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1992-03-03 第123回国会 衆議院 予算委員会 10号 公式Web版

  1. 平成四年三月三日(火曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 山村新治郎君    理事 中山 正暉君 理事 原田昇左右君    理事 町村 信孝君 理事 村岡 兼造君    理事 村上誠一郎君 理事 串原 義直君    理事 野坂 浩賢君 理事 松浦 利尚君    理事 草川 昭三君       相沢 英之君    粟屋 敏信君       井奥 貞雄君    池田 行彦君       石井  一君    小澤  潔君       越智 伊平君    越智 通雄君       唐沢俊二郎君    倉成  正君       後藤田正晴君    左藤  恵君       志賀  節君    戸井田三郎君       浜田 幸一君    原田  憲君       松永  光君    松本 十郎君       村田敬次郎君    村山 達雄君       柳沢 伯夫君    井上 普方君       伊東 秀子君    伊藤  茂君       岡崎 宏美君    加藤 万吉君       新盛 辰雄君    関  晴正君       筒井 信隆君    戸田 菊雄君       水田  稔君    和田 静夫君       井上 義久君    石田 祝稔君       日笠 勝之君    冬柴 鐵三君       児玉 健次君    東中 光雄君       川端 達夫君    中野 寛成君       菅  直人君    楢崎弥之助君  出席国務大臣         内閣総理大臣  宮澤 喜一君         法 務 大 臣 田原  隆君         外 務 大 臣 渡辺美智雄君         大 蔵 大 臣 羽田  孜君         文 部 大 臣 鳩山 邦夫君         厚 生 大 臣 山下 徳夫君         農林水産大臣  田名部匡省君         通商産業大臣  渡部 恒三君         運 輸 大 臣 奥田 敬和君         郵 政 大 臣 渡辺 秀央君         労 働 大 臣 近藤 鉄雄君         建 設 大 臣 山崎  拓君         自 治 大 臣         国家公安委員会 塩川正十郎君         委員長         国 務 大 臣 加藤 紘一君         (内閣官房長官)         国 務 大 臣 岩崎 純三君         (総務庁長官)         国 務 大 臣         (北海道開発庁         長官)     伊江 朝雄君         (沖縄開発庁長         官)         国 務  大臣 宮下 創平君         (防衛庁長官)         国 務 大 臣         (経済企画庁長 野田  毅君         官)         国 務 大 臣         (科学技術庁長 谷川 寛三君         官)         国 務 大 臣 中村正三郎君         (環境庁長官)         国 務 大 臣 東家 嘉幸君         (国土庁長官)  出席政府委員         内閣法制局長官 工藤 敦夫君         警察庁刑事局長 國松 孝次君         総務庁行政管理 増島 俊之君         局長         北海道開発庁総 竹内  透君         務監理官         防衛庁参事官  金森 仁作君         防衛施設施設 大原 重信君         部長         国土庁長官官房 藤原 良一君         長         国土庁長官官房 森   悠君         会計課長         法務大臣官房長 則定  衛君         法務省民事局長 清水  湛君         法務省刑事局長 濱  邦久君         大蔵省主計局長 斎藤 次郎君         大蔵省主税局長 濱本 英輔君         国税庁次長   冨沢  宏君         文部大臣官房長 野崎  弘君         文部大臣官房会 泊  龍雄君         計課長         厚生大臣官房総 大西 孝夫君         務審議官         農林水産大臣官 馬場久萬男君         房長         農林水産省経済 川合 淳二君         局長         運輸省運輸政策         局次長     向山 秀昭君         兼内閣審議官         運輸省自動車交 水田 嘉憲君         通局長         郵政大臣官房長 木下 昌浩君         郵政大臣官房経 山口 憲美君         理部長         労働大臣官房長 齋藤 邦彦君         労働省労働基準 佐藤 勝美君         局長         建設大臣官房長 望月 薫雄君         建設省建設経済 伴   襄君         自治省行政局選 吉田 弘正君         挙部長  委員外の出席者         予算委員会調査 堀口 一郎君         室長     ――――――――――――― 委員の異動 三月三日  辞任         補欠選任   愛野興一郎君     石井  一君   小岩井 清君     岡崎 宏美君   関  晴正君     伊藤  茂君   日笠 勝之君     井上 義久君   菅野 悦子君     東中 光雄君   中野 寛成君     川端 達夫君   楢崎弥之助君     菅  直人君 同日  辞任         補欠選任   石井  一君     愛野興一郎君   伊藤  茂君     関  晴正君   岡崎 宏美君     小岩井 清君   井上 義久君     日笠 勝之君   川端 達夫君     中野 寛成君   菅  直人君     楢崎弥之助君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  平成四年度一般会計予算  平成四年度特別会計予算  平成四年度政府関係機関予算      ――――◇―――――
  2. 山村新治郎

    ○山村委員長 これより会議を開きます。  平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題といたします。  本日は、政治改革についての集中審議を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。柳沢伯夫君。
  3. 柳沢伯夫

    ○柳沢委員 最近、全国民が大変大きな関心を持っております、我々政界における司法の手を煩わすような事件の累次の発生というものがございまして、こういう情勢の推移から政治改革というものがまさに焦眉の急というか、私ども政界に身を置く者の第一級の課題になっておるということでございます。しかし、焦眉の急とは申しましても、事は政治制度の根幹にかかわるようなことについての改革が論議をされているわけでございますので、私は、この際非常に冷静で、一党一派にとらわれないような、そういう立場での論議が必要なのではないかというふうに考えておるわけでございます。望むらくは、深い洞察力、それからまた高い先見性が必要なテーマなのではないか、こういうように考えておるわけであります。  昨年、臨時国会、平成三年九月の、臨時国会を前にして、ここに我々の国会図書館の人たちが出しております「れじすめいと」というブリテンがあるわけでございますが、私はその当時これを見まして、大変感銘を受けた文章が載っておりました。それはどういうことを書いてあるかと申しますと、「今度の臨時国会への私たちの期待を述べさせていただきますと、改革の実をあげていただくことは勿論ですが、それぞれの立場から大いに議論を戦わせて、その結果を国会会議録に残し、国民の財産としていただきたいと思います。」  私はこのくだりを読みまして、もちろん我々の現実、政治家としての使命は、ここにもございますように改革の実を上げる、現実に改革をなし遂げるということではあるんだが、しかし他方、その論議の過程、論議の中身そのものも非常に大事で、国民が大いに期待をしておるところだ、こういうようにこのくだりを読みまして思いまして、今申したように強い感銘を受けたような次第です。  ところで、例えば昨日の朝日新聞朝刊の社説、これは「政治改革と野党の責任」という表題での社説ですけれども、私はマスコミの特定の社の人たちをあげつらってここで云々するというつもりはありませんけれども、この中身は、規制の強化、罰則強化のオンパレードでございます。これに少しでも対抗する方向の議論は、単なる逃げであるとか、あるいは値切りかというような論調が強く見られると私は思っております。しかし、我々は現行制度を現に持っておるわけでありまして、これを直す直さないということの前に、その現行制度がそうなっている理由は一体何なのか、その理由は一顧だに値しない値打ちでしかないのかというようなこと、もし顧みるだけの値打ちがあるものだとしたらそれは一体何なのか、そういうことがわかった上で改革の論議をしなければならないのではないか、このように思っておるわけであります。  自由民主党、我々の党は、現在党内におきましてこの政治改革につきまして大変な論議をいたしておることは御案内のとおりでございます。私はこれはもう、今、遅いの声も出ましたけれども、三、四年前からの実は論議でございまして、それに対して投入されたエネルギーというものは時間、人員ともに途方もない実はエネルギーであったこともここで改めて確認しておきたい、こう思います。しかも、なお現在非常に真摯な形での論議が進められているということは、私は、事がなかなか成らなかったという意味でのじくじたるものを感じつつも、そのエネルギーの態様に対しては党員の一人としてある種の自負を持っておる、こういう心境であります。  そこで本日は、自民党内でも体験であるとかあるいは着眼点、こういったものの違いがございまして、それに応じて実に多様な意見が提起されております。それを紹介しながら、実はまだ成案も得ておらないし、政府の提案もないわけでございますので、本日この段階におきます私の発言も、質疑と申しますのよりも、むしろ私の今言ったような立場からの考え方を申し上げながら対話をいたして、これからの論議の実りに少しでも役立ててみたい、こんなふうに思っておる次第でございます。  そこで、最近の一連の不祥事に対して、冒頭申したように国民は大変な関心を持ち、注目をし、また心配をし、不満を持ち、反発をしておるわけでございますけれども、これらの国民の皆さん方による反応というものにつきまして、一体総理それから所管の自治大臣はこれをどんなふうにお受けとめになっておるか、この点をまずお尋ね申し上げたいと思います。
  4. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 最近におきまして例を見てまいりますと、大体十年ごとに何か大騒動の問題が起こってまいりまして、それは我々にとりましても非常に忌まわしい事態が起こってきております。したがって、最近民主主義が成熟してくるに伴うて、そういう制度は非常に立派であるけれども時々噴き出してくるにきびのようなものが、それが非常に障害になってきておるということを、私はそう感じておりまして、そういうようなものを未然に予防する方法はやはり我々の手で的確にとっておかなければいけないんではないかと思っております。現在言われておる政治改革の問題も、確かにそういう自然現象が起こらないように事前予防のための措置を少しでも前進させていきたい、こういう意味においてこれから真剣に取り組むべき問題であり、民主主義擁護のためにもこれはぜひ必要なことであろうと思っております。
  5. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 最近の一連の暗い出来事は、確かにお互い政治家に深い反省を迫るものであります。それは、お互いの倫理の問題であると同時に政治改革という制度の問題であると言われますことは、そのとおりであると思います。  そこで、しかし柳沢委員が言われますように、これは極めて緊急の課題でありますけれども、同時に事は我が国の民主政治の将来にはかり知れない大きな影響を及ぼす問題でございますから、緊急であると同時に、これについては我々十分論を尽くさなければならないという二つの面を持っておると思いますしばしば制度の疲労と言われまして、そういう面は確かにございましょうが、制度以前の問題あるいは制度以外の問題あるいは制度の運用の問題等々たくさん問題がございまして、御指摘のように自由民主党の党内でもまことに精力的な議論が行われておりますが、それはこの問題についての緊急性であると同時に重要性のゆえんでもあろうと思います。ぜひ柳沢委員におかれましても御意見を御開陳を願いまして、立派な制度ができますように御高見をお願いいたしたいと存じます。
  6. 柳沢伯夫

    ○柳沢委員 私は、この不祥事に対する私が指摘申し上げたような国民の反応を聞きまして、自分自身、身にしみて感じる、あるいは思わずみずからを省みなければいかない、こういうような言葉に数々接したというのが私自身の感想であります。ただ、その場合に私は、そう思ったということの前提の上で、この際やはり国民の皆さん方からのいろいろな声の中にはいま一つ、もう少しの我々、政治というものに対する御理解を求めたいなというものも実はあります。もちろん、それ以上に多くのところでは我々自身が反省しなければならないということの方が圧倒的に多いわけですけれども、正直申して、今言ったような国民の皆さんの理解を改めて求めておきたいなということもございます。今総理がまさに制度というか運用以前の問題というものがあったように思うという御指摘がありましたけれども、私はきょうまさにその点からちょっとお話をさせていただきたい、こう思うのです。  それは、まず第一に、我々は寄附をいただいて、政治資金を寄附していただくわけですけれども、ただで、無償で、何の反対給付もなく、この市場経済の世の中にあって本当に無償のお金をただいただいてしまうという、そのことであります。  実は、私は個人的な体験をここで御披露させていただくわけですけれども、私自身も長く役人をさせていただいてお給料をいただくという生活をして、その後政界に飛び込んだ人間なんですが、何にも対価もなく、労働も何もそういうものがなくて、ただお金をもらうというそのことを最初に始めたころに、私自身は大変な居心地の悪さというかそういうものを感じたことを鮮明に実は覚えておるわけです。それで、そういう自分自身がそういうこと、これから政界に入ろうということで、ある種の覚悟を持って飛び込んだ人間ですらそういう感じを持つわけですから、世の中の人が、この世の中に、自分たちは額に汗して働いてささやかな給料をもらう、賃金を稼ぐということの中で、ただでお金をもらうという人間が存在するということは、私は基本的にそこに大変な違和感があるということを想像するにかたくないわけなんです、実は。大変な問題なんです。  ですから、我々がそういうお金をもらうということについて、この前もちょっと新聞を読んでおりましたら、だれそれさんが我々が寄附をしたときにもらいなれている感じがしたというような言葉に接したときに、私はこれだこれだと思ったのです。つまり、その言葉にはいわく言いがたいそういうもらう人に対する違和感というものが裏返しになって私は表現されていると思ったのです。  そういう意味で、私は、あるときに同僚議員の間で、我々というのは憲法で認められたこじきだなということを言ったことがある、正直言って。そういうことがあったくらいなんですけれども、実は私が非常に親しい友人で、私を物心ともに応援してくださっている人の中に、かなり宗教についても御寄附をなさっており、自分自身が、ある宗派の宗教でございますけれども、大変研究をしておる友人がおりまして、その友人が私にあるとき注意をしてくれました。私がもう恐縮千万に思っておるという風情であったのでございましょう、そのときに、君、そんな態度というのはおかしいんだよ、ひとつ話をしてやろうということを言って一つ私に話をしてくれました。それは大変ここで引用するのはおこがましいし恐れ多いことなんですけれども、釈迦の話でした。  釈迦は、法を説いて行脚をし回っていたときに、そのときに田んぼで本当に額に汗して働いておる農民に法を説いた、いつものように。そうしたらその農民が、まああなたはいい身分ですなということです。あなた一体どうやって御飯食べているんですか、我々はこうやって自分の田を本当に額に汗して一生懸命働いて、我々は自分の生を償っているけれども、あなたは一体何をしているんですか、よくそんなふうに人に何かお説教みたいなことを言って、あなた命がつないでいかれますね、こういう質問をされたということです。そのときに、釈迦は、あなたは本当の田んぼを耕しているんだけれども、自分は法田を耕しているんだ、そのことによって喜捨を得て、それで自分はあなた方と同じように田を耕してやはり食をとっているんですよという話をされたということを私に話して聞かせてくれたのであります。  私は、そのとき以来、自分が政治資金の御寄附をいただくときに、やはり自分は法田を耕さなければいけない、立派な法を説かなければいけない、それがこの貴重な喜捨に対する私の報いなんだ、こういう気持ちで、初めてある種ののりを乗り越えたというか、そういう感じが今自分自身の心の持ち方の整理の問題として思い出すわけでございます。  そこで、私、さんざっぱら何か申し上げた上で、この点先輩政治家はどういうお気持ちで、もうすごい長い経歴を重ねられておりますので、そんな最初のころの話は忘れてしまわれているかもしれませんが、まずそういっただでお金を受けるということに対してどういうお心を持っていらっしゃるか、ちょっと私はお聞きしたいと思うのですよ。
  7. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 どうも私の顔を見ての御質問でございますので、私がお答えいたすべきだと思っておりますが、実は憲法に許されたこじきだ、私はそんな卑下した気持ちは持っておりませんで、私はむしろ誇りを持っておるんです。  お金をいただけるということはそれだけの責任が同時にそのお金に裏打ちされておるように思うんで、だからその責任を果たさなければいかぬ、その責任とは何かといえば、高度の精神文化の中に咲いてきた民主制度というもの、この制度をやはりきちっとやることだと思うのです。お金を権力によって収奪するということになったら、これは専制政治だと思うのです。民主主義だからこそ本当に喜捨を受けるというそういうことがあると思うのですが、その責任を私たちは感じて日々取り組んでいけばいいんではないか。要するに何も対価を求めておらない、当然だと思うのです。私は、それだけに政治資金を寄附していただくのは非常にとうといと思うのですが、同時にその方もやはり現在の体制、現在の制度、民主で自由な社会というものを維持していきたいということが根底にあるならばこそ我々のような者でも応援してくれているんだろう、こう思っておりまして、私は責任を感じるというのはまさにそこにあると思っております。  でございますから、今後ともそういういただいた浄財というものを有効に使っていくということの方が、むしろこれがその人に対するお答えではないか、私はそういう気持ちでおりまして、おっしゃるように卑しい気持ちになって金を集める、そういうことはもう絶対この制度のもとにおいては許される行為ではない、そのことはまさにこじきになっちゃったと、私はそう思っておりまして、その意識の持ち方というもの、お互いが気をつけなければいかぬと思って、自分らも日々足らぬところを反省しながらそれに向かっていきたい、こう思っております。
  8. 柳沢伯夫

    ○柳沢委員 今はその御寄附をいただくということ自体についての国民の皆さんの恐らく持っているであろう違和感、こういうものについてやはり我々はもう少し国民の皆さんから理解を得られるような努力をしないと、何か事が上がった都度いろいろ国民の皆さんから声が上がりますけれども、その根底には実はそのことについての違和感、そのことについて十分理解がいただいてないことからするいろいろな考えがここに見られるだろうと私は思うわけでありまして、そういう意味では、まず一番の原点の問題として、私どもはそのことについてもっともっと我々が努力して、あらゆる努力を傾けてその点についての国民の理解を求め、深めていく必要がある、こう私は実は思っているのです。  第二の問題は、金額の問題ですよ、金額の問題。これも非常に、国民の皆さんからすると恐らく違和感というか、もう不快感のようなものすら考えられ、お感じになっているような状況じゃないかと私は思うのですね。つまり、先般も社会党の新人の女性の代議士の方の名前が新聞にも見られました。私はここであえてその女性のお名前を申しません。私はもう同じような問題を我々が抱えているという気持ちがしますから、私はあえて申しません。  そういう意味で私はあえて申すと、この前、我々の同僚議員である中川昭一先生の名前をここで全くやみ討ちのように口にした同僚議員がいらっしゃるわけです。私はそれを聞いておって、本当に不愉快千万のことだと思っておりまして、そうして中川君からも、もうきょうはぜひここで柳沢先生も、その後自民党の代議士として初めて発言する議員であるから、自分の気持ちを酌んで発言をしておいてくれ、こういうように私依頼されまして、私は快諾しました。やはりそういうことは、私はまさに言論の暴力ともいうべきことで許されないと思っておる者の一人であります。  これは委員長におかれていろいろな院内の手続を踏まれておるようですけれども、ぜひとも彼の無念を晴らしてやって、そして彼の地元の選挙民、それから国民の皆さんからする疑いを晴らしてやっていただきたい、このように切にお願い申し上げます。  さて、先ほどの女性議員の話も申しましたのですけれども、要するに、そういう方々に対する国民の皆さんの気持ちというのは、あれ、私の主人の一年分のあれは収入だ、給料の金額と同じじゃないのというような素朴な反応なのではないかと思うわけであります。これは、実に我々の世界、政治資金として動いているお金の全高、金額というものを、やはり国民の皆さんというのは自分の家計の規模の延長線上でいろいろ判断をし、評価するということなのであります。そういう意味合いで、私はこの点についても、やはり安易に国民からするいろいろな反応に、ただ迎合的で、その場が過ぎればいいんだというようなそういう態度でいろいろ物を言うのではなくて、私はやはりごまかさないことが一番大事だというふうに実は思っておるわけでございます。  それで、そういう意味合いで申し上げるのですけれども、先般来、これは総理に対して若干の私、苦言なんですけれども、要するに、我々にかかっている政治資金が、前回の公職選挙法の改正でございましたか、冠婚葬祭についてこれをもうある一定のものしか認めないというような改正をしたので、徐々に金額がかからないように事態は改善されていますというようなことをおっしゃられることを私も耳にしたのですけれども、これは確かに我々新米の代議士にとってはありがたいことではあったのですけれども、事の本質を実は何にも解決してないというのが正直な姿なのでございます。  そういう意味でも、減額の努力ですけれども、これがもうこれで一挙に事態がよくなっているというような期待というか、幻想を持たせるようなそういうことではなくて、これやっているんだけれども、なおまた相当かかるんだというような御発言を私としてはぜひ期待をいたしたい、このように思っております。要するに、国民の皆さんは家計との延長線上で動いておる金額をごらんになられるのですね。それが実はそうでありませんということをむしろ啓蒙的な意味で言っていただくことの方が、私はこの際は大事じゃないか、このように思っておるわけであります。  そこで、じゃ日本の政界で動いているお金が非常に多過ぎるかというような論議になるわけですけれども、これはアメリカあたりの議員と比べても、多いと言う人もいるのです、同僚議員に。しかし私は、これに対してかなり、四年ばかりアメリカに在勤したというようなこともありまして、また私のその当時の友人がいろいろその後政治にかかわっていったというようなこともありまして、かなり事実関係も知っておるという立場ですから、決してそうではないんじゃないかということで、その議員にも反論もしておるわけですけれども、このあたりの、お金が日本でかかっておるということ、かかり過ぎておるというようなことについて、アメリカあたりと比較をいたしたときにどんなことが言えるかということを、所管の自治大臣、お答えいただけますでしょうか。
  9. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 私は、アメリカのをそんなに詳しくは存じないのでございますが、政治改革をやるにつきましてアメリカの制度を参考にしたりという程度で調べておるところでございますが、アメリカは政治家個人に対する応援というよりも、政治家が政治活動をするのに必要な金は見ていく、そういうシステムをとっております。  日本の方はむしろ政治家自身が活動していただけるように、その方向において手当をしておるということでございまして、その点から見まして私は、まだ日本が本当に政治家自体が政治活動を十分できるほど保障しているものではない。この保障をあらゆる面からいってもう少し手厚く、政治家が活動しやすいように、その方向はそういう設備あるいは人材を提供するという方法がいいのか、資金を供給するというのがいいのか、これはまた政治家自身の選択の問題もありましょうと思いますから、それは大いに議論があると思うのでございますけれども、アメリカに比べて政治家が活動しやすいような方向に持っていっているとは私は思えない。まだアメリカの方が非常に政治家に対して優遇をといいましょうか、そういう活動しやすいように持っていっているということは十分私は言えると思っております。
  10. 柳沢伯夫

    ○柳沢委員 自治大臣のお言葉のとおりだと私も思うのですね。それはまさに公的助成が非常に充実しておる、こういうことがあろうかと思うのですね。それに加えて政治資金の寄附というものも当然存在するし、加えて私はアメリカの風土もあると思うのです。  実は、もちろん一般にキリスト教の精神でボランティアというものが非常に盛んである。これは単に政治活動に対するボランティアだけじゃなくて、いろいろな福祉だとかあるいは国際協力だとかのボランティアが大変うらやましいほどに盛んであるということは、これはみんな承知しておるところなんですけれども、それに加えてアメリカの場合、スポイルシステム、要するに、その議員、自分が応援した議員なりが当選しますと、その人に紹介されて政府の中で高位高官のポストにつけるというような、そういうことが実はあるわけでございまして、私の友人などもウォールストリートの大変なインベストメントバンカーだったのですけれども、そのポストを捨てて、自分がどうしてもワシントンで一度経験を積みたいという思いから、そして上院議員の選挙に二年も無給で働くというようなことをやってのけておるわけでございます。  そういうような政治全体の仕組みの中での違いもありまして、なかなか比較できない面もありますけれども、しかし目に見えた部分だけとらえてみましても、やはり、アメリカと比べて一概に日本の政治所要資金が多額に過ぎるというような事態は私はないということも、この際確認をしておきたいわけでございます。  そこで、もう一つの問題は、今までのところは実は我々一年生とか二年生、三年生、そういうクラスの代議士にも共通するような政治資金一般の問題でございますけれども、政党幹部になるような経歴を踏まれた先生方、議員の方々に実はこれは問題になることなのでございますが、自分の政治活動を賄う以上の政治資金を寄附をされようとするというようなことについて、大変私ども指導いただいた先生、同僚の先生、先輩の先生、そういったことで、もしああいう伝えられているようなことが万一にでも事実であるとするとそんなことにつながる問題なのかなという気がいたして、その辺に私ちょっと触れたいのですけれども、そういうことに関連して。  私どもの仲間内で話をしておることに、政治資金の一人の政治家当たり受け取ることができる金額について上限を設けたらどうだろうか、それで、その裏返しの問題として、まあ、私ども先輩からもいろいろ面倒を見ていただいて助けていただくというようなことで金銭的な援助をいただくことがあるわけでございますけれども、そういう意味での議員の間のことを禁止してしまったらどういうことになるだろうかというようなことも、実はもういろいろな問題をありとあらゆる広範なことについて私どもお互いにディスカッションをしておるものですから、そういうことの中で、今言ったような話も実は出ておるわけでございます。  我々の政治の運営に当たって派閥というものが存在していることも、これも国民の皆様御承知のとおりなんですが、幹部の先生方はその派閥を守り立てていくために、みんなで守り立てていこうというようなことでその派閥に一定のお金を寄附するというようなこと、それからまた、場合によっては直接、後輩の議員が変な悪いお金に手を出さないように、大変苦しいときに助けてやろうというようなことで助け合いも行われておるわけですけれども、この辺のことを一体どんなふうにお考えになられるか。  実はこれはアメリカでも、アメリカの政治資金規制というのは非常に厳しいということは言われておるわけですけれども、御案内のようにアメリカは、企業だとか企業の従業員だとか個人だとかがポリティカル・アクション・コミッティーというものをつくって、いわゆるPACでございますけれども、そしてそこに集めたお金で議員を支援していくというような仕組みでやっておるわけですけれども、その中にリーダーシップPACというものが最近出てきて、アメリカでもやはりリーダーシップをとるような政治家についてはリーダーシップPACをそのためにつくってやって、そしてその議員がそこから、そこに寄附されたお金を他の議員に渡して助けてやるというようなことも行われておるわけなんでございますけれども、こういうことを一体どのように考えるか。  私は、アメリカの例ももう既に申し上げましたので、病理というふうには思わないで、政治家同士の間の、いわば美徳とは言えないまでも、当然あってもいい、あるいはあってもやむを得ないことだと思っておりますけれども、そのあたりについてはどんなお感じをお持ちですか。
  11. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 御質問の内容が二つあったように思いますが、一つは、個人に余り無制限に集まるようにするということはいかがなものだろう、ある程度制限したらどうだろう、こういう質問と、それから、政治家同士が、議員同士というか政治家同士が政治資金の授受をするということ、これにはある程度の規制も必要なのではないか、規制しないにしても何らかそこには明朗なルールというものをつくるべきではないだろうか、こういう二つの質問であったと思います。  私は、政治家が、いろいろなその人の政治経歴なりあるいは識見、活動等によりまして差異があることは当然でございますし、それによって集まってくるといいましょうか、その扱っておる政治資金も違ってきて当然だろうと思いまして、それを一定の額で制限するということは、むしろその人の自由な政治活動というものを停止さしてしまうということになりますし、それから、民主政治というのはやはりお互いの競争の中で育っていくものだと思いますので、その総額を特定のもので制限するという、これは私は賛成しかねると思っております。  それから政治家同士の話でございますが、これは私はもうそこで一つ節度が必要だろうと思うのです。その節度というものは何かということは、政治資金というものは、自分の権力を使って、権力の力で金を集めたらいかぬ、そして、集めた金を自分のさらに権力を培養するために使ってはいかぬ、この原則はやはり牢固としたものとして守っていくべきではなかろうか。  そういうことでなしに、本当に政治家同士がお互いに助け合っていこうじゃないか、思想、信条、行動もともにやっていく仲間というものをお互いに有無通じて助け合っていくということは、私はこれは悪いことではない、そういうことはあってもいいんじゃないかと思っておりますが、さっき申しましたように、そのことによって自分が権力培養のために使う目的なんだというだけではこれはいけない、それ以外にもっと人間的なつながりの中で助け合っていく資金にするということは、これはむしろ私はいいことではないかなと思っております。
  12. 柳沢伯夫

    ○柳沢委員 自治大臣の答弁は模範答弁というか、実に私もそのとおり、実は私がもし質問をされたら同じ答えをするだろうというお答えでございまして、至極私としても満足なのでございます。  そこで、少し具体的な話に入りますけれども、政治資金規正法という法律がございます。これの目的とするところはどういうふうに考えるべきなんだろうか。私はこれはもうひとえに、入りの面について言うと、その政治資金を受け取って、それがために行政、あるいは場合によっては立法も含むかもしれませんが、そういうものをゆがめてしまう、それがためにそれが犯罪とされているいわゆる収賄罪を予防するという意味、目的、それともう一つは、今度は出の面でありますけれども、政治資金と受け取りながらこれを私的な財産形成に流用してしまうということ、そういう場合にはえてして所得税法違反等の問題が随伴することになると思いますけれども、そういった流用あるいは税法違反の事態を予防的に防止する。この二つのことがこの政治資金規正法の限定的な目的である、それ以外ではないというふうに私は考えるわけです。  そういう意味では私は、ちょっと話が横道にそれますけれども、先ほど来私が申し上げてきたこと、つまり、お金というのはかなり努力をしてつつましくやろうと努めても、ある一定のもの、それは家計の延長などでは到底考えられないような規模のお金が要るということは事実なんですよと。そうして、そういうことにかかわってこの政治資金規正法というものができ上がっているわけだけれども、その政治資金規正法が目的とするところを我々はこの際しっかり踏まえないといけないんじゃないか、こういうふうに私は思うのです。  最近出ました、我々の先輩である中曽根康弘先生、それから佐藤誠三郎、村上泰亮、西部邁、この四氏が著した本がありまして、そこにずばり書いてあるんですね。あえて大胆に言えば、本来大衆民主主義というのは金のかかるものであり、民主主義を安く上げようなどと考えるのは間違っている。これはもう本当に中曽根先生の御身分がうらやましいくらいにずばっと言っておられるわけでありますけれども、私は、ここまで言うかどうかはともかくとして、事実は事実としてこれに立脚していろいろな問題を考えていかないと、偽善ばかりやっていますと、どこかに無理がいってほころびが出てくるという考え方を持っているのです。ですから、この政治資金規正法が、この二つの私の考えておる目的というものを逸脱して、いたずらに政治に流れるお金を総量でふん縛ってしまおう、抑えてしまおう、こういうように働いているとすれば、私はこれは過剰防衛だと思うのです。  大体過剰予防などというものは、これはもう過ぎたるは及ばざるがごとしてございまして、これは余計に問題を混乱させてしまう、こういうことを私は思っておりまして、これらの点についても、これからの我々のこの政治改革の中でしっかり踏んまえた政治資金規正法の改正なら改正作業に取り組んでいかなければいかぬ、このように思っておるわけですけれども、先ほど私が指摘した政治資金規正法の目的は何なのかということを御答弁をお願いします。
  13. 吉田弘正

    ○吉田(弘)政府委員 政治資金規正法の目的についてのお尋ねでございますが、この政治資金規正法は、法律にその目的として規定されておりますように、政治団体や政治家の政治活動を広く国民の前に明らかにするために政治団体の届け出とか政治資金の収支の公開とかあるいは寄附に関する制限などの措置を講ずることといたしておりまして、これによりまして政治活動の公明と公正を確保いたしまして、もって民主政治の健全な発達に寄与しようということを目的としておるというふうに理解をいたしております。
  14. 柳沢伯夫

    ○柳沢委員 お役所の答弁としてはそれ以外にはなかなか答えにくいだろうとは思います。しかし、政治資金を公開してとかというのは、これは手段なんですね。そしてまた、健全な政治の発展を期するとかなんとかというのは、これはまたすごい上位の理念でございまして、実はもう少し、もっと具体的なこの法律が企図し、ねらっておるところの目的があろうと私は思うのですね。ただ、そういうことを今ここでお役所から答弁いただこうと思ってもなかなか無理もあろうかと思いますので、重ねて答弁は求めませんけれども、私は今言ったように、政治資金の誤用、乱用によってもたらされる罪、こういうようなものを予防する法規であるというふうに考えたいのでございます。  そういう前提で以下の具体的な問題に少し入っていきたいと思うのですけれども、いわゆる入りの面での一番の問題は、これは私に言わせれば、先ほど言ったように、要するに収賄罪の予防的な規定というように解釈をいたしたいのでございますけれども、それはそれとして、先ほど自治省の選挙部長さんが読まれた政治資金規正法の「目的」のくだりにもありましたように、まず第一にそれのためにとられている手段として、いわゆる資金の公開、透明度確保の問題があるわけであろうと思います。  私は、この透明性を確保するための規定というものが、確かに収賄罪への牽制であるとかあるいは予防措置として機能しておることは認めるわけでございますけれども、これを最近の論議のように一円まで透明度を上げたらどうかというような論議が盛んに行われておって、そして、まさに冒頭私が申したようにそれをいささかでも制限するというようなことは、これは単なる政治家の便宜あるいは利己主義からするいわば値切りであるというような、そういう論調が多いように思っておりますけれども、私は必ずしもそうだろうかという疑問を実は持っているのです。そういうことをした場合に我々が失うものは本当にないんだろうか、完全な透明度というものを確保する場合に失うものはないんだろうかということを、正直申してちょっと心配する。  例えば今の政治資金規正法でも、実は個人の寄附というものをむしろ奨励して企業、団体の寄附というものをむしろ抑制するという方向にありながら、公開という問題になりますと、自治大臣、道なのですよ。これは税法との絡みがあるのですけれども、個人は寄附金控除を求める権利を与えられますので、寄附金控除を当然申請しますね。そのための書類が必要だということの絡みなんでしょうけれども、私はそこは必ずしもそういうように関連づけなくてもいいのじゃないかと思うのですけれども、みんな公開になるのです、個人の寄附は。  そこで、個人の寄附、いいじゃないか、それで公開すれば、正々堂々と青天白日のもとでやればいいじゃないか、こう簡単に言うのですけれども、日本の風土というものを考えたときに、果たしてそうだろうかという気が私はするのです。とにかく日本の政治社会というか、非常に共同体のしがらみが強いところで、特に政党の支持なんかについても自分が明らかにすることについては非常に慎重な我が国の国民、この国民の国民性というものを前提にした場合に、寄附というのは明らかに自分の政治的意思の意思表示だ、こういうふうに私は思ってそう位置づけるべきだと思うのですけれども、そういう政治的な意思表示をする、政治に参加するというときには必ずまず名を名のれ、名を名のらない限り政治への参加は許さないぞという仕組みに今実はなっているのですよ。個人寄附が慫慂されながら、実は企業以上にそういうことを、まず名を名のれということになっているという事態が現状なのであります。  私は、今も申したように、寄附というのはまさに政治の意思表示だと思うのですけれども、そういうことを考えるときに、投票と似た面はないのかな、投票については、いわば投票の秘密というのはまさに選挙制度の根幹をなす一つの価値として、そこに厳としてだれもが尊重する価値として存在でき得ているわけですけれども、私は、この寄附という行為についてはいささかもそういう面がないと言い切れるのか、そういう疑問を実は持っているのです。  そこで、安直に透明度を上げるためにということのために何もかももう一〇〇%公開を制度化していくということについては、ちょっとひっかかりがある、私は、その価値も、私が今指摘したような投票の秘密と似たような価値も、やはり一定の敬意を払うべきものなのではないかという気がいたしておりますけれども、これについてもまだまさに論議の途中で、いろいろな人がいろいろな意見を言っておる、政府も合成案を得ているわけでないこの段階で、御感想をと言ってもちょっと非常に難しいかと思うのですが、もしお話しできることがあったらお話ししていただきたい、こう思います。
  15. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 まず、根本問題としてひとつ御理解いただきたい。柳沢さんはもう十分理解していただいておると思うのですけれども、政治資金規正法というのは、ネガティブの、とにかく規制して抑えるのだ抑えるのだ、悪いやつを退治するためだ、そういう法律では決してないということでございまして、あの規正は、御存じのように規則正しく行う法律である、正というのは正確にしてもらうということでございますから、だから、決してネガティブな方だけのものではない。けれども、実態はそちらの方に走りつっあるということは、御指摘されておるように実は十分検討すべき問題だと私はそれは認識しております。  次の問題といたしまして、透明性の問題でございますが、これは私はまさに政治問題だろうと思うのです。役人が幾らまで以上を公開するとかあるいは幾らまではその報告の義務を免除するとかいう、そんなものは役人の頭で書くべきものじゃない、これはやはり政治家が決めるべきものでございまして、これは民主主義のむしろ根幹にも触れてくる重要な問題だと思っております。  といいますことは、さっきもいみじくもおっしゃいましたように、自分は寄附をする、政治献金をすることによって政治に参加するのだということを、確かにその気持ちを持ってしまう。そうしますと、特定のものに参加するということは、その個人並びに団体にとりまして大変な意思表示、決定だと私は思う。しかしながら、これが公表されないで、自分の意思、善意だけ向こうが酌んでくれればいいんだという範囲内のことでやっているというのだったら、幅広くやっていきたいと思うという人もたくさんおるだろうと思っております。そういう善意を、人間の善意を封殺してしまうような感じがしてならぬのです。でございますから、どこまでが公開すべきであるか、透明にすべきであるかということは、これは政治家が決めていただきたい、こう思っておりまして、その意味におきましても、近く開催されるであろう各党間の話し合いの中でこういう問題はぜひ相談していただきたい、こう思っております。
  16. 柳沢伯夫

    ○柳沢委員 アメリカで政治資金税というものがあることは御案内のとおりですね。これは、所得税の申告のときに、いわば税の一部を、一定のもちろん制限があるわけですけれども、これはだれそれさんの政治資金としてひとつ自分としては振り向けてもらいたいということになりますと、それがそのように実現される、こういうようなことで、この場合も実は寄附金の出捐者というものは全然名前がどこにも出ないわけであります。もちろん、これは受け取る側もたれが自分にそういう寄附をしてくれたかというものがわからない、いわば足長おじさんの立場にその寄附者というものは立つということなんですが、これは、公開をしてなくてもそこで収賄罪が起こる懸念がそういう意味で全くないというところからきておるわけですけれども、私は、そのものずばりをまた税の世界で仕組めと言うほどきょうここで準備はないわけでございますけれども、しかし、それに似たようなことというのを何か制度で仕組めないだろうかという、そういう問題意識は実は持っているわけであります。  そういうようなことでございますけれども、それはそのくらいにいたしまして、もう一つ、この間で、まさに収賄罪そのものについての論議にかかわるわけでございますけれども、ここでどうしても取り上げておかなければならないのは、伊藤栄樹元検事総長の著された著書の中に、政党員、特に政党役員、幹部、こういうような者を公務員というように位置づけて、これに収賄罪の適用をしなければならないんじゃないかというような実はくだりがありまして、この点についての御見解はぜひこの際間いておきたい、こういうように思うのでございます。  私は、司法をここの場で云々するというのはいささかの勇気が要ることなんですが、いささかの勇気を奮ってあえて私言いますと、実は野党の人たちが単なるこの議場での質問、これと政治資金の提供とを関係づけられて収賄罪で立件されて有罪になってしまうということが間々見られるわけでありますけれども、私は、これは本当に妥当なことなんだろうかという疑問を自分自身持っておるわけであります。それは、質問が非常にまさにそのためにということであるとか、あるいはその政治資金の提供が個別具体的にそれと密接な関連を持っているということであれば、それはそういうこともあり得るかなと思うんですけれども、一般に我々のこの議会での議論というものは、これは憲法でどこからも罪を問われないということが保障されて我々は活発な言論がだれはばかることなくできる、そのことによって我々の政治を進めていくことができるということなのでございまして、私は、そういう意味からも、そういうことをやろうとしている人たちからは、そのバランス上、今言ったようなことが問題意識としても上ってくるということは、これはわからぬでもないけれども、実は私はそこに少なくともとんでもない間違いがあるのではないか、そういうように実は思っておるわけでありまして、この点についてはぜひ見解をただしておきたい、このように思います。
  17. 濱邦久

    ○濱政府委員 お答えいたします。  まず、委員先ほど御指摘のございました伊藤栄樹元検事総長の著書についてのお尋ねでございます。委員御指摘の点は、伊藤栄樹元検事総長の著書の「検事総長の回想」等の中でおっしゃっておられることについてのお尋ねだと思うわけでございます。今御指摘の著書の中の記載自体は、これはもう申し上げるまでもなく、伊藤栄樹元検事総長が個人の立場で記述されたものでございましょうから、法務当局としてこれについて意見を申し上げるということはいかがかと思うわけでございます。  ただ、政治改革の実現の方策といいましょうか、その一つとして、例えば政党法というような法律の中で、政党とかあるいは役員などというような定義を明確に規定して政党役員の収賄規定を新設するというような考え方も一つの考え方ではあろうというふうに思うわけでございます。これらのものも種々あろうと思うわけでございまして、いずれにいたしましても、議会制民主主義の根幹をなす問題でございましょうから、国会の場で十分御議論がなされるものであろうというふうに私どもは考えているわけでございます。  それから、贈収賄罪との関係で、国会議員の職務権限はどのようなものかというお尋ね、後段のお尋ねはそういう御趣旨だったかと伺ったのでございますが、これも一般論としてお答えするわけでございますが、国会議員の職務権限は、おおよそ、法律案等国政に関する議案の発議をして、本会議に提出される議案、予算案等につきまして演説、質疑、質問、動議提出、討論、表決等をいたしまして、自己の所属する委員会において質疑、質問、動議の提出、討論、表決等をし、さらにまた自己の所属しない委員会に対しましては発言の申し出をして、これが認められれば出席して意見を述べることができる、そのほか国政に関する調査、討論、質疑等に関与することができるものと考えられておるわけでございまして、この職務権限に関する事柄でわいろを授受すればわいろ罪となるわけでございます。このことは申すまでもないことでございます。  また、わいろ罪における「職務二関シ」という要件につきましては、これは公務員の職務行為そのものである場合だけではなくて、職務に密接に関連する行為も職務に関するものと解されておるところでございます。  御質問に対するお答えになったかどうかわかりませんけれども、今申し上げたようなことを考えておるわけでございます。
  18. 柳沢伯夫

    ○柳沢委員 法務当局のお立場としてそういう御答弁になるのは理解できないわけではありませんけれども、私どもとしては、通常受け取っておる政治資金が突如として性格を変えて、これがわいろ性を帯びるというようなびっくり仰天するようなことはなるべく、これは司法のあるいはひょっとすれば裁量なのかもしれません。しかし、裁量がないというのが罪刑法定主義の示すところでありましょうから、私どもとしてはそこにかなり実はいろいろな問題意識を持っておるということを、答弁は求めませんが、やはり話のバランス上、ここで表明しておく必要があると私は思っております。  それから、今度は政治資金の出の面についての話で、これは先ほど私が指摘したように、まさに私的財産形成への流用、すなわち公私混交が排除されるべきだということからするものだろうと思いますけれども、私は、この点についてもいろいろな議論が同僚議員の間でも行われておるわけでございますけれども、私は昔、若干税制の立案に携わったことがあるものですから、とかく思考が税の世界に入って、何とか解決できないかというようなことになりがちなんですけれども、日本の官僚機構というのは非常に権限とか分限とかというものが厳格でありまして、税制当局にそういう政治資金の規制までやってくださいなんと言ったって、まずおよそそんなものは門前払いというのは百も承知なんですけれども、アメリカあたりでは税務署が物価、賃金の統制の実際執行に当たったりしたことが、私が在米中のニクソン大統領の時代にあったわけで、実にそこは余りにも融通無碍過ぎてちょっと混乱するんじゃないかと思われる節もあるわけですけれども、そんな感じもいたすのです。  私は、一つの考え方として政治団体と個人の所得を、政治資金と個人の所得を連結させてしまって、そして税務申告をするというようなことも考えられていいんじゃないかという気もするし、また、本当に私的な分野との、公私の混交を排除するのであれば、もう今のように政治団体の設立が政治家に任されておって、個人でもいいんだなんというようなことではなくて、政治団体の設立はもう義務づけて、そして個人への寄附というものを一切これは禁じてしまう、そして一切がこの政治団体を通じて行われる。しかも、その行われるものも、私は、意外と今論議が入りの方ばかりに傾きがちなんですけれども、実は出の方も非常に大事で、私は小切手でやったらどうかというようなことも、アメリカではそうなっているし、この中曽根元総理の御著書でもそういうようなことが提案されておるんですが、意外と、出の面をきっちりやることによって、政治資金の公正な使用というものが確保されるという面が実はあるんじゃないか、こう思っております。  その上で、これはもう皆さん御提起になられている、十分問題意識は共有されている問題ですけれども、衆参両院議長のもとで審査の機構を置くというようなこと、そういうことはやはりこの際真剣に考えてみるべきことではないか。私は、むしろ公開ということをすぐにやるんじゃなくて、そういったようなことで一歩一歩前進していくということが、あの日本の政治風土の中で一つの知恵として考えられないだろうかということを、実は非常に強く思っておるわけであります。  加えて、資産公開の問題なんですが、資産公開についても私はいささか問題を感じておる、正直言って。この事柄はすべてフローとストックからでき上がっておるわけで、フローのところをしっかり公正さが確保されるならば、これはもうストックについてはおのずから公正さが確保されるという道理であろうと思うわけであります。フローはフローでとことんこれを追求し、ストックはストックでまた同様にその公正さを追求するということが、先ほど言った過剰予防というようなことにつながらないかという問題意識であります。  これは朝日新聞の社説によりますと、野党の議員の皆さんの間にも、一議員の資産までというような話があるということで挙げられておるわけですけれども、実は私どもの仲間内でも、非常に難しいことなんですけれども、国会議員に立候補するときに資産を公開しろ、立候補者まで資産を公開しろ、あるいは当選したらすぐ公開しろということになった場合に、一体財産がないことが、財産がない人は実はおるわけでございます。そういうことを公にしたときに、これは清廉潔白な方であって満点ということになるのか、銀行も相手にしないような信用力のない男がそんな高位に上ることは果たしてどうかというような意味合いでの、これは正直な国民感情というものを前提にしたときに、そういう面での戸惑いを感ずる人がいるはずだ、ひょっとすると私自身もそうであるという感じを私は持っているのです。今の議論というのは、専ら大変な資産家のことばかりを考えた議論が実はあって、若干その面では議論も片手落ちではないかという私の問題提起であります。  そういう意味で、私はそういうことをある人に言いましたら、それは今の現職の政治家のストックというものに疑念があるんだよ、だからそれを公開させて、そして、以後はフローの公正さ確保だけでいくということをひとつ考えたらどうだろうかということをアドバイスしてくれたある政治評論家あるいは政治学者もおるわけでありますけれども、そういう面について、時間もだんだん迫ってきておりますので、やや駆け足になって私の言わんとするところが十公言えたかどうかあれなんですけれども、要するに、出の面で公私の混交を排除するための措置として、今私が指摘したような問題について総括的に何かコメントがいただけたらと思います。
  19. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 最初に御質問がございました監査制度でございますが、政治資金というものが、現在の民主制度のもとにおいて行われておるものは、要するに、政治家を極度にやはり信頼した上でこの制度が発足しておるものでございますから、やたらにだれが審査するんだということは、私はそれは無秩序にやられるということは避けるべきだと思うのです。ただし、何か問題があるときに、それでも何ら審査の手はないのかといったら、これはやっぱり問題だろうと思いますが。  しかし、この審査制度とかいうようなものは役所サイド、つまり、政府からこういうことどうですかと言うべき性質のものではなくして、政治家自身がひとつ政治倫理審査会の中で考えていただくとか、何かそういうことは政治家のサイドの中で協議していただいて、こう決めたから法案として出せ、こういうようにおっしゃっていただければ私たちはそれに忠実に実行していきたい、こう思っております。そういうようなことが、やっぱりおっしゃるように問題が起こった場合には必要だろうと私は思います。  そして、それではどこがその審査の責任者になるのかといったら、政治倫理審査会なんかが、それが当たっていただければなあ、しかしそういうことは、どういう仕組みであるかどうかということは、これは政治家の中で決めていただくことだ、こう思っておる次第です。
  20. 柳沢伯夫

    ○柳沢委員 まさに自治大臣おっしゃったこと、私もそういう方向で具体的な措置が何かできないだろうかということを考えておりまして、ぜひそういう方向で努力をいたしたい、こう思っております。  次に、選挙腐敗の問題に入ります。これは選挙そのものの、公職選挙法の問題で、いわゆる罰則強化の問題として今世の中で論議されている事柄でございます。これについても、まあ先ほど来触れております新聞の社説では、罰則の強化大いにやれやれ、こういうふうに言っているんですが、私はそこに一つひっかかりを感じておるのは、現在の公職選挙法の運用の実態にかかわることなのでございます。実はこれは、今の日本の法制というのは、アメリカの場合は全部が選挙期間、ですから、そこに行き来する金は全部が選挙資金ということで規定されておるようでございますが、日本の場合には選挙の公示の制度がありまして、公示から以後が選挙ということになって、それ以前は政治活動ということになって、そこが区切られておるわけでございます。お金についても、その政治活動の間は政治資金、ところが選挙に入ってくるとそれが途端に選挙費用、あるいは選挙資金と言ってもいいかと思うのですが、そういうように変わるわけであります。そして、その変わるところは一体どうなっているかといいますと、これは公職選挙法では事前運動ということもありますので、観念的には、選挙というものを想定した場合には実は政治活動の時期まで全部包含するというようなことになっておる。実に摩訶不思議な、非常に難しい仕組みの法制であるわけでございます。  そこで、実は我々政治活動をしている、後援会活動と言われる政治活動をしております。そして、その後援会活動のそれぞれの世話人の人に、かかった費用の支給をしておる、こういうことは日常行われておるわけであります。しかし、それが選挙が近くなって、あるいは突入すればまだしも、近くなってあるところへ来ると、突如それが実は買収になってしまうんです。選挙資金の供与になってしまうんです。買収です、これは。それで、しかもこれについては実は警察、取り締まり当局はかなり判例を積み重ねたりいろいろ工夫をされましてやっている、慎重に事を運んでそのルールは固められておると言うけれども、根本に横たわっているそういう矛盾。ですから、政治活動の費用の支弁だと思ってやっていると、それがまさに運動員買収ということになってしまう。カメレオンみたいなものなんですね。警察内部あるいはそういう司法の人たちの間では、そこは確立された一つのルールで仕切っているよとは言われるのですけれども、我々、今度はそれを、受範者、その規範を受けとめて実際に実行しなければならない立場からすると、非常にそこは警察当局の裁量が物を言ってしまっておる、こういうことを感じておりまして、私は、現在のそういう実態にあるところの公職選挙法というものをそのままにしておいて、買収の規定なんて、これはもう古典的なものなんです。今のような後援会組織なんというものも全くなかったときのことなんです。それをそのまま、後援会の我々の世話人を運動員買収の運動員と称して、これに突如として襲いかかってくるというのは、いかにも我々として割り切れない、納得しがたい、理不尽なことである、こういうように実は思わざるを得ない。  したがって私は、今罰則の強化の問題で、連座制を強化しろ、刑罰をもっと重くしろというような論議が行われているのですけれども、もしそういうことが行われるのだとしたら、今の買収の規定についてもう少し、これは実は我々の怠慢なんですね、正直言って。そういう非常にあいまいな、警察当局、司法当局に非常に大きな裁量権を与えてしまっておる法規をそのままにしておるというのは実は立法府の責任で、これはだれも責めるわけでもない。まさにみずからを責めなきゃいかぬことなんですけれども、それをそのままにしておいて今のようなことをやったら、これはとんでもないことになりますぞよということを私はここではっきり警告をし、私自身はそのことを強く認識しておりますから、ぜひ同僚の議員の諸賢におかれてもその点の認識を新たにしていただきたい、このように思うわけでございます。  それからもう つは、ここはあえて踏み切って、これもまた勇気を奮って申し上げるわけですけれども、現在の選挙事犯摘発の仕方なんです。これはいろいろな端緒がありましょうけれども、おおむねは、おおよそはかなり密告というものに依存しております。それですから、密告が非常に好きな陣営と戦うことは、密告が嫌いな、あるいはそういうものを余り得意としてない陣営が戦うのは並み大抵の努力じゃないのです、はっきり申して。それで、密告のバランスの上に立って選挙事犯の摘発が行われる、このことも大変な問題なんです、国家公安委員長。お笑いになっていらっしゃいますけれども、あるいはひょっとして御自身も同じ御経験をなさったかと、失礼ながら思うわけであります。これは大変な問題です。  ですから、私どもが言うのは、こういう罰則の強化というものを安直に言うけれども、裁量権、現実の執行体制というものを軽視してそういう論議をどんどん進めていくことは実は大変な問題を包蔵しておるのですよということをここでぜひ皆さんとともに確認しておきたいと私は思うわけでありますが、このあたりについてはいかがですか。
  21. 國松孝次

    ○國松政府委員 二点御質問があったと思います。  一つは、政治活動から選挙運動へ移行する間につきまして、政治家といいますか、それをおやりになるお立場から、その意識というのは非常に連続しておるのだという前提に立っての御質問がございました。  私ども取り締まりをする者といたしましては、そういう連続性があるというようなことについては十分考えた上で取り締まりをやっているつもりでございまして、先ほどから、私どもはある程度、裁量の余地が大変あって、正当な後援会活動まで踏み込んで、それは選挙運動である、そこで金が出れば買収であるというような感じの御質問がございましたけれども、そういうことは全然ございませんで、やはり選挙が特定をし、特定の候補者ができて、実質的に、特定の選挙に関して特定の候補を支持してくれとかというようなことをやる、それに関してお金が出たということについてかなり厳格に絞って、私どもそれを買収として取り上げ、検察庁に送っておるということでございます。  この辺のところは私ども、確かにおっしゃられましたように最近後援会活動というものが昔と違って大変活発でございます。そういうものと選挙運動との差異というようなものにつきましては、私どもこれから十分その区別をしながら、その区別のついた部分で選挙運動にわたっておるというようなものについて取り締まりの目を向けていくというようにはしていくつもりでございますし、決して私どもの裁量で何でもかんでも後援会活動までやってしまうというようなことではございません。  それからもう一点は、大変難しい御質問でございましたけれども、公職選挙法におきます買収事件の捜査の端緒というのは、私ども実はその内訳を全部統計をとっておるわけではございませんのではっきりしたところはわからないのでありますが、おっしゃるように密告といいますか、匿名の情報提供に基づいて買収事件の捜査が始まるということは確かに間々あることでございます。  ただ私どもといたしましても、密告と申しますか、匿名の情報提供というものはえてしてためにする情報と申しますか、偏った内容のものが多いということはわかっておるつもりでございますので、選挙の公平性を確保するというためにも、何といいますか、座して密告を待つというようなことではなくて、警察官による職務質問であるとか聞き込みであるとか、あるいは他の事件の捜査とのあれを通じて私ども主体的に情報収集をして、私どもの判断で選挙の公平性を確保するような買収事件捜査の目の向け方はどういうものであるかということを考えながらやっておるところでございまして、決して現実にも密告だけを端緒にした捜査が多いというものではございません。ほかの端緒も多うございまして、その点での端緒の多様化と申しますか、というものは十分配慮しておるつもりでございます。  いずれにいたしましても、委員の御質問は、我々が最も戒心をしなければならない点はおつきになっておられるわけでございますので、私どもも不偏不党がつ厳正公平な取り締まりをやるという観点から、いやしくもそういう密告だけを端緒にして買収をやっておるのではないかという御批判を受けることのないように、これからも努力をしてまいりたい、そういう公平な取り締まりを実現してまいりたいというように考えております。
  22. 柳沢伯夫

    ○柳沢委員 刑事局長がたまたま同郷で、かつて同じ部屋で席を同じゅうしていた私の尊敬する國松さんですから、國松さんのような立派な、公正な刑事警察をぜひ選挙の面におきましてもお願いするほかないわけでございます。これ以上はもう申しません。  そこで、巷間、この選挙の腐敗の問題として政治腐敗防止法が、英国の例でございますが、大変喧伝をされておりまして、こういうことをやれば大変いいことになるんだというような安易な論議が多いわけでございます。  そこで私は、政治腐敗防止法は、確かにイギリスにおいてはこれはある一定の効果を、また大きな効果を生んでいることについては結果としてそれを認めるわけでございますけれども、実はこれは、識者と言われる人たちは、この法律があったから選挙の腐敗が大変減少したということで、そういう面も全部は否定しないけれども、実はそうじゃないんだと。実はこのときからイギリスの選挙制度は変わりまして、小選挙区制、二大政党制が実現されたのでございます。それなるがゆえに、選挙の腐敗が根本として、物事の実体として改まってきた。法律が機能してということ以上に、そちらの選挙制度そのものが変わったことの方がより大きかったのではないかという指摘があって、私も状況の推移を見る限りそういうことがむしろ当たっておる。したがって、いたずらにこういう法規を我が国の現状を前提としてそこに導入した場合、果たして同様の効果が期待できるのか、この点については実は大変な問題がある。このことは指摘をしておかなければならないと思うわけであります。  そこで、最後のくだりで選挙制度の問題に入るわけでございますけれども、イギリスの選挙制度、我々同僚議員の中にも、また、ここに羽田先輩も、羽田大蔵大臣もいらっしゃるんですけれども、イギリス型の政党、政策でお互いに競い合い、そして小選挙区制で、組織政党で、候補者も政党本部が大変大きな力を持って任命をして、その反対党と競争するといったような、こういう選挙制度及びそれにつながるところの政治制度、こういうものをどう評価するのかという問題が実はあるわけでございます。  私も、学生時代にいろんな政治の本を読んだときに、例えばR・A・バトラー蔵相などは、オックスフォードの本当にまだ学生期間中に保守党にスカウトされて保守党本部に連れてこられて、すぐ立候補されて政治家としての歩みを始めだというような話を聞いたりして、大変感心をして記憶もしたわけでありますが、他方、このハロルド・ラスキの本を、これもまた古い本で学生時代に読んだものでございますけれども、こういうものをちょっと読んでみますと、そこで生まれた議員、特に陣がさの議員というのはやることがなくて困るんだ、はっきり言って。これはもう、要するに頭数でもって、それで、選挙の結果はこの党の頭数が多いからここから総理大臣が出るんだといえば、陣がさ代議士は用済みでやることはない。ああ、おれはただ頭数として頭を勘定されただけの仕事だったかといって、後はまあ、のらくら、ぶらぶらしておる、こういう掛写が実はこの本にもあります。  私は、それに比べると、我が自由民主党の一年生代議士、私も一年生代議士であったころから先輩議員を前にして勝手なことを言っておった記憶があるんですが、大変実は元気がよくて、非常に政治家になったというそのなりがいを感じるような、そういう論議を党内で実はやっておるわけでございます。果たして、そういうことを考えた場合に、一体どちらの制度がいいのか。  最近、何か、これも国会図書館の方にちょっと聞いたわけでございますが、一九七九年ごろから、バックベンチャーというかそういうような人たちも、ちょうど日本の自民党の部会のような、そういうものをつくって、議会の中あるいは党の中で各省庁別の予算の審査をしてけんけんがくがくやり始めたんだというようなことを聞かされました。これは全く、日本にだんだん近くなってしまっておるわけであります。そうして、今度は選挙運動の方も、どうなっているかというと、だんだん金帰火来になって、昔はもう政党本部が、今度はおまえここで立候補しろなんていって指示をされると、まさに党の服を着て、党の政策を持って反対党と戦うというようなことをやっておったというんですが、だんだん選挙区と議員個人との結びつきが濃くなってまいりまして、このごろは選挙区に事務所を置く、そして金帰火来で選挙運動をやっている。何だかだんだん日本に似てきた。中には、イギリスの学者の中では、一党優位制の日本の政治が非常によくて、そうして、なるがゆえに日本はあんな経済的発展をしたんだ、こういうようなことの説をなす者まであらわれている。  我々もよく知っておるジェリー・カーティス、アメリカのコロンビア大学の政治の、特に日本の政治に詳しい先生も、日本は今、古典的な意味でのヨーロッパ型の政党を倣おう倣おうなんというような論議が行われているようだけれども、何を、どこに目をつけて見ておるんだ、実は日本の政党が最も近代政党ではないのかということをカーティス教授は言っておるわけでございまして、私どもは、これはよっぽど心していろいろな論議に取り組んでいかなければいけないというふうに実は思っておるわけであります。  日本の政党は本当に、特に自由民主党は不思議です。私はよく言うんですけれども、自由民主党は党ではない。これはまあ、ちょっと総裁を前にして不謹慎きわまりない言辞でございます。それは承知の上で言っているんですが、日本の中の政党は、私は、自民党は控除説だと言っているんです。共産党の方はある思想を持って出られた、公明党の方もそうだ、それから社会党の方も、少なくとも今までは組合とかなんとかの関係で出られた。それぞれ行きがかりのある人たちが出られた後、その他大勢が実は自由民主党である、こういう感じだろうと率直に言って思っておりまして、そのことは選挙民にも私なんか言っておるわけです。  しかしこれは、目下公人さんという人がいらっしゃるんですけれども、私は自由民主党の総合政策研究所というシンクタンクをつくったことにかかわった人間なんですが、そのときに、いろいろと大学の国家公務員の先生方もこのスタッフに加わっていただくというときに、ちょっと私心配して、公務員でも政党のスタッフになっていただいていいんでしょうかねと言ったら、目下さんが手を挙げて、自由民主党は政党でありませんから大丈夫ですよと言われて、いや、それは参ったお話だなということでびっくりしたこともありますけれども、まさにそういう状況であろうと思うわけであります。  しかも、それぞれ我々、これは今の若手の会、自民党の中で政治改革に燃えている人たちはそれが気に入らないと言って指弾をしておるわけでありますけれども、はっきり言って自民党の、はっきり言ってというのはまずいかもしれませんが、泊民党の候補者で公約なんて一回も読まずに立候補している人たちがもう大半じゃないかというように思っておりまして、まさに我々が選挙で問うているのは、私自身を人的に信頼してください、私に信託をしてくださいということで実はやっておる。その人たちが集まってきて何をやるかというと、総合調整です。ですから、我が自民党は何物も公約しないで、自由民主だけ公約して、これはもうみんな共通の価値ですから差別化という意味では何の公約でもない、そういうものを背負ってきて、もうすべて白紙委任みたいな格好で我々は政策のかじ取りをしている。これが我々の政党だろう。そこにはもう一年生代議士もけんけんがくがく参加できて、そういうところから、幹部に席を連ねている人たちは民意はどの辺にあるかということを推しはかって、それで政策を積み重ねてきた。こういうのが私は実態ではなかろうかと思うのですけれども、こういうことでやってきて、少なくともそのパフォーマンス、実績、アチーブメントとしては、完全に、かなり世界の中で成功したという我々のこの制度が、一面また制度疲労を起こしたかということが心配されておるわけでございます。  その一つはどういうことかというと、湾岸危機のときにあらわれた政治指導の弱さと言われておることでありますが、この制度疲労というようなことを我々は本当にそのままもう認めていいんだろうか。確かに最近、先ほど、冒頭塩川自治大臣は私に、十年置きぐらいということを言って、政界に不祥事が見つけられるということですが、今問題は、十年置きならまあいつもの例がということなんですが、次々起こっていることが実は問題なんですね、次々起こっていること。私は、しかし、これを我が国の政治制度の制度疲労と見るべきか、あるいは、経済界でも起こってしまった、我々の経済社会にびまんしてしまったバブルの現象の政界への反映と見るべきか、そういう一時的な事象の政界への反映と見るべきかは、大変な実は問題を含んでおると思うわけであります。  だから、そういうことで短絡的に私どもが本当に我々の選挙制度を根本から変えてしまっていいのかということについて、大変私は疑問に思い、また、いろいろな人たちがいろいろな論議をしておるのに耳を傾けている最中でございますけれども、この制度疲労論というものに対して、最後に総理から一言お言葉を賜って、私の質問を終わらせていただきます。
  23. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 冒頭におっしゃいましたテーマを一時間半にわたって全面的に展開をなさったのを非常に注意深くかつ関心を持って承っておりました。事は緊急を要しますけれども、しかし、おっしゃいますように、将来に向かって非常に重大な影響を及ぼす改革でございます。制度以前の問題もあると思いますし、また、その制度の背景もあろうと思います。また、制度がどのように運用されるかという問題もあろうと思います。そうしてまた、いえば、なぜ制度がそのような結果を生んだかということまで今おっしゃったところでございますが、そういうことをいろいろに考えながら、政治改革は急を要しますけれども、今御指摘のいろいろな点をお互いに考えながら、将来に向かって悔いのない改革をこの際お互いにしてまいらなければならないということを、御質問を伺って痛感をいたしました。
  24. 柳沢伯夫

    ○柳沢委員 ありがとうございました。終わります。
  25. 山村新治郎

    ○山村委員長 これにて柳沢君の質疑は終了いたしました。  午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。     午前十一時三十一分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十三分開議
  26. 山村新治郎

    ○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。伊藤茂君。
  27. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 我が党の予算部会のレギュラーの皆さんと御相談いたしまして、質問に立たせていただきました。  総理も御承知のように、昨年九月に私どもシャドーキャビネット、影の内閣を組織いたしまして、今は社会党中心でやっておりますが、やはり政権交代のないことが今、日本の政治でも一番ゆがみの原因になっていることですから、今日の事態につきましても我々がもっとしっかり勉強してもっと大きな責任を持って、そうして新時代をつくるようにしなければならない。もちろんですが、できるだけ早く他の野党の皆さんともさまざまな障害を乗り越えて、連合したそういう影の内閣を組織をするというふうな気持ちで努力をいたしているわけでありますが、そういう立場を含めまして、集中審議の場で時間を与えていただきました。そういう気持ちで幾つか質問をさせていただきたいと思います。  私どもの気持ちなんですが、昨年夏でしたか、ドイツの元首相のシュミットさんがお見えになりました。話をしておりましたら、政権党になろうと思ったら、相手の悪口を言う前に自分は何をするかを立派に主張するようにということを言われました。しかし、そうは思っても、批判の方を先にどうしても言わざるを得ないような残念な今日の政局ということもございますが、シュミット元首相がおっしゃったような気持ちも含めながら私ども努力をしてまいりたいと思っております。  今日の状況、特に政治改革の集中審議という場でございますけれども、町の皆さんと話しておりましても、本当にこれは、我が国は、我々の国は一体どうなってしまうんだろうかというふうに時々思わざるを得ないような深刻な状態であると思います。政治、経済のスキャンダル、社会のさまざまなモラルなどを含めまして、一体これで誇りある我が国がつくれるのだろうか、政治の責任は本当に極めて大きい、私ども日夜思うところでございます。  そういうことを考えますと、この国会でもさまざまの疑惑や問題についての徹底究明、全容解明、同時に、ここでもうこういうことはできないように、やらないようにしようという意味での徹底改革、二つの大きな使命を担っているというふうに思うわけであります。  最初に一言だけ私ども社会党の気持ちを申し述べておきますが、私どもは今の徹底究明につきましても、私ども社会党は、もし万一何かあった場合には、そのたびにみずからを鍛えて、みずからをもっときれいにして、もっと強力によりよき政治のために努力をしなければならない、私ども三役の一人としてそういう気持ちでやっていかなければならないと思います。与野党を通じてのことでございましょう。特に野党第一党としては、そういう気持ちでの真剣な努力というものが国民の皆様への責任であるというふうに思っております。したがいまして、さまざまの主張を鮮明にいたしますと同時に、党内でも、何かあった場合には調査特別委員会あるいは山花書記長を中心にしてきちんとした対応、措置などをどうするのか、そういう決意と気持ちでやっていく。隠したりごまかしたり、あるいはまた今一番焦点になっている方のようにどこに行ったかわからぬとか、そういうことは私はしてはならないという気持ちで社会党は真剣にまじめにやっていきたいというふうに思っております。そのことを前提に一言申し上げておきたいと思います。  まず最初に、総理にお気持ちを伺いたいと思います。  最近のいろいろ起こっていること、午前中の議論でも、十年に一回サイクルの政治スキャンダル、今は毎日か日常、本当に新聞にも泥沼政治とか泥沼政局と書かれております。その議会の一員として、私ども非常に恥ずかしい状態であると思います。私は、当面の状況を考えてみましても、一つには、かつて我々が全会一致で決めた倫理綱領あるいは行動規範、全部手帳に皆持っておるわけですから、この内容をみんなが改めてやはり自分たちのものとしてみずから対応するということが大事なことではないだろうか。  私が申し上げる必要もございませんけれども、この倫理綱領の第四項にも、「政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」我が党だって、残念なことがあったら中央執行委員やめていただきました。そういうことをきちんとしていくということをみんながやはり前提に持つということが政治家の責務であろうというふうに思います。もう忘れているんじゃないだろうか。あるいはまた、これは倫理規範ではあるけれども全然倫理規範としてみんなの政治家の念頭にないという状況、もう一度これをきちんと踏まえて我々はスタートをしなければならないというふうに思いますが、当然のことだと思いますが、総理、いかがでございましょう。
  28. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 まことに御指摘のように暗い話題が多く、政治にある者として大変に残念なことで、みずからを戒めなければならない必要を痛感いたしております。伊藤副委員長が言われましたように、その基本はまさに倫理綱領でございまして、厳しく自分を律していかなければならないということを感じております。
  29. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 具体的に伺います。  社会党としての対応の気持ちは先ほど申し上げました。さまざまのここに書いてある、倫理綱領に書いてある、疑いが持たれた場合、疑いが持たれているケースは頻発をいたしているわけであります。「疑惑をもたれた場合」ですね。マスコミでも、まあ週刊誌か何かいろいろなことは別といたしまして、いろいろなところでやはり話題となっているという状況でございます。つい最近でも、例えば、名前は余り言いたくありませんが、三塚さんが秘書がどうとか一千万円とか、あるいはまた、個人的に私も友人ですが、愛知さんが東北佐川から二千万円とかいうような報道がなされております。この倫理綱領の内容からいたしますと、そんなことが出る前に、あるいは出たらすぐみずから明らかにする、それは本人が否定するとかなんとかというコメントだけではなくて、国民の前にやはり誠実に、「明らかにする」と書いてあるとおりやるのが私は政治家の筋であろうというふうにも思います。  総理、総裁もお兼ねになっておりますが、我が党でやっているような、きちんと調べたり、本人の意見を聞いたり、それから事情を調査し、そして政治自体を、またみずからの党も、政治全体も姿勢を正していこうというふうな措置はこれらについて今現在おとりになっておりますでしょうか。
  30. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 倫理綱領はまさしく御本人一人一人の問題でございますので、そのようなことがあれば御本人がみずから律せられるに相違ないというふうに考えておりまして、いわば町で言われておりますことそのものを私ども事実であるというふうに別に取り上げてはおりません。御本人に問題があれば御本人からお話があるというふうに考えております。
  31. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 先ほど午前中の与党の御質問の中でも、政治家としての友情というような気持ちでしょうか、固有名詞など取り上げないというお話がございました。私ども政治家同士は、与党、野党立場が違っても、お互いに尊敬する国民の代表である、論議は真剣に交わす、そういう政治で当然ありたいと思います。そうでない状況が起こっているわけであります。今総理の御答弁でも、これは御本人が責任という趣旨のお話がございましたが、私は、それが完全に行われていないという今日の状況のもとにおきまして、党としても、野党でも私どもは毅然としてやります。そして、よりよき政治、きれいな政治に努力をしていきたいと思います。与党でもやるのが当然じゃないでしょうか。まあきょうは政府代表の皆さんでございますから、総裁以外は、閣僚でございます、政府の代表でございますので、それ以上あえてここで議論はいたしませんが、そういうことを党としてもきちんとするのが責任ではないだろうか、厳しく毅然とやるというのが責任ではないだろうかという気持ちがいたします。本人がという、今の現実問題として見ますと、総理の御答弁だけでは私は大変不満であります。  もう一つ総理に確認をさせていただきたいと思います。例えば、それは去る二月二十九日に当予算委員会の理事会の確認がなされております。その中で、自民党理事の皆さんから回答があって、「たとえ刑事被告人といえども慎重に人権上の問題、司法権の関係を配慮した上その実現を計るものとする。よって証人喚問実現に向け、本委員会において引き続き誠心誠意努力する。」と書いてございます。私は、趣旨は結構だと思います。新聞には、しかしもうそんな必要はないだろうという趣旨の報道が随分なされております。私は、これでいいんだろうかという気持ちが本当にするわけであります。総理、いかがでしょう。やはりこういう申し合わせをして、自民党が回答したんですから、本当に真剣にこういう趣旨を体するということで国民の代表としての議会は対応をすべきではないのでございましょうか。具体的な取り運びは別にいたしまして、気持ち、いかがですか。
  32. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 当委員会におきまして理事の方々の間でお話し合いがございましたことを承知しておりますが、そのことをいかにお運びになられるべきかということにつきまして私がとやかく申しますことは僭越かと思いますので、私の考えは差し控えさせていただきます。
  33. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 大変私は不満であります。要するに、さっきも申し上げたのですが、私はそういう答えを聞きますと、どうしてももう一つ突っ込んで総理の御見解を伺いたいと思います。  今我々が当面している状態というのは、さっきも申し上げましたように、十年に一遍のサイクルで発生をするスキャンダルか問題を究明するというふうな状態ではもうありませんですね。構造的になっている、日常起こっているというのが今日の状態であります。言うならば、政治への国民の信頼が根本から揺らいできつつあるという深刻な現実。  きのうの夜もどこかのテレビを見ておりましたら、電話調査だと思いましたが、世論調査の数字が出ておりました。内閣支持率二四・九、不支持六二・〇、わずか四カ月の間にそれぞれ二分の一、二倍になりました。同時に、日本の政治を信頼するか、信頼する一六%、信頼できないと七%。ショックを受けました。本当に深刻な状態であります。  そしてまた、内外ともに問題が山積をいたしております。世界は歴史が目の前を音を立てて歩いているように変わっている。これから新しい世紀に向かってどうするのか。先般の日米首脳会談を見ましても、総理は友情という言葉を使われましたが、私は、長い目で見ての本当の友情というのは、二十一世紀のアメリカはどういう姿になるのか、二十一世紀の日本はどうなのか、そういうことを突っ込んで議論して、お互い長期に間違いない友情というようなことではないだろうかというふうな気持ちがいたしますけれども、その議論は別途にいたしまして、やはり政治全体、政治改革という場合に、先般も合宿勉強なさいまして、その後、党の四役との協議や総務会の議論があったという経過も聞いておりますが、その中でも、定数是正、政治改革、倫理あるいは国会・党改革というようなテーマを挙げられております。  今、総理、どうでしょう、そういう個別の問題ではなくて、本当に、個別問題か何かではなくて、日本の政治のあり方、言うならば政治と金の問題あるいは国会、運営その他含めて今のままでいいのかどうか、全体像として政治をどうするのか、そういうものを大胆に提起をしなければならないというふうな時期ではないだろうかというふうに思うわけであります。  あえて申しますと、私は、いつも政治改革の資料といいますと、いつもその中には亡くなった三木さんの、三木元総理のいわゆる三木私案、何遍か読み返しました。何遍読み返してみましても、やはり大変意味のある御提起をなさったと思っております。あるいは前の総理の海部さんも、口を開けば年じゅう、政治改革、政治改革、ミスター政治改革というような顔でいつもやられておりましたし、そこにいらっしゃる大蔵大臣などは、大蔵大臣になる前はぎらぎらと、まあ内容は私ども反対しましたが、まさにミスター政治改革で行動されたわけでありますが、やはりそういう鮮明な顔と、意図と、大きな構想あるいは内容というものが提起をされる、それが今の日本の政治にとって、個別問題ではない、日本の政治の長い歴史の中で今これをやらなかったら政治家としては大変だという決意と意欲というものが必要ではないだろうかという気持ちがいたしますが、総理、いかがですか。
  34. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 御指摘のお考えの基本は、まことに同感でございます。基本的には、やはり政治家一人一人の倫理の問題があり、また政治の腐敗をいかにして防ぐかという基本的にモラルの問題があるわけでございます。そして、しかしそれをさらに具体化していくといたしますと、当委員会におきましても長いことこの問題についての御議論、御審議がございますし、また各党におかれましても、私どもの党におきましても、ここは何かをやはりしなければならないという意識はおのおの非常に高まっております。けさほども柳沢委員の御発言にありましたが、事は非常に緊急を要する、しかし将来に向かってまた大変に大きな影響を持つ問題でございますから、緊急な中にも慎重に、しかし時間を余り長くかけるわけにはいかない。ただいまお話しのような各般の問題につきまして、政治改革の実をこの際上げていかなければならないと考えております。
  35. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 具体論に入ります。  その一つは、総理は、また総裁としても、三月の中旬をめどに自民党の基本方針をまとめる、まあ、時間は少ないが、できるかどうかと思いますが、今国会で順次具体策の成立を図るという趣旨のことをニュースで伺っております。  私は、特にこの政治倫理とか、それから腐敗防止、そしてそれに伴うところの立法措置というようなことを初め、この国会で、やはり国民の皆様に目に見えるように、ぜひとも具体策を図る、それができないで、参議院選挙でお互い建前を言っているということは許されないやはり状況ということではないだろうかというふうに思いますが、総理の責任として、そのところをどう決断を持っておやりになるという気持ちなのか。  それから、もう一つつけ加えてお答えください。  きのうの当委員会での宮澤総理のいわゆる三点セットに関する問題、御答弁とかいろいろ伺いました。今の答弁も伺いました。やはり、国会でお決めになったら当委員会でという言い方を総理なさるわけであります。もっと能動的であっていいんじゃないでしょうか。やはりトップリーダーとして、自分がこの今の状況を変えるんだ、これは日本の政治の長い歴史の中での大事な大事な一つの一時期なんだという御認識で対応されるということが求められているのではないだろうかと思いますが、その二点。
  36. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 後段の問題で、昨日申し上げましたことは、私が必要な資料も御提示いたしましたし、私自身で前国会以来誠意を持ってお答えを申し上げております。なお必要なことは私がお答えを申し上げ、誠意を持って処理いたしますということを実は申し上げようとしたわけでございます。  前段の問題は、私どもの党内におきましても、実は政治改革本部、選挙制度調査会等々を中心に今大変に白熱した熱心な議論が続いておりまして、私としましては、この月の中ごろにでも各党の協議会をお開きをいただいて、各党もいろいろ案をお持ちでございますから、その中から協議会としての案をおまとめいただくことができて、そしてこの国会で成案を、法案を要するものは成案を得てこれが成立する、そういうために、そういうスケジュールを頭に置いて私どもの党内の作業を進めてほしいということを党内に申しておりますので、したがいまして、この国会において各党の合意が成立いたしますことを心から期待をし、また努力もいたしておるところでございます。
  37. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 その中でも最も急を要するのは、これは野党共同の立場でもございますけれども、いわゆる政治腐敗防止法あるいは政治倫理法のようなものをどうつくっていくのかということではないかと思います。  その中身の必要性の前に、現実問題として、これは皆様に御認識をお願いを申し上げたいと思います。  総理が今おっしゃいましたように、与野党合意いたしまして政治改革協議会が設置をされている、成っているわけであります。今月の中ごろにもそれをお開きいただきたいというお話がございました。私どもは、今野党もこれから真剣に相談をするということになっておりますし、各党ともそれぞれ政治腐敗防止についての見解は出しております。まあ、ほぼ大体同じ内容、ほとんど同じ内容でございますし、私が政策担当者をやっておりました何年か前のときにも随分関係野党集まりまして、勉強したり、合宿したり、真剣な議論をして、政治倫理法要綱などをつくりまして、国会にもお示しをしたりという経過もございますから、大体その方向で完全に足並みがそろって要望するということになると思います。  私どもは、とにかく倫理規範として政治倫理綱領などなどがある、行動規範がある。しかし倫理規範では残念ながら守られていないということですから、やはりこれを法律規範として作成をしなければならないというふうに考えているわけであります。  諸外国の例を見ましても、私から申し上げる必要ございませんけれども、イギリスではほぼ百十年前ですね、一八八三年の政治腐敗防止法などの手配があるわけでありますし、アメリカの場合でも一九七八年から始まりまして最近の八九年改正の政府倫理法というものがございますし、厳重な資産公開制度というものも実行されております。ドイツでも八七年には倫理規則の全面改定というのも行われておりますし、フランスの場合でも、スキャンダルが発生をいたしまして、やはり徹底的にそれをなくしなければならぬということで政治資金浄化法が制定をされ、さまざま手配もされている。イタリーの場合、韓国の場合、いろいろな例が御案内のとおりであります。  これは、世界の常識ですね。世界の常識。同時に、与野党協議の場でもこの世界の常識をどう日本の国会で具体化するのか、日本の政治でどう現実にするのか、私は、これは最大のやはりポイントであり、またスタートであろうというふうに思うわけであります。やはり、非常に大事なときですから総理ここは、前にも竹下さんの内閣の当時なども、私ども伺っているところでは、政治浄化法というようなものの必要性、そういうものをどうつくったらいいのか、できるのかというふうな与党内部での研究などもあったというふうにも伺っております。そういうものをどう前向きに真剣にやはりやろうかというところが、総理が先ほどおっしゃったような、今国会での流れができるかどうかのかなめではないだろうかと思うわけですが、いかがでございましょう。
  38. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 先ほど来の御質問をずっとお聞きしておりまして、一番伊藤さんのおっしゃっていますのは、やはり倫理と政治制度との関係、この全般を改革しろという、こういう勇敢な御提案だと思っております。そして、野党の先生方が集まりまして、合宿までされて、いろいろと御提案あったことを私たち承知いたしております。それなんかを受けまして、前国会におきまして政府提案という形で提出したんでございましたけれども、審議未了という格好で廃案になってしまいました。  ついては、今回私たちが考えております、また総理から具体的な指示がございますのは、やはり政治改革全般を明確にして、その中で与野党合意がついて速やかに実行できるものは部分的にもうできるだけ早くやっていこう、こういうことでございますが、しかしその全般については、大体四つのことをおっしゃっていまして、一つは選挙制度の問題、それから二番目には政治と金との関係、そして腐敗防止の関係、そして見なり国会の改革、こういう順序で物を考えていって、こういうことでございました。  きょう午前中の質問の中にもございましたのですけれども、一八八三年の法律、英国において実施されました。これによりまして確かに政界浄化されたのでございますが、このときには選挙制度も同時に改革されてきておって、二年後にやはり英国は小選挙区制に変わってきたということがあります。我々としては、今この国会で非常に重要視しなければならぬことは、政界の浄化そして選挙制度ということをいろいろ議論いただいておりますが、その根本に与野党が一致した意見がきちっとできておるのであります。それは昭和六十一年五月二十一日でございましたかと思うんですが、国会におきますところの国会決議でございまして、この決議の趣旨というものが非常に明確にしかも具体的に書いてございますので、私は、与野党政治協議会において話していただく場合、ここを一つのスタート点にしていただいて、そしてこれと政治資金との関係をきちっと明確にしていただく、こういうことがまず先決ではないか。そして同時に、おっしゃいますように政界浄化、すなわちこれは腐敗防止であろうと思いますが、あるいは政治倫理法となるのでございましょうか、これは精神論は確かにうたわれてまいりましたし、我々の国会手帳にも記載されて拳々服膺しておりますけれども、おっしゃられるようにこれの具体化についてはなかなか明確に出ておらないのでございまして、それはこの際にぜひ各党協議の上で具体的なものを詰めて明示していただければ結構かと思っておるところでございます。  いずれにいたしましても、総理から指令が出ておりますので、私たちはその線に沿いまして鋭意準備いたしておりますが、何としてもこの問題は各党間の合意を得て進めるということが前提になっておりますので、できるだけ早く各党協議会を開始していただくように深く期待しておるところであります。
  39. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 総理の御見解を伺う前に、ちょっと一言申し上げておきたいと思います。  塩川さん、いろいろイギリスの経過とか随分御勉強なさっているんだと思いますが、私も負けない程度随分この経過はこのところ勉強いたしました、この三年ぐらいですね。よく小選挙区とセットとかいろいろ言われております。与党の方は特におっしゃるわけであります。私は、審議経過、八三年の法律は八〇年に提起をされて、それから与野党の幹部層が合意をして、あの現実のときには、例えば司法長官が、労働党内閣だと思いますが、提起をする、それに対して野党の方の責任者が相呼応する、それでやろうではないかという形でスタートをして、そして三年の間に一番難しかったのはむしろ各党のフロントベンチャーとバックベンチャーとのあつれきと申しましょうか、随分苦労されたというような経過も伺います。その議論のときに、腐敗防止法の議論のときに並行して小選挙区制の導入ということが、並行議論ということはないですよ。あそこは三点セットじゃないんですよ、経過としてね。一番最初に有権者の幅の拡大というものがまずあり、それから腐敗防止があり、その後で小選挙区。何か三つセットで議論されたという経過と違うんですよ。僕も随分調べてみました、あの経過を。ということなので、何か都合のいい解釈でないように私はお願いしたいと思います。  総理、私は、今の状況から見たらお金と政治との関係をきちんとしてもらいたい。クリーンな調達をどうするのかということは後ほど私も述べますが、やはり必要なお金は要るんですから、それをクリーンに調達、どうしたらいいのかという構想は申しますが、やはり何かそのスキャンダルか腐敗かをなくさなくちゃならぬ、その証明ですよね。国民の皆様への証明書というものを、もちろん正式なものはありませんよ。中身は幾つか私どもも柱を持って提案をいたしますけれども、そういうものを持ってやらなければならない。これが今日の政治の国民の皆様への最優先課題であろう、また責任であろうというふうに私は思うわけであります。  与野党協議という話が出ました。私ども野党は足並みそろえてこの問題は最優先課題ですよということを、総理おっしゃるように開催しましたら、皆様に我々主張すると思います。与野党合意ではないんですよ。これをあなた方与党の方が、総理・総裁の与党の方がそういうことに前向きに、真剣に呼応、対応してやりましょうというお気持ちを持たれるかどうかが与野党協議でのその中身のかぎなんですよ、実際は。今までの与党の中でのさまざまの御見解なり、こういうことについてやるべきだという御意見なり、いろいろなことを私は個人的には伺っておりますが、その決断をどうするのかということであろうというふうに思うわけであります。  これと、それから政治資金、その他いろいろな制度があることは私どもも承知をいたしております。しかし、三木さんを初めとしてあなた方の先輩が出されてきたそういう方向をここでやはりやろうではないか、名前は政治倫理法か政治腐敗防止法がそれは問いません、やろうではないかという方向に消極的な態度をおとりになるんだったら、総理のおっしゃるようなあれは進まぬと思います、私は。  総理、いかがですか。やはりそういう方向に、国民の皆様への証明として、そしてほかの国がみんなやっている世界の常識なんですから、アメリカでやっている資産公開、あるいはイギリスで百十年前にやったことがなぜできないんだ、やはりこの不信感があるわけでありますから、それは決断あるいは前向きに勇断を持って御相談をするということではないかというふうに思いますが、総理いかがでしょう、総裁としても。
  40. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 先ほど塩川自治大臣が答弁されましたように、私が私の方の党に要請いたしました問題の点は四つでございます。これはお聞き取りいただいた四つでございます。無論その中には政治資金の問題も入っておるわけでございます。また、国民の関心がその点に非常に高いということも言われるとおりと思います。  で、将来といいますか、今当面の、この国会というような意味での当面でございますが、それと少し後の全体像、やはり全体像を考えながら当面急ぐことをひとつ党内のコンセンサスをつくってほしいというのが私の要請で、今私どもの党はその努力をいたしつつございますので、恐らく各党におかれましても、また伊藤副委員長が言われましたこともそれと遠からぬことをおっしゃっていらっしゃいますと思いますので、それは各党協議会が開かれますと、まとまる部分からひとつ立法化をしていただくということでお進めいただいて、この国会にできるだけの成果を上げていただいたらいかがであろうか。私どもも今そのために努力をいたしておるところでございます。
  41. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 総理が、総裁としてということも含めてでしょうかお示しになりました検討する四つの柱ですね。新聞では定数是正から始まっておりましたからちょっと順序が逆じゃないかと思いましたが、順序は別といたしまして、四つの柱を私どもも承知をいたしております。その四つの柱の中には政治資金、また政治倫理という柱もかかっているわけでありまして、そうなりますと、向かう方向が共通をすれば、私どもが主張している、野党が主張している方向とその政治倫理という四つの中の重要な総理のお示しになった柱とかみ合ってくるというふうなことではないだろうかというふうに思いますが、我々が統一して足並みをそろえて提起をするに違いないと思いますが、そういう方向と、それから総理が提起をされている倫理という柱と同じ方向で、何かそういう形で具体的に成案を得て成立させるという方向にぜひとも進むべきであると思いますし、今、ちょっと歯切れが悪いんですが、お話を伺いますと総理もそういうお気持ちかなというふうにも伺えますが、そう理解してよろしゅうございますか。
  42. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 私が党の方に要請しておりますまさに問題の一つに、今のいわゆる違憲と言われるような定数の問題があるわけでございます。  このことは、御承知のように裁判所との関係では、国会として早急な努力を求められておるところの問題でございますので、等閑に付するわけにはまいらないということで、私としても四つの問題の実は第一に挙げたわけでございますので、そのことはやはり大切な問題であるというふうに私どもの党内では考えておるところでございます。  そのことももとよりお含みの上と存じますけれども、いずれにいたしましても、各党協議がまとまるという形でございませんと立案というものは事実上できないわけでございますから、その点につきましては、合意の得られましたものからひとつこの国会において立法していただきたいということを希望いたしておるところでございます。
  43. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 もう大事なときですから、総理、やはり我々だって国会の中で活動をし、地域を守り、いろいろな議論をしながら、国民から問われますよ。野党の我々でも一体どうなっているのだと言われますよ。そういう中で、さっき申し上げましたが、イギリスのことばかりよく言われましたが、イギリスだってアメリカだってドイツだってフランスだって韓国だってイタリーだって、この数年の間にみんなやはり政府倫理法、政治倫理法、何かやろうじゃないか、みんな積み上げておるわけですよ。厳しい罰則のところもあります。ちょっと緩そうなところもあれば、いろいろな例がございますけれども、それなりに真剣な努力をしている。一番問題となって、我が日本の政治はスキャンダルだらけかと世界でも言われて、見られている残念な状況ですね。株が安定していないのだって、為替が何だって、日本の政治家、日本の将来、何か不安だなという気持ち、僕はあると思いますよ。そんな状況のもとで、こういうことについて前向きに踏み切れないということでは、今おっしゃったようなセットでとか定数とかどうとかということでは、私は、これはやはり内閣と総理の姿勢を問わざるを得ない。本当に総理、ここで今の個別問題とか、一時期ではありませんですよ、長い政治の流れ見てください。もう三年前、五年前、十年前からずっと流れて、ずっとこれが高まっておるわけですよ。今トップリーダーとして、政府としてまず第一にやらなければならぬのは、信頼してください、信頼されるように私がいたしますというみずからの努力でございましょう。やるのですか、やらないのですか。前向きなのですか、後ろ向きなのですか。これは、集中審議をせっかくやっている意味がないですよ、これをはっきりしなかったら。そうでなかったら、野党がみんな足並みをそろえて国民の気持ちに沿ってやるのですから、やりましょうと。与党の中だって三木私案だけではないですよ。私も何か浄化法つくろう、何がどう、どうできるか、我々だって随分交流して、意見交換をしたりしてきましたですよ、これは。相当の方々までそういう意見を私は伺っていますよ。  それから、これだけではない、幾つかの、政治改革には重大な柱がある。国会改革もあります、将来の選挙制度もあります、抜本改革もあります、承知していますよ。しかしこれはやらなければならないというのが、私は改革をするかしないかのかぎだろう、スタート台だろうというふうに思います。どうぞ総理、気持ちを率直におっしゃってください。
  44. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 いろいろ大事なことがあって、しかしこれが非常に大事である、一緒にやろうじゃないか、そうおっしゃっている限りでは私はそのとおりと思っています。
  45. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 私は、こういう議論を本当は何か政府に質問する、答弁するという形だけで済む問題ではないと思います。本当にこれは、協議会の席もそうなのでございましょうが、お互いに今までの惰性でやってきたことの痛みをとにかく感じても、あるいは身を切る思いをしても、お互いに何とかしなければならぬという気持ちでやらなければならぬということであろう、そういう気持ちも含めて総理に申し上げておるわけでございますから、一回ごとに少しずつ答弁のニュアンスは変わっていることは認めますが、そこはきちんと対応して、総理の姿勢と総理の決断がなければこれは進まぬのですよ、国民の見る目は、と思います。十年前、二十年前の政治、十年前、二十年前の自民党の政策執行の状況と今は違うのだということだと私は認識をさせていただいております。そういう気持ちでお願いをしたいと思います。  それから次に、では具体的なことで御質問をさせていただきたい。企業献金、団体献金の問題であります。  去年の夏だったと思いますが、去年の夏に何人かの方が、これは毎日新聞だったかな、新聞で座談会をいたしました。そのときにこういう発言の人がございました。お一人、財界人で諸井虔さん、総理はよく御承知の方ですね。お話がございまして、「企業と政治家」それから政治とお金ということがございまして、非常に率直に何かおっしゃっていたなというふうに思いますが、諸井さんが企業献金について「企業の立場で言えば、本来、企業にとってプラスにならないことに金を出すことは株主に対する背信行為であり、何かプラスのことをやろうとすると本質的に汚職ということになる。企業はいま背任と汚職のはざまにいるようなものだ。」そういう気がするという趣旨を、これは新聞に掲載された内容ですが、述べられておりました。そして、「政治資金は最終的には企業献金をやめてしまうというところまで考えるべきだと思う。背任と汚職のはざまで政治献金し、政治、行政のサポートを受けなければ企業はやっていけないという時代ではないと思う。」ということを述べられておりました。  そしてその流れの中でも、個人献金を拡大し、それから公費補助制度の導入というふうな話題になったわけでございますけれども、私は同じようにいろいろ読んだ中で、NHKの広瀬さんがお書きになっている「政治と金」ということがございまして、この中に、彼の主張ではなくてデータが載っておりますが、東京商工会議所が資本金三百万円以上の企業を対象に企業のあり方に関するアンケート調査を実施した。七百六十七社による回答の集計、これによりますと、企業献金の縮小、廃止を求めたものが五八%、現状のままでいいがわずか四%、改善の方向については、特定政治家に対する企業献金は禁止をして政党に対するものに限定すべきであるが三九%と書いてございます。そしてまた、彼の見解によれば、政党中心ですね、羽田さんたちがおまとめになったときの政府の案、廃案になった案については、「企業が財力の赴くままに特定の政治家や特定の議員集団を支援することになれば、政治の金権化が急速に進み、結局は保守政治が国民から見放されることになりかねないと読んでいたのではないか。」というふうな評論がございます。  総理、去年の九月に発表されました九〇年度政治資金報告というのを見ましても、細かく言う時間がございませんが、傾向としまして、特に自民党の皆さん、企業献金の比率は拡大をする、透明度は一向によくならない。ちなみに申しますと、透明度、寄附者氏名のある額と全額との割合、これは海部さんが一三・一%で最低、竹下さんがその次で一九・五%、宮澤さんが二三・七%、以上三つがワーストスリーであるというようなことが載っておりました。こういう状態をどう変えるのかということはまさに重要な課題になると思いますが、いかがお考えですか。
  46. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 仰せのとおり、企業献金というのはこれは非常に問題にされておられますけれども、私たち終始一貫申しておりますのは、いわば法人といえども社会活動をしておる以上は、それだけに何らかの形において政治に参加し得るのではないか、その一端としての献金のあり方を認めていくということをいたしておりますし、また一般の団体という、労働組合につきましても、意思を明確にされる一つの方法として、労働組合のいわば政治活動というものを我々も同様に認めておるところでございますしいたしますから、要するに問題は、節度の問題であろうと思っておりまして、そこに私たちも十分な注意を払いながら、節度の上から非難を受けるということのないようにいたしたい、こういうことでございます。
  47. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 二、三日前の本会議でも総理がそのような趣旨の節度という言葉を含めました御答弁をなさっておりました。意味がよくわかりません、節度という言葉だけでは。私もいろいろ調べてみました。アメリカの、最近はちょっと違ってきましたが、前のときには企業献金、団体献金、基本的に禁止、PACという制度もございますから、ということでございますけれども、というふうな例とかいろいろなことがございます。それから、各国の場合を見ましても、企業献金の比率というのは、大体個人献金の方が比率としては大きいというのが通例でございます。  節度というお話がございましたが、総理、例えばドイツの場合、イギリスの場合、フランスの場合、イタリーの場合、調べてみましたが、やはりイギリスの場合でも内部的にチェックする制度がございまして、イギリスの会社法で、年額五十ポンド以上ですから幾らぐらいになりますか、年額一万二千円か一万数千円と思いますが、企業献金をしたときには、目的、名前を取締役会報告書に記載する義務がある。ドイツの場合にも、政党法で寄附者の氏名の公表が必要である。四万マルク、三百万円弱以上ですね。フランスの場合でも、政治資金浄化法で、企業が五万フラン、百万円程度が上限になっている。イタリアの場合でも、貸借対照表に記載をする、などなどございます。  節度というお話がございましたが、巨額の資金を一つの党に集中して献金をする、それが力になって政権党を支えている。前にも消費税の後の総選挙で、消費税で得したからその業界は多額の寄附をしろなんて新聞記事もございましたが、やはりそんなことは先進国には例がないということではないでしょうか。節度とおっしゃいますが、現実には、昨年の状況を見ても、比率は高まる、透明度は低くなる、そして今度の廃案になった法律でも、そうよくなるというふうには思っておりませんが。総理のおっしゃった、基本的に企業献金に対すみ態度というものは私どもと違います。節度とおっしゃいました。どういう節度ですか。今のままでいいのですか。
  48. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 そういうお答えを本会議でいたしました。節度というのは、私はいい言葉だと思って申し上げておるのでございまして、どのぐらいということは、その会社にもよりましょうし、一概に言えないかもしれませんが、普通に考えて、ああこれはひどいなというようなことでないことというような意味で、私は、自分は考えておるところでございます。
  49. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 いや総理、その程度では、感覚的なお話では変わらぬと思いますね。やはりどのようにこれを変えていくのかということのやはり中身が具体的にないと始まらぬだろうと私は思います。現実は明らかなんですよ。どんどん企業への依存度は皆様は高まっています。財界の方だって、さっき諸井さんの例を申し上げましたが、心ある方々は、いろいろな意味で、これではかなわぬ、お金だけではない、日本の政治はおかしくなるとみんなお考えになっていると思います。いろいろな社長さん方でも、プライベートで話をするとそうおっしゃいますですよ。どうするのかということを考えなければならないと思います。  そうなりますと、私は、企業献金、団体献金、私ども野党共同で、私ども政審会長で相談したときにも、禁止、まあしかし、さまざま準備その他要りますから、三年間程度猶予期間を置いて、どう移行するのかという非常に実際的な相談をいたしました。そして、方向としてはやはり税制上の優遇措置その他を講ずるというようなことを含めまして個人献金を拡大をする、そうしてまた公費補助制度を導入をする。それについてはさまざまクリーンな対応をしなければならないということも、言うまでもございません。要するに、今のままではお金で走り回って、お金で奔走している、そういう政治の状況は、もうやめようじゃないかということです。公費補助とか個人献金とかいろいろな形できちんとする。それから特に与党の皆さん、金を使い過ぎる、たくさん使うという構造をやめるのですね。これは小選挙区であるなしとは関係ない私は原則だと思いますが、そういう上に立ってどうするのかということではないだろうか。  総理、あれですか、やはり今のような企業献全容認、ますます依存度は大きくなる、この間の現行の法律だって附則に書いてございますように、企業献金の状況を見直して、そして個人献金の比率を高めるというようなことを検討しなければならぬということは法律にもあるわけですね、現実に。そういう意味での検討なり改善なりということを真剣に考える意思がおありですか、おありでありませんか。しかもそういうことを真剣に考えて与野党協議に提供するという気持ちがおありでしょうか。
  50. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 その問題も含めて、実は総理から指示が出ております。要するに政治資金というものを団体あるいは企業からこれを外して個人に移行しようという考え方、これは、五年あるいは六年の経過措置をということが附則でついておりますけれども、漸次そういう方向に切りかえていこうということでございますが、その際、おっしゃったように、確かに税制の問題もございますし、それから組合がチェックオフをやっておりますね、あのチェックオフの状態はどういうふうに改善されるのかということ、そういうようなもの全部ひっくるめてやはり検討していくべきだと思っておりまして、そういうようなことこそ一度ぜひ各党協議機関でひとつ協議をしていただいて、方向を決めていただきたい。  先ほど来伊藤さんの非常に熱意ある政治改革への意見を聞いておりまして、まさにおっしゃるとおりなんでございまして、そこで政治改革協議会ができましたときもこの趣旨が明確にうたわれておるのでございます。要するに、「議会制民主主義の健全な発展を希求し、政治を改革し、常に国民とともに歩む政治を目指すことは各党、各議員に課せられた課題であり、また責務である。これを着実に前進させるため」、以下、各党が「次のような協議機関を設け、真剣な協議を行うこととする。」ということで協議会ができておりますので、ぜひひとつ、ここで協議会をひとつ再開していただいて、基本的なこの枠内において法律を改正しろ、この枠内において改革のいろいろな手だてをしろということ、ぜひひとつ早くおろしていただきたい、こう思っておるのでございまして、私たちが政府から見まして、政府サイドから見ますと、今ボールは国会の政治協議会の方に渡っておる、こういう認識をしております。が、しかし、だからといって我々は何も静観しておるわけではございませんで、先ほど申しました総理指示の四項目について、この審議の上で必要がございましたら、いつでもこれを提出して、御参考のために、協議をいただく資料のために提出して審議をしていただきたいという気持ちでおりますので、よろしくお願いいたします。
  51. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 率直におっしゃってください。今の企業、団体献金などの問題、やはり何か本当にこれは変わらなければならない、決断をしなければならない時期だと思います。今までの構造の中ではこれは変わりません。嫌な事件が年じゅう起きるという構造は変わらぬと思います。そうなりますと、それにかわる清潔なあるいはきれいな政治資金の仕組みをどうつくるのか。この間、小泉純一郎さんの案がございましたね。興味があって、いろいろと私どもも与党内部の御意見も関心を持って見ておりますけれども、何とかしなくちゃならぬということでそれぞれあるわけですよ、これは。ですから、やはりそういうことについて政治資金、企業献金、団体献金などのことについて抜本的な対応というものを含めて皆様方が議論する、そういうやはり気持ちで協議会に対応されますか、政府としてはそういう対応姿勢がございますか、それがあるなしで私は物事ができるかどうか随分変わってくると思いますね。  この間、私も与党の研究、随分、自由民主党とはいかなる歴史の政党かとか、あなた方は社会党についていつも研究していますね。たまたまこれは立党宣言というのがありましてね、そうしたら、あなた方の立党宣言のときに、いわゆる五何とか体制、昭和三十年のとき、「今日の政治は、少なくとも十年後の世界を目標に描いて、創造の努力を払い、過去及び現在の制度機構の中から健全なるものを生かし、古き無用なるものを除き、社会的欠陥を是正することに勇敢であらねばならない。」どうですか、そういう方向で本当にやはり突っ込んだ議論と抜本的な議論をしようではないかというお気持ちを表明してください。
  52. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 私たちは先ほど申しておりますように、協議会始まりまして、議論が各党間で開始されるということを大いに期待しておるものでございまして、それが始まりますと、いかような議論がございましても、私たち一緒に、政府の側から参加しろということでございましたら参加いたしまして、いろいろとまたその改善について御示唆をいただければ結構かと思っております。
  53. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 難航するんじゃないかと思います。本当にしかし、やはりお互いに共通にこの状況をどうするのかという責任を持って、真剣な議論を今後ともやらなくちゃならぬなという思いを深くするところであります。  ちょっと、一つ総理にこれは御見識を伺いたいことがございます。政治と金ということについて、幾つかこういう例を申し上げたいのですね。  政権交代のない政治はデモクラシーではありません。私どもも本当に真剣に努力してます。いろいろな御批評はあるかもしれませんが、私どもそういうつもりで、野党間の関係も含め、さまざま大胆な努力をしなければならないと思っております。そういうこと、これはデモクラシーの政治の哲学であります。  じゃ、ヨーロッパの場合、一体そういう哲学がどう制度に実行されているのか。例えばイギリスの場合には影の内閣、シャドープライムミニスター、どの程度のお手当になりますか、私も正確に持っておりませんが、二億円とか四億円とか言われておりますが、金額は言いません。いろいろな制度で、何かあったらいつでもかわれるんだというものがあるわけであります。  それから、ドイツの例を調べてみました。ドイツの社民党にはシャドーキャビネットという形はとっておりませんが、調べてみましたら、国がドイツ社民党の大きな政策立案あるいはシンクタンクであるエーベルト財団、国が補助をいたしております。今、年間、去年の額で八十億円ぐらいですね。同等な額をCDUなどのアデナウアー財団にも支出をされております。聞いてみました。どうですか。これはナチに対する反省とデモクラシーへの願いからやっております。ああいうことは二度とあってはいけません。やはりお互いに政権交代もある、そしてまじめな政策研究をお互いにしなければなりません。そのためには、各政党がいつでもかわれるように真剣な勉強をしていただき、国民を啓蒙することが必要です。  オーストリーを調べてみました。オーストリーの場合には、それが法律になっております。各政党の指定をする研究団体、国が応援をするというような法律になっております。  一番尊敬しているのは、私は、スウェーデンの亡くなったパルメ元首相。あの方がああいう最期を遂げられましたが、元気で首相にいられた当時に、政権交代のない政治はデモクラシーではない。それをやるためには、与党の方は官僚その他大きな機関とパワーを持っている。野党にはそれがない。それは大きなハンディキャップである。我々シャドーキャビネットでも、ハンディキャップは承知の上で、歯を食いしばっても何とか追いつくようにしようという努力をしているわけですが、しかしそれではいけない。できれば、野党の方には与党の倍ぐらい手厚く優遇すべきであるという発言をされました。私は、これが政治の一つの哲学だろうと思うのですね。  見てください。日本の財界も大きな責任ですよ。山ほどのお金、国民協会だけでも百億以上でしょう、いつも。財界もくされ縁ができる。そうして、与党は極端なマル金で、野党はマルビとかですね、こういう政治のスタート台に全力の差があって、政治のスタートするスタート台があると、基本的におかしいと思いますよ。そういう意味でいったら、僕は中身の是非はともかくとして、小泉純一郎さんのあのような発想、賛成ですよ、私は。変えるべきではないか。そうでなかったら、政策本位の政治なんかなるはずないですよ、これは。これは日本の場合には、国民的にも、欧米のそういう物の考え方、対応というものがなかなか浸透しておりません。やはり総理、何かそういう発想も持ってやるというのが、本当に与野党政権交代のある、しかも金ではない、政策をもってお互いに真剣に議論する、そういう場になるであろうことではないだろうかと思いますが、そういう欧米の政治資金と全体の与野党の構造とか、どう思われますか。
  54. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 今お話のありました国民政治協会でございますけれども、これは御記憶のように、まさに一九六〇年、昭和三十五年の安保問題の後発足をいたしました制度でありまして、御指摘のように企業と政党とがじかに金を行き来するということはやはり非常に危険がある。したがって、国民政治協会というものが間に入って、企業の利益がすぐに政党なり政策なりに結びつかないような、そういう考え方として行われて今日に及んでおりますもので、この意味では、私は企業献金というのの弊害は、国民政治協会が果たすことによって、非常に防がれているというふうに考えておるわけでございます。  ところで、どうして国民政治協会がいわば寄附の先を制限しているかということを沿革的に考えますと、発足以来のやはり私は路線の問題であったと申し上げざるを得ません。これは実はちょっと申し上げにくいのでございますけれども、ちょっと間を飛ばしまして、それでは、今国民が本当に政権交代がありたいと思われるときに、例えば国の安全保障体制はどうなるんだろうかとか、あるいはこのごろでこそ市場経済というものはもう世界の常識になりつつございますけれども、やはりそういう問題がございまして、過去でございますか、現在も多少ございますか、そういうところにやはり私は国民がいろいろ考えておられる問題があるのではないか。  これは伊藤副委員長はよく御存じの問題でございますので、これ以上申し上げることは必要ないことかと存じますけれども。
  55. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 いや総理、遠慮なしにおっしゃって結構ですよ。大体今の建前は、自由主義社会を守るためとかというような建前になっている。今、自由民主党が自由主義経済、自由主義社会を守り、我が日本社会党か、ほかの野党の皆さんの名前挙げるの失礼ですが、自由社会を破壊する、そんなことはだれも思ってませんですよ、これは。我々はよりよき着実な改革を、改革路線をどうするのかということなんで、そんなことは最近は経済界の人たちだってみんな知っているんですよ。だから、私だっていろいろな経済界の会合やその他も行っていろいろな遠慮なしの議論をやっていますよ、これは。もう大体、前はというふうに総理はおっしゃいましたが……(発言する者あり)
  56. 山村新治郎

    ○山村委員長 御静粛に願います。
  57. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 前の時代の状況とは変わっているんですから、大胆にそこはお互いに変わるべきではないだろうか。  時間ございませんので、最後に一問だけしたいと思います。  実は、国会改革なんかでも、大胆な改革、倫理法と申しましたが、国会も大胆に変わらなくちゃならぬと思います。この間も小沢調査会の報告なるものが出されまして、大いに意見があります。これからの日本の将来に関する重大問題。本当でしたら、国会という国民の代表の場ですから、小沢一郎さんを初め関係者と、それから与野党みんなでけんけんがくがく真剣な議論を活発にやるというのが議会というものだと思うのですが、何かテレビか場外でないとなかなかルールがないみたいなおかしな格好があるし、大体、きょうもお座りになっておりましたが、本会議場に、あんた、国会議員を見おろすようなひな壇があるなんというのは日本だけですから、しかも法律の提案にしたって、もっともっとやはり閣法よりも議員立法出すべき段階だろう、努力が必要だろう。いろいろな意味で、私は、この建物も運用もやり方も、本当に我々みずから新しくするという努力の必要性があると思います。  最後に、一つだけ伺います。  定数是正に対する考え方でございます。何か、報道で伺いますと、総理は今度はわずかばかりの手直しては済まないと思うという御趣旨のことをおっしゃったそうであります。党四役あるいは総務会の御意見があったことを伺っておりますが、それはどうでもいいんですが、やはりそういう中で、例えば三倍未満、四増・四減の緊急避難とか、あるいは定数については四百七十一か五百か五百十二か、それから二倍未満にしなければならないとか、いや、短期的で実現可能な課題と長期的な課題と分けて取り組む必要があるとか、まあ、だれがどう言っているとは申しませんが、さまざまのそういう幾つかの御意見があるようであります。やはりここで将来の抜本改革の議論は、また真剣にこれは闘わせなくちゃなりません、本当に。自分たち自身の問題という意味ではなくて、まさに日本の政治の新時代をどうつくるのかという意味での抜本改革の議論もしなくちゃならぬというふうに私は存じておりますが、当面、そういう定数というものについて、総理としては、そういうさまざまな御意見ございますけれども、定数の問題、それから格差、さまざまあります。それから手順というものについて、率直にどうお考えになって対応されますか。私どもの考え方は申し上げる必要もないと思いますが。(発言する者あり)
  58. 山村新治郎

    ○山村委員長 御静粛に。
  59. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 これは総理に御質問でございますが、担当いたしております者として、かわりまして答弁申し上げますと、この問題はまさに国会で唯一の合意できた事項でございます。先ほども申しましたように、六十一年五月の二十一日に国会決議がございまして、そこではっきりと国会の意思として示されております。したがいまして、定数をどのように是正しろ、こうしろとおっしゃるならば、まずあの国会決議を一回取り消すのかどうかという、ここを明確にしていただかないと議論は前へ進まないと思いますので、どうぞその点よろしくお願いいたします。
  60. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 今伺いました。昭和六十一年、一九八六年五月、国会決議、これを唯一最大のベースとして努力をする、総理、よろしゅうございますね。
  61. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 この六十一年五月二十一日の国会決議の中に「今回の衆議院議員の定数是正は、違憲とされた現行規定を早急に改正するための暫定措置であり、昭和六十年国勢調査の確定人口の公表をまって、速やかにその抜本改正の検討を行うもの上する。」とございますので、これが今私どもの知っている限り、本件につきましての各党の一致されたただ一つのベースであるというふうに考えております。  そこで、この問題につきましては、裁判所がしばしば国会におけるこの立法についての所見を述べておられることもあり、国民の関心も深いことでございますので、やはり早急に処置をすべきものであろうというふうに考えまして、党内で議論をいたしております。
  62. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 ありがとうございました。
  63. 山村新治郎

    ○山村委員長 これにて伊藤君の質疑は終了いたしました。  次に、伊東秀子君。
  64. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 社会党・護憲共同の伊東秀子でございます。  政治改革をどうするかということの原点には、政治家と官僚、行政官庁と業界の癒着をどういうふうな形で断ち切るかということが大変重要じゃないかと私は考えるわけでございますが、前回、阿部文男代議士が長官をなさっておりました北海道開発庁の大量天下りと、それからそれに伴う発注、受注の疑惑の問題を取り上げましたところ、長官が調査をお約束してくださいました。それで、その取り上げたことで大変私のところにもたくさんの情報が寄せられておりまして、開発庁のOBで現に業界におられる方とかさまざまの方々から情報も寄せられておりますので、もう一回この問題を政治改革の観点から取り上げさせていただきます。  特に、日米構造協議以来、公共事業が大変、公共事業につながっておれば業界としては景気がどうであろうとも安泰だというような、そういった風潮の中で、公共事業の受注、発注、それに伴う行政の透明度というのが何より問われているのではなかろうかと思いますので、開発庁の恥部を追及するとか、そういうことの意味ではございません、あくまでも政治改革というところで私はやりたいと思っておりますので、そういう意味でもよろしくお願いいたします。  まず、受注上位百社に全部開発庁のOBが天下りしている事実、それと、それから近年特に、平成元年になって以降ですけれども、部長や局長以上の開発庁の幹部の民間会社、つまり土建業界でございますけれども、役員への天下りが急増しているという問題を取り上げたわけでございますが、その点について調査した結果を簡単にお述べいただけますでしょうか。
  65. 伊江朝雄

    ○伊江国務大臣 お答え申し上げますが、数字の問題を伴いますので、まず最初に事務当局からのお答え、お許し願いたいと思います。その後でまた申し上げたいと思います。
  66. 竹内透

    ○竹内政府委員 さきに御指摘をちょうだいいたしました点、三点あったかと思うのでございますが、その点についてお答えを申し上げます。  まず第一は、今御指摘ございました開発局からの受注高上位百社に四百七十一名の北海道開発庁出身者が再就職しているという御指摘でございますが、おおむね先生御指摘のとおり、こうした百社に約四百七十名の開発庁出身者が再就職いたしておりますけれども、そのうち六割強は役員以外の職員として働いているものでございます。そしてもとより、再就職の際には、行政の公平が損なわれることのないよう、国家公務員法の規定に基づきまして審査、承認の手続を経ているわけでございます。  第二に、ちょっと御指摘もございました元局長を迎えた企業の受注額が六十一年から平成二年に急に上がっておるという御指摘をちょうだいしたかと思うわけでございますが、確かに御指摘のような事実はございました。ただ、企業の受注額は、大型工事の受注とかそれの完成といったこと等で年により変動をいたすものでございますし、また各企業の技術力とか経営努力によるという点もございますので、六十三年の元局長の就職といったようなこととは直接の関連はないというふうに考えております。  それから第三に、この昭和六十二年から平成二年にかけまして、開発庁出身者の幹部の会長職が大変ふえておるじゃないかというような御指摘をちょうだいしたかと思うわけでございますが、その会長職に関連をいたしますと、昭和六十二年と平成三年を比べますと、さきに御指摘をいただきましたとおり、開発庁出身の会長とか副会長が十八名から三十二名と増加しておりますけれども、これらの三十二名のうち半数の方々は代表権を持っていないというような状況でございますし、会社のほとんどは従業員が数名、数十名の零細な企業、そういったものでございます。
  67. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 今の御答弁を伺っていますと、大変何事も明朗で問題ないというような調査結果のように例えるのですけれども、昨日の新聞のトップ記事にも上がりましたように、大変道民はその問題に対しては疑惑を深めているというのが実態なんですね。  私が調べましたところ、私、受注百社その他の資料を入手しておりますが、六十二年度は、今申し上げましたように会長職が十八、社長百四十四、副社長三十一、専務八十四、常務百九十九、取締役二百十二、顧問百八十八、こういう状況であったのが、平成三年度には、会長職が三十二、社長が百七十六、何と増加率は二二%、副社長の数は四十、増加率二九%、専務が百二十二名、増加率三八%、常務が二百七十二名、増加率三七%、取締役が二百六十三名、増加率二四%、顧問が二百八十八名、増加率五三%という形に急激にこのわずか四年間の間に民間の役員への開発庁の部長クラス以上の方々の天下りがふえております。事前に開発庁の方にお伺いいたしましたところ、おおむね間違いないということでございまして、このような増加が、なぜこのわずか四年間にふえたのか、その辺はどのように調査なさっていらっしゃいますでしょうか。
  68. 竹内透

    ○竹内政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘いただきました数字はおおむねそのような数字になっておるところでございます。これは、一つには離職者の数というものは、これは資料で御提出したかとも思いますけれども、例えば六十二年再就職いたした者が八十八名とか六十三年九十一名、元年度百一名といったような数字でございまして、退職しまた再就職する者の数が急激にふえておるということはないわけでございますが、何分一つの高齢化社会でもございまして、人生八十年時代といったようなことでもございまして、そういう形でいわばストックとしての方々がふえるという面もございますし、例えば技術顧問、そういったもので見ますと、これも大変数がふえておるという御指摘をさきにちょうだいしたわけでございますが、開発庁の退職者にはそういった一級建築士等々、各種の技術資格を持った者も多うございまして、そういった技術力を買われて技術スタッフとして迎えられる例が多くなっておりますことに加えて、企業で雇用されておりました者がそのポストを辞した後も、そういった技術資格を持っているといった能力を請われまして、引き続き技術顧問の地位につくケースが年々増加しているというようなことによるものではないかと考えておる次第でございます。
  69. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 高齢化社会が急激にこの三年間進行したわけでもあるまいし、日米構造協議以降公共事業がかなり、四百三十兆円という形でこの十年間確実な事業として明らかにされた。北海道というのは大変公共事業の多いところでございまして、後でそれは取り上げますけれども、平成四年度の予算案でも、国費だけで八千五百九十九億というほどに公共投資の多いところでございます。そういうところでこういう急激な、構造協議の問題が持ち上がったのが平成二年ですか、それ以降急激にふえている。これはまさしく、開発庁のOBを迎え入れておけば公共事業は確実に受注できるという、そういった業界の思惑というものが絡んでいるのではないかということが今北海道の中で大変、マスコミそのほか道民の疑惑を呼んでいるわけでございます。  そこで、もう一つお伺いいたしますけれども、これは例えば、北海道開発局がOBの天下りを希望する企業に対して、役職とか年収とか採用期間など処遇の条件を詳細に明記した求人調書を提出させているというようなことが挙げられておりますが、こういう実態があるかないかについてお調べになったでしょうか。もしお調べになったらその結果をお知らせいただけましょうか。
  70. 竹内透

    ○竹内政府委員 ただいま御指摘の点でございますが、私どもの開発局においてそういった組織的に今おっしゃいましたような様式を定めて企業の側に提出を求めているというようなことはないわけでございますけれども、そういう意味では、企業の方からどういう人材を受け入れたいというような話があるかとか、あるいはどういう人を望んでいるかとか、そういうような点につきましてどういう点を整理したらいいのかねというようなお話があったような場合に、相手の方の求めに応じて渡す場合もあるいはあり得るのかなというふうに、あり得たのかなというふうに考えておるところでございます。
  71. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 天下り自体、私は悪いと言っているんじゃないんですよね。やはり開発庁の職員の方々は大変優秀な技術をお持ちでいらっしゃる、そのことは私も地元が北海道でおりますし、よく存じてはおります。そういう方々の能力技術を民間に活用していくということは大変いいことじゃなかろうかとは思うんですが、この問題は受注、発注をめぐる、つまり入札をめぐる不明朗さというところが一番今問題になっているわけでございまして、その点が非常に、私がこの受注のさまざまな資料から検討いたした結果でも問題ではなかろうかと思うわけでございます。  例えばA社の場合には役員、社長や副社長、取締役役員全部が六人OBで、受注率が、北海道開発局でございますけれども、九八%という結果が出ておりますし、B社の場合、これは全取締役とプラス監査役技術部長、九名が開発庁のOBでございまして、やはり九八%の受注率。C社の場合には十一名が開発庁から役員に天下りしておりまして、受注率一〇〇%。こういうような会社があるわけでございますが、このような状況の中で今問題になっているのは、もうもはや入札自体がセレモニーになっている。つまり、入札に参加する業者を指名した時点でどこに落札するかがもう決まっているというようなことが問題になっているわけでございます。――まだ談合ならいいわけでございますが、それは業者の勝手にやることということで、ある意味では談合は、それは刑法上も問題でございますし、法律上に触れるわけでございますが、この開発局で今問題になっているのは談合以前の問題である。事前に受注業者を発注業者側から、発注官庁が選定しているということが問題視されているわけでございます。私のところに届いた情報もいろいろございますが、この点についてのまず開発庁の御見解を伺ってからにしたいと思うのですが、いかがでしょうか。
  72. 伊江朝雄

    ○伊江国務大臣 お答えいたしますが、今先生が御指摘になりましたいろんな問題について、あるいは一部報道によるところの問題点の御指摘を交えで、恐らく道民がこれを見て何かおかしなところがあるんじゃなかろうかという疑問に一体どうやって答えるのかというのが、結論として我々は受けとめるわけでございますけれども、先ほども先生御指摘がございましたように、やはりあの広い地域で開発しなきゃならないという必要性は今後ますますふえるだろうと思うんです。そういうときだけに、我々もやはり襟を正さなきゃならぬ点は、御指摘をいただく前にもう十分に心に抱いている問題でございますが、先ほども先生おっしゃいましたように、今八千四百人ばかり開発局にはおるわけでございますが、これは言うならば人材の給源地だと私は思っているんです。したがいまして、やはりその組織としては新陳代謝も必要でございますから、やはり新しい人材を採り、そしてそこで長年のノウハウを積み上げて、それで卒業後も北海道の開発のために尽くしてもらいたいという、この頭脳は大事にしなきゃならぬ要請が一つにはあると思うのです。  したがいまして、先生もおっしゃったように、天下りそのものについて指摘するんじゃなくて、天下ったかつての地位を利用していろんな便宜を供与されて不公正な取引があるんじゃないか、それをどうおまえたちは考えるんだということに私は先生の御指摘の重点があるんだろうと思います。  したがいまして、これは天下りという言葉は使いたくはないのでありますが、再就職をするに当たっては当然人事院の許認可が必要でございますし、また実際に入札、また応札を受ける場合には、やはり関係法令の適正な運用という観点を踏まえないとこれはできないことでございます。そして、そういうことがないとその業界の秩序が崩れますし、また不安定なことに相なりますので、その点は十分に心得でみんなやっているものだと私は信じておりますし、また過日、そういう問題につきまして地元の開発局におきまして、プレスの皆さん方を通じて公正にやっているということを責任者が発表をした経緯もございますので、私どもとしてはもう公正に、法令にのっとって厳正にやっておるということで、今後ともそれは申すまでもなく守っていかなきゃならぬ大きな倫理だ、かように存じております。
  73. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 公正に、厳正におやりになっているというような御答弁でございましたけれども、じゃ、私の方へ寄せられた情報のちょっと趣旨を申し上げますと、これは開発局のOBの方で、退職後三年、建設会社で営業を担当しておられる方からの情報でございますが、こういうことをおっしゃっておられるんですよね。  つまり、先ほど申し上げたように、入札の時点でもう落札業者を指名している実態がある。それは具体的にはどういうことかといえば、まず、OBのいる企業でなければ落札指名は受けられない。それを決めるのは各開発建設部の次長だ。北海道には十一の開発建設部があるわけでございますけれども、この建設部の次長クラスで指名業者をまず十社か二十社指名する。そうすると、指名を受けた翌日か翌々日ぐらいにお礼のごあいさつに伺う。ごあいさつに伺うときに、営業してもよろしいですかというようなお伺いを立てて、いや必要ありませんと言うか、あるいはまあ色よい返事をするかで、そこで大体が決まってしまう。後は技術検討という、業界で技術検討と呼ばれているらしいのですけれども、落札価格を次長クラスと業者が検討する。そしてその後はお互いにOB、まあ業者間、OB同士で入札価格を打ち合わせして、今回はうちにもらうことになったからというようなことがやられているという情報提供がなされているわけでございます。  さらには、こういった入札の不明朗のみならず、問題は、後に九州地方建設局の問題でも私取り上げたいと思うのですけれども、もう一つ問題なのは、こういった入札の不明朗のみならず、これも情報提供者からの情報によりますと、資材、要するに公共事業を請け負う会社が決定すると、その工事に使用する建設工事用資材やコンクリートロックとかいったそのほかの設備についても、開発局の建設部の幹部がOBとして下っているところの業者を指定するというようなことが一般的になされている。そしてこれは業界で開廷からの仕切りと言われているんですね。  こういった実態が、現にこのOBであられたり業務に携わっておられる方が、もうこれでは公務員の公正さ、綱紀の正しさとか、あるいは公共事業に業者が、だからOBを欲しかってアリのように、何とか開発局に公共事業の発注を受けたい、受注したいという、これをそそるのみだ、そしてそれが政治家との絡みにつながっていくということを、この現に当たっている方々が見かねて情報を提供してくださっているわけでございます。  先ほどもおおむね開発局の幹部の民間会社幹部への天下りの急増の問題をお認めになりましたが、私がもう一つその百社の表で調べましたところ、数社にまたがって役員をしておられる方が九十名、平成三年度でおられたんですね。この事実に間違いないでしょうか。
  74. 竹内透

    ○竹内政府委員 役員を兼ねております者あるいは職員職員といったようなものもございますけれども、大体九十名程度おるわけでございます。
  75. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 つまり、そういった開発庁で幹部と言われる方々の数が限られている、そうなるとやはり受注を受けたいという一心から幾つもの会社が要請する、それで兼職が生まれるという構図ではなかろうかと思うわけでございます。  こういったところから、今北海道で大変問題になっている、やはり受注、発注、つまり開発行政の不明朗さということが指摘できるのではなかろうかと思うのですが、ぜひ今後ともこういった地方の開発建設部、こういったところへも調査を広げていただきたい、そして公共事業に伴う不明朗な疑惑を一掃されるように私の方からもより一層長官にお願いしたいと思っている次第でございますが、さらにもう一点、こういった入札の不明朗、これをなくするために、今後より制度的に何かやらなければもうしょうがないんじゃないかと考えるわけでございますが、その辺は、この疑惑を生まないというか、こういった不明朗な実態を発生させないための何らかを考えていらっしゃいますでしょうか。
  76. 伊江朝雄

    ○伊江国務大臣 これは入札制度を北海道の開発庁自体で新しい制度を考えるのかということのお話がございましたが、これは結局先生が御指摘になりたいのは、そういう不明朗性が出てくるところの根拠は制度にあるのか人にあるのかという問題も御指摘の一つだと思うのです。私は、この制度につきましては、ちゃんと法令上わきまえなきゃならぬいろいろなルールがございますから、これはちゃんと守ってやっております。     〔委員長退席、中山(正)委員長代理着席〕 したがいまして、あとはやはり人の問題であろうということで、その人の倫理の問題、綱紀の問題という観点から物を考える場合には、先ほども私が御答弁申し上げたように、人事院の許認可を受けて、しかも、開発庁としてもこれなら立派な者だということで御推薦申し上げてついた人でありますから、先ほど申し上げたとおり、倫理に基づき、また不公正な乱脈なような入札が行われているとは考えないと申し上げたのはそこにあるわけでございます。  しかし、今後とも、今おっしゃいましたように、そういった不明朗さがあるという疑惑を持たれたこと自体について非常に不愉快な問題が我々としてはございますので、その点については十分にこれからも検討してまいりたい、そしてまた、おっしゃるように調査もしてみたい、かように考えております。
  77. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 もう一回長官にお伺いするのですが、ほかの例えば地方の建設局の場合などは監察官というのを置いているかと思うのですけれども、北海道開発局の場合には、各開発建設部は出先機関ですが、結局、そういったチェック機関が会計検査院しかないのではなかろうか。もう少し内部的にそういった監察制度等についてきちんと考えなきゃいけないのではないかと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
  78. 竹内透

    ○竹内政府委員 ただいま御指摘を賜りましたような点等々、心して心がけてまいりたいと思っております。
  79. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 今までは官庁と業界の癒着の問題を取り上げましたけれども、阿部文男代議士がここの長官をしていたわけでございますが、平成元年の十一月二十六日、札幌市内のホテルにおいて、業界二十五社を集めて長官就任祝いの会合を開いております。これは札幌市内のみならず道内、釧路とか稚内、旭川、札幌、留萌、あらゆるところから集まったわけでございますけれども、そこで阿部長官は、長官に就任したので業界のために頑張る、開発のために力を合わせようと元気よく発言をされた。そして、それから約一カ月後に、阿部事務所の秘書から集まった業者へ電話があった。この二十五社はほとんどは開発局からの受注業者でございますけれども、そのときの電話で、道の開発のために必要だからということで一カ月十万円の献金の依頼があったと。で、一応これはどういうことで私のところにお電話をいただいたのでしょうかというふうに問い直したところ、当時の開発局の建設部長から紹介を受けましたというふうに阿部事務所の秘書が答えたという事実が私の方で調査した結果わかっているわけでございますが、こういったことについて、開発庁といえばいいか、開発局の方でどういうふうに調査しておられるか。  さらに、私の方で、この事実に基づいて阿部代議士の平成二年度の政治資金収支報告書というものを調べたわけでございます。それを見ましたところ、確かに昭和六十三年と平成元年までは、建設業からの献金は一社当たり六十万とかあるいは四十八万とかいろいろばらばらで、計五百七十三万円というふうになっていたのですが、平成二年度になりますとさらに十一社ふえまして、それが全部、数えましたところ、十一社のうち十社が百位の中に入っている受注業者でございます。そして、その単価が百十万とか百二十万、百十万、百十万、百二十万、百十万、百十万、百二十万、百十万、百十万という形で、この時期と、これが大体電話がかかったのが十二月の暮れから一月の初めぐらいに及ぶわけですけれども、平成二年度のこの業者の、ふえた十一社に関してはほとんど月十万というこの依頼と符合する事実が明らかにされている。  これは阿部代議士にこちらに出てきていただいて、はっきりこの点についての疑惑を証言していただかなければいけないわけでございますが、こういった単に官庁と業界の癒着が、政治家への献金を通して業界と政治家が結びつくという構図が明らかというか推定が及んでいるわけでございますが、こういった点についてはいかがお考えになりますのでしょうか、長官。
  80. 伊江朝雄

    ○伊江国務大臣 ただいまのお話は、これは行政ルールにのっとった問題ではございませんので、これは私から申し上げるわけにはいきません。  しかし、先ほどからいろいろ御議論がございますように、やはり他人から疑われるようなことのないような日常行動をとるべきだという点については、先生の御指摘は、私は十分に踏まえていかなきゃならぬものだと思っております。
  81. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 今私は北海道を例にとりましたが、大変似た構造が、実は前回楢崎代議士が、二月四日にでしょうか、田原法務大臣に関する九州地方建設局を引いた後の質問に取り上げました事実と余りに構造的に似ているのでびっくりしたわけでございます。その点について伺いたいと思うのです。  まず、楢崎代議士は田原さんに対して幾つかの事実をお尋ねになりまして、それについての法務大臣の御答弁を求めたときに、選挙違反については私の不徳のいたすところでございますというふうにお答えになり、さらには、その挙げられた事実に対しては、私は不正はいたしておりませんが、ただし御忠告にあるようなことを踏まえながらこれからの人生いかなければ危ないぞという御主張であろうというふうに考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたしますというふうにお答えになっているのですが、このことの意味をちょっとお尋ねしたいと思うのです。  その前に、事実を申し上げないと何のことかわからないかもしれませんので、ここで楢崎代議士がお取り上げになった事実というのは、田原さんが五十年の七月から五十三年の二月までの二年半、九州地方建設局の局長さんになっておられた。局長をしておられて、五十三年の四月には、社団法人九州社会資本コンサルティングセンターの設立と同時にその理事長におさまった。そしてその会社は、役員十四名のうち、建設省のOBが九名も占めていた。職員はわずか三名であったということ。そして、この会社がそれまで、大分市の大分川の除草工事に関しての受注の問題なんですけれども、昭和五十四年度までは、九州建設弘済会というところが受注して、それを建設サービス株式会社に下請させていたにもかかわらず、五十五年になると、この田原さんが理事長におさまった九州社会資本コンサルティングセンターが九州地建から受注してそれを建設サービスに回していた。そして、このコンサルティングセンターの受注金額は四千百五十万円とその前よりも大変はね上がっていたというようなことを事実としてお述べになっておられますが、この事実に間違いがないかどうか、ちょっとお願いいたします。
  82. 田原隆

    ○田原国務大臣 お答えします。  事実、事実とおっしゃいましたけれども、事実の定義は、あったことを言うのだと思うのですが、なかったことを事実と言われては甚だ困るのですけれども、私が局長をその期間やったのは事実でございます。それから理事長をやったのも事実でございます。それから受注したのも事実でございますが、ただ問題がございますのは、この間私、頼まれてなったのですが、名誉職的なものをやってくれということで、給料は一銭ももらっておりません。それから十三、四年前の話ですから、記憶が定かでない点もありますし、記録もございません。  そこで、私いろいろ想像してみたのですが、五十四年の十月に私が選挙に出まして当選しました。それから後継者を探しておりましたが、なかなか見つからずに、五十五年の七月ごろまで無給のままやりましたけれども、もちろん、名誉職的な約束でございましたから、最初から形式的には理事長でございましたが、ほとんど実体は違っておりましたけれども、ただ形式的理事長であった責任を逃れようとして申しておるのではございませんが、そういうことでございまして、そのときに大分川が五十三年かそのころ大災害があって、その災害の後の堤防の復旧等に当たって、堤防監視というのは大変重要な仕事だ、堤防に穴があきますと、これは素人ではなかなかわかりにくいのですが、災害が起こるということで、弘済会よりも新たに設立された社団法人の方が技術者がおるということで、弘済会も各地の災害で手いっぱいであるというようなことで移されたと思うのです。  というのは、私はなぜ思うと申すかと申しますと、そのころ四十日抗争、七カ月選挙ということで、六月二十二日に私の何回目かの、二回目かの選挙がございまして、その前後、ほとんどその辺のことはわからないのでございますが、そういうことでありますので、後から想像しますと、そういうことになっていると思うのであります。これは株式会社ではございませんで社団法人でございまして、社団法人の理事長、財団法人の理事長、会長、副会長というのは今でも現職で兼務しておられる方もおられると思いますが、そのこと自体は悪いことではないし、その社団法人の目的を果たすための事業をやったことは何ら悪いことではないと思いますし、そのこと自体に違法性がないとすれば、なぜお聞きになられるか、私にはよくわからないわけであります。
  83. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 先ほど私が申し上げました、北海道開発局のOBの天下り会社と言えるような会社が受注率九八%とか一〇〇%というような形で受注しているという実態を申し上げましたけれども、今の田原さんの理事長をなさっていた会社もそういう非常に類似性があるということが、一つ私が取り上げた理由でございます。  さらに二つ目には、これが大変問題なんでございますが、この事実に関しましてある雑誌の記者が地元の建設業者に意見を聞いたものが載っているのですが、こういうふうにその地元の、つまり大分県の建設業者の方が答えております。「「大分県を千葉県並みの「金権選挙区」に変えてしもうたんは田原さんと「側近」の建設省OBです。建設・土木業者が選挙で「反田原」色を打ち出そうもんなら、パタッと仕事は入らんとですよ。その仕打ちはクギ一本、ガラス一枚を扱うような零細下請け業者にまで及ぶとです。ウソじゃなかよ。田原さん自身、何をやってきたかを胸にシッと手を当てて振り返れば、とても法務大臣の器じゃなかことぐらいわかるでしょう」と、地元建設業者は憤った。」というふうに書いてあるわけですね。  つまり、先ほど私は開発庁、きょうの問題を扱ったときに、仕切りという名前のもとに公共事業の使う資材とかそういった設備まで開発局OBのいる会社を指定してくるというような問題を取り上げましたけれども、こういう形でやはり同じことをこの大分県の地元業者が憤って語っている。私はこれが事実かどうかというようなことはもうお尋ねしませんけれども、こういうような疑惑を現法務大臣がお受けになるということは大変残念なことでございますけれども、これに対して、どうしたらこういう疑惑を受けないで済むようになるか、それをどういうふうに法務大臣としてはお考えになりますでしょうか。
  84. 田原隆

    ○田原国務大臣 お答えします。  推定でそういうことをおっしゃることは、法律家として先生がおっしゃられるわけですから相当私は重いというふうに考えておりまして、もし身の不徳でそういうことを言われるならば、これからは不徳のないように改めなきゃいかぬと思いますが、そういうくぎ一本まで、それまで、だれがおっしゃるか教えてください。私は事実はございません。  それから、十三年前の話と今の話と一緒にしてごっちゃにされた話もまことに困るわけでございます。何か私は分裂的な筋になっているのではないかと思います。  それから、当時確かにある雑誌に載ったことがございまして、近ごろ載っているのを人に聞きますと、そのときのそのままのようでございますし、今のよう宣言葉も何かそのままあったというふうに聞いておりますから、私にはよくわかりません。
  85. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 このことは事実かどうかというようなことをお伺いしているのではなくて、このようなやはり疑惑を受けるということを問題にしたわけでございます。今そのことを私はもう答弁を求めているわけではございませんで、こういったことがなぜ国民から疑惑を受けるかということは、結局企業献金の問題につながっていくではないかということを私は言っているわけでございまして、企業献金の禁止ということにつながったら何ら問題ないんじゃないかということを言いたいわけですよ。その件についての法相の御意見をお伺いいたします。
  86. 田原隆

    ○田原国務大臣 一般的に企業の献金についてのお考えは、総理からいつも御答弁あっているように、企業といえども法人といえども社会の一つの構成の一員であるということで御答弁あっておりますが、私は、さっきのコンサルティングセンターという社団法人からもその関連からも一切政治献金受けたことはございません、その仕事をした者から。  それから、政治献金一般について、これは法務大臣の答弁する、コメントする問題ではなくて違う政策の問題だろうと思うのです。法務省は、犯罪の事実があったら厳正、中立、公平に対処していくというのが法務省の仕事でございますので、私が答える問題ではないと思うのでございますけれども、よろしくお願いします。
  87. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 法務大臣が御答弁になる立場でない、この企業献金に関して、ということでございますので、今こういった非常に業界と政治家の癒着というところの根源に政治献金がある、企業献金がある。  しかも、私は平成元年の収支報告書を見ますと、千七百三十三億円ですか、ということで、前年を、六十三年度は最高と言われていたのですけれども、十億円も上回っているというようなことに報告されているのですよね。つまり、ここでの大部分が企業献金である、政治と金、政治家と金、この金まみれのスキャンダルが常に起きるのは、例えば共和と阿部代議士の関係のように、その関連する代議士、議員が関連する政治活動とそれにかかわる業界との癒着ということがいつもいつも問題にされるわけでございまして、だからこそ一般論で企業献金をどう思いますかというふうに申し上げているんじゃなくて、先ほども伊藤茂議員がかなり強く訴えたようなそういった問題と絡めて、今私は二つの、九州とそれから北海道を例にとりまして、こういったやはり業界からの企業献金に対しては規制をしなければいけないじゃないかという趣旨で申し上げているわけでございますが、宮澤総理、いかがでございましょうか。
  88. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 先ほど来お答えしておりますごとく、企業献金あるいは団体献金といいましても、その法人なり企業が適当に社会参加しておる以上は、これを一概に不可であるということは言えないということを申し上げております。しかし、節度の問題だということも申し上げておるんでございます。  そこで、これからの問題といたしまして、問題は透明度の問題だろうと思っております。これをどの程度のものにするかということは、まさにこれは政治家自身が集まっていただいて決めていただくということが大事だ。私はよくほかで申し上げるんですが、大相撲をやりますね、相撲取りが、土俵を決めますのは第三者の人が決めるんではなくして相撲取り自身が、関取が集まってこの土俵でなければならぬということを決めていくということを聞いております。私たちの政治献金なり選挙制度とかいうもの、そういうものはやはり政治家自身が基本を決めていただいて、それを法律的にどうするかということは我々政府として十分にお手伝いさせていただき、当然そうやっていきますので、一刻も早くさっきおっしゃるような政治と金との関係というものを明朗にしていただきたい。  先ほども法務大臣おっしゃっておりますように、何か過去においてちゃんとした会社からたとえ会費という形で政治献金をいただいておりましても、それが途中で何か知らぬがわいろのような、あるいは不正な政治献金のように、時代が変わってしまってなってしまうということは、非常に私たちも残念なことでございますし、しかしそこに何も犯意がなくてもそういう解釈をされること自体が問題でございますので、この際に政治献金とは何か、そして政治献金の透明度をどうするかという政治問題としての根本を明確に示していただければ、我々としてもそれに沿って作業を進めていきたいと思っております。
  89. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 私も政治家になりまして、本当に政治資金がかかるということは痛感しているわけでございますよね。今、七十五万円ですか、文書通信交通費というのをいただくわけですけれども、それではとてもじゃないけれども大変だ。やはり、国会議員になったからには自分の政治活動を支持してくれた方々に報告したいと思っても、ニュース活動一つでも本当に大変だということを実感しているわけでございます。そういう意味では、今のように個人で政治資金は集めなさいというようなことはやはりもうおかしいんじゃないか。  「政界浄化を問う」という、これは一九九一年八月十五日に座談会に加藤官房長官とか現羽田大蔵大臣とかもお出になって、それから我が党の伊藤茂議員もお出になって座談会をやっているところに、派閥と金といっても派閥から出るお金はわずか一、二割だ、あとは個人で七、八割を集めなきゃいけない現状、そしてしかも、羽田大蔵大臣、今いらっしゃいませんけれども、羽田さんが一人一年間に一億円以上政治資金がかかっているという、こういうこと自体がやはりもう問題じゃないかというようなことを御指摘になっていらっしゃるんですけれども、まさしくそうだと思うんですね。その点について、政党助成法をつくって何とか政治資金の透明度を高めていく。国会議員が金集めに奔走しなければいけないような、そんな状況はやはり政治室二流と言わせる根源じゃないかと思うわけですが、その点についていかがお考えでいらっしゃいましょうか。
  90. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 私たちも政党助成法、それが一つは政治資金の入りと出を明確にしていくために、そしてまた、政治家が必要な資金を確保していくために政党助成法というものは非常に大きい役割をいたすと思っております。そういうことを考えまして、前国会におきましてそういう法案を提出したんでございますが、しかし、政治改革一連の問題としてそれは廃案になってしまいました。  したがいまして、政党助成法だけを取り上げるのではなくして、政治改革全体の中で政党助成をどうするかということ等も同時に議論していただかなきゃならぬ。同時に、腐敗防止、そしてそれによって来る根本の原因の選挙制度はどうなのかということ、ここらもあわせてぜひひとつしていただきたい。そのためにはどうしても各政党間で許し合いをしていただかなきゃなりませんし、同時に、一般国民の求めておりますのは、政治参加の不均衡というものをどう是正するか、そして金と政治との透明度をどうするかということ、これは緊急の問題として国民の声がございますので、この問題をそれじゃ優先的に扱うのかどうかということ等もその席を持って考えていただいて御指示をいただきたいと思っております。
  91. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 やはり、今の政党助成法に関する大臣の御答弁を伺って大変心強く思ったんですが、選挙制度という大変いろいろな意見が交錯するもめと絡めるから、ぜひ今必要だと思われる政党助成法もできない。ぜひそれは一括じゃなしに、まず必要なものからつくっていくということが必要じゃないかと思うわけでございますね。  同じ座談会で私、加藤官房長官の御発言に大変注目させていただいたわけでございますが、加藤現官房長官が「私は小選挙区になれば本当にカネがかからなくなるのか、大いに論じる必要があると思う。小選挙区よりも、腐敗防止法や選挙違反に対する裁判所のスピード結審の方が重要だ。」こういう御発言をなさっておりまして、私もまさしくもう同感なわけでございますけれども、こういった腐敗防止法を選挙区の前にまずつくらなきゃいけないという、これに関する官房長官の御意見をちょっと伺いたいと思う、より詳しく伺いたいと思うんですが、いかがでしょうか。
  92. 加藤紘一

    ○加藤国務大臣 今、内閣の官房長官というポジションですから、私的な見解を余り申し上げることもどうかと思います。  それで、その当時私が述べた背景は、とにかく政治にお金がかからないようにするにはどうしたらいいかというのは、一つ制度を直せばかからないという議論もある。しかし同時に、小選挙区にしたら必ずお金がかからなくなると断定できるかというと、今一人区や二人区のところでかなりかかっている現実もあるのだから、ある意味じゃつき合い社会的な日本のある種の風土というものを本当に我々は見詰めていかなければいけないのではないか。そう考えると、やはり冠婚葬祭に花輪を出すことは、一人の個人としては重要なんだけれども、国会議員として一カ月に三十カ所に出すというようなことになったらこれはやはり経費の問題になるので、そういうかからなくなるようなところをかなり厳しくやらなければならないのではないか。腐敗防止法という言葉は、ここでもいろいろなところでいろいろな定義で使われておりますけれども、私は公選法でいろいろお金を使わないようにするようなこと、そういうことも含めて論じたものでございます。  それから、スピード結審の問題につきましては、やはり裁判というものが二年、三年、五年とかかってしまうということは、やはり今のお金のかからない選挙にするためには一つ問題ではないかとその当時思っておったものですから、述べたものでございます。
  93. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 ちょっと羽田大蔵大臣もこのときに、やはり英国の候補者だったら一人百二十万しかお金は使わない、突然で失礼でございますが、選挙のときですね、今の日本の場合に政治家が、年間一億円を超える金が日常の政治活動にかかるというのはちょっとやはりおかしいし、それで企業に公正申立ていなさいと言われるかどうかという問題があるというようなことを発言なさっておられるんですけれども、まあ選挙制度に関しては抜きにいたしまして、本当に政治改革を、政治と金のスキャンダルをもうここで絶ちたい、国際的にも本当に恥ずかしいことだ、常にこういう構造的な汚職の問題が出てくる。先進国の中でも、もうこれ以上やめようじゃないかという立場から、大蔵大臣のここでの御発言の趣旨も敷衍させていただきながら、お考えを伺いたいと思います。
  94. 羽田孜

    ○羽田国務大臣 先ほどからずっといろいろとお話があるわけでございますけれども、そこでも述べておりますように、今、日本で実際に政治に金がかかる。この状況は、例えば法定選挙費用というものについても今千数百万円ぐらい、選挙区の大きさによって違いますけれども。しかし、実際に私ども政治改革をしなければいけないということで、英国、ドイツあるいはフランスあるいはオーストラリア、ニュージーランド、いろんな国をずっと調べて歩きました。そうしますと、およそ政治家個人が一年間にかかる費用というのは、事務所一つぐらいと、あと一人ぐらいの御婦人の方なんかが日程を調整してくださる、そういったことでまあ数百万円ぐらいであろう。それから選挙のときには百数十万円ぐらいしか英国の場合にはかからない、かかる人でも二、三百万円でしょうねという話であって、そういうことから今、日本の現状というものを比較すると、余りにもお金がかかり過ぎちゃっているということ。  それで、今までは日本の制度とか、あるいはお金がかかることについてよその国からとやかく言われることがなかったんですけれども、今は、だんだんもう世界の中でここまで日本が来ますと、日本の風土はなぜそうなんだ、これは日本の風土ですからということはもう許されなくなっちゃっているということを考えたときに、そういったものを断ち切るために一体どうしたらいいんだろうか。  それじゃ、よその国の場合にお金は本当にかからないのかというと、そうじゃなくて実際にお金はやっぱりかかっているんです。会合をやるのにも、あるいはビラを配ったり、あるいはテレビ等でスポットを買うとか。それはほとんど全部党が担当しているわけなんですね。ところが、日本のように複数で争う選挙でございますと、党がといっても、結局、党に頼っての選挙というのは実際に我々なんかの場合できない。結局後援会組織というものを、いわゆる政党と同じような組織をみんなつくっていくわけですね。  ということになると、そこにどうしてもお金がかかってしまうということで、制度にまで踏み込まないと、私たちも倫理とかいろんな言葉は言ってきた、あるいは倫理規定、行為規範というものをつくってきた。しかし、なおかつ、今なおそういったものが後を絶たないということになると、もう本当はロッキード問題ならロッキード問題が終わった後きれいになっちゃってもよかったはずなんですけれども、しかしそれがなかなか実現できないというのはやっぱり制度の根本に触れなきゃいけないのかな。しかし、制度を変えたからすぐによくなるなんてことはあり得ない。しかし、制度を変えることによって候補者もあるいは国民の意識も変わってくるだろう、そこを大事にすることが私たちは今求められているんじゃないのかなということで、一連の発言をいたしてまいったところであります。
  95. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 最後になりましたが、宮澤総理に、私は国際派として期待している面も今まであったわけでございますが、政治改革のためにまず何をおやりになりたいというふうにお考えになっていらっしゃるか、最後にお願いいたします。
  96. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 それは、先ほど塩川大臣から御紹介願いました、お聞きになりました四つの問題について、私どもの党内でできるだけ早く結論を出して協議会でお願いしたい、こう思っておるわけでございます。
  97. 伊東秀子

    ○伊東(秀)委員 じゃ、終わります。
  98. 中山正暉

    ○中山(正)委員長代理 これにて伊東君の質疑は終了いたしました。  次に、和田静夫君。
  99. 和田静夫

    ○和田(静)委員 今日の政治腐敗、この根本的な原因の一つに政界、財界、官界の結びつきがある。この予算委員会、たくさん論議がありました。私企業が政治家に献金をする、これは決して善意からだけではないでしょう。許認可なとのかかわりで将来自社に何らかの利益があると思うから多額の政治献金をするのであろう。天下りを受け入れるのもそういうことであろう。政治家としては、請託を受けたわけではないにしても、やはりバックアップしてくれる企業が不利益をこうむらないように、まあどこかで考えている。こういう原理が日本の政治の一部を動かしている。  それは、予算を見ても、私はどうもそう考えざるを得ない部分がある。例えばアメリカや大企業が名を連ねる国防関連企業の要請によって、ゼロシーリングの緊縮財政のもとでも防衛費やODA関連の予算は例外的に伸びを示している。ところが、文教費のように、まあ政治改革のあるいは心理的な根源にかかわるもの、将来の日本を考えれば最も予算をつけてもよい、そういう分野が厳しいシーリングで抑えられています。昨年十二月の参議院予算委員会で総理も答弁をされていますけれども、シーリングについてはデメリットがあることは、これは明らかである、こう述べられています。文教費のようなものについてはもうここらでシーリングの枠を外して、やはり着実な伸びが必要ではないだろうか、私は真剣にそう思うのですが、総理、いかがですか。
  100. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 シーリングを長いことやってまいりましたけれども、その際に幾つか、これはもう毎年ほとんど伝統的にでございますが例外を設けておりまして、それは国際約束であるとかいったようなものでございますが、そういうものを外しましてシーリングというものをやってまいりました。これをなかなか、あるものだけについて外すということは実際問題として困難でございまして、今和田委員の言われましたように、文教予算などにつきましては人件費の割合がもう大変に高いものでございますからどうかしなきゃならないという問題が生まれてまいりましたんですが、まあそういうことはそういうこととして、それなりの処理をするということで今回もいたしました。シーリングそのものを全面的に外してしまうとなりますと、これはなかなか予算の編成が恐らく困難になるのじゃないか、要すれば専門家からお聞き取りをいただきたいと思いますが、私の経験はそんなことでございます。
  101. 和田静夫

    ○和田(静)委員 例えば文教の予算をふやすということを考えた場合に、国民が今期待しているのは義務教育期間、公立の小中学校でさまざまな名目で徴収されている費用、これらを完全無料にする、さしあたってはその程度のことでしょう。それができたらまた一歩一歩関連の予算を充実させていけばよい、私はそう思う。大蔵大臣、この程度のことはできるんじゃありませんか。
  102. 羽田孜

    ○羽田国務大臣 確かにシーリングというので各省みんな同じようにやるということについての疑問を私自身も感じたことがございます。ただ、実際に予算編成にこうやって当たってみますと、各省それぞれやはりこれは重要である、また各役所をこうやってランクづけするということもなかなかできないということでございまして、まあ枠を皆さんに申し上げて、ちょうど夏の時点で申し上げまして、そこからずっと省内で優先順位をつけていただくということがやはり大事なのかなということを今改めて実は感じさせられておるわけであります。  今文教予算でお話があったわけでありますけれども、私どもが今度予算編成に当たって、いろいろな皆様方の御意見を伺っているときには、例えば環境問題なんかも今非常に大きな問題になってきておる、こういった問題についてもシーリングを外すべきだというような実は指摘もございまして、そのあたりは一応シーリングを申し上げまして、そしてその中で私たちがやはりめり張りをつけていくという作業をやっていかなきゃいけないのかなと改めて実は感じていることを率直に申し上げたいと思います。
  103. 和田静夫

    ○和田(静)委員 文部大臣は一体私の質問をどう受けとめられますか。
  104. 鳩山邦夫

    ○鳩山国務大臣 余りに人件費の割合が大きくなり過ぎて、もともと大きかったから余計圧迫したということなんでしょうか、一%のベアが四百億ぐらいに響く。でもシーリングがあるからそれを内部で処理しなければならないということの積み重ねが、今総理からもお答えのあった、また極端に人件費八割というような、そういう予算になってしまった。ですから、先生もよく御承知のとおりでありますけれども、十年前の文部省の物件費一兆六千億円が十年たって一兆円しかなくなってしまった。物価等を考えれば物件費が半分以下だろう。例えば公立文教施設、これが六千億近くあったものが平成三年度はたしか二千二百八十八億というような数字になってしまっている。そういうようなことを、大変苦しい予算編成を続けている間に国立大学、もちろん私学も含まれますけれども、国立大学ですら研究基盤が老朽化して狭隘化して大変厳しい状況になってきたという、そういうお話を私も何度もこの同じ席でさせていただいて、総理や大蔵大臣やあるいは委員会の全員の皆様方に逆にお願いをするような、そういう物の言い方を何度もさせていただいた記憶がありますけれども、シーリングという制度自体は、行財政改革を断行してこの厳しい財政状況の中で特例公債発行をゼロにしていくためにこれは一つの大きな役割を果たしてきたとは思いますけれども、ただ、余りにこの文部省という役所というのか、あるいは義務教育の国庫負担制度のなせるわざというか、そういう事柄のために一%のベースアップで四百億だ、これを自分の予算の中で処理するというのはそろそろ限界に近づいてきているんではないだろうか。ですから、シーリングを云々というか、その辺の一つの大きな工夫というものをお考えをいただければありがたいなという気持ちです。
  105. 和田静夫

    ○和田(静)委員 最近の予算というのは、内閣がかわってもほとんど変化がない。これは、省庁間の既得権争い等の中で総理の独自色が出しにくい状況にあるからではなかろうか。例えば、文教族と言われた海部さんが総理の時代でも、この文教費が抑えられてきた。政治腐敗の打破のためにも、既得権に左右される今までのシーリング方式というのはやはり見直すべきだろう。将来の日本を支える人材の養成という観点に立って文教予算等の充実を配る、これは私は政治改革の側面から考えてみても緊急の課題だと、総理、思うんです。  今文部大臣が答えましたけれども、もう一度文部大臣の答え等を受けながら総理の見解を承ります。
  106. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 今度は実際、大蔵大臣非常に特別な配慮をされまして、文部省予算の編成というのは前年度比で五・二%増でございますから、それは一般歳出の伸びを現実にかなり上回っております。そして、国立学校特別会計に新しい資金制度を設けて、これは高等教育とか学術研究の改善を図ったわけですし、国立学校の施設整備事業量も確保しましたし、幾つかの点で大変に私は大蔵大臣が配慮をされたと思います。文部大臣のお立場からいえば今のようなお話になるわけですけれども、それはまあ文部大臣も大蔵大臣におなりになりますとおわかりになるようなこともあって、それは随分いろんな配慮を大蔵大臣されたと私、それは文部大臣も御存じでいらっしゃるわけですけれども、思いますから。  そうかといって、シーリングというのをここで予算編成の一つの手法としてやめるかということになりますと、一つだけやめるというわけに私なかなかいかないと思うんでございます、現実に。そこはやはりこういう財政の事情でございますと、なかなか大蔵大臣としてもそこまでの御決心はなさりにくいんじゃないかな。確かに和田委員がおっしゃいますように、こういう制度をやっておりますと思い切った新しいことが大変やりにくい、そうして一種の悪平等でございますね、そういうことになりやすいということも確かにございます。ですから、いろいろデメリットがあるということも、私も経験があって思っておりますけれども、やはりこういう財政の状態でございますと、この手法をやめるということはちょっと私は無理なんじゃないかなという気がしております。
  107. 和田静夫

    ○和田(静)委員 まあ私の意のあるところは十分におわかりになっていることでしょうから、将来に向かっての期待をいたしておきます。  そこで運輸大臣、JR各社に対して全国各地の地労委から出されている救済命令は既に百本を超えています。ところが、JR側は一向に誠意ある態度を見せない。とりわけ最大の問題であるこの採用拒否問題については、一昨年四月一日に清算事業団から解雇された一千四十七名は二度目の厳しい冬を越すという事態となった。これはJRが命令を守っていれば避けられた事態であります。そういう中で、中労委は現在、問題解決のために大変今月いっぱいかけた努力をされているのですが、中労委において各地労委の救済命令が生かされて、そして侵害された団結権が回復されることは、これは重要であります。これまでのようにJR側に命令を守る気持ちがなければ、これは何の解決にもなりません。私は、もはや本問題は人権問題そのものであると考えています。人権に冷淡なところで民主主義政治の深化は望めません。  運輸大臣は、昨年、JR経営者に対して厳しい、節度ある態度を求めていくと答弁をされていますが、今後どういう対処をされますか。
  108. 奥田敬和

    ○奥田国務大臣 今、救済命令が地労委から出されました。そして、そのことをJR、主に北海道、九州でございますけれども、こういった形の救済命令に不服というか、そういったことで現在中労委に持ち込まれておるということは先生御存じのとおりです。  中労委として和解調停に努力していただいておりますし、大体三月末をめどにされて和解案と申しますか調停案が出てくるということを期待しておるわけでございますけれども、今人権問題としてもう全員救済すべしという和田先生のお気持ちは十分理解できます。そこで私も、就任早々の運輸委員会でそのことを御指摘を受けまして、その後、いわゆる就職をあっせんしました清算事業団、そして北海道、九州のJRの社長さん初め経営者の皆さんお呼びいたしまして懇談もいたしました。何とか救済措置ができないものであろうか、と同時に、清算事業団に就職あっせんの過程において手落ちがあったのかどうか、本当に親身に、親切に就職をごあっせんしたんだろうか、もし瑕疵があったとしたらまさに御指摘のとおりの人権問題という、そういった基本姿勢に立ってお話をいたしました。  まあ清算事業団としても個別的にも随分誠心誠意、一人当たり三十件近いいろいろな就職のあっせんに誠意を尽くしたということも理解できました。しかし、この北海道、特に九州、まあ地域の基幹産業として就職された誇りを持っておられた皆さん方は、民間の企業をあっせんしてもらっても、何としてもJRに復帰したいという気持ちがとてもかたかったことも事実でございます。  そういった形の中で、私は、JRの各社長さんにも、何とか第三セクター方式の形でJRの名前を冠した企業に雇用する手だてはないだろうかということでお話もいたしました。ところが、この北海道といい九州といい、実際の経営実態を調べてみますと、随分無理な形での雇用をしていることも事実です。現実に、出向社員の形で民間の各企業に身分は保障しながらも出向させておるというのが約一割近く、千名以上。北海道においても九州においても、そういう出向社員をまだ抱えているという現状。そしてまた行政監察の方からは、もう少し人員を整理しろという厳しい行監の指導等々の中で、各経営者も決して余裕のある形ではない形の中で、労使協調してようやく一定の実績を上げているという現状もわかりました。  そういったことを踏まえて考えますと非常に、人権を尊重しながら、JR復帰を望まれる皆さんの気持ち、そしてまた他方、経営面、そして一生懸命に努力されているJR経営者、労使体制を見るときに、本当にどうしたらいいんだろうかなと。汗をかいて前向きに、何とか両方の顔の立つことという面で努力はしつつあります。現在でもその気持ちは変わりません。ですけれども、今、全員救済しろという形の、人権問題にかんがみてやれとかいう形に、わかりました、やりますという返事はなかなかできかねる状態であり、中労委の努力の方向を注目して、関心を持って見守っておるという現状で御理解賜りたいと思います。
  109. 和田静夫

    ○和田(静)委員 よく考えてみますと、これらのJRによる不当労働行為というのは、国鉄改革法の適用に関して生じた問題であります。法の適正な施行、運用にかかわるものとして、政府としてもっと積極的に問題解決の努力をすべきであります。  私が参議院の最後の時代の論戦を思い浮かべるのですが、当時、総理大臣は一人も路頭に迷わせないと明確に言われました。運輸大臣もそう言われました。総理発言は正確に守られることが、これは政治改革の初歩ですよ。実際には一千名以上の人が清算事業団によって解雇をされる。路頭に迷ってしまった。彼らは決して働くのを拒んだわけではありません。公益事業である鉄道事業を支える現場にいる者として利用者の便益を考えたときに、分割・民営化はベストではないと彼らは彼らなりに判断をした。それは当時の政府やJR側と異なった意見であったということだけの理由で、それまでいた職場を追われてしまった。こういうような状況を放置しておけば、政府は国民にうそをついた結果になります。また、自由に意見を言うことができるという民主主義の根幹を否定することにも私はなろうと思うんです。  確かにJR北海道やJR九州の経営状態が楽ではないことは、今運輸大臣がお述べになったことを私たちも知らないわけではありません。しかし、鉄道事業は赤字だからやめてよいというものではないはずでありますし、また、乗客の安全が最優先されなければなりません。安全確保をしたのでは北海道や九州のJRがやっていけないというのならば、これは、大きな黒字を出している東日本などや政府がある意味での援助をすればよい。私は、一日も早く彼らが職場にとにかく復帰できる、そういうような措置が運輸大臣の手によって努力が積み重ねられた上で結論を得ることができるということを期待をいたしておきます。  さて、第二次世界大戦後四十七年、およそ半世紀の間に我が国は世界第二の経済大国に成長をした。国内外ともにその実力に見合った改革が迫られています。宮澤政権は、内には生活大国、外には国際貢献を掲げてこの情勢に対応しようという方針のようでありますが、こうした政策立案をもう少し底の方まで見ていきますと、私は、宮澤総理が述べられた戦後政治の継承、発展という旗印に思いつくのであります。当時、中曽根政権は戦後政治の総決算を掲げられました。また最近では、小沢一郎さんのいわゆる小沢調査会が憲法を含め日本の進路転換を目指した活動をされる。それと軌を一にするものではないかもしれませんけれども、小選挙区比例代表並立の選挙制度改革を伴う政治改革を推進する、これらの政治潮流があります。そこからするとどうも私は、宮澤総理の改革というのはいかにもなまぬるい、消極的な小幅改革で、まあ様子を見ながらやりましょうという、そういうようなスタイルなんじゃないだろうかということを危惧せざるを得ません。  そこで伺いたいのは、宮澤総理の政治改革に取り組む今の姿勢というのは戦略なのか戦術なのかということであります。つまり、やる気がある、しかし余り大見えを切るとつぶされると思っていらっしゃるのか、それとも、政治改革はほどほどのおつき合いをしておこうということであるのか、これはどちらなんだろうということを実は私は考えるのでありますが、いかがでしょう。
  110. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 前々国会に政府が政治改革についての三法案を御提案いたしましたが、廃案となりました。そのころから政府・与党としましては、政治改革についてかなり真剣な議論を実はやっておりましたわけでございますが、その後を私は承継をいたしましたが、たまたま昨今、もうせんだってからお話しの非常に暗い話題がたくさんございまして、国民の政治改革、政治を見る目がいよいよ厳しいということがございますので、これはもう何としても、ただこれは戦術とかいう問題でなく、真実に政治改革をいたしませんと国民の政治に対する信頼というものは回復しない。政治というのは信頼を得て初めて物事を決めていける、執行していけるものでございますので、そこがなくなるということはもう致命的なことでございますから、やはりここで本当に政治改革をしていきませんと政治に対する信頼が戻ってこないという意味で、真剣にお願いをいたしたいと思っているところでございます。
  111. 和田静夫

    ○和田(静)委員 私は危惧的に申し上げましたが、政治改革と政治潮流とを結びつけてお考えになっているのではないだろうかということをとつおいつ考えるのであります。  政治改革が迫られている現状というものを考えてみますと、私は二重の要因があるように思います。一つは、この金権腐敗の政治状況を改めること。ロッキード、リクルートから今後出てくるであろう佐川急便問題まで、これは余りにも政治と企業活動とが密着したところがあって事件が頻発をしています。これを改めずに日本の政治というものは成り立たないところに来ているだろう。もう一つは、国内外で日本の置かれている状況から大きな改革が迫られています。それをしないでは、日本はさまざまな面で行き詰まっていくだろうと思います。そういう二重の要因があると思うのですが、総理はどういう認識の面に立って改革をお進めになろうとしていますか。
  112. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 先ほど申し上げましたような背景の中で、私は、私どもの党に対しては、まあいわば定数と申しますか、一つは、一票の格差と申しますか、その問題、それから政治資金の問題、政治倫理、国会と党改革と、それを当面の課題としながら、しかし全体像も頭に置いて、ひとつ当面急ぐものを党内の意見調整をしてもらいたいという要請をいたしました。同時にしかし、これはもう本来各党の協議会で御協議をいただかなければならない問題ですし、各党もいろいろ案をお持ちでございますから、そういう場で御協議を願って、できるだけ早く共通点について成案を得たい、こういうふうに考えておるところでございます。
  113. 和田静夫

    ○和田(静)委員 政治改革と政界再編をワンセットにしようという考え方、これはもう与野党を通じて存在をするように思われます。私は、これはいい方向へ行くのであればそれに真っ向から反対ということではありませんけれども、何よりも今言われたグランドビジョンが見えない状態だと思うんですね。グランドビジョンがないまでも政策連合をしなければならないという考え方もあります。あるいは、これは実際与野党で話がまとまらないと何事も進まないわけでありますが、いわば部分連合とでもいいますか、部分連合であって、政治改革などはまさにそうでなくてはできないという見方も私は成り立つんではなかろうかと。しかし、ともかく宮澤総理が何をお考えになっているかということは、抽象的なお答えとしてはよくわかっているつもりでありますが、どうも政治改革の展望を切り開くという意味での御答弁がないような感じがいたします。重ねて伺いたいと思います。
  114. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 それは大変実は複雑な問題について御言及になっていると思いますけれども、私は、この今の政治改革が急を要する、しかも非常に将来に向かって大事な問題であるという意味では、それ自身をやり切らなければならないだろうと考えております。それをやり切った後に政界がどうなるかといったようなことは、これは今私が考えておることではなくて、ともかく各党御一緒にやるべき政治改革はやはりやってしまわなければならない、それだけで結構もうお互いが全精力を使い尽くすぐらい大事な問題ではないかと、私はそういう認識の仕方でございます。
  115. 和田静夫

    ○和田(静)委員 それは私が二重の政治改革と述べたうちの狭義の政治改革についてですが、宮澤総理はこの二段階の政治改革をお考えのようでありますが、なぜそういう考え方でいこうとされるのでしょうか。できるものからやっていこうというのであれば、第二段階目のできにくいものがどうすればできるのだろうか。つまり、この二段階とする論理的な理由というのは、大変論理的な総理でありますから、どういうふうにお考えになっているんでしょうか。
  116. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 二段階でということでございますけれども、決して私たちは総理の指示からは二段階ということを受け取っておらないんでございまして、先ほどもお話ございましたように、四つの柱を解決のめどにしておられました。  ただ、今まで与野党間の協議が始まっておりませんが、そこで問題となりますのは、国会決議がございまして、早急に定数是正を急がなきゃならぬというこの命題、この命題にどう答えるのかということが、やはり我々としてもその最大の責任であろうと。そして同時に、今政治資金の問題というものを問われておるから、そういう順序というものはあるけれども、二段引きでということで総理はおっしゃっているのじゃないんでございまして、ぜひそれだけのものをセットにして政治改革を実現するということで変わりはないということでございます。
  117. 和田静夫

    ○和田(静)委員 私、自治大臣とはかなり長くいろいろ教えてもらった仲でありますが、ちょっと今の答弁、残念なのは、私は実は、定数是正というのはこの違憲状態を改めるもので、当たり前のことであって、これは政治改革とは考えていない、そういう立場に立ってきょう政治改革の本質的な論議をしようと思っていて言っているわけなんですよ。  この政治改革というのは、この国会中に与野党間で大筋の決着をつける、そういうものであろうというふうに考えます。なぜならば、共和事件や佐川問題が出て、この国会が終われば参議院選挙がある。このままでは日本の政治に展望が見えないというときに当たって政界がみずから改革をなし遂げられないのでは、これはもう政治家の責務は全うできないのではないだろうか、そういうふうに考えるがゆえにこの論議をしているんですが、どうも私は、政治家が戦術と戦略を考えるのは当たり前で、悪いことだとは考えていませんけれども、何か宮澤総理の場合と言ったら怒られるかもしれませんが、今の政府は政治改革のための戦略、戦術ではなくて、ただ単に消極的なんではないだろうか。いろいろ言われますけれども、結果として動いているものを見るとそう考えざるを得ませんが、そんなことありませんか。
  118. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 私の立場はもう実は一議員であるという立場と、そして現在自治省を預かっておる大臣としての職員、二つが一緒になっておる立場でございますので非常に難しいんでございますけれども、私たちの、いわば役所の立場に立って言いますならば、一応この政治改革の問題は国会でお預かりというふうな格好になっておる、これは和田先生もそう思っておられると思うんですね。ここをどういうふうにして協議を始めていただくかということが我々の一番の、最大の関心でございます。  でございますから、それがまず開始されない限り、こちらの方からおこがましくも政治問題で最大の問題でございますだけに役所側から物が言いにくいというところに、総理も同様でございまして、議員であると同時に総裁であり、そして同時に、より以上に総理大臣という政府を預っておる者の立場、政府を預かっておる立場と、政党の首領としての立場というものとが混同されていって解釈をされて、何か消極的じゃないかと、こうおっしゃいますけれども、私はそうは思わないんです。  要するに国会での合意事項というものが、それがもうその制約を撤廃していただくということであるならば、政府としてはこういうことも考えておりますよということは言えると思うのでございますけれども、しかしこの前の国会のいきさつ、そしてその結果としてできてまいりました政治改革協議会のいきさつ等を見ますと、まず国会の合意を得ながら進めていかなければならぬという、こういう手順になってくると思うものですから、ぜひこの際、私何遍もお願いしておりますように、速やかに国会内におきます政治改革協議会の協議を始めていただいて、できれば私たちもそれに参加さしていただくようにしていただければ非常に幸せじゃないかと、こう思っております。
  119. 和田静夫

    ○和田(静)委員 昨年のこの三法案を考えてみますと、例えばこの小選挙区比例代表並立制の導入がなければ与野党の話し合いというのは可能だったんではないだろうか。廃案になった政治資金規正法の改正案と政党助成法案、これについては総理、どういうふうにお考えになっていますか。
  120. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 ちょっと最後のこれとおっしゃった部分がわかりませんでしたが、私は、あの三つの法案というものはお互いに相互に密接に関連いたしておりますので、それで三つを御提案をいたした。例えば今最後におっしゃいました政党助成法案でございますけれども、これなんかは突然今の状況で政党助成ができるかといえば、それはいろいろ御意見がございましょうけれども、さてということがございますように、あの三つの法案はみんな相互に連関し合っておったものだというふうに私は認識をいたしております。
  121. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 今のお話でございます政治資金規正法と政党助成法だけでもというお話でございますけれども、私たちの立場からいいますと、まず国会決議がされておるんでございますから、これを抜きにして次の政治改革全体の中の一部だけを議論するということは実は不可能なんではないか、先ほどの総理の話ではございますが、あくまでも一つのセットの問題として考慮していただかなきゃならぬ問題だろう、こう思っております。  したがいまして、まず私たち手順といたしましては、国会決議でうたわれております定数是正とそれから二人区、六人区の問題をどう処理するかということ、そして過疎過密に配慮した配分というものをどういうふうに解決するかというこの議論から、そして同時に今も問われておる政治と金との関係、こういうことをやはり明確にしていただくことが改革への取り口、いわばアプローチではないか、こう思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
  122. 和田静夫

    ○和田(静)委員 どうも基本のところで論議がかみ合っていないのですけれども、次へ進みますが、昨年の政府案の小選挙区比例代表並立制導入の論者は、選挙改革を通じて政界再編までもくろんでいらっしゃる、こういう発言がところどころでありました。現行中選挙区制の是正であればそういうことはない。宮澤総理としては、これは政界再編のようなトラスチックな動きに結びつけたくはないというふうにお考えでしょうか。
  123. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 その問題については先ほどもお答え申し上げましたけれども、今当面の政治改革というものが非常に大事なもので、しかも焦眉の急を要する問題でございますので、ここで各党ひとつ御一緒に知恵を出し合ってその政治改革をまず全力を挙げてしなければいけないのではないでしょうか。そういうのが私の立場であって、今おっしゃったような問題はちょっとそれとは切り離して、とてもこの政治改革自身が大問題でございますから、おっしゃった問題とは別の、今のとにかく非常に大事な急ぐ問題だというふうに私は認識をしております。
  124. 和田静夫

    ○和田(静)委員 副総理はどう考えていますか。
  125. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 私はまだそれだけの政治的な識見を持っておりませんので、政治改革と政界再編成とは結果論においては大きい影響はあるかもわかりませんけれども、当面政治改革は、私たちは要するに中心となりますのは国民と政治家との信頼の回復、その一点に絞って改革を進めていきたいと思っております。
  126. 渡辺美智雄

    ○渡辺(美)国務大臣 外務大臣の所管じゃありませんが、国務大臣といたしましてお答えをいたします。  私は、政治改革と政界再編成というのは必然的なものであって、では政治改革の中身は何だ、それは小選挙区制です。小選挙区制を実行すれば、いや応なしにそれは二大政党にならざるを得ません。したがって、これは密接不可分であると。
  127. 和田静夫

    ○和田(静)委員 今日の政治腐敗の状況というのは、端的に言って政治にお金がかかり過ぎる、政治家がそのためのお金集めに苦労する、その結果、正規の政治資金の届け出をしないお金まで苦心して集めてくる、そういうことに起因をしていると言ってよいでしょう。  そこで、総理は、このお金の透明度を高めるという答弁が先ほど来ずっとあるわけでありますが、この問題に対処しようとされているわけですけれども、それだけで解決になるのだろうかということを実は考えるのです。今まで、届け出ればいいものが届けられていなかった、そういうものが多かったわけであります。そうすると、早い話、政治資金規正法というのは、これは私も総括質問で申し上げましたが、ざる法である。届け出でわかるお金は氷山の一角、国民はそういうふうに考えているわけでありまして、規制を強化しただけで効果が上がるだろうか。ここは午前中の与党の質問の中にもあったところでありますが、これは総理、本気にそういうふうにお考えでしょうか。     〔中山(正)委員長代理退席、委員長着席〕
  128. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 まず出る方を私はやはりできるだけ規制しなければいけませんので、まだまだ冠婚葬祭のほかにやれることがあるのじゃないかということを考えております。出る方をまず、これは人件費にも及ぶのであろうと思いますけれども、現実に出るものをできるだけ規制をしていく、その上で、しかし要る金というものはございましょうから、それについてやるべきことは、それでしたらその透明性をできるだけ確保するという、これがどうもやるべき方法ではないか、それをまたやっていくのだというふうに考えておるわけです。
  129. 和田静夫

    ○和田(静)委員 政治資金として届けない理由というのは、例えば企業といろいろの関係があるということを知られたくない、そういう心理的側面、あるいは政治資金規正法上の枠をオーバーしてしまったという実際的な理由などが考えられますが、現実問題として現行法の企業献金の枠、例えば大企業の場合に年間三千万円という枠では小さ過ぎるのだろうか。もちろん、この枠を守っている人が多いはずですが、一体どうなんだろうかということを考えてみる。どうすれば現実的なのか、どうすればいいのか、ここのところはどういうふうにお考えになっていますか。
  130. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 政治資金規正法によりまして政治資金の枠、いわゆる枠でございますが、設定されましてから十数年このままずっと不動のままで参っております。その間に、物価の上昇はもちろんのことでございましたが、そして同時に政治活動の多様化そして広範化が行われてまいりましたし、情報化、国際化そういう要件が随分と変わってまいりまして、政治家自身が活動いたしますのに大変な費用が要るようになってまいりました。その間のギャップが非常に大きくなってきたと思うのでございまして、したがいまして、政治改革の中でいたずらに政治資金を規制をしてネガティブに抑え込んでいくというだけではなくして、要するに明朗な政治資金が集まるような方法を講じて、それと同時に政治資金のいわば量というものももう少し開放的に考えていただいていいのじゃないか、こう思っております。したがって、この問題につきましてもやはり政治改革の大きい要件であろうということは疑いないことだと思っておりますので、せいぜい御検討いただきたいと思います。
  131. 和田静夫

    ○和田(静)委員 この法律だって参議院の段階では御存じのとおり賛否同数だったわけで、時の河野謙三議長の一票で決まった法律ですから、大変欠陥を持っているし、我々はもともと批判的なことをずっと述べてきていたわけでありますが、いわゆる量的に規制するというのが規制の仕方として本質的じゃないということをあのときもずっと述べさせてもらいましたけれども。企業献金、団体献金の論議がずっとあったのですが、禁止した方がよい、野党の側は根強くそうある。しかし、金丸副総裁が言っていらっしゃるように、それでは政治行動を束縛してしまうという論理があるのであれば、論理的には誤解を生みやすい、疑惑を生みやすい個人への献金を制限をして、そして政党への献金に窓口を変えるというようなことも一つの手法でしょうね。どうでしょう。
  132. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 確かにそれは私たちも検討すべき重大な課題だと思っております。
  133. 和田静夫

    ○和田(静)委員 議員の指定団体を一つとか二つとかに絞ってそこに献金を集中させてわかりやすくしよう、そういう案があるわけでありますが、もうこれでは私は、改善であるかは知れないけれども、どうも結局だれか会計担当者が届け出をするだけになってしまう、現行と大差ないことになるのじゃないだろうかと実は思う。アメリカの連邦選挙運動法は百ドルを超える現金による寄附は禁止をする、指定口座で出し入れするということになっていますね。あるいはフランスの政治資金浄化法は、一千フランを超える寄附は小切手で行わなければならない。指定口座で出し入れがわかる仕組みになってますね。そういう指定口座制にしない限り、出し入れの透明性確保というのは結局はできないんじゃないだろうかというふうに考えているのですが、透明性の問題で総理いかようにお考えになりますか。
  134. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 先ほどおっしゃったのは確かに私は一つの方法だろうと思っておりますのでございますから、そういういろいろな方法がございますから、ぜひ各党持ち寄ってその方法を検討していただきたい。要するに、政治資金は私は、額が少ない多いということの検討もそれは大事でございましょうけれども、より以上に、国民の目から見ましたら、その透明度といいましょうか、公開度といいましょうか、そこが問題なんだろうと思いますので、その方法としては、おっしゃるのは確かに有効な一つの方法だと思っておりますので、あわせて御検討のほど、お願いいたしたいと思います。
  135. 和田静夫

    ○和田(静)委員 担当自治大臣のお考え方はよくわかりましたが、ところで、このことを考えてみますと、指定口座制にして出し入れが明白になっても、端的に言って、普通の場合には余り困らないと思うのですね。私も困らない。我々野党議員もほとんどは困らない、それほど困らない。与党の議員も多くは困らないかもしれません。ただ、政治資金規正法の届け出でわかる大物議員の方々と言われる方々、派閥の領袖のような方々はスケールが違うものですから、お金の出入れが全部透明になったら都合が悪いのかなという推察をするのですが、これは総理、副総理、いかがです。
  136. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 それは、そんなことは私はないと思います。ただ、どういう制度のもとで行われるか、先ほどもお話しのような派閥とおっしゃいましたから、政党助成というようなことはお考えでないシステムであるかもしれませんけれども、ほかの制度がどういうことでやられるかによりますと思いますが、そんなことは必ずしも私はないと思います。
  137. 渡辺美智雄

    ○渡辺(美)国務大臣 私は政治資金を透明にするということはいいことだと思いますが、これは非常に金が集まらなくなることも事実ですね。それから、野党に献金する人はなくなるかもしれません。今あるかどうか知りませんよ、私は。知りませんが、考えられることを申しますと、日本人というのは、自分がだれを支持しているというようなことを表に言いたがらない。アメリカなどは大統領選挙がこの前もあったが、大使館へ行ってみたら、私はブッシュだとか私はデュカキスだとか、館員がお互いに言ってかけて、お金をかけたかどうか知らぬが、かけているわけですよ。大っぴらですね。  ところが、日本ではお役所で私は自民党だ、私は社会党だなんて言っている話は聞いたことがない。そういう習性が日本人にはありますね。非常にそういうことを秘密にしたがる。同じく、栃木県から私は立候補していて、栃木県で成功した人が仮にあったといたしまして、じゃ私に献金したい、たとえ五十万でも百万でも二百万でも、表に出されることを嫌がるのですね。官報に載れば、あの人に出して何で私に出さないんだとほかの議員がみんな来るという。全部にくれといったって嫌な人にはやりたくないが、アメリカだったら、あなたは嫌いだから嫌よと言えばそうですねといってみんな下がっていくが、もらわない人が恨みに思って悪く言う。そういうふうなところで表に出して言うことは、非常に理屈の上ではいいのだけれども、日本の風土になかなかなじまない点があるのも現実だと私は思います。それをどういうふうにして乗り切っていくか、これは意識改革をしなきゃだめだということだと思いますね。
  138. 和田静夫

    和田(静)委員 これは、本来なら総理と副総理の答弁にかなりの違いがありますから、ここで一休みして政府統一見解といっていいところですが、改めてこれはやりましょう。  私は、政治団体をつくって、そこが届けることになっているが、この政治団体以外の資金活動というのは今対象ではないわけです。今日、リクルート社から株を買って、買った形をとって、いわゆる巨額の収入を得たりするという手法もそういうところから生まれてきた。これをどうして透明にするのか、透明にする決意を持って改革するのかということなども非常に重要な問題なんですが、もう時間がありませんからこれ以上そこのところを言いませんが、渡辺郵政大臣に一言だけ申し上げておきたいのです。  実は、私は長年質問の手法としては、テクニックとしては、大体七〇%ぐらいの追及をして、あと三〇%ぐらいはお互いが反省のために考えてみるという手法でずっと二十年間二百回以上の質問をやってきたつもりです。ところが、どうも虚偽と思われる答弁をされますと、これはそのまま放置できませんので一言だけ触れておきますけれども、ユウコウ・インターナショナルという会社の顧問料の問題、この間言いました。顧問料がいいとか悪いとか言ったわけじゃありませんで、そういうような形の政治資金の集め方というのはという論議でやったわけです。  ところがあなたは、議事録をずっと読んでみると全面否定なんですね。全面否定されてみたところで、あなたの奥さんが社長であって、あなた自身が短期の借入金として五千二百三十四万五千九百九十九円貸していらっしゃったという決算表を私は持っています。そういうようなことで、全然関係がありませんよとやられてしまうとこれはとても許しておけないということになりますので、訂正をされるのならばこの機会に訂正をしてください、一言。
  139. 渡辺秀央

    ○渡辺(秀)国務大臣 私、この問題についても正直に申し上げたつもりなんですが、ユウコウ・インターナショナルという会社をそもそも設立しようというところから実は釈明をさせていただきませんとなかなか御理解いただけないのではないかという感じもいたしますが、時間もございませんことですから、実際にこれは私の持っておりました、昭和四十九年に取得いたしました私の土地を、秘書秘書がじゃありませんけれども、何とか有効に活用したらどうかということでその会社をつくったことは事実なんです。ですから、これはもちろん私も当時は承知しておりました。しかし、実際にこれをやる段階になってきますと、私は本当に今まで会社に勤めたこともありませんので、全く数字に弱い男でありまして、これを秘書の言うように実は任せてしまったわけであります。そこが少し間違いかなという感じがいたします。  いずれにいたしましても、先生のおっしゃられる政治顧問料ですか、というような意味で受け取っていたということは私、実は本当に承知してないのです。そこのところはわかっていただきたい。しかし責任は、これは私が設立のときに関与していますから全然ないとは言えないと思っております。  現状においては、先般申し上げましたように私は株主でない。昨年の五月か六月でしたか、株は、別に今日を期してじゃないのですが、とても見ておれませんし、それから借金の返済というか金利の返済もやりにくいということもありまして、実は力のある人にお任せしたということでありまして、その中間も家内が社長ということでありましたが、実際にはこれも名前ということでありまして、まあ任せてしまっていたという不手際でございます。これはもう正直なところでございます。
  140. 和田静夫

    和田(静)委員 関係がないと答弁されたことは、関係があったんだということがわかったという程度できょうは終えておきますが、そこでもう時間がありませんからあれですが、けさも与党の質問の中にありまして私も静かに聞かしてもらいましたが、資産公開という方法があるわけでありますね。しかし、土地、財産の公開ではほとんど政治経済活動あるいは経済政治活動はとらえられないのではないだろうかということを私は考えるんです。  御承知のとおり経済活動は生き物で、ストックはいわば結果ですから、フローで見ない限りとらえられないと思うんですね。アメリカ政治倫理法にある資産公開、ファイナンシャルディスクロージャーは資金の調達状況の開示を意味するようですね。つまり、公職にある者がどこからどのようにして資金を調達したか、どのように利益を得ているのか、そういうものの公開を定めている。いわばフローの公開ですね。  私は、ストックの公開では今日の政治経済の活動の近接した分野は、これは何らとらえられないのではないだろうかということを考えるんです。で、フローの公開をやるべきだということを実は考えていますが、総理の御見解をまず一つは承りたい。  それからもう一つは、時間がありませんので連続しますが、連座制は通常、選挙に関して規定されておりますが、これを政治資金に広げてとらえる必要が今日の状態を見るとあるのではないだろうかと思うんです。こう言うといささか露骨かもしれませんけれども、さっきの話じゃありませんが、やはり秘書秘書がという弁解というのは、国民はこれは納得していないわけですから、国民の納得してもらえる連帯責任を明らかにすべきだ、そういうことを考えます。これが二つ目です。  それから最後は、刑法の職務権限についても、今日いわゆる職務権限のない大物議員やあるいは族議員というふうに言われる人たちの影響力からいって、やはり国民が割り切れない素朴な感情を持っていることは、これは否めない事実ですよ。そうした点についての規定も私は必要なんじゃないだろうかということを考えているのでありますが、これも含んで総理から御見解を承れれば。
  141. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 まず、ストックかどうかという問題でございます。  確かにストックの公開だけでは私は十分な政治家の公開になっていないと思っております。がしかし、一方におきまして、政治家の会計の中に個人の所得に関するものと政治資金に関するものと二つが混然として同一人格の中にあるわけでございますから、これをやはり明確にするということから発足していかなければ、おっしゃる趣旨はなかなか徹底していかない。そこを今回明確にして、いわば保有金制度というものの制度をきちっとしていただくということが、これが一つ重大なことではないかと思っております。  それから二番目の連座制。これは、政治資金の団体の中の出納責任者というものの資格を明確に、会計責任者と今届けておりますね、この権限をきちっとする必要があるんではないか。つまり受け入れ、支出に対する責任というものを明確にさす必要があって、現在のような会計の、ただ帳面づけだけという責任者ではなくて、そこらのことをきちっとした上でないと連帯制ということも難しいのではないか。要するに、選挙におきますところの……(和田(静)委員「いやいや選挙じゃなくて、政治資金そのもの」と呼ぶ)選挙におきます連帯制は、あれは自分の選挙と一体でございますから。ところが、こちらは団体が、つまり自分を支援してくれる団体のことでございますから。でございますから、この団体の中でその政治資金を扱う責任者というものがどういうふうに位置づけられるかということをしていただかなければ連座制と結びついてこない。選挙とはちょっと違うと思うことであります。(和田(静)委員「それをおやりになる」と呼ぶ)いや、これはどうぞひとつ協議会で検討していただかぬと、こちらの方でとやかくとこの重大な問題は申せられぬ。  族議員の職務権限につきましては、専門家がおりますので、法務省からでもひとつ……。
  142. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 一の話は今塩川大臣言われたとおりだと思いますが、二の話は、つまり、もし特定の政治家に連帯責任が資金規正で及ぶという、そういう考えであったら、資金そのものはある政治家政治活動を助けるためというようなことでございますと、その責任者とその政治家とは直接に結ばないということに理屈上なりませんでしょうか。そこのところがどうなるかということじゃないかと思います。
  143. 山村新治郎

    ○山村委員長 これにて和田君の質疑は終了いたしました。  次に、冬柴鐵三君。
  144. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 公明党国民会議の冬柴鐵三でございます。  二月二十五日、当委員会で行われました法務大臣の共和汚職事件に関する中間報告、それから塩崎議員に対する証人調べ、鈴木参考人への質疑、そのようなものについての政府の所見といいますか、これを通じてどのようなことをお感じになっていらっしゃるか、そういうことを順次お尋ねしてまいりたい、このように思います。  まず法務省にお伺いしたいわけでありますが、阿部議員に対する共和からの多額の資金提供がされたとの報道等をも視野に入れ、資金提供の全体につき捜査を尽くしました、このように報告をされたわけであります。ところで、新聞各紙は早い段階から、共和の森口氏から阿部議員に託して鈴木元首相に一億円が届けられたのではないか、このような趣旨の報道を行っています。そういたしますと、当然にこの一億円の帰趨についても捜査の対象とされ、このたびの中間報告の内容をも構成する事項である、私はこのように理解するわけでありますが、法務省の確認を求めておきたい、このように思います。
  145. 濱邦久

    ○濱政府委員 お答えいたします。  去る二十五日に私の方から、東京地検において行われましたいわゆる共和事件捜査結果の御報告を申し上げました。その中で、検察当局は、共和から阿部議員に対する資金の流れの全体について必要な捜査を尽くし、その結果として起訴に係るもののほかに訴追するに足りるものは認め得ませんでした、また、阿部議員に係るもの以外の犯罪の成否についても、捜査収集した証拠に基づき種々検討したものの、犯罪の嫌疑ありとして訴追するに足りるものは認められませんでしたというふうに御報告いたしました。  今お尋ねの、起訴されていない具体的事実関係につきましてはお答えすることは差し控えさせていただきたいと思いますが、去る二十五日の法務当局からの御報告につきましては、先ほど委員御指摘の内容の御報告を申し上げたということでございます。
  146. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 この一億円の帰趨につきましては、我が党の草川議員のほか、自民、社会の各委員の質疑者も尋ねられたところであります。  当日の朝刊、朝日新聞がこれにつきまして非常に詳細な具体的な報道をされたこともありまして、質疑者も非常に具体的な尋ねをいたしております。一九九〇年、平成二年四月、阿部代議士と森口副社長が五千万円ずつを入れた紙袋二つを持参して、鈴木元首相の事務所のあるビルの前まで行き、そこから先は阿部議員が一人で鈴木事務所へ持って上がっていった、このような報道を引用されて、その趣旨、具体的に問われたのに対して、鈴木参考人は、そのようなことは全くない、全面的に否定をされているわけであります。その上で、機会があればその点を阿部氏とはっきりさせたいと思っている、また捜査によって明確になることを願っているとも述べられているわけでありまして、この点について翌日の新聞も、鈴木元首相に渡そうとした一億円はどこへ消えたのか、鈴木氏の参考人質疑の結果、残された最大のなぞがこれなどの趣旨の解説記事を掲載していますが、この感想は、当日の参考人質疑の模様をテレビ画面で見た多くの国民ひとしく抱いた最大の疑問点ではなかったかと思うわけであります。一億円という金額の点からも、授受の目的に照らしても、まさに共和事件の根幹をなす疑問点と言っても過言ではないと私は思うわけであります。  ところで、刑事局長の報告は、この大きな疑問には直接的には答えられませんでした。そこで、一般論の形で伺うわけでありますが、刑事訴訟法二百三十九条二項というところですが、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」このように定めているわけであります。そこで、検察官が贈収賄事件の捜査の過程で、一億円という多額の横領事件または一億円にも達する所得の不申告という所得税法違反の犯罪事実を認知した場合、この規定はどのように働くのか、簡単にお答えをいただきたいと思います。
  147. 濱邦久

    ○濱政府委員 お答えいたします。  委員今御引用の刑事訴訟法二百三十九条第二項は、御案内のとおり、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と規定していることはそのとおりでございます。  で、刑事訴訟法における告発とは、これももう委員十分御存じのとおり、被害者その他の告訴権者、犯人それから捜査機関以外の第三者が捜査機関に対して犯罪事実を申告して、その犯人の訴追を求める意思表示であるというふうにされていると考えております。検察官は捜査機関でございますから、お尋ねの条項は今委員お尋ねのような事例には関しないものであるというふうに考えております。
  148. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 さて、もし阿部議員がこの一億円を鈴木氏に渡すことなく自己のために領得をされたという事実が捜査の過程でわかったということになれば、これは仮定の問題ですけれども、横領罪、刑法二百五十二条一項が成立する疑いが非常に濃厚になってくるわけであります。検察官としては、これを知りながら放置できないことも、これは明らかであります。  こういう観点に立ちまして、過日のその刑事局長の中間報告を子細に読んでみますと、このように書かれています。資金提供の全体につき、捜査を尽くしましたが、贈収賄罪、また政治資金規正法違反につきましてはと、この二つの罪名を注意深く限定、特定しながら、「いずれも訴追するに足りるものは認め得ませんでした。」このように述べていられるわけでありまして、他の犯罪、すなわち横領罪や所得税法違反の犯罪の成否には一切論及をしていられない。この点は今後の捜査や調査にゆだねられていると私はこの報告の中から理解をしたんですが、その点について御確認をいただきたい。なるべく短く。
  149. 濱邦久

    ○濱政府委員 お答えいたします。  先般の御報告で申し上げましたのは、ちょっと明確にさせていただきたいと思うわけでありますが、「株式会社共和から阿部議員に対して多額の資金が提供されたとの報道等をも視野に入れ、株式会社共和から阿部議員に対する資金提供の全体につき、贈収賄や政治資金規正法違反の点を中心として、捜査を尽くしました」というふうに御報告したつもりでございます。  それから、「阿部議員に係るもの以外の犯罪の成否等」につきましては、「東京地方検察庁におきましては、この点につきましても、贈収賄や政治資金規正法違反の嫌疑の有無を中心として捜査収集した証拠に基づき検討を続けました」というふうに御報告したつもりでございます。
  150. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 それじゃ、国税庁長官にお尋ねをしたいと思います。  阿部議員に対する資金提供は本件のこの一億円を含めてでありましょうが、五億円を超える、このような報道があることは周知の事実でありますが、そのうち、贈収賄で検察が立件したものはわずか九千万円にすぎません。この中間報告は九千万円を超える部分について、政治活動に関する寄附とは認めがたいということも言っていられるわけであります。そうしますと、政治資金としての非課税扱いは受けられないわけでありますから、国税庁として、この新聞報道やあるいは法務省の中間報告も視野に入れ、適正課税のために国民の納得する措置を今後阿部議員にとることがあると理解していいのかどうか、その点についでお答えをいただきたい。
  151. 冨沢宏

    ○冨沢政府委員 個別にわたる事柄は答弁を差し控えさせていただきたいと存じますが、一般論といたしまして、国税当局といたしましては、納税者の適正な課税実現という観点から、常にあらゆる機会を通じまして課税上有効な資料の収集に努めております。国会での御議論あるいは新聞等における記事等もこの資料の中に入っておるところでございます。
  152. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 それぞれ立場がありましょうけれども、これは国民注視のところでありますので、納得のいく措置がとられるものと確信をいたしておるわけでありますが、次の問題に移りたいと思います。  これは総理にお伺いしたいんですが、このたびの参考人質疑におきまして、閣僚への猟官運動のことが大きな論点になりました。これにつきましても、我が党の草川議員、自民党の委員からも取り上げ、質問をされました。これに対して鈴木元首相は、今までの内閣で組閣に当たって入閣のために工作がなされるとか、陰で猟官運動的な動きがあると伝えられることがあった、しかしながら、ということで、自分はそういうことは経験をしてないしという否定をされるわけですが、その前段はそのように、そのようなうわさが流布されている事実を認める発言をされたわけでございます。  また、これは読売新聞紙上で「猟官とどめの金一千万」という見出しで、阿部代議士が森口副社長に対し、派閥内での大臣推薦にも順序がある、これが一つ上になるか下になるかで大臣になれるかどうかが決まると、みずからの微妙な立場を説明し、最終的には宮澤会長の判断と話をし、宮澤会長に渡すとどめの金の趣旨で一千万円の資金提供をしてほしい、このような要請をして、森口副社長はこれを了承の上、直ちに自動車で衆議院第一議員会館へ向かい、阿部代議士の事務所内で一千万円の現金を渡したと、まことにリアルに大きく報道したことは総理も御承知のとおりだと思うわけであります。これは、嘔吐感を覚えるような不快に襲われたのは私だけじゃない、このように思うわけであります。  事実の存否の前に、このような事実が我が国を代表する新聞紙面で報道されたこと自体、非常に恥ずかしいことであり、国民あるいは外国の我が国政治に対する信頼を著しく損なうものであると思うわけであります。私は、大臣に限らず政治家が、地位を得るために金品をもって猟官運動を行うということは許さるべきことではない、このように思うわけであります。そして、これは何人も否定することのできない自律規範、みずから律する規範がそこにあるんじゃないか、このように私は思っているわけであります。  非常に抽象的な質問でございますが、総理のお考え、このような猟官行為というのは許さるべきでないという自律規範が存在する、私はそう思うわけでありますが、総理のお考えを伺いたいと思います。
  153. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 そのような規範が存在していると私も感じます。  ただいまのお話に限らず、そういうことは私については一切ございませんし、また、私の知っている範囲でもそういうことは余り行われていないのではないかというふうにむしろ存じております。
  154. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 そのような規範が存在するというのは、私と総理、今一致したわけでございますが、政治倫理規範というものを見直す際に、ぜひこういう規範の存在というものを念頭に置きまして、次元は低いかもわからないけれども、しかし、そういうものが行われない、このような論議がされるべきだし、その成果も得られるべきだと思うわけでありますが、これも抽象的ですが、総理のお考えを伺いたい。
  155. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 それは賛成でございます。ただ、余りにも当然のことでございますし、恐らく法律の問題でなくて倫理の問題でございますから、そのようにやはり定義せらるべきだろうと思います。
  156. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 私は、事前の猟官運動が許されないという規範が存在するということは私と総理との間で一致点を見出したわけでありますが、そうであるとするならば、私は、大臣就任後に謝礼を込めた金品を贈呈する、こういう行為も、事が事だけに、事後猟官行為と私は仮に呼ぶとしまして、これはやはり許すべきではないんじゃないか、そういう規範もあるんじゃないか、このように思うわけであります。  その根拠は、例えば収賄罪というのは、物を頼んで、請託して、お金を渡してやってもらうということは典型ですけれども、そうでない場合、すなわち、やってもらった後に金品を贈る場合も事後収賄行為として刑法は処罰しています。量刑は同じです。そしてまた、公職選挙法も、当選または落選に関する事後の運動も、これは厳罰をもって禁圧をしているわけでありまして、そうだとするならば、事前猟官が許されないという規範があるならば事後猟官も許されない、こういうふうに思うのですが、その点はいかがでございましょう。
  157. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 倫理というのは、自分の持っている哲学と申しますか、もっと俗な言葉で言えば気持ちが許すとか気持ちが許さないとかいう言葉の方が案外近いかもしれません。で、前でも後でも、気持ちの許さないという点では私は同じだと思います。
  158. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 この点もほぼ一致したわけでありますが、こういうふうな考えに立ったときに、私は、過日の鈴木参考人がここで述べられたことをどのように考えたらいいかという点に思い至るのであります。こういうふうに述べられました。要旨でございます。  阿部君が来て、あいさつがおくれましたが、長年の悲願だった入閣を今回果たすことができました。これは私のほんの気持ちばかりのもので、どうかひとつお納め願いたいと、茶封筒に入れた現金一千万円を置いて帰った、こういう発言をここでされました。  私はあそこで聞いていまして非常に衝撃を受けましたし、驚きでもありました。それはまさに、今私と総理とで、やはり事後猟官、そういうものはいかぬじゃないかというふうに話し合ったわけですが、当時の鈴木さんの地位、立場から見れば、こういう趣旨で一千万をそこへ置いていった、これは預かり金だとかいろいろ後で議論がありますが、どうも私の言ういわゆる事後猟官そのものの現場をリアルに述べられたのではないか、こんな感じがしたわけで驚いたわけであります。  そこで、これは質問は、鈴木元首相は、この一千万円を平成元年九月ごろに預かった、そして共和事件が発覚し、そしてまた阿部代議士のそれへの関与が国会周辺で、まだ新聞には載っていませんでしたが、取りざたをされ始めた後である、受け取った日から二年余を経た平成三年十一月十四日に阿部氏に返した、このようにおっしゃっているわけであります。  しかも、この保管行為は、善意の保管者として保管していたにすぎないとおっしゃいました。善意の保管者というのは一般の言葉としては余り熟していない言葉でありますが、我々法律家の間では、善意の保管、悪意の保管、あるいは過失ある保管者、過失のない無過失保管者というような言葉があるわけでありますが、どうも法律家の言葉じゃないかなという感じは受けたわけであります。  それはさておきましても、国税庁に伺いますが、こういう金銭授受がはっきり明らかになった。その受領者が、これは預かり金だという弁陳弁明をされれば、これに対してはもう所得とみなして課税をするということはされないのかどうか。その点について御答弁をいただきたいと思います。
  159. 冨沢宏

    ○冨沢政府委員 一般論といたしますと、金品を預かり、それをまた返したという場合は課税関係は生じないわけでございますけれども、個別のケースにおいて、真に預かり金であるかどうかという点につきましては、実態に即して判断をすることになろうかと思います。
  160. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 実態に即してそれでは本件について調査をされる気持ちがあるのかどうか。こういう事案の場合ということで、一般論で結構です。  一千万円を受け取ったという事実がはっきりした人が、いや、これは二年前なんです、預かっただけなんです、二年たってから、いろいろあったので返しましたと言われたら、これはもう課税を調査はしないのかどうか。そのお金が、預かったときのお金と返したときのお金とは一緒だったのかどうか、あるいは封が破られたのか破られていないのか、いわゆる我々の言う領得の意思がそこにあらわれていたかどうか。こういうことを調査を、一般論としてですよ、税務当局、されるのかどうか。  あわせて、鈴木元首相の一千万円と塩崎代議士がここで証言をされました二千万円の受領関係であります。塩崎代議士はこれを、受け取ったけれども返還をしましたとおっしゃいました。しかしながら、所得税の修正を申し出て、雑所得として課税を受けたことも、あわせてここで言われたわけであります。じゃ、この塩崎さんの二千万と鈴木元首相の一千万とはどこが違うのか、課税上。一方は税金を払い、一方は税金を払わなくて、今のところですね、どう違うのでしょう。御説明をいただきたい。
  161. 冨沢宏

    ○冨沢政府委員 第一の点でございます。具体的な点につきまして調査をするしないという点につきましての答弁は差し控えさしていただきたいと存じますが、先ほども申し上げましたように実態に即して判断をするということになるかと存じます。  それから、塩崎議員のお話が出たわけでございますが、これにつきましても、私ども一般的に、収受されたということであれば、これは雑所得の収入金額になるということでございます。塩崎議員がそういうふうにこの場で御証言されておるということを私どもは承知しておるわけでございます。
  162. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 ちょっとしつこいようですけれども、その点を確かめておきたいのですが、塩崎議員のものが雑所得になるのであれば、鈴木さんの一千万も雑所得になる可能性があるわけでありまして、今のその調査をする一つの実態関係の判断の基準なんですが、具体的なものはお答えになれないわけですから抽象一般論として伺いますけれども、預かったお金が、いいですか、二つ聞きましょう。預かった金と返した金が同じものであるかどうかということは調べられるかどうか。それから、預かったものが茶封筒に入っていた、こういうふうに言われましたが、その返したときの状況はどうだったのかどうか、そういうことも一つの判断基準になるのかどうか。それからもう一つは、二年二カ月の日の経過、預かったときから返すときまでの日の経過、こういうものもあなたの方は調査の一つの縁由といいますか端緒といいますか、調査の端緒としてそういうものを考えられているかどうか。その点について、抽象論で結構ですから、この鈴木さんの一千万を離れて、明快な御答弁をいただきたいと思います。
  163. 冨沢宏

    ○冨沢政府委員 一般論でございますが、真に預かり金であるかどうかの判断は、まさに実態に即して行わざるを得ないわけでございます。その場合には、あらゆる状況というのは一つの材料になるわけでございますけれども、一般的に申し上げれば、債務の関係というのは、必ずしも預かったお金と返したお金が同一であるということはその要件ではないわけでございます。  その他の点につきましていろいろと御質問ございましたけれども、それはやはり全体として判断をすべきものだと考えますので、個別についてはお答えを差し控えさしていただきたいと思います。
  164. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 非常にここで参考人に対する質疑というのは国民注視の上でテレビにも放映されました。新聞も大きく取り上げました。しかし、それに対して疑念が大きくなった。一般国民に対する課税処分と政治家に対する課税処分にもし差があるとするならば、一般国民の納得は得られない、このように思うわけであります。これ以上はこの点については時間の関係もありますので、十分国税の方で厳正公平な課税がなされるものである、このように信頼をいたしまして、次の問題に移りたいと思います。  次の問題は、閣僚の資産公開の問題であります。  今、政治改革の一環といたしまして、議員及びその一定範囲の親族の資産公開についてもどうであろうかという議論を我が党でも大分やっているわけでありますが、この点ば官房長官にひとつお伺いをいたしますが、宮澤内閣における閣僚の就任及び退任時における資産公開の基準のうち、普通預金あるいは当座預金のような随意払いといいますか、流動性の高い預金、資産についての公開基準をどう考えていらっしゃるのか、それからまた、割引債の公開はさるべきなのかどうか、そういう基準について、この二点、お伺いをしておきたいと思います。
  165. 加藤紘一

    ○加藤国務大臣 宮澤内閣成立いたしましたときに、前内閣からの方針を引き継ぎまして、閣僚につきましては、資産公開の基準を官房長官たる私から閣僚の皆様にお願い申し上げました。  それで、今の冬柴先生の御指摘でございますが、対象となる資産は、資産として保有することが一般的な土地建物、定期性の預貯金及び有価証券、貸付金及び借入金、ゴルフ会員権、自動車など、及び書画骨とうその他の美術工芸品としているところでございまして、普通預金、当座預金等は資産性が乏しいことから、資産公開としてはそこまで対象は広げておりません。  今、割引債のことがございましたけれども、その割引債も資産の一部と考えて公開の対象にしております。
  166. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 今伺いましたけれども、平成二年二月二十八日の第二次海部内閣発足時、塩崎議員はこの内閣で総務庁長官、閣僚に入られたわけでありますが、御夫妻の預貯金は合計で一千三百二十六万円と公開されたと理解しています。それから割引債につきましては、お持ちになってない。株式、株券については相当たくさんお持ちなんですが、割引債については、なしでございました。  ところで、このような財産状況にあったと思われる塩崎証人はこの委員会で、宣誓の上、松山市所在の土地購入資金二億六千万円余を、その決済資金の出所を尋ねられました。お答えは、普通預金の中から出しましたということなんですね。さらに、割引債を売ったりして調達をしました、このようにおっしゃいました。そして、また要旨でございますけれども、速記録を私は持っている。普通預金や割引債は公開すべき資産の範囲外と理解している、そのような趣旨のことをおっしゃったと思います。今の官房長官の御答弁で、宮澤内閣におきましては、割引債は公開の範囲だ、しかし、普通預金のような流動性の高いものについては資産性が乏しいということで公開はしなくてもいい基準にしてある、こういうふうにおっしゃったわけでありますが、この二億六千万円にも達する資金の出所が普通預金とそして割引債というふうにおっしゃいますと、国民は何のためにこの閣僚の資産公開を行ったのかということで不審に思われると思うわけであります。  そこで、官房長官に一つのお考えを聞きたいわけですけれども、閣僚の資産公開はその内閣ごとに決められるようでございますけれども、流動性が高いという随意預金であっても、公開の直前にそちらへシフトされますと、これが抜けてしまいます。そういうことから、その残が例えば百万円以上あるというような場合には、普通預金や当座預金であってもやはり公開するような基準を定めていただいてはいかがか、このように思うわけであります。これは例えば書画骨とう品のたぐいも、高価なものということで、おおむね幾ら以上ということで、百万ぐらいじゃないかと思うんですけれども、それと基準を合わせますと、やはりこの預金についても普通、当座預金とかそんなところへ利息もつかないのに置いておく人はない、普通預金であればそんなものはすぐ出してしまうんだから、そんなところに何百万も置いている人はない、こういう考えに至るわけですけれども、これはやはり今の塩崎証言を見ますと、こういうものも公示すべき必要があるんじゃないかと思うのですが、その点について御意見を伺いたいと思います。
  167. 加藤紘一

    ○加藤国務大臣 塩崎先生が割引債については公開の対象でないとお考えになっていた部分は、誤解だと思います。その辺は海部内閣の当時もそうだったと思いますし、我々の内閣でもそうでございます。  それから、流動性の強い預金の問題につきまして、それをどう考えるかというのは一つの問題点であろうと思います。ただ、非常にいわば割引債で高額であった場合は別としまして、普通余りそういう流動性の高い当座預金に膨大に入れておかれる方もないし、それから短期にそんなにシフトするということも、いろいろでありましょうから、その辺の基準を決めて、どういう日時のどういう段階でということもいろいろありますので、なかなか難しいところがあるんじゃないかなと思っておりますが。
  168. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 委員長にお願いしたいと思います。  塩崎潤代議士に対しまして、平成二年三月三十日現在の資産として自主公開した資産中、ただいまも官房長官もおっしゃいましたように割引債が脱漏していることが明らかとなりました。それで、その明細を当委員会に提出されることにより、当日の証言の補完をしていただきたい、このように思うわけであります。委員長におきまして善処をしていただくように要求したいと思います。
  169. 山村新治郎

    ○山村委員長 冬柴君に申し上げます。  理事会において協議させていただきます。
  170. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 ひとつどうぞよろしくお願いいたします。  最後に総理、政治倫理を確立するためになさねばならないことはたくさんあるわけでありまして、これに対して我々もなさなきゃならないわけでありますが、総理としてどのような決意のもとに取り組み、具体的にどのような日程でその成果を得られるように指導力を発揮されるのか、その点について総理のお考えを伺いまして、私の質問を終わりたいと思います。
  171. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 先刻もお答えいたしました当面急を要すると思います四つぐらいの点につきまして、私どもの党内の大まかな意見集約を今要請をしておるわけでございますが、その上で各党協議会、各党も御案をお持ちでございますのでお聞き願いまして、そこでひとつ速やかに合意を図っていただきまして、この国会で法案化するものは法案化をしていただきたい、このように考えておるところでございます。
  172. 冬柴鐵三

    ○冬柴委員 終わります。ありがとうございました。
  173. 山村新治郎

    ○山村委員長 これにて冬柴君の質疑は終了いたしました。  次に、井上義久君。
  174. 井上義久

    ○井上(義)委員 公明党・国民会議の井上義久でございます。きょうは政治改革に関する集中審議ということで、私はまず最初に、総理に政治改革に対する基本的な方針についてお伺いしたい、こう思います。  今回、共和の問題、佐川の問題が起きまして、ロッキード、リクルート、この両事件が教訓として生かされなかったということについては、政治家として大変じくじたる思いがあるわけでございます。政治改革は待ったなしという認識は総理も同じであろう、こう思うわけでございます。  ところで、海部内閣は、リクルート事件の後に再開をされました第八次選挙制度審議会の答申に基づきまして、いわゆる政治改革を選挙制度に集約をして進めようということで、小選挙区比例代表並立制の導入を中心とした政治改革三法案を国会に提出をされたわけでございます。与党内にも反対がございますし、野党はこぞって反対ということで、これはもう当然のこととして廃案になったわけでございますけれども、海部総理は政治改革に命運をかけるという公約どおり、結局実現できなくておやめになったということでございます。ただ、私はそういう意味で、選挙制度に集約して政治改革をやろうという、そういう一つの基本方針がはっきりしていたんじゃないかな、こう思うわけでございます。  そういう点で、総理として政治改革に最近御熱意を示されておるわけでございますけれども、総理としてこの政治改革に臨む基本的な方針、これをどのようにお考えになっているか、まずお伺いしたい、こう思います。
  175. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 それは、先ほども申し上げました四つの問題、定数と申しますか一票の価値の問題、それから政治資金の問題、政治倫理の問題、党・国会改革等の問題を当面速急に処理すべき問題と考えて党内の意見集約を要請しているわけでございますが、その際に、この年末ぐらいをめどにいたしましてやはり全体的な大きな政治改革、これには多少まだまだ時間のかかる問題、そういう問題を頭に置きながら、そういう背景のもとに当面のその四つぐらいの問題についての意見集約をしてほしいと言っておりまして、その上で各党協議会をお願いしようとしておるわけでございますから、私の全体の考え方で申せば、やはり多少中長期的な政治改革の問題、その中で当面急を要しますものをいわばこの際この国会において立法化をお願いいたしたい、こういう構成で物を考えております。
  176. 井上義久

    ○井上(義)委員 その話は先ほどからもお伺いしているわけでございまして、三月中旬をめどに四項目について党内の合意を得る、十一月をめどに抜本的な全体像をつくっていきたい、こういうお話でございます。  それではお伺いいたしますけれども、いわゆる当面の四つの課題どこの全体像、これはどういう関係があるのか。先ほど言いましたように、海部総理のときは、いわゆる選挙制度が変わらなければほかも全部だめなんだ、こういう議論で来たわけでございますけれども、そうすると、これは政治改革ですから、やはり全体像があってそれぞれの問題もある、あるいはこれだけ切り離してやるというような両面があるわけでございますけれども、この四項目とその全体像の関係というものを総理はどういうふうに考えていらっしゃるんでしょうか。
  177. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 それは、私どもの党としては一度ああいう三つの法案をおのおの相関するものとして御提案したことがあったわけでございますけれども、これは廃案となりました。私ども党内にも、おっしゃいますようにいろんな議論がございます。したがって、私の申そうとしておりますことは、この際の緊急な四つの点でございますか、それで全部が終わったわけではない、やはり抜本的な問題は残っておるのです、むしろそういうことを背景に考えてもらいたいということを言っておりまして、その全体的な問題とは何かということは、今の四つの問題をまとめますのでもなかなか大変でございますから、今それを具体的に私が申しておりませんで、しかし、いわば今の話だけで済むのではないと思うということはみんなに了解しておいてほしい、またそういう理解になっておるかと思います。
  178. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 当面の問題の御説明ございましたですが、総理が私たち政府の方に指示されましたことは、これは政治改革協議会の精神といいましょうか趣旨そのものでございまして、こういうふうに政治改革協議会が設置されましたときにうたわれております。すなわち、設置の「目的」のところでございますが、「この協議会に於いて、政治倫理、政治資金制度、国会改革、選挙制度など政治改革の課題となるべきものを検討し、その実現の方策を見い出すことを目的とする。」こういうふうになっております。この四項目が言われたことでございまして、その中には、順序を立ててということではなくして、協議でまとまっていくものから順番にやっていったらどうだ、こういう指示でございました。したがいまして、この協議会における順位を我々は最大の関心を持っておるところでございます。
  179. 井上義久

    ○井上(義)委員 次に、それでは三月中に党内合意を得たいということで、党内合意を得た上で政治改革協議会にお諮りをしたい、こういうふうに先ほどから受けとめておったんですけれども、各野党、社会党さん、民社党さん、我が党もそうですけれども、当面の腐敗防止ということに関してはそれぞれ案ができているわけでございます。したがいまして、政治改革協議会いつでも開ける用意があるわけでございますけれども、自民党案がまとまって初めて政治改革協議会を開催する、まとまらなければ開催できないというふうに理解してよろしいんでしょうか。
  180. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 いや、そういう断定的なものではございませんで、総理のおっしゃっているのは、三月中旬をめどにひとつ政治改革協議会も開催していただきたい、それまでに自由民主党としてその政治改革協議会に臨む案について党内で幅広く議論をしていただいてできるだけ一つの集約を図っていただきたい、けれども、このこと自体が何も自民党の案でも何でもないわけでございまして、それをもって協議会に臨み、協議会の議論があればそれをまた持ち帰って党で協議していただきたいというふうに、党と協議会の間で密接に協議をした上で我々に具体的な成案を与えていただく、こういうことでございまして、でございますから、三月じゅうに党としての確定的な案をまとめてという指示ではないということでございます。
  181. 井上義久

    ○井上(義)委員 どうも何か責任逃れのような印象を受けるわけでございます。要するに、自民党案がまとまらなければこれは議論のしょうがないわけでございますから、やはり自民党案をきちっとまとめて協議会に臨んでいただく、そこで各党案すり合わせをして、これは一致できる、これは一致できないということでやっていくのが当然だろうと思うんですね。  したがって、総理として、やはりこの政治改革というのは痛みを伴うことですから、相当なリーダーシップ、総理みずから本当に旗を振ろう、こういう決意がなければまとまらないんじゃないか。そういうまとまらない状態で政治改革協議会を開いても、結局持ち帰ってもまた同じことが繰り返されるわけでございますから、本当に成案を得よう、今国会中に法案をつくろう、こういうことであれば、リーダーシップを発揮していただいて党内をきちっとまとめていただく、自民党としての案をつくっていただく、やはりこれがなければ私は開いても意味がないんじゃないか、こう思うわけでございますが、いかがでしょうか。
  182. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 現在党の幹部の方、執行部の方から私たちに連絡ございますのは、政治改革協議会が開催されるときに党としての方針は、基本方針は明示したい、こう言っておりますので、したがいまして、現在自由民主党の中にございます政治改革本部が中心としてまとめていただいておる段階でございまして、何らかの協議会における提案というものがあるだろうと思っております。
  183. 井上義久

    ○井上(義)委員 それでは、総理が政治改革で指示なさった中に、定数是正を今回優先させるというお話があったわけでございます。  定数是正というのは、これは一票等価の問題でございますし、憲法で保障された国民の権利でございますから、もう政治改革以前の問題、こう思うわけでございますけれども、じゃこの定数是正で、先ほどの議論の中でいわゆる六十一年の国会決議を尊重するというふうにおっしゃっておりましたし、それから、自民党の政治改革大綱では総定数は四百七十一だ、こういうお話もされておって、先般いろいろ議論を、自民党内の議論、これは新聞報道等でずっと見てきたわけでございますけれども、その自民党政治改革大綱で示された四百七十一あるいは六十一年国会決議にあるような抜本是正という観点から、いわゆる二倍以内ですか、格差は二倍以内という、政治改革本部の選挙制度部会ですか、が試案として発表された。私はかなり抜本的な案だな、こう思うわけでございますけれども、それに対しても党内から実現不可能というふうなことでどうも厳しい見方をされているようでございますけれども、じゃ、この定数是正ということになりますと、やはり基本的な考え方というのが非常に重要だと思うのです。  まず、総定数をどうするのか、それから格差をどうするのか、それからもう一つは、やはり区割りの問題で、六十一年の抜本改正のときに議論されましたように二人区・六人区をどうするのか、こういうことがきちっと示されなければ、要するに定数是正をやりましょう、抜本改正ですと、こう言っても、何を基準に話し合えばいいのか、何も出てこないということになるわけでございまして、それじゃ、この定数是正について基本的な考え方はどういう考えなのか、これをちょっとお示しいただきたいと思います。
  184. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 井上さんおっしゃるのはまさにそのものずばりでございまして、私は、協議会におきましてまずこの国会決議されたものを具体化するとする場合、大きく分けて四つの問題が残っておると思うのです。  一つは、まさにおっしゃるように定数は幾らにするかということを決めていただかなければならぬので、自由民主党としては、かつての政治改革本部におきましては四百七十一という案も持っておりますし、それから五百十一というのも考えておりますし、四百七十一ということを中心にして定数是正案というものを考えておることも、これも一つの方法だと思います。  それから、一対二でなければならぬのか、一対三でもいいのかというこの問題。これは深く議論されて決定したものはないのでございますから、ここはぜひひとつ、一対何をもって権利の保障をするということにするかということはあると思います。  それから、もう一つ重要なことは、あの国会決議の中に書いてございますように過疎過密に配慮しということがございます。過疎過密に配慮するということになれば、単純に人口割りだけでは済まないような感じがいたすのでございまして、ここもどの程度過疎過密に配慮するかということを決めていただかなければならぬ。  もう一つ、四番目の問題は、どうしても二人区・六人区というものが出てまいりますが、これは現在、現行の選挙区制度とそれから小選挙区制との非常に重要な問題提起になってくると思っております。こういう方針等についても検討していただかなければならぬ。  こういうことは、役所側だけでこういう案でどうでございますかということをおこがましく出せない問題でございますので、その基本をぜひひとつ御協議いただきたい、こういうことをお願いしておるのでございます。
  185. 井上義久

    ○井上(義)委員 御協議いただきたいということなんですけれども、要するに野党は、例えば格差について言いますといわゆる二倍以内ということで、これはもう一票等価ですから、一人が二票持っちゃいけないということは、これはもう当然のことでございますから、野党は格差二倍以内ということでコンセンサスはほぼできているのではないかと私は思うわけですね。  じゃ、自民党はどうなのか、格差についてはどうお考えなのか。要するに、これは与野党で協議するとかという以前の問題として、自民党としての基本的な考えはどうなのか。総理が指示をされた、抜本是正を指示をされた、その指示をされた基本の考え方を私はお尋ねしているわけでございまして、その辺を明確にしていただかないと、やはり格差、定数是正をやりましょう、話し合いましょうと言っても、その基準になる考え方がなければこれは議論にならぬのじゃないかというふうに思うわけですが、どうでしょうか。
  186. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 一対二ということで一つの案を出しております。これをいたします場合に、そこで問題になりますのは、先ほど申しましたように過疎過密の関係をどうするのかということと二人区・六人区をどうするかということ、同時にこれを検討していただかないと、ただ一対二だけすればいいんだというだけでは、もう膨大な選挙区をただ変更するというだけのことになってしまいまして、それが、すなわちその改正いたしました趣旨が生かされてこないことになってまいります。そうすると、結局二人区・六人区をそのまま自然発生してくる状態に置いておくということになれば、これは中選挙区制という制度そのものが崩壊してくることでございますから、その際には、それではいっそのこと一人一区の小選挙区制がいいのではないかという議論もなきにしもあらずということでございますので、そこらは私たちだけで一対二で単純に機械的にこうなりますというだけでは済まない多くの政治問題を抱えておりますので、そこの政治的な要件を検討していただきたい、こう言っておるわけです。
  187. 井上義久

    ○井上(義)委員 きょうは政治改革に関する集中審議ということで、要するに、では定数是正をどうするのか、あるいはこの政治資金の問題をどうするのか、そういうことを本格的に議論しようということで、きょうの集中審議が開かれたと思うのですね。要するに、お任せしますお任せしますと、御議論をお願いしますというのであれば、この集中審議なんか開く意味はないのじゃないかと私は思うのです。  それでは、自民党内にいろいろな議論があるようですし、総理は御指示なさったときに、四増・四減では国民の理解は得られないという指示をされておるのですね。これは、違憲状態を解消する、三倍程度ではだめですよというある意味では一つの基準を示されたことになると思うのですけれども、ではこれは、明確に基準だと考えでいいですか。
  188. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 その場合に、おっしゃるように現在定数が五百十二でございますね。それを五百十一にするという前提に立つのか、それとも四百七十一の前提に立つのか、いろいろな場合によってそれは違ってくると思いますが、しかし、四増・五減というのは、要するに五百十一の定数に立って、三・〇〇〇以下のところに抑えるという案として有効であろうと思っております。
  189. 井上義久

    ○井上(義)委員 何が基準だかさっぱりわからないというのが実感でございますけれども、それでは総理、総理はどうなんでしょう。この定数是正ということについて、いわゆる一票等価という原則は、私はもうどうしてもこれは実現しなければいけない原則だと思うのです。なぜならば、前回の政治改革三法案をお出しになったときに、要するに、選挙制度の抜本改革の中で定数是正をやる、このように政府はおっしゃって出してこられたわけでございます。それで、格差二倍を超えるところが若干あったわけでございますけれども、二倍以内を努力をされたというのでございますから、総理はこの二倍以内ということについてはどのようにお考えでございますか。
  190. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 その点は今自治大臣がお答えになられましたとおり、私どもの党内でもいろいろ議論があり、これから御相談をするわけでございますから、こうでなくてはならぬというようなことを今申すごとではないと思いますが、その四増・四減というのは、私は、確かに申しましたのは、六十一年の衆議院の決議を読んでおりますと、これは前の改正案ができた直後でございますから、やはりこれを読むと四増・四減ということではどうもこの決議の趣旨には合わないんだろう、こう思って申しましたのです。
  191. 井上義久

    ○井上(義)委員 それでは、これに若干関連いたしまして、いわゆる解散権の問題で、いろいろな御発言があって、いわゆる定数是正の周知期間を設ける、とりあえず違憲状態を解消する、この国会で。それで、定数是正の周知期間を設けるために九月以降にそれを実施するということで、衆参同日選挙を回避するというようなお考えがあるやに報道されておるのですけれども、このお話をずっと考えますと、要するに、やはり違憲状態が解消されなければ選挙はできない、こういうふうに認識をされているのかな、こう思うのですけれども、この点、総理いかがですか。
  192. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 今の報道のようなことを別に考えておりませんし、解散権というのは制約されることは、法律上は私はないと思っております。
  193. 井上義久

    ○井上(義)委員 それでは、違憲状態が解消されなくても解散はあり得る、できるんだ、こういうふうに総理としてはお考えだということで結構でございますね。
  194. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 ただいま法律論をなさっておられるものと承知しておりますので、法律論としては解散権が妨げられることはない、こう考えておると申し上げておるわけです。
  195. 井上義久

    ○井上(義)委員 それでは次に、今回の共和問題等でやはり自民党の派閥ということが改めてクローズアップされたと思います。いわゆる派閥ぐるみじゃないか、そういう疑惑が持たれたわけでございますけれども、大臣になるためには派閥の推薦を受ける、あるいは派閥の組み合わせで総理・総裁が決まる、総裁選挙も派閥が中心になって行うというようなことで、かなり重要な役割を果たしているのだろうと思うのですね。  しかしながら、この派閥の弊害というのも非常にあるということで、自民党の政治改革大綱を見ますと、「派閥と政治資金のかかわりや派閥の内閣、国会および党の全般におたる人事への介在、派閥本位の選挙応援など、さまざまな弊害を生んでいる。」、こういう御認識をされておるのだろうと思うのですね。この派閥解消ということをずっと御堂の方針としてこれまで何回も議論されてきたわけでございますけれども、総理、この派閥の解消ということについてはどのようにお考えでございますか。
  196. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 これは私どもの党の中で長いこと議論をされ、また何度か試みたこともございます。結局、政策志向を同じくする人たちというのは自然ございますから、そういう人たちが政策の勉強をするために一緒に集まるというようなことは、ごく自然発生的にあることだと私は思っておりまして、政治改革大綱でも、これがしかし弊害になるようなことを気をつけなければいかぬということ宣言っております。いろいろ弊害もございますから、それはやはり直していかなければいけないであろうと思っております。
  197. 井上義久

    ○井上(義)委員 そこで、ちょっと御提案なんですけれども、派閥の役割で非常に大きいのはやはり総裁選挙ということだろうと思うのですね。それで、この総裁選挙に非常に金がかかるというようなことが巷間言われておるわけでございますけれども、特に阿部元長官が宏池会の事務総長であって、ちょうど総理が総裁選挙を戦われた、そのときの事務総長であったということで、この阿部元長官に入ったお金がこの総裁選挙に使われているのじゃないか、こういう疑惑が指摘されたわけでございます。  そういう意味では私は、総裁選挙に金がかかる。実は、先般リクルートの問題が起きましたときにも、リクルートの前会長であった江副氏が、安倍派、宮澤派、竹下派にそれぞれ総裁選挙に必要だからということで五千万ずつ献金をされた、それが政治資金規正法違反で罰金刑を受けているわけでございますけれども、いわゆるこの総裁選にお金がかかる。これはいろいろ報道された限りでございますから確かなことはわかりませんけれども、ある報道によりますと、例えばリーフレット、郵送料を含めて三百円かかる、百七十万の党員、党友に送ると、これだけでも五億二千五百万かかる、そのほかパンフレットだとかあるいは電話代だとかアルバイトだとか、相当お金がかかる、それから、宮澤総理も全国行脚されているいろな集会を持たれた、さまざまな総裁選挙に費用がかかったのじゃないかと思うのですね。  この際、そういう疑惑を明らかにするためにも、宏池会として総裁選挙にどのぐらいかかったのか、そのお金はどういう形で集められたのか、総裁選挙にかかわる収支を公開されたらいかがかな、そうすれば国民の疑惑も解消になりますし、あるいは政治とお金という問題で明らかになることも多いのじゃないかな、こう思うのですけれども、これはどうでしょうか。
  198. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 総裁選挙に金がかかるので云々と阿部さんの言ったという言葉を御引用になりましたけれども、私どもは昨年総裁選挙をいたしましたけれども、この総裁選挙がいわゆる金のかかる総裁選挙、全くそうではございませんでした。これは大変に、何と申しますか、公正に、立派なきれいな総裁選挙を候補者全員やらさせていただいたということは、どなたもが恐らくおっしゃられることでありまして、そういう意味では、もし阿部さんがそういうことを言われたとすれば、それはもとより誤りでございますし、その金が何か総裁選挙に使われたということはないということは、前に加藤官房長官から申し上げたとおりでございます。ですから、そういうことを別に公表をするというようなことは大事なことではなくて、そのような選挙をやっていくということがやはり私は大事であろうと思います。
  199. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 今お尋ねの総裁選挙に要った費用を公開したらどうかというお話でございますが、これは、いずれにいたしましても、全部政治資金でやっておることでございますから、どこかの、例えば宮澤後援会であるとかあるいは宏池会であるとか、私らでございましたら清和会であるとかあるいは三塚後援会とかいうところで、必ずどこかでそれは出てまいりますのでございますから、総裁選でこうだということではなくて、やはり一つの政治集団の活動の実態としてとらえていただいたらその全貌は出てくると思っております。
  200. 井上義久

    ○井上(義)委員 そういうお金を全部、総裁選挙にかかわる部分はここですよ、こういう形できれいにやっていますよということを積極的にお示しになることが、逆に疑惑を解消することになるのじゃないかな。ですから、どうなのでしょう、総裁選挙についてはそれぞれのいろいろな、もちろん、例えば宏池会ですと、宏池会だけじゃなくて宮澤後援会、いろいろな政治団体が実際にお金をお出しになったんだろうと思いますけれども、そういうことを全部集めて、総裁選挙はこうです、こういうことに、ここからこういう金が出て、こういうふうに使いましたということを明らかになさったらどうですか、こういうふうに提案申し上げているのですが。
  201. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 これはまさに君子の戦いでございますので、一般の政治活動の一つでございますので、殊さらこれをもって異質の政治運動とは私たちは見ておりませんので、政治活動全般の中で御判断いただくということにしたいと思っております。
  202. 井上義久

    ○井上(義)委員 事実上の総理を選ぶ選挙でございますから、私は国民の前に明らかにされた方がこの問題の疑惑解明には非常に大きな意味があるのじゃないかと思います。  それで、ちょっと時間もありませんので、先般我が党は、今回の問題にかんがみて政治腐敗防止に関する改革案を発表いたしました。大きく分けて、一つは政治倫理の確立、それから二つ目は政治資金の改革、それから三つ目が選挙腐敗の防止という三つの柱でぜひともこれを実現したい、こう思っておるわけでございます。その中で、特にこの政治資金の問題についてお尋ねしたいと思います。  先般の鈴木元総理、それから塩崎代議士の証人喚問、参考人質疑の中でやはり明らかになったことは、要するに、政治家のお金の扱いというのは非常にルーズだなということが一番のポイントだろうと思うのですね。  それで、そのときのいろいろ証言なんかを見てみますと、塩崎氏は、政治資金であるか雑所得の謝礼であるか、大変悩んだ、そのときは個人的な所得ではないかという感が強くて政治資金の報告はしなかった、後で裏金であったことを気がついて二年半後にお返しをした。あるいは鈴木元総理は、要するに預かったお金、これは善意の保管者であるということで二年間このお金をずっとお手元に置いていらっしゃった。要するに、そういういわゆる政治家の扱うお金が非常に一般常識では考えられないほどルーズだ、それが私は政治不信の大きな要因になっている、こう思うわけでございまして、まずやはりこの政治資金の改革というものが一番大事だろうということで、宮澤総理は透明度を高めるということで公私を分ける、このようにおっしゃっておるのですけれども、この透明度を高める、それから公私を分ける、これは、では具体的にどうするのか、どういう方針をお持ちなのかということをちょっとお聞きしたいと思うのですけれども。
  203. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 透明度の問題は、やはり私は、金額で、ある程度のものは報告をしていただくという、金額の線引き、この問題が一つあるだろうと思っております。それともう一つは、使途を明確にするということ等が大事な要件ではないかと思っております。
  204. 井上義久

    ○井上(義)委員 それで一つの提案なんですけれども、今の公開基準を引き下げるということについてはこれから議論になっていくだろうと思います。できるだけ、透明度を高めるために大幅な公開基準の引き下げをしなければいけない、こう思っております。  もう一つは、政治資金の透明度を高めるということと公私の別をどうするかということで我々が提案しておりますのは、政治団体、それぞれがたくさんお持ちになっているわけですけれども、それが非常に透明度を悪くしている原因になっていますから、政治家はまず指定団体を一つに限る、それでなおかつ今の保有金制度というものをやめて、政治資金を受け取ったらそれは個人として扱わない、全部その指定団体に入れる、それ以外は政治資金は受け取っちゃいけ広い。例えば今回の場合には、塩崎さんのようにもしそれを指定団体に入れなければ、それはもう明確に自分の所得である、こういう立て分けをきちっとして、なおかつ政治団体、指定団体については、政治家の監督責任を負っていただく。そして、明白な、また悪質な政治資金規正法違反があれば政治家にもその累が及ぶというような仕組みをつくらないと、これはなかなか公私の列あるいは透明度を高めるということにはならないのじゃないか、このように今提案申し上げているのですけれども、この点についてはいかがでしょうか。
  205. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 まず一番最後の問題からでございますが、政治家を支援していただく後援会、団体の献金、この資金によって政治家が活動しておるわけでございますが、それと政治家自身との関係というものは、これは賢明な井上さんでございますから十分おわかりいただいておると思うのでございます。  その間の責任をどうするかということにつきましては、これはまだいろいろと御審議をしていただく余地はあると思うのでございますが、現在の時点に立って考えますれば、それは団体の行動でございまして、直ちに政治家の責任ではない。でございますから、団体のやったことが政治家が、すなわち全面的にそれをかぶっていかなければならぬというそこの接点を、実は私は、多少これから検討していただき、改善する余地があるのではないかと思っております。  それからもう一つは資金の透明度でございますが、これにつきましても、私は、やはり使途というものを明確にしてもらうことが大事だと思っておりまして、その点におきますところの政治資金の何たるであるかということは、これは十分に各党間で議論していただく問題ではないか、こう思うのです。
  206. 井上義久

    ○井上(義)委員 この政治資金の問題に関して、総理が政治改革本部に指示をなされたときのお話の中に、いわゆる政治資金については、基本的には選挙制度と密接不可分に絡んでいるがという前提を置かれて、国民の不信が政治と金の問題に端を発していることを考えると、現行選挙制度のもとで政治資金の透明度を確保し、公私混同を避けることが重要だ、こういうふうにおっしゃっているのですね。  そうするとへいわゆる選挙制度と密接不可分に絡んでいる。密接不可分に絡んでいるというのは、要するに政治資金の何を指して密接不可分に絡んでいるというふうにおっしゃって、そして今回は、ではそれとは別なところでやる、今回の現行選挙制度のもとでやるというふうにお分けになるのか、その辺だけちょっと……。
  207. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 あのとき申しました意味は、これはいろいろなことで絡みがありますけれども、例えば政府が三法案を御提案いたしましたときには、あのような選挙制度を考えまして、そして政党助成法というものを考えたわけでございますね。政党助成法があれば、政治資金の方の考え方が随分変わってきます。そういうことを例えば一つ頭に思って申したのです。
  208. 山村新治郎

    ○山村委員長 これにて井上君の質疑は終了いたしました。  次に、東中光雄君。
  209. 東中光雄

    ○東中委員 総理にお伺いします。  総理は、施政方針演説で、「政治改革の実現には、まず何よりも政治倫理の確立を図ることが重要であります。」こう述べられまして、そして、個々の議員の意識、行動とは別に政治制度の問題がある、だから、政治倫理の確立を図って、それとはまた別に、「政治資金制度や選挙制度の改革が急務であります。」こういうふうに分けておられるわけです。  それで、まず何よりも確立しようとしておられる政治倫理というのは、今この国会で確立されたんでしょうか、されてないんでしょうか。それから、されつつあるとしたら、どういうふうに具体的にされようとしているのかという、その中身をお伺いしたいと思います。
  210. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 倫理でございますから、基本的にこれは恐らく、厳密に言えば、法にはなじまない、一人一人の人間の物の考え方ということになるであろうと思います。しかし、それだけでは余り漠然としておりますから、そういう倫理というものをやはり綱領にすることは可能でございますし、その綱領がどのようにして守られているか、守れない場合にどういうことがお互いの間にできるか、こういったようなこともまた可能である。そういうことについてこの国会でいろいろ御議論があっておりますし、また、過去において我々そういうことも、いろいろな意味で倫理綱領というようなものを定めてやってまいっておるということだと思っています。
  211. 東中光雄

    ○東中委員 政治倫理綱領というのが、御承知のように、昭和六十年の六月二十五日、本院では議決をしております。それによりますと、「政治倫理の確立は、議会政治の根幹である。」これが冒頭に書いてあります。そして今施政方針演説で、「政治改革の実現には、まず何よりも政治倫理の確立を図る」、こう言われているのですから、その内容は一体何か。  倫理綱領によりますと、国会の権威と名誉を守り、議会制民主主義の健全な発展に資するために政治倫理綱領を策定する、そして第一項では、「政治不信を招く公私混淆を断ち、清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう政治腐敗の根絶と政治倫理の向上に努めなければならない。」こううたっています。第四項では、「政治倫理に反する事実があるとの疑惑をもたれた場合にはみずから真摯な態度をもって疑惑を解明しこ解明するだけでなしに、「その責任を明らかにするよう努めなければならない。」これが政治倫理確立の内容だと思うわけであります。  リクルート問題あるいは共和問題といろいろ問題になっておりますが、この政治不信を招く公私混交を断つ、そして、清廉を持してかりそめにも国民の非難を受けないようにするという点で、今具体的にはどういうふうに、これは国会の使命でもあるということを、この間の理事会で、政治倫理の確立は「国会全体で遂行しなければならない使命である。」ということを文書で自民党の理事の皆さんが言われたようです。具体的にはどういうふうにすべきだということでございましょうか。
  212. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 基本的には一人一人の問題でございますし、また、それが綱領という形になって守られるということで、お互いがこれを守っていこうということを決心をして進んでいるということと思います。
  213. 東中光雄

    ○東中委員 それでは、今守られているし、綱領で決まっておるし、守られていると思うから、政治倫理は、まず最初に確立しなきゃならぬと言われた政治倫理の確立はもうやられておるということなんですか。
  214. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 そのような努力が積み重ねられつつあるということでございます。
  215. 東中光雄

    ○東中委員 二月二十五日に、塩崎代議士がここで証言台に立たれました。そしてあの二時間の証言があったわけですが、これについて、これは大阪で出されておる毎日新聞の三月一日付ですが、「みなさん!」というタイトルで書いてあるのですが、その中にこう書いています。   同僚議員に頼まれて、鉄骨会社を商社に橋渡ししたら、会社が二千万円の現金を持ってきた。その趣旨がわからない、などという人がほかにあるでしょうか。政治資金か個人所得か、元大蔵省主税局長は、悩みに悩んだ。  悩んでいるうちに二年が過ぎて、政治資金の届け出もせず、税金の申告もしないまま。会社が倒産し事件が明るみに出て、あわてて金を返し、修正申告。あとで「これは裏ガネであるな」と思ったとは、なんたる太平楽。  指導的立場にあるご両人の道義感覚、金銭感覚、政治感覚を根本から疑わざるを得ません。 こういうのが新聞の記事であります。  先ほど言いましたように、政治不信を招く公私混交を断ち、清廉を保ち、かりそめにも国民の非難を受けないようにしなきゃならぬ。しかし、塩崎さんに対して、かりそめどころか痛烈な批判がされておるわけですが、塩川さんの証言されたことについてこれは――塩崎さんのです。失礼しました。失礼しました。顔を見ているとついあなたの名前が出ました。(塩川国務大臣「怖い顔をしてにらまぬでもいいやないか」と呼ぶ)  だから、そういう点で言いますならば、これは塩崎さんのやられたことは政治倫理にもとるというふうに総理はお考えになっておるのか、政治倫理に反するということだと思われておるのか、いやいや、これは政治倫理が守られておると。塩崎さんの証言されたようなあの二年間の行動ですね、どういうふうにお思いになるのでしょうか、お伺いしたいと思います。――総理に聞いている。
  216. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 その前にちょっと、私の顔をにらんでおったから、にらみ賃だけちょっとしゃべらしてもらう。  おっしゃるように、すべて政治家は聖人君子というようなものではないだろうと思います。一人、二人はそれは中には、政治家の中に、そういう判断を間違った人も中にはあっただろうと思いますけれども、大部分の政治家は、まあこれは、ほとんどきょうここの席におられる政治家は全部が一生懸命にやはり政治を考えて、そして政治倫理を追求しておられると私は信じております。  そういう意味において、総理が先ほど来おっしゃっているように、努力しているじゃないか、政治倫理は守られているじゃないかとおっしゃるのは、こういう方もたくさんおいででございまして、中のごく一部のことだけが、これが針小棒大に大きく扱われることは、まあそうではないだろうと思いますけれども、そうであったとするならば、これは私は残念なことだなあという感じがするので、一言答弁さしていただいたんです。
  217. 東中光雄

    ○東中委員 塩崎さんの行動で、その他いっぱいの人のことを私は言っていませんので、総理の御見解を伺いたい。
  218. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 私は、事実関係を御本人から聞いたわけではございませんけれども、ここで話されたこと等々いろいろ総合判断いたしますと、残念なことであったというふうに思っております。
  219. 東中光雄

    ○東中委員 残念なことであったというのは、政治倫理にもとるというふうにお考えになるのか。政治倫理に反する場合はみずから明らかにしなきゃならないと綱領に書いてあるのです、政治倫理綱領に。だから、こういう行動は政治倫理に反するのか、もとるのか、もとらないのかということは、これは当然判断せなきゃいかぬでしょう。残念だと言われただけではわからないです。もとるのですか。
  220. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 そこが、私が御本人のお話を聞いておりませんからと申し上げておるのであって、私が見ておりますと、これはやはり残念なことであった、御本人がどうお考えかは直接聞きませんから存じませんけれども、そう思います。
  221. 東中光雄

    ○東中委員 これは不見識きわまる答弁だと私は思います。国会で二時間、異例の証人喚問をやって、そしてなかなか承知しなかった証人喚問を実現して、宣誓して言われたことに基づいて国民的な批判が出ておるのでしょう。総理大臣は直接聞いてないから、国会で何審議しておろうがそんなこと知らぬ、これじゃ済まぬのじゃないですか。国会でやったことについて、残念なことだと思うという意味は、政治倫理綱領の中にははっきりと、政治倫理綱領に反する場合はと書いてあるのだから、これは反しているのか反していないのかということを私ははっきり聞きたい。そんなこと、ごまかすべきじゃないと思うのです。そういうことをごまかすのが、政治倫理確立という点から言うと非常に悪いことではないかと私は思います。重ねてお伺いします。
  222. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 そんなに東中委員のお考えと私違ったことを申し上げているつもりじゃなくて、やはり残念なことであった、しかし倫理という以上は御本人がやはり自分で考えられるべきことでございますから、御本人がどう思っておられるかは、私は直接聞いておりませんが、私はやはり残念なことだったと思う、こういうふうに申し上げているのです。
  223. 東中光雄

    ○東中委員 政治倫理の確立を図ることが重要でありますと言うた総理大臣が、政治倫理に反するか反しないかということについての判断もぼやかして、そして残念なことであったと思う、こう言われました。しかし、その意味は私の言っていることと余り変わらないというふうにも言われておりますので、政治倫理にもとるというふうにもしお考えになっているのなら、この政治倫理綱領四項には、「みずから真摯な態度をもって疑惑を解明し、その責任を明らかにするよう努めなければならない。」こうなっているのです。だから内容を解明しただけではいかぬです。その責任を明らかにしなければならないというのが、これ倫理綱領なのです。塩崎さんはその点については何にも責任を明らかにされていないのです。政治倫理にもとったことであった、そういう場合にはどうするのだということが政治倫理審査会の規則の中にもある程度の方向は出ています。そういうことについて、総理はどう思われますか。
  224. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 前に申し上げたことと同じことてございまして、塩崎議員は塩崎議員として御自分でいろいろに考えておられるであろうと私は思っておりますけれども、直接に伺っておりませんからそれを申していないのであります。
  225. 東中光雄

    ○東中委員 鈴木参考人の陳述につきましても、先ほど申し上げました毎日新聞のこれは八木亜夫編集委員の名前で書かれておることでありますが、その先の続きを読みますと、   おつぎは、同じ派閥の後輩議員が入閣を果た  したお礼と持ってきた一千万円を「善意の保管  者」として預かり、ただ預かったものだから収  入ではない、とこれも届け出、申告なし。事件  発覚後に、同じく返却。「もうコリゴリ。みな  さんもこれを機会に政界浄化と刷新に努力願い  たい」   「入閣御礼」ではないとするなら、いったい  なんの金なのか、わからないまま「恥をかかせ  てはいけない」と「預かって」おいて「入閣  に、工作やら猟官運動など、聞いたこともな  い」とは、それは聞こえません。 これでは「道義感覚、金銭感覚、政治感覚を根本から疑わざるを得ません。」これも痛烈なことですね。  あの一千万というのは阿部さんが持っていったと言うのでしょう。これは政治資金なんですか、あるいはそうじゃないんですか。自治大臣、政治資金なんですか、政治資金でないんですか。
  226. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 実は、私もそれは判断しかねます。というのは、私は当事者ではございませんし、先ほどそういう人をおっしゃいますけれども、これはいわば一編集委員、それは社会的に評価のある方でございましょうが、その方がこうおっしゃっているからこれはどうするんだということをおっしゃっても、私はその方と同じ思想、信条を持つというわけでもございませんし、私はお答えは非常に難しい。その方の意見はそうだということでございまして、それはそれで私は拝聴しておるわけでございます。
  227. 東中光雄

    ○東中委員 公私混交をしてはならないというのは政治倫理綱領の第一条にあるわけです。そして、今、持っていった二千万円、塩崎さんは二千万円、そして、あの鈴木さんへ持っていった阿部さんの金は一千万。これはいずれも政治資金なのか、そうじゃない――政治資金というのは公的なものですよ。だから、届け出をしないといかぬし、そういう性質のものでしょう。私的な営業活動に協力したことによる報酬をもろうた、これは取引に対する報酬、経済活動ですよ。そのどっちかわからぬというようなことを本人が言っているのですよ。そうでしょう。二年間も結論が出なくて悩みに悩んだ、こう言っているんでしょう。公私混交はやるべきでないというのがこの政治倫理の一番もとだと書いてあるのに、それは何かわからぬというふうなことでやっておることが、これが腐敗行為なんですよ。これを腐敗行為と言うんですよ。ですから、公私混交そのものだ。  あなた自身も、これは政治資金だとは言えない。それなら、個人の営業資金か。会社の営業活動に協力をして、内容もようわからぬけれどもよろしく頼むと言って二千万円報酬をもらう、これはもう経済活動というのはあり得ないことです。こういう状態が政治腐敗を生むんで、こういう状態が政治不信になるんだということを、私はたまたま毎日新聞の八木編集委員の言葉を引きましたけれども、私は全く同じ考えです。  だから、これは政治資金であるのか、公の金なのかあるいは私的な経済的な活動の金なのか。それも一万とか二万じゃなしに、一千万とか二千万というようなものが動いているということが政治倫理としていいなんて思っているんだったら、もう大変なことです。そういうことは根絶せないかぬと書いてあるでしょう。公私混交を断つと書いてあるんです。断っておらぬじゃないですか。そういう点について総理並びに自治大臣の御所見を聞きたい。
  228. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 それは、おっしゃることよくわかりますけれども、悲憤慷慨しておられることはよくわかりますけれども、これは政府に対してそうおっしゃっていただいても、政府としてはそれはどうにもできないことでございまして、一政治家として判断しろとおっしゃるならば、それは総理がおっしゃっているように、そういうことがもしあるとするならば非常に残念なことだなと。だから、これはいいというのは何も、全然言ってないんです。まともだとも言ってないんです。残念なことだなと言っている言葉の裏には、それはきちっと読み取っていただけると思っております。  したがって、我々は、そういうことがないように制度的にどうするかということをこれから考えるべき問題でありまして、起こってきた個々の問題について、私はその見解を求められてもなかなか言いにくい。ですから、政府の人たちは、私は別として政府の人たちは、一般論を申すならばと、こういうことでございまして、一般論の話だと。それを個別のずばりそのものをと言われたら、これなかなか答弁しにくいんで、私もまあ残念なことでございますが、その程度の答弁しかできない。
  229. 東中光雄

    ○東中委員 政治資金規正法担当の自治大臣の御答弁とも思えません。担当大臣なんですから、政治資金なのか政治資金でないのかということについて、この国会のこの予算委員会で宣誓して証言された元経企庁長官、総務庁長官のその証言について、一般的な抽象的なことじゃないんです。その具体的な問題について政治資金だとあなた方は思うんですか、あるいはそうでないと思うのか。政治資金か政治資金でないのかわからぬような金が何千万として動くというふうなことは、それで政治資金規正法を管轄するあなたとしてはいいんですか。
  230. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 それは私がもらったんじゃないですから、預かったんでもないですから、本人はそれを悩み悩んだと言うぐらいですから、ましてや当事者でない者はわからぬわけでございまして、悩んだあげくの果ては、これは税金上修正申告したらいいというのでその措置をされたんですから、その措置に私は、本人としての最良の選択をされた、こういうことでございます。
  231. 東中光雄

    ○東中委員 問題は、個人の所得だというふうに見たということであるけれども、それは金をもらってから二年半近くたってからのことなんです。しかも、その間に問題が起こったから、刑事事件になったからということなんでしょう。そういう事態というのは、これこそまさに政治腐敗なんだということの感覚がないというのは、私は非常にそれこそ残念に思います。  自治大臣にお伺いします。政治資金というのは「民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財である」、これは政治資金規正法第二条に書いてございます。そうじゃございませんか。――いや自治大臣、担当大臣が、政治資金のこういう条文書いてあるのを、あなた違うと言うのですか。
  232. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 私、今法文持ってませんから、ちょっと法文持っておる吉田部長に答弁――私、六法全書を持っておったらイエスかノーか返事できますよ。今持ってないのです。
  233. 吉田弘正

    ○吉田(弘)政府委員 政治資金規正法上の法律上の規定でございます。第二条に、「この法律は、政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならない。」という第一項に規定をされております。
  234. 東中光雄

    ○東中委員 共和をめぐっての今の一千万にしろ二千万にしろ、これが「民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財である」と法文に書いてあるそういう政治献金でないということは明白じゃありませんか。そのことが言えないのですか。しかも、そういう個人の浄財であるから、国民の浄財であるからそれは公明にせにゃいかぬのだ、だから透明にせにゃいかぬのだというのが政治資金規正法の二条の理念でしょう。  そういう点から見て、先ほどの二つの問題、あるいはリクルート問題でいえば宮澤総理に絡む、あの第三者がやったんだ、に名義を貸したんだ、それから今度は秘書がやったんだ、宮澤さんの名前は出とらぬのかと言ったら出ておった。それから、金を入れたのは服部だと言うたら、服部さんは九月三十日アメリカへ行っておったということ、調べてみたら松本さんだ。だが、金を受け取ったのは服部さんだ。こういうふうにどんどんどんどん、五回も六回も変わりました。金の行方、それがだれなんだ、これは総理に関連してのことなんです。  そういう問題について、本当にその金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財だ、こういう政治献金だというのだったら堂々と明らかにすべきだし、そうでないんだったらちゃんと政治的道義的責任をはっきりすべきだ、私はそう思うのですが、その点はどうでしょう。
  235. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 当事者の塩崎さんはそれを明確にするつもりで修正申告もし何やしたんだ、手続をとったんだと思っております。ですから、塩崎さんがその二千万円を預かったというのは僕らはわからないのです。本人しかわからない。その本人が、これ何の金かわからぬとこうおっしゃっているということは、これは私らは、もらったこともなければ、その時点に立ち会った者でもないものですから、このことは私たちには議論ができない問題でございます。けれども、そのまま猫ばばしているとかなんとかいうんだったらまたそれなりの考え方があるかもわかりませんけれども、そうじゃなくて、ちゃんと修正申告もしておるのでございますから、なるほど政治資金でないと思って修正申告したのかな、私はそれで本人の判断はきちっとされたと思っております。だから、過ぎ去ったことを我々言ってるんじゃなく、これからそういう予防をどうするかという、制度の改正をして予防をどう講じるかというのが我々政治家の問題でございます。
  236. 東中光雄

    ○東中委員 これはもう全く倫理という問題を何と思っているか。政治倫理というのを全く解しておられないと私は言わざるを得ないと思うのです。  それで、先ほど言いましたように、これは渡辺さんに来てもらって質問する時間がなくなってしまって申しわけないのですけれども、今との関係でもう一つだけお聞きしておきます。  「民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財」、これが政治資金だとなっているのです。企業から出す金というのは、企業が営利のために使う金ですね。株式会社の場合は、利潤追求のための会社の営業資金を企業献金、企業が出すわけですね。会社の営業資金は国民の、個人の浄財ですか、その点はどう思われますか。
  237. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 私自身の経験から申しますと、私も今はもらうものはなくなってしまいましたけれども、大企業からももらったことがございます。しかし、このときには何の反対給付もございません。むしろ小さい業者で経営が非常に苦しい方かなんかが政治献金をしたいとおっしゃる分は、私はお断りもしておりますけれども、そういうときにこそ非常に無理な、例えばいろいろなトラブルを解決をしてくれぬかということで依頼されることも多々あったように思っております。  そういたしますと、政治献金というものは、要するにする側にとっての意思というものが非常に大事だろうと思いますし、また受ける側にしても、いわば卑しい気持ちで受けたらいかぬ。あなたおっしゃるように、まさに民主主義を支える根幹のものであるというその責任感を感じて受けたらそれでいいんじゃないかと私は思っております。
  238. 東中光雄

    ○東中委員 国民の浄財と企業の営利用の資金とが同じであるというふうに言われているように思えて仕方がないのですが、時間がなくなってきましたので、もう一つ申し上げておきたいのです。  先ほどの質問の中でも出ておりました九一年の八月十五日の毎日新聞の紙上座談会で、諸井という日経連の政策委員だった人、この人が、  企業の立場で言えば、本来、企業にとってプラ  スにならないことに金を出すことは株主に対す  る背信行為であり、何かプラスのことをやろう  とすると本質的に汚職ということになる。企業  はいま背任と汚職のはざまにいるようなもの  だ。 こういうふうに新聞に出ているわけです。羽田さんやらあるいは加藤現官房長官らとの座談会の席で言っています。  まさに会社は定款の制限の範囲内において行動をする。だから、そこからまるっきり外れてしまったことで何億、何十億というような金を出せば、それは今、佐川急便で起こっているような背任問題ということになっていく。会社の仕事に関係のあることでもらうということになれば、それは職務に関して利益を得るということに関係をしてくるから汚職になる。これは財界の幹部の人たちが言っていることだから、その点について会社というものとそれから献金というものとの関係で、法務省から見てどうですか。
  239. 清水湛

    ○清水(湛)政府委員 お答えいたします。  御指摘の御意見が具体的にどういう趣旨で言われたのか、つまり法律論としてそういう見解を述べられたのかどうか定かではございませんので、それについてどうこう申し上げるということはちょっと差し控えさせていただきたいと思いますけれども、一般論として会社法という法律の立場から申しますと、企業はなるほど株主のために利益を追求するという法人でございますけれども、他方、一つの社会的な実在として法令、定款に違反しない限り、寄附、これは政治資金も含むわけでございますけれども、そういう寄附等の金銭提供行為もすることができる。もちろん、これは本来の企業の目的を達成するのに必要な限度という制約はあるわけでございますけれども、そういう考え方が最高裁判所の判例等においても定着をしている。御承知のように、旧八幡製鉄がした政治献金につきまして、これは適法であるという最高裁の判決もあるところでございます。
  240. 東中光雄

    ○東中委員 時間ですから終わりますが、今の判決はそういう趣旨ではないということだけはっきり申し上げておきたいと思います。  どうも済みませんでした。
  241. 山村新治郎

    ○山村委員長 これにて東中君の質疑は終了いたしました。  次に、川端達夫君。
  242. 川端達夫

    ○川端委員 総理並びに各閣僚、よろしくお願いいたしたいと思います。  予定をいたしました質問に入らしていただく前に、本日午後一時半に、我が党の元代議士横手文雄先生のいわゆる撚糸工連事件に関する高裁判決が下されました。総理は判決、御存じでございましょうか。それについて若干お尋ねをしたいというふうに思います。  私たちは、この事件、御本人の我々に対する主張を含めまして当初から明確なる冤罪であるという主張をしてまいりました。高裁において本日、一審有罪を逆転をし完全なる無罪判決が下されたということで、いわれなき疑いが晴れたことを非常に喜んでお名次第でありますが、同時に、その判決において裁判長が、原判決は世間的常識にも反する結果となっている、あるいは事実誤認の原因は、贈賄側の井上証言に無条件に依存、それに沿う調書だけを信用し、証拠の評価を誤ったことに尽きる等々の所見が述べられました。私たちの主張どおりであったということで喜ぶと同時に、私にとりましてもお隣の県、そして党としても大先輩の横手さんの胸中、察するに余りあるものがあります。  それにつきまして最後に裁判長は、この事件によりいろいろな面で嫌な思いや不利益をこうむったと思う、今後はできるだけ頑張って失ったものを取り戻して活躍してください、非常に心温かいお励ましをいただきました。それを受けて我々も一緒に頑張ってまいりたいと思いますが、それにしては失ったものが大き過ぎたなというのも正直なところでございますし、現在いろいろな事件で政界にかかわる問題でされているのは、ほとんどのケースが現金あるいはその他の授受は明確になっている中で、果たしてそれが職務権限にかかわるものなのか、あるいは政治資金なのか、贈与なのかという、そういう部分で政治家の倫理やあるいはその罪状が問われている事件でありますが、この事件に関しては、二百万円ですか、授受があっなかなかったかということで争われて、なかったという意味では非常に複雑な思いをいたしておるわけであります。  検察も、そういう意味では真相解明という部分でそれなりのというか、懸命な努力の中でやられたこととは思いますが、人間やはりそれは間違いもあるということだけで済まされるのかな。そして特に議員というものは、このことによってもう約七年にわたって完全に政治生命を絶たれてしまったということであります。そういう意味で、現在、政治家というものが検察の刑事被告人になればもう一切ゆだねているという部分で、国会はその機能を発揮することができない、真相究明に関して発揮することができないということで果たしていいんだろうかと今日的にこの事件を考えるときに思うわけでございます。  この事件に関しての反省に立って言えば、やはり国会は検察の努力と並行して、政治家たる議員のそれこそ立場も守るという観点も含めて、真相解明のために我々は努力をしなければいけない。現在のあれでいえば、阿部議員に関しては証人喚問をぜひとも実現すべきだというふうな思いをより強く持ちました。この事件に対する今回の判決に対する所見と、阿部証人に対する私の今の意見に対しても御意見を賜りたいと思います。総理、よろしくお願いします。
  243. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 判決につきましては、三権分立の立場から私から発言をすることを控えさせていただきます。  後段の問題は、国会において御判断をせらるべき問題かと存じます。
  244. 川端達夫

    ○川端委員 法務省は、阿部証人に対する我々の要求に対して、裁判に対して予断を与える、あるいは議院重言法というものが罪状認否にかかわるという部分で、裁判にいろいろな影響を与えるという部分で好ましくないということの御陳情もされたやに伺っておりますし、与党の中には、そういうことで証人喚問はできないというお説もたくさん漏れ聞いておりますが、今回、特にこういう横手判決を受けたときに見ますと、先ほどの繰り返しになりますのでくどく言いませんが、やはり我々は真相解明、それと同時に、政治家の言い分を言える機会というものも、被告人であっても我々は与える責任があるのではないかというふうに思いますが、改めて法務省のこの見解をお伺いをしたいと思います。
  245. 濱邦久

    ○濱政府委員 お答えいたします。  まず一つは、委員御指摘の、法務省から刑事被告人の国会への証人喚問について御意見を申し上げたことについてお尋ねがございました。それとの関係で、国会に証人喚問することについて別の観点からの必要性ということを御指摘されての御質問というふうに理解したわけでございます。  ただ、私からひとつ正確に御理解いただきたいと思いますので申し上げるわけでございますが、法務当局におきましては、かねてから御説明申し上げておりますことは、要するに、一般的に、刑事被告人を国会に証人として喚問されて公訴事実について重言を求められるということになりますと、現在、裁判係属中の公判の審理との関係から、司法の公正あるいは人権保障の上で問題があるのではないかということで、私どもの考え方、検察当局の考え方をも踏まえて御説明申し上げたつもりでございます。  ただ、今委員御指摘の、個々の証人喚問をする必要があるかどうか、あるいは個々の証人を喚問することが相当かどうかということにつきましては、これはもうもとより国会のお立場から、今私申し上げたような問題点も踏まえて、政治責任の追及ということになりましょうか、あるいは今委員が御示唆されました弁明の機会を与えるというような等々の観点から、国会の御良識によって決定されることであると思いますし、国会でそういう御判断をされましたことにつきましては、法務当局としても当然尊重しなければならないというふうに思っているわけでございます
  246. 川端達夫

    ○川端委員 今の御答弁で、法務省当局としても、政治家である阿部文男代議士の証人喚問に特段の問題はないという御見解だと理解をいたしました。改めて、可能的至急に証人喚問が実現するように、委員長に御要請を申し上げたいというふうに思います。  さて、この裁判に関しましては、判決文全文をまだ詳細に見ておりません。要旨しか見る時間がございませんでした。このことに関しては、別の機会に譲りたいというふうに思います。  さて、官房長官にお尋ねをしたいのですが、先ほども同僚議員からも質問がありましたけれども、閣僚の資産公開というものに普通預金、割引債が入っているのかいないのか、改めてお教えをいただきたいと思います。
  247. 加藤紘一

    ○加藤国務大臣 割引債は資産公開の対象に現内閣は入れておりますし、前の内閣も入れております。それから、いわゆる極めて流動性の高い普通預金、そういうものは入れておりません。
  248. 川端達夫

    ○川端委員 塩崎証人は、我が党の中野寛成委員の尋問にお答えされて、私の資産公開についてだが、普通預金については報告が要らないことになっている、割引債等についても要らない、定期預金だけ報告しろという慣行だったとお述べになっているのですが、そうすると、その部分は誤りがあるということでございましょうか。
  249. 加藤紘一

    ○加藤国務大臣 その点は、塩崎先生の誤解だと思っております。
  250. 川端達夫

    ○川端委員 ということは、塩崎元長官は総務長官在任直後と離任時に資産報告をされておりますが、そのときに、本人名義預金一千二十六万円、郵便預金三百万円、出資今日社三千百五十万円、貸付金五千百十七万円、妻名義が出資今日社六百七十五万円という部分では、割引債に関しては、もしお持ちであれば記載漏れがあったということになるのでございましょうか。
  251. 加藤紘一

    ○加藤国務大臣 川端委員の御指摘のとおりでございます。
  252. 川端達夫

    ○川端委員 そこで、二つの問題をお聞きしたいと思います。  一つは、塩崎証人は証言の中で、これは加藤委員の質問に対してでありますが、土地代金の支払いに対して、私も家内も貯蓄は持っている、預金口座を持ち、さらに割引債等を所有している、その資金を調達するために普通、定期預金の解除をしている、私が一億二千万、家内が一億二千万、私の長男が三千万、この資金を調達して今日社に振り込んで、これをもって銀行くの債務をなくした、こういうふうにお述べになっているわけです。  ということで、割引債が一つは記載漏れであったというふうに理解をいたしまして、証言ですから、真実をお述べになっていると思います。  そうしますと、割引債、普通預金含めて、定期預金が一千万ぐらいだったですから、約一億以上のお金をそういう部分から取り崩しをされた。一つは、普通預金に一億円例えばお持ちであるということであるならば、果たして何のための資産公開かということになると思います。それから、これは割引債だったんだということになりますと、一億になんなんとする割引債をお持ちになって、それを資産公開のときに記載を忘れだということが、自主的ということで許される資産公開というのは何なんだろうか。いずれにいたしましても、忘れていたか、うっかりしていたかということの中では見過ごされてしまう。しかも、おやめになったときも、資産の変動はなし、ベンツ一台減った、こういう御報告でございますから。  ということでいうと、資産公開、閣僚がこういう政治倫理という部分でみずから率先しておやりになる部分にもう少しきちっとしたものを、歯どめといいますか基準と、それからそれの確証といいますか裏づけというものがないと何の意味もない。というよりも、むしろ国民の目から見ると、だまされた感じを持つのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
  253. 加藤紘一

    ○加藤国務大臣 確かに、当時その内閣で出された資産公開の基準の中に割引債という言葉を明確に書いてあったかどうかという問題はあるのかもしれませんが、仮に先生のおっしゃるように、多額の割引債というものが記載漏れであったとするならば、資産公開の趣旨から見て若干残念だったことだと言わざるを得ないと思います。
  254. 川端達夫

    ○川端委員 残念だったという言葉がはやっているようですが、今政治倫理に関しても、非常に大きな政治課題の一つということで、各党含めてこれはいろいろな場で議論がされております。  そういう中でありますが、既に先行して閣僚の皆さんがおやりになっているという部分は評価をしたい気持ちでいっぱいなんですが、その部分で今みたいなことが出てきますと、全然信用がないなということになってしまう。ですから、私は、これは提案でございますが、割引債も、確かに新聞報道による基準というのには明確に書いてないのですね。それと同時に、普通預金というのは外している。税務署に、今確定申告の時期ですが、二千万以上年収があった人は資産の届け出をしなさいという部分の書式、様式があります。これは全部含まれています、今言ったようなものは。そういう部分含めて、何かある公的な部分も含めて、普通預金あるいは割引債、そしてそれの信憑性というものを担保するような仕組みを早急に検討し、実現されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  255. 加藤紘一

    ○加藤国務大臣 先ほどの御質問にもありましたけれども、流動性の預貯金というものを入れるのか入れないのかという問題も含めて御議論のあるところだと思いますけれども、しかし、流動性預金というものは、当座預金、そういった普通預金というものほかなり毎日毎日動いておるものでありましょうから、どの時点でどうとったらいいのか、いろいろな問題が別途あるのではないかなと思っております。ですから、今回の件はやはり、基準に書いてありましたいわゆる割引債というものを基準どおりしっかりと出していただくように今後するべきだと思います。  それから、この具体的な担保の件はどうだということになりますけれども、この制度そのものが、内閣官房長官が毎回そうしてくださいと言いますけれども、特に強制しているものではありません。そうすることが望ましい。一人一人の倫理観というか、一人一人の政治感覚に訴えてやっているものでございますので、そしてそれは従来かなり守られてきていると思いますので、そういうことを踏まえて、これから皆さんに、それぞれの方の倫理観に訴えていくべき筋のものではないかなと思っております。
  256. 川端達夫

    ○川端委員 国会の機関あるいは各党協議の中で、資産公開を法的に義務づけようという動きもあることは御承知だというふうに思います。そういう中で、こういう具体的なその瑕疵を問うような問題が出てきたという意味では、私は、もう一歩踏み込んできっちりとおやりになっていただきたい。特にお願いを申し上げておきたいというふうに思います。  ただ、この証言をお聞きいたしまして、また詳細に読ましていただきますと、随分たくさんのお金が、本当にあったのか、何かよく、何となくグレーな部分の思いは禁じ得ません。場合によっては、資産公開が本当は正しかったのかなというふうな思いもいたすわけでございまして、そういう部分で、これは資産公開に絡んで、そして議員の証言としてこういうお金の出入りを証言されたわけですので、委員長にぜひともこの土地購入に関する金銭の授受、流れに関しての資料を調査、提出していただくように要請を申し上げたいと思います。
  257. 山村新治郎

    ○山村委員長 川端委員に申し上げます。  理事会において協議させていただきます。
  258. 川端達夫

    ○川端委員 それと、先般の証人喚問あるいは参考人から御意見を賜る機会も含めまして、あの後、選挙区含めまして、いろいろな方にいろいろ質問を受けました。  これは大蔵省にお伺いをしたいのですが、あのお話の中で、二千万あるいは一千万というお金を、どうも性格がはっきりしないのですが、預かったとおっしゃる方もおられましたし、政治資金か、もらったのか悩みに悩んだとおっしゃった方もございました。そういうような部分で、お一方は後で修正申告をされ、お一方は後でお返しになったわけですが、こういうお金は、初めに自治省にお伺いしたいのですが、預かり金という言葉が出てまいりました。こういう種類のお金が政治資金規正法上どういう取り扱いになるのか、教えていただきたい。
  259. 吉田弘正

    ○吉田(弘)政府委員 預かり金についてのお尋ねでございますが、政治資金規正法におきましては、「収入」とは「金銭、物品その他の財産上の利益の収受」をいいます。「寄附」とは「金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付で、党費又は会費その他債務の履行としてされるもの以外のものをいう。」ということとされております。また「政治活動に関する寄附」でございますが、これは「政治団体に対してされる寄附又は公職の候補者の政治活動に関してされる寄附をいう。」ものとされておるわけでございます。  そこで、金銭等が政治家個人に供与または交付された場合におきまして、同法の規制を受ける寄附に該当するかどうかにつきましては、政治家の政治活動に関してそれがされたものであるかどうか、また政治家が財産上の利益を受けていると認められるかどうかによるわけでございまして、個々具体の事実に即して判断をする必要があるということになるわけでございます。  いわゆる預かり金についてでございますが、私どもその実態をよく承知していないわけでございますが、一般論として申し上げれば、政治家個人が他の者から受けた金銭等を、自己に帰属させる意思を持たずに、単に一時的に保管したにとどまる場合には、これは寄附を受けたことにはならないものと考えております。
  260. 川端達夫

    ○川端委員 というわかったようなわからないようなことでありまして、結局は、政治資金規正法上はその中身ということで判断ができないという部分になっているのが現実だと思います、これは残念ながら。そういう部分で、書いてないということは私はやはり政治資金ではないというふうに言わざるを得ない。  そこで大蔵省にお尋ねしますが、個別の案件ではなくて、一般論として、ちょうど今確定申告の時期でありまして、いろいろな方がねじり鉢巻きで申告書をお書きになり、税務署へ行っておられる時期でございます。第三者からお金を預かって現在所有をしている、いつ返すかはよくわからない、返さないかもしれないというお金を現在持っているという場合には、税務署に相談に行けば、どういう申告をしろと御指導されるのか教えていただきたい。
  261. 冨沢宏

    ○冨沢政府委員 一般論でございますが、金銭を預かったり、それを返したという場合には課税関係は生じないわけでございます。  ただ、個別のケースにつきましては、預け金かどうかということはその実態に即して判断をするということでございます。
  262. 川端達夫

    ○川端委員 税務調査に税務署の方が来られて、年収三百万、四百万のサラリーマンの人に、金庫はお持ちではないと思いますが、調べたら、おうちに例えば一千万円あった。このお金はどうしたんですか、これは例えば親からあるいは親類からちょっと預かってくれと言われているので預かっているんだ。いつですか、二年半前です。いつお返しになるのですか、わかりませんと言われたときに、ああそうですかということに本当になるのでしょうか。  私は、渡したということの、預かった、預けたという関係が立証された場合でも、二年もたっているときに、果たしてそういう指導をされるのか。ああそうですかということではないのではないか。やはりそれは貸借、利息をつけて返すという貸借関係で、そういう貸借の契約がなされているかどうかということもお調べになると思います。同時に、それがない場合には贈与であるということの中で贈与税、あるいは返しても、そのときは往復で税金を払うというのが通常の善良な納税者に対して課せられていることではないでしょうか。そのことが、政治家にだけ何かグレーゾーンが許されているということに、政治家に対してあるいはその行政に対して国民は怒り狂っているというのが実態ではないでしょうか。改めて御答弁をお願いします。
  263. 冨沢宏

    ○冨沢政府委員 その間の事情を総合的に判断して、実態に即して課税を考える、そういうことになろうかと思います。
  264. 川端達夫

    ○川端委員 個別にということをおっしゃいましたが、私が言ったのは、かなり個別、一般的かつ個別具体的にお問いかけをいたしました。そういう部分では、こういう部分に関して政治家というものの不信感を払拭するためにもひとつ改めて御見解をお教えをいただきたいというふうに思います。時間がなくなってしまいました。  総理、昨年秋の政治改革国会に政府は、選挙法も含めまして、いわゆる政治改革法案というのを御提案になりました。いろいろな議論の結果、結果として廃案になりました。しかし、選挙制度、小選挙区制導入を中心とする部分を除きましては、政府提案の中身と、それから野党各党が国会に提出したあるいは要綱を発表しているものとにおいて、政治資金の透明性を確保すること、あるいは選挙に関する違反に対して罰則を強化する等々の問題に関してはかなりの共通事項があったというふうに思います。しかし、これは残念ながら廃案になりました。  この理由は、各政治改革法案は選挙制度と密接に関連し一体であるからという御主張の中で、全部一緒でなければやらないという御主張が当時の内閣の御主張でございました。私たちは、選挙制度に非常にリンクしている部分も確かにあるけれども、あらゆる選挙において政治家として求められる部分の要素もたくさんある、せめてその部分だけでも分離してテーブルにのせて議論をすべきではないかと主張をいたしましたが、当時の海部総理は、あくまで全部一緒でなければいけないということで、結果としてそのかたくなな主張のせいで全部つぶれてしまったというふうに私は思います。  自由新報にも「政治改革断行「待ったなし」」と、こう書いてあります。相撲の人気が大変ありますけれども、待ったなしという相撲のルールの中で、待ったをしたら今罰金を払わないかぬ。待ったをされた方も払うのです。今政治家が政治改革、何もやらないではないかという批判を我々も浴びている。しかし、選挙制度という各党いろんな意見があるという部分をのけた大変共通的に、そして今国民が期待している部分は、まさに待ったなし、その待ったをした与党の総裁であり、そして今総理である宮澤総理がやはりリーダーシップを発揮して、その部分だけは先行して必ずやる、しかもこの国会じゅうに、いろいろ議論はあるけれども責任持ってまとめて、やるという御決意をぜひともにお聞かせをいただきたい。それで終わりにしたいと思います。
  265. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 三案が廃案になりました、与野党合意の上で廃案になったわけでございますが、三つが本当に密接に連関をいたしておりましたから、どこかの部分だけを除いてその場で手直しをするということは、私は恐らくやはり無理であったというのは、選挙区制の問題はすぐに政党助成法につながっておりますし、政党助成法は政治資金規正法につながっておりますから、そういうことであったと思いますのです。  ですから、あのことはあのことといたしまして、今度は先ほど申し上げましたような観点から、私どもの方でも案をつくり、また各党も案をお持ちでございますので、ひとつできるだけ早く協議会で成案をお願いいたしたいと存じております。
  266. 川端達夫

    ○川端委員 終わります。どうもありがとうございました。
  267. 山村新治郎

    ○山村委員長 これにて川端君の質疑は終了いたしました。  次に、菅直人君。
  268. 菅直人

    ○菅委員 きょう最後の質問ということになりますが、短時間ですので最後までおつき合いをお願いをいたします。  総理は、先日この政治改革についての合宿をされたというふうに報道されておりました。その直後に、その合宿の中でも総理がいろいろと話を聞かれた方も含めた民間の政治臨調というものの、いわゆる社会経済国民会議というグループの皆さんと、私もその一人に政党の側から出ている者としていろいろと議論をいたす機会がありました。また、きょうの議論をいろいろ聞いておりましても、率直に言って総理、総理が考えておられる政治改革というのは一体どういうものなんだろうということが、国民的に見て非常にわかりにくいというのが率直なところだと思うのです。  そこで、この点について私なりの見解を述べながら、総理の考え方をお聞きしたいのですが、例えば今政治改革、もちろん金の問題が非常に重要だと思っております。しかし一方では、金だけではないんだ、まさに世界の激変、国内の激変の中でそれに対応できる政治のあり方をどうつくっていくか。ある学者の言葉をかりれば、これまで数十年間小さな政治、浅い政治でよかったけれども、これからは大きな政治、深い政治が必要だ。ある意味では経済に追従した政治でよかったけれども、これからはそれではない、新しい方向を指し示す政治が必要なんだ、それをつくるためには、まさに金の問題や選挙制度やあるいは国会改革や行政改革も含めて考えなきゃいけないんだ、こういうことが言われているわけです。私も、そのこと自体はそのとおりだと思います。  しかし同時に、だから全部を一遍に、一挙にやろうというのができるんであればそれにこしたことはないですけれども、実際はその中でまず取り組むこと、中ぐらいの時間がかかること、あるいは五年ぐらいはかけてやらなきゃいけないことというふうにそれを整理し直してどう取り組むかというのが、まさに先ほどの川端議員の言葉をかりれば、待ったなしの政治改革の段取りを総理に聞きたいというのが私は国民の率直な気持ちであろうというふうに思うわけです。  そこで、何か最近の話を聞いていると、定数是正とかあるいは選挙制度の問題が出てきます。しかし、例えば、今きょうもこの委員会でずっとやりましたけれども、共和の事件とかあるいはこれから騒がれている佐川の事件というものと、共和事件があったから定数是正だ、共和事件があったから小選挙区制だという言い方をもししたとして、国民の皆さんにそれが理解をぴっとされるんでしょうか。もちろん定数是正は定数是正で国会決議がありますからやらなきゃいけません。これはやらなくていいと言っているのじゃないのです。やはり国民的な気持ちでいえば、まずは金の問題をきちんとしてくれということが私は必要条件であり、まずスタートすべき問題だと思うのです。  そこで、お手元にもお渡しをしておりますが、金の問題もいろんなやり方があります。これまで入りの問題をいろいろやられた経緯もありました。私も入りの問題も重要だと思います。しかし、ある意味では出の問題の方があるいは合意が得やすいんではないか。寄附を禁止をするということを二年ほど前にやって、ある程度効果を上げています。そこで、私は出の方をきちんとルール化することが一つのポイントになるんではないかというふうに思っております。  短い時間ですから一つだけ例示的に挙げますと、企業がある時期、公害で非常に、まあ公害企業ということで糾弾をされました。私は、企業が公害が少なくなったというか、今でもいろんな問題が残っておりますけれども、減ったのは、経営者が倫理的にすぐれていたから、あるいはすぐれるようになったから公害がなくなってきたというふうには残念ながら思わない。つまりは公害がなくなったのは、公害を出し続ければ水俣病のように巨額の賠償金を取られて会社がつぶれるようになる、だからそれをしないためには逆にあらかじめ防止機器をつくって、そういうものをきちんとルール化する方が、ある意味では会社存続のためにもプラスになるということでルールができてきたんだと思うのです。  じゃ、政治家にとっては何が一体怖いのかということです。私、昨年の九月の本会議でもこのことを申し上げましたけれども、政治家にとって、議員にとって一番怖いのは、やはり選挙に負けることじゃないですか。選挙に勝とうと思うから、金がある人は金を、権力がある人は権力を、場合によったら五人や十人運動員が捕まったって、それはそれで何とかフォローすればいいやということで、一種自由競争的な形でやる。ですから、それをとめるには、倫理ももちろん重要ですけれども、基本的にはそれをやったら、公害じゃありませんけれども、それに十倍する、百倍するペナルティーがかかる。一言で言えば、それは議席を剥奪をされるということだと思うわけです。  そこで、これももう既に各党から出ておりますけれども、政治腐敗防止法は二つの柱から成っているし、あるいはつくればいいと思うのです。一つは、今申し上げました、選挙において買収とか、あるいはきちんとした法定選挙費用をつくって、法定選挙費用を逸脱した場合は、候補者本人も監督責任というものをきちんと明記をして、候補者本人のペナルティーをきちんとする。もちろん判決確定の後でありますけれども、被選挙権を十年間停止をする。あるいは政治汚職によって判決が確定した場合は、今は執行猶予がついていれば公民権停止がないわけですけれども、執行猶予がつこうともつくまいとも十年間の公民権停止を判決確定のときにはきちんと実行する。私は率直に言って、この二つをやれば相当といいましょうか、かなり決定的に政治改革が進むというように思っておりますけれども、総理の全般に対する御意見とこの問題に対する意欲について聞かしていただきたいと思います。
  269. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 後で総理からも総括の御答弁あると思いますが、とりあえず御質問されました事務的なものについてお答え申し上げます。  まさにおっしゃるように、政治腐敗の中の問題は、私たちは非常に御指摘されている問題があると思っております。それはそれなりでこの際に真剣に考えなきゃいかぬ。同時に、よって来るところの原因は、選挙のあり方そのもの、そして選挙の制度そのものにもやはり原因があるということでございまして、そういうことと並行して一連の問題として考えていただきたい、こう思っておるところでございます。  それと同時に、一番冒頭におっしゃいましたように、国際社会に対応する政治の体制として日本はおくれておるんではないか、もう御指摘のとおりでございますので、我々もそういう国会の改革を、同時に我々党の改革も進めていかなきゃならぬ。  そこで、総理から指示ございました四つの問題を一つのセットとして考えてはおりますけれども、しかしそれは、おっしゃるように一遍にやると言ったって無理でございますから、ですから順序を決めで我々はやっていきたい、こういう趣旨でございます。
  270. 宮澤喜一

    ○宮澤内閣総理大臣 前の方のお話は連座規定の強化ということであったと思います。  それは、各党でもいろいろお考えでございますから、そのいわゆる選挙違反というものが反社会的な、選挙違反にも今までいろいろございますから、本当に反社会的なものについての連座を強化するというような方向でお考えいただくということであると、それは非常に効果があるんではないかと思いますけれども、ちょっと刑罰関係のことは私素人でございますので、十分正確には申し上げかねます。
  271. 菅直人

    ○菅委員 時間ですので、終わります。
  272. 山村新治郎

    ○山村委員長 これにて菅君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、政治改革についての集中審議は終了いたしました。  次回は、明四日午前十時より開会し、内外経済についての集中審議を行います。  本日は、これにて散会いたします。     午後七時十二分散会