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1999-02-18 第145回国会 衆議院 予算委員会第一分科会 2号 公式Web版

  1. 平成十一年二月十八日(木曜日)     午前九時開議  出席分科員    主 査 小澤  潔君       河村 建夫君    中山 正暉君       平沢 勝栄君    牧野 隆守君       石井 絋基君    生方 幸夫君       田中  甲君    草川 昭三君       木島日出夫君    中路 雅弘君       古堅 実吉君    兼務 近江巳記夫君 兼務 冨沢 篤紘君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (総務庁長官) 太田 誠一君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 野呂田芳成君  出席政府委員         内閣審議官         兼中央省庁等改         革推進本部事務         局次長     松田 隆利君         内閣総理大臣官         房審議官    佐藤 正紀君         宮内庁次長   森  幸男君         総務庁長官官房         長       菊池 光興君         総務庁長官官房         審議官     西村 正紀君         総務庁恩給局長 桑原  博君         防衛庁長官官房         長       守屋 武昌君         防衛庁防衛局長 佐藤  謙君         防衛施設庁長官 大森 敬治君         防衛施設施設         部長      宝槻 吉昭君         外務省北米局長 竹内 行夫君  分科員外の出席者         内閣総理大臣官         房参事官    村木 裕隆君         警察庁交通局交         通企画課長   矢代 隆義君         総務庁長官官房         会計課長    熊谷  敏君         防衛庁経理局会         計課長     中江 公人君         防衛施設総務         部会計課長   上瀧  守君         大蔵省主計局主         計官      坂口 勝一君         大蔵省主計局主         計官      森川 卓也君         自治大臣官房審         議官      石井 隆一君         内閣委員会専門         員       新倉 紀一君         安全保障委員会         専門員     田中 達郎君         予算委員会専門         員       大西  勉君     ――――――――――――― 分科員の異動 二月十八日  辞任         補欠選任   牧野 隆守君     平沢 勝栄君   生方 幸夫君     田中  甲君   草川 昭三君     井上 義久君   木島日出夫君     中路 雅弘君 同日  辞任         補欠選任   平沢 勝栄君     牧野 隆守君   田中  甲君     石井 絋基君   井上 義久君     漆原 良夫君   中路 雅弘君     古堅 実吉君 同日  辞任         補欠選任   石井 絋基君     生方 幸夫君   漆原 良夫君     草川 昭三君   古堅 実吉君     木島日出夫君 同日  第三分科員冨沢篤紘君及び第七分科員近江巳記  夫君が本分科兼務となった。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  平成十一年度一般会計予算  平成十一年度特別会計予算  平成十一年度政府関係機関予算  〔皇室費及び総理府所管(総務庁、防衛庁)〕      ――――◇―――――
  2. 河村建夫

    ○河村(建)主査代理 これより予算委員会第一分科会を開会いたします。  主査の指名により、私が主査の職務を行います。  平成十一年度一般会計予算、平成十一年度特別会計予算及び平成十一年度政府関係機関予算中皇室費について審査を進めます。  政府から説明を聴取いたします。森宮内庁次長
  3. 森幸男

    ○森(幸)政府委員 平成十一年度における皇室費の歳出予算について、その概要を御説明いたします。  皇室費の平成十一年度における歳出予算要求額は六十九億二千十六万五千円でありまして、これを前年度予算額六十六億九千三百四十三万三千円と比較いたしますと、二億二千六百七十三万二千円の増加となっております。  皇室費の歳出予算に計上いたしましたものは、内廷に必要な経費、宮廷に必要な経費及び皇族に必要な経費であります。  以下、予定経費要求書の順に従って事項別に申し述べますと、内廷に必要な経費三億二千四百万円、宮廷に必要な経費六十二億八千九百六十四万円、皇族に必要な経費三億六百五十二万五千円であります。  次に、その概要を御説明いたします。  内廷に必要な経費は、皇室経済法第四条第一項の規定に基づき、同法施行法第七条に規定する定額を計上することになっておりますが、前年度と同額となっております。  宮廷に必要な経費は、内廷費以外の宮廷に必要な経費を計上したものでありまして、その内容といたしましては、皇室の公的御活動に必要な経費七億一千五百三十九万七千円、皇室財産維持管理等に必要な経費五十五億七千四百二十四万三千円でありまして、前年度に比較して二億二千六百七十三万二千円の増加となっております。  皇族に必要な経費は、皇室経済法第六条第一項の規定に基づき、同法施行法第八条に規定する定額によって計算した額を計上することになっておりますが、前年度と同額となっております。  以上をもちまして平成十一年度皇室費の歳出予算計上額の説明を終わります。  よろしく御審議くださるようお願いいたします。
  4. 河村建夫

    ○河村(建)主査代理 以上で説明は終わりました。     ―――――――――――――
  5. 河村建夫

    ○河村(建)主査代理 皇室費について質疑の申し出がありますので、これを許します。平沢勝栄君。
  6. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 自民党の平沢勝栄でございます。  宮内庁に聞かせていただきたいと思います。  天皇は、戦前は神聖不可侵、国の元首で国の統治者でありましたけれども、戦後施行された現行憲法で国の象徴、国民統合の象徴と変わったわけでございます。以来今日まで、国民とともに歩む皇室、国民に理解され信頼される皇室を目指して、皇族方さんはもちろんのこと、関係者の方々も大変な御努力を重ねてこられたわけでございまして、その結果、ここに各種世論調査の結果がございますけれども、国民の多くの方は皇室に親しみ、そして好感を感じているわけでございまして、まことに喜ばしい限りでございます。  いずれにしましても、皇室制度というのは我が国の誇るべき文化であり財産でございまして、これからも大切にし、そして次の世代に引き継いでいく必要があると思うわけでございますけれども、この皇室も国民あっての皇室でございまして、これからも国民の皆さん方に理解され親しまれる皇室を目指して不断の努力を重ねていかなければならないわけでございまして、とりわけ宮内庁の役割、責任は大変に大きいのではないかなと思うわけでございます。  そこで、宮内庁にお聞きしたいと思いますけれども、国民にさらに信頼される皇室を目指して、宮内庁としてはどのような努力をしておられるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  7. 森幸男

    ○森(幸)政府委員 天皇皇后両陛下におかれましては、常に国民とともに歩むというお気持ちで日ごろ御活動をなされているものと承知しているところでございます。したがいまして、宮内庁といたしましては、そうした両陛下のお気持ちを体しまして、皇室の御活動に対する国民の理解が深まり、皇室に対する国民の敬愛の念が増進されるよう努めてまいらなければならない、かように考えております  そうしたことから、例えば国民体育大会や植樹祭、全国豊かな海づくり大会への御臨席、あるいは大規模災害に際しての被災地御訪問などの行幸啓で各地にお出ましになる機会がございます場合には、安全の確保面などでいろいろな制約や課題もありますけれども、私どもといたしましても、先生の御指摘もございましたように、できるだけ国民と直接に接していただくことができるよう配意して取り組んでいるところでございます。  また、皇室関係のビデオの制作であるとか、それから政府広報誌の活用などによりまして、皇室の御活動であるとかそれから皇室の文化について広く国民に紹介するための取り組みも進めているところでございます。  今後とも、このような取り組みを進めまして、皇室の御活動に対する国民の理解の一層の増進を図ってまいりたい、かように考えております。
  8. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 私も、地元を回って若い人たちと接触していますと、今の若い人たちは日本の古来の伝統文化に大変に無関心になっているな、そして君が代とか日の丸についても無関心の層がふえているということで、私は大変に憂慮すべきことではないかなという感じがしております。  はっきりしたデータはありませんけれども、そういう中で、若い世代は皇室についても大変に無関心になってきつつあるのではないかなという感じがしております。  私はかつてイギリスに滞在しましたけれども、イギリスの学校教育の現場では、皇室について副読本というのが配られておりまして、そして学校教育の現場で皇室の意義それから役割、そういったことについてきちんとした教育がなされているわけでございます。対しまして、日本では、皇室については、憲法の中の一環として、あるいは歴史教育の中で一部触れられることはありますけれども、皇室の持つ意義とか役割とかあるいは皇室の国際親善で果たす役割とか、こうしたことについて系統的な教育というのは一切なされていないわけでございますけれども、日本の将来を考えた場合に大変に憂慮すべきことではないかな、もっとしっかり学校教育の現場でもあるいはそれ以外の場でも、もっと皇室の役割について積極的に宮内庁は動いた方がいいんじゃないかなという気がいたしますけれども、それについての御所見を聞かせていただきたいと思います。
  9. 森幸男

    ○森(幸)政府委員 先生からただいま御指摘をいただきましたように、皇室について教育の中でどのように取り上げていくべきかということにつきましては、いろいろな御意見があるということにつきまして私どもも承知をいたしているところでございますが、ただ、事柄が教育の具体的な内容にかかわるということでありますので、この点は教育制度を所管している省庁においてお考えいただくことが適当ではないであろうかというふうに考えております。  そういう意味で、先生の御指摘ではございましたけれども、宮内庁としてこれに直接お答えするということは控えさせていただきたいと思います。
  10. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 私は、かつて警察庁の少年課長をやっておりましたけれども、学校教育の現場で警察についての教育がほとんどなされていない、これはおかしいじゃないかということで、警察庁から文部省に強く働きかけて、その後学習指導要領が改正されて、そして今、小学校四年生の社会科の教科書には警察の活動についての記述が大幅にふえた、こういういきさつもあるわけでございまして、教育は文部省に任せておけばいいということではなくて、もっともっと宮内庁も主体的に動いていただきたいと思います。  そこで、次の質問ですけれども、両陛下はできるだけ多くの方と触れ合いたいという強い御希望を持っておられるだろうと思いますし、私自身もかつて皇宮警察に勤務しまして、そのことを強く感じているわけでございます。  そういった関連で、両陛下は地方にも、また都内にも大変にお出ましになっておられると思いますけれども、まず、地方あるいは都内に年間どのくらいお出ましになっておられるか、その数について教えていただけませんでしょうか。
  11. 森幸男

    ○森(幸)政府委員 平成になりましてからの両陛下の地方への行幸啓ということについて申し上げますと、毎年行っております恒例のものといたしまして、全国植樹祭、国民体育大会秋季大会及び全国豊かな海づくり大会への御臨席ということで、地方へ行幸啓になっておられます。  また、そのほか、これは年によっていろいろ変わりはございますが、災害被災地へのお見舞いとかオリンピックなどの式典への御臨席、さらにはいろいろな地域の地方事情の御視察などのために行幸啓になっていられる例がございます。  日程といたしましては、最近で見ますと、一回の行幸啓に当たりまして大体二泊三日というようなケースが多くなっているかと思います。  それから、今先生の御指摘で、都内の方の実績がどうなっているかというお話でございました。  戦後のほぼ五十年ほどの間の二十三区への公的な行幸啓の件数、これは、ざっと当たってみたところでございますが、約千二百件ぐらいになるわけでございます。  これは、昭和の時代と平成の時代で若干違ってきておりまして、余り単純な比較をいたすのはいかがかと思いますけれども、一年当たりということで見ますと、昭和の時代に比べますと、最近、平成に入りましてから、先ほどの公的な行幸啓の件数は大体二倍ぐらいになっているのではないかな、そんなふうに考えております。
  12. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 都内へのお出ましなんですけれども、戦後で千二百回ということでございました。となりますと、年間二十数回、月に二回ということになりますけれども、月に二回というのはやや少ないんじゃないかな。両陛下はもっともっとお出ましになりたいという強いお気持ちを持っておられますので、もっともっとお出ましになられるよう宮内庁も努力されてもいいんじゃないかと思いますけれども、それはいかがですか。
  13. 森幸男

    ○森(幸)政府委員 まず、お答えの前提になろうかと思いますが、天皇皇后両陛下の御公務という中には、今先生がお話しのような行幸啓というもののほかに、これは週二回ございますが上奏文書の御決裁などの御執務、それから宮中での認証官の任命式などの諸行事がございます。それから、各界各功労者などの拝謁などもございます。それからまた、対外的な関係で申しますと、国公賓の御接遇あるいは外国への御旅行というようなことなど、いろいろ多岐にわたっておりまして、全体として大変お忙しい日々をお送りになっておられるということはまず御理解いただければ大変ありがたいと思います。  そういう中で、先生の今御指摘ございました天皇皇后両陛下の行幸啓につきましては、私ども、原則として主催者などからの願い出に基づきまして、宮内庁がその行幸啓に関係のあります行政機関等の意見を参考にいたしまして、その行事の性格であるとか、あるいは両陛下にお出ましいただくことの意義、そういうものをいろいろ検討いたしまして、両陛下に行幸啓いただくことが真にふさわしいものかどうか、また、ほかの御公務との御日程の調整が可能かどうか、そういうようなことを総合的に勘案し判断した上で、条件が整うものにつきましては原則的にはすべてお出ましを願うというようなことで対応しているつもりでございます。
  14. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 両陛下が大変お忙しいことは、私もかつてお仕えした者として十分にわかっております。しかしながら、もっともっとお気軽にお出ましできるように関係者の方の御努力をお願いしたいと思います。  そこで、都内の行幸啓に行かれた場所についてでございます。  ここに宮内庁からいただいた資料があるわけでございますけれども、先ほどお話がありましたように、戦後五十数年間、都内二十三区に千二百回ほど両陛下は行幸啓されておられるわけでございます。そのうち、例えば港区には三百二十六回行っておられるわけでございます。台東区は百八十二回でございます。対しまして、戦後五十数年間まだ一回も行かれていない区というのもありまして、中野区、杉並区、荒川区、葛飾区、私の地元の葛飾区も戦後一回も行かれていないわけでございます。  ちなみに、戦前は記録がないからわからないわけでございまして、場合によっては、戦前も含めて葛飾区には一切来られていないのかもしれません。  まさに天皇陛下のおひざ元、すぐ近くにある自治体、四十数万の人口のある自治体に戦後一回もお見えになっておられない。千二百回以上お出ましがあるにもかかわらず、一回もお見えになっておられない。  天皇陛下の行幸啓先には、例えば幼稚園とか保育園とか老人ホームとか、いろいろあるはずでございます。にもかかわらず、なぜ特定の自治体には一カ所も行かれないというようなことになるのか。今のお話ですけれども、そのお出ましにふさわしい場所がないということになってしまうのか。これについてはいかがでしょうか。
  15. 森幸男

    ○森(幸)政府委員 今御指摘がございましたとおり、二十三区内の行幸啓の回数につきましては、区により差異がございます。  行幸啓にいらっしゃるかどうかということにつきましては、先ほどお答え申し上げましたように、原則として主催者側からの願い出に基づきまして、いろいろな条件を勘案して行幸啓いただくことがふさわしいかどうかというようなことなどを総合的に勘案して判断をしているところでございますが、今御指摘のような、結果的に差がついているということでございます。  この点につきましては、区によっては諸行事や催し物に利用できる施設が多いということで、行幸啓についても多くなっているというようなことは原因の一つかと思います。
  16. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 やはり皇室というのは、できるだけ多くの国民の皆さんと接しられ、そして理解を深められるということが大切でございまして、その意味では、特定の自治体に行幸啓が偏っている、そして戦後五十数年間一回も特定の自治体にお見えになっておられない。その間、もちろん外国には、国によっては何回も行かれている国もあるわけでございまして、その自治体の住民からすれば、皇族さん、両陛下というのは、テレビや新聞、雑誌等でしかお会いすることがないということになるわけでございまして、この点については、ぜひ今後宮内庁でも御検討をお願いいたしたいと思います。  最後に、宮内庁にもう一つお聞きしたいと思うのですけれども、宮内庁という役所は国民の皆さんからすると何となくなじみの薄い役所でございまして、姿形がほかの役所と比べると必ずしも見えないわけでございます。これから開かれた皇室に持っていくためには、宮内庁自体ももっともっと開かれた役所になる必要があるのではないかなという感じがします。  そこで、宮内庁としては、例えば皇室白書を発行するとか、もっと国民にPRの場を設けるとか、そういった形で積極的に国民に働きかけていく必要があるのではないかなという気がいたしますけれども、これについてはいかがでしょうか。
  17. 森幸男

    ○森(幸)政府委員 今の先生の御質問の前半の部分でございますが、宮内庁といたしまして、今までに行幸啓のない地域にお出ましをいただくということにつきましては、国民と皇室との親和を一層推進するということで、これは私どもも好ましいことであるというふうに考えております。もちろん、いろいろな条件はございますけれども、そういう中の一つとして、今御指摘の点などもこれから含めて考えていきたい、かように思っております。  それから、二つ目の点でございますが、宮内庁におきます皇室に係る広報の問題になろうかと思うのでございますが、私ども従来から、天皇陛下初め皇族方の御公務、皇室文化、宮内庁の業務、そういうようなものにつきましての国民の正しい理解が得られるように、皇室関連情報の提供に努めてきたところでございます。  さらに、天皇陛下初め皇族方の今申しましたいろいろな御活動の実態につきまして、国民の一層の理解が得られるように、平成八年十月から宮内庁の中に広報の問題を担当する係も設置をいたしまして、広報体制の充実を図ったところでございます。  今後、引き続き、皇室の紹介ビデオの制作であるとかあるいは広報資料の作成といったもの、そしてまたホームページの作成、活用というようなこともこれからは取り上げながら、広く国民に皇室の御活動を紹介していくというふうにいたしたいと思っております。  今の先生の御指摘も十分踏まえまして、これから対応していきたいと思います。
  18. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 ありがとうございました。  私も両陛下の外遊にお供させていただいたりしまして、皇室の親善外交、これは政治家ではとても及ばない大きな成果を発揮するということを目の当たりにしまして、皇室を持っているということは私たち日本人の誇りでありますし、大変な財産でございますので、今後皇室のあり方についても、宮内庁にも頑張っていただきたいと思いますし、私たちもできる限り考えていきたいと思いますので、どうぞ今後ともよろしくお願いしたいと思います。  次に、残りの時間、余りありませんけれども、警察庁に質問させていただきたいと思います。  チャイルドシートの着用義務化についてでございますけれども、チャイルドシートの義務化については、私も地方行政委員会で質問させていただきましたけれども、これは外国では大きな流れ、常識でございまして、日本が大きなおくれをとったわけでございまして、大変に遺憾に思っていたわけでございますが、警察庁も重い腰を上げまして、近くやっと着用義務化に踏み切るということが報道されているわけでございますけれども、この点について、警察庁の方、どういう罰則にするのかということも含めて説明をお願いしたいと思います。
  19. 矢代隆義

    ○矢代説明員 警察庁といたしましては、春秋の全国交通安全運動等の機会をとらえまして、チャイルドシートの使用の促進を図るための広報啓発活動等を行う一方で、チャイルドシートの使用義務の法制化についても必要な調査研究を行うなど、積極的な検討を行ってきたところでございます。  近年の自動車乗車中の交通事故による幼児の死傷者数の急増、最近のこの問題をめぐる世論の盛り上がり等にかんがみますと、法制化の機も熟していると判断できる状況にありますので、警察庁におきまして、チャイルドシートの使用義務の法制化のための道路交通法の一部を改正する法律案を今国会において御審議いただくべく、現在準備を進めているところでございます。(平沢分科員「罰則」と呼ぶ)その点につきましては、シートベルトの扱いを参考にしながら進めてまいりたいと考えております。
  20. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 今外国では、チャイルドシートについてはもうほとんどの国で罰則で担保されているのですけれども、報道によりますと、今度の警察庁が予定している道交法の一部改正案の中では、罰則がなくて、点数のみ付加させる予定ということで聞いておりますけれども、これは事実ですか。
  21. 矢代隆義

    ○矢代説明員 現在検討しておるシートベルトの扱いはそのようになっておりますので、検討もそれを参考にしながら進めております。
  22. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 今検討中ということですが、ある程度強制力で担保しないとなかなか着用義務化が進みません。先ほど申し上げましたとおり、チャイルドシートというか、シートベルトについて、日本は諸外国に比べて相当後進国だな、これだけ自動車王国でありながら、なぜか後手後手に回ってきたなという感じがしておりますので、ぜひ、今報道されていますものでは点数のみということのようでございますけれども、さらに罰則で担保することも含めて検討をお願いしたいと思います。  チャイルドシートではなくてシートベルトについてもちょっとお聞きしたいと思うのですが、シートベルトについて、我が国は前席だけについて義務化がなされているわけでございますけれども、欧米諸国では車の乗員全員、すなわち後部座席についても着用が義務化されているところがほとんどであります。日本もシートベルトについて、欧米諸国と同じように後部座席についても着用義務化に踏み切るべきではないかなという感じがしますけれども、これについては警察庁はどう考えていますか、ちょっと教えていただけますか。
  23. 矢代隆義

    ○矢代説明員 後部座席のシートベルト着用につきましても、これは望ましいという考えでおるわけでございます。  ただ、現行法上、これは努める義務、装着させるように努める義務となっております。アメリカの各州でもその扱いはかくのようでございますが、私どもも現状を見ますと、自動車乗車中の死傷者の九割程度は運転席、助手席でございますし、またシートベルト非着装の場合におきます自動車内の乗車位置別致死率を比較いたしますと、後部座席は運転席及び助手席に比べまして、大ざっぱに六分の一ないし三分の一程度で格段に低くなっております。また、後部座席におきますシートベルト非着装の死傷者数も近年減少傾向にあります。  このような状況にかんがみますと、現在、後部座席のシートベルトの着装義務について立法見直しを行うべき状況にはないのではないかというふうに考えております。
  24. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 どの程度調査されているのかわかりませんけれども、欧米諸国ではかなりそういった方向に進んでいるわけですので、この種のものは、こういった事故がどんどん起こってから、後から対処するのじゃなくて、できるだけ先手先手で対処することが大切なわけでございまして、ぜひ警察庁はこの点について前向きに考えていただきたいと思います。  そこで、シートベルトの関係でもう一つお聞きしたいんですけれども、チャイルドシートの正しい着用普及率、これから向上を図っていかなければならないんですけれども、このために関係業界の協力体制については、警察庁、どのように考えておられるのか、これについて教えていただきたいと思います。
  25. 矢代隆義

    ○矢代説明員 チャイルドシートの正しい着用の普及というものは、この点、一つのポイントになってくるというふうに考えておりまして、警察庁といたしまして、春秋の全国交通安全運動等のあらゆる機会をとらえまして、今後とも、引き続きその着用促進を図るため、積極的に広報啓発活動を行ってまいりたいと思っております。  また、都道府県警察におきましてもこれを普及すべく、あるいは正しい着用の方法を普及すべく活動するわけでありますが、その中で各団体と連携しながら、これが普及するように、さらに推進するように努めてまいりたい、こんなふうに考えております。
  26. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 時間が来ましたから、最後の質問とさせていただきます。  交通事故の統計データについてですけれども、警察白書でも死亡事故が何人ということが書かれております。マスコミでも、昨年は死亡者、交通事故による死者が一万人を切った、切ったということが報道されておりますけれども、この数字というのは基本的に二十四時間以内に亡くなった方の数でございまして、実際にはもっともっと多くの方が交通事故で亡くなっているわけでございます。  今は医療が発達し、集中治療室で延命される方も随分おられるわけでございまして、数日前の朝日新聞の天声人語にも、交通事故で亡くなったけれども、脳死と宣告されたのは三日後だ。そうすると、これは警察庁の一万人以下の死者というのには出てこないわけでございまして、こういう警察庁が発表する統計データというのは、もちろん速報性も大事ですけれども、できるだけ実態に合わせた正確な数字であることも必要ではないかなということで考えておりまして、一万人を切った、切ったという形で発表するだけじゃなくて、実際には交通事故の死者数というのはもっと多いということを積極的にPRしていく必要があるのではないかと思いますけれども、これについて警察庁はどのように考えているか、教えてください。
  27. 矢代隆義

    ○矢代説明員 お話のように、私ども交通事故によります死者の統計、二十四時間以内の数字と、それから三十日以内の死者の数字とを持っております。いずれも公表しておりますが、この統計は、その目的によって最も適当なものを用いるということであろうと思います。  警察庁では、二十四時間死者集計の方につきましてはすぐにわかりますので、交通死亡事故の実態の早期把握と安全対策の実施、それから、特に住民に対しましてこれを早期に知らせるということで、こちらの数字を使っております。また、三十日以内の死者につきましては、これは昨年のものでしたらまだ出ておりませんで、一月で締めます。間もなく出てまいるわけでありますが、これにつきましては、交通事故死者の実態をより明らかにするということと、それから国際比較におきまして三十日以内の死者を交通事故死者とする諸外国が主流でありますので、この比較を可能とするということで統計を使っております。そんなことで、二十四時間の死者は三十日死者のおおむね八割から九割程度をカバーしているわけであります。その内容を分析しますと、主に同様の傾向でございます。  そこで、二十四時間死者につきましては、そのような目的から今後とも使っていく必要があると思いますが、他方、議員御指摘のように、悲惨な交通事故の実態を世に示すためには三十日以内の死者の状況を明らかにすることが重要であると考えておりまして、今後とも、警察白書あるいは交通安全白書、交通統計あるいは交通事故統計等に掲載しまして、積極的に公表してまいりたいと考えております。
  28. 平沢勝栄

    ○平沢分科員 時間が来ましたから終わりますけれども、これからはもっと実態に合わせた正確な数字を対外的に発表していただきたいと思います。ありがとうございました。
  29. 河村建夫

    ○河村(建)主査代理 これにて平沢勝栄君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして皇室費についての質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  30. 河村建夫

    ○河村(建)主査代理 次に、防衛庁について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中甲君。
  31. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 おはようございます。長官におかれましては、お忙しい中、御出席いただきまして、ありがとうございます。  私は大のサッカーファンでありまして、地元は千葉県ですから、ジェフ市原ですとかチームがあるんですけれども、鹿島アントラーズが大変私は好きでして応援しているんですけれども、長官が鹿島の開発に腕を振るわれたということも私承知しております。そんな中で、クラブチームができて、今非常に盛り上がっている地域、鹿島というその名前を聞くときに、よく長官のお名前を思い出している、そんなものでございます。  きょうは三十分の時間をいただきましたので、質問をぎりぎりさせていただくというようなことではなくて、実は私が今超党派で議連をつくりまして、アジアの信頼を、あるいは世界の信頼を我が国日本がしっかりとつくり上げて、その信頼の醸成の中で、二十一世紀に向けての未来志向の、前に向かって進んでいく日本の姿、世界の中の役割ということを考えていく中で、何を戦後我が国日本は十分に行って、あるいは逆に不十分であったのか、こういうことを考えていく中で、議連を構成して、戦前、戦中、戦後の事実を明らかにしていく必要がある。  歴史認識ということは、国々あるいは人々それぞれ違うと思いますけれども、やはり事実を日本が、立法府が中心となって明らかにしていくというその努力を欠かしていたのではないだろうか。そういう思いを持ちながら、直面する問題ということにももちろん国会議員は対応していかなければなりませんが、戦後五十三年間の間で欠かしてしまったそれらの行為ということをしっかりと行っていく必要があるのだろう、そういう思いを持っているものでもございます。  冒頭に、長官にお聞きをさせていただきたいのは、ガイドラインの関連法案というものが、現在においては特別委員会、日米防衛協力のための指針に関する特別委員会等が設置をされまして、これから協議がまさにされていこうとしているわけでありますけれども、まず、これに対する長官の御所見と、今後のこの法案を扱っていく見通し等についてお聞かせをいただければありがたいと思います。
  32. 野呂田芳成

    ○野呂田国務大臣 御承知のとおりでございますが、このガイドライン法案は日米安保条約に基づくものでありまして、安保条約のもとに新しいガイドラインがつくられ、安保条約の円滑かつ実効性を確保するためにガイドラインがあり、さらにそれを効果的にするためにこの新しい周辺事態安全確保法案ができたということでございます。  我が国の周辺において我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態にどう対処して国民の生命財産を保護するか、あるいは平和と安全を確保するかというための法律でありまして、私どもはこの法律が国会において真剣に論議され成立することを心からお願いしたいと思っておる次第でございます。
  33. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 日米安全保障にかかわる、そしてガイドラインに関して、さらには今国会内において憲法という問題を取り扱っていくその機関をどのようにしていくか等々、国内においてはそのような流れに、国民もあるいは国会の中でも当然それは必要なことというふうに考えられていると思います。そして、極めて重要なことという認識も持たれているところだと思います。  しかし、アジアの国々から見ると、それらの議論を行っていく日本の姿に対して、いま一つ、不信感といいますか、先ほども申し上げましたが、信頼の醸成ということを欠いたままそういう話がまた行われていくのではないかという不安感ということも、私はないとは言えないと思うんです。  例えば、先般訪日されました韓国の金大中大統領、九八年十月八日に国会で演説をされていますけれども、その中で未来志向の発言を大統領が行った。しかし同時に、「過去を正しく認識し反省する、道徳的勇気のある、数多くの日本の民主市民がいる」ことを知っていますという発言も文書の中に一文としてしっかりと入っておりました。これは自発的に日本が事実を明らかにしていくという姿を期待しているのであって、韓国から日本に対して強く申し上げることではないけれども、しかし日本でそういう動きがあることに対しての、私は、ストレートではなかったにせよ、期待をしての発言だと受けとめています。  中国の国家主席江沢民さんがやはり来日をされて、昨年の十一月でありますけれども、「未来は若い世代のためにある」、そういう発言をされています。これは早稲田大学における講演の中でされているんですけれども、そして正しい歴史の認識の必要性ということを強く訴えられたということでございます。しかし、私は、中国の国家主席は余りにも歴史認識というところに力点を置き過ぎて、少し日本の現在の状況の中ではかみ合わなかったんではないかというふうに受けとめています。  先ほども申し上げた、この点もそうでありますけれども、歴史認識というのは国それぞれ違うし、アジアの中の国においては、歴史認識どころか歴史物語を語っている国もあるように私は感じています。日本はそういう点では、調べようと思えば数多くの資料というものが、書籍が手に入ってくる、かなりバランス感覚を持って歴史の事実ということも見詰めていくことのできる国だと自負をしている点もございますけれども、しかし、今韓国の大統領や中国の国家主席の発言を引用いたしましたが、事実を明らかにしていく日本の姿という点では、アジアから見ているとまだまだ十分とは思えない、そんな気持ちが伝わってくるのであります。  少し古い話になりますが、一九八五年、ドイツのワイツゼッカー前大統領の演説の中で、「過去に目を閉ざす者は結局のところ現在にも盲目になる」。この言葉は非常に私には力強い、同じ敗戦国の中でもヨーロッパにおけるドイツの地位というものを確立してきたまさにその根底には、この言葉というものが根強く影響を与えてきたのではないかというふうに思うんです。  真相究明ということに向けて、今国会議員百三名が議連をつくって活動しております。くどくどとお話をしているようで大変に恐縮なのでありますけれども、事実を明らかにしていくということは非常に重要なことである。時あたかも情報公開法というものができたわけでありますけれども、しかし、戦前、戦中、戦後の事実を明らかにするというところにはこれは及ばない法案であります。  防衛庁の話とは少しかけ離れた質問になってしまったかもしれませんけれども、事実を明らかにしてアジアの国々からの信頼醸成ということも、日本が安全保障やガイドラインの法案の論議、審議ということを行っていくに当たってやはり重要であるという認識を持つべきだと考えるのですが、長官の御所見を賜れればありがたいと思います。
  34. 野呂田芳成

    ○野呂田国務大臣 先生が、戦前戦中を通じまして発生しました被害の調査とかあるいは歴史認識を研究されるために大変な情熱を傾けておられるということに対しては、私も心から敬意を表したいと思います。  過去の戦争に対する認識を防衛庁長官として今申し上げるのはいかがかと思いますが、我が国がさきの大戦を通じまして近隣諸国等の国民に対し多くの犠牲をもたらしたということは事実でありますし、我が国は戦争を二度と繰り返すことはいたさないと平和国家としての道を歩んでいく決意が必要だと思います。  一九九五年八月十五日の村山総理大臣の談話にも「私は、未来に過ち無からしめんとするが故に、疑うべくもないこの歴史の事実を謙虚に受け止め、ここにあらためて痛切な反省の意を表し、」云々と言われておりますし、それを受けまして、一九九六年十月三十一日にいわゆる三党政策合意における歴史認識というのがありまして、歴史認識につきましては一九九五年八月十五日の村山総理大臣談話を基本に据えまして、アジア重視の外交を展開する、また、戦後問題の残された課題に対して検討をする、こういうことになっております。  重ねて申し上げますが、先生がそういった問題に一生懸命に取り組んでおられるということについては、心から敬意を表したいと思います。
  35. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 ありがとうございます。大変に過ぎるお言葉をいただきまして、恐縮しているところであります。  私は、歴史認識という言葉はもう使わない方がいいんだろうというふうにも思うんです。歴史認識というのはやはりそれぞれの立場で見ていくものでありますから、そうではなく、事実ということを明らかにしていくということがこれから非常に大事であって、ある面では私たち日本人が、あるいは日本の立法府が淡々と事実ということを明らかにして、次の世代を担っていく子供たちのために、あるいは次の世代のためにその事実を明らかにしておくということが重要なんだろうと思います。  それが歴史認識の溝ということを埋めていく唯一の方法だと思いますし、アジアの国々から日本が信頼の醸成ということをかち得ていくための、私はまさにそこが欠けていたと思いますし、その事実を明らかにしていくことに努力をしていく日本の姿に、結果的には、この国は信頼のできる国であるという認識をこれからさらに持ってもらえるんだろうと思います。  今長官は村山総理の談話ということでお話をしてくださいましたが、そのまさに基本となったのは、一九九三年の八月、河野官房長官の談話から始まっているもの、そんな認識で私は受けとめさせていただいています。その河野官房長官の談話から、立法不作為を指摘されるという現在の状況というのを、どのように私たちは立法府の一員として受けとめていけばいいのだろうかということを、痛切に反省をしながら受けとめているところであります。  目の前に出てくるさまざまな問題に対処していく、もちろん、金融問題ですとか今防衛庁が扱っている問題ですとか、それに対応していく国会の重要な役割というのはありますけれども、しかし、司法の場から立法不作為ということを指摘されているにもかかわらず、立法府はそれに対して何の対応もしようとしていない、これはやはりあってはならないことなんだろうと思います。  少なくとも、その問題に対してどういう見解を持つか、あるいは認識を持つか、そして立法府の中でどのように対応していくかということが話し合われていく必要はあるんだろうというふうに思うわけですね。  従軍慰安婦制度の問題で、関釜裁判というのが、釜山から下関に船で連れてこられた女性たちの、人格の尊厳ということを根底から踏みにじられたという民族の誇りということをかけての裁判が行われていましたが、立法府が、九三年の河野官房長官談話から、その後どのように国が対応していくかということを明確にしてこなかったということで、元慰安婦の原告団に対して各金三十万円の慰謝料の支払いという、立法不作為を指摘しての国家賠償の請求ということが出されました。  また、その後に行われた韓国・朝鮮人の元BC級戦犯の国家補償の請求に関しましても、同様に判決の中で立法不作為ということが言われています。  こういう状況に対して長官はどのような御所見を持たれているのか、アジアの中の信頼が醸成されるような日本の姿に思われているかどうか、お聞かせをいただければありがたいと思います。
  36. 野呂田芳成

    ○野呂田国務大臣 御指摘の点の重要さはよく理解できるわけでありますが、防衛庁の所管では必ずしもないわけでございまして、私の立場でお答えすることはいかがかと思いますが、国会は唯一の立法機関でございますので、先生らが中心になって、そういった事案の処理に立法権がフルに活用されることは、私個人の見解としては、大変大事なことじゃないか、こう思います。
  37. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 ありがとうございます。本来の立法府の仕事ですから、精いっぱい努力してみたいと思います。ぜひ後押しをいただければありがたいと思うのですけれども。  事実を明らかにしていくということを進めていく、その考えには、敗戦国のドイツはおろか、さきの大戦の戦勝国であったアメリカ、カナダにおいても政治家のリーダーシップによって真相究明の努力が行われています。  特に象徴的なのは、日系人の収容キャンプのその事実ということを明らかにして、日系人に対する賠償ということを行っている。そういうことが積極的にそれぞれの国で行われているということですね。そして、この事実を明らかにして賠償したことに対して、アメリカという国は、民主主義の国家であるということに改めて誇りを持つというようなコメントが出されていまして、すばらしい国だな、日本もそういう点では学んでいかなければいけないなというふうに思っています。  そこで、ぜひ長官の後押しをいただきたいという点で、真相究明していくための国立国会図書館法の一部を改正する法律案、現在は要綱の段階でとどめてありますが、百三人の議連のメンバーの中で常任幹事を選んで、そこで再度法案の精査を行いながら、提出をし、成立を目指していくというものであります。  事実を明らかにしていきたい、二十一世紀に生きていく子供たちのために事実を伝えていく、それが憲法の前文にある恒久平和というところに必ずつながってくるんだ、事実を知らずして平和のとうとさはわからないという思いの中で、この議連での活動や法案の提出、真相究明ということに向けて努力をしてまいりたいと思いますが、御理解をしていただけるかどうか、御答弁いただければありがたいと思います。
  38. 野呂田芳成

    ○野呂田国務大臣 先生の本当にひたむきな御努力については、私は、一個人としては大変心情は理解できるわけでございますが、お話しのように国会図書館法の一部改正ということになれば、これは私どもの仕事ではなくて、国会が論議して決めるべき問題でございますので、そういう意味で、私からそれについて賛成だとか反対だとかということは今申し上げられない立場だということを、ひとつ御理解いただきたいと思います。
  39. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 長官、恐縮ですが、事実を明らかにするという姿勢についてはいかがでしょうか。
  40. 野呂田芳成

    ○野呂田国務大臣 事実を明らかにすることは大事なことじゃないかと思います。ただ、私どもは、そういうことを所掌として預かっておりませんので、私どもとしてそのために努力するということは今は言いかねる、こういうふうに申し上げておきたいと思います。
  41. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 御答弁いただいた前段の、事実を明らかにするということは重要だと思います、その点を受けとめさせていただきまして、次の質問に移らせていただきますが、残りの時間もそんなに長くありませんので、簡潔に御質問をさせていただきます。  現在、防衛庁の所蔵の旧軍の関係資料の総量、そして管理の状況及び公開の割合というものを簡潔に御答弁いただければありがたいと思います。
  42. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 防衛研究所図書館におきまして、現在、戦前、戦中の資料でございます戦史資料を約十一万六千冊保管しているところでございます。これらの資料は原則として公開することといたしておりますが、寄贈または寄託に係る資料で公開しない旨の条件が付されているもの、それから個人の秘密保持等の理由により公開することが不適当な資料につきましては、非開示にしているものもございます。  その結果、公開している戦史資料は約十万九千冊、これは全体の約九四%に当たります。それから、非公開としている戦史資料は約七千冊、これが全体の約六%に相当する、こういう状況でございます。
  43. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 かなり具体的な質問になってまいりますけれども、正式名称は関東軍防疫給水部、俗に言われる七三一部隊の存在について、防衛庁としてはどのように受けとめているのか、それの事実としての存在を認めているのか、御答弁いただければありがたいと思います。
  44. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 いわゆる七三一部隊でございますが、これにつきましては、組織上、かつての旧日本軍に関東軍防疫給水部との正式名称により存在していたこと、これにつきましては、防衛研究所に保管されている公文書から明らかと考えております。
  45. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 それでは、その関東軍の防疫給水部、七三一部隊が細菌戦部隊で、生体実験を行っていたとされている点については、どのように防衛庁は認識をされていますか。
  46. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 膨大な資料の中から関連のものを調査した結果でございますけれども、例えば「満州派遣部隊一部ノ編成及編制改正要領、同細則ノ件」、こういうものが「昭和十四年陸満機密大日記」に編綴されているわけでございます。これは、「軍令陸甲第七号」、これは満州派遣部隊一部の編成及び編制改正要領・同細則、昭和十一年五月でございますけれども、これと、この軍令に基づき、満州に派遣されている当該部隊が実施した編制完結の報告をまとめたものでございます。  その中には、関東軍司令官から陸軍大臣あての電報、これは昭和十一年十二月十日発信でございますが、これがございまして、その電報の中に、「軍令陸甲第七号に基き編成充実すべき関東軍防疫部は十二月五日、関東軍馬防疫部は十二月八日編成完結せしに付報告す」というような記載がございます。  というようなことで、関東軍防疫給水部に関します記述は幾つかあるわけでございますけれども、今先生がお尋ねになられましたような当該部隊の具体的な活動状況につきまして確認できる資料は存在していない、私どもはこういうふうに思っております。
  47. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 一言で言うと、私の質問の答えに対する答弁は、細菌戦の部隊の事実確認はできていないということですか。
  48. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 具体的な活動状況について確認できる資料は存在していない、こういうことでございます。
  49. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 一九八六年九月十七日、米国の連邦議会、ジョン・H・ハッチャーという陸軍記録部長の発言の中で、七三一関連文書は、一九五〇年代末か一九六〇年代初めに箱詰めにして日本政府に送り返した、そう言われていますが、米国が送り返したと言われている七三一部隊の関連文書は現在どこに所蔵されているのか、御答弁をいただきたいと思います。
  50. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 突然のお尋ねでございますので、今の関連文書に関連して、どういう状況になっているのかというのは、この場で御報告できませんので、必要があれば、私どもから御説明するのがいいのか、あるいは違う部署がその問題について担当するのか、それも含めまして、確認をさせていただきたいと思います。
  51. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 これは、戦後アメリカが七三一部隊の幹部の極東軍事裁判における戦犯の免責と引きかえに、七三一部隊と細菌の関連資料を入手したというところにさかのぼらなければいけないのですけれども、そして、アメリカ政府が送り返していると言っている、そのことが確認できないと言われていますが、防衛庁、これは私が初めてする質問ではないはずです。その資料がどこにあるのか。もし事実確認がないというならば、アメリカ側にそれを照会しましたか。
  52. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 今申し上げましたように、私どもの方からこの御報告をするのがよろしいのか、あるいは外交的な側面もございましょうから、外交当局にも確かめてみる必要があるのか、そういったところも含めて確認をさせていただきたい、こういうふうに申し上げたところでございます。
  53. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 これは、防衛庁だけではなくて、日本政府の隠ぺい工作、隠ぺいされている、情報の公開がされていないということ以外の何物でもない、私はそう思いますよ。  中国の黒竜江省の公文書館で、七三一部隊に関する旧日本軍の人体実験用中国人の輸送記録の公文書ファイルが発見されたと一九九八年一月の報道があります。これに対して防衛庁はどういう認識を持たれていますか。中国側にその事実の確認を行いましたか。御答弁いただきたいと思います。
  54. 佐藤謙

    ○佐藤(謙)政府委員 いずれにいたしましても、私どもといたしましては、戦史資料を保管しているという立場から、我が方の防衛研究所が保管している資料について、この内容を確認する等々の協力を行っている、こういう立場だと存じます。
  55. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 長官、長官が大変な中で就任をされたことを私も鮮明に覚えております。その前に、前任の額賀防衛庁長官に、大変に私も心苦しかったのですけれども、これは質問せざるを得ないということで質問をした、そんな経緯もございました。  事実を明らかにしないという現在の防衛庁の姿、隠ぺいしていくというその姿、書類を持ち帰ったり、焼却したりという姿、こういうことは、戦前、戦中、戦後の事実を明らかにしないというその日本の姿から、もう延々と続いているのだろうというふうに私は思うのですね。  やはり非は非として認める。事実を事実として公開する。そして、こういうことを日本人がやってきたという事実を、次の世代がどう受けとめて、そしてどのように行動していくのか。そして、平和のとうとさを一人一人が自分の中で確認をしていく。そういう国にして初めて、二十一世紀の未来志向の発言ということをアジアの中で日本はしていけるのだろう、そういうふうに思うのです。事実を明らかにするということを防衛庁においてもしっかりと努めていただきたい、そう立法府から強くお願いをします。  同じ立法府の一員である長官から最後に御所見をいただきまして、質問を終わりたいと思います。
  56. 野呂田芳成

    ○野呂田国務大臣 私も実は先生からの質問が出ましたので、可能な限り何か文書がないかということで督励してみたのですが、その段階で出てきたのは、例えば「関東軍勤務令改定ノ件」という、「昭和十三年陸満機密大日記」の中にとじられているものですが、その第七十五というのに「関東軍防疫部長は関東軍司令官に隷し防疫に関する調査、研究及び試験業務を掌り、且直接伝染病の予防及び撲滅並びに薬品製造等の諸作業に任ず。」第七十六に「関東軍防疫部の勤務は特に定むるものの外、戦時衛生勤務令を準用する」というような記述がございます。  さっき防衛局長から御答弁申し上げたように、具体的な活動状況や御指摘の生体実験に関する事実を確認できる資料は確認されてないということでございますが、情報公開法もできることでありますし、御指摘のように、我々としても、こういうものについて隠すというようなことは決してないように心してまいりたい、こう思っております。
  57. 田中甲

    ○田中(甲)分科員 終わります。
  58. 河村建夫

    ○河村(建)主査代理 これにて田中甲君の質疑は終了いたしました。  次に、中路雅弘君。     〔河村(建)主査代理退席、主査着席〕
  59. 中路雅弘

    ○中路分科員 きょうは限られた時間ですので、横須賀基地十二号バースに関する環境保全の問題、それから演習問題、空母の母港化問題について御質問しますけれども、終わりに、十一日から、厚木基地が二十三日からNLPが再開をされますので、この問題についても追加をして御質問したいと思います。  最初に、確認ですけれども、十二号バースの拡大計画に関連してつくられた環境調査の結果については、防衛庁が横須賀市に明らかにした報告書があります。これを見ますと、バース付近の陸上部分の土壌や地下水などから、環境基準をはるかに超える重金属、汚染のオンパレードとでもいいますか、砒素、鉛、水銀、六価クロムなど多数の汚染物質が検出されています。  私が報告書を整理しましたら、陸上部分の十九カ所から最高で基準値の百五十倍の鉛、十四カ所から最高で基準値の四百四十倍の水銀、一カ所で四・六倍の六価クロム、砒素も最高で十倍の値が二十八カ所で検出されていました。地下水からも、鉛が八カ所、砒素が七カ所、水銀が三カ所で基準値を超えているわけです。  防衛施設庁はこの報告に基づいて対策を立てられているわけですが、これは、横浜防衛施設局が十二月に出した十二号バース区域汚染土壌・地下水対策というパンフレットです。このパンフレットで最終的に言っている対策処理というのは、重金属等に汚染された土壌は現地の不透水性の岩盤層を活用して遮水槽を形成し、この中に封じ込めるということが書かれています。  最初に、確認だけですけれども、この二つの文書、横須賀市に出された報告、そして防衛施設庁の今お話ししました対策の文書、要点だけお話ししましたけれども、この確認と、それからもう一つ、このための予算と何カ年計画でやるのか、年度ごとに簡単に御報告いただきます。
  60. 宝槻吉昭

    ○宝槻政府委員 事実関係でございますので、施設部長の方から御説明させていただきます。  今先生御指摘のとおり、防衛施設庁の方で横須賀の十二号バースにかかわる環境調査を実施いたしまして、その結果につきまして地元にも開示いたしたところでございます。  その内容につきましては、今先生あらかた御指摘あったわけでございますけれども、事実関係についてはそのとおりでございまして、また予算につきましては、今後、汚染土壌等の処理対策に関する工事といたしまして、全体で、平成十年度から十二年度までの三年かけまして、総額二十九億円の汚染……(中路分科員「年度ごとについて」と呼ぶ)年度ごとにつきましては、平成十年度予算で約十四億、十一年度予算で十五億、合わせまして二十九億の予算で対応してまいりたいというふうに考えております。
  61. 中路雅弘

    ○中路分科員 この汚染の原因なのですが、これは明らかになっているのですか。旧帝国海軍が使用したところですけれども、米軍は既に戦後五十年ここを使っているわけです。最近、私は文書で見たのですが、フィリピンのスービック基地でも、米軍基地が撤去された跡地には土壌や水源の汚染、この有害物質による汚染が住民の健康を脅かしているということで、今大きな問題になっているわけですけれども、この汚染の原因はどこにあるのでしょうか。
  62. 宝槻吉昭

    ○宝槻政府委員 十二号バースにつきましては、先生御存じのとおり、大正時代から旧日本海軍が使用して、その後米海軍が使用して現在に至っておるわけでございます。その長い歴史の中でどのように使用されてきたか不明でございまして、今般、日本側が実施した調査の結果、複数の汚染物質が検出されているところでございますけれども、その原因を特定することは不可能であるというふうに考えております。
  63. 中路雅弘

    ○中路分科員 今度の場合、十二号バースの延伸と関連して調査されたわけですね。しかし、全体の基地の施設は、今おっしゃったように、長く日本海軍そして米軍が使っているわけです。  私は、十二号バース以外の区域についても、当然この問題は調査をすべきじゃないかと。日米の間で環境分科会もあるわけですから、このバース以外の基地の地域についても、重要なところは日米で協議をして調査をすることを要求したいのですが、いかがでしょうか。
  64. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 御指摘の環境保全の関係でございますけれども、私どもも、基地の安定使用というところから、環境保全の問題には非常に大きな関心を払っているところでございますけれども、米軍の施設・区域にかかわる環境保全につきましては、米側は一九九五年以来、日米双方の環境基準に関する国内法のどちらかよりも、より厳しい基準を選択いたしました日本環境管理基準、JEGSというものを作成し、これにのっとって厳正な管理をしているものというふうに承知しております。また、日本側といたしましても、従来より、適切な環境管理が行われるよう要請しているところであります。  現在のところ、十二号バース以外の区域におきまして汚染問題が生じているというふうな報告は受けておりませんので、私どもといたしまして、適正な環境管理が行われているものと認識しております。  しかしながら、冒頭申し上げましたように、環境問題というものは非常に重要な問題でありますし、また基地の安定使用というふうなところからも、重視していかなければいけないものでございます。  私どもといたしましても、具体的な問題が生じました際には、これまでも、日米合同委員会のもとで設置されております環境分科委員会の枠組みなどを通じまして、適宜日米間で協議し、米側から必要な情報の提供を受ける等、適切に対応しているところでございますので、このような考え方のもとに対処してまいりたいと思っております。
  65. 中路雅弘

    ○中路分科員 今度の場合は、皆さんが調査をされてこの結果が出たのですね。今、米側は適切に管理していると言っていますけれども、今度のように、日本の防衛施設庁が徹底して十二号バースを調査してこれだけの汚染が明らかになったのですから、ただ米軍が適切にやっているだろうというのではなくて、日米の間でもっと詰めた調査もやって、その結果については公表する、明らかにするということを再度要求したいのですが、いかがですか。
  66. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 環境問題につきましては、先ほど御答弁申し上げましたような基本的な考え方のもとに、防衛施設庁としても取り組んでまいるところでございます。  また、米側につきましても、先ほど申し上げましたように、合同委員会の環境分科委員会などを通じまして、環境問題の重要性といいますか、取り組み方というふうなことを絶えず喚起いたしますとともに、また、具体的な問題が起こりましたときには随時協議をいたしまして、必要な情報の提供を受けながら、適切に対処していきたいというふうに思っておるところでございます。
  67. 中路雅弘

    ○中路分科員 繰り返しの答弁ですけれども、やはり、日米でこの問題はきちっと調査をすることを分科会で決めて、その結果については、今市民が大きな不安を持っているわけですから、明らかにすることを再度要求しておきたいと私は思います。  これと関連した十二号バースの延伸の問題ですけれども、この延伸計画の理由と延伸の内容、予算について、これも簡単に御説明いただきたい。
  68. 宝槻吉昭

    ○宝槻政府委員 十二号バースの改修につきましては、これはバース自体が非常に老朽化しているということで、更新するための工事でございます。  それで、その長さの諸元につきましては、現在配備されている空母キティーホークの諸元に基づいて、必要なバースの長さに延伸するというものでございます。  なお、バース全体の整備の工事の予算額については、今後詳細設計等をした上で詰めていく性格のもので、現時点において全体の工事費については見積もりができておりません。
  69. 中路雅弘

    ○中路分科員 現在のバースが短い、それから老朽化しているから改修するというわけですけれども、現在のバースは二百七十七メートルなんですね。これを今度は百三十七メートル延ばして四百十四メートルにする。今キティーホークの、空母の接岸の問題でおっしゃいましたけれども、キティーホークでいいますと、全長三百二十三メートルということですね。だから、四百十四メートルという端数の数字が出てきているのですが、キティーホークが三百二十三メートルですから、どうしてこんな長い延伸の計画を立てるのですか。
  70. 宝槻吉昭

    ○宝槻政府委員 これは、米海軍の基準によりますと、キティーホークの船体の長さに加えまして前後三十メーター以上の余積が必要であるといったことで、このバースの長さを延長しているものでございます。
  71. 中路雅弘

    ○中路分科員 今までもここは通常型空母が接岸してきたわけですね。接岸するために大変だというので若干延ばす、キティーホークで。それを前後うんと余裕を持って四百十四メートルという長さにするわけですけれども、これですと、例えば原子力空母などの大型艦船が接岸しても、なお七十二メートルから八十メートル以上の余裕が出てきます。例えばエンタープライズで見ますと、三百四十二メートルですから、この原子力空母が十分接岸できるというところの延伸計画を今やられるわけです。  外務省にお聞きしたいのですが、今アメリカ海軍が就役している、保有している空母は何隻で、そのうち通常型空母と原子力空母の関係をお聞きしたいのです。それから、今の通常型空母がいつ退役するか。
  72. 竹内行夫

    ○竹内政府委員 米国海軍が現在保有し、かつ就役している空母は合計十二隻であると承知しております。そのうち、通常型空母は三隻、また原子力空母は九隻と承知しております。  それから、米国政府によれば、この現役の通常型空母三隻につきまして、まずコンステレーションは二〇〇三会計年度に交代する、これはロナルド・レーガンと交代する予定というふうに承知しております。それから、キティーホークは二〇〇八会計年度に退役する予定ということでございます。さらに、もう一隻のジョン・F・ケネディにつきましては、二〇一八会計年度まで現役にとどまることが可能というふうにされております。
  73. 中路雅弘

    ○中路分科員 最近、十一月九日付の「星条旗」、アメリカ太平洋軍の準機関紙ですが、これで第七艦隊のキーティング司令官が語っていますけれども、通常型空母キティーホーク退役後は、海軍には空母戦力の補充として通常型空母という選択はない、いわゆる通常型空母は数年でみんな退役するわけですから、後は通常型空母という選択はない、もし引き続いて配備をすれば原子力空母しかないということをこの中で言っているわけですね。  その中でもう一点司令官が言っているのは、キティーホークが退役後、アメリカの外交官は既に、横須賀基地で原子力空母を導入するという厄介な問題について日本側と作業を行っているということを司令官は語っていますが、これは事実ですか。
  74. 竹内行夫

    ○竹内政府委員 これは、先般来、外務大臣の方からもほかの委員会でも御説明を申し上げておりますけれども、空母キティーホーク以後の横須賀における将来にわたりますアメリカ海軍の具体的な海外家族居住計画というものについては、何ら決定されていないというふうに承知いたしておりまして、また、そのような計画につきまして日米政府間で協議が実施されたということは全くございません。
  75. 中路雅弘

    ○中路分科員 決定されていないというのは、まだ数年先ですから当然ですが、しかし、この通常型空母の後は、配備すれば原子力空母しかないということは明白なんですね。  もう一つ、これはアメリカの会計検査院の航空母艦に関する報告ですけれども、去年の八月二十七日ですか、米議会に送付されたものです。この中でこういうことも言っています。横須賀を母港とする空母が原子力空母に交代した場合を想定して、大規模な基地の増強が必要になってくるということを指摘して、重要視しているのは、大規模な桟橋の延長、それから電力供給を強化する、住宅が千二百戸以上必要になるということを述べていますけれども、この中でも、原子力空母を配備するということを想定すれば、今の桟橋を大がかりに延ばさなければいけないということも述べているわけです。  まだ協議をしていないといっても、現実に原子力空母が二十一世紀には、続いて空母母港化を認めるとすれば配備されることは間違いない。そのための、いろいろアメリカの方から既にこうした、桟橋をどうしろというようなことも議会に出されている。今度の延伸の問題ですが、四百十四メートル。そういうはるかな延伸計画をここで立てるというのは、一般でも言われていますけれども、原子力空母の将来の布石だと言われているのは、私は当然ではないかと思うのです。  これもお聞きしておきたいと思うのですが、原子力空母がいずれは母港化を認めれば配備をされる、その際に皆さんは、これは受け入れるのですか、断るのですか。  最初、ミッドウェーが七三年に母港になったときに、私もその前に大分長い間論議をしました。その当時のアメリカ局長の大河原さんは、短期間だ、両三年だから我慢してくれということを答弁で言いました。横須賀市にもそういう回答をしています。それ以来、今まで二十五年既に経過をしているのです。それがさらに原子力空母にかわって、二十一世紀にはそれが配備される、こんなことは許されないと思うのですが、どうしますか。
  76. 竹内行夫

    ○竹内政府委員 まず、先生が御指摘になりました、空母ミッドウェーの当時の政府側の答弁についての御言及でございます。  中路先生、この問題について長年携わってこられたことは私どももよく承知しておりますが、昭和四十八年当時、政府側、これは大河原局長でございますが、その答弁といたしまして、ミッドウェーはオーバーホールのために三年ぐらいたったら本国に帰るのではないかという当時の認識を申し上げました。ただ、その際、大河原説明員からさらに続けて答弁されておりますが、それは、「そこでミッドウェーが本土に帰りまして、オーバーホールされております期間どうなりますのか、あるいはオーバーホールを終わりますと、ミッドウェーがまた戻ってくるのか、あるいは別の通常型空母がこれに代替することになるのか、そこらについては、まだ承知いたしておりません。」という当時の認識を述べておるところでございます。  この趣旨は、その後も、例えば昭和五十五年に大平総理からも答弁をされているところでございます。  さてそこで、第二番目の御質問でございますけれども、これも先ほど申しましたが、空母キティーホーク以降の横須賀における将来にわたります米海軍の具体的な海外家族居住計画というものについては、何ら決定がされていないというふうに承知しておりますし、また、このような計画について日米両国政府間で協議が実施されているということも全くないわけでございますので、この段階におきまして、仮定の問題に関しましてコメントすることは適切でないというふうに考える次第でございます。
  77. 中路雅弘

    ○中路分科員 仮定の問題ではないんですよ。二十一世紀になればそうならざるを得ないということを、現在の配備を見てもはっきりしているわけですし、私は、その際にどうするのかということをお聞きしているわけです。  当時、ミッドウェーが母港になるときは、アメリカはギリシャその他にも要求しました。全部断られたんですよ。それで日本だけ、横須賀だけが受け入れた。大河原さんの答弁が出ましたけれども、その後しばらく、ずっといましたね。その後のアメリカ局長は山崎さんです。私はそのときもお聞きしたのですよ、両三年といって、まだいるじゃないかと。そうしたら、もう少し、しばらくいさせてもらいますというのが大河原さんの話で、そのことについても、必要だったら横須賀市にもお伝えしますと言っているのですよ。だから、都合のいいところだけとってはだめですよ。  それから二十五年間、インディペンデンス、今度のキティーホークとずっと居座っているのですよ。しかも今、仮定の問題じゃなくて、現実にはっきり想定される問題なんです。それについて、断るのか受け入れるのかということを聞いているんです。もう一度そこははっきり言ってください。仮定の話、ずっと先の話を言っているのじゃないんです。
  78. 竹内行夫

    ○竹内政府委員 繰り返しになって恐縮でございますけれども、米側から何らその協議の申し出もございません段階で、我が方の考え方をここで申し上げるということは差し控えさせていただきたいと思います。  ただし、我々政府といたしましても、この問題に関しましては関心を寄せ、注意を払っていくということでございます。
  79. 中路雅弘

    ○中路分科員 はっきり断るということは言われなかったわけです。  この問題と関連して、あと時間が余りありませんから、もう一つ、空母の艦載機の訓練の問題ですけれども、これも七三年のときに、厚木基地の上空では空母を母港化しても訓練はやりませんということを当時の司令官も言っていました。だから十年間、八〇年代はNLPはやっていないんです。それから今のNLPが始まった。それで、今度また二十三日から予定されているわけですけれども、この問題については、百万の神奈川の人口密集地ですから、周辺の自治体、例えば大和市長も綾瀬市長も、十六日、一昨日ですか、外務省や基地司令官にもこのNLPをやめることを強く要請をしています。  しかも、皆さんは、こっちに持っていくからといって硫黄島につくったんですね。今度は硫黄島だけじゃないですよ、やはり厚木基地でもやるんでしょう。それで、その機種を見ますと、FA18戦闘攻撃機、F14戦闘機、みんな今まで問題になっている、騒音をまき散らしている中心の機種じゃありませんか。硫黄島と厚木と、今度は訓練地を広げただけじゃないですか。  この厚木基地の上空の訓練は、神奈川県民あるいは関係者も繰り返し強く要求しているところです。ぜひこれの中止を私は要求したい、そして、この訓練について強く抗議をしたいと思いますが、これは施設庁、外務省、どちらですか。
  80. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 私ども防衛施設庁といたしまして、基地対策というところからお話をさせていただこうと思いますけれども、艦載機の訓練によります騒音の影響というものは、厚木基地周辺の住民の方々に看過できない大きな負担を与えているというふうなことにつきましては、私ども重大な問題だというふうに認識しております。また、先生御指摘の各関係市長から御要望が来ているというふうなことも承知をしております。  着艦訓練につきましては、他方、日米安保条約の効果的な運用に不可欠だというふうなことであり、また、その施設・区域を提供しております我が国といたしましても、米側に対して訓練そのものの中止を要請するというふうな立場にはないことをぜひ御理解いただきたいと思いますけれども、防衛施設庁といたしまして、やはり基地周辺の方々の負担をいかに軽減するかということで、NLPに当たりましては、極力住民の方の御要望に沿って対応してもらいたいということを常々申し上げているところであります。  そういう意味で、日曜祭日ですとか、そういうことは避けてもらいたいというふうなことを言っておりますし、またNLPの訓練を他の場所でということで、硫黄島における訓練の整備を実施しているところであります。  しかしながら、硫黄島におきまして完全にNLPを実施し得ない運用上の、また地理的な状況もございますけれども、いずれにしましても、私どもといたしましては、地域の方々の御負担を軽減するように、米側とも話をし、協力を求めていきたいというふうに思っているところでございます。
  81. 中路雅弘

    ○中路分科員 今この基地のお隣の神環保という、御存じのようにダイオキシンで問題になっていますね。アメリカの基準に照らしたらオーバーする、何とかしろというので、政府は見舞金という形で神環保に金を出す。今脱税で社長は逮捕されています。もしアメリカが基準に反すると言うなら、自分がやっているこのNLPは、航空機の騒音の問題、基準に全部反するじゃないですか。そうだとすれば、皆さんの方からアメリカに、基準を守るのだったら、同じようにこの上空の騒音規制で守れということを当然私は言うべきだと思います。  時間もなくなってきましたので、もう一問だけ。  これと関連して、さっき千二百戸の海兵隊舎の住宅も必要だということを言っていますね。私は、二年前ですか、上瀬谷基地の問題を取り上げました。ここにアメリカが六百戸の住宅建設の計画を持っている、土地利用計画案を既に策定しているということで委員会で取り上げたことがあります。母港化のときに、もう一つ、参議院の予算委員会では文書を出しました。この母港化によって住宅等の新たな施設・区域は要求しない。だから、あの池子の問題が起きたときに、皆さんは池子の森を崩すのに反対ですけれども、もう一つは、国会でも新たなこういうことを要求しないと約束したじゃないかというのが、十年間にわたる逗子の市民の反対の運動であったわけです。  私は、改めてここで、その当時の約束である新たな施設・区域を要求しないというならば、今問題になっている上瀬谷その他についても、こういう住宅の要求があった場合は当然断るべきだと思いますが、これについて最後にお伺いしたいと思います。
  82. 竹内行夫

    ○竹内政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、昭和四十八年当時に、参議院の予算委員会の方に政府の見解を伝えております。  それは、政府側から、ミッドウェー乗組員家族の横須賀居住に際しまして、新たな施設・区域の提供を必要とするものではないという当時の認識を示したものでございました。ただし、これは将来にわたって米軍の海外家族居住計画との関係で施設・区域の提供を一切排除するという趣旨を述べたものではないと考えておりまして、その趣旨を従来から答弁申し上げているところでございます。  次に、新たな施設・区域の提供を伴うような米軍家族住宅の建設につきましては、現時点におきまして、米側から具体的な要望があるわけではございません。したがって、具体的な形でお答えすることは困難でございますが、一般論として申し上げさせていただきますと、日米安保条約の目的達成との関係、我が国の財政負担との関係、社会経済的影響等を総合的に勘案いたしまして、それぞれの事案に即しまして我が国として主体的に判断していくというのが一般的な方針でございます。
  83. 中路雅弘

    ○中路分科員 時間ですので終わりますが、私は最後に、防衛庁長官に一言要請したいんですが、今お聞きになったように、空母の母港化という問題で、今までの国会でも私はたびたび質問しました。みんな約束違反といいますか、当時の国会の答弁を覆しているんですね。NLPもそうです。あるいは、母港の二十五年間の延長もそうです。今お話ししました住宅の問題もそうです。私は、こうしてやはり政府が国会での約束をいろいろ口実をつけて覆していく、これは非常にけしからぬと思いますし、特に母港の問題は、日米安保条約に賛成、反対、いろいろ意見があっても、母港だけは撤回してほしい、これは神奈川県民、関係市民の強い要望です。  この問題について、防衛庁長官にひとつ見解を述べていただいて、終わりたいと思います。
  84. 野呂田芳成

    ○野呂田国務大臣 いろいろ解釈の違い、見方の違いもございましょうが、明白に約束したことについては実行することが大事だと思いますから、心がけてまいりたいと思います。
  85. 中路雅弘

    ○中路分科員 終わります。
  86. 小澤潔

    ○小澤主査 これにて中路雅弘君の質疑は終了いたしました。  次に、冨沢篤紘君。
  87. 冨沢篤紘

    ○冨沢分科員 公明党改革クラブの冨沢篤紘でございます。  中路議員、今横須賀基地の問題、それに関連した問題を取り上げましたが、私は、私の選挙区の真ん中にあります厚木基地周辺対策に的を絞って質問を申し上げます。  日米同盟の中で、アメリカはいろいろな戦力を持っているんですが、韓国にある四万人の陸軍、沖縄にある海兵隊、そして横須賀基地航空母艦、これは太平洋インド洋を守る三つの矢と言われておりますが、中でも横須賀を母港とする空母キティーホーク、これの八十機の艦載機の攻撃力、これは米軍の最新、最精鋭、最強の力になっているところでありまして、この八十機の艦載機は厚木基地に飛来をしている、そして厚木と硫黄島で夜間着艦訓練をしている。したがって、アメリカ軍太平洋インド洋有効に機能するためには、厚木基地の安定運用が欠かせないことになっておりますが、この辺の認識について防衛庁長官のお考えを伺いたい。
  88. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 厚木基地基本的な認識でございますけれども、私ども、日米安保条約に基づきまして施設・区域の安定的な使用を図るというふうな観点からいたしましても、厚木基地の持っております重要性は非常に大きいものというふうに思っているところでございます。  そういう意味で、厚木基地の重要性から、私ども防衛施設庁といたしましても、基地の安定使用というところから、各法令または予算に基づきまして、地元の方の負担を少しでも軽減できるような措置に努力しているところでございます。
  89. 冨沢篤紘

    ○冨沢分科員 厚木基地の重要性は十分御理解をいただいているようでございますが、この重要性に比べますと周辺対策に国は極めて手ぬるいものがある。御承知のように、横浜地裁では着艦訓練の騒音訴訟において国が敗訴し、二十七億円の賠償金を命じられている。  いろいろな基地対策が必要なんですが、長官、ここに厚木基地図面がございます。東側大和市西側が綾瀬市で、両市にまたがって真ん中にあぐらをかいている南北三キロ、東西も約三キロ、これが厚木基地の位置図になるわけなんですが、ここに道路が通らないもので、周辺の交通渋滞が大変ひどい状況になっている。これも基地被害の一つでございますが、きょうはこれが主題ではございませんので、この件はまた後ほど取り上げるといたしまして、滑走路から発生する騒音被害についてきょうは御質問をいたします。  まず自治省関係で、基地に対する交付金、調整交付金が出ておりますが、これは基地の中にある資産税評価に基づいて綾瀬市、大和市に交付されるお金でございます。交付金、調整交付金合わせて、綾瀬市は八億六千万円、大和市は一億六千万円、ちなみに横須賀基地は十九億五千万円、こういう配分になっておるわけなんですが、大和市側の住民にしますと、同じ基地を抱えておって綾瀬市が八億六千万、大和市がそれより七億少ない一億六千万、大変不平等ではないか。これは大和市職員も住民も同じように受けとめておるんですが、この辺、住民に納得できる御説明をいただけませんでしょうか。
  90. 石井隆一

    ○石井説明員 お答え申し上げます。  厚木市につきましては、基地交付金それから調整交付金、これは先生がおっしゃいましたように、あくまでも固定資産のかわりに出すという性格上、厚木市につきましては、その対象となる資産がございませんので、交付をしておらないわけでございます。  それから座間市につきましては……(冨沢分科員「そんなことは聞いていないよ」と呼ぶ)  それから、この配分の考え方でございますけれども、基地交付金及び調整交付金は、国有提供資産等に対しまして固定資産税が課税されないということを考慮して、国有提供資産の所在する市町村に対して交付するものでございます。したがいまして、基地交付金は予算額の十分の七に相当する額を資産価格で案分しておりますし、調整交付金も三分の二に相当する額を資産価格で案分することにいたしております。  したがいまして、今先生おっしゃいました市によって随分交付額が違いますのは、この基地交付金あるいは調整交付金の対象となる資産の多寡によるということになるわけでございます。
  91. 冨沢篤紘

    ○冨沢分科員 役所の計算によると、八対一の金額の差がある。  先ほど基地被害という問題を出しましたが、NLP訓練がここでまた二月後半に行われます。硫黄島で大部分が行われますが、もちろん厚木基地でも行われる。その場合に、この赤いところが滑走路でありまして、左旋回で厚木基地は飛行機が訓練をいたします。この基地滑走路への進入表面下、こっちは農地なんですが、この北側、これは人口密集地です。神奈川県それぞれの自治体で、川崎が人口密集地で第一番目、大和市は二十八平方キロメートルに人口二十一万、一平方キロメートル九千人近い人口密集地の上を飛行機が飛んでいる、こういう実態にあるわけなんですが、国からもらう金が片っ方が八億、片っ方が一億。基地被害、騒音被害はほとんど大和市の、進入表面下は大和市になっている。ここらの救済策を当然国としてすべきである、こう主張をしてきたところでございます。  御承知のように、自治省のお金ですと、これは住民の感じでは騒音被害の実態に全く適合していない。そして前回の質問でも、防衛庁の御答弁は、防衛庁の周辺整備法の考え方にも適合していない。まさに基地被害の救済策が現行法では全くうまくいかないという実態にあるわけなんです。本当にこの辺の救済策をどうとったらいいか、私は素人なので考えがつかないんですが、防衛当局、どんなふうにお考えになっておられますか。
  92. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 私どもの基地対策の基本的な考え方を御説明したいと思います。  防衛施設庁が行っております飛行場周辺の基地対策につきましては、先ほど御指摘のような防衛施設周辺の生活環境の整備等に関する法律の規定に基づきまして、自衛隊等の航空機の離着陸等による騒音対策といたしまして、地方公共団体等が学校、病院への防音工事など必要な措置を講ずる場合に、その地方公共団体等に対して補助金や周辺整備調整交付金を交付しているところでございます。こうした基地対策の補助金や交付金は、障害を防止する等の用途に充てるものでございまして、使途を限定することが必要不可欠の要件となっているところでございます。  先生御指摘の点につきましては、先般の委員会におきまして私どもの野呂田大臣との御議論があったわけでございます。そこで、大臣からも再度指示がありまして、私ども、庁内におきまして各専門家をいろいろ集めまして、三沢飛行場また小松飛行場の事例、三沢市、小松市の交付金の例なども含めまして種々検討したわけでございますけれども、防衛施設庁といたしましては、先ほど申し上げました私どもの周辺対策の基本的な考え方というふうなことから照らしまして、使途を限定しない形での交付金の制度を設けるということは困難であるというふうな結論を持っているわけでございます。  なお、使途を限定した、使途をはっきりしたような格好での施策というものがないものか、こういうことで、飛行場周辺の騒音負担に苦労しておられる方々の軽減をできないものかということで、この点につきまして、私ども、またさらに地元の方々の御要望とか、また関係機関との連携をとりつつ勉強してまいりたいと思います。その点で、またいろいろな観点からの御指導といいますか御助言を承れればありがたいというふうに思っているところでございます。
  93. 冨沢篤紘

    ○冨沢分科員 国の御努力は認めるんですよ。硫黄島に代替訓練場をつくった、これを訓練場の拡散だなんと言う方もいますけれども、私は、この御努力は高く評価をするところでございます。訓練量を十としますと、八から九ぐらいが硫黄島で行われている、これもこの成果であります。  しかし、一、二割は必ず厚木に残るわけでございます。殊に横須賀に空母が入港するときは必ず全機が厚木におりる。これは昼間おりて、昼間の学校教育へどのくらいの影響を与えているか、こういう問題もあるわけなんでございまして、必ず厚木にNLP騒音が残ってしまう。これへの救済を国の責任でやる必要があるんではないんですか。現行法では自治省でもあるいは防衛庁の仕組みの中でも金が出ないのならば、新しい立法をつくって、そして住民を救済していく。厚木基地の安定運用というのは日米体制のかなめになるわけですから、この決断を防衛庁長官として当然すべきと私は考えますが、いかがでございますか。
  94. 野呂田芳成

    ○野呂田国務大臣 こういう基地問題で地域の住民に大変な御難儀、御負担をかけていることを私も心から申しわけないことだと思いますけれども、先ほどから施設庁の長官が答弁申し上げておりますとおり、目的を限定しない交付金の交付というのは非常に難しいという結論で、私も、この間の委員とのやりとりの結果、大変厳しく関係者に検討を命じてきょうに至っているわけですが、目的を限定しない交付金の交付は、これはもう法律上非常に困難である。三沢や小松の場合も、これは公共団体が独自の負担でやっているわけで、それに対して国から何かお金が出ているというケースとは違うようでございます。  そこで、逆に言えば、今委員が御指摘なさっているような件について、何か目的を特定できるような要請ができないものだろうか。お互いにこれは検討して、先生がおっしゃっている苦渋はわかりますので、私どももかなうものならば何とか対応したいと思うんですが、つかみで町内会にお金を配るというんじゃなくて、何か目的を特定してできないものだろうかということを、ひとつ先生の方でも一緒に知恵を絞ってもらうということで、きょうのところはひとつ御理解いただきたいと思います。
  95. 冨沢篤紘

    ○冨沢分科員 いや、理解をいただきたいと言われましても、何とかそこを乗り越える努力、これは政治、政治家の仕事でありますので。  この音は裁判所で違法判決が出ているんですよ。司法の判断を尊重すれば、当然政治として新しい対応、新しい法律をすべきじゃないですか。国の責任として、防衛の責任としてやらなくてはいけないんじゃないですか。横浜地裁で負けたでしょう。いかがですか。
  96. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 私どもといたしましても、今先生御指摘の厚木の基地問題といいますか、裁判の結果も含めまして、その現状におきましては厳しく受けとめているところでございます。  私どもといたしましては、現行の周辺整備法その他、また予算に基づきまして、できる限りのことをやっていきたいというふうに思っているところでございますけれども、先ほど申し上げましたところでございますけれども、現行法上の考え方からいたしますと、使途を明確にしないような形での対策事業といいますか、交付金というようなものは極めて難しいというふうなことでございます。  しかし、私どもといたしまして、今の法律のもとでできることを何とか最大限努力してまいりたい。そのために、先ほど申しました地元の方々のいろいろ御要望も十分私ども正確に受けとめさせてもらいつつ、努力をしていきたいというふうに思っているところでございます。
  97. 冨沢篤紘

    ○冨沢分科員 私は、大変おかしいと思いますね。自治省でも防衛庁側でも現行法上は対応が困難だと。いろいろな住民がいるわけなのですが、日米安保体制を否定する、認めない人が裁判を起こして、横浜地裁で勝訴をかち取って、そして補償金を手にしている。日米防衛体制を認めて、この激しい音に耐えている人を何も国は救済をしない、これはおかしいじゃないですか。じっと耐えている、我慢をせいというのですか。やはり日米体制をしっかり支える国民、ここに光を当てるのがやはり政治じゃないのですか、私はそう思います。  市会、県会とこの問題にずっと対応してきたのですけれども、残念ながら、県会議員のときまでは、これは国の問題だということで行政側は取り上げてくれませんでした。こうして国会に議席を得て、同じ問題に取り組んでおるところなのですが、日米体制を理解をしてこの音に耐えている住民が多い、そこへなぜもう少し光が当てられないのか。防衛庁長官、政治家としてこの点どうお考えになりますか。
  98. 野呂田芳成

    ○野呂田国務大臣 改めて申し上げますが、地元民の負担軽減を図るために何ができるかということを、引き続きひとつ勉強させていただきたい、できるだけひとつ、地元民が納得できるような方法があるのかどうか検討させていただきたい、こう思っております。
  99. 冨沢篤紘

    ○冨沢分科員 最後にしますが、光の当たる新しい制度をつくる、研究してつくる、この対応を防衛庁として推進していただきますようお願いを申し上げまして、質問を終わります。
  100. 小澤潔

    ○小澤主査 これにて冨沢篤紘君の質疑は終了いたしました。  次に、古堅実吉君。
  101. 古堅実吉

    ○古堅分科員 日本共産党の古堅実吉でございます。  沖縄の米軍基地問題、いろいろありますけれども、きょうは那覇軍港の移設問題に絞ってお伺いしたいと思います。  那覇軍港は、一九七四年一月に、日米による移設条件つきの返還合意がなされて以来、実に二十五年余が経過いたしました。しかし、その移設という条件つきがゆえに、県民の大きな抵抗に遭い、返還の実現を見るに至っていません。その中で、先月二十九日の沖縄政策協議会において、稲嶺沖縄県知事が、那覇軍港の浦添移設を容認する、そういう趣旨の態度表明をしたことによって、地元沖縄ではその是非をめぐって新たな論議を巻き起こすものとなっています。  そこで、以下の基本点について伺いたいと思います。  まず、なぜ移設なのかということについてです。かつて、那覇軍港は沖縄米軍の軍需物資搬出入の拠点的な存在でありました。その那覇軍港が現在どういう機能になっているかと申せば、例えばミリタリーカーゴと言われている米軍向けの物資運搬は、現在、那覇新港の民間埠頭が使われています。また、ジェット燃料やオイル類はホワイトビーチや天願桟橋で、弾丸等は天願桟橋でそれぞれ搬出入が実施されています。さらに、米軍が出撃する際の事前集積艦などへの車両搬出入や戦略物資の積みかえについても、湾岸戦争や最近の例を見ますと、ホワイトビーチなどで行っています。  このように、かつての機能の多くを他施設に移してしまいました。そのために那覇軍港の使用状況も激減し、一九八八年から一九九七年の十カ年間の入港隻数は二百六十六隻で、年平均で二十六隻から二十七隻であります。それを月平均で見ますと約二隻となっておりまして、那覇軍港は実質的には遊休化しているというのが実態であります。  このような施設をなぜ、無条件返還を求める県民の要求に反してまでも移設しなければならないのか、政府の考えを改めて確認したいと思います。
  102. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 那覇軍港の返還につきまして、経緯的なところも含めまして、ちょっと御説明をさせていただきたいと思います。  御指摘のように、那覇港湾の移設につきましては、地元の強い要望がございまして、昭和四十九年の一月の十五回日米安保協議委員会におきまして、機能確保を条件に全部返還が了承されたところでございます。また、平成七年の一月の日米首脳会談の結果を踏まえまして、日米間においてさらに協議が進められ、同年五月の合同委員会におきまして、那覇軍港施設を浦添埠頭地域へ移設し、返還する方針が承認されたところでございます。  私どもといたしましては、この移設の方針が沖縄の軍事基地の整理、統合、縮小の解決に大きく寄与し、また、地元の要望にもかなうものというふうに認識しているところでございます。
  103. 古堅実吉

    ○古堅分科員 次に、一九九五年五月十一日の日米合同委員会における那覇軍港移設についての日米合意について伺います。  現在の那覇軍港は、地位協定二条一項(a)に基づいて提供されている専用施設であります。九五年五月の日米合同委員会における合意は、那覇軍港の代替施設としての機能を移設するということが条件だとすれば、浦添埠頭地区に新設する施設の使用形態も当然、地位協定二条一項(a)に基づいた米軍専用施設ということになると考えますが、いかがですか。
  104. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 平成七年五月の合同委員会におきまして合意されたところによりますと、米軍の機能確保を条件に全面返還が了承されたわけでありますけれども、移設先におきましてさらなる具体的な調整をするということになっておりまして、今後、日米間で具体的に調整していく内容であるというふうに認識しております。
  105. 古堅実吉

    ○古堅分科員 質問に答えてください。新設する施設の使用形態も、那覇軍港の機能を移設するということが条件だとすれば、地位協定二条一項(a)に基づいた米軍専用施設ということになるのじゃないのか。それを否定されるのですか、今の答弁は。
  106. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 繰り返しになって恐縮でございますけれども、合同委員会の合意の具体的な実施に当たりましては、今後さらに合同委員会による手続が必要であるというふうになっておりまして、具体的に検討することになっておりますので、現時点で確たることを申し上げられないというふうに認識しているところでございます。
  107. 古堅実吉

    ○古堅分科員 それでは、次に進みます。  日米合意では、新設する軍港と牧港補給地区を結ぶ進入道路を提供することになっています。この進入道路の幅と距離、面積は幾らか。また、この進入道路は二条一項(a)に基づいて提供する施設かどうかも伺いたい。
  108. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 移設されます港湾施設は、牧港補給地区と近接して整備することによりまして、御指摘のように、物資等の輸送の効率化を図るということになっているものでございます。  しかしながら、これも先ほど御答弁申し上げたことの繰り返しになるわけでございますけれども、その具体的な内容につきましては、今後、日米間で具体的に調整していくということになっているものでございますので、現時点におきまして確たることを申し上げる状況にはございません。
  109. 古堅実吉

    ○古堅分科員 日米合意ではまた、新設する軍港に隣接する約五十メートルの制限水域を設定することになっています。それは、海上に突き出る部分を三方から囲む、そういう形で設定されるのか。また、これは地位協定三条一項に基づいて米軍が管理する区域にするということか。さらに、制限の内容は、民間船舶の進入を含めた米軍以外の立ち入りを禁止するということか。その三点をお答えください。
  110. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 制限水域につきましては、現在の那覇港湾施設におきましても、港湾運航のための五十メートルの制限水域が設定されているわけでございまして、移設されても機能を確保するというふうなところから、移設後におきましても、同様の考え方で五十メートルの制限水域が設定されることになっているものでございます。  一般的に申し上げれば、現在の使用形態とほぼ同等のものというふうなことに相なろうかと思いますけれども、これも具体的には今後日米間で調整していくということになりますので、具体的なことについては申し上げられる状況ではございません。
  111. 古堅実吉

    ○古堅分科員 今、相次いで一九九五年日米合意の内容についてお尋ねしましたが、それに見られるように、日米合意による移設というのは、米軍専用施設としての軍事基地を移設するということが合意になっているのじゃないですか。今後どのように検討するかについて日米政府間で話し合いがされますというふうなことではなしに、九五年の日米合意はそうではないかということについてもう一度お答えください。今後どう検討するなどということを聞いているんじゃない。
  112. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 お答え申し上げます。  平成七年五月の合同委員会におきましては、那覇軍港の機能を維持することを前提といたしまして移設が合意されたというふうなことと私は認識しているところでございまして、そのような趣旨のことを申し上げたわけでございます。
  113. 古堅実吉

    ○古堅分科員 それは私が言いました。那覇軍港の機能を維持する、そういう立場で移設をすると。しかし、この那覇軍港は、日米地位協定の第二条一項(a)に基づいて提供されている。基本的にそれを踏まえた移設になるということが九五年五月の日米合意の内容なんだなと。  合意の内容を、あいまいにしないで、そこをはっきり答えてください。あいまいにする問題じゃないでしょう。今後どういう検討がありますかということを聞いているんじゃない。
  114. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 平成七年の合同委員会の決定は、米軍の運用上の所要を勘案しつつ移設について決定をされたわけでございまして、その基本的な米軍の運用上の所要を満たすというふうなことを踏まえて、具体的な内容につきましては、今後さらに具体的に合同委員会等によって検討するというふうなことでございます。
  115. 古堅実吉

    ○古堅分科員 何遍も同じ質問をしても答えません。答えられないのではなしに、質問をごまかして通ろうということが実にありありであります。  次に質問を進めます。  九五年十一月二日の沖縄タイムスは、防衛庁は当初、那覇軍港の移設先としてホワイトビーチを提案した、しかし、浦添市の補給基地に遠いことなどを理由に拒否したと報道しています。九五年の日米合意に至るまでに、移設場所について日本側から具体的な提起をしたことがありましたか。浦添移設というのは米軍側からの案なのか、日本側からの案なのか、お答えください。
  116. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 私、恐縮でございますけれども、具体的な点については承知しておりません。  しかし、いずれにいたしましても、日米間の専門的な検討によりまして、浦添地先といいますか、牧港補給地区地先が適当であるという合意に合同委員会で達したというふうなことでございます。
  117. 古堅実吉

    ○古堅分科員 今、沖縄で論議されている問題とのかかわりでお尋ねします。  那覇軍港の移設問題に論及した昨年七月の浦添商工会議所の要望書では、軍港の移設ではなく、軍艦(輸送船)の一時的使用を認めるという日米共同使用案として浦添埠頭地区の一部を多目的埠頭にしようというものとなっています。  また、先月の沖縄政策協議会での要望について、稲嶺知事は、軍港の移設ではない、国際港湾計画についての要望だと強調している。政府は、今回の稲嶺知事などの移設受け入れを歓迎するような対応をしておりますが、使用形態が二条一項(a)を基本にした九五年の日米合意を見直すということも考えておるのですか。明確な御答弁を。
  118. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 那覇港湾の移設問題につきましては、先般、一月二十九日に沖縄政策協議会におきまして、稲嶺知事が、那覇軍港の機能の浦添地先への移転等を求める県議会や那覇市議会の決議、浦添市議会での陳情が採択された地元商工会議所の提案等も踏まえまして、前向きに検討していきたい旨の御発言があったわけでございます。  また、去る二月十日には、この問題につきまして、具体的な解決に向かいまして新たなプロジェクトチームをつくられるというふうな発表もされておるわけでございまして、私どもといたしましても歓迎しているところでございます。  このような那覇港湾施設をめぐります地元のいろいろな問題、動きがあるわけでございまして、今後具体的に進展していくというふうに思われますけれども、私どもといたしましては、先ほど申しました米軍の運用上の所要といいますか機能というものが、今後具体的にどういうふうに確保されるのかというふうなことで、地元の動きなどを見ながら、米軍としての運用上の必要性をどのような形で見出していくのかというふうなことについて検討をしていきたいというふうに考えているところでございます。
  119. 古堅実吉

    ○古堅分科員 沖縄の経済団体などが要望しているように、専ら民間港湾施設として整備した上で米軍の一時的な使用を認める、そういうようなことも考えておりますか、考えていないか、お聞きしたい。
  120. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 繰り返しの答弁になって恐縮でございますけれども、今後具体的に地元におきましていろいろな御議論が進展すると思います。その辺を受けまして、私どもといたしましては、米軍の運用上の所要というふうなものに照らし、どのような形で調和を図っていくのかというふうなことを検討してまいりたいというふうに思っております。
  121. 古堅実吉

    ○古堅分科員 もう一度重ねてお伺いしますけれども、地位協定二条一項(a)、それ以外の提供の仕方もあり得る、今後の話し合いいかんによってはあり得るということを意味しますか、今の答弁は。
  122. 大森敬治

    ○大森(敬)政府委員 またこれも恐縮でございまして、繰り返しになりますけれども、今後その辺は具体的に検討してまいりたいというふうなことでございますけれども、その場合には、現在の米軍が運用している使用実態というふうなものを踏まえて考えていくというふうなことが基本になると思いますけれども、いずれにしましても、今後、地元におきます議論を踏まえて対応してまいりたいというふうに思っております。
  123. 古堅実吉

    ○古堅分科員 何一つ質問にまともに答えようといたしません。  次に、移設される新軍港の機能にかかわる点について若干お尋ねしたい。  九五年十一月二日の沖縄タイムス、琉球新報は、防衛庁筋が明らかにしたということで、日米が合意した那覇軍港の浦添移転計画では、十二のバースを持つ専用埠頭を設置、それぞれに大型クレーンを設置するとし、現在の那覇軍港にはクレーン施設がないため極めて限られた港湾機能しかなく、荷物の積みおろし作業に時間がかかる、大型クレーンを設置すれば現在の数倍の物資取り扱いが可能となる、このように報道しています。  九五年五月に那覇軍港の浦添埠頭への移設が合意されるまでは、その前年の十二月に日米合同委員会のもとに特別作業班が設置されておりました。この作業班の中でさまざまな検討がなされたと思われます。この検討の中で米側はどのような要望をしてきたのか。例えば大型クレーンの設置やバースの数などにかかわる要求も出されたかどうか、明らかにしてください。
  124. 宝槻吉昭

    ○宝槻政府委員 当時、合同委員会のもとに先生今御指摘の特別作業班を設置しまして、いろいろと米軍の運用上の所要やあるいは施設につきまして検討されたと聞いております。  結論として、先ほど来御引用になっているとおり、合同委員会で決定を見たわけでございまして、その過程においてどのような議論が行われたかということについては承知しておりません。
  125. 古堅実吉

    ○古堅分科員 新軍港に大型クレーンを設置する、そういう考えはありますか。
  126. 宝槻吉昭

    ○宝槻政府委員 この那覇港湾施設の移設につきましては、平成八年のSACOの合意におきまして、今後、現在の那覇港湾の移設を前提に那覇港湾施設の返還を加速させる作業を行っていく、こういうふうになっておりますので、先ほど施設庁長官からもお答えしたとおり、那覇港湾の全体の整備構想について、今後、県あるいは地元の作業を見守りつつ、私どもの方としてはこの那覇港湾の移設について検討してまいりたい、このように考えております。
  127. 古堅実吉

    ○古堅分科員 現在の那覇軍港は水深が九・七メートルにとどまっているために、水深十一メートルから十三メートルを必要とする米軍の大型艦船の寄港には大きな難点を持っています。  移設先の浦添地先は、自然の水深でも深いところは十五メートルあると言われます。当然、新しく建設する軍港は水深十五メートルにすることも可能です。那覇港湾計画によりますと、移設先は水深十一メートルを計画している場所に当たります。水深十一メートルのバースがあれば、海兵隊の強襲揚陸艦ベローウッドの入港も可能となります。  さらに、現在の那覇軍港と牧港補給基地は那覇都心部の国道を通って約六キロ離れており、寄港した輸送船から補給基地への軍需物資の移動では難点が指摘され続けてきました。しかし、移設する浦添埠頭には牧港補給地区が隣接しており、これを結ぶ直進道路によって軍港と補給基地の一体化が図られ、現在の那覇軍港の難点とされていた軍需物資の移動問題は大幅に改善されることになります。まさに米軍の望みどおりだと言える計画そのものであります。  米軍にとって移設によって得られるこうした軍事的な機能の向上は明白だが、政府はそれを否定することができますか。長官からお答えください。
  128. 野呂田芳成

    ○野呂田国務大臣 いずれにしましても、この問題は地元の強い要望から出てきた問題でありますし、また、私どもは沖縄の基地問題について、地元の頭越しに何かをやろうということは厳に慎もうということにしてあります。  先日、一月の二十九日に稲嶺知事が沖縄政策協議会で大変積極的な発言をされまして、この那覇軍港を浦添地区に移転することについて前向きに検討したいという積極的な発言がございました。そして、近々県庁内にプロジェクトチームをつくったり、あるいは那覇港開発推進室をつくって、地元としてこれを積極的に推進したいという御意向であります。  いろいろ先ほど来の質疑応答を伺っておりまして、大部分は、これから移設する場合の港がどういう規模で、どういう形態でやるべきか、地元使用を最優先させながら、しかし軍港の機能は維持しなければいかぬという点を含めて、私どもはこれまで以上にいろいろな問題が起こらないようなものをきちっとやるべきだというふうに考えておりまして、今後、地元と必要かつ十分な連絡をとりながら、慎重に対処してまいりたい、こう思っております。
  129. 古堅実吉

    ○古堅分科員 牧港補給地区は二百七十五ヘクタールの広さで、沖縄に駐留する第三海兵隊遠征軍の支援補給部隊の基地とされ、沖縄にある補給倉庫の約八割が集中しています。そして、それは世界に展開する米海兵隊の前進補給地区となっております。那覇軍港が浦添に移設されることによって、その補給基地と軍港が一体化された総合的な海兵隊支援補給拠点として再編されることになるのであります。  長官、戦後五十四年にもなります。沖縄県民にとって過酷な米軍基地の重圧下での半世紀というのは余りにも長過ぎました。しかるに、この期に及んで、仮にもこのような米軍基地の新たな再編強化を許せば、市民や県民が要求し続けてきた牧港補給地区の返還も遠のき、二十一世紀まで基地の固定化を許すことになるのであります。それでも沖縄は我慢しろとでも言われるのですか。  それだけではありません。今国会で新ガイドラインに関連し、周辺事態が発動した際における民間港湾の協力のあり方について、港湾管理者の主体的判断が優先するか、民間を排除した形で米軍が使用できるのかについて議論されています。しかし、民間港湾地域の中に米軍専用軍港が建設されれば、そうした議論をまつまでもなく、周辺事態のもとでは民間の使用を排除した米軍の排他的基地使用が横行することになるであろうことは明らかであります。  那覇軍港の移設は、まさに新ガイドラインを想定し、その拠点基地として沖縄の米軍基地を再編強化することにほかなりません。それは、沖縄が我慢をすれば済むというような問題では決してない。まさに我が国にとっての重大問題ではありませんか。長官の御認識を伺いたい。
  130. 野呂田芳成

    ○野呂田国務大臣 仮に浦添港ができた場合に、今先生が言われたようなことをアメリカが考えているかどうかについて私どもは全く相談を受けておりません。  先ほどから申しておりますとおり、どういう港をつくるかは、県や那覇市や浦添市の地元の意見を最優先したいと私どもは考えておりますから、そういう意味で、懸念のないような、安全で安心のできる立派な港をつくることが地元の繁栄のために必要だ、私はそう思っております。
  131. 古堅実吉

    ○古堅分科員 日本共産党は那覇軍港の移設に断固反対であります。私は、改めて那覇軍港の無条件全面返還が実現できるように米側と再交渉し直すことを強く要求して、質問を終わります。
  132. 小澤潔

    ○小澤主査 これにて古堅実吉君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして防衛庁についての質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  133. 小澤潔

    ○小澤主査 次に、総務庁について質疑の申し出がありますので、これを許します。近江巳記夫君。
  134. 近江巳記夫

    ○近江分科員 どうも長官、御苦労さまです。まず初めに、私は、恩給問題についてお伺いしたいと思います。  私がお聞きしております現在の状況というのは、受給者総数百五十六万五千人、本年度予算では一兆三千八百億というデータをもらっておるわけでございますが、そういう中に、いわゆる軍恩欠格者といいますか、受給に条件が適しておらない、こういう方が二百五十三万人いらっしゃる。恩給関係の九六%というのは軍関係なんですね。もう高齢者の皆さんが非常に多いわけでございますし、現在におきましても、地元都道府県を通じ、厚生省経由で恩給局という形で申請をどんどん出しておられる。しかしながら、当時の状況がはっきりしないとか、それはいろいろな事情があろうかと思いますけれども、そういうことで、申請すれどもはねられるというような方もたくさんいらっしゃるわけですね。  まずそういう状況で、私は、現在そういう申請をされる方々について、はねるというのではなくして、やはり何とかその人を救済してあげる、こういう立場に立ってやらなければいけない、このように思うわけでございます。その点について、どういう姿勢で取り組んでおられるか、お伺いしたいと思います。
  135. 太田誠一

    ○太田国務大臣 近江委員が今御指摘の恩給欠格者の問題につきましては、私もかつて、国会議員の一人といたしまして、このことについて取り組んだことがあるわけでございます。いろいろな試行錯誤を重ねましたけれども、いわゆる恩給というのは一つの、公務に従事される方々と政府との間の一種約束事でございますので、その約束事を五十年たって変えるということが、まことにこれは難しいということに尽きるわけでございます。  そのようなことで、今は、さはさりながら、国として、あるいは我々今生きておる国民全体の気持ちとして、それだけでよいのだろうかということがあるわけでございまして、そこからその気持ちをお示しするということになったというふうに理解をいたしております。  まことに、私、個人的にはお気の毒なことだというふうに思っております。
  136. 近江巳記夫

    ○近江分科員 私は、制度自体当然見直しは必要でございますし、現在の制度の中で申請をどんどん出してくる人々、ところが、ああいう戦争中のことでございますから状況が十分把握できないとかいうようなことで、あともう一月あれば年限に達する。御承知のように、下士官以下は十二年、准士官以上は十三年、文官については十七年以上になっておるわけです。  そういう経過の中で、都道府県厚生省恩給局とどういうタイアップをして、申請をしてくる方々に対して前向きに、ただ状況が証明を持ってこなければだめだというような、やはりそこには連携があるわけですから、そういう当時の状況等も、加算年ということはどんどん、これは政府だって何回も、そういう積み上げのことに関しましては今までプラスアルファしてきているわけですね。そういう今までの経過もあるわけです。ですから、今どんどん申請を出してきている方々に対する救済といいますか、適用させるための前向きの温かな気持ちで接してもらいたい、こういうことを言っているんです。それについてお伺いしたいと思います。
  137. 桑原博

    ○桑原政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、今でも新たに恩給を受給したいということで申請が上がってまいっております、数は大変少なくなってきておりますけれども。  ただ、過去いろいろ大変な事情があって、本人の履歴とか症状とかいうことについて十分の資料が得られなかったというような方々もあるいはいらっしゃるかもしれません。そういう方々につきましては、恩給局といたしましても、なるべく本人に面接をしたり、場合によっては出向いて話を十分聞く、それから当時の、軍の関係でありますと同僚といいますか、そういう方々の証言もいただきながら、万が一にも、正当な権利があるにもかかわらず恩給権が認められないというようなことがないように、万全を期して調査をしてまいりたいというふうに思っております。現在もそういう姿勢で進めております。
  138. 近江巳記夫

    ○近江分科員 そういう本当に温かい気持ちで、もう高齢者の方ばかりですから、取り組みをしっかりやっていただくように強く要望いたしておきます。  そこで、いわゆる恩給をもらえない方が二百五十三万人いらっしゃる。私も国会におきまして、この問題は何回も取り上げてまいりました。御承知のように、昭和六十三年五月十八日に平和祈念事業特別基金、これの法律成立をしたわけでございます。六十三年七月一日からこれが発足をいたしまして、今日まで十年以上が経過しようといたしておるわけでございます。  そこで、この状況でございますけれども、いろいろ御報告をいただいた状況を見ますと、関係者が先ほど申し上げましたように二百五十三万人、その中で、外地等の勤務経験があり、加算を含め在職三年以上の者百八万人、外地等の勤務経験があり、加算を含め在職三年未満の者のうち実在職年一年以上の者七万人、内地勤務経験のみで加算を含めた在職年が三年以上の者二十万人、こういうことで、この対象者二百五十三万人の中で今申し上げた合計百三十五万人の人が対象だ、この慰藉事業で出しているんですね。  百八万人の該当者の中で今日までの状況を見ますと、三十六万三千人、これは三三%です。それから七万人のうち今日までの認定件数が六千人、これはわずか八%ですよ。それから二十万人のうち八千人、これは四%ですね。こういう進捗状況ですよ。これは請求期限がないわけですけれども、制度をつくってもう十年になるんですよ。政府はそれなりにPRもしていると思いますけれども、対象者はもう本当に高齢ですよ。十分なそういう周知徹底もし、また皆さん方がそういう申請できるような状況をつくっているんですか。なぜこんなに数値が低いんですか。その点をお伺いします。
  139. 村木裕隆

    ○村木説明員 お答えいたします。  まず、恩給欠格者の方々に対する事業の進捗状況につきましては、先生今御指摘のあったとおり、幾つかの類型はございますけれども、対象者合計いたしますと約百三十五万人、これに対して認定に至った件数が三十七万七千人で、合計で見ると認定者数の割合というのは二七・九%ということでございます。  このようになっている理由でございますが、一つは、特に、外地等の勤務経験があり、加算を含め在職年三年未満の者のうち実在職年一年以上の方々に対しては書状、銀杯を贈呈しておりますけれども、これは実は平成七年度から始まったという経緯がございます。それからさらに、内地勤務経験のみで加算を含めた在職年が三年以上の方に対しては書状を贈呈させていただいているところでございます。これは平成八年度から始まったということで、ここが特に比較的近年始まったということで進捗が遅いという事情があろうかと思います。  それからもう一つ、これはいずれにいたしましても、御本人の意思によりまして御本人の請求を待って、その請求を受理し基金の方で認定をいたす、そういう仕組みになっております。したがいまして、一つは、当然御本人がこういう制度を御存じないということが先生御指摘のとおりあるわけでございまして、こういうケースにつきましては、なるべくそういうことがないように、私ども、広報等に力を入れているところでございます。  具体的には、政府広報によりまして、新聞、テレビ、ラジオ、雑誌等の各種の媒体を活用してやる。そのほか、各都道府県、市町村等の地方公共団体にもお願いして、例えばそれぞれの団体の広報紙への掲載等をお願いして御協力をお願いする。さらに、関係者の団体の機関誌、あるいは関係者の方が例えば戦友会などにおいてお集まりになることがございますが、そういう機会を通じても、口コミになろうかと存じますけれども、広めていただく。そういうきめ細かな対応で、一人でも多くの方から請求していただきたいというぐあいに考えており、今後とも適時適切に広報を行うよう努めてまいりたいと考えておるところでございます。
  140. 近江巳記夫

    ○近江分科員 あなたがおっしゃった、確かに平成七年と平成八年スタートのこれはわかりますよ。これはまだ年数がたっていない。ところが、三十六万三千件の百八万人対象のこれは当初からスタートしているわけです。現実にまだ三三%ですよ。そうでしょう。ですから、そういう点をひとつよく認識されて、今申されたようにしっかりとPRもして、本当に高齢の人が多いわけですから、そういう気持ちでしっかり政府としてPRをして周知徹底を図っていただきたい、このように申し上げておきます。  それから、今次の大戦の終戦に伴い、本邦以外の地域から引き揚げた人が二百六万人いらっしゃる。そのうち、贈呈事業の対象者というのは、引揚者特別交付金の支給を受けた人は百二十五万人ですね。これは平成三年からスタートをいたしておりますが、書状を贈呈するわけですけれども、これはまだ五万五千人ですよ。わずか四%しか適用になっていない。  それから、次に戦後強制抑留者、これは四十七万三千人おられる。その中で、恩給等を受給していない者二十八万四千人。この人には書状、銀杯、慰労金、十万円の交付国債を支給されたわけですけれども、これは昭和六十三年度にそういう制度が発足しておりますが、これが十八万人。進捗は六三%です。それから、恩給等を受給している者、遺族も含んでおりますが、十八万九千人。これは慰労金はついておりません。書状、銀杯です。十二万五千人、これも六六%。それから、抑留されて現地で死亡された方五万五千人。死亡者の遺族に対して書状、銀杯を贈呈する。これは平成元年度からスタートしている。一万四千人、二五%です。  もう時間がないから一つ一つのそれは言いませんけれども、まだこういう進捗状況です。これも同様に、しっかりとPRもしていただき、周知徹底をしっかりやっていただきたい。一言、それに対して。
  141. 村木裕隆

    ○村木説明員 お答えいたします。  特に先生から御指摘のありました引揚者の方々に対する書状の贈呈事業、非常に少ないじゃないかということがございまして、実は、先生御指摘のとおりこれは平成三年度から開始しておりまして、当初の予定では本年、十一年の三月三十一日をもって請求期限が到来することになっておりましたけれども、御指摘のように、まだ潜在的にこれをお望みになる方がいらっしゃるのではないかということで、請求期限を二年間延長するということにいたしまして、広報等にも努めてまいりたいと思います。  それから、戦後強制抑留者の方々、これは、こちらに生きて帰ってこられた方に対する請求は、実は平成五年三月三十一日に到来をしておるわけでございます。しかしながら、現地で死亡された方々、これはシベリア抑留の実情が現在でもなかなか判明をしていないということで、今でも現地でこういう方が死亡されたという情報が入ってきております。そういう事情もございまして、この現地で死亡された死亡者の遺族の方々に対する書状、銀杯の贈呈事業というのは、期限を設けることなく現在も進めているところでございます。  いずれにいたしましても、先生御指摘のとおり、この制度を知らないために請求をされないということはまことに残念な事態でございますので、広報等に一生懸命努めてまいりたいというぐあいに考えておるところでございます。
  142. 近江巳記夫

    ○近江分科員 この引揚者のことにつきましては、今二年延長ということを言われましたけれども、現在の進捗状況が四%ですよね。ですから、二年延長したところでどれだけのことができるか。こういうことにつきましては、一応二年延長ということを提案されているわけですから、それはそれでよろしいですから、さらに状況を見て、今後、二年プラスさらに延長を図るということも考慮していただくことを申し上げておきます。  それから、戦後強制抑留者につきまして、死亡者は除いて平成五年三月三十一日で打ち切りということでございますけれども、今申し上げたように、六十数%の状況でしょう。こういうことは復活すればいいんですよ、そんなことは。打ち切る必要は何にもないのです。今すぐに答弁は出ないかもしれませんけれども、これは申し上げておきますので、総務庁また政府全体として一度検討していただきたいと思います。ちょっと、御返事。
  143. 太田誠一

    ○太田国務大臣 戦後未処理の問題というのが、今御指摘になりましたシベリア抑留者そして引揚者、そして先ほどから御指摘の恩給欠格者とあるわけでございますが、それについて、十分に対象者の方々に知られていない、あるいは手の届くような状態でないということについては、改善すべきところがあれば改善をしなければいけないというふうに考えております。
  144. 近江巳記夫

    ○近江分科員 では、申し上げた点をよく内閣全体として検討していただきたい、重ねて申し上げておきます。  それから、軍恩未受給者の方からいろいろな声も出ております。一つは、判任文官や雇員、傭人等に対する基金法の適用をぜひしてもらいたいという声が一つです。それから、内地勤務一年以上の者に対しまして書状あるいは銀杯を当然してもらいたい、これが二つ目です。それから、基金法成立までに亡くなった方の遺族に対して書状を贈呈していただきたい。まとめればそういう三項目でございます。これにつきまして、どういう受けとめ方をされておるか、お伺いしたいと思います。
  145. 村木裕隆

    ○村木説明員 お答えいたします。  まず、平和祈念事業特別基金事業と恩給制度の関係でございますけれども、平和祈念事業特別基金法におきましては、制定の過程におきましては、恩給制度における長い積み重ね等を踏まえ、基金法第一条におきまして、恩給欠格者の範囲を恩給法に言う旧軍人軍属と定めているところでございます。これは先生よく御承知のところであろうかと存じます。  また、現在の平和祈念事業特別基金の事業は、関係者の要望も踏まえ、他の戦争犠牲者との均衡、国民の理解等を勘案しながら、有識者で構成されます基金の運営委員会というところで具体的な中身を検討していただいて、実施しているところでございます。  ところで、先生御指摘のまず第一番目の旧陸海軍部内の判任文官の問題でございますが、これは先生も御承知のことと存じますけれども、終戦直後におきます恩給制度の適用に関しまして、恩給法に言う旧軍人軍属とは別の取り扱いがなされた経緯がございまして、こういった経緯を踏まえ、恩給欠格者の範囲を恩給法に言う旧軍人軍属ということで、御指摘の判任文官の方々を旧軍人軍属として基金法を適用するという取り扱いあるいは法律の制定あるいは運用をしておらない事情があるわけでございます。  そういう基金法制定の経過、趣旨を考えますと、直ちに判任文官等の方々を基金法の対象にして、先ほど申し上げましたようないろいろな品を贈呈する事業の対象とするのは難しいのではないかなというぐあいに考えております。  それから、雇員、これはそもそも恩給法の制度の適用対象外の身分の方、先生御指摘がありましたが、雇員、傭人等の方々につきましても、今申し上げましたようにそもそも恩給法の適用を受けないという方々でありまして、これも基金法の趣旨から、個別の贈呈事業の対象とするということは困難であろうかというぐあいに考えておりますが、引き続き勉強はさせていただきたいと存じます。  それから、在職年の問題で、内地勤務者で加算年を含めて在職三年未満で実在職年一年以上の方について、これは現在は特段の贈呈事業等を行っておらないわけでございます。これに対し先生は、書状、銀杯を贈呈すべきではないか、こういうお考えでございますけれども、確かにこういう勤務者の範囲というのは、この基金法制定以来少しずつ、先ほど申し上げましたように、最近では平成七年とか八年に対象の要件を緩和して範囲を拡大しておりますけれども、現在私ども考えられますところでは、内地勤務者で加算年を含めてとにかく外地で三年以上の勤務をされた、そういう方々とはやはり労苦の程度には一定の差異があるというぐあいに考えておりまして、今直ちに書状あるいは銀杯の贈呈事業の対象とするのは難しいというぐあいに考えておるところでございます。  それから、御遺族の問題でございますが、恩給欠格者の方々の慰藉事業は、本来、危険な戦務に従事したにもかかわらず年金恩給を受給できない方御本人をお慰めする、慰藉するという事業でございまして、やはり御本人のみを対象として慰藉をするということが私どもとしては適当なのかなというぐあいに考えてございます。  いずれにいたしましても、先生から御指摘のあった点につきましては、また関係者の御意見も聞きまして、勉強はさせていただきたいというぐあいに考えております。
  146. 近江巳記夫

    ○近江分科員 以上申し上げた三点、これはしっかり政府全体としてよく検討していただきたいと思います。  これは、恩給法に関するいわゆる軍人軍属の適用ということでございますけれども、「昭和二十一年勅令第六十八号施行ニ関スル件」のところで区分けをしている。これは恩給に立て分けというのは直結するわけでございますが、平和祈念事業における慰藉事業というものだけに限るというような形とか、何らかの救済といいますか適用を広げることにつきまして、やはりこれは十分検討する必要があるんじゃないかと思うのですね。ですから、その点も提起いたしておきます。十分ひとつ検討していただきたいと思います。
  147. 村木裕隆

    ○村木説明員 先生よく御存じのとおり、平和祈念事業特別基金の恩給欠格者の方々に対する事業というのは、ある意味で恩給法と裏腹の関係にあるような制度でございまして、恩給法との関係について先生の御指摘、やはり現状で申しますと大変難しい課題なのかなと言わざるを得ないわけでございますけれども、引き続き恩給局等とも連絡をとりながら、勉強はしていきたいというぐあいに考えております。  以上でございます。
  148. 近江巳記夫

    ○近江分科員 強く要望しておきます。  きょうは非常に限られた時間ですので、あといろいろ聞きたいことがございますが、ちょっと次の機会にしたいと思います。  最後に、あと一点、きょうは関係者に来ていただいておりますのでお伺いしておきたいと思いますが、男女共同参画基本法、これを政府でいろいろと検討されておる。私どもも、具体的な提案を持って、幾度となく政府に早期実行を要望いたしてまいりました。政府も、大分いよいよという段階に達したように聞いております。  したがって、法案を提出されるとするならば、いつごろを予定しておるか、またその中身の骨子等について、要点、こういうことが骨子であるということをお聞きしたい。それを聞きまして、私の質問を終わります。
  149. 佐藤正紀

    ○佐藤(正)政府委員 お答え申し上げます。  男女共同参画社会基本法案につきましては、小渕内閣総理大臣が、昨年秋の臨時国会におきます所信表明演説、それから今国会におきます施政方針演説におきまして今国会に提出すると表明されたものでございます。  総理府では、昨年十一月四日の男女共同参画審議会の答申を踏まえまして、現在、男女共同参画社会基本法案の立案作業を進めております。できる限り早く国会に提出すべく努力をしておるところでございます。  その法案の骨子でございますが、審議会から答申を受けました中身で大ざっぱなことを申し上げますと、まず男女共同参画社会の基本理念を定める。それから、国の責務、地方公共団体の責務それから個人の責務というものを定める。それから、基本的な問題といたしまして、政府としては男女共同参画社会に至ります基本計画を策定する。それから、都道府県におきましても策定をする。それから、市町村におきましては策定の努力をするというような規定を置いております。そのほか、毎年国会に年次報告を提出すること、それから苦情処理等につきましてもしかるべき措置をすること等を内容といたしております。  できるだけ早く国会に提出すべく努力をしておるということでございます。
  150. 近江巳記夫

    ○近江分科員 最後に、長官、恩給は長官のところでされる、恩欠者については、これはまた内閣ということでございます。そういうことで、しかしこれは本当に裏腹の関係でございますので、欠格者の側からどんどん今も申請を出して恩給適用を願っておるわけですから、しっかり努力してもらわなければいけませんし、欠格者というものの方々につきましては、これは長官のところで漏れた人ですから、本当にそういう点からいきますと、温かい気持ちで、政府一体となって慰藉事業を今展開しているわけですから、そういう方々に適用できるようなそういう配慮、努力をしてもらわなきゃならないと思うのです。  そういう点、政府全体として、またその核となって官房長官ともどもに努力していただくことを強く要望したいと思います。御決意をお伺いしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  151. 太田誠一

    ○太田国務大臣 先ほども申し上げましたように、恩給を現に受給されておられる方々、あるいはその基準に漏れて欠格者となられた方々、いずれにいたしましても、過ぐる大戦の中で大変大きな犠牲を払われたということでございます。私どもは、その気持ちを常に忘れないように、あるいはまたその気持ちを国民全体にかわってお示しを続けなければいけないというふうに考えております。
  152. 近江巳記夫

    ○近江分科員 終わります。
  153. 小澤潔

    ○小澤主査 これにて近江巳記夫君の質疑は終了いたしました。  午後一時に本分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時七分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議
  154. 小澤潔

    ○小澤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  総務庁について質疑を続行いたします。石井紘基君。
  155. 石井紘基

    ○石井(紘)分科員 太田総務庁長官に御質問をいたします。  太田長官は、先ごろ、政府の審議会を減らすと。これは私、大変結構なことだと高く評価をしておるところでございます。  審議会というのは、私もある審議会の委員になっておりますが、たまに開かれまして、分厚い内容の報告書をつくるわけですが、見ていると大体役所でつくっているのですね。また、委員になられる皆さんも、それぞれ専門分野の民間の方が多いわけでございますし、また政治家もおりますし、そういう中で、やはり忙しい立場というようなこともあるのでしょうし、いろいろな事情があるかと思いますが、いずれにしても、下書きは役所でつくられて、また、最後の報告書も大体役所でリードされたものができ上がるということでございますので、多くの審議会は役所の隠れみのじゃないか、こういうふうに言われるわけでありまして、むだといいますか、どうも腑に落ちないという要素が強いのです。  これを減らすに当たっての長官のお考え、その減らす理由、そういうものはどんなところにあったのですか。
  156. 太田誠一

    ○太田国務大臣 行政改革の基本法に、審議会、特に政策の立案にかかわる審議会は、隠れみのという批判が多いので、原則廃止するというふうに記されておりまして、それをきっかけといたしまして、それではなぜ審議会が問題があるのかということを、もう少し詰めて、内部で議論をいたしました。つまり、審議という言葉はそもそも立法府の固有のことでありまして、それを行政府の方で審議をするというのは一体何だろうかということが最初でございます。  それからさらに、審議会がみずからの考えあるいは意見を言うというのは、そこには複数の人がいるわけでございますから、なぜ複数の人が一つの意見を言えるのか。それは、例えば多数決でもやっていればわかるけれども、任意に集められた人が、これはもちろん大臣の名前で任命をしているわけでありますけれども、事実は結果を聞くだけでありますので、事実は各担当のつかさつかさの人たちが任命し、連れてきた人たちが、当然意見の違う人を集めなくては意味がありませんから集めてくる、そういうふうに任意に選ばれた人たちの中で多数決をとって結論を出すということもまたおかしいわけでございますから、意見を言うということ自体が、複数の人がどうして一つの意見を言えるのかということがあるわけでございます。  それと、先ほど委員が御指摘になりました、その間に、たまにしか集められない人たちの合意を形成するには時間が大変必要なわけでありまして、そんな時間が物理的にはなかったはずだ。何でそんなことになったのか。そうすると、事務局が活躍をしたということになるわけでありまして、そうしたら、活躍をした人の考えではないかということになるわけでございます。  広く民間の意見を聞くというのは大切なことでございます、広く有識者の意見を聞くことは大切でございますけれども、それはあくまでも一人一人の意見を聞くのであって、だれかが合計して、平均したり掛けたり足したりしたものを聞くものではない。だから、やることはどんどんやろう、しかし、それを一本に無理にまとめるようなことはしてもらっては困るという考え方でございます。
  157. 石井紘基

    ○石井(紘)分科員 大変結構でございます。まさに私もそのように思います。  例えば、私の属しているある審議会なんかにおいては、おっしゃるとおり、中身が非常にわけのわからないものに全体としてはなってしまうのですね。学者の意見も取り入れなければいけない、あるいは行政の長の、地方公共団体の首長さんなんかの意見も入れなければいけない、それからまた、役所は役所の思いというようなものも入れるというふうになりますと、相矛盾することが一つの報告の中に無理やり作文されるものですから、わけのわからないものになってしまっておりますので、この審議会というのは、今おっしゃった御趣旨でさらに十分精査をしていただきたいと思います。  数的には今のところ百三十二の審議会を廃止する方向だ、こう言われるわけですが、これは将来的には何かお考えはあるのでしょうか。
  158. 太田誠一

    ○太田国務大臣 審議会全体を二つのカテゴリーに分けられると考えておりまして、一つは、今言う政策の、つまり法律の、立法の企画のようなことのために行われる審議会でございます。  もう一つは、法律ができて、その法律に基づいて、官僚の独善でやってはならないから、常に法律の執行、施行に関して有識者の意見を聞きながら、それでやろうという執行段階のものがございます。この執行の方は、本来、行政というのは執行そのものでございますから、それは審議とは違って、そこで有識者の意見を聞くというのはあるかなということで、執行の方は余りやかましく言わないで、大きく削ってはおりません。  ですから、トータルとしてそんなに減っていないじゃないかというような感じを持たれるかと思いますけれども、また、同じ審議会の中で執行についても意見を言うし、あるいは法律の企画立案についても意見を言うというふうに兼ねているところがございますので、それはもうやめてもらう。兼ねてやっているところの政策立案部分はやめてもらうというふうなことで整理して、結局、基本法にも総合的なものはいいというふうに例外規定がございますので、私としては、例外があることはちょっと残念なんですけれども、それは各省との意見調整の中で、全部の省庁合わせて大体二十幾つかの政策目的の審議会は総合的なものとして残そうということになりました。  ただし、これはさっき言ったように、審議会が意見をまとめて、そのことで、大臣あるいは内閣が、そんなことをしてまとめられた意見に従わなくてはいかぬということはおかしいわけでございまして、内閣や大臣は、自分の責任で法律を出すわけでございますから、自分の責任を免れることはできないということをはっきりさせるために、審議会の意見を無理にまとめたりすることはいけない、あるいは、審議会の答申をそもそも尊重する義務はないんだ、聞くのは聞くけれども、そのとおりにするという義務はないんだということは、どこかで文書でもって確認をいたしたいと思っております。
  159. 石井紘基

    ○石井(紘)分科員 私がさらに確認したかったことも、今、大臣の答弁の中にありました。例えば、河川審議会とか道路審議会にしても国土審議会にしても、その答申にこう書いてあるから云々なんということで、法案提出のときに、省庁の方はそれをにしきの御旗に持ってくるというようなことがございますので、それを尊重しなければならない義務はないんだ、こういう今のお話でございますから、それで結構だと思います。  それから次に、独立行政法人でございます。  独立行政法人というのは、当初はもうちょっとたくさん、この間は八十四の機関、業務ということで、これを外局化するということのようですが、当初はもっと数が多かったのだろうと思うのです。それはどの段階かということもありましょうが、検討の中では百前後の業務あるいは機関について検討されていたのではないかと思いますが、それは、経過はどんなぐあいだったのですか。
  160. 太田誠一

    ○太田国務大臣 当初、行政改革会議の最終報告にリストアップされたものが九十四であったかと思います。そして、九十四というのは実は何も確たる決定ではなくて、こういうものが考えられるのではないかということで、検討対象としてリストアップをしたというワンサイドの行為でございます。  そして、それを検討した中で、当時の行革会議で認識が十分でなくて、これは、むしろ、例えば公権力の強い行使になるのではないかとか、あるいは非常事態に対応することではないかという理論でこれはもう検討対象から落とそうということになって、相当数落ちたわけでございます。  しかしながら、最終的に、単なるリストアップされたもののうち、たしか、九十幾つかのうちの九割方は、私、ちょっと正確な数字を持っていなくて申しわけないのですが、九割方は説得をして、各省庁がそれに最終的にわかりましたということになったわけでございます。  そして、それにとどまらず、実は、検討対象のリストアップからさまざまな理由で外れていたものももう一回起こして、もう一回再検討ということでさらに説得をいたしまして、十幾つかリストに追加をされたわけでございまして、独立行政法人化については、行政改革会議の最終報告よりもさらに進んでおります。  そして、我々、これでもって打ちどめではなくて、残された、例えば印刷、造幣についても、さまざまな意見はございますけれども、何とか御検討をいただきたい、独立法人も含めて経営形態について御検討いただきたいということをお願いいたしておりますし、また国立大学についても、今すぐにということではありませんけれども、数年以内に何か御検討をいただきたいということで、今説得を続けているわけでございます。
  161. 石井紘基

    ○石井(紘)分科員 この独立行政法人という名称なんですが、独立というのだけれども、何が独立なんですか。
  162. 太田誠一

    ○太田国務大臣 これは、どの範囲内で責任を持つかという、自己責任の範囲が非常に広いという意味でございまして、特に、自分のところで企業会計原則にのっとって、通常は政府の各機関の話は単年度で、言ってみればどんぶり勘定、現金出納帳の世界でございますけれども、どれだけの資産を持ちどれだけの負債があるのかということを、資産、負債の管理を自分でしてもらうということと、定員の管理、どれだけの人がそこに要るかという定員の管理についても自己責任でやっていただくということでございます。  それからまた、そのことを一般の国家予算とは別に区分をしてディスクローズをするということでございますので、国家の使命を果たしてもらうことには変わりはないわけでございますけれども、企業のような形態でやっていただくということで、そういう意味で独立をしているわけでございます。
  163. 石井紘基

    ○石井(紘)分科員 行政なので、企業のような形態とおっしゃるのですが、予算は当然入っていくわけです。企業会計と言われますが、企業というのは、自由主義経済のもとにおいては基本的にこれは利潤を追求する団体なのです。それに、行政というのは政策に基づいてそれを執行する、そのためには金もかかる、こういうものでありまして、行政とそういうビジネスといいますか経済とは、市場経済の意味での経済ですが、そういうものとは違うのではないでしょうか。  そこに無理やり企業会計原則というようなものを言いますと、これは私は論理的におかしくなるのではないかと思いますし、また、現に独立行政法人の対象になっている機関や業務というものを見てみますと、これは独立採算のようなことで、独立採算とはおっしゃらないでしょうけれども、企業会計ということになればそういうことですから、そんなことではやっていけるとは思えないのですが、いかがですか。
  164. 太田誠一

    ○太田国務大臣 企業会計原則とかあるいは企業のような形と言うと大変誤解を招くわけでございますけれども、別に、企業の論理でやれと言っているわけではないわけでございます。  例えば、地方自治体というのがございますが、地方自治体に対しては、もちろん補助金も出しておるし、国の負担金も出しております。それはもう特定の、限られた、あらかじめ決まったことで出しておりますけれども、それと別に交付金というのを出しております。交付金は、地方自治体にとっては一般の歳入であって、自主財源ということになるわけでございまして、それは自分の判断で使うということです。  独立行政法人と地方自治体とを一緒にしてはいけないのですけれども、その一つのモデルとしては、地方自治体のように、交付金で中身を細かく縛らないで、これだけ、今まで使っていた分があるわけでございますから、大体それに近い額を差し上げて、その中で創意工夫をしてくださいということでございます。  それから、あくまでも、これは国がやるべき仕事をやってもらうわけでございまして、ほっておいて、民間で十分にサービスやその仕事ができないと思うから国がやりますということでございますので、そこは、おのずから、独立行政法人については、効率化というのは二番目の目標であって、一番の目標は政策目標。  目標を立てて、その目標に対してどれだけ近づくかという、目標管理ということをやってもらわなければいかぬ。目標を立てたその目標そのものについてどうかということ、そして、目標がどの程度達成されたかということについて、政府がまたさらに業績あるいは実績を評価する、そういう目標管理の方にウエートがあるというふうにお考えをいただきたいのでございます。
  165. 石井紘基

    ○石井(紘)分科員 やはり企業会計原則といいますと、費用対効果とか、あるいは一人当たりの経済効率とか、そういうことになってきますので、これは一般的に、例えば特殊法人だとか、こういう役所が肥大化して商売、ビジネスをやっているというようなものと、やはり行政として置いておかなきゃならないもの、こういうものはやはりきちっと考え方の上でも整理をする。  医療にしてもその他の機関にしても、高齢化時代の福祉、医療なんということになりますと、中には、お金をかけなければならない、一人の人が一日かかって、効率は悪いけれどもやらなければならないのだというようなことだってあるわけですから、これは、少しその辺のお考えを整理をしていただいた方がよろしいかなという印象がありますので、申し上げたいと思うのです。  そこで、一方、特殊法人というのは、これは私は、今も申し上げましたような意味で大変問題があると。だから、独立行政法人と特殊法人の違いというものについて、改めて大臣の考えを聞きたいと思うのです。
  166. 太田誠一

    ○太田国務大臣 特殊法人は、こういうようないわゆるディスクロージャーということを、特殊法人が誕生をした時点でディスクロージャーということに、我々というか世間というか、そこに目が行ってなかったのではないかと思うので、今は厳密な意味で内容は開示をされておりませんし、開示をしているということで会計報告がなされていたとしても、そこに第三者が監査をしておるということは非常に少ないと思います。というようなことで、真の意味でのディスクロージャーがなされていない。  それからまた、交付金、さっき言いました独立行政法人の方は、基本的には交付金を念頭に置いて、一括して差し上げて、そこは御自身のリスクでもって使い方を決めてもらうということでございますが、特殊法人については、例えば政策金融をやっているところでは利子補給というふうな形で、はっきり対象を決めて、国からの助成といいますか、支出がなされているわけでございます。そこが違う。  ですから、特殊法人については、既に平成七年の方針にのっとりまして、三次にわたっていろいろな整理を去年からいたしておる。法律も今度出すわけでございますので、そこは前からの続きでございますから、それを一通りやり上げるということが今は大切だ、数を絞るということが今は大切だと思っておりますけれども、いずれは、これは、特殊法人の経営形態というものを独立行政法人をスタートさせるに当たってどう見るかということは、やらなければいけない仕事だと思っております。
  167. 石井紘基

    ○石井(紘)分科員 確かに特殊法人というのは、これは今や、設立当初の趣旨、目的を大きくはみ出して、肥大化して、自由主義経済をゆがめておりますので、これは真剣にやはり検討する必要がある。  一方、独立行政法人というのは、どうも見てみますと、公務員の定員を減らすというようなことをパフォーマンス的に打ち出すための方便として、外局化というようなことで別枠にしてしまう、そういう意図が感じられてならないわけですね。独立行政法人というものの職員も国家公務員なんでしょう。それはどんなふうにお考えですか。
  168. 太田誠一

    ○太田国務大臣 ずっとそういう議論がありまして、ごまかしではないかとかペテンではないかとかというふうな御指摘があるのですけれども、時間的な順序からいいますと、独立行政法人という形、アウトソーシングとか言ったりしておりますけれども、その考え方は、もう一年以上前から行政改革会議の方で検討をされております。  特に、私は、この独立行政法人化というのは、今国がやっている仕事を、大きく分けて企画立案という部門と、そして事業を実施する部門をきちんと分けようという考え方で、事業の実施部門には内閣を中心とする企画立案の判断が余り入り込まない方がいい、それはルールを一たん決めたら、だれか責任者を決めてそこにお任せする方がいい、そこに考えた者がいろいろ口を挟んでおるとろくなことがないということで、そこをぴしゃっと分けようという哲学から独立行政法人というものは出てきたと思うのでございます。  そして、それをどの程度にするかということ、どの程度の国家の実施部門をそこに移すかということについては初めて考えついたことでありますから、どのぐらい政府の中の合意ができるかということも、多分、その当時、考えた人は自信がなかったのだと思うんですね。ですから、量的なことについてそこでは何も触れていないわけでございます。そこで、去年の基本法ができたのだと思うのです。政府部門のこれだけの割合をするというふうなことは、目標として掲げずにやったと思うのです。  そして、その後、自民党の総裁選挙があって、そのときに、小渕総理が二〇%の削減を公約されたということでございます。私もそのキャンペーンの中にはおりましたけれども、政策を考えたのは私じゃありませんので、その政策を考えたと思われる方々に、どういうお考えだったんですかということを後にお聞きいたしました。この独立行政法人化というものは念頭に置いているんですかということをお聞きしましたらば、それは入っている、それは頭に置いてそういうことを公約したのだというふうにおっしゃるので、それならば、そういうことで考えましょうということになりました。  私、総務庁長官に就任してから一週間後には総理にもお会いをして、それは入っているんですねということを確認して、それから七カ月間、今たっているわけでございます。だから、そこは、何もペテンでもインチキでもないわけでございます。  ただ、独立行政法人化の政府内の合意というのは、先ほど申しましたように、当初、別表でリストアップしたときに、リストアップした方々が、一体どのぐらいがいけるのか、合意がとれるのかというのは、そんな自信はなかったと思います。おかげさまで、これだけ、大半の目標を達し、あるいは新しいものも加わったので、そこで初めて、これは今言う定員削減の話とリンクしてくるなというふうに、そこで初めて皆様方がお考えになるようになったわけでございまして、出自というか出生は、全く別々の話として出生をいたしております。  それからまた、国家公務員の身分の話もたびたび出るわけでございますけれども、私は、独立行政法人化というのは、最終的にはこういうふうになってよかったと思われるところがほとんどだろうと思います。  しかし、それにしても、創意工夫というか、これから制度をスタートしただけじゃだめなのであって、制度がきちんとワークするように、みんなこのバックアップをしていかなくちゃいかぬ、あるいは努力をしていかなくちゃいかぬと思います。また同じように昔の特殊法人の二の舞になんかなったら、何のためにしたかわからないわけでございますから。うまくいくとは思いますけれども、しかし、今時点で独立行政法人化をするという決意をすることは、やはり随分立派な、勇気のあることだというふうに思います。  逆に、定数を削減するという話は、確かに、これは物すごい困難なことではありますけれども、例えば一部の方々が言っておられますように、全体の国家公務員の中で、毎年やめていかれる、離職されている方が五%ぐらいおられる、それを補充しないで半分不補充でいけば二・五%ずつ減っていく、それは確かにそのとおりでございますから、十年もすればこれは幾何級数計算で、ちょっと違いますけれども、今の二・五%分人数が毎年減っていくことを黙って見ていて、機関がどうなろうと、それ自身がどうなろうといいやというふうに思えば、それは、決して独立行政法人のように厳しい話ではないと思うのです。
  169. 石井紘基

    ○石井(紘)分科員 企画と実施と分けるといいましても、では、どういうふうにそれが内容として分かれているのかというのもはっきりしませんし、さっき、印刷、造幣も独立行政法人化というような話もございましたが、ああいうのだって、大蔵省の造幣局で別にほかの仕事をやっているわけじゃなくて、企画も実施も輪転機回すのも一体の仕事なわけですね。ですから、そういうのを、印刷、造幣だけを分離して独立行政法人にするというのも、どうも、ちょっとその基準がよくわからない点もございます。  それから定員の問題ですが、例えば、現在、自衛隊等を除くと八十五万人の国家公務員が、そういうカウントの仕方があるようですが、郵政公社というのが三十万人ほど二〇〇三年にできる。そうすると、それを除くと五十五万人だ。この五十五万人の二五%、これを純減で、あとは独立行政法人がどのぐらいおりますか。独立行政法人の対象になる職員数というのは七万人弱ぐらいでしょうか。これは、もし数字がありましたら言っていただきたい。  そうしますと、五十五万人から七万人引くと四十八万人でして、とても二五%の削減に至らないんですね。そうすると、あとはどういうところをこの十年間で削減して二五%にするのか、そういうお考えも聞かなきゃいけないと思うのですが。
  170. 太田誠一

    ○太田国務大臣 今の国家公務員の総数について、はっきりしたことを言っておかなくちゃいかぬと思うのです。  八十五万人というのは、郵政省の、今の郵便局におられる方々を含んでおります。そして、それは、郵政と国有林野のいわゆる現業と言われる部門は総定員法の定義から外れておりますので、その部分を除いていくと約五十万だと思います。今の基本法では、最終的に郵政三事業については公社化すると言われておりますので、そうなることも法律で決まっておるので、そこは除いて考えると残りは五十四万八千人というのが、我々が頭に置いておる国家公務員の数でございます。  その五十四万八千人の二五%を削減の目標にするということでございますので、十三万七千人ということになるわけでございますが、では、その十三万七千人分をどのようにして考えていくかということでございます。  これは実は、まだ政府の中でもコンセンサスができておるわけではございませんので確たることは申し上げられないのですけれども、例えば、さっき言いましたような、本当に離職される方々のうち、二人やめて一人しか補充しないという形でもって新採用を、そういうポリシーを立てていったといたしますとどういうことが起きるか。  国立大学の講座制をとっておるところでは、教授がいて助教授が二人いるとすると、このどっちかの人は教授にはなれないわけですから、国立大学をやめて、例えば、私立大学に行くとか研究所に行くとかします。それを今、いわゆるやめたと勘定しておりますので、そこは補充しないでほっておいていいのかというと、これは大学の講座そのものが成り立たなくなるわけでございますから、二・五%削減というのも簡単な話ではないわけでございます。  そこで、独立行政法人の方はどうかということでございますけれども、今は職場ごとに、この職場は独立行政法人化していただくということについて合意を取りつけている最中でございますので、職場ごとにそうなれば、そこにいる人が全員独立行政法人の方に身分を移すかというと、それはそうではないわけでございまして、この部門は企画であって、それならば企画部門に移ってもらうということになるかもしれない。だから、一応今は、独立行政法人化する職場におられる国家公務員の数が六万七千人ということを言っておるのでありまして、そのうちどのぐらいが本当に身分をかえていただくかというのはわからないというところでございます。
  171. 石井紘基

    ○石井(紘)分科員 どうもありがとうございました。
  172. 小澤潔

    ○小澤主査 これにて石井紘基君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして総務庁についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあいさつ申し上げます。  分科員各位の御協力を賜りまして、本分科会の議事を無事に終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。  これにて散会いたします。     午後一時三十六分散会