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1996-02-28 第136回国会 衆議院 予算委員会 20号 公式Web版

  1. 平成八年二月二十八日(水曜日)委員長の指名で 、次のとおり分科員及び主査を選任した。  第一分科会〔皇室費、国会、裁判所、会計検査  院、内閣及び総理府所管(経済企画庁、環境庁  、国土庁を除く)並びに他の分科会の所管以外  の事項〕   主 査 深谷 隆司君       志賀  節君    武藤 嘉文君       石井 啓一君    野田  毅君       上原 康助君    松本 善明君  第二分科会(法務省、外務省及び大蔵省所管)   主 査 保利 耕輔君       相沢 英之君    越智 通雄君       草川 昭三君    谷口 隆義君     五十嵐ふみひこ君    海江田万里君  第三分科会(文部省及び自治省所管)   主 査 細川 律夫君       後藤田正晴君    村山 達雄君       今津  寛君    川島  實君       笹川  堯君    田中 昭一君  第四分科会(厚生省及び労働省所管)   主 査 谷津 義男君       小澤  潔君    安倍 基雄君       山田  宏君    三野 優美君       錦織  淳君  第五分科会〔総理府(環境庁)及び農林水産省  所管〕   主 査 桜井  新君       菊池福治郎君    愛野興一郎君       平田 米男君    佐々木秀典君  第六分科会〔総理府(経済企画庁)及び通商産  業省所管〕   主 査 近岡理一郎君       高鳥  修君    原田  憲君       伊藤 達也君    前田 武志君       坂上 富男君  第七分科会(運輸省及び郵政省所管)   主 査 谷川 和穗君       越智 伊平君    若林 正俊君       左藤  恵君    松岡滿壽男君       今村  修君    矢島 恒夫君  第八分科会〔総理府(国土庁)及び建設省所管  〕   主 査 伊藤 公介君       江藤 隆美君    村岡 兼造君       石田 勝之君    山口那津男君 ――――――――――――――――――――― 平成八年二月二十八日(水曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 上原 康助君    理事 桜井  新君 理事 近岡理一郎君    理事 深谷 隆司君 理事 保利 耕輔君    理事 今津  寛君 理事 草川 昭三君    理事 野田  毅君 理事 三野 優美君  理事 五十嵐ふみひこ君       相沢 英之君    伊藤 公介君       江藤 隆美君    小此木八郎君       小澤  潔君    越智 伊平君       越智 通雄君    片岡 武司君       菊池福治郎君    後藤田正晴君       志賀  節君    高鳥  修君       谷川 和穗君    林  幹雄君       原田  憲君    村山 達雄君       谷津 義男君    若林 正俊君       安倍 基雄君    愛野興一郎君       伊藤 達也君    石井 啓一君       石田 勝之君    江田 五月君       鴨下 一郎君    川島  實君       左藤  恵君    谷口 隆義君       西  博義君    平田 米男君       前田 武志君    松岡滿壽男君       山口那津男君    山田  宏君       今村  修君    佐々木秀典君       坂上 富男君    田中 昭一君       細川 律夫君    石井 紘基君       錦織  淳君    松本 善明君       矢島 恒夫君    海江田万里君  出席国務大臣         法 務 大 臣 長尾 立子君         外 務 大 臣 池田 行彦君         大 蔵 大 臣 久保  亘君         農林水産大臣  大原 一三君         通商産業大臣  塚原 俊平君         運 輸 大 臣 亀井 善之君         郵 政 大 臣 日野 市朗君         建 設 大 臣 中尾 栄一君         自 治 大 臣 倉田 寛之君         国 務 大 臣         (内閣官房長官)梶山 静六君         国 務 大 臣         (総務庁長官) 中西 績介君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      田中 秀征君  出席政府委員         内閣法制局長官 大森 政輔君         人事院総裁   弥富啓之助君         人事院事務総局         職員局長    佐藤  信君         警察庁刑事局長 野田  健君         総務庁人事局長 池ノ内祐司君         総務庁行政管理         局長      陶山  晧君         経済企画庁調整         局長      糠谷 真平君         経済企画庁総合         計画局長    土志田征一君         国土庁土地局長 深澤日出男君         法務省民事局長 濱崎 恭生君         法務省刑事局長 原田 明夫君         外務省経済局長 野上 義二君         外務省条約局長 林   暘君         大蔵大臣官房参         事官         兼内閣審議官  河上 信彦君         大蔵省主計局長 小村  武君         大蔵省主税局長 薄井 信明君         大蔵省証券局長 長野 厖士君         大蔵省銀行局長 西村 吉正君         国税庁次長   若林 勝三君         農林水産大臣官         房長      高木 勇樹君         農林水産省経済         局長      堤  英隆君         農林水産省農産         園芸局長    高木  賢君         農林水産省食品         流通局長    中須 勇雄君         食糧庁長官   高橋 政行君         水産庁長官   東  久雄君         通商産業大臣官         房審議官    横川  浩君         通商産業省貿易         局長      広瀬 勝貞君         運輸省鉄道局長 梅崎  壽君         郵政省通信政策         局長      山口 憲美君         建設大臣官房長 伴   襄君         建設省都市局長 近藤 茂夫君         建設省住宅局長 梅野捷一郎君         自治省行政局長 松本 英昭君         自治省行政局公         務員部長    鈴木 正明君  委員外の出席者         会計検査院長  矢崎 新二君         会計検査院事務         総局次長    中島 孝夫君         会計検査院事務         総長官房総務審         議官      深田 烝治君         会計検査院事務         総局第一局長  山田 昭郎君         参  考  人 松下 康雄君         予算委員会調査         室長      堀口 一郎君     ――――――――――――― 委員の異動 二月二十八日  辞任         補欠選任   武藤 嘉文君     片岡 武司君   笹川  堯君     江田 五月君   山口那津男君     西  博義君   山田  宏君     鴨下 一郎君   錦織  淳君     石井 紘基君 同日  辞任         補欠選任   片岡 武司君     林  幹雄君   江田 五月君     笹川  堯君   鴨下 一郎君     山田  宏君   西  博義君     山口那津男君   石井 紘基君     錦織  淳君 同日  辞任         補欠選任   林  幹雄君     小此木八郎君 同日  辞任         補欠選任   小此木八郎君     武藤 嘉文君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  平成八年度一般会計予算  平成八年度特別会計予算  平成八年度政府関係機関予算      ――――◇―――――
  2. 上原康助

    ○上原委員長 これより会議を開きます。  平成八年度一般会計予算、平成八年度特別会計予算、平成八年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤達也君。
  3. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 おはようございます。新進党の伊藤達也でございます。  当委員会では三回目の質問になりますが、住宅金融専門会社の問題を中心に質問をさせていただきたいと思いますので、どうかよろしくお願いを申します。  まず、住専の不良債権への暴力団の関与の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。  この問題は、国民の関心も極めて高く、当委員会においても与野党ともに熱心にその実態の解明に努めてきたところでありますが、債権回収の過程に暴力団等が関与、介入した事件にどのようなものがあるのか、また、暴力団等が絡んだ事件の概要に関する資料を当委員会に提出をお願いしたいと思いますが、警察庁、法務省はどのように考えているか、お答えをいただきたいと思います。  さらに、暴力団等が短期賃借権を乱用するなどして、抵当権の適正な実行や強制執行を妨害している事例が多いという指摘がありますが、この点について、民事執行法を所管する法務当局の認識をお伺いをさせていただきたいと思います。
  4. 野田健

    ○野田(健)政府委員 住専を含む金融機関の債権回収等に関しまして暴力団等がこれに関与あるいは介入し、そして違法行為を行ったということで検挙した事例につきましては、平成四年から昨日、平成八年二月二十七日までの間に四十五件を把握しております。平成四年から六年までは毎年六ないし八件でありましたが、昨年、平成七年は十八件検挙した、今年は既に五件を検挙したというような状況にございます。  代表的な検挙事例を具体的に申し上げますが、第一は、栃木県警察が平成四年十二月に検挙した競売等妨害事件であります。これは、山口組傘下組織組員が、知人の債権保全の目的で、債務者所有の建物が暴力団の占有、管理下にある物件であるかのように装うため、平成二年九月ごろ、建物に暴力団の名称等を記載した紙片を貼付するなどし、また、平成三年一月ごろ、競売開始決定がなされたことを知りながら、同建物等を自己に競落する目的でその貼付状態を継続させ、競売を妨害したものであります。  第二は、青森県警察が平成六年二月検挙いたしました暴力団関係者らによる公正証書原本不実記載、同行使並びに競売等妨害事件であります。これは、暴力団関係者らが、知人の土地、建物が競売に付されることを知るや、平成五年十月ごろ、当該物件に対して内容虚偽の賃借権を設定、仮登記させるとともに、当該物件に暴力団の名称等を記載した看板を設置するなどして競売を妨害したものであります。  第三は、警視庁が平成七年十一月検挙しました政治結社幹部らによる破産法違反事件であります。これは、政治結社幹部らが、破産宣告が確定した会社が所有する東京都区内の宅地に、平成四年十月ごろ、無償で地上権を設定、仮登記したほか、同十一月ごろ、同社の債権を同人らの関連会社に無償譲渡するなどして、破産財団に属する財産を債権者の不利益に処分したものであります。  このほかにも、執行官の占有に移すべき仮差し押さえの公示書を貼付した物件を搬出し、同公示を無効ならしめた封印破棄事件や、買収したホテル建物につき、競売開始決定がなされたことを知るや、強制執行を免れる目的で同建物の一部を損壊した建造物損壊、強制執行妨害事件がございます。  警察といたしましては、今後とも不良債権の回収過程において、刑罰法令に触れる行為を認めれば、厳正に対処してまいりたいと考えております。  また、ただいま答弁を申し上げたような暴力団等に係る典型的な検挙事例につきまして、御趣旨に沿うよう、取りまとめて、予算委員会に提出いたしたいと考えております。
  5. 原田明夫

    ○原田政府委員 お答え申し上げます。  ただいま警察庁から御説明申し上げましたような事案につきましては、送致を受けました関係検察庁におきまして厳正な捜査、処理がなされたものと存じますが、警察庁が提出されます資料に記載されている各事件に関しましては、関係検察庁における受理処理状況等を調査の上、取りまとめて、後日提出させていただきます。
  6. 濱崎恭生

    ○濱崎政府委員 民事執行法等の関係について御答弁を申し上げます。  御指摘の民事執行法は、抵当権の実行等が適正に行われることを目的として定められておるものでございまして、同法におきましては、競売の手続の中での保全処分として、債務者に対して妨害行為の禁止を命じ、これを排除することができる等の措置が講じられているところでございますが、司法統計を見ますと、この保全処分の申し立て件数は、最近では平成元年ごろと比べて数倍に上っておるということでございますし、また、公刊物に登載されましたこの保全処分に関する裁判例を見てみますと、現実に、暴力団等が短期賃借権に名をかりるなどして執行妨害をする事例がかなりの数に上っているのではないかというふうに私どもも推測しております。  今般の住専の債権債務の処理の問題につきましては、住専の有する債権の回収が適切にされるということが大変重要な問題であると私どもも認識しておりますが、そのためには、不動産についての民事執行において、こういった執行妨害行為を排除することが極めて重要な問題であると考えております。  民事執行手続を行います裁判所の実務におきましては、現行法のもとでも、不当な妨害によって競売価格が低下したりあるいは競売手続が遅延することがないように、解釈、運用上の努力がされているというふうに伺っておりますが、このような執行妨害行為に、より適切に対処する必要があるという観点から、現在、保全処分の相手方の範囲を広げ、不動産占有者をもその相手方とすることができるようにする等について、議員立法による法改正が検討されているということを承知しております。  暴力団等が、執行妨害を目的に短期賃借権の外形を利用して占有しているというような場合には、現在の実務においてもこういった賃借権の効力を否定するという解釈、運用がされているところでありますが、このような解釈、運用に加えて、今検討されている法改正が実現し、民事執行法上の保全処分の内容が充実強化されるということになれば、御指摘の暴力団等による執行妨害行為を排除する上で、大変効果的な手段として機能することになるのではないかと認識しております。
  7. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 資料が当委員会に提出をされるということでありますから、この点については高く評価をしたいと思います。  また、当局の活躍に国民が大きな期待を寄せているわけでありますから、徹底した実態の解明と、そして暴力団の排除について強くお願いをしたいというふうに思います。  次に、大蔵大臣に御質問をさせていただきたいと思います。  大蔵大臣にお尋ねをしたいのは、今回のスキームの場合には母体行が三・五兆円負担をするんだ、こういうことになっています。その三・五兆円を住専各社にどのように割り振ってこの債権放棄をしていくのかということについては、まだ明らかになっていないわけであります。  これは草川委員も再三、大蔵大臣に質問をしたわけでありますが、やはりこの内容を明らかにする。今、やはり母体行の責任がこのままでいいのか、さらに母体行に対して負担を求める必要があるのではないか、そのことについて国会でも徹底的に議論をしてほしい、こういう声があると思うのです。その声にこたえるためにもこの内容を明らかにすべきではないかというふうに思いますが、大臣としてのお考えをお伺いをしたいと思います。
  8. 西村吉正

    ○西村政府委員 関係金融機関の住専向け債権の放棄の要請につきましては、先般閣議決定をもって考え方の枠組みを提示いたしまして、現時点でおおむね基本的な了解は得られているわけではございます。また、各住専ごとの債権の放棄の予定額というものは、当然私どもも把握をしているところでございます。  ただ、これは、最終的には各住専ごとの処理計画の策定の過程で、各母体行がそれぞれの意思決定の手続を経まして決定するという性格のものでございますので、私どもの方からそれぞれの負担額というものをお示しすることは適当ではないと思いますけれども、おおむねのことで申し上げますならば、日本住宅金融につきましては約八千二百億円、それから住宅ローンサービスについては約二千八百億円、住総につきましては約八千九百億円、総合住金が約二千億円、第一住宅金融が約二千四百億円、地銀生保住宅ローンが約五千二百億円、日本ハウジングローンにつきましては約五千四百億円、合計約三兆五千億円というようなことでございますが、これはあくまでも各母体行がそれぞれの意思決定機関の決定を経まして決めることと我々は考えております。
  9. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 今、まあ大体具体的な数字が出てきたわけであります。  そこで、重ねて大蔵大臣にお伺いしたいわけでありますが、先般の住専の問題の集中審議の中で、与党の委員からも、やはり今回の処理に当たって母体行にさらなる責任を課すべきじゃないか、例えば無税償却の部分についてもこれは見直す必要があるのではないか、こういう御提案があったわけであります。また、与党のいろいろな会議の中でも、母体行にさらに責任を負わすことができないか、こういう意見が出ているということが報道されているわけでありますが、大蔵大臣として、母体行にさらに責任を負わせていく必要があるというふうに、この負担の部分でですよ、思っておられるのか、あるいはこれ以上負担をしていくと母体行がこの枠組みからおりてしまってスキームそのものが完全に崩壊をしてしまう、だからできないのだというふうにお考えになられているのか、この点についてお伺いをしたいと思います。
  10. 久保亘

    ○久保国務大臣 何回もここで御答弁を申し上げたことでございますが、私は、母体行の住専問題に関する責任は、単なる債権者、貸し手責任ということにとどまるものではない、その設立の段階から出資、人事、経営、そういったものに深くかかわってきた母体行は、この住専問題に対する責任を重くみずから考えなければならないということを当委員会においても、また、私が発言の機会があります際にも申し上げてまいりました。特に、記者会見等を通じても、三・五兆の債権放棄を行ったということで母体行の責任が果たされることにはならないということも申し上げてございます。  ただ、今お話がございましたけれども、それでは、母体行にさらに負担を行わせるということについて具体的に強制できる法的な手段があるかということになれば、非常に難しいということも申し上げてまいりました。  そこで、今私が母体行側にも申しておりますことは、まず、この住専問題について、三・五兆の債権全額放棄によって母体行のこの問題に対する責任がすべて終わるということではない、母体行はさらに深く責任を感じ、みずから決するところがなければならないということを認めていただくことが先決であります。その責任を母体行側がもし認めるということになりますならば、しからばどのような責任のとり方があるか、負担も含めて、そのことは協議できることと思っております。  しかし、すべては協議によって合意の上で成り立つことでございます。もし法的に強制できる手段があればぜひ当委員会においてもそのことを御審議いただいて、このような法的手段によれということがございますならば、その強制の方法があるならば検討しなければならないと考えております。
  11. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 重ねて確認をさせていただきたいのですが、そうしますと、母体行の負担の問題はまだ決着をしていない、母体行の責任がさらに明確になってくれば負担の再協議があり得るということでございますか。
  12. 久保亘

    ○久保国務大臣 前からそのように申し上げております。そして、その協議は、法律上強制できなければ、両者の合意といいますか、関係者の合意によってしか成り立たないものだということも私は申し上げてきたつもりでございます。
  13. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 これ以上の負担を求めた場合には、今法律の問題にお触れになったわけでありますが、例えば株主代表訴訟にも耐えていくことができない、その辺についての問題意識も持っておられるということでございますか。
  14. 久保亘

    ○久保国務大臣 いえ、そうではなくて、私どもも、やるべき協議があればやってまいりますし、要請すべきことは要請すればよいと思っているのでありますが、今決まっております全体のこのスキームに関して、これを認めた上で、さらに母体行はこれだけの責任のとり方では済まないのではないか、この国会におきます皆様方の御審議も、与野党を通じてそのような強い御主張がございました。そういうことも踏まえて、この問題に対して母体行としてさらに具体的な負担を含める責任のとり方について協議に応すべきであるという要請を行うべきものと考えておりますが、母体行側が、みずからの責任を、これ以上は我々は責任を負うことができないという立場をとっております限り、この要請は協議の舞台に乗りにくいのではないかということを申しているのであります。
  15. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 母体行の負担問題、まだ決着をしていないという大臣のお考えを確認をさせていただけたのではないかというふうに思います。
  16. 久保亘

    ○久保国務大臣 決着していないと申しているのではありません。一応、六兆四千百億の損失、欠損については、母体行側は債権の全額放棄、金額でいうと三・五兆ということでこの損失、欠損の処理に関しては決着しているのであります。  それに加えてさらに、母体行の責任はそれで済むかというのを、当委員会の御審議も踏まえた上で私が申しているのであります。
  17. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 どうも今のお話を聞いていてよくわからないところがあるわけですが、とにかく、母体行の責任が明らかになれば再協議は十分あるわけですね。そういうふうに認識していいわけですね。
  18. 久保亘

    ○久保国務大臣 再協議ということではなくて、新たな要請を行うということになると思います。
  19. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 どうも答弁に矛盾している点があると思うのですが、次の質問に移らせていただきたいと思います。  大蔵省に重ねてお尋ねをさせていただきたいんですが、今回の農林系統の住専に対する融資について、四・五%の金利が保証されているわけでありますが、今回の住専の処理に当たって、この系統の金利分がどれぐらいあるのか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
  20. 西村吉正

    ○西村政府委員 私の方からお答え申し上げるのがいいかどうかちょっとわかりませんが、全体として申し上げますならば、住専七社の農林系統金融機関からの借入残高は約五兆五千億ございますので、これに対する金利四・五%での利払い額は年間で約二千五百億円程度ということになろうかと存じます。
  21. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 この四・五%という金利は、今の金利から見れば高いものであるというふうに思います。そういう意味で、大蔵省は、この部分の一部でも、今回の損失の補てんやあるいは二次処理に当たって、その部分を負担をしてもらいたいということを農林系統にお願いするつもりがあるのかどうか、お伺いをしたいと思います。
  22. 西村吉正

    ○西村政府委員 今回の住専の処理方策を関係者の間で検討してまいります過程におきましては、金利の受け取りがどのようであったか、あるいは過去においてどのような経緯があったか、現段階におけるそれぞれの負担能力がどういうものであるか、いろいろな方面から総合的に判断をして今回のような提案を申し上げておるわけでございます。  したがいまして、今金利の点だけを取り上げて私どもとして判断をするということは必ずしも適切ではないのではないかと思っております。
  23. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 金利分について二千五百億あるというお話でありましたけれども、私は今の答弁を聞いてもまだ、母体行も含めて系統もぎりぎりの負担をしたんだという話でありますが、もう少し関係者が努力をすれば公的資金の部分はより小さくなるのではないか、この点については重ねて指摘をさせていただきたいというふうに思います。  次に、日銀総裁がお見えでありますので、御質問させていただきたいというふうに思います。  これは公聴会で大蔵省のOBの方にも私は質問させていただいたわけでありますが、総裁も大蔵省の事務次官を経験されたOBでございます。そういう意味から、今回の住専の処理の問題について、今日までの大蔵省の対応というものが適切であったのかどうか、この点についてのお考えをお伺いをしたいと思います。
  24. 松下康雄

    ○松下参考人 今回の住専処理問題につきましては、不良債権の金額も非常に膨大でありますし、また関係者の数も多く、その利害におきましても非常に相対立する要素もございましたから、これを全部取りまとめまして一つの住専問題処理案にまとめていくということは非常に困難な作業であったと思っております。  長い時間をかけまして、金融制度調査会その他の場でもいろいろと御議論をいただきましたところに基づいて、関係者全体が、政府も関係金融機関も含めて、真剣な議論を重ねましてようやくにまとめられたものでございますから、私としましては、この案をまとめるに至りましたすべての関係者は、大蔵省も含めまして、非常に真剣な対応をされたというふうに考えております。
  25. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 参考人の質疑やあるいは今までの審議を通じて、金融行政の今のあり方というものは非常に縦割りの弊害というものがあるのではないか。ある部分は大蔵省、ある部分は農林省、ある部分は通産省、労働省あるいは都道府県、こういうものに分かれている。また、この審議の中でも、例えば大蔵省と農林省、その間のギャップというのは非常にある。意思の疎通がうまくいっていたのか、整合性があるのかどうか、この点についても非常に大きな疑念というものを持っているわけであります。  そういう意味からも、やはり金融行政全体の改革というものは必要ではないかというふうに思いますが、総裁として、この改革の方向性についてどのような認識をお持ちになられているのか、お伺いをさせていただきたいと思います。
  26. 松下康雄

    ○松下参考人 金融行政の問題につきまして、一般論として申し上げたいと存じますけれども、今日の市場経済化時代におきます経済運営に求められている最も大事な視点は、市場メカニズムが本来持っております機能を十分に発揮させるということであろうと存じます。  このためには、市場参加者が自己責任原則に基づいて競争の中で創意工夫を発揮することが必要でございます。ただ、その競争は、法律なりあるいは市場の性格を踏まえまして、透明で公正なルールにのっとって行われなければならないものだと思っております。  したがいまして、行政に求められる役割も、例えば関係者間の利害調整でありますとか、あるいは直接的指導といったことから、透明で公正なルールづくり、また、合意されましたルールの遵守状況の監視というような方向に力点が移っていくものであろうと思っております。
  27. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 重ねて総裁にお伺いしたいわけでありますが、国内だけではなくて、世界に信頼される金融システムに再構築していくというのが、これは今課せられている大きな課題だと思います。  そうした中で、日本銀行の役割や機構改革の問題について、日銀法の改正も含めて、お考えがあるようであればお伺いをさせていただきたいと思います。
  28. 松下康雄

    ○松下参考人 日銀法の改正についてでございますけれども、現在の日銀法は御承知のように昭和十七年の立法で、戦時中の法律でございますので、その時代の色彩を反映している点はございます。  しかしながら、戦後におきまして、早い時期に日本銀行政策委員会を設けるという法律改正が行われました結果、金融政策につきましての中央銀行としての独立性というものは法律的にも与えられております。  その他の諸点につきまして、その後の運営を見ますと、それは、日本銀行としての仕事自体を大きく制約しないような法律運営が行われてまいっておると思いますので、この法律だけにつきましてただいま直ちに改正する必要があるかどうかということは、これは別でございますけれども、全体といたしまして、名実ともに、他の諸国と比較して相応な中央銀行法というものをいずれは我が国の現状にふさわしい形でつくっていくということは必要であると考えております。そういった場合には、広く国民の間で御議論が行われることを期待をいたしております。
  29. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 次に、農林大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。金融行政の改革について、政治家として農林大臣のお考えをお伺いをさせていただきたいわけであります。  与党の中でもいわゆる金融庁ということについて問題提起がされているわけでありますが、大臣は、今の縦割り行政を超えて、これは系統について今責任を持たれているわけでありますけれども、金融行政全体の改革をしていかなければならないというふうにお考えになられていますか。それとも、今のそれぞれの担当の省庁の中で改革をしていけば十分に対応はできるんだ、そういうふうにお感じでございますか。この点についてお伺いをしたいと思います。
  30. 大原一三

    ○大原国務大臣 どうも農林水産大臣の答弁の範囲を超えているような感じがするのでありますが、私、実はこのグローバル化という問題の中で、お金には色はないのでありますから、最も先端的な、そういう意味ではグローバル化を進めていかなければならぬ部門だと日ごろ思っております。  その中にあって、我々の農協系統金融問題でございますが、これは第一義的にはやはり農家の利益を守り、農家の負債整理をし、農家の構造改善をしていくということが第一義的な重要性だと思うのでありますが、委員御承知のように、農家の資金需要というのはそう多くないのですね。そうなりますと、そのグローバル化の中で、日本の金融秩序全体に共通することでございますけれども、今のような重層的な金融システム、これがいいのかどうかは、それ自体の問題として私は深刻にこれからとらえていかなければならぬと思うのでございます。  農協につきましては大蔵省と農林省の共管ということになっておりまして、その間の連携が十分でなかったのではないかという御指摘をいただくなら、私もその批判はやはり正直に受けるべきではないのかな、そういうことを考えながら、金融庁のお話は、私が大蔵大臣なら答えてもいいのですが、そういう立場ではありませんので御勘弁願いたいと思います。
  31. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 大臣は大蔵省出身でもありますので、政治家としてのお考え方をお尋ねをしたがったということであります。  次に、もう一度大蔵大臣にお尋ねをしたいことがございます。  大蔵省の中井官房審議官が、日本記者クラブでの先週の講演で、紹介融資は金融界では常識だ、国会での議論は厳し過ぎる、母体行擁護論を展開した、こういう報道があるわけであります。この内容について、舌足らずな点もあったのかもしれませんが、この報道が正しいとすれば、私は極めて不快感を感じざるを得ないわけであります。母体行の紹介融資の九一%が不良債権化をし、そして連日の報道の中で、それぞれの案件について極めてひどい紹介融資があったのだ、こういう報道もなされているわけであります。  そういう実態を踏まえて、与野党を問わず、母体行の責任は今のままでいいのか、先ほども議論させていただいたように、これ以上母体行に負担をさせる工夫というのはできないのか、こういう議論が国会の中でされているわけであります。そういう議論をまさに無視をしてこのような講演をしていくということは、私は大変な問題ではないかというふうに思います。  この点についても質問の通告をさせていただいております。これは真実がどういうことであったのか、そして紹介融資の実態というものを、当委員会でもその実態を明らかにしてほしいということで情報開示をお願いをしているわけでありますが、紹介融資の問題についての大蔵大臣の認識も含めて、お伺いをさせていただきたいと思います。
  32. 久保亘

    ○久保国務大臣 質問の御通告はいただきました。ただ、私は、当委員会が終わりました後は大蔵委員会に出席を求められておりまして、かなり遅い時間まで国会の中で答弁に立っております関係で、本人から直接この問題について聞く機会がございませんでした。  私は、どのような発言をされたか、そのテレビの画面を直接見ておりませんものですから大変お答えがしにくいのでありますけれども、紹介融資というのを一般論で考えました場合には、それは違法なものとしてあるのではないということを何か言ったのかなと思っております。  しかし、今住専の問題にかかわって議論されているわけでありますから、母体行の紹介融資が御指摘のように九割不良債権となった、こういう実態の中でこの問題をどうとらえるかという議論をいたしているさなかに、たとえ一般論で論じたといたしましても、そのようなことは大変穏当を欠く発言かな、そういう感じを持っております。今は、母体行の紹介融資がこの不良債権問題にどのような影響を与えていったのか、特に紹介融資の中には損害賠償請求権にかかわるような問題もなかったのかどうか、こういうことがいろいろと御指摘を受けているわけでございまして、そのような発言がもし住専問題にかかわる母体行融資に関して発言されたとすれば、私は穏当を欠くと考えております。
  33. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 事実関係がまだだということでありますので、ぜひこの点については事実関係をただしていただいて、そしてしかるべき報告をぜひお願いをしたいと思います。特に、この発言の中で、国会での議論は厳し過ぎるのだということを明確に言っているわけであります。それで、審議官は現職の担当者であります。これは私は極めて責任は重いというふうに思います。やはり大臣としてこの審議官の責任というものは明らかにしていただきたい、そのことを強く要望をさせていただきたいというふうに思います。  次に、官房長官に御質問をさせていただきたいと思います。  私は一年生議員でありますが、今回の予算委員会の審議に最初から参加をさせていただいて、この問題についていろいろ勉強もさせていただき、そして質問にも立たせていただきました。私自身が痛切に感じるのは、この住専の問題を議論すると、本当に無責任な体系というのですか、そういうものが余りにもひどい。それが今日これだけひどい状況というものを発生をさせてしまって、そして国民の方々にそのツケ回しをしてしまう、こういうことになってしまったのではないかというふうに思います。  特に参考人質疑でも、参考人として呼ばれた当時の行政の担当者あるいは貸し手、借り手企業の経営者が、みずからの正当性と弁明に終始をして、だれ一人としてみずからの責任を明らかにしようとしなかったわけであります。一方、政府は、今回のスキームを崩せば混乱が生じ金融不安が生じかねないということを繰り返し答弁されているわけでありますが、政府が言うように、今税金を使わなければ本当に金融不安が生じるのか、今日までの真剣な当委員会の議論を通じても、私はこの点についての疑問を解消することはできませんでした。  住専は預金を受け入れる金融機関ではありません。単なる貸金業者にすぎないわけであります。したがって、通常民間企業が経営破綻したときと同じように法的整理を適用しても、私は取りつけ騒ぎは起きないと思います。ただ、住専に融資をしていた金融機関への影響は避けられないと思います。しかし、参考人質疑の中でも、農林中金の理事長でさえ法的整理でも構わないという姿勢を示し、裁判所で争うなら母体行の責任は単に債権放棄では済まされず、さらにその負担は重くなるという見方を強調しているわけであります。  法治国家である以上、最終的にはだれにどれだけの責任があるかは司法当局が判断すべきであります。そして、法的整理をすることが民事、刑事両面の責任を最も明らかにすることになる。政府は、法的整理をすれば損害賠償請求あるいはいろいろな形で争訟が起きて時間的にも大変なロスが生じてしまう、そこに問題があるのだ、こういう御指摘をされておるわけでありますが、そういうところに問題があるのであれば、私は、法治国家としてその部分をきっちり直して、そしてこの問題についての対応をしていく必要があるのではないか、このように考えるわけであります。  住専の問題は単なる例外である。しかし、不良債権は、住専の問題というのは氷山の一角でありますから、ほかの不良債権の問題についく次々にいろいろな問題が起きた場合には現在の法体系の中で処理をしなければいけないわけでありますから、この点については、やはり法治国家としてやるべきことは多々あるのではないかというふうに思いますが、官房長官にその点についてのお考えをお伺いしたいと思います。
  34. 梶山静六

    ○梶山国務大臣 具体的な処理については、大蔵大臣以下の大蔵省のいわば具体的な対策にまっところでございますが一いずれにいたしましても、今委員御指摘のような会社更生法やあるいは破産法、こういうものをやってみますと、私も事例を若干調べたのですが、例えば三光汽船は会社更生法にのっとってやっておりますが、問題の起きたのは昭和六十年であります。そして、現在もまだ手続中、十余年を経ております。それから親和観光開発、これは破産法によってやっておりますが、平成元年にその処理が始まったわけでありますが、いまだに手続中であります。  こういうもの一個一個の問題について、それぞれが法的処理をすることはそれなりの価値がございます。しかし、今回七つにわたるこの住専の問題、大変悪戦苦闘をいたしておりますが、七つの住専が、幾らつぶすとはいいながら、それぞれが訴訟やあるいはその他の問題をひっくるめてやって混乱が起きるか起きないか。この問題を考えれば、私は公的資金を導入してでも公的な介入をすることが、この問題の解決の一番大きい、手っ取り早い、正確な道だ。  そして私たちは、その問題の、ただ単に責任問題ではなくて、これが景気に及ぼす影響、それから今委員御指摘のように、こういう問題で金融不安は起きないと――これは金融不安が起きるという言葉を一言政府が発したらどうなりますか。こういうことは断じて私は口には出しませんが、そういうおそれを我々は抱きながら、この問題の処理に十分の対策はこれ以外に道がないと信じております。どうかひとつ御理解をいただきたいと思います。
  35. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 私は、やはり今のお話を聞いても理解ができないわけであります。ノンバンクについては公的資金を導入をしないということを言っているわけであります。もし住専の問題で今言われたように金融不安が生じる、個別の金融機関が破綻することがあれば、その金融機関を救うために公的資金を導入していくということをすべきではないかというふうに思うわけであります。  また、法的整理をすれば時間がかかるのだということで二つの事例が官房長官の方から述べられました。しかし、多くの場合、もっと短い期間で処理ができたということもあるわけであります。公聴会でもその点を指摘される公述人の方々が何人もおられました。やはりこの点についても、私は真剣にもう一度検討をしていくことをお願いをさせていただきたいというふうに思います。  それと、先ほど中井審議官の講演のことについて触れさせていただきました。その中で、私は大変もう一つ気になる問題があります。  今回の財政資金の投入は大蔵省の大英断だと評価されるのではないかと自画自賛をしている、そういうくだりもあるわけであります。私は、政府も今回の処理策については、苦渋の選択の中で今回の法案を国会に提出をしているのだというふうに思います。しかし、現職の担当者は今日このような事態を招いてきた行政の責任というものを全く感じず、お上のやることは正しいのだ、こういう意識がやはりにじみ出ているのではないかというふうに思います。  日銀法を見ても、例えば第一条を見てください。「日本銀行ハ国家経済総カノ適切ナル発揮ヲ図ル為国家ノ政策ニ即シ通貨ノ調節、金融ノ調整及信用制度ノ保持育成ニ任ズルヲ以テ目的トス」、こういうふうに書かれてあります。銀行法においても、大蔵省は銀行の役員やあるいは監査役の解任を命じることができる、こういう規定があるわけであります。こういう法律を見ても、やはりお上がすべてに優位をするのだ、こういう意識を法律が裏づけているところが私はあるのではないかというふうに思います。  私は、政治の責任としてこういう法律を一日も早く改正をして、そしてお上中心の社会ではないのだ、お上がすべてに優位なのだ、そういう風土というものを解消をしていく、それが今政治の世界に課せられている大きな責任ではないか、このことを御指摘申し上げて、そして次の質問に移らせていただきたいというふうに思います。  経済企画庁長官にお伺いをさせていただきたいと思います。  次に、構造改革の問題についてでありますが、長官は、景気の回復というものを確実なものにしていくためには三つの課題があるのではないか、こういうことをお話しになられています。  私は、特にこの三番目の課題のことについてお伺いをしたい。つまり、規制緩和を通じて日本の構造改革をしっかりやっていかなければいけないのだ、この点についてであります。  長官は、今までの政府の規制緩和の取り組みについてどのように評価をされておられるのか。また、残された課題というものがあるとすれば、どういうところに課題があるというふうにお感じになられているのか。  また、私は、規制緩和を通じてこの構造改革の問題を国民的な世論の中で議論をしていくためには、やはり何のために規制緩和をするのか、どういう形で構造改革をしようとしていくのか、それについての具体的な情報というものを開示していく必要があるだろうというふうに思っております。  例えば、規制緩和をやることによってどれだけの経済効果があるのか。この規制緩和を通じてどれだけの雇用が創出をされるのか、新しい産業が生まれるのか。また、この規制緩和を通じて失業というもの、雇用不安というものが生じてしまうのか。そういうものを具体的に計数として出していく、やはりそういう努力も必要ではないか。  そういう意味では、私は、経済企画庁としても果たすべき役割というものがあるように思うわけでありますが、この点についてもあわせてお伺いをさせていただきたいと思います。
  36. 田中秀征

    ○田中国務大臣 構造改革について大変多岐にわたる御質問だと思いますが、最後の問題を中心にしてお話ししたいと思うのです。  規制緩和が大事だ、経済の構造改革が大事だ、そしてまた新しい経済計画では、御承知のとおり、構造改革が成功すれば三%の成長が可能である、構造改革がうまくいかなければ一と四分の三、一・七五%の成長にとどまる、そういうことを言っております。そうであれば、一体それはどういう試算に基づいたものかという素朴な疑問がわいてくるわけですが、これは後で、経済計画を策定した責任者でもある計画局長の方からも申し上げたいというふうに思うのです。  余り問題が多くてちょっと答えに困っているのですが、私が規制緩和というテーマについて取り組み始めたのは平岩研究会からでありますけれども、私がこの問題を考えるときの視点といいますか、幾つかございます。  それをちょっと申し上げたいのですが、私は理科系の研究室が荒れ果てている国の将来というのは暗いものだというふうに思っています。ですから、規制緩和というのは、何よりも新しい技術、新しい人材が出やすくする、新しい技術を担う人材が出やすくする、その環境を整備する。そしてまた、そういう人が出てきたら、それに対して金融面を初めとする支援体制を整える、それが大事なことだというふうに思います。それから、既成の産業についてはやはり高コストの構造を是正していく、新規参加、参入を促進していく、そういうことによって空洞化を防いでいく、そういう意味があるのだというふうに思います。  それから、忘れてはならないのは社会的規制で、やはり健康、安全あるいは環境とか、そういう面での社会的規制というのは、これは維持するとともに強化しなければならないものもあるのだということを忘れてはいけないというふうに思います。  それと、社会政策的見地といいますか、私はこういうことも規制緩和には必要だというふうに思っておりまして、能力開発や職業訓練によって職業をかえることはもちろん可能ですが、これはそれができない人たちがおります。お年寄りが小売商をやっていて、それができなくなったからワープロを習うというようなことはなかなか難しいことですから、そういう意味では、社会政策的な見地というのも規制緩和を進めるに当たっては大事だと思います。  それと同時に、今御指摘の一番大事なことは、やはり右手で規制緩和のカードをかざしたら、左手で新しい雇用の創出計画というものが必要だ。そうでなかったら社会的、政治的に成り立たないものだというふうに思っているわけです。  こんな視点で見ているのですが、ただ、構造改革をして活性化しなければ経済が本格的に立ち直らないという認識は強く持っております。  ですから、ことしの最大の目標というのは、いつも申し上げておりますように、公共投資主導の景気回復から民間主導の景気回復に早く移行させなきゃいけない。そういう面でも、特に規制緩和については即効性のある経済効果というものが期待されるところであります。これは庁内で今チームをつくって内々にそれを研究しているところでございます。  いろいろお話ししたいことがたくさんあるのですけれども、時間が限られておりますので計画局長の方から。いいですか。
  37. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 どうもありがとうございました。  次に、通産大臣にお伺いをさせていただきたいと思います。  アメリカの経済の回復というのを見てみると、私は、大きな要因の一つとしてベンチャー企業の大変重要な活躍があったのではないかなというふうに思います。そういう意味では、日本でも経済構造の改革を通じて新しい産業を育てて、そして新しい雇用を創出をしていかなければいけない。このことが今強く求められているわけであります。  そこで、ベンチャー企業を育てていくには幾つかの課題があるわけでありますが、私は具体的なことをお伺いをさせていただきたいと思います。  これは店頭市場の改革という問題であります。この問題については、通産省の中でもワーキンググループというものを設置をして、そして中間報告を取りまとめられたというふうにお伺いをしているわけでありますが、通産大臣からこの問題についての認識、取り組みについてお話をいただければというふうに思います。
  38. 塚原俊平

    ○塚原国務大臣 先生御指摘のとおり、ベンチャー企業の事業活動に必要な資金を調達する場としても、店頭市場を活性化させていくということは極めて重要であるという認識を持っております。  店頭市場を活性化させていくためには幾つか要因があると思いますが、一つは、規模をやはりある程度大きくする。これは昨年七月、店頭特則市場の制度を設けるとか、それから基準を、最初から二つの基準があった下の方の基準でいいよというような形にして、かなりここに来て規模は多くなっております。まだ具体的な数字はつかめておりませんけれども、かなりふえているのは事実だと思います。  ただ、今度規模がふえましても、当然取引がなされないといけないわけでございますから、そこを先生が今御指摘いただきましたように、省内のワーキンググループでそれに対する指摘と提案が昨日なされました。その提案をこれからできるだけ実現化をするように、これからそれぞれの当局に一生懸命働きかけていきたいというふうに思っております。  具体的な提案につきまして、もし必要でしたら御説明いたします。
  39. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 私もその提言内容については資料をいただいて読ませていただきました。やはりそこでうたわれていること、今の課題、今の店頭市場の規模を大きくしていくにはどうしたらいいか、あるいは今の店頭市場の問題点として流動性というものが言われているわけでありますが、この流動性を起こしていくためにはどうしていったらいいのか。  それと、店頭市場の位置づけというものは今のままでいいのか。これは取引所の補完的な役割しか与えられていないということでありますから、この位置づけをやはり取引所と競争的な関係にしていくということが極めて重要ではないかというふうに思います。  今当局に働きかけをしていく、こういうお話がありました。そういう意味ではこれは大蔵省に強く働きかけをしていかなければいけないわけでありますが、この点についてどのような形で大蔵省に対して、大蔵大臣そこにおられますが、働きかけをされていくのか、また時間的な目標というものをお持ちになりながらこの問題の交渉をされていこうというお気持ちがあるのかどうか、この点についてお伺いしたいと思います。
  40. 塚原俊平

    ○塚原国務大臣 まず、本年の三月の末に規制緩和推進計画が改定されるわけですけれども、そこで一つ具体化をされるように、まずここの中にしっかり入れるというのが第一点。それから、証券業協会が店頭市場の、ただいま先生がお触れになった流通性向上のための改善策を早急に取りまとめるということにいたしておりますので、ここにその提案が十分反映をされるように、これも一生懸命働きかけてまいりたいというふうに考えております。当然、大蔵省の証券局ともしっかりと打ち合わせをしてまいりたいというふうに考えております。
  41. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 日本の場合は、ベンチャー企業、中小企業が創業されるのは、年間たしかたった四万件ぐらいしかないのではないか。アメリカは年間七十万件ぐらい中小企業が創業されているわけであります。  その中でアメリカの店頭市場、NASDAQが果たしている役割は非常に大きい。今売買高はニューヨーク証券取引所の売上高を抜いた、それぐらい規模が大きくなり、その市場としての魅力というものも十分に備わってきているわけであります。  大蔵大臣、今、通産大臣からのお話をお聞きになられたと思います。これは大蔵省として、本当にベンチャー企業を育成していくに当たって、この店頭市場の改革というものをどのように大臣としても御認識をされているのか、お伺いをさせていただければというふうに思います。
  42. 久保亘

    ○久保国務大臣 新たな企業の活動の資金調達の場として、店頭市場の持つ機能、役割は非常に大きくなってきていると思っております。そのような立場に立って店頭市場の発展のための整備を行ってきているところでありまして、今伊藤さんがお話しになりましたような立場で店頭市場の今後を考えていかなければならないと思っております。昨年の七月に店頭特則市場を開設して、そういう方向に向けての努力がされていると思いますが、なお詳細は証券局長から答弁をさせます。
  43. 長野厖士

    ○長野政府委員 店頭市場に対する取り組みの基本姿勢につきましては、今私どもの大臣から、あるいは通産大臣から御答弁があったとおりでございます。先ほど通産大臣もちょっとお触れになりましたけれども、現在、日本証券業協会にワーキンググループを設けまして、特に流通面の整備を図っていきたいと思っています。  発行市場につきましては、一応NASDAQ並みの基準のところまで来たかなと。しかしながら、厚みにおいていささか欠けますのは、やはりアメリカとどうしても違いますのは、ハイリスク・ハイリターンを求めて積極的に自己の判断で投資するという、投資家層の厚みというものがやはり日米でかなり違うということはございます。しかし、逆にまたそういった投資家層を掘り起こしていく努力というものを市場が誘い出す必要もあろうかと思いますから、そのような視点に立ちまして、今後努力してまいりたいと思います。
  44. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 日本の場合には、店頭市場の登録の会社というのは今七百社を超えたぐらいですか。アメリカはもう五千社近い。そして、年間六百社から七百社近くが新たに新規登録をしていくということでございます。アメリカの店頭市場がこれだけ成長してきたのは、やはり店頭市場の位置づけとして取引所と競争的な関係にあった、したがってお互いに競争しながら、いかに市場を魅力的にしていったらいいかということで切瑳琢磨をしてきたということにあるのだろうというふうに思います。  そういう意味では、繰り返しになりますが、日本の店頭市場の場合には、階層的な位置づけでしかないわけであります。競争的な関係にない。やはりこの点についても工夫をしていく必要があるのではないか。私はそのことをもう一度指摘をさせていただいて、大臣には大変前向きな答弁をいただきましたので、その方向で店頭市場の改革に思い切って取り組んでいただくことをお願いをさせていただきたいと思います。  時間が差し迫ってまいりましたので、最後に一問、大蔵大臣に質問をさせていただきたいと思います。  これは財政改革の問題であります。当委員会でも、川島委員の方から具体的に財政改革の必要性について、またほかの委員からも今の危機的な財政の状況について、どうやって財政再建をしていくのだ、こういう質問がなされたわけであります。  その中で、大蔵大臣の御答弁がやはりまだ総論の部分でしかない、もっと具体的なことをこの際、もう財政の危機的な宣言というものもされたわけでありますから、そういうことを踏まえて、具体的にどういう形で財政再建をしていったらいいのか、そのお考えについて私はお伺いをさせていただきたいというふうに思います。
  45. 久保亘

    ○久保国務大臣 昨年の十一月に、私の前任者でございます武村前大蔵大臣が、財政危機宣言と言われております、我が国の財政の非常に厳しい実情について御報告を申し上げたところでございます。  今日、いわゆる公債の累積額も、GDPの四九%と言われる二百四十一兆を超えようといたしております。また、八年度の予算におきましても、二十一兆余りを公債に頼るという、特にそのうち十兆を超える特例公債を発行するという事情にございます。また、歳出の面を見ましても、十六兆余りの国債費を計上せざるを得ない状況にございまして、政策的経費に大変大きな圧力となっております。  こういう状況をこれ以上続けるということになれば、大変財政は危機的といいます以上に厳しい状況に陥らざるを得ないと考えております。これは早期に再建をしなければならない課題でございます。そのために、今財政審の特別部会にも御検討いただいておりますし、国会でも予算委員会を中心にして財政再建に関する皆様方の御意見、御審議を賜ってまいりました。  私どもといたしましては、これらの上に立ってできるだけ早急に、先般中期展望としてお示しいたしました機械的な試算を参考にしながら、今後の財政再建の目標を定め、そしてそれに向けて徹底した歳出の見直しも行っていかなければならないと考えております。  その意味では、歳出の見直しに聖域を設けず、こういう立場で進めなければならないと思っておりますが、今具体的にどこをどうするというような論議まで進んでいないのでありまして、この国会の御審議をいただきました後、平成八年度の予算が成立しますとともに、財政再建に向けての具体的な努力を積極的に進めなければならないと思っております。また皆様方の御協力を賜りますよう、お願い申し上げる次第でございます。
  46. 伊藤達也

    ○伊藤(達)委員 この問題は、極めて政治のリーダーシップが求められる問題であります。歳出の見直し、予算の編成の仕方あるいは財政投融資の問題も含めて、大臣に力強く調整をしていただくととをお願い申し上げまして、質問を終わらせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  47. 上原康助

    ○上原委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。  次に、左藤恵君。
  48. 左藤恵

    ○左藤委員 私は、この住専の問題につきましては、今国会において今まで質問もいたしておりませんし、いろいろと話を伺っておりました。この国会は、特にこの予算委員会におきましては、住専の問題が大半を占めており、また国民の関心も今ほどこの住専の問題に集中しているときはないのじゃないか、このように思います。  それにいたしましても、いろいろな角度でそれぞれの質問がありましたけれども、これは基本的なことでありますけれども、一体だれがこの責任をとらなければならないのかという論議が、多角的には見られておりましても、まとめてこれを考えて、そしてこの答えを出しておるというような問答もなかったようにも思います。  そしてまた、このことが一番これから、なぜ国民の税金をつぎ込まなければならないのかということにつながってくるわけでありまして、先ほど官房長官もお答えになっておりましたが、これをやらなかったならば国際的な信用とか、また金融のシステムに対する信頼といいますか、そういうものが崩壊する、こういうようなことからまず六千八百五十億円ありき、こういうような論議の御説明であるわけでありますけれども、私はそうであってはならないのじゃないかと思います。まだまだいろいろな手を尽くして考えなければならない。  そのことについて、まず、今先ほども、母体行がどれだけ責任を持つか、ぎりぎりがどれだけだというようなお話がありましたけれども、基本的に、不良債権というものが生じておる原因ですけれども、これはやはり何としても担保にとりました土地価格が急落したということで、実際この間から参考人の招致とか、そういうようなときのやりとりを聞いておりましても、自分たちは土地が下がるとは思わなかった。だれだってそれは思わなかったのだろうと思いますけれども。そういうことで、世の中が悪いとか、土地が下がったから悪いんだ、こういうような論議で、本当の意味の責任をとるということであればもっと何か、例えば自分の方から積極的に資産を投げ出してでもその借金を払うべきであり、またそういうことをしなければならないわけであります。  また大蔵省の立場、あるいは農水省もありましょうけれども、監督をしておった責任というものについて、今いろいろ話を聞いておりますと、どうも確かにこのときの指導の問題について、やっておった。そして、その見通しも十分つけられなかった。ただ、これはこれからまた担保がだんだん下がっていくから取りにくくなってくる、そのことに対して今手を打たなければならないのじゃないかということで話し合われて、そして手を打たれても、そのときにはそのことについて例えば大臣のところまでその話が行っていない、覚書の問題があったと思います。  いろいろそういったことで、それぞれの立場の人が一応努力してみても、これはとてもかなわぬ、何とか先送りしておけばだれかが何とかするのではないかというようなことが、今日こうした大きな問題に発展したのではないかな、このように思いますが、そのことについて、まずその責任の論議のことについて若干お伺いしたいと思います。  母体行の問題は先ほど来いろいろあった。ぎりぎりどこまでやるか、またそして債権の放棄が既にこれだけでも三兆五千億はしておるのだ、これから先どのくらい出てくるかわからぬけれども、その分についてはまた別途考えるとか、いろいろな論議があったわけでありますけれども、そもそも住宅金融専門会社、いわゆる住専というのはどういう経緯で設置されたものであるかということです。  私の伺っておるところでは、住宅ローンといいますか、非常に大変な細かい配慮をしなければならない。そして、これについて集中的にでもやらないことには利益も上がらない、銀行業務としてやることについて。しかし、社会的な責任というものも一つあるわけだから、その一環として、何行かが集まって、今の母体行同士が集まって、そして住専を形成してやってきた。そういう形で運営をされておる。  その場合に、先ほど来お話のあった、住専そのものがノンバンクの扱いになってしまった。そういうところで、土地の値段がどんどん上がって、収拾がつかなくなったときの不動産に対する融資の総量規制というところでこれが外されたものだから、そこへわっとお金をつぎ込むことになって、結果的には大きな穴をあけてしまった、こういうことじゃないかと思いますが、こういった意味での住専の最初の設立というものは、私が今お話ししたようなものであったかどうか、この点をまず第一に伺いたいと思います。
  49. 西村吉正

    ○西村政府委員 今御指摘のようなことであると私どもも理解をしております。発足の当初におきましては、住専各社は、当時は、金融機関、普通の銀行が対応し切れなかった当時の旺盛な住宅資金需要に応じていくべく、金融機関等の共同出資によりまして、個人に対する住宅ローンの提供を主たる目的に設立されたものでございますが、その後の経済社会情勢の変化等に必ずしも十分対応していくような業務運営が行われていなかったといううらみはあろうかと感じております。
  50. 左藤恵

    ○左藤委員 銀行におきまして、信託銀行とか信用組合とかあるいはまた信用金庫とかそういった金融機関、これが中小企業とかそういった人たちに対する融資というふうな面での機能というものがありまして、都市銀行なり地方銀行の大きいところ、こういうところは大体大企業とかそういうところに融資をするということで、分野が分かれておるわけであります。  そういった本当の庶民の住宅に対する、家を建てようとするときのローンを組んだりする、そういうことについての特別の形として住専が設置されたということであれば、私は、やはりこの監督の対応というものについて、一層金融のことについて、本来心配をしなければならないのは、金融情勢というものについてそれに対応できるようなものである。ただ母体行に責任を任しておいていいというものであるかどうかということについて問題があったんではないかと思います。  これは今回、今の政府の提案では、一つの受け皿をつくってそこで処理をしようということになっていくわけでありますけれども、その場合でも、いずれにしても金融の中で活動してもらわなければなりませんから、そのときの情勢というようなものとのいろいろな大きな関係が出てくるわけでありますから、金利の問題とかいろいろなことにつきまして、私はやはりこういったことについて庶民が安心してそこから金を借りて返していけるというような組織にするためにも、大蔵省に当然監督責任というものが、ノンバンクのようにして投げ出したことについての責任というのがあったんではないかと思いますが、これは大臣どういうふうにお考えでしょうか。
  51. 久保亘

    ○久保国務大臣 住専の場合には、やはり国の住宅を中心とする政策の大きな流れの中で生まれてきたものだと思っております。ただ、その後、状況がいろいろと動いていきます中で的確な対応ができたのかどうかということにつきましては、大蔵省の持ちます権限の問題もございますけれども、今、今日のこの事態を結果として見ます場合に、やはり行政の立場のとるべき責任は、結果責任として非常に大きいものがある、このように考えております。
  52. 左藤恵

    ○左藤委員 そこで今度は、大蔵省なり農林水産省というのが、そこに対してお金を出してきたというときの監督上の責任という問題が出てくるわけでありますが、過般、そのときの銀行局長さん、元の銀行局長さん、あるいは農林省の元の経済局長さん、こういう方々も参考人としておいでになったわけです。  伺っておりますと、当時の事情につきましてはお話があったわけですけれども、とにかくこれはこういったことについて、簡単に言えば土地の値段が下がって困ったことになった。それに対しての対策についてできるだけの協力を求めていかなければならないなという認識はあったと思いますが、それ以上に手を打たれなかった。そして、またさらに、それを先送りしてこられたということについての責任というものは私はやはり非常に大きかったのではないか、こう思います。  その責任のとり方ということについて、先ほど来のいろいろな論議を伺っていますと、まず大蔵省を解体して、例えば金融庁をつくるとかなんとか。そういうふうな組織の問題だけでなくて、やはり私は、ある程度功成り名を遂げて大蔵省を卒業されてから、大蔵省の関係のところに天下りをしておられる、この方々との関係から見て、現役の人も非常に仕事がやりにくかったこともあるでしょうし、そういった意味での責任というようなこともあります。  例えば天下りをされた人というのは、これからだんだん自粛するとかいろいろな話が出ております。これについてもやはり、例えば職業選択の自由から見て、あるいは国家公務員法の関係から見ても限度があるというふうなことから、前にもそんな話があったわけですけれども、また非常に消極的な答えというものになってしまうのじゃないか、こう思います。  そういった意味において、行かれた方々に対して、例えば現在もうほかの面に天下りされておりましても、やはり大蔵省の関係の仕事ということで行っておられる場合については、この責任をとって、それを例えば辞職されるとかいうふうなことを求めていくべきではないかと思いますが、これは大臣、いかがでしょうか。
  53. 久保亘

    ○久保国務大臣 いわゆる天下りということにつきましては、監督官庁と業界との間に適正な距離を保ち、緊張関係を維持することが極めて重要であるということを私は申してまいりました。  ただ、個々の問題につきまして、今大蔵省出身者で民間におります者を、それだけの理由をもって辞任を求めるということは、現在の規則によって民間に転身いたしております者をやめさせるということは非常に難しいことであろうと思っておりますが、天下りのあり方それ自体について抜本的に検討をしなければならないときに来ているとは考えております。そういう立場に立って、今後の監督官庁と業界との関係、民間との関係というものを最も厳正なものとしていくことが必要であろうと思っております。
  54. 左藤恵

    ○左藤委員 今、与党側あるいは政府側としては、何とかこの六千八百五十億円という国民の血税を、この住専の穴埋めといいますか、ということに使いたい。こういうことで国民の皆さんの理解を求めておられるわけでありますけれども、やはりそれにはそれだけの環境の整備といいますか、責任の所在というものを明らかにするような努力をして、そして初めてそのことが理解が得られるのであって、現段階においては新聞のアンケートですか、それによって見ても大変な、九〇%を超えるようなこれに対する、つぎ込むべきでないという御意見があるわけでありますので、そういった点を考えると、まだまだ今の責任の所在というものが明らかでないような気がするわけであります。  その一つとして、先ほど来もまたお話がありました。また、官房長官は盛んに先ほど答弁の中においてお話しになっておりましたけれども、この住専の処理につきまして会社更生手続を開始すべきで、裁判所に任せるべきだ、受け皿を先につくってしなければならない理由というのは一体どんなことかということについて、時間がかかるとかいうふうなお話だけで、これでは国民の皆さんの理解が得られないのじゃないか。これは清水公述人もそういうようなことをお話しになっておりました。  これまた我が党の江田委員からもお話があったわけでありますが、今回、そういったこともありましくこの住専の問題に対する新進党としての基本方針というものを、きのう、正確にはきょうだと思いますが、決定をして、新聞にも載っておりますが、大臣もお読みいただいたのじゃないかと思います。  その中に、まず何としましても予算案から、計上されておる六千八百五十億円の住専の関係予算は削除していただきたい。これはずっと当初から申し上げておるところでありますけれども、そのことについての解決の手段の一つとして、「国家行政組織法第三条による行政委員会として不良債権処理公社」、これは日本版のRTCというようなものだと思いますが、これを「設立して、金融機関等の破産・更生手続きの申し立て権を付与するとともに、管財人の機能並びに刑事訴追権を付与し、民事・刑事上の責任追及及び債権回収に全力を上げる環境を整備する。」こういう項目を立てております。  これは、お読みいただいたとおり、詳細につきましてはまた江田委員が御説明されるんじゃないかと思いますけれども、まず、非常に取り立てというのは難しいわけであります。時間もかかるし、手続的なこともありますし、裁判上のこともありますから、ある程度そういったものについての、管財人といいますか、そういう機能は一般よりも一層強化したものを与えなきゃならないとか、そんな問題が若干あるだろうと思います。こうでもしないことには、これだけの大きな、初めから返す気もないし、また開き直ってしまっているような、そうした住専から融資を受けた人たち、この人たちに対しての債権の回収に全力を挙げるといっても、なかなかそれが徹底しないわけでありますから、その一つの方法として、ある程度の強制力というふうなものを与えて、そしてそれによって初めて回収できるのであって、まず受け皿をつくっておいて、そしてそこへ六千八百五十億円をつぎ込んでそれからゆっくりやっていこうということになったら、返す人も何とかまたそれまでに逃れておこうというようなことでいろいろなことをして、それはもちろんその人たちはあるいは横領だとかあるいはまた背任だとか、あるいはまた詐欺だとかいうふうなことで起訴されるかもしれませんけれども、これこそ非常に時間がかかって、十年戦争以上のことになってしまって、その結果、その人たちが仮に処分されてみてもお金は返ってこないというふうなことで、ますますその穴もひどくなっていくんじゃないかな、このように思います。  こういった一つのことを今我が党としては対策として提言いたしておるわけでありますが、このことについて、何か大臣の御感想があればお伺いしたいと思います。
  55. 久保亘

    ○久保国務大臣 公党のお決めになりました基本方針でございますから、私からいろいろ申し上げるべきではない、政府として提案をいたしました責任者としてそう考えておりましたが、今せっかくのお尋ねでございます。  この「住専問題に関する基本方針」は、私が見せていただきましたのでは、全体六項目にわたっておりますが、日本版RTCの設立によって破産等の法的処理を行う、こういうことを中心にされておりますが、このことに関しては、大変困難を増幅するおそれはないか、関係者の数や債権の額それから複雑な利害関係、こういったようなことから、早急な解決を求められている今日の住専問題の処理の方策としては、その目的にこたえられないのではないかということを申し上げてまいりました。  また、このような処理を行いました場合には、農林系統の金融機関の負担は体力の限界を超えるものとなろうということも申し上げてきたのでありますが、そのことに関して、「農林系統の金融機関の再建・改革については、国が別途全面的に支援する。」これが今左藤さんが感想はどうかと求められました「基本方針」の中に明記されてございます。「国が別途全面的に支援する。」という、この全面的支援の額はどの程度を想定されているのか、これらのことも一遍お聞きしてみたい、私が思ったことでございます。  また、「母体行は住専の経営破綻に至った経緯に鑑み、最大限の責任を果たすべきである。」このことは私もそう申しているのでありまして、意見の違いはないと思うのでありますが、このことに対して、私の方で非常に困難な問題点についても申し上げてまいりました。母体行に最大限の責任を果たさせるためにどのような手段があるのか、そのこと、そしてどのような負担を求めるのかということについてもお示しいただければ議論ができるのかな、こういう感じを持ちました。  また、日本版RTCはどのような規模でどれだけの予算をもって設立され、どれぐらいの期間このRTCが役割を果たしていくのか、こういった点についても詳細御説明をいただければ、この「基本方針」について私の方もさらに意見を申し上げたいと思っております。
  56. 左藤恵

    ○左藤委員 この点につきましては、後ほど江田委員からまたいろいろお尋ねもし、またこちらの考え方についても説明するということにいたしておりますので、私、この点については以上で終わらせていただきます。  一番責任の大きな問題は、土地の価格が低下し始めてから後にも追加融資といいますか、それで融資したということについては普通の責任とまた違った、例えば倍の、大きな、そういった金融機関には混乱をさせた責任というものがあるだろうと思います。これは、今の母体行責任にしましても、あるいは農林関係の系統融資の責任にしましても、すべての問題は住専の責任ということに集約されるかもしれませんが。  この住専の責任は、土地の値段が上がっているときにはそんな大きな問題にはならなかったんじゃないか。その後、下がり始めたときに、どこまで下がるかわからないという心配もあって、慌てたことは慌てたんでしょうけれども、その後もう完全に、今度は借りる方はそんなことお構いなしに借りていく、開き直ってしまって、後は野となれというふうな形で借りたんだろうと思います。そういう意味におきまして、やはり貸す側の責任というのが、それまでの段階のもう倍の責任があるんじゃないか、倍以上の責任があるんじゃないかな、私はこのような感じがするわけであります。  そこで、早く、余りたくさん下がらないうちに土地の処分を、契約の関係もありましょうけれども、担保の処分をすべきであった、こう思いますが、それを全然やらないで今日まで来ておった。その理由というのもいろいろまたケースケースによって違うんだろうと思いますけれども、こういった点も十分、責任の追及のときには、私は勘案していただきたい、こう思います。  それから、今私が申し上げているのは、貸した金が早く返還されるようなことが、まず債権を確保するということが第一だと思いますが、この場合、担保になった土地が、すぐ処分すべきだと思いますが、なかなか処分されないで、この法律が通って、その受け皿ができてからということになると、また先になるだろう、こう思います。その場合におきまして、今度は土地の処分につきまして、このことについても若干質問が今まであったと思いますが、集中的にばっと土地を処分しますと、また大きく土地が下がるのではないかな、土地の価格が下がるんじゃないかな、このように思います。そしてまた、不動産業界といいますか、それもさらに混乱するようなことで、行政的にもいろいろ問題が起こってくるのではないかと思います。  過去に一度、旧国鉄の土地を清算事業団で処分するということがありまして、これも大分前だったと思いますが、そのときはまだバブルの時期で、どんどん土地の値段が上がっておったというときに、これ以上またそういったものを売りに出すと、高い価格で落札されるので土地の値段を急騰させる、さらにそれに輪をかけてしまうようなことが起こるんだということで、とめられたことがあったと思います。これは、多分、理財局の指導なのでしょうかどうですか、わかりませんが、大蔵省の指導か、そういうことがあったと思います。もちろん、そのときに提供しておられたら、逆に土地の値段が下がったかもわかりません。そういうことがあったわけです。  今度は逆に、集中して売ったときには、これはとにかく量的に大変なものになってきまして、それから最近では、相続税なんか物納を随分しておられるわけです。これを処分しないで、財務局でもってまだ持っておられるのが相当あるだろうと思います。このものも一緒に処分をされますと土地の価格が急激に低落するのではないかな、こういう一つの心配もあるわけであります。  こういったこともありますので、これは、やはり債権を少しでも確保するという見地から、理財局とか銀行局とか、ばらばらな指導なんかされないで、ひとつ土地の処分というふうなことについての配慮をされる御予定とか計画がありますかどうか、これを伺いたいと思います。銀行局長。
  57. 西村吉正

    ○西村政府委員 ただいま御指摘のように、土地の処分、担保の処分というのは、大変に難しい問題だと私どもも考えております。  今回、このような処理がお認めいただけました場合におきましても、一方において、できるだけ早く処分をし、回収をするという要請がございますし、他方において、余りに売り急ぎをいたしますと、地価の下落というものによって損失が大きくなるという問題もございます。  この相反する問題の中で、具体的にどのように進めてまいりますか。また、この住専の担保処分の問題にとどまらず、他にもいろいろな物納財産の処分等の問題も大蔵省として抱えているわけでございますが、全体といたしまして、不動産の価格に過度の影響を与えることは望ましくはございませんけれども、他方におきまして、できるだけ回収を迅速的確に行っていくという見地をも踏まえまして、よく考えてまいりたいと存じます。
  58. 左藤恵

    ○左藤委員 これは、今大蔵省の中でも十分お打ち合わせをしていただいて、そういったことについて、ばらばらな指導ではないようにやっていただきたいと思います。  それともう一つ、農林関係の系統の融資の中で、特に農協や信連で赤字になって非常に困るので、限界があるというお話もございましたし、特別な対策も考えなきゃならない、こういうお話があるわけであります。これはまあ、農業政策とか、あるいは農林系統の金融機関全体、どういうふうにしてやっていったらいいかということについて、今、我々の方も何か別に考えなきゃいかぬということを申し上げているわけですけれども、農林関係では、とにかく自分たちは被害者であるにすぎなくて責任はとらなくてもいいんだというような考え方が農協の中にあるんではないかな、私はそういうふうに思います。確かに、農協の運用をされた人の責任というのはあるだろうと思うのですが、農協全体の中にはそういったことがあるのです。  現実の問題としまして、実は私の短い国会報告みたいなものを後援者に配った中に、これは農協も責任はとるべきだということだけは書いたわけです。そのことに対して農協の方から、抗議といいますか、というふうなものが私のところへ来ている。これは、やっぱり農協自身の皆さんに、それは農協の全員のところに徹底することは大変だろうと思いますけれども、やはりこのことについて大きな責任というものは感じていただかなきゃならないんじゃないかな、私はそのように思いますので、この点についてのいろんな御指導も考えていただきたい、このように思います。  現実問題としてそういったことがあるということを一つ申し上げておいて、これは今後の農業の全体のこと、その中における農業関係の金融機関のあり方というものとあわせてひとつ対策を考えるべき問題だ、このように私は御指摘申し上げておきたいと思います。  それと、もう一点だけ。  大体この六千八百五十億円というものは、いろいろ論議されているのですけれども、先ほど来お話があった六兆だとか、もう全体でいえば三兆だとか六兆だとかというような兆の数字でもってこの不良債権の額だとかいろんなものが論議されておって、そして、そういう中において六千八百五十億ぐらい大したことないじゃないかというような印象を与えられておるという面があると思いますけれども、私は、これは大変な間違いだろう、こう思います。  一つ例を言いますと、例えば去年の医療費ですか、医療費は二十六兆七千百億円だった、その中で二三、四%が国費だということになりますと、国費が大体六兆五千億円ぐらいだ、そうすると、今、仮に医療費を一%上げるとなったら六百五十億円ということになるわけでして、これは今度のこの数字から見たら十分の一以下だ、こういうことになります。  あるいはまた私学助成のことについても、私、この前の予算委員会でお伺いしたのですけれども、最高二九%助成があったのが一二%に下がっているというふうなことから考えても、これは一体一%はどのくらいになるのかというふうなことについて、この六千八百五十億円をそれだけにつぎ込むのじゃありませんけれども、仮につき込んだら、どのくらいになるかということについて、主計局長から、何か御意見があったら伺いたいと思います。
  59. 小村武

    ○小村政府委員 御指摘のように、国の財政需要というのは多岐にわたります。医療費にいたしまして、先生御指摘のように、一%上げますと約六百億円強の財源が国費として必要でございます。本年度三・四%の改定を行いました。  それから、私学助成でございますが、先般、御指摘いただきましたように、私学の経常的経費につきましては、法律で、二分の一を確保するよう努力する規定がございますが、ただ、私どもといたしましては、私学助成の中心は、経常的経費もさることながら、新しい研究分野において、さらに実績が把握できるような分野に重点を置くべきだということで、ことしの予算もそういう方向で組ませていただきました。  経常的経費といいますのは、学校の先生の給与等について、私ども、予算の査定の範囲でありまして、どういう経費に使われているかということは不分明な中で、ただ全体の経費の何%というようなつけ方はいかがかという感じでございます。したがいまして、その重点の置き方も昨今変化しておりまして、効率的な配分に努めているということでございます。
  60. 左藤恵

    ○左藤委員 そうしましたら、阪神・淡路の大震災が一年前に起こったわけであります。そのときに住宅ローン、これは住宅金融公庫から、あるいはまた住専からも借りているというのが随分あったと思いますが、とにかく、家を建てたばかりで、ローンを組んだばかりで、そのまま全部烏有といいますか、もう完全に廃墟と化してしまって、住宅が滅失してしまったという、そういう方々があるわけでありますが、引き続いてそのローンだけは支払わなきゃならないのじゃないか、このように思います。  建設省の住宅局長さんにお伺いしたいのですが、一体、仮に、住宅金融公庫だけでもいいのですが、概算で、そういった金額は幾ら残っているだろうというふうに推定しておられますか、伺いたいと思います。
  61. 梅野捷一郎

    ○梅野政府委員 御説明申し上げます。  私どもが扱っております住宅金融公庫の利用をいただいておりました住宅で被災をされた方々の数は大体四千件ぐらいでございます。これに係ります残高でございますけれども、今先生御指摘のように残高が大変大きいのにすぐというのもございますし、いろいろございますけれども、ならして平均をいたしますと、大体、被災された、今申し上げたような件数のものが九百万ぐらい一件当たり残高が残っているだろうというふうに思っておるところでございまして、そういうことから類推いたしますと、三百六十億ぐらいの残債が残っておるというふうに考えておるところでございます。
  62. 左藤恵

    ○左藤委員 これは、個人の財産に対して国がそれをなすことができるとかできないというような問題があります。  きのう、石井委員から、震災に対するいろいろなことで、保険の問題とかいろいろな点の御指摘があった中の一つとしても、こういったことについて要望をしておられた問題があったと思います。なかなかこういったことで個人に対することを出したのでは切りがないというような意見もあろうと思いますけれども、今お話し申し上げた、これは現実問題として、住専で赤字を出した、その負担をするということについては、ある意味ではもっと、ある特定の会社の失敗の穴埋めをするような形にもなることでもありまして、国民の皆さんの理解というのがそう簡単に得られるものではないと思うんです。  この点について大蔵大臣、何かそういった個人のものについても配慮するというようなことを検討するお気持ちがあるかどうか、これをちょっと伺いたいと思います。
  63. 久保亘

    ○久保国務大臣 阪神・淡路大震災の被害につきましては、この救援、復旧、復興を通じて今日まで三兆を超える財政支出を行ってきたところでございます。総事業費としては八兆円に及んでおります。  ただ、今日までの、何といいますか、これらの個人の災害に対する補償ということについては、自然災害の場合にこれを行うことは非常に難しい状況にございます。それでも、いろいろ救援、復旧等において可能な分野におきましてはかなりの援助も行われたと考えております。  それで、今、住専の処理の問題と並べて、そしてこれは非常に不公平な政治のやり方ではないかという御意見がございますが、あれかこれかという問題ではないのではないかと思っております。住専の問題は、今日、公的資金を投入して公的関与を行わなかった場合には、政治の責任として将来にわたって国家と国民に大きな不利益をもたらすことにならないであろうか、そこが今政治の判断の分かれるところだと思っております。  私どもは、政府といたしまして公的資金を投入して公的関与を行ってこの問題を早期に解決しなければ禍根を残す。それで、このようなことが非常に望ましいことだとは申していないのであります。このような事態に立ち至ったことに関する深い反省とその責任を痛感する立場に立ちながら、しかし、今この問題を先送りすることは許されない、そして政治もこれに責任を持って決着をつけなければならないという立場で御提案を申し上げているものでございます。
  64. 左藤恵

    ○左藤委員 私は、やはりそこのところにおいて、例えばいまだにこの間の参考人の場合でも、金を借りた方の人が、何が悪いんだというのじゃなくて、返すことができないのが社会のせいといいますか、自分らの責任じゃないんだというような、そういう感覚であるならば、先ほどもお話し申し上げたようなことで、私はそういった自然災害で大変な、ローンを失ってなおかつそのローンの分をまだ支払わなきゃならないような、そういう人との比較から考えたら、これはやはり何か不公平、不公正というふうな感じを免れないのだろうと思いますので、それをどういうふうに片一方の人たちに責任をとらせるか。そして、そういうことにして融資をしたところ、さらに監督責任、いろいろなものに、最初のお話に戻りますけれども、そういった点について、それだけではやはり公正さということが一体言えるんだろうか。国民の皆さんが反対しておられる理由も私はそういうところにあるんではないか、このように思いますので、この点について、なお我々としては引き続き反対をせざるを得ないということを申し上げておきたいと思います。  今まで住専の問題を申し上げましたけれども、これからちょっと、私のホームグラウンドと言ったらなんですけれども、郵政事業のことについて、次に質問させていただきたいと思います。きょうはまた、郵政大臣においでをいただきました。  政府は、総理の施政方針演説を初めとしまして、先般の新経済計画、高度情報通信社会推進本部の基本方針というようなところで、情報通信の高度化の重要性というものを指摘しておられます。どのように高度化を進めていくかということでありますけれども、この具体論がまだ明らかになっていないんです。  これで、伺いますと、二〇一〇年ですか、これに光ファイバー網を全国に整備するという一つの目標を立てるということが明らかになっておるわけでありますが、我が国の社会経済改革というもののためには、マルチメディアの利用の振興とかあるいは情報通信技術の研究開発、そしてそういったものを通じて情報通信全体の高度化を強力に推進していくことが必要だ、私はこのように考えます。  そういったことから、情報通信を所管しておる郵政省として、大臣がこの情報通信全体の高度化をどのように推進していくか、具体的なビジョンはどういうふうなところで示されるのかということをまずお伺いしたいと思います。
  65. 日野市朗

    ○日野国務大臣 左藤先生はもうこの問題については非常な権威でいらっしゃいまして、今御指摘なされた点は、郵政省としても非常に熱心にこれは取り組まなければならないポイントというふうに考えております。  何しろ、今情報通信をめぐる状況は非常に急速な進展をいたしております。これは、国内的に見ましても、また国際場裏におきましても非常にバイタルな動きを示しているわけでございまして、私ども郵政省の方といたしましても、これにおくれてはならないということ、そしてこの情報通信を高度化していくということが、日本の経済社会それから公共的な分野、いろいろな面において多くの改革をなし遂げていく一つの大きな要因になるだろうというふうに考えております。  それで、先生おっしゃいましたように、まず二〇一〇年ということで一応の目標を立てておりましたけれども、その二〇一〇年で我々の作業が間に合うのか、これではいけないということで、まず中期的な展望、これを明らかにしていきたいというふうに考えておりまして、ことしの五月末までに答申をいただいて、西暦二〇〇〇年までの高度化目標、その推進方策、これを明らかにする中期計画を策定してまいりたいというふうに考えております。  そして、この中期計画の中で検討すべき事項といたしまして、光ファイバー網の整備、それから無線系を含めた総合的なネットワークの整備、高度化といったいわゆる情報インフラ、これのありよう、これを探ってまいりたいと思いますし、それから、公共分野それから産業分野といったところの、こういうマルチメディアのどういう利用の形態が考えられるかということ、これを探ってまいりたいと考えておりまして、この利用の振興、いわゆるアプリケーションでございますね。これを振興していくという、どういう目標を立てるかということ。それから、情報通信技術の研究開発という、こういう不可欠の問題、これについての目標を示してまいりたいというふうに思っておりまして、これらの分野を中心として、具体的なビジョンを明らかにして、関係方面の御協力を賜りながら施策を強力に推進してまいりたい、このように考えている次第でございます。
  66. 左藤恵

    ○左藤委員 郵政大臣の御決意は伺いました。  この我が国の情報通信高度化がどんどん進んでいく。それを一層加速していくためにも、通産省、また科学技術庁、そういった各省庁においてもこの問題についていろいろ御検討もいただいておると思いますが、これをひとつ、通信という一つの手段といいますか、マルチメディアのそういうものに集中して、そこでもって一つのつなぎといいますか、そこが継ぎ目になって、そしていろいろな点で進めていかなければならないのじゃないかな、このように思います。  そういった場合に、科学技術振興ということで、今科学技術基本法というようなものを制定して、いろいろとそういった面での御努力をいただいておりますが、情報通信分野の枠組みというものをひとつ、基本法というところまでは考えなくても、今お話がございました期間に、なるべく早い段階にそういったものを確立していただきたいということをお願いを申し上げておきたいと思います。  政府におきまして、内閣に高度情報通信社会推進本部ということで設置されて、政府が一体となった施策展開を、そういった取り組みをやっておられると思いますが、今郵政大臣は何か副本部長におなりになっているということで伺っておりますけれども、これについての大臣の所見をお伺いしたいと思います。
  67. 日野市朗

    ○日野国務大臣 先生御指摘のとおりに、各省庁一体としてこの事業を進めていくということの重要性、これは先生御指摘のとおりでございます。  政府としましても、高度情報通信社会推進本部、これを設置をいたしまして、その取り組みを強化していこう、全省庁一体となって情報通信の高度化をさらに加速、推進していこう、そういう態度が重要であるという認識を我々としても持っているわけでございまして、過般も、この推進本部と有識者の皆さんの合同会議というものを開催をいたしました。有識者の皆さんからも、推進本部の取り組みの一層の拡充を求めるという御意見がございまして、いろいろな御意見が出されて、非常に私も有益な御意見として拝聴をいたしたところでございます。  これからも、推進本部を中心とする政府の取り組み、これを一層強力に、積極的に展開をするために、私も、副本部長といたしまして最大限の努力をしてまいりたい、そして副本部長の重責を果たしてまいりたい、このように考えております。ひとつ御叱正のほどをお願いしたいと思います。
  68. 左藤恵

    ○左藤委員 ぜひこの点について御努力いただきたいと思います。  今、御承知のNTTをどうすべきかというふうな問題があるわけであります。正式の答申がきょうか何か出るというふうなこともございますので、私は、このことについてもいろいろ御意見も申し上げたり、また、これの推進のことについてもお伺いしたいと思いますが、きょう、まだそういうことで正式の答申が出ておりませんから、この点についてのお尋ねをすることはいたしません。  本会議が正午からございますので、私の質問は以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。
  69. 上原康助

    ○上原委員長 これにて左藤君の質疑は終了いたしました。  午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時五十五分休憩      ――――◇―――――     午後一時一分開議
  70. 上原康助

    ○上原委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。石井啓一君。
  71. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 新進党の石井啓一でございます。  まず、住専問題につきまして質問いたしますが、この問題に関します責任論、責任の問題からお尋ねをしたいと思います。まず、大蔵大臣にお尋ねしますが、大臣は母体行の経営者の責任についてたびたび言及をされておりますけれども、改めて、どのようなお考えなのか、ここで御見解を述べていただきたいと存じます。
  72. 久保亘

    ○久保国務大臣 もう同じことをかなりの回数申し上げました。母体行の経営責任、当然、経営責任でありますから経営者がその責任を負うべきものと考えておりますが、これは、住専の設立の段階から母体行は深くかかわり、そして不良債権が発生してまいります過程においては融資にもかかわる、こういうことが調査の結果明らかとなっております。したがいまして、通常の銀行の貸し手責任ということでは済まされない大きな責任がいわゆる母体行には存在するものと考えております。  この母体行は、責任があるゆえに債権の三・五兆全額放棄に合意をしておるわけでありますが、それだけでは済まない問題ではないか。母体行はみずから住専問題にかかわる責任を明らかにすべきであるということを、私は、母体行の側にも私のそのような考えが伝わるように努力をいたしておりますし、また、当委員会においても再三にわたってお答えを申し上げたところでございます。
  73. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 続きまして、大臣は今母体行の経営者の責任について厳しくお述べになりましたけれども、大蔵省は住専をいわば監督していたといいますか、住専というのは大蔵省の直轄会社ということでありますし、また、住専問題を振り返ってみますときに、いろいろな場面で大蔵省がこの行政指導にかかわってきた。この住専問題に関しましての大蔵省としての行政責任、これをどのようにお考えになって、この責任をどういうふうにおとりになるつもりか、大臣の御見解をお願いします。
  74. 久保亘

    ○久保国務大臣 住専問題を責任論の立場から考えてまいりますときには、いわゆる借り手でございます、住専からお金を借りて返さない、この債務者の責任は最後まで徹底して追及されなければならぬということを申し上げてまいりました。また、このバブルの時期に不動産関係者への融資等を通じて、今日のような深刻な事態を生み出した住専の経営者の責任、それから母体行責任、貸し手責任としての、また金融機関の経営者としての系統金融機関の責任、こういったものを申し上げてまいりました。  もとより、指導、検査、監督の任に当たります大蔵省の、その時期時期に応じた指導の責任というものは極めて大きいと思っております。的確に判断しようとして努力し、適切な指導を行ったとその時点においては考えられたものであっても、今日このような結果を招来し、そしてその解決のために、やむを得ざる措置として六千八百五十億の財政支出を必要とするに至ったことに関しての責任は極めて重いと考えております。同時にまた、いろいろな政策判断にかかわっては、政治の責任も決して軽くない。  こういう全体の責任の中で、その責任を分担し合うということではなく、みずからの立場において有する責任をしっかり明確化して、その責任をとるべきものについてはきちんとするということが重要であろうと考えております。
  75. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 ちょっと抽象的で、どういう責任のとり方なのかはっきりいたしませんけれども、振り返ってみますときに、まず九〇年の総量規制の折に、結果として抜け穴をつくったために、住専から不動産会社への融資が増大をいたした。あるいは、第一次調査で住専の経営実態を、厳しい実態を把握していたにもかかわらず、この問題の先送りをしてしまった。結果として不良債権が大変膨大なものになってしまった。あるいは、銀行局長、経済局長の覚書で、これはまあ行政ののりを越えるような覚書をつくったために、結果として系統に元本保証するような、そういう期待感を与えてしまった。  さまざま振り返ってみますと、私は、その折々の特定の方を挙げて、その方に責任があるということは申し上げませんけれども、組織としての行政責任、これはやはり大蔵省としてはきちんと明白にすべきである、このように思うわけでありますけれども、その組織としての責任を果たす際には、やはり金融行政の自己改革ということをまずしていかなければならないのではないか、このように思います。  最近、大蔵省再編論、かまびすしくなっております。私は、住専問題から目をそらすための大蔵省再編論、大蔵省をスケープゴートにして国民の怒りをそらすといった論議にはくみするものではありませんけれども、しかしながら、やはり金融行政の見直しというのは避けられない、このように思います。  昨年の大和銀行のニューヨーク支店の事件、あるいはまた今回の住専問題を見ましても、これまでの戦後の金融行政のシステムが時代に対応できなくなってきているということはやはりはっきりしてきていると思うんですね。  そういう意味で、金融行政のあり方、よく言われますように、いわゆる護送船団方式、業界を保護するという行政のあり方から、市場を重視した、自己責任原則を確立する、そういう行政のあり方、行政というのは監視なり検査に徹するんだ、こういう方向の見直しは私は避けられないのではないかと思います。  そしてそれに伴って、大蔵省の組織としての見直しというのも当然出てくると思うわけでありますけれども、この点につきまして大臣のお考えを述べていただきたいと思います。
  76. 久保亘

    ○久保国務大臣 この問題は、いわゆる法的な責任、それから道義的な責任、いろいろその責任もあると思いますが、これらの責任は、みずから判断すべきもの、あるいは追及せらるべきもの、その責任に応じていろいろなとり方があると思っておりますが、大蔵省の問題ということで、今大蔵省の改革に関してお触れになりました。  私は、今住専問題があろうとなかろうと、経済、金融のグローバル化が進展をしてまいります中で、その改革は行政改革とともに時代の要請であると考えております。その要請にどのようにこたえたらよいかということで、今、与党においても検討を開始されておりますし、本委員会を中心に国会でも御議論をいただいております。  私ども大蔵省自体も、みずからの改革の方向はいかにあるべきかということで、既に幹部をもって検討いたしました。バブルの発生から破綻に至る検討も進めておりますし、さらに今後、機構上の改革の問題も含めて、今後の財政金融行政はいかにあるべきかという検討をみずから行うことも、その渦中にあって、今日まで日本の財政金融行政の責任を負うてきた者たちとして、そのことに正面から取り組まなければならない課題となってきているだろうと思っております。そのようなことをきちんとやり遂げますことも住専問題の処理で求められております責任の一つだ、こういうことであろうと思っております。
  77. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 今、久保大臣から大変前向きな御答弁をいただいたわけでありますけれども、ぜひ久保大臣が在任中にそのめどをつけていただきたい。この問題はやはり、久保大臣、先送りせずに、御自分の在任中にめどをつけていただきたいと存じますが、いかがでございましょう。
  78. 久保亘

    ○久保国務大臣 私は、大蔵省の職員とともに、今果たすべき任務を誠実に、果敢に果たしてまいりたいと思っております。
  79. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 それでは、続いて農水大臣にお尋ねをいたします。  系統金融機関の経営責任ということでございますけれども、住専に多額の融資をしたわけでございますが、大蔵省あるいは信用のある銀行がバックにあるからということで融資を重ねたという面はあるとは思いますけれども、しかしながら、余りに過大な融資をなさっておりますね。総額で五兆五千億円でございますし、あるいは九〇年三月の総量規制後一年間で約二兆円も融資額が伸びたということもございます。あるいは信連ごとの融資額、これは新聞でも報道されていますけれども、大変な額、融資の残高がございますね。一千億円以上を融資しているところもたくさんある。こういう余りに過大な、あるいは安易な融資をした、そういう金融機関としての責任は、私はやはり問われなければならないと思います。  報道によりますと、二月二十六日には農水省の上野事務次官もこの件について言及をされたようでありますけれども、大臣といたしまして、系統金融機関の経営責任ということをどうお考えなのか、お尋ねをしたいと存じます。
  80. 大原一三

    ○大原国務大臣 何回かお答えしたわけでありますが、私は、責任がない、こうは申し上げていないわけであります。  ただ、昨年一年間、与党プロジェクトチーム、さらにはまた調整会議で、ずっと議論の中で、住専そのものに対する経営、人事等に関与している者といない者の責任というものが一応整理をされたわけであります。住専そのものの責任を初め関係部門の責任、農協系統に対しては、責任というよりは今後の対応ということで御指摘をいただいているわけであります。  したがって、今日までいろいろ、先ほども御指摘がありましたが、護送船団の中での系統のありようというものについて積極的にこれに取り組んで、新しいシステムを構築する責任が私にはあると思います。  そういう意味で、与党関係等で御指摘がありました線に従って、早急にこれらの改革に取り組んでいきたい、かように考えております。
  81. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 この事務次官の御発言では、農協系金融機関トップの進退についても責任問題が、まあこれは内部の判断だというふうにしておりますが、責任問題が今後議論されることが十分あり得るという御発言でありますけれども、この進退云々ということに関しましては、大臣、お考えはいかがでしょうか。
  82. 大原一三

    ○大原国務大臣 役所の方から、おまえやめろ、いろと言うことは、これはいかがなものかと思うのですが、第一義的には経営責任、これが問われると思うのですね。したがって、これからいよいよ総会シーズン、決算が三月に終わりますが、恐らくは、先ほど御指摘がございました信連等においてはかなり責任問題がはっきりしてくるのではないのかな、こう思っております。
  83. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 今回、系統については、預かったお金を運用するノウハウが十分にないということがはっきりしたわけでありまして、金融機関の経営者としてはいかがなものか、こういう議論は、私はやはり避けられないのではないかと思います。  もう一つ、系統はやはり農水省が監督をされていたわけでありますから、住専への過大な融資、この実態も当然御承知になっていたわけであります。農水省としての、監督者としての行政責任、これをどうとられていらっしゃるのか、大臣のお考えを尋ねます。
  84. 大原一三

    ○大原国務大臣 委員ももう既に何回も議論がありましたので御存じと思いますけれども、三年、四年の調査、今回国会に初めて明るくされたのでありますが、さらに五年の調査、これは系統としては全然知る由がなかったわけであります。今回国会に出されまして、実は驚きと大変な反省をこの資料を見ながら私はいたしたわけでございます。  そういう意味で、そういう環境の中であるにかかわらず、今後のことを考えますと、従来の責任問題もおのずから問われてしかるべきである、私はこのように考えております。
  85. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 今、大蔵省に対する風当たりは大分厳しくなっておりますけれども、農水省さんも、対岸の火事というふうには、そういうふうにはごらんになっていないと思いますが、やはりきちんと自己改革と申しますか、しかるべき責任をとっていただきたいと存じます。  続きまして、もうこの国会ではたびたび質問があったわけでありますけれども、この六千八百五十億円の積算根拠でありますが、これまでの議論の中でもやはりまだまだわからない点がたくさんございます。  まず、農協系負担五千三百億円、これが農林中金と信連と共済連でどういう分担になっているのか、ちょっと数字を説明してください。
  86. 堤英隆

    ○堤政府委員 系統全体としましては、協力という形で、ぎりぎりのものということで五千三百億円贈与することになっております。昨年末からことしにかけまして、それぞれ系統内部での調整が続いてきたわけでございますが、共済関係が千二百七十六億円、それから残り四千二十四億円を信用事業部門で持とうということになっておりまして、ついせんだって、この中で、中金につきまして二千二十四億円、信連において二千億円という形でそれぞれ分担していこうということが意思決定されております。
  87. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 信連の二千億円、この負担が限界である、この理由についてはこれまでもたびたび説明がありました。すなわち、本年度末の経常利益で三十の信連が赤字になる、それから当期の利益で二十の信連が赤字になる、これが限界である、こういう説明がたびたびというか、もうなされてきているわけでありますけれども、私は疑問に思いますのは、なぜこれが限界なのかという説明がわからないわけであります。  といいますのは、例えば、経常利益が、三十の信連でなくて三十五の信連が赤字であるのがぎりぎりなのか、あるいは三十二がぎりぎりなのか、なぜ三十の信連が赤字になるということでぎりぎりの負担であるのか、このところの理由がやはりわからないわけであります。この点について御説明をいただきたいと思います。
  88. 堤英隆

    ○堤政府委員 これも何度か御説明しているところでございますけれども、私どもとしましては、やはりこの住専問題の系統の負担、ぎりぎりの協力ということを考えます際に、系統全体といたしまして六十八兆円という大変大きな受信業務をやっております。しかも、それが二千五百という、比較的零細な形での単協という形で担われているわけでございまして、そういう意味で、住専問題の処理を一つ誤りますと、やはりこの六十八兆円、二千五百農協という経営問題、あるいはそれに伴います、八百九十万人の組合員の方々がそこに参加されておりますので、いろんな意味で不安が不安を呼ぶということになっては大変大きな新しい問題を生み出すことになってしまうという大変強い認識を持っております。  そういう意味で、先ほどもお話がございましたけれども、私どもとしては、今回の負担に伴いまして信連にどの程度の赤字が生じるのがぎりぎりであるかということを見ましたときに、経常利益ベースでやはり過半ということがぎりぎりではないか、あるいは当期利益ベースでやはり二十ということになるわけでございまして、これ以上の数がふえるということは、冒頭申し上げましたような形で新たな不安を呼ぶということになって問題が非常に大きくなるという意味の認識、判断をしたわけでございます。
  89. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 ほとんど説明していないのと同じなんですね。なぜぎりぎりかというふうに質問をしたわけでありますけれども、今、それでは経過説明といいますか、その不安が新たな不安を呼ぶというわけです。それは今三十、二十という数字を聞いて、それ以上ということであればまたいろいろな問題があるかもしれませんけれども、当初経常利益で三十というふうに決めたのがなぜぎりぎりなのか、それ以上ふやすとなぜ不安が生じるのか、全くわかりません。もう一回答弁ください。
  90. 堤英隆

    ○堤政府委員 これは私ども、農協の、先ほども申し上げましたような特性を持っております信用事業を所管する者といたしまして、そういう一つの判断という形で、これ以上ということにつきましてはやはり新しい信用不安を生じるんじゃないかという意味での私どもの一つの判断でございます。
  91. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 結局はっきりした説明はできないということですよね。何回聞いてもこれは同じ答えしか出ないと思いますけれども、結局最終的には政治判断で決まった、こういうことではないかと思いますが、大臣いかがですか。
  92. 大原一三

    ○大原国務大臣 内部留保の少ない金融機関が半分赤字になるということは大変なことです。その辺の御認識もいただいて、三十もなしたということは、ぎりぎりでなくて何でしょうか。
  93. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 いや、そういうことを聞いているんじゃなくて、なぜ三十がぎりぎりなのか。逆に言うと、二十五がぎりぎりなのかどうか、そこら辺が、まあ大臣もおわかりになって御答弁されていると思うんですけれども、結局はっきりしないということであります。  それから、では、共済連の千二百七十六億、あるいは農林中金の二千二十四億、この負担はどうなんでしょうか。これはぎりぎりなんですか。さっきの説明だと、五千三百という数字が最初に決まっていて、それから分担をしたというような説明で、ちょっと納得がいかない感じがしますけれども、この農中と共済連の負担について、どういうふうに決まったのか、この負担がなぜ限界なのか御説明をいただきたいと思います。
  94. 堤英隆

    ○堤政府委員 何度かお答えいたしておりますが、先ほど分担が最終的にどうなったかという御質問でございましたので、先ほどの数字を申し上げたわけでございますが、私どもとしては、ぎりぎりだということの判断をします際に、やはり信連の経営に与える影響ということをそれぞれの信連ごとにそれぞれ見まして、本年度の経常利益、当期利益、さらには来年度どうなるかということを見て判断をしたということはここで何回か申し上げたところでございます。  中金につきましては、これも御説明しているわけでございますが、農林系統の全国組織としての役割を果たしているわけでございますが、今回におきまして、一つには、有価証券の含み益の益出しを行おうということで、これもここで御説明いたしておりますが、一千億円を、有価証券の含み益の益出しをしよう。それから、貸倒引当金につきましても、可能な限り取りましていこうということで二百十億円。それから、任意積立金につきましても、現在千四百億ほどございますけれども、その半分以上、七百六十億円を出していこう。  こういう考え方に立ちまして、かつ、別途、これもここで御説明いたしておりますように、協住ローンを系統としては抱えているわけでございますが、これは七社のように整理をいたしません。やはり現在の状況の中で、三千億程度の不良債権を抱え、二千億ほどのロス見込みというふうになっているわけでございますが、今回私どもとしましても、協住ローンにつきましてもできるだけ償却を進めていかなければならないだろうということで、八百億円の償却ということを考えております。  こういうことによりまして、今年度、中金は恐らく、戦後の全くの一時期を除きまして初めて赤字になる、しかもかなりの大幅の赤字になるのではないかということで、これもそういう意味でぎりぎりの判断ということをしたわけでございます。  それから、共済につきましては、これもここで御説明しているわけでございますが、共済加入者への支払い予定利回りが運用利回りをかなり大幅に上回っているという厳しい状況にございますが、そういう意味で、信用事業並みの負担を行うという考え方に立ちまして、住専への貸付残高の案分ということで計算いたしますと千三百億弱というふうになります。  これにつきましても、共済連の共済に与えます影響、経営に与えます影響ということをいろいろ考えますと、実質的な経常利益で見ますと、全共連はもちろん赤字になるわけでございますが、県の共済連におきましてもそれなりの数がやはり赤字になってくるということで、これは御案内のように、生命保険でありますとか建物保険でありますとか、そういう事業をやっておりますので、保険業務ということの特色をも考えまして、先ほど来御説明しておりますようなことでぎりぎりのという判断をしたわけでございます。
  95. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 そもそもこの農協の系統の五千三百億円の贈与というのは、系統全体としてぎりぎりの負担という説明だったはずですけれども、今の農中、農林中金なり共済連の説明を聞いても、残念ながらやはり定性的であって、本当にこの農林中金の二千二十四億円がなぜ限界なのかという納得ある説明ではございませんですね。  貸倒金も可能な限り出すということでありますけれども、可能な限りというのと限界というのは違いますよね。恐らくもう一回聞いても同じ答えしか出ないと思いますからもう聞きませんけれども、やはり今回の系統の負担というのは、私は、限界、ぎりぎりであるという言葉だけここで述べられておりますけれども、なぜそれが限界であり、なぜぎりぎりなのかという明確な説明は残念ながらなされないまま終始している、このことを指摘しておきたいと思います。  それからもう一つ。大蔵省に尋ねますけれども、いわゆる二次損失、これが半分財政支出するというふうになっていますけれども、なぜ二分の一の支出なのか。これが三分の一、四分の一、あるいは逆に言うと、三分の二ではなくてなぜ二分の一の支出なのか、その根拠を説明してください。
  96. 西村吉正

    ○西村政府委員 今回の住専の処理策に関しましては、まず、ほぼ確実に見通し得る損失の処理六兆四千百億分につきまして関係者が最大限の努力をするという考え方のもとに、その果たし得る限度いっぱいの努力をしていただいた結果がその損失の分担ということであり、六千八百億の財政支出をお願いしておるゆえんでございます。  さらに、その上のことでございますが、さらにそれ以上の損失が生じないようにあらゆる手段を講じてその損失の発生を防いだ上で、なお万一将来損失が生じた場合にどうするか、こういう問題を今御指摘なわけでございますけれども、これを処理するということは金融システム全体の安定を図るための措置である、そうであるならば、国及び関係の金融機関がその役割をそれぞれ果たしていくという意味から、折半をしてその負担をしていくことが適当ではないかというのがこの二分の一という考え方の基礎と考えております。
  97. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 いや、これもやはりわからない説明であって、なぜ官民折半をしなければいけないのか。今のは局長も御自分で御説明されていてそういうふうに思われていると思いますけれども、それは理由の説明ではなくて状況の説明でありまして、なぜ官民で折半しなければいけないんですか。もう一回御答弁いただけますか。
  98. 西村吉正

    ○西村政府委員 繰り返しになって恐縮でございますが、それぞれの立場において最大限の努力をした上でそれ以上の損失が万が一生ずるということになりますれば、これを処理いたしますのは、金融システム全体のため、ひいては国民全体が最終的に受益する性格を有しているものであると同時に、金融関係者が受益するという性格を有しておるわけでございます。そういう意味におきまして、金融システム全体を支えるという見地から、国と関係の金融機関が折半をしてその対応をするということが適切だと判断したわけでございます。
  99. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 もう同じ答えになりますからこれ以上問いませんけれども、この国会で延々とこの住専問題、特にこの財政支出の支出根拠を問うてきたわけでありますが、結局のところ形容詞の羅列で終わっておりまして、政府の決めた案をとにかくのまないと金融不安が起こるから六千八百五十億の支出を認めよ、端的に言えばそういう説明、ちょっと乱暴な省略でありますけれども、端的に言えばそういうことになる。一貫して私たちに納得できる説明は得られなかった、このように指摘をしておきたいと思います。  では、大蔵大臣に。  大臣、お疲れでいらっしゃるかもしれませんが、先ほどの大蔵省の責任論とも関連いたしますけれども、大蔵省の職員の金融機関への天下りの自粛についてどのようにお考えか、御説明いただきたいと思います。
  100. 久保亘

    ○久保国務大臣 監督官庁、行政と民間、業界との間に厳正な距離と緊張感が必要だということを私は申し上げてまいりました。そのような立場に立ち、今回の住専問題の経緯等も十分に検証をしながら、この問題については、今後、今申し上げましたような方針に沿って、どのようなことを規制したらいいのか考えてまいりたいと思っております。  既に国会におかれても、各党の間でいろいろと御議論をいただいているように承っております。それらの検討の結果も十分に伺った上で考えてまいりたいと思っておりますが、憲法上の問題、それから現に人事院の規則として取り決められておりますような問題等も考え合わせながら、天下り禁止の問題については可能な限り厳しい措置を今後考えていくことが必要であろうと思っております。
  101. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 今、金融機関への就職制限の期間を、現行二年間を五年間に延ばしてはどうかという議論がありますけれども、私は、これはほとんど実態からすると無意味だというふうに思います。  といいますのは、今の国家公務員法の百三条の二項で、「職員は、離職後二年間は、営利企業の地位で、その離職前五年間に在職していた人事院規則で定める国の機関と密接な関係にあるものにつくことを承諾し又はついてはならない。」というふうになっておりますけれども、同じく三項で、「前二項の規定は、人事院規則の定めるところにより、所轄庁の長の申出により人事院の承認を得た場合には、これを適用しない。」  ですから、営利企業に二年間就職しないことが原則になっておりますけれども、人事院の承認があればできるという実態になっておりまして、現実に、人事院の資料によりますと、平成六年においては、人事院が承認した件数が二百九件で、大蔵省は五十八件あるわけですね。五十八人の方が認められているわけですよ。こういうことでございますけれども、人事院総裁にちょっとここで御説明をいただきたいと思いますが、人事院が承認する際の基準及び平成六年度で大蔵省に対してお認めになった五十八人のうち金融機関への天下りの数が何件か、御説明をいただきたいと思います。
  102. 弥富啓之助

    ○弥富政府委員 お答えを申し上げます。  御案内のとおり、職員の営利企業への就職承認の審査に当たりましては、これは厳正にやるのが原則でございます。本人が今までついていた官職と就職予定企業における関係を十分に精査をいたしまして、事業の許認可、監督関係あるいは契約関係の有無等を総合的に勘案をいたしまして、職務上の関係の強い場合、あるいは就職予定企業との間に利害関係が生じ、または生ずるおそれのある場合には、その就職を承認しないことといたしております。  それから二番目の、平成六年における大蔵省職員について承認した件数でございますが、平成六年一月から十二月までの一年間に、国家公務員法第百三条三項の規定に基づき人事院が承認をいたしました大蔵省職員の営利企業への就職件数は五十八件、ただいまおっしゃったとおりでございまして、そのうち金融機関への就職を承認したものは、銀行が八件、信用金庫二十五件の計三十三件でございます。
  103. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 ですから、現行でも、二年間の就職制限があったとしても、実際は、例えば、あるA銀行というところに退職する前に検査とか許認可をやっていればその銀行には就職できないのですけれども、別の銀行にはできるわけですよ。ですから、この就職制限の二年間を五年間に延ばすというのは、そもそも大臣がおっしゃったように憲法上の職業の選択の自由という問題にもかかわりますけれども、それでなくとも、延ばしても実態は変わらないということなんですね。私は、これはやはりこの人事システムをそもそも変えなければ、この天下りの問題というのは解決できない、このように思うわけであります。  もう皆さん御承知のとおりでありますけれども、事務次官でいらっしゃって、大体平均すると五十八歳前後ですか、キャリアで役所に入った方でも五十歳前後から肩をたたかれるというのが現状でございますから、こういう現状では、五十歳ぐらいで役所をやめてその後ほっぽらかすということでは、これはなかなか役人になる人間もいなくなるということで、こういう人事システムにおいては、役所の重要な仕事が天下り先の確保になるというのも、ある意味でいえばやむを得ないところがあるわけであります。  私は、この問題を見直すためには、天下りをしなくても済む人事システム、あるいは天下りを少なくするようなそういうシステムを考えなければいけない、そうしなければやはり根本的な解決にはならない、こういうふうに思うわけであります。  そこで、総務庁長官にお尋ねをいたしますが、実は我が党の提案しているところでは、これは指定職だけになっていますけれども、指定職は六十歳まで雇用しよう、勧奨退職はしない。指定職になれば六十歳まで雇用しよう、こういう案を我が党としては提案をしております。  そのほかに、これは六十歳、現行の定年制自体を守るということでありますけれども、定年年齢自体も、これからの高齢化社会ということを考えると、六十歳から段階的に上げていってもいいのではないか、こういうことも考えられると思います。  またさらに、今五十前後から退職せざるを得ないということは、一つは、何というのでしょうか、上になればなるほどポストが少なくなるわけですね。必然的に行くところがない。だから、審議官あるいは局長、事務次官になればだんだんポストが少なくなるわけですから、同期の方は五月雨式に出ていかざるを得ないということになっております。そういう単線的な人事ではなくて、例えば、自分は公務員として全うしたいという御希望のある方については、スタッフ的なポストを用意してそれまでの行政の豊かな経験を生かしてもらう、そういうような人事も考えていかなければいけないのではないか。  私、今三つ例を申し上げましたけれども、現行の人事システムではやはりこの天下り問題の根本的な解決はできない、このように思いますが、総務庁長官の御見解をお尋ねしたいと思います。
  104. 中西績介

    ○中西国務大臣 お答えいたします。  退職勧奨につきましては、行政組織における、一つは新陳代謝を促進をするという意味もありますし、組織の活性化あるいは公務能率の維持向上を図るということもあるし、本人の自発的な退職意思を形成するための事実上の行為として行われております。今後ともこのような観点から、退職の勧奨は必要であろうと思いますし、指定職俸給表の適用を受ける職員に対して退職の勧奨を禁止することは適当でないと考えます。  さらにまた、六十歳を段階的に引き上げる問題でありますけれども、各省庁における人事管理あるいは業務の実態、あるいは民間企業の定年制動向などを総合的に判断をいたしまして原則六十歳といたしておりますけれども、現行の定年年齢を維持することは今の状況の中ではいたし方ないのではないか。したがって、閣議決定されております公務員部門における高齢者雇用については、高齢者雇用の検討に当たって、現行の定年年齢は維持をすべきだと考えております。  あとのことについては、事務方の方に答えさせます。
  105. 池ノ内祐司

    ○池ノ内政府委員 三番目のお尋ねでございますが、いわゆるスタッフ職の設置、こういうことでございますが、職員の高齢化の進展等の関連から、高齢職員の豊かな知識、経験、これを生かせるような人事管理施策の一つの方策として、今、スタッフ職あるいは専門職を拡充しろというようなことは、民間でもいろいろ指摘されているところだと思います。  ただ、御案内のとおり、公務部門におきまして職を設置する場合には、やはりそれぞれの行政需要に対応した職を設置するということが基本でございます。したがいまして、単なる処遇のためのスタッフ職を設置するということは問題があるのではないかと思います。  今後、各省庁の個別具体的な業務運営あるいは人事管理の実情を踏まえながら、やはり職員構成の高齢化に適切に対応するという総合的な検討の中で検討される問題だと考えます。
  106. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 中西長官にちょっとお願いしたいのですが、役所の答弁を読みますと、やはり役所の方は、今のシステムをいじるというのは大変勇気の要ることで、なかなかいじりたがらないのですよ。ですから私は、大臣としての、政治家としての答弁を求めたかったわけでありますけれども、残念ながらそういう御答弁、余りやる気のないような御答弁でありましたので大変残念であります。しかし私は、これはやはり真剣に考えていく課題だと思うのですね。ぜひ政治家としてのリーダーシップを長官に私はお願いをしたいと思います。  ちょっと情報公開の方に行きますけれども、今回の住専問題で特徴的にあらわれていることは、事前の情報公開が全く不十分ということでありまして、国会に資料提出がありましたけれどもまだまだ不十分でありまして、多くの国民はいまだに、なぜ六千八百五十億円財政支出しなければいけないのか、それは、いつ、だれが、どんな根拠で決めたのか、やはり納得していないということでございます。残念ながら、今までの日本の行政というのは、最近よく言われますアカウンタビリティーというのでしょうか、説明する責任をほとんど果たしてこなかった。江戸時代の言葉で言えば、知らしむべからずよらしむべしという体質が色濃くあると言わざるを得ないわけであります。  そこで、私は、行政情報公開制度は極めてこれから大切になると思いますけれども、さきに総務庁長官は、集中審議の折にも、現在進められております行政改革委員会の意見がことし十二月に提出されますが、積極的に対応する、こういう御答弁をいただいておりますけれども、この意見提出後、法制化のめどはどうなっているのか、どういうお考えであるのか、御答弁をいただきたいと思います。
  107. 陶山晧

    ○陶山政府委員 石井先生御案内のとおり、現在行革委員会専門部会では、文字どおり精力的な審議をされているところでございます。本年十二月には意見具申が行われると私どもは承知をいたしておりますが、それを受けまして具体的な立法作業を行うことになるわけでございます。  その立法作業につきましては、この委員会からの意見で示された方針に基づいて行うということになるわけでございますので、今の段階で、国会にいつ御提案を申し上げられるかということを明確に申し上げられる段階ではないということは、ぜひ御理解をいただきたいと存じます。
  108. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 これはぜひ早急な法制化を要望をしておきます。  それでは最後、ちょっと時間がなくなってまいりましたが、国鉄清算事業団、これの債務についてお尋ねしたいと思います。これもまた大変な問題になっておりまして、住専どころか二十兆円以上の債務、これをどうするのかというのがまた近々大変大きな問題になるわけであります。  そもそも昭和六十二年四月一日現在では、長期債務十九兆九千億円、将来費用五兆七千億円、合わせて二十五兆五千億円の清算事業団が引き受けた債務があったわけでありますが、これが、事業団の資料によりますと、平成七年度当初においては、長期債務が二十二兆九千億円、将来費用が四兆円、合わせて二十六兆九千億円もの債務を抱えている、こういうことになっておるわけでありまして、まず、この長期債務に係る利子の支払いの予定額及びなぜこの間債務が増加したのか、この説明を求めたいと思います。
  109. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 お答えいたします。  まず最初の、現在の長期債務に係る発生利子でございますが、昭和六十三年の閣議決定におきましては、十九・九兆円の債務に対しまして発生利子の支払いの予定額は約七・九兆円と見込まれておりました。これに対しまして、七年度首におきます将来費用を除いた長期債務の額は約二十二・九兆円でございまして、これに対しまして約定どおり償還した場合の発生利子を試算いたしますと約五・三兆円となります。  それから、二番目の御質問の、なぜ長期債務がこれだけふえてきたかという御質問でございますが、昭和六十二年度から平成六年度までの間におきます国鉄清算事業団の支出につきましては、金利の支払いなどの費用が約十一・三兆円に達しておりますほか、平成二年度以降新たに鉄道共済年金に対する特別負担、これが〇・六兆円生じまして、合計十一・九兆円の負担が生じたわけでございます。  これに対しましてこの間の収入でございますが、土地の売却収入が四・二兆円、それから株式でございますけれども、JR東日本の株式二百五十万株を売却いたしまして、これによる収入が一・一兆円、それから鉄道整備基金からの収入が二・二兆円、国からの補助金の収入が約一・五兆円など総額十・六兆円にとどまっております。この差額が長期債務などが増加してきた理由でございます。
  110. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 それでは、現在事業団に残されているいわゆる償還財源といいますか、土地と株式についてちょっと説明いただけますか。
  111. 梅崎壽

    ○梅崎政府委員 国鉄清算事業団の長期債務の償還財源でございますが、平成七年度首におきましては、土地につきましては四千二百九十三ヘクタール、資産額は約四・四兆円程度と見積もっております。それから株式でございますけれども、JR七社の株式合計六百六十九万株ございますが、これは額面〇・三兆円でございます。さらに、鉄道整備基金に対します債権、これが一・九兆円ある、こういう状況でございます。
  112. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 JR株式がどれぐらいで売れるかというのはちょっとわからないわけでありますけれども、今で土地が四・四兆円、株式が〇・三兆円、あと一・九兆円ということですから六・六兆円。株式が若干ふえたとしても、まあ約二十兆円近い残りの分は国民負担しなければいけないんですよね、二十兆円も。これは六十二年当初は、この不足分、国民負担は十三・八兆円だったわけですが、この間に二十兆円にもなってしまった。さらに、長期債務による利子もまだ残っているわけですから、これまた大変な問題になってくるわけであります。  ちょっと時間がありませんから聞きますけれども、この平成元年の閣議決定によりますと、土地処分は平成九年度までに実質的に終了するというふうになっておりますけれども、この見込みはどうなっておるんでしょうか。大臣、御答弁いただきたいと思います。
  113. 亀井善之

    ○亀井国務大臣 今御指摘の平成元年十二月の閣議決定によりまして、平成九年度までにその実質的処分を終了する、こういうことになっております。  御承知のとおり、不動産及び金融を取り巻く状況も大変厳しい状況下にありまして、運輸省、清算事業団、アクションプログラムを平成五年、平成六年あるいは本年二月につくりまして、今いろいろ土地の処分を努力をしておるところでございまして、これらの問題、関係省庁の協力を得て、政府挙げてその処分の促進を図るために今努力をしておるところでもございます。  大変厳しい状況下、いわゆる昭和六十三年の閣議決定、「土地処分収入等の自主財源を充ててもなお残る事業団の債務等については最終的には国において処理するもの」とされており、「その本格的な処理のために必要な「新たな財源・措置」については、」「土地の処分等の見通しのおおよそつくと考えられる段階で歳入・歳出の全般的な見直し」、このような中で検討、決定する、このようなことになっております。
  114. 石井啓一

    ○石井(啓)委員 これは償還を先送りすればするほど金利が重なっていくんですよね。これは大変な問題。金利だけでも年間一兆円以上あるわけでありますから、これは平成九年度の土地処分が先にまた延びれば延びるほどどんどん国民負担が重なる。新たな財源、措置を考えるということになっていますので、これはとんでもない問題になる。これは、JR株式の売却もございますけれども、やはり早急に、何というんでしょうか、見通しといいますかめどといいますか、この問題については先送りせずにしっかりとやっていただきたいと思います。  どうしても時間がございませんけれども、住専の処理会社も下手をすると第二の国鉄清算事業団になりかねない。結局清算事業団も、土地の売却がうまくいかなかったため、株式の売却がうまくいかなかったため、要は、だんだん償還がおくれればおくれるほどこの負担は膨れてしまうわけですね。この住専の処理会社も、六兆七千億ですか、債権を買うわけですけれども、これも担保物件が売れなければ全然だめなわけでありまして、急いで売ろうとするとこれは安くなる、二次損失もふえかねないということもありまして、この六兆七千億円ですか、これは低利融資で借りるとなっていますけれども、低利融資とはいえ金利がつくわけでありまして、十五年間どれだけ土地が売れるかわかりませんけれども、これはもう下手をすれば清算事業団の二の舞になりかねない、このことを指摘をしておきまして、私の質問を終わりたいと思います。
  115. 上原康助

    ○上原委員長 これにて石井君の質疑は終了いたしました。  次に、愛野興一郎君。
  116. 愛野興一郎

    ○愛野委員 戦後の日本は、国土の荒廃と貧困と飢餓のどん底にあったわけであります。財政等々は、これはもう本当に大変なものであった。今、そこから日本は復興をしたわけでありますが、その当時は、これは吉田茂総理とかあるいは池田勇人大蔵大臣とかあるいは河野農林大臣とかというふうに国民は政治を信頼して、そうして一生懸命についてきておったと思うわけであります。それで、また野党も浅沼稲次郎先生とかあるいは佐々木更三先生とかというふうに、まさに政策決定が、政治がなされておったというふうに私は考えるわけであります。そうして、昭和二十年、私は大学の予科の一年生だったものですから、国会に来たことがあります。佐藤栄作先生の横を廊下ですれ違ったら、何やらぶるぶるとするような畏怖さえ覚えたようなわけであります。  そういう感覚があるかどうかということを私の息子世代に聞いてみますと、私も含めて今の政治家とか閣僚には余りそういう信頼感はないのであります。そうして、むしろ官僚優位の政治であるというふうに思っておるわけでありますから、これはもう税金でこの支出をしていくということはよほど政府の信頼がなければならぬし、同時にまた、官僚が決めたのを政治家の大臣が恐らく追認したであろうと思われるようなことでは、やはり国民は、住専の処理でありますから、非常に不満を覚えると私は考えるわけでありますが、いかがでございましょうか。
  117. 久保亘

    ○久保国務大臣 愛野さんと私は同じ年でございまして、ちょうど戦時中から戦後、今日にかけて同世代として生きてまいりましたから、共通することも多いのかな、こう思っております。  今お話がございました政治家の毅然たる決断、判断というものは、やはり政治の方向、日本のあすを決めていく力でなければならないと思っております。そういう意味では、ある著名な作家が、私は少しその方を存じておりまして、お話を承るのでありますが、政治家たる者はウサギのもほども信念が揺らいではならぬ、そして鋭い先見性がなければならない、また高い志が必要である、こういうことを言われておりました。今お話を聞きながら、そういうことを思い起こした次第でございます。
  118. 愛野興一郎

    ○愛野委員 私も六千八百五十億円の積算内訳の根拠を再度問いたいと思っておりましたが、今の同僚の石井委員の質問で、まあ大体国民が納得するような根拠の数字はないのであろう、こういうふうに自分だけ思っておるわけでありますが、もう一つその理由は、政府・与党の皆さん方もこの根拠は余りわかっておられないのじゃないか。  それはどういうことかというと、総理は、これは農協救済のためにやっておるわけじゃないと言っておられるわけです。全体の金融システムのためにやっておると言っておるのに、社民党の質問者は、新進党は農民に冷たいというふうに言われたわけでありますから、ここはまるっきり算出の根拠等々は勉強しておられぬということがすぐわかる。そういうものを国民の前に出していいかどうかということは極めて、国民の方は不安になると思うわけでありまして、銀行局長は、それでも私が納得するように根拠を説明するというなら説明していいし、説明しないというなら、私が言っておることを認めたということになるのかどうか。銀行局長にお聞きしたいと思います。
  119. 西村吉正

    ○西村政府委員 今からもう一度長い時間をかけて御説明を申し上げるのもかえって失礼かと存じますけれども、私ども、この問題を昨年の夏以来鋭意詰めてまいりました過程におきまして、ただいま先生の御指摘になりましたことと関連いたす問題に大変に苦慮してきたと感じております。  すなわち、関係者の方々のこの問題に対する見方というものが、それぞれのお立場で大変に異なる。しかし、最終的には一つの答えを出さなければならない。それは今、日本の経済が置かれております、また内外の注視を集めております状況の中で、一日も早く答えを出さなければならない。しかしながら、関係者のお立場あるいは物の見方というものにはまだまだ大きな隔たりがある。そういう中で、この答えを見出していくという中で、一つの非常に割り切った考え方だけで答えを出すということが非常に難しかったということは御指摘のとおりであろうかと思います。  しかしながら、そういう中で関係者の最大限の譲歩というものを、いろいろな要素を勘案しながら答えを年末に出します際にこのような答えになりましたということでございまして、私どもは、積算と申しますか、いろいろな考え方を総合的に勘案したお答えというのは現段階ではこれ以外あり得ないのではないかという気持ちを今も持っておるわけでございます。
  120. 愛野興一郎

    ○愛野委員 銀行局長の苦しい胸のうちはわかりましたが、それではこの六千八百五十億円の積算内訳の根拠を全く説明したということにはならぬわけで、むしろ寺村前局長のときに、どっちみちあそこまで何やら合意文書を書いたりするなら、どうして踏み込まなかったかということを、私はむしろこの金融秩序の確立のためにも残念なことであると考えておるわけであります。  次に、会計検査院にお伺いをいたしますが、この財政支出、六千八百五十億円を処理機構にあれした場合の会計検査院とのかかわりはどういうことになるのですか。
  121. 矢崎新二

    ○矢崎会計検査院長 お答え申し上げます。  ただいま御指摘の六千八百五十億円という財政支出そのものが会計検査院の検査対象であることは、これは言うまでもないことでございます。  そのこと以外に、今国会に提出されております法案によりますと、債権処理会社に対しましては、国から預金保険機構に対して交付されました補助金を原資として助成金が交付されるということになっておりますし、また、国が出資をしました預金保険機構から出資がさらに行われるということになっているわけでございます。  会計検査院は、会計検査院法によりますと、一つには、国が直接または間接に補助金、助成金等を交付しております会計、それから二つ目には、国が資本金を出資したものがさらに出資をしているものの会計、これらにつきましては、必要と認めるときに検査ができるということになっております。  したがいまして、本院といたしましては、関係法令等の内容が確定しまして、実際に財政資金が支出されました段階で検査の必要性等の判断を行いたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
  122. 愛野興一郎

    ○愛野委員 次に、法務大臣にお伺いをいたします。  法務省としては、これは処理機構にかかわり合いなく、この住専の貸し手、借り手等々に民事あるいは刑事の問題が起きた場合は十二分にひとつ捜査をするということになるのかどうか、御決意を伺いたい。
  123. 長尾立子

    ○長尾国務大臣 お答えを申し上げます。  今回の住専問題につきましては、政府一体となってこの債権回収のための万全の措置を講ずる必要があると考えております。また、今委員から御指摘がございました関係者らの民事上及び刑事上の責任の問題でございますが、これは可能な限り明らかにされる必要があると考えております。  検察当局におきましては、既に協議会、専従班などを設置いたしまして所要の体制を整えた上で、あらゆる観点から情報や資料の収集、分析を行っているものと思います。  現在の状況、今後の見込みについては、法務当局としては答弁は差し控えさせていただきたいと思いますが、検察当局においては、こうした収集、分析とともに、告訴、告発、関係機関からの情報収集、国会における御議論、さまざまな御指摘、こういったものを踏まえながら基礎的な捜査を進め、関係者らの刑事責任を追及すべきであると認められるような容疑事実が判明いたしました場合には、警察当局等の関係機関と緊密な連携のもと、鋭意所要の捜査を遂げ、法と証拠に基づき厳正に対処すると思います。
  124. 愛野興一郎

    ○愛野委員 先般、参考人として住専の社長さん等々をお呼びしたときに、これはもうまことに開き直ったような、どちらかというと呼ばれた方が威張ったようなことでありました。これを見て国民は、これはこの住専処理機構で本当に目の届いたような取り方ができるだろうか、これは競馬とかなんとかじゃありませんが。あるいは住専の方は、住専がつくったマンションとかなんとかに入っておる者が泣きを見て、そうして自分たちがぬくぬくと隠したりなんかした者はもう全然泣きの涙じゃなくて、かえって反り返ったような生活をするのじゃないか。そういうところに税金を出した上に、自分たちは立ち退きを要求されたりなんかするのじゃないかというような不安を持っておるわけであります。  そういうことでありますから、法務大臣は、御婦人のお立場で、この住専処理は税金以外でやる方法があればその方がいいと思われるか、あるいはあくまでこれは政府の方針どおりに閣僚であるからこれでいくと言われるのか、ちょっと御答弁をお願いしたいと思います。
  125. 長尾立子

    ○長尾国務大臣 閣僚の一員でございます。現在のこの案が最良のものというふうに考えております。
  126. 愛野興一郎

    ○愛野委員 まあ女性の立場でということでありますから。
  127. 長尾立子

    ○長尾国務大臣 私の立場は、今御説明したとおりでございます。  しかし、税金を使わせていただくということを考えますと、国民の皆様から御納得をいただくためには、今委員からお話がありました関係者の民事上、刑事上の責任、これははっきり追及してほしい、これが皆様のお気持ちであると思っております。
  128. 愛野興一郎

    ○愛野委員 答弁に満足しました。  これは銀行局長でもいいですが、金融不安、金融不安と言われるが、今の金融不安とそれから昭和恐慌そのものはどういうふうになっておるのか、質問がちょっとおかしいかもわかりませんが。
  129. 西村吉正

    ○西村政府委員 いわゆる昭和金融恐慌が発生をいたしました昭和の初期に比べますと、我が国の経済も随分大きく強くなっておりますし、また、金融制度という点からも、預金保険制度が設けられますとか、進歩していることも事実でございます。  そういう意味から、昭和の初期と現在とを比較することは必ずしも適切ではないと存じますけれども、他方におきまして、バブルの発生、崩壊の過程、とりわけ土地、株というような資産価額の非常に大きな変動を経まして、金融機関のバランスシートが非常に傷んでいる。その結果として国民の間にもし金融機関に対する信頼が失われるようなことが一たんありますならば、そのことが非常に大きな波紋を呼ぶであろう。また、そういう波紋が一たん生ずると、これをとめるということは大変に難しいことであろうということは、金融行政の担当者として常に考えておかなければいけないことと存じております。  そういう意味におきまして、現在の金融情勢というものは、私ども常に心を引き締めて取り組んでまいらなければならないというふうに認識をいたしている次第でございます。
  130. 愛野興一郎

    ○愛野委員 今の銀行局長の金融不安の説明は理解いたしましたが、全体の金融不安を巻き起こさないために住専に国民の税金を使わなければならないということは、これはどういう意味なのかわからないのであります。住専をこれだけ国会とかあるいはマスコミとかで大騒動しておるのが、それこそかえって金融不安を巻き起こしはせぬかというふうに思うわけでありますが、その辺をお伺いいたします。
  131. 西村吉正

    ○西村政府委員 ある評論家の方も御指摘のように、金融問題、金融処理の問題というものの難しさは、一たん問題を提起いたしますならば必ず成果を上げなければならない、答えを出さなければいけない。問題を提起しておいて、その答えを出さないということが最も危険なことでございます。  そういう意味において、私ども、今回の問題提起をさせていただきました責任は大変に重いと考えております。この答えをぜひ得させていただきたいと切にお願いをいたす次第でございますが、もし今回の処理案が実施されない場合に、本当にそういう金融不安が起こるのかという御質問を国民の皆様方がお持ちであるということも私どもよく承知をしております。  しかしながら、預金を受け入れていない住専というものの破綻の問題がどうして預金者に影響を及ぼすのかということでございますけれども、住専、確かに預金は受け入れておりませんけれども、何と申しましても七社合わせまして十三兆円という巨大な債権債務関係を三百に上る関係者が処理をしなければいけないという大変複雑な問題でございます。  一たん不透明な状態がこの十三兆円という債権債務関係について生じますと、恐らくその影響というものは、特に体力の弱い金融機関にとっては、その金融機関の債権債務が結局どうなるのかということについて多くの国民の方々から不安の目をもって見られることもあるかもしれない。そういうことが必ずしも経営状況が悪くない金融機関をも含めまして金融不安というものを生じさせ、ひいては預金者の保護に遺憾な結果を生ずるということを必ずしも否定できないのではないか。そういう可能性というものがあるのであれば、私どもはその可能性を少しでも除去するということが金融行政の大きな役割ではないか。そういう意味において今回の問題に取り組んだ次第でございます。
  132. 愛野興一郎

    ○愛野委員 しかし、ノンバンクもこれはまた大変な不良資産を抱えておるわけですが、その中の一社は自分で法的処理に入ったというふうなことが報道されておるわけであります。税金を住専につき込まぬでもやる方法をやはり早急に考えるべきではないかというふうに私は思うわけです。  それからもう一つ、文芸春秋の三月号に、政府の税制調査会長でしょう、この人は。加藤寛さんの「「住専処理」この愚かな選択」「愚かな選択」と書いてあるんですよ。これは読まれたと思いますが、この中身はちょっと省略しておきましょう。一般会計でなくともできるというふうなですね。  とにかく、こういう政府の税制調査会長でも住専処理は愚かな選択だと言っておるのを国民に納得をさせようというのは、非常にこれは困難なことではなかろうかと思うわけでありますから、この御感想をひとつ大臣、お伺いしましょうか。
  133. 久保亘

    ○久保国務大臣 愚かな選択であったかどうかは、これは実験のしようがないわけでございます。もしこのことを愚かな選択と考えてこの選択を変えました場合に、そのことによって起こってまいります多くの問題をだれが責任を負うのか、そういうことを私どもは政治のあすに対する責任という立場から判断したのであります。それで、この選択に伴う結果については、これを選択し、お願いをした者が責任を負うべきものと考えております。
  134. 愛野興一郎

    ○愛野委員 大臣が責任をとったからといって、これは金融秩序が確立されるわけじゃありません。  問題は、これを削除して新たな法的処置でできないかどうかを国会で考えるべきであって、もっともっとこの問題は与野党ともに詰めていかなければならぬ。我々もずっとこれを先送りしょうというようなことを考えておるわけじゃないわけでありますから。深谷氏とかすぐ何とか物を横から言うからあれでありますが、住専問題はこの辺でそれじゃやめておきましょう。  総務庁長官にお伺いいたします。  総務庁長官が考えておられる行政改革の理念は何か、そうして今日までの実績は、この行政改革、誇るべきものがあったのかどうか。私どもは余りないと思っておるわけですが、ちょっと御答弁を。     〔委員長退席、三野委員長代理着席〕
  135. 中西績介

    ○中西国務大臣 お答えいたします。  簡素で効率的な政府を実現するということとあわせまして、時代に対応した国民の皆さんが信頼する行政のあり方を追求するのがこの目的であろうと思っています。  具体的には、幾つもございますけれども、規制緩和の問題一つをとりましても、既に昨年来千九十一事項についてこれを精査しながら、今大体年度末までには六割近くを措置をしようと努力をいたしておるところです。したがって、先般、一月二十六日だったと思いますけれども、各省庁から中間の実態を公表していただきまして、昨日国内外のいろいろな意見を聞くために推進本部を開きまして、ここで意見を聴取する、今こういう体制で進んでおるところであります。  さらにまた、地方分権の問題につきましても、同じように多くの専門分野の皆さんの御検討をいただいておるわけでありますけれども、これについてもこの三月には地方分権推進委員会から中間報告をいただくようにしております。そして十二月ごろにはその勧告を受け、具体的な計画をつくり出していかなくてはならぬということになっている。そのための努力を今いたしておる。  あるいは情報公開等につきましても、これはもう憲法あるいは法律的な問題等多くの問題を含んでおりますから、既に三十一回の専門部会を開いていただきまして、その後また小委員会を設置して五回、こうした問題についての論議を続けておるところであります。  あるいは、御存じのように、特殊法人の問題につきましても、十四の法人を七法人に統合、五つを廃止するというような内容をもって明らかにしておりますから、これらについても既に今国会に六本の法律を、既に四本提出をいたしておりますけれども、後日二本の法律を提示をしていこう、こういうぐあいに具体的に取り組んでおるというのが実態であります。  こうした問題等を含みまして、この定員削減の問題からいろいろ多くの問題をあわせてこれから審議をしていこうと思っています。  なお、これから後の二十一世紀に向けての目標については、先ほど申し上げた内容等を含みまして、象徴的なものは総理大臣が先般施政方針演説の中でも明らかにいたしておるわけでありますから、この点を中心にしまして現内閣の方針というのは明らかでありますし、積極的に取り組んでいこう、こういうことで言われておるところであります。
  136. 愛野興一郎

    ○愛野委員 定員のリストラ、それから役所のリストラ、これを率直に言ってどういうふうにやっていかれるのですか。  例えば、民間の企業は本当に人員削減をやっておるわけですよ。各省庁、恐らくは部長クラスまでお茶くみか秘書さんか知らぬがおったり、それは各省庁によってまちまちでしょうが、そういう本当のリストラ。それから、同じような仕事をやっておる省庁は統合をするとか、二十一世紀に向けてやるということになれば、これは地方分権とも絡んで、一遍に総務庁が少しの省庁に出すことはできないでしょうから、今現実問題としてやれることはどういうことをやっておられるのか、その辺を。
  137. 陶山晧

    ○陶山政府委員 ただいま愛野先生から御指摘がございましたように、行政の組織とか定員の問題でありますとか仕事のやり方でありますとか、これらにつきましては、社会経済状況は常に動いていく、変化をしていくものでございますから、そうした状況の変化に対応するように常に見直しをしていくということが必要であると私ども当然のことながら考えておりまして、そういう観点から、具体的なことをくだくだしく申し上げるつもりはございませんけれども、機構についても定員についても極めて厳しい管理をしているところでございます。  具体的には、毎年度の予算編成過程を通じて、各省庁の要求、お考え方を私ども組織管理、定員管理の立場で十分に伺いながら、極めて全体として厳しい管理の仕方を毎年繰り返しながら、状況の変化に対応するような形で毎年毎年見直しをしているということでございます。  なお、仕事のやり方という観点で一例を申し上げますならば、現在、大臣から先ほど御答弁がありましたような規制緩和の推進を通じて、行政としてのいわば役割の見直しを逐次行っていく必要があるというふうに考えております。
  138. 愛野興一郎

    ○愛野委員 一省一局削減とか、あるいは今までのようなやり方だったら、今度は一局削減してかわったものを別につくっておるわけだから、余り推進になっていないと思いますよ。  それからまた、これは厚生省だったか、各県国立病院を一つずつ減らせと言って、これは私のところなんかはもう三年から四年、院長さんとそれからそこの組合とが減らさないようにしてくれと言ってくるわけだから、現実問題としては、本省の方で現場をよくわからないで、一律にただ一つ減らせばいいとかというようなやり方が今までの行革であったのではなかろうかというふうに私は思うわけですよ。  そういうことをやめて、本当に要らないところは、国の出先なんかは三つぐらい減らす、そうして本当に要るところはふやすというふうなことでやっていかなければいかぬというふうに思うわけですね。  それから規制緩和も、これは大いにやってもらわなければいかぬ。それは自由な競争ができるために規制緩和をやっていただかなければいかぬわけです。ところが、国内のことばかり考えて規制緩和を考える余り、もう認可はやめた、届け出さえすればいいということで、今度はその届け出を精査する機関をつくるならば、これは規制緩和ということには、コスト的には、業者というか国民にはならないわけですよ。でありますから、そういうことを従来と違った方向でやっておるのかどうか、実務的にお答えください。
  139. 陶山晧

    ○陶山政府委員 ただいまの先生のお話にありましたように、状況の変化に対応するような行政の組織なり定員なり、あるいは仕事のやり方なりを改めていくという場合のいわば手法、やり方については、いろいろな工夫が必要であろうと存じております。  ただいま先生から御指摘のございましたようなことも、十分私ども勉強させていただき、今後の政府全体としての行政改革の進め方について参考にさせていただきたいと存じております。
  140. 愛野興一郎

    ○愛野委員 国家公務員が、さっきから銀行の話が出ておるが、銀行ばかりじゃなくて、地方のいろいろな業界団体とかあるいは補助金を受けておる団体に、もう当然のごとく天下りしておるということは御存じでしょう。大体、業界とかあるいは補助金を受ける団体は国と地方からの天下りが多い。  企業は、役人さんが非常によく世話したり立派であったりするとスカウトしますよ。スカウトしたが最後、今度は、その人がやめても、もう自分の縄張りということで一つの省庁が次の人を押しつけてくる。  こういうことでありますから、例えば地方の、まあ具体的には言わぬでおきますが、地方と中央と合わせて大体どのくらいの箇所数あるいは役員の数が天下りしておるのか、総務庁ではおわかりになりますか。
  141. 池ノ内祐司

    ○池ノ内政府委員 私ども、国家公務員関係でございますけれども、退職国家公務員の再就職調査、再就職の状況調査はやっておりません。したがいまして、状況把握しておりません。
  142. 鈴木正明

    ○鈴木(正)政府委員 地方公務員の再就職状況でございますが、お尋ねの点にぴたりではございませんが、退職後の就職状況はどうかということで調べておりまして、平成四年度中の定年退職あるいは勧奨退職による退職者、六万三千人余りおりますが、そのうち地方団体以外のところに行っている者が一万一千人余りおります。それから、民間企業に何人かという内訳はつかんでおりません。
  143. 愛野興一郎

    ○愛野委員 私が言いたいのは、やはり役所の方でも本当に優秀な方は、業界としても来てください、こう言うわけですよ。それは、私は当然のことだと思う。が、その方がやめた後、その役所が、もうここは、例えば運輸省なら運輸省の天下り先だと勝手に決めて、そして、もうそろそろちょっと私の方のこれを専務理事にしてくださいというふうにずっと、戦後五十年ですから、定着化してしまうんですな。  それで実際は、例えばトラック協会ならトラック協会のプロパー、そこで一生懸命たたき上げてきた者はもう事務局長以上にはなれないというような現象も生じておるわけですよ。それで、役所から来た人は事務局長が初めから教えなければならぬ。そういうこともあります。  これはやはり国家公務員ばかりじゃありません。むしろ地方公務員の天下りというのが、これは遠慮会釈なく、もう当然のごとく、現役の人が定年に近づいてくると、かえてくださいというふうなやり方ですよ。そういうところもやはりなくしていかないと、政治家よりも官僚がすべてを牛耳るということになるわけですから、県の、例えば土地改良組合の会長とかあるいは漁連の会長とかも、これはもう初めは押しつけられた専務理事がなっておるというふうな状況ですから、私は、そういうところをやはり現実問題として変えていく努力をしていかなければいかぬと思っておるわけです。それは答弁は要りません。  それで、総務庁長官にお尋ねをしたことと同じですが、もう時間がありませんから、自治大臣が考えておられる地方分権の理念、それから最終的には、これは二十一世紀のいつごろになるのかわからぬが、着地点の目的はどういうふうに地方分権を持っていこうとしておられるのか、自治大臣の御答弁をお願いします。
  144. 倉田寛之

    ○倉田国務大臣 愛野委員御案内かと存じますが、地方分権の推進につきましては、全国的な統一性や公平性を重視する現行の画一と集権というシステムから、住民や地域の視点に立ちました多様と分権の行政システムに改めるということでございます。  地方分権の推進につきましては、地方がその実情に沿った個性あふれる行政を積極的に展開ができ得ますように、国と地方の役割分担を本格的に見直すとともに、役割分担を明確にするという方向で、権限の移譲や国の関与等の廃止、緩和、地方税財源の充実強化を進めて、地方公共団体の自主性、自立性を強化していくことが必要であると存じます。  昨年の五月に地方分権推進法が制定をされましたことは、これまでの地方分権の流れの中におきまして画期的なことであったと思います。  地方分権推進法に基づきまして昨年の七月に発足をいたしました地方分権推進委員会におきましては、昨年の十月の十九日に、「地方分権推進に当たっての基本的考え方」及び「行政分野別課題審議に当たって留意すべき事項」を示すとともに、二つの部会を設置をいたしまして、地方団体や関係省庁、有識者から意見を聴取をしながら、地方分権を具体的に推進するに当たりまして、改革課題につきまして精力的に審議を行っておるところでございます。  昨年の十二月の二十二日には、委員会の検討試案といたしまして、「機関委任事務制度を廃止した場合の従前の機関委任事務の取扱いについて」を発表いたしたところでございます。  本年に入りましてからは、週に二、三回の頻度で委員会と部会を個別に開催をしていただいておりまして、掘り下げた審議を行い、三月を目途に委員会として中間報告を取りまとめる予定としており、今年中に勧告が行えるように審議は進められていくものと承知をいたしているところでございます。  地方分権推進法は、五年間の間に集中的かつ計画的に取り組みを行うことによって成果を上げようとしているものでございまして、政府といたしましても、地方分権推進委員会から具体的な指針の勧告をいただきまして、地方分権推進計画を速やかに策定をして、着実に実施をしてまいりたいと考えております。  地方分権を推進していきますことは、今や時代の大きな流れでございまして、地域に関します行政に責任を有しておる地方公共団体にとっても長年の要望でございます。私といたしましても、来るべき二十一世紀に向けまして、実りある成果を上げ得ることができ得ますよう、強い決意で取り組んでまいりたいと考えているところでございます。
  145. 愛野興一郎

    ○愛野委員 各省庁のいろいろなプロジェクトがありますね。例えば、我々のところは鳥栖・久留米テクノポリス。ところが、地元で、佐賀県でプロジェクトをつくっているものに財政もつけてもらえば優先順位からしてずっと都市づくりができるわけですが、そうじゃないものだから、そうやって次から次に新しいプロジェクトを押しつけてくるものだから、ついにこのテクノポリスというのは何か中途半端なようになってしまう。  あるいは農林のプロジェクトでも、せっかく農村の活性化、農民が豊かになるためにと称してメニューを幾つもつくって、結局、私の家の私道まで立派に舗装して白線を入れて、そして実際の圃場の農民はさっぱりと所得が上がらない。それよりも、やはり地元の県が考えたメニューでやる方がよほどいいというようなものもあるわけです。  そういう意味で、これは御答弁は要りませんが、地方に権限といわゆる財政をできるだけ譲ってもらうようにできるだけ早く作業を急いで地方分権を確立をしていただきたいと思います。もし答弁がありましたら。
  146. 倉田寛之

    ○倉田国務大臣 先ほど、地方分権を進めてまいります経過等について、また、今後の予定等につきましてお答えを申し上げましたが、まさに地方分権は時代の流れでございますので、同時に、実行の段階であるという認識をいたしておりまするので、そういった線に沿って積極的に推進を図ってまいりたい、こういうふうに思っております。
  147. 愛野興一郎

    ○愛野委員 これにて終わります。  ありがとうございました。
  148. 三野優美

    ○三野委員長代理 これにて愛野君の質疑は終了いたしました。  次に、江田五月君。
  149. 江田五月

    ○江田委員 予算委員会に、何度もこの席に立ちまして、どうもしつこいと思われるかもしれませんが、私の方もいささか同じテーマの繰り返しで大変ですが、しかし、余計なことを言う人もおるようですが、なおしつこくいろいろなことをただしていきたいと思います。  住専処理の関係のことにまた絞らせていただきたいんですが、冷静になって、静かに考えてみまして、一体本当のところどこが問題なのかということをじっと考えてきまして、私は、民事紛争というものの処理の方法は大きく分ければ二つあるんだ。  一つは、民事の紛争ですから、私人間のことですから、農林中金の角道さんの日経に載っている言い方で言えば、「住宅金融専門会社問題は本来、当事者間で解決すべきだが、合意に達することができず、国民の皆様に大変ご迷惑をかけた」、こういう書き出しからいっているわけで、当事者間のことですから、当事者が互譲の精神で、債権債務関係それぞれ譲り合って合意をして、それで、取れるものは取る、取れないものはあきらめる、ぎりぎりの譲歩をしていく、こういうことで解決するというのは一つの方法なんですね。これをまあ私的整理と言っていいかもしれません。これは交通事故で損害賠償請求をするというような場合にもありますし、あるいは会社が破綻状態に陥った、そういうときの整理の方法でも私的整理というのはある。当然これはあるわけですね。  もう一つは、そういうことができない、当事者間の合意で譲り合ってということができない、そこで、既存の法律によって用意されたいろいろな紛争処理の方法がある。紛争解決の方法がある。一番の基本は訴訟ですね。訴訟だけじゃありません、ほかにもいろいろな用意された方法がある。これにのっとって処理をしていく、解決をしていく。  これはもう無理やり解決、最後は強制執行で、それでも取れる場合もあるし、取れない場合もあるし、取れなければ取れないで、最後は判決というものが単なる紙切れになってしまうということもあるわけですけれども、そこでとにかく解決をしてしまう。法的処理ということになろうかと思うんですね。この法的処理の場合も、もちろん債権者、債務者一人ずつという場合もあるし、大勢の当事者がかかわっている場合もある。  私は、民事の紛争というのは、基本的には、関係者の中のことだから私的自治というものは一番大切にされるべきことで、まあ昔、裁判官をやっていたときにも、なるべく和解で解決した方がいい。判決をとって強制執行までいって、執行の中でいろいろ異議が出てきたりしていくとこれは大変ですし、どっちみち判決での解決というのは最後の納得ということにはなりませんし、恨みつらみを買う場合もあるし、合意の方がいい。しかし、それができないときには、それは法的にということはあると思うんです。  今回の政府のお出しの住専処理のこの方法は、これは基本的には私的整理ではありませんか。関係する皆さんがお互いにぎりぎりの互譲の精神で合意をつくってそれで解決をするという、基本的には私的整理だと思いますが、大蔵大臣、その認識はいかがですか。
  150. 西村吉正

    ○西村政府委員 国家の全体の考え方といたしましては、江田委員御指摘のような考え方で取り組んだと考えております。
  151. 江田五月

    ○江田委員 大臣、それでもちろんよろしいですよね。局長の答えていることだから大臣がいいと言うのも変ですが、もちろん大臣の意を体して局長が今答えられたということで、同じ認識でよろしいですか。
  152. 久保亘

    ○久保国務大臣 よろしいと思います。
  153. 江田五月

    ○江田委員 そこで、やはり問題はそこなのじゃないかなと。  つまり、住専にかかわる、住専という一つの、何というのですか、紛争というのですか問題というのですか、この問題にかかわって債権債務をいろいろと持っている皆さんが、その中で話し合いをして、ぎりぎりの互譲の精神合意をつくって、そして解決をする。それをいろいろ、例えば預金者の保護のことではこうするとか、あるいは系統の組織がいろいろ困難に逢着する、それを何とか助けるとか、それはいいのですけれども、国はその住専問題に債権債務を持ってかかわっていないんですよね。  ところが、まあ五十億は別としましょう、六千八百億、国は、その債権回収がどうしてもできないところは損失として甘んじて受けとめる、そういう当事者の合意の中に六千八百五十億円を穴埋めとしてつぎ込むというのですね。なぜ一体、国がそういう私的整理の中で負担というものを負わなければいけないのか。いかがですか。
  154. 久保亘

    ○久保国務大臣 今あなたが言われるように、そういう民間の当事者間の債権債務の問題であることはそのとおりだと思います。  ただ、その民間の債権債務の関係で起こっております、住専に象徴的にあらわれて、そして長い経緯を持っておりますこの住専問題の不良債権の処理ということに、政府がかかわらなければこの問題は日本の金融問題に大変深刻な影響を及ぼすということが明確な場合、これに政府がかかわることはやむを得ないことだと思っております。     〔三野委員長代理退席、委員長着席〕
  155. 江田五月

    ○江田委員 いや、そのあたりなんですよね。  住専のこの紛争が下手をすると金融不安を引き起こしてしまう、あるいは上手に処理しないとと言いたければそう言ってもいいのですけれども、いずれにしても処理をしないと金融不安を起こしてしまうと。さて、本当に金融不安を起こすようなことになるのかな、これも実は私は疑問に思っているのですけれども、そこは水かけ論になるかもしれません、見解の違いになるかもしれません。  しかし、金融不安ということになるとして、ではその金融不安になる状況を除去するためにいろいろなかかわり方をすればいいじゃないですか。例えば、預金保険機構、貯金保険機構に対する手当てで信用については心配ない、そういう宣言を例えば大蔵大臣がきっちりなさるとか、いやいや、それはそんな預金保険機構などという大きなことじゃないので、信用不安というのはせいぜい農林系のことですよと。まああってもせいぜいそのくらいなことかという気もしますが、それならそういう農林系の金融機関の再編とか改革のために国がちゃんと支援をする、そういうことをすればいいので、なぜ関係する債権債務を負っている当事者の互譲の話し合いの解決の中に国が六千八百億円穴埋めをする当事者として入らなければいけないのかというのは、今の大蔵大臣の説明でも私はわからないのですが、もう一度答えてみてください。
  156. 久保亘

    ○久保国務大臣 きょう午前中に、あなたの党の方の御質問の中に、新進党の「住専問題に関する基本方針」についてどう思うかという御質問がございました。  私もこの基本方針を読ませていただきましたが、今、江田さんがおっしゃるようなお立場から、国家行政組織法三条による行政委員会としての日本版RTCを設立して、この問題の処理に公的な関与をするということが述べられておりますね。そのことにおいては、やはりこの問題のもたらす我が国の経済や金融に関する影響というものを非常に重視されての御判断ではないかなと私は思っております。
  157. 江田五月

    ○江田委員 私どもの案をお読みいただいて大変ありがたいと思っておりますが、正確な御理解をいただくにはいろいろな説明も必要なのではないかと思いますけれども、私たちは、この住専の問題は私的整理でやる筋のものではないと、国が入ってですよ。当事者だけで私的整理でできるならいいのですけれども、そうではなくて、それができないというのだったら、国がこの債務を負担して私的整理の中に入る、それはやはり筋が違うじゃないか。当事者の単なる互譲と合意だけで国が入らずにちゃんとやれないというのなら、それは法的処理で、つまり普通の民間の私人間の紛争の場合と同じことで法的処理でやるべきではないか。  だから、国は六千八百五十億円のこの予算は削除をして、そういうものは使わずに、それがこの私たちの対案、「平成八年度予算案に計上している六千八百五十億円の住専関係予算を削除する。」というところです。国はそういう私人間の債権債務関係の整理のときの穴埋めの資金を出すようなことはしない、そういうことです。  そして次に、そうやる以上は、今までの政府のスキーム、つまり国が持ち出して穴埋めで解決をするというやり方ではなくて、「住専問題の解決については、市場原理に基づく自己責任の大原則により国民に開かれた状況の中で行う。」こう言っているわけで、だから、今の政府の案ではなくて、ちゃんと既存の用意されている法的処理のシステムの中で行う。  だけれども、その既存の法的処理のシステムについては、これは政府の方も何か、住専以外のいろいろな今後起こってくる金融機関の破綻状態を乗り越えていくための方策として、これから法案を、どこまで用意されているのか知りませんが、用意されているわけでしょう。三法案用意されているわけですね。  そういう中で、例えば金融機関の破綻の解決のためには、あれは国にでしょうか、会社更生の申し立て権も与えるとか、そういうようなこともおやりになっているわけですから、そういうことはそれはいいでしょう。そこへ金を使うというのは、当事者間の債権債務の整理に国がお金を持ち出して穴埋めするという話ではないわけですからね。  ですから私たちはそこで、三項目めで、「国家行政組織法第三条による行政委員会として不良債権処理公社(日本版RTC)」、これを設立をする。  これは何をやるのか。皆さんのように住専からここへ債権を移して、いわば取り立て屋さんになって取り立てに行くのではないのです。そうではなくて、これはちゃんと既存のシステムの中で、金融機関等の破産あるいは更生手続の申し立て権をそこの機関に付与する。それで、既存のシステムの中でやるのだけれども、この日本版RTCが管財人の役割を果たしますよと、管財人の機能を付与する。さらにもっと言えば、いろいろな民事、刑事の責任追及がありますから、刑事訴追権を付与する。そうやって、「民事・刑事上の責任追及及び債権回収に全力を上げる環境を整備する。」  全然違うのですよ、これは考え方が。どこが違うか、もし十分おわかりにならなかったら、わからないと言ってくれればまた説明しますけれども。
  158. 久保亘

    ○久保国務大臣 あなたのお父さんは、私の政治の上での師匠でございました。今、あなたの御発言を聞きながら、あの一乗寺でお別れしたときのことを思い出して、もしお父さんならそういうことを言われたかなと私は思うのでございます。  それで、私が言っているのは、民のことは民に任せよ、こうおっしゃるから、RTCをつくってやらなければならぬ非常に重大な問題だということにおいては、やはりこの住専問題をこのまま放置できない、これは公的関与によってこの問題は早期に処理しなければ大変なことになるぞという認識においては、同じ認識にお立ちになっているから、ここに日本版RTCをつくれということを提案されているのじゃありませんかということを私は伺っておるのであります。
  159. 江田五月

    ○江田委員 どうも父のことまでお話しになられますと、ついつい追及の矛先が鈍って、これはまことに申しわけないことなんですが、しかし、やはりこれはそういう話ではなくて、きっちり論理の問題として考えていきたいと思うのです。  私たちは、住専問題は問題じゃないなどと思っているのじゃないのです。それは今、バブル崩壊日本の金融システムも確かに大きな壁に突き当たってきているし、世界からの目ももちろんありますし、それはちゃんとした解決をしなければならぬ、早期に。それは同じ思いなので、そういう意味で皆さんを何かかたきと思っているわけでもないし、何でもないのです、そこは。一緒に今のこの日本なり国民なりが抱えている事態について苦労している、そういう思いは、それは大臣、ひとつ共有しておきたいと思うのです。  それでも私は、さっきちょっと、民事の紛争というのはお互い当事者が互譲で、和解で解決するのがそれは一番いいのだと、私的整理。互譲の、和解のと言うと言葉はいいのですが、悪い言葉で言えばそれは談合なのですよ。  さて、今、国はその談合のスキームの中に入るのがいいのか。それとも、そうじゃなくて、当事者間でちゃんと完全な合意までできないのなら、これは透明な、だれにでも説明がきっちりつく、そして権利義務関係もはっきりする申し立てというものがあり、それに対して判断もちゃんとやる、そういう法的処理でやる以外にないので、民事の紛争というものが存在をしていることというのは、これは社会的なロスなんです。それはそうなんです。ですから、民事の紛争を解決するということは社会的な営みなんです。公益性のある営みなんです。だから裁判所はあるのです。  まあ、民事訴訟法の何か哲学というのも昔々習ったので、あれは何であるかというのはなかなかややこしい議論なんですが、だけれども私はそう理解しているので、民事の紛争が存在することは社会的なロスで、それを解決することは社会的な利益だから国が裁判の制度を用意しているのです。今そういうものがあるのです。それは訴訟の手続もあり、強制執行もあり、あるいは倒産関係のいろいろな法律もあるし、そういうところで、どうにもならない紛争でも無理やりにでも処理するというシステムはちゃんとできているのですね。  そのシステムを使うことは、これは社会的に意味あることだし、公的利益にかなうことだし、そこで、こういう住専というような問題の解決に当たって、法的処理をスムーズに行うために国がこういう日本版RTCというものを設立して、そこにいろいろな権限を付与しよう、こう言っているわけですから、基本の考えが違うのですね。法律の筋をちゃんと通していくのか、それとも談合で事を進めるのか。  ちなみに、私たちの案をさらにもうちょっと、あと三項目ありますので説明しておきますと、四項目めは、これは今までの議論で、この住専の経営破綻に至った経過の中でだれが責任があるんだ。大体、母体行というのが自分の子会社として住専をつくったのじゃないか。経営にも大いに、大いにといいますか完全に関与したのじゃないか。そして、あるときには、いや、農林系さん、ちょっとここで引き揚げないでくださいなどということを、まあこれは大蔵省かもしれませんが、やって、今日まで来た。  だから、「母体行は住専の経営破綻に至った経緯に鑑み、最大限の責任を果たすべきである。」これが私たちの議論だし、今多くの皆さんがそうおっしゃっていることだろうと思いますけれども、銀行の場合には、一つの銀行が、ある場所では母体行、ある場所では一般行、こうなっていますから、この母体行と言うときには、これは一般行も程度の差はあれそこに含んでおるわけですけれどもね。  五つ目に、農林系の金融機関がいろいろ困難に逢着する、それで農林系の皆さんが今非常に心配をしておられる。それは、農協のリストラ、改編、こういうものもこれからやっていただかなければならぬところにはあります。しかし、それはそれとして、ぶっつぶれてしまっては困りますので、「農林系統の金融機関の再建・改革については、国が別途全面的に支援する。」これは何か。農林系が債権に何か穴があいだがらそれを補てんするという、そういう趣旨ではなくて、もっと農林系がちゃんと立ち直っていくために、国は側面からの全面的な支援をすると。  そして最後に、金融不安ということも言われます、本当にどこまでかという。私は、大蔵省が、あるいは国が先頭に立って、やれ金融不安だ、金融不安だと不安をあおるようなことは厳に慎むべきことだと思います。  さはさりながら、この心配もあるかもしれませんので、アメリカがやった、幾らでしたか、二十兆円まず積んで、不安はないとやって、そしてその金融不安、取りつけ騒ぎなどを乗り越えていくということが、前車のわだちを踏まないといいますか、前の人の経験があるわけですから、「国民の預貯金については、国が全てを保証する。」と、預金保険機構、貯金保険機構に対する支援、こういう私どもの案というものをきのうお出しをいたしました。天下に問いました。  これはもちろん、まだまだ基本方針ですから、細かなところ、例えば今の日本版RTCの組織の骨格はどういうものであるのか、こんなことはこれから詰めていかなければいけませんが、大きな方向として今示した。  どうなんですかね、それでもなお国費を投ずるということで、RTCをつくるというのも、六千八百五十億円をこの穴埋めに使うというのも、基本は同じ思想だというふうにお感じになりますか。
  160. 久保亘

    ○久保国務大臣 いや、それは違うんですよ。私が同じだと言っているのは、結局、公的関与をやってもこの問題を早く解決しなければ重大なことになるぞという認識ではやっと一緒になったなと、私はこれで言っているのです、あの文書を見ながら。  しかし、違う点は……(発言する者あり)私が申し上げているのは、今までは、民のことは民に任せて法的処理でやれ、こういうことをずっとおっしゃられておりましたが、この「住専問題に関する基本方針」では「日本版RTCを設立して、」と。その内容はわかりませんけれども、そういうお考えになっていることは、そこまでは大体考え方が近づいてきたなということを私は申し上げたのであります。  しかし、このことは実際には、当事者間において合意がなければなかなか難しいことじゃありませんか。今、談合という言葉を言われておりますが、私は、談合ではなく、これは当事者が速やかな解決のために協議に応じて合意を得ようとしているものだと思っているのであります。  そして、この中には、「住専問題に関する基本方針」の一つの項目として「農林系統の金融機関の再建・改革については、国が別途全面的に支援する。」と書かれているのであります。これは「住専問題に関する基本方針」ですよ。だから、そのことを明確に私どもは読ませていただきますと、結局、破産処理によって、現在農協系統金融機関が負担を合意している金額を超える大きな金額になってくる場合には、非常に困難な状況が生まれるだろうということは、これは政府の側からも説明を申し上げているわけでありますが、その場合には「別途」、どういう別途かわかりませんけれども、「全面的に支援する。」となっているのであります。  そうすると、これは国費を投ずるという意味を含んでいるのか、全面的支援というのはどういう内容で、どのような基準で行われようとしているのか、私たちはぜひ教えていただきたいのであります。  それから、「母体行は住専の経営破綻に至った経緯に鑑み、最大限の責任を果たすべきである。」ということについては、私どもも同じような立場で御答弁を申し上げてまいりました。問題は、この「責任を果たす」ということに、負担金をさらに増額するというのであれば、どのような方法でその負担金を母体行に負担させることができるかということについて言及していただければ、大変私どもとしては参考になる意見であるな、こういうふうに思ったのであります。  また、最後に、「国民の預貯金については、国が全てを保証する。」ということをここへ記述されておりますけれども、すべてを保証する手段、それから「全て」とは元利か元本か、その辺のところもぜひ明らかにしていただければいいのではないかと私は思うのであります。(発言する者あり)
  161. 上原康助

    ○上原委員長 お静かに願います。
  162. 江田五月

    ○江田委員 国会が単に追及と逃げの場ではなくて、こうやってやりとりの場になるというのは、それはそれでいいことだと思います。  しかし、今回私どもの案は、これは逃げで言うわけじゃありませんが、基本方針ですから、それは確かに細かなところまでと言われるとまだ詰まっていないところはあります、それは確かに、率直に言って。ですが……(発言する者あり)いや、そんなことはないんです、詰まるんです、ちゃんと。ですが、今は予算の審議ですから予算の審議の範囲で言っているんで、また法案の審議がこれからありますから、法案の審議のときにきっちりとしたものを出していきたいと思います。  今大臣は、民のことは民に任せて法的処理でと私たちが言っていると。これは私は、やはりねじれがあると思うのですね。むしろ政府の方が、私的整理で、民のことは民に任せて、民の合意で、しかしそこに国が公的に当事者として債務の穴埋めに六千八百五十億円を持っていくという。  私どもの方は、民のことを民に任せ切ると言っているんじゃないんだよ。法的処理で透明な、公正な、もうちゃんと法定された手続で解決すると言っているわけですから、民のことは民だけでやれと言っているんじゃない。紛争の解決は公的な意味があるわけだから、ちゃんと公的に、あるいは法的に関与をしていくと言っているんで、談合じゃないとおっしゃいますが、まあ私は談合だと思うんですね。  やはり今、例えば菅厚生大臣がせっかくああいう、もう官僚の土俵の上ででき上がったものに対してそれではだめだといって、国民の怒りを背景に大きな改革をしようとしているわけですから、私は、今本当にこの住専問題に対する国民の怒りを改革のエネルギー源にして、そして、申しわけないけれども、大蔵省がっくり上げた談合システムでなくて、もっと透明な、国民に説明できる方法で、政治家が決断して日本のこういうシステムを変える。過去五十年続いてきた、あるいは明治維新以来かもしれません、続いてきた日本のこの日本的なシステムを、もっともっと国際的に通用する、国民にもわかるシステムに変えていくという、本当にそういうチャンスなんだと、そう思っているんですが、これはまあ議論ですから。  さてそこで、次の質問に移りますが、私は、この予算委員会、これまで二回、ずっと一貫して民事、刑事の責任の追及ということを聞いてまいりました。  まあ刑事の責任については、これは追及にそんなに障害があるわけじゃありません。時効の壁というのはありますので、今一九九六年の二月の終わりですから、そうしますと、例えば背任とか特別背任とかというのは時効五年ですから、五年前というと一九九一年の二月ですから、今や日々刻々、刑事については時効で免れている人たちがいると思うと、これはもういても立ってもいられないんです。  しかし、この間もちょっと申し上げましたが、これは刑事の時効、公訴の時効、起訴する時効、これを延ばすというのは、憲法問題がやはりあります。やむを得ないというところがあると思います。我々はできることしかできませんからね。しかし、刑事についてはそれはやれる。  しかし、民事の責任追及というのはなかなか難しいところがある。債権の回収は、これはいろいろな手だてを使って知恵比べでやれば回収できてくる。しかし、この住専問題は、単に債権の回収だけじゃなくて、これも今まで言っていますから簡単にしますが、回収という範疇を超えた、損害賠償を求めるということが必要なんだろう。この住専の取締役とか監査役とかが、ちゃんと住専という会社に対する義務を果たしていない。ある人は何も見ずに判を押しているかもしらぬ。  いや、おもしろいケースがありまして、だれでしたか、国会議員の人ですが、どこかの会社の役員になっていて役員報酬をもらっていて、これは住専の借り手でしたかね。それで、何でそんな借り手の会社の役員になって役員報酬をもらっているんだと言われたら、いやいや、自分は単に形式上そうなっているだけで、経営には全くタッチしていなかったから自分は無関係だと、そういう弁解をしている。  いや、国会議員でなくたって同じですよ。そういう弁解は通らないんですよ。役員というのはそんな甘っちょろいものじゃないんですね。役員というのは会社に対してきっちり、あるいは結局は株主に対してちゃんと義務を果たしていく責任がある。その責任を果たしていなかったら、そのことによって会社に生じた損害は賠償しなければいかぬ。第三者にも損害が生じたら、その分まで賠償しなければいかぬ。しかも、それは関係する役員は全部、連帯責任だ。取締役会の議事録に名前を連ねておったら、それはもう賛成したものとみなされますよというような、そういう規定まで全部整備されて、今や固有名詞の時代ですから、取締役だれそれがどういう損害賠償の責任があるということが問われる時代なんですね。  これは行政だって同じですよ。業務局長のだれそれに責任があるのかないのかということが厳しく問われる、そういう時代に今なっているのですよね。自分の任期が過ぎればそれで大過なく過ぎましてという時代じゃなくなってきているわけです、今は。固有名詞の責任の時代が来ているのです。  そうすると、それは住専にもいるだろうし、例えば母体行の役員が紹介融資をする、どうもこの案件は母体行では到底無理だから、住専の方へ持っていってやらそうというので持ってきて、そして住専の方で適当な判断で、担保余力などちゃんと判断もせずに融資を実行する、それによって損害が生ずる、そんなケースがいっぱいある。母体行、銀行ですよね、その銀行の役員にそういう損害賠償責任が生じたら、そういう仕事はこれは銀行の仕事としてやっている。銀行の仕事としてやっていれば、当然これは銀行も使用者として損害賠償の責任を負う、しかもそれは連帯債務になる。同じことは借り手の方にもありますよね。  ですから、そういう損害賠償請求権というのはいっぱいある。もうくどくど言いません、今まで言ったことですからね。そこを私ははっきり認識しておかなければならぬ。だから、大蔵省や銀行から住専に天下りで来て、いいかげんなことをやって住専をつぶして、そして退職金をもらって逃げて、豪邸に住み高級車に乗って、その連中は、単に恥を知るだけじゃだめだ、やはり損害を賠償しなければいけない。  紹介融資で幾らでしたっけ、一兆何千億。ちょっと紹介融資、どのくらいあったですかね。
  163. 西村吉正

    ○西村政府委員 私どもが行いました立入調査によりますと、七社の事業向け貸付金のうち母体金融機関の紹介分は、債権ごとの集計によれば約八千九百二十二億円、債務者ごとの集計によりますと約一兆七千二百八十七億円でございます。
  164. 江田五月

    ○江田委員 いずれにしても、かなりの金額です。そのうちのどれだけ取締役の個人責任が生ずる、賠償責任が生ずるものがあるか、これはわかりませんけれども、かなりあるのだろうということは、まだ想像ですけれども、言えるのじゃないだろうか。  住専に対する銀行、大蔵省からの天下りの役員の皆さんが百二十何人かというのでしたかね、これも数字はあるのでしょう。
  165. 西村吉正

    ○西村政府委員 住専に対する大蔵省の……(江田委員「大蔵省と銀行」と呼ぶ)大蔵省が十三名でございますが、銀行はもっとたくさん、百名を超える方がおられると思います。
  166. 江田五月

    ○江田委員 そうなんですよね。大蔵省が十三名、銀行が百名を超える。そういう天下りの皆さんがおられる。こういう皆さんについて、これはやはりきちんと責任を追及しなければならぬ。  大蔵大臣は、そういうお気持ちでおられると思いますし、そういう発言もされましたが、地の果てまででも追いかけていくという言い方、これは再度確認ですが、もう一度ちょっとお話しください。
  167. 久保亘

    ○久保国務大臣 繰り返し申し上げておりますように、六千八百五十億円の財政支出はあらゆる、特に住専や母体行などの責任を免責したりあるいは債務者の債務を軽減するというような意図は全くございません。むしろ、協議に基づいて住専処理機構を預金保険機構と一体のものとしてつくり上げることによって強力に債権の回収と責任の究明に当たるということでございますから、今、江田さんが言われましたような気持ちでやりたいと思っております。  なお、江田さんは法律の御専門家でございますから、いろいろとお知恵もおかりしたいと思っておりますけれども、私は、損害賠償の請求権というのは、特定されたものはそのまま譲渡されてまいりますけれども、将来、損害賠償請求権を請求すべき事犯が明らかとなったものについては、これを訴追できるという条件で住専からの債権の譲渡を受けておかなければいけないのではないか、このように思っております。
  168. 江田五月

    ○江田委員 大臣のおっしゃる意味を正確に理解しようと今努力をしているところなので、法律用語というのはなかなかややこしいので、私もよくわからない。訴追できる条件で譲り受ける、将来訴追できる条件で譲り受ける、もう一遍ちょっとそこのところを。
  169. 久保亘

    ○久保国務大臣 今、結局、損害賠償請求権がすべて特定できない場合がありますですね。その場合には、おとといですか、銀行局長が包括的と申し上げました。そういう形で、損害賠償請求権というのは今特定されていなくても、そのことが明らかになればこれは請求しますよ、こういうことで移譲を受ける。こういうような立場で、損害賠償請求もそれから債権の回収も全力を挙げなければいけないということを申したのでございます。
  170. 江田五月

    ○江田委員 普通は訴追というのは刑事のことになりますから、なかなか難しいのですが、刑事事件で起訴されるものだけ損害賠償を請求することになるというのじゃ、これは全然足りませんからね。刑事事件は故意が必要なので、民事事件はそんなことはないので、債務不履行、忠実義務違反というようなこともありますし、過失だっていいわけですから、そこはひとつ私も誤解をしてはいけないと思ってあえて聞いたのです。大臣に法律家の用語できっちり答えろとは言いませんので、ただ、大臣のお気持ちを正確に表現していただければそれで結構だと思うのです。  けさの新聞では、政府も個人責任を、民法上、商法上の損害賠償請求の形で行う方針を固めた、こういう報道があります。これは、今のことを新聞が報道していると考えていいですか。まあ、これは新聞に聞くというわけにもいかない。
  171. 西村吉正

    ○西村政府委員 私どもといたしましては、先ほど大臣がお答えになりましたように、住専処理機構は、住専が一定の時期に、例えば譲渡時期に保有する損害賠償請求権を包括的に譲り受けることによりまして民事責任の追及に万全を期したいということで、あらゆる努力を尽くしてまいりたいと考えております。
  172. 江田五月

    ○江田委員 久保大臣の御決意は揺るぎないものであると思います。  なお、やはり損害賠償の請求は住専処理機構、住専処理会社が行うものであって、政府が行うものではありませんが、政府としてはその決意を持ってやっていただくということで、関係するのは、農水大臣も農林系の金融機関の監督者でございますから、やはりそういうお気持ちで、これは直接の当事者にはならないわけですが、内閣の一員として久保大蔵大臣と同じ決意で取り組むということであるかどうか、伺わせてください。
  173. 大原一三

    ○大原国務大臣 直接の私の守備範囲ではないかもしれませんけれども、我々は、母体行の責任ということを強く言ってきたわけでございます。しかも、一兆三千億しかない内部留保の中から半分近くを、五千三百億を供出するわけでございますので、私は、中途半端な追及では困りますよと。やはり母体行というのはお母さんですから、どんなどら息子でもしっかり責任を持ってもらいたいというのが我々の気持ちでございます。
  174. 江田五月

    ○江田委員 法務大臣は、これはやはり法律的な面からそういう知恵を大いに絞っていただかなければならぬと思いますが、同じような決意でおられるかどうか。
  175. 長尾立子

    ○長尾国務大臣 先生が言われました損害賠償請求権の問題、私どもも協力をいたしまして、目的を達するように努力をさせていただきたいと思っております。
  176. 江田五月

    ○江田委員 さてそこで、決意はわかりました、ひとつ途中でくじけないように頑張っていただきたいと思うのですが、決意があれば追及できるとは限らないので、やはりその決意を実行するためのまず仕組みが要りますよね。それからもう一つは、決意があるのだからいいとはいうものの、決意といっても言葉ですから、本当の本当の燃えるようなやる気というものが必要ですよね。  仕組みの点でちょっと聞いておきたいのですが、今の債権譲渡、もういろいろ前から議論していますから当然かと思いますが、早手回しにお答えになるのですけれども、包括的にある時点で住専が持っている損害賠償請求権というものを住専処理機関に債権譲渡をする。私もこれはいろいろ考えて、まあなかなか難しい理屈なのですが、ただ一つ聞いておきたいのは、銀行局長、言い方が変わったのじゃないのですかね。  債権譲渡については、私が二月九日に伺ったときには、「賠償の相手や不法行為の事実がある程度特定されていれば足りる、」と。逆に言えば賠償の相手方や、賠償の相手方というのは当然賠償する当事者、賠償を請求する相手方や不法行為の事実がある程度特定されていなければならぬというそういう趣旨、二月九日にはそういう答弁をされましたね。これはイエスかノーの答えですからね。
  177. 西村吉正

    ○西村政府委員 私が二月九日に答弁申し上げましたのは、  住専の損害賠償請求権は、貸付債権その他財産の一部として、他の資産とともに一括して住専処理機構に譲渡し得るという理解のもとに、当該損害賠償請求権は、譲渡の時点において賠償の金額や具体的内容が特定されている必要はなく、賠償の相手や不法行為の事実がある程度特定されていれば足りる、とお答えしたと記憶しております。
  178. 江田五月

    ○江田委員 それを三回言われまして、三回目には「もう一度読みますと、」と文書を読んで言われたのですね。これは、「賠償の相手や不法行為の事実がある程度特定されていれば足りる、」というのは、「足りる、」というのは特定されていなくてもよろしいということまで含む日本語の表現だとあなたは理解されますか。
  179. 西村吉正

    ○西村政府委員 委員の御質問が、どの程度特定するのかという御質問でございましたので、必ずしも一つ一つ特定されている必要はなく、一括して住専処理機構に譲渡し得るというふうに理解をしておりますし、ある程度特定されていれば足りるので、すべて一つ一つということはないと理解をしておりますというような気持ちで答弁を申し上げたつもりでございます。
  180. 江田五月

    ○江田委員 いや、変わったら変わったでいいのです。別にそれは意見が変わることだってありますから、変わったら変わったでいいのですが、そこはやはり変わったならなぜ変わったのか、その変わった後の見解はどうなのかということをたださせていただければいいのですが、二月九日には「賠償の相手や不法行為の事実がある程度特定」と。今度ついおとといは、ある住専がある特定の日にちに、日が特定されて、ある特定の日にどれだけ持っておるかと。  その中身は、それは一切合財、包括的、網羅的という言葉まで言われて、とにかく自分のところの役員であろうが、母体行の役員であろうが、母体行そのものであろうが、借り手の役員であろうが、借り手そのものであろうが何でもいい、世の中全部だれに対してだって、どんな事実であろうが、住専がその時点で持っている損害賠償は、まるで魔法のつえをぱっと振るかのごとく、単なるこのわずかな数行の言葉で住専処理機構にぱっと移る、そういう趣旨のお答えをされましたよね。それも、されたかされないか。
  181. 西村吉正

    ○西村政府委員 二月二十六日の当委員会において御質問がございました。具体的な契約の記載方法について御質問がございましたので、私は、「特定できるものについてはできるだけ特定して記載するとともに、」できないものはという意味でございますが、その他住専が何年何月何日現在保有する損害賠償請求権を譲渡すると記載する旨、具体的にお答えを申し上げたと記憶しております。
  182. 江田五月

    ○江田委員 一々細かく細かく詰めるのは私も嫌なんですけれども、局長、やはり多少親切に答えてほしいのです。  では、おととい答えたときのものは、具体的に相手方とかある程度の事実とか特定できるもののその他、何月何日に住専が持っている損害賠償債権という言い方をした場合は、二月九日の基準でいえば、それは賠償の相手方や不法行為の事実がある程度特定されていないわけですから、それは債権譲渡できていないけれども、書いてあるだけだというのか、それとも二月九日の基準にもかかわらず、その部分も債権譲渡できているという判断なのか、そこはどうなんですか。
  183. 西村吉正

    ○西村政府委員 私の御説明が適切でなければおわびを申し上げますが、私ども、関係者の間でこの問題について詰めましての認識といたしましては、先ほど申し上げましたように、特定できるものについてはできるだけ特定して記載することが望ましい、特定できないものにつきましても、先ほど申し上げましたような記載をすれば包括的に譲渡ができるであろう、そういう理解をしておるわけでございます。  したがいまして、九日に答弁申し上げました「ある程度特定」ということを非常に厳密にある程度特定されていなければいけないと言っておったのが、もっと広く解釈できるような表現になっておるではないかという御指摘でございましたら、あるいはそのように私の御説明が足りなかったかもしれません。
  184. 江田五月

    ○江田委員 説明が足りないという言い方でもそれはいいのかもしれぬけれども、本当はそこはやはり変わったんだとは思いますよ。しかも、今の言い方も微妙ですね。何と言われましたかね、何か、されるかもしれないとか、であろうとか、理解しておるとかなんか。しかし、あなた方が理解するんじゃなくて最終的には裁判所が理解するのですから、裁判所の理解はどうなるのかというのは、ちょっとこれはだれに聞いていいか、裁判所の理解ですから難しいですが。  法制局長官、長官は二月九日のときには、これは、債権譲渡ということになると、債権の譲り渡し者と譲り受け人の間の合意が要る。その旨の債務者に対する譲渡の通知が要る。これは対抗要件ですがね、その人に対する。「したがいまして、」と言うんですよ。  債権譲渡、損害賠償債権の譲渡のためには、だれが債務者であるかということは当然ある程度確定していなければいけませんので、その程度のことは判明しておらなければそもそも不法行為債務の譲渡ということはあり得ないわけです。そう答えられましたよね。
  185. 大森政輔

    ○大森(政)政府委員 前回の答弁におきまして、今委員が読み上げられたような言葉で御答弁申し上げたことは間違いございません。なお、付言をお許しいただきますれば、若干そのとき私の頭の中で考えていたことを付加説明させていただきたいと思います。  委員重々御承知のとおり、債権譲渡のためには当事者間の債権譲渡の合意と、その旨の第三者への、債務者への通知という対抗要件が要る。  そこで、前回私が申し上げましたのは、債権譲渡が完全な効力を生ずるためには一体どういう要件が必要かということに焦点を置きまして、そのためには債権譲渡の通知が要る。債権譲渡の通知をするためには、もちろん債務者がだれかということは、これはある程度の確定が必要です。その上で、加害行為の概要など他の債権と識別することができる程度の特定をした上、その事項を示して通知しなければ完全な債権譲渡の効力が生じないということを申し上げたつもりでございます。そのような趣旨で御理解いただきたいと思います。
  186. 江田五月

    ○江田委員 いろいろ言われますのが、後でああいう趣旨だ、こういう趣旨だといろいろ言われて、その都度こちらの理解も変えなければならぬというのはなかなか大変ですので、ひとつそこは本当に責任を持ってきっちり答えてほしいのです。  完全な債権譲渡、不完全な債権譲渡、この区別もちょっとややこしいので、私は、そんなことを言うよりは、当事者間ではこういう意味の契約が成立している、あるいは第三者に対してはまだこういうことが必要だ、あるいは当事者間でもまだいろいろなことが確定していない段階では、後々そういう債権があることがはっきりしたときにその債権を譲渡しなければならぬという、あるいは譲渡を受ける権利があるというそういう契約関係にその債権譲渡契約を結んだ当事者間は立っておって、そして後に今度そういうものが明らかになったらまたそのときにちゃんと個別に譲渡するという方がよっぽどすっきりすると思いますよ。  そうでないと、だって、何月何日ということで包括的に、網羅的に全部債権譲渡をやりましたら、そこから先まだわけのわからぬ、だれが義務者なのか、どういう不法行為で賠償することになるのかなんだとか決まっていない債権について、例えば善良な管理者の注意義務はだれがそのとき負うのかとか、あるいはそれが取れなくなったときにだれが危険負担を負うのかというのは、どういうことになります、これは。これはちょっと試しに答えてみてください。
  187. 西村吉正

    ○西村政府委員 ちょっと試しにというのは私、そういう自信はないのでございますけれども、お答えになりますかどうか。  私どもは、先ほど申し上げましたように、住専処理機構が、住専が一定の時期に保有する損害賠償請求権を包括的に譲り受けるというような方法によりまして、民事責任の追及に万全を期し得るような、そういう努力をしてまいりたいと思います。  そのような方法として具体的にどのようなやり方が一番適切であるか、私どもなりに今詳細を詰めておりまして、現段階での私どもなりの考え方というのはございますけれども、御示唆がございましたらまたお伺いいたしまして、そのようなことをも反映させてまいりたいと存じます。
  188. 江田五月

    ○江田委員 いや、それはもちろんいろいろ私も知恵を絞りますけれども、皆さんは政府で、そちらにおられる、それを支える与党で、我々は野党ですから、ちょっとそうまで言われても困るのですが、やはり本当にやる気でやってほしいんですよ、これは。今の仕組みではなかなかやれないんじゃないかと本当に心配しているのです。  それは、住専が自分の役員に対して、あるいは自分のかつて役員だった人に対して損害賠償を請求するということなんでしょう。それが、ある日ぱっともう全部この住専処理機構に移っちゃったというんでしょう。それから一体住専はどうやってそんなものを一々掘り出すのですか。住専処理機構は、受けたときに何が入っているか、中がわからぬですよね、これは。どの役員にどういう損害賠償請求権があるのかわからずに受けているのだ。(発言する者あり)玉手箱、あけてみたって何もない。そんなものは請求できないという心配が非常に強いから、しかし大蔵大臣のさっきの決意は何とか実現してほしいから私は言っているのですよ。  じゃ、例えば今住専がいろいろ持っています。帳簿があります。稟議書もあります。いろいろな関係の書類があるでしょう。伝票もあるでしょう。そういうものは今どうなっているのですか。これは証拠保全か何かされるのですか。あるいは、今もう大蔵省が持っているのですか。どうなっているのですか。
  189. 西村吉正

    ○西村政府委員 現段階におきましては、住専はまだ普通の民間の会社として存続しておるわけでございますので、それは現段階においてはそのままでございます。もとより、これだけ熱心な議論が続いているわけでございますから、住専の関係者あるいは母体行の関係者にいたしましてもそういう点で遺憾のないように努力をしておるとは思いますが、法律的には住専という民間会社が従来どおりそういう資料を保管しておる、こういうことでございます。
  190. 江田五月

    ○江田委員 私は、これは証拠保全か何かすべき事案だと思いますよ。稟議書なんかどこかへ行っちゃうんじゃないですか。それはちゃんと保管していると思いますけれどもとおっしゃるけれども、国民は、それはエイズのときでもああいうことですから、やはり信用していないですよ、そんなに、幾ら皆さん胸を張られても。  債権譲渡のときにそういう帳簿書類、伝票、稟議書、全部これは住専処理機構に移されますか。
  191. 西村吉正

    ○西村政府委員 現段階におきましても、住専の経営者に対しましては、現在の経営者として誠実にそういう書類の保管あるいは債権の保全というものを図ってくれということを私どもなりに現在の状況の中で依頼をしておりますし、またそれに誠実にこたえてもくれていると信じておりますが、なおこの処理案をお許しいただきまして実行をする段階になりましたら、御指摘のように書類等を一日も早く移しかえるというふうに私どもも考えております。
  192. 江田五月

    ○江田委員 本当に書類等をちゃんと移しかえるのかどうか。移しかえたものは私たちにも見せていただけるのですかね。  まあ、などなど言っておりましたら時間が来まして、これは本当に山ほど問題があるのです。そして、私たちの対案ですと、その山ほどの問題がちゃんと解決つくんです。それが大切なところなんです。きっちり責任の追及もできるし、ちゃんと透明な説明のつく配分もできるのです。そのことがやれる方法があるのに、なぜそれをとらないかということを、最後に私は憤りを持ってここでお訴えをしておきたいと思います。  終わります。
  193. 上原康助

    ○上原委員長 これにて江田君の質疑は終了いたしました。  次に、松岡滿壽男君。
  194. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 新進党の松岡滿壽男であります。  前回の江田さんの質問の趣旨が生きまして、新進党といたしましては、ただいま江田議員のお話がありましたように、日本版RTCの対案ができたわけでありまして、先ほど来の御指摘をぜひ真摯に受けとめて、悪い人たちが天国に行くことのないように、地の果てまで、地獄の底まで、とにかく大蔵大臣は追っかけていくということを言われたわけでありますから、ぜひひとつそういうことでお願いをいたしたいというふうに思います。  長時間の御審議で、多少気分を変えたいと思うのですが、副総理は、こういうゲンダイとか、夕刊紙ですけれども、夕刊フジとか、こういうものはごらんになったことがありますか。
  195. 久保亘

    ○久保国務大臣 大変忙しくいたしておりますので、ほとんど見る機会はございません。
  196. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 今副総理という御要職で秘書官やSP、車での行き帰りですから、ごらんになる機会はないかと思うのですけれども、私も、昨日実は親戚の不幸がありまして、電車に乗りまして久しぶりにこの新聞を見ました。今、それこそつめに火をともす思いで一生懸命働いて住宅ローンを払っている、そういうサラリーマンの皆さん方、夜八時、九時、電車に乗りますと、ほとんどの方がこういう夕刊紙を見ておられますね。  それで、私も実はこれは気がつかなかったんですけれども、参議院時代に、サラリーマン時代の友達と一杯やるといろいろ政治の話が出てくるわけですよ。どこから情報が入るのかなと思って聞いてみたら、こういうところから出ているのですね。それで、私ども国会でやれば一つも出てこないような話がどんどん載っているんですよ。  やはりこういう夕刊紙が出ている大都市部は、だから時の政権、自民党とか社会党に対して非常に批判が強い。我々田舎の方は、こういう夕刊紙がないものですから情報が流れてこない。そのぐらい情報というのは大事な時代になってきている。間違った情報であれば、やはり真摯に受けとめられてきちっとした情報を国民に流す、それだけの判断ができる教育水準の高い我が国になっておるのですから、そういうことをもう少し考えていただきたいなという思いがいたすのですね。  それで、例えばきのう見ましたところに、一面が「橋龍炸裂十億円爆弾」「ミドリ十字非加熱製剤回収ウソ報告」「この国は民主主義国家ではない」「京都市長選で表明された選挙民の民意を無視して税金投入の凍結も見直しもしないという国民をナメ切った連立三党のファッショ政治」「住専処理策は変えようがないという橋本首相と解散総選挙は来年七月という加藤幹事長発言は国民をバカにしている」「まともな野党が一つだけという救い難いこの国の政治の異常」「自民党は元の腐敗政党に逆もどり、社民党・さきがけは次の選挙で消滅必至、」云々、こういうのが表に出ておりまして、二面、三面にずっと出ているのですね。それを本当に働いて一日の仕事でくたびれ果てた人たちがずっと見ておられる。そうすると、私どもの知らなかったような中身がどんどんこういうところに出ているのですね。  こういう状態の中から、ここに立ちますと必ず橋本内閣の支持率のお話を申し上げて恐縮に存ずるのですけれども、二十日の日にも橋本内閣の支持率、これについてお話をしたんですけれども、官房長官は、住専問題に対して国民の厳しい目が向けられていることが反映されていると率直に発言をなさったわけです。  私はやはり、政治家というのは、先ほど来申し上げております国民の目線といいましょうか、そういう生活感情に根差したものがきちっとなければならないし、そういう国民の意見、考えにやはり耳を傾けて国民のための政策を実現していくという、これに全力を挙げるということがやはり一番基本でなければならないというふうに思うのです。  今回いろいろと、国民に対して情報の開示、それからやはり今までいろいろな問題を起こした人たちの責任をきちっととるということについての議論がなされてきたわけでありますけれども、まだまだやはり国会における議論というものが不十分だったということがアンケートの結果とか今の新聞紙面に出ておるわけですね。  けさの朝日新聞を見ましても、内閣支持率は四七%、かつての六一%というものからずっと下がってきておる。それから、住専に税金、反対八七%、説明不十分が九四%、それで政府側の対応には七〇%が評価していないというのがこの朝日新聞の一面のトップになっております。  それから、いつもここで申し上げている「報道二〇〇一」ですか、これの二月二十二日の調査段階では、支持するが四〇・二%、支持しないが四八・〇%に実はなってきております。同じ調査機関の調査では、一月十一日の調査で、支持するが五二・二%、しないが二九%であった、これはやはり私は正直な世論の動向だと思うのですね。  前回と同じような御質問で恐縮に存じますけれども、この世論の動向と住専問題をめぐる政治のあり方につきまして、率直な御感想を、きょうは官房長官もおられませんから副総理からお伺いをいたしたいというふうに思います。
  197. 久保亘

    ○久保国務大臣 副総理という立場で内閣を代表して申し上げる立場には今の問題についてはないように思いますが、私、一人の閣僚、政治家として、議会制民主主義の基本は、国民世論に対して絶えず謙虚に耳を傾けること、そしてそのことを大事にするという気持ちを持つことだと思っております。  しかし、そのことによって今の進めようとする政策がどこに難しさがあるのか、そういうことについて真剣に考えてまいることが非常に重要なことだと思っております。そのことについては、私どもは私どもなりに、いろいろな世論調査の結果というものに絶えずこうべを垂れて注目することが大事であろうと思っております。
  198. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 大臣、そうおっしゃいましても、この住専問題をめぐる国会論議で問題点は十分解明されたかという設問に対して、先ほど例を挙げました調査によりますと、そうは思わないが実に九四・六%なんですよね。朝日もやはり九四%の国民の皆さん方が十分に説明されていないという受け取り方を実はしておるわけですよ。  こういう問題に対して、例えばなぜこの住専問題で税金を投入するかということが一つも理解できない。一次処理もそうでありますし、二次処理になると、この国会での御説明を伺っていると、二分の一は負担するということだけはわかっておるけれども、一体どのぐらいのものになるのか全然わからないという状況なんですよ。今の段階でももう既にそういう状況である。  それで、ましてややはり、先ほど江田さんが追及されたように、そういう債権の保全というものがどういう形でなされていくかということも非常に見えにくい状態、むしろそういう人たちを逃がしていくような仕組みに政府の提案はなっている。そういうことに対しても素朴な疑問を皆持っているわけですよね。それぞれやはり、民間で仕事をし、生活している人たちの感覚からすると、お役所のそういう感覚というのは、もう全く天と地と離れてしまっているのですよ。そこがまた全然国民の胸に伝わってこないということなんですね。  こういう状況の中で、多数決で、力によって強引な採決に走るということになると、国民の政治不信というのは大変なものになってくると思うのですね。私は、ある面では、私自身も消費税を経験した、身をもって経験した一人でありますけれども、あれ以上に高まり、うねりがあるのですね。だから、そういうものに対してもう少し、そういう国民不在の政治にならないようにやっぱり真摯な努力をしていただきたい、我々はそういうふうに思うわけですよ。こういう民主政治の根幹を崩すような政治手法は、政府・与党は絶対に回避すべきだと私は思うのですね。  やはり我々が要求している証人喚問とか、いろんな問題がたくさんまだあるわけですよ、村山さんの問題とか。恐らく、村山さんが二月の十四日に朝日で言われたことは、私は本音だろうと思うのですよ。「人にやさしい政治」を心がけて頑張ってきておられる。だから私は、大蔵大臣も本音の部分はあるのじゃないかと思うのですね。それは我々も感じるし、国民もそれを感じていると思うのですね。だからそういうことに対して、こういう国民世論に対して、ほとんどの人が全然理解できない、説明不十分だということに対してどのようにおこたえいただくか、ぜひひとつ大蔵大臣、お答えをいただきたいと思うのです。
  199. 久保亘

    ○久保国務大臣 国会の御審議をどのようにお運びになるかは、これは国会で委員会の皆様方がお決めになることだと思っておりまして、私の方からいろいろ申し上げる立場にはないと思います。
  200. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 せんだって梶山官房長官が、二十日の日ですか、私の質疑に対して、金融不安になるよりは国民の不満があることの方がまだましたというような御答弁がありました。これはある面では、景気も十分な離陸ができてない、それはわかるのです。だけれども、金融不安になるよ、この六千八百五十億円を投入しなければと、説明も十分されずに、片方で国民を心理的におどしていくというような形にもとれないことはない。まあしかし、京都の市長選挙の結果で、それに対するニュアンスが大分変わってきておるようでありますけれども、先ほど伊藤達也議員も質問をしておったのですけれども、それじゃ、これをしなければどういう金融不安になるのか。  せんだっての質疑でも申し上げましたように、あの低金利政策の中で、たった二年間で国民の受け取るべき利益、利子所得というものが十兆円も消えてしまっている。それはやはり母体行の方の体力に行っているわけですね。空前の利益を出してきておる。だから十分に、橋本総理が言っておられるように不良債権全額で三十八兆、そうとも思えませんが、外国はもっと何倍というもので見ておるようですけれども、私はやっぱりそういうものを、全体像を見せて国民に言うならいいけれども、本当に象のしっぽだけつかませてこれが象だなんて言っているから皆怒っているわけですよ。だから全体の、そういう金融不安があると言うなら、金融システムの安定ということを言われるならば、こうしたらこういう問題があって安定するんだよと、どういうパニックになるのかと、やはりそれを見せていただかないと、非常に誠実なお答えというふうに我々は受けとめることはできないのですね。どうも何かおどかしているのじゃないか、わからないなと。  先ほど同僚の伊藤議員の質問に対して官房長官お答えになりましたけれども、それじゃもう全然わからない。時間がないから彼は再質問しなかったわけですけれども、この辺ちょっと、政府案を実施しなければどういう問題が発生して、どういう形で金融不安が起こって金融パニックが起きるのか、これをひとつ御説明いただきたいと思うのです。
  201. 久保亘

    ○久保国務大臣 何回か申し上げましたように、この問題は、結果を出す実験をやれば取り返しのつかないことだと思っております。したがって、我々は、予測される事態を未然に防止する政治の責任を果たすということだと考えております。
  202. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 今の御説明ではやっぱり国民はわからないと思いますよ。だからやはりこういうアンケートの結果が出ているのですよ。全然説明不十分。九四%ですよ。一〇〇%近い数字じゃないですか。国会で議論しても、ああいう、政治の責任を果たすと言ったって、禅問答みたいな話ですよね。  どういうパニックになるのでしょうか、どこがどう問題が起きるのでしょうか、御説明いただきたいと思います。
  203. 西村吉正

    ○西村政府委員 住専関連の債権債務関係は、全体で十三兆円あるわけでございます。  この債権債務関係を一日も早く処理をいたしまして、日本経済全体に覆いかぶさっている暗雲と考えられているものを晴らさなければならない、これが多くの方々の住専問題に対する意識であろうかと存じます。  ところで、この十三兆円の債権債務関係をどう処理するかということに関しては、当事者の間で非常に考え方の隔たりがございます。例えば、例えばでございますけれども、ある立場に立つ方はすべて母体行の責任だ、したがって、自分たちの負担はゼロであるというようなお立場の方もおられるでしょう。他方におきまして、国際的な基準からいたしますと、融資額の比率で分担するのが透明性が高いというお考え方の方もおられるように思います。その両者の間の考え方の差によって、ある分野の方々の負担というものは非常に大きな隔たりがある。そのような問題を放置したままで推移いたしますと、その金融機関の経営というものは将来どうなるのであろうか、すなわち、その金融機関にお金を預けている方の立場から見るならば、自分たちの預けているお金はどうなるのであろうかという点について大きな不安をお持ちになったとしても不思議ではないと思います。  そのような場合、預金者の方々の行動として、まあ大丈夫ではあろうかと思うけれども何も金融機関は一つしかないわけではない、郵便局もあれば大きな銀行もあるということで、念のため自分のお金を少し別のところへ預けかえてみようというようなお考え方の方がたとえ二割でもあったとすれば、これは大変に大きな資金の移動になろうかと思います。仮にそういうことが起こった場合に、何も経営危機に陥っていない金融機関まで大きな、不安定な経営状況にさらされるということは、一般の産業と違って金融業というものの特質から十分あり得ることでございます。  私どもは、そのような可能性が、半分以上の可能性があるというようなことではなくて、前武村大蔵大臣はたしか二信組問題のときに、たとえそういう可能性が一〇%でも五%でもあった場合に、その事態を未然に防止するのが金融行政当局の務めだというような御答弁をされたように記憶しておりますけれども、私どもといたしましても、そのような可能性は少しでも未然に防ぐということが金融行政当局としての務めであろうかと考えている次第でございます。
  204. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 一億二千万の国民は、非常にまじめに働いて、つつましく生きているわけですよ。老後のために、住宅ローンのために、子供の教育のために、つめに火をともすように生活を切り詰めて暮らしているわけです。そしてせっせと貯金しているわけですね。この国民の大切な預貯金が住専を通じてバブル企業に流されて、数兆円の金が地上げ、土地転がし、株の仕手に使われて、勝手放題に浪費されたというのが住専問題ですよ。バブル紳士が無銭飲食したツケを国民に回すというのが今回の政府の住専処理。こういう提案に賛成するほどやはり国民はお人よしじゃないと思うんですね。こうした発想は、国民から選ばれた政治家の発想ではない。まさに、現実の国民の本当の生活というものが頭にない、そういうやはり私は官僚の発想そのものだというふうに考えるんですね。  大蔵大臣、あなたが処理案をまとめる段階で大蔵大臣の職にあったとすれば、あなたはこの処理案を認めたと思いますか。
  205. 久保亘

    ○久保国務大臣 仮定のことにはお答えできません。
  206. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 結局、武村さんが日本経済の霧を払うということでやられたわけですけれども、いろいろこの質疑の中から出てくるのは、まさに霧そのものをそちらの方から発生させてきている。いろいろな面で、例えばこの前の覚書問題でも、楢崎先生が指摘されたように、結局、森本さん親子、そういう関係も絡んできておる。役所の中での行政の密室性が指摘されておるわけですね。  そういう中で、この前参考人で来られた寺村前銀行局長ですか、大臣にはあるいは総理にも御報告してないと、覚書について。しかしそれについてはまたいろいろな、雑誌あたりを見てみますと、「「大蔵大臣、事務次官に報告しなかった」と言い切った」これは明らかにうそをついている、「上部に報告しなかったと答えることで、大蔵省の罪をかばい、その犠牲になるつもりなら」それはばかげた話だと、こう雑誌に出ていますね、週刊ポストに。それで、当時を知る大蔵省首脳の証言は、「あの覚書は、官邸も承知した上で交わされたものであることは間違いない。」「だいたい、覚書を交わしたわが省の寺村も、農水省の真鍋も、肝の小さい人物として知られている。政権中枢の了解がないかぎり、金融機関に元本を保証する約束など、手が震えてサインすらできなかったはずだ。それが常識です」と、これは大蔵省首脳の証言が出ておるわけですね。で、これにやはり加藤官房長官が指示をしているという部分があるわけですよ。  このように、やはり私は……(発言する者あり)これは国民が見ているわけですから、こういう雑誌を。何ぼあなた方が言われてもですね。それは、こういう護送船団方式と言われるいわゆる指導方式、それから大蔵省から金融機関への大量の天下り、こういう問題が指摘されて、いまだに解明されていないというところがあるわけです。やはり国民は、この住専問題の問題点は全然解明されていないというふうに強い不信感を持っているわけですよ。私は、やはりこの六千八百五十億円については、きのうも新進党として申し入れをさしていただいておるわけですけれども、平成八年度の予算案から削除されるべきだというふうに思うわけであります。  不良債権問題についてきちっとした対応ができる我が党の提案に従ってひとつそういう体制を、早急に解決すべきだというふうに思いますが、大蔵大臣の御見解を伺いたいと思います。
  207. 久保亘

    ○久保国務大臣 本委員会を中心とする国会の御審議の模様は、私どもも注意深く、熱心に聞かしていただきました。その上に立ちまして、与党三党の党首会談も開かれ、この審議を踏まえた上で政府提案を成立をさしていただくという方針を確認をいたしております。  なお、まだ審議が終了しているわけではございませんので、今後いろいろと御審議が続くと思いますが、本日の段階はそのようなことで考えております。
  208. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 民間の金融機関の不始末とか、届け出だけで開業している金貸し業者の不始末にこういう公金を投入するということについての理解が全然国民の方にはできないわけでありますが、アメリカの貯蓄貸付組合の破綻では、当事者、関係者千人余りを逮捕して、厳しい刑罰に処した上で預金者保護のための公費を投入しているんですね。前段がきちっとあるわけですよ。そういう手順をやはり踏むべきでありますし、我が国ではもう初めから公費を投入しちゃって、幾らになるかわからない二次損失に対しても半額も財政負担をすることを前提にしているわけですね。  こういう、民間に対して救済をするというやり方は、今まで我が国にはなかったわけでありまして、いつからこういう社会主義体制になったのか。民間の金貸し業の失敗にまで税金で手厚い救済の手を差し伸べるシステムは、自由主義国家にはないシステムだと思うんですね、これは。村山前総理は社会主義者であったわけでありますが、このような処理策をどうして認めるのか、我々にはさっぱりわからない。ですから、本音はやはり、この前朝日の「政治の責任を聞く」でおっしゃっておられたことだろうと思うんですね、村山さんの本音というものは。  私は、そこで、この際いろいろ申し上げたいことがあるんですけれども、やはり今回のいろいろな委員会での審議の仕方を見てみましても、委員長はどんどんどんどん先に進められる、それで矢面に立っておるのは久保大蔵大臣。そういう中で、やはり社会党の皆さん方の変質といいましょうか、そういうものがやはり国民の目に見えてきておるような感じがいたします。私は、そういう意味におきまして、本音はほかの部分にあるだろうと思うんですけれども、やはり、これだけの国民の反対がある住専問題について、もう一度、従来歩んでこられた社民党の皆さん方の党内での論議、いろいろな形でしておられると思うんですけれども、余計なお世話かもわかりませんけれども、国民の立場に立った議論はやはり尽くしていただきたいと思うわけであります。  さて、先ほどの寺村前局長の答弁の問題ですが、二月十五日にははっきりそういうことを、さっきポストにありましたように、議事録調べても、御報告してないと言っているんですよ。それは、我が党の北側議員の質問に対してそういう御答弁をしておられる。ところが、翌日の十六日の錦織さんの質問に対してはニュアンスが変わってきておりまして、住専処理についての基本的な考え方については報告をしておる、その中でやったんだというような形になっておるんですね。  こういうことで、しかも雑誌からいろいろな憶測が書かれるということは、国会での参考人としての発言、それに対するやはり責任は持ってもらわなければいかぬと思うのですね。本当のことを言わない、そしてある面ではうそともとれるような発言が責任者から出てくるということは、これはやはり国民から見ても許しがたいことだと私は思うのですね、国会の席でそうなのですから。それは、しかし、大蔵省の中での一つの英雄になろうとしたのかどうなのか、それはわかりませんけれども、それはやはり国民から見たら全く理解を超えたものだと思うのですね。  HIVの非加熱製剤の問題とか、「もんじゅ」の事故とか、あるいは官官接待であるとか、この住専をめぐる参考人招致の中で、かつての責任ある人たちが発言したこと、それはまさに梶山官房長官が言われたように、やはりいろいろな面で認識の過ちもあっただろうと思うのですが、そういうことについて、やはりこれだけの問題を起こして、済まなかったと、責任を感じるという言葉が一つも出てこない。ここに私は重大な問題が、官の姿勢がやはり今厳しく問われているときに、あるだろうと思うのですね。  いわゆる官と民との、ミドリ十字にもありましたように、癒着、秘密主義、天下りの弊害、独善主義、こういう官僚主導と言われ続けてきた体制のほころびが一気にやってきているという感じがするわけであります。組織とか制度の改革が求められているときに、せんだっても私は申し上げましたけれども民間会社というものが、大きな時代の変化、外的要因の変革に対して内部の方から組織もどんどん変えていく、生き残るために。そして新しい商品を開発するために血を流し、汗を流しながら、あらゆる努力を払って国民の消費に対する需要というものを調査して、その時代に合い、国民の欲求に合う商品をつくり出していく、これがやはりずっと生き残っていくために大切なのですね。  ところが、今の官僚の仕組みを見るとそれができていない。これはやはり、まさに後藤田先生がおっしゃっておられるように、非常に保守的になる。現状を守るということについてはすばらしい能力を持っているのですよ、お役所というのは。私はそう思いますよ。ところが、やはり事態が変化していく、それに対応する能力というものが非常にない、だから法令と予算を適正に施行する。保守的であるし、現状肯定。  しかし、今国民が求めている新しい――例えば今度のスキームも、住専処理のスキームはほとんど役所でやっておられると思うのですよ。いわゆる民間の発想、政治家の発想という部分がないのですよ。それはいつまでも現状肯定であるし、保守なのですよ。しかし、それでは新しい時代を迎えることはできないのですよ、この金融システムは。だからその部分については、やはり私は、政と官の関係を抜本的に改め、政治のリーダーシップを確立しなければならぬと思う。これは政権担当者の立場から、そういう問題についてのお考えを承りたいと思います。
  209. 久保亘

    ○久保国務大臣 今お話しになりましたことで、特にやはり新しい時代がやってきているその中で、政、官の関係についても、また行政府自体の改革についても、抜本的にいろいろと検討が加えられ、改革すべきものを思い切って改革する時代になったのだということは、御指摘をまつまでもなく考えております。そのことは、既に政府におかれても、連立政権が最初に誕生いたしますときから行政改革ということが最大の政治課題として論ぜられたのは、そのような時代を反映するものだと考えております。  やはり、政、官の関係も、官主導で日本の政治が動くということが今日までの時代の批判を受ける一つの側面であったとするならば、それらのことについて改革をするということは、政自体がみずからを改革するということも大変重要なのではないかと考えております。
  210. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 おっしゃるように、やはり政治家もみずからの自己改革をきちっとするという姿勢がもちろん当然だと思います。その中から新しい時代の政治家と官僚との分業体制というのをきちっとやっていく。政治家はやはり国民から政策づくりを委託されているわけですからね、我々の方がそうなんですよ。それから逃げておったという部分がないとは言えないと私は思いますね。だから、それがきちっとかみ合うような仕組みを新しい時代に向けてつくっていくということがやはり我々政治家の責任であるし、同時に、せっかく全体の奉仕者としてこれだけ有能な官僚の皆さん方がそろっておられるわけですから、やはりお互いの分業体制を、ここで反省して体制づくりをしていくということが大事だというふうに思うのですよ。  公務員の綱紀、規律については、総理を初め各省庁において適正な指導がなされておると思いますし、せんだっての質疑におきましても、橋本総理からそういうお答えがありました。  前回ちょっと時間を食い過ぎたものですから、会計検査院の院長にもお越しいただいていたのに御質疑できなかったわけであります。  国民の税金が適正に処理されているかどうか厳正に検査する機関として会計検査院があるわけでありますけれども、立法、司法に属さず、内閣から独立した外部監査機関として位置づけられておるわけでありますが、会計検査院の仕事ぶりについて、平成五年度において、会計検査院の予算額百四十一億円に対して、不当などの指摘を受けた金額が百四十一億円余りであったために、予算と見合うだけの検査をしているという、マスコミで実はやゆをされたことがあるわけです。平成六年度は、百四十五億円の予算に対して約二百四十三億円の指摘金額を明らかにしておるようであります。しかし、実際に実地で検査が行われるのは全体の一割程度でありまして、大半が書類検査という体制というふうに聞いております。  しかし、せんだってのマスコミ報道の中で、接待検査というけしからぬ事例も実は指摘をされます。官官接待の問題、多額の食糧費の問題、国庫補助事業にかかわる食糧費の問題として指摘されて、改善措置が示されております。そういう現在の会計検査院の仕事ぶりというものにつきまして、人事の面での制約もありやしないかという感じが実はするわけですね。大蔵省がつくった予算のチェックを会計検査院はしておられるわけですけれども、ほとんどやはり大蔵省から行かれた方々がやっておられるという、奇妙な流れが一つある。現在の会計検査院の先ほど私が指摘しました問題点、あり方について、院長の御見解を承りたいと思います。
  211. 矢崎新二

    ○矢崎会計検査院長 お答え申し上げます。  会計検査院は、委員が御指摘のとおり、内閣から独立した憲法上の財政監督機関といたしまして、毎年多種多様の事業についてさまざまな観点から検査を実施いたしております。検査の施行率については、御指摘のように、例年実地検査は検査対象機関の一割弱ということではありますけれども、中でも本省、本庁のような主要な場所については四割程度の施行率となっていまして、重点的な検査をするように配慮をいたしております。  また、指摘額と本院の予算額についても言及をされましたが、検査に当たりましては、その年々によって重点的に取り組むテーマを定めて実施いたしております。したがって、検査の結果も当然毎年異なってくるものであります。本院の予算額と検査報告に掲記した事項の金額とは何ら関係のないものでございまして、過去の各年度の計数を見ましても、このことは明らかになっておるわけであります。  また、官官接待についてお取り上げいただきましたが、いわゆるこの官官接待の問題につきましては、会計検査院は、昨年の検査においてこれに取り組んで、緊急調査を実施いたしました。先日、国会に提出されました平成六年度の検査報告に掲記いたしましたように、補助事業で行う公共事業の食糧費の使用の問題にメスを入れまして、原則として懇談会の経費は補助の対象としないこととするなどの改善措置を講じさせたところでございます。  また、検査官の人事のことではないかと思いますが、私からお答えするのはいかがかとは思いますけれども、御指摘がありましたので、私の認識を申し上げさせていただきたいと思います。  会計検査院の意思決定機関であります検査官会議を構成する検査官につきましては、検査報告に掲記いたします指摘事項等についての決定に関する判断の公正を確保するために、行財政あるいは法律関係について豊富な知識と経験に基づいた公正な判断力を備えているということが強く要請されていると思います。このために、検査官につきましては、内閣においてこれらの要件を十分考慮いたしまして、国会の両議院の御同意をいただきまして任命しておられるものでございまして、現在のような構成になっているものと認識をいたしておる次第でございます。  以上、いろいろ申し上げましたが、会計検査院といたしましては、限られた人員、予算の中にありまして、研修の充実、徹底による職員の検査能力の向上でありますとか、綿密周到な計画に基づく効率的検査の実施でありますとか、あるいはコンピューター等の導入による検査能率の向上などにも心を砕いているところでありまして、国民の期待にこたえる会計検査の推進のために、今後とも一層努力をして、本院の職責を果たしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
  212. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 先ほど、時代の変化に合わせて、民間の企業、組織というものはどんどん変えていっているんだというお話を申し上げましたが、まさに明治以来、こういう国の検査機関、それから地方も後ほど触れるのですけれども、監査委員会なども、ほとんど人事面は、例えば市長部局から行っている。会計検査院も、矢崎さんも大蔵省の御出身でありますが、大体大蔵省がつくった予算のチェックを大蔵省出身の人がされるという仕組みになっているわけですね。それはやはり私は、基本的に問題がありはしないかという感じがいたすのですね。だからそういう問題も、民間の方をある程度会計検査院の中に、例えば公認会計士を入れるとか、そういう組織とか人的な面での流れをよくしていくという発想も、私は今の時代大事だと思うのです。  これは、国・地方を通じて、例えば地方の監査委員会などについても後ほど申し上げたいと思うのですけれども、今いろいろな状況の中で、お役人だけはきちっとしてもらっていると、事実、今きちっとしている人たちが大多数ですよ。だけれども、不祥事件がたくさん出てきている。余りにも出てきている。だから、政治家はちょっと問題があるかもわからぬがお役所は大丈夫だと思ったのに対して、大分それが揺らいできているのですよね。だから私は、国・地方を通じて、そういうチェック機関というものをもう一度再生していくということをやらなければならぬときに、残念ながら来ているのじゃないかと思うのです。  だから、これは大蔵大臣、どうなんですかね。実際に、独立した機関とはいいながら実質的には人事で行っているということは、これはやはり国民から見ても疑問に思う。例えば、天下りの問題も皆そうですよ。企業とはいいながら、日ごろ指導している、監督している、されているという関係でずっといくわけでしょう。全部どんぶりになつちゃうわけですよ。  だから、密室の中で何が行われているかわからないというのが、今の、大方の国民のすべてに対する疑問なんですよ。どこか我々の知らないところで何か決まっていくんじゃないかという、いわゆる談合政治という言い方、すべて談合だ。それをやはりガラス張りにしてあげる。主人公は国民なんですから。  だから、そういうことに対する配慮を、この際ひとつ御検討いただきたいというふうに思うのですけれども。
  213. 矢崎新二

    ○矢崎会計検査院長 先ほど検査官会議の問題について申し上げましたが、ちょっと補足いたしますと、検査官会議は三人の検査官で構成をされておりまして、これが会計検査院の最高の意思決定機関になっております。そして、会計検査院のこの検査官は、いろいろな経歴の方が現在おりまして、三人で相談をしながら意思決定をしているということをつけ加えさせていただきたいと思います。  もう一つは、民間の声をもっと反映させるべきではないかという御指摘がございました。  民間及び学識経験者等の知恵の導入につきましては、会計検査院としてもさまざまな工夫を行っております。  その一端を御紹介させていただきますと、例えば、昭和六十三年度から、会計検査をめぐる諸問題につきまして、部外の学識経験者と会計検査院の幹部が自由に幅広く意見交換を行うことを目的とした会計検査懇話会を設置いたしております。この懇話会のメンバーには、現在秩父小野田会長の諸井虔氏を初め、行財政に造詣の深い経済界、言論界、学界等の民間有識者六名の方に参加をしていただいております。そして、本院の顧問に御就任いただいております住友銀行最高顧問の伊部恭之助氏や本院の幹部職員とともに、より有効かつ適切な会計検査のあり方について幅広い意見交換や御論議を行っていただいておりまして、本院の業務運営の充実改善のための参考とさせていただいているところでございます。  それからまた、お触れになりましたことですが、日本公認会計士協会とも連絡会を毎年定期的に開催いたしておりまして、公会計監査の分野についての意見交換も行っております。  このような、広く民間の方も含めた学識経験者の意見、提言を検査に反映させます努力は、今後とも続けていきたいというふうに考えております。
  214. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 院長は、時代のそういう変化に対応すべくそういう御努力をなさっておられるようでありますから、ぜひ大蔵大臣、この会計検査院の問題ですね、前向きに御検討を、よく話し合っていただきたいというふうにお願いを申し上げておきたいと思います。  十三日に官官接待の問題をちょっと申し上げたのですが、結局、この地方自治体の監査制度も、実際は監査委員の任命権が首長にあるわけですよ、御存じのように。それから、事務局の職員は執行部からの人事という形でやっておるわけでして、議会からも出ておられるわけですけれども、なかなかそれがうまくチェック機能を果たしていない。  そういう中から、北海道庁の道庁ぐるみの空出張とか空雇用、それによって裏金づくりに励んでおった、これは信じられぬことですよね。そういうものが全然チェックできなかった。これはやはり監査機能に基本的な問題、欠陥があると私は思わざるを得ないわけですよ。何しろそれで二十億円も裏金をつくったというのですから、これはとんでもない話だと私は思うのですよ。  だから、この問題につきましての全容をもう少し明らかにしていただいて、これは地方自治体の人たちも、私も市長を十二年ほどやりましたけれども、一生懸命頑張っているんですよ、皆。一部の心ない人たちがそういう密室行政の中でこういうことをやっている。官官接待だって三百億は下りませんよ、一年間。これは全部国民の税金ですからね。  だから、そのためにもやはり地方自治体の信頼回復、そういうことをやるから地方分権やろうと言ったって国のお役人の方は、それ見ろ、あんな連中に金を渡したら大ごとやぞという話になるわけですよ。まことに不名誉な話です。だから、やはり地方分権を推進するためにも大きなこれは障害になっているんですよ、実は。だからここを、安心してそれぞれお金と権限を地方自治体に持っていけるような体制づくりをしなきゃならない。  そのためにも、広域外部監査であるとか、改革をする条件として監査業務の一部を、先ほど言いましたが公認会計士などそういうところにあるいは委託監査を頼むとか、監査委員の公選制であるとか、あるいは監査事務局職員を専従化するとか、そういういろいろなことが考え方としてあるんですけれども、地方制度調査会で地方自治体の監査制度について検討をされておるということのようでありますから、その進展状況、自治大臣の方から、お考えがあればひとつお示しをいただきたいというふうに思います。
  215. 倉田寛之

    ○倉田国務大臣 松岡委員から監査体制についてのお尋ねでございますが、地方公共団体の監査委員制度につきましては、平成三年の地方自治法の一部改正によりまして、行政監査の権限の付与や監査委員の一部常勤化の義務づけなど、その充実を図ってきたところでございます。監査権限の十分な活用につきましては、機会をとらえて指導をしているところでございます。  また、経費の適正執行ということも含めまして、地方公共団体における行政の公正と能率を確保して自己チェックシステムの向上を図るためには、監査機能のより一層の充実を図ることは極めて重要だと考えております。  委員の御指摘にもありましたように、平成六年十一月の第二十四次地方制度調査会の地方分権の推進に関する答申におきましても、地方公共団体の監査機能の充実を図る必要があるとの提言がなされているところでございます。地方制度調査会におきましては、先般の答申を踏まえまして、外部監査制度を含め、地方公共団体の監査機能のさらなる充実について議論が行われているところと聞いておりまして、その議論を踏まえながら、監査機能の充実方策につきまして検討を進めてまいりたいと考えておるところでございます。
  216. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 地方分権の推進については、推進法が成立をいたしておりますし、地方分権推進委員会が活動されておるわけでありますが、なかなか前に進んでいかない。せんだっての統一選挙で小沢さんが三百市構想を出されたり、我々の中でも、古い議論ですが道州制議論とかいろいろあるわけですね。  しかし、その中で、今度は地方六団体の皆さん方が大変御苦労されて、地方分権推進のために必要な制度的課題をまとめられまして、同時にまた、現行の縦割り行政等によって発生している弊害例をまとめているわけです。  例えば、一番地方で困っているのは都市計画の問題ですね。市街化区域、市街化調整区域の線引きは、すべてこれは建設大臣の認可が必要なんですけれども、さらに農林水産大臣の協議、環境庁長官、通産大臣、運輸大臣、厚生大臣の意見具申など、国の縦割り行政ごとの関与があるわけですよ。このため、線引きの見直しの事例では、決定方針案の作成期間から認可手続期間までが、平均して約二年四カ月を要している。その間に、住宅はよそへ行っちゃう、工場誘致もどこかへ行っちゃうということなんですね。案件によっては五年近くかかっているわけですよ。ある県の最近三件の平均では、農政局との協議だけで五百日を要している。作成資料も、A四判の紙で高さ一メートル、約一万枚に達している。こういう事例を、この前、六団体が実はまとめておるわけですよ。これは想像を絶する時間とエネルギーがこの縦割り行政によって使われているわけですよ。  だから、こういうところをやはり、地方六団体としては、地方住民の生活に密着した総合的な土地利用行政を展開するためには、都市計画等の土地利用にかかわる決定権は市町村それから都道府県で完結するものに、特に市町村中心の制度にするように、改革提言を実はしておるわけです。このほか、すべての行政において国と地方の役割分担を明確にすることによって、権限の移譲とか機関委任業務の廃止、国の関与の制限、必置規制の大幅な削減、地方事務官制度の廃止、国庫補助金の大幅な削減と一般財源化等々、全般にわたって具体的な改革方策がこれに実は示されております。  私は、この提言を踏まえて、国を挙げて制度改革に取り組むべきであると考えますけれども、関係大臣に、特にきょうは建設大臣のこの地方分権推進についての御決意を承りたいというふうに思います。
  217. 中尾栄一

    ○中尾国務大臣 松岡委員にお答えさしていただきます。  都市計画の決定というのは、確かに身近な事項は市町村あるいはまた広域的事項は知事というような役割分担のもとで、すべて地方公共団体において行われることになっておるわけで、これはもう委員御案内のとおりでございます。  私も、委員の先ほどからの地方分権に対する考え方、線引きの問題等々、同感の思いもたくさんございますから、ちょっとその点についても触れたいと思いますが、この役割の分担につきましては、従来から、市町村の役割を重視する方向で制度の拡充を図ってきたところではございますが、今後とも、地方分権推進委員会や都市計画中央審議会、これも既に委員が御指摘のとおりの委員会の検討なども踏まえまして、そして地域住民に身近な市町村の役割を一層拡大する方向で努めていきたいと思っているわけでございます。  先ほど線引きの問題も出ましたのでちょっとお答えをさしていただければ、確かにこのうち、市街化区域と市街化調整区域の区域区分といいましょうか、いわゆるこれを線引きと称しておりますが、都市的土地利用を図る土地を定めるという最も基本的な都市計画そのものでございまして、市街化区域におきましては農地転用許可が不要になることから、農林行政との調整を大臣レベルで行わなければならないということに相なっておるわけでございます。  そこで、地方分権推進のための検討の中で、地方公共団体を中心にいたしまして、極力早期に利害関係の調整を行いまして、実効ある都市計画を実現することができるような仕組みを考えてまいりたいと私自身も思っておりますし、先ほど申し上げましたようにたくさんの資料ばかりが重なっていく、それで時間ばかりかかる、先ほどお言葉にもございましたように、あるものは五百日もかかっている。これじゃ一年有半ということになるわけで、その間に計画崩れになってしまう場合もあるわけでございましょうから、そういうことをなるべくなくしていくような簡素化の道といいますか、そういうものも私どもは模索していくように、私も現に今その作業を進めている次第でございます。
  218. 松岡滿壽男

    ○松岡(滿)委員 ありがとうございました。  実は、財政再建に関連して、シーリングの廃止とか国庫補助金の整理削減、中央省庁、特殊法人の統廃合、公務員の人員整理、不公平税制の是正等、いろいろ、金融不安もそれは官房長官のおっしゃるようにありますが、財政不安の方がちょっと気になったものですから、御質問するつもりで総務庁長官にもお越しいただいたのですが、時間がなくなりましたので、私の質疑はこれで終わりたいというふうに思います。お許しください。  ありがとうございました。
  219. 上原康助

    ○上原委員長 これにて松岡君の質疑は終了いたしました。  次に、松本善明君。
  220. 松本善明

    ○松本(善)委員 大蔵大臣にお伺いいたしますが、私は本委員会の総括質問で、覚えておられるかもしれませんが、藤林元最高裁長官の「信頼感の喪失は金融界全体の危機」という表題の論文を紹介しながら、母体行の責任を論じて質問をいたしました。  簡単に言えば、バブルのときに住専を使って大もうけをした母体行が、バブルがはじけて損失が出ればそれを子会社に押しつけて国民にツケを回すと、金融秩序に対する信頼がなくなる、言うならばそういうものであります。橋本総理も、住専が母体行の事実上の子会社だということを認め、他党委員からも母体行の責任を論ずる質問が相次いで、国会は母体行責任論でいっぱいだ、こういうことまで言われるようになりました。政府の答弁も、母体行責任を認める方向に進んでいると思います。  特に、私は二十六日の集中審議以降の久保大蔵大臣の答弁は注目に値するものと思って聞いておりました。繰り返して答弁しておられますので言葉どおりは紹介しませんが、母体行の責任は大変大きいということで、実質子会社、設立、出資、人事、経営そのものに母体行はずっと支配権を行使してきた。債権全額を放棄すれば終わりということにならない。法律上も、経営上の責任も、道義的社会的責任もある。母体行の経営者はみずからの責任を明らかにし、この問題の処理のために可能な限りの償いをやるべきものと考えている。本日も、貸し手責任にとどまらないということを言って、同様の趣旨の答弁をされたと思います。  これは、結局私は、住専に対して母体行は債権者の立場じゃないのだ、むしろ親会社としての経営責任が問われている、簡単に言えばそういうことではないかと思いますが、いかがでございましょう。
  221. 久保亘

    ○久保国務大臣 法律上の親会社、子会社の関係かどうかというのはいろいろ議論のあるところだと思いますが、実質的には今松本さんがおっしゃったようなことで理解いたしております。
  222. 松本善明

    ○松本(善)委員 子会社、親会社といいますのは、商法とか銀行法とか租税特別措置法とか法人税基本通達とか、いろいろそれぞれの法律によって法律効果が違いますものですから、決められているわけですけれども。  私は、それでは住専について聞きたいのですが、ノンバンクの破綻処理については従来から母体行責任の原則がとられてきたんだ。金融機関以外では親会社が子会社の損失を負担をするのは当然のこととされておりました。法人税基本通達でも、その損失負担を無税扱いにしております。  これは大臣直接お答えになっても、銀行局長かその他の方でも結構ですが、今回の住専処理に当たって、法人税基本通達九-四-一「子会社等を整理する場合の損失負担」、この通達を適用するというのは間違いないでしょうか。
  223. 若林正俊

    ○若林政府委員 お答え申し上げます。  金融機関に限らないわけでございますけれども、法人が債務超過に陥った子会社などを整理する、こういった場合に、株主である親会社とか債権者等の利害関係者が資金贈与とか債権放棄をしたり、その整理に伴って種々負担をすることがあるわけでございますが、そういう損失につきましては、それが社会通念上やむを得ないというような場合で相当な理由があるということになれば、税法上も従来から損金に算入いたしておるわけでございます。  そこで、今この基本通達の九-四-一で「子会社等」という言い方をいたしておりますが、これは、経済的利益を与える側にとって、その与えることにつきまして事業活動としての必要性があるものということでございまして、資本関係のある親子関係のほか、取引関係でございますとか人的関係、さらに資金関係など密接な関係を有する者がこれに該当することになるわけでございます。  そこで、一般的に子会社等を整理する場合の損失をだれがどの程度負担するのかということにつきましては、その損失の規模とか責任の度合い、それから分担能力、損失を負担する当事者それぞれの立場においてそれぞれ事情等を考えて当事者間で決定をされるものでございまして、資本関係にない者が損失の一部を負担したという場合であっても、それがやむを得ず行われるという場合については、それについて相当な理由がある場合には寄附金には該当しないというふうに定めたのがこの通達でございます。  なお、これは当然ながら、金融機関以外にも一般の事業法人にも適用されているものでございます。(松本(善)委員「ちょっと肝心なところ、住専に適用しているのは間違いないかということ」と呼ぶ)はい。したがって、一般的には適用されるものであろうと考えております。
  224. 松本善明

    ○松本(善)委員 今度の場合、住専にこの通達が適用されるという答弁がありました。  さらに続いて、住専七社の第二次再建計画に伴う支援については、法人税基本通達九-四-二の子会社に対する「無利息貸付け等」というのを適用してきたことは間違いないかどうか。
  225. 若林正俊

    ○若林政府委員 一般的に申し上げますと、金融機関に限らず、法人が経営不振に陥った子会社などの倒産を防止するといったようなことで、合理的な再建計画に基づいて無利息とか低利融資等により経済的利益を与える、こういった場合につきましては、従来から寄附金に該当しないということの取り扱いとなっているわけでございます。(松本(善)委員「住専、第二次再建計画」と呼ぶ)住専についても、基本的にはそういう考えで対処いたしております。
  226. 松本善明

    ○松本(善)委員 結局は今回の処理も、第二次再建計画についても子会社の無税償却を適用しているわけであります。  さらに聞きますが、第二次再建計画では、母体行の住専への貸付金額約三兆五千億円の金利をゼロにするということでありました。第二次再建計画発足当時の一九九三年四月ごろの金利事情を考慮をして、貸付金利六%として計算すると、母体行の支援額は約六千三百億円になります。これに本来課税される税率四九・九八%を掛けますと、母体行の減免額は約三千百五十億円となるのではないかと思いますが、いかがでしょう。大蔵省。
  227. 若林正俊

    ○若林政府委員 税務当局といたしましては、各金融機関等から出てまいりました申告書に関しまして、先ほど申し上げましたような観点から、個別にそれぞれ審査をいたしまして、認められるもの、認められないものということを判断いたしておるわけでございます。  したがいまして、それをその関係者だけ積み上げて幾らということで実は集計をいたしておりませんので、ちょっと国税当局としてはお答えしかねるわけでございます。
  228. 松本善明

    ○松本(善)委員 私の前提で計算した場合、それでいいかどうかお聞きしたい。
  229. 若林正俊

    ○若林政府委員 ちょっとそういう前提で計算いたしておりませんので、答弁はお許しいただきたいと思います。
  230. 松本善明

    ○松本(善)委員 大蔵大臣、金額は認めませんでしたけれども、私がどういう計算をしたかはおわかりいただいたと思います。それで、税法、現在も、それから第二次再建計画以降も子会社等の無税償却を適用している、これはもう明白に答弁をされたわけですね。これは結局、税法上は、税に関してははっきりと母体行を親会社、それから住専を子会社というふうに扱っているということをここで答弁したということですよ。いわゆる法律上のといいますよりは、今ずっと議論をしてきました親会社、子会社の関係ですね。それで、税金をまけてもらうときは親会社、住専の処理をするときは単なる債権者、こういう身勝手なことは絶対許されないと思うんですよ。  大蔵大臣に、ずっと言っておられるのは大体そういう趣旨だと思いますが、母体行が親会社としての責任をとるのは当然ではないかと思いますが、いかがでしょう。
  231. 久保亘

    ○久保国務大臣 法的に負担を強制できるものは、私は当然にその責任を負うべきものと考えております。ただ、現在のところ、税法上の法的強制ができるかどうかということについては、国税当局としては否定的見解であります。
  232. 若林正俊

    ○若林政府委員 先ほど申し上げましたように、「子会社等」ということでございまして、資本関係だけではなく、人的関係、さらには資金関係、そういったものを持っているものに対してこの取り扱いを定めておるわけでございまして、子会社にのみこういう関係を認めたわけではございませんので、そこはそういうことでございます。
  233. 松本善明

    ○松本(善)委員 「子会社等」ということで同じ扱いをしているということは明白です。  実際に、税金だけではなくて、銀行の系列ノンバンクの不良債権の処理は、若干の例外を除いては基本的に母体行主義でなされてきたんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。
  234. 西村吉正

    ○西村政府委員 銀行がいわゆる系列のノンバンクを支援するに当たりまして、単独で支援を行っているものもございますし、他の金融機関に対しても支援を求めているものもございますなど、その支援の状況はさまざまでございます。大阪銀行など関西系の三行の系列ノンバンクの整理などの例を除きまして、母体行が単独で支援しているものがかなり多いということも聞いております。
  235. 松本善明

    ○松本(善)委員 ほぼ私の言うことを認められましたし、公聴会で野田公述人も同様の趣旨の公述をしておられます。大蔵大臣、今のやりとりをお聞きになりながら、まあ大蔵大臣は先ほどの答弁でも、母体行にどうやったら負担させられるのかという知恵をかりたいみたいな趣旨のことを言っておられましたから、お話ししたいんですが、法人税基本通達の適用状況を見ましても、系列ノンバンクの支援の状況を見ましても、住専を母体行の子会社として母体行に全面的に責任をとらせることについて何の支障もない、例外扱いをしてやる必要は何にもない、そういう関係にあるんではないか。私はむしろ、今のやりとりを聞いて、政治家として、これはまあ細かい法律論といいますよりは、そういうふうにお考えにならないかということを伺いたいのであります。
  236. 久保亘

    ○久保国務大臣 債権債務の法的な負担関係になってまいりますと、やはり法律上の根拠がかなり明白でないと、私もそこは断定的に申し上げるのは非常に難しいように思います。
  237. 松本善明

    ○松本(善)委員 私はあくまで、最後にまとめて大蔵大臣にお聞きしますけれども、法律論で物を解決しようと思わない。ここは政治家の議論をする場所なんですよ。それで、おわかりだと思いますが、ちょっともう少し大蔵大臣に予備知識を差し上げておこうと思うんです。  大蔵省は、昨年十二月二十日の大蔵原案内示に至る経過で債権全額放棄以上の負担を銀行側に求めていたことが、西村銀行局長と銀行側との十二月十六、十七日両日の一問一答という形で詳細に報道をされております。それは週刊ダイヤモンド、九六年一月二十七日付。また、全銀協会長の橋本徹氏の十二月十九日の記者会見でもそういうことが言われております。銀行側はそのとき、それ以上の負担をすると株主代表訴訟に耐えられないと主張し、西村局長はそのとき、債権額を超える負担をするからといって株主訴訟に耐えられないと決まったわけではない、負担が債権額を超えられないというのは金融界の考え方で、世の中の大勢ではない、いわんや政治の世界では少数だと言ったという報道がありますが、これは事実確認です。西村さん、どうです。
  238. 西村吉正

    ○西村政府委員 御指摘の雑誌の記事は、根拠が必ずしも明らかではございませんが、この記事でも、抜粋、再構成をしたものであるというような記述がございますが、私、この記事自体をそのままどうこうと申し上げる立場にございませんけれども、議論のいろいろなプロセスの中で、いろんな方の考え方を関係者の間で議論をしたということは事実でございます。そういう中で、母体行主義というような考え方を主張された方もおられますし、貸し手責任主義というような考え方を主張した方もおられます。
  239. 松本善明

    ○松本(善)委員 大蔵大臣に聞いておきます。  これはかなり、何人かの話をまとめながら、一問一答で、銀行側、局長というように、ずっと細かくなっているんです。これは局長も知ってのことです。そのまとめです。私はかなり信憑力が高いものだと思います。まあ局長も否定をしませんでした。これ以上詰めてもしようがありませんから次へ移りますけれども、そういうことがあった。それで、橋本全銀協会長の会見記事でも同じようなことを言っているのです。だから私は、ほぼ、そう間違いはない、こういうふうに思います。  ところで、この株主代表訴訟に耐えられないということを銀行側から言っているということ、これは私は口実といいますか、方便といいますか、いいかげんな議論だというふうに思うんです。  そこで、法務省民事局長にお聞きします。大体、株主代表訴訟で問われるのは、商法とか刑法なんかの法令違反ですね。背任罪とか特別背任罪とか、そういうような場合のほか、経営者としての注意義務違反、忠実義務違反、そういう経営者の行動が社会的に見て不当な場合に責任が問われるのだと思いますが、いかがでしょう。
  240. 濱崎恭生

    ○濱崎政府委員 御指摘の株主代表訴訟は、取締役が法令または定款に違反する行為をしたことによって会社に対して損害を与えた場合に、その損害賠償責任を負うということを前提にして、それを株主がかわって提起するものでございます。  その場合に、御指摘のように、株主は会社に対して忠実義務、善良なる管理者としての注意義務を負っているわけでございますが、その判断の基準といたしましては、平たく言えば、株式会社の経営者としての判断の中での合理的な判断の範囲内に属しているか、あるいはその合理性の枠を超えた判断がされたかということが問題になる、一般論としてはそういうことであろうと承知しております。
  241. 松本善明

    ○松本(善)委員 例えば、倒産必至の企業に融資をするとか、総量規制を逸脱する不正、不当な融資などの責任は問われますが、金融機関への信頼を回復し、金融秩序を守るための政府の行動に協力をした場合に、その責任が問われるなどということは、制度の趣旨と全く違うと思います。  今回の政府処理案で三兆五千億円母体行が放棄をいたしました。私のとらないところですが、法的処理案という意見もあります。そのときは母体行の負担半分になるんですね。この放棄は一体、法的処理でいけば半分になるところを三兆五千億放棄をした、それは株主代表訴訟で責任問われるでしょうか、民事局長。
  242. 濱崎恭生

    ○濱崎政府委員 既に委員御案内のとおり、株主代表訴訟が提起された場合には、裁判所がそれぞれの具体的な事案に応じて御判断になることでございます。したがいまして、私どもとして個別の事案についてどうこうということを申し上げることができませんが、一般論として申し上げますと、その経営判断の合理性いかんということにつきましては、当該会社の置かれた事情、そういう判断をするに至るまでの事情、それに現に置かれている事情、そういった事情も含めまして、諸般の事情を総合して判断されるということであろうと思っております。  今般の政府による住専の処理問題につきましても、もし訴訟になれば、そういった事情を総合して裁判所においては判断されるということであろうと承知しております。
  243. 松本善明

    ○松本(善)委員 今の答弁でもありましたが、司法の判断、裁判官は独立ですから、そんな予測なんかできないのですよ。大体、これは負けるに決まっているなんということ自体がとんでもない議論なんです。  三兆五千億の放棄の責任が問われないとすれば、紹介融資分の放棄の責任が問われるなんというのはあり得ないです。債権放棄以上に母体行に責任を負わせた場合に、株主代表訴訟で経営者が負けると大蔵省は本当に思っているのか、銀行局長に聞きましょう。あなたは本当にそんなことを思っているのか。
  244. 西村吉正

    ○西村政府委員 母体行の負担は、最終的には株主の負担となるものでございますから、その負担を引き受けることが法的義務であるもの、あるいは会社の利益に資するものとして株主の同意を得ることが必要となるわけでございます。その意味で、負担をすることが会社の利益になるかどうかということが経営判断の基準となるものと思われますけれども、それを判断するのは経営者でございますから、経営者の方々の御判断がそのようなことでございますれば、それは私どもとして尊重せざるを得ないであろうと考えます。
  245. 松本善明

    ○松本(善)委員 それは、もう全く金融機関の公共性とかそういうことが頭にない、単なる私企業だと思っている考え方ですよ。これではとても、大蔵省が銀行業務というものを本当に公共の、国民の立場から指導するということは絶対できないと思います。  久保大蔵大臣が母体行の新たな負担の問題、先ほど法律的に強制できればというようなことを言われましたが、集中審議以来言われていることは、当事者である母体行との協議は三・五兆の債権放棄までしか合意を得られていないという状況の中で、先送りできない処理方策を全体スキームとして決めた、母体行の責任はそれにとどまるものではないと考えているので、今後どのようなことが可能となるか、その努力、要請は私どもやらなければならない任務だと考えている、本日の委員会では、当委員会の審議を踏まえて新たな要請をやるという答弁をされました。  これはどういう趣旨なのか、再協議を要請するというのか、母体行の新たな負担を要求するというのか。私は、要請という言葉は適当でないと思うのですよ。経営責任の問われている人たちですよ、それに要請ということは適当でないと思うけれども、あなたは要請と言われたから、これはどういう趣旨なのでしょう。新たな負担を求める要請をするのか、それとも再協議を求めるという要請をするのか、どういうことです。
  246. 久保亘

    ○久保国務大臣 今御提案を申し上げております全体の仕組みを白紙に戻すという形での協議はできないと思っております。新たな負担の要請を行うということになろうと思います。
  247. 松本善明

    ○松本(善)委員 私はもう一つそれに続けてお聞きしたいのですが、母体行に三兆五千億の放棄だけでなくて、今国民から物すごい批判のあります六千八百五十億円を負担せよというふうに、新たな負担として要求をされたことがありますか。――いやいや、大臣としてですよ。
  248. 西村吉正

    ○西村政府委員 これは話し合いのプロセスの中で、関係者の中でいろいろな議論があったということは先ほど申し上げたとおりでございます。また、立場によって何が妥当であるかというお考えが違うのもまたこれもっともなことでございますので、その議論のプロセスのことは今申し上げるべきことではなかろうかと存じます。
  249. 松本善明

    ○松本(善)委員 だから銀行局長の答弁じゃだめなんですよ。大蔵大臣は新たな負担ということを言われたのですよ。だからあなたは今までそれを要求された、スキームを崩さないのはいいですよ、それにさらに新たに負担せよという要求をされたことがありますかというのです。
  250. 久保亘

    ○久保国務大臣 申しわけありませんが、今いろいろと私の方でも努力をいたしておりますことをここで申し上げるのは大変困難であります。
  251. 松本善明

    ○松本(善)委員 今考えている、言うのは困難だというのだが、今まではもしやっておられればやったというふうにお答えになったと思うので、やっておられないのではないか。なぜしないのだろうか。あなたは、努力要請は私どもがやらなければならない任務と考えているというのでしょう。そういうふうにお答えになったわけですよ。何で今までおやりにならなかったのでしょう。
  252. 久保亘

    ○久保国務大臣 私が信じていただくように申し上げても、それはもうあなたの方のお受け取りがどういうふうになるかで決まってくることでありますが、何もやっていないな、こうおつしゃいますと、そうではございませんと申し上げます。
  253. 松本善明

    ○松本(善)委員 これは私、あいまいな返事をされると非常にぐあいが悪いと思います。といいますのは、答弁をいろいろやっておられる中で、例えばマスコミでは、今大蔵大臣が言っている母体行責任論は責任逃れと社説で書かれたり、蔵相発言迷走と書かれたりしているのですよ。だからこれはあいまいな、やるともやらぬともわからぬような答弁では、これはかえって逆になる。やるならはっきり、これはもうあらゆる薄身の力を込めてやるんだということをはっきり言うべきだと思うのですよ。それは困難があるかもしれませんよ、既に一回話をつけちゃったんだから。あるかもしれないけれども、この国民の世論と国会の論議を踏まえてやるとおっしゃったでしょう。その決意を表明することが何でできないのでしょう。
  254. 久保亘

    ○久保国務大臣 決意は幾たびも表明いたしております。それで何かまだ足りませんでしょうか。
  255. 松本善明

    ○松本(善)委員 それではちょっと伺いますが、ここで先ほども、非常にあいまいですが、スキームが崩れて日本経済がどうのこうのというお話が出て、さっきの西村局長の話を聞いていると、大分自信がなくなってきたなということを感じますけれども、それで、私はこの点で若干の方の御意見を紹介をして、大蔵大臣の見解を聞きたいと思います。  アメリカのRTC元総裁のシードマン氏は、八〇年代のSアンドLの混乱について、「公的資金支援は金融機関の安易な体質を生み、何をやっても救われるという経営倫理の欠如を引き起こした。」「公的資金救済しようとしたためにさらに悪くしてしまった。」と日本新聞紙上で語っております。それから金融学会の会長の三木谷良一教授、金融政策と金融行政に対するこれは信頼の問題なんだ、金融制度改革の展望もなく、場当たり的な解決策をするとまた破綻が起こる。  銀行の負担能力については、預金残高、都銀二百十兆円、地銀百六十兆円、銀行大手二十一行は今年度八兆円の不良債権も償却する、これはもう十分な体力がある。大体見ただけで、昨年九月の中間決算、都銀十一行の業務純益が過去最高の一兆八千六百七十五億円ですよ。この六千八百五十億の三倍近いものですよ。これはもう母体行に負担能力があるなんて、だれも争う人がないです。これで母体行に負担をさせて日本経済がおかしくなるなんてとんでもない議論です。そう思いませんか、大蔵大臣。
  256. 久保亘

    ○久保国務大臣 母体行に三・五兆の債権放棄以上の負担を求めることは、私はやるべきことだと思っているから申し上げているのであります。
  257. 松本善明

    ○松本(善)委員 だんだんよくわかりました。  私は、さらにそれについて申し上げたいと思います。  やはり、しかし、集中審議のときにはいろいろな意見が与党議員からも出ました、何とかできないかと。不良債権償却の有税化だとか、六千八百五十億の国庫への返却だとか、特別税だとか、住専各社の増資を母体行が引き受けるとか、紹介融資の引き取りとか。しかし、いずれも大蔵省の答弁は難しいという答弁。だから、翌日の新聞は、「実現性薄い「追加措置」」とか、「実現性には疑問」とか、「住専追加措置暗雲」とか、「「負担増」の妙案なく」とかいう話なのですよ。だから、大臣おっしゃるように、やはり新たな負担を母体行に求めていく以外にないと私は思います。  そこで申し上げたいのは、与党一丸となって、内閣一丸となってやってほしい。銀行法は、第一条で銀行業務の公共性を強調し、強力な監督権限を与えております。報告、資料の提出でしょう、立入検査でしょう、業務の停止、免許の取り消し、その中には役員の解任命令もあります。今回の住専問題は、国民の大切な預金を預かっている金融機関にあるまじき行動があるからこそ、国民の怒りが集中しているのですよ。それは人の金なんですよ。自分の金なら勝手なことをやっても、人の金を使って何をやっているのだということなんですよ。  それで、銀行に対する信頼は根本的に崩れる危険性がある。藤林さんはこれを金融界の危機だと言っているのですよ。金融界全体が襟を正して全力を挙げて対処することが必要だ。銀行と金融秩序に対する国民の信頼を回復するために、日本の金融にかかわるすべての関係者の良識を願ってやまない。本当に、心からの訴えだと思います。  これは国会議員にも通用する呼びかけではないかと思う。大蔵大臣も内閣全体も与党も全部、私どもはもちろんこれを前から言っていますから、それを一丸となって、政治家として一丸となって母体行に持つべきだと迫るべきではないか。何度ももう決意はこれ以上ないと言われるけれども、改めて、大蔵大臣の権限がこんなに強大なんだということを考えて、やっていただけるかどうか、伺いたいと思います。
  258. 久保亘

    ○久保国務大臣 松本さんが力説されるほど今大蔵大臣の権限が行使できるのかどうか、私もそこを問われるといろいろとまだ大蔵大臣としてやるべきことに何があるのかを検討しなければならないと思っております。  私が申し上げておりますように、この住専問題の処理に関して、私どもが提案を申し上げておりますことを一日も早く決めていただいて、その上に立って強力な体制のもとに進める。そしてまた母体行に対しては、三・五兆の債権放棄で済んだと思うならとんでもないということまで私は申し上げているのであります。そういう立場に立って、この問題については今後も強力に進めてまいりたいと思っております。  それで、与党、内閣一体となってというお話でございますが、ぜひ野党の皆様方にも御協力をいただいてやらせていただきたいと思っております。
  259. 松本善明

    ○松本(善)委員 私どもはもう、もとから母体行に負担させろという、そういう方向で内閣が動かれるならもちろん協力いたします。  それで、私はこのスキームを通してというのじゃ、これは全く国民の願っていることと違いますよ。  官房長官、あなたはもう住専対策の本部長ですから、伺いたい。  これでは国民の理解は得られない。京都の市長選挙の結果を見ても、それから世論調査の八、九割が反対。きょうの世論調査を見てもそうです。官房長官、現在、この政府の案がそのままで国民の理解を得ていると思いますか。
  260. 梶山静六

    ○梶山国務大臣 最善の道を考えてこの予算案を出しているわけでございますが、確かに御指摘のとおり、すべてを精査したわけではございませんが、世論調査その他を見て、この住専問題の処理に関する国民の不満、憤激というものが極めて強いことを承知をいたしております。しかも、今いろいろな世論調査の中で出ている、いわゆる橋本内閣に対する期待というのは、今々の問題としては景気の回復、これに大きな期待をかけていることは現実であります。そしてもう一つ、現象面として住専の処理に対する憤激、この二つがございますが、全く別個な取り扱いができるでありましょうかというのを一つ考えます。  そして、その景気を回復することが私たちに課せられた至上命題。それから、正義はもちろん追求しなければなりません。ですから、先ほど来大蔵大臣の私は限界の答弁を聞いております。そして、松本さんの御主張する一きょうは実は党首会談をいたしまして、陪席をいたしまして、貴党の御意見もちょうだいをいたしました。確かに昨年末、話し合い決着を見た時点と、これだけ国民の怒り、国会の審議の状況を見て、状況が変化しないはずはない、だからそれを要求すべきだという強い意見もいただいてまいりました。  総理以下、そういうものには謙虚に耳を傾けておりますが、我々は今この問題の処理を若干でもおくらせればどんな結果が出るかということも承知をいたしておりますし、それから話し合いということ、協議ということになれば、相手の立場がございます。これに法的ないわば強制力があるかどうかという問題が今大蔵大臣の一番苦悩をいたしている点であります。恐らく私は、彼らに一片の良識があるならば、いや一片というよりもっとたくさんあるかもしれませんが、私はこの国会審議や国民の怒りを見て、おのずとそこに判断能力が変わってくるはずだ。これも期待をいたしたいし、それは法律が通ったらばできないなどという問題ではないというふうに考えております。
  261. 松本善明

    ○松本(善)委員 やはり、これを余り維持していきますと私は逆になると思います。といいますのは、それは国会の審議は衆議院も残っております。あと参議院もあります。関連法案はみんな本会議でまだとまっているでしょう。関連法案が通らなければ六千八百五十は動き出さない。まだ時間は十分あるのですよ。それで、これを通すことばかりに頭がいったのでは、私は根本を誤るのではないか、むしろ逆だと思います。  それで、このまま強行するということになりますと、私はますます国民の理解は決して得られない。それで、民意無視、民主主義の破壊ということで、もう深刻な政治不信になる。いわば国会の自殺行為であります。政治不信のみならず、金融界に対する不信も深刻になると思う。それこそ、金融秩序を揺るがすような事態になりかねないと思う。  与党三党でお決めになったということで、それは国会では多数です。しかし、国民は選挙で白紙委任をしたわけじゃないのですよ。こういうことを皆さんが公約されましたか。国会で議論をして、民意を聞いて、それによって政治を行うというのが議会制民主主義じゃないだろうか。私はこれでこの母体行の負担能力に争う人はないと思います。この母体行を説得するということが一番大事なんだということを申し上げて、ちょっとほかのことを質問します。  大蔵大臣、大蔵大臣は銀行の経営責任者の批判もされまして、これも反発も受けています。私はとんでもない、銀行の経営者というのは相当あこぎです。一つ例を挙げて申し上げますと、全銀協の会長であり、富士銀行の頭取の橋本徹氏は、あなたの発言に反発をしています。しかし、今銀行法には、私先ほど来申しておりますように、銀行法一条の銀行業務の公共性ということをはっきり認識させるべきときではないかと思うのです。  一九九二年、資本金五千万円でありながら六百億の負債を抱えて倒産し、東北最大量悪と言われた振興開発という会社があります。暴力団絡みの問題が秋田県議会や宮城県議会でも問題になった企業で、現在はエスケージーという会社であります。  大蔵省の提出した九五年八月の調査結果によりますと、地銀生保住宅ローンの旧振興開発に対する二十五億の融資は富士銀行の肩がわりということが明記をされています。調査結果では十億九千万円が回収不能ということになっておりますが、根抵当権の設定されたビルは調べてみますと土地、建物あわせて約四十億円、地銀生保より優先の抵当権が七十五億も設定されておりますので、現状では回収不能の不良債権であります。  登記簿を私、直接見てみました。九〇年六月に富士銀行が設定した根抵当権が二カ月後、何と二カ月後の八月に地銀生保に譲渡されている。通常では考えられない不自然なことが起こっています。富士銀行は地銀生保の母体行ではありません。他の住専もこういうふうにして食い物にしてきたという私は一端が明らかになったのではないか。その他、富士銀行の紹介で振興開発にノンバンクが貸し付けた約百億円も不良債権化しております。  こうして不動産融資のリスクをどんどん住専に押しつけて、今になってその責任を負おうとしない、こういう銀行のやり方というのは、母体行責任だけの問題ではありませんが、根本的な、銀行の公共性という観点から、私は相当これは徹底的な改革をしないとだめだと思うのです。大蔵大臣の見解を伺いたいと思います。
  262. 西村吉正

    ○西村政府委員 私ども、把握しております事情につきまして、可能な限りの資料提示等の努力をさせていただいていると理解をいたしておりますけれども、今御指摘の個別の事案につきまして、さらに具体的な事情ということになりますと、私どもは承知をしておりませんこともございますので、その問題自体についてのコメントは差し控えさせていただきたいと存じます。
  263. 松本善明

    ○松本(善)委員 大蔵大臣、これではいかぬのじゃないですか。私はちゃんと資料も差し上げて、それで調べようと思えば幾らでも調べられます。これは何もそういう努力をしないんですよ。あなたが努力をするということをおっしゃったわけだ。だけれども、これは公務員として本当に忠実に仕事をしているのだろうか。今これだけ大問題、国権の最高機関で問題になっているのに、これはおかしいと思ったら徹底的に調べなくちゃいけないのじゃないですか。私は一言聞きたいと思いますよ。
  264. 久保亘

    ○久保国務大臣 御指摘になりましたことは調査をいたします。
  265. 松本善明

    ○松本(善)委員 それでは、ちょっと銀行の不良債権の問題について。  銀行の不良債権は、総理の本会議の答弁では三十八兆という。「金融制度調査会答申において、預金保険制度の時限的拡充による対応のほか、信用組合の破綻処理に限って、将来必要な場合には適切な財政措置を講ずる必要があるとの考え方が示されている。これに沿って対応する」言うならば、住専と信組は特別、こういう答弁なんですね。だけれども、どうも私、金融制度調査会の答申だとか中間報告を読みますと、文字どおりは受け取れないのですね。総理の言われるのは、十二月二十二日の答申だと思います。九月二十七日の中間報告は、「金融機関は清算・消滅させるが預金者に破綻処理費用を直接分担させることを避ける必要のあるような場合には、公的資金の時限的な導入も検討課題」、これは全部ですよ。  それから、十二月二十二日の答申は、「金融システム内の手立てを講じてもなお破綻処理費用が不足するような場合には、経済全般の安定を確保するためのコストとして、広く間接的な受益者として、納税者にも負担を求めることとせざるを得ない」、一般的には認めるという方向なんです。ただ、その上で「公的資金の導入は信用組合特別勘定に限定することが適当である。」それ以外やらないとは書いてない。適当である。  こういう経過や表現によりますと、信組と住専にだけ公的資金の導入が限られて、その他決して行わないというふうには思えないのですよ。信組、住専に公的資金を使って他の金融破綻に使わないというのならば、何で信組、住専を特別扱いするのだろうか。住専なんか特別扱いする必要は全くないですよ。その理由はどこなんだ。本当に他の金融破綻に公的資金を使わないのならその保証があるのかどうか、大蔵大臣、御答弁をいただきたいと思います。これは銀行局長じゃないですよ。まあいいでしょう、あなたがどんな答弁をするか。
  266. 西村吉正

    ○西村政府委員 私ども、基本的な考え方を御説明する機会を今まで得ませんでしたが、今後、金融制度の根幹に触れる問題を、法案としてまた問題提起させていただくような機会もあろうかと思いますが}そのもとになりました、今委員の御指摘の十二月二十二日の金融制度調査会の答申、「市場規律に基づく新しい金融システムの構築」という副題がついておりますが、この中では金融機関の破綻処理の考え方といたしまして、「破綻金融機関は存続させないこと、経営者の退任及び民事・刑事上の厳格な責任追及が行われること、株主・出資者の損失負担が行われること、」そういう基本的な考え方に立ちまして、さらに金融機関の中におきます最大限の努力、すなわち具体的に申し上げますならば、今委員の御指摘になりました預金保険料を例えば七倍に上げるというようなことをしてもなお、それでも預金者に負担をかけざるを得ないというような場合には、五年間に限って、かつ信用組合に限って、御指摘のような納税者にも負担を求めることとせざるを得ないようなことも考えられるという答申を得ておるわけでございます。  したがいまして、そういう預金受け入れ金融機関の破綻処理の基本的な考え方が一つございまして、さらに住専につきましては、預金受け入れ金融機関ではないけれども、日本経済全体に与える影響を考えて、一日も早く処理するためにこのような方法をとらなければならないのではないか、こういう考え方でいるわけでございます。
  267. 松本善明

    ○松本(善)委員 大蔵大臣、銀行局長の答弁を聞いていると、これは住専と信組に限らないですよ、今の全体の答弁の趣旨は。だから大蔵大臣に聞きたいのですよ。これは何で住専と信組だけに限るのか。限らないと思うのですよ。私どもは、この住専処理というのは不良債権全体に共通していないかと。  ダムの話が時々ここで出ますけれども、ダムでいえば、この住専に公的資金を使うということがダムに穴をあける。これはダムの穴をふさぐんだと言う人がいますけれども、逆だと。ダムに穴をあけて、そして、これから洪水のようなことになりかねないという、銀行局長の答弁はそれを否定しないのですよ。だから私は、この内閣がいつまで続くかわかりませんけれども、日本の将来にかかってそういうことになったら本当に大変なことになる。だからあなたに聞いたんですよ。これはほかの不良債権について公的資金を入れないという保証がありますかということですよ。それは大臣が答えないというのは、ちょっとどうしようもないな。
  268. 西村吉正

    ○西村政府委員 私、先ほど御説明しました内容は、今後公的な措置を講じます対象といたしましては、預金受け入れ金融機関の中では、信用組合というものをどう考えるかという問題に限って答申は議論をしておりますということと、ノンバンクにつきましては、住専につきまして今回このようなお願いをしておりますけれども、他方におきまして、累次大臣からお答えがございますように、他のノンバンクについてはこのような措置を講じないという政府・与党の申し合わせの明文があるということでございます。
  269. 松本善明

    ○松本(善)委員 大蔵大臣、その申し合わせがあることは私も知っています。だけれども、それでは、それは何でなんですか。金融機関に、不良債権について公的資金を使わなくてもやっていけるという負担能力があるということなんですか。その負担能力があるなら何で住専の六千八百五十億、何で公的資金を入れる必要があるんですか。それは、ここのところをはっきりしないといけない。金融機関に負担能力があるから、不良債権については公的資金、住専と信組だけだといろんならば、何でその負担能力は住専のために使わないんだということになるんですよ。大蔵大臣、政治家としてちゃんとお答えいただきたい。
  270. 久保亘

    ○久保国務大臣 ダム論は見解の相違するところだと思います。しかし、今の公的資金の導入に関して、今後どうなるという問題につきましては、これは明確に政府・与党の協議の結果によって、今後ノンバンクに公的資金を投入することはしないということを明確にいたしておりますが、そのことは、その破綻によって生ずるものについては、今後、預金保険機構の保険金を強化充実することによって預金者を保護することは可能となろう。その場合、この住専問題はそれに先立って処理するというその前提に立って、そのような見通しが立てられているものと考えております。
  271. 松本善明

    ○松本(善)委員 預金保険機構の話をされましたが、そこへ、底をついた場合に公的資金は入れないということはありますか。そう保証ができますか。お答えいただきたい。いや、みんなそれは銀行局長じゃどうしようもないですよ。
  272. 西村吉正

    ○西村政府委員 預金保険機構の財源は、預金保険料によって賄うということで仕組みができております。また、現在〇・〇一二%の保険料で賄っておりますけれども、さらに必要が生じた場合に、その保険料を引き上げるという方針も、先ほどの答申でお決めいただいているところでございます。
  273. 松本善明

    ○松本(善)委員 非常な心配があるものだから聞いているんですが、きょうは問題提起だけにしておきましょう、この程度の。  それから、財政再建についてです。  政府は、「財政の中期展望」を本委員会で示しました。名目で年率三・五%の成長が続いたとしても、二〇〇六年には国債発行残高四百八十二兆円、九六年度末の二百四十一兆円の倍です。残高の国内総生産に占める割合は六八・九%。企業なら倒産の危機に瀕するということであります。財政制度審議会の財政の基本問題に関する報告が、「大きな時限爆弾を抱えた状態であり、かつ、その時限爆弾を毎年大きくしている」、「もはや一刻の猶予も許されていない」と言っているのは、そのとおりです。  しかしながら、政府はこの危機を打開する具体的な方針も展望も示しておりません。財政依存度五%以下という中期的な目標すらおろさざるを得ないという状態です。いわば未曾有の財政危機であるにもかかわらず、財政再建計画が全くないという無責任な状態。しかも住専を初めとする金融破綻に際限なく財政資金を使うという危険な方向が生まれ始めています。  この四年間、五回の経済対策で三十四兆円もの公共投資を積み上げてきた上、この予算で過去最大の十兆円近い公共事業費が計上されております。この五年間で二十三兆に上る支出で世界第二位になった軍事費に加えて、総額二十五兆円の中期防衛力整備計画、さらに首都機能移転、直接的な費用だけで十四兆円、周辺整備費を加えますと財政支出はどこまで広がるかわかりません。一体、財政再建はどうするつもりなのか。大蔵大臣、どういう腹づもりですか。消費税の税率引き上げなしに、これ、できますか。それは絶対しないということを約束し、財政再建はどうするんだということを、構想でもあったら聞かしてください。
  274. 久保亘

    ○久保国務大臣 財政の危機的な状況については、今御指摘のようなことであります。そして、日本の財政事情について、昨年の十一月に危機宣言と名づけられました財政事情についての、当時の大蔵大臣の発表が行われたわけでございます。先般、国会に提出いたしました中期展望は、そういう危機的な状況の中で、数値を条件として当てはめました場合にこういうことになるという試算のみをお示しをいたしております。  そういうことを土台に置きながら、どのように財政再建の道を講ずるかということで、これは緊急の課題として、今大蔵省としてもこの問題との取り組みを始めたところでございます。財政制度審議会の特別部会の御審議もお願いをいたしておりますし、また、国会でも予算委員会で御論議いただく重要な課題だと考えておるのでございます。  基本的には、この際、聖域を設けず、財政の果たす役割や守備範囲などについて思い切った見直しを行うことが重要となってきていると思います。また、行政改革も進められなければなりません。そういう立場に立って、財政再建の目標をどう定めるかというのが今重要な課題となっているわけでありまして、それらの問題について鋭意検討を進めているという段階でありまして、今目標や財政再建のための改革の手段等について具体的にお示しできる段階になっておりませんことは大変申しわけなく思っておりますが、これらのことを大蔵省としては全力を挙げて進めてまいりたいと思っております。
  275. 松本善明

    ○松本(善)委員 財政再建の方向が示されないというのは本当に問題だ、大問題だと私は思いますが、大蔵大臣は消費税廃止を公約して当選されましたね。それから消費税廃止法案の提案者でもありました。消費税の増税は絶対やらないか、むしろこれは減らしていくという方向に持ってくるか、お聞きしたいと思います。
  276. 久保亘

    ○久保国務大臣 平成六年の十一月に、当時の内閣で検討をいたしました結果、景気対策としての五兆五千億の減税と財源の見合いの関係で、減税を先行させ、九年四月一日から、その財源として消費税の税率を地方の消費税一%を含めて五%に引き上げることが既に決定されております。この法定されました消費税の五%の税率は、明年四月一日から実施されることとなります。  ただ、この六年十一月に、税制の抜本的な改革と言われた大きな改革を行います際に、消費税の税率については検討条項を法律に付記いたしております。それで、この検討条項に従って、今年の九月三十日までの間に消費税の税率を再検討するかどうかの結論が求められているわけでありますが、私といたしましては、来年四月一日から既に法定されております五%をさらに引き上げる検討を行うことは極めて難しいものと考えております。
  277. 松本善明

    ○松本(善)委員 大蔵大臣の腹づもりとして、五%を下げるという見直しあるいは食料品を非課税にする、そういうような考え方はありませんか。
  278. 久保亘

    ○久保国務大臣 私は、消費税については、かつて松本さんたちと同じような考えに立って、これを廃止する提案をいたしたことがございます。  消費税は、逆進性や益税と呼ばれる制度上の欠陥などがございます。絶えず見直すべきものと考え、そして、この消費税については各党の間で協議が長期間にわたって行われ、一つの消費税の是正を行ったこともございます。また税制の抜本改革に際しても、税制がより付加価値税としてふさわしいものとなるよう是正が加えられてきたと思っております。しかし、今後消費税の税率に財源を依存するという考え方は、今後も慎重な検討を要するものだと考えておるところであります。
  279. 松本善明

    ○松本(善)委員 私の期待からするとまだほど遠いのでありますが、次の質問に移ります。  食糧、農業問題を伺います。  今多くの国際機関が、近い将来世界的な食糧不足を迎えるということを予測をしております。昨年、北朝鮮、フィリピンなどからの米の援助要請もあり、中国も米を輸入するなど、アジアの米不足が現実の問題になってきました。世界的な食糧不足はもう既に常識であります。ところが、この国会で、施政方針演説でも外交演説でもこれは全く触れられていないのですよ。世界的な食糧危機の問題、ことしの十一月に各国首脳が出席するFAO、世界食糧農業機関の食糧サミットについても何にも触れられていない。世界の食糧不足を前にして、我が国の一次産業は今存亡の危機に直面しています。  一体、内閣は二十一世紀における世界的な食糧不足をどういうふうに認識しているのだろうか。これは内閣の方針として官房長官に伺いたいと思います。副総理でもいいですよ。どっちでも。官房長官どうぞ。
  280. 梶山静六

    ○梶山国務大臣 専門的な数値は農水大臣にお譲りをするといたしまして、私もメドウズの「成長の限界」とかそういうのを読んで、確かに、人口の増加と食糧、それとエネルギーと環境、この四つがまさに密接不可分に入り組んでいることは事実でございますし、今の世界の人口、五十五億と言われますが、何としてでもこの人口の増加を防ぐためには、一人頭の所得が二千ドル以上にならない限り人口の増加率は減らないという試算がございます。  そういたしますと、貧困国の所得を二千ドル以上に上げることと人口の増加の比率、このカーブを見ますと、なかなか人口の一定の水準を保つことは不可能に近いし、二〇五〇年には百億になるだろう、あるいは二〇二五年には八十五億近くなるだろう。そういうことになりますと、確かに、耕地面積の増加率あるいは食糧の増産率、これはその辺に限界が来るであろうということが指摘をされているわけであります。  確かに、今々安いもの、合理性を追求するもの、それは大切でありますが、ようやくそういう機運が出てきたところであります。今々食糧のいわば輸入やその他によって農村が壊滅しようとすることと、いわば食糧の自給率、これを高めること、これは価格においてそれほど生計費に占める比率が高いわけではございませんから、この辺のことをこれから徹底して二十一世紀に向けての食糧対策と、いや、それだけではなくて、世界における食糧の需給のバランスをどう保つか。これは一番大きな平和を維持するためにも必要な問題であり、橋本総理ともこの問題のようやく話し合いを私たちも今いたしているところが現状であります。
  281. 松本善明

    ○松本(善)委員 外務委員会では、世界の飢餓人口について、外務省はFAOの指標を示しながら、慢性的な栄養不足人口七億八千万人と答弁しています。栄養不足のために一日に四万人もの人々が死亡しているのですね。これは本当に深刻な課題であります。  農水大臣にも後からお聞きしますが、外務大臣、これは外交的に、外交演説でもなかったので私は本当に不思議に思っているのですが、何にもしないでいいということでしょうか、外交的に。
  282. 池田行彦

    ○池田国務大臣 委員御指摘のとおり、世界全体にとりましても、将来に向かって食糧問題をどういうふうに解決していくか、重大な関心事であると思っております。とりわけ我が国は、世界最大の純食糧輸入国でございます。そういった立場から申しまして、我が国としても当然大きな関心を持って当たってまいらなくてはいけない、こう考えておる次第でございます。  外交演説では触れなかった、こういう御指摘でございますけれども、私どもそういった関心はずっと持っておりまして、実は、施政方針演説あるいは外交演説に対します御質疑ちょうだいした中でも、これは参議院でございましたけれども、例えばFAOの食糧サミット、この十一月に予定されておりますが、それにどういうふうに対応していくんだ、こういうお話ございましたので、政府といたしましても、また外務省といたしましても、非常に、先ほど申しましたように重大な関心を持っておりますし、それを解決していくためには世界的な各国の協力、特に国際的な協力が必要である、こういうことを考えておる、そしてこれから積極的に議論に参加してまいりたい、こういうことを申し上げた次第でございます。  それから、なお、これはちょっと観点は違いますけれども、今国連の海洋法条約の締結、そして新しい秩序ということのお話でいろいろ作業を進めているのは御承知のとおりでございますが、これもやはり水産資源、食糧の一部でございますが、それの資源の維持管理ということも念頭に置いてのものであるということは御高承のとおりでございます。
  283. 松本善明

    ○松本(善)委員 二百海里問題も漁民の非常に大きな要求ですし、大事な問題でありますが。  農水大臣に伺いますが、今もそれぞれ答弁ありましたように、二十一世紀における世界的な食糧不足は常識になっている。ところが、日本の農業、食糧、どうなんだと。そうすると、今まで、一九七〇年、二十五年前に六〇%であった食糧自給率が一貫して低下してきておるわけですね。食糧自給率、九三年度、カロリーベースでも四六%から一遍に三七%に激減です。世界的にも歴史的にも例のない事態です。九四年度の食料需給表では四六%に戻ったものの、これは豊作の米が七五%から一二〇%になったということによるものです。ほかの品目はみんなもう低下をしております。  農産物の自給率を回復させるという政策への転換は、私は国民経済の一刻もゆるがせにできない急務になっていると思いますが、農水大臣、いかがでしょうか。
  284. 大原一三

    ○大原国務大臣 先ほど官房長官からもお話がございましたが、私も、この四六%という自給率は先進国中最低でございます。ヨーロッパの各国を見ましても、食糧自給率の引き上げに大変な努力をしてまいっております。  私は、この前つくりました長期見通し、昨年の暮れでございますが、十年先に四四から四六%という数字をはじいているわけでございます。十年たっても現在水準にとまるのか、こういう問題をやはり考えますときに、何としても食糧自給率を上げる手法というのはないのかな。いろいろ農林省も政策を発表しておりますけれども、精農の農家に農地を集約して生産性を上げるとか、こういった問題も大変お金のかかる手法だと思うのです。農地の集約化のために現在程度のお金でいいのかどうか、この辺にも抜本的なメスを入れていかなければとても食糧の自給率を上げることは難しいのじゃないのかな。  御指摘ございましたFAOにつきましても、現に食糧安全保障という言葉を使っておるわけでございますので、委員御指摘のように、我々としては精力的にその問題には取り組んでいかなければならぬ最大課題の一つであると思っております。
  285. 松本善明

    ○松本(善)委員 農水大臣、就任記者会見で、コストがかかっても何とか自給率を上げる手法を真剣に考えなくてはいかぬ、食糧安保という言葉があるが、まさにそうした政策が必要だ、こういうふうに言われた。  今もある程度同じようなことなのですが、「農産物の需要と住産の長期見通し」で、まあ閣議決定したものですが、十年後の自給率は最大限努力しても現状維持程度、現状の延長線上で推移した場合、これはカロリーベースで四一%から四二%、自給率の大幅な引き下げ計画になっております。九〇年一月に閣議決定した長期見通しては二〇〇〇年にカロリーベースで五〇%の自給率、今度の長期見通してはこれさえも大幅に引き下げるものになっております。主食である米について言いますと、九〇年の一月の見通しでは二〇〇〇年に一〇〇%であったものが、今回は九六%から九七%というふうになっておりますね。これでは主食である米も外国に頼らなければならなくなる危険性があります。  私たちの党は、食糧自給率を当面六〇%まで回復して、さらに七〇%を目指す日本農業再建の総合政策を提起しているのでありますけれども、やはりこれは、ただやるやるではだめだと思うのですよ。やはりどういうような計画で自給率を引き上げていくのかという、これがないと口先だけということになるのですよ。農水大臣、どうするつもりでしょう。
  286. 大原一三

    ○大原国務大臣 委員御指摘の六〇%、七〇%という数字は、現状の我々の手法では非常に難しい数字だ、このように認識をしております。外国の例で申し上げて大変恐縮でございますけれども、フランスが七、八〇%だったのが今一三〇%になっておる。イギリスが四〇%程度だったのが七、八〇%になっておる。そういった、食糧政策に思い切ったコスト、人を注入して、私は、現状の自給率水準を彼らが達成したものである、このように考えますときに、並大抵の手法では今の農業の推移を見る限り非常に難しい課題である、こういう前提に立って、一歩でも二歩でも前進できる手法はないか、こういうことを我々としては今後さらに研究し、前進させる必要がある、かように考えております。
  287. 松本善明

    ○松本(善)委員 農水大臣は選挙公約で、調べさせていただきましたが、「コメは農村の生命線、日本自身がしっかりすれば、アメリカの外圧は必ずはね返せる。主食の自給は国策の基本としなければならない」と明記をしてあります。また、大臣就任後の日本農業新聞に対するインタビューでも、WTOの農産物貿易ルールに対して、「農業を、工業製品と同じように競争させたら、必ず日本は負ける。国策上、間違っている」ということを明言をしておられます。  それから久保、今度は副総理として伺います。久保副総理は農業新聞のインタビューで、「農業は自由競争に任せられない。」「日本がもっと国際的に動いて、農産物の新たな貿易ルールづくりに、積極的に努力していくべきだ。」自民党の加藤幹事長も、農業新聞のインタビューで、「わが党は食料を貿易ルールで、工業製品と同じ扱いにするべきではないと、七年間主張した。」「貿易ルールの見直しにも積極的に取り組む。二十一世紀には中国や発展途上国で穀物需要が高まり、世界の食糧需給はひっ迫する。」こういうふうに述べております。  私は、やはり自給率を高めていくために、農業、農産物の輸入の自由化をそのままにしておいたらこれはできないです。できない。それをそれぞれの形で皆さんおっしゃったのだと思うのです。しかし、これははっきりと、もしこれが本当に政策的に皆さんがおやりになるということならば、米の輸入の自由化にならなかった。私ども、それのときに反対をしましたけれども、皆さん賛成しておやりになった。この見解だったら、米の輸入の自由化にならなかったのでは……。(発言する者あり)ああ、反対の方もあったかもしれない。(発言するものあり)それはまあ、しかしちょっと……。まあしかし、これはもう詳しくやれば切りがないからやめておきます。ただ、これは、答弁の中で補足をしていただけば一番いいかと思います。  それで、私がお聞きしたいのは、農水大臣にも久保副総理にもお聞きしたいのでありますけれども、WTO協定見直す、米、農業を除外するということに、この考えでいけばならざるを得ない。これをおやりになるのかどうか。久保副総理と大原農水大臣に伺いたいと思います。
  288. 大原一三

    ○大原国務大臣 大蔵大臣も大変ありがたい御発言をいただいているわけでありますが、恐らく日本のこの現閣僚のほとんどは、松本委員と同じような考え方を持っておられるのではないのかな、私はこう思っております。  平成六年の閣議決定によりまして、ウルグアイ・ラウンドの対策が決まりました。そして、我々としては、このウルグアイ・ラウンドの中で農業・農村構造の改革をやっていこうということで踏み出したばかりでございまして、ちょうど七年、八年、今度を入れて二回になりますけれども、六兆百億円という巨額の投資をしながら、このウルグアイ・ラウンド対策をしのいでいかなければならぬ、こういう気持ちで、今鋭意邁進をしておる、そういう現状でございまして、WTO条約を今直ちに修正するという考えはございません。
  289. 松本善明

    ○松本(善)委員 直ちにというと将来はということはどうなんだということもあります。久保副総理、お答えをいただきたいと思います。いいですか。いや、なければいいです。ないですか。  それでは、官房長官、あなたは橋本総理とは一心同体ということでやっているということをたびたび言われている。橋本さん自身、その著書「政権奪回論」で「供給責任なき自由化、このことは実に恐ろしい問題をはらんでいる」、七三年のアメリカの大豆禁輸措置を例に挙げながら、「禁輸になった食物が大豆だったから、あの程度の騒ぎですんだのかもしれない。これがコメだったらどんな大騒動に発展していたことか。寒けがする思いだ」と述べています。  WTO協定には、供給責任は全くない。一方的に輸出を禁止をされる可能性さえあります。WTOから農業を除外し、主食である米を国内産で完全自給する、食糧の自給を計画的に回復させていくということこそ、安全な食糧を安定的に国民に供給することができる政策ではないか。これは、基本的な国民に対する責任ではないでしょうか。官房長官に伺いたいと思います。
  290. 梶山静六

    ○梶山国務大臣 このことに関して、橋本総理と打ち合わせをして出てまいったわけではありませんから、橋本総理であればどうであるかということには私は言及できませんけれども、確かに供給責任を負わない体制でございますから、自衛の道を講ずることは当然であります。  そのためにどうするか。それはやはり、一般工業製品と違うという常識論ございますけれども、何らかの方式あるべし。私は今ここで具体論を出すわけではございませんが、数年来こういう問題では同志と相図りながら、やる方法は幾つかあるはずであります。ただ、今のところ需給がタイトになっておりませんから、なかなか言うべくしてできない問題がありますが、これを十年、十五年というサイドで考えれば十分に、私は、自給は可能である、このように確信を持っております。
  291. 松本善明

    ○松本(善)委員 外務大臣、食糧サミット、ここでどういう主張をされるか。私は、やはり農業をWTO協定から除外するべきだということを、やはり堂々と今から訴えていかなければならぬと思います。それでないと、日本人の食糧を守ることはできない。この食糧サミットで何を言おうとしているか、伺いたいと思います。
  292. 池田行彦

    ○池田国務大臣 食糧サミットは、先ほども申しましたように、十一月に開催されることになっております。それに向かいまして、今からいろいろと各国間で協議しながら、どういうふうな形にしていくか準備を積み重ねていくわけでございますが、全体としては、我が国だけでなくて世界全体としての将来の食糧問題に不安なからしめる、そのためのいろいろな戦略だとか、あるいは場合によっては将来的には行動計画なんというものを目指していくという方向に行くんじゃないかと思います。ただ、ことしのサミットでどうなるかというのは、まだこれからちょっといろいろな準備作業を積み重ねなければいけないと思います。  そうして、その中でWTOの協定の改定を求めるべきじゃないかという御主張でございますが、その点につきましては、私は、やはりWTOの協定は全体としまして多角的な自由貿易体制を維持し強化していく、こういった大きな役割を持っているわけでございまして、これはやはり貿易立国を国是とする我が国としてそのことは大切にしていかなければならないのだ、こう思っております。  それからまた、食糧を工業品その他のものと同一視してはいけないという点につきましては、WTO協定におきましても必ずしも同一視しているのじゃないと思います。農業に関する附属協定におきましても、我が国の強い主張によりまして、食糧安全保障を含む非貿易的関心事項に配慮するということが明確に規定されているわけでございますし、また六年目の改定のときにもそういった非貿易的関心事項を考慮に入れるべきことと明定されておりますので、そういったことを踏まえながら、先ほど来農水大臣あるいは官房長官からもお話のございましたようなことをちゃんと踏まえて我が国で対応すべきものではないか、このように考えている次第でございます。
  293. 松本善明

    ○松本(善)委員 農水大臣、皆さんそうおっしゃるんだけれども、今、米の輸入の自由化を進める新食糧法のもとで米価が値下がりをして、生産意欲を失って農業後継者がいなくなる、この声がもう全国の農家に広がっているのは御存じのとおりです。この上に減反の事実上の強制が行われているのです。  減反の拡大は、生産量がミニマムアクセス米五十一万トンに匹敵する十万七千ヘクタールが減反目標に上乗せされて、減反目標七十八万七千ヘクタールでしょう。これは、北海道、青森、秋田、岩手、それから山形、宮城県の水田面積に当たる膨大な広さですよ。減反は、もうそれ自体が生産意欲を失うし、水田が一たん廃田になったら、復田は費用や労力がかかるのでもうほとんど不可能でしょう。いざ食糧不足ということになってから慌てても、間に合わないのですわ。  余っているから減反だというのは通用しないのです。今もちょっとお話がありましたが、外国から買ってきてなぜ減反を強制する、それが率直な農家の気持ちです。日本に米を輸出をしているアメリカでは、減反が九〇年で二〇%に達しておりましたが、昨年上院農業委員会で減反廃止を決めたほか、下院農業委員会でも廃止の方向だということ。日本に米を輸出をしているアメリカでなくした減反をどうして日本が引き受けなければならぬのか、とんでもないと。ミニマムアクセス米の五十一万トンに相当する十万七千ヘクタールが減反の上乗せであることは、だれが見たってわかります。  大原農水大臣、あなた自身、ミニマムアクセス米について、「主要閣僚にきく」というので「今のように豊作なのに輸入しなければならないのはナンセンスだ」と言っている。農水大臣、この発言を確認されますか。
  294. 大原一三

    ○大原国務大臣 ミニマムアクセスは我が国の公約でございまして、これは六年間続くということは委員御存じのとおりであります。  しかしながら、今回の減反は、特にこのミニマムアクセス米を前提に置いての減反ではございません。昨年の米の過剰、これを百五十万トンベースに落とす、その差が約七十万トンでございまして、ミニマムアクセス米の五十万トンが原因になっておるのではございません。  食糧庁長官の説明によりますと、このミニマムアクセス米は需給に影響ないような方式で処理をしていく、こういうお約束を皆さんにしているわけでございまして、ミニマムアクセス米が今回の減反の要因ではないと私は理解をしております。
  295. 松本善明

    ○松本(善)委員 そういう答弁をされるだろうと思っていましたけれども、そんな答弁されても農家は信用しないですわ、幾ら言ったって。  それで、今、米価の下支えがなければ安心して米づくりができない。私ども日本共産党は、最低限一俵二万円保障しなければいかぬと。それでないと、米をつくっていく農家が生きていけないのですよ。それから、一俵二万円で三百万トンにふやす。中山間地の農家には、十アール当たり年三万円、最高一戸三十万円の所得補償をする。そうしないと、中山間地を守れません。後継者対策も必要です。これ全部やっても、住専の予算の六千八百五十億にはいかないです。もう十分に、これを回せば二万円保障できます。それから中山間地の三十万の補償ができます。私ども、それをそういう方向へ変えなければいかぬと思います。  ただ私、だんだん時間が迫ってきましたので、最後の質問を申し上げたいと思うのですが、やはり今、自給率を高める、日本の食糧、農業を守るという上で、米も大事ですが、もう一つはやはりセーフガードの発動だと思うのです。  それで、野菜、農畜産物、水産物、繊維など、輸入増加によって価格が急落を来し、国内産地は存亡の危機に直面をしています。このままでは第一次産業、地場産業が成り立ちません。WTOのセーフガードに関する協定は、あらゆる産品を対象とし、協定の発動要件については当該政府が判断するということになっている。関係産品の輸入の増加と重大な損害またはそのおそれとの因果関係を立証すれば、セーフガードが発動できるということであります。  日本はガット以来まだ一度もセーフガードを発動したことがありませんけれども、他国では、一九五〇年から九三年の四十四年間で、アメリカやEC、カナダ、オーストラリアなどで百四十七回発動しています。やはり国内産業を守るというかたい決意でやるべきではないか。  これは通産大臣と農水大臣に伺いますが、農水大臣には特に、今サケ・マスについて非常に深刻になっていて、全国漁協大会でも発動を求めておりますので、サケ・マスについても、加えてお答えをいただきたいと思います。
  296. 大原一三

    ○大原国務大臣 先ほど御指摘のございました野菜の輸入については、大変私も危機意識を持っております。  昨年、一昨年でございますか、六割強の輸入増加、最近は多少落ちついてまいりまして、九%ないし一〇%という上乗せでございますが、それにしても増加しておる。こういう状況は何とかならないのかということで、前の野呂田農林水産大臣のときでございましたが、昨年の暮れに、まず調査に入るということで、実態調査を早急にやれということで現在進めておりまして、その結果に基づいて私としても適切に対処してまいりたい、かように考えております。  実は、サケ・マスの問題については今私十分存じ上げておりませんので、水産庁長官から答えさせたいと思います。
  297. 東久雄

    ○東政府委員 このセーフガードの発動は、先生御承知のとおり、輸入の急増ということと、それが国内の生産ないしは産業に重大な影響を与えるということが二つの条件になります。  サケ・マスの輸入の状況でございますが、例えば平成七年の統計では、サケ・マスは対前年マイナスでございます。そういうふうに、一時ちょっと、平成五年に大量に増加したことがございますけれども、ちょっと落ちついております。それから、生産は逆に上がってきております。  こういう状況を見まして、今のところセーフガードが使える条件はないと私の方は判断しております。
  298. 塚原俊平

    ○塚原国務大臣 WTOの協定の内容に従いまして、既に繊維セーフガードについては手続等の整備を行っております。これは、例えば外為法で告示あるいはガイドラインの請求をするとか、それから行政組織としても、昨年貿易調査課を設置するというような形でいたしております。  この手続におきまして、繊維セーフガードの発動の是非については、技術的判断と政策的判断の両面から総合的に判断することとされております。技術的な判断につきましては、輸入の増加やそれによる重大な損害、これは倒産みたいな形のものでございますが、検討することとされておりますし、また、政策的判断については、繊維セーフガードを実施した場合のメリット、デメリットについて検討するということにされております。  こういう状況で、具体的な案件が今後生じた場合には、この手続に従いまして厳正な検討をしてまいりたいというふうに考えております。
  299. 松本善明

    ○松本(善)委員 終わります。
  300. 上原康助

    ○上原委員長 これにて松本君の質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  301. 上原康助

    ○上原委員長 この際、御報告いたします。  昨二十七日の分科会設置の際に、分科員の配置及び主査の選任につきましては委員長に御一任をいただいておりましたが、分科員の配置につきましてはお手元に配付いたしておりますとおりといたします。     ―――――――――――――   第一分科員       志賀  節君    武藤 嘉文君       石井 啓一君    野田  毅君       上原 康助君    松本 善明君   第二分科員       相沢 英之君    越智 通雄君       草川 昭三君    谷口 隆義君     五十嵐ふみひこ君    海江田万里君   第三分科員       後藤田正晴君    村山 達雄君       今津  寛君    川島  實君       笹川  堯君    田中 昭一君   第四分科員       小澤  潔君    安倍 基雄君       山田  宏君    三野 優美君       錦織  淳君   第五分科員       菊池福治郎君    愛野興一郎君       平田 米男君    佐々木秀典君   第六分科員       高鳥  修君    原田  憲君       伊藤 達也君    前田 武志君       坂上 富男君   第七分科員       越智 伊平君    若林 正俊君       左藤  恵君    松岡滿壽男君       今村  修君    矢島 恒夫君   第八分科員       江藤 隆美君    村岡 兼造君       石田 勝之君    山口那津男君     ―――――――――――――
  302. 上原康助

    ○上原委員長 また、各分科会の主査は次のとおり指名いたします。         第一分科会主査 深谷 隆司君         第二分科会主査 保利 耕輔君         第三分科会主査 細川 律夫君         第四分科会主査 谷津 義男君         第五分科会主査 桜井  新君         第六分科会主査 近岡理一郎君         第七分科会主査 谷川 和穗君         第八分科会主査 伊藤 公介君以上であります。  明二十九日及び三月一日は分科会審査を行います。  本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十二分散会