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1999-02-09 第145回国会 衆議院 地方行政委員会 3号 公式Web版

  1. 平成十一年二月九日(火曜日)     午前九時開議   出席委員    委員長 坂井 隆憲君    理事 谷  洋一君 理事 平林 鴻三君    理事 宮路 和明君 理事 山本 公一君    理事 古賀 一成君 理事 土肥 隆一君    理事 桝屋 敬悟君 理事 鰐淵 俊之君       小島 敏男君    田中 和徳君       滝   実君    竹本 直一君       中野 正志君    西川 公也君       能勢 和子君    平沢 勝栄君       藤井 孝男君    藤本 孝雄君       御法川英文君    宮島 大典君       持永 和見君    保岡 興治君       桑原  豊君    葉山  峻君       細川 律夫君    松崎 公昭君       白保 台一君    富田 茂之君       西村 章三君    穀田 恵二君       春名 直章君   知久馬二三子君  出席国務大臣         自治大臣         国務大臣         (国家公安委員         会委員長)   野田  毅君  出席政府委員         警察庁長官官房         長       野田  健君         警察庁生活安全         局長      小林 奉文君         外務省総合外交         政策国際社会         協力部長    上田 秀明君         自治大臣官房長 嶋津  昭君         自治大臣官房総         務審議官    香山 充弘君         自治省行政局長         兼内閣審議官  鈴木 正明君         自治省財政局長 二橋 正弘君         自治省税務局長 成瀬 宣孝君  委員外の出席者         地方行政委員会         専門員     蓼沼 朗寿君 委員の異動 二月九日         辞任         補欠選任   石橋 一弥君     御法川英文君   小島 敏男君     田中 和徳君   平沢 勝栄君     竹本 直一君   藤本 孝雄君     能勢 和子君 同日         辞任         補欠選任   田中 和徳君     小島 敏男君   竹本 直一君     平沢 勝栄君   能勢 和子君     藤本 孝雄君   御法川英文君     石橋 一弥君 二月九日  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出第一三号)  地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣提出第一四号)  地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律案内閣提出第一五号) は本委員会に付託された。 本日の会議に付した案件  地方税法の一部を改正する法律案内閣提出第一三号)  地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣提出第一四号)  地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律案内閣提出第一五号)  地方財政に関する件(平成十一年度地方財政計画)  地方自治地方財政警察及び消防に関する件     午前九時開議      ――――◇―――――
  2. 坂井隆憲

    ○坂井委員長 これより会議を開きます。  地方自治地方財政警察及び消防に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。松崎公昭君。
  3. 松崎公昭

    ○松崎委員 おはようございます。民主党の松崎公昭でございます。  きょうは、大変私にとりましては意義深いといいましょうか、かつて新進党におりまして、大変敬愛する野田先生が大臣になられたということで、こういう、ある意味では胸をかしていただいて質問をさせていただくということを、私にとりましては、個人的には大変ありがたく思っております。  さて、早速でありますが、私は地方分権ということをテーマに国会に来た一員であります。今回五次勧告まで出されたわけでありますけれども、今回の五次勧告は、本来は大変意義があった。つまり、これは中央省庁の改革法の四十六条の公共事業の見直しというものを絞り込んで、そして分権をしっかりと進める、そういう意味では五次勧告は大変意義があったというふうに期待をしておりましたが、残念ながら中身がほとんど空っぽになってしまったということであります。  それにつきまして、まず、新進党時代から、そしてまた自由党政策を拝見させていただきましても、この「日本再興へのシナリオ」でしょうか、私たちも、基本的なところではほぼ同じような形で、このシナリオの基礎の部分はともにつくらせていただいたというふうに認識をしております。ですから、このシナリオの基本的な地方分権に対する考え方、国と地方権限の移譲を初め、日本の構造をすっかり変えていく、これは私は非常に評価をしている一人であります。  さて、現状の分権は本当にまだ入り口に入ったというだけで、しかも、いよいよ権限あるいは財源という大きな問題に入りましたらたちまちとんざしていく、そういう今の状況に対して、大臣は、このシナリオをおつくりになった責任者の一人としても、この辺の今後の、現状とこの理想とをどうやって近づけていくのか、展望をお知らせいただきたい。それと同時に、十一月十九日の自自の合意書には多分この分権の問題は詳しくは入っていないと思いますが、この辺は今後、自自の皆さんの協議としてどのくらいの段階で入ってくるのか、その辺をお知らせいただきたいと思います。
  4. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 松崎委員が大変地方分権問題に熱心に取り組んでおられることにまず敬意を表したいと思いますが、今言及がございましたが、地方分権推進委員会から既に今日まで五次にわたる勧告が出ておりまして、それはそのとおりであります。そのうちの四次勧告までを取りまとめて昨年五月に閣議決定をして、それを計画として取りまとめ、そしてそれに基づいて所要の法整備をし法案化をして、この国会で御審議を願おうという段取りであり、五次勧告については、これは今年度内、三月中にこれを計画として取りまとめをして、それに基づいて今後法案化を目指していくということは既に御案内のとおりであります。  内容について、確かにいろいろな角度から御議論がまだあろうかと思います。しかし、今大事なことは、既に触れられたわけですが、恐らくどの政党もあるいは多くの政治家ほとんどが、また国民も、今の時代の流れ、この国をどういうふうに改革していくかという大枠の中で、いわば官から民へ、いろいろな規制もできるだけ緩和あるいは撤廃をしていかなきゃならない、あるいは中央から地方に権限もどんどん移譲していかなければいけないという、言うなら総論部分においては大体似たようなことをみんな言い始めた、このことは非常にいいことだったと思います。そういう点で、あれは平成五年ですか、衆参両院で国会決議があって、地方分権推進の流れへ非常に大きく踏み出してきた。  問題は、そろそろ総論だけでなくて、具体的にどういう権限をそれでは地方に移譲していくのかということについてもう少し突っ込んでいかなければ、かなり各論なり具体的な手順の段階に入ってきているというところに今は流れとして来ているように思います。そのレベルにおいて、内容において、まだまだいろいろ御議論は残っていると思います。しかし、少なくとも推進委員会でお出しをいただいた勧告、そのこと自体は具体化をして進めていかなければならない。出そろうまで全部待つんだというと、いつまでたってもなかなか進まないということだと思います。そういう点で、まず出された勧告を具体化するということが今何より必要なことではないかというふうに考えております。  なお、この後これですべて地方分権問題が未来永劫完結したわけではないと私は思いますし、さらにこの点は継続的にフォローもしていかなければいけないテーマであると思っております。  同時に、この問題は権限移譲さえすればそれで終わりかというと、必ずしもそれだけで完結するものではないと思います。それだけの権限が移譲されるということと同時に、あわせて、財源といいますか、地方財政を支える財政問題ということも論議をして、きちんとした自主財源というものを言うなら保障していかなければいけないというテーマがあるのは当然のことであります。同時に、それだけの財源、権限ということとあわせて、今度は自己責任といいますか、自分たち自身がみずからの責任で地域の問題を知恵を出して解決をしていく、そういう取り組みも必要でありますし、それをまたバックアップするためのいろいろな人的支援なり、そういった枠組みということももう一つ考えていかなければならない。  そういう意味で、人づくりということも、担い手である地方自治体自身の能力という言葉がいいかどうかわかりませんが、住民のニーズにこたえ得るような、それだけの内容そのもの、サービスそのもののレベルをしっかりと確保していかなければいけないし、場合によっては今よりもさらに充実向上させていかなければならない、そういったことを含めてこの地方分権の問題はあわせてやっていかなければならぬ、そんなことが頭にございます。  長くなって恐縮でありましたけれども、そういう点で、自由党の考え方も恐らく松崎委員の考え方もそう大きな差はないと思います。これは小渕内閣あるいは自民党の考え、ほぼ共通していることだと思っておりますので、ぜひ一緒に力を合わせて前進をさせていきたいと考えております。長くなって恐縮であります。
  5. 松崎公昭

    ○松崎委員 もちろん、野田大臣の基本的な考え方、これはもうよくわかっておりますし、多くの国会議員初めそういう考えになりつつある。しかし、問題はスピードであります。私は、小沢一郎さんの考え方がよくて新生党に県議会から移りました。これは、日本の改革をスピードを上げてやらなきゃならないということで、この考え方が正しいということで入ったんですね。  ところが現実は、今お触れにはなりませんでしたけれども、実際には、この五次勧告におきましては、西尾座長が辞任するくらいに、せっかくやる気はあったけれども、省庁に押し切られた、あるいは省庁は族議員を使って圧力をかけたり、あるいは地方団体に対していろいろなおどしをかけて、そして特に、四次勧告までは全国知事会初め皆さんかなり応援団として頑張った。ところが、五次勧告で公共事業に関して踏み込んだ途端にどんどん後ずさりせざるを得ない。  こういう現実を見ますと、理念は持っていても、理想は持っていても、それはわかる、しかし現実は違うんだ、そこに我々が改革の政党として大きく結集してやらなきゃ、そしてもう一つの枠組みをつくろうということが、我々の考え方だったわけであります。  ですから、自民党さんは、一人一人聞けばそういう考え方を持っています。しかし、残念ながら、それを現実化する気持ちにまだなっていない。何とかまだ、そういうお題目は言っていてもいいだろう、そこに問題があって私は自由党さんに期待をしていた。それがどうも、今までの与党ペースの中に入り込んでしまうのではないかということを危惧しておりましたので、両党間のきちんとした議題にもするんですかと、そういうことをお聞きしたわけであります。  そして、所信表明の中では、実行の段階を迎えた地方分権と再三おっしゃっておりますけれども、確かに今までと比べれば、あの四次勧告までの大変なことは幾つかありました。ただ、あれは、本来は機関委任事務を法定受託事務とに分けたわけでありまして、しかも法定受託事務が四〇%にもなってしまったということは、かなり形骸化したということであります。残念ながら、余り期待したほどのことではなかったということが四次勧告まででしたね。そこで橋本さんが、これじゃだめだ、権限移譲だけはしっかりやってくれということで、あえて五次勧告までお願いをしたわけでありますね。  ところが、それが先ほど言ったように形骸化してしまった。これでは大臣のおっしゃる理想論、そして今後の方向はわかります、しかし現実はそうなっていないということが、私は大変残念に思うわけであります。  さて、それでは、小渕さんになりましてから消極的になった、あの第五次勧告の途中でも、あそこで橋本さんのように、もしこの分権を本気でやるのであれば、小渕さんが背中を押せばもう少し進んだという記事もございます。前参議院議員宮沢弘さん、非常に残念がっておりますね。自民党の中にいながらこれだけ分権を進めた方が、まさに残念だということをおっしゃっている。  そういうところで、やはりトップの総理大臣が、まだ分権に関してはほとんど認識がないと私は思っております。この辺に関して野田さんの、そして今まで我々もともに描いてきた分権をスピードアップしてやるには、そうしないと小沢先生を初め、日本はだめになるんだということを言っているわけですから、総理に意識転換をどのように求めるか、その辺をお聞かせいただきたい。
  6. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 特に五次勧告の内容について、いろいろな議論があることは承知をいたしております。  この点、ざっくばらんに言うと、いい悪いは別として、多少役所間のそれぞれの権限の云々ということもあるかもしれません。私は、自治省という立場でやるよりも、むしろ政党レベルなりそちらの方で、国の役所の何省何省というような話ではなくて、そういう大きな枠組みの中で動かしていくということが非常に大事ではないかというふうに考えております。その点で、自民党と自由党の政党レベルの話の中で、この点についてさらにより突っ込んだ議論が行われるということを実は期待いたしております。  このタイミングについては、またそれぞれ両党間で御議論をいただきたいと考えておりますが、基本は、今おっしゃいましたとおり、そういう予算の配分の仕方なり、あるいは公共事業、非公共事業含め、あるいは中央の役所のいわゆる縄張りを超えた形でどういうふうにそれらの事務なり予算というものが地方に移されていくか、地方の自主性をどういうふうに拡大していくかということを主眼に置いた取り組みというものは、必ずしも、一遍作業が終わったから、あとはもうずっと未来永劫これで固定するんですということではなくて、私は、さらなる検討があってしかるべきことであるというふうに考えておりますので、これからその実が上がるようにしていかなければならぬと思っています。  それから、今、小渕内閣が前内閣に比べて地方分権問題で、そのスタンスにおいてのお話がありましたが、私は必ずしもそのようには受けとめておりません。  それは、自民党の中においても随分議論を重ねてこられて、圧倒的に地方分権をさらに推進していかなければならぬという思いをみんなが共有していることだ。それをこれから具体的にどういうふうにアクセルを踏んでいくかということでありますから、この点を両党間でさらに議論をして詰めていってもらいたいと考えております。
  7. 松崎公昭

    ○松崎委員 私どもは今野党でありますから、自民党の中身、それからその辺のことはよくわかりません。表に出てきた中で判断をしております。ですから、それは極端な形で、省庁に対する族議員の圧力だ云々というのはマスコミ的に出られているかもしれません。しかし、私は、本当にこれを進めることが日本の構造改革だということになれば、やはりこれはそういう意味では期待はさせていただかなければいけないな、そう思っております。  さて、もう一方で最近問題になっているのは、自治体の意識が低いのではないか、これは非常に問題であろう。五次勧告に関する圧力に屈して、地方団体が声を小さくしてしまった。これは現実の行政をやっている方々から見たら、現実の形で圧力を受けたら、それはそうなっちゃいます。それよりも一般論的にも、やはり国の大きな枠組みの中で、財源もまあまあ保障されて、言われたとおりやっていた方がいいという声が意外と多いということ、これが問題だろう。せっかく我々が国会でも分権、分権と言っていながら、現場では、いや、まあそれは結構ですよ。これは本当に私は残念だということ。  ただ、私は、ここで自治体だけを責めるわけにいかないと思います。それは、五十数年間にわたってこんなにすさまじく中央制度がしっかり地方に根っこを全部に張っている、ほとんど何もできないというありさまを私も国会へ来て見まして、これはならされてしまった自治体も気の毒だな。やはり日本にこれだけの中央集権体制ができておりますと、なかなか地方の分権意識、自治の意識が育たなかった、そういう同情論もあるわけであります。  しかし、それでも、これだけ日本の中で、そして世界の流れを見ても、地方分権を進めて小さい政府にするんだ、これはもう当たり前になってきているわけですから、ここでやはり自治体が奮起をしていただかなければならないわけでありまして、その辺で、自治体の皆さんに対する意識改革、これをどんなふうに大臣は考えていらっしゃるか、お願いいたします。
  8. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 御指摘のとおり、地方自治、地方分権を進めていく上で、もう一つ、権限移譲、自主財源の確立とあわせて大事な要素は、今お話しのとおり、その担い手である地方サイドにおける自主性といいますか、自主、自立、自己責任といいますか、そちらの意識改革というものがもう一つ、車の両輪の片一方としてどうしても必要である。これがないとなかなかうまくいかないわけで、ここのところを御指摘いただいたのは、本当にそのとおりであると思っています。  問題は、その自主性、自立、あるいは自己責任ということを本当に育てていく上でも、一方でまた権限移譲なり財政の自立性なりということも必要なので、本当にここは同時並行的に進めていかなきゃいけないということは、御指摘のとおり。この点は、さらに従来以上に強調していきたいと思っていますし、そのためにも、いわゆる市町村の合併問題であったり、いろいろなこともあわせてやっていかなければいけないというふうに考えております。
  9. 松崎公昭

    ○松崎委員 合併問題等はもちろん大きな一つの方法論でありまして、予算委員会でもこの委員会でも常に語られております。また法案も近々出るということでありますので合併には触れませんが、ちょっと今のお答えでは、自治体の職員に対する意識改革を具体的にどうしたらいいのかという答えがちょっとなかったのではないか。この辺はもう少し大臣としての強い決意をお知らせをいただきたかったな、そう思います。  次に、財源問題でありますが、「日本再興へのシナリオ」でも、税財源の配分見直しということははっきりともちろんうたっていらっしゃるわけでありまして、予算委員会でも、中立的財源確保ということ、あるいは外形課税、いろいろなことを一つの方法論としてお述べになっていらっしゃいましたが、実は我々民主党としてもそういう問題にしっかりと取り組まなければならない。できましたら近々試案として、この前予算委員会で小林議員が質問をしておりました、所得税の比例部分というか基礎的な部分の一〇%を地方住民税へ移すのだ、そのかわり中央からの補助金をカットする、税収はもちろん中立でいくということで、これは法案の準備を今しているわけでありますけれども、あのとき、この問題に関しまして、大蔵大臣のみの答弁でありましたので、ぜひここで全体的な税財源の移譲問題、移譲でございますね、それから中立的財源確保、そしてまた、この前小林さん、そして我々が今後法案で考えております所得税から地方住民税への移行、この辺に関しましてどのようにお考えでしょうか。
  10. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 一般論からいえば、地方自治体が住民に行うサービスというのは、いわゆる日常の生活により密着した、言うなら応益的性格の要素が強いわけでもあります。それだけに、景気変動にもある程度強いような、そういうような財源で措置されるということが非常に大事なことだろうと思いますし、それから同時に、いわゆる所得、消費、資産、言うならバランスのとれた税体系ということも一方で頭に置いた体系を考えなければいけない。何よりもそれに先立って、国と地方の仕事の配分といいますか役割分担、そういったことをきちっと整理整とんして、その事務がどういう形でどれだけの費用をそれぞれ要するのかという中から、国と地方の税源配分といいますか、そこのきちんとしたルールづくりということも見直す必要もある。  それから、国も地方も財政状況が極めて劣悪な状況にあり、大変膨大な借金を抱えているということは当然でありますが、そういう中で、今余りにも経済活動が落ち込み過ぎている中で、ノーマルな経済活動のときに発生するであろう税収というものが、今現在起きている経済状況の中で現実に納税される姿というものとはちょっと違っているのではないか。言うなら、下振れしてしまって、税目ごとのアンバランスが現にあるのではないか。  そういう点で、もう少し経済活動がノーマルな形に復した後での税収、税目ごとの税収というものはどういうようなバランスになっているかということなどを含めて、基本的にはそういう、ちょっと抽象論で恐縮ですが、宮澤大蔵大臣ともいろいろお話はしているのですけれども、そういうトータルとしての国、地方の税収なりというものを展望する、それから、国と地方の間の仕事の配分を仕分けをしていく、そういう中でどういう形で地方税収、地方財源を安定させていくか、そういう角度からの本当に突っ込んだ検討をする必要がある、ただ、ここ一両年は今の日本の経済状況ということから見て厳しいですねと。  それから、いま一つ、いわゆる地方分権の推進という中でどこまで盛り込めるかという、これも実は連動していることであるというふうに考えております。  その中で、今個人住民税についてのお話だと思います。多分国税の最低税率一〇%相当部分を地方税としてやったらどうだという発想かというふうに受けとめて申し上げるのですが、これは一つの考え方だと思います。そういう点で、地方税独自で一つの緩やかな累進構造を持つというのも一つの考え方、一方で国税、地方税余りこだわらないで、その下の税率の部分を地方税とする、あと第二段階なり第三段階なりから上を国税の所得課税としていくといういろいろなやり方が、世界各国それぞれのやり方があろうかと思います。それぞれについていろいろな角度からの検討があっていいと思います。私はあえて否定はいたしません。  しかし、それだけがいいんですよということでもないので、地方税の税収というのはそれだけですべて賄えるものではありません。やはり応益課税的な要素を考えれば、今事業税の外形標準課税化という話もありますが、できるだけそういう外形標準に着目したような応益課税というものがもう少し地方税の中で大宗を占めるというか、骨格としてきちんと位置づけられるような姿というものも考えていかなければならないということもあわせて検討していきたいと思います。
  11. 松崎公昭

    ○松崎委員 大蔵省出身の野田大臣でありますから、税収、税の問題も大変お詳しいのでありますけれども。私は、今言ったようないろいろな考え方をやはりもうそろそろ出していくべきだろう。現実の対応は現実で、今の仕組みの中で、この経済状態の中で現実をすぐには動かせません、しかし、次はあと何年後に経済がよくなったときに、あるいは理想形としてはこういう形を早くつくりたいんだということを示しませんと、地方は、財源問題はさっぱり語られない、こうやって隅っこにやられている、これじゃ本気にならないじゃないかという印象を持つわけです。  ですから、そこでやはりそういう形を、幾つものパターンを提示しながら議論に入っていく、そうしないと、地方は本気になって、あ、国も財源問題突っ込んできたなと、そういうことにならない。それでまたひいては地方自治体の分権への意気込みが出てくるわけでありますから、ぜひその辺のことを、特に大蔵省を御経験なさった大臣でこそそういういろいろなプランが自治省の方から提案をできるのではないか、そんなふうに思っております。  大変時間がかかってしまいました。先ほどお話しの、両党間でタイミングを見て、それから自治省の発想だけじゃなくて政党中心の大きな枠組みで分権問題を考えていく、これは大変よろしいことだ、これが実現しませんと、私どもその分権を推進する側からいきますと、自由党さんと自自連立を組んだ意味がない、だからここはしっかりとやっていただかないと、やはり自由党さんの存在価値が問われる、私はそのように思っております。  次に移ります。  自治体におきましてのガイドライン、周辺事態法に関係することでございまして、昨年の十月六日に、次の質問者であります桑原委員が、周辺事態法九条、いわゆる国が基本計画に従って地方公共団体の長に対してその権限の行使について必要な協力を求めることができる、この部分であります。これは幾つか大臣答弁あるいはお役人さんもいろいろ答弁をされておりますけれども、随分いろいろ揺れ動いているというのが現実であります。  さて、その周辺事態法九条に言います自治体の協力の解釈でありますけれども、もう一度これはきちんとお願いをしたいなと思っております。これからガイドライン法案もいよいよ本格的な論議に入るわけでありますが、地方自治体としては現実的に住民を抱え、この問題には相当神経を使っているというのが現実であります。ですから、この自治体の協力の解釈というもの、これは義務規定なのかどうか。  そしてまた、自治大臣西田さんは、前回の十月六日の質問で、正当な理由がある場合は拒否することができると言っております。強制することではないとも言っている。この辺、義務規定なのか、また拒否ができるのか、そして、できるとしたら正当な理由とは何か、お答えをいただきたいと思います。
  12. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 これは、西田自治大臣が御答弁したとおりでありまして、正当な理由があれば協力を拒むことができるということでありまして、いわゆる義務規定ではないということ、強制力がないということであります。それはそのとおりであります。  ただ、正当な理由というのはどういうことかということですが、例えばの話でよく出されるのが、港湾管理者として、入港に際して、例えば、既に港が民間の船舶なりいろいろな形でもうほとんど岸壁が使えないというような状況のときに入港を拒むというのは、港湾管理者としての当然の判断というか、そういうことはあり得るわけでしょうし、そういう、港湾管理者としての立場における正当な理由というようなことがよく述べられてきたということは御承知のとおりであります。  そういう意味で、ここで協力を要求される、権限行使ですね、つまり権限行使、その入港なりに関する権限を自治体の長として行使する、その上における正当な理由ということになろうかと思います。
  13. 松崎公昭

    ○松崎委員 ちょっと、私、頭が悪いせいかよくわかりませんが、多分そういうことを言っているんじゃないんじゃないかと思うんです。しかし、実際に拒否を認めた場合に、現実にこの周辺事態法も含めて、緊急の状況の中で日米の協力関係の実効性の担保ができるのかと非常に心配をしているわけであります。  そしてまた、協力の種類と内容というのは、その第四条の基本計画において定めるというふうになっているわけでありまして、地方がもっと明確にしてくれという意見が再三あるわけでありまして、これではこの辺のことが非常に私は不明確ではないかと。しかも、基本計画において定めたのでは間に合わないんじゃないかと。現実的に、地方の段階で、拒否するにしても何にしても、もう少し、現実の問題が起こって、早急に基本計画ができて、そしてこういうことですよといったときに、もう地方はなかなか間に合わない、そんなふうにも私は思うわけでありますので、この辺はもっと明確にしなければならないんではないか、そう思います。  同時に、実は最近、神戸方式というのが随分各自治体で出てきております。現実に、この神戸方式というのは、一九七五年に神戸市議会で全会一致で決議をして、核の証明書がなければ外国の艦船は入れません、こういうことがいまだに多分生きているんではないか。そして、二十三年間、神戸は米艦艇が入っていないわけであります。これを、いまだはっきりしませんものですから、各自治体は住民の突き上げも受けながら、この方式でひとつやろうじゃないかという声が、小樽市でありますとか、橋本大二郎高知県でありますとか、出ております。現実にこの二月議会で高知県は条例化をしたい、函館も条例化をしたい、そういう動きがあるわけでありますけれども、この辺の動きに関しましては、大臣はどのようにお考えでしょうか。
  14. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 二段階あると思うんですが、前段の基本計画の話なんですが、これは防衛庁の方で、あるいは外政審議室になるんでしょうか、実際にそういう周辺事態が発生した場合にどういう内容の基本計画をつくるかということとの兼ね合いだと思います。  基本計画だけでなくて、実際にそれが具体的に行われるに至るには、当然のことながら実施計画的なものも必要になるんでしょう。そういったことは、あらかじめどこどこの港がどうだとか云々ということを具体的にというのはなかなか難しいんじゃないかと思います、この点はですね。  それから、今、後段の神戸方式ですか、いろいろお話があったんですが、この点は外国の艦船の寄港同意ということは、まさに外交関係の処理そのものであるわけで、そういう国の事務の基本的な問題が地方公共団体によって制約を受けたり、そういう形での関与がされるということがあってはならないという考え方は、政府として既に明らかにいたしておるわけであって、この点は条例で云々できる性格のものではないという見解は、私もその見解は正しいと考えておりますし、内閣の一員としてそれに従うのは、これは当然のことだというふうに考えております。
  15. 松崎公昭

    ○松崎委員 もちろん、そういうお答えが国の大臣としては来るだろうと私は思います。しかし、この事態法がまだ成立をしていない前に、ある意味では駆け込みかもしれませんけれども、もし自治体でこういう条例をつくった場合に、後から法律ができて、その条例はいけませんよということに、私は素人でありますからわかりませんけれども、条例が先にできた場合に、ある程度、これは、住民としては一つの形をつくったということになりますと、それなりの効力が生きてくるのかなというふうに思うわけであります。  そしてまた、西田大臣の昨年の十月六日の答弁は、先ほどのお話のように正当な理由というのはそういう現実の問題なんだと。これは国防の問題は違うんだよということが含まれているというふうにはちょっと見えなかったわけですね。ですから、この辺の問題になりますと、西田さんのお話になりますと、拒否することができるみたいな答弁になっております。この辺もう一度。役人さんによりましても若干違っております。  それから、前の上杉大臣は、断ることは可能だとやはり言っていますね。十年の四月二十一日、自治体に強制するものではなく、正当な理由があれば協力要請を断ることが可能、この正当な理由は、先ほどのような現実的な問題で断るということは、本質的に断ったという意味にはとれないというふうに、読めば読めますけれども、私どもはそういうふうには見えない。  また、非核三原則もあるわけでありますから、これは地方自治体が非核三原則は要求できないんだということであればいたし方ないことでありますけれども、やはり住民自治ということ、そして自分たちの地域を自分たちで治めるという分権の思想からいくと、その辺で非常に国と地方の関係が、これは実は憲法問題にも、本当はきょう聞きたかったんですけれども、憲法も非常にその辺のあいまいさがあるので問題なんですね。その二点をちょっと。
  16. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 正当な理由がある場合には拒否することができるというのは、そのとおりであると私もそう申し上げております。そこで、正当な理由は何か、何をもって正当とするのかしないのかというところ、どういう基準でいくんですかということがポイントだと思います。  私は、言葉遣いがいいかどうかわかりませんが、そういう、さっき言いました権限行使をする、例えば港であれば港湾管理者、つまり港湾管理者という立場における正当な事由があるかどうかということなんですね。さっきちょっと事例を言いましたが、例えばもうその港湾自身が能力を果たし得ないような、現に港湾がそういう状況にあるところに入港を許可する云々と言ってみても、これは港湾管理者としての責任を果たせないということになり得ることもあるわけで、それは一つの正当な理由になるんじゃないんでしょうか。  しかし、一方で、港湾管理者としての判断よりも、むしろ別の政治的な理由によって、何らかの、港湾管理者としての権限を、逆に、直接の管理者としての正当性ということとは違う形の理由によってイエス、ノーというようなことは、果たして正当な理由に当たるんでしょうかということだと私は思います。  それはさっき申し上げましたが、少なくとも外国艦船の寄港、入港を云々ということは、一にかかって外交的世界の話であって、言うなら、国家経営そのものにかかわる話であると思います。そのことが自治体の住民自治という性格になじむのか、なじまないのかという問題があるのは、当然のことではなかろうかと思います。  これは必ずしも外国の艦船のみならず、私は、まだ問題になっておりませんが、政府としてはそういうことを言うわけにいきませんが、政党レベルにおいて、自由党が、その中で、もし日本自身が一朝事あるときに、では日本の自衛隊の艦船がいろいろな港に寄港できるのか、できないのかということも含めて、そういったことが検討さるべきであるということは、政党レベルで検討し、主張してきておることも事実であります。  ただ、私は今自治大臣という形で内閣の一員でありますから、そういう立場において今主張するということは控えておりますけれども、物事の考え方として、私は本来なら、政治家であるならば、そういったことを広範に与野党を超えた議論があっても不思議ではないことであるというふうには受けとめております。ここのところは微妙なところがありますから、あえて言葉遣いを注意しながら申し上げておりますが、自由党におるときに、党の主張としては、そういうことを考えるべきであるということを言ってきた。ただ、今は内閣の一員でありますから、今私の立場としてそれを言うということは控えております。それだけは念のために申し上げます。
  17. 松崎公昭

    ○松崎委員 時間であります。  今、大変重要なお話もあったわけでありまして、これは、最終的にはやはり憲法あたりでしっかりと国と地方の関係、そしてまた先ほどおっしゃった、住民の自治がどこまで及ぶか、そういう国との関係を明確にしなければならない。改めてまたやらせていただきます。  ありがとうございました。
  18. 坂井隆憲

    ○坂井委員長 次に、桑原豊君。
  19. 桑原豊

    ○桑原委員 おはようございます。民主党の桑原豊でございます。  まず、現在の大変厳しい深刻な状況にある地方財政の問題でお伺いをしたいと思います。  この地方財政の状況というのは、単に景気が悪いということで、それだけの理由で起きているものではもちろんなくて、いわゆる国に従属をした地方の税財政の制度そのもののありよう、そこら辺から根本的な問題が発しているんだというふうに思います。  そして、現在、その深刻な状況の中で、地方同士がいがみ合うといいますか、いわゆる地方と大都市というような対立が出てきている。言うならば、国のお金を奪い合うというか、そういうことであったり、あるいはそれぞれが、お互いのやることにむだが多いという、むだ批判をやり合う、そういう極めて不幸な状況だろうというふうに私は思います。  それから、やはり国に対しても、地方総体が、先ほど松崎委員もお話がございましたけれども、いつになったら根本的な地方税財政という制度が本当に自立した責任のある、そういう体制で確立できるのかということを考えるときに、大変な不信感を地方が国に対して覚えざるを得ないという状況にあるというふうに思っています。  そういう意味で、改めて野田大臣に、この深刻な状況に対する認識と、これをどう改革していくのかという基本的な方向と、そして先ほどからも議論になっておりましたけれども、いつこれをやっていくのかということも含めて、決意を含めた見解をお伺いしたいというふうに思います。
  20. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 今桑原委員御指摘のとおり、今日の地方財政の窮状といいますか、ここまで厳しい状況に立ち至った経緯については、もちろん国全体の経済の低迷による税収の落ち込みということが非常に大きな要素であるということはそのとおりであります。  同時に、いわゆる景気対策を積み重ねていく過程の中で、ただ単に国全体の景気をよくしようという発想だけでなくて、それぞれ地域においてはやはりみずからの地域の経済もぜひ活性化させたいというか、地域景気を立て直したいというその思いというものもあって、あるいは同時に、社会資本の整備がもともとそれぞれの地域においてニーズがある、こういう理由によって、単独事業なりあるいは公共事業の中でも、補助事業等について国の景気対策にあわせて地方団体にそれぞれ協力要請があり、そしてまた、今申し上げたような事情もあって、地方団体も積極的に協力を果たしてきて、そういったことが、単に税収の落ち込みということだけでなくて、さらに地方の財政状況を厳しいものに立ち至らせておるということも事実であります。  そういう中で、もう既に百七十六兆という数字に借金が積み上がってきております。このままではどうにもならぬという中で、どういうふうに根本的に解決していくのか、どういうふうに具体的に改善をしていくのかということは喫緊の課題であることは御指摘のとおりであります。  ただ、当面、今年度においては、今までより踏み込んだ形での措置を、恒久的減税に伴う措置として裏打ちをする形をとったことは御承知のとおりでありまして、ただ単に目先だけでということではもうよくない。抜本的に、根本からやり直すのは若干時間がかかるにしても、少なくともそこに至るまでの間としても一つのルール化ができないかという中で、御承知のとおり、たばこ税について、国から地方に大幅に移譲をさせる。あるいは地方交付税率について、法人税についての地方への交付税率を引き上げる、そういう基本的な措置を、単に単年度ごとの臨特ということではなくて措置をしたということは御承知のとおりであります。  そういう中で、根本的に地方財政をどう立て直すかは、先ほど松崎委員にも長々申し上げて恐縮でありましたが、一つは、国全体の経済情勢をノーマルな姿に復することによる税収構造をよく見ることが一つ。その中で、同時に、国、地方の間の役割分担、仕事の配分をきちんと整理整とんする、その中で地方の仕事を責任を持って、自主、自立、自己責任という原則の中で仕事をやっていくためには、それにふさわしい財源なり税源のきちんとした配分をしなければいけない。そういう中で地方財政を支えていく。国からその都度足らず前を補給するという形ではなくて、固定的な自主財源としてきちんと位置づけるという財源再配分の問題というのが当然ある。  その地方税の中で、どういう税目なりどういうものを課税標準にする税制がいいのかということを、所得、消費、資産という税体系の中で、最も安定的で、しかも住民のニーズに直接こたえていくという地方行政の本質に迫る、そういう税のあり方というものをぜひやっていきたい。抜本的な方向としては、今申し上げたような形の中でぜひ実現をしていきたい、こう考えておるわけであります。
  21. 桑原豊

    ○桑原委員 時間も余りないものですから、大臣に大変御丁寧にお答えをいただいてありがたいんですが、もう少し簡潔にお願いしたいと思うんです。  基本的に大変厳しい認識をされて、そして改革の基本方向はこれだというふうなものを大臣はしっかりとお持ちのようでございますし、私は、まさに基本方向としてはほぼ同じような認識であるということも申し上げたいんですが、問題は、先ほど松崎委員も申し上げましたように、この時点でやはりきちっとした改革の方向の議論を始めて、そして国民の皆さんにも示して、今、あすからこれをやるということができなくても、きちっとした方向を示すということが非常に大事であるというふうに思うんです。  この間の大臣のお話を聞いておりますと、今は非常に異常な事態だ、少しおさまって、平時になって一体税収がどういうふうな状態にあるのかというふうなことも見ながら対応していかなきゃならぬ、抜本的な改革はその段階だというように私は受けとめておるんですけれども、どうもそれでは、やはり本当の改革はできないんじゃないか。今この一番厳しいときに、熱いときに、きちっとした改革の方向を出して本当に実行していくということにならなかったら、何か平時になって少しおさまって、またこのまま行けば何とかしのげるよというような雰囲気になったら、私は、国民的な世論としては改革の機運というのは決して盛り上がってこないというふうに思うんです。  今までそのことの繰り返しであったような気がいたしますので、私は、大臣はまさに自由党から改革のために自治大臣として抜てきをされたのではないか。そういう意味では、大臣は改革を先送りするのではなしに、まさに私が改革をやるというふうに言い切ってこそ、その大臣抜てきの値があると私は思うんですけれども、その点についてどういうふうにお考えでしょうか。
  22. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 抜てきされたかどうかよくわかりませんが、ただ、若干誤解があるかもしれませんね。私が申し上げているのは、いわゆる地方税といいますか、地方の自主財源をどういうふうにきちんと位置づけるか、ここのポイントについて若干時間がかかるだろうということを申し上げているわけです。  それは、御承知のとおり例えば法人課税であれ個人の所得課税であれ、ノーマルな形でどれだけの税収が上がってくるのかという計算が当然必要でしょう。それから事業税の問題もありますけれども、言うなら消費課税なり応益課税の世界というのは一体どういうことなのか、これもやはり経済活動がある程度成長が復するということが必要でしょうね。  しかし、それは何も十年先、二十年先のことを言っているのではなくて、小渕内閣においても、経済はとにかくことしはまずプラスを確実にしましょう、そして来年はそれを安定的なものにしましょう、その次は民間を主導にした経済成長をきちんとやりましょう。宮澤大蔵大臣もおっしゃっていますが、おおむね二%程度の経済成長がきちんと持続的にできるような姿に持っていこう。それができたときの税収構造は一体どういうことなのかということを、国、地方の税源配分を考える際にその姿を見るというのは、これは当然のことだと私は思います。  しかし、それだけがすべてではないんで、それよりもさらに、国、地方の権限移譲なり仕事の配分ということも、もう一つこれはこれで、それに先だってできるだけ早くから手をつけていかなきゃなりません。そういう意味で、権限移譲、地方分権そのものは早期に着手し、早期に実行していかなきゃならないテーマであると思います。  そういう意味で、この点は税源配分の問題と若干の時間差があるのではないか、そういうイメージが頭にあって僕は申し上げたわけで、そんなに何もかも先延ばししようなどという発想は全くない。これはぜひやっていかなきゃならない。ここはぜひ御理解いただけることじゃないか、そう思っています。
  23. 桑原豊

    ○桑原委員 税源の問題について、そういうことだということですが、過去のいろいろな事例をひもとくなりすれば、私は平時における税収というものが推測できるというふうに思います。そういう意味ではいろいろ難しいところもあるのかもしれませんけれども、待ったなしの問題なんだということで、この税の配分の問題ももう長い年月議論をし尽くされてきておるわけでございますから、私はぜひ積極果敢に取り組んでいただくことを重ねて要望申し上げたいというふうに思います。  次に、地方分権でございます。  機関委任事務が廃止になる、そして国と地方が対等・協力の関係ができるんだ、そして従来の機関委任事務は自治事務と法定受託事務に振り分けをされるということになったわけでございますけれども、地方分権全般のことですが、中間報告からいわゆる直近の地方自治法の改正の内容に至るまでのこのスパンの中で、どうも当初の意気込みがだんだん、勧告の中身にはもちろんあらわれておったわけですけれども、それが実行される段階で、いろいろな抵抗に遭ってなかなか思うような形では進まない。むしろ、部分的には骨抜きになったものがあったり非常に後退したものがあるというようなことで、私は、だんだんおかしな状況になりはしないかと大変心配をする一人なんです。  特に、この法定受託事務と自治事務の振り分けについて、我々は当初、少なくとも機関委任事務の八割ぐらい、悪くても七割ぐらいは自治事務になるんだろう、こういうふうに思っておったわけですけれども、現実には法定受託事務が四〇%を超えるというようなことを今聞いているわけです。  実際、この振り分けの比率はどういう内容になっているのか、そのことをまずお聞きをしたいというふうに思います。
  24. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 細目については、必要とあらばそれこそ政府委員に補足をさせたいと思いますが、大まかなところで申し上げますと、ただいまの御質問の、機関委任事務廃止後の自治事務と法定受託事務の比率、この問題は、第四次勧告後に、地方自治法別表の項目単位で、自治事務が約六割、法定受託事務が四割と発表されておりまして、地方分権推進計画においてもこれに即して整理をしたところであります。  現在、関係法案の取りまとめ作業中でありまして、これは今申し上げた地方分権推進計画に即して行っておるわけでありますが、最終的な比率については、まだ今のところ完全把握というところまで、細かいところの数字まではちょっと詰まっておりません。おおむね六対四ということであります。
  25. 桑原豊

    ○桑原委員 当初、六対四というふうになるだろうと、恐らくだれもが想定をしていなかったのではないか。もっと自治事務の比率が高くなるというふうに思っていたのだろうと思うのですが、どうしてそうなったのかということもあわせてお聞きをしたいと思います。  それから、どうも法定受託事務定義が、中間報告の段階から直近の自治法の改正の段階に至るまでの間に大きく変わってきた。いや変わっていない、表現は変わったけれども中身は変わっていないのだと言われるかもしれませんけれども、どうも、文章づらだけを見た限りでも、変わってきたというふうに私は思うのです。そのことがいわゆる法定受託事務を異常に拡大させていったことの一つの理由なのかなというふうにも勘ぐるわけです。  例えば、少し細かくなって恐縮ですが、中間報告や第一次勧告のときには、この法定受託事務は国の本来やるべき仕事だけれども地方公共団体が受託して行う、こういうふうに、受託するということを明記してあったわけですね。これがそれ以降は、今度はなくなってしまったわけです、定義の中からは。そういう定義ではなくなった。  そしてもう一つは、中間報告から地方分権推進計画に至るまでの段階では、一貫して、国民の利便性または事務処理の効率性の観点から都道府県または市町村あるいは特別区が処理をするということで、国の事務だがこれは地方がやるのだということを、国民の利便性や事務処理の効率性から地方がやるという理由づけでそのことが明記されていたわけですけれども、これも要するに、直近の十二月十八日の地方自治法の改正案の中からはその定義が削られている。そして、削られてさらに加わったのは、今度は、国が本来果たすべき役割に係るものであって国においてその適正な処理を特に確保する必要があるということで、逆に、地方がやる事務だということよりも本来国がやるべき必要のある事務なのだということを殊さらに強調するような表現で定義づけがされてくる。  どうも、この流れ、定義文章づらの流れを見ておりますと、法定受託事務に対する考え方が極めて国に有利な、国に有利といいますか、地方事務というよりも本来国だということを強調する、そういう表現に変わってきたことの中にどうも問題があるのではないかというふうに私は思うのですが、その点についてどういうふうに思われますか。
  26. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 さすがフォローしてよく勉強しておられるなと思って感心して聞いていたのですが、私も改めて定義についての変遷を見ておりますと、率直に言って、表現がいろいろ変化をしておるということは御指摘のとおりであります。  そういう点で、いろいろありましたけれども、現在の整理としては、この法定受託事務というのは国が本来果たすべき役割にかかわるものであって、国においてその適正な処理を特に確保する必要があるものとして、法律またはこれに基づく政令に特に定めるものというのが大体の落ちつきどころかな、こういうことだろうと思います。  ただ、問題は、これをどういうふうに定義するかという、これはいろいろ表現というのは好みの問題があるかもしれません。しかし、何より大事なことは、今御指摘のとおり、このことによって中身が、事務そのものがあっちに行ったりこっちに行ったりみたいな仕分けがされてはよくないということであって、この定義づけについてニュアンスの変化があるからといって、逆に自治事務が減っていくというような仕掛けになっては困るというのはそのとおりでありまして、大事なチェックポイントはそこだ、私はそう思っております。  その辺の仕分けそのものは、既に計画の中に仕分けはしてあるわけであって、あとは計画に基づいて淡々と法案化をしていくという作業になるということでありますから、この定義の問題と割合が連動するということではないというふうに考えております。
  27. 桑原豊

    ○桑原委員 今大臣が申されたように、定義と実際の振り分けはそれには左右されないということで言っていただけば本当にありがたいということになるわけですけれども、本当にそうなるのかどうかは私は大変不安でございます。  特に、いかにも地方事務としてやる必要があるのだということが当初は強調されて、振り分けの前はそういうことが強調されて、ところが振り分けになった後は、今度は国の事務であるということが逆に強調されるようになったというのは、私は勘ぐって申し上げますと、振り分けする前はできるだけ地方事務だということで地方にある意味では安心させておいて、それを拡大していく。しかし、振り分けがあった後は、逆に今度は国の事務だということでいわゆる国のいろいろな関与が根拠づけられるように、これは本来国の事務なのだということを強調するというようなことで、非常に巧みにそういうふうなことがやられたのではないかというふうに大変心配をするわけです。この考え方でずっといきますと、やはり今大臣が言われたように、これとは別だというふうになるかどうか、非常に心配だということを申し上げておきたいと思います。  それからもう一つ、我々のあずかり知らないところで、いつの間にやら法定受託事務がふえていたということにならないように、いわゆる法律でもって一覧性を確保する。すべての法定受託事務は、地方自治法の別表あたりでそれをちゃんと明記する、毎年の推移も明らかにしていくというようなことが一覧してわかるようなことをやっていただかなければならない。個別法の中でそれはやるのだということが決められておるようでございますけれども、私はそうではなしに、やはり自治法なら自治法ということの、一つの法律の中ですべてが一覧できるような、そういう仕組みをつくっていって、常に法定受託事務が何たるかということがわかるようにしておくことが、先ほど来の不安をなくしていく大事なことだ、分権を確保していく大事なことだというふうに思うのですけれども、その点はどうでしょう。
  28. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 御指摘の心配、もっともだと思います。そういうことにならぬようにちゃんとチェックできるような仕掛けをする必要がある。そういう意味で、一覧できるようなやり方、具体的にどういうやり方がいいか、今検討中であります。  今お話しのとおり、地方自治法に別表を設けて各法律に規定する法定受託事務を別表で再掲するというやり方も、これは一つあるのでしょうが、逆にそれぞれの法律のものを引っ張ってくると余計わからぬぞという見方もあるし、別途政府として、法定受託事務の新設改廃等の状況を取りまとめて定期的に国会に報告するというやり方、あるいは自治大臣が毎年度法定受託事務の新設改廃等の状況を取りまとめて公表するというか、何かそういう、一覧できるような、チェックができるようなことを考えたいと思っています。
  29. 桑原豊

    ○桑原委員 ぜひそういう方向で、一覧が確保されるように御努力をいただきたいと思います。  最後に、時間がちょっとなくなりましたが、地方自治体が分権の受け皿として本当に力をつけていくためにどうすべきかというのが大変大事だろうというふうに思います。  現在、その最大の方策として市町村合併というものが進められておりますし、県や国がそれをバックアップして、本当に実のあるものにしていくということで御努力をされているわけでございますけれども、私は、確かに、合併ということによっていろいろな意味で力をつけていくという側面は当然あるというふうに思うんですが、それと同時に、やはり合併を、本当に力をつけていくために、自治というものが実のあるものに育っていくような方向を打ち出していくということが大事だろうというふうに思うんです。  例えば、私どもの、私は石川県ですけれども、過疎の多いところで合併を進めるということになれば、危険性としては、合併することによってサービスが薄くなったり、あるいは自治意識が希薄になったり、そんな可能性も一面ではあるわけです。  ですから、進めようとする合併策が効率性とかあるいは節約とかいうような行政の側、サービス供給する側に立ってやりやすいというようなことだけに力を尽くしていたのでは、本当の意味での合併の実はやはり上がらない。合併することによって行政サービスが多少なりとも向上していくとか、あるいは自治意識も確保されていくとか、そういうことが裏づけとしてあって本当に分権の受け皿になり得るというふうに思うんです。  そういう意味で、今進められようとしている合併策には、私はかなりそういう意味での自治を担保していくというような方策を組み合わせていく必要もあるんではないか。例えば、地域審議会のようなものが新たに打ち出されて意見具申ができるというような仕組みが考えられているようですけれども、そのたぐいのものを本当はもっとあわせていくというようなことが必要ではないかと思うんです。もちろん、税財源の確保みたいな根本的な問題も力をつけていくためには必要なわけですけれども、ぜひ、この組み合わせをしっかりやって、合併というものが実のあるものに発展していくようなことを考えていただきたいということを申し上げて、感想があれば言っていただいて、終わりたいと思います。
  30. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 御指摘の、合併にかかわるいろいろな角度からの問題点なり配慮の必要性ということは、全く同感であります。
  31. 坂井隆憲

    ○坂井委員長 次に、富田茂之君。
  32. 富田茂之

    ○富田委員 公明党・改革クラブの富田でございます。  大臣、就任おめでとうございます。前大臣も大変人柄のいい方でしたが、今回野田大臣になられて、肉声で議論ができるということを期待しておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  私の方から、時間が二十分しかございませんので、警察庁の薬物対策という点一点に絞りまして御質問させていただきたいと思います。  大臣所信の中で、薬物対策につきまして、大臣はこのように言われておりました。「薬物情勢につきましては、大量覚せい剤密輸入事件の続発、イラン人組織による薬物の密売、少年を初めとする社会各層への薬物乱用の拡大など、第三次覚せい剤乱用期のもとで非常に厳しい状況にあります。警察におきましては、関係国を集めた国際会議の開催を初め、引き続き国内外関係機関と緊密な連携をとりながら、薬物の供給の遮断と需要の根絶に不法収益対策を加えた三本柱による総合的な薬物対策を一層強化してまいります。」このように言われておりました。  この三本柱による総合的な薬物対策ですが、具体的にはどのようなことを考えられているのか。特に、これからこの一年、重点的に何に取り組まれようとしているのか、その点をまず教えていただきたいと思います。
  33. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 この問題を重点的にまず取り上げていただいておることに感謝を申し上げたいと思います。  御指摘のとおり、現下の薬物情勢というのは、本当に、第三次覚せい剤乱用期というような状況下、極めて厳しい状況にあるわけで、その点御指摘のとおりであります。  この問題で、三つの重点というか、そういう形で対応しよう、三本柱でやっていこう。その供給遮断、これは密輸、密売組織の摘発ということを行うことによってまず供給を遮断するというのが一つの柱であります。それから、末端乱用者の徹底検挙などを行うことによりまして需要の根絶を図っていく、こういう需要根絶対策というのが二つ目の柱。そして、麻薬特例法を積極的に適用しての、薬物犯罪組織等からの不法収益を剥奪する、この三本柱を重点的にやっていこう、こういう考えであります。  さらなる詳しいところは、また政府委員の方で補足をさせたいと思います。     〔委員長退席、山本(公)委員長代理着席〕
  34. 小林奉文

    ○小林(奉)政府委員 警察におきましては、現在、薬物対策として三本柱の施策を掲げているわけでございますが、若干その点について補足というか、詳細にわたりまして御説明させていただきたいと思います。  まず、第一の供給源の遮断についてでございますが、薬物の供給源となっております密造地域におきまして、それぞれの各国が取り締まりを行うということが極めて重要だと思います。そういった意味で、我々といたしましては、そういった各国の取り締まり対策についての支援を行っていきたいということでございます。  それと、供給源ということでございますけれども、ほとんどが密輸入でございますので、税関、海上保安庁、外国の取り締まり機関と協力いたしまして、覚せい剤を水際で抑える、水際検挙対策をこれから進めていくということでございます。現在も、ことしに入りまして相当数の水際検挙をしているところでございます。これをことしも最大限続けていかなきゃいけないと考えております。  また、国内におきます暴力団の密売組織の摘発についても進めていきたいと考えております。  第二の需要の根絶につきましては、薬物の末端乱用者の徹底的な検挙とともに、広報啓発活動を進めていく必要があるんじゃないかと考えております。  それから、第三の不法収益対策につきましては、薬物犯罪に係る不法収益の隠匿等の処罰、それから不法収益の没収、こういった内容の条文を規定しております麻薬特例法を積極的に活用いたしまして、不法収益を徹底的に剥奪していきたい、このように考えておる次第でございます。
  35. 富田茂之

    ○富田委員 今局長の方で言われた水際検挙という意味では、私の地元の千葉県で、先日二百キロを超える覚せい剤をコントロールドデリバリーで抑えたということで、物すごい量それだけ入ってきているというまた例でもあると思うんですけれども、警察の方も本当に努力されているな、関係機関等努力されているということは最大限評価したいと思います。  一番最初に言われた各国での取り締まり対策への支援という観点から、国家公安委員長も二月二日に会議に出られたと思うんですが、一九九九アジア薬物対策東京会議、これが東京で開かれました。実は、昨年の四月の十五日に、当時の橋本総理に対しまして、参議院の公明党、当時私たちは新党平和・改革クラブでしたが、申し入れをしました。国連の方で麻薬の特別総会が開かれる、ぜひそこに総理かあるいは担当大臣に出席していただいて、世界各国の中で日本がこの問題について一生懸命取り組んでいるんだということをきちんと主張してきてもらいたいとお願い申し上げましたが、残念ながらこの点はかなわず、関口長官と高村外務政務次官が行かれて、それでもいろいろな根回しができて、この二月二日の東京会議まで来たということを伺っております。大変な努力はあったと思うんですが、この東京会議の成果について、国家公安委員長は今どのように評価されていますでしょうか。
  36. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 この一九九九アジア薬物対策東京会議の開催についていろいろ御支援を賜りましたこと、まず御礼を申し上げたいと存じます。  この会議は、御指摘のとおり、国連の中に、国連薬物統制計画、UNDCPというのがありますが、このUNDCPから、東アジアにおける国境周辺地域の法執行協力を発展させるための新規支援プロジェクトが提案をされたということが一つ。それに対して我が国が支援するということを表明し、それについて参加国から歓迎の意が表明された。その結果、域内各国の国際協力推進の観点から、大変大きな成果を上げたものと認識をいたしております。特に、いわゆる三角地帯、これを抱えているアジアにおいて、非常に大事な今回の東京会議でありました。  このUNDCPの担当である次長は総理にも御面会をいただき、事柄の重要性について意見交換をしていただきまして、我が国がこの問題に非常に力を入れているということが内外に鮮明にされたということは大変いいことでありますし、実態面においても、具体的にそれらのことが外務省の予算を通じてではありますけれども、具体的な支援が進んでいくということは大変よかった、こう考えております。
  37. 富田茂之

    ○富田委員 今、国家公安委員長が言われた、外務省を通じてではありますがという点がちょっと問題になると思うので、外務省にも来ていただいていると思いますが、今の、UNDCPに対する新規プロジェクトに対して日本として積極的に支援していく、そういうふうに会議でほぼ方向が固まったと、二月二日の翌日、二月三日の各新聞に物すごく大きく取り上げられているんですね。  例えば産経新聞は、黄金の三角地帯、麻薬撲滅プロジェクト、連絡官二百人、国境に配置、日本が二億円資金投入、元凶を断つなんて大きく書いている。日経新聞も、日本、資金全額を提供、国境で取り締まり強化。朝日新聞は、覚せい剤密造者をソバ栽培者に、転業対策ですね、そこも支援していこうということで、薬物対策、日本、二億円というふうに大きく書かれているんですが、どうも実態をお聞きしていますと、このようになるのかなと。外務省の方に、この新規プロジェクトに対する具体的な支援策が今どうなっているのか、ぜひお聞かせ願いたいと思うんです。
  38. 上田秀明

    ○上田政府委員 お答え申し上げます。  今大臣から御説明ございました、国連の薬物統制計画の方が黄金の三角地帯周辺の関係六カ国との間で行おうとしている新しいプロジェクト、すなわち、国境周辺における取り締まりの強化のための能力向上ということでございますが、約四年間を計画して、二億円の規模で行うということでございますので、それに対しまして、我が国が国連薬物統制計画に毎年拠出しております任意拠出金の一部をこれに充てていく。したがいまして、年間約五千万円検討で、四年間の計画で協力していくということでございます。
  39. 富田茂之

    ○富田委員 上田部長は中国にいらっしゃって、三角地帯のことなんかも多分詳しいと思うんですけれどもね。二億円を四年間で五千万ずつというのが、別建てじゃなくてもともとのUNDCPに対する拠出金の中からというと、わざわざ東京会議を開いて新規プロジェクトに日本が二億円出しますよと言うほどのものじゃないんじゃないか。UNDCP側も大分資金的に困っているようですし、そのあたり、もう少しどうにかならないのか。  UNDCPにもともと外務省の方で拠出金を出されていますけれども、平成九年に五百万ドルだったのが、平成十年には三百八十一万ドル、平成十一年、今回の予算では三百七十五万ドルと、年々減ってきて、先ほど公安委員長も言われていましたけれども、ピノ・アルラッキ国連次長が見えて我が党の神崎代表と一時間ほど懇談していただいたんですが、その中でも、やはり世界各国ではこのUNDCPに対する拠出金が少しですけれどもふえ続けている、少しずつふやしていると。ところが、経済大国である日本がこのように平成九年以降だだだっと減ってきているというのに対して、大変憂慮しているというような発言もありました。この点考えますと、二億円の拠出というのを別建てで何か考えるとかできないのか。  一つ、平成十年度の第三次補正予算で、小渕総理が一生懸命やられた人間の安全保障基金というのに対して五億円拠出しようということが決まりました。この人間の安全保障基金というのは、生存、生活、尊厳に対する脅威に対して闘っていくんだということで設けられたそうですけれども、この五億円を、後からまたこのUNDCPの新規プロジェクトに出すことは可能なんじゃないか、そういうことも考えられると思うんですが、外務省としては、そのあたりはどのように考えているんでしょうか。
  40. 上田秀明

    ○上田政府委員 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、UNDCPそのものに対します拠出金は、本年度のいわゆるODA一〇%カットということの影響を受けまして、削減を余儀なくされております。ことしで言いますと、四億五千万円程度でございます。また、今度御審議をお願いしております平成十一年度予算につきましても、四億五千万円を確保したところでございます。  御指摘の人間の安全保障基金、総理の御指示がございまして、国連に寄託して、いろいろな人間の安全保障にかかわる分野で事業に拠出するということで、五億円の規模の基金を国連に設置するために、ただいま国連本部と具体的な打ち合わせ中でございます。御指摘のように、麻薬対策等は確かに人間の安全保障の重要な部分でございますので、プロジェクトによっては拠出も可能かと思います。ただし、人間の安全保障基金そのものが、いわゆる一般拠出金の補充と申しますか、そういう形ではいかがかと思いますので、人間の安全保障基金の支出そのものにつきましては、またこれから国連の方と打ち合わせをしていきたいと思っております。  ちなみに、我が国の麻薬方面への拠出につきましては、国連の麻薬統制計画以外にも、コロンビアの方でございますが、米州機構でございますとか、コロンボ計画でございますとか、拠出をいたしておりますし、ミャンマーにつきましては、二国間援助で、食糧増産援助の形をとりまして、ことし、平成十年度で八億円の、これは先生今御指摘の代替作物のための食糧増産援助を行うことを決定したところでございます。
  41. 富田茂之

    ○富田委員 ぜひ努力していただきたいと思います。  人間の安全保障基金がそのまま流用できるとは思いませんけれども、外務省の方でも国連とよく打ち合わせをしていただいて、UNDCPの期待に沿えるような形で、ぜひ協力をいただきたいと思います。  時間もなくなりました。最後に、我が党が昨年来一生懸命取り組んでおりました、警察庁所管でいいますと、薬物乱用防止広報車ですか、薬物乱用防止対策のために、対象としては青少年になるんと思うんですが、広報車をきちんとつくって全国にキャラバンしたらいいんじゃないかということを、昨年のこの委員会でも取り上げさせていただきました。  四月十五日の総理への申し入れでは、特に厚生省所管の方が一台しかないので、全国に八カ所ぐらいせめて設置してくれという申し入れをしましたら、厚生省の方は今、四台になりました。警察庁の方も、昨年度予算と補正予算で広報車をつくっていただきました。十三台できるということで、この三月ぐらいから活動するようになっていると思います。  また、今年度予算で、十二月二十一日の大蔵原案内示では、警察庁の方できちんと予算計上をしていただいたんですが、全部カットされまして、ゼロ査定という形で残念ながら出てきました。翌日の復活折衝で警察庁に頑張っていただいて、また四十台分の予算、五億四千六百万が復活したということで、我が党は大変喜んでおりますが。この復活してきた四十台分、また三月から動き出すであろう十三台、全部で五十三台の広報車が初めて警察庁所管でいろいろ動き出すようになるわけですけれども、この配置とか、実際にどういうふうに運行させて青少年に対して薬物乱用防止ということを広報されていこうとしているのか、その中身についてちょっとお聞かせ願えればと思います。
  42. 小林奉文

    ○小林(奉)政府委員 御指摘の薬物乱用防止広報車につきましては、私どもといたしましても、薬物の乱用防止のために極めて重要だということでその整備を進めているところでございます。十一年度予算におきましても、御指摘のとおり四十台の予算が計上されておるわけでございまして、十一年度中には全国に配備できるのではないかと考えております。  こういった薬物乱用防止広報車につきましては、現在、少年に薬物乱用が拡大しているという観点から、少年に対しまして薬物乱用の危険性、有害性の認識を徹底するために、警察職員を中学、高校などに派遣して薬物乱用教室を開いておるわけでございますが、その際に、この広報車を積極的に活用して効果が上がるようにしてまいりたいと思っております。  また、単にその教室のみならず、地域の方々から要請がございましたら、そういった地域にもこの広報車で参りまして積極的な広報活動を行いまして、薬物乱用の根絶に向けた社会の共通認識の醸成に努めてまいりたい、このように考えております。
  43. 富田茂之

    ○富田委員 ぜひ頑張っていただきたいと思うのですが、実は、厚生省所管の薬物乱用防止キャラバンカーは地域の要望があればどこにでも行く、警察庁の方は何でもそれに応じるというわけにはいかないと思いますので、その運用に当たって、できるだけ地域の要望を聞けるようにぜひ運用していただきたい。  もう一点、厚生省の方のキャラバンカーというのは、実は今回改造されまして、外にプリクラがついたんですね。きちんとキャラバンカーの中で全部勉強しますと、最後にコインをもらってそのプリクラで一緒に写真が撮れる。それで物すごい人気が出まして、ちゃんと勉強もして楽しめるというふうになって、そういうところを警察車両の方でも何か工夫されて、子供たちが親しめるけれどもしっかり勉強もして、薬物に触れちゃ絶対だめなんだ、そういう方向にぜひ工夫して持っていっていただきたいと思います。ぜひお願いします。どうもありがとうございました。
  44. 山本公一

    ○山本(公)委員長代理 次に、桝屋敬悟君。
  45. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 公明・改革クラブの桝屋敬悟でございます。引き続きまして質疑をさせていただきます。  まずは、大臣、本当に御就任おめでとうございます。大変な厳しい状況の中で、予算委員会等見ておりましても、自治大臣のみならず、自由党を代表して内閣に入られたということで、さまざまな御答弁をされておられまして、御苦労がしのばれるわけでありますが、さらに苦労していただこうと思いまして、いろいろ質問を用意してまいりました。  最初に、自自連立政権の政策について、これは意地悪質問をするつもりはありません、しかしながら大変に大事な問題であります。  先ほどから同僚議員の議論を聞いておりましても、やはり今は平時ではない、大変に厳しい経済状況、財政状況の中で、一両年というような話もありましたけれども、何とかこの局面を打開しなければならない、そういう難しいときであるということは十分私たちも認識をしているわけでありますが、しかし、そうした中にありまして、先ほどから出ていますように、やはり将来を展望する、ピンチはチャンスという言葉もあります、こうしたときでなければできない作業もあるわけでありまして、そういう意味で、やはり自由党を代表して内閣に入られた野田大臣にはぜひとも最初に確認をしておきたいことがございます。     〔山本(公)委員長代理退席、委員長着席〕  最初は、今回の政策合意によりまして、予算総則には消費税の取り扱い、消費税収につきましては、この使途は基礎年金あるいは老人の医療、介護に限るという、いわゆる目的化されたわけでありますけれども、これは私どもは理解できないところではないわけでありますが、野田大臣、自治大臣でありますから、私どもの思いも聞いていただきたいわけであります。  昨年から、今年度の予算を編成するに当たりましてさまざまな地方団体からいろいろな声が出ておりました。やはり大きな声は、地方交付税の税率を上げてもらいたいとか、先ほどから出ております外形標準課税を実現してもらいたいとか、あるいは地方消費税をともかく今は上げてもらいたい。福祉に目的化する、こういう連立の政策合意になったわけでありますが、やはり福祉の一番大きな役割というのが地方自治体の大きな仕事であります。大部分は地方自治体で仕事をされているわけであります。  私は、こうした現下の厳しい財政状況を見ますときに、まずはこういう一両年の厳しい状況の中では特に、私ども公明党、地方の福祉を守る、地方自治体がやっています福祉のきめ細かな制度を守るという観点から、地方財政をまずは安定化させるべきだ、それこそ現下の優先課題ではないか、こう感じるわけでありまして、地方団体が要望されているように、まずは地方消費税一%を二%にするというようなことの方が優先課題じゃないか、自治大臣としてはそうお考えいただきたいと思うところでありますが、最初に御所見をお伺いしたいと思います。
  46. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 御承知のとおり、消費税、俗には五%ということですが、正確には消費税は四%で地方消費税が一%、こういうこと、それを前提にして一を二にしたらどうかということは、トータル五を六にせよというのではなくて、四を三に、一を二にという趣旨だろうと思います。これはこれで一つの考え方で、あえて私がそのことについて私見を述べるのは控えたいと思います。それは一つの考え方だろうと思うのです。  ただ、地方の仕事の中に、地方の事務の中で福祉行政的なものがかなり大きな役割を占めている、そのことは御指摘のとおりでありますから、それを支える発想の中で地方消費税というものが大事な役割を果たすであろうということは私も同感であります、この点は。  そういう点で、基本政策の中では掲げてはおりませんでしたが、この前自由党として主張した中で、いわゆる消費税について一たん凍結をして段階的に引き上げるべきであるということをアピールしたときに、そういう意味で地方消費税についてはあえて触れなかったという経緯がございます。国税分について〇にして、その後、段階的に〇、二、四、六にしたらどうかという発想を表明した経緯があるのは、そういう背景があったからであります。  ただ、国、地方を通ずる税収構造なり税源配分なり、税体系全体をどう仕組んでいくかということを考えた場合に、もう一つ、地方消費税があれば応益的な課税が十分なのかというと、そうではない。そういう点で、今は事業税の外形標準課税化ということがもう一つ別の問題としていろいろ勉強していかなければならないし、政府税調においてもそれを強く打ち出していただいておる。  その中で私は、これはせっかくのお話でありますからあえて申し上げますが、自由党の考え方というのは、いわゆる目的税化するということはどういうことかというと、社会保険料で基礎年金や、あるいは高齢者医療や介護の所要経費を賄うというやり方ではなくて、むしろ消費税をもって賄うんだというやり方をすることになるならば、企業が負担をしております半分、社会保険料の半分を企業が負担をしているわけで、その企業が負担している社会保険料を逆に、福祉のそちらの方に使うのではなくて、そちらは消費税でやるわけですから、企業負担分は逆に地方自治体に応益課税として納めてもらうというやり方があるのではないか。フランスなんかでは、雇用税だとかいう形でそういうことも現にあっておるわけであります。  そういうことをも含めたトータルの発想として、応益課税的な、そしてそのことがまさに地方行政サービスの普遍性というか安定性というかそういったものを賄っていく上で、必ずしも福祉だけではなくてトータルとしての発想があっていいのではないかということも実は頭の中に自由党としてはあるわけで、そういったことをもろもろ含めて実は申し上げておるので、必ずしも地方消費税のことだけですべてけりがつくとは思えないという背景がございます。  そういう点で、地方の行政サービスの特性ということを考えれば、できるだけそういう負担分任というか、そういうこともあるでしょうし、安定性ということもあるでしょうし、それにふさわしい一つの税の裏打ちというか、自主財源をどういう税目で仕組んでいくのかということを、余り先入観を持たないで、あるいは既存の税目だけにとらわれないで、もう少し幅広く検討してもいいのではないか。特にこれからの高齢化社会をどうしていくかということは、国税だけではなくて地方税も巻き込んだ大きな問題であろうと考えるだけに、そういうことを申し上げたわけであります。
  47. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 懐かしい議論を聞かせていただいたような気がしましたが、自由党の皆さんのその主張というのは私も今までも聞かせていただきました。そうした全体的な検討がぜひとも必要であるというふうに私どもも思っておりますけれども、先ほど私が申し上げましたのは、後ほど申し上げますけれども、とにかく昨年、ことしと、地方自治体もことしが越せない。きょうの新聞も、神奈川県がどうしても今年度の決算で赤を計上せざるを得ない。こういうまさに厳しい現下の状況を考えるときに、何らかの手当てが必要ではないか。こういうことで、我が党は、消費税についても地方消費税を当面引き上げるということも考えたらどうか、こう申し上げているわけでありまして、今後の検討についてはもちろん大胆にやっていただきたい、こう思っているわけであります。  それで、今いみじくも、もう話が出たわけでありますけれども、今度は社会保障の話でありますが、今回予算総則に、基礎年金と介護、高齢者の医療、これは使途を目的化したということでありまして、決して目的税化ではないわけでありますね。これで十分満足されているのかどうかというのは私は疑問であったわけでありますが、今のお話を聞いて方向性については理解できた、ただ、それを大臣として今度はどのように進めていかれるのかということは、これはまた難しい問題があるだろうというふうに思います。  その大臣としてのこれからの御決意をお伺いする前に、もう一回確認しておきたいんですけれども、今の説明で私の誤解はないと思うんですが、自由党さんの「日本再興へのシナリオ 自由党の基本政策」、たもとを分かってからその後どうなっているか、もう一回確認をしなきゃいかぬものですから確認をさせていただきまして……(発言する者あり)それはわかりませんが、消費税については、「消費税は福祉目的税に」というタイトルで、「抜本的税制改革」の中のテーマになっています。それで、「消費税は、高齢化に伴って増大する社会保障費に充当し、それ以外には使わない。」これは今回の予算総則化方式といいますか、いわゆる目的化方式、「したがって、社会保障の経費が増大しないかぎり消費税率は引き上げない。」というふうに書いてあるわけです。  これは、「消費税は福祉目的税に」という書き方、この題目と、それからこの中の表現、これはやはり、まず大臣としてではなくて自由党さんのお考えですけれども、消費税はやはり福祉目的税にするというふうにお考えになっているのかどうか、ここをまず、もう一回確認をさせていただきたい。
  48. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 御指摘のとおり、自由党としては消費税は福祉目的税にしたい、すべきであるというのは原則であります。これが一番大事なことだ。  それはなぜか。余り長々申しません。それは、特に基礎年金それから高齢者医療、介護、これは多くの国民にとって不可避的な世界でもあります。そういう点でそもそも保険になじむのかどうかという検討が必要である。そういう中から、現行の社会保険料というのは、言うなら強制徴収でありますから、本当は保険という言葉が適切かどうかはわからない。強制徴収の世界で、しかもおおむねいずれも所得を課税標準にしている直接税の変形であると言っても過言ではない。ですから国保税などという言い方にもなっているわけです。  そういう点で、消費を逆に課税標準にした、消費の大きさによって社会保険料が決まるんだ、消費税というのはそういう性格なんだ。そうすると、消費税そのものが一つの、消費を課税標準にした社会保険料なのではないか、そういう認識をした方がかえって、消費パラレルですから逆進性ということも乗り越えることができるのではないかということもあるわけです。そして、何よりも消費税の必要性について国民に向かってどういう説明をしてきたか。それはいずれも少子高齢化における社会保障を絶対に守るんです、そのための税なんですということを言い続けてきている。それとの整合性。  ですから、税率が引き上げられたときに、今日まで、不幸なことは、必ずしもそういう社会保障歳出の充実ということよりも、過去に行われた所得減税の穴埋めであったり、あるいは税体系、直間比率の見直しということで、結果として、直接税をたくさん納めていた人にはメリットの大きい税制改正であったけれども、直接税を納めてなかった人にとっては消費税による増税感だけが残ってしまう。このことが消費税の問題について非常に難しい事態を醸し出して、不可避的に進行している少子高齢化への対応が現実問題できなくて、国も地方も赤字だけが広がっているというこの現実を何とかして政治の責任において打開しなければならない、そういう考え方の中で目的税化を打ち出したわけであります。  長くなって恐縮です。
  49. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 大臣と肉声で議論するには私の持ち時間はあと二倍にしていただきたいなと思っているところでありまして、これから与党にもお願いしなきゃいかぬのですが、それで、大臣、もう一点だけ。  目的税化する場合に、私どもが一番心配しておりますのは、この「自由党基本政策」の中で、「社会保障の経費が増大しないかぎり消費税率は引き上げない。」こういう表現をされています。これは大変悩みに満ちた表現だろうと思うんです。しかし、だれが考えてみても、基礎年金あるいは高齢者医療介護、現在でも、私は恐らく、予算総則でうたったとしても全く足らないものでありまして、これが今後平成二十二年、二十一世紀に向かって、三十七年とかといういろいろ試算が出ておりますけれども、間違いなく膨大にふえていくということがあるわけでありまして、当然ながら、目的税化ということは、将来の、そのころ自由党がどうなるかわかりませんけれども、これは税率がふえるということも当然念頭に置いた政策であるというふうに判断してよろしいですか。
  50. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 短く答弁します。イエスであります。  これは、かつて新進党という形の中で、総選挙のときに、消費税の将来の引き上げについてあえて言及をしておしかりも受けた経緯があります。それで、なぜ今、それにもかかわらず、社会保障経費が増大しない限り消費税の引き上げをやらないという表現をとったか。  それは、まさに消費税がどこへ使われているかわからないということに対するいら立ち、納税者のいら立ちにはやはりこたえなければいけない。消費税の使い道というものは、いわゆる所得税の減税財源に回ったり、ほかのどこへ使われたかわからぬようなことじゃだめです。だから、消費税の引き上げのたびに常に行革論議が出てきている。それは、どこに使われているのかわからぬという国民のいら立ちが表現されていることであります。そのことに思いをいたして、そういう表現をとったという経緯でございます。
  51. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 わかりました。  そろそろ、自由党基本政策についてはそのぐらいお尋ねすることにいたしまして、そうした基本政策をお持ちの自治大臣として、野田大臣がどういうふうにこれから政府の中で、特に自治大臣としてお仕事されていかれるのか、私どもはそこが一番大事だと思っております。  そこで、今の話に継続する話でまずは話題を出しますと、一つは、介護保険制度。  先ほどの自由党さんの基本政策でいきますと、介護保険というよりも介護保障制度。当然ながら、保険制度ではなくて、税でもって、消費税でもってというお考えのもとに介護保障制度という表現をされておられるわけでありますけれども、当然、そういう意味では、現在の介護保険制度については否定的な見解をお持ちでありました。これは、私どもずっと悩んできたことであります。そして、先般の与党さんの質問をこの席で聞いていましても、介護保険制度の問題、来年の四月から導入が始まるわけでありまして、現在、現場で地方自治体が苦労されている最大の課題は、やはり私はこの介護保険制度だろうと思います。  そういう意味では、果たして、否定的な見解をお持ちであった野田大臣がこの介護保険制度に対してどういうふうな見解を持っておられるのか、これは大臣としてお尋ねしたいと思うのですが、今後どのようにお取り組みをされるのか、伺ってみたいと思います。
  52. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 何とも答えにくいところなんですが、率直に言って、公的介護制度を充実させる、これは我々がさらに力を入れてやっていかなければならないテーマである。その作業をやっていく主体が各市町村にあるということは、これはこれで、その事務作業は大いに進めていくべきであると考えております。  問題は、保険で賄うか何で賄うかという部分について、この点は両党間で引き続き財源のあり方等についても協議をするという対象になっております。両党間においてはそういうことになっております。したがって、閣僚として、自治大臣としての立場は、結果として両党間におけるおさまりがついたことに従ってやっていくということになっていこうかと思います。  これは、御指摘のとおり今現在、各市町村において最大の頭の痛いといいますか悩ましいというか、しかしやらなければならない作業を、今一生懸命相談をしていただいておる段階にあります。  厚生省もこの問題は本当に真剣に取り組んでいただいておることでありますから、今のところ、この点について自治省として具体的にどうのこうのということは今は言うべきときではない。今ここは、その体制はまず厚生省主体的に自治体と連絡をとってやっていただくということでありますが、いずれかの時点で、自治体自身が今度は、他のいろいろな自治体の仕事の中にどういう影響をもたらしてくるのかなどということを見ながら、自治省としてまた物をきちんと整理して、注文をつけなければならない場面になるのかならないのかということは見ておく必要はあると思っています。
  53. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 今の大臣の御答弁を伺いまして、私は大変に危惧をしておったのです。  いみじくも大臣は今おっしゃったけれども、自治省として、これはいわゆる所管は厚生省だ、もちろんそれは否定いたしません。しかしながら、自治省にとりましても地方行政にとりましても極めて大事な課題でありまして、今の段階で、自治省として、大臣としてとやかく言うつもりはないというような発言をされましたけれども、まさに今回の大臣の所信、私は興味を持って聞かせていただきました。  それは、私が特別、介護保険制度をずっとライフワークで追っかけている、自分の仕事のこともさることながら、大臣がさっき言いましたように、介護保険制度については、なかなか介護保険という言葉がまずなじんでいないだろう、介護保障制度ならわかるわけでありますが。否定的とはもう言いませんけれども、そういう意味では、将来は違う方向を目指しておられる、その大臣として、どう表現をされるかなということを私は大変興味を持って見ました。  ところが、この地方自治体が最も苦しんでいる、現在一番苦慮しておられる介護保険制度につきましては、「少子高齢化等に対応した総合的な地域福祉施策の展開」という表現は出てまいりますけれども、介護保険という言葉はなかった。  私は、ひょっとしたらお役所が気を使って、大臣のところは介護保障制度だから介護保険というのは使うのをやめようというふうに判断されたのかな、あるいはもう一つの考え方として、これは厚生省の所管だから、自治省が今の段階で、もう既に法律もでき着々と準備は進んでいるのだから、私に言わせれば着々ではありませんけれども、準備が進んでいることだから、自治省としてとやかく言うことはないではないかという判断で外されたのか、どっちかなと思いました。  今の大臣のお話を聞いて、意図的に介護保険という言葉は今入れるべきでないという御判断があったのではどうもないだろう、このようにそんたくをします。その上で、まさに大臣がおっしゃったように、そこをちょっと確認なんですけれども、今、介護保険という言葉が大臣所信の中に出てこなかったというのは、何か特別な意図があったわけではないのですね。
  54. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 この所信表明原案作成過程の中で、私の方から、それを使うなということを指示したことはありません。  そういう意味で、目のかたきにしているわけじゃないので、そういうことじゃないのですが、ここはある程度コンパクトな中でまとめていくわけですから、そういう意味で、経済再生への対応、総合的な地域福祉施策の充実などのという、こういう中で、地方が直面しているもろもろの課題をこういう表現でさっと取りまとめをしたものですから、総合的な地域福祉施策の充実という言葉の中に、介護の問題やらそのほか医療の問題やらいろいろなことがみんな入るわけで、そういうことで他意はなかったということで御理解を願いたいと思います。
  55. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 他意がなかったということで理解をしたいと思うのですが、そうしますと、今度は大臣に私の立場から申し上げるわけでありますが、ぜひとも私は、この介護保険という問題は自治省も主体的にとらえていただきたい。先ほど大臣がいみじくもおっしゃったように、これは厚生省の所管である、しかも準備は進んでいる、こういうことで、自治省として今の段階で発言を、特に言葉を大臣所信の中に挙げて別建てで項目を立てて議論することではないということでは、ちょっと寂しい。それぐらい現場は今混乱している。  しかも、これは厚生省の所管ということよりも、いわゆる広域行政の観点。もう一つ言いますと、これは大臣、ぜひお願いしたいのですけれども、先ほどから大臣がるる御説明されたような、いわゆる地方財政、地方行政の原点。どういうことかといいますと、必要な住民サービスを市町村が組み立てる、しかもその組み立ては住民の負担、合意をきちっと形成した上でサービスを組み立てるという、この仕組みが今現場で動いている。であるがゆえに、とにかく足らず前は地方交付税やあるいは補助金で全部来るという仕組みではない。一生懸命サービスを充実するところはそれだけ保険料は高くなる、住民の負担はふえる、こういう仕組みが介護保険でありまして、それだけに現場は大変に混乱をしている。  しかも、三千三百の市町村の中には、既にほとんど両手を上げてバンザイの状態になりまして、うちの市だけでは、町だけではできない、したがって広域でやろう。福岡あたりは、全県一本でやろうじゃないかというような、いわゆる介護保険の趣旨からすると好ましくないと私は思いますけれども、そこまでの議論まで出ている。  そういう中にあって、自治省がこれは厚生省の仕事だというようなとらえ方では困る、地方行政の原点ともいうべき大きな課題があるわけでありますから。私は、項目を立てて、大臣所信の中で一言、自治省としてのありよう、指導のあり方も議論してしかるべきだ、出していただきたかった、こう思うわけでありますが、再度大臣の御所見を伺いたいと思います。
  56. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 市町村単位で本当にいいのかどうかという議論も別途あるわけで、私はまだまだ議論する必要があると思っています。だから、広域連合という形の中で受け皿になったらどうだとかいう議論もあるんです。  内容をいろいろ聞いておりますと、今、ちゃんと充実した介護サービスが受けられれば保険料が高くなるのもやむを得ないというお話もあったんですが、果たしてそうだろうか。本当にみんながその理屈どおりにいくだろうか。どうもそこのところの、いろいろまた具体的に、隣接の町村ごとによってかなり内容が違ってくるんじゃないか。町村ごとに要介護の比率だって異なるわけでありましょうし、サービスを提供する体制だっておのずから異なっているんであろうし、そして隣同士で保険料がうんと異なるということは当然予想されることであろうし。  ということになると、これは本当に各自治体の首長さん方は今頭を抱えているという現状を私もよく承知しています。それだけに、そのことを承知した上でしっかりとまず厚生省が主管官庁としてきめ細かに話を聞いて、対応策をやってくださいよというのがまず第一。  相当各自治体は頭を抱えていますよ、混乱しているという表現を私はまだ使っておりませんが、頭を抱えていることは事実です。そのことを我々は今の段階はしっかりと我が事として受けとめていますということだけ、今の段階ではそこまでだろう、私が言うのは。そこから先、具体的にああしろ、こうしろということを言うにはもう少し厚生省の主体的な努力を見る必要もあるだろう、こう思って見ておるわけです。
  57. 桝屋敬悟

    ○桝屋委員 きょうはたくさん議論したいことがあったんですが、もうこれで時間もありません。  今の大臣のお話を聞いて、最初の御発言を聞いて、大臣の今説明されたことをそのまま厚生大臣がお聞きになったら一体どういうふうにお考えになるか、大変興味深いお話を伺ったわけであります。  それで、これはまた予算委員会等でしっかり私も議論しなきゃならぬと思いますが、大臣にこれだけ申し上げておきます。  自治省は既に、介護保険という制度を武器に自治省として広域行政をしかけていこうといろいろな制度をお考えになっております。もちろん、地方財政措置の中でも十分な、十分かどうかわかりませんが、一生懸命措置をされておられる。そういう意味では、私はこれは厚生省所管だからそっちでしっかりやれということだけではなくて、まさにこれからの、場合によっては合併等も視野に入れた、そこまでの材料になりかけている、現場では。私の地元でもそうであります。  そういう意味では、ぜひ前向きな、これほど厳しい状況でありますから、改革にはやはりスピードと大胆さが必要であろうと思います。厚生省のみならず、自治省におかれても、大臣におかれても、しっかりとこの問題を大きな要素としてお取り組みいただきたい。このことをお願いして、質問を終わります。  ありがとうございました。
  58. 坂井隆憲

    ○坂井委員長 次に、春名直章君。
  59. 春名直章

    ○春名委員 日本共産党の春名直章でございます。  同僚議員も御質問されておりましたけれども、地方財政の問題に絞ってきょうはお聞きしていきたいと思います。  未曾有の危機という状況であります。私どもも、東京、大阪、神奈川、愛知、それぞれ危機宣言を出した自治体などに実態調査に行きまして、それから、ちょうど昨日になりますけれども、私どもとしての地方財政危機を打開するための共産党の提言という文書も発表させていただきまして、今この危機打開に向けて力を尽くそうということでやっているところであります。  それで、これらの県は今まで富裕団体と言われてきたところですね。ところが赤字転落になるということで非常事態宣言を出して、知事が記者会見までやって、それが政治問題、社会問題にもなるというような状況になりました。昨年末には、九九年度の地方の財源不足が通常収支分だけで十兆三千六百九十四億円という途方もない規模になる。額も過去最高なんですけれども、十兆円という規模でいいますと、交付税の法定額の八四%になるということになるんですね。これも初めてのことです。  そういう状況の中で、先日大臣の所信をお聞かせいただいたわけですけれども、私は少しびっくりしたんです。といいますのは、昨年の上杉前自治大臣の所信と、基本的認識にしても、述べられた項目の柱にしてもほとんど同じだったんです。平成十年が十一年度になったりとか、百六十六兆円が百七十六兆円になるとか、数字は確かに一年間で違いますので変わっておりますけれども、あとの文章は全部一緒なんです。大臣は忙しかったのかもしれませんけれども、ワープロ入れかえたという話もありますけれども。  まさに私は、それを聞いて、それでいいのかというふうに率直に思ったわけであります。つまり、昨年までと全く質的に違う地方財政の重大事態、これをどう認識するのかということが私は出発点だろうと思います。この事態を前に一年前の前大臣とほぼ同じことを言っておいていいんだろうか、率直に私は伺っておきたいと思いますけれども、いかがでしょう。
  60. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 御忠告ありがとうございます。昨年のことを私もよく見なかったものですから。  ただ、地方財政が非常に厳しいという現状において、昨年よりもことしの方が確かに借金の額が積み上がったことも事実だし、そういう意味では御指摘のとおりの面があるかと思います。しかし、本質的には、危機的状況は何もことし一気に危機が深刻化したわけではないんであって、事柄としてはもう昨年来そのベースは、基本は全然変わってはいないということであろうかと思います。去年までまあまあよくて、ことしになって危機が深刻化したというものではない。  特にことしの場合に大きくふえたのは、やはり恒久的減税措置という自主的な努力もあってこういうことになったわけでありますし、一方で、昨年やらなかったようないわゆる地財対策といいますか地方財政の対策として、よく申しておりますけれども、たばこ税について国から地方への移譲が現に行われ、そして法人税についても地方への交付税率を引き上げたという、その種のいわば恒久的減税に見合う裏打ちの措置もあわせて現にやっておるわけでありまして、そのことをも含めて、去年も厳しい、ことしも厳しいという基本そのものは定性的には大差ない。  より大事なことは、これから先どういうふうに改善をさせていくかということにさらに力を入れなきゃならぬということだと思っています。
  61. 春名直章

    ○春名委員 質的にも随分深刻になっているということ自身も、私は認識しなきゃいけないと思うんですね。といいますのは、大都市部の自治体というのは富裕団体だと言われてきたわけで、その点が今大変な事態になっているということ、と同時に、額も今までとは全く違う額に、財源不足になっていますから、その点は指摘しておきたいんです。  それに基づいていろいろな対策を今度お打ちになっているわけですが、その具体的な中身は段々の議論でしていきたいと思いますので、きょうは、その議論の前提となる自治大臣の地方財政危機に対する基本認識について、少しいろいろな点で議論してみたいと思います。  よく、国も地方も車の両輪というふうに言われます。それから、地方財政も厳しいけれども国の財政も厳しい、こういうことも言われます。あるいは、地方財政も厳しいけれども国の財政はもっと厳しいんだ、こういう意見もあります。それから一方、国は一つの財政単位だけれども、地方財政は三千二百余の自治体の集合体であって、規模の小さな団体もあるのでそういう点では地方の方が厳しい。いろいろな意見が交錯しているわけですね。  そこで、まず事実を確認していきたいと思うのです。  第一の問題は、地方財政悪化の進行ぐあいをお聞きしておきたいと思います。  私は、財政悪化の進行の度合いは、地方財政の方が国のそれよりも速い、こういうふうに思っておりますけれども、野田自治大臣は、その御認識はいかがでしょう。
  62. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 財政悪化の進行ぐあい、どっちが進んでいるかというのは、なかなか比較するのは難しいと思います。もちろん、いろいろ着目点において、例えば国債と地方債の償還期限が異なるから、だから同じ額でも地方の方が大変だという言い方もあれば、しかし、それはそれで一つの見方かもしれません。  だから、必ずしも、どっちの方が進んでいるという比較はどうなんでしょうかね、それよりも、やはりそれはどっちも独自の改善策をそれぞれ努力していかなきゃならぬのは当然のことである、私はそう思います。
  63. 春名直章

    ○春名委員 事実の問題としての数字を私自身も調べてみましたので御紹介しますが、地方の今の借入金残高は九九年度末で百七十六兆円ということになります。一方、国の長期債務残高は四百四十六兆円、額でいえば当然国の方が大きいわけですけれども、この中には郵貯特会の借入金とか国鉄の債務とかも入っていますので、ちょっと性格が違いますので、その部分を除いた普通国債残高は三百二十七兆円、こういうふうに見込まれております。  この地方の借入金残高と普通国債の残高、これを平成元年を基準にして、このふえぐあいを、私、比較してみました。そうしますと、地方の借入金残高は平成元年が六十五兆五千九百一億円なんです。これが百七十六兆円になるわけですから、約二・七倍のふえ方になります。普通国債の残高の方ですけれども、平成元年、百六十兆九千百億円です。これが三百二十七兆円と見込まれていますので、地方と比べればこれも大きいわけですけれども、この間のふえ方は約二・〇倍でございますので、この結果、数字の事実ですけれども、見ますと、地方の方の借金のふえ方が、割合といいますか、進行のスピードということでいいますと、速いということが冷厳な事実であります。  その点は、きょう初めて私自身が数字を言ったかもしれませんので、いきなりと言われるかもしれませんが、これは事実の問題ですので、その数字、進行の度合いということでいいますと、地方の方が速いのですね。このことを大臣にぜひ確認をしておきたいと思うのです。その点、よろしいですね。
  64. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 ちょっと今手元に正確な数字が、急な話なのでチェックするいとまがないので、今私からそのとおりでございますと言うのは、ちょっと避けたいと思います。  多分、お調べの上でのお話だから、数字はそういう数字なのかもしれません。そのテンポは、その限りにおいては今御指摘のようなことが言えるかもしれませんが、ただ、どっちがより悪くなっているかということの、物の見方をそれだけで判断するというのは、もうちょっと留保しておきたいと思います。
  65. 春名直章

    ○春名委員 では、もう一点、違う角度からお聞きしておきたいと思います。  これは自治省にお願いしますけれども、国と地方を合わせた長期債務残高の対GDP比の割合ですけれども、これが諸外国と比べても日本が非常に大きいということが問題になりまして、財政制度審議会などで議論もされて、凍結はされましたけれども、財政構造改革法が一時つくられたわけですね。諸外国と比べて大きいと言われるGDPに対する国と地方を合わせた長期債務残高、その点で、そのうちの地方の長期債務残高について、諸外国と比べてどういう特徴があるのか、この点、おわかりになれば自治省にお答えいただきたいと思います。
  66. 二橋正弘

    ○二橋政府委員 地方財政のウエートが各国で相当違っておりまして、OECDの統計を使って比較をいたしますと、私どもの方の地方財政、日本の地方財政のGDPに対します割合は平成八年度で一三・五ということでございまして、社会保障基金を除きます一般政府支出に対しまして八〇%を占めておりまして、これは、カナダとかドイツとかいった連邦制をとっておる国とほぼ匹敵するようなウエートを占めております。  その中でも、特に我が国の場合には公的資本形成のウエートが高いというのが特色でございまして、これは国、地方を合わせて七・三という、欧米各国に比べて高い状況にございますが、その中でも特に地方団体、約八割に相当いたします六・二%を執行しているということがございまして、そういう意味での社会資本整備に果たしている役割という点についても、日本の地方財政は大きな役割を持っているという特色がございます。
  67. 春名直章

    ○春名委員 多少わかりにくかったので、私も自治省につくっていただいた資料を見て驚いたのですけれども、財政赤字の対GDP比の国際比較を見させていただきました。そうすると、一九九五年の国、地方の財政赤字の各国との比較なんですけれども、カナダでいきますと、国がマイナス四・三%で、地方政府の財政赤字がマイナス一・〇%。アメリカは、国がマイナス三・二%で、地方政府が〇・五%。フランスがマイナス四・五%で、地方が〇・二%。ドイツがマイナス三・一%で、地方が一・七%。イタリアがマイナス六・九%で、地方は〇・二%。イギリスはマイナス六・一%で、地方が〇・二%。こういう数字であります。  これに対して日本は、国、地方の財政赤字は全部で六・七%で、うち地方政府の財政赤字がマイナス二・七%。つまり、アメリカも〇・五、フランスも〇・二、ドイツも一・七、イタリアが〇・二、イギリスが〇・二、こういう数字が地方政府の財政赤字のマイナスで並んでいるのですが、日本の場合は全体の財政赤字の枠も大きいわけですけれども、そのうちで特に地方政府の財政赤字がマイナス二・七%ということで、今お示しいたしました国の中で最も大きな数字になっているということになっているわけであります。  諸外国と比較しても、財政赤字の対GDP比の国際比較で見ますと、日本の大きさが非常に顕著なわけなんですね。特に地方政府の財政赤字が大きいというのが、全体としても大きいんだけれども、その割合の中で、地方政府の財政赤字の割合が非常に大きいということが、自治省からいただいた資料でも一目瞭然になるわけなんです。  きょう初めて私もこのことを言いますので、大臣はあれかもしれませんけれども、こういうふうに、諸外国との比較でも、地方の財政が背負っている借金というのはかなり大きなところにある、比較的大きなところにあるということもぜひ御認識いただいて対応していく必要があるんじゃないかと私は思いましてこの数字を挙げておりまして、この点、いかがでしょうか。
  68. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 一つは、それぞれの国によって、国が行う仕事、地方政府が行う仕事が異なっているのではないかという、僕は長年国会議員をやっていて、それぞれの国情によって、どういう仕事を地方政府部門が受け持ち、国が受け持つかというのは、かなり国によって異なっているということを前提にして見ていかないと、多少そこは、赤字の大きさもそうだが、逆に貢献のレベルもまた異なるんじゃないかというのを一つ僕は感じています。  しかし、それはそれとして、やはりこのところ地方の財政赤字が御指摘のとおりかなり急テンポで拡大をし、深刻な度合いが相当のレベルに達してしまっている。このまま放置はできないというところに立ち至っているということについては、いろいろなそこに至る原因等をも含めて、我々はもう一遍きちんとしたチェックをし直して対応していかなきゃならぬということは、その問題意識というのは、我々も深刻に受けとめているということは申し上げておきます。
  69. 春名直章

    ○春名委員 単純な比較は難しいということだと思うんですけれども、そういう面もあると思うんです。私も、ほかの国の地方自治と国との制度を全部調べているわけではありませんので、単純な比較はできないかもしれませんが。  ただ、私が注目したのは、ことしの一月五日付の「税務経理」という本の中に、神野さんといいまして、地方分権推進委員のお一人の東大の教授の方が論文を書いておられまして、なぜ諸外国が地方の財政の赤字を抑える努力を、低くするように努力をしているかというのを二点にわたって指摘をしているんですね。  その第一点は、地方政府は、国と違って通貨発行を操作する権限がない。国は通貨発行を操作できるから、金融財政と連動させて国債を管理することができる。いざとなったら通貨発行量を激増させて、インフレーションを発生させて事実上国債を償還してしまうというような手だてもできる。しかし、地方はそんな権限はない。だからこれは、高くなれば非常に深刻なんだという指摘であります。  もう一点は、国は国境を管理する政府だけれども、地方政府は国境、ボーダーを管理しないオープンシステムの政府なんだ、こういう問題とか、これはちょっとややこしい話になりますので言いませんけれども、こういう二点の要因があってできるだけ地方の財政は低く抑えていく、国とは違うんだという観点で指摘されているのを興味深く私も読ませてもらいました。  私、だから、国も地方も非常に厳しい財政状況にあるということは事実だと思います。ただ、その進行の度合いからいって、特に平成元年から入って多少地方の方がシフトして進行度は早くなってきている面、それから諸外国と比べても、単純な比較ということではどうかというのもありますけれども、ただ、高いという一つの数字の事実はある、地方の財政赤字の比較が。ということになっているので、私は、やはりこういう点を土台にし、また前提にしながら対策を考えていくということが大事になっているというふうに思うんです。  そこで、次の問題でちょっとお聞きしておきたいんですけれども、今までの国の手法は、結局国の責任を放棄するとは言いませんけれども、地方に転嫁するという面が非常に強かったというように思っているんです。地方自治体に負担を転嫁させてきている結果が、こういうアンバランスを生み出す要因になってきているのではないかと。  まず、自治大臣にお聞きしておきますけれども、なぜこの地方財政の深刻な実態が生まれてきたのか。先ほど桑原委員にもお答えになっておられましたけれども、この深刻な実態が生まれてきた主要な要因がどこにあるとお考えなのか、自治大臣の率直な意見をお聞きしたいと思います。
  70. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 先ほど来いろいろ申し上げてきたわけですけれども、一つは、何といっても今日の経済状況を反映して、特に法人系統の税収の落ち込みが大きい、この税収の落ち込みというのは当然あるということであります。それがまた地域間でいうと、大都市にかなりその落ち込みの大きさが反映されているということは否定できないことであろうかと思います。  それからもう一つ、今度は、歳出需要という側面でいえば、もちろん景気対策ということは、国自身が主体的に取り組むということは当然のことでありますが、あわせて地方自治体にとっても、あなた任せというわけじゃないので、地域経済が活力を取り戻したいというのは、やはり地域住民としても非常に切なる願いでもあるわけです。そういう点で、公共事業の中でも、補助事業、単独事業を含めてそういった地域経済を活性化させたい、あわせて立ちおくれている社会資本の整備も推進をしたい、こういったことも相まって、従来以上に、平時以上に、景気対策の時点で、そういう地方における歳出需要ということもかさんできたということは、これは偽らざるところであると思っています。  そのほか、いろいろな諸要素はあろうとは思いますけれども、ここしばらくの間に急速にそういう形で借金がふえてきたという背景は、特徴的なことを言えば、そういったことが大きかろうというふうに思っています。
  71. 春名直章

    ○春名委員 今、二点お示しされました。  そこで、もう少しそこの点を事実に即して議論してみたいんですけれども、これは予算委員会でも私どもの書記局長が質問をしたんですけれども、公共事業費の、今、二番目の要因ということでおっしゃった、膨張額の累積を見てみますと、一九九〇年度から九八年度までで、累積ですよ、百兆三千億円膨張しているんですね、この九年間で。一九八〇年代後半の五年間で全国の自治体での公共投資は、年平均十九・二兆円でした。ところが、九〇年代に入ってからこれが急膨張いたしまして、年平均三十・三兆円、約十一兆円も毎年平均で膨張するということになったんですね。八○年代と九〇年代で全然違うんですね、その規模、膨張の度合いが。  くしくも、そういう九〇年代に入ってからの地方の借金は、八九年六十七兆円だったのが九八年度末で百六十六兆円になりまして、こちらもちょうど借金の累増が百兆円増、こういうことになるんですね。これは全部イコールではありませんよ、もちろん。しかし、数字的にはそういうふうになるんですね。  法人事業税の落ち込みということを今前半に御指摘されましたけれども、これは特に今年度、急激に落ち込んでいるという事実はありますけれども、税収はバブルが崩壊してからは停滞なんです。まあ、落ち込んでいるという面もある。そのときに、税収がふえないときに、累計で百兆円の膨張を公共投資でやってしまったというところに、一番の直接の最も根源的な原因があるというふうに言わざるを得ないと私は思うんですね。その点の御認識はいかがでしょうか。
  72. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 いろいろ要因分析を申し上げたんですが、何か今のお話を聞いていると、地方自治体がみずからの地域の活力を取り戻したい、あるいは立ちおくれている社会資本の整備をこの機会にあわせてやっていきたいということが、まるでいけないことのような感じに聞こえるので、そこのところは、まあ、程度の問題ではあろうかと思います。  私は、そういう点で、やはり地域に住む人間それぞれが、やはり自分たちがきちんと自活できる、自分たちの力で本当に自立できるように何とかよくしたいという願望は非常に地方自治の原点でもあるわけで、何かそういう地域住民の要望がないのに、国の方からいかにも押しつけて、嫌がるのを無理やり財政悪化させてしまったような受けとめ方なり表現の仕方というのは、ちょっと誤解を生じやすいのではないかというふうに思います。
  73. 春名直章

    ○春名委員 私は、公共投資や公共事業をすべて悪だなんというふうには思いません。私は、地方自治体のこともいろいろ調べておりますけれども、必要なことはたくさんありますし、努力しなければならないと思っています。ただ、やはりこの九〇年代、八〇年代後半からのこの公共投資の膨張によって、本当に住民の意向とは全く無関係なところがたくさんあるんですね。  例えば、東京の臨海副都心開発とか大阪のりんくうタウンとかやられていますね、泉佐野コスモポリスは破綻しましたけれども。それから、神奈川では、みなとみらい21とか、いろいろな大規模工事がこの間ずっとやられてきたんですよ。  いずれも、これは大事業の誘致を当て込んで、呼び込み型で開発を進めてきたんですね、自治体を中心にして。ところが、一兆円を超えるような規模でこういう開発にはそれぞれの県で財政を注ぎ込んできましたけれども、結局は当てが外れたといいますか、売れ残っている空きビル、広大な土地、残骸と言ったら言い方がちょっとむごいかもしれませんけれども、そういうものがたくさんあるのですね。ところが、私たちが調査に行ったところを見ますと、次からも、もっと引き続きそれもやるというような自治体も多いのですね。私はそういうことに非常に驚いたのです。  地域の住民にとって本当に必要なものであれば、きちっと確保するというのは当然だと思います。しかし、余りにもだれが見てもむだ遣いではないかと思われるような大規模開発が相当な規模でやられてきているということが、私は事実だろうと思うのですね。その事実をしっかりと見ていただきたいと思いますし、自治大臣自身がその現場にもおり立っていただけたら私はありがたいと思いますけれども、そういうことから百兆円の累増が積み重なっていった、大きな要因がそういうところにあるということを私は指摘したいわけであります。  宮澤大蔵大臣は、九八年十二月三日、私が財政構造改革特別委員会質問をさせていただいたときに、税収減の中で公共投資を、特に大型プロジェクトを次々と拡大をしてきた、そのことが地方の傷を二倍、三倍に深くしてきた、こういう事実をお認めになりますかという質問をさせていただきました。大蔵大臣は、非常に率直に、「そういう問題があったであろうと思っております。」このように御答弁をなさいました。ですから、並列の要因ではなくて、景気後退の中で税収減が生まれているそのさなかに、必要なものはもちろんありますけれども、このような、どこから見てもむだではないかと思われるような大きな規模の公共投資あるいはプロジェクトがかなりの規模でやられてきた、そこを原因としてはっきり見定めて必要なところにはメスを入れる、私はそういう勇断が必要ではないかなと考える次第です。その点をもう一回大臣にお聞きをしておきたいと思います。
  74. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 何がむだで何が必要かというのは、なかなか人によって視点によって異なる部分があって、一概に言えない。東京から見て、地方で行われる事業の中で、あれはむだだとかいろいろ言う意見もあれば、逆に、地方にいる人から見て、東京で行われる事業でいろいろまた注文がつくかもしれません。  しかし、しょせんこれは基本的には地元の自治体、つまり地域住民自身で何が大事かということをまさにこの自主性の中で決定をしてもらうという世界であって、余り国が右向け右という言い方をして、これはむだだ、これは大事だという仕分けはしないようにしようということが地方分権であり、地方自治に沿うことではないか、私は本当に、本音でそう思いますよ。それだけに、統一地方選挙も近いわけでありますから、逆に、地域住民がみずからの地域の問題で優先度を自己責任において決めていくんだ、そういう中で意思決定がなされていくということを大事にしたい、私はそう考えております。
  75. 春名直章

    ○春名委員 六百三十兆円という公共投資基本計画をやって、地方にこれをやらせなさいというようなこととか通達も私はたくさん見ておりますけれども、そういう方向でやろうじゃないかということをかなりけしかけられているというのは事実ですので、最後になりますけれども、私は一点だけ聞いておきます。  私は、国の責任と財源で、恒久的減税の補てんについては解決すべきだと思うのですね。それはなぜかといいますと、野田自治大臣自身が書いていらっしゃる「政策不況」というのを、まだ全部は読んでいないのですけれども、途中までなんですけれども読ませていただきまして、鈴木淑夫衆議院議員との共著ですけれども、プロローグの中で、今の不況は誤った政策の実施と正しい政策の不在が招いた政策危機である、こういうふうにおっしゃって、政策が生み出した危機には政策で対処すれば解決できる、こういうふうに断言していらっしゃる、私はそれは一面正しいと思います。  ところが、そういう、政策によって生まれた不況の解決のために生まれている恒久的減税の補てん、これが結局約一兆円を超える額が地方負担になっているのですよ、今度の対策では。減税補てん債が二千六百七十八億円、地方負担分それから交付税の借り入れが七千六百四十二億円で一兆三百二十億円です。私は、野田自治大臣の決意からいっても、その解決のために地方に負担をさせるというのは誤っているんじゃないかと思うのですね、政策不況なんだから。一〇〇%国が責任を持ってこれは対応すべきではないかと考えますけれども、最後にこのことを伺って、私の質問を終わりたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  76. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 政策不況の話と平成十一年度における地方財政の、言うなら恒久的減税に伴う減収措置に対する穴埋め措置といいますか、対策というのとはちょっと違うと思っています。そういう点で今度の減税問題についての恒久的措置、この減税に関する部分については、何度も申し上げておりますが、今までにないやり方で、それに見合う、それを財政的に裏づける措置として、たばこ税についての国から地方への移譲を行い、あるいは地方交付税の世界においても法人税についての交付税率を引き上げるという、その種の措置によって、従来にないきちんとした対応ができておるものと考えております。
  77. 春名直章

    ○春名委員 以上で終わります。どうもありがとうございました。
  78. 坂井隆憲

    ○坂井委員長 次に、知久馬二三子君。
  79. 知久馬二三子

    ○知久馬委員 社会民主党・市民連合の知久馬でございます。  質問に先駆けて、一言お断りさせていただきたいと思いますが、私は、初登院いたしましてきょうでちょうど二十日でございます。質問するのも、二十日でございまして、この院内の生活になれるのが精いっぱいでございますのでまだまだ勉強不足でございます。それで的外れな質問もあるとは思いますが、時間が許せば、三つに絞って、自治大臣に質問させていただきたいと思います。  最初にまず、地方分権と市町村の合併の問題でございますが、野田自治大臣は一月十五日、報道各社の共同インタビューの中で、地方分権の問題に関連して、小選挙区の三百が一つのイメージだ、基礎的自治体はおおむね三十万人を軸とし、少なくとも十五万人以上にすべきではないかと、市町村合併を推進する見解を示されていますが、現在でもそのようにお考えでしょうか。お伺いいたします。
  80. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 三百という数字というのは、必ずしもその三百ということ自体に意味があるとは思いません。あるいは二百五十なのか五百なのか、究極的にそういう形が望ましいのではないかというのは一つあります。しかし、一気にそこへいくというのもなかなか大変だ、したがって、途中の過程として千ぐらいならどうかという議論があることも承知をいたしております。  ただ、大事なことは、合併をすることによって、言うなら住民への基礎的なサービスがある程度内容、レベルが保障されるということは非常に大事なことだ、そういう点で、数少ない人口の中だけではやはり高度なサービスを提供できかねるということが現にあるわけで、そういった意味からも大事なことですね。そういったことを考えると、一体何人ぐらいからがそういう形ができるのかということで、当面おおよそ、いろいろな行政コストの共通経費を考えた場合によく言われるのは、十五万人以上というのは効率的ではないか、それは一つの実践的なメルクマールだろうと思います。しかし、もう一歩進んで、三十万人ぐらいあった方がいいのではないかという議論があることも事実です。  だけれども、それを強制的に、ようかんを切るように最初から国の方でばさっと人口割だけで決めるわけにいかない、これはもう当然のことであります。そういう点で、ただ抽象論で合併合併といったってなかなか物事は進まないので、ある程度お互い少し拍車をかけて、そういう方向性に向けて集約をしていくというか考え方を集約していくということが大事なことじゃないかということで申し上げたわけです。
  81. 知久馬二三子

    ○知久馬委員 ありがとうございました。  九五年の合併特例法で、議員の定数、在任特例の緩和、財政特例の拡充、住民による合併協議会設置の直接請求権などが盛り込まれ、その後、九七年七月の地方分権推進委員会第二次勧告や九八年四月の第二十五次地方制度調査会の答申で、自主的な市町村の合併をさらに一層推進する施策が打ち出されてきました。そして、今般、地方分権推進計画に沿って合併特例法の改正が提案されようとしていますが、その内容はどのようなものでしょうか。お伺いいたします。
  82. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 今国会に提案する予定の地方分権に関する一括法案に合併特例法の改正も盛り込む考えでおります。この中では、住民の意向により自主的な合併が進められていく住民発議制度の拡充や、合併後についても合併前と同程度の普通交付税の額を受けられる、保障される、そのための合併算定がえ、専門的な言葉になりますが、合併算定がえの期間の延長などを行う予定であります。  それから、御指摘のように、合併によって地域格差が生じることや住民の声が施策に反映できにくくなるといった心配も指摘をされております。そういった点で、今回の法律改正では、合併前の市町村が協議をし、旧市町村の区域ごとにいわゆる地域審議会を置くことができることとして、合併市町村の長に対して地域の意見を述べることができるような仕組みを新たに今度設けようということを考えておるわけであります。  それから、日常の行政サービスが身近に受けられるよう、地域ごとの支所や公共施設を活用することが有効であるので、合併推進のガイドライン、指針を、これは国として示す予定ですが、その中にもこうした方策の活用を盛り込みたいと考えております。  さらに、旧市町村の振興や市町村建設計画に基づく事業のための財政措置を拡充して、合併した市町村が均衡のある発展ができるように総合的に支援をしてまいりたいと考えております。
  83. 知久馬二三子

    ○知久馬委員 こうして市町村の合併の促進が図られているわけなんですが、現実には市町村の合併は進んでいません。  これにはさまざまな見方があると思います。私は、地方行政経費を安く上げるためとか規模が大きくないと分権の受け皿にならないとかという理由で市町村合併を推進するということは、本末転倒だと考えます。国によって権限や財源が制約されている中で、自立が困難だからといって合併促進を説くのはおかしいのではないでしょうか。合併による住民サービスの低下、合併前の地域の独自性の喪失、周辺部の過疎化をもたらし、村が消えていくようなおそれさえあります。また、規模や人口が大きくなればなるほど、住民一人一人の意見や意思の反映が難しくなるのではないでしょうか。  そのようなことがあってはならないと思うのです。合併の行政の広域化に対しては、各自治体が自主的、主体的に対応すべきであり、住民投票など、住民の決定と地域社会の選択を尊重して対応すべきだと思うのでございます。そして、何よりも、地域コミュニティーの確立、市町村自体の権限の強化と、一番重要なことだと思うのですが、税財源の確立の重要なことが挙げられると思うのでございます。  その点について、一言お願いします。
  84. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 御指摘のとおり、やはり市町村の合併は、何といっても当事者であります市町村の住民自身がその意義というものをまず主体的に認識をしていただくということが一番大事なことだと考えています。  そういう点で、先ほど私もちょっと申し上げたとおり、合併することの方が従来以上にサービスの内容が向上する、充実する、あるいは、いろいろな施設を利用するにしてもその方が便益性が高まるのだ、いろいろなメリットがあるのですよということも認識をしていただく。そして、さらにまた、それを進めていく上で、いわゆる合併だけじゃなくて行政の効率化、簡素化ということも一方でやることによって、言うなら経費も節減できるのですよということも副次的効果としてあるのでしょうし、そういったことを踏まえて、まず主体的に御判断をいただく。  それで、その中で地方が切り捨て御免にならないような配慮を当然していくというのも、これまた大事なことだと思いますから、そこの点はお互い知恵を出して、より充実できるようにしていきたいと思っています。
  85. 知久馬二三子

    ○知久馬委員 本当に、切り捨てられていく町や、それとそこに営々と住んでいた人たちのことをやはり考えていかなければならない、重々よろしくお願いしたいなと思います。  次に、地方債についてですが、お尋ねします。  地方全体の借金が、先ほどから言われていますように、一九九九年度末には百七十六兆円に達すると見込まれています。また、今後、バブル期に発行された地方債の償還が相次ぐことになりますが、地方自治体は非常に公債費対策に苦しんでおります。ただでさえ逼迫している地方の財政危機を悪化させる大きな要因になっているのではないかと危惧しておりますが、自治省としては、過去の高金利時代に発行した地方債の償還対策をどのように考えておられるのか、お伺いいたします。
  86. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 過去の高金利時代に発行した地方債のいわゆる繰り上げ償還の措置を、平成十一年度の臨時特例の措置として行うことにいたしたわけであります。具体的には、政府資金、公営企業金融公庫資金の繰り上げ償還措置であります。これは、起債制限比率一五%以上、そして一四%以上で特別の財政事情のある団体というものにその措置を行うことにしたわけであります。  それから、公営企業借換債を拡充した。これは、資本費負担が著しく高い一定の公営企業について認めることとしたわけです。  第三点で、高利の地方債に対する特別交付税措置を行うこととした。これは、起債制限比率が一四%以上の団体ということであります。  こういった措置によりまして、平成九年度決算ベースで、対象地方債残高で六千百億円程度、六百八十団体程度にこの措置を講ずることにしたわけであります。
  87. 知久馬二三子

    ○知久馬委員 時間がちょっとなくなりましたけれども、もう一点だけお伺いいたします。  地方債の許可制度についてお伺いしますけれども、昨日八日の新聞報道では、自治省は八日に、地方自治体の財政の自主性を高めるため、地方債発行に必要な自治大臣からの許可を二〇〇六年度から廃止することを決めた云々とし、地方自治法改正案に盛り込まれ、地方分権一括法として来月に国会に出されると報道されています。改めてこの件について、自治大臣からお考えをお伺いしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  88. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 地方債の許可制度については、地方自治をさらに推進していこうという趣旨からすれば、特に、国と地方の関係をいわゆる上下の関係からむしろ対等の関係に持っていこうということでありますので、起債の許可制度そのものをできるだけ早い時点でなくして協議制に移行していこうということがまずあるわけです。  しかし、そうはいいましても、今直ちにそこにいくにはいろいろ問題もあるなということで、地方分権推進委員会の勧告におきましていわゆる財政構造改革期間中は許可制度を維持するということとされているわけでありまして、この趣旨は、協議制度に移行した場合は地方債の発行は基本的に各自治体が自由にできることになるわけで、国においてその量的コントロールができなくなるわけですね。そういうことになれば、財政構造改革を推進する必要のある期間においては、やはり許可制を維持して量的コントロールを図る必要があるということから、そういう勧告になったわけです。  それで、財革法が停止されまして、当分の間その効力は停止されたわけですが、しかし、財政構造改革を推進していく、国の財政もそうですが、地方財政も再建していかなければならないという精神そのものは、基本的な考え方は、これはやはり軌を一にしているわけであります。  そういうことと同時に、今現在の相場という状況の中でいいましても、原則、今の時点で発行自由ということになれば、市場における消化の問題で、あるいは発行条件の点においても少し問題が出るのじゃないか、地方債に対する市場の信用を傷つけることもあるいはあるかもしれない、そういうような懸念も一方である、こういうようなことから、直ちに起債の許可制をやめて一気に協議という形に持っていくのはやはり問題があるのではないか。  そういう点で、財政構造改革を達成するまでの当分の間、許可制を維持するという表現もあり得るのですが、当分の間というわけにはいくまいと。当分の間という言葉で随分長くやってきたということもあるものですから、そういう点で、これは明確にする方が望ましいということで、財政構造改革法の停止前の目標年度である平成十七年、二〇〇五年で許可制を廃止して、二〇〇六年、平成十八年度からは協議制へ移行する方向で今度の法案の中に盛り込みたいと考えておるわけです。
  89. 知久馬二三子

    ○知久馬委員 大変ありがとうございました。
  90. 坂井隆憲

    ○坂井委員長 この際、暫時休憩いたします。     午前十一時五十四分休憩      ――――◇―――――     午後六時二十九分開議
  91. 坂井隆憲

    ○坂井委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方財政に関する件について調査を進めます。  この際、平成十一年度地方財政計画について説明を聴取いたします。野田自治大臣。
  92. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 平成十一年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。  平成十一年度においては、現下の厳しい経済情勢等を踏まえ、景気に最大限配慮して実施される恒久的な減税に伴う影響を補てんするほか、歳出面においては、徹底した行政経費の抑制を基本とするとともに、経済再生への対応、地域福祉施策等の充実を図り、歳入面においては、地方税負担の公平適正化の推進と地方交付税の所要額の確保を図ることを基本としております。  以下、平成十一年度の地方財政計画の策定方針について御説明申し上げます。  第一に、地方税については、個人住民税の最高税率の引き下げ及び定率減税の実施並びに法人事業税の税率の引き下げ等の恒久的な減税を実施するとともに、住宅及び住宅用土地に係る不動産取得税の課税標準等の特例措置に係る要件の緩和、低燃費自動車等に係る自動車取得税の特例措置の創設等の措置を講じるほか、非課税等特別措置の整理合理化等のための所要の措置を講じることとしております。  第二に、地方財政の運営に支障が生じることのないようにするため、恒久的な減税に伴う影響額について、国と地方のたばこ税の税率変更、法人税の地方交付税率の引き上げ、地方特例交付金の創設及び減税補てん債の発行等により補てんするとともに、それ以外の地方財源不足見込み額についても、地方交付税の増額及び建設地方債の発行等により補てんすることとしております。  第三に、地域経済の振興や雇用の安定を図りつつ、自主的、主体的な活力ある地域づくり、住民に身近な社会資本の整備、災害に強い安全な町づくり、総合的な地域福祉施策の充実、農山漁村地域の活性化等を図るため、地方単独事業費の確保等所要の措置を講じることとしております。  第四に、地方行財政運営の合理化と財政秩序の確立を図るため、定員管理の合理化及び一般行政経費等の抑制を行うとともに、国庫補助負担金について補助負担基準の改善を進めることとしております。  以上の方針のもとに、平成十一年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は八十八兆五千三百十六億円、前年度に比べ一兆四千三百五十二億円、一・六%の増となっております。  以上が、平成十一年度の地方財政計画の概要であります。
  93. 坂井隆憲

    ○坂井委員長 以上で説明は終わりました。      ――――◇―――――
  94. 坂井隆憲

    ○坂井委員長 ただいま付託になりました内閣提出、地方税法の一部を改正する法律案、地方交付税法等の一部を改正する法律案及び地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律案の各案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。野田自治大臣。     ―――――――――――――  地方税法の一部を改正する法律案  地方交付税法等の一部を改正する法律案  地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  95. 野田毅

    ○野田(毅)国務大臣 ただいま議題となりました三案につきまして御説明申し上げます。  まず、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨につきまして御説明申し上げます。  最近における社会経済情勢等にかんがみ、地方税負担の軽減及び合理化等を図るため、個人住民税の最高税率の引き下げ及び定率減税の実施、法人事業税の税率の引き下げ、住宅及び住宅用土地に係る不動産取得税の特例措置に係る要件の緩和、低燃費自動車に係る自動車取得税の特例措置の創設等の措置を講じるほか、固定資産税の価格等に係る審査申し出制度の見直し等を行うとともに、非課税等特別措置の整理合理化等を行う必要があります。  以上が、この法律案を提案いたします理由であります。  次に、この法律案の要旨につきまして御説明申し上げます。  その一は、個人の道府県民税及び市町村民税並びに法人の事業税に係る負担の軽減に関する改正であります。  個人の道府県民税及び市町村民税並びに法人の事業税につきましては、個人及び法人の所得課税のあり方についての抜本的な見直しを行うまでの間、個人の市町村民税の最高税率を一〇%に引き下げるほか、個人の道府県民税及び市町村民税について所得割額の一五%相当額を四万円を限度として税額から控除する措置を講じるとともに、特定扶養親族に係る扶養控除額に二万円を加算する措置を講じることといたしております。また、法人の事業税について、普通法人に係る年八百万円を超える所得に適用される税率を九・六%に引き下げる等の措置を講じることといたしております。  その二は、道府県民税及び市町村民税についての改正であります。  個人の道府県民税及び市町村民税につきましては、個人の土地等の譲渡に係る長期譲渡所得について特別控除後の譲渡益が六千万円を超える部分に係る税率を引き下げるとともに、一定の居住用財産を譲渡して買いかえ資産を取得した場合において譲渡損失があるときは前年前三年内に生じた譲渡損失の繰越控除制度を創設するほか、低所得者層の税負担に配慮するため、所得割の非課税限度額を引き上げることといたしております。  その三は、事業税についての改正であります。  個人の事業税につきましては、事業主控除の額を二十万円引き上げることといたしております。  その四は、不動産取得税についての改正であります。  不動産取得税につきましては、住宅及び住宅用土地に係る特例措置について、土地取得後住宅取得までの経過年数要件の緩和等の措置を講じることといたしております。  その五は、道府県たばこ税及び市町村たばこ税についての改正であります。  道府県たばこ税及び市町村たばこ税につきましては、地方財政の円滑な運営に配慮する観点から、当分の間の措置として、その税率を、道府県たばこ税にあっては千本につき百七十六円、市町村たばこ税にあっては千本につき二百三十四円、それぞれ引き上げることといたしております。  その六は、固定資産税についての改正であります。  固定資産税につきましては、固定資産評価審査委員会に対する審査申し出の期間の延長等を行うことといたしております。  その七は、特別土地保有税についての改正であります。  特別土地保有税につきましては、既に徴収猶予を受けている土地が住宅宅地供給のために譲渡された場合に徴収猶予の継続を認める特例措置の創設等を行うことといたしております。  その八は、自動車取得税についての改正であります。  自動車取得税につきましては、一定の低燃費自動車に係る自動車取得税の特例措置の創設等を行うことといたしております。  その九は、軽油引取税についての改正であります。  軽油引取税につきましては、輸入した軽油等に係る課税の適正化を図るため、道府県知事等が関税等に関する書類等を閲覧しまたは記録することができることとする制度の創設等を行うことといたしております。  以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。  次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。  地方財政の収支が引き続き著しく不均衡な状況にあること、法人事業税の税率の引き下げに伴い収入が減少すること等にかんがみ、当分の間、法人税に係る地方交付税の率を引き上げる措置を講ずるとともに、地方交付税の総額の確保に資するため、平成十一年度分の地方交付税の総額について特例措置を講ずるほか、平成十三年度から平成二十四年度までの間における一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れに関する特例等を改正する必要があります。また、平成十三年度から平成二十二年度までの間における一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れ及び同特別会計における借入金等に係る利子の繰り入れに関する特例を設けることとし、あわせて各種の制度改正等に伴って必要となる行政経費及び地方団体の行政水準の向上のため必要となる経費の財源を措置するため地方交付税の単位費用を改正する等の必要があります。  以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。  次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。  まず、法人税の収入額に対する地方交付税の率につきましては、当分の間、三・八%引き上げ、三五・八%とすることとしております。ただし、平成十一年度にあっては〇・五%引き上げ、三二・五%とすることとしております。  また、平成十一年度分の地方交付税の総額につきましては、地方交付税法第六条第二項の額に、平成十一年度における加算額五千五百六十億円、交付税特別会計借入金八兆四千百九十三億四千万円及び同特別会計における剰余金千五百億円を加算した額から、同特別会計借入金利子支払い額五千八百八十二億六千万円を控除した額とすることとしております。  さらに、平成十三年度から平成二十四年度までの間における一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れに関する特例等を改正するとともに、平成十三年度から平成二十二年度までの間における一般会計から交付税及び譲与税配付金特別会計への繰り入れ及び同特別会計における借入金等に係る利子の繰り入れに関する特例を設けることとしております。  次に、平成十一年度分の普通交付税の算定につきましては、地域の創意工夫に基づく地域経済の再生、人づくり等地域の活力創出に要する経費、総合的な地域福祉施策の充実に要する経費、教職員定数の改善、私学助成の充実等教育施策に要する経費、道路、下水道等住民の生活に直結する公共施設の整備及び維持管理に要する経費、国土保全対策、農山漁村地域の活性化等に要する経費、中心市街地再活性化対策に要する経費、消防救急業務の充実、震災対策の推進等に要する経費、自然環境の保全、廃棄物の減量化等快適な環境づくりに要する経費、地域社会における国際化、情報化への対応、文化、スポーツの振興に要する経費及び地方団体の行政改革、人材育成の推進に要する経費の財源等を措置することとしております。  また、算定方法の簡明化を図るため、その他の教育費における公立大学の運営、私学助成、公立幼稚園の運営に係る経費、高齢者保健福祉費における老人医療費、林野行政費における公有林維持管理費、戸籍住民基本台帳費における戸籍事務に係る経費について、新たに測定単位を設けることとしております。  さらに、被災者生活再建支援基金に対する拠出の財源に充てた地方債に係る元利償還金を基準財政需要額に算入するため、新たに測定単位を設けることとしております。  あわせて、基準財政収入額の算定方法について、平成十年度における道府県民税及び市町村民税の特別減税による平成十一年度の減収額として自治省令で定める額を加算することとする特例を設けることとしております。  以上が、地方交付税法等の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。  次に、地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。  地方税法の一部を改正する法律及び経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律の施行により道府県民税及び市町村民税並びに法人の事業税の収入が減少することに伴う地方公共団体の財政状況にかんがみ、その財政の健全な運営に資するため、当分の間の措置として、毎年度、地方公共団体に対して地方特例交付金を交付するとともに、地方債の特例措置を講ずることとし、あわせて普通交付税の額の算定に用いる基準財政収入額の算定方法の特例を設ける等の必要があります。  以上が、この法律案を提出いたしました理由であります。  次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。  第一は、地方特例交付金に関することであります。  地方税法の一部を改正する法律等の施行による地方税に係る各年度の減収額を埋めるため、毎年度、地方公共団体に対して地方特例交付金を交付することとしております。  毎年度分として交付すべき地方特例交付金の総額は、当該年度における地方税の減収見込み額の総額の四分の三に相当する額から、国と地方のたばこ税の税率の改正に伴う道府県及び市町村たばこ税の増収見込み額の総額並びに当該年度の法人税の収入見込み額の百分の三・八、ただし、平成十一年度にあっては、百分の〇・五に相当する額を控除した額として予算で定める額とすることとしております。  毎年度分として各地方公共団体に対して交付すべき地方特例交付金の額につきましては、都道府県にあっては、当該都道府県の減収見込み額に四分の三を基準として定める率を乗じて得た額から、道府県たばこ税の増収見込み額及び法人の事業税の減収見込み額を控除して得た額としております。  また、市町村及び特別区にあっては、当該市町村または特別区の当該年度における減収見込み額に四分の三を乗じて得た額から市町村たばこ税の増収見込み額を控除して得た額としております。  このほか、地方特例交付金の交付の時期等所要の規定を設けるとともに、地方特例交付金を交付税及び譲与税配付金特別会計において経理するために必要な改正等を行うこととしております。  第二は、地方債の特例であります。  地方税法の一部を改正する法律等の施行による各年度の地方税の減収額を埋めるため、地方債の特例措置を講じることとしております。  その限度額は、都道府県にあっては、当該団体の減収見込み額に四分の一を基準として定める率を乗じて得た額とし、市町村及び特別区にあっては、当該団体の減収見込み額に四分の一を乗じて得た額としております。  第三は、地方交付税の特例等であります。  普通交付税の額の算定方法の特例として、地方特例交付金及び特例的な地方債の発行限度額に相当する額の一定割合を基準財政収入額に算入または加算することとするほか、地方特例交付金創設に伴い必要となる地方財政の特例を設けることとしております。  以上が、地方特例交付金等の地方財政の特別措置に関する法律案の提案理由及びその要旨であります。  何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
  96. 坂井隆憲

    ○坂井委員長 これにて各案についての趣旨の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時四十七分散会