○羽田
国務大臣 私、
外務大臣にこのたび就任いたしましたので、
沖縄及び北方問題に関する特別委員会の開催に当たりまして、一言ごあいさつをさせていただきます。
まず、北方問題について申し述べさせていただきます。
第二次大戦が終了して後四十八年が経過し、東西
冷戦の終えんした今日に至っても
北方領土問題がなお未解決であることは、日ロ両国にとりまことに遺憾なことであります。
ロシアとの関係につきましては、我が国としては、
北方領土問題を解決し、国交の完全正常化が実現するよう努力するとともに、
ロシア国内の改革に対し応分の支援を行ってまいりたいと考えております。法と
正義に基づき
北方領土問題が解決され日ロ関係の完全な正常化が実現することは、単に日ロ両国にとってのみならず、
アジア・
太平洋地域、ひいては
国際社会全体にとっての利益でもあると認識をいたしております。
政府といたしましては、このような考え方に基づきまして、また累次にわたる
北方領土問題解決促進に関する本
委員会の
決議を踏まえまして、これまでの
政府の
政策を継承し、日ロ関係が均衡のとれた形で発展していくよう対ロ
外交を進めていく方針でございます。
次に、
沖縄に関する事項について申し述べます。
東西
冷戦は終了したものの、今日の
国際社会は、北
朝鮮の
核開発問題に
象徴されるような
大量破壊兵器の拡散の懸念、旧
ソ連諸国の不透明な情勢、
民族や
宗教に根差した対立の激化等、依然として種々の不安定要因を内包しています。
このような
国際情勢の中にあって、日米
安保体制は、我が国が
平和と繁栄を享受していくために必要な抑止力を提供するとともに、日米間の緊密な同盟、
協力関係に安定した
政治的基盤を与えております。また、この体制は
アジア・
太平洋地域の安定要因となっている米国の
存在を確保する上でも不可欠の手段となっております。
政府といたしましては、このような意義と重要性を有する日米
安保体制を堅持し、その円滑な運用と信頼性の向上のためにできる限りの努力を払ってまいる方針であります。
他方、
沖縄におきましては、米軍
施設、区域の
密度が高く、その整理統合や
公共の
安全の確保について
沖縄県民の方々から強い要望があるところであります。
政府といたしましては、
安保条約の
目的達成と
地域住民の要望との調和を図りつつ、
基地の整理統合の促進を初めとして
沖縄における諸問題の解決のため、格段の努力を払っていく方針でございます。
最後に、本
委員会の委員の皆様方より御
協力、御
助言を賜りますことを切にお願いをして、ごあいさつといたします。ありがとうございました。(拍手)