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1998-08-10 第143回国会 衆議院 本会議 4号 公式Web版

  1. 平成十年八月十日(月曜日)     ―――――――――――――  議事日程 第三号   平成十年八月十日     午後一時開議  一 国務大臣の演説に対する質疑     ――――――――――――― ○本日の会議に付した案件  国務大臣の演説に対する質疑     午後一時三分開議
  2. 伊藤宗一郎

    ○議長(伊藤宗一郎君) これより会議を開きます。      ――――◇―――――  国務大臣の演説に対する質疑
  3. 伊藤宗一郎

    ○議長(伊藤宗一郎君) 国務大臣の演説に対する質疑に入ります。中野寛成君。     〔中野寛成君登壇〕
  4. 中野寛成

    ○中野寛成君 私は、民主党を代表して、小渕総理の所信表明演説に関連し、その政治姿勢を中心に基本的問題に絞って、総理に質問いたします。  質問に先立ち、甚大な被害をもたらした新潟県を初め集中豪雨の被災地の皆様に対し、心からお見舞いを申し上げます。我が党としても最善の努力を尽くしておりますが、政府においても万全の措置を講じられるよう求めます。  一方、世界に目を転じますと、中国揚子江流域の水害、韓国の豪雨も被害が広がっております。先日のパプアニューギニア北西部で生じた津波も大きな被害をもたらしました。自然災害への対処はもとより、地球環境保全に今ほど国際的な協力が求められているときはありません。また、核実験禁止、核兵器廃絶のためにも、我が国は率先して主導的役割を果たさなければなりません。総理の決意を求めます。  さて、去る七月三十日、小渕総理を首班とする内閣が発足いたしました。図らずもという言葉がありますが、我が国が存亡の危機に直面している今日、民意の支えもなく、市場からも世界からも歓迎されないまま、図りに図って就任された総理に、まずは御苦労さまと申し上げます。  参議院では、私どもの菅直人代表が総理大臣の指名を受けました。直近の民意が示された参議院選挙の結果に従えば、これこそ現在の国民の意思と考えるべきであります。しかるに、総理大臣指名については衆議院の議決が優越するがために、ひとまず小渕総理が誕生いたしましたが、一院のみでしか信任を得ていない事実を総理は厳粛に受けとめるべきであります。ましてや、その衆議院においても、自民党は一昨年の総選挙で過半数を割りながら、その後、野党の議員を取り込み、強引に過半数を達成したにすぎません。この国難を克服するには、何よりもまず国民に信頼された政府が必要です。改めて衆議院もまた国民の審判を仰ぐべきです。(拍手)  主要マスコミの世論調査によれば、小渕内閣の支持率は二五%から三〇%台前半に低迷し、不支持率は支持率を大きく上回り、四〇%台後半から六〇%近くに上っております。世界のマスコミも、小渕総理を酷評しております。七月二十五日付のニューヨーク・タイムズ紙は、日本の有権者と世界の市場が不況回復に大胆な行動を求めているときに、日本の与党はよりにもよって大衆が最も希望しない内気な人物を次期首相に選んだとして、小渕氏を国民の選択ではないと論評する社説を掲載しております。  小渕内閣は、国民の審判を受けた内閣でも、民意を反映した内閣でもありません。この事実をどう受けとめているのか、まず小渕総理の認識を伺います。  今、我が国は、政治、経済、社会、あらゆる面にわたり混迷や不安が続き、世紀末と言われる状況に陥っています。政治は国民の信頼を完全に失い、一連の官僚不祥事で行政は行き詰まり、金融機関の相次ぐ破綻や不良債権処理が棚上げされ、金融不安が加速しております。  世界はいわゆる日本売り、橋本売りによって日本政府に不信任を突きつけてきました。今回の小渕政権の誕生についても、それこそ恐慌を世界に輸出しかねないとして、新政府におそれを抱いております。  現に、スイスの民間研究所がまとめた世界競争力白書によれば、日本の国際競争力は総合評価で、九三年に米国に一位の座を明け渡した後、毎年のように順位を下げ、九七年には調査対象四十六カ国中九位に落ちております。分野別で見ても、首位を保っていた科学技術さえ、九五年から米国に抜かれ、その差を広げられております。  七月二十三日、米大手格付会社のムーディーズが、日本の国債や政府保証債の格付を最高位のトリプルAから格下げ方向で見直すと発表したことも、日本への市場の信頼が急速に落ちていることの一例です。  小渕内閣は、世界において現在日本が置かれた状況をきちんと認識されているのでしょうか。橋本内閣と同様、改革を骨抜きにし、ずるずると日本の空洞化、衰退を傍観するだけで、我が国をつかの間の繁栄を享受した国として世界史に登場させる役割を演じるのではないかと国内外の多くの人々が危惧しております。何が何でも我が国の国際的競争力及び地位を回復させるとの決意をお持ちか、総理にお伺いをいたしたい。  小渕総理は、自民党総裁選立候補に当たって、橋本政権の六大改革路線を基本的に継承すると表明されました。しかし、この六大改革は、すべてが失敗し、破綻したと言っても過言ではありません。  財政と金融の完全分離もなく、大蔵省は財務省と名を変えてちゃっかり生き残り、おまけに総務省というお化け官庁も誕生する道が開かれ、行政改革は挫折しました。  財政構造改革法は、真の財政改革を進めることなく、景気の足を引っ張るだけに終わりました。  社会保障構造改革では、医療負担がプラスになり、年金制度に対する信頼も揺らいでおります。  経済構造改革は中途に終わり、十分な新産業創造、雇用創出に結びつかず、失業、倒産がふえるばかりです。  金融システム改革では、金融機関救済ばかりにのみ税金が使われる仕組みがつくられ、担保があれば何でも貸した銀行が、担保があってもなくても何にも貸さない銀行に変わっただけであります。  教育改革も功を奏さず、逆に社会的モラルを低下させ、青少年犯罪は増加しております。  橋本内閣の六大改革は、日本経済をどん底に陥れ、国民生活を破壊し、モラルの退廃を招きました。参議院選挙で国民は、この六大改革にノーの審判を下したのであります。(拍手)  小渕総理、自分だけは総理に昇格し、橋本前総理をスケープゴートにして責任逃れをされるおつもりなのか。橋本内閣の外務大臣であり、かつ、事実上の副総理格であったはずの小渕総理は、橋本内閣の経済失政について共同して責任を負わなければなりません。いかなるけじめ、責任をとるのか、国民にまず明らかにすべきであります。(拍手)  あわせて、小渕総理は、この際、橋本内閣の六大改革がまやかしの改革であったことを認め、これを撤回し、真に改革に値するプログラムをつくり直す決意がおありか、それとも、継ぎはぎのびほう策を盛り込んだ六大改革を継承し、それさえも後退させ、日本を破滅へと追い込み、橋本内閣の亜流たることをみずから証明するおつもりか、お伺いをいたします。  金融不良債権問題についてお尋ねいたします。  多額の不良債権の発生、貸し渋りに見られる今日の金融危機は、これまでの大蔵省を頂点とした護送船団行政が構造的に行き詰まったことが主要な原因であります。  振り返ってみれば、製造業は、保護や規制も少なく、厳しい競争にさらされ、日本経済を必死で支えてきました。まじめに社会の発展に寄与してきたにもかかわらず、金融業界に比して製造業は待遇も低く抑えられてきました。他方、多くの金融機関は、大蔵省と癒着し、強い規制によって庇護され、投機に狂奔し、法外な利益を上げてきました。  民主党は、自民党政府によって温存されてきた閉鎖的で不透明な金融行政を根本的に転換する立場に立って、金融機関の経営情報を徹底的に開示し、不健全な経営を続けてきた金融機関は破綻処理させて、関係者の責任を徹底的に追及することが金融安定化のために不可欠だと主張してまいりました。(拍手)  にもかかわらず、政府は、不健全な経営をしている金融機関を含めて、一斉に優先株や劣後債を発行させて公的資金で買い取るという一時しのぎのびほう策しかとれず、モラルハザードを加速させ、不良債権の抜本的な処理を放置してきたのであります。  この場ではっきりと確認させていただきますが、経営危機がうわさされている長期信用銀行も含めて、大手銀行で債務超過の銀行は本当にないのですか。優先株等の引き受けに際しては債務超過の金融機関は除外したはずですから、絶対にその原則は破りませんか。念のため総理の見解を伺いたい。  この期に及んでようやく政府・自民党は金融再生トータルプランをまとめましたが、子供だましとしか言いようがありません。宮澤大蔵大臣が表明したように、大手銀行は破綻させないという市場原理に反する原則を打ち出しております。  不良債権の実態を隠ぺいし続け、国民の血税を資本注入という形で投入することにより、厳しい責任追及もなく、銀行やその経営者である大蔵省OB等を守ろうとするものです。そこには、銀行業界が自民党に対して長年にわたり巨額の政治献金を行っていたという事実があります。本気で金融改革を進めるのなら、まず自民党は金融業界からの献金を辞退すべきです。  民主党は、中立厳正な金融再生委員会を国会監視のもとにいわゆる三条委員会として設置し、大蔵省による裁量の余地をなくし、徹底した情報開示と預金者保護を前提に、不良金融機関を消滅、退場させ、その不良債権は、強力な権限を持った公的債権回収機関を設立して回収に当たることを原則とし、もし破綻させることが内外の経済に与える悪影響が甚大であるという場合に限り、破綻銀行の国有・民営、すなわち公的管理銀行の設置を時限措置として導入することを提言いたしました。他の野党の皆様方とも相談して対案をまとめ、国会に提出いたしたいと存じます。  自民党が参議院で過半数割れしている現状では、政府案を強行しようとしても廃案になることは必至であります。これまでの金融政策、不良債権処理の誤りを率直に認めて、野党の提案に耳を傾けるべきと考えますが、総理の見解をお伺いします。  また、八〇年代後半のマクロ経済政策の失敗も、今日の金融不安の一因と言わざるを得ません。  プラザ合意後の長期にわたる金融緩和政策により、株式や土地の価格が急騰し、いわゆるバブル経済が発生しました。不良債権問題はこれで峠を越したわけでは全くなかったにもかかわらず、この春に至るまで、政府は不良債権の処理は順調に進んでいるとの発言を繰り返し、不良債権の実態を隠ぺいし続けてきました。大蔵省や金融機関による情報の隠ぺいと問題先送り、そして歴代内閣が大蔵省の報告をうのみにしてきたことが、不良債権問題を深刻にしてきたのであります。  さて、今回大蔵大臣に就任した宮澤喜一議員は、八六年七月から八八年十二月まで大蔵大臣を務めましたが、この時期はまさにバブル経済が発生した時期ではありませんか。さらに、宮澤議員は九一年十一月から九三年八月まで総理大臣を務めましたが、これは、まさにバブル経済が崩壊し不良債権問題が発生した時期ではありませんか。してみると、宮澤議員とは、まさに不良債権問題の罪深きA級戦犯と言うほかありません。(拍手)  ドイツの社会学者マックス・ウエーバーは、最良の官僚は最悪の政治家であると述べていますが、宮澤蔵相ほどこの言葉が当てはまる人物はほかにいないと考えます。宮澤総理と三重野日銀総裁が引き起こしたいわゆるMM不況は、今日の経済危機、社会的衰退の先駆けともなりました。なぜその宮澤蔵相を任命したのか。小渕総理の政治センスを疑いますが、明快なる答弁をいただきたい。  次に、税制改革についてお尋ねいたします。  総理は、所得税の恒久減税など六兆円超の減税を約束されました。これは、一見いたしますと、私ども民主党がさきの参議院選挙でも公約として掲げた六兆円減税に、総理御自身が賛同されたものと受け取れるのであります。  しかし、総理の六兆円減税の内容につきましては、所得税減税分が三兆、いや四兆だというぐあいに説明が変遷し、また、その後の宮澤大蔵大臣の発言とも整合性において疑問が生じております。最終的には所得、法人合わせて七兆円規模になると聞いておりますが、理念、哲学もなく、向こう受けだけをねらって減税方式を猫の目のように変える手法は、政府・自民党に対する不信をますます増大させました。  我々が強く主張してきた法人諸税の実効税率を来年度から四〇%程度に下げるとの改革は当然でありますが、遅きに失したと言わざるを得ません。今まで産業の空洞化、企業の競争力低下を放置してきた責任は極めて重大であります。  また、政府が取り組もうとしている所得減税についても大きな疑念があります。九九年の所得減税の規模は四兆円として、累進税率の引き下げは最高税率分のみに限定し、その他については手品のような所得階層別の定率減税で対応するとしています。しかし、この方式は、本格的な恒久減税とはほど遠く、まやかし以外の何物でもありません。二段階方式という手法を使って、本格的な累進構造の緩和等の抜本的な制度改正を先送りしたこともまた不満であります。  ことしは四兆円規模の特別減税を定額方式で行っておりますが、これを定率減税にすると低所得者に増税との指摘もあります。景気が厳しい今、生活苦にあえいでいる勤労者の生活をさらに圧迫することはないのか、答弁をいただきたい。  当然、恒久減税とは、単なる景気対策だけでなく、経済の国際化、ソフト化、社会の高齢化、少子化の進展、国民のライフサイクルの変化等に対応できるものでなくてはなりません。また、抜本税制改革を進めるのなら、資産課税の適正化、消費税の欠陥是正や使途の明確化等にも踏み込まなければ意味がありません。民主党は、今回の参議院選挙で、消費税を三%に下げるとはあえて言いませんでした。高齢社会の社会保障を支える上でも、消費税は重要な税制であると考えるからであります。  この際、将来を見据えた抜本税制改革の一環として、方向性を同じくする中身の減税政策を考えるべきでありますが、総理の見解を伺いたいと思います。(拍手)  一方、今、国民は不安な気持ちで毎日を送っております。右肩上がりの経済成長、官主導の経済システム、年功序列・終身雇用制度が揺らぎ、未曾有の経済金融危機が起こっております。地域のきずな、家族のきずなもほころび、日本は心の貧しい国に成り下がっています。とりわけ雇用不安は深刻です。六月の完全失業率は史上最悪の四・三%となり、この春、四年制大学を卒業した学生の就職率も最低の六五%となりました。  政府・自民党においては、経済政策、社会政策がばらばらで、目先の景気浮揚策だけを推し進め、新産業創造、新雇用創出に結びつきません。教育の荒廃や年金、医療制度に対する信頼が揺らいでいることも社会不安を増長させております。ダイオキシン、環境ホルモン等への政府の対策が後手後手に回っていることも問題です。減税や金融対策だけでは、リストラの不安におののいている勤労者、年金生活者が消費をふやすことはありません。  同様に、組織的犯罪や悪質な無差別殺人、自然災害等に対する政府の危機管理体制がずさんなことも国民の不安を倍加させております。和歌山市で発生した毒物混入事件に対する当局の初動態勢がお粗末だったことを政府は猛省すべきであります。今後の対応を明らかにされたいと思います。  いわゆる保守政党とは異なり、私たちは、経済政策と社会政策を有機的に結びつけて、安心、安全の社会をつくり、もって景気回復、金融安定化を図っていくべきだと考えております。社会保障、教育、雇用を確保する制度がしっかりしていなければ、どんな景気対策を講じたところで大きな効果は期待できません。  特に、十分な年金が受給できるのか、老後の医療は確保されるのかという社会保障に対する国民の不安を払拭すべきです。年金、医療の負担増と給付抑制論だけに終始し、いたずらに暗い未来を語るのではなく、しっかりした財源論を示しつつ、安心、安全の未来への設計図を政府は示すべきです。  以上の諸点について、総理の御見解を承ります。  新しい民主党が生まれて、まだ百日余りであります。私たちは、これまで既得権益の構造から排除されてきた人々、まじめに働き税金を納めている人々、困難な状況にありながら自立を目指す人々の立場に立ち、すなわち生活者、納税者、消費者の立場を代表することを党是といたしました。  世の中が複雑になったせいか、政治の世界でも個別政策の議論は盛んになっております。しかし、最近は、政治や政党の理念、政策の総論の議論が少なくなりました。冷戦時代に見られた不毛なイデオロギー論争は避けるべきでありますが、優先順位なき相対主義の政治、各論、技術論だけの政策論議から脱して、大いに政治理念の議論を闘わせるときだと確信いたします。  ちなみに、マハトマ・ガンジーは、資本主義の七つの大罪として、一、哲学なき政治、二、道徳なきビジネス、三、労働なき富、四、人格なき教育、五、倫理なき快楽、六、人間性なき科学、七、犠牲なき宗教と言っております。まさに日本の現状そのものではありませんか。  私たちは、アダム・スミスに回帰しようとする新古典派の経済理論にはくみしません。英国、米国、ニュージーランドなどで行われたレーガン、サッチャー流の改革は、マクロで見ると、景気回復、新産業創造などの成果をもたらしましたが、国民生活というミクロで見ると、貧富の格差拡大、企業内のリストラ、福祉の切り捨てによる生活圧迫などの現象をもたらしました。  本年二月十九日の本会議質問において、私は、外科医の座右の銘、鬼手仏心という言葉を用いて、外科医が鋭いメスと技術だけでなく、患者を生かす仏心で手術を行うように、大胆な改革を進めつつも、大胆な改革であればあるほど、中小企業、子供、女性、高齢者等に十分な配慮をすることが不可欠であり、弱肉強食の社会ではなく、自立した個人を尊重しつつも国民相互の友愛の心に支えられる社会を目指すべきとの理念を披瀝いたしました。  一例になりますが、いまだに部落差別があること自体、我が国に友愛の精神が根づいていないことの証明であります。この際、部落解放基本法制定実現に政府も積極的に取り組むよう求めます。  大変光栄ながら、さきの所信表明で、小渕総理も鬼手仏心という言葉でその演説を締めくくられました。しかし、具体的説明はありませんし、どのような意味合いでお使いになっているのか不明確であります。小渕内閣が目指す国家社会像を明らかにしつつ、あなたの言う鬼手仏心について敷衍していただきたい。  我が国が未曾有の経済金融危機に直面していることと関連して、ここ数年、政治の重要課題は内政に集中しています。しかし、外交や防衛問題においても、重要な問題は山ほどあります。先日まで小渕総理が外務大臣を務めていたにもかかわらず、最近、日本全体が内向きになり、政治が外交問題に不熱心になっていることは極めて遺憾であります。  経済危機に陥った日本に対する国際的信頼を取り戻すことが、まず急務であります。  とりわけ、我が国の重要な同盟国である米国との関係を深めることが不可欠です。景気、金融だけでなく、日本の市場開放、規制緩和の継続、新たな日米防衛協力のガイドラインの早期法整備などについても、米国は厳しく日本政府の対応を見ております。九月には日米首脳会談も行われる予定と聞いておりますが、まず日米間の信頼関係をいかに回復させていくのか、総理に見解を求めます。  アジア諸国も、我が国の政治経済の行方に一喜一憂しております。総理のアジア諸国、ロシア、中国等との外交についての基本姿勢について、総理の見解を求めます。  また、日米ガイドライン関連の法整備についても、基本計画を国会承認事項とし、不都合があれば国会が修正できる仕組みにして、今国会にも提出するべきであると考えますが、いかがでしょうか。  次に、沖縄問題についてお尋ねいたします。  野中官房長官は、大田知事ら県幹部が橋本前総理の退陣に際してあいさつがなかったとして、上京していた沖縄県副知事の面会を拒否したとのことでありますが、余りにも了見の狭い政府の姿勢は極めて遺憾であります。誠意を持って沖縄の人々の声に耳を傾け、沖縄が置かれた実情を知ることが不可欠だと考えます。  那覇地裁への自己破産申し立て件数は、昨年、ついに一千件を超えました。失業率は全国平均の二倍のおよそ八%に達し、復帰二十七年目の今も、基地、公共事業、観光の三K経済に依存する現状が続いております。  政府は、まず沖縄経済の振興、人々の雇用確保に全力を尽くすべきであります。そのことが、ひいては県民の信頼をかち取り、基地問題も含めた沖縄の抱える課題の解決を進めることになると考えますが、総理はいかがお考えでしょうか。  先日、タジキスタンの首都ドゥシャンベの東方の山岳地帯で、国連タジキスタン監視団に政務官として派遣された秋野豊さんが射殺されたことに対し、心から哀悼の意を表します。秋野さんたちの情熱と犠牲、残された遺族の皆様の悲しみを考えると、まことに無念であります。  この事件は、国連平和維持活動に参加する文民の安全確保という面で大きな課題を残しました。政府は秋野氏の功績をたたえるための基金を国連に創設すると聞いております。この点には賛成でありますが、まず、PKOにかかわる地域の治安情勢の把握については国連任せと言われている現状を正すことが急務だと考えます。  これまでのPKO活動で任務遂行中に生命を失った要員は千五百人を超すと聞いております。とりわけ、国際援助機関のスタッフが現場での活動中に犠牲になるケースが最近ふえています。我が国がPKOを含めて人的貢献をさらに進めていくことは当然と考えます。しかし、PKO要員やボランティア精神で国際的人道支援に当たる人々の安全を真剣に考え、必要な対策を講じるのは政府の義務であると考えます。総理の見解を伺います。  結びとして、さきの参議院選挙において、有権者の皆様のおかげで私たち民主党は躍進を遂げることができました。この結果におごることなく、今後とも日々の精進を重ねてまいりたいと存じます。  六十五年前、米国が大恐慌の克服に取り組んだ際、共和党フーバー大統領から民主党ルーズベルト大統領へと政権がかわり、消極財政から積極財政へと大がかりな転換が見られました。時代は違いますが、我が国でも、この際、その政治姿勢として、政権交代、高級官僚の入れかえ、金融経営者の責任追及と交代、具体的政策の四点セットをすべて変えなければ、完全な再生はあり得ません。(拍手)  小渕総理がさきの総裁選挙で衆議院を解散しないことを明言したことは、まさに、国民の声は聞かない、民意を問わない、自民党のためにひたすら時間稼ぎをするという宣言をしたものと言わざるを得ません。むしろこのようなときにこそ解散・総選挙が行われるべきであります。(拍手)  今国民の理解と協力をこそ最も必要とする激動と大改革の時代に直面しているとき、国民の審判を受けない内閣に何の資格と能力があるでしょうか。  我が民主党は、「私は変えたい。」という国民の皆様の声とともに、正々堂々と全力を尽くして正義の戦いを進める決意を申し述べ、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
  5. 小渕恵三

    ○内閣総理大臣(小渕恵三君) 中野議員にお答えをいたします。  まず、新潟県を初めとするこのたびの集中豪雨につきましてのお尋ねでございましたが、政府を代表いたしまして、被災地の皆さんに対し心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  政府といたしましては、現地からの被害情報の収集を行うとともに、自衛隊の災害派遣、災害救助法の適用を初めとする各種の応急対策を迅速に行ったところでございますが、また、建設大臣の現地視察、関係省庁による現地調査を行い、今後被災地の復旧が速やかに進められるよう、政府一丸となって対応してまいる決意であります。  自然災害への対処、地球環境保全、核実験禁止、核兵器廃絶に関する国際協力についても御質問がございました。  水害や津波など海外の自然災害につきましては、緊急援助隊の派遣や物資、資金の供与など迅速に対応しております。また、環境問題は、人類の生存にかかわるとの認識から、さまざまな国際的枠組みやODAなどを通じまして、積極的に取り組んでおります。さらに、核兵器のない世界の実現に向けて、核不拡散体制の堅持強化、核兵器国による核軍縮の促進のため、一層の外交努力を行ってまいります。  次に、世論や米国のマスメディアが本内閣をどう見ておるかにつきまして、厳しい御指摘がございました。  私といたしましては、各種の世論調査などに示される国民の声をしっかりと、かつ謙虚に受けとめ、強い政治的リーダーシップのもとで、経済再生を初めとする諸課題について全力で取り組む覚悟であります。今後とも、これからなすべきすべてをかけての努力によりまして、国民の皆さんの理解と協力を得てまいる決意でございます。(拍手)  我が国の置かれております状況及び国際的地位についてのお尋ねがございました。  厳しい経済状況のもとで、私は、この内閣を経済再生内閣と位置づけ、国民の英知を結集して、日本の金融システムが健全に機能し、日本経済が再生するよう全力を尽くしてまいることは申し述べたとおりであります。私は、こうした努力を通じまして、我が国が世界の中でその地位を維持し、我が国に求められている責任を積極的に果たしていけるものと確信をいたしております。  前内閣の経済運営の責任につきまして、私自身がその内閣の一員であったこととの関連で、厳しい御指摘もございました。  私といたしましては、先般の参議院選挙で示された、一日も早い経済回復を願う国民の声を真摯に受けとめ、日本経済の再生に向け、政治主導のもと、責任の所在を明確にしながら、果断に、スピーディーにあらゆる施策を実行することにより、一両年のうちに我が国経済を回復軌道に乗せるよう、内閣の命運をかけて全力を尽くす覚悟であり、その結果によって私はその御批判にこたえてまいりたい、このように考えております。(拍手)  中央省庁等の改革につきましてお尋ねがございましたが、さきの国会で成立いたしました中央省庁等改革基本法に基づき、政治主導のもと、二〇〇一年一月の新体制への移行開始を目標として、来年四月にも所要の法案を国会に提出することを目指しております。あわせて、中央省庁のスリム化を徹底し、定員の十年間二〇%削減を実現いたしますよう努力をいたしてまいります。  財政構造改革法についてのお尋ねでございますが、財政構造改革法につきましては、財政構造改革を推進するという基本的な立場、考え方、これは守っていかなければならないと考えております。まずは、しかしながら、景気回復に全力を尽くすという観点から、当面これを凍結することとし、そのための法案を次の通常国会に提出いたしたいと思っております。いずれにしても、将来世代のことを考えれば、中長期的な財政構造改革の必要性は、これは否定されるべきものではないと考えております。  社会保障構造改革についてのお尋ねですが、国民に信頼される、将来にわたって安定的に運営できる社会保障制度を構築していくことは当然のことであります。このため、給付と負担の増大が見込まれる中で、経済との調和を図りつつ、必要な給付は確保しながら制度の効率化や合理化を進めるなど、年金、医療等の社会保障構造改革に引き続き取り組んでまいります。  経済構造改革についてのお尋ねですが、産業の高コスト構造の是正や新規産業の創出を図る経済構造改革は、雇用の確保を通じた豊かな国民生活を実現するために取り組まなければならない重要な課題であります。当面の経済運営に万全を払い、失業、倒産の状況の改善に努めながら、同時に構造的な問題への取り組みを強化していくことこそ、質の高い雇用機会を広げ、将来の発展基盤を固めるために不可欠であります。  金融システム改革についてお尋ねでございますが、本改革は、国民の資産運用と資金調達の手段の多様化を図るとともに、国民が安心して取引を行うことができるような枠組みを整備するための金融市場の抜本的改革であり、市場の活性化を通じて我が国経済の活性化にも資するものであることから、スケジュールに沿って着実に進めてまいります。  教育改革についてもお尋ねがございましたが、次代を担う子供たちが正義感や倫理観など豊かな人間性を身につけることを重視し、これまでも心の教育の充実などに努めてきたところでありますが、次代を担う子供たちがたくましく心豊かに成長する、これは二十一世紀を確固たるものとするための基本であり、今後とも心の教育の充実を初めとする教育改革の推進に力を注いでまいる所存でございます。  さて、大手銀行の経営状況についてのお尋ねがございました。  自己査定の結果を踏まえまして、外部監査によるチェックを経て公表されました大手十九行の平成十年三月期決算によりますれば、債務超過に陥っている銀行はないと承知をいたしております。  なお、公的資金による自己資本充実策につきましては、金融危機管理審査委員会が決定をいたしました審査基準において、債務超過の金融機関は資本注入の対象外とされておるところでございます。  政治献金についてのお尋ねでありますが、政治活動に関する寄附につきましては、特定の分野、業界を対象とした規制は定められておりませんが、自由民主党は、住専問題等により都銀、地銀等からの献金を自粛しているところであり、先般、改めて金融システムの安定のための公的資金が投入されることにかんがみまして、過去における借入金の返済に充当するものを除き、銀行業界からの政治献金を自粛いたしておるところでございます。  金融不良債権問題につきましてでございますが、野党の提案に耳を傾けるべきとの御指摘をいただきました。  これまでも政府として直面する課題に最善を尽くしてきたところではありますが、今般取りまとめた金融再生トータルプランの実施は、我が国経済の喫緊の課題である不良債権問題を解決するために不可欠なものであり、その関連法案を早期に成立させることが極めて必要であります。野党に対しましても、その提案に耳を傾けながら、早期成立に向けて、今後とも理解と協力を求めてまいりたいと考えております。  バブル経済の発生と不良債権問題の先送りについてのお尋ねでありますが、政府といたしましては、これまでもその時々の経済金融情勢に応じて適切と考えられる施策を講じてきたところであり、各金融機関に対しましても、不良債権の早期処理と情報開示の拡充を促してきたところでございます。  次に、宮澤元大蔵大臣、元総理の大蔵大臣への起用についてのお尋ねであります。  私といたしましては、組閣に当たり、特に不良債権問題の処理が喫緊の課題となっていることを含め、経済再生がこの内閣の最重要課題であり、これらの課題について、宮澤元総理の御経験、御見識、また国内外における信頼感などから、宮澤元総理が最適任と考えて大蔵大臣に就任していただいた次第であります。(拍手)  宮澤元大蔵大臣また元総理のそれぞれの在任期間中の財政金融政策につきましては、その時々において、我が国の置かれていた状況を踏まえながら、適切と考えられる政策を講じられてきたものと承知をいたしております。  なお、宮澤元総理につきましては、特に総理在任当時、いち早く不良債権問題の重要性を指摘されたことや、近時、自由民主党内で不良債権問題の取りまとめに尽力されてきたこともつけ加えさせていただきたいと存じます。  税制改正についてでございますが、今回の六兆円を相当程度上回る減税は、二十一世紀の我が国のあるべき税制をも見据えて実施するものであり、厳しい景気の現状に最大限配慮するという理念のもとで決断したものであります。  法人課税につきまして、平成十年度改正において、課税ベースを適正化しながら法人課税の実効税率を引き下げたところでありますが、これに引き続き、今回、我が国の企業が国際社会の中で十分競争力を発揮できるよう、実効税率をさらに引き下げることとしたものであります。  所得課税につきましては、今回の減税は、先ほど申し上げましたとおり、抜本的な見直しを展望しつつ期限の定めのない減税を行うものであり、まさに恒久的な減税を実施するものであります。また、本年の定額方式は、諸外国の中で高い課税最低限がさらに高くなるなど、所得税制として本来好ましいものではありませんが、できる限り早期に減税を実施するための臨時異例の一年限りの措置としてとったものであります。今回の見直しは恒久的な減税として行うものであり、これを定額方式で行うことは適当でないと考えております。  経済政策と社会政策について御指摘がございました。  まず、社会保障について、国民が安心して今後の展望を持てるようにするためにも、将来にわたって社会保障制度の安定的な運営を確保していくことが重要であり、これまでも介護保険制度の創設等の改革に取り組んできたところであります。今後とも、必要な給付は確保しつつ制度の効率化、合理化を進めるなど、社会保障構造改革を推進してまいります。  また、教育につきましては、二十一世紀を確固たるものにするため、次代を担う子供たちがたくましく心豊かに成長するよう心の教育を充実させるなど、教育改革の推進に引き続き力を注いでまいります。  さらに、雇用の確保につきましては、景気の回復を図るとともに、緊急雇用開発プログラムの実施や、産業構造転換・雇用対策本部の決定に基づく政府一体となった取り組みの推進、あわせて、新規産業の創出等の経済構造改革を通じた雇用の拡大に向けた取り組みなどをきめ細かく講じていくことにより、労働者の雇用の確保、安定に全力を尽くしてまいります。  このように、社会保障、教育、雇用に対する取り組みもしっかりと進め、国民の不安を払拭し、国民に夢と希望を与えられるように努めながら、金融再生トータルプランに盛り込まれた措置など、先ほど申し上げた日本経済の再生に向けた政策を実行し、金融再生を図るとともに、一両年のうちに我が国経済を回復軌道に乗せるよう、内閣の命運をかけて全力を尽くす覚悟であります。(拍手)  社会保障についてお尋ねでございますが、急速な少子・高齢化が進行している中で、国民に信頼される社会保障制度を構築していくことが重要と考えております。このため、医療、年金等について、将来にわたり効率的で安定した制度となるよう、具体案を提示し、国民的議論を十分尽くしながら制度全体の抜本的見直しを図ってまいります。  ダイオキシン、環境ホルモンの問題について御指摘をいただきましたが、国民の健康や生態系への影響を防止する観点から、極めて重要な問題と認識しております。ダイオキシンについては、廃棄物焼却炉等にかかわる排出規制等各般の施策を進めており、また、いわゆる環境ホルモンについては、調査研究を推進するため、本年度予算で重点的に措置しておるところでございます。  和歌山県の毒物混入事件は、政府としても、国民に大きな不安を与えた重大な事件であると受けとめております。関係当局は、発生当初から被害者の生命を最重点に必要な措置をとるとともに、早期解決に向け鋭意捜査を行っているものと承知いたしております。現時点までその解決を見ておらないことはまことに残念でありますが、今後とも万全を期してこの解決に努力をいたしてまいりたいと思います。  私の信条でございます鬼手仏心についてのお尋ねがございました。  この言葉は、大平元総理が大蔵大臣の当時に、赤字財政の改革に関連して初めて使われたものと私自身記憶いたしておりますが、また、中野議員が去る二月、本院の本会議におきまして鬼手仏心の言葉を用いられ、改革に当たっては中小企業、年金生活者等に配慮することが不可欠の旨主張されました。本日、同趣旨を再度御主張されましたが、私も一つの見識として傾聴させていただいたところであります。  私は、所信でも明らかにいたしましたように、二十一世紀を目前に控えまして、この国のあるべき姿として、経済的な繁栄にとどまらず、国際社会の中で信頼されるような国、いわば富国にして有徳の国家を目指すべきだと考えております。  私としては、現下のこの難局をあらゆる手段を講じて乗り切り、国民の将来への不安感を払拭して、豊かで安心できる社会を築き上げることにより、あるべき国柄として富国有徳を目指し全力を挙げる所存であり、その際、すべての政策の原点として、信条でございます鬼手仏心、すなわち、外科医の座右の銘とされる、大胆な手術は患者を救おうとする優しい心によるという趣旨のようでございますが、この気持ちをもって当たりたいということを申し述べたところでございます。(拍手)  部落解放基本法制定についてのお尋ねもございました。  政府としては、同和問題の早期解決に向け、平成八年五月の地域改善対策協議会の意見具申に基づき必要な施策の着実な推進を図っているところであり、現在、部落解放基本法を制定する考えはございません。  日米間の信頼関係に関するお尋ねですが、日米両国は、安全保障、経済、国際情勢、地球規模問題など幅広い分野で確固たる協力関係を築き、その関係は良好と認識いたしております。今月の一日にはクリントン大統領から私にお電話をいただきまして、両者で日米関係の重要性を再確認したところでございますが、私は、我が国外交の基軸である日米関係の一層の強化のため、今後ともさまざまな課題に真剣に取り組んでまいりたいと考えております。  アジア諸国、ロシア、中国等の外交の基本方針についてのお尋ねでございますが、アジア諸国との関係につきましては、これらの国の経済危機に対する支援を継続するとともに、二国間の友好関係を増進しつつ、アジア太平洋という広がりの中で、開かれた地域協力や対話を重層的に推進してまいります。  日ロ関係につきましては、さまざまな分野における関係を強化しつつ、二〇〇〇年までに東京宣言に基づいて平和条約を締結し、日ロ関係を完全に正常化するよう全力を尽くします。  日中関係につきましては、改革・開放政策を引き続き支援し、緊密な対話と交流を通じて、国際社会の諸課題について日中間の協力関係の強化に努めてまいります。  周辺事態安全確保法案の基本計画を国会承認とするかについてのお尋ねでありますが、周辺事態への対応は、武力の行使を含むものでないこと、国民の権利義務に直接関係するものでないこと等を総合的に勘案すれば、基本計画について国会に遅滞なく報告し、議論の対象としていただくことが妥当と考えております。  沖縄問題についてのお尋ねでございますが、御指摘のように、高い失業率や依存型経済にかんがみまして、今後とも沖縄経済の振興に向けて、基地問題とともに全力を挙げて取り組んでまいる方針であります。しかしながら、振興策の検討に当たりましては基地問題との関係が無視できず、この点からも基地問題の現実的な進展を強く期待いたしておるところでございます。  最後に、PKOの要員の安全対策についてお尋ねがございました。  私は、これらの人々の安全について、必要な情報収集や、関係国際機関、関係諸国との協力等を通じ、以前にも増して遺漏なきを期す所存であります。このため、所信表明演説でも申し上げましたが、国連要員等安全条約の早期発効に向けて各国に積極的に働きかけるとともに、国連に秋野ファンドとして資金を拠出することを申し上げたところでございます。  今後、我が国の中でこうした国連のPKO等に参加される方々の生命につきまして、これを十分確保するためには、現地における調査等をさらに行っていかなければならないと考えております。  そうした意味合いにおきまして、タジキスタンにつきましても、でき得るべくんば私は、事故が起こった後で残念ではありますけれども、その地域の状況につきまして、いま一度現地の状況につきまして、政府をしてもその状況を調査せしむることが必要ではないか、こう考えまして、しかるべき担当者をお送りをして、事後の処置も講じていきたい、こう考えておるところでございます。(拍手)     ―――――――――――――
  6. 伊藤宗一郎

    ○議長(伊藤宗一郎君) 池田行彦君。     〔池田行彦君登壇〕
  7. 池田行彦

    ○池田行彦君 私は、自由民主党を代表して、小渕内閣総理大臣所信表明演説に対し、総理並びに関係閣僚に質問いたします。  我が国は、今、戦後最悪の経済状況にあり、大きな危機に直面しております。日本の国難とも言える状況を打開するために、みずから渦中に身を投ずる覚悟と不退転の決意を持って就任された小渕新総理の決断に対し、まず敬意を表したいと思います。(拍手)  総理は、みずからの内閣を経済再生内閣と位置づけ、大蔵大臣に宮澤元総理を迎えるとともに、民間の経済人などによる経済戦略会議の設置構想を明らかにするなど、難局に真っ正面から取り組んでおられます。その積極果敢な姿勢を高く評価いたします。小渕内閣が必ずやデフレスパイラルへの落ち込みを阻止し、日本経済の危機克服と再活性化の重責を果たしていただけるものと信じて疑いません。  我が党は、先般の参議院選挙において、残念ながら大敗いたしました。この結果は謙虚に受けとめなければなりません。我が党は、いち早く小渕総裁みずからが会長を務める参議院選挙反省・前進会議を設置し、先日、初会合を開きました。深い反省と総括の上に立って、国民の信頼を回復し、その負託にこたえ、未来に向かって前進する体制をつくります。  しかしながら、参議院で過半数を持たないという現実があります。厳しい国会運営にどう対処していかれるおつもりか、個別の質問に入る前に、まず総理のお考えをお聞きしたいと思います。  総理も所信表明演説で述べられたように、国民の最大の関心は、一日も早い景気の回復にあります。また、深刻な状況にあるアジア経済、さらには世界経済全体にとっても、我が国経済の安定は極めて重要であります。  政府は、我が国経済の現状をどのように認識しているのか、また、一両年のうちに回復軌道に乗せるとの決意を表明されましたが、より具体的に今年度、来年度の我が国経済の動きをどう見通し、どう持っていこうとされるのか、総理にお伺いしたいと思います。  また、こうした極めて厳しい経済の現状に対応するため、既に四月には総事業費十六兆円を超える総合経済対策が策定され、財政構造改革法の改正を経て、実施のための補正予算がさきの通常国会で成立しました。  この対策には、思い切った内需の創出のため、七兆七千億円に上る社会資本整備と四兆円の特別減税などが盛り込まれております。過去最大規模の額が確保されているところであります。政府は、まず、これらの施策を着実かつ迅速に実行する責務がありますが、さらに厳しい経済情勢を克服し、我が国経済を確実に力強い景気の回復軌道に乗せるためには、引き続き積極的な財政運営が必要であると考えます。  総理は、財政構造改革法の凍結、事業規模十兆円の第二次補正予算並びに六兆円を超える減税を決断されました。新政権の財政運営のあり方は、我が国経済のみならず、世界経済にも影響するところであり、諸外国の政府や市場関係者からも注目されております。現時点で明らかにできる限りのことは明確にしていただくことが肝要であると考えます。  まず、来年度予算の編成についてであります。  総理の財革法凍結に係る強い決意を内外に具体的に明らかにする上でも、来年度予算の編成のあり方は極めて重要であります。万が一にも従来のような緊縮的なシーリングを設けることはないと思いますが、従来の方式に引きずられて中途半端なものになれば、総理の決意が後退したとのイメージを与えかねません。来年度予算編成のあり方、特に概算要求基準について大蔵大臣がどのように考えておられるのか、お伺いしたいと思います。  次に、本年度二次補正予算についてであります。  本年度末から来年度にかけて切れ目のない財政出動によって現下の需給ギャップを着実に埋めていくためには、十分な規模を確保するとともに、かつて十五カ月予算という考え方がありましたが、来年度予算と一体的なものとして考えていく必要があると思います。同時に、補正予算がばらまき予算であってはなりません。今後我が国経済を担う新しい産業が求める基盤は何かとの視点が不可欠であると考えます。  補正予算について、配分や重点分野も含めどのような方針で臨まれようとしているのか、総理のお考えを承りたいと存じます。  次は、税制改革であります。  小渕総理は、先般の自民党総裁選での公約をさらに進めて、個人及び法人の所得課税について、六兆円を相当程度上回る減税につき、その大枠を示されました。個人消費や企業活動の活性化を通じて景気回復を図る観点から、思い切った決断をし、かつ、いち早くそれを明らかにされたことは、まことに適切な対応であったと評価いたします。法案提出は次期通常国会になるとのことですが、次の諸点につき、現時点でのお考えをお聞かせいただきたいと思います。  第一は、この改正は恒久的な制度改正なのか、景気回復までの一定期間に限った時限的なものになるのか。  第二に、個人所得課税について、最高税率を五〇%へ引き下げた上で定率減税とする、さらに中堅所得者層へ配慮して階層別に減税率に差をつける考えもあると伝えられているが、どうか。  第三に、課税最低限は三百六十一万円のまま動かさないと言われるが、それでも定額方式での特別減税が行われる本年度に比べれば、多くの国民、殊に所得の比較的低い層にとっては負担増加にならざるを得ないが、この点はどう説明され、どのように理解を求められるのか。  以上三点につき、大蔵大臣の見解を求めます。  最も重要なことは、この減税をいかに消費拡大に結びつけるかでありますが、この点について大蔵大臣には具体的な方策がおありか、お伺いいたします。  我が国財政の現状を顧みると、国の財政は約三百九十兆円に上る債務残高を抱えて、極めて劣悪な状況にあります。一方で我が国の租税負担率は、国、地方を合わせて二四%と、アメリカの二五・八%、三〇%を超える欧州各国と比べ低い状況であります。このような状況ではありますが、単年度の減税ではなく恒久的な減税を行うことが必要であると決断されたということは、現下の経済状況を乗り切るためのただならぬ決意と受けとめております。  今回は景気に対する配慮を最優先するとしても、いずれかの時点で二十一世紀を見据えたあるべき税制の構築に向けた本格的な改革が必要となると思います。そのためには、税率、課税ベース、直間比率、さらには社会保険料負担など幅広い論点を余すところなく検討した上で、国民の理解を得ながら改革を行っていく必要があると考えますが、総理のお考えを伺います。  厳しい経済状況のもと、雇用情勢は一段と厳しさを増しており、完全失業率は四%台とこれまでにない高い水準で推移しております。雇用の拡大とそれを可能とする新しい産業の創出のためのきめ細かな対応が、これからの経済政策の大きなポイントとなると考えます。雇用の約八〇%を担う中小企業の活性化、地域の産業基盤の一層の整備、新規産業の創出に向けた環境整備、支援等により、質の高い雇用を拡大していく必要があります。雇用対策を含め、この点について総理がいかなる施策をお考えであるのか、お伺いいたします。  次に、六大改革についてであります。  前橋本内閣においては、総力を挙げて六つの改革に取り組み、数々の実績を上げてきました。日本の将来のために、これら改革は引き続き推進していく必要があると考えますが、六大改革を今後どう進めていかれるのか、総理のお考えを伺います。  特に、我が国経済が二十一世紀においても引き続き活力を持ち、国民に豊かな生活の基盤を提供していくためには、経済構造改革を不退転の決意で進めていく必要があります。  私は、我が国経済への国民の自信並びに世界の市場の信認を確たるものにするため、新政権は、経済構造改革についてさらなる新機軸を打ち出し、一層の力を注ぐべきであると考えます。抜本的な税制の見直し、金融システムの安定化、高コスト構造の是正、新規産業の創出などが必須であると考えますが、中長期的にどのように構造改革を進めていくのか、その方策について総理のお考えを伺います。  次に、不良債権の処理についてお伺いします。  我が国経済を再生するためには、景気回復のための施策とともに、その足かせとなっている不良債権問題を抜本的に解決する必要があると考えます。  政府及び我が党における真剣かつ濃密な議論の結果、金融再生トータルプランが取りまとめられ、今国会に政府から二つの法律案が提案され、我が党もこれに関連する四つの法案を提出いたしました。今後は、これらの法案を早急に成立させるとともに、プランに盛り込まれた諸措置を迅速に実施していくこと、同時に、その内容や意義を国民の皆様初め内外に明らかにし、理解を得ることが重要であります。  こうした観点を踏まえ、以下、新内閣の不良債権問題に取り組む姿勢を明らかにしていただきたいと思います。  まず、不良債権の処理を進めるには、その実態を把握しなければなりません。金融機関の自主的なディスクロージャーを進めると同時に、金融機関に対する検査監督を強化していく必要があります。現在、金融監督庁では、主要十九行に対し集中的な検査を実施するなど、不良債権の実態把握に努めていると承知しておりますが、透明性の確保と検査監督の強化に向けて、総理の見解をお尋ねします。  不良債権の実質的な処理を進めていくためには、その背後にある担保不動産にかかわる諸問題の解決、例えば、複雑に絡み合った土地に係る権利関係を整理することが必要となります。また、不良債権処理を進める中で経営困難に陥る金融機関が出てくることが予想されます。セーフティーネットを充実するため、既に整備された金融安定化二法による三十兆円の公的資金の枠組みに加え、ブリッジバンク制度が提案されました。このような喫緊のニーズに対応するための六法案は一日も早く成立させることが重要です。  大蔵大臣は、この問題はイデオロギーにかかわることではないから、与野党間の意見の調整は可能だと言われたと伝えられております。総理が所信表明演説で述べられた、資金は社会の血液、金融機関は心臓という認識は党派を超えて共通のものであると考えます。このような基本的認識のもと、関係法案の成立に向け政府はどのような姿勢で臨まれるのか、お伺いします。  こうした枠組みを整備し、不良債権の実質的な処理が促進されるならば、金融の再編やリストラは進んでいくと考えられます。しかし、ブリッジバンクは選択肢の一つにとどまりますし、実際問題として巨大銀行には適用できない、否、そもそも主要十九行は守り抜かねばならないという意見もあります。金融システムの中枢部分のリストラや再編はどう進めるのか。当事者と市場の判断にゆだねるということでは済まないと考えますが、平成の高橋是清と期待される大蔵大臣のお考えを伺います。  また、金融機関の破綻処理に当たって公的資金を導入する際には、経営者の責任追及や株主の損失負担の徹底はもとよりですが、全体としてとかくの批判のある金融機関の体質、あり方にもこの際メスを入れることが不可欠であると考えます。  他方、金融のリストラが進む過程で、いわゆる貸し渋り現象が強まるおそれもありますが、とりわけ中小、中堅企業の資金需要に十分こたえるには、民間金融機関の役割と同時に、政府系金融機関の積極的な対応も不可欠であると考えます。  これらの点について、大蔵大臣の見解を伺います。  不良債権の処理を促進することにより、金融を再生し、これを通じて我が国経済の再生を図ることは、小渕内閣の最重要課題であります。この際、金融再生の全体像とその道筋を明確にし、その実現に向けて的確な対応をすることが肝要と思いますが、総理の我が国金融の再生に向けた強い決意をお聞かせ願いたいと思います。  次に、外交問題についてお尋ねします。  総理は、これまで外務大臣として深い見識とすぐれた手腕を示され、対人地雷禁止条約への署名、核不拡散、核軍縮のための関係国、国連への働きかけなど、平和外交の面で多大な成果をおさめられました。  また、先日、マニラのASEAN地域フォーラムに出席され、総理就任直前の慌ただしい日程でしたが、米国、ロシア、中国、フィリピン等との二国間外相会談を持たれ、実質的な首脳外交を展開されました。その中で、ASEAN諸国を中心としたARFメンバー各国の日本への期待の大きさを痛感されたことと思います。  今後、国際社会における役割をいかに果たしていくのか、総理の国際情勢認識及び我が国外交の基本方針についてお伺いいたします。  次に、日米関係であります。  橋本前政権は、日米関係に最大の努力を傾注されました。日米関係は、言うまでもなく、我が国外交の基軸であり、日米安保体制を基盤としつつ、政治、経済、地球規模の課題について幅広い協力関係が構築されております。  基本的に両国関係は良好な状態で推移していると思われますが、最近、米国は、アジア経済並びに世界経済安定のために我が国経済の早急な回復が不可欠であるとたびたび指摘しております。貿易黒字の問題に対しても引き続き懸念を表明しております。また、長期的には、アジア太平洋地域での主要プレーヤーである日米中三国の関係において、米国は日本より中国との関係に重点を移しつつあると見る向きもあります。  このような環境の中で、総理は九月にもクリントン大統領と首脳会談を持ちたいとの御意向ですが、今後両首脳の間でどのような関係を構築し、どのように日米関係を発展させていくおつもりか、承りたいと存じます。  次に、対ロシア関係は、昨年十一月のクラスノヤルスク首脳会談以降、さまざまな分野で着実な進展が見られますが、今秋予定されるモスクワ公式訪問においていかに日ロ関係の前進を図っていくおつもりか、また、今世紀に起こったことは今世紀中に解決する、領土問題と平和条約締結へ取り組む総理の御決意のほどをお伺いいたします。  次は、中国関係についてお伺いします。  本年は日中平和友好条約締結二十周年に当たりますが、四月の胡錦濤国家副主席の訪日に続き、九月には江沢民国家主席が中国の国家主席として初めて来日されます。これらの首脳外交を通じ、経済はもとより、安保、防衛面での交流、さらにアジア経済全体の安定化を含めた、国際社会における両国の協力といった幅広い分野において関係の強化、前進が期待されます。  今後、世界、殊にアジア太平洋地域の主要プレーヤーとしての両国の関係をどのように進めていかれるおつもりか、承ります。  また、韓国の金大中大統領の訪日も予定されていますが、経済困難の克服を目指す韓国との関係は、両国にとってはもとより、アジア全体にとっても重要であります。  また、朝鮮半島の安定は、我が国の安全と平和にとって死活的に重要です。日韓、日朝の関係をどう進めていかれるのか、朝鮮半島全般に関する総理の基本的お考えをお伺いいたします。  次に、アジア経済危機への対応について伺います。  昨年七月に始まった経済危機に対し、我が国はこれまでに四百三十億ドルを超す世界最大規模の支援を表明しているところでありますが、アジア諸国の状況は依然困難であります。今後のアジア経済に対し、国際機関との協調も含め、我が国の果たすべき役割について、外務大臣の所見をお伺いいたします。  また、アジア諸国の政治的安定のためにも我が国の役割は重要です。殊にカンボジアについては、我が国のイニシアチブのもとに安定化への努力が着々と進められておりますが、私は、その中でこれまで高村外務大臣自身が果たしてこられた役割を高く評価しているものです。  外相は、米国との関係は重要だが、従米ではない、何でも米国に従うわけではないと言っておられるようですが、殊にアジア諸国との関係では、現地の実情やその国民の心情をよりよく理解し得る立場にある我が国の考えが、ややもすれば原理原則にこだわり過ぎる嫌いのある米国流の手法に比し、有効に働くことが少なくないと考えます。  米国との連携を大切にしながらも、我が国が主体的に考え行動していくことが、米国も含めた国際社会における我が国外交の評価と役割を高めることに連なると思いますが、外務大臣のお考えをお伺いいたします。  総理は、去る六日広島へ、また昨九日も長崎へ赴かれ、原爆犠牲者の慰霊式に出席されました。先般のインド、パキスタンの核実験に見られるように、核兵器のない世界を目指す努力は今大きな試練のときを迎えております。総理は、外相として平和外交の主導権をとってこられましたが、今後、南アジアの核不拡散問題と核軍縮に向けて、さらには核保有国に対していかなる対応をされるつもりか、御所見をお伺いします。  次に、安全保障問題について質問いたします。  東西冷戦の終結により、世界的な規模での武力紛争が発生する可能性は遠のきました。しかし、冷戦下で抑え込まれていた民族上や宗教上の問題などに起因するさまざまな地域紛争が姿を消す状況にはなく、最近では、インド、パキスタンの核実験などの問題もあります。  また、アジア太平洋地域においても、朝鮮半島の動向、中台問題、南沙群島、さらには我が国の北方領土のような未解決の問題も残されております。他方、国際関係の一層の安定化を図るためのさまざまな取り組みが進展をしており、アジアでもASEAN地域フォーラムなど、地域的な安全保障に関する多国間の対話も定着しつつあるところであります。  このような状況を踏まえて、日米安保体制が、我が国の安全はもとより、アジア太平洋地域全体の平和と安定につながるものであることを再確認したのが、一昨年四月に行われた橋本前総理とクリントン米大統領との日米首脳会談における日米安保共同宣言であります。  そこで約束された日米防衛協力のための指針、すなわちガイドラインの見直しについては、昨年九月に新ガイドラインが取りまとめられ、その実効性を確保するため、必要な関連法案も既に先国会に提出されております。  これら法案の早期成立、承認は、日本の安全保障の観点からはもとより、米国との協力関係を基礎としつつ、アジア諸国との信頼関係をさらに高めていくためにも大変に重要なものだと考えます。総理のガイドライン関連法案に対する今国会における取り組み方と御決意についてお聞かせください。  次に、沖縄問題であります。  沖縄についての取り組みは、橋本前総理の並々ならぬ御努力により大きく前進しました。米軍基地の整理、統合、縮小問題については、普天間飛行場など、沖縄の米軍基地の約二一%の返還などを内容とするSACO最終報告が取りまとめられました。  しかし、大田知事がことし二月の名護市長選挙を前に、海上ヘリポートの受け入れ拒否表明を一方的に行ったことで、普天間飛行場の返還問題が進まない状況になっております。私は、SACOの結論を着実に実施することが、一日も早く沖縄の負担を軽減する最も確実かつ現実的な選択であり、地元の御理解と協力を得て、この道を進んでいくほかないものと考えます。  また、沖縄が地域経済として自立し、県民生活の安定向上に資するよう振興策も強化され、特別自由貿易地域制度の創設を初めとして、種々の具体的かつ積極的な対応が図られております。  今、沖縄は大変重要な時期にあります。今ここで沖縄県民の将来を考えれば、本土との対立の構図から脱却し、本土と協力し、建設的かつ現実的な対応をしていくことが必要なことだと思いますが、総理のお考えをお聞かせください。  また、ここで申し上げておきたいのは、内外の緊急事態への対応の大切さであります。最近でも、国内では新潟県など、アジアでは中国、韓国において集中豪雨被害が発生しました。また、和歌山毒物混入事件も起きました。さらに、タジキスタンの事件、ケニア、タンザニアのテロ事件は、天人ともに許さざるところであります。  犠牲になられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被害を受けられた方々に心からお見舞い申し上げます。同時に、政府においても、適切かつ迅速な対応をされることを強く望みます。  以上、幾つかの政策について質問してまいりましたが、最後に申し上げます。  総理、あなたは富国有徳を目指すと述べられました。私は、かつて宮澤蔵相が総理として、生活大国、品格ある日本を提唱されたことを思い起こし、お二人の思いが共通することを知りました。心配りの小渕総理、メスさばき鮮やかな宮澤蔵相、この組み合わせこそ仏心鬼手であります。(拍手)  今、政治に課せられた焦眉の急務、最大の課題は、現下の危機的な経済状況を打開し、我が国経済を再び力強い回復軌道に乗せることであります。お二人を中心とする小渕内閣は、この課題達成に向け、総力を挙げて取り組んでいただきたい。  総理は、所信表明の中で明確なメッセージを内外に示されました。その約束が着々と実行されるならば、今蔓延している不安感は払拭され、国民の消費意欲もわき、必ずや景気回復の扉は開かれるに違いありません。(拍手)  総理はうし年生まれ、先般、月刊誌に発表された政権構想は、題して「鈍牛、角を研ぐ」でありました。謙遜を込めての表現なのでしょうが、あなたは決して鈍牛などではありません。何事にも動ぜず、常に全体を見渡し、衆知を集めて的確な判断を下される、すぐれた指導者であると信じております。  大きな転換期には、衆知を集めるタイプの指導者がより大きな事業をなし遂げることは、歴史の示すところでもあります。この時期にあなたが総理になられたのは、天の配剤とも言えましょう。(拍手)  戦後最悪のこの経済状況を克服し、明るい希望の持てる二十一世紀を切り開けるのは自分をおいてほかにないと信じ、進んでください。今求められているのは、何よりも迅速果断な決断力と実行であります。  牛も火急のときは走ります。今こそ火急のときであります。総理、猛牛となって走ろうではありませんか。我が党、そして我々自由民主党所属国会議員は、この危機を一日も早く乗り越え、明るい展望を開くため、総理とともに走り、一致団結して小渕内閣を支えていくことをかたくお約束申し上げ、同じうし年生まれである私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
  8. 小渕恵三

    ○内閣総理大臣(小渕恵三君) まず、国会運営についてのお尋ねがございました。  私といたしましては、今般の参議院議員の選挙結果を謙虚に受けとめまして、今後、野党各党と誠心誠意話し合い、協力をいただくよう最大限努力してまいる所存でございます。  特に、現下の最大の課題であります金融機関の不良債権の処理の緊急性、重要性につきましては、野党各党とも同様の認識を持っておられるものと承知をいたしております。野党の提案にも耳を傾けながら、関連法案の一日も早い成立に向けて、野党の理解と協力を強くお願いするところであります。  いずれにしても、国家国民にとりまして何が望ましいかとの原点に立って、各党各会派が努力されることを期待いたしております。  我が国の経済の認識についてお尋ねがございましたが、現在、個人消費は低調であり、住宅建設も低水準が続いております。また、設備投資は動きが鈍く、輸出も全体としてやや減少傾向にあります。このような家計や企業のマインドが慎重になっておることから最終需要が弱くなっておりまして、この影響が生産、雇用面にも広まっております。要するに、景気は低迷状態が長引き、甚だ厳しい状況にあると考えられます。  景気回復に向けての内閣の決意についてのお尋ねがございました。  現在、景気は低迷状態が長引き、甚だ厳しい状況にあると考えられます。今後は、先般成立したばかりの補正予算等、総合経済対策の本格的な効果が徐々に出てくるものと考えられますが、他方、雇用の悪化、金融機関の不良債権問題等が懸念されます。したがいまして、総合経済対策の実施に全力を尽くすことに加え、金融再生トータルプランの早期実現を目指しておるところであります。  その上で、事業規模で十兆円を超える第二次補正予算を編成し、六兆円を相当程度上回る恒久的な減税を実施いたします。以上の政策を実行し、一両年のうちに我が国経済を回復軌道に乗せるよう、内閣の命運をかけて全力を尽くす覚悟であります。(拍手)  平成十年度第二次補正予算についてのお尋ねでありますが、まずは、先般成立したばかりの十六兆円を超える総合経済対策、補正予算の執行に全力を尽くしていくことが先決であります。  その上で、一刻も早い景気回復を図るため、平成十一年度に向け切れ目なく施策を実行すべく、事業規模十兆円を超える第二次補正予算を編成することといたしております。その際、公共投資のあり方につきましては、景気回復への効果を踏まえるとともに、従来の発想にとらわれることなく、二十一世紀を見据えた分野に重点化するなど、その見直しを行ってまいりたいと思っております。  税制改正について御質問でございますが、今回の改正は、抜本的な見直しを展望しつつ、景気に最大限配慮して、六兆円を相当程度上回る恒久的な減税を実施するものでありますが、今後はさらに、我が国の将来を見据えたより望ましい制度の構築に向けて、御指摘の税率、課税ベース等を初めとした幅広い論点について検討していく必要があると考えております。こうした点につきまして、政府及び党の税制調査会において、引き続き検討していただきたいと考えております。  六大改革の推進についてお尋ねがございました。  少子・高齢化が進展するとともに、従来の経済社会の仕組みがほころびを示し、産業の空洞化への懸念が高まる中、足元の景気対策に加え、六大改革の基本理念を踏まえ、諸改革を進めてまいる所存であります。特に、新規産業の創出、高コスト構造の是正等を図る経済構造改革は、質の高い雇用機会を拡大し、豊かな国民生活を実現するための重要課題であります。  また、中央省庁等改革基本法に基づく二〇〇一年一月の新体制移行開始を目標とした取り組み、中央省庁のスリム化など行政改革、心の教育の充実を初めとする教育改革、社会保障構造改革、金融システム改革につきましても全力で推進をいたします。  なお、財政構造改革につきましては、これを推進するという基本的な考え方は守りつつ、まずは景気回復に全力を尽くすという観点から、当面、財政構造改革法を凍結することといたしましたが、中長期的な財政構造改革の必要性は否定されるものではありません。こうした取り組みにより、来るべき新しい時代が明るく希望に満ちたものになるよう、全力を尽くしてまいりたいと思っております。  金融機関の不良債権の透明性確保についてお尋ねでございますが、金融機関の情報開示の充実は金融機関経営の透明性を高める上で極めて重要であり、不良債権額の情報開示についてもその拡充を促進いたしております。また、金融機関に対する検査監督機能の強化については、厳正で効率的な行政手法の確立に努めるとともに、検査監督体制の計画的な強化を図ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、不良債権処理関連法案の早期成立が何よりも大切であるという御指摘はそのとおりでありまして、我が国経済を早急に立て直し、再活性化するためには、この不良債権の実質的な処理を一日も早く進め、金融システムの再生を図ることが不可欠であります。このため、政府といたしましても、金融再生トータルプラン関連法案を早期に成立させることが極めて重要であると考えております。  我が国の金融再生についてのお話でございますが、経済を再活性化し、また、国民の有利な資産運用と円滑な資金調達を達成する金融システム改革を成功させるためには、金融機関の不良債権の抜本的処理を促し、金融の本来の機能を早急に回復させる必要があります。このため、金融再生トータルプランに盛り込まれた総合的な施策を、早急かつ一体的に進めてまいりたいと思います。  次に、国際情勢についてのお尋ねでございますが、冷戦終結後の世界において、民族、宗教等に起因する地域的対立や経済危機等の不安定要因がなお存在しております。我が国といたしましては、我が国及び国際社会全体の安全と繁栄のため、米国及び近隣諸国との関係強化、アジア太平洋地域をめぐる地域協力の強化、国連を初めとするグローバルな取り組みへの協力を着実に進めてまいります。  日米関係についてでございますが、両国の関係の強化のため、首脳間の個人的な信頼関係を築くことも重要と考えております。今月の一日には、クリントン大統領から電話をいただいた際、両者で日米間の重要性及びその強化に向けて双方の意思を確認し、できる限り早い機会にお会いすることといたしました。私は、クリントン大統領との緊密な協調を通じ、幅広い分野で日米協力関係を一層進展させてまいりたいと思います。  日ロ関係についても、ロシアとの間で引き続きさまざまな分野における関係を強化しつつ、二〇〇〇年までに東京宣言に基づいて平和条約を締結し、日ロ関係を完全に正常化する、全力を尽くす決意でございます。  橋本前総理が築き上げられたエリツィン大統領との信頼関係をもとといたしまして、私自身もこの秋に訪ロし、エリツィン大統領と間断なき対話を進めてまいりたいと思いますが、日ロ間の問題はまさにこの一、二年、最も重要な時期に来っておると考えております。議員各位の御支援と御協力をいただきながら対ロ外交を進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。(拍手)  日中関係につきましてもお尋ねでございますが、良好な日中関係を維持発展していくことは、日中双方のみならず、アジア太平洋地域、ひいては世界の安定と繁栄にとって極めて重要であることは申すまでもありません。政府は、九月の江沢民国家主席の訪日等を通じ、一層緊密な対話とさまざまな交流を進め、日中関係の一層の発展に努めるとともに、国際社会のさまざまな課題への取り組みにおいて、日中間の協力関係を強化いたしてまいりたいと思っております。  南アジアの核不拡散問題と核軍縮についてのお尋ねでございますが、インド及びパキスタンの核実験は極めて遺憾であります。到底容認し得るものではありません。我が国は、両国に対し、NPT、CTBTの無条件締結及び核物質、ミサイル関連技術の不拡散等を粘り強く求めていく考え方であります。  また、核兵器国に対しましても、米ロ間の戦略兵器削減交渉の促進を初めとする一層の核軍縮の努力を引き続き求めてまいるつもりでございますけれども、インド、パキスタンの核実験の強行というこの新しい事態に対応いたしまして、五つの核の保有国に対していかなる世界の世論を結集することができるか、そのためのイニシアチブも日本としてとるべきではないかと私は従来考えてまいりました。  先般、ロンドンにおけるG8のときにおきましても、四つの核保有国、ほか四カ国でございますが、加えまして、現在、世界の中では、核を保有する実力と申しますか、そうしたものを保持しながら国の政策として核保有を否定しておる国が、我が日本を初めとして各国あるわけでございまして、そうした国々とも横の連絡も十分とりながら、五つの国並びにインド、パキスタンに対しましても、これからの核に対する不拡散、そして、核物質の拡散等につきましてできる限りの制約を加えるように努力をいたしていきたいと考えておる次第でございます。(拍手)  周辺事態の安全確保法、自衛隊法改正法案及び日米物品役務相互提供協定改正協定について等でございますが、これは、本年四月に閣議決定をいたしまして国会に提出したところでございます。こうしたこれらの法案が、協定が早期に国会で審議され、成立または承認されることを期待いたしております。  沖縄の問題についてお尋ねでございますが、言うまでもありませんが、政府といたしましては、米軍の施設・区域の整理、統合、縮小の問題を初めとして、全力を挙げて取り組む方針であります。しかしながら、そのためにも、御指摘のとおり、沖縄県の現実的な理解と協力を得ることが不可欠であり、そうした中で、国と県が連携して対応できるよう、強く期待いたしておるところでございます。  最後になりましたが、以上のお答えは自由民主党の池田議員に対してのお答えでございますが、最後に、先ほどお尋ねの最後に、私に対しましても、大変力強い御激励をちょうだいいたしました。  過般、新聞紙上を拝見をいたしておりましたら、鈍牛たる私、火牛となって走れ、そういう江藤淳さんのお言葉もございました。私も、微力でございますけれども、全力を挙げて、火の牛ともなってこの事態に十分対応したい、こう考えておりますので、御支援のほどを心からお願いいたします。ありがとうございました。(拍手)     〔国務大臣宮澤喜一君登壇〕
  9. 宮澤喜一

    ○国務大臣(宮澤喜一君) 池田政調会長は、景気を一日も早く回復するため、当面取り組むべき経済政策の課題として、予算、税制、金融機関の不良債権処理の三つをお挙げになられました。まさに御指摘のとおり、この三つの課題について、小渕内閣の対処方針を速やかに、かつ具体的に決定し、国民と国会の御理解を得ることが、低迷している経済の現状を打破する道と考えております。  まず、税制について申し上げます。  先般、総理大臣が所信表明で述べられましたとおり、個人所得課税については明年一月から、法人課税については明年四月以降に始まる年度から減税を実施いたします。その規模は、個人については四兆円、法人については二兆数千億円を予定しております。  個人所得課税については、最高税率の六五%から五〇%への引き下げ及び定率による減税を考えております。その際、中堅所得者層に配慮するために階層別に減税率の差をつけることにつきましては、源泉徴収義務者等の負担、税務執行上の困難についてどのように対処するかという問題がございまして、なお引き続き検討をさせていただきます。  いずれにいたしましても、課税最低限三百六十一万円の現行税制に比べ、すべての納税者に減税が行われることにいたします。法人課税については、実効税率を四〇%程度といたし、国際水準並みにいたします。  ここ一、二年、単年度限りの減税が行われておりましたが、このたびの改正は、景気の回復が確実に実現するまでの間、一時的でなく、継続して実施してまいります。このような大規模な減税を継続的に実施することが、消費者や企業のマインドを高め、景気に効果的に作用するものと考えます。  政調会長御指摘のとおり、二十一世紀を見据えたあるべき税制の構築に向けた本格的な改革というものがいずれかの時点で必要になることは、私もそのとおりに思っております。そのことは十分念頭に置きつつ、政府としては、今日は国民負担の軽減が景気回復のため不可欠、最優先課題と考えております。  したがって、今回の税制改正に当たっては、増税は一切含んでおりません。減税に必要な財源発見にはあらゆる努力をいたしますが、しかし、その大宗は赤字国債の発行によって賄います。御指摘のとおり、財政の現状は憂慮すべきものがございますが、そのためにもまず景気の回復が大切と考えます。  次に、来年度の予算編成のあり方及び本年度第二次補正についてお話がございました。  来年度予算編成に当たってのいわゆるシーリングについて、中途半端になってはならぬという御指摘は、まことに同感でございます。ここでも、景気回復のための配慮が最優先しなければなりません。ただいま事務当局が具体的な作業をいたしておりますが、私からは、公共事業の執行が年度末に切れ目を生じないようにすること及び平成十一年度の公共事業は十年度のそれを実質的に上回るようにすること、この二点を指示してございます。  このためには、各省庁の要求のうち、公共、非公共を含め景気対策に即効性のあるものを予算化するため、特別の対応を工夫してまいりたいと思います。また、その相当部分は、要すれば、十年度二次補正に前倒ししてはどうかと思っております。いずれにいたしましても、御懸念の点を十分踏まえまして、できるだけ早く結論を出すことにいたします。  次に、不良債権処理について申し上げます。  現在、金融監督庁の検査が集中的に行われつつございますが、その結果、やがて財務諸表や自己資本比率、実質的なディスクロージャーなどを通じて金融機関が市場の洗礼を受け、不良債権の実質的処理及び引き当ての適正化への圧力が生まれてまいっております。また、市場、株主によるチェック、あるいは金融商品の利回り格差等による顧客からのチェックなどにより、金融機関の合理化は一層進められるものと考えております。  そして、このような動きを促進するための環境整備を目的とした六つの法律案が国会に提出されておりますが、御指摘のブリッジバンクも、不良債権の処理、金融再編やリストラを促進していく過程で経営困難に陥る金融機関が出てきた場合にも、金融システムの安定性確保及び善意かつ健全な債務者に対する適切な配慮に万全を期すことを目的といたしております。  また、公的資金導入の際の経営者の責任追及、株主による損失負担などが徹底して行われるべきことは御指摘のとおりでありまして、政府提出法案もそのための規定を設けております。これらの諸法案につきましては、御審議の上、速やかに成立いたしますようお願い申し上げます。  なお、貸し渋り対策として、政府関係機関の積極対応についてはさらに努力を続け、必要であれば追加予算措置も考慮いたします。(拍手)     〔国務大臣高村正彦君登壇〕
  10. 高村正彦

    国務大臣(高村正彦君) アジア経済に対する我が国の果たすべき役割についてのお尋ねでありますが、我が国は、アジア経済危機への対応として、これまでに世界最大規模の約四百三十億ドルのアジア支援策を表明しており、今後とも最大限の支援を行ってまいります。  また、日本経済の再生こそアジアを初めとする世界に日本が貢献する最大の道であり、恒久的な減税の実施、不良債権問題の処理、第二次補正予算の編成等に全力を尽くすことが重要と考えております。  我が国の外交姿勢についてのお尋ねでありますが、我が国としては、自国及び国際社会全体の繁栄と安定に向けて、我が国外交の基軸である日米関係の一層の強化に努めると同時に、中国、韓国、ロシアを初めとする近隣諸国との関係も発展させていきたいと考えております。  そうした各国との協力関係に基づき、数多くある日本独自の力を発揮できる諸分野において、リーダーシップを発揮して、国際社会の抱える諸問題に主体的な役割を果たしていく考えであります。(拍手)     ―――――――――――――     〔議長退席、副議長着席〕
  11. 渡部恒三

    副議長(渡部恒三君) 神崎武法君。     〔神崎武法君登壇〕
  12. 神崎武法

    ○神崎武法君 新党平和の神崎武法です。統一会派平和・改革を代表して、小渕総理の所信表明演説に対し、質問を行います。  冒頭、先週、新潟県を襲った集中豪雨災害において、死者を含め多くの被害が出ておりますことについて、被害に遭われた方々に対し、会派を代表して心よりのお見舞いを申し上げます。政府は、激甚災害指定の検討を含め、復旧復興対策、災害弔慰金の交付や災害援護資金の貸し付け、さらには稲作農家等への支援など、早急な対策を講じるよう強く要請いたします。  また、隣国、中国揚子江流域の大水害、さらには韓国首都圏周辺を襲った集中豪雨などによって、多くのとうとき人命が失われ、また甚大な被害が出ておりますことに対し、一日も早い復興と被害が最小限にとどまりますことを、心よりお祈り申し上げるものであります。  さて、橋本総理の後を継がれた小渕総理、本来、民意のないところに政権など存在しようがありません。それが民主主義の最大眼目であります。先人の言葉に、「政の興る所は、民の心に順うに在り、政の廃する所は、民の心に逆うに在り」とあります。しかるに、このたび誕生した小渕新内閣は、この「民の心」に逆らっているのであります。  さきの参議院選挙においては、国民の怒りが爆発し、自民党は大敗北を喫しました。これはまさに、自民党政権が国民から破綻認定されたということにほかなりません。この選挙において示された民意とは、橋本内閣ノー、自民党政権ノーであります。さらには、自民党の伝統的手法である政官業の癒着、問題先送り、官僚支配政治に対する明確なノーなのであります。  本来、この時点で自民党は野に下るべきでありました。しかし、自民党にはその意思は毛頭なく、やむを得ず、国民の多くは橋本総理退陣後の自民党新総裁選挙に一縷の望みをつなぎ、これを注視しましたが、結果は、従来型の派閥の論理がまかり通る、国民の期待に反する結果となったのであります。(拍手)  政治指導者に求められる最大の資質は、信頼、これに過ぎるものはありません。しかるに、不幸なことに我が国は、変革期のかじ取りに当たり、国政の最高責任者が、国民や内外の市場、さらには国際世論やマスコミなどからさえも、最も信頼感に欠けると指摘される人物が選任されたと厳しい評価を受けているのであります。総裁選挙の候補者のうち、世論や市場からの最も支持、信頼の少ないのが、小渕総理、あなたでありました。  ほとんどすべての世論調査で、発足直後の内閣としては、宇野内閣を抜いて過去最悪の不支持率を記録している小渕内閣には、本質的に政権を担うに足る正当性の根拠を有しないと断ぜざるを得ません。ゆえに、あなたは、あくまでも暫定総理だとみずから自覚すべきであります。  確かに、総理は、衆議院において首班に指名されました。しかし、参議院においてはその指名を受けていないのであります。しかも、自民党の衆議院過半数という議席それ自体、国民の審判によって得たものではなく、さきの衆議院選挙後、自民党の露骨なまでの引き抜き工作と、それに屈して与党へとくらがえした、いわば民主主義の自殺行為とも言える選択を行った議員の行動によって、辛うじて担保されたものではありませんか。要するに、小渕総理は、国民から真に負託された総理ではないことは、明々白々な事実であります。(拍手)  「一国は一人を以て興り、一人を以て亡ぶ。賢者はその身の亡ぶを悲しまずして、その国の衰えるを憂う」、北宋の蘇洵の言葉であります。  民意のみならず、自民党以外のだれも、世界も市場も、すべてが小渕内閣の成立に対して否定の意思表示をした冷厳な事実を厳粛に受けとめるべきではありませんか。総理の認識をまずお伺いいたします。  次に、経済政策に関する、参議院選挙の自民党の掲げた公約と、自民党総裁選挙の小渕候補の公約との矛盾についてお伺いいたします。  言うまでもなく、議会制民主主義とは国民からの厳粛な信託を受けて政治を行うものであり、選挙の公約は、まさに国民の方々との重い意味の込められた契約であります。しかるに、自民党は、参議院選挙の公約を、その後、総裁選挙においていとも簡単に百八十度変えてしまったのであります。具体的には、一つは財政構造改革路線の転換であり、いま一つは、従来橋本内閣が否定し続けてきた恒久減税の実施についてであります。  我々は、今日の経済状況を見れば、経済の立て直しのため、一たんは緊縮財政路線をわきに置き、経済再建のための積極財政路線へと転換すべきであるという主張をそれこそ再三再四訴えてきたのでありますが、自民党は一貫して否定し続けてきたのであります。ところが、小渕総理は、これをあっさりと転換し、財政構造改革法凍結を言い始めたのであります。  橋本内閣の一員として我々野党の凍結法案を否決しておきながら、今回は、同じく凍結を主張される。さらには、政権を支える最重要の政策を破棄、変更しておきながら、何のけじめもつけないままに、なおかつ改めて政権の座につく。こうした態度は、まさに議会制民主主義を冒涜するものと言うべきであります。(拍手)  政策、主張を変えることをとやかく言うわけではありませんが、少なくとも参議院選挙において、自民党の政策を支持し投票なさった有権者へは、一体どう説明されるのか。公約とはそんなに軽いものなのか。自民党は確固たる政策も信念も理念もない、そしてまた国民に対する最低限のマナーも持たない政党へと成り下がってしまったと指摘せざるを得ないのであります。(拍手)  総理、あなたが属された内閣の最大の政策基盤であり、しかも経済政策の骨格中の骨格である財政政策を転換したこと自体、政権交代に値すると考えませんか。なぜ、我々野党の財革法凍結法案に反対したのか、その理由とあわせて、二つの選挙における公約の矛盾、けじめなき政策転換について、総理の明確な答弁を求めます。  また、総理は、これまた政策を転換し、恒久減税を言い始めました。そうであるならば、なおさら財政構造改革法は早急に再改正すべきであり、場合によっては、与野党を超えて議員立法で共同提出するということも検討すべきかと考えます。この点についていかがお考えか、総理の見解を求めます。  次に、恒久減税案について伺います。  我々は、今日の政策不況を打開し、国民の将来不安を取り除くためには、早急かつ大規模な恒久減税を実施するしかないと、昨年来から主張してきたところであります。この点、自民党は迷走に次ぐ迷走を重ねております。総理は、所得課税、法人課税合わせて六兆円超の減税を行うとしていますが、総理御自身、総裁選挙以降も、その発言内容が大きくぶれており、また、総理と大蔵大臣の間でも大きく違ってきております。一体、こうした不安定、無定見で、国民が、国際世論が、さらには内外の市場がどうして納得するでしょうか。  我々は、従来から、六兆円規模の所得税、法人税減税の速やかな実施、並びに今日の不況の直接の引き金となった消費税の増税分を国民に還元するという趣旨から、約四兆円の商品券方式による特別戻し金の実施、すなわち十兆円減税の速やかな実現を強く主張してまいりました。消費税の増税が今日の消費不況をもたらしていることにかんがみれば、家計の負担増分を国民に広く戻し金という形で還元すれば、すべての層で恩恵を受けることが可能となり、経済効果も即効性が期待できるのであります。我々は今国会中の法案提出を目指し、引き続き、この政策の実現に全力を挙げる所存であります。  私は、六兆円の恒久減税は当然として、四兆円の特別戻し金の実施を含めた十兆円減税を、年内に実施すべきと考えます。国民の将来不安を少しでも早くなくし、国民の懐を暖め、景気回復への効果をも考え合わせるならば、今国会中、税制改正を行い、即実施に移すべきと考えますが、総理の答弁を求めます。(拍手)  総理は、十兆円規模の平成十年度第二次補正予算の編成を公約されました。第一次補正予算のような従来型のばらまきであれば、結局は国の借金をふやすだけであり、全く意味がありません。実施するのであれば、国民生活に直結したものとし、恒久減税の年内実施を目的として、今国会に直ちに提出すべきであります。  私は、当面する景気対策として、先ほど申し上げた、我々が主張する十兆円減税の年内実施が特に重要だと考えます。加えて、雇用対策及び住宅対策が極めて重要かつ有効な施策であろうと考えております。雇用対策については、貸し渋り対策など中小企業への支援策の拡充及び雇用調整助成金等の拡充など、政府としてとり得る最大限の政策を傾注すべきであります。  また、ベンチャー支援を初め、福祉・介護、情報、環境等の分野における新しい雇用創出のための計画を早急に打ち立て、実行に移すべきであります。  また、生活に直結した緊急対策として、住宅購入と増改築の住宅ローンを対象とした住宅ローン利子減税制度の創設など、中高年層に対しきめの細かい施策を講じるべきであり、こうした施策こそ第二次補正に盛り込むべきであると考えます。  総理が公約された第二次補正予算の基本的な考え方と内容、実施時期について、さらにはその財源とあわせて、総理の明快な答弁を求めます。  次に、緊急課題である金融安定化、不良債権処理についてお伺いいたします。  金融機関の巨額な不良債権の存在は、我が国の金融を貸し渋りなど実質的な機能不全に陥らせているだけでなく、日本経済の足かせとして、日本発の金融恐慌の誘発要因として、世界から厳しい不信の目が注がれています。これほどまでに不良債権問題を悪化させたのは、自民党政権が経済失政により不況を深刻化させ、さらには行政及び金融機関が責任の追及を恐れ、処理を先送りしてきたためであります。この点、政府・与党の責任は極めて重大であります。  この点について、まず小渕総理の見解を賜りたいと存じます。  今や、不良債権の処理は国際公約となっており、一日も早い迅速な処理が不可欠であります。政府・与党は遅まきながら不良債権処理に取りかかろうとしておりますが、その内容には多くの問題点があります。  まず第一には、大蔵省、金融監督庁主導の護送船団方式をなお引きずっているという点であります。  今、不良債権処理に求められているのは迅速な処理であり、一年ないし二年で一気に処理することが重要であります。しかるに政府案では、最大で五年もの期間がかけられております。さらには、金融機関の破綻の認定については金融監督庁が行うこととなっており、まさに行政の恣意性が入り、本来破綻すべき金融機関を生き延びさせる可能性が多分にあるのであります。  第二には、政府のスキームには破綻後の規定しかなく、その大前提となる情報開示について全く不明確な点であります。  これまで、金融機関の不良債権の全容については、時々の恣意的な基準によって公表され、しかも公表されるたびにその額が変わってきており、処理をするにしても何をターゲットにすればいいのか全く不明確であります。米国SEC基準による情報開示も、我が国においてはいわゆる追い貸し等の手段により幾らでもごまかしがきくことになり、信頼に足るものではありません。  政府案では、まかり間違えば、不透明な情報開示のもと、善良で健全な借り手という甘い言葉に紛れて、不良銀行を救済し、際限なしに公的資金を投入するという危険性が多分にあるのであります。その意味において、政府の考えるブリッジバンク案とは、しっかりした受け皿では全くなく、穴のあいたざるで公的資金をじゃぶじゃぶこぼして使い放題にするかのような、受け皿ならぬ受けざる銀行と言う方がより正確であろうと考えます。(拍手)  第三には、銀行破綻に関する経営責任をあいまいにしていることであります。  バブルの不良債権のもとを築き、その後始末として巨額の償却負担の原因をつくった旧経営陣をいまだに厚遇しているような金融機関もなお存在しております。国民の不満は、何も実態がわからないままに巨額の税金を負担させられながら、関係者の責任が極めてあいまいにされてきたことにあります。経営者の責任追及は、処理に当たっての当然の大前提であります。  第四には、公的資金が無原則に導入される危険性があることであります。  政府案では、善良かつ健全な借り手へも公的資金を導入することになっておりますが、その善良かつ健全な借り手とは一体何なのか。その基準があいまいであれば、結果として善良かつ健全な借り手保護との名目で、破綻に至るような不良銀行をつくり出した不良企業をまさに税金で救うということにもなりかねないのであります。  連鎖倒産を防ぎ、日本経済の混乱を最小限に食いとめる意味において、優良な企業への継続融資は必要であろうと考えますが、国民の大切な税金を野方図に投入するわけにはいかないのであります。  以上、重立った問題点のみ指摘しましたが、これらの諸点について、総理の見解を賜りたい。あわせて、不良債権処理に当たり、公的資金は一体幾らかかるとお考えか、明確にお答えいただきたい。  我々平和・改革は、不良債権の処理は、当面する危機回避のための緊急避難的措置であるとともに、来るべき金融ビッグバンに備え、自己責任に基づき市場原理が貫徹する金融システムへの改善に資するものでなければならないと考えます。迅速、透明、公正、責任を基準とした処理が求められるものであります。  より基本的な処理スキームは、まずはディスクロージャーの徹底にあります。不良債権処理は、まさに時間との競争であり、迅速かつ公正、透明に実施しなければなりません。そのため、不良債権の実態把握のため、虚偽報告した場合の罰則強化を法制化し、情報開示の実効性を担保した上で、内容を公開した統一基準マニュアルを制定し、金融機関による自己査定を実施させ、金融監督庁、日銀共同による検査を行い、確定させるべきと考えます。検査の示達書、回答書もあわせて開示すべきであります。  破綻処理においては、やむを得ず公的資金を費やすことも懸念されるため、そうした場合のルールを明確化するとともに、コストを最小化し、行政の不透明な裁量を排除するため、法的処理を中心に据えるべきだと考えます。破綻処理は原則一年以内、長くとも二年で整理、清算を完了させることとし、強力な回収機能を持つ日本版RTCをつくるべきだと考えております。  こうした我々の提案について、総理の御見解を賜ります。  次に、旧国鉄長期債務及び国有林野事業問題についてであります。  私は、この問題は、談合国家日本との決別ができるか否かが問われている重要な問題であると認識いたしております。申すまでもなく、この旧国鉄長期債務問題は、我が国におけるいわば財政構造改革の出発点であり、また、国鉄民営化として行政改革の草分けでもありました。他方、政府・与党の無責任、問題先送り体質を如実にあらわしているという点で、象徴的なテーマでもあったのであります。  そもそも、旧国鉄長期債務をつくり出し、膨らませた責任がどこにあるのか。その責任の大半は、与党政治家による利権誘導型の政治であり、政治家と一体となって推し進めた政府、官僚にあるのであります。  その債務処理を先送りし続けてきた結果、最終的な処理の段階に至って、負担は国民とそして民間に押しつけられようとしているのであります。とりわけ、一たん法律で決めたものを、政府の都合によって法律で再び覆すのみならず、既に負担問題では決着済みであるJR各社に対して改めて負担を押しつけるということは、民営化の何たるかを全く理解していないのではないですか。  それだけでなく、こうした方針で処理が行われるならば、株式の公開に重大な影響をもたらす懸念を強くするものであり、資本主義の何たるかも心得ない我が国の実態について、内外の市場からの反発を強く危惧するものであります。  法的にも政治的にも決着済みのことを今ここで蒸し返すことは、理念不在、行き当たりばったり、余りにも御都合主義のきわみであります。JR各社に対する負担は全く理に合わないと考えます。私は、当然、政府案は修正されるべきであると考えますが、総理の御見解を伺います。(拍手)  次に、外交、安全保障問題についてお伺いいたします。  初めに、私は、平和・改革を代表して、過日、国連タジキスタン監視団としてPKO活動に従事されながら、不幸にもとうとい一命を落とされた故秋野豊さんに対し、その短くも尊貴な御生涯に深く敬意を表しつつ、御冥福を心からお祈り申し上げます。我々も、秋野さんの死を決して無にすることなく、世界の平和の実現に向け、全力を傾ける所存であります。  次に、日米ガイドライン関連のいわゆる周辺事態法案について伺います。  日米安保体制を基軸とし、その実効性を高めることでアジア太平洋地域の平和に貢献するという政府の意気込みとは全く裏腹に、この法案は重大な欠陥を抱えております。  特に、周辺事態に際する基本計画は、閣議決定の後、事後で国会に報告するとしており、国会の実質関与が認められておりません。周辺事態の認定に対し、その定義も不明確なままで、我が国が自発的意思を持って判断することなど、だれが現実的だと言えるでしょうか。近隣諸国はもちろん、国民に対しても十分な説得すらできていないのであります。総理は、この法案が自動参戦を促すものではないということをどう証明されますか。  私は、本法案に関しては、慎重審議を求めるとともに、少なくとも防衛出動と同等の国会承認を盛り込むべきと考えます。総理の御見解を賜りたい。  また、周辺事態の範囲についても、台湾海峡が周辺事態に含まれるのかどうかなど、政府の見解は極めてあいまいであります。総理の明確な答弁を求めるものであります。  総理の歴史認識についてお伺いいたします。  過日、中川農林水産大臣は、従軍慰安婦問題に関連して、強制性はなかったかのような趣旨の発言をされました。その後、発言を取り消したようでありますが、内閣の一員として、こうした不用意な発言はまことに遺憾であり、残念のきわみであります。総理はつい先日まで外務大臣でありました。発言の重みがわからないはずはありません。中川大臣は明確に陳謝の意を表明すべきであります。  私は、六月に韓国を訪問し、金大中大統領と会談をしてまいりました。大統領は、十月に予定されている来日を機に、我が国との歴史認識の相違に根差す問題を清算し、未来に向けて新たな日韓関係を構築しようとする意思を強くお持ちであります。私は、その勇気ある決断に深い感銘を受けました。  しかしながら、我が国政府の対応はどうでしょうか。韓国国民の感情を真っ向から逆なでするような発言を、問題なしで片づけてしまう総理の見識に、私は驚きを隠せません。従軍慰安婦問題については、宮澤内閣当時の河野官房長官談話に基づくべきであります。  両国はこれから漁業交渉の正念場を迎えます。中川農水大臣はこの問題についてはいわば確信犯であり、そうした人物を農水大臣に登用する総理の見識を疑わざるを得ません。総理はどのようにその責務を自覚されるのか、金大統領の強い意思にどのようにこたえる御所存か、明確にお聞かせいただきたいのであります。  次に、小渕総理の御見識について、何点か具体的な政策テーマに沿ってお伺いいたします。  その第一は、行政改革であります。  橋本前政権は、官僚の権限を温存し、その腐敗を助長し、結局はあらゆる改革が中途半端に終わり、先送り政治のツケだけが押しつけられたというのが今日の現状なのであります。  先国会の中央省庁等改革基本法案の審議において、我々野党は、官僚の権限を抑制するため、次期通常国会に提出される各省設置法案において、官僚の裁量行政の淵源となっている権限規定を削除すべきと繰り返し要求してまいりました。にもかかわらず、小渕内閣発足わずか六日目に発表された省庁再編の具体化方針原案では、この点が官僚によって抜け目なくあいまい化され、官僚言いなりの自民党政権の体質を早くも露呈したのであります。総理の見解を求めるものであります。  第二は、弱い立場にある人々への姿勢であります。  今日の日本社会は、権利関係の一層の複雑化に伴って、報道による人権侵害や定住外国人の選挙権、同和対策問題など、個人の人権がないがしろにされ、あるいは埋没化するおそれがますます高くなっています。こうした国民一人一人の人権の保障に明確に向き合う姿勢こそが政治に求められておりますが、小渕総理がこれらの人間の尊厳について、いかなる理念のもとに、いかなる政治姿勢を持っているのか、この点についての総理の所見を伺うものであります。  第三は、深刻化する環境問題についてであります。  平和・改革は、さきの補正予算において、約一千億円超のダイオキシン対策費を提案し、幾つかは実現を見ました。しかしなお、環境ホルモンなど有害な化学物質に対する国民の不安は、ある意味で金融システム不安以上に深刻な影を落としています。  これらの危険な化学物質を監視するために、環境に排出される化学物質の発生源や排出量、移動量を登録し不断に監視する画期的なシステムとして、PRTR、環境汚染物質排出・移動登録制度が不可欠であります。折しも、OECDと環境庁の共催で、どのようなPRTRが最も有効なのかをテーマとする国際会議が、この九月に東京で開催されます。国際会議の内容を踏まえた、世界の模範となるPRTR制度の確立こそ我が国に求められています。環境政策についての小渕総理の姿勢をお伺いいたします。  以上、幾つかの政策課題について質問いたしましたが、冒頭申し上げたとおり、小渕新内閣は民意なき政権であります。小渕新内閣は、みずからを経済再生内閣と位置づけておられますが、これほどの大いなる錯覚はありません。  そもそも、今日の深刻な不況をもたらした最大の責任はどこにあるのか。言うまでもなく、小渕総理もその主要閣僚として参加していた橋本内閣ではありませんか。その連帯責任を一体どこまで感じておられるのか。私には、むしろみずからの責任を放置して、開き直った態度としか見受けられないのであります。  橋本内閣の主要閣僚は、デフレ経済を招いたいわば戦犯として、本来、総理になるどころか、内閣に入る資格もないというのが国民の常識であります。橋本内閣の一員として我が国を経済敗戦に追い込んだ連帯責任を、総理はいかが自覚されておられるのか、総理の明快な答弁を伺います。  民意のない小渕内閣に課せられた任務は何か。みずからの気負いとは裏腹に、小渕内閣によって景気が回復すると期待する国民はほとんどおりません。国民は小渕内閣に、経済再生も、ましてや日本の将来も託していないことを厳しく自覚すべきであります。  小渕総理の任務は何かといえば、橋本内閣並びに自民党政治の敗戦処理のための破綻処理内閣であって、今国会において、放置することのできない緊急避難的な課題、すなわち金融システム安定化のための不良債権の処理、そして恒久減税への道筋をつける、ただそれだけであります。そして、しかるべく道筋がつけば、速やかに衆議院を解散し、民意を得た次の内閣につなぐ、これこそが憲政の常道であります。(拍手)  先週発表されたマスコミ各社の世論調査でも、解散・総選挙の時期について、遅くとも年内には行うべきだとの声を含め、合わせて六割前後の国民が総選挙の早期実施を求めており、これを厳粛に受けとめるべきであります。  この点について総理の見解をお伺いし、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣小渕恵三君登壇〕
  13. 小渕恵三

    ○内閣総理大臣(小渕恵三君) 神崎議員にお答え申し上げます。  まず、このたび新潟を中心にいたしまして、各地で災害が発生をいたしました。この集中豪雨等の災害につきましては、改めて政府を代表いたしまして、被災地の皆様に対して心からお見舞いを申し上げる次第でございます。  政府といたしましては、現地の調査等もしっかり踏まえまして、公共土木施設、農地等の被害状況を早期に把握いたしまして、御指摘にありましたように、災害援護資金貸し付けの受け付け、災害弔慰金の交付、あるいは被災農家への共済金の早期支払いの指導等を行い、今後とも、政府が一丸となって被災地の速やかな復旧に努める所存でございます。  なお、激甚災害の指定につきましては、被害調査を踏まえまして、指定基準によりまして適切に対処いたしてまいりたいと思っております。  次に、民意によらずこの内閣が成立をされた、こういう大変厳しい御批判をちょうだいいたしました。  私自身といたしましては、国民を代表する国会において、憲法の手続によって選ばれたものと理解をいたしておりまして、この民意をしっかり受けとめてまいりたいと思います。  もとより、私とて、世評、いろいろと厳しい御批判の前にあること、承知をいたしておりますし、また、世論調査等も決して高いものでないことは承知をいたしておりますが、国会において正式に選ばれた者として、種々のこれからの政策を着実かつ果断に実行することによって、国民の皆さんの支持を得ていくために最大の努力をいたしていきたい、このように考えております。(拍手)  財政構造改革路線や恒久減税につきまして、政策転換をしたのではないかというお尋ねであります。  財政構造改革法につきましては、財政構造改革を推進するという基本的な考え方は、これを守りつつ、まずは景気回復に全力を尽くすという観点から、当面これを凍結することといたしております。  いずれにしても、将来世代のことを考えれば、中長期的財政構造改革の必要性は否定されるものではありませんが、私自身、自民党の総裁選挙に臨みまして、現時点では何としても景気回復が最重要課題である、こう考えましたので、この改革法につきましては、当分の間これを凍結するということで御理解を得たものと認識しております。  財政構造改革法を早急に改正すべきとの御意見もございますが、財政構造改革を推進するという基本的な考え方は守りつつ、景気の回復に全力を尽くすため、当面これを凍結することは今ほど申し上げたとおりでございますが、財政構造改革法の凍結の最終的内容は、予算編成過程における景気の回復のための税制改正を含めた具体的な施策の内容の議論を踏まえて検討いたしてまいりたい、このように考えております。  次に、税制改革について御質問でございますが、我が国の将来を見据えたより望ましい制度の構築に向けまして、抜本的な見直しを展望しつつ、景気に最大限配慮して、六兆円を相当程度上回る恒久的な減税を実施することといたしております。  これは、我が国の租税負担率が国際的に見て相当低い水準にある中で、個人所得課税の減税規模を本年の特別減税の規模と同程度の四兆円とし、法人課税の実効税率を四〇%程度へ引き下げる観点から、できる限り大規模な減税を実施するものでございます。  改正の具体的内容につきましては、政府及び党の税制調査会における検討の結果を踏まえる必要があることから、年末にかけてこれを決定し、関連法案を次期通常国会に提出する準備を進めることといたしております。  今回のこの決定に至る間、神崎議員から、極めて私自身不安定、不定見だという厳しい御批判もございました。また、大蔵大臣との間の意見の相違があるのではないかという御指摘もありましたが、宮澤大蔵大臣との間は水も漏らさぬ関係でありますので、御安心をいただきたいと思います。(拍手)  平成十年度第二次補正につきましてのお尋ねでございますが、まずは、先般成立したばかりの十六兆円を超える総合経済対策、補正予算の執行に全力を尽くしていくことが先決であると思っております。一刻も早い景気回復を図るために、十一年度に向け切れ目なく施策を実行すべく、事業規模十兆円を超える第二次補正予算を編成することといたしております。  本件につきましては、先ほど宮澤大蔵大臣からも御答弁もございました。私ども、先般の総合対策、補正予算の効果を見きわめた上で、十分考えてまいりたいと思っております。  なお、平和・改革の選挙時以来の公約についてもお触れでございました。  現時点におきましては、私どもとしては、減税につきましては、先ほど申し述べたような減税のあり方について、政府としてはこれを実行していくことがまず第一である、このように考えておる次第でございます。  住宅ローンの利子減税制度の創設についてのお尋ねでございますが、持ち家の取得促進に配意しまして、既に税制面におきましては、住宅取得促進税制等により十分配慮を行ってきたところではありますが、住宅ローンの減税については、いろいろ国民の希望もございます。こうした問題につきましては、現状を踏まえまして、さらに検討してまいりたいと考えております。  不良債権問題についてお尋ねでございますが、政府としては、その時々の経済状況に応じて適切な経済対策を講ずるとともに、金融機関に対し、不良債権の早期処理の努力を促してきたところでございますが、今般の金融再生トータルプランに盛り込まれた措置の実施によりまして、金融機関の不良債権問題の解決に引き続き努力をいたしてまいりたいと思います。  政府が不良債権処理関連法案の一環として提案しております、いわゆるブリッジバンク法案についての御質問がございました。  まず、やむを得ない事例を除き、公的ブリッジバンクの存続期間につきましては、原則として二年であります。  次に、破綻の認定につきましては、預金保険法と同様の扱いをいたしております。  情報開示につきましては、本年三月期から、全国銀行におきまして、米国SEC基準と同様の基準に従って不良債権の情報開示が既に行われているところであり、来年三月期から、全金融機関について、これが連結ベースにより罰則つき義務化されることになっております。  経営責任につきましては、これまでと同様、破綻した金融機関の経営者の退任及び法律に基づく民事、刑事上の責任を厳格に追及する方針であります。  善良かつ健全な借り手の基準につきましては、金融危機管理審査委員会において決定された上で、公表されることになっております。  不良債権処理に当たりまして、公的資金が幾らかかるかについてのお尋ねであります。  不良債権の処理に伴いまして公的資金が必要となるのは金融機関が破綻した場合でありますので、今後発生し得る金融機関の破綻を現時点で予測することは困難であることは、御理解をいただきたいと思っております。  不良債権処理に係る平和・改革の提案に対する御意見でありますが、政府としては、今般取りまとめられました金融再生トータルプランの実施は、我が国経済の喫緊の課題である不良債権問題を解決するために不可欠なものであり、その関連法案を早期に成立させることが必要であると考えております。  先ほど神崎議員御質問の中で、御党のお考えに触れまして、いろいろと具体的に御指摘がございました。  お聞きをいたしておりまして、私自身、今申し上げましたように、政府としては既に政府提案の二法がございますし、議員立法として、かなり時間をかけて自由民主党といたしまして真剣に取り組んでまいったものを法案化いたしておりますので、これが最も今時点において政府としてなさなければならないものと考えてはおりますが、平和・改革の御提案について伺いましたところでございますので、今後、いずれにいたしましても、国会の審議等につきまして、さらなる具体案をお聞きいたしまして、いろいろとそれぞれの貴重な御意見を承りながら、今次事態をいかに乗り切るかという一点において最もよきものを選択していかなければならない、このように考えておる次第でございます。(拍手)  国鉄長期債務の処理についてもお尋ねがございましたが、国鉄長期債務の処理に当たりましては、厚生年金移換金についても最終的な負担者を今回定める必要がございまして、そのうちJR社員分は、特定企業の社員の福利厚生のための負担でありますので、一般国民の負担ではなくJRの負担とすることが適当であると考えます。政府といたしましては、こうした考え方に基づき国会に法案を提出いたしておりますので、この処理方策が最も適切な案であると認識しておりますので、御協力をいただきたいと思っております。  次に、周辺事態安全確保法案の件でございますが、ある事態が周辺事態に該当するか否かにつきましては、日米両国政府がおのおの主体的に判断することとなっております。また、周辺事態にいかなる活動を実施するかも、我が国が主体的に判断を行います。したがいまして、本法案が我が国の自動参戦を促すものであるという御指摘は当たらないものと考えます。  周辺事態につきましてさらなるお尋ねでございますが、周辺事態とは、我が国周辺の地域における我が国の平和と安全に重要な影響を与える事態でございまして、地理的な概念ではありません。また、我が国として、中国政府が台湾をめぐる問題は中国人同士の問題として平和的解決を目指していることを承知いたしておりまして、台湾をめぐる問題が当事者間の話し合いにより平和的に解決することを強く期待いたしております。  中川大臣の発言についてもお尋ねがございました。  いわゆる従軍慰安婦問題についての政府の基本的立場は、平成五年八月四日の河野官房長官談話のとおりでございます。中川大臣の発言は、この内閣の基本政策を遵守するということを前提に行われたものと承知をいたしておりまして、無用の誤解を避けるため、大臣自身その発言を取り消されたと聞いておりますので、したがいまして、私は、問題はない、こう考えております。  金大中大統領の訪日に向けた対応についてもお尋ねがございました。  大統領が、過去の認識につきまして、歴史を清算して終止符を打ち、新たなる日韓関係を構築したいとの強い決意を有しておることは承知をいたしております。我が国としても、大統領訪日に向けまして、過去を直視し、二十一世紀に向けた新たな日韓パートナーシップを構築すべく、韓国側と協力して取り組んでまいりたいと考えております。  次に、中央省庁改革における各省庁設置法についてのお尋ねでございますが、衆議院での中央省庁等改革基本法に対する附帯決議の趣旨も踏まえ、裁量による恣意的行政を排除すべく、設置法の権限規定等のあり方について検討してまいりたいと思います。  いずれにいたしましても、中央省庁等の改革につきましては、いろいろと御心配のことを御質問の中で申されましたけれども、私自身としては、私の所信表明で申し上げましたように、あくまでも政治主導のもとで、本問題については不退転の決意で実行いたしてまいりたいと思いますので、御協力をお願いいたしたいと思っております。(拍手)  国民の人権の保障についてのお尋ねでございますが、言うまでもありませんが、人権の保障は、憲法の基本的理念でありまして、民主政治の基本でもございます。政府としては、各種啓蒙活動により、国民のすべてが人権について正しい認識を持ち、お互いの人権を尊重し合う態度が培われるように努めております。また、人権が侵害された場合における被害者の救済に関する施策を充実するとともに、人権擁護機関において適切に対処するように努めてまいりたいと思います。  次に、環境政策の姿勢、特にPRTR制度の確立に向けた姿勢についてのお尋ねがございました。  PRTR制度は、化学物質の安全管理のみならず、国民の健康や生態系への影響の予防に重要な役割を果たしております。現在、関係省庁が検討を進めておりますが、御指摘のように、国際会議における議論も踏まえつつ、我が国にふさわしいPRTR制度を確立することに努めてまいることは、神崎議員御指摘のとおりと認識をいたしております。  さて、前内閣の経済運営の責任について、私自身がその内閣の一員であったことに関連して、これまた厳しい御指摘もございました。  私としては、先般の参議院議員選挙に示された、一日も早い経済の回復を願う国民の声を真摯に受けとめ、日本経済の再生に向けて、政治がリードし、責任の所在を明確にしながら、果断に、スピーディーにあらゆる施策を実行することによりまして、一両年のうち我が国経済を回復軌道に乗せる、そして内閣の命運をかけて全力を尽くすこと、これこそが責任を全うするゆえんであると改めて認識をいたしておる次第でございます。(拍手)  最後に、衆議院の解散についてのお尋ねがございました。  私は、まず基本的認識として、実際上解散権は総理に与えられた最大の権能であると理解をいたしております。したがいまして、政治的決断を行わなければならないときには、解散を断行し、国民の信を問うことは当然であると考えております。  ただ、現在、こうして八月に臨時国会を召集させていただきまして、最も大事な経済再生のため、特に金融の問題に対して処理を行わなければならないという、今日の金融、経済の極めて深刻な状態に直面しておるときに、日本経済の再生に向けて、この不良債権問題の抜本的処理を初めとするあらゆる施策をスピーディーに、今日的の時点で対処しなければならない今の時点におきまして、このことを考えましたときに、内閣として求められる最大の課題を、これが最大の課題であることに思いをいたすときに、私といたしましては現時点においての解散は念頭にございません。(拍手)  残余の質問につきましては、関係大臣から答弁させます。  以上です。(拍手)     〔国務大臣中川昭一君登壇〕
  14. 中川昭一

    国務大臣(中川昭一君) いわゆる従軍慰安婦問題につきましての政府の基本的見解は、先ほど総理から申されましたとおり、平成五年八月四日の河野官房長官談話のとおりでございます。私の基本的立場もこの談話と同様でございます。  御理解のほどをよろしくお願いいたします。(拍手)      ――――◇―――――
  15. 岸田文雄

    ○岸田文雄君 国務大臣の演説に対する残余の質疑は延期し、明十一日午後二時から本会議を開きこれを継続することとし、本日はこれにて散会されることを望みます。
  16. 渡部恒三

    副議長(渡部恒三君) 岸田文雄君の動議に御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 渡部恒三

    副議長(渡部恒三君) 御異議なしと認めます。よって、動議のとおり決まりました。  本日は、これにて散会いたします。     午後三時四十四分散会