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1980-11-27 第93回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 7号 公式Web版

  1. 昭和五十五年十一月二十七日(木曜日)     午後一時五分開議  出席委員    委員長 井上  泉君    理事 青木 正久君 理事 岸田 文武君    理事 谷  洋一君 理事 吹田  愰君    理事 小野 信一君 理事 武部  文君    理事 長田 武士君 理事 塩田  晋君       小澤  潔君    狩野 明男君       亀井 善之君    工藤  巖君       長野 祐也君    牧野 隆守君       五十嵐広三君    金子 みつ君       春田 重昭君    岩佐 恵美君       依田  実君  出席国務大臣         通商産業大臣  田中 六助君  出席政府委員         通商産業省産業         政策局長    宮本 四郎君         資源エネルギー         庁長官     森山 信吾君         資源エネルギー         庁石油部長   志賀  学君   委員外の出席者         参  考  人         (石油連盟会         長)      永山 時雄君         特別委員会第二         調査室長    秋山陽一郎君     ――――――――――――― 十一月二十一日  物価の抑制に関する請願(鳥居一雄君紹介)(  第二三一七号)  同(吉浦忠治君紹介)(第二三一八号) 同月二十二日  物価値上げ抑制等に関する請願(稲葉誠一君紹  介)(第二四七三号)  同(田邊誠君紹介)(第二五〇一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  物価問題等に関する件(石油製品の価格問題  等)      ――――◇―――――
  2. 井上泉

    ○井上委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  本日は、参考人として、石油連盟会長永山時雄君に御出席をいただいております。  永山参考人には、御多忙中のところ本委員会に御出席いただき、まことにありがとうございます。  本委員会におきましては、物価問題全般にわたり調査を行っており、本日は、特に石油需給の現状と見通し、石油製品の価格問題等について調査をすることになっております。永山参考人には、そのお立場から忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  それでは、まず永山参考人から十分程度御意見をお願いいたします。
  3. 永山時雄

    ○永山参考人 私は、石油連盟会長の永山時雄でございます。  本委員会からの御依頼に応じまして、参考人として、特にわが国石油産業の最近の財務状況を中心に、当面の諸問題について御説明をする所存でございます。  本論に入るに先立ちまして、この際、石油製品の価格問題等に関し、石油連盟会長という立場がいかなるものであるかを御理解をいただくために、石油連盟の事業内容について若干の御説明をさせていただきたいと存じます。  石油連盟とは、わが国の石油精製、元売り業者のほとんどすべてを網羅した合計二十九社による産業団体でありまして、その定款等により、石油業に関する意見の発表、建議、石油及び石油業に関する調査研究等をその目的とするものでございます。  石油製品のいわゆる価格問題等につきましては、特に独占禁止法との関係から、石油連盟としては取り扱い得る問題ではございませんし、現にまた全く取り扱っておらないのでございます。  したがいまして、石油連盟の会長といたしましては、石油製品の価格問題等について御説明をする立場にないということをあらかじめお断りをしておきたいと思うのでございます。  本論に入りまして、まず、石油産業の五十五年度九月期中間決算について申し述べたいと存じます。  わが国の石油精製、元売り業者は、先ほど申し上げました石油連盟の会員会社を含めまして現在三十四社ございますが、このうち、九月期中間決算が公表されている石連傘下の会社は、日石、東亜、丸善、興亜、三菱、ゼネラル、出光、共石、九石の九社でございまして、この九社の決算を取りまとめてみますると、大要、次のとおりのことが言えるかと存じます。  第一は、販売数量が前年同期に比べて一四%減少をしているにもかかわらず、売上高が同じく前年同期に比べまして四七%も増加をしていることでございます。これは一方において、本年に入ってからの国内需要の減退傾向を示しますとともに、他方、OPECによる原油値上げ等の石油製品コストアップ要因がいかに大きなものであったかを如実に反映をしているものでございます。  第二は、石油産業の収益の不安定性の問題でございます。この九月期、九社合計で二千二百九十二億円の経常利益を上げたわけでございますが、最近の石油産業の収益動向を見ますると、とりわけ原油価格が高騰をして、取引金額が膨張をいたしております関係上、ここ数年来為替レートの変動が年々の為替差損益に大きなぶれを生じさせまして、これが大きな要因の一つとなって、石油産業の収益を非常に不安定なものにいたしておるのでございます。  第三は、言うまでもないことでございますが、九月期中間決算はあくまでも年度途中における中間的決算であり、しかも石油産業の場合、公表された九社についてのものでありますから、石油産業の決算状況についてはあくまで下期を経過した後の年度末決算でその帰趨を評価をしていただきたいことでございます。  といいますのも、石油産業は今後下期にかけて原油価格の動向、為替レートの成り行き、さらには製品市況の動向等、不確定な、しかも影響力の大きいコスト要因、収益要因に数多く取り巻かれており、今後の動向については予断を許さない状況にあるからでございます。石連会長という立場を離れて個人的な感じで申し上げますと、現在すでに石油産業の経理は瞬間風速的には赤字基調に陥っているものと思うのでございます。  五十五年度九月期決算について、最後に最も注目すべきは、その決算の内容と財務体質の問題でございます。すなわち、九社合計で経常利益は二千二百九十二億円計上をいたしましたが、その内訳を見ると、そのうち二千六十三億円がユーザンス差益で占められておる点でございます。  申すまでもなく、ユーザンス差益とは原油購入代金の借り入れ時点とその返済時点とのずれの間の為替レートの変動によって生ずる一過性の為替差益でありまして、その性格上はなはだ不安定なものであります。現に先ほども申し述べましたとおり、ユーザンス差損益のぶれは年々大きくなっており、このぶれが石油産業の収益を非常に不安定なものにしているわけでありますが、こうした一過性の不安定なユーザンス差益が九月期経常利益のほとんどを占めておるということでございまして、ユーザンス差益については短期的な判断ではなく、長期的な目で見ることが必要と考えております。  また、売上高とユーザンス差益を含む経常利益との関係を売上高経常利益率で見ますと、九社合計で三・五%となっており、データのそろっている五十四年度の製造業平均四・七五%と比べまして依然として低位にあるのでございます。  次に、企業の財務体質を最もよくあらわすところの自己資本比率で製造業平均と九社のそれとを比較をしてみますと、五十四年度の製造業平均二一・九六%に比べ石油九社はわずかに五・九%しかなく、実に製造業平均の三、四分の一にしかすぎないのでございます。  石油産業の九月期決算については、その内実はきわめて厳しいものがありまして、後述をいたしますように、今後の石油産業に課せられた責務とビヘービアをあわせ考えるならば、石油産業として過大な利益を上げているどころか、むしろ依然として不安定な財務状況にあると言うべきであると感じております。  次に、石油危機以降の決算状況でございますが、九月期決算についてはただいま申し述べましたが、ここで従来の石油産業全体の決算状況がいかなるものであったか、またそれが今回の石油産業の財務体質にどう影響しているかを明らかにする一端として、昭和四十八年秋のいわゆる第一次石油ショック以降の石油産業全体の経理状況について、簡単に振り返ってみたいと存じます。  まず第一次石油ショック以降、一部の世評に反して石油産業は未曽有の連続大幅赤字決算を余儀なくされ、全社ベースの赤字額合計は、五十年度までの経常損益ベースで約二千四百億円にも達しました。五十一年度に入りまして、こうした巨額の赤字経営を背景に発動されました石油業法に基づく標準価格の浸透によりようやく黒字に転じ、引き続いて五十二年度も大幅なユーザンス差益の発生などに支えられて黒字に推移をいたしたのでございますが、五十三年度は製品価格の大幅な下落等の事情によって、五十二年度のそれと比較をいたしますと約五分の一という異常な決算に低落をいたしたのでございます。  この間、決算上は確かに黒字に転じたわけでありますが、売上高経常利益率を見ますると、五十一年度は一・三九%、五十二年度が一・七五%、五十三年度は〇・三八%と、製造業平均がそれぞれ三・〇五%あるいは三・〇八%、三・八%という程度に比べまして、なお格段に低い水準にございます。続いて昨五十四年度は、五十二年度の水準程度に回復するに至りましたが、その内訳を見ますと、経常利益自体赤字の会社が三十六社中四社もあるなど、依然として不安定な状況を続けております。このように、石油産業は第一次石油危機以降、大略して非常に困難かつ不安定な決算の状況を重ねて今日に至っておるのでございます。  こうした状況下にあって、石油産業の企業体質は今日著しく脆弱なものになっております。すなわち、石油産業の売上高経常利益率、自己資本比率等の財務比率は、第一次石油ショック以前から一般製造業に比べて格段の低位にあり、たとえば売上高経常利益率は製造業平均の約三分の一、それから自己資本比率は約二分の一程度で推移をしてきたのでありますが、とりわけ第一次石油ショックを境としてさらに一層悪化をしまして、期近の五十四年度を見ますると、石油産業の経常利益率は一・三五であり、製造業平均は四・七五ということでございまして、先ほども触れましたが、企業の財務体質を最もよく示す自己資本比率に至っては石油産業はわずか五・二%であり、製造業平均の二一・九%に比べますとわずかに四分の一程度にしかすぎないという状況にあるのでございます。  ちなみに、この自己資本比率五・二%を他業種と比較をいたしますと、自動車は三六%、鉄鋼は一三%、悪い悪いと言われる造船ですら八・六%でありまして、石油産業のそれがいかに惨たんたるものであるか、判然とすると思うのでございます。  石油は現在、わが国一次エネルギーの約七五%を供給する地位にあり、総合エネルギー調査会等の答申によりましても、今後当分の間エネルギー供給の大宗を占めるものと見込まれております。  産業経済と国民生活の基幹とも言うべきこの石油を、今後とも安定的に確保するためには、石油備蓄の増強、石油開発のなお一層の推進、さらには重質油対策の促進などがぜひとも必要でありますが、そのためには、これらの巨額な資金を要する国家的事業の中核的担い手とも言うべき石油産業に一定の適正な収益水準を確保せしめ、現在の悪化した石油産業の企業体質を石油の安定確保を果たすに足りる強靱な体質に改善強化することが何よりも必要であると考えるのでございます。  翻って、ここで内外の石油情勢について一べつをいたしますと、世界の原油生産は、本年に入りましてOPEC諸国の中で減産政策に移行した国が相次いだ結果、八月時点で約六千万バレル・パー・デーと昨年の平均生産量に比べて約四%減の水準となっております。  一方、世界の需要は、昨年来の原油価格の高騰や各国の節約政策の浸透などから停滞傾向が顕著となりまして、二百万ないし三百万バレルが余剰と言われておりましたところが、九月下旬からのイラン・イラク紛争の本格化に伴いまして約四百万バレルの石油輸出が現在停止をするに至っております。しかし、ただいま申し述べました世界需要の低下傾向、各国とも昨年来備蓄水準が高くなっていること、さらには湾岸諸国などが増産に踏み切ったこと等の事情から、世界の石油需給については一応平穏な状態にあるというのが現状かと思われます。  一方、原油価格につきましては、相次ぐOPEC値上げにより、わが国の輸入原油の平均CIF価格は九月時点ですでに三四・六ドルと、五十三年十二月に比べて約二・五倍の水準に達しておりますが、現在冬場の需要増や来年以降の原油値上がりを見越してのスポット価格の上昇等の事情も出てきており、イラン・イラク紛争が長期化する様相を呈しておる現状において、今後の原油価格の動向については一段と懸念が持たれておるのであります。  こうした国際石油情勢のもとにおいて、わが国の石油需要は、昨年来の消費節減対策の浸透、とりわけ産業界における石油以外の燃料への転換、さらには冷夏の影響による需要減などによって、本年上期の燃料油の需要は昨年同期比約一〇%の著しい減少を示しております。  また、石油備蓄につきましては、現有能力いっぱいの備蓄積み増しが行われておりまして、九月末現在民間備蓄が約百四日分、これに国家備蓄の七日分を加えますと、合計約百十一日分の備蓄水準に達しております。  こうした事情から、ことしの冬場の需給につきましては、よほどの突発的な事情が出ない限りまず問題はなかろうと思われますが、いずれにしろ、石油産業といたしましては石油製品の安定供給の確保に今後とも最大限の努力を傾注する所存でございます。  御説明を終わるに当たりまして、石油安定確保の観点から一、二申し添えさせていただきますと、第一は、わが国はその必要とする石油のほとんどを輸入に依存をしている国でございますから、石油の量的確保をまず第一に考え、そのためには、わが国の石油マーケットを海外の石油価格が素直に反映をされる市場にするなど、海外から見て日本の市場を魅力のあるものにしておくということであります。換言すれば、石油の円滑な調達を図るためには、まず、国を挙げて石油の量的確保に全力を傾注し、その基盤の上に価格政策が展開をされてしかるべきものである、かように考えるのでございます。  第二は、若干繰り返すことになりますが、今後とも長期にわたって石油を安定確保するためには、原油の供給源を分散化し、石油の自主開発を一層促進するなどしてナショナルセキュリティーに備えるとともに、この事業の中核となるべき石油産業に一定の収益を確保せしめ、現在の悪化した石油産業を、これらの事業を遂行するに足る企業体質に改善強化することこそ、最も緊要な問題であるということでございます。  皆様方を初め、国民各位の心からなるこれらの点に対する御理解と御協力とを衷心からお願いをいたしまして、私の説明を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。
  4. 井上泉

    ○井上委員長 ありがとうございました。     ―――――――――――――
  5. 井上泉

    ○井上委員長 これより、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。狩野明男君。
  6. 狩野明男

    ○狩野委員 きょうは、お忙しいところ、永山参考人にはありがとうございました。  先ほどのお話の中で、本年度の上半期における石油企業の決算について細かくお話がありましたが、私の手元に十一月二十日に発表になった九月期の九社の中間決算の資料がございますが、この決算を見ますと、九月期の経常利益は二千二百九十二億円となっておりまして、これだけを見ますといかにも莫大な利益を石油企業が上げているように見えるわけでありますけれども、その内容は、先ほどのお話によりますとその約九〇%に当たる二千六十三億は原油代金の金融上に発生した為替差益によるものであることがよくわかりました。やはりこの資料によりますと、五十四年度の為替差損益を見ますと、この九月期とは逆に五十四年度は二千九十八億という為替差損になっているのを見ますと、この為替差損益のぶれがいかに大きいかというのに驚くわけでございます。現在円高基調が崩れつつある方向にあるとも言えるし そしてまたけさの新聞などではインドネシアが石油値上げ等の方向にあるということなどを考え、原油価格が何となく上昇ムードにあり、さらにまたこの十二月には原油の値上げが予定されている国もあるやに聞いております。  そういう中で、現在九月期の中間期の石油企業の決算はいかにも大変大きな利益があるように見えますけれども、本年度の下期の見通しなどはこのままで推移するのかどうか、ちょっと判断できないように思うわけでございますので、この年度末の決算などについてどのような見通しを持っているか、具体的な御説明を参考人にお聞きしたいと思うわけであります。
  7. 永山時雄

    ○永山参考人 ただいまの御質問にお答えをいたしますが、お話のとおり上期におきましては九社で二千二百九十二億円という利益を上げたのでございますが、これはお話の中にもございましたような為替差益がほとんどその主要な部分を占めておりまして、下半期に入りました現状は、これは個々の石油会社によって大分状況は違うと思います。御承知のとおりいま原油の値段は石油会社によって大変ばらばらでありまして、したがって、損益状況というものが個々の会社によって大変違うのでありますが、ごく大まかに言いまして、原油の安いアラムコ系統といいますか、そういう会社は別といたしまして、一般的に申しますと、私の感じでは現在は瞬間風速的には赤字状態ではなかろうか、かように考えております。といいますのは、上半期の終わりごろから、六、七月あたりから原油の値段が若干上がっております。それから為替の関係は若干改善といいますか、円高の傾向にあったのでございますが、これが大体行って来い、ツーペイでありまして、しかも石油製品の国内のマーケットの価格はかなり低下をいたしております。現在でもなお若干の低下傾向が続いておるというようなことでございまして、そこで瞬間風速的には、まず月次決算当たりをいたしますと大体マイナスの状況ではなかろうか。したがって、石油産業全体としては、上期の石油差益を含めた利益というものを下期においてある程度食いつぶしをしながら進んでおるというのが現状でございますので、さように御理解をいただいてよろしいんじゃないか、こう考えております。
  8. 狩野明男

    ○狩野委員 先ほどの説明の中でも触れておられましたが、最近スポット原油価格が非常に高騰の傾向が見られ、そして世界的な石油需給の逼迫傾向であるとき、石油企業が今後石油エネルギーの安定供給のために、先ほども備蓄の話もお話しいただきましたけれども、そういうことも含めて具体的に今後どのように取り組んでいかれるか、それをお聞かせ願いたいということが一つ。それから今後の石油企業の課題として行政当局にどのようなことを望んでおられるか、この二点をお聞かせいただきたいと思うのです。
  9. 永山時雄

    ○永山参考人 今後の問題でございますが、当面は、先ほど冒頭陳述で私が申し上げましたように、世界的に原油の需給はおおむね緩んでいる。イラン、イラクの紛争が発生をいたしまして多少状況は変わってきておりますが、しかし何分にも、日本を含めまして消費国いずれも相当大量な備蓄を持っておるのでございます。したがいまして、ことしの冬場、当面の問題についてはまず不安はない。これまた特別な事態がどこかで出てまいりますれば、そういう異例な事態があれば別ですが、そうでない限りはまず需給的にいうと問題はないのじゃなかろうか、かように考えます。ただ、価格の問題からいたしますと、けさの新聞にも載っておりましたようなインドネシアがある程度値上げをするとか、あるいはところどころの産油国が十二月のOPEC総会で値上げをするんだというような声も聞こえておりますし、それから何にも増してスポット価格がかなり上がってきておるのでありまして、したがって、原油価格は今後の見込みはなかなか楽観を許さないのじゃなかろうか、かように考えるわけでございます。  それから行政当局への希望といいますか、これは、いま通産省の方の御指導は大変きめ細かに、そして周到な指導をしておられるのでありまして、きわめて事態に即した指導をしておられると私どもは日ごろから感謝をいたしておるのでございますが、いまのような事態に即しまして、私どもも冬場の灯油を初めその他の需要につきましては、できるだけの配慮をいたしまして安定確保に支障のないようにいたす所存でございますが、それらにつきましても一層の御指導を受けたい、かように考えておるのでございます。
  10. 狩野明男

    ○狩野委員 石油の安定供給について大変御努力していただいているのは先ほどのお話でも十分承知いたしましたが、特にことしの冬の灯油の問題についてでありますが、まず灯油価格の現状と見通しについて簡単にお話しいただきたいと思います。
  11. 永山時雄

    ○永山参考人 灯油の価格につきましては、たしか六月の末でありましたか、他の石油製品と同じようにある程度の価格の引き下げを石油業界はいたしたのでございます。ところが、その後の先ほども申し上げました市況の悪化といいますか、沈滞によりましてある程度一般に石油製品も価格は低落をいたしておるのでございます。私どもの損益的な立場から言いますと、先刻申し上げましたとおり現在はむしろ損益的には赤字状態になりつつあるというようなことでございまして、したがって、ある程度その価格是正をできるならばしたいというのが私どもの希望ではございますが、ただ現状は需要が停滞をいたしておりまして、昨年同期に比べて、燃料油一般に申しますと、約一〇%くらいの需要低下をいたしております。要するに需給関係は非常にだぶついておるわけでございまして、このだぶつきの状況からいたしますと、なかなか是正はむずかしいのじゃなかろうかということと、上期の為替の差益をわれわれとしては食いつぶしつつ、できるだけ下期の安定確保に努めていくということを目下の考え方にいたしておると思います。  ただ、冒頭お話をしましたように、石油連盟としては価格問題を扱っておりませんで、したがって、別に石油業界がその点について統一した考え方を持っておるわけではございませんし、それから石油会社個々にいって、損益状況は、かなり原油の高い会社と、原油を比較的安く入手している会社によって大変違いがありますので、その辺はばらばらでございますが、一般の石油製品の需給状況から考えてみて、なかなか価格の引き上げということは困難な状態で、おおむねこういう状態で進んでいくのじゃなかろうかと私は想像いたしておるのでございます。
  12. 狩野明男

    ○狩野委員 灯油の価格安定も非常に大切なことでありますけれども、その安定供給といいますか、灯油の確保も最も重要な問題であります。この点に関して、C重油ネックにより灯油などの供給に支障を生ずるとの声も聞かれますが、このような事実があるかどうかお聞きしたいと思います。
  13. 永山時雄

    ○永山参考人 御承知のように、石油は連産品でございまして、灯油を生産をいたしますと、自然に重油もある割合で出てくるという状況で、したがって、灯油の需給関係と重油の需給関係とが食い違ってまいりますと、重油の方に余剰が出てくるとか灯油に不足が出てくるとかいうような関係に立つわけでございます。  現状は、C重油の需要は、灯油よりも一層低下をいたしております。それだけC重油は過剰がひどいという状況でございますが、これは通産省の御指導もありまして、電力会社等もできるだけ協力をしていただいてC重油の取得をしていただいておるとか、それからボンド重油と申しまして、船舶用の重油ですね、これは外航船舶に使うものは保税の重油としてそれに販売するというような道があるのでございますが、幸か不幸かイラン、イラクの紛争が起きてから若干ボンド重油の需要もふえてきているということから、そちらの方面にそれを振り向けつつあるというようなことで、問題がないということはない、確かに、ある程度C重油がネックになっていることも事実でございますが、最近においては、そのネックもやや軽い状態になってきているということで、C重油のネックのために、ことしの冬場の灯油に非常に問題を生ずるというような事態は避けられるんじゃなかろうか、かように考えているのであります。
  14. 狩野明男

    ○狩野委員 ただいまの御答弁で、灯油の安定供給は可能であると考えられますが、灯油の価格の安定供給は国民の関心事であり、国民生活の安定につながる問題であります。この石油、また目先に迫った灯油問題については、業界はもちろんのこと、行政当局におきましては十分な御指導をいただきながら、国民生活安定のためにひとつ御努力をいただきたいということをもう一度確認しておきたいのと、それから石油業界は、ほかの製造業界に比較して自己資本比率が三分の一程度であるというようなお話も聞いておりますし、そのような弱い体質であるとするならば、今後行政当局におきましても十分な御指導をいただきたいと思っている次第であります。  最後に大臣に、今後の石油の安定供給及びこの冬の灯油の確保について、どのようにお考えになっておられるか、お答えをいただきたいと思います。
  15. 田中六助

    ○田中(六)国務大臣 石油の需給状況につきましては、いま永山参考人からつぶさに業界としての見解をお述べでございます。多少ダブると思いますけれども、政府では、先ほどから申しておりますように、民間備蓄は多少一日か二日切れましたけれども、それでも民間と政府備蓄合わせまして百十一日あるいは百十日という備蓄をやっております。  それから灯油につきましては、九月末で私どもは六百五十万キロリットルを予定しておりましたけれども、それが八月末、一月早くその目標以上を達成しまして、十月末の数字は七百二十万キロリットルあります。したがって、先ほどの話にもありましたように、むしろだぶついておるというようなこと。  それから、日本は百十一日分備蓄をしておりますけれども、近くIEAの会議が再びパリでございまして、私どもも出席いたしますけれども、IEA二十一カ国の備蓄が、一カ国平均百四十日分あるんです。これを相互にプールし合おうという話はもう決まっております。そのほか中近東、サウジアラビアなどもむしろ減産の方向に行こうとしておったのを増産というようなペースを持っておりまして、それで十分賄えるという方向にも行っておりますし、私どもが心配しておりましたイラン・イラク紛争によるホルムズ海峡の閉鎖というものもないわけでございまして、そういう点から、石油、灯油、あるいはその関係につきましては心配要らないということをたびたび国民の皆様に言明しているわけです。また、幸いに国民の皆様も非常に落ちついてくれておりまして、五十四年度は五%の節約を私ども標榜したわけですけれども、今年度は七%節約、これもみごとに目的達成をしております、そういうようなこと。将来の見通しといたしましては、私どもあくまで石油、つまりエネルギーの安定供給というものが一つ、それから石油代替エネルギーという項目、それから省エネルギー、そういう三本の柱を完遂すべく立てておりますが、これらいずれも私ども一生懸命やろうとしておりますし、そういう観点からすれば、現実に現在も、それから将来の見通しも、まあまあ大丈夫だという方向にあることをお伝えしたいと思います。
  16. 狩野明男

    ○狩野委員 ありがとうございました。以上で質問を終わらしていただきます。
  17. 井上泉

    ○井上委員長 午後二時十五分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時五十一分休憩      ――――◇―――――     午後二時二十一分開議
  18. 井上泉

    ○井上委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。武部文君。
  19. 武部文

    ○武部委員 永山参考人にはお忙しいところありがとうございました。  先ほどのお話の中に、石油連盟は価格問題を取り扱っていない、こういうお話がございました。お伺いいたしますが、石油連盟の中に営業委員会というものがあると思いますが、ございましょうか。
  20. 永山時雄

    ○永山参考人 現在はございません。
  21. 武部文

    ○武部委員 これまでに営業委員長が何人か在籍しておられたようでございますが、いつごろまであったでしょうか。
  22. 永山時雄

    ○永山参考人 御承知の価格カルテルの問題について裁判問題が発生をいたしましたその直後において廃止をしたと記憶しております。
  23. 武部文

    ○武部委員 いまお話がございましたように、価格カルテル問題が、判決が出まして大変大きな関心を呼んでおるのであります。当委員会にはいままで何回か石連から会長にお越しをいただきまして、円高差益の問題等についていろいろと御意見を承ったのであります。したがって、石連が価格の問題について取り扱っていない、こういうお話でございましたけれども、私どもはそのように理解をしておらないのであります。この問題は後ほどの具体的な問題を通じて明らかにいたしたいと思いますから先に進みますが、まず最初に、去る九月二十六日東京高裁が判決をいたしました例の石油やみカルテル事件、この判決について石連の会長としてはどのように考えておられるか、それを最初にお伺いをいたしたい。
  24. 永山時雄

    ○永山参考人 独禁法違反の問題については、二つの裁判がございまして、御承知だと思いますが、生産調整に関する問題、それから価格カルテルの問題、この前者につきましては石油連盟が被告になっておりまして、御承知のとおりの判決でございまして、私どもはこれにつきましてはまずまずの評価、満足をいたしておるのでございます。価格カルテルの問題につきましては、石油連盟の問題でございませんで、これはそれぞれの石油会社が被告になっておる問題でございます。さように御了承願いたいと思います。
  25. 武部文

    ○武部委員 わかりましたが、永山参考人は昭和石油の社長さんであります。あなたのところもその判決を受けた会社であります。社長としてこのカルテル事件についてどのようなお考えでしょうか。
  26. 永山時雄

    ○永山参考人 価格カルテルの問題につきましては、私どもは先般の判決に対して不服でございます。その意味で上告をいたしたのでございますが、これは私どもの主張は、あくまで、業界がつくりましたのは、価格に関する一つのガイドライン、通産省が四十六年でしたか、私の記憶ですと四十六年のころだったと思いますが、そのころから始まりましたガイドラインにつきまして、新しいそのときどきの時代に即して価格の改定を必要とするという場合には、そのガイドラインの改定が必要でございますので、そのガイドラインの案を業界側が通産省に提案をいたしまして、そして通産省の指導案、ガイドラインというものを決めていただいた。そして、そのガイドラインに即してそれぞれの石油会社が製品価格の調整をしたということでございまして、要するにあくまで通産省の行政指導を仰いで、そしてそれによっての価格調整をしたというのが私どもの信念でございます。したがいまして、生産調整の場合といささかも実質的には変わりがないという立場において不服だ、こういうことでございます。
  27. 武部文

    ○武部委員 それでは、ちょっと参考までにお伺いしたいのですが、最大手の日本石油は上告を断念いたしておりますが、これはどういう理由だとお思いでしょうか。
  28. 永山時雄

    ○永山参考人 これはどうも人様の会社のことでございますから、私から推察して申し上げることは適当でないと思いますから、御了承願います。
  29. 武部文

    ○武部委員 わかりました。  通産大臣にお伺いをいたしたいのでありますが、これは後で独禁法の問題との関係でお伺いをいたしますから、最初に一言だけ聞いておきたいのであります。  通産大臣はごらんになったかどうかわかりませんが、文芸春秋の十二月号に、「和の倫理と独禁法の論理」という、「日本社会において独禁政策はどうあるべきか」という、通商産業審議官天谷直弘さんの大変大きな論文が出ました。私なりに拝見させていただきましたが、これは今回の九月二十六日の東京高裁の石油やみカルテル事件についての論文であります。十八ページにわたる長文でありますが、この中に書かれておることをずっと検討してみますと――天谷審議官は通産省の首脳の一人であります。この論点は、明らかに、アメリカの独禁法をそのままの形で日本の土壌に受け入れることはこれはおかしい、なじまないという言葉は使っておりませんが、その論文は、鈴木内閣の和の精神だとかいろんなことが書いてありまして、読んでみても大変文学的な表現が使ってあります。人間の大脳の動きはどうだとかあるいは「天ノ安ノ河原に八百万の神」が出たとか、いろんなことが書いてありまして、大変、どこから、そこと独禁法とどういう関係があるのかよくわかりませんが、私どもが忘れておったような八紘一宇の精神だとかあるいは南総里見八犬伝がどうこうだとか、忠臣蔵がどうだとか、それが一体どういうことなのかよくわかりませんが、そういう見解で、今日の日本の独禁法は誤りだ、したがってこのカルテル判決は行き過ぎだ、こういう意味の論文が通産省の首脳として書かれておりますが、一体この判決について通産大臣はどのようなお考えを持っておられるか、最初にこれをお伺いしたい。
  30. 田中六助

    ○田中(六)国務大臣 天谷論文なるものは、私、実は読んでいなくて、けさほどこういうものがあるんだということを知らされたわけでございますけれども、彼の論点は、私は前々から、数年前から何となくわかっておると思うのですが、彼は、それぞれ風土というものがあって、独禁法に限らず法律というものはそこから生まれ育つものじゃないかというような考えを持っておることは知っております。したがって、そういうような考えにライトを浴びせておるのではないかと思います。  私も、法律あるいはそういう一つの関係というものはその環境によっていろいろ変化していく、国情によって違っていくのは当然だと思っておりますし、御承知のように独禁法はアメリカのシャーマン法というのが原典でございまして、これは三条から成るものです。それから、西ドイツ、つまりドイツで育ったと思っております。つまり自由主義諸国で生まれ育った法律でございまして、これは御承知のように占領政策の一環として日本に実施された法律でございます。したがって私は、日本の風土、国土になじまないのじゃないかという趣旨が多分天谷審議官の頭に去来しておったと思います。まあとやかく申しませんがそういうことではなかったかと思いますが、私は、独禁法そのものは日本に定着しつつありますし、あっていいのじゃないかと思いますし、寡占、独占というものも自由主義経済にむしろ反するのではないか、自由主義経済を維持するためにもそういうルールづくり、環境づくりにとってはいいのじゃないかというふうに思っております。  それから今回の判決についてでございますけれども、やはり三権分立という立場から見ますときに、私ども立法、行政に携わっておる者がそういう判決をとやかくいろいろ批判すべきかどうかということを私は常々疑問に思っておりますし、いまの立場で、まだ裁判が一応結論が出たとは申せ係属の方向にいっておりますので、私の見解は差し控えたいと思います。
  31. 武部文

    ○武部委員 お読みになっておらないようでございますからこれ以上のことは申し上げませんが、いまの大臣の答弁はいささか天谷論文とは内容が違うようであります。  かつて大臣は商工委員を長くやっておられましたので、私はあなたのこのカルテル事件後の新聞記者とのやりとりの言葉を報道を通じて知りました、これをきょうは聞きたかったのですが、時間がなくなれば困りますので、最初に一つだけお聞きをして、もし時間があれば大臣がカルテル事件の判決の後お述べになったことを取り上げて見解をただしたいと思います。  大臣は、いままで商工委員会でしばしば独禁法のことについて触れておられます。たとえばここに議事録がございますが、「公取はいつも通産省の言い分に負けて追従しておるというような印象さえ受ける」また「常に通産省は、行政指導だということからやっておるのでしょうが、それにはみ出したような印象を受ける。」また「生産数量の調整を何らかの形でこれを協定したり共同行為によって行なって、実質的に競争がその業界で制限されておるならば、これはやはり問題があると思う」、昭和四十一年三月四日、商工委員会で田中大臣の委員としてのこういう発言があります。こういう態度をおとりになってきたということを私どもは承知しておるのであります。ところが、今度のカルテル判決が出た後の大臣の談話あるいは衆議院の商工委員会における私どもの同僚委員の質問に対してのお答え、いささかこの昭和四十一年当時の商工委員会における発言と違っておるのであります。この点については疑問に思いますから、先ほど申し上げますように、時間がもしございましたらそれに触れますから、これで次に進ましていただきます。  そこで、お越しをいただきました永山参考人にお伺いをいたしたいのであります。  先ほどの質問を聞いておりまして具体的な数字が出ておりました。お伺いをいたしたいのでありますが、時間の関係がございますから私が申し上げますから、間違っておれば訂正してください。経常利益、五十五年上期、元売り七社で千七百十四億円、十三社では二千八百十五億円、こういう数字になりますが、間違いございませんか。為替差益、五十五年上期、元売り十二社で二千八百九十億、元売り六社では二千百三十億という金額になります。  そこでお伺いしたいのは、業界全体で経常利益はどのくらい上期としてありましょうか、為替差益として業界全体では上期にどのくらいの数字になるでしょうか、これをちょっとお伺いしたい。
  32. 永山時雄

    ○永山参考人 私がここで持っております資料ではっきりいたしておりますのは、五十五年度上期につきましては、石油会社、日石以下その他全部で九社の経常利益が二千二百九十二億でございます。そして、その中に為替差益二千六十三億が含まれておるということでございます。
  33. 武部文

    ○武部委員 数が違いますから金額もどうしても違ってくるのですが、私の方は九社ではなくて十三社を調べておるわけであります。それから二千六十三億とおっしゃいましたけれども、われわれは十二社で計算をしておりますから、そこの間には違いがあります。これはやむを得ません。いずれにしても経常利益が膨大であることは先ほどお認めになったとおりです。差益の問題は何かちょっと考え方が違うようですから、これは後でお話をしてみたいと思います。  いずれにいたしましても、九月の上期の決算において大変な金額が出た、これは報道を通じて国民の前に明らかになったのであります。日本石油は経常利益で前年同期に比べて十一・六倍という利益を上げておるのであります。  そこで、これから具体的にお伺いをいたしますが、原油価格の推移を見ますと、五十三年十二月から五十五年八月までの間に七回OPECが値上げをしております。七回値上げがありまして、その総計は十七・三ドルになります。五十三年十二月に十二・七ドルであった原油価格が、ことしの八月で三十ドルになっておりますから十七・三ドルの値上がりであります。ところが石油の元売り会社の値上げを見ますと、五十三年十二月からこのOPECの値上げに付随をしてたびたび値上げをされております。通算八回、平均して四万七百七十円という値上げであります。値下げか一回あります。これはガソリンとそれから中間留分で千三百円から三千円です。民生用灯油は五百円から千四百円までばらばらでありますが、一回だけ値下げをしておられるわけであります。OPECの値上げが七回、石油製品の価格は八回値上げ、金額は一々申し上げませんが、平均して四万七百七十円という値上げになっておるのであります。こういう莫大な利益が出た理由は一体どこにあるか、先ほどちょっとお触れになっておりましたが、もう一回説明してほしいと思います。
  34. 永山時雄

    ○永山参考人 武部先生の持っておられます資料と私の資料と若干違いがありますので少しかみ合わない点があると思いますが、大綱観察からいたしますと余り変わりはないはずだと思います。  私の調べでは、原油のCIF価格は、五十三年の十二月、つまりイラン政変の直前でございますが、それと五十五年の九月と比較をいたしますと、二・八倍になっております。しこうして製品の方は、若干ばらばらでございますが、燃料油全部で平均をいたしまして二・五倍。この中にはそれぞれ石油製品いろいろございますから、製品の種類によって若干ずつばらつきがありますが、燃料油総平均をいたしますと二・五倍というような状況になっております。
  35. 武部文

    ○武部委員 金額はちょっとかみ合いません。しかしこれは大事なことです。きょうおいでいただきましたのは、そういう点をお尋ねしたいと思っておいでをいただいたわけで、かみ合わないのはちょっとぐあいが悪いわけですから、それでは具体的なことでこれからお伺いをしてみたいと思います。  先ほどお話がございました中にユーザンス差益二千六十三億ということをおっしゃいました。これは一過性であって大変不安定だからという話がございましたが、いままでわれわれが当委員会に何回か石油連盟の会長さんにおいでをいただきましていろいろやりとりをいたしましたときに、ユーザンス差益というものは差益ではないというようなことは一音も出ておらないのであります。また一般の国民から見て一体仕入れ差益とユーザンス差益を区別して国民の皆さんが考えるでしょうか。仕入れ差益とユーザンス差益とは、なるほど若干の内容は違いますが、差益として、利益として石油元売り会社に入ってくるということは間違いない。しかるに、このユーザンス差益を円高差益と見ないという意見が石油連盟の大手の中にあるようでありますが、これについてはどうお考えですか。
  36. 永山時雄

    ○永山参考人 お話のように、ユーザンス差益も会社としては利益でございまして、これを含めて経常損益というものが出るわけでございますが、ただ、営業活動から出てまいります利益とユーザンス差益とでは性質が非常に違うことは、これは武部先生御理解をいただけると思うのです。要するに、ユーザンス差益は為替相場の上下によって出てまいるものでありまして、今回の二千六十三億の為替の差益も、要するにそれだけ円高によって出てきたものでございます。相場のことですから、円が高くなればその次にまた必ずや円安になってくるのでございまして、したがって、この差益をとかく世間では、要するに営業の努力によって出てきたものでないからそれを還元をすべしというような議論を私どもは聞くのですけれども、しかしそれは必ず円安というものが反面において出てくるわけでございますので、したがって円高差益が出てきたら必ずこれを還元するという議論は私どもには理解ができないということで、要するに円高差益だからといって特別な扱いをするということは適当でないのじゃなかろうか、こういうような判断をいたしております。
  37. 武部文

    ○武部委員 円高差益を還元しろということが理解できないという御答弁でございますが、私はむしろそのことについて理解できないのであります。還元にはいろいろ方法があります。たとえば価格の据え置きもあるでしょう。値下げもあるでしょう。いろいろな形があるはずです。それを、ユーザンス差益は仕入れ差益と違う、だからこれは還元する必要はないとかいうような御意見が大手の中にある、石油連盟の中にもそういう意見があることをわれわれは承知しておるのであります。それならば、日本石油あたりは前期に比べて十一・六倍の利益を上げておるわけですが、国民の側から見れば非常に高い石油製品をわれわれは買わされておる、そして石油会社はこれだけの利益を上げておる、だとするならば、国民の側から見れば製品の値下げを要求することは私たちは当然だと思うのです。そういう中で、先ほどお述べになった具体的な数字は言いませんが、これだけ莫大な利益を得た石油連盟、元売り会社としては、この利益をどうしようとしておられるのか、それをひとつお述べをいただきたい。
  38. 永山時雄

    ○永山参考人 五十五年上期のただいまの数字が大変な利益であるかどうかということが、若干私の理解と武部先先の御理解とで違うように思います。  たとえば、武部先生は日石の利益をつかまえまして過去の十何倍かというようなお話でございますが、確かに、昨年と比べれば倍数からするとかなり高率な結果になってはおるのでありますが、今期の五十五年上期の利益自体をとりましても、売上高に対しての経常利益率からいたしますと、たしか三・六%くらいでしたか、というくらいの利益になっているのじゃないかと思うのです。それで、製造業の利益が一般的に言いますと、これもその年々の景気不景気によってかなり違いがあるのですけれども、大体三%から六%、最近のところではそのくらいのところでございます。  ところが、石油産業は従来からこの経常利益率も非常に低い、大体一%台。それから製造業が三%という、製造業としては非常に低いような年、それは第一次石油ショック直後でございますが、そのときは石油産業は〇%だとか赤字だとかいうようなことでございまして、元来が非常に低いのです。それでその結果、先刻冒頭陳述で申し上げましたように、石油会社の自己資本比率というものが非常に低くなって、したがって、これから石油会社としては石油開発だとか備蓄だとかいろいろやらなければならぬことが山積をいたしておるのでありますが、その重い責任を果たしていくには非常に弱い体質になっている。これらの重責を遂行していくに足りる経常利益を上げていきたいというのがわれわれの悲願でございまして、その立場からいたしますと、必ずしも五十五年上期、今期の利益はそれほど高いというようには私は判断をいたしていないのでございます。
  39. 武部文

    ○武部委員 先ほど申し上げましたように一年間に八回石油製品が値上げになっておる。この値上げを見ますと、円安部分もこの中に含まれておる、このようにわれわれは理解をしておるわけです。八回の値上げ、具体的に金額はここにございますが、これは当時確かに五十四年の九月ごろから円安傾向になりまして、五十五年の四月ごろまでは円安が続きました。五月から急騰して今度は円高になったわけですから、それまでの間の値上げの金額を見たり内容を見ますと、円安が値上げの中にちゃんと入っておる。だとするならば、円高になれば当然その金額というものを製品の値下げに使うべきだ、こういうことはだれもが考えるんじゃないでしょうか。そういう意味で、あなたは大した金額でないとおっしゃるけれども、二千数百億、私どもから見れば、大体上半期で全部の業界で約四千億円ぐらいあると思います。一説には年で一兆円と推定できるという意見がございますが、われわれの計算では半期で石油業界は約四千億程度の利益を上げておる、このように見積もっても決してこれは多額ではないと思います。  そういうことを考えたときに、今日円は二百十円そこそこでありますが、そういう高いところにあるわけです。確かに不安定と言われればそうでしょう。しかし、先のことはだれもわからない。一体いつ、どのぐらい安くなるかということは、あなただって私だってわからない。そうなってくると、一説にありますように、円高の利益というものは別な勘定に積み立てて国民の皆さんから一目瞭然わかるようにすべきではないかという意見があるのです。これは河本企画庁長官の持論でありますが、われわれとやりとりすると、企画庁長官はそういう発言をされる。少なくとも円高差益というものは不労所得だ。これはわれわれ何回かここでやりとりして、瓦斯協会の会長は反論しておられましたけれども、これは労せずしてふところに入るわけで、別に皆さんが努力されて入ったものじゃない。為替変動相場制で入ってくるわけですから、そういうものが何千億あるということになれば、国民の側から見ればこれは不労所得である。当然それを製品の値下げなり還元すべきがあたりまえじゃないかということになると思うのです。円が安くなって損をしたといえばすぐ製品に転嫁をして八回も上げるのですから、そういうことを考えるのは国民感情として私は当然だと思うのです。だとすれば、円高を皆さんの方では別勘定にして、これだけの円高差益がございますということを国民の前に明らかにする、そういうお考えはありませんか。
  40. 永山時雄

    ○永山参考人 石油製品の価格の改定は、お話のとおり八回ほどあったのでありますが、これは原油の値段が上がりますと、それに応じましてある期間を置いて価格の引き上げをするということで、その都度これは通産省がウォッチシステムといいますか、価格が行き過ぎないように、適正なところにとどまるようにという意味でチェックをしておるのでございまして、その通産省のチェックを受けて価格の引き上げを是正をする。その場合に当然為替の問題、為替の相場というものを通産省としては観察して、そしてそれを考慮して価格の改定をしておるというようなことになっておるのでございます。  それで、為替の差益につきましては、先のことですから、お話のとおりよく推測がつきませんで、そこで為替の変動があれば原油の価格を込めて価格の改定をしてきているというのがいままでの実情で、その意味で為替の相場というものもいままでの価格の中に、それはそれなりに反映をされておるということに考えていただいていいんじゃなかろうか、こう思うのですね。  それから、為替の差益については別途に積み立てをしておいて、そして一方において為替が安くなってきたときにそれを運用するというお考えは、これはなかなかむずかしい問題がいろいろあるようですが、私個人としては、むしろそういう制度が適当じゃないか。石油については、御承知のとおり非常に為替の影響を受けやすい産業でございますし、いまの変動相場制のもとにおいては、為替の変動というものは避けられないことでございますし、それからまた、現在のような制度でいきますと、為替の差益でも普通の一般の利益と同じように見られて、そして税金を課せられるわけでございますから、そういうようないろいろな意味を込めて、やはり私は別途にある期間積み立てをしていって変動に備えるということは、それはそれなりに一つの合理性を持っているんじゃなかろうか、こう思うのです。  しかし、現状においてはそういう制度になっておりませんので、そこでやはりわれわれとしては、会社全体の利益、損益という立場で事を判断をするということにならざるを得ない。そうなりますと、なるほど上期では御承知のような利益が一応出たのでありますが、会社の損益というものは一年決算でございますから、下半期の問題というものを見ないと、利益なら利益がそれで確定をしたということにはなりません。現に現状を見ますと、上半期と違って下半期は、これは会社によってそれぞれ原油の値段の高低がありますからさまざまでありますが、総じて言いますと、現在はむしろ瞬間風速的な損益は赤字基調ではなかろうか、私はこういうように考えておるのでございまして、したがってその意味で、為替の差益が二千億何がしかあったからそれをすぐ値下げをして還元をするというような議論がとかくあるのでありますが、それにはくみすることができない、こういう意味で申し上げたのでございます。
  41. 武部文

    ○武部委員 通産大臣にちょっとお伺いいたしますが、いま永山参考人とやりとりしたわけですが、現実に大幅な黒字が出ておる。会社の方じゃ、大した額じゃないとおっしゃっておるけれども、国民から見れば大変な額だと思うのです。そういう利益をめぐって、円高差益は国民に還元しろ、値下げをしろ、あとで灯油の問題を申し上げますが、そういう意見が出てくるのは当然だと思うのです。  先ほどちょっと触れましたけれども、電力会社あるいはガス会社、石油会社いずれも何回か、円高差益の還元問題をめぐってやりとりしているわけですから、大臣も御承知だと思いますが、現在の元売り会社の利益、そして現在の価格、国民の感情、そういうものから見て、大臣はこの価格について一体どういうふうにお考えになっておるか。  この間新聞に出ましたように、最大手の日本石油は販売店に三十億円のボーナスを支給したという記事が出ておる。日石だけじゃない。日石はそういうことをやったが、他の会社は大体毎回の値上げのときにそんなことをやっているのだというようなことを日本石油は弁解しておったようでありますが、こういう利益とそれから価格ということについて、大臣はどういうふうにお考えですか。
  42. 田中六助

    ○田中(六)国務大臣 市場メカニズムから申しますと、利益があったり損失があったり、そういうようなことは当然あることでございますし、もうけたから直ちにそれをばらまくというようなことはどうかというふうに考えております。特にその利益があった分が円高によるとか、特殊ないろいろな事情によるというようなことになりますと、また特殊な事情の変更というものもあるでしょうし、いずれにしても大きなぶれがあるというようなこと、そういうのを考えますと、やはり直ちにそれに即応して国民感情がどうだからどうということは、十分考慮しなければなりませんけれども、市場メカニズムあるいは将来の不透明な要件というものが感知される限り、そこは慎重にあらねばならないというふうに考えます。
  43. 武部文

    ○武部委員 円安になって損失が出てくると、すぐ製品価格に転嫁をして円安の損失は直ちに埋めてしまう。そういうことをやりながら、片一方で円高が出たら、そのものは販売店の系列会社にボーナスだ。こういうことで、内容が全然わからない。では、原価計算の内容はどうだと言っても、石油会社の原価計算の内容が私どもに理解できますか。そういう資料だって全然出てこない。そうなってくれば当然、円安で損をしたことを認めますよ。円安になれば当然そうなんですから。しかし、そのものはすぐ製品に転嫁されて、一年に八回も原油が値上がりしたからといって、みんな便乗して値上げしておるじゃありませんか。後で灯油の価格を言いますから、そうすればどれだけ差があるかということをおわかりいただけると思いますが、そういうことをしておるのですから、円高になってユーザンス差益と仕入れ差益はこれだということは一目瞭然出てくるわけですから、そのものを河本長官が言うように別途勘定に積み立てて、国民の皆さんの前に一目瞭然、為替差益はこれだけのものがちゃんと積み立ててあるということがわかるような仕組みをとったらどうだという提言が物価の委員会であったんですよ。これも一つの考え方だと私は思うのです。そういう点について、通産大臣はどういうお考えでしょうか。
  44. 田中六助

    ○田中(六)国務大臣 いま御指摘のように、河本長官の発言は一つの方法であるというふうにおっしゃっておりますが、私もそれは一つの方法だと思います。いろいろな方法があると思います。その中の一つの方法ではないかと思います。
  45. 武部文

    ○武部委員 時間が来ますので、それでは具体的な問題でお尋ねいたします。  先ほども灯油の問題が出ておりましたが、これからいよいよ需要期に入ってくるわけでありまして、民生用灯油というのは国民生活にとって欠くことのできないものでありますから、大変関心が高いのであります。  そこで、灯油の価格でありますが、私の手元に調べた価格がございますからこれを申し上げますと、総理府統計局の十月の小売、これが千五百八十円であります。それから、新聞社の調査によります価格を見ますと、同じ十月で千三百八十六円から千六百八十円という若干の開きがありますが、平均して千五百四十円であります。通産モニターの東京での十八リッターの一かんの金額は千五百九円であります。こういう金額になっておるのでありますが、日本銀行の発表によります灯油の卸売価格、これと原油のCIF価格と比較をしてみたわけです。そういたしますと、五十四年一月の原油のCIF価格は、キロリッターで一万七千五十九円であります。それが先月の五十五年十月には四万五千四百二十七円になっています。したがって、五十四年の一月から五十五年十月までの間に、CIF価格はキロリッター当たり二万八千四百円の値上がりになっておるのであります。  この日本に入ってきた原油が灯油になって出てくるときにどういう金額になってくるか、これを調査いたしますと、これは日本銀行の調査でありますが、灯油の卸売価格は、CIF価格が一万七千五十九円であったときに二万八千七百八十九円であります。先月の五十五年十月には、灯油の卸売価格は六万七千七百五十六円になっています。同じ期間中にキロリッター当たり三万九千円の値上げになっておるのであります。  数字をべらべら言ってもなかなかおわかりにくいと思いますが、これを私が何で言うかといいますと、五十五年十月の原油のCIF価格は四万五千四百二十七円なのに、これが精製されて灯油となって卸売価格になったときには六万七千七百五十六円になる。その差は二万二千三百三十円にもなるのです。このCIF価格から灯油の卸売価格になっていく過程の二万二千三百三十円という金額は、一体どういう内容を持っておるのでしょうか。石油製品を一キロリッターつくるためにかかる総コストは幾らか。これは電力の査定をするときに、当委員会でいろいろやりとりしたときに出てきた数字であります。それを見ますと、税金とロスと自家消費で約五千円、精製費が二千円、販売管理費が三千円、金利が二千二百円という説明がございました。したがって、これは約一万二千円になるわけであります。CIF価格からこれだけの税金や精製費や販売管理費やあるいは金利一万二千円を引いてみますと、これでもなお一万円以上の差が出てくるわけであります。  この一万円を国民に返す、値下げをするということになると一体幾らになるか。十八リットルかんで一かん百九十円は下げられる数字が計算で出てくるのであります。一体、CIF価格と灯油の元売り価格との間に何でこんなに大きな開きがあるのでしょうか。それは恐らく販売手数料だ、金利だ、いろいろなことをおっしゃるけれども、それは一万二千円で済むのです。あとは全部利益じゃありませんか。そういう点で百九十円一かん当たりで下げられるということを私どもは指摘をしたいのですが、いかがでしょうか。そういう点について石連の方としてはお考えございますか。あるいは通産省としてどういうお考えでしょうか。これをお伺いしたいのであります。
  46. 志賀学

    ○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  私ども五十四年の一月以降、元売り仕切り価格の改定に際しまして各社からコストアップの要因がどうか、あるいは円レートの見方がどうであるか、そういった点につきましていろいろヒヤリングをいたしましてチェックをしてまいっておるわけでございます。先生ただいまいろいろ数字をおっしゃったわけでございますけれども、全般的に申しますと、イラン政変前の五十三年の十二月の石油のCIF価格と最近の十月のCIF価格の伸び率が約二・七倍ということになっております。それに対しまして卸売価格の上がりは、灯油で申しますと大体二・四倍ということになっているわけでございます。小売価格につきましても同様に、CIF価格の上がりに比べまして低い数字にとどまっておる。こういう点から申しまして、総じて申しますと、現在の価格のレベルというものにつきまして、いわゆる便乗的な値上げがあったのではないかという点について、私どもとしてはそういった要素はなかったのではないかというふうに思っておるわけでございます。  そこで、CIFが上がるわけでございますけれども、同時に、その場合に石油税、そういったような付帯費用というものも当然ふえてまいります。それから価格が上がってまいりますと、調達金額、手当てをいたします資金というのがふえてまいります。それに従いまして金利負担もふえてまいります。あるいは精製費の問題であるとかロス率の問題とかいろいろな要素が実はあるわけでございまして、単純にCIF価格の上がりだけを取り上げまして考えますと、必ずしもその実態にそぐわない面が出てまいります。CIFが上がりますと同時に、それに伴って上がってまいるそういった費用がかなりあるということでございまして、いずれにいたしましても、私どもの判断といたしましては、全体的な判断として、最初に申し上げましたように、現在のCIF価格の上昇ぐあい、あるいは卸売物価指数、あるいは小売物価指数、そういった動きから判断いたしますと、いわゆる便乗的な引き上げがあったというふうには考えていないわけでございます。
  47. 武部文

    ○武部委員 いやいや、私が言っているのは具体的に言っておるのですよ。別にCIF価格や卸売価格を架空な数字を言っておるのじゃないのです。卸売価格は日本銀行の調査の資料によって出ておりますし、CIF価格は通産の通関ベースで出ておるのですから間違いないのですよ。ですから、たとえばCIF価格がキロリッター当たり四万五千円で先月十月入ってきたものが、自家消費とか精製費とかいろいろなことで一万二千円かかる、それは総コストだ、一キロリッターつくるためにはこれだけコストが要るんですよということは、通産省が説明した数字なんですよ。それをこれに加えたところで五万七千円にしかならぬじゃないか。それが何で卸売価格に六万七千七百五十六円という数字になって出てくるのか。そうすれば一万円以上差があるじゃないか。だからこれを十八リッターで割ったら百九十円になるのだ。百九十円が高かったら百八十円でもいいですよ。そういう点について通産省はそこまで検討しておられますか。私が言いたいのはそこなんですよ。総コストはあなた方がおっしゃった金額なんですから、私はそれをここへ書いておるだけのことですから、そういうことでCIF価格と卸売価格との間に余り差があり過ぎるじゃないか。ですから、これだけ利益を上げておるなら、そこへメスを入れて下げたらどうですかということを言っておるので、それを間違いなら間違いと言ってください。それでいいのですから。
  48. 志賀学

    ○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  ただいま先生から三万九千円というお話がございました。五十三年の十二月から最近の十月までの販売価格の動きに対応いたします原油のCIFを考えます場合には、大体通関いたしましてから一月で製品になるということで、一月ずらして計算を仮にしてみますと、すなわち五十三年の十一月から本年九月までということで、原油のCIF価格の増加額について計算をいたしますと、大体一キロリットル当たりCIFの値上がりは三万二千円ぐらいということになります。そういうことで、三万九千円に対応するCIFの値上がりというのは約三万二千円と私どもとしては考えております。
  49. 武部文

    ○武部委員 私はあなたの説明で納得できません。時間がございませんから、それでは改めてやります。  そこで、灯油でありますが、五十三年八月から五十四年七月、ですから去年の七月までの使用量、金額、それから五十四年八月から五十五年七月、すぐこの間のことです、その間を比較した統計があります。確かに量は減っているのです。使用の量はみんな、省エネで、また暖かかった関係もありましょうか、減っておるのに、金額だけはべらぼうにふえておるのです。これを見ますと、五十三年に全国で六百六十三リッター使っておるものが五十四年には六百五十四リッター。若干減っています。ところが金額は逆に、五十三年で全国二万一千五百六十二円であったものが、五十四年には四万八百七十一円、一八九・五%もふえておるのであります。こういうふうに、量は減ったが金額はべらぼうにふえておる。これは灯油を使うところにとっては大変なことなんです。特に北海道は、量も減っておりますが、金額は、五十三年に六万二千百二十六円であったものが、五十四年には十一万九千八十四円、実に一九一・七%、大変な支出増になっている。東北地方も、調べてみますと、一七四・九%も金額がふえておるのです。それほど家計の支出の中で灯油の占める割合は大きいのです。ですから、灯油の値下げを求める声が強く出てくるのは私は当然だと思うのです。そういう意味で、これだけの黒字が出た業界として、八回も値上げをしておられますが、値下げは、民生用灯油についてはたった五百円から千四百円ぐらいしか値下げしてないじゃありませんか。そういうことを考えたときに、今度の決算を機に灯油の値段について、業界も通産省もこの問題について真剣に取り組んでもらいたいというのが私の要望であります。  ですから、時間の関係でこれ以上のことは具体的に述べられませんが、特に差益の問題については、ユーザンス差益は別な問題だとかというようなことは通用いたしません。少なくとも、一歩下がっても、そういう差益は別途勘定に積み立てて国民の皆さんに明らかにするように。そうでないと、差損のときにはいいかげんなことにしてそれを消化して、差益のときもまたいいかげんなことにして消化するようなことは許されません。だから、そういう点についてきちんとした指導を通産省にもお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。  時間が参りましたから、私は最後に独禁法のことについて若干触れて、終わりたいと思います。  独禁法の問題は、判決全文がまだ手に入りませんが、判決の生産調整と価格カルテルの具体的な問題については私どもの手元に、新聞を通じてはっきりいたしました。そこで、この判決を見ますと、これは明らかに通産省の行政指導があった、行政指導を受けてやったのだ、こういうことが判決の中にございます。  そこで、時間がございませんから要点だけ申し上げたいと思います。  価格カルテルは、値上げの金額、時期、このことについては業界の代表者に対して通産省が了承したということが認められるという判決内容があります。また生産調整についても通産省の容認のもとに行われた、いわゆる通産省の担当官がこの問題に深く関与しておるということが言われておるのでありますが、通産省はこのことについてどういうふうにお考えでしょうか。それをお伺いしたい。
  50. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 ただいまの石油カルテル判決につきましては、生産調整と価格カルテルと両方ございまして、前段の方は無罪になったわけでございますけれども、その中に示されました司法当局の一つの見解を私どもは冷静に受けとめておる次第でございます。これは、いま武部先生御指摘のように、通産省が行政指導に関与したのではないかという御指摘、まさにそのとおりでございまして、私どもは行政指導を行ったわけでございます。その行政指導のあり方につきまして司法当局からの見解が出ておりますので、その見解を十分尊重して対応したい、かように考えておる次第でございます。
  51. 武部文

    ○武部委員 生産調整については無罪の判決がございました。これは業界に違法性の認識がなかったから無罪だ、こういう判決になっておるのであります。ということは、裏を返せば、これは通産省の行政指導を糾弾したことになると思うのです。受けた方はそういう認識がなかったんだから無罪だ、しかしそう言うということは、やった者が悪いんだということになるのですから、そういう意味では、やはり通産の行政指導が厳しく糾弾されておると理解しなければならぬと思いますが、それでよろしゅうございますか。
  52. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 判決の要旨を見ますと、通産省がその任務遂行のため生産計画に関し行政指導を行うことは一定の限度で許容されるということでございまして、完全な意味ですべて行政指導が許容されるわけではなくて、一定の限度で許容される、こういう判決があったわけでございますので、先ほど申し上げましたように、私どもの行政指導のあり方につきましても一定の限度ということを十分踏まえた行政指導を行いたい、かように考えておる次第でございます。
  53. 武部文

    ○武部委員 事業者団体を通じて行政指導する場合は問題だが、個別指導ならば問題ではないという発言がこの判決が出た後通産省の幹部の口から出ておるようでありますが、個別指導ならば何でもできる、個別指導ならば行政指導は認められるというふうに御理解でしょうか。
  54. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 個別指導ならすべてよろしいという判断を私どもはしているわけではございませんで、先ほどの判決をよく読んでみますと、個別指導の中にも画一的な個別指導は独禁法上問題があるという趣旨の判決がございますので、個別指導であっても画一的な、つまり具体的に申し上げますと、生産を五%削減するということを個別に指導すればそれは独禁法に抵触するという趣旨に解釈いたしておりますので、個別指導のあり方につきましても弾力的な、つまり画一的でない個別指導を要求されておる、こういうふうに認識をいたしておる次第でございます。
  55. 武部文

    ○武部委員 この問題は大変重要な問題を含んでおりますが、判決全文が手元に入りません。したがって判決の要旨だけでいまいろいろやりとりしてもどうかと思いますが、もう時間が来ましたから、私は一つだけ最後に申し上げておきたいと思います。  通産省が、業者の団体を通じて行政指導するためにいろいろな会合に出席をしておる、これはやはり避けるべきではないかと思うのです。たとえば十月十一日の「東洋経済」に出ておりますが、高炉メーカーの販売担当員と通産省の業務課長が鋼材倶楽部で毎週「月曜会」という会を持って、そして、そのときどきの需給事情全般にわたって情報を交換して、通産省はこれに基づいて四半期ごとの鉄鋼の需給見通しを立てるとか、あるいはこの間ちょっと申し上げましたけれども、省エネの通達が出ると直ちに紙業課長が紙パルプを集めて、その席上に行って、休暇をとって休めというような行政指導をやっておる。したがって一週間もだっと休むものだから、減産をして価格は高値のまま安定していく、こういうことが随所に行われておる。これは私は通産省の組織法のどこから出てきたかわからぬけれども、そういうようなことがやたらに行われておる。これはやはり避けるべきだと思うのです。  そういう意味で、行政指導と独禁法との兼ね合いというものは非常に微妙であります。したがって、いまここで結論は出ませんが、いずれにしても判決全文が出れば、通産省の行政指導が独禁法上一体どこまで許されるか、一定の限度とおっしゃるが、一定の限度とは一体どこなのか、いまの石油業法でそれじゃそれが許されておるか。石油業法から言えば勧告することができますね。価格を設定することができます。それをやらないで行政指導だけで行われておる、ここに私は問題があると思うのです。そういう点についてまた改めてやることにいたします。もう時間が参りましたから、これで終わりたいと思います。以上です。
  56. 井上泉

    ○井上委員長 長田武士君。
  57. 長田武士

    ○長田委員 本日は、参考人といたしまして永山石連会長に御出席をいただきましてありがとうございます。  私は、円高による為替差益の還元、これにつきまして消費者の立場から業界の代表であります石連会長に若干の質問をしたいと考えております。  そこで、ことしに入りましての円相場の推移でありますけれども、四月八日には二百六十円七十銭、この円安から、九月十二日には二百十四円七十銭と急激な円高を反映いたしまして、この九月の石油各社の中間決算を私注目しておったのでありますが、大手九社の決算を見ますと、先ほど来数字が出ておりますとおり、経常利益では二千二百九十二億円、為替差益では二千六十三億円、このような膨大な金額が出ておるわけであります。そこで、業界全体といたしましてどの程度の為替差益が出ておるか、この点お答えをいただきたいと思います。
  58. 永山時雄

    ○永山参考人 私どもも、すでに公表された九社につきましても、要するに公表して初めて承知をいたしておりますので、全部で石油連盟加入会社二十九社あるのですが、公表されていないものについては私どもは資料を持っておりませんので推察ができかねるのでございます。
  59. 長田武士

    ○長田委員 二十九社連盟に入っていらっしゃるわけでありますけれども、その円高差益というのは、傾向としては、基調としてはほとんど変わっていないだろう、そういう感じを強く持っております。  本来、円高差益というのは、企業努力であるとかあるいは経営の合理化であるとか、企業が主体的な努力をして生んだ利益ではないわけであります。言葉は悪いですけれどもいわばたなぼたであります。こういう円高差益については本来消費者に還元するというのは国民の声も非常に強く訴えておるわけでありますけれども、私はそれは正論だろうと思うのですね、正しいと思っております。そういう点では、いままで円高差益の還元はする必要はないというような非常に強腰と私拝聴しておったのですけれども、やはり国民の声をしっかり聞くということも企業としては当然の責任であろう、私はそう思いますが、会長どうですか。
  60. 永山時雄

    ○永山参考人 円高の差益というものは、一つには、先ほども申し上げたことですが、円高があれば必ず円安が出てまいりますが、円安になったときの保障というものは別段ないのであります。したがって、円高で出てまいりました差益についても、企業はそれを一つの利益として見て、そして利益全体として見て適正な利益であるかどうかということを判断してその対応をするということが常識ではなかろうか、かように考えるのでございます。
  61. 長田武士

    ○長田委員 一面真理であるかのように受け取るのでありますけれども、私はそれは非常に詭弁だろうと思うのです。やはり商売ですから、仕入れ価格が安くなる、自由経済社会においては当然価格を引き下げるというのは経済の原則です。したがって、私は、企業が内部努力をし、合理化をし、そうして上げた利益ならば何とも言いません。そういう意味で私は会長に強く申し上げるのでありますけれども、その点もう一度答えてください。これは企業としての責任じゃありませんか。
  62. 永山時雄

    ○永山参考人 私は、先ほど申し上げたような意味で、円高差益だからといって絶対にこれは還元しちゃならぬものだ、こういうような意味で申し上げているのではないのでありまして、ただ、要するに、円高差益を含めた現在の九社の利益、これが、先刻も申し上げましたように、石油産業の置かれている責任の立場、それからいまの財務体質、そういうようなところから見ると、そんなに大きな利益だと、かように判断をしていないのであります。いわんや、上半期における業績も下半期、現状においてはじりじりマイナスになっておるのでありまして、これはある意味においては、見方によっては為替差益を食っている、還元をしているという見方もできなくもないような状態でございまして、現状はなかなか値上げが困難な状況でございますから、結果的にはある意味において為替差益を還元しているという状態に等しいという状況でございます。
  63. 長田武士

    ○長田委員 どうも理論がはっきりしないのでありますけれども、国民のこのような声にこたえるためには、一つは価格の凍結の問題もあるでしょう。あるいは値下げという方法もあります。あるいは、先ほど来出ておりましたとおり中間決算でありますから、商法からいっても私は別途積み立てというのは不可能だろうと思います。三月の本決算をやった場合においては、当然別途積み立てという勘定は立てることはできる。そのような方法が考えられるのですが、具体的にこの三つも何にも考えていないということですか。
  64. 永山時雄

    ○永山参考人 上半期における為替差益を含めた利益ですね、これは昨年に比べると確かに相当大幅な利益でございますが、これをどういうように処置をするか。企業によっては、場合によっては御期待のような若干価格を下げるとかあるいは価格の据え置きをするとかいうようなことで対応する企業もあるかもしれませんし、あるいはまた、企業によっては極度に財務体質も悪い、利益高も、上半期における利益も大したことはないというような企業は、若干価格修正、価格調整をせざるを得ないというところもあろうと思いますので、これはそれぞれの会社が決めることでございまして、私から一律にこうすべきだということを申し上げる立場にない点をひとつ御了承願いたいと思います。
  65. 長田武士

    ○長田委員 それでは昭和石油さん、会長さんが社長さんですね、円高差益は二百十三億円くらい出ておりますが、間違いありませんか。
  66. 永山時雄

    ○永山参考人 そのとおりでございます。
  67. 長田武士

    ○長田委員 そうですね。では、その処分については大体のお考えはどうでしょうか。わが社としてはという立場で結構であります。
  68. 永山時雄

    ○永山参考人 私の会社は月次決算ですから正確な決算ではございませんが、月次損益の、何といいますかある程度の決算をいたしております。それは、現状においては赤字の、マイナスの状況でございます。その意味において、先ほど申し上げたようなだんだんと為替差益を食っているというような状況でございますが、ただ今後の問題として、十二月にOPEC総会がありまして、原油の価格が上がる若干の可能性というものもあるんだろうと思います。  それから、これは私のところばかりでなく、日本の石油会社全部を通じて言えることですが、財務体質がいかにも悪いんです。そして私の信念からすると、石油会社は、メジャーは頼りになりませんのでこれからだんだん自分で石油の開発をしなくちゃならぬのです。自分で石油の開発をしなくちゃならぬとすると、これはもう大変危険率の高い仕事でございまして、千三つでもありませんけれども、近ごろでもやはり二十本、三十本掘って一本当たればいいというくらい危険率の高い事業でございまして、その一本に二十億も三十億もかかる。そういうものをやることになりますと、よほどの利益あるいはよほどの強い財務体質を持ちませんとなかなかできないのであります。失敗すれば借金だけ残って赤字の会社になってしまう。しかし、これは国家的に見て、また石油精製会社の立場としては本来当然自分でやるべきことなんですね。そういうような点を考えますと、私どものいまの自己資本比率五%か六%という体質、これを改革をするということが私どもは日本の石油産業のために何よりも大事だ、かように考えておりますので、やはりできる限り社内の蓄積を多くして、そうしてそういう必要な方面に積極的に出られるようにしたいと、かように考えております。
  69. 長田武士

    ○長田委員 OPEC総会が十二月ということでありましたけれども、きのう私、商工委員会のエネルギーの小委員会で懇談会をやりました。閣僚会議も延期になっておりまして、恐らく十二月は開催されないだろうという見通しのようであります。そうなりますと、十二月に値上げされるというようなそういう点はもうちょっと先になるんじゃないかなという感じが私はしております。  そこで、昭和石油さんは期首に当たって収益予想という会社独自でいろいろ書類をつくられると思うのですね。その場合、この上半期の円レートはどのくらいで予想を立てられましたか。
  70. 永山時雄

    ○永山参考人 お答えをいたします。  たしか二百四十円か五十円か、大体その当時の相場で立てておると思います。
  71. 長田武士

    ○長田委員 電力とガスは二百四十二円と見ました。したがって、業界では大体二百四十一円と見たようなんですね、私の調べたところによりますと。そうなりますと、会長、やはり会社の収支予想の上から考えた場合、円レートは二百四十一円で見ておるわけでありますから、当然予想に反した経常利益を上げていますね。ですから、私は、先ほど来くどく申し上げますのは、企業が努力されて企業収益としてきちっと認められる、そうして内部留保をする、資本を蓄積するということについては何ら異論がないのです。全く異論がありません。いま申し上げているのは、完璧に為替差益部分については、これは企業利益とは言いながら国民に還元すべきが筋じゃないかというふうに私は何回となく申し上げているのです。この点なかなか御理解いただけないのですが、どうでしょうかね。
  72. 永山時雄

    ○永山参考人 会社の予算と、それからこの席でしきりに出ます為替の差損益とは直接関係がないのでありまして、要するに、予算のとおりにいかなければ、結局やはりそのときの状況で為替の決済をするというよりいたし方がないというようなことになるんでして、そうすると、当然、予算で予定をしたような収益というものがまた結果的には大いに違ってくるわけでございます。それで、私のところは、いま申し上げた二百四十円ぐらいで予算は立てたと思いますが、しかし、実際がそれが二百三十円になり二百十円になるということになれば、これは私のところだけのレートじゃなくて、各社に共通したレートでございますししますので、当然それに応じた製品価格というものがマーケット価格になるわけです。ですから、それの方によって損益が左右されてくるということで、私どもが二百四十円の為替相場で製品価格の予想をしてみても、二百四十円が崩れればその製品価格は実現ができないわけですから、結果的には、二百四十円で予算を立てたからそれだけ利益があるはずだとかいうようなことには決してならないのです。ただ、私のところの、何といいますか、為替差益以外の利益というものがたまたま出たのは、これはちょうどその期にわれわれのところの原油の評価方法が変わったために、そこから相当の利益が出てきた。これは御承知のとおり、原油の評価方法には先入れ先出しだとか、後入れ先出しだとか、あるいは総平均法だとか、いろいろな方法がありまして、これによって結果の損益が大変違ってくるのでありますが、われわれは従来六カ月の平均法をとってきたのを、たまたまその期にそれを月別平均法に変えたということで、それから出てまいった利益が大きいのでありまして、特別にこの為替の関係あるいは製品価格の関係で出てきた利益でないということを御了承願いたいと思います。
  73. 長田武士

    ○長田委員 さきに会長は先行き非常に不確定要素、確かにあると思います。まあ円レートについては今後著しい変化はないだろうという感じを私は非常に持つのです。と申しますのは、民間の経済研究機関でも、そうした見方に立って分析しておるのが大半なんですね。  もう一つは石油価格でありますけれども、不安材料はないとは言えませんけれども、著しい上昇というのは、需給がだぶついていますから、そういう点ではないだろう。  そういう点を考えますと、今回中間決算でありますけれども、本決算まで推移というのはそのまま続くだろう、そういう感じを強く持っておるわけであります。この点、先ほどあしたでも値上がりするみたいな感じで発言をされておりますから、私は申し上げておきたいわけであります。  それでは、先ほど武部委員からも話があったのですけれども、円安傾向が出た場合においてはいわゆる石油製品というのは値上げしていますね。先ほども話がありましたとおり、五十四年から五十五年四月までに八回も値上げをいたしております。大手九社平均で計算してみますと、キロリットル当たり四万一千六百三十八円の値上げがなされました。したがって、五十五年七月の値下げ分を差し引いてもキロリットル当たり約四万円もの値上げがされているのですね。これは当然円安の差損部分も入っておるのです。この点間違いありませんかね。
  74. 永山時雄

    ○永山参考人 従来、為替相場だけの関係で、円安になったから価格の引き上げをする、あるいは円高になったから特別に価格の改定をするという例は、私は不敏にして余り承知をしていないのでありますが、要するに従来の価格改定は、OPECの原油価格の改定があって、それを機会にして、同時にそのときの為替相場というものを参酌をして、そして価格の査定を受けているというようなことになっておるのであります。
  75. 長田武士

    ○長田委員 そうなりますと、円安のときには値上げはしていませんということなんですか。
  76. 永山時雄

    ○永山参考人 円安だけで価格改定をしておりませんで、原油価格の変動の際にそれと抱き合わせにするというとおかしいのですが、要するにそのときの為替相場というものを考慮して、そして価格の査定を受けている、こういう状況でございます。
  77. 長田武士

    ○長田委員 抱き合わせということは、やっぱりしているということじゃありませんか。そうでしょう。  そこで、聞くところによりますと、鉄鋼とか電力、大口ユーザーに対しましては石油製品の価格が引き下げられて差益金は還元されておる、私たちの周りにはそういうニュースが入ってくるのですが、その点は事実でしょうか。
  78. 永山時雄

    ○永山参考人 重油の大口につきましては、トップ企業といいますか、たとえば鉄鋼について言えば新日鉄、石油について言えば日石なら日石というようなところが、三カ月ごとに価格交渉をいたしまして、そしてそれが決まりますと、その他のところは大体それを見ながら、それに準じて価格をそれぞれ決めていくというような方式になっておりますが、その三カ月ごとの交渉というのは、そのときの為替相場、原油価格、その他いろいろな経費を、これはトップ企業同士でお互いに交渉し合って、値段を決めていっているという状況でございます。
  79. 長田武士

    ○長田委員 この点はどうもそういう傾向があるようです。先ほども話に出たのですが、日本石油の場合は三十億円のいわゆる特別調整一時金というのを出していますね。私、きのう日本石油のスタンドに電話しましたら、一リットル当たり二円もらいました、キロリットル当たり二千円ですが、受け取っていると言っていますよ。販売店も差益というものは出ませんから営業状態は大変苦しいようなんですが、そういう点では、いま会長が言われたように部分的には還元的なそういう処置をとっておる。しかし一般消費者に対しては依然として冷たい態度をとるというのは、国民は納得しませんよ。それで、いま抱き合わせでやっていますなんて、円安のときにはがっちり値上げしておいて、逆に円高になった場合には会社でちゃんと内部留保します、こんな常識外れた理論というのは通用するのでしょうか。
  80. 永山時雄

    ○永山参考人 私どもは価格の改定は、先刻来申し上げておりますように、原油の値段が変わりますと、それで二カ月ほどたって通産省にチェックをしてもらった上で価格の改定をいたしておりますので、したがってそれがそのときの適正な価格だ、かように考えておるわけでございます。
  81. 長田武士

    ○長田委員 それでは通産省にお尋ねいたします。  ことしの六月から七月にかけまして各社は石油製品を千三百円から三千円値下げしております。これは実質的には円高差益の還元ということで通産省が行政指導したということなんですね。そこで、四月以降も輸入価格のドルは上昇はいたしておるわけでありますが、CIF価格の円を見てまいりますと、四月にはキロリットル当たり五万六百六十六円、これはピークでありますけれども、以後は値下がりをしております。十月には四万五千四百二十七円、ここまで下がってきておる。つまり値下げをされた七月以降もさらに差益が出ておるということが数字で出ております。私は、当然通産省としても価格チェックをして具体的な行政指導をすべきだと思いますが、どうでしょうか。
  82. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 先ほど来お話のございました円安のときにどうしたかということのメカニズムを申し上げておきたいと思いますが、永山会長からもお話のございましたように、私どもの方で、値上げをしたいという申請がありますと、円安だけの理由で申請があった場合は一切認めないという方針をとっております。原油のドル価格が上がった機会に申請がありましたときにあわせて円安の分を勘案して値段のチェックをするということでございます。  そこで、今度は円高の場合はどうなるかということになりますと、やはり同じ方式を適用いたしますと、今度原油価格が上がってこれこれの値段上げたいという申請がありましたならば、そのときのレートの状態を勘案いたしまして、今回の場合は恐らく円高になっておると思いますので、この次値上げの申請がなされる場合は恐らく円高のままの値上げの申請だと思いますので、原油の価格の上昇だけを認めるんじゃなくて、それからマイナスした円高分の相殺といいましょうか、そういったものを勘案して指導をするという方針でございますから、そういう限りにおきましては、言葉をかえて言いますと、これまで上期に残りました円高差益分が今後の値上げ分のときに勘案されて一値上げの率がそれだけ低く抑えられる、こういう考え方を持っているわけでございます。
  83. 長田武士

    ○長田委員 それでは、時間が参りましたので最後のお尋ねをいたします。  永山参考人にお尋ねするのでありますけれども、これは仮定の話ですから、私は結論はなかなか出しにくいとは思いますが、このまま円高基調が続く、あるいは石油の急騰がない、こうなった場合は、どうしても本決算の場合は相当な利益が生まれてくると思います。そうなった場合、円高差益の還元というものを真剣に考えなければならないと私は思うのでありますけれども、それの対応というのはいまから考えていますか。
  84. 永山時雄

    ○永山参考人 仮に、現状横ばいというようなことで円高状態が続いているような場合には、余り為替差益というものは出てこないんですね。要するに原油を買ったときの為替相場と、それから原油代を支払うときの為替相場とが違ったときに、そこに為替の差損益というものが出てくるわけです。したがって、為替相場が横ばいである限りは、新しい為替差損益というものは出てこないのです。  それて、現在の市況はかなり――最後の値上けが何月でしたか、四月か五月、八回目の値上げがそのころだったと思いますが、そのころに、それからさらに値下げをしたわけですね。そのときの理論価格といいますか基準の価格に比べて、現在の市況は相当下がっております。したがって、その分だけはマイナスだというのが実態でございますから、その辺ひとつ御理解いただきたいと思います。
  85. 長田武士

    ○長田委員 以上、終わります。
  86. 井上泉

    ○井上委員長 塩田君。
  87. 塩田晋

    ○塩田委員 石油というものは経済のいわば血液であり、不可欠の要素でございまして、また生活にとっても非常に関係の深い、経済の各分野に対しての影響力の大きいものでございます。したがいまして、この石油の価格というものが経済にとって非常に大きなかかわりを持ってき、それだけに関心が深いわけでございまして、そういった観点からお伺いをしたいと思います。  価格は重大なかかわりを持っておるわけでございますが、しかし、日本の経済は言うまでもなく統制経済でもありません。自由な競争市場というものを前提にいたしまして、その中で石油の需要と供給量、その関係におきまして価格が成立する。言うならば価格が需給の調整機能を果たしておる、また果たすべきものであるというふうに考えております。したがいまして、直接的な価格の統制ということは弊害がむしろある、不公正を助長するという観点から、とらないところでございます。先ほど来出ておりますような石油価格につきましての通産省の内部指導というものも、これはよほど慎重に、基本原則を忘れない中で慎重にやっていただかないと誤りを犯すものであると思います。したがいまして、この価格の安定というものを図るのには、現在の自由経済、市場競争を基本といたしますと、やはり安定的な石油、そのもとになるところの原油の供給を確保するということが基本でなければならないと思います。  わが国のエネルギーの中に占める石油のウエートというものは七五%と大きいものでございますし、また今後ともこの大きいウエートは大幅には変わらないだろうということが考えられます。したがいまして、この石油の需給をにらんで、そして安定的な供給を確保するための最大の努力をしなければならない、これが基本でなければならないと思いますが、その点について永山参考人の御意見を伺いたいと思います。
  88. 永山時雄

    ○永山参考人 御説のごとく、日本の場合におきましては石油の必要量の確保ということはこれは最高の使命だということで、私どももさように痛感をいたしております。いま自由経済といいますか市場経済といいますか、ということに、余り価格に介入するということが適当でないんじゃないかというようなお話もございました。基本的にはまさにそのとおりだと私ども思いますが、ただ石油の現状は、要するに石油製品のコストの八割五分から九割は原油の価格、原油のコストでございまして、そのコストの大部分を占める原油の値段というものが、御承知のとおり非常にまちまちでございます。したがって、いまの原油の取引状態というものの改変なくして、ただ日本の国内だけで石油製品について自由経済をやるということはなかなかむずかしいし、かえっていろいろ問題が生ずるんじゃないかと思いますので、私どもは、安いところの原油ばかりとれればいいんですが、なかなかそういきませんで、やはり数量確保ということに重点を置いて、そして値段も考慮した輸入をするということで、多少まちまちの価格になる。そして、それぞれの石油会社というものがやはり立っていくように確実に輸入の確保ができるようにしていくというより当面はいたし方がないんだろうと思いますので、現在のやり方は一般的に言えば必ずしも最善の方法とも申しかねますけれども、現状においてはやむを得ない方法じゃなかろうか、こう考えております。
  89. 塩田晋

    ○塩田委員 石油が経済にとって不可欠のものであるという観点に立って、また日本の現状について申し上げておるわけでございますが、日本の原油というものはほとんど海外から輸入するという状況でございます。そこで世界の原油の最近の需給の状況、そして短中期の需給見通しにつきましてどのように考えておられるかお尋ねします。
  90. 永山時雄

    ○永山参考人 イラン・イラク紛争の発生する直前におきましては、世界の原油の需給状況というものはかなり供給過剰の状況で、まあなかなか正確な数字はわかりませんが、大体三、四百万バレル、あるいは一説には二、三百万バレルともいいますが、供給が余っておった状態だということが多くの見方であります。ところが、イラン・イラク問題の発生によりましてほぼ四百万バレルばかりのものが生産から消えたわけでありまして、そこで現在の需給状況は、まあまあほぼいっぱいいっぱいの状況だろうというようなことではなかろうかと思うのですが、ただどうも、日本ばかりでなく世界的に非常に景気が冷えておりまして、そしてどこの国もかなり備蓄をたくさん抱えておりますからそれほどあわてないということで、本来備蓄がなければ、今度のイラン・イラク問題が出たらば日本もやはりかなりあわてざるを得なかったのじゃなかろうかと思いますけれども、幸いにして備蓄を抱えておりましたので、まあまあ平静な状態にあることはごらんのとおりであります。そして、なお今回のこのイラン、イラクの事変に対応して、サウジを中心にした三、四の国で若干の増産をするというようなことで、日本に対してもその増産分の若干の部分が割り振られてくるようでございますので、当面の問題としてはそれほど支障があるとは思えない、心配をする状況でない、かように考えるわけです。ただ、イラン・イラク問題が長引きますとまたいろいろそこにとがめが出てまいりますので、そういう意味においてはできるだけ早期終結をわれわれは希望するというようなことでございます。
  91. 塩田晋

    ○塩田委員 石油に対しましては、安定的な供給を確保するということが最も重要でございます。いま言われましたように、短期的にはかなり楽観的な見通しのようでございますが、長期的には、石油は地球上からなくなることは明らかでございますし、そのなくなる前に代替エネルギーの開発をしなければならない、それまでの間の問題でございますが、中期的に見た場合にどのような見通しでありますか、その点をお伺いしたいと思いますのと、いま御説明ございましたように、石油輸入の量にいたしましても見通しにいたしましても、非常に不安定な要因が多くてしょっちゅう見通しか変わっている、また予想されない突発的なイラン・イラク戦争といったような国際間の紛争が直ちに世界の石油需給に響いてくるというような要因をはらんでおります。こういった点から、その不安定な要因を除くためには、そして安定的なわが国への石油供給というものを確保するにはどうすればよいかということにつきましてお考えをお聞きしたいと思います。
  92. 永山時雄

    ○永山参考人 事柄はどうも通産大臣なりあるいは通産省当局の方からお答えをいただいた方がより的確な答えになるのじゃないか、こう思いますが、お尋ねでございますから私からお答えをいたしますが、短期的には先ほど申し上げたとおりでございます。  それから中期的には、御承知のIEAが見ている数字というものがまあ比較的よりどころになると申しますか、それ以外に余り権威のある数字がありませんから、大体それで見込みを立てるよりいたし方がないのだろうと思いますが、IEAの需給見通しからいきますと、一九八五年には二百万バレルばかり、ほうっておけば不足をするので、その分を各国がそれぞれできるだけ節約なり何なりをすべきだ、一九九〇年には五百万バレルくらいその節約量をふやさなければいかぬだろうというようなことでございまして、それにはさらに、全般的に石油がだんだん不足物資になるということはほぼ常識でございますので、お話のような代替エネルギーの開発の問題なりそうした方面に特段の強化を図っていく必要があるというようなことになっておるようでございます。  もう一つは何でしたかな……。(塩田委員「不安定要因解消のための対策です」と呼ぶ)これは、やはりどうもエネルギーというものなくしては経済というものは当然動かないわけでございますので、日本は特に海外依存度というものが石油ばかりでなくその他のエネルギーについても非常に高いわけでございますから、まず石油については、従来から言われているように、できるだけソースを分散をするということ、それから産油国に対する外交を一段と強化をしていただく、これは近く通産大臣もじきじき出かけられてその意味の外交をされるようでございますけれども、こういう方向の努力を今後さらに強化をしていただくというようなこと、それから、代替エネルギーにつきましても政府がいろいろ強化策をとっておられますが、これをさらに一層推進をしていくというようなことでございますが、私ども石油会社の立場からすると、やはり石油開発というものをもっとできるだけやっていく、世界的にはまだまだ未探査の地域というものはずいぶんあるわけでございますし、それから採掘技術の進歩によっていままで手がつけられないようなところもだんだん手をつけられるわけでございますから、それを強化をしていく。それには要するに石油を使う石油精製会社というものが一番その中心になってやらなければ効果は上がらないわけでございまして、そのためには先ほどから申し上げております日本の石油会社の体質強化ということをまずやって、そしてそちらの方面の方策を強力に遂行していくということもぜひとも考えなければならぬ問題である、かように考えるわけでございます。
  93. 塩田晋

    ○塩田委員 いま対策として、石油輸入国の先を分散していくということを対策の第一に挙げられました。また、石油の国内開発をやっていくということも言われましたが、その輸入原油の国別あるいは地域別の世界からの日本への輸入状況、これは五十一年から最近年までとってみますと、世界の地域別に見るとかなり大きい変化が行われておりますし、またその中で国別に見ますとなお一層大きな変化があります。最も大きいのはイランの二〇%ぐらいあったのがいまや五十四年度で一三%、五十五年度上期で四・二%、そしていま現在ではほとんどゼロというような状況のようでございますし、地域的には中東地域から八〇%を五十一年に輸入しておったのがいまや七二、三%になっておるという状況がございます。反対に南方地域のものは、一六・七%が五十五年の上期で一九・六%というふうにふえてきております。一方、共産圏のうちの中国について見ますと、五十一年が二・六%、これが五十四年度で三・一%、そして五十五年上期では三・六%というふうに、わずかではございますけれども上がってきておることが手元の資料でわかるわけでございます。  それで、中国からの供給の見通しでございますが、どのように見ておられるか、そのことをお尋ねいたします。
  94. 志賀学

    ○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  先生からもお話がございましたように、石油の安定供給を確保するためにできるだけ地域分散というものを進めていくことが必要である。もちろん中東地域の重要性というのは、これはやはり埋蔵量、生産量からいって異論はないわけでございますけれども、できるだけ分散していくことが必要であるというふうに思っております。その中で、やはり中国というのが一つ重要な日本としての原油供給源というふうに思っておるわけでございます。  御案内のように、中国の原油につきましては一九七八年に日中長期貿易取り決めというものが結ばれまして、毎年石油の輸入が中国から行われているわけでございます。ことしについて申し上げますと、貿易取り決めの予定数量は年間八百万トンということになっておりまして、これは大体現在の見通しといたしまして順調に輸入されるという見通しでございます。  ただ、長期貿易取り決めにおきましては、一九八一年が九百五十万トン、一九八二年が千五百万トン、その後千五百万トンというような取り決め数量に一応なっているわけでございますけれども、この一九八一年と一九八二年、来年、再来年の供給につきまして、去る九月十一日に行われました日中長期貿易定期協議におきまして、中国側から国内の原油生産が伸び悩んでおる、あるいは内需がふえてきておる、こういったようなことを背景といたしまして、どうも取り決め数量どおり供給するのは困難である、それで両年とも八百三十万トンとしたい、こういうような要請が中国側からあったわけでございます。それでわが国といたしまして、できるだけ長期貿易取り決めに従って供給をしてくれるように中国側に要請したわけでございますけれども、ただ中国側のそういった事情もございますので、わが方といたしましてもやむを得ないものというふうに考えております。  ただ、いずれにいたしましても中国の現在の原油の生産は一億トンぐらいでずっと横ばいを続けております。大慶油田がそのうちの半分ぐらいでございますけれども、そういった中国側の主な油田の生産が伸び悩んでおるということでございまして、私どもといたしまして中国からの原油輸入をふやしていくというためには、基本的にはやはり中国における石油の探鉱開発といった面に日本側としても最大限の協力をしていく、そういうことによって中国の原油供給力というものをふやしていく、そういうことが必要であるというふうに思っております。
  95. 塩田晋

    ○塩田委員 いま通産省から御説明を受けましたように、昭和六十年に千五百万トン輸入をするという日中長期貿易取り決めが八百三十万トンになる、予定しておった見込みのものよりも半分になってしまう、こういうことが言われておるわけでございます。これの穴埋めも安定的な供給のためにはもちろんしなければならないわけでございますが、いま言われましたように中国自体は日本に原油を輸出したいという気持ちが非常に強いわけでございますが、国内的な事情あるいは技術的な事情からこれができないということを言ってきておるわけでございます。これは石油の安定的供給という立場からのみならず、日中間の貿易の支払いの原資の大きな部分がこの石油でございます。対日輸出額のうち四〇%を占めて、これをもって日本からの輸入の支払いに充てている、これは大きな部分でございます。  そういった観点から、中国も非常に困っているのだろうと思いますが、その中国原油をふやす、また日中貿易拡大のためにも、協力のためにも、中国の原油を増産するということが必要だと思います。そのためにも、日中間の技術的な探査、開発、そのための協力、これをもっと進める必要があると思いますが、いまどのような状況で進行しておるか、またそこにネックがあるとすれば何かについて御説明願います。
  96. 志賀学

    ○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  中国に対します石油探鉱開発面における日本の協力でございますけれども、現在すでにスタートしておりますプロジェクトといたしまして、渤海での日中共同開発がございます。この渤海におきます日中共同開発のプロジェクトと申しますのは、昨年の十二月に日中間で基本的な合意ができたわけでございます。その後、日本側のプロジェクトの遂行会社といたしまして日中石油開発、それから渤海の中にチェンペイという、既開発のほぼ探鉱が済んでおりますチェンペイ油田というのがございますけれども、それを対象といたしますチェンペイ石油開発という二つの会社ができたわけでございますが、その二つの日本側の会社と中国側とが交渉いたしまして、正式の契約がことしの五月に締結されております。七月に探鉱作業を開始いたしまして、ことしの十二月には第一鉱の試掘が開始される予定というふうに承知しております。そういう意味で、この渤海、チェンペイの探鉱開発事業は現在順調に進んでおるというふうに承知しております。  それから、中国は現在黄海、南海、そういった海域におきまして欧米の石油開発会社に物理探査を行わせており、大体物理探査は終わったようでございますけれども、その欧米の物理探査の事業につきまして日本側も石油公団を中心として参加をしております。中国側の現在の意向といたしましては、この探査の結果を見て、来年以降こういった海域の石油探鉱開発につきまして国際入札に付する、こういうような意向を持っておるというふうに承知しておるわけでございまして、わが国といたしましてもこの黄海、南海のプロジェクトに積極的に参加していきたいというふうに思っております。それで、事がありますたびに中国側にも日本側としてもぜひ協力をしたいということを申し入れをしておるというのが状況でございます。  それからもう一つ、渤海の陸上地区におきます石油の共同開発という問題がございます。これにつきましても、現在どのようなやり方で協力をしていくかという点につきまして中国側と石油公団との間で話し合いが進められている、こういう状況でございます。  中国の海域あるいは陸上の石油探鉱開発について、いま申し上げましたように、日本としても積極的に取り組んでいきたいということで進めておるわけでございますが、そういう意味で技術的な面での協力というのはもちろんございます。ちなみに申し上げますと、この渤海のプロジェクトと申しますのは、まさに日本の技術によって探鉱開発を進めていくということになっておるわけでございまして、そういう面でまさに中国側と日本の石油開発技術が一体となって実施されつつある、こういう状況でございます。
  97. 塩田晋

    ○塩田委員 中国は日本に最も近い国であり、経済協力をしてともに発展すべき国だと思いますし、渤海湾そして中国の南方海域にはかなりの石油埋蔵量があると言われております。足らないのは開発技術であり、そしてまた資金でございます。こういった面について日本は十分に今後前向きに取り組んでいただきますよう要望いたします。通産大臣、最後にお考えをお聞かせいただきたいと思います。
  98. 田中六助

    ○田中(六)国務大臣 中国はわが国の隣国で地勢上も歴史的にも非常に関係の深いところでございますし、この国に石炭あるいは原油などの資源、エネルギーがあるわけでございますし、私どもも経済協力、技術協力相互に摩擦のないような体制でやっていきたいというように考えます。
  99. 塩田晋

    ○塩田委員 ありがとうございました。
  100. 井上泉

    ○井上委員長 岩佐恵美君。
  101. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 永山会長には当委員会に御出席をいただき、大変御苦労さまでございます。  先ほど武部委員からもいろいろお聞きをしていた件でございますけれども、石油やみカルテル事件で日本石油が上告について、「不満もあるが、反省すべき点は謙虚に受け、本件については終止符をうち、依然として石油事情がますます多難とされる今日、原油の安定確保と石油製品の安定供給に全力を集中することが最重要の使命であると判断した」と説明をして上告を断念をしております。  この問題につきまして、昭和石油の責任者である永山さんがなぜ上告をされたのか。私ども同時に消費者の裁判が行われているということを承知していますが、その中では、価格カルテルの問題等につきましては、どこから見てもこれはカルテルであるというふうにはっきりしているような、いわゆる公正取引委員会には気をつけろというようなことで小鳥のマークがあちこちに使われて、それは表に出ないようにというような注意がされているなどのそういういろんな証拠があるわけですけれども、こうしたはっきりした事件についてなぜ上告をされたのか、その点についてお伺いしたいと思います。
  102. 永山時雄

    ○永山参考人 私は、日石さんはどういうように考えておられるか知りませんが、価格カルテル問題につきましても生産調整の場合と同じように通産省の行政指導があった、それとほとんど変わるところがない、かように考えて、したがって裁判所の方で事実に重大なる誤認をしている、かように考えて上告をいたしたのでございます。
  103. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 そこで、通産大臣にお伺いをしたいと思いますけれども、この裁判の判決では、いわゆる明確に個別指導であってもそれはカルテルになるんだ、そういう指摘がされています。同時にまた当委員会でも私どもの質問の中で公正取引委員会の委員長は、通産省あるいはほかの省庁でも同じですが、業界に対する指導が個別指導であってもそれがカルテルを誘発するようなもの、そういうものについてはやはり厳重に対処をしていかなければいけない、こういう見解を述べておられます。この点について、通産省は従来から個別の指導であるならばそれはいいんだという解釈をとっておられるやにいろいろ新聞報道等で私どもは承知をしているわけですけれども、その点について大臣のお考えを伺いたいと思います。
  104. 田中六助

    ○田中(六)国務大臣 通産省といたしましては、石油というような品物は非常に国民生活にも大切なものですし、産業にとっても重要な製品でございますので、石油業法とかあるいは石油業法に連なるいろんな指導というものは適時適切にやらなければなりませんし、また灯油などの問題につきましても便乗値上げのないように、これらがうまく国民の普通の生活にマッチしておるかというようなことなどにつきまして適時適切に行政指導をしていかなければなりませんし、そういう点で業界と個別的な問題は常日ごろやっておることで、そのことについては私どもは当然のことではないかというふうに考えております。
  105. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 ただ、今回の判決の中では、昭和四十一年の公正取引委員会の委員長の国会質問の中での答弁、これについて、これは田中大臣がお聞きになった質問に対しての答弁だというふうに聞いておりますけれども、この中で石油業法に基づいてやられるという行政指導ならいいんだみたいな、そういうふうにとれる個所があって、そしてその問題についてそれでもなおかつカルテルにつながるような行政指導、これはよくない、それを放置した公正取引委員会の責任というものについて言及をしているわけですけれども、この問題についてどういうふうな考えを持っておられるか、大臣の再度の考えを伺いたいと思います。
  106. 田中六助

    ○田中(六)国務大臣 先ほども申しましたように、石油業法に基づく国民生活と直結するような問題につきましてはやはり適時適切に私どもは行政指導をすることが義務であると思っておりますし、そういう点につきましては何らやましいことはございません。ただ、御指摘のようなことが考えられるあるいはそういうような解釈ができるというようなことにつきましては、個別的な行政指導におきましても十分注意してやっていかなければならないというふうには考えております。
  107. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 次に、石油業界は五十四年度決算では四千億円近い為替差損を出しながら二千九百十五億円もの大幅な利益を出しています。しかもこれは当委員会でも私明らかにしたところですが、国民の目から利益増を隠すという形で内部留保が石油会社千社で五百七十三億円もふやされています。そして今年度の石油九社のいままで問題になってきました九月中間決算が発表されているわけですが、経常利益は前年同期比で約六倍、二千二百九十一億円、それから税引き後利益が六・七倍の一千十一億円、これは史上空前の利益となっています。しかも今度は内部留保という形ではなくて、現金預金とかあるいは有形固定資産、固定資産部分を除いた投資部分、それでもって五十五年の上期だけでわかっている部分をずっと計算してみますと、日石、丸善、共石、出光、三菱、この五社計でもって六百六十七億円も半期で企業資産をふやしているわけです。いま私たち国民は低賃金、物価高、とりわけことし二月からボーナス期の七月を除いては実質賃金がマイナスとなっている。九月にはついに三・六%もの大幅なマイナスになりました。そういう国民生活が非常に危機的な状況にある中で、灯油を一かん六百円から千四百円以上にも値上げをする、そうして石油業界が史上空前の利益を上げている、しかも申し上げたように巧妙な形で多額の利益隠しをしている。これは国民感情から絶対に許すことができないというふうに思います。  そこで伺いたいと思いますけれども、石油業界は当然価格を決める際に原価計算をされておられると思います。この史上空前の利益について原価計算の中で推定をされておられたのかどうか、伺いたいと思います。
  108. 永山時雄

    ○永山参考人 先ほど来申し上げておりますように、五十五年の今回の上期の中間決算におきましては為替差益がその大部分でございまして、これは結果がこういうことになったということで、われわれの想像外のものであることは事実でございます。それで、先ほど来諸先生方から史上空前だというお話で、確かに石油業界の損益の従来の経過というものから見ると空前であるのですが、それがまた私には大変悲しむべきことだと思いますので、いままでがいかにも低過ぎるのでございますね、先ほどから申し上げているようなことでございまして。ですから、これをやはり少なくともほかの製造業並みと私は言いたいところなんですが、ほかの製造業以上に実は石油業というものは利益を上げなければならぬと思うのです。しかし、当面、一般の製造業に比較してせめて劣らないところまでもっていくという意味におきましては決して過大な利益ではないということをよく御理解いただきたいと思うのです。
  109. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 私の試算によりますと、これからも石油業界は利益を順調にふやしていける、そういう好条件がそろっているというふうに考えています。  それをこれからお話をしてみたいと思うのですが、その一つは為替差益です。上期だけでもいままで業界全体で――いま話題になっている二千六百億円、これは九社ですが、全体では四千億円出ている。引き続き十月五百二十一億円、十一月は三百五十億円、十二月で六百億円、一月四百億円、これから千八百七十億円出るし、いままでのと合わせると業界全体では五千八百億円出るのではないかと推定されます。  二つ目には仕入れ差益です。これは原油高が円高によって相殺されて実際のCIF価格が下がっているということを指すわけですけれども、私の試算によると、五十五年五月から十月までですでに千八百七十二億円業界全体で仕入れ差益が出ているという勘定になります。  それから三つ目には公定歩合の二回の引き下げによる金利負担軽減額です。これは丸善の七十億円を初め日石、昭石など九社、わかっているだけで二百六十四億円になります。これを三十六社ベースで直してみると五百億円以上になるんではないかというふうに推定できます。  それから四つ目には、採算の悪いC重油の得率が五十三年上期から三七・一二から三四・三四、三%も下がっています。反面、ガソリン、軽油、灯油などの採算のよい油種の得率が他油種とも一%ずつ上がっています。さらに、これから冬場に向かいます。採算のよい灯油についてはせっせと春と夏にため込んで冬に売るわけです。ですからこれからまた売り上げ高が上がると同時に利益もふえるだろう、これは当然予測をされることです。  いま永山会長は、今度の利益について、予測されなかった利益であるというふうに言われましたけれども、そういうことであればあるほど、国民生活が非常に苦しい中でこういう石油業界の状況、この中でたとえばもしいまみんな困っている灯油を一キロリットル当たり二千円下げる、そうすると四百八十億円の支出になります。それはたとえばいま挙げた中の金利負担軽減額だけで十分に賄える数字となっています。それに加えてユーザンス差益あるいは仕入れ差益、わかっているだけで七千三百億円あるわけですから、私は十分値下げが可能だというふうに思います。この点について会長のお考え、そして通産省のお考えを伺いたいと思います。私、持ち時間が大変少ないのでその点考慮していただいて、できるだけ簡潔にお答えをいただきたいと思います。
  110. 永山時雄

    ○永山参考人 いまいろいろお話がございましたが、再々申し上げておりますように、われわれの業界の価格の調整つまり価格の引き上げのときには、その都度通産省の査定を受けて、それは原油の価格も考慮するし、それから為替が安いか高いか、そこのところも考慮して決めてもらった値段で価格調整をするわけですから、したがって不当な利益というものはそこに出てくる余地はない、かように私どもは考えております。  それから、いまお話しの中に、為替差益と仕入れ差益と両方あるかのごとき御発言があったんですけれども、要するに為替差益というのは、原油の買い付けをしてから三カ月なり四カ月後に決済をするわけですから、そのときに為替差益というものが出るので、別に仕入れ差益というものはないのです。これがどうも少し世間の誤解を受けていると思いますので、その点はなお時間をかけて改めて御説明を申し上げたいと思います。  それからなお、いろいろ得率の関係についての改善だとかなんとかという点もありますが、それらの点も、先ほどの通産省の価格査定という際にはその辺の得率の変化や何かも十分考慮して決めておられるので、お話のような点はないと私は信じております。
  111. 志賀学

    ○志賀(学)政府委員 ただいま先生から一つの推定の数字をいろいろおっしゃられたわけでございますけれども、私どもといたしまして現時点において、為替レートが今後どうなっていくであろうか、あるいは原油価格がどうなっていくか、非常に先行き不透明な部分が多いわけでございます。したがいまして、今年度下期の石油企業の決算がどうなるかという点について、現在ここで特にコメント申し上げることは控えさせていただきたいというふうに思うわけでございます。  ただ、私どもといたしまして、先般来為替差益の消費者への還元をすべきではないか、値下げをすべきではないか、こういうお話があるわけでございますけれども、この点につきましては、先ほど申し上げましたように、先行き不透明な部分が非常にある、ただ、同時に他方におきまして、上期において為替差益がかなり発生しておる、これもまた事実でございます。そこで、この消費者への還元というのはいろいろな方法があるわけでございまして、もちろん一つには値下げという形での還元というのがあるわけでございますけれども、私どもの現在の判断といたしましては、そういった円高差益を背景にいたしまして、今後原油の価格の引き上げということがあった場合にも、極力石油製品の価格を安定させていく、こういう方向で対応していくことが、現時点においては一番いいのではないかというふうに考えているわけでございます。
  112. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 時間も限られておりますので、次の質問に行きたいと思いますが、ちょっと石連の永山会長が言われた為替の問題については、私が申し上げているのは、一過性のユーザンス差益と、そして仕入れ差益とを別に分けているということで、これは通常そういう考え方をしているというふうに聞いております。  それから、石油連盟は、私どもの調べた範囲内でですけれども、政治献金を連盟として国民政治協会、これは自民党ですね、五十一年二千四百万、五十二年三千六百万、五十三年五千七百万、そして五十四年四千百六十万。それから政和協会、これは民社党ですね、三百万円、五十四年から始まっています。それから新自由クラブに対しては、やはり五十四年から三百万円政治献金をしているようですけれども、この点について、私どもはやはり石油連盟というのは公益的な団体だというふうに思っているわけで、そういう団体が政治献金をある特定の政党にするのはどうかというふうに思うわけですが、会長の考え方を伺いたいと思います。
  113. 永山時雄

    ○永山参考人 どうも前の数字は私は知りませんが、私になりましてから、五十五年に国民政治協会、政和協会、新自由クラブ、そういうところに対しまして政治献金をしたことは事実でございます。これは、私どもはやはり自由経済というものを信奉をいたしておりまして、この自由経済を維持するという意味におきまして、その立場から政治献金をいたしたのでございまして、おおむねわれわれと同様な鉄だとかあるいはその他いろいろの産業団体がございますが、それらの団体も同じようなことをしておりますので、それに準じていたしておるという状況でございます。
  114. 岩佐恵美

    ○岩佐委員 終わります。
  115. 井上泉

    ○井上委員長 依田実君。
  116. 依田実

    ○依田委員 きょうは、石油精製会社の九月期の中間決算が空前の利益だ、こういうことでいろいろ議論が行われておるわけでありますが、しかし考えてみると、この為替差益であるとか為替差損であるとか、言ってみればみんなあなた任せでありまして、われわれとしては、やはりもっと日本のコントロール下にある石油の供給というものをふやしていかなきゃいけないのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。  通産省にちょっとお尋ねをしたいのでありますけれども、いま日本が自主開発をして入れておる石油の量、全石油輸入量のどの程度になっておるのでしょうか。
  117. 志賀学

    ○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  昭和五十四年度について申し上げますと、いわゆる自主開発原油として輸入されましたものが二千四百七十万キロリットルでございます。全輸入量の約九%ということに相なっております。
  118. 依田実

    ○依田委員 いまのお答えにありますように、現状では全輸入量の一割にもなっていないということであります。これでは困るのでありまして、自主開発というものをこれからもっとふやしていかなければならぬ。特にリファイナリー利益が出ているようなときに、石油精製会社をいかにして開発の方へ顔が向くように指導をしていくかということが大事じゃないか、こう思うのであります。  もちろん、開発には膨大な資金が要るわけでありまして、それも非常にリスクの大きい資金であります。また、最近はいろいろ開発する場所も、自然条件の非常に厳しい場所になってきておるわけであります。また、資源国の要求が非常に厳しくなって、いわゆるうまみといいますかプロフィット、利益がなかなか出ない。こういうことが、開発意欲をそいでいる原因じゃないかと思うのであります。  しかし、そうだからといって、じゃ、この開発をしないというわけにはなかなかいかぬと思うのであります。いま自主開発をしているものには、公団そのほか幾つかの形態があると思うのでありますが、これはどういう形で行われておるのでしょうか。通産省、ひとつ。
  119. 志賀学

    ○志賀(学)政府委員 お答え申し上げます。  先生おっしゃるように、日本が探鉱開発事業をやります場合に、いろいろな形態がございます。昔はいわゆるコンセッション契約と申しましょうか、利権契約を結んで、利権を取って探鉱開発をやるというような形が多かったわけでございますけれども、最近は、産油国側の資源に対する支配というのが進みまして、次第にいわゆるサービスコントラクトであるとか、いろいろな新しいタイプのものができてきておる、こういう状況でございます。  そこで、日本の探鉱開発企業の状況でございますけれども、これはいわゆる統括会社というのが、九つでございましたか、ございまして、民間の各グループごとに、石油探鉱開発資金のパイプ役という形でできております。そのほかに、いわゆるプロジェクトカンパニーというのがございまして、海外であるプロジェクトを遂行する場合に、そのプロジェクトカンパニーができる、そこにそういう統括会社が金を出していく、同時に、石油公団が適当であるというふうに判断した場合には、石油公団がそこに参加していくという形でございます。  そのほかに、申し落としましたけれども、石油資源開発であるとかあるいは帝国石油であるとか、昔からの石油の探鉱開発会社というのがございまして、こういった会社も幅広く活躍をしておるという状況でございます。
  120. 依田実

    ○依田委員 統括会社であるとか、石油開発を専門にする会社だとか、いろいろ形態があるというお話でございますけれども、要は、一番肝心なのは、石油精製会社が開発に余り積極的に取り組んでないということじゃないかと思うのであります。日石であるとか出光であるとか、幾つかございますけれども、そめほかはどうもそうじゃないということであります。  外国では、もう御承知のように、メジャーが開発もやれば精製もやることになっておるわけでありまして、アメリカなどでは、このメジャーが大変利益を出したときに、やはり議会でいろいろ追及される。そういうときに、精製で利益が出ても、開発で非常にリスクのある仕事をしているのだから、こういう説明で国民の皆さんも納得するわけでありますけれども、日本はそこがないからいろいろこういう議論も出てくるのじゃないか、われわれこういうふうに思うわけであります。  そこで、日本の石油精製会社がなぜこの開発に取り組まないのか、その辺のことを永山会長にお聞かせいただきたいと思います。
  121. 永山時雄

    ○永山参考人 日本の石油業界というものは非常に石油の仕事には立ちおくれておりまして、石油の開発あるいは原油の取得というものは、日本が石油問題に取り組んだ昭和三十年代ごろには、御承知のとおりすでにメジャーが世界的にすっかり網を張っておりまして、したがってメジャーから石油を買うというような形にならざるを得なかった。そこで、石油精製業、販売業といういわゆるダウンストリームという形で日本の石油業界がだんだんと発展をしてきたわけでございますが、お話しのとおり、石油会社というには石油の開発から、いわゆるアップストリームからやりませんと本来の石油会社とは言えないと私も思うのです。そこで、ただいまはだんだんとメジャーの力が衰えて、われわれ自体の力で石油を獲得してこなければならぬ。それには産油国から直接買うという問題もありますが、しかし同時に自分の力で開発をしていくということを今後大いにやらなければならぬと思っております。いずれの石油会社も心がけてだんだんとそういう方向に手を出しているのが現状でございますけれども、お話のとおり大変リスキーなそして金のかかる仕事でございますので、いまの石油会社からすると、勇猛果敢にそれに取り組むことがその体力、金の面からいって非常に因難だという状況でございます。ただ、何とかしてそれに取り組んでいこうということで努力をしておることを御了解願いたいと思います。
  122. 依田実

    ○依田委員 先ほどの会長のお話の中にも、こういう利益が出たときに体質を改善して開発の方にもぜひ出たい、こういう御意欲は出ておるわけであります。しかし、民間会社にこの開発に積極的に取り組め、こう言ってもそれなりの助成を政府がしなければいかぬのじゃないか、こう思うのであります。もちろん、政府に言わせれば公団から七、八割の金を出すのだからこれが一番の援助だ、こういうことになるかもしれませんけれども、まだそのほかいろいろ、税制の面であるとかそういう面での優遇策が必要じゃないか、こう思うのであります。これはいい例かどうかわかりませんけれども、北極海の開発など、カナダの例をとれば、税の面で非常な優遇策をとっておるとも聞いておるわけでありまして、日本政府としてこの開発についてどういう助成なり優遇政策をとっていくのか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
  123. 志賀学

    ○志賀(学)政府委員 助成策につきましてお答えする前に、先ほど申し落としましたので日本の石油精製企業の取り組み方についてちょっとコメントさせていただきます。  先ほど永山会長からお話がございましたように、日本の石油探鉱開発事業、これは歴史が浅いということもございまして、従来精製企業の取り組み方というのは比較的小さかったわけでございますけれども、最近はかなり積極的に取り組む姿勢というのが出てきておるわけでございまして、現在までの石油探鉱開発事業に対します民間企業の出資額のうち、石油精製企業が負担いたしました割合は二三%ということでございます。これはほかの業種に比べて、当然と、言えば当然でございますけれども、格段に高い負担を負っておるわけでございます。さらに五十四年だけについて見ますと、民間企業の負担のうち四四%を石油精製企業が負担しておる、こういう状況でございまして、そういう意味で、先生の御指摘の方向に向かって動いておる、こういう状況でございます。  そこで、助成措置についてどのようなことをやっているかという御質問に対するお答えでございますが、先生御指摘のように、石油の探鉱事業について最大の助成、メーンの助成というのは、やはり公団による投融資、これが一つの大きな助成でございます。ただ、そのほかに、公団の投融資と申しますのは海外あるいは日本周辺海域である、こういうことでございますが、申し上げるまでもなく、最も安定した供給源というのは国内でございます。これは周辺海域を含む国内でございます。その国内の石油あるいは可燃性天然ガス、これに対する施策といたしまして、一つは、これは基本的な問題でございますけれども、要するに埋蔵の可能性を把握する、これは企業だけではなかなかやりにくい向きがございます。基礎的な調査を国がやって、それによって企業の探鉱活動を誘導していく、これが一つ大事なことだと思いますけれども、この国の基礎調査事業というものをやっております。特に最近におきましては、国が物理探査だけではなくて、基礎的な試錐をやるということでこの強化を図っているところでございます。  それから、国内の企業の探鉱活動についての助成措置といたしましては、天然ガスの探鉱費補助金という制度がございまして、大体二分の一の補助率ということで補助をやってまいっております。  それから海外につきましては、先ほど申し上げましたように公団の投融資がございますけれども、同時に、税制上の措置といたしまして、海外投融資損失準備金制度というのがございまして、探鉱事業あるいは開発事業に金を出資した企業に対して税制上の優遇措置を講じているところでございます。  また、ちょっと申し落として恐縮でございますけれども、国内につきましてもこの準備金制度というのは適用になっておりますし、あわせて減耗控除制度という制度がございまして、これは探鉱事業をやった企業について税制上の優遇措置を講じているところでございます。
  124. 依田実

    ○依田委員 もう時間が、大変短くて、来てしまいましたのであれですが、いずれにしても、こういう利益が出ているとき、そしてまた、永山会長のお話は、開発から精製、販売まで一貫したものにならなければ石油会社と言えない、こういうお話でございます。ぜひそういう方向でこれから精製会社がこの開発に取り組めるように、政府としてもいろいろ施策あるいは環境整備をしていただきたい、こういうふうに思うわけであります。  以上、時間が参りましたので終わらしていただきます。
  125. 井上泉

    ○井上委員長 これにて質疑は終わりました。  永山参考人には、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。  御退席いただいて結構です。      ――――◇―――――
  126. 井上泉

    ○井上委員長 この際、申し上げます。  本委員会に付託になりました請願は四十五件であります。先刻の理事会で協議いたしましたが、委員会の採否の決定は保留することになりましたので、さよう御了承願います。      ――――◇―――――
  127. 井上泉

    ○井上委員長 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。  本委員会といたしましては、閉会中もなお審査を行うため、物価問題等に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をすることとし、その手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  128. 井上泉

    ○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  次に、閉会中審査のため、委員会において、参考人より意見を聴取する必要が生じましたときは、人選その他所要の手続等につきましては、あらかじめ委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  129. 井上泉

    ○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時散会