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1993-10-27 第128回国会 衆議院 逓信委員会 2号 公式Web版

  1. 平成五年十月二十七日(水曜日)     午前十時開議  出席委員   委員長 高橋 一郎君    理事 佐田玄一郎君 理事 坂井 隆憲君    理事 自見庄三郎君 理事 白川 勝彦君    理事 田中 昭一君 理事 金子徳之介君    理事 石田 祝稔君 理事 河村たかし君       荒井 広幸君    川崎 二郎君       斉藤斗志二君    関谷 勝嗣君       虎島 和夫君    森  英介君       山下 徳夫君    米田 建三君       大木 正吾君    山崎  泉君       横光 克彦君    吉岡 賢治君       佐藤 守良君    田名部匡省君       高木 陽介君    森本 晃司君       小沢 鋭仁君    佐藤謙一郎君       神田  厚君    矢島 恒夫君  出席国務大臣         郵 政 大 臣 神崎 武法君  出席政府委員         内閣法制局第一 津野  修君         部長         郵政大臣官房長 木村  強君         郵政省郵務局長 新井 忠之君         郵政省通信政策五十嵐三津雄君         局長         郵政省電気通信 松野 春樹君         局長         郵政省放送行政 江川 晃正君         局長  委員外の出席者         自治省行政局選 松尾 徹人君         挙部選挙課長         参  考  人         (全国朝日放送 伊藤 邦男君         株式会社代表取         締役社長)         逓信委員会調査 丸山 一敏君         室長     ―――――――――――――  委員の異動 十月二十七日  辞任         補欠選任   吹田  愰君     田名部匡省君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  逓信行政に関する件      ――――◇―――――
  2. 高橋一郎

    ○高橋委員長 これより会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。横光克彦君。
  3. 横光克彦

    ○横光委員 社会党・護憲民主連合を代表いたしまして、私横光克彦が質問させていただきます。この委員会のトップバッターの質問だということで光栄に思っておりますが、一年生議員で何せ初めての経験でございますので多少緊張しておりますが、ひとつよろしくお願い申し上げます。  まず最初に、テレビ朝日の椿前報道局長の発言問題についてお尋ねしたいと思います。  今やこの問題は、去る二十五日に政治改革特別委員会でも証人喚問が実施されるなど、大きな社会問題となっております。この問題は、テレビなどのマスメディアのあり方について放送法に規定する政治的公平のみならず、国民の知る権利や言論の自由に大きく関係する重要問題であると思うのです。国民の知る権利を確保するためには中立公正な情報提供が必要であり、現在の主要伝達メディアであるテレビについて、報道されたように情報を恣意的に操作した事実がもしあるとすれば、これは断じて許されないことであろうと思います。  二十二日に議事録が公表されましたが、それを読む限りでは、椿氏は、放送界の根幹である不偏不党、そしてまた公正中立から一歩踏み出た印象はぬぐえません。極めて軽率で不用意な発言であったと思います。  特に、細川政権を生み出したのはテレビが原動力であるなんて言っていますが、確かに、テレビの報道が政治をおもしろくした、あるいは政治を身近にしたという功績は大きいと思いますが、ジャーナリズムは視聴者の判断材料を幅広く提示するのが役割であり、テレビ報道が流れを増幅した面があったにしても、そして新しい政治の変事を望み連立政権が誕生したのは、これは紛れもなく国民が選択したわけでございます。  それを、テレビが原動力であるとは、有権者軽視の思い上がりも甚だしいと批判されてもいたし方ないのではないでしょうか。その思い上がりが、偏向報道が行われたかのように受け取られかねない発言につながったのではないかと思います。そういった意味で道義的な責任は、問題は問われるかもしれません。  しかし、この一連の報道により、椿前報道局長が去る二十五日に政治改革特別委員会で証人喚問されました。これは、明らかに言論に対する政治の介入ではないでしょうか。  ジャーナリストだから国会に呼ばれない特権も、また裁判で証言しない特権もないわけで、議院証言法の建前からいえば椿氏が喚問に応じざるを得なかったわけですが、報道の根本にかかわる問題について、報道に携わる一民間人を果たして証人喚問する必要があったのかどうか、私は強い疑問を感じざるを得ません。放送法に触れるという事実がはっきり明確になっていない時点で、しかも、政治的公平と言論の自由との兼ね合いなど、今回の喚問の是非に関する論議が十分になされないまま国会対策が優先されたことにも、私は強い疑問を感じざるを得ません。  事は言論、報道の自由に関する問題であり、慎重な取り扱いが求められるものと考えます。このため、電波、放送を所管する当逓信委員会としても、この問題について質疑を行うべきだと思います。  まず最初に、郵政省は新聞報道以来、事実関係の把握に努められているということをお聞きしていますが、これまでの調査結果を御報告願えればと思います。
  4. 江川晃正

    ○江川政府委員 郵政省は現在、幾つかの調査をしてまいりました。一つは、椿当時の報道局長本人からの事情聴取、それから民放連自身からの事情聴取、さらにテレビ朝日という会社、組織に対する事情聴取、あわせて、調査会に出席いたしました十二人の内部委員、外部委員全員について、いろいろ行ったりして調査したところでございます。  ただ、ただいまの御質問でございますが、そういう調査がまだ完結しておりませんで、また結論も出ておりませんので、調査を継続している段階でございます。現時点においては、その調査結果についてここで申し上げることは差し控えさせていただきたいと存じます。
  5. 横光克彦

    ○横光委員 郵政省はきのう十月二十六日、電波監理審議会に放送局の一斉免許について諮問したと聞いていますが、その中でテレビ朝日をどのように取り扱ったのか、またその理由は何であったのか、そこのところをお聞かせください。
  6. 江川晃正

    ○江川政府委員 昨日二十六日に電波監理審議会に、先生御指摘のとおりテレビ朝日に関する再免許について諮問いたしました。何分法律的事項でございますのできちっと申し上げたいと思いますので、かたくなりますが文書を読まさせていただきます。  一つは、テレビ朝日につきましては、平成五年十一月一日から平成十年十月三十一日までの再免許を与える。ただし次の条件のもとにということで、条件が、「平成五年九月二十一日に開催された社団法人日本民間放送連盟の放送番組調査会における椿報道局長(当時)の発言に関連する事実関係及び関係法令の適用関係について、確定できないところがあり、引き続き調査を要するので、その事実関係が町らかになった時点で、改めて関係法令に基づき必要な措置をとる。」という条件をつけたわけでございます。  この条件を付しました理由は、一つは、「平成五年十月十三日の新聞報道を契機に、同年九月二十一日に開催された社団法人日本民間放送連盟の「第六回放送番組調査会」に出席した椿報道局長(当時)の発言が、放送法違反であるとの疑義が多方面から指摘され、郵政省としては、直ちにこの問題について調査を開始した」わけでございます。  「調査は、椿報道局長(当時)の発言の真偽」、それから二つ目に、その「発言内容に基づき、実際に放送番組の編集・放送がなされたかの二点について行われ」ました。「椿報道局長(当時)の発言の真偽については、同調査会における議事録によりその内容を確認できた」わけですが、「椿報道局長(当時)の発言内容のとおりに、実際に放送番組が編集・放送されたか」につきましては、一つは、「全国朝日放送株式会社」これはテレビ朝日でございますが、「においては、部内者による調査を行ってきたが、今後、外部の有識者を入れて調査を継続する予定であり、」結論がまだ得られておりません。二つには、衆議院政治改革に関する調査特別委員会における証人喚問等の結果につきましても検討する必要があることなどによりまして、見きわめるべき外部の審議、調査がいまだ終了していないこと等によりまして、最終的には事実の確認を行うことができませんでした。  よって、上記の条件を付して再免許を与えることとし、昨日、電波監理審議会に諮問することといたした次第でございます。
  7. 横光克彦

    ○横光委員 非常に大事な問題ですので慎重に対処していただきたいと思います。  この免許、許可にかかわる問題ですが、放送法に規定されております政治的公平であるということ、これは非常に漠然としている問題ですが、実際は非常に繊細な問題であるとも思うのです。これはどこで、政治的に公平であるということはその判断基準は何なのか、そしてまた、だれが判断するのか、そこが非常に難しい問題であるのですが、郵政省はそれをどのように判断するのでしょうか。
  8. 江川晃正

    ○江川政府委員 政治的公平ということにつきましては、放送法は表現の自由を保障する一方で、御案内のように、同法第三条の二の第一項第二号におきまして、放送番組の編集に当たっては「政治的に公平であること。」というふうに求められているところでございます。  そこで、その政治的公平であることというのはどういうことかということにつきましては、政治的な問題を取り扱う放送番組の編集に当たりましては、不偏不党の立場から、特定の政治的見解に偏ることなく、放送番組が全体としてバランスのとれたものでなければならないと考えておりまして、あわせて同項第四号の趣旨との関連におきまして、政治的に意見が対立している問題については、積極的に争点を明らかにし、できるだけ多くの観点から論じられるべきものだというふうに考えております。  それで、では政治的公正をだれが判断するのかというところでございますが、これは最終的には郵政省において、そのこと自身の政治的公正であったかないかについては判断するということでございます。ただ、その判断材料につきましては、放送番組の編集に当たっては自主性をたっとぶという立場にございますので、まず、放送事業者において、我が番組における公正さというものを説明してもらう、それを受けて我々が判断するというふうにしているところでございます。
  9. 横光克彦

    ○横光委員 先ほども申しましたが、言論報道機関に国会や行政が介入することはできるだけ避けるべきことであろうと思うのです。では、避けるためには、行政や国会が介入する以前に、ある問題が起きた場合、その前に事前に調査する機関といいますか、そこで処理する機関といいますか、まを言えば、日本もテレビオンブズマン制度を導入してはどうか。要するに、例えば郵政省の諮問機関にして、学識経験者から成る委員会をつくり、そこが放送番組の内容に関する問題を取り扱う。そこでまず調査して処理する。そういう場が今回なかった。そういったものを郵政省の諮問機関で、そういう制度を導入してはどうか、そういう考えがありますが、それはいかがでしょうか。
  10. 江川晃正

    ○江川政府委員 ただいま先生御指摘のように、何らかの第三者機関において放送番組の内容に関する問題を取り扱うということは、表現の自由の保障との兼ね合いがございます。それから、客観的かつ公正に放送番組の適正を図っていくというための、それが本当に有効なものであるかどうかということもございますが、一つの方法であるのかもしれません。  いずれにいたしましても、今私としては、そうするというふうには申し上げられません。今回のテレビ朝日事案について十分調査を行いまして、結論を得た段階で、それまでの過程でいろいろと認識されました問題など十分調査、検討、研究いたしまして、先生の御指摘のありましたことも十分念頭に置きながら、現行の諸措置に加えてさらに新たな措置が必要であるかどうかということについても考えてまいりたいと思っております。
  11. 横光克彦

    ○横光委員 前向きにぜひ考えていただきたいと思います。  次に、この二十五日に衆議院の政治改革特別委員会で椿前報道局長の証人喚問が行われたわけですが、これはジャーナリズムヘの権力の介入であるという考えを持っている人は非常に多いと思うのです。そこのところは、郵政省としてはどういうふうにお考えですか。
  12. 江川晃正

    ○江川政府委員 国会においてなされた仕事でございますので、私の方はコメントを差し控えさせていただきたいと存じます。
  13. 横光克彦

    ○横光委員 次に、郵政大臣にお伺いいたします。  言論の自由は憲法二十一条にも定められている国民の権利であり、民主主義を守るために行政の対応も慎重であるべきだと考えますが、放送法を所管する立場から、郵政大臣のお考えをお聞かせください。
  14. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 放送法は、憲法第二十一条を受けまして、放送法第三条におきまして放送番組編集の自由を定めているところでございます。この理念は放送法上の重要な原則であり、法の運用に当たってはこのことを絶えず念頭に置き、慎重に対応していかなければならないものと考えております。
  15. 横光克彦

    ○横光委員 慎重な対応を本当にお願いいたします。  私が映画、演劇の世界に長い間いて仕事をしてまいりました関係で、表現の自由、そしてまた言論の自由に対しては非常に人一倍強い関心を抱いてまいりました。  かつて戦前には新劇が表現の自由を弾圧されたこともありますし、また映画、演劇に対しても、官憲が劇場や映画館に入っていって突如として上映中止と叫んで演劇や映画をとめさせるというようなこともかっであったわけです。そしてまた戦後には、映画関係者も報道の自由を規制されるという事実もありました。  今回のように、国会が報道内容にまで踏み込んで追及するようなことになれば、テレビ朝日だけでなく、テレビ界、テレビの選挙報道のあり方全般の問題に収拾がつかなくなる可能性が出てくると思うのです。こうした批判を理由に、テレビ報道が自己規制するようになってはいけませんし、そしてまたさらには、放送現場で働く人々を萎縮させるようなことは、絶対にあってはならないことだと思うのです。公正をもって、ますます活発な報道をしてほしいと私は思っております。そのためにも国会や行政が介入することは極力避けなければならない問題であろうと私は思います。今後ともひとつどうぞ前向きに対処をよろしくお願いいたします。  これで、私の質問を終わります。ありがとうございました。
  16. 高橋一郎

    ○高橋委員長 次に、石田祝稔君。
  17. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 公明党の石田でございます。  今回のテレビ朝日の一連の問題につきまして、まず最初に大臣に率直な御感想、また、郵政省を預かる者としてどのようにお考えなのか、率直な御感想をお願いします。
  18. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 今回のテレビ朝日元報道局長の発言問題につきましては、多方面からその問題点が指摘されているところでございまして、郵政省といたしましても重大な問題であると認識をいたしておりまして、事実関係の調査と、これに基づきます放送法等の適用関係につきまして現在検討しているところでございます。  このような状況の中で、昨日電波監理審議会に放送局の再免許を諮問いたしましたけれども、テレビ朝日につきましては条件を付して再免許を諮問したところでございます。
  19. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 それで、私は再免許の問題についてまずお伺いをしたいと思います。  残念ながら今回のこの一連の問題は、十一月一日の放送局の再免許という問題と絡みまして、本来憲法二十一条とのかかわり合いの中で広く国民的に議論を起こすべきところが、ある意味でいえば放送法という枠内に議論が閉じ込められてしまったのではないか、こういう率直な私は感想を持ちます。その意味で、この後、憲法二十一条との関係について法制局においでをいただいておりますのでお聞きをいたしますけれども、まず再免許の交付についてお伺いをしたいと思います。  昨日、電波監理審議会へ諮問を行われたということで、私の前の質問者からもいろいろと御質問ございましたけれども、この中で今回条件をつけられたところがございますが、その条件をつけられたところ、たしか三社あると思いますけれども、どういうことで条件をつけられたのか、お聞きをしたいと思います。
  20. 江川晃正

    ○江川政府委員 先生御指摘のとおり、昨日百九十二社について再免許の諮問を電波監理審議会にしたところでございます。そのうち百八十九社につきましては通常の形で五年の免許を諮問いたしましたが、おっしゃいましたように三社につきましては条件を、あるいは期限をつけました。  その三社について、ちょっと細かくなって恐縮でにざいますが申し上げますと、一つは、固有名詞を出して恐縮でございますが、近畿放送というところとそれから衛星デジタル音楽放送、番組名ではセント・ギガといっております、この二社につきましては、財政上の問題、向こう五年間放送を継続していく財政的基盤がないという判断に立ちまして免許の有効期間を一年としたわけでございます。さらに、近畿放送そのものにつきましては、細かくなるのも恐縮でございますから説明は省略させていただきますが、ある額の債務がございますが、この部分についてこの一年間に解決をしてくれ、するようにという条件もつけたわけでございます。それが二社、近畿放送と衛星デジタル音楽放送についてでございます。  三つ目が、先生御指摘のようにテレビ朝日、全国朝日放送株式会社についてでございまして、今回の事案に関しましては十一月一日の再免許までに事実関係が確認できなかったということから、後日事実関係と法律の適用関係が明らかになった時点で必要な措置をとるという条件を付して、十一月一日から向こう五年間、平成十年十月三十一日までの免許としたわけでございます。  以上でございます。
  21. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 今回の百九十二社の中で三社が条件つきだ、そのうちの二社はある意味でいえば財政的基盤の安定性が確信できない、こういうことで一年間の免許だ、こういうことでございます。これはある意味でいえば、財政的な問題はだれが見ても客観的にこの会社は厳しい、安定的に放送できないのではないか、これはだれもが判断できる部分で、ある意味では条件をつけられた。しかし、残念ながらこのテレビ朝日の件につきましては、そういうだれが見ても数的に明確な根拠を持っている、これはやむを得ないな、そういう部分ではないところが条件になっている。  これは私は非常に残念なことでありますけれども、過去に何回か再免許、免許を交付されてきたことはあると思いますけれども、こういう形で財政的な問題ではない、また財政的な問題も含めて条件をつけたことはないというふうに私は聞いておりますけれども、この点はいかがでしょうか。
  22. 江川晃正

    ○江川政府委員 細かく申し上げますと、財政的な部分で条件をつけたということは過去にもございます。しかし、今回のテレビ朝日のような意味での条件というのは、御指摘のように初めてかと思います。
  23. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 今回の問題、初めてのケースだ、こういうことでございます。  実は、私はことしから逓信委員会に所属をいたしまして、逓信委員会、いろいろな問題、逓信委員会の問題ではありませんけれども、スムーズに進まないことがございました。その中で、やはりやらせの問題とかいろいろ委員会が開かれたりしまして、私はそのときに申し上げたことを今思い出します。こういうところで、委員会とか国会の場で放送内容についてやるのはもう終わりにしたい、こういうことをそのときに私申し上げました。本来であれば行政が内容等についていろいろ言うべきではないし、これはある意味でいえば国民が正確に判断をしていくことではないか、こういうことでそのときそういうことを申し上げました。この場でまた内容にかかわることを、一つの議題となってやることを私は個人的に非常に残念に思っております。  それで、この件、今まで条件をつけたことはないということはわかりました。先ほど局長も、現在までのテレビ朝日についての調査ではまだ確定的なおのは発表できない、こういうお話でございましたけれども、今まで調査した範囲でどのように行政局長としてはお考えになっているか。明確に確定的なものではなくても、御自分の行政局長という立場としてどのようにお考えになっているのか。個人的な感想でも結構ですから、調査の結果を若干教えていただければ。
  24. 江川晃正

    ○江川政府委員 こういう公式の場でございますので、個人的な思いは避けさせていただきたいと思います。  それから調査でございますが、まじめな意味で、本当に完結していないところでございます。また、見るべきデータ、使わせていただくべきデータが外部の作業によってつくられるという依存型でもございますので、そういうものが整わないから一種の、ある種の判断ができないということもございます。それから、だれか一人が言ったことを、そのことを今ここで、何かこう言ったああ言ったというようなことを言いますと、それ自身が真実性もなくひとり歩きするという危険もございますので、一切申し上げないことにさせていただいているところでございます。  そういう意味で事実について申し上げることは御勘弁いただきたいということが一つと、感触みたいなことも申し上げることは御勘弁、御容赦いただきたいと存じます。
  25. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 最終的な確たるもの出ていないということでありますけれども、そうすると、例えばここに、免許の諮問の概要についてということで条件を付する理由を何点か述べられておりますけれども、現時点ではこのような考え方である、こういうことですね。
  26. 江川晃正

    ○江川政府委員 先生ごらんになっている資料が私のと一緒なのかどうかわかりませんが、昨日記者会見いたしましたときに配りました資料がございます。それによりますと、先ほど実は他の先生で恐縮でございますが答弁に使わせていただいたあれでございますが、ペーパー、資料でございますが、その資料のとおりかと言われましたらまさにそのとおりでございます。これは手続部分をよく書いてございますので、こういう手続でまだ不足しているところがありますということをよく申し上げているところでございます。
  27. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 それで私、法制局においでいただいておりますので、憲法と法律との関係でお伺いをしたいと思います。  一般的に憲法と法律はどういう関係になっておりますか。
  28. 津野修

    ○津野政府委員 一般的に憲法と法律の関係ということでございますが、憲法の第九十八条に第一項で、「この憲法は、国の最高法規であって、その条規に反する法律、命令、詔勅及び国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その効力を有しない。」という規定がございまして、憲法に違反する法律というのは無効であるということになっております。
  29. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 そうすると、憲法がある意味では上位法で通常の法律は下位法だこういうことでよろしいですか。
  30. 津野修

    ○津野政府委員 今御答弁申し上げましたように、九十八条で書いておりますのは、まさに憲法が上位法であって一般の法律が下位法であるという趣旨でございます。
  31. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 憲法第二十一条はこういう条文でございます。「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。」この憲法第二十一条と放送法との関係、放送法は五年に一回の免許ということですから、ある意味でいえば、テレビ局の側からいえば非常に規制をされた部分もあるわけですね、五。年に一回免許をもらわなければいけない。ですから、この憲法二十一条と放送法との関係はどのようにお考えになっていますか。
  32. 津野修

    ○津野政府委員 憲法二十一条に、先ほど先生の方からお読みいただきましたように、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」という規定がございます。その二十一条の中に当然報道の自由というのも入るわけでございますけれども、それは表現の自由の一部として憲法二十一条で保障されておりますが、放送につきましては、有限、希少な電波という資源を独占的に使用するものであること等から、電波を公益上有害なことに利用したり、自己の利益のために利用したりすることのないよう、放送の内容についても放送法により一定の規律が定められているものでございます。  放送法の三条の二の一項で、放送事業者は、放送番組の編集に当たっては、公安及び善良な風俗を害さないこと、政治的に公平であること、報道は事実を曲げないですること、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにすることというような四つの原則によること等を定めているところでございますが、これらは、放送の特殊性に着目いたしました合理的かつ必要最小限度の制限でありまして、憲法の表現の自由に違反するというようなものではないと考えているわけでございます。
  33. 石田祝稔

    ○石田(祝)委員 ですからここのところ、憲法が法律の上位法である、ですから憲法に違反する法律というのはこれは無効だ、効力を持たない、こういうことで、憲法二十一条は表現の自由、そういうものを保障している。その中で、放送法という枠の中で、テレビだと免許ということが出てくる。  そうすると、先ほど私が、今回の再免許の諮問に当たって、三社のうち二社は、これは明確にどなたが見てもいわゆる数字の世界で放送を安定的に供給するのは大変難しいのではないか、これは私はある意味でいえばわかる理屈でありますけれども、なお一社が定量的にはかりづらい部分で条件をつけられているのではないか。  ですから、私は最初に申し上げましたように、本来でしたら今回の問題というのは広く憲法二十一条の国民の知る権利、表現の自由、報道の自由の観点から大きく論議をすべきところではなかったか。しかし残念ながら、この時期が放送法の再免許の時期と非常に密接な部分で問題にされた、こういうことで放送法の枠内に閉じ込められた議論になってしまったのではないか、これを私は非常に心配をするわけでございます。  ですから、これは今後の課題として大きく憲法二十一条との関係から国民的に議論をしていくべきであろう、この委員会の狭い空間での議論ではなくて、大きく広く日本全国で議論をしていくべきことではないのか、このように私は率直な感想を持っております。いろいろと御意見もあるようでありますけれども、私はそのように思っております。  ですから、今後どういう形で議論が進むかわかりませんけれども、ぜひとも憲法二十一条の観点から私はこれから考えていきたい、このように考えております。とにかくぜひともこの問題を大事にしていくべきである、私はこのように思っております。(発言する者あり)不規則発言もあるようですけれども、御意見があれば質問でされればよろしいかと思います。  では、私は終わります。
  34. 高橋一郎

    ○高橋委員長 次に、河村たかし君。
  35. 河村たかし

    ○河村(た)委員 さきがけ日本新党を代表いたしまして、河村たかしてございます。  時間がございませんので、前置きなしにして進めます。  まず、今回の椿さんの発言のことについてでございますが、その発言が、本当にしたのかしないのか、そういう問題はさておきまして、郵政行政の中で今後こういう問題が起きたときにどういったシステムをつくって対処していくのか、こういうことが一番大事ではなかろうかと思います。  それで大臣にお伺いしたいのですが、まずこういったことが起きたこと自体なんですが、それはある程度放送の自由というのを強く保障したために起こった、結局いわばコストのようなものですね、そういうふうにとらえるのか、それとも、やはりこれは病的現象でして何らかの規制手段が必要だ、そういうふうに考えられるのか、そういう基本的な認識のところをお伺いしたいと思います。
  36. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 今回のテレビ朝日の元報道局長の発言問題につきましては、社会問題化し、多方面から問題点が指摘されているわけでございまして、郵政省としてはこの問題は重大な問題である、こういう認識を持っているところでございます。  ところで、現行のいろいろな規律がございますけれども、さらにまた新たな制度が必要になるかどうか、こういう点につきましては、今回の問題の調査を遂げた上でこれをどうするか検討をすることが必要だろう、このように考えているところでございます。
  37. 河村たかし

    ○河村(た)委員 いずれにしましても、今後非常にメディアが多メディア化してきまして、何らかの意味で、今の三条の二の規定ですか、公平原則を考え直す時期に来ているのではないか、そんなふうな気持ちがしますが、これも大臣にお伺いしたいと思います。
  38. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 御指摘のように多メディア化が進展している状況にあるわけでございますけれども、放送は限られた資源である電波を使用する社会的影響力の大きな公共性の高いメディアでございますし、放送法におきまして、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって放送による表現の自由を確保する観点から、放送の政治的公平性等が定められているところでございます。  今回のテレビ朝日事案につきまして十分調査を行って結論を得た段階で、それまでの過程で認識されてまいりましたいろいろな問題につきまして調査検討した上で、現行の措置のほかにさらに新たな措置が必要であるかどうか、その点を考えたいというふうに思います。
  39. 河村たかし

    ○河村(た)委員 椿さんの発言はある意味では多メディア化の時代を先取りしたとも言えるのではないか、そんなふうにも一つ思われると思います。  私は、このようにいろいろなメディアが分化していく状況においては、一本の公平原則ではなくて、例えばCATVでもまだまだでございますが、もっとチャンネルがふえた場合にはここの分野においてはそういう公平原則を外しまして、また一万必要な分野においては、今現在はなくなりましたけれどもアメリカのやっておりましたいわゆる公平原則ですね。向こうにおいてはそれぞれの見解をも発表しなければならない、日本では論点を指摘しろ、そういう規定でございます。ただ、アメリカの運用はちょっと詳しくはわかっておりませんけれども、その辺のところはちょっと違うわけでございまして、緩やかにするメディアと厳しくするメディア、そんなふうに分ける時代が来ておるのではないか、そんな規制がいいのではないかというふうに思っておりますが、その辺のところは、局長でございますか、どう考えられますでしょうか。
  40. 江川晃正

    ○江川政府委員 先生御案内のように、アメリカでは、一九四九年でございますが、FCCがいわゆるフェアネスドクトリンというのを初めで明文化されたと承知しております。その中では、放送事業者というのは、エリア内の地域社会の公衆にとって重要な問題に関し、合理的なあらゆる側面の見解を公平に放送する義務を負うという規定がございます。  これが世にいうフェアネスドクトリンということで有名だったわけでございますが、一九八七年にこのフェアネスドクトリンに関するFCC規定が廃止されたのも先生御案内のとおりでございます。廃止されましたが、政治的公平に関しましては、米国の通信法第三百十五条というのがございまして、そこに候補者に対する機会の均等が定められております。  こういうようなアメリカにおける公平性の扱いあるいは公平性の思想にかかわるいろいろな手続の変遷がある、あるいは思想の変遷があるということは何に基づいているのかということの一つに、先生がおっしゃいます多チャンネル化、多メディア化というのもあろうかと思います。  いずれにしましても、日本国では、今回のこのような問題が議論の俎上に上っだということは、不幸の中における一つの機会だな、チャンスだなと思います。先生の御指摘の点に関しましても、私どもといたしましては、これは一つの参考とさせていただきまして、大臣申しましたように、今回の調査結果も踏まえまして、その後どうしていくのかというようなことは考えてまいりたい、そう思っております。
  41. 河村たかし

    ○河村(た)委員 ということは、今までの画一型の公平原則による規制、そういうのは少なくとも見直していく、そういうふうに受け取ってよろしいでしょうか。
  42. 江川晃正

    ○江川政府委員 こういう場で、見直しをする、しないというようなことを軽々に申し上げるのもいかがかと存じます。とにかく、この今回の事実、不幸な事実でございますが、それを契機としていろいろ勉強、研究、検討していきたいということでお許しいただきたいと思います。
  43. 河村たかし

    ○河村(た)委員 では、先ほど憲法の問題も出ましたけれども、放送の自由を守るためには、基本的に、余り枠組みをつくらない方がいいのか、また、抽象的な状況というのは意外と規制を招きますものですから、一定の枠組みをつくった方がかえって放送の自由を守る方に行くのだろうか、その辺の基本的な御認識はいかがでございましょうか。
  44. 江川晃正

    ○江川政府委員 現行法の世界で申し上げますと、放送法においては、表現の自由の確保を基本としつつも、放送の有する特殊性ということを考えて一定のルールがつくられていると理解しております。  つまり、利用する電波が希少性であり、一人が使えば他に使えなくなるという排他性を持っているということ、それからもう一つは、放送というものが、多くの家庭で同時に直接受信されて社会的な影響が極めて大きいというような特性から、放送番組に関する必要最小限の規律を課すということなどの一定のルールというものは設けられているわけでございます。  そういう意味では、今の制度をにわかに打ち壊す必要もないのではないかな、そう考えております。
  45. 河村たかし

    ○河村(た)委員 いずれにしろ、何らかの一定のルールをつくっていくということにはなると思うのですけれども、その場合は、なるべく官の論理ではなくて、やはり放送というのは非常に大きい威力というか影響力がありますので、やはり民の論理というのですか、民主主義を大切にしていただきたいということでございます。  それから、八八年の改正にもございましたけれども、いわゆる番組審議会という制度、これを持っておりますが、これが残念ながらある意味では非常に形骸化している、そういうことを言われておるわけです。私も、名古屋の方で、本当の当初に番組審議会の委員をやった方にこの間お会いしましたら、初めは、いわゆる大本営発表のところにどうやって民の論理を取り入れるかということで活発な議論をしょっちゅうしていたというような話を賜りました。  この番審のいわゆる活性化について、いろいろな方法があるかと思います。何かあきらめたというような感じもないわけではないのですが、そうじゃなくて、例えばスポンサーの皆さんには自分が審議会の委員の間はちょっと御遠慮いただくとか、そういうような方法によりまして、これをさらに活性化する方法はいかがなものでございましょうか。
  46. 江川晃正

    ○江川政府委員 ただいま先生おっしゃいましたように、放送事業者による自律的な番組の質の向上を図るということは大変重要でございますので、そういうためには、放送事業者には放送番組審議機関の設置というのが義務づけられているのは御案内のとおりでございます。  そのために、その機関について、昭和六十三年、八八年でございますか、先生おっしゃいましたが、そのときに、ちょっと改正をしたわけでございます。一つは、審議機関の答申あるいは意見の概要などの公表義務と申しましょうか、世の中に出してもらう。それから二つ目には、審議機関の機能の活用努力、なるだけ番組審議会にかけていきなさいという話。それから三つ目に、今先生最後に御質問されたことと若干かかわってくるかと思いますが、審議会のメンバーの中にその会社の人が入っているのを部内委員と申し上げておりますが、部内委員制を廃止した、外から多くの方の知恵をいただくための幅を広げたというふうになったわけでございます。  それで、番組審議機関につきましては、さまざまな立場の方にそうやって入っていただきまして、多角的な意見を放送番組に反映させていこうということで動いているところでございますが、運営は放送事業者に自主的にやってもらうということでやっているところでございます。  それで、先生おっしゃいました、スポンサーという話でございましたが、委員の選定につきまして一定の枠をはめるということの是非というのはまた一つの議論があろうかと思いますが、現実的には、我々もちょっと調べてみましたらば、五つの大手の会社の番組審議会を調べてみました。各社を合計すると全部で六十五人になりますが、明らかに背後にスポンサーをしょっているなと思われる人は三人ほどです。しょっているなという意味は、広告を出しているという具体的事実、そういう事実を持っている会社がという意味でございまして、その方がやっているという意味ではありません。そういう意味では六十五人中三人ぐらいでして、名古屋の方ではあるいはもう少し異なる事情があるかもしれませんが、東京の大手で見ますとそのぐらいでございました。やはり各社がそういったこともそれなりに配慮はしているのかなと私は判断しているところでございます。  そのようなことをやりながら活性化を図っているということで、今回の不幸な事件と申しましょうか事案を契機に、この番組審議会はそれなりにまた各社が一つの活性化を図ってもらえるのではないか、いろいろな委員会、研究会をつくり始めておりますから、いろいろと活性化が図られるのではないかと期待しているところでございます。
  47. 河村たかし

    ○河村(た)委員 最後にこの問題について大臣にお伺いしたいのですが、自主規制を中心にやってきましたところが、たび重なるやらせ問題ですか、そういうようなことで、何かどうなんだろうということになるのだろうと思いますけれども、やはり一粘り強く、官の規制によるのではなくて、やはり民を中心にした方向に持っていく、そういうことについてできましたら御決意をお知らせいただきたい。  それから、報道関係者の皆さんにはぜひ自主規制というか、結構なんですけれども、余り何遍も何遍もこういうことが操の返されますと失望が広がりまして一気に官の規制に突っ走る可能性がありますので、ぜひその辺は強い自覚を求めたい、そう思います。じゃ大臣お願いします。
  48. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 放送法におきましては、放送番組の編集につきましては放送事業者の自主性にゆだねることにいたしているところでございます。これと表裏一体となっておりますが、放送事業者としては社会的責任を深く自覚して自主的に放送番組の適正化に対して真摯な取り組みを行うことが求められているところでございます。したがいまして、委員御指摘のとおり、放送番組については第一義的には民間を中心としたコントロールを基本としていくことが適当である、このように考えます。  ただ、今回のテレビ朝日の問題につきましては、私ども現在調査をいたしておりますので、その調査の結果を踏まえて現在の措置以上にさらに新たな措置をとる必要があるかどうか、これは検討をさせていただきたいと思っております。
  49. 河村たかし

    ○河村(た)委員 ではテレビ朝日問題はこのくらいにしまして、もう最後でございますので、郵政三事業のいわゆる公的性格についてちょっと御質問をしたいと思います。  我が日本新党は、政治を市民のもとに取り戻す、そういった意味で結党されたわけでございます。なるべく規制を緩和しましていろいろなビジネスチャンスをつくっていこう、そういう趣旨がございます。現在におきまして郵政三事業というのは、どちらかというと、いわゆる公権力の行使、そういった部門ではなくて、特別会計にもなっておりますし、健全経営をされておられます。そんなところで、いわゆる規制緩和というのは民から官へとこういうパターンが非常に多いのですけれども、この際自信を持っていただいて、全国の小学校と同じ数だけどうも郵便局はあるそうなので、もっともっと郵便の方からも官から民へ攻め上るというのですか、そんなことをしながら民の規制を緩和してそれで大きなビジネスチャンスをつくっていく、そんな方向に自信を持って進んでいただきたいと思っております。  規制緩和で注意しなければいかぬのは、比較的中小企業を苦しめることばかりになるという場合もあるのですけれども、郵政省さんの三事業が積極的にやられることによってそういう心配は余りないかなと思っておりますので、ぜひそういったいわば逆規制緩和といいますか、そんな力強い決意をお示しいただけたらなと思います。大臣にお願いしたいと思います。
  50. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 私ども全国津々浦々にあります二万四千の郵便局を通じまして、郵便貯金、保険の国民生活に密着した郵政事業というものを展開しているわけでございますが、地域に密着した事業運営に努めてまいりたいというふうに考えております。官と民とがお互いに切磋琢磨しながら、ともに国民両者のニーズにこたえられるように努力をしてまいる決意でございます。
  51. 河村たかし

    ○河村(た)委員 これで最後にいたしますけれども、ところで、郵便事業につきまして何か地域の情報センター化を図るというような主張があると聞いております。先ほど言いましたようにちょうど小学校の数だけございますので積極的にやっていただくということでございますけれども、どうせやられるんでしたら、例えば地域の子供会の手紙なんかをただにするとか、よくミニコミ誌なんかをつくるのに非常に苦労しておりますので、そういうようなソフト面のサポートもしていく。単なる入れ物はいろいろな地域に結構あるんですね。だから、そういうソフト面でのサポートをするのには特定郵便局というのは非常に適しておるんじゃないかと思います。  一方、そういう子供会とかPTAの手紙をただにするとか、そういうことをしながら郵便がもっともっと多くの人に利用されるように、そんな方向を考えられたらどうかという点を最後にお聞きしたいと思います。
  52. 新井忠之

    ○新井政府委員 お答えいたします。  ただいま大臣からも触れられましたけれども、全国津々浦々に配置されております二万四千の郵便局は、国民生活に最も身近な公共機関ということで地域に根づいた存在というふうに認識いたしております。  郵政省といたしましては、これまで郵便局を地域の情報センターあるいはコミュニティーセンター、こういう位置づけで地域の皆様の利便と福祉の向上あるいは地域の文化活動、さらに産業の活性化、地域の情報化、こういったことに資するために、例えば、住民票の交付請求の取り扱いとか、カルチャー教室あるいは絵手紙展の開催、さらにまた、ふるさと小包の展開とかふるさと切手、ふるさと絵はがきの発行、こういったいろいろな施策を講じてまいったところでございます。  郵便事業といたしましては、今後ともこういった施策を拡充いたしますとともに、地域の皆様に親しんでいただける郵便局づくりを目指しながら、郵便利用の増進にも資するための施策を今後とも進めてまいりたい、このように考えておるところでございます。
  53. 河村たかし

    ○河村(た)委員 さらに親しまれるように持っていっていただきたいと思います。  以上で質問を終わります。どうもありがとうございました。
  54. 高橋一郎

    ○高橋委員長 次に、神田原君。
  55. 神田厚

    ○神田委員 神崎大臣御苦労様です。大変いろいろ難しい状況の中でしっかりとお取り組みをいただきたいと思っております。  まず、テレビ朝日の関係につきまして。  これは放送法の関係でございますが、電波の公共性と影響力の重大さ、放送番組の編集については公正と中立、これが求められているのが放送法だと思うのであります。  この点に関しまして、テレビ朝日の前の報道局長椿さん、国会に証人として出席されましていろいろなことをおっしゃっておりましたが、我々自身、我が党自身がそういう関係の番組でかなりひどいことを言われたりいろいろしておるんですが、私自身も何でこんな取り上げ方をするのかな、なぜそういう考え方を押しつけるのかなとかいろいろ非常に何回も疑問に思ったことがございます。  それで、彼自身もあの中で言っておりますことは、荒唐無稽でとんでもない話だったということを認めておりますけれども、しかし、テレビの影響力というのは非常に強いんだということを認めた上での彼の考え方でやられたことでありまして、私は、やはりテレビの影響力が大きいという中ではそれを前提として、番組に携わる場合にはむしろ良識的な人間ならばそれを抑制するような考え方に立たねばならないんではないかと思っておるところでございます。  我が党に関しましてもいろいろ言われましたので、党の広報局を通じて抗議をしたり事情説明を受けたりいろいろしたことがございまして、そういう点に関しまして、この公正と中立の原則が守られなければならないと思っていますが、放送法の求める趣旨に沿って御答弁をいただけますか。
  56. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 委員御指摘のように放送の公共姓とその社会的影響力の大きさにかんがみまして、放送番組の編集に当たりましては政治的公平の確保等の遵守が求められているところでございます。放送番組の内容につきましては、第一義的には放送事業者の責任において行われるものとなっているところでございます。
  57. 神田厚

    ○神田委員 さらに、そういうところでいろいろ物議を醸すような発言があったときに視聴者の方から番組担当部に連絡をいたしますと、我々は反権力それから非何々、これは党派の名前ですけれども、そういう方針で編集をしておりますというようなことまで言う局があるというふうに聞いておりましたけれども、そういうふうに一つのそういう偏った立場、偏った関係でそういう放送をするということは、私はやはり非常に問題があるだろうと思っております。  そういう意味で、これからさらに放送法の趣旨にのっとって、放送番組審議会がございますが、番組基準を定め、対応していると考えておりますが、この番組基準は放送法の趣旨にこたえるべきものであるというふうに考えておりますが、その点お考えをいただきたい。
  58. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 放送法は第三条の三におきまして、放送事業者に、番組審議会に諮問し、番組編集の基準を定めることを求めているところでございます。この番組編集基準は、放送事業者みずから定めることとなっておりますけれども、その内容におきましては、委員御指摘のとおり、放送番組の編集準則でございます放送法第三条の二第一項の内容を踏まえて制定することが必要でございます。
  59. 神田厚

    ○神田委員 ですから、言論の自由これは大原則であります。それから放送の公正、これも大原則であります。この両立を図っていくためには、放送事業者はさらに慎重な対応が必要だと思っておりますし、そういう意味で、日本の要するにそういう放送がアメリカなどでやられている放送と、ニュースキャスターという人が主体になって行います番組などでは非常に差があるというふうに、これはこの前、国会審議で自民党の方が質問をしておりましたけれども、私も非常に問題があると思うのですね。大変な勘違いをしたり、意図的にそういうことをやったりする傾向がある。こういうことに対しまして、我々は今こそこの言論の自由の大原則と公共放送の公正の原則を確立するまたとないいい機会だとも思っておりますが、大臣のお考えをお聞かせいただきたい。
  60. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 放送法におきましては、第三条におきまして放送番組の編集の自由を定めるとともに、三条の二におきまして政治的公平の確保等の遵守について定めているところでございます。放送事業者は、放送番組の編集に当たって、これらの点を十分理解し、真摯な取り組みを行うことが求められているところでございます。
  61. 神田厚

    ○神田委員 それでは、一般的な問題を二、三御質問いたします。  国際放送の点でございます。海外邦人に対する国際放送、これは短波でやっておりますが、諸外国の対日理解促進と在外邦人に対する情報提供の国際放送の役割は大変高まっていると考えておりますが、短波による国際放送の充実強化に対しまして郵政省はどのように取り組んでおりますか。
  62. 江川晃正

    ○江川政府委員 先生御指摘のとおり、激動する国際情勢の中で諸外国の対日理解を深めてもらうとともに、在外邦人に対して必要な情報を提供するというためにも国際放送の果たす役割というのはますます重要となってきていると認識しておりまして、郵政省といたしましては、従来からこの国際放送の充実強化に積極的に取り組んでまいったところでございます。  ことしに入りまして、本年四月からでございますが、新たに海外に中継局を設ける、確保する。これは、そういうことによりましてインドシナとか、インドシナ半島地域というのでしょうか、それから極東ロシア地域とか、それからアメリカの北米、中部、西部地域でも受信状況の改善を図ってきているところでございます。  それで、何分にもその辺のことをやるに当たりましては予算が必要になるわけでございますが、平成六年度予算におきましては、国内の八俣という送信所がございますが、及び六つの海外中継所と局から引き続き放送を実施するために必要な経費としまして十八億何がしの予算を要求しているところでございます。  それから、今後とも国際放送を充実強化していくことが必要と考えておりまして、今先生が国際放送、短波とおっしゃいましたが、まさに今短波で行われているわけでございます。短波といいますのは音だけのラジオという意味で行われているわけでございますが、映像による国際放送との関係、そういったものの必要性というようなものも踏まえまして、今後その充実に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  63. 神田厚

    ○神田委員 次に、電気通信格差問題でございますが、中波ラジオ放送については、情報通信格差の是正や地域振興の観点から、夜間の外国波による混信や地形的な要因による受信障害を解消するため、これは重要な問題であると考えております。郵政省は電気通信格差是正事業の一環として平成四年から民放中波ラジオ放送受信障害解消事業を行っておりますが、その内容と実施状況をお聞かせください。
  64. 江川晃正

    ○江川政府委員 民放の中波ラジオ放送受信障害解消事業と申しますのは、外国の放送局からの混信や山陰などの地形的条件によりまして、民間放送の中波放送が良好に受信できない地域において、その解消を図るための民放中波ラジオ放送中継施設を整備する者、市町村とかあるいは公益法人などでございますが、これに対して国がその経費の一部を補助するということでやってございます。これは、先生御指摘になりましたように、郵政省の電気通信格差是正事業の中の一環として、放送分野での格差是正ということでやっているわけでございます。  実施状況は、平成四年度で七事業者、八施設に約一億円弱の国庫補助、それから平成五年度、ことし予定しているところでございますが、これについては五事業者、五施設で七千万円強の国庫補助をして解消に努めているところでございます。  なお、来年度につきましても、五億を要求しているところでございます。
  65. 神田厚

    ○神田委員 それから、都市部において近年高層化が進んでいるためにテレビジョン放送の受信障害も多くなっております。この都市部における受信環境を整備することは非常に大事であると考えておりますが、これらについてはどういうふうな考え方を持っておりますか。
  66. 江川晃正

    ○江川政府委員 建造物によるテレビジョン放送の受信障害と申しますのは、従来から原因者負担に基づく当事者間協議による解決を指導してまいったところでございまして、現在この考え方による障害解消というものが定着してきているなと考えております。郵政省といたしましては、今後ともこの考え方にのっとっていろいろと施策を打っていきたいと考えているところです。  ところで、そういう原因者負担による整備を図るに当たりましても、郵政省として幾つかの応援手段というものがないかということでやっているものの一つが、共同受信施設とか、ちょっと専門的な言葉で恐縮でございますが、高い周波数を使ったテレビジョン放送、SHFと申しておりますが、テレビジョン放送システムなどを、受信障害解消設備を設置する者に対して、財投による低利融資制度を設けております。  それからまた、これは原因者がかなりはっきりしているところでございますが、原因者の特定できない、先生御指摘の昨今の大都市問題でございます。大都市における都市再開発等に伴いまして、建造物によるテレビジョン放送の受信障害は、ますます複雑化、多様化してきているわけでございますが、しかし、原因者が特定できない、そういうもののために、本年度公共投資の一環といたしまして、地方公共団体が受信障害を対象として共同受信施設を設置するということに対して補助していこうという仕組みをつくりました。これは都市受信障害解消事業ということで、本年度から創設いたしまして、今具体的に市町村などとも検討を進めているところでございます。  郵政省といたしましては、こうした措置により今後とも都市受信障害の解消に努めてまいりたいと考えているところでございます。
  67. 神田厚

    ○神田委員 最後に、いろいろ難しい問題がありますが、郵政大臣に、郵政省を、郵政事業をこれからどんなふうに発展さしていくのか、ひとつ抱負をお聞かせをいただきまして、質問を終わります。
  68. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 郵政事業、郵政三事業ということでよろしいでしょうか。郵政行政一般、全般で……。  郵政行政につきましては、大変国民生活に密着した郵便、貯金、保険という事業を全国二万四千の郵便局を通して行っているところでございますし、これからますます高度情報社会、高齢化社会に入る中で、この全国ネットワークを持った私どもの国民利用者に密着した行政機関としての果たすべき役割は極めて重要になる、このように考えておりますし、また、情報、通信・放送の分野におきましても、高度情報社会のインフラともいうべき情報通信基盤の整備、これは極めて重要な課題であると考えております。二十一世紀の日本の社会を見据えながら、極めてこの国民生活に密着した重要な郵政行政を進めてまいりたいと考えております。
  69. 神田厚

    ○神田委員 終わります。
  70. 高橋一郎

    ○高橋委員長 以上で午前中の質疑を終え、午後零時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時十五分休憩      ――――◇―――――     午後零時三十分開議
  71. 高橋一郎

    ○高橋委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  逓信行政に関する件について調査のため、参考人として全国朝日放送株式会社代表取締役社長伊藤邦男君に御出席を願っております。  この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用のところ御出席いただきまして、まことにありがとうございます。  なお、念のために申し上げますが、発言の際は、その都度委員長の許可を得ることになっております。また、参考人からの御意見は委員からの質疑にお答えをいただくという方法で行い、委員に対しては質疑ができないこととなっておりますので、あらかじめ御承知おき願いたいと存じます。  質疑を続行いたします。自見庄三郎君。
  72. 自見庄三郎

    ○自見委員 自民党の自見庄三郎でございます。  きょうは、高橋委員長から今お話がございましたように、わざわざお忙しい中、伊藤邦男参考人においでをいただきまして、大変深くお礼を申し上げる次第でございます。また、テレビ朝日の社長さんでもございますが、御存じのように先般から椿発言が大変大きな問題になりまして、当委員会に参考人としてお越しいただくということも大変重要な問題だというふうに各党各会派考えたというふうに思うわけでございます。全党一致で、大変恐縮でございますけれども伊藤参考人においでいただいたということでございまして、おいでいただきました御労苦に対しまして心から感謝を申し上げる次第でございます。  それでは、質問をさせていただきたいと思うわけでございます。  言うまでもなく、民主主義国家でございます我が日本国は、憲法二十一条で御存じのように表現の自由を保障いたしております。表現の自由の中に言論の自由というのが含まれるということでございまして、言うまでもなく、表現の自由というのは民主主義国家の基本であるというふうに私は考えるわけでございます。しかし同時に、憲法は、その表現の自由、言論の自由をきちっと憲法で保障していると同時に、憲法第十二条において、この憲法が保障する自由及び権利は、これを乱用してはならない、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う、こういうふうに御存じのように定めているわけでございます。  私も少し勉強させていただきましたけれども、言うなれば、言論の自由、これはもう絶対に保障されねばならない、本当に人間の、また民主主義国家の基本的な権利だと私は思うわけでございます。同時に、憲法第十二条には、今申し上げましたように、乱用してはならない、こういった自由及び権利はこれを乱用してはならない、常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う、こういうふうな条項もあるわけでございますから、自由とまさに公共の福祉とどういうふうに調和するのかということが、民主主義国家にとって大変大事な課題であるというふうに私は確信をするわけでございます。  御存じのように、今テレビの報道が大変大きな問題になっておりますが、私は、少し勉強させていただきましたが、やはりテレビと新聞、雑誌というのは、報道というところでは似たところも、言論機関であるというところに関しては、これもいろいろ意見があるようでございますが、基本的にテレビというのは、放送法によって規定されているということでございますから、放送でございますから、公共の電波を使うということでございますから、やはりそれは一定の公共性を担保すると申しますか、そういったところで法律ができておるのではないか、こういうふうに私は思うわけでございます。そういった意味で、新聞、雑誌にはそういった業法というのもございませんし、これは言うなれば購読者が、自分が一定の考えを持って、買いたい人が買うというようなところもあるわけでございます。  しかしながらテレビというのは、まさに公共の財産、共通の財産でございます電波を国が、公権力が一定の、ある企業なら企業なりにお貸しをするわけで、使うということを許可するわけですから、当然、電波に関しましては、今広くお茶の間にどこでも入り込むというようなことがございます。そういった意味で、テレビを中心とした放送と新聞、雑誌というのは、法制上も考え方も少し異なるのではないかというふうに、私はそういった意見を持っておるわけでございます。  そういった中で、例えばテレビというのは、これは当然そういったように放送法という法律できちっと規定されていますし、その基本は、憲法二十一条と十二条をいかに、言論の自由がある、しかし同時に一方、自由及び権利を乱用してはならない、そして常に公共の福祉のためにこれを利用する責任を負う、こうあるわけでございますから、その調和の中でこの放送法というのはできておるのだろう、私はこういうふうに思うわけでございます。  そういった中で、御存じのように放送法にはこう書いてあります。第一条でございますけれども、「この法律は、左に掲げる原則に従って、放送を公共の福祉に適合するように規律し、その健全な発達を図ることを目的とする。」ということでございまして、伊藤社長さんは、長い間ジャーナリストでもございましたし、テレビ朝日の社長さんでございますから、こういったことは言わずもがな御存じだ、こう思うわけでございますけれども、そういった中で、放送法第一条でございますけれども、放送が国民に最大限普及され、その効用をもたらすことを保障する、第二号が、放送の不偏不党、それから真実、自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保する、それから三番目に、放送に当たる者の責務を明らかにすることによって、放送が健全な民主主義の発展に資するようにすること、こういった第一条があるわけでございます。  御存じのように、第三条の二にまさに、「放送事業者は、国内放送の放送番組の編集に当たっては、次の各号の定めるところによらなければならない。」、「よらなければならない」というのは、これは強制義務だというふうに私はお聞きしたわけでございますけれども、これは四つございまして、「公安及び善良な風俗を害しないこと。」そして二番目に「政治的に公平であること。」三番目に「報道は真実をまげないですること。」それから四番目が「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」こういったことが御存じのように書いてあるわけでございます。  言うまでもなく、表現の自由の積極的な実現化のために、基本的な法の原則として、放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって放送による表現の自由を確保することであろう、こういうふうに私は思うわけでございますから、この放送法の基本的な精神というのは、今さっき申し上げましたように、憲法の二つの条文の一つの調和の中であらわれてきたものだ、こういうふうに私は思うわけでございます。その中で、政治的公平性の確保、あるいは報道の真実性の確保、それから自律性の確保、こういったこと等により、放送による表現の自由を具体化しようとしているのではないかというふうに私自身考えるわけでございます。  そういった中で、私がきょうのこの問題を取り上げさせていただく場合、やはりこの視点が大変大事だと私は思うわけでございますから、どうもこういった椿発言の問題を取り上げますと、率直に言いまして、言論に対する抑圧だ、こういうふうな御批判もいただいているわけでございますけれども、また、どうも自民党がマスコミ界をいじめている、テレビ界、テレビ朝日をいじめている、こういった論調、新聞記事等々もあるわけでございます。  我々は、民主主義国家でございまして、この衆議院におきまして、国会におきましてそこら辺をきちっとすることが必要であると思うと同時に、今度の問題は、御存じのように椿発言が全く、ある場所で、これはもう一昨日ですか、この証言にもございました、自分はそういうふうに意図したけれども、実際に考えたんだけれどもスタッフに指示をしなかった、もししたとすればもう明らかに放送法違反であるということをたしか証人も、これは神崎郵政大臣もきのう国会で答弁しておられたと思いますけれども、もしそういうことが真実であれば、きちっと具体的に指示をしておれば違反であるということも言われたわけでございますから。  我々は、何もこの国会あるいは公権力が不当にテレビ界に干渉を加えるということではございませんが、これは明らかに、本人も言ったように、また細川総理大臣も、もしこれが真実であれば大変民主主義国家にとって重大なことであるということを私の国会の質問でも答えていただいたわけでございますから、やはりその辺で真実をきちっと明らかにするということが、もし放送法違反ということになればこれはゆゆしき問題ですから。  そういった意味で、十三日から郵政省も調査をしているということでございますから、やはりそういった意味で、このことをぜひ誤解のないようにしていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。これはやはり民主主義とテレビ報道のあり方、そういった基本的なところに関するものでございますから、いろいろな意見があっても日本国言論の自由があっていいわけでございますから、私の立場はそういったことをきちっと御理解を得て国民の方々にもわかっていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。  そういった前提に立ちまして、私はこのテレビ朝日の問題をいろいろ、社長さんわざわざおいででございますから、お聞きをさせていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。  まず、伊藤参考人にお聞きしますが、椿局長さんが九月のこの放送番組調査会でいろいろ発言をされたわけでございます。ちょっとこれは釈迦に説法のようでございますが、日本民間放送連盟放送基準というのがございますが、その第二章に「法と政治」というのがございまして、その六番目に「法令を遵守し、その執行を妨げる言動を是認するような取扱いはしない」こと、それから十一番目に、今さっき言いました「政治に関しては公正な立場を守り、一党一派に偏らないように注意する」こと、こういうことがございますし、それを受けましてテレビ朝日、全国朝日放送の放送基準にも「全国朝日放送は、社会的責任と公共的使命を重んじ、不偏不党の立場に立って、真実を伝え、公正な姿勢を貫くとともに、放送の品位を高め、表現の自由を堅持する。」こうございますが、御存じでございましょうか。
  73. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 伊藤でございます。  委員長、一言、委員の御質問にお答えする前に私の所感を述べさせていただきたいと思いますが、お許しいただけますでしょうか。
  74. 高橋一郎

    ○高橋委員長 はい。
  75. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 このたびの、椿前取締役報道局長が、委員の御質問の中にございましたように、九月の放送番組調査会の中で不穏当、不適切な発言をいたしました。この発言によってテレビ朝日の報道姿勢にあらぬ疑問、疑惑を生じましたこと、そしてまた、民放全体に対してもいろいろと不信感みたいなものを呼び起こしたことについて、まことに申しわけなく、まずおわび申し上げます。  また、椿自身が証言の中で申しておりましたように、しかし彼は自分の頭の中ではそのようなことを思っていたけれども、それを指示し、あるいは命じたことはない、したがって実際に放送されたものは不偏不党の原則にのっとっていると本人も言っておりますが、私どもの現段階での調査でもそのようになっておりますし、なお、今回の経験をいい教訓といたしまして、一層の公平、公正、偏向のない番組制作に努めてまいりたいとまず最初に御質問の前にお答えをさせていただきます。  では委員の御質問でございますが、ただいまの御質問、民間放送の番組制作基準、テレビ朝日放送基準も、政治的公平は最大のポイントの一つとしております。ですからその方針で、これは現場にも徹底しておりますし、社員にも、入社時に取材の手引きというのを渡すのですが、その中でも最も大切なポイントとして教え、そしてまたそれを身につけさせるように努力しているところでございます。
  76. 自見庄三郎

    ○自見委員 伊藤参考人から、政治に関しては公正な立場を守り一党一派に偏らないようにすること、これが非常に放送基準のポイントだ、そういった話があったわけでございます。今また、その質問にお答えいただく前にいろいろ御発言があったわけですが、ちょっと具体的にお聞きをさせていただきたい、こういうふうに思うわけでございます。  一つでございますが、御存じのように九月の二十一日でございましたか、第六回放送番組調査会について、実はまだ議事録ができておりませんけれども、格証人はこれは自分の私的な勉強会だ、そういった気持ちで言ったんだという証言がたしかあったというふうに思うわけでございますけれども、私はまず参考人に、放送番組調査会について、その性格につきましてどういうふうなお考えかということをお聞きをさせていただきたいと思うわけでございます。  これは郵政大臣も実は国会で答弁をしておられまして、そういったことを参考にいたしますと、私の考えでございますけれども、社団法人日本民間放送連盟の理事会の決定に基づいて、民放連の定款上の機関、放送基準審議会の常設機関として設置をされたということ、これは郵政大臣もたしか国会でこう述べておられるわけでございます。これは御存じのようにやらせ問題が大きな社会的問題になった後、自主的に民放連の中で放送基準審議会の常設機関として放送番組調査会を設けられたということを私はお聞きしておるわけでございますけれども、これは毎月毎月実は月報を出しておりまして、今聞くところによると、新聞報道によれば三千部出すということでございます。実は私のところにも第一回目から二回目、三回目、四回目、五回目、六回目と放送番組調査会月報として送ってきてあるわけでございますから、私はまさにこの民放連の公式の番組放送調査会であるというふうに認識をするわけでございますけれども、参考人の御意見はどうでございま しょうか。
  77. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 この性格につきましては、社団法人民放連が理事会等に諮って定めた正式の機関であります。したがいまして、毎月発行されております月報、これが公式記録というふうに理解しております。それでよろしゅうございましょうか。
  78. 自見庄三郎

    ○自見委員 公式なものであってこの月報が実は公式なものである、こういうふうな御発言だったと思うわけでございます。これを見ますと、これは第六回のときですが、はっきり特剔出演として椿貞良テレビ朝日取締役報道局長、こういうふうに公式記録にも書いて実は御出席をしておられて、御意見を述べておられるわけでございます。公式の機関である、月報が公式の記録である、こう言われたわけでございますけれども、その中にテレビ朝日の取締役報道局長として椿貞良、こう書いてあるわけでございます。  これは私常識的に考えて、やはりこういった方をお呼びするときに、公式な場だということは今参考人もお認めになられたわけでございまして、民放連としては公式の会議だよということは郵政大臣も先般の国会でお答えになったと思うわけでございますが、それの公式記録、公式月報にきちっとテレビ朝日取締役報道局長椿貞良と書いてあるわけでございますから、当然これは一個人が自分の長年の友達の席に行って話をしたとかそういったものじゃなくて、公式の場にテレビ朝日の取締役報道局長として出席をして発言をしたということ、そう思うことが私は極めて自然ではないかと思うわけでございますけれども、参考人、どう思われますか。
  79. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 お答えいたします。  確かにその組織が民放連の正式な機関、公式な機関であることはそのとおりであります。ただし、その内容は自由な討議をするというふうに理解されていると私どもは思っておりますのであればこそ、一昨日でしたか昨日でしたか、委員会の清水英夫委員長ら外部委員がおやめになりましたけれども、それは中では自由な討議をし、しかしその中身は、スクリーンという言葉がいいか悪いかわかりませんが、不穏当な部分なども取捨選択してということもあろうかと思いますが、そういう発言のポイントをすくって編集したものが月報というふうに出る、これが公式の記録であるというふうに私どもは理解しております。民放連もそのように、私どもは確認いたしまして、そのような答えを得ております。
  80. 自見庄三郎

    ○自見委員 そうしますと、しかしながら、椿局長は、自由な討論の場であるということでございます。その中で、この前の証人としての発言の中でも、実は言ったことが、全部議事録が、議会で全会一致で出していただきたいというお願いを政治改革特別委員会でしたようでございまして、その結果、私も議事録を読ましていただいたわけでございます。議事録については、格証人もそのとおりでございますというふうなことを言っておられたわけですから。社長さんの認識としては、公式の機関である、しかしながらそこで述べたことはあくまで自由なことであって、公式な記録はこの月報であると。しかしながら、実際どういう話をされたかということは、今回本人も認めておられるように、明らかになったわけでございます。  しかし、中には、この公式の記録を見ても、この中のこの発言、もしこれがテレビ朝日の取締役報道局長の発言として、公式の発言とすれば、代表した発言とすれば、やはり放送法の基本的精神を大きく逸脱している、こういうふうなことを言っておられる方もおられるわけでございまして、この公式記録だけ読みましても、非常にそういった色彩が強いのではないか、私はこういうふうに思うわけでございます。  そのところはそれまでにいたしまして、それでは実際の椿発言、社長さんから今いろいろ話があったわけですが、これはこの前の、本人も認めた議事録ですね。それからまた、議院証言法によって議会で、これの議事録はまだ正式にできていませんから私はこれを新聞報道によって言わざるを得ないのですが、そこのところはお許しをいただきたいと思うのですね。その中にこう書いてあります。  「今度へ選挙は、やつはし梶山幹事長が率いる自民党を敗北させないとこれはいけませんな」ということを、ほんとに冗談なしで局内で話し合ったというのがあるんです。もちろんこういうことは編成局長には申し上げてはありません。これは放送の公正さをきわめて逸脱する行為でございまして。(笑い)   ただ、私どもがすべてのニュースとか選挙放送を通じて、やっぱしその五五年体制というものを今度は絶対突き崩さないとだめなんだという、まなじりを決して今度の選挙報道に当たつたことは確かなことなんです。これは議事録でございますね。それから、こういう発言もございます。   これはきわめて、――これはあんまり編成局長には私、申し上げてなかったんですが、――六月の終わりの時点から私どもの報道は、「小沢一郎氏のけじめをことさらに追及する必要はない。今は自民党政権の存続を絶対に阻止して、なんでもよいから反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか」というような、――指示ではもちろんないんです、――そういうような考え方を報道部の政経のデスクとか編集担当者とも話をしまして、そういう形で私どもの報道(放送?)はまとめていたわけなんです。こうあるわけですね。これは議事録でございます。  このことにつきまして、二十五日に町村信孝代議士が椿さんに質問をいたしまして、格証言でございますけれども、今度の選挙は梶山幹事長が率いる自民党を敗北させないといけませんなと言っていますが、これは放送法に違反するのではないですかと。椿氏はこう答えていますね、そのとおりにやれば違法になると。これははっきり断定したのを私はよく覚えております。ですから、このとおりにやれば違法になるということは、実は彼も御存じであった、報道局長さんですから当然御存じだったと思うわけでございます。  ここで、伊藤参考人に一点聞きたいのですが、社長さんとして、社の中のいろいろなシステムがあると思いますが、報道局長というのはどういう職員、または社内での権限を持っておられるかということを、もしわかればまずお知らせをいただきたい、こういうふうに思うわけです。
  81. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 お答えいたします。  その前に、委員が議事録によってとおっしゃいました。テープを起こしたものを議事録とおっしゃったようでございますが、先ほどから申しておりますように、正式な記録は月報でございますから、あれは議事録というふうに呼びならわせて今言われておりますけれども、あれは議事録のもとになる素材というふうに私どもは考えております。  それから、報道局長の職員でございますが、テレビ朝日の中には役員があり、その下にいろいろと局がございます。その報道部門、報道局長というのは、報道に関する部分の取材、それから番組を制作する部門、報道局長はその責任者ということになっております。しかし実際は、これは全く逃げ口上ではございませんで、報道局長というのは実は役員でもありますし、そしてまた、この間まで、その前は役員待遇でございましたけれども、実際は実務は報道センター長というのが全部取り仕切っておりまして、その下にデスクがおりますし、編集長もおりますし、そういう形で、実際はかなり実務には、日常的には、新聞社の場合などと違いまして、かなり違う、必ずしも関係がそう濃密ではないということは言えるようでございます。  それで、編成局長の関係になりますが、編成局長は、例えばこの間の証言の中で椿は、報道局というのは工場みたいなものだというようなことを申したように私記憶しておりますけれども、実際そうでございまして、そういう工場がこういうものをつくりたい、こういうものをつくったというような場合に、それを調整し、時間を配分し、そういう権限を持っているのが編成局長でございます。  ですから、報道関係につきましても、報道局だけではなくて、テレビ朝日の場合は情報局というのが別にございまして、情報局、例えば日曜日にやっております「サンデープロジェクト」などは情報局の所管に係る番組でございまして、「ニュースステーション」などは報道局の所管に係る作品だということになる。とりあえずお答えさせていただきます。
  82. 自見庄三郎

    ○自見委員 参考人においでいただきまして、おとといの格証言もあの議事録ははっきり事実だと、こう言ったわけですから、公式、非公式に乱そうこだわりませんけれども、何か月報だけが公式のものであって、実際言った内容がこれは素材だというのは、やはり率直に言って、私はマスコミ界の、言論界の大先輩にお言葉を返す気はございませんけれども、やはりそれは、本人も国会に証人としておいでいただきまして、そのときにあの議事録は全部言ったことです、こう言ったわけですから、この論議を続ける気は今からありませんけれども、そういうところは何か、公式の発言なら困る、だけれども非公式の発言ならいい、何かそこに私は、言論人として、やはりそこは、発言したのは事実だと本人も認められたわけでございますから、やはりそこにこだわっておられるような、私としては強い印象を受けますので、その点はひとつ御確認をいただければと思うわけでございます。
  83. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 私は別にそこを  議事録、彼が議事録と言ったものを、発言を認めたわけでございます。私どももその議事録と称するテープから起こしたもの全文を入手しております。読んでおりますから、それを彼が言ったであろうことは、しかも、私は、載っているのですからそう言ったのでしょうというような言い方をしておりますが、そのとおりだと思います。それをとやかく言っているのではございません。ただ、記録として、公的なものとして残るものは月報だということを申し上げたまででございます。
  84. 自見庄三郎

    ○自見委員 わかりました。  椿さんが、私は当然、憲法のもとで思想、信条の自由があるわけですから、どういったことを考え、あるいは信念を持っておられるということは、それは確かに私は自由であるというふうに思いますよ。しかしながら、私は、やはりきちっと放送法によってこの免許を国からいただいている放送事業者としては、やはり今さっきから言いましたように、放送基準の問題もありますし、まさに不偏不党が一番大事だ。こういったところをきちっと、法律上規定があるわけでございますから。  もうまさに取締役ですから役員でございます。そういった方が、私は、どういうお気持ちを持っておってもいいんですが、率直に言いますと、この前の、これは私の気持ちなんですが、椿さんの発言を聞いておりまして、私のまさにそれは信念である、こう言われましたよ。なおかつ、このテープを起こしたのを読んでみましても、まさに彼は一つの考えは持っておられる。  そしてそれが、あのとき出ましたが、十一年前にNHKのブックに書いておられまして、公正、公平であることは必ずしも必要ないんだ、むしろそういったことを十一年前にNHKブックに書いておられまして、それは国会でもはっきりさせた、出てきたわけでございますけれども、やはり思想、信条はどういうのを持っていただいても、当然それはもうまさに自由の、民主主義国家の大原則でございます。基本的人権の基本でございますから、それをとやかく言う気は全くございません。  ただし放送法上、放送法という法律があるわけですから、それによって規定された一般放送事業者ですね、それはもう法律上も、今さっき言いましたが、皆さん方の内部の放送基準でも一党一派に偏してはならない、こう言っているわけでございますから。  そうしますと、こういったまさに報道の最高責任者というのが、報道局長、取締役でございますから、その方が、本人も具体的に指示をしたり、あるいはそういったことをきちっと示唆したこともないという話でしたけれども、指示したということであれば自分は明らかに放送法の違反であるということをこの前証言ではっきり言われたわけでございますから、ですからその点につきまして、はっきり自分の意思、信条、信念を言えばもう放送法の違反になると自分が言ってあるわけですからね、椿さんが。  そういった方がやはり報道の最高責任者であった、それも平成元年から最高責任者であったというふうに払お聞きをしたわけでございますから、もう四年間も報道番組の、テレビ朝日の最高責任者ということは、そこら辺はこれはいかがなものか、こう思うわけでございます。この点をまずお聞きをさせていただきたい。
  85. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 テープを起こしたもの、それから月報によりましても、テープの中身については容易ならぬことを言っております。ですからこれは容易ならぬと今申し上げますが、その前に、月報自身、私さっき月報が公式のものだと申しましたけれども、その月報自身にも不穏当な字句があるんですね。これは私は今月の初め、四日に本人に厳重注意をいたしました。それはまだ月報が入手できる前でございましたけれども、一部でやはり非常に不穏当なことを言っているというのを私は聞きました。古川、同席いたしておりました編成局長に、どういうことなんだということを聞きました。それで、その全文はわからなかったのですが、しかしテレビ朝日の報道姿勢が問われかねないような不穏当な発言であるというふうに思ったものですから、四日の日に、常務会の前日でありますが、本人に厳重注意をいたしました。その翌日の常務会で本人から謝罪がありました。  その後、今度は十三日でしたか、産経新聞であの報道がなされ、私が認識していたものよりもはるかに、何といいますか、驚くべき内容であったということで私の方は調査を開始したわけであります。それで、もうこれは容易ならぬことだということで本人にも確かめました。そうしましたら、あそこはあのような指示したとかそれを意図したとかそういうことは自分は決して言っていない、しかし、大体そうとられても仕方ないかなというようなことでございました。それで、その後あのような事態になったのでございます。  ですから、私は少なくともあのようなもの、月報の中でもあのように不穏当な部分がございますし、それからまたいわゆる議事録に起こしたものの中ですとさらに過激なことを言っている。しかもそれが、中で議論になっておりますのですが、ただ、あのときにたしか笑いなどが入っておりますね。その笑いというのは、つまりその辺が、私のこれは勝手な見方かもしれませんが、自由な話し合いの一つのあらわれではないかなというような感じもいたします。だからといってああいうことがいいということではないのですが。  その後、彼は、自分が考えていた、こうなればいいなと思っていたことが結果としてあらわれた、それでおれがやったんだみたいなことを言ってしまった。つまり、よく言う後講釈なんですね。実際自分は何もしていないのに、おれがやった、やったと言う、あのたぐいのものだというふうに、私どもにも言っておりますし、証言でもそのように言っております。  しかし、あのようなことは、たとえ自由な討議の場だといっても、どう伝わるかわからないことを、テレビ朝日の役員であれば、局長であれば考えなきゃならないのは当然でありますから、ああいうことをするのはもう許しがたいと私どもは思っております。  それでもう一つ、先ほど委員はNHKの中でのことをおっしゃいましたが、一言触れさせていただきますが、これは町村議員もおっしゃったのですが、彼は、申立てあったこと、クールであったことは一度もないと確かに言っております。これ書いてあるんですが、これ全文読み返してみますと、彼はこういう物の考え方なんですね。つまり、自分は、例えば最後のところには、テレビは実にマイナーなものだ、テレビを言論機関であるとか、テレビが社会の木鐸であるなどと考えたこともない、大きくなったテレビ、権力を持ったテレビなどうさん臭いというようなことを言うのです。要するに彼は、実態に肉薄することによって真相に迫れるという考え方の持ち主なんですね。この場合は申立てはあり得ない。つまり、高みに立って偉そうな顔をして、おれは木鐸だというようなことはやってはいけないのではないかというのが彼の基本的な信条のようなのであります。  だけれどもそれは、だからといって、彼は記者根性がそうなのでありますが、そのまま全部報道局長としてやられてはたまったものじゃありません。ですから、彼がそうあったとしても、それは、先ほど申しましたように、報道局の中でのいろいろなディスカッションがございますし、そんな物の考え方あるいはそんな映像あるいはそんな解説は受け入れられないというような形でおのずと自動的に軌道修正される、それが私どもの組織の健全性ではないかというふうに考えております。  長くなりましたが、お許しください。
  86. 自見庄三郎

    ○自見委員 参考人にお聞きしますけれども、そうしますと、今度の選挙報道に関しまして今も内部調査をしている、中間報告が出たというようなことは新聞記事でありますね。社長さんはテレビ朝日の選挙報道が公平、公正なものである、こういうふうに思っておりますか。
  87. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 新聞報道がなされて以来今日まで集中的に調査をしております。さまざまな形で調査をしておりますが、私ども内部調査ではそのような、つまり、指示あるいはそういう命令を受けた者はない、実際つくられたものは公正なものであるという、自信を持って一えるという報告が上がってきております。私はそれをただいま信じております。  ただし、これがそのとおり世間で通るかどうかについては問題があろうかと思います。衆議院の証人喚問でも御指摘がありましたように、さらにそれを、外部委員も含めて、客観的にそれが公平なものであるかどうかの判断を得るべく、目下その作業を進めているところでございます。
  88. 自見庄三郎

    ○自見委員 今さっきの発言、この調査については後からまたもう一回お聞きしたいと思いますけれども、こういった方に報道局長をしていただければたまったものじゃないというような発言がたしかあったと思いますけれども、しかしながら、この方は現実に四年間報道局長をしておられたのですか、社長さん。
  89. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 言葉が足りませんでした。もしそのとおり実行されたら大変なんですね。ただ、彼がそれを思うのは自由でしょうけれども、しかしそれが、現場の方ではそんなのを簡単に受け入れるようなやわな組織でもございませんし、また実際彼もそれを言っていなかった、後講釈をしたんだということでございますから、その問題は、実際にはそういう番組づくりが行われていないということになるのではないかと思います。
  90. 自見庄三郎

    ○自見委員 そうなりますと一体、報道局長さんが自分で考えることは自由だ、しかし実際やられたら、もしそういった考えどおりに、自分は信念に基づいてやられたとすると、職務権限がある、これは椿さんも報道局長がどういうものかという質問に答えまして、報道に関しては指示命令権があるのだ、最高責任者だというような発言をしておられましたので、だから、椿さんは四年間自分の信念をじっとひた隠しにして、あくまで放送というのは公正、公平ですから、ずっと公平、公正な報道をしてきた、こういうふうに社長さんは思っておられるのですか。
  91. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 私、ことしの六月二十九日にテレビ朝日の役員なり社長に就任をしたわけでありまして、それ以前のことは必ずしも十分に熟知しているわけではございません。しかし、彼椿氏が、これは先日の証言でも申しておりましたけれども、ほとんど報道畑一筋で来て、報道畑の中でそれなりの、さっき申しましたような報道姿勢もあろうかと思いますが、そういう姿勢がそれなりに局員の支持を受けている、評価も受けている、そういうことで次第に、社内的でありますけれども、プロモーション、昇格をし、今日に至っているということだろうと思います。  ただ問題は、記者的な目とそれから管理者的な判断と、その辺のところがいかがなものであったかというのは、十分やはり検討あるいは反省に値するものだろうと私も思っております。
  92. 自見庄三郎

    ○自見委員 そうしますと、社長さんを含めて椿さん、新聞には更迭だというふうに書いてありますけれども、処分をされたのですね、テレビ朝日として。
  93. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 先ほど申しましたが、厳重注意、これは一種の処分どお考えいただいてもよろしい。ただ、私の社では厳重注意というのは処分に入っておりません。ただし今度はやめた方ですね、これは本人からの自発的な進退伺いがまずありまして、それで辞任の届けが出たということでございます。処分ではございません。しかし、本人が事の重大さ、テレビ朝日に少なからぬ重大な迷惑をかけた、その責任を自分はとらざるを得ない、同時にこれは民放全体に対しても御迷惑をかけた、それで自分はここのところは潔く身を引くという形で彼はやめたわけでありまして、処罰、処分ではございません。
  94. 自見庄三郎

    ○自見委員 そうしますと、社長さん自身は、大変恐縮な話でございますが減俸にされた、それから古川編成局長も五%、三カ月でしたか、そういうふうに私は新聞を読んだのですが、社長さんは二〇%、半年でございましたか、そういった報道ですが、社長さん自身は減俸された、あるいは古川編成局長は処分をされた、これは事実でございますか。
  95. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 事実でございます。
  96. 自見庄三郎

    ○自見委員 そうしますと社長さん、個人の発言にあくまでとどまっておられた、信念はいろいろ持っておられたけれども、そしてそれはもう絶対にそういうことは指示はしていない、こう言われるわけですね。そうしましてなおかつ、今の中間報告ですが、新聞、テレビが調べて今のところ公平、公正である。何で社長さん、個人の、社員の発言によって社長さん自身が処分を決められたのですか。少し矛盾するのではないですか。
  97. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 いささかも矛盾していないと考えております。  理由は、少なくともテレビ朝日に疑いを持たれかねないような発言を取締役たる報道局長がやるということ自身、しかも、そういう例えば個人的な信念あるいは思想であっても、それを言うことが、テレビ朝日がそういう思想に毒されているのではないか、影響されているのではないかというふうに一般に思われるとするならば、その発言の意味は極めて重大だと思います。  だから、そういうようなことを軽々に言うことが何事であるかということでまず厳重注意をしたのでありますけれども、さらに、報道されたように、予想された以上にその反響が大きく、テレビ朝日はやはり問題なんだというふうなことになると、これは当然本人としては自裁しなければならないのは当然だと思います。  したがって、そうなればそれの監督責任である社長、また同席していた古川編成局長がそのまま黙っていて、それを私の知らぬことだと言えるか、そんなことは日本の社会では通らぬと私は思うのです。
  98. 自見庄三郎

    ○自見委員 そうしますと、発言はあくまで個人的発言であるけれども、そのことがテレビ朝日に多大な御迷惑をかけた、あるいは誤解を招きがちだった、そういったことで処分をされた、社長さんの見解も読ませていただきましたけれども、そういうふうな発言だったのかな、こう思うわけでございます。  もう一回、今度は別のことでございますが、管理体制ですね。  今さっきから報道局長と、我々考えれば、いろいろ私もテレビ局の番組の作成の過程などを少し勉強させていただきましたけれども、やはり取締役報道局長というのは報道に関しましては当然、番組の編成最高責任者と率直に素朴に思うわけです。テレビ朝日の番組をつくる編成権というのはどなたにございますか。
  99. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 先ほど申しましたように、実務は編成局長が行っております。しかし、さきのいろいろな発言も、それからいろいろ編成の権限も、最終的には免許を受けているテレビ朝日の責任者、つまり私にさかのぼるのではないかというふうに考えます。
  100. 自見庄三郎

    ○自見委員 そうしますと、今社長さんがいみじくも言われましたように、テレビ朝日という会社に国が免許事業として一般放送事業者という免許を与えておられるわけですから、社長さんが代表取締役でございますから、当然最終的には社長さんにある。しかし、当然内部的には今さっき言いましたように報道局長にも責任、編成権と申しますか、究極的には社長さんお一人なんでしょうけれども、実際は毎日社長さんが番組をつくるというわけにはいかないでしょうから、そこら辺はきちっと報道局長なり編成局長に職員と権限があると私は思うわけでございますけれども、そういうふうに理解していいですね。
  101. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 それで結構だと思います。
  102. 自見庄三郎

    ○自見委員 そうしますと、実はこの前テレビを見ておりましたら、椿さんもこの「ニュースセンター」ですか、あれは椿報道局長の管轄下にあるということを国会でも答弁をされたわけですけれども、御存じのように、こういう発言があったのです。これはちょっと抜き書きはしてきませんでしたが、自分は九年間この番組をやっていますけれども、テレビ朝日側からいろいろな指示だとか示唆だとか指導というのは一切なかった、私の発言していることは、久米宏さん、御自身の実は発言である、こういうことを言われたわけですね。  私もちょうどたまたまテレビを見ておりましてそういう場面に遭遇いたしまして、そのことを社長さん御存じでございますか。
  103. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 私、その発言は――「ニュースステーション」ですね、「ニュースセンター」ではなくて。「ニュースステーション」の久米……(自見委員「「ニュースステーション」でございます、失礼いたしました」と呼ぶ)確かにそのように申しました。私も見ておりました。  ただこれは、そういう今委員のおっしゃるような理解をされている方もおられるようでありますけれども、私どもは、言葉が足らないと言うとおかしいのですが、こんなふうに理解しております。  「ニュースステーション」の番組のつくられ方ということでございますけれども、これは、テレビ朝日の方々に張りつけている報道局員、クラブ記者とかいろいろなのがありますが、それから系列の局、外国、いろいろなところから情報が集まってまいります。それから記事が集まってまいります。それを夕方、きょうの「ニュースステーション」をどうやってつくるかということで、報道局の、ここにおりますが早河センター長などが主宰しまして、きょうの料理の仕方、内容をどんなふうに盛るかというようなことを検討するわけでございます。その席には久米さんも、それから和田俊、小宮悦子さんなども出席して話し合いに入ります。そして大体この問題はこういうふうに扱おうじゃないか、そんなことでしょうねというような話し合いがずっと行われまして、いよいよ十時からあの「ニュースステーション」の番組が始まるという形になります。したがいまして、では全体の流れはこういうことでいこうというのは、久米さんも含めたテレビ朝日の報道局の中での話し合いの中で決まっていくわけであります。  それでこういうことでいこうということが決まって、今度は久米氏が登場して「ニュースステーション」のスタートになるわけでありますが、その内容について、こういう方向でいこうというのは決めますが、ここのところはこういう表現を使えとか、こういう言い方をしろとか、そういうことはいたしません。そこは久米宏氏のセンスにまつところが大きいわけでありまして、ですから、こういうふうにしろとか、そういう指示、強制みたいなものは一切ないという意味であります。  しかし、これは、九年間になりますから、長年のお互いの信頼関係みたいなものはありますし、おのずとツーカーみたいな関係になっております。そして、終わりますと必ず反省会をいたします。それで、例えば先日もやや問題発言などがありまして、そうしますと視聴者から電話がじゃんじゃんかかってまいります。これはまずいぞということになって、緊急の場合はその場で直後に訂正をし、あるいはおわびをすることがありますし、今ちょっと言いましたことは、先日は言い過ぎでありました、申しわけありませんという形で翌日訂正を行っております。ですから、全く全部久米さんに任せっきりで、テレビ朝日が、何というか丸投げしちゃったというようなことではございません。
  104. 自見庄三郎

    ○自見委員 そうしますと、久米さんの発言は、もう明らかに、私は一切指示、示唆を受けたことはございませんということですから、言うなれば、その実情、今社長さんからるる御説明がございましたけれども、あのことだけとれば間違いの発言、誤解を招く間違いの発言ですね、今のシステムの話を聞くと。
  105. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 政治的な指示をされたことはないというようなことを彼は言ったのだと思います。  それで、彼は時たま意見を言うことがありますが、これは意見というよりは感想のたぐいなんですね。ですから、彼の言い回し、彼のレトリックなのであります。ただ、そういう彼が個人的な意見を言う場合には、本来意見と断って言うべきでありましょうし、これまでも、私はこう思いますがという言い方をしていると思います。そしてまた、あそこにはほかに小宮悦子と和田俊というのがおりまして、そこのところでお互いにチェックバランスみたいなものが、そういう機能が働いていると私どもは長年の経験で考えております。
  106. 自見庄三郎

    ○自見委員 そうしますと、また、これ谷垣議員がたしか国会であれしたのですが、「ニュースステーション」で朝日新聞の和田編集委員が、これは七月十三日の放映だということでございましたけれども、「政権交代の可能性が少しでも出る方向に行くとよいのですがね」と言った。それで、すぐそれに畳みかけるように久米宏さんが「投票に行きましょう」と言ったということですから、こう言ったのは、前もって打ち合わせしている、あるいはその場の、今ある程度自由な発言をしている場合もあるという話でしたが、これは社長さんにとっては小さな話でしょうけれども、やはり、今さっき椿発言が出てきました、これはあくまで個人の信念の話で、具体的にそうしていないと。しかし、映像にはこういうことが具体的にあらわれているわけですから、これはやはり私は看過できない問題だ、こう思うわけでございますけれども、このことにつきまして、社長さん、どう思われますか。
  107. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 これは、この間御指摘もございましたけれども、前もっての打ち合わせではないと私は思います。その場での和田俊君の相づち的な発言だと思うのです。ですから、では、それは主張がということになりますね、それは主張であるかどうか。  これは学問みたいなことになるのですが、けさの朝日新聞に堀部先生が、アメリカのフェアネスドクトリンの話を書いておられます。そのフェアネスドクトリンというのは、かつてアメリカにも、何か議論の論争的な問題については相手方に相当な時間を与えるというのがフェアネスドクトリンでありますが、一九八七年これは廃止された。ただし、なお論争はあるということでございます。  アメリカの放送も必ずしも一律ではございませんで、そういう主張的なこと、社説的なことを一切排除している局もありますし、比較的緩いかなと思うのがCBSだろうと思います。CBSは、あそこは御承知のようなエド・マローが例の「シー・イット・ナウ」という番組で有名になったところでありますけれども、あそこはそういうコメント的なものを割と出しているところでございます。ドイツなんかは割と自由にやっているのでございますけれども、そういう論争があることはいろいろとまちまちであります。ただし、日本の場合は、放送法によって社説は出せません、出してはなりませんから。まして、主張はいけません。  ただ、問題は、感想のたぐいがちらっとでも出るのがいけないかなというのは、確かに議論があるところでございまして、これは逓信委員会の先生方にも御審議いただいて、前向きに御検討いただければありがたいと思うのですが、今のような、確かにここのところは恐らく和田君の感想的なものが間に入ったということ、そしてまた、これは前もっての打ち合わせの結果ではないと私は思っております。
  108. 自見庄三郎

    ○自見委員 今社長さんが、感想のたぐいだろう、こういう話だったですね。なおかつ、逓信委員会の方々にいろいろ御判断いただきたいということを言われたわけでございますから、やはり私は、最初に申し上げましたように、これはテレビでございますから、放送法でございます。やはり我々は国民から厳粛な負託をいただいて国会に来させていただいているわけでございますから、常識だとかそういったことは、社長さんの方から逓信委員会の場でそういったことも審議をしていただければという話があったわけでございますから、これを機に積極的に、やはり放送法という法律もあるわけですから、社長さんからそう言われたわけですから、やはりそういった方向が議会のあるべき方向だ、私はこういうふうに思うわけでございます。  大分時間も過ぎてまいりまして、もう一つちょっと紹介しますと、社長さん、これは矢頭健策さんという方ですか、この方が雑誌に書いておられることを私は開いていますが、六月十一日、テレビ朝日の「ニュースステーション」、久米宏さんが、「政治改革法案、今国会での成立困難」というタイトルで、ずずっと言葉がございまして、「これはかなり自民党にとってイメージダウンだと思うんですが」と。小宮キャスターが「もう地に落ちるんじゃないんですか」、久米キャスターが「やはり泥棒に刑法を改正しろと言ったって、泥棒だって多少良心は持っているから刑法ぐらいは改正できるだろうと思った方が甘かったね」と。小宮キャスターが「今できなかったら、いっできるんですか」、こう言いますと、久米キャスターが「泥棒は、だれかが捕まえなかったら逃げるだけということなんでしょう」。実は、久米キャスターがこういう泥棒という発言をしておられまして、この著者も、「泥棒発言は、過度に感情移入をされた極めて主観的なものとなっています」、こう書いてあるわけです。こういった寸劇が、あらかじめ脚色されたものだ、その場でこれほど、何といいますか、まあかなり、こういったことは脚色されなければなかなかできないのではないか、こういう感じを受けたというふうに書いてあるのです。  今さっきの話なんですが、泥棒呼ばわりということがあるんですが、このことについてはどういうふうな御感想をお持ちですか。私は一切意見を言っておりませんが、社長さん、責任者でございますから、このことについてどういうふうな御感想をお持ちなんですか。
  109. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 私、その番組を見ておりません。テレビの番組というのは、映像と音声が一緒になって構成されているもので、言葉だけでもだめですし、映像だけでもだめだということでございます。したがって、見ながらどういう感じを受けるかという問題もあろうかと思います。ただし、今おっしゃるようなそういう汚い言葉あるいは不穏当な表現は慎んだ方がいいだろうなと私は思います。
  110. 自見庄三郎

    ○自見委員 不穏当な言葉は慎んだ方がいいだろう、こういうふうな社長さんのお言葉でございました。  それでは、もう時間がありませんが、テレビ朝日の調査を通じてやっておられるということでございますから、この調査の内容、あるいはどんなメンバーでやっているかということをひとつお述べいただきたい、こう思うわけでございますが、時間がございませんから、ぜひ手短にやっていただきたいと思います。
  111. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 社内に局次長級の委員を四人設けまして、それぞれが手分けをして、報道局内での当時の椿報道局長の発言、それから動き、どういう指示があったかなかったか、その有無を初めとしまして、番組をすべて点検すること、プロデューサーがどういう印象を受けたかなどを可能な限りのポイントを押さえて調査をしております。既に一部は郵政省にも報告しつつありますが、まだ未完成の部分、整理し切れない部分もたくさんございますので、そこのところはこれからということになります。  それから外部の委員といたしましては、専修大学文学部助教授で新聞協会の編集部長権田萬治氏、それから前の民放連の番組向上委員会の委員でいらっしゃった片方善治さん、この方は当社の放送番組審議会の委員でもあります。それからそのほかに青木貞伸氏。  この方々にお願いしまして、私の方でつくりました特別調査委員会の中間報告を全部見ていただく。それから、今回の選挙報道に関してテレビ局全般にわたる御意見を出していただく。これは最近露出の、例えばテレビ朝日から他系列のところとの露出の数字なんかが、実は「放送レポート」というのが出ていますが、その中にもありますが、それも含めて検討していただく。それでVTRを全部見てもらう。そして問題があるかというのを点検していただこう、そういうことをやっているところであります。
  112. 自見庄三郎

    ○自見委員 ぜひ今言いましたように、報道機関というのは自律ということも大変大事だということを私言いました。この原則は大変大事なことですから、これをしっかりまずやっていただきたいというふうに思います。  私もちょっと調べてみますと、ワシントン・ポスト、これはテレビと新聞は全然違いますから必ずしも参考にはならない、しかし基本的にはジャーナリストとしては参考になるのかなと思うのですが、御存じのようにブッシュとクリントンの選挙がございまして、ワシントン・ポストが偏向している、こういうふうな御批判をいただいたわけでございまして、ジョン・バードさんという方に、オンブズマンに二年間の契約でうちのワシントン・ポストは偏向しているかどうか調べてくれ、こういうことをやったわけですね。そうしますと結論は、記事の中ではクリントンに対して甘いという判断が出たわけでございまして、社説ではクリントン支持を打ち出すのはいいが、ニュースで意図的に動かしてはならない。  例えばこういう記載があるんですよ。統計のクリントンは一二ないし一五%有利だというのを、ワシントン・ポストでトップニュースで二一%の差でクリントンが勝っている、こうやったわけですね。これは統計専門家が一二ないし一五と言っていたのが二一にアップしているんですね。そ村もなお一面に出している。このときだけ一面に山したということですね。これはやはり事実の積み上げであるニュースでない、意図的に動かしているということですね。  そういった記載もあるわけですから、やはりそのことは、今いろいろ話しましたが、また後からいろいろきちっと内部で調査をしていただきかい、こういうふうに思うわけでございますけれ戸も、そのことを強く私から、方法あるいはそういったものを後から全部終わればぜひ公表していただきたいということを強くお願いをいたしておきます。
  113. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 御指摘、御注意ありがとうございました。その方向で進んでおります。  それで先ほど申しませんでしたが、今社内調査の方に加えて、例えば今の報道番組のつくり方がこれでいいのかというようなことで、今オンブズマンとおっしゃいましたけれども、それと同じような意味で報道系の番組向上委員会というのをつくりました。これは東大の名誉教授で帝京大学の教授をしていらっしゃいます岡部慶三さんをキャップとしまして、立教大学の舟田さん、慶応大学の菅谷さん、それからテレ朝の社内から二人、これを報道番組を主に専門にずっと見続けて向上に努めようということでございます。  御趣旨を体しましてまいりたいと思います。どうもありがとうございました。
  114. 自見庄三郎

    ○自見委員 最後に、同時にそういった努力もやっていただきたいと思いますが、これは郵政大臣、もう放送法の違反の疑いがあるということで取り調べ中でございますから、そこら辺は法律に照らしてきちっと厳正にやっていただきたいということを私は申し上げまして、最後に、もし委員長許されれば、一言郵政大臣から御意見を聞かしていただければと思います。
  115. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 椿発言問題につきましては、郵政省といたしましても重大な問題と認識して現在調査をしているところでございます。調査の結果を踏まえて、放送法上の問題等につきましても的確に対処してまいりたいと考えております。
  116. 自見庄三郎

    ○自見委員 ありがとうございました。
  117. 高橋一郎

    ○高橋委員長 次に、川崎二郎君。
  118. 川崎二郎

    ○川崎委員 自見委員の質問に引き続いて、伊藤参考人を中心として質疑を続けてまいりたいと思います。  まず最初に、新聞とテレビとの違いというのを御質問させていただきたいと思います。  先ほど参考人少し触れられましたけれども、アメリカと日本のテレビの違い、これをまず明確にしなきゃいかぬのだろうと思うんです。例えば、今徳島県、佐賀県では民放テレビは一チャンネルだけです。それから沖縄県、宮崎県で二チャンネルであります。あとはNHKがあるのみ。極めて限られた電波が日本の状況であります。伊藤参考人の方がよく御存じだと思いますので、アメリカの状況を少しお話しいただけたらありがたいと思います。
  119. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 私も詳しくは存じません。ただ、アメリカの場合ですと、これはCSテレビが非常に進んでおりましてケーブル局が非常にたくさんございます。そういう中で地上系とCNNを含めた衛星系、昔の地上系が圧倒的だという地位が大きく逆転しつつあるということでございますし、CS放送、通信衛星を使っている局でございますので、ここのところは免許の問題が及ばないというふうに理解しております。したがって、そういう意味では自由度が非常に高い。  ですから多メディア時代における法制ということがアメリカでは成り立つのでございますが、日本の場合はまだそういう状態になっておりませんから、私どもは今の放送法を厳守しなければなりませんし、その中ではさっき申しましたように、例えば自由な論評あるいは社説、主張、そういったものは当然放送法の範囲内に縛られるといいますか、従わなければならないというふうに考えております。
  120. 川崎二郎

    ○川崎委員 今お話しいただきましたように、アメリカと日本のテレビの状況はかなり違う。向こうはCS、CATVを使ってもう多チャンネルの時代に入っている。日本はまだそこまで行っていない。郵政省頑張りなさいよということなんだろうと思うんです。それを受けまして、今伊藤参考人からも少し話があったのですけれども、例えばテレビ局のある社長からは、テレビは新聞と違って放送法の規制を受けており、政治的主張をする権利を与えられていない、客観報道に徹するしかない、こういう発言があるんですね。  片一方、新聞界の方からは、一般の論調の中に放送と活字ジャーナリズムの言論、表現の自由の相違について認識を欠くものがある。新聞、出版等の活字ジャーナリズムには公序良俗を害さぬ限りほとんど無制限に出版、発行及び言論、表現の自由が保障されているし、国民の側にも選択の自由がある。一方、放送は、極めて限られた公共財である電波を利用して情報を直接国民の茶の間に送りつけ、受け手側の聴取するか否かの選択の自由が限られている。このため放送法などで政治的公平や不偏不党の条件を課し、免許事業として電波法による罰則がある。これは新聞界の考え方なんですね。  伊藤社長は正式にはこういう表現になっていますね。「テレビの果たすべき役割が一層大きくなったといわれるいま「報道のあるべき姿」について謙虚に反省し、今後も放送法その他の法令を順守しつつ、不偏不党と公正な姿勢を貫くことによって視聴者の信頼回復に誠心誠意取り組んでまいります。」先ほどからのお答えも大体このようなお話なんだろう。これが社の方針であるということをまず言明をしていただきたいというように思います。
  121. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 社の方針でありますが、改めてそれを確認し、進めてまいりたいと思っております。
  122. 川崎二郎

    ○川崎委員 郵政大臣、今少し一番最初に議論いたしましたように、新聞とテレビというものの立場、言論の自由といって一つにどうしてもくるめたがるのですけれども、明確に違うということを先ほど社長も、それから今新聞界なりまたテレビ界のお話を紹介したわけでありますけれども、それを受けてやはり放送法できちっとやっていかなければならぬ、この辺だけは郵政大臣の御答弁をいただけたらありがたいと思います。
  123. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 御指摘のように、確かに放送は限られた資源である電波を利用するものでございますから、同じ報道の自由といっても放送法上の明確な制約もございます。放送法上あるいは電波法上の制約については、きちんとその法律に従って対処してまいりたい、このように考えております。
  124. 川崎二郎

    ○川崎委員 実は、私も逓信委員会長くなってまいりましたので、NHKなり民放連なりいろいろな機会にお話をさせていただくことがあります。社長さん方がよく言われるのは、私は松下電器というメーカーにいたのですけれども、メーカーならば製品を出すというときは全部社長決裁であります。一つ一つの商品を価格を決めることから、どういう製品、デザインにするか、どういうコマーシャルを打つか、こういうことを全部社長が最終的な決裁をされてやっていく。ところが、我々がよく注文をつけますと、いや、そんなことを言ったって見るわけにはいかぬのですよ、二十四時間流れているテレビをずっと社長が見ておったら我々何も仕事ができません、こういう話がよく返ってきたんですね。これは当たり前の話だろうと思うんです。  したがって、テレビ局としてはやはり現場責任者、担当者の教育、ここがまず第一ですね。どんな人材をどんな職員につけて仕事に当たらせるか、そこへ一番気を使うのが社長というお仕事ではないかなと私は思うんです。あとはやはり、現場責任者に任せてやっていく、これがある程度経営ではなかろうかな、テレ朝の場合はどうかわかりませんけれども、ほかで聞いた話は大体こういう話なんですね。  例えば、NHKの会長の話としては、「テレビをやる、制作をする者は、決してみずからが一般の人よりも高い位置にあるとかいうふうに思ってはいけないと思うのです。それが一番初めに持つべき制作者の心構えではないかと思うのです。そのことをまず研修の際に徹底的に私はやりたいと思います。それから後は、実際にチームの中に入っていろいろな仕事を覚えていく段階できちんとした研修的なことが行われなければいけないと思うのです。それが、私に言わせると、少し現場研修というものが足らなかった。現場研修の中で、単に技巧の問題じゃなくて精神の面を多く入れなければいけないと思っておりましてこれは実はムスタンのときの反省の言葉なんですね。  それから桑田参考人はこう言っているのですね。これは御先輩ということになると思うのです。「おっしゃるとおりでございます。いろいろな管理体制、外枠をいかに整備いたしましても、肝心の放送の実際に当たる放送マンの精神が空洞化していては何にもならないことは御指摘のとおりでございます。各社それぞれいろいろなやり方はあると存じますが、今回の、特に昨年以来、各社とも研修にいろいろなやり方これは平成五年の二月、ことしの二月の話であります。「昨年以来、各社とも研修にいろいろなやり方、組み合わせ等を考えてやっております。またそういう方向についても、民放連といたしましてもいろいろな面で訴え、要請をしております。」実は、これが先ほど一番最初にお話しになりました番組調査会の話ではなかろうかなと思うんですね。  実は、番組調査会の場で、さっき公的と言われましたね、要はこの文章になっているやつが公的だ。その公的の中で、これは椿さんの発言なんですけれども、「日本の視聴者は極めて大きな知的成長を遂げたと思う」。今までは余りよくなかった、我々がテレビを通じて訓練してやったからよくなったととれるような発言を、実は公式な文書の中に載せているんですね。  実は、こういう発言をする方を、先ほどからるる申し上げましたように、やはり民放経営者の責任として、一番現場の最前線にある者の教育をきちっとやっていって、やはり不偏不党、公正というものをまずは腹の中にしかっとたたき込ませてやっていく、これが一番大事だろうと思うんですね。どうもそこは欠けておったのじゃなかろうかな。まあ、来たばかりだからというお話も先ほどちょっとあったようですけれども、どうでしょうか、その辺、ちょっとお話しいただけたら。
  125. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 お答えになるかどうかわかりませんが、今最初におっしゃいました、人が大切だ、それから一般の人より高みにあると思っちゃいけないよ。これは、テレビに限らず新聞も全く同じことでございまして、そういうことであったらば、大体そういう記者はだめなんですけれども。だから、さっき言っているように、椿君自身も若いころはそういう思想を持っていたんじゃないかという感じが、彼の書いたものなどから見ればうかがえるわけでございます。  ただ、今御指摘のように、そういう今度の発言、確かに思い上がりでもありますし、また今度の――さっき私が正式と言いかけて公的と言いましたが、正式の方がよろしいかと思います。その中でも、例えば夜の夜回りあるいは懇談なんかに出るならカメラを持っていけなんというのがあります。あれなんかについても、それは彼はそう思ったかもしれませんけれども、先日朝日新聞の編集委員がそれについて反論的に、冗談じゃないよ、本音のところなんかそんなことやったらだれも言いもしないし、聞けもしない、取材もできないというようなことを言っています。そのとおりだと思うんですね。だから、ややその辺のところが単細胞的かなと、去った人を言って悪いですけれども、そんなところが感じられました。ですから、さっきの「知的成長」についても、非常にラフな、粗っぽい言い方ではないかというふうに思っております。  先ほど研修の必要という点を御指摘になりましたけれども、本当に大切でございまして、最近、かってに比べればテレビに人材が、昔に比べればいいのが集まっているというふうに言われております。しかし、まだ油断はできませんし、そういう景気がいいときに集まってくる連中こそ問題が多いこともまた確かですから、気をつけなきゃなりませんし、研修も大切だと思います。  で、私の方も、研修については、形どおりの研修ではなくて、実効のある研修というのを心がけております。入社のときの研修はもちろんですが、主任研修、その後段階的な研修をいたしますし、テーマ的な、テーマ別の研修もやっております。例えば、今川崎委員御指摘の、例えばこれからのアメリカのテレビとの、日本がどうなるか、アメリカと比べて大分立ちおくれているところでどうなるかというような問題で、例えばISDNだとかCSだとかBSだとか、そういう問題の関係がどうなるのか、これも我々勉強しておかなければならないことでありますから、そういう面だとか、あるいは人権の問題だとか、そういう問題についてもテーマ別の研修を心がけているところでございます。  御指摘のところ、一々ごもっともなところがありますので、服膺してまいりたいと思っております。
  126. 川崎二郎

    ○川崎委員 あとは、やはり事後のチェックという問題になろうかと思うんです。今回の問題は、椿発言はもう全体として認められてしまった、言ってしまったことは。そこで、そのような影響がテレビにあったかどうか、これが考査をすることが一番大事だろう。  桑田参考人が二月に、「考査機能の充実という御指摘でございますが、そのとおりだと思います。したがって、各社各局内の考査機能が十分に機能するように、言論の自由という雰囲気も必要でございまして、自由と同時に、我々が過ちを繰り返していてはみずから首を絞めるという、その自覚も大切であります。さらに、一社だけではなくて各局、例えばキー局でも五社間でいろいろな考査機能の意見交換、連絡会等も最近始めております。」実は、この番組調査会というものはそういうものに当たるだろうと思うんですけれども、「そういうあらゆる場を重ねまして、御指摘のようにみずからの首を絞めないように、言論の自由のために責任を果たすことを第一に考えていきたいと思っております。」こういう話があるんですね。  私は、こういう問題が起きたときに、その考査機能、どうであったかとチェックをする機能の先頭は当然社長がお立ちになっておるのだろうと思うんです。大変失礼でありますけれども、平成元年朝日新聞のサンゴ写真事件、落書き捏造でした。ありましたですね。これは御存じだと思うんです。この事件がありました。朝日新聞では、大変な考査機能というかチェック機能を持たれて、結果としてよくチェックしたらやはりこういう事実が出てきた。編集局長されていましたのでよく御存じだと思うんです。完璧にやられて、実は御発表されておるんですね。完璧にやられている。  そこで、こういう体験も正直言って社長さんあるわけですから、まず第一にお聞きしたいのは、六月十八日、解散の日であります、七月十七日まで三十日間、これは私なりにチェックしてみたんですよ、黄色いやつを。いろいろ政治のことばかり書いてあるんです、黄色いところが。ずっとこれ足しますと、全部で九十五回、七千八百八十六分、百三十時間ぐらいの報道があるんですね。百三十時間というと、五日か六日かかるんでしょうか、これ見るのに徹夜でやっても。ただ、それこそ関係ないところは早送りすればいいわけですから。そんな形で、社長みずからこの番組、政治報道したと思われる番組、全部ごらんになっていますでしょうか。ちょっとその点をお聞かせ願いたいと思います。
  127. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 御指摘でございますが、全部は見ておりません。
  128. 川崎二郎

    ○川崎委員 やはり私は、後からみんなの評価ですね、失敗したことは失敗したとして、朝日新聞の対応は立派だったな、失敗は失敗としても、きちっとこれだけのことをやって、調査して、結果としてまずかったら申しわけないと言って、我が新聞の紙面を三面、四面割いてきちっと事実を公表された。大変なことだと思うんです。  社長、報道局長というのは、ある意味では社長の片腕だと思うんですよ。その人がこんなことになっちゃった。ある意味では「ニュースステーション」という看板番組の責任者ですよ、最終的には。その人がこんなことしちゃった。それを、やはり何かおかしいんじゃないのと言われたとき、外部に委託しました、だれだれさんにやらしていますということで果たしていいんだろうか。やはり社長さんが全部みずからチェックされて、本当に公正であり不偏不党であったかチェックされる義務があるんじゃないでしょうか。例えばメーカーなら、先ほど申し上げたようにどんな製品出すときでも社長が決裁しますよ。これができないだけに、後のチェックというのは大事だと思うんですけれども、そのことについて御意見を賜りたいと思います。
  129. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 サンゴ事件についての御質問があるやに伺いましたので、私にとっては非常に憂うつな話なんでありますが、この資料を持ってまいりました。  確かにこれは私が編集局長をやっていたときの事件でございました。痛恨の事件でございます。私が更迭されるだけでなくて、社長までやめるという事態に発展した事件でございまして、これも私が初め実はこれの旗振りをやりまして調査に入ったわけでございます。私がその後電波担当にかわりましたので、ほかに別の人にバトンタッチいたしましたけれども、結局、発生いたしましたのが四月でございまして、このレポートができましたのが同じ年の十一月でございました。その後も毎年沖縄の西表に参りまして、そのサンゴの傷つけた跡がどうなっているかということを定点観測いたしまして、沖縄県の知事にも御報告し、状況は観察しております。幸いに今はとんと原形に復しているようでございます。  御指摘のように、これも相当な人数をかけ、そして紙面を使って報告をいたしました。御指摘のようなことでございます。ですから、今なぜおまえさんやらないんだという御指摘で、ただ、今こういう状況でございますので、いろいろ対応に忙殺されております。  ただしかし、実はこの特別調査委員会も私の直轄でやっておりますので、毎日二回ないし三回、関係者が集まってその状況報告を求めているわけでございます。ですから、第三者の方に任せればいいなどというふうな考え方でいるわけではございません。私ども内部ではもちろん調査はいたしますけれども、それが果たして内部だけの調査でいいのかという御批判を招かないためにも外部の方の中立的な方の御審査を得たいということだというふうに御理解いただきたいと思います。  なお、先ほどこの期間の放送時間についての御発言がございましたけれども、これは「放送レポート」という、これは九月の十日に出たものでございますが、その中にいろいろ各系列のテレビ局の政党則露出度というのが出ておりまして、それによりますと、テレビ朝日、これはたまたま出ていたものを使わせていただくのですが、テレビ朝日の場合は自民が二九・一、社会が八・〇、公明が四・七、新生党二〇・二、共産党四・七、民社四・七、さきがけ六・〇、社民連五・五、日本新党一七・一というぐあいで、比較的バランスがとれております。特に名は挙げませんけれども、局によっては六〇%近くが自民党である局、それから六〇%を超すところが日本新党というようなところもあります。そういうのを見比べると、我がテレビ朝日が、こういう事件を起こした局でございますから口幅ったいことは申せませんけれども、比較的バランスはとれているかなというふうな感じは持っております。
  130. 川崎二郎

    ○川崎委員 実はそこはこれから入らしていただきますので。  今社長からお聞きしますと、十月四日厳重注意をされた。十月十二日、これはテレビ朝日広報部の名前で出していますね。「そうした中での発言が若干誤解を与えた面があったかもしれない」、これは十三日なんですよ。十四日に社長付に変えられて、そして十九日に辞表を受理して、そのときには、今先ほどから論議しているようなことを言ってしまったかなという話になっているんですね。ですから、十月四日からある程度の期間がかかった中で、十三日産経に書かれたとぎは、「そうした中での発言が若干誤解を与えた面があったかもしれない」、こういう実はコメントなんですよ。ですから、きちっとお調べになった上で私は物を言った方がいいんだろう。  そういった意味では、この二、三日というか、きのうですか、テレ朝の報道の中で、番組の中で既にこの中の言葉じりをとらえまして、これはこうだけれども、こうでした、ああでしたという釈明が始まっている。これは先ほどから再三申し上げておりますけれども、この姿勢とは違いますよ。この朝日新聞のときの姿勢は、きちっと調査しますから待ってください、そしてきちっとやられた。テレ朝は、何かもういいんだ、いいんだというような報道もされておる。  そこは、今社長が、みずから見て、自分の直轄の機能で調べてきちんとやるんだからと言われた。私はここは大事だと思うんですよ。今いろいろな疑惑の芽がある、それを我々はきちっと整理して皆さん方に公表するまで少しお時間をください、これで結構だと思うんです。何も今すぐ出せと言ってないんです。きちっとやってくださいよ、これだけまず申し上げたいと思うんです。  時間のことが出てきましたので、郵政大臣にちょっと最初にお聞きしたいんですけれども、たしか斉藤議員の質問に答えられて、「客観的事実の把握しやすい出演回数等については、提出方をお願いしている」ということになっているんですけれども、これはどういうことであり、また、もうテレ朝の方からお受け取りになられたか、ちょっとお聞かせ願いたいと思うんです。
  131. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 今委員がお話があったとおりでございまして、客観的に把握しやすい出演回数等、そういうものについてテレ朝側に提出方をお願いしております。今のところまだ提出があったということは私のところでは承知しておりません。
  132. 川崎二郎

    ○川崎委員 そうしますと、大臣、公平、公正の一つの概念の中に回数とか時間、こういうものも含まれる、こういうふうにお考えなんでしょうか。実は、先ほど伊藤参考人からもそれに近いような時間のちょっと御披露があったわけでありますけれども、これは一つの見解としてそういう考え方で進めておるということでよろしゅうございましょうか。
  133. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 政治的公平さについては不偏不党、特定の見解に偏ることなく、番組全体としてバランスよく調和が保たれていることというふうに私ども考えております。いろいろな判断をする上での参考資料の一つとして提供方をお願いしているところでございます。
  134. 川崎二郎

    ○川崎委員 実は、ある報道によれば、こんなものもあるんですね。七月四日から十一日までの八日間、「ニュース・報道番組における政党則露出度(話題度)」、日本新党六十二分二十九秒、四二・八%、自民党三十三分十六秒、二二・八%、さきがけ十六分三十秒、一一・三%、新生党十分五十一秒、七・四%、随分社会党は外されたものですね、六分十七秒、四・三、公明党四分四十九、三・三、日本共産党四分二十秒、三・〇、民社党三分五十秒、二・六、こう実はあるんですね。  それで、実は、逓信委員会でも、大先輩の阿部先生、それから最近では社会党の秋葉議員から何回となくこの逓信委員会で、イコールタイム、これは実はアメリカで、先ほどお話がありました公平性の概念の中でフェアネスドクトリンだどうだこうだという話があり、そういうものが撤去されたよということがあるんですけれども、その中で唯一残っておるのが、公職候補者に対するイコールタイムという考え方なんですね。  ただ、アメリカのように日本は番組を買うわけにはいきません。したがって、出してもらえるということに我々の方はなってしまうのでしょう。出してもらえる。何とかテレビ朝日に出してもらえませんでしょうかということになるんだと思うんですね。お金で買うわけにはいきませんから。  それで、アメリカでも公職の候補者は、これだけはかかっている。したがって私はやはり、この回数、時間というものの公平、公正というものは大事な要素だと思っているんです。  この中で、例えば椿さんが御指摘になりました、こういう代議士を挙げた御指摘ありましたね。これは、見でなかったら見てほしいんです。見て、ぜひどなたかからお返事いただきたいんですが、七月六日、「自民対分裂二党で栃木一区大混戦」「ニュースキャスター」というものですね。これは渡辺先生、船田先生、話題の簗瀬先生、小林先生、蓮実先生。例えばこれが簗瀬先生と蓮実先生がどのくらい出てくるのかな、一時間的に。我々は非常に興味のあるところなんです。我々は調べることできませんからね。  それから、七月八日、「首都厳戒下の東京一区若林正人が熱血中継」というものがあるんですね、何かおもしろそうですね、「スーパーモーニング」。  七月十二日、「新党激突 注目の東京一区直撃」、これは二回東京一区出てくるんですね。相当力こぶを入れられた選挙区だろう。これはもう御承知だと思うんです、話題の海江田先生、与謝野先生、柴野先生、大塚先生。例えば、我が見落ちてしまいましたので、大塚先生と海江田先生というのはどのぐらい率で取り上げられた。  こんなのを、社長さん、ごらんになったことございますでしょうか。
  135. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 全部通しては見ておりません。ところどころこういうのがあったなという感じの印象しか今はございません。改めて見ることにいたします。
  136. 川崎二郎

    ○川崎委員 それじゃ、お聞きしたいんですけれども、社内調査では、先ほど申し上げた九十五回のビデオは、全部となたかがごらんになっていますか。
  137. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 一部なくなっていると申しますか、ストレートニュース型のものなどがないのがあるのですけれども、ほとんどは保存されていますので、これは全部見させております。
  138. 川崎二郎

    ○川崎委員 見ていると解釈していいですね。  そうすると、先ほど、社長直轄で外部委員を入れてやると。そこでも全部ビデオを見て、今私がちょっと論点として申し上げたようなところもきちっとつかんでやっていただきますでしょうか。
  139. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 御指摘の線で努力いたします。
  140. 川崎二郎

    ○川崎委員 実は、その外部委員というものが信用できる、信用できないというのは一つの議論になろうと思うんですね。  一方で、先ほど郵政大臣からお答えいただきましたけれども、やはり参考資料として量的なものが欲しいということで言われておる。これは強制権はないんだろうと思うんです。強制権はないんだろう。しかしながら、今日の事態が来たときに、第三者の代表と言ったらおかしいかもしれないですね、監督権はあるわけですから、こういう立場で、問題になっているものについて調査とか、例えば、それじゃ、間違いないですよ、郵政省さん一度見てごらんなさいな、我々の言っている方が正しいですよ、こういうお立場をとられるおつもりはないか。  第一に、資料は提出されますか。第二に、ビデオそのものを第三者である人たちに見てもらうというお考えはあるか。
  141. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 テープを、今こういう立場にありますから、御指摘のように対応いたしたいとは思いますが、テープをお出しする、役所に出すというようなことは、やはり相当慎重にしなければならないと思います。私の方で自主的に検討はいたします。なおそれが、なおかつ出せという御指示あるいは御要求があった場合には、弁護士等と相談いたしまして対応を決定することにいたします。
  142. 川崎二郎

    ○川崎委員 今お話ありました。要するに、きちっと調査資料をつくってまず郵政省に出す、郵政省がそれで間違いなかろうということならいいだろう、しかしながら、先ほどの論議の中でありますように、ちょっとおかしなことがあるなということになれば再度検討するということですね、今のお答えは。  実は、もう一つ先ほどの事例に加えたいと思うんです。  五五年体制を突き崩し、反自民の連立政権を成立させる手助けになるような報道をしようではないか、新党と、日本新党の意味なんですよね、さきがけと新生党と、三つ合わせて百三議席になって社会党を上回る勢力になったのもテレビ報道のおかげ、こういう文書があるんですね。こういう文書があります。  これは、言ったけれども何ら影響していないということなんですけれども、ただ、私ども選挙をやっておりまして、最後の三日、四日というのは大変なところなんですね。最後の三日、四日の追い上げ、ここは選挙の勝負、これは間違いない。  そこで、ずっと拾っていきますと「ニュースステーション」なんですよ。七月十四日「新生党はどんな選挙戦を展開しているのか――岩手二区と福岡四区」、「ニュースステーション」です。七月十五日「婚約中の日本新党と新党さきがけ・選挙戦の現場では…」、「ニュースステーション」。七月十七日「新党の連立戦略に迫る 誰に投票すれば政治は変わるか」、「ザ・スクープ」。こういうものがぱんばんと続くんですね。これはなかなか、選挙している人がやったんじゃないかなと私は思うんですけれどもね。  社長、どうでしょうか、これ聞かれて御感想は。まだ見られていないということですから、後で調べた結果を郵政省なりにお出しになるということであるか外部に公表するかということでしょうけれども、ちょっと御感想をお聞かせ願いたい。
  143. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 委員のお話の中で、それも、この真二議席もテレビのおかげというのを、やったにもかかわらずとおっしゃいました、テレビ朝日がやったにもかかわらずみたいなことを言った、あそこの部分は、椿自身も、テレビ朝日がやった、テレビ朝日のおかげとは言っていなかったように私は記憶しておりますが……(川崎委員「テレビ報道のおかげ」と呼ぶ)テレビ報道、つまり、これはテレビ全体のことを言ったのではないでしょうか。ですから、これはテレビ朝日がやった、そこをちょっと訂正していただきたいと思います。  それから、先にお進みになって、その最後の最後のところでの「ニュースステーション」、そのところは難しいところでございますが、今その正念場、まさに大切なところだ、大変なところだとおっしゃった。それはやはりテレビの方も、一番のここが焦点だなと思うようなところでございますね。  これは他系列のことは存じませんが、テレビ朝日もやはり一番焦点になっている、一番ポイントは、一番白熱しているところはどこだというのを選びたいわけで、テーマごとでございますから、そのテーマによっておのずとまたお出になる政治家の出演時間が変わるということもあろうかと思います。  したがって、これもまた改めて見ることにいたしますけれども、その点についてこれだけを取り上げてバランスを失しているとだけは、そういう時間だけでもいけませんし、そういう状況の中での白熱したところをまさにテレビは集中的に放映したのだということもあろうかと思いますので、今この席ではこの程度のお答えでお許しいただきたいと思います。
  144. 川崎二郎

    ○川崎委員 椿発言がありましたので、我々は、そうなのかな、テレビ局、社長の言うことを信用したいけれども、どうなのかなという思いで、こんなこともきちっとお調べになって、再三言いますけれども、朝日新聞がやられたようにきちっとされた方がいいんではなかろうか、こういうふうに思います。  実は、今のことをちょっと聞いていただいて、郵政大臣にでありますけれども、資料については調べて出す、しかしながらビデオテープについてはという御意見であったわけでありますけれども、この辺は郵政大臣なり、大臣が答えにくかったら郵政省等なり、お答えいただけますか。
  145. 江川晃正

    ○江川政府委員 今先生の御質問と伊藤参考人とのお話にありました内容に沿って、郵政省としては対応していきたいと思います。
  146. 川崎二郎

    ○川崎委員 必ずしも椿さんの発言だけではないんですけれども、椿さんの発言のところを読みますと、こういう発言ですね。これはうそではないと思うんですね。   今度の衆議院選挙では、民間放送・民放の当遅速報のミスがございました。今、清水先生のご指摘のあったとおりです。候補者の数にしまして十人、延べ十七人のミスをしております。そのうち私どものANN系列はワーストワンでございまして、六人のお手つきをやり三分の一を占めているわけで、きわめて不名誉な記録でありまして、恥ずかしく大いに反省をしておるんですが。ここまではいいんですね。ここまでだったら、ああ、よくわかっているんだなという話になる。しかし、   これもまったく私見なんですが、まるで新聞が鬼の首を取ったように威張って、「テレビ朝日が六つも間違えた、日本テレビは四つも間違えた」とか、そういう報道をすることは僕はないと思うんですよね。   というのは、テレビは時間の流れをやっぱし伝えていくもんであって、その流れを伝えていく過程によって間違いがあればそれは当然訂正していくわけですから、そういうことは僕は恐れる必要はないと。そういう意味で、清水先生のおっしゃるように、“誤報”とは僕は取らないわけです。 ですから、前段で言ったことを何か否定してしまったような意見開陳を、これは実はかなり今度の放送番組審査会ですか、これの一つのテーマだったと思うんですね。前もかなり出した。そのときもワーストワンはテレビ朝日ですね、前もトップは。今回、トップはまたテレビ朝日なんですよ。  椿さん、何でこの会合に呼ばれたんだというときに、椿さんが、たしか谷垣委員の質問に答えられて、成績がよかったから。これは、成績がよかったというのは多分視聴率の話だと思うんですね、民放ですからそうでしょう、販売、売り上げがいい。しかしながら、場合によっては、見方によっては、椿さん、あんたのところまた六つもやっちゃったよ、これは選挙報道の問題だから、誤報のチャンピオンとしてこの問題も少しという問題点もあるんだと思うんですね、考えようによっては。  実はこの誤報の問題、選挙が終わった後、逓信委員会今回が初めてでありますので、この問題についてはやはりきちっとしておいた方がいいと思うんです。  まず、参考人の御意見をお聞きしたいと思います。
  147. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 この誤報の点については、私は椿君と全く考え方を異にしております。きのうも若干この議論をしたのですけれども、これは明らかに誤報であります。予測ミスなんという、そういう甘ったるいことで考えているからミスが出るんでありまして。  新聞の経験からいいますと、私は朝日新聞に長いことおりまして、朝日新聞はちょっと思い上がりみたいなところがありますけれども、選挙は朝日だみたいなところがありまして、誤報をやりますと大変なことになるんですね。一生ついて回るんです。私自身が社会部長をやったときも二つほど管内でやりまして、これは処罰を受けるんです。減俸とか受けたりして、また、あいつはああいうチョンボをやったというので一生行く先々言われることになるんです。  というのは、もちろん新聞の場合は、締め切り時間があって読者の手に届くまで時間がありますから訂正がきかない、そういう問題があります。ただ、そこのところで、同時に、場合によっては紙を印刷し直す、そういう問題、損害も発生しますからそういう処罰が付随して起こるわけでありますが、だからといって、テレビが途中で当確あるいは当選と打って、間違ったから直しました、それじゃ済まないと私は思っております。  ですから、これはきのうも、この参考人の質問のときに例えばこういうのが出るかもしれないなという話で議論はしたのですけれども、そういう考え方は直そうじゃないかというふうに強く言ったところであります。  ですから、これはテレビ側にとってみれば予測ミスで済むかもしれないけれども、その候補者にとってみればゆゆしきことですから、その辺のところも、立場をかえて考えたら、そんなことを予測ミスだからなどということで考えるのは極めて甘いのではないかというふうに、その点は今後とも気をつけるようにいたします。
  148. 川崎二郎

    ○川崎委員 今の点は、みんなと話し合ったというのは、要するに民放連に加盟するテレビ局各社、少なくともキー五社ですか、こういう方々とお話し合いになられたということでしょうか。
  149. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 当社の打合会、あるいはその関係者の集まっている席でございます。
  150. 川崎二郎

    ○川崎委員 テレビ朝日としては、椿発言もこれも暴言のたぐいだ、やはりきちっとこういう問題は処理をしていかなければならぬし、ミスはミスとして認めなければいかぬ。ですから、視聴率は高かったけれども一番失敗をしてしまったなということになるんでしょうね、選挙報道、選挙のその日だけとれば。  その辺について、テレビ朝日の姿勢というものははっきりしたわけですけれども、郵政省としては全体的にどういうふうにお考えになるか。これはNHKもありますので、NHKもやっておりますので、その辺をお聞かせ願いたいと思います。
  151. 江川晃正

    ○江川政府委員 私の方も、今正確な数字、十六件、十七件、手元にございませんからそこはお許しいただきますが、こういうふうにしようと考えているということを申し上げたいと思います。あれは誤報なのか予測ミスなのか、そういう言葉の問題よりも、もっと本質的に、やはりいけないことではないかと私考えます。  それで、現実には、テレビ朝日を初め各社から、どういうところにどういう過ちがあったかの情報を取り寄せて集積してございますが、あわせて、まことにその方々には申しわけない話なんですが、誤当確された当人の方、入った方と落ちた方とあるわけですが、落ちた方にお尋ねするのはまことにちょっとなになものですから、通った方には全部お会いしました。郵政省としてはしかるべき者を派遣して、同じクエスチョネアでいかがだったでしょうかという、別に感想を聞くというのではありませんでそのときの実情をお尋ねしまして、やはりこれは誤当確をやたら打つのは、やたらあえて打っているわけではございませんが、打たれることは大変、いいことではないという確信を私たち持ちました。  そういう事実を積み上げまして、しかるべきときにNHKを含む民放各社に、このような選挙報道においてはきちんと正確にやることを旨としてやってほしいというお願い文書を出そうと考えているところでございます。
  152. 川崎二郎

    ○川崎委員 大臣に、政治家、選挙をやる立場も含めてちょっとお話しいただきたいんですけれども、要は、開票と同時にぽんと出てみたり、これは予測の範疇だといったら予測の範疇だと思うんですね。ただし、その辺の問題も含めて特にこの誤報の問題については、お互いが感じておる問題ですから、一言だけ大臣からもお考えをいただきたいと思います。
  153. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 委員御指摘のとおり、大変個々の候補者にとっては重大な問題でございます。この点とうするかですね。郵政省としてもNHK、民間放送、正確を期すようにお願いを申し上げたいと思いますけれども、また私どもとしても、この調査を踏まえながらいろいろ検討させていただきたいと思います。
  154. 川崎二郎

    ○川崎委員 最後に、実は一度これだけは言いたかったものですから、社長に聞いていただきたいと思うんです。  私、実は昭和五十四年に初めて選挙に出ました。おやじが亡くなった後出ましたので世襲候補者だったんですね。実はそのときに、ある会社から、テレビ朝日ではありません、密着取材をさせてくれ、二日間ぐらい一緒に同行させてくれと実は言われたんです。もちろんいいですよということで二日間ほどテレビがついて回ったんですね。各所回りました。若い人の集いにも出たし、お医者さんへ行ってそこの看護婦さん全員に握手したときもあります。そういうように報道がずっと撮りまして、いざテレビに出ましたら、「世襲候補は」という題だったんですよ。それで、まず私が若い人と語らいをしているところは全く取っちゃうわけですね。看護婦さんの中でも選び抜いた年寄りだけを映すわけですよ。要するに私が会う人は六十以上の人しか一切出てこない報道が実はされたんです。こんなものかなと。しかしこんなものは愚痴ですからね、言ったってしょうがないんです。どこにもはけ口がない。実はこういう経験をされておる人たちは多いんですよ。  要は、テレビというのは、特にビデオの社会になりましたから、全く生のようでいて、そこへ後の編集というものが加わる、それによってかなり意図というものが入っていくわけですね。先ほど、報道局長がそんな考え方を持っていても絶対に下にはそんなことは浸透しない、大丈夫ですよと明言をされたわけでありますけれども、我々の立場からいいますと、これだけ映される。これは実は新聞の社会にもあるんですね。記者会見の中で大臣が言った。上だけとってちょっと載っちゃう、それが見出しになる、こういう経験は大臣なんかも御経験だろうと思うんですけれども、実はそういうように極めてある意味ではテレビがますますここまでメディアとして進展をしてきて、そしてある意味では椿さんの言っていることも当たっていると思うんですよ。国民がテレビを通じてより政治を知る機会が多くなってきた、世界の政治を知る機会が多くなってきた、これだけ実は果たす役割が高まってきたことは事実なんですね。事実なんです。  そこでやはり大事なのは、先ほどからの話のとおり、まず一人一人の職員、特に現場の長に立つ人たちの心構え、こういう問題ですね。それからもう一つは、やはりだれでも間違いはあるんです。私はだれでも間違いはあると思うんです。そのときに、きちっとした調査をし、きちっとした検分をして二度とこのようなことを起こさない。これは報道局長が悪かったんだということの一つの処断なのか、次の問題があるのか、これをきちっとさせていく。そしてそれが第三者から見て、ああしっかりやったな、あそこはきちっとした対応をする会社だな、こういう得心が得られるようなことをしなければならぬと思うんです。  確かに、我々政治家はこういう問題に余り介入すべきではない。また郵政省も、放送法というものは持っているけれども、できるだけ介入すべきではない。まさに自主的な判断によって物事を進めていく、これが大事だろうと思っているんです。思っているだけに、きょう大変失礼なことを申し上げた面もあろうと思うんですけれども、ぜひ御理解をいただいて、どうぞしっかりした調査をされてその結果を多くの人に御報告を賜りたい、このように思いますので、最後に伊藤参考人の御意見を聞かせていただいて、私の質問を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
  155. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 大変に示唆に富んだ御指摘でございました。おっしゃるとおりだと思います。そういう点、第三者から見ても得心のいくような調査をいたしたいと思います。最初に申し上げましたように、今回の事件をプラスの教訓として活用したいと私ども思っておりますので、御指摘のような線で参りたいと思います。  本日はありがとうございました。
  156. 川崎二郎

    ○川崎委員 どうもありがとうございました。
  157. 高橋一郎

    ○高橋委員長 次に、矢島恒夫君。
  158. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私は最初に参考人の基本的な認識、このことをお聞きしたいと思うのです。  テレビ放送というもので特定の政党を持ち上げたり、あるいは反対に特定の政党を排除するというようなことが行われるとしたら、これは放送の公正に反するものだと考えますけれども、あなたはどうお考えか、お答えいただきたいと思います。
  159. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 御指摘のとおり、放送法の趣旨に反していると思います。
  160. 矢島恒夫

    ○矢島委員 公開されたテープを起こしたものをこれから私、議事録と、先ほど違うというお話がありましたが、議事録というふうに言わせていただきますが、その中で、共産党に対して公正な時間、公正な機会を与えることは、かえってこれはフェアネスでなくなる、こういう発言があった。反対に自民党を離党した候補者に対しては、時代の風を受けているわけですから、その連中に対する時間がふえることは、かえってそれはフェアネスである、こういうことを述べております。  参考人は、この見解をどうお考えになるかということ、放送法は第一条のところで「放送が健全な民主主義の発展に資するようにする」というのがございます。椿発言のような立場での放送というものは民主主義社会にとって危険な存在になると思うのですが、いかがですか。
  161. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 何でもかんでも等しい時間あるいは人数に応じた時間を与えよというのは、必ずしも適当ではないと思います。私どもの考え方はテーマにふさわしい方々に御出演いただく、出ていただくということでありますので、たまたま共産党の方に出ていただく機会がなかったとしても、それは別に差別しているわけではございませんで、そのテーマに最も発言能力があり、あるいは機微に類したことを聞ける人にお願いするわけですから、たまたまそういう方がおられなかったというふうに私は理解しております。
  162. 矢島恒夫

    ○矢島委員 参考人、私は先ほど言いましたように、あなたの基本的な認識ということをまずお聞きするということで質問に入ったわけです。放送が恣意的にねじ曲げられて、そして特定の政治勢力の考え方へ国民の意識を誘導するというようなことが行われたら、やはりこれも民主主義社会にとって危険な方向ではないかと思いますが、この点いかがですか。
  163. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 そのようなことを意図して実行したら問題だと思います。
  164. 矢島恒夫

    ○矢島委員 先ほど、川崎委員の方からも新聞とテレビの違いというのがいろいろと出されました。新聞は新聞という同じ舞台で反論することができるわけですが、テレビではできない。だからこそ、国民の財産である電波というものを使用する放送には政治的公正というものが求められているわけです。  参考人は、特定政党を排除したり、公正な時間、公正な機会を与えないという立場、こういうことはもう今後とらないということを明言できますか。
  165. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 一般的には御指摘のとおりであります。そういう立場はとりません。ですから、「サンデープロジェクト」だったでしょうか、先日のある番組で、共産党の議員の方に御出席いただいております。そういうようなことは必要に応じて、そのテーマにふさわしい方はいかなる党であろうと御出馬いただくということでございます。
  166. 矢島恒夫

    ○矢島委員 先ほどの答弁の中で、また質問の中で、選挙最終盤、このときに最も激しい状況が生まれてくる、そのとき、どこを取り上げるかというのは結局テレビ局側の選択だ。それから、今おっしゃったように、このテーマにふさわしいかどうかというのも、これも出演者についてはテレビ側の選択だ、こういうことで、公正、公平はそういう場合には投げ捨てても構わないという発言ですか。
  167. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 御指摘でありますけれども、私はそれも公正、公平の範囲内だと理解しております。
  168. 矢島恒夫

    ○矢島委員 言論、報道の自由というのは、私も政治改革特別委員会の格証人喚問でも言いましたけれども、真実を隠したり、放送しないという自由ではないのだ、結局、国民を特定の政治目標の方に誘導するなどというのは、これは間違った放送の仕方だという点を指摘いたしました。それから放送法の中にも、異なる意見についてはできるだけ多面的な意見を聴取するという項目もございます。  私どもは、そういう観点から見て、テレビ局自身でその出演者を決めていったり、あるいはする場合にも、この公正、公平というのを投げ捨てるなどということは極めて重大な問題だ、こういうことを指摘しておきたいと思います。  続いて、椿発言の中で、あの発言は荒唐無稽だったのだ、こういう証人喚問の中での話がなされました。しかし、公開されました議事録を読みますと、この発言というのは、椿氏自身の個人的な考え方を述べたものではないということ、つまり、報道に対する方針と実践を報道局長という立場で話している、こういう内容になっていることは読んでいただければわかるとおりだと思います。例えば、そういう形で「選挙報道に当たったことは確かなことなんです。」あるいは「政経のデスクとか編集担当者とも話をしまして、そういう形で私どもの報道はまとめていた」、小沢一郎氏のけじめ問題では「ああいう報道の仕方を取ったわけです。」こういう形になっているわけです。  しかも、私が先ほど言いました、共産党には公正な時間を与えないことが公正な放送なんだ、こういう発言。これは調査会に参加していた委員からのいろいろな意見交換、疑問、こういう中で、さらに椿氏が後で発言された中に出てきているわけです。  これが荒唐無稽な話で、実際にはこれと正反対の方針を持って、そしてまた実践をしていた、こう言うならば、椿氏はなぜ取締役報道局長という肩書で全く事実無根の話をわざわざそこでしたのか。民放連の放送番組調査会というのは、あのやらせ問題、先ほど来いろいろ出ておりますが、このやらせ問題という放送界にとって非常に大きな問題でかつ深刻な問題が契機になってつくられたはずであります。学識経験者と各局の編成責任者が集まっている、半ば公的な会議の場での発言が、脱線したとかそういう程度ではなくて、全く荒唐無稽だった、こう言うのならば、よほどの悪意を持って民放連のまじめな会議を混乱させに行ったとしか説明ができないではないですか。  テレビ朝日自身が調査している、こういうことですが、社長はこの疑問に答えることができますか。
  169. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 あの中で荒唐無稽と本人は言っております。というのは、実際何でそういうことを言うのか、正直我々もわからないのでありますが、実際にそうできるシステムになっていないにもかかわらず、ああいうことを言ってしまった。  ところが、今委員がおっしゃいましたその議事録と称するデープを起こしたものをよく読みますと、その前に委員長の報告がございますね。テレビの影響が今度は大きく働いたという趣旨のことを言っておられます。また、そのほか雑誌や新聞などでも、今度の選挙にはテレビの力が大きく働いた、また私が何かでしゃべったところにもありますが、テレビが今度の政治の変化を加速したというようなことも書いてある。  そういうのがあるものですから、彼自身がその中でもう一つテレビ朝日の、これは視聴率でございますが、視聴率がよかったということで浮かれていたことは確かだ。そこで、あたかも、先ほども申しましたように、自分自身が実際にやってもいないことを、後講釈と申しますか、よくやるのですが、自分がやっていないにもかかわらずおれがやったんだという、そのたぐいの、彼は言ってみれば、今風の言葉で言えば舞い上がったとでも言うのでしょうか、そういうことでしゃべったのだということであります。  本人からも十二日の時点で、これは容易ならぬことなので、これは本当に言ったのかと言ったら、そういうことだったということだけ申し上げておきます。
  170. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私の疑問への合理的な回答というふうには受け取れませんが、話が荒唐無稽だったというのではなくて、やってきたことが放送の公正という見地から見て荒唐無稽だった、こう言わなければならない、こういう疑問は全く解けておりません。  私たちの実感では、この椿氏の発言のように共産党には公正な時間、公正な機会は与えられてこなかった、こういうふうに私たちは実感として持っているわけであります。椿氏は「何度も何度も私は文句を言われ、それから「赤旗」にも書かれたんです」こういうことを言われている部分は事実であります。  私たちも、日本共産党が公正に扱われるようにと何回となくテレビ朝日の方に申し入れを行っております。例えば、あの特別委員会で挙げなかった問題としては、一九九二年一月二十六日の「サンデープロジェクト」で、自社公民の出演で日本共産党を除いたこと、これに対しては今後十分気をつけていくようにする、これが回答であります。一九九二年十二月二十四日「ニュースステーション」、ここで党首会談を報じた際に日本共産党だけ除いたことに対しては、担当者に厳しく伝える、もちろんそのほかの問題で、私特別委員会の方でも発言しておりますし、また例を挙げております。  結局、こういうように何度も何度も申し入れて、しかしそういう回答をあなた方は出しながら、その後も公正に扱われてこなかった。ですから、あなたは今厳重に調査を進めていく、厳正に進めていくとおっしゃられましたが、そういう点も含めてぜひ調査をしていただきたい、こういう問題も明らかにしていただきたい。
  171. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 先ほど申しましたように、テーマごとの出演者の決定でありますから、先ほどのイコールタイムでは必ずしも律しられない問題ではございます。ただし、今御発言がありましたような趣旨があったということは十分頭に入れまして、調査の際にも参酌させていただきたいと思います。
  172. 矢島恒夫

    ○矢島委員 これまでの参考人の答弁から、特定政党を持ち上げる、あるいは排除する、こういうことは公正ではないことだということ、それから、今後もそのように偏った放送はしないということを確認いたします。よろしいですね。
  173. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 初めから偏った放送をしようなどという意図は全くございませんので、おっしゃられるまでもございません。
  174. 矢島恒夫

    ○矢島委員 時間が私、あと一分なんです。余り最後の方につまらない発言をしてもらいたくないと思いますが、確認していただけるかどうかということだけを、きょうの答弁の中で、あなたの言った答弁がこうだったということを確認していただいただけです。
  175. 伊藤邦男

    ○伊藤参考人 わかりました。今御指摘のような点も含めて、調査を進めてまいりたいと思います。
  176. 矢島恒夫

    ○矢島委員 それから、我が党が申し入れましたことに対する回答も出されておりますが、どう見ても誠実な回答などと言えたものではありません。不誠実きわまるものだと私たちは考えております。その後議事録が出されたわけですから、そういう状況の中で、再度御検討の上、それらを検討した上で、しかるべき回答を提出されることを要望いたしまして、時間が参りましたので、私の質問は終わりたいと思います。
  177. 高橋一郎

    ○高橋委員長 伊藤参考人に対する質疑は、以上で終了いたします。  伊藤参考人には、御多用中のとこるを御出席いただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して、厚く御礼を申し上げます、御苦労さまでした。  御出席いただきました点に感謝しながら、御退席、結構でございます。     ―――――――――――――
  178. 高橋一郎

    ○高橋委員長 次に、坂井隆憲君。
  179. 坂井隆憲

    ○坂井委員 今回のテレビ朝日の椿報道局長の発言をめぐって、新聞論調、いろいろなことが書かれておりました。  一つは、自民党に対しても、圧力を加えたということがあって、それが国会の審議で一つもそれは言われていないというようなことも書かれました。それから、それに関連しまして、マスミこの証人喚問自体、あるいは放送番組調査会の議事録の提出、そういうものが報道の自由を抑圧することになるのではないかという意見もありました。また、十月二十四日の読売新聞の社説にもありますように「「報道の自由」の乱用を戒める」という、まあやはり少し自主的に行儀よくしないといけないねという気持ちを込めたような記事も見受けられました。  自民党の問題については、本来は私は、連立与党の人たちがなぜしないのかな、本当はそういうことを契機に、政治家が例えば自分の国政報告会みたいなところで意見を言ったりする場合はどうかとか、いろいろなことの議論が行われるはずだったのにと思っているわけですが、私は、自民党の政治家として、自民党の立場から、テレビ朝日の問題として、放送法違反の関連、そういうものについていろいろと御質問していきたいと思っております。     〔委員長退席、金子(徳)委員長代理着席〕  まず、先ほど石田議員からも憲法の問題が出ました。憲法の二十一条では、「集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。」と規定されております。  宮沢俊義さんの憲法の本をいろいろ読んでみますと、言論の自由とは、本来口頭によるものをいう。出版の自由は、印刷物によるものをいい、それらを総称して言論の自由といい、あるいは表現の自由といっている。表現の自由は、各人が自由かつ自主的にその考えを構成することを前提とする。そのためには、報道の自由が確保されることが必要である。したがって、表現の自由は、このような報道の自由を含むと解されるということでございます。なお、ここで、報道とは事実を伝え知らせることをいうとされております。  最高裁の判決によりますと、「報道機関の報道は、」「国民の知る権利に奉仕するものである。」したがって、「思想の表明の自由と並んで、事実の報道の自由」、まあ「事実」と断ってあるのがみそでありますけれども、「事実の報道の自由は、表現の自由を規定した憲法第二十一条の保障のもとにある」と最高裁の判決に書かれていたわけでございます。  そういうことを考えますと、報道の自由というのは、もともと国民の個々の、一人一人の国民の知る権利から導かれていく権利ではないかというように考えるのですけれども、その点について、法制局、どうですか。法制局、来られていますかね。
  180. 津野修

    ○津野政府委員 いわゆる知る権利についてのお尋ねでございますけれども、この知る権利につきましては、憲法におきまして直接明文の規定を設けているわけではございませんけれども、憲法の二十一条の保障する表現の自由、あるいは憲法のよって立つ基盤である民主主義社会のあり方と結びついたものであるということで、十分尊重されるべきものであるというふうに考えているところでございます。  一方、報道の自由につきましては、これは先ほど先生の方からも引用されましたが、昭和四十四年の十一月二十六日の最高裁の判例におきまして、「報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提供し、国民の知る権利に奉仕するものである。したがって、思想の表明の自由と並んで、事実の報道の自由は、表現の自由を規定した憲法第二十一条の保障のもとにあることは言うまでもない。」というような、先ほど先生が判例として御引用されましたけれども、これで言っておりますように、表現の自由の一部として憲法で保障されているというものでございます。  ところで、知る権利と報道の自由のいずれが上位に立つかとか下位に立つかというような御質問でございますけれども、この報道の自由と知る権利というのは、どちらが上位であるとかどちらが下位であるとか、そういったいわば定性的なことで、性格で判断するようなものではないというふうに考えております。
  181. 坂井隆憲

    ○坂井委員 報道の自由と知る権利がどちらが上位がというのは、なかなかそういうふうに概念づけることはできないと思いますけれども、「報道機関の報道は、」「国民の知る権利に奉仕するものである。」そういうところから、事実の報道の自由というものが出てきているというカテゴリー、それはやはり十分認識しておいた方がいいのではないかなという気がするんですね。  ですから放送法では、「放送の不偏不党、真実及び自律を保障することによって、放送による表現の自由を確保する」などの原則に従って、「放送を公共の福祉に適合するように規律」するなどの目的を掲げているわけでありまして、そのため、放送事業者は、編集に当たって、「政治的に公正であること。」「報道は事実をまげないですること。」「意見が対立している問題については、できるだけ多くの角度から論点を明らかにすること。」などによらなければならないとされているわけであります。  今回の椿局長の発言は、先ほどから各先生方からお話がありましたように、自民党を敗北させないといけないという、局内で話し合って番組をつくっていったと発言している。発言はですよ。発言している以上、放送法、公選法違反の可能性が強いと考えざるを得ないわけであります。  しかしながら、椿局長の発言の後にいろいろな周辺の対応を見ていますと、産経新聞で報道された、十三日ですが、椿局長は否定的な記者会見を行う一方で、十月四日には、先ほど伊藤社長さんからお話がありましたように厳重注意された。そして十五日には人事異動で報道局長を外れた。専任の取締役に就任することが明らかになった。この人事異動は、取締役と局長を分ける会社の方針に従ったもので、今回の問題とは全く関係ないとされておりますけれども、そういう人事異動が行われた。さらに十四日には、椿局長更迭、社長付とされ、十三日に椿局長に同席した広報部長は産経新聞の報道について事実誤認があるので十四日にも抗議すると語っていた。それが新聞に出てきた情報でありました。  さらに、民放連によりますと、民放連の会長はテレ朝の前社長桑田さんでございましたけれども、この民放連によると、調査会の発言はテープにとっておらず議事録もない。今になるとこれがうそであったということが判明したわけでありますが、また重定部長は椿発言に対して、私の感じでは非自民政権誕生を意図したというニュアンスはなかったと語っている。しかし、あれだけはっきりおっしゃったわけですから、言葉だけを、発言を聞けばそういうニュアンス、こういう発言になるのかなという気がするのですが、こういうことが当時の状況であったわけであります。  そうしますと、法律違反の可能性が強いという中でこういういろいろな状況があるとすれば、当事者、関係者があるいはうそをついているんじゃないか、あるいは弁解的発言に終始しているのではないかというような気持ちにやはりならざるを得ない。そうすると、それは当事者の人たち、これは国民の知る権利にいわば奉仕していないと考えざるを得ないわけであります。事実の報道を行っていないのであれば、国民の知る権利のために国会に証人喚問することは何ら報道の自由を侵すことにならないし、むしろ事実をあいまいなままにしておくことが国民の知る権利を侵すことになるのではないか、私はそう思いますし、そのためにこういうときこそ国政調査権を発動して国民のために知るべきことをとらえていくということが国会の義務だと思ったわけであります。  その結果、与野党で協議して証人喚問が行われたわけでありますが、これが報道の自由を侵すことになったのか、大臣の見解、お聞きいたしたいと思います。
  182. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 証人喚問自体は国会がお決めになったことでございますので、行政府の長として私の立場上、発言は差し控えさせていただきたいと思います。
  183. 坂井隆憲

    ○坂井委員 立場上大臣としてお答えにくいかもしれませんが、先ほどテレビ朝日が産経新聞に抗議するという話をちょっとしましたけれども、事実関係について、抗議したのかどうか、ちょっと御報告をお願いいたしたいと思います。
  184. 江川晃正

    ○江川政府委員 申しわけございません、ただいまこの瞬間、時間、時点において確認いたしておりません。抗議をしたのかしてないのか、確認いたしておりません。
  185. 坂井隆憲

    ○坂井委員 私のときにはテレ朝の社長さんがいないものですから、ちょっと聞きようがないもので、局長にお聞きして申しわけなかったのですが、この椿局長の発言は、先ほどからこれもまた各先生方からお話があっておりますが、放送番組調査会で行われたものであります。  この放送番組調査会は、民放主要局の編成責任者が集まり、お互いに個人の立場で自分の考えを発表したり議論する会であり、会合で話されたことは外部に公示されないと理解していると椿さんは証言しているわけですね。しかもまだ、この調査会での発言は真意と違うという発言もされているわけであります。  ただ、放送番組調査会、もともとやらせなどの不祥事を防止するために平成四年十月の民放連理事会で設置したものでありますから、やはりそういうようなところに椿さんが行って真意と違うことを発言するということ自身、本当にこの放送番組調査会はいやに権威が傷つけられた話だなという気がいたします。     〔金子(徳)委員長代理退席、委員長着席〕  ですから、これは放送番組調査会の、あるいはさらに社団法人である公的機関の民放連の存在意義にもかかわることじゃないかなという気がいたすわけであります。  そうしますと、やはり、やらせを含めて事実の報道を行ってもらうような保証はないな、最終的には国民が事実を知る権利が保障されないことになってしまうのではないか。国民が本当の事実を知るために、このやらせ問題の防止ということをやろうとしてこの放送番組調査会をつくったわけでありますし、第一回の番組調査会の会合では、番組外注と番組制作の体制についてということで、いわゆるやらせの再発防止について報告しているわけですね。  その中では、当時の朝日放送の柴田専務から発言があって、再発防止のために社員教育を徹底している、情報系番組検討委員会も設置している、特に外注のあり方、関与のあり方などを検討している、系列としての対策、系列の懇談会、連絡会を活発に行い、番組制作の姿勢について意見を行うなど、社を挙げて取り組んでいるということであったわけでありますけれども、こういう報道局長のような方からも真意と異なる発言をしても済む機関だなというように思われているということは、やはり非常に問題じゃないかなと思うのです。  そのようなことを考えた場合に、やはり民放連自身といいますか、自己規制の原則をいま一度もっと求めていく、そういうことを民放連に望みたいと思いますし、そのためには、役に立たない調査会だったらもう改組した方がいいんじゃないかなということもあるでしょうし、こういうことを含めて郵政省としてどういうことを求めていくつもりか、お聞かせ願いたいと思うのです。  ちょうどこの番組調査会ができたときは、いろいろな外部委員からも意見があって、これは郵政省の要請があってつくったのですかというような意見に対して、これは民放独自の機関として外部からの規制を排除して積極的に番組向上に取り組むために設置したもの、こうおっしゃっているのですが、それがこういう結果だとすれば、これをどのようにこれから自己規制を求めていくのか、ちょっと郵政省の意見をお聞かせ願いたいと思います。
  186. 江川晃正

    ○江川政府委員 よい番組が送られるための仕組みということを、まず法の仕組みから考えてみたいと思います。  まず、放送法では、放送番組の制作に当たっては放送事業者の自主性というものをたっとぶということを一つの原則に立てているところでございます。しかし、それに対して自主性にも一定の制約はあるという意味で、政治的公正な立場を守れとか、いろいろな意見があればいろいろなところから出しなさいとか、公序良俗に反するようなことはだめだというような一定の枠組みというのがまた三条の二で書かれているわけでございます。  そういう自主性と、一定の枠の中でやってもらうわけですが、それを担保するものというのは、一つの自主性の延長として、民放の組織の中に番組審議会というものをつくってもらって、つくるということがまた法律で定められておりまして、その番組審議会の中で個々の番組も含めていろいろ議論をし、批判し、よい番組づくりに反映させていくというふうな建前になっているわけでございます。その番組審議会の一つに、その民放連というものは、そういうものをまた、自分たちの番組をよくしようという思想に立って集まった社団法人でございまして、いろいろな活動をしながら、それぞれの番組の向上を図ろうとしているわけでございます。  そういう枠、仕組みの中ででき上がっている今回の放送番組調査会なわけでございますから、本来の法の目的に沿ってそれぞれが動けばきっと機能しただろうなと思うわけですが、それが必ずしもそうでない場面があらわれたというのが第六回番組調査会における発言問題ではなかったかと考えます。  ただ、あの場合をちょっと後で議事録で我々拝見いたしますと、確かに本人も証言の中で申していますように、不適切と言っておりますが、そういう言葉がたくさんあったかと思います。ただ、それに対してやはり議論の中で、それはどうかなという議論もまた出ているところです。その意味では、私たちは、番組調査会のあの場も一つの救いがあったな、全部がああいう大合唱してしまったら私はどうなっちゃうのかと思いましたが、一応反論をしているという場面もございますので、それなりに救いはあったと思っているところでございます。  しかしそうはいいましても、現実にこう行われて、これだけの問題が起こってきているわけでございます。先生今何をどうしたらいいと考えているかという御質問になってございますが、今ここでにわかに、だから調査会にどういうふうにしてもらいたい、あるいは民放連にどうしてもらいたいということを具体的に申し上げるのはいかがかと存じますので控えさせていただきますが、とにかく今回の不幸な事件を契機といたしまして、よく調査して、勉強し、研究し、検討して、この調査会のみならず、番組審議会なども含めまして、あるいは民放連という組織そのものも含めまして、本来機能が発揮できるようにするためにどうしたらいいのかということも落ちついた世界で考えてみたいなと思っているところでございます。
  187. 坂井隆憲

    ○坂井委員 放送番組調査会の今までやられたことが全部だめだとは言ってないのですね。議事録をいろいろ見ていますと、いい議論をされていますし、月報を読ませてもらって、ただ不穏当な発言があったとかそういうことは個人の意見だからいいと思うんですね。それを我々が云々言うべきじゃないんです。  ただ、要するに、真意でないことをそこで言うというのは本当に何のための調査会なんだ。そこが非常に調査会の権威を傷つけているし、民放連自身の権威を傷つけているんですね。民放連が、自分たちが本当に自己活性化していくためには、同じ民放連のメンバーであるところの企業の局長さんがうそを言ってもその調査会は問題にされないんだということであったら、やはりそんな調査会は本当に要らないんじゃないかという感じになっちゃうんですね、国民の目から見れば。  ですから、そういう意味で本当に自主的にやってもらうために自主的につくってもらったことですから、自主的に本当は直ってもらえば一番いいのです。  例えば、証券なんかで一度損失補てん問題があったときに、証券業界が自分たちで自主規制しました。しかし、やはりそれでもだめだから証券取引監視委員会みたいなものをつくったわけですね。そういうのがいいかどうかは別ですよ。そんなことをこのマスコミの問題でやるのはまた大げざ過ぎてよくないと思いますけれども、やはりそういうようなことを余りさせないためにも、何かもうちょっと自己規律の中で担保するようなものを考えていかないと、やらせの問題が起こって怒られたから、あるいは今度こういう問題やって怒られたから、格好だけつけてまた別の審議会つくりましたじゃ、またこれは小手先の、ごまかしていたんじゃないかという感じになると思うんです。だから、そういうところを十分検討して、勉強していってもらいたいと思うわけであります。  ちょっと話変わりますけれども、松井氏記さんという人の「マスメディア法入門」という本をこの前読んだのですが、この本に、現代では少数のマスメディアが報道をほぼ独占しており、一般国民には広い範囲の公衆に対して表現を行う機会はほとんど存在しない、かつて言われたような思想の自由市場はもはや存在しない、情報の送り手と受け手がほぼ完全に分離してしまい、それぞれの立場の互換性が失われてしまったことを意味する、このような状況認識から、一般公衆に情報の送り手としての地位を復権させようという見解、それがアクセス権論というものですけれども、それが主張されるに至ったということでございました。  ここでアクセス権の議論をするのはさておいて、このように情報の送り手と受け手がほぼ完全に分離しているとするならば、報道は、やはり事実を曲げないですることが、国民の知る権利からして、これは何度も申し上げているのですが、国民の知る権利ということからすれば極めて重要になってくる。その意味では、こういう国会の審議というものも国民の知る権利に非常に資するものであると私は思っているのですが、ただ、どの情報が重要かという判断は一般国民にはまあ困難であって、報道機関は国民がどうしても必要な情報、知る必要性のある情報は国民に送るべき社会的な義務と責任があると考えるわけであります。  そういう状況の中で、このテレビ朝日の椿発言、十三日の朝、産経新聞で報道されまして、その後のいろいろな報道状況を見ていますと、同じテレビ朝日の十二日朝、「新やじうまワイド」では産経新聞一面の記事が放映されなかった。その点について角田和夫プロデューサーは、この記事は番組としての判断で取り上げなかった、番組では新聞を私どもの視点で取り上げ、流すようにしているということですから、このプロデューサーたちで判断したのかもしれませんが、そういうことで判断したということであります。  また、十三日夜の「ニュースステーション」、これは大体ニュースの欄が、ランプがついて幾つも並んでいるんですね。しかし、あれをテレビをつけて見ていましたら、そこにテレ朝問題、椿発言問題が出てなかったんです。出てなかったんですが、キャスターの久米さんが冒頭、「きょうの産経新聞朝刊で、連立政権の誕生に際してテレビ朝日が意図的な放送を行ったかのような報道がありました。テレビ朝日の椿局長は、きょうこの問題について郵政省に事情説明をした後、記者会見を行いました」と、ここで椿さんの記者会見のところがちょっとテレビに出るのですが、「私はテレビ朝日の報道局長としまして」、これは椿さんの発言ですよ、「非自民の政権が生まれるよう報道せよと指示したことは全くありません。また椿局長は、特定の候補を応援するような報道はしていないと述べ、公職選挙法や放送法に触れるのではないかという産経新聞の指摘を明確に否定いたしました。」  この後が、先ほどからよく議論になっている久米宏さんの「一言つけ加えておきますと」という発言になるわけですね。「一言つけ加えておきますと、この番組が始まって九年目に入っているのですが、この間私はテレビ朝日側から私の発言について圧力あるいは指導あるいは示唆その他一切の行為は私に対して一言もありませんでした。つまり、私の発言は私が考え、私個人が責任を負ってすべて行っておるものです。」と発言しているわけです。  この発言は、あるいはこの記事を見ますと、非常に釈明中心のものである。ですから、事実の報道ということでいうと、まず事実を報道しているのかな。ランプにニュースは入っていない。  ちょうど同じときに筑紫哲也さんのニュースもありました。それを見ていますと、筑紫哲也さんの方はちゃんとニュースで椿発言の問題を報道しておりました。報道した後に筑紫さんが自分の意見を述べられました。その筑紫さんの意見が、個人が個人的に賛成するか賛成しないかは別にしまして、筑紫さんのやり方は、私は報道の姿勢としては非常に公平だと思っております。事実を報道し、その後自分の意見を言う。  しかし、テレビ朝日のこのときの状況は、いわばニュースとして取り上げなかった、朝の「やじうまワイド」でも取り上げてなかったわけです。  そういうことを考えますと、報道というのは事実の報道をする、それが国民の知る権利に奉仕するものとして、権利があるのにもかかわらず、いわばこの国民の知る権利に照らしてみると、果たしてテレビ朝日は事実を曲げないで報道していると言えるのかどうか。あるいは放送法に書いてありますように、意見が対立している問題についてはできるだけ多くの角度から論点を明らかにしていると言えるかどうか。  いろいろと私は疑問がありますけれども、大臣の御意見をお願いいたします。
  188. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 個々の番組の内容につきましての発言は差し控えさせていただきたいと思います。  放送法は第三条の二におきまして、放送事業者が放送番組の編集を行うに当たっては報道は事実を曲げないですることを求めておりまして、みずから定めた放送番組基準を誠実に遵守するなどにより、よりよい放送を実施することを期待いたしているところでございます。
  189. 坂井隆憲

    ○坂井委員 もちろんそのようなことを期待しているわけでありますが、もし実施していないときは、じゃこれはどういうふうになるのですか。担保されるのですか。その判断は……。
  190. 江川晃正

    ○江川政府委員 多少実務的なことにわたりますので、私の方から申し上げさせていただきます。  個々の報道番組を一個一個とって、それがどうであるという審査をするということは最終究極権限としてあるかないかという議論はこっちへおきまして、とりあえず我々は避けているところでございます。今回の場合におきましても、具体的にテレビ朝日が政治的中立の立場をとらなかったのか、偏向したのかどうかということにつきましては、テープを持ち、ビデオを持ち、資料を全部持っているテレビ朝日そのものに見てもらいまして、そしてこういうふうに偏向があったとかなかったとかということを報告いただく、その中身の合理性なども考えまして、我々はそれで判断していこうかな、そう考えているところでございます。
  191. 坂井隆憲

    ○坂井委員 最初に法制局の方からお答えがありましたように、報道の自由というのは国民の知る権利とどちらが上位置念とは言えませんけれども、極めて密接不離な関係であります。そして最高裁の判例は、報道機関の報道は国民の知る権利に奉仕するもの、ということになれば、報道の自由は担保されるけれども国民の知る権利が担保されないとすれば、やはりこれはこれからいろいろと勉強していかないといけない問題だなという気がいたします。まあ今の段階でどういうふうにするかというのは報道の自由とも関連ですからなかなか難しいことでありますので、一応この質問は次に続けます。  先ほどテレ朝の伊藤社長さんが、いろいろな番組をつくるときには、テレビの職員を含めて、社員スタッフを含めて料理の仕方をどのように扱うかということを決める、どういう方向にいくかということを決める、キャスターの感想とかそういうのは信頼関係でという話でございました。  一般に報道番組は、通常、社員スタッフとプロダクションスタッフ、司会者による企画会議でネタの選定を行うと聞いております。番組の制作の多くが、放送免許が放送事業に与えられているものである以上、例えば下請のプロダクションスタッフが多くなり過ぎて、そちらに任せ過ぎるということは問題になってくるわけでありますし、あれやこれやを考えますとやはり番組の内容とか質のチェック、そして最終的に責任はだれが負うのか。  あるいは、先ほどから番組の編成権という話がありましたけれども、私は、編成権ということと同時に、編成権というのはどのような番組を放送するかということが編集権、それとやはりその中身をどのように編集していくかという、編集権というような二つの考え方をしていってもいいなと思っているわけであります。  例えば、テレビなんかを見ますと最後に、映画なんかそうですが、字幕で演出だれだれ、こう書いているわけですね。そのときは多分その番組の責任はその演出者がやるんですね。書いてない場合はやはりそのテレビ局全体がやると思うんですよ。そうした場合に、どういうように内容の、質のチェックとか責任を考えていけばいいのかとか、こういうことをやはり十分煮詰めて検討する時期に来ているんじゃないかなと思うのです。  そういう意味で、これはまた郵政省が言い出すというよりも民放連なんかに自主的にお願いするということになるかもしれませんが、そういうことをお願いしてみたらどうかと思うのですけれども、御意見を伺いたいと思います。
  192. 江川晃正

    ○江川政府委員 本件、報道の自由とか言論の自由とかに直接かかわってきやすい話なものでございますから、軽々に郵政省がああするこうするということを言い出すのはいかがかと思いますので、大変慎重に言わさせていただいているところでございますが、先生おっしゃいますような問題も今度の不幸な事件の中で体としては感じられるところがいっぱいあります。  そこで、たびたび同じような答えを申し上げて恐縮でございますが、今回の事案を契機として、放送番組の内容とか質のチェックとか放送事業者の編集権のあり方などなどにつきましてもいろいろ検討、研究、分析いたしまして、しかるべき措置を必要ならばとるというふうに将来の課題としてさせていただければありがたいと思います。
  193. 坂井隆憲

    ○坂井委員 ただいま局長さんが言われましたように、こういう問題は非常に、やはり報道の自由の問題がありますから、なかなかこちらからもお願いしにくい問題もありますし、今回のテレ朝問題は、単に放送法違反だといってやっつけるというようなことでなくて、これを契機にいろいろなことを検討していくということがやはり放送界のためにもいいことだと私も思っているのです。  ただ、先ほど川崎理事からもちょっと、いろんなテレ朝のタイトルのことが出ました。字幕のタイトルですね。報道番組のタイトルを見ますと、さっき言いましたように、だれに投票するか決める前に見ておこうとか、だれに投票すれば政治は変わるかとか、やはりタイトル自身も、いろんな公職選挙法とかいうことの絡みでいうとちょっと慎重さを欠いているなという感じがしますけれども、政治的なものの取り扱いについて、こういうタイトルについてももっと慎重に配慮すべきと考えますけれども、いかがでしょうか。
  194. 江川晃正

    ○江川政府委員 タイトルについてのお答えと申しますよりも、私自身、今度たまたま放送行政局長になりましたときと選挙が始まるときとが重なったものでございますから、五社の社長にあいさつに伺いました、NHKも含めますと穴となりましょうか。そのときに、すぐ目の前にあります選挙報道その他がございますのでお願いいたしたわけですが、それは、政治的中立を保つという三条の二でございますが、それを言いまして、どうか方々から誤解をされないような放送をしてくださいということを六人の社長、会長にあいさつのときにお願いして回ったことがございます。これは七月の頭です。  たまたま椿発言を、これは御質問にないところで恐縮でございますが、発言の中を見ますと、何かそういうことを言って回って警告したというふうに私言われたように書いてありますが、これが、まあ江川とは指定されておりませんが、もしかしたら私のことかなと思って今申し上げるのですが、今申し上げたいのは、個々の番組のこのタイトルでこれはいいとか悪いとかという言い方をすると大変危険はあると思います。しかし、今申しましたような、法律に書いてあることを法律のとおりやってくれということは、私は幾ら言ってもおかしくはないと信じておりまして、その意味で、先ほど申しましたように、あいさつのときには公正中立にお願いしますと申し上げたことでございます。逆に言えば、その辺が一般的、抽象的には、言い方としては限度なのかなと考えているところでございます。
  195. 坂井隆憲

    ○坂井委員 私なんかも結構忙しくてテレビを見る暇がないものですから、こういうタイトルしか見ないんですよね。ですから、やはりタイトルというのも、まあ視聴率上げる必要はあるかもしれませんけれども、それなりに配慮してもらいたいなという気がいたします。  それから次に、以前、ちょうど椿発言があった直後ですが、放送行政局長が、産経新聞の内容を読んで多くの人がおかしいと思えば政治的中立性が損なわれていると考えるべきだと発言されているわけであります。これは新聞に出ておりました。  ただ、椿さんは、発言は認めたが、真意ではなかった、したがって番組には反映されていないと発言している。テレビ朝日は内部で調べていると言っているわけでありますが、内部で調べているといっても、問題を起こした社が自分は問題を起こしてないと言っても、何となくやはり説得力はないなと思うんですね。やはり、たくさんの人がおかしいと思えばおかしい、私がおかしいと思ってもおかしくないけれども、そういうことじゃなくて、たくさんの人が。やはりそういう意味では、第三者の目に知らすべきであり、これがやはり国民の知る権利にもつながってくることだと思うのです。  ちょうど五年前に放送局の免許の有効期間の延長をいたしました。そのときは、それまで三年だったわけですね。そのときに、実は当時自民党が与党でございまして、いろんな意見があって、地方局の中には土地転がしなどテレビ会社にあるまじき行為を行っているものがある、したがって何か不始末があった場合には免許を取り消すべきであって、そういう問題があるところもあるので免許の三年は延ばす必要はないということをおっしゃった先生もいらっしゃるのです。私が聞いているのは、松田九郎先生がたしかそういう意見だったと思うのです。それから、逓信の同じ委員をされている虎島先生なんかは、やはり放送局ももうふえてきたから五年でいいじゃないかという意見で言われていて、それでこういう五年になったわけですね。  ただ、そのときに、五年にはするけれども、免許についてはやはり内容の審査を厳しくやったり、そういうこともよく踏まえてやろうじゃないかという意見が大分強かったと聞いているのですが、そういう経緯を御存じなのかどうか。  また、そういうことに関連しますと、やはりこの際、七月のビデオ、こういうものをちゃんと提出してもらって、事実関係を明らかにする、そのようにして資料を求めていくことがいいかと思いますが、いかがでしょうか。
  196. 江川晃正

    ○江川政府委員 三年を五年にいたしました経緯につきましては、最後にまとまった、言ってみれば整理されたペーパーというのは見ておりますが、いろいろな場でこういう議論があったという生々しいデータまでをちょっと拝見しているわけではございません。言葉では伺っております。  それにしましても、今度、こういうことは自慢げに言う話では決してございませんが、厳しく見るという目でいきますと、確かに今度免許期間を一年にするというのを二つ出したわけでございます。この辺は今までなかったと思います。財政上の理由でそれは明らかに五年間立ち行かないと判断して、しかも一つの方は、財政上のある事実が調わなければ、その調わないことが確定したところで免許は失効する、言ってみれば、一年間よりもっと前かもしれないことを書いているぐらいでございます。そういう意味では、先生御指摘の上うに、チェックの厳しさというものもある意味では行われたのではないかなと考えております。  ただ、今度の場合、テレビ朝日につきましては、処分は、言ってみればしてないのと同じでございます。これはどうしてかといいますと、けさほど来申し上げて繰り返しになりますが、判断する材料が事実として固まってないというところが前提でございますので、その固まるのを待って必要な措置をとるということで、処分を十一月一日の先に送ったという状態になっているところでございます。  それから、そういうことでございますが、先生御指摘の、七月のビデオなどをもらったらどうかということでございますが、一応我々もそれなりに、偏向しているかどうかについての調査をしているわけでございますので、それなりの提供のお願いをしているところでございますが、先ほど川崎先生のお話でもございました形で資料の請求を伊藤社長との間でなされました。それでどうだということでございましたので、伺ったあの線で、私たちの方もそういうふうに進めばそれでさせていただこうと考えているところでございます。
  197. 坂井隆憲

    ○坂井委員 今、政治改革の議論がいろいろあるんですけれども、ちょっとそれで自治省にお聞きしたいのですけれども、公職選挙法では百五十一条の三及び百五十一条の五で選挙放送について定めているわけでありますが、この公職選挙法に言う選挙というのは、普通、選挙というのは我々個人が全部出ているわけですね。ところが、参議院なんかは全国区の比例名簿というのがある。仮に今回、政治改革が成立して小選挙区比例並立ということになれば、候補者だけでなくて、今度は党で選挙をするという形になってくる。そうしますと、この公職選挙法の適用というのは、個人としての候補者についてだけでなくて、例えば政党だとかあるいは政党を代表する党首、そういうものに関する報道に関してもやはりこの条文というのは適用されると考えていいんでしょうか。
  198. 松尾徹人

    ○松尾説明員 お尋ねの件でございますが、現在、公職選挙法の中では、日本放送協会または一般放送事業者は、公選法の百五十一条の三で「選挙に関する報道又は論評について放送法の規定に従い放送番組を編集する自由」を有する規定が一応ございます。ただ、その一方で、その百五十一条の三のただし書きで、「虚偽の事項を放送し又は事実をゆがめて放送する等表現の自由を濫用して選挙の公正を害してはならない。」それからもう一つは公職選挙法の百五十一条の五でございますが、ここでは、いわゆる政見放送等、公職選挙法の中で認められておる場合を除くほか、「選挙運動のために放送をし又は放送をさせることができない。」という規定があるわけでございます。  したがいまして、基本的には、政党については、放送で論評することは、原則としては、これらの規定に抵触をしない限りは自由であるということは言えようかと思います。  特に、具体的にお尋ねがございました、今後、政治改革、現在政府提案でお願いいたしておりますが、小選挙区比例代表並立制ということになりますと、これは小選挙区制と比例代表制という二つの選挙、二種類の違った形の選挙になるわけでございまして、その場合に、具体的にこの公職選挙法の規定にかかわりがあるといたしますと、特に百五十一条の五の「選挙運動のために」放送をしてはならない、この「選挙運動のために」という意味が、選挙の種類によって若干異なってこようかと思います。  と申しますのは、小選挙区制の場合でしたら、これはあくまで個人が候補者でございます。したがいまして、選挙運動という場合は、特定の候補者についての投票依頼の目的を持った有利な行為ということが選挙運動になるわけでございますし、比例代表の場合は、特定の政党に投票を依頼する、そういった行為がこの選挙運動に該当するわけでございますので、若干その意味では、この公職選挙法の解釈の上で、選挙の種類によって、これは実態としての差があるということでございますが、解釈が差があるわけじゃございませんけれども、実態的な差は出てくるということは言えようかと思います。
  199. 坂井隆憲

    ○坂井委員 今の話ですと、政党についても一応適用される、こう考えていいのですね、差はちょっとあるとしても。  例えば、候補者個人について、テレビに出た。そして、例えばその政策をいろいろ議論した。そして、このAさんという人はこういう政策を言っている、Bさんはこういう政策を言っている、Aさんの政策はだめですよと言うのは、例えばテレビにおいてそういうことを名指しで断言されたときに、だれかニュースキャスターから名指しで言われたときに、それは、選挙運動期間、告示されてから、またその事前運動もあるかもしれませんが、そのときに、それはやはり公職選挙法違反になるのか。  そうしたら、例えば今度、政党、自民党の政策はこうだ、公明党あるいは新生党、社会党、そういうところの政策はこうだ、この政党の政策はだめだ、ところが、自分は、消費税は、例えばテレ朝は消費税反対だ、だから、この政党の政策はだめだと言ったときに、これはなかなか難しい問題になると思うのですが、一般の選挙がないころだったらいいんですよ、政策の議論ですから。選挙が近づいてきたときには、こういうのは、政党型選挙になったときにはどうなってくるのか。政党型選挙になってくるときのテレビ報道のあり方、そういうものはどうなってくるのだろうかというのはよくわからないのですが、いま一度教えてください。
  200. 松尾徹人

    ○松尾説明員 先ほど申し上げましたように、公職選挙法の百五十一条の五では、「選挙運動のために」放送をすることはできないということに規定があるわけでございまして、その「選挙運動のために」に具体的な事実が該当するかどうかということになるわけでございます。  一般的に、選挙運動と申しますのは、特定の選挙について、例えば個人候補者でありましたら、特定の候補者について、その投票依頼目的で直接間接に有利な行為ということが選挙運動と言われておりますし、それから、比例代表のように、政党名で書く、そういう投票の場合でございますと、当てはめますと、特定の選挙について、特定の政党に対する投票依頼目的で、直接間接に有利な行為ということになろうかと思います。  そういった意味で、選挙運動、特に、政党中心、比例代表の場合は、政党が選挙運動の対象になりますので、その意味では、具体的に、政党について、今申し上げました要件に該当するようなケースがあれば、それは百五十一条の三に触れるおそれがございます。ただ、この「選挙運動のために」という目的意識が必要だというふうに私どもは一般に解釈をいたしております。
  201. 坂井隆憲

    ○坂井委員 なかなか難しい問題だと思うのですけれども、今政治改革で、ここは政治改革委員会じゃありませんから詰めませんけれども、特に、政党、仮に選挙制度改革ができたときに、政党型選挙になるときのテレビ報道のあり方というのは、これもまた自治省、郵政省、あわせてやはりよく検討してもらいたいなと思うのです。  やはり今回の椿発言の絡みでいうと、まだ個人のことは触れてないから――まだ触れてないんですよね、非自民政権をつくるんだとか、実際そういう報道をしたかどうかは別にして。発言ですよ。しかし、これが政党型選挙になってくると、政党型選挙にならなくても比例のときは、参議院の比例区は本当に影響を受けてしまうのですが、困ってしまうのです。  例えば、その場合に、政党というのは何かというと、代表者がいるわけでしょう、党首が。それは宮澤さんが今まで党首だったわけです。宮澤さん人形を転がして、ぽっと転がしたときに、それはやはり政党型選挙で比例に名前挙がった人たちは、自分の首が転がったような感じになってしまうと思うのです。だから、そういう意味で、やはり非常に微妙な問題があると思うので、この辺もちょっと郵政省、自治省、あわせてよく議論していただいて、勉強してもらいたいと思います。  次に、時間もありませんので、ちょっと選挙制度の関連で。  そうなると、例えば、これも仮定の話なんですが、ある、テレビ朝日でもいいですよ、あるテレビ朝日のプロデューサーを買収した。そして、葛飾の区長みたいに背広を上げたり金を渡したりして、買収してテレビに出させた、出てもらった、テレビに出て売名行為をした。それはやはり選挙違反になると思うんですよ、多分。今までは、警察は、そういうところの選挙違反というのは多分やってなかった。やっていたかもしれぬけれども、少なくとも余り聞いたことがない。しかし、こういうのが、だんだん政党型選挙になってくると警察とか法務当局が関与していくことになるかもしれない。それがまた今度は報道の自由ということで、非常に微妙な問題だから、それはまた排除していかないといけないという難しい問題だと思うのです。  だから、そういう意味では、オンブズマンの問題とか、あるいは視聴者の苦情処理制度、ヨーロッパにありますね、そういうものとか、あるいは番組の保存義務を負わせていくとか、あるいはやはりもうちょっと自己規制をしてもらうということが、民放連があんなうそついても構わないような調査会でなくてそういう形になっていかないと、自分の首が、政党型選挙になってきたら本当にどうなっちゃうのかなと心配しているんです。そういうことをちょっと思っているものですから、ちょっと最後にそのことをつけ加えさせていただいて、これは質問じゃありません。  時間がありませんから、最後に一つだけ。これは、ちょっと一言ぜひ言ってくれといって、実はこうして手紙、ファクスが来ているのです。  これはベルリンの広瀬毅彦さんという人からのファクスが来ていまして、「私はベルリン在住で東京大学の大学院生ですが、すでに日本の多くの新聞や雑誌で紹介されています通り、テレビ朝日が一九九〇年九月より行ってきた、「ベルリン桜キャンペーン」の不正を唯一の日本人ボランティアとして追求している者です。」これは、ちょっと文章が長いので一々言いませんけれども、「週刊ポストが五月に三週間にわたり、追求キャンぺーンを張り、「久米ニュースステーションよ、いつまで沈黙する気か」と大特集したことで、社内より極秘文書が流出し、横領の事実が明らかとなった」ということです。何か金額もかなりの金額、浄財一億円と書いてありますが、やはりこういう問題を、今までは国会の逓信委員会の先生方も、テレビは第四の権力なのでということでなかなか取り上げてくれなかったというんですね。  ですから、こういうことが郵政省あるいは大臣も御存じかどうか。御存じなら、こういうことについても、一学生さんのことかもしれませんが、やはり誠実に調査していただいて、国税問題も出てくるかもしれませんし、同じテレ朝に関連で、たまたま私のところに十月二十一日付で来たものですから、ちょっと最後に一言、その点について御存じかどうか、その点についてどうされているか、ちょっとお聞かせください。
  202. 江川晃正

    ○江川政府委員 桜基金という言葉は、今先生御指摘の広瀬毅彦さんという方が郵政省に公開質問状を出したというところから端を発しまして、私たちも承知いたしております。  桜基金の趣旨その他は大体こういうものだと理解しておりますが、平成二年十一月から平成七年十月までの五年間に募金をいたしまして、旧東西ドイツ、統一されたわけでございますから、その統一を機にベルリンの壁跡地などに桜を贈って日独友好親善の橋渡しを目的とした植樹関係費、あるいは事務局経費の資金としてその募金をしたようでございます。募金の方法は、テレビ番組等によるPRで全国から善意の募金を募るという方法で、植樹の数は目標七千本だそうでございますが、現在のところ一千五百本ぐらいで、現在の募金額は一億一千四百万円ほどとなっている、残高が約五千六百万円になっているというところでございます。  それで、そういう状況は現在の姿でございますが、本年三月に広瀬さんという人から、先生のお手元にある方と同じかと思います、広瀬毅彦さんといいますが、この方から郵政省に公開質問状が参りまして、主張としては三つありました。一つは、基金というのは東京都条例の許可を得ておらず、違法な無許可募金だ、二つ目は、基金の経理運営が不明朗で不適正だ、三つ目は、植樹をめぐる事案についていろいろと対立点があるというようなこと、大きくくくりますとそんなようなことでございます。  それで、郵政省といたしましては、その広瀬さんからも事情を聞きました。それから、テレビ朝日にも話を持っていって聞きました。いずれも両方からヒアリングしたわけでございますが、無許可云々というところにつきましては、平成五年三月に都の許可を取っております。そういうことも含めまして、とりあえず両当事者でその問題を話し合うのが一番いいのではないかと判断しまして、テレビ朝日にもまた広瀬さんにも、当事者でちょっと話し合って解決をしてくださいというふうに両者に伝達して、問題を二人に預けたところです。目下、テレビ朝日からも広瀬さんからもその後の応答はございませんが、我々としてはその問題が解決されたのかどうかについては、なお注目して見守っていきたいと考えているところでございます。
  203. 坂井隆憲

    ○坂井委員 広瀬さんとテレ朝だけでやらせるということもですけれども、さっきの免許のときに、五年前の話をしましたように、このときは土地転がしの問題なんですが、やはりいろいろな問題を起こしているところについて、いろいろとこれは報道の自由の問題とは別ですから、問題はそういうところをぴしっと調べて、一大学院生にテレビ朝日と相談しろといってもかわいそうじゃないかと思うんですがね。ちょっとそういうふうに思ってそれを一言つけ加えさせていただきます。  もう時間がありませんのでこれで終わります。それで、美智子皇后陛下が、ちょうどいろいろなことを書かれておりまして、御回答文に「事実でない報道には、大きな悲しみと戸惑いを覚えます。」「事実に基づかない批判が、繰り返し許される社会であってほしくはありません。」と書いてありますが、私も事実でない選挙には大きな悲しみと戸惑いを覚える気持ちであります。どうか今後とも報道界がきれいな形で、国民の信頼される形で発展することを願いまして、私の質問を終わらさせていただきます。どうもありがとうございました。
  204. 高橋一郎

    ○高橋委員長 次に、佐田玄一郎君。
  205. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 先ほど来からテレビ朝日に関することにつきまして発言があったわけでございます。初めに、質問がダブるかもしれませんけれども、若干テレビ朝日の件につきまして質問をさせていただきます。  私、最近ちょっと思っておるのでありますけれども、最近の報道では、報道に対する権力の介入であるとか、こういうことも言われておるわけであります。しかしながら、私はちょっとおかしいのじゃないかなと。行政には権力というものはありますけれども、国会に対しましては、これは国民の権利を守り、そしてまた立法府として法案をつくっていく、こういうことを考えますと、先般の証人喚問、むしろ公平に発言の機会を椿さんに与えたということは、これは大変意義のあったことじゃないか、かようにも感じておるわけでございます。  今回の発端となったのは、民放連の放送番組調査会、これによって事が起こったわけでありますけれども、この会は一九九二年十一月十八日に第一回の会合が開かれておるわけでございます。この会で一番最初に趣旨らしきものを述べられておるわけでありますけれども、「放送番組調査会は、民放連の放送倫理向上活動の一環として設置されたもので、視聴者の意見を番組に反映させるため、放送に関する世論の的確な把握と検討を行い、その結果を各社に連絡し、番組の向上に資することを目的としている。」こういうふうに書かれておるわけでございます。  先般の証人喚問を聞いておりますと、椿元局長は、単なる勉強会で、そしてまた先般の同じく証人喚問においては、荒唐無稽のことをしゃべってきたんだ、こういうことを言われたわけでございます。しかしながら、私はそういうことを考えたときに、この放送番組調査会、この性格というのはどういうものなのかな、そしてまた、この上にあります民放連はもちろん郵政省の認可によります社団法人でありますから、そういうことを考えますと、中に内規はないのかなというような気がしたわけでございます。この点につきまして、郵政省はどんな御見解をお持ちでしょうか。
  206. 江川晃正

    ○江川政府委員 放送番組調査会は、大臣もお答え申し上げておりますように、民放連の理事会で決定し、定款上定められている番組審議会の中に常設機関として設けられました。それは確定しております。そして、その番組調査会の運営要領というのがございまして、そこが先生のおっしゃるような意味で内規みたいなものになっております。こういうふうにやっていくとか、会議のやり方とかなんとかが書かれているところでございます。
  207. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 今理事会で選ばれたということでありますけれども、ということは、裏返せば、この放送番組調査会、これは民放連に属されて、そしてまたそういう中において発言されたことというのは、先ほど社長出席されましたけれども、この月報の中に出てくることは公式であるということから、正式というふうに話されましたけれども、私はこの中で、この勉強会が決して閉鎖的ということは聞いてはおりませんし、そういうことを考えるならば、多分オブザーバーも参加されておるのではないか、かようにも思っております。  ということを考えるならば、この月報を加えて、中で議論されたことも私は公式なことなのじゃないかと思うのでありますけれども、その点はどうでしょうか。
  208. 江川晃正

    ○江川政府委員 先生御指摘のとおり、基本的にはそのとおりだと私たちも承知いたしております。
  209. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 そういうことになりますと、この機関において多少おくれましたけれどもテープも出された、そして議事録も出された、私はそういうことを考えますと、まさにこの中でこういうマスコミの自浄作用と申しますか、そういうことが発揮されたのじゃないかな。民放連に対しましても、私はそれは感謝をしておるわけでございます。  それと同時に、そういう意味におきましては、これからも民放連の置かれる立場、これは私は非常に大事になってくるのじゃないかな。それと反面、先般の御発言、私はこれを翻って考えてみますと、まさに電波というのは、これはもう国民の共有の財産であります。それは一般の放送事業者といえども、やはりこれは公的なものでありますから、その経営者たる取締役が法に触れそうなこういうことを話すということは、私は大変なことじゃないかな、かようにも感じておるわけでございます。この辺につきましては、繰り返しになりますけれども、どういうふうにお考えでしょうか。
  210. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 椿発言問題につきましては、郵政省としても重大な問題というふうに認識しておりますし、御本人が証人として自分の発言については不適切、不用意であったというふうに証言しておりますけれども、私もまことに不適切な発言である、このように思っております。
  211. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 私もそうなんでありますけれども、この放送番組調査会、先般の新聞によりますとやめられた方もいらっしゃるとか、そういうことを私はお聞きしているのでありますけれども、今の放送番組調査会の状況というのはどういうふうになっているのでしょうか。
  212. 江川晃正

    ○江川政府委員 全部で十二人の委員が中におりまして、五人の外部委員、七人の内部委員、内部委員と申しますのは、各放送局の、今回出ているようなああいう編成を担当するなどの人たち、現場の相当の長の人たちでございますが、そういう十二人で構成されておりまして、第六回が九月二十一日に行われたまでは過去のとおり。現在きょうこの瞬間にはまだ次の第七回目は行われておりませんが、昨日情報によりますと、五人の外部委員が辞表を提出したというふうに承知しておりますが、私まだ現実には民放連に確認をしてはおりません。新聞ではそのように情報が出ております。第七回目の予定その他ない現状ではないかと思います。
  213. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 先般私も新聞を読ませていただきましたけれども、外部委員の方がやめられる、そしてまた残られた方もいらっしゃる。そういうことを考えた場合に、そういう会の中で、非常に公的な会でありますけれども、まさにいろいろな考えの人がいらっしゃったのだな、私はそういうふうに感じております。こういうことは、やめられて、言論の自由の問題、そして表現の自由の問題、報道の自由の問題、いろいろあります。しかしながら、今回、今私も申し上げましたように、そして大臣からお答えもいただきましたように、要するに放送法の関係、もちろん、そしてまた公選法の関係、こういうことに抵触するおそれもある。  そういうことを考えた場合に、国民の知る権利、もちろん言論の自由、これは大事でありますけれども、要するに国民の知る権利とそしてまたマスコミの自浄作用、こういうことも私はないがしろにできないのじゃないか。私はそういう意味においては、まさに放送番組調査会、その中で今切磋琢磨されて、真の新しい自浄作用を持った組織になりつつあるのじゃないかな、こういうふうに感じておるわけでございます。  先ほど来そういうふうな質問がされているわけでありますけれども、海外に目をやりますと、アメリカではFCC、連邦通信委員会、そしてまたヨーロッパの方では先ほどのお話にもありましたようなオンブズマン制度、こういうことは随分行われているようでありますが、繰り返しになりますけれども、郵政省としては、放送法の観点から、こういうふうな中立公正を守るためにどういうふうなお考えでいらっしゃるか、お伺いいたします。
  214. 江川晃正

    ○江川政府委員 中立を守る思想及び手法といたしまして、先生御指摘のアメリカのFCCのフェアネスドクトリンというのは大変参考になる考え方ではないかと思っております。アメリカはそれをやめてしまいましたけれども、いろいろな事情があるようですが、日本と基本的に異なるのは、メディアチャンネル数の多さにあろうかと思います。その辺はこれから検討を要するところでございますが、いずれにしましても、今の我が国の放送法が公正中立をうたっているわけでございまして、それの担保するところが内部で設ける番組審議会などになっていて、自浄作用に頼っているというところが、今回自浄能力が十分発揮されずに出てきたなというところかと思われます。  それで、今度そういう中でいろいろテレビ朝日問題について調査しておりますと、公正さの確保という視点からいきますとどうしたらよいのか、あるいは郵政省がこれを判断するためにはどうしたらいいのかということは、法制上いろいろと行き悩むところがございまして、これは一々ここでは申し上げることは差し控えさせていただくのですが、ちょうど全体が終わりまして、テレビ朝日問題などの一つの区切りなどを得まして、いろいろとそれらの資料を全部検討し、研究、分析して、どうしたらよいかを組み立てていきたいなと考えているところでございます。  しかしそれは同時に、放送法だけの世界ではございませんで、選挙報道となりますと先ほど来のお話のように、他の省の所掌する法律にもかかわってまいりますので、その辺とも横のリンクをとりながら考えていかなければいけないし、また一方、現実に政治改革に関する委員会がこちらの院で動いているところでございますから、そういったような国会における検討状況、その結果なども受けながら総合的に考えていこうかと思っているところでございます。
  215. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 なかなか自浄作用が働かない。先ほどのお話にもありましたように、やはり諸外国のようなそういう機関がないということもあると思うのですけれども、言いかえるならば、放送法とそしてまたそれに伴うところの電波法七十六条、こういうところがなかなか機能していないんじゃないか、私もそういうふうに思うわけであります。  そのためには、こういうふうな法に抵触する可能性が出てきた場合の調査の仕方、そしてまたそうでない調査の仕方、これはおのずと違ってくると思うのですね。そして、先ほどのお話ですと、真実を知る、この間の証人喚問も決してあれは圧力ではなくて、真実を知るために、国民に真実を知らしめるためにやっているんだと私は思うのです。  そういうことになりますと、先ほどの質問の繰り返しになりますけれども、これから具体的にどういうふうな調査をされていくか、申しわけないですけれども、もう一度。
  216. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 今私どもは、この問題では二つの点について調査をいたしております。  一つは、椿発言の真偽の問題。この点については、議事録が公表されたことと、御本人の証人喚問の実現でほぼ裏づけされているというふうに承知をいたしております。  もう一点、椿発言に従って現実に番組が編成、編集され、放送されたかどうか、この点に焦点を当てて今後の調査を進めていきたいと考えております。  テレビ朝日の方でも、内部調査あるいは外部者を通しての調査も実施する、先ほどの伊藤参考人のお話ではテープについても検討する、こういうお話でございましたので、そういったテレビ朝日の調査結果についても御報告をいただきたいし、御提出をいただきたい、また、郵政省としても可能な限りの調査をしてまいりたい、このように考えております。
  217. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 ぜひとも調査の方をよろしくお願いしたい、かように思うわけでございます。  やはり新聞と違いまして、テレビというのは一つの流れの中にあるわけであります。時の流れの中にありますから、そういうことを考えますと、そのときのビデオの問題であるとか、例えば先ほどありましたけれども、放送時間の問題、回数の問題、しかしながら内容もあるわけでありますから、そういうことを考えますと、非常にこれは難しい部分があるわけであります。  しかしながらまた、そのテープを出してくれという形になってくると、これはまた言論の自由の問題、表現の自由の問題、こういうことも出てくるわけであります。その辺は、決して権力ということではなくて、きちっと仕切りを持って、今回の場合については非常に緊急なことであって特別なことでありますから、これは国民にも御理解をいただいて、私どもも国民に御理解をいただく努力をしながら、やはりぜひともこれはきちっとした結論を出していただきたい。そうでなければ、これからなかなか、これは放送法の問題そして電波法の問題、有名無実になっていくんじゃないか、こういう危険すらはらんでおるんじゃないか、私はかようにも思っておるわけでございます。  また、私は決してテレビ朝日を攻撃するわけではありませんけれども、そういうことでテレビ朝日、今調査中でありますけれども、大変昔の話で恐縮なのでありますけれども、テレビ朝日は昭和六十年にもやらせの問題で非常に問題になったことがあったわけであります。これはお聞きになっていると思いますけれども、少年少女の非行問題を取り上げたが、その取材の際に全国朝日放送の担当ディレクターによる暴力行為の教唆が行われ、これを収録し、放送した、こういうこともあるわけでございます。  このときにはどういう指導をされ、そしてそれからの報告、それ以降の指導ですけれども、これはどういうふうにされておったのでしょうか。
  218. 江川晃正

    ○江川政府委員 先生御指摘の昭和六十年のときの話は、テレビ朝日の「アフタヌーンショー」というのがございますが、その中のやらせリンチ事件ということで、郵政省はテレビ朝日に対しまして、その十一月一日ですが、再免許に当たりまして、大臣名により文書で厳重注意を行ったところでございます。  中身は、一つは、「言論報道機関である放送事業者の社会的責任にかんがみ、極めて憂慮すべき事態であり、まことに遺憾だから厳重注意する。」ということが一つと、もう一つは、「放送法令及び番組編集基準を厳しく遵守し、この種の不祥事が再発しないよう万全の措置と真摯な取り組みを求める。」ということでございます。  これを受けまして、テレビ朝日の方は、ワイドショー企画審議会というものをつくったり、それから放送番組審議会の機能を強化する、社員教育の強化、審査部門を強化、制作会社への指導、意識の徹底などを図るということで、そういう体制づくりをしたということを郵政省に報告をいたしております。  その後、それら取り決めの実行状況を郵政省からもフォローしておりまして、六十三年の再免許時についてもその取り組み状況の説明を受け、また平成四年十月、昨年でございますが、今後の再発防止策についての報告もまた受けたりしているところでございます。もちろん、今回の十一月一日の再免許時に当たりましても、それまでの取り扱い状況についていろいろと報告を受け、また審査しているところでございます。
  219. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 言いかえますと、前にもそういうことがあったのかとつくづくと私も思っているわけでございます。このときもちょうど再免許の前にこういう不祥事があり、そしてまた厳重注意ということになったわけでございます。そしてまた、なおかつそのときには謝罪をされておる。この場合ははっきり申しましてこれはやらせでありますから、証拠が残ると言うのは変でありますけれども、証人も出てくる今回の場合の不偏不党であるとか、そしてまた放送の公正の問題、こういうのとはちょっとまた違うと思いますけれども、いずれにいたしましても、これは放送法の問題でございますから、ぜひとも含めて調査をしていただきたい。  今回の場合につきましては、私は、テレビ朝日がどうのこうのというよりも、公選法の問題そして放送法の問題を考えた場合に、これは民主主義にもかかわってくることでありますから、ぜひともこれは郵政省としてもきちっとした結論を出していただきたい、かように思うわけでございます。  テレビ朝日はそのぐらいにいたしまして、話は全く変わるのでありますけれども、実は私もずっと逓信委員をやらしてきていただきまして、今、高度情報化時代であるとかそういうことが言われております。そして、多メディア時代であるとか、諸外国においてはマルチ時代だとか、そういうことも言われておるわけでございます。通信そして情報の、我々の生活そして産業に占める比率というものがどんどんこれはふえてきておる、私はそういうふうに感じておるわけでございます。  先般私も、別の知っている会社に行きましたら、もう既に会議をやるときにはテレビでやっておるのです。聞きましたらば、例えば大阪であるとか名古屋であるとか、これは外国でもできるわけでありますから、そういうところの方々が、何も車に乗ったり電車を使ったりしなくてもこれはできる。そういうふうな、まさに本当に高度情報化時代になっておるわけでございます。  そういう中においてこの果たす役割というのは、もちろん生活の向上があり、産業の発展、教育の振興、そしてまた、先ほども申し上げましたように交通渋滞をなくしたりして、要するに、環境をよくしていく、環境問題にもこれは波及することであります。それほどまでに、私はこの情報通信基盤の社会資本の役割というのは非常に重要である、かように感じておるわけでございます。情報通信基盤はインフラのインフラであり、高度情報社会に向け、我が国が諸課題を克服し、真に豊かな社会を実現していくためには、その整備が一層重要になると私は思っております。  こういうふうな状況の中で、情報通信基盤の整備の必要性について大臣はどういうふうに御見解をお持ちか。
  220. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 ただいま委員が御指摘のとおりの認識と一緒でございます。  我が国が現在当面しておりますさまざまな課題がございますけれども、一極集中の是正と多極分散型国土の形成、あるいは高齢化社会への対応、持続的経済の発展とか豊かさを一人一人が実感できる社会の実現等、さまざまな政策課題にどう取り組むか。その中でもいろいろな方法がありますけれども、一番重要なものの一つがこの新世代の高度な情報通信基盤の整備である、今委員御指摘のとおり、インフラのインフラとしての重要な役割を果たすものというふうに私は思っております。  アメリカにおいても、クリントン政権になりまして、この情報通信基盤を不可欠な社会資本と位置づけて具体的な取り組みに動き出しているところでございますし、私どもとしても、官民の適切な役割分担のもと、新世代の情報通信基盤の整備を推進することが極めて重要であると認識して取り組んでまいりたいと思います。
  221. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 力強い御発言、どうもありがとうございます。  今、大臣の発言にもありましたように、アメリカの方ではこれは相当に進んでいるようであります。ここに資料がありますけれども、全米情報基盤、NIIというのですが、これがもう相当に活動をされておりまして、「NIIが国民にもたらす利益は極めて大きい。高度情報基盤によって米国企業は国際競争力を強化し、グローバル市場で勝利をおさめ、国民に適切な仕事を与え、経済成長を実現することになろう。」ということをこれで述べておるわけでございます。  そういうことを考えますと、これは日本もしっかりしなくちゃいけないな。そういうふうな、NIIと呼ばれる情報通信基盤整備のプロジェクトや、州政府等が行う情報通信基盤整備への補助金交付等、最近政府が中心となって次々と基盤整備のための施策が打ち出されていると私もいろいろとお聞きしております。これはとにかく米国におくれをとらないように、我が国でも早急に情報通信基盤整備のための施策を打ち出していく必要があると考えるわけでございます。  諸外国の基盤整備の動きについて大臣の御認識をお伺いしたいのですけれども、また、諸外国の状況を踏まえて考えた場合、我が国の情報基盤整備における官民の役割のあり方をどう考えるべきか、大臣の御見解をお願いいたします。
  222. 五十嵐三津雄

    ○五十嵐政府委員 ただいま先生から御指摘のありましたとおり、アメリカに始まりまして、情報通信基盤の整備、とりわけ広帯域のISDN、これを使っての技術革新を踏まえた社会構築というようなことが、大変強力にアメリカあるいはEC等においても取り組まれております。  アメリカにおきましてはとりわけ、九月十五日にゴア副大統領あるいはブラウン商務長官のもとで、先生今お話のありましたNIIにつきまして行動指針が発表されております。内容的には九項目が政府として上がっております。例えば税制あるいは規制政策によって民間の投資を促進する、あるいはユニバーサルサービスというようなものについてさらに高度なものにしていく、あるいは情報通信技術の研究につきまして政府としても触媒としての役割を果たすという意味で補助金を出していく等々打ち上がっております。アメリカの場合は、この後三つのタスクフォースを発足させまして、民間の方々も入れてさらに具体的な政策展開に取り組むというふうに私どもは承知をしております。  EC等におきましても、それぞれ、欧州の統合広帯域通信網の形成でありますとか技術の開発という計画を進めつつあります。ドイツ、フランスも、既に電気通信主管庁が広帯域の通信のアプリケーションの開発等々に取り組んでいるところでございます。  私ども日本の場合でございますが、こういった諸外国の動向はもちろんのこと、技術開発あるいは社会の、経済の動向というようなことを考えまして、この三月に「二十一世紀に向けた新たな情報通信基盤整備の在り方について」ということで、大臣から電気通信審議会に諮問をさせていただいておりまして、これは来年の三月にその答申をいただけるという予定になっております。  これにあわせまして、先般の補正予算で認めていただきましたいわゆる新世代通信網パイロットモデル事業という五十億円規模のパイロットモデル事業を今関西の学研都市で推進しつつありまして、この十月二十日にその起工式を終えたばかりであります。なるたけ多くの方々に参画をしていただいて、この実験を円滑に進めたいというふうに思っております。  さらに、私どもといたしましては、平成六年度の予算に向かいまして、情報通信基盤の整備に努めてまいりたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、先生御指摘のように、政府あるいは民間の果たす役割ということにつきましては、目下、先ほど申し上げました電気通信審議会のテーマの一つになっておりますので、私どもも検討を進めながら、適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
  223. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 いろいろな資料を読ませていただきますと、まだまだこれからだな、そういうふうな雰囲気も受けるわけでございます。  私も逓信をずっと続けてきまして、電気通信格差是正というスキームの中で、テレビラジオの難視聴や自動車電話等の移動通信が使えない地域の解消という観点から、情報通信基盤整備を行っていきたい、こういうことでいろいろな法案もやってまいりました。そしてまたそれだけではなくて、第二段階に入って、欧米における情報通信基盤整備の動き等を考えると、こうした観点にとどまらず、我が国全体の情報通信基盤の高度化という観点から具体的な取り組みが必要になってきたのじゃないか、かように思っているわけでございます。本年八月三十日に電気通信審議会から大臣に提出された情報通信基盤の整備に関する提言の中でも、「早急に取り組むべき事項」の指摘があるわけであります。  以上を踏まえ、とにかく一極集中是正等、我が国の直面する諸課題の解決のためにどのような具体的な施策を展開していくのか、郵政省にお聞きしたいと思います。
  224. 五十嵐三津雄

    ○五十嵐政府委員 先生からただいま御指摘のございましたとおり、この八月三十日に電気通信審議会から、情報通信基盤の整備は極めて重要なものであるということで、緊急の御提言をいただきました。私ども、これを受けまして、平成六年度の予算に向かいまして、地域生活情報通信基盤高度化事業というのを要求をいたしております。  若干具体的な内容を申し上げさせていただきますと、これまでの地域の情報化という政策に加えまして、これをネッートワーク化していくということ、それからもう一つは、当然のことながら、地方での情報通信インフラの整備を行うというようなことで、例えば首都東京から地方へ情報を還流していくという還流センターというようなもめの考え方、あるいは、住んでいる地域から離れないで、首都あるいは都市圏と結びまして、例えばサテライトオフィスのようなイメージで、地方にいながらにして職業が持てるというような意味で、諸外国ではテレコテージというようなことを言ったりしておりますが、私どもはテレワークセンターというような名称をつけまして、ただいま要求をいたしております。  さらにまた、地方の行政ネットワークの高度化というようなことで、地方での幾つかのニーズを受けまして、このことにつきましてもただいま要求をしているところでございます。  さらに、双方向の高度なCATVというようなことにつきましても施策を考えているところでございます。  いずれにいたしましても、私どもはこういうことで、環境問題あるいはとりわけ情報の一極集中是正というようなことで、当面予算の問題につきまして取り組んでおります。さらに長期的には、先ほど申し上げました高度情報社会に向かいまして、二十一世紀のあり方ということで審議会において検討をお願いしておりますが、それを踏まえ、また私ども積極的な施策を打ってまいりたいというふうに考えております。
  225. 佐田玄一郎

    ○佐田委員 国民の利益のために官民一体となって頑張っていただきたいと思います。  それでは終わります。
  226. 高橋一郎

    ○高橋委員長 次に、森英介君。
  227. 森英介

    ○森(英)委員 自由民主党の森英介でございます。質問の機会を与えていただきまして、ありがとうございます。私は、神崎郵政大臣に、共産党盗聴事件についてお尋ねをしたいと思います。  まず初めに、通信行政を所管する大臣として、通信の秘密、それからプライバシーの権利について、どうお考えでしょうか。
  228. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 通信の秘密の不可侵は憲法で保障されているところでございます。これを受けまして、電気通信事業法等、通信関係の法律におきましてもその趣旨を規定しているところでございます。  私も、通信を預かる大臣として、この通信の秘密の意義を十分尊重し、それが守られるよう真剣に取り組んでまいる決意でございます。
  229. 森英介

    ○森(英)委員 あくまでも一般論としてお尋ねしますけれども、現職検事が盗聴事件に関与した場合、仮に、その事件について時効が成立して後にその人物が郵政大臣に就任するというようなことについては、どういうふうにお考えでしょうか。
  230. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 盗聴事件に関与してという意味がどういうことをおっしゃられておるのか、それによってお答えが変わってくるだろうと思います。
  231. 森英介

    ○森(英)委員 このところ、神崎郵政大臣のこの件につきまして、盛んに週刊誌等でいろいろな報道がなされております。このことについては、大臣も恐らく御自分のことですから御存じのことと思いますけれども、この内容は本当でしょうか。
  232. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 私は予算委員会等でも申し上げておりますように、一部週刊誌等で報道されている内容は全く事実に反しております。
  233. 森英介

    ○森(英)委員 それでは、この共産党の宮本委員長宅盗聴事件において、隠ぺい工作の相談を受けたこともないでしょうか。
  234. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 この点も国会でお尋ねに申し上げておりますように、全くございません。
  235. 森英介

    ○森(英)委員 それでは続きまして、共産党が原告となりまして創価学会との間で争われました裁判において、その第一審最終準備書面に、昭和四十七年九月のことでございますけれども、向島の常泉寺、妙信講の浅井父子の盗聴事件についての記載がございますけれども、これも事実無根でございましょうか。
  236. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 全くそのようなことはございません。
  237. 森英介

    ○森(英)委員 昭和四十五年四月十九日、日曜日でございますが、大石寺にいらっしゃったかどうか。古い話ですから今御記憶にあるかどうかわかりませんけれども、この週刊誌にも池田大作会長の行動予定が記載されておりまして、このときに大石寺にいらしたというのは事実でございましょうか。
  238. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 大石寺には行っておりません。  ただ、私は昭和四十五年五月五日に東京で結婚式を挙げておりまして、当時は福団地検の小倉支部に勤務をいたしておりまして、福岡支部は当時は日本でも一、二を争う大変事件の多い検察庁でございました。日曜日もほとんど仕事をしているのが普通でございます。したがって、結婚式の前に結納も実際できなかった、直前になって結納を事実上やったというような、そういう状況でございました。日程は記憶しておりませんけれども、四月ころ確かに一回上京して結納をして、学会本部の方にごあいさつに伺った。家内と伺いましたけれども、池田会長が箱根の方にいらっしゃるということで、私だけ箱根にごあいさつに行って、そのまま九州に帰った、こういうことはございます。大石寺に行ったことはございません。
  239. 森英介

    ○森(英)委員 これは釈迦に説法でございますけれども、検事がその任地を離れる場合には許可願の提出が必要であるというふうに伺っておりますけれども、この折は許可願をお出しになっておられますでしょうか。
  240. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 公務ではございませんけれども、任地を離れて上京する等のときにはきちんと上司の許可をいただいております。
  241. 森英介

    ○森(英)委員 大臣が若きころ青年部の文集にお寄せになった「いざ鎌倉」という文章がございます。大変意気に満ちた文章でありますが、このとき書かれたお気持ちと今のお気持ちとは全く一緒でございますか。
  242. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 三十年近い昔に、若いころにいろいろ文章を書いたことがございますけれども、あくまでも信仰人として信仰を深めたい、求道心の気持ちでそういう当時の思いを書いたものでございます。私も信仰人としてはそういう思いをさらに深めたいと思っておりますけれども、なかなか若いときのようにはいかないのが現実でございます。
  243. 森英介

    ○森(英)委員 それでは、先ほど、結婚式、それで帰りに立ち寄られただけだというふうにおっしゃいましたけれども、あるそこの場にいた方に伺いますと、その会というのは法学研究会の集まり、特別研究班というのですか、その集まりで、四月十九日でございます。そこでは池田大作氏の謝罪演説の原稿の検討が行われたというふうに漏れ承っておりますけれども、事実と違いますでしょうか。
  244. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 四月十九日であったかどうか、私は記憶いたしておりません。五月三日が学会の方の本部総会ですから、その前にいろいろ総会の内容について検討をしていたことは十分あると思います。私は、ただ先ほど申し上げましたように趣旨は、五月五日に結婚をする、その結婚の前のごあいさつに寄らしていただいた、それでごあいさつをして帰った、こういうことでございます。
  245. 森英介

    ○森(英)委員 今のお話はちょっとそのままには受け取れないような気持ちも一方でするのです。といいますのは、この特別研究班のメンバーの顔ぶれなどからいたしますと、相当重要な会議であったのではないかというふうに思われ、ただのあいさっとはちょっと違うのじゃないかなというふうな思いもいたしますが、それはここでおかしていただきます。  それで、先ほどの「いざ鎌倉」の文とも関連いたしますが、大臣は、検事から弁護士を経てその後国会議員になられて今大臣でございますけれども、公務員として国家を優先するのか、あるいは宗教活動を優先するのかという点についてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  246. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 公務員であれ何であれ個人の信仰の自由というものは保障されているわけでございますけれども、私どもは当然公務員でおる以上は公務を優先してきた、そういう私の気持ちでございます。
  247. 森英介

    ○森(英)委員 昭和四十五年の七月三十日から八月三日まで、大石寺で夏季研修会が行われたというふうに聞いております。ここに出席されたかどうかは御記憶でございましょうか。また、もし出席されたとしたならば、いつからいつまでかということを伺いたいと思います。
  248. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 二十三年前の何月何日から何日までどこにいたということを言われても大変難しいと思います。私も役人をやっておりましたから、日常の信仰の研さんというものはなかなかできませんから、一年に一回本山に参詣をして信仰を深めたいということで、忙しくないときには本山に行っておりました。ですから、その年も行っていた可能性はあると思いますけれども、仕事が忙しくて行かなかったときもありますので、絶対に行っていた、間違いないということは申し上げられません。  それから、具体的に、その年に何日から何日までと言われても、そこまでの記憶はございません。恐らく行っても一泊二日か二泊三日、せいぜいそんな程度だったのではないか、このように思います。
  249. 森英介

    ○森(英)委員 この年だけでないでしょうけれども、大臣は当時、法学研兜会の参与としていろいろ後進の指導に当たられたというふうに承っておりますけれども、私が一方からちょっと伺った話でございますが、この七月三十日から八月三日までの間に、参与として指導されるためにここにいらしているときに、大臣に対して、当時の神崎検事に対して、共産党盗聴事件の証拠隠滅工作について相談を持ちかけたというふうな話を聞いておりますけれども、御記憶にございませんか。
  250. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 その事実はございません。山崎氏がいろいろ週刊誌等で言った、あるいは民事の法廷で言ったということを聞きました。ただ、本人が言っていました日時が、ずっと裁判で言ったのが七月三十日だと言っていたと思います。国会でも私は七月三十日にあなたはどこにいましたかという質問を受けたわけですけれども、今度の週刊誌によりますと、今度は八月の一日から三日だというふうに日にちが変わってきております。民事の記録を見ましても、実は七月三十日に、本人は私と会う前に池田会長から何か講義担当者会の席上で怒られて、私たちに会ってから東京に戻ったということを言っていた。ところがその後、当時の写真で、その日も翌日もずっと本山にいる写真が出てきた。そこで、今度はどうもそれがおかしいということで、日にちを後にずらしたようでございます。
  251. 森英介

    ○森(英)委員 大臣は、新宿区四谷三丁目、曙橋近くのサンライズ四谷というマンションは御記憶にございますか。
  252. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 マンションの名前までは記憶しておりませんけれども、山崎氏が、あれは四十九年以降か何か住んでいたところでしょうか。
  253. 森英介

    ○森(英)委員 ここに、いわば盗聴事件の謀議のアジトになっていたという話を聞いておりますけれども、大臣が東京にいらっしゃるたびにそこにお寄りになって、それで時にはそこにお泊まりになったり、あるいは現在、河上覃雄代議士などと一緒にマージャンをしたり、そういう場所として使われたというようなことも伺っておりますけれども、これは事実に反しておりますか。
  254. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 今申し上げましたように、恐らくそのマンションには昭和四十九年以降だったと思います、山崎氏が住んだのは。恐らく四十五年当時は存在しなかったと思いますので、そんなところに行けるはずはないと思います。
  255. 森英介

    ○森(英)委員 ちょっと今の御答弁、よくわからなかったのですけれども、時期が違うということでございますか。
  256. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 昭和四十五年当時にそのマンションに山崎氏が住んでいたのでしょうか。そういうふうに私は承知しておりません。
  257. 森英介

    ○森(英)委員 今まで私のお尋ねに対して全部否定されているわけでございますけれども、一方で、私も実は山崎正友氏に直接会いまして、ここら辺のいきさつを直接確かめてまいりました。彼は、この週刊誌の事実も、先ほどの日付の点については確かに自分の方の記憶違いであるということを認めておりましたけれども、それ以外のことについては全部責任を持つというふうに言っております。  この山崎正友氏の証言というのは、少なくとも共産党が原告となった盗聴事件の裁判では、これは共産党側が全面勝訴しているわけでございますよね。
  258. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 民事の裁判ですから私は関知しておりませんが、その中でも、一部の山崎氏が実行行為を一緒にしたという人で、請求が棄却されたという人もいるというふうに聞いております。もともと私は何ら実行行為者として訴訟で問題になっているわけではございません。
  259. 森英介

    ○森(英)委員 仮に実行に関与してなかったとしても、現職検事としてもしそういう盗聴事件についての後始末について相談を受けた場合、公務員としてどのように対処すべきかということをお尋ねいたします。
  260. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 公務員としては告発義務があるということでございます。御本人に自首しなさいというふうに言ったかもしれません。
  261. 森英介

    ○森(英)委員 つまり、そういう相談も一度も受けたことがないということをここで断言されるわけでございますね。
  262. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 間違いございません。私は当時ずうっと九州で、福岡で勤務していた人間です。山崎氏の発言でも、会ったという検事の数も二人と言ったり三人と言ったり変わってきておりますし、それから先ほどの会った日も、一番大事なその日が動いている、そして日の前後の状況が否定されている、そういう状況でございます。
  263. 森英介

    ○森(英)委員 私が直接会ったところ、山崎正友氏はこの件について、どのような場にも出て、宣誓をして大臣と討論したいという意思を表明しております。これは大臣としてはお受けになりますか。
  264. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 山崎氏については、恐喝罪等で有罪の実刑判決を受け、刑務所に服役した人間であります。この刑事事件の第一審の判決においても、本人は、捜査段階のみならず公判段階においても数多くの虚偽の弁解をし、虚偽の証拠を提出するなど、反省の念がないというのですかね、そういう指摘が特に裁判所からあったわけでございますから、私が対決をしてどうだという立場ではないと思います。
  265. 森英介

    ○森(英)委員 とおっしゃるということは、つまり有罪判決を受けた方であるから、前科者であるからその人の発言には信頼性はない、こういうふうに受け取ってよろしゅうございますか。
  266. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 裁判所でも、刑事事件で本人の性格について特に判示をされているということでございます。
  267. 森英介

    ○森(英)委員 私は直接お会いして、そんなにいいかげんなことを言う方でないというふうに確信をしております。  ぜひ委員長、ここで議院証言法に基づきまして山崎正友氏を証人として喚問することを委員長に要求いたします。
  268. 高橋一郎

    ○高橋委員長 それは、必要とあらば理事会に諮りまして御返事いたします。
  269. 森英介

    ○森(英)委員 終わります。
  270. 高橋一郎

    ○高橋委員長 最後に、矢島恒夫君。
  271. 矢島恒夫

    ○矢島委員 私も引き続いて、宮本議長宅盗聴事件問題について大臣にお聞きしたいと思います。  一九八二年の二月十七日の法廷、民事の方でございますが、創価学会の元顧問弁護士の山崎氏が、一九七〇年の大石寺での創価学会学生部の夏季講習会で神崎検事、福島検事らに盗聴事件の後始末を相談したところ、福島検事は、知らんぷりをしていれば大丈夫だ、こう言い、他の検事、つまりあなたも含めてということですが、同調した、こういう証言をしている。このことの事実については御案内でしょうか。
  272. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 先ほど申し上げましたように、そのような事実はございません。
  273. 矢島恒夫

    ○矢島委員 いや、そういう法廷での証言があったという事実については御存じですかと、こういうことです。
  274. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 今御指摘のような証言があったと、日にちは七月三十日に間違いないということで証言があったというふうに記憶しております。
  275. 矢島恒夫

    ○矢島委員 先ほど来いろいろと質疑がなされましたけれども、いわゆる盗聴事件の問題では刑事事件というのがありました。刑事事件の時効完成後に、いわゆる創価学会の北条元会長も加わった犯行であるということが明らかになってきて、それで民事訴訟の確定判決というものが出ているわけです。  宮本宅の盗聴事件での民事訴訟では、盗聴は創価学会側は山崎元弁護士の独断でやったと主張していた。その立証のために、山崎元弁護士の言うことは信用できない、まあ先ほど来あなたが答弁されているような論理をやはり民事訴訟の法廷で展開されました。しかし、民事訴訟ではこれを退けまして、「盗聴事件に関する山崎元弁護士の証言はおおむね信用できる」としたわけであります。だからこそ北条氏は、判決時には亡くなられていたわけですけれども、その訴訟を継承した遺族の方に損害賠償の責任がある、こういう結果になっていると思うのです、事実関係は。  そこで、そういう山崎証言については信用できるというような民事の確定判決が出ているということ、このことの事実について御存じでしょうか。
  276. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 山崎発言は、これは重言ではありませんから。本人尋問でございますので、証言ではございません。  それで、この事件について有罪判決が出て確定しているということは承知しております。
  277. 矢島恒夫

    ○矢島委員 山崎氏のこの法廷では、いわゆる民事訴訟のうちの宣誓証言、こういう形でなされた部分の文章を私は今お読みしたのですが、宣誓証言であったということについては御存じではございませんか。
  278. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 それは私は知りませんでした。本人尋問かと思っておりましたけれども。
  279. 矢島恒夫

    ○矢島委員 宣誓証言であるということが事実であるということを申し上げておきたいと思います。  実は、こういう状況の中であなたが、予算委員会だったと思いますけれども、刑事事件の方を持ち出して、犯人を特定するに至らずという結果でございましたという答弁があったかと思います。  事実は、その後の民事訴訟になりますけれども、裁判の中でそういう判決が出されているということ、こういう事実関係からいきますと、あなたのあの予算委員会での答弁は、あなた自身が会員である創価学会の犯行というものをごまかそうという態度ではないか、つまり、通信の秘密を預かる郵政大臣として大変問題であるということを私は指摘しなきゃならないと思うのです。  それで、あなたはその予算委員会の中で、今も御答弁の中にありましたけれども、盗聴事件への関与について聞かれて、「当時私は福団地検の小倉支部の検事をしておりまして、物理的にも関与することができるはずはない」、このように答弁されました。これはアリバイを主張したかのように聞こえますけれども、先ほどの答弁の中にも、この年の夏に大石寺で行われた創価学会学生部の夏季講習会には可能性、いわゆる行うた可能性がある、こういう答弁になっておりますけれども、そのとおりなんですか。
  280. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 刑事事件についての、宮本宅の盗聴事件についての、処分がこれはどうなっておるかということで申し上げたわけで、これは時効完成によって不起訴処分になっていることを申し上げたわけですから、先ほどのは民事の話でございまして、刑事事件としてはそうなっておりますので、これは間違いないところでございます。  それから、夏季講習会に行ったかどうかという点ですね。行った可能性はあるというふうに私も申し上げているところでございます。
  281. 矢島恒夫

    ○矢島委員 そこで、その夏季講習会で山崎氏にお会いになりましたか。
  282. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 今は会ったかどうかは記憶しておりませんが、行っていれば会う可能性は十分あったと思います。
  283. 矢島恒夫

    ○矢島委員 あなたは、検事を退職された後、週刊文春のインタビューに答えていらっしゃるのですが、「確かに、四十五年には四月十九日の箱根とそれから夏季講習会で山崎さんと会うチャンスはありましたが、これだけです。」「山崎さんが来ていたのなら会っているでしょう。」こういう表現になっていますが、この表現についてはそのまま今日もそういうふうにお考えですか。
  284. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 まあ、私が行き、山崎氏が来ていれば会っているだろうと思いますね。
  285. 矢島恒夫

    ○矢島委員 別の角度からお聞きしたいのですが、あなたは一九八二年、昭和五十七年でありますが、三月二十五日に検事を退職されています。当時の状況を振り返りますと、その年の二月十七日に山崎弁護士があなたの関与を法廷で証言した。三月八日にこの問題が衆議院予算委員会で、我が党の正森議員によって取り上げられました。現職検事が盗聴事件に関与をしていたということは重大な問題として、あなたの名前を挙げて、本人に対して速やかに措置をするか、自発的に本人に態度をとらせるのが当たり前じゃないですかという質問をいたしました。これに対して当時の坂田法務大臣は、「不偏不党、厳正公正な処置をいたさなければならない」、対処したいと思います、こう答えています。そして三月二十五日にあなたは検事を退職されているわけです。  この経過から、あなたが検事を退職したのは、盗聴事件への関与、少なくともこの盗聴事件に関与していると報道された、かつ法廷でもそういう証言があった、こういうことでの退職ではないか。この点について。
  286. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 その前に、その前の質問に私はお答えいたしましたけれども、山崎氏が来ていて、ちょうど同じ日に来ていれば会っている、一緒の日に来ていれば会っているだろうということでございますから、山崎氏の言っているのがずれてきましたから、当初三十日というのが、何か一日とか三日とか、そうなってますと、私が行ったときに会わない可能性も出てくる。同じ日にもし来ていれば会っていたでしょうという意味でございますので、その点は訂正させていただきます。  それから、私が退職したのは確かに昭和五十七年の三月二十五日でございますけれども、定期異動の日に退職をいたしておりまして、その異動にのせるには二月の検事長会同、ここでそれにのらないと定期異動にはのらないところでございます。私の方からは、もっと早い時期から上司の方にはお願いをして、一月ぐらい辞職願を出すのはちょっと待ってもらいたいというお話があったんですが、どうしてもやめたいということで検事長会同にのせていただいて、定期異動でやめたということでございます。
  287. 矢島恒夫

    ○矢島委員 あなたは予算委員会で検事を辞職した理由として、「私の親しい友人、党の方の顧問弁護士をしている者の方から」「ぜひあなたに来てもらいたい、こういう話も伺っておりました。」「私も早い時期にやめまして、弁護士として将来政治家になるために備えた」というふうに言っていらっしゃいますが、だれから、いつ、そういう話があったのか、御記憶だったらお話しいただきたい。
  288. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 党の顧問弁護士をしている私の友人からでございます。
  289. 矢島恒夫

    ○矢島委員 その友人とおっしゃる方の名前並びに言われた時期、これはいかがですか。
  290. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 福島弁護士です。言われたのは十二月末ころでございます。
  291. 矢島恒夫

    ○矢島委員 もう一つ、別の角度からお尋ねしますが、福岡一区からあなたが公明党公認候補として出馬することが決まったのはいつだったでしょうか。
  292. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 私は退職いたしまして東京弁護士会の弁護士として弁護士活動に従事をいたしておりました。私のところに福岡一区のお話がありましたのはその年の十二月でございます。ですから、恐らく十二月十八日ごろだったでしょうか、福岡入りしたように記憶をいたしております。
  293. 矢島恒夫

    ○矢島委員 公明新聞を調べてみますと、このとき公明党は、現職議員に先立って新人八人、それから前職十七人の二十五人を第一次公認候補として、五十七年の九月十八日付の公明新聞で発表をされている。この中にはあなたのお名前は入っておりません。その後、十月十六日付で追加公認が発表されました。ここにもあなたの名前は入っておりません。そして、今回発表されなかった現職勇退の岡山一区と福岡一区についてはそれぞれの県本部段階で後任の人選を急いでいる、こういう記事が載っております。そして十二月十五日付で、福岡県本部が神崎氏の公認を申請という記事が載っております。  あなたが公明党の福岡一区候補者となるのに第一次発表から大分おくれているわけですけれども、少なくとも検事を退職した半年後の段階でも福岡県本部では人選中であるという状況だったと思うのです。政治家になるために検事を辞職した、こういうふうにあなたは言われるわけですけれども、この間に整合性がないわけであります。  しかも、あなたは今おっしゃられたように検事辞職後に東京弁護士会で弁護士登録をされた。弁護士として政治家になるために備えるということであるならば、普通常識的に考えても福岡で弁護士登録をするのじゃないか、こういうのが普通の考え方です。  やはり検事の退職というのは準備されたものじゃなくて、そのやむなきに至った、こう考えるのが順当だと思うのですが、このことについて。
  294. 神崎武法

    ○神崎国務大臣 私に政治家のお話がございましたけれども、検事をやめてすぐ政治家ということになると法務省に御迷惑をおかけしてもいけないということで、私の方から早目にやめさせていただいて、まず弁護士としてしっかり仕事をする中で政治家の道を目指したい、このような気持ちから早目にやめさせていただいたわけでございます。
  295. 矢島恒夫

    ○矢島委員 これらの問題についてさらに解明しなければならない問題というのはあるわけですけれども、時間が参りました。  あなたは、関与してないと言うだけで具体的な反証をしてないのですよ。山崎氏の証言がうそである、あなたは、先ほど私が山崎氏の証言というものがいわゆる宣誓証言だったと言うことを認められましたが、そのときにわかったとおっしゃられましたが、宣誓証言をあなたは否定されるという態度なのか。そしてまた、あなたがこの山崎氏の証言がうそであると言うのならば、しかるべき手段をとって潔白を証明すべきだ。ところがあなたは、ずっと無視するという態度、そして、まともな反論をしていない。  こういう状況の中で、いわゆる対質尋問が必要だと私は考えますし、そうなれば山崎氏に国会に出てきてもらう必要が生じるのではないかということを申し上げて、質問を終わります。
  296. 高橋一郎

    ○高橋委員長 以上で質疑は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時五十六分散会      ――――◇―――――