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1991-12-16 第122回国会 衆議院 地方行政委員会 4号 公式Web版

  1. 平成三年十二月十六日(月曜日)     午前十時開議 出席委員   委員長 中島  衛君    理事 岡島 正之君 理事 福永 信彦君    理事 古屋 圭司君 理事 増田 敏男君    理事 谷村 啓介君 理事 中沢 健次君    理事 小谷 輝二君       井奥 貞雄君    石橋 一弥君       鹿野 道彦君    佐藤謙一郎君       谷  洋一君    中谷  元君       西田  司君    野中 広務君       星野 行男君    森田  一君       渡瀬 憲明君    遠藤  登君       小川  信君    北沢 清功君       小林  守君    日野 市朗君       山下八洲夫君    山口那津男君       吉井 英勝君    神田  厚君  出席国務大臣         自 治 大 臣 塩川正十郎君  出席政府委員         警察庁長官官房         長       井上 幸彦君         自治政務次官  穂積 良行君         自治大臣官房長 森  繁一君         自治省行政局公         務員部長    秋本 敏文君  委員外の出席者         労働省婦人局庶         務課長     佐田 通明君         地方行政委員会         調査室長    渡辺  功君     ――――――――――――― 委員の異動 十二月十六日 辞任          補欠選任   野中 広務君     星野 行男君   森  喜朗君     佐藤謙一郎君   安田 修三君     日野 市朗君 同日  辞任         補欠選任   佐藤謙一郎君     森  喜朗君   星野 行男君     野中 広務君   日野 市朗君     安田 修三君 本日の会議に付した案件  地方公務員育児休業等に関する法律案(内閣  提出第一四号)      ――――◇―――――
  2. 中島衛

    ○中島委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、地方公務員育児休業等に関する法律案を議題といたします。  これより趣旨の説明を聴取いたします。塩川自治大臣。     ―――――――――――――  地方公務員育児休業等に関する法律案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  3. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 ただいま議題となりました地方公務員育児休業等に関する法律案の提案理由とその内容の概要について御説明。申し上げます。  本年四月一日に行われた一般職の国家公務員育児休業等に関する法律の制定についての人事院の意見の申し出を踏んまえ国家公務員育児休業等に関する法律案が提出されることとなりましたので、地方公務員についても、育児休業制度及び一日の勤務時間の一部について勤務しないことを内容とする部分休業制度を設けるため、本法律案を提出することとした次第であります。  以下、この法律案の概要について御説明申し上げます。  第一は、この法律の目的であります。  この法律は、育児休業等に関する制度を設けて、子を養育する職員の継続的な勤務を促進し、もって職員福祉を増進するとともに、地方公共団体の行政の円滑な運営に資することを目的とするものであります。  第二は、育児休業の承認に関する事項であります。  職員は、任命権者の承認を受けて、その一歳に満たない子を養育するため、子が一歳に達する日まで、育児休業をすることができることとしております。この場合において、育児休業の承認を受けようとする職員は、育児休業をしようとする期間を明らかにして、その承認を請求するものとし、任命権者は、当該職員の業務を処理するための措置を講ずることが著しく困難な場合を除き、育児休業を承認しなければならないこととしております。  第三は、育児休業の効果であります。  育児休業をしている職員は、職を保有するが職務に従事しないこととし、また、育児休業をしている期間については給与を支給しないこととしております。  第四は、育児休業に伴う臨時的任用であります。  任命権者は、育児休業の承認の請求に係る期間について職員の配置がえその他の方法によって当該請求をした職員の業務を処理することが困難であると認めるときは、臨時的任用を行うものとしております。  第五は、職務復帰後における給与等の取り扱いであります。  育児休業をした職員については、育児休業をした国家公務員給与及び退職手当の取り扱いに関する事項を基準として、職務に復帰した場合の給与及び退職した場合の退職手当の取り扱いに関する措置を講じなければならないこととしております。  第六は、部分休業についてであります。  任命権者は、職員が請求した場合において、公務の運営に支障がないと認めるときは、条例の定めるところにより、当該職員がその一歳に満たない子を養育するため一日の勤務時間の一部について勤務しないことを承認することができることとしております。この場合には、国家公務員給与の支給に関する事項を基準として定める条例の定めるところにより、減額して給与を支給するものとしております。  第七に、職員は、育児休業または部分休業を理由として不利益な取り扱いを受けないこととしております。  第八に、当分の間、女子教育職員等に対しては、国家公務員育児休業給の支給に関する事項を基準として定める条例の定めるところにより、育児休業をしている期間について、育児休業給を支給するものとしております。  最後に、この法律は、平成四年四月一日から施行することとしております。  以上が、この法律案の提案理由及び内容の概要であります。  何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決賜らんことを心からお願い申し上げます。  以上でございます。
  4. 中島衛

    ○中島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。     ―――――――――――――
  5. 中島衛

    ○中島委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北沢清功君。
  6. 北沢清功

    ○北沢委員 ただいま、このたびの地方行政委員会における育児休業法定に関する法律案が委員会に付託をされたわけでありまして審議をするわけでございます。私は、日本社会党・護憲共同を代表いたしまして冒頭に発言の機会を与えていただいたことを感謝をいたしたいと思います。  去る五月、百二十通常国会における参議院の先議を経て、民間男女労働者を対象とした育児休業法が成立をいたしました。本臨時国会において、国・地方公務員、そして裁判官を含め、来年の四月一日を目指しそれぞれ本日審議がされておりますが、地方公務員の休業法案、総括的な政府提出法案、さらに成立された民間法について、自治大臣の理念及びその意義についてまず御所見をお伺いをいたしたいと思います。
  7. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 育児休業に関する法律案が提出できだということは、私は、一つは社会のいわば変化というよりも進歩であると思っております。  現在、生活レベルが非常に向上してまいりましたに伴いまして、子を養育するにつきましても非常に多様化、多岐多端になってきております。そういうときでございますので、親として子を養育するのに十分な時間をやはりかけたいというのは親の心情であろうと思いますし、そういう観点からこの制度ができましたことは、子の育成に親が一定期間安心して従事できるということ、そのためには、民族の将来を思います場合、いい傾向ではないかと私は評価しております。
  8. 北沢清功

    ○北沢委員 ただいま自治大臣から極めて高く評価をしているという御所見がございました。このことは、長い懸念であった男女労働者などを対象とする育児休業の法制化が、働く皆さんの権利として初めて認められた意義は大きいと私は思うわけであります。特に、戦後女性の社会的進出に伴う育児と職場の悩み、男女、家族による大切な育児の問題、さらには、最近大きくショックとして受けとめられております出生率の低下が二十一世紀に向けて極めて我が国の将来にとって社会経済の活力を失うのではないかという懸念の上からも、大切なものであろうと思うのであります。したがいまして、今回の法の成立については、我が党は基本的に賛成をし、高く評価をいたすものであります。  これらは、成立の過程を見るときに、連合を初めとする労働団体の要求として実現させたという成果とともに、我が党も九年前に、一九八二年初めて参議院育児休業法を提案いたしました。八七年に社会、公明、民社、社民運の野党による統一提案をされてから四年、この間論議を深めて積み上げてきた、その中での与野党の合意を見、今回の政府提案となったのであります。関係をされました政府機関の方々の御努力に敬意を表しながら、なおかつ、しかし、参議院の修正に見られますように、今後法案の趣旨に基づき解決を見、前進の努力を図らなければならない問題が幾つかあります。これらの立場から、我が党が今まで強力な推進を果たしてきた役割とともに、今後一層このことに向けて方向を明らかにいたしまして、以下五点について私は御質問を申し上げたいと思うわけであります。  その質問の前でありますが、実は私は先ごろ国会図書館へたまたま調査に行きましたところが、そこにアエラという雑誌がございました。今週号でございますが、その中に、この法案の将来的な方向といいますか理念といいますか、これらに非常に大きなかかわりのある記事が掲載されておりました。それは、ドイツのヘッセン州の州都であるビースバーデン市のアヒム・エクスナー市長でありますが、この十一月一日から特別休暇になったという育児休業の問題が大きく掲載されておりました。市長さんがとられるということは私も非常に奇異に感じたわけでありますが、しかしその中で、重大な理由のある場合においては公務員に認められているということで、市長の父親として育児に専念したいというのがこの重大な理由でございました。子供の人生の始まりの大切な時期のために自分の時間を使いたい、それがその理由である、そういうような発言が述べられておるわけであります。先ほど大臣が社会の進歩であると言いましたが、まさに時代が変わっていく前兆ではないか、そういうふうに私は理解をして、非常にうれしい思いをしてこの記事を読ましていただいたわけでございます。  そういう点を踏まえながら、将来的なこの法の措置、運用について、さらに日本の風土というものの中で極めて理解をされなきゃいけないというふうに感じますし、また、そのことの中で男女ということに今回の法案の規定をされたということは、極めて非常に成果であろうというふうに私は思っておるわけでございます。  それでは、実際の運用に当たってのお尋ねに移りたいと思いますが、先般成立をいたしております育児休業等に関する法律に基づいて、民間労働者の場合は育児休業が権利として保障されております。労働者が申し出さえすれば育児休業をすることができるのに対し、公務員の場合は法制上、請求して承認を受けるという形式になっております。「著しく困難である場合を除き、これを承認しなければならない。」となっているわけでありますが、これは請求をすればほぼ一〇〇%承認されるものと受けとめてよろしいのか、御所見を伺いたいと思います。
  9. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 御指摘ございましたように、地方公務員育児休業法におきましては承認制というのをとっているわけでございます。御案内のように地方公共団体におきましては、住民に対して常に安定した行政サービスを提供するという公務としての責任、役割がございます。また、この休業制度をとるということになりますと長期の休業ということになりますので、こういうことからしますと、職員の一方的な意思表示によって公務から離れていく、そういうことを可能にするような制度はなじまないであろうという考え方から、国家公務員育児休業制度と同様に任命権者の承認を得ることを要件といたしております。  しかしながら、これまでも先生の御指摘にございましたように、今回育児休業制度を設けるということの意義、あるいはまた、この法律案におきましても任命権者に対しましては臨時的任用等を含めましてさまざまな措置を講ずるよう求めている、こういったことから考えますと、今この時点で考えますと、通常、育児休業が承認されないケースというのは極めてまれであろうというふうに考えております。
  10. 北沢清功

    ○北沢委員 それでは極めてまれであるということで理解されたいと思いますが、この形式についても一層の御努力をいただきたいと思います。  次に、育児休業の「当該期間を任用の期間の限度として、臨時的任用を行うものとする。」というふうになっておりますが、ほとんどすべての育児休業の場合について臨時的な任用を行うものと理解をいたしてよろしいものであるかどうか、この点についてお答えをいただきたいと思います。
  11. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 どの程度に臨時的任用制度が活用されることになるか、これはそれぞれの職場、団体によりましても違いがあるかもしれませんので、この時点でどの程度ということを明言することは大変難しいわけでございますけれども、地方団体におきましては、育児休業が行われた場合に配置がえなどによっては十分に業務を処理することができない、そういうことが考えられますので、このような場合には部外からの臨時的任用を行うこととするという仕組みを取り入れているわけでございますので、いずれにしましても、この制度の趣旨に沿って適切に運用されますように指導してまいりたいと存じます。
  12. 北沢清功

    ○北沢委員 この点についても、職場の負担というか、にならないようにすることがこの法の趣旨であろうと思うわけでありますから、指導についても一層の努力をいたしていただきたいと思うわけであります。  次に三点目として、この法律案においては部分休業制度宣言っております。一歳に満たない子を養育するため労働時間の一部について勤務しない 制度を用いておりますが、この場合の一部とはどういうようなものを考えておいでなのか、お尋ねをいたしたいと思います。
  13. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 この育児休業制度におきましては、今御指摘ございましたように、部分休業という制度をあわせて取り入れております。具体的にどういうことになってくるのか。例えば想定されるケースとしましては、出産後もお子さんを保育施設などへ預けながら仕事を継続する職員、こういう方々によって利用されることが典型的なケースではないだろうかというふうに考えられておりまして、そうしますと、一日当たりの可能な休業時間につきましては、一般的な保育施設の開設時間でございますとか、あるいは公務の運営への影響など考慮して、二時間程度というようになるのではないか。  これは具体的には、人事院の方で検討され、それによって国家公務員の制度が定められるということになりますと、地方公務員につきましてもこれに準じて関係の規定を整備して運用していくという形になってまいるわけでございますが、そういったことではないかと存じます。
  14. 北沢清功

    ○北沢委員 それでは、部分休業についてもう一度お尋ねをしたいと思うわけですが、部分休業については「公務の運営に支障がないと認めるとき」という条件つきになっております。しかし、こうした休業の場合、公務に支障が全くないということは考えられないわけでありますが、こうした条件が請求するときの障害にならないか、心配されるわけであります。部分休業を承認することを優先的にして、特段の支障がない限り認められるべきものと理解をしてよろしいのでしょうか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
  15. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 部分休業制度の運用につきましては、これもそれぞれの職場の状況に応じて判断されるということになってまいりますが、部分休業制度は、育児休業の通常丸々一日休業するという場合と違いまして、割り当てられる勤務時間の一部を勤務しないということでございますので、そういったことによる公務への影響がどうか、あるいはまた、その業務の内容との兼ね合いていろいろなケースがあり得るだろうといったようなことから、この部分休業制度につきましては「承認することができる」というような規定のしぶりにしておるわけでございます。  こういった法の趣旨からいたしますと、必要な場合にはできるだけ承認が行われるということがもちろん育児休業制度ということからしますと望ましいということになろうと思いますので、そういったことから適切な運営がされますように指導してまいりたいと存じます。
  16. 北沢清功

    ○北沢委員 また、それに関連をいたしまして、民間の育児休業法においては、小学就学時まで勤務時間短縮等、仕事と育児の両立支援策を講ずることが努力義務とされておるのでありますが、地方公務員についても当然この民間育児休業法に見合うものを保障する方向を将来的にお考えになるべきだと考えるわけでありますが、いかがでしょうか。
  17. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 地方公務員の育児休業法につきましては、国家公務員の育児休業等に関する法律と同様に、今御指摘のありましたような民間に相当する規定というのは特に明らかに設けるということはいたしておりません。地方公務員法二十四条五項の規定によりまして、地方公務員の勤務条件については国との権衡を考慮して定めるといったように規定をされているわけでございまして、そういった趣旨などから国家公務員と同様の規定といたしております。今後国の方としてもどういうようなことになってくるのか、その動向を見守りながら、必要があれば検討するということにしていきたいと存じます。
  18. 北沢清功

    ○北沢委員 次に、育児休業をしている期間について給与を支給しないという点についてでありますが、この制度が一年という長期のものであってこの間無給であることは、実際には共済掛金等の持ち出しの分が出てまいりまして、生活費などに非常に影響を及ぼすことが考えられるわけでありますが、このことがやはり育児休業をとりにくくする、あるいは、育児休業を途中で必要でありながら切り上げざるを得ないというおそれが十分あるではないかというふうに考えるわけであります。  その結果、せっかくこの画期的な制度が十分成果を上げ得ない、支障が出てくるのではないかと思うのでありますが、この点、制度が効果的に活用されるよう何らかの所得保障の制度が必要であるというふうに考えるわけでありますが、これらの点についてはどのように理解をされ、考えておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
  19. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 今回の法案におきましては国家公務員の育児休業制度と同様な内容のものといたしておりまして、その国家公務員の制度のいわば根っこにあるものが人事院からの提出ございました意見でございますけれども、その人事院の意見におきましても、育児休業中は給与を支給しないというようにされているわけでございます。これは、民間の育児休業等に関する法律においても給与に関する規定が盛り込まれていないとか、あるいは、民間企業における育児休業制度の実態におきましても有給というのはいまだ一般化しているとは言えない状況にあるとか、そういったことが理由ではないかと存じます。こういうことで、地方公務員の育児休業制度におきましても国家公務員の制度に準じまして、育児休業をしている期間については給与を支給しないということにいたしたものでございます。  ただ、育児休業をしている職員の給与の取り扱いの問題につきましては、さきの通常国会における民間労働者を対象とした育児休業等に関する法律案の御審議におきましても、さまざまな御論議があったということを私どもも承知をいたしております。民間労働者を対象とした育児休業等に関する法律におきましては、同法施行後の適当な時期に、育児休業制度の実施状況、育児休業中の待遇の状況等を勘案し、必要があると認めるときは必要な措置を講ずることというようにされております。  先ほど申し上げましたように、今回の育児休業制度の法制化に当たりましては人事院が詳細な意見の申し出を行っているわけでございまして、そういったような経過からしましても、民間における状況に変化が生じ、そして公務員の制度についても見直しをする必要がある、そういうような状況になってくれば人事院において適切な措置がとられるであろうと思いますし、それに基づきまして国家公務員についても必要な対応が検討されるということではないかと思います。そういう状況になってまいりましたならば、地方公務員の育児休業制度の対応についても検討する必要があろうと思います。そういう全体の状況をなお見守ってまいりたいと存じます。
  20. 北沢清功

    ○北沢委員 今御答弁がありまして、この問題については、改めて私から申し上げるまでもなく、昨年の参議院の社会労働委員会育児休業制度検討小委員会においても、与党の議員からも、重要な論点であり政府の立場においても十分多角的検討がされるよう期待したいという確認がなされております。また、労働省の婦人少年問題審議会の建議においても、「休業期間中の労働者の経済的援助については、更に、広範、かつ、多角的な観点から論議が深められる必要がある。」と結論づけられておるわけであります。そして、民間の育児休業法成立のときも、育児休業中の待遇も含めて見直し、検討を行うとの修正がなされていることであります。  こうしたさまざまな経過を踏まえて、前向きに対処をしていただきたいと思いますので、重要なことですから、重ねて確認をいたしたいと思いますし、せめて当面の共済掛金等の負担についても十分な将来的に配慮をされていただきたいということをまず申し上げて、重ねて確認をいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  21. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 先ほど申し上げましたように、今回の育児休業法におきましては、国に準じて育児休業期間中給与を支給しないということにいた しております。これにつきましてさまざまな御論議があること、私どもも承知をいたしているわけでございますけれども、今後どういうふうにしていくのか。ただいまの法案のいわば根っこにあります人事院の意見が民間の状況を勘案されてのことであろうと思いますので、そういった意味では、この民間の状況がどうなってくるのか。それによって公務員についても見直しをする必要があるというような判断が人事院でなされるということになりましたならば、恐らく人事院からの意見もあるでしょうし、それを受けて国家公務員についての取り扱いを検討するということにも恐らくなるでありましょうし、そういったような状況の中で地方公務員につきましても必要な状況になりますと、どうするかということを真剣に検討しなければならないだろうと思います。そういったような全体の状況を見守ってまいりたいと存じます。
  22. 北沢清功

    ○北沢委員 次に、教職員と看護婦、保母等の三職種における職務の特殊性にかんがみということで、女子のみに育児休業給の支給が現在なされておるわけであります。これは、公務員平等の取り扱いの原則や、また男女同一賃金、平等待遇の原則の面から問題があると私は思うわけであります。さらに言えば、我が国も国連の女子差別撤廃条約を批准しておりまして、この精神から見ても、この法律がスタートをした時点においてもともかく現状に合わなくなっているというふうに私は考えるわけであります。非常に大きな矛盾点を持っているというふうに思うわけでありますが、ここは男女ともに改むべきだと思いますが、この点についてはいかがでしょうか。
  23. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 今回の法律案におきましては、いわゆる特定三職種の女子職員について現行の育児休業制度で取り扱われておりますと同様に、その職務の特殊性、また人材確保の必要性などにかんがみまして、義務教育諸学校等における教育及び医療施設、社会福祉施設等における業務の円滑な実施の確保に資するためという観点から、国と同様、当分の間育児休業給を支給するということにいたしているところでございます。  男女間の問題等についてでございますけれども、現行の特定三職種に係る育児休業制度が立案をされましたときの国会における提案理由の説明などを拝見いたしますと、なぜこういうことをやるかということについてるる述べられているわけでございますが、そういったような状況からこの特定三職種の女子についての制度が設けられた、これを当分の間ということで地方公務員につきましても、国家公務員と同様に当分の間設けるということにいたしているわけでございます。
  24. 北沢清功

    ○北沢委員 今御答弁があったわけですが、「当分の間」という表現でありますが、この法律が成立をした時点においては、私が先ほど申し上げるような本当の意味の育児休業法というものが正しく国民の権利として行使できるかどうかということについては、やはり非常に私は危惧の念を抱くわけであります。先ほどドイツの市長さんの例を挙げたですが、これらも既に看護婦さんのほかに、夫という字の男性の看護夫さんもおりますし、表現は違いますけれども、また男性の保母の保育士という方もおられるわけでありますから、そういう面ではやはりこういう法の矛盾というものを解消するということ、それと同時に、当分の間ということではなくて、先ほどから私が主張をいたしますように、このことはすべての地方公務員の分野にも拡大を速やかにすべきであるというふうに考えるわけであります。そういう意味で私はこの問題をあえて強調しておきたいと思うわけであります。  次に移ります。  民間においては、この休業期間中に四割から六割の所得保障をしている企業もあるやに聞いております。また実際あります。また、電機産業などにおいても一定額の支給がされておりますが、さきに申し上げたように、与野党間での確認、婦人少年問題審議会からの建議等、ぜひこのことだけはひとつ実現をするようにお願いをいたしたいと思っております。  そのほか、確認をさせていただきたいのですが、国及び地方公務員の育休法において、「育児休業をしている職員は、職員としての身分を保有する」というふうになっておりますが、この地方公務員の育児休業法においては「育児休業を開始した時就いていた職又は育児休業の期間中に異動した職を保有」となっております。これは実際の中身については国家公務員と違いがあるのかどうか、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。
  25. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 御指摘がございましたように、国家公務員に関する制度と地方公務員に関する制度とで若干文言の違いがございます。  地方公務員法におきましては職員の任命を、人を特定の職につけるということによってこれが行われる、職員はこれによって地方公務員としての身分を保有する、そういう考え方によっております。このようなことから、この地方公務員に関する法律案におきましては「職を保有する」という表現を使っているわけでございますけれども、実はこれまでの立法例、例えば、外国の地方公共団体の機関等に派遣される一般職の地方公務員の処遇等に関する法律といったような法令におきましても同様の表現を使っているわけでございます。国家公務員の育児休業法案と実質的にどう違うのかということの御議論でございますけれども、実質的には同じ趣旨であるというふうに考えております。
  26. 北沢清功

    ○北沢委員 それでは、原職復帰の原則に違反するものではないと考えてよろしいのですね。どうですか。
  27. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 原職復帰と申しますか、今申しましたように「職を保有する」という表現で国家公務員と同様の実質的な意味合いを持たせているわけでございます。
  28. 北沢清功

    ○北沢委員 この法律の育児休業の承認の場合、または期間の延長の場合に「条例で定める特別の事情がある場合を除きことなっておりますが、この「特別の事情」とはどのようなものを想定されておいででしょうか、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
  29. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 条例で定める具体的な内容につきましては、これから人事院規則等が定められるようになりますと、それに準じて地方公務員につきましても同様の内容を定めるということで地方団体に対して指導してまいりたいと存じます。具体的に御指摘ございました「条例で定める特別の事情」ということでございますが、ただいま想定されるものとしては、例えば、職員にかわって子を養育した者が子を養育できない状態になった場合、例えば配偶者が病気、あるいは子供の世話をしていただいておった祖父母がお亡くなりになったとか、そういったケースなどであろうというふうに考えております。
  30. 北沢清功

    ○北沢委員 期間の短縮に関連をいたしまして、子を養育しなくなったという場合を想定されておりますが、例えば事情によりましては機械的に判断すべきことではないと考えられる点もあるわけでありますが、この点についてはいかがでしょうか。
  31. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 育児休業制度の運用につきましては機械的、画一的ということではだめだというような御指摘の趣旨ではないかと思いますが、それぞれの地方団体、職場におきまして任命権者がその実態に応じた適切な判断をされるように、私どもとしても指導助言してまいりたいと存じます。
  32. 北沢清功

    ○北沢委員 残余幾つか問題点がございますので、これらについては我が党の小林委員からお尋ねをすることになるわけでございます。  この法案の成立から施行期間を含めて三カ月という極めて短期間であります。今後は地方の条例等によって対処をされるわけでありますが、基本としては、安心して育児ができるよう、そして、日本の経済力が世界的な経済力を持っておるというふうに理解をされておりますから、豊かさとかゆとりというものが働く皆さんに実感として感じられるような、今回のこの法に見られるような国民が待望している、それらの当事者が待望してい る、そして国民にこの法が理解をされて、今後、先ほど申し上げるような日本の風土または職場の環境等、指摘をされましたような幾つかの障害があるんではないかというふうに私は思っておりますし、問題点についてもさらに論議を深めていかなきゃいけないと思うわけであります。私どもは今回のこの法案については、出発点は出発点として基本的に大いに努力をした過程で評価をすると同時に、これらの不満についてもぜひ今後私どもも訴えてまいりたいというふうに思うわけであります。  問題は、この法は実効性を欠くというふうに考えられるごとについても、ぜひ大胆にして柔軟で前向きに対処するよう求めるものでありますが、最後に、自治大臣からその責任者としての御決意のほどを将来展望を踏まえてお願いを申し上げ、私の質問を締めくくりたいと思います。
  33. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 先ほどから秋本公務員部長がしばしば申しておりますように、この制度を固め、そして実施する段階に至るまでにいろんな議論がありましたことを承知しておりますということを私は言っておりますが、これは先生方も同様にこの議論に加わってこられましたし、私たちもそのことをよく承知いたしております。  したがいまして、この制度はただ地方公務員だけの問題ではなくして国民的課題でございますから、民間、国家公務員、そして地方公務員、ともどもによりいいような状況に今後改正していかなきゃならぬのではないか、こう思うんです。そのことは、この五月でございましたか成立いたしました育児休業に関する法律の中に、絶えずやっぱり検討しろということが法律案文として出ておりますので、これによりまして私たちも、民間、国家公務員、地方と、それぞれの立場に立って議論を尽くし、改善していくべきところは改善していきたい、こう思っておりますので、何はともあれスタートをこの際に切らしていただくように、ひとつ御協力のほどお願いいたしたいと思います。
  34. 北沢清功

    ○北沢委員 非常に力強い御決意をお伺いいたしまして、私どもは先ほど申し上げる立場で、論議を深め、法を実効あるものとするために、また国民課題に積極的にひとつ今後も我々も取り組んでまいりたいというふうに考えておりますので、このことに十二分に御配意をいただきたいということを申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
  35. 中島衛

    ○中島委員長 小林守君。
  36. 小林守

    ○小林(守)委員 北沢委員の質問に引き続きまして、社会党の小林守でありますが、質問を続けていきたいと思います。  第百二十国会成立いたしました民間労働者対象の育児休業等に関する法律は、従来家族的な責任の問題とされてきました育児の問題を、社会的、公共的な課題として労働協約の中に義務化をした点、さらに育児男女共通の課題だということで法律化した点に大きく評価ができるものであると考えております。しかし、育児社会的な負担という観点や法の目的の実効性の確保、こういう点では極めて不十分であり、基本的な枠組みの設定では評価はできますが、今後に多くの課題を引き継ぐことになったものと考えております。その中心的な課題は、何といっても休業期間中の労働者に対する経済的な援助ではなかろうかと思っているわけであります。  婦人少年問題審議会の建議では、この問題について労使双方の対立する意見を併記して、今後さらに広範かつ多角的な観点からの論議が深められる必要があると述べるにとどまったわけです。しかしさらに続けてその建議では、事業主に対しては、休業期間中の労働者について円滑な職場復帰に資するに必要な教育訓練情報提供等の措置を講ずる必要がある、さらに国に対しては、そのようなことを行う事業主に対して援助を行うことが適当である、このように述べておるわけであります。育児休業制度の定着促進の環境づくりと言えるこの二つの建議を受けまして、民間の育休法第九条では雇用管理等に関する措置を規定しまして、また、法第十三条では国による援助の必要性を規定しているところであります。  そこで、次の点を伺いたいと思います。  これは労働省にお聞きするわけでありますが、仕事と育児を両立させる育児休業制度を定着促進させるために平成四年度の法施行に合わせて労働省はどのような重点施策を考えているか、さらに、概算要求が既になされているわけでありますが、それぞれの施策の積算等の根拠についてお示しをいただきたいと思います。
  37. 佐田通明

    ○佐田説明員 労働省でございますが、今の質問にお答えさせていただきます。  私どもは、来年度から民間の育児休業法を円滑に施行するということを最大の課題だというふうに思っておりまして、そのための指導的な経費あるいは奨励的な経費を予算要求しております。その中で、特に今先生がお話しのものに該当するというふうに現在私どもが考えておりますのは、育児休業者の職場復帰プログラム奨励金というものを考えております。これは育児休業を半年あるいは一年労働者の方がとられますと、その間職場の皆さんとも疎遠になって職場の定着性が薄れる、あるいはその間の技術進歩によって能力の低下が見られる、こういうようなことが懸念されます。そういう場合に職場に帰ってもなかなか円滑に定着てきないんではないか、こういうことを懸念いたしまして設けた制度でございます。  中身は、事業主から労働者に対して休業期間中に情報の提供あるいは通信教育的な訓練、あるいは、そういうものができない場合には職場に復帰する直前あるいは直後に短期的な講習をする、そういう措置を講ずる事業主に対して、中小企業の場合には必要な経費の三分の二、大企業については二分の一を補助するということを私どもは考えております。
  38. 小林守

    ○小林(守)委員 今総括的なお話をいただいたわけでありますが、大企業については二分の一、中小企業については三分の二というような形で格差がついているわけでありますけれども、労働者育児休業対象者の円滑な職場への復帰ということを進めるためにこのような制度をとられようとしていることについては、大いに評価をし、積極的に支援をしていきたい、そのように考えているところでありますが、職場復帰プログラムということがございましたけれども、どのような仕組みというか内容を想定して考えておられるのか。それから、積算根拠というか、その比率は示されたわけですけれども、一事業所当たりどのようなことを考えているのかお聞きしたいと思います。  さらにあわせて、一人から三十人までの事業所は三年間猶予対象の事業所ということになるわけでありまして、これらに対して制度の適用、定着促進のためにどのような制度を考えられているか、その辺もちょっとお聞きしたいと思います。
  39. 佐田通明

    ○佐田説明員 御質問が二つの分野に分かれておりますので、最初に、育児休業のプログラムの関係から御説明申し上げます。  内容は事業主が労働者に対して幾つかの措置を講じていただきたいというものでございますが、それは、休業期間中に労働者に対して情報提供をやっていただきたい、あるいは通信教育というような形で在宅講習をやっていただきたい、それから職場復帰の直前あるいは直後に研修をやっていただきたいというものでございますが、事業所によってこれを全部やられる事業所と、そうでない、そんなにはできないという事業所がございますので、その点は各事業所の選択にお任せするというふうに考えております。  このために積み上げている経費でございますが、情報の提供料ですとか講習経費、こういったものを積み上げまして、それぞれ一カ月についてどれだけ金がかかるかというような積算をしております。上限については、中小企業の場合が二十万円、大企業の場合が十五万円、一年間についてでございますが、そういう上限を設けておりますが、これも、積算でやっていきますとおおむねこれだけの金があれば必要経費は賄えるのではないか、非常にたくさんこの際やろうというところまではもう少し面倒見れないということで積算して おります。  今申し上げましたのは、要求の内容でございます。あくまでも要求でございます。  二点目でございますが、三十人以下の企業はおっしゃるように三年間適用猶予になっております。この間、私どもはなるべく多くの企業がこういう制度を設けていただきたいというふうに考えておりまして、そういう制度を設けられた企業に対しては制度の設け賞といいますか、そういう制度の作成経費を給付金として支給したい。これは現在の予算要求の内容は七十万円でございます。
  40. 小林守

    ○小林(守)委員 今、中小、大企業に対する育児休業の施行に伴う職場復帰プログラム等の導入については、大企業が十五万円を限度とする、中小企業は二十万ということになります。そして、三十人以下の中小零細企業に対しましては、七十万というようなお話が考えられているということでございますが、この二つの制度は、例えば三十人以下の事業所で導入をするということになりますと、七十万の制度がありますね。それから、職場復帰プログラム等を導入するということになれば、二十万を限度とするものが入ってくるということであります。  そういうことになりますと、先ほど申しました中小企業の場合は三分の二、大企業の場合は二分の一という補助率を要求しているわけなんですが、これをもとにしていきますと、対象事業費としては三十万というふうに大企業も中小企業も考えられるわけですね。ですから、対象事業費としては三十万を一つの目安としているということになります。それから、導入をした場合には、そういう育児休業者が生じた場合、三十人以下の事業所の場合は七十万を別に制度として考えているということになりますと、一事業所当たり九十万、中小零細の場合、三十人以下の事業所の場合は九十万が導入されるというふうに考えてよろしいのでしょうか。
  41. 佐田通明

    ○佐田説明員 最初に申しました職場復帰のプログラムというのは、事業主が、職場に復帰する場合、それから三十人以下のは制度を導入するということですが、これはただ制度だけ導入して対象者がだれもいませんというのでは金は出ないということで、たまたま対象者が七十万の対象者にもなるし、こっちの三十万といいますか、そういう対象者にもなる。では、一人の対象者について両方お金が行くかというと、その最初の段階だけは、技術的なことですけれども、支給の調整をせざるを得ないだろうというふうに思っております。したがって、二人目とか三人目とか出てくれば、それは中小企業でも今のような状況が展開できる。  これは、くどいようですけれども予算要求の内容でございます。
  42. 小林守

    ○小林(守)委員 それでは、今度は自治省の方に、自治大臣にお聞きしたいと思います。  今労働省の方から、平成四年度の法施行を前にしてその定着促進のための施策が示されました。今回の地方公務員にかかわる育児休業法案につきましては、職を保有するが職務に従事しない、無給とするというような法案の中身になっているわけであります。こういう労働省の、民間と言っていいかどうかわかりませんが基本的に民間準拠というような観点から、労働省が平成四年度に進めようとしているこの育児休業制度の定着促進の行政施策、これらについて自治大臣としてはどのように認識をされているのか。民間準拠という観点からするならば、既に自治省においても平成四年度についての何らかの施策を考えていかなければならないのではないかと思うのですが、その辺をお聞きしたいと思います。
  43. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 仕組みのことに関連いたしますので、若干その面申し上げさせていただきたいと思いますが、労働省におかれましては、民間の育児休業制度普及促進のためにいろいろな施策を検討しておられるわけでございまして、今もお伺いいたしておりましたが、事業主としてどういう職場復帰促進のための情報提供等を行うか、そのことを地方公務員の育児休業制度に置きかえて申し上げますと、雇い主である地方公共団体が職場復帰促進のためにどういうことをやっていくかということになってまいります。  そういうことにつきましては、法律が成立をいたしましてこれを運用するという段階になりますと、当然地方公共団体におきましてもそれぞれの団体の事情、職場の事情に応じながら必要な情報提供等を行って、そして職場復帰が円滑に行われるようにということを、私どもとしてもいろいろな指導助言などを必要に応じてやっていかなければならぬだろうと思います。そういったようなことをやっていくというのを地方公共団体が行いますときに、それは広い意味で申しますといわば人事管理の一つの仕事であろうと思います。そういう意味で、地方団体がそれぞれ状況に応じ、その判断で必要な情報提供を行っていただくというように私どもとしても指導してまいりたいと存じております。
  44. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 国家公務員もやはり、情報提供、そういう能力開発事業を同様に計画し実施していくと思いますが、それに準じて地方公務員の方もできるように、あらゆる財政的な措置もあわせて裏づけをしていきたい、こう思っております。
  45. 小林守

    ○小林(守)委員 そういう形で民間準拠という観点で自治省におきましても積極的な定着促進のための環境づくりの施策を指導的に進めていただきたい、そのように思うわけなんですが、その際に、現行の地方公務員法の中にもそれにかかわるような条文があるわけであります。地方公務員法の三十九条では研修ということを規定しておるわけであります。それを概略的に申しますと、任命権者は職員にその勤務能率の発揮及び増進のために研修を受ける機会を与えねばならないということの規定をしているわけであります。これは、今話題になりました民間の育児休業法の第九条の「雇用管理等に関する措置」と同じ、対応の条文ではないか、そのように考えるわけですけれども、自治省がこれからいわゆる職員の円滑な職場復帰を進めていくという中で、研修制度または職場復帰プログラム、そういうものを導入していく窓口としての条文ですね、そういうことで三十九条の運用というか適用というものが十分可能であると思いますが、それについてはいかがでしょうか。
  46. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 御指摘のございました地方公務員法第三十九条の規定、これは育児休業期間中の職員に対しても適用されるわけでございます。  具体的にではどうするかということでございますけれども、通常の研修ということで考えられておりますのは、例えば、任命権者が職員に職務命令を発して研修を受けるようにする、そしてそこで講義等を行うという形が通常行われる研修であろうかと思いますけれども、この育児休業期間中の職員は職務専念義務が免除されているわけでございまして、そういうような形での研修というのは現実問題として行いにくいだろう。じゃ具体的にどうするか。それぞれ職場の状況とか職員の仕事の中身とか置かれている状況だとか、それぞれに応じた工夫をしていく必要があるだろうと思います。  そうなりますと、例えばたびたび御指摘ございましたような情報提供といったようなことが必要になってくるというようなことも十分考えられるわけでございまして、そういったようなことについて、これから運用に当たりまして私どもとしても地方団体に対する指導助言を行っていきたいと思います。
  47. 小林守

    ○小林(守)委員 それでは次に、地方公務員法の第三十八条「営利企業等の従事制限」という服務規定の一部ですけれども、三十八条について伺いたいと思います。  この三十八条には、職員は任命権者の許可を受けなければいろいろな事業団体の役員になることができないというようなこともありますが、直接育児休業法対象者にかかわるような問題では、例えば「報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。」こういう規定が十分適用されることになるわけであります。実際に、育児休業中は無給である、なおかつ共済掛金の負担を本人がしなければならない、こういう現状であり ますから、そういうことになるならば最低でも共済掛金ぐらいは内職ででもして稼ぎ出したい、残念ながらこういうのが実態ではなかろうかと思うわけであります。  それでお聞きしたいのは、育児休業の制度目的と矛盾しない範囲で収入を得る内職などについては制限を外すように指導すべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。  実は、特に総理府の「女性の就業に関する世論調査」平成元年度のものでありますが、これの調査によりますと、育児問題に悩んでいる女子が一番多い年齢層は大体三十歳前後と言われております。これは数字的に出ております。参考に、全国の地方団体の都道府県、市町村も含めての全国平均の二十八歳から三十一歳の区分における年齢階層における平均給与を調べましたならば、十八万八千五百八十円だったのです。これは自治省の方で聞いた数字でありますから間違いないことになりますけれども、十八万八千五百八十円ということになります。  例えば、公務員が共稼ぎの場合、片一方が育児休業で無給ということになりますと、なおかつ共済掛金を本人が負担するということになりますと、二万ぐらい恐らく負担をするようになるのだと思うのです。それでなおかつ片一方の給料が十八万八千、まあ十九万とした場合に、食っていけるかという問題が出てくるのです。制度の実効性を確保するという観点から見るならば、やはり二十八歳から三十一歳という第一子なり第二子を産むときのまさにピークになっているときに、給与が十九万程度にしかならないということになります。  これで営利企業等の従事制限という問題も私は極めて矛盾点として考えるわけでありますし、本来ならばやはり無給制度に問題があると言わざるを得ないのですけれども、当面、この地方公務員法の三十八条の適用の問題で制限を外すべきではないか、少なくとも共済掛金ぐらいの収入については許可はなしていいというぐらいの運用というものが指導されるべきだと思いますが、いかがでしょうか。
  48. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 御指摘ございましたように、地方公務員法第三十八条「営利企業等の従事制限」の規定は、育児休業期間中の職員に対しても適用があるわけでございまして、「任命権者の許可を受けなければ、営利を目的とする私企業を営むことを目的とする会社その他の団体の役員」等になってはならない、あるいは「報酬を得ていかなる事業若しくは事務にも従事してはならない。」こういうことでございます。このことは適用があるわけでございまして、それぞれ任命権者において判断をされるということでございますけれども、片や地方公務員の育児休業等に関する法律、今提案しております法律の第五条第二項に、「育児休業をしている職員が当該育児休業に係る子を養育しなくなったことその他条例で定める事由に該当すると認めるときは、当該育児休業の承認を取り消すものとする。」こういうのがございまして、どの程度ならばどうかというのはそれぞれ具体の判断になろうかと思いますけれども、この取り消しの規定に抵触をするというようなことになってもこれまた困ることだろうと思います。
  49. 小林守

    ○小林(守)委員 一般常識からいってそういうこどはあり得ないと思います。そういうことで、できるだけ運用の中できめ細かな指導というのでしょうか、そういうものをぜひお願いしたいな、そのように思っているわけであります。この制度の促進定着という観点、それから歴史的、社会的な大きな意味があるんだという観点からするならばむしろ、この制度の誤った運用をさせないということももちろんありますけれども、より積極的に適用促進を図ろうという観点で力点を置いていく、そういう姿勢が必要なのではないか、そのように感じております。  さらに、地方公務員法の四十一条「福祉及び利益の保護」、さらに四十二条「厚生制度」、福利厚生制度の関係等もございますけれども、これらについても、育児休業期間中について身分を保有するわけでありますから、ほかの職員との同じ平等の取り扱いの原則とか不利益な取り扱いが禁止されるということが当然あるわけでありますから、これらについても福利厚生制度適用については休業中といえどもやはり厳密な適用、定着促進という観点からも運用改善ができるのではないか、そのように考えているところであります。  さらに地公法の四十三条「共済制度」についても今後、育児休業に対する、民間も含めた動向もありますけれども、経済的な援助の導入、そういう際には、この地方公務員法の四十三条「共済制度」、これを受けた地方公務員等共済組合法、これらの改善というものの中で経済的援助を導入していく、そういうことを積極的に検討していただければありがたい、そのように思います。  それで、続きまして一つ確認をしておきたいことがありますけれども、今回の改正法で附則第七条では、地方公営企業職員の問題、地方公営企業法の一部改正が出されております。従来、この地方公営企業職員の問題についてはどのようになっていたのか、そして、この法改正によってどういう対応の違いが出てくるのか、今後どのように指導していくのか、その辺をお聞きしたいというふうに思います。
  50. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 地方公営企業関係でございますけれども、地方公営企業法の規定のうち財務規定のみが適用される病院事業といったような、その病院事業の例えば看護婦さん、これは現行育児休業制度において育児休業給を支給することができるということにされておりまして、この取り扱いは本法律案においても変わるものではないわけでございます。  また、地方公営企業法の規定の全部が適用される例えば病院事業ということで申しますと、その看護婦さんにつきましては給与は、法律に規定がございますが、「生計費、同一又は類似の職種の国及び地方公共団体の職員並びに民間事業の従事者の給与、当該地方公営企業の経営の状況その他の事情を考慮して定め」る、こういうように規定をされておりますけれども、地方公務員法十四条のいわゆる情勢適応の原則やこの法律案の趣旨、また住民の皆さんのごらんになる見方、そういったものは企業職員もそれ以外の一般職の地方公務員も同一であろうということ等にかんがみますと、企業職員につきましても、企業職員以外の一般職の地方公務員と均衡のとれた取り扱いにすべきであろうというふうに考えております。
  51. 小林守

    ○小林(守)委員 それではもう一点お聞きしたいと思います。  育児休業が終了して職場復帰をするということになりますと、その子供を何らかの児童福祉施設に入所させていかなければならないケースが多いのではないかと思います。そういう点で、育児休業というのが終わった育児休業明けの保育所の入所等については年度途中になるわけでありますが、そうなりますと、保育所等の入所事務というのは年度切りかえという形でのものが定例的に行われているわけですけれども、年度途中における入所措置が円滑に進まないと育休制度の定着促進という点でも支障を来すというのが実態ではなかろうかと思います。どのような形で保育所等に対する円滑な途中における入所措置の指導をしていくのか、その辺について、これは直接自治省とは違うかと思いますけれども、当然こういう形で要請をすることになろうと思いますので、お考えをお示しいただければありがたいと思います。
  52. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 保育所への入所の問題、直接私どもが所管しているわけではございませんが、また、こういったことを制度的にどうこうということが果たして可能かどうかちょっと難しい面があるのではないかと思いますけれども、そういったようなことを私ども十分承って、これからどういうふうなことが可能なのか、検討してみたいと思います。
  53. 小林守

    ○小林(守)委員 時間が参りましたので以上で終わりにしたいと思いますが、いずれにしても育児休業制度の実効性の確保という観点からするならば、何といっても先ほども申しましたように公務 員の給与の実態、そして育児休業が必要な年齢階層、この辺を考えますならば、やはり相当の支援措置というものがないと難しいのではないか、そのように強く感じているところそございます。  それで、例えばの話ですけれども、地方公務員としての身分の保有と共済組合員としての身分の保有は別の問題だというふうにお聞きをしているところでありますけれども、育児休業給というのは現行法では共済掛金の本人負担分として支給されていますが、例えば先ほどの理屈から言いますと、公務員としての身分の保有と共済組合員としての身分の保有は必ずしもイコールの問題ではないということになるならば、給与として一たんそれを生活のために使っておいて、その間の共済掛金の負担については未納にしておいて、例えば復帰後に期末手当等で一括納入するとか、そういう制度もとれないことはないのではないか。  これは共済組合との絡みになってくるわけですけれども、そういう制度の弾力的な運用というか、これは法改正が必要だとは思いますが、育児休業給が給与であるならば本人の自由な処分権というものがあるはずでありますけれども、それを自動的に振りかえてしまう、育児休業給は共済掛金の本人負担分として共済組合の方に自動的に振り込んでしまう、そういう仕組みはどうも納得ができない、そのように思うわけであります。身分を保有するということについてはそれなりの分限とか懲戒の問題、服務規定、これが当然休業中の職員にもすべてかかっているわけでありますから、そういう点での縛りをかけておいて、なおかつ身分保有するための最低の条件として、身分をつないでいくための育児休業給、いわゆる共済掛金の本人負担分ぐらいは任命権者が負担するのが当然ではないのか、そのように強く感じているところであります。  ここら辺についての認識をお聞きいたしまして終わりにしたいと思います。
  54. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 共済組合の組合員でもあるということでございますので、それにつきましては他の組合員との均衡ということもございますから、組合員としての掛金負担、これは現在の制度としてはやはりやっていただかなければならないだろうというふうに存じます。  育児休業制度の円滑な運営に関連していろいろな御指摘がございましたけれども、先ほどの保育所への入所の問題といったようなことは、私どもだけではどうにもならないというところもあるわけでございまして、関係の方々にも、お話がありました例えば先ほどのようなことはお伝えをするということにしていきたいと思います。  共済の掛金の問題、いろいろ御議論があると思いますけれども、他の組合員との均衡等からいたしますと何とか納付をしていただきたいというふうに存じます。
  55. 小林守

    ○小林(守)委員 終わります。
  56. 中島衛

    ○中島委員長 山口那津男君。
  57. 山口那津男

    ○山口(那)委員 ただいま同僚議員から基本的な質問がございましたので、私の方からはやや観点を変えて何点か御質問したいと思います。  まず、本法で、育児休業請求権と申し上げていいのかどうかわかりませんが、請求することができるようになっておりますが、この法的性質についてお伺いいたします。  現行の女子教育職員等育児休業法においては、原則として許可制がとられております。また民間の育児休業法においては、申し出制がとられております。しかし今度の法律においては、これが承認という制度になっておるわけであります。この許可制と申し出制二つを比べれば法の立て方にかなり大きな違いがあろうと思うのですが、本法では承認制をとったということについて、この三つの制度の差異についてお伺いしたいと思います。
  58. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 御指摘のございましたように、今回の法律案におきましては「承認」という言葉を使っているわけでございます。現行制度の許可と同様に、職員からの請求に対する任命権者側の同意ということを意味いたしておるわけでございます。  この承認と許可でございますけれども、御存じのとおり、学問上で許可と申しますと、ある行為の一般的な制限、禁止を特定の場合に解除する、そういう意味合いで用いられておりますので、職員一般に対して育児休業を認めるという今回の法制度を設けるに当たりましては、国家公務員の育児休業制度と同様に「承認」という言葉を用いることとしたものでございます。  公務員につきましては、住民に対して常に安定した行政サービスを提供するという必要性あるいは責務というものもございますし、また、育児休業を行うということになりますと職員が長期にわたる休業をすることになってまいりますので、職員の一方的な意思表示によって公務から離れるということにするのは適当ではないだろう、したがって、任命権者側の同意を要するというような仕組みをとる必要があるだろう、その場合の文言の使い方として、ただいま申し上げましたようなことから今回は「承認」という言葉を使っているわけでございます。
  59. 山口那津男

    ○山口(那)委員 続いて、部分休業の規定がございますが、これの文言は、「承認できる」と規定しております。しかし、全部休業といいますか、こちらの場合は「承認しなければならない」、こういう文言の使い方であります。同じ承認制の枠内で一方が「できる」、一方が「しなければならない」、こういう文言になったのはどういう理由でしょうか。
  60. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 部分休業につきましては、一日の勤務時間の一部を勤務しないということにしますので、そのことによる公務への影響がどういうことになるのか、あるいはまた、いろいろな業務があると思いますけれども、その業務との兼ね合いでどのような影響が出てくるのか、これはさまざまなケースが考えられるといったようなことから、国家公務員の部分休業制度と同様に「承認することができる」というように規定をいたしております。「できる」。というような規定の仕方をしておりますけれども、それだからといって、特に限定的にとか狭めてとか、そういったようなことではなくて、それぞれ任命権者はその公務の運営に支障がないかどうか、可能な時間あるいは期間はどうかとか、それらについてそれぞれ検討し、適切に運用をしていただきたいと思います。
  61. 山口那津男

    ○山口(那)委員 許可制の場合ですと、これは一般的禁止を特別な事情に基づいて解除するというのが建前ですが、そもそも、本来は権利義務として自由に存在するものを、ある合理的な理由から一般的に禁止しているわけですね。その一般的な禁止が本当に合理的な理由があるかどうかということが問われるわけでありまして、本法の場合、そう一般的に禁止するほどの根拠はなかろうということで承認制という制度に変わったものだと私なりに理解するわけでありますが、今お伺いしたところによれば、その「承認しなければならない」、また「承認できる」、こういう文言の違いが、不承認をする場合のその自由度、裁量度において差が基本的にないものである、こういうふうに理解しております。それは、その公務のやりくりといいますか、休業をとられた方が抜けた場合にそれをどう補うかという点でのその調整の問題であろうと思うのですね。ですから、調整の期間、あるいは調整の措置というものが十分に確保されているのであれば、これが不承認を担保としてとっておくというような承認制度というものはおかしいのではないかと私は思うわけでありますが、その点についてどうお考えですか。
  62. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 承認制をとるようにしました理由、先ほど申し上げたとおりでございますが、やはり公務としての性格からしますと、住民の皆さんに対して安定したサービスを提供する必要がある、そのための体制を用意しておく必要がある。また、休業するということになりますと、丸々一日にしろ、あるいは部分的にしろ、さまざまな影響があり得ることでございますので、それらについてはやはり任命権者の方で適切に判断をする必要があるだろうというように考えております。  「承認しなければならない」「承認することができる」、これは文言が違っているわけでございますから、それなりに違った性格のものとして考え一る必要があると思いますけれども、ただ先ほど申しましたように、「承認することができる」と書いているからということで、特に限定的に、特に定めてといったようなことで考える、そういうことではなくて、やはりそれぞれ適切に判断をして、承認できるかどうか判断をしていただきたいと思います。
  63. 山口那津男

    ○山口(那)委員 ぜひ円滑な運営に支障がないような手続にするということが肝要なのでありまして、ある場合には不承認にするということに目的があるわけでありませんので、この点についての柔軟な対応をお願いしたいと思います。  続いて、民間の育児休業法の十条におきましては、これは義務としてさまざまな措置、時短あるいはフレックスタイムその他の措置をとらなければならないということにしております。本法ではこの部分休業が承認制で、いわゆる時短のみが規定されているわけですね。幾つかの選択肢があり得ると思うのですが、時短のみに限ったということにおいて、民間法との差異をどのように説明されるでしょうか。
  64. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 民間の労働者を対象とする育児休業等に関する法律におきましては、その十条で、一歳に満たない子を養育する労働者育児休業をしないものについて、勤務時間の短縮、時間外労働制限等の措置のうちいずれかの措置を講ずるようというようになっております。したがって、民間部門ではこれらの措置のうちいずれかの措置を選択してとるということでございまして、必ずしも勤務時間の短縮を導入しなければならないというものではないというように伺っております。  この法律案におきましては、勤務時間の短縮等の措置は就労しつつ子を養育するために極めて有益であるとか、あるいは既に公務部門においては、産後一年を経過しない女子職員から請求があった場合には時間外勤務の制限等の措置が講じられていること等から、国家公務員育児休業に関する法律に準じてこの部分休業の制度を設けたものでございます。  たびたび申し上げておりますように、地方公共団体における公務としての性格等からこのように国家公務員と同様の制度といたしたものでございます。
  65. 山口那津男

    ○山口(那)委員 先ほど同僚議員の質問で、部分休業を二時間程度とれるようにするというお答えがありましたが、これについて法律は「一日の勤務時間の一部」と規定しているだけでありまして、これがなぜ二時間でなければならないのか、一時間ではだめなのか、あるいは三時間ではだめなのか。それから、二時間と決めた場合に、それが一日の勤務時間の間でどのような時間帯でとり得るのか。例えば朝の一時間、夕方の一時間というとり方しかできないのか、それとも日中の二時間をまとめてとるとか、そういう自由な選択が許されるのかどうか。この点についてお答えをいただきたいと思います。
  66. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 部分休業の具体的なとり方につきましては、国家公務員制度につきまして人事院で規則を制定される、それによって明確になってまいりまして、地方公務員につきましてもそれに準じた制度をとるように地方団体に対して指導していきたいと思っております。  したがって、今の段階で断定的なことを申し上げていいのかどうかということは若干疑問がございますけれども、今私どもが伺っておりますのでは、この部分休業として想定される主なるケースというのが、出産された後も子供さんを保育施設などへ預けながら仕事を継続するという、そういう職員の方々、そういうことでありますと、一日当たりの可能な休業時間につきまして、一般的な保育施設の開設時間あるいは公務の運営への影響などを考慮して、二時間程度とするというように検討しておられるというふうに承知をしております。  その時間帯の設定あるいはこの時間をどういうふうに、例えば「最高」というふうに書くのかどうされるのか、そのあたりは人事院の規則制定の結果を見て、私どももそれに準じた措置をとるように地方団体に対して指導していきたいと思います。
  67. 山口那津男

    ○山口(那)委員 法は一般的にその一部分というふうに規定しているわけでありまして、実際の規則等で二時間程度と決めるようでありますが、今後これは、法の立て方からすれば休業できる部分というのが拡大をしてくる、あるいは柔軟な選択が許される場合もあり得る、こういう含みで解釈できるということでよろしいでしょうか。
  68. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 一日のうちの部分的な休業ということですから、それは公務への影響というのがどういうことになってくるのか、その職員はそこにあって仕事をするという前提で公務執行体制を組んでいるということからしますと、おのずから限界というものもあるだろうと思います。そういったことを踏まえて人事院がどういうような規則を制定されるか、私どもとしても見守ってまいりたいと思っております。
  69. 山口那津男

    ○山口(那)委員 本法では臨時的任用職員については適用除外となっております。これは地方公務員法二十二条、あるいは国家公務員法六十条等で原則として一年を超えて採用されることはないという建前ですからこういう法律になるのであろうと思いますが、しかし、あらゆる臨時的任用職員についでこれが適用除外されていいのかどうか、実態に即して判断をすべき点があるのではないかと思うわけであります。  例えば、国立病院あるいは療養所の職員について一例を申し上げますと、これは国立てありますから国家公務員の部分でありますけれども、この職員数全体で六万六千百八十六名、これは平成二年三月の調査でありますが、そのうちの一万二千九百七十六名、およそ一九・六%が臨時的任用職員といいますか、定員の枠外の職員ということになっております。その中で看護婦さん、若年の看護婦さんをとりますと、定員の枠内の方が二万八千八百三十八名、賃金職員といいますか臨時的な部分の方が五千二百五十四名、これは一五・四%に当たります。  さらに今度この勤務の継続性というものを見てみますと、一年未満で終えてしまう方が三千七百九十七名、およそ三割であります。それから、五年以上勤務される方、これは全体で三千四百五十名、約二七%ということであります。つまり、法の建前に反して、臨時的な立場でありながら事実上は継続しておる。特に看護婦さんの場合は、看護学校を出られてから定員に繰り入れられるまで四、五年待機をしながら臨時的立場でずっと継続をしている、こういう実態があるわけであります。  したがいまして、こういう実態がある以上は、公務員法制としてどうすべきかということはさておいて、福祉的な立場からつくられた本法の適用に関しては弾力的な運用を考えるべきである、つまり適用すべきである、こういう措置を考慮しなければならないんじゃないかと思うのでありますが、この点について、実態と法の運用についてどのようにお考えになられるでしょうか。
  70. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 臨時的任用職員についてでございますけれども、ただいま先生お尋ねの中でも御指摘ございましたように、一年を超える任用期間は予定をされていないというものでございます。今回の制度の立案に当たりまして、そのいわば根っこの部分というのが、これももうたびたび申し上げておりますが人事院からの意見でございましたが、その意見におきましても、常時勤務に服することを要しない職員といったものはこの適用対象とはしないということが意見としても出されており、そのことを踏まえて国家公務員に関する制度も立案をされております用地方公務員につきましてもそれに準じる扱いをいたしているわけでございますので、そういう臨時的任用職員についての制度の基本ということからこういう制度を立案しているということにつきまして、御理解いただきたいと思います。
  71. 山口那津男

    ○山口(那)委員 公務員法の建前を徹底するとい うことは実態に即さないという現実があるわけでありますから、この点について、私は、公立病院がどうなっているか、あるいは公立の保育園等の保母さん等の立場がどうなっているかについては幾つかの例を聞くにすぎないわけで、全体的な数字はつかんでおりませんが、恐らく国立の病院、療養所と類似した実態があるのであろうと推測されるわけでありますので、この点についての抜本的な体制というものを整えていただきたい、このように申し上げておきます。  続いて、本法の制度の実効性を高めるためにどのような工夫をとるべきかということについてお尋ねいたします。  まず、部分休業において一年間、これを、先ほどの人事院規則の予定によれば一日二時間程度というお話でありましたが、例えば保育園に預けるために朝一時間、夕方一時間、こういう部分休業の仕方をとったとしますね。一年間それで子供さんを保育園に預けた。しかし一年間しか部分休業の制度は適用されないわけであります。保育園に預けるには小学校就学まで預けなければならないわけです。そのような立場の公務員に対して一年後はどういうことをせよとおっしゃるのでしょうか。お考えをお聞かせいただきたい。
  72. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 育児休業期間は一歳に満たない子供さんを養育するということですので、その期間を経過した後、一歳以上のお子さんを持っている方についてどうするかということをお尋ねいただいたということになるわけでございますけれども、現在の制度としては、やはり人事院からの意見にありましたように、一歳未満の子供さんについての育児休業制度を今スタートさせるというところでございます。  一歳以上の方についてどうするか。これは恐らくお尋ねの趣旨からしますと、例えば勤務時間などについてもう少し弾力的にとかそういったようなことにもなってくる、そういうようなお尋ねの節のようにお伺いいたしましたけれども、勤務時間のいわば弾力化、よく言われますフレックスタイムでありますとか、あるいは時差勤務でありますとか、そういったようないろいろな問題が出てまいります。そのことは、単に育児休業だけの問題としてというよりも、公務員制度のあり方そのものとしてどうするかという観点が必要になってくるものでございまして、私ども伺っておりますのでは、人事院におきまして平成三年の週休二日制の人事院勧告の際に報告として、「女性の職場への進出などに対応するため、新たな休暇制度の導入についても検討していくこととする。」といったようなことを報告しておられるわけでございまして、そういったようないろいろな問題について人事院としても研究されるというふうに伺っておりますので、そういったような状況も見ながら私どもとしてもいろいろ研究をさせていただきたいと思います。
  73. 山口那津男

    ○山口(那)委員 一年間だ村部分休業をとらせておいて、それ以後認めないということであれば、保育園をやめさせてだれかに預けるか、あるいは自分自身がやめて子供の面倒を見るか、どっちか選べ、こう言っているのと同じことでありますから、これは全く実効性が確保されないということになってしまうだろうと思います。したがいまして、部分休業を認めるのであれば小学校就学時までこの制度をとれるようにするというのが法の目的に合致する制度になるだろうと思うのですね。そのほかにも、例えば一般的に時短をもっと促進をするとか、先ほど言いましたフレックスタイム、あるいは時差勤務、あるいは託児所等を設けるなど、さまざまな措置を工夫すべきであろうと思います。そうした労働環境の改善についてもぜひとも前向きに検討していただきたいと思います。  さて次に、給与等の待遇についてでありますが、この点に関しては、給与、退職金、賞与等、国家公務員を基準にして条例や規則等で定める、こういうことになっております。これは法律の七条でありますが、この場合、国公準拠という建前からすれば国家公務員よりも悪くしてはならないということは大原則であろうと思いますが、国家公務員よりもよくするということが果たして完全に禁止されていることなのかどうかということであります。  法の規定は、国家公務員制度を基準として措置をとるということでありまして、国家公務員とイコールにせよとは規定されておりません。したがいまして、この育児休業法、法制全体を考えますと同じ公務員でも国家公務員、地方公務員、そして裁判所職員と三種類あるわけでありまして、裁判所職員は資格に基づく高度な専門技術職ということで、その特殊性から来るちょっとしたモディファイがあるわけですね。地方公務員についても、やはり地方自治の本旨に基づく条例で個別に規定をするという意味で、違いがあってもしかるべきだと私は思うわけであります。そうしますと、余力のあるといいいますか、住民の意思に基づくような制度であれば、国家公務員よりも待遇をよくするという面での自主性というものがある程度認められていいのではないかと思うわけでありますが、この点、どうでしょう。
  74. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 この法律案によります育児休業制度は、その意義、目的、形態など、国家公務員育児休業制度と同様ということで立案をいたしております。したがいまして、育児休業をした職員が職務に復帰した場合の給与、それから退職した場合の退職手当につきましても、国家公務員と同様に取り扱うということが適当であると考えられることから、今御指摘ございました第七条の規定を設けたものでございます。一般的に国家公務員と異なる取り扱いを行う合理的理由があるとは考えられませんので、各地方公共団体におきましては国家公務員と同様の取り扱いをすべきものと考えております。
  75. 山口那津男

    ○山口(那)委員 この点について、例えば民間に準拠するという公務員制度の建前からすれば、やはり民間の動向というのは地域差が出てくるだろうと思うわけであります。そうしますと、それぞれの地方における民間の動向に合わせて、その地方公共団体なりの合理的な裁量幅というものが私はあってしかるべきだろうと思うのですね。一律に禁止すべきものではないだろうと思います。その点についての柔軟な御配慮をお願いしたいと思います。  さて次に、育児休業給等の経済的保障についてでありますが、附則の五条二項で「当分の間」という規定がございます。一般に、「当分の間」と規定した場合には三つの考え方があり得るだろうと思うのですね。いずれは廃止する、あるいはいずれはもっと拡大する、あるいは拡大も廃止も今は決められないから保留にする、そのいずれの考え方でありましょうか。
  76. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 特定職種職員育児休業給の支給につきましては、今御指摘ございましたように「当分の間」行うということにいたしております。これは現行の社会情勢等に応じた措置であるわけでございますけれども、そしてまた国家公務員制度と同様に「当分の間」ということにいたしております。  今後においてどうするかということでございますが、民間における育児休業の状況あるいはその他さまざまな環境変化、そういうものがございましたならば、人事院におきまして適切な措置がとられることになるであろうと思いますし、それに基づいて国家公務員についても必要な対応がとられることになると存じます。そういう中で、地方公務員としてもその対応のあり方を検討してまいりたいと存じます。
  77. 山口那津男

    ○山口(那)委員 最後に、大臣にお伺いいたします。  この育児休業制度、これは日本の労働時間が長過ぎるということで、世界的な時短の流れというものがあるわけであります。その部分的な努力のあらわれであろうと思うわけであります。現行の女子教育職員等の育児休業法では、その制度の目的は「業務の円滑な実施を確保」ということになっております。それから民間の育児休業法、これは目的の一つに「経済及び社会の発展に資する」、こういう規定であります。そして本法におきまし ても、「地方公共団体の行政の円滑な運営に資する」、このような目的が含まれておるわけであります。これらはいずれも同じ趣旨に出たものだろうと私は思うわけであります。にもかかわらず一部の職員のみに経済的な厚遇がなされておるというわけでありますが、今後この法の趣旨、目的、全般を発展させるためには、ぜひともこの経済的な面及びその労働環境の整備、いずれの面においても確かなる整備を重ねていかなければならないだろうと思うのですね。その点についての大臣の御決意、所感をお伺いいたします。
  78. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 御承知のように、特別職と申しましょうか、看護婦さんであるとか学校の先生、そういう職種の方々に対しては、人材確保という観点から制度を早く導入したわけです。ところが今回の地方公務員の育児休暇制は、要するに民間も国家公務員も、いわゆる国全体が豊かさを少しでも実生活の中に生かしていただこうということと、それから、人口の急減ということが大きいファクターになっておるように私は思うのです。そうしますと、子の養育に対して親の責任というものをある程度時間的に保障していく必要があるというところから始められた制度だと思っております。ですから、教職員等の育児休暇と法案を提起しましたときの動機というものが若干違うように思うのですけれども、今となりましたら、これはすべて先ほど申しました国民的な課題として取り組んでいかなきゃならぬと思いますので、そういうことをお互いが、でき上がってまいりました歴史的経過というものを何も否定するものじゃございませんが、それを見きわめた上でさらに前進した制度というものをやってみなきゃならぬ。そのためには、これを何年がやってみなければわからぬことでして、先ほど「当分の間」ということで御質問ございましたが、これは結局、今すぐということでもなければ長期ということでもないということだと思っておりまして、絶えずこの問題についての問題提起を我々は真摯な気持ちで受けていくつもりでおります。
  79. 山口那津男

    ○山口(那)委員 終わります。
  80. 中島衛

    ○中島委員長 吉井英勝君。
  81. 吉井英勝

    ○吉井(英)委員 まず私は冒頭に一言申し上げておきたいのは、ことしの通常国会で民間の育児休業法が成立した際、政府は、公務員の育休法について次期国会で速やかな成立を図り、民間と同時に施行したいと言っておったわけであります。ところが、一百二十一臨時国会に提出せず、今百二十二臨時国会でも十二月十日の会期末がわかっていて、そのぎりぎりの時点で提出ですね。これは、国権の最高機関である国会での審議が十分尽くされるよう本来早く提出することが当然のことでありました。ことしの暴力団新法の審議のときにも、会期末直前の国会提出となったことについて、自治大臣は反省と謝罪の言葉を述べておられます。こういうことに照らしてみても、私の質疑時間が十三分という異常な事態を生み出した政府の責任というものをまず厳しく指摘しておきたいと私は思うわけであります。  さて、質問に入ります。  現行育休法に比べて、新しい育休法、この育休法は、まず目的の面で人材確保を「職員の福祉を増進」というふうにしていること、対象を特定三職種から全地方公務員に、部分休業の規定、期末手当に二分の一の加算など、新たな発展があります。ところが、育児休業給の問題については、現行育休法の支給が今度は三職種以外は支給しないわけです。これは後退になるわけです。職種間あるいは男女間の差別的扱いをやらないというのが、地方公務員法十三条の平等取り扱いの原則を初めとする地公法に規定された根本的な考え方であります。この点に照らして、今回の扱いは平等取り扱いということにはならないと私は思うのですが、これで平等取り扱いと考えていらっしゃるのかどうか、まずこの点から伺いたいと思います。
  82. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 今回の育児休業法案におきましては、国家公務員の制度と同様に、人事院の意見の申し出にありますように、育児休業期間中は給与を支給しないということにいたしております。しかしながら、特定三職種の女子職員につきましては、現行の育児休業制度における取り扱いと同様に、その職務の特殊性あるいは人材確保の必要性などにかんがみまして、義務教育諸学校における教育とか医療施設、社会福祉施設等における業務の円滑な実施の確保に資するためということで、当分の間育児休業給を支給することといたしたものでございまして、形として見ますとそういう違いがございますが、そういう経緯、理由によるものであるということで御理解いただきたいと存じます。
  83. 吉井英勝

    ○吉井(英)委員 経緯のお話が今ありましたが、これは平等取り扱いという原則に照らしてみれば平等な取り扱いになっていませんねということを伺っておりますので、経緯の方はよくわかっております。どうですか。
  84. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 平等と申しますか、同一の取り扱いにはなっていないわけでございますけれども、ただいま経緯というようなことで御説明いたしましたような事情、あるいは職務の特殊性などによりまして制度の違いがあるということは、これは平等ではないといいながら許されることであろうと存じます。
  85. 吉井英勝

    ○吉井(英)委員 今お認めになったように、平等取り扱いの原則に反しておるわけであります。  それで、現行法の議論のときにもあったわけですね。本則ではノーワーク・ノーペイの原則を貫きつつ、附則で、身分の継続という帰結から、法律上の納付の義務を負う共済組合掛金は免除されないから、収入の途絶えだけでなく持ち出しをしなければならない、そこで処遇に関する当分の間の措置として必要な給付すなわち育児休業給を支給することとなったということを、これは「詳解育児休業法」などでも書いてあるところであります。また民間でも、こういう観点から社会保険料の労働者負担分について何らかの措置をしている企業が七割を超えているのだ、これは高橋労働省婦人局長の「詳説育児休業等に関する法律」でも紹介されております。  ですから、この法の目的からしても一般職と特定三職種の差別、職種間差別や男女間差別は許されない問題ですし、また、民間の比較からしても公務員がおくれた状態に置かれていることになるというのは、民間でも七割が考えているという時代なんですから、民間に比べておくれた状態であっていいということにはならないわけでありますから、私はこの点では、育児休業給というものをやはり支給をするべきだというふうに思うわけです。  この点については、私は京都の府の方の職員の方の声も紹介しておきたいと思うのですが、「職場の方々のおかげで生後十カ月まで育休をとることができました。子供は体が弱く、特にアレルギー体質という集団生活にすぐには適応できない状態であったので、本来ならば職場を去らなければなりませんでしたが、育休で休むことができ、ありがたいと感謝しています。しかし、給料がない上、長期「短期の共済掛金や市町民税など支出が多く、私はローンがなかったので預金の切り崩しで食いつなぐことができた状態だけれども、できれば共済掛金相当分だけでも支給いただければ、もっととりたいけれどもとれない人が減って、有意義なものになると思います。」これは、教員の方ではなくて一般公務員の方で、地方自治体によってはそういうことがやられているから育休がとれた人の例なんですが、せっかくつくるからには、やはりとりたいんだけれども経済的事由によってとりにくくなるということになりますと、せっかく法をつくりながら法の精神が生かされてこないことになるわけですね。  そこで私は、この点ではやはりこの法の目的から見ても差別的な扱いにならないように、また民間の比較から見ても、民間では七割いっているわけですから、公務員がおくれた状態とならないようにすることを考えれば、育児休業給の支給というものは今直ちに考えるべきときだというふうに思うわけですが、この点については大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
  86. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 七割ということ、私どもは直接民間の制度を所管しているわけではございませんが、たしか、社会保険料相当額を有給として支給しているというところだけでなくて、立てかえ払いという形をとって、しかしその負担はしていただくという、分類からいいますと有給というより無給という、それに属する方を含めての数字ではないかと存じます。  私ども伺っておりますのでは、民間の場合、昭和六十三年度の女子雇用基本調査でありますと、全体の一九・二%の事業所で育児休業制度が設けられておって、その中で社会保険料について全額あるいは一部を負担しているところが約四割程度というようでございますので、全体からいたしますと一割に満たない程度というように聞いております。これは労働省の方の問題でございますけれども、そういったような民間の実態を踏まえながら人事院としても、育児休業期間中無給ということを意見としてお出しになったものであろうと思います。  そういったこととの関連で、先ほど、従来からの特定三職種との間の違いということを平等原則ということでお話ございましたけれども、確かに同一ではございませんけれども、こういうことをもって平等の原則に反するということまでにはならないだろうと思いますので、何とぞ御理解いただきたいと存じます。
  87. 吉井英勝

    ○吉井(英)委員 今おっしゃった立てかえ払い分の復職後の徴収も一部含まれておりますが、企業のうち、休業中の社会保険料の労働者負担分について何らかの措置をしている企業は七割を超えている、その社会保険料分を上回る支給をしているところがあるんだという労働省の婦人局長の方の御紹介もあります。  それで、さらに伺っておきたいのは、民間育休法の参議院での審議のときにも、やはり労働省の高橋局長答弁でありますが、有期雇用の反復継続の問題について、その人を常勤の人と同じと見るかどうかは実態に応じて個別に判断するという見解を示しております。自治省もこの点は同じ見解でありますね。これ、確認しておきたいと思います。
  88. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 臨時的任用職員につきましては、先ほどもお尋ねがございましたけれども、一年を超えるという任用期間は予定をされておりませんので、そういった採用のされ方をされている職員につきましてはこの育児休業制度の適用がない。これは、採用の形としてどうなっているかということによって判断をされなければならないと思います。そしてまた、その根っこの問題として、そういう臨時的任用職員をどうするかということ、恐らくいろいろな御論議がおありだということでのお尋ねだろうと思いますけれども、たびたび申し上げておりますように、こういう公務員制度の違いということから、人事院の意見にもあり、国家公務員もそういう制度になっておる、そして地方公務員もそれに準じているということでございます。
  89. 吉井英勝

    ○吉井(英)委員 あと一分余りになってきましたので、すぱっと再度この点についてお答えいただきたいのですが、要するに、現実には有期雇用の反復継続というのはたくさんあるわけです。ですから、実態に応じて個別に判断するという労働省の見解と自治省の見解が異なっておっては困りますから、この点については実態に応じて個別判断という見解は自治省も同じですねということについて、すぱっとお答えいただきたい。  もう一点、具体例として、例えば当初産後休暇が十二月三日までの予定であった、ところが出産が予定日よりも早くなった、そこで十一月三十日で産後休暇が終わり、十二月一日から育児休業に入る。そうなりますと、十二月一日に在職していないということで期末手当がもらえないということになります。これは生まれてくる赤ちゃんに責任はないわけですから、この不合理については私は是正を考えなきゃいけないと思うわけです。これについて二点。まず、この不合理を認められますねということと、もう一点、自治省としてどんな方途を考えていかれるか。  以上三点、伺いたいと思います。
  90. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 まず最初の臨時的任用職員の問題でございますけれども、任用の際の形式がどうであるかということでその職員の方の身分というのがはっきりいたしておりますので、それによってこの法律の適用いかんということを判断をしなければならないだろうと存じます。  そしてまた、期末手当等でございますけれども、現行の育児休業制度におきましても、基準日に育児休業している職員については無給の休職者等の場合と同様に期末・勤勉手当は支給されないものとされております。今回の新たな育児休業法においてどうするか、これは、人事院で新しい法律に基づき育児休業している職員についての期末・勤勉手当の取り扱いが定められることになりますので、地方公務員につきましても国に準じた扱いをすべきものというように考えております。
  91. 吉井英勝

    ○吉井(英)委員 残念ながら時間が来ましたので、終わります。
  92. 中島衛

    ○中島委員長 神田原君。
  93. 神田厚

    ○神田委員 育児休業法につきまして、限られた時間でありますが、御質問をいたします。  現在の状況の中で、育児休業制度の確立は必要不可欠、こういうふうに私ども考えております。こういう状況の中で、地方公務員についても育児休業制度を設けることは同じように必要不可欠というように考えております。  そこで、まず第一番目に、現行育児休業法と本法律案の立法目的の違いはどういうところにあるのか。また、民間の労働者を対象とした育児休業等に関する法律とはどういうふうに異なっておりますか。
  94. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 この法律案に基づきます制度と現行の育児休業法に基づきます制度目的は、継続勤務を促進するという点では共通をいたしておりますけれども、これをもちまして新制度職員一般の福祉の増進と公務の円滑な運営に資すること、これを目的として掲げておりますのに対しまして、現在あります特定三職種に対する育児休業制度は、専ら教育医療等の特定分野における業務の円滑な実施を確保するというようにいたしております点で違っております。  また、この法律案はへ民間の労働者を対象とした育児休業制度等の法制化にいわば対応した国家公務員についての育児休業制度等の法制化の情勢を踏まえたものでございまして、その目的は、労働者の雇用の継続を促進し、もって労働者福祉の増進を図るということを画的とする民間の労働者を対象とした育児休業等に関する法律と基本的には同様の視点に立ったものと考えております。
  95. 神田厚

    ○神田委員 育児休業の承認につきまして「任命権者は、当該請求をした職員の業務青処理するための措置を講ずることが著しく困難である場合を除き、これを承認しなければならない。」こういうふうに言っております。「著しく困難である場合」というのはどういう状況を指すのでしょうか。また、この状況は一律に判断できるのですか。
  96. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 育児休業の請求がございましたときに、任命権者におきましては、業務をかわって処理するための業務分担の見直しでありますとか配置がえなどといったこと、あるいはさらに、業務の外部への委託とか非常勤職員の採用、外部からの臨時的任用などいろいろな措置を講ずるということで検討して、しかしなお難しい場合、そういう場合ということでございますけれども、ただいまの時点で考えますと、通常このようなケースは極めてまれであろうと考えております。なお、こうした判断は、それぞれ個々のケースに即して任命権者が御判断になるということだと存じます。
  97. 神田厚

    ○神田委員 部分休業制度につきまして、この制度を導入する理由はどういうところにあるのか、また、民間の労働者を対象とした育児休業に関する法律とはどうなっているのか、これを御説明願います。
  98. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 部分休業制度におきましては、育児休業を取得しないで職員が一歳に満たない子 を養育しながら勤務する、そういうことも考えられるところでございますので、育児と仕事の両立を図ることを容易にするということで、一日の勤務時間の一部を勤務しないということを認めることにいたしているものでございます。これは、民間の労働者を対象とした育児休業等に関する法律におきまして、事業主は、一歳に満たない子を養育する労働者育児休業をしないものに関して、その申し出に基づく勤務時間の短縮その他の措置を講じなければならないといったような趣旨の規定が設けられている、そういったことを受けました国家公務員制度に準じて今回新たに設けることといたしたものでございます。  部分休業制度を導入するということによりまして、職員の側としますと、仕事と育児を両立させるといったようなことのほか、男女において交代で取得しながら育児を分担できるとか、あるいは職場復帰への不安が少ないこととか、そういったようなメリットもあろうかと存じます。
  99. 神田厚

    ○神田委員 この部分休業は一日何時間まで認めることとするのか、また、子供が一歳に達するまでと限る必要はないと考えますが、いかがでしょうか。
  100. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 具体的に一日何時間までとするかということにつきましては、この法律の施行に関して人事院が規則を定める、その定め方に応じまして、地方公務員につきましてもそれに準じた定めをするということであるわけでございますけれども、ただいま私どもが伺っておる限りで申しますと、典型的なケースとしては、例えば子供さんを保育施設へ預けながら仕事を継続するといったような職員の方の場合この保育施設の開設時間とか、あるいは公務の運営への影響などを考慮して、二時間程度、そういったようなことが検討されているというように承知をいたしております。  いずれにしましても、人事院規則の制定を受けまして、国家公務員に準じた取り扱いをするように、諸団体に対して指導助言をしてまいりたいと存じます。
  101. 神田厚

    ○神田委員 一歳に達するまでと書いてありますが、我々としてはそういう必要はないと思っておりますが、どうですか。
  102. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 御質問の御趣旨は一歳以後においても部分休業ということであろうかと伺いましたけれども、部分休業という制度を今回新たに設けることにいたしておりますが、人事院の意見あるいは国家公務員制度に準じてやっておるわけでございますが、そういうことからいたしますと一歳というのが、育児休業制度としては現段階におきましては一つの区切りではないかと存じます。
  103. 神田厚

    ○神田委員 現行育児休業法適用職種については、男女労働者について育児休業を認めるということは男女ともに育児について責任を共有すると考えられますが、それならなぜ男性については育児休業給を支給しないとしているのですか。
  104. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 今回の育児休業制度につきましては、たびたび申し上げておりますように人事院の意見、また国家公務員制度に準じた制度ということで考えているわけでございまして、人事院の意見にございますように育児休業期間中は無給とするというのが原則でございます。ただ、これまでの制度としていわゆる特定三職種の女子職員につきましては、その職務の特殊性などから当分の間育児休業給を支給するという、これを継続するということにいたしておるものでございまして、そういうような経緯等から来る違いであるということで御理解いただきたいと存じます。
  105. 神田厚

    ○神田委員 最後に、本法律が成立すれば平成四年四月一日から施行されることになりますが、地方公共団体においても条例をつくらなけれはこの育児休業及び部分休業制度が円滑に運用されない事態が予想されます。自治省としてはどのように指導していくつもりでありますか。
  106. 秋本敏文

    ○秋本政府委員 御指摘ございましたように育児休業制度は、法律の制定だけではなくて地方公務員については条例の制定を待って初めて円滑に運営されることになります。たびたび申し上げておりますような人事院規則の制定等を見ながら地方公共団体に対して適切な指導をし、そして円滑に制度が運用されるように、私どもとしてもできる限りの努力をしてまいりたいと存じます。
  107. 神田厚

    ○神田委員 終わります。
  108. 中島衛

    ○中島委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  109. 中島衛

    ○中島委員長 この際、本案に対し、吉井英勝君から修正案が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。吉井英勝君。     ―――――――――――――  地方公務員育児休業等に関する法律案に対す   る修正案     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  110. 吉井英勝

    ○吉井(英)委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました地方公務員育児休業等に関する法律案に対する修正案、お手元に配付させていただいておりますが、これについての提案理由と内容の説明を行います。  政府案では、育児休業給の支給については、現行女子教職員育児休業法が適用されている特定職種の女子公務員のみに当分の間の経過措置として適用されることとなっていますが、このような措置がこのまま実施されるなら、同じ地方公務員という身分を有しながら、職種はもちろんのこと、同一職種でも男性と女性の差によって支給が異なるということになり、これは公平の原則に著しく反するものと言わざるを得ません。  そもそも本法の目的は、男女職種の違いを問わず、雇用の分野における育児に関する支援体制を確立するための手段として育児休業等を設定したものであり、職種あるいは性別の差は問うていないのであります。  この法案の目的からするなら、育児休業期間中の経済的援助として適切な措置を講ずるべきものという立場に立って考えるとしても、最低限、現行女子教職員育児休業法で実施されている育児休業給の支給を、職種や性別を問わず、すべての公務員に適用すべきであります。  修正案は、この立場がら、すべての公務員に最低限育児休業給を支給しようというものであります。  何とぞ委員各位の御賛同をいただきますようお願いし、趣旨説明を終わります。以上です。
  111. 中島衛

    ○中島委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  この際、本修正案につきまして、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。塩川自治大臣
  112. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 ただいまの地方公務員育児休業等に関する法律案に対する修正案につきまして、政府といたしましては反対であります。     ―――――――――――――
  113. 中島衛

    ○中島委員長 これより本案及びこれに対する修正案を一括して討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  地方公務員育児休業等に関する法律案について採決いたします。  まず、吉井英勝君提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  114. 中島衛

    ○中島委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。  次に、原案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  115. 中島衛

    ○中島委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     ―――――――――――――
  116. 中島衛

    ○中島委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、増田敏男君外三名より、自由民主党日本社会党・護憲共同、公明党国民会議、民社党の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。増田敏男君。
  117. 増田敏男

    ○増田委員 自由民主党の増田敏男でございます。私は、この際、自由民主党日本社会党・護憲共同、公明党国民会議及び民社党の四党を代表し、地方公務員育児休業等に関する法律案に対しまして、次の附帯決議を付したいと思います。  案文の朗読により趣旨の説明にかえさせていただきます。     地方公務員育児休業等に関する法律案に対する附帯決議(案)   育児休業制度は、職員がその身分を失うことなく職業生活と家庭生活を充実して営むことができる極めて重要な制度であり、その整備充実が社会的に求められていることにかんがみ、政府は、本法の施行に当たり、制度が活用されるよう環境整備に十分配慮するとともに、「継続的な勤務を促進し、福祉を増進する」という法の目的に沿って、国家公務員の取扱いに準じて適宜制度の見直し検討を行い、特に育児休業期間中の経済的援助については、適切な措置を講ずべきである。   右決議する。 以上であります。  何とぞ皆様方の御賛同をお願いいたします。
  118. 中島衛

    ○中島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  119. 中島衛

    ○中島委員長 起立総員。よって、本動議のとおり附帯決議を付すことに決定いたしました。  この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。塩川自治大臣
  120. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その趣旨を尊重し、善処してまいります。     ―――――――――――――
  121. 中島衛

    ○中島委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  122. 中島衛

    ○中島委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  123. 中島衛

    ○中島委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。    午後零時十五分散会      ――――◇―――――