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1982-03-23 第96回国会 衆議院 科学技術委員会 3号 公式Web版

  1. 昭和五十七年三月二十三日(火曜日)     午前十時二分開議  出席委員    委員長 近藤 鉄雄君   理事 岸田 文武君 理事 小宮山重四郎君    理事 保利 耕輔君 理事 与謝野 馨君    理事 小林 恒人君 理事 関  晴正君    理事 草川 昭三君 理事 和田 一仁君       上草 義輝君    小沢 一郎君       中村喜四郎君    平沼 赳夫君       前田 正男君    村上  勇君       五十嵐広三君    安井 吉典君       山本 幸一君    吉田 之久君       山原健二郎君    菅  直人君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      中川 一郎君  出席政府委員         科学技術庁長官         官房長     宮本 二郎君         科学技術庁計画         局長      下邨 昭三君         科学技術庁研究         調整局長    加藤 泰丸君         科学技術庁振興         局長      原田  稔君         科学技術庁原子         力局長     石渡 鷹雄君         科学技術庁原子         力安全局長   赤羽 信久君  委員外の出席者         北海道開発庁水         政課長     狩野  昇君         北海道開発庁計         画官      宇山喜代人君         経済企画庁総合         計画局電源開発         官       向 準一郎君         科学技術庁原子         力局核燃料課長 坂内富士男君         環境庁自然保護         局計画課長   中島 良吾君         外務省アジア局         中国課長    池田  維君         外務省経済局海         洋課長     渡辺  伸君         外務省国際連合         局科学課長   林  安秀君         文部省初等中等         教育教科書検         定課長     藤村 和男君         文部省学術国際         局研究助成課長 河野 石根君         厚生省公衆衛生         局保健情報課長 入山 文郎君         厚生省環境衛生         局水道環境部計         画課長     田中 富也君         農林水産技術会         議事務局研究開         発課長     坂柳 迪夫君         工業技術院総務         部研究開発官  清木 克男君         資源エネルギー         庁長官官房原子         力産業課長   田辺 俊彦君         資源エネルギー         庁石油部開発課         長       深沢  亘君         資源エネルギー         庁公益事業部開         発課長     渡辺 光夫君         資源エネルギー         庁公益事業部電         源立地企画官  一柳 良雄君         資源エネルギー         庁公益事業部技         術課長     越川 文雄君         資源エネルギー         庁公益事業部原         子力発電課長  戸倉  修君         運輸省港湾局計         画課長     御巫 清泰君         郵政省電波監理         局宇宙通信企画         課長      磯野  優君         日本電信電話公         社技術局次長  副島 俊雄君         参  考  人         (日本原子力船         研究開発事業団         専務理事)   倉本 昌昭君         参  考  人         (宇宙開発事業         団副理事長)  大澤 弘之君     ――――――――――――― 委員の異動 二月二十七日  辞任         補欠選任   山原健二郎君     金子 満広君 同日  辞任         補欠選任   金子 満広君     山原健二郎君 三月八日  辞任         補欠選任   山原健二郎君     金子 満広君 同日  辞任         補欠選任   金子 満広君     山原健二郎君 同月十一日  辞任         補欠選任   田川 誠一君     菅  直人君 同日  辞任         補欠選任   菅  直人君     田川 誠一君 同月十二日  辞任         補欠選任   塚原 俊平君     中村喜四郎君 同月二十三日  辞任         補欠選任   齋藤 邦吉君     上草 義輝君   八木  昇君     五十嵐広三君   山本 幸一君     安井 吉典君   田川 誠一君     菅  直人君 同日  辞任         補欠選任   上草 義輝君     齋藤 邦吉君   五十嵐広三君     八木  昇君   安井 吉典君     山本 幸一君   菅  直人君     田川 誠一君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  科学技術振興の基本施策に関する件      ――――◇―――――
  2. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 これより会議を開きます。  科学技術振興の基本施策に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  科学技術振興の基本施策に関する件について、本日、参考人として、日本原子力船研究開発事業団専務理事倉本昌昭君、宇宙開発事業団副理事長大澤弘之君から意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――
  4. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平沼赳夫君。
  5. 平沼赳夫

    ○平沼委員 本日は、科学技術庁長官の所信表明に関連して若干の質問をさせていただきたいと思います。  天然資源に恵まれず、人的、文化的資源のみ豊富なわが国にとりまして、科学技術の振興は避けて通れない道であり、戦後三十有余年のわが国の社会経済の発展と国民生活の向上は、まさにたゆみなき科学技術の振興によって達成されたと言っても過言でないと思います。そして来るべき二十一世紀に向かって、わが国としては、今後一層科学技術を振興し、独自の技術を開発し、これを産業化することが最も肝要なことであると思います。  わが自由民主党は、昭和五十六年度に引き続き、今年度におきましても科学技術の振興を党の最重点政策の一つとして位置づけ、その積極的推進に努力しているところでありますけれども、政府において、本年も引き続き中川大臣が科学行政の最高責任者としてこれに取り組まれますことは、私どもとして大変心強い限りであります。その高い識見と抜群の行動力にわれわれは大いに期待しているところでもあるわけでございます。  大臣は、その所信表明の第一に、科学技術会議の総合調整機能の強化を挙げ、科学技術の振興を円滑に行うための積極的取り組みを表明されており、私も全く同感で、そのとおりだと思っているわけであります。そこでまず第一に、中川大臣に科学技術の積極的振興についての決意をお伺いしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
  6. 中川一郎

    ○中川国務大臣 平沼委員から御指摘のように、科学技術が大事だということが最近非常に言われるようになりました。それは、オイルショックを初め資源有限時代を迎えて、国際社会の中で生き抜いていくのには科学技術である、特に今日、日本が世界経済の厳しい中で、世界からうらやまれるほどのこれだけの経済力を持ち得たというものの一つに科学技術がある、こういう認識が一つあるだろうと思いますし、これからいよいよ厳しくなっていくのに対応するためにも科学技術が大事である、こういうことの認識が政府あるいは党の中に定着してまいりまして、重要な柱となって取り組んでおるところでございます。  幸い、五十六年度予算、五十七年度予算におきましても、予算の額の面においても、かなり厳しい中ではありますけれども積極的に取り組んでおるのも、まさにこのためであり、また、科学技術振興調整費というようなものを創設いたしまして、産、官、学ばらばらであった科学技術行政を一体化する、役所の中でも各省ばらばらであるものも統括していく、こういうことからそういった制度、仕組みもできたわけでありますし、また、多年懸案でありました創造科学の推進ということで、産、官、学の共同による新しい研究システムによってそういったことに取り組む、こういうことになってまいりました。  その背景は、わが国の科学技術が、いままでは、優秀ではあったけれども、よくよく考えてみると、改良型あるいは吸収型技術、すなわち欧米等の先進国の基礎的な分野を改良し吸収してきた。そこでは優秀であったが、基礎的な問題についてはやや立ちおくれておるのではないか。この辺のところを取り戻していかなければ、外国からはそう簡単に基礎的なものもくれない状況にもなってまいりましたし、またこれだけの経済力を持ったわが国ですから、世界からいただくのではなくて、むしろ世界に貢献をする、こういう積極的な目的も持ってそういったことに取り組んだ次第でございますが、この点に関しましては、政府・自民党のみならず、当科学技術委員会におきましても非常な御協力をいただき、推進のために寄与していただきましたことに対し、深く感謝の意を表し、今後とも大きな課題が山ほどあるわけでございますので、引き続き御支援賜りますようお願い申し上げる次第でございます。
  7. 平沼赳夫

    ○平沼委員 大変力強い答弁を伺いまして、私どもも大いに期待をし、これからの日本の科学技術振興に対して、大臣の手腕を期待しているわけでございます。  大臣は、所信表明において、今後のわが国科学技術の積極的振興のために、わが国科学技術政策に関する中核的な存在である科学技術会議が広い視野に立って総合調整を行い、わが国科学技術に対する指導的役割りを果たしていくことが重要であるといまも申されたわけでありますけれども、政府は、科学技術会議の機能強化についてどのようなお考えを持っていられるか、この点もう少し具体的にお聞きしたい、そういうふうに思うわけであります。
  8. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 今日の科学技術は非常に高度化いたしておりますし、また複雑化しております。関係する行政機関も非常に広範多岐にわたっております。今後の科学技術の振興を図っていくためには、従来にも増して、国全体として調和のとれた科学技術政策の展開が求められているところでございます。  科学技術会議は、従来から、わが国の科学技術政策の最高の審議機関といたしまして、関係行政機関の施策の総合調整に当たってきたわけでございますが、今日ほどその機能の抜本的強化が求められているときはないと思います。このことは、一昨年の末に開催されました科学技術関係閣僚連絡会議を初め、関係各位におかれまして御指摘のあるところでございます。  このような観点から、先ほど大臣からお話がございましたように、科学技術会議の総合調整機能の強化の一環といたしまして、五十六年度から新たに、科学技術会議の方針に沿って重要研究業務の総合推進調整をするための科学技術振興調整費というものを創設していただきまして、五十七年度につきましては、それを抜本的に強化するということで、五十六年度三十三億五千万円から、五十七年度には六十億円を計上いたしまして、その強化拡充を図ることにしているということでございます。
  9. 平沼赳夫

    ○平沼委員 いまのお答えの中にも入っておりましたけれども、いわゆる科学技術の振興調整費六十億に、五十七年度では実力大臣の力によって大幅に増額ができたということで、これは非常にいいことだと思いますけれども、科学技術振興調整費についてどのように活用していくか、将来構想を含めてもう少しお聞きしたいと思います。
  10. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 科学技術振興調整費につきましては、ただいまも御説明ございましたように、科学技術会議を中心にしまして科学技術の振興を図っていくという趣旨で五十六年度からスタートをしたものでございますが、五十七年度以降のこの振興調整費の活用につきましては、五十六年に定められました「科学技術振興調整費活用の基本方針」というのがございまして、これに基づきまして、先端的、基礎的な研究の推進、複数機関の協力を要する研究開発の推進、産、官、学の有機的連携の強化、国際共同研究の推進、また緊急に研究を行う必要が生じた場合に柔軟に対応するような研究ないしは研究評価の実施と研究開発の調査、分析、そのようなところにこの振興調整費を充てるということを基本としてその運用を図ってまいりたい、かように思っています。科学技術の振興の上でこの振興調整費の役割りは今後ますます増大していくというふうに考えられますので、その内容につきましても可能な限り充実を図ってまいりたいと思います。  なお、五十七年度からは、具体的にはライフサイエンス、極限科学技術、新材料技術というような画期的な技術革新をもたらすことが期待されます先端的な分野など、各方面の科学技術の一層の振興を図るためにこの調整費を有用に活用してまいりたい、かように思います。
  11. 平沼赳夫

    ○平沼委員 いまその将来構想を含めてお伺いしまして、非常にきめ細かく配慮されているということで、それも結構なことだ、そういうふうに思います。  先ほど大臣の御答弁の中にもありましたけれども、科学技術の振興の担い手はいわゆる政府、産業界及び大学の各研究機関だと思います。これらの研究機関がおのおのその役割り分担のもとに、いまのお話にもございましたように有機的に連携をとり、研究開発活動を一層活発化させていくことが必要不可欠だということは論をまたないことだと思います。  現在、科学技術の振興に当たっての問題点の一つだと思うわけでありますけれども、特に国の試験研究機関の活動が必ずしも活発でないという指摘が大方からあるわけであります。国の試験研究機関については、十六省庁、八十六機関において、人員も約一方六千人の職員が従事しているわけでございますけれども、この大きな力が活発に機能していくことが日本の科学技術振興、いわゆる大臣が言われる科学技術立国に本当に必要なことではないかと思います。科学技術立国を目指すわが国にとって、その中心の担い手であるべきこれら国の研究機関の活性化が本当に急務の問題だと思います。  そこで、国の研究機関における研究開発活動を一層活発化させるためにはどのような措置をお考えか、できましたら大臣にお答えいただきたいと思います。
  12. 中川一郎

    ○中川国務大臣 先ほども申し上げましたが、わが国の科学技術が優秀であると言われたゆえんは、改良技術あるいは吸収技術等が顕著であった。その中心背景は何かというと、やはり民間が非常に進んでおったと言えるのではないか。先端的、先導的、基礎的分野がおくれておったというところは、やはり国の研究機関が若干立ちおくれておったのではないか、こういう反省も率直にいたさなければなりません。  そういう意味で、今後は産、官、学連携をとらなければなりませんが、なかんずく国立の研究機関の果たす役割りは大きい、こういうことの認識に立って、今後は、これら国の試験研究機関が期待にこたえるために産業界、学界との連携強化を図ることはもとよりでありますが、研究課題の設定推進における適正な管理等、研究活動の効率化、活発化のための諸条件を整備する必要がある。このためへ今後、科学技術会議における論議等を踏まえまして、その活性化のためにいろいろな方策を研究して、国民あるいは国際的な期待にこたえるように努力をしていきたい、一つの大きな課題だと感じている次第でございます。
  13. 平沼赳夫

    ○平沼委員 本当に約七割の研究開発費というものがいままでは民間で使われていた、こういう事実があるわけであります。そこで、いまの大臣のお答えにもございましたように、国が中核的な存在となって、そしてきめ細かく連携をとりながら有機的な研究開発活動を進めていくことが日本にとって本当に重要なことだと思いますので、政府におかれましても、ぜひこの問題に留意されて、そして積極的にこの推進を図っていただきたい、そういうふうに思うわけであります。  科学技術の振興というのはいろいろな要素があると私は思います。しかし、そのベースになるいわゆるグラウンドとして、大臣の所信表明の中にもございましたように、科学技術の振興には諸施策の積極的な推進はもちろんでございますけれども、その前提として、国民の科学技術に対する理解を得ることが何にも増して重要な、そして必要なことだと私は考えております。  このような意味から、昭和六十年に開催が予定されている国際科学技術博覧会は、国民の科学技術に対する理解と協力を得るという面から、私は非常に大きな意味を持っている大きなイベントだと思います。もちろん、博覧会の中心となるのは政府出展であると思います。これがやはり目玉になると私は思います。このでき、ふできが博覧会の成功、不成功に大きく結びついて、そのかぎになると言っても過言でないと思います。  そこで、政府出展については政府としてどんな構想をお持ちか、これもできたら大臣にお答えをいただければと思います。
  14. 中川一郎

    ○中川国務大臣 先ほど来御議論のありますように、科学技術が非常に大事である。政府や関係者のみならず、これは国民の皆様方の理解、協力を得ることがまず必要である。こういう観点から、昭和六十年をめどとして科学万博を予定し、政府もみずから政府出展を計画いたし、五十七年度予算案におきましても全体枠、そして必要な五十七年の予算についても計上し、いま御審議を願っておるところでございます。  そこで、政府出展のあらましでございますけれども、基本的な考え方としては、博覧会全体の展示の基調をなす重要な役割りを担っているものとして、政府出展を通じて、第一には、日本の発展に果たしてきた科学技術の役割りというものを第一の柱とし、第二番目には、将来の豊かな社会を支える科学技術の展望、第三番目には、日本が世界の均衡ある発展と人類社会発展に寄与し得るような姿勢というものを示したい、第四番目には、日本の科学技術の歴史的背景等を国内のみならず広く世界の方々にわかりやすく、しかも楽しく見せたいと考えております。  政府出展については、現在、全体を次のような三つの部門に分けて検討を進めております。  第一は、人間・居住・環境と科学技術という幅広いテーマを科学技術の将来展望及び歴史的背景という観点から考察し、実物や精密な模型の展示、最新映像、音響等により統一のとれた形で展示する部門、すなわちテーマ館と称するものでやっていきたい。第二は、新しい電子的な大型映像システム、情報処理技術によって最新の科学技術の成果やトピックスをダイナミックに紹介する部門等、これを映像館と称しております。第三番目には、科学技術の原理や応用技術の仕組みを楽しく体験しながら理解し、科学技術に対する興味と関心をかき立てるような屋外展示による部門、すなわちサイエンスパークと称するものを展示したいと思っております。  これら政府出展の具体化については、いま政府部内のみならず、広く各界から有識者の方々の意見を取り入れつつございまして、その基本計画を作成し、この夏ごろまでには出展の内容を固め、具体的な設計及び建設に取りかかってまいりたい、こういう手順、中身でやっていこうといたしておるわけでございます。
  15. 平沼赳夫

    ○平沼委員 もう少し突っ込んでお聞きしようと思いましたけれども、大臣から、もう本当に具体的にお聞きしましたので、科学技術博覧会の件はこれで打ち切りまして、次に、原子力問題について若干質問をさせていただきたいと思います。  私は、わが国のエネルギーの長期的、安定的な確保という観点から、原子力発電の推進というのは、必要にして不可欠なわが国にとっての大きな重要なテーマだという認識を持っております。しかし残念なことに、わが国は、この安価なそして効率的な原子力発電のエネルギーについて、あえて申しますけれども、必要以上にアレルギーがあります。そしてまた、イデオロギーによる反対があるという一つの前提がありまして、二十一世紀に向かってこの石油枯渇時代に何とかして科学技術立国を推進していくためには、エネルギーの確保というのは避けて通れない。その中にあって、これから計画にのっとった原子力発電の立地の推進をしていかなければならないと思います。それには、いま申し上げたようにいろいろな反対があり、そして円滑に進まないという一つの大きな問題があるわけでございます。  そこで、今後の原子力発電の立地の促進に関する政府の御見解というものをここで改めてお聞きしておきたいと思います。
  16. 中川一郎

    ○中川国務大臣 今日、世界経済が混乱しておるのは、いろいろな原因がありますけれども、やはりオイルショックから立ち上がれないというところに基本的な原因があると言われております。したがって、オイルの円滑な輸入ということも必要でありますけれども、一方、将来を展望し、また現段階に対応するためにも、もちろん省エネルギーというものも必要ではありますが、代替エネルギーの開発ということは避けて通れない最大の課題である、こう言って間違いはなかろうかと存じます。その場合、代替エネルギーの中で何があるのかと考えてみると、これからは石炭あるいはLNG、天然ガス等もございますが、やはり量的に質的にコスト的に非常に有望視されておるのが原子力であることは、これまた世界的に否定し得ない事実でございます。  そこで、原子力をやるに当たって何が問題か。一つは、技術的開発ということはもう言うに及びませんで、政府においてもこれについては世界とも連絡をとりながらやっておりますが、一番頭を痛めておるのは安全性に対する国民の理解、協力ということでございます。この点は、わが国が原子爆弾の被爆国であるということから特に細心の注意を払って、現実的に安全なものであるための措置を政府としては講じなければならない、と同時に、国民の皆さんの理解、協力というものが得られるようにしていかなければならないわけでございまして、国民の皆さんの理解が得られておるかどうかというと、残念ながらまだ十分とは言えないのではないかと思っております。  そこで、われわれとしては、まず第一番目には、安全性に対して確固たる責任ある措置をとっていく、また、大きな事故が実際上起きないように細心の注意を払って、万が一にも発電所において人身事故を起こすようなことがありますと国民の理解は一遍になくなりますから、その点に最大の注意を払わなければならない。いままでも若干のトラブルがあり、たとえば「むつ」の問題、最近では敦賀の問題等もございましたが、これらも幸い人身事故を伴うものでは全くない。一時期は相当騒ぎになりましたが、冷静に考えていただくと、炭鉱事故その他いろいろな事故の相次ぐ中で、原子力発電については、日本はもとより国際的にも大きな人身事故がないということはよかったことだと思っております。これは日本のみならず国際的に大事なことでございまして、外国の人方とも話し合う場合、日本の事故は世界に通じ、外国の事故は直接日本にも影響する、お互いに、自分の国だけじゃなく、世界人類のために安全性については最善の努力をしていこう、事故を起こさない原子力、こういうことで努力をいたしております。  同時にまた、立地を促進するに当たりましては、地域振興ということも考えていかなければなりませんので、この原子力に御協力いただいた地域に対してはいろいろの地域振興策も講じて、国の政策と地方の振興が一体となっていく、こういうことを基本にして進めておるところでございまして、エネルギーの事情からいって原子力の必要性ということについては否定する者はありませんが、安全性についてまだ十分の納得が得られないことはまことに残念でありますけれども、政府といたしましては、これからも粘り強く、国民の皆さんの理解が得られるよう、そして将来に向かってエネルギーで国がおかしくならないよう、責任を持って、あらゆる困難と闘いながら、あらゆる困難を克服してこの問題の処理に当たっていきたい、こう思っております。
  17. 平沼赳夫

    ○平沼委員 大臣の基本的な取り組み方について承りまして、それがやはり基本的に大事なことだ、そういうふうに思います。  フランスのミッテラン政権においても当初云々言われておりましたけれども、しかし、原子力発電は予定どおり推進をしていくということでございますから、イデオロギーによる反対だけは起きないように私も望んでいるわけでございまして、大臣のこの問題に対する勇気ある積極的な取り組みをお願いする次第であります。  次に、ウラン濃縮に関して、私の選挙区にも若干関係がございますので、ぜひお尋ねをしたいと思います。  資源の乏しいわが国がウラン資源を海外に依存することはやむを得ないと思います。ウラン濃縮役務の全量を海外に依存しているような状況では、原子力発電を長期的、安定的に発展させていく上での不安要因が残されている、そういうことになるわけでございます。いま申しました私の地元の岡山県には人形峠というところがございまして、そこでウランが出るわけでございますけれども、私の岡山県でも、原子力政策に積極的に貢献しようじゃないかということで、核燃料サイクルのかなめの一つであるウラン濃縮のパイロットプラントの建設には積極的に協力をし、それなりの大きな成果が上がってまいりました。近くこのウラン濃縮のいわゆる実験プラントも全面運転を行うということになっておりまして、そこに展開されましたわが国固有の遠心分離法のウラン濃縮技術の開発、これが国民の大きな関心事にもなっていると思います。  そこで、ウラン濃縮技術の開発の現状がどうなっているかについて原子力局長にお伺いしたいと思います。商業プラントに、最終的には三千トン体制をつくるということで、移行する前に原型プラントを建設し運転する必要がある、そういう一つの基本的な構想がおありのようでございますけれども、その目的をもう少し具体的に御説明をいただき、あわせてその規模が一体どのくらいなものか、そしてスケジュール的にはどういうタイムスケジュールになっているのか、そして私どもの一番関心事でございますけれども、この原型プラントの展開場所はどこに立地させるのか、それから、いろいろ取りざたされておりますけれども、建設主体はどこに置くのか、この辺を局長からまとめてお答えいただければと思います。
  18. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、ウラン濃縮につきましては、来る三月二十六日に七千台の全体が一体となって稼働するという予定になっておるわけでございます。しかし、これはあくまでもパイロットプラントでございまして、そのまま商業プラントに続くということについては無理がある。どこに無理があるかと申しますと、技術的には十分欧米の遠心分離法に対抗し得る、あるいは希望的観測かもしれませんが、それよりもレベルが上かもしれないとまでわれわれは思っておりますが、何分にも経済性に欠けているというのも事実でございます。その経済性を高めるために原型プラントといったものを建設いたしまして、その後、その知見を含めまして商業プラントに移っていきたい、このように考えているわけでございます。  そこで、まず建設主体でございますが、当面この技術を持っておりますのは動燃事業団でございますので、動燃事業団が主体となり、民間の協力も、恐らく半々で協力していくというような形で、技術移転の問題も含めまして原型プラントの建設をやっていきたいというふうに考えております。  それから場所の問題でございますが、将来の商業プラントを考えますと、この原型プラントも商業プラントの一環として組み込まれていくという形態が一番素直な形ではないだろうか、このように考えております。そのような方針で、現在電力業界等ともお話し合いを進めておるところでございます。したがいまして、そういう考え方が基礎となった場所の選定が行われるであろうというふうに考えておりまして、五十七年度予算におきましても、調整費という形で恐らくこれが場所選定のために使われる予定でございますが、調整費を利用いたしまして十分慎重に、将来の問題も十分考えた場所の選定を行いたい、このように考えておる次第でございます。
  19. 平沼赳夫

    ○平沼委員 五十七年度の予算において一応調整費ということで予算が計上されまして、慎重に決定をしていきたいということでございますけれども、局長、大体のめどというのは今年じゅうに出るのでしょうか。
  20. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 五十八年度予算に、建設のための政府側の負担といったものがどういう形になりますか、恐らく何らかの形で計上される必要があろうかと思っておりますので、できればこの八月ごろまでには基本的な考え方、方針といったものは固まっていかないと形が悪くなる。理屈を言えば五十七年度中に決まればいいじゃないかという考え方もありましょうが、少なくとも基本方針というものはなるべく早く明確にしておきたい、このように考えておるわけでございます。
  21. 平沼赳夫

    ○平沼委員 これは本当に将来の日本のエネルギーにとって大変大きな意味を持つものだと思いますので、ぜひとも慎重に調査、そして検討していただいて一日も早く決定をしていただきたい、そういうふうに思っているわけでございます。  きょうは、私の後、自民党から上草委員が重要な問題について質問をしたいということでございますので、私の持ち時間を若干早目でございますけれども繰り上げさせていただき、最後に、中川大臣を中心として、本当に日本にとって一番大切な科学技術の振興について、政府は力を挙げて取り組んでいただくことを希望いたしまして、私の質問とさせていただきます。ありがとうございました。
  22. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 上草義輝君。
  23. 上草義輝

    ○上草委員 私は、二十一世紀に向かって、わが国はエネルギーの安定的確保の観点から、原子力開発の円滑な推進がきわめて重要な問題であるという見解は平沼委員と同じでありますが、こういう立場から、最近国民の間ににわかに関心の高まりつつある低レベル放射性廃棄物の処理処分に関しまして、この問題にしぼって若干お尋ねをしたいと存じます。  原子力発電規模の増大を図る上で、地元の住民の皆様方の不安を解消する、そしてまた立地問題をスムーズに解決していくことは、これまたきわめて重要なことなんでありますが、このためにも低レベル放射性廃棄物の処理処分対策を積極的に進めていただきたい。これは強く望まれているところでございます。  そこで、原子力発電所等から発生する低レベル放射性廃棄物の処理処分に関しましてどのように進めていかれようとしているのか、まず原子力局長にお伺いいたします。
  24. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 先生ただいま御指摘のように、低レベル放射性廃棄物を将来どう考えていくのかということは、原子力利用の推進のためにきわめて重要な問題であると考えております。このため、政府といたしましては、原子力委員会が昭和五十一年に基本的な考え方を示したわけでございまして、この具体化について現在真剣に取り組んでいるところでございます。  現状はどうなっているかと申しますと、低レベル放射性廃棄物につきましては、当面原子力事業者の施設内における保管という形で対応しておりまして、倉庫に安全に保管をしているという現状でございます。これまでの実績からいたしまして、その安全性については全く問題がないわけでございます。しかし、最終的には何らかの形で処分をする必要がある。それも海洋処分と陸地処分と大体半々ぐらいで考えていこうということでございます。  まず、海洋処分につきましては、これまで海洋の調査あるいは法令の整備あるいは国際的な約束がございまして、OECD・NEAの海洋投棄に関する多数国間協議監視制度への参加等々、その制度的な準備を進めてまいりました。そして現在、国内の水産業者の方また太平洋諸国の方々の理解を得るべく努力を続けているところでございます。  また、陸地処分につきましても、環境安全評価手法の確立を目的といたしまして現在種々の調査研究を進めているところでございます。この研究も一層促進いたしまして、陸地処分という考え方が現実の問題になりましたときには機敏に対応できるように政府としても体制を整えておきたい、このように考えているわけでございます。  現在、そういうことも含めまして、原子力委員会におきます放射性廃棄物対策専門部会というところで相当踏み込んだ議論、検討を進めているところでございまして、その結果もそう遠からずまとまってくると期待しておりますので、その線に沿ってさらに強力に対応してまいりたい、こういう状況でございます。
  25. 上草義輝

    ○上草委員 低レベルの放射性廃棄物は発生量も多いということを聞いておりますし、今後ますます蓄積していくと思われるのでございますが、普通一回のレントゲン撮影で浴びる放射線は百ミリレム、低レベルの放射性物質からは〇・〇二ミリレム程度のものであるという、これは実は一昨日の北海道の新聞にそういう記事が出ているわけであります。現在、一部には、この低レベルというその定義が少し厳し過ぎるのではないかという意見があるわけでございますけれども、慎重にやられることはもちろん大事なことであり、大変結構なのでありますが、現在、一体どのくらいの低レベル放射性廃棄物が保管されているのか、また今後の発生量の見通し、これから二十一世紀に向けて、十七年後の二〇〇〇年ごろの累積の見通し等も含めてひとつお答えいただきたいと思います。
  26. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 お答え申し上げます。  まず、現在の低レベル放射性廃棄物の量でございますが、五十六年九月末、昨年秋の段階で、二百リットルドラム缶にいたしまして約三十六万本でございます。先生御指摘のようにきわめて放射能のレベルは低い。したがって、倉庫に管理された状態で、きわめて安全に保管されているという現状でございます。  なお、保管の能力は、現在のところ約六十三万本分が原子力施設に用意されているということでございまして、この保管能力を拡大することも可能でございます。  それから、今後の発生量でございますが、減容の技術等もいろいろ新しい技術を取り入れつつございますが、当面年間五、六万本ずつふえていくというふうに推定をいたしております。この推定に基づきますと、今後の原子力開発利用の拡大と低レベルの減容技術をかみ合わせますと、二〇〇〇年での累積量は二百リットルのドラム缶で約二百万本程度ではないか、このように推定しているところでございます。
  27. 上草義輝

    ○上草委員 いま一つ低レベル放射性廃棄物を極力抑えていくという努力も必要だと思うのでありますが、そのための技術開発、発生量の低減化という問題についてどのように進めておられるのか。
  28. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 減容の技術というのもきわめて重要な問題でございまして、現在のところセメント固化ということで、まず焼却できるものは焼却をしてセメントで固めていくということがやられているわけでございますけれども、さらにセメントのかわりにプラスチックを使いますと、セメントの場合の六分の一ぐらいにまで量を少なくすることができるというようなこともございますし、また将来的にはたとえばプラスチックの廃棄物をマイクロ波で溶かしてしまうといったような、あるいは酸消化処理等々の技術が考えられますので、この開発に取り組んでいくというところでございまして、われわれも助成金といったような制度も考えまして、この技術開発に対応してまいっているというところでございます。
  29. 上草義輝

    ○上草委員 最近の新聞報道によりますと、北海道の幌延町に低レベル放射性廃棄物の陸上保管集中貯蔵施設をつくる計画があるように報道されているわけでありますが、地元も誘致に対しては非常に熱心でございますし、このような場合に、現在の法規制で十分対応できるのかどうか、あるいはまた何らかの法改正が必要となるのか、原子力安全局長にお尋ねいたします。
  30. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 現在、原子力関係の事業所を許可する場合に、たとえば原子力発電所でございますと、設置許可に当たりまして廃棄物をどう扱うかということが許可の条件になっております。そして具体的には、規制法によりましてそれを事業所内に廃棄物として保管しておくということと、事業所の外に持っていく場合の両方が規定してあるわけでございます。ただし、事業所の外に捨てる場合につきましては、現在用意されております規定は、他の事業所に持っていく場合と海洋投棄する場合とでございます。  そのほかの件につきましては、今後具体的にどういう形になるかによりまして法令の適用も考えなければいけないわけでございますけれども、その形によりまして、現在の法体系そのままでいける場合、それから政令、省令レベルの改正を一部必要とする場合、それから法律改正も必要となる場合のいずれも考えられる状態でございまして、たとえば法律改正が必要な場合としては、現在事業所としての許可を受けていない者が廃棄物の保管をするという場合には、やはり法律に廃棄物の保管業者という指定をするような体系が必要になる場合も考えられますので、この点は今後の具体的な動向を見ながら検討していきたいと考えます。
  31. 上草義輝

    ○上草委員 陸上施設貯蔵のやり方にもいろいろなケースがあるというようなことで、そういう規制面での対応がまた異なるということでありますが、この貯蔵対象物が低レベル放射性廃棄物という比較的安全なものであるとはいえ、やはり安全の確保には万全を期していただきたいと思いますし、また地元の意向も十分取り入れる必要があるのではないかと思います。また、この対策を確立すること自体、わが国の原子力発電を円滑に推進していく上できわめて重要な問題であると考えます。こうした対策に積極的に協力していこうとする地域に対しては、たとえば電源三法の適用であるとか地域振興策を講じるとか、いろいろな意味での配慮が必要だと思うのでありますが、こうした点を含めて、低レベル放射性廃棄物の施設貯蔵等の対策に関しまして、今後どのように進めるおつもりであるのか、中川大臣にお伺いいたしたいと思います。
  32. 中川一郎

    ○中川国務大臣 核燃料サイクルの一環として、先ほどお話しのあったウラン濃縮に始まって廃棄物の処理処分、これまでが一環していなければならないということでございまして、この廃棄物の処理処分というものも非常に大事である、欠かすことのできない政策の一つでございます。  そこで、いま担当局長からるる答弁がありましたように、陸地処分あるいは海洋処分、安全性等々について十分の措置を講じてそれぞれ努力いたしておるところでございますが、最近、事業所外の施設貯蔵という問題が出てきております。これも一つのオプションとして考えておるところでございますが、ただ、この場合といえども、まず第一は安全性ということについて絶対のものでなければならぬ、これは言うに及びません。この点については専門的に十分検討していかなければならないことは言うに及びません。  第二番目は、同時にほかの原子力施設と同じように、地域振興ということについても十分の配慮をしていきたい。そこで、電源三法によるいろいろな対策あるいはその他地域振興等、十分これに並行して取り入れて、国の施策に御協力をいただくこの低レベルの施設貯蔵につきましても、地域の振興ということについては十分配慮し、地域住民の福祉の向上といいますか、地域の経済の発展に十分な配慮が払われ-特にいま北海道が問題になっておるようですが、北海道からは、地域振興上役立つということからぜひ誘致をしたいという希望がございます。  われわれとしては、地域振興になるということの確信と、北海道という地域にこれまた納得が得られるものでなければならない、こういうふうに、国の施策あるいは地元の振興、さらには北海道民の納得、こういう三つが得られるならばということはありますけれども、国から積極的にいまどうこうするということで押しつける、あるいは道民の意思に反する、あるいは地域の振興に反するようなことをやろうという気持ちは持っておりません。あくまでも、こういったことが三者一体で納得した場合には考えられるかなということで、いま事務当局に慎重に対処するように、軽々にこれを押しつけるとかいうようなことがあってはならないということでやっておりますので、何か誤って国が押しつけて、低レベルのものだけ、安全でないものを、地域も考えないでというような気持ちはいささかもないことを明らかにしておく次第でございます。
  33. 上草義輝

    ○上草委員 ここでよく言われるのでありますが、原子力の墓場だとかあるいはごみ捨て場だとか、原発のトイレだなんということも実は活字になっているわけでありますけれども、私どもとしては、こういう言われ方をするということは理解に苦しむところであり、地元におきましても、なぜそういうことで言われなければならないんだと、これは反対のための反対をする人たちの口汚い言いあらわし方であって、廃棄物の処理処分ということで正確な呼び方があるわけですから、こういうことについても十分配慮していただきたいと思いますし、地元としてはいささかもそういう気持ちを持っていない、まじめな気持ちでこの誘致に取り組んでいる、私どもはそういうふうに理解をしているわけであります。  地元の幌延町の議会は、超党派をもって原子力発電所及びその諸施設の先進地をすでに視察をいたしておりまして、町議会のその視察の報告書の中にも、安全性はすでに確保されている、原発及び関連施設の誘致を積極的に進めるべきであるという報告書を全会一致をもって確認いたしております。これはもちろん、文字どおり、全会一致でありますから、各党及びその推薦されて出てきた議会の皆様方が全員署名し、捺印されているというその報告書、こういったことでも御理解いただけると思うのであります。  これは単に過疎化を防止するとかあるいは人口増をねらうとか、そういっただけのことでは決してなくして、そこにはかけがえのない国家、国民の繁栄を願い、中川大臣の言われる、日本が科学技術立国として、また科学技術の先進国たらんという、そういうことを心から願って、世界に先駆けてこの計画に協力をしたい、わが日本の発展の一翼を担うのだという、とうとい誇りを持った素朴で純粋な郷土愛、そういう気持ちのあらわれであると私は理解をしているものでございます。  よく言われるような、日米安保条約を結べば戦争につながるとか、憲法を改正すれば息子が戦場に送られるんだというような議論もあったりいたしますし、そういう短絡的な議論の中に巻き込まれたりあるいは惑わされたりしていただきたくない、純粋に地元の気持ちを理解をしていただきたい、私はこう考えるものであります。  たとえば、成田空港をつくるときには反対、反対を叫んでとうとい犠牲者も出したりしている中で、でき上がったら、のうのうしゃあしゃあと空港を利用しているなんという例も間々あるわけでございますし、こういう例から見ても、原発に反対をしておきながら結構その恩恵を受けているということが、一部ではあるかもしれないですけれどもそういうこともあるわけですし、そういう議論には決して惑わされていただきたくない。慎重に万全を期していただくことは当然のことでありますが、私ども地元の国会議員として、幌延町の町民並びに理事者の方々のそういう真摯な姿勢をくみ取っていかなければならない、理解していかなければならないという考えでいるものでございます。  先ほどからの答弁でも十分理解しておりますが、これらの問題は政治、行政、また事業者と地元の皆様方と一体となって進めていかなければならない問題であるだけに、この原子力問題については特に慎重な、しかも実力ある中川大臣、また関係当局の皆様方におかれましては、十分かかる点を配慮していただいて、推進運動にひとつ御理解をいただきたい。技術的にももちろん、またその心理面においても絶対に安全であるという、それを地元に十分理解をしてもらうための努力をお願いしたい、こう思うわけでありますが、最後に中川大臣の御所信と御決意のほどをお伺いしたいと思います。
  34. 中川一郎

    ○中川国務大臣 確かに、御指摘のように北海道の幌延町におきましては、原子力発電あるいは関連施設が欲しい、そのことに超党派的に町民的な規模として熱意のあることは、陳情書もいただいておりますのでよく承知をいたしております。  そこで、原子力発電あるいは諸施設ということでいろいろ地元でも検討した結果、原子力発電については自然条件的にむずかしいのではないか。そこで、いま言われております低レベルの廃棄物について施設貯蔵という方法が一番いいのじゃないかという気持ちを持っておられることも事実のようでございます。そこで一部には、非難をするために、いや原子力の墓場だとかトイレだとかいう御指摘もあるようでございますが、地元の皆さんとしては、一番影響するのは地元でございますから、地元の方々が一生懸命まじめに勉強された結果、そういうものではないというお気持ちも持っておられるようでございます。りっぱな施設産業である、こういうことから地域の振興とも関連し国の施策にも協力もしよう、こういう強い熱意があることは、私どもとしては非常に感謝もし敬意を払っておるところでございます。  しかしながら、これをやるに当たりましては、やはりもっと慎重に、地域の振興が具体的にどうなるものであるか、あるいはまたもっと幅広く安全性について認識もいただかなければならないし、あるいは北海道という地域でありますので、北海道道民の感情も考えなければならない。地域の要望はわかりますけれども、われわれとしても、ありがたいことではあるけれども、対処するには慎重に各方面の御意見も聞き、考え方も申し上げ、じっくり話し合ってお互いが納得できる道があるかどうか、この点を含めて慎重に対処するように、こういうことでやっておりますので、御指摘のように何でも反対、反対すれば喜ばれるものでもないわけでありますので、その点はどうかひとつ御理解をいただいて、真に地域の発展あるいは国家の繁栄、こういうことで、間違った扇動等がなされないように、わが国民のために、地域のためにぜひともお願いしたい。まじめな議論だと高く評価して、われわれはそういう気持ちで対処したいと存じます。
  35. 上草義輝

    ○上草委員 ありがとうございました。  もう三十秒ぐらい時間があれなんですが、地元からも熱心な誘致推進の方々が私の方にいろいろな御連絡をいただくわけでありますけれども、地元としては、この誘致に対しての気持ちといいましょうか、いろいろいま騒がれましても、そういうことはいささかたりともないのであります。とかく地元以外のところから町に人が入ってきて反対運動をする、あるいはそういう扇動をするということがあるやに聞いているけれども、これはわれわれを初めとして政府当局におかれましても、そういう運動だけは何とかならないものかというそういう手紙でございます。そういう地元の御要望があることもお伝えをいたしまして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
  36. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 関晴正君。
  37. 関晴正

    ○関委員 私は、何としても、原子力船の「むつ」にかかわる問題をめぐりまして長官にお尋ねをいたしたいし、またあわせて、担当しておる事業団の方にもお尋ねいたしたい、こう思っております。  ことしの正月早々、青森県におけるトップニュースというものは何であったかといいますと、関根の浜に再処理工場ができるであろう、使用済み核燃料の再処理工場は原子力船の母港と予定されておるところの関根の浜になろうということが大々的に報道されました。県民ひとしく、知事を初めとして寝耳に水だ、そんなことはあるまいというようなことで、一同この問題についての関心が非常に高まり深まってきたわけであります。  そこで私は、まず第一に長官にお尋ねしたいことは、再処理工場の設置に当たっては関根の浜を予定しているのかしていないのか、その点についてひとつ明確にお答えをいただきたいと思うわけです。
  38. 中川一郎

    ○中川国務大臣 まずはっきり申し上げておきますが、関根浜を使うということは考えておりません。  ただ、新聞にいろいろと出ておりますのは、それ以前に大きく出たのは、北海道の奥尻島に決まったということで出まして、それも決まったものではない、いろいろと各方面を探しておる段階で、そこに決まったわけではないというところから、奥尻がそうでないといったら関根浜だ、短絡的な新聞記事でございまして、この点は県知事にも地元にも申し上げておりますので、このことも御承知だろうと思いますから、どうかひとつ正しく理解をしていただいて、誤解をされないように、この機会にお願い申し上げておきます。
  39. 関晴正

    ○関委員 それでは重ねて質問いたします。  関根の浜は再処理工場になるようなことはない、こう理解してよろしゅうございますか。
  40. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 第二再処理工場とわれわれ通称しておりますが、この立地の問題につきましては、すでにこの再処理工場を建設する義務を持ちました日本原燃サービス会社、これは電力を中心とした株式会社でございますが、現在日本全国を対象として自然条件あるいは社会条件等を考慮しつつ検討を進めているというのが現状でございまして、現時点においてどこどこという具体的な地点を決めるに至っていないと聞いているわけでございます。  先生御指摘の報道がなされたわけでございまして、その時点で県当局から私どもに問い合わせがございました。そういう事実ありやということでございましたので、私どもは原燃サービスに対してそういうことを考えているのかという質問をし、その責任ある者から関根浜ということは考えていないということを確認をした上で、県当局にそういう事実なしという文書を差し上げたという経緯がございます。したがいまして、現在全国的に検討中だ、しかし、たまたま話題になっているこの地点については考えておりませんという確認をした次第でございました。それを踏まえまして、大臣に御報告もし、ただいまの大臣の御答弁になった次第でございます。
  41. 関晴正

    ○関委員 大変ありがとうございます。  それでは、関根の浜はやらないということが判明したのですが、東通村の原発の予定地域内ということもございませんか。これも伺っておきます。
  42. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 ただいまも申し上げましたように、その第二再処理工場の立地地点につきましては、建設主体でございます日本原燃サービスが日本全国を対象といたしまして自然条件、社会条件等を勘案しつつ検討を進めているという段階でございまして、具体的な地名が挙がるという段階ではないというふうに御理解を賜りたいと存じます。
  43. 関晴正

    ○関委員 関根の浜も東通村も隣り合わせでございますので、非常に近いところです。しかもこの東通には二千万キロワットという原発の予定があるところだけに、そうしてこの地点に再処理工場がやってくるのじゃないだろうか、関根の浜からは次は東通の浜じゃないか、こう言われているわけなんですが、これについても、これは長官に、そんなことはない、こう理解してよろしゅうございますか、お答えいただきます。
  44. 中川一郎

    ○中川国務大臣 地点について、ここはあるかあそこはあるかないかと言われて、私、一々答弁するわけにはまいりません。ただし、新聞に出た関根浜については、ないということだけははっきり言えますが、それ以外は、日本全国適地があるかどうか、地元の同意が得られるかどうか、やっているところでございまして、もちろん、やるとは言いませんし、そうかといって、絶対、あそこを含めて、ある、ないはしばらく答弁は控えさせていただいて、地元等とも話し合った結果、地点について言える段階が来ましたら、イエスかノーであるか言いますが、きょうのところは御勘弁を願いたいと思います。
  45. 関晴正

    ○関委員 実は同じところなんですね、下北半島。そうしてこの下北半島が、別名原子力半島と名づけられるんじゃないかとまで言われているわけです。それだけに、県民の関心もまた深いし、これに対する恐怖もまた強いし、そうして青森県の下北半島に、原発を初めてとしてその使用済み核燃料の再処理工場まで来るとするならば、これは大変なことである。幸いにして、いま中川長官は、関根浜は大丈夫、やらない、これは御方針として私も正しく受けとめましたので、これはありがたいことであります。  しかし、次のところには否定もしないし肯定もしないということは、勘ぐればその可能性もまた大変にあるということになるわけなんで、その点についても、いや関君、心配するな、おれが大臣しているうちは大丈夫だ、かわれば別だが、というならばともかくとして、一つは否定して、一つは否定しない。場所が同じところなんです。ですから、転がり込んでそっちへ行くんじゃないかという予想が大分強い。だから、関根の浜もしないし、そこもしない、こう言えないんでございましょうか。長官、これはひとつきちっとお願いします。
  46. 中川一郎

    ○中川国務大臣 下北半島を原発の地帯にしたいというのは、政府が何も言っていることではないのです。これは地元の地域を考えている人が、そういう声もあり、それに対して電力会社も大丈夫かなという空気はあります。ですから、何かあそこに、県民の意思とは反して政府がしゃにむに押しつけようとしているんだなんというような気持ちはひとつ持たないように。あくまでもわれわれは、立地については地元県民あるいは地元関係町村と十分の連絡をとるのであって、反対派の声だけに、いやそれはそういう考えを持っているんだ、持っていないんだと言うわけにはまいらないんです。  これはもうあくまでも地元の皆さん方の総意――一部の反対者までは責任持てませんが、やはり総意、大方の皆さんの意向を聞きながらやるわけでございまして、その中に再処理が入るのか入らないのか、これは地元の皆さんの意向も聞いて決めていくことであって、私が入るとか入らないとかいま言うのは地元の意思にも反するのであって、ただ関根浜については決定したかのごとく、しかもいま「むつ」でまじめにお願いしている段階にそういう誤解を与えることがあっては、これは地元に御迷惑をかけるということでございますから、はっきり否定をするところは否定をしていかなければなりませんが、下北半島全体、原発地帯にするかしないかは、これも地元の意向を十分聞きながらやっていくところでございますので、どうか、あたかもあの付近は原子力地帯にすることが反対であるのを政府が押しつけているような印象を持たないように、あくまでも民主的に地元とよく相談をして決めていく、こういう基本方針で御理解いただきたいと思います。
  47. 関晴正

    ○関委員 再処理工場については、いつごろに土地の指定がなされる見込みでございましょうか。
  48. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 先ほど来申し上げておりますように、この立地の選定の責任と申しますか設定を行う者は、日本原燃サービス株式会社でございます。原燃サービスといたしましては、ただいま大臣から申し上げました地元の御意向ということを十分配慮して、立地の選定を進めているというふうに聞いております。また、これは発電所につきましても全く同じでございます。  なお、いつごろかということにつきましては、日本原燃サービスの言い方といたしましては、今年中にははっきりさせたいという希望を持っているというふうに聞いているところでございます。
  49. 関晴正

    ○関委員 今年中というのは年内ということになるのですが、夏ごろまでとも言われております。六月ごろまでとも言われております。その点はどうでございますか。
  50. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 私どもが聞いておりますのは、年内にはということを責任者から聞いているところでございます。
  51. 関晴正

    ○関委員 これを決める場合の手続等はどういうふうにするものですか。
  52. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 立地を決めるという段階までの手続につきましては、日本原燃サービスの責任においてなされるということでございます。
  53. 関晴正

    ○関委員 その日本原燃がどういう方法でやるのです。
  54. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 全国的にまず可能性のある立地地点について、それぞれ自然条件さらには社会条件を踏まえまして検討をし、さらに、恐らくしぼられた段階では地元と接触をしていろいろ御相談申し上げるというような過程を経て決まっていくものだろうと予想をいたしております。
  55. 関晴正

    ○関委員 その手続の初歩的段階です。それぞれの地域の自治体あるいは市町村長、知事、それらの意向や考えというものも聞いた上で進めていくことになるのですか、一方的に進めていくことになるのですか。
  56. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 現実の問題といたしまして、一方的に進めていくというようなことは成立しないと思います。住民の方々あるいは自治体等と御相談をした上で事が進んでいくというように考えるのが当然かと思います。
  57. 関晴正

    ○関委員 再処理工場の現状あるいは今後の展望、いろいろ問題がありますが、これは次の委員会でまた尋ねることにしておいて、きょうは、とにかく関根の浜には再処理工場は置かない、これが明確にされたことと、東通の場合には、定まっていないということもまたはっきりしたこと。私の方からの希望は、関根の浜と同様に、東通の地域においても、あの地域をそうしたものに位置づけるなんということのないように、これは次のときにまたいろいろ申し上げたいと思います。  私はいつも申し上げているように、あの下北半島や津軽半島という、津軽海峡に接しておる半島を原子力半島にするよりは、言うなればソフトエネルギーをとる風力半島、そういうものに大々的な金遣いをして取り組むことが一番大事なことじゃないだろうか、こう思っておりますので、そういう方向に、長官は風力エネルギーには関心が薄いようでありますけれども、関心を高くして、いいデータもたくさんありますので、ひとつ取り組んでいただくよう、これは希望しておきます。
  58. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 再々申し上げますが、立地の選定につきましてはわれわれ権限がないという妙な言い方ではございますが、日本原燃サービスが主体的に選定を行っていくということでございまして、たまたま、関根浜につきましてはああいう新聞報道もございましたので、私どもがお願いしていることと混同されて事がおかしくなってはいけないということで、県も御心配になり、公文書をもってお問い合わせがあった、それを受けまして、私どもが日本原燃サービスに正式に問い合わせをしたというプロセスを経てなっているわけでございまして、科学技術庁がどこどこというような立場にないんだということをぜひ御理解賜りたいと存じます。
  59. 中川一郎

    ○中川国務大臣 私が何か、ソフトエネルギー、自然エネルギーについて嫌っているようだと。私は嫌っておりませんで、まじめに、将来のエネルギーを安全に、しかもコスト的に、量的に間に合えばという純真な気持ちでやっているので、ソフトはだめ、原子力だけという気持ちではなく、両方一生懸命やっていきたい。そういう中で、下北半島の地の利、経済性からいって原子力地帯としたらいいのではないかという地元の希望もあることでございますから、そういった地元のことや国のことを考えてまじめにやっていきますので、何でもかんでも排除して猪突猛進ではなくて、案外弾力性があることもこの機会に申し上げておきます。
  60. 関晴正

    ○関委員 再処理工場の話は非常に大きい話で、広い話ですし深い話ですから、これに入ると抜けられなくなりますので、これは次回にまたお尋ねをいたします。  そこできょうは、去る十四日、原子力船開発事業団が発表されました関根の浜の建設可能論、私から言わせれば建設可能論と言った方がいいと思うが、あの地域において建設は可能だとの御発表がなされました。私は、この「原子力船「むつ」の新定係港に関する立地調査結果について」という昭和五十七年三月、日本原子力船研究開発事業団の発表されたこの内容について幾多の疑問があるわけです。きょうは、とても一時間の時間でこの問題の論戦を終えるというわけにはいかないだろうと思いますが、その中でまず伺っておきたいことは、長官と原子力開発事業団とそれから運輸省、この方々においてこの発表の結果というものをよく吟味されてお出しになったものであるかどうかということについてお答えをいただきたいと思います。
  61. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 今回の立地調査の報告書につきましては、事業団がこれまでに行ってまいりました調査をもとに取りまとめたものでございまして、事業団の責任において取りまとめたという報告書でございます。これはいわゆる五者協定によりまして、その共同声明の精神にのっとってまず調査をするということでございまして、この調査を事業団が行い、その責任において地元側に御報告をした、こういうことでございます。
  62. 御巫清泰

    ○御巫説明員 この事業団によります調査報告は、ただいま局長から御返事がございましたように、五者共同声明に基づいて事業団が自主的に行われたというふうに理解をいたしておりまして、私どもの方に事前に正式にそういう御相談があったというわけではございません。
  63. 関晴正

    ○関委員 大事な港づくりにかかわる調査に対して事業団だけがおやりになった。ただいまのお答えを聞きますと、運輸省の方では何らかかわりを持っておらない、また原子力局長の答弁を聞きますと、同様に科学技術庁もこれについては責任を持つようなものではない。こういうふうになりますと、現地においでになっての御説明には原子力局長も行っているわけです。そしてこのことについて、あたかも科学技術庁もきちんと裏打ちをしているように、共同の責任を持って臨まれているようにわれわれには映るのですが、その点はどうなんです。
  64. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 日本原子力船研究開発事業団を監督する立場に当庁はございます。また、五者共同声明の一当事者でもございます。そういう立場で事業団の業務、特にこの場合あの調査活動の業務の適正な運用に責任を有しているということでございます。したがいまして、監督責任としてわれわれは責任を有しているわけでございます。また、行った調査の結果事業団が行いました判断について、われわれはそれを監督する官庁といたしましての責任を有しているという立場にあると理解しております。
  65. 関晴正

    ○関委員 先の答弁と後の答弁と大分違っておるようでありますが、そのことはあえて追及しようとは思いません。ただ、私の言いたいことは、せっかく出された開発事業団の立地調査の結果というものはきわめてでたらめである、こういう感が深いのです。その点について事業団の責任者の方から、この調査結果の内容とお考えについてひとつ確信のあるところを御発表いただきたいと思います。
  66. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 私どもは昨年九月の初めから、新定係港を関根浜地区に建設するということで、その建設が技術的に可能であるかどうかということにつきまして必要な調査を行ったわけでございます。この定係港の建設が可能であるかどうかということにつきましては、私どもとしては、第一次の調査と申しますか、この建設が可能であるかどうかということに必要な技術的な調査を重点的に進めてまいりました。またこれと並行して、将来の具体的な定係港の立地環境等についての調査もあわせて実施をいたしております。これらについては現在もまだ並行して実施中でございます。  この技術的に建設が可能であるかどうかということにつきましての調査、主として港の関係につきましては、地盤の問題あるいは波浪の問題、また漂砂の問題等につきましても調査を行ってまいりました。また陸上の附帯施設の関係につきましては、最も重要であると考えております地盤、地質等の問題についての調査を行ったわけでございますが、これらの調査の結果、私どもといたしましては、定係港、港湾施設及び陸上の附帯施設をこの地域に建設することについては技術的に可能であるという結論を得たわけでございます。したがいまして、その結果に基づいて去る十四日に地元に御説明を申し上げたところでございます。
  67. 関晴正

    ○関委員 抽象論よりも具体的な論に入ってお尋ねをいたします。  事業団で発表したこれを見てください。この二十五ページに「破壊的地震の震央分布」についての図がございます。この図はどういう意味を持つのですか、御説明をいただきます。
  68. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 これは、言葉はあれでございますけれども、東北地域と申しますか、ここにございます地震でいろいろ被害が出たその地震についての震源地と申しますか、そういった地点をあらわしておる図面でございます。
  69. 関晴正

    ○関委員 したがって、関根の浜にはそれが予想されないという意味ですか、安心しなさいという意味ですか、この意味は。
  70. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 関根浜地区にと申しますか、その地点にと申しますか、青森県下に被害を与えた地震等につきましては、別途その報告書の二十三ページに、調べたものについては一応添付をしてございます。なお、二十四ページの「表-四」というところに、その中から、青森県むつ市周辺に被害のあった記録のございます主な地震について取り上げて、それらの地震の大きさあるいは被害状況等について御報告を記載してございます。
  71. 関晴正

    ○関委員 ですから、「破壊的地震の震央分布」というものはこういう図に示しているところだ。そこのところで、関根の浜の漁民や青森県民に説明するときに、そういう心配は少しもありませんよという意味を持つのですか。持たぬのですか、持つのですか、そのお答えだけで結構です。
  72. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 これは特にそういうようなことでなしに、比較的大きな地震が、東北地方にどういうあれがあったということについての文献でございます。その一例としてここに挙げてあるわけでございます。
  73. 関晴正

    ○関委員 だから、あったのはこれだ、これからはそういうものはここにないんだ、そういう意味を持つのですかというのです。関根の浜というのは、ここに何もないのです、そういう意味では、ここはそんなおそれがないんだ、安心しなさい、こういう意味を持つ図なんですかと聞いている。それとも、そんなことには関係なくここに並べたんだ、こういうことですか。
  74. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 これは歴史地震と申しますか、地震の過去のいろいろな調査の段階におきまして、一つの文献として、関根浜地域にそう大きな破壊的な地震の影響がないといいますか、この文献に関しては影響は出ておらないということとしてここへ挙げたわけでございますが、それだけではやはり地元に対して――その地域にもいろいろ被害等があったデータもありますから、それについては、私どもが調査をいたしました結果について「表-三」「表-四」等を報告の中へ出しまして、地元の方への御説明をいたしておるわけでございます。
  75. 関晴正

    ○関委員 北海道の浦河に発生した地震も、この震央分布から見ると示されておらない場所だ。しかし、ここには活断層が走っていますね。それ以上にまた関根の浜にも活断層が走っていますね。あなたの方は次の二十七ページに活断層の走っている図面というものをちゃんと出しております。この二十五ページに震央の分布を示しておって、あたかも関根の浜には大きな地震は起こらないだろう、そうだそうだとみんなこれには理解がいきそうです。しかし、不幸にも先般発生した浦河の地震というものは大変な地震ですよ。いいあんばいに人命にかかわる被害がなくて事はおさまったようでありますが、この浦河地震というものもこれで見ると明らかに安心できる。しかし、次のページの二十七ページの活断層から見ると、浦河地震はなるほどなとどなたでもわかる。発生すべくして発生した。あなたの方で出している図面なんです。  もちろん、これは東大の活断層研究会で出した資料に基づいておとりになった資料です。そういうりっぱな資料をあなた方の方で把握していながら、どうして――この十三ページを読んでみますよ。十三ページの(2)「海域については、下北半島東方沖に規模の大きな断層の存在が「日本の活断層」により報告されている。しかしながら、この下北半島東方沖の活断層は調査資料を検討した結果、活断層と考えられるものは認められなかった。」これはどういう意味です。御説明いただきます。
  76. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 まず最初に、いま浦河沖の地震のお話がございましたが、ただいま先生の方からお話のございました「破壊的地震の震央分布」の中にその浦河沖のものが載っておらないという点でございますが、この「破壊的地震の震央分布」と申しますのは、主として東北地方に被害が与えられたものについての震央の分布図でございまして、この浦河沖には地震の巣があるということが言われております。しかし、この浦河沖のものにつきましては、過去に東北地方に被害を起こしたことがないというような点から、ここに記載されておらないとのことでございます。  それから、次に活断層の問題でございますが、東大の方の貴重な文献として全国的にわれわれもこれは大いに参考にいたしておるところでございますが、この私どもの判断をいたしました経緯は、今回、私どもが関根浜地区に新定係港関係の施設をつくるという点からいろいろ調査を始めました段階で、ちょうどその下北地域に東北電力、東京電力さんの方がここに原子力発電所をつくられる、その関係でいろいろ調査を行っておられるということで、その電力の方から借用いたしました海上音波探査のデータというのがございまして、それらをお借りすることができましたので、これについて私どもとして慎重に検討をいたしたわけでございます。  それで、その東大の図に確かに断層という形で入っておりますが、これにつきまして電力の方でおやりになりました調査の結果から見ますと、その個所につきましては、第三紀中新世の層が大陸斜面を形成しているところに、それより新しい第三紀鮮新世及び第四紀の層が堆積しており、その堆積の線は滑らかに接した状態であり、当該個所において地層の乱れまたは活断層と考えられるものは認められないという判断に達しました。私どものその解析等の結果、私どもとしては、この地点に活断層と考えられるものは認められないという結論に達したわけでございます。
  77. 関晴正

    ○関委員 もう一遍明確に答えてください。この調査資料というのはどこのもので、いつ調査したもので、そうしてその内容はだれが責任を持っておられるのか、どうしてその調査資料について示せと言うてもあなた方の方では示すわけにはいかないとされたのか、この点について明確に答えてください。
  78. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 私どもが解析をいたしましたもとになります調査は、電力会社さんの方でおやりになりました調査の記録をお借りして、一応私どもの方で解析をしたわけでございます。それから、この電力さんの方の御調査は昭和五十二年から昭和五十三年にかけて実施をしておられるわけでございます。  それで、先ほど先生からもお話がございましたが、私どもの方ではこの調査の記録等に基づいて一応解析をいたしております。この点につきましては活断層の状態ではないという判断、またそこがどういうぐあいになっておるかというような点につきましては、地元の方々にこの資料について御説明を申し上げました時点で、その具体的な内容について御説明を申し上げておるところでございます。
  79. 関晴正

    ○関委員 どうして私どもの方に示せと言っても示されないのです。
  80. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 先ほど申し上げましたように、この記録そのものにつきましては、電力さんの方から一応借用をいたしておるわけでございますので、この記録自身を差し上げるというわけにはまいりませんが、地元につきましては、資料の解析結果等についての具体的な御説明は申し上げておるところでございます。
  81. 関晴正

    ○関委員 東大の活断層研究会が五十一年から五十三年までかかって、そうして五十四年、五十五年と刊行のために時間がかかってつくり上げられたのがこの資料です。物すごく多くの方々が、四十人の学者がかかっておりますよ。そうしてつくり上げられたのがこの図面ですよ。この図面によりますと明らかに活断層が走っております。どうしてこの走っている活断層を東北電力の調べによって否定されるのです。認められないなどというようなことを言えるだけの根拠があるならば、その根拠を示せと言われたら当然示していいでしょう。どこのものかわからないもので、漁民には何と説明したかわかりませんよ。しかし、権威ある国会がその資料の提出を求めたら、出せないということがありますか。長官、この点についてどう思います。
  82. 中川一郎

    ○中川国務大臣 人の資料は人の資料でございますから、いかに国会であろうとも、責任というかルールというか、出版物でもそのように版権というものを持っておるところは大事にしてあげませんと、国会も大事ですが、そういったルールも私は大事だと思います。
  83. 関晴正

    ○関委員 長官、これは重大な発言です。人のものであろうと何のものであろうと、国政運営上においてそれが資料になっているわけですよ。一方においては資料として使い、われわれがその資料を検討しましょうと言ったら、それを見せないということは一体どういうことです。大きな間違いじゃありませんか、見せもしないで。また長官も長官だよ。見せない方の肩を持つという手はないでしょう。科学技術庁長官というのはどちらの肩を持つとか持たないというものじゃない。科学的に事を処理するという国会議員の調査について、目隠しをするとかそういう資料も出せませんなんということを放置していいですか。お答えください。
  84. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 東大の研究会の方で行われました資料でございますが、私どもは、このデータ、バックデータについてもいろいろ調べてみたわけでございますが、それは海上保安庁の方で前に行われた調査をもとにして検討が進められておったように聞いております。その海上保安庁の方で行われました調査は、基本的には海底の地形図をつくられるということが目的であったというぐあいに理解をいたしておるわけでございます。また、このたび電力の方で調査をされましたものは、原子力発電所の立地という点から、活断層が果たして存在するかどうかという目的を持って調査が行われておるわけでございます。したがいまして、その調査結果を私どもとして利用させていただくのがこの活断層の判断には最も適当であろうということで、この調査資料をお借りできるかどうかというお話し合いをいたしましたところ、幸いこれをお貸し願えるということでお借りをして、その記録について私どもの方で一応解析、分析をいたしたわけでございます。  したがいまして、地元の方に対しまして、これらの電力の行われました調査記録の生のデータについては、私どもには一応お貸しするということでございますので、それは差し上げられないということでございまして、具体的にそれがどうなっておるか、どうしてそういう解析が行われたかという点につきましては、これはそのデータ等をお示しをして、私どもとして地元の方にもそういう御説明を申し上げたところでございますので、先生の方で、この点の御説明を私どもの方でぜひというお話でございましたら、資料をもちまして御説明申し上げたい、かように存じます。
  85. 関晴正

    ○関委員 とにかくあたりまえのことを何で素直にわかりました、このとおりですと自信と確信を持って示さないのです。東大の研究会でこんなに明確に出していますよ。それを否定する電力会社だとなったならば、間違っているというなら訂正を求めればいい。そうして地元の方に説明すると言うが、地元というのはだれです。だれにどんな説明をしているのです。  私の言いたいことは、いまやっとここへ来て、それならばお見せいたします、こう言うのですね。ひどいじゃありませんか。どうしてそんなことが起きているのかということなんです。これは、東通村に、この東大の活断層の発表された図によると原発をつくるのがむずかしくなるからです。これによると、活断層の走っている位置というのは東通村から何キロもありませんよ。二、三キロか四、五キロかなと思いますよ。これがあると東通村の原発もまたむずかしくなるのです。そこで、これはない方がいいのです。見る人がなければ隠した方がいいのです。活断層隠しだとか活断層殺しだとかというのが近ごろはやっています。これは隠し以上なんです。殺しなんですよ、あなた。あるものが認められなかったと書くのですよ。ひどいじゃありませんか。こういうような間違ったことを、どちらが間違っているか明らかにしなければ発表できないでしょう。あなたの方でそういう分析をしたと言う。だったら堂々とやったらいいじゃありませんか。  どっちを信頼したらいいのです。こそこそやっている電力会社を信頼した方がいいのか。国が五千万も補助金を出して、調査をさせてでき上がったところの活断層研究会のこの執筆者九名、参加者四十名、そうそうたる学者が加わってやったもの、これは権威あるものなんです。権威あるものをあなた方は伏せて、表に出すことのできないものによって分析し、解析してこうした。何たることです。これが科学的態度ですか。こんなことで事を進めようとするからまた問題が起こるのです。では、いつ示されるのですか。いつ示して説明してくれるのですか。
  86. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 先生のお時間をいただければ、いっでも御説明申し上げたいと思います。
  87. 関晴正

    ○関委員 その説明と、このかかわるものとの関連まで説明できますか。
  88. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 活断層であるかどうかということを私どもの方で認定したという点につきましては、十分御説明ができると思います。
  89. 関晴正

    ○関委員 もう一つ聞きます。「次に大きな活断層としては、関根浜北方沖にあるとされているものであるが、その規模は小さい。」この判断はどうして出てくるのですか。どうして大きいものが規模が小さいという判断になるのですか。このお答えをいただきます。どこで判断されたのですか。何を根拠としたのですか。
  90. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 関根浜の北方に確かに小さな活断層があるということが出ておりますが、この点につきましては、私どもの方で一応解析をいたしました結果、仮に地震がそこで起こったという想定をいたしまして解析をしたわけですが、その地震基盤を尻屋層ということで仮定をいたしまして、それでこの建物の基盤となる地層の上面で地震の加速度等を計算いたしましたところ、大体百九十ガル程度である、したがって、震度は大体五ということで、この地域の活断層が仮に活動したとしましても、そこにつくりますそういう施設に被害を生ずるというようなことは、設計をきちんとすればないという判断に立っておるわけでございます。
  91. 関晴正

    ○関委員 これは幾らあなた方の方で否定しようとしても、この近くに迫っているものまでは否定できないから、そういうことで計算したんでしょう。そうしてあなた方は、大きな活断層であるけれども、その規模は小さいと計算した。では具体的に何キロあって、どういう方程式でそういう計算になっていますか。答えられますか。
  92. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 関根浜北方沖の活断層といいますのは、距離が大体十二キロと二十二キロのところにあるということで、これをもとにしましてこの解析を行ったわけでございます。
  93. 関晴正

    ○関委員 あと余り時間もありませんから、この続きはまたこの次にさせてもらいますけれども、とにかく東大の活断層研究会の発表したこの権威あるものをあなた方は真っ向から否定されている。(「東大は最近権威がないんだよ」と呼ぶ者あり)大変なことです。東大御出身の方が、東大の先生は権威がないと言っているんだから、どっちが権威がないかは別として、そういうようなものが否定されるようになると、これは何を基準として判断し、出した方は、何のかんばせあって国費を使ってこんなものを出したかということになる。それだけにあなたの方も、貝塚教授等にもそういう資料、生の資料を出してひとつ取り組んでください。そういう取り組み、解析がなくて、あなた方の一方的な解析で御判断願いますと言ったって、とても中に入るわけにいかない。  もう一つ、あなた方はせっかくボーリングをしたのに、ボーリングをした個所全部をなぜN値を示されなかったのですか。
  94. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 まず、活断層の問題でございますけれども、これは確かに電力さんの記録といいますか、調査結果を利用させていただいたわけでございますが、その解析に当たりましては、私どもとしては、解析は権威ある、経験豊富なるところにお願いし、またこの結果と内容等につきましては、これもその分野での権威とされております北大の湊先生の御意見も一応お伺いをした結果、私どもとして一応活断層と認められないという判断を下したわけでございます。  それから、いまのN値の問題でございますが、これはボーリングしました点のN値につきましては、地元には全部説明をいたしております。資料は一応お出しをしております。
  95. 関晴正

    ○関委員 どうも地元、地元と言って地元に逃げていって、そちらにやっている。ここはわれわれの本元だ。国が行おうという仕事についてチェックし、そしてとるべきはとる、入れるべきは入れる、捨てるべきは捨てる、そういう大事な国政の審議の最高機関である国会に、五本ボーリングしたら五本示したらいいでしょう。海の方は示しておる。示されている内容だって、いいものではありませんよ。示せばいいというものではない。示されている内容がいいかどうかが問題だ。まして陸地における部分は五本ボーリングをしていながら、一本しか示さない、あとの四本はどうしたのです。地元で示した。なぜ地元に示して国会議員に示されないめですか。われわれが審議するというのに、どうしてそれが示されないのですか。その理由は何ですか。
  96. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 海域のボーリングにつきましては、お手元の資料に三本のN値が全部一応出ております。  それから陸域のボーリングにつきましては、N値は、二本測定をいたしておりまして、その一本についてはその資料の中に入っております。あと一本については、地元の方に生データとしてはお出しをいたしております。
  97. 関晴正

    ○関委員 なぜ示されないかと言うんです。地元には示して、われわれにはなぜ示されないのかという理由、何が根拠で、事務がはかどらないからですか。何が理由で示されないのか。何でボーリングしたものをみんなわれわれに示そうとしないのですか。
  98. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 この資料につきましては、御要望がございますればお出しいたします。
  99. 関晴正

    ○関委員 そんなことじゃないんだよ、あなた。なぜ隠して示さないのかと聞いているんだ。
  100. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 これは断面が違うだけで、その値は大体ほとんど同じものでございます。
  101. 関晴正

    ○関委員 それではさきのものと同じだという意味ですか。そう理解していいですか。
  102. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 ほぼ同じ値であったので示さなかったというわけでございます。
  103. 関晴正

    ○関委員 このほぼで全部だまかしております。いま出されている資料は全部ほぼです。N値が十そこそこしかないのに、あるいは二十そこそこしかないのにもかかわらず、二十から五十までほぼと言っている。陸上部の方は三十五から五十までのN値でほぼとつけている。ほぼ以下はありますよ。十もあるし二十以下もある。それをひっくるめてほぼとやっている。科学的な態度としては、最低から最高まできちんと書くべきですよ。ほぼなんという記述でごまかしてはいけない。このN値の測定に当たっても、それぞれのボーリングの仕方にしても、どんなボーリングをしたんだろうなという疑問もあります。それから、ボーリングをした結果のN値の波状、グラフのこの波について、ではどういう分析をしたんだろうなという疑問も残ります。  しかしいずれにしても、あなた方の方で資料として、国の金をかけてせっかく調べたならば、その調べたすべてを出したらいいでしょう。同じであるかどうか、われわれが見て決める。海底なんか掘ってみたって同じようだから、では一本示すということでおきますか。これは三本示したでしょう。見せたくないところもちゃんと出ていますよ。陸上だって見せたくないところがあるから隠したんでしょう。東北電力の資料で逃げて、それから出すべき資料において隠して。今度の調査に当たって流砂、漂砂の調査をなされましたか。
  104. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 先ほどのボーリングの結果につきましては、この調査の生データは、五者協定の各地元の方々には一応全部お出しをしてあるわけでございます。  それから漂砂につきましては、現在も調査を進めておるところでございますが、この港の設計につきましては、各種の調査結果を待って総合的に検討を進めていくことといたしております。ただ、海底地形が急勾配で安定しておりますこと、及び海底のボーリングの結果から見まして相当締まった地質であると考えられます。また、私どもの方で潜水夫によりまして砂層の調査を行っておりますが、その結果砂の厚さは余り厚くないというような点から、港湾の建設に余り問題はないというぐあいに考えております。  この調査の解析の結果、関根の漁港等に影響が私どもとしては出ないと考えておりますが、仮に影響が出るとしましても、調査により定性的な傾向がつかめると考えられますので、対応策は今後十分立てていけるというぐあいに考えております。また漂砂につきましては、九月、十一月、それから二月から三月と現在まで三回ほど調査をいたしております。なお、今後またさらに五月には調査を行っていきたいというぐあいに思っております。  それで、この調査は、定量調査といたしまして最も信頼度の高いと言われております螢光砂の調査を四地点について行っております。また、全体の傾向を大きく把握をするために、深浅測量あるいは汀線測量等を四回にわたって行うことにいたしておりますし、また定測線の測量を、これは三本といいますか、三つの測線につきまして十日間ごとに連続して測量をいたしております。またさらに、流入河川の調査につきましては、この近くにあります七つの河川につきまして渇水期と洪水期の調査を一応いたしていくことで、さらにこれらの多角的な面から当該海岸の漂砂を把握するということにいたしております。
  105. 関晴正

    ○関委員 発表の中に漂砂の調査についても一言半句もないのです。幾らかやったでしょう。やったならやった過程のことを少しぐらいは中間発表でもいいから示したらどうです。  青森県において有名なむつ小川原開発というのがあります。あのむつ小川原開発に当たって、あの港をつくるときにどうするかというので何に一番手間取ったかというと、漂砂、流砂なんです。北から流れてくる、流れたのがまた南から押し返されてくる、行ったり来たり、これで六年調べておりますよ。それで当時の土木部長なんか体を悪くして命まで失っちゃった。  あの地域というのは、普通の海岸地域と違って暖流と寒流があやなす地域なんです。そして霧の深いところなんです。それに日本海の方からもまた流れてきます。三つの潮のぶつかるところなんです。そういう場所でもありますだけに、あの地域に対する検討というものはよほど十分にきちんとしなければならない。まして関根の浜はヒラメの産地。ヒラメというのは砂の中に埋まっておるのです。砂で磨きがかかっているものですからおいしいわけです。その砂浜が、漁港を利用している諸君たちが、あそこに千五百メートルの大きな堤防ができていくとわれわれの漁港は埋まっちゃうのじゃないか、そう心配しておる。かくかくしかじかのデータで断じて埋まることはない、安心しなさいと説明したらいいでしょう。それもない。  そういうような状態のままで関根の浜を何とか母港にと言うて持っていこうといったって無理というものです。佐世保から八月の末に出る。すべてが八月末を目標にして事を進めようとしている気持ちはよくわかる。これは長官が約束してきていることだからね。しかし、佐世保から出港したからといって直ちに大湊にというわけにはいかないと私は思う。見通しをつけて、そして早く大湊へというのが長官のお考えでしょう。また願いでもありましょう。しかし、幾らむちゃな長官といえども、科学的なデータに基づくというとさすがにこうべをたれなければならぬでしょう。  そういう意味で、こういう活断層がその海域についてもあるものをないとして示されているような発表、これらについてもとにかくもっともっと吟味をして、そしてもっときちんとした態度で当たらなければならない、こう思うのです。そういう意味でこの問題については軽率な、軽々な、急速なことで何でも事を進めるなどということはないようにしておいて、科学技術庁長官のそういう点については当然だということでのお答えをひとつ伺って、私の質問を終わりたいと思います。
  106. 中川一郎

    ○中川国務大臣 質問は自由でございますけれども、怒られると説明員もおろおろいたしますので、ひとつその辺のところはお互いうまく審議ができるように、われわれも努力しますから。  そこで、基本的には怪しげなものを隠してやるなんということはさらさらありません。そんなことは絶対あってはならない。ましてや、電力会社が将来あの海岸に電力をつくるのに、活断層があったからこれでは困るからといって隠すような電力会社でないと私は断じて信じているんです。ましてや、事業者ですから、もしそんな危ないところにつくったら、われわれいつも言うんですが、たとえばいま北海道の岩内でいろいろ議論があります、これは漁民に迷惑をかけたり、その地域で危ないことをしたら、一番困るのは地元でもあるが、事業主体でもあるのです、これは先々原子力発電できなくなるのですから。ですから、慎重の上にも慎重を期してやっていく態度は、これは信頼していただきたいと思うのです。  そこで、技術的なことで、資料も、先ほど誤解に基づいて――提供しろというから、提供はできないというだけであって、その資料の結果はこうであるということを説明するというなら十分説明するのであって、隠そうとも思っておりません。そして結論として、われわれとしては、怪しげなところに、地元の人をごまかして、学問的なことをごまかしてつくって、将来大変なことになるような可能性のあるところへ無理してやろうとは思っておりません。  たとえば漂砂の問題、私も苫小牧の港を計画いたしました責任者ですから、大事ではありますが、これは設計上にどの程度沖合いに出すか。普通は九メートルぐらいまでだと漂砂は移動するが、九メートル以上出せば漂砂が動かないというデータもありますから、そういったデータに基づいてその堤防をどのぐらい長さを出すか出さないかという設計上の問題はあっても、漂砂があるからこれはだめだという結論になるものではないのです。いいものを効率的につくるために、漂砂が大事であることはわかりますが、決定的に、これは可能性がないと断定するものではないと思うのです。  ただし、活断層については大事な問題でございますから、十分納得のいくように努力をしていきます。この点は大事なことですし、十分慎重にやっていきまして、地元の皆さんや、誤解のあるままにしゃにむにやるという姿勢はとらない、あくまでも民主的に一生懸命やっていきますので、ただ資料が足りないから、類似的なものがあるから、出さないから、怪しいからだというふうに決め込まないで、われわれも誠意を持ってやりますので、ただ反対のための反対だというのではなくて、一生懸命やっている姿勢もひとつ理解をしていただきたいと思います。御趣旨はよく体して努力してまいります。
  107. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 午後零時三十五分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時十二分休憩      ――――◇―――――     午後零時三十九分開議
  108. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。五十嵐広三君。
  109. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 この間から、いろいろな意味で低レベルの放射性廃棄物が非常に焦点になっているような感じでありますが、この前も予算委員会の分科会でいろいろお聞きいたしましたが、その御質問なんかに基づいてさらにきょうお聞き申し上げたいというふうに思います。  まず先に、十数カ所に大体候補地をしぼった。その中には、特に幌延町から積極的に誘致の要請がある。きょうも午前中同僚委員から御質問があったわけでありますが、その幌延町の問題で、幌延町の海岸線、一般には幌延町の中でも最も有力な候補地点と言われている浜里の南北、この地域について実は将来利尻礼文サロベツの国立公園に編入することを予定していた、留保地域になっているということは御存じだと思うのでありますが、ちょっとこの辺のところを環境庁にお答えいただきたいと思います。
  110. 中島良吾

    ○中島説明員 利尻礼文サロベツ国立公園が指定されるに当たりまして、自然環境保全審議会の方から、南側の適当な地域について公園を拡張するようにという要請が出てございます。
  111. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 実はいま環境庁からちょっとお話がございましたように、昭和四十九年の七月三十日、自然環境保全審議会から国立公園指定の答申が出された折に実はいわば条件といいますか、なお書きがついている。よろしければちょっと資料を差し上げたいと思うのです。いいですか。
  112. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 どうぞ。
  113. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 そこにありますように、審議会としては答申の中で、「なお、公園区域内の湿原景観が維持されるよう努めるとともに、隣接する南側の地域についても今後可及的すみやかに公園区域に包含するようされたい。」こう述べているわけですね。これは四十九年七月三十日付です。これを受けて、そういう条件を満たすために同日付で環境庁と北海道開発庁の間で覚書の交換がなされた。  その覚書の内容はどういうことかというと、「豊富、幌延両町の境界線の南側で、サロベツ川、天塩川及び海岸線で囲まれた区域については、サロベツ川の河川改修計画が決定され次第、当該区域のうち適当な地域を公園区域に編入することを前提に、その利用区分について協議することとすること。」こういう趣旨の覚書が交わされているわけでありますが、それに相違ございませんか。
  114. 中島良吾

    ○中島説明員 相違ございません。
  115. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 開発庁、いかがですか。
  116. 宇山喜代人

    ○宇山説明員 さようでございます。
  117. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 それからそれに図面が付してありましたか。
  118. 宇山喜代人

    ○宇山説明員 ございません。
  119. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 ちょっと恐縮ですが、これが図面です。  実はいまお手元に差し上げた図面というのは、いまの覚書に基づく区域を示した環境庁で持っていた当時の図面のコピーのそれです。そこには明瞭に文字で書いてありますように、留保地域としてその地域を囲んでいるわけであります。それをごらんになってわかるように、幌延町の海岸線全部入っているのですから、幌延町に入るべき海側からの口の海岸線は全部実は利尻礼文サロベツ国立公園に予定していた。しかし、河川改修の問題があるから、それが決まるまでは留保するが、しかし、それが決まり次第編入することを予定した地域ということになっていることを科学技術庁は御存じでしたか。
  120. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 承知しておりませんでした。
  121. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 そういうことになっておりますから、通常の地域とは非常に違う。単に従前の国立公園に隣接しているというか交わっているということだけではなくて、その南側、この該当地域を将来国立公園に編入するということを条件に国立公園の指定を受けているわけでありますし、それを予期して留保している地域であることをこの際御銘記をしておいてほしい、こういうぐあいに思います。  それから、これはもうすでに御入手になっていると思うのでありますが、町が去年の十月及び十一月に地盤について調査をいたしました。この地盤調査の資料がありますので、委員長に提出いたします。
  122. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 それでは、宇山北海道開発庁計画官が何か発言の取り残しがあったようですから、どうぞ。
  123. 宇山喜代人

    ○宇山説明員 ただいま御質問がありました公園の南側の地域についての先生の御意見でございますが、北海道開発庁といたしましては、公園に隣接する南側の地域につきましては、サロベツ川の改修計画が検討されておりまして、この改修計画が決定された後に、当該区域のうちの適当な地域を公園区域に編入するという方向で環境庁から協議を受けることとしているところでございます。したがいまして、先生おっしゃいましたように、その公園の南側に隣接する地域全体がすでに公園に編入される予定地であるというふうには当庁としては理解をしていないのでございますので、御説明申し上げます。
  124. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 これはまた時間がないからあれなのだけれども、いま言った覚書というのは無効じゃないのでしょう。
  125. 宇山喜代人

    ○宇山説明員 無効ではございません。
  126. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 この覚書の中では、河川改修計画について未決定だ、したがって、これを決定してからこの地域については編入する。しかし、河川改修の決定によって、全体ではなくてその中の、これによると「当該区域のうち適当な地域を公園区域に編入することを前提に、」ということで、これを編入するということは変わってないのでしょう。
  127. 宇山喜代人

    ○宇山説明員 いま御指摘ございましたように、当該区域のうちの適当な地域を編入することについて協議をするということになっておるのでございます。
  128. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 そのとおりですね。だから、おたくの方では、この河川改修計画というものを早く決めなければいかぬのだから努力しているとは思うのだけれども、どうなんですか、その河川改修の見通しはいま立っているのですか。
  129. 狩野昇

    ○狩野説明員 サロベツ川の改修計画につきましては、中下流地区に抜本的な治水対策を行う、放水路を含めた改修計画が必要と考えておりまして、目下開発局で調査検討を行っております。具体的な計画の策定については、サロベツ原野の土地利用計画、自然環境への影響などの総合的な視点に立って検討する必要があり、今後関係機関との調整を図りながら進めてまいりたい、かように考えております。
  130. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 四十九年に覚書を交わして、本当はもっと前からいくと、四十六年に自然公園審議会から同じような条件がつけられているでしょう。それから見るともう十年以上じゃないですか。あなたいまごろそんなことを言ってもだめだよ。だから、開発庁の存廃問題が言われるようなことじゃいかぬじゃないですか。だめだよ。
  131. 狩野昇

    ○狩野説明員 改修計画の今後の見込みでございますが、目下、先ほど申し上げましたように開発局で取り組んでいるわけでございますが、治水計画と地域開発計画等との関連についても調査中でございますが、特に放水路に関連して漁業に関する問題がございまして、地元三町の間で現在調整中ということで、早急な解決を図りたいとわれわれも考えておりますが、目下調整中でございます。
  132. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 いろいろ私もお聞きしたのですよ。お聞きしているんだけれども、見込みはないようですね、本当の話。だから、見込みがなかなか立たないのなら、しかし、いつまでもそうだからといって公園編入の問題を放置しておくわけにはいかないでしょう。覚書を交換して、そして審議会のお気持ちにこたえながら進めていかなければならないわけであって、僕は一日も早く方針を出してほしい。それが決まるまでは、とてもじゃないけれども、幌延にこの巨大な、世界に例のないような低レベル放射性廃棄物集中陸上貯蔵施設なんというものをつくるということはとんでもない話ですよ。こんなものはもう話にならない。  それから、いま委員長のところに差し上げましたが、地質の調査を町の方で去年の十一月になさったようであって、すでに科学技術庁等もお目通しになっておられる資料だろうというふうに思うのですが、これをごらんになられて、いま計画しているような施設をあそこに設置するに適当な地盤というふうにお思いになるかどうか、お答えいただきたい。
  133. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 大変残念なんですが、幌延町が独自でボーリング調査をしたという事実を私どもは実は存じ上げておりませんでした。むしろ先生からお教えいただいたような結果でございまして、幌延町の方々非常に御熱心に原子力施設をとおっしゃり、しかし、地盤が悪いからなとみずからおっしゃっているのを実は不思議に思ったわけでございますが、その際に何かデータがあるのですかと実は御質問申し上げるべきだったと思っております。  それから、いま計画されているような施設というお言葉でございますが、現実に計画があるとは私ども承知をしておりません。ただ何か考えてほしいというふうに受けとめているだけでございます。
  134. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 ごらんになって、恐らく困ったなというお気持ちであろうというふうに思うのです。専門家に言わせますと、いわゆるサンドイッチ地盤といって、やわらかいところがあり、そして途中かたいところもあるようでありますが、またやわらかくなるというようなことで、非常にむずかしい複雑な地盤になっておるようでありますから、もちろん十分に御調査をいただくように慎重な御配慮をこの面でもお願いを申し上げておきたいと思います。  さてそこで、きょう午前中のお話にも出てきたのでありますが、一体低レベルの放射性廃棄物というのはどの程度のものなのかということなんですね。よくわれわれが高レベルだとかあるいは低レベルだとか、このごろはまた極低レベルだとかあるいは中レベルとも言うわけですが、こう言っているわけだが、それらのレベルの区分というものは一体どういう基準に基づいて出しておられるのか、ちょっと教えてください。
  135. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 通称われわれが高レベル廃棄物と言っておりますのは、再処理工場から出てくるものを高レベルのものというふうに概念をいたしまして、それ以外は一応低レベルということで整理ができるだろうというふうに考えてきているわけでございます。そのうちまた特に低いものという概念で極低レベルということで、これはまだ十分熟した整理ではございませんが、そんなふうな整理になろうかと思っております。  現実に原子力発電所から出てまいります低レベル廃棄物の中には放射性核種が含まれているわけでございまして、五年程度経過すれば大体短半減期のものは減衰をしてほとんどなくなってしまうというような状況でございます。注意をしなければならないのは比較的半減期が長いもの、すなわちコバルト60であるとかマンガン54、こういったものが入っておりますものについては、安全面からの特別の配慮が必要であろう、このように考えております。
  136. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 しかしおたくの方では、たとえば原子力局の調査国際協力課の五十四年九月に出した「原子力開発の現状」というのがあるわけですね。これがそうですよ。もちろんこれはごらんになっている、おたくが保存になっているものだろうと思うのです。これに出ているわけだね。「放射性廃棄物のレベル区分およびその一般的処分方法」として。固体状は高、低、極低と、こうなっている。それで、高は一時間当たり二千ミリレントゲン以上、それから低が二千から二百ミリレントゲン、それから極低が二百ミリ以下、こうなっているわけだね。これはこういう基準で分けているのでしょう。
  137. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 いろいろ世界的な問題でございまして、IAEAの分類がございまして、十の三乗マイクロキュリー以上を高レベルとする、それから十の三乗から一までを中レベル、一から十のマイナス三乗までを低レベル、十のマイナス三乗以下を極低レベル、こういうような区分をいたしているわけでございます。  私ども、現在部会で検討中でございますが、この分類をとっていこうというふうに考えておりまして、高レベル、中レベル、低レベル、極低レベルという四つの段階で考えていきたいというふうに思っているわけでございます。現在、研究開発の対象といたしまして一番警戒をして計画的に進めておりますのはこの高レベルの廃棄物でございまして、また先日、廃炉の委員会からの報告で指摘のありました極低レベルについて合理的な処理方法を検討すべきではないかという御提案等も含めまして、総合的にこの廃棄物のレベル区分についてこれから検討を進めてまいりたい、このように思っておるわけでございます。
  138. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 聞いたことにだけお答えいただけばいいのです。  いまの「原子力開発の現状」という五十四年九月のやつ、ここに区分基準が書いてあるわけでしょう。これは変わったのですか、いまもそれでいっているのですか。どうなんですか。
  139. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 この表題にも書いてございますように、一般的処理方法ということで、仮のもめと言いますと言い過ぎになりますが、こんなもので整理をしていこうかということでここに記載してあるわけでございます。
  140. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 仮のものといったって、さっきもちょっとお触れになったと思いますが、IAEAのレベル基準に基づいたものでしょう。そうですね。国際原子力機関の基準に基づいたもの、それでわが国も整理をしておるわけでしょう。
  141. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 御指摘のようにIAEAの勧告、こんなふうに考えたらどうかという勧告があったわけでございまして、わが国もそれを採用していこうという考え方でいることは事実でございます。
  142. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 そこで大臣、石ころ同様だとか、この間抱きついたという話があったが、その熱意のほどはよくわかります。何とかしなければいかぬ、そのためには、過度に危険視するような風潮があったら困るという長官なりの御心配でのそういうようなことというのはわからぬものではない。お仕事熱心の余りでしょう。しかしぼくは、原子力行政の基本というのはやはり安全性をしっかりすることだと思うのです。どんなことだって誤りのないように、安全であるように念には念を入れていかなければいかぬ。  それが、石ころ同様だとか抱きついてもどうだったとかというのは、原子力行政の責任ある立場でお話しなさるべきことではないのではないか。お気持ちはわからぬわけではないが、しかし、少なくとも局長さんを初め幹部の皆さんは、安全性という面については少しの甘えもないような努力というものがぼくは必要ではないかと思うのですよ。この際ですから、その点を一つ申し上げておきたいと思うのです。
  143. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 先ほども触れましたように、発電所に保管されております放射性廃棄物でございますが、年数とともに減衰をしていきます。特に、古いものにつきましては安全でありかつ放射能レベルが非常に低くなっているものもあるということ。ですから、そういうものについてはまさに抱きついてもどうということはありませんという、その結論のところだけを大臣が御表現になったと思います。
  144. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 だから、それは何年かたって半減期が来て非常に減衰になった、かなり低くなった、さわっても短い時間ならそう心配ないだろうというものもあるでしょう。しかし同時に、そうではないんだな、二百から二千の間なんだから。それはそうそうさわっていいというものではないと思いますよ。どうですか。  それを、いまのお話によりますと、中には軽いものもある、その軽いものの結論だけ言ったなんてことで、あなた局長勤まりますか。だめですよ。もっともっと安全性を確認して、何としても誤りのないようにしていくというのがあなた方の仕事でしょう。ぼくはこの間からその点が気に入らないんだ。間違っているなと思っているんだ。念には念を入れて、まあ大丈夫だと思うが、しかし、こうですああですという態度というものがやはり必要でないかと思うから、老婆心ながらいま申し上げたわけです。  そこで、次の問題に入ります。  余り時間がないのであれですが、すそ切りしようということになってきたようですね。――ちょっと、聞いててくださいよ。
  145. 中川一郎

    ○中川国務大臣 誤解があるといけませんから……。  低レベルにはいろいろなものがあると思いますが、施設貯蔵をやるようなものは、そういうものを抜き出していって、まずまず大丈夫だというところになったものを持っていく方法もあるのであって、いや、持っていく中には危ないものもありますよというようなやり方は責任者としてはできないのです。これはいろいろなものがありますけれども、人のところでできたものの危ないものを預かってくれというようなことは、一時施設としてはやるべきでない。  私は、事業所内の私が見て大丈夫だというようなものを持っていくような貯蔵施設でなければならぬということをやっているのであって、危ないものをごまかして――抱いても何でもない、持っていくというような姿勢が悪いと言われると、私も何か悪いものを隠して持っていくような犯人の一人にされますので、そこははっきりしておきます。私だって責任を持って言っているのですから、もし御指摘のとおりいろいろなものがあるとすれば、そういう大量のものを預かるところは、安全なものだけ選び出していくということもできることですから、どうかひとつ悪意のないことだけは理解していただきたいと思います。
  146. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 大臣に悪意があって言っているとは思わぬが、区分では二百から二千という幅があるわけですから、それは二百のところばかり見てもうまくないわけですね。ひとつぜひ御留意いただきたいと思います。  いま話が出たからついでにあれですが、五十一年六月の放射性廃棄物対策技術専門部会の中間報告によると、当面必要な研究開発課題というのを幾つか出しているわけですね。いろいろむずかしいことを出している。  陸地処分をするためにはこういうような研究課題がある、それをまずきちっと片づけて自信を持って入っていかなければだめだという意味でこう書いているのでしょう。時間がないからずっと読むわけにいかぬが、たとえば「低レベル廃棄物等の地中処分及び陸地保管に関する研究としては、陸地処分場に関する調査研究ならびに安全評価のための試験研究、処分、保管構造物の基準化のための調査研究、処分、保管パッケージの基準化のための調査研究、モニタリングシステムの研究、輸送に係わる調査研究を実施する。」それでその内訳がまたいろいろ出ているわけですね。これは五十一年六月のやつですが、こういう研究課題はそれぞれ研究なされて、その結果が出たのですか。
  147. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 そういう研究につきまして、主として原子力研究所が担当して進めております。また一部原子力環境整備センターが分担している分もございます。
  148. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 分担を聞いているわけではないんで、そういうような研究課題についてそれぞれ研究し終わって、こういうぐあいにしていくのだ、基準はこうだというようなことがそれぞれ明確になってきたから、いよいよ建てるとか場所をどこだとかということを言っているわけでしょう。だから、そういう調査結果というものがはっきりしているならば報告をしてほしい。
  149. 田辺俊彦

    ○田辺説明員 先生御指摘の施設による貯蔵に関しては、現在原子力発電所において安全かつ厳重に保管されているわけでございます。これが一つの実証であると思います。しかしながら、私どもとしては、五十三年以降実物大の試験設備をつくりまして、施設による保管について耐震性それから耐火性、その他もろもろの観点からの実証試験を続けてまいりました。また、特別大規模な施設保管をする場合に備えまして、来年度より実証試験を続けていくということでございます。
  150. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 そういうことだとか、あるいは保管パッケージはどうだとか、輸送はどうだとか、二十二カ所の原子炉から集めてきて、どこかに集中保管しようというのだから、それの輸送は一体どうするんだとか、さまざまあるわけでしょう。恐らくどこかで研究をやっているんでしょう。いまの話だって来年からどうとかって、あなたそんなことを言っていて、ことし用地を決めて、来年その買収でもしようかなんというお話なんかもこの前ちょっと聞いたんだけれども、おかしいんじゃないですか。やはりそういう研究課題について十分な検討をなされて、その結果というものをわれわれにも報告してもらう。なるほどここまで進んだか、こう思いながらやらなければいけないでしょう。どうなんですか。
  151. 田辺俊彦

    ○田辺説明員 先ほど申し上げましたように、原発において施設貯蔵につきましては実証されつつあるわけですが、大規模な施設の建設に伴いまして新たな要素が多少出てまいりました。その問題に関して、来年度以降五カ年計画で実証試験を行います。私どもは、これはむしろパブリックアクセプタンス、地域の方々あるいは国民の方々に理解を得てもらうための実証試験だと理解をしております。すでに耐火性、耐震性その他安全性につきましては、秋田県の尾去沢で実験を終了しております。完全なデータが出そろっております。  また、先生おっしゃられました輸送、それからパッキングの問題等につきましては、民間ベースでも鋭意開発、実証の準備を進めております。
  152. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 この機会ですから、皆さんの方で相当お調べになったのならば、お調べになった状況をぜひひとつ報告してください。ああここまで来てるな、こういう点はいいんだなとか、あるいはここら辺はやはり問題が残っているんだなということがわかるように。いいですね。  いまあちこちで研究なんかをやっておるというからついでにこれもお聞きするのですが、岡山県の備中、成羽で行っている放射性廃棄物処分についての研究というのは何ですか。宮城県細倉、岩手県滝沢については何ですか。ちょっと簡単でいいから教えてください。
  153. 田辺俊彦

    ○田辺説明員 岡山県の成羽町における実験でございますが、これは財団法人の原子力環境整備センターが自主独立試験の一環として、石灰石鉱床における低レベル廃棄物の地中処分に対しまして、その基礎的データを得るための試験を行おうとしているということで、地域の方々といま話し合いをしていると伺っております。(五十嵐委員「備中も同じですか」と呼ぶ)両方にまたがっております。
  154. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 あと二カ所言ったんだけれども、細倉と滝沢だけれども、この次にでもしますか。
  155. 坂内富士男

    ○坂内説明員 細倉鉱山につきましては、高レベルの――いまの話は実は低レベルであったんでございますが、高レベルの廃棄物の地層調査の一環という位置づけでございます。すなわち、その細倉鉱山にありますティピカルな岩石の凝灰岩、これについての地層の、凝灰岩の特性といいますか、そういったものを把握する。それからまたいわゆる地層の評価の手法を開発する一環としまして調査を行っているものでございます。
  156. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 これで終えたいというふうに思いますが、最後ですが、きょう午前中の関委員の質疑、答弁をお聞きしていて、それじゃひとつ念を押しておくかなというふうに思ったのです。  第二再処理工場について、これも新聞で北海道の奥尻がかなり出ていたのは大臣も御承知のとおりです。まあ新聞に出ていたことについては明確にお返事をなさるということでありましたから、奥尻についてはお考えになっていないというふうに思いますが、新聞にもかなり出ておりますし、現地も心配しておりますので、この際ひとつお答えいただきたいと思います。
  157. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 新聞のことはとにかくといたしまして、奥尻のどれだけのコンセンサスが得られているのかは調べておりませんが、そういった施設について考えてほしいという御要望があることだけは事実でございます。
  158. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 いやいや、質問はそのことを聞いているんではなくて、だから奥尻には持っていかないということなのか。あそこは新聞にも出ているからね。何か新聞に出ていないところについては、いろいろあるがそれは一々答えられないがということだから、まあ出ていてみんな心配しているから、持っていかないなら持っていかないとひとつ言ってください。
  159. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 それは日本原燃サービスの判断に任せたいと考えております。
  160. 中川一郎

    ○中川国務大臣 新聞に出ましたのは、決定したということが出たものですから、決定したわけではない、まだたくさん候補地がありますということで、奥尻がやめたとかやることに決まったということじゃなくて、いまの責任ある機関がいろいろ研究してやっておる。ただ、はっきり言えることは、地元が心配しているのに、いやだと言うのに決めたり押しつけたりすることはないということでございますので、どうぞひとつ……。
  161. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 残念ながら時間でありますので、またこの次に。どうも失礼いたしました。
  162. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 小林恒人君。
  163. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 短時間でございますので、簡潔に何点かにわたって御質問を申し上げたいと思いますので、できるだけ手短に御答弁をいただきたいと思います。  まず一つ目は、すでに新聞等では何回かにわたって報道されているわけですけれども、年度内に電調審を開催する日程があるのかどうなのか、この点についてお伺いいたします。
  164. 向準一郎

    ○向説明員 お答えを申し上げます。  五十六年度の第三回目の電源開発調整審議会の開催の準備のために、現在十五地点につきまして関係省庁に検討を依頼し、あわせまして地元知事への意見照会を行ったところでございます。  現在、これらの意見等を取りまとめ中でございまして、近々関係省庁との最終的な調整を行うこととしております。  電源開発調整審議会の日程につきましては、まだ確定はしておりませんが、これ以降できるだけ早い日に開催したいというふうに考えております。いずれにしましても、三月じゅうに開催するということでございます。
  165. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 年度内には開催をしたい、こういうお話でありますが、すでに明らかになっている部分で、関係をいたします知事に対する意見書、何日に意見照会をされ、タイムリミットを何日と設定をされたのか、明らかにしてください。
  166. 向準一郎

    ○向説明員 北海道電力の共和・泊地点につきましては、三月十一日付で経済企画庁総合計画局長名をもちまして北海道知事あて意見照会をしております。それで、それにつきましての期限でございますが、三月十八日までに御意見を伺いたいというふうになっております。
  167. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 三月十八日までに意見を聞きたい、こういった意見照会をして、きょうはもうすでに三月二十三日ですけれども、今日段階で意見照会はできたのかどうなのか、知事はこれこれですというお答えを出したのかどうなのか、明らかにしてください。
  168. 向準一郎

    ○向説明員 地元の状況等につきましてはいろいろ御連絡を受けておりますが、まだ本日までお答えをいただいておりません。それから、ほかの地点につきましても、これは二十日時点でございますが、二、三の地点で、それぞれ地元の情勢等がございまして、まだ答えをいただいていない地点がございます。
  169. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 電調審を開催すべく十五地点それぞれの地域に知事の意見照会をして、北海道を初め幾つかの地点では回答が来ておらない。しかし、なおかつきょうは二十三日で、十八日というタイムリミットはすでに何日間も過ぎているけれども、年度内にはどうあっても電調審を開催したい。ということは、十一日に意見照会をしてタイムリミットは十八日ですと記載をじたのは、期日というのはあってなきがごとし、こういうでたらめなものであるということを確認してよろしゅうございますね。
  170. 向準一郎

    ○向説明員 期日でございますが、十五地点意見照会をしたわけでございます。しかし、地点ごとにやはりいろいろな事情がございまして、先ほどお話ししましたように、大詰めに来ていてもう少し意見照会に対する回答を待ってほしいという状況もあるわけでございます。われわれとしましては、最終のそういう状況を踏まえまして、意見の照会に対する回答を待ちたいということでいる状況でございます。
  171. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 僕はそんなことを聞いているのじゃないんです。十八日というタイムリミットを設定し、本日段階で十八日から何日間たっているんですか。五日間たっているんでしょう。たっても、なおかつきょう現在出ておらない。期日、タイムリミットというのはあってなきがごとしという認識をしますよ、こう言っているのですよ。これに対するお答えだけでいいのです。
  172. 向準一郎

    ○向説明員 やや繰り返しになって申しわけございませんが、各十五地点におきます回答状況を踏まえて、近々関係省庁との最終の調整を行うということにしておりますので、その状況を踏まえて電源開発調整審議会の準備へとつないでいきたいというふうに考えております。
  173. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 それでは伺いますけれども、三月というのは三十一日までしかないわけです。三月三十五日というのがあるわけはないのですけれども、年度内にやるのかやらないのか。やりますと、十一日に意見照会をし、タイムリミットを十八日と設定をした、しかし、それぞれ地域の実情があって、今日段階、数カ所の地域では答えが出てきておらない、しかし、それを可能な限り待ちたいという可能な限りのタイムリミットは、それでは何日間設定されているのですか。
  174. 向準一郎

    ○向説明員 先ほどお答えいたしました、近々関係省庁との最終調整を行うということにしておりますが、われわれは二十五日ということを一つのあれに考えております。
  175. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 すでに大臣も御承知のように、あなたも私も北海道の出身ですから、北海道の場合、共和・泊原発をめぐって北海道議会が再三にわたって空転をしているという事実については御承知だと思います。少なくとも、今度の北海道議会の場合は、御承知のように五十七年度予算をどうするか。それに先立って補正予算という問題もありましょうけれども、北海道民全体に向かっては、五十七年度予算という重要な課題がすべて先送りをされて、共和・泊原発に対して知事が意見書を出すのか出さないのかをめぐって、すでに十本の請願書が提出されている。この取り扱いをめぐって意見が二分をされている。  当該の共和町にあっては町長のリコール活動が始まった。これは法に照らし合わせて手続を済ませ、リコール活動が進んでいっているという問題や、あるいは現在段階でなおかつ大きな課題と言えば、大変紆余曲折のあった岩内郡漁協に対する補償金の問題、こういったものも未解決のまま、知事が意見書をどのように提出されるかという問題はありますけれども、先ほど私どもの同僚委員の質問に対して、大臣は、一つは安全性については絶対のものです、地域振興や地域の福祉、経済発展のためにどうするかということも重要な課題ですと、地域住民の納得を正確に得ることを中心とするものであって、国はこれを押しつけないのだということを明言されました。  こういった立場からするならば、いまの北海道議会の混乱状態、こういったものがありながら、たとえばきょう二十三日から二十五日までタイムリミットを延ばすことの意義というものは、国の押しつけになるとは思いませんか。
  176. 中川一郎

    ○中川国務大臣 北海道の共和・泊の原発問題については長い歴史がありまして、私も科学技術庁長官に就任いたしまして、本州、四国、九州方面で数多くの原子力発電ができておる。ただひとり北海道だけはまだ一基も持っておらない、建設段階のものもない。一方、エネルギー事情は厳しい。北海道の経済を考えたときに、工場誘致等からすれば、安い方から電気というものが原子力に求められる。こういう観点からいくならば、北海道についても原子力発電ができることは好ましいことである。  ついては、地域の皆さんの御理解をいただかなければできないことでございますので、私も地域の皆さんとも話し合いをし、原子力とはこういうものであって、絶対心配をかけない。もし間違いがあるようなことがあれば、共和・泊で原子力は終わるのではなくて、将来ともやっていかなければならないことであるから、間違いなど犯したならば、地元が大変だけでなくて、政府のエネルギー行政が大変であるので、ぜひとも理解をしていただきたい、お願いをいたします、ついては地元の皆さんも勉強され、また地域のことも考えて逐次理解、御協力をいただけるように進んでおります。ただ、御指摘のように、岩内漁協においては、前向きであるということはいいんだが、地域の振興あるいは漁業振興等についてまだ若干話し合いができておらない。  一方、共和ですか、リコール問題もできておる。一方、タイムリミットは迫っておる。こういうことでございまして、いま地元、共和・泊はもちろんのこと、岩内を含めて地元の民主的な話し合い、これを受けて道がどう処理するか、民主的な話し合いの中に進められております。  そこで、御質問の五日間、六日間、何日か延ばすというのは、地元に押しつけることではないか、私はそうは思いません。やはり電力事情というものを考えれば、なるべく地元の賛同を得て、間に合うものはこれを取り入れていくということを弾力的にやることはいいことでございまして、決して悪いことだとは思っておりません。ただ、地元において民主的な話し合いが、あるいは知事の判断においてどう出てくるか、一日も早くルールに従った結果が出ることを期待しておる、こういうことでございます。
  177. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 長官の言われる原子力発電所による安い電気という議論は、私どもと見解を異にする部分もありますから、これは後ほどまた時間をとって議論をすることが必要だと考えているわけです。  もう一つ、共和・泊原子力発電所建設計画をされた大きな要素の中には、昭和六十年から六十五年度に向かっての電力需要想定、それと需給計画、こういったものを勘案をされて作業が進められたと言われているわけです。この計画によりますと、大体昭和五十五年から六十五年度まで六・三%の需要の伸びがあるであろう、こういう計画であったわけですけれども、結果からすると昭和五十五年度二・二%の伸び、昭和五十六年度は見込みでありまするけれども、ほぼ二%程度しか伸びないであろう、こういうことがもうすでに明らかになっているわけです。六・三%あるいは六・五%どころか、こんなに大きな伸びがない理由もいろいろとエネ庁の方から聞かしていただきました。しかし、景気の横ばいあるいは産業消費の減退、いろいろな要素はありましょうけれども、冷厳な事実として伸びは六・三%はなかった、ないという事実ですね。  こういう実情の中で北海道の電力状況を考えるときに、それでもなおかつ電力の確保のために原子力発電所が必要だという認識に立つのかどうなのか、考え方だけちょっと聞かせてください。
  178. 渡辺光夫

    ○渡辺(光)説明員 ただいま先生御指摘ございましたように、ここ一、二年電力の需要が非常に伸び悩んだ姿になっております。これは五十五年の夏場にちょっと気温が低かったために、冷房需要が出なかったとか、あるいは景気の回復が思ったほどはかばかしくなかったというような、どちらかと言いますと一時的な理由による面もございますが、一方では、産業あるいは家庭を含めまして省エネルギーに対する関心が非常に高まってきているとか、あるいは産業の中で電力を多消費いたします産業の構造が変わってきているとか、そういういわば構造的な変化が出てきておるのは御指摘のとおりでございます。  私どもがいま持っております長期計画は、五十四年の暮れに作成いたしました電気事業審議会の需給部会の将来見通しでございますが、この数字が、最近の実情から見まして、実情に合わなくなったのではないかということを私どもも感じておりまして、昨年の暮れに電気事業審議会の方に再度見直しをお願いしたところでございます。現在、審議会の需給部会で検討中でございますので、結論は出ておりませんが、前回よりはある程度下がってくる、しかし、北海道電力につきましては、将来の石油代替エネルギーの電源を多様化していくという観点から、共和・泊発電所はぜひ必要なものだと考えております。
  179. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 最後にもう一度、恐縮ですが大臣にこの見解を求めておきたいのですけれども、電力需要計画、将来的な部分については、これは将来のエネルギー対策として必ずしも私は原子力発電に頼らなくてはいけないとは考えていないのです。ここら辺は恐らく見解の違うところでありましょう。ですから、この点についてはよろしいのでありますけれども、また、安い電気という認識の違う部分もあります。  ただ、大臣と私と意見の一致ができるのは、現状認識については、たとえば岩内郡漁協の補償問題の未解決、あるいは共和町におけるリコール問題、これはもちろん単にリコールということだけではなしに、農業従事者の風説に伴う被害をどうするか、こういったことなどが中心になっているわけです。加えて、初めて北海道で原子力発電計画が進められてきた。そういう意味では、大臣が言われるように、慎重の上にも慎重を期していくのだという認識をするのだとしたら、半日や一日延ばしに電調審の審査対象の中にしゃにむに入れていくというこういったものではなくて、これはもうきょうの段階で、共和・泊原発についてはむしろ審査対象から外すという結論が求められてもよいのではないのか。これは来年度になったって、また住民コンセンサスが得られれば審査の対象になるわけですね。なぜ年度内にやらなくてはいけないのか、ちょっと理解に苦しむのです。簡単で結構ですから、大臣としての見解を最後に求めて、終わりたいと思います。
  180. 中川一郎

    ○中川国務大臣 若干一致するところもありますが、一致しないところもあるわけです。というのは、電気の需要が少なくなってきた、その原因は何か。気象的なこともあり、不況全般のムードもありますが、一例を挙げますと、苫小牧における日軽金が一部工場を減産をしなければならない。何が原因か。やはり電気料金が高いことである。北海道に工場が来ない理由は何だろうか。これは労働力の問題と電気料金の問題だと極言する人すらあるわけです。これは学者の中に定説としてあるわけです。  やはりあそこに普通の発電所をつくるに当たっても、北海道だけはどういうわけか、道南の方につくろうとしたときも大変な警察官導入までしなければならぬほど大騒ぎをして、ようやくできたいきさつも御存じだろうと思います。しかし、でき上がってから本当に地域の人が困ったという実態がないのにあれだけ大騒ぎをしたというそのことも、私たちは反省をしなければならない。  そういった北海道の反対ムードというものも頭に置きながら、また、北海道が五十五年、五十六年と二年にわたって電気料金値上げをしなければならなかった。一方原子力発電所を持った東電とか、特に関西電力が非常に安い電気で、原子力がたくさん入っているということから値上げをしなくて、地域住民の電気料のコストだけではなくて、工業を誘致する上においても非常に大きな効果があると、地元では非常に高い信頼を受けております。  よって私としては、北海道については民主的な方法で話し合いもしていかなければなりませんけれども、やはりこの三月の電調審には間に合わして、北海道も将来は原子力発電ができて、安い電気に向かう素地ができるということが北海道の将来のためになると信じておりますので、ぜひとも話し合いでもってこの三月には間に合うようにしてほしい。そのことが、いろいろなことがあるけれども総合的に北海道のためになる、こう信じて前向きで行きたいと思っておるわけでございます。
  181. 小林恒人

    ○小林(恒)委員 終わります。
  182. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 安井吉典君。
  183. 安井吉典

    ○安井委員 中川大臣、問題の幌延町に私この間行ってまいりました。いろいろな人にも会ったり、それから問題の浜里地区も見てまいりましたけれども、現地はかなり混乱をしています。それから浜里地区も、先ほど五十嵐委員から質問がありましたようなことで明らかなように、あそこはそんな大きな施設の立地ができるようなところではなかろう一そう思って帰ってまいりました。浜は物すごく荒れていて、あそこの浜は毎日浜の形が変わるというぐらい荒れているところですから、冬は大きな船でも入るのはなかなか大変だと思うのですが、それらのことはおくにしても、ただ一つ、中川さんは北海道の出身でありますだけに、あの立地の問題についていろいろ取りざたされているわけです。  ですから、その点をきょう明確に伺っておきたいわけでありますが、御本人がいまおられないようでありますけれども、地元の上草代議士が留萌市新聞との会見で、幌延町の低レベル廃棄物の立地は九〇%確実だと語ったというのが新聞に出ておりますね。それが地元でも話題になっているわけです。上草代議士と中川さんとの関係がよく知れ渡っているだけに、大臣としても科学技術庁としてもあるいは政府としても、どこまでこの問題に触れていたのかということを、この際やはり明らかにしていただきたいと思います。
  184. 中川一郎

    ○中川国務大臣 私が科学技術庁長官に就任をいたしまして、原子力というものについて関心を持つ階層が多くなったことは事実のようでありまして、「むつ」の問題についてもぜひ私のところに欲しいとか、原子力発電が欲しいとかという声が事実ございました。その中で、いま問題になっております幌延町では町議会、町長さんが中心になってあの地帯の地域振興のために原子力関係の、「むつ」でも結構です、原子力発電でも結構です、何か一つ持ってくるわけにはいかぬかというまじめな声があったわけでございます。  われわれとしても、地元の声でもございますから対応できるものはないだろうか、内々概括的な考え方で対応したわけですが、「むつ」については御承知のとおりの経緯もありますし、また、原子力発電所といっても、地質あるいは冷却水の問題等があってなかなかむずかしいかな、何かないかな、こう言っているうちに、非常に御熱心でございまして、むしろ積極的に技術的に事務的に何が考えられるだろうかということで、私も知らないぐらい御熱心に勉強されて、そしてその結果として、その途中の過程に、御承知のように町議会を開いて、原子力発電その他関連施設をぜひ誘致してほしいという要請があったことも事実でございます。  そこで、地元の人が熱心に考えた結果、施設貯蔵というものならばあの地域に適するであろう、実は調べてみたところ、これは通産省の所管でございまして、私どもの所管ではないのです。ないのですが、通産省にも当たられておられるということは聞いておりました。しかし私としては、御指摘のように北海道出身でもありますし、いろいろとかく言われる問題でもありますから、これは慎重にやっていただきたい、事務当局にもよくお願いをしてございました。これが誤解を与えたり実際問題悪いことになったりすれば大変なことでありますから、私も、政治家として、本当に地域振興になり道の納得も得られ、そして国益にも合うということであるならばまあまあ検討に値することであろうということで、慎重な対応をお願いしておったところ、新聞に出る、騒ぎになるというところから、地元にもいよいよやるべしという意見と、いや大変だなという意見と二つあるのだろうと思うのです。  そこでわれわれとしては、いま申し上げた地元の納得、地域振興、道の理解、協力、そして国がお願いしている技術基準、安全基準等にも合うか、こういう三つが重なればまあまあ前向きでやれるのかなという感じは持っておりますが、私として何が何でもあそこにねらい撃ちを定めて押しつけようという気持ちはないのです。この点は上草代議士も同じだと思います。やはり地域の振興がまず第一番ではないだろうかということで、これからよく勉強して結果を見て判断してもらいたい、正直そういう経過であり、気持ちでございます。
  185. 安井吉典

    ○安井委員 とにかく九〇%あそこは大丈夫だ、こういうのが流れているものですから、それとのかかわりをいま伺ったわけですが、それは御本人の話も聞いてみなければいけませんからもう少し後にしたいと思います。  そこで、その安全性の問題もいろいろ議論をされているところでありますが、ドラム缶と言ったっていろいろな種類のものがあって、放射能の強いのもあるし弱いのもあるし、いろいろあるわけで、ただ現地の人が理解しているのは大臣が抱きついたぐらいだから大丈夫だ、ただそれだけなわけですよ。しかし、コバルト60の半減期は五年ですか、セシウム137だとかストロンチウムなどはもっと長いはずですね。そういうようなかなり長期なものもあるし、外側は放射能が消えても中側にまだ残っている場合もあり得るのじゃないでしょうかね、私は素人でよくわからぬが。そういうふうな、単に低レベルと言っても実にいろいろなものがあるということ、そのことの理解がやはり必要だと思うし、先ほどの五十嵐委員の質問に対して、原発から出るのはもうみんな低レベルだ、そういう大まかな規定でいかれると、私はいろいろな問題がさらに出てくるんではなかろうかと思う。  いま廃炉の問題も出ていますね。専門部会の答申も出て、私もきょう時間があったらと思いましたけれども、それはきょうはやめますが、その廃炉の廃棄処分そのものも低レベル扱いになるわけでしょう。とにかく原発から出るものは全部低レベルというそういう理解でいいのかな。つまり再処理のものは全部高レベルで、それ以外のものは全部低レベルだ、先ほどの大まかな説明はそうなんですけれども、それでは私は大分誤解を与えると思いますが、どうなんですか。
  186. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 通常の状態で運転されている発電所から出てまいります低レベル廃棄物というものは非常にレベルが低いものであるということは申し上げられると思います。そして大体焼却処理をしてセメントで固めた状態、そしてドラム缶に詰めた状態というのがスタンダードであるわけでございますが、それ以外に、たとえば修理の段階で内部の機械を取りかえたとかいうようなケース等々はあり得ますが、それをも含めて全部大したものではありませんと言っているつもりはございません。  それから廃炉、炉の解体でございますが、これは非常に大量の廃棄物が一遍に出てくるという点が非常に問題であるわけでございまして、このうち明らかに高レベルのものも、量は少のうございますがある量あるわけでございます。ある量と申しますのは、わが国でまだ解体の実績がございませんので、米国の百二十万キロワット級の解体撤去の例で申し上げますと、大体最大二万トンぐらいの廃棄物が出てくる。そのうち約六百トンが高レベルのものであるということでございまして、それ以外の大部分のものはレベルが低いということば言えるわけでございますが、高レベル廃棄物も一緒に出てくることは事実でございます。
  187. 安井吉典

    ○安井委員 ですから、高、中、低、最近極低ですか、その基準がちっとも明確にならないということも問題を複雑にしているような気がするわけであります。  ちょっときょう時間がありませんので、そのうち特にすそ切りの問題だけ伺っておきたいと思うのですが、何しろ大変な廃棄物量なものですから、それを幾らかでも少なくするというようなことですそ切り説が出てきているのではなかろうかと思うわけでありますが、すそ切りで、これはいわゆる放射性廃棄物でないということの扱いになれば、これは普通のごみなんでしょう。そうすると、普通のごみ集めの人が集めていっちゃうわけですね。そんな簡単な理解でいいんですかね、これは。その点はどうですか。
  188. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 いわゆるすそ切りという言葉でございますが、すそ切り即一般の廃棄物と同様だというふうにわれわれは考えていないわけでございます。一緒に処理してしまうというようなことがよく報道されているわけでございますが、その点がまさにこれからの検討すべき問題点でございまして、どのレベルで、以下はこれはまさに放射線という立場から見ても無害であるという判断をするか、そのレベルの設定、またそれをどう確認するかといったようなことがまず行われなければならないプロセスでございまして、その検討の過程においてすそ切りという実態がどういうものであるべきかという姿が出てくる、このように考えているわけでございます。  先日の廃炉対策専門部会の御報告の中に、極低レベルのものについての合理的な処分方法について検討すべきであるという御提言があったわけでございまして、その御提言は確かに検討の価値があるというふうには考えております。その前提のもとに、ただいま申し上げました問題点がポイントでございますので、これから慎重に検討してまいりたいというふうに思っているわけでございます。したがいまして、繰り返しになりますが、あるレベル以下は一般のごみと一緒だというように現在の段階で考えているわけでは決してございません。
  189. 安井吉典

    ○安井委員 厚生省からもおいでいただいているわけですが、いまの御答弁は、これから検討をして結論を出すんだという、まだ結論が出ている段階ではないのですけれども、私は、やはり極低レベルであっても放射性廃棄物であることは間違いないと思うのですよ。そのけじめを明確にしないと、厚生省の方のごみと一緒になってしまうということになれば、これは大変だと思うのですね。廃棄物処理の立場から、この問題についてのお考えをこの際伺いたいと思います。
  190. 田中富也

    ○田中説明員 厚生省所管の法律に、廃棄物の処理及び清掃に関する法律というのがございますけれども、この法律におきましては「放射性物質及びこれによって汚染された物」を法律の対象外としてございます。したがいまして、極低レベル放射性廃棄物を含めた放射性廃棄物の処理につきましては、厚生省は関与する立場にはございません。
  191. 安井吉典

    ○安井委員 いわゆるごみ処理の立場からの御答弁は明確ですが、だから、そういうことを明確にしていただかないと、いま何か新聞などで、自民党の方もそれをやれ、やれなどというお話が、やっているとかいうようなことも書かれているわけで、心配だと思いますから、ひとつ慎重な運びをお願いいたしたいと思います。  それから環境破壊の点でありますが、これは、その廃棄物貯蔵の施設ができるというそのことによっていろいろな被害があちこち出てきやしないか、あるいは風評が出てきやしないかという点であります。さっき、環境庁、北海道開発庁と両方から、利礼サロベツ国立公園の問題についての関連したお話がありましたけれども、北海道開発庁長官は、この間の予算委員会の分科会で、北海道開発を進めるという上においてこれはそう好ましいものとは思いませんという答弁がありました。  環境庁の方に伺いますけれども、国立公園がそこにあって、そこに変な施設がでんとできるというようなことは、国立公園というような、その風致を特に重んずる立場から、たとえそれが入ろうと入るまいと適当だとお考えでしょうか、その点伺います。
  192. 中島良吾

    ○中島説明員 当夜地域は、自然環境保全審議会の方から、公園の拡張区域にせいというお話もありましたし、環境庁としましても、そのような気持ちでいるわけでございます。そのような立場からするならば、公園に相入れないような大規模な自然環境の改変が行われるような施設につきましては、好ましいものだとは思ってございません。
  193. 安井吉典

    ○安井委員 さらにこのことは、その施設ができてからの問題も一つありますけれども、もしあそこに大規模工事が始まるとすれば、その工事中に起きる環境破壊というようなものが非常に大きな問題になってくるおそれがあります。さっきサロベツ川の改修のお話も出ましたけれども、天塩川が、いまの川ではのみ切れないものですから、あれをもう一度こちら側にカットして流し込むという、そういう計画を北海道も北海道開発庁も立てたことがあります。それも全然消えたわけではないのですけれども、しかしそれに対しては、沿岸の漁民から大変な反対が出るわけですね。つまり天塩川というのは日本で一番長い川であります。大水のたびに泥水が流れていく。ところが、それがこちらの方に、現在はそうですが、もう一つ切りかえをすると、その泥水はストレートに向かい側の利尻島それから礼文島の漁業に影響が出てくるということで、利、礼両島の漁業協同組合や何かの反対で、結局この仕事はストップしている、進んでいないという状況があります。  あるいはまた工事中に膨大な施設をそこに置く、もし、つくるとすれば。あそこは、現地を見てもおわかりになりますけれども、それは大変な基礎工事をやらなければならない。〇・五ミリの誤差も許されないというそういう施設のためには、金もかかるし、大変なことなんですよ。掘り下げなければいけない。地下水を掘っていくというようなことになれば、これはそこら辺の自然環境に対する大きな影響が出てきて、とりわけ、すぐ隣り合っている国立公園、これは湿原が売り物なんですから、そういうところへの影響も出てこないとも限らないと思います。つまりできた工事よりも、初め、それをつくる段階の、工事中の環境破壊、それの方が大きいことになりはしないかという心配があるわけです。恐らく漁業にはもう大変な影響があると思いますから、それらの漁民の意思というものを十分に聞いた上でなければ、これはやみくもにかかるというふうなことにはならぬのではなかろうかと思います。  特に、いまの浜里地区というのは、幌延町の一部であることは間違いありませんけれども、幌延の町よりも隣の天塩町に近いわけですから。幌延町には、沿岸は、先ほどのお話のように漁港ができるというようなことにとても適したところではありません。だから漁港もない。したがって、数人の漁民はいるのですけれども、それは天塩町漁業協同組合の組合員で、そちらの方にみんな参加しているわけです。船は天塩町に揚がっているわけですね。ですから、そういうようなことから、お隣の天塩町の漁業協同組合、それからあべこべの方には豊富町の漁業協同組合もありますが、そちらへの影響というような形で問題が出てこないとも限らないのではなかろうかと思う。  それから、酪農地帯なわけです。酪農が生命なわけですから、大臣は、そこから放射能は漏れっこないということをたびたび言われるし、科学技術庁も通産省もそう言われるわけでありますけれども、やはり風評とか、そういうようなものの心配があるわけです。先ほどの小林委員の質問に出た共和原発の場合に、いまリコール運動が農民から出されているのは、その地域の蔬菜類が、原発ができたというその風評だけで値段が下がったり売れなくなったりするのではないか、そのことが直接の動機のリコールなんです。ですから、そういうような意味で、日本じゅうよりも世界じゅうの嫌われ者がそこに来るということで、やはり大事な食品ですから、そういうようなことでの問題が起きやしないか。特に幌延町には雪印乳業の大きな工場があります。北海道の北部に雪印の工場はたくさんあったのですけれども、全部閉鎖して、旭川から北にはもう幌延たった一つになったわけですね。膨大な量の牛乳がそこに集まって加工品に変わっている。  ですから、大臣が抱きつくぐらいだからそのことによって影響があるわけないじゃないか、こう言われたって、どこからも一番嫌われる者が幌延町にできて、その幌延町の雪印の製品です、まさかそういう宣伝はしないと思いますけれども、これは競争相手もあるわけですから、そういうような中で心配が出てきやしないか。ですから、過疎を脱却するためということでのこの主張でありますけれども、ほかの過疎地には何もないのですよ。本当にないのだけれども、あの町には雪印のでっかい工場があるわけですね。それまでがそういうふうな状況にさらされたら大変だ。さらされないかもしれませんよ。これはいま私が心配として言うだけなんですけれどもね。そういうようなことも心配になりはしないか。  私がいままで申し上げたのは、つまり工事中におけるいろいろな環境破壊に対する心配、それからもう一つは、風評被害とでもいいますか、そういうような幅の広い側面から問題を考えていかなければ、これは大変なことになるのではないか、そういう思いでありますが、これはだれに答えていただけましょうか、大臣だね、それから通産省もお願いします。
  194. 中川一郎

    ○中川国務大臣 まず私から基本的に申し上げたいのは、まだ本当に決めたわけじゃないのですよ。そういう希望が地元にあるということですから、決めたわけでもないことについて一々これはどうこうと答弁をしますと、何か決めているから抗弁しているんだととられても困りますのであえて申し上げておきますが、慎重に対処するようにということで、決めてはおらないという前提で申し上げますならば、いま言った建設中の公害といいますか、環境破壊ということについても、当然、漁業者、あるいは利尻、礼文まで影響するといえば、その辺についても十分の対応をしなければならぬ。工事といっても、御承知だと思いますが、大きな倉庫を建てる、基礎のしっかりした倉庫を建てるという程度のものであって、特にむずかしい内容を持つものではないと思いますので、その辺はまた今後十分話し合いの余地はありますが、最小限、被害の出るようなことがあってはならない、こう思います。  その次に、世界一の嫌われ者とおっしゃるのですが、確かに、つくるまでは嫌われる場合が多いのですが、つくってから嫌われているところは私は寡聞にして聞かないのでございます。つくるまではいろいろ反対はあっても、つくってしまって、さあこんなものは要らない、やめてくれ――たとえば敦賀の発電所におきましても、実際の被害がないのに、観光バスのガイドさんが、危のうございますから窓を閉めてくださいとか、あるいはマスクをしてくださいというような風聞を流して、大変に魚が売れなかった、あるいはまた民宿が断られたということで、地域の経済に影響を与えたことは事実です。  私から言わせれば、風聞を流した人に責任があるのではないかとは思うが、さりとて風聞を流した人の責任を問うわけにもいかない。そこで、たとえば酪農家に不心得の人がいて風聞を流したというようなことが仮にあっても、その場合でも、過去の例から言えば、農家の皆さんに与えて平気でいられるような仕組みのものじゃないのです。風聞といえどもやはりこれに対応をしていって、事業者がするか国がするかは別としても、地域の皆さんに嫌われるものであってはならなくて、好かれるものにしていく努力をしていかなければなりませんので、そういう方向で対応すればむしろ酪農の振興にも役立つ、消費の拡大その他を通じて役立つ方向はあってもマイナスの方向になるようなことはない、こういう方向で進めていかなければならない、こう思っております。  繰り返して申し上げますが、こう申し上げるのはやると決めて申し上げているのじゃなくて、まだそういったことも含めて検討して慎重に対処しなければなりませんけれども、仮にそうなっても原子力の施設というものはそういうものである、風評を流す場合は十分あります、こういうことがないように、私たちは、不心得な者が地域住民を惑わすことのないような指導もしていかなければいけませんし、そういうことについても御理解をいただき、いずれにしても、地域がおかしくなるという判断のもとでこれをやるようなことはしない、慎重に対処して、先生の御意思も十分に体していきたいと思います。
  195. 田辺俊彦

    ○田辺説明員 ただいま大臣から申し上げたとおりでございますが、一言だけ補足させていただきますと、幌延の立地問題自体につきましては、地元の御意向を私ども事務的にも承っておるという段階でございまして、一切具体的な問題を検討する段階に至っておりません。  先生御指摘の工事の際の環境問題、これは一般的に言いまして、私どもとしては、陸地処分施設の工事の際におきましても、いかなる地域におきましても、環境保全に十分留意した上で建設が進められるべきものと考えております。それから、風評その他地場産業との関係、これらも地域社会の理解と協力を得るための重要な要素でございますので、一般的に言いまして、地域の皆様の御理解を得る、かつ周辺、特に隣接市町村の御理解と御協力を得るというのも立地の条件かと思っております。  いずれにしましても、具体的計画の候補地点が定まります段階で、いろいろ詳細な検討を続けていくということでございます。
  196. 安井吉典

    ○安井委員 私もこの間オーストラリアのシドニーにも寄ってきましたけれども、地面は全部岩盤ですね。地下室をつくるのが大変なくらい。建物は岩盤に張りつければ上へいくわけで、地震もない。ちょうどそれと正反対なのがあそこではないかと思います。掘れども掘れども岩盤はないわけです。したがって、これはいまの技術で絶対できないということは言いませんけれども、やるということになると大変な大工事になりますよ。金もかかる。金には糸目をつけないと言われるかもしらぬ、どこだって嫌われ者だから。さっき言われたけれども、じゃ、日本じゅうどこか私のところに頼みますというところありますか。あったらひとつこの際答弁の中に入れてください。それだけにお金は幾らでも使うと言うかもしらぬけれども、とてもじゃないが、そういうものが立地できるような基礎的なものには地盤がなっていないということだけは明確に言える。それだけに、やるということになれば、それは大変な環境破壊を周囲にまき散らさざるを得ないと私は思うわけであります。  そこで、いま仮に幌延町を考えた場合にきわめて広範囲に影響が出てくる、賛否も渦巻いてくる、私はそう思うわけであります。したがって、幌延町だけが賛成したら、よし、そこにやるということではなしに、もっと幅広く、横の地域全体の合意というようなものがない限り、やみくもにやるということは私は許されるべきではないと思いますが、その点、はっきり確認しておきたいと思います。
  197. 田辺俊彦

    ○田辺説明員 一般的に、原子力発電所を含めまして原子力施設の立地におきましては、当該市町村のみならず隣接市町村、場合によりましては、もっと広く周辺市町村の理解と御協力を得るということは非常に重要な要素かと思っております。陸地処分施設に関しても、私どもとしては、そういう方向で、具体的計画が煮詰まります段階で考えていきたいと思っています。
  198. 安井吉典

    ○安井委員 周辺の理解を得るなんということにならないのではないかと思うものですから、私はそう言うわけでありますけれども……。いずれにしても、幅の広い、各層あるいは地域の全体的な合意がなければ、これは幌延町だけじゃありません、一般論として私は言うのですけれども、やれるようなものではないということを確認していただいたものだと思います。  そこで、幌延町も北海道です。幌延町に来るということは北海道にそのごみ捨て場が来る、日本じゅうの廃棄物のごみ全員集合を北海道で、こういうことになるわけですからね。したがって、北海道としても、もし受け入れをするということになれば、それに対する、これは幌延でなくても同じでありますけれども、合意がなければならないのではないかと思います。これは前にもいたしますよというふうにお聞きはしておりますけれども、これは一般論として聞きますが、いつの時点でそういうことになるのですか。北海道に問題を持ち込む、もしあそこということになった場合、これは仮定の問題ですが、いつの時点ですか。
  199. 田辺俊彦

    ○田辺説明員 私どもの計画といたしましては、昭和六十年代のしかるべき時期に、できるだけ早い時期、原子力発電所に貯蔵されつつあります低レベル廃棄物がサイト外に貯蔵がされ始めるということを目標にしております。したがいまして、それ以前の数年前に地点を決め、具体的建設に入るという方向で進めたいと思っております。(「もう五十七年だよ」と呼ぶ者あり)できるだけ早く地元の御了解、これはまだ複数の地点でございますが、候補地点をしぼりまして、御了解を得られ次第ということでございます。
  200. 安井吉典

    ○安井委員 後ろでも話がありましたように、五十七年ですから来年は五十八年、その次は五十九年ですよ。そうすると、これはいますぐ問題を解決する方向で進める、こういうわけですか。貯蔵を始めるのが六十年代初期なんだから、これはもし工事をやるとすれば五、六年かかりますよ。
  201. 田辺俊彦

    ○田辺説明員 この貯蔵場自体の工事期間は三年程度と考えております。しかしながら、それ以前に地元の方々の御理解と御協力、御了解を得る、合意を得るというような努力が必要かと思います。またさらに、複数地点をしぼりつつある調査の継続がございます。その調査、それから地元とのお話し合いを含めましてできるだけ早く進める、われわれとしては地元にコンタクトできるように期待しております。
  202. 安井吉典

    ○安井委員 全国で複数地点の調査が引き続いて進んでいるという御発言がありましたが、それはそのとおりですね。
  203. 田辺俊彦

    ○田辺説明員 原子力環境整備センター、当初四十数地点図上で候補地点を挙げましたけれども、その後、地質等の調査、それから目視調査等によりまして現在十数地点が一応調査の対象になっておると承っております。
  204. 安井吉典

    ○安井委員 もう時間切れのようですからやめますが、この問題は、横の広さにおいて問題を考えていかなければいけないと同時に、縦の、つまり後々長期的なわれわれの孫や子の問題なんですから、あと二百年で放射能が全部なくなると言っても、次々と入れていくのですから、完全に放射能がなくなるなんということは、一番最初に入れたやつだって、中川大臣や私が生きているうちじゃないはずです。だから百年先に中川大臣、もう一回抱きついてごらんなさいよ、百年後に。私は、そういう縦の問題として問題を考えていかなければいけない、子々孫々までの問題として考えていかなければいけない、そう思うわけであります。  その点について地元も真剣に考えるだろうし、推進派の人もないわけではないわけですから、いろいろな意見が出てくると思いますけれども、そういう子々孫々にわたる問題だということをひとつ指摘して、終わりたいと思います。
  205. 中川一郎

    ○中川国務大臣 安井委員が北海道のことを考え、地域のことを考えて、前向きにいろいろ御指摘のことはありがたいことだと思っております。ただ、私たちも地域の問題と子々孫々、縦の問題も考えているのです。  原子力発電というものは理想のエネルギーではない。長期的にはやはり核融合という方向に持っていかなければいけない。しかし、つなぎのエネルギーとしては、ここ二、三十年の問題としては欠くことのできないエネルギーである。したがって、われわれとしても、現段階においては原子力について前向きで積極的にやっておりますけれども、五十年先、百年先の時代は、ぜひとも放射能その他心配のない核融合に挑戦すべく努力をいたしております。そういう意味で、百年先、私もちろん生きてはおりませんが、百年先の人がとんだことをしたなということのないように十分配慮してやっていきたいと思います。
  206. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 草川昭三君。
  207. 草川昭三

    ○草川委員 公明党・国民会議の草川昭三でございます。  私は、第一に基本的な科学技術庁のあり方の問題、第二番目に宇宙開発なり事業団の問題それから最後に、過日行われました報告書、いわゆる原子炉の廃炉あるいは廃棄物の問題、この三つにしぼってお伺いをしたい、こう思います。  第一番に、今度の科技庁の予算等を見ておりますと、科学元年と昨年言われ、二年目を迎えるわけでございますが、一般会計の伸びに比べまして科技庁の予算というものはかなり伸びておるということがわかるわけであります。問題は、その中身の問題だと思いますが、いろいろと日本も大変な技術革新をして伸びてはおりますけれども、海外からの技術導入というものが、たとえば昭和五十五年度では十四億ドル、それに比べて技術を海外に輸出をするという対価、これが同じく五十五年度では三億七千万ドル、こういう感じになりまして、基礎科学の研究分野というものがなお立ちおくれているのではないだろうか、こう言われておるわけです。  そういう段階で、技術会議が、民間を含めて当面GNPの二・五%あるいは最終的には三%の目標値を掲げて研究資金というものを投入をしていこう、こういうことを言われておるわけでございますが、私ども一般国民としても、将来展望の三%は別といたしまして、二・五%というようなものはどのような積算根拠で受けとめていったらいいのか、非常にワイドな話になりますけれども、かつ基本的な問題だと思うので、まず質問をするわけであります。
  208. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 わが国の科学技術は、欧米の先進国からの技術導入あるいは積極的な開発研究投資の努力によりまして、その水準が産業技術を中心にいたしまして、欧米先進国と肩を並べるところまで来たと言えると思います。しかし、これを維持していくためには、一層研究開発努力をしていかなければならないことも言うまでもないことでございます。諸外国の動向も見ながら、研究開発投資の水準をわが国の経済力に見合ったものにするということが必要だというふうに考えております。  このような観点から、科学技術会議が、今後の研究投資の必要性並びに欧米諸国におきます動向などを考慮いたしまして、四十六年の四月に一九七〇年代におきます科学技術政策という答申を出しておりますけれども、その中で、わが国の研究投資が国民所得の二・五%とか三%という数字を示されたわけでございまして、その後五十二年五月に「長期的展望に立った総合的科学技術政策の基本について」という答申を出されましたが、そのときにおきましても、前の答申に示されました見解を引き続き堅持いたしまして、三%を目指して二・五%をできる限り早い時期に達成するように一層の努力が必要であるとされているものでございます。
  209. 草川昭三

    ○草川委員 いまの御答弁だけでは、私の質問をする根拠というのですか、一つの今後のわれわれの基本的な考え方に賛成を求める理由には乏しいと思っておりますが、きょうはその問題が中心ではございませんから、次に移らさしていただきます。  昨年、科学技術庁としては、科学技術振興調整費制度というものを創設をして、これが非常に大きな話題を呼んで、科技庁が予算を持ち、一つの展望を持ったという意味で非常に評価が高かったのですが、この一年程度ではその評価というものはできないとは思いますけれども、実績について満足しているかどうか、あるいは問題点がその中で出てきておるのかどうか、お伺いしたいと思います。
  210. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 科学技術振興調整費につきましては本年度からスタートしまして、まだ一カ年間完了しておりませんので、いまの段階でその評価をするまでにはきておりませんけれども、現在までの運用の過程をずっと見てまいりまして、従来の特別研究促進調整費というものから科学技術振興調整費に変わりまして、産業界、官界、学界挙げまして、この振興調整費を有意義に使っていこうというような意欲がかなりひしひしと私どもには感じられるということでございまして、必ずやこの振興調整費が有益な成果を生んでいくであろうということを確信しております。
  211. 草川昭三

    ○草川委員 そこで、これは長官の哲学というものを私ぜひ聞きたいわけでございますけれども、いま学者の中でも、科学振興は知的活動として、人類の知的再生産のため、拡大を進めるためにあるのだ、特定の国家目的への活用でないという意見が学者の中にはあるわけですね。これはどちらかと言えば文部省的な所管になるかもわかりませんけれども。一方、科学技術政策というものは、科学技術というものを国家の目標達成のために組織的に活用すべきだという声もあると思うのです。  いま、前者と後者の問題は、研究活動の面では共通しておることだと思うのです。これは先ほど長官も、プラズマの話も出たりいろいろな話も出ておるわけでございますけれども、研究は共通しておっても理念は異なる場合があると思うのです。これが予算執行と予算が先行するとかという問題になりますと非常に後で問題が出てくるところでございますが、予算先行という問題と学問研究というものは明確に区別しておきませんと、先ほど申し上げました科学技術振興調整費制度の運用についても、いずれは問題が出てくると思うのです。これは非常に重要な問題だと私は思うのだが、いまは余り議論されていない問題だと思うのです。将来のために、これは長官の見解だけを賜っておきたいと思うのです。
  212. 中川一郎

    ○中川国務大臣 各省庁が受け持つ試験研究と文部省、大学が受け持つ試験研究とでは、そこに発想の違いがあるわけでございます。御指摘のように文部省、大学等においては知的再生産というのですか、学問のうんのうをきわめるということに目標がございますし、科学技術庁や民間あるいはその他の国立試験研究機関では一定の目的を持つ、こういうことでございますので、そこで科学技術庁の調整分野も文部省を除く、大学を除く、こういうことになっております。たしか科学技術会議も、これは文部省関係の人も入りまして調整はそこでは行えるようになっておりますが、科学技術庁としてはそこまで手が伸びないということにおいて、背景が違うことを前提として仕組みも違ってきている、こういうことでございます。  ただ、今度の科学技術振興調整費におきましては、学者が聖域であることも必要だが、やはり研究にも御協力いただかなければいけない、こういうところから産、官、学一体となったものとして特定のテーマ、しっかりしたものを持って御協力いただいて、やはり一体として文部省、大学の御協力もいただく、こういう仕組みが実際上必要である。学者を外して産と官だけでやっていこうとしても、実際実り多いものにはならないということでございますので、守るべき一線は守るが、御協力いただくものは御協力いただく、こういう仕組みでやっていこう、こういうふうなことになっておるわけでございます。
  213. 草川昭三

    ○草川委員 これは文部省に聞いた方がいいのか、きょうはせっかく長官もお見えになることでございますから……。  臨調の方で、大学の理工科系の研究プロジェクトが大型化してきておる、プラズマなんかそうですね、非常に大型化してきておる、そのために学術行政と科学技術行政との境界がつけにくいじゃないか、こういうような意見もあるのです。また大島先生なんかはそういうような論文を出しておみえになるわけですが、科技庁としては、この臨調の指摘等についてはどのように対応されるおつもりでございましょうか。
  214. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 臨調におきましていろいろと御指摘のあるところでございますけれども、科学技術の振興というのは大学、産業界、官界、総力を挙げましてこれを育てていかなければならぬということでございます。大学におきます研究は、これは文部省の方からお答えになるのが適当かと思いますけれども、学問の自由と申しますか、そういうものの尊重はされなければならないわけでございますけれども、一方では大型化してまいりますので、その予算の獲得といいますか執行に当たりましては、一般的に全体としてまとめて調整していくというようなことが必要になるという場面があるというふうに考えております。科学技術会議におきましては、大学を含めた研究の総合調整ということを任務としておりますので、そのようなことを含めて今後検討をしていかなければならない問題だと考えております。
  215. 草川昭三

    ○草川委員 具体的には、いまもお話がありましたように、技術会議がいろいろと中心になって今後の基本方針が立てられていくと思うのですけれども、科学技術庁の調整機能あるいは基本的な政策の策定というのは現実には非常にむずかしい問題があるのではないかと私は思いますし、あるいは研究をしようとする価値は一体何か、あるいは国民にとって、私どもにとって科学技術の価値というのは一体何かという議論を展開する場が実はいまないわけですよ。それは学術会議の先生方からの反映があるかもしれませんし、われわれ国民にとっては非常にむずかしい問題ですからわからぬと思うのですけれども、民主主義的な一定の国民の意思決定が反映する体系というものをとっておきませんと、将来調整費だけでも長官は五百億くらいは取りたい、こうおっしゃってみえるわけですけれども、そういう段階になってくるときに、私は非常に問題があるような気がしてなりませんし、地域の住民の方々もそれなりの理解をすることが大切だと思うのです。  私は、いま一つ具体的に厚生省と、科技庁も来ておられますのでお伺いしますが、たとえば筑波の遺伝子組みかえ研究施設をめぐって、これはP4と言うのですか、安全性の問題をめぐって、住宅地域にこの遺伝子組みかえ研究施設というのがつくられようとして住民からも相当な異論が出て、これが中断をしております。  厚生省に今後の問題点についてお伺いしますが、厚生省が武蔵村山に予防研究所高度安全実験室というのをつくっておるわけでありますけれども、これは予算が八億ついて建物は完成をしておるわけです。これは遺伝子組みかえとは違いますけれども、海外からの伝染病予防等の問題について、同じくこれもP4という非常に危険度の高い対応が立てられておるのですけれども、これも運用をされておりません。アメリカなんかの例を見ますと、市条例でP4はどうすべきだ、あるいはP3はどうだというふうに、もう市の条例段階で対応が出ておるわけですけれども、日本ではそういう情報というのが非常に不足をしておるわけです。だから、特定の一つの情報があるとそれが一般的になってしまう。だから、先取り先取りをする情報ということも私は科技庁の責任ではないだろうかと思うのですが、せっかく厚生省お見えになっておられますので、当面する問題はどうか、あるいは筑波の遺伝子組みかえについて地方議会の誘致問題がいま具体的に出ておるわけでございますが、この展望はどうか、二者からお伺いをします。
  216. 入山文郎

    ○入山説明員 いま先生御指摘のように、武蔵村山市に私ども高度安全実験室というものを予防衛生研究所の分室としてつくっておるわけでございます。昨年の六月に完成をいたしております。しかし、地元住民の一部の方がこの施設の安全性につきまして不安を感じておられるというような現実も踏まえまして、目下のところは、伝染病の病原体を使用しての実験は延期をいたしているところでございます。今後は、私ども専門家等も動員いたしまして、地元の住民の皆さんの理解を得まして、さらに市当局とも協議を進めながら、この問題の解決に向かって進めてまいりたいと思っておるところでございます。
  217. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 最近、わが国におきましてもライフサイエンスの振興の重要性というのがよく述べられております。医学、生物学、農学に物理とか化学とか工学等のいろんな分野の知見を加えまして、生物の機能の研究とか病気の原因探求とか人工臓器とか、微生物を利用するというような工学的な利用法に対する応用とか、いろんな面を通じまして重要な研究であるということが指摘されております。私どもも、ライフサイエンスの振興につきましては最大限の努力を払っているところでございます。  ただいま御指摘のありました、理化学研究所が筑波の谷田部町に建設を予定しておりますライフサイエンスの筑波研究施設は、このような要請にこたえるための施設でございまして、ここには標準的な微生物を研究いたします実験室、P1施設というものから、完全隔離の実験室、P4施設というものまで総合的に備えた研究施設をつくりたいということでございまして、現在計画中でございます。谷田部町の地元の方々に対しまして現在説明をしておるところでございますが、まだ十分な御理解を得られていないというのが現状でございます。
  218. 草川昭三

    ○草川委員 いずれにしても、厚生省の方は八億の建物がいま宙に浮いておるわけです。それから、筑波の方も地元と話し合いとはいいますものの、住居地域に設置というのですか計画がやられておるというその発想にいさきか問題があるのではないかという苦言を呈しておきたいというように思うわけであります。  それから、科学技術庁が創造科学、あるいは通産省が次世代産業基盤技術、あるいは農林省の方がマリーンランチング計画だとか、いろいろなものが複合いたしまして、私どももなかなか理解しづらい点があるわけでございます。たとえば海ということだけでも、これは科技庁の予算もずいぶんついておるわけでございますが、海洋開発ということにしぼりましても、農水あり、通産あり、科技庁あり、いろいろなものが複合的に担当しておるわけです。主流はエネルギーの利用になっておりますけれども、エネルギー源の多様化ということについてばらばらに各省が手がけているのではないか。それこそ科技庁の調整機能というものを発揮したらどうだろう、こう思うわけです。  農林省にお伺いをいたしますけれども、農林水産省の方はバイオマス計画というのを立てて、海洋牧場だとかいろんなことを計画しておみえになるのですが、その中の一つに、消波構造物、いわゆる波を消す浮き消波堤等の研究をなすっておみえになるようであります。通産省の方は、新エネルギー開発機構で同じく海上の温度差発電を計画してみえるわけであります。あるいは海水からのウラン回収システム技術確証調査補助費というのが五十六年に三億、五十七年に五億とついてきておるわけでありますし、科学技術庁の方は、すでに海明等をつくりまして波力発電を計画しておるわけです。  だから、海ということから考えれば、この海洋牧場のところに三つそろうのかばらばらにやるのかわかりませんけれども、もう少し調整機能というのがあってもしかるべきですし、横から見れば何らかの共通的な研究等もあるわけですから、もう少しこの調整ということができないのだろうかと思うのですが、その点農林省、通産省、科技庁、それぞれ独自の別の研究だとおっしゃると思うのですけれども、どんなようなお考えでしょうか。
  219. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 ただいま先生御指摘のように、海洋は非常に多くの開発の要素を抱えておりまして、おっしゃいますように海洋生物の開発利用、あるいはエネルギーの利用、あるいは海洋空間の利用、そのための消波構造あるいは防波堤といったような、いろいろな面で多面的に海洋開発というものに今後とも対応していかなければならないというふうにわれわれも考えているわけでございます。  科学技術庁におきましては、そのような海洋開発の方向につきましては、海洋開発審議会が出されました海洋開発の答申等を十分に踏まえ、そしてわれわれが毎年関係省庁の予算の見積もりを行う際の見積もり方針調整という段階におきまして、関係省庁がそれぞれ行っていらっしゃいます研究開発につきまして十分にその内容をお聞きし、たとえば無用な重複についてはそれを整理する、あるいはまた関連性のきわめて強い研究については密接な連携のもとに研究を進めてほしいといったような、もろもろの注文などをつけるようにいたしているわけでございます。  たとえば、いまもお話しございましたように、農林水産省が海洋牧場の一つの開発研究を進めていらしゃいますけれども、それにつきましても、たとえば消波構造というものにつきましては農林水産省も研究されていますが、科学技術庁の海洋科学技術センターにおきましても消波ブイの研究等をやっておりまして、それぞれ持ち分をうまく分けながら、そして連絡をとりながら研究にむだがないように、そして効果が上がるような調整を科学技術庁は行っているというところでございます。
  220. 坂柳迪夫

    ○坂柳説明員 海洋牧場計画の概要につきまして御説明申し上げます。  農林水産省におきましては、御案内のとおり、二百海里問題等大変厳しい漁業環境でございます。そういう環境に対応いたしまして、水産資源の増強を図るという見地から、これまでたとえばサケの問題でございますとか、いろいろな魚介類の増養殖技術の開発、改良を行ってまいったところでございますけれども、五十五年度から九カ年間の予定で、先生おっしゃいました海洋牧場、マリーンランチング計画というものを実施中でございます。  この研究のねらいでございますが、従来の単なる増殖、養殖ということではなくて、海洋の持っております豊かな生産力をフルに使っていきたいというようなことから、これまでの魚に関するいろいろな研究に加えまして、海洋の魚の生存する環境につきましても、たとえば水の問題とか底の環境の問題とか、そういった面につきましても改良を加えながら、総合的に魚介類の資源の増大を図ってまいりたい、こういう研究でございます。
  221. 清木克男

    ○清木説明員 いま御質問のございました海洋温度差発電のシステムについて御説明させていただきます。  海洋温度差発電は、先生御指摘のございましたように、長期的に見て新しいエネルギー源であるということで、工業技術院のサンシャイン計画で昭和四十九年以来基礎的な研究開発等を実施してきておるわけでございます。現在までのところ、サンシャイン計画のもとでは、熱交換器、これは海洋温度差発電システムの中枢となる部分でございますが、その品質の向上でございますとか、あるいは海洋環境下で機器なり素材なりがどういうふうに使われるかという特性等について研究を続けておりますが、現在の段階では、海洋温度差発電から非常に経済的にエネルギーを取り出すというためには、なおもろもろのエンジニアリング技術あるいはシステム技術等について非常に多くの克服すべき課題を抱えている段階でございます。  したがって、先生の御質問の中には、海洋温度差発電について新エネルギー総合開発機構で実施しているという御発言がございましたが、海洋温度差発電の研究の実情がただいま御説明したとおりでございますので、現在の段階では、工業技術院の傘下の研究所等を中心にしまして、基礎的な研究を続けておるという状態でございます。
  222. 草川昭三

    ○草川委員 だから、これは本来は――時間がないから結構です。おいで願っておいて大変申しわけございませんが、自然エネルギーを利用するということ、海ということ。そしてそれぞれ波を消すとかあるいは温度差だという一つの共通的な問題があるわけですね。だから、本来は行革の問題だとか臨調の問題でお話をしなければいかぬことだと思うのですが、それぞれの省庁でばらばらにやっておるわけでございますよね。それなりの理屈があると思うのです。それで、通産は基礎ではなくて実用段階だとかという大まかな分け方があるのですが、いま御説明を聞いておる程度でも、私はもう少し調整をして、知恵をしぼって、せっかくの国費を投入するわけですから研究開発をされたらいかがなものか、こう思うので、これはひとつ問題提起として、私はきょうは終わっておきたいと思います。  時間がございませんので、第二番目に、宇宙開発なり宇宙開発事業団の問題について質問をしたいと思います。  今度は宇宙開発には八百七十六億の予算でございますか投入がされておるわけですけれども、衛星本体よりもロケットというのですか、打ち上げに金がかかることは非常によくわかるわけです。よくわかりますけれども、日米貿易摩擦の問題を持ち出すわけではございませんけれども、アメリカにはNASAという打ち上げ機関もあるわけでありますから、そこらあたりの、これも役割り分担ということがどの程度真剣に検討されているのか、こんな問題について少し触れていきたいと思うのですが、とりあえず、郵政省あるいは電電公社に来ていただいておりますので、通信衛星の打ち上げ計画あるいは放送衛星の打ち上げ計画について、まずお伺いしたいと思います。
  223. 磯野優

    ○磯野説明員 現在、国の宇宙開発計画に基づきまして、わが国初の実用の通信衛星CS2の打ち上げ計画が昭和五十四年度以降進められております。また、初の実用の放送衛星BS2の打ち上げ計画も、同五十五年度以来進められております。  通信衛星CS2は、静止軌道上での重量は約三百五十キログラムで、電話換算で約四千回線の通信容量を有する衛星といたしまして、本機を昭和五十八年二月に、また予備機を同年八月に打ち上げ、電電公社または行政機関等が非常災害対策用通信及び離島通信等に利用することになっております。また、実用放送衛星BS2につきましては、静止軌道上同じく重量は約三百五十キログラムで、カラーテレビジョン放送にチャンネルを伝送する能力を有する衛星といたしまして、本機を昭和五十九年二月に、また予備機を昭和六十年八月に打ち上げ、NHKテレビジョン放送の難視聴解消等に利用することになっております。
  224. 副島俊雄

    ○副島説明員 お答え申し上げます。  ただいま郵政省の方から御説明がございましたとおり、私どもの方の五十八年の二月と八月に通信衛星の二号を打ち上げるに伴いまして、回線の作成ということを行っていきたいと存じております。それから引き続きまして、さらに次の時代の通信衛星といたしまして、昭和六十二年ごろだと思いますけれども、CS3という通信衛星計画の構想を持っておる次第でございます。  御存じのように、通信衛星と申しますのは非常に回線の作成の広範囲性と申しますか、それから非常に柔軟性を有しておりますので、これらの通信衛星の大型化、経済化というものができますれば、私どもの方の通信網の基幹として現在考えられております光ファイバー通信方式と同様、基幹通信方式として大幅に採用できるのではないかという構想を有しておるわけであります。そのために、私どもの方では研究体制を整備いたしまして、大型通信衛星の研究体制を拡充しつつございます。  それについて当面の目標といたしましては、私どもの方ではたとえば一トンクラス程度の通信衛星、電話回線に換算いたしますと約一万回線、それから引き続きましては四トンクラス、電話回線に換算いたしますと約十万回線の容量を持っております通信衛星の構想の検討を始めたわけでございます。当然、これらの衛星の打ち上げ等につきましては、国の宇宙開発計画というものに十分御協力申し上げてやる所存でございますけれども、一方では、衛星の大型化に伴いまして、アメリカ等で実施されておりますスペースシャトル等の利用の検討というものも考えていくべきではないかと存じております。これらの計画の進展に伴いまして、私の方といたしましては、宇宙開発委員会等の具体的な提案等につきましては、郵政省の御指導をいただきながら進めてまいる所存でございます。
  225. 草川昭三

    ○草川委員 ちょっと外務省にお伺いしますが、話はちょっと余談になりますけれども、実は中国が偵察衛星を打ち上げたいという希望を持っておるようでございます。それを何か日本に肩がわりをしてもらって打ち上げたらどうだろうかという話が若干出ておるやに聞くわけですが、その点について、外務省はどのような情報をつかんでおみえになるでしょうか。
  226. 池田維

    ○池田説明員 中国はこれまで九回にわたりまして自力で人工衛星を打ち上げておりまして、その人工衛星の技術は相当進みつつあると見られておりますけれども、ただいま御指摘のありましたように、中国の肩がわりとして日本に人工衛星を打ち上げてくれというような要請をこれまでわれわれとしては聞いたことはないわけでございます。
  227. 草川昭三

    ○草川委員 じゃそれはそれで結構でございます。またいずれ衛星の国際分担についての話題が出てきたときに、そういう情報があればぜひ私どもにも教えていただきたいというように思うわけでございます。  同じく外務省、せっかくおいでになっておられますので。いまも電電公社の方からありましたが、大型通信衛星を打ち上げる場合には、やはりNASAというものからシャトルを使って、三万六千キロですか、三段ロケットで打ち上げるという方が経済的なコストは安いに決まっておるわけです。しかし、日本の事業団としては打ち上げたいという希望もあるのでしょうけれども、国際分担というもの、衛星打ち上げについての役割り分担というようなことについて何か話し合いが行われておるかどうか、お伺いしたいと思います。
  228. 林安秀

    ○林説明員 お答え申し上げます。  先生の御指摘のようなことにつきましては、国連等国際会議の場におきまして、宇宙空間平和利用委員会等がございますけれども、分担等につきまして具体的に検討したことはございません。
  229. 草川昭三

    ○草川委員 そこで、問題はロケットの打ち上げの費用ということになるのですけれども、その前に一つだけ、私ちょっとこれは委員長にお願いをしたいと思うのです。  いま放送衛星が非常に大きな話題になっておるわけでございますけれども、放送衛星を打ち上げると、テレビの場合はチャンネルが四つになると聞いております。NHK、教育テレビ、それから放送大学、あと一本はその他ということですからまあ民間ということだと思います。そういうことになりますと、全国難視聴が一挙に解決するということではございますけれども、情報管理という非常に重要な問題が出てまいります。あるいはまた既存のテレビ局というものが、全くローカル放送の一分野に押し込められるという問題も出てくるわけであります。あるいは若干放送衛星とは違いますけれども、いま話題になっております文字多重放送、これが実用段階になってまいり、そしてさらに、この放送衛星によって文字多重ということになりますと、いま全国で幾つの民間放送があるかわかりませんけれども、まずこれは壊滅的な打撃を受けるに違いない。だから、われわれ科学技術委員会としても、ぜひその末端なり周辺部分についての議論をしたいわけです。  ところが、私たまたまきょうもおいでになっておられます郵政省の磯野さん等のお話を聞いておりますと、いわゆるハードの面についてはここでやっていただくだろう、しかし、それから出る政策の問題なり影響の問題は、やはり逓信委員会等そこの委員会で議論をすべきではないだろうかというようなお話もございました。その一つの根拠として、宇宙開発事業団ができたときの委員会審議の附帯決議が参議院等にあるんだそうです。まあこれは持っているんですけれども、その附帯決議等からいきますと、俗に言うこの科学技術委員会での審議にはなじまぬというような御指摘もございましたので、私は非常に残念なことだと思うのです。非常に幅が広いわけですから、末端に及ぼす影響のこともこの科学技術委員会で、集中審議は別といたしまして、議論の対象になってもしかるべきではないだろうかと私は思います。科学技術庁設置法自身も、その他の関係省庁の縄張りという足かせが明確にあるところに問題もあるわけですが、その末端部分についても、影響する部分についても、ぜひここで議論が展開できるようにしていただきたい。  そうでないと、たとえば民放がつぶれたと仮定します。つぶれた方がいいという意見があるかもわからぬ。しかし、それではまた問題なんですが、それだったら放送衛星を打ち上げるのをやめるべきだったと思うのですね。放送衛星が打ち上がった、チャンネルが一つだ、こういうことになると、既存の民放自身の問題になるわけですから、非常に影響力が大きいと私は思うのです。その点は、これは委員長から答弁というわけにはまいりませんけれども、これは私の要望としてしかと受けとめていただきたい、こう思います。これは要望として申し上げておきます。  問題は、いま私がなぜ衛星の問題を取り上げたかといいますと、衛星の予算の中ではロケットの打ち上げ費用というものが相当な費用を占めるわけです。これは御存じのとおり、宇宙開発事業団が日本の場合では打ち上げておるわけでございますが、NI、NII、そしてHIとこうきておるわけですね。しかし、日本の国内におけるメーカーは非常に限られたメーカーがこの打ち上げを担当しておるわけです。第三ロケットは日産、あるいは一段、二段は、本体については三菱、あるいはロケットのエンジン部分については三菱、IHI、あるいは電機関係は東芝だとか三菱電機だとかNECだとか、それぞれ分担をしておるわけですけれども、それらのメーカー別の契約が少し偏り過ぎておるのではないだろうかという疑問を私は持つのですが、科学技術庁、宇宙開発事業団関係で、もう時間がございませんから、昭和五十五年度だけのメーカー別の契約実績を教えていただきたいと思います。
  230. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 いま御指摘の幾つかのメーカーの五十五年度の契約額という御質問でございますが、非常に詳細な数字を詰めることは非常に時間もかかりますし、いまの段階で私どもその細かい数字は持っておりませんけれども、契約額が一件十億円以上のものというぐあいに前提を置きまして計算をしてみますと、いま御指摘の昭和五十五年度の場合は、石川島播磨重工が五十六億円、三菱重工業が二十八億円、日産自動車が二十二億円、かようになっております。
  231. 草川昭三

    ○草川委員 事前に私どももレクをしたのですけれども、どうして宇宙開発事業団が各メーカーに対する契約金額を発表できないのでしょう。これは私大変疑問があるわけであります。私どもが調べた範囲内では、昭和五十五年度は、三菱重工に二百二十五億円、東芝に二百十七億円、日本電気に百六十七億円、石川島に八十一億円、三菱電機に七十七億円、日産自動車に四十八億円、日立に三十五億円、こういう数字が私どもだって宇宙開発事業団の方といろいろと話をすれば出るわけですけれども、その数字がなぜ、私が何回か質問をしておるのですけれども、発表されないのか、私はきわめて遺憾でございます。  ついでにロケットの打ち上げ費用のアメリカと日本の比較を教えていただきたいと思うのです。
  232. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 一番最近打ちました静止気象衛星二号「ひまわり」を打ちましたNIIロケットについて申し上げますと一打ち上げのコストにつきましては、ロケットの開発費、打ち上げ費、それから初期の追跡管制費等を合わせまして約百四十億円ということでございます。  なお、参考までに、昭和五十二年度、五十三年度にアメリカに依頼して三つの衛星を打ち上げましたが、同じような打ち上げの費用を計算してみますと、大体平均しまして約九十億円弱というふうに相なります。
  233. 草川昭三

    ○草川委員 いま私が指摘したメーカー別の契約実績についではどのような見解を持ってみえますか。
  234. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 ただいま先生が御指摘くださいましたメーカー別の数字でございますが、ちょっと私どももその数字を把握しておりませんものですから正確なお答えができませんが、あるいはロケット、あるいは衛星、すべてを全部込みにした数字を何かのかっこうで集計したものであろうかと思います。私どもがいま手元に持っておるものでは、非常に伝票の数等も多いということで、いま現在におきましてそのような数字を把握しているわけではございませんが、ただ、細かい数字は別にいたしまして、大体の傾向として見てみた場合におきましては、NIIについて見た場合におきまして、三菱重工が大体全体の五〇%ぐらい、それから石川島播磨重工が約二〇%ぐらい、日産自動車が二〇%ぐらい、その他が一〇%ぐらい、大体このような配分になろうかと思います。
  235. 草川昭三

    ○草川委員 じゃ、HIはどういう傾向になりますか。
  236. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 HIにつきましては、開発が五十六年度からスタートしたばかりでございますので、全体についての集計は現在まだでき上がっておりません。
  237. 草川昭三

    ○草川委員 宇宙開発事業団を監督してみえるのは科学技術庁でしょう。科学技術庁は予算を国からそれぞれ獲得されるわけですよ。獲得というと言葉は悪いのですが、配分されるわけでしょう。当然決算も責任があるわけです。これだけ大きな宇宙開発のメーカー別に対して、これはたとえば昭和五十二年からでもいいですよ、NIが開発され、NIIが開発されると、それの原価計算なりわかってないというのはどう考えたっておかしいですね。  私ども予算委員をさせていただいておりますけれども、防衛庁などというのは、ぱっと言えばぱっと出てきますよ、それぞれメーカー別の発注金額というのは。その点については、ちょっとこれは長官から答弁してくださいよ。そんなばかな、私何回かこれは言っているんですが、メーカー別に明確な発注金額がわからぬなどということは、それは、新聞を買うとかノートを買うのをどこから買うなどという質問をしているわけではないんですからね。しかも日本の有数なメーカーというのは限られているわけですから。その点についてどのようになるか、私の質問についてちょっと答えてください。
  238. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 お答え申し上げます。  いま御指摘の点につきましては、私どももちろん決算は十分に監督をしておりまして、その点滞りないようにいたしておりますけれども、いまのお話はメーカー別の集計だというふうに理解させていただきますが、実はメーカー別の集計をするときにいろいろ資料等が、二つのものを一遍に、たとえばあるロケットならロケットを、二つございますが、一番目のロケット、二番目のロケットを同時に発注しまして、その中が非常に入り組んでいて、精密なことをしようと思いますと非常に中の区分けがむずかしいといったような実態があるわけでございます。したがいまして、いまここで私どもが把握しておりますのは、先ほど申しましたような全体の比率を一応計算をしていまお答えしたところでございます。だからといって、決して決算をないがしろに私どもは監督をしておるということではございません。
  239. 草川昭三

    ○草川委員 だめですな、あなたたちの言っているのは。  僕が調べた段階では、昭和五十一年から五十五年の五年間の宇宙開発事業団の契約高の実績を持っていますけれども、ロケットだけを考えますと、ロケット三社、三菱が六二%です。二百七十億に対して百六十六億。IHIが七十二億、二七%。それから日産、ロケットだけですから、三十億の約一一%、これは五年間の平均ですよ。いろいろな資料、これは公開されているんだから、別にないしょの金額じゃないんでしょう。秘密でやっておるわけじゃないんでしょう。だから、われわれだって、国会図書館であろうとおたくたちの会計検査院の資料を持ってくれば、これは一週間か十日でこの数字をやれるんだから。僕がつくった数字ですよ。間違っておったら直してくださいよ。  これは、明らかにHIの段階になってくると三菱重工が独占になってきますよ。日本の宇宙開発はどのようにメーカーを指導するのか。特定の会社だけを指導してロケット開発をするのか。それこそ先端技術の影響力が大きいわけですから、重要なグレードのある企業それぞれを育てていくのか。これは基本的にどこかで一回議論をしておきませんと、気がついたときには後へ下がれませんよ、一方的に集中しますと。  だから、これは長官に聞きますけれども、特定の企業を育てていくのか。特定といったって、それは中小企業も参加しろと、そんなことを私は言っているのではないですよ。とにかく日本でも有数な企業をそれなりに育てていくのか、発注するのか、その中で三菱なら三菱だけに独占的に集中するのか、どっちですか。基本的な見解として、これは長官から政策の問題として聞きたいと思うのですが。
  240. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 いまの御指摘でございますが、私どもは、現段階におきましてわが国が保有している民間の技術力というものを最高度に発揮して、宇宙開発をしてまいりたいという基本的な考え方でございます。したがいまして、いままでに私どもが発注してまいりましたメーカーは、それぞれそのメーカーがわが国としてはその部分の開発をするのにいま一番ふさわしいという観点で選んだものでございまして、それが結果といたしまして、ある特定の会社にその比率が多くなったということかもしれませんけれども、一つのメーカーに偏るということをわれわれが意識をして発注をしているというような面は決してございません。
  241. 草川昭三

    ○草川委員 科学技術庁は非常に閉鎖的だと私は思います。私はっき合いがまだ浅いから余りぽんぽん物を言いませんけれども、技術というものは公開すべきだし、決算報告を見ればほかで幾らでも出ているんですよ。それを私どもに知らしめない。そしてまたいまは科学技術庁自身が御存じないなんというのは、宇宙開発事業団に監督権限が及んでないということだと思うのです。だから、宇宙開発事業団は買い物公団だなんて言われるのですよ。そういう答弁をされますと、われわれもこれから宇宙開発事業団に問題をしぼっていろいろとやっていきますよ。  いまアメリカと日本との衛星の打ち上げの費用について答弁がありましたけれども、その答弁も私に言わせると非常に不誠意な答弁です。いまのような態度が、結局日本の衛星の打ち上げの費用というものが高くなるのじゃないか、こう私は思うのですね。たとえば、いま九十億と言っておりますけれども、アメリカの場合デルタ三九二〇だと、日本の円換算二百三十円で換算をしますと、実質的に八十七億円で打ち上がるのです。いま九十億と言ったでしょう。正確には八十七億なんです。アリアン、これも静止衛星で、六百キロですけれども、打ち上げ費用は五十八億から六十九億とゼネラル・エレクトリックの資料からは出るわけですよ。スペースシャトルで打ち上げてもらったとするならば六百キロのものについては三十億、これはヒューズ社の資料ですけれども、GEの資料によると四十二億で打ち上げてくれるというわけです。  日本のNIIロケットは、これは推定ですけれども、五十八年度では百六十五億と言っておりますが、百八十八億ぐらいになると言うんです。あるいはいま問題になっておる日本でつくるHIで言うならば、インフレ率を換算をしても推定二百二十七億だということが言われておるのです。だから、やはり日本の方が高いわけですよね。高いことは事実なんで、これは仕方がない。一年に何回かしか打ち上げませんから一回当たりのコストが高いのは認めますけれども、その積算根拠は非常にずさんなものがあると私は思うのですが、その点はどうでしょう。
  242. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 ただいま、ずさんなというお話でございましたが、いま私ども手元に持っている資料で積算をしてみますと、そのような結果になるわけでございまして、いま先生の御質問の中でアリアンヌでございますが、アリアンヌはいままでの実績では一トン弱程度のものを打ち上げておるようでございまして、百億円くらいの経費をかけているのではないかと思います。  それからシャトルの問題でございますが、いまも御指摘のように六百キログラム程度の衛星を打ち上げる場合においては三十億という話でございますが、これも円レートの換算その他があってなかなか確実な数字はわかりませんが、三十億ないし四十億円くらいが一応一九八三年の打ち上げの際の暫定価格ということで示されておるわけでございまして、今後その暫定価格が終わった後でどのような価格が設定されるか、これにつきましては、私どもまだ存じておりません。
  243. 草川昭三

    ○草川委員 だから、私が言うように科学技術庁は閉鎖的だ。それなりのつかんだ情報というのを国民の皆さんに発表しながら、そして衛星問題についてどうなるのか。とにかく放送衛星だって打ち上げれば日本のたくさんの民放がつぶれるかもわからぬわけでしょう。現実にそういう話が出ておるわけでしょう。連盟だってそういう要求をしておるわけですよ。あるいは文字多重放送だって、これは衛星とは若干違いますけれども、将来衛星を打ち上げたものから文字多重、さらに第三者機構なんというものの設立になるわけですから、どこへどういくかわからぬわけですよ。この衛星は、そもそもハードとソフトと分ければハードになるわけだから、基礎になるのだから、しかもその衛星を打ち上げるロケットの費用というものは、いま私が質問しただけでも科学技術庁としては明快に答えられぬわけでしょう。  しかも宇宙開発事業団がやっておることについての情報というのはつかんでおみえならぬわけです。私が一般の町の公開された資料から一週間か十日間かかって調べたってこういう数字が出るわけですよ。それはGEの資料だって幾らでも出ているわけだ。だから、本当に研究する人がいるなら、いまの科学技術庁のこんな予算なんかひっくり返りますよ、きょうは大蔵省呼んでませんけれども。だから、宇宙衛星の問題だからわけがわからぬと思って独善的な運用をされるという態度をとられるなら、本当に私どもは協力できませんよ。私の言っておることについて、長官、一言答弁してください。
  244. 中川一郎

    ○中川国務大臣 まず、宇宙衛星のコストが高いではないかという御指摘でございますが、正直言って、まず宇宙開発に手をつけてから日本の歴史は非常に短い。残念ながら、特にアメリカに比べますと大変に自主技術もおくれておりまして、追いつかなければならない段階でございまして、アメリカ並みということにはなかなかなり得ませんけれども、今後努力をしていかなければいけない。  一説には、もうやめてアメリカの技術を買った方が早いではないかと言う人もおります。しかし、これはこれだけの先進国を銘打っておりますわが国としてはやはり情けないことであって、苦労しながらも自主技術を持つということが必要であろう。ただし、発注段階あるいは業界を選ぶに当たって、そこに問題があるとすればこれは問題でございますから、科学技術庁としては正すべきことは正して、謙虚に耳を傾けて、しかるべき業界、最高度の技術を発揮できる業界、コストの安い業界、そういうことについては十分私たちも配慮して御趣旨に沿うようやっていきたい、こう思う次第でございます。
  245. 草川昭三

    ○草川委員 時間がございませんので、この件はこれで終わります。  最後に、先ほど来問題になっております廃炉対策専門部会の答申案の中で、二、三ちょっとお伺いをしておきたいと思うのです。  この件は、実は私、昨年科学技術委員会でも質問をした、いま問題になっておる集中貯蔵をする陸上施設のことでございますが、場所はさておきまして、昨年私が質問をしたときの事業の規模というものは、ドラム缶によって百二十万本だ。これを貯蔵するということを前提に、しかもその金額は、トータルの事業規模は二千三百億くらいになるのではないか、一本について二十万円くらいのコストになるのではないかという質問をし、そして答弁を得たことがあるのですが、この答申案の中でもそのような規模でお考えになっておられるのでしょうか、お伺いします。
  246. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 ただいまの御指摘の点につきましては、通産省が原子力環境整備センターの試算の結果を御報告申し上げたものと存じます。いま通産省おりませんが、その考え方は基本的に変わっていないと理解しております。
  247. 草川昭三

    ○草川委員 それから通産省、公平な分担、後代、前代というのですか、将来の廃炉費用をどのように電力料金に加算をするかということについての新聞報道が若干出ておりますけれども、いわゆる合理的という考え方あるいは費用計算の負担の公平化、このことについてどのように考えておられるのか、お伺いします。
  248. 戸倉修

    ○戸倉説明員 原子力委員会専門部会の報告では、先生御存じだと思いますけれども、原子力発電所の廃止に要する費用につきましては、海外の調査結果をもとに建設費用に対する比率で数%ないし二〇%、そういう報告がなされているわけでございます。このように幅がございますのは、原子力発電所を解体撤去しあるいは廃止する場合に、使用される技術とか廃炉方式の組み合わせ、あるいは施設の再利用の程度等によって異なるものでございまして、現段階において合理的な見通しを持つことは非常に困難だというふうに考えております。  ただ、通産省といたしましては、昨年来、電気事業審議会の料金部会におきまして、再処理費用とあわせまして原子力発電所の廃止に伴う費用、あるいは廃棄物の処理処分の費用等について検討してまいったわけでございますが、昨年の十二月に報告が出ておりまして、この報告の中では、原子力発電に伴って生ずる費用でございますので、発電が行われる時点における費用とすることが適当である、こういう報告が出されておりますが、先ほど私申し上げましたように、現時点で正確な見通しをつけることが非常に困難でございますので、今後廃炉技術等の検討と相まってこの問題について検討いたしまして、明確な見通しができた段階で、電気料金の中にどういうふうに算入すべきかということを検討してまいりたいと思っております。
  249. 草川昭三

    ○草川委員 時間が来ましたのでこれで最後になりますが、実は廃炉問題については私もかねがね関心を持っておりまして、まず技術的に本当にできるかどうか、そしてその費用の問題はどうか、こういう疑問を持っておるわけです。それで担当官の方のお話を聞きますと、それは技術的にできるのだ、それからある程度除染というのですか、除染作業をしてやれば十分なのだ、炉体の中でも半分くらい汚染をされておるもの等については、除染をすればコストも安くなるというようなお話もございました。  しかし、たとえばアメリカのスリーマイルの二号炉の除染等についてペンシルバニアの知事は、七億六千万ドル除染費用がかかる、こう言っておるわけです。千七百億だというわけです。それは全体の除染なのか部分的な除染なのか、技術的な評価の違いがありますから一概にその数字に右へならえはできませんけれども、私は、実際に廃炉対策というのは相当な困難が予想されると思うので何回か申し上げるのですが、本当に経済性というものが確保されるのかどうか、ただいまのところのこの答申案では具体的な内容というのはわかりませんからあれでございますけれども、疑問があるわけです。そういう点について、ひとつ廃炉対策の情報公開ということも含めて、今後どのように処理をなされるのか、最後に長官から伺って、話を終わりたい、こう思います。
  250. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 御指摘のように、炉の停止の措置ということは非常に大事な問題でございます。技術的には、問題点といたしましては、やはり除染の技術、さらにはロボットと申しますか、ロボットの十分な活用ということが大きな流れになろうかと思っております。  経済性についてでございますが、確かにわが国で経験がございませんので、はっきりしたことが申し上げられない。建設費に対して数%ないし二〇%ということでございますが、仮に二〇%としますと電力コストの約一割弱というようなかっこうになってくるわけでございます。そういう問題の御指摘もございますので、私どもといたしましては、除染技術等々関連技術の開発を今日から計画的に始めていきたいと考えております。たまたま日本原子力研究所におきます動力試験炉、JPDRと申しておりますが、これをモデルといたしまして、ただいま申し上げましたような技術開発を計画的に、またじっくりと進めていきたい、このように考えておるわけでございます。
  251. 草川昭三

    ○草川委員 終わります。ありがとうございました。
  252. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 和田一仁君。     〔委員長退席、岸田委員長代理着席〕
  253. 和田一仁

    ○和田(一)委員 民社党の和田一仁でございます。  きょうは、ライフサイエンスと海洋資源の問題、特に深海底資源の二点についてお聞きをしたいと思います。  まず、生命科学の分野でございますけれども、最近、科学技術全般が非常な勢いで発展いたしておりまして、本当に目を見張るような急速な発展でございますけれども、従来、ともすれば、宇宙開発であるとか海洋開発であるとかあるいは原子力、こういった開発に非常に力点が置かれておった。それで、当科学技術委員会においても、大体そういったことを柱に国政調査をやる、こういうことでございましたが、この国会から、これに加えまして生命科学の調査もやる、こういうことになりまして、私はこの生命科学の分野についてこれからいろいろお尋ねをしてみたい、こう思っておるわけでございます。特に大臣に、こういった意味で最近大変急速に開発が進んでおると言われている生命科学につきまして、これは非常に大事な分野ではないか、こういうふうに私は理解しておるわけでございますけれども、この生命科学の分野について大臣はどういうような御見解をお持ちだろうか、まずお聞きをしておきたい、こう思います。
  254. 中川一郎

    ○中川国務大臣 ライフサイエンスにつきましては、最近特に大きな注目を浴びるようになりました。それは資源有限時代を迎え、資源確保の上からいっても、あるいはまた保健衛生の問題からいっても、あるいは工業等についても、あるいは環境保全等についても、利用分野は非常に大きいという点が根底にございます。  しかもこの点について日本はかなり進んでおるのではないか、世界も日本に注目をしておる、こういうふうにも見ておりますし、われわれも科学技術振興、先端技術をやっていかなければならないというのと同じような気持ちで、この問題も日本がひとつ国際的に大きな仕事をしてやろう、こういう意欲も持ちつついま取り組んでおるのでございますが、この点についてもまだいろいろな誤解、たとえばP4施設等についてまだ御納得が非常にいかない点がありまして、国民の皆さんの正しい理解を得るように努力をしながらやっていきたい。こういうことについては専門的な方々からもいろいろと御意見をいただいておりますので、そういった専門の方々とも相談しながらひとつ前向きにやっていきたい。非常に大事なことだと受けとめておる次第でございます。
  255. 和田一仁

    ○和田(一)委員 この生命科学の急激な進展と変貌というものは、まさにライフサイエンスというものが来るべき時代の科学技術であるという世界共通の認識がいまあるというほどのものではないかと思っております。  そのライフサイエンスの中で、特に遺伝子組みかえ技術というものがいま大変注目を浴びつつあるわけでございます。これは二十世紀最大の技術革新だという言われ方をするぐらいでございまして、大変な注目の的の新しいテクノロジーではないかと思うのです。この組みかえDNAの研究というものにつきまして、これは本当に私ども素人ではよくわからないわけでございますけれども、生命の本体ともいうべき遺伝子について、これがだんだんと解明をされまして、そしてこれがDNAという一つの物質である、そして四つの塩基から成っているものであって、結論から言うと、生命活動というものは基本的には化学的な反応なんだというような話でございまして、これは本当に大変な開発になってきておる、こう思うわけでございます。  最近の総理大臣の諮問第十号というのも、これは科学技術会議に対して総理大臣から、「ライフサイエンスにおける先導的・基盤的技術の研究開発基本計画について」という諮問がされておりますが、これは大変重要であるからという認識に基づいて諮問がされておる、こう思うわけでございます。  そこで、こういった新しい次の時代、来るべき時代の先端科学技術であると言われているこのDNAの組みかえ技術につきまして、国民もまた非常に関心を深くしておる。こういう中でこの組みかえ技術のガイドラインというものが示されておるわけでございますけれども、このガイドラインにつきまして、先般、学術審議会が一月十四日に「組換えDNA実験指針の改訂について」という中間取りまとめというものを発表されたわけでございます。私は、この改定につきまして一、二点お聞きしたいと思うわけでございます。  従来、この実験につきまして、これは新しい技術開発であるということから、各国とも大変激しい競争にいまなっているのではないかと思うのですけれども、私が第一に聞きたいのは、日本もその激しい競争の中で負けずにいま開発をやっておるわけでございますけれども、この激しい競争の中で、先発的な欧米、特にアメリカにおいては、かつて決められたそのガイドライン、指針を次第に緩めてきておる。四回ぐらいにわたってこの規制がだんだん緩められている、こういう状況でございまして、そういった欧米のガイドラインが緩められるという中で、日本だけが世界一厳しいと言われるようないまの指針を守っていたのでは競争におくれる、こういうことから今度見直しが行われたのかどうか、まずこの点を第一にお聞きをしておきたい、こう思うわけでございます。  そして、いやそうではないと言うのであるならば、第二に、それでは純粋に学問的に科学的に安全というものがしっかりと確認された、そういう上でこれを緩和をしようとしているのか、まずこの二点について、これは文部省の方からひとつお答えをいただきたいと思います。
  256. 河野石根

    ○河野説明員 お答えいたします。  昭和五十四年の三月末に現行の実験指針を告示いたしました際に、それに先立ちまして、学術審議会からこのことにつきまして建議をいただいているわけでございますが、この学術審議会の審議の過程におきましても、実験の安全に関する新たな判断が可能となるに至りました段階では、柔軟にこれを手直しするという必要があるということは指摘されているわけでございまして、その建議をいただきましてから三年余りたっておるわけでございますが、最近におきましては、毎年数百件の科学関係のいろいろな実験があるわけでございまして、それは、わが国のみならず、世界的にも非常に幅広く遺伝子組みかえの実験は行われておるわけでございますが、このような実験の積み上げによりまして、安全性に関する多くの知見が得られておるわけであります。そのようなことから、このたび緩和の方向で改定の検討を進めておるわけでございますが、これが改定の理由の一番大きなものでございます。  それから、それではその安全性について裏づけを十分とっておるのかという御質問でございますが、御承知のように相当膨大な件数の実験を積み上げまして、たとえば供与体と宿主と双方からは予想されないような危険性があったというような事例はございませんので、そのようなことからいたしましても、現行の宿主-ベクター系による実験並びに新規の宿主-ベクター系につきまして、きわめて慎重な配慮をとる限り、安全性については問題がない、このように考えておるわけでございます。
  257. 和田一仁

    ○和田(一)委員 大変むずかしいので、なかなか理解がいかないところもあるわけですが、私の手元にあります中間取りまとめですね、この中に、おっしゃるようにたしか見直しということは当初から考えておったとは思うのですが、今度中間取りまとめをされた中に「当初懸念されていたような、組換えDNA実験における危険性の大部分については、その可能性は少なく、実験の安全性が確認されたものとして、当該分野の広範な研究者から実験指針の改訂の必要性が指摘されている。」こういうふうな部分があるわけです。  危険性の大部分というものについては、その可能性は少なくなった、だから、実験の安全性が確認されたものとして改定の必要性を指摘されている。この辺が確実に確認されているのかどうか。「されたものとして、」というこの表現は、確認されたのでとなぜはっきりと言えないのか、まだこの辺に非常に潜在的な危険性、いままでさんざん言われてきた潜在的な危険性というものが相当あるのじゃないかという気が私はしてならぬわけですが、その辺はどうでしょう。
  258. 河野石根

    ○河野説明員 お答えいたします。  学術審議会の小委員会の中間まとめは非常に慎重な表現をとっておるわけでございまして、要するに、一〇〇%もう何もないという断定を下すには、まだそういう段階ではない。しかしながら、それは、これまでの想定されるいろいろな危険性については、いろいろな角度から実験を積み上げた結果、そういう安全性について問題のある事例は全く出ていない、こういうことでございまして、表現がきわめて慎重な表現になっておるというふうに御理解いただければありがたいと思っております。
  259. 和田一仁

    ○和田(一)委員 一回や二回読んだくらいではどうも全体がなかなかわからないのですけれども、まあ出てくる字句を一生懸命読んでみたわけなんです。  「DNA供与体及び宿主を越える危険性が生じた例は観察されなかった。」これはいままでの経験的にそういうものはなかったということだと思うのです。「このことは、組換えDNA実験によって予想されない危険性が生まれる可能性はほとんどなく、」だから、「予想されない危険性」というのは想像もできないという意味だろうと思うのです。自分らが想像もできないような危険性、予想されない危険性が生まれてくる。つまり、いままでああだこうだと言われていた大変とんでもないものが出てくるのではないか、一般国民もそういうことを心配していたわけですが、「予想されない危険性が生まれる可能性はほとんどなく、組換えDNA実験の安全性はDNA供与体及び宿主の生物学的性質に基づいて十分に予測し得ることを示している。」安全性は予測し得るというふうに書いてあるわけです。  だから、経験的には供与体と宿主を越える危険性は生じなかった、しかし、これからやっていくその実験の中で、供与体と宿主の生物学的な性質というものがきちっとわかっているので、これに基づいてやる限りにおいては安全性は十分に予測できる、こういうふうに私は読んでいるのですが、それでよろしいのでしょうか。
  260. 河野石根

    ○河野説明員 さようでございます。
  261. 和田一仁

    ○和田(一)委員 そうしますと、私は、これからガイドラインそのものも要らないのじゃないかという気がしてならぬわけです。というのは、扱う生物学的性質というのは組みかえDNAの実験によって得る知見ではなくて、もうすでに得ている知見であるはずなので、そうであるならば大丈夫だということにつながるのではないかと思うのですが、その点はいかがですか。
  262. 河野石根

    ○河野説明員 たとえばDNAの提供者の側から見ますと、その提供者自体がいわば危険性を持っておるような場合があるわけでございまして、病原微生物をDNA提供者として選ぶ実験であるとか、そういったようにすでにDNAそのものに慎重に扱わなければならないものがあるわけでございますから、それはそれに応じて封じ込めの基準を設けておく必要があるということでございます。また、たとえば新しい宿主-ベクター系の開発をするような実験につきましては、その宿主-ベクター系がどのような行動をとるかということにつきまして十分慎重な配慮をする必要がありますので、これにつきましては個別承認にかからしめておくというような配慮もいたしておるわけでございまして、この実験の指針というのは必要であろう、このように考えておるわけでございます。
  263. 和田一仁

    ○和田(一)委員 むずかしいのですよ。その後に、一番みんなが心配していたのは、とにかくむずかしい技術だから、切りたいと思う情報だけをうまく切れるかどうかわからないためにショットガン的な実験もやる、酵素をぶち込んで切っていく場合に、これでやったら切れるのじゃないかというようなショットガン的な実験をやって、そこで予測しないようなことが起きやしないかという心配をずいぶんしていたのじゃないかと思うのですが、それもないのだとはっきり言っておるわけです。異種間における類縁性の遠いものについてのそういうショットガン的な実験についても、そんな危険性は考えられない、ここまで示してあるので、そうなってくると、これは本当にいままでの心配とずいぶん違ってきている、こういうふうに、私は何回か読んでみて思ったわけです。  いままで、とにかく潜在的な危険性というものを非常に重く見て、そのために間違いのないやり方をしなさいよ、そういう意味でのガイドラインを示してあったはずですが、それが今度はそういう意味で非常に大幅に広がるわけです。私は、生命を操るこういった技術の重みというものを忘れてはいけない、こう思うわけなんです。このガイドラインを緩めるということの中で、いままで潜在的に予測されない危険というものが生じるのではないかと思われていた、そういうものがもうほとんどないんだということのようでございますけれども、こういったガイドラインを緩めることによって、この実験が将来にわたって間違いなく開発されていくかどうか、その辺がまだちょっと心配なものですからいろいろお伺いしておるわけなんです。  その点について、これは人類の未来を左右すると言うと非常に大げさなようでございますけれども、そういったものにつながっている新しい技術開発だけに念を入れてやってもらわなければいかぬ、こう私は思うわけなんですが、いかがでしょう。
  264. 河野石根

    ○河野説明員 御指摘のとおりでございまして、今回の改定作業につきましても、このガイドラインに従いまして実験をする限り安全性は確保されるというような内容の改定にいたすつもりでございますが、さらに、これが告示されまして現場における実施の段階に移りました際には、これまでよりも一層入念に実験施設への実地調査を行いますとともに、必要に応じまして関係者の御理解を高め、あるいは資質向上の一助にもなるように必要な講習会等も計画してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  265. 和田一仁

    ○和田(一)委員 いまのお話の中にもありましたけれども、こういったことを中間取りまとめというかっこうで発表されて、これは新聞等では五月ごろに告示というようなふうにも示されておりましたけれども、私が想像するのでは、さっき言ったように、こういうガイドラインの緩和を求めている研究者、そういう方もずいぶんいるようでございますが、中には、そうでもなく、非常に慎重な意見もあるように思うわけなんですが、全体的に見て、こういった発表をされてからの反響というか、これに対する研究者、企業あるいは一般国民、学者、こういった層のこの改定に対する反響というものはどんなふうにつかんでおられますか。
  266. 河野石根

    ○河野説明員 中間取りまとめ案を全国の大学、高等専門学校等に配付いたしまして意見を聞いておるわけでございまして、また新聞等の反響を拝見いたしましても、全体として緩和の方向には賛成であるが非常に慎重な態度で実施してほしい、こういう御注文が参っております。
  267. 和田一仁

    ○和田(一)委員 従来もそうですが、学術審議会のこういった実験指針に従って、科学技術会議の方もこういうガイドラインを同一歩調というか、同じようなもので示してきたわけです。今回、この中間取りまとめが出されたわけですけれども、科学技術庁はこの実験指針についてどのように受けとめておられますでしょうか。
  268. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 海外におきましてはいろいろ学問的な知見も得られまして、組みかえDNAの実験指針を緩和する方向にございます。わが国の研究者の間におきましても、総理大臣が決定いたしました組みかえDNA実験指針を早急に緩和すべきであるという希望の強いことも承知しております。  御指摘のありました中間取りまとめは、この分野のいろいろな権威の方に、十数回にわたって会合を重ねられまして御意見を承り、慎重に検討してこの中間結果をまとめられたというふうに承知しておりますが、現在、科学技術会議におきましてはライフサイエンス部会におきまして、この学術審議会の中間取りまとめも十分考慮いたしまして、慎重に審議をいただいているところでございます。当庁といたしましては、ライフサイエンス部会におきます審議の結果、改定すべきであるという結論がまとまりました場合には、迅速にその所要の手続を進めてまいりたいというふうに考えております。     〔岸田委員長代理退席、委員長着席〕
  269. 和田一仁

    ○和田(一)委員 私も同じように大体緩和の方向ではないかと見ているわけでございますけれども、いまのガイドラインでも、それから今度改定されても、この指針には法的な規制はないわけでございます。研究者の自主的な善意というか、規制をこれでひとつやってもらうというだけでございまして、何ら法的な規制にはなっていないというわけでございます。それだけに、もしこれに違反するというようなことがあっても、これはもちろん制裁も何もないということでございます。  だから、私は、強くしてあっても意味がない、緩めてもいいんだということにはならないと思うのですね。緩められれば研究者としても油断も出てくるし、物の扱い方も粗雑になってしまう、そういう心配もあるので、緩められることに私は絶対反対だというのではないのですが、こういった危険に対する予防措置というものを全然考えないで、ただ世界の趨勢がそうであるからわが国もおくれをとってはならぬ、また、いろいろいままで知見された中で安全であるからというだけでこれを緩めていくということでいいかどうか。たまたまこういった大幅な緩和という時期に当たって、ぜひその点を考えるべき時期ではないかというふうに思うわけです。  たとえば今度のガイドラインでも、危ない微生物といったものを扱う場合には個別の承認が必要だ、こういうふうになっておりますけれども、そういったガイドラインも、もしこれを無視して使うような人が出てきた場合に、そういう微生物、またこの実験もいいかげんにやって実験室外に漏れたというようなときには、大変な危険を伴うのではないかと思うので、そういった点も含めてこういう安全措置、予防措置に対する検討もこの時期に合わせて行わなくていいのかどうか。特に企業の開発が進んできておるだけに、こういった点について科学技術庁としての対応はどういうふうにお考えになっているかをお聞きしたいわけです。
  270. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 いま緩和の方向でいろいろ検討しておるというような話が出ておりますし、私どももそういうふうにやっておりますが、ただ、いま申し上げておりますのは、すでに宿主-ベクター系として認められている大腸菌、酵母、枯草菌というものについて物理的封じ込めの基準を緩和しようというようなことでございまして、その他の新しい宿主-ベクター系を開発する場合には、いろいろと厳しい実験指針のもとに研究を続けるということが必要だということでございます。  また、組みかえDNAの法律による規制の問題でございますが、科学技術会議の「遺伝子組換え研究の推進方策の基本について」という答申が昭和五十四年八月に出されておりますが、その中で「組換えDNA研究は、昭和四十八年以来、世界の多くの研究者によって実施されてきたが、当初予想された潜在的な危険性は現在においてもなお推測の域に留まっていると考えられるため、現時点でこれに法律による規制を加えることは適当ではない。このような状況のもとでの法律による規制は、研究の不必要な抑制をもたらす恐れがあり、適切な措置ではないと考える。」というような見解が示されているところでございます。  さらに、組みかえDNAの実験の安全性についての議論は現在急速に変化しつつございまして、当初の予想と申しますか、そういうものから比べますと安全であるという意見が有力となっておりまして、まだその具体的な危険性というものが明確に指摘されたものはございません。また、欧米先進諸国におきましても、新たに特別の法律を制定してこの種の実験に規制を加えた例はないというふうに聞いております。そのような事情から、現時点においてこの種の研究を法律により規制することは考えていませんが、実験指針、ガイドラインをつくっておりまして、これを研究する人たちに守ってもらって、それによって安全を確保するというような形で運用をしていくべきだというふうに考えております。  また、産業界でそろそろ大規模な実験をするとか、産業化に近づいていく過程でどういうふうにこれの対策を立てていくのかというようなお話でございます。私どもといたしましては、現在の実験基準ではそういうものが示されておりませんが、安全確保につきまして別途検討する必要があるということで、ライフサイエンス部会に組換え体大量培養実験ワーキンググループというのを設置いたしまして、検討を開始したところでございまして、この慎重な審議を経まして万全の対策を立ててまいりたいというふうに考えておるところでございます。
  271. 和田一仁

    ○和田(一)委員 アメリカやその他の国では法的規制はたしかないのでしょうけれども、そのかわりに微生物、特に病原体を扱う場合には厳しい規制があるように聞いておるわけですけれども、日本にはそういうものを扱う場合の規制というのがあるのでしょうか。どなたでも結構ですよ。
  272. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 厚生省の予防衛生研究所におきまして、内部規定としてそういう指針をつくっておりまして、全国的にそういう指針に従って研究をしておるというふうに聞いております。
  273. 和田一仁

    和田(一)委員 これも結局予研の内部規制みたいなもので、法的なあれはないと思うのです。そういった意味では、ほかの国には組みかえ実験についての法的規制はなくても、危険なものを扱う方で厳しい規制があるという点が日本とは違うのじゃないかと思うので、予防措置については並行して検討を必要としないかどうか、私は必要とするのじゃないかと思うわけでございます。  今度の改定案を見ますと、人間の遺伝子を大腸菌に組み込む実験というのも、いまの規制からいうと、P4という一番厳重な物理的封じ込めの実験設備の中でなくては、あるいはそれに準ずるようなP3でなければやれないという厳しい縛りがあるわけですが、これが今度改定になりますと、一挙にP2かP1でいいというふうになってしまうわけなので、そうなりますと、このP4という実験施設は何か要らなくなったように見えるのですが、どうなんでしょうか。それでも理化学研究所のP4の実験室をつくるというのはどういう意味合いがあるのかをお尋ねいたします。
  274. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 先ほどからお話の出ております、文部省の学術審議会におきますDNAの小委員会が中間取りまとめを発表されましたけれども、その中で緩和が認められておりますのは、すでに宿主-ベクター系として認められております大腸菌、酵母、枯草菌について、その物理的封じ込めの基準を緩和するということが主眼になっております。しかしながら、この分野の研究は今後さらに広がりを持ってくるということでございまして、新しい宿主-ベクター系の開発が必要となることは言うをまたないところでございます。そのような新しい宿主-ベクター系を実験指針に追加していくというためには、別途安全性の確認をするための研究が必要になってくるわけでございまして、このような開発を行いますために、より慎重に安全性の確認を行う必要があると考えております。そのために最高度の封じ込め機能を備えました施設が不可欠でございまして、現在この計画を進めているところでございます。
  275. 和田一仁

    和田(一)委員 将来、この組みかえDNAの技術というものの開発がより安全に進められていくために、やはりまだわかっていない部分についてはP4というような厳重な実験施設で安全を確認していきたい、こういうことであるならば必要性は理解できるわけでございますから、そうであるならばその建設が停滞しないように、私は一日も早く建設さるべきではないかと思うわけでございます。先ほども御質問が出ていたようでございますけれども、現に筑波でその予定がなかなか進捗していないというようなことでございますが、そういった大事な施設であるならば場所その他十分検討して、住民の理解を必要とするならば十分な理解をしていただいた上で、一日も早くこれは急いで建設すべきではないかと思います。  いま筑波の話が出てまいりまして、これは筑波の中の理研の施設としてあそこに建設されるようでございますけれども、理研の本所というのですか本部というのですかは和光市というところにありますけれども、あそこではやはりこの遺伝子組みかえの開発もやっておるようでございますが、あそこではP3レベル以上の遺伝子組みかえの実験施設をつくる計画があるのでしょうか。
  276. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 理研の和光の本所にP3レベルの遺伝子組みかえ実験施設をつくる計画は、当方としては持っておりません。
  277. 和田一仁

    ○和田(一)委員 私、この間和光へ参りましたときに、あの中に「ライフサイエンス研究支援のために」ということで微生物系統保存施設というのがございまして、拝見させていただきました。見てまいりましたところが、一階の一番東北に実験室が一つございました。これは前室、その実験室の前にもう一つ小部屋がありまして、そこにシャワーボックスもついた実験室でございまして、中に入りましたら、実験室の一番奥にはP3レベルの施設に似たようなボックスも置いてありました。これが微生物系統保存施設の中にあったのでございますけれども、これは何の実験室でしょうか。まさかここではDNAの組みかえ実験はやらないとは思うのですが、実験室の規模からいうと、P3レベルに似たような施設があったものですから、誤解をされるのじゃないかと思ってお聞きするわけですが、いかがですか。
  278. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 和光の本所にございます微生物系統保存施設は、微生物を広く収集、整理、保存するための施設でございます。御指摘の部屋は無菌観察室のことと思います。この無菌観察室には、入手をいたしました菌の種類を検査、確認するために、外部からの雑菌の混入を防ぐ、あるいは内部の菌の漏出を防ぐために設けられました、微生物を取り扱うキャビネットとかいろいろな装置が置かれております。  しかしながら、この部屋の構造は、扉の構造とか室内のいろいろな配管とかそういうのはございますけれども、そういうのを見ますと、実験指針で示されておるようなP3レベルの実験室の条件を具備しているものではございません。これは微生物系統保存施設におきます研究や、産業に用いますような有用な微生物を系統保存いたしまして、研究者等の必要に応じて配布することを目的としたものでございまして、遺伝子組みかえの研究を行う施設ではございません。
  279. 和田一仁

    ○和田(一)委員 そしてそのときいただいたパンフレットなんですけれども、ここの微生物系統保存施設のパンフレットの中に「微生物とは」とありまして、細菌類、真菌類、こういう種類が書いてあります。そのほかに粘菌類、藻類、原生動物、ウイルス、こうなっておりまして、これが微生物だという意味だろうと思うのですが、ここの微生物系統保存施設で扱う微生物というのはこれ全部でしょうか。これはちょっと念のためにお聞きしておきたいのです。
  280. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 御指摘のパンフレットにおきましては、微生物の一般的な説明のために各種の微生物を例示したものでございます。その資料の右側の真ん中のちょっと上でございますが書いてございますように、この施設で取り扱います微生物の種類といたしましては、細菌類、真菌類というふうになっておりまして、それを取り扱いますということでございまして、その他のものを取り扱うことにはなっておりません。したがいまして、ウイルスを取り扱うというようなことを考えてはおりません。
  281. 和田一仁

    ○和田(一)委員 先ほど申し上げましたように、細菌類、こういった危険な微生物、病原体を扱う場合の規制がないということで、扱う人たちの良心と経験に依存しているということで今日まで来ているようでございますけれども、こういうものをどんどん扱って新しいDNAの組みかえ技術というものがこれから駆使されていくという時代にあって、実験のやり方は安全であることがわかった部分については、当然規制は緩めてもいいと思いますが、並行的に、扱う菌が広く多様であるということを考えて、こういうものの予防措置に対しての考察を検討すべき時期にあるのではないかと思います。これは科学技術庁一省だけの問題でなくて、こういったDNA技術を駆使する、あるいはこういう病原体を扱う人たち共通の問題として、政府は検討すべきではないか、こう思うわけでございます。  かつて一九七五年に、アメリカのカリフォルニアのアシロマで研究者が集まって、研究者自体の中から、われわれがやっている研究自体は大変危険性があるのではないかといったことから端を発して、今日のガイドラインというものが決められて、そしてそれが、だんだんと安全性が知見された部分から緩和されてきておる、こういうふうに聞いておるわけでございます。危険なものを扱い、危険な実験を行う、こうしたことを経て、人は初めて新しい技術を開発し、手に入れていくということは私は当然だと思うのです。  ですから、危険であるからといって、ただこれをいたずらにヘジテートして手をつけないというのであっては、人類の進歩はないと思うのですけれども、同時にやはり安全に対しても真剣な努力をしていくということが、これからテクノロジーを開発していくという全体の中で非常に大事なことだ。常にもろ刃のやいばというような危険性を持っている技術開発だけに、そういった安全に対する対策は勇気を持ってやっていかないと、国民の要らぬ誤解を招く、こういうことにつながるのではないかと思いまして、このDNAの指針が緩和されるという方向が出された今日において、このことについてお聞きしたわけでございます。  この問題の中には、生命倫理上の問題も含まれておりまして、将来はこういう問題も含めて検討しなければならない大変大事な分野だと思います。そういったことを踏まえて、やがては倫理的な、哲学的な議論もしていかなければいけない分野だと思いますが、本日はDNAについては、これだけで終わらせていただきます。  次に、海洋開発の中で、やはり深海底資源の開発は大変大事だと思うわけでございます。いま国連で海洋法の審議が行われておるわけでございますけれども、この会議の中で一番の問題になっているのは、深海底鉱物資源の開発が焦点になっている、こういうふうに思いますが、会議の中身、いきさつについては大変見通しがむずかしい段階でございますけれども、大詰めに来ておる海洋法の会議、そしてこの海洋法につきまして、科学技術庁長官としてどういう関心と見解をお持ちかをまずお聞きしたいと思います。
  282. 中川一郎

    ○中川国務大臣 御承知のようにわが国は四面を海に囲まれておりまして、海洋国家とも一名言えるぐらい海とのかかわり合いは非常に深い国家でございますので、特に海には生物とか鉱物資源等も非常に多いということから、最近非常に注目を集めている分野でもございます。そういう中にあって、海洋法会議はかなり長い間多くの議論を重ねてまいりました。特に最近は、深海底資源開発のあり方等について新たに本格的な議論もされており、条約づくりにも審議が重ねられておると聞いております。  わが国としては、いま言ったような事情から、海洋開発を進める上で特に生物資源あるいは鉱物資源等非常に豊富と言われておりますので、国際的な安定した基盤ができるということは望ましいことである、こう考えまして、これの成立を待って海洋開発に真剣に国際的な枠組みの中で取り組んでいきたい、こう思っておる次第でございます。
  283. 和田一仁

    ○和田(一)委員 外務省の方にお尋ねしたいのですけれども、この海洋法の中で一番大きなネックになっておるのは、いま申し上げたようなマンガンノジュールの開発についてではないかと思うのですが、その中で先般、米国、西ドイツ、英国と日本が一緒になりまして四カ国の新提案というのが出されました。これは先行投資を何とか保障してもらおうということのようでございますけれども、これらを出して、そしてさらにアメリカの修正案が出されて、これは審議の対象にしないというような拒否も受けている。こういう中でこの海洋法の審議について全体的な見通しをひとつお聞かせいただきたいと思います。
  284. 渡辺伸

    ○渡辺(伸)説明員 お答え申し上げます。  今次海洋法会議、三月八日から始まりましてちょうど先週で二週間終わったところでございます。最初の一週間と申しますのは、先生いまおっしゃいましたアメリカの修正案の問題とかそれからPIPに関する提案がおくれまして、それほど詰めた議論が行われなかったわけでありますけれども、先週あたりから非常に詰めた集中的な議論が会議の場あるいは舞台裏で精力的に行われております。  それで、アメリカがある意味で非常にきつい全面的な修正案を出してきたわけでございますけれども、それに対して、いま先生おっしゃいましたように、開発途上国はこれは討議のベースにならないと突っぱねたわけでございます。そこで、カナダとかオーストラリアあるいはノルウエー等北欧諸国が一つのグループをつくりまして、一種の妥協案を出してまいりまして、この妥協案とアメリカの修正提案のすり合わせをどうするかということで、今週あたりからまたさらに詰めた討議が行われようとしているところでございます。  それからもう一つのPIPの方は、先ほど先生おっしゃいましたように四カ国の共同提案が出たわけでございますが、開発途上国の方から開発途上国の案と称するものがつい最近出てまいりまして、またこれについても両方のすり合わせが必要という状況でございます。  それで、会議の全般的な見通しということでございますが、実はこの時点で見通すのは非常に困難な点がございます。ただ、アメリカの方も、当初言われたほどには原則的な立場に固執しないと、若干は何かやわらかい姿勢も見せるような気配もある。それからまた開発途上国の方も、何といいましてもアメリカが入らない条約を無理押ししてつくりましても、たとえば深海底開発については紙の上の機構だけができたんでは意味がない、だから、入れられる範囲でアメリカの要望を入れようということでやっておりまして、今後の交渉の進展に期するというところで、いまのところ、本当に明白な見通しを持って本会期どうなりそうかということを申し上げるのはちょっとむずかしい状況でございます。
  285. 和田一仁

    ○和田(一)委員 日本は四面皆海で、海洋国家と言われております。そういう中にあって、この海洋の資源開発というのが大変大事であります。特に、人類共有の財産と言われる深海底資源、マンガンノジュールを初めとするこういった資源の開発、これは海洋法の会議と並行して、開発能力のある先進国、そういったものが本気にならなければ、共有の財産もただそこに財産があるというだけで、開発されなければ何の意味もない、こう思うわけなんで、むずかしいことではありましょうけれども、何とかこういった人類共有の資源が開発されるように早く持っていっていただきたいものだ、こう思うわけです。  それにしましても、現在日本があの第二日嶺丸で行っている探査、こういうものについてどのような実績があるか、国際コンソーシアムがすでにどんどんやっておりますけれども、日本もナショナルプロジェクトとしてやっている探査について、実情を通産の方から御報告願いたいと思います。
  286. 深沢亘

    ○深沢説明員 お答え申し上げます。  もう先生御案内のところでございますけれども、マンガン団塊、これは世界の深海底津々浦々と申し上げてもいいくらいな賦存状況でございますけれども、まず経済的にアプローチするといった場合に、有価資源を非常にたくさん含んでいるマンガン団塊が大量に賦存しているところにまず目をつけるわけでございますけれども、そういった意味で経済性等々から考えてまいりますと、ハワイの南方海上、俗にマンガン銀座と呼ばれているわけでありますけれども、大方そういった経済性を持って開発し得る賦存があの辺に集中しておるのではないかということで、各国際コンソーシアムとも集中しているわけでございますけれども、わが政府プロジェクトとしましては、大体五十年代の中くらいまで先生御案内のとおりの白嶺丸を使いまして、それから半ば以降、第二日嶺丸、いろいろなテレビシステム等、非常に高度なわが国の技術開発の成果も含んだそういった機器を搭載しました最新の第二日嶺丸を使いまして、その探査等を行っているところでございます。これは予算もかなりつけていただきまして実施しておるところでございますけれども、これまでのところ、かなりの状況把握というところまでいっております。  これからこの探査関係、まだまだ技術開発しなければならない分野というのは残ってございます。たとえば賦存量がいいというだけではなくて、開発可能性のところまで考えますと、地形の状況もよく調べてまいりませんと経済性に非常にひびが入ってくるような事態が起こります。したがいまして、海底の地形を非常に幅広く瞬時にしてわかるようなシステムというものをこれから開発していかなければならない。そういった努力も含め、今後ともマンガン銀座を中心といたします探査の状況拡充、これは質的にも面的にもですが、拡充したかっこうで進めさせていただければ、そういうことでいまやっておる次第でございます。
  287. 和田一仁

    ○和田(一)委員 時間がなくなってしまいましたのでまた次の機会に譲らしていただきますけれども、いずれにしましても、いま国連で海洋法会議が大詰めに来て、成るか成らないかですけれども、もし成らぬ場合でもやがては四カ国協定といったものが結ばれて、海洋法が成らなければならないようなかっこうで、用意ドンで先進国は開発を始めるのではないか、こんなふうにも考えられますけれども、いずれにしても、一九九〇年ごろを目安に、この採鉱技術の開発であるとか企業化であるとか、こういっためどが立たないといけないんではないかと思いますが、そういう意味では、いま大変技術開発が急がれている時期ではないかと思います。  そういうときに、先ほどの草川委員の御質問、御意見の中にもありましたけれども、日本の科学技術の開発について、どうも各行政が縦割りでばらばらにやっているような感じが若干しておりますので、そういう意味で、大型な技術開発であるとか、そういうものについての総合的な、技術開発力を十分発揮するための総合的な見直しを科学技術庁あたりが中心になってやっていくべきではないか、こういうふうに考えております。最後にそういった意見を添えて、私の質問を終わらしていただきます。
  288. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 山原健二郎君。
  289. 山原健二郎

    ○山原委員 ちょうどいま、国際的に見ましても、また国内的に見ましても、核戦争阻止、そして核廃絶という声がかつてない大きな運動にもなっております。国内におきましては、科学者あるいは音楽家、作家、写真家とかあるいは漫画家とか画家であるとかあるいは宗教団体、こういうところが核戦争反対という声を上げておりますし、一昨日は、広島で二十万の人が集まるという状態がございます。それから、この間参りましたイタリアの大統領の国会における演説を聞きましても、また昨年のローマ法王の広島、長崎における訴えを聞きましても、これはいままでにない状態があるということはおわかりだと思います。  それで、最初に、文部省の藤村課長お見えくださっておりますので、教科書問題をここで論ずるという意味ではありませんが、一言伺いたいのですけれども、核問題についての教科書の記述が非常に希薄になってきているんじゃないか、また、文部省はそういう観点で検定を行っているんじゃないか、こういう懸念を持っておりますが、これはそういうことはありませんか、伺っておきたいのです。
  290. 藤村和男

    ○藤村説明員 ただいまの件でございますが、高等学校の場合には「現代社会」という科目がございまして、その科目の中では「国際平和と人類の福祉」ということを取り上げて記述するようになっております。この項目の中に「核兵器と軍縮問題」というのが掲げてございまして、これについては、教科書の中で取り扱わなければならなくなっているわけでございますが、それらを受けまして、核兵器の脅威、特に広島の原爆投下の事実とか、それから現在の国際社会の核軍縮の問題について記述をいたしまして、国際平和を目指す中での日本の役割りを考えさせるといったことが一般的に教科書の中に記述されております。
  291. 山原健二郎

    ○山原委員 これは、四月から使われる高等学校の「現代社会」で、「核兵器と核利用の問題をどう考えるか」という三省堂六十四ページの記述ですが、ここには「ノーモア・ヒロシマ」「ノーモア・ナガサキ」という言葉がありますが、これが実際に変更になりまして、これは完全に「原子力発電をどう考えるか」というふうに変わっているわけですね。「ノーモア・ヒロシマ」「ノーモア・ナガサキ」という言葉はもう一般に慣習になっておりますし、それに対して文部省の検定官の方では、「ノーモア・ヒロシマズ」あるいは「ノーモア・ナガサキズ」と、ズをつける、複数にするのが正しいというチェックがついておるわけです。そのほかに、その記述についていろいろなチェックがなされたために、つまりこの会社の方では記述を変更して、原子力開発の記述に変わっていくということなんですね。  私は、実は大臣にも一度見せたことがあるかもしれませんが、これはイギリスの現在使われておる高等学校の教科書、これに最初から、広島へ爆弾を落とした飛行機の写真が出てまいります。それからいわゆるピカドンの写真が出てまいります。それから焼け野が原になった広島、それから広島で被爆をした親と子でしょうかね、こういう記述が出てきて、これはイギリスですが、西ドイツの場合も、これは広島の原爆のピカドンの写真ですね、こういう記述がなされておりまして、原爆の恐ろしさについて子供たちにきちんと教えているというふうに私は受け取っているのです。  ところが、肝心の、唯一の被爆国民である日本の子供たちに対しては、なるべく広島、長崎の原爆の悲惨さというものを教えないようにするという気持ちが動いているのじゃないか。これは当然、藤村課長とは文教委員会等で教科書問題で論議すべきところだから、私は一方的に押しつけてもいかぬと思いますけれども、そういう感じがしてならぬのです。  そこで長官、これは鈴木内閣の閣僚の一員でもありますし、また、核問題と無縁の方でもないわけでございますから、一言読み上げますと、これは昨年、長崎の平和式典で、鈴木総理大臣が演説をしておられます。わが国が世界最初の被爆国であるがゆえに果たさなければならない使命は、平和のとうとさを全世界に訴えるとともに、軍備増強に走る世界の趨勢に対して強い警鐘を打ち鳴らすことであり、みずから非核三原則を堅持し、もって積極的に平和を推進していくことであります、こういうふうに決意を述べられております。私は、この決意そのものは大変りっぱなことだと思います。  しかし同時に、この表面に出る決意とともに、それに裏づけされた言行一致の核戦争に対する、これを本当に食いとめていくんだという仕事が伴わなければならぬと思うわけです。その点では、国民の動き、全世界の人々の動きと何となく日本政府が違った動きをしているのじゃないか、実際に言っていることに向かって前進をするという迫力、あるいはそれに対する有効的な手段がとられていないような感じがするのですが、そういうことはないでしょうか、中川長官の御見解を伺いたいと思います。
  292. 中川一郎

    ○中川国務大臣 核戦争を好む国民は、日本人はもとより、世界じゅうにない、私はこう思います。特に、わが国は二度の洗礼、原子爆弾を受けております。私も、当時九州におりまして、九大の学生でしたが、長崎に落ちた悲惨な状況を被爆者を通じて知っておりますし、また、北海道へ帰る途中、広島に原子爆弾が落ちた当時の模様も知っておりまして、核戦争というものはあってはならないと身にしみておる一員でございます。したがって、世界がいまそういった動きになり、また日本がそういった立場をとり、総理がそういう演説をされるということは、もう全面的に賛成でございます。  ただ、一方的に片方だけが核軍縮をやるということからいくならば、力の均衡による平和というものも、これもまた否定できませんので、一方だけが持って、一方だけが勝手に使われて、そして持たなかった方、言ってみれば戦後の、やみをしなかった人が死んでいくような立場も、これまた否定できない一面もあるわけでございまして、やはりそういったことを認めつつ、わが国としては非核三原則を堅持しつつ核軍縮、核廃絶へ世界の先頭に立って努力する、こういう基本方針でなければならないと思うわけです。  また、私は科学技術庁を担当しておりまして、そういった核戦争というものは絶対避けなければならないが、それが原子力の平和利用まで否定するようなことがあるとするならばこれは行き過ぎである、言ってみるならばそれらに便乗して原子力の平和利用までも一緒くたにするような、知っておってそれを扇動するようにこれをイデオロギー的に扱って、長期的なエネルギー問題までも否定するようなことがあってはならない。法律にも定められておりますし、核戦争に結びつぐような軍事利用は絶対しない、平和利用に徹してこのむずかしい原子力行政を推進していきたいとわれわれは思いますので、どうか、核軍縮と原子力の平和利用とが混同されることがないように努めているわれわれの気持ちも、御理解いただきたいと思う次第でございます。
  293. 山原健二郎

    ○山原委員 非核三原則という言葉、これは国是とも言われておりますし、国会でもしばしばお互いに確認をしてきたところですが、実は「現代社会」の六つの教科書から、消えたわけではありませんが非核三原則という言葉がないのです。やはりこういう点ではきちんと教えていくということが必要だと思いますので、きょうは、冒頭にそのことだけ言っておきます。教科書が変えられることは非常に残念です。非核三原則の場合は変えたわけではないと思いますが、「ノーモア・ヒロシマ」の場合はどうも記述が変更になっておりますから、その点を指摘しておきたいと思います。  次に、地球観測衛星ランドサットの問題について質問をいたします。  きょうは、宇宙開発事業団の方からおいでくださっております。事業団がランドサットの情報提供をしておられるわけでございますが、これは各省庁、特殊法人あるいは地方公共団体に対して行われております。その中で、防衛庁に対して情報の提供が行われているかどうか、最初に一言伺います。
  294. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 いま御指摘のアメリカのNASAが打ち上げましたランドサット衛星は、鉱物資源の探査、農林漁業資源の調査あるいは環境調査といった広い面で利用されることを目的として使われている実験用の衛星でございますが、宇宙開発事業団は、わが国におきまして地球観測衛星の開発を進めます一環といたしまして、地球観測システムのあり方についての研究もしておりまして、そのため、この衛星からのデータの受信を行っております。このデータにつきましては、利用希望者に対しまして幅広く提供するというようなたてまえをとっておりまして、防衛庁に対しましても、その一環として同様にデータを提供しておるところでございます。
  295. 山原健二郎

    ○山原委員 宇宙開発事業団の法律第一条はどういうふうに書かれておりますか、ちょっと読み上げていただきたいと思います。
  296. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 第一条におきましては、「宇宙開発事業団は、平和の目的に限り、人工衛星及び人工衛星打上げ用ロケットの開発、打上げ及び追跡を総合的、計画的かつ効率的に行ない、宇宙の開発及び利用の促進に寄与することを目的として設立されるものとする。」以上でございます。
  297. 山原健二郎

    ○山原委員 この提供をします場合に、たとえば提供してもらう側の方からはどういう書類を出し、それから、その提供を受けた後においてどういう報告をするか、そういう規定か何かございますか。
  298. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 宇宙開発事業団はデータの無償提供を行っているわけでございますが、そのときに国や地方公共団体等から要請を受けてこれを提供しているというところでございます。
  299. 山原健二郎

    ○山原委員 この提供をする場合に計画書の提出がございまして、それに対して、提供を受けた後においていわゆる研究報告書というものが出るはずですが、これは防衛庁の方からも出ておりますか。
  300. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 事業団が提供いたします場合に、提供機関の数も非常に多うございますので、先生御指摘のようにあらかじめ計画書を提出してもらっておりまして、事業団の予算あるいは人員の許す範囲で提供するという仕組みにいたしております。また、このような計画に基づきまして各機関が観測、調査等をするわけでございますが、その結果につきましても事業団の方に報告をしてもらっているということでございます。
  301. 山原健二郎

    ○山原委員 防衛庁の方で情報提供を求められた地点あるいはその内容、それはおわかりになりますか。
  302. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 防衛庁は国土の地形変化等を把握するという目的でこの観測データをお使いになっているというぐあいに承知しておりますが、具体的にどの地点のデータを使っているかという点につきましては、現在はまだ正確には把握しておりません。
  303. 山原健二郎

    ○山原委員 たとえば、これは環境庁の一例ですが、公害研究所の場合、そのほかもそうですけれども、みんな報告書が出ているのですね。いまおわかりにならぬと言いましたが、私の入手しております防衛庁の要求内容は、研究解析等計画書が出されておるわけですが、それは防衛庁陸上幕僚監部調査部調査第二課が担当しておりまして、注文地点は一一一-二八、二九、一一二―二八、二九、一一三―二九、三〇というふうに十八ポイントですね。これが情報提供の注文地点として昭和五十四年七月二十三日に出されておりますが、そのことは御存じありませんか。
  304. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 具体的な地点の番号等につきまして、いま先生の御指摘の、具体的にどの地点を出したのかというところにつきましては、いま手元には資料はございません。
  305. 山原健二郎

    ○山原委員 これは事業団の規定によって報告書が出るはずです。五十四年も五十五年も出ておりますが、地点としましては国後、択捉を含む千島周辺と宗谷海峡周辺。一一一-二八、二九というのは、皆さんの出しておられるランドサットの図形を見ましてもそこでございます。  さらに海上幕僚監部、この担当は防衛部運用課でございますけれども、これも地点は一一〇―二七、一一一-二七、二八、一一二―二八、二九、一一三―二九、一一六―二八と七地点です。陸上の方は十八地点ですね。これは南千島列島と宗谷海峡です。  陸上の場合の目的は何かということで、これも資料に出ておりますが、「近年におけるわが国の国土の地形の変化の状況を把握するため」海上幕僚監部の方は「オホーツク海周辺における海氷の状況を把握し艦船の航行の安全確保のたすけとする」こういうふうになっておるわけでございます。  これはもう一度伺いますけれども、こういう資料を提供されました後で、「速やかに定められた様式で報告するものとする」と事業団は規定を持っておりますが、この報告はなされていないのでしょうか。
  306. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 報告書は提出されるようになっておりますけれども、私が聞いている範囲におきましては、この報告書には具体的な地点までは入ってないというぐあいに理解しております。  ただ、先生おっしゃいましたように、陸上幕僚監部並びに海上幕僚監部において、それぞれ地形の変化の調査であるとか海氷の調査であるとかいうようなことをやっておるということは、報告書で知っております。
  307. 山原健二郎

    ○山原委員 私はここに資料を持っておりますけれども、地点も明らかにしないで、ただ漠然と国土の変化であるとかといって資料を提供するはずはないと私は思います。あなたの方で規定を出しておられるわけですから、やはり規定に基づいて――それが平和目的に限るものであるかどうかという判断は別ですよ。  だから、国会決議があるわけですね。昭和四十四年五月九日のわが国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議というのは、これは「平和の目的に限り、」となっています。さらに、四十四年六月十三日の、この法律ができますときの国会の附帯決議は「自主、民主、公開の原則の下に」となっています。それから、事業団自身の法第一条が、いまお読みになりましたように「平和の目的に限り、」となっていますから、国会の決議としましても、事業団が設立をされました趣旨からいいましても、「平和の目的に限り、」というこの「平和」の観点というのは非常に厳しく貫かれているわけですから、それに基づいて情報提供を受ける団体に対して一定の規制をするか、あるいは平和目的に限られておるかどうかという判断をする、それは宇宙開発事業団の非常に重大な任務だと私は思いますが、その点はどういうふうに御認識になっているのですか。
  308. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 この受信データにつきましては、地球観測に関する基礎技術の研究を、いろいろな公共的な機関に幅広く頒布を行っていただきまして、宇宙開発事業団が今後わが国の地球観測システムをつくっていく上に非常に参考になるという意味で公共機関に配っているものでございます。したがいまして、私どもといたしましては、個別の地点がどうだとかいうところに別に関心があるわけではございませんで、どういったような場面にこの地球観測データというものは実際に使えるのだろうかというようなことの、いわば技術的な調査のためお配りをしているものでございます。  なお、ランドサット衛星は、それが日本の国で受信できる範囲と申しますのは、日本の本土以外に、その本土の周辺のところもかなり幅広くとれるようになっております。したがいまして、いろいろな公共機関におかれましても、日本の本土はもちろん、本土以外のところもいろいろなデータを御利用になっているのではないかと思うわけでございまして、そういった意味で、防衛庁もいま先生がおっしゃったようなことであるとするならば、恐らくいろいろなところをとらえてみて検討をしようというようなお考えではなかったかと思うわけでございます。  いずれにしましても、このランドサット衛星からの受信データは、先ほども申しましたように、だれでも自由にというようなアメリカのNASAのいわば基本的な考え方もございまして、その考え方のもとにわれわれも幅広く提供を申し上げているということがいまの実態でございますので、いま御指摘のように防衛庁に配ったことが、特にこの団法の第一条もしくはそれに対する決議に反するとは私ども直には考えていないわけでございます。
  309. 山原健二郎

    ○山原委員 これはむずかしい問題ですからね。NASAと宇宙開発事業団との間の協定もあるんじゃないかと私どもは思います。そんなものを要求してもなかなか出してきませんが、「民主、公開、」という原則が国会でも決議されておりますから、そういう資料は広く使えるということであるならば、ちっとも隠すこともなかろうと思うのです。できましたら、NASAとの間の協定をこの委員会に提出していただきたいと思いますが、委員長、その点お諮りいただきたいと思います。
  310. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 NASAとの覚書等ももちろんございますが、それは、日本の国のどこで受信をするのかとか、あるいは自由に一般に幅広く提供といったようなことがその内容の主なものでございます。  いまこの資料の提供をというお申し越しでございますが、これはわが国の内部の資料だけではございません。アメリカの国との間の覚書のような趣旨もございまして、われわれとしましては、これを外部には原則として公開はしないというような考え方でおりますので、その点御了解をしていただきたいと存じます。
  311. 山原健二郎

    ○山原委員 いまのお答えも、防衛庁としてもいろいろな地点を調べておられるのだろうというようなお話がありましたが、地点はちゃんと決めているのです、私は資料を持っていますから。だから、私はいま数字を挙げたんです。宗谷海峡、千島列島周辺という地点は決められている。だから御承知のように、自衛隊の陸幕の第二調査というのは情報収集の部署でもございますし、それから自衛隊の配置あるいは態勢の計画立案という重要な部署ですから、そこが地点を決めて、事業団に対してこの資料を提供してくださいと言ってくるときは、必ず平和利用のためという判断はつきませんよ。そこでは一定の、事業団法に基づく「平和」に限るかどうかという判断がなされる必要があると思うのです。私は、戦争と平和という問題はそれほど厳密なものだと思いますから、そういう点では、本当に平和に徹して事業団法に基づいて運営をしていくという決意を本日はいただいて、きょうの質問を終わりたいと思いますが、その点はよろしいですか。
  312. 加藤泰丸

    ○加藤(泰)政府委員 お申し越しのように、防衛庁といわず、このデータは、われわれがとれる範囲は国の内外を含め一般に幅広く提供しているものでございまして、これの行為そのものが団法に定める「平和の目的」に反するというふうにわれわれは理解しておりませんが、ただいま先生もお申し越しのように、われわれが宇宙開発を進めていくというその基本線といたしましては、両院の平和利用に限るという御決議もございますので、その御決議を十分に踏まえて今後とも開発を進めてまいりたい、かように思います。
  313. 山原健二郎

    ○山原委員 事業団としても、各省庁から資料を提供してくれと言われたときに、この省庁はだめだというようなことはなかなか言えないと思いますね。その点では、置かれておる事態は私もわからぬわけではありませんけれども、こういう資料を私どもが入手した以上は、平和の問題として十分対処をしていただかなければならぬという意味であえて申し上げたわけですから、その点よろしくお願いします。  次に、原子力発電所の問題ですが、ことしの二月から三月にかけまして電源立地促進調査補助金申請者に対して補助金が出ております。これは十六地点でございまして、その中で原子力地点が五つあります。三重県の紀勢町長からの申請、福井県の大飯町長からの申請、京都府の久美浜町からの申請、和歌山県の日高町からの申請、高知県の窪川町長からの申請、それぞれ五百万円の補助金が交付決定済みとなっておるわけでございますが、このことについて伺いたいと思います。     〔委員長退席、岸田委員長代理着席〕  通産省の電源立地促進調査補助金事業関係通達集を見ますと、補助金交付要領がございまして、それには「設置の必要性に関する知識の普及に係る事業に対して交付する。」となっておりますが、この「設置の必要性に関する知識の普及に係る事業」というのは、私は原子力発電所の設置を前提としたものと読み取ることができると思うのですが、そういうお考えでしょうか。通産省に伺います。
  314. 一柳良雄

    ○一柳説明員 お答えいたします。  増加する電力需要に対応して、今後ともエネルギーを安定的にかつ安く供給していくためには、石油代替エネルギーを積極的に開発していく必要があることは先生も御理解いただけると思います。ただ、この場合に、地元の住民の方々の理解と協力のもとに進めていく必要があるとわれわれは考えております。このため、政府としては、発電所の必要性について地元住民の一層の理解を得るために、地方自治体が行います広報対策事業等の事業に対し一定額の補助を行っているものであります。  いま先生御指摘の電源立地促進調査補助金は、発電所の設置の蓋然性がある地域を対象とするものではございますが、発電所の設置が確実になっている地点でなければならないというものではございません。この意味におきまして、発電所の設置を前提としているものではございません。
  315. 山原健二郎

    ○山原委員 この交付の対象は二つありまして、一つは、市町村が事業者、すなわち電力会社に対して設置の要請または設置の可能性に関する調査の要請をした場合、かつ事業者が設置の可能性に関する調査を行いまたは予定している地点ということです。もう一つは、電力会社が市町村に対して施設の設置または設置の可能性に関する調査の申し入れを行っている地点、この二つですね。  それで、私はお聞きしたいのですが、高知県の窪川町の場合はどこからどういう申請書が出たのでしょうか。
  316. 一柳良雄

    ○一柳説明員 窪川町の場合につきましては、五十五年十月に、四国電力に対しまして町の方が、原子力発電所立地可能性調査の実施の申し入れを行いました。
  317. 山原健二郎

    ○山原委員 この補助金制度ができましたのは五十六年の十月ですよね。
  318. 一柳良雄

    ○一柳説明員 そうでございます。  その後、窪川町とも相談いたしましたが、窪川町の方では、いずれにしても四国電力に対して要請を行っております行政行為は現在も続いておるということで、補助金を要請してきたわけでございます。われわれもそれを受けとめたわけでございます。
  319. 山原健二郎

    ○山原委員 その申請書は五十五年の十月に出ているわけですか。
  320. 一柳良雄

    ○一柳説明員 申請書は五十七年一月三十日に出ております。
  321. 山原健二郎

    ○山原委員 ちゃんと申請書の様式もあるわけでございますが、御承知のように、この窪川町におきましては、五十五年十月でございましたか、原子力発電所を推進あるいは反対の請願が出まして、町議会で反対請願を否決して、直ちに町長が四国電力へ参りまして調査を依頼したという事実があります。しかし、その翌年の二月、三月にリコール運動が起こりまして、町長はリコールで敗北して失格をしました。その後町長選挙が行われまして、失格した町長が再び立候補して、町長選挙ではこの方が当選をするという経過を踏んでおります。原発の推進にしろ反対にしろ、町長は立候補に当たりまして住民投票という言葉を出していますから、だからその前に決めたことがいまなお生きておる、しかも五十七年一月に申請書が出てくるというのはちょっと常識では考えられないことなんですね。  その申請書はどういう中身ですか。
  322. 一柳良雄

    ○一柳説明員 われわれも申請の際に窪川町の方に確認を行ったわけでございますが、窪川町の方で一応リコールがありましたけれども、白紙撤回等の決議はなされておらず、行政行為として現在も生きていると判断しております、こういうことでございまして、われわれとしてはそういうことで一応確認をして補助金を交付決定したわけでございます。
  323. 山原健二郎

    ○山原委員 いまお話しになった状態では、これは正常な感覚では、いま申請するというのは私はちょっと無理だと思いますね。一遍原発問題を中心にしてリコールが成立したということは、不信任を受けたわけでしょう。それで、後で当選されたらまたもう一度町議会へ諮るとかいうようなことをして出てくるならわかりますけれども、町議会も知りません。そんな形でこの申請が出てくる、それを通産省の方でそのまま受け取るということ自体、私はその辺は手続を踏んでやるべきことだと思うのです。  同時に、時間の関係がありますから、窪川町の現状を申し上げますと、中川長官とこの前一遍けんかをしたことがあるのでよく御存じなのですけれども、町長さんは住民投票ということを公約に掲げて立候補されて当選されました。そして各部落ごとにいま学習会をやっておるわけです。これは大変なことでして、あの小さな町で百カ所で学習会をやっておられる。その学習会には賛成する人も反対する人も来ておりまして、中には安全性の問題について質問をするとかいろいろやっているわけですね。私は、一つの町でそういうことをやること自体大変な努力も要ると思います。  ところが、その学習会をやりましたら、翌日に四国電力が来まして、町側がとっているテープを全部渡すわけです。これは全く町自体が企業の下請みたいな感じになっておりまして、それを町民が知ったものですから、私はどこそこ部落のだれでございますが、安全性の問題についてはこういう心配がありますというような発言が全部録音にとられて、それがそのまま翌日には四国電力に回っていく、これではもう名前を言うのはやめようとかいうようなことが起こっております。こんな事態です。  それからもう一つは、招待旅行です。これは何と去年半年間で百八十回、六千六百人を四国電力が招待をして、原子力発電所を見物に行くわけです。一万三千人の有権者のうちすでに六千六百人、もっと超しているのじゃないかと思います。しかも最近は玄海へ行くわけです。佐賀県の玄海まで行きますと一人七万円超すのです、三泊四日とか二泊三日とかですね。しかもお金は五百円から千円しか取りません。私どもが四国電力の支店長さんに話をしますと、本来無料なんだけれども、土佐の方はお酒が好きなものだから実費をいただいていますと言う。実費が五百円から千円ですね。恐らく何億という金が使われているでしょう。  これは窪川町だけではなくて、最近では高知県全体、四国全域に広がりつつありまして、その頻度は一層増しております。老人クラブ、農協、婦人団体、ある場合には議員の後援会を招待する、この場合国会議員ではありませんけれども、こういうことが行われてまいりまして、これは何と考えても正常な企業の行為ではなかろう、企業には企業の倫理があると思います。まして電気事業というのは公共事業でありますし、すべて国民の電気料金によって賄われているわけですから、こういう異常な行為というのはどこがとめたらいいのか。  通産省に伺いたいのですが、こんなことが許されていいでしょうか、どんなふうにお考えになっていますか。
  324. 戸倉修

    ○戸倉説明員 先ほども立地企画官が申し上げましたように、原子力発電所の立地に当たりましては、地元の方々の十分な御理解を得、御協力を得て進めることが必要だという認識を持っております。そのため、電気事業者といたしましては、立地点あるいは調査地点を一般消費者を対象に見学会をするとか説明会をする、こういったことは電気事業の広報活動の一環であるというふうに私ども理解をしております。ただ、先生御指摘のような事実、私ども窪川の場合に詳細には存じておりませんけれども、社会通念に照らしまして行き過ぎのないようにするということは当然だと思っております。電気事業の公正な運営という観点も含めまして、そういった行き過ぎのないように、私ども指導してまいりたいと考えます。
  325. 山原健二郎

    ○山原委員 これはぜひ公正な指導をしていただきたいと思うのです。企業が一定の活動をやることは――今日の状態で原子力発電所をつくると言えば賛成、反対もありますが、でも、それに対してちょっと常軌を逸したようなことをすることについては、当然規制があってしかるべきだと思います。また、そんなことをすればかえってよくないです。住民にとりましても、もともと平和な町がこの問題で二分をして、どっちが勝ってもそんなに人数の差がないぐらいのどっこいどっこいの勝負をやっているわけですから、これは双方がもうたまらぬと言い出した、しばらくこの原発問題は静かにしてもらいたいという気持ち。  ここは大型店舗が今度一つ進出をしてまいりまして、あと三つも進出するというので、原発に賛成しておられる方もしばらくこっちの方は休んで、町がどう繁栄するか、大きな量販店が来られたら、小さな町ですから町は火が消えたようになるから、こっちの原発の問題はちょっと凍結して、両方があがあ言わずに、町の発展をやろうじゃないかという声まで起こってくるぐらいの状態です。だから、町民が賛成であり、反対であり、そういう意味では自分たちの知識をフルに回転して、反対の者は安全性についてはこういう心配があるということをやることは結構ですけれども、それをこういう形で町をゆがめていくということに対しては、これは通産省の所管だろうと思いますから、ぜひ適切な指導をしていただきたいと思いますが、その点よろしいですか。
  326. 戸倉修

    ○戸倉説明員 ただいま申し上げましたように、電気事業として一定の広報活動を行うということ、見学会を行うというようなことは、私ども、場合によってもちろん必要である、むしろ大いに理解してもらうために必要であるというふうに理解しておるわけでございますが、先ほど先生の御指摘のように、限度を超えたというような、なかなかむずかしい問題ではございますけれども、社会通念に照らし、あるいは電気事業の公正な運営という観点から十分な指導を行ってまいりたいと考えております。
  327. 山原健二郎

    ○山原委員 最後に、「むつ」の問題についてけさほど関先生から活断層の問題等の指摘がございまして、非常に緊張した質疑応答をお聞きしておったわけでございますが、この「むつ」の問題について、私からも幾つかお聞きしたいと思います。  昨年の五月二十四日の五者共同声明についてでありますが、「新定係港の建設の見通しを確認のうえ、大湊港の定係港に入港し、新定係港が完成するまでの間は、大湊港の定係港に停泊する」という共同声明が出されておりますが、この「見通しを確認のうえ」というのは、これは何を意味しておるのでしょうか、伺いたいのです。
  328. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 今回、調査結果によりまして、五者共同声明に掲げております「調査、調整のうえ、」という段階を経たと思っているわけでございます。今後は、調査から調整の段階に移るというふうに私ども考えておりまして、地元の方々とこの調査結果に基づき十分お話し合いをいたしまして、御理解、御協力を得た上で、新定係港の建設の見通しの確認を得られるように努力したい、このように考えております。これはあくまで五者間での見通しの確認ということでございまして、どの段階でどういうことで確認ができたかということにつきましての相談がこれから始まるということでございます。私どもといたしましては、なるべく早い機会に地元に対してこの確認をしていただきたい、そして新定係港建設の申し出の段階にまで進めたい、このように希望しているところでございます。
  329. 山原健二郎

    ○山原委員 調査、調整というお言葉でございますから、まだかなり残った分があると思いますが、仮に大湊港に「むつ」が係留した場合の「むつ」の性格は何でしょうか。たとえば出力実験を行うとかいうようなことも含まれているのでしょうか。
  330. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 その点につきましては、五者共同声明の第三項に「「むつ」の大湊港の定係港への入港・停泊にあたっての取扱い及び大湊港の定係港の取扱いについては、今後、協議するものとする。」となっておりまして、その段階での御相談で決まっていくということでございます。
  331. 山原健二郎

    ○山原委員 これからの問題だというふうなお答えでございますが、次に、安全性の問題について伺いたいと思います。  「むつ」の佐世保における修理はいわゆる遮蔽装置の修理でございまして、炉心は密封したまま行われておるわけでございますが、ここに入っております燃料棒は十年前ですね、四十七年の九月四日に燃料棒が入っておりますから、あれからすでに十年経過しております。それから、仮に関根浜の方に港が完成をしましてそこへ入り、そこで仮に実験が行われるとしますと、実に燃料棒はだれにも見られない密封のまま十五年間を経過することになるわけです、五年間でできたとしましても。新母港で初めてこの試みが行われるといたしますと、この安全性は本当に確信を持って安全であるということができるのでございましょうか。
  332. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 「むつ」につきましては、先生がおっしゃいましたように、現在、佐世保におきまして、遮蔽の改修工事及び安全性総点検を行いまして、この安全性総点検につきましては、現在あります「むつ」の原子炉自体が健全であるかどうかということについての点検及び設計についての検討を行いました結果、さらに改善すべき点についての補修工事を現在行っておるところでございまして、この遮蔽改修工事及び総点検、それからさらに総点検の補修工事を行いました時点において、「むつ」の安全性は現時点においても十分確保ができるというぐあいに確信を持っております。  なおまた、燃料体、先生先ほどおっしゃいましたように、原子炉のふたをあけておらないではないかというような点でございますが、この燃料体その他原子炉内の構造物につきましては、私ども製造中から厳重な検査を行ってきております。またさらには、原子炉の維持管理といった点で、一次冷却水の管理等も進めてまいっておるわけでございます。その結果、現在におきましても、この一次冷却水の状態は自然の水と変わりないということも確認をいたしておるわけでございます。そういった点から、この炉内構造物、燃料体等について、現在問題となるような支障が生じておるという懸念は持っておりません。  また一方において、この燃料体の被覆につきましては、現在燃料体に使っておりますものと全く同じものについて、これは現在その燃料の製造メーカーにおいて追跡試験と申しますか、これをやっておりまして、その結果から見ましても、全く問題がないというぐあいに思っておるところでございます。なお今後も、その維持管理につきましては十分努めてまいるつもりでございまして、現在の維持管理を続けていっておりますれば、今後行います臨界試験、出力上昇試験等実験航海にも十分たえ得るというぐあいに確信を持っております。     〔岸田委員長代理退席、委員長着席〕
  333. 山原健二郎

    ○山原委員 確信を持つことは大事なことでございますが、同時に、真に科学的に確信を持つということもまた大事なことで、そのことに対して住民の不安が生ずるようなことがあってはならぬと思います。それに対して当然はっきりした答えを出すべきだと思うのです。  いまお話しのように、一次冷却水の問題が出ましたけれども、結局濃度が少ないというようなことから核燃料は健全である、あの前のときから全然変わっていないということになるわけですが、これは言いかえれば間接的な三段論法になっているわけですね。したがって、炉心部は全く見ていないわけでございますから、そういう点で、間接的には大丈夫だとおっしゃっても、今度実験に供される場合にまさにこれは一発勝負ですから、まかり間違えばこれは乗組員に対しても人道上の問題が発生をしないとは言い切れないと思います。  そういった問題、さらに負荷試験の問題ですが、これなども、私は専門家でないからよくわかりませんが、サバンナ号あるいはオット・ハーンの場合など、陸上実験が行われて、後から船に積み込むということまでなされているようでありますが、日本の場合は陸上の実験を省略をしまして、そしていわば安上がりかもしれませんけれども、最初から船に積んでいるというようなことから見まして、世界の常識からいってもこれでいいのかどうかという心配を持ちますが、そんな心配は素人考えだというふうになるのでしょうか。
  334. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 この「むつ」の場合におきましても、燃料製作段階、またさらに原子炉の初期の試験にも備えまして、この臨界実験等につきましては、陸上において試験をいたし、この原子炉の炉心の設計につきまして何ら問題はないという結果を経まして、この四十九年の臨界試験を行ったわけでございますが、その臨界試験の結果から見まして、この炉心の設計に間違いはなかったというぐあいに思っております。  なお、サバンナ、オット・ハーンにおきまして、陸上に別に炉をつくって実験をしたというようなお話が先生からございましたが、サバンナ及びオット・ハーン、いずれにおきましても、陸上に同じような炉をつくって実験はいたされておりません。「むつ」と同じように臨界試験等を行って、この炉の開発を進めておるわけでございます。
  335. 山原健二郎

    ○山原委員 もう時間がありませんが、いろいろな心配をする向きはあるわけでございまして、海の上の船で実験をする場合にさまざまな要素が加わる、いまの活断層の問題もその一つだろうと思います。  それから、いままでの経過から見ましても、たとえばこの「むつ」は、ちょうど私が最初に科学技術特別委員会の委員をしておったころの話でございますけれども、最初は六千トンの海洋観測船だったわけです。それが内閣の決定でもありますし、原子力委員会の決定でもあったわけです。それが大蔵省かどこかから文句が出てきて、観測船では金を上げることはできないということで、特殊貨物船ということに変更したわけです。それは新燃料あるいは使用済み核燃料を積んで動くということで、それならば採算が出てくるだろうということで、特殊貨物船になって七、八年経過しています。それからまた実験船に逆戻りをしてくるわけです。結局、重心が重いものですから、そんな運搬なんかできないということで実験船に返ってくるという、こういう「むつ」の運命というものを見ましたときに、「むつ」というのは、考えてみると本当にかわいそうな船なんで、今度失敗したらもう行くところがないんですよね。  修理をするところはどこなのか。今度関根浜に修理所ができるのかどうか聞きたいのですけれども、そんなことはまだ決まっていないと思います。また、関根浜港が「むつ」だけを入れるところか、あるいは将来は一般の港湾にするというような話も出ていますが、そのようなもう架空の話をここでしてもだめでございますからやめますけれども、この船はお金もかかるが、また船自体もかわいそうで、技術的に見ても、率直に言ってまだ本当におなかの中で確信ができるようなものではないということを考えますと、これは相当慎重な立場で検討される必要があるのではないかと思います。これで終わりますが、長官、その点どんなお考えでしょうか。
  336. 中川一郎

    ○中川国務大臣 山原委員も原子力船「むつ」はかわいそうだ、こういうお話でございますが、私も、よくぞこれだけいろいろと問題があったものだ、その点については同感でございます。しかしながら、わが国のエネルギーの将来、特に海洋国家であり船舶国家であるわが国としては、いろいろな紆余曲折はありましても、苦難に耐えてぜひとも成功させたい、かわいそうであるだけに有終の美を飾らしてあげたい。もちろん国民に迷惑をかけないように、慎重の上にも慎重を期してやっていきたいと思いますので、理解をしていただくようにお願いいたします。
  337. 山原健二郎

    ○山原委員 終わります。
  338. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 菅直人君。
  339. 菅直人

    ○菅委員 私、この科学技術委員会において初めての質問をさせていただくわけですけれども、きょうは「むつ」め話とか原子力発電所の話とかいろいろ議論がなされたようですけれども、私の方からは、日本におけるエネルギー開発の中でのいわゆるソフトエネルギーといいましょうか、またクリーンエネルギーともいいますけれども、そういった開発の中で特に風力の問題、風の問題について二、三お尋ねをし、また、大臣の御見解を伺いたいというふうに思うわけです。  エネルギー問題といいますと、石油がだんだんなくなるのではないか、石油がなくなったときに、まず議論をされるのが原子力ということですけれども、実は地球には毎年大変な量の太陽のエネルギーが降り注いでいて、それがただ直接に太陽の熱というだけではなくて、風を起こしたり波を起こしたり、いろいろな形でこの地球にエネルギーをもたらしている、そういうものをもし人類が使うようになれば、クリーンな形であるだけでなくて、まさに無限に再利用ができるリニューアルエネルギーという言い方もしているようですけれども、再生できるエネルギーになってくると思うわけです。  そういう意味で大臣にまずお伺いしたいのは、こういうエネルギー政策の中において、そうしたソフトエネルギーないしクリーンエネルギー、そういったものの技術開発というものについて、大臣がどのような意欲で取り組もうとされているのか、御見解をお伺いしたいと思います。
  340. 中川一郎

    ○中川国務大臣 代替エネルギーの重要性については御理解いただいておりますが、その中でソフトエネルギーの位置づけということでございます。ソフトエネルギーも、量的にも場合によっては相当大きなものもありますし、いろいろ利点もございます。しかしながら、現在の技術的段階では、季節的な問題だとかあるいは時間的な問題だとか、一カ所での発電量というものがきわめて限られる、あるいはコストが高い等々、現段階で大量のエネルギーとして使うことにはまだ定着しない、これはひとりわが国のみならず世界的な傾向でございまして、現段階では石炭とかあるいは天然ガス、並んでやはりコストの面、実用的な面では原子力ではなかろうか、こう言われております。  ただ、このソフトエネルギー、風力を中心にして無視していいものかというとそうではない。これはやはり長期的なエネルギーとして十分関心を持っていかなければいけない、こういうことについては間違いのないことだと存じます。そこで、研究予算につきましても、自然エネルギー分野の拡充のために昭和五十四年度では八十億円、五十六年度では二百二十三億円、五十七年度予算でも二百四十三億円というものを計上いたしまして取り組んでおる次第でございます。  ちなみに私も、科学技術庁が委託をして風力の研究をいたしておるのを、たしか石川県でしたか行って見てまいりましたが、一基一キロワット程度ということでございまして、まだまだ当面はむずかしいのではないかと思いますが、粘り強く研究することについて、そういった基本もありますので、努力はしていきたいと思っております。
  341. 菅直人

    ○菅委員 半ば積極的であり、半ば消極的な回答だったように思うのですけれども、私は最初に申し上げたように、このエネルギー、特にこうしたソフトエネルギーの開発というのは、五年、十年の問題であるという以上に、ある意味では人類がこれから先永久に抱えている問題の解決の一つの大きな可能性があるんじゃないか。  たとえ石炭にかわったとしても、石炭の液化がうまくいったとしても、石炭エネルギーも化石エネルギーとしていつかはなくなるわけですし、また、原子力発電の問題もいろいろな問題を抱えている。ウランがなくても、核融合になれば無限であると言えば言えますけれども、それもまたいろいろ問題を抱えている。もともと、太陽から地球に送られてくるエネルギーを一番いい形で使う技術が開発されれば、まさに未来永劫エネルギー問題については展望が開けてくる、そういう意味では、確かに現実の中でのむずかしさはあると思うのですけれども、もう少し日本の政府としても積極的な態度をとっていただけないかというふうに思うわけです。  その中でもう少し具体的な問題をお聞きしたいのですが、科学技術庁として、これまでもクリーンエネルギーの問題、特にきょうは風の問題に的をしぼってみたいのですが、風、風力の利用について過去においても幾つかの研究をされており、現在、将来においてもされようとしているように聞いておりますけれども、その概要をお聞かせいただきたいと思います。
  342. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 エネルギーの研究開発の重要性につきましては言うをまたないところでございますが、当庁といたしましても、長期的なエネルギーの安定供給の確保という観点から、科学技術政策の最重点課題の一つとしても考えております。そのために、エネルギーの研究開発基本計画というのを定めまして、研究開発の総合的、計画的な推進を図ってきております。その中に自然エネルギーの開発とか、エネルギー有効利用の技術の開発等についても研究分野として取り上げてきておるところでございまして、その中に風力エネルギーも位置づけております。  風力エネルギーにつきましては、エネルギーの密度が低いとか、供給の時間的な変動とか、季節的な変動が激しいとかというような短所もございますけれども、一方では、クリーンで再生可能というような純国産のエネルギー源でございまして、この研究開発というのは非常に重要なものと考えております。それで、五十三年度から当庁におきまして風トピア計画、風(かぜ)トピア計画とも呼びますけれども、実施いたしました。これは小型の風車を使いまして、一般家庭や農林水産部門等での小規模な事業用として、在来エネルギーにかえましてあるいはこれを補てんするものとして、風のエネルギーにつきましてどの程度利用できるか実証してみようというようなことで取り組んでみたものでございます。  この研究成果を踏まえまして、五十五年度から効率のよい二十キロワット級風車の開発というのに取り組んできております。エネルギーの転換とか貯蔵技術とか、そういうものの開発も考えまして、風力と熱エネルギーの利用技術、それに関する総合研究を実施してきておるところでございます。  それからさらに、五十六年度からは地熱と風力と太陽熱というような自然エネルギーの組み合わせ利用というようなことも取り上げておりまして、エネルギーの総合的な、効率的な利用につながるであろうということを目的といたしまして、地域エネルギーの総合利用実証調査というものも開始しているところでございます。
  343. 菅直人

    ○菅委員 あわせて、きょう資源エネルギー庁の方にもおいでいただいていますので、資源エネルギー庁関係で行われているクリーンエネルギーの計画、特に風力について、いまの現況なり過去の実績なりの概要をお知らせいただきたいと思います。
  344. 清木克男

    ○清木説明員 通産省で実施しております風力の研究開発につきまして、特にサンシャイン計画の関係の風力の開発について御説明させていただきます。  サンシャイン計画の風力につきましては、ただいま御説明のありました風トピア計画とちょっとねらいを異にいたしまして、既存の発電網の系統に接続するような非常に大規模な風力発電の研究というものを目指しておりまして、昭和五十三年度から風力発電に関する要素技術、システム技術、風況調査等の研究を行っておりまして、その結果を踏まえまして、昭和五十六年度から、風力発電の実用化を目指して百キロワット級の風力発電システムの機器の製作、建設に着手しております。予定では昭和五十七年度において、場所は東京都の三宅島でございますが一百キロワット級の実験プラントを建設することにしております。
  345. 菅直人

    ○菅委員 科学技術庁にもう一遍戻りたいのですけれども、先ほど風トピア計画の話をしていただいたのですが、私も、この風トピア計画の実施のころから大変関心を持っておりまして、たしか、三カ所において八基ですか、風車を設置されていろいろとやられてみた。たしか、このときの実験といいましょうか実証実験は、いまも言われたように比較的小さい、一キロから二キロワット程度の発電についてやられたと思うのですけれども、ここに、いろいろ調査結果の概要とかというのが出ているわけですけれども、この内容が、これからの可能性があるという評価だったのか、いや、これはいろいろやってみたけれどもなかなかうまくいかないという評価だったのか。せっかくなさった風トピア計画の結果と、それから次に、いま言われました二千キロワット程度の風力の実験とがどういう形でつながっているのか、そのあたりについてはどうですか。
  346. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 風トピア計画につきましては、御指摘のように三カ所で行いました。愛知県の武豊町とそれから群馬県の安中市と石川県の金沢市、それぞれ条件の違います三カ所で行いました。温室の冷暖房に使うとか、電気自動車の充電に使うとか、あるいは養魚水槽の加温とか、誘ガ灯の点灯、そういうものに使うというようなことで検討したわけでございます。  使用しました風車は、御指摘のとおり五機種、八基でございます。調査の結果は、その設置場所がその風車に適当であったかどうかというようなことも出ておりますし、また風車の設置に当たって留意すべき事項と申しますか、風況と風車の種類との突き合わせとか、そういう問題が指摘されてきております。  それから、風のエネルギーの利用率の向上の必要性と申しますか、風エネルギーの変換効率をどうしたら上げられるかとか、バッテリー効率を上げなければいかぬとか、そういういろいろな問題点も出てまいりました。  それから、風エネルギーの利用に適した利用技術はないか、要するに変動するエネルギーでございますので、そういう変動するエネルギーを利用するのに適した利用システムはないかとか、そういう検討もされてきています。それから、先ほど申しました他の自然エネルギーとの組み合わせ利用というようなものを検討していくべきではないかとか、経済性につきましても、いまの風車そのものでは経済性があるとは必ずしも申せませんけれども、地域によりましては、また量産ができますれば、風車も小規模なものとしてはある程度経済的に利用する可能性もあるのではないかというようなことも明らかになってきております。  そういう点を踏まえまして、その結果を関係省庁に配付いたしまして、今後の研究開発に充てていきたいということで進めているところでございます。
  347. 菅直人

    ○菅委員 少し細かい内容に入りますけれども、私もきょう、ちょうどここへ来る途中、部屋で「フォト」という、これは政府関係のあれだと思いますが、四月一日号に「春風にアイデア風車花ざかり」と書いて、あちこちの風車が出ていまして、大体小型の風車を使っていろいろやっておられる。  それで、大臣の北海道でも、昔から山田さんという人が開発をした風車が幾つか、もう五十年くらい前から使われていて、それが五十年後にも動いていたというので、いまから数年前にも何かテレビのカメラが入ったり、いろいろあるようでして、私、この風力について、きょうの質問に当たっていろいろと準備をしたときに、この風トピア計画では非常に小さい風車を使われているわけですね。それはそれなりに、いまの話でもわかるように機能した。確かに、一つ当たりのエネルギーの出る量はそれほど膨大ではないけれども、まあコンパクトなもので言えば、それなりに機能した。部分的には、特に離島とか、配線がしにくいようなところでは、経済性も、限られた場所ですけれども十分あり得るのじゃないか。  それが、次の計画になっていま言われていた二十キロ級の計画になると、今度は非常に大きなブレードを使った、いわゆる風車を使った計画になっている。サンシャイン計画の中身をいろいろ聞いてみますと、これまた三十メートル近い風車を使ってやっている。実は、私も二年ほど前にアメリカのデンバーにあるウインドテストセンターというところで幾つかの風車を見てきたのですけれども、確かに、大きい風車である程度機能しているところもあるようですが、逆に、小さな風車をもっとたくさんつくるようなやり方があるのじゃないだろうか。これは専門的な議論になってしまいますと私もよくわかりませんけれども、たとえば、一つだけそのポイントを挙げてみますと、この風トピア計画のときの風力の強さというのは、大体どのくらいの平均風力だったということになっていますか、ちょっと質問途中ですが……。
  348. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 先ほど御説明申し上げましたように、三カ所でやりましたけれども、平均風速にいたしますと、二メートルから三メートル・パー・秒でございます。
  349. 菅直人

    ○菅委員 これはどちらのがわかりますかね。科学技術庁でやろうとされている二十キロ級の風車で、何メートルぐらいからの風があれば動くのですか。それはわかりますか。
  350. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 現在設計段階でございますけれども、運転風速といたしましては、三メートルから十七メートルまで考えておりまして、現在いろいろ設計を詰めている段階でございます。
  351. 菅直人

    ○菅委員 資源エネルギー庁の百キロワットというのは、大体何メートル以上の風から、どのくらいで作動するという計画ですか。
  352. 清木克男

    ○清木説明員 百キロワット級のプラントも、あくまでも設計段階でございますが、現在の設計仕様では、先生の御指摘のいわゆるカットイン風速は五メートルからということでございます。また、カットアウト風速は十七メートルということで設計しております。
  353. 菅直人

    ○菅委員 つまりこれを見ましても、風トピア計画の蓄積が次には余りつながっていないのですね。もちろん場所によりますけれども、この三カ所のいろいろなデータを見ますと、十メートルとかという風が吹いている日にちというのは比較的少ないわけですね。しかし、これを見ましても、比較的小さな風車についてはそれなりによく動いているということが書いてあるわけです。それが次の計画になりますと、三メートル以上吹かなければ大体回らない風車がたくさんあるわけですが、大きくなればそうなるわけです。そういうものにぽんと変わって、計画の、実験の継続性が余りなくて、いやに大きいのばかりを次々に進めているという感じがするわけですね。  そういったことで、私は一つの考え方として、もちろん大きな風車をつくってそれが効率よく動くならばそれもいいのですけれども、もうちょっと日本に合ったような形で、小さな風車をたとえばたくさん複数つけて、それによってそれを集めて、相当大規模な発電なり、または熱を出すなり、そういうことに使われるのも一つのあり方じゃないかと思うのです。そういった意味で、風車の大型化ばかりではなくて、これはほかの技術でも言えるのですけれども、コンパクトなものをうまく利用するという形で少し考えられるつもりはありませんか。
  354. 下邨昭三

    ○下邨政府委員 風トピア計画をやりました五十三、四年度の後、風車の設置状況を見ますと、五十五、六年ごろに小さな風車がたくさんつくられるようになりました。去年の夏に調査いたしました結果によりますと、六十九台設置されているというふうな報告がございます。小さな風車につきましては、科学技術の教育用とか省エネルギー運動のシンボルとかあるいは観光用とか、いろいろなことがございますけれども、それぞれ開発がなされております。  それから、私どもの方で組み合わせ実験をやっておりますけれども、自然エネルギーの組み合わせ研究の中では、やはり小さな風車も何基か置いてみるとかというような研究も行っておりますし、一方では大型化の研究、それから利用していくシステムの研究ということも引き続いて進めておるところでございます。
  355. 菅直人

    ○菅委員 重ねて申し上げますと、私は小さいものだけでいいと言っているのではないのですが、風車としては小さいけれども風車を複数並べて設置すれば、一つのやぐらの上にたとえば風車を五十ぐらい並べて設置すれば一基当たりの発電量というのはかなりの電力量になる。そういうやり方について、実は風力発電を開発した方のいろいろな個別的な話を聞いても、そういうふうな可能性が大いにあるのではないかと言われている方も研究者の中にあるけれども、なかなかそういう方向には行かないで、一基ずつが大きな羽を使うということに向かうケースが多い。これは技術開発ですからいろいろなトライ・アンド・エラー、失敗はありていいと思うのですけれども、ぜひ、そういう方向での開発計画も、幾つかの中の一つに入れていただければおもしろいのではないかというふうに思うのです。  それで、あともう一つこのことでお尋ねをしたいのですが、私がアメリカのデンバーで見てきた風力発電の中で非常におもしろかったことは、自分のところで小さい風力発電の装置を持っていて電気を起こす。その電気をすぐ使えばいいのですけれども、そんなにすぐ使わないことがあるわけですね。そうして電灯線に逆に流し込んで、一種の発電会社に電気を個人が売っているような形をとるわけですね。そうすると、電気のメーターが逆転をして、自動的にそれが積算されて換算されるというようなことが実際に行われているということなんですけれども、たとえば日本の法律なんかで、いま私が近くにそういうのをつくって、サイクルを合わせるとかそういう技術的なことは一応やったとして、電灯線に送り出して東京電力に買ってもらうというようなことは可能なのかどうか、その点いかがですか。
  356. 越川文雄

    ○越川説明員 風力発電を電力系統に入れるということでございますが、一般的に電力系統に電源を接続して継続的に運転させるというためには、やはり一定の品質の電気を安全確実に送っていただくということが必要でございます。風力の場合につきましても、十分技術的にはその可能性はあるのではないかというふうにわれわれ考えております。ただ、現在そういったようなことから可能性を明確化する、あるいはさらに実用化に当たって、先生御指摘いただいておりますような問題等も含めて、その対策を確立していくというための調査研究を、先ほど別途サンシャイン計画で研究開発を計画しておりますことも御紹介いたしましたが、そういったようなことを国としても積極的にやる、また、電気事業者の方でも鋭意検討をしておるという段階でございます。
  357. 菅直人

    ○菅委員 そうすると、いまの電気事業の法律的な制約の中ではむずかしいということですか。それともいまでも可能だということですか。
  358. 越川文雄

    ○越川説明員 現状では、技術的な面でまだまだわれわれとしては検討しなければならない面が残っておるのではないかというふうに考えてございます。  と申しますのは、たとえば小さな風力の場合でございますと、一般的には山間僻地あるいは離島での配電線につなぐということになります。そういうところではかなり長い電線を引っ張っていっている、それの末端にぶら下げる、つなぐというようなケースがよくあるわけですが、風力が発電しているときはその末端の電圧がかなり上がるわけです。それに対してその発電がとまっているときには電圧が下がってしまう。私ども、電圧変動の幅を電気事業法で決めておるわけでございますが、その辺がその枠をはみ出してしまうというような問題もございます。  また、事故時なんかの場合ですと、どこか配電線の一部が事故で停電になった、そのときにたまたま風力の方だけ発電をそのまま続けておるということになりますと、配電線の修理のときに、作業員が風力からの電気が来ていることを知らずにさわったりしてけがをするというようなことも考えられます。ですから、そういった面の対策も十分立てられておらなければいけない。そういったようなこと等ございまして、われわれとしては一般供給といいますか、一般の御家庭に電気を配電するところにそういった設備を設けることにつきましては、それなりな技術評価をいたした上でなければまずいのではないかというふうに思ってございます。
  359. 菅直人

    ○菅委員 いまおっしゃった中で後の方の事故時、いわゆる本来の発電所から電力が送られてきていないときに、個々の風力発電なりから送り出すときの安全装置というのは、私が実際に見てきたときにはもうすでに開発がされていて、それが確かについているということでした。  私がこういう問題を申し上げたのは、確かに、いますぐそんなことをやったからといって、日本の電力需要に対してそれほど大きな影響を与えるとは思いませんけれども、ただ、現在、こういう自然エネルギーについて一般に言われることは、蓄積が非常にむずかしい、安定的に供給するのが非常にむずかしいということが常に言われるわけです。これは必ずしも風力だけではなくて他の地熱にしろ波にしろ、場合によっては太陽にしろそういうことが言われるわけです。  これが、一たん通常の送電線に流し込めればどこかでその分だけ石油を使わないなり、または水力発電の水を落とすのを抑えるなりということで、結果的に電力体系全体の中での蓄積が可能になるわけですね。そういう意味で、風というテーマに限りましたけれども、もう少しいまの電力のシステムそのものを貯蓄用に、逆流通ではないでしょうけれども、そういうものにも使えるのじゃないかということで、一応問題提起をさしていただいたわけです。  時間もほとんどありませんので、もう一度最後に大臣に伺いたい。  これは科学技術庁には限りませんけれども、たとえば石油代替エネルギー法などを見ていても、または石油代替エネルギーの開発にかける国の補助金の総額とかにしてみても、原子力にある程度の費用をかけることそれ自体は、科学の進歩のために危険性をいろいろ除去する上でも必要かと思いますけれども、もう一つの道であるこういった自然エネルギーの道が、先ほど言われた五十五年で八十七億ですか、五十六年で二百二十三億、五十七年で二百四十三億なんといったら、これがどの程度の大きさか大臣はよく御存じだと思います。まさに微々たるものでして、決して相当力を注いでいると言えないと思うのですけれども、科学技術庁の長官として、こういったことについてこれからさらに大いにがんばりたいとか、何かそういった大臣の御意見を伺って、私の質問を終わらせていただきたいと思います。
  360. 中川一郎

    ○中川国務大臣 非常に外国のことも勉強されまして、いろいろと御提起をいただきまして、まことにありがとうございました。  ただ、金額をもって力の入れ方を判断していただいても、御承知のように原子力ということになれば非常に高度の技術が必要である、したがって、研究費もかさまなければならないものである。風力その他については、原理その他はもう大体わかっておりまして、あとは実用化するのに低コストになるためにはどうする、あるいはいま言ったような電気の貯蔵というのですか、使わないときの電気をどうするというような問題もありますので、これから研究していくことについてはやぶさかでなく、金額も二・八倍とかふやしているわけでありますから、防衛費じゃないけれども突出をいたしておりまして、その辺も理解していただきたいし、せっかくの御提言ですから、一生懸命努力していきたいと思います。  ただ、ここでお願いしておきたいのは、サンシャインがあるから原子力は要らないのではないかということの口実に使う、利用する、乗り過ぎ、悪乗り、こういうことがないようにひとつぜひ御理解をいただきたい、この辺をお願い申し上げておきます。  菅委員にはその点ないと思いますが、これも必要だが、そういうこともありますということも知っていただきたい。非常に高い両面ということでございますから、その点は高く評価いたしておるところでございます。
  361. 菅直人

    ○菅委員 終わりにしようと思ったんですが、私の質問にないことまで言っていただきましたので……。  私は、基本的には、こういう科学技術というのはツーウエー、スリーウエーでいいと思うのです。ただ、やはりそのときのバランスというものがあって、九九・九%こちらだけで、あと〇・一%――それこそ私からも大臣に申し上げたいのは、少しばかり費用をつけているからといって、そういった自然エネルギーについても力を入れてないのではないのだという言いわけに使われないようにぜひお願いをして、質問を終わらせていただきたいと思います。
  362. 近藤鉄雄

    ○近藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十二分散会