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1981-05-12 第94回国会 衆議院 大蔵委員会 29号 公式Web版

  1. 昭和五十六年五月十二日(火曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 綿貫 民輔君    理事 越智 伊平君 理事 大原 一三君    理事 小泉純一郎君 理事 山崎武三郎君    理事 伊藤  茂君 理事 沢田  広君    理事 鳥居 一雄君 理事 竹本 孫一君       相沢 英之君    麻生 太郎君       今枝 敬雄君    熊川 次男君       笹山 登生君    椎名 素夫君       白川 勝彦君    中村正三郎君       平泉  渉君    平沼 赳夫君       藤井 勝志君    毛利 松平君       森田  一君    柳沢 伯夫君       山中 貞則君    山本 幸雄君       与謝野 馨君    大島  弘君       佐藤 観樹君    塚田 庄平君       戸田 菊雄君    平林  剛君       堀  昌雄君    村山 喜一君       柴田  弘君    渡部 一郎君       玉置 一弥君    正森 成二君       蓑輪 幸代君    柿澤 弘治君  出席政府委員         大蔵政務次官  保岡 興治君         大蔵省証券局長 吉本  宏君         大蔵省銀行局長 米里  恕君  委員外の出席者         参  考  人         (金融制度調査         会会長)    佐々木 直君         参  考  人         (全国銀行協会         連合会会長)  村本 周三君         参  考  人         (全国地方銀行         協会会長)   吉國 二郎君         参  考  人         (信託協会会         長)      山口 吉雄君         参  考  人         (日本証券業協         会会長)    北裏喜一郎君         参  考  人         (日本長期信用         銀行取締役頭         取)      吉村勘兵衞君         参  考  人         (全国相互銀行         協会会長)   長谷川寛雄君         参  考  人         (全国信用金庫         協会会長)   小原鐵五郎君         参  考  人         (全国信用組合         中央協会会長) 鈴木  進君         参  考  人         (全国労働金庫         協会理事長)  今井 一男君         大蔵委員会調査         室長      葉林 勇樹君     ――――――――――――― 五月八日  増税中止及び不公平税制是正に関する請願(岩  佐恵美君紹介)(第三九六八号)  医業税制の確立に関する請願(安藤巖君紹介)  (第三九六九号)  同(石原健太郎君紹介)(第三九七〇号)  同(正森成二君紹介)(第三九七一号)  同(沢田広君紹介)(第四〇二七号)  大型間接税導入反対及び歳出削減に関する請願  (石川要三君紹介)(第三九七二号)  同(今枝敬雄君紹介)(第三九七三号)  同外一件(大原一三君紹介)(第三九七四号)  同外一件(鹿野道彦君紹介)(第三九七五号)  同(柿澤弘治君紹介)(第三九七六号)  同外一件(木村俊夫君紹介)(第三九七七号)  同(佐藤一郎君紹介)(第三九七八号)  同(佐々木義武君紹介)(第三九七九号)  同外一件(佐藤隆君紹介)(第三九八〇号)  同外二件(佐野嘉吉君紹介)(第三九八一号)  同(玉生孝久君紹介)(第三九八二号)  同(中村靖君紹介)(第三九八三号)  同(西岡武夫君紹介)(第三九八四号)  同(前尾繁三郎君紹介)(第三九八五号)  同外二件(前田正男君紹介)(第三九八六号)  同(松野幸泰君紹介)(第三九八七号)  同(森清君紹介)(第三九八八号)  同外一件(山崎拓君紹介)(第三九八九号)  同(渡部恒三君紹介)(第三九九〇号)  同外九件(天野公義君紹介)(第四〇二八号)  同(石原慎太郎君紹介)(第四〇二九号)  同(鴨田利太郎君紹介)(第四〇三〇号)  同(近藤鉄雄君紹介)(第四〇三一号)  同外一件(竹内黎一君紹介)(第四〇三二号)  同外一件(地崎宇三郎君紹介)(第四〇三三  号)  同(鳩山邦夫君紹介)(第四〇三四号)  同外三件(堀之内久男君紹介)(第四〇三五  号)  同(愛知和男君紹介)(第四〇七一号)  同(臼井日出男君紹介)(第四〇七二号)  同外一件(小此木彦三郎君紹介)(第四〇七三  号)  同外四十八件(越智通雄君紹介)(第四〇七四  号)  同(亀井善之君紹介)(第四〇七五号)  同(熊川次男君紹介)(第四〇七六号)  同(高村正彦君紹介)(第四〇七七号)  同外四件(佐藤守良君紹介)(第四〇七八号)  同(田中伊三次君紹介)(第四〇七九号)  同(塚原俊平君紹介)(第四〇八〇号)  同(友納武人君紹介)(第四〇八一号)  同(野呂恭一君紹介)(第四〇八二号)  同(長谷川四郎君紹介)(第四〇八三号)  同(浜野剛君紹介)(第四〇八四号)  同外八件(箕輪登君紹介)(第四〇八五号)  同(宮下創平君紹介)(第四〇八六号)  同(臼井日出男君紹介)(第四一一六号)  同(粕谷茂君紹介)(第四一一七号)  同外二件(北口博君紹介)(第四一一八号)  同(砂田重民君紹介)(第四一一九号)  同(田中伊三次君紹介)(第四一二〇号)  同外一件(林義郎君紹介)(第四一二一号)  同(水野清君紹介)(第四一二二号)  所得税減税の実現及び新一般消費税新設反対に  関する請願(金子満広君紹介)(第三九九一  号)  パートタイマーの課税最低限引き上げ等に関す  る請願(金子満広君紹介)(第三九九二号)  中小企業者の事業用資産に係る生前贈与税及び  相続税の改正に関する請願(福島譲二君紹介)  (第四〇二六号)  共済年金改善に関する請願(湯山勇君紹介)(  第四〇三六号)  大衆増税と大型消費税導入反対に関する請願  (角屋堅次郎君紹介)(第四〇八七号)  同(新盛辰雄君紹介)(第四〇八八号)  身体障害者に対する地方道路税免除等に関する  請願(田邉國男君紹介)(第四〇八九号) 五月九日  大型間接税導入反対及び歳出削減に関する請願  外一件(大塚雄司君紹介)(第四一四三号)  同外一件(大西正男君紹介)(第四一四四号)  同外十三件(春日一幸君紹介)(第四一四五  号)  同外十五件(塩川正十郎君紹介)(第四一四六  号)  同(野呂恭一君紹介)(第四一四七号)  同外一件(水平豊彦君紹介)(第四一四八号)  同外一件(森喜朗君紹介)(第四一四九号)  同外二件(足立篤郎君紹介)(第四二〇二号)  同外六件(天野公義君紹介)(第四二〇三号)  同(木村俊夫君紹介)(第四二〇四号)  同(塩崎潤君紹介)(第四二〇五号)  同(中井洽君紹介)(第四二〇六号)  同外四件(中村靖君紹介)(第四二〇七号)  同外六件(野中英二君紹介)(第四二〇八号)  同外一件(橋本龍太郎君紹介)(第四二〇九  号)  同外五件(鳩山邦夫君紹介)(第四二一〇号)  同(粟山明君紹介)(第四二一一号)  同外六件(山本幸雄君紹介)(第四二一二号)  同(与謝野馨君紹介)(第四二一三号)  同外四件(渡辺秀央君紹介)(第四二一四号)  同外一件(愛野興一郎君紹介)(第四二六八  号)  同(上村千一郎君紹介)(第四二六九号)  同外一件(越智通雄君紹介)(第四二七〇号)  同(梶山静六君紹介)(第四二七一号)  同外二件(小泉純一郎君紹介)(第四二七二  号)  同外十三件(小杉隆君紹介)(第四二七三号)  同(國場幸昌君紹介)(第四二七四号)  同外一件(佐藤一郎君紹介)(第四二七五号)  同外八件(佐藤観樹君紹介)(第四二七六号)  同(始関伊平君紹介)(第四二七七号)  同外二十一件(塩崎潤君紹介)(第四二七八  号)  同(住栄作君紹介)(第四二七九号)  同(田川誠一君紹介)(第四二八〇号)  同(田名部匡省君紹介)(第四二八一号)  同外三件(中村靖君紹介)(第四二八二号)  同(林大幹君紹介)(第四二八三号)  同(前田正男君紹介)(第四二八四号)  同外一件(宮下創平君紹介)(第四二八五号)  同(武藤嘉文君紹介)(第四二八六号)  同(森山欽司君紹介)(第四二八七号)  同(山下徳夫君紹介)(第四二八八号)  同(綿貫民輔君紹介)(第四二八九号)  大衆増税と大型消費税導入反対に関する請願  外二件(新盛辰雄君紹介)(第四一五〇号)  同(久保等君紹介)(第四二九〇号)  同(小林進君紹介)(第四二九一号)  身体障害者に対する地方道路税免除等に関する  請願(野坂浩賢君紹介)(第四一五一号)  内職・パートタイム収入の非課税限度額引き上  げ等に関する請願(塚田庄平君紹介)(第四一  五二号)  同(五十嵐広三君紹介)(第四二一七号)  清酒醸造の全原料に米使用に関する請願(青山  丘君紹介)(第四一八四号)  同(小沢貞孝君紹介)(第四一八五号)  同(大内啓伍君紹介)(第四一八六号)  同(岡田正勝君紹介)(第四一八七号)  同(神田厚君紹介)(第四一八八号)  同(近藤豊君紹介)(第四一八九号)  同(佐々木良作君紹介)(第四一九〇号)  同(塩田晋君紹介)(第四一九一号)  同(竹本孫一君紹介)(第四一九二号)  同(塚本三郎君紹介)(第四一九三号)  同(中井洽君紹介)(第四一九四号)  同(中村正雄君紹介)(第四一九五号)  同(林保夫君紹介)(第四一九六号)  同(部谷孝之君紹介)(第四一九七号)  同(三浦隆君紹介)(第四一九八号)  同(宮田早苗君紹介)(第四一九九号)  同(横手文雄君紹介)(第四二〇〇号)  同(小沢貞孝君紹介)(第四二六七号)  医業税制の確立に関する請願(渡辺貢君紹介)  (第四二〇一号)  共済年金改善に関する請願外一件(草野威君紹  介)(第四二一五号)  同(渡辺貢君紹介)(第四二一六号) 五月十一日  医業税制の確立に関する請願(新村勝雄君紹  介)(第四三〇五号)  同(山口敏夫君紹介)(第四四七四号)  大型間接税導入反対及び歳出削減に関する請願  外三件(阿部文男君紹介)(第四三〇六号)  同外五件(天野公義君紹介)(第四三〇七号)  同(石原慎太郎君紹介)(第四三〇八号)  同(稲垣実男君紹介)(第四三〇九号)  同外四件(上村千一郎君紹介)(第四三一〇  号)  同(大村襄治君紹介)(第四三一一号)  同(木野晴夫君紹介)(第四三一二号)  同(左藤恵君紹介)(第四三一三号)  同(登坂重次郎君紹介)(第四三一四号)  同(浜田卓二郎君紹介)(第四三一五号)  同(船田元君紹介)(第四三一六号)  同外二件(松永光君紹介)(第四三一七号)  同(山本幸雄君紹介)(第四三一八号)  同(天野光晴君紹介)(第四三二六号)  同外一件(植竹繁雄君紹介)(第四三二七号)  同(奥田幹生君紹介)(第四三二八号)  同(鯨岡兵輔君紹介)(第四三二九号)  同外一件(小坂徳三郎君紹介)(第四三三〇  号)  同(國場幸昌君紹介)(第四三三一号)  同外二件(近岡理一郎君紹介)(第四三三二  号)  同(中西啓介君紹介)(第四三三三号)  同外一件(葉梨信行君紹介)(第四三三四号)  同外二件(畑英次郎君紹介)(第四三三五号)  同外二件(武藤嘉文君紹介)(第四三三六号)  同外四件(足立篤郎君紹介)(第四三五一号)  同外二件(石井一君紹介)(第四三五二号)  同(石田博英君紹介)(第四三五三号)  同外一件(小沢一郎君紹介)(第四三五四号)  同外七件(越智伊平君紹介)(第四三五五号)  同外七件(大塚雄司君紹介)(第四三五六号)  同外一件(粕谷茂君紹介)(第四三五七号)  同(亀井静香君紹介)(第四三五八号)  同外一件(木村俊夫君紹介)(第四三五九号)  同外四件(塩崎潤君紹介)(第四三六〇号)  同(染谷誠君紹介)(第四三六一号)  同(田中龍夫君紹介)(第四三六二号)  同外三件(谷川和穗君紹介)(第四三六三号)  同外二件(中尾栄一君紹介)(第四三六四号)  同外一件(中山利生君紹介)(第四三六五号)  同(灘尾弘吉君紹介)(第四三六六号)  同外一件(羽田孜君紹介)(第四三六七号)  同(畑英次郎君紹介)(第四三六八号)  同(原田昇左右君紹介)(第四三六九号)  同(細田吉蔵君紹介)(第四三七〇号)  同(宮下創平君紹介)(第四三七一号)  同外一件(武藤嘉文君紹介)(第四三七二号)  同外六件(足立篤郎君紹介)(第四三九七号)  同(伊藤宗一郎君紹介)(第四三九八号)  同(石田博英君紹介)(第四三九九号)  同(上草義輝君紹介)(第四四〇〇号)  同外四件(小川平二君紹介)(第四四〇一号)  同(小沢一郎君紹介)(第四四〇二号)  同(大西正男君紹介)(第四四〇三号)  同(大原一三君紹介)(第四四〇四号)  同外十件(狩野明男君紹介)(第四四〇五  号)  同(亀井善之君紹介)(第四四〇六号)  同(佐々木義武君紹介)(第四四〇七号)  同(佐藤隆君紹介)(第四四〇八号)  同外一件(椎名素夫君紹介)(第四四〇九号)  同(住栄作君紹介)(第四四一〇号)  同(友納武人君紹介)(第四四一一号)  同(橋本龍太郎君紹介)(第四四一二号)  同外二件(原田憲君紹介)(第四四一三号)  同(藤波孝生君紹介)(第四四一四号)  同外一件(武藤嘉文君紹介)(第四四一五号)  同外一件(森喜朗君紹介)(第四四一六号)  同(与謝野馨君紹介)(第四四一七号)  同外一件(井出一太郎君紹介)(第四四七五  号)  同外一件(小渡三郎君紹介)(第四四七六号)  同外一件(片岡清一君紹介)(第四四七七号)  同外二件(近藤鉄雄君紹介)(第四四七八号)  同(田島衞君紹介)(第四四七九号)  同(田中龍夫君紹介)(第四四八〇号)  同(戸沢政方君紹介)(第四四八一号)  同(中村弘海君紹介)(第四四八二号)  同(長谷川正三君紹介)(第四四八三号)  同(森清君紹介)(第四四八四号)  同外二件(森美秀君紹介)(第四四八五号)  大衆増税と大型消費税導入反対に関する請願  (串原義直君紹介)(第四三一九号)  同(後藤茂君紹介)(第四三二〇号)  同(吉原米治君紹介)(第四三七三号)  清酒醸造の全原料に米使用に関する請願外九件  (小沢貞孝君紹介)(第四三四二号)  身体障害者に対する地方道路税免除等に関する  請願(正森成二君紹介)(第四四一八号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  銀行法案(内閣提出第六六号)  中小企業金融制度等の整備改善のための相互銀  行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案  (内閣提出第六七号)  証券取引法の一部を改正する法律案(内閣提出  第六八号)  銀行法の施行に伴う関係法律の整備等に関する  法律案(内閣提出第七三号)      ――――◇―――――
  2. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長 これより会議を開きます。  銀行法案、中小企業金融制度等の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案、証券取引法の一部を改正する法律案及び銀行法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の各案を一括して議題とし、参考人に対する質疑を行います。  本日、午前中に御出席をいただきました参考人は、金融制度調査会会長佐々木直君、全国銀行協会連合会会長村本周三君、全国地方銀行協会会長吉國二郎君、信託協会会長山口吉雄君、日本証券業協会会長北裏喜一郎君の各位であります。  この際、参考人各位に一言申し上げます。  本日は、御多用中のところ、本委員会に御出席をいただきましてまことにありがとうございます。参考人各位には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願いいたします。  なお、御意見は、委員からの質疑にお答えを願うことにいたしたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島弘君。
  3. 大島弘

    ○大島委員 参考人の皆様には、御多用中のところ、当委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございます。私の持ち時間は五十五分というきわめて短時間でございますので、質疑に対しましてはできるだけ簡潔にお答えいただきたいというふうに思います。  まず第一の質問でございますけれども、四年間にわたる研究の末、結局銀行法全面改正ということがいま当委員会に諮られているわけですが、一体この全面的改正というのは何だったのであろうか。四年間の長い歳月を費やしてようやく上程された。しかしその結果は何だったのだろうか。たとえば私によりますと、週休二日制あるいはディスクロージャー、これは非常に結構なことでございます。しかし、週休二日制というのは何も銀行法の全面的改正に関連するところではなく、一部改正でいいのじゃないか。それからディスクロージャー、これは現在商法の規定によって有価証券報告書というのを義務づけられている。何も全面改正の必要はないのじゃないか。それから一番問題の窓販、ディーリング、これだって昭和三年の銀行局長通達で付随業務に加えられている。こういう点で何も全面改正をする必要はないのじゃなかったか、またその結果は何であったのかということで、金融制度調査会長の佐々木さんからお答えいただきたいと思います。
  4. 佐々木直

    ○佐々木参考人 金融制度調査会で銀行法に関する検討を始めましたのは、大蔵大臣の諮問を昭和五十年の春にいただいてからでございます。大蔵大臣から金融制度調査会にそういう諮問がありました背景がどういうものであったかということにつきましては、私直接はその背景については伺っておりませんけれども、現行銀行法というものは昭和二年につくられましたもので、ちょうどもう五十年たっておる。しかも第一次オイルショックをきっかけにいたしまして、企業、特にまた企業と縁の深い金融機関のあり方というものについて世上いろいろ議論が行われるようになってきた、そういうようなことが背景にあったのではないかと推測いたしております。そういう意味で、五十年たった法律の全面的な見直しということで検討を始めましたが、そのことは五十年という年月の経過を考えますと、一つのきっかけでいい時期であったかと思います。そういう意味で新しい時代にふさわしいものに衣がえをした、そういう意味は十分あったように私としては考えております。
  5. 大島弘

    ○大島委員 そうしますと、五十年たって五十年目がちょうどいい時期だということだけの問題でございますか。つまり、もっと実質的にどういう意味があったか、結果は何であったかということをお答えいただきたいと思うのです。
  6. 佐々木直

    ○佐々木参考人 実質的には、まず第一に、銀行というものの目的が何であるかということをはっきりうたったということが一つの大事な点だったと思います。それからいま御指摘がございました国債の窓口販売の問題も、法律としてはいままではっきりしたことが触れられておりませんでしたので、そういう点についてもはっきりした条文をつくるようにしていただくということ、それからいままで内容の公示も行われておりましたけれども、しかしそれは金融機関としての特質をあらわしたものではなかった。そういう点についての注意喚起ということも必要であるというふうに考えられました。それからまた在日外銀の問題、またいまお話がございました週休二日制の問題、それに対する条文の対応を改める、こういう点はそれぞれ五十年の間にいろいろ環境が変わってきたその中で必要な体制の整備であった、こう考えております。
  7. 大島弘

    ○大島委員 しかし、それならば一部改正でいかないのですか。
  8. 佐々木直

    ○佐々木参考人 いろいろ考え方もあろうかと思いますけれども、いまのように相当大事な問題点が六つ、七つございます。そういう点から考えますと、やはり五十年もたったことでもございますし、全部改める方がよかったのではないかと、いまでも私はそう考えております。
  9. 大島弘

    ○大島委員 それでは、それに関連してお伺いしますけれども、五十年目の大改正ということであるならば、将来の日本の金融制度のあり方、それから資本市場、金融資本市場の国際化、こういうような大きな問題、つまり長期的展望に法案自体は対応されておりますか。
  10. 佐々木直

    ○佐々木参考人 四年間、もうずいぶん長い間かかったわけでございますが、その初めの部分の約一年近くは、現在の日本の経済状態がどうであるか、金融機関がどういうことに現実に働いているか、それから今後どういうふうになるであろうかというようなことについての検討を非常に細かくやりまして、それによりまして時間が相当たったわけでございます。そういうことを背景にいたしまして答申をまとめたのでございますから、その答申の背景には今後の日本経済、国際経済の推移というものはわれわれとしてはできるだけ努力して織り込んだつもりでおります。
  11. 大島弘

    ○大島委員 細かい点につきましては後ほどお伺いします。  全銀協の会長の村本参考人にお伺いしたいのですが、総論的に今回の改正案についてどう思われますか。
  12. 村本周三

    ○村本参考人 私もただいまの佐々木参考人のお考えと格別異なっておるわけではございません。ただ総論的にと申し上げますと、昭和五十年、当時の銀行法を改正しようかという経緯に関しましては、竹本先生その他よく御存じの方が大ぜいいらっしゃるわけでございますが、ああいった経済環境の激変の中で昭和二年にできた法律というものをもう一遍考え直してみよう、それは私どもはまことに時宜を得たことである。しかも確かにおっしゃるように一部改正ずつで済むことかもしれませんが、昔の銀行法の文句は見るからに古めかしい文句でございますから、ああいう文句で一部改正するということも適当ではない。そういう意味におきまして今度の銀行法改正はまことに時宜を得たものであった、かように考えております。
  13. 大島弘

    ○大島委員 全銀協といいますと都銀、長信銀、地銀、信託、こういうところを含めておられる会長の職でございますので、もう一度改めて聞きますが、一勧ではなくて全銀協の会長として今回の案に賛成ですか、それとも異議がございますか。
  14. 村本周三

    ○村本参考人 私どもは、今回の金融制度調査会の御答申並びに今回の法律の案ができます過程におきまして、いろいろ希望を申し上げました。その希望は、聞き入れていただいたところもあり、残念ながらお聞き入れを願えなかった面もございます。しかし、われわれはこの法律によって規制を受ける側の人間でございますから、行政府で案をお立てになり、それを立法府がお決めになったことは、私ども善良なる国民としてこれに従うという所存でございます。
  15. 大島弘

    ○大島委員 参考人の各位に申し上げますけれども、きょうは監督官庁の銀行局は来ておりませんので、銀行局長や証券局長に遠慮せずに答えていただきたいと思うのです。  いま、残念ながら聞き入れられなかったところがあるとおっしゃいましたが、具体的にどこですか。
  16. 村本周三

    ○村本参考人 細かい点はいろいろございますけれども、一番大きな点は普通銀行の証券業務に関する規定の点でございます。
  17. 大島弘

    ○大島委員 それでは、立場を逆にいたしまして証券業協会の会長にお伺いしたいと思うのですが、総論的にいかがですか。
  18. 北裏喜一郎

    ○北裏参考人 ちょっと足を壊しておりますのでゆっくりさせていただきます。  いまの先生の御質問でございますけれども、村本さんとうらはらになる議論の経過がございましたけれども、証券界としては、四十一年以来ですけれども、特に大量発行されました五十年以降非常に努力してまいりました。そのために個人消化につきましては従来以上に非常に自信を持っておるのが現状でございます。その点は、この法案の過程では非常にわれわれ主張したところでございますので、不満足だと申された村本さんとやや違った見解を申したのでございます。  また今後も、証券界としても挙げてこれに取り組もうという姿勢は変わっておりません。いまのところ、御承知のとおり私どもは先行している点が業者の中でもございますが、今日では、大量発行は、よく考えてみたら五十二年、五十三年でございますから、全業界を挙げてやるという姿勢はまさにいま整いつつあるというようにお考え願いたいと思います。  特に申し上げたいのは、これは大蔵省の中期展望を資料にいたしておりますけれども、昭和六十年度によりますと、発行額と償還額を、つまり国全体としてどのくらい新しい資金が要るかということを考えますと、ネットで実は三兆五千億なのです。ことし、五十六年度に議論いたしておりますのが約十一兆でございますから、三分の一弱である、非常に少なくなっておる。というように、これは中期展望によっておるわけですから、すでに発表されております。しかし、今後個人金融資産は、これも推定でございますけれども、恐らく年間三十兆ないし四十兆ずつふえていくだろうと思っておりますので、私自身としては、もし将来赤字国債でも大量に発行せんならぬというような状態がありとすれば別として、ないとすれば、赤字国債は無論のこと償還されますが、建設国債を含めてだんだん減ってくるものだ、そういう見通しを持っております。そういうことから言いますと、赤字国債の償還金を含めて恐らく借換債も新規発行国債の購入に向かっていくのじゃないか、こう考えておるわけです。  そういうようなことを考えますと、まずは、民間からの新しい資金が非常に減るということを考えておるわけです。
  19. 大島弘

    ○大島委員 ちょっと途中ですけれども、後ほどまた詳しいことをお伺いしますが、この法案自体に対して総論的にどう思われるかということに対して、銀行法案に対して証券業界として、つまり、野村証券の会長じゃなくて証券業協会としてこの銀行法の改正の受けとめ方だけをお聞きしたい。つまり、賛成であるとか、不満足であるとか、残念ながらとか、そういう点を聞かしていただきたいのです。
  20. 北裏喜一郎

    ○北裏参考人 まず先に、先生のお言葉どおり、残念ながらすべての主張が入れられたとは思っておりません。しかし、御承知のとおり、まず証券取引法による三原則というもので、ある程度公共債に限るということでありますので、ぎりぎり、実は村本さんと同じように、残念ではあるがまず了承した、こういうことであります。
  21. 大島弘

    ○大島委員 わかりました。  金融制度調査会長にお伺いいたしたいのですが、昭和三年の銀行局長通達ですね、つまり付随業務に含む、これは調査会ではどういうふうに議論されたのですか。昭和三年、銀行局長通達に、銀行に付随する業務として証券業、こういうふうにされているのですが、これらについての金融制度調査会の審議。つまり、もう昭和三年通達で、普通銀行は付随業務として当然できるんだ、そういうのがあるのにかかわらず、それを今回わざわざ法改正して、いわゆる証券三原則ですね、証取法上の認可を要する。なぜですか。この昭和三年の通達と関連しましてどういう点で審議されたのですか。これがあれば十分じゃないか。
  22. 佐々木直

    ○佐々木参考人 ただいまの点、細かい審議の過程はただいま私記憶いたしておりませんけれども、実はいまの昭和三年の通達がございましてから後も、現実には窓口販売というものをやっておらなかったわけでございます。それで、われわれといたしましては、現在の銀行法の解釈を基礎といたしまして、この法改正の機会に物事をはっきりしておく必要がある、ことに、いまのようにたくさんの国債が発行されまして、それの消化について金融機関も非常に苦労しておるというような実情でございましたので、そういうことから、今度の機会に問題をはっきりしょうということで、答申の言葉ではこの問題について前向きに書いてございますが、ただ、これについては行政当局が関係の人たちの間で適当に話を調整してほしい、要するに利害の対立があることばそのときにもうわかっておりましたから、その点を行政当局の調整にゆだねたというのが調査会の答申でございました。
  23. 大島弘

    ○大島委員 そうしますと、はっきりするために規定した。つまり、昭和三年の銀行局長通達には、銀行は付随業務として証券業を営むことができると書かれているのに今回あえて入るのは、それをはっきりさせたということでございますか。
  24. 佐々木直

    ○佐々木参考人 それの実行の場合の段取りを法律上はっきりさせた、こういうことでございます。
  25. 大島弘

    ○大島委員 全銀協の会長と証券業協会の会長に、次の点について簡潔にお答えいただきたいと思うのです。  証券三原則、つまり、公共債に限定する、証取法上の認可を要する、制度と実施の間に時期を置く、この証券三原則についてどういうふうに思われますか。
  26. 村本周三

    ○村本参考人 全銀協といたしましては、従来の解釈上証券三原則には反対でございます。ただ、現在の証券取引法ができましたときに、六十五条において公共債に限定されておるということは承知をいたしております。ただ、それに応ずる銀行法上の規定はできていなかったように思います。  それから三原則の二番目は、証取法上の認可を要するということでございますが、私どもは銀行法によりまして不特定多数を相手とする銀行業の免許をいただいておる、それはそれだけの資格審査をしていただいた上でいただいておるのでございますから、私どもが日本で一番確実と思われる公共債を販売するにつきましてはまた新しく認可をいただくように制度ができる必要はないというのが私どもの見解でございます。  三番目の、認可と実施は別であるというのは、私どもは法律の常識には余りなじまないことだと思いまして、法律というのはやはり実施ということを前提としておやりになるたてまえと思っておりますので、銀行協会といたしましてはこの三原則には反対でございました。
  27. 大島弘

    ○大島委員 証券業協会の会長にお伺いいたしますが、よくこういうことを言われているわけです。証券業界には一本のマンモス煙突がある、これは野村証券です。あと三本のふろ屋の煙突がある、これはほかの三証券。それからその他はもう雑草にすぎない。こういう証券業界の実情でございますので、ただいまから野村証券という立場じゃなくて証券業協会という立場でいま村本参考人が言われた点について恐らく反論かも、賛成かもしれませんが、お答えいただきたいと思います。
  28. 北裏喜一郎

    ○北裏参考人 いまのお答えを申し上げます。  証券界としては実は終戦後、特に国債が発行されました四十一、二年ころ、その販売網整備その他についてずいぶん意を払ってきました。特に先ほど申しましたように五十年以降、特に五十一年、五十二年、五十三年という時期は大量発行した。そのために人とかあるいは設備とかを大いにつぎ込んでいるわけです。  それから、それをできるところから始めるという意味で私ども大中小というところで先行が確かにあります。しかし、この証券業の仕事は、無論株式ありますけれども、社公債含めたものが大きな柱でございまして、それを中立的に価格を形成し中間的な役割りを果たすというのがわれわれの本職でございまして、そこへ入るということについては、公共債といえども非常に反対してきておるわけでございます。そこで、三原則で証券業を不特定多数の人に対して営業として銀行がやるということに決められる場合はやはり証券取引法で認可をしてもらいたいという三原則であろうと思います。  それから実施の時期については、そういうことを含めて、先ほど冒頭に申し上げましたように私自身としては、業界自身ですけれども、恐らく国債消化についてはいま皆さん、われわれ含めて非常に困難ではあると言いながらそうではないと思っております。そういう意味では証券界自身でもやれるという自信を持っておるわけです。たとえば、昨年ですけれども公募債で市中消化は十兆二千五百九十億ぐらいでございました。その中でわれわれ三兆九千億やっておるわけです。そうしますと、六十年にもし仮に三兆五千億で済むことになれば証券界で全部やれるという意識を持っているわけです。しかも、いま言われましたように業界全体が全部で二百五十五社ありますけれども、すべてその方向に向いております。  ただ先生にお考え願いたいのは、国債消化についてわずか三、四年のことでございます。準備期間ができるところとできぬところもありましたけれども、これについてはようやくそれが体制を整えつつある、こういう時期でございます。その点を御了承願いたいと私は思います。
  29. 大島弘

    ○大島委員 いま証券業協会の会長は銀行を煩わさなくても証券界だけで十分消化できるんだ、こう言われましたので、これは後ほど各銀行関係の方々にお伺いいたしたいと思います。  それでは観点を変えまして大口融資規制につきましてお伺いしたいのですが、金融制度調査会長にお伺いしますけれども、大口融資規制は各銀行に対して原則として平等であるのにかかわらず銀行は二、信託は三それから外銀が四、こういう割合になっておるのはどういう根拠からこういう割合にしたわけでございますか。(発言する者あり)いや、金融制度調査会の論議の過程を聞きたいと言っているのです。これは論議になったかならなかったかということです。
  30. 佐々木直

    ○佐々木参考人 現に二、三、四の割合で実行されておりますので、その数字自身については金融制度調査会の席上では特に突っ込んだ議論はございませんでした。問題はそれをやることの法的な基礎をはっきりさせるということの議論でございました。
  31. 大島弘

    ○大島委員 それではそれに関しまして二、三、四の割合について各金融機関はどう思うか、全銀協会長さんそれから信託協会会長さんお答えいただきたいと思います。
  32. 村本周三

    ○村本参考人 お答えいたします。  大島先生の御質問は全銀協にとって一番痛いところを突いておられるのでございます。  つまり、全銀協の中には普通銀行それから長期信用銀行、信託銀行、外国為替専門銀行というようないろいろな業態がございます。それぞれの業態に応じてこの問題についての意見は異なっていると思います。したがいまして、ここで全銀協としての意見をと言われますとなかなかむずかしいのでございますが、きょうは参考人としていろいろな業態の方々も見えており、またお見えになるようにうかがっておりますので、普通銀行としての考えを申せということであればお答えいたしたいと存じます。
  33. 大島弘

    ○大島委員 大蔵次官をされた吉國大先輩にこの二、三、四の割合はどう受けとめたか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
  34. 吉國二郎

    ○吉國参考人 私もこの二、三、四の割合がいかなる理由で決められたか、実はよく存じてはおりませんけれども、それぞれの業種の業法のあり方と申しますか、そういうものに対応して差別がつけられているんだと理解しておりますけれども、地方銀行といたしましては従来どおり普通銀行に対しての二〇%という規制、これは妥当なものだという考え方で、それに従って実行してまいっております。
  35. 大島弘

    ○大島委員 信託協会長さんはいかがですか。
  36. 山口吉雄

    ○山口参考人 先ほどお話がございましたように金融制度調査会の答申にも銀行の健全性の確保それから適正な配分ということを踏まえて各種金融機関の経営の特色に対応した割合を定めるというようなことが明確に述べられております。私ども信託銀行といたしましては以下の三つの意味合いからこの比率が設けられてしかるべきではないかというふうに考えております。  その一つは、長期金融専門機関といたしまして長期資金の安定供給という役割りを私どもが担っておりますから、このためにも債権の累積ということが一つ信託銀行の場合は出てまいるわけでございます。第二には、信託銀行と申しますと、店舗網が極端に少ないということによりまして、比較的少数のものに集中するという傾向がございます。第三には、御承知のとおりでございますが、法律上信託資金と申しますものは固有勘定から分けまして、固有財産と分割して安全確実な運用を行うというふうに義務づけられております。  こういうような特殊性を勘案されまして、命令によりましてすでに過去六年間余りこの制度が定着しておりますので、ぜひひとつこういう規制比率の業態間の格差が維持されてしかるべきであるというふうに考えております。
  37. 大島弘

    ○大島委員 大口融資規制の二、三、四の割合については、普通銀行としては余り好ましくない、しかし信託銀行としてはおおむね満足だというふうに理解いたしまして、次の質問に入りたいと思います。  ディスクロージャー、いわゆるディスクロでございますけれども、このディスクロージャーの改正規定とそれから商法上有価証券の提出義務がございますが、こういうことについて、きょうは政府委員じゃないのです、参考人でございますので、金融制度調査会長、その論議の過程で、商法の規定で有価証券提出義務が定められているにかかわらず、今回ディスクロ制度を新たに規定したといういきさつを説明していただきたいと思うのです。どういう点が問題になったか、特に商法との関連をお伺いしたいと思います。
  38. 佐々木直

    ○佐々木参考人 金融制度調査会の席上での議論がこの問題について行われましたのは、金融機関というものは一般の企業に比べてその活動というものが国民一般に非常に密接な関係を持っておるということから、取引先、預金者というものに対して銀行の活動を一般企業以上に理解してもらわなければならない、こういう考え方でこのディスクロージャーの問題が議論されました。したがいまして、それはできるだけ金融機関の自発的な行動としてディスクロージャーが行われることが望ましい、そういう基調での議論でございました。
  39. 大島弘

    ○大島委員 このディスクロの制度につきまして、全銀協の会長の御意見を伺いたいと思うのです。
  40. 村本周三

    ○村本参考人 お答え申し上げます。  実は、昭和五十一年の初めに私どもとバンク・オブ・アメリカとが共同に出資をしております国際金融会社の取締役会がナッソーでございまして、私そこに参りましたときにバンク・オブ・アメリカのバン・ブリアデン上席副頭取から、現在自分の執務時間を一番多く占領しておるのはディスクロージャーの問題であるというふうに伺いまして、これは御承知のようにバンク・オブ・アメリカでは、外部的ないろんな騒動をこうむったりいたしましたので、この問題を問題意識として非常に強く取り上げたのであろうと思いますが、私もそういうことを認識してまいったわけでございます。  私どもの銀行のことを申し上げては恐縮でございますが、私どもも昭和四十六年に合併して創立をいたしまして以来、今回の金融制度調査会の御答申にありますように、銀行の公共性というものをいかに守っておるか、また社会的責任をいかに守っているかということは、常に銀行として外に対して申し上げなければいかぬという考えを持っておりまして、四十七年から毎年一回、いわばディスクロージャーというものに近いようなことを発表いたしてまいっております。  バンク・オブ・アメリカのディスクロージャー項目は七十でございますが、金融制度調査会の御示唆をいただいたのはたしか五十三、私どもが公開しておりますのは三十七でございます。  私ども、現在バンク・オブ・アメリカほどにやるべきだ、あるいはやった方がいいとは考えておりませんが、考え方といたしまして、金融制度調査会の御答申にあるような意味でディスクロージャーというものが証取法あるいは商法の規定とまた別に必要であるということに、私ども同感でございます。
  41. 大島弘

    ○大島委員 バンク・オブ・アメリカとかあるいは一勧とか、こういう非常に体質の強い銀行ならばそれはそうかもしれませんけれども、それではこの点につきまして吉國参考人はどう思われますか。
  42. 吉國二郎

    ○吉國参考人 ただいま全銀協の会長から申されましたが、現在ディスクロージャーといえば、商法の規定それから証券取引法の規定もあるわけでございます。その上にさらにディスクロージャーが必要かどうかという問題があると思いますけれども、やはりそれぞれ法律の目的が違うように私は思うのでございまして、商法は主として債権者保護という立場で経理内容を公開させる、それから証券取引法は投資者の保護、投資者の投資選択ということに資するために幅広くやる、こういう考え方だと思いますけれども、私どものようなことに地方銀行の場合は、地域の経済と密接に関連をいたしておりますし、さらに地域の住民の生活にも関連をいたしておりますので、銀行の活動というものをできるだけ理解をしていただくということが銀行の将来地域との結びつきをさらによりよくすることに大変必要なことであるというふうに考えておりまして、実は当行のことを申し上げては恐縮でございますけれども、四十八年以来当行といたしましては、営業報告書もできるだけわかりやすいものに直しましたし、そのほか当行の内容につきまして一種のディスクロージャーをやってまいりました。いまお話がございましたが、細かいところまで数えますと、当行では五十八項目ぐらいの、いわば地域内における融資比率であるとか中小企業比率であるとか、こういったものを開示をしてまいったわけでございます。  そういう意味では、私はやはりそれぞれ地域と申しますか、地方銀行のように特定の地域に集中して仕事をしているところでは特にこのディスクロージャー的なものが必要ではないだろうかというふうに考えておりますが、同時に、それぞれ地域によって金融のあり方も違いますので、今回のように訓示規定にしていただいて、それぞれ工夫をこらして特色のあるものをつくるというやり方も確かに一つの考え方であるというふうに考えております。
  43. 大島弘

    ○大島委員 ディスクロージャーについて信託銀行七行いかがにお考えですか。
  44. 山口吉雄

    ○山口参考人 先ほど来お話がございましたように、信託銀行と申しましても銀行法のもとに営業をしております。銀行は広く社会全般とかかわりが深いわけでございますので、その活動状況につきましては一般の理解を得る必要がございますから、従来信託銀行といたしましてもディスクロージャーについてはそれぞれに工夫を重ねてまいっておりますが、今後ともに積極的に対処していきたいというふうに考えております。  なお、信託財産につきましては、これは私どもの財産でなく顧客の財産でございますので、従来特に法上ディスクローズを求められておりませんけれども、新法におきましてもその事情は同様であるというふうに理解をしておりますが、しかしながら、信託銀行という専門金融機関としての活動を一般に広く理解を求めていくためにはいろいろと積極的に私ども工夫をこらして、従来も信託財産残高表は公表、公告、ディスクローズしておりますが、さらに工夫を図っていきたいというふうに考えております。
  45. 大島弘

    ○大島委員 ディスクロージャーについての質疑はこれで終わりますが、いずれにしても預金者保護という観点あるいは選択の自由という観点からひとつ今後一層御努力をお願いしたいと思います。  次に、週休二日制の問題に入りたいと思います。  ヨーロッパ労働者に比べましてはるかに労働時間の多い日本労働者、これはもう当然私は週休二日制は大賛成でございます。また党としましてもそういう方向で進んでいるわけでございますけれども、この週休二日制、土、日休日ということはやはり銀行法の改正が大きな意味を持つということでございますけれども、この週休二日制についてどう考えるのか、全銀協の会長からまずお答えいただきたいと思います。
  46. 村本周三

    ○村本参考人 お答え申し上げます。  私、実は昭和五十二年に前回全銀協の会長を相務めまして、そのときも大蔵委員会におきまして山田先生初めいろいろな先生方と週休二日制の問題をお話しいたしたのでございますが、全銀協といたしましては週休二日制に賛成でございます。ただ、全銀協がこれを行うにつきましては社会的コンセンサスを得た上でやらなくてはならない、かように考えておるのが現状でございます。  今回の銀行法の改正は、従来の銀行法でございますとそこのところでひっかかってどうしてもいけなかった一つの壁が取り除かれた、こういう意味において前進であると評価をいたしておる次第でございます。
  47. 大島弘

    ○大島委員 銀行は現行法がある以上土曜日は休むわけにいかないのですが、この点につきまして証券業協会はどうなっているのですか。
  48. 北裏喜一郎

    ○北裏参考人 まず先生の御質問に答えますが、証券界としましては、いままでは銀行が休めばというようなことを議論をしておりましたけれども、実際はまだ結論はついてないというのが真相です。というのは、御承知のとおりわれわれの協会に加盟しておりますのは二百五十五社大中小ありまして、意見が必ずしもまとまってない。ただし、世の中といいますか世界といいますか、そういう趨勢上社会的に銀行も休み取引所も休みということになればそれに順応するだろうとは思いますけれども、現在はまだ全部統一した意見はできておりません。あるところは休むべきだという意見も多いし、逆にそうばかりも言えないという意見もございまして、これはいずれ統一しなければいかぬと私は思っています。
  49. 大島弘

    ○大島委員 証券業界は大体土曜日休日なんですか。それとも営業しているんですか。
  50. 北裏喜一郎

    ○北裏参考人 一月のうち一日土曜日は取引所も休み、全部業界が休んでおります。他は休みではありません。取引所も一休みになりません、われわれも休みになりませんが、交代制のような形で実質的に休む人もあり、営業はやっておりますけれども必ずしもすべて出社しているというわけでもございません。その点は現在の銀行もそうではないかと思います。
  51. 大島弘

    ○大島委員 週休二日制は、もちろん私個人としましてもまた党としましても前向きにやらなくちゃならぬと思っておるわけで、また金融機関の労働組合の諸君からも強い要請がありますので、これはぜひとも実現させていただきたい。これこそ皆さん方が一致してやればほかの企業はおのずからそうなってきます。どうかこの点だけをぜひともひとつ実現していただきたい。  それから、もう時間がございませんので最後でございますけれども、監督規定の改正が行われましたが、これについて金融制度調査会会長の御意見はいかがでございますか。
  52. 佐々木直

    ○佐々木参考人 実は金融制度調査会での議論のときに、この全体の改正を機会に、いままで行政指導という形で行われておりました行政当局のいろいろな監督を、できるだけその根拠を法律にはっきり示す必要があるのじゃないかという意見がございました。そういうことで金融制度調査会の小委員会の答申には、そういう趣旨でのいままで現にやっておりますことの明文化と申しましょうか、そういうものが出ておったわけでございます。それが今度最後的にまとまりました法案では前の姿に戻っておる部分がございます。しかしわれわれとしては、現実に行われていること自身についてはそれを是としておりましたので、それの取り扱い方が法律にどの程度出るかということにつきましては、特に本旨に反しない限りにおいては許容できるものだ、こういうふうに考えております。
  53. 大島弘

    ○大島委員 今回の監督規定につきまして、全銀協の会長、御意見を伺わしていただきたいと思います。
  54. 村本周三

    ○村本参考人 お答えいたします。  私どもは大変国民の多くの方々に関係する公共性のある仕事の免許を受けておりますので、いわば非常に社会的責任が強いものでございますから、最小限の監督規定、それに基づく監督というものは必要である、かように考えております。ただ、民間の活力を大いに発揮させるという意味におきましては、監督規定が余りに縛り過ぎますとかえってそういった本旨に背くことに相なる、こういうふうに考えております。
  55. 大島弘

    ○大島委員 あと五分余りしか時間がございませんので、最後にこの問題にお答えいただきたいと思います。全銀協の会長、地銀協の会長、信託協会の会長さんにそれぞれお伺いしたいと思います。  先ほど北裏参考人が、昭和六十年度の借換債が本格的に始まるような場合においても国債は証券業界だけで十分消化できる、極端に言えば銀行に入ってもらわなくてもいいんだ、こういう注目すべき御意見が出されたわけでございますけれども、これについての反論といいますか、どういうふうにお考えでございますか、まず全銀協の会長からお伺いしたいと思います。
  56. 村本周三

    ○村本参考人 お答えいたします。  先ほど北裏参考人からただいま大島先生から御指摘のような見解が述べられたわけでございます。証券業界としてはみずからを頼むと申しますか、さようなお気持ちであることは御無理はないと思いますけれども、私ども、もう少しクールに昭和六十年以降の借換債の残高、金額、したがって年度年度にどれだけの国債を発行しなければならないかということを考えますと、銀行、証券相携えて消化に努力しなければいけない額であろうと存じます。またそれは、本来の面であります国民の必要にどうこたえるだろうかという面から見ましても、このところ国民の金利選好に対する意欲は非常に高まっております。したがって金融資産を多様化しようという意欲も高まっております。そういう国民の必要にこたえるためにも、証券会社に行っても銀行に行っても公共債が買えるという体制の方がいい、私どもはかように考えておる次第でございます。
  57. 大島弘

    ○大島委員 吉國参考人、いかがですか。
  58. 吉國二郎

    ○吉國参考人 私もいま全銀協会長が言われたと同意見でございます。昭和六十年に国債の新規発行、借換債の発行がどれぐらいになるかというのはなかなかむずかしい問題ではございますけれども、いずれにいたしましてもかなりの額になる、これはもう常識だと思いますので、できるだけ広い範囲で国民の消化を促進することが必要であろうというふうに考えております。
  59. 大島弘

    ○大島委員 信託協会の会長、いかがですか。
  60. 山口吉雄

    ○山口参考人 私も全銀協会長の御意見と同じでございますが、信託銀行といたしましては、信託会社以来、信託業務の一環としまして幅広く証券に関する業務を取り扱ってまいっております。また年金、資産の受託者の立場から、機関投資家としての役割りが大きいという事実もございます。そういう点から見ましても私どもの信託銀行は証券市場との深い関係がありますので、特に三原則の証券業務に関連業務を通じて顧客のニーズに応じておりますので、証券会社と相互補完という意味合いからも窓口を広げるということはぜひ必要ではないか。特にまた、信託銀行といたしましてはこの業務につきましては自信を持っておるということを申し上げさせていただきます。
  61. 大島弘

    ○大島委員 大体都銀、地銀、信託各行は、いまの北裏参考人の御意見に対してはもっと窓口を広げろ、広げてしかるべきじゃないかというふうに言っているわけですが、最後にこの点について北裏参考人からお答えいただきたい。
  62. 北裏喜一郎

    ○北裏参考人 ここ数年、実はそれで論議を重ねておったのだろうと思います。私は借りかえは楽だとは申してないわけであります、なかなか困難な事情と思いますけれども。借りかえには触れておりませんけれども、利払いを含めた国債費についても、これは新しい資金でなしに、資金散布あるいは資金量は変わらぬわけです。私が言うことは、われわれ自身でやれるということにお聞きくださったようでありますが、非常にありがたいわけでありますけれども、必ずしもそう申したわけではなしに、やや少なくなるということを申したわけでございます。  それから、先生の御質問とちょっと外れるかもしれませんが、最後でございますからもう一つつけ加えさせてもらいますと、銀行と一緒にやるということについては、この際はある意味では厚みが増すということは当然でしょう。しかしながら、個人消化に関する限りはそれほどマクロ的にふえるということはないと思います。証券市場で売るものが減るかもしれませんが、その分は銀行でふえるかもしれません。しかし、全体としてマクロ的に急激にふえるということは考えられないのです。やはりこれは徐々に、個人金融資産の伸びとともにふえるというのが一番いいと思います。といいますのは、私どもは後の価格形成、市場を預かっておりますから、急激にふえることは必ずしもいいと思いませんし、事実ふえないと思います。これだけは申し添えておきます。
  63. 大島弘

    ○大島委員 ちょうど時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、週休二日制、ディスクロージャーの徹底というようなことにつきまして参考人の各位にはより一層御努力いただきたいというふうに希望いたしまして、交代いたします。  きょうはありがとうございました。
  64. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長 堀昌雄君。
  65. 堀昌雄

    ○堀委員 本日は、お忙しい中を御出席をいただきましてありがとうございました。  銀行法については、一昨年の十二月二十六日に大蔵委員会金融小委員会を開かしていただきまして、佐々木金融制度調査会長に御出席をいただいて論議を始めさせていただきまして、明日衆議院の委員会を議了する予定になりました。佐々木調査会長には大変長い間御苦労さまでございました。  それで、最後に締めくくりの意味でちょっとお伺いいたしたいのでありますが、五十年の歳月が過ぎまして銀行法が新しくなったわけでありますけれども、私は率直に言いますと、大山鳴動してネズミ一匹と申しますか、五十年ぶりとしてはそれほどのものではなかったという気がいたします。大事なことは、五十年銀行法が動かなかったという方に問題があるわけでありまして、これからの客観情勢というものは、過去の五十年に比べて、五年が五十年に当たるかもわかりませんし、あるいは十年が五十年に当たるかもしれない、こういうことだと思います。ですからそういう意味では、いまの銀行法というものは何かできたら三十年、五十年の法律だなんという議論もあるようでありますが、とんでもない、法律というものは客観的な情勢に基づいて国民の期待にこたえて変更されるべきであって、業界のために動かすものではない、こう私は考えております。残念ながら今度の銀行法の問題については、私どもが一般的に新聞で承知をしておる限りでは、国民不在の業界間におけるいろいろな論議が高まって、そのことは国民の側から見れば大変残念なことだったろうというふうに私も感じておるわけでございます。  そういう背景をもとにして調査会長に一言だけ伺いたいのですが、いまの金融問題で非常に重要なのは、公的金融と民間金融の関係という問題がいまいろいろな形で問われておると思います。私は、これはそうむずかしいことではなくて、きちんと整理さえすれば問題は処理できるのではないかと思うのでありますが、過去のいろいろな沿革からかなり物が入りまじったかっこうになっておる。ですからそういう意味では、私はことしの二月十日の大蔵委員会以来公的金融のあり方、それに伴う民間の対応のあり方という問題の議論をしてまいったのでありますが、今後の公的金融と民間金融のあり方について佐々木調査会長から一言お答えをいただければと思います。
  66. 佐々木直

    ○佐々木参考人 ただいま非常に大きな問題につきまして御質問がありまして、私もすぐ考えをまとめるゆとりもございませんが、私が公的金融として金融の問題についてかねがね考えておりますことは、昭和四十年以来国債がこれだけ急速に多額に発行されるようになりまして、公的金融のあり方というものはいままでと非常に変わってきつつある。特に、財政投融資の扱い、それからいままでにできております政府金融機関の活動、そういうものと国債の発行というものをどういうふうに調節をしていくかという問題は、それが民間金融にある意味では制限的な影響も及ぼしておりますので非常に大事な点だと思います。私は、やはりこの際総合的に考えまして、国債の発行と公的金融機関の融資活動、投資活動との間に総合的な調整を図りつつ金融を行う、そうでないと民間金融による民間の経済活動に対する資金の供給が障害を受けるおそれがあるのではないかというふうに考えておりまして、総合的な政府金融のあり方というものについて今後機会があれば政府としても検討してもらいたいと考えておる次第でございます。
  67. 堀昌雄

    ○堀委員 調査会長の御意見、私も同感でございまして、率直に言いますと、日本の政治というのは、よくたびたび申すのでありますが、官僚機構が非常に強いものでありますから--官僚機構というのは私が見ておる限りではやはり保守的なんでございますね。ある一回決まったシステムというのを動かすことにはそれは確かにリスクがありますから、それに対しては非常に問題がある、できるだけこれを温存していこうという傾向がどうも官僚機構に強い。それは今日すでに目の前に見えてきておる。私は二月十日の大蔵委員会でその問題に触れて、もう少し発想を切りかえてくれと言っておりますけれども、なかなか大蔵省の事務当局としては発想が切りかえにくいようであります。幸いにして今度は第二臨調というものができましたので、ちょっと第二臨調に直訴をいたしまして、そうしてひとつ第二臨調の御託宣ならばどうやら官僚機構も右にならえするようでありますので、そういう方法もとりたいと思うのでありますが、きわめて重要な問題が実はなおざりになっておるという点が私としては大変残念でございます。これらはまた明日の当委員会でやるわけでありますが、佐々木調査会長の御発言は私も全く同感でございます。  次にちょっと、グリーンカードの問題というのが実は昨年の三月に当委員会で所得税法の改正で決まりまして、その後新聞その他でいろいろとグリーンカード見直し論というものが出ておりました。けさの新聞を見てみますと自民党内における話もどうやら私どもの期待するような方向で正常化をしてまいったようでありますが、ちょっと一言だけこのグリーンカードの実施について。  このグリーンカードの実施は、私はいま調査会長もお話しになりましたが政府関係金融機関のある意味でのコントロールに非常に役立つシステムだというふうに考えておるわけでありまして、これがもしなければいま問題になっておる政府関係金融機関対応というのは非常に困難な状態に追い込まれる、私はこういう判断でございますので、ちょっとこの点について銀行界の皆さんの御見解をお一人ずつから簡単にお答えをいただきたい。
  68. 村本周三

    ○村本参考人 お答えを申し上げます。  実は私グリーンカードを制定されるまでの期間に税制調査会のメンバーをしておりまして、いろいろ議論があったわけでございますが、時間の関係もございますから手短に申し上げますと、あれは二つの意味を持っていたと思います。一つは少額貯蓄優遇制度を適正に行うことであり、もう一つは総合課税によって税制の不公平をなくするということであったと思います。  ただ、それが行き過ぎると個人のプライバシー問題に大きな問題ができますので、私どもも諸先生方にお願いを申し上げ、あのときに附帯決議として金融資産間の不公平がないように、また個人がプライバシーについて不安があることのないようにということをうたっていただいたわけでございます。そのほかに私どもとしては何とぞ金融機関に不当な負担がかからないように、事務的その他の負担がかからないようにというお願いをしていたのでございます。したがいまして、私どもは第一の点につきましてはグリーンカードに全く賛成でございます。第二の点につきましては私どもにも意見はございますが、立法府におかせられましてどういうふうに御判断に相なるのかと注目しておるところでございます。
  69. 吉國二郎

    ○吉國参考人 いま御指摘がございましたように、グリーンカードにつきましては一つは課税の公平ということがもちろん基礎になっておりますけれども、もう一つはそれぞれの金融資産の間における平等の取り扱い、公平性というものがやはり非常に大事なポイントであろうかと思います。そういう意味では公的な金融機関である郵便貯金と銀行預金とがイコールに扱われるということが大事だと思いますが、その点について郵便貯金には所得税法の規定の適用がなくて、貯金法ですべてが規制されておりますので、銀行関係はややこれに不安を持ちました。     〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 幸いにして当局間の話し合いでグリーンカードで郵政関係もすべて規制をするということが決まったようでございますので、その点から私どもは第二の点も担保されたなということを考えております。(堀委員「賛成か反対かだけをちょっと一言」と呼ぶ)したがいましてグリーンカードの、いまお話がございましたようにできるだけ負担軽減ということ、適正な負担軽減をやりながらこれを実行していくということが結果においてはすべての資産関係の公平性が保たれるゆえんであろうかというふうに考えております。
  70. 山口吉雄

    ○山口参考人 グリーンカード制度については賛成でございます。  いまのお話、全銀協会長、地銀協会長、お話がございましたが、過度の負担がかからないということはぜひお願いしたい。特に信託銀行の場合は店舗が非常に少のうございます。そういう関係でメールの取引の顧客が非常に多うございます。  こういう問題につきましてもまた後ほどいろいろとお願いに上がりたいというのがございますが、基本的には全く賛成でございます。
  71. 堀昌雄

    ○堀委員 次に、先ほどディスクロージャーの話が出ました。私は今度ああいうふうなかっこうになったことはよかったと思っておるのでありますが、少し私なりに各行のディスクロージャーを調べてみました。  そこで大事なことが一つございますのは、やはり一番正確なのは事業報告書形態のものは大体現在政府が考えておりましたものをおおむね網羅しておるところがあるわけでありますが、ないところもございます。必要なのは、たとえば都市銀行は都市銀行、地方銀行、全銀協でやっていただいてもいいのでありますが、一つのコードを立てまして、そして何銀行はどういう資料にはどこまでこれがコードに入っておりますよという一覧表、こういうものを協会でつくっていただいてひとつ当委員会にも出していただきたいし、あるいは銀行協会等に置いて要するに縦覧に供してもらいたい。これはどこかの銀行へ行って見て、次の銀行と比べるところに意味があるのであります。ですから、よりいいものを国民が選択されることが望ましい、われわれはこう考えるわけでありますから、そういう比較検討の効果が生ずるようなシステムをつくっていただかない限り、各行ばらばらでは――私も今度この問題を勉強するのに少し各行からも資料をちょうだいしましたが、その他のいろんな資料を見まして、どうしてもこれが必要だ、こう考えているわけであります。  ですから、そういう一覧表をつくるとなれば、やはり不十分なディスクロージャーをしておられるところは、非常によくやっているところに比べて格差があるのはどうもまずい、やはりうちもひとつそれをディスクロージャーしようということになって、そこに競争原理が働く。要するに国民のニードにこたえるようなディスクロージャーが広く行われるようになると考えるものでありますから、きょうは、全銀協の会長のところで地方銀行、相互、信託銀行、長期信用銀行、いずれも包括しておられるのでありましょうから、ひとつそれは何も全部というのではなしに、地方銀行は地方銀行で一つのものができ信託銀行は信託銀行で、ちょっとそういうものを比較するのが違いますからそういう形でも結構なんですが、それをひとつ銀行協会なりどこか適当な場所に備えつけていただいて縦覧に供していただくということをお願いできればと思います。あわせて当委員会にも、できましたらひとつ毎期これをちょうだいしたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。ちょっと、全銀協の会長さんからお答えをいただきたいと思います。
  72. 村本周三

    ○村本参考人 ただいまの堀先生の御意見、御趣旨よくわかりました。前向きに検討してまいりたいと思います。
  73. 堀昌雄

    ○堀委員 次に、ちょっと時間が余りありませんが、さっき私佐々木参考人にも伺ったわけでありますけれども、私が二月の委員会で申しておりますことは、郵便貯金に集まってきた金は全部国債を買ったらどうか、大体こういう提案なんでございます。それで国債を買いますと財投資金に当然穴があきます。財投資金に穴のあいたものは民間資金をこちらへ導入したらどうか。そして財投の中にも要するに公共性といいますか、実際のあれで順位があっていいと思うのであります。財投資金を使う対象に順位があっていい。要するに公的資金をどうしても必要なところにはできるだけ、しかしそれでも公的資金を充てることにしなければならぬでしょうが、その順位の低いところは民間の資金を導入してやってください、それでいまの仕事がうまくいかないようならそれはだんだん縮小していいんじゃないか、こういうのが実は私のあすこにおける一つの提案なんでございます。  それから、これからの国債の借りかえ問題の時期に、いまのような国債対応では大変対応がむずかしいと私は思うのであります。そこで国債特別会計というものをつくって、国債の発行というのは国債特別会計へ任せる。そうすると、国債特別会計としては市場の状況もにらみながら早目に国債融通証券を出して資金の手当てをして、償還するものもあるだろうし、いろいろとフリーハンドができて、結局借りかえ問題というのは、裏返せば、金が出ていくのと入ってくるのはトータルとしては私は同じだと思うのであります。しかし、置かれておる場所が非常に千差万別になっておるものを調整する、そういう調整の仕組みのところに非常に問題があるわけでありますから、そういう調整を可能にするようなシステムを考えるべきではないかというのが私の二月十日の提案なんであります。要するに国債特別会計をつくって弾力的対応ができるようにすることで、非常に困難な国債の切りかえを乗り越えたらどうだろうか、こう思っておるのでありますが、その点ちょっと全銀協会長の方からお答えいただきたいと思います。
  74. 村本周三

    ○村本参考人 お答え申し上げます。  ただいまの堀先生の御意見は実に斬新、卓抜な御意見でございますが、また問題が余りに大き過ぎまして、私ここですぐどうこうと申し上げるには、ちょっとお答えいたしかねるのが現状でございますが、大変興味深い点を多々含んでおると思いますので、私どもとしても研究さしていただきたいと思います。
  75. 堀昌雄

    ○堀委員 最後に、これからの資金調達をする側の問題をちょっと考えてみますと、世界に余りないのでありましょうが、日本では現先市場という大変いいものが、市場ができておるのでありますけれども、しかしアメリカの問題を勉強しておりますと、すでに銀行で御要望のあったCDというのは実現をいたしましたが、あと残っておるのが、コマーシャルペーパーというのが実はアメリカではかなり行われておりますが、日本ではまだ発行されていない。コマーシャルペーパーというのは、いろんな過去の資料を調べてみますと、大手の企業の側は、短期の資金調達の場合には銀行の借り入れよりも実は簡単で都合がいい、ぜひそういう制度を考えてほしい、こういうようになっているようであります。しかしこれにはアメリカでも格づけ機関があって、そしてリスクレスということで一定のそういう保証があるということが重要視されておりますから、これはすぐできる話ではない、こう思っておりますけれども、しかし、今後金融の多様化という面から見ますと、こういう問題も検討に値する課題ではないだろうか、こう考えているわけであります。  そこで、この問題について北裏参考人から、アメリカでは主としてこれは証券会社が実はディーラー業務をやっておるようでありますから、北裏参考人からのお答えをいただいて私の質問を終わりたいと思います。
  76. 北裏喜一郎

    ○北裏参考人 いま先生のおっしゃったとおり、短期金融市場では相当かきねが低くなるという言葉を使っておりますけれども、接点が高くなるということを申し上げたいのですが、コマーシャルペーパー、CDにつきましては、当面申しますと、去年の十二月から外為法の改正によって実は外国で発行されたものは扱ってもいいということにはなってくると思います。外為法はまさにそうなっております。しかし、本当は国内の企業が、ある新聞に出て以来非常に問い合わせが多い。というのは、CPは国内でも短期資金を自分で調達したいという企業が多いのだと思います。これはいまのお話のように、米国でも非常に多いのでありますけれども、主として証券会社がやっておりまして、特に一昨年ある銀行がそれに参入しようとして訴訟になったぐらいのことでございまして、現在のところコマーシャルペーパーは証券会社が中心になっております。これは法的にはいろいろ議論があると思いますけれども、米国並びにわれわれの考え方は、コマーシャルペーパーというのは短期貸し付けあるいは銀行業務ではなくて、一つの短期資金の調達手段、有価証券の調達手段自主的に企業が資金を調達する、オープンマーケットから資金を調達するということであって、単なる貸し付けとは違うということから行われておるのでございます。したがって、日本でも、ぼくらは証券業界として将来お願いいたしたいのは、外国で発行されたものでなくて、国内のCPを国内企業が発行できるように整備をしていただきたい、こういうぐあいでございます。
  77. 堀昌雄

    ○堀委員 新銀行法がこれから動いてまいります。まだいろいろと宿題が実は残っておりますが、これらの問題が、要するに銀行とか証券会社の側からの問題に非常にウエートがかかっているような気がして私は困るのでして、やはりこれからの問題処理も、ひとつ皆さんも、今回これで法律が決まるのでありますから、一遍白紙に戻っていただいて、どういうふうにすれば国民の金融資産が最も望ましい形で運営できるのか、それには証券、銀行の対立ではなくて、証券、銀行が広い意味で競合はあっていいと思うのでありますけれども、しかし、お互いの立場は立場としながら、国民の立場を考えて今後この銀行法が適正に運営されるように、皆さん方の御協力をお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
  78. 大原一三

    ○大原(一)委員長代理 柴田弘君。
  79. 柴田弘

    ○柴田委員 きょうは各参考人には大変御苦労さまでございます。  まず最初に、私は、金融制度調査会の会長である佐々木参考人にお伺いいたしますが、今回の銀行法の改正、これは銀行の社会的責任ということにつきまして、目的条項が設定をされまして、内容では銀行の自主性を強調されているわけでありますが、しかし、ディスクロージャー等の面においては金融制度調査会の小委員会案よりも後退した観があるわけであります。果たして今回の改正銀行法、金融制度調査会の答申あるいはまた一番大事な国民の要望、こういったものに十分にこたえているとお考えになっているのかどうか、まずお伺いをしたい。
  80. 佐々木直

    ○佐々木参考人 私ども先ほどもお話が出ましたように、四年間かけましてああいう答申を出したわけでございますが、われわれとしてはできるだけの努力をして結論を出したつもりでおります。これに対してどの程度の評価が与えられますか、私自身としてはできるだけのことをしたと申し上げるほかはないと思うのであります。  ただ、四年の年月がたちました後、四年と申しますのは五十四年の六月まででございますが、それで答申が出ました後二年間という年月を経ておりまして、その間に、先ほど堀先生からも御批評がありましたけれども、行政改革についての臨時行政調査会ができるという雰囲気で、小さい政府といったような考え方も出ております。したがって、相当長い間時間がかかりましただけに、答申に対するいろいろな判断もおのずから変わってくる面があったということを痛感しております。したがいまして、私自身これで満足かという御質問に対しましては、私どもとしてはできるだけのことをやったと申し上げるよりほかはないと思います。
  81. 柴田弘

    ○柴田委員 それで具体的にディスクロージャーの問題ですが、小委員会案、これは御案内だと思うわけでございますが、銀行は貸借対照表、損益計算書、利益の処分または損失の処理に関する書面及び資金運用の概要に関する書面を公告しなければならない。しかし改正案では、現行の貸借対照表に損益計算書が加えられたものになっている。こういうことです。それでしかも縦覧制度、これは小委員会案の法的義務づけから訓示規定になっておる。それでやはり開かれた銀行のイメージ、こういったことを期待した国民の要望に果たして完全にこたえているのでしょうかということであるわけであります。少なくとも今回の銀行法の改正理由というものが銀行の公共性、経営の効率化を推進していくということにあった点を考えますと、そういった小委員会案どおりにすることの方がより国民のニーズにこたえ、しかも効果的でなかったかというふうに考えるわけでありますが、この点はどうでしょうか。
  82. 佐々木直

    ○佐々木参考人 ディスクロージャーにつきましては、先ほど村本参考人からもお話がございましたが、金融機関自身の発意によって行われるのがたてまえであるということが発生的にも言えるのではないかと思います。金融制度調査会の結論におきましても、銀行に対して法的な規制や指導監督によって社会的な要請に対応するということを求めていくよりも、銀行自身がディスクロージャーを通じて自発的に対応していくことが望ましいということを答申の中に書いておるわけでございます。したがいまして小委員会の報告で、法案に積極的に政府の方がそれに関与する案ができておりますけれども、これの調査会における議論並びに結論のいまの面などから言いますと、必ずしも法的規制に強くこだわるというふうな考え方ではなかったわけでございます。したがって、いまのような法案になりましても、われわれが目的としている実際の銀行のディスクロージャーは、いまの銀行自身の考え方から考えましても十分達成できるのではないかというふうに考えております。
  83. 柴田弘

    ○柴田委員 重ねてお伺いしていきますが、今回の銀行法改正の提案までの経緯を見てまいりますと、いわゆる業界同士の利害対立といいますか、その対立の調整というものに明け暮れた感じが私はしてならないわけであります。そこには第一次石油危機以後の金融あるいは資本、そういったものの情勢変化あるいは内外の経済の情勢変化というものに即応して、そういった中で金融市場あるいは資本市場というものをどうしていったらいいのか、あるいはまた政府金融機関を含めた金融全体のあり方というものを、どう制度を確立していったらいいか、一つの将来ビジョンというものを描いた中で銀行法改正が提案されてしかるべきではないかという考え方を私は持っておるわけであります。今日の金融の制度あるいはまた金融の実情というものに照らし、将来展望を踏まえた場合、この銀行法改正程度でお茶を濁せるような事態でもない、こういうふうに考えているわけでありますが、現在あるいはまた中長期の展望を踏まえた視点に立って、佐々木会長の御認識あるいは将来どう対応していくべきなのかということで御意見があれば、簡潔で結構でございますのでお聞かせいただきたいと思います。
  84. 佐々木直

    ○佐々木参考人 ただいま御指摘いただきました業界間の意見の対立の調整に非常に時間がかかったという点は、私どもも関係しております者として非常に残念に思っております。ただ、金融制度調査会で国債の窓口販売の問題は前向きの答申は出しましたけれども、最終的には行政当局に調整をゆだねたという点は、いま考えてみますと、あるいは調査会としてもう少しはっきりした答申を出しておいた方がよかったのではないかということも考えられますが、あの時点においてはあれが残された道であったと思っております。  それから、後の御指摘の問題はこれは非常に大きな点で、私も十分なお答えの資格がございませんけれども、現在の銀行法、昭和二年にできました銀行法というものが、とにかく業界にとって変化する事態に対しても五十年間何とか間に合う法律であったという点は、現行銀行法をつくられた皆さんに敬意を表する点でございます。こういう金融機関についての法律のようなものは、その機関自身の発展、変化にある程度幅を持って順応するものでなければならない、したがって、それが特定の方向のみをはっきり示すものよりもわりあいに幅の広い活動を認めるものでなければならないと思います。そういう意味で今度の答申は必ずしも十分ではないと思いますけれども、今後の変化に対する対応についても考えて案を練ったということだけは申し上げられるかと思います。
  85. 柴田弘

    ○柴田委員 ありがとうございました。  それで証券業務の問題ですけれども、今度三原則ということでございますが、果たして銀行がいつから国債の窓販あるいはディーリングをするかということが一つの大きな関心があるところだと私は思います。そしてこの法案が国会を通過いたしますと、施行は来年、五十七年四月一日ということだそうでございますが、法案が通過をいたしました後でいわゆる三人の有識者による懇談会が設置をされまして、そこでこの窓販とディーリングの時期等について結論を出していただくということであります。漏れ承るところによりますと、佐々木会長さんはその三人の懇談会のお一人というふうにお聞きをしておるわけであります。これは法案が通過してから決まるわけではありますが、大体そんなようになるのではないかと私も思うわけであります。  そこで、佐々木会長の率直な御意見で結構でございますが、銀行のいわゆる証券業務、窓販、ディーリングの時期について、これは借換債の大量発行の時期等もあるわけでありますけれども、これとの関連においていつが適当であるか、いま一つは窓販とディーリングは同時に実施した方がいいのか、あるいは少々時間を置いてやってもいいのかどうか、この辺の点について率直な御見解を承れればと思います。
  86. 佐々木直

    ○佐々木参考人 実はいまお話がございました三人とかいう話は私は全く存じませんで、私自身こういう問題についてここで何も申し上げる資格もございません。ただ、最後に御質問がありました窓販とディーリングの問題でございますけれども、これはもう少し問題を煮詰めていきませんと、いまの時点でこの点に明確な判断をすることは不適当であろうかと思いますので、差し控えさせていただきます。
  87. 柴田弘

    ○柴田委員 そういう御答弁じゃないかなと思って質問をしたのですが、どうも恐縮です。  それから、証券業務の問題で村本参考人と北裏参考人からお聞きしたいわけでありますが、今回の法改正が国民の資産形成にとってどのような利益を生み、あるいはどのような心配事が生ずるのか、あるいはまた国債を買おうとする国民、投資家にとって銀行の窓販が実施された場合にどういった変化が起こるのか、あるいは国債の流通価格形成にどう影響を及ぼすのか、以上三点につきまして、時間がございませんので簡潔にお聞かせいただければと思います。村本参考人からひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  88. 村本周三

    ○村本参考人 先生の御質問に全部お答えできるか、時間の関係もございますのでちょっとあれでございますが、国民の金融資産というものがだんだんふえてきておりまして、そういうような状況の中で国民が次第に金利選好に鋭敏になってきておる、そうしてなるべく金融資産を多様化して自分の運用利益も多額になるようにというのが国民全般の希望であろうかと存じます。したがいまして、国民に対してそういう要望に対処して御相談に応じ、いろいろ財産上の運営についてお勧めもできるような体制がより広がることの方が国民にとって利益である、われわれはかように考えておる次第でございます。
  89. 北裏喜一郎

    ○北裏参考人 お答えいたします。  私は大体村本参考人と同じ意見でございます。  どういう点が同じ意見であるかと申しますと、借りかえについてはなかなかいまから予断を許さない。私は新規資金としては少ないということを申しましたが、借りかえというのはいろいろ問題がありますのでいまから予想するのは少し早い。そういう観点から、われわれが今度の銀行と一緒に公共債、特に国債をやるということについては了承はしたわけでありますけれども、実はこの国債といいますものも貯蓄国債を除きましては有価証券でございまして価格に変動がございます。銀行が変動証券を扱うことが果たして銀行経営の健全とか銀行の社会的、国民経済的要請に十分適合するのかという観点も実はいろいろ議論していただきたいわけでございます。同時に、銀行は国債の大量投資家でございまして、中立機関であるわれわれ証券会社と違うわけでございます。売りと買いの中に入るのがわれわれの仕事でございまして、ある意味ではブローカー的な仕事をしようというのでありまして、その点がやや違うんではないか。ましてや私の予想どおり国債発行が少なければこれは徐々にふえてくる性質のもので、証券会社扱いが減って銀行扱いがふえるというよりはトータルとして余り変わらないのではないかというように感じております。
  90. 柴田弘

    ○柴田委員 どうもありがとうございました。  では吉國参考人に簡潔に御質問しますが、例の期日指定定期預金がいよいよ六月一日から発足します。これは昨年の小委員会におきまして吉國参考人から御答弁をいただきまして、私はかねがねこの郵貯と民間の定期預金は税制面あるいは商品面でイコールフッティングしなければいけない、こういう議論を当大蔵委員会におきましても何回となく大蔵大臣あるいは銀行局長とやってまいりました。このイコールフッティングという意味あるいはいろいろな観点から言って果たして郵貯に十分対抗できるかどうかということ。それからもう一つは、郵貯の定額貯金の見直しがいま言われておるわけなんです。大蔵省銀行局総務課長が郵政審議会の基本問題特別委員会に出てそういった発言をしておるというようなことがマスコミに報道されておりますが、この辺のところも時間がございませんので恐れ入りますが、簡単にお聞かせをいただきたいと思うのです。
  91. 吉國二郎

    ○吉國参考人 ただいま御質問がございました新しい定期預金につきましては、先般の委員会で御質問いただきましてそのときにも若干御説明申し上げましたが、それらの御質問の点等がこの預金に対しての一般の関心を呼びまして、私のところでは実は昨日ようやく大蔵省に新商品としての届け出をさせていただいたわけでありまして、その点大変感謝をしておる次第でございます。  この預金の一番のポイントと申しますか、これはいままでの定期預金が定額貯金に対して不利であった点の一つは、定額貯金が複利である、それに対して定期預金は複利でなかった、その複利の実効を上げるために子定期などという大変ややこしいものをつくっておったという点がございましたが、今度はそれを思い切って複利をやるということにしたことが一つでございます。  それから、御承知のように定期預金でございますと、解約をいたした場合には解約金利といって非常に低い金利が適用になってしまう、それが定額貯金はいつでも自由に引き出されてそういうペナルティーがないという点、引き出し自由という点がございました。今度の定期預金では一カ月前に告知をすれば途中でもそういうペナルティーなしに正規の金利で複利計算で支払いが得られるという点、それから従来の定期預金でございますと、新しく付利された金利をそのまま元加いたしますと三百万円のマル優の限度を超えてしまって、その場合にはもとから金利に対する非課税が適用にならぬという問題がございましたが、今度は金利の支払いを引き出し時に行うことにいたしましたのでその間に課税問題が起きないということで三百万円まるまるでマル優ができる、こういうことでございますから、私どもは今度の新種預金は十分定額貯金に対抗できると考えております。  それから、人のことを批判するのはいかがかと思いますが、定額貯金についての批判、これは十年という長い期間を一定の金利で保証してしまうというのは私どもにはとうていできないことでございまして、郵便貯金が貸し出しという面を持っていないからできるわけでございます。しかし、郵便貯金も政府機関の貸し出しを通じて考えますと、政府全体としては貸し出しも持っている大きな金融機関と考えるべきでございますので、その点から考えると十年間一定の率、しかも一番高い率で保証するような預金というのは非常に危険なものじゃないか、将来財投あるいは政府関係機関の会計に大きなひずみを与えるものじゃないかという点から私どもは大変心配をいたしております。
  92. 柴田弘

    ○柴田委員 ありがとうございました。  では最後に二点お伺いをしておきます。山口参考人と北裏参考人にお聞きします。  山口参考人には、いま吉國参考人からお話がありましたように、いわゆる都市銀行、地方銀行等等は期日指定の三年の定期預金を新商品として発売をされる。信託界は果たしてこれに対抗する新商品の開発というのは具体的にお考えになっているのかどうか、もしお考えになっておればその内容について、あるいはまたその実施のめどについてお聞かせをいただきたい。  それから北裏参考人に、いよいよ五十八年以降先ほど来議論が出ておりますように借換債の大量発行ということになっていますね。私は、これは過日の本会議においても提案をして大蔵大臣から貴重な提案として研究をするというふうに答弁をいただいておるわけでありますが、貯蓄国債の発行についてどうお考えになっているのかということ、この点でございますが、まず山口参考人からお聞かせいただきたいと思います。
  93. 山口吉雄

    ○山口参考人 お答えいたします。  先ほど来お話がございましたように、郵便貯金とのイコールフッティングということをわれわれの願望としていろいろお願いしてまいっておるわけでございます。さらにお話がございますように、普通銀行さんには告知定期が認められるということを伺っておりますが、信託業界といたしましても新型の信託商品を目下開発中でございます。預入元本方式というような、最終的に配当が三百万をオーバーしてもいわゆる定額貯金と同じような形で税制上の優遇が受けられるというような預入元本方式というものをひとつぜひ開発したいということで、検討をさせていただいております。目下検討中でございますが、お認めいただけるものというふうに期待しております。  以上でございます。
  94. 北裏喜一郎

    ○北裏参考人 簡単にお答えいたします。  われわれの方では国債は、確か五十一年と思いますけれども割引国債が発行されまして、五十三年からは二年、三年、四年というぐあいに年限の短いものも発行されました。したがっていまの先生の御質問の中にある貯蓄国債も多様化の一環としてとらえておるわけです。しかしいま主張しておることは、むしろ実勢に沿うた有価証券的な国債ということを申し上げておるのです。将来貯蓄国債を出さなければならぬような状態になったときは、これは市場性がなくて価格変動がなくてということでありますから、証券界は無論、金融機関その他の窓口で売ることは私はすべきだと思います。しかしそういう必要はまず起こらないだろうと想像いたします。
  95. 柴田弘

    ○柴田委員 では時間が参りましたので、終わります。各参考人、本当にありがとうございました。
  96. 大原一三

    ○大原(一)委員長代理 竹本孫一君。
  97. 竹本孫一

    ○竹本委員 参考人の皆様、きょうは御苦労さまでございます。  銀行法はずいぶん長い間もめましてようやく最後の段階に臨んできたわけでございますが、きょうは時間もありませんので、このできた銀行法に対していかなる点をどう評価しておられるかということを結論だけ各位に伺いたい。あわせて、銀行のこれからのあり方に対するビジョンとしてそれぞれどういうお考えを持っておられるかということを伺いたいと思っております。  ただ、佐々木参考人につきましては原作者という立場もございますので細かいことはやめまして、金融界の大先輩としてこの銀行法が具体的に実施される場合に運用面についてどういう点を特に注意してほしいとお考えになっておるかという点が一つ。それからもう一つは、何しろ先ほどもお話が出ましたように金融制度調査会にかかりましてから五年、答申が出てから二年、ずいぶんスローモーションでございましたので、その間に金融界をめぐる内外の情勢というものは非常に大きく変わりました。したがいまして、一部には銀行の地盤沈下とか地殻変動とかあるいは国際化とかいろいろな問題が出てまいりましたので、これからの金融あるいは銀行のあり方についてビジョンの問題と関連をいたしましてどういう点をお考えになっておるか。論ずるのはまだ早いという考え方もあるでしょうけれども、何しろ七年がたっておりますので問題が大分違ってきたのではないか。そういう点について御意見があれば承りたい、こう思います。
  98. 佐々木直

    ○佐々木参考人 ただいま御質問の第一点でございますけれども、この法律がいよいよ具体的に動くようになりました暁において私どもが希望いたしますことは、今度の法律の改正に当たりまして行政指導の根拠法規をはっきりしょうということが一つの目玉でございました。したがって、今後の新銀行法下における銀行行政というものがそういう金融制度調査会における議論を背中に持って、それを踏んまえて実行していただきたい。それでその関係では、この答申の中にもありますけれども、はっきりした目的規定は出してありますが、それと同時に銀行、金融機関側の自主的、積極的な活動といいますか、社会の負託にこたえるという活動を期待する点がはっきり出ております。そういう意味で、政府の指導についてのいろいろ十分な判断、反省が必要であると同時に、金融機関側が自分自身で自分の責務を全うする努力ということを強く期待いたしたいと思います。     〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕  それから第二の御質問の点でございますけれども、確かに非常に長い時間がかかりまして、その間に世の中が変わってまいりまして、先ほども申し上げたように小さい政府といったような希望が出ているというような中で、いよいよ法律が生まれてくるわけでございます。そういう意味で、いまの申し上げました第一の点と関連いたしますけれども、そういう物の考え方ということは、結局取り締まられるといいますか、監督される側に自分が監督を必要としないビヘービアが必要だということをこの際重ねて申したいと思います。  それからもう一つ、今後予想される変化につきましては国際化の問題がございまして、これは恐らく日本の経済的な地位が上昇すると同時に、いままで以上に国際化の波が強く押し寄せてくると思います。ある意味では、国内でいろいろ細かいことを議論しておりましても、海外から来る波でそれがみんな同じようなことになってしまうという面もあるのではないか、そういう点を、われわれは、業界みんながお互いに協力しながら、あらかじめ備えた態度が必要ではないか、こういうふうに考えます。
  99. 竹本孫一

    ○竹本委員 どうもありがとうございました。  お隣の北裏さんにひとつお伺いいたします。  先ほど申しましたようにこの銀行法がここでまとまりまして、それのプラスの面として証券界はどういうふうにどの点を評価しておられるか。また、マイナスの面としてはどの点をどういうふうに考えておられるのか。その結論だけをお伺いいたしたい。  同時に、もう一つビジョンの問題とも関連いたしまして、先ほど来いろいろ六十年あるいは五十八年、国債の発行の量がどれだけになるか、借換債がどれだけになるかというような問題で御議論がございました。その問題でひとつ一番大きな問題は、金融資産そのものがどの程度ふえていくか。それをだれがどうつかんでいくか、こういうところに大きな問題があると思うのです。その点について証券界としてはどういうふうに理解しておられるのか、承りたい。
  100. 北裏喜一郎

    ○北裏参考人 お答えいたします。  第一点でございますけれども、メリット、デメリットのお話だと思います。今回の銀行法改正によって証券取引を含めて金融立法の法整備ができたという意味では、われわれは今後どうこれに対応するかということはまだ研究課題でございますけれども、よかったと思います。恐らくわれわれとしても、新しい対応策を講じなければならぬ、研究しなければいかぬと思います。それからデメリットでございますけれども、残念ながら、銀行法に明記するということは過去においてなかったことをしようということでありますが、三原則が一応守られたという意味ではぎりぎり了承いたした次第でございます。  第二の点はあるいは先生の御質問と外れるかもしれませんが、私は今後の問題として一番心配するのは、行政当局も先生方も同様でございますけれども、どうしても競争激化の結果大が小をのむ、これはわれわれの業界も同じだと思いますが、それでは困るのでありまして、そういう急激な変化がないように、単に経済効率だけを求めないような、銀行で言えばまたわれわれで言えば健全な経営の確保と社会的国民的要請とを適合させるようにうまくバランスをとるように、そういう配慮を願いたい、われわれもしたい。企業としてはえてしてそういう方に走りがちなところもございますので、これがこの銀行法の中に隠された問題のような気がいたします。
  101. 竹本孫一

    ○竹本委員 ありがとうございました。  今度は、銀行と証券界で大変はでな論争がありまして一応決着がついたのですが、よく言われるように三方一両損の解決だ、こう言われておりますが、私はむしろ逆に三方一両得をしたと思っているのですよ。それは、ここで話がぶち壊れたならば一体どういう結果が生まれるであろうかということを考えると、やはりこの辺で佐々木さんの御努力もあってとにかくうまくまとまったという意味で私は評価をしておりますし、先ほど来お話もありましたように雨降って地固まるで、村本さんのお言葉にもありましたように各業界が相携えて円満にやってもらいたい、これは要望を申し上げておきます。  そこで次は村本さんに、先ほど来申し上げましたが、メリット、デメリットの問題もありますが、特に国際的な視野の広い村本さんからひとつこれからの銀行のあり方あるいは金融行政のあり方についてのお考えを承りたいと思うのです。ディスクロージャーの問題でもあるいは週休二日の問題につきましても参考人からは先ほど来非常に明快な御答弁をいただいてありがたく思っておりますが、国際的視野から日本の金融界、金融行政はいかにあるべきかという点をお伺いいたしたい。
  102. 村本周三

    ○村本参考人 お答え申し上げます。  最初のメリット、デメリットという言葉でございますけれども、私どもは監督を受ける側でございますから、メリット、デメリットという言葉は余り使いたくないのでございますが、最初の御質問のときにございましたどういう点を評価しているかという点につきましては簡単に申し上げたいと思います。  私どもは何と申しましても、「左ニ掲グル業務ヲ営ム者ハ之ヲ銀行トス」という型の文章がすでに五十年を経ておりますので、今回のような口語体の時代を反映した文章に直って、その間の五十年間の時代の変化、特に最近のいろんな世界的な経済の変化、国際関係の問題、そういうふうなことを入れた新しい銀行法がここにできたという意味ではそれは評価すべきだと思います。  それからまた、その中で何と申しましても第一条の目的規定で銀行の社会的責務ということが明らかにされるとともに、その自主性を尊重していただくということが明記されたこともわれわれとしては評価したいと思います。  また、いま竹本先生から三方一両損ではなくて三方一両得だというお話があったわけでございますが、私どもも損の面もあったと思いますが、しかしお話しの銀行の業務につきましても現行法に比較して明確に規定された。したがって証券業務等についてもという意味では具体的前進があり得るということで、やはりわれわれもこれを評価いたしたいと思います。  そのほか週休二日制についてのバリアがとれましたし、あるいは営業年度の問題あるいは在日外銀の取り扱いの問題、増資、監査書の問題というような細かい点についてはなおわれわれは評価いたしたいと思います。  なお、マイナスの評価につきましては先ほど来いろいろお答えいたしておりますのでもう詳しくは申し上げませんが、証券関係業務についてはわれわれの期待ほどにはやっていただけなかったということはマイナスに評価しておる次第でございます。  それからもう一つ、大口融資規制の問題、先ほど普通銀行としての意見は申し上げかねたのでございますが、あえて全銀協の中で普通銀行の意見を申させていただくならば、やはり融資の中身によって変えるのが適当ではあるまいか。つまり、これは無担保融資だから一〇〇%に勘定する、これは有担保融資だから何%に勘定する、今度はまたたとえば国債担保の貸し付けはゼロ%に評価するというふうになったわけでございますが、こういうふうな貸し付けの対応に応じてそれの尊重度を変えて、全体としては自己資本の何%というのはこれは健全性の問題でありますからいかなる状態といえども同じであるべきだというのが普通銀行の考えでございます。したがいましてその点ではわれわれとしては評価に問題があるかと思います。  最後に、これからの銀行のビジョンでございますが、われわれとしてはますます社会的責任を痛感しながら日本の財政、金融の中におけるわれわれの責務を積極的に果たすよう、先ほど佐々木参考人が申されましたようにわれわれのビヘービアにも気をつけながらそういう目的を果たしていきたいと思います。  ただ、いま国際、インターナショナルの方の問題ではどうかというお話がございます。佐々木参考人からもちょっとお話がございましたが、私、昨年来日米経済関係グループのメンバーとして日米間の協議をいたしましたときに、アメリカ側の委員が日本に対して持っておる印象は、日本の金融制度は世界の金融制度から見て余りに特殊ではないか、もちろんそれぞれの国にはそれぞれ主権があるわけでありますからそれぞれの国で制度が違うのは当然と言えば当然でございますが、これだけ国際化が進展してそれぞれ進出するようになればそれぞれの国民がレシプロシティー、相互に同じような便益を受けるのが本来ではなかろうかという指摘がなされているということを申し上げておきたいと思います。  それからもう一つ、日本の行政指導というのは、行政指導という言葉が英語にもなったくらい大分外国でも知れわたってまいりましたが、やはり外国人の目から見ますとどういうふうにして行政指導をするのかということが、特に御当局と外銀とは日本の銀行が持っているほどコミュニケーションはよくありませんので、よくわかると申しますかトランスパーランシーと申しますか、そういう意味においてわれわれがもっとどういう指導が行われるかということがわかるようにしてほしい、こういう二つの希望が外国からはあるということを申し上げてお答えにしたいと思います。
  103. 竹本孫一

    ○竹本委員 大変参考になる御意見をお聞かせいただきましてありがとうございました。ただ、きょうは各界の指導者がおいでになりますから私の考え方を一口だけ申し上げますが、いまお話のありました公共性と自主性尊重の問題です。これは私どもが金融界あるいは財界で行われている議論を見ておりますと、若干、官僚に対する不信感というものも根底にあるでしょう、しかしそのほかの考え方として何だか二つのものが非常に違うように、また相対立し激突するように受けとめられておるということを私は非常に残念に思っているのです。たとえば銀行は公共性があるんだと言っても言わなくても、あるいは第一条に目的規定を書いても書かなくても銀行の社会的な地位と責任は同じだと思うのです。書いたから国債をたくさん持てというわけでもないでしょうし、書かなかったら何でもやっていいというわけにもいかないのですから、もう少し良識を持って受けとめれば何も大騒ぎするほどの問題ではないと私は思うのです。それから自主性の問題だって、私どもも計画的市場経済体制でなければだめだという立場をとっておるわけですが、それは要するに自主性を尊重しなければいけない、活力が出ないという考え方からそれを言っているわけです。だから大蔵省が幾ら行政指導が好きでも活力を抑えてしまう、創意工夫を抑えてしまうというようなばかなことまで考えるはずはない。そういう意味から言えば、自主性尊重と書いたら安心ができると言われるならば大いに書いて結構ですけれども、書かなくても同じだと私は思うのです。それを大騒ぎして逐条審議でわいわい言ったということは省エネルギー時代、少しむだが多かったと私は思っているのです。いずれにいたしましても公共性と自主性尊重というものは互いに矛盾するものではない、しかしどちらも第一条に書いたのですから話はすこぶる結構だと思いますけれども、聞いておりますと何だか御議論の過程は少しむだが多過ぎたというふうに私は思っておりますので、そのことを念のためにつけ加えておきたいと思います。  それから国際感覚の問題、村本先生から非常に有益なお話を先ほど来承っておるわけでございますが、私は、日本の政治家も日本の経済界も、先生も痛感しておられるように国際感覚が少し足らぬと思うのですね。それは私はこの前本委員会においても言ったのですけれども、たとえばフランスが日本の自動車の輸入を三%に抑えておるというのでこれはけしからぬ話だと思って私もいろいろ調べてみると、ECの諸国が外国の自動車を二〇%買っているときに日本は大体二%しか買わないのですね。アメリカの自動車の関係だって輸出と輸入が恐らく一%と違っていないでしょう。そういうばかなことをやる国は先進国としては受けとめないというのがフランスの感覚で、何だか聞いてみると日本は発展途上国扱いなんですね。発展途上国の輸入については制限してもよろしい、日本が二%であるから三%ならよ過ぎるくらいだ、こういうような受けとめ方を、全部ではないかもしらぬがフランスはしておると思うのですね。フランスの受けとめ方が正しいかどうかは別としまして、先ほど来のお話のように日本のビヘービアというかマナーが国際的視野から見ると誤解を招くほどおくれておる。そういう意味で、利害関係の面から見てもあるいはビヘービアの面から見ても、日本はもう少し国際感覚というもの、国際視野というものを高めなければならぬと思うので、この点はひとつ村本先生にさらに一層の御活躍、御指導をいただきたい、要望を申し上げておきたいと思います。  次は、論客の吉國さんにひとつお願いいたしたい。先ほど来申しましたデメリット、メリットについて一通りの御意見を伺いたい。あわせて、ビジョンの問題と関連いたしますが、御承知のようにこの現行法は昭和二年からの話で、先ほど来御議論がありますように五十年たっている。これだけの激動期に、そして戦争があった、戦争に負けた、民主革命だ、こういう大激動期に五十年も同じ法律で賄っていくと考えるというところに私は日本の政治あるいは大蔵省の姿勢の問題があると思うのです。あなたも大蔵省の先輩だから特にそれを言うのですが、五十年古い法律を振り回して平気でおるというところに、問題意識、時代感覚がなさ過ぎはしないかということが第一だ。きょうはその問題を取り上げませんが、日本銀行だって昭和十七年ですか、総力発揮と書いてある。戦争用語ですよね。そういうものを民主革命の今日に振り回して喜んでおるということ自体がやはり問題がありはしないか。先ほど国際感覚がえらいおくれて発展途上国並みだと言いましたけれども、国内感覚も余り進歩していない。五十年前あるいは日銀法は四十年前の法律でそのままいけると思っておるような感覚を一遍反省するというか再検討する必要がありはしないかと思うが、御意見はいかがであるかお伺いいたしたい。
  104. 吉國二郎

    ○吉國参考人 今回の銀行法のメリット、デメリットにつきましては、ただいま全銀協会長から申されましたので繰り返しませんが、実は私の前任者であった伊原頭取がかつて述懐したことを思い出すわけでございますが、その伊原頭取がつくづく言っておりましたのは、いわば銀行の銀行と言われるバンク・オブ・イングランドに行きましたところが、銀行というのは説明もせず弁解もせず、まるで裁判官みたいなことを言っていたそうでございますが、それが一世紀前か半世紀前ぐらいの銀行の原則だったように思います。それが開かれた銀行になるということだけでも大進歩だと思うので、私は今度の改正、ちょっと見ると監督規定も前のとおりだし、何だか変わったのは週休二日制と一年決算だけじゃないかということをおっしゃる方もありますけれども、よくしさいにごらんをいただきますと、たとえばさっきの自主性問題とか公共性問題とかあるいはディスクロージャーを法律の上に書くとかということは非常に基本的には銀行に対する物の考え方が変わっているということを示しておると思うのでございます。いわば金融制度調査会が長いことかかって言ってまいりました問題を集約して、法律的には非常に簡単ではございますけれども、それをあらわしていると思うのでございまして、デメリット、メリットもこれからの運用次第、この銀行法をそういう精神で運用してくれるかどうか、行政また私どもがやるかどうかにかかっていると思いまして、三方一両損か得かも運用次第で、三方一両得にしなくちゃいかぬというふうに考えている次第でございます。  それから、銀行法五十年ほってあったという点は、私も確かに時代の進歩に対して適応性がおくれていたこと、これも間違いないと思います。かつて、私も伺いますと、証券取引法を昭和二十三年に制定したときに司令部関係では銀行法も改正する予定でいろいろやったらしゅうございますが、何しろあの非常に簡単な規定であり、対象は非常に複雑であるのであきらめちゃったということがございました。それだけいわばこの銀行法は、簡単ではございますが、中身が非常にむずかしいということがあったのも事実だと思いますけれども、私は、今後は非常に客観情勢が変わってまいりますので、今後も五十年後改正するというような考え方は一切捨てていただいて、必要なことはその都度改正していただくというふうに考えている次第でございます。
  105. 竹本孫一

    ○竹本委員 ありがとうございました。  最後になりましたが、山口さんからは特に金融行政に対する御要望があれば承って参考にいたしたいと思います。よろしくお願いいたします。
  106. 山口吉雄

    ○山口参考人 お話でございますので一言申し上げさせていただきます。  銀行法の評価という問題につきましては、先ほど全銀協の会長がおっしゃいましたのでこれはあえて繰り返しませんが、信託銀行といたしましては、専業主義すなわち長短分離、信託分離あるいは中小専門金融機関制度等の基本的な枠組みを八〇年代以降の金融制度として引き続き堅持、発展を図るべきだとされたものにつきまして特に高く評価しておりますので、この点また今後ともそういうふうにお願いいたしたいと思っております。
  107. 竹本孫一

    ○竹本委員 それぞれ非常に有益な御意見をお聞かせいただきましてどうもありがとうございました。終わります。
  108. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長 正森成二君。
  109. 正森成二

    ○正森委員 私から各参考人に伺いますが、承りますと佐々木参考人が間もなく御用事だそうですから、佐々木さんにまず最初に伺いたいと思います。  御承知のように今度の銀行法改正は、昭和四十九年のオイルショックの後の狂乱物価当時に銀行が商社等に大量の資金等を貸し付けて土地の買い占め、それで土地の値段が暴騰するというようにビヘービアが非常によろしくないということで社会的な批判が非常に高まりまして、それを受けて五十年からたしか銀行制度の見直しということが始まったように思うのですね。そういう観点から見ますと、今度の大蔵省が出しました銀行法の改正案というのは非常に不十分なものがあるんじゃないか。たとえばディスクロージャーの点については、他の議員も触れましたが、ここに五十四年六月二十日に出された金融制度調査会の答申を持ってきておりますが、これを見ますと、銀行の公共的機能の発揮ということが非常に大事だということを言って、私企業としての性格と調和するために「銀行に対する法規制や指導・監督により社会的要請に対応するよう求めていくことよりも、銀行がディスクロージャーを通じて自発的に対応していくことが望ましい」こういう考え方なんですね。そして、そのディスクロージャーは「資金運用状況に置かれることが適当である。」「特定の分野への融資比率の法定等法令による規制を行うことなく、ディスクロージャーを通じる銀行の自己努力と自己規正により銀行に対する社会的要請と銀行の私企業性との調和を図っていくことが適当である。資金運用に関するディスクロージャーについては、以上のような重要性にかんがみ、銀行法の改正に当たっては、法律上の根拠を規定する等その位置づけを明確にしていくことが適当である。」こういうように言っているんですね。ですから、後で村本参考人にも伺いますが、ディスクロージャーというのは単に銀行の経営の健全性という観点からだけじゃないのですね。資金配分の適正化、資金が一定の特定企業だけでなしに消費者金融なり中小企業金融なり、そういうような各方面に適正に振り向けられる、そのために法律で中小企業分野に二〇%融資しろというようなことを決めるのは私企業としてどうとか思われるから、資金運用の状況だけはディスクローズしなさい、そして社会的に責任を負いなさい、国民の批判にさらされないようにしなさい、こういうことだったんですね。ですから、少なくとも資金運用の状況については法律上の根拠を与えるということであったにもかかわらず、それが私が拝見したところでは訓示規定になっているだけでなく、その訓示規定の内容についても全く自由に任されているということでは、四十九年当時の国民の世論から大いに反するものではないかと思いますが、金融制度調査会長の意見を承りたいと思います。
  110. 佐々木直

    ○佐々木参考人 ディスクロージャーの問題につきましては、先ほどほかの御質問のときにも申し上げたのでありますけれども、これは金融機関がすでに自主的にやっている面がずいぶんあるわけでございまして、それで法律で余り細かく決めるよりも金融機関の自発的な発表が望ましいということが、いまお読みいただいた答申にも書いてございます。そういう意味で、私どもは、金融機関が現在すでに行っておられるディスクロージャーをさらに一層発展させ、明確にさせて、金融機関に対する外部の取引先、預金者等のイメージをはっきりさせ、それを金融機関の発展の足がかりにする、こういう考え方が必要だと思います。そういう意味で、法的規制によるか、訓示規定によるか、この問題はいろいろ考え方はあろうと思いますけれども、一番こういう問題に大事なのはディスクローズする当人、ディスクローズする金融機関自身の物の考え方だというふうに考えております。
  111. 正森成二

    ○正森委員 佐々木会長の御意見はごもっともな点がありますが、もしこういうものについてはそういうことを行う当事者の考えが一番大事だということになりますと、そもそも法律なんて要らないですね。法律というのは、しなければならない最低限のことを決めるから法律なんであって、もし各人がやるであろうからというのであれば道徳に任せばいいわけです。ですから、金融制度調査会というのは道徳を決めるところではなしに、法律を決めるための基本的な考え方を決める場所なんですから、私は調査会長のそういうお考えというのは十分に納得することができないということは申し上げなきゃならぬと思うのです。あなたの御意見が大蔵省の段階で変えられましたから、それを四月三十日か御了承なさいましたから非常に苦しいお立場であるということはよく了解いたしますけれども、あなたの所信に相隔たること遠いのではないかというように推察いたします。  それから、大口融資規制について。村本参考人、先ほどの私の質問は大口融資規制のことについてですので、ちょっと間違えまして失礼いたしました。  大口融資規制についても、この五十九ページを見ますと「一債務者に対する信用供与の集中を抑制し、危険の分散を図ることは」云々、こうなっていて、銀行の健全性のために必要である。しかし、同時に「債務者に対する信用供与の集中を抑制することは、中小企業、個人等の各層が資金供給を受ける機会を拡大する方向に機能し、銀行信用の広く適正な配分に資する効果もある」こうなっています。ですから、村本参考人にも後で御意見を承りますが、単に銀行の健全性のためだけだともし思われているとすれば、それは誤りではなかろうかということを申し上げたいのです。  そういう点で申しますと、今度伝えられるところでは、大蔵省は商業手形、貿易手形それから預金、国債担保の貸し出しというものは枠から外す、こうなりますと現行の自己資本の二〇%という枠がそれだけ拡大することになると思うのです。  全銀協会長に伺いますが、名前は挙げませんが、いま一行だけ行政指導の枠を超過している銀行があります。その銀行はこういうように商業手形等を枠を外してもらうということになれば何とかクリアーできるんじゃないですか。つまり、二〇%の枠というのがこういう例外規定、適用除外規定が設けられると、ほぼ二五%ぐらい都銀の場合にはなるんじゃないですか。
  112. 村本周三

    ○村本参考人 お答え申し上げます。  他行さんのことでございますので、余り的確な数字は申し上げかねますけれども、ただいま先生御指摘のとおり、一般的に申せば現在のようないろいろな例外例がつくられれば五%程度拡大するというのが、われわれ一般の見方でございます。
  113. 正森成二

    ○正森委員 そういうことですから、現在の行政指導よりもさらに大幅に後退するということに結局は佐々木さん、なるんじゃないですか。
  114. 佐々木直

    ○佐々木参考人 今度の法律では、大口規制の根拠法規が明記されたという点で前進だと思っております。ただ、いまお話しのように最高限度を幾らにするかということにつきましては、これは行政にゆだねられておりまして、これがどうなりますかは私どもはまだ関知せざるところでございます。
  115. 正森成二

    ○正森委員 それでは、私失礼ながら名前を挙げて申しましたので、村本参考人の方からいやいやそれは違うということがございましたら、遠慮なくおっしゃってください。ございませんか。御意見がございましたらどうぞ言うてください。
  116. 村本周三

    ○村本参考人 ただいまの御質問は、ディスクロージャーと大口融資規制と両方に関係しての御質問と承知してよろしゅうございましょうか。――私どもの考えは、先ほどの佐々木参考人から申されましたとおり、ディスクロージャーというのは従来規定してあります証券取引法による有価証券報告書、あるいは商法による貸借対照表その他の報告、それ以外のものとして企業活動について広く国民大衆の理解を得るという意味で必要であるということにおいては、全く意見は同じでございます。  ただ、それが法律でどの程度決めた方がいいのか、銀行の自主性にどの程度任した方がいいのかということについては、正森先生と私どもとは多少意見を異にしておりまして、私どもは、これは法律で何が何でもせねばならぬというよりも、各銀行の自主性に応じ、それぞれ工夫をこらして、よく国民の皆さんにわれわれの姿を理解していただくということがよろしいものであると考えております。私事を申し上げて恐縮でございますが、先ほど申し上げました第一勧業銀行のディスクロージャーの小冊子におきましては、ただいま先生御指摘になりましたような点はすべて記載しておるところでございます。  また、大口融資についてでございますが、先ほど私が議論を簡単にいたすために主として銀行の健全性と申し上げたのに対して、正森先生からそのほかに資金配分の適正というねらいもあるんだという仰せでございます。確かにそういうねらいもあると存じます。しかし、私はダイレクトにはやはり健全性という問題が大きいと思ったものでございますから、先ほどさようお答えをした次第でございます。
  117. 正森成二

    ○正森委員 北裏参考人に伺いたいと思います。  銀行の窓販、ディーリングの問題が今度の改正では非常に大きな問題だと思いますが、銀行が窓販を行うと国債の個人消化がふえるという意見が銀行協会その他に多うございます。あなたのきょうの御発言を聞いていると、必ずしもそうではないという御発言の趣旨と承りました。私もそういう気がしておりまして、個別の銀行としては、何といっても預金を預かってそれを貸し付けたり、手形割引をするというのが本業ですから、自分の預金が減ってしまうほど国債を売るというのは自己矛盾になるので、国債を扱うとすれば他行の預金から振りかえで買わせるとか、あるいは証券を扱っていた方へ進出してシェアを拡大するということにどうしてもなるのじゃないかという気がするのですが、こういう窓販ないしバンクディーリングの実態面について日ごろ感じておられることがございましたら、忌憚なく御意見を承りたいと思います。
  118. 北裏喜一郎

    ○北裏参考人 お答えいたします。  先ほど来申し上げましたとおり、窓販によってトータルで国債の個人消化が非常に推進するという考え方を余り思い過ぎては危険であるということを申し上げている。したがって、実際論として預金、貸し出しを主とする銀行が新しい国債を売る場合、預金から振りかえるということは少ないと思う。あるいは証券会社が現在売っているのは減るかもしれぬ。がしかし、銀行がそういうことをやるという点では金融界としては確かにふえるかもしれぬが、証券界は減るかもしれぬという懸念を持っております。しかしトータルとして、国民経済的に見るとそう大きく変わらないと思います。徐々に国民の金融資産がふえるとともにふえていくのが一番いいと思います。重ねて同じことを申すようですが、余り急激に個人消化されることがその後の市場価格形成に影響すると考えるものでございますから、徐々にふえてくることを期待するものであります。そのためには銀行も入ってもらうということは、必ずしも、ぎりぎりわれわれも了承したわけでございます。  先生の御質問はそれでございますか。
  119. 正森成二

    ○正森委員 ほかにもいろいろございますが、またおいおい伺います。  全銀協の会長と地銀の会長の吉國さんとに伺いたいと思います。  これは非常に忌憚のない意見ですから腹を立てないで聞いてほしいのですけれども、銀行というところは預金を集めて、さきに言いましたように貸し付けたり手形を割り引いたりするのが少なくともいままで本業であった。そうしますと、預金が減るほど国債が条件がよくて売れに売れても、実際上の問題として困るのじゃないですか。また皆さん方は、公取の資料などを調べましても、依然として歩積み両建てあるいは拘束預金というものはあるということですから、国債を扱うことになりますと、皆さん方は資金を貸し付けている、手形を割り引いているという優越的地位がありますから、いままではにらみ預金でいっていたけれども、その分を国債で持ってくれというようなことで変形した歩積み両建てが行われるのじゃないかという疑問が出ていますが、それを危惧する人は確かにあるのです。そういう点について両代表者会長に忌憚のない御意見を承りたいと思うのです。
  120. 村本周三

    ○村本参考人 お答え申し上げます。  確かに銀行は預金を受け、それを貸し付けその他に運用するというのが本業でございますから、預金が減るのに国債を売るのはおかしいとおっしゃるのは、先生の御理解ごもっともだと思います。ただ実際はどうかと申しますと、現状におきましては、個人が非常に金利選好が高くなっておりますから、そういった面で銀行預金を喜んでしていただけるのは少額貯蓄優遇制度に乗った定期預金であるというのも事実でございます。したがいまして、われわれはこれからいろいろな家計のいわばそれぞれのメーンバンクとして、いろいろお取引を願います上で皆さん方が少額貯蓄優遇制度の適用を享受しながら貯蓄性向を高めていただくというのがわれわれにとって最も望ましい姿であり、そしてそういう望ましい姿がさらに進展していきますと、これをオーバーフローするような貯蓄をお持ちになると思います。そのときはわれわれはやはり大変有利になっております国債をそういう御家庭にはお勧めをしたい、そういういわば国民のニーズ、国民がどういうことをしてもらいたいかという方面からわれわれはまた大きく考えておるのでございまして、必ずしもその方が消化が大きくなるからというだけではございませんことを申し上げておきたいと思います。  それからまた、歩積み両建て預金に類似するような、国債を無理に持たせるということがあるのではないか、こういうような御危惧でございます。私ども先生からそういうふうな危惧の御指摘を受けることについては将来とも一層慎重なビヘービアをとってそういうことのないようにいたしたいと思いますが、一つ申し上げておきたいことは、歩積み両建て預金にかわる国債というのは格別銀行にとってそんなにメリットがあるわけではないということを申し上げて、われわれのこれからのよきビヘービアにつきなお御指導いただきたいと思います。
  121. 吉國二郎

    ○吉國参考人 私の申し上げたいこともいまの全銀協会長のお言葉で大体尽くしていると思いますが、国債の問題につきましては、一つの事情として、たとえば地方銀行総体で申しますと、まだ実績は出ておりませんけれども、昭和五十五年度に、増加いたしました預金のうち八〇%近くが国債と地方債の引き受けに充てられているわけでございます。そういうようなことで、非常に大きなウエートで国債、地方債が資金を必要としてきているわけでございますので、実際にはその翌年になりますと、引き受けた分相当多量に売ってしまうわけでございます。その売ったときには大分期間がたっておりますから、大変な損が出るというようなことになっております。そういう点から申しますと、この国債、地方債の量というものが将来もそんなに急激に減らないといたしますと、やはり窓販というものを一つ業務として持っているということは銀行としてある程度必要であろうかというふうにも考えられるわけでございます。  それからいまの歩積み両建ての問題でございますけれども、歩積み両建てについて、考え方としてはこれはよくないことでございますけれども、なぜ行われるかというと、実質金利の問題だと思うのです。国債を持たしたのでは実質金利一つもよくならぬものですから、実際は私は余り起きないだろうと思っております。
  122. 正森成二

    ○正森委員 時間が参りましたので、山口さんには一つだけ伺いたいと思います。  いま柴田委員の方からも質問がございましたが、今度新しい告知預金のようなものを開発されて、あなたが日本金融通信にお書きになっております抱負でも、これが出れば対応を考えなければいかぬ、こう言っておられますし、年金については保険料に税金がかからないという問題がございますし、その対応について柴田議員にお答えになったのだと思いますが、それ以外に何か信託関係で御発言になりたいことがございましたら遠慮なくおっしゃってください。時間ですから終わります。
  123. 山口吉雄

    ○山口参考人 それではせっかくの機会でございますので、一言お答えさしていただきます。  いまもお話がちょっとございましたように、私ども郵便年金につきましては従来から反対をしてまいりましたけれども、法律が制定されるということになりましたので、あえてわれわれ新製品をつくりまして、税制上の優遇措置と申しますか、イコールフッティングと申しますか、郵便年金、それから保険の控除というような有利さを持っているものを、年金と同等のイコールフッティングというような形でぜひひとつ新しい商品を開発していきたい、またお願いしたいというふうに考えております。  以上でございます。
  124. 正森成二

    ○正森委員 終わります。
  125. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長 柿澤弘治君。
  126. 柿澤弘治

    ○柿澤委員 私も若干の時間を与えていただいておりますが、十二時半までということで皆さんおいでいただいておりますので、一問だけさせていただいて終わりたいと思います。  今度の銀行法改正の作業の過程で関係業界の御意見、行政当局との間でいろいろと話し合いがあったわけでございますけれども、若干ぎくしゃくしたのは、金融界としての意見がいろいろと足並みがそろっていなかったという点もあろうかと思うのです。実は先週の五月八日の当大蔵委員会で、私の質疑に対しまして渡辺大蔵大臣も、銀行協会といいますか全銀協といいますか、そのあり方というものが少し変わって当事者能力を持つようになればもっとその点の話し合いがスムーズになるのじゃないか、こういうお話がありました。きょうは全銀協の会長さんにおいでいただいておりますので、その点、現在の銀行協会のあり方、これが銀行界全体のコンセンサスをつくる上でベストなものかどうか、その辺改善する余地があるのかどうか、その辺をお伺いいたしたいと思いますし、もしできましたら吉國参考人、山口参考人、地銀協なり信託協会、これまた決して下部機構ということではなくて独立にあるわけですけれども、同時に全銀協のメンバーでもいらっしゃる、そのあり方がこのままでいいのか、それとも改善の余地があるのか、その辺一言ずつお話をいただきたいと思います。
  127. 村本周三

    ○村本参考人 お答えいたします。  いま柿澤先生の御質問、確かに全銀協のアキレス腱に切りつけられたような感じがするわけでございます。銀行界といたしましては、先般来非常に大きな問題がたくさん出てまいりまして、御指摘のとおり全銀協という中には若干業態を異にしておるものがいろいろグループとしてあるわけでございますから、全体の利害、意見が一致する種類の問題と、そうでない、中で意見の対立がある問題との二つに分かれておるわけでございます。初めの全体の意見が一致する問題、たとえば窓販のような問題は全銀協として意見が完全に一致しておりますので、その意味での当事者能力はあるわけでございます。ただ、中でいろいろ意見が違いますことにつきましては、ことに重大であればあるだけ機関決定をするのに暇がかかって、先生方からごらんになるとばたばたしておるというふうな御指摘を受けるのであろうかと思うのでございます。  それでは現在の機構にかえて何かほかの機構の方がいいのかという問題になると思いますが、金融界がそこまで細かく分かれていろいろグループ別になってしまうということは、先ほど私が申し上げました、これからの国際的、インターナショナルな金融界の対応から申してもやはりどうかなという感じがいたします。  私ははなはだ不敏なのに全銀協会長を承りましたので、全銀協のリーダーではなくて、まとめ役というつもりで皆さんのおっしゃることをよく伺って、全銀協全体として当事者能力ができるようになるべくまいりたいと思いますので、何とぞ御指導をお願いしたいと思います。
  128. 吉國二郎

    ○吉國参考人 私どもの地方銀行協会は、全銀協に全体として属しながら別にできているわけでございますが、これも一種の歴史的なものでございまして、戦前にいわゆる財閥銀行が国債のシンジケートを結成していて、それ以外の銀行が集まってやったというようなことでございますが、現在は、地方銀行というものが例の戦時中の一県一行主義で大体府県単位に集中して支店を持っておりまして、活動がほとんどそこに制限されている。したがって、逆に申せば地方公共団体の指定金融機関というのはほとんど独占しているというような形になっておりまして、業態としてかなり共通のことが多いわけでございます。そういう点から地方銀行協会の存在意義というものは私はあるのじゃないかと思いますので、もちろん全銀協の一部でもございますから意見の衝突は十分に解決をしてまいりますけれども、地方銀行そのものの存在というのは、協会自体はやはりあってもいいかなというふうには思っております。  全銀協全体の問題というのはなかなかむずかしい問題でございまして、私も民間に行ってみまして、民間のいろいろな団体の組織改正なんという問題は、行政機構改革と同じぐらいにむずかしいことで、なかなかこれはできないんじゃないかなと思っている次第でございます。
  129. 山口吉雄

    ○山口参考人 御承知のとおり、私ども信託銀行は銀行法に基づく銀行でございまして、さらに兼営法で信託業務を兼営しているという兼営銀行でございます。業務の実態を見ますと、御承知のとおり信託業務が中心になって主業というような形になっておりますが、銀行法に関する意見につきましては全く全銀協会長と同じ意見でございまして、異論があったわけでは全くございません。信託業法につきましてまたいろいろと問題が起こった場合には、私どもが業務についての意見をいろいろ申し上げるということになります。それから全銀協の中の個別の銀行として全銀協に加盟しておりますだけに、いまの状態が一番適切ではなかろうかというように考えております。
  130. 柿澤弘治

    ○柿澤委員 国会は立法府ですから、こういう重要法案についての基本的な問題について私どもが発言することは当然ですけれども、それ以前の業界間のさまざまな利害の整理調整、この辺は関係業界の方々と行政当局とでパイプを通じてきちっとやっていただくことが一番大事ではないかと思いますので、その点今後、今度の問題でいろいろ派生的に出てまいりましたその間のぎくしゃくを関係当事者の皆さんの御努力で解消していただくように私からもお願いをして、北裏参考人には質問させていただく時間がなくなりましたけれどもお許しいただきたいと思います。どうもありがとうございました。
  131. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長 これにて午前中の参考人各位に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位には、御多用中のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  午後一時三十分に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十七分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十一分開議
  132. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  銀行法案、中小企業金融制度等の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案、証券取引法の一部を改正する法律案及び銀行法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律案の各案について、午前に引き続き、参考人に対する質疑を行います。  ただいま出席されております参考人は、日本長期信用銀行取締役頭取吉村勘兵衞君、全国相互銀行協会会長長谷川寛雄君、全国信用金庫協会会長小原鐵五郎君、全国信用組合中央協会会長鈴木進君、全国労働金庫協会理事長今井一男君の各位であります。  この際、参考人各位に一言申し上げます。  本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位には、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきますようお願いいたします。  なお、御意見は委員からの質疑にお答えを願うことにしたいと存じます。何とぞよろしくお願い申し上げます。  また、本日は、本会議開会時間の変更により、当委員会も再開時間を変更いたしまして、大変御迷惑をおかけいたしました。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。
  133. 沢田広

    ○沢田委員 参考人の皆様方、大変御苦労様であります。皆様方にお述べをいただく時間がなく、すぐ質問ということでございますので、私の方からは、若干それぞれの立場から御意見を伺わしていただこう、こういう気持ちでおります。  今回のこの委員会にかけられております法律案は、すでに御承知でもありましょうが、銀行法の改正、それから中小企業金融制度等のための相互銀行、信用金庫法、証券取引法の一部と、それから関連する法律、こういうことでございます。  それぞれ長銀なり、相互銀行なり、信用金庫なりあるいは信用組合なりあるいは労働金庫なり、今度の改正によってそれぞれの意見をお持ちになっておられるだろうと思います。しかし、限られた時間でございますから、今度の改正に当たってこういう点は前進と若干見られるだろう、大いに前進だと思われる方はそのとおり言っていただいて結構なんでございますが、しかしこの辺はまだ不十分で、今後の課題にしなければならないのではないか、あるいは直ちに対処しなければならないのではないか、こういうようなそれぞれの関係者としては御意見をお持ちになっておられるだろうと思います。ぜひその立場から、皆さんに、三つぐらいということで、これは一つでも四つでも結構なんでありますが、ただ時間の関係がありましたので、それぞれ三つぐらい挙げていただいたらどうだろうかというふうに私の方で判断をしたわけでありますので、その点は御理解をいただきたいと思います。  それからもう一つは、大変失礼でありますが、都市銀行やその他のいわゆる大型といいますか金融機関と違いまして、それぞれ長所を持って、それぞれの独自性を持っておられる金融機関であります。ですから、その長所をこれから生かしていくためにどういう道がいいのだ、今日の日本の経済の状況の中で、経済情勢がどう変わるかは別としても、われわれに与えられている道はこういう方向がやはり必要なんだということをひとつぜひお聞かせをいただきたい。  もう一つは、これは一緒にまとめてしまいますが、これは後で申し上げますが、金融機関というものが非常に腐敗をしたり、いろいろと世の中の批判を浴びてきたことも御承知のとおりであります。そういうようなことで、社会的な責任というものをやはりある程度確保されなければならないという国民世論の必然性もあるわけでありまして、その社会的な責任というものにどのように対処していったらいいのか、われわれはディスクロジャーとかいろいろ言ってはおりますが、皆様方の立場から、あるいは都市銀行あるいはその他の方々の分野にわたっておっしゃっていただいても結構です。何も自分のところだけでなしに、あそこはけしからぬということを率直に言っていただいて結構なんでありますから、そういう立場でひとつ、以上三つの点をまとめましたが、五、六分ぐらいの中でそれぞれお話しをいただければ幸いだと存じます。  以上をもって総括的にお伺いする点を述べて、委員長、順不同になりますが、並んでいる順ということでよろしいでしょうか。――大変恐縮でありますが、それでは並んでおられる順で、今井参考人、吉村参考人、長谷川参考人、小原参考人、鈴木参考人の順でそれぞれお答えをいただきたいと思います。
  134. 今井一男

    ○今井参考人 一番小さい資金量の私の方からトップを切るのは心苦しいのですけれども。  今度の改正は、私どもの方につきましては改正には違いありませんし、前進にも違いありませんけれども、当然皆さんの驥尾に付した横並びということであります。労金につきましては若干の特殊な事情がございまして、私どもの方はかねてから統合ということを看板に上げておりましたが、一体それを受けつけるか受けつけないかということで、五十一年に若干当局との間に紛議が起こりまして、その関係から、当時大蔵省の官房長をしておった長岡実君が調停に立ちまして、とにかくこれまで何にも改正してない、法律をつくってから二十何年もうっちゃらかしておいたということで、まずほかの金融機関並みに横並びしようということで、具体案はすでに五十二年の暮れにはでき上がっておったのであります。しかし労金法だけというわけにもいかないということで、延び延びになりまして今回まで参ったわけです。  今回の一番中心は、員外預金、員外貸し付けということになっておりますが、労金は申すまでもなく消費金融でありまして、勤労者の基盤の上に立っております。その関係から、たとえば団地なんかへ行きますと、PTAの会であるとかあるいは子供の貯金会であるとかいろいろな団体がありますが、これがいまの現行法ではやはりひっかかるのです。それから、労働組合なんかでも、地方公務員等で、地公労法適用の組合とそうでない組合は連合会ができません。そうなると財団法人というのをつくって福祉事業をやる、こうなりますとこれまた法律上いけないということになるのです。そんな問題からして員外預金を認められたいわけでありますが、私たちは実を言うと、よその分野まで切り込みをしようという頭はありません。したがって、法律上、勤労者に関係があるということで切ってほしかったのでありますけれども、法律的にそれはちょっとむずかしいということで、数字的に二〇%ということで刻むことになったのでありますが、これは仕方がないことだと思っております。  そういうふうな関係でありまして、あくまで勤労者中心の、要するに生活金融、消費金融であって、ほかの金融機関と分野が完全に違っております。ところが、現在は金融戦国時代と申していいほどよその金融分野への切り込みが盛んであります。いわばわれわれの方の地盤が荒らされるということでありまして、荒らされることは私どもちっとも構いませんけれども、そうなりますと、それに対してこちらも世間並みの取引範囲を広げてもらうということでありまして、それだけの問題でございます。  なお、沢田先生からもお話がありましたけれども、金融行政は法律で縛ってもどうにもうまくいかないので、結局運用の問題になります。まず、財政関係のものは大体法律で切れますけれども、金融関係はそうはいきませんので、その辺が非常にむずかしい問題になります。戦争前には法律上のたてまえは別として、各金融機関がそれぞれの分野を保てるように、金利におきましても甲種、乙種の銀行、いまで言ったら地銀と都銀でありますが、その間に日歩二厘という差がありました。日歩二厘はいまに直すと〇・七%であります。これが戦後一厘差になり、一厘が今度〇・一%になりました。結局どこの金融機関もすべて住宅貸し付けをやる、われわれがやっておるような教育金融もやるというような時代になっております。特に異種金融機関の合併もよろしい。法律的にどうか知りませんけれども、むしろ運用上各金融機関がそれぞれの分野をそれぞれ担当してやれるような行政が望ましいということを申し上げたいのであります。なかなかむずかしいのでありますけれども……。  と同時に、戦前と違いまして中小金融機関の、特に私の方は地方の財務局、財務部、特に府県の方の監督を受けている関係から、何といいますか、余り知識のない方が相当大ぜい検査に見えまして、かなりよけいなことまでやっていただいております。もちろん検査は私どもも助かりますからいけないというわけじゃないのですけれども、私もかつて検査官をやったことがあるのですが、その時代に比べますと、私どもは検査官一人、それに随行が二人、それで三日ぐらいで大体普通の銀行は済んだのであります。ところが、最近は労金を見ますのが多いときば二十人、しかも二週間やるのですね。人が足りないときは公認会計士なんか連れてこられる。失業救済かもしれませんけれども、受ける方はかなり迷惑であります。  なお、社会的責任の問題でありますが、私どもの方は、常勤以外に非常勤の理事が直接、労働組合を代表しましてよけいなことまでたくさん口を出されます。のみならず、金利一つ上げますのも、支店一つつくりますのも会員代表の機関にかけないとできません。そういう意味では模範的にオープンになっておると言いたいのであります。この点はいばっていいと思うのですが、それだけに若干の問題もあります。いいことばかりとは申しません。  時間の関係でこのくらいで……。
  135. 吉村勘兵衞

    ○吉村参考人 それでは前段の御質問からお答えさせていただきたいと思います。  今回の一連の法の改正は、わが国が経済社会の転換期を迎える中でそれにふさわしい金融のあり方ということが検討されておるわけでありまして、その内容は、金制の答申にございますように金融機関は自己責任の原則のもとに健全経営あるいは効率化を追求するとともにその公共性を発揮しなければならない、その精神の具体的な表現が今度の法律の根幹じゃないかと思いまして、そういう点では非常に適切なんじゃないかと思うのでございます。私どもの立場から申しますと、今回の法改正は金制の答申の趣旨を生かして、業態別の分業、専業体制を堅持してそれぞれの専門性を発揮していくべきである、こういう精神が再認識されたという点を高く評価している次第でございます。  長期信用銀行法の改正案につきましては、金融債の発行限度が動いております。従来、自己資本の二十倍が限度でございましたが、今度三十倍に考えたらどうか、こういう法案でございますが、私どもといたしましては長期信用銀行の使命の遂行上からも、また健全経営という点からも非常に結構なんじゃないかと思いまして、ぜひよろしく御審議いただきたいと存ずる次第でございます。  それからもう一つは証券業務についてでございますけれども、私どもの銀行は、御存じのように金融債を発行することを根源の資金調達源としておりますから証券市場には非常に密接な関係を持っている性格の銀行でございまして、現行の長期信用銀行法によりますと公社債の販売は本来業務、本業務に規定されておるわけでございますし、また第二に、長期信用銀行法は二十七年にできまして証取法の後法になるわけで、私どもといたしましては、その公社債の販売につきましては証取法上の認可は要らないという気持ちでおったわけでございますが、今度の法体系の整備で、これは認可をとるんだ、必要なんだ、こういうことになったわけでございます。これは法体系の整備という点から見てあるいはやむを得ないかも存じませんが、その法の運用につきまして今後懇談会なんかに御諮問をされるようでございますけれども、改正法案によりますと、やはり長期信用銀行法による窓販は本業である、それから銀行法によればこれは付随業務、こういうような形は出てきておるわけでございますし、私どもの銀行の特殊性及び従来の証券業務の実績を御考慮の上ひとつ優先的に御配慮いただきたい、こう思う次第でございます。大体以上でございます。  それからもう一つの御質問の社会的責任という問題でございますが、やはり金制の答申に長期金融に期待されるものというところがございます。もうすでに御存じでございましょうが、簡単に繰り返しますと、今後長期信用銀行は専門性を発揮して、産業構造の転換でございますとか資源エネルギーあるいは技術開発、そういうようなより長期の資金を要する部面あるいは社会開発、あるいは以上のような業務に関連する国際業務などについて専門知識と取りまとめ機能を発揮して国民経済の健全な発展に寄与するとともに、あわせて国民生活の向上に寄与することを期待する、こういうようなあれでございますが、そういう期待にこたえまして長期信用銀行の使命を果たしていくことが社会的責任じゃないかと覚悟している次第でございます。
  136. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 長谷川でございます。一言お答えいたします。  御承知のとおり、銀行法は金融制度の中核でございまして、普通銀行にかかわる法律でございますが、私ども相互銀行といたしましても、銀行法の条文を多数に準用することになっておりますので、今回の改正案が成立いたしますことを強く期待いたしております。金融制度調査会を通じまして私どもの要望いたしました件が多数に御配慮いただきまして、今回の改正で相互銀行の業務範囲が普通銀行と全く同じになったということは非常に高く評価いたしております。  お願い申し上げたい点が一つあるわけでございますが、多年要望いたしてまいりました商号変更の問題でございます。まことに恥ずかしいことでございますが、不祥事件が続出いたしましたために、当面撤回いたしまして体質改善に極力力を注ぐ。相互銀行として諸条件が整いました折には再度御検討いただきたい、この席でお願い申し上げておきます。
  137. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 小原でございます。  先ほどお話のございました金融機関の社会的責任という御質問でございましたが、私ども信用金庫といたしましては、皆さんも御案内のように、金融機関としまして、中零細企業を健全に育てるため、金融を通じて努力するということが第一の要件でございますし、二番目には、国民大衆の家庭経済を豊かにするために努力するということ、それから三番目には、信用金庫は地域の金融機関でございますので、地域の発展と申しますか、地域の開発と申しますか、そういったようなものに努力するというこの三つが信用金庫のビジョンでございます。  このビジョンを健全に守り、またまじめに守っていくことが社会的責任を全うする道ではないかというふうに私ども考えて仕事をやっておるわけでございます。  そうした観点からいたしまして、今回いろいろと法律の改正案をお願い申し上げたわけでございます。  第一番に外国為替業務の取り扱いの問題でありまするが、現在信用金庫の取り扱っておる為替業務は内国為替に限られております。しかし、皆さんも御案内のように、わが国経済の国際化の著しい進展に伴い、信用金庫の主要取引先である中小企業の貿易取引への進出は目覚ましく、また海外渡航者数も毎年増加し、このような状況を反映して、地域の中小企業等からの信用金庫に対する外国為替業務の取り扱いの要望は日増しに高まっておる現状でございます。このような実情からしまして、信用金庫の取引先である中小企業等の要望に適切にこたえていけるよう、ぜひとも実態に即した制度の改正をお願いいたしたいのでございます。  第二は、信用金庫の融資対象となる法人会員の資格の問題でございます。  現在、信用金庫の法人会員の資格基準につきましては、従業員基準と資本金基準が法律で定められておりまするが、このうち資本金基準については、経済の進展に即応した弾力的な措置が可能となるよう、これが政令への委譲についてお願いをいたしたいわけでございます。  中小企業の資本金規模は、経済情勢の推移や経営環境の変化等に応じて逐次拡大をしており、このような資本金規模の拡大の実態に弾力的に対応し、これらの中小企業を引き続き会員として取引を継続させ、その金融の円滑化を確保することは、国民経済的にもきわめて重要なことと存じます。  また同時に、現行の資本金基準二億円は昭和四十八年七月に設定されたもので、すでに八年の長期間を経過しているのでありまして、この間の中小企業の資本金規模の拡大等に照らし、これを四億円に引き上げていただきたいと存ずる次第でございます。  第三は、各種公庫、公団等の資金の取り扱いについての問題でございます。  現在、信用金庫は、政府関係公庫、公団等の業務については、その委託を受けて数多くの取り扱いをいたしておりますが、これらの機関の余裕金の運用等その資金の取り扱いについては、当該公庫等の法律において銀行に限定されている場合が多く、信用金庫は業務上の制約を受けているのが現状であります。  信用金庫も他の金融機関に伍して今日では遜色ない金融機関に成長しているわけでございまするので、これらの面について他の金融機関と同様その取り扱いが可能となるようぜひとも御配慮をお願いしたいと存ずる次第でございます。  以上申し上げまして、私のお答えといたしたいと思います。
  138. 鈴木進

    ○鈴木参考人 銀行法改正並びに関連法に関しましての御質問でございます。  このたびの銀行法の改正に関しましては、私ども信用組合といたしましても大いに歓迎をいたしている次第でございます。また、関連法の改正、いわゆる中企法並びに協金法の改正案につきましては、私ども内国為替を含めて八件の改正要望をお願いしておるわけでございますが、これらの要望事項が十分に織り込まれてございますので、そういう意味合いにおきましてはきわめて満足をいたしておる次第でございます。  さらに、金融機関としての社会的使命はどうかというお尋ねでございます。  私ども信用組合は、協同組合組織の金融機関でございます。一つには信用組合としていわゆる信用秩序、この維持をまず第一として図ってまいっております。第二は預金者保護、第三はすべての組合員に対しまして円滑なる資金の供給、こういうことを心がけてまいっておるのでございます。経営におきましては、健全性をモットーといたしまして、今後これらに重点を置いてまいりたいと思うのでございます。  さらに、金融機関にはいろいろそれぞれの特性を持っておる。けれども、今度の法律改正においてそのいいところと悪いところはどうかというような御質問のように承ったわけでございますけれども、信用組合の機能は御承知のように、中企法、協金法によりましてそれぞれの行動の限定をされてまいりましたが、今回の改正法律案によりましては、組合員の要望にこたえ、この長所を十分に生かしながら組合員のための利便を可能とするよう努力をしてまいるつもりでございます。  以上、簡単ではございますけれども、三つのお答えを申し上げたわけでございます。
  139. 沢田広

    ○沢田委員 次の問題に入ります前に、全国信用金庫法の関係で、法律ではこれは委譲となって、政令では四億円に決めるというのが政府答弁になっておりますので、その点は御要望がもうすでにほぼ達せられている分野に属するというふうに思いますので、念のためこれは申し添えておきたいと思います。  続いて、今度政令にゆだねることになりました土曜日を休日と、いままでは土曜日は営業をしておったわけでありますが、土曜日を金融機関が休みますと、中小企業や会員が困るのだ、こういう意見がございます。との土曜日を休むということがどういう影響があるのか。実際にたとえば手形であるとかあるいはその他の小切手もそうでありましょうが、そういうものが土曜日を休んだ場合に取り扱われる場合においては、読み直して、結果的には月曜日に入れば、それが土曜日に入ったもの、土曜日の入金とみなす、こういう読みかえ規定にすれば、中小企業の人たちも別に困るという論理はないんじゃないかというふうに考えているわけであります。別に中小企業の人たちが困るという論にこだわるわけではございませんが、せっかく今度法律改正して土曜日も休めるようになるということでありますから、それに対応するひとつお考えをお聞かせをいただきたい。その一つは、どういう段取りでこれを実現をしていくのか、またその意思はあるのかないのか、そういうようなところからひとつお答えをいただきたい。  それぞれまたこれも簡潔にひとつ、私の持ち時間は二十六分までなんであります。その点を御考慮の上御回答いただければ幸いだと思います。
  140. 今井一男

    ○今井参考人 御承知のとおり、労働組合としては週休二日制をかねてから要望しております。が、しかし、これが預金者という立場に立ちますと、どっこい簡単にもまいりません。もちろん今度給振りその他を扱うようになりますと、やむを得ない会社方面の金も残高としては残ります。そういう関係もございますので、やることに異存はありませんけれども、やはり一斉でなければならぬ、郵便貯金だけが例外になるようなことになるとむずかしい問題が起こるのじゃないかということを残念ながら申し上げなければならぬというのが現況でございます。
  141. 吉村勘兵衞

    ○吉村参考人 土曜休日の問題でございますけれども、これは勤労者の生活向上でございますとか、先進国の労働時間の短縮の問題やら考えますと、これは世の中の流れじゃないかと思います。それで、土曜休日が今度の改正法で可能になりましたことは、私は非常に高く評価する次第でございますが、ただ、金融機関というのはサービス業でございまして、まだ実体経済が休んでないのに取引先、お客さんに迷惑をかける、一方的に休むということはむずかしいのじゃないか。それでやはりこれもおざなりのあれになりますが、社会的なコンセンサスを何かつくる工夫を考える。そういうことが満たされれば何ら異存ない所存でございます。そういう考えでおります。
  142. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 お答え申し上げます。  ただいまの週休二日制及び営業時間の問題でございますが、先ほどもお話がございましたように全金融機関一斉にやる、これが一つの条件でございますし、そのためには全国民の合意が必要じゃないかと思います。いままでの商習慣もあるわけでございますが、銀行というのは一体だれのためにあるのか。これは取引先のためにあるわけでございますので、取引先に不便をかけるということは絶対にやってはならないと考えております。機械化も非常に進んでおりますし、預金自動預入機とかまた払出機というふうな機械も十分普及いたしておりますので、土曜日、日曜日に機械の稼働ができるように御考慮いただけたら非常に幸せじゃないかと思います。また、金融はむずかしゅうございますが、相談業務については土曜日には店をあけるというふうな便法も考えていただく余地があったら考えていただきたいというふうな希望を持っております。どうぞよろしゅうお願いいたします。
  143. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 ただいまの週休二日制の問題は、私どもとしましては、いま時代の要請だというふうに考えておる次第でございます。  そこで、週休二日制を実行してまいりますためには、ただいまお話のございました全金融機関が週休二日制をやるということ、特にこれは民間の金融機関ばかりでなくして、郵便貯金においてもやはり週休二日制を同時にやっていただきたいということが私どもの条件でございます。  それと同時に、私ども中小企業なり国民大衆の金融機関といたしまして、中小企業なり国民大衆の方々、いわゆる取引先の人たちが、私たちが週休二日制をやっても差し支えないというふうなコンセンサスが得られる時期が来ましたときに週休二日制を実行していただくことがいいんじゃないか、こういうふうに考えておりまして、決して反対ではございませんで、前向きに検討すべき問題というふうに考えておる次第でございます。  以上でございます。
  144. 鈴木進

    ○鈴木参考人 週休二日制は、社会の大勢がその機運に向いておるということは、私どもはっきり把握をいたしておるわけでございます。信用組合といたしましては、まず全金融機関の大勢に順応をするということが原則として考えられております。  御承知のごとく信用組合は地域信用組合、業域信用組合、職域信用組合とこう三者に分かれております。職域、業域というようないろいろな場所における特性がございますので、一様一体にはまいりませんけれども、もしそういうことが施行されるという暁におきましては、行政の御指示に従いながら、また行政と十分に御相談申し上げながらこれを実行してまいりたい、こう考えております。週休二日制は賛成でございます。
  145. 沢田広

    ○沢田委員 いろいろなことわざがありますが、先に行くのはいやだけれども、みんなが一緒に行くなら行きたい、結果的にはこういう御答弁なんでありますが、さしずめ一番可能性が考えられるのは、まず隗より始めよという言葉もございますが、信用組合さんなりあるいは信用金庫さんなり労働金庫さんなりは、ある意味においては特定の、員外組合員もおられますけれども、主として特定の方々を対象としておられるわけであります。ひとつわれこそは先駆けてというお気持ちはないかどうか。ひとつ自分のところから先鞭をつけて、その中でのいろいろな状況というものを考えながら、たとえば最悪の場合それを戻してもともかく一回実験をしていく、試行錯誤もあるかもわかりませんが、ひとつ一般的な金融機関でない場所から実施をする、そういう点はお考えいただけないかどうか。重ねて恐縮でありますが、これは一応特定の組合員を抱えておられる労働金庫、信用組合、信用金庫の三参考人にひとつお伺いをいたします。
  146. 今井一男

    ○今井参考人 特に私の方は立場上御説に従いたいところでありますが、いかんせんいまのコスト計算からいたしますというと、労金などは一番小さな金を扱っております。それで、貸し出す方は大銀行さんに近いのであります。そのコストの幅はいま非常に苦しい状態にありまして、特に近年引き下げによりまして公定歩合が大きく変動いたします。これがもろにかぶってくるわけであります。特に来年、再来年は、見通しといたしましては経常収支が九〇を超すあるいは一〇〇を超すような金庫が出るところでありまして、その際に遺憾ながら勇敢にトップを切るほどの、何と言いますか爆弾勇士にはなりにくい状態に現在ございます。
  147. 鈴木進

    ○鈴木参考人 やってみてまずかったらもとに戻してはどうかというようなお話でございますが、私ども、いま今井さんが言われたように特に最近いろいろな問題で預金が非常に下がっており、貸し出しの分野におきましても大変苦しい運営をしておるやさきに、犠牲を払ってまでこれをやる、またはその先鞭をつけるというようなことの勇気はございません。したがいまして、大勢順応というところについていきたい、こう考えております。
  148. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 この問題につきましては、現在、金融機関も競争が非常に激しい時代でございます。ですから、われわれが先鞭をつけまして週休二日制をやるということになりますと、中小企業なり国民大衆のコンセンサスがまだ得られていないときにやるということになりますと、いま預かっております預金もどんどんほかへ引き出されてしまうというおそれもございますので、これはやはり一緒にやらせていただくということ以外に道はないのじゃないか、こういうふうに考えておりますのでお答え申し上げます。
  149. 沢田広

    ○沢田委員 長期信用銀行法の第一条の法律の目的には「その業務の公共性にかんがみ、監督の適正を期するとともに、」というふうに明記をされております。これは外国為替銀行も同じなんであります。それから、相互銀行も「その貯蓄の増強に資するため、」「金融業務の公共性にかんがみ、」と書いてあります。それから、信用金庫の方も同じように公共性をうたっておるわけです。それから、労働金庫は労働者の組織する金融公庫としての健全な発展ということで「福利共済活動のために」というふうに書いてあります。銀行法にはこの公共性ということは実はうたわれてないのでありまして自主性を尊重する、今度よけい上回ったようなことが出ているのでありますが、こういう点は不公正にお考えになりませんか、ひとつ長期信用銀行さんからお答えいただきたいと思います。  今度の銀行法の本文の第一条、御承知のように銀行法は「預金ノ受入ト金銭ノ貸付」というふうになっているわけですが、銀行法の方にはそういう自由性がさらに強調されている。その他の銀行には「公共性」ということでより一層縛られている。こういう点についての意見をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
  150. 吉村勘兵衞

    ○吉村参考人 普通銀行にないのは、それがもうすでに前提と考えられているのじゃないかと思いますが、特にその他の法律に公共性をうたっているのは、恐らくその立法趣旨は特殊な金融機関であるという点を強調されているのじゃないかと思うのであります。
  151. 沢田広

    ○沢田委員 時間の関係がありますから、それはそれで終わらせます。  相互銀行の会長さん、相互銀行も「公共性にかんがみ、」と書いてあるんですが、若干公共性に沿わない分野が多いんだろうと思うのです。全国不肖銀行協会会長さんになっちゃうんじゃないか、相互じゃなくなっちゃうんじゃないかと思うのであります。ここのところいろいろと事件が出てきておるのでありますが、内部で自浄作用、自分の力で粛正といいますか、そういうことを牽制をし抑制をするという機能は働かないのかどうか、その点をお聞かせいただきたい。
  152. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 お答え申し上げます。  私どもの定款の第十一条でございますが、「本会の信用を害する行為または違法もしくは不当の行為があったとき。」は除名する、こういう項目があるわけでございますが、金融機関の公共性から考えまして、除名というような角立った行為が影響するところまた波及するところが大きい、こういうふうな判断からセーブをいたしまして、いま先生のおっしゃるように業界全体ができるだけ自粛をして体力強化に努める、これが現在の段階の相互銀行の姿勢でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
  153. 沢田広

    ○沢田委員 よろしくお願いされても困るのでありますが、たとえば今回誠備グループのような不祥事件が出てきて、中には相互銀行さんなどが相当加わっている。まさに公共性と相反する。その利益を追求したということの行為それ自体は別としまして、少なくとも公共性にかんがみたとは思えない、背中を向けていたということになるんではないかと思います。  問題は、除名ができなかったら他に方法はないのか。お互いにそういうことを自粛したり抑制をしたり、あるいは注意をし合ったりという方法はないのか。除名は酷だからできませんと、そのまま温存している。いつになったって相互銀行は不肖銀行、不信用銀行になってしまう、こういうことになるわけでありまして、それをわれわれがこういうふうに言うんじゃなくて、みずからの力で皆さんの協会の中でみずからが律する、そういう力を発揮していただきたいという期待を持っているのでありますが、いかがでしょう。
  154. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 先生の御趣旨は十分理解はいたします。しかし、業界といたしましての力の限界もあるわけでございます。これは行政の方へ任す方がいいんじゃないかと思います。どうぞよろしゅうお願いします。
  155. 沢田広

    ○沢田委員 そうすると、銀行局の監査をより一層強めることの方が望ましい、こういうふうなことに受けとめてよろしいですか。
  156. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 銀行の監査は一期に一回確実に実行いたしておりますし、日々の業務についても厳重な監督をいたしております。しかし、限度がございます。これは監督官庁の検査その他の指導の方が重要ではないかと思います。
  157. 沢田広

    ○沢田委員 さっき今井参考人からは労働金庫では二十人もの公認会計士を連れて二週間もやっている、そういうところもあるかと思えば、一方、やりながらちっともそれが発覚しないでいる、そういう点、われわれにはきわめて不均衡に感じられるんですね。さっき今井参考人はそういうふうにも言われたんですが、相互銀行では二十人で二週間くらいやるんですか、それともどの程度の期間やられているんですか。
  158. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 公認会計士の検査につきましては、年に二回決算期から決算期まで、店舗の数も私のところは多いわけでございます、ほとんどが公認会計士が入っているような状態でございます。二週間ぐらいの短い期間ではございません。
  159. 沢田広

    ○沢田委員 いや、私が言ったのは、公認会計士以外に大蔵省の監督――公務員と言った方がいいでしょう、公務員が伺っている期間。
  160. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 大蔵省の検査は大体二年に一回実施せられておるようでございますし、そのほかに日銀の考査が二年に一回ございます。組み合わせてみますと、毎年大蔵省の検査か日銀の考査が実施せられております。
  161. 沢田広

    ○沢田委員 時間がなくなりまして大変申しわけありませんが、そのぐらい検査されていてああいう問題が、大光だ、徳陽だ、東京相互だ、あるいは平和だ、こういうようにたくさん出てくるというのは、どこに欠陥があるとお考えでしょうか。
  162. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 ただいまの先生の御質問でございますが、最近起こりました三つの不祥事件、共通項目一つを取り上げますと、同族経営に根ざしている経営の相互銀行がそうした不祥事件を起こした、これが共通の問題でございます。できるだけこういう点については今後とも注意をして経営をやっていくようにお互いに自粛をやっていきたい、こういうふうに考えて、開かれた経営、非常にきざな言葉でございますが、そういう申し合わせをいたしております。
  163. 沢田広

    ○沢田委員 長谷川参考人だけをいじめるようで申しわけないのでございますが、相互銀行の会長になった運だと思ってひとつ御理解をいただきたいのでありますが、同族ファミリーであるところであることはわかりました。しかし、これだけ検査をやり、監査をやり、よってなおかつ発生する原因はどこにあるのであろうかということでお伺いをしたわけです。
  164. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 非常に光栄でございます、たびたび発言の機会を与えていただきまして。  同族経営と申しましてもこれは非常に概念が漠然といたしておるわけでございますが、一番特徴的なことを申しますと、同族であるから問題が起こるのじゃなしに、経営姿勢が少し偏り過ぎておるのじゃないかというところに問題があるのじゃないかと思います。同族という形じゃなしに、経営者の姿勢に欠けたところがある、私はこういうふうに考えております。  それともう一つは、相互銀行は株式組織でございますが、経営と資本との分離が不分明であるというところに問題点があるような感じがいたします。これは感じでございますが……。
  165. 沢田広

    ○沢田委員 時間が来て、最後になりましたが、今井参考人にお伺いします。  労働金庫、各都道府県にありますが、全国統一への道筋というものについてはどういうふうにお考えになっておられるか。いまの府県にありますものを全国統一することによって、より資金の有効利用等も図られるのではないかという気もいたしますが、その御見解をお聞かせをいただきまして、これで終わりますから、参考人の皆さんの今後の御健勝をお祈り申し上げて、私の最後の質問にいたしたいと思います。
  166. 今井一男

    ○今井参考人 労働組合も協同組合の一種でございますが、協同組合となるというと、これは地域性という問題がすぐ起こります。個人と個人の集まりであるというと、地域性ということが起こるのは当然でありますけれども、労働金庫は労働組合の協同事業ということでありまして、若干意味が違うのであります。特に最近は、自分の住んでおる県と勤めておる場所と違うところがたくさんあります。のみならず、転勤もございます。また全国の組合もあります。こういう人たちが金庫によって利子が違う、様式も商品の種類も違うと困るのですね。たとえば労金は労働組合の主導でやっておるだけに、各金庫は自主性を持っております、いいか悪いかわかりませんけれども。そのために、たとえば機械化をやる場合におきましても大変な苦労が伴うのであります。これは、資金の合同よりもむしろその点におきまして統合しなければ本当の総力は発揮できない。ただ完全な統一ではいけないのでありまして、私は、いわゆるユナイテッドステーツ、各金庫は州的に独立しまして、それを一方全体で連盟的にするような統一、こういうことを願っておるわけであります。
  167. 沢田広

    ○沢田委員 参考人にはどうもありがとうございました。  以上で終わります。
  168. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長 堀昌雄君。
  169. 堀昌雄

    ○堀委員 参考人には本日御苦労さまでございます。  ちょっと最初に、午前中にも伺いましたので午後御出席の皆様にも伺いたいのでありますが、昨年の三月、所得税法が改正をされまして、御承知のようにグリーンカードという制度を導入して、昭和五十九年一月一日からは利子の総合課税ということとあわせて郵便貯金及びマル優預金が公正に行われるようにしたいという制度が国会で成立をいたしておるわけでございます。自民党の中で一部意見があるようでありますけれども、けさの新聞を見ておりますところでは、制度の実施の時期等はそのままやるということにどうやら決まったようでございます。この当事者であります金融関係の皆さんのこれに対するお考えをひとつ承っておきたい、こう考えております。  現在の日本の課税状態を見ますと、昭和五十六年度では給与所得者は約三千四百万人が納税をいたしておるわけであります。それに対して農業所得者、これは専業農家でありますが、農業所得者は二十一万人、中小企業関係の事業所得者が二百八十七万人ということでありますから、両者を足しましても実は給与所得者の十分の一に足らないという程度の納税者の構成になっておりますし、所得税負担においては、今度の大蔵省の発表で見ましても、給与所得者の所得税の伸びは非常に伸びておりますけれども申告所得は伸びが非常に低いということから見ましても、税制の公平という問題で実は非常に大きな問題を持っておるわけでありまして、そういう結果、実は預貯金の上においてもいろいろ問題があるのでひとつこれを公正にやりたいというのが私たちの考えでありますしいたしますので、これは日本の税の公正のためには何としても避けられない制度である、これが第一点です。  第二点は、いろいろと郵貯問題というのが起きまして、民間の金融機関の皆さんいろいろと御意見があるようでありますけれども、この郵貯も今度のグリーンカードが実施されることによって名寄せが完全に行われることが可能になってまいるわけでありまして、現在郵貯の定額貯金はその口座数が二億四千万ということで大変な口座数に上っておりますから、これがグリーンカードによって正常な形に集約をされてくるということは、今後の、いまの金融対策上にも非常に大きな意味を持つものだ、私はこう考えておるわけであります。  そこで、この問題について御賛成か、あるいはもし御反対というのならばどういう理由で反対をなさるかということをひとつ簡単にお答えをいただきたいと思います。順次お答えをお願いをいたします。
  170. 今井一男

    ○今井参考人 貯金に対するグリーンカードの問題は、お話しのとおり。また郵貯も完全につかめます。ただ、不健康なのは配当との関係であります。日本の会社数がいま百二十万もあります。有限会社等を合わせると大変な数でありますが、その方の源泉といいますかつかみ方は不可能と言っていいのですね。ですから、株を持っておる人の方は預金者よりもはるかに力が強い人たちが持っているのでありまして、配当を野方図にしておいてはグリーンカードの方はできませんよ。こっち側だけいじめるのじゃ。特に貯金の方こそ皆さん皆秘密にしたいのですね。結局利口な人は宝石を買う。書画骨とうを買う。まあ海外預金まで考えるような人はぼくはそういないと思いますけれども、そういうことが現に行われております。たんす預金になっても大変であります。ですから、配当の方に対する一般の総合課税が完全にできるという前提においてグリーンカードも貯金に対してやるべきだ。貯金だけやりますというと差を一層大きくすることになります。だから、勤労者だけいじめられるという意味において、私はいまのグリーンカード制度は個人として絶対反対であります。反対じゃなくて、こっち側もやらないからいかぬというわけですね。日本の税制を考えましても、預貯金並びに公社債の利子については、大正時代から戦前は全部グリーンカードであります。配当は昔から総合です。といってつかめないのですね。現に支払い調書を出すのも税務署が配当の方に非常に甘くしております。申しわけありませんけれども……。
  171. 吉村勘兵衞

    ○吉村参考人 不公平税制の問題から原則は賛成でございます。ただ、いまお話が出ましたようなその問題と、それから実物資産へ逃避させない工夫、これは逃避しますと非常に金融的に混乱が出てくるのじゃないかと思いますし、そういう点を考えていただきまして、慎重にひとつお考えいただきたいと思います。
  172. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 法律は通ったものでございます。法律には賛成いたします。しかし、窓口で非常に手数がかかる、その上グリーンカードを実施する費用と増収になるものとのバランスがどのようになるか、十分御検討の上で実施に踏み切っていただきたい。  もう一つは、郵便局と差がつかぬようにぜひお願いいたしておきます。
  173. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 国会で決まったものですから私どもどうこう申し上げるわけではありませんが、ただ、問題は、あれを実施した場合に、大蔵省でもあれを調べるために大変な人が要るのじゃないかと思うし、また、金融機関も大ぜいの人を要するのじゃないか、こういうふうに思っていますので、現在非常に合理化的に国の政治もやりたいという際に、人が大ぜい要るようなことになって、また、金融機関もたくさんの人が要るようになったのでは非常に困ると思います。ですから、そういうことのないような方法を考えていただく必要もあるのじゃないか、こう思います。  それから二番目には、先ほどいろいろお話のございましたように、今井さんからもお話がございましたように、これがために民間の金融機関に金が集まらなくなって、それは郵便局へ行くかもしれませんが、郵便局に行っても国の中だからいいじゃないかと言いますけれども、民間の金融機関が預金が集まらないという事態が来たときには、やはりいままでの戦後の経済の復興というものは民間の金融機関がいろいろと心配したために今日の復興にも役立っているのではないか、こう思います。そういう意味からいきまして、やはり民間の金融機関からほかにシフトしないような方法をひとつ政府なり国会の方で考えていただきたいということ。  それから、郵便貯金にシフトするという問題については、私は最初からかなり反対してそれを申し上げてきまして、大分変わってはきました。けれども、われわれが本当に安心してあれがやれるような方法にぜひ御心配願いたい、こう存ずる次第でございます。  以上でございます。
  174. 鈴木進

    ○鈴木参考人 課税の公平という面から考えますならば、私はこのグリーンカード制度はいい結果であろうと思います。しかしながら、私ども中小専門金融機関がいま非常に困っている問題は、それは日本経済の形態もございますし都市銀行の進出というような問題もございますけれども、大きな障害というのは、やはりグリーンカード発想以来の郵貯へのシフトということがきわめて大きな障害を来し、むしろ大きな弊害をこうむっておるということでございます。私ども信用組合はささやかなものでございますけれども、最近は中小零細企業者に対する融資の金をどうしてつくるかというようなことで大変上部団体にお世話になりながら融資をしておるというような現状でございます。そういう意味から申しますならば、いまの郵貯の持つグリーンカード対策の一つの手段としての点は余り結構じゃない。やはり官業が民業を圧迫してしかも優先するというようなたてまえは完全にこれをよしてもらう。そして私ども民業と官業、いわゆる郵貯とは絶対にイコールフッティングでなくちゃならぬ。また、一番大きな問題は、限度管理という問題をもっと適切に――私どもは、現に国税庁が三百万円の限度管理に関しましてはやかましく追及をいたされておるわけでございますが、こういう面においても郵貯に何らかの形において限度管理というものを国の力をもって徹底してもらいたい、そういうことをここにお願い申し上げる次第でございます。
  175. 堀昌雄

    ○堀委員 相互銀行にお伺いをいたします。  実は昭和四十八年六月二十一日の参議院の大蔵委員会で中小企業金融制度の整備改善のための相互銀行法、信用金庫法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議というのが行われておりまして、「政府は、相互銀行等の中小企業専門金融機関における国、政府関係機関及び地方公共団体等の公金取扱業務の充実に努めること。」こういう附帯決議が参議院の大蔵委員会で付されたわけです。  それでは現状はどうかといってちょっと調べてみますと、五十五年三月の公金預金残高は、業態別に見ますと、都銀が一兆八千億、地銀が三兆五千億、信用金庫四千五百億、相互銀行三千七百億円、こういうことで、こういうグループとしては相互銀行は一番低いランクにあります。  この附帯決議が行われてから、政府は充実に努めることと書いてありますが、なかなか政府といってもそう簡単にはいかないので、これはやっぱり主として相互銀行自体がそれなりの努力もなされなければならないのではないだろうか、こう思うのでありますが、これについての相互銀行としてのお考えを承りたいと思います。簡単にお願いいたします。
  176. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 ただいま非常にありがたい御質問をいただいたわけでございますが、公金につきましては、四十八年以来関係各位の御努力によりまして、歳入金の取り扱いは全行が行うようになりまして、また、一般代理店につきましても、現在五行が日銀の一般代理店として仕事をさせていただいております。しかし、公団、事業団等政府関係機関については全然配慮をいただいておりません。  それから、いま先生おっしゃいました四十八年以来、政保債の相互銀行の引受額でございますが、累計で申しますと四十八年から四千百六億円という大きな額の政保債を引き受けたわけでございますが、政府関係機関の私ども相互銀行に対する取引及び預金実績は、国会の決議にかかわらず、現在見るべきものはございません。地方公共団体につきましては、私どもは地域金融機関として、地域に密着して、地域からお預け願った預金についてはできるだけ地方公共団体の起債その他で、地方債縁故債を引き受けて還元するように努めております。地方公共団体の取引は進行いたしております。どうもありがとうございました。
  177. 堀昌雄

    ○堀委員 次に、信用金庫の小原会長に伺いたいのですが、実は行政改革の問題が非常に大きな問題になりまして、私は、行政改革というのを言い出しているのは行政管理庁でありますから、行政管理庁も地方監察局というものを少し整理をしたらどうか、こう考えるのでありますが、大蔵省もこれまた隗より始めよで、何かやるべきだろうと、いろいろと私どもの立場で調べてみますと、いま地方に財務部というのがたしか四十一ぐらいございます。財務部の内容を調べてみますと、一つは国有財産の管理、これは確かに財務局でやるということでは国民に直接いろいろと関係がありますから、どうも残しておく必要がある。その次に、資金運用部の貸付関係というのは自治体との関係ですから、これは少々距離が離れても、自治体は金を借りる方ですから、財務局へ来ればいい。公務員宿舎の管理については、自分の枠の中のことだから、何も財務部がやる必要はないから、これも財務局でやればいい。さらに残っておりますのが、信用金庫の検査事務ということでございます。さっき今井参考人がお話しになりまして、最近はどうも検査業務というのは昔と違ってずいぶん精緻になっておるようでありますけれども、私は検査業務をやめろと言うのではないのでありますけれども、これはひとつ財務局に移管をして、人間を縮小して財務局で処理をすることにして、いまの財務部にある検査官というのもやめたらどうか。そうしますと残るのは国有財産の管理だけになって、あとの三つのパートはなくなりますから、もう財務部というのは借家に入って、財務部の建物と土地はこの際公正な対応で払い下げるということにしたらどうかというのが、実は私の個人的な見解でございます。  しかし、ただ検査がなくなればいいということではなくて、信用金庫は協同組織でもありますから、そこは信用金庫連合会等の組織もありますので、地方のそういう問題の検査がなくなったら事故が頻発したなんということでは、提案者である私も、おまえがつまらぬことを言うからこうなったと言われては困るのでありまして、そういう問題については信用金庫連合会なり信用金庫協会なりが責任を持って対処できるということを公式にここで小原会長から御答弁がいただければ、私はこれをひとつわれわれの方針として推進をしたい、こういうふうに思っておるのでございますが、小原会長の御見解を承りたいと思います。
  178. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 お答え申し上げます。  現在信用金庫は、大蔵本省と地方の財務局と各県の財務部と、三段制になっております。ところが普通、地方銀行さんでも相互銀行さんでも、本省と地方財務局だけでございます。財務部は別段関係ないわけです。ところが、われわれの方だけはそういうような三段制になっているのです。いまから三十年前に信用金庫法ができた。人間でたとえるなら、幼稚園か小学校の時代は財務部のお世話になったと思います。けれども、その後三十年たって、今日では中学なり高校なり、大学も卒業して、三十年ですから三十歳という年を迎えて、そういうときにまでまだ昔の幼稚園時代の着物を着せられるということになるとどうかと思いまして、私も、どっちかといえば、財務部は人がいま少ないですから、検査をなすってもそうはっきりした検査はできないので、どこでもみんな財務局の人が検査しておりますし、財務局の検査で十分間に合うというふうに私は思いますので、願わくばほかの銀行さんと同じように幾らか大きな着物を着せていただいて、二段制にしていただきたいということをお願い申し上げたいということと、それから、信用金庫は、いろいろ問題でも出たときには、全国信用金庫協会がかなり指導をしております。それから、全国信用金庫連合会、私はその方の会長もしておりますが、問題が出ますと、よその金融機関にお世話にならないし、またよその世話にならないで連合会が出ていって全部整理をする、そのかわり悪いことをしたようなことがあればその人には退任をしてもらって、連合会からどんどん人を送ってその金庫を健全なものにしていくというふうな制度になっておりますから、私は、いま申し上げたようなぐあいで二段制にしていただくことが現在の幾らか成長した信用金庫として、連合会も資金量が三兆八千億持っておりますし、信用金庫も三十四兆円の預金を持っておりますから、それで自主的に一生懸命守っていかれるのじゃないかと、こういうふうに考えますので、よろしくお願いいたします。
  179. 堀昌雄

    ○堀委員 終わります。
  180. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長 渡部一郎君。
  181. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 御苦労さまでございます。最初に労金問題について一つお尋ねしたいと存じます。  労金につきましては、二十八年の法制定以来実質的な改正は行われておりませんが、今回おおむね信用組合並みの業務ができるように改正されたということになっておると承知いたしておりますが^労金につきましては、これを機会に業務体制の整備と経営効率化を一層努力することが期待されていると思いますが、その辺はどういうふうに受けとめておられるか、これが一つ目です。  また、この際、かねて五十一年から大蔵、労働両省と労働金庫側の三者で協議の場を持たれまして、五十三年四月に集約がなされた。それによりますと「当面は、労働金庫の健全な発展を確保する見地から」「労働金庫制度上の問題点の改善について、大蔵、労働両省はその方法等必要な点につきさらに関係方面と相談しつつ可能な限り早期に実現されるよう努力する一方、労働金庫は業務運営の整備・改善を含め経営体質の強化を図る」と集約がなされておりまして、そのために五十三年五月に必要な定款、業務方法書例の改正、経営基盤の強化のための統一経理基準の制定等について行政上の措置がとられてきた。今回の改正もその流れの一環と私どもは理解しておるわけでございますが、この労働金庫の全国的な集約についてどういうお考えか、今後の御方針というようなものをこの際承り、かつ、問題点等があればこの際率直に伺いたいと存じます。
  182. 今井一男

    ○今井参考人 いまお読みになりましたことは、そのとおりであります。むしろ、私のような人間の目から見れば、そんなにまで忠実に自己資本の充実に献身しなくてもいいんじゃないかというくらいにまで各単金はまじめにやっています。私はふまじめというわけでもないですけれども。自己資本、これは大口貸し付けにすぐリンクしますが、われわれ、信金と同じように出資なんですね。銀行の方は株式です。株式というやつは転売ができます。しかもだんだん値上がりします。出資というのは、これは解散でもしない限り分配できませんから、結局最大限が原価で、払込金で脱退するということになりますね。したがいまして、増資の関係というものは非常にむずかしいのであります。これは株式と出資金との違いでありますけれども、その違いを見ないで一本のルールでかぶせられております。したがって、無理もかかってくるのですが、しかし、無理を承知でとにかく自己資本を一生懸命やろう、こういう空気になっております。そういう無理があるのだから、そこまで大蔵省の言うとおりにならぬでもいいのじゃないかというふうに、むしろ私はブレーキをかける方のあれであります。したがいまして、今度の改正の機会に皆さん各全国の単金はここで本格的に、たとえば従来は年金というのはうちの専売であっていいような商売が為替ができないために実は扱えなかった、ほかの金融機関でやられておったというところだけでもわれわれの分野が広がるということから、少し時期は遅いのでありますけれども、一生懸命やろうという空気になっております。  それから、先ほどお話がありましたけれども、うちのは大口貸し付けでも何でも非常勤が全部入っておる全体の理事会の承認がなければやれませんから、そこでチェックされるのであります。または金利を動かす場合にも、県下全体の組合の代表、これは理事ではありません、そういう諸君の御理解を得なければやれないということから、これが経営上ちょっと隘路になっていますけれども、意見に従っていまの公定歩合の引き下げに応ずる処置をやっております。したがって、経営がここからしばらくちょっと一、二年つらい段階に入るのでありますけれども、そのつらい段階はそれで回避していこう、こういうふうな空気になっております。
  183. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 ありがとうございました。  次は、長期信用銀行さんの方に一言承りたいのでございますが、私は国会に参りまして外務委員を少し長くいたしておりまして、国際競争場裏におけるわが国関係銀行の信用供与あるいは国際業務の拡充について、従来から欠陥をひどく感じてきた一人であります。  その中でほんの一点、二点承りたいのでありますが、このたびの長信法改正につきまして、銀行法との共通事項で大口融資規制というものがうたわれているわけであります。これは長期信用銀行だけではなく、各銀行に対して大口融資規制というのがかぶせられておりますと、たとえば最近の後進国に対する融資は非常に巨額なものがありまして、一つずつのプロジェクトをちぎって発注する場合には何でもないのでありますけれども、一つまとめて、新しい国ができた、そら一斉にこういうプロジェクトがあるからお金を出してくれと各国に呼びかけた場合に、日本側の銀行はいずれも大口融資規制にひっかかってしまってできないという可能性が非常に高い。私の知っているケースでは、ある鉱山に対する融資というものが日本側の銀行は七十位前後に顔を出す。銀行シンジケートをつくって応戦されているのでありますけれども、シンジケートをつくる余裕がない。そういうふうになりますと、大口融資規制というものが逆にマイナスになってきて、わが国の銀行の国際化ということにマイナスブレーキをかける可能性があるのではないか。こういう問題については、一番練達である長期信用銀行さんに、えらい方に一遍お目にかかって伺うと大変おもしろいことが出るのじゃないかと思って期待して待っておったわけでありまして、きょうはからずもいいチャンスを得ましたので、むしろこれは政府の方に聞かなければいけないことではございますが、現場を扱っていらっしゃるお立場として、一体この辺はどうなんだろうか、これで差し支えないんだろうか。ひどい国になりますと、GNPの何倍という貸し付けを一気に要求したりいたしますから、そういう意味では大変な問題を含んでくる。外国におきましても、大口融資規制というのは、各銀行に対してその国家ごとに一応の規制を加えたりいたしている制度はありますけれども、欧米関係の銀行は大体それを穴抜けをする諸制度を持ち合わせている。たとえばCDを使ってそれを抜けるとか、あるいは他行に貸し付けてその貸し付けた他行から出すことによって抜けるとか、ひどい場合には東ヨーロッパ系の銀行に一遍貸し付けてそれをクッションにしてもう一回やる、クッション金融とでも言った方がいいような、そういうさまざまなテクニックを使ってやっているわけであります。そうすると、大口融資規制というのは一体何なのか、私はそこにも戸惑いを感じているわけであります。わが国だけがカワイコちゃんにしていてもこういう新しい国際場裏で役に立たないのではないだろうか。そういうものに対して、長年にわたってこうした問題を御担当なさっている御行とされましては、大蔵省に対してもそろそろはっきり物を言われるときが来ているのではないだろうか。そういうことをいろいろ詳しく聞いてみたいのですが、きょうは最初でございますから、まとめてお願いしたいと存じます。
  184. 吉村勘兵衞

    ○吉村参考人 御存じのように私どもの銀行は、国際業務と申しますと資本取引が中心でございまして、為替の売買、そういうものは副次的にやっておるにすぎませんで、おっしゃいますようにその問題はあるのでございますが、一応現在に至るまでば国際金融につきましては一口で大きな金額というのは出てきておりません。と申しますのは、一応幹事として引き受けますけれども、それはシンジケーションでそれぞれ金融機関に散らばしてまいるわけでございますね。     〔委員長退席、大原(一)委員長代理着席〕 でございますから、リスク分散というものもございますし、そういう形でいっておりますから、いままで大口融資規制にかかるような国際融資はございませんです。
  185. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 ただいまの答弁はきわめて巧みに御答弁になったわけでございますが、それは大口融資規制にひっかからないように細工が行われたからひっかからなかっただけの話であって、ますますそういうリスクを分散するんじゃなくてひっかからないようにするための分散の作業の量というのが刻一刻ふえていく。私は、その意味ではこうした問題について大口融資規制という単純なルールだけではできないのじゃないかと心配をいたしておるわけであります。これは差し向かいでひとつ篤とお話をせぬと余り白状していただけないようですから、本日は一にらみするところで終わりにしておきますが、これは今後の御検討の課題に十分なり得るテーマだろうと私は思います。  もう一つ私困ってしまっておりますのは、最近の東ヨーロッパ諸国が非常に大きな借金を抱えていることであります。東南アジア諸国もすごいマイナスをかぶっていたといって指摘された時代がございますが、最近におきましては南の国々がいずれも非常にたくさんのお金を借り込んでしまっておる。そこへもってきて、東ヨーロッパに対して西ヨーロッパから主として行われる金融というものが非常に膨大なものになってきている。そこのところに、日本はいまおくればせながらここへお金を貸し出すように求められている、そういう状況になりかかっておる。結局オイルショックにおけるオイルダラーの偏在というものに対して、そのオイルダラーの偏在を是正するために、わが国に対して、オイルダラー諸国に対するよりも日本を経由してそのオイルダラーを取り入れてそういうところに投げ込もうというところが国際的な一つの流れになっているように見るわけであります。そうすると、こういう倒産しかかっている、まあ倒産しかかっていると言うと東ヨーロッパ諸国に大変失礼なので撤回いたしますけれども、こういう信用が減りつつある国々に対してどういう形でこの債権保証を行っていくか。長期信用銀行さんは日本の各行を率いて、ある意味では幹事的な立場をとりつつこういう問題に対応されなければならぬと思います。その点、どういう含みを持って今後対応されていくのか、その辺、きょうは見出しのところだけ承ります。
  186. 吉村勘兵衞

    ○吉村参考人 いまおっしゃいましたように世界の政治情勢、経済情勢が非常に混沌としておりまして、いわゆるカントリーリスクという問題が非常に大事な問題になってきておりまして、国際業務をやる場合にそれの情報を入れるということが一つの大きな問題になっているわけであります。まあ非産油発展途上国の累積債務が問題になってきておりますが、これは結局結果になりますから危険の分散を考えるしか方法がないのでございますね。それで、そのカントリーリスクを一応各国別に項目を設け採点した上でランクをつけたりしてやっておりますけれども、そういうふうに国際業務につきましてはこうしたカントリーリスクもございますし、それからまたプロジェクトに対するリスクもございますし、それから資金調達を多様化する、いろいろな方法でリスクは下げなくてはなりませんが、アベイラビリティーリスクというか、調達面でもリスクがあるわけで、こういうリスクをやはりできるだけいろいろな方法で回避し、そういう危険の分散を図っていくという形でやっている次第でございます。
  187. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 これもまた非常に慎重をきわめた御答弁でございますな。というのは、それはいまやっておられることを御説明になったのですから、必ずしも間違っておる答弁とは私は思いませんけれども、しようがなくなっているというのは確かにそうなんであって、国連でもうまくいかなければIMFでもうまくいかない、多国間条約でもうまくいかない大問題でありますから、これには知恵を発揮しないと、わが国のようなある意味で急速に成金になった国家というものは大しくじりをする可能性がある。戦争も平和も外交も経済もいまや一緒くたに使われて、こうしたものの債権、債務というのをあるときには棒引きにしてみたり、あるときは押しつけたりしながら国際的な取引というのが行われているわけでございますので、この辺は今後もう少し御研究をいただきまして、別の委員会の際にしかとまたお尋ねをしたいと私は思っておりますので、またいろいろと御見識を御披露いただきたいとお願いをしておくわけでございます。  これは政府としても必要なのですけれども、大蔵省が必要だといっても、実際にはお金を貸す方が研究しなければ、とてもアイデアなんか出てくるものではないので、お役人というのは、大体何件かがしくじった後からおっ取り刀で出てきて、そんなことをしてはいかぬというのが普通のやり方なんですから、実際の御商売の先頭に立つ部局を持たれているところとしては御研究をいただいた方がいいのではないかと私は思っております。  次に申し上げますが、今度は相互銀行さんにお尋ねをしたいと思います。  実は、私は先ほどの同僚議員の御質疑を承っておりましても、相互銀行さんを代表されまして長谷川さんは勇戦力闘されておられて、お気の毒なお立場でございまして、見るにたえない感じがするわけであります。中でも札つきの銀行を何行も擁しておられまして、その札つき銀行をお互いに助け合うために何百億のお金を用立てるよう、政府から言われたのか同業者で決めたのか長期信用銀行さんが言い出されたのか知りませんけれども、何百億もどんどん融資していく。そして、採算勘定がますます悪くなる。そして、そのだめなのを全部抱えながら、相互銀行の相互の字をとろうと思って奮戦力闘され、最後はだまし討ちに遭ったようにして相互の字は失い金はなくなる、そしてこんなところへ出てきて怒られる、これでは間尺に合わなかろうと私は御同情しているわけでございます。現在これは明らかに行政上のある種の手落ちがあると私は思っておるわけでございますが、各種の金融機関の中で経済構造の変化の影響を一番たくさん受けてしまった。そして、役職員一人当たりの経常利益というものも拝見してみますと、恐るべき数字になっておりまして、そんなことを言っては何でございますが、規模がもう少し小さいと思われてきた信用金庫や信用組合よりも低い。経常利益の一人当たりを拝見しますと、相互銀行が一人当たり百三十二万、信用金庫が二百十五万、信用組合が百六十七万、相互銀行の一人当たりの資金量が一億八千万円なのに対して、一年かかって百六十二万しかもうからないのですから、言ってみれば一%弱、一%をはるかに下回る状況で御商売をやっておられる。こんなことなら、店を全部畳んでしまって、どこかの銀行に預けて昼寝でもしていた方が得だという不逞の議論をなし遂げることすら可能だと私は思います。  この状況を突破するためには、相互銀行法の存在も含めまして、これはもう全面的に議論をし直した方がいいのじゃないか。この業界はつぶされていく業界になりつつあると私は思います。この方向が続くなら、恐らく半分は銀行に半分は信用金庫にばらばらに分解され、そしてつぶされるのではないかと私は思います。というのは、今回の利ざやの縮小傾向というのは明らかに定着しておりますし、預貸金利ざやが逆転するということはもう明らかに懸念されているわけでございます。  中でも、私はこれはあした銀行局にしかと伺っておきますが、今度の金融制度調査会の答申の中で「相互銀行の持つ相対的な困難を緩和し、もって経営体質の安定強化に資するような取扱い――例えば資金吸収面、店舗行政面等――についても考えられてよいであろう。」と堂々と書いてありますが、店舗行政面で先般通達が発せられ、相互銀行としてはいわゆる体質強化店舗ということで特別の配慮がなされたことにはなっているけれども、ほんのちょっぴりである。しかも、現在相互銀行の固有業務である相互掛金の純資金量の中に占める割合というのは一%を切っておられる。相互掛金について業界内でもいろいろ見直し気分が生じておられる。新種掛金について何とか考えなければならぬという段階でおありになる。  そこで、新種掛金についてどういうふうに考えておられるのか、また自分たちがいま業態の制約をはねのけて、どういうことをやってもらえば制度的にもうちょっと仕事ができるのか、また魅力のある商品をつくるためにはどうしたらいいとお考えなのか、魅力のある相互銀行に切りかえるにはどうしたらいいとお思いなのか、また相互銀行というものの制度それ自体に対してまで最終的には意見をお持ちでしょうけれども、率直な御意見を今後の討論に資するためお尋ねをしたい。ゆっくりしゃべっていただいて結構ですから、どうぞやってください。私の持ち時間をあと全部提供しますから、どうぞお話しください。
  188. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 ただいま渡部先生の御指摘のございましたとおり、相互銀行協会は非常に苦境に立たされております。信用金庫さんと比べまして、一人当たりの経常利益が低い。これにもわけがあるわけでございまして、相互銀行は株式会社組織でございますし、信用金庫さんは協同組合組織でございますので、税制の面で非常な違いがあるわけでございます。私たちは、税制の面で不利だから協同組合に変わろうかというふうなことは毛頭考えておりません。しかし、先生のいまおっしゃったように、一体相互銀行はこれからどのようにしていくのか、将来のビジョンはどうかという御質問でございますが、一言で申しますと、制度的に相互銀行は片手落ちでございます。と申しますのは、御承知のように二十六年に相互銀行法が発足をいたしまして、そして現在問題になっておる大口融資でございますが、二十六年から自己資本の二〇%という枠がはめられて、今日まで三十年間やってまいったわけでございますが、これは中小企業金融機関として当然守るべき枠でございますし、決してこの枠をはみ出そうというふうな考えは持っておりません。また、今度の大口規制で商手をのけるとか貿手をのけるとか、またそういうふうなものをのけて大口規制をするというのじゃなしに、私たちはそういうものをひっくるめて自己資本の二〇%という枠内で現在やってまいったわけでございますが、運用の方で制度上の制約を受けながら、資金を調達する方では何のメリットもない。運用で制約を受けて調達にメリットがないというのが、相互銀行の現在の悲劇を招いた大きな原因じゃないかと思います。  調達の面について、先ほど先生のおっしゃった相互掛金契約を見直すという話でございますが、相互掛金契約というのはこれはもう先生、墓の中に入った死に体でございます。いまさらこれに息を吹き返せというのは、生き返せと言う方が無理じゃないかと思います。それより新しい商品を考えていただくという方がかえって近道じゃないかと思います。一例でございますが、譲渡性定期預金、これは都銀さんには向くかと思います。最低の金額が五億円でございます。中小企業の私たちの取引先では、一口五億円というような預金は一件もございませんし、これからも希望する、実現もないわけでございますので、譲渡性預金の最低金額をせめてアメリカの十万ドル、いわゆる二千万円程度に引き下げていただく。渡部先生は外国の事情に非常に詳しゅうございます。アメリカのMMC、それに似たような預金を私たち中小企業に実施できるようにぜひ御努力をいただきたい。それを突破口にして相互銀行がこれからの新生面を開いていきたい、こういうふうに考えております。どうぞよろしゅうお願いいたします。
  189. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 時間がなくなりましたので、これにとどめさしていただきますが、こうした諸問題につきまして今後とも業界の中で――お役所の方で、いま新種の預金についても研究をしていただきたいと長谷川さんは申されましたが、私はここで見ていて妙に思いますのは、業界の方で先に考えるべきなんでございましょうが、大蔵省の銀行局は、おたくに対してこういうやり方で商品をやりなさいとおっしゃって、おたくの方でアイデアを出すことが許されていないのかどうか、そこのところだけちょっと言い回しの上で気になりましたから、最後にお尋ねしておきます。
  190. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 ただいま先生のお話でございますが、大蔵省の方から相談はございました。しかし、私の考えております相互掛金契約のビジョンとは大分距離がございます。私、賛成をいたしませんでした。相互銀行そのものについてはこれからも発展する可能性がない、こういうふうに断定いたしております。時代が違いまして、社会のニーズに合わなかったから相互掛金が衰微したわけでございます。それをまた無理に生かしてこようということは、どこかに人為的な無理が生じるのじゃないか、こういうふうに考えております。
  191. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 ありがとうございました。
  192. 大原一三

    ○大原(一)委員長代理 玉置一弥君。
  193. 玉置一弥

    ○玉置委員 参考人の皆さんには大変長時間にわたりまして御苦労さんでございます。いつも私のころになりますと、ちょっと疲れが出てくるのではないかという心配も出ているわけでございます。  今回の銀行法の改正によりまして、特に午後御出席をいただいている皆さん方の分野の要望というものが、かなり織り込まれているように聞いておりますし、また私自身もそのように思っておるわけでございます。今回特に、公共性そして社会的責任、その中に自主性を見出していく、そういう範囲の中でこれまで以上に努力をいただくという感じで、そのための手だてとして員外貸し付けでありますとか、いろいろなことが制度として今度取り入れられたという様子でございますけれども、公共性そして健全性、場合によっては相反するものであるというようにも思います。そこで公共性というものをそれぞれの立場からどのようにお考えになって、方針として持っておられるか、実際の運営に当たって考えておられるか、その辺をごく手短に一言ずつお願いをいたしたいと思います。  では、今井参考人からお願いします。
  194. 今井一男

    ○今井参考人 私どもは完全な会員組織による金融機関でございますので、会員の要望、批判ということを中心にして考えると、これイコール公共性である。もちろん会員がとんでもないことを言い出す場合がないとは言えませんけれども、そういう場合は別としまして、原則は、それでいけば公共性になる。特に消費金融、生活金融、勤労者に対する生活金融としてはわれわれしかないという自負のもとに、この会員の要望を中心に、批判を中心に運営するということがイコールである、こういう立場であります。
  195. 吉村勘兵衞

    ○吉村参考人 先ほど沢田先生のときに申し上げましたように、長期信用銀行に期待される業務あるいは分野というものを御説明申し上げましたが、結局、それを遂行することによって国民経済の健全性、ひいては国民生活の向上に資するというような形に持っていく、こういうことじゃないかと思っております。
  196. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 私は中小企業専門金融機関としての相互銀行の公共性について、一言先生にお願いをしておきたいと申しますのは、日本経済を支えておる活力というのは中小企業のバイタリティーだ、こういうふうに信じております。その中小企業のバイタリティーをますます力強くしていく、これが相互銀行の公共性じゃないか。そのためには、良質、低利な資金を最適配分する、これに尽きるのじゃないか、中小企業が繁栄する、ひいては地域が繁栄する、これが相互銀行の公共性でございます。
  197. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 お答え申し上げます。  信用金庫といたしましては、中小企業の育成のための資金を心配するのが信用金庫の役割りであるということ、一般国民大衆のための心配をするという、二つの面がございます。そういう面を、社会的に見ていかに信用金庫が貢献するかということを考えなければいけない、それを考えてそれを実行していくことが公共性にかなうものじゃないか、こういうふうに思っております。  それからなお、信用金庫としましては、協同組織でございますので、株式会社の組織の方々と違って、配当なんかは、剰余金が出ましても年八分以上の配当はしないということ、それから、いろいろと株式の何とかといってよけいに株式を与えるというふうなこともやりませんで、結局金利も、配当八分に抑えております関係上、そういう方々にいかに安い資金を提供するかというのがわれわれの公共的使命じゃないかというふうに考えておる次第でございます。  以上でございます。
  198. 鈴木進

    ○鈴木参考人 金融機関の公共性、いわゆる社会的責任とその使命というものは全く一元的のものであろうと解釈をいたしておるわけでありますが、そういう意味合いにおきましての私ども信用組合は、協同組合組織の金融機関でございますだけに、まず信用の維持を十分に守っていく、それから預金者の保護をこれは絶対的なものとして考えていく、さらにまた中小零細あるいは勤労者のための資金需要に円滑にこれを果たしていく、こういうことが公共性を認識する大きな基であろう、こう考えております。
  199. 玉置一弥

    ○玉置委員 いま全般お伺いしましたところ、やはり公共性というものは、安い資金を全般に適正に配分をするということと、それぞれ各分野で、長銀さんにおいては社会開発という面でかなりお力を入れておられる、その他については、中小企業専門機関ということから、大変な資金の、いわゆるコスト安というか、そういうことを考えておられるということでございますけれども、資金のコスト安ということはやはり経営体質をかなり改善させてうまく運営をしていかなければ、資金当たりのコストが厚目になってしまうということでございまして、最近の金融情勢を見てみますと、それに逆行しているような動きがあるというふうにも思いますし、また、大きなことは、店舗の集約化とかあるいは業務提携とか、いろんな方法をとられて、コストをできるだけ引き下げていこうという一つの動きがありますけれども、長銀さんを除きまして、ほかはどちらかというと中小専門機関ということで、いわゆる資金回収面でのリスクというものが大変あるように思えるわけですね。いままで、たとえば先ほどから問題になっております相互銀行さんでありますとか一部の信用金庫については、その地域性、あるいは先ほども三つに分類をされましたけれども、業界あるいは職域、そういう区分をされた場合に、人的なつながりから断り切れない融資もあるんではないか、そのように思うわけですね。われわれ一番心配するのは、金融情勢が悪化をした中で、体質的な面もございますけれども、やはり人との絡みというものが、金融機関として、特にある地域まで、あるいは職域というふうに限定をされますと、もし断った場合のその波及の効果、それが大変大きいのではないかという心配もあるわけで、悪く言えば、利用されているという部分があって断り切れない、そういうことも大変心配をするわけです。それぞれの立場において、そのリスクをいかにカバーされているか、あるいはしているか、それについてそれぞれの代表で長谷川さんと小原さん、お二人にお願いしたいと思います。
  200. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 ただいまのお話でございますが、相互銀行は、現在では営業区域が地銀よりは広いんじゃないか、本店所在地県の店舗よりも本店所在地県以外の店舗がふえた同業者もあるわけでございまして、いま先生のおっしゃるように、事が起こると非常に波及するところが大きいんじゃないか、こういう話でございますが、これについては十分関心を持って管理をいたしております。  それと、現在の経営の苦境をどうして克服するかというお話でございますが、いままでは拡大の道を選んできたわけでございますが、現在はいかにして生き残るかという方の道を選択いたしております。生き残るための努力を積み重ねていきたい、それにはどうするか、現在私の考えておりますのは、何とか個人ローンに力を入れて、個人層に密着して、そして地域に密着した銀行になりたい、こういうふうな方向で業務を進めていきたいと思っております。非常にいままで個人ローンについて、怠けておったとは申しませんが、少し力を入れなかったために、ほかの正規の金融機関でない金融機関がはびこってきたというような状況がございます。これを防ぐために、私たちはこれから遅まきながら個人ローンに力を入れていきたいと存じておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。
  201. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 お答え申し上げます。  私ども、信用金庫の仕事をしまして、先ほど申し上げました中小企業なり国民大衆に長い間金を貸してまいりました。金を貸しますときにどういう考え方でいくかといいますと、ただ、金を貸して、これが間違いなくいい利息をもらって元金なり利息が返るということだけで貸したのではどうかと思います。少なくとも、その金を借りにきた中小企業なり一般国民大衆のためになるかならないかということを考える必要があると思います。いかに担保をよけい出されても、その金を借りにきた人のためにならないというふうに判断したときには、少しその担保を辛くしてもなるべく御遠慮申し上げた方がいいと思います。けれども、その人に金を心配することが非常にその人のためになるというときには、担保を緩めてもかなり思い切って金を貸しても大丈夫だというふうに思っております。  長い間私も金を貸してまいりましたけれども、そう倒されずに今日に至ったということは、何でもやはり借りにきた人のためを考えて、ただその信用金庫の発展とか金利をよけいもらうとかということでなくして、その人を育てる、めんどうを見るということで、この人のためになる金かどうかということがポイントではないかというふうに考えて仕事をやっている次第でございます。
  202. 玉置一弥

    ○玉置委員 それぞれの規模に合った特色といいますか、そういう面で見ますと、やはり信用金庫さんなりあるいは信用組合さんなり相互銀行さんなり、非常に密接なつき合いといいますか、密着してやっておられるように見ておりますし、また、それがいわゆる信用度という面で大変な調査にもなるというふうに思います。  ところが、現在銀行全般の融資の状況を見てみますと、担保貸しというか、要するに担保つきの貸し出し、それが大体三〇%から四〇%前後という状況、ところが逆に、小さくなるに従ってその担保の度合いが非常にふえてきているわけです。日ごろいろいろな状況を見てみますと、担保を目いっぱい使っている、特に流通産業なんかにつきましては資本の投下が非常に少ない、その割りには運転資金が大きいという状況でございまして、そういうところについては担保が店の分しかない、そういう状況の中で運転資金をある程度カバーしよう、あるいは店舗の拡大を図るというときに十分な資金が活用できない。それはなぜかといいますと、担保がないから融資をなかなか思い切ってやってくれないということになるわけです。リスクをカバーするということと相反することでございますけれども、やはり中小企業者の育成ということを考えた場合には、ある程度の信用度というものがあった場合に、担保なしの貸し出し、いわゆる営業面での信用、そういう面で、全く銀行さんと同じことになるわけですけれども、預金者が銀行へ預金する、担保も何もなしに紙一枚で預金するわけですね。それと同じことを逆にやっていただけないかということなんですけれども、この件につきましてごく簡単にお答えを願いたい。また長谷川さんと小原さんにお願いします。
  203. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 ただいま先生の御指摘のとおりでございますが、しかし銀行は不動産屋でございませんので、担保があるから金を貸すというわけではございません。  それでお願いいたしたいのは、ただいま御指摘のございましたように、担保のない取引先にどうして取引するか、またそういう取引先をどうして育成するか。そのために一番大事なのは、信用補完制度を完備していただく。現在、信用保証協会というのが各地にございますが、これは事業所を相手にいたしております。個人に対する信用補完というのは行われていないわけでございます。何とか個人に対する信用補完制度を完備していただくということがこれから必要になるのではないか、そうするといまの御心配も解消する、私はこういうふうに考えております。
  204. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 私は、担保のあるなしにかかわらず、その人の金が必要であるという理由、それをよく探求してまいりますれば、場合によれば、担保を持ってきても、あなたは担保は要らないから、信用でも心配してあげますよと言って貸す場合もよくあります。そういたしますと、その人は、担保は入れないけれども、自分に信用で金を貸してくれたという、相互組織ですから、相手が非常に感謝の念を持ってくれます。そうなりますれば、担保がなくとも、りっぱな人間が担保で返してもらえる、そういうことでございまして、私は、そういうふうな意味から、先ほど申し上げましたように、場合によっては百掛けの担保の金を貸してもよし、場合によっては担保の評価に対して五〇%でも貸さない方がいい場合もあるというふうなことを考えてやることが、本当の生きた中小企業なり生きた一般大衆に対する貸し付けの態度ではないかというふうに心がけてやっておる次第でございます。
  205. 玉置一弥

    ○玉置委員 いま長谷川さんからお話がございましたように、信用の補完、これをやはり制度的にも考えていかなければいけないと思いますし、また制度だけではなくて、業界として、基金として積み立てをするというふうなことも必要かと思います。それと、やはり資本力のある方だけが借りられるということではなくて、個人的な信用という大変大きな要素、社会というのは人で成り立っていますから、そういう面での担保力、人を担保にする、こういうことをぜひまた徹底していただくようにお願いをしたいと思います。  いままでの状況で、いろいろお聞きをしておりますのは、いわゆる資金コストがかさんでくるということでございまして、特に中小金融機関については定期性預金の率が高い、ということは利息を高くして資金を借り入れるということになるわけでございます。一方、貸出側から見ると、住宅ローンあるいは教育という足の長いローン、個人ローンが非常にウエートを高めております。相互銀行さんが個人に生きる道を見出すのだということであればまさにそういう状況になるわけでございますけれども、そういう面からやはりこれから公共性を持ち続けようということであれば、資金コストをいかに安くするかということを考えなければいけないと思うのです。  吉村参考人にお聞きをしますけれども、長銀さんの場合には両方の資金が長いといいますかそういう形になっていると思いますけれども、そういう面で、参考までにいままでいわゆる資金のコストアップをどういうふうに駆逐されてきたか、それについてお話を願いたいと思います。
  206. 吉村勘兵衞

    ○吉村参考人 私の方は長期金融を専門にやっておりますので、結局それに経営の健全性からもまた法律規制からも預金の受け入れにかえまして債券の発行をする。債券でございますから表面的には預金金利というものは非常に高い。ただ、私の方の場合、もちろんこれは普通に言われる経営の合理化とか効率化に努めておりますけれども、根本的に市中銀行さんと違いますのは、経費率が非常に低いということ、これは言いかえますと、長信銀三行とも従業員は五千名以内ぐらいでございまして、結局そういう人件費が違うことで、恐らく去年の九月の数字で市中銀行さんの半分以下の経費率ではないか。ですから、そういうふうな形でコストというか経費が落ちてきているわけでございます。そういう形で極力あれしておりますが、表面的には預金金利よりも債券でございますから高いわけでございます。
  207. 玉置一弥

    ○玉置委員 時間が参りましたので終わりますけれども、この前各業界の方々に来ていただいたときに、皆さん中小企業金融については力を入れていくというお話がございました。実際かなり力を入れていただいているわけでございますけれども、やはりその中でも健全性を育成する、そして今回の銀行法にもうたっておりますように、自主努力、そして、先ほどからお話が出ておりますように、自浄効果、自浄作用というものを銀行、金融機関の中でぜひ持っていただきますようにお願い申し上げまして、終わらせていただきます。ありがとうございました。
  208. 大原一三

    ○大原(一)委員長代理 蓑輪幸代君。
  209. 簑輪幸代

    ○蓑輪委員 参考人の皆さん方お忙しいところどうも御苦労さまでございます。  最初に相互銀行についてお尋ねをしたいというふうに思います。  金融制度調査会の答申の付属資料というのを拝見いたしますといろいろなことが載っているわけですけれども、特に一貸出先当たりの金額階層別構成の推移というのがありまして、これを見ますと、四十六年度末と五十四年度末の比較がいろいろ出ておりますけれども、中小企業に対する貸出比率というのは減少する一方になっているというふうに見るわけです。一貸出先当たり五億円を超える金額階層というのは、先数で見ますとわずか〇・一%にすぎない。ところが金額で見ますとこれが一〇・六%にも達しているというふうに出ております。こういうところに一つの問題点があるように思いますし、さらにまた県外店舗比率というので見ますと、地方銀行が二〇%になっているわけですけれども、相互銀行の場合二六%と地銀を上回っている。さらに相互銀行の中でももちろんいろいろ違いがあるようですけれども、全体としてこれが地銀を上回っているという状況になっているわけです。     〔大原(一)委員長代理退席、委員長着席〕 相互銀行も高度成長期には急速に業容を拡大されていろいろと努力をされたということのようですけれども、こうした方向での業容拡大ということになりますと、中小企業専門金融機関としての相互銀行のあり方というところから見て、決して好ましいものではないのではないかというふうに思います。中小企業に対する金融については、特に融資の均てん、あるいは地場産業の育成の問題、さらに資金の地元還元というような方向で発展していくことが望ましいというふうに思います。  それで、長谷川参考人は調査会の答申の際のお答えの中で、「金融財政事情」の中で述べられていることですけれども、相銀について相互銀行哲学というものが欠けているというようなことを述べられているように拝見しておりますけれども、相互銀行哲学というようなものがどういうものなのかを含めまして、会長さんが今後の相互銀行の発展についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
  210. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 いま御指摘がございましたように、相互銀行は今後地域に密着いたしまして中小企業金融に専念していく、これが基本姿勢でございます。  第一番に指摘がございました貸出先数に比べて貸出金額が大きいじゃないかという御質問でございますが、金融制度調査会におきましても、相互銀行は中小企業の大の部を担当しろ、これが相互銀行の業務分野だ、こういうふうなお話もございました。またそれが事実じゃないか。と申しますのは、二十六年から高度成長を通じていままでの小企業が中企業になり、またその中企業が中堅企業に発展してまいりました。決して大きくなった企業を相手に取引を始めたわけではございません。三十年の取引の歴史の間で取引先が成長なさって自然に融資金額が大きくなったわけでございます。この点、御理解をいただきたいと思います。
  211. 簑輪幸代

    ○蓑輪委員 いまお答えいただいた分は前段の部分なんですけれども、県外店舗比率の問題などについてはどのようにお考えでしょうか。
  212. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 ちょっといま先生、わかりにくかったのですが……。
  213. 簑輪幸代

    ○蓑輪委員 県外店舗比率の問題。
  214. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 これはよその銀行についてはちょっと申し上げかねるわけでございますが、手前どもの非常に狭い経験だけで申しますと、四十六年に四国の銀行を合併いたしました。四国の銀行は県外でございます。県外の店を兵庫県に移してまいりました。兵庫県に店舗網を充実さすということに現在非常に力を入れております。今後もこの方向で進んでいきたい。また行政の方の指導もそうした本店所在地県に対しては、店舗に対して特に御配慮をいただけるようでございます。先生のおっしゃるような店舗構成が実現する日が近いのじゃないかと信じております。
  215. 簑輪幸代

    ○蓑輪委員 長谷川参考人が述べられております相互銀行哲学というようなものを簡潔にお答えいただければと思います。
  216. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 相互銀行、現在非常にむずかしい境地でございます。御承知のように高コスト、高利回りあわせて高利息、三つの苦しみを背負うて三十年間やってきたわけでございます。やっと高コストを脱却しつつある。これは資料をごらんになるとわかると思いますが、地銀に比べて相互銀行の経費率の下げ率の方が大きゅうございます。これは私どもの努力を買うていただきたいと思います。しかし、この努力も今後はもっと力を入れないと、先ほど申しました生き残る道をはっきりさすというわけにはいきかねる、努力の目標をここに置いております。
  217. 簑輪幸代

    ○蓑輪委員 先ほど中小企業の大の部分に対する融資というようなことをお答えになりましたけれども、それにしましてもやはり地域に密着するあるいはまた地場産業、地元の企業の発展というようなことが求められていると思いますし、特に資金の地元還元などというようなことは強く求められているというふうに思いますので、相互銀行の発展のためにもその点今後も一層御努力をいただきたいというふうに思います。  次に、信用金庫の問題についてお尋ねしますけれども、東京都信用金庫協会が「都内信用金庫の会員制度の活性化の方向」ということでの研究成果を取りまとめられているわけです。その中で、会員制度は信用金庫法の趣旨にのっとるもので、一つには中小企業への融資限定、二つ目に地域限定、三つ目に運営形態が協同組合的であるというようなことから会員制度の活性化ということを提言されているわけです。そうした中で、融資限度の引き上げとか今回の業務範囲の拡大などによって同質化の方向にさらに一歩進んでいくと思うわけですけれども、この会員制度の特性、また中小企業専門金融機関としての信用金庫の役割りということについてどのようにお考えなのか、御所見をお伺いしたいと思います。
  218. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 信用金庫は現在会員制度をとっておりまするけれども、会員制度そのものが中小企業に信用金庫が定着していく道じゃないか、こういうふうに思っております。一口の出資金が仮に一万円とします。一万円の出資を一口持ちますればその人は会員になれます。会員になりますれば、その人がたとえよそで金を借りられなくとも信用金庫へ行って金を借りる相談に乗ってもらえるということになります。そういうようなことから、小さい人たちが信用金庫の会員になることによって利用ができる。また信用金庫としても、どっちかと言えば中零細企業なり国民大衆のための金融機関として、余り大口にシフトしないで仕事ができるんじゃないかというふうに考えておる次第でございます。  それからもう一つ、信用金庫の活性化ですね。そこに雑誌が出ておりますけれども、これはいろいろと議論する人もありまするけれども、私ども信用金庫としてはやはりどこまでもいまの会員組織でもってやっていきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。それから目的も、先ほど申し上げておりまするような中小企業なり国民大衆のための金融機関であって、決して上にシフトを合わせるということは――今度の法律改正で若干法人会員なんかの会員資格がふえますけれども、ふえましても決して上にシフトを合わせるというふうな考え方でなくて、どこまでも底辺の人のための金融機関としてやってまいりたい、こういうふうに思っておるわけでございます。
  219. 簑輪幸代

    ○蓑輪委員 続いてお伺いしますけれども、上にシフトしないでということを何度も強調されるわけですが、私どもは、融資限度の拡大と関連して、そういうことで上にシフトすると貸し出し大口化ということが心配されるわけです。そして、その貸し出しが大口化していくことによりまして効率化の方向へ進んでいく。あわせて金融再編成の問題なども問題になりますけれども、しかし、その中でやはり中小企業金融の専門性ということを堅持していただかなければならないというふうに思います。そのために経営の安定ということでいろいろ工夫をされるというふうに思いますけれども、特に日銀取引の拡大というようなことを要望されているようですが、この点をも含めまして経営の安定ということでお考えの点をお聞かせいただきたいと思います。
  220. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 お答え申し上げます。  日本銀行さんと現在取引のある信用金庫はかなりふえてまいりました。しかし、預金取引が多いのでございまして、日本銀行から手形を割ってもらうというふうな道は開かれておりますけれども、なかなか日本銀行はむずかしいところでございますので、私どもの言うようにはなりません。手形の割引にしましても、貿易商社のようなものを通した手形は割り引いてもらえるのですね。しかも、手形のサイトが九十日以下ということになっております。ところが、われわれ中小企業なり中零細企業は、手形の期日が九十日でなくして百二十日とか百五十日とかいう長期のものがかなりございます。ですから、今度私が日本銀行にお願いしておりますことは、いまの商業手形ばかりでなくして工業手形もやってもらいたい、それから手形の期日にしましてももう少し長く認めてもらいたいというふうにお願いしております。ところが、手形の期日についてはほんのわずかふやしてもらったのですけれども、いまだ工業手形についての割引をしてもらえないというのが現在の状況でございますので、これはぜひひとつまた皆さんから御心配願って、信用金庫のためというよりも中零細企業のために御心配を願いたいということをお願い申し上げる次第でございます。
  221. 簑輪幸代

    ○蓑輪委員 ありがとうございました。  次に、信用組合の問題についてお伺いしたいと思います。  信用金庫の関係でもお伺いしたわけですけれども、信用組合の方はこのたび員外貸し付けの拡大ということが行われるような方向になるわけです。そういう中で、組合員制度との関係というのが大きな問題になるわけです。協同組合組織ということでございますので、信用組合の今後のあり方という点でお考えの点をお伺いしたいと思います。  あわせて、貸出制限が拡大されると、特に零細企業への貸し出しが十分行われないのではないかということが非常に懸念されます、心配されますけれども、その点についてのお考えはどうかということをお尋ねしたいと思うのです。
  222. 鈴木進

    ○鈴木参考人 法律が改正されますと、私どもの最高限度額がかなり引き上げをされるわけでございます。しかしながら、全く零細企業あるいは勤労者を見捨てるような内容ではございません。あくまでも資本勘定に対する二〇%というようなもの、そのいずれか低い方というふうに限定されておりますので、先生の御心配のような弱者救済から離れるというようなことばございません。  しかし、信用組合の将来という問題でございますけれども、私は信用組合の将来というものはまことにたんたんとして今後とも大きな希望の中にあるという考え方を持っております。御承知のように信用組合の組織の特性は、相互扶助を根幹とするところの、しかも利益を追求せざる、法人にあらずしてあくまでも組合員のためにあるというようなことが原則でございますので、申しますならば、信用協同組合でありさらにまた金融機関であるという二つの関係を巧みに、しかも平衡感覚を失わないように営業するところに非常にそのむずかしさがあるわけでございます。しかしながら、もともと信用組合の発生の原点と申しますならば、これはもう産業組合より発生し、さらに市街地信用組合、そこから信用組合がさらに発生して、今日信用組合は八兆数千億という厳然たる様相を備えながらも、中小零細企業とともに歩調を合わせて歩んでおるという状況でございます。  さらにまた、行政は、信用組合人は銀行ではない、あるいは信用金庫でもない、あくまでも信用組合人としてのその意識を高めると同時に十分に健全なる経営をする、そういう意味における資産の健全性を図れ、こういう厳しい御指導のもとに私ども従っております。地域に密着して人とのかみ合わせを十分に大事にしながら今日さらにまた前進を続けてまいる、こういうふうな考えでございます。  幸いにいたしましてこのたびの制度改正におけるところの機能がもし十分に作用するならば、私どもは何も言うことはございません。組合員に対して十分御奉仕がいたせるもの、こういう確信を持っております。
  223. 簑輪幸代

    ○蓑輪委員 中小企業といいましてもいろいろあるわけですけれども、ことに零細企業となりますと、相互銀行でも信用金庫でも融資を受けられない、特にどうしても信用組合という場合において、ここでの貸し出しが不十分となるという心配が絶対にないようにしなければならないということを特に指摘しておきたいというふうに思います。  あと、長期信用銀行と労働金庫については、おいでをいただきましたけれども、時間の関係でお尋ねすることができません。お許しいただきたいと思います。  どうもありがとうございました。
  224. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長 柿澤弘治君。
  225. 柿澤弘治

    ○柿澤委員 参考人の皆さんには長い間御苦労さまでございます。やっと最後になりましたので、もう一しばらくしんぼうをお願いいたします。  きょうは長期信用銀行の吉村頭取においでいただいておりますが、たしか去年の当大蔵委員会での参考人としての御意見陳述があった際にも、銀行法の中で債券発行限度額の引き上げが長期信用銀行にとっての今後の業務の運営上必要なことだというお話があったと思います。今回の銀行法改正が実現をいたしますと、その点で長期信用銀行の業務の基盤が拡大をし、発展の可能性が出てくるわけですけれども、ただ資本金限度二十倍から三十倍に引き上げるということでは、またどこかで行き詰まってしまう。増資をしないとなかなか債券が増発できないということで、活動を縛るようになっては困るわけですけれども、その辺今後の見通しをどうお考えになっていらっしゃるのか、お伺いいたしたいと思います。
  226. 吉村勘兵衞

    ○吉村参考人 いろいろ御配慮にあずかりましてああいう形の法律案が出たわけでございますが、大体今後の資金需要あるいは公共債の引き受けとか公共部門への供給が今後どの程度にまたあれしていくかということもございますけれども、おかげさまで大体自転をしてまいるのじゃないか、こう思うのでございます。もちろんわれわれといたしましては自己資本の充実をさらに高めてまいりたいと存じますけれども、おかげさまで何とかやっていけるのじゃないかと思うのでございます。  いろいろ御配慮をいただきまして、今後ともよろしくお願いします。
  227. 柿澤弘治

    ○柿澤委員 銀行法改正は五十年に一度というようなことのようですけれども、五十年ぐらいはもつわけですか。
  228. 吉村勘兵衞

    ○吉村参考人 大体自転してまいると思います。
  229. 柿澤弘治

    ○柿澤委員 五十年もつということであれば大変結構なことだと思います。  相互銀行は、長谷川参考人先ほど名称変更のお話がありましたけれども、相互を取るのか。私は相互銀行はこれから中小企業に対する貸し出し、さらには地域の地方団体なりに対する融資、公金の取り扱い、さらに地域住民のための住宅ローンを初めとする消費者ローン、そういう意味で相互銀行でなくて地域総合銀行になっていただきたいというふうに思うわけですけれども、その点で地方公共団体の公金の取り扱い等について現在一応満足をしておられるのか、それともいろいろな意味でもっと拡大の余地があるのか、その辺をお伺いをいたしたいと思います。
  230. 長谷川寛雄

    ○長谷川参考人 ただいまの御質問でございますが、私ども地方公共団体との取引については全力を挙げて開拓に努めておるわけでございますが、何分とも壁が厚うございまして、なかなか壁を抜け切らない。  それともう一つは名称の問題でございますが、これは銀行側が希望しておるのではございません。取引先が先ほど申しましたように中小企業の大の部、だんだん大きく成長してまいりまして、相互の二字が邪魔になる。だから取引がしにくいから取ってくれないか、これは取引先の要望でございますので、先生この点非常に世の中では誤解をせられておりまして、相互銀行が自分で相互の二字を取ってほしいというふうにとられておりますが、これは取引先の要望で、私たちが代弁しておるわけでございますので、どうぞこの点も御理解いただきたい、どうぞよろしくお願いします。
  231. 柿澤弘治

    ○柿澤委員 わかりました。ただ、相互銀行、SOGOで、SOのOだけ上に棒がついているのですけれども、GOのOの方も棒をつけて、総合銀行だ。これは一般銀行よりずっと上なんです、こういうことで自負を持ってお取引先に臨んでいただければ、それも一つの方法じゃないかというふうに思います。  全国信用金庫協会の会長さんでいらっしゃいます小原参考人にお伺いいたしますが、先週の質疑の中でも、外国為替の取引について今回の法律改正で信用金庫にも認められることになりましたが、ただ、自動的に認められるわけではなくて、外為法上も十分な習熟をした要員を抱え、しかも体制が整っていなければこれを認可してはならないという規定があるということが国際金融局の方からも説明がありました。そこで私の方はいままでお話を聞いている限りでは、そういう要員も養成をし、体制も目下整いつつある信用金庫がかなり出てきている。それから相互銀行さんについてはすでに認可を受けているわけですけれども、その相互銀行の取扱高を上回る外国為替の取扱高を持っておる信用金庫もすでに現存をする以上、その辺はできるだけ早急に、中小企業がだんだん海外に対する取引がふえている事態で、これは一刻も早い方が望ましいということを申し上げたわけですけれども、小原参考人のその点についての御意見、業界の中でもうすでに十分体制が整っていらっしゃるかどうか、御判断をお伺いしたいと思います。
  232. 小原鐵五郎

    ○小原参考人 お答え申し上げます。  信用金庫業界で内国為替はいままでずいぶんやっておりましたけれども、今度外国為替をやってもらえる、またお願いしたいということでお願いをし始めてからすでに一年以上たちます。その間外国為替をやらしていただくようになっても、やはり仕事がむずかしい仕事ですから、トレーニングしなければならぬということで、先進の銀行さんに行ってけいこをするとか、それからまた全国信用金庫協会で全国の信用金庫の職員を集めまして長い間訓練してまいりました。それで現在信用金庫が代理でもって外国為替をやっております、お願いしておりますけれども、その額もすでに昨年は二万件以上の件数を数えるというふうになりましたし、金額もかなりの金額に達しました。それで信用金庫としましても四百六十一ございますけれども、いろいろございますが、百三十一の信用金庫はもう一生懸命勉強しておりまして、いっこの外国為替が認可されましても仕事に事欠かないように一生懸命勉強しておるというのが現状でございます。
  233. 柿澤弘治

    ○柿澤委員 取引先の中小企業の利便のためにも、ぜひその点を行政当局にも理解をしてもらって、できるだけ早く外為取り扱いができるように私ども希望したいと思います。  鈴木参考人、今井参考人にも御質問したい事項がございましたけれども、もうすでに時間を超過しておりますので、省略をさせていただきます。どうもありがとうございました。
  234. 綿貫民輔

    ○綿貫委員長 これにて参考人に対する質疑は終了いたしました。  参考人各位には、御多用中のところ御出席の上、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。厚く御礼を申し上げます。  次回は、明十三日水曜日午前十時理事会、午前十時十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時六分散会