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1999-11-19 第146回国会 衆議院 建設委員会 5号 公式Web版

  1. 平成十一年十一月十九日(金曜日)     午前九時開議  出席委員    委員長 平田 米男君    理事 佐田玄一郎君 理事 佐藤 静雄君    理事 原田 義昭君 理事 宮路 和明君    理事 田中 慶秋君 理事 吉田 公一君    理事 井上 義久君 理事 青木 宏之君       加藤 卓二君    亀井 久興君       岸田 文雄君    小林 多門君       桜田 義孝君    西川 公也君       野田 聖子君    蓮実  進君       林田  彪君    増田 敏男君       松本 和那君    宮腰 光寛君       岩國 哲人君    生方 幸夫君       樽床 伸二君    平野 博文君       前原 誠司君    渡辺  周君       久保 哲司君    西野  陽君       木島日出夫君    辻  第一君       中島 武敏君    中西 績介君       保坂 展人君     …………………………………    議員           保岡 興治君    議員           根本  匠君    議員           井上 義久君    議員           中井  洽君    国土政務次官       増田 敏男君    建設政務次官       加藤 卓二君    建設政務次官       岸田 文雄君    政府参考人    (法務大臣官房審議官)  小池 信行君    政府参考人    (建設省建設経済局長)  風岡 典之君    政府参考人    (建設省住宅局長)    那珂  正君    建設委員会専門員     福田 秀文君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月十九日  辞任         補欠選任   平野 博文君     生方 幸夫君   前原 誠司君     岩國 哲人君   長内 順一君     久保 哲司君   辻  第一君     木島日出夫君   中西 績介君     保坂 展人君 同日  辞任         補欠選任   岩國 哲人君     前原 誠司君   生方 幸夫君     平野 博文君   久保 哲司君     長内 順一君   木島日出夫君     辻  第一君   保坂 展人君     中西 績介君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  政府参考人出頭要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法案(保岡興治君外十名提出、第百四十五回国会衆法第三五号)     午前九時開議      ――――◇―――――
  2. 平田米男

    ○平田委員長 これより会議を開きます。  第百四十五回国会、保岡興治君外十名提出、良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法案を議題といたします。  この際、お諮りいたします。  本案審査のため、本日、政府参考人として法務大臣官房審議官小池信行君、建設省建設経済局長風岡典之君及び住宅局長那珂正君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 平田米男

    ○平田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     ―――――――――――――
  4. 平田米男

    ○平田委員長 この際、本案に対し、佐田玄一郎君外三名から、自由民主党、民主党、公明党改革クラブ及び自由党の四派共同提案による修正案が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。田中慶秋君。     ―――――――――――――  良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  5. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 ただいま議題となりました良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法案に対する修正案につきまして、私は、自由民主党、民主党、公明党・改革クラブ及び自由党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  修正案はお手元に配付をしておりますので、朗読は省略をさせていただきます。  本修正案は、自由民主党、公明党・改革クラブ及び自由党が提出した法案について、良質な賃貸住宅の供給促進の実効性の強化を図るとともに、新たに導入される定期借家制度に基づく契約を締結する賃借人の理解を深め、紛争発生を未然に防止するための規定を追加し、加えて定期借家制度の施行期日を明確にしようとするものであります。  その主な内容は、第一に、供給される賃貸住宅の安全性、耐久性、快適性等の確保に資するため、国及び地方公共団体が住宅の性能を表示する制度の普及に努める規定を追加すること。  第二に、住宅建設五カ年計画は、国及び地方公共団体における住宅の困窮者に対する良質な公共賃貸住宅の供給促進に関する努力義務を参酌して策定されなければならない規定を追加すること。  第三に、定期借家契約をしようとするときは、建物の賃貸人は、あらかじめ建物の賃借人に対し、当該賃貸借は契約の更新がなく、期間の満了により終了することについて、書面を交付して説明しなければならず、その説明をしなかった場合、契約の更新がないこととする旨の定めは無効とする規定を追加することであります。  第四に、定期借家制度に係る施行期日を、「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」から「平成十二年三月一日」に改めること。  以上が、本案修正の趣旨及び主な内容であります。  委員各位におきましては、ぜひとも御理解の上、御賛同お願い申し上げます。以上です。
  6. 平田米男

    ○平田委員長 以上で修正案の趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――
  7. 平田米男

    ○平田委員長 これより質疑に入ります。  本案及び修正案を一括して質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。岩國哲人君。
  8. 岩國哲人

    ○岩國委員 おはようございます。  この建設委員会で時間をいただきまして質問をさせていただくこと、大変光栄に思っております。  まず最初に、加藤次官に質問させていただきたいと思います。  建設省は、一般に巨大な予算を持ち、一方では業者との癒着が非常に強く、さらには天下りといえば必ず建設省の名前が出てくる、これは私が言っているのではなくて新聞が言っていることです。  そういう中で、今度の新たな役割の中で政務次官に就任され、そうした大きな権限を、そういった今までのいろいろな疑惑の延長の上で、これからどういうふうに、政治改革の点で、行政改革の点で、どのような信念を持って対処されるのか、これは国民にとっても重大な事実であると思いますので、まず最初に、加藤次官の政治献金についてお伺いいたします。  過去一年間に建設関係の業者からの政治献金というのを受け入れられたことはありますか、ありませんか。
  9. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 今、岩國先生の御質問、行政改革に関してと。本当におっしゃられるとおり、日本の国はペリーとマッカーサーが一緒に来たような経済外圧がございまして、行政にも明るく、またアメリカそして海外の状況にも明るい先生からの御質問でございますが、行政改革は当然やっていかなければならない。  私の方も、今私個人の政治献金の話が出ましたが、新聞に出ておるとおり厳正にしかも忠実に報告してございますので、問題になるような献金は私個人にはございませんので、御報告申し上げます。
  10. 岩國哲人

    ○岩國委員 私も、特に次官が建設関係の業者さんからの献金が多いとかあったとかいうことを把握して質問しているわけではありませんで、いろいろな方から伺いますと、加藤次官は大変恵まれたことに、そういう献金はあまり要らないと周りの方におっしゃっているというお立場で、大変そういう点では、それが事実とするならば、建設省の政務次官として最適任の方のお一人ではないか、私は安心して申し上げたわけであります。  次に、行政改革についてお伺いいたします。  この行政改革、これもまた巨大な予算を持つがゆえに、この行政改革において建設省はどういう方向でどういう形でこれをいつまでに何を実行するのか、これも大変大きな関心事であります。  加藤政務次官の、今までの行政改革について、自分は長い政治歴の中でこれをやったというものがあれば、一つお示しいただきたいし、また行政改革全般について、国会議員の一人一人がそれぞれの信念を持ち、理念を持っております。加藤次官の地元の有権者に、行政改革というのはこういうものだ、私はこういう考えでやっているのだということを二つだけ、二百字以内の短さでお話しいただけませんでしょうか。
  11. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 大変大事なお話を今お聞きしまして、行政改革というのは、私は、病めるアメリカが立ち直るときにカーターが何をしたかというのを非常によく気にしておりましたので、ブルッキングスの皆さんとよく話し合ったことがあります。  まず、規制緩和をすることが行政改革につながっていきますよという勉強をしておりましたので、国会議員になってからは、規制緩和に関しては十二分に研究してきたので、私が規制緩和の特別委員長をお受けしたときに、要するにモトローラが日本へ上陸したいというときに、日本の企業も平等にひとつ規制を外してあげたらば何とかやっていけるという自信がございましたので、そのときの規制緩和をお手伝いして、今日の携帯電話があれだけ普及した、こういうふうな自負をしております。  これが行政改革に対する私の考えで、地方の問題はいろいろやっておりますが、私は、時間と距離の短縮が日本の中の過疎と過密を解決する一番大きな問題だ、こう思っておりますので、私は政治家になるときのあれは、ぜひひとつ過疎と過密を解消するために道路をつくろうという形で、一番先にやったのは、山梨への雁坂峠のトンネルを抜くこととか、それから、首都圏の水がめが大変大事なんだということを承知しておりましたので、今度は、フーバーダムの一つのダムに比べて日本のダムが随分水量が小さいということもよく承知しておりますので、うちの方の場合には、しかけてあった仕事は全部手がけようという形でやってまいりました。
  12. 岩國哲人

    ○岩國委員 ありがとうございました。  地方分権についてはまた後ほどお伺いしたいと思いますけれども、こうした時間、距離について次官がお触れになりましたけれども、私も出雲市長時代、道路なくして分権なしということを訴えてきました。地方分権といっても、地方に活力を運ぶ道路をもっと早くつくってもらわなければ、いつまでも分権というのは実を上げないのではないか。加藤次官の秩父の方も大変不便なところも多いようですけれども、そういう思いで私も今質問させていただいたわけであります。  次に、業者との癒着ということはよく建設省については、一部の事実であったとしてもよく言われるわけですけれども、加藤次官自身の業者との癒着を断ち切る方法について、具体的に、在任中にこういうことをやってみたいということがあれば、一つ二つお聞かせいただけませんか。
  13. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 建設省と建設業界との癒着問題に関しての御質問であると思いますが、私は、癒着というのはないんだという前提で行政はやっていくべきだ、こう思っておりますので、その問題に関しては、岩國先生が言うように、そういうことに関して極めて厳正にやっていきたい。  具体的に言うなれば、癒着が起きるというのはいろいろな問題で起きるんでしょうが、一番大事なことは、精神的にそういう問題に関して大きな教育をしていかないともとが崩れる、骨格をつくることが一番大事だ、こう思っておりますので、そういう問題に留意して、極めて忠実に行政が行われるようにやっていきたいと思っております。
  14. 岩國哲人

    ○岩國委員 そういう抽象論、一般論的なところではなくて、建設省であるからこそ他省庁に先駆けて具体的にこういうことをやるんだ、御着任されて、御就任されて間がない次官でありますから、無理なことを御質問しているかもしれませんけれども、次回機会があるときには必ずそうした点に、他省庁に先駆けて建設省だからこういうことをやらなきゃいけない、こういうことはやるんだということをもう少し具体的に、業者との癒着を断ち切る姿勢というものを示していただきたい。これは私の、一人の国民としての願いでもあります。  それから次に、天下りの禁止、これは一般世論になりつつあります。  この天下りというのも、農水省、建設省、いろいろな大きな官庁を持っているところは非常にそれが言われるわけでありますし、また事実、データでもそれは物語られておりますけれども、この天下りを全面的に禁止することについて、次官のお考えを聞かせてください。
  15. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 岩國先生が天下り、こう申しておりますが、私は今の役人の任期というか定年が余りにも短過ぎるのかなというような気持ちがする者の一人でございますが、私は、技術的な問題点を持っている人たちというのはそう簡単に育ちませんので、それを活用するという意味で、先ほど先生が言った癒着そして不正、こういうものがなくなるような制度をつくりながら、しかも、そういう技術や経験を持っている人たちを十二分に使っていくことが日本のこれからの大事なことだと思うのです。  ですから、先にその問題に関して御質問、御下問があったんだ、こう理解しておりますので、この問題に関しては次の機会に必ず明快にお答えできるようにしてきますが、いずれにしても、私は、天下りという形で一概にこれを批判したり、否定したりすることがなく、自分の技術を世の中のために使えるような制度をつくるのがこれからの政治家の仕事だ、そういうふうに理解しております。
  16. 岩國哲人

    ○岩國委員 ぜひともそういう方向で、建設省だからこそこれをやらなければならないんだ、国民一般の疑念を解きほぐすような方向で具体化を一日も早くお願いしたいと思います。  次に、今度の行革において、建設省、国土庁等々が地方にできるだけ業務を分散する、例の八カ所の地方拠点であります、広島とか福岡とか札幌とか。この件については、次官はもちろんよく御承知のとおりだと思いますけれども、これは例えば、県とか市町村に直接行くべき財源を結局巨大な国土省がそれをプールしていく、そして、地方に、見せかけと言っては失礼ですけれども、広島なら広島に持っていく、そして、広島県庁のすぐ近くにある国土省の出先が、その巨大な地方向けの予算をそこで立案し、あるいは割り当て、実行するというのがこの八拠点構想ではないかと思いますけれども、これは、いかにも、金やそれを実際に使う担当の役人が地方には行ってはおりますけれども、これは地方自治体そのものではないわけです。  この点について次官はよく認識しておられますか。お伺いいたします。
  17. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 日本の国は、運がいいことに、外国との国境を接しているような河川だとか道路は今のところないわけでございますが、県と県の間に河川があったり、町村を超越した河川があったりするので、これをどうしても建設行政上ではやはり一つの拠点をもって管理、統括していくことの方が私は正しいんじゃないかな、こう思うんです。  ただ、その中で、要するに地方の力をそぐようなことのないようにするということは当然大事にしなければいかぬと思いますが、堤防をつくるときに、県の予算によって堤防のつくり方が違うようなことがないようにしたいとか、また道路でもそうですが、今までずっと予算のあるところの道路はできて、予算のないところはできないなんということのないように、国がそれを均等にお手伝いするという形で八カ所に分けていくわけでございまして、行革の中からは、運輸省もそして建設省もみんなでそういうことをやっていきましょうということを今前提で努めておりますが、岩國先生のおっしゃっているように、地方の時代に向かっての準備も当然やっていかなきゃいかぬ、こう思っておりますので、その決意でやらせていただきます。
  18. 岩國哲人

    ○岩國委員 今、次官の御説明をいただきましたけれども、結局は、地方分権というのは今、国から県へ、県から市町村へという三層構造。行革では、できるだけそれをスリムにしていこう、できるだけ基礎自治体である市町村が、できないものだけ県庁、さらにそれでもできないものが国が担当する、そういう考え方に立脚して進められていると私は理解しております。  この八地方支局構想というのは、結局、島根県庁の上に広島地方局があって、その上にまた国土省あるいは今の建設省がある、三層構造を四層構造に持っていくだけの話であって、行革の精神に私は反していると思います。また、地方のことはできるだけ地方に任せようという地方分権の精神からも私は一歩後退しているのではないかと思います。  今の御説明は私は大変不十分でありますので、できるだけ行革、これは行革審の方でも議論しなければならないことでありますけれども、そこで議論することは、大体、建設省、国土省のことを頭に置いてこうしたことは議論されることが多いわけですから、建設省の次官としても、中山大臣と一緒に、あるべきこれからの行革、あるべきこれからの地方分権の中で、一番目立つ官庁としてどうあるべきか、それは当事者の立場に立ってよく考えていただき、検討していただき、今まで国会の論議でもし見逃されていることがあるとすれば、積極的に皆さんの方からも提案し、持ち出していただきたい。そういうことをお願いして、次の質問に移らせていただきます。  建設行政一般について、特に建設省は長期計画というものをたくさん持っておられます。この長期計画というのは、現在進行形のものが今何本ぐらいあって、そして、その総合計事業規模はどれぐらいありますか。
  19. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 詳しい数字は、これはまだ資料があるのですが、岩國先生の方にも資料が行っていると思うのですが、相当の数の長期計画というのがございまして、この長期計画というのがなかなか、岩國先生がおっしゃられるように、前向きに、前倒しにやらなきゃいかぬというのが大分おくれているのじゃないかという御質問に多分つながっていくのだと思いますので、数字のことは参考人に聞いていただくとかいたしましても、私の方で申すのは、長期計画というのが、単年度予算からくるいろいろな問題点からも、岩國先生のおっしゃっているような雰囲気で行われていない。これが地方にとってどのくらい大変かということは、途中で工事をやめたりやったりする、その計画が行われないのではなくて中止するような問題があったり、また中止せざるを得ないようなダム工事があったりというのは、例えば、用地の買収がなかなか行われないために難航を来しているために変更しなきゃならないというような問題も当然出てくるでしょう。  そういう長期的な問題に関しての見直しを当然やるのが正しいのだ。ですから、その時期はもう遅いぐらいなんだ、こういうふうに自覚しておりますし、そのように庁内でも一生懸命みんなで検討しようという機運で大臣ともよく相談していきたいと思っておりますので、よろしくお願いします。
  20. 岩國哲人

    ○岩國委員 これは建設省だけではありませんけれども、長期計画は大体五年が一つの単位、五年で全部終わるかと思ったら大体自動的にまた延長される。後ほど御質問させていただきます賃貸住宅の賃貸契約みたいなもので、大体ほぼ自動的に更改されるのが非常に多いわけです。一本の道路にしましても、山陰高速道路にしてもそうです、五年、十年、十五年、二十年、結局、貫通するまでにほぼ十五年から二十年かかるのが通例ではありませんか。  私は、埼玉県の方でも事情は同じだと思いますけれども、長期計画というのは、特に農水省なんかにもありますけれども、もうそのほとんどが、全部がむだな計画だとは言いませんけれども、非常に重要であるがゆえに長期計画になっているものと、それからそれほどすぐ必要でないから長期計画の中に入れられているものと、長期計画の中でも、この厳しい財政状況の中でもっと選別を強化すべきではないかと思います。  この点において、前関谷建設大臣のころに断行された全国的なダムの見直し、幾つかのダムが建設を中止あるいは凍結、いろいろな措置が打ち出され、私はあれは大変よかったことだと思っております。  ぜひそういう姿勢をこれからも、ダム計画だけではなくてすべての建設省の道路その他についても、必要なものは前倒しにする、必要でないものはもうやめてしまう、いつまでも完成しない、地元の反対があって中止になっている、凍結になっている、そういうものについては時のアセスで、もうやめるものはやめる、やるものは長期計画ではなくてもっと短期計画で前倒しでやる、そのようなめり張りをさらにさらに私はつけていただきたいと思います。  それは、国の財政がそれを今要求しているのです。今、時代環境の激しい変化がそれを要求しています。ぜひ、大きな予算を持っている建設省であるがゆえに先頭を切って、見直しは、新聞や国会議員が要求する前に先にそういう姿勢を示すということをお願いしたいと思います。  十五年かかって完成する高速道路というのは、最初の一メートルのために使われた国民の税金は十五年間お役に立たないということなんです。そして、担当の役人は十五年間仕事を楽しむことができるということです。長期計画というのは役人が喜び税金を泣かせる。私は、これについては、もっともっと長期計画というものは短期計画に前倒しにして、短期に集中完成させる、最初の一メートルに使った税金が三年たったら、五年たったら笑顔で国民のお役に立つ、これが公共事業の本来の目的であったはずです。  公共事業が長期計画化すればするほど役人のための長期計画になって、そして税金は十五年間泣かされて、完成されたころにはどうですか、十五年間完成するのが待てない若い人は大阪の松下や名古屋のトヨタや東京の東芝へ出ていってしまうんです。それが、三年後に、五年後に高速道路がこの辺までやってくるということになれば、おばあちゃん、僕は残る、若い人は残ってくれるんです。十五年完成しないと言われるから若い人はあきらめて都会へ出ていってしまう。十五年後に高速道路が完成したころには見事な過疎地帯への高速道路になっているんです。そういう過疎地帯になる前に高速道路を完成させるということが国民経済にとって一番大切なことであります。それがまた公共事業の本来のねらいであったはずです。だからこそ、一番大きな公共事業予算を持っている建設省がそういう姿勢をみずから示すということが今一番私は必要だと思います。  この点について次官はどういうお考えを持っていらっしゃるか、お聞かせいただきたいと思います。
  21. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 地方行政に明るく、また世界的な経済を勉強なさっている先生のおっしゃっていることは、そのとおりだと思います。  私たちも国会へ来て一番感じることは、なぜもっと早く完成すべき道路がおくれるのかな。これは非常に財政の仕組みやいろいろな問題点の難関があると思いますが、建設省としてできることはこの際絶対にやっていかなきゃいかぬ、そんなふうに思っております。  では、どんなふうにしたらできるのかなといったら、やはり国会でまた議員間で皆さんと話し合いをしながらやっていこうというこの制度の中で、私は、一番大事にしなきゃいけないのは、予算を執行するに当たって、私の方の道路でもいろいろお世話になっていますが、みんなで、全国の人が全員で来ると、国の予算というのは決まっておりますから、さっき言ったとおり、手をつけてしまうとやはりそれをだらだら平らに延ばしていくというような、これをめり張りつけるようにできれば、制度上にそういうことが実行できるのじゃないかな。  私たちも、十五年でできるというものが四十年もかかって完成してそのお祝いに参加するというようなことがありますが、そのときの国民の喜びは大変うれしいのですが、四十年も待った人たちの気持ちにもなってやらなきゃいかぬ。  ですから、例えばその中で一番問題になるのは、用地買収に難航したとか、そのために延びている工事もあるというわけでございますので、そういう問題もひとつ解決するのがこれからの国会の仕事じゃないかなと思っておりますので、おっしゃられることをよく承知して、今後とも行政に反映するように努力していきますので、よろしくお願いします。
  22. 岩國哲人

    ○岩國委員 そういった長期計画のほとんどが、かなりの部分が結局は役人のための長期の仕事を保障することにつながったり、そして、結果的に税金を泣かせる、税金を泣かせて役人を喜ばせて、そして、次官御承知のように、政治家にとっても市町村長にとっても一番ありがたいのはいつまでもでき上がらない高速道路なんです。いつまでもでき上がらない空港ほどありがたいんです。選挙のたびに同じことを言っておればいいんですから、私がやらないとこれはなかなか完成しない。四年たてばまた同じことを繰り返す。二年か三年で次々と完成されたらまた次に新しいことを言わなきゃいけません。  そういう地方における市町村長の多選化を促進する一つの支援剤となっているのがいつまでもできない高速道路、いつまでもできない空港であるわけです。長期計画で公共事業がいつまでも完成しない、完成しない公共事業があるから全国至るところに三選、四選、五選の市町村長が続出するわけです。  そういっためり張りのきいた地方自治をこれからやっていくためにも公共事業は短期に、けじめをつけて完成させていくということがより必要だと思います。  最後に、一言念を押させていただきますけれども、次官、御在任中に一日も早く今ある長期計画の早期前倒しの方向での見直しを直ちに着手されるかどうか、それを確認させてください。
  23. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 岩國先生のおっしゃられるように、その方向づけで一生懸命努力いたしますので、よろしくお願いします。
  24. 岩國哲人

    ○岩國委員 ありがとうございました。  次に、審議中の法案及び修正案について、御提案の議員に質問させていただきたいと思います。  我が国の国土面積は狭い。これはアメリカの二十五分の一、狭い。狭い上に、利用したい、利用させたい、買いたい、売りたい、そのときのコストが非常に高い。これはもう世界的によく知られた事実であります。アメリカは日本の二十五倍、大きい。大きい上に、利用させやすい、利用しやすい、売りやすい、買いやすい。だから、二十五倍以上に広い国に実感できます。  日本は土地のことを不動産と言っておりますけれども、不動産のあの不の字がいけないんじゃないかと思うのです、動かしてはならないと書いてあるわけですから。その動かしてはならないものを一生懸命国も地方自治体も業者も動かそうとするから、ペナルティーがかかる。不動産の不の字を取ることじゃないかと思うのです。アメリカでは土地のことを不動産とは言いません。御承知のようにリアルエステートと言っているわけです。実資産。株式、債券、預貯金は金融資産と言っています。土地は実資産、そして預貯金、債券は金融資産、こういう区分の方がはるかに実態に即していると思います。  不動産の不の字を取ること、これが私は日本における土地革命の第一歩だと思います。もちろん、一般用語として言いなれた不動産、それでも私はいいと思いますけれども、税制のあり方も、あるいは土地利用のあり方についても、不動産の不の字をとるような勢いで、この法案も含めまして、やっていかなければならないと思います。  不動産をいかに動産とするか。その一つが、アメリカで以前から行われております不動産投資。これは、お金をプールして複数の不動産に投資をしていこう、そうすることによって不動産の値上がり益を楽しもう、あるいは不動産マーケットに活力をつけよう、こういう角度で以前から行われております。さらに、その後追いかけて出てきたのが、不動産の証券化、モーゲージセキュリティー。特定の物件を対象にして、それを証券の形に分割して、多くの人に参加させる。今回の良質な賃貸住宅等の供給の促進、この法案に私も期待いたしますのは、これから採算のめどがつきやすい不動産マーケットがようやくできてくる。  金余りの日本と言われながら、そのお金がアメリカへばかり出稼ぎに行っているのが今の日本の実情であります。日本にお金の職場がない。メリルリンチは、日本に三十の支店をつくりました。あれは、証券会社の支店ではなくて、日本のお金のための職業安定所です。日本のお金に職を見つけて、アメリカへどんどん出稼ぎに行かせる。こんなことをいつまでもやっておっていいはずがありません。日本のお金は、英語もしゃべれないアメリカで心細い思いで仕事をしています、本当かどうか知りませんけれども。  日本のお金は、日本で仕事をしたがっている。それは皆さんよく御承知のとおりです。しかし、日本に職場がない。この日本のお金の職場の一つが、こうした不動産マーケット。そして、良質な賃貸住宅を供給させ、そこに資金をある程度誘導させる。これは、時代の流れとして非常にいい法案であると私は高く評価をしております。  その中で一つお伺いしたいことがありますけれども、こうした賃貸のマーケットというのは、釈迦に説法ですけれども、永久に賃貸住宅というのは必ずしも多くないんです。外国では、最初は賃貸として建てた、賃貸としてマンションを買ったけれども、いつまでも賃貸ではなくて、三年、五年ごとにたな子がかわる、その煩わしさから逃れるために、あるいは遺産相続の関係で賃貸住宅が売却されるという件数が非常に多いんです。あるいは、住んでいる人が、いつまでも家賃を払って住む方が気楽だと思っておったけれども、子供がその辺で学校へ行き出した、自分もその辺で就職した、だからテナントではなくて、自分が所有者、自分が家主になりたい。借りている方も家主になりたい、貸している方も家主の地位を放棄してそれを売却したい、これはしょっちゅうあります。  私は、ロンドンでもパリでもニューヨークでも、家を借りました。家を買いました。買った家を貸した経験もあります。そして、家を借りている間に、家を買わないかと家主が言ってきたことがあります。自分は年寄りになって、ロンドンから田舎の方で隠居生活を送る、いつまでもロンドンの家を持っていたくないから、借りている私に買わないかと。そういう話はまず私のところに来るのが普通です。  そこで、質問ですけれども、この法律の中には、借りている人が追い出される条項はたくさん書いてあるんです。つまり、家主の権利を強化する方向でこの法案はつくられております。私は、それは世界的な比較観の中でも正しい方向だと思います。住んでいる人の権利、住んでいる人の立場というものに対するきめの細かい配慮もこの修正案等では大分なされてきております。  その点も承知しながら、しかしあと一つ、まだほかにもあるかもしれませんけれども、私の気づいたのは、こうした住んでいる人が、だれかに売られてしまったためにそこを追い出されてしまう、あるいは、住んでいる人が、自分が買いたかったという気持ちを家主に伝える間もなく、家主が第三者に売ってしまう。そのようなことが起こらないように、住んでいる人にはまず家主の売却意図という情報を優先的に必ず提供するということを所有者に義務づけることが私は必要ではないかと思います。それは、余計なトラブルを防ぐために、また家賃を払ってそこに長年住んできた人の立場が守られるように。  この点について、御提案者の中から御説明いただけませんか。
  25. 保岡興治

    ○保岡議員 アメリカなどで定期借家というものが制度として広まっているために、これは自分が住みたいというところの希望の住宅を一定期間借りて、そして貸す方も安心して、日本のように強力な正当事由の解約制限がなければ安心して貸せる、そしてその住宅について気に入れば将来購入する、それについて貸し主の方も、今お話しのように、売りたいときは、まず借りている人に優先的に交渉するチャンスを与えるというような仕組みがあるんだと思います。  日本でも、今度、定期借家制度が導入されれば今お話しのようなことが起こり得るので、そのときに備えて優先的な交渉権というものを家主に与えているような制度も今度の改正、改革、改善……(岩國委員「家主ではなくて、たな子の方です」と呼ぶ)たな子の方に交渉を受けるというか、貸し主からまず優先的に交渉する立場を与えられるということですよね。そういうことは定期借家を結ぶときの特約でもできますが、これを法制化するというのは今度の改正案の中には入っておりませんけれども、今申し上げたように、いい住宅の貸し主と借り主のマッチングということを考えたら、将来それを制度化することは検討に値することだと思います。
  26. 岩國哲人

    ○岩國委員 ほとんどの家主とたな子は、良好な関係があるのは普通なんです。恐らく、もう九割近くそうでしょう。しかし、これからだんだん人間関係も時代とともに変わっていくでしょうし、それからこうした賃貸専門の投資をされる方の中には、すぐそばにいて、たな子と毎朝声を交わすという人間関係もだんだん薄れていく。数も多くなる、距離も遠くなる。となると、必ずしも良好な人間関係が保証されているということは、もう日本でさえも言えなくなってくると思います。  したがって、私は、そういうときに、借りている人たちの立場をもう少し法律の中でしっかりと保障することが必要ではないかと。これは新聞、雑誌あるいは法律関係の人の中にもそういう意見の方がありますけれども、今までの長い伝統である借りている人の立場あるいは権利というものがかなり急激に薄められていくのではないかという危惧がありますので、私は、そのようなことを法律そのものの中の条項に入れても、それほど家主の経済的権利、経済的利益は損なわれることにはならないと思います。  もちろん、情報そして優先権を差し上げても、最後は値段ですから、第三者にそれよりも一%、二%上回るものがあれば、当然その優先権をそのときは放棄しなければならないわけですから、私は、法律の中にしっかりと明記することによって、家を貸すとか借りるとかいうことは非常に大事な経済取引だと思いますし、だからこそ、日本は法治国家であるというならば、法律そのものに借りている人の権利をきちっと保障しておくということがいいのではないか、そのように私は思います。  その点について、あと一言コメントをお願いいたします。
  27. 保岡興治

    ○保岡議員 先ほど申し上げたように、立法の論としては非常に考えていかなくてはならない点を含んでいると思います。  ただ、今回の改正ではそれは間に合わないので、考えられる対応は、標準約款などをつくって、定期借家あるいは賃貸借契約関係のコミュニケーションをよくしていくということが行われますが、その中に今先生が御提案のようなことを標準約款特約の例として推奨するようなことも一つの考え方かと存じます。
  28. 岩國哲人

    ○岩國委員 ありがとうございました。  ぜひそういう方向で早急に、そうした権利が保障される、明示されるような形をとっていただきたいと思います。  次に、保岡議員にお伺いいたしますけれども、この法案提案の背景には、中小企業対策あるいは景気振興策ということは一般に報道されておりますし、それはそれで正しいと私は思いますし、いいことだと思います。景気浮揚効果はどれぐらいというふうに、もし今まで皆さんの方でシミュレーションされたものがあるとすれば、あるいは建設省の方からでも結構ですし、この修正案御提案者の一人として、そういったシミュレーションされたものがあるとすれば、景気浮揚効果について端的に、どれぐらい景気浮揚のインパクトがあるのかということ。  それから、時間も余り残っておりませんが、あと一問。  日本の膨大な金融資産に対して、一つの働く場所を提供するという評価を私はいたしました。しかし、これはアメリカでも起きていますけれども、余りにも急激なお金の流れが不動産マーケットに集中するとどういうことになるか。結局は、経済界の一部の不動産マーケットにバブル現象が起きてしまう、そういうふうなことを恐れるわけです。  例えば、御承知のように外国の資本が日本の不動産を買ってプールにして、それでもって採算をとっていこうと。当然、彼らには彼らの採算点があるわけですし、また、そのような採算が立つからこそ日本のマーケットが魅力を持っている、これもいいことです。しかし、急激にそういう方向に流れが生じた場合には、賃貸マーケットのバブル現象が起きて、後はまたバブルの崩壊といったようなことになって、所期の効果を果たさないということになる。  したがって、私が申し上げたいのは、この法案の成立と並行して、金融商品あるいは金融におけるディレギュレーションの方でも、そういう不測の事態が急激に起きないようなことにも、並行していろいろな配慮がなされなきゃならないと思いますけれども、不動産マーケットへ内外の膨大な資金が流れていくということについて、どのような配慮を既にしておられるか。もしそういう配慮が既にあるとするならば、お聞かせいただきたいと思います。
  29. 保岡興治

    ○保岡議員 今度の法案は、もちろん、これからのライフスタイルに応じた、良質なファミリー向けのゆとりのある賃貸住宅をもっともっと供給して、また、借り主側にもそういう住宅に住める機会をふやしていくことが、国民生活にとって一番基本的な住という点の豊かさを求める政策として非常に重要だという、基本的な法案の目的がございます。  しかし、確かに先生が言われたとおり、これは強力な解約制限である正当理由制度というものが選択として解除できる契約が生まれると、今まで、投資する側も貸し主の方も、賃貸住宅は回転のいいものに限定したり、あるいは、収益性や将来の負担が不確実であるということから、そのリスクを回避するために家賃を高くしたり、あるいは礼金とか権利金のようなお金を借り主に要求する、そういう慣行が定着していったりといったことがあるのですが、そういうものがなくなると、思い切って賃貸住宅を建設促進して供給していこうという動きが必ず生まれてくると私は思います。  そういった意味で、経済効果も十分あって、新しい賃貸住宅の建設需要も拡大しますし、それに伴って耐久消費財の消費効果も拡大する。そういったものを試算したものがありまして、これは民間シンクタンクや学者の方々の試算でございますが、細かいことは申し上げませんけれども、年間約四千百億円ぐらいのGDP拡大効果がある。これは東京都心から一時間圏内に限ってこれぐらいあって、経済企画庁の試算によりますと、八千億という試算もございます。そういったことで、現下の厳しい経済環境を脱して、民需を安定的に拡大していく基調をつくり出そうとしていくことに大きく貢献することは事実だと私は考えております。  それからまた、今お話しの千三百兆の日本の金融資産というものを、これから豊かな住環境をつくっていく上でそこに取り入れていくべきではないか、活用していくべきではないかということは確かにそうで、そのためには、不動産の証券化ということで、流動性あるいは換金性でしょうか、こういったものを高めて、多くの人から投資をしてもらって、それを不動産の有効利用につないでいくということがどうしても必要だと思います。  バブルの崩壊で、過剰資産を処分したり不良債権を処理して塩漬けになっている資産を処分していくということが、今、金融安定のためにも日本の経済の回復にも喫緊の課題でございますが、それをゆとりのある住環境あるいは空間倍増、都市再生というものに結びつけていく、そのことにはお金がどうしても必要ですから、千三百兆をそこに利用する。  したがって、先生が御指摘のような、確かに、一気に投資が集中しますとバブルのような現象が起こらないわけではない。そういうことは起こってはいけないのでございますが、当面は、そういうことを懸念するより、むしろ、資産デフレをどうして防いで、カンフル剤を打っている政府の公的な経済支援を行っている間に民間の需要を拡大して、今申し上げたような住宅に関する、都市政策に関する内需を拡大していくということが、当面むしろ重視すべき政策だと思っております。
  30. 岩國哲人

    ○岩國委員 御説明ありがとうございました。  私も、最近の景気対策、景気対策と称して、やたらに税金あるいは公的資金を注入するよりは、むしろこういった民間自身のお金の職場をふやすことによって民間活力をもっともっと活用する、それだけの体力が日本にはあるし、それだけの資金は、その辺で随分失業しているお金があると思います。  日本は、お金に対してもう給料を払わない国になってしまった。共産主義のマルクス、レーニンの優等生みたいな国になってしまったじゃないですか。銀行へ行ってもお金に給料を払ってもらえない。お金に払う給料を金利と呼んでいますけれども、ゼロ金利政策というのは、まさに共産主義の思想を取り入れたようなものでありまして、お金が銀行へ行っても給料をもらえない。たんすの中で、仏壇の引き出しで失業している。こういうお金が失業しているような国は、結局人間しか働けませんから、人間が定年を迎えたり、あるいは失業をしたりした場合に、かわりに働いてくれるお金も働いてくれない。絵にかいたような共産主義に近い国になっています。ロシアと日本との違いは、向こうはお金のない共産主義、日本はお金のある共産主義、その違いだけじゃないですか。  そういう共産主義国家から脱却するために、今保岡議員がおっしゃったような、民間の資金を誘導する、そして、将来的にはバブル的なことも懸念しなければならないと私は指摘したわけでありますけれども、当面は議員と私は意見を共通いたします。そういうデフレ現象を防ぐためにこうした民間のお金を使う、もうこれ以上公的資金にばかり頼った景気対策はやるべきではないという意見でもございます。  時間が参りましたので、私の質問を終了させていただきます。ありがとうございました。
  31. 平田米男

    ○平田委員長 吉田公一君。
  32. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 良質な賃貸住宅の供給の促進という立場で法案を議員立法で出したわけでございまして、私どもも修正案等については、大変借り主に対する配慮も十分にしてある修正案だ、そう思っているわけでございます。  ところで、良質な賃貸住宅の供給の促進をするためには、民法上の問題だけではなくて、例えば、道路だとか用途地域だとか税制だとか、いろいろ住宅を取り巻く環境というのがあるわけでありますね。  したがって、これから私が質問をいたしたいのは、要するに、民法上だけのことではなくて、促進をしていくためには、道路の取りつけだとか、そういう先ほど申し上げたようないろいろな附帯がついて初めて良質な住宅の促進につながっていくわけです。したがって、住宅促進をむしろ規制をするようないろいろな要因があります。その要因をこれを機会に取り除いていかないと、あるいは改正をしていかないと、良質な住宅の促進につながらない、そう思って、これからその要因について幾つか質問をさせていただきたい、こう思うのであります。  バブルのときに各地方公共団体で指導要綱等というのを設けまして、都市計画法の開発行為以上に厳しい指導要綱を設けて規制をしているわけですね。これが非常に、お金に換算をしない、要するに役所が決めた指導要綱だから、こんなものを指導要綱に当てはめてつくった住宅というのは、最終的には買い主がそのツケを回されてくるわけですね。したがって、各地方公共団体で、せっかく都市計画法という法律があって開発行為というのがあるにもかかわらず、また指導要綱というのをつくっている。  それで、この指導要綱については、地方分権の立場からいえば、各地方公共団体に合った指導要綱をつくっていますけれども、しかし、国全体からいけば、要するに、住宅を供給するという立場からいけば、私は地方公共団体が行っている指導要綱については非常に疑問視をしている一人です。実際我々その指導要綱について何十件とやりとりした者として、まことに指導要綱とは一体何だ、そんなに大事なら条例にしたらいいじゃないか、そんなに大事なら法律案としてやったらいいじゃないかというのだけれども、指導要綱そのものは、要するに憲法違反の疑いがあるものだから、条例にも法律にもできないのですよ。  だから、指導要綱という形にして事実上は建築指導を行っているのが実態なんです。これについて何か御答弁があれば、この指導要綱についてお聞かせいただきたい、そう思っています。
  33. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 吉田理事のおっしゃられるとおり、本当にこの指導要綱というのは、私たちも何でこんなものがあるのかなというのは、法律で決められないからだという今明快な御質問がございましたが、私たちも、省令だとか指導要綱というような形で、役人が規制を緩和するときに、規制を強化しているんだ、これが宅地の単価に大きく影響しているということは承知しております。  指導要綱については、昨年の九月に地方公共団体に対して通達を出しております。宅地開発指導要綱に関する措置方針、それから宅地開発指導要綱の見直しに関する方針、こういう形で、厳しくそれを規制するように、そういうことをしないようにということを申し上げております。もしこれが行われないようでしたら、もっともっとこれは厳しく監視していくべきだ、こう思っております。
  34. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 指導要綱によると、実はちょうどバブルのときに、私は地方議員をやっておったのですが、つまり、良好な住宅地を提供するという名目で、自分たちの区道や市道は四メーターしかないのに、わずか十軒の宅地をつくるために中の通過道路を六メーターも抜け、そして、あげくの果てには、公道の中心から二メーターセットバックしろ。人の土地を公道が狭いからといってセットバックさせて、それで許可を与えるなんという、本当は建築許可というのは建築主事が独立してやるものですよ。そうではなくて、市長や区長が事実上の建築許可を握ってしまっている。だからどこへ行っても、区市町村へ行くと、建築課の前に必ず建築指導課とかという課が設けられている。そこへまず確認申請を出してから、建築課へ回って初めて建築主事が建築基準法に基づいた許可をするわけですね。  だから、私はおかしいなというので、当時から地方議会でそのことについては反対をしてきた。だからそういう意味では、これからも宅地を供給して家を建てるということであれば、民間に無理難題を吹っかけて、自分たちの道路が四メーターしかないのに中の道路を六メーターとれなんてばかな話はない。そういう意味で、今後建設省においては、地方公共団体の行き過ぎた指導要綱については十二分にこれから指導してもらいたい、そう思っております。  それから、都市計画法の中の開発行為。例えば、二十三区だとか大阪なんかではそうだと思いますが、五百平米以上は開発行為なんです。その開発行為の許可申請たるものは、書類をこんなに出さなければ許可にならない。まず出して半年、ちょっと文言が違いがあればもう一年なんて優にたってしまう。土地を買って金利を払いながら、一年間許可がおりないために家が建たないんだ。こういう開発行為の取り扱いについては、これは十二分に促進をしなければ意味がないのですよ。指導だということなんだけれども、取り締まりのためにやっているようなものだ。  だから、そういう末端地方行政については、私は末端地方行政の経験者ですけれども、ぜひ、法律というのは、ここで国会で審議しているときはいろいろな意見が出るんです。だけれども、法律案として施行されたときにはひとり歩きしてしまっている。それが今度は、どんどん地方公共団体の窓口に行って、いろいろ解釈をされる。だから、これから建築基準法なんという法律は、いろいろな解釈のできないような法律をきちっとしておかないと、全部の区市町村で、窓口で違っちゃう。指導要綱が東京二十三区で各区ごと違うんだから。あそこの区に行ったらいい、こっちの区に来たらだめだ。そういう統一性のないことでは、私は、幾ら地方分権といったって、住宅を建てるときにそんないろいろな意見があるわけがないんだから、そういうこともぜひ建設省ではきちっと踏まえておいていただきたい、こう思います。  それから、開発許可基準で、どこでどういうふうに考えたんだか知らないけれども、三%を緑の土地として出せ、こういう決まりになっている。ところが、三%というのは、児童公園にもならなけりゃ、もちろん都市公園になんかなりっこない。一体その三%という空地を出せということは何だと。緑を植えろ、木の種類は何でもいいんだというような状況になっていますね。  三%というのは一体どのぐらいあるんだというと、四十坪とか五十坪ですよ。そんなところへ木を植えたって、区が管理できるわけじゃない、市が管理できるわけじゃないから、結局何のための三%の空地を出せと。それにプラス、地方公共団体で三%追加して六%にしているわけだ。それで一番いいところをとっちまうんだ、そんなわけのわからないような空地へ。  例えば、敷地面積がこうあるでしょう。こっちが公道だ。業者の方は、一番隅に空地をとれば一番いいじゃないか。だれが考えたってそう思うんだ。ところが、公道に面した一番いいところを六%抜けとこう言う。そんな地形の悪い建物になっちゃうんだ。この六%をとるために物すごく地形が悪くなっちゃう。それは全部、最後はエンドユーザーにかかってくるわけだ。だから、途中でいろいろな規制をかけたって、六%の空地をとれというのは、何の目的かわからないけれども、最後は買う人に六%分を等分しておっつけられちゃうんだから。  だから、この開発行為の三%なんというのは、空地をとれなんというのは全く無意味な話。へりに三%分とったっていいんだし、その部分、へりに緑を植えなさいよと言ったっていいんだし、前面の公道に空地を三%分出しなさいよと言ったっていいんだ。ところが、そういう開発行為の緑の部分については応用がきかないようになっているんだ。だから、応用をきかすように、これから開発行為を変えてもらいたいと思うんですが、どうですか。
  35. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 吉田理事は大変建設に明るい事務所にお勤めになったのをよく承知しておりますので、私たちよりはるかに専門分野の勉強をなさっておるんです。  本当に、開発許可基準三%、これが三%でとどまっているんならいいんですけれども、六%をはるかに超えるような、無理な要求をしているというのもよく承知しておりますし、先ほど申したとおり、小さな宅地に六メーターの道路をとれなんというのは本当に矛盾の中の矛盾でございますし、こういう矛盾をなくすこともこれからの建設省の仕事だ、そういうふうに深く認識しております。  私の方では、今後とも良質な安い宅地を供給する観点からも、指導要綱の行き過ぎだとか、特に公園の問題だとか緑地の問題も、六%超えているのはさすがに通達があった後なくなってはおりますが、今後とも行き過ぎのないようにすると同時に、一番大事なことは、要するに、開発許可というのを五百平米でぜひひとつやらなきゃいかぬというのは、ミニ開発で田んぼの中が変に開発されたり、いろいろする問題点は確かにございます。でも、その五百平米が本当に正しいかどうかはこれから論議の的になると思いますが、書類を本当にこんなに厚く持っていかなきゃならないというほどの問題じゃないんじゃないかな。もっと簡潔にできるようにしてあげるのがまずまず一番大事なことじゃないかな。  このために要する費用というのは大変かかると同時に、用地を買ってもそれが開発されるまでの間の時間というのが大変かかるということもよく認識しておりますので、今後ぜひこれを指導していくようにいたしますので、よろしくお願いいたします。
  36. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 確かに、乱雑なミニ開発というのは昭和三十年代に東京や大阪で、どんどん畑の中へ家が建って、道路が四メーターもない、三メーター五十とか四十五しかないところへどんどん家が建った。今になってそれを建てかえようと思ってもなかなか、道路が四メーターないものだから、ずっと無届け建築になっちまう。優良な住宅の促進どころじゃなくなっちゃうんだ。そういう意味では開発行為の五百平米というものも少しこれから検討しなきゃいけない、そう思っているわけですね。  何で開発行為の中の道路を六メーターにしたんだ、それを聞きたいんだな。建設省の人。
  37. 風岡典之

    ○風岡政府参考人 都市計画法の開発許可の基準におきましては、原則として六メートル以上、ただ比較的通行区間の支障のないようなところは四メートル以上、そういった基準を設けておりまして、私どもとしては、許可に当たりましてはそういった基準を適用するという考え方でございますので、一律に六メートル以上求めるということは行き過ぎである、そういう意味で、行き過ぎ是正として六メートルを超えるというようなものについては十分な指導をしているつもりでございますけれども、現実には必ずしも徹底されていないというところがありますので、その点につきましては引き続き指導していきたい、このように思っております。
  38. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 ぜひ、そのことについては、五メーターでもう十分ですから、五メーター道路で私はいいんではないか、そう思っているわけですね。  六メーターの開発道路をつくると、六メーター隅切りをとらなくちゃいけない。何でこんな六メーターにしたんだと言ったら、それなら消防自動車が入って一回りできるからと言う。では、何のために消火栓というのはあるんだと言ったんだ。消防自動車が通過するといったって、十四、五軒しか家がないのに、前に消火栓をつけりゃそれで済む話だ。  最後はいつも、住宅が高いというのは、だって四割から三割五分は道路と隅切りでとられちゃうんだから。その上に舗装して、側溝を入れて、水道から下水管を入れるのは全部自費負担でやっているわけだから。  だからこのごろ、これは余談だから別に答弁しなくてもいいんだけれども、つまり道路法道路は、道路の上地をすれば五メーターで済む。ところが、開発をさせると六メーターだ。どっちがいいんだというと、区市町村にお金がなくなっちゃって、道路の上地を五メーターでしてもらうと、各地方公共団体が負担をして舗装して側溝を入れなきゃならないものだから、開発でやってくれ、こうなっているわけです。だから、せっかく五メーターでやろうと思っても、地方公共団体にお金がなくなっちゃったものだから、五メートルの砂利道を受け取ったって、舗装したり側溝を入れたりするのにまたすごい金がかかるから、開発でやってくれ、そのかわり六メーターでやれ、こう言うわけだから、言っていることがおかしいんだ。  だから、これは道路行政との関連がありますけれども、つまり、そういうものをちゃんとしないとそれこそ優良住宅の促進につながらないわけね。だから、ぜひそういう点もこれから考えてもらいたい、こう思っています。  それから、都市計画道路というのはどこにでもあるんだ。ただ、その都市計画道路の進捗状況は、さっき岩國先生からもお話があったけれども、非常に少ない。  都市計画道路が完成をすれば、用途地域をまず変えられる、建ぺい率を変えることができる。それは広い道路に面するんだから。十二メーター道路だとか十六メーター道路に面するんだから、つまり用途地域がまず変えられる。やっとこのごろ、道路使用許可が出てから用途地域や何か変えた、今はもう途中で建ぺい率、用途地域を変えるから多少は助かっているんですけれども。  例えば東京なんかでは、全然、都市計画道路が進捗をしていないし、大阪でもそうですね、資料を見ると。これは防災対策にもなるし、まさに不燃化建築物を建てるためにもまず都市計画道路というのは大事な道路ですから、ぜひやっていただきたい。  これもさっき岩國先生からお話があったけれども、問題は、買収方法がよくない。だから、買収方法にもう少し知恵を出せば、一番ネックになっているのは、非常に限られた範囲の中でしか用地買収ができていないから、立ち退いてくれる人たちのための用地買収方法じゃないものだから、お金がないということよりも、用地買収の規則そのものに硬直性があるものだから、現場の担当官や現場の事務所がなかなかできない。こういう状況ですから、都市計画道路については、防災対策の面からも、ぜひ進めてもらいたいと思っております。これは答弁してくれることになっていたか。
  39. 岸田文雄

    ○岸田政務次官 都市計画道路の重要性につきましては、先生御指摘のとおりでございまして、社会経済活動を支える根幹的な都市基盤施設だと認識しておりまして、この都市計画道路整備によりまして、交通渋滞等を解消して円滑な交通を実現するだけではなくして、御指摘がありましたように、沿道土地の有効な、そして高度な利用を可能とする大切なものだと認識しております。そうした認識のもとにこれからも施策を進めていかなければいけない、我々も十分認識しているところでございます。  しかし、先生の御指摘のような問題点も十分認識しておりまして、進めるに当たりまして、全体的な見通しを立てる、それを五年ごとの都市計画基礎調査によって検証していく、そして全体的な整備プログラム、こういったものをつくる。これは、策定すると同時に、これを公表していく。公表することによって、より広い理解を得て、その理解のもとに進めていかなければいけない。そのようなことによりまして、よりスムーズな施策を進めること、そういった重要性も感じているところでございます。  またぜひ御指導いただきますよう、よろしくお願いいたします。
  40. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 東京なんかは、都市計画道路というのが三千百キロあるんだ。だけれども、まだ大正時代に計画をして、いまだに全然できていないような道路があるんだ。どんどん家が建っちゃうんだけれども、ますます道路がつくりにくくなってくる。もちろん固定資産税等については減免措置がありますけれども、とにかく、いつまでたっても堅固な住宅は建てられない。都市計画道路内は木造建築しか建てちゃいけないことになっているんだから。だから、コンクリートで、少し地下を掘って半地下で車庫をつくろうと思っても、堅固な建物だから車庫ができない。そこまで規制を受けているわけです。  だから、何十年間と規制を受けているわけだから、都市計画道路については、やるものはやる、やらないならやらないということにしないと、みんな迷惑していますよ。そういう意味で、ぜひこの都市計画道路については促進をしてもらいたい、そう思っているわけです。東京なんか、首都機能移転とかなんとか言っているけれども、東京を便利にすれば首都機能なんか移転しなくても済むんだから。これは別に答弁しなくてもいいですよ。  それからもう一つ、税制です。これは昔、バブルの土地のときに、土地譲渡益課税なんてどんと上げたでしょう。二六%だったものを三二%だとか三八%に譲渡益課税を上げていった。だけれども、最近は土地が安くなってきたから譲渡益課税もどんどん下げたんだけれども、やはり土地譲渡益課税なんというのは下げていかなきゃいけないし、土地が安くなっているんだから、固定資産税だってどんどん安くしなきゃおかしいと思うんだよ。  自治省も大蔵省も、何でもいいから金を取ればいいと思って、本当に日本じゅう税金だらけだ。だから、固定資産税なんかももっと安くする。土地譲渡益課税なんかも、どんどん安くしていかなきゃ、土地評価、公示価格なんていったって七割に見ちゃって、土地が下がっているのに上がっていくのだから、そんなばかな話はない。幾ら税収入が上がらないといったって、税収入が上がらないから行財政改革もやらないで全部税金に押しつけるなんという話はない。これは、だれか答弁してくれることになっているんだったか。
  41. 岸田文雄

    ○岸田政務次官 良質な住宅供給を図るために、先生御指摘のように、税制面で支援していかなければいけない、これは強く感じているところでありまして、そして、あわせて土地の流動化を進める、こういったことによりまして良質な宅地供給が可能になるというふうに考えております。  その一つの大きな要素として税制面の御指摘をいただいたわけでございますが、この点につきましては、まず優良な住宅宅地供給の促進策としまして、平成十二年度の税制改正において、建設省においては、新築住宅に対する固定資産税の特例措置の拡充、こうしたことを要望として出しておりまして、また一方、土地流動化の促進策としまして、固定資産税、登録免許税及び不動産取得税、こうした負担軽減を図る、こういったものを平成十二年度の税制要望の中に盛り込んで、ぜひ実現したいと考えているところでございます。  また、御指摘のありました譲渡課税の方でありますけれども、これは平成十一年度、本年度におきまして、長期譲渡所得に係る税率の引き下げを実現したところでございます。この成果につきまして今見きわめているところでありまして、この辺も状況においてはまた一層考えていかなければいけない、そういった問題意識を持って対応しておるところでございます。ぜひ御理解いただきますよう、よろしくお願いいたします。
  42. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 今御答弁にもありましたように、家を買えば登録税、不動産取得税をどかっと取られる。買った土地には固定資産税は高いし、車を買えば税金だらけだし、全く日本という国は税金だらけで、よく暴動が起きないと思って不思議でしようがないくらい税金をいっぱい取られている。だから、税というのはこれから、大蔵省や自治省ばかりに任せておくと、どこかで税金を取る方法はないかなんてそんなことばかり考えているから、やはり建設省でも何でも、ちゃんとこれはだめですよと言ってぴしっと断るくらいの勇気と元気を持ってもらいたい、そう思っていますよ。  それからもう一つだけ質問して終わりますけれども、ちょっとこれは説明しにくいんだ。公道があって、そこから突っ込みの私道があるんだ、行きどまりの。そうすると、一番最初にある角地の人は、公道に面しているから建築許可がとれる。次の人の私道にへりついて公道に面していない宅地というのは、一生涯建築許可がとれないんだ。だから、全部無届け、違反建築になっちゃう。そうすると、そういう人は住宅金融公庫や何かからお金を借りられないのです。一番困っている人が住宅金融公庫から、それはそうでしょう、無届け建築なんだから、正規の政府の金融機関のお金は借りられないんだ。その人は、いつも高い銀行の金利で借金をして家を建てる。  だから、自分たちの前面道路を中心からセットバックする、そうすれば建築許可を与えてやるという方法にしないと、角地の人がうんと言ってくれれば、要するに、四メーター私の家も削ってあげましょう、そして隅切りをちゃんと二メーターとりますよと言ってくれればいいのだけれども、そうでないと、この人は一生無届け建築になる。こういうことですから、その辺は、これはどう答えていいんだか、ちょっと困ったとかなんか言っていたけれども、言っている方も困っているんだよ。
  43. 那珂正

    ○那珂政府参考人 お答えいたします。  吉田先生、もうよく実態を御存じだと思います。その上での御質問でありますので、くどくど申しませんけれども、道路と建築物の敷地の関係については、その所有形態とか、接すべき道路の幅員とか、これの本来あるべき、例えば四メートルということは、建築基準法の四メートル以上の道路に接しなければならないという原則と、そうはいっても実態としてそういう道路ばかりじゃないじゃないかということと、本当に長い歴史の中で入り組んだ問題が多々ございます。  昨年の建築基準法改正の際にも、そういうことについて、従来どちらかというとあいまいな処分が行われていたものについて、四十三条を改正いたしまして、きちっと許可という明確な行政処分をすることといたしまして、また、当然その許可に当たっては許可の基準というものも明確にして、それぞれ今自治体でいろいろの見直しをしているところでございます。  今のような問題につきましても含めまして、とりあえずそういう許可の基準というものを明らかにして、実態とあるべき姿とどうすり合わせていくかということを、これからまた不断の見直しを行いながらよりよき方向に進めていかなければいけないと思いますので、今の御指摘のような問題も含めまして不断の見直しを進めていきたい、こう思っております。
  44. 吉田公一

    ○吉田(公)委員 では、よろしくお願いします。  ちょっと十五分ぐらい早いけれども、これでやめます。どうもありがとうございました。
  45. 平田米男

    ○平田委員長 中島武敏君。
  46. 中島武敏

    ○中島委員 日本共産党の中島武敏です。  端的に伺いたいと思っているんですけれども、先ほども問答があったようなんですけれども、この法案は、銀行や不動産資本の要求に基づく景気対策と位置づけられております。真のねらいは、大企業へのカンフル剤として、バブルの後始末である土地の流動化や証券化を促進するため、土地の高度利用、都市再開発を推し進めるものではないのかということ、不動産業界など財界の要望を実現しようとするものではないかと思うんです。  業界は、早くから定期借家推進協議会を結成して、推進派の学者や建設省OBを組織して、九八年六月に決起集会を開いて、法案が通れば八千億円の景気浮揚効果があると気勢を上げております。それを見ても、この法案のねらいは年来の業界の要望を実現するためのものではないかと思うんですが、提出者の答弁を求めます。
  47. 保岡興治

    ○保岡議員 この法案を議員立法で手がけた経緯でございますが、先生が今お尋ねのように、特殊な経済団体から要請を受けてこれに取り組んだのでは、率直に言って全くありません。  実は、先生も御案内のとおり、政府の規制緩和計画というものがあって、その中に、良好な借地借家の供給促進を図るため、いわゆる定期借家権を含め検討するという勧告がなされて、その結果、法務省の民事局において平成七年に研究会を発足させる。そこで二年研究した結果を平成九年の六月に論点整理をやって、それを公表して関係各界へ意見照会を実施した経緯がございます。  その中で、実は私も、論点が公表されました機会に経済学者のある方からお話を聞きました。そうしたら、研究会をよく見てみますと、民法学者それから弁護士だけで構成されている研究会でございました。そして、論点を見ましたら、確かに定期借家の創設についていろいろな角度から検討はしてあるんですが、それは、借り主と貸し主のお互いの権利をどう調整して居住の安定を図るかという観点から、いろいろそれが検討されておりました。  しかし一方で、この規制緩和計画で勧告された趣旨からいえば、むしろ、良好なゆとりのある借家というものの供給が日本の場合は非常に不足している、なぜ不足しているんだというような観点。いわゆる正当理由制度という強力な解約制限によって、それがどう経済に反映しているかというような点。  あるいは、日本にも、平均して四割ぐらいの世帯が借家世帯なんですが、それが非常に狭隘なものになっている。一方でまた、借家でいきたい、要するに、家を借りて住みたいという人が従来は非常に少なかったんだけれども、バブルが崩壊した後、資産価値が長期低落の方向をたどり始めるとか、あるいは給料が年功序列で将来どんどん上がっていくような雇用形態が変化してきたとか、いろいろな社会情勢の変化があって、そのために持ち家志向というものが非常に減ってきた。  借金をして、ある程度将来の給与が上がるのを見込んで、ある程度また物価も上がるのを見込んで、借金が軽くなる、したがって持ち家の方がいいというような流れが大きく変化をした。  実は、借家に入っている人の意識調査をしても、家が持てないから借家にいるんだという人が従来は圧倒的に多かったんです。借家に住みたいから住んでいるんだという人は少なかった。これがバブル崩壊後、あっという間に数年で逆転をしまして、借家に住みたいという人、だから住んでいるんだという人が圧倒的に多くなって、持ち家が持てないからとりあえず借家に住んでいるんだという人が少なくなって、その率が逆転をいたしております。  そういう変化とか、それから、今先生も御指摘のように、これから優良な都市、町づくりをやったり、あるいは優良な住環境、そういったもので国民生活を豊かにしていくという観点、そういうことにこの今ある正当理由制度の強力な解約制限が障害になるかならないかというような観点。  こういったことなどが全くその検討の中に入っておりませんで、建設省の住宅政策というところとコミュニケーションして、そこの意見を聞いている様子も全くありませんし、日本がこれだけ経済力を回復していわゆる大きな経済の国になって、住宅を供給する力は圧倒的にふえているにもかかわらず、諸外国に比べて、持ち家は遜色のないところの規模を手にしているものの、借家の点についてはまるで問題にならない狭隘な水準にとどまっていることなど、深く検討した様子が全く見られなかった。  事実、我々はその後、そういうことに気がついて、縦割りの行政の弊害でもあるし、十分な、将来を展望した住宅政策というものが全く反映されていない点を議員立法でカバーしていこうということで、国民各界各層、役所も、建設省の意見も聞いて、いろいろ検討しました。  確かに、弁護士の先生方あるいは民法学者には、定期借家の創設について消極的な点を言われる方もおられました。そして、その方々は住宅政策についてはほとんど言及されなかった。その結果がやはり研究会の論点整理にも端的にあらわれていることもよくわかりました。  そういうことから、我々は、単に経済団体のような特殊な団体から要請を受けてこれを検討し始めたものでなく、優良な賃貸住宅の供給がいかに日本の今の現状に照らして必要であるかという観点から、借家人とまた賃貸側の貸し主との権利の調整、住居の安定、あるいは選択肢の拡大、円滑な供給など、すべて総合してこの法案をまとめた次第でございます。
  48. 中島武敏

    ○中島委員 ゆとりある住宅の供給のためにこれを出したというお話ですね、結論は。私はそう思いませんし、後でもまた伺いたいと思っておりますが、私も限られた時間なので、できるだけ答弁はひとつ簡潔にやっていただかないと質問する時間がなくなってしまいますので。  そこで、きのう提示されました修正案についてお聞きしたいと思っています。  当初理事会で提示されたこの「修正に関する民主党の考え方」、これと、実際に提出されております修正案とを比較してみました。そうしましたら、定期借家関係部分では、「考え方」の文書交付による説明義務だけが法案化されておりますけれども、あとの周知徹底一年、それから小規模借家の適用除外、それから期間満了における裁判所の許可による一年の延長、これはことごとく落ちてしまっているのです。いや、落ちてしまっているというよりも、そこにはなかったことでさらに改悪をされていると思います。  何かというと、周知期間については、法案では附則で「この法律は、公布の日から施行する。」ただし、第五条借地借家法の一部改正、次条すなわち三十八条の定期建物賃貸借及び附則第三条既存借家の適用除外についても、これについては「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」となっております。つまり最大一年の周知徹底期間があったわけですね。ところが修正案では「平成十二年三月一日」となっております。  私どもは廃案を主張いたしますけれども、しかし、仮にことし十二月に成立をすれば三カ月しか周知徹底期間がなくなってしまうということになるのではありませんか。これは、多数の新規賃貸借が起きる三月、四月、この期間に間に合わせようという業界や推進勢力の強い圧力に屈したもの、あるいはその圧力を入れたものではないかと思うのです。  私は、一体この四党間でどんな協議がなされているのか、これを明らかにしてほしいと思います。
  49. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 お答え申し上げたいと思います。  まず、今皆さんも御承知のように、住宅ローン減税、その他のことも皆さんおやりだと御理解いただいていると思います。そして、それぞれが住宅その他に対して促進を図ろう、こういうことも現在やっているわけですね。こういう一連のことも含めながら、この減税をさらに伸ばそうという考え方もありますけれども、これ等についても、これは来年の三月ということもございますし、またこういう一連のことも含めながら住宅その他需要がある面では非常に伸びている、そしてローンが打ち切られるという心配の中で若干キャンセル等も出ている、こういうことも話し合いもしました。  もう一つは、一年の中で一番住宅需要といいますか、それぞれの社会の変化なり社会の需要等々があるのは、やはり就職とかあるいは入学、こういう問題、あるいはいろいろな転勤の問題等々考えてまいりますと、三月という時期が非常に多いわけであります。そういう一連のことも含めながら、この時期というものを三月という形で私たちは協議をさせていただいて三月にしたわけであります。  もう一つは、今の周知徹底の問題等については、文書交付も含めながら周知をさせる、こういう形をして、この賃貸借、借家人の皆さん方のどちらかというとそれを保護する意味でも周知徹底をし、かつまた文書で説明、あるいはまた公共のところでもこれを明確に説明をさせる、こういうことであるわけでございますので、私たちはそれぞれ協議の結果このようになったということで、どこからも別に圧力があったわけじゃありませんし、物事をそのような形で私たちは話し合いを、どこからか圧力があったからこうしようということではなくして、お互いにそれぞれ議論をさせていただきながら、一番適切、適正な時期はどの部分、どの時点であるかということも含めてさせていただいたわけでございますので、その辺を御理解いただきたいと思います。  以上です。
  50. 中島武敏

    ○中島委員 これは新しい考え方が導入されるわけですから、よほど周知徹底をさせることは必要だと思うのですね。その期間をやはり十分にとってやることが必要だと思うのですけれども、しかし、今の御答弁では、やはり周知徹底期間というのはこれが適切だ、そういう考え方のようなんです。  次に伺います。  この法案の根幹をなす借地借家法改正による定期借家導入は、一九九八年の六月五日、当時の自民、社会、さきがけの与党議員九名によって借地借家法の改正として提出されたものです。しかし、付託された法務委員会で一度も審議されたことはありません。それが、突如さきの通常国会の会期末である七月三十日に本法案が提出され、継続審議になりました。しかも、この臨時国会では建設委員会に付託することが強行された。そして、借地借家法改正案はさきの国会で廃案となったものであります。これはまことに私は異常なことじゃないかと思うのです。  借地借家法は民事の基本法であり、しかも国民の権利に関する法律です。ですから、そのことを審議対象とする法務委員会での審議を経るのが当たり前だと思うのですけれども、なぜかそこが回避されてしまっている。国会のこれはルールにも反しているんじゃないかと思うのです。法務委員会で一度も審議されなかったのは、我が党はもちろんですけれども、社民、民主、公明の議員からも反対意見があったからではないのでしょうか。また、反対世論の強い批判で結局審議されることなく廃案になったのではないかと思うのですけれども、いかがですか。
  51. 保岡興治

    ○保岡議員 確かに、先生のお話のように、自民党それから自由党、社民、さきがけ四党の提案で議員提案をさせていただいたのは、定期借家法の一部改正という形で法務委員会に係属する予定でありました。しかし、我々は公明とその後協議したり、私たちも勉強いたしまして、確かに定期借家契約そのものは従来の借地借家法の改正を一つの骨格にするものの、その目的に照らして考えれば、良質なゆとりのある賃貸住宅の供給促進ということであるのは間違いありませんし、また同時に、そのことを政府もできるだけ促進することを基底に、住宅政策としてこの法案の中に取り込んでいこうということにもさせていただきましたし、また、特に市場原理で救済されない住宅に困窮する人など、そういった方々のセーフティーネットをもっと強化する趣旨を入れて車の両輪にしようということなど、住宅政策あるいは賃貸住宅政策全般に関することに法の内容をリニューアルいたしまして、そういった観点から建設委員会に付託されて審議がされる運びになったものと存じます。
  52. 中島武敏

    ○中島委員 法務省に伺いたいんですけれども、法務省は借地借家法についてどのような対応をしてきたか、その経緯について簡単に、簡潔に説明をしてください。
  53. 小池信行

    ○小池政府参考人 賃貸借関係が契約期間の満了によりまして確定的に終了する定期借家制度につきましては、借家の供給を促進するという観点から、かねてよりこれを導入すべきであるという提言がされてまいりました。  この問題は、先ほど保岡先生が御答弁されましたが、政府の規制緩和推進計画におきましても取り上げられまして、良好な借地借家の供給促進を図るため、いわゆる定期借家権を含め検討するという方針が示されるに至ったわけでございます。これを受けまして、法務省民事局では、平成七年六月に借地借家等に関する研究会を設置いたしまして、定期借家権の問題を中心に据えまして、良質な借家の供給を促進する方策等について検討してまいりました。この過程で、平成九年六月に、中間的な検討状況を「借家制度等に関する論点」として公表いたしますとともに、関係各界に意見照会を行い、その年の十二月に意見照会の結果を公表したところでございます。  さらに、平成十年の二月に法務大臣の諮問機関であります法制審議会民法部会に借地借家法小委員会を設置いたしまして、定期借家権の問題を主題とする検討を開始いたしましたが、定期借家権の導入を内容とする借地借家法の一部改正法案が議員提案により国会に提出される動きが具体化したことを受けまして、法務省における検討作業は現在休止した状況にございます。
  54. 中島武敏

    ○中島委員 居住や営業といった国民の基本的な権利にかかわる問題であり、同時に民事法上の重大問題である借地借家法改正案は、さらに多くの意見を集約して多面的な検討を重ねるために、法制審議会の審議を経ることが必要だったんではないでしょうか。一般的に言えば、借地借家法の改正は、さきに指摘したように民事の基本法でありますから、法制審議会の議論を経て提出されるというのが当たり前じゃないかと思うんですけれども、この点についてはどうでしょうか。
  55. 小池信行

    ○小池政府参考人 規制緩和推進計画におきまして定期借家権制度の導入の検討がうたわれたということはさきの御答弁で申し上げたとおりでございますが、本年の三月に閣議決定を見ました規制緩和推進三カ年計画におきましては、さらに内容を踏み込みまして、「定期借家権の導入を促進する観点から、必要に応じて、所要の措置を講ずる。」との方針が示されたところでございます。  さきに申し上げました議員立法の動き、それが本日のこの法案につながっているというふうに理解をしておりますが、これはただいま申し上げた政府の方針に沿うものでございまして、法務省といたしましては、こうした状況にかんがみまして検討状況を休止しているところでございます。
  56. 中島武敏

    ○中島委員 私は、今の説明もありましたが、審議会で議論を開始したやさきに議員立法で借地借家法改正案が提出されたんですね。これは明らかに、私なんかの考えでは、早期成立をねらったものじゃないかというふうに思うんですね。  しかし、ちょっと時間の関係もありますので、次に、この法案についての推進論者の多くが口にしている論点の問題について聞きたいと思うんです。  一つは、安い家賃で良質な賃貸住宅が大量に供給されると言いますけれども、我が国の住宅政策というのは、もう御存じのとおり、住宅金融公庫による金融政策など誘導政策中心なんですね。ですから、市場原理任せの住宅市場の中では、良質な住宅であれば結局家賃が高くなるんじゃないかと思うわけです。勤労者の支払い能力に応じた家賃では、やはり規模が限界があるんじゃないでしょうか。現在の狭小過密の住宅事情に逆に拍車がかかってしまうんじゃないかと思いますが、いかがですか。
  57. 根本匠

    ○根本議員 我々、この定期借家権の問題、住宅政策、都市政策、さまざまな観点から、いかに国民のためにあるべきか、これで検討してまいりました。先ほど来保岡議員も申し上げていますように、これはあくまでも、良好な賃貸住宅を、多様な、さまざまなバリエーションを持つ賃貸住宅を供給することに資していこう、こういうねらいでこの法律をつくったわけであります。  現行借家制度におきましては、契約期間あるいは収益見通しの不確実性、あるいは立ち退き料支払いという将来的な経済的な負担の可能性がありますので、賃貸住宅経営者の良質な賃貸住宅供給意欲をこの厳しい解約制限で阻害している、こう思っております。  実態がどうなっているかと申し上げますと、転居率が高い単身者のワンルームマンションが多い、あるいは一DK、二DK等の供給が多くなっている。その結果、今の日本の賃貸住宅の借家ストックの平均床面積、これは約五割が四十平米未満となっておりまして、これが、例えば欧米諸国と比べますと、持ち家については床面積が遜色のない水準になっておりますが、貸し家だけが欧米諸国の半分ぐらいの床面積になっている、やはりここは問題ではないかということで今回の法案を提案させていただきました。  今回、期間が満了すれば確定的に終了するという定期借家権の導入によりまして、貸し主の方も見通しの確かな上で安心して貸せるようになりますから、これは貸し家住宅の供給の意欲が非常に向上してくるだろうと考えております。  いろいろなパターンがあると思いますが、一つは、例えば今遊休化している持ち家、この持ち家が、簡単に言います、持ち家が貸し家に出てくる。それから新規の貸し家供給が出てくるだろう。それで、ファミリー型のこういう多様な貸し家供給が期待されますので、その結果、供給の増加によって家賃も低下することを見込んでおります。例えば、今東京、大阪で空き家となっている持ち家の平均面積八十三平米、約七割方が貸し主が賃貸活用を望んでいるという調査もありますし、それから一方で、六十五歳以上の高齢単身、夫婦のみの世帯、百平米以上の広い持ち家に居住する世帯、これは約百五十万世帯ありますから、これらの持ち家も貸し家に転換してくることも期待されておりますので、その意味では、先生のおっしゃるような御懸念はないと思います。
  58. 中島武敏

    ○中島委員 たくさんの借家が出てくれば家賃が下がるという、しかし、それはたくさんの借家が出てくればという仮定の話でありまして、なかなかそれは受け入れがたい話だと思うんですね。  それでは、その次に伺います。  それは、提出者に加わっている政党である公明党・改革クラブの冬柴鐵三幹事長は、法案提出後の八月四日に記者会見を行って、良質な公共賃貸住宅を供給する、具体的には五年間で百万戸の公共住宅を建設するとしておりますけれども、建設省の五カ年計画は、特優賃、これは公共住宅じゃありませんけれども、これを加えても五十一万二千戸ではないかと思うんですね。  そこで、建設省に伺いたいんですけれども、現在の五カ年計画を改定するつもりはおありかどうか。また、二〇〇一年以降の五カ年計画について、これを倍加するという計画はあるのかどうか。  それから、もう一つ伺います。  実は、今地方財政が非常に危機にあるものですから、東京都なんかの場合も来年度はゼロであります。公営住宅は一戸も建設しない、そういう発表をしております。大阪府もどんどん切り下げております。後退するばかりなんですね。特優賃なんと申しましても、結局、毎年三%あるいは五%ずつ値上げになっていくので逆に空き家がふえているという実態ではありませんか。  そういう点からいうと、この法律で大量建設が、私どもは大量建設を望む、そういう政策を掲げて頑張っているのですけれども、しかしこの法律で大量建設が担保されるかどうか、この点について、これは提出者の方に伺いたいと思います。
  59. 加藤卓二

    ○加藤政務次官 中島委員の御質問は、公共賃貸住宅の供給に関する住宅建設五カ年計画における対応についてのお尋ねでありますが、現行の第七期住宅建設五カ年計画においては、公営住宅、高齢者向け優良住宅等特定優良住宅及び公団住宅について計五十三万戸を見込んでいるところで、その他、住宅金融公庫融資による賃貸住宅等がありますが、その内訳は明示されておらず、毎年度の予算において計画を具体化し整備に努めているところです。  なお、平成十二年度予算においては、住宅金融公庫融資による賃貸住宅を含めて公的賃貸住宅全体としては十八万五千戸を要求しているところであります。  次期計画については、住宅審議会における議論を踏まえつつ、良質な公共賃貸住宅を供給し促進することに一生懸命努めていくことを検討しておるところでございます。
  60. 井上義久

    ○井上(義)議員 中島議員の質問にお答えいたしますけれども、本法案の第三条におきまして、国及び地方公共団体が、住宅に困窮する者に対する適切な規模、性能、居住環境等を有する良質な公共賃貸住宅の供給を行うため、公共賃貸住宅の整備及び改良に関し必要な措置を講ずるように努めることを定めているわけでございます。この努力義務の規定に基づきまして、国及び地方公共団体が公共住宅について適切に供給を進めていくものと私どもは理解しておるわけでございます。  この機会にあわせてお話をさせていただきますけれども、実は、この法案を自由民主党、自由党、公明党で検討いたしました折に、自由民主党、自由党、公明党の実務者の間で、ここにいらっしゃる保岡さん、中井さんも含めて、私どもの間で住宅政策におけるセーフティーネットの整備充実等に関する合意というものをつくっておりまして、それは、一つは、公営住宅を含め公共賃貸住宅の十分な供給に努め、国民の住宅セーフティーネット構築の実現に最大限の努力をすること、それから二つ目が、高齢化時代に対応し、高齢者が居住の場所に困窮しないよう高齢者向け公共賃貸住宅の供給の促進に努めること、それから三つ目に、少子社会に対応するため子育てを支援する良質な公共賃貸住宅の供給に努めること等々六点にわたって合意をつくっておりまして、私どもはこの合意に基づきまして、議院内閣制でございますから、やはり国会議員が責任を持ってこの公共住宅を中心としたセーフティーネットの整備に努めていく、このことをぜひ御理解いただければと思います。  以上でございます。
  61. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 これはちょっと修正にもかかわることなので一言答弁をさせていただきたいと思います。  今もお話ありましたとおりでありまして、安全性、耐久性、そして快適な環境を保つために要するに優良な住宅をつくっていく、また住宅困窮者に対してのセーフティーネットも充実させていく。そういうことを考えますと、非常に喫緊な案件でもありまして、今委員が言われたとおりで、ちょっと少ないのじゃないかという話はありますけれども、住宅建設五カ年計画でこれをしっかりと策定をしていきたい。そしてまた、先生にも御協力いただきました、これは公営ではありませんけれども、住宅の品質確保の法律も通させていただいたという関係もありますので、これから良質な住宅の供給に尽くしていきたい、かように思っております。
  62. 中島武敏

    ○中島委員 もっと質問したいこともあり、また言いたいことも随分あります、今の答弁には。けれども、時間ですから木島議員にかわります。
  63. 平田米男

    ○平田委員長 木島日出夫君。
  64. 木島日出夫

    ○木島委員 日本共産党の木島日出夫でございます。  私は、この法案によって新たに創設されようとしている定期建物賃貸借契約の法的性質について、筆頭提案者である保岡議員に確認のためまず質問をしたいと思うのです。  定期建物賃貸借契約というのは、要するに、約定の期間が来たら賃借人の賃借権は消滅する、そして借地借家法二十六条から二十八条の規定は適用されない、そして賃借人は賃貸人側に正当事由がないことを理由として契約の更新請求ができない、ポイントはそういうことですね。確認ですから、答弁を願います。
  65. 保岡興治

    ○保岡議員 おっしゃるように、確定的な期間を合意によって定めて、その期間が来たら、従来の正当理由制度の適用を見ず、その期間の終了をもって契約が終わるということを基本に提案しております。
  66. 木島日出夫

    ○木島委員 これも筆頭提案者にお聞きします。  認識ですが、保岡議員は、一九九六年六月十四日にトルコのイスタンブールで行われた第二回国連人間居住会議、ハビタットII、ここで、人間の住まいは医療や福祉の基礎として、基本的人権の一つとして保障されることが必要だと宣言されたこと、居住の権利という概念が確立されたこと、日本政府もこの宣言に賛成したこと、これらの事実は御存じでしょうか。イエスかノーかでお答えいただきたい。
  67. 保岡興治

    ○保岡議員 内容についてつまびらかに存じておりませんが、そういう国際的な動きと、日本政府もそういうことに努力する方向にあることは承知しております。
  68. 木島日出夫

    ○木島委員 それでは重ねてお聞きいたしますが、そこで、居住の権利というのは人が適切な住居に住む権利だと定義されていること、そしてハビタットの事務局の説明によりますと、いろいろ中身は豊富ですが、その中の一つには、強制立ち退きの侵害がないということもその中に含まれる、このようにハビタット事務局は説明しておりますが、このことは筆頭提案者は御存じでしょうか。
  69. 保岡興治

    ○保岡議員 その内容については直接存じておりませんが、そういう趣旨がそこに規定されているのもよく理解できるところでございます。
  70. 木島日出夫

    ○木島委員 そうしますと、今回の改正というのは大改悪だと私は思うのです。大正時代以来一貫して続けられてきた、借家人が家主側の立ち退き請求に対して家主側に正当事由がないではないかということで契約の更新請求ができるという、この長い間続いてきた基本的な権利がこの法律の制定によって奪われていくことになるわけであります。  そうすると、まさに今回の法改正で創設しようとする定期建物賃貸借というものは賃借人の住まいの権利を奪うことになってしまう。これはハビタットの居住の権利宣言の目指している方向と全く逆方向になるのではないかと思いますが、筆頭提案者の認識をお伺いしたいと思います。
  71. 保岡興治

    ○保岡議員 木島先生の御指摘でございますが、私はこの条約に沿った対応がこの法案の中身だと思います。
  72. 木島日出夫

    ○木島委員 とてもそんなものじゃないということで、次に、では定期建物賃貸借契約の具体的な中身について立ち入ってお伺いしたいと思います。  最初に、この契約の成立の要件についてでございます。  法案第五条で規定する借地借家法三十八条、改正三十八条は、定期建物賃貸借契約が成立する要件として、公正証書による等書面によって契約をすることとありますが、契約の方法に関してこのような限定を入れた趣旨、その根本的目的は何なんでしょうか。
  73. 根本匠

    ○根本議員 定期借家契約は、御承知のとおり、従来の正当事由制度による保護のある借家契約と比較しますと、期間の満了により確定的に契約関係が終了することになりますから、これは当然あらかじめ想定しているわけですが、その効果において大きな差異が存在いたします。このため、口頭による契約を認めますと、賃借り人が定期借家権の内容を十分に理解しないままに契約をして、不測の損害をこうむることにもなりかねません。  こういう観点から、当事者の合意を明確にする、こういう観点で、三十八条第一項で書面による契約を義務づけることにいたしました。また、当事者の意思の確認が最も厳重かつ確実に行われるという点に着目いたしまして、書面として公正証書を例示いたしました。
  74. 木島日出夫

    ○木島委員 わかりました。  そうすると、そういう目的だということですと、ここの法律で言う、書面ということになっているんですが、書面なら何でもいいのでしょうか。市販の契約書でも、メモ程度のものでも、当事者間の定期建物賃貸借契約だという合意が書かれていれば、明らかになっている書面なら、何でもいいということなんですか。
  75. 根本匠

    ○根本議員 定期借家契約が成立するためには、賃貸し人と賃借り人、これが期間の定めのある建物賃貸借において契約の更新がないこととする旨を合意して書面によって契約することが必要でありますから、きちんとした合意成立しているということがきちんと表示されている書面が必要であります。
  76. 木島日出夫

    ○木島委員 だから、質問に答えてください、そういう合意が入っていれば、市販の契約書でもメモでもいいのかということです。
  77. 根本匠

    ○根本議員 私は、市販の契約書でも結構だと思いますし、契約の更新はないものとすると市販の契約書にきちんと書いてあれば、それは有効であると思います。
  78. 木島日出夫

    ○木島委員 それなら、なぜこの法案にわざわざ「公正証書による等」などと、いかにも厳格な方式のみを例示したのかということが私は疑われるんです。ですから私は、答弁者が言うように、最も厳格にきちんとした合意が表示されるのはやはり公正証書です。それを例示したのなら、一般的なメモじゃだめだ、市販の契約書じゃだめなんだ、公正証書に準ずる、例えば弁護士のような第三者の作成に係る書面、そういうふうに要件を厳格に解釈から導き出していいですか。そこを答えてください。
  79. 根本匠

    ○根本議員 要は、きちんとした意思が表示されていることが必要で、したがいまして、市販による契約書でも私はいいと思いますが、メモによる契約というのはだめだと思いますね。  それから、公正証書によるというのは、当事者の意思の確認が最も厳重かつ確実に行われるということで例示をしておりまして、ではすべて公正証書に限るという選択はないのかということもありますが、公正証書による場合には手続的に煩雑な面もありますし、これはやはり双方のどこまで要求するかという負担の問題もありますから、これは常に公正証書によることを要求するということではなくて、厳格なものとして例示をしておりますが、手続的に煩雑な面もあるということを考慮して、公正証書によるか、その他のきちんとした書面によるかは、当事者の選択に任せるのが適切であると考えております。
  80. 木島日出夫

    ○木島委員 答弁の中に重大なことが出ました。市販の契約書ならいいが、メモ程度じゃだめだ、私はその区分けがよくわかりませんが、先に進みます。  契約が三十八条の定期建物賃貸借であるためには、その問題の書面、契約書の中にどういう文言が書かれなければいけないのかについて質問します。時間が限られていますから端的に聞きますから、イエス、ノーで答えてください。  その契約書の中に期間の定めしか記載のないもの、九九年十月から二〇〇一年九月までと期間の定めしか記載のないものは、ここの法律で言う定期賃借権なんですか。端的に答えてください。
  81. 保岡興治

    ○保岡議員 期間が定めてある、期間が確定的であると同時に、契約の更新がないとすることを明確に書いていないと、定期借家にはならないと思います。
  82. 木島日出夫

    ○木島委員 期間の定めしか記載のないものは違うという答弁ですね。  では次に、市販の契約書の表題部分に、定期建物賃貸借契約書、そういう言葉が表題にある契約書、中には何も書いていない、普通の通常賃借権しか書いていない、表題にはしっかりと定期建物賃貸借契約書と書かれている、そういう契約は、ここで言う定期賃貸借契約ですか。イエスかノーか。
  83. 保岡興治

    ○保岡議員 それは定期借家契約書にはなりません。
  84. 木島日出夫

    ○木島委員 ならない。  では、市販の契約書の中にこういう条項が入っていた場合、どうでしょうか。本契約は更新しない、こういう条項が挿入されているものは、本定期契約になるんですか。
  85. 保岡興治

    ○保岡議員 これは法文にあるとおり、期間の定めがあるということで、期間がきちっと定められてあることと、その契約期間の終了をもって契約関係が終わりになって、契約の更新がないということが整っておれば、定期借家の基本的な効力を生ずることになります。
  86. 木島日出夫

    ○木島委員 そうすると、市販の契約書に大体普通書いてありますよね、期間というのは。いつからいつまで貸すんだということはほとんど書いてあります。それに加えて、本契約は更新しないという条項が挿入されていれば、もうそれは立派な定期建物賃貸借契約なんだという答弁ですね。  そうすると、時間がないからもうやめますが、本契約は更新しないという文章ではなかった、しかし一文、期限には必ず返してもらいます、こういう文章が入った、そんな契約がもしつくられたとすれば、これは定期契約になるんでしょうか。大事なところなので、イエスか、ノーかで答えてください。
  87. 保岡興治

    ○保岡議員 借地借家法の三十条の規定にもかかわらず、更新がされることがないということがポイントだと思います。
  88. 木島日出夫

    ○木島委員 次に、大事な質問が幾つか残っておりますので、私は、今の答弁を聞いても、契約の書式についても文言の中身についても、これが通常賃貸借契約なのか、正当事由が厳格に適用される通常賃借権なのか、今回つくられようとしている定期借家権契約なのか、それとも、そのほかに一時使用の賃貸借契約というのが法律上あるんです。この三つの概念というのは非常にあいまいで区分けが難しい。そういうものが判然としない場合、そういう場合はどうなると提案者はお考えなんでしょうか。
  89. 保岡興治

    ○保岡議員 判然としない場合は、できるだけどの類型の契約かということを、出るところに出てというか、裁判所でどう認定するかという問題と、社会慣行上、賃貸借契約を行うときに、そういう不明瞭な形のものを排除して、いろいろな標準約款をつくって努力したり、いろいろ相談などの窓口をつくって、将来の紛争の種を残さないいろいろな指導や情報の提供をしたり、いろいろな総合対策でトラブルが起こらないようにしていくべきであって、御趣旨のようなはっきりしない契約をつくること自体を防ぐことにまず全力を挙げなきゃいけないと思います。
  90. 木島日出夫

    ○木島委員 そのとおりだと思うんですよ。だから私は、この法律、改正法の三十八条で、公正証書による等書面によってという概念を、一般市販契約なんてやめたらどうか。公証人が立ち会うのが公正証書です。第三者である弁護士が作成する等、そういう客観的な、だれが考えたって定期借家契約だということがはっきりと打ち出されるような書面のみに絞ったらどうですか。市販の契約なんかだと不動産屋が書きますよ。あるいは賃借人と賃貸人だけの契約が幾らでもこれからまかり通ってきますから、そういう今答弁があったような不明瞭なものが出てくる。それを提案者は、最後は出るところへ出ろ、裁判所だというのですが、それを防ぐためにも、せっかくこの中に公正証書による等なんて修飾語がついているんだから、もっと厳格な要件をなぜ考えないのですか。
  91. 保岡興治

    ○保岡議員 私は、裁判所に出ろなどと答弁したつもりはありませんので……(木島委員「出るところに出ろと言ったじゃないですか」と呼ぶ)出るところに出ろといったようなことではなくて、そういうところに出たときの判断というものも一方においてありますがということを申し上げたので、正確にとらえていただきたいと思います。  それから、今お尋ねの件でございますが、先ほど根本提案者からも御説明を申し上げたように、公正証書だけに限定するということになりますと、まず、国民の広い範囲内でこの住の基本的な契約が行われることを考えますと、公証人役場に一々行かないと契約ができないということは、その機会を非常に困難にすることにもなりますし、コストの点では、お金の点でも手間暇の点でもいろいろ問題が生ずる。  自由主義経済における我が国の経済、あるいは、国民のお互いの権利関係は自由契約によって行うということを基本に、これだけすばらしい国家を築いてきているのですから、私は、住の基本的な契約においては、それぞれ一番大事な契約として国民も対処する、そういった意味で、書面で決めるという我々の提案で十分な措置がとられていると考えます。
  92. 木島日出夫

    ○木島委員 私は、自由契約を盾に長い間続けられてきた賃借権の権利が奪われてはならぬ、しかも、世界の流れに逆らって、自由契約の名のもとに賃借権の大事な居住権が侵害されてはならぬと思いますが、次の質問に移ります。  賃借人からの中途解約権の問題です。  法案第三十八条三項に関係するものであります。三十八条三項は、二百平方メートル未満の居住用建物定期賃貸借については、一定の要件が必要ですが、賃借人からの中途解約権があるとしていますね。そこで、お聞きしたいのです。これは、二百平方メートル以上の居住用の定期賃借権の場合や、事業用の定期賃借権の場合には、賃借人側からの契約期間中の中途解約権はないということを意味するのですか。
  93. 保岡興治

    ○保岡議員 法律上、当然にないということでございます。
  94. 木島日出夫

    ○木島委員 そうすると、この法律は二百平方メートル未満の居住用の賃借人にのみ、転勤、療養、親族の介護その他のやむを得ない事情による場合には中途解約権を認めるということですね。なぜそういう限定をしてしまうのでしょうか。二百平方メートル以上の居住用の賃借人においても、また事業用の場合でも、中小企業は苦しいですから、倒産その他いろいろなことがあるわけですから、やむを得ない場合、もう借り続けられないという場合は大いにあるではないですか。何で、そういう事業用の皆さんの場合や二百平米以上の居住用の賃借権については、賃借人側からの解約権なんというのを否定してしまうのですか。ひどいではないですか。
  95. 保岡興治

    ○保岡議員 一般的に言って、居住用の、しかもここに法案として決めました一定の面積を基準にしましたが、二百平米未満の建物に住んでいる方々は、比較的規模の大きい居住にある方々よりか、経済的にもどちらかというと負担する力が弱い方々であったり、あるいは住宅に関するいろいろな情報に触れる機会が少ない、そういう住宅情報弱者であったりするケースもあるということを考えて、この規定を特に置いたものであります。  一般的には、やはり当事者が確定期間を合意して、更新がない、新しい契約のメリットというものをきちっと確保するための制度として、定期借家のこういった借り主側からの解約権を認めない制度の方がすぐれていると考えて、貸し主側の収益期待感というものとの調整も図る必要があると考えて、このような規定を設けました。
  96. 木島日出夫

    ○木島委員 中途解約権が契約期間中は借家人の方からはないということはどういうことかというと、借家人の方の事情で明け渡さざるを得ないという場合でも、期間中は決められた家賃だけはどんなことがあっても払い続けなければならぬということを意味するわけですね。うなずいていますが――まあ、いいです。そういうことなんですよ。ところが、そんなのは本当にひどいではないですか。  例えば、日産のリストラで、武蔵村山あたりに借家をして日産から下請の仕事をしていた。しかし、仕事が切られてここではもう事業ができなくなってしまった。どこか千葉県の方へ行って仕事を探して、そっちで営業拠点を置かなければならぬなんという中小業者はたくさんこれから出てきますよ。そういう場合に、定期契約の契約期間中だからといって明け渡さざるを得ない、明け渡す。もう占有は家主の方に戻っている。それでも家賃を払い続けなければならぬという、何でそんな過酷な義務をそういう事業者や二百平米以上の賃借人に与えなければならぬのでしょうか。
  97. 保岡興治

    ○保岡議員 この賃借人からする解約の特約条項というものは、これは定期借家を結ぶ場合だけに適用になりまして、中小企業者にしろ、従前の正当理由制度下において契約したものについては、これは適用になりません。  それから、特約において、事業者は自分の事業における自己責任において特約を結んで、そういう場合のリスクを回避するということが期待されており、そういう期待のできない比較的規模の小さい居住用の建物に住んでおられる方にこういう解約権を与えて保護を図ったものでございます。先ほど申し上げたように、賃貸人の方の確実なインカムゲインの予測ということも非常に重要で、その点についての調和を図ったものでございます。
  98. 木島日出夫

    ○木島委員 だから、法案第三十八条は、二百平米未満の居住用の定期借家人に対して、契約当時予想できないようなやむを得ない事情が発生した場合、転勤とか療養とか家族介護、そういう場合は解約権を認めているではないですか。だから、契約のときに予想できないような、仕事がなくなってしまった、売り上げが落ち込んでここの場所では営業できない、そういう借家人は幾らでもいるではないですか。  そういう事業用の借家人の中途解約権を認めない、家賃だけは払い続けろというのは本当にひどいということを指摘して、一つだけ私は、現在の我が国の慣行として、私は弁護士ですが、当然な慣行なのですが、期間の定めのある賃貸借でも、その中途で賃借人側の事情で解約する場合は幾らでもある。これは、民法六百十八条の解約権の留保の特約がなくても、大体常識的な期間、一カ月か二カ月ですよ。借家人の方から、もう借り続ける状況がなくなった、お返ししますという場合は、期間中であろうとも、今の日本の社会では、一カ月か二カ月の常識的な期間があれば賃借人側からの途中解約も認められているのです。これは、実務はそういうことで動いていますよ。指摘だけしますが、有斐閣が「借家の法律相談」という本を出しています。実務では、それがほとんど通用しているのですね。私は、定期借家契約だからといって、そういう厳然としてある借家人側からの解約申し出権というのを否定して、家賃だけは使っていなくても払えというのは、本当にひどい法律だということを指摘しておきます。  最後にもう一つ。時間も迫っておりますので、既存の賃借人の保護の問題についてお聞きします。附則の三条と四条の問題であります。  これは、既存の賃借人を守るという立場から、既存の賃借人、今正当事由で保障されて守られています。この法律ができた後、その賃借人と賃貸人が合意解約をして定期建物賃貸借契約に切りかえてしまうということをやられてしまったら、既存の借家人が守れないということで挿入された条文だと思うのですが、附則四条を読みますと、守られるのは居住用の建物だけだ、しかも、当分の間だけだと書いてあるのです。  そこで、端的に聞きます。当分の間というのはいつまでを想定しているのですか。
  99. 井上義久

    ○井上(義)議員 今御指摘のように、既存の契約について、居住用については当分の間定期借家への切りかえを認めない、こういう規定をしているわけでございます。  これは、居住用の借家の場合は契約になれていないというようなこともあって、借家人が定期借家の内容について十分理解しないまま切りかえに応じてしまって不利益をこうむるようなことがないようにということでこの規定を設けたわけでございまして、当分の間というのは、そういう意味では、定期借家ということが十分周知をされ、そういう誤解が生ずるようなことがないというふうに判断される期間ということでございまして、特に何年ということではございません。やはりそういう理解の程度を勘案して、これは必要がなくなれば新たな法改正すべき問題である、このように思っています。
  100. 木島日出夫

    ○木島委員 大変あいまいな答弁です。  最後に一問だけ聞きます。この条文は居住用の借家人にのみ適用されるということですが、では最後に一点だけ聞きます。  大体、東京都内でも多いのですが、居住用と事業用を併用しているそういう借家人、わかりますね、借りている建物の中で営業もし、そこに住んでおる、こういう兼用借家人はこの条文で保護されるのですか、されないのですか。明確にしてください。
  101. 井上義久

    ○井上(義)議員 居住用が併存されておれば、それは居住用の建物というふうに解釈をして、この保護の対象になります。
  102. 木島日出夫

    ○木島委員 終わりますが、今の質疑の中でも、この法案は既存の借家人の権利を本当に根本から破壊するということで、断じて認められないということを主張いたしまして、質問を終わります。
  103. 保岡興治

    ○保岡議員 木島先生、大変恐縮ですけれども、一方的に御自身の主張を言われて終わられましたが、先ほどからのお話に、慣行としてそういう借家人の方でいろいろな事情が発生して途中解約をしたい場合には事業用だっていろいろ配慮すべきだと言われましたが、それはまずお互いに、当事者が合意をして、あらかじめ契約するときにそういう特約を設ける標準約款などが普及、徹底していくことになると思いますし、また相談機関とかいろいろなところで相談したり、新しい居住をあっせんしたり、そういういろいろな行政的な努力などによっても居住権というものは確保されていく。  したがって、法律上どう仕組んであるかということと実際上にどうすべきかということとは、必ずしも一致しないことを我々も承知してやっているということを御理解賜りたいと思います。
  104. 木島日出夫

    ○木島委員 いや、法律でどう書かれているかが賃借人の権利ですから、しかも基本的人権ですから、(発言する者あり)いやいや、答弁したから言うのですよ。
  105. 平田米男

    ○平田委員長 静粛にしてください。
  106. 木島日出夫

    ○木島委員 本当にこれは法律で、借家人の権利にかかわる問題だから法律できっちり規定しておかなければだめだということを私は主張して、では終わらせていただきます。
  107. 平田米男

    ○平田委員長 保坂展人君。
  108. 保坂展人

    ○保坂委員 私は、社会民主党の保坂展人です。  保岡議員にお尋ねしたいのですが、保岡議員も法務委員会所属のはずです。本法案は法務委員会にかかっていましたね。そして前国会の会期末に、保岡さんも含めて、廃案ということで、法務委員会での議論はなしにした。そして、住宅供給の面での幾つかの施策をつけてこういう法案名で出してこられた。これは議会人として、表紙をかえて、しかも努力規定の住宅供給政策に何か担保されるものがあるのかというと、そこがはっきりしないと私は思っていますね。これは建設委員会でこういう形でやる、しかもきょう三時間余りですね。聞くところによると、これはそうしないでいただきたいですが、参考人の方の御意見をこの委員会で聞いて、即その後に採決という話も伝わってきている。本当に大事な、これだけ国民の生活にかかわるこういう大事な法案を、自社さでも協議いたしました、それから自自公でもされたでしょう、それから民主党も加わってやった、こういう経過が見えないのです、国民には。やはり委員会できっちりと議論を尽くして、問題点を明らかにし、また誤解があるというのならその誤解をきっちり明らかにして、審議を尽くしてやるべきではないかと思うのですね。この点について、保岡議員に伺います。
  109. 保岡興治

    ○保岡議員 提案者としては、できるだけ審議をして、きちっとした議了を遂げて成立させるべきだと思っていますが、委員会の運営については委員長初め委員各位の責任を持たれるところだと存じます。  それから、先生がお尋ねの、従来、法務委員会に審議していただく予定で、自社さ、自由党で提案していたものですね。これに、先生もおっしゃいましたが、定期借家創設という、借地借家法の改正の部分は含むが、これの究極の目的は、良好な、ゆとりのある賃貸住宅の供給を促進して、国民の豊かな住環境を創出していくということが眼目でございますし、それにあわせて、いろいろ行政的に政府が対応すべきことの努力目標をしっかりと加えて趣旨を明確にする。さらに、先生も加わっていただいて協議して提出した、社民が加わった法案の方以上に、セーフティーネットについてはさらにプラスする内容を盛り込んで、自由主義経済で供給を促進し、サービスを多様に、良好にしていくということと同時に、セーフティーネットをもう一つの柱として確立して、よりよい法案として提出し、それは建設委員会で、住宅政策あるいは賃貸住宅政策全般にかかわることを内容とするということで、適切な対応になっていると思います。
  110. 保坂展人

    ○保坂委員 それでは、これはことしの夏、八月三日の朝日新聞の社説に、「肝心な点が抜け落ちた」という社説がありますね。これは、当初の自自公の案で、床面積五十平米未満の住宅については、五年間は定期借家権を適用しないという部分があったのだが、ここは面積制限、つまり保岡議員が今言われた、いわば良質な、ファミリー向けの広い、いい質の住宅供給がインセンティブだとするならば、ここを削ったというのはちょっとこれは説明がつかないのですが、どうして削られたのですか。短く、端的にお答えください。
  111. 井上義久

    ○井上(義)議員 その朝日の報道は私も存知しておりますけれども、実は、自由民主党自由党公明党、三党で協議をいたしました折に、既存の契約につきまして、特に住宅弱者と言われている、住宅弱者と言っていいかどうかわかりませんけれども、五十平米以下の小さな住宅に住んでいる皆さんが、いわゆる合意解約で定期借家に切りかえる、そのときに、十分理解をしないで切りかえる可能性があるということで、五十平米以下については当分の間定期借家を認めない、ただし、半年以上既に空き家であるとか、あるいは新築住宅については適用は除外をする、こういう規定だったわけでございます。それが、五十平米以下だけではなくて、居住用については既存の契約については解約を認めないということで、それは全面的に、今回の法律でそういうふうに規定をいたしましたので、その五十平米以下という規定はその中に含まれますから意味がないので、逆に、既存の居住者の保護を強化したというのが今回の法律でございますので、御理解いただきたいと思います。
  112. 保坂展人

    ○保坂委員 では、かねてから、定期借家権を導入すればファミリー向けの広い住宅がどんどん建つというふうにおっしゃるのですが、東京を見渡してみても、百坪あった家が、そこを売られる、そうすると、ひどい場合には四軒くらい建ってしまいますよね。あるいは五軒建つ場合もある。細長い住宅が建つわけですね。こういうことになってしまっては良質なファミリー向け住宅供給というふうにならないから、これは面積制限でやっておかしいわけないわけですね。どうしてこういうことを削ってしまったのですか。
  113. 保岡興治

    ○保岡議員 いわゆる定期借家というものは、強力な正当理由という解約制限があるために供給がゆがんでいる。どういう点がゆがんでいるかというと、どうしても回転のいい小さいものになる傾向が経済上生まれてくる。それに、解約制限が強いために、家賃も更改する際には市場より抑えられるという傾向が顕著でありますし、これは借家人の保護の観点からそうなっていると思います。それからまた、契約時に礼金とか権利金とかそういう負担を求めるとか、あるいは最初の家賃がリスクを頭に置いて割高になるとか、そういうことになるんですよ。  ですから、そういった点を考えると、小さなものであっても定期借家へ住んだら賃料を安くしますよ、礼金敷金は取りませんよ、あるいは、もっといいものにリニューアルしてお貸ししますよという、定期借家の創設によって生まれてくる供給というものが、小さい規模のものにも恩恵を与えるということがあると思います。そういう恩恵を頭に置いてこの法案はつくってあります。
  114. 保坂展人

    ○保坂委員 では、これは民主党さんに伺います。  民主党さんも修正要求の中で、やはり勤労者、働く人たちのそう広くない住宅には適用すべきではない、こう主張されているんです。当然の主張だと思いますが、これがなかなか入らなかった、あるいは保護規定として、借家人の契約後に生じた事情によってどうしても継続して使用したいという場合に、裁判所許可により一年の延長あり、これも保護規定だと思いますが、この大事な点をどうして妥協してしまったんですか。
  115. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 修正というのは、お互いに話し合いに基づいてやるわけでございますから、そういう点では保護規定の問題も、少なくともこの規定そのもので、確かに主張もわかりました。初めはそういう話し合いをしておりましたけれども、全体的に良質な住宅をより多く提供しよう、こういうことでございますから、少なくとも、これらの問題についてあらかじめ合意形成をなされて、文書交換をしてやる今度の規定でございますので、初めは、その辺を含めてこの五十平米以下の問題等々について除外をするとございましたけれども、話し合いその他のことを含めながら、この五十平米の問題については、それぞれ党内の話し合いもし、かつまた、それぞれの協議結果に基づいて、最終段階でこの五十平米を削除した次第であります。
  116. 保坂展人

    ○保坂委員 もう一問、民主党の田中議員に伺いますけれども、これは私ども、勤労者の立場、働く人々の立場に立って考えると、やはり所得が低ければ低いほど家を借りて住むという形で生活されている方が多いわけですね。これは公営住宅も全部一緒で、こういう新しい規定が、公営住宅が新しく建てば定期借家権つきということが出てくる。しかも、これはみんなが理解しなければならない問題で、民主党さんの修正要求の中にも、これはやはり公布後一年以内に政令でとあるけれども、一年周知期間を置けというふうに言われているんですが、修正案では、逆に前倒しで三月一日に施行というふうになってしまっているじゃないですか。公布の日から施行で、その他の部分については、附則の部分は三月一日、これは立法して成立をして、公布されてから二カ月半ぐらいしかないんですね。これだけ大事な大変更を二カ月半でいいとしたのは、これは民主党さんの御意見だったんですか、それとも、四党で協議されてそうなったんですか。
  117. 田中慶秋

    ○田中(慶)委員 少なくとも、修正というのは私たちだけの問題ではございません。初め、私どもの修正は記載のとおりでございますから、お手元にお配りしたような状態であります。ただ、いろいろな社会的な要素、年度末に転勤者が多いという問題、あるいはまた、従来の大学を卒業して新しい社会人になるような人たちもおります。あるいは、新入学時期の問題で移動の問題等々もございます等々含めて考えていきますと、タイムリーな時期はいつなのか、こんなことを検討させていただきました。  最終的にそのことは、三月が一番その移動時期が多いということも含めて、そしてお互いに話し合った結果、三月一日、こういう形になったわけでございますので、それらについても御理解をいただきたいと思います。
  118. 保坂展人

    ○保坂委員 そうなんですよ。三月、四月というのは会社の異動や進学、一番日本じゅうで引っ越しが多いシーズンですよ。だからこそこの時期にやらないでほしいというのは、当然じゃないですか。もう今から二カ月でこれを周知徹底させるのは、至難のわざです。きょうは、国民の全体は、どれだけこの制度が審議をされ、きょうのこの委員会のやりとりがひょっとしたら最後のやりとりになるなんてだれも考えていないですよ。だれも知らない。ほとんどの方が、新聞には出ています、業界紙には出ていますけれども、まだまだ知られていない。  では、保岡議員に伺います。  借りる側にとってメリットがあるとすれば、借り手の側のこの法案推進大運動あるいは署名とかそういうものはございますか。私どものところには、何とかこれはとどまってほしい、やめてほしいという署名簿や運動団体は、家を借りている側の皆さんからたくさんいただいているのです。まだ私は、借りている側の方でぜひこれをという方に会ったことがないんです。そういう団体の方はいらっしゃいますか、家を借りている側の方で。
  119. 保岡興治

    ○保岡議員 一般に、冒頭にもお答えしましたけれども、借家世帯というのは日本の全世帯の四割近くあるわけですね。それを的確に代表するような団体というものは、私は承知しておりません。それは、ある特殊な、ある考え方で借家人の方々が団体を組んでおられる場合に反対する意見のいろいろな運動をされていることは承知しておりますけれども、しかし、一般的な形で国民的な反対運動があると私は思いません。  むしろ、私が選挙区でいろいろな人に国政報告でいたしますと、そういう大きな転換が遅過ぎた、これだけの経済国家日本がそのような強力な解約制限を持たなくても、市場の中でもっと豊かな賃貸借住宅の供給ができたはずなのに遅きに失したという意見の方が圧倒的に強うございました。
  120. 保坂展人

    ○保坂委員 つまり、自由民主党は大変幅広くいろいろな方々、地域の中で、地域丸ごとのおつき合いの中でそれぞれの議員の方が国会に出てこられる、そういう本当に幅広い政党だと思います。したがって、家を借りている方あるいは店舗を借りて商売をされている方も多いわけでしょう、支持者の中には。そういう方たちの中で、保岡議員あるいは皆さんに対して、ぜひこれを借り手の側として成立させてほしい、こういう何か要望書が届けられたとか、そういう動きはあるのでしょうか。つまり、ある特殊な人たちが反対運動をやっているというふうにお答えになりましたけれども、そうではなくて賛成、どんどん早く成立を、一年じゃなくて三月だ、こういう人たちはいるんですか。
  121. 保岡興治

    ○保岡議員 私たちは、この定期借家創設の調査会を党に設けまして、我が党としてはかなり議論をした上、また保坂先生も加わって社民さきがけ三党で与党協議を半年近くもやりました。長い間検討するプロセスで、私たちはいろいろな角度からの意見を十分しんしゃくして、最もいい形で今度の最終提案に至ったということを御理解賜りたいと思います。
  122. 保坂展人

    ○保坂委員 先ほどの木島議員の質問にもあったのですが、これは法務省にちょっと短く答えていただきたいのですが、長いこと日本の、いわゆる家を借りるということにおける契約の基礎になっていた正当事由制度、これは歴史的にどういう役割を果たしてきたのか。五十年超えていると思いますが、簡潔にちょっと法務省から。
  123. 小池信行

    ○小池政府参考人 正当事由制度は、昭和十六年、戦時における住宅事情を背景といたしまして、借地権及び借家権の一層の安定を図るために、借地法それから借家法の改正により導入されたものでございます。  この正当事由制度、御承知のように、賃貸人からの解約申し入れあるいは更新拒絶を制限するものでございまして、戦後、借地借家権の存続の保護の役割を果たしてきたというふうに評価をされてまいりました。  ところが、我が国の経済復興が進みまして、社会状況が変化を遂げるにつれまして、正当事由制度を中心とする借地借家法制と現実の社会のニーズとの間にずれがあるということが次第に認識されるようになりました。特に、高度経済成長期を経まして、経済規模がさらに拡大し、都市化が進むようになりますと、借地借家関係が画一的な規制をしていることの弊害が明らかになってまいりました。  そこで、法務省といたしましては、昭和六十年代から借地借家法制の見直し作業を開始いたしましたが、これが平成三年の借地借家法に結実したわけでございます。ここにおきましては、借地については、正当事由制度が作用しない定期借地権が導入されております。  したがいまして、今日では、正当事由制度は借地に関しては統一的なルールではありませんで、従来型の借地関係を規制するルールとして機能しておりまして、当面この機能を担っていくものというふうに考えられます。借家につきましても、定期借家権が導入されることになれば、正当事由制度はこれと同様の機能を営むことになろうかというふうに考えております。
  124. 保坂展人

    ○保坂委員 今、ちょっと建設省の方が間違えて答弁しているのかと思ったのですが、間違いなく法務省ですね。  いや、驚きましたね。僕は頑固な方が好きで、それで土井たか子さんの社民党にいるんですけれども、法務省、三年前にはもう少し頑固だったのですけれども、そういう見解で、今や時の流れということなんですが、保岡さん、正当事由というのはそんなに悪いですか。
  125. 保岡興治

    ○保岡議員 そんなに悪いかという評価は我々いたしておりません。  正当理由制度で強力な解約制限がついている契約の方を好む当事者がおられれば、その選択肢も残し、従来この正当理由制度のもとに締結された賃貸借契約については、それをそのまま効力を存続することにし、当分の間、住居用の賃貸借契約については切りかえも禁止するなど、いろいろ従来の正当理由制度を生かした形と、新しい選択肢としての定期借家の賃貸人、賃借人双方にメリットを供給できる制度として今度の法案を組み立ててございます。
  126. 保坂展人

    ○保坂委員 それじゃ、根本議員にお願いしたいのですが、これは日本の社会に長いことなじんできた正当事由、つまり、法律だとか正当事由という言葉が頭にはないけれども、家を借りるという習慣で多くの人が、今国民が生活をしているわけです。  例えば、定期借家権契約をした、これは家主の側からいえばいろいろメリットはありますから、新しく建てる家屋あるいはアパート、マンションを定期借家契約にする、そしてまた説明をして、双方判こをついて、そうなる。まあそれでもいいかなと思って契約をしたけれども、ちょうど出るころに当たって妊娠をしてしまってちょっと引っ越しなどができなくなったとか、あるいは、契約の直前に単身者の方あるいは大黒柱の方が交通事故に遭ってしまって入院したとか、こういう場合はどうなりますか。
  127. 根本匠

    ○根本議員 定期借家制度は、あらかじめ、契約期間が来たときに終了する契約ですから、これはそこできちっと契約は終わりますが、当然、六カ月前の通知義務を課しております。  それから、大変個別的な、具体的な事案の御質問でありますが、要は、定期借家権というと追い出されるというようなことがよく言われますが、定期借家というのは契約期間が終了したらそのときに契約が終了するという契約ですから、家主とそれから借家人の場合、通常は家主も新たな借家人を見つける、あるいは貸し家も経営ですから、その意味では、私は、通常の場合は、借家人、貸し主双方合意すれば当然のごとく継続していくと思います。  ですから、定期借家契約だからといって、必ずそこで全部追い出されるということにはならないし、アメリカの例でも、アメリカは大体一年が定期借家でありますが、継続して借家契約を結んでいるのが通常でありますから、私は、基本的にはそういう形で動いていくと思っております。
  128. 保坂展人

    ○保坂委員 それは、大家さんが隣にいて、ここの家を借りているという場合はいいですよね。それは交通事故じゃ大変だということになるでしょう。ところが、やはり大きな会社などが経営している場合、そういう人間関係などのない場合にはなかなか難しいんじゃないかということを指摘したいのと、海外ではこれが趨勢だというふうにかねてからおっしゃっているのですけれども、例えばドイツでは、定期借家制度、これを六〇年代に導入しましたよね。その後、やはり家賃の高騰が起こり、三倍に上がって、七〇年代にもう一度借家人保護の法制を復活させた、こういう事例もあります。あるいは、イギリスの場合にもかなりこれで混乱が起きて、この両国とも公営住宅が大変多い国なんですね。日本の場合は公営住宅は大変少ない。私どもは、やはりこれは借家人追い出し法案ではないかというふうに思わざるを得ないのです。  今、提案議員の方から、借家人もメリットがあるんだということを何回もおっしゃるのですね。だけれども、定期借家権を、貸す側の方はこれはそういう物件を出しますよ。そうすると、そういうものが嫌だという人は正当事由がある古い貸し家の方に行くわけですね。例えばニュータウンのような新しい町は、町全部が定期借家権であれば、これはほかに選びようがないわけですね。貸す側にとっては、正当事由をつけた従来契約よりも定期借家権の方がいいじゃないですか。そういう意味では、借りる側のメリットというのは何もないんじゃないですか。
  129. 根本匠

    ○根本議員 定期借家権が導入されれば、私もるる申し上げてまいりました、それから先生とも私も十数回、十数時間、これについては議論をさせていただきました。この定期借家法の導入によって、要は豊かな貸し家供給がなされる、これがねらいですから、私は、そこは供給される、こう考えております。  それから、ドイツとかイギリスの例を引用されましたが、諸外国の例を引用する場合、比較する場合には、現象的な状況だけで比較するのは、私はそこは分析した上で考えるべきだと思います。  ドイツは、借家について規制の強化、緩和、これを繰り返した国でありますが、一九六〇年の先生が御指摘のところにつきましては、賃貸借の解約通知の事由を緩めて定期借家制度を導入したのですね。そのときに家賃の高騰あるいは家賃増額をもくろんだ解約告知というのが増大していると言われておりますが、一九六〇年代のドイツというのは、あのときは高度経済成長のドイツですから外国人労働者がどんどん流入してきた。それで需要が爆発的にふえたので、ここは家賃が高騰した、こういう状況でありました。私は、これは日本とは基本的に異なる、こう思います。  それから、イギリスも、一九八九年の前には新規の借家も既存の借家も家賃を統制しておりました。それで、この家賃統制を取っ払ったものですから、ここのところの家賃が上昇した、こういう状況でありまして、日本の場合は今まででも新規の借家については家賃統制というのはしておりませんし、今回、定期借家権は選択制でやるわけですから、私は、ここはドイツとイギリスの状況、背景が異なる、こう思います。
  130. 保坂展人

    ○保坂委員 それでは、あと一問質問をして、中西議員にかわりたいと思いますが、今根本議員が言われたように、イギリスの場合など、本当に精査して見てみる必要があるんですね。  例えば、じゃ、実際にファミリー向け住宅の供給がふえたのかというと、ワンルームの方がふえているよという話もあります。質問は、いわゆるファミリー向けの優良な物件、これがないんだ、したがって、これを解決するために、これが立法動機になっているわけですけれども、ここに「お部屋さがし 週刊ふぉれんと」、これは情報誌で、厚いですね、こういう雑誌を持ってまいりました。  これを見てみると、随分やはり首都圏で期限つき住宅というのはあるんですね。期限を切って、一年とか二年とかそういう期限で、場合によっては三年、五年というのもありますけれども、こういうものを、専門に期限つきを扱っている日本リロケーションという会社があるんですが、二十万円以上の広い物件は供給過剰だ、なかなか借り手がいなくて困っていますよ、こういう話があるんですけれども、実際、期限つき貸し家と定期借家権というのは同じでしょう。つまり、期限が来たらおしまいよということですからね。  そういう意味では、優良な物件が流通しているのにどうしてそこに着目しないのかという点と、やはりさっきのところの小さい面積のところを削っちゃったというのは法律のタイトル自身に偽りありじゃないのかな。正当事由を削って、いわゆる市場主義のルールと言われますけれども、期限が来たらはい終わり法案、こういうふうに言った方が正しいのじゃないでしょうか。
  131. 根本匠

    ○根本議員 その期限つきの話については、要は、通常の形態は、個人からある一定の法人が借りて期限つきにしているという形態でしか今動いていない、こういうことだと思います。  この定期借家権の導入によって私が期待しているのは二つありますが、要は、今百五十万世帯ぐらい、高齢者のみ、あるいは夫婦世帯二人のみ、百平米以上の持ち家、これが百五十万戸ぐらいあるんですね。しかも遊休している持ち家もある。今大事なのは、これを定期借家権の導入によって、この遊休している持ち家も貸し家に転換することが期待されますし、それから新規の貸し主の住宅供給も、この定期借家権の導入によって私は増大することが期待されます。  それから、その意味では、今の法人が個人から借りて、多分二割ぐらい家賃を安くして一時期限つき借家に回しているという形態は、今の法律の中での工夫として流通しているだけであって、むしろ定期借家権を導入することによって契約自由の原則によって多様な、バラエティーに富んだ貸し家が供給される方が、私は借家人にとってもメリットがある、こう思っております。
  132. 保坂展人

    ○保坂委員 優良な広いファミリー向け住宅が安く供給されるのなら、だれも反対しないんですね。そうじゃなくて、狭い家に住まざるを得ない人たちが追い出される不安、心配を持つようなこの内容に対して、やはり私はどうも納得できないということを表明して、中西さんにかわります。
  133. 平田米男

    ○平田委員長 中西績介君。
  134. 中西績介

    ○中西(績)委員 私は、法務省の審議官おいでですか、法務省。平成七年六月に、法務省の民事局、さっき話がありましたように借地借家等に関する研究会を設置されまして、その後、借家制度に関して検討したようでありますけれども、平成九年十二月に「「借家制度等に関する論点」に対する意見の概要」がまとめられ、こうして発行されておるようであります。  これすべてを細かく精査することはできませんでしたけれども、今聞こえてくるいろいろな意見等をあわせ考えますと、正当事由制度を基本とする現行制度、これが導入されて随分久しいのですけれども、平成三年には借地借家制度の見直しをされたのですが、その後もこの正当事由制度を維持されたと聞いております。その後、先ほど説明があっておりましたように、借家契約をより自由にすべきとの要求等が出てきたようでありますが、借家制度のあり方等について、国民各層から意見を求めてこれはまとめたものと私は思いますけれども、定期借家権制度を導入するについては多くの反対意見があったというふうにこれを見るとあるのですけれども、その点はどのように集約をなさっておられるのか、お聞きしたいと思います。
  135. 小池信行

    ○小池政府参考人 御指摘のような「借家制度等に関する論点」を平成九年六月に公表いたしまして、関係各界に対しまして意見照会を行いました。これに対しましては、意見照会先でない団体も含めまして合計百十二団体から意見が寄せられております。  この意見照会の中の一つの項目に、こういう問題を掲げてございます。「正当事由制度による存続保護のある現行法上の借家契約に加え、期間満了により正当事由がなくても借家関係が消滅する類型の借家契約をも許容すべきであるとの考え方があるが、どうか。」という論点でございます。  これに対する各界意見は、大別しまして三つの意見に分かれております。第一、その内容や適用範囲に限定を付さない全面的な導入に賛成するという立場、第二、内容や適用範囲に限定を付した上で導入に賛成するという立場、三つ、導入に反対する立場、以上でございます。  この意見の分布といたしましては、貸し主の方々の団体、経済団体等からは賛成意見が寄せられておりますし、借り主の団体あるいは法律関係団体等からは反対意見が寄せられております。
  136. 中西績介

    ○中西(績)委員 今、説明がございましたけれども、賛成の意見と反対の意見を聴取したはずでありますから、その分について私は多くの反対意見があったと判断をしておりますけれども、この点はどうなんだということを聞いておるわけですから、正確にお答えください。
  137. 小池信行

    ○小池政府参考人 意見照会は世論調査ではございませんので、寄せられました意見の多寡を単純に比較するのは適当でないというふうに思われます。特に、この定期借家の問題につきましては、事柄の性質上、貸し主側の意見と借り主側の意見が截然と分かれる傾向があるというふうに思われます。この意見照会、先ほど申し上げました意見照会に応じた団体、前述のとおり百十二でございますが、このうち貸し主団体は四、借り主団体は四十六でございまして、後者の方が圧倒的に多いという状況にございます。  そういう前提を置いた上で申し上げるならば、数字の上では反対意見の方が賛成意見の方を上回っておりました。
  138. 中西績介

    ○中西(績)委員 私は正確にそのパーセントでどうだこうだということを言うつもりはありませんけれども、多くのそうした反対意見があるということが私は問題だと思うから、これが少数で本当に少ないというのだったら当然だと思います。  そして、今言われましたように、貸し主の方が数が少ないからそういう正確なあれはないという言い方をしておりますけれども、貸し主側からすると、この制度導入について賛成であるから、ですからこれはもう当然のことなのでありまして、反対が多いということは、やはりすべての分野におけるそうしたものを総合的に考えたときに、ある程度このことは私たちが理解できるのではないかということを考えますので、そうした質問をしたわけであります。  そこで、私はそういう条件の中から、この種今回の良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法なるものをつくり出したと思いますけれども、それ以前に、先ほどもちょっと経過について保岡さんの方からお答えいただいたようでありますけれども、私は、この種問題について先般もお話しした際に、相当長期間にわたってやったといいますけれども、国民の目の前にこれが明らかになったということは非常にまだ短期間だろう、私はこう思っています。  ですから、こうした点について、先ほどの説明にもございましたけれども、借地借家法、この法律が改正をされるということで、二年前ですか、論議されまして、法律として提起をされました。ところが、今回の場合はこのようにして、問題は建設の方に改めて、法務に付託をしておった分が、その内容的なものは大体それを主体にしながら、建設行政政策としてこの努力義務をつけた一条から四条まで、これをつけ加えて、また同じ内容のものを出されてきた。それに対して修正がということになっておりますけれども、いずれにしましても、こういうようなやり方。その主要な部分については、一から四条までは、だれしもが反対するような中身じゃありません。努力義務であるし、少なくとも法律だったら、私はこれを努力義務より一歩進めて制限をしていくというのが当然だと思いますけれども、一応こういう努力義務が出ています。このことを私は否定するつもりではありません。  ということになりますと、あとの分野の借地借家にかかわる問題が主要なものであるといたしますならば、少なくとも、やはり民事法を専門的に扱う法務でこれを論議することの方が、私はこうした法律については非常に素人でありますから、これらについて一々細かい点を今指摘したり質問することのできない残念さがありますけれども、いずれにしましても、やはりそういう専門的な分野が非常に多い中身であるだけに、そして、時間的に国民の前にこれを明らかにしていくということになれば、やはり法務委員会でやるべきものをこの建設委員会に提出した、ここはどういうお考えでやられたのか。この点についてお答えいただければと思います。
  139. 保岡興治

    ○保岡議員 さっきも中西先生の質問に答えて法務省がいろいろ述べておりましたけれども、これは、正当理由という強力な解約制限をとらない契約、適用しない契約をつくるという意味では、貸し主側に有利であり、借り主側に不利な内容になっている。これは形式的に見るとそうなんですが、一方において、住宅の政策というか賃貸借供給の政策という観点からすれば、この強力な正当理由制度が市場をゆがめて、これだけの経済国家になっているにもかかわらず、賃貸居住住宅というものが劣悪で狭小であるというような状況を、やはり法律家、専門家だけではなかなかそこを見抜いたり、そこをあわせて考えるという検討が従来なされていなかったことに着目して、我々も、党で議員立法で総合的に、縦割りの弊害を排除して、国民の目線に立って、立場に立って常識的に考えるべきであって、決して法律家、専門家の技術的な、お互いの立場の、当事者の立場の利害調整だけに視点を絞ってこの正当理由制度を見ていくべきではないだろうという観点に立って、この法案の提出に努力してまいりました。  そういう観点から、我々は、借り主側の心配する意見も相当党でも聞きましたし、社民と法案を準備したときには社民から相当意見も伺いました。そういうこともあわせて考えた上、セーフティーネットという、自由競争で一方で必要な車の両輪についてもきちっと定めて、賃貸借住宅政策総合の立場から法案をリニューアルした。常識的に国民の目線で、定期借家創設の目的をもあわせて考えて、良好なゆとりのある賃貸住宅の供給ということに眼目があれば、これはやはり建設委員会で審議していただくのが最善であろうと思って、我々としてはここの審議をお願いして、きょうの審議に至っていると存じております。
  140. 中西績介

    ○中西(績)委員 それで、今あなたがおっしゃったように、提案者としては総合的にということをおっしゃっているわけですね。そのとおりだと思うのですよ。ところが、我々は総合的にやろうと思って、連合審査なりなんなりを要求したとしましても、これがなかなかここで確定できないという状況に、今国会の事情はあるのです。  ですから、そういうことを考えれば、むしろ専門的な分野における問題としてこれをやると同時に、私たちがやはりこれらについて具体的に、今あなたがおっしゃったセーフティーネットの問題にいたしましても、こうした問題がやはり取り上げられるような総合的な時間を、きょうだって私ら、残念ながらたった二人で、二十五分、二十分なんですよ。これで十分な審議を行えるという条件はありません。  ですから、少なくともこのような問題については、参考人はもちろんだし、公聴会だとかいろいろなものが全部積み重なっていって、今国民の前にこれが展開され、やられることが望ましいわけでありますけれども、残念ながらそれができておりませんので、私を含めて、これは今後の課題としていかなくちゃならぬと思います。  このことはもうさておきまして、時間がありませんから一つだけお聞きをしたいと思いますのは、先ほどお答えいただきました外国の例、ドイツの問題を提起されたようでありますけれども、特にこの法案、定期借家制度導入のメリットはということをお聞きして、その中で私、まだたくさんほかにあるのですけれども、これも時間がありませんから、今お答えのあった分についてのみお聞きしようと思うのです。  先ほどドイツの例では、一九六〇年代にこうした制度を、改めて借家権を取り入れたわけでありますけれども、そのときに起こってきた問題は、条件はいろいろ違いがあると思いますけれども、具体的に出た中身としては、九年間で四八%の家賃の高騰を見た、それはたくさん需要があったからそうなったのだ、こうおっしゃいました。それから今度は、解約時の紛争が多発いたしまして、裁判が相当数出てきたということが言われています。そういういろいろな反省の中から、一九七〇年代になりまして法制定を改めて、また正当事由、この制度を取り入れたということになっています。  ところが、今お答えになったのは、少なくとも制度が違うし、そういう内容が違うのだということをおっしゃっておるわけでありますけれども、私は、それから後ずっといろいろ聞いてみましても、良質の賃貸住宅がこの時期には増加はしていないということをはっきりお聞きすることができました等々を考えますと、この十年間の中でそうした結果が出たから変えた、こうなっておるわけでありますから、この点、ではその後、変えた後にまたいろいろな問題点が果たして出てきたのかどうか、ここいらまで付して、結果まで見た上で論議をしておかないと、今指摘をされたような点だけおっしゃったのでは私は不都合だと思いますので、この点だけについてお答えをいただきたいと思います。
  141. 根本匠

    ○根本議員 諸外国との比較を申し上げれば大変長くなるわけでありますが、先ほど私が、ドイツにおいて何でそんなふうに賃料が上がったか。実はドイツは、我々の場合は、今既存の正当事由つきの借家、これは、今ある契約はそのままにしましょう、それから切りかえのときも、間違えて切りかえられたりする可能性もあるから、それは当分の間だめですよということになっていまして、我が国の場合は定期借家権だけ新しい選択肢を導入しよう、こういう考え方なんですね。  ドイツの高騰したときというのは、我が国と違って、既存の住宅も新規の貸し家もすべて緩めましたから、それでそのときに移民の流入とも相まって家賃が高騰した、こういうことであります。  それから、ドイツあるいはイギリス、諸外国の例を見てみますと、定期借家権と日本で言う正当事由つき借家、これが併存している国、全く定期借家の国もありますし、併存している国もある。ただ、そこが一点違うのは、正当事由つき借家については非常に正当事由が明確なんですね。自分が所有する、あるいは建てかえる、非常にここは明確になっていまして、限定列挙になっておりますが、ここは、日本の解約制限が非常に厳しいというところから比べますと、非常に考え方も明確で緩やかになっております。  実は、今の定期借家権の議論の中でも随分、既存の住宅でも正当事由をより明確にすべきだ、こういう議論もありましたが、我々いろいろ、住宅に困窮する方々あるいは実際住んでいる方々の御懸念も表明されましたので、ここは既存の貸し家については適用しない、こういうこともいたしました。  要は、我々が重視したのは、今実際に住んでおられる方の意見、これもあります。それから大事なのは、これから豊かな賃貸住宅がどんどん供給されることによって、そのメリットを享受するこれからの世代の皆さんの、豊かな住宅のニーズにこたえる。これは声なき声になりますが、我々政治家ですから、そういうところをもろもろ考えて、いわゆる真の住宅弱者と言われる方に対する万全のセーフティーネットにも配慮しながら、良好な賃貸住宅を、豊かな住生活を国民の皆様に享受していただこうということでこの法律を提案させていただいているということであります。
  142. 中西績介

    ○中西(績)委員 時間が参りましたのでやめますけれども、今のお答え、まだまだ私納得しないところがあります。と申しますのは、多くの外国人が移住をしたということでもって需要が高まった。ところが、そのことが今度はたくさん紛争を起こすというような、では、なぜ起こしたかという問題等を含めまして、やはり十分分析がなされておらない。  あなたがおっしゃるようなことで納得しようとしてもこれは困難でありますので、そのことだけ申し上げて、終わります。  以上です。     ―――――――――――――
  143. 平田米男

    ○平田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、来る二十四日水曜日午前九時三十分から、参考人として法政大学社会学部教授福井秀夫君、日本大学経済学部教授田中啓一君、全国借地借家人組合連合会会長酒井金太郎君及び弁護士、不動産鑑定士澤野順彦君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  144. 平田米男

    ○平田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  次回は、来る二十四日水曜日午前九時二十分理事会、午前九時三十分から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十四分散会