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1999-05-19 第145回国会 衆議院 決算行政監視委員会 5号 公式Web版

  1. 平成十一年五月十九日(水曜日)     午前九時一分開議   出席委員    委員長 原田昇左右君    理事 鴨下 一郎君 理事 栗本慎一郎君    理事 佐藤 静雄君 理事 村田 吉隆君    理事 石井 紘基君 理事 前田 武志君    理事 谷口 隆義君 理事 佐々木洋平君       安倍 晋三君    相沢 英之君       赤城 徳彦君    熊谷 市雄君       倉成 正和君    桜田 義孝君       田中眞紀子君    田邉 國男君       滝   実君    竹本 直一君       中野 正志君    萩山 教嚴君       堀之内久男君    矢上 雅義君       山口 泰明君    安住  淳君       鍵田 節哉君    熊谷  弘君       田中  甲君    葉山  峻君       藤村  修君    石田 勝之君       旭道山和泰君    福島  豊君       丸谷 佳織君    米津 等史君       辻  第一君    中林よし子君       保坂 展人君  出席国務大臣         国務大臣         (総務庁長官) 太田 誠一君  出席政府委員         内閣審議官兼中         央省庁等改革推         進本部事務局次         長       松田 隆利君         金融監督庁監督         部長      乾  文男君         総務庁長官官房         審議官     西村 正紀君         総務庁人事局長 中川 良一君         総務庁行政監察         局長      東田 親司君         科学技術庁原子         力局長     青江  茂君         外務省経済協力         局長      大島 賢三君         大蔵省金融企画         局長      伏屋 和彦君         資源エネルギー         庁石油部長   今井 康夫君         建設省道路局長 井上 啓一君  委員外の出席者         総務庁行政監察         局企画調整課長 関  有一君         大蔵省主計局司         計課長     児島 俊明君         会計検査院事務         総局第一局長  関本 匡邦君         会計検査院事務         総局第三局長  大和 顕治君         会計検査院事務         総局第五局長  小川 光吉君         参考人         (日本道路公団         総裁)     緒方信一郎君         参考人         (日本道路公団         理事)     黒川  弘君         参考人         (阪神高速道路         公団理事)   有川 正治君         参考人         (阪神高速道路         公団理事)   松尾 俊雄君         参考人         (石油公団総裁         )       鎌田 吉郎君         参考人         (石油公団理事         )       新  欣樹君         参考人         (本州四国連絡         橋公団総裁)  藤原 良一君         参考人         (本州四国連絡         橋公団理事)  縣  保佑君         参考人         (国際協力事業         団総裁)    藤田 公郎君         決算行政監視委         員会専門員   酒井 喜隆君 委員の異動 五月十九日         辞任         補欠選任   三塚  博君     中野 正志君   森  喜朗君     安倍 晋三君   山口 泰明君     竹本 直一君   赤羽 一嘉君     丸谷 佳織君   村山 富市君     保坂 展人君 同日         辞任         補欠選任   安倍 晋三君     森  喜朗君   竹本 直一君     山口 泰明君   中野 正志君     三塚  博君   丸谷 佳織君     赤羽 一嘉君   保坂 展人君     村山 富市君 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件(特殊法人に関する調査結果報告)     午前九時一分開議      ――――◇―――――
  2. 原田昇左右

    ○原田委員長 これより会議を開きます。  歳入歳出の実況に関する件及び行政監視に関する件、特に、特殊法人に関する調査結果報告について調査を進めます。  まず、総務庁長官から説明を聴取いたします。太田総務庁長官
  3. 太田誠一

    ○太田国務大臣 先般公表いたしました九つの特殊法人の財務内容に関する調査結果の概要について御説明いたします。  まず、調査の背景について御説明いたします。  平成九年六月、当庁が取りまとめの上提出し成立させていただきました特殊法人の財務諸表等の作成及び公開の推進に関する法律施行されました。これにより、すべての特殊法人について民間企業以上、これは財務諸表の記載事項に関して民間企業以上の水準のディスクロージャーが実現し、特殊法人の経営内容を分析する基盤が整ったことを踏まえて、この調査を実施したものであります。調査は、すべての公団及び事業団、計二十九法人を対象にしておりますが、今回は、取りまとめの終了した九法人について、所管大臣に調査結果を通知し、公表したものであります。  次に、調査の意義についてでありますが、特殊法人の財務の状況を明らかにし、国民にわかりやすく提示すること、法人が担う事業の全体像を経営分析的な観点から評価すること、これら二つの観点を通じて、各法人が当面する大きな問題点や課題を明らかにすることにあります。これにより、所管官庁における自発的な取り組みを促すとともに、国民各界各層における論議の素材を提供するという、行政の説明責任を果たすものであります。  以下、九つの法人の調査結果の要旨を御説明いたします。  まず、石油公団につきましては、多額の公的資金が投入されている投融資・債務保証事業を、公団の財務諸表に即して分析しましたところ、投融資残高一兆四千百億円のうち、投融資先会社の解散などにより、相当部分について回収の見込みが立っていない債権が三千五百億円強、利息が棚上げとなっている債権や長期未収金が四千二百億円強、非計上の棚上げ利息が千六百億円強それぞれ見られ、資金の回収可能性について注意すべき状況が明らかとなりました。  ただし、投融資先の生産活動が軌道に乗り、資金回収が進む場合もあることから、原油価格や為替の変動に注意しつつ、損益の動向を見通し、的確な措置を講ずることが必要となっております。  次に、日本道路公団についてでありますが、高速道路事業の現況について、百円の収入を得るのに何円の費用がかかるかを示す指標である収支率で見ると五七となっており、百円の収入のうち四十三円を元本の償還に回せる状況にあることから、償還の現状は順調と考えられます。  しかし、収支率は路線別に見ると大きな格差があり、全体の好調な収支状況は、初期に開設した採算のよい路線が、採算の悪い新しい路線の損失を補うことによって成り立っている状況にあります。  したがって、今後、採算の低い路線の建設、供用が進むこととなれば、公団の経営に及ぼす影響が懸念される旨を指摘しております。  首都高速道路公団については、事業の収支率は六九であり、償還はほぼ順調と考えられます。  しかし、償還が進むペースに比べ、建設費、すなわち借入金がふえるペースが早い状況にあり、さらに、道路資産がどれだけの収益を上げているかをはかる指標である資産効率を見ると、この十年間で四割も低下しています。これは、バイパス的機能果たす路線の建設収入増につながらないことによるものと考えられます。  このような状況のもと、長期的に適正な償還のペースが維持できるよう計画的に対処していくことが重要と考えます。  阪神高速道路公団については、事業の収支率は九五と経営状況が相当に厳しく、償還の長期化は避けがたい状況にあると判断されます。また、交通量は、見通しを二割以上下回り、資産効率も十年間で半減している状態にあります。  このようなことから、償還の確実な達成のためには、抜本的な対策が必要となっております。  本州四国連絡橋公団については、事業の収支率が二一一と、料金収入で利息も賄えない状況となっており、債務超過の状態にあります。これは、交通量の見通しを大幅に誤った結果であると考えられます。  一方、公団の収支見通しでは、国と地元からの追加出資を前提として、平成五十七年には償還が完了するとしていますが、その前提となっている交通量見通しが現実的なものか否か、慎重な見きわめが必要と考えられます。  いずれにせよ、債務超過からの脱却がまず必要であり、さらに、償還計画の基礎となる交通量見通しの不確実性を踏まえ、償還が確実なものとなるよう、計画と実績の不断の見直しが必要であります。  新東京国際空港公団については、収支の好調な時期が続いたものの、第二旅客ターミナルビルの建設に伴い収支が悪化しております。他方、滑走路は飽和状態であることから、このままでは再び赤字経営になるものと思われます。  これに対し、公団は、平行滑走路の供用により収支は好転するとの見通しを持っておりますが、一方で、航空需要の停滞、空港使用料引き下げの国際世論など、厳しい要因もあります。  したがって、健全な経営の確保のため、収益動向に応じ、施設の整備、改修等を計画的に行うなどの工夫が必要と指摘しております。  日本鉄道建設公団については、その財務内容は基本的には健全であります。しかし、整備新幹線に関し、注意すべき点があります。  整備新幹線公的資金により建設する仕組みとなっておりますが、オリンピックの開催に間に合わせるため、長野新幹線には例外として有利子資金が投入されています。現状ではその償還に問題はないものの、他線にも有利子資金の投入が波及することがあれば、貸付料による確実な償還に影響を及ぼすおそれがあると考えられます。  動力炉・核燃料開発事業団については、平成十年、高速増殖炉開発を中核とする新法人に改組されております。高速増殖炉の開発には、これまでに多額の国費が投入されてきたものの、開発目標から見て依然としてコスト高であり、また、確定年が示されていた開発目標年次についても、弾力的に対応する方針に転換しております。  なお、米、英、独など諸外国では、既に開発が中止されております。  したがって、今後の課題として、研究開発に要する費用とその成果を明らかにし、その妥当性を論議していくことが必要であると指摘いたしました。  最後に、国際協力事業団についてでありますが、技術協力は多額の公的資金に依存する事業であり、より客観的な事業効果の実証が検討課題となっております。また、開発投融資事業に多額の余裕金が生じている一方で、移住関係事業に不良債権が多い状況が見られます。  そこで、全体的な財務の状況を踏まえ、開発投融資事業の余裕金については、移住関係事業の財務内容の適正化に活用することも含め、その有効活用の観点からの検討が必要と指摘しております。  以上、御説明いたしました九法人の当面する課題につきまして、去る四月三十日と五月十二日に、私から所管大臣に通知をいたしたところであります。なお、その詳細は、お手元に配付の調査結果報告書に記載のとおりであります。  冒頭にも申し上げましたが、この調査は、新しい試みとして、財務的な側面から特殊法人が当面する大きな課題を明らかにしたものであり、所管省庁及び特殊法人の自発的な改革努力を促すのみならず、議員各位を初め幅広く国民各界各層に議論の素材を提供するものであります。本日の委員会におかれましても、今回の調査結果をもとに、幅広い観点からの御審議が行われますことを期待するものであります。  本日は、よろしくお願いいたします。
  4. 原田昇左右

    ○原田委員長 これにて総務庁長官の説明は終わりました。     ―――――――――――――
  5. 原田昇左右

    ○原田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として日本道路公団総裁緒方信一郎君、同理事黒川弘君、阪神高速道路公団理事有川正治君、同理事松尾俊雄君、石油公団総裁鎌田吉郎君、同理事新欣樹君、本州四国連絡橋公団総裁藤原良一君、同理事縣保佑君、国際協力事業団総裁藤田公郎君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 原田昇左右

    ○原田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。     ―――――――――――――
  7. 原田昇左右

    ○原田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹本直一君。
  8. 竹本直一

    ○竹本委員 自由民主党の竹本直一でございます。  きょうは、当委員会において質問する機会を与えていただいたこと、委員長以下に大変感謝申し上げます。と申しますのは、昨今、政と官の関係、また、いろいろな行政事象をどこが担当するかというバードンシェアリングの問題について各界の議論を呼んでおり、また、我が国においてもそのための行財政改革を強力に進めているところでございます。そういう中においてどうしても私は、いろいろな事象を、国がやるべきか、あるいは民がやるべきか、あるいはその中間形態ともいうべき公団がやるべきか、そういったことについて強い関心を持つものであるからであります。  そういう意味で、今回、そういった目で見て、今回の監察結果について私の感じましたことを幾つか御質問させていただきたいと思うわけでございます。  今、太田総務庁長官から御説明がありましたように、四月三十日、それから五月十二日の二回にわたってこの財務調査結果が明らかにされました。その内容も、石油公団、道路公団、首都高公団、阪神高速公団、本州四国連絡橋公団、新東京国際空港公団、日本鉄道建設公団、動力炉・核燃料開発事業団、国際協力事業団の九法人の多岐にわたっておるわけでございます。したがいまして、所管省庁も、通産省、建設省、運輸省、科技庁、外務省等と幅広いものになっておるわけであります。  こういったたくさんな調査結果をまとめられた御労苦に対しまして敬意を表するものでございますけれども、これを一つのきっかけといたしまして、我々は、真摯な目で、今の行政あるいはそれを取り巻く諸情勢の分析、そしてあるべき姿というものを追い求めていく必要があるのではないかなというふうに思います。  特に、今回の調査は、特殊法人の新しいディスクロージャーの実施を受けまして、その経営分析、これを行おうとする新たな試みであろうかと思うわけでございます。その分析と評価を、私としても興味深く拝見させていただきました。アメリカにおいては、日本語で何と言うか知りませんが、会計検査院相当の組織がありまして、単なる日本の会計検査院のような数理上のチェックのみならず、政策的な提言も行っておるわけでございますが、それと同等といいますか、それに近いような気持ちも含めながら、現在の行政の現実に対してメスを入れられたのではないか、そのように思うわけでございます。  時間がありませんので、まず、九つある法人の中で二つの法人について御質問させていただき、最後に総務庁長官に御質疑をさせていただきたい、このように思います。  まず、今回提出されました総務庁監察の報告によりますと、旧動燃の高速増殖炉開発には、平成八年度までに約一兆五百億円の資金が既に投入されております。そして、実用化までには長期間を要し、今後とも多額の公的資金の投入が必要であると。また、海外の動向といたしましては、経済性、核不拡散などの観点から、イギリス、アメリカ、ドイツにおいては原型炉を閉鎖ないしは建設を中止し、あるいは、フランス、ロシア等におきましては、原型炉による研究開発は継続しておりますものの、実証炉を放棄いたしておりますし、また建設を中断している。  研究開発はこのように停滞状況にあることが見られるわけでございますが、我が国におきましてこの研究開発をこれからも続けていくということになりますと、言うまでもなく、長期の懐妊期間を要するわけでございますし、また克服すべき技術的課題も非常に多い、そういうような指摘もされ、私もそのとおりだと思うわけでございます。  また、平成九年十二月に出されました原子力委員会高速増殖炉懇談会の報告書によりますと、高速増殖炉の実用化の時期は明記されておりませんけれども、研究開発というのは目標時期を明確にして進めるのが普通ではないか、研究開発のためにだけ資金を投入するのはいかがなものか、こんな感じもするわけでございます。  そこで、何ゆえにこれほどまでにして多額の国費を投入し、そしてこの高速増殖炉の研究開発を引き続き行う必要があるのか、この辺についての理解を深めたいと思うと同時に、また、監督官庁及び当機構にいたしましても、組織改革はいたしましたけれども、そういったことについて国民に対するしっかりとした説明を行う必要があるのではないか、十分な理解が必ずしも得られているとは限らない中で、過去、幾つかの事故も起こっております。  そういったことも踏まえますと、もう一度、高速増殖炉の研究開発が何ゆえに必要か、何ゆえにこれだけの国費を投入して続けることが必要なのか、そして何ゆえに時期が明示できないのか、こういった点についてまずお答えいただきたいと思います。
  9. 青江茂

    ○青江政府委員 お答え申し上げます。  高速増殖炉開発の、いわゆる必要性と申しましょうか、何ゆえに開発というものをさらに力を入れて進めなければならないのかという点に関してでございますけれども、現時点におきまして、商業用発電炉、五十一基ございますけれども、そこでもちまして供給されている電力で、我が国の電力供給全体のもう三分の一を超えるだけの供給を果たしておるわけでございます。  そこで使われてございます燃料と申しますのは、天然ウランを濃縮したもの、これを用いて電気を起こしているわけでございます。この天然ウラン、これは文字どおり天然資源でございまして、当然のことながら、限りがある有限なものでございます。いずれかの時期におきましては、これは枯渇という状況を迎えるわけでございます。そこで、高速増殖炉という仕組みを入れてまいりますと、この枯渇という問題を完全に解消することができる。いわゆる高速増殖炉というのはそういう大きなポテンシャル、潜在力というものを持っておるということでもちまして、資源に乏しい我が国といたしましては、高速増殖炉の研究開発というものを進めてきておるということにあるわけでございます。  この進め方ということにつきましては、確かに、今御指摘になられましたように、事故を起こしました後の不祥事でございますとか、そういったことに伴いまして、必ずしも円滑な推進というものが図られていないという状況にあるわけでございますけれども、これにつきましては、昨年の十月、サイクル機構という形に旧動燃が再スタートを切りまして、そこでもちまして改めてこの高速増殖炉の開発の担い手としまして位置づけられて、今進められておるということでございます。  その進め方におきましては、透明性の確保、情報の公開、こういったことに留意をする、地元との共生ということにも留意をする、そういう諸般の業務運営につきましての改革というものを進めつつ事に当たりたい、国民の皆様方の合意の上にこの問題というものを進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  それから、時期を明示してということにつきましての御指摘がございました。いわゆる非常に新しい型の原子炉の開発ということのためには、かなりの時日、時間というものが必要とされるわけでございますが、その進め方につきましては、多くの場合、次のような進め方をとってございます。  すなわち、基礎研究の段階から、いわゆる実験炉という非常に小ぶりな、どうにか工学的にできるかなということを確認をする段階、それから原型炉、かなりな規模、スケールを大きくいたしまして工学的に成立するかというふうな段階、そしていわゆる実用化というものをある程度展望に置いての実証炉という段階、そしてそれを経て実用化に至るというステップを踏むわけでございますが、今「もんじゅ」というものはまだ原型炉の段階でございまして、実用化時期というものを必ずしもきちんと明示をしてそこへ進め得るというふうな段階にはまだ立ち至ってございません。「もんじゅ」というものをきちんと動かしましてデータをとっていく、そういうことにいたしますれば、その先の展開というのもある程度読めるのではないか。そういうことになりますれば、実用化時期というものをある程度きちんと明示をして、そこへ向けてプロジェクト的に持っていくというふうな研究開発の進め方を展望し得る時期というものを迎えることができるのではないか、かように思ってございます。
  10. 竹本直一

    ○竹本委員 専門的な立場での説明なんで、なるほど、実験炉から原型炉、実証炉、実用炉と、こうなっていくというその説明はわかったんですけれども、しかしながら、既に相当の期間がたっておるわけでございまして、「もんじゅ」が今停止しておるというようなことも考えますと、一体いつこれが実現するのかということを強く危惧するわけであります。そういう意味で、私は時期の明示が絶対必要だということを言っているわけではありませんけれども、ある種の切迫感、それがないのではないか、そういうことを危惧するわけであります。  必要は発明の母という言葉がありますけれども、私は、今日のアメリカ経済の大変な好況というのは、ソ連との軍備競争の中で、どうしても冷戦に勝たなければいけないというアメリカの必要性がいろいろな技術開発を生み、そして情報通信分野においても、情報の取得という意味あるいは分析という意味から大変な軍における技術開発が進んできました。それが、ソ連の十年前の崩壊によりましてその必要がなくなった。そのせっかく開発した技術を今度は民需に転用しようということで、情報通信の大変な隆盛、それがひいては今日のアメリカ経済、株価に見られますように、大変なブームとなり好況を博している大きい原因ではないか。  この事実から見ますと、やはり必要性がないところに、切迫感がないところに、研究開発というのはなかなか進まないのじゃないか。漫然とやっているとは言いたくはないけれども、どうも時期の明示がない、そして、いつまでにやらなければいけないという切迫感にどうも欠けているのじゃないか、そういう感じがするわけでございます。  そこで、そういう意味において、これからこの研究開発を進めていくという前提に立って、どのような切迫感を関係者に持たせ、そして、一日も早い開発をもたらそうという努力をしていこうと思っているのか、そのことについてまずお答えいただきたいと思います。
  11. 青江茂

    ○青江政府委員 お答え申し上げます。  世界的にエネルギー情勢全体というものを見ましたときに、多分、大変幸いなことに今エネルギー情勢というものが全体的にやや緩和基調にある、石油の情勢にいたしましても、ウランの情勢にいたしましても、諸般の情勢がトータルとしてやや緩やかな状態にあるということが言えるのではないかと思うわけでございます。そのような状況下の中にありまして、エネルギーの研究開発ということにつきましての一種の切迫感というもの、これは世界的にやや落ちておるということが一般的傾向として言えるかと思うわけでございます。  その一番典型的な例はアメリカであろうと思うわけでございます。アメリカのDOEのエネルギーRアンドDの予算というものはかなりな勢いで現実に落ちてございます。そういう情勢が世界的な傾向ではないかなというふうに思うわけでございます。  一方、我が国の状況というもの、世界の中にあるわけでございますから、傾向としましてはそういう中にあるわけでございます。しかしながら、我が国は御案内のとおり、これは申すまでもないことでございますけれども、いわゆるエネルギー天然資源というものにほとんど恵まれない国というふうな環境にあるわけでございますので、超長期的に考えて、エネルギーのRアンドD、いわゆる技術の力でもってエネルギーというものを得ていくということに向けてその各般の努力というものをやっていく、着実な努力の積み重ねというものが今時点において必要とされるということではなかろうかと思うわけでございます。そういうものの一環としまして高速増殖炉FBRの開発というものもあり、またさらに、長期的に見ますと核融合の研究開発というものもあるのではないかと。  ただ、確かに、その時期というものをきちんと明示して、そこへ向けていわゆる技術開発というものを結集して達成していくという、いわゆるプロジェクト型のRアンドDというものを進めていくのは確かに効率的ということが言えるわけでございますけれども、先ほど申し上げました「もんじゅ」のフェーズの問題、また、核融合になりますともっと手前にあるわけでございますけれども、そういうふうなRアンドDのフェーズの問題というものを加味しながら、その着実な推進に努めてまいりたいと思っておるわけでございます。
  12. 竹本直一

    ○竹本委員 RアンドDについては時期も時間もかかるし、また当然費用もかかるのはわかるわけでございますが、私が聞きたいのは、必要が発明の母だというその切迫感を組織的にどのように持たせていくのか、また、インセンティブとして何か与える必要はないのか、そういったことを含めて聞いたわけでございます。必ずしも十分な回答のように私は思いませんけれども、時間がありませんので次に進みます。  私がもう一つ心配いたしますのは、動燃は、日本独自のシステムとして新型転換炉開発というものに取り組んできましたけれども、十分な成果が得られないまま撤退したという話も聞いております。あるいは、身近に私たち自身も経験したことでは、マイクロフィルムというのが開発されまして、どんどん役所の文書をマイクロフィルムへ移していきました。ところが、二年ほどするとすぐファクスというものができまして、はるかに便利でコストが安い。そこで、マイクロフィルム、たくさんフィルムにおさめたやつを皆廃棄してしまった。そういうようなこともあるわけでございます。非常に例としてはよくないかもしれないけれども、これだけ長期間かかるものを、しかも諸外国が余りやっていないことを、日本が資源が少ないからという理由だけでずっとやっていく中で、そのうちに新しい手法が開発されて、そちらの方が早いじゃないか、こんなことになりはしないかという素人の心配もあるわけでございまして、そういう意味で、きっちりとした計画のもとに、インセンティブを与えながら、できるだけ早くこの成果を得られるような努力を強く期待いたしたいと思うわけでございます。  もう一つ、そういう意味で、行政の監視、また厳しい国民監視のもとに置きながらやらなければいけません。そういう意味で、今回の機構改革につきまして、やっている範囲を、言ってみれば狭めて簡素化したというような印象を与えるわけでございますが、私は、そこはシュリンクする必要はないのではないか、もっと積極的にやるべきところはきちんとやりながら、国民に対するアカウンタビリティーの責任をきちんと果たしていってもらいたい、それが資源のない日本においてエネルギー開発に命をかける人たちの一番の生きがいではないかな、そのように思います。  そう言いまして、もう一度、本来なら大臣に来ていただきたいのですが、ほかの委員会に出ておられるようでございますので、取り組みの決意をお聞かせいただきたいと思います。
  13. 青江茂

    ○青江政府委員 お答え申し上げます。  サイクル機構、昨年の十月に再発足いたしまして、きちんとしたミッションといたしましていわゆる核燃料サイクル関係の技術の確立ということをいただきました。その枠組みの中で、高速増殖炉の開発及びそれの周辺の燃料サイクル関係の技術開発、それと高レベル放射性廃棄物の処分のための技術開発、この二点を柱に新たな発足をいたしたわけでございます。  今先生御指摘のように、いわゆる体制を整えて新たなスタートを切ったわけでございますので、その業務の運営のあり方というものも含めまして抜本的に今の説明責任を果たし、研究者が意欲を持って取り組めるように、そして、研究開発というものも今までやや硬直的であったという御批判もいただいてございます、節目節目できちんとしたレビューを入れつつ、その状況を見きわめつつ前進させていくというふうな着実な研究開発の進め方で取り組んでまいりたい、かように思ってございます。よろしくお願いいたします。
  14. 竹本直一

    ○竹本委員 一応わかりましたけれども、いずれにしろ人間のやることですから、きっちりとした、努力すれば報われる、そういう報賞システムといいますか、そういったものを組織の中でつくっていただいて努力をしていただきたいと深くお願い申し上げたいと思います。  第二点は、石油公団についてお聞きいたしたいと思います。  言うまでもなく、石油というのは日本はもうほとんど一〇〇%海外に依存しております。しかも、海外の中でも中東依存度が八割と非常に多い。OECD各国では約四割ぐらいだといいますから、これだけ地球のある一点に依存しておりますと、その石油が万が一日本に届かないということになると、これは大変なことになります。日本も、第二次大戦の前にABCDラインという不幸な経験を持っておるわけでございますが、そういう意味におきまして、国策として資源開発、石油開発をやっていく必要があることは十分わかるわけでございますが、どうも大変なお金を使っている割にはなかなかその成果が上がっていないのではないか、そういう指摘も当然あるわけでございます。  いろいろ組織内における決裁のあり方あるいは経理のあり方等々についてお話があったということは聞いておりますけれども、私は、そういうことではなくてもっと大きい問題として、何ゆえに国がこれだけの金を投じて石油の資源開発に取り組まなきゃいけないかという点について質問をいたしたいと思います。  特に私が思いますのは、これだけの多額の公的資金を投入する以上、その成果をどのように効率よく上げていくか。千三つという話がありますが、今、お聞きしましたら三%ぐらい、まあ十倍ぐらいにはなっているのかもしれないけれども、それぐらいの確率にはなってきておる。そして、資源開発で輸入する石油の量が全体の一五%になっておって、三〇%ぐらいが当面の自主開発の目標である、こういう説明も伺っておるわけでございますが、現在の仕組みの中でどのように効率を、成功率をよくする努力をしておられるか、それについてお聞きしたいと思います。
  15. 今井康夫

    ○今井(康)政府委員 お答え申し上げます。  石油公団の問題につきましては、一昨年以来本委員会でもたびたび御質疑をいただきまして、その後、通産省の中におきまして、石油公団再建検討委員会ということで昨年九月に報告書を取りまとめ、本委員会にも御報告申し上げたところでございます。  また、その後、専門家、第一人者の方に中立的な立場から御議論いただきまして、特にプロジェクトの効率的な運用、効果的な運用ということにつきましては、全体戦略をきちっと立てた上で、それぞれのプロジェクトの位置づけをはっきりさせて、適切な資源配分を実現しておくこと。プロジェクトの採択につきましては、欧米のメジャーなどで取り入れられ始めました定量的なリスクの評価をするような基準を導入すること。既存のプロジェクトにつきましては、それぞれのプロジェクトごとにちゃんとキャッシュフローの分析を行って管理を行うこと。それから、経営が悪くなっているプロジェクトもございますので、こういうものにつきましては適切な措置を講ずること等、事業の効率的、効果的な実施を行うように、それぞれの報告書で指摘されたところでございます。  現在、石油公団におきまして、また私どもにおきまして、その報告書を実施するということで対応しているところでございます。
  16. 竹本直一

    ○竹本委員 現状はそういうことかもしれません。また、その努力はぜひしていただかなきゃいけないわけでございますが、皆さん方は玄人ですから、私は素人ですから、素人の目ということもちょっと聞いていただきたい。  それはどういうことかというと、大変な融資をし、そして日本の企業にそういうことでお金を貸しながら、海外へ出かけていって、砂漠の真ん中でどうなっているかわからないようなところをいろいろなデータをもとに発掘していくわけでございますが、非常に確率が悪い。それはそれとして続けるにしても、それと同時に、既にいろいろな地球の各地で、その国の人、あるいは関係がないかもしれないけれども外国の企業が発掘に努力している、その途中段階、プロジェクトファインディングの段階で、外国の企業がやっているものをも買収するなり、あるいはそれとジョイントベンチャーを組むなり、そういった油田の可能性の開発についての多角的な方法をもっと取り入れるべきではないか、そうすれば確率がずっと上がっていくのではないか、何も一から十まで全部我々日本人でやる必要は必ずしもないのじゃないか、そんなことを我々、外から見ておって感ずるわけでございます。  ですから、先ほどの報告書及び通産省が審議会等でいろいろ検討されるようでございますけれども、その中に私のこういう意見も入れながらぜひとも工夫をしてもらいたい、そのようなお願いを申し上げておきたいと思います。  時間がありませんので、最後に総務庁長官に御質問申し上げたいと思います。  今回の行政監察結果、私は、非常にすばらしい試みであり、冒頭申し上げましたように、アメリカの会計検査院に相当するような、そういう一つの試みだと認識しておりまして、非常に意義を強く感ずるものであります。  特に、最近出ております「市場対国家」という本、スタニスローですか、共著の本でございますが、いろいろな行政事象をどこまで国が担当するか、どこを民間にやらせるのがいいか、これは、サッチャー時代の過去の歴史も振り返りながらきっちりと分析し、日本のことにも言及しておるわけでございます。  そういったことを考えますと、今こそこの行政改革の中で、今まで国がやってきたことは当然国でやるべきだ、そういうことではなくて、やっても構わないけれども、もう少し真摯な経営管理といいますか、経営分析といいますか、そういった手法でいろいろな意見を総務庁の方で出していただきながら行政のより効率的な執行にこぎつけていただきたい、そういうように思うわけでございますが、この問題にかける総務庁長官、太田大臣の御決意をお聞かせ願いまして、私の質問を終わりたいと思います。
  17. 太田誠一

    ○太田国務大臣 竹本先生には大変お励ましをいただきまして、ありがとうございます。先生を初めとしまして、委員会の皆様方の御審議など、国民各界各層において幅広い御論議が展開されることを期待いたしております。引き続き二十法人の取りまとめを急ぎ、順次公表してまいりたいと考えております。  また、公団、事業団の次の財務調査として、本年度、新たに貸付業務を含むものを中心に六法人を対象にした調査に着手の予定でございます。
  18. 竹本直一

    ○竹本委員 ぜひ頑張ってください。  これで終わります。ありがとうございました。
  19. 原田昇左右

    ○原田委員長 次に、鍵田節哉君。
  20. 鍵田節哉

    ○鍵田委員 民主党の鍵田でございます。  去る五月の七日でしたか、情報公開法が衆議院の本会議で成立をいたしました。二年以内に施行されるということになったわけでございます。昭和五十五年に当時の民社党が公文書公開法を提出してから十九年経過をしておるわけでございます。これから行政のあり方、それから国民主権というものが本当に生かされてくる、こういうふうな意味でも大変重要な法案ではなかったかというふうに思っておる次第でございます。  従来まで、行政のあり方などにつきまして国民に対して十分な情報が公開されておらなかった、こういうことが大きく変わってくるわけでございますが、今回の報告につきましても、その一環といいますか、同じような意義を持って、国民に対して、これからの政府のあり方、行政のあり方、そういうものが変わってくるということで大変意義があるのではなかろうかというふうに思っておる次第でございます。  今後の情報公開のあり方が、地方公共団体でありますとか各種の団体、さらには民間企業、こういうところにもさらに広がってくるということが期待されておるわけでございまして、まだ公共団体でも五百数十しか情報公開条例が制定されておらないというようなことを考えますと、さらに全国的な広がりができてくることを期待するところでございます。  そういうことで、今回のこの報告書をつくられた御苦労を多としながらも、総務庁長官に三点ほどお聞きをしたいというふうに思っておるわけでございます。  個別具体的な、従来型の勧告とは異なったスタンスで、各法人が当面する大きな問題点や課題、こういうものを中心にしまして経営分析的な観点から国民にわかりやすく提示するということでは大変意義があるわけでございます。しかし、せっかくこのような調査をされたわけでございますから、所管官庁や特殊法人の自発的な改革努力を促す、こういう発言が長官からございましたけれども、公表したら終わりだよということじゃなしに、具体的に各省庁が改革努力をしてもらうということを、さらに監視をしてやっていかなくてはならないのじゃないかというふうに思います。それらについての御決意をまず第一点にお聞きをしたい。  そして、第二点といたしましては、行政監察プログラムでは、各種施策の見直しということで、特に平成十二年度には高年齢者雇用に関する行政監察を行う予定ということになっておるわけでございます。  高齢者雇用というのは、皆さん御承知のように、大変今厳しい環境に置かれておる。雇用全体が大変厳しい状況でございまして、失業率も三月が四・八%です。さらにこれが五%を超えていくというふうなことも言われておるわけでありますが、とりわけ高齢者雇用が非常に厳しい環境にあって、求人倍率なんかも〇・〇台の数字になっておるわけでございまして、これらの高齢者に対する施策というものが急がれるわけでございます。十二年の行政監察というふうなことでは非常に遅いのではなかろうか、そういうことを考えますと、高齢者雇用に対して何らかの抜本的な、時宜に適した施策を労働省がとられるように早急に勧告をする必要があるのではなかろうか。  私自身も労働委員会で、年齢によって採用などの条件を決めるというようなことがしばしば行われておることに対しまして、年齢による採用の差別を禁止する法案をつくったらどうかと。現実に、アメリカやオーストラリアやニュージーランドでもそういうことが行われておるということを聞いておるわけでございまして、年齢によって採用などの差別をするのじゃなしに、やはりその人の持っておる能力によって採用するか否かということを決めるべきであって、高齢者も能力をさらに開発していけるような政策こそ大切でございます。こういうことに対して前倒しで、今政府の方も経済戦略会議などの提言を受けてこれらの対策を立てていこうとしておられるようでありますけれども、ひとつ、総務庁の方からも積極的にこれに対して提言をしていただけないかということが第二点でございます。  それから第三点といたしましては、財務分析的な手法で今回の報告書をつくられたわけでございますけれども、本来これは、政府ということになりますと大蔵省がやるべきことではございましょうけれども、国全体がこういう手法をもってバランスシートなどをつくっていくというようなことは、国会の場でも今まで議論がされてきておるわけでございまして、そういうことのあり方について積極的姿勢を出していただきたいというふうに考えるわけでございます。  各特殊法人なども、債権債務をもっと明らかにして、財務分析を行って、そして運営が健全になされていくような検証をされるということが大切でございます。特殊法人の費用対効果という手法によってその分析を行っていくということでございますけれども、今後、これらの行政改革をやっていく上において大変意義のあることだというふうに考えておりますので、さらにこれをもっと拡大をしていくというふうなことについて、長官としてどのようなお考えを持っておるのか。  この三点について御答弁をいただきたいと思います。
  21. 太田誠一

    ○太田国務大臣 今回の調査結果の公表によりまして、これを素材として、ただいまも御激励をいただきましたけれども、広く国民各界の中で論議が進展をし、これを踏まえながら所管官庁及び特殊法人における課題への取り組みが進むことを期待いたしております。  このような議論の進展や改善の進捗状況について、総務庁としても必要なフォローを行っていく所存であります。一定期間後に、どのぐらいのことをやったかということを調べて、またその調査をするということにいたしております。今は勧告をいたしておるわけでございますので、その後どうなったかということを、後からフォローをいたします。  また、今後の行政監察や政策評価の実施に当たっても、今回の課題への取り組みの進展状況を踏まえつつ、的確な対応を図っていきたいと存じます。  総務庁では、平成十一年度から十二年度、第二期の間において実施する予定の行政監察テーマを決めた行政監察プログラムというものをつくっておりますが、高年齢者をめぐる雇用情勢の厳しい現状にかんがみまして、平成十二年度に高年齢者雇用についての監察を予定いたしております。  高年齢者の雇用対策については、これまで実施されてきた六十五歳現役社会の実現に向けた施策の展開等に加え、現在、政府において、緊急経済対策の一環として去年の十一月十六日に策定をいたしました、中高年齢者の失業対策に重点を置いた雇用活性化プランを推進中でありまして、平成十一年四月二十三日の総理の指示を受けまして、新たな雇用対策及び雇用機会の創出などのさらなる充実について、鋭意検討がなされているところであります。  行政監察は、各省庁の行う施策、事業の実施状況を調査し、行政の改善を進めていくものであります。これらの対策の実施状況を踏まえて、タイムリーに、適期に行政監察の実施について検討してまいるつもりであります。  国の行政のうち、比較的企業活動に近い事務事業を監察する場合、例えば平成十年九月に勧告した厚生年金監察のように、当局の減価償却費試算による経営分析に基づき厚生年金福祉施設の運営の見直しを指摘するなどのほか、財務諸表を作成していないものについてその作成方を指摘するなど、経営管理意識の醸成に努めてきたところであります。今後とも、行政監察において財務分析的評価手法になじむ事務事業については、こうした努力を継続してまいりたいと存じます。  このやり方で特殊法人も、今回法律が制定をされまして財務内容について分析をできるようになったわけでございますので、そこからスタートをして、そういう範囲を徐々に広げてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  22. 鍵田節哉

    ○鍵田委員 先ほどから申し上げておりますように、やはり行政のあり方について実効の上がる政策をとってもらうようにいろいろ提言をしていただくということも大切でございますので、そういう意味で、やはり現在の状況に適した、そういう時宜に適した提言を積極的にこれからも進めていただきますようにお願いを申し上げておきたいと思います。  時間の関係もございますので、ODAの関係のことと、それから阪神高速道路公団のことについて関係方面に質問をするわけでありますが、まとめて質問をして順次お答えをいただくということでお願いをしたいと思います。  まず、外務省にお尋ねしますけれども、ODAというのは、日本の国が今後も外国の皆さんと非常にいい関係で、そして経済協力などにも貢献をしていくということは大変重要でございますし、憲法の精神にものっとるわけでございまして、そういうことを考えますと大変重要でありますけれども、残念ながら、ODAに関してはいろいろな問題点が指摘をされております。  どうも各省庁間の連携がとれておらないとか、情報公開が十分になされておらない、開発途上国にいろいろ物資の援助をしても、最新鋭機なんか持っていっても技術者がいなくてそれが粗大ごみになってしまっておるとか、また直近では、大手ゼネコンがインドネシアなどに多くの援助をしておりますけれども、それらについても、インドネシア当局の所管の官庁であるとか政権の担当者に対してリベートが渡っておる、それに対して追徴課税されたというような報道もされておるわけでございます。  せっかく多額の援助をするわけでございます。具体的に一つ一つお尋ねするわけにはいかないわけでありますが、これらの指摘されております問題について、今後どのように対応していかれようとしておるのかということについてお聞きをしたい。  さらには、技術協力事業についてでございますけれども、この報告書では、多額の公的資金に依存するものであって、国民への説明責任を果たす上において、費用対効果の状況など客観的な事業効果の実証が検討課題になっているというふうに指摘をされておるわけでございます。人材育成という面から見ますと、非常に定型的な指標をつくることも困難ではあろうというふうに思いますけれども、しかし、今後これらの課題につきましてどのようにお考えになっておるのかということのお考えを伺いたいと思います。  さらに、外国からの研修生の受け入れにつきまして、これは留学生も含めまして、日本に来ておりました外国の各種の研修生などが余り日本に対していい印象を持って帰っておられないというふうなことも、マスコミなどの報道でも聞こえてくるわけでございますけれども、私は、民間外交というふうな面から見ますと、こういう方々に日本に対していい印象で帰っていただくということが、やはり親日家を一人でも多くつくるということで大切なことではなかろうか。  したがって、そういう研修を受けて帰られた方に対しての後のフォローアップをどのようになされておるのかというふうなこと、それらにつきましての、何かデータベースなどもつくったりしてフォローアップをされておるのか。十一万五千人ぐらいの研修生が既におられるわけでございますから、そういう民間外交官が外国におられる、そして日本に対して非常に理解があるということは、大変強力な味方をつくることになるわけでございます。それらについてのお考えをお聞きしたい。  それから、JICA、国際協力事業団のことについてでございますけれども、移住事業の中で入植地事業を行っておられるわけでございますけれども、非常に投下資金の回収が停滞をしておるというふうにお聞きをしておるわけでございます。アルゼンチンの場合でも千九十五ヘクタールが売れ残っておって、それがなかなか売却の見通しが立っておらない。その原因は、耕作に適さないとか、また円建てであったために割高になっておるとかというようなこともあるようでございます。そしてまた、既に売却をしたところでも多くの延滞が出ておるというようなことも報告をされておるわけでございますが、これらについてどのようにお考えになっておるのか、順次お答えをいただきたいと思います。
  23. 大島賢三

    ○大島(賢)政府委員 お答え申し上げます。  まず、ODAの分野におきます各省庁間の連携調整の問題でございますが、ODAの事業、特に技術協力につきましては多数の省庁が関係しておりますので、その連携調整をきちっとやっていくということが極めて大事であるわけでございます。  そういうことで、一体性、整合性のある形でのODAの実施につきましては、行革会議でも随分議論がございました。そういうことを受けまして、中央省庁等改革基本法におきましては、基本的に外務省が政府全体を通ずる調整の中核となってやっていくようにということで規定が盛り込まれまして、その精神を受けまして、今般国会に提出されております設置法案の中でそういう趣旨を生かす規定が設けられております。  今後は、こういった調整を従来以上に充実いたしまして、ODAの効果的、効率的な実施を一層期してまいりたい、こういうふうに思っております。  それから二番目に、インドネシアのいわゆるリベート疑惑の問題、それからODAにおける透明性、情報公開の点についてでございます。  新聞に報道されましたリベート疑惑の問題、これは一般の商取引に関連するものであるわけです。一部には、円借款との関係があるのじゃないかということで報道がございました。私ども、これは、ODAのイメージはもとより、いやしくもこういうことがあってはならないということで非常に重く受けとめまして、海外経済協力基金の方でも、名前が言及されました企業から直接聞き取り調査を行いまして、外務省自身も直接の聞き取り調査を行ったわけでございます。これにつきましては、いずれの企業も、報道にあるようなリベートの供与の事実というものはないということで、はっきり否定をいたしておるわけでございます。  一方、これはインドネシアでございますので、相手国政府による調査も重要だというふうに考えまして、インドネシア政府に対しましても調査を申し入れてあります。ただいまのところは、インドネシア政府内には大臣クラスをヘッドとする調査委員会のようなものを一応設置いたしまして、本件についての調査を別途行っております。  さらに、私どもとしましては、ODAの事業につきましていやしくもこういった不正あるいは不適切なことがあってはならないということでございますので、日ごろ、ODAの事業に関係しております商社、関連企業八十社に対しまして、外務省、通産省、経済企画庁の三省庁によりまして、不正防止のための国際的な条約も既に成立しておりますし、その条約を受けまして不正競争防止法、国内法も成立しております、それから関連のいろいろな規定がございますので、改めまして、こういったものを予防的な意味で周知徹底を図る措置を既にとりました。  さらに、特に円借款につきましては調達ガイドラインというものがございますが、不正防止の効果をより効果あらしめるために、もしこういった関係企業が絡む不適正な調達、例えばリベート支払いとか虚偽の報告とか、こういったものが客観的に立証された場合には、一定期間、円借款の事業への応札、入札参加ができなくなるような措置をとるということも一応方針を決めまして、改定を行うことといたしております。  そういうことで、本件につきましての事実関係の調査はまだ終わったわけじゃございませんし、これからも厳しく見ていくつもりでございます。  それから、透明性につきましては、七月に総理から直接の個別の指示がございました。それを受けまして、数カ月、政府部内で検討いたしまして、昨年十一月に一連の措置の決定をいたしまして、公表されております。  例えば、透明性向上のために、中期政策をきちんと決めて公表すること、別途国別の援助計画をつくってこれも明らかにすること、円借款候補となっている案件をリストにして公表すること、入札の過程に関します一層の情報開示を進めること、それからインターネット等を通じます情報公開をさらに進めること、こういった内容の措置をとることを既に決定いたしております。  三番目に、効果の点についての御指摘がございました。  確かに、特にプロジェクトでございますと、道路とか発電所が完成すれば、その結果、交通量がどの程度ふえて、あるいは発電量がどの程度ふえて、それがどういうふうに経済発展に貢献しているかということは割とやりやすいわけでございます。技術協力の場合には、御案内のとおり、いわゆるソフトの協力でございまして、なかなか定量的な効果測定というのは難しゅうございます。しかし、それでもやはりいろいろ工夫をすればかなりのことが可能であるということで、こういった目標、設定した目標に対しましてどの程度の効果が上がったかということの指標をつくりまして、できるだけ定量的にこういった評価ができるような手法の開発とその実行に努めております。  この辺につきましては、まだまだ不十分な点はございますけれども、非常に大事な点でございますので、引き続き工夫を重ねてまいりたいと思っております。  最後に、人材育成をして、帰国された研修員のフォローアップがどうなっておるかという点でございます。  私ども、先生御指摘になったとおり、これは非常に重要な点であるということは肝に銘じておるつもりでございます。まず第一に、日本に十一万以上の研修員がこれまで来ておりました。JICAを中心に協力をやっております。まず、やはり好ましい印象を持って帰ってもらう、そのためには、研修そのものが中身の充実したいいものであると同時に、研修の環境というものがきちんと確保される、これが大事でございますので、施設の整備等も含めまして、研修内容の充実に努めております。  その結果、私どもがJICAを通じてやっております調査によりますと、八割ないし九割は大変高い評価をしておりますし、そういう意味では大変好ましい印象を持って帰国していると思います。  帰国後のフォローアップにつきましても、別途帰国研修員の同窓会のようなものもつくられておりまして、現在七十一カ国で七十七の帰国研修員の同窓会がありまして、大きなところでは、フィリピン、ブラジル等では会員数が二千名を超えるというようなことになっております。総会員数は三万以上になっているということでございます。こういった同窓会関係に対しましても、一回限りで研修が終わるのじゃなくて、引き続いて、日本とのつながり、受けた研修が効果を発揮するようにできるだけきめ細かい配慮をし、一部支援が可能なところについては支援も行っている状況でございます。
  24. 藤田公郎

    ○藤田参考人 アルゼンチンの入植地事業についてでございますけれども、設定に当たりましては、移住者の増加の見込み、それから、既移住者の増反の計画、二、三男の独立用地としての取得の趨勢等を片方では考えまして、他方では、営農計画、花でございますとか野菜、果樹などですが、この計画を見まして、それで営農に適する土地を選定する作業にかかります。その際には、入植地適性調査、これは内部の規定でございますが、割と厳格な、科学的な手法で調査をすることにして土地を取得しております。  報告書で指摘され、かつただいま委員御指摘のとおり、特にアルゼンチンにつきましては、円建てで行ったということのほかに、実は移住者が減少の趨勢にあり、かつ高齢の方がだんだん亡くなられていく、新しい方が出られない、さらには日本への就労者、出稼ぎでございますけれども、その増加ですとか、近隣諸国からの安い農産物の輸入等もございまして、売れ残りが出てきているというのは御指摘のとおりでございます。  これに対する対応策いかんということでございますが、移住者を対象にしている現在の状況を少し広げまして、二世、三世の日系人の方ですとか、組織、農協のような組織を対象にするとか、それから、耕作地として不適当でございましても、例えば養豚、養鶏等に範囲を拡大するというようなことを今打開策として考えております。  また、最後に言及なさいました延滞債権の点でございますけれども、延滞債権の回収には、戸別訪問とか、会合がございましたときにお願いするとか、それから債務者の資力に応じた返済計画を立ててあげるというような形で、鋭意債権の回収に努力をしている状況にございます。  以上でございます。
  25. 鍵田節哉

    ○鍵田委員 答弁の間にぎりぎり時間が来たようでございますが、もう一点だけ、ちょっと次の質問者の了解を得まして質問させていただきたいというように思います。  実は、阪神高速道路公団の関係についてでございますが、収支率が九五ということで、他の公団に比べても非常に高いわけでございます。これは阪神・淡路大震災の影響もあったということも伺っておるわけでございますが、何か償還の期限が、このベースで行きますと二百何十年もかかってしまうというようなことに計算上はなるようでございます。これらについての抜本的な対策が必要だということでこの報告書が出ておるわけですが、総務庁としてはそれをどうお考えになっておるのか。  もちろん、それを受けてかどうか知りませんが、ことし六百円の通行料が七百円に上がっておるわけでありますが、それでいいのかどうかということ。  それから、建設省の方も一緒にお答えいただいてもいいのですが、この道路とか空港とかというふうなものは、やはり本来国が責任を持って整備をして、そして利用者に供与するというのが本来のあり方であって、それを便宜上、特に一日も早くそういうふうなものを普及させようというふうなことから利用者負担という考え方も入れておるわけでありますけれども、こういうふうな状況になったときに、やはり建設省としては、利用者にどんどんどんどん負担を強いていくことをやるだけじゃなしに、抜本的に、建設省として何らかの考え方を持ってこれらに対応していくということが必要なのではなかろうかというふうに思っております。  それから、阪神高速道路公団につきましても、子会社と関連会社は比較的経営の状況がいいようでございますが、どうもこれらの内容がもう一つ公開されておらない、情報公開がされておらないというような問題がございます。これらについて、やはりもっと透明性のある運営をしてもらいたい、子会社についてもそういうことをお願いをしておきたいというふうに思います。  さらには、今度大阪国際空港が、従来の国際線が国内線としてリニューアルオープンすることになっております。そうなってきますと、増便も行われるということで、空港線の通行量も大変ふえてくるわけでありますが、それらについて一体どのような対策を立てられようとしておるのか、今自身でも非常に慢性的な渋滞があるわけでございます。  それらについてお答えをいただきたいということでございます。
  26. 太田誠一

    ○太田国務大臣 今回調査結果の中で、阪神高速道路公団の債務の償還の確実な達成のため抜本的な対策が必要である旨を指摘いたしました。しかし、具体的にどういうふうに方策を講ずるかについては言及をいたしておりません。  抜本的な対策の内容としてはあくまでも、想定されるのは、公的資金の導入でありますとか料金の値上げ、償還期間の延長、経営形態の見直しなどさまざまな方策が考えられますが、最終的には、さまざまな各方面からの議論の中で総合的に妥当な方策を模索すべきものだと考えております。そこについて総務庁が決定するということはないわけでございます。今回の調査結果は、そのような論議の素材を提供することに意義があるということでございます。御指摘のように、必ずしも料金値上げのみで対応できる問題ではないというふうに考えております。  なお、ここで触れなかったと思いますけれども、要は、いまだにこれは新しい延長計画があるわけでありますし、目下投資もされておって、まだふえていくわけですね。そこについては、現在の収支ということのほかに、今後どうするのかということの決断もまたそれよりも前になされるべきではないかというふうに考えております。
  27. 井上啓一

    ○井上(啓)政府委員 先生、阪神高速道路は阪神圏にとって重要な路線だというようなことで、公的助成をもっと抜本的に拡充していくべきではないかという御指摘でございますが、現在まで、御指摘のように、なかなか公的な財源だけでは不十分だということで有料道路制度を活用しておりますが、その際に、国及び地方公共団体の出資等の公的助成で建設費の一部を負担しております。また一方では、阪神高速はこれから、地下トンネル等特別な構造でありますとか、都市の中で大変難しいところをやるというようなことで事業費もかかるようになってきております。  そういう中で、採算性を確保しつつ整備を推進するために、公団における建設費、管理費の一層の節減に加えまして、関連する一般道路事業によって用地取得等を支援するでありますとか、あるいは国及び地方公共団体の出資率の拡充を図ってきております。五年度、七年度、十年度と順次拡充しておりますが、十一年度におきましては、さらに出資率を、十年度まで一三%だったものを二五%へ大幅に引き上げております。  またさらに、道路用地を先買いするような場合については、用地費相当額を先行出資して借り入れの利息の軽減を図るような公的助成を拡充したところであります。  こういうようなことをもちまして、また今後とも公的助成について十分配慮していきたいというふうに考えております。
  28. 有川正治

    ○有川参考人 先ほどの公益法人、それから出資会社の関係につきまして。  公団の事業を進めていく上で、こういった公益法人とか公益法人からの出資会社の活用、こういうものを図って事業を進めているところでございますが、そういうところに個々に仕事を発注していくにつきましても、契約発注に競争入札の導入あるいはそこら辺の拡大を図って、透明性の高い業務運営を図ってまいりたいと思っております。
  29. 松尾俊雄

    ○松尾参考人 空港線の渋滞対策でございますが、私どもとしましては、抜本的な対策といたしまして、この三月に基本計画の指示を受けました淀川左岸線二期の整備を促進することを考えておるところでございます。これによりまして空港線、池田線の利用交通を分散させることで、渋滞の緩和に非常に寄与するのではないか。  また、当面の対策といたしましては、渋滞の著しい箇所の手前で、出口、排出ランプをつくることによりまして渋滞の緩和に寄与してまいりたいと考えております。  なお、空港料金所の渋滞解消のために、現在、同料金所の拡張工事を施行中でございますので、よろしくお願い申し上げます。
  30. 鍵田節哉

    ○鍵田委員 ありがとうございました。  委員長、御配慮ありがとうございます。
  31. 原田昇左右

    ○原田委員長 次に、石井紘基君。
  32. 石井紘基

    ○石井(紘)委員 まず、質問に先立って、決算委員会というのは予算に対する決算ということでやっているわけであります。この決算というものが非常におざなりにされておるということでありますので、決算委員会というものは、決算が済まなければ予算が組めないぐらいの、そういう重要な位置づけを、これは政府としても、総務庁長官を通してきちっとやはり徹底をしてもらう。  本当だったら、今十一年度ですから、十年度の決算をやるぐらいじゃなきゃいけないのです。それができなければ十一年度の、あるいは十二年度の予算を組めないというぐらいでないといけない。そういうことをよく認識してもらいたい。このままじゃ、この国は決算というものなしで運営されているというようなことになっておるわけですから、そうしてもらいたい。  それからまた、総務庁の今回の調査ですか、監察というのは、私は大変前進だろうと思います。財務について順次特殊法人を監察されておる。この報告についても、まあまあその限りではかなり努力の跡が見られて、結構であろうというふうに思います。  一方、今後の課題として、やはりただ単に財務諸表でもって財務内容を見るんじゃなしに、個々の事業についてどういうぐあいに運営されているのかと。いろいろな各公団、事業団はプロジェクトを進めているわけですから、その個々のプロジェクト、計画について、一体幾らで土地を取得して幾らで建設をしてそして幾らで売って効率がどうだったのかというようなことを、今後はひとつ総務庁ももっときめ細かく調査、監察をしてもらいたい、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
  33. 東田親司

    ○東田政府委員 お答え申し上げます。  石井先生の方から、いわば財務分析の調査にとどまらず、個々の事務事業の運営につきましても調査を進めるべきであるという、一般的といいますか、全体的なお尋ねでございます。  私どもの方も、行政監察、もともと本来そういう個々の事務事業の運営面につきまして、合規性でありますとか効率性でありますとか、有効性等の観点からやってきたところでございまして、これからも財務分析の調査をやると同時に、並行いたしまして、そういう運営面の調査にも当然力を入れてまいりたいと思っております。
  34. 石井紘基

    ○石井(紘)委員 特に公団、事業団といいますか、特殊法人の場合は、いわばビジネスのようなことをやっているわけですね。投資して、それに対して効果がどのくらいあるか。大方というかほとんど全部の特殊法人は、収支という面でいけば全部赤字だから、国が補助をしておる。それでもまだ赤字だというところがたくさんあるわけです。  やはりそういうお金を動かしてビジネスをやっているわけですから、そこは、例えばですが、住都公団とか道路公団というようなものについて取り上げてみれば、土地を幾らで取得したのか。ただ、土地売買というその時点でいえば、それはいろいろ駆け引きもありましょうから幾らで買いたいというようなことは言えないのでしょうが、一つの計画が一段落したというときには、やはり、あれは幾らで買いましたよ、そしてそこに建てた上物は幾らで建設しましたよ、かかった事務費は幾らで、利子は幾らでした、それでこれを幾らで売りましたと。  例えば公団でいえば、住宅を建ててそれを幾らで売りましたよというようなこと、これは税金を使ってやっているわけですから、やはりそういう個々の細かい、細かいというか当たり前のことですが、そういう調査をやはりやってもらわないと、これはそれぞれの公団に言ってもそういう数字を出さないわけですから、これでは国の会計、決算のあり方として、非常に重要な部分が欠けてしまう、非常に不透明になってしまうということでありますので――では、ひとつ具体的に申しましょうか。住都公団とか道路公団について、今後、そういう角度からの監察なり調査をなるべく早い機会にやっていただくつもりがあるかどうか、お答えください。
  35. 東田親司

    ○東田政府委員 お答え申し上げます。  お尋ねの、まず日本道路公団につきましてでございますが、今回の財務分析の調査結果とは別でございますが、昨年の十二月から高速道路に関する行政監察という名前で調査をしておりまして、現在取りまとめを行っているところでございます。観点といたしましては、高規格幹線道路網の効率的、効果的な整備、経営の合理化、効率化といった観点から、財務分析の調査とは別にやっているところでございます。  それから、二点目の住都公団につきましてでございますけれども、私どもの局の考え方といたしまして、この公団が担っております都市における居住環境の向上あるいは都市機能の増進といった課題につきましては、大変重要な行政課題でございまして、行政監察におきましても重要な対象だというふうに認識しているところでございます。  ただ、いつやるかというお尋ねでございますけれども、現在、住都公団が廃止されまして新しい都市基盤整備公団が設立されることになってございまして、業務内容におきましても、分譲住宅業務からの原則撤退、それから市街地の整備改善に関する業務への重点化等、業務内容の変更が予定されているところでございますので、新しい業務の運営実績も見つつ、最も効果的と判断される時期に行政監察として取り上げることを考えていきたいと思っておる次第でございます。
  36. 石井紘基

    ○石井(紘)委員 あれは名前が変わるだけで、中身は本質的、基本的に変わらないわけですから、別に新公団になってからどうのこうのじゃなくて、まさに旧公団を廃止するという法案が今かかって、もうじき通るかもしれないわけですから、こういう機会にきちっとチェックをしておくということが必要だと思いますので、そこのところはもうちょっと前向きの取り組みをお願いしたい。  それから、この報告の中でも、やはり政策評価といいますか、そういうものについてはいろいろ、役所省令だとかいろいろな法律の中でもあるわけですけれども、しかし、それにしても、おかしいなという点はやはり問題提起ぐらいの指摘はされていいんじゃないかと思うのですね。  例えば鉄建公団の場合は、有利子の資金での新幹線は、これは成り立たないだろうというようなことを言われていると思うのですが、そういうようなことをもうちょっとはっきり問題提起としておっしゃる。  あるいは国際協力事業団についても、融資事業というようなものを――これは順調にいっていないわけですね。そうすると、融資事業をやっている特殊法人公益法人というのはたくさんあるわけですが、そういう金融事業というのは基本的には、政府でいえば資金運用部が一括してやっているわけです。融資じゃなくてこれは資金運用ですが、やっているわけで、それを借りてきてまた融資や何かの運用をやって、そして結局赤字を出してしまう。こういうようなことは全体から見てどうなのかというようなこと。  あるいは、金融事業というのは、これは銀行があるわけですが、政府が、日本じゅうの全部の銀行を集めたよりもっともっと大規模な融資事業というのをやっているわけですよ。金融事業というのやっているわけですよ。だから、そういうことで一体民間の銀行や何かが成り立つのかどうなのかということも、大所高所から眺めたところのそういう判断を総務庁というのは下していいんじゃないかと思うわけですよ。  それから、動燃の場合には、一兆六千億の欠損金がある。こういうのも、あり方として、一体今どき、もう諸外国ではやめてしまったようなそういう開発事業というものがどうなのかというところあたりまでも、できればある程度突っ込んで見解を出されるということもいいんじゃないかな、こういうふうに思うわけです。  そこで、空港公団については、二本目の滑走路がどうしても予定どおりできないというので、この間、運輸省大臣を初めとして幹部が、三カ月ぐらい、十分の一ぐらいの給与をカットするとか言って、みずから責任をとるんだとか言ってやっていますけれども、この第二滑走路というものができない限りはずっと赤字、経営が成り立っていかないということのようですね。そうすると、そのあたりの見通しというのはどういうことなのか。何か総務庁は見解がありますか、滑走路の。これがいつまでもできなければ、毎年毎年大臣その他は給与カットということを続けていくんでしょうか。     〔委員長退席、佐藤(静)委員長代理着席〕
  37. 東田親司

    ○東田政府委員 新東京国際空港公団の財務分析結果に基づきまして、私どもとしては、以下申し上げるような調査結果の判断をいたしております。  一点目は、収支の好調な時期が続いたわけですけれども、第二旅客ターミナルビルの建設に伴いまして収支が悪化してきておりますという、これは事実でございます。  現在、滑走路が飽和状態でございまして、収入が伸びなければ赤字経営に転落の危機があるわけでございます。公団の方は、平行滑走路ができますれば収支は好転するという見通しを持っておられまして、平成十八年ころには欠損が解消するという見通しを持っておられるようでございます。  しかし、航空需要全体が停滞していること、あるいは空港使用料の引き下げの国際世論があることなど、厳しい要因もございますので、私どもとしては、健全な経営の確保のために、収益動向に応じて施設整備等を計画的に行うような工夫が必要であるということを今後の課題として提起させていただいた次第でございます。
  38. 石井紘基

    ○石井(紘)委員 羽田の整備とか拡張とかという方向も一方ではあるわけですから。国際空港というのをあちこち散らばらせていくというよりも、国際ハブ空港というようなところで羽田が伸びていくのであれば、成田の方は、これは空港使用料も世界一高くてなかなか成り立っていかないわけなんで、そういう点も、これはやり始めたものだから幾ら金がかかってもやるんだというのじゃなしに、やはり抜本的な航空対策というようなこともある程度頭に置きながらこうした調査に取り組むという姿勢をお持ちいただければありがたいと思うわけですね。  それから、道路ですが、建設省にちょっと伺いたいのですが、本四連絡橋公団というのは大変な債務超過になっておるようですね。収支率というのが非常にこれは悪い、二一一。収入の倍以上持ち出しというようなことになっておる。後で言う石油公団もそうなんです。あるいは、阪神高速道路も収支率が大変悪い。償還四十年ということになっているけれども、つくればつくるほど、もう何百年も償還がし切れないというような状態であるということです。高速道路そのものが、つくればつくるほど今後は収支率は悪くなっていくわけですね。日本道路公団もそうです。  そういう指摘がされているわけですが、建設省としてはどうなんですか。総務庁はつくればつくるほどこれは今後厳しくなりますよということで、私は年来そういう主張をしているわけですね。そこのところを、道路政策として、建設省に多少考えが改まっているのかどうなのかちょっと聞いてみたいと思います。
  39. 井上啓一

    ○井上(啓)政府委員 今、道路関係の公団について今般の調査結果報告書に基づいて述べられたこと、どう建設省として受けとめているかという御指摘でございますが、今後の償還を取り巻く環境が厳しいこと、またリスク管理や経営効率化が重要であることは、各公団並びに建設省としても十分そういうことを認識しております。そういうようなことで、公団に対しては一層経営の合理化に努めるように指導してまいりたいと思います。  建設省といたしましては、出資率の引き上げ等、公的助成の拡充等を実施することによって採算性が確保されるようにこれからも努めていきたいというふうに考えている次第でございます。
  40. 石井紘基

    ○石井(紘)委員 子会社とか孫会社とか関連の法人をつくって、そうしたところの利益というものが、連結決算もされていないし、それはそれでまた別枠でとられちゃっている。そういう点でも効率を悪くしているわけですから、その子会社、孫会社なんかの収益部門というようなものを天下りでもって自分たちで処分してしまわないで、こうした公的な財政の中に一体としてやはりカウントするということも考える必要があるだろうと思うのですね。  それから、もう時間がなくなりましたが、石油公団というのは収入が数千億しかないのですね。それに対して、借金の支払いというのが一兆三千六百億ぐらいある。こういうことでこれはやっていけるのかどうなのか、大分子会社を整理したようですけれども。収入は三千二百七十五億しかない、ところが借金の返済が年間一兆三千六百億もあるということでありまして、もちろんこれだけですべて言えるものじゃありませんが、しかし、政府からの出資金、交付金、補給金、委託費、これは全部入れると五兆九千億も平成九年度だけで出ているのですね、これは間違いないと思うのだけれども。これはちょっと余りにも国の負担というものが大き過ぎる。  これを考えてみますと、やはりいろいろ、自主開発の石油を確保しておかなきゃいかぬとか、備蓄を確保しておかなきゃいかぬとか、そういう政策を出して、それを石油公団が、何か自分がやることだというような感じで、民間会社を巻き込んで、一生懸命民間企業に出資してやったりいろいろなことをやって、次々に何百社も子会社をつくっちゃったわけです。  どうなんでしょうか、いろいろ問題点はあると思うのですが、きょうは一つだけ指摘しておきますと、そもそも民間の石油会社というのが、諸外国と比べて、日本は力量が弱いのに多過ぎる。要するに、シェアが少ないのに民間の石油会社というようなものが多過ぎるということ。それを全部石油公団が面倒を見ているというふうな形だから、こういうふうになっているのじゃないのかな。だから、石油公団というものはもっとぐっと後ろに引いて、そして民間同士の競争の中で、やはり一定の民間主導でもって太刀打ちできるところは太刀打ちしていくという形で、そういう制度の面でこれは通産省がバックアップをしていくという形をとらないと、石油公団がもう自分が殿様みたいにしてやっていたのでは、これはとても成り立たない話だな、こういうふうに思うのです。  時間がありませんから、私の意見をそういうふうに申し上げて、それに対して、通産省、いかがお考えですか。     〔佐藤(静)委員長代理退席、鴨下委員長代理着席〕
  41. 新欣樹

    ○新参考人 最初に、数字のお尋ねでございましたので、それについて私から申し上げます。  御案内のように、石油公団は、探鉱開発事業というものと石油の備蓄事業というものを行っておるわけでございます。先生は恐らくまとめて数字をおっしゃったのだろうと思いますが、私どもはこれは分けて考えておりまして、探鉱事業に関しましては、これまで、九年度末までの出資金は約一兆一千九百七十二億円ということでございます。  これに対しまして、九年度末の探鉱投融資事業に対します投融資残高といいますか、これは出資金、貸付金あるいは長期未収金、債務保証、求償権、こういったようなものによって成り立っておりますけれども、これの残高が一兆三千八百億円というようなところになっております。この探鉱事業に関しましては、借金で原資を賄っておるということはございませんで、すべて出資金によって賄っておるということでございます。  一方、備蓄事業、これにつきましては、出資金は平成九年度末現在で三千五百三十四億ということでございますが、そのほかに財投とか、そういったようなものを原資とするものがいろいろとございまして、そういうのを全部合わせますと、先生御指摘のような数字にあるいはなろうかということでございます。  以上、探鉱開発事業と備蓄事業の差というところで申し上げました。あとの御質問は総裁からお答え申し上げます。
  42. 鎌田吉郎

    ○鎌田参考人 ただいま先生からお話がございました今後の公団の事業運営のあり方の問題でございますが、石油開発に関する政策自体は、政府と申しますか通産省がお決めになる、石油公団はそれを実施する機関でございます。そういった意味では私からはまことに申し上げにくいのでございますけれども、ただ、現在、石油審議会で石油開発の今後のあり方について抜本的な検討が行われております。また、今回総務庁からいただいた報告書の中でも、事業運営の重点化に留意しろという御指摘もございます。当然、そういった事業運営の重点化というのでございますか、これはどういう形で重点化するかはいろいろな考え方はあろうと思いますけれども、今後の石油審議会の中でも議論が行われていくというふうに私としては考えておる次第でございます。  いずれにしましても、石油公団といたしましては、一層効果的、効率的な事業運営と徹底した情報開示に努めてまいる所存でございます。  以上でございます。
  43. 石井紘基

    ○石井(紘)委員 これで終わりますけれども、さっきちょっと私、政府の出資金とか交付金とか補給金、委託費の数字、これは九年度末現在の累計の数字でございました。私がちょっとこの資料、単年度の資料も要求しておいたつもりなんですが、累計の数字が出ておりましたのでそれを申し上げましたので、そういうことで……。  それから、石油公団、大分改革が進んでいるようでございまして、子会社との連結決算等についても研究中のようでございますが、それも、子会社とまたその元売会社とかいろいろなもっともっと先の関係もあるんでしょうから、そのあたりをどんなふうにやるのかなというようなこともちょっと興味があるんですが、また別の機会に譲りたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。
  44. 鴨下一郎

    ○鴨下委員長代理 次に、谷口隆義君。
  45. 谷口隆義

    ○谷口委員 本委員会の冒頭、太田総務庁長官の方から今回のこの報告書に対する説明がございました。おっしゃるように、平成九年六月に特殊法人の財務諸表等の作成及び公開の推進に関する法律が施行されて、今回、民間企業以上の水準のディスクロージャーが実現した。その程度、民間企業以上のディスクロージャーが実現したのかどうかは私は若干疑問でございますが、そういうことで下地ができたということで、今回総務庁で調査をされ、その初めての報告書が現在提出されたということのようでございます。公団及び事業団、合計二十九法人を対象にして実施され、今回は九法人について報告書が提出されておるということのようでございます。  私、この九法人の報告書を細かく拝見させていただきました。大変精緻に調査をされておるなというような印象はございましたが、別の観点で申し上げますと、また後ほどお話をさせていただきたいというように思っておりますが、いわゆる企業会計というか民間企業会計からすると、若干そごがあるんじゃないかなというようなところが見受けられたところでございます。  そういうことで、本日私に与えられた時間は四十分ばかりでございますが、大部分は本報告書の質疑をさせていただきたいというように思っておりますが、若干時間をいただきまして、残った時間、一般質疑もさせていただきたいというように考えております。  まず初めに、太田総務庁長官に今回の報告書の全般的な質問として何点かお伺いいたしたいわけでございますが、時間の関係もございますので、一応項目を三点ほど立て並べて申し上げますので、御答弁をお願い申し上げたいというように思います。  今回、先ほども申し上げましたように、全公団、事業団、合計二十九法人が対象にされたわけでございますが、今後の調査予定でございますね、今回九法人が提出されたわけでありますが、今後の調査は、もう既にされておるのか、今後されるのであればその予定はもう公開されておるのかどうかということがまず第一点でございます。  第二点は、従来は個別具体的な改善を求めるというようなものでございましたが、今回は各法人が当面しておる大きな問題点を提示されておるわけでございますが、このような提示した問題点に対する具体的改善策に対してはどのようにお考えなのか、これが第二点でございます。  第三点は、今回の調査を実施された時期が平成九年十二月から平成十一年四月までのようでございますが、これは四法人、五法人まとめて提出されておるわけでございますが、こういう報告書の類はタイムリーであればあるほどいい。そういう意味におきましては、報告書は、調査が終わりこの報告書がまとまった段階で、順次なるべく早く公表するのがいいというように思うわけでございますが、このあたりについてどのようにお考えなのか。  この三点についてまずお伺いいたしたいと思います。
  46. 東田親司

    ○東田政府委員 お答え申し上げます。  まず第一点は、今回、公団、事業団二十九法人を対象に調査して九つが公表されているけれども、残余のものはどうなっているかということかと理解いたしました。残る二十法人につきまして、私ども事務的な作業を急ぎまして、できるだけ早く順次公表してまいりたいと思っております。当面、第三回目の通知、公表につきましては、できれば六月中に行いたいという目標で事務的に進めております。  それから、二十九法人の調査以外にさらにやる予定があるのかどうかというお尋ねもあったと理解いたしましたが、それにつきましては、大臣の方から御答弁いたしましたように、今年度さらに新たに六法人を取り上げる予定にしているところでございます。  それから二点目に、フォローアップをきちんとすべきではないかというお尋ねがございましたが、これにつきましては、大臣の御答弁もありましたように、総務庁としても必要なフォローは適期に行っていかなければならないというふうに思っております。  三点目は、先ほど私が答えたように、今後新たに追加するものがあるかというお尋ねかと理解いたしますが……(谷口委員「報告書の時期、報告の公表の時期」と呼ぶ)ある程度グループ分けして五、六法人ほどまとまったところで出しているわけでございますけれども、先生のおっしゃるのは、まとまり次第一つずつでもいいから出していくべきではないかというお尋ねかと思います。必ず幾つでなきゃならないというふうに別に決めてはおりませんけれども、事務的な説明の都合上、一つ一つばらばらにというのも大変手数がかかりますので、ある程度まとまったところで、第一グループ、第二グループ、第三グループという調子で通知、公表をさせていただいているところでございます。
  47. 谷口隆義

    ○谷口委員 今の三点目の答弁なんというのは、まさに官僚の答弁だろうなというように思うわけでございます。  なぜかといいますと、先ほど、民間企業の水準以上のディスクロージャーというような話がございました、太田総務庁長官の冒頭の御説明の中ですね。民間企業と申しますと、大体年二回、決算のときにも報告し、中間決算のときにも報告する。特にアメリカあたりになりますと、四半期報告書なんというのがあるわけですね。特にタイムリーに報告するのが極めて大事なわけで、先ほども申し上げたように、平成九年十二月ですから一年以上たっているわけでしょう、初めの調査から見ますと。  ですから、私が申し上げたいのは、順次調査の上がったところから、まとめて報告するのではなくて、なるべく早い段階で公表したらどうでしょうかというようなことでございますので、ぜひ――では、長官、よろしくお願いします。
  48. 太田誠一

    ○太田国務大臣 最初に発言を申させていただきました発言要旨には、「民間企業以上の水準のディスクロージャーが実現し、」というふうに書いておりますが、これは私は適切な表現ではないと思いましたので、口頭で「財務諸表の記載事項に関して」ということを挿入させていただいて、オーバーな表現を使わないようにいたしたということでございます。  なお、今御指摘のような点は多々あると思います。改善をすべきところはまだまだあるというふうに考えております。特に委員の御専門であります外部監査ということを、今回までは、みずから財務諸表をつくったということであって、それについて外部監査を受けておりませんので、本質的にそこは違うというふうに思っております。
  49. 谷口隆義

    ○谷口委員 先ほどの同僚議員の質問にもございましたが、またこれは後ほど質問させていただきますが、日本道路公団は、関連会社が四社、関連公益法人が四法人、関連会社または関連公益法人の出資会社が六十一社、七十社近い関連会社があるわけですね。こういう関連会社の状況も含めて、御存じのとおり民間会社は連結決算を来年三月決算から行うわけでございますが、そういうようなグループでの財務状況を報告する必要があるのではないか。このあたりは、先ほど私が申し上げました民間水準以上のディスクロージャーではないという一つの理由でございまして、また後ほどお尋ねをいたしたいというふうに思っております。  それで、具体的な質問でございますが、本四公団の問題についてまずお聞きしたいのです。  これは本四公団のプロパーの問題ではございませんが、昨日も若干ちょっと申し上げたんですが、本四公団の財務状況が債務超過になっておる。債務超過であるということで、私、直近の貸借対照表を見ますと、確かに債務超過に今なっておるわけでございます。これは、総務庁の行政監察局から出されたものですね。記者会見用のものだと思います。サマリーですね、要約表。ここで、七千億を超える債務超過、こうなっておるんですよ。  私、ずっと見ますと、債務超過というのは債務が債権をオーバーしている金額で、これを見ますと二千六百億程度の債務超過の金額になっちゃうんですね。確かに欠損金は七千億を超えておりますよ、七千二百億ぐらいの欠損金ですから。だから、どういうところからこういうふうに出たのか。マスコミの報道を見ますと、七千億を超える債務超過というふうになっておりまして、これは総務庁のサマリーからとって七千億を超える債務超過、こういうように判断されたんじゃないかと思うんですが、このあたりについて総務庁にお伺いいたしたいというふうに思います。
  50. 東田親司

    ○東田政府委員 公団の場合の経理処理におきましては、借入金だけでございませんで、出資金も債務性資金というふうに認識されておりますために、欠損金と同額になるという次第でございます。
  51. 谷口隆義

    ○谷口委員 それは根本的におかしいね、そういう考え方が。要するに、全然それは財務の基本的な知識がないんじゃないかと私は思いますよ。その考え方は間違っております。  だから、正式に本四公団の債務超過の額は幾らかといえば、二千六百億程度であると。当期のと申しますか、累計の欠損金は七千二百億程度ではないかというふうに思いますが、このあたりの考え方も整理をしてもらいたいというように、まず申し入れをしたいと思います。  それと、今度は本四公団でございます。やはり大変業況が悪いようでございまして、収支率、百円の収入を上げるのに経費が幾らかかるかというような指標があるようでございますが、これで見てまいりますと、日本道路公団五十七円、首都高速道路公団六十九円、阪神高速道路公団九十五円、本四公団二百十一円、こういうようになっておるわけですね。  それと、当初、交通量の見込みを立てるわけでございますが、この見込み誤りと申しますか、収益の見通しを誤るということになるわけでありますが、これで見てまいりますと、平成八年度で、首都高速道路公団、交通量が見積もりより八%下回っておる。阪神高速道路公団が二二%下回っておる。本四公団が、瀬戸大橋でございますが、三六・七%、当初の交通量の見通しから比べると下回っているというようなことになっておるようでございます。  当初の交通量の見通しをベースにして償還計画が立てられておるわけでございますが、このままいきますと償還計画は達成できないというリスクに直面するわけでございますが、このようなことに対してどのようにお考えか、御答弁をお願いいたしたいと思います。
  52. 藤原良一

    ○藤原参考人 お答えいたします。  御案内のとおり、当公団の業務は、基本的には有利子の借入金で必要事業費を賄いまして、それを原則として利用者の方の利用料金によって償還するという建前になっております。  事業そのものは、大変多額な建設費を要します先行投資的な性格が非常に強いと思いますので、事業の初期の段階におきましては、どうしても借入利息を賄うに足りる料金収入等を得ることができない。そういうことで大変収支率が悪くなってきておりますけれども、償還計画に基づきまして着実に有利子負債を減じていき、償還し終わった後には、当然のことですが、収支率が大幅に改善される、そういうふうに見ております。現在も、利子支払い分を除きますと、収支率は二〇台ぐらいじゃないか、そういうふうに考えております。
  53. 谷口隆義

    ○谷口委員 総裁に来ていただいて御答弁していただいたわけでありますが、そのあたりの具体的な説明の基礎資料と申しますか、何とかなるだろうということではこれは済まないわけでございますから、このように、総務庁の調査の中で当初の交通量の見通しが大きく誤っておるというような指摘があるわけでございますので、冒頭私が申し上げたように、もしそういうようにおっしゃるのであれば、基本的にそれに反論できるような財務的なデータを取りそろえなければいけませんし、また常時、見積もりと実態との間のギャップについて詰めていかなきゃいかぬというように私は思っておりますので。  あとはもう水かけ論になりますから、このあたりでおさめたいと思います。  あともう一つ、投資有価証券が本四公団で七十二億ほど上がっております。関係会社でもないし関連会社でもないし、どういうものなのかわかりませんが、七十二億の投資有価証券、バランスシートで拝見したらそれが出ておりました。  これは原価法を採用されておりますから、含みの損がもしあれば出てくるということになるわけでございますが、一般の運用ということでの投資有価証券なのか、また、別途関係会社の株式等であるのか、教えていただけましたら御答弁をお願いいたしたい。
  54. 藤原良一

    ○藤原参考人 お答えいたします。  お尋ねの関連会社等への出資というのは、私どもの公団では公団法上許されておりませんので、そういうところへの融資はございませんが、ただ、運用資金、回転資金がございますので、そういう意味で若干そういう方面への運用もあろうかと思います。  ただ、手元に詳しいものがございませんので、後ほどまた調べさせていただきたいと思います。
  55. 谷口隆義

    ○谷口委員 また調べていただいて、後ほど報告をいただきたいというように思いますが、仮に株で運用されておるということであれば、こういう時世ですから、ちょっとリスキーではないかなというように申し上げておきたいと思います。  あと、今度は日本道路公団でございます。  日本道路公団、もうけ頭の東名高速、中央・名神高速が、いわゆるプール制というような損益形態をとっていらっしゃいますので、新たにできた路線はみんなプールの中に入っちゃって、ですから、内部補助効果というんですか、もうけ頭の利益でもうかっていないところの路線を補充するというようなことになっておるようでございます。  やはりどんどん採算の悪い路線がふえてまいる傾向があるわけでありますが、このプール制について、今後見直しをする御予定があるのかないのか、まず冒頭、お伺いいたしたいというように思います。
  56. 緒方信一郎

    ○緒方参考人 プール制についての御質問でございます。  日本道路公団が最初に手がけましたのは、御承知の名神高速道路であったわけでございますけれども、当時は一本ずつの採算ということでスタートいたしましたけれども、途中でプール制という画期的な方法を採用していただきまして、今日に至っておるわけでございます。これによりまして、何とか全体としての収支の均衡を保っておるという状況でございます。これはやはり、国土の均衡ある発展というものを維持するためにはどうしても必要な措置ではないだろうかというふうに考えておりまして、私どもとしては、今後高速道路を整備するためには、どうしても基本になります不可欠な制度であるというふうには認識をいたしております。
  57. 谷口隆義

    ○谷口委員 おっしゃるように、路線というか道路は採算だけではありませんから、そういう意味では理解できるところはあるわけでございますが、しかし、一方で湯水のように資金を使って採算がとれないということでは、これまた困るわけでございます。  ですから、そういう意味において、例えばプール、いろいろな考え方があると思うんです、そちらでもいろいろな協議もされておられるんじゃないかというように思いますが、現状に適した採算計算のやり方を、日常そういう検討はされておると思いますが、ぜひやっていただきたい。これは、総務庁の調査の結果におきましてもこのような観点の指摘もあるようでございますので、ぜひそのあたりを念頭に入れてやっていただきたいというように思います。  あと、さっき申し上げました関連会社の件。先ほど私申し上げましたが、関連会社が四社、関連公益法人が四法人、関連会社または関連公益法人の出資会社が六十一社ある。だから、これが六十九法人あるわけですね。これはほかの、今回の九法人の中では際立って多い数でございます。  この状況を見ますと、一つは、代表権を持っていらっしゃる方が公団出身の方かどうかという内容についても触れられておるわけでございますが、関連会社四社のうち、四社とも全部公団出身者。また、関連公益法人四法人のうち、三法人は公団出身者。また、関連会社または関連公益法人の出資会社六十一社のうち、五十五社が公団出身者というようになっておるようでございます。  そういう観点で申し上げますと、いわば天下りの対象になっておるんではないかというように考えるわけでございますが、このあたりについて御答弁をお願いいたしたいというように思います。
  58. 緒方信一郎

    ○緒方参考人 関連法人の御質問がございました。  従来、いろいろ問題になっておりますのは道路施設協会という法人でございます。その他の、四法人とおっしゃいましたけれども、例えば道路緑化保全協会とかそういうところは、個別の、単発の団体でございますので、余り全体の広がりはないかと思いますが、道路施設協会という団体がございます。これは、日本道路公団が出資をしている会社ではないわけでありますけれども、大変関連が深いということでいろいろ批判をされました。道路施設協会が出資をしておる会社が、我々の調べでは六十六社あったわけです。これがいろいろ道路関係の仕事をしておったというのが大変批判をされておったわけです。  何が批判をされておったかということでございますが、一つぜひ御理解をいただきたいのは、日本道路公団は道路をつくりまして、つくりますと、後は維持管理が必要になってまいります。料金の収受業務でありますとか、あるいはメンテナンスだとか、あるいは保全点検、これは不可欠な業務ですけれども、これをみずからやっておりますと大変組織が肥大化いたします。これは、非常に初期の段階からアウトソーシングをいたしておりまして、どんどん外注しておった。本当に行革の先駆けのようなことをやっておったという言い方もできるかと思いますけれども、六十六社の中で五十六社がそういうものをやっておったわけです。それが、毎年随意契約によって事実上同じような会社に仕事を発注しておったということと、それから人事的に関係の人がかなりたくさんおったという問題が非常に批判をされました。  私どもは、そういう批判を重く受けとめまして、競争性の導入ということを公団改革の大きな柱に掲げまして、現在、鋭意努力中でございます。料金収受と維持補修、保全点検については、既に順次競争性の導入に取りかかっておりますし、それから、その他の業務、交通管理でありますとか道路敷地管理業務等につきましても、今年度から公募型の指名競争入札を順次導入をいたしたいというふうに考えております。  人間につきましては、確かに公団のOBの人がかなりたくさんそういう仕事をやっているという事実はございます。これは、当初はなかなかそういう適当な人材が得られなかったという事情もあったわけですけれども、本人の知識経験を生かすということによりまして社会的にも有用な場合というものがあるわけでございまして、みんなにとっていいという場合にはそういう人材を活用するということもあり得るのではないか。  ただ、余り極端なことということは大変よろしくないわけでございまして、この点も含めて、今後の公団改革の一つの柱として大いに努力していきたいというふうに、現在既に取り組んでおるところでございます。
  59. 谷口隆義

    ○谷口委員 私、先ほどの指摘で、関連会社のこの問題については本報告書でも上げられているというように若干言いましたが、実は上がっていないんですね。事実の指摘が参考資料の後ろのところに添付されておるのみでございます。  実はこのように、日本道路公団の関連会社が、さっき申し上げました、七十社弱あるわけでございますが、この売り上げを全部足し込んでいきますと、七十社でございますからかなりの金額になるようでございまして、これは、はるかに一千億を超えるような売り上げの合計になっておるわけでございます。そういう観点でいきますと、この総務庁の報告書でこの関連会社について指摘されておらない理由についてお伺いをいたしたいというように思います。     〔鴨下委員長代理退席、委員長着席〕
  60. 東田親司

    ○東田政府委員 私どもの今回の調査は、財務分析に基づく当該法人の課題ということでございますけれども、道路公団の関連会社、関連公益法人、あるいはこれらからの出資会社の状況につきましては、財務諸表等から得られましたデータをいわば客観的に記述したわけでございまして、日本道路公団としての課題というものは特に考えられなかったということでございます。
  61. 谷口隆義

    ○谷口委員 一つは、これは配当があるはずなんですね、この関連法人なり関連企業の。そういうような観点も見なければいけませんし、各関連、グループといいますか、こういう財務内容もこの添付書類についておりますから拝見をさせていただきますと、大きく欠損金があるようなところはないようでございます。しかし、先ほど申し上げましたように、太田総務庁長官、先ほど長官の方から、民間企業の水準以上には、ちょっとそのあたりは遠慮してというようなお話がございましたが、この調査をする上では、例えば日本道路公団のそういうグループ全体の財務状況を一つのグループとして見ていくというようなことも必要ではないかと思うのですが、長官の御所見をお伺いいたしたいというように思います。
  62. 太田誠一

    ○太田国務大臣 連結決算のようなこと、それはそういう視野も必要であろうかと思いますし、また、あるいは全部そういうふうにすると余計わからなくなるということもあるのでしょうけれども、さまざまな視野から、やり方については改善の余地があろうかと思っております。
  63. 谷口隆義

    ○谷口委員 その辺まで行くと、かなり一般の方が、国民が見て十分たえ得るディスクロージャーの水準になるんだろうというように思うわけでございますので、ぜひその程度まで水準を上げていただくよう御努力をお願い申し上げたいというように思います。  あともう一つ、配当の件もあるんですが、時間もございませんから、あとは一般質疑の方に移らせていただきたいというふうに思います。  先ほど、JICAの件につきましては総裁が来られてお話もされていらっしゃいましたので、私がお聞きしようとするところもそういうことでございましたので、私の方も、それで終わらせていただきたいと思います。  あと、きょう大蔵省の方から来ていただいておると思いますが、大変今大きな問題になっておりますペイオフについてお聞きしたいのです。  伏屋金融企画局長にお伺いいたしたいわけでございますが、あと残るところ、二〇〇一年三月の時間切れまで二年を切ったわけでございます。  御存じのとおり、ペイオフと申しますのは、ペイオフが始まりますと、元本のみの一千万までしか預金保険機構から払われないというようなことでございます。そういう条件も踏まえて、現下の金融の状況、例えば先日の幸福銀行の早期是正措置、また大阪におきます近畿銀行、大阪銀行の業務提携等々、そのような二〇〇一年三月を踏まえた大きな動きも出ておるわけでございますし、一般国民の間におきましても大変そのあたりが危惧をされておるわけで、不安な心理が蔓延いたしますと、大変混乱が起こるわけでございます。  このまま参りますと、二〇〇一年三月で、先ほどお話し申し上げましたように、全部保障するということがなくなるわけでございますが、このような状況になった場合に、金融機関の選別が行われるというように巷間言われております。このようなことについて、まず初めにお伺いをいたしたいと思います。
  64. 原田昇左右

    ○原田委員長 谷口君に申し上げます。  先ほどの答弁について、緒方道路公団総裁から、答弁漏れを補足答弁したいという申し出がありますので、まずそちらから。  緒方総裁
  65. 緒方信一郎

    ○緒方参考人 大変恐縮でございます。ちょっと答弁を補足させていただきたいと思います。  先ほど総務庁長官がお答えいただきましたが、総務庁の御調査がありました以降のその問題の動きについて、ちょっと補足をさせていただきます。  先ほど道路施設協会ということを申し上げましたけれども、これは、昨年二つに分割をいたしまして、別々の法人ということで、現在、競争体制に入っております。  それから、道路施設協会が出資をしておりました六十六の会社のうち、道路に関係いたします会社が五十六ありますけれども、これは全部出資金を引き揚げておりますので、すべて、全部、個別の、独立株式会社になっておるということでございます。それで、それぞれの独立株式会社が、それぞれが独自にディスクロージャーを既に行っておりまして、平成八年度から財務諸表について公開をしておるということで、それぞれがディスクロージャーに努めておる、こういう状況でございます。  それぞれ、皆さんの御理解が得られるように鋭意努力をしておる、そういう状況にあるということを補足させていただきます。
  66. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 お答えいたします。  先ほどの先生のペイオフについてのお話でございますが、ペイオフにつきましては、本院、衆議院本会議におきましても、総理から、従来からの考えに実は変わりはございませんでペイオフを延期することは考えておりませんと答弁されておりまして、また宮澤大蔵大臣も予算委員会で、既定の方針を変えるつもりはございませんと答弁されているところでございます。  なお、先ほどの先生の言われましたような話につきまして、現在、金融審議会の第二部会のもとの預金保険制度に関するワーキンググループにおきまして、二〇〇一年四月以降、預金者にも負担を求める体制にまさに円滑に移行するために、実務上の問題点等につきまして、基礎的な検討が行われているところでございます。
  67. 谷口隆義

    ○谷口委員 金融財政事情研究所というのがありまして、今後複数の金融機関と取引をするかどうかというアンケートがあります。貯蓄残高が三百万以上五百万未満の世帯では一八・五%、五百万以上一千万未満であれば三九・八%、一千万以上三千万未満の世帯は六四・一%、三千万以上では八五・九%が今後複数の金融機関と取引をしたいというようなことのようでございまして、預金の金額が多い世帯であればあるほど分散志向がある。これが、今はそんなにダイナミックな動きをいたしておるわけではありませんが、これは大変危惧されておるわけでございます。  御存じのとおり、金融業界は優勝劣敗が明確になってまいりまして、大手の金融機関の中にも大変体力の低下しておるところもありますし、先ほどお話をいたしましたように、幸福銀行地方銀行の方にも早期是正措置が適用されるというような状況にもなってまいりまして、今後、地銀、第二地銀のところにも、いわゆる経営実態の悪いところにはそれなりの対応をせざるを得ないことになるというような事態になってまいると思うわけでございます。  そうなりますと、先ほど私が申し上げましたように、かなり大きな資金の動きが出てくるのじゃないか、このように思うわけです。これは極めて重要な問題で、私も選挙区等々においてお話を聞く機会がございますが、もう既にこういう種類の相談をされる方が多々いらっしゃるというこの現実の中で、大蔵省として、また国として、どういう対応が必要なのかというようなことを考えなければいけない。  先ほど伏屋局長おっしゃったように、大蔵大臣、また総理も、予定どおりペイオフはやるというようなことをおっしゃっておるようでございますが、一方で日銀総裁は、このペイオフ解禁にあわせて、預金保険法を見直して預金者を保護する新たな制度も検討すべきではないかというようなこともおっしゃっておるようでございます。これについて大蔵省としてどのようにお考えか、御意見をお伺いいたしたいと思います。
  68. 伏屋和彦

    ○伏屋政府委員 お答えいたします。  今谷口先生が言われました日銀総裁の御発言につきましては、これは先日の参議院財政金融委員会におきまして、大蔵大臣の方から、総裁の言われましたことは、恐らくその後の時期において破綻ということはやはりあり得ることであるから、破綻というものがあったときに、社会的、経済的コストをどれだけ少なくして処理するか、そういう問題意識総裁がおっしゃっているのだろうというぐあいに理解いたしておりますというぐあいに答弁されておりまして、そのとおりだと考えております。
  69. 谷口隆義

    ○谷口委員 持ち時間が参りましたので、もう一つだけに。  きょう、金融監督庁から乾さんに来ていただいておりますので、お伺いしたいのですが、幸福銀行の今の早期是正措置、自己資本比率が〇・五%ということで、どうも過少資本銀行ということのようでございます。しかし、この実態を見ますと、同行の自己資本が金額ベースで三十九億である、一方、有価証券の含み損が百億程度ある、これはもう実質的に債務超過というような状況にあるわけでございます。そういう観点で見ますと、自主再建はかなり困難かなというように思うわけでございまして、これについて、金融再生委員会または金融監督庁も大変厳しい立場で臨みたいというようなお話も聞いておりますが、そのあたりのことを御答弁をお願いいたしたいと思います。
  70. 乾文男

    ○乾政府委員 お答えいたします。  これは、先生よく御案内のように、私ども、個別金融機関財務の問題につきましては、従来からコメントを差し控えさせていただいているところでございます。  一般論として申し上げますと、現在、金融機関不良債権の処理ということに取り組んでいるわけでございますけれども、そうした取り組みを、金融再生委員会金融監督庁といたしましてもプッシュするといいますか、それを行いますとともに、金融システムの安定化を図ります観点から、私どものモニタリングでございますとか、検査でございますとか、また、今おっしゃいました早期是正の的確な運用を通じまして、金融機関の経営の健全性を図ることを通じまして、金融システムの安定確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
  71. 谷口隆義

    ○谷口委員 これで終わりますが、冒頭お話をさせていただきましたように、二〇〇一年三月までもう残るところ二年を切ったわけでございます。今後体力の継続が大変難しい金融機関は、早急にリストラ、再編等をやらないと、もう時間がない、大変せっぱ詰まった状況にあるということを申し上げて、私の質問を終わりたいというように思います。  以上でございます。
  72. 原田昇左右

    ○原田委員長 次に、米津等史君。
  73. 米津等史

    ○米津委員 自由党の米津でございます。  今回の財務調査に着手した趣旨並びに経緯につきましては、本委員会の冒頭に長官からの御説明がありました。これでよく理解できたわけですが、特に今回の調査の中で財務諸表を土台として取り組んだ調査が行われており、公団並びに事業団について、総括的に言って、どのような着眼点で問題を洗い出していったのか、これについて御説明を伺いたいと思います。
  74. 東田親司

    ○東田政府委員 お答え申し上げます。  今回の調査の着眼点でございますけれども、対象といたしました公団十二法人、事業団十七法人、この二つのグループには性格が異なる面がございました。  公団につきましては、概して申し上げますと、社会資本整備のための公共事業を実施しているということで、その資金を国や地方公共団体、さらには民間から調達いたしまして、いわば独立採算的に事業を行う法人でございました。  これに対しまして、事業団の方は、概して申し上げますと、国の社会政策あるいは経済政策を担う主体になっておりまして、公団よりも企業性が薄いという性格が見られたところでございます。  したがって、このような性格の違いを踏まえまして、公団につきましては事業の採算性や借入金償還の確実性について、それから、事業団につきましては事業の効率性や資金運用管理の的確性について、これらを主要な視点として調査を実施したところでございます。
  75. 米津等史

    ○米津委員 総務庁が特殊法人の財務内容を調査し、その結果を公表していくことについては、情報公開を推進していく上で極めて重要なことと思っております。  この調査に対し、それぞれの特殊法人は財務情報の提供について協力的であったか、これについて率直なところをお教えいただきたいと思います。
  76. 東田親司

    ○東田政府委員 お答え申し上げます。  今回調査の対象とさせていただきました特殊法人につきましては、私どもの総務庁設置法の規定におきまして、行政監察に関連して実地に調査を行うことができるという規定がございますが、この対象になっておるわけでございます。したがいまして、特殊法人の側の調査につきましても、円滑な協力が得られたというふうに申し上げてよろしいと思います。  もう少し具体に申し上げますと、問題点の分析、評価を行うに当たりましては、公表されております財務諸表だけでは不十分でございまして、そのもととなっております元帳のデータなども必要になるわけでございますけれども、その点につきましても協力をいただきましたので、今回、分析が可能になったという次第でございます。
  77. 米津等史

    ○米津委員 総務庁の調査は、実際には行政監察局の職員の方々がなさっているというふうに思いますが、企業会計並びに財務分析といった専門的な作業が非常に重要だったと思います。この点について、なれないこともあって御苦労も多かったと思いますが、実際の現場についての問題等あったら教えていただきたいと思います。
  78. 東田親司

    ○東田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘にございましたように、今回の調査は、一般の行政監察と性格が大分異なってございまして、特殊法人の財務データの分析を通じて法人の活動の全体像をとらえ、法人の今後の課題を明らかにしていくという、いわば新しい試みでございました。このことにつきましては、二〇〇一年から新たにスタートする予定になっております政策評価制度がございますが、これにもつながる新たな手法だということで、私ども職員も、大変そこを意識して努力したつもりでございます。  具体的には、今回の調査に当たりまして、経営学者、公認会計士、シンクタンク研究員など、専門的な知見を有する方々の御助言をいただく体制をしいたほか、職員を対象にして広く財務分析の研修会なども数回にわたって実施したところでございます。  なお、つけ足しになりますが、今度の調査のもとになりました先般の特殊法人のディスクローズの法律の、さらにもとになりました、平成八年十二月に私どもが行政監察結果の勧告をしておりますが、特殊法人に関する調査ということでやっておりまして、この結果を先ほどの法律に生かさせていただいたわけでございますけれども、この平成八年の監察をやった際に、職員が財務諸表そのものの見方に習熟することができたという経緯がございまして、今回の取り組みを円滑にできたのではないかというふうに振り返っているところでございます。
  79. 米津等史

    ○米津委員 特殊法人の行う事業というのは、それぞれが所管する監督官庁、つまり各省庁の政策の一部であると思います。したがいまして、特殊法人自身がそれぞれの政策をみずから決定する立場にはない、この点について今回の調査の中ではどのような取り扱いになっているのでしょうか。
  80. 東田親司

    ○東田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生御指摘のように、特殊法人の事業を概して申し上げると、国の政策の実施機関としての位置づけで行われているのが実情でございます。したがいまして、私どもの調査結果の分析、評価に当たりましては、国の意思決定責任と、それから、それによります特殊法人の事業の運営管理責任というのを分けて考えなければならないというふうに、違いについて十分留意して調査を進めたつもりでございます。  例えば、日本道路公団について例を挙げますと、日本道路公団が行います高速道路事業につきましては、法律において定められた路線につきまして、国の施行命令を受けて公団が事業を行うという仕組みになっておりますので、こういう仕組みをこの報告書の本文の中に説明しております。  今回の評価結果は、所管省庁に対して私どもの大臣から通知させていただいておりますけれども、国と特殊法人が一体となりまして自主的な改善に取り組むことを期待しているところでございます。
  81. 米津等史

    ○米津委員 今回の調査結果を一言で言うと、特殊法人というのは経営感覚、収益と費用の効率性の問題については、従来余り意識されてこなかったということに尽きるのではないかなというふうに思います。これについて、経営分析的な観点から今回調査を実施されておりますけれども、各省並びに特殊法人に与えたインパクトについて、どのように評価なさっていらっしゃいますでしょうか。
  82. 東田親司

    ○東田政府委員 ただいま御指摘ございましたように、今回の調査の特徴といたしまして、財務内容の分析から問題点にアプローチをしているという点が一つございます。また、二点目としては、対象とした特殊法人の事業を総合的に、トータルでとらえて評価しているという、この二点が新しい試みの特徴でございます。  いずれの特殊法人におきましても、国からの出資金、交付金、補助金等を受け、あるいは財投資金も活用しつつ事業を行っているわけでございますけれども、その活動の成果といたしまして、資産や負債の状況、損益の動向などは当然留意すべきものでございますけれども、今回の私どもの調査の実施によりまして、一層経営意識が徹底されることを期待しているところでございます。  また、財務内容の面からの評価ということで一定の限界はございますが、財務内容を通じて法人の活動の全体像をとらえた結果、法人の当面する大きな問題点、課題等を示すことができたのではないかというふうに思っているところでございます。
  83. 米津等史

    ○米津委員 しかしながら、実際問題として、行政監察局長は、ここまでは認められるけれどもこれ以上はむだだというふうなことを言い切れないお立場だったと思います。そこら辺、財務調査結果を取りまとめてみて、そのような限界みたいなものをお感じになったかどうか、ちょっとお伺いしたいと思います。
  84. 東田親司

    ○東田政府委員 御指摘のように、財務内容の分析だけでは特殊法人の事務事業の要否そのものについて結論を下すことは難しくて、一定の限界があるわけでございます。  私ども、行政監察におきましては、財務分析以外に、いわゆる政策、施策の監察を別途やっておりますけれども、こういう際、特殊法人の運営面の改善を図るのみならず、事務事業そのもののあり方につきましても指摘していきたいという意欲を持って取り組んでいるところでございます。  ただ、そういう姿勢ではございますけれども、今回の調査で示したような大変大きな課題につきましては、私ども、政府部内における監察のみならず、国会を初め国民各界各層に及ぶ幅広い議論をしていただきたいと思っておりまして、いわばその議論のもととなる問題点、実態の分析データを示して素材を提供したということが、私どもの今回の意図でございます。
  85. 米津等史

    ○米津委員 現状において、どの事業が必要でどの事業が不必要かという判断は非常に難しいと思いますが、今回御苦労なさってこのような調査をなさったわけですけれども、個々の線引きには、今後政治の決断が求められてくると思います。この点につきまして、長官の御認識をお伺いしたいと思います。
  86. 太田誠一

    ○太田国務大臣 長官というよりも政治家としてのお答えということで答えさせていただきますが、特殊法人の事業は国の政策のもとで遂行されておりまして、国民の厳粛なる負託を受けて政策の基本的な枠組みである法律をつくっていく私ども国会議員に課せられた使命は、まことに重いと思います。高速道路の路線にせよ、本州四国連絡橋のルートにせよ、高速増殖炉の開発の継続にせよ、いずれも政治の意思決定とも深くかかわっております。これらの見直しを進めることに関しても、責任ある役割を果たすべきものと考えております。  今回の調査結果を素材として、国会、各党においても幅広い観点から御議論がなされることを期待いたしております。  それにいたしましても、どれだけのものを特殊法人の事業について一般会計が負担しているのかということなど、政治家の意思決定に供せられるような形でもって出さなければいけないというふうに思います。
  87. 米津等史

    ○米津委員 おっしゃるように、政治家が十分考えていかなければいけない点だと思いますが、今回の調査結果で、政治決断にもかかわる事柄について具体的にどのようなお考えなのか、具体的な事例を挙げて御説明いただきたいと思います。
  88. 東田親司

    ○東田政府委員 今回の調査結果の中から例示的に申し上げますと、例えば日本道路公団の高速道路事業につきましては、私どもの方は、今後、採算性の低い路線の建設、供用が進むこととなれば、「経営に及ぼす影響が懸念される。」という表現をしております。  阪神高速道路公団の債務につきましては、「償還の確実な達成のためには、抜本的な対策が必要」という表現をしております。  本州四国連絡橋公団につきましては、「債務超過からの脱却がまず必要」であることという表現をしております。  それから、動力炉・核燃料開発事業団の高速増殖炉開発につきましては、「研究開発に要する費用とその成果を明らかにし、その妥当性を論議していくことが必要」であることという表現をしている。  このようなものが、いわば大きな課題を提示させていただいた例でございます。
  89. 米津等史

    ○米津委員 最後に、私ども自由党は、党の基本政策の中で、特殊法人を原則として三年後までに廃止または民営化をし、必要な事業だけを時限立法で存続させるというふうにしております。限られた財政の中で行政改革の断行が求められている今日、一度すべての特殊法人について廃止した上で、国家として必要不可欠な事業を選別して、優先順位をつけ直してやっていくのも一つかと思いますが、長官はこの考えをどう受けとめられていらっしゃいますか。
  90. 太田誠一

    ○太田国務大臣 特殊法人の業務内容、経営形態はさまざまでありまして、それぞれの政策機能を果たしてきていることから、その整理合理化は、一つ一つの特殊法人について事業の要否、事業遂行機関としての合理性などを精査して進める必要があり、また、政策遂行の継続性、安定性を考えると、特殊法人を一定期間経過後一律に廃止または民営化するという前提に立つことは現実的でないものと考えます。  中央省庁等改革の議論と並行して、その存続の必要性を徹底して見直し、平成九年、三次にわたる整理合理化の閣議決定を行ったところであります。政府としては、これら決定された方針に基づく整理合理化を着実に実施していくことがまずもって重要であります。  ということでございますが、もとより社会経済情勢の変化する中で、ゼロベースの発想に立って特殊法人のあり方を見直すということは重要でございます。本当に物理的に切ってしまうというよりも、考え方として、見直すときにゼロベースの発想に立つということが大事ではないかと思っております。
  91. 米津等史

    ○米津委員 ありがとうございました。
  92. 原田昇左右

    ○原田委員長 次に、辻第一君。
  93. 辻第一

    ○辻(第)委員 日本道路公団など九公団財務内容を中心とした特殊法人に関する調査結果報告書が、総務庁行政監察局から出されました。きょうは、時間の関係で道路関係四公団について伺います。  まず最初に、総務庁に伺います。  今回の、日本道路公団、首都高速道路公団阪神高速道路公団本州四国連絡橋公団の四公団、この道路関係の公団財務調査の結果には、四つの公団に、よく似た問題点といいますか、共通した問題点があるようでございますが、これについて総務庁から簡潔に説明をいただきたい。  また、あわせて、四公団の今後の課題をどう見ておられるのか、お尋ねをいたします。
  94. 東田親司

    ○東田政府委員 お答えいたします。  道路関係の四公団につきましては、いずれも高速道路等の建設資金を公団債を発行して調達いたしまして、通行料で建設費を償還していくという共通の財務構造になっております。  各法人ごとの分析結果とその課題でございますが、まず日本道路公団につきましては、償還の現状は順調と考えられますが、今後採算の低い路線の建設、供用が進むことになりますと、公団の経営に及ぼす影響が懸念される旨を指摘しております。  次に、首都高速道路公団につきましては、償還はほぼ順調と考えられますものの、償還が進むペースに比べ、建設費、すなわち借入金でございますが、これがふえるペースが速い状況にあることから、長期的に適正な償還ペースが維持できるよう計画的に対処していくことが重要である旨を指摘しております。  三番目に、阪神高速道路公団につきましては、収支の状況が相当に厳しく、償還の長期化は避けがたい状況にありますことから、償還の確実な達成のためには抜本的な対策が必要となっている旨を指摘しております。  最後に、本州四国連絡橋公団につきましては、料金収入で利息も賄えず債務超過の状態にあること、また償還計画の基礎となる交通量見通しが現実的なものか否か慎重な見きわめが必要であることから、償還が確実なものとなるよう計画と実績の不断の見直しが必要である旨を指摘しているところでございます。  以上でございます。
  95. 辻第一

    ○辻(第)委員 次に、総務庁長官にお尋ねをいたします。  今の四つの公団は、事業手法が類似していることから、当然といえば当然ですが、特にその借入金の償還に問題点を持っていると思います。調査をされた総務庁としては、道路関係の公団に対し、調査結果を踏まえて何を求めておられるのか、総務庁長官の御所見を伺います。
  96. 太田誠一

    ○太田国務大臣 今回の調査結果では、道路四法人の収支の状況に各法人ごとの程度の差はあるものの、いずれも債務を着実に償還していくことが求められるものであり、それぞれ提起した課題に応じた措置を講ずべき所管省庁及び各公団において最大限の努力を払うことを期待いたしております。
  97. 辻第一

    ○辻(第)委員 今長官から御答弁をいただいたんですが、そこで、建設省に伺います。  総務庁は、償還の確実な達成のための抜本的な対策といいますか、あるいは収益の確保、債務超過の脱却などを求めておられるんだと思います。建設省としては、これらにどのように対処されるおつもりなのか、お伺いをいたします。
  98. 井上啓一

    ○井上(啓)政府委員 お答えいたします。  道路関係四公団は、限られた財政状況の中で、幹線道路網の整備を推進するために、財政投融資等を原資として有料道路事業として事業を実施しているものでありまして、借入金を確実に償還していくためには、収支状況を的確に把握した上で、コスト縮減等の経営改善に日々努力していかなければならないという認識でございます。  各公団においては、公共事業コスト縮減行動計画に基づきまして、建設費、管理費の節減等の経営合理化に努めてきたところでもありまして、建設省においても、資金コストの引き下げや出資率の引き上げ等、国、地方公共団体による出資の拡充を行うとともに、償還期間も四十年から五十年以内というようなことで延長させていただきました。料金の適正水準のもとで採算性を確保するための条件整備に努めているところであります。  なお、今般の調査結果報告書において述べられました、今後の償還を取り巻く環境が厳しいこと、経営効率化が重要であること等は、各公団においても十分認識しているというふうに考えておりますし、私どももそういう受けとめ方をしております。今後とも一層経営合理化に努めるよう指導していきたいというふうに考えております。
  99. 辻第一

    ○辻(第)委員 調査結果を見てまいりますと、道路公団は、現状では償還は順調としながらも、償還計画の構造的な問題点を指摘されております。  報告では、高速道路については、新規路線ほど収支率が悪い傾向があること、また新規路線の建設費は増嵩している、このように指摘をいたしております。有料道路事業では、東京湾横断道路事業の収支見通しに懸念を示しています。首都高速公団でも、交通量見通しと実績の乖離や新規路線の建設費の増嵩を指摘し、阪神高速公団でも同様であります。また、本四公団は、交通量見通しと実績の乖離のほかに、欠損金の発生、大鳴門橋の鉄道部分など、さらに深刻な問題がございます。つまり、交通量の推計が正しかったのかどうか、私は、過大な見積もりではなかったかと言うほかないと思います。  また、近年の高速道路網の大幅な拡大がどうなのか、私どもは、こうした公共事業の拡大の責任は大変大きい、このように認識をいたしております。これら、特に新規の道路建設に関連して問題が起こってきております。この点について抜本的な見直しなしには、先ほど言われた対応をされましても、問題は解決をしないと思います。四公団のいわば構造的とも言えるこれらの問題について、どう考えておられるのか、建設省に伺います。
  100. 井上啓一

    ○井上(啓)政府委員 重ねてのお尋ねでございますが、毎年毎年の交通量に伴う収支状況の把握等、先ほど申しましたように的確に把握することが大変重要だと思っております。  ただ、国土の均衡ある発展や地域の活性化を実現する上でまだ幹線道路網の整備状況が不十分だということで、これから、全国的な幹線道路網の整備あるいは大都市圏の都市高速道路等の幹線道路の整備が極めて重要だというふうに思っております。また、限られた財政下でこれらの道路網を早期整備するためには、料金収入で整備に要する費用を賄う有料道路制度も活用していかなければならないという状況にあることも事実であります。  そういうことに際しまして、各公団において、公共事業コスト縮減行動計画に基づきまして経費の節減等合理化に努めるとともに、また、国及び地方公共団体の公的助成を拡充するというようなことも非常に重要だというふうに考えております。そういうようなことで、条件整備に資するように、建設省として最大限の努力を払っていきたいというふうに考えている次第でございます。
  101. 辻第一

    ○辻(第)委員 私の問いにまともに答えていただいているのかという感じがしないわけでもないんです。今の財政事情の中、どのように税金を使っていくのか、その配分の問題など見てまいりましても、これまでの道路建設の問題、殊に新規の建設についてはやはり十分な見直しを行うべきではないか。再度指摘をして、次の質問に移りたいと思います。  これは本四公団にお尋ねをいたしますが、このような問題を国民にしわ寄せをするようなことがあってはならないと思います。それから、通行料金の値上げは利用者減につながるということは言うまでもないと思います。今からでも事業の思い切った見直しが必要ではないかと思うんですが、これは一般的なことでございまして、本四公団だけのことではありません。  そこで、本四公団にお尋ねをいたしますが、しまなみ海道の全通で、華やかな開通キャンペーンが繰り広げられておりますね。調査結果でも指摘されているように、毎年度多額の欠損金が発生しており、収支率は二一一でございますから、これは、かつての国鉄時代の鉄道ならそれこそ廃止というような内容ではないかとも思うんですね。とにかく超過債務ということでありますから、深刻な状況だと思います。  欠損金の現状と見通し、現在、そのために毎年関係自治体から出資を行っているようでありますが、その概況を説明していただきたい。
  102. 縣保佑

    ○縣参考人 お答え申し上げます。  私どもの、平成九年度の決算まで出ておりますので、九年度の決算ベースで申し上げたいと存じます。  まず、欠損金でございますが、九年度の当期の損失金は四百四十七億円になっております。また、これまでの累積の欠損金といたしましては七千六百八十九億円に至っております。平成九年度、私ども、現行の償還計画を策定していましたが、建設中でありました明石海峡大橋やしまなみ海道の供用によりまして、今後一時的に欠損金は増大するものと考えられますが、その後の交通量の伸びに伴う収入増加に伴って単年度収支が黒字に転じまして、欠損金も含め償還できると考えております。  また、出資金についてもお尋ねでございますが、私ども、国と地方自治体から、十府県市が含まれますが、出資金をいただいております。平成十年度までの出資総額でございますが、国からは三千八百九十四億円、それから十府県市合わせまして千九百五十二億円、合計五千八百四十六億円の出資金をちょうだいしております。
  103. 辻第一

    ○辻(第)委員 近年、岡山県など関係自治体の議会などで、自治体からの出資金が問題になっております。例えば、岡山県では毎年約二十億円前後の追加出資になっております。この出資は、収益が上がらないので資金借り入れを行い、それにかかる金利を出資金として関係自治体に振り分けての結果のようであります。このままの収支状況が続きますと、今日の地方財政の状況などもあって、自治体の負担自体も可能かどうかという問題に直面をしております。しかも、この出資金の追加の根拠が不明確なまま、公団の通知してくる金額を予算計上せざるを得ない状況であります。  自治体の追加出資をいつまでも続けていかれるのかどうか、この点で御答弁をいただきたい。
  104. 縣保佑

    ○縣参考人 長期にわたります安定的な償還を図るためには、私ども、積極的な利用促進策とか、それから管理費等の経費節減、こういった自助努力が必要であることは言うまでもないわけでございますが、一方で、適切な公的助成をいただくことも必要でございます。  公団といたしましては、国及び地方自治体に対しまして出資の継続をお願いしているところでありまして、各自治体に対しましては、十分な説明を行いまして、財政が大変厳しいところではありますが、今後とも御理解を得るべく努力してまいりたいと思います。
  105. 辻第一

    ○辻(第)委員 最後に質問をいたしますが、橋の通行量は、その料金の高さにも問題がございます。高速道路料金に比べて高い料金が、通行量を抑えている面がございます。一昨年若干の値下げがありましたが、まだまだ高い。しまなみ海道の全通を踏まえて、これを生活道路としておられる住民の通行料負担軽減などを含めて、利用者をふやす工夫が大事ではないか、このように考えるんですが、この点について御答弁をいただきたいと思います。
  106. 縣保佑

    ○縣参考人 しまなみ海道につきましては、去る五月一日、無事開通を迎えることができました。関係の皆様の御協力に関しまして、改めて御礼申し上げます。おかげさまで多くの方々に御利用いただいておりまして、現在のところ、順調な滑り出しをしておるところでございます。  本四公団といたしましては、利用者負担の軽減や利用の定着を考えまして、平成十年度からの五年間につきましては二割引きの料金特例を設定しております。あわせて、今後、利用促進に結びつくような企画割引のようなものにつきましても検討をしてまいりたいと思っております。  なお、しまなみ海道では、御指摘のように島嶼部の人たちの生活道路にもなっておりますので、自歩道を全線に設置しております。これを住民の方々に使っていただきまして、大いに利用促進をしていただきたいと思っております。  また、全体的な利用促進と採算性の向上を図るため、しまなみ海道のPRをどうしてやったらいいかとか、あるいは地元自治体とどういう連携をしたらいいかとか、これからもいろいろ工夫をいたしまして、しまなみ海道の利用促進、ひいては本四道路の全体の利用促進に努めてまいりたいと思っております。
  107. 辻第一

    ○辻(第)委員 終わります。ありがとうございました。
  108. 原田昇左右

    ○原田委員長 次に、保坂展人君。
  109. 保坂展人

    ○保坂委員 社会民主党の保坂展人です。  本日、私の時間は十分と、余り十分な時間ではありませんので、いろいろ考えましたが、本当にワンポイントでお聞きをしたいと思います。  私が質問をしたいのは、官僚の海外留学の問題で、きょうは石油公団にも来ていただいていますので、朝日新聞のことしの三月三十一日の記事に基づきながらお聞きをしていきたいと思います。  これは、石油公団と金属鉱業事業団双方合わせて、通産省の官僚が特殊法人の内部向け研修制度を利用して十八人が海外留学をしたという内容です。そして、うち石油公団分は、石油に関する海外の政治経済の調査研究ということで八二年より研修を始めている。通産省からは計九人。アメリカに七人、イギリスに二人。後に二人は退職してしまったそうでありますが、二年間にわたって、これは給料とは別に研修費九百万円の出費をして、いわば通産官僚の留学を下支えしているという問題です。  まず、公団にお聞きをしたいんですが、官僚一人当たり、つまり、通産省を一たんやめた形になって公団の留学生としてイギリスやアメリカに行っている、その官僚一人当たりの給料は一体幾らなんでしょう。  そして、給料以外の九百万円と言われているところの内訳がわかれば教えていただきたいと思います。
  110. 新欣樹

    ○新参考人 給与につきましては、その方の御経歴というようなことによりましていろいろな差がございますので、一律に幾らということで申し上げるわけにはいかぬかと思いますけれども、いわゆる私どもに出向していただいたときの本俸分を支給させていただくということでございます。  それから、海外での費用でございますが、まず一つは、先での受け入れ費用といいますか授業料といいますか、そういったようなものと滞在費というようなことでございます。
  111. 保坂展人

    ○保坂委員 では、通産省の方に伺います。  この新聞のコメントを見ていささか私はびっくりしたんですが、これは、派遣は情報収集と人脈づくりが目的である、そして情報は法人に報告している、帰国後は通産省に戻って生の情報を政策立案に生かす、石油公団の経営には問題はないと考えており、今後も続けさせてもらいたい、道義上も問題ない。これは本当ですか。間違ったコメントですか。
  112. 今井康夫

    ○今井(康)政府委員 お答え申し上げます。  今、石油を含めまして、行政は非常に高度化、複雑化しておりまして、その中で欧米の諸国と対等に日本がやっていくためにも、各分野においての政策の企画立案とか実施部門等において、国際レベルの専門家の育成が非常に大事であろうかというふうに思っております。  石油公団につきましても、当省の出向者が情報収集を行うということで、その意味では、現地での情報収集、帰国後もエネルギー資源等の分野でそれを活用するということは今後も必要であると考えております。  また、先生御指摘の公団の財務との関係でございますけれども、石油公団の情報収集につきましては、石油公団の海外情報収集事業の一環として行っておりまして、その全額を石油特会から交付金という形で交付いたしましてこの事業を実施しているものでございます。その意味で、公団の損益そのものに直接的にかかわる制度ではございませんで、これは、このためにつくった制度、情報収集の一環としての制度でございます。
  113. 保坂展人

    ○保坂委員 今答弁が欠けていたんですが、経営に問題ない、こういうコメントがあるんですが、それは間違いないですか。
  114. 今井康夫

    ○今井(康)政府委員 お答え申し上げます。  石油公団問題は、当委員会におきましても一昨年以来二度の集中審議をいただきまして、私ども、昨年九月に通産省の中の石油公団再建検討委員会というのが取りまとめて、それによりまして、二〇二〇年まで、それぞれの石油開発企業のキャッシュフロー、それぞれ幾らお金が返ってくるかという分析をいたしました。  その結果につきましては本委員会にも御報告を申し上げておりますが、二〇二〇年までの見通しによりますと、油の値段と為替レートによりまして収益が変わりますけれども、油が非常に厳しい安い値段であって円も高いようなケースであれば、これまでのプロジェクトによって約二千五百億円の赤字が出る。一方、油が高くなりましたり円が安くなりましたりすると三千七百億円ほどの黒字が出るという計算でございます。
  115. 保坂展人

    ○保坂委員 問題は、このコメントは間違いか正しいかということだけを聞いたので、もう印刷されたり公表されていることを繰り返されてもしようがないのです。  公団側に聞きますけれども、今回の調査報告でも大変厳しく、もっといろいろあるんじゃないかという声もありますけれども、回収不能になっている、回収できるわけもない、あるいはそこが停止されている、さまざまな問題が指摘されていて、こういう制度を続けていくんですか。公団の方も悠々、通産官僚の方を受け持って、この制度を今後も自信を持って続けていきますか。
  116. 鎌田吉郎

    ○鎌田参考人 お答え申し上げます。  石油公団が取り組んでおります石油開発でございますが、石油は一面、国際戦略商品的な性格を持っておりまして、石油開発につきましても、非常に幅広い国際的なコンテクストの中で問題に取り組む必要があるわけでございます。また、我が国の石油開発に知見を有する人材の数というのは、量、質とも欧米に比べて大変劣っております。そういったことでございますので、私どもといたしましては、本制度の趣旨が十分生かせるよう、今後とも厳正な運用を図っていきたいというふうに考えております。
  117. 保坂展人

    ○保坂委員 それでは、太田長官、私は昨日の衆議院本会議において太田長官の答弁を非常に好感を持って受けとめました。本会議の場で肉声をもって率直に御答弁される、そんな太田長官の答弁の中に、やはり、独立行政法人の問題があるからといって特殊法人改革は忘れたわけじゃないよ、むしろこれは念頭に置いてやっていくんだ、こういう力強い御発言がありました。  とすれば、どうでしょう、通産省が自分のところの職員を石油の人脈づくりやさまざまな経験を積ませたいなら、堂々と予算要求して派遣すればいいじゃないですか。こんなに財務体質が問題になっている石油公団、まだこの制度を使って今後もやっていきますと。どうでしょう、これは改革検討の対象になるというふうに私は指摘したいんですが、太田長官の率直な御答弁、お願いします。
  118. 太田誠一

    ○太田国務大臣 国から特殊法人への出向は、一般に、特殊法人の要請を受け、国の機関を退職して特殊法人の職員として採用される形態で行われる。したがって、特殊法人の職員としてどのような業務に従事するかは、御指摘の留学のケースを含め、当該特殊法人の業務上の必要に基づき適切に判断されるべきものである。すなわち、総務庁長官としては、特殊法人における個々の人事運用の適否について言及する立場にはないということでございますが、ただ、国、特殊法人を通して、国民に誤解を与えるような運用とならないようにすることは当然のことでございます。  今おっしゃっておることについてはよく理解をできますし、また本来、海外に留学をする、つまり、自己啓発をしたり研さんを積むということは国家のために必要なことでございますから、それが必要ならばもっと堂々たる枠組みでやるべきであって、何か財布がわりに使っておるような疑いを持たれるような形での留学ということではない方がよいに決まっていると思っております。
  119. 保坂展人

    ○保坂委員 前半はちょっとわかりにくかったんですが、後半は非常にわかりやすく受けとめました。  全員が試験を受けて面接をして、なぜか全員入るという仕組みのようです。やはりこういう問題、税金の使われ方には大変注目しておりますので、立派な報告書が出ても、こういう問題がずっと変わらないということでは行政監察の意味はないと思いますので、今後ともきちっとやっていただきたいという要望をして、終わります。
  120. 原田昇左右

    ○原田委員長 次回は、来る二十七日木曜日午前八時五十分理事会、午前九時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時十一分散会