと承知をしており、政府といたしましても、協議の経過を見守りつつ、区分管理及び資金の流れの透明化にしっかりと努めてまいりたいと考えております。  国家公務員給与引き下げ法案に伴う公的部門の人件費見直しと復興財源の関係についての御質問をいただきました。  地方公務員や独立行政法人の役職員の給与など公的部門全体での取り組みについては、先般の公務員の給与改定に関する閣議決定に掲げた各般の措置を講ずる必要があると考えています。  その上で、復興対策に係る地方財政措置については、諸般の状況を総合的に勘案しつつ、震災対応における国と地方との協力関係を整理して、今後の予算編成作業において検討し、適切に対処してまいります。  これらの措置により捻出される財源の取り扱いについては、我が国の厳しい財政状況と東日本大震災という未曾有の国難に対処するという法案の趣旨等を勘案してまいります。  いずれにせよ、まずは、現在国会提出中の給与臨時特例法案の早期成立を期してまいります。  消費税率の引き上げ時期等についての御質問をいただきました。  社会保障・税一体改革成案においては、「社会保障給付の規模に見合った安定財源の確保に向け、まずは、二〇一〇年代半ばまでに段階的に消費税率を一〇%まで引き上げ、当面の社会保障改革にかかる安定財源を確保する」とされています。  また、経済との関係においては、成案において、税制抜本改革の実施は経済状況の好転が条件であることを明文化し、その実施過程においても、予期せざる経済変動が生じた際には柔軟に対応する仕組みとすることとしております。  いずれにせよ、具体的な税率の引き上げ時期等については、今後、政府・与党内の議論及び与野党協議等を踏まえ、改革の具体化を図る中で決定したいと考えており、実施をする前には総選挙で民意を問うべきものと考えております。  社会保障・税一体改革のスケジュールと改革への決意についてのお尋ねをいただきました。  社会保障・税一体改革については、本年六月に決定した成案を早急に具体化するため、八月に公表したスケジュールに沿って、着実に検討を進めているところであります。  具体的には、社会保障改革については、関係審議会等において検討を進めており、年内に各分野の具体的な改革案を取りまとめ、平成二十四年以降、順次関連法案を提出することとしています。また、消費税を含む税制抜本改革の具体的な内容については、税制調査会等において、本年度中の法案提出に向けて検討を進めることとしています。  一体改革は、若い世代を含め、国民が将来に不安を持たないようにするため、我が国にとって決して先送りできない喫緊の課題であります。我が内閣として、与党とも連携をとりながら一体改革を進めてまいりますので、各党各会派におかれましても、政策協議に御参加いただくよう、お願いを申し上げます。  TPPと国民的議論に関する御質問をいただきました。  TPP協定については、随時、関係国との間で情報収集や協議を行ってきていますが、特に米国との間では、多層的かつ広範なチャンネルを通じて、緊密に行ってきているところであります。  その結果得られた情報については、国民の理解を深めるため、TPPに関連する疑問に答える資料を準備するなど可能な限り説明に努めてきており、今後とも、説明や情報提供にしっかりと努めてまいります。  なお、一般論としては、交渉の中で国益を最大限追求することは当然のことであり、国益に合致するよう、全力を尽くして交渉に臨むべきものであると考えています。  TPP及び農業政策についての御質問もございました。  世界経済の成長を取り込み、産業空洞化を防止していくためには、国と国との結びつきを経済面で強化する経済連携の取り組みは欠かせません。これに伴う影響について勘案し、また、我が国にとっての国益を追求しながら、より幅広い国々と、高いレベルでの経済連携を戦略的かつ多角的に進めてまいります。  TPPについては、八月十五日に閣議決定した政策推進の全体像にあるような広範な視点を踏まえ、協定への交渉参加について、引き続きしっかりと議論し、できるだけ早期に結論を出したいと考えています。  農業については、高齢化の進展等、その再生は待ったなしの課題であり、TPP協定交渉への参加判断いかんにかかわらず進めていくべき課題であります。  このような認識のもと、十月二十五日、我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画を、私を本部長とする食と農林漁業の再生推進本部で決定いたしました。二十一世紀の成長産業となり得る農林漁業の再生に向けて、次世代を担う農林漁業者が安心して取り組めるよう、この基本方針・行動計画を、政府全体の責任をもって、着実に実行してまいります。  なお、戸別所得補償制度は、農業が食料の安定供給や多面的機能の維持という重要な役割を担っていることを評価し、意欲ある農業者が農業を持続できる環境を整えることを目的とする政策であります。さきの基本方針・行動計画においても戸別所得補償制度を適切に推進することとされており、引き続き取り組みを進めてまいります。  TPPに関する情報開示、参加判断についての御質問をいただきました。  TPPについては、先ほども申し上げたとおり、随時、関係国との間で情報収集や協議を行ってきています。  その結果得られた情報については、国益を確保する観点からさまざまな検討、分析を行うとともに、国民の理解を深めるため可能な限り説明に努めてきており、関係団体への説明も順次行ってきているところであります。今後とも、説明や情報提供にしっかりと努めていく考えでございます。  TPPについては、世界の成長エンジンであるアジア太平洋地域の成長力を取り込むことができることなどのメリットがあります。他方、農業再生との両立を図ることなど、課題もございます。  いずれにせよ、TPP協定への交渉参加については、引き続きしっかりと議論し、できる限り早い時期に結論を出したいと考えております。  給与臨時特例法案と国家公務員制度改革関連四法案との関係について御質問をいただきました。  給与臨時特例法案と国家公務員制度改革関連四法案は、同時期に提出した大変重要な法案ですので、いずれも、できるだけ早く成立させていただきたいと考えています。御質問の連合との会談での総務大臣の答弁も、そのような趣旨であったと理解をしています。  給与臨時特例法案と人事院勧告等との関係についての御質問もいただきました。  労働基本権が制約されている現行制度においては人事院勧告制度を尊重することが基本であるとの考え方のもと、今般の人事院勧告の取り扱いについて真摯に検討を行いました。  その結果、未曾有の危機的状況に対処するため、既に提出している給与臨時特例法案が、今般の人事院勧告による給与水準の引き下げ幅と比べ、厳しい給与減額措置を講じようとするものであり、総体的に見ればその他の人事院勧告の趣旨も内包しているものと評価できることなどを総合的に勘案し、本年の人事院勧告を実施するための法案は提出しないこととしたものであり、人勧不実施の実績をつくりたいという何らかの政治的思惑があったとの御指摘は当たりません。  いずれにせよ、政府としては、給与臨時特例法案の早期成立に向け、最大限の努力を行ってまいります。  一方、国家公務員制度改革関連四法案は、効率的で質の高い行政サービスを実現させるためのものであり、できるだけ早く成立させていただきたいと考えております。  なお、今般の閣議決定においては、国家公務員以外の公的部門の人件費についても各般の措置を講ずることとしております。  続いて、人勧について引き続き御質問がございました。  御案内のとおり、政府は、大震災復興の財源を確保するためにさまざまな歳出削減努力に努めており、その一環として、国家公務員給与についても平均七・八%削減を臨時的に実施する法案を提出し、その早期成立をお願いしております。  一方で、ことしの人事院勧告は、国家公務員給与について〇・二%の削減を勧告しており、七・八%の削減とはかけ離れた内容となっております。  したがって、政府として、国会に提出している給与法改正案の一刻も早い成立をお願いするとともに、それを待たずに、まず、総理、閣僚等の報酬の自主返納を実施させていただきます。  政府の方針は労働団体からの要請に基づくものではなく、労働団体が政府方針に御理解をいただいているものと認識しております。谷垣総裁におかれましては、ぜひ、この趣旨を御理解いただきまして、法案成立に御協力いただきますようにお願いを申し上げます。  一票の格差是正についてお尋ねがございました。  この国会において、憲法違反の状態となっている一票の格差を是正するための措置を図ることや、定数の削減と選挙制度のあり方についても与野党の議論が進むことを強く期待しています。  いわゆる区割り審の審議再開については、各県一議席別枠を定めた区割り審設置法第三条二項の廃止、また、格差是正のための区割りの方針について設置法の改正が必要であり、また、勧告期限の延長も現実に必要と認識しております。  なお、勧告期限の延長期間や周知期間の問題は、今後の各党の協議いかんであると考えます。  国会の不作為が最高裁によって指摘されている中で、違憲状態からの脱却に向けて、御党の細田先生の私案もあり、民主党も案を御提案し、各党間の協議が開始されていると理解しております。今国会中に法改正が実現することを強く期待しております。  なお、解散権についての解釈は不変であり、憲法に定められたとおりと理解をしておりますが、まず、震災復興、原発事故収束、そして、現実に危機的な状況にある経済と金融の危機への対応を的確かつ迅速に進めなくてはならないと考えております。  政治と金の問題についての御質問をいただきました。  御指摘の、外国籍の方からの寄附問題については、誠実に対応したいと考え、専門家による御協力をいただき、時間はかかりましたが調査をしてまいりました。国会でお取り上げいただいた問題ですので、国会の質疑の中でお答えをしていきたいと考えておりました。  調査の結果、私の資金管理団体において、過去に寄附をいただいていた方二名が外国籍であった事実が判明し、今月二十六日に全額を返金いたしました。なお、一名の方は、平成十八年を最後に、七年間で合計二十六万一千円、もう一名の方からは、平成十五年を最後に、間は飛びますが、三年で合計二十一万円の寄附でございました。  この寄附は日本人名での寄附であり、団体の会計担当者も、外国籍の方とは知らず、気がつきませんでした。私自身も、お二人が外国籍であることは全く存じ上げませんでした。また、お二人に寄附をいただいていたこと自体、私自身は認識をしていませんでした。大変申しわけなく思っており、御心配と御迷惑をおかけしたことをおわび申し上げます。  今後、返金した事実については政治資金収支報告書に記載するとともに、専門家の御指導をいただき、このようなことのないよう、十分注意していきたいと考えております。  なお、脱税企業からの献金という御指摘に関しては、税務に関する事実関係を承知しておりませんでしたことは、既に国会でお答えしたとおりでございます。  小沢議員の国会招致の問題については、各党会派で御議論をいただきたいと考えますが、既に本人の公判も始まっており、説明責任については、本人が法廷において果たすものと考えております。  現時点においては、裁判を冷静に見守るべきと考えております。  どうもありがとうございました。(拍手)     ―――――――――――――
  6. 横路孝弘

    ○議長(横路孝弘君) 前原誠司君。     〔前原誠司君登壇〕
  7. 前原誠司

    前原誠司君 民主党前原誠司です。  私は、民主党無所属クラブを代表し、野田内閣総理大臣所信表明演説につきまして、総理に質問いたします。(拍手)  冒頭、第三次補正予算の審議に当たり、改めて、東日本大震災、津波被害、そして先般の台風、豪雨災害でお亡くなりになられた方々に対し、心より御冥福をお祈り申し上げますとともに、御遺族に対し、衷心より哀悼の意を表します。  また、被害に遭われた方々、そして原発事故などでいまだに避難生活を余儀なくされている方々に対し、心よりお見舞いを申し上げ、政府・与党一体となって被災地の復旧復興に対し全力で取り組むことをお約束いたします。  また、今回の大震災に対して多くの国々から多大なる御支援、御激励をいただきましたが、その中には、洪水、浸水によって多大な被害が出ているタイ、地震の被害に遭われたトルコも含まれております。  これらの国々に対して、心からお見舞いを申し上げますとともに、報恩の意味も込めて、我が国として最大限の支援を行うべきであることを、まず政府に強く要望いたします。  さて、野田総理が八月三十日の衆参の本会議で第九十五代の内閣総理大臣に指名されてから、二カ月を迎えます。  また、経済社会の閉塞状況と、それを打破することなく、助長すらしてきた政治の変革を求める国民が政権交代によって変革を求めた、あの暑い夏の総選挙から既に二年が過ぎました。  今、この二年間を教訓として、改めて政権交代を選択した国民の期待にこたえることが、民主党野田内閣の使命であり、真価の発揮しどころであります。  原点に立ち返り、新しい情勢に迅速に対応しつつ、内外の山積する課題について一つ一つ乗り越えていく。民主党のためではなく、国家国民のために、民主党全党一丸となって総理の決意と行動をサポートし、全力で支えていく不退転の決意を表明いたします。  まず、何よりも必要なことは、総理が政権の使命として掲げる大震災復興と原発事故収束、そして日本経済の立て直しのための政策を着実かつ迅速に進めることであります。  総理は、所信表明の中で、政府・与党と各党会派の皆様との共同作業であると宣言されました。  今現在、各政党から御提案をいただきつつ編成されました第三次補正予算に関して、政党間協議も行われております。総理が求められる国家国民のための大仕事をともになし遂げるために各党の国会議員が国会の決断を担うためには、野田内閣が、大きな包容力と度量をお示しいただくことが必要であります。  第三次補正予算、そして今後の震災復興において、政党間協議、国会審議の成果、成案について政府としてどのように対処されるのか、野田総理の決意をお示しいただきたいと存じます。  また、大震災の復興には膨大な財政支出が必要であり、福島の再生なくして日本の再生はないと総理が強調されるとおり、原発事故災害への対応は、子供たちの安全と将来のためにも、除染対策を含め、全力を挙げなければなりません。  政府は、そのために、本年七月に閣議決定をされた復興基本方針に基づき、本格的な復旧復興予算として、第三次補正予算を提出されました。その前提は、大震災復興、福島の再生のために、政府も国会も全力を傾注し、かつ、国民の皆さんに連帯の御負担をお願いするものであります。  そうであるならば、総理が決断された朝霞の公務員宿舎の建設中止を含めた検討、閣僚の給与の削減は評価はいたしますが、国家公務員総人件費の削減や、より一層の税金の無駄遣いの根絶を目指した努力、官僚の天下りの実効あるさらなる措置の推進、国の出先機関の原則廃止、独立行政法人の改革や行政レビューをさらに推進するための行政刷新会議における政策仕分け作業などを進めるべきだと考えます。  総理の「秋霜を以て自ら粛む」との決意に心から敬意を表し、政治家の覚悟と器量をもって臨まれる総理の決意と方針を伺います。  また、こうした努力に加え、国民の皆様の納得感をいかに醸成していくかという観点が重要であり、政府・与党合意にある日本郵政株やJT株の売却を含む税外収入のさらなる確保など、国民の皆様の連帯による御負担を最小限にする努力をいかに進めるのか、総理より具体的な方針について説明を求めます。  被災地のニーズに的確に対応する組織としての、復興庁設置法案が今国会に提出されます。このような組織ができることは、縦割り行政にならず、被災地のニーズをワンストップで受けることができるものとして評価いたします。  しかし、復興庁は被災地のための組織であり、被災自治体を人的にも物的にも支援できるような組織体制でなければなりません。復興庁の人員・組織体制についてどのようにお考えなのか、見解を伺います。  また、復興特区に対する提案が迅速に受け入れられるような仕組みとしなければならないと考えますが、この点についての見解もお伺いいたします。  さらに、復興庁のもとに置かれる復興局は岩手、宮城、福島に限られると聞いておりますが、茨城県を初めとして、三県に限らず、大きな被災をしている地域もございます。したがいまして、なるべく被災地域には支所などを置いて現地で対応すべきであると考えますが、いかがでしょうか。御所見を伺います。  東日本大震災が発生して七カ月が過ぎましたが、被災地の状況は極めて厳しく、生活の糧を奪われた事業者や農林漁業者、医療福祉関係者の事業再建はなかなか進んでおりません。  いわゆる二重債務問題につきましては、政府において産業復興機構を活用した形での債権買い取りも進めておりますが、より零細な事業者への対応として、新たな機構を設けることも必要ではないでしょうか。政府の見解をお伺いいたします。  また、地域の再生のかぎは、営みの確保であるとともに、福祉を含めたセーフティーネットの再構築であります。官民の力、新しい公共の力などを総動員して、企業の立て直しやベンチャーの支援、医療、介護などを含めた働く場所の新たな形成による雇用の具体的な確保をいかに進めるのか、説明をお願いします。  原発事故の収束に向けた基本的取り組みについてお伺いいたします。  原発事故の収束は国民の悲願であり、民主党としても、政府の原発事故収束に向けた取り組みについて、逐一報告を受け、検討を重ね、必要に応じ提言等を行っております。  特に原子力被災者の方々への対応について、緊急時避難準備区域解除後の支援、避難者への支援、一時立ち入り、除染、モニタリング、健康管理、賠償問題等々、さまざまな問題が残っています。  総理として、被災者の方々が、安心でき、将来に向け希望が持てるような明確なメッセージを発信すべきと考えますが、決意のほどを伺います。  また、福島の再生のためには、除染作業を大規模に集中的に実施することが必要です。除染自体の速やかな推進に向け、国の責任の明確化はもとより、総理が強いリーダーシップを発揮すべきだと考えますが、決意をお聞かせください。  今般の第三次補正予算においては、急激な円高・空洞化対策も重要な柱の一つであります。  急激な円高を放置すれば、製造業などの輸出企業の収益が悪化し、景気回復に悪影響を及ぼすことは明らかであります。多くの企業が生産拠点を海外に移転すれば、震災からの復興も困難なものとなり、国内産業は一層空洞化し、地域の雇用悪化が加速することが懸念されます。民主党からもさまざまな提案をさせていただき、補正予算の円高・空洞化対策は補強されました。  きょうの午前、政府、日銀による為替介入で、円相場は現在下落をしております。しかし、過去最高値を上回る円高が進行する昨今、対症療法ではない抜本的な円高対策、例えば、円建ての国家ファンドの創設などが求められるのではないでしょうか。  為替市場の安定化、成長を下支えする効果的な施策、新たな成長戦略の実現について、今申し上げた円建て国家ファンド創設の是非も含め、政府はどのように取り組むのか、総理の明快な御所見を求めます。  次に、エネルギー政策の見直しについて伺います。  総理は、中長期の目標として、国民の不安を和らげる、安心のできるエネルギーベストミックスをつくっていくという意味の脱原発依存社会を目指すと述べておられます。  まずは、国民が安心して生活できるようにする、安定して経済活動や社会生活を送ることができるようにする。そのために、どのようなエネルギー政策であるべきか、抜本的に見直すことに、私は賛成であります。  エネルギー政策は、その内容が、国民の安全という原則、現実的であること、具体的な道筋の提示が重要なポイントであります。既存原発の再稼働のあり方を含め、総理の御所見を伺います。  日本の経済連携に関する方針、特に、環太平洋戦略的経済連携協定、いわゆるTPPについてお伺いします。  野田総理は、所信表明演説で、より幅広い国々と高いレベルでの経済連携を戦略的かつ多角的に進めますと述べておられます。  民主党は、昨年十一月四日に取りまとめた経済連携への提言の中で、TPPについては、既存のFTA、EPA及びWTO交渉との整合性を精査し、アジア太平洋の各国の主張をしっかりと聞いた上で、関係各国の今の状態を把握するためにも情報収集のための協議を始める、ただし、慎重に対応することが求められるため、情報収集で得られた事実関係をもとに、参加条件を詰める本格交渉の間に徹底的な検証と国民的議論を行うとの方針を打ち出しました。そして、現在、徹底的な検証と議論を行っております。  その中で、政府は、国民の方々や各業界に対して、TPPに参加した場合、参加しなかった場合のメリット、デメリットをもっと説明すべきであるとの意見が多く出されております。  政府として一層の情報開示と説明を実施すべきと考えますが、総理の見解をお伺いいたします。  また、交渉に入るとした場合、その過程の中で、我が国として、何を獲得し、何を守っていくのか、国民にわかりやすい説明をしていくことが必要と考えますが、総理の御所見を伺います。  我が国の食と農林漁業は、所得の減少、担い手不足の深刻化や高齢化といった厳しい状況に直面し、まさに危機的状況にあります。農山漁村も活力が低下をしており、食と農林漁業の競争力・体質強化は待ったなしの課題と言えます。  我が国の貿易・投資環境が他国より劣ってしまうと将来の雇用機会が喪失するおそれがありますが、高いレベルの経済連携の推進に当たっても、我が国の食料自給率の向上や、食の安全、国内農業、農村の再生と必ず両立させなければならないものと考えます。  政府においては、先週、我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画を策定されました。  基本方針には、新規就農の増大や六次産業化の推進、再生可能エネルギーの供給促進を図るなど、農林漁業の再生のために重要な方策が盛り込まれており、この具体化に向けた予算の確保等により、これに沿って食と農林漁業の再生を早急に進めていくことが不可欠であります。  必要な予算をしっかり確保することを含め、食と農林漁業の再生に取り組む野田総理の基本姿勢について、明確な答弁を求めます。  本年に入り、アラブの春と呼ばれる民主化の動きがチュニジアエジプトなどで起こり、そして、先日、リビアの解放が宣言されるに至りました。経済面では、グローバリゼーションが後戻りできないほどに進む一方、欧州発の金融危機が全世界に影響を与えています。  国際社会の激動に直面しながら、総理は、日本外交のかじ取り役として、世界にどのようなメッセージを発信し、処方せんを提示されるおつもりなのでしょうか。  また、我が国が戦略的互恵関係の構築に努力している中国や、総理が今月訪問された隣国である韓国との関係、拉致事件の解決や、核、ミサイル問題を抱える北朝鮮への対応など、基本的な考え方を国民の皆様にわかりやすくお示しください。  同時に、普天間飛行場の移設問題についてお尋ねいたします。  沖縄県の仲井真知事からは、広大な米軍基地の整理縮小、事件、事故の防止、環境汚染、騒音の大幅な軽減、地位協定の改定、環境影響評価書などについて、強い要望がなされたと伺っております。いずれも重要な指摘だと考えますが、政府はどのように対処するおつもりでありましょうか。  長期間にわたって沖縄県民に重い負担をお願いしてきたことについて、全国民が理解し、沖縄の負担を全国民で担うという気持ちを再度認識しながら、さまざまな課題を乗り越えていく必要があると考えますが、改めて普天間基地移設問題の解決に向けた決意と今後の取り組みについてお尋ねいたします。  野田総理は、所信表明演説の結びに、仙台市に住まわれる若き詩人、大越桂さんの詩を引用され、希望の種をまき、そして被災地に生まれる小さな希望の芽をみんなで大きく育て、やがてその芽は希望の花となり、すべての国民を勇気づけてくれるはずだと述べられました。私たち国会議員も、使命感を持ってさまざまな希望の種をまいてまいります。  どうか、総理におかれましては、尊敬されていると伺っている西郷南洲公の「名もいらず、命もいらず、官位も金もいらぬ人は、始末に困るものなり。この始末に困る人ならでは、艱難をともにして国家の大業はなし得られぬなり」の言葉のごとく、国家国民のために希望の花を開花させるべく、御自身も所信表明で使われた言葉、正心誠意、命の限りを尽くして取り組んでいかれることを心から期待し、民主党を代表しての質問といたします。  ありがとうございました。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  8. 野田佳彦

    ○内閣総理大臣(野田佳彦君) 前原議員からは、大変力強い激励も込めて御質問をいただきましたこと、恐縮でございます。  まず、第三次補正予算や今後の震災復興施策に対する政党間協議や国会審議の成果の反映についての御質問をいただきました。  先週金曜日の所信表明演説において、被災地の復興、原発事故の収束などを大きく加速するために、一日も早く第三次補正予算とその関連法の成案を得て実行に移すことの重要性を申し上げ、そのために、政府・与党と各党会派との共同作業が必要である点を強調させていただきました。  第三次補正予算とその関連法について、今後、その内容について丁寧な説明に努め、並行して行われる政党間協議の結果について柔軟に対応するとともに、国会審議における各党会派の御提言に真摯に耳を傾けてまいりたいと考えております。  次に、国民に負担をお願いする際の政治家の覚悟と器量についての御質問をいただきました。  これも、先週金曜日の所信表明演説でも申し上げましたとおり、まず何よりも、政府全体の歳出削減に断固たる決意で臨むことが肝要だと考えております。  国家公務員の人件費削減については、国家公務員の給与引き下げ法案を既に国会に提出しており、その早期成立に努力するとともに、私と政府の政務三役の給与については、法案の成立を待つことなく、自主返納することにいたしました。  また、行政刷新会議においては、行政の無駄や非効率の根絶に粘り強く取り組むだけではなくて、政策や制度に踏み込んだ、国民目線での提言型政策仕分けを行います。  さらに、出先機関の原則廃止などの地域主権改革や天下りの根絶など、あらゆる施策を通じて、人件費の削減や行政の無駄根絶に徹底して取り組んでまいりたいというふうに考えております。  所信表明演説では全般的に政治家の覚悟と器量を呼びかけるというお話をしましたが、一番覚悟と器量を求められるのは私だと思っています。そのことをしっかりと踏まえて対応していきたいというふうに思います。  次に、日本郵政株やJT株売却等による税外収入のさらなる確保について、具体的に明らかにせよという御質問でございました。  復興財源については、歳出削減や税外収入の確保に努め、できるだけ時限的な税制措置の幅を縮小していくことが重要と考えています。  政府としては、日本郵政株式の売却を初めとする税外収入等による財源確保に努め、財源確保額が確定した場合には財源フレームの見直しの際にその財源確保額を織り込むこととし、仮に財源確保額が事業規模の増加額よりも多い場合には時限的な税制措置を減額することとしています。  JT株、エネルギー特会の保有する株式については、前提条件について検討した上で、売却可能になれば速やかに売却することとしています。  また、日本郵政株式については、郵政改革関連法案の早期成立を図り、その後の経営状況等を勘案しつつ、速やかに売却することとしております。  続いて、復興庁の人員・組織体制、復興特区、復興庁の支所についての御質問をいただきました。  復興庁の人員・組織体制については、強力なリーダーシップのもと、縦割りを排除し、被災地の要望にワンストップで対応できるよう、内閣総理大臣を復興庁の長とし、事務を統括する大臣として復興大臣を置くとともに、岩手、宮城、福島の三県に大臣政務官が担当する復興局を設置するなど、強力な体制を整備することとしております。  また、復興特区制度は、復興に必要となる規制や税制の特例措置に加え、地域の提案に基づき、国と地方の協議会での協議を経て、特例を迅速に追加、充実する仕組みを導入することとしております。  さらに、復興局が置かれる三県以外の被災地域についても、被災自治体に対する支援等を現地でしっかりと行うことができるよう、被災自治体の御意見を伺いながら、必要な体制を検討してまいりたいと考えております。  二重債務問題に対応するための新たな機構設立及び被災地の働く場所の形成についてのお尋ねがございました。  いわゆる二重債務問題について、政府としては、各県に産業復興機構を設立すべく、県や地域金融機関と精力的に調整を進めております。岩手県では十月七日から相談業務を開始しており、まずはこうした取り組みを着実に進め、一人でも多くの被災者の救済が実現するよう、全力を尽くしてまいります。  他方、先日、三党協議の結果、合意に至った東日本大震災事業者再生支援機構については、小規模事業者、農林水産事業者、医療福祉事業者など、各県の産業復興機構による支援の対象とすることが困難なものをその支援の対象とし、各県の産業復興機構と相互補完しつつ支援の拡充を図るとされているものと承知をしております。  今後、東日本大震災事業者再生支援機構に関する法案が成立した暁には、三党合意の趣旨を踏まえ、両機構が連携しつつ着実に被災者の救済に当たれるよう、体制の整備等にしっかりと取り組んでまいります。  また、被災地の厳しい雇用情勢にかんがみ、雇用なくして被災地の再生はないと強く考えているところであります。  今後、本格的な安定雇用を生み出すため、急速な円高等による産業空洞化リスクに対応するための立地補助金や、復興のリード役となり得る中小企業等のグループの施設設備の復旧整備を支援する中小企業等グループ補助金を活用します。  また、第三次補正予算を踏まえた「日本はひとつ」しごとプロジェクトフェーズ3に基づき、農林水産業、製造業、医療福祉などの復興を図る産業政策と一体となった雇用面での支援や、若者、女性、高齢者、障害者の雇用機会の確保に官民総力で取り組み、被災者のこれからの暮らしの安心を支えてまいる決意でございます。  福島再生に向けた決意についての御質問がございました。  福島の再生なくして日本の再生はありません。原子炉の年内の冷温停止状態の達成を初め、一日も早い原発事故の収束に全力を尽くします。緊急時避難準備区域も解除に至りましたが、周辺住民の方々が、安心して故郷に帰り、日常の暮らしを取り戻す日まで、事故との戦いは終わりません。  まず、生活空間を含めた徹底的な除染が急務であります。政府を挙げて除染に取り組む体制を整備し、大規模除染を国が責任を持って実施いたします。  また、原子力災害から福島県の子供を初め住民の皆様の健康を確保するために必要な事業を中長期的に実施する基金として第二次補正予算において九百六十二億円を計上し、全面的に福島県を支援しております。引き続き、住民の皆様が安心感を持っていただけるよう、健康管理に最大限取り組んでまいります。  また、今回の事故との相当因果関係が認められる損害については、被災者の方々が迅速かつ適切な賠償を受けられるよう、原子力損害賠償支援機構を通じた支援など、万全を期してまいります。  いずれにしましても、ふるさと福島で生まれ一生を過ごすという当たり前の人生を若者が夢として語らなくても済む未来を必ず取り戻すため、国が最後の最後まで責任を持って取り組んでまいります。  除染の推進についてのお尋ねがございました。  先祖代々の土地を離れざるを得ない無念さと悲しみをしっかりと胸に刻み、生活空間にある放射性物質を取り除く大規模な除染を、自治体の協力を仰ぎつつ、国の責任として全力で取り組みます。  予算については、国として一体的に除染及び廃棄物の処理を行うべく、平成二十三年度復旧・復興予備費については約二千百八十億円を確保し、また、第三次補正予算案では約二千五百億円を計上しているところであります。平成二十四年度予算においても、所要の財政措置を講じてまいります。  除染を推進するための体制については、関係府省が連携して、政府が一体となって取り組むための体制準備等を進めているところであります。  迅速な除染を大規模に進めていくよう、政府として断固たる決意を持って取り組んでまいります。  円高対策についての御質問をいただきました。  急速な円高の進行等による景気の下振れや産業の空洞化を防ぐため、先般閣議決定した円高への総合的対応策に基づき、日本銀行とも連携して、あらゆる政策手段を講じてまいります。  御指摘の円建ての国家ファンドに関連して申し上げれば、その対策の中で、円高メリットを活用した海外MアンドAや資源確保等の促進策として、外国為替資金特別会計からJBICへの融資枠を十兆円規模に拡大することや、JOGMECや産業革新機構の活用なども盛り込んでいるところであります。  また、為替市場においては、一方的に偏った円高の動きが続いています。為替市場の過度な変動は、経済、金融の安定に悪影響を及ぼすものであります。最近では、為替市場において短時間に急激な変動が生じ、円高が急速に進む局面が見られたところであります。投機的な動き、無秩序な動きへの対応に万全を期し、日本経済への下振れリスクを具現化させないため、本日午前中に為替介入を開始しました。  引き続き、今後の為替市場の動向を注視してまいります。  さらに、新成長戦略の実現を加速するとともに、新産業の創出や世界の成長力の取り込みなどを一層推進するため、新たに始動した国家戦略会議において、日本再生の基本戦略を年内にまとめてまいります。  今後のエネルギー政策のあり方についてのお尋ねがございました。  今後のエネルギー政策については、国民が安心できる中長期的なエネルギー構成のあり方について、幅広く国民各層の御意見をお伺いしながら、エネルギー・環境会議を中心に検討してまいります。  具体的には、原子力発電については、中長期的には、原発への依存度を最大限引き下げていくという方向性を目指すべきと考えております。  これを実現するためには、徹底的な省エネがまず必要です。加えて、再生可能エネルギーの普及促進も重要です。そのため、固定価格買い取り制度の導入に加え、第三次補正予算においても導入支援策を盛り込みました。さらに、規制・制度改革や研究開発など、政策を総動員して取り組んでまいります。  定期検査で停止中の原子力発電所の再起動については、事業者が行ったテストを保安院が評価し、さらに、その妥当性を原子力安全委員会が確認した上で、地元の理解や国民の信頼が得られているかどうかという点も含め、政治レベルで総合的に判断を行ってまいります。  地元自治体に対しては、政府が前面に立って安全対策等について丁寧に説明し、理解を得るべく努力してまいります。  TPPに関する説明についての御質問をいただきました。  TPPについては、随時、関係国との間で情報収集や協議を行ってまいりました。その結果得られた情報については、国民の理解を深めるため、TPPに関連する疑問に答える資料を準備するなど、可能な限り説明に努めてきており、今後とも、説明や情報提供にしっかりと努めてまいります。  TPPについては、世界の成長エンジンであるアジア太平洋地域の成長力を取り込むという視点や農業再生との両立を図るという視点などを踏まえ、国益を最大限追求していくべく、協定への交渉参加について、引き続きしっかりと議論し、できるだけ早期に結論を出したいと思います。  食と農林漁業の再生に関する御質問をいただきました。  農林漁業の再生は待ったなしの課題であります。このため、二十一世紀の成長産業となり得る農林漁業の再生に向けて、次世代を担う農林漁業者が安心して取り組めるよう、新しい農林水産行政の骨格としてさきに策定した我が国の食と農林漁業の再生のための基本方針・行動計画を、政府全体の責任をもって着実に実行してまいります。  被災地の農林漁業の復興、原子力災害対策に万全を期すとともに、五年間で競争力・体質強化、地域振興を集中展開して、食と農林漁業の再生を早急に図り、そのための取り組みに資源を集中的に投下してまいります。  世界に発信するメッセージ、日中関係、日韓関係及び北朝鮮への対応についての御質問をいただきました。  世界の情勢は日々変動し続けており、国際社会は多極化が進行しています。私は、このような新たな時代の呼びかけにしっかりとこたえる外交を推進する所存であります。この考えのもと、我が国は、国際社会が抱える課題の解決のために、引き続き積極的に貢献をしてまいります。  御指摘の中東・北アフリカ地域の改革・民主化努力にも、総額約十億ドルの円借款を含めた支援を具体化していきます。  金融危機に関しても、来るG20で、欧州発の世界経済危機の封じ込めに日本としての貢献を示します。  中国との間では、来年の国交正常化四十周年を見据えつつ、幅広い分野で具体的な協力を推進し、大局的な観点から戦略的互恵関係、共存共栄の関係を深めていく考えであります。  日韓両国は、基本的価値、東アジア地域の平和と繁栄の確保等の利益を共有しており、両国関係をさらに重層的で強固なものにしていく考えであります。  北朝鮮の核・ミサイル開発は、我が国のみならず、国際社会全体にとって安全保障上の脅威です。日米韓で緊密に連携しつつ、北朝鮮によるすべての核計画の放棄を引き続き強く求めていきます。  また、国の責任において、すべての拉致被害者の一刻も早い帰国に向けて全力を尽くす決意であります。  最後に、普天間飛行場の移設問題及び沖縄側からの要請についてのお尋ねをいただきました。  沖縄においては、本土復帰から約四十年が過ぎてなお、在日米軍基地の七四%が集中し、基地負担の軽減がおくれております。沖縄における米軍基地の存在が日本全体の安全を支えている事実がある以上、沖縄の痛み、負担を国民全体で分かち合うという不断の努力が必要と考えます。  沖縄側からいただいた米軍基地負担の軽減などに係る御要請については、政府として真摯に受けとめ、この要請に誠意を持って対応し、関連の施策を着実に実施すべく、一層の努力をしていきます。  特に普天間飛行場の移設問題については、政府として、普天間飛行場の危険性の一刻も早い除去を目指し、沖縄の負担軽減を図るべく、沖縄県の皆様に誠実に説明し、理解を求めてまいります。  沖縄において県外移設を求める声があることは承知をしていますが、現在の日米合意は、全体として、少なくとも現状に比べると、沖縄の大きな負担軽減につながると考えており、政府としては、引き続き、沖縄の皆様の御理解を得るべく、一歩一歩努力していく考えでございます。  以上で答弁を終わります。(拍手)     〔議長退席、副議長着席〕     ―――――――――――――
  9. 衛藤征士郎

    副議長衛藤征士郎君) 小渕優子君。     〔小渕優子君登壇〕
  10. 小渕優子

    小渕優子君 小渕優子です。  私は、自由民主党無所属の会代表して、先般の野田総理の所信表明演説に対して質問いたします。(拍手)  冒頭、東日本大震災、台風被害により、今なおつらい生活を余儀なくされている皆様に対して、心からお見舞いを申し上げます。自民党としても、引き続き、復旧復興に全力で取り組む決意であります。  野田総理、総理が民主党代表に就任されたとき、多くのマスメディアが、私の父、小渕恵三と野田総理はよく似ていると報じました。  確かに、総理に就任した際の環境、状況はよく似ているのかもしれません。国会は衆参ねじれ国会。喫緊の課題として、当時は金融危機が立ちはだかっていました。野田総理も、ねじれ状態の中で総理に就任され、東日本大震災の復旧復興、さらに円高対策など、やるべき課題は山積しています。状況という点では極めて似ているのかもしれません。  また、冷めたピザと言われた父と、ドジョウを自認される野田総理。私は総理のお人柄をよく存じておりませんが、もしかしたら人柄も似ているのかもしれません。  しかし、直面する課題に対する姿勢は全く違います。  まず、その象徴が組閣です。  小渕総理は、総理経験者であった宮沢喜一先生に大蔵大臣をお願いしました。それは、金融危機に立ち向かうという強いメッセージを国民に向けて発信するためでした。残念ながら、野田内閣の顔ぶれからは、その決意、覚悟が見えません。  野田内閣が発足して、早くも二カ月がたとうとしています。この二カ月で、何か具体的な成果を上げたものがあるのでしょうか。  小渕内閣は、発足して二カ月後には金融再生法を成立させるなど、一気呵成に最優先課題で結果を出しています。片や、課題山積の中、不完全内閣という理由で国会を開かなかった野田内閣スピード感という点でも格段の違いがあります。  政治家にとって、とりわけリーダーにとって何が重要かといえば、国家国民のためにすべてをなげうつ熱い思いと覚悟、そして決断力ではないでしょうか。  平成十年七月三十一日、内閣総理大臣就任後、最初の談話において、父は、内外ともに数多くの困難な課題に直面する中、我が身はあすなき立場と覚悟して、この難局を切り開いていく決意でありますと語りました。  比べるまでもないことです。野田総理と小渕総理は、幾つかの点を挙げただけでも、似て非なるものどころか、天地ほどの差があるということをはっきり申し上げておきたいと思います。  以下、日本が直面する課題についてお伺いしてまいります。  野田総理、総理は一体何をおやりになりたいのでしょうか。この国をどんな国にしたいのでしょうか。日本の未来像をどうお考えになりますか。  野田総理は、民主党が政権を担当して三人目の総理となりますが、国民は、今度こそ三度目の正直で、前任者よりまともな政治をしてくれるのか、それとも、二度あることは三度あるの例えどおり、やはり今度もだめなのかと、かたずをのんで見詰めています。  今度もまただめだとなれば、これは、民主党への国民の信頼がさらに失われるというような程度では済みません。まさに、日本そのものが没落するかどうかの瀬戸際に我々は立っているのです。  しかし、今回の所信表明演説を聞いても、総理が何をおやりになりたいかが、さっぱりわかりません。  東日本大震災の復興や福島原発の収束など、異論の出ない問題についてはたくさんの言葉を費やし、反面、国民が注目する難題には核心を外してさらりと触れるだけ。増税については、歳入改革の道という表現を用い、時限的な引き上げにより一定の御負担をと述べているだけであります。  いわゆるTPP問題も、引き続きしっかりと議論し、できるだけ早期に結論を出しますと、ほとんど何も言っていないに等しいのです。そして最後には、希望のある国にしたいという抽象的な言葉があるだけで、野田総理の目指す国の姿が見えてきません。  総理の考えるこの国の方向性、総理の目指す日本の姿についてお聞きします。  野田総理が誕生してから政権の発信力が弱まったという指摘は、総理にも届いているでしょう。民主党政権が誕生してから、できもしないことを言う元総理、思いつきを言う前総理と続きましたが、今は何も語らない総理というのでは、言葉を武器にする政治家として、余りに悲しいことです。  総理の言葉は、今を生きる人々にのみ向けられたものではありません。それは、将来の国民に対する説明責任であり、国の歴史を刻む仕事でもあります。そろそろ安全運転を脱して、日本のトップリーダーが、何を考え、何をやろうとしているのか、はっきりお示しになってはいかがでしょうか。  普天間基地移設問題についてお伺いいたします。  民主党政権になってわずか二年で、日本は実に多くの財産を失いました。戦後の日本人、先輩政治家たちが時に命を賭して営々と築いてきた有形無形の財産です。その中でも、特に、信頼という財産を失った点を私は指摘してまいりたいと思います。  まず一点は、沖縄県民からの信頼です。  佐藤栄作元総理の沖縄返還に始まり、歴代の自民党政権は、戦前、戦中、戦後の沖縄県民の筆舌に尽くせない苦難の歴史に寄り添い、その一方で、日本の安全保障の根幹にかかわる日米関係の維持発展という極めて困難な課題を、一つずつ、一歩一歩前進させてきました。  米軍普天間基地の返還合意は、その努力の象徴でもあります。その後も、沖縄振興、沖縄サミット開催など、沖縄への熱い思いが名護市への移設という日米合意につながったのは、周知のとおりです。  それを、心ない、最低でも県外という鳩山元総理の発言がすべてをぶち壊しました。そのことは、今さら追及しても、何も生むことはありません。  総理にお伺いいたします。  普天間問題をここまでこじらせてしまった責任を、総理として、民主党代表としてどう考えておられるのでしょうか。  報道では、鳩山発言を誤りだったと指摘した玄葉外務大臣に対し、野田総理は、申しわけないと鳩山氏に陳謝したと伝えられています。  また、総理は、過去に沖縄に何度足を運ばれましたか。太平洋戦争の際の沖縄方面司令官大田実中将が海軍次官にあてた電報を御存じかと思いますが、今を生きる政治家として、総理はどうお答えになるのでしょうか。  さて、野田内閣成立後の普天間問題への取り組みは、不可解でなりません。  人の動きを見れば、いかにも進展しているようにも見えます。閣僚だけでも三人が沖縄入りをしています。川端沖縄北方大臣、一川防衛大臣、そして玄葉外務大臣。さらに、齋藤官房副長官は二度も沖縄を訪れたようです。一見すると、額に汗して沖縄問題に取り組んでいる印象ですが、逆に焦点が定まらないのです。パネッタ米国防長官の来日に備えたデモンストレーションのように見えてしまうのです。  それぞれの役割を明確にしてください。そして、だれが司令塔なのかをお聞きいたします。  総理は沖縄の皆さんの理解を求めるとおっしゃいますが、総理の沖縄訪問はいつですか。できるだけ早くというような抽象的な答えではなく、年内なのか、総理がアメリカを訪問される前なのか、それとももっと後なのか、お答えください。  玄葉大臣は稲嶺名護市長とも会談をされたようです。稲嶺市長は、移設反対を唱えて当選した市長ですが、もともと民主党が推薦した候補だったのではないでしょうか。移設反対の候補者を応援しておきながら、その市長に移設を要請すること自体、大きな矛盾です。  仲井真知事も同様です。従来、知事は、移設問題では柔軟な姿勢をおとりになっていたはずです。そこに鳩山発言が飛び出し、根拠なき期待感を沖縄に振りまきました。そこで反対派の名護市長が誕生したとなれば、知事として移設反対を言われることも、ごく自然なことです。  その知事選で、民主党は、苦し紛れの自主投票に追い込まれました。選挙中、仲井真知事の対立候補は日米同盟をも否定する発言を繰り返していましたが、その対立候補の応援に何名かの民主党議員が沖縄入りをしていました。  責任ある与党議員がこうした活動をすることについて、総理はどのようにお考えですか。  総理、沖縄の人々と国民が聞きたいのは、普天間問題解決への道筋をどう具体的に示すのかです。今求められているのは、総理の弁解ではなく、建設的な打開策です。率直な見解を求めます。  第三次補正予算、震災対応について質問いたします。  民主党政権は、被災地からの信頼も失っています。  東日本大震災から七カ月以上がたち、ようやく復興予算となる三次補正が国会に提出されましたが、余りに遅過ぎます。すべて、政府・民主党内のごたごたと、復旧復興に対する政権与党としての無責任さにより、ここまでおくれたのです。  先ほど谷垣総裁も述べられましたが、私たち自民党は、七月八日には総額十七兆円の復興予算を提案していました。にもかかわらず、菅総理は、内閣不信任案が出され、身内に総理辞任を促されても、やめることなく、急場しのぎの総額二兆円足らずの二次補正予算で延命工作を図りました。  ようやく八月に菅総理が退陣し、九月の民主党代表選を経て野田総理が誕生、九月召集の臨時国会で政府から三次補正が提出されると思いきや、不完全内閣という理由で、わずか十八日間で国会を閉じてしまいました。民主党の党内事情で、三カ月半以上の政治空白をつくり、被災地を置き去りにしたのです。  総理、本来であれば、復興予算となる三次補正をもっと早くに提出することができたのではないですか。政治空白をつくり、復興をおくらせたという自覚と反省はありますか。  また、来年度以降の予算を見据えた復興の全体像をどう考えているのでしょうか。  政府は、復興予算全体の枠を二十三兆円としており、総理は、所信表明演説で、五年間で二十兆円近くになると言われましたが、果たして復興予算は本当にこれで十分とお考えでしょうか。  三次にわたる補正予算で、既に約十八兆円になっています。今後も除染対策や原発事故損害賠償支援などに伴う経費がふえていくものと思われますが、総理の見解を求めます。  高放射線量問題、除染対策、食品の放射能汚染について伺います。  現在、多くの国民が不安を口にするのは、東日本を初め関東各地で局地的、局所的に高い放射線量が測定されている問題や、食品の放射能汚染問題です。放射性物質を放置しておくと子供や自分たちの体にどのような影響があるのか、放射性物質が付着した食品を食べても大丈夫なのか、さまざまな情報が飛び交う中、何を信用してよいのかわかりません。  除染対策に関しては、政府の対応が遅いため、作業基準となる放射線量の数値が各自治体によってばらばらとなっており、除染作業も各自治体任せというのが現状です。さらに、余りに高い放射線量のため、除染作業を進めることが困難な自治体もふえています。  また、除染によって出る放射性廃棄物の処分方法が決まらず、右から左に、左から右に放射性物質を移す実態もあり、移染という言葉も生まれています。これは、そもそも、本来政府が主導して仮置き場を決めるところを、自治体任せにしたために起こっている問題です。  また、政府は、中間貯蔵施設の工程表を示しましたが、肝心の場所選定も先送りです。  政府の対応は、すべてが、民主党の体質とも言える、責任逃れ、他人任せなのです。  また、食品の放射能汚染については、政府の食品安全委員会が、食品からの被曝量が生涯累積百ミリシーベルトを超えると健康に影響する可能性があるとの答申をまとめました。しかし、これもあいまいで、食の安全への不安も風評被害も解消されません。  言葉よりも、国が具体的な除染対策や食の安全への対策を早期に示していただかない限り、国民の不安は取り除かれません。そうすることで、国際的にも、原発事故処理に迅速かつ的確に対処しているという評価と信頼を得ることができるのではないでしょうか。  どのような形で、いつまでに除染対策を行い、収束させる方針なのか、また、食の安全に向けた総理の決意をお伺いいたします。  次に、復興庁についてお伺いいたします。  六月に成立した復興基本法に盛り込まれていた復興庁設置法案が、ようやく政府から提出されることになりました。しかし、政府案は、本来の趣旨から後退した内容です。  私たち自民党が求める復興庁は、被災地の要望をワンストップで受けとめ、スピーディーに判断する機関であり、権限、責任、予算などを一元化するスーパー官庁です。  しかしながら、政府提出予定の復興庁設置法案は、役人同士がお互いの幸せを最大限尊重してつくられた、役所の延長線上そのものであり、役所の既得権限に全く切り込めない、まさに官僚主導そのものの案であります。復興基本法に反するものであり、基本法を成立させた国会の意思に反するものと言わざるを得ません。  復興基本法に沿った復興庁設置法案を早期に提出し、一日も早く被災地の復旧復興のために機能する復興庁の設置を図るべきですが、総理の見解を求めます。  次に、八ツ場ダムについてお伺いいたします。  八ツ場ダムは、もともと民主党内において何一つ議論もないままマニフェストに掲げられ、二年前の政権交代後、地元にも関係都県にも何の説明も相談もなく、一方的に建設中止が宣言されたのは御承知のとおりです。  その後、二年の検証を経て、この秋に結論ということでしたが、いまだに答えは出ていません。  この二年、地元の皆さん方の心休まるときはありませんでした。(発言する者あり)
  11. 衛藤征士郎

    副議長衛藤征士郎君) 諸君、諸君、静粛にお願いいたします。
  12. 小渕優子

    ○小渕優子君(続) 苦渋の決断で受け入れたダムですが、完成を間近に控え、将来への希望を持って新しい町、新しい生活への一歩を踏み出そうとしたやさき、何の根拠も検証もないままに、ただ八ツ場ダムの建設は中止だと発表されました。その後二年間、検証という名のもとで、地元は置き去りにされてきました。  その間、総理は三人、国土交通大臣は四人目を数え、それぞれがどのような方向性を示すのか、地元は、息を潜めて、切実な思いで八ツ場ダムの行方を見守ってきたのです。  民主党の、無責任きわまりないマニフェストと、その後のその場しのぎの対応のおかげで地元がどれほど苦難の日々を過ごしてきたか、総理、わかりますか。  九月十三日に国土交通省関東地方整備局が発表した総合評価では、ダムが最良であると示されました。そのことで、今、検証のやり直しを求める建設反対派の声が一方で高まってきているやに聞いています。  政府としては、国交省が発表している検証のスキームを変更することなく、予定どおり十二月までに国土交通大臣によって最終判断がされるということで、総理、よろしいですね。  一日も早く地元に平穏な暮らしを戻していただきたいと思います。誠意を持って、はっきり総理から御答弁ください。  少子化問題についてお伺いいたします。  我が国は、深刻な少子化と人口減少の到来という未曾有の困難に襲われています。国全体を挙げて対処しなければならない重要課題であり、少子化対策は待ったなしのところまで来ています。  第一次ベビーブームの世代の出産は第二次ベビーブームをもたらしました。しかし、第二次ベビーブーム世代は、第三次ベビーブームを生むことなく今日に至ります。第二次ベビーブーム以後、出生数は下降曲線を描く中、早急の、かつ思い切った少子化対策なしに出生数を回復させることは難しいものと考えます。  政権交代時、私は、個人的には、チルドレンファーストを掲げる民主党が子供たちや子育て世代のために何をやってくれるのかと、正直、期待する部分がありました。少子化や子育て支援は党派を超えた課題です。また、とてつもなく息の長い政策領域ですから、政権についた以上、実現可能、持続可能な選択をしていただけるものと信じておりました。みずからが道半ばであったことも含め、少しでも前に進んでくれることを切に望んでいたのです。  しかし、政権交代後、はや二年が過ぎましたが、子育て世代の目線で彼らを支えるような子育て支援が行われてきたとは、到底思えません。マニフェストで約束した五兆円もの子ども手当は、結局、一度も満額支給されることなく廃止され、児童手当へ戻ることになりました。  子育て世帯のニーズは多岐にわたります。子ども手当という極端な経済的支援の一方で、社会環境整備や国民全体を巻き込んだ少子化問題への取り組みは全く手つかずであり、停滞、後退の二年であったと言わざるを得ません。  子供を産もうとする人が多い団塊ジュニアが多かったこの貴重な時期に、子育て支援はストップしたのです。  本来、当事者に寄り添うことで、安心と信頼を築きながら少しでも前進させていく課題であるにもかかわらず、みずからのマニフェストを貫くことが目的となり、意地とプライドを振り回し、完全に当事者を無視してきたのです。ここでも、民主党は、未来を担う子供たちや当事者である子育て世代の信頼を失いました。  総理は、この国が抱える少子化という課題をどのようにとらえているのでしょうか。待ったなしの時期に停滞、後退を生み出してしまった少子化、子育て支援に、どのように道筋をつけていかれるおつもりでしょうか。  私は、民主党が議論してきている子ども・子育て新システムは、子ども手当同様、財源など数々の問題があり、実施は困難である上、今後も空白の時間が続くことを大変懸念しています。今まさに困難を抱えている当事者への具体的支援と方向性をお答えください。  もう一つの失った財産、それは、諸外国からの信頼です。  資源小国の日本が今日をなしたのは、日本人と日本が国際社会から得た信用がその土台でした。信用は一朝一夕に得られるものではありません。小さな積み重ねが大きな信用を生みます。しかし、一度失った信用は、それを取り返すには膨大なエネルギーを費やさなければなりません。  ところが、野田内閣は、二代続いた民主党政権の外交上の失政を取り返すどころか、逆に信用毀損を増幅させようとしています。  野田内閣になっての外交上の際立つ特徴は、国内議論、党内調整を全く行わないまま対外的に約束してしまうことです。  九月二十一日にニューヨークで行われた日米首脳会談で、野田総理は、オバマ大統領に少なくとも二つの約束をしてきたと言われています。沖縄の普天間基地をめぐる日米合意の実行と、TPPへの参加を確約したと伝えられています。オバマ大統領が野田総理となら仕事ができると発言したと報じられているのも、こうした対米公約を明言したからではないでしょうか。  また、今週カンヌで開かれるG20首脳会合で、総理は消費税率を一〇%に引き上げることを国際公約すると報じられています。その真偽をただしたいと思いますが、いかがでしょうか。  これら一連の言動は、国内的な努力をせずに、外圧を最初から利用することを目的としているかのようです。鳩山元総理、菅前総理もそうでしたが、国内、党内の議論を軽視して対外的な約束をしてしまうというのは、もはや民主党政権のお家芸となっています。  民主党外交を見ながら不安を覚えるのは、これだけではありません。司令塔がどこにあるのか、真実がどこにあるのかが全く見えてこないのです。  野田総理が誕生して真っ先にワシントンを訪ねたのは、玄葉外務大臣ではありませんでした。前原政調会長です。前原氏は、そこで武器輸出三原則の見直しを明言しました。それだけにとどまりません。前原政調会長は、野田総理の韓国訪問直前にソウルを訪問されています。驚いたことに、前原氏の訪韓直前に玄葉大臣が行っているにもかかわらず、訪韓したのです。しかも、韓国の金星煥外交通商相と二人がそれぞれ会談しています。  誤ったメッセージを送ったことはないのでしょうか。二元外交批判に野田総理はどうお答えになりますか。  国際政治における国力とは、地理的条件、天然資源、科学工業力、軍事力、外交能力、人口構成、自国通貨の通貨性能、国民の資質などによって構成されていますが、最も大切なものは、政府に対する国民の信頼です。  国民の政府に対する信頼は、安全と安心の二つで支えられています。大切なことは、政府が何をもって安全と安心を担保し、これを国民に向けていかにメッセージするかということです。  野田政権において、国民にとっての最大の安全とは何ですか。安心は何だとお考えですか。また、それをどうメッセージするおつもりですか。  今の我が国にとって最大の課題は、世界の国々の日本に対する信頼感です。野田政権は、この大きな課題をどのように乗り越えるおつもりですか。まず、国民からの信頼を得ることなしに、この大きな課題を乗り越えることはできないと思います。  政府は国民からの信頼を取り戻す自信がおありですか。また、どうやって信頼を取り戻すおつもりでしょうか。国民の信頼なくして世界の国々の信頼など得られるはずがありません。  私は、この国に、きょうの信頼を確立することで、あすの安心を確実なものとしていけるよう、政治家一人一人がいま一度心していかなければならないと思っています。  今、日本で誕生する新しい命は、年間約百万人です。この子供たちにどのような日本を引き継いでいくのか。この子供たちがやがて大人になったとき、日本という国家は世界から確固たる信頼と尊敬を得られるようになっているのか。そのために、今、私たちに何ができるのか、何をしなければならないのか。  私たちは、厳しい時代にこの日本の礎を築いてこられた多くの先人に恥じない政治をしなければなりません。野田総理、今はその先頭に立っているのはあなたなのです。  野田総理の覚悟あるお答えを期待し、私の質問といたします。(拍手)     〔内閣総理大臣野田佳彦君登壇〕
  13. 野田佳彦

    内閣総理大臣野田佳彦君) 小渕優子議員にお答えをしたいと思います。  まず、小渕恵三先生と私が似ているような報道が当初ありましたけれども、私自身も恐縮至極でございました。  ただ、天と地というほどの大きな差があるということ、御指摘いただき痛み入りますが、私自身は、小渕先生が国会で初当選されたときに地元の皆さんと撮った写真がとても好きです。ある雑誌に出ていたんですが。そういう意味で、私なりにリスペクトの念と親近感を持っていることだけはお伝えさせていただきたいというふうに思います。  その上で、目指す国家像についての御質問をいただきました。  私が何を目指しているかについては、さきの臨時国会における所信、その前後の質疑でも御説明をしてきたというふうに思います。この国に生まれてよかった、そしてプライドを持っていけるような国にしたい、こういうことを申し上げてきたつもりでございます。  今、現実を見据えて、目の前の危機を一つ一つ乗り越えていくことが必要であります。すなわち、まずなし遂げるべきは、大震災からの復興、原発事故の収束、そして経済金融危機からの脱却による国民生活と日本経済の立て直しであります。  国民の皆様とともに、そして各政党の皆様との共同作業によって、誇りと希望が持てる日本の再生を達成する道筋において、この国に生まれてよかったとプライドを持てる国がつくられていくと確信し、総理としてのリーダーシップを発揮していきたいと決意をしている次第であります。  続いて、普天間飛行場移設問題の責任や認識、解決の道筋についてのお尋ねがございました。  普天間飛行場の移設問題については、政権交代以降、何とか県外移設ができないかという考えのもと、さまざまな案を検証してまいりましたけれども、結果的には、現在の日米合意に至りました。  民主党政権としては、この過程で沖縄の皆様に大変御迷惑をおかけしたことについて、深くおわびをしなければならないと認識をしています。  普天間飛行場の移設問題については、日米合意を踏まえつつ、普天間飛行場の危険性の一刻も早い除去を目指し、沖縄の負担軽減を図ることがこの内閣の基本的な姿勢でございます。  沖縄において県外移設を求める声があることは承知しておりますが、現在の日米合意は、全体として、少なくとも現状に比べると、沖縄の大きな負担軽減につながると考えております。政府としては、引き続き、沖縄の皆様の声に真摯に耳を傾け、政府の考えを誠実に説明し、沖縄の皆様の御理解を得るべく、一歩一歩努力していく考えでございます。  引き続いて、沖縄問題に関する御質問が続きました。  沖縄には幾たびか訪問させていただいておりましたが、総理としては、今後、しかるべき時期に伺うことを希望しております。  御質問にあった大田実中将は千葉県の出身でございまして、沖縄戦の悲惨さ、沖縄県民の過酷な実情と献身を訴えた電報は私もよく認識をしております。  しかし、戦後を通じて、また、沖縄返還を経て今日に至っても、沖縄県民の皆様に重い負担をお願いしてきたことについて、政府として大変申しわけなく思い、負担の軽減と普天間基地の危険性の除去を一刻も早くなし遂げたいと考えております。  日米合意を踏まえ、沖縄の皆様の声に真摯に耳を傾け、誠実に説明し、理解を求めながら、普天間飛行場の移設実現に向けて全力で取り組んでまいりたいと思います。  沖縄関係閣僚の役割及び司令塔についてのお尋ねがございました。  普天間基地移設問題など沖縄の基地負担の軽減と沖縄振興に関する諸問題については、政府全体として真摯に取り組む必要があります。各閣僚は、こうした課題についてそれぞれ責任ある立場にあり、現在の政府の考え方を御説明し、また、沖縄県からの御意見を真摯にお伺いするために訪問をしたものであります。  沖縄に関係する諸課題の解決について政府全体で取り組む必要があり、その司令塔は、内閣総理大臣である私であります。関係閣僚においては、司令塔たる私の指示のもと、官房長官が主宰する沖縄関係閣僚会合等において、それぞれの情報を共有し、認識を統一しながら、政府全体として一体的に取り組んでまいります。  さらに、私の沖縄訪問についてのお尋ねがございました。  先ほども申し上げましたけれども、普天間飛行場の移設問題については、日米合意を踏まえつつ、同飛行場の危険性を一刻も早く除去するとともに、沖縄の負担軽減を図ることがこの内閣の基本的な姿勢であります。  この問題は、沖縄の皆様の声に真摯に耳を傾け、誠実に説明し、理解を求めながら取り組むことが重要と考えており、私自身も、諸事情を勘案しながら、適切なタイミングで沖縄を訪問したいと考えています。  名護市長選挙と沖縄県知事選挙についての御質問をいただきました。  昨年の名護市長選挙に際しては、民主党沖縄県連が稲嶺現市長を推薦いたしました。他方で、普天間飛行場の移設については、日米合意を踏まえつつ、沖縄の負担軽減を図ることが野田内閣の基本的な姿勢です。  沖縄の皆様の声に真摯に耳を傾け、誠実に説明し、理解を求めながら、普天間飛行場の移設実現に向けて全力で取り組んでいるところでありますが、また、昨年十一月の沖縄県知事選挙に際しては、民主党本部として、自主投票を決めました。御指摘のあった沖縄県連所属以外の民主党議員の行動については、残念なことであったと考えています。  三次補正の提出時期と規模についてのお尋ねをいただいております。  当面の復旧復興施策については、一次、二次合わせて六兆円規模の補正予算を編成し、これを着実に執行しているところであります。また、予備費や、二次補正に盛り込まれた復旧・復興予備費八千億円の活用により、機動的な対応もあわせて行ってまいりました。  他方、本格的な復旧復興を総合的かつ計画的に進めるためには、復興構想会議での議論や、それを取りまとめた提言を踏まえた上で、必要となる復興施策、復興事業に係る財源確保など、国による復興のための取り組みの全体像を明らかにすることが必要であり、こうした観点から、七月末に復興の基本方針を策定いたしました。  今般、この基本方針に沿って、真に復興に資する施策を重点的に措置した三次補正予算を国会に提出したところでありますが、必要な対応を適時適切に行ってきたと考えております。  また、三次補正予算においては、東日本大震災関係経費として九・二兆円を計上し、東日本大震災復興交付金を創設するほか、原子力災害からの復興に向けた施策や、立地補助金などの産業空洞化対策など、必要な施策を質、量ともに十分に盛り込んでいると考えています。  復旧復興予算全体の規模についてお尋ねをいただきました。  東日本大震災の復旧復興の事業規模については、阪神・淡路大震災の際との被害規模の違いなどを勘案して、当初五年間の集中復興期間における国及び地方の事業規模について少なくとも十九兆円程度、十年間では少なくとも二十三兆円程度と見込んでおります。  復旧復興対策の三次補正予算を踏まえた全体の事業規模の進捗については、実質的には十四兆円半ばであり、「少なくとも十九兆円」との関係では残り四兆円台半ばとなっており、「少なくとも十九兆円程度」を超えてしまう事態に直ちになるとは考えていません。  いずれにせよ、政府としては、一定期間経過後に、事業の進捗等を踏まえ、復旧復興事業の規模の見込みと財源を見直すこととしている次第であります。  続いて、高線量問題、除染について御質問をいただきました。  放射性物質による汚染の問題については、地域の実情を踏まえた対策が不可欠です。国は、長期的には追加被曝線量が年間一ミリシーベルト以下となることを目指し、自治体の要望を伺いながら、責任を持って除染を推進してまいります。  除染については、線量が高い地域は国が直轄で除染を行います。その他の追加被曝線量が一ミリシーベルト以上の地域は、地方公共団体が中心となって除染を行っていただくこととなりますが、国としても、効率的、効果的な除染技術や作業員の安全を確保するための情報提供を行うなど、技術的な支援をするとともに、財政的にも支援してまいります。  線量が特に高い地域については長期的な取り組みが必要となりますが、それ以外の国が直接対策を行う地域については、平成二十六年三月末までに、生活圏周辺等の除染等の措置を行い、発生する除去土壌等を仮置き場へ逐次搬入することを目指します。  さらに、除去土壌等については、環境省により公表されたロードマップにおいて、平成二十四年度内に中間貯蔵施設の場所を決定するとともに、平成二十七年を目途に中間貯蔵施設への搬入を開始することとしております。  食品の放射能汚染についてお尋ねがございました。  食の安全、安心は、国民の健康に深くかかわり、生活に密着した大変関心の高い課題であります。このため、事故後速やかに暫定規制値を設定し、これを超える食品が市場に流通しないよう、的確に出荷制限などを指示しています。  検査については、地方自治体により円滑かつ適切に実施されるよう、これまでも、自治体からの依頼に基づく政府機関での実施や、国による買い上げ調査を通じて改善を図ってまいりました。さらに、検査機器の貸与による支援にも取り組んでまいります。また、風評被害を防ぐため、すべての検査結果は毎日公表し、消費者の安心につなげてまいります。  今後、新たな規制値を設定しますが、その際には、より食品の安全、安心を確保できる基準とするとともに、子供に対する十分な配慮も行うなど、国民の視点に立ったさまざまな対策に万全を期してまいります。  続いて、復興庁について御質問をいただきました。  近日中に提出する復興庁設置法案においては、復興庁について、勧告権や各省の復興関係予算要求の調整権を含む強い総合調整権限のみならず、道路、病院、学校施設、漁港建設等の復興のための補助を横断的に一括する復興交付金、各省の規制、制度や税制等に切り込み、その特例を実現する復興特区制度など、強力な権限や予算を担うこととしています。  これらを活用し、復興基本法に沿って被災自治体の要望等にワンストップで対応し、復旧復興のための事業を強力に進めてまいります。  八ツ場ダムについて御質問をいただきました。  八ツ場ダムについては、現在、国土交通省において、予断を持たずに検証が進められております。国土交通大臣は、来年度予算に間に合うよう、なるべく早く結論を出すと申し上げてきており、現在のスキームによる検証の結論に沿って、国土交通大臣が適切に対処すると考えております。  少子化子育て支援の道筋についての御質問をいただきました。  本格的な人口減少社会が到来したことを受け、少子化対策は待ったなしの重要課題であります。このため、チルドレンファーストの理念に立って、人生前半の社会保障の充実のため、国や地域を挙げて子育て世代へのサポートを強化していかなければなりません。  具体的には、まず、子ども・子育てビジョンに基づき、待機児童の早期解消や、地域における拠点づくり、経済的支援など、バランスのとれた総合的な子育て支援策を推進いたします。  あわせて、子供と子育て家庭を社会全体で支援する子ども・子育てシステムの実現を図ります。新システムについては、御指摘の財源問題など幾つかの検討課題が残されておりますけれども、来年の通常国会に関係法律を提出し、恒久財源を得て早急に本格実施できるよう、関係者と丁寧に協議し、成案を取りまとめてまいります。  南スーダンでの国連平和維持活動についての御質問をいただきました。  南スーダンへの自衛隊施設部隊の派遣については、本日午前中、官房長官、外務大臣及び防衛大臣が集まり、これまでの現地調査の結果を踏まえ、最終的な調整を行ったところであり、私もその結果の報告を受けました。  政府の方針については近く公表したいと考えておりますが、派遣の判断に当たっては、武器使用権限を含め、現行法の枠内で、隊員の安全確保に十分留意し……(発言する者あり)
  14. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) 諸君、静粛にお願いします。
  15. 野田佳彦

    内閣総理大臣野田佳彦君)(続) 兵たん支援、衛生環境も含め、さまざまな角度から検討してまいります。  日米首脳会談及びG20首脳会合に関する御質問もいただきました。  さきの日米首脳会談では、私から、引き続き、日米合意に従って、沖縄の負担軽減を図りながら、沖縄の人々の理解を得られるよう全力を尽くしていきたい旨述べ、オバマ大統領からは、これからの進展に期待をしている旨の発言がありました。また、TPP交渉参加については、私から、しっかりと議論し、できるだけ早期に結論を出したい旨お伝えいたしました。  G20では、カンヌ・サミットに向け、政策協調を通じて、強固で持続可能かつ均衡ある成長を確保するためのアクションプランを策定することとしています。  我が国の財政は、主要先進国の中で最悪の水準にあるなど極めて厳しい状況にあり、健全な財政を取り戻すことが経済成長の実現のために重要と考えており、こうした認識に沿って、現在、関係各国との間でアクションプランの調整を行っているところであります。  二元外交批判に関する御質問をいただきました。  外交は、官邸の指示のもと、外交全般を所掌する外務省が責任を持って一元的に行うべきものと考えます。  国会議員外国を訪問して率直な意見交換を行うことは、相互理解や信頼醸成の促進を通じて、基本的には我が国外交を下支えする役割を果たしているものと認識していますが、政府与党が一体となって外交政策に取り組んでいる現在、二元外交との御批判は当たらないものと考えます。  安全、安心と国民の信頼回復について御質問をいただきました。  政府担保するべき安心、安全は、日常において経済社会、国民生活の安定を確保し、非常時においてはセーフティーネット、危機管理機能の発揮であると認識をしております。  まず、震災からの復興、原発事故の収束、そして国民生活と日本経済の立て直しが野田内閣の最重要課題であり、国民の皆様とともになし遂げることをお訴えしております。  二年間の政権の教訓を生かし、小渕議員の御指摘も踏まえながら、一歩一歩着実に政策を推進し、そのことをもって政治に対する国民の信頼を獲得していく決意でございます。(拍手)      ――――◇―――――
  16. 太田和美

    ○太田和美君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、明十一月一日午後二時から本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会されることを望みます。
  17. 衛藤征士郎

    副議長衛藤征士郎君) 太田和美君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 衛藤征士郎

    ○副議長(衛藤征士郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。  本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十七分散会      ――――◇―――――  出席国務大臣        内閣総理大臣   野田 佳彦君        総務大臣     川端 達夫君        法務大臣     平岡 秀夫君        外務大臣     玄葉光一郎君        財務大臣     安住  淳君        文部科学大臣   中川 正春君        厚生労働大臣   小宮山洋子君        農林水産大臣   鹿野 道彦君        経済産業大臣   枝野 幸男君        国土交通大臣   前田 武志君        環境大臣     細野 豪志君        防衛大臣     一川 保夫君        国務大臣     自見庄三郎君        国務大臣     平野 達男君        国務大臣     藤村  修君        国務大臣     古川 元久君        国務大臣     山岡 賢次君        国務大臣     蓮   舫君  出席内閣官房副長官及び副大臣        内閣官房副長官  齋藤  勁君        財務副大臣    五十嵐文彦君