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1990-06-11 第118回国会 衆議院 本会議 25号 公式Web版

  1. 平成二年六月十一日(月曜日)     ─────────────  議事日程 第十六号   平成二年六月十一日     午後一時開議  第一 千九百七十二年二月二十六日に東京署名された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府フランス共和国政府との間の協定を改正する議定書締結について承認を求めるの件  第二 商法等の一部を改正する法律案内閣提出)  第三 商法等の一部を改正する法律施行に伴う関係法律の整備に関する法律案内閣提出)  第四 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第五 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出)     ───────────── ○本日の会議に付した案件  日程第一 千九百七十二年二月二十六日に東京署名された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府フランス共和国政府との間の協定を改正する議定書締結について承認を求めるの件  日程第二 商法等の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第三 商法等の一部を改正する法律施行に伴う関係法律の整備に関する法律案内閣提出)  日程第四 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  日程第五 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案内閣提出)  消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)並びに消費税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出)、消費譲与税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出)、地方交付税法の一部を改正する法律案(伊藤茂君外七名提出)及び税制再改革基本法案(伊藤茂君外七名提出)の趣旨説明及び質疑     午後一時十二分開議
  2. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) これより会議を開きます。      ────◇─────  日程第一 千九百七十二年二月二十六日に東京で署名された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件
  3. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 日程第一、千九百七十二年二月二十六日に東京で署名された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件を議題といたします。  委員長の報告を求めます。外務委員長柿澤弘治君。     ─────────────  千九百七十二年二月二十六日に東京で署名された原子力の平和的利用に関する協力のための日本国政府とフランス共和国政府との間の協定を改正する議定書の締結について承認を求めるの件及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────     〔柿澤弘治君登壇〕
  4. 柿澤弘治

    ○柿澤弘治君 ただいま議題となりました日仏原子力協定改正議定書につきまして、外務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  我が国とフランスとの間には、昭和四十七年に、原子力の平和的利用に関する協力のための現行協定が締結されておりますが、その後、我が国は、核兵器の不拡散に関する条約及び国際原子力機関との保障措置協定を締結し、また、フランスも、欧州原子力共同体及び国際原子力機関との間で保障措置協定をそれぞれ締結いたしました。さらに、国際的にも、インドの核爆発実験を契機に核不拡散強化の動きが見られるようになるなどの事情を踏まえて、我が国政府は、昭和六十三年七月以来、現行協定を改正するため、フランス政府と交渉を行った結果、本議定書は、平成二年四月九日パリにおいて署名されたものであります。  本議定書は、原子力の平和的利用の分野における日仏間の協力のための法的枠組みを一層整備するものであり、新たに、核物質防護に関する規定、核物質等が協定の適用を受けるための要件としての事前通告に関する規定、機微な技術に関する規定などが設けられております。  本件は、四月十三日に提出され、五月十七日の本会議において趣旨説明が行われた後、同日外務委員会に付託されました。  委員会におきましては、五月二十四日中山外務大臣から提案理由の説明を聴取し、六月一日及び八日の両日質疑を行い、討論の後、引き続き採決を行いました結果、本件は多数をもって承認すべきものと議決した次第であります。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  5. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 採決いたします。  本件を委員長報告のとおり承認するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  6. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本件は委員長報告のとおり承認するに決しました。      ────◇─────  日程第二 商法等の一部を改正する法律案(内閣提出)  日程第三 商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案(内閣提出)
  7. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 日程第二、商法等の一部を改正する法律案、日程第三、商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。法務委員長小澤潔君。     ─────────────  商法等の一部を改正する法律案及び同報告書  商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────     〔小澤潔君登壇〕
  8. 小澤潔

    ○小澤潔君 ただいま議題となりました両法律案について、法務委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  初めに、商法等の一部を改正する法律案について申し上げます。  本案は、小規模かつ閉鎖的な株式会社及び有限会社にも適合する法制度を整備するとともに、会社債権者の保護のために必要な措置を講ずるほか、会社の資金調達の方法を合理化する等のため、商法、有限会社法及び社債発行限度暫定措置法の一部を改めようとするもので、その主な内容は、  第一に、株式会社、有限会社の設立につきましては、発起人または社員の員数の下限の制限を廃止するほか、少額の財産等の現物出資については検査役の調査を不要とする。  第二に、株式会社の最低資本金額を一千万円、有限会社の最低資本金額を三百万円とし、既存会社については、施行の日から五年間はその適用を猶予する。  第三に、配当優先株式等の発行手続を合理化するとともに、議決権のない株式の発行限度を緩和する。  第四に、端株券は発行しないことができるものとし、その場合は、会社に対する端株の買い取り請求権を端株主に認めるものとする。  第五に、株式配当を利益の資本組み入れと株式分割とに分離して、利益の資本組み入れを単独で行い得るものとし、また、株式会社及び有限会社における利益準備金の積立基準を拡充する。  第六に、社債の発行限度に関する制限を純資産額によるものとするとともに、新株引受権付社債についても社債発行限度暫定措置法を適用する。  第七に、株式会社と有限会社の間の組織変更の要件を緩和する 等であります。  次に、商法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備に関する法律案について申し上げます。  本案は、商法等の一部を改正する法律の施行に伴い、関係法律の規定を整備するとともに、所要の経過措置を定めようとするものであります。  委員会においては、両案を一括して議題とし、五月二十五日提案理由の説明を聴取した後、参考人の意見を聴取する等、慎重審査を行い、去る八日質疑を終了し、討論に付したところ、自由民主党、公明党・国民会議及び民社党から賛成、日本社会党・護憲共同及び日本共産党から反対の意見がそれぞれ述べられ、採決の結果、両案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決しました。  なお、商法等の一部を改正する法律案に対し附帯決議が付されたことを申し添えます。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  9. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 両案を一括して採決いたします。  両案の委員長の報告はいずれも可決であります。両案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  10. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、両案とも委員長報告のとおり可決いたしました。      ────◇─────  日程第四 大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)  日程第五 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(内閣提出)
  11. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 日程第四、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案、日程第五、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案、右両案を一括して議題といたします。  委員長の報告を求めます。建設委員長中島衛君。     ─────────────  大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案及び同報告書  都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案及び同報告書     〔本号末尾に掲載〕     ─────────────     〔中島衛君登壇〕
  12. 中島衛

    ○中島衛君 ただいま議題となりました二法律案につきまして、建設委員会における審査の経過及び結果を御報告申し上げます。  まず、大都市地域における住宅地等の供給の促進に関する特別措置法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。  本案は、大都市地域において居住環境の良好な住宅に対する著しい需要が存する現状にかんがみ、大都市地域において住宅及び住宅地の計画的な供給の促進を図るため、建設大臣が大都市地域の各圏域ごとに住宅及び住宅地の供給に関する基本方針を策定することとし、関係都府県はこれに即して住宅及び住宅地の供給に関する計画を策定し、また、市街化区域及び市街化調整区域の整備、開発または保全の方針においては住宅市街地の開発整備の方針を定めなければならないこととし、あわせて、宅地開発協議会、特定土地区画整理事業及び住宅街区整備事業の拡充等の措置を講じようとするものであります。  本案は、去る四月十九日本委員会に付託され、五月二十四日綿貫建設大臣から提案理由の説明を聴取し、現地視察を行い、参考人から意見を聴取する等、慎重に審査を行い、六月八日質疑を終了、採決の結果、本案は全会一致をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  次に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。  本案は、大都市地域を中心として住宅宅地需給が逼迫している現状等にかんがみ、市街地における適正かつ合理的な土地利用及び住宅建設の促進を図るため、良好な中高層の住宅市街地の開発整備を行うための住宅地高度利用地区計画に関する都市計画を創設するとともに、地区計画制度を拡充して住居と住居以外の用途別に容積率の最高限度を定めることができることとし、あわせて、遊休土地転換利用促進地区に関する都市計画を創設し、遊休土地の有効かつ適切な利用を促進しようとするものであります。  本案は、去る四月二十七日本委員会に付託され、五月二十四日綿貫建設大臣から提案理由の説明を聴取し、現地視察を行い、参考人から意見を聴取する等、慎重に審査を行い、六月八日質疑を終了、採決の結果、本案は多数をもって原案のとおり可決すべきものと決した次第であります。  なお、両案に対して、六項目の附帯決議が付されました。  以上、御報告申し上げます。(拍手)     ─────────────
  13. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) これより採決に入ります。  まず、日程第四につき採決いたします。  本案は委員長報告のとおり決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  14. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 御異議なしと認めます。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。  次に、日程第五につき採決いたします。  本案の委員長の報告は可決であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  15. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり可決いたしました。      ────◇─────  消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)並びに消費税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出)、消費譲与税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出)、地方交付税法の一部を改正する法律案(伊藤茂君外七名提出)及び税制再改革基本法案(伊藤茂君外七名提出)の趣旨説明
  16. 櫻内義雄

    議長櫻内義雄君) この際、内閣提出、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案並びに伊藤茂君外七名提出、消費税法を廃止する法律案消費譲与税法を廃止する法律案地方交付税法の一部を改正する法律案及び税制再改革基本法案について、趣旨の説明を順次求めます。大蔵大臣橋本龍太郎君。     〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
  17. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) ただいま議題となりました消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の趣旨を御説明申し上げます。  御承知のように、先般の税制改革は、それまでの税制が持っていたさまざまなゆがみやサラリーマン層を中心とする重税感を是正するとともに、高齢化の進展を踏まえ安定的な税体系を確立することを目的として行われたものであります。  この税制改革は国民の長期的、全体的利益にかなう正しい選択であったと確信しており、新しい税制の一層の定着を図ることが重要な課題であると考えております。  先般の税制改革の一環として創設された消費税は、昨年四月実施以来の経済動向や申告・納付などの状況を見ましても、着実に日々の生活に溶け込んできておりますが、一方、この間において、国民各層からさまざまな御意見や御指摘をいただきました。本法律案は、そのような情勢を背景として、消費税に対する国民の声にこたえ、その一層の理解と定着を図る観点から、所要の見直しを行うものであります。  以下、その大要を申し上げます。  第一に、消費税所得に対する逆進性を緩和し、社会政策的配慮を充実するなどの観点から、非課税範囲の拡大及び飲食料品の譲渡に対する特例措置を講ずることとしております。  具体的には、人の生命にかかわる出産費、火葬・埋葬料を非課税とするとともに、借家住まいの方々のために住宅家賃を非課税とするほか、社会的に弱い立場の方々により一層配慮して、身体障害者用物品、老人福祉センター経営事業などの社会福祉事業、ホームヘルパー、ショートステイなど老人等に対する在宅サービスを非課税とすることといたしております。さらに、学校教育にかかる父兄の負担を軽減するため、入学金、教科書などを非課税とすることとしております。  また、すべての飲食料品についての小売段階を非課税とするとともに、卸売段階までの税率はこれまでの半分の一・五%とする措置を講ずることとしております。  第二に、事業者の事務負担に配慮しつつ、制度の公平性をより一層確保するなどの観点から、年税額が三百万円を超える事業者の中間申告回数を年三回に増加する措置を講ずるほか、交際費などの支出及び乗用自動車の購入費、賃借料等に係る課税仕入れなどについては、仕入れ税額控除を制限する措置などを講ずることとしております。  第三に、高齢化社会への対応という消費税導入の意義を踏まえ、消費税収のうち国分については、国民福祉のための経費に優先して充てることとしております。  その他、制度の見直しに伴う事業者の事務負担に配慮して、中小事業者などの特定事務用機器の即時償却制度の適用期限を一年延長するなどの措置を講ずることとしております。  以上、消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げた次第であります。(拍手)     ─────────────
  18. 櫻内義雄

    議長櫻内義雄君) 提出者伊藤茂君。     〔伊藤茂君登壇〕
  19. 伊藤茂

    ○伊藤茂君 ただいま議題となりました消費税法を廃止する法律案外三法律案は、昨年参議院において可決され、本院に送付された消費税廃止関連法案を基本に踏まえて、公明党国民会議の神崎武法君、宮地正介君、民社党中野寛成君、進歩 民主連合の菅直人君、並びに日本社会党・護憲共同の森井忠良君、中村正男君、元信堯君及び私、伊藤茂の八名共同で、提出者の属する四会派所属議員の賛同のもとに本院に提出されたものであります。私は、提出者を代表いたしまして、これら四法案について、提案理由と概要について御説明申し上げます。  まず、消費税法の廃止を求める理由について申し上げます。  消費税は、言うまでもなく公約違反の大型間接税であり、その成立過程についても著しく民主的手続を欠いた税金であります。昨年の参議院選挙の結果は、国民消費税に対する拒否権の発動でありました。また、先般の総選挙において自民党は過半数を維持したものの、消費税に対する国民の批判は、世論調査を見てもいまだ根強いものがあります。現行の消費税は、圧倒的多数の国民の反対を受けているのであります。(拍手)  また、政府は、消費税は最善と強弁しながらも、その実施後半年もたたないうちに見直しを表明し、消費税が欠陥税制であることを認めております。さらに、政府の見直し案についても、自民党内には再見直しの声が強く上がっております。そうして、今回提出されております消費税見直し法案自体、逆進性も解消せず、税金が国庫に入らないという問題も何ら是正されておりません。欠陥消費税は、このような見直しによってその矛盾や欠陥を解消できるものではないのであります。  消費税は廃止し、間接税を含めまして国民合意の税制再改革を実施するのは当然のことと言わなければなりません。今、海外においても、イギリスにおける人頭税導入、カナダにおける小売売上税導入などが大きな問題となっておりますが、為政者は税に対する国民の信頼と理解こそ第一の理念とすべきであり、また、常に税の使途について国民合意が得られていなければ増税は受け入れられません。税制は「政治の顔」であると言われております。私たちは、消費税に示されるようなゆがんだ税制、ゆがんだ政治を抜本的に改善して、真のデモクラシーの日本を表現するような国民合意の税制をつくり上げることが国民の皆様に対する政治の大きな責任であると感ずるのであります。(拍手)  政府・与党の中には、参議院選挙の結果は国民の理解不足、総選挙の結果は消費税の信任と受け取っておられる方も多いようですが、与党候補者の多くの皆さんが選挙争点から消費税を外そうと必死になられていたことは、総選挙を目前にした党首公開討論会における海部首相の姿、また、皆さんの選挙公報などを見れば明らかであります。  大型間接税は強行導入する、戦後最大の構造汚職は引き起こす、そして、政権維持が困難になれば、みずからに都合のいい選挙制度改正に腐心するといった姿勢を続けていれば、自民党という政党に対してだけではなく、政治に対する信頼が損なわれることを篤とお考えいただきたいのであります。  政治に対する信頼回復のためにも、政治家は納税者の批判に真摯にこたえ、反省するという姿勢を明らかにするためにも、提出させていただきました消費税廃止法案をぜひ御可決いただきたいと存じます。(拍手)  次に、税制再改革の問題であります。  国民合意のない消費税を廃止した上で、真に国民の信頼と理解を得られる税制をつくり上げなければなりません。政府の税制改革は、今早急に取り組むべき課題をなおざりにしながら、ただ「初めに大型間接税ありき」という姿勢でありました。今日、土地税制の改革が問題となっております。これは、さきに政府がシャウプ以来の税制抜本改革と宣伝した税制改革において欠落した問題であります。国民が求めてやまない不公平税制の是正を初めとして、改革すべき課題は数多く存在しております。  今日、国民の間に高まっている税の不公平感、重税感は、シャウプ税制の理念を忘れて我が国の税制を不公平なものに変貌させた歴代自民党政府の責任に帰せられる面が少なくありません。国民は、民主的で公正、公平な税制の確立、税制における所得と富の社会的再分配機能の向上を求めているのであります。不公平感や重税感を生み出している根源に迫ることなく、消費税を存続させ、小手先の見直しで済ませようという政府・自民党の姿勢では、国民は納得いたしません。国民負担率は上がる一方、福祉は何ら改善されないということになります。  勇気を持って、まず不公平の一掃を国民に宣言し、公平と公正を最大のキーワードとする税制再改革に着手すべきであります。さきに定めた税制改革法は、言葉でこそ公平、公正をうたっておりますが、消費税土地税制、法人課税、キャピタルゲイン課税どれ一つを見ても公平、公正ではありません。したがって、私たちは、ここに税制再改革基本法案を提案している次第であります。私たちは、民意の赴くところに従い、消費税法を廃止する法律案を初めとする四法案を提出し、その成立のために全力を尽くす決意を明らかにするものであります。(拍手)  次に、法律案の概要について御説明いたします。  四法案は、消費税の廃止のための三法案と消費税の廃止を踏まえて税制再改革を行うことについての基本法案から成っております。  まず、消費税法を廃止する法律案外二法律案についてでありますが、既に法案については院より皆様に配付されておりますので、多弁は省きます。平成二年九月三十日をもって消費税を廃止し、消費譲与税、地方交付税を含めまして経過措置等を定めたものであります。本案に基づく減収額は、平年度においては政府資料をもとに六兆三千九百億円と見込んでおります。  また、税制再改革基本法案についてであります。これにつきましても既に配付済みのことでもあり、多言を避けますが、不公平税制の徹底的な是正、土地税制など資産課税の適正化などを初め、改革の基本原則、基本方針、手順などを明らかにしたものであり、昨年提出された法案をもとに、参議院における八十四時間余にわたる御審議を踏まえまして改めて整理し、御提案させていただいているものであります。  なお、本法案の附則において、現行の税制改革法は廃止することといたしております。この法律の施行に必要な費用は、平年度約八千億円を見込んでおります。  以上で法案の提案趣旨並びに概要の御説明を終わりたいと存じますが、消費税廃止に係る代替財源について一言申し上げます。  消費税廃止に係る代替財源につきましては、既に昨年の国会に代替財源五法案として参議院に提出し、参議院で可決後、衆議院に送付された経緯がございます。昨年の臨時国会においては、政府予算案も提出をされておりませんでしたが、今国会においては、平成二年度政府予算案が国会に提案され、また、政府の消費税見直し法案も提出をされておりますが、政府からもそれに伴う代替財源法案は提出をされておりません。  したがいまして、私どもは、消費税廃止に係る代替財源につきましては、基本的に昨年の代替財源案を踏襲する考えでおりますが、平成二年度政府予算案に対する組み替え要求をもちましてそれは明らかにいたしました。代替財源につきましては、消費税廃止法案が成立した時点で与野党の責任で措置されるべきものと考えております。  何とぞ、議員の皆様の御賛同をもちまして本四法案が速やかに可決されますことを再度お願いいたしまして、提案を終わります。(拍手)      ────◇─────  消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出)並びに消費税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出)、消費譲与税法を廃止する法律案(伊藤茂君外七名提出)、地方交付税法の一部を改正する法律案(伊藤茂君外七名提出)及び税制再改革基本法案(伊藤茂君外七名提出)の趣旨説明に対する質疑
  20. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) ただいまの趣旨の説明に対して質疑の通告があります。順次これを許します。塩川正十郎君。     〔塩川正十郎君登壇〕
  21. 塩川正十郎

    ○塩川正十郎君 私は、自由民主党を代表して、政府提案の消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案並びに四野党の提出に係る消費税を廃止する法律案外三件について、総理大臣、大蔵大臣及び四野党の提出者を代表し伊藤議員に質問いたします。  まず、消費税を廃止する法律案等についてお伺いいたします。  御承知のとおり、先般の抜本的税制改革は、所得、消費、資産の間でバランスのとれた公平な税体系を構築するとともに、高齢化社会に対応すべく、大幅な所得減税、消費税の創設などを一体として実施し、簡素でわかりやすい税制を確立したものであります。  一昨年、抜本的税制改革を審議した国会において、社会党は、税制改革関連法案について、すべて反対の態度をとられました。特に、中堅所得者層に重点を置いた所得減税についてまで、金持ち優遇という教条的な主張をもって反対されました。まことに残念至極であります。(拍手)  昨年四月に新税制が実施されましたが、このうち消費税は、新税なるがゆえに、実施当初、国民の間に不安や不満を呼び起こしたことは否定いたしません。そこで、野党は、自由民主党の税制改革のうち、所得税減税などは追認しつつ、消費税にだけ反対してこられました。確かに、昨年の東京都議選や参議院選では、その影響はあったと思います。しかし、消費税を初めとする新税は、それ以降日々国民生活に定着し、本年二月実施されました衆議院総選挙の結果につきましては、引き続き自由民主党が政権担当すべきであるという国民の冷静な判断が下ったのであります。(拍手)したがいまして、選挙は、何も税制だけが選挙ではないということであります。いまだに消費税の廃止を提案しておられるのは、現実を見据えた野党の対応ではなく、まことに残念でなりません。  この状態を、中国の故事にこういう言葉があります。「執理の病はいやしがたし」という言葉があります。棒をのんで凝り固まった病気というものは治しようがないという意味でございまして、野党の態度はまさにそういうものではないかと思うのであります。  しかしながら、最近は、少し野党の方も姿勢が変わってきたと思うのであります。すなわち、五月十五日、海部総理と土井委員長が会談をされました。その席において、土井委員長は、消費税について、国民の意思はあくまで反対であります、したがって我々は反対ということで取り組んでいきますということを言われたのであって、廃止ということは一言も言っておられないのであります。このことは、廃止ではなくして、現在の消費税には反対である、こういう意思表示をぶったものでございまして、これは大変な変わりようであるということが言えるのであります。また、この前の国会の論戦におきましても、社会党議員の中には事実上消費税の見直しの中身を論じておられる方もあるということは、まさに変わってきたということが言えると思うのであります。(拍手)  そもそも、今回御提案の税制再改革基本法案の中には、サービス、流通に課税しようという考え方が出ております。このことは現行の消費税とどう違うのでしょうか。社会党は消費税は廃止せよと言われますが、形を変えた大型な間接税ならばいいとおっしゃるのか、この点明確にお答えいただきたいと思うのであります。  もう一つ野党の皆さんにお聞きいたしたいことがございます。それは地方交付税法改正法案についてであります。  消費税が含まれているということで当初はこの法案に反対の姿勢をとっておられましたが、最終的には賛成されました。御承知のとおり、消費税収のうち約一兆二千億円は交付税として地方自治体に配分されることになっております。すなわち、社会党を初め野党の皆さん方は、消費税には反対するが、消費税によって入ってくる税金を使うことには賛成する、こういう突然の変身であります。消費税を取るのは反対だが、使うのは賛成だ、ならば消費税にかわる代替案を出すべきであるが、そこが知恵がないから仕方なしに消費税の使用を認めるということ、全く納得がいきません。この突然の変身についてぜひひとつ御説明していただきたい。  次に、仮に消費税を廃止するとした場合の財源措置についてお尋ねいたします。  今回、消費税廃止の法律案を提案されながら、その代替財源は提案されていません。共同提案をされている野党の中には、責任政党としての立場から廃止の裏づけとなる代替財源法案もあわせて提出すべきであるとの意見がありました。私どもは、立場の違いはあるにしても、見識のある意見であると受けとめておりました。ところが、結局、野党の皆さん方は、代替財源法案は廃止法案が成立した段階で提出するとされておりますが、他方では、野党の方々は、廃止法案も見直し法案 も両方について、再三指摘しておられますように、ねじれ現象からこれは成立しないという見通しを持っておられます。そういたしますと、結局、代替財源案を提出するつもりはないということになるのではないでしょうか。あるいは、野党間で代替財源についての意見がまとまらないので提出できないのでしょうか。どちらであるか、はっきりしていただきたいと思うのであります。また、野党四党の意見の調整の経過をお知らせいただきたいと思うのであります。(拍手)  先ほども提出者伊藤議員の中にございましたように、野党の皆さんは、常々、税の不公平是正について非常にやかましく議論されます。ところが、実際にこれを執行しておる面から、非常に不公平な面が多々出てきておるように思うのであります。  私はある多くの支持者から強く言われますことは、特定の団体が、その団体に加入することによって税の扱いが有利になるということを宣伝し、その勢力の拡大を図っていることが多々あるのでございます。こういう問題に対し、野党諸君のこれに対する態度はどのように臨んでいかれようとするのか、お聞きいたしたいと思うのであります。  特に、私はなぜこれを質問するかと申しますならば、野党の予算修正の要求で、消費税廃止の代替財源として、納税環境の整備で二千億円の増収が見込めると言っておられるのであります。そのことは、すなわち納税環境の整備ということは、簡単に言えば、ただいま申し上げたような一部の圧力団体を含めて、脱税を厳しく取り締まるという意味であろうと想像できます。納税環境の整備とはどういう意味なのか、あるいはこの二千億円が増収ができるということは、どういう算定の基礎のもとで言っておられるのか、お伺いいたしたいと思うのであります。  次に、税制再改革基本法案についてお伺いいたします。  昨年、参議院に四野党から同様の税制再改革基本法案が提出されました際、国民税制改革協議会の報告を受けて内閣及び国会は速やかに措置を講ずるものとするとされていました。これに対し、国民税制改革協議会なるものの結論に国会や内閣が拘束を受けるのは憲法違反ではないかという我が自由民主党議員の指摘を受けて、現在の条文に修正されたのであります。国権の最高機関である国会に税制再改革法案を提出しておきながら、その具体的内容について問われれば、五十人の協議会にすべてお任せすると言われます。このような姿勢は、まさに議会制民主主義を否定するものであると思います。  野党は、自由民主党の税制改革にかわる税制の姿を、野党みずからの考え方として国民の前に具体的に示す責任があります。どの税をどのように改正して増税するのか、あるいはどれをどのように減税するのかを国民にわかるよう説明していただきたいと思います。(拍手)  我が党は、先般の抜本的税制改革の中で、物品税を廃止し消費税を創設する間接税改革を実施いたしましたが、これは、これまでの物品税等が我が国の経済社会の変化に対応できず、さまざまな問題が生じていたことなどを根本的に改革するものでありました。消費税のような間接税は世界の税制の潮流に沿うものであり、我が国の間接税改革は国際的にも高く評価されているところであります。  このような点を意識してか、野党の諸君も、今回の税制再改革基本法案の中では、再改革後の間接税として、サービス、流通に対する適正な課税を検討するとされております。この文言を見れば、消費税をつくるということにも読めるのであります。しかしながら、総選挙期間中、社会党は、恒久的な間接税は個別限定列挙方式の間接税だと提言されました。これに対し、世間が余りにも無責任な提案であると批判したことから、すぐにあの提案は単なるたたき台でございますと引っ込めてしまったのであります。(拍手)  そこで、重ねてお尋ねいたします。  この法案に言うところのサービス、流通に対する適正な課税とはどのようなものでありましょうか。個別物品税以外はだめだという趣旨なんでしょうか。また、この点について野党各党の考え方は一致しているのでありましょうか、お伺いいたします。  最後に、総理大臣及び大蔵大臣にお伺いいたしたいと思います。  先般の税制改革は、国民の長期的かつ全体的利益にかなうものであったと確信しております。したがって、その一環として創設された消費税につきましては、国民各層からいただいた意見や御指摘を踏んまえた上で、見直すべきは見直し、我が国の現在及び将来のための新税制を全体として定着させていくことが極めて重要であります。  特に、見直し法案の内容は、国民から要望の多かった出産費用や住宅家賃の非課税化、食料品の特例などが盛り込まれております。また、消費者から意見のあった制度の公平化のための措置も、できる限りのものが盛り込まれております。  これに対し、野党の諸君は、消費税廃止を主張してきたというメンツを守るためにも、見直し法案にも反対すると言っておられますが、そうすると、この法案は成立しなくなるおそれもあろうと心配しております。消費税見直し法案に対する総理の御見解と大蔵大臣の決意のほどを承りたいと思います。  確かに、国民生活に密着した税制を改革していくということは、一時的には摩擦を伴い、国民のすべてから直ちに賛成を得られるものではありません。しかしながら、過去において、国論を二分し、我が国の進路を左右する節目となった戦後の多々重要な問題、例えば平和条約の締結であるとか日米安保条約の締結、日韓国交回復、沖縄返還などに際し、我が国の進むべき道を責任を持ってこれを示し、実現してきたのは我が自由民主党であります。自由民主党の政策が現在の日本の繁栄の礎となってきたのであります。(拍手)  そして、国際的にも豊かになった日本が今後進むべき道は何か。それは、まさに経済構造の改革と世界との協調であります。そのための第一歩として、今回我が国が真に必要な税制改革を勇気を持って実現してきたのであります。これすなわち、今回の税制改革であります。
  22. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 塩川君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
  23. 塩川正十郎

    ○塩川正十郎君 (続) 自由民主党は、国家国民に対し責任を持った政策を実施する政党であると同時に、時には最も革新的な改革をなし遂げてきた政党でもあります。最近の野党も、姿勢に現実的 な変化が見られつつあることは、まことに結構であります。反対のための反対に終始することなく、国民に責任を示す野党として、税制のあり方について、国会における真剣な論議への参画を強く望むものであります。そうして、これこそ現在及び将来の国家国民に責任を持つ政治家、ステーツマンとしてのあるべき態度だと確信していることを申し上げて、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
  24. 海部俊樹

    ○内閣総理大臣(海部俊樹君) 塩川議員にお答えを申し上げます。  消費税につきましては、国民各層からいただいたさまざまな御指摘や御要望を踏まえて、一層の定着を図るとの観点から、御指摘を受けた点はすべて検討の対象として、その結果として、最善と信ずる見直し法案を国会に提出しておるところであります。  具体的には、国民から最も強く要望のあった食料品に対する特例措置に加え、住宅家賃や出産費、入学金、福祉関係等の非課税化などによって逆進性の緩和及び社会政策的配慮の充実を図るとともに、消費者の立場から指摘された運用益の問題の是正など、さまざまな措置を講じておるところであります。  また、歳出面では、消費税の使途の明確化とともに、高齢化に対応した公共福祉サービスの充実を図ることといたしております。  今回の見直し案は、まさに国民の皆さんが指摘された事柄について、その実現を目指そうとするものであります。多くの人々がこの見直し案の一日も早い実現を心待ちにされておられるものと私も考えております。政府としては、この見直し法案が十分国会で御論議を尽くされ、一日も早く成立するよう最大の努力を図ってまいりたいと考えております。  なお、簡易課税制度等の中小事業者に対する特例措置のあり方については、実態の把握が前提となりますために、消費税の申告・納付が一巡した後に、これらの制度をどう見直すか、十分検討の上提示することといたしております。  国会の構成についてはかってない状況ではありますが、野党の皆さんも間接税の必要性自体はお認めになっておられるわけでありますから、単に廃止といったことだけではなくて、さまざまな具体案もお示しいただきつつ、長期的、全体的な利益を追求するという高い次元から御議論が深まっていくことを心から期待をしておる次第でございます。(拍手)     〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
  25. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 塩川議員からお尋ねがございましたが、私どもは、消費税につきまして、国民各層からいただきました御指摘や御要望というものを一生懸命に検討した上で、今回、最善と信ずる見直し案を国会に提出をいたしております。政府としては、この見直し法案を国会で十分御審議をいただきまして、一日も早く成立するよう最大限の努力を引き続き傾けてまいりたいと考えております。  消費税は、現在及び将来の我が国で不可欠の税制である、私どもはそう信じておりますので、消費税の廃止といったことではなく、あくまでもその存続、定着という前提に立ち、我が国の現在及び将来にとって望ましい税制のあり方について、国民の全体的、長期的な利益といった高い次元からの御議論が深まることを心から願っております。(拍手)     〔伊藤茂君登壇〕
  26. 伊藤茂

    ○伊藤茂君 先ほどの提案理由の説明の中で、税制再改革基本法の施行に必要な費用を八千億円と申し上げましたが、八千万円の誤りでございましたので、訂正をさせていただきます。  塩川議員にお答えを申し上げます。  社会党は形を変えた大型間接税ならばいいのかという御質問でございました。  税制再改革基本法の趣旨といたしまして、消費税の創設を中心とするさきの税制改革が広く国民の理解と信頼を得た上で行われたものとは言いがたい状況にかんがみまして、また、消費税が廃止されることを踏まえまして、改めて我が国の現在及び将来の国民生活、国民経済の安定及び向上の基盤となる税制を確立するために行うものとしております。したがいまして、どのような形であれ、大型間接税は広く国民の理解と信頼を得た上で行われることはないという基本的な立場に立って提案をしているのであります。提案者八名は、この認識で一致しているところでございます。  それでは、税制再改革基本法にあるサービス、流通に関する適正な課税とはどのようなものかという重ねてのお尋ねでございましたが、税制再改革基本法第五条の中で、「間接税が直接税を補完する地位にあるべきことを踏まえ、国税及び地方税における個別間接税の整理及び合理化を図るとともに、サービス、流通に対する適正な課税の在り方について検討を加え、その結論を得ること。」としてございます。これは、消費税の廃止によってサービス課税がなくなることなどから、それにかわって必要となる課税のあり方を言っております。  一般的な課税とするか個別のサービスに対する課税とするかということを含めまして、広く国民的レベルで議論をしていくため、国民税制改革協議会を設置し、その報告をいただくということであります。不公平是正を初め国民が強く求めていることをなおざりにしたまま、予断を持ってまずそれから決めるという態度はとらないということでございます。  なお、塩川議員は、社会党の土井委員長の党首会談における発言に言及をされました。何か反対と廃止と違うようなお話でございましたが、私たちは、もちろん消費税に対して反対であり、したがって、当然のこととしてそれを廃止、再改革を主張しているのであります。反対だから廃止を要求するのは理の当然ということでございます。(拍手)  地方交付税法に賛成したのはおかしいではないかという御質問でございましたが、与党税調会長の御質問としてはいかがなことかと当惑をいたしております。  地方交付税につきましては、その原資に消費税は確かに含まれているが、今回の改正は消費税に直接かかわらない改正であるから賛成してほしいというのがこれまでの政府・自民党の一貫した態度であったと理解しております。また、今回の改正法案は、自由民主党と我々四会派共同で附則を加筆修正し、さらに、来年度以降の国庫補助負担制度及び交付税制度の運営について単独決議を採択し、本院を通過してこれから参議院で審議される運びとなっております。何か交付税法を修正し て賛成したのが理解しがたいというお言葉がございましたが、既に与野党合意の上で処理しているものについて、おかしいと言われましても、いかがかと存じます。  特定の団体について社会党はどう考えるのかというお尋ねがございましたが、御質問の趣旨がよくわかりませんので的確なお答えはいたしかねますが、今日、国民の皆様から批判と不満が寄せられておりますのは、まず第一に、不公平税制是正という制度の問題であろうと理解をいたしております。自由民主党の税制調査会長として、塩川議員も、土地税制を初め、日夜御苦労を重ねておられることと存じます。不公平税制の是正、また、税制の的確な運用につきましては、私たちも積極的に取り組んでいく考えでございます。  なお、野党も、国政に責任を果たす政党として、税制のあり方について国会における真剣な議論への参加を強く期待するというお言葉がございました。  当然の御主張かと存じます。日本社会党を初め四会派は、国会に議席を占める責任ある立場から、昨年も税制改革案を提案させていただき、参議院においては八十四時間余の御審議を賜りました。ただいまも、四会派提出の税制改革案を議題として御審議を願っております。昨年の参議院にも倍する熱心かつ慎重な御審議を心からお願いし、また、私たちも、政府の消費税見直し法案につきましては、昨年同様の熱心かつ建設的な審議の姿勢をもって臨みまして、国民の皆様の御期待にこたえたいと決意をいたしております。  このほかの御質問につきましては、神崎提出者からお答えをさせていただきます。(拍手)     〔神崎武法君登壇〕
  27. 神崎武法

    ○神崎武法君 塩川議員にお答えいたします。  初めに、今回代替財源法案を提出しなかった理由及び四党間の意見調整の経緯についてであります。  消費税を廃止した場合の代替財源につきましては、既に昨年の第百十六国会に代替財源五法案として提出し、四党の考えを明らかにしております。この五法案は、参議院で可決された後、衆議院に送付されたという経緯があることは御存じのとおりでございます。  私どもは、基本的には、昨年の代替財源案を踏襲することとしております。今回は、平成二年度政府予算案に対する組み替え要求をもって代替財源の基本的考え方を明らかにしたところであります。政府におかれましても、消費税見直し法案を提案しておりますが、特に代替財源案は提示されておりません。したがいまして、消費税廃止法案が成立した時点で、代替財源については与野党の責任のもとに措置されるべきと考えるものであります。  また、意見調整の経緯はどうであったかという点でありますが、四野党は共同で平成二年度予算に対する組み替え要求を行ったところでもおわかりのように、代替財源対策についても考えを一つにしており、消費税廃止という国民の強い要求にこたえるために協力し合っているところであります。(拍手)  次に、納税環境の整備についてであります。  私どもが共同提出しました平成二年度政府予算に対する組み替え要求における納税環境の整備では、税務職員の処遇改善、税務執行体制の整備などをうたっております。税務職員の増員も含まれるものであります。  二千億円の増収見込み額については、決して無理な数字ではないと考えております。例えば、政府の資料によっても、昭和六十三年度のいわゆる申告漏れ所得金額は、個人、法人を合わせて二兆二千百五十九億円であります。また、昭和六十三年度の申告所得税、法人税についての調査件数、追徴税額を見てみますと、申告所得税では、調査件数十六万九千件、追徴税額千九百五億円、法人税では、調査件数十九万八千件、追徴税額六千百六十四億円となっており、納税環境を整備することによって、少なくとも私どもが示したような増収が見込まれると考えるものであります。  次に、税制再改革における具体的内容について、国民税制改革協議会任せでは議会制民主主義を否定するものではないかとの御意見でありますが、国民税制改革協議会は、国家行政組織法八条で定める機関であり、現在設置されている各種審議会と同じ性格を持つものであります。税制改革の成案を得るための調査審議を行っていただき、国民の理解と納得を得たいと考えております。したがいまして、国民税制改革協議会における調査審議については、税制問題等に関し広い知識と経験を有する方々の御意見をいただくこととしているのであります。  また、その委員の選任に当たっても、あくまでも民主的な手続によって行われるべきものであることから、国会の同意を得て内閣総理大臣が任命することとしております。議会制民主主義を否定するなどということはあり得ないと考えるものであります。(拍手)  また、税制再改革基本法では、税制再改革の基本原則及び基本方針を明記しております。そこでは、税負担の公平、公正の確保を第一義とし、総合課税の再構築、所得、消費、資産等に対する課税の適正化などを掲げております。これらの基本原則及び基本方針を踏まえまして、税制再改革の具体的内容については国民税制改革協議会において自由な立場で調査審議していただき、国民の理解と納得を得られるものを答申していただくことといたしたところでございます。  以上で塩川議員に対する答弁を終わります。(拍手)     ─────────────
  28. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 嶋崎譲君。     〔嶋崎譲君登壇〕
  29. 嶋崎譲

    ○嶋崎譲君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました内閣の提出に係る消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案について、総理並びに関係大臣に質問を行うものであります。  今、国民は、与野党逆転の参議院を背景とする新しい衆議院の動向に深い関心と期待を寄せております。その本格的な試金石となる消費税の審議がいよいよ開始されたからであります。  この機に呼応するかのように、昨日、福岡県における参議院補欠選挙において、我が党の三重野栄子候補は十二万票余りもの大差で圧勝できました。(拍手)全野党の協力のたまものと深く感謝をいたします。この選挙も消費税の廃止か見直しかが改めて問われただけに、依然として国民の世論の動向は消費税の廃止を強く要求しています。総理の御所見を賜りたいと存じます。(拍手)  言うまでもなく、選挙の際の公約を実行することは、政党並びに議員として当然の国民に対する責務であります。そして、それは同時に、公約を守るということを通じて、憲法に規定されている議会制民主主義を正しく実現していくことにほかならないと思うのであります。したがいまして、我が方が提案している消費税廃止関連法案と、大型間接税は導入しないと国民に約束したその選挙公約に違反して強行採決した消費税、そしてその消費税見直し法案とは、根本的にその生い立ちが異なっているのであります。  振り返ってみますと、昨年の百十六国会において我が方が提出いたしました消費税を廃止する法律案外八法案は、委員会での審議期間二十七日間、総審議時間八十三時間四十六分にわたる審議の結果、参議院において可決され、本院に送付されました。結果的には審議未了、廃案ということになりましたが、立法府の場において、与野党それぞれ立場が違う中で、野党提出の議員立法に対し、熱心に、そして真摯な議論がなされたことは、議会制民主主義にとっても画期的な出来事であったと言えます。  一方、政府・与党は、昨年の参議院選挙後、消費税の思い切った見直しというかけ声ばかりで、どこをどのように手直しするのか、内容は一切不明でありました。我が方が、消費税の廃止法並びにその後の税制再改革のあり方、そしてその間の代替財源について明らかに示していたのとは対照的でありました。  その後、昨年の十二月にようやく見直しの骨格が固まりはしましたが、それについても、すぐさま自民党内においても再見直しの必要性が叫ばれた代物でした。この時期になって大綱を発表したのも、自民党の税制調査会の意向を政府税制調査会の答申にリンクさせ、相も変わらず、あたかも国民の意思及び専門家の意見を聞くという隠れみのに政府税調を使い、消費税の導入の定着を図ろうとした何物でもありません。このようなやり方に対して、国民が強い反発を持っていることにお気づきにならないのでしょうか。  消費税の廃止か存続かは、昨年の参議院選挙、そして今回の総選挙と、二度にわたった争点であり、その結果は、税制改革に当たって、消費税について両院は廃止と存続という一見異なった国民の意思を反映しているように見えました。しかし、福岡県の参院補選の結果は、いまだに消費税廃止を強く期待しているのです。  これらの選挙を通して、我が国の税制のあり方全体が議論されたこと、特に消費税の導入より不公平税制の是正が何よりも必要であるという認識は、国民共通の合意であり、そしてそれは与野党にも共通している認識であることを考え合わせれば、もはや、消費税の存続、手直しよりも、それを廃止し、税制改革をやり直す以外に方法はないと考えます。改めて総理の御見解をお聞かせ願いたいと思います。(拍手)  次に、消費税の見直し法案の内容について伺います。  消費税は構造的な欠陥があり、手直しでは解決できないと考えております。したがいまして、消費税見直し法案は、その構造的な欠陥を見事に改めて浮き彫りにし、かえってさらなる問題性をつけ加えただけなのであります。  まず指摘したいのは、第一条の「趣旨」のところで、「消費税の収入については、国民福祉のための経費に優先して充てるものとする。」としていることについてであります。  この条項は、消費税がなぜ必要かという国民の疑問に対して、高齢化社会への対応と回答してきたことへのあかしとして、特定財源化の構想を示されたのでありましょう。しかし、これもごまかしです。今年度の消費税収は五兆三千二百億円と見込んでおりますが、いまだに、「国民福祉のための経費に優先して充てる」とはそのうちのどれくらいなのか、明らかにしておりません。国の社会保障関係だけで十一兆円を超えております。消費税収総額をすべて福祉に特定化しても不足しております。しかも、今回の見直しによって、約一兆一千億円の税収が削減されることになっております。一体、「国民福祉のための経費に優先して充てる」という意味はどのようなことなのか、全く意味不明と言わざるを得ません。  それに加えて、消費税と地方財政との関係が問題を複雑にしています。消費税収総額の五分の四は地方交付税交付金のベースに組み入れられ、その二四%が地方交付税として地方に交付されます。さらに、消費税収総額の五分の一は地方譲与税として地方に配分されます。したがって、消費税収のほぼ四〇%は地方の固有の財源として利用されることになっています。この地方に配分される消費税分は、福祉予算に特定されないものであります。自治大臣、いかがですか。  こうしたことを考え合わせれば、消費税は財政にほとんど寄与しないことになっています。まさに「国民福祉のための経費に優先して充てる」ということがいかに空虚なものであるかは明白であります。どのような国民福祉に、幾らぐらいの経費を、どのようなタイムスケジュールで充てる所存なのか、総理並びに大蔵大臣、自治大臣の御所見をお伺いいたします。(拍手)  次に、消費税の構造的欠陥である逆進性についてお尋ねいたします。  消費税の欠陥は、実施以前からわかり切っていたことであり、竹下元総理も九つの懸念として表明せざるを得なかったことであります。その中でも、低所得者ほど負担割合がふえるという所得に対する逆進性の問題、所得税などの課税最低限以下の世帯にも課税されるという問題、年金生活者、障害者など社会的弱者に対しても高額所得者と同じように課税されるという問題について何ら解決ができないどころか、今回の見直し案でより複雑にし、見直し案に期待していた方々からも、見直さない方がましだといった声が聞かれているのであります。  非課税範囲の見直しや、食料品等に対する小売段階非課税及び特別低税率制度の創設は、低所得者の負担が相対的に重くなるという逆進性の批判に対する措置としてとられた方策でありましょう。しかし、問題の解決どころか、事態を複雑にしただけです。  非課税範囲の見直しとして、入学金、出産費用など非課税範囲の拡大を限定十項目追加しておりますが、これが果たして思い切った見直しでしょうか。消費税の構造的欠陥は、非課税または免税を限定列挙することしかできないのです。これをさらに拡大すれば、課税、非課税がより複雑になり、税の徴収が困難になるからであります。した がって、社会的弱者への逆進性は緩和されることはできません。これでも社会的弱者への逆進性は緩和されたと言えるのでしょうか。御所見を伺いたいと思います。  食料品に対する小売段階非課税及び特別低税率制度の創設も、その執行を複雑にしただけであります。食料品には生産・流通段階で一・五%課税、小売段階で非課税とするという、およそ税の理論を欠いた無節操なやり方は、世の中に混乱をもたらすだけであります。一体幾ら下がるのか、価格が適正であるのかなど、消費者の不安は募るばかりです。事業者にとっては、食品とその他の分を区別しなければならないなど、複雑でしかも巨額のコストがかかることになります。  消費税制度において非課税品目を拡大することの困難さは、消費税がその執行形態として、通常の伝票方式ではなく、帳簿方式を採用した点にあります。仕入れと売り上げを帳簿で捕捉する方式では、非課税品目と課税品目が混在する状況下では、課税売上高と課税仕入れ高を捕捉することは技術的に困難だからであります。  こうした食料品課税の見直しを国民が望んでいるものだと確信して提案されたのでしょうか、御所見を承りたいと思います。  最後に、簡易課税制度、限界控除制度、免税制度などによって、事業者が消費者から預かっている多額の税金が国庫に入らない、それどころか、大企業等においては巨額の運用益までが生ずるという問題についてであります。  これらの制度は、消費税の導入に当たって、最終的な税の負担者である消費者に十分な配慮もなく、ひたすら事業者におもねた日本型堕落型消費税の欠陥をあらわにしたものであります。(拍手)  そもそも税制というものは、国民経済の動向に対して中立でなければなりません。それが、消費者の納めた税金が国庫に入らない、しかも、その額は、大蔵省の試算でも、課税ベースにして十六兆円、四千八百億円にも上ると言われております。この点については何ら見直しすらできないという状態であります。一体、国民の血税とも言われる税をどのように考えておられるのでしょうか。国民の批判をどのように受けとめているのでしょうか。また同時に、このことは事業者と消費者の相互不信を生み出す欠陥税制であるということを意味していると思うが、御所見を伺いたいと思います。  加えて、これらの特別措置は、事業者間、産業間に不公平をもたらすものであります。簡易課税制度のみなしマージンの設定は、それほどの根拠もなく卸、小売の二つに分けられ、小売の平均マージン率平均一七・六%、卸売は六・六%であるから、利用した方が有利な業者とそうでない業者との差は大きいと言えます。同じ小売でも二〇%を超える高いマージン率を実現している業者が、結果的には消費税によって補助金が受けられることになるのであります。  あわせて運用益の問題についてでありますが、申告・納付を四半期ごとにしておりますが、多少運用益が少なくなるという程度で、とても納得のできるものではありません。預かった税金で利益を得る、しかも、それができるのは主として大企業であるということは、幾ら運用益を少なくしたからといっても納得のできるものではありません。  税金が行方不明になる、税金で利益が生ずる、この構造的欠陥についてどのような認識で対処されるのか、御所見を伺いたいのであります。  政府は、不公平税制の是正をさきの税制改革の最大の目的としながら、不公平税制の典型と言われる消費税を強行導入し、そしてその不公平を拡大するかのごとく見直し法案を提出しています。私たちは、こうした政府案について、さらに税制問題等に関する特別委員会において十分な審議を保証されることを要求し、そして、その委員会の場において、国民に消費税見直し法案の矛盾点、非合理性を徹底的に明らかにするとともに、消費税は廃止しか解決する方法がないことを明らかにする所存であることを申し述べ、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
  30. 海部俊樹

    ○内閣総理大臣(海部俊樹君) 嶋崎議員にお答え申し上げます。  お尋ねいただきました福岡県補欠選挙の結果につきましては、現実を率直に受けとめます。今後一層内外の各般にわたる国政の重要課題の解決に取り組んでまいりたいと考えます。  政府は、税負担の公平確保は税制に対する納税者の信頼を得るためにも最も重要な理念の一つと考えて、従来からそのための努力を重ねてきているところであります。  先般の税制改革におきましても、負担の公平を確保することを基本理念の一つに掲げ、所得課税の負担を軽減するとともに、消費一般に広く薄く負担を求める消費税を創設することによって、給与所得に税負担が偏り、サラリーマンの重税感、不公平感が募っていた従来の税負担の構造を改めて、消費にも応分の負担を求めるような構造に改めるなど、税制全般にわたり税負担の公平を高めるための措置を講じたところであります。  消費税の創設を含む先般の税制改革は、所得税、法人税の減税などとあわせて、税負担の公平や我が国の将来展望から見て必要不可欠であると考えております。  このような見地から、今回消費税の見直し案を提出いたしましたが、その内容は、国民の皆さんからいただいたさまざまな御指摘や御要望を踏まえて、消費税の一層の定着を図るとの観点から、現行消費税を思い切って見直し、最善と信ずるものを国会に提出しておるところであります。  この見直し案においては、逆進性の緩和等の観点から、飲食料品についての特例措置を講ずるとともに、住宅家賃、身体障害者用物品、老人に対する在宅福祉サービスなどを非課税とするほか、年金生活の方々に対しては、既に所得税や住民税において公的年金等控除額を引き上げ、一層の減税を実施しておるところであります。  歳出面においては、高齢者保健福祉十カ年戦略を策定し、その着実な実現を図ることとしております。  このような諸措置により、消費税の持つ所得に対する逆進性はさらに緩和されるものと考えております。  次に、御指摘になった簡易課税制度等中小企業者に対する特例措置のあり方につきましては、実態把握が前提となるため、消費税の申告・納付が一巡した後に、これらの制度をどう見直すか十分検討の上提示することとしており、政府として適切に対応していく考えであります。  今回の見直し案は、まさに国民の皆様御自身が指摘された事項についてその実現を目指そうとするものであり、多くの方々がこの見直し案の一日も早い実現を心待ちにされておられるものと考えますので、政府としては、この法案が国会の御審議をいただき、一日も早く成立しますように最大限の努力を傾けていきたいと考えております。(拍手)     〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
  31. 橋本龍太郎

    国務大臣橋本龍太郎君) 消費税が高齢化社会に備えるため導入されましたことを踏まえ、今回の消費税の見直しにおきまして、平成二年度以降消費税収のうちの国分につきまして、「毎年度、社会福祉社会保障その他の国民福祉のための経費に優先して充てるものとする。」こうした趣旨規定を定めることにいたしましたが、これは消費税の使途についての国の姿勢を明確化したという意義があるものと私どもは考えております。  この規定の趣旨を踏まえ、消費税収のうち国分につきまして、社会福祉社会保障などの国民福祉のための経費に今後とも優先的に充当してまいりたいと考えております。  また、非課税範囲の見直しについての御指摘がございました。  消費に負担を求める間接税につきましては、所得に対し逆進的であるという性格があることは事実であります。しかし、この所得に対する逆進性の問題は、一つの税目のみを取り上げて判断するべきものではありません。所得税をも含めました税制全体、さらには社会保障制度など歳出面も含めた財政全体で判断されるべきものであります。消費税の導入に当たりましては、他方で大幅な所得減税や、また、真に手を差し伸べるべき方々に対する各種の配慮を行ってまいりました。  今回の消費税の見直しに当たりましては、逆進性の緩和などという観点から、消費税そのものにおきましても、飲食料品の負担軽減のための特例措置を講じると同時に、住宅家賃、身体障害者用物品、第二種社会福祉事業、老人に対する在宅福祉サービスなどを非課税といたしますほかに、年金生活の方々に対しまして、既に所得税や住民税において公的年金等控除額を引き上げ、一層の減税を実施したところであります。これによりまして、年金受給者の所得税の最低限、六十五歳以上の夫婦世帯の場合、従来の三百一万八千円から三百二十一万八千円に上昇いたしております。  さらに、歳出面におきましては、高齢者の保健福祉政策を飛躍的に充実させるために、在宅福祉や施設福祉などの事業につき今世紀中に実現を図るべき十カ年間の目標を掲げ、その強力な推進を図ることとしておるわけでありまして、平成二年度予算におきましても、こうした点についての努力をいたしておるところであります。  こうした措置により、消費税の持つ所得に対する逆進性は大きく緩和されてまいりました。  また、食料品などに係る見直しは、御指摘のように小売段階を非課税にし、流通段階は一・五%の特別低税率を適用するものであります。そして、この特例措置は、飲食料品の小売販売場の取引に該当すればすべて非課税、それ以外の飲食料品の取引はすべて特別低税率ということであります。  消費者の立場からの強い国民の御要望がありましたものにこたえるため、飲食料品について特別な措置をとるといたしますと、その結果、事業者の方々に何らかの事務的な負担をお願いをすることになるのは事実であります。  しかし、特別低税率制度というものは、価格の引き下げを図ると同時に、まさに事業者の事務負担という観点をも考慮した結果導入したものでありまして、また、この特例措置に伴う事業者の事務負担をできるだけ軽減をいたしますために、一定のレジスターや小型電子計算機の取得費用につき一時に損金算入できる措置を、平成三年九月三十日まで一年延長いたすと同時に、消費税の納税に関する事務を処理するために支出したソフトウエアの開発費用について任意償却できる期限を、平成三年三月三十一日まで一年間延長いたしました。  なお、飲食料品の小売段階を非課税とする以上、売り上げには課税をされず、仕入れに含まれている税額分はコストとなるだけでありますから、個々の商品に税額を明示することができなくなるという御指摘は事実であります。しかし、これは食料品に限らず、一般的に物品、サービスを非課税にする場合、必然的に生ずることでありますから、今回の措置は国民の強い御要望を実現するために行うべきであるという観点からとらえていただきたいと思うのであります。  また、簡易課税、限界控除、免税点等についての御指摘がございました。  税制が国民経済の中で機能いたしますためには、国民各層の御協力が必要であり、その意味で、税制における公平性と簡素性はともに重要な要請であります。  この消費税における事業者免税点制度や簡易課税などの中小零細事業者に対する特別措置は、この種の税になじみの薄い我が国の現状を考え、この二つの重要な要請の中でどのようなバランスをとっていくかについてのぎりぎりの政策的判断の結果として設けたものでありますし、また、この種の制度は、諸外国の付加価値税においても広く採用されているものでありますから、制度存在自体が、私は御指摘のような構造的欠陥とは考えておりません。  しかし、これらの制度につき、消費者を中心として、公平性の観点からさまざまな御意見があることはよく承知をいたしております。同時に、これらの制度は、そのときどきの社会経済情勢などと深く関連する政策判断の問題でありますから、一昨年末の衆議院本会議における議員修正により追加されました税制改革法第十七条三項において、納税者の事務負担、消費税の円滑かつ適正な転嫁の実情等を踏まえ、見直すことが国会意思として示されております。  政府といたしましては、こうした点を踏まえ、これらの制度のあり方を今回見直すこととし、消費税の申告・納付の一巡する平成二年五月まで実態把握を行った上、これらの制度をどう見直すか十分検討することを既に閣議で決定をいたしておるわけであります。今後誠実に対応する所存であります。(拍手)     〔国務大臣奥田敬和君登壇〕
  32. 奥田敬和

    ○国務大臣(奥田敬和君) 嶋崎議員にお答えいたします。  消費税の使途について、消費税の約四割は地方固有財源として地方に交付されることになっていることについての私の見解いかんということでございました。  消費税収入の国分については、もう議員御承知のとおり、国の福祉のための経費に優先して充てるということにいたしております。しかし、消費税のうち地方分は、使途の特定されない地方の固有財源であることは御指摘のとおりであります。この財源は、住民福祉の充実、ふるさとおこしのための貴重な財源となるものであります。  この地方分は、さきの税制改革に当たりまして、地方一般財源である電気ガス税等の地方間接税及び地方交付税の減収を補てんするために一般財源として措置された経緯があります。  また、小規模で財政力の弱小な地方団体ほど財政の弾力性を欠くことになることなどから、その使途を特定化することは適当でないと考えております。  なお、自治大臣といたしましては、消費税が貴重な地方財源であることにかんがみまして、消費税見直しの定着に一層努めてまいります。(拍手)     ─────────────
  33. 櫻内義雄

    ○議長(櫻内義雄君) 佐藤敬治君。     〔佐藤敬治君登壇〕
  34. 佐藤敬治

    ○佐藤敬治君 私は、日本社会党・護憲共同を代表して、ただいま議題となりました四会派共同提出による消費税廃止関連三法案及び税制再改革基本法案に対して質問をいたします。  先ほど提出者から、消費税廃止関連法案、税制再改革基本法案について趣旨の説明がありましたけれども、私はそれに全面的に賛成であります。(拍手)  中曽根内閣が選挙の公約を破って、うそをついて大型間接税を提出し、さらに竹下内閣がこれを継承して消費税を強行した事実は、この税金に対する国民の不信感の根底にあります。この不信感を解消するためには、消費税をもとに戻して、国民合意の新しい税制を再検討するしか方法がございません。  消費税は国民の間に定着したということを先ほども言われました。自民党のこれは決まり文句であります。しかし、きのう行われた福岡の参議院補欠選挙で我が党公認の三重野栄子候補の勝利は、まさに消費税は国民の間に定着していないということの証明であります。(拍手)この選挙で、我が党と自民党は互いに消費税の存廃をかけて戦いました。海部総理は両三度も福岡へ出かけました。御苦労さんでした。しかし、うま年だからうまくいくと思ったら大間違い。国民の心の底には、消費税に強い不信感を抱いておるのであります。国民はそんなにうまくおろしてくれなかった。その当落の差十二万票余というものは、大方の予想をはるかに裏切った大差であります。今や民意がどこにあるかということは火を見るよりも明らかであります。  政府・自民党は、消費税の小手先の見直しなどということを直ちにやめて、国民の期待する税制の確立を目指して、与野党の真剣な論議に今や入るべきであります。  そこで、まず初めに、今回消費税廃止関連法案を提案された理由を改めてお伺いいたします。  提案理由の説明で十分な説得力があると思いますけれども、消費税廃止法案等に対する国民の認識を一層深めていただくために、確認の意味で、昨年の臨時国会において参議院に提出して可決された消費税廃止関連法案を踏襲して消費税廃止法案を初めとした四法案を提出した理由を、もう一度懇切丁寧にお答えを願いたいのであります。  消費税は、自民党がやらないと公約した大型間接税であるばかりではございません。所得に対する逆進性を中心にした大きな欠陥を持っております。また、自民党が大敗した昨年の参議院選挙の結果、そして、さきの衆議院選挙の経過を振り返ってみても、消費税は廃止するのが当然であります。  政府・自民党は、総選挙で消費税は国民に認められたと受けとめているようでありますけれども、しかし、その問題を、選挙中は消費税問題が争点となることを必死になって回避しようとしたり、消費税の再見直しや凍結・廃止論まで公言して当選された人がこの中にたくさんおります。さらに、これらの一連の選挙の中で、自民党は消費税の見直しを公約した。ところが、この見直しがまだ何らの審議も行われていないうちに、報道によりますと、大蔵省は消費税の見直しのまた見直しをやると言っております。自分たちが信頼を置くことのできないような矛盾に満ちた税制を国民に押しつけるということは、何たる無責任な態度であるか。まさに傲慢不遜、神を恐れざる行為であります。(拍手)  四会派が廃止法案を共同提案されたのは当然と思うのでありますが、会派の皆さんの御見解をお伺いいたしたい。  次に、税制再改革基本法について、自民党から、具体的な税制改革の内容を国民税制改革協議会に任せることは無責任であると言われております。これについて御質問いたします。  竹下内閣当時、消費税法案などとともに提案された政府の税制改革法は、公平、公正をうたいながら、実際は全く不公平、不公正でありました。結局のところ、消費税の導入を正当化することを目的としただけの法律であって、あってもなくてもよい、まことに意味のない法律でありました。それと比較して、四会派の税制再改革基本法は、消費税廃止の必要性を明確にしていることだけを見ても、まことに立派な法案であります。(拍手)  この法案では、税制再改革の基本方針を明記しており、その実現のため、国民的な税制論議の場として税制改革協議会を設置し、望ましい税制を追求しようとしており、その姿勢は十分に評価されていいでしょう。この基本法に基づいて税制再改革を行うならば、消費税を強引に実施して国民の猛反発を招くようなことなど絶対にありません。税制再改革基本法によって四会派の目指す税制の姿はかなり明確にされており、税制改革協議会での論議を重視することは無責任などということは全く見当違いも甚だしい。私の意見に御賛成かどうか、四会派の御意見を伺いたい。  第三に、物品税の問題を含めまして、税制論議の焦点となってきた間接税について御質問いたします。  先ごろまで長い間我が国間接税の中心的な存在でありました物品税を初めとする課税対象を限定列挙する方式の間接税は、目的税的なものや酒税、たばこ税などを除き、消費税の導入とともにほとんど廃止されました。物品税については、経済のソフト化、サービス化に対応できない、課税対象の選別が困難である、不公平を拡大する、国際摩擦を引き起こすなどとさんざん、いろいろ自民党から批判されました。いわゆる広く薄く課税する消費税の方がすぐれていると、その導入の口 実にさえされたのであります。  しかし、物品税の矛盾を助長した最大の責任は、歴代の自民党政権にあるのです。政府・自民党が関係業界の利害に突き動かされて物品税の矛盾を拡大してきた、それを考えもせずに、物品税の矛盾を消費税導入の理由として、さらには、四会派の物品税復活案をあげつらうのは、言語道断と言わなければなりません。四会派は、税率を調整し、現在の税負担に配慮した上、物品税の復活を消費税廃止の代替財源として考えて、混乱を避けるために最大限の努力を払っております。物品税に全く問題がないわけではありませんけれども、何よりも生活必需品にまで無差別に課税する消費税に対して、担税力に配慮した課税のやり方など、消費税より大変たくさんのすぐれた点を持っております。  将来においても、何がしかの間接税は必要であります。真剣に検討する必要があります。その場合でも、物品税などの問題を殊さらに強調し、消費税のような間接税以外にはないと決めつけることは、絶対に避けなければなりません。短絡的な先入観を捨てて、物品税などの長所、短所、さらには、消費税などの欠陥や、諸外国の間接税について真剣に検討する必要があります。  四会派提出の税制再改革基本法では、将来の間接税制度のあり方について十分明確にされておりますが、間接税問題に対する四会派の御見解をお伺いいたします。  第四に、政府の税制改革の基本スタンスである所得、消費、資産に対する課税のバランス、あるいはしばしば指摘されている直間比率の問題についてお尋ねいたします。  政府・自民党は、所得、消費、資産に対する課税のバランスあるいは直間比率の是正を唱えておりますけれども、私は、このような言葉自体にそれほど意味があるとは思いません。その中身、つまり税制の内容が重要なのであります。税収割合を前提として税制のよしあしを判断するなどということは、全く論外であります。直接税に偏った税制は不公平な税制だと、余りにも独断に過ぎます。所得、消費、資産のバランスの重要性を繰り返しながら、消費に対する課税には大変熱心であるけれども、一番問題のある資産に対する課税の適正化には全く手をつけておりません。それが今日の資産格差の拡大を招いた最大の原因であります。このような経過を顧みれば、税制再改革法案で、政府とは違った意味で所得、消費、資産に対する課税の適正化をうたったのはまさしく当を得ていると思いますけれども、直間比率などに対する四会派提案者のお考えをお聞かせいただきたいと思います。  次に、消費税廃止に係るいわゆる代替財源関係の法案が提出されていない点についてお尋ねいたします。  この点については、既に提案理由で説明されておりますけれども、昨年の第百十六回国会において参議院に提出された代替財源に関する五法案が、参議院で可決され、また本院でも趣旨説明がなされていること、さらに、昨年段階では提出されなかった政府の消費税見直し法案が今回は提出されており、そこにおいても減税超過分についてその財源措置が特に示されておらないことなどを考えれば、まことに適切な判断であります。財政運営に支障を来す、野党は無責任などという非難は、全くこれもまた見当外れであります。政府・自民党みずからが、消費税見直しによる負担の軽減を喧伝する一方で、その財源措置は放置したままで、事実上税の増収を当てにしている、この事実をどう説明するのか。額が小さいから問題にならないと言い、野党とは違うと言って済ませることではありません。  四会派は、平成二年度予算については既に予算組み替え共同要求において、消費税の十月一日からの廃止を盛り込むと同時に、財政運営に支障が起こらないよう、国債増発に頼らない措置を明らかにしております。その我々の組み替え要求を無視しておいて、代替財源法が提出されていないと野党をなじる政府・与党の態度は、みずからが財政運営の責任者であることを忘却したものと言わざるを得ません。(拍手)  私は、消費税の廃止が決定された場合、参議院で可決された財源法案を踏まえた立法措置だけでも十分対処できると考えますけれども、代替財源法案の未提出問題について、いま一度四会派の見解を明らかにしていただきたいと思います。  最後に、税制という国政上の重要問題に対して、四会派を代表して議員提案いたしました勇敢なる八名の同僚議員の御決断に心から敬意を表しまして、私の質問を終わります。(拍手)     〔議長退席、副議長着席〕     〔宮地正介君登壇〕
  35. 宮地正介

    ○宮地正介君 佐藤議員にお答えいたします。  まず、昨年の第百十六回臨時国会におきまして、参議院に共同提出し、可決された消費税廃止関連法案を基本的に踏襲し、再び消費税廃止法案を初めとした四法案を提出した理由をお尋ねでございます。  消費税廃止問題を大きな争点といたしました昨年の参議院選挙で、自民党は歴史的な大敗を喫し、過半数を大幅に割り込むに至ったことは御承知のとおりでございます。この選挙で明確に示された消費税廃止の国民の審判にこたえるため、四党と連合参議院は消費税廃止法案などの九法案を作成し、参議院に提出したのであります。これが参議院で可決された意義の大きさ、我が国議会制民主主義の歴史に残した足跡の重さについては今さら申すまでもありません。  それでは、先般の衆議院総選挙の結果自民党が過半数を維持したことをもって、消費税の存続を国民は容認したと言えるのでありましょうか。私どもは、それは間違いであると考えております。  総選挙で、自民党は、選挙争点から消費税廃止問題をそらそうと躍起になっておりましたし、自民党の一部首脳からは、消費税の再見直しにとどまらず、凍結の声さえ聞かれたのであります。廃止を公約して当選した自民党議員もおります。参議院選挙の結果は消費税廃止の審判ではない、衆議院総選挙の結果は消費税信任を意味するという自民党の強弁は、御都合主義以外の何物でもございません。(拍手)  依然として消費税に対する国民の反対の声には根強いものがあります。そして、何よりも問題なのは、消費税は、所得に対する逆進性など根本的な欠陥を有する税制であり、政府・自民党の小手先の見直しによってこの欠陥を是正することはできないということであります。また、消費税導入後の今日、予想を大幅に上回る物価上昇をも引き起こしております。  税制改革は、国民の理解と信頼を得て行わなければなりません。しかしながら、消費税導入は、国民の理解を得たものとは言えず、国民は強い不満を持っております。したがいまして、消費税を廃止し、国民の理解を得て、税制再改革を実施するため、消費税廃止法案等を提出した次第でございます。  次に、消費税廃止に伴う代替財源に係る法案の未提出の理由についてお答えいたします。  確かに、昨年参議院に提出したいわゆる代替財源法案は、今回提出しておりません。しかし、昨年と条件が大変異なっていることを勘案すれば、非難されるに当たらないと考えております。  まず、昨年の第百十六回国会におきまして、参議院に提出された代替財源に関係する五法案が参議院で可決され、本院に送付され、趣旨説明がなされていることであります。その内容は周知のことと思われます。  また、政府の消費税見直し法案が今回は提出されておりますが、減税超過分については財源措置が特に示されておりません。それは、事実上、予算編成の中で吸収されることが前提とされているのであります。  四会派は、既に、平成二年度予算に対する予算組み替え共同要求におきまして、九月三十日をもって消費税を廃止すると同時に、財政運営に支障が起こらないよう提案しております。我々の組み替え要求を無視しておいて、代替財源法案が提出されていないと非難するのは当を得ておりません。今年度の政府予算案が参議院では否決された事実をいまだに全く反省しない姿勢、相変わらずのおごりの態度と言わざるを得ないのであります。(拍手)  私どもは、消費税の廃止が決定された場合、参議院で可決された財源法案を踏まえた立法措置だけでも十分対処できると考えますが、財政運営に責任を有する政府は言うに及ばず、与野党の共同責任において混乱が起こらないよう措置されるものと考えております。  残余の質問につきましては、別の提案者から答弁をさせていただきます。(拍手)     〔中野寛成君登壇〕
  36. 中野寛成

    ○中野寛成君 佐藤敬治議員の御質問にお答えを申し上げます。  さすがに見識のある御質問に敬意を表したいと思います。  さて、税制再改革の具体的内容については、税制再改革基本法案にある国民税制改革協議会に逃げており無責任であるとの指摘にどう答えるかとの御質問でありますが、確かに自民党の一部の皆様からはそのようないわれなき非難を受けております。しかし、本当は具体的内容を示していないところにこそ意味があるのであります。それを前もって明らかにすることは、逆に私どもが主張する租税民主主義の精神に反するおそれがあると考えております。すなわち、私どもが再改革の内容までも決定したとしたら、消費税を国民の理解もないまま押しつけた政府・自民党のあしき前例を繰り返すことになるからであります。  国民の根強い不満の的である消費税を廃止し、国民とともに理解と信頼に基づく税制改革をやり直そうというのが私どもの法案提出の趣旨であります。それは、税制再改革基本法の第二条に、「税制再改革は、消費税の創設を中心とする先の税制改革が広く国民の理解と信頼を得た上で行われたものとはいい難い状況にかんがみ、かつ、消費税が廃止されることを踏まえ、改めて我が国の現在及び将来の国民生活及び国民経済の安定及び向上の基盤となる税制を確立するために行うもの」であると明記しております。  また、佐藤議員御高承のとおり、基本法という枠組みの中で税制再改革の基本原則と基本方針をできる限り明確にしておりまして、私どもの考える税制改革の方向を明らかにするため最大限努力をしております。この具体化に向け、国民の意見を広く反映させるための機関として国民税制改革協議会が設けられるのでありまして、決して責任回避と非難されることではないと私どもも考えております。(拍手)     〔菅直人君登壇〕
  37. 菅直人

    ○菅直人君 佐藤議員より物品税の問題などを含めた間接税のあり方についての御質問がございました。  間接税問題が、この間、活発に論議をされ、国民の強い関心を集めております。政府や自民党の考え方は、簡単に申しますと、物品税などは時代おくれ、広く薄く課税する消費税の方がよい、このように言うものです。しかし、こうした独断専行こそが国民の反発を招いた最大の原因であります。(拍手)  私どもは、税制再改革基本法第四条の基本原則でも明らかにいたしておりますように、直接税を主とし間接税を従とする、こういった税制を目指すことといたしております。また、第五条の基本方針では、「所得、消費、資産等に対する課税が適正に行われていること。」を明示しております。税制全体のあり方が検討される中で、あるべき間接税の具体的な姿についても決定されることになりますが、消費税のような大型間接税を実施することは全く考えておりません。  税制再改革基本法第五条に、「間接税が直接税を補完する地位にあるべきことを踏まえ、国税及び地方税における個別間接税の整理及び合理化を図るとともに、サービス、流通等に対する適正な課税の在り方について検討を加える」と明記しておりますように、物品税や酒税などの個別的な間接税を含め広く再検討しつつ、諸外国の状況を慎重に検討し、この間の論議の経過をも踏まえて、間接税の改革を行っていきたいと考えております。予断を持って、ある特定の間接税を国民に押しつけるようなことがないよう十分配慮する考えであります。(拍手)     〔中村正男君登壇〕
  38. 中村正男

    ○中村正男君 佐藤議員の質問に引き続いてお答えをいたします。  バランスのとれた課税と直間比率についての御質問をいただきました。  これは、御指摘のとおり、所得、消費、資産等に対する課税のバランスや直間比率の是正が政府・自民党の税制改革のうたい文句でありました。しかし、これらの割合の数値で税制のよしあしが判断できるものではないことは申すまでもありません。税制改革の結果として出てくるものであります。とりわけ、よく使われます直間比率の数字は、適切な減税、不公平税制の是正等の実施を怠ってきたことの結果であり、直接税の比率の 高まりそれ自体が国民の不公平感の原因なのではございません。  私どもの提案いたしております税制再改革は、これまでの税制の欠陥、不公平の一掃を図り、税制の持つ所得、資産の健全な社会的再配分機能の向上による公正、公平の確保と、経済構造、国民生活の変化に対応した均衡ある税体系の確立を目指すものでございます。  こうした税制を確立するためには、応能負担原則、すなわち能力に応じて負担するということを重視をした総合課税主義を基本に置かなければなりません。この総合課税主義に基づく応能負担を実現するためには、直接税を主とし間接税を従とした税制を構築する考えであります。  以上、お答えといたします。(拍手)     ─────────────
  39. 村山喜一

    ○副議長(村山喜一君) 山田英介君。     〔山田英介君登壇〕
  40. 山田英介

    ○山田英介君 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました野党四党提出の消費税廃止関連三法案並びに税制再改革基本法案、政府提出の消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案について、野党提案者並びに総理大臣に質問いたします。  質問に入る前に一言申し上げたいと思います。  私たちは国民の負託を受けた国会議員であります。しかるに、国民生活に大きな影響を与え、日本の政治のあり方に根本的な問題を投げかけている消費税改廃の審議に当たり、大半の自民党議員が欠席のまま議事が進行されている状態を、主権者たる国民への侮辱であり、裏切りだと考えざるを得ないわけであります。(拍手)  自民党議員の欠席が、野党の廃止法案に対して対抗することができないという判断の結果だとすれば、即刻採決をいたすべきであります。もしこの法案そのものに対する関心のなさを示すものであっても、それは審議の責任を放棄したものとしか考えられません。ならば、今即刻質疑を中止し、我々は採決を求めたいと思います。(拍手)総理はどのようにお考えになりますか。  私は、今、一方の壇上に消費税廃止法案を提出した四野党の皆さんが居並ぶ光景を目の当たりにして、緊張と感動を抑えることができません。大半の国民は、消費税を認めず、強く批判をしてきたところであります。その広範な国民の消費税拒否の声が結集され、これが廃止法案として結実し、議員立法として本院に提出されましたことは、従来政府提出の法案審議が中心であったことと考え合わせ、まさに歴史的意味を持つものと言うことができるからであります。私は、国民の声を受けて議員立法がこのように本格的に議論される姿こそ、立法府たる国会の役割かと思っております。  そこでまず、野党提案者として、廃止法案を立案された立場から、国民の声をどのように受けとめられているのか、また、議員立法の持つ意義について、見解を伺いたいのであります。  このたび政府が消費税についてこの見直し法案を提出されましたことは、それ自体重大な意味があると思われます。それは、多くの国民の声を無視した消費税導入が拙速であったことを政府みずからが認めたということであり、政府の深い反省が込められているはずだからであります。消費税導入の不当な手順、選挙公約違反などをあわせ考えるならば、政府がとるべき措置は、見直し法案を提出することではなくて、まず廃止することだったのであります。中途半端なことはなさらず、消費税を廃止し、我が国のあるべき税制について第一歩から論議すべきではなかったのでしょうか。  しかも、消費税に対し国民がいかに強く反対しているかということは、国政に未曾有の構造的変化がもたらされたことに明らかであります。さきの衆議院総選挙において自民党が安定多数を獲得したものの、参議院では与野党逆転であります。このことは、もはや自民党一党では新しい時代の国政を運営することは不可能になったということを意味するものであります。総理、このような現実に深く思いをいたされ、消費税に対する国民の厳しい批判を率直に受けとめなければならないと思うのであります。この際潔く消費税を撤廃するよう強く要求するものでありますが、いかがでありましょうか。(拍手)  一昨年以来、我が国国政は売上税、消費税に明け暮れた感が強いのでありますが、その一方で、世界情勢は、冷戦構造の崩壊など大変革を遂げ、新たな国際秩序、枠組みを模索しながらなお激動し続けているのであります。我が国の外交・防衛政策は、この歴史的変革に対応できているのでありましょうか。甚だ疑問であります。また、日米構造問題協議に象徴的でありますが、我が国経済社会のあり方は、ひとり日本だけではなく、国際的にも極めて重要なかかわりを持つに至っております。  ところが、ここ数年、消費税をめぐり与野党の対立が続く中で、土地住宅問題や社会資本の充実など真剣に取り組むべき課題がほとんど放置されてきたことは、極めて異常なことであります。政府が消費税導入をもくろんで以来の政治の停滞と混乱は甚だしく、このような事態を招いた政府の政治責任は極めて重大であると言わなければなりません。総理、この責任をどうおとりになりますのか、明確にしていただきたいのであります。  さて、このような閉塞した政治状況の打開のために、経済社会、国民生活に重大な影響を及ぼし続ける消費税の廃止法案を提出されました四野党の提案者の御努力に心より敬意を表するものであります。  そこで、今回この廃止法案の提出に踏み切った真意並びに法案提出までの経緯について、この際改めて伺いたいのであります。  消費税の存廃が大きな争点でありました本年二月の総選挙で、自民党は過半数の議席を確保しました。しかし、得票率から見て消費税について厳しい批判が示されたことも事実であり、注目すべきポイントであります。また、自民党幹部が総選挙中に消費税の再見直しを示唆されたり、総選挙の争点を体制の選択にすりかえようとした点も考え合わせるときに、議席の過半数を獲得したからといって、消費税問題に決着がついたなどとは到底言い得ないはずであります。この点について、野党提案者の見解を、どのように分析されておりますのか、伺いたいのであります。  次に、消費税の見直し法案について伺います。  政府・自民党は、国民各層の声を吸収し、消費者の立場を考慮した思い切った見直しであると強弁をしております。しかし、その内容は、飲食料品について、生産・卸段階で一・五%の軽減税 率、小売段階では非課税とするという、余りにも複雑な仕組みを導入しようとしております。また、入学金、出産費、火葬料、家賃などを非課税にするとしていますが、経済的に弱い立場に置かれている病人やお年寄り、母子家庭、生活保護世帯の人々に対する逆進性そのものを何ら解決するものにはなっておりません。さらに、消費税収入の国税分を国民福祉のための経費に優先して充当するとしていますけれども、これは単なる訓示的な規定でしかありません。福祉予算が充実される保証は何ら示されていないのであります。  このような政府・自民党の見直し案は、総理のおっしゃる思い切った見直しなどにはほど遠く、むしろそのほとんどが重大な問題を内包していると言わざるを得ません。  さらに問題点を挙げるならば、見直し案によりまして政府は飲食料品は値下がりをすると宣伝しますが、極めて疑問であるという点であります。既に触れましたとおり、飲食料品非課税は小売段階のことで、生産・卸段階では一・五%の消費税がかかります。いずれにしても、この一・五%は消費者が負担することに違いないのであります。しかも、運送費、こん包代等は従来どおり三%の消費税がかかっていること、また、事業者の経費の増大などを考えれば、一・五%軽減された部分は流通段階で吸収されてしまい、値下がり効果が出てくる保証は全くありません。したがって、逆進性という構造的欠陥も何ら解消されないことは明らかであります。飲食料品小売段階非課税は、単に三%丸々値下がりするかのような幻想を振りまいているにすぎないとさえ言うことができるのであります。  また、このような制度を導入することによりまして、さまざまな混乱が予想されます。すなわち、税率が三%、一・五%の二本立てとなることにより、事業者の事務の一層の煩雑化、負担の増大は言うに及ばず、スーパーなど、レジでの混乱は必至であります。また、外食産業の場合、同じハンバーガー、フライドチキンでも、店内で食べれば課税、持ち帰れば非課税扱い、まことに奇妙な事態が生ずるわけでありまして、このような税制では、国民の合意と納得を得ることは決してできないものと思わざるを得ません。  さらに、見直し案は、不公平、不公正の最たるものとして国民の強い批判を浴びている免税制度、限界控除制度、簡易課税制度について全く手をつけていない点は重大であります。大蔵省の試算でも、平成元年度消費税収五兆九千五百億円の中で四千八百億円もの巨額な税が事業者の手元にとどまり、国庫に入らないとされております。およそ消費者が納税をしても国庫に届かないこのような巨額の税があるなどということは、いかに政府が弁明をされましても、公平、公正という税の基本原則を踏みにじるものでありまして、到底容認することばできないわけであります。(拍手)  そして、この見直しに伴い、消費税額の表示方式を小売段階で総額表示方式にするよう指導する、こうなっております。しかし、この総額表示方式は、飲食料品については採用不可能です。飲食料品と他の商品を一緒に扱っているスーパーなどでは、その複雑性から内税万式に切りかえる動きが出てくることは必至であります。内税化は将来の税率の引き上げをたやすくさせる仕掛けにもなるものであり、この点は特に強調されなければなりません。  以上、見直し案についての主な問題点を指摘しましたが、要するに政府・自民党の見直し案は、消費税の持つ欠陥を是正するどころか、欠陥を上塗りしたものと言っても過言ではありません。これらの点につきまして、総理並びに野党提案者の見解を伺いたいのであります。  次に、野党提案の税制再改革基本法案の中では、税制再改革のための環境整備を明記し、福祉総合計画の策定をうたっておりますが、消費税導入に当たって最も欠落をしているのがこの点であります。消費税導入の目的について、政府・自民党は、高齢化社会への対応を挙げております。しかし、どのように高齢化社会へ対応するかは全く不明確であります。財源確保だけが優先されるということになれば、いたずらに国民負担が増大します。高齢化社会の財源の確保に当たっては、まず医療、年金などにつきまして福祉総合計画を立て、国民に示し、その上で負担と給付を明確にすることが重要であります。高齢化社会の全体像が示されないままに消費税の導入だけを先行させた政府・自民党の税制改革は、国民の理解を決して得られるものではないと考えるものであります。野党提案者の見解を伺います。  ところで、衆参両院の議席構成を見たときに、衆議院では与党が多数を、参議院では野党が多数を占めております。こうした政治状況下で、衆議院では廃止法案が否決、見直し法案が可決、参議院では見直し法案が否決される可能性が強いのであります。そうした場合、結果的に野党案、政府案とも不成立ということになるわけですが、そうした状況は国民の望むものではございません。このような事態が起こった場合、どのような解決方法を考えておられるのか、総理の見解を伺いたいのであります。  最後に、大型間接税たる消費税は、政府・自民党がみずからつくり出した不公平税制について、その是正には真剣に取り組まず、妥当性を著しく欠く手法をもって強行導入したものであります。見直し案は、それを専ら税負担の痛みを伴わないものにしようと腐心してでき上がったものであります。消費税に固執し、見直し案で国民の批判をかわそうとする政府・自民党のこのようなやり方を、私は到底容認することはできません。  「下民は虐げ易く 上天は欺き難し」という言葉があります。一人一人の国民の声は小さいかもしれません。しかし、小さいからといってこれを無視し続けることは何人たりともできません。さきに指摘しましたとおり、国民の不信と怒りの声が満ちあふれ、やがて奔流となれば、これがまさに天の声としておごりの姿勢を打ち砕き、政治の地殻変動をもたらすことは既に証明されたところであります。  総理、民意を尊重し、消費税は廃止するよう重ねて強く要求し、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
  41. 海部俊樹

    ○内閣総理大臣(海部俊樹君) お答えをいたします。  消費税は、従来の我が国税制が抱えていたさまざまなゆがみの是正、サラリーマン層を中心とする重税感の解消、急速に進む高齢化社会に備えた安定的な歳入構造の構築を目標として行われた先般の税制改革の一環として創設されたものでございます。この改革によって、我が国経済社会の活力を維持し、国際化に対応しながら、豊かな長 寿・福祉社会をつくるにふさわしい公平な税体系の構築が図られるものと確信いたしており、消費税の創設を含む税制改革全体は正しかったと考えております。  このように、消費税は現在及び将来の我が国にとって不可欠な税制でありますので、具体的な代案がないのにこれを廃止してしまうということは考えられないところでございます。税の負担は確かに痛みを伴うものでありますけれども、消費税は我が国の二十一世紀を支えるための必要なものと考えており、引き続きその一層の定着に全力を尽くしてまいりたいと考えております。(拍手)  住宅、社会資本の整備や土地問題は、政府の重要な政策課題と認識して、放置しておったわけでなく、真剣に取り組んでおるところであります。すなわち、社会資本整備については、NTT事業をも活用しつつ、引き続き高水準の公共事業関係予算を確保して、着実にその整備を進めておるところでありますし、また、土地問題についても、昨年末に土地基本法を制定したところであり、これに従って各般の施策のより一層の強力な推進を図りつつあるところであります。  今回の消費税の見直し案においては、逆進性の緩和などの観点から、飲食料品についての特例措置を講じますとともに、住宅家賃、身体障害者用物品、老人に対する在宅福祉サービスなどを非課税とするほか、年金生活者の方々に対しては、既に所得税や住民税において公的年金等控除額を引き上げ、一層の減税を実施したところであります。  歳出面においては、「高齢者保健福祉推進十カ年戦略」を策定し、その着実な実施を図ることといたしております。  また、値下がりの保証がないとの御指摘でありましたが、飲食料品については、一・五%の特別低税率の設定によって卸売業者が小売業者へ販売する段階で負担は確実に半分となるわけでありますし、小売段階の譲渡が非課税となることにより小売業者のマージンの三%相当額の納税が不要となるので、相当程度の価格引き下げが可能になると私は信じております。政府としては、こうした税負担の軽減分が売り値の低下という形で消費者に還元されるよう、今後関係省庁間で緊密な連携をとりつつ、最大限に努力をしていく所存でございます。  なお、一般に物やサービスを非課税としますれば必然的に個々の商品に税額を明示することができなくなりますが、これは飲食料品については非課税にという国民の皆さんの強い要望にこたえて行うものでありますから、どうぞその観点からの御検討も賜りたいと思いますし、総額表示方式については、最終消費者との取引における価格表示は個々の商品の最終的な支払い総額が何らかの形で明示されることが消費者の利益に資するものと考えられるところから、事業者の方々に対し総額表示方式についての御理解と御協力をお願いしたいと考えておるところであります。  なお、国会の構成は御指摘いただいたようにかつてない状況であり、また、見直し法案も廃止法案もともに不成立になるという前提もここで懸念をされましたが、野党の皆様も間接税の必要性自体はお認めになっておられるわけであり、流通とサービスに対する課税の必要性も提出法案で述べられておるわけでありますから、単に廃止といったことだけではなくて、さまざまな具体案もお示しいただきつつ、国の長期的、全体的な利益を追求する高い次元から御議論が深まっていきますことを心から期待をさせていただく次第であります。(拍手)     〔元信堯君登壇〕
  42. 元信堯

    ○元信堯君 山田議員の御質問にお答えをいたします。  まず初めに、消費税に関する国民の声をどのように受けとめているかという点であります。  私どもは、消費税廃止こそ国民の声であるとの思いで消費税廃止法案を提出し、その審議をお願いしているところであります。  また、廃止法案の提出と関連して、議員立法の持つ意味についてのお尋ねでありますが、現在の国会の法律案審議は、内閣提出法案が中心となっております。国会が立法府本来の役割を果たすためには、議員提出法案が全国会議員の出席のもとで審議されることが望ましいと考えるのであります。特に、衆参両院の構成からいって自民党一党では国政運営が不可能になっている今こそ、日常的に与野党が攻守所を変え、議論を繰り広げることが新しい国会運営であるべきであります。その意味からも、今回の四野党の廃止法案の提出は、極めて大きな意味があると考えるのであります。  次に、四野党が消費税廃止法案を提出した真意、法案提出の経緯並びに総選挙にあらわれた民意についてのお尋ねであります。  申すまでもなく、税は国家が課税権により国民から徴収するものであります。したがいまして、このような税の定義に照らしてみますと、新たな税制度を導入する場合はもとより、大きな変更を行う場合には、国民の理解と納得を得ることが原則であります。しかし、消費税の導入は、こうした原則が全く踏みにじられているのであります。消費税はこの際一たん廃止し、二十一世紀を展望し、国民の理解と納得を得て税制改革をやり直さなければならないというのが、消費税廃止法案を提出した我々の率直な考えであります。  私どもは、昨年の第百十六国会において消費税廃止関連九法案が参議院を通過した事実を極めて重く受けとめております。また、本年二月の衆議院選挙を野党四党は消費税廃止を公約として掲げて戦ったのであります。こうした経緯を受けて、昨年の参議院での審議の結果を踏まえ、さらに法律案の内容を再検討し、本院に提出した次第であります。  総選挙の結果は、自民党が多数を獲得したのではありますが、自民党の得票率を見ても、消費税についてはかなりの批判があったことは事実であります。自民党が議席の多数を占めたからといって消費税の存続が認められたものではないと考えております。これは、衆院選後に行われた各種の世論調査の結果を見ても明らかであります。すなわち、選挙一カ月後に実施されたある新聞社の世論調査によっても、自民党の多数議席は消費税見直しを支持したものと見るかという問いに対し、そうは思わないと答えた人が半分以上の五六%、支持されたと答えた人はわずかに三六%となっており、政治の安定は望むが消費税は別問題であるとの回答であります。他の世論調査においても同様の傾向が示されているのであります。こうした世論調査からも、衆院選の結果は消費税の存続が認められたものでないことは明らかであります。  税制改革は、国民の理解と納得を得ることが原則であります。したがって、半数以上の国民が反対する消費税は、まず廃止をするのが筋と考えるものであります。  以上で私からの御答弁とさせていただきます。(拍手)     〔中野寛成君登壇〕
  43. 中野寛成

    ○中野寛成君 山田英介議員の質問にお答えをいたします。  政府の消費税見直し案についてのお尋ねであります。  山田議員は、第一に、政府見直し案は食料品の非課税化という言葉のイメージだけが先行しているのではないかという御指摘であります。私も全く同感であります。こういうのを指して、まさに不当表示というのではないかとさえ思うのであります。(拍手)  生産・卸段階で一・五%、小売段階非課税といっても、流通過程の運送代、包装代などのコストは今までどおり三%の消費税がかかるわけであります。三%丸々価格が下がるわけではありませんし、また、軽減された税が流通の過程で吸収されてしまう可能性が強く、軽減された分だけ値下がりするという保証は全くありません。  第二は、複数税率の導入により、事業者の事務負担が増大したり、外食産業の場合、その場で食べると消費税を取られ、持ち帰ると課税をされないなどという、非常に紛らわしくなるのではないかという点であります。現行消費税への複数税率の導入はさまざまな混乱を引き起こし、ひいては、税そのものへの国民の不信が一層高まることは必至であります。  第三は、消費者が支払った税が正しく国庫に入らないという問題であります。  消費者が支払った税金が正しく国庫に納入されないということは、税の基本原則である公平、公正に著しく反するものであります。平成元年度ベースの消費税収見込み五兆九千億円のうち、約八%に上る四千八百億円の税金が国庫に納まらないという仕組みは、税の簡素化を行うためといっても、その許容範囲をはるかに超えたものと言わざるを得ません。政府は、一年間の経過を見て考えたいなどと弁解しておられましたが、見直し案で全く触れられていないというのは理解に苦しむところであります。  第四には、消費税の税額表示方法についてのお尋ねでありますが、消費税の内税化は将来の税率の引き上げを容易にすることになり、国民の心配する点ではないかと考えるものでありまして、御懸念の点については同感であります。  見直し案については、逆進性という消費税本来の構造的欠陥については何ら手を触れようとしていないばかりか、改悪の面さえ見られるのであります。先ほど来お聞きしておりますと、再三、政府は、見直し案こそその成立を国民が望んでいると言われておりますけれども、国民の皆さんが本当に望んでおられるのは、消費税廃止、税制再改革であることを重ねて申し上げて、答弁といたします。(拍手)     〔神崎武法君登壇〕
  44. 神崎武法

    ○神崎武法君 山田議員にお答えいたします。  消費税と高齢化社会への対応についてであります。  高齢化社会になれば財源対策は必要でありますが、高齢化社会においてどのような給付を保障し、また、そのため負担はどのくらい必要なのかということを政府が国民に示すことが先決であると考えるものであります。御指摘のとおり、財源確保だけが優先されることになれば、国民負担が増大することになることは避けられないと思います。現在の消費税は、高齢化社会にどのように対応するのか、全く不明でありまして、政府の「社会保障の給付と負担の展望」などの試算に基づけば、消費税の三%は将来大幅に引き上げることになってしまうのであります。この意味では、医療、年金、福祉等に関する総合計画の策定が重要であります。  我が国の高齢化社会は世界でもまれに見る速さで進行していることは事実でありますが、税制再改革の時間がないわけではありません。今のうちに国民の理解と納得の得られる税制度を確立することが第一であると考えるものであります。消費税は、政治的にも構造的にも大きな問題を残しております。また、政府の見直し案によっても、その持つ問題点は解決することは不可能であります。提出者といたしましては、消費税を廃止し、二十一世紀を展望し、高齢化社会に対応するために、税制再改革基本法案を一日も早く成立させていただくようお願い申し上げる次第でございます。  以上、山田議員に対する答弁とさせていただきます。(拍手)     ─────────────
  45. 村山喜一

    副議長(村山喜一君) 木島日出夫君。     〔木島日出夫君登壇〕
  46. 木島日出夫

    ○木島日出夫君 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となりました消費税を廃止する法律案等廃止関連四法案、及び消費税法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案、いわゆる見直し法案について質問いたします。  消費税が実施されてから一年以上が過ぎました。やらないと言って選挙で国民にうそをつき、しかも国会で強行採決を繰り返して成立させた消費税は、国民にとって廃止しかない最悪の大衆課税であったことが日々の事実で明らかになっています。消費税の影響を受け、本年三月の消費者物価は対前年比三・五%も上昇しました。国民の消費税負担額は、一戸当たり年間十万四千円以上にもなっています。中小企業者の事務負担増も深刻です。特に、高齢者世帯、母子世帯などの社会的弱者に消費税は容赦なく襲いかかっており、年金生活者からは、長生きはちっともめでたくないという悲痛な声が沸き起こっています。その一方で、一握りの大企業、大金持ちは大幅減税の恩恵を満喫しており、今税制改革で社会的不公平はますます拡大しているではありませんか。お年寄りが長生きして本当によかったと心から喜べる社会をつくるのが政治の根本目標だと私は考えますが、総理はこの国民のうめきをどう受けとめているのでしょうか、まず最初に総理に答弁を求めます。(拍手)  消費税が導入されてからこの間二回の国政選挙が行われましたが、総理は、この二つの選挙の後ろ半分だけを見て、消費税見直し案が国民から認められたと言って喜んでおるようですが、それはまことに皮相な、上っ面な物の見方であります。  今度の総選挙がどんなふうに行われたか。多くの自民党公認候補者たちは、消費税の問題に貝のように口をつぐんだだけではなく、勝手気ままに廃止、凍結、食料品完全非課税、見直し案の再見直しなどと叫んでおりました。他方、東欧の問題を持ち出し、争点そらしの体制選択論で国民の目先をごまかす選挙戦術がとられました。  特に厳しく指摘しておかなければならないことは、自民党が税制改革の一環として行った法人税減税や物品税廃止などの恩恵を大いに受けた自動車、電機、建設業界など大企業、財界から数百億円とも言われる選挙資金を調達して、史上空前の金権、買収、企業ぐるみの選挙運動を繰り広げたということであり、その結果得られた自民党の安定過半数だということです。ちなみに、昨年七月の参議院選挙における買収による総検挙人員は一千四十六名なのに対して、本年二月の衆議院総選挙の買収総検挙人員は何と六千七百八十九名にも上ります。  総理、あなたはこれでもまだ、総選挙の結果消費税見直し案は国民から認められたと言い張るおつもりですか。もっと謙虚にみずからの姿を省みなければならないと思いますが、いかがですか。  総選挙直後に行われたNHKの世論調査で、自民党が多数を占めたことで国民が消費税を認めたことになるとは思わないという回答が実に七四%もあったということは、二回の国政選挙を経た今日においても、主権者国民の意思はあくまでも消費税無条件廃止にあると考えるものでありますが、昨日の参議院福岡補欠選挙の結果も踏まえて、総理並びに廃止法案提出者の見解をお伺いいたします。  次に、いわゆる見直し法案について総理及び大蔵大臣に伺います。  今回の見直し法案が消費税の一層の定着を図る目的で提出されてきたものであることば、提案理由からも明らかですが、政府の本当の意図は、税率三%での定着ではなく、将来の税率の大幅引き上げにあるのではありませんか。総理、あなたは、消費税が二十一世紀を支えるために必要なものと言いながら、将来の見通しについては全く口をつぐんでいます。しかし、現実には、次々と消費税の税率引き上げの誘惑は強まるばかりではないのですか。  今年度予算で、政府は、消費税の税収を前年度比二兆円以上も多く見積もり、それを財源に、軍事費については、ついに四兆円の大台を突破させたばかりではなく、九一年度からの五年間で二十三兆円を超える新たな大軍拡計画を開始しようとさえしているのであります。消費税の本当のねらいが軍拡財源の確保にあったことは、この政府予算を見ても明らかなのであります。  それだけではありません。消費税が導入された途端に、アメリカは日本に次々と無理難題を突きつけ、途方もない財政支出を要求してきています。  その一つは、国防歳出権限法です。アメリカは日本に対して、軍事費とODAの合計額を三年間でNATO並みの国民総生産の三%、すなわち現在の三倍、毎年十数兆円もの予算を組むよう求めてきております。その二つは、日米構造協議において、今後十年間に五百兆円の公共投資を行うことを最終報告に盛り込むよう要求していると報道されていることです。毎年五十兆円を超えるとてつもない数字であります。我が国の国家主権を侵害し、日本軍国主義復活の懸念をアジアの諸国民に増大させるこのようなアメリカの理不尽かつ際限ない要求は、きっぱりと拒絶すべきであります。  総理が将来の消費税の税率問題に口をつぐんでいるのは、こうしたアメリカの不当な要求を受け入れる腹づもりがあるからではないのですか。国民に対してまともな説明もせず、定着のために見直すというだけでは、余りにも無責任きわまりないものであります。総理の明確な答弁を求めるものであります。(拍手)  次に、見直しの中身についてお伺いいたします。  第一は、見直しによる減税効果の問題です。  総理は、今度の見直しは思い切った見直しだと盛んに吹聴し、その目玉に、食料品の小売段階の非課税、前段階一・五%の軽減税率の適用を挙げ、その他のささやかな非課税措置とあわせ、総額一兆二千八百億円の減税になると大宣伝しています。ところが、これは、政府が公式に発表した資料に照らしても、とんでもない水増し宣伝であります。我が党の厳密な試算によれば、食料品に関する減税は全部で三千八百億円程度にしかなりません。これは家計全体から見れば〇・二%というまさに微々たるものにすぎません。詳細は省きますが、我が党は、既に、政府の見直し案を詳細に分析した結果、増税分も含めると減税効果は三千六百億円にすぎず、政府・自民党の宣伝は三倍も水増しであることを明らかにしています。政府は、宣伝している減税額の根拠を客観的な裏づけをもって明らかにしていただきたい。それができないのなら、国民だましの水増し宣伝はきっぱりとやめるべきであります。  第二は、税額表示の問題です。  食料品の小売段階非課税化は、消費者にとっては負担した税額が見えなくなることを意味します。しかも、政府は、これまで外税方式であったものもすべて内税方式にさせるというのであります。総理は、施政方針演説において、消費者の立場に立脚して見直したと述べておりますが、総理の言う「消費者の立場」とは、目隠しをして痛税感を失わせることなのでしょうか。中曽根元総理は、税の極意は羊が鳴かないように毛をむしることだと言いましたが、これは租税民主主義の観点からも断じて許されないことと考えますが、 海部総理も同じ考えなのでしょうか。  第三に、複数税率導入の問題です。  これは中小零細業者にとって耐えがたい煩雑な作業を強制することとなるものであり、将来の税率引き上げを容易にするものですが、これが総理の言う生活重視の見直しなんでしょうか。  第四に、消費税の使途の問題です。  見直し法案には、「消費税の収入については、毎年度、社会福祉社会保障その他の国民福祉のための経費に優先して充てるものとする。」とあります。しかし、消費税収入が福祉の財源に充てられる保証は一体どこにあるのでしょうか。たとえ消費税収入が福祉に回ったとしても、その分だけ一般財源から福祉に回す金額を減らし、軍拡などに振り向けるゆとりを大きくするだけにすぎないのではないですか。納得できる答弁を求めます。  最後に、消費税廃止法案の提出者にお尋ねをいたします。  消費税廃止法案は、国民の意思に沿ったものであり、歓迎するものですが、同時に提案されている税制再改革基本法案については、重大な問題点を指摘せざるを得ないのであります。同法案には、「サービス、流通等に対する適正な課税の在り方について検討を加え、その結論を得る」とありますが、これはまさにあなた方が廃止を求めている大型間接税復活への道につながっていくのではないでしょうか。このことが、政府・自民党から、野党も大型間接税の必要を認めている、それなら見直しでもいいではないかとの攻撃の絶好の標的となっていることをどう考えているのですか。  しかも、審議が始まったばかりの現時点で既に、税特委での審議をそこそこに切り上げ、国会の正規の機関ではない協議会で消費税存続を前提とした決着をつけてしまおうという動きさえ取りざたされています。かつて、直間比率見直しの議長あっせんを受け入れて設置された税制協議会が、国民に開かれていない密室協議の結果消費税導入に道を開いた歴史は、二度と繰り返してはなりません。今最も大切なことは、消費税について、国民の目にはっきりと見える形で、すなわち、正規の国会の機関である税制問題等調査特別委員会において徹底した審議を尽くすこと、そして、二つの国政選挙で国民にはっきりと公約したとおりに、消費税廃止の立場を貫いて、筋を通して頑張ることではないでしょうか。明確にお答えください。  消費税は無条件に廃止すべきである、これが国民の明白な意思であります。民主政治の基本は、国民が主人公という立場を貫くことであります。我が党は、自民党の消費税見直し、存続の策動に断固として反対し、国民の求める消費税無条件廃止のために全力で奮闘することを表明して、質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
  47. 海部俊樹

    ○内閣総理大臣(海部俊樹君) お答えをいたします。  消費税が実施されてから一年経過しております。この間の実施状況、すなわち、転嫁あるいは物価や消費への影響あるいは消費税の申告、届け出状況などを見ておりますと、これは国民の皆様の御理解と御協力のたまものでありまして、私は心から感謝をしておるところであります。  消費税導入に際しましては、真に手を差し伸べるべき方々に対してはきめ細かな配慮をそれぞれ行ってまいりましたほか、今回の見直しにおきましても、各種の非課税措置や歳出面の措置など幅広い施策を講じておるところであります。  総選挙の結果にお触れになりましたが、私は、総選挙こそ極めて厳粛な国民の皆さんの審判であると考えております。今回の総選挙において自民党が多数を占めましたことについては、私は、これまで自民党が推進してきた内政、外交にわたる政策が、国の平和と国民生活の安定向上を目指したその政策努力が、全体として国民の皆様の御支持をいただけたものと謙虚に受けとめさせていただいております。  特に消費税につきましては、立派な消費税に対する議論にはいつも耳を傾けながら私も反論をさせていただき、党首討論会でも立会演説でも、税の問題は楽しい話ではありませんけれども国民の皆さんにはお願いをしなきゃならぬから聞いてくださいと言って、争点として真正面に掲げて論争をしてきたつもりでありますし、また、消費税廃止を主張された野党の首脳も、総選挙は消費税存続を問う国民投票の意味を持つものと言われたではありませんか。この野党が過半数を下回り、消費税の存続、見直しを主張した自民党が安定多数の議席を結果として得たということを私は謙虚に受けとめさせていただいて、税制改革への一層の御理解をお願いしたいと考えております。これは選挙の結果の事実でございます。(拍手)  世論調査にも触れられましたが、最近の新聞の世論調査の結果を見ます限り、全体としては、消費税について、廃止という御意見よりも、存続を前提とする見直しをせよ、見直しをして存続という御意見の方が相当上回っておるものと私は受けとめさせていただいております。消費税の存続を前提に見直しを通じて定着を図っていくというのが一つの方向ではないでしょうか。  私は、今回の消費税の見直しは、消費税の一層の定着を図るという観点から、国民皆さんの御意見を踏まえ、世論調査の方向等も見定めながら、将来の税率引き上げを意図したものとは全く違いますから、税率引き上げを意図したという御批判は当たらないということをここで申し上げさせていただきます。  また、一般に物やサービスを非課税とすれば税額が明示できなくなることは、これは結果的に生ずることでございます。食料品の小売段階非課税措置は、国民の強い要望にこたえるために行うものであり、世論調査で一番多かった項目もこの食料品の非課税という問題ではなかったかと私は受けとめておりますので、この御要望にこたえての措置と御理解をいただきたいし、また、何らかの特別な措置を設けることによって、その結果事業者の方々に事務負担がふえるではないか、このことについては事業者の方々に率直にお願いをして御理解をいただいていきたいと考えておる次第であります。  また、消費税は高齢化社会に備えるために導入されたことを踏まえまして、今回の消費税の見直しにおいて、政府は、平成二年度以降消費税収入のうち国分について国民福祉のための経費に優先して充てる旨の趣旨規定を定め、これは国の姿勢を明確化したところでありますから、御理解をいただきたいと思います。(拍手)     〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
  48. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 私からお答えをすべき点が四点ございます。  第一点は、アメリカと日本との関係についてさまざまなお問い合わせでありました。  我が国とアメリカ合衆国との関係は、強い相互依存関係を背景として、日米双方にとり極めて重要であり、また、日米両国は世界の繁栄などに対して大きな責任を共有していると私は考えております。したがって、我が国としては、防衛、経済あるいは対外援助等の政策について、米国と緊密な協議、協調を行うことは当然であります。しかしながら、これらの政策について、言うまでもなく、あくまで我が国自身の問題として、我々自身がこれを決していかなければなりません。  次に、今回の減税額の根拠がお問い合わせのもとになりました。  消費税の税収については、新税であり、税収実績も出ていないことから、従来から法人企業統計などの各種統計資料に基づき積み上げで見積もっておるところであります。今回の見直しの減税額の見積もりに当たりましても、今までと同じ統計資料、計算方式により一貫して計算したものでありまして、水増し宣伝という御指摘は当たらないと思います。  また、簡易課税あるいは免税点制度の適用上限あるいはみなし仕入れ率等についてのさまざまな御意見のあることは、私どももよく承知をいたしております。そして、これらの制度は、そのときどきの社会経済情勢などと深く関連する政策判断の問題でありますから、一昨年末の衆議院本会議における議員修正によりまして追加された税制改革法第十七条第三項において、納税者の事務負担、消費税の円滑かつ適正な転嫁の実現状況等を踏まえ、見直すことが定められていることでありまして、政府といたしましては、この点を踏まえ、これらの制度のあり方について、消費税の申告・納付が一巡する平成二年五月まで実態把握を行った上、これらの制度をどう見直すか十分検討の上提示すること、既に閣議で決定をしておるところでございます。  また、総理からお触れになりましたが、消費税が福祉に使われておりますというその内容についてでありますが、もとより「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を初めとする社会保障政策の推進は消費税のみで対応できるものでないことは御指摘のとおりであり、今後ともに、制度、施策の適正化、効率化の努力を払いながら、消費税を含む財源を国民福祉充実のためにできる限り振り向けてまいりたいと考えております。  年金についての国庫負担についての御意見がございましたけれども、六十年の年金改革におきまして、全国民を通じて負担の公平を期するための国庫負担が基礎年金三分の一に集中されているところでありまして、私どもとしては、この状況をこのまま続けていきたいと考えております。(拍手)     〔中野寛成君登壇〕
  49. 中野寛成

    ○中野寛成君 木島日出夫議員にお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、本年二月の総選挙直後のNHK世論調査では、七四%もの人が、今回の選挙で自民党が過半数を大きく上回ったからといって消費税が認められたとは思わないと回答していることは、私も存じております。  さきの総選挙で、本来ならば、自民党の見直し案と野党の廃止案のどちらを選択するか、それが最大の争点となるはずでありました。しかしながら、海部総裁は、この争点を巧みにそらし、野党が議席を大幅にふやせば日本は大混乱に陥ると、国民の不安につけ入る戦術をとりました。したがって、さきの総選挙で自民党が大勝したからといって、現行の消費税の存続を認めるなど、もってのほかであると存じます。  いずれにせよ、NHKの世論調査の七四%という数字は、大多数の国民の気持ちを反映したものであると考えております。だからこそ我々もこの国会に消費税廃止関連法案を提出しているわけであります。消費税を廃止し、税制改革を真剣にやり直すこと、これこそが主権者国民の意思であり、この声にこたえるため全力を注いでいく決意であります。  次に、税制再改革基本法案におけるサービス・流通課税に関しての御質問にお答えをいたします。  議員御指摘のとおり、私どもは、税制再改革基本法案第五条におきまして、「サービス、流通等に対する適正な課税の在り方について検討を加え、その結論を得ること。」との文言を盛り込んでおります。我々は、間接税が直接税を補完する地位にあるべきことを踏まえ、国税及び地方税における個別間接税の整理及び合理化を図ることを主張しておりますが、その際には、サービス、流通等に対しましても適正な課税のあり方を追求していくことを税制再改革の基本方針の一つとしております。  我々は、単に消費税を廃止するだけでなく、その後いかに税制改革をやり直すかという方法について明確に示すことが公党の責任であると考えております。消費税の廃止によってサービス課税が一切なくなること等から、それにかわって必要となる課税のあり方を論議するのは当然のことと考えております。  また、木島議員は、このことを指して、大型間接税の復活そのものであり、政府・自民党が野党を攻撃する格好の材料となっていると指摘されておりますが、ここのところが私どもの認識とちょっと違うところでございまして、我々は、自民党政府と違い、租税民主主義を最大限尊重し、国民の意見を十分に聞いて間接税改革を進めていきたいと考えている次第であります。ですから、間接税についても、国民税制改革協議会で十分な論議が行われ、国民の期待する改革が達成できると確信をいたしております。(拍手)     〔森井忠良君登壇〕
  50. 森井忠良

    ○森井忠良君 きょうからいよいよ野党四会派提出の消費税廃止法案とそれから政府提出の消費税見直し法案とが正式に議題となって、いよいよ審議が始まるわけでございますが、木島議員は、税制問題等に関する調査特別委員会での審議もそこそこにいたしまして国会の正規の機関でない政党間協議で決着をつけてしまおうという動きがあるが、どうかという御懸念がございました。  私たち八名は、四会派の代表といたしまして、先般の選挙公約である消費税廃止法案の国会提出者となったものであります。私たちの目標は、ただいま御審議いただいております消費税法廃止法案など四法案の成立でございまして、それに全力を傾注する決意でございます。  消費税は公約違反の欠陥税制でありまして、その欠陥ゆえ、政府においても今日見直し法案を提出せざるを得ない状況になっておるわけでございます。しかも、その見直し法案も欠陥を是正するに至っていないと私どもは理解をいたしております。まさに消費税を廃止し、税制再改革を推進することこそ、国民の理解と信頼に基づく税体系をつくり上げる道であると確信をいたしております。  十分な審議を行われることを心から期待をいたしております。(拍手)     ─────────────
  51. 村山喜一

    ○副議長(村山喜一君) 伊藤英成君。     〔伊藤英成君登壇〕
  52. 伊藤英成

    ○伊藤英成君 私は、民社党を代表して、ただいま議題となっております野党四会派の共同提案である消費税廃止関連四法案及び政府提出の消費税 法及び租税特別措置法の一部を改正する法律案に関連し、一括して質問を行うものであります。  まず、私は、このたび消費税廃止法案等を提出をした四野党の皆様方の御努力に敬意を表したいと存じます。(拍手)  さて、消費税廃止関連四法案について伺います。  我々は、高齢化社会に向かって、直間比率の是正や勤労所得者に偏った課税など、税の不公平、不公正を抜本的に是正することを強く求めてまいりました。しかし、竹下内閣のもとで実施された消費税は、まず第一に、国民の合意や国会の審議が不十分なまま強行されたこと、第二に、資産課税の強化、適正化を見送ったことなど、不公平税制の是正も国民の期待にこたえておらず、我々が求める抜本改革とはほど遠いものでありました。その結果、国民の間にさまざまな混乱を招き、政治もまた混迷の中にあると言わざるを得ません。したがって、我々は、税制改革全体について、国家国民の立場から改革を進めるべきだと確信をいたします。  以上の立場に立って、まず消費税廃止についてお尋ねをいたします。  今日、消費税廃止についてさまざまな意見が提起をされております。  まず第一に、消費税を廃止すればコンピューターソフトなどの更新等で膨大な経費を要する、税収六兆円もの消費税廃止はインフレを招く、あるいは、一度上がった物価は消費税を廃止してももとに戻らないとの声もあります。こうした意見に対する提出者の明確なる御所見を求めるものであります。  質問の第二は、有価証券の譲渡益についてであります。  提出者は、消費税廃止の代替財源確保策の一つとして、有価証券譲渡益課税の源泉分離課税を強化し、有価証券取引税の引き上げを打ち出しております。株式市場が低迷している今日、このような改正を実現すれば、我が国の資本が海外に逃避し、金融が空洞化し、証券業界の壊滅的な打撃は免れないとの懸念が提起されております。また、昨今の株式市場の状況からすれば、期待どおりの増収が得られるか疑問視する声もあります。これらについて、提出者の見解を求めるものであります。  質問の第三は、法人課税についてであります。  提出者は、法人税の基本税率を三七・五%から四〇%に引き上げることを考えているのか。その場合、昨年の参議院の代替財源案当時とは異なり、現在既に基本税率が三七・五%となっていることからすれば、今回は企業増税となります。国際的視点に立った税制の確立が求められている今日、このような企業増税は問題であること、と同時に、法人の競争力を低下させ、我が国経済にはかり知れない打撃を与えかねないとの批判が噴出するおそれが予測されます。この声に対して提出者より責任ある回答を求ます。また、一年後の法人税率はどうするのか伺いたいと思います。  質問の第四は、消費税廃止に伴う財源措置として予算の組み替え要求の中で想定されておる物品税など旧間接税の復元についてであります。  これについては、はるかに合理的で公平な消費税を廃止をし、わざわざ旧態依然とした物品税等を復元することは、国民生活の現状、経済のソフト化、サービス化を無視している、あるいはゴルフ用品は課税、テニス用品は非課税という矛盾がまた復活する等々の手厳しい批判があります。この批判に対して提出者より納得のいく答弁を求めるものであります。(拍手)  次に、政府の見直し案について総理並びに大蔵大臣に質問をいたします。  まず、食料品の扱いでありますけれども、生産・流通段階で一・五%の課税、小売段階で非課税とする政府案は、税の理論を欠いた無節操かつこそくなやり方であり、極めて大きな問題があることを明確にしておきます。  消費税は、仕組み自体に欠陥がありますけれども、唯一のメリットは課税ベースが極めて広いことだとする論があります。課税ベースを縮小しようとすることは、税理論から一歩後退したものだとの意見がありますが、いかなる税の理念からの見直しを行うのか、総理の明確なる御所見を求めます。  政府の見直しは、事業者には事務負担増をもたらし、消費者には値下げのメリットが薄くなるだけで、新たな混乱や不公平をもたらすことになります。これらの批判に対して総理はどう考えているのか、答弁を求めるものであります。  次に、帳簿方式について伺います。  消費税の最大の特徴は帳簿方式にありますが、これを改めない限り、今回の政府案のように小手先の見直ししかできないのであります。まさに今回の見直しは帳簿方式の限界を明確にしたと思わざるを得ません。付加価値税であるならば、当然インボイス方式をとることが税の公平、公正という基本理念に合致するものでありましょう。この帳簿方式を改めなかったのはなぜか、また、政府はインボイス方式についてどのように考えているのか、将来、インボイス方式に改める考えはないのか、総理の具体的な見解を伺いたいのであります。  次に、消費税の欠陥として指摘されてきた簡易課税、限界控除、高い免税点について伺います。  消費者の間に、必要な税は払いましょう、しかし消費者の払ったその税が本当に国庫に入っているのかとの批判や不満があります。今回の見直しは、これら国民の期待に全くこたえておりません。簡易課税は、みなし率を政令とするのみで内容は全く不透明であり、あまつさえ課税売上高五億円に全くメスを入れていないのは問題であると私は考えます。簡易課税制度に今後どのようにメスを入れる方針なのか、大蔵大臣の見解を伺いたいのであります。  また、非常に高い免税点の水準も問題であります。三千万円という免税点は、世界的に見ても高過ぎます。諸外国では六百万円から七百万円あるいはそれ以下と聞いております。この高い免税点は、簡易課税と相まって、消費税の負担関係があいまいになったり、価格体系がゆがめられる要因となっております。適用課税水準を思い切って引き下げる考えはないか、大蔵大臣の明確なる答弁を求めるものであります。  次に、限界控除制度でありますが、この制度は、間接税の世界に直接税方式を持ち込んだものであり、廃止すべきだとの意見が強いのでありますが、廃止を含め見直す考えはないのか、大蔵大臣の見解をただしたいのであります。  次に、消費税と高齢化社会との関連について伺います。  政府は、消費税導入は高齢化社会を支えるために不可欠であることを強調し、今回の見直しでは福祉に優先的に配分をする規定を盛り込んでおりますが、これはあくまでも訓示規定であって、本当に福祉に使われたか否か判然といたしません。私は、消費税が福祉に使われていると国民に明確にわかるように、例えば年金について、基礎年金の国庫負担は将来は税で賄うことを基本として、当面三分の一の国庫負担を二分の一に引き上げることをセットで国民の前に示すことこそ国民の期待にこたえた政治だと考えます。この私の考えに対して、大蔵大臣の積極的な答弁を期待してやみません。  次に、税率の歯どめに関連をして伺います。  税率を三%のまま変更しないと総理は明確にしておりますが、問題の根本は、本格的な行政改革を断行し、その環境を整えていくことであります。行政改革はいまだ道半ばと言われております。しかも、行政改革について、最近はかけ声だけで忘れられてしまっているとさえ言われます。行政改革について本気に取り組むのか、総理の明確なる決意をいただきたいのであります。(拍手)  最後に、現在のいわゆるねじれ国会のもとでは、廃止法案もそしてまた見直し法案もともに廃案となり、現行消費税が残ることになるでありましょう。そのような決着だけでは、与野党ともに国民の期待に反することになり、政治不信を増大させるだけであります。また、土地税制を含めた資産格差の是正、いわゆる不公平税制の改革など、税制の課題は山積をしております。特に深刻な土地問題の解決は、大都市サラリーマンを初め国民が強く政治に期待する課題となっており、土地税制の思い切った見直しが求められております。したがいまして、早急に与野党で税制協議機関を設置して、各党が国民のために本当のことを本音で語り合い、公平、公正、活力、国際性を基本理念とした税制を確立すべきであると考えます。(拍手)  今、世界の情勢は激動しております。内外の課題は山積をしているわけでありますから、いつまでも決着のつかない議論を続けていることはできません。この問題は早急に結論を出さなければならないと私は考えます。このことを強調して、かつ、総理の見解を求めて、私の質問を終わります。(拍手)     〔内閣総理大臣海部俊樹君登壇〕
  53. 海部俊樹

    ○内閣総理大臣(海部俊樹君) 伊藤議員にお答えを申し上げます。  消費税のような課税ベースの広い間接税は、税の水平的公平に資するものであり、こうした消費課税を税体系の中に組み入れていくことは、他の税制と組み合わせることによって実質的公平に資するものと考えております。  消費税に関しましては、国民各層からさまざまな御意見がありました。政府においては、消費税の一層の定着を図るとの観点から、御指摘いただいた点はすべて検討の対象とし、税制としての理論的整合性だけでなく、現実の社会経済や国民心理により適合させていく観点からも真剣な検討を行い、公平、中立、簡素という基本理念を念頭に置きながら、最善と確信する消費税の見直し法案を国会に提出しておるところでございます。  また、今回の消費税の見直し案には、逆進性の緩和や社会政策的配慮の充実など、幅広い視野から、歳出面も含め、さまざまな措置が盛り込まれております。  見直し案は、事業者に事務負担を増加させるものではないかとの御指摘でございますが、消費者の立場からの国民の要望にこたえるために飲食料品等について何らかの特別な措置を設けることとすれば、その結果事業者の方々に事務負担をお願いすることにもなりますが、見直し案の策定に当たっては、その負担をできるだけ軽減するように工夫したところであり、また、事業者の方々にも御理解と御協力をお願い申し上げる次第でございます。  また、消費者には値下がりのメリットが薄くなるとの御指摘もありましたが、飲食料品については、一・五%の特別低税率の設定により卸売業者が小売業者へ販売する段階で負担が確実に半分となり、小売段階の譲渡が非課税となることにより小売業者のマージンの三%相当額の納税が不要となりますので、相当程度の価格引き下げが可能になるものと信じております。  また、いわゆる帳簿方式か伝票方式かという問題については、消費税のような多段階の間接税におきましては、仕入れ税額控除の基礎となる仕入れ税額の把握を何に基づいて行うかという方式の問題でありますが、帳簿方式を採用したからといって経理処理や納税が直ちに不透明になるというものではないと考えておりますし、仕入れ税額の把握をいずれの方法で行うかは、非課税取引や軽減税率等の特例がどの程度の範囲か、あるいは企業の伝票処理の実態や在庫管理等の経営管理の実態等を総合的に勘案して決定すべきものと私は考えます。  消費税においては、売上税の税額票方式に対する強い御批判を踏まえて、事務負担軽減の観点から帳簿方式を採用したこと、消費税に係る実際の事務処理において、帳簿方式が事業者の負担軽減に寄与していること、帳簿方式のもとにおいて税務執行上特段の問題が生じていないことなどから、今回の見直しにおいては帳簿方式について特段の措置を講じていないものでありますが、なお、税制調査会フォローアップ小委員会の中間報告においてもいろいろな御指摘のあることも踏まえまして、今後とも適切にこの問題には対処をしていく考えでございます。  行政改革についてお触れになりましたが、行政を取り巻く内外の環境の変化に的確に対応して二十一世紀を展望した活力ある経済社会を構築していくために、去る四月十八日に提出されました第二次行革審の最終答申を受けて、直ちに、これを最大限に尊重しつつ国・地方を通ずる行財政の改革を引き続き推進する旨の基本方針を閣議決定いたしておるところでございます。御提案のとおり、今後とも新たな気持ちを持って行政改革の推進には努めてまいる考えでございます。  また、税制の問題について協議機関の設置等について御指摘がございました。  伊藤議員の御指摘のように、国会において十分な審議が行われ、それぞれの考え方を国民の皆様の前に明らかにした上で、議会制民主主義の原則にのっとってしかるべき取り扱いが決定されることになるものと私も考えます。いずれにいたしましても、政府は、既に提出している見直し法案に ついて、十分な御審議をいただき、成立するよう引き続き最大限の努力を傾けてまいる所存でありますが、伊藤議員の御意見は、国会の状況等諸般の情勢を勘案して、与野党がその責任を果たすとのお立場から、各党合意のもとに消費税の問題等について忌憚のない話し合いを行う場を設け、早期に結論を出そうとされることであると私は受けとめさせていただきますが、これについては政府としては異論を差し挟むものではございません。  いずれにしても、我が国の現在及び将来にとっての望ましい税のあり方については、議員御指摘の公平、公正といった重要な税の理念を踏まえて、国民の全体的、長期的な利益といった高い次元からの議論が深まっていきますことを心から期待させていただきます。(拍手)     〔国務大臣橋本龍太郎君登壇〕
  54. 橋本龍太郎

    ○国務大臣(橋本龍太郎君) 私からお答えを申し上げる点は二点であります。  まず第一点、簡易課税初め関連の分野についてのお尋ねでありますが、税制が国民経済の中で機能いたしますために国民の御協力をいただくことは当然大切なことでありまして、その意味で、税制における公平性と簡素性、極めて重要な要請であります。  消費税の事業者免税点制度あるいは簡易課税制度など、中小事業者に対する特例措置と申しますものは、この種の税になじみの薄い我が国の現状を考えまして、この二つの重要な要請の間でぎりぎりの政策的判断の結果として設けられたものでありまして、この種の制度が諸外国の付加価値税において広く採用されておりますことも、またその必要性が広く認められておることも、議員御承知のとおりであります。  しかし、これらの制度につきましては、消費者を中心として公平性の観点からさまざまな御意見が出ておりますことを私どもも承知をいたしております。同時に、これらの制度は、そのときどきの社会経済情勢などと深く関連する政策判断の問題でありますから、一昨年末の衆議院本会議における議員修正により追加されました税制改革法第十七条第三項において、納税者の事務負担、消費税の円滑かつ適正な転嫁の実現状況などを踏まえて、見直すことが定められているものであります。  政府としては、こうした点を踏まえ、これらの制度のあり方について今回見直すこととしておりまして、消費税の申告・納付が一巡する平成二年五月までは実態把握を行うと申し上げてまいりました。今回、これらの各税務署からの報告を集計し、分析をし、どう見直すかを十分検討いたしました上御提示するよう努めてまいるつもりであります。公平性と簡素性というバランスをできるだけ図っていくという観点を忘れずに、誠実に対応したいと考えております。  また、消費税の使途についての御指摘がございました。  総理からもたびたび申し上げてまいりましたことでありますが、消費税の見直しにおきまして、平成二年度以降の消費税収のうちの国分につきまして、「毎年度、社会福祉、社会保障その他の国民福祉のための経費に優先して充てるものとする。」この趣旨規定を定めることにしております。これは、消費税の使途につきまして国の姿勢を明確化したという意義があるものと考えております。  しかし、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を初めとする社会保障政策の推進は、消費税だけで対応できるものではないことはもう御指摘のとおりであります。今後ともに、制度の、また施策の適正化、効率化の努力を払い続けながら、消費税を含む財源を国民福祉充実のためにできるだけ活用してまいりたいと考えております。  ただ、議員から御指摘がございました基礎年金の国庫負担につきましての点については、私どもは必ずしも意見を一にいたしておりません。今、御承知のように、六十年の年金改革におきまして、全国民を通じての負担の公平化という視点から、国庫負担を基礎年金の三分の一に集中しているところでありまして、年金、医療、福祉など社会保障全般につきまして、現行の国庫負担割合のままでも今後の高齢化の進展に伴いまして費用負担が大幅に上昇することを考えてまいりますと、私は、現在の基礎年金の国庫負担割合を引き上げることには非常な困難があると考えております。(拍手)     〔菅直人君登壇〕
  55. 菅直人

    ○菅直人君 伊藤英成議員の質問にお答えいたします。  税制特別委員会でも出るであろう多くの質問、課題を指摘をいただきまして、この本会議の席でそうした懸念を払拭する答弁の機会を与えていただきまして、本当にありがとうございます。  まず、消費税の廃止によって、コンピューターソフトのつくり直しなど事務負担の増加が懸念される、また、インフレの招来が懸念される、あるいは、消費税分の物価がもとに戻らないのではないかといった、そういった懸念を指摘をいただきました。  コンピューターソフトなどのつくり直しによる事務負担の問題でありますけれども、確かに、消費税の導入の際と同じように、廃止をしたときにもそういった問題が生ずると思っております。できるだけ負担を軽減するために、それらの事務負担については租税特別措置法の中で損金扱いとする措置を講じております。全体の消費税廃止という問題の中で御理解をいただきたいと思っております。  また、インフレの懸念という問題についてでありますけれども、消費税約六兆円を廃止するだけではインフレが起きるという懸念が一部から指摘をされていることは聞き及んでおります。私どもは、この再改革において、財政のバランスを考えまして、昨年の参議院においても代替財源五法案を提出したことは御承知のとおりであります。今回も、これらの五法案で示した代替財源の考え方を既に予算の組み替え要求でも述べておりますけれども、その考え方を踏襲し、財政のバランスを考えての改革でありますので、御懸念のインフレは生じないと私どもは確信をいたしております。  さらに、消費税が廃止されてもその分の物価が下がらないのではないかという懸念であります。消費税に見合う物価の引き下げは、まさに行政当局の責任でありまして、私どもも、物価が適切に下がるように行政に対し対策を講じさせていかなければならない、このように考えているものであります。  欠陥消費税を廃止をして、そして土地税制など資産課税を含め税制再改革をやり直すことが国民の声であり、消費税を廃止すれば国民生活にプラスとなり、また、経済社会への混乱はそれほどではないと私どもは考えております。  次に、物品税についてお答えを申し上げます。  物品税の復元は時代に逆行したものではないかとの批判があるという御指摘であります。物品税は、課税物品の消費に示される担税力に照応した課税を行うものでありまして、消費に対する課税としては、消費税と異なり逆進性も少ないものでありまして、間接税として決して劣るものではないと私どもは考えております。  また、課税品目の矛盾が生じるのではないかという御指摘についてでありますけれども、物品税の課税、非課税の矛盾は、単に国民の消費の多様化に伴ってぜいたく品の判断基準が明確になってきたために生じたということだけではないと考えております。つまり、現在の社会経済の進展に対して物品税の仕組みがついていかなくなった結果が現在の矛盾として指摘をされていることだと思います。つまりは、一昨年まで実施をされていた旧物品税の矛盾をもたらした最大の原因は、長年政権を担当してきた政府・自民党の無策にあるのであります。(拍手)例えば、新規物品に課税をしようとすると、政治圧力がかかってかけられないといったことも少なくない、こういったことが実情ではないかと思っております。  したがって、物品税については御指摘のような問題があることは十分承知いたしておりますけれども、今回の措置は再改革までの一年間の暫定措置でありまして、税制再改革の中で御指摘のような不合理が是正されることになろう、このように考えております。  以上、私からの答弁とさせていただきます。(拍手)     〔中野寛成君登壇〕
  56. 中野寛成

    ○中野寛成君 伊藤英成議員にお答えをいたします。  さすがに伊藤議員からは、野党といえども決して軽視してはならない重要な問題について指摘をされました。私ども、またそれらの問題について真剣に論議をし、そして次のような見解のもとに法案を提出することと相なりまして、一部の皆様の懸念を払拭するための質問と機会をいただいたことを改めて感謝をしたいと思います。  有価証券譲渡益課税について私どもの示した案は、我が国の証券市場の実勢に見合った税負担を求める措置でありまして、個人投資家を飛散させたり、株価の暴落を招来するものとは考えておりません。  確かに、御指摘のとおり、最近株価市場がやや低迷していることは承知をいたしておりますが、我々も政府の見積もりをベースにして税収を見込んでいるものでありまして、極端に税収が落ち込むことはないと確信をいたしております。  ちなみに、アメリカでは、有価証券譲渡益課税については総合課税が実施され、名寄せにより個人株取引が捕捉されております。この見地からも、野党案は必ずしも厳しいものとは言えないと存じます。  また、我々は、キャピタルゲイン課税強化という一要因だけで大口投資家が海外に逃避するとは考えておりません。海外に資産をシフトさせるにいたしましても、海外市場に対する情報量、為替、時差などのリスクを背負い込むことになるからであります。  なお、我が国経済の国際化、世界経済における地位の向上に伴い、世界の金融・株式市場に占める我が国の重要性は極めて大きく、世界経済の安定に大きなインパクトを持つに至っております。したがって、世界経済の安定に配慮しつつ、株式のキャピタルゲイン課税につきましては、その適正化、総合課税体制の整備に取り組んでまいりたいと考えております。  次に、法人税の基本税率の引き上げは、企業の国際競争力を低下させ、我が国経済に打撃を与えるのではないかとの懸念があるという御指摘でございました。  法人税の税率は確かに引き上げられることになります。しかし、これは消費税廃止に伴う暫定的な措置でございまして、三七・五%の現行税率にやがて戻すことを前提としております。したがって、四〇%の税率を長期にわたって継続することは考えておりません。つい最近まで法人税率が四〇%であったことを勘案すれば、にわかに企業経営に重大な支障をもたらすことはないと考えております。昨年秋に消費税廃止法案が可決をされておりますればこういう心配は要らなかったわけであります。  そもそも法人税は所得課税であり、原則的に利益に対して課税する税であります。経済が悪化して経営が苦しくなれば利益が減る、その分は課税されないことになります。その税率を暫定的に若干引き上げたからといって、日本企業の国際競争力などを勘案いたしますと、当面経済状態や企業経営が悪化することは考えられません。  なお、将来の法人税のあり方については、法人税の実質的な税負担の国際比較等を勘案しつつ、課税ベースの拡大とともに考えていくとの立場をとっております。  以上、お答えにいたします。(拍手)
  57. 村山喜一

    ○副議長(村山喜一君) これにて質疑は終了いたしました。      ────◇─────
  58. 村山喜一

    ○副議長(村山喜一君) 本日は、これにて散会いたします。     午後四時五十八分散会