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1980-10-28 第93回国会 衆議院 科学技術委員会 4号 公式Web版

  1. 昭和五十五年十月二十八日(火曜日)     午前十時開議  出席委員    委員長 中村 弘海君   理事 小沢 一郎君 理事 小宮山重四郎君    理事 椎名 素夫君 理事 塚原 俊平君    理事 日野 市朗君 理事 八木  昇君    理事 草野  威君 理事 吉田 之久君       加藤 紘一君    金子 岩三君       竹中 修一君    登坂重次郎君       前田 正男君    村岡 兼造君       村上  勇君    与謝野 馨君       渡辺 栄一君    阿部 助哉君       関  晴正君    中村 重光君       広瀬 秀吉君    吉浦 忠治君       小渕 正義君    和田 一仁君       瀬崎 博義君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      中川 一郎君  出席政府委員         科学技術庁長官         官房長     下邨 昭三君         科学技術庁長官         官房審議官   高岡 敬展君         科学技術庁計画         局長      園山 重道君         科学技術庁原子         力局長     石渡 鷹雄君         科学技術庁原子         力安全局長   赤羽 信久君         科学技術庁原子         力安全局次長  後藤  宏君  委員外の出席者         防衛庁防衛局防         衛課長     池田 久克君         外務省国際連合         局原子力課長  金子 熊夫君         運輸省船舶局首         席船舶検査官  新藤 卓治君         海上保安庁警備         救難部警備第二         課長      加藤 正義君         参  考  人         (日本原子力船         開発事業団理事         長)      野村 一彦君         参  考  人         (日本原子力船         開発事業団専務         理事)     倉本 昌昭君         参  考  人         (日本原子力船         開発事業団理         事)      野沢 俊弥君         科学技術委員会         調査室長    曽根原幸雄君     ――――――――――――― 委員の異動 十月二十八日  辞任         補欠選任   伊藤宗一郎君     村岡 兼造君   佐々木義武君     竹中 修一君   北山 愛郎君     中村 重光君   上坂  昇君     関  晴正君   村山 喜一君     阿部 助哉君   和田 一仁君     小渕 正義君 同日  辞任         補欠選任   竹中 修一君     佐々木義武君   村岡 兼造君     伊藤宗一郎君   阿部 助哉君     村山 喜一君   関  晴正君     上坂  昇君   中村 重光君     北山 愛郎君   小渕 正義君     和田 一仁君     ――――――――――――― 十月二十五日  原子力船むつの定係港撤去に関する協定履行に  関する請願(関晴正君紹介)(第四一一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法  律案(内閣提出第三号)  日本原子力船開発事業団法及び日本原子力研究  所法の一部を改正する法律案(八木昇君外五名  提出、衆法第二号)      ――――◇―――――
  2. 中村弘海

    ○中村委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案及び八木昇君外五名提出、日本原子力船開発事業団法及び日本原子力研究所法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中村重光君。
  3. 中村重光

    ○中村(重)委員 同僚委員から質疑がなされていますし、他の委員会に出ていました関係から重複する点があろうと思うのですが、率直にお尋ねしますので、時間の関係もありますから、きわめて簡潔に、明快にひとつお答えをいただきたい。  石渡局長で結構ですが、改修工事はいま何%ぐらい進んでいるのですか。
  4. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 工事量の関係はちょっとパーセントでつかみにくいのでございますが、金額的には大体半分というふうに御理解願いたいと思います。
  5. 中村重光

    ○中村(重)委員 金額的には、それは当初の本体工事が中心になるから大きくなるんだけれども、パーセンテージとしては二八ないし三〇%の進捗率であると言われている。また、これからいろいろ手の込んだ改修工事に入る、さらにまた三十億をかけて新たな改修工事を行う、こういう形になるわけですから、それを含めると恐らく二〇%も進んでいないんではないかというふうに思われるのです。残り七〇ないし八〇%をあと一年で消化をして完了し得るという自信があるのですか。
  6. 野村一彦

    ○野村参考人 本年の四月から準備工事にかかりまして、八月からいよいよ本格工事にかかりました。その工事はおおむね順調に進んでおりますので、ただいま先生御発言の中に二十数%という、恐らくこれは工事量の物量を考えての御発言かと思いますが、工事は順調に進んでおりますので、私どもは全力を挙げて期限を守れるように、いままでも努力しておりますし、今後も努力をして期限を守りたいと思っております。
  7. 中村重光

    ○中村(重)委員 工事は順調に進んでいるということなんだが、着工してからそうトラブルもなくて進んでいるということだと思う。私どもが言う順調というのは、来年、五十六年十月までに完了する、この見通しの上に立って順調と言わなければ、いまトラブルがないから順調だというような、そういうごまかしの答弁をしてはいけない。  だから、私は、あと一年しかないのだが完了し得る見込みがあるのか、これが柱になった質問をしているわけだから、まともに答えていくということでないと、ただ何かごまかしみたいなことで、ぐるぐる同じようなことを言って、ただそのときの質問に対して切り抜けてさえいけばよろしい、そういう態度はよろしくない。だから、できなければできない、完了し得るなら完了し得ると。努力をいたしますなんというようなことではだめなんだ。  「約」の問題だって、いろいろこの前も私は質問の中で議論をしたんだけれども、そういうような質疑に対して、長々と貴重な時間を空費することは適当ではない、おのずから常識的なものというのがあるわけだから。だからして、あなた方の委員会におけるところの答弁、なかんずく記者会見であるとかあるいは陳情団に対する――陳情団と言ったらいいのか抗議団と言ったらいいのか、来年十月までに終わるだろうかと言って心配をしている人たちに対して、これは中村委員長、地元のことは一番わかっているんだ。当時推進をしてきた連中が、早く「むつ」は出ていってくれ、何のメリットもないじゃないか、そういうような失望と、それが批判と不安に変わってきているんですよ。だからして、その点ははっきり見通しを立てた答弁をする、ごまかしを言わない、そういうことでないとだめなんだ。  いままであなた方は、完了しますということであった。ところが最近は、中川長官にしてもあなた方にしても、努力をしますというふうに変わってきているんだ。だからして、石渡さんが自民党の根本委員会に出席をして、非常に見通しが暗いことを言った。いつごろ終わるかわからないなんというような言い方をした。だからして根本委員長が、佐世保の桟市長が上ってきたときに、どうも三年以内に完了し得るかどうかむずかしいというような懸念の表明というのか、そのような話をした。だからして、それで佐世保の地元は言うまでもなく、被爆者団体であるとか多くの長崎県民が、こういうことじゃ困るというので非常にショックを受けている。これが事実ですよ。  私は、中村委員長、私の質問をしていることをその委員長席からでもよろしいから、私が地元におけるところの状況と違ったことを言うなら指摘してもらっても結構だと思いますよ。どうですか、委員長。あなたもずいぶん、桟市長であるとか県当局であるとかあるいは多くの方々と会っておられるんだが、もう努力するとか、そういうことではなくて、確信を持った見通しの上に立ってひとつ答弁をしてくれませんか。
  8. 中川一郎

    ○中川国務大臣 中村委員御存じのとおり、一昨年の十月に入りまして三年の約束で、三年以内に工事を完了するということであったわけでございます。ところがいろんな事情で、着工したのが、としの八月でございますから、現実問題として工事をやるに当たっては、来年の十月という約束までにやり上げるのには、かなりの期間を空費しておるわけですから、なかなかむずかしいということだけは現実問題としてあるんだろうと存じます。しかしながら、約束は約束でございますから、約束以内にやるように努力をしなければいかぬし、努力もしておるし、今後も続ける。  いまのところは、何とかお約束が守れるのではないか、こういう見通しのもとにやっておるところではございますが、一方、約束があるからということで余り無理な工事をして、これが粗製乱造といいますか、欠陥船になってはもっとこれは大変なことになりますので、工期は守らなければならないし、しかしそんなに無理なこともできないという、非常に苦しい立場に立ちながら、この二つのむずかしい問題を両方とも満足できるようにいませっかくの努力をいたしております。現地においては、中村委員御指摘のように、非常に心配の意見やいろいろ御批判や御注文をいただいております。現地の声は十分承知いたしておりますが、私ども、そういう実態の中で一生懸命やっていることも御理解いただきたいと存じます。
  9. 中村重光

    ○中村(重)委員 現状から見て、私は長官の答弁はまともだと思う。あなたがおっしゃるとおり、間に合わせるためた残業をやるとかあるいは工事の合理化をやるとか、さらにはまた突貫工事という形を現実に行ってきておる。むちゃをすると完全な修理ができない。また放射線漏れ等の事故を起こすということになるわけです。いまそういう状況についてまともな答弁を長官、されたと思うのだけれども、事業団にしてもあるいは当の原子力局にしても、だからまともな答弁をして、そして現状をそのままさらけ出していく、そういう態度でなければ私はいけないと思う。どうあるべきかということについて、私は私なりの考え方がありますから後で申し上げるけれども、あなた方の態度はどうあらねばならぬかということを私ば指摘を申し上げておくのです。  そこで、大臣は、いまのように基本的な考え方の上に立った答弁をしたんだけれども、事業団にしてもあるいは原子力局にしても、努力をするとかなんとかということを言っているんだけれども、あと一年といったらもう秒読みの段階でしょう。そうすると、一期の工事が来年の二月くらいで終わるんだな。二期の工事ということに対してどういったような方法でやるのか、時間がどのくらいかかるのか、具体的な作業日程すら実はでき上がっていないのでしょう。そういったようなことで、さらに場当たり的なやり方でもって、三年で完了するように最大限やります、こう言っても言葉だけになるんじゃないか。  だから、大臣がいま答弁をしたようなことを、双方満足させるようなやり方、再び粗雑な工事によって放射線漏れその他の事故を起こすようなことがないようにしなければならないんだ。それを裏づけるもの、少なくともそれは直接計画なり指導なりをやっているところの皆さん方でなければいけない。私がいま指摘したようなことで、それでいいんだという考え方の上に立っていますか、いかがですか。
  10. 野村一彦

    ○野村参考人 事業団といたしましては、ただいま大臣が御答弁になりましたようなこと、これは常々大臣からそういう御方針ということを承っておりますし、私どももその御指導の方針に沿ってやっておるわけでございます。  ただいま先生の、今後の工事の見通しでございますが、現在の第一期工事は来年の二月末までで終了するという予定になっております。その後に引き続きまして第二期の工事が始まるわけでございますが、本件につきましては、この工事が発足いたしましてからメーカーとそれから佐世保重工と私どもとで工事責任者の会合を持ちまして、そして工事の進捗状況について緊密な連絡をとっておりますし、二期工事になる部分につきましても、もうすでに現在いろんな角度から打ち合わせをやっておりまして、少しでも事前発注とかあるいは事前準備とか工程の合理化とか、そういうことをやりながら工事を進めていくべく丁遅くとも十一月の終わりくらいまでには二期工事の内容を固めて、そして契約ができるようにということでいませっかく努力中でございます。
  11. 中村重光

    ○中村(重)委員 本格的な工事になってきた。いわゆる遮蔽の取りつけの重要な点を取り外しをしたわけですね。それによって今度はモーターを外さなければならぬから、モーターをもう外したんだろうと思う。そうすると、そのモーターの今度は位置が変わるわけだけれども、それを取りつけなければならぬ。うまくおさまったかどうか、試験をしないとだめなんだね。この試験をどの時点でやるのですか。
  12. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 ただいま先生の御質問の点は、制御棒の駆動用のモーターのお話だと存じますが、これにつきましては、先日、一次遮蔽体を外しますに先立って十二個のモーターを撤去をいたして、現在甲岸壁の倉庫の中に保管をしてございます。  この取りつけにつきましては、いままでは遮蔽を行います厚い鉄板の上に乗っておったわけでございますが、今度の新しい設計では、一次遮蔽体のコンクリートのかたまりの上に、これは鉄板で覆ってあるわけでございますが、その上にこれを乗せるということになりますので、従来の場所と確かにこれは変わってまいります。したがいまして、これがきちんと正しい位置についておるかどうかという点についての確認のための試験をしなければならないということになります。  それで、この段階といたしましては、現在この取り外しました一次遮蔽体の上部の方の一次遮蔽体については、別途新しいも一のをつくっております。これができ上がった段階で、その上にモーターを取りつけまして、ほかの遮蔽体が全部でき上がった段階でこの復旧をいたさなければならぬわけでございます。  現在は、その上部の下にございます下部といいますか、二番目の段階にありますブロックもこれは一応外してございますので、その中にあります遮蔽体といいますか、熱遮蔽とあれいたしましたところの中間遮蔽体のところのこれを取りつけをしなければなりません。  それで、これを取りつけた後に、その下部の一次遮蔽体といいますか、上の方の中間遮蔽体を取りつける。それからそれを復旧いたしまして、その上に現在のモーターを乗せた上部の一次遮蔽体を乗せるということでございまして、その工期としましては、ほかの部分がほとんど終わったような段階にこれは復旧をしていくという形になってまいります。  その復旧が終わった時点であとの工事もほとんど完了をして、それからこの試験になりますと、これは制御棒の一本ずつを動かすというような形をとりませんと、きちんとした、もとに戻ったかどうかということが確認できませんので、一応遮蔽改修の工事が終了して、全体がとにかく一応復旧された時点でこの制御棒の駆動試験をやるということになりますので、この制御棒の駆動試験は、その遮蔽改修工事が終わってから後にこれをやる。  また、これにつきましては、一応かぎを県知事さんにお預けしてございますので、その時点で県知事さん、地元とお話をして、このかぎをお借りして試験をやるということになりますので、それはもう工事の最後になると思います。
  13. 中村重光

    ○中村(重)委員 あなたは、私が次に何を質問するかということを念頭に置いて、きわめて御丁寧に答弁をしたかぎが必要になるような点はみんな終わってしまって、何も問題が起こらないときにやるのですよという私の次の質問を見越して、御丁寧に答弁をしているのだけれども、いまモーターの取り外しをやっている。いろいろな作業をやるんだね。だから、このモーターは取りつけをしなければならぬ。ところが、うまく正確な位置にそのモーターがおさまったかどうかということを必ず試験をしなければならぬ。そうでない場合、簡単にここに置いているのを、ぽんとこっちに持っていくというぐあいにはいかない。そうでしょう。そんな簡単なものじゃないでしょう。  そうすると、中川長官、いまの点は専門家が長長と答弁をしたから、あなたものみ込めなかったかもしれないんだけれども、肝心の電源を動かすスイッチを入れなければならぬ。そのキーを長崎県知事に預けているわけなんです。したがって、圧力ぶたなんというのも外せないわけだ。実に、コンクリートを細分化して小さくしなければならぬとか、いろんな手の込んだ、金もかかる、時間もかかるというようなことをやった。そして、いま申し上げたように、モーターを外して、いろんな作業をやって取りつけをやる。うまくおさまっているかいないか、試験をしてみないとわからない。ところが、もう終わってしまった段階において初めて知事に、キーを貸してください、こう言って借りてスイッチを入れてみる。うまくおさまっていなかった、・こうなると、またやりかえなければならぬようになる。ここは大変重要な問題点なんだ。だから、あなた方はもうキーを預けているものだから本当のところ困っている。うまくおさまっていなかったといったらまたやりかえなければならぬ、それは大変なことになる、こう私は思うんだが、いや、そうじゃない、こう言えますか。
  14. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 この工事につきましては、またこの一次遮蔽体等の設計それから工作等につきましては、慎重にこれを行いまして、一度できちんといくような方法をとってやる覚悟でおります。
  15. 中村重光

    ○中村(重)委員 大体作業をする前に長い間、一年半も二年近くも動かさないでいたわけだから、駆動試験をまずやってみて、それから作業に入るということが本当であったわけなんだ。しかし、キーを預けてしまっているものだから、いわゆる駆動試験というものができなかった。それでそのまま作業をやっていく。私は、あえてやみくもにやっていると申し上げていいぐらいに相当無理なことをやっている。だから、非常に悪い結果を生むかもしれない。その場合、またやりかえなければならぬということになってくると大変なことになると私は思っている。その不安というのはないのかどうか。それは大丈夫ですと言うけれども、あなた方の大丈夫は当てにならないんだよ。  「むつ」で漁民やその他の連中が反対をして、素人は黙っておれ、十分研究に研究を重ねて専門家がやったんだから間違いない、その結果が放射線漏れになってしまったんでしょう。また同じようなことを繰り返さないという保証はないじゃありませんか。その点は頭が痛くないのですか。いかがでございますか。
  16. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 先日、私ども、三菱重工にお願いをしておるわけですが、この駆動装置を外しました時点において、現在何のトラブルもなく一応外しておりますし、またこの取りつけ工事そのものも、前にやりました三菱、・同じメーカーに一応頼んでおりますので、また三菱の方も、この前の放射線漏れ等のこともよく知っておりますし、また原子力の技術につきましても、最近は非常に慎重にこれを行うということで、品質管理、品質保証等の体制もきちんとしておりますので、私どもとしては何ら心配はない、かように思っております。
  17. 中村重光

    ○中村(重)委員 あるとは言えないんだろう。あるとは言えないんだが、非常に問題であるということは、長官、ひとつ頭の中にしっかり置いておいてもらわないといけないですよ。  そこで、まだまだそれらの問題について私なりに、現地におるだけにいろんなことが耳にも入るし目にも見えるから、指摘したいことはたくさんあるんだけれども、何か一時間と決まっているのだ、こういうことだもんだから言えないんだけれども。  そこで石渡局長、あなたは根本委員会に行って、この後一年で工事がどの程度進むか、おくれるかまだはっきりわからない、そのように言われたんですか。
  18. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 根本委員会の状況を御報告いたしますと、冒頭根本委員長から、工事の着工がおくれたわけだが、地元との約束期限内に工事は完了するのかという御質問がございました。これに対しまして事業団の野村理事長から、御指摘のように工事がおくれたので、当初予定の手順ではむずかしい面もあるが、事業団としては、工程の工夫等により約束期限内に工事が完了するよう最大限の努力をしているところでございまして、現在までのところ工事は順調に進んでおりますという御説明がございました。根本委員長からはこれに対して、地元との約束期限が守れないようなことがあってはいけないから、考え得るあらゆる手だてを講ずべきであるという御指摘がございました。  以上が根本委員会における工事関係のやりとりの内容でございます。
  19. 中村重光

    ○中村(重)委員 そうすると、私がいま言ったようなことは根本委員長には言ってないというわけか。違うと言うのかね。
  20. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 工事関係の御説明は、野村理事長から根本委員会において御説明があったものでございます。
  21. 中村重光

    ○中村(重)委員 いま言ったことは新聞にも各紙に書いてあったんです。  それから、この委員会でも指摘されているようだけれども、野村理事長が、自分の言ったことと新聞に報道されていることとニュアンスが違うということを言っているんだな。そうすると、新聞か間違いだということになる。考えてみなさい。あなたが言っていることだよ。  新聞の発言はニュアンスが違っておる。「真意は」――「真意は」と、こう言っているんだ。あなたが、自分の真意はこうだったんだけれども言葉は違ったことを言ったのかもしれないという意味なのかどうかわからないんだが、「真意は「修理開始が遅れて、地元では懸念しているので、解消するよう努力したい」と言ったつもりだが、「努力しているが、期限内に出来るか心配だ」と受けとられたようだ。」こうあなたは」の委員会でも同僚の質問に対して答えているんだけれども、これは長崎県漁連に対してあなたはそのように言った。これは漁連からぼくの方に回ってきている。ここに二つあるんだ。だから、これはもう間違いないんだ。あなたは報道されたような、また漁連であるとかあるいは佐世保市の方から指摘をされたようなことは言ってないの。本当に新聞が間違いな  の。そういうことを言ったんだけれども、真意は  こういうような意味ですということですか、どっちですか。
  22. 野村一彦

    ○野村参考人 先般、大臣のところにお見えになりました後に、私のところにも、副知事とそれから市長と漁連の会長がお見えになりました。そのときに私が申し上げたのでございますが、ただいま石渡局長から説明いたしましたように、特別委員会におきまして私が申し上げましたのは、先般もこの委員会でお答え申し上げたわけでございますけれども、地元におきまして、工事が約束の期限内に終わるか、いろいろ心配をしておられる向きがある、これはまことにもっともだ、したがって私どもは、工事はいままで順調に進んでおりますけれども、こういう地元の懸念を十分考慮に入れて、いままでも努力をしてきましたが、今後も最大限の努力をして約束を守れるようにしたいと思います、私はこういう発言をいたしましたということを申し上げたわけでございます。
  23. 中村重光

    ○中村(重)委員 こういうことでやりとりをしていたってしょうがない。  そこで、あなたの方の事務次官が、地元から、期限内に完了しなさい、間違いなく守るだろうなということに対して、こう言っているんだな。期限は守る、できるだけのことをやって佐世保を出港する、残りは新母港でやる、事務次官がこう言明をしているんだ。  そうすると、完了しなくとも、その三年の来年十月までに工事をやって、まだ残っているかもしらぬ、だけれどもそのまま出ていく、それは新母港でやるんだ、こう言っているんだが、大臣、これでよろしいですか。あなたもこれを確認しますね。
  24. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 事務次官がそのような発言をしたという連絡は受けておりませんが、何かの理解の違いではないかと思います。
  25. 中村重光

    ○中村(重)委員 事務次官がこう言ったとかああ言ったとかいうようなことよりも、三年の期限というものがぴしっとあるわけだ。それが来年十月一だ。それを守るということが大前提でなければならない。  それならば、工事が完了しようともすまいとも、佐世保から必ず出港するということでなければ約束を守ることにならない。大臣、そうでしょう。ならば、工事が完了してなくとも、何も自力で行くわけじゃないのだから、佐世保に入港したときと同じようなことでよろしいわけだから、これは必ず出港しなければならぬ。出港するのかしないのか。
  26. 中川一郎

    ○中川国務大臣 御指摘は、約束の期限内に工事がまだでき上がらないときには、工事を途中にしてどこかへ出ていくか、こういうお話ですが、仮定のことでございますからお答えしにくいのでありますが、万一そういうことがあった場合には四者間で話し合う、話し合った結果に従わざるを得ない、こういうことだと思います。
  27. 中村重光

    ○中村(重)委員 それは話し合いをする、いわゆる四者協定というものが――長崎の場合は五音協定なんだけれども、その五音協定の中で話をする、それによるんだ、こういうことになる。だから、あなたのいまの考え方は、話がつかなければ守らなきゃいけない。話がつけばまたついたで、いろいろ反対は反対として起こって大変なことになるだろうと私は思う。話が、よろしい、完了までおりなさいということになれば、そうしようということになるんだろうと私は思う。つかなければ、守らなければならぬから出ていかなければならぬ。  これは仮定の問題ということよりも、少なくとも当委員会においても何回も言明をしてきたことだし、われわれも国会議員であると同時に、実はこの問題については重大な関心を持っている。単なる「むつ」の原子炉というような問題だけではなくて、政府の原子力政策その他、重要な関心を持っているんだから、われわれを無視して、ただ五者の間に話さえまとまればよろしいというような考え方の上に立って、大臣がこれに対処していくということは正しくないと私は思う。  だから、つかなければ当然出ていかなければならぬということになるのですね、いまのあなたの答弁からは。いかがですか。
  28. 中川一郎

    ○中川国務大臣 いずれにしても、五者間で話し合ったことでありますから、五者間でどういうふうにするか話し合っていくことであって、そういう事態になるかどうかということ自体が仮定の話であり、話し合いがどういうことになるかという、またその上の仮定でございますから、仮定の上の仮定の議論はいま申し上げられませんし、また私としては、工事途中にして出ていきますということは、工事をりっぱにやりたい責任のある者からは口が腐っても言えない。何としてもあそこでりっぱにやり上げていくことが、せっかくやってきたこれに対する期待といいますか、むだなことをやるようなこともできないという立場もひとつ御理解いただいて、われわれとしては、約束が守れるように最善を尽くしている、その上でまた話し合いの場が必要になれば話し合うということで御了承いただきたいと存じます。
  29. 中村重光

    ○中村(重)委員 佐世保でやらなければできないんじゃない。それは新母港でできるんだ。あるいは洋上でできることだって私はあるだろうと思う。だから、いまあなたが言われるように、佐世保で仕上げなければ全くむだになるというものではないと私は思う一少なくとも約束を重んずる――その場その場で適当に切り抜けてさえいけばよろしい、こういう考え方の上に立たれることは適当でない。少なくともあなたは、これからの保守政界のホープといわれる、若くしてもう実力者入りをしているあんたなんだ。だから、そこらは、一つの約束というものは守る。  大変な迷惑をかけている。これの受け入れ側も大きな期待を持っておった。商店街なんかも、佐世保に相当金が落ちるであろうと期待をした。佐世保港の発展、佐世保市の産業の振興に役立つであろうと期待をしておった。期待はまさしく外れた。もう三年以内に早く出てもらわぬと困る、またこれで騒がれては大変だ、これが受け入れを強く推進をした、望んだ人たちの現在の心境だと私は思っている。だからここらの、少なくとも迷惑をかけた人に対して、これ以上迷惑をかけないということでなければいけないという考え方の上に立って対処していくのでなければ、私はいけないと思う。仮定の中のまたその仮定という、そんな単純な考え方であることは、私は適当ではないと思う。  それと、私が言っているのは、これは無理なんですよ、これはあと一年でできやしないんだ。できないということをここで言明はできないだろうけれども、実際は、あなたが先ほど言ったように、大変困難だ。あなた自身もそう思っていると私は思うよ。それだから、もうこの際はっきりしておく必要があるんだよ、そういう私のいまの質問に対して、仮定の中のまた仮定だなんてことは、あなたは心にもない答弁をしているんだ、実際は。ただ言葉だけのことなんだよ。腹の中は、これは無理だよと思っているんだ。いまあなた、レントゲンで撮ったら、ばっと写るだろう。(笑声)どうなんだ。
  30. 中川一郎

    ○中川国務大臣 そこまでお見通しならばなおのこと、途中で出ていく約束をしろと言わぬように、ひとつどうか――約束は約束で尊重して一生懸命やっているんですから、お見通しがあるならばなおのこと、出ていく約束をしろと言わぬで、せっかくここまで来たところですから、りっぱに完成できるように御協力願います。
  31. 中村重光

    ○中村(重)委員 残念ながらそれだけは協力はできないんだが……。  そこで、これは石渡局長か、野村理事長が答えるのかな。今度三十億かけて、いわゆるスリーマイル島の事故の教訓に基づいてということで新たな追加の改修工事をやるんだが、これを県と漁連に説明をしたわけですね。それは、運輸省と科学技術庁と事業団と、三者が行ったんでしょう。県と漁連だけに話をされたんですね。いかがですか。
  32. 野村一彦

    ○野村参考人 その点につきましては、お役所が中心になりまして、科学技術庁と運輸省、それに私ども事業団が現地に参りまして、県と市と漁連に説明をし、そのときに、そこの関係の記者クラブの方にも御説明をいたしました。
  33. 中村重光

    ○中村(重)委員 あなた方は、「むつ」を佐世保に持っていって修理をするということについては、ずいぶんPRをされたんだよ。多くの人と接触をされた。そうでしょう。今回は、県と漁連と新聞記者にも話をした、それだけでよろしいのか。これは少なくとも原子炉にかかわる重要な部分になるのですよ。当初からあなた方が、県や漁連に出している書類がある。原子炉に関する部分については今後そういうことは一切いたしません、こう言っている。ところが、今度はそれをおやりになる。それならば、差し出された書類に対しても違反になると私は思っている。同時に、少なくとも当初相当接触をしたように、多くの県民にこれを説明する、そして納得してもらうような努力をすべきであったと思っているのだが、何ゆえにそれをなさらなかったか。
  34. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 総点検工事につきましては、ただいま理事長がお答え申し上げましたように、十月二一日に科学技術庁、運輸省、それから私ども三者が長崎市に赴きまして、これは県庁の中でやったのでございますが、そのときは県からは副知事、市からは棧市長、漁連からは住江会長等が御臨席になりまして、そこで御説明を申し上げました。そうたしふしたら、その後で桟市長から、市の方の議会にも説明してほしいということで、十月六日に事業団が佐世保市悟参りまして、市の全員協議会の方々に御説明を申し上げました。
  35. 中村重光

    ○中村(重)委員 ともかく、あなた方が当初佐世保に「むつ」を回航して修理をしようとしたときの努力、そのために要した時間、そのために投じた費用、私、相当なエネルギーを費やしたと思っている。さらに、大山報告の、今後地元の住民に責任を持って積極的に接触、交渉し、正確な情報を伝え、理解を求めるよう努力することという指摘もある。それならば、佐世保市長と佐世保市議会と県と漁連、当初「むつ」を持っていったときに努力をしたことの十分の一、恐らく五十分の一もあなた方はおやりになっていない。少なくとも大山委員会のこの指摘があるのにもかかわらず、そういう努力をなさらなかった、これは問題だとお考えになりませんか。いかがですか、大臣。
  36. 中川一郎

    ○中川国務大臣 いまの段階では、約束の範囲内でやっておりますことですから、これはその間でも、四者、五者の間でいろいろ話し合わなければならぬことは話し合いますけれども、まだ市民の皆さんに積極的に、事情変更があったからこうしてくれと言う時期じゃない。もしそういう時期になれば、当然前に示した誠意は今後も尽くさなければなりませんが、まだその時期ではないのじゃないか。何とか期限内にやりたい、このように尽くすことが、市民、住民、県民の皆さんに報いる道であると思って、鋭意期限内にできるように努力をいたしておるところでございます。
  37. 中村重光

    ○中村(重)委員 それは私の質問に対して、理解されなかったのか、まともな答弁になっていない。この新しい改造工事を三十億かけてやる。これは実は原子炉に関係する重大な設計変更ということになるのです。それを私は指摘している。大山委員会の指摘にあるように、住民に理解をしてもらうように最大限の努力をすべきであった。当初「むつ」を持っていくときにはそれをされたのだ、いろいろなことを。それによって理解を示した人も相当あるわけだ。少なくとも、佐世保の市民の中の多くの方々も、何十回と説明を聞いたりいろいろされたと私は思うのですよ。今回は、大山委員会の指摘があるのにもかかわらず、そして原子炉にかかわる重大な工事であるのにもかかわらず、それをおやりにならなかった。そして、県と市と市議会に説明したから了解を受けたものと考えておられるのだ。そういうことでいいのかと私は言っているわけだ。もっと本当に多くの、佐世保市民を中心とする長崎県民に理解を深めてもらうような努力をすべきであった。それをしなかったということはけしからぬじゃないか、大山委員会の指摘にも反するじゃないか、こう私は言っているわけだ。
  38. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 先生御指摘のように、五十一年三月に修理港としてお願いをしたとき、それ以降、いろいろ地元の皆様に修理工事の内容等につきまして御説明をしたわけでございます。今回の総点検の結果に伴います改修工事につきましては、その事前のお約束の範囲内とわれわれ考えております。したがいまして、地元の御要請に応じて説明をしたわけでございますが、今後ともおくればせながら、御要望があればいろいろ御説明をすることにはやぶさかではございません。
  39. 中村重光

    ○中村(重)委員 御要望があればとは何ですか。一般市民はわからないですよ。あなた方だけがわかっておる。あなた方の説明を受けた漁連と県と佐世保市と市議会、そういった方々だけはわかったかもしれない。しかし、当初はそういう人たちだけじゃなかったじゃないか。あなたは何カ月の間佐世保に滞在をして、あなたを中心にしてどれだけの努力をなさったのです。要望によってあなたはやったのじゃない。進んでいろいろなことをやった。PRをした。宣伝の書類を配ったり物を配ったり、いろいろなことをされた。要望があればやります、そんなふざけたことじゃ、われわれにそういうことで納得しろと言ったって無理な話なんです。また、いまからそういうことはおやりなさい。これからやりますか。  さらに、このことは原子炉に関係する重大な設計変更につながるのだけれども、大山委員会の意見は求めたのですか。
  40. 野村一彦

    ○野村参考人 私から概括的にお答えいたしますが、先生のおっしゃっておられる今回の補修工事につきまして、これば後ほど必要があれば専門家が詳しくお答えいたしますが、私どもは、さらにあらゆる機会をとらえて、地元の方々にその内容を御理解いただくべく今後努力いたします。(中村(重)委員「大山委員会の意見を求めたのかと聞いている」と呼ぶ)  大山委員会の意見は直接聞いておりませんが、安藤委員会の御意見を伺ってやっております。
  41. 中村重光

    ○中村(重)委員 これは当初、大山委員会に意見を求めて、大山委員会の報告があるわけだ。これを中心にしてあなた方はおやりになったのだ。そうすると、大山委員会の意見を求めるということが筋じゃなかったのですか。これば原子炉にかかわる重大な設計変更ですよ。
  42. 野村一彦

    ○野村参考人 政府から後ほどお答えいただきたいと思いますが、私どもの立場としましては、大山委員会と安藤委員会と、先生御指摘の、前回の事故以後の処置の委員会は二つあるわけでございます。いずれもこれは政府の御諮問に応じてやっておるわけでございまして、大山委員会は、技術的な問題よりもさらに広い、組織とか運営とかいろいろな問題の御指摘がございまして、むしろ技術的な問題の御指摘を直接いただいたのは安藤委員会でございます。安藤委員会には、私ども、今回のことのみならず、その後全般について大所高所からの御指導をいただいてやっておる、こういうことでございまして、これは政府の両省庁の御指導のもとにやっておることでございます。
  43. 中村重光

    ○中村(重)委員 少なくとも私どもには大山委員会の報告というものがある。技術的な問題は安藤委員会だとあなたは言われるのだけれども、この大山委員会の報告をわれわれはしさいに読んで、そうして信頼をしたりあるいは問題点を感じたり、そしてこれらの点を参考にしながも委員会における質疑を行ってきたわけだ。私は、この点は、これでまた時間をとれないからいまこの程度再とどめるのだけれども、この補修工事をやらなかりたならば再び事故が起こる可能性がありたのですね。三十億か何かかけてこの重要な補修工事をやらなかったならば、また事故が起こる危険性があったのですね。
  44. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 大山委員会の御指摘によりまして、遮蔽改修以外の点についても総点検を行うようにという御指摘がございまして、それに基づいて私どもとしてこの総点検の計画をつくり、これについては安藤委員会の御了承を得た上で、その線に沿って総点検を行ってまいったわけでございます。  この総点検の結果、とにかく一応「むつ」そのものについては問題はないという結論をほぼ得ておるわけでございますが、最近の原子力発電所等のトラブル、あるいはスリーマイル島を含めて、原子力発電所についてのいろいろな安全基準等がいま非常にシビアになってきております。これらの点について、「むつ」の原子炉の設計あるいは事故解析等の見直しをやってまいったわけでございます。それで、その上でやはり陸上炉の経験か、ら、「むつ」についてもより安全度を高めておくということが望ましいという点で、今回の改良工事と申しますか改善工事をすることにいたしたわけでございまして、「むつ」の炉が、この工事をやらなければトラブルが出るというようなことはございません。
  45. 中村重光

    ○中村(重)委員 総点検をやって、そして予算も五十三億かかけてこの工事をやるということになった。ところが、今度の三十億は、スリーマイル一島の事故の教訓によってさらに改修工事を追加してやるようになった。だから私どもは、そのスリーマイル島事件がなかったならば、当初の計画のとおりにとどめたのだろう、そうするとまた事故が起こる危険性があったんじゃないかなという寒けを感じるような思いなんですよ。それだから、そういうことは何も他意があって聞いているわけじゃないのだから、大事な問題だから質問しているんだから、いろいろ弁解ではなくて、素直に答えていくという態度でないといけない、こう私は思うのです。  それから、「むつ」の災害防止、防災対策要綱というのを五十五年十月十五日からようやく施行した。どうしてこんなにおくれたのです。よかったのですか、これで。もし事故が起こったならばこういうことで避難をするのだとか、いろいろな細かいことが書いてある。なぜにこういうのはもっと早くおやりにならなかったのか。
  46. 野村一彦

    ○野村参考人 ただいまの先生の御指摘は、佐世保市における防災対策のお話であろうと思います。「むつ」のことを懸念された佐世保市における防災対策のお話だと承知いたしております。  私ども、「むつ」自身のことにつきましては、佐世保重工で修理をするということが決まります前後から、労働基準局等の御指導のもとに十分連絡をとって、防災責任者を企業並びに私どもで決めて十分やっておることでございます。
  47. 中村重光

    ○中村(重)委員 そうじゃないんだよ。あなた方は、「むつ」をもとにして、こうしなければならぬといういろいろな話し合いを実際してきたわけだ。向こうは、佐世保市にしても県にしても、どういうことが必要かということはわからないわけだ。一体となってやったんじゃありませんか。それは佐世保市のことだ、われわれはあずかり知らぬ、そんな無責任な答弁がありますか。話し合いをしてくるんでしょう。「むつ」がなかったならばこういうことは必要なかったわけだ。それならば、「むつ」を持っていったから、それに基づいていろいろなことを今度は佐世保市がやらなければならぬこともあるだろうし、皆さんがおやりにならなければならぬこともあるわけだ。だから一体となってこれはやっているんだから、これは佐世保市のことだろう、あずかり知らぬことだ、こっちは「むつ」のことだけだ、そんな無責任な答弁がありますか。それをあなた方が持っていったのだから、佐世保市にそれをやらせなければならないということであるならば、早くこれをこうしなければなりません、そういう態度でなければいけないでしょう。  たとえばガス爆発の場合だって、責任はガス会社にあったのか、あるいは工事をしたところの建設業者にあったのか、いろいろな問題がある、関連をして。そのいずれも責任を問われるじゃありませんか。それと同じなんですよ。よそごとだというような誠意のないような、逃げ口上みたいな答弁はおよしなさい。  そこで、「むつ」の係船料問題がまた再燃をしているようだが、この点は内容、見通しはいかがです。
  48. 野村一彦

    ○野村参考人 本件につきましては、五十三年度、五十四年度分の契約を結びました時点におきまして、佐世保重工との間に基本契約を結んだわけでございます。ここで五十三年度、五十四年度については月額四千万円ということを決めまして、それはすでに支払いをいたしました。五十五年度以降につきましては、その契約自身は期限が自動的に延長されるということで、現在もその係船契約はそのまま延長されておるわけでございます。ただ金額につきましては、その後、五十五年度の具体的な金額の折衝をいまやっておるわけでございますが、佐世保重工の主張と私どもの主張とがかみ合いませんまま、いま関係者の間で鋭意交渉を詰めておる、こういう段階でございます。
  49. 中村重光

    ○中村(重)委員 いわゆる坪内流というものがあってね。だから、前は六千万円という要求であったが、四千万円で落ちついた。一説によると、八千万円要求している。二倍です。その話がつかなければ、またストップをする、いわゆる期限に影響するという形になりませんか。
  50. 野村一彦

    ○野村参考人 契約そのものは、五十四年度のものを延長して、現在もそれで係船を行っておるわけでございます。ただ、金額についてはただいま交渉しておるということでございまして、これは鋭意両方で詰めまして、基本契約はあるわけでございますから、金額を決めるようにいませっかく努力をしているということでございます。
  51. 中村重光

    ○中村(重)委員 いずれにしても、ぼくらが非常に懸念するのは、一年半、坪内さんとの話し合いで、いわゆる坪内流にあなた方はひっかき回されてどうにもならなかった。また、期限が切れるから、だからして今度は八千万円ぐらい要求するんだ、月にですよ。それで素直に坪内さんが、あなた方は四千万円をベースにしてやろうとしているわけだから、これはなかなか簡単にはいかない。また、これは重大な影響というものが起こってくるということは避けられないと私は思っている。だから、そこらあたりを簡単にお考えにならぬようにされる必要がある。  そこで、もう時間がありませんから結論に入っていきますが、現在の原子力船事業団法、これを研究所法に改めるということは合意をした。ところが、中身について違うんだね。ぼくらが考えた研究所法と政府・自民党が考えた研究所法の中身が違う。しかし、少なくとも研究所法にする、少なくとも性格をひとつ変えて、本当に研究体制をつくり上げていくんだ、こういう点は一致しているわけだ。基本的な点は一致している。いわゆる総論は一致した。各論についていろいろ意見も違う、あるいは総論の点にもいろいろ問題はありますけれども。それならば、研究を進めていく上について、より深める上について、少なくとも機構をどうするのか、人員がどうなのか、予算の点がどうか、こういうことはもう煮詰めておらなければならぬだろうと私は思っている。その点はいかがですか。
  52. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 新たに研究機能を付与しまして、事業団に原子力船一般に関する研究機能を与えるということにつきましては現在御審議を願っているわけでございますが、まず予算的には、十二月以降の予算になりますけれども、本年度二千万円、来年度約二億円を用意いたしまして、新しい今後の、次の時代の開発すべき舶用炉を選定するという研究から始めたいと考えております。  組織的には、来年度になりますけれども、現在の技術部の人間二名を配置がえと申しますか、役目を変えまして研究担当にし、また、できれば七名の研究員の増員を図り、合計九名でもって研究室を組織したいと考えております。これを種にいたしまして、今後拡充を図っていくというのが現在の考え方でございます。
  53. 中村重光

    ○中村(重)委員 大臣、原子力委員の島村さんがこういう指摘をされている。もう時間がないから前からずっと読むわけにはいかないのだけれども、「海外特にアメリカからの技術導入に依存し、これに忠実に追随することに専念して、結局は真に自らの血肉とすることが出来ず、世界第二の原子力発電国と称しながら、つまらない故障にも周章狼狽、自信の無さを示す結果」が、「むつ」の場合もしかり、あるいは原子力発電所のいろいろな事故が起こってきて、あなたは少なくともここに科学技術庁長官として座っているならば、よそのライセンスだけで何でもやるということでなくて、みずから研究する、そして自分のものにする、こういうことでないとだめなのだ。  大体「むつ」は初めから欠陥船、起こるべくして起こった事故だと私はあえて指摘したい。初めから手を抜いてしまっている。舶用炉というものは、少なくとも陸上で十分実験をして、その後に船に取りつけをしていくということでなければならなかった。そして、さらにまた、船体をつくるところと炉をつくるところと一つの会社であることがより望ましかったと私は思う。すべてが間違ったやり方ばかりした。そして、住民の意向を無視して強引なやり方をやった。専門家が十分やっているのだと先ほど申されましたが、その結果が事故を起こした。今度八十億以上の金をかけて、ずいぶん多くの人たちに迷惑をかけて終了しても、しょせん「むつ」は欠陥船なのです。また起こる危険性というものはあると私は思う。  少なくとも研究所法にこれを変えていこうとすることは、名実ともにそうでなければいけない。こういうものにこだわって、メンツにこだわって、そして無理なことをなさるよりも、これはこの際改めて出直す、そして本当に自分のものとして研究をし直してつくり上げていくということでなければならぬと私は思う。そうお急ぎになる必要はない。  海運界がどうだ、海運界なんというようなものは、いま原子力商船がなければならぬというようなことは、国内的にも国際的にもありませんよ。原子力商船の先進国であるところのアメリカにしてもあるいは西ドイツにしても、もう五年も七年も前から終わって係留したまま、実験船をつくろうとする動きはないじゃありませんか。何でこんなに国論が二分するような形で無理強いをあなたはしなければならぬのか。少なくとも私が中川長官に期待をするのは、こだわらない、メンツとか従来の行きがかりとか、そういうものを一てきする、そして本当に必要であるならば、改めて研究して完全なものをつくり上げていく、そういう態度でなければならぬと思うのです。その決意はありませんか。
  54. 中川一郎

    ○中川国務大臣 「むつ」が研究段階を飛び越えて実験船としてスタートしたこと等いろいろ御指摘がございまして、過去適切さを欠いたなという点も率直に反省をいたしております。そしてまた、研究開発が大事だということも御指摘のとおりだと存じます。しかし、メンツとか行きがかりだけではなくて、せっかく国民の理解を得てここまで来た「むつ」船を、途中で挫折することではなくて、過去の苦い経験を生かして今度は安全に、確実にこの「むつ」の開発の目的を達成していくこともわれわれにとって大事なことだ、そういう判断で、御指摘は御指摘として率直に受けとめてはおりますが、今回はひとつどうか、大変曲がりくねった「むつ」ではありますけれども、今度は真っすぐに走らせるようにしっかりがんばりますので、御理解いただきたいと存じます。
  55. 中村重光

    ○中村(重)委員 時間が参りましたから、終わります。
  56. 中村弘海

    ○中村委員長 日野市朗君。
  57. 日野市朗

    ○日野委員 いま中村委員からも最後の締めのところで指摘があったわけでありますが、まさに原子力船「むつ」にいつまでもとらわれて、さらに失敗の上に失敗を重ねていくというような態度は厳に慎むべきである、慎むべきであるというよりは、決してそういうことはしてはならないことだというふうに私は考えているわけでございます。  ただ、現在のこの「むつ」に対する国の側からの取り扱いを見ると、私は、だんだんだんだんどろ沼に一歩一歩滑り込んでいくような気がしてならないのであります。私は、以前に国会で、この原子力船事業団法の改正案に対する反対討論をやったときも、「むつ」というのは、もうそういう宿命的なものをすでに背負い込んでしまったのだということの指摘もしておいたところでありますが、このままでいくと、ますますこの欠陥が欠陥を呼んでいく。  これは、機械や技術の点だけの欠陥ばかりを私は言うのではなくて、「むつ」全体が背負い込んでいる技術的な欠陥もあります。それから、「むつ」という船が国民に印象づけた印象の問題もあります。それから、定係港、修理港、あらゆるところでいろいろな問題を次から次へ巻き起こしてきた。こういう船をさらに修理して、そしてこれに航海をさせてみるということにどれだけの実益があるのかということについて、私は、この点については危惧の念をさらに強く表明せざるを得ないのであります。  その点について、私は見通しのないことはやるべきじゃないと思います。これは、いまだれが見ても確たる見通しが得られるはずのものではないと思うのですが、非常に大ざっぱに、概括的なことになりますけれども、この点についての見解をまずひとつ伺っておきたいのです。
  58. 中川一郎

    ○中川国務大臣 御指摘の点も十分拝聴しなければなりませんが、世界じゅうが舶用炉の利用についてはもうすでに実用化しておる、日本では非常におくれているというところからいけば、これをまたやり直すということであっても問題がある。私は迷うところではございますが、大変紆余曲折、非常に厳しい中に「むつ」は今日あり、今後また厳しい道をたどらなければならぬことは十分見通せるわけでございますけれども、技術的な問題が一番欠陥であった、この点を反省をいたしまして、今度こそはさらに安全の上にも安全、技術的に問題のない船としていくならば、残余の問題は何とか理解、協力をいただいて、「むつ」が「むつ」としての研究開発にピリオドを打てるというところまでいけるのではないか、こう思ってせっかく努力をいたしております。  何とか当委員会で、いろいろ御意見はありましょうけれども、こだわるわけではありませんが、せっかくここまで来た「むつ」であり、先々のエネルギー事情を考えるときに、やはり舶用炉というものもしっかりやっておかなければいけないという立場から前向きでやっていきたいと思いますので、御理解いただきたいと存じます。
  59. 日野市朗

    ○日野委員 こいつはあかぬわ。「むつ」を研究所にしてしまおうという論議が、前回の事業団法の改正案の審議の際にこの委員会の中でも起こりまして、理事懇談会なんかを中心にして、ここは非常に熱心にいろいろ勉強もいたしましたし、何とかしてこの現在ある「むつ」を生かして使う。生かすということは、これを船に仕上げて航海させるというのも一つの方法でありましょう。それと同時に、いままでの失敗は失敗として、その失敗にも習いながら、これを研究という方向に重点を置いて、将来の方向を決めていこうではないか、こういうような検討を実は真剣にいたしたのであります。どうもあのころから考えてみますと、理事の顔ぶれもずいぶん変わりました。     〔委員長退席、椎名委員長代理着席〕 しかし、この委員会が、その当時は特別委員会でありましたが、そのような真摯な努力をしたということは買ってもらわないといかぬと思うのですね。  しかし、この法律の改正案が出てまいりまして、私、実は非常に落胆をしている者の一人であります。あのときのわれわれの真摯な議論というのが一体どこに消えてしまったのかということが、私、改正案を見てのまことに残念な感慨であるわけなんですが、この改正案によると、文字を「原子力船開発事業団」だったものを「原子力船研究開発事業団」というふうに読みかえるようなことでありますし、もう一つは、お義理にと申しますか、二十二条で、従来の第三号にあった文句を、一応一般的な文言に直して第一号に持ってきたというだけの話なんであります。  私に言わせていただけば、この原子力船開発事業団を研究所にせざるを得ない、研究的な性格を持たせなくてはいかぬという国会での従来の行きがかりから、やむを得ずこの程度のことでお茶を濁してしまったんだという感じが実はいたします。これを基本法として、そして研究開発を進めるという姿勢があるのであれば、法律の改正案というのはこんなものにはなるはずはないのです。文言から見て、私は、これを本当にお茶を濁しただけだ、こう言わざるを得ないのですね。  この新しく提案されてきた法案、そしてこれは恐らく法律になるでありましょう。その中で一体何をやりたいのですか。何をやるのですか。こんな程度の研究開発事業団で一体何がやれるのか、その点を、これは事務局の方で結構ですが、どういうことを考えているのか、具体的な構想を示してください。
  60. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 第八十二国会での御議論、私どももその御議論の内容については承知をしているつもりでございます。そして、そういう御議論も踏まえまして、原子力委員会に原子力船研究開発専門部会を設けまして、約一年にわたっていろいろ御議論も願ったわけでございます。その結果も踏まえてということでございますが、今回の法案の改正をお願いしているわけでございます。  もちろん、実験船としての「むつ」の開発と、それを使ってのデータの収集は従来と継続してやらしていただきますが、それに加えまして、その次の時代の舶用炉の研究開発をあわせて行いたいというのが、今後の計画の大きな二本の柱になるかと考えております。この二つ、「むつ」によりますデータの収集と、それからそれを十分反映した形での次代の舶用炉の研究開発ということが、今後のこの研究開発事業団の仕事の主な流れになると考えております。
  61. 日野市朗

    ○日野委員 先ほど中村委員に対する答弁の中で、局長さん、こうおっしゃったのです。九名ほどのスタッフを擁して仕事を進めていきたい、研究開発を進めていきたい、こうおっしゃったのですが、この九名という人数で十分なのかどうかという点はまずおきましょう。それらのスタッフは、この「むつ」の炉の検討、また「むつ」の開発、これとは切り離した存在として位置づけられるのでしょうか。
  62. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 先ほど九名の研究スタッフと申し上げましたのは、五十六年度の予定を申し上げたわけでございまして、逐次これを増強してまいりたい、このように考えております。  それから、「むつ」自体の研究もやるわけでございますが、それは現在の技術部が担当するという考え方をとっております。
  63. 日野市朗

    ○日野委員 五十六年からだんだんふやしていくという御答弁ですが、この法案自体で明らかにしているように、これはしかるべき原子力関係の研究機関と将来一緒にするわけですね。それとの関係はどうなりますか。
  64. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 行政改革の一環といたしまして、昭和五十九年度末に科学技術庁所管の他の原子力機関と統合するという基本方針が出ておりますが、少なくとも研究開発部門につきましては、そのまま一貫性を保てる形での統合をぜひ考えたいと考えておりまして、研究開発の仕事の継続性、一貫性は保つようにするのだというのが基本的な考え方でございます。
  65. 日野市朗

    ○日野委員 現在の国の財政事情や、それからできるだけ人はふやさないという政府のこれは厳然たる方針があるわけでございますね。しかも、これは表向きの発言とはまた別個にそれぞれ原子力船を考えるものの、腹の中は不要不急のことであると思っていることはほぼ間違いないと思います。これは表向き、皆さん、ここではいろいろ法案を通すための説明としては、わが国の技術はおくれている、これに追いつかなければいかぬのだと言いながらも、現在世界的に見て原子力商船の研究の進み方、実用化の進み方、これが非常におくれていることは間違いのない事実で、各国とも、ほぼその意欲をなくしているのではないかとすら思えるような状況ですね。こういう状況の中で、いま局長おっしゃったような取り扱い、これが国の大きい政治の中でやってもらえるという確信がおありでしょうか。
  66. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 もちろん、今後大幅な人員増とか大きな組織の追加と申しますか増強ということは、非常にむずかしいということを承知はいたしております。したがいまして、できる範囲でという制約はつくとは思いますが、原子力開発の全般の中で原子力船の開発というものに一つの位置づけをいたしまして、その範囲内ではぜひ継続し、また長い目でもって、長期的な観点での研究開発を続けていきたいというのが基本的に考えていることでございます。  もちろん、いろいろ情勢が厳しいじゃないかという御指摘はよくわかるところでございますが、この程度の範囲ならばやっていただけるだろうし、またやっていかなければならないというふうに考えているわけでございます。
  67. 日野市朗

    ○日野委員 そこいらの先のことをここで余り論じていてもしようがありませんから、その点については非常に強い、解消されない疑問を私の中にとどめて、次の質問に入らしていただくのでありますが、まず、文言についてもう少し検討を進めてまいりましょう。  二十三条の第一号ですね。この第一号の改正案の文言を読みまして、また局長さんの説明を伺いますと、これは従来の「むつ」の検討とはまた別個の柱であるというふうに理解せざるを得ない。その理解でよろしゅうございますか。
  68. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 そのように御理解賜りたいと存じます。
  69. 日野市朗

    ○日野委員 われわれが、従来、この「むつ」についてはもっと研究をすべきだということを当委員会なんかで一生懸命検討してきたその裏にあったものは、こういう「むつ」とは全く別個の開発を進めるというようなことではないのですね。現在の「むつ」というものの存在を基本に据えて、そこからの発展形態としてわれわれは論議してきたと思うのですね。  それゆえに、前回の事業団法の改正の際にも、政府側は、これの国会に対する説明も、これはまた期限を延長したわけでありますが、この期限の延長はあくまでもこれを研究所にするための準備期間であるという説明をやってきた。このことは御承知のことだと思いますが、そこらとはどういうふうに統一的に理解したらよろしいのか、私はその点で非常に大きな疑問を持たざるを得ないのですね。私自身、個人的な自分の感情を表現するなれば、これは裏切られたというような感じすら持っているのでありますが、どのような統一的な理解として受け取ればよろしいか。
  70. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 第八十二国会におきます修正の趣旨は、その時点での日本原子力船開発事業団の研究開発機能を強化し、恒久的なしっかりした研究開発機関に改組する必要があるという御趣旨だったと理解しているわけでございます。  そこで、私どもも、現在の「むつ」を基盤といたしまして、それを研究材料として十二分に活用するということを基盤とし、さらに次の時代の舶用炉の研究にも着手することによって研究機関的なものに改組していくということを考えたわけでございます。そういう意味で、先生御指摘の御趣旨を、私どもは私どもなりに踏まえたつもりでおりますので、何とぞ御理解を賜りたいと存じます。
  71. 日野市朗

    ○日野委員 従来の事業団法によりますと、二十三条の第三号ですね、ここに「前二号に掲げる業務に関する調査及び研究を行なうこと。」という明文がございました。今度の事業団法によりますと、局長さんの先ほどの御説明によりますと、研究開発事業団には、この「むつ」に関する調査及び研究に関しては今度は明文を欠くことになりますね。いかがですか。
  72. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 「むつ」に関する、「むつ」を材料としての研究開発も、新しい法案の二十三条第一項で読み取るのだというふうに理解しております。
  73. 日野市朗

    ○日野委員 あなたは先ほど、二本の柱なんだ、一つは従来の「むつ」の発展、もう一つは独自の、「むつ」とは切り離された一般的な研究開発だ、こういうふうにおっしゃったのですよ。そうすれば、この第一号というのは、一般的な原子力船の開発のために必要な研究調査であり、「むつ」の炉及び「むつ」のいろいろな分野における研究開発というのとはおのずから別個の事項の規定、こういうふうに読めませんか。
  74. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 先ほどの御説明で一研究内容につきまして二本の柱という説明をいたしましたが、法文的にはこの二十三条第一項で両方とも読み込むのだというふうに、私ども解釈をしているわけでございます。
  75. 日野市朗

    ○日野委員 そうすると、結局は「むつ」の研究開発の方にこの主力がある、そういうふうに読むことになりますか。
  76. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 今日施行されております法律では、少なくも研究開発につきましては、原子力船「むつ」に関する研究のみに限られるというのが実体的な解釈でございましたので、それを広げまして、「むつ」はもちろん、原子力船一般に関する研究開発もやっていくのだというふうに今度改正をお願いしているわけでございます。  それから、その主体がどうかということでございますが、過渡的にはまだ「むつ」を使っての研究開発に実体的な重点があるということは否定できませんが、徐々に原子力船全般に関する、特に新しい舶用炉に関する研究に重点を移していきたいというふうに考えているわけでございまして、そういう意味で、今後、現在「むつ」の業務に携わっております人間も、逐次配置転換という形で新しい舶用炉の研究に重点を移していきたい、こういうふうに考えているわけでございます。
  77. 日野市朗

    ○日野委員 そうすると、法律は一応つくるものの、これだけ「むつ」が大きな問題になって、まず乗り切らなければならない問題が、技術的にもその他の問題にしても山積している。そうすると、まず当面は「むつ」一本でいかざるを得ない、こういうふうなことでございましょうね。
  78. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 確かに、今日時点では、いわゆる研究開発以外のと申しますか、その前提になりますいろいろな条件が非常に変動しているわけでございまして、そういうことに精力が割かれているのは、これは実態でございますが、なるべく早くこういう状態を克服いたしまして、長期的な、安定した形での研究開発、特に原子力船あるいは新しい舶用炉の研究開発に専念できるように持っていきたいというのが、私どもの祈願しているところでございます。
  79. 日野市朗

    ○日野委員 私、いまの御説明、それから原子力船の現在の世界における位置づけ、それからわが国が抱えている財政問題等に基づく人員増とか、余り不要不急のことに金を使わないという大きな政策、こういった点を総合して考えてみますと、それはおまえだけの感想だと言われればそうかもしれませんけれども、何としても、この原子力船の開発のために必要な研究及び調査というものが、すんなりとこの法案が成立したことによって進んでいくということはとうていあり得ないことというふうに理解せざるを得ないと思います。  私は、従来から、飽きるくらいこの原子力船開発事業団法の問題について携わってきたものとして、この原子力船研究開発事業団法、この法案がこのような出方をしたということに、非常に遺憾だということを表明をいたしておきたいと思います。  原子力船「むつ」の問題に入りますが、何よりもまず大事なのは、私は、当面まず「むつ」の炉、これをどうするかということが一番の問題点であろうかというふうに考えているわけでありますが、この点の認識については、政府も事業団も変わりはないでございましょうね。いかがでございますか。
  80. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 私ども「むつ」を開発しておるものといたしましては、まず「むつ」を改修し、原子力船として、これを所期の目的であります原子力第一船、実験船としてこの研究開発を進めてまいりたい。これが、その過程におきましては、「むつ」の研究開発ということではなしに、「むつ」の研究開発をやりながら、これは当然将来の舶用炉、将来の原子力船というものを常に頭に置きながら、「むつ」からとれたデータなり解析結果なりというものは、将来の舶用炉、また原子力船の設計等に必要なデータ、またその設計に必要な設計コードあるいは基準等の開発に努めていくということで、単に「むつ」のみを建造し、これを動かすということでなしに、やはり将来の原子力船舶用炉のための研究開発であると私どもは信じ、その方針に沿っていままでもやってきておりますし、また今後もその方針で研究開発を続けていきたい、かように思っております。
  81. 日野市朗

    ○日野委員 どうも質問に対する理解が十分でなかったような感じがいたしますが、まあよろしいでしょう。  いまの「むつ」の炉、これから炉と言った場合は「むつ」の炉に限定をしてお伺いをいたします。この炉ですが、これはいまもいろいろな作業をやっておられることはよくわかります。     〔椎名委員長代理退席、委員長着席〕 そして、従来も同じだと思うのですが、これはいわゆる大山委員会が、全体として見れば「むつ」の炉はまあまあよくできているんだ、こういうところに根拠を置いてその後の作業を進められているように思うのです。しかし、私も大山委員会のレポートは十分に熟読玩味をさせていただきました。そして、その結果出てきた私の感じ方としては、この、まあまあよくできているというのは、いかにも大山委員会のリップサービスのような感じがしてならないわけですね。この大山委員会のレポートは、いろいろなところを非常に克明に調査をされておられるのですが、しかし、まことに唐突に、まあまあよくできた炉だということを後でつけ加えたような感じがいたします。その点についてどのような御感想を持っておられますか。
  82. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 大山委員会での御審議の時点では、実は科学技術庁は、言葉は悪いのですが、被告みたいな立場でございまして、十分その審議の御内容を伺うチャンスがなかったようでございますが、少なくとも委員会の報告は私どもも熟読玩味させていただきました。  特に、先生ただいま御指摘の個所につきましては、全体としてかなりのレベルに達しているという御判断は、私どもはこれは正しい御判断だと思っているわけでございますが、大山委員会は、「むつ」の開発計画の段階から基本設計、製作設計を経て完成に至るまでの経緯または経過につきまして、事業団を初め主契約者でございました三菱原子力あるいは石川島播磨重工から十分な事情の聴取を行われたというふうに伺っております。そして、それらの調査の結果を総合判断されまして、このような、かなりの水準に達しているという御判断をされたものと私ども理解をしているわけでございます。
  83. 日野市朗

    ○日野委員 私は、その後の炉について、大山レポートの指摘を受けた総点検が進んだ結果、七系統二十項目についての必要工事、これが現在指摘されているというふうに伺っております。そしてまた、科技庁と運輸省で出された「原子力船「むつ」の安全性総点検補修工事について」というものにも目を通させていただきました。  私、技術的には素人でございましてよくわからないのですけれども、大体こんなに、七系統二十項目に及ぶような補修をやらなければならないような炉がかなりの水準に達しているということが、-私自身もよくのみ込めません。!そして、このことは一般の国民も同じような感想を持つであろうと思います。  特にこの「むつ」の、ことに反対運動から誘致運動から、さらにはそれに携わった技術者やら関係する漁民やら、一緒に考えてみて、同じような印象を持っておられる方は非常に多かろうかと思います。この点についてはどうなんでしょうか。そういった方々の疑問に率直にお答えになることが、いまの段階で必要であろうかというふうに考えるわけでありますが、ひとつそこいらを御説明いただけませんか。余り時間がありませんので、その七系統二十項目の一つ一つをいまここで長々とやられると、これは私は困ります。ひとつ簡明にお願いをしたいと思います。
  84. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 総点検に当たりましては、特にいまの補修工事に関連いたします部分は、設計の見直しあるいは事故解析等の見直しという、いわゆるソフトの面の総点検の結果でございまして、これは「むつ」が設計されまして建造されましたその時点以降、陸上の発電所におきましていろいろなトラブルがあったわけでございます。それに基づきまして、これは陸上の発電所関係でございますけれども、政府の方でも設計基準等あるいは安全審査基準等についてのガイドラインと申しますか、が出てまいったわけでございます。  いまの「むつ」の総点検に当たりましても、むしろそういった新しく出てきたいろいろな発電所のトラブル等、そういうようなことが「むつ」で起こるかどうかというような点の検討を進めてまいったわけでございますが、こういった設計及び事故解析等の見直しをやってまいりまして、結果といたしましては、現在のままでも安全は十分確保できるということの結論を一応得ておるわけでございますけれども、その陸上の発電所等におきまして、より安全性を向上させておくことが望ましいと思われる点について、いわゆる原子炉の改良工事と申しますか、そういった改良を行った方が望ましいということで今回の補修工事を行うことにいたしたということでございまして、この補修工事をやらなければ「むつ」の安全確保ができないかという、その点につきましては、決してそのような工事ではございません。むしろ、この「むつ」の原子炉をより安全度を高めるというための工事であるということでございます。
  85. 日野市朗

    ○日野委員 この「むつ」の炉につきましては、ちょっと言葉が悪いですけれども、発生した事態を追いかけるような説明がずっといままで用意をされてきたと思うのですね。これは端的に出てきた問題がストリーミングの問題でありましたけれども、このストリーミングの説明について、後からいろいろ説明をした。しかし、ここで中性子漏れが発生したということだけは間違いのない事実でどざいますね。そして、ストリーミングなんというものは発生しないことになっていたはずなんであります。  昭和四十二年十一月十五日の原子炉安全専門審査会の報告を私も見させていただいた。その当時の遮蔽体についての記載、私も読ましていただきました。これを読みますと、何でこういうような事態が発生することになるのか、実はわからないような現象なのでありますが、こういう現象が現に出た。そして、そこからいろいろな事態が発生するわけでありますが、これは技術的な問題ばかりではなく、常に後追い、後追い、言いわけ、言いわけ、そしていかに現在の事態を糊塗するかというような姿勢が一貫して貫かれているように思うんですね。私、この補修工事の点を見ましても、まず、これはまた同じような好ましからざる傾向がここにあらわれているのではないかという気がしきりとするのです。  まず、そのうちの一点だけを指摘をしてみましょう。これは一番最初のところです。ECCSの改良のことが書いてございますね。「非常用炉心冷却設備の改良」ということで、低圧注入系の改良のことがまず書いてある。それから高圧注入系の改良の点が書いてございますが、これはポンプの容量を上げるのだ、そして安全性を確保したいのだ、こういうふうにおっしゃいます。そしてこの説明の図面を見ても、一確かにポンプの容量はふえて、送り込まれる水はふえるかのごとく書いてある。  しかし、私、ここで一つ大きな疑問にぶつからざるを得ないんですね。この図面を見ますと、これは「原子力船「むつ」の安全性総点検補修工事の内容(説明資料)」と記載してある資料なんですが、ここに「非常用炉心冷却設備の改良概念図」が添付されておりますね。ここは、このポンプの容量は確かにふえたのでありましょう。しかし、このパイプが原子炉容器の中に行って太いものになる、パイプのキャパシティーがもっとふえるということはとうてい理解できないところでございます。ここらなんか、どういうふうなことに理解したらよろしいのですか。
  86. 野沢俊弥

    ○野沢参考人 ただいまの先生の御指摘は、ポンプ容量を増したにもかかわらず、パイプの径を出口側を太くしてないことに対する御質問だと思いますが、これはポンプ容量を増しますことにょよって、パイプの中の径は変えませんでも流速が増すことによって単位時間当たりの水の注入量がふえるということになるわけでございます。その辺の、パイプの径を変更しなくてもポンプ容量を増した分だけ水が確実に入るかどうかというのは、パイプにバルブがついておりましたり、曲がりがございましたり、いろいろございますけれども、その辺の流動抵抗を十分細かく計算した上で確認されておるものでございます。
  87. 日野市朗

    ○日野委員 このパイプの問題については、従来の発電用の軽水炉でもいろいろ問題のあるところであります。このパイプの材質やら、それからどれだけの圧力に耐え得るものであるか、応力腐食なんというものはどのように出てくるか、これらについては、従来の軽水炉でも非常に問題点の多いところでありまして、まだ解明されない点がきわめて多い。そういう点を考えると、従来の設計よりも五〇%アップした容量をいままでと同じパイプの中に、しかもかなり高熱であり・放射能による材質の変質というようなことも考えなければならない中で、私は、こういうことはいかにも荒っぽいというふうな指摘をしたいと思うのですが、いかがでございましょう。
  88. 野沢俊弥

    ○野沢参考人 陸上発電所におきますバイブの損傷につきましては、今回の総点検におきましても十分考慮されて総点検が行われております。  たとえば、応力腐食割れの件を御心配だと思いますけれども、そもそも本質的にBWRとPWRでは応力腐食割れのケースというのはBWRの方に出ておりまして、PWRの方には実際の例としてはほとんど出ておりません。それは、水質の管理方法がPとBでは違っておりますので、そういう点では「むつ」は何ら心配することはないと思います。  それから、熱応力あるいは内部にかかっております圧力に対してパイプが十分もつかどうか。これは新しい計算技術、計算コードというのは順次発展してまいっておりますけれども、それを使いましてこのたび再計算をいたしまして、十分もつということが確認されております。  それから、現在のパイプがどうなっているかということにつきましては、現在佐世保におきまして現在の設備の総点検の一環としてウルトラソニック、超音波探傷法を用いまして、現在のパイプの欠陥を検査中でございます。
  89. 日野市朗

    ○日野委員 委員長、ちょっと御相談があるんですが……。  外務省おいでになっているんでしょうか。午後また遅く来ていただくのじゃ気の毒ですから、外務省に聞くことだけ、いまの流れは質問をちょっと中断して別のところで、午後からまたこの点やりますから、外務省にちょっと聞かせてもらいます。
  90. 中村弘海

    ○中村委員長 どうぞ。
  91. 日野市朗

    ○日野委員 外務省に伺います。原子力船が運航をして外国の港に入るという場合の問題点は、どのような問題点があるのでしょうか。いままでそれの検討をなさったことがございましょうか。
  92. 金子熊夫

    ○金子説明員 お尋ねの点についてでございますが、外務省といたしまして原子力船「むつ」の建造、就航に当たりまして、外国の港に入港する際の安全の基準等につきましてこれまで検討したということはございません。
  93. 日野市朗

    ○日野委員 科技庁とか原子力船開発事業団、そういったところからの検討の依頼というものはございませんでしたでしょうか。従来もアメリカ、西ドイツ、そこらにおいて原子力船が運航した事例はございます。そういった運航に際しての問題点などについての事例を集めるというような作業もなさったことはないわけでございますか。
  94. 金子熊夫

    ○金子説明員 確かに、関係官庁でございます科学技術庁あるいは運輸省当局からの御依頼によりまして、かつて諸外国におきます原子力船の開発の現状等につきまして外交ルートを通じて調査したことはございます。
  95. 日野市朗

    ○日野委員 そうすると、現在外務省においては、この原子力船が運航するについて生ずる特殊の問題についての検討は一切なさったことはないというふうに伺うわけでありますが、それについて若干の国際的な条約がございますが、これについても、-その批准等の問題について検討もなさったことはない……。
  96. 金子熊夫

    ○金子説明員 確かに、先生ただいま御指摘のございました海上人命安全条約、SOLAS条約と申しておりますが、一九七四年に採択された条約でございまして、この採択会議には日本政府は出ております。  それからまた、この条約はさきの国会で御承認いただきまして、本年五月、発効と同時に日本はこれを受諾しております。したがいまして、この条約との関係におきまして、一般的な形で原子力船の外国の港における入港問題について検討というか、勉強をしたことはございます。  すなわち、この海上人命安全条約によりますと、その第八章におきまして、原子力船が外国の港に入港をいたします場合には、受け入れ国に対しまして、当該原子力船の安全説明書をあらかじめ提出すること、あるいはまた原子炉施設の安全な操作等のために、主管庁の承認する操作手引書を船内に備えることというようなことがこの条約に書かれておりまして、こういったことを私どもも承知いたしております。
  97. 日野市朗

    ○日野委員 そうすると、これは従来のオット・ハーン号とかサバンナ号という原子力船ですが、それが外国に入港をするというような場合は二国間で取り決めを結びまして、そしてその中にかなり多方面からの取り決めを盛り込むのが常でありますが、そういう状況に対応するだけの外務省には準備はないというふうに伺ってよろしゅうございますね。
  98. 金子熊夫

    ○金子説明員 ただいま先生御指摘ございましたとおり、外国の例で申しますと、確かにドイツのオット・ハーンというような場合でございますと、たとえばドイツとしても、先ほど申しましたとおり、各国の事例を調査いたしましたときにわかったのでございますが、ドイツとリベリアの間でオット・ハーンの入港について特別の協定をした例がございます。  それによりますと、たとえばリベリア領海あるいは港に立ち入る場合には、事前にリベリア政府の承認を要するとか、いろいろ具体的なことは海上人命安全条約第八章の規定に従うとかいうようなことがございます。  でございますが、先ほど申しましたとおり「むつ」との関係におきましては、具体的な形でこれまで国内関係官庁より検討を依頼されたことはございませんで、したがいまして、一般的な形で以外には、御指摘のとおり外務省としては検討したことはございませんし、またこれを行う態勢にもございません。これは具体的な事例が生じた場合、必要が生じた場合に関係各省と協議いたしまして、すべきことと心得ております。
  99. 日野市朗

    ○日野委員 外務省に対する質問は終わります。ありがとうございました。いかがですか、大臣、一生懸命「むつ」をつくって、どんどん航海をさしてということを言っても、現状は大体外国の港に入れる準備さえできてないのですよ。これは一つの大きな手抜かりであったというよりは、そういったところにすら、当然考えておくべきことですよ、いままで考慮を払っていたことはないという事実がここで明らかになっているのですが、こういう事態をごらんになって、大臣、どのような感想をお持ちになります。
  100. 中川一郎

    ○中川国務大臣 原子力船が実用化されるまでにはまだ相当先のことでありましょうし、まだまだ研究段階でございますから、頭の中にはもちろん入れておかなければなりませんけれども、いま直ちにそれがどうこうであるから原子力船「むつ」の開発は、ということにはならぬのではないか。せっかくの御指摘でもございますから、外交問題はやはり頭に置いて、外務省等とも今後寄り寄り相談していきたいと存じます。
  101. 日野市朗

    ○日野委員 「むつ」は、現にもう一度は外国に出ようとさえしたのでございまして、ストリーミングなんか起こさなければ、どんどん外国にまで就航させようというふうなことだったわけでございますね。私は、こういうのを見ておりまして、これは手抜かりがあったとかなんとかじゃなくて、かなり投げやりに、いいかげんに扱われてきたという「むつ」の宿命のようなものを感じざるを得ないのですよ。ついている、ついていないなんと言うと、言葉としては非常に世俗的な意味しか持たないわけですが、私は、一本当にこの「むつ」というのはついていない船なんで、まず第一歩からやり直すべきだ、こういうふうに思うのですが、私の感想を述べまして、午前の部の質問はこの程度で終わります。あとはまた午後からゆっくり時間をとりまして……。
  102. 中村弘海

    ○中村委員長 草野威君。
  103. 草野威

    ○草野委員 先週に引き続きまして、原子力船「むつ」の問題について若干お伺いしたいと思います。  先週の質疑の中で、「むつ」の定係港の問題につきまして現在まで六十数カ所の候補地を検討した、さらにそれを五つほどにしぼって検討をしたけれども、その結果としてやはり大湊港が、他の候補地に比較した場合、最も適地である、こういうような御答弁をいただいたわけでございます。  そこで、先日の総理が出席されましての当委員会での質疑の中で、鈴木総理は、大湊の場合、若干法的な手続に問題は残っているけれども、実質的には母港として撤去をされた、このように考えているというような御答弁をいただいたわけでございます。  そこで、まず一番初めお伺いしたいことは、法的手続に若干問題は残している、これは一体どういうことか、伺いたいと思います。法律的に若干の問題を残しているということは、大湊港が定係港として法的にはまだ残っているのか、それとも法的にも完全に撤去された、このように考えるのか。どちらでしょうか。
  104. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 規制法上、定係港という言葉はないわけでございますが、陸上付帯設備と申しますか、これは現在大湊に存在しております。ただし、一部を削除する申請を認めておりますので、炉の方の冷態停止状態を前提にいたしました範囲での陸上設備が規制法上残っております。
  105. 草野威

    ○草野委員 では、「むつ」の母港としては、法的には半分撤去されて、半分残っている、半分だけ「むつ」の母港として残っているのだ、こういうような解釈でございますか。
  106. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 冷態停止状態を前提にいたしました部分的なものが残っております。
  107. 草野威

    ○草野委員 では、そういうことを前提にして質疑を進めたいと思いますが、地元の青森県知事等の談話を新聞等で読んでみますと、母港としては事実上は撤去されていない、こういうような発言がございます。そして、またさらに地元の意見として、「むつ」の安全性というものが確認されなければ、絶対にこれは拒否せざるを得ない、こういうような発言もあるようでございます。  そこで、この「むつ」の安全性という問題です。安全性を地元の方々に確認をしていただく、これは具体的にはどのようなことをすることをいま検討されておりますか、「むつ」の安全性につき  まして。  その問題が一つと、それから長官にあわせてお伺いしたいのですが、一先ほどの第点の方の問題ですけれども、地元の知事さん等は、「むつ」の母港撤去に対しまして、事実上は撤去されていない、このように新聞等でも報道されておりますが、この二点につきましてひとつお答えをいただきたいと思います。
  108. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 まず安全性の問題でございます川が、せんだっての中川大臣と北村青森県知事との会談の際に、北村知事さんから、何よりも安全性の確認が重要である、どんな手順で具体的に安全性を確かめられるのか、その辺を検討してもらいたいという御要望がございました。  確かに、私どもといたしましても「むつ」を受け入れていただくという大前提といたしまして、安全性について地元の方々に御納得願うのが必要不可欠であると考えております。もちろん、「むつ」の経験を踏まえまして、原子力行政全体の見直しということまで発展したわけでございまして、現在の原子力行政は安全性について、特に規制当局の強化ということによりまして安全性を担保しているわけでございますが、そういうことも背景にいたしまして、その後の「むつ」の改修あるいは総点検の内容を十分まず御説明いたしまして、安全性確保に対する私どものその後の努力をまず御認識願うのが前提かと考えております。  しかしながら、言葉は悪いのですが、前の経験からいたしまして、それだけではなかなか十分納得が得られないという御意見でもございますので、何かもう少し具体的にわかりやすい安全性の説明なりあるいは納得いただく手段というものが考えられないかということでございまして、現在、事務レベルでいろいろ案を出し合って相談させていただいているのが現状でございます。
  109. 中川一郎

    ○中川国務大臣 知事さんのみならず、市長あるいは漁業団体の代表の方々との話し合いでは、四者協定については私の方からへ守れなかった点について遺憾である、申しわけない、こういうことで触れてございまして、撤去の問題がどう理解されてどうするかということについては、話し合いをしておりません。しかし、今後話し合いが進むならば、四者協定の扱い、一見解、どう処理するということについては、当然また話し合わなければなりませんが、まだその段階にも至っていない。何とか話し合いができるようにしたいと思って努力しておるところでございます。
  110. 草野威

    ○草野委員 では、その安全性という問題でございますけれども、前回は出力上昇試験の失敗によってこのような事態を迎えたわけでございますけれども、今度この出力上昇テスト、これにつきましてい前回まだ一・数%の実験しか行われていないわけでございますけれどもへごの実験をやはり洋上で行わなければならない、こういうことにこれから先なるのか、またそれとも、やはりテストはどうしても新しい定係港の港の中で行わなければならないのか、どちらでしょうか。
  111. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 出力上昇試験につきましての具体的な御質問でございますが、一般論といたしまして、出力上昇試験を行います場合に、低出力運転約二〇%程度までにつきましては岸壁で行う方が技術的には好ましいという一般論はございます。しかし、従来の経緯も踏まえまして、地元とのいろいろなお話し合いの中でそれをどう決めていくかということにつきましては、私ども懸案事項であると考えておりまして、十分御相談の上決めていきたいというのが基本的な考え方でございます。
  112. 草野威

    ○草野委員 そういたしますと、いろいろな問題が想定されるわけでございますが、一つ伺っておきたいことは、もし大湊港以外でこのようなテストをするということになった場合に、当然新しい陸上施設等の建設も行わなければならないわけでございますが、そういう場合の新しい陸上施設につきまして、その工期だとかまたその建設費だとか、そういうものはいまからどのようにお考えになっていますか。
  113. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 新たな定係港の建設に当たりましては、その地点の港湾の整備状況等との関連がございまして、港湾整備等から始めることになりますと、相当の年月を要するかと存じます。一いまの「むつ」の着きます岸壁、それからさらに施設といたしましては、燃料交換の関連の施設、また廃棄物処理の施設等がございますので、これらにつき新しいところにつくるということになりますと、定係港といたしましてその環境調査等から含めますと、その地点の状況にもよりますが、数年間はかかるのではなかろうかと存じます。数年と申しますとあれでございますが、やはり三年ないし六年ぐらいはかかるのではなかろうかと思います。
  114. 草野威

    ○草野委員 いまのお答えでもわかりますように、三年から六年かかるとか、また建設費の方は全然お話がございませんでしたけれども、ともかく原子力事業団は、新定係港につきましては、もう大湊以外に何にも考えていないということがその言葉でもはっきりするわけですね。来年の十月には「むつ」は佐世保で一応完成することになっております。来年度の予算の中で当然考えなければならない問題につきましても、そのような非常にはっきりしないお答えでございますので、事業団としても他の港については一切考えていない、大湊港に全部しぼっておる、こういうことがはっきりするわけでございます。  その是非はともかくとしまして、大湊港に仮定をした場合、現在の大湊の原子炉の付帯施設は、昭和四十六年に完成されましてそのままになっておりますが、その間安全基準はいろいろと改正されております。原子力委員会では、五十三年の耐震設計審査指針とかまた五十五年の核燃料棒安全審査基本方針、こういうものを定めております。したがいまして、大湊では、現在の施設ではこの安全基準には合わないことは当然でございますので、改造しなければならない。  改造ということになりますと、現在の大湊の陸上施設の改修計画、いろいろあると思いますが、この改修計画につきましてお答えをいただきたいと思います。  まず一点は、工期、期間はどのくらいかかるかということ、それから工事が終わりまして使用開始の時期をいつごろとされておられるか、それから建設費の総額はどのくらいになつ七おりますか。
  115. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 現在、大湊につきましては、政府の方から地元に対しまして、母港の問題について検討をお願いしておられる段階でございます。私どもといたしましては、現在あります施設につきまして、地元の方の御了解が得られました時点におきまして現在の施設の見直し、総点検をやりまして、工事にどの程度の時間がかかるかという点につきまして具体的な検討を進めてまいりたいと思いますが、先ほどお話がございましたように、燃料プール等につきましては現在設置許可から外れておりますので、これらについては、もし仮に地元の御了承が得られれば新たに改修をしなければならないということになると思います。また、それ以外の施設につきましては、このプールの建設を行りております段階で点検“改修等ができるであろうと存じますが、工期、経費等につきましては、その具体的な検討をまだ行っておりませんので、現在、どの程度かかるかということについてはまだわかっておりません。が、当然のことながら、新しいところにつくるよりははるかに安く上がるであろうということは申ぜると存じます。
  116. 草野威

    ○草野委員 政府に伺いますが、来年の十月にはもう「むつ」は佐世保で完成することになっているわけでしょう。あと一年後ですよ。だから、大湊と仮定した場合には、陸上施設の安全審査基準に合った内容でこれから大改修工事が始まるわけでしょう。その工期はどのくらいかかるのですかと聞いておるのです。  そしてさらに、そこが使用可能になるのはいつごろになるのでしょうか。建設費というのは、総額で一体どのくらいを考えておられるのか。  これは全然夢みたいな話を伺っているのじゃないのですよ。もう来年の十月になったら、「むつ」は佐世保から出ていくということになっておるわけでしょう。私は、それを前提として伺っておるのですよ。いまの事業団の話は、全然やみくもの話ばかりでしょう。全然具体的なお答えをいただけない。こんなことではどうするのです。
  117. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 大湊で定係港を引き受けていただいたという仮定のことでお話しさせていただきたいわけでございます。  私どもの一応持っておりますスケジュールといたしましては、佐世保におきます工事の終了後速やかに、新定係港と申しますか大湊港に回航をいたしまして、出力上昇試験の準備、すなわちプラントの機能試験等を行いつつ、定係港施設が整うのを待ちまして、一方定係港施設についての所要の整備を進めまして、それが完了した段階で出力上昇試験を開始するというのが一つのスケジュールでございます。  それでは、定係港施設の改修にどのくらいかかるのかという次の御質問でございますが、この点、明らかに法律上廃止してございます燃料交換施設等、これは改修と申しますより新設になるわけでございますが、その他の施設についてどの程度活用できるのかということにつきまして現在検討を進めている段階でございまして、この辺の見通しがまだ結論を得ておりませんので、事業団としてもなかなか期限あるいは金額について申し上げにくいという事情を説明したわけでございます。  一応スケジュールといたしましては、そういうふうに考えているということで御了解賜りたいと存じます。
  118. 草野威

    ○草野委員 それでは、来年度新定係港に関しまして六十億円の予算が要望されておりますけれども、この六十億円の使い道ですが、これは新定係港のどういうような問題について考えておられますか。
  119. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 お答え申し上げます。  五十六年、五十七年度の二カ年間にわたる債務負担行為といたしまして、来年度六十億円を要求してございます。これは、もし地元の御了解が得られた場合には大湊港の燃料交換施設の改修に充てる考えでございますが、もしそうでない場合には、まずほかの使途、すなわち岸壁工事等に充当することになるであろうというふうに考えております。
  120. 草野威

    ○草野委員 工期等につきましては具体的なお答えをいただけないのではっきりしないわけでございますけれども、先ほども御答弁ございましたように、これからの、法律改正後の事業団の大きな柱が二つあるということで、一つは、現在の実験船としての「むつ」の開発業務、そしてまた舶用炉の研究、こういうようなお話があったわけでございます。二本の柱の一つの舶用炉の研究開発という問題につきまして何点か伺いたいと思います。  舶用炉の問題につきましては、「改良舶用炉プラントの研究開発計画」、これによりますと、一番目に「設計評価研究」、二番目に「解析研究」、三番目に「実験研究」、四番目に「情報収集等」、こういうふうになっております。この計画は、五十六年度から始まりまして六十年度までずっと出ておるようでございますが、新しい研究機関に移行する五十九年度末、これまでに二十八億三千五百万、それから六十年度末まで全部入れますと三十八億九千五百万、こういうような中身のようでございます。  私も技術的には全く素人でございますので、この中身について云々申し上げるわけじゃございませんが、ただ、この計画を拝見いたしまして一つ、二つお伺いしたいことは、まず第一は、現在の事業団の総人員が百四十名である。このうち研究に携わる技術者や科学者の方々は、人数が非常に少ないように伺っております。先ほども、新たに研究員九名という体制でこの計画に取り組むというお話がございました。私は、このようなお話を伺いまして、果たしてこの程度の研究陣の体制で舶用炉のこれからの研究開発計画がどこまで進むのか、非常にさびしい気がしてならないわけでございます。この研究体制につきましてもう少し具体的なお話を承りたいと思います。これが一つ。  それからもう一つは、前回の委員会でも御答弁いただきましたけれども、この舶用炉の研究につきまして新しく研究所をお建てになる、そういう計画がおありになるというお話を承ったわけでございますが、その研究所はこの計画の中で建設されるのかどうか、こういうことにつきましてお伺いをいたしたいと思います。
  121. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 私ども事業団が研究開発機関に移行いたしますれば、ただいま先生のお話のございましたようなスケジュールにのっとって今後の研究開発を進めてまいりたいと存じておるわけでございます。  この体制につきましては、現在私どもの持っております研究陣容をできるだけ活用しながら当然進めていくわけでございますが、来年度におきましては九名程度の体制でいこうと思っております。遮蔽改修工事、また総点検関係の工事が逐次進捗してまいりますと、これらの力も若干は活用し得るのではなかろうかと思っておりますが、私どもといたしましては、できる限り事業団の陣容に加えて外部の力をかりながら進めていきたい、こう思っております。また、その研究の進捗に応じて逐次その体制は整えてまいりたい、かように考えております。  また、次に舶用炉関係の研究所でございますが、これにつきましては、先生がお話しになりましたスケジュール、この設計研究あるいは解析研究、実験研究、情報収集等の段階におきましては、これは特に新しい研究所を設けていかなければならないというものは、ここでは、この時点までには出てこないのではなかろうか。その以降の解析研究に続きまして、いよいよ実験研究等が始まってまいりますと実験設備等を持っていかなければならなくなってまいりますので、その段階においては新しい研究施設を設けていきたい、かように考えておるわけでございます。
  122. 草野威

    ○草野委員 この問題につきましては、また後から触れさせていただきます。長官に伺いたいのですが、ひとつずばりお答えいただきたいと思うのです。新定係港の決定のめどはいつごろに置かれておりますか。
  123. 中川一郎

    ○中川国務大臣 残念ながらめどは立ちませんで、私どもとしては、もう早急にということでお願いしている段階でございまして、一日も早くめどがつけられればと念願はいたしておりますが、残念ながらめどはついておりません。
  124. 草野威

    ○草野委員 来年十月までに佐世保で修理が完了する。その時点においてもまだめどは立てることはできませんか。
  125. 中川一郎

    ○中川国務大臣 どんなことがあっても、むつにお願いする、大湊にお願いする、あるいはどういうことになっていくか、最小限来年の十月、佐世保から出なければならない時期までには決定をいたしたい、こう思っております。
  126. 草野威

    ○草野委員 では、今度はもう一本の柱の「むつ」の方の実験計画について伺いたいのです。  これから法改正を行われまして、五十九年度末、新しい原子力機関に一本になるわけでございますけれども、それまでの「むつ」の実験計画、どのような計画を立てておられますか。
  127. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 「むつ」につきましては、現在の遮蔽改修工事、それから総点検関係の工事が終わりました時点で、これについての機能の確認試験というものをやることにいたしております。この工事自身がうまくいったかどうかということにつきましては、冷態状態での総合試験をやるわけでございますが、それに引き続いて、今度は、原子炉の運転状態と申しますか、温度、圧力等につきましては、原子炉を運転状態にした形での総合機能試験、原子炉は原子燃料でこれを動かすということでなくいたしまして、電気ヒーターあるいはポンプ加熱というようなことによりまして、温度、圧力を上げた状態での総合機能試験を行ってまいりたい。  それで、この総合機能試験が終わりました時点でまず臨界状態へ持っていく試験、それから出力上昇試験に入りまして、まず最初の段階では大体五%程度まで、そこの段階で一応データの確認を行い、その解析を行いまして、その次には、これを二〇%まで上げる自信があれば上げて、二〇%程度の試験をやる。さらに、その時点で解析等を行った結果その次の段階へ、四〇%、五〇%までに上げていく。またさらに、そこで確認をし、あと七〇%、さらには全出力での出力上昇試験を行う。ここで一〇〇%像でいきますれば、この時点で一応公試運転が終わるということになりまして、原子力船としての安全証書がいただけるわけでございますので、これをいただきましたらいよいよ実験航海というところへ乗り出していく、こういうスケジュールでございます。  各段階の出力上昇試験におきましては、それぞれ具体的にどの段階でどのような試験をするかということについては、前回も計画をいたしておりまして、これを今後さらにまた再度検討をして、今後の具体的な出力上昇試験のスケジュールを立てていきたい、かように考えております。
  128. 草野威

    ○草野委員 そういう一連のスケジュールをこれからこなしていかなければならぬわけでございますけれども、陸上施設の改修にしましても、また、新しい定係港云々の問題にいたしましてもそうでございますが、ともかくこれからある程度の期間がかかるわけですね。それが二年になるか三年になるかわかりません。また、この出力上昇テストにいたしましても、恐らく数回はやらなければならない。これもやはりある程度の日数がかかるわけでございます。さらにまた、いろいろな安全テストを行わなければならない。そして実験航海をやるということになると、これも二年ということを言われておるわけでございますが、こういう調子でいくと、その新しい機関に一緒になるあれが五十九年度末ということになっているわけですね。その五十九年度末には一体どんな姿になって新しい研究機関に引き継がれるのか、ここら辺のところが非常にわからぬわけですよ。幾ら計画の中でこういう計画が出ておっても、われわれには実際には一体どうなるんだろう、全然――また、それは六十年になったらなってのことだ、そういうことですか。
  129. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 私どもといたしましては、出力上昇試験を終えて船舶安全証書をもらい、一人前の原子力船となって実験航海に出ていくということで、でき得れば、そういう実験航海の実施に入った時点で、これをいわゆる統合先に統合できれば幸いだと思っております。とにかく一人前の原子力船として実験を行えるような状態で引き継ぎたい、このように思っております。
  130. 草野威

    ○草野委員 その気持ちはわかりますけれども、実際問題としてそういうことは非常にむずかしいわけです。だから、やはりこういうような、国民の目から見ますと、いまの原子力船の開発という問題が非常に場当たり的に行われている、このように言われてもやむを得ないのじゃないかという点が多々あるような気がするのです。したがって、現実の問題の解決、これは重要なことはわかりますけれども、もう少し確固たる見通しに立ってこれからもひとつ進めていただきたい、このように考えます。  時間がありませんので次へ移りますけれども、大湊の再母港化の問題につきまして、当初は非常に地元は積極的に受け入れておりました。本年に入ってからも、地元のある新聞社の調査によりますと、「むつ」の受け入れについて賛成が三七%、反対が一三%、「わからない」が四八%ということで、受け入れ賛成派の方が非常に多かった。それが、最近になってから漁連の反対決議、また、県知事もむつの市長も反対の意向を表明している。一体、これはどうしてこういうふうに急に変わってきたのか。この経緯について簡単に説明してください。
  131. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 青森県知事は、中川大臣からの、再び「むつ」の母港として使いたいので検討していただけないかという御要請に対しまして、大臣のお考えはよく理解できるが、知事ひとりで返事ができることでもないので、他の当事者や県民世論を見きわめた上で御返事したいというお話でございました。今日までのところ、反対であるという御意向のようには伺っていないわけでございます。また、むつ市長につきましても、同じ態度をとっておられるというふうに私ども了解をしているところでございます。ただ、先生御指摘のように、漁民の方々が、本件については反対であるという非常にはっきりした態度を表明しておられるという点は、私どももよく理解しているところでございまして、非常に頭を悩ましているというのが現状でございます。
  132. 草野威

    ○草野委員 漁民の方々の中にそういう意見があるというのは、やはり政府とか事業団が地元民に対する約束をきちっと守らないとか、それから、地元の人たちの中にある不信感、こういうものが出てきているのじゃないかと思うのですね。  時間がありませんから、ひとっこれも簡単にお答えいただきたいと思います。  一つは、四者協定で地元対策についていろいろと約束をされました。むつ市内の関連公共施設整備だとか、漁業の振興対策、「むつ」の安全監視体制、こういうものがありました。  その中で一つ、道路整備の問題ですが、田名部と大湊間につきまして速やかに着手をする、このようになっているようでございますが、この点はいまどういう状況になっていますか。
  133. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 道路整備につきましては、むつ―川内バイパス約三千メーター、総工費約十七億円の建設計画がございます。四者協定の約束でございます昭和五十年度から着工されたわけでございます。五十年度以降五十五年度までの予算で累計約六億円計上されておりまして、残りは五十六年度以降の予算措置が必要とされているという状況でございます。  なお、用地の買収につきましては、本年度でほぼ完了するということでございますし、工事も約千五百メーターほどの整備が進んでいるという状況であると承知をしております。  また道路整備計画には、むつ-川内バイパスのほかに、このバイパスに付属いたします街路整備の計画、全長七百十五メーター、総工費約四億円の計画がございますが、これもほぼ半ばまで予算措置もされているということだそうでございます。  これらの道路整備につきましては、財政上の理由から計画が若干おくれているということでございますが、引き続き早期完成を図ることとしておりまして、所管官庁でございます建設省において鋭意努力が進められているという状況でございます。
  134. 草野威

    ○草野委員 少しおくれているのじゃなくて、大分おくれておるようなんですね。こういうことは、地元の方々からかなり強く言われているにもかかわらず、こういう状態ではならぬと私は思います。  いまの数字を挙げての御説明ですけれども、正しく言いますと、こういうことなんです。田名部―大湊間三千七百四十メートル、完成したのはわずか八百メートルしかない。だから進捗率は二一・四%しかない。五十六年度の計画ではさらに三百五十メートルの計画しかない。したがって五十六年度末でも千百五十メートル、三分の一なんです。これはけさ、私のところへ連絡いただいたことですから間違いない数字だと思いますけれども、あれから五年たってもこのようにおくれているというのです。  やはりここら辺のところは、ひとつ大臣、お願いします。これは建設省の方にもぜひとも督励をしていただいて、こういう約束の一つ一つを守っていかなければ、地元民の不信も解消しないのではないかと思いますので、これはひとつぜひとも促進方をお願いしたいと思います。  それから、前回も何回もこの質疑は出ておりますけれども、幾つかの問題がございました。たとえば放射性廃棄物を二百七十トン捨てたという問題です。これも厳重注意ということで済まされているようでございますけれども、実際には、たとえ真水のようであっても原子炉等規制法に違反していることは間違いないわけでしょう。余りにも簡単にこういうことを片づけているのではないか。やはりこういうことも大きな問題点ではないかと私は思います。  さらにまた、予備の核燃料の問題にいたしましても、確かに県当局も知っているということでありますけれども、やはり環境協定によって年二回報告するということが義務づけられているわけです。それを報告を怠ったわけでしょう。もし報告をしているのならしているように、ちゃんとおっしゃってください。わずかなことかもしれませんけれども、こういうことが地元民にどれほどまた不信感を植えつけているかわからないと思うのです。この問題につきまして、二度とこういうことは繰り返さないと思いますけれども、一体どんなふうに考えているか、ひとつ伺いたいと思います。  最後に、長官に伺いたいのですが、先ほどから舶用炉のこれからの研究開発の計画を聞きました。私はこれを聞きまして、正直言って、こんなものでどうかな、そういうような不安を感じております。また、「むつ」の実験船としてのこれからの開発にしても、事業団の方のお話を伺っていても、何だ、これじゃこれから五年間かかって一体どこまでできるのだろう、全く進まないのじゃないか、こういうようなことを私は事実として受けとめざるを得ないわけでございます。  そういうことをあれやこれや考えてみますと、わが国の原子力船の実用化というこれからの壮大な計画に対しまして、一体いつになったらこの実用化の時代が実現するのか、非常に不安である。確かにこういう政府からいただいたものを読みますと、二十一世紀云々ということが書いてありますけれども、二十一世紀を目指して果たしてこんなような研究開発の状況で、しかもまた、先ほど私があえて言いましたけれども、場当たり的な行政とか、また住民に対するこういう非常にずさんなやり方ですね、こういうことから考えて、私は非常に大きな不安を持っております。  原子力の開発につきまして一番大事なことは国民の理解を求めることである、このように政府は常々おっしゃっておりますけれども、こんなことで果たして国民の原子力開発に対する真の理解を求めることができるかどうか。私は、その根本的な問題において一つ大きな間違いを犯しているのではないか、こんなような気がしてならないわけでございますので、そういうことを含めまして、政府並びに長官のお考えを伺いまして、私の質問を終わりにさせてもらいたいと思います。
  135. 野村一彦

    ○野村参考人 当事者事業団としてお答えいたします。  まず、先生の御指摘になりました予備燃料の保管の問題でございますが、これにつきましては、地元とのお約束をした所定の場所に保管をしておって、年報に掲載をしておったということはそのとおりでございますが、その間、年報に必ずしも記載していなかったという年度も二カ年度ほどありまして、私どもとしては万全ではなかったというふうに考えております。  それから、廃液の処理問題でございますが、これも御指摘のように、やはり慎重な措置を欠いたものであるというふうに考えます。これは先般お役所の方から厳重なお達しがございましたので、私どもは、そのお役所の御指示を踏まえて、今後このようなことがないように努力をしていきたい、かように考えております。
  136. 中川一郎

    ○中川国務大臣 原子力行政を進めていく上において大事なことは、一つは、原子力の必要性を国民に認識してもらうこと、二つ目は、安全性について理解をいただくこと、こういうことになろうと存じます。  必要性については、昨今の国際情勢あるいは昨今のエネルギー情勢からいって、遠い将来はともかくとして、中長期的にはやはり原子力以外ないという認識は、かなり国民の間にも幅広く理解をいただいておるのではないか、こう思っております。  ただ、安全性については、わが国は原子爆弾をこうむったという特別な国民感情もありまして、なかなか理解しにくいところがあることは否めない事実でございます。こういう点から、「むつ」の過去あるいは将来においても厳しく、見通しがないと言われる原因もこの辺にあるのではないか、このために、安全性については行政上改めるところは改めるということで、例のダブルチェックの問題や、あるいはスリーマイルアイランドの経験にかんがみて、五十二項目から成る検討事項を取り入れる等最善の努力を尽くしておるところであり、また国民の皆様にも理解をしていただくように、いろいろのPRあるいは地元に対する理解を求める働きかけ等をやっており、一昨日になりますか、「原子力の日」というものも活用するなど、最善の努力はいたしております。  さらに、もう一つ大事なことは、やはり地元の、先ほど道路の話もありましたが、地域開発ということについて電源三法の活用を図る、あるいはそれ以外にもできるだけの措置を講じ、来年度は原子力発電の町村、隣接町村には電源特会でいろいろと措置を講ずる等、こういった総合的なことを強力に進めまして、改めるべきは改め、-さらに決意を新たにしてこの原子力行政というものを進めてまいりたい、こう思っております。
  137. 草野威

    ○草野委員 私の持ち時間が来ましたので、これで終わりにいたします。
  138. 中村弘海

    ○中村委員長 吉浦忠治君。
  139. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 持ち時間が十分ぐらいしかないようでございますので、関連の大事な点だけを質問いたしたいと思います。  原子力船の研究開発というものは、わが国では当然これからも進めなければならないと考えているわけでありますが、「むつ」の開発が余りにもおくれて、しかもいろいろ問題がありますので、もう大臣、この辺で「むつ」の問題はす。はっとあきらめて、そして新たな研究開発に着手した方がいいのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、政府の明快な御見解をお尋ねいたします。
  140. 中川一郎

    ○中川国務大臣 親切なあるいは前向きな気持ちで御提案をいただくことに対しては感謝いたしますが、わが国が原子力行政、わけても舶用炉の研究がおくれている、こういう事態を踏まえますときに、いまここまでせっかく、紆余曲折、御協力いただいた方もずいぶんあるわけでございまして、ここであきらめるのではなくて、過去の行きがかりに反省を加えて、新たな気持ちで、何としてもこれをりっぱに研究開発船として海の上を航海実験ができるようにいたしたいと思ってがんばりますので、どうぞ御理解願います。
  141. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 大臣、いま外国ではだんだん――「むつ」を最初予定したときの見通しですね、今日の姿は恐らく世界じゅうに原子力船が相当走るであろうというふうに想定されたと思うのです。ところが、新たな原子力船の建造というのは世界で余りその例を見ないように、その建造の必要性がないような受け取り方を私どもはいたしております。これは必要性が乏しいからじゃないかというふうに考えておりますけれども、この点いかがでしょうか。
  142. 中川一郎

    ○中川国務大臣 「むつ」の開発に手をつけたころは、まだこんなにエネルギーの厳しい情勢ではなかった。ない時代ではあるが、将来に備えてということでわが国も手をつけたし、諸外国でもそういった方向で進んできた。ところが、やはり経済性においてまだ実用化としては困難であるという・か、なじまないということで若干停滞ぎみではありますが、「むつ」の開発に手をつけたときとは変わって、エネルギー事情については長期的に非常に不安であるというところからいけば、長期的に見るならば、やはりそういう時代を想定しておかなければいかぬということで、諸外国で実験をいたして、やろうと思えばやれる体制になっておるわけですから、わが国もそういう事態に、やはりやればやれるんだということをきちっとしておく必要があるだろう、こう思いまして、事情が変わったからやめるというんじゃなくて、むしろ「むつ」に手をつけたとき以上に研究開発はやって、一朝有事といいますか、厳しい情勢に対処しておく、備えておく、こういう姿勢は必要じゃないか、こう思います。
  143. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 時間がありませんので、ぜひともお尋ねしておきたいと思うことを、一点だけでは足りませんが、お尋ねをしておきます。  「原子力船研究開発専門部会報告書」というのが昭和五十四年十二月二十日に出されておりますが、この「原子力商船実用化の見通し」の「経済的側面」という点でこういうことが書いてございます。  「原子力船の在来船に対する相対的な経済性は、船種や運航形態、航路によって変動するが、最も決定的な要因となるのは舶用燃料油価格であり、舶用燃料油の実質価格が現在の価格の一・五倍程度にまで上昇すれば七万馬力程度以上、三倍程度にまで上昇すれば三万馬力程度以上の出力の領域において原子力船の方が在来船に比べて経済的に有利になる可能性が強いとしている。」こういうふうにございますが、その前提となる条件や根拠について明快な資料をお出し願いたいのです。いかがでしょうか。
  144. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 提出させていただきます。
  145. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 政府の考えでは、大湊港に再母港化の要請をしておりますけれども、漁業の面からいっても大湊は適当でないといろいろ意見がございました。こういう点で、漁業の面だけでも大湊が不適当である、こういうふうに言われておりますけれども、結論的に大臣、一言で結構でございますので、予鈴のベルも鳴っておりますので明快に。
  146. 中川一郎

    ○中川国務大臣 母港としての条件としてはいろいろあるわけでございますが、むつは湾内であるということ等から最適であったから誘致運動もありましたけれども、あそこに踏み切って今日に至っておるわけでございます。ただ、現在となりますと、あそこが大変な栽培漁業基地となっておりますから、そういう点では非常に問題がある。地元の皆さんからもいろいろ言われましたが、要は栽培漁業地帯である、われわれの大事な生活の場だ、ここはだれにも侵されたくない、こういうことがもう中心でございまして、この点は私どもも理解できるところでございます。  ただ、理解はできますけれども、私たちの立場からいくならば、いかに漁場があっても、絶対今度は安全、前回も御迷惑はかけておりますけれども、栽培漁業に影響を与えたわけではありませんが、絶対与えない、前のような事故も起こさないようにしてまいりますし、万々事故があった場合には政府が責任を持って措置をいたします、だからどうかもう一回考えてください、こういうことでボールを投げ返してある。いまのところは漁業基地として大事な点だけ、いまもという話がありましたけれども、この点だけが一点、いま話し合いの煮詰まらない大事なポイントになっておる、この辺の話し合いをぜひとも煮詰めて何とか理解、協力を得たい、こう思っておるところでございます。
  147. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 しっかりお願いをいたしまして、終わらしていただきます。ありがとうございました。
  148. 中村弘海

    ○中村委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時五十三分休憩      ――――◇―――――     午後一時二十九分開議
  149. 中村弘海

    ○中村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。小渕正義君。
  150. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 原子力船「むつ」問題に対しましては、前回も鈴木総理にお尋ねいたしまして、修理期間の厳守、新母港の早期決定、こういう立場で、それなりの見解も表明されたわけでありますが、この「むつ」関係については、あと一、二点お尋ねしたいと思います。  現在、「むつ」の改修工事はたしか一期、二期というふうに分けてやられているのじゃないかと思います。いまきわめて順調に修理、改修工事が進んでいるということでございますが、現在の一期工事は全改修計画の工事の中で何割部分に相当するのか。現在、それぞれ一期、二期というような形で分割してずっと契約をしながら改修工事をやっている、こういうようなお話であったわけでありますが、現在の一期というのは全体改修工事の中で大体何割程度になるのか、それによっておのずからまた果たして期限内に改修工事ができるのかどうかという一つの目安にもなってくるわけでありますが、そういう点で、なぜ一期、二期というふうに分けたのかということとあわせて、分けた場合における全体的な工事の中に占める比率、そういうものはどうなのかということをお尋ねしたいと思います。
  151. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 遮蔽改修工事につきましては、この四月の初めに工事をいたします佐世保重工業との話し合いが決着を見まして、その時点で、残された期間でこの工事を円滑に進めるためにどういう方法をとるべきかということにつきまして、私どもとしては慎重に検討をし、またメーカーとも打ち合わせをいたしまして、その時点で、とにかく早く着工できる方法を何とか考えたいということで、工事の準備につきましても本工事と別の契約をいたしまして、準備工事に早速着手をいたし、準備を進めたわけでございます。  一方、この遮蔽改修の方につきましては、メーカーの方とその工期また工事内容等について検討を進めたわけでございますけれども、何分にも工事が、初めて行うものでございますので、現在あります遮蔽体を取り除いてみませんと、具体的に工事方法等もはっきりしない部分があるというような点がございましたので、とにかく手をつけられるところから、具体的にその工事方法、工期等の決まります部分についてこれを分割して契約することが、工期を守る一つの方法として最も適当であるという結論に達しまして、この時点でまとまりました分を第一期工事ということで、来年の二月末までに大体できる工事につきまして契約を行ったわけでございます。  引き続きまして、それに次いで出てまいります工事分につきまして、現在具体的な工事内容等についてメーカーとまた検討を詰めておるわけでございますが、これにつきましても、特に石川島播磨重工業さんにもお願いをしております二次遮蔽、格納容器の上の方の遮蔽体の分につきましては、まだ取り外し工事が始まったばかりでございますので、これを外してみた時点でないとはっきりしない点が若干残っておりますが、それらにつきましては一応おくといたしまして、とにかく第二期工事を始めますのに支障のないと申しますか、材料手配等もございますので、その時期までには第二期契約をどうしても結ばなければいけないということで、その時点が大体十一月末ごろでございますので、それまでにまとまる分についてとにかく二期工事として契約を進めたいということで、現在鋭意折衝をいたしておるところでございます。  また、全体の計画につきましては、一応私どもが五者協定の中でお約束をいたしております三年間の修理が終了した後に「むつ」を新定係港に回航するというお約束を、とにかく何とか守るということで現在努力をしておるわけでございます。
  152. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 初めての改修工事なので、一応実際に分解し、あけてみないと、どういうことになるか見きわめにくいということから、分割という形で一期、二期と分けてやった、要するにこういう説明のようでありますが、しからば、現在の段階では、当初予定しておったものと、いま着手されてからかなりやっているわけでありますが、工事としては、予想外の工事量が新たに出てくるとか、やはりこれは予想しておった程度のものなのかどうか、そこらあたりの、当初計画の中で考えておったものと、現在着手してから実際にわかったものと、そういう意味でのずれはないのか、食い違いはないのかどうか、大体そこらあたりはいかがですか。
  153. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 先ほどの御質問のお答えに漏れておったところでございますので申し上げますが、第一期工事分で契約をいたしましたものと遮蔽体の製作関係を別途それぞれのメーカーに発注をいたしております。これらのものを含めまして現在までに契約済みのものは、一応全体の工事の約五〇%近くになっております。  それから、現在、これらの工事は一応みな順調に進んでおりますが、なお一層これらの工事を早めるという努力をすべく、私ども、石川島播磨さん、または三菱重工業さん等と工期につきましての連絡会を持っておりまして、ここで具体的な工期をできるだけ早く、予定より早く終わるものについてはできるだけ早くやる。早く着手できるものについては、これも早く進める手順に持っていくというようなことで、現在一期工事分についてもその工期短縮の努力を絶えずやっておりますし、また二期工事の契約についてもその辺のところを十分心得、またメーカーと一緒になりこの努力をシフトさしていくということで、現在努力をいたしておるわけでございます。
  154. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 第一期工事の中でも、できるだけ工期が短縮できるものならそれに努力していくということと、第二期契約についても早く着工できるような体制をとりたい、こういうふうな御説明でございますが、私は、現地の方でお聞きしましたところ、要するに工事が順調に進む。ところが、工程表といいますか、そういうものより早く進むと、マスコミが何か盛んに文句を買うそうですね、何でこんななのかということで。進ませても困るしということで、現地ではそういう意味での、ちょっと悩みというか苦労話をしていましたけれども、工事が順調に進むことについてとやかく言われる必要はないと思うのですけれども、そういう点は、現実に実際の現場段階では、何かそういう意味でのマスコミに対する対応で非常に苦労されていることを現地からいろいろ私、聞いております。ですから、少なくともそういうことがあってはならないので、順調に進むものはどんどん進行させていくということで、そういう意味では、私はこの「むつ」問題ではマスコミに何か非常に遠慮しているのじゃないかと思うのです。そういうことが逆にまた次の新たなあれをつくり出していくことにもなりかねないので、そういう意味で、私の聞いたのが、単なる一断面的な、部分的な問題で、問題にするに足らないということであれば結構ですけれども、少なくとも私は、現地の工事関係者の人からそういうことをよく聞きましたものですから、その点だけ一つ申し上げておきたいと思います。  そういう点で、第二次契約については支障なく大体契約を順調に進められて、ずっと工程表の日程の中で消化できる、こういうふうに第二次契約分については見ていいですか。その点いかがですか。
  155. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 第二期契約につきましては、現在の折衝の過程から見まして、十一月末までには大体まとめられるというぐあいに思っております。  また、第二期の工事につきましては、現在、この工事内容等具体的に確定できるものについては、できるだけこの二期工事の中に織り込んで工事が円滑に進むようにしたい、かように考えております。
  156. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 次に、前回もちょっと触れたのですが、要するにわが国の舶用原子炉の唯一の船である「むつ」が、先進諸国、西ドイツとかソ連もですが、アメリカですとか、そういったところと比べて、原子力船についての研究開発について非常に立ちおくれた。「むつ」問題がこういうような形になった結果からですがね。大体予想では、西ドイツその他で公海内における、そういう海上におけるいろいろな条件を想定しての舶用原子炉の状況について、あらゆるデータを大体まとめてしまって、一応終わった、こういう状態を考えますと、日本は十年近くおくれているのじゃないかという説もあるわけであります。今回、「むつ」は一応いま佐世保で改修工事が軌道に乗っておるわけでありますが、一応船が修理完了、母港が決定して順調な、いよいよ研究のそういうスタートに着いたといたしまして、現在そういうドイツにしてもアメリカにしても、大体あらゆる基礎データをつくり上げた状況まで「むつ」を試験船として作業をするのは、これから想定して大体どれくらい必要だというふうに思われておりますか。その点ひとつ的確なところを率直にお尋ねいたしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  157. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 やはり将来の原子力船を目して、舶用炉の開発あるいは原子力船の開発に必要なデータをとる、特にその中で最も重要と考えられますのは、この洋上におきます原子力船としての動揺でありますとか振動でありますとか、あるいは航行中の荒天時における原子炉の挙動の問題等についてのデータ、またそれに基づく経験等がこれは必要になってくるわけでございます。したがいまして、これについては、何と申しましても「むつ」を早く完成をして出力上昇試験を終え、実験航海をやはりやっていくということが非常に必要になってまいります。  これにつきましては、現在私どもといたしましては、実験航海も相当いろいろやりたいということで、やはり「むつ」が完成しましてからそれらのデータをとるために――オット・ハーンあたりは約十年間運航いたしておりますが、その間、初期の時代には実験航海を、一年のうち大半はそれに費やしたということもございますが、寿命といいますか、一応やめる前二、三年の段階では、一年間のうちの八〇%以上は荷物を運んでおりましたけれども、その残りの時点でなおその実験航海ということで、取り残したデータ等もとったりしてデータの積み上げを行っておるというようなところから、私どもも「むつ」が使える限りはこれを使って、将来へのデータをとっていきたい、こういうぐあいに考えておるわけでございます。  また、「むつ」についての活用につきましては、現在、すでにアメリカのサバンナそれからオット・ハーン、自由陣営で二隻動いておりました実験船がすべて一応使命を終わってしまっておるという時点で、現在残っておると申しますか、まだ完成はいたしておりませんが、わが日本のこの原子力船「むつ」が完成いたしますと、唯一の実験船という形になってくるということで、幸か不幸か、現在オット・ハーンもサバンナもいない時点で、これからの実際の実船としてのいろいろな研究開発を「むつ」を完成して行い得るということで、現在ドイツあたりでも、「むつ」を早く完成してこれを使えるようにしてほしいというような希望も出てきておるということでございます。私どもも、こういった期待にこたえるために、何とかして「むつ」を完成させていきたい、かように考えております。
  158. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 「むつ」が修理完了して、いろいろな条件が整備されてから、可能な限り稼働できる範囲では、ずっと航海しながら実験データその他あらゆるそういう基礎データをつくっていきたい、こういうお話であります、が、要するにそういうことからいきますと、一応ドイツにしろアメリカにしろ、そういう形のところに到達するまでのそういった実験データがわが国としてまとまってしまうのは、ざっと考えても大体四、五年先だ、こういうふうに見ていいですね。早くてそれぐらいでしょう。どうなんですか。
  159. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 早くても四、五年はかかるのじゃないかと思います。
  160. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 舶用原子炉ですか、原子力船のそういった位置づけから見まして、現在わが国は非常におくれているわけであります。  そういう点で考えてみましたならば、現在「むつ」自身の舶用原子炉がそういう状態ですね。あと陸上における原子炉関係は、主に軽水炉を中心にして、わが国は、これからも石油代替エネルギーの一つの大きな将来に期待されるものとして、政府も原子力の平和利用ということで、陸上における原子力発電というものについてもかなり力を入れられているわけであります。そういう点で考えてみますならば、現在世界の大勢といいますか、-原子力の平和利用についての世界の大勢では、もう軽水炉、現在いろいろ世界的に使われているこの軽水炉の次の新しい原子炉、たとえば高速増殖炉といいますか、これが一応当面の、軽水炉の次の新しい原子炉と思うのでありますが、それとかガス炉とか、その次は核融合とか、いろいそういう問題が将来にわたって原子力の開発という意味でどこも手をつけられておると思うわけであります。  わが国は、そういう意味では、動燃の中において「もんじゅ」が一つの実験原型炉としてようやく動いてきておるというふうに私は聞いておるわけであります。わが国の原子力平和利用の中での、そういう世界的な趨勢の中で現在取り上げられておるのに常陽とか「もんじゅ」とかいうのがあります。そのほかにも「ふげん」というのが、わが国では実験炉として現在取り組まれております。この技術的な水準というのは、世界の大勢というか流れの中では、まあまあおくれずについていっておる、簡単に、ざっくばらんに言いますとそういうところなのか、やはりわが国は一歩おくれた中でこういう問題にようやく手をつけられたところに来ているのか、そこらあたり当局としてはどのような見解をお持ちなのか、その点をお伺いしたいと思います。
  161. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 お答え申し上げます。先生御指摘のように、軽水炉の分野におきましては、世界第一とは言えませんが、一流の技術レベルに来ているということは言えるかと存じます。  それで、ただいま御質問をいただきました新型転換炉あるいは高速増殖炉、さらには核融合といった、次のあるいは次の次の時代の炉についてどうかというお尋ねでございますが、まず新型転換炉「ふげん」でございますが、これは現在敦賀で原型炉として順調に運転されております。この炉は世界的にも珍しいタイプの炉でございまして、まさに日本独自の転換炉であるというふうに申し上げることができるかと思います。幸い臨界以降非常に順調な成績を示しておりますので、日本特有の新型転換炉として非常に誇ることができると考えているわけでございます。  ただ、高速増殖炉になりますと、実験炉でございます大洗の常陽の運転は非常にうまくいっておりまして、次の原型炉「もんじゅ」をバックアップするための諸データ、諸経験は順調に得られているわけでございますが、この常陽の経験を基礎にいたしまして、全く自主技術で原型炉「もんじゅ」の建設に取りかかろうという段階に来ているわけでございます。敦賀市の白木地区というところに立地を選定いたしまして、地元の了解が得られれば建設に入りたいという段階でございます。  この高速増殖炉につきましては、-世界的にもやや評価が分かれたわけでございますが、アメリカのカーター政策の判断によりまして、米国では現在その開発を一応中断しているというかっこうになっております。ただ、欧州諸国、特にフランスでは非常に力を入れておりまして、すでに原型炉の建設、運転を経験し、その経験をベースに実証炉の建設をいま進めているという段階でございまして、これから原型炉の建設にかかります日本との差が数年あるいは人によっては十年ぐらいというふうに、わが国の開発計画がおくれているということは否めないと考えるわけでございますが、フランス以外にイギリスあるいはドイツ等が原型炉の建設に取りかかったところでもございますので、これからわが国の「もんじゅ」の計画が進められれば、少なくともそのレベルには追いつけるというふうに考えているわけでございます。  さらに、核融合の話になりますが、現在、米国、ソ連、欧州連合及び日本という世界の四カ所で、トカマク型の臨界実験装置という装置を建設中でございまして、日本の場合もそういう意味では世界と肩を並べて開発中でございますが、何分にも多額の資金を要するというような事情もございまして、一、二年のおくれはやむを得ないのかなというのが現在の状況でございますが、こういった点もそんなに大きく水があいたということではございませんで、今後の努力によって十分世界に伍して開発を進めていくことが可能である、このように判断しているところでございます。
  162. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 いまの御説明で理解できますが、要するに「もんじゅ」がいよいよ原型炉としていまから着手しようというところに来ているということですね。フランスではもう原型炉は完成をして、実証炉の段階に入っているということだそうですが、そのほかに、いま言われた新型転換炉と言われている「ふげん」、これが原型炉で現在実験をやられているということがありますが、要するに軽水炉の次の原子力の新しい方向として、高速増殖炉、核融合というふうに行くのか、新型転換炉という中間的なものを通じてわが国の場合は核融合の方向に行くのか。そういった原子力の長期的な視野に立った開発という意味での一つのスケジュールに基づいた開発計画を立てながら、それぞれ一つずつ重点的にそれをどう年次ごとにつぶしていくか。そういう意味での一つの明確な政策というものが現在できておるのかどうか、そこらあたりをあわせてできればお教えいただきたいと思います。
  163. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 わが国にとりまして、軽水炉以降どういう炉を考え、それをねらって開発していくのか、私ども、炉型戦略と言っているわけでございますが、原子力政策の非常に重要な一本の柱であるわけでございます。この辺につきましては、大体五年ごとに原子力委員会が原子力の研究開発長期計画というのを策定いたしまして、その長期計画に沿って開発を進めていくというふうな仕組みになっております。  私どもが現在持っております長期計画は、五十三年に策定されたものでございます。その長期計画に基づきまして、軽水炉、それから高速増殖炉を基本的な路線としながら、もし高速増殖炉の開発がおくれる場合には、その中間的な炉として新型転換炉を位置づける、こういう基本的な考え方をとっているわけでございます。事実、不幸にしてやや高速増殖炉の開発がおくれぎみでございますので、そういう意味では「ふげん」の開発、新型転換炉の開発はそれなりに十分意味があったし、また意味が出てくるであろう、このように考えている次第でございます。  なお、長期計画につきましては、五十三年の策定ではございますけれども、最近のそういう原子力開発に対するいろいろな御要請の変化あるいは国際情勢の変化等も踏まえまして、今後五年を待たずに、できれば来年ごろにでも見直すようにという御意向が原子力委員長からございまして、現在そういうことも踏まえて作業、検討を進めているところでございます。
  164. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 では、再度お尋ねしますが、新型転換炉と言われた「ふげん」を、今度は実証炉という方向へ行こうということでもう決めておるのかどうか、そこらあたりがまだ模索の段階かどうかということと、それとあわせて「もんじゅ」ですけれども、これは原型炉にようやくいまから着手しようということになるわけですから、今度これを実証炉としてつくる場合にはあと何年ぐらい先がめどとして立つのか、そういった点では期間的にどうなのか。この二点についてお尋ねいたします。
  165. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 まず、新型転換炉「ふげん」の開発状況でございますが、先ほど申し上げましたように、現在十六万五千キロワットの出力で運転・中でございまして、運転二年目に入ったわけでございますが、非常に予期以上の成績をおさめているという報告を受けているわけでございます。  したがいまして、この後、実証炉をどうするのかという問題が当然現実の問題になってくるわけでございますけれども、現在、原子力委員会に、この新型転換炉の実証炉をつくった場合にどういう問題があるかということを検討するために専門部会をつくっておりまして、技術的側面及び経済的側面からいろいろ評価を行っております。この結論が恐らく年内ぐらいには出てくるかと期待しているわけでございますが、この評価の結果を踏まえまして次の段階、すなわち実証炉に進むのか進まないのか、進むとすればその実施主体がどういうところで次の実証炉の段階を負担をし建設に取りかかっていくのかといった問題が、この評価の結果を踏まえまして議論されるという段階に来ているわけでございます。  それから、「もんじゅ」でございますが、これから原型炉の建設にかかろう、目標といたしましては昭和六十二年に臨界というところまでが現在ある計画でございまして、この臨界以降の成績を踏まえた上で次の実証炉の建設が考えられるということになると考えるわけでございます。現在の目標といたしましては、高速増殖炉の実用化は昭和七十年代になるであろう、すなわち今世紀の末というころになるのではないかというのが現在考えられているスケジュールでございます。
  166. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 いま七十年代に初めて実用化の方向になるだろうというのが高速増殖炉だということですが、先ほどからお話を聞いておりまして、「ふげん」というか、新型転換炉はちょっと一足ピッチが早く現在一応進んでいるわけですね。だから、そういう意味では現在二つの方向、高速増殖炉というものと新型転換炉という中間的なものと二つに手分けしながらそれぞれやられていることになりますが、実用化というのがかなり先のことはなることを考えますならば、われわれ素人から考えますならば、経済効率その他いろいろあるでしょうけれども、早く実用化にいける、現在の新型転換炉が即そのまま実用化というところまでいくようにならないのかどうか、それでなかったら、この高速増殖炉の実用化までの間のどうしても穴を埋める段階としてのみ新型転換炉としてのこれの価値があるのかどうか。場合によっては二重投資的な形になりますので、どちらか基本方針を決めて、高速増殖炉は増殖炉としての方向としてはずっとやらなければいかぬけれども、当面緊急にまず実用化を図るためにはどちらをすべきかということでの何かポイントを置いてやられているのかどうか。   いまのお話でいきますと、高速増殖炉もずっと大体、世界の趨勢の中に少しおくれながらやっていく、また新型転換炉についてはわりあい成績がよかった。これはしかし、いまから経済性その他いろいろのことを考えて、いよいよ実証炉をつくろうかどうか検討中だということでありますが、何か勢力が、技術その他の分が二分された、方向が定まらない中でどっちにもやりているという感じを受けるわけですが、そういう意味で、われわれ素人から見ても、新型転換炉に当面の重点を置いて、それ一本でしぼりながら、高速増殖炉をやめろというのではないのですよ、これは当然世界の流れの中でやらなければいかぬけれども、どちらかに力点を置いた中でそういった資金や技術力を投入して早く実用化する、そういうことはできないのでしょうか。われわれ素人ですけれども、聞いておりまして、どちらにも並行的にやられておって、結果的には実用化はやはり最後の一線で同じになったということでは、私は何のためのあれかということになりかねないと思いますので、ちょっと乱暴な質問かもしれませんけれども、素人ですから、そこらあたりについて、ひとつ何かあればお聞きしたいと思います。
  167. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 先生、乱暴な御質問とおっしゃいましたが、実はポイントの御質問でございまして、私どもも非常に悩むところでございます。  ただ、この炉型戦略が策定されました当時は、基本路線としては軽水炉そして高速増殖炉ということは、これはだれも異議がないわけでございますが、その中間に新型転換炉というものを考えるのか考えないのかというのが当初からあった議論でございます。それを決断いたします非常に大きなファクターといたしましては、結局核燃料サイクル面からの制約と申しますか、メリットをどう評価するかということかと考えるわけでございます。  そこで、日本におきます再処理の進展状況、そこから出てまいりますプルトニウムをどういうふうに使っていくのかというところが現在の焦点になるわけでございまして、再処理がうまくいき、プルトニウムをできるだけ使っていこうという状況にあって、なおかつ高速増殖炉の開発がそれに間に合っていない場合に、新型転換炉の位置づけが非常に重要なものになってくるというふうに考えているわけでございます。その意味で、プルトニウムの問題につきましては、そこにいろいろ国際的な問題もございますので、そういうことも含めて長期計画を再検討しなければいけないのではないかという問題意識をわれわれが持っている、すでにその見直しを命ぜられているということを先ほど申し上げたわけでございます。
  168. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 わかりました。  それでは、いまも触れられたあと一つの問題についてちょっとお尋ねします。  というのは、いまも触れられました核燃料サイクルの問題ですけれども、いまわが国も自主技術の開発ということでいろいろ取り組まれているようでありますが、特に濃縮ウランについては、すべて現在はアメリカから購入している。それからこれを再処理しようとしても、いろいろ一時問題になりましたアメリカからクレームがつく。結果的にはそういう形の中で、現在の方向としては、再処理についてはイギリスとかフランスにお願いしてひとつ再処理してもらおうということで、現在そういった形の段階で準備が進められている、こういうふうな現状だというお話を私は業界から聞いたのであります。  要するに、濃縮ウランでアメリカからクレームがついたときも一つ問題になったと思いますが、現在は自主技術の開発ということで、いろいろ次の新しい原子炉というものについてかなり努力されているわけでありますが、肝心のこういう燃料関係で、要するに濃縮ウランはアメリカからすべて抑えられてしまう。それを再処理しようとしてもクレームがついて、何とかいまのところ話し合いがついておるようですけれども、いずれにいたしましても、これについても値段その他についてはすべて一方的で、ただ向こうの言いなりにならなければいかぬような状況に置かれているのがいまの濃縮ウランの供給状況じゃないかと思うわけですね。そうすると、あと再処理についても、わが国として何かこの前から新しい再処理として人形峠にですか、動燃かどこかがそういうパイロットプラントをつくったという状況になっているようでありますが、要するに再処理についても、現在のところはどちらかというと外国依存。中を運転し、いろいろやるについては自主技術でかなり高まっても、それを動かすもとの、肝心のところを外国によって抑えられている。出る原料、入ってくるところ、また再処理するところ、そういったところを諸外国に依存せざるを得ないということでは、本当にそういう意味での自前の自立的なものができぬじゃないか。  そういう点で、これはいろいろほかの問題とも関連いたします。わが国の食糧自給率がどうだとかいろいろな問題が言われておりますが、新しいそういったエネルギー問題の中においても、まだまだわが国はいびつといいますか、そういう状況に置かれている。そういう点で、新しい再処理工場をということで一つ岡山県かどこかつくられたと思うのですが、どうなんですか、少なくとも全部自前はできぬ。濃縮ウランなんかできませんけれども、もう少し、そういうアメリカ一辺倒じゃなしに、単なる一国だけに依存しないで、ほかの方からも少しこういった点で濃縮ウランというものの供給を求めるような方向、再処理についても、いまの方向では何か新しく自前でもやろうという傾向でありますが、そういう自前の割合をもっと大きくふやしていく、そういうことも私は、いまわずかなパイロットプラントですから、わずかだと思い、ますが、そういうものについてももう少し政府として力を入れてやらなければいかぬのじゃないかという気がするわけです。そこらあたりについての当局の見解を承りたいと思います。
  169. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、核燃料サイクルの中でウラン濃縮それから再処理、これが二つのポイントであるわけでございます。  それで、濃縮ウランにつきましては、昨年までは全量の濃縮を米国に依頼しておった。ことしから、わずかではございますが、フランスからも濃縮ウランが入ってくることになっております。  これに対しまして、全く日本独自の技術開発を進めまして、人形峠に現在四千台、来年秋には七千台の遠心分離法によりますパイロットプラントをつくっている段階でございます。量的には恐らく今日の全需要の数%、四、五%ぐらいにしかならないわけでございますが、この技術をベースにいたしまして、将来国産の濃縮をもっとふやしていきたいということは考えてはいるわけでございますけれども、何分にもコストの問題あるいは広い意味での核不拡散という配慮からの日本に対する牽制と申しますか、余り大々的にやってもらいたくないといったような世界的な感じ、そんなものもそこはかとなくあるわけでございます。  そういう中で今後どのように伸ばしていくかということについては、非常に重要な問題でございますし、また経済性もあわせて考えなければならないわけでございますので、いろいろな面から十分慎重な検討を加えつつ、しかし自前の核燃料サイクルの確立ということは基本的にはやるべきであるという判断、いろいろな御意見が現在ございます。そういういろいろな意見を十分議論し合いまして、コンセンサスをつくるべく、現在原子力委員会でその検討を始めようとしているところでございます。  それからもう一点の再処理についてでございますが、技術的にはフランスの技術に依存したわけでございますけれども、現在動燃の東海でこの再処理技術のスタートを切ったわけでございます。なかなかむずかしい技術でございますが、この動燃での開発成果をベースにいたしまして、民間で将来さらに大きな再処理工場をつくろうということで、本年三月に新しい会社が設立されたわけでございます。それまでの間は、やはり、先生御指摘のように、イギリス及びフランスに相当量の再処理を依託せざるを得ないというのが現状でございます。  この核燃料サイクルの確立ということと世界的な核不拡散政策といったものをどのように両立させていくのかというのが基本的な問題でございまして、そういう意味で国際的な配慮を十分払いつつ、また日本が核に対して、平和利用に限ってこれを利用するのだという態度を世界規模で十分了解された上で、この核燃料サイクルの仕事は進めていかなければならないというふうに考えている次第でございます。
  170. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 再処理については、いまのお話では、一応パイロットプラントを動燃がつくって、現在一部運転し、あとはひとつ大きな処理をやろうということで、あれは日本原燃サービス会社ですか、ことしの三月か四月にできた、それがその目的のために設立されたということは私もお聞きしているわけですが、現在の段階では、この再処理を目的とした原燃の会社をつくりはしたけれども、結果的には本来の設立の目的に沿ってまだ何ら動いていないといいますか、全然具体的な例までに至ってないような話も聞いているわけであります。そこらは現在どのあたりまで再処理としての原燃サービス会社と取り組まれておるのか、ひとつ状況を御説明いただきたいと思います。
  171. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 日本原燃サービス株式会社でございますけれども、本年三月に設立されたわけでございます。  それで、会社の持っております目標といたしましては、昭和六十五年ごろ、すなわち十年後ぐらいまでに、処理能力千二百トンの再処理工場を完成させるということを目途にいたしまして、現在、予備的な設計作業、それから非常に重要な問題でございます立地候補地点の選定作業等の諸準備を行っているというところでございます。  ちなみに、動燃の再処理施設は、公称年間二百十トンということでございますので、これの六倍程度の大きな施設を考えているわけでございます。
  172. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 いまのわが国における原子力による発電その他原子炉が稼働している状況からいきまして、まあ正確な数字は余り必要とは言いませんで、大体再処理能力としては、たとえば三分の一程度は自前でやろうとか、半分ぐらい何とか自前でやらなきゃいかぬとか、何かそういう意味での一つの目標をお持ちの中でこういう計画が立てられておるのでしょうか。そのあたりいかがでしょうか。
  173. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 再処理につきましては、目標としては、全量を日本で再処理するんだということを目標にしているわけでございますが、現状はとてもそういう状況ではございません。ただ、目標としては、将来は全量をわが国で再処理するという目標でございます。  なお、濃縮につきましては、何割かという程度のことが考えられるのではないかというふうに思っております。
  174. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 ただいままで、これからの世界の新しい原子力の方向の中におけるわが国としてどの程度の状況に置かれているのか、そういう実情について、私、素人ですけれども、それなりの一応のお尋ねをして理解したのでありますが、要するに、こういった点いろいろ考えますと、わが国はまだまだ、そういう意味では、かなりの力点を置いてこの問題、原子力行政というものを推進しないことには、いろいろ言われているけれども、やはりいつもよその国の後追いをしていくということになっておると思います。  そういう点から考えてみますならば、ましてやこの原子力船「むつ」の問題は、よその、少なくとも原子力を扱っているようなところではもう卒業済みのものを、まだ、いまからどうして卒業しようかということで、やっとひとつそういうのを滑り出させようかということで、いままたもたもたしている現状ではないかと思います。  そういう意味では、ひとつ科学技術庁長官といたしまして、そういうわが国の置かれている本来の、現在のそういう原子力船というのはいかにおくれているかということ、それを回復するためにどれだけのあれが要るかということ、あわせて先のそういう世界的な新しい、次の原子力という立場からいっても、わが国の場合まだまだ細々としておるということ等を考えますと、かなりこれは政府として本腰入れてこの問題に取り組んでいただかぬことには、私は、日本としては、やはり実質的にはいつもよその国の世話になって、後追いしているということになりかねないのじゃないかと思うのであります。そこらあたりに対する科学技術庁長官としての決意といいますか御見解があれば、ひとつお聞きしたいと思いますが、いかがでしょうか。
  175. 中川一郎

    ○中川国務大臣 だんだん御指摘のように、原子力発電についてはかなり進んだものもあり、軽水炉等は世界の先端を行っておる、それ以外の炉あるいは濃縮、再処理、こういったものも一つの見通しを得ながら一生懸命努力しているという状況でございます。今後とも、世界のエネルギーの事情から言って、さらに一層国民の理解、協力をいただき、さらに研究開発も進めて、世界におくれないように進めていかなければなりません。その中にあって、原子力船の方は入り口の段階で「むつ」がああいった形でつまずいてしまいまして非常に立ちおくれておる、残念なことでございます。  しかし、これも将来のことを考え、特に日本は四面海に囲まれた海の国と言っても言い過ぎではありませんし、また大変な造船国でもございます。こういった面からいきまして、どうしても原子力船の開発は進めていかなければならない、世界の水準に追いつかなければいかぬということでございます。長期的にではございますけれども、このおくれを取り戻すために最善を尽くしてみたい、こう思っておりますが、なかなか厳しい状況もありまして、思うようにいかないことは残念ではありますけれども、政府としては最善を尽くしたい、こういう気持ちでおります。
  176. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 今回の原子力船開発事業団法の改正は、要するに「研究開発」ということにし、位置づけて、それについては今回、原子力船の研究開発を全体的に一括してやるんだということでその使命を明確にされておるので、そういう意味では前向きだと思うわけであります。  将来方向について、現在のところ、一応その他の機関と統合することを検討するというだけで、まだ明確でないわけでありますが、私は、現在から将来というより、この置かれている原子力という問題を考えますならば、これは非常に重要な問題だと思います。したがいまして、この原子力船事業団というものの将来方向についても、これからのわが国における原子力開発の進展の状況と十分にらみ合わせながら、誤りのない対処をせなければいかぬと思うのでありますが、そういう意味では、現在の段階でまだはっきり断定的に言えないにしても一、やはり原子力船事業団として今後引き続きまだずっとやっていくべきなのか、新しいそういう原子力行政全般の中の一つとしてやらなければいかぬような状況に来るのかどうかわかりませんけれども、これから「むつ」が五、六年先どういう状況まで推移するかの中で、初めて原子力船事業団についての将来方向を考えるべきじゃないかという気もするのであります。  そこらあたりはちょっと、いまここで、将来統合するというような方向を示唆したような感じがいたしますが、その点は若干早計ではないかなという気もなきにしもあらずです。その点、私のそう言うのが単なる素人のあれだと言われればそれまでですけれども、もう少しこれからの「むつ」の原子力船事業団としての仕事の状況を見ながら、将来についてはまた再度検討する、こういうところがいいのじゃないかという気がするのですが、そこらあたりはいかがでしょうか。
  177. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 先生の御指摘は、わが国におきます原子力船の研究開発を強力に推進していくためには、改組後の原子力船研究開発事業団を他の機関に統合してしまうということではなくて、恒久的な独立した法人として存続させるということもあわせて考えておくべきではないかという御指摘かと存じます。  確かに、私どもも、昨年の行政改革の一環として議論されたときにもずいぶん議論をしたところでございますが、やはりこの主点は、原子力船の研究開発に対します一貫性ということが保持できれば、機関として独立であるかどうかということは、次の問題ではないかというふうに考えた次第でございまして、むしろこの時代に一つの限時的な法人を恒久化するということよりも、他の機関と合理的に統合することによりまして、この研究開発の実態は確実に一貫性を保つということを担保するという道で、十分その将来の成果を期待し得るのではないかというふうに判断した次第でございますので、その点よろしく御了承を賜りたいと存じます。
  178. 小渕正義

    ○小渕(正)委員 もちろん、そういう意味では一貫性を持ってやらなければいかぬということははっきりしていますし、ばらばらでそれぞれの分野の中でやられてもこれはまた限られていて、非常に大事な技術、また資本といいますか、経費、そういったものを含めると、総合的な中で生かされていくのが一番好ましいことでありますが、ただ、そういうことだけで、いまの段階でそういうふうな方向がいいからということだけで、原子力船事業団というものがそういう方向に行くんだということが言えるのかどうかという疑問がなしとしなかったものですから、そういう意味で質問したわけでありますが、くれぐれもそういった点はひとつ実情を十分踏まえた中で、誤りのない対応を将来的にはしていただきたい。これはもう意見になりましたが、そういうふうに申し上げておきたいと思います。  それから、これは最後になりますが、前回鈴木総理からも、新母港の決定については最善、最大の努力をするということでございますが、とにかく「むつ」の、原子力船の平和利用の推進をするにしても、まず母港がないことにはこれはどうにもなりません。わが国は四面を海に囲まれておりますから、そういう意味では、海を汚染するとかしないとかという、そういった一部のあれもありまして、こういう非常な問題になったと思います。  たとえば、わが国が唯一の被爆国であったという意味での核アレルギーもありますし、そういう点はあることはありますけれども、しかし、私は、原子力推進ということについては勇断を持ってやっていく以外にないのじゃないか、世界の大勢から見ましてもそう思うわけであります。したがって、そういう意味では、政府としては決意と勇断を持って、特に原子力の開発という問題は、最終的には政治の決断だと私は思いますね。政治が右顧左べんしておっては、こういったわが国の国家的な長期にわたるプロジェクトというものは進んでいかないと私は思います。そういう意味で、非常に残念なことでありますが、ここで中川科学技術庁長官からいろいろな決意をお聞きいたしましても、これが二、三年先になったら違った方になられておったということになりまして、わが国の政治の欠陥の一つはそこにもあると思いますけれども、ぜひひとつそういう基礎づくりといいますか、基礎はできたと言われればそれまでですが、科学技術庁長官として、特に中川大臣がわが国の原子力行政の中の画期的な一つの基礎をつくったと言われるような積極的な取り組みを特に期待いたしまして、私の質問をこれで終わりたいと思います。
  179. 中村弘海

    ○中村委員長 ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕
  180. 中村弘海

    ○中村委員長 速記を始めてください。和田一仁君。
  181. 和田一仁

    ○和田(一)委員 いままでの質疑を通しまして、だんだんと問題点が明らかになってきているとは思います。しかし、現在大変エネルギー問題に対する国民の関心は高まってきている。特にわが国のように非常にエネルギー資源が、油づけ、油頼みというような現状の中でこれからも推移していけないんだ、やがては油というものには余り依存できない、それが目の前に来ている。そうなると、やはりこれからの日本のエネルギーというものに対して一体どうしたらいいのだろうかという国民の関心が非常に高まってきている、そういうふうに私は感じております。そしてそのことによって、原子力の平和利用という問題も非常に国民の関心が高まってきております。  そういう中にあって「むつ」というものが、そういった国民の関心の中で、原子力の平和利用ということに対して将来一つの大きな試金石になっているのではないか、こういうふうにも考えておるわけでございまして、この「むつ」の帰趨、成否というものは、わが国の科学技術の進歩発展あるいは未知の世界への挑戦というこれからの大きな目標に向かって影響が非常に大きい、こういうふうに考えます。いままで審議の中でいろいろ明らかにはなってきておりますけれども、そうした国民の関心を踏まえて、私、もう少しお尋ねをしたい。若干重複をする点があろうかとも思いますけれども、ひとつお許しをいただいて、私の疑問を氷解していただきたい、こう思います。  そうなってまいりますと、まず一番関心の高いのは、やはり現在「むつ」が佐世保で修理をしている、これが期限が切られて来年十月までにその修理が完成できるのかどうか、この点が非常に気になるわけでございまして、質疑もほとんどそこにあったと思うのですが、大丈夫、守る、長官は大変正直に、守らなければならないし、守りたい、こういう御答弁であったと思うのですが、顔色をうかがっておりますと、しかし無理をしてしまうと大変なことになる、だからその辺は無理をしてでも間に合わせるというのではなくて、若干その困難性を認めながら、期限内には何とかしたいんだというような含みのある御答弁に思うのです。私は、それも仕方がないと思いますが、しかし、期限があって、そしてそれ以上延ばせないということになったときにどうなるか、その辺はやはり私どもとしてはお尋ねしておきたい、こう思います。
  182. 中川一郎

    ○中川国務大臣 御指摘のとおりでございまして、経緯からいって、一昨年の十月に、佐世保で三年間で修理をして出ます、こういう約束を基本的にいたしたわけでございます。ところが、残念なことに修理にかかれない状態であった。岸壁が使用できないという厳しい条件も佐世保にあった。しかし、幸いことしの八月、関係者の御協力をいただいて修理に着工するようになった。しかし、いかんせん一年数カ月以上もの修理できない期間があったということから、三年内にやるのにはなかなか厳しい情勢が生まれたことも事実でございます。しかし、三年という約束もこれは守らなければいけない。だからといって、三年にこだわって粗雑な修理をしたのでは、これまたより悪いことになりますから、修理については慎重にも慎重、安全性ということをやらなければならないし、期限も守らなければならぬ、こういうことでございます。  さて、守れるかと言われたら、いまのところは守れる見通しである、では守れなかったときはどうするのかと言われたら、途中でやめまして期限は約束ですから出ますと言えるかというと、先ほども答弁したように、そういう事態はないと思いますが、もしそういうことになれば、五者協定を結んだ当事者間でまた話し合いをして、われわれとしては何としても修理を仕上げて、一方、新定係港をそれまでの間に決めて、新定係港に移れるようにとにかく修理をさせていただくことに、しかも安全を確保した上での修理ができるように最善を尽くす、こういうのがいまの偽らない実態でございます。
  183. 和田一仁

    ○和田(一)委員 着手そのものが大変おくれてしまった、私は、当然その分だけ時間的にずれ込んでいくのではないかという心配もしておるわけです。それはどういう理由で着手がおくれたのかよくわかっていて、その反省点の上に立って、そのおくれを取り戻すべくどのように努力をしているのか、これが一番問題ではないかと思うのです。  先ほど来伺っておりますと、一期工事、二期工事という中で、まだ二期工事の着手が来年の三月ですか、それの契約を十一月の末にやるんだというようなお話でございましたが、そんなようなテンポで、長官が何とか期限を守りたいとおっしゃる、それに間に合うというふうにお考えかどうか。私ら見ておりますと、これはちょっとおくれ以上にまだおくれているのじゃないかという感じがどうしてもするわけですけれども、いかがでしょうか。
  184. 中川一郎

    ○中川国務大臣 改修着工がおくれたということもあり、あるいは総点検もしなければならぬというようなことが重なっておりますから、地元でもあるいは心ある皆さんから、おくれるのではないか、おくれるのではないかという御配慮をいただいておりますことは、もうよく承知いたしておるところでございます。しかし、原子力事業団で二期工事に分けて精力的に、それから工事業者の皆さんの協力もいただいて何とか間に合わせたい、こういうことでやっておるところでございますので、いましばらく原子力事業団あるいは業界の努力を見守りたいというところでございまして、どうもできなさそうであるという判断をするのにはまだ早いというか、そう結論を結びつけるわけにもいかない段階でございます。
  185. 和田一仁

    ○和田(一)委員 十一月末にその契約をされる、こう聞いておるのですけれども、SSKと係船契約というのは一体いつまでしてあるのですか。
  186. 野村一彦

    ○野村参考人 SSKとの係船の契約そのものは五十二年度、五十四年度にやりまして、それでそれは五十五年度に入って自動的に延長しておりますので、この修理が終了するまではこの係船契約でいくという基本的な契約がございます。
  187. 和田一仁

    ○和田(一)委員 五十五年の四月以降契約してございますか。
  188. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 この係船に関しましては、五十三年の十月から五十五年の三月三十一日までの分につきまして、ことしの四月九日に契約をいたしたわけでございますけれども、この契約につきましては、契約期間といたしまして、両者といいますか、甲または乙のいずれかから申し出がない限りその後も更新されるものとするということで、この契約自身は自動的に更新されておるわけでございますが、ただし、その更新する期間及び金額については甲乙協議して定めるものとするということでございまして、現在これについて協議を進めておるところでございます。
  189. 和田一仁

    ○和田(一)委員 理事長のおっしゃったのと違うんじゃないですか、いまの御答弁は。理事長は、もう契約している、いいんだというふうに御理解になっているようですが、自動契約というのは、やはりそこで期間と幾らでつなぐんだというものがなければ本当の契約になってない、そう思うのですね。そういうような意味において、私は、これから十一月末に契約をして第二期工事に入っていく、そういう契約のやり方等についても、いまの御答弁に違いのあるように、どうもまだその辺がはっきりと、これはこの期間内に完成させるんだ、そういう取り組みになっていないような気がするのですよ。そうじゃありませんか。
  190. 野村一彦

    ○野村参考人 先ほどの私の答弁がちょっと簡略過ぎたので不十分であったと思いますが、ただいま専務理事が申し上げましたように、両方から自動更新といいますか、五十四年度以降もその契約が続いておる、ただその終期についてははっきりしていないということと、金額についてはこれからの、これからというか、五十五年度としての折衝ということでございまして、その点は先ほどの私の話はちょっと簡略に過ぎたかと思いますので、さように訂正をさせていただきます。  それから、修理につきましては、ただいま大臣からお話がございましたように、二期工事について、メーカーの要望によりまして、着工の三カ月くらい前までに内容を固めたいということがございますので、現在メーカーと協議をして内容を固めております。  したがいまして、来年の三月以降でございますので、ことしの十一月末までに内容を固めてやるということで、全体の見積もりというものはもうすでにメーカーから出ておるわけでございますから、それを具体的な工程の形で、いつどういうふうに着工するかということをいま鋭意詰めておりまして、極力スムーズに第二期工事にバトンタッチができるようにやっておるところでございます。
  191. 和田一仁

    ○和田(一)委員 私は、冒頭、「むつ」はこれから日本の科学技術の開発、そういったものに対する大きな試金石になっておる、こういうふうに申し上げたわけですけれども、それだけ重要な船を政府や事業団は計画どおりに修理するならして、そしてその先へ進んでいくという計画を本気で実行できるのかどうか。いままでの経緯も踏まえて、これがやはり非常に不安になっておる一つの大きな原因ではないかと思うのですね。  したがいまして、この修理、改修については、着工も非常におくれておる、そのハンディキャップを取り返して何とか期限内にやる、努力すると再三おっしゃっている。それを達成していただかないと、一年先になって、・何だ、やっぱりだめだったじゃないかということになると、これは「むつ」を廃船するならいいですよ、そのときやってみてだめなら、もう「むつ」は行くところもないのだ、だからここで廃船だというならいいですけれども、そうでなく、これを継続してやって、新しい原子力船開発の方向へ持っていこう、こういう基本的な考えがあるなら、第一歩である改修工事くらいは約束どおり何としてもやってもらわないと、これは一年たったら結果が出てしまうのですよ。そのときに、またまたいい加減なことをやっているじゃないか、こういう批判を国民からいただかないように、これはぜひやってもらわないといかぬと思いますか、どうですか。決意だけでも言ってください。
  192. 野村一彦

    ○野村参考人 先生のただいまのお話のとおり、私どもとしては、全力を挙げてお約束が守れるようにやる決意でございます。
  193. 和田一仁

    ○和田(一)委員 それでは、改修の方は計画どおりにいくといたしまして、さあその次、それでは佐世保を出て、今度はどこを新しい母港にしていくのか。新定係港の選定について、この間総理は、いやもう六十とおっしゃったかな、六十ぐらいのところの中から適地をさらにしぼって五つぐらいにしておる、こういうお話でございました。  しかし、現実には長官の方は、再び大湊にという動きをされておるようでございますが、この五つの中で一番適地であるということで再母港化をお考えになっているのか、五つ並行して選定を急いでおられるのかをちょっとお聞きしたいと思うのです。
  194. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 四者協定というお約束がございましたので、選定作業は大湊を対象にしておりません。したがいまして、五カ所に一応しぼって候補を並べたわけでございますが、その中には大湊港は入っていないわけでございます。
  195. 和田一仁

    ○和田(一)委員 そうすると、その設定をしなければならない期限ですね、これはいつごろまでにというふうにお考えなんですか。
  196. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 先ほど来先生御指摘のように、五者協定というものがございます。「「むつ」の佐世保港における約三年間の修理が終了した後、「むつ」を新定係港に回航する」ということになっておりますので、そういう意味から言えば来年の秋という期限が出てまいりましょうが、やはり定係港自体の設備も新設あるいは場合によっては改修ということもございますので、私どもとしては、なるべく早く決定をいたしたいという気持ちでいるわけでございます。
  197. 和田一仁

    ○和田(一)委員 そうすると、やはり来年の佐世保を出るときまでということになると思うのですね。  私は、どういう港をその脳中に置かれて計画をされているかは知りませんが、それはもう一年足らずの間に母港として使えるようになるのかならないのか。恐らくむずかしいと思うのですね。そうなると、逆に言えば、佐世保にもう少しいてもらった方がいいのだ、新しい母港ができるまでは佐世保の方に係留を、まだ改修工事も済まないやということで、逆に延びてもらった方がありがたい、そういうふうな感じも、これは国民だってとりかねないわけですよ。そんなことになったのでは困るので、まず第一に期限内にできるかどうかを確認したわけですけれども、だとすると、あと一年で「むつ」は行くところがなくなっちゃうわけですね。そうじゃないですか。片っ方は完了した、出る期限にちゃんと完了して出ていく〇一方、五つのうち一年足らずでは、できればいいですが、とてもできないというお考えなら、そのときに「むつ」は幽霊船みたいに漂うような、そういうことになったら、これまた同じように期限内にできなかったと。さらに、期限はうまくいって改修はしたけれども、今度は行く先の母港がないということになれば、またこれは国民にとっても、何をやっているかということになりかねませんが、どうでしょう。
  198. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 そういうことにならないように、全力を尽くしてそんな事態には絶対にならないようにしたいというふうに考えるわけでございます。
  199. 和田一仁

    ○和田(一)委員 絶対にならないようにということでございますが、そうなると、もう少し具体的に、その選定している五つの港、実はと、こういう計画もそろそろ示されてもいいのではないかと思うのですが、その大湊の場合には、それでは長官だけのお考えで再母港化というふうにお考えになっているのでしょうか。
  200. 中川一郎

    ○中川国務大臣 正式に政府が母港として決定をするのには、当然関係閣僚との間で話し合いをして、一致したところで政府決定とこうなるわけでございます。しかし、そこまでにはまだ至っておりませんで、それだけの決断をできるまでに地元がなっておらない。そこで科学技術庁長官、主務大臣としてもちろん関係閣僚にも事前には、こう一いうことで交渉したい、私としてはむつに再度お願いすることが一番いいという判断になりましたので、何とか検討していただけないかということを要請したという段階でございます。話し合いにめどがつきますれば当然政府の決定といたします一が、いまの段階で、政府決定と枠をはめてというわけにはいかないことを御理解いただきたいと存じます。
  201. 和田一仁

    ○和田(一)委員 決定ではなくて下交渉。かつて誘致もあったことでございますから、できるならそういうところにと、条件もほかから比べて最も整備されている、これはよくわかります。  それでは、その方向で努力されるとして、いままでの審議の中でも非常に地元が、特に県漁連あたりの反対、こういうことに対する説得をどういう方法でされたら合意が得られるか。私は、もう具体的に説得のポイントがないと、ただ必要なんだからという――必要性と安全性だとさつき長官はおっしゃった。その必要性はもう大体、私、冒頭に申し上げたように、国民全体としても非常に理解が高まってきていると思うのですが、その安全性についてやはり不安があるわけです。その安全性について不安があって大湊では、陸奥湾では反対しているのか。その反対の一番大きな理由は、経済的なものなのか安全性のことなのか、その辺はどう御理解されているでしょうか。
  202. 中川一郎

    ○中川国務大臣 まず、交渉いたしました北村知事は、大湊をもう一度という気持ちはわかる、しかし私一存で決めるわけにはいかないので、その意向を地元に取り次いでひとつ諮ってみたい、こういうことでありましたが、特に安全性についてはしっかりしてもらわないと、ただ大丈夫だでは困りますよ、その点は地元の納得のいくように話し合いを進めてもらうということが絶対の条件である。むつの市長も大体同様の趣旨でございました。  漁民の皆さんは、安全性もさることながら、あそこには誘致した当時とは違ってホタテを中心にして大変な栽培養殖漁場がある、ですから安全である安全でないよりは、いかなるものにも侵されたくない、もうどうかひとつ、そういう安全であるものならなおさらのこと、資源のないところに行ってやってもらっていいのじゃないか、その一点にしぼられておるわけでございます。  したがいまして、われわれとしては、安全であるから皆さんに御迷惑をかけることはないし、万万あった場合には、いかに大切な漁場で金額が多かろうと、政府が責任を持ちますから、こういうことでボールを投げ返したというところになっておりまして、この辺についてはこれからも、実は農林水産省も責任官庁でございますから、そちらからもひとつ御協力をいただく、あるいは青森県の信頼できる政治家の皆さん方にも御協力をいただくということで、粘り強く、早く母港を決定する。来年の十月と言っておられませんで、佐世保に対しても誠意を持って母港を探すということがまず基本的に大事なことでございますから、先ほど、そういうことがないように本当に一生懸命やっておりますと言った気持ちはまさにそのとおりでございまして、いまぎりぎりの交渉をいたしておるわけでございます。
  203. 和田一仁

    ○和田(一)委員 一〇〇%安全ということはないにしても、安全だということになると、安全ならおれのところでなくどこへでも、もっと近いところで便利なところがないかと。これは低レベルの廃棄物、海洋投棄についても同じような議論が出ておりますが、それと同じように、安全だからと言うと今度は妙なことになる。  経済的にはもう十分だ、いま養殖も非常に飛躍的に大きくなっている、来てくれるな、ただもうひたすら来てくれるなということになると、さあ、そこで説得するものは何かということになるわけですが、私は、やはり安全というものについて一番関心が高いのではないか、こう考えるわけなんです。経済的な対価があればとかいうようなことは地元の方はお考えになっていないとすれば、やはり安全性についての新しい考え方をここで出していかなければいけない。  かつて「むつ」が六百トンから汚水を陸奥湾に流していた、こういうようなことが絶対にこれからはないというために、たとえば排水を湾内には一滴も流さない、排水しないというようなことをやはりはっきりとおっしゃっていただいて、その方法としては、別の船で外へ運ぶか、パイプラインをつくるか、いろいろなやり方があろうかと思いますけれども、そういうことの裏づけがないと、ただ、安全がもしだめなときには全責任を持って政府は何ぼでも補償すると言うだけでは、やはり説得力が出てこないのじゃないかと思います。そういう安全性の具体的な、こういう方策があるということをお示しになった方がいいのではないかと思うのですが……。
  204. 中川一郎

    ○中川国務大臣 全くそのとおりでございまして、私が申し上げたのは、安全性については疑問を持っていないと言ったんじゃなくて、まだ安全性について話し合う以前に、とにかく困る、こういうことでございまして、いずれ安全性について御納得いただくような話し合いが持てる状態になることを期待しながらいまやっておるところでございます。特に知事さんからも、安全性が大事だよ、市長さんからも言われておりますし、漁民の皆さんもまさにそのとおりだと思いますから、いま御指摘のあったような排水の処理を初め、多くの問題について信頼が得られるように最善の努力をいたしたいと存じます。
  205. 和田一仁

    ○和田(一)委員 そういう意味合いにおいては、私どもも、周辺の人たちに対する安全の確保、環境保全、こういうことにはやはり必要なら十分な対策を講じていくべきだと思いますし、それから周辺の漁業振興やまた魚価の安定とか、そういうものについても十分配慮を払う。同時に、地域の開発振興、こういうことも並行的にやらないといけないのではないかという感じがするわけです。原子力発嘱の立地の場合には、そういうことで初め大変困難だったところもそれが可能になってきている、こういうケースがあるわけなんですが、同じような意味での努力をされる用意があるかどうか、お伺いしたいのです。
  206. 中川一郎

    ○中川国務大臣 御指摘のとおり考えておりまして、地域の振興開発ももちろん図っていかなければいかぬ、そういう姿勢で取り組んでいきたいと思います。
  207. 和田一仁

    ○和田(一)委員 それでは、そういうことで母港も早くに決定をしていただいて、そして、先ほども御質問がございましたようですが、この法案が通って事業団が統合された、その統合するまでの期間、この間には、先ほど来の御説明では、最初、臨界試験まで達すれば出力上昇をやって、そしてその後まず五%程度まで上げてデータ確認をする、第二次に二〇%、それが終われば四、五〇%、第四次、五次といって一〇〇%やる、そして実験航海を行うんだ、先ほどこういう御計画に伺ったわけです。これが完了できますでしょうか、この五年後までに。
  208. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 出力上昇試験につきましては、これは順調に進め得ると思っておりますし、順調にこれが取り運べば、出力上昇試験そのものはそれほど時間はかからないというぐあいに考えますので、統合までの間には出力上昇試験を終えて実験航海に入り得るというぐあいに思っております。
  209. 和田一仁

    ○和田(一)委員 機構のことですけれども、統合のメリットというものを考えなければいけないと思うのです。  これは、一つには、いましきりに言われている行政改革、こういった面からも、幾つもあるものを一つにまとめてやるということは大変いいとは思うのです。そういうメリットは出てこなければいかぬと思うのですね。ただ、その中で、研究開発という目的を達成していくために、いまの陣容でその目的が達成されるものになっていくかどうかですね。そういう自信があれば、具体的にこうこうだからやっていける、そうでないと、行政改革のメリットとしては縮小の方向なんですから、それと相反してくるわけなんですが、そういった中で統合して、成果を上げるということに対するやり方についての具体案をお持ちかどうか、これをひとつお聞きしたいのです。
  210. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 私どもが考えております統合は、少なくとも今後持つであろう原子力船研究開発事業団の研究開発能力は、そのままの一貫した形で統合に持っていきたいというのを大前提に考えております。その次に、そういう形で考えますと、統合という形式はともあれ、研究開発に携わる人は、現在の限時的な性格から、恒久的というとおかしゅうございますが、同じ職場で同じ仕事を続けていけるということになりますので、現在事業団の技術能力の相当部分を占めております出向体制が、今度は、俗な言葉で言うプロパーの人間で置きかえていくことができるというメリットがあると考えております。そういう意味で、一貫した姿での研究開発、技術の定着、継続性といったものが今後は期待できるというふうに考えておりまして、これが統合の最大のメリットになるかと思っているわけでございます。
  211. 和田一仁

    ○和田(一)委員 そうすると、いままでは出向のかっこうで、言っては何ですけれども、いろいろな立場の方が集まってきてやっている。今度は、統合すれば、そういう人的構成は御破算にして、新しく人員構成をして恒久的な、継続的な研究のできる、いままでとは違ったものにする、こういうお考えですね。
  212. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 考え方としてはそのとおりでございますが、それが一遍にできるとは思っていないわけでございます。ああいう船を動かすという特殊な技能を必要とする分野もございますので、そういう分野につきましては、今後とも若干出向の方にお願いするという部分も残るかと思いますが、主流としては、組織に定着した形で研究開発をやっていりてもらいたい、こういう体制に持っていきたいと思っているわけでございます。
  213. 和田一仁

    ○和田(一)委員 その点については、いままでも「むつ」のために開発してきたノーハウや貴重なデータが、統合ということによっていままでの成果は成果として、四散してしまうということなく、いままでの成果を継続して、その上に立った研究開発に進んでいかなければ何の意味もない、こう思うわけで、ぜひひとつそういう意味で、継続性のある、効率の高い機関にしていっていただきたいと考えます。  それから、それで統合して、今度はそこから先でございますけれども、原子力船時代の到来が二十一世紀ごろにはあるだろうという前提でこの研究開発に全力を挙げておられると思うのですけれども、その原子力船時代に備えて、舶用炉とかあるいは船体とかの研究開発を進めるためにどういう具体的なテーマを持っておられるのか。たとえばもっと軽量のものにするとかコンパクトなものにするというようないろいろな研究テーマがあろうかと思うのですけれども、どういうところに主力を置かれてこれからおやりになるか。その辺もちょっとお聞きしておきたいのです。
  214. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 原子力船の特徴でございますけれども、原子力船と申しますか、舶用炉といたしましては、やはり一番の特徴は、何と申しましても非常に小型で大出力が得られるということ、それから第二には、燃料の寿命と申しますか、これが非常に長い。現在の「むつ」でも全出力で約二年間は運転できるわけでございますが、将来これについての燃料の改善等を図っていきますれば、これをさらに四年、五年と長くし得ると考えております。したがいまして、将来の原子力船の中心と申しますか研究開発の目標としては、そういう意味で経済性のある小型、高性能の舶用炉の開発、また当然それに伴いまして、舶用炉の燃料の改良開発研究にその重点がしぼられていくと思います。  これをねらいまして、事業団に研究開発の使命が与えられた時点におきましては、将来開発すべき舶用炉として、どういうような原子炉を開発するのがわが国として最も適しておるかということについての検討から始めたいと思います。  これにつきましては、すでにいろいろ学界あるいは研究機関等において検討もせられておりますので、これらの成果あるいは世界の先進諸国において行われております研究開発の状況等を調査いたしまして、これを比較検討して、開発のターゲットを決めていこうということで、これに対しましては、本年度ついております予算、それからまた来年度政府の方から要求をいただいておりますもの等に基づいて、それらの第一歩の概念設計というようなところから取りかかっていきたいと考えております。
  215. 和田一仁

    ○和田(一)委員 専門部会の「原子力商船実用化の見通し」の中には、「原子力船は、高出力を要し、かつ、高稼動率が期待できるような船種の商船に応用された場合に、その真価が発揮される」こういうふうになっておって、大型高速コンテナだとか大型タンカーという船種が挙げられているわけですが、いまのお話によると、これよりさらに小型な、もっとコンパクトな舶用炉の開発ということがテーマの中にあるわけですね。いかがですか。
  216. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 原子炉でございますと、従来の舶用機関と比較いたしますと、同じ出力でございますれば、型は非常に小さくなってまいります。また非常に小型化ができますので、私どもといたしましては、もちろんそういう大型タンカーあるいは高速コンテナ船というものにもちろん使うような炉を目的としていかなければならないと思いますが、この高速コンテナ船等におきましても、また大型タンカー等におきましても、最近の情勢からいたしますと、一時は船も相当大型化の方へ向いておったのでございますが、タンカーあたりはそんな大きなものは要らないとか、また高速コンテナ船も、現在のような海運市況でございますと、それほど高速のものも要らないというようなことになってまいりますと、現在の、また将来の船腹の需給状況等から見まして、大体どの程度の大きさの舶用機関が開発のターゲットとして適当であるかというようなところを見きわめまして、その目標を定めていきたいと思っております。
  217. 和田一仁

    ○和田(一)委員 その辺が、どの辺の船の実用化を目指すのか。冒頭申し上げたように、油づけ、油頼みではいけなくなったときに、一番必要とする船舶の推進力は、ぼくは漁船じゃないかと思うのですね。漁船なんかはたちまちのうちに手当てができなくなって、とまってしまう。しかし、そこまでコンパクトなものができるのかどうかはむずかしいかと思いますが、少なくも何万一馬力ぐらいまでなら商業ベースに乗る時代が来る、そういっためどというものをお持ちかどうか、そして、それは大体どれくらいの大きさの船なのか。小型化がどんどん進んで、そして本当にコンパクトなもので、漁船くらいまで載せられるようになれば、これは大変な開発だと思うのですが、当面開発の目標にしているのはどの辺の舶用炉なのか。できればコンパクトなものを開発していただきたいとは思うのですけれどもね。
  218. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 油がだんだん苦しくなってまいりますと、確かに先生おっしゃいましたように、小さい船は原子力化はなかなかむずかしゅうございますので、漁船あるいは小型の船舶等の油は確保していかなければならない。そういうような状況の場合に、それらの油を確保しますためには、原子力化のできるものは原子力化していけば、それらの船が使っておる油をどうしても油でなければ動けないものに回すことができるということで、現在私どもといたしましては、大体三万馬力から五万馬力程度のものまでは開発していきたい。従来、原子力機関ということでは、非常に大きなものももちろん可能でございますが、たとえば十五万馬力あるいは二十万馬力というようなものもつくればできるわけでございますけれども、小型化というのは、技術の上から申しますとやはりなかなかむずかしいという点もございます。一応ターゲットといたしましては、三万馬力から五万馬力程度のものまでを開発するのを第一義的な目的にしていきたい、こういうぐあいに考えております。
  219. 和田一仁

    ○和田(一)委員 三万馬力、五万馬力というと相当大型ではないか、十万トン、二十万トン、あるいはそれ以上の船かと思いますけれども、そういった意味では、私はもっと小型化を開発のターゲットにしていただけないものかな、そんなふうに思うわけです。  それは研究課題として、私、ちょっと伺いたいのは、原子力船として、アメリカのサバンナだとか西ドイツあるいはソ連、こういったところで、もうすでに実験航海を終わってつながれている船がありますけれども、そういった船はいままで実際にどういう国々に寄って、そういった国では、その安全性についてクレームがつけられなかったのかどうか。これは、「むつ」がいよいよ航海を始めるということになれば、やはり日本の「むつ」だけは危なくてとてもうちの港には入れられないというようなことではいけないわけなんで、そういう意味では、ほかの先進国と同じようなレベルになって、あちこち実際の航海をしなきゃならぬと思うのですが、ほかの国ではそれはどのような状態できたかをちょっと教えていただきたいと思います。
  220. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 サバンナ号ができました一九六二年の三月から一九七〇年の十一月までの間に二十六カ国、港の数で四十五港に入港しております。それからオット・ハーンの方は、一九七〇年の二月から一九七九年の二月までの間に二十二カ国、三十三港に入港いたしております。
  221. 和田一仁

    ○和田(一)委員 そうすると、「むつ」も同じレベルにいけば、よその国では、そういった原子力商船の安全性に対する不安が、うちの国には来ないでくれというようなことはなくて済むと理解してよろしいでしょうか。
  222. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 「むつ」が完成しましてこれを外国へ持っていくという場合には、現在の時点ではSOLAS条約と申しますかへ海上における人命の安全のための条約というのがございまして、これに基づいての手続上、この条約に定められております安全評価書あるいは操作手引書等、それから検査を終えました段階で原子力貨物船安全証書とか原子力旅客船安全証書というようなものを携えて入ることになるわけでございますが、現在の時点におきましては、まだ、これらにつきまして相手国の法制度、国内事情等がございますので、オット・ハーン、サバンナ等も、先ほど申し上げました各国との間には二国間協定を結びまして、その協定に基づいて、相手国に対して船を送り出す前に相当前ぴろに安全評価書というのを送りまして、それに基づいて先方の国が安全評価を行った上、またその入港します港、また入ります埠頭、また入るときのいろいろな手続等についても二国間において協定を結び、それに基づいて入っていくというようなことになりますので、「むつ」がそういう事態になりましたら、そういう手続をとってから相手国に入っていくということになるかと思います。
  223. 和田一仁

    ○和田(一)委員 私は、実用化に向かって、世界のそうした先進国の船が受け入れられたと同じように、「むつ」もそうなっていくと思います。そして同時に、最終目的である原子力船時代になって舶用炉が一般化した場合に、一体日本の自衛隊の持っている船にこれをつけるということになるかどうか。具体的には、もうすでに原子力潜水艦というのは一般化していると言ってもいいぐらいで、三百隻からの船がある。そういうのに加えて、さらにこの舶用炉が一般化したときに、日本の自衛隊の船に、特に潜水艦にこれをつける方向になるかどうか。これは、きょうは防衛庁の方、見えてますか。
  224. 池田久克

    ○池田説明員 原子力推進の艦艇に関する法律上の問題につきましては、すでに昭和四十年に当委員会で統一見解を申し上げたところでございますけれども、これについては全く見解を異にしておりません。  お尋ねは、一般化した場合どうするかというお話でございます。  潜水艦について、すでに一般化しているではないかという御指摘でございますけれども、アメリカ、ソ連、イギリス、フランス、中国で潜水艦に使われていることも事実でございますけれども、われわれとしては、すでにそれが一般化されているとは考えておりません。したがいまして、そういう段階についてどうかというお尋ねでございますから、お答えすることは大変むずかしいのでありますけれども、われわれは現在、そういう艦艇の建造についても計画しておりませんし、また、そういう研究も行っておりません。
  225. 和田一仁

    ○和田(一)委員 時間が参りましたので、もう一つだけ申し上げて終わりにいたしますが、原子力基本法に基づいて、いま防衛庁はそういった計画はない、こういうような御答弁でございましたけれども、四十五年の四月十七日の参議院の予算委員会において、当時の中曽根防衛庁長官は、「将来原子力推進による船舶というものが一般化した場合には、自衛隊もその場合には考慮していいと思っておる。」こういう御答弁があることを私、確認をいたしております。これだけを申し上げて、私、質問を終わらせていただきます。
  226. 中村弘海

    ○中村委員長 瀬崎博義君。
  227. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 この前、政府が、原子力船事業団法の十年あるいは十一年延長法案を提出した際には、その根拠として、遮蔽の改修、総点検、出力上昇試験、実験航海第一、実験航海第二、実験結果の取りまとめ、そのためにどうしても十年が必要なんだ、こう繰り返し国会で答弁をされているわけであります。このことは政府側も十分承知しておりますね。
  228. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 承知をしております。
  229. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 当時、この期間の短縮がいろいろと問題になったときに、どうしてもこれは十年必要だ、こういうことで、その主要スケジュールについてもいろいろ説明があったわけでありますが、改めてこの十年の根拠、遮蔽改修に幾ら、実験航海第一に幾ら、こういうスケジュールを説明してください。
  230. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 十一年延長をお願いいたしましたときに、総点検、改修で四年間、それから出力上昇試験に一年、実験航海一に三年、実験航海二に二年、取りまとめ一年ということでございます。
  231. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 当時十年は必要だと言ったこのスケジュールが、今度五年延長になるわけでありますが、どこが変更されるのですか。
  232. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 現在の時点では、五十七年秋に遮蔽改修、総点検を終わりまして、それで一年間の……(瀬崎委員「どこが変更になるのか、変更部分を聞いておる」と呼ぶ)まず、出力上昇試験に入ります前の準備期間が一年加わります。それから、あとは実験航海が短くなるという点でございます。
  233. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そもそも、この十年のスケジュールが必要であったのか、五年でやれるのか、一体どっちであったのか。法案提出の方で、事業団を十年あるいは十一年延長したいというときには、これ以上短くなりません、どうしても十年のスケジュールが必要です、こう言い、今度は、いろいろ短縮して五年で済むような話をする。これは余りにも勝手過ぎる政府の説明ではないか、こういうように思うのですが、大臣、そうお思いになりませんか。
  234. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 短くするということではございませんで、統合の期限を六十年三月三十一日に考えさしていただきたいというふうに申し上げているわけでございます。
  235. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それでは、統合後に残されるスケジュールは、一体何と何と何か、これをはっきりしてください。
  236. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 実験航海が残ります。
  237. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 じゃ、それは統合後も政府としては予定どおりに行う、こういうことなんですね、確認をしておきたいと思うのです。
  238. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 予定どおり行いたいと考えております。
  239. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 これは大臣にぜひ伺っておきたいと思うのです。  かつて、宇野、長官時代であったと思うのですが、国会でも、この事業団が時限立法で、しかも小刻みに延長しているのは、これはやはり開発のやり方としてはまずい、恒久立法を目指していきたい、こういう趣旨の国会発言まであるんですね。それが今回、また時限立法になりました。そして、新たに統合という問題が出てきました。たった三年間の間にこんなにも政府の方針が変わる。だからこそ、われわれは行き当たりばったりだ、こういう印象を強く受けるわけであります。  こういう点、なぜ当初は恒久立法にしたいと考えた政府が、今回は時限立法、統合という方針に切りかえたのか、その点伺ってみたいのです。
  240. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 その当時、確かに恒久的な独立した機関、法人としたいという希望はございましたから、そういう話もして、強く意見としてあったわけでございますが、統廃合という政府の方針と折れ合ったということが今日の法案になっているわけでございます。
  241. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 大臣はなかなか答弁に立たれないのですが、今度は大臣に答弁を求めたいのです。というのは、当時、大臣が恒久立法を目指したい、こういうふうに答えているからなんですね。  そうしますと、当時は、原子力船の開発方針から言うならば、やはり恒久立法を目指したかった、こういうことではないかと思うのです。それを前提に、少なくも十年の延長は図りたい、こういうことだったのが、今度は行政改革が優先してきて、期限は短縮させる、統合は出てくる、本当にそのときそのとき絵をかいている、こういう感じがしてならないのですね。一体政府は、今日時点では、われわれの考えとは別といたしましても、原子力船の一貫した開発方針に忠実であろうとしているのか、それとも行政改革を優先させようと考えているのか、いずれですか、お答えいただきたいと思います。
  242. 中川一郎

    ○中川国務大臣 両方でございまして、長期的に研究ができるようにしたいし、行政改革の趣旨も、他の機関と一緒になるということですから、他の機関と一緒になる行政改革の目的を果たし、しかも、長期的に研究開発ができる、こういうふうになっておりまして、両方を満たしたまことに結構なものだと存じます。
  243. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 もともとこれは時限立法の事業団なんですから、本来は、目的を達成すれば解散する運命にあるわけですね。そういうものを、わざわざ行政改革の中で、一つ事業団を整理したという実績に加えようということ自身が、数字合わせのからくりのように思えるのですが、そうではないですか。
  244. 中川一郎

    ○中川国務大臣 それは違うと思うのです。当時は、十年あれば大体大体できるであろうという見通しであった。ところが、なかなか、ああいういろいろないきさつがあっておくれたこと、しかも原子力に関する必要性というのは、エネルギー時代を迎えていよいよ強くなってきたということであるならば、やはり長期的に研究を進めていこうというのも当然あっていいことですし、しかも行政機構の改革とも一致するということですから、現時点においては非常にいい案を得た、こう思ってお願いしているわけでございます。
  245. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 余りにも政府の言い分というのは御都合主義だろうと思うのです。あるときは十年延長で、あるときは恒久的な立法、そして今回は行政改革にもうまく事業団を利用する。こういうことで、われわれとしては、ますます不信をあおるものだと思うのです。  次に、ことしの五月十四日、当委員会で参考人にもおいでいただいて、いろいろ貴重な意見を拝聴したわけであります。特にその中で日立造船社長の木下昌雄さん、造船界の権威者であり、技術者でもあります。この方がこういう話をしていらしゃいます。  「今度の「むつ」の炉心部分その他についても見直しをして、その設計がいいかどうか、それから設計どおりできているかどうかを見直す必要は十分あると考えております。」こういう貴重な指摘に対して、政府並びに事業団はどういうふうに受けとめておりますか。見直す必要は十分あると見ているかどうか。
  246. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 私どもは、遮蔽改修だけでなく、念のため炉心部分を含めた原子炉プラントの安全性総点検を実施しているところでございまして、その一環として設計の再検討を行い、改善すべきところは所要の補修工事を実施しようとしているところでございます。  なお、燃料体の健全性につきましては、厳重な水質管理等によって確認しているというふうに理解をしております。
  247. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 これは、SSKでの俗に言う修理なるものが、原子炉の中を見ないで行う修理だ、これでいいのかという私の質問に対して、いまの答えなんです。いまの局長の答弁は、そういう意味で原子炉の炉心部分に立ち入って点検を行い、必要があれば改修を行う、そういうこともやるのだというふうに理解していいのですか。
  248. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 佐世保での修理は、俗称核封印方式ということでございますので、その前提に従ってやろうとしているわけでございます。
  249. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そうしますと、この木下参考人の指摘どおりにはやれない、こういうことではないのですか。
  250. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 設計を見直すということによってやっているというふうに思っております。
  251. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 設計は見直すが、炉心そのものに対して点検が加えられるものではない、こういうことなんですね。はっきりしてください。
  252. 野沢俊弥

    ○野沢参考人 安全性総点検の趣旨並びにその内容については……(瀬崎委員「いや、木下参考人に対する答えについて言ってください」と呼ぶ)設計面につきましては、「総点検の経緯」にもございますように、「設計の見直し」という項目を見ていただきますと、まず挙がってまいりますのが、「炉心特性の再評価」ということで、現在の「むつ」の炉心の中で、大変小型炉心であるということ、それから燃料の濃縮度が二領域に分かれているといったような面を勘案いたしまして、中性子のフラックス分布がどうなっているか、あるいは発熱分布がどうなるかというのを設計面から評価したものが「炉心特性の再評価」でございます。  それから二番目が「燃料特性の再評価」、これは燃料が順次燃焼が進んでまいりますと、変形を起こしたりあるいは燃料と被覆管との相互作用が起こったりすることが陸上の原子力発電所で経験されております。そういう現象が果たして「むつ」に起こるかどうかということを十分運転経験も踏まえまして再検討して、安全性が確認されております。  それから、現在の燃料が設計どおりにできているかどうか。これは事業団としての自主的な検査もさることながら、お役所の十分な検査を受けておりますので、設計どおり確実にできていることが確認されております。  それから、以降の経年変化につきましては、一次系冷却水を毎月二回定期的にサンプリングいたしまして、燃料の健全性が確認されております。
  253. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 ちっともこちらの言うことに答えていないじゃないですか。そういうことはわれわれも十分承知をしているわけであります。  木下参考人は、ただいま行われつつあるSSKの修理について私が質問したことに対して、炉心部分について設計どおりにできているかどうか「見直す必要は十分ある」、こう言われている。設計どおりになっているかどうかを十分見直そうと思えば、やはり実際に炉心部分をきちっと点検しないとできないことではないか、これをやるのかやらないのか、はっきりしなさいよと言っているのです。そのことだけ答えてください。
  254. 野沢俊弥

    ○野沢参考人 設計どおりできていることは、燃料の装荷前に十分確認されております。(瀬崎委員「SSKにおける修理で」と呼ぶ)現時点の総点検の中では、ふたをあけての燃料の点検は行う予定がございません。
  255. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 また、木下参考人はこうもおっしゃっているわけですね。  「それは研究開発船である以上は、事故とか故障もまた貴重な研究対象だと思うのです。そうなれば時間をかけて入念にやることが大事だと私は思うのですが、」こういう質問に対して木下さんの答えなんですが、「今後、何月何日までにきっちりやれといったようなしりを押さえて無理をする、もし無理ならば、無理をするといったようなことではなくて、やはり納得のいく慎重さを持ってやるのが本当ではないか。」こうおっしゃっているわけです。  あるいはまた、こうもおっしゃっています。「いわゆるIE手法あるいはVE、バリューエンジニアリングと申しますが、そういったような手法を、これはむしろ組合の協力をうんと得て、事前に全部こうやってやるのだということを示して、その協力を得た上でバリューエンジニアリングの手法を使ってやる上においては、私は、決していまのところ絶望とは考えておりませんが、相当むずかしいのではないかというようには思います。」これは私の質問ではないのですが、残された期限内に修理が終わり得るかどうかということに対するお答えなんです。  これは結局、私どもはうかつに修理に手を出すべきではないという立場をとってまいりましたが、現在修理が行われているというこの現実に立脚してお尋ねするのですが、やはりこういう専門家の指摘には耳を傾けるべきではないか。事は科学技術の問題ですから、そう精神主義的であってもいけない、主観的であってもいけないと思う。慎重な改修、点検をやる。あるいは研究開発船であるというなら、それにふさわしい調査研究も織りまぜてやっていく。そのためにはそれなりの時間がやはり必要なんだ、こう受け取るのがこの参考人の発言による教訓ではないかと思うのですが、大臣、いかがでしょう。
  256. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 ただいまの木下社長の御発言に対しまして、私どもといたしましては、無理をすることなく入念かつ慎重に行うべきだという御意見につきましては、一般論としてはまことにそのとおりであると考えております。  しかしながら一方で、政府、事業団といたしまして地元にお約束したことを守る、そのために最大限の努力を払うということも当然のことであると考えておりまして、でき得るならば、五者協定の期限内に安全かつ完全に工事を終了できるようあらゆる努力を払うべきである、これが今日の私どもの考えでございます。
  257. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 大臣も先ほどどなたかへの答弁で、この修理はりっぱにやりたいというふうな意思表明をされましたね。粗製乱造は避けたいというふうなお言葉もあったと思います。そうだとするならば、やはり天下の日立の社長であり、財界人でもあり、かつまた技術的専門家である、こういう人の教訓は十分聞いていただきたいと思うのです。ですから、願望は願望として、率直に-言って、技術的に見て十分な改修や総点検をやるということと五者協定との間には、もう今日時点になりますとそこそこの矛盾が生まれてきているのだ、こういう認識が必要なんじゃないでしょうか。大臣、いかがですか。
  258. 中川一郎

    ○中川国務大臣 確かに、期限というものがあることは無理な工事に陥りやすいという、一般論からいっても相矛盾したところがありますが、両方とも大切、守らなければならぬことでございますから、厳しい条件ではありますけれども、この矛盾がともにしっかりしたもの、すなわち安全性についても大丈夫、そして期限も守られる、こういう道をいま鋭意努力しているところでございますから、どうかひとつ御理解いただきたいと存じます。
  259. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 さらにもう一つ、木下さん、大事な指摘をされているんですね。  それば、SSKは場所を貸すだけだ、実際の修理は、一次遮蔽部分は三菱重工がやり、そして二次遮蔽部分と船体部分は石川島播磨重工が受け持つ、こういうふうな分割修理というのは造船界の常識かという問いに対して、新造のときからあれを分割発注ということは問題でございまして、非常にまれなことだということ、それから外国等のドックを借りて特殊な部分を修繕する場合、日本から修理の専門家を派遣することはあるけれども、こういうことも例外、だ、今度のような場合、SSKのような場合、非常に複雑でやりにくいのじゃないかなあという感じはいたしております、こういう指摘もありますね。  こういう点について、当事者であります事業団の方は、この木下さんの指摘をどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
  260. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 確かに、一般の修理の場合にはその造船所で全体を引き受けて修理をしていただくわけでございますが、今回の場合には、佐世保重工業さんで結果的には場所をお借りして修理をするという形になったわけでございますけれども、この修理そのものにつきましての基本的な計画から設計等につきましては、やはり責任を持って遮蔽改修を行うという点から、これは事業団みずからその基本設計を行ったわけでございまして、その事業団のつくりました設計に基づいてこの工事を部分的に、格納容器の外は石川島さん、それから格納容器の中は三菱さんということで工事をお引き受け願うことになったわけです。  これはもともと、格納容器の外側は、本船を工事をしていただいた時点でお引き受けをいただいた石川島さんにやはり同じ場所、また三菱さんにも、その同じところの工事をお引き受けいただくということでございますけれども、その工事の進捗等につきましては、現場での安全性確保、また工程のやりくり等につきましては、現場において私ども事業団、実際に工事を担当いたします三菱、石播、またこの関連のメーカー等が毎日この打ち合わせをいたしまして、工程あるいはこの安全確保等に十分配慮をいたしておりますので、この点については、工事の上で何ら支障はない、かように存じておる次第でございます。
  261. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 もともと事業団あるいは政府側がわれわれに説明しておったところは、石川島播磨にこの修理全体について契約を行う、こういう時期もあったわけですよ。ですから、いまの説明はそれとはまた違った苦しい弁解だと思いますけれども、それはともかくとして、じゃ一応そのいまの答弁の上に立って私は質問したいと思うんですね。  それなら、その船をつくった石川島播磨なり三菱が、それぞれの自分の受け持った部分を修理することがまさに適切だというのなら、なぜそこで修理そのものをしないのか、どちらかで修理をしないのか、こういうことが疑問として出てくるではないか、これを私が、このときも参考人木下さんに対して率直に質問しているわけですね。国民の素朴な疑問として、直接「むつ」に関係しているのは三菱と石播だ、ですから、なぜここへ持っていって修理をしないのか、こういう国民の疑問に対してはどうお答えになりますかと。  これに対して木下さんは、こう言っていますね。「今度の事故を含めまして、新造の当初からああいう分割発注せざるを得なくなったいきさつも全部含めまして、これは日本の造船業界が新しい原子力船の開発の際に多少しり込みをしておったと申しますか、それ以後のあり方についても反省をすべき点がなくはないと私は思っております。」やっぱり自分たちにも落ち度があるということを率直に認めているわけですね。  そうだとすれば、政府側としては、一体造船会社のどこに落ち度があったのか、これはやっぱりわれわれにきちっと説明してほしいと思うのですね。そして、そもそも今回の修理の期間が押し詰まってしまったとかあるいは係船料が非常に上がってしまったとか、いろんな困難な諸要因を突き詰めていけば、もともとやはり三菱か石播に持っていって修理すべきものを、辻佐世保元市長のありがたいおぼしめしがあったからと、こういうふうに当時佐々木科学技術庁長官が言ったわけでありますが、そういう理由で安易にSSKに入れてしまった。ここに私はそもそもの原因があるのではないかと思うのです。少なくも造船業界に一定の反省があるように、この点やっぱり政府にも一つの反省があっていいと思うのですが、長官、いかがでしょう。
  262. 中川一郎

    ○中川国務大臣 佐世保も安易にやったものではなくて、苦労して苦労して、唯一あそこに引き受けていただいたということで、安易にやっておりません。
  263. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 しかし、これを造船界のこれまでの一定のしきたりであるとかあるいは技術的な面から見た場合には、SSKに入れたこと自身は一つの大きな誤りの出発点ではなかったか、こういうふうにわれわれは考えるのですが、そうお思いになりませんか。
  264. 中川一郎

    ○中川国務大臣 いろいろの条件の中から最終判断、ああいうことになったことであって、安易であったり間違っておったとは思っておりません。
  265. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私どもは、もちろん大湊に再母港を要請する、こんなことのできる立場に政府も事業団もないと思っております。しかし、この大湊を再母港化したいという政府の願望の上に立ってみたところで、現在のあの大湊はそのまま使えないわけですね。使用済み核燃料の交換あるいは貯蔵、こういった施設は新たに建設をし直さなければならないわけでありますね。  そこで、これはまず事業団に伺います。この使用済み核燃料の交換、貯蔵施設部分について、基本設計など設置の許可申請に必要な作業、これには大体どのぐらいの期間がかかるものですか。
  266. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 これにつきましては、必要な基本設計等を行わなければならないということで、大体現在、新しい場所にこれをつくるという場合を考えますと、その必要なデータ、基本的なデータとしましては、地盤調査等も行わなければならないということになりますので、それを含めますと、やはり少なくとも半年ぐらいはかかるんではなかろうかと思います。
  267. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 今度は政府側に伺うんですが、では、一応その設置の許可申請、つまり基本設計の安全審査の申請が出てから、その審査そのものにどれくらいの期間を要するか。つまり許可を出すまでにどのくらいの期間がかかるか、一つの目安で結構ですから教えてください。
  268. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 陸上施設につきましても行政当局による審査、さらに必要に応じまして原子力安全委員会での審査があることになります。内容にもよりますけれども、慎重に審査いたさなければなりません。いまからどのくらいかかるかということはちょっと予想がつきかねます。
  269. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 過去の例を参考にしますと、大体どのくらいかかりそうですか。
  270. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 過去にもいろいろ例がございますが、必ずしも類型的なものがはっきりいたしませんので、はっきりした時間は申し上げかねますが……。
  271. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それじゃ全然審議にならないですよ。科技庁、それが安全局の仕事でしょう。自分たちの受け持っている仕事について全然めどが立たぬ、そんなことがありますか。だから、幅があるというんなら、大急ぎでやれば最低でこのくらい、いろいろ途中で問題が起こってきて長い場合はこのくらい、せめてそういうめどでも示すべきですよ。
  272. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 客観的に厳正に審査を行うという立場からしますと、出てくる申請内容がわからないうちに軽々に予想を申す立場にないと思います。
  273. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 冗談じゃないですよ。予想できないって、片一方で長官、すでに大湊に再母港の要請をしておって、ある程度対象をしぼっておきながら、いや出てこなければわからない、そんな冗談がありますか。  そうだとすれば、いま政府は白紙と見なければなりませんから、全く新しいところへこれだけの施設をつくらなければならない場合の安全審査はどれくらいかかりますか、それだったら答えられるでしょう。
  274. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 全く新しいケースですと、それこそ何が出てくるかわからないという意味でちょっとお答えしにくいのでございますが、大湊港の現在削除されているものが従来の形とそう変わらない形で申請されれば、それほど長い期間、何カ月とは申し上げられませんけれども、年の大台にならない期間でできるのではないかと想像いたします。
  275. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 年の大台にならない、それほど長くない期間というのは、先ほど六カ月というのは基本設計をつくる間で言われたが、似たような期間、こういうふうに理解すればいいですか、半年前後。
  276. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 半年以下でできるケースもあるかと思います。
  277. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 一、二カ月でできるということは考えられますか。
  278. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 そこまで厳密な、やはり現在申請が出ないうちに予測することは困難でございます。
  279. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 この前、大湊の母港の安全審査についてはどのくらいの期間かかりました。
  280. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 四十二年当時の審査は、船と陸上設備一体でございます。そして、ダブルチェックがございませんでした。約七カ月かかっております。
  281. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 その七カ月のうちで、いわゆる新しいところだと地盤調査などに期間がかかるとさっき言われましたが、その地盤調査等に要した期間は一体どのくらいだったのですか。
  282. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 前回の審査では、・地盤調査等を特に安全審査の段階で追加してやる必要がなかったようでございます。
  283. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そうしますと、やはり私が言った半年前後というのが大体一つのめどになるじゃないですか。素直に答えなさいよ。  それでは、一応基本設計の安全審査が終わって設置の許可がおりた、そこからいわゆる詳細設計に事業団はかかられるわけですね。大体この詳細設計、法律的に言えば設計及び工事の方法ということになりますが、この作成にはどのくらいの期間を要すると見たらいいのですか。
  284. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 詳細設計につきましては、基本設計が一応終わりました時点から部分的には詳細設計に私どもとしては入っていくわけでございます。その安全審査が終わりました時点におきまして、その過程でいろいろ直すべき点があれば一部修正はいたしますけれども、この安全審査の御許可が出た時点で、その間にやっておきました詳細設計に基づいて今度は設計及び工事方法の認可申請をいたします。したがいまして、詳細設計につきましては、私どものあれでは、やはり大体数カ月程度を必要とするのではないかと思っております。
  285. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 じゃ、その詳細設計を受けて、今度、設計及び工事方法の認可を政府としてしなければなりませんね。その審査には大体どれくらいの期間がかかるか。これもこれまでのことを参考にしながら答えてください。
  286. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 ダブルチェック体制になりまして一つ異なることは、安全審査の段階で設計、工事方法についての注文がついて、安全委員会のチェックが加えられる場合がございます。その点違いますけれども、詳細設計につきましては分割して申請がございます。そしてまた、分割して専門的に審査いたしますので、結果として余り期間がかからないで仕上がるケースが多いかと思われます。
  287. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 大体は……。
  288. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 最後の申請がいつ出るかによりますけれども、それから一カ月とか三カ月とか、そのくらいでしりの方は押さえられると思います。
  289. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 じゃ、その設計及び工事方法が認可されて実際に着工にかかるわけでございますが、大湊に必ず行くということを前提にしての話ではなくて、ああいう条件のもとで使用済み核燃料の交換並びに貯蔵、この施設部分の建設にはどれくらいの期間を見込めばいいのでしょうか。これは事業団の方に答えてもらいます。
  290. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 基礎工事から始めまして、建屋それから中の内装工事等含めますと、大体一年半から二年近くかかると思います。
  291. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 大臣、いまお聞きになったとおりなんですね。私、控え目控え目に一遍数字を復習してみますよ。  まず最初に、基本設計の安全審査のいろいろな設計だとか書類を整えるために大体六カ月、それから、それを受けて政府の安全審査の期間として大体六カ月、それから詳細設計並びに工事方法、この作成に数カ月と言われましたが、少ない方をとって三カ月、こうしましょう。それからその審査、つまり詳細設計の審査ですね、これが一カ月としましょう。そしてその後、実際工事期間として一年半ないし二年と言われましたから、短い一年半をとりましょう、十八カ月ですね。全部足しますと三十四カ月になるわけですね。ほぼ三年かかるわけなんです。こういう事実がある以上は、いま直ちに母港の選定が仮定の話として大湊でできたとしても、まさに三年かかるわけですから、明らかにその間「むつ」は持っていけないはずですね。そういう点では、いままで苦労して答弁を五者協定と違反しないように合わされようとされましたけれども、こういう事実がある以上、「むつ」をどこか洋上にでもとめておくのならいざ知らず、これはどうしても五者協定は守れないとはっきり言わざるを得ない段階に来ているのではないか。この点を大臣に伺いたいと思います。
  292. 中川一郎

    ○中川国務大臣 そういうこともありましたから、なるべく早く使える、新しいところよりはむつということでお願いする一つになっているわけですが、それでもなおかつ三年かかる、こういうことになれば、確かに三年間は上昇試験、テスト等はできないということですから、係船だけをお願いする、こういうことになるのだろうと存じます。
  293. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 係船だけをお願いするというのは、佐世保に対して係船だけをお願いする、こういう意味でおっしゃっているわけですか。
  294. 中川一郎

    ○中川国務大臣 新しく決まるところにということでございます。
  295. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 重大な発言があったわけでありますが、次に、今回の大湊に対する再母港要請をめぐりまして、すでに青森県の陸奥湾で漁民が大変な海上デモをやって、四者協定の履行それから再母港反対の意思表示をした、あるいは県民の再母港反対の集会が開かれた、こういうふうな事実は大臣も御存じだと思うのですね。  それで、こういう漁民、県民を敵視し、弾圧するような姿勢ではとうてい地元住民の合意は得られない、こう思うのですが、いかがでしょうか。
  296. 中川一郎

    ○中川国務大臣 敵視、弾圧したことは絶対ありません。民主的に御検討願えないかというお願いをしているところでございます。
  297. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そこで、具体的にこれは事業団に伺うのですが、四十九年八月当時でありますが、「むつ」が出力試験のために大湊港から出港した当時、八月二十六日夜、反対漁民の漁船がしけで避難したすきをついて、「むつ」は強行出港しているわけですけれども、当時事故は予想しない状態のもとにあります。次の入港をいつと予定しておりましたか。
  298. 野村一彦

    ○野村参考人 事故が起こる前の次の入港日、ただいまちょっと調べてお答えいたします。
  299. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 その入港計画について、当時県知事に対してどういう内容、どういう方法で報告する段取りになっておりましたか。
  300. 野村一彦

    ○野村参考人 これは、海上保安庁の方からただいまお聞きしたわけでございますが、事故を起こす前の入港予定日は九月六日であったようでございます。
  301. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 九月六日午前五時というのが当初の予定であって、ところが知事に対する報告については、九月六日の午前十時着と通知をして直前に再度変更する、こういうふうな予定をしておったようでありますが、そういう事実はないですか。
  302. 野村一彦

    ○野村参考人 そのような事実は承知いたしておりません。
  303. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 海上保安庁に伺いますが、この入港計画案に対して、延期してほしいという要請を行ったことがありますか。
  304. 加藤正義

    ○加藤説明員 お答えいたします。  そのようなことはいたしておりません。
  305. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私どもの得ている資料では、出港の際配備した船が現在修理中であるとか、あるいは台風の特別警戒中で「むつ」の警備まで手が回らないとの理由で、九月七日以降の入港を要請した、こういう事実をつかんでいるのですが、そういう事実はないと断定できますか。
  306. 加藤正義

    ○加藤説明員 先般新聞報道がございまして、当時の関係者から一応事情聴取いたしましたが、そのようなことについては記憶がないということを申しております。
  307. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 海上保安庁は「むつ」の入港時に備えて特別な警戒態勢、たとえば放水銃などによる強硬な排除手段、こういうことを考えたということはありませんか。
  308. 加藤正義

    ○加藤説明員 お答えいたします。  当時の警備方針としましては、多数の漁船が反対行動をとるという情勢から、海上の特殊性にかんがみ人命に危険が及ぶことを絶対に回避する、妨害しようとする船舶の乗り組み者に対しては、説得、警告により妨害行為を中止させることを原則とするというようなことで、そのようなことは当時考えておりませんでした。
  309. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 さらに「むつ」との連絡について、巡視船の供与など事業団から特別の要請を受けたことはありませんか。
  310. 加藤正義

    ○加藤説明員 警備実施中には、そのようなことはございませんでした。
  311. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そのほか私の持っているこの資料には、検察庁が前回出港阻止の主要リーダーを検束し、阻止勢力の弱体化を企図しているが、九月六、七日入港では検束が間に合わぬとか、警察当局が前回出港時の法律違反者に対する一斉手入れを考えている、こういうことを事業団が情報としてつかんでいる、こういうこともメモされているわけであります。これが事実とすれば、先ほどの大臣の答弁とは全く相反することがこの前、現に行われたということになりますね。  そして、こういう一種の謀議と言いましょうか、これは一回ではないのですが、一例を挙げますと、四十九年八月三十日の午前十時から十二時まで海上保安庁で、さらに四十九年八月三十一日は十三時三十分から十五時三十分まで同じく海上保安庁で行われた。これは海上保安庁と事業団のほかに科学技術庁、運輸省も参加していたとわれわれは承知するのでありますが、科技庁、いかがでした。時間がないので科技庁にだけお伺いします。
  312. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 そういう新聞報道がございましたので、名前が挙がっておりました者に対しまして至急問い合わせをいたしましたところ、八月三十日にそのような会議があったということを記憶しておるという程度でございまして、内容については聴取できませんでした。
  313. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 われわれは新聞報道で言っているのじゃないのです。事業団にはいわゆるマル秘と称する資料、上にマル秘の判こを押した資料、そういうものがあるのですか、ないのですか。
  314. 野村一彦

    ○野村参考人 新聞報道でマル秘の文書と書いてありますが、あれは一種の私的なメモだと思います。あの報道がありました後、大分前のことでございますが、極力あれを追跡をいたしまして、当時の関係者に照会をいたし、問い合わせましたけれども、そのようなことについての記憶と申しますか、そういう確認をすることはできませんでした。
  315. 中村弘海

    ○中村委員長 瀬崎君に申し上げますが、約束の時間が過ぎましたので、結論をお急ぎください。
  316. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 ちょっと委員長、了解を得て、いわゆる当時のメモ、文書をちょっと事業団に見てもらって、これはもちろん便せんは事業団の便せんなんですが、こういう書類が存在しないと否定できるのかどうか、答弁を求めたいと思うのですが、よろしいでしょうか。
  317. 野村一彦

    ○野村参考人 お示しの文書については十分調査いたしましたが、そういうものはございません。
  318. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 ないんですね。否定するわけですね。私どもは、これが十分存在するという確信のもとに、現物そのもののコピーが手に入っているわけであります。いま言いましたように、この内容は非常にゆゆしき問題でありますから、今後本委員会でも十分調査するようにしていただきたい。お願いをして、終わりたいと思います。
  319. 中村弘海

    ○中村委員長 日野市朗君。
  320. 日野市朗

    ○日野委員 午前に引き続いて私の質問を継続いたします。  午前中は、「原子力船「むつ」の安全性総点検補修工事について」と題する昭和五十五年十月科学技術庁と運輸省の発行した文書に表示されている改修の内容について伺ったわけでありますが、またその点について若干の質問を追加させていただきたいというふうに思うわけであります。     〔委員長退席、椎名委員長代理着席〕  私、ずっとこの文書を見て、正直に申し上げて、実は何のことやら全然わからないのであります。ただ、先ほどもちょっと議論になりましたけれども、常識で考えてみて、たとえばECCSの注入系のポンプの容量をもっと大きいものに交換をするというようなことでありますけれども、これについて、いろんなパイプの強さとかなんかについては十分にコードを用いて計算をしてあるんだ、こういうようなお話を先ほど伺ったのであります。ただ、どうなんでしょうか、そういうコードによる計算も結構な話でありますが、これなんかもちゃんと格納容器を開いてみて、また場合によっては格納容器にもっと太いパイプが通るようなふうにした方がより望ましいということは言えるんでございましょう。
  321. 野沢俊弥

    ○野沢参考人 お答えいたします。  低圧系のポンプの容量を増大しましたときのパイプは、そこにございます絵をごらんいただきますとおわかりになりますように、格納容器の中でサイクルが閉じております。水は格納容器の中にございますし、圧力容器の中に水を入れるわけでございますので、低圧注入系は格納容器の中で入り口、出口が完結しているものでございます。したがって、その格納容器の穴云々ということはございません。  それからもう一つ、高圧注入系につきましては、現在格納容器の中が一部パイプが一重になっておりますものを全部二重に引き回すということでございまして、ポンプの容量も変わりませんし、パイプは延長だけでございまして、変更は予定しておりません。
  322. 日野市朗

    ○日野委員 いずれにしても、原子炉容器の中には一切手をつけられないということになりますね。
  323. 野沢俊弥

    ○野沢参考人 圧力容器につきましては、一切手を触れることを考えておりません。
  324. 日野市朗

    ○日野委員 これは安藤委員会であったと思いますが、圧力容器を開かなくともこれについての総点検及び改修は可能だというように言っておられるわけなんですが、どうも素人が考えてみて、一番肝心のところである原子炉容器の中を見ることなしに、こういった点検とか補修工事が果たして可能なのかという疑問は、私、非常に強く持たざるを得ないのです。  特に、安藤委員会のこの報告書が上がったのは、修理港をどうするというようなことで非常にもめているときでありまして、修理港側にもまた定係港側にも非常に政治的な配慮を加えながら、このレポートができ上がったように思うのです。  私も、実はこの関係の方に忌憚ない話を聞くなんということもないわけではございません。この関係者の方に意見を聞く機会がないわけではありません。そうすると、いや、安藤委員会であんなふうに書いてもらったために、実は余り思い切ってできないんだよというようなことは、やはり技術者として率直な声だと私は思うのですが、そういうことも言われているやに私も聞いているわけです。どうなんですか、これは現在非常に微妙な段階で、なかなか率直におっしゃりにくいことがあろうこともわかるのですが、そういう現場の技術者の方の意見なんかはどういうふうにお考えになりますか。
  325. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 この遮蔽改修のために、圧力容器の上ぶたをとらないでその工事ができるかどうかということについての検討でございますが、これは、当時佐世保に回航して修理をお願いするという時点におきましては、私どもは、この遮蔽改修の工事をいたしますのに、圧力容器の上ぶたの上に新しい遮蔽体を乗せるということを計画をいたしておりましたが、これについて、狭い格納容器の内部で工事をするよりは、私どもといたしましては、圧力容器の上ぶたを取り外して、これを岸壁の上なりおかへ移しまして、広いところで圧力容器の上につける遮蔽体の取りつけ工事をしたい、こういうぐあいに考えておったわけでございますが、長崎の方の御要望がございまして、圧力容器の上ぶたをあけないで工事ができないかというようなお話がございましたものですから圧力容器の上ぶたを外さないでその工事ができるかどうかということについての検討をいたしたわけでございます。  その結果、多少狭いところでございますが、圧力容器の上ぶたを外さなくても、――安全に留意をしまた他の工事との関連性を考えていけば十分安全に工事ができるということで、格納容器のふたをとらずに工事をしようということになったわけでございます。  一方、総点検の観点から、圧力容器内部について、これを実際に目でもって点検する必要があるかどうかという点につきましては、燃料体自身につきましては、燃料製造時の品質管理、また燃料検査の結果、また燃料装荷時の状況、またさらには燃料の入っております中におきます一次冷却水の水質管理を十分いたしておりますし、また一次冷却水のサンプリングも定期的にやって、その結果から見まして、現在燃料体に何らの異常も見られない、また前回の臨界試験等の結果から見まして、炉心には何らの異常が認められないという確信を得ましたので、内部についての点検は行わないでいいであろうという結論を得たわけでございます。
  326. 日野市朗

    ○日野委員 私、ちょっと見て非常に疑問に思った点をもう一つ申し上げますが、二次系の冷却水の水質の管理、これを改良するんだ、こういうふうにおっしゃっておられるのですが、もうすでに燐酸ソーダは入れてあるわけですね。     〔椎名委員長代理退席、委員長着席〕 そうすると、この燐酸ソーダ、かなり細管などに付着をしてとりにくいんじゃありませんか、これからヒドラジンを入れるようですけれども。
  327. 野沢俊弥

    ○野沢参考人 御指摘のとおり、当初「むつ」は、二次系の水質管理のために燐酸ソーダを注入しております。しかし、出力運転をいたしておりませんので、原子炉の内部に燐酸ソーダがぐるぐる循環するということはいままでございません。  それから、今後ヒドラジン処理に変えるに当たりましては、関西電力が一番経験が深いわけでございますけれども、陸上発電所の経験を踏まえて、十分に洗浄をしてヒドラジン効果を十分あらしめたいと思っております。
  328. 日野市朗

    ○日野委員 それから、ECCSの系統について伺いますが、これは蓄圧式のECCSが必要であるというふうには考えなかったわけでしょうか。
  329. 野沢俊弥

    ○野沢参考人 先生の蓄圧器のお話は、PWRについてのお話かと思いますが、同じ加圧水型でもいろいろな原子炉のシステムがございまして、加圧器がついているものもございますし、UHIがついているものもございます。要は、安全解析の結果、一次冷却水が喪失した場合に、新たに非常用炉心注水が行われるまでの間、燃料被覆材の表面温度が最高何度まで上がるかという詳細な事故解析を行った結果、それが規制値を下回っていればいいということになっているわけでございます。
  330. 日野市朗

    ○日野委員 幾つかの点を、私、ぽんぽんと出したわけですが、何としてもこの炉についてこれだけの、七系統に及んで二十項目に上る、しかも二十項目をさらに細分化するわけですね。そうすると、かなりの数に上る改修を必要とする点、必要と思われる点が出ているわけでありまして、どうしても私には、この炉が大山委員会の言う、かなりの水準に達した炉であるという心証を得ることか非常にむずかしいのであります。おまえさん、素人だからだ、こういうふうに言われればそれっきりでありますが、もう日本国民のかなりの部分がまさに素人なんでありまして、その国民の納得の上に――これは完全な納得ということを私、言っているのではありませんで、相当の納得の上にこの原子力船の炉が今後とも運営されていくのでなければ、原子力船の開発などということはできない。現にもうこの「むつ」そのものがあらゆる困難に逢着しているわけでありまして、この困難の度はますます強まっていくであろうというふうに思うのです。  それで、私は、この炉についての関係者の取り扱い方について伺っておきたいと思うのです。もちろん、これは安全委員会のダブルチェックも必要になってまいります。これらについて、これを厳正にやっていただけるのでしょうね。この厳正さということが非常に大切なことであろうかと思うのです。  私も、最初に「むつ」の炉の安全を審査した資料をちょうだいをして見たのですが、非常に記載そのものが平板であります。特に遮蔽に焦点を当てて見た場合、これは非常に平板な書き方をして、これはもうちゃんと技術者がやったんだろうから、まあ大丈夫だろうと言わんばかりの記載の方法であります。もっとも、その当時は原子力委員会でやっているわけでありますが、私は、このような姿勢が現在もまた安全委員会において承継されるのではないかということを非常に心配をいたします。そういう点から、私は、安全委員会の取り組みについての姿勢、お覚悟のほどをひとつ伺いたいと思うのです。きょうは事務局しかおいでになりませんが、事務局長からひとつ聞かしてください。
  331. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 現在、安全性総点検の結果の補修工事につきまして申請が行われております。それにつきまして科学技術庁、いわゆる行政庁の方で第一次審査を行っている段階でございます。いずれ安全委員会にダブルチェックをお願いすることになります。この安全委員会の立場といたしましては、行政庁の行いました安全審査の結果を再チェックする、あるいは違う角度から新しい知見についてチェックする。これは現在、発電炉について厳正に行っておりますが、これと同じ考え方で、厳正かつ中立の立場で慎重に行われるはずでございます。
  332. 日野市朗

    ○日野委員 この「むつ」の開発がナショナルプロジェクトであるがゆえに、このプロジェクトを推進するという妙な使命感を安全委員会は持つべきでないと私は思うのですね。ここについては安全委員会のプライドにおいて、きっちりやってもらいたいというふうに私は思うんですよ。  実建原子力委員会当時からの前科があるんですね。大山報告書によりますと、このストリーミング、中性子が漏れるという事態は、もうすでに予測できていたのだというようなことが書いてある。予測できていたのではないかというのはちょっと言い過ぎかもしれませんが、ストリーミングを起こすような兆しは、ちゃんとデータとしても上がっていた。それからウエスチングハウスのチェック・アンド・レビューで、ウエスチングハウスがちゃんと対策の勧告をやっているというようなことが大山委員会の指摘にございますね。これはかなり甘い審査をやったということを言わざるを得ない。  それから、私、実は安全委員会、余り信用しておりません。非常に強い不信の念を私、持っております。大体TMIの事故で世界じゅうが鳴りをひそめて、その結果やいかんということ、みんな本当にしいんとしてその事故の推移を見守っていたときに、日本の安全委員会だけですよ、日本の原子炉は大丈夫だと言い放ったのは。私は、このような安全委員会、いま信頼することはできないと思うのですが、このような安全委員会が果たしてこの炉について、このようなナショナルプロジェクトで本当に一みんな無理を承知でやっている。大臣が何と言おうと、だれが何と言おうと、無理を承知でやっているわけですよ。この「むつ」にかかわった者ならだれでも知っていることですが、無理に無理を重ねながらやっているこのような事態で、政治的な配慮がみじんも入ることは許されないのだという覚悟でやってもらえるのかどうか。これは本当は安全委員長さんの吹田先生でも呼んで、そこらはしっかりした注文をすべきでありましょうが、そういう覚悟はどうでしょう、ありましょうかね、いまの安全委員会。
  333. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 四十二年当時の原子力委員会をいまからとやかく申すこともできませんが、大体わかりますことは、ストリーミング現象というのを、知識としては持っておりながら、それがどういう事態になったらあらわれるという適切な判断をするだけの材料を、必ずしもまだ持ち合わせてなかったというのが一つかと思われますし、さらにもう一つ、これは現在では改良されていることなのですが、安全審査の段階では放射線の漏れ方、それだけを最終的にチェックする、それの具体的な方法は設計と工事で見る、ところが安全審査の方が最後まで見届けないというのが当時のやり方でございました。現在も安全審査は、基本設計についてはやるには違いありませんけれども、重要事項については、工事方法まで後を追っていくというのが現在の安全委員会の形でございます。したがいまして、いまではそういう形は違うかと思われます。  さらにTMIのことは、いろいろ深くなりますのでここでは省かせていただきますけれども、いきなり、情報がないまま日本の原子炉が全部安全であるという宣言をしたわけではなくて、あのままの形の事故は起こりにくいという詳しい条件をつけての話でございました。
  334. 日野市朗

    ○日野委員 どっちにしても、これは私だけじゃないと思います。本当に素人であればあるほど、この「むつ」の炉については不安感を持っているというのが、恐らく国民の多くの人たちの意見であろうと私、思います。  それで、私、ここで「むつ」の炉についての今度の設置許可の安全審査の添付資料、これはかなり大部のものになると思いますが、煩をいとわずにぜひ出していただきたいと思うのですが、資料請求をいたしたいと思います。いかがですか。
  335. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 御指摘の書類は、すでに公開いたしておりますので、いつでもごらんいただけるのでございますが、大部であり、かつ複雑な図面等がございますので、すぐコピーできるかどうかちょっとお答えしかねるわけでございます。
  336. 日野市朗

    ○日野委員 すぐではなくてもいいです。多少の日時がかかっても結構でございますから、ぜひ出していただきたいと思います。よろしゅうございますね。――じゃ、炉の問題、技術の問題はそのくらいにいたしましょう。  次は定係港の問題について伺いますが、便宜上、定係港と言います。この付帯の陸上設備の中で、その用を廃していないものは何点ぐらいございますか。どごとどこですか。
  337. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 ただいまの先生の御質問は、私どもの陸上付帯施設の中で、現在の設置許可の中から削除してあるものは何かという御質問かと存じますが、これにつきましては、使用済み燃料の貯蔵施設、燃料等の取り扱い施設と申しますか燃料交換をするときのキャスク、それからあとクレーン、除染設備等でございます。
  338. 日野市朗

    ○日野委員 それだけあれば定係港は廃止されていないという結論になるのでしょうが、もし仮に「むつ」の定係港大湊を四者協定に従って撤去したというような解釈がとれる事態は、どういう事態でしょう。付帯施設が全部取り払われた、用を廃した、そのときに撤去になるのでしょうか。
  339. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 現在、大湊港にございます陸上付帯施設につきましては、「むつ」を着けますためにつくられた岸壁から廃棄物処理施設等、あとこれに関連いたしまして新燃料の貯蔵施設、それからさらには放射能の監視設備等、定係港関連の一連の施設があるわけでございますが、撤去に当たりましては、新しい定係港がほかに定まりましたら、そこへ一応新しい陸上の付帯施設をつくり、その整備のため使い得るものはそちらに移して、それの整備が完了した時点で定係港はそちらへ移るということで、現在の陸上付帯施設は廃止するということになると思います。
  340. 日野市朗

    ○日野委員 これは定係港と言い、母港と言っても法律用語ではございませんので、明確な意味づけが実は与えられていないので、私は、そういった原子力関係の陸上付帯設備があるうちは定係港は撤去したことにならないのじゃないかと思うのです。どうなんですか、現在はこれは定係港として廃止されているのですか、廃止されていないのですか、どういう解釈にお立ちになりますか。
  341. 赤羽信久

    ○赤羽政府委員 私から規制法上の解釈だけ申し上げますと、規制法上は、冷態停止を前提としましたものが残され、一部が削除された状態で陸上設備が残っているという立場でございます。
  342. 日野市朗

    ○日野委員 いや、だから、そこの規制法上の用語、その概念と、それから現在定係港、母港と荒っぽく言われているところに大きな食い違いがあるのです。ですから、その食い違いを埋めるために、定係港が撤去されたと言われる状態はどういう状態なのか、ここのことを伺っているのです。
  343. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 御承知のように、大湊港の定係港施設、陸上施設でございますが、四者協定によりまして、使用済み燃料交換キャスクを青森県外に搬出した、あるいは使用済み燃料プールを埋め立てた、クレーンのかぎを青森県知事にお届けしたということがございまして、それで、十分確かめ切れないわけでございますが、撤去という理解がその時点ではとりあえずそこまでという理解があったのではないかと思われるわけでございます。  そこで、もし六カ月以内に新定係港が決定されておったならば、恐らくその時点で撤去についての改めての御相談があったのではないかと想像されるわけでございます。そのことは、昭和五十三年の八月に「むつ」の佐世保への回航を前にいたしまして、当時の熊谷長官が青森を訪れられましたときに、四者でもって、いずれ「むつ」が出港後適当な機会にこの撤去の問題について相談をしましょうというお約束になっているという事実がそのことを裏づけているように思うわけでございます。そういう経過を踏まえてでございますが、恐らく撤去ということにつきましては、その原子力船にかかわります陸上付帯施設がなくなった状態ということが、理論的には撤去ということになるのかと思っております。
  344. 日野市朗

    ○日野委員 これは、四者協定によると撤去することになっているわけですからね。そうすると、この陸上付帯設備、これは全部正式の原子炉等規制法に基づく付帯設備ではないのだということで、それを用を廃するという趣旨の申請をすぐに事業団はなさるおつもりがございますか。また、長官、科技庁の側としてはいかがでしょう。
  345. 野村一彦

    ○野村参考人 事業団といたしましては、ただいま原子力局長が答えられましたように、「むつ」が出港する直前に当時の熊谷長官が現地に赴かれまして、私も同行いたしたわけでございますが、そのときに、先ほど申し上げましたようなこの撤去ということに関しては、「むつ」の出港後適当な一時期に四者間で協議をして決めるということでございまして、その当時、つまり撤去ということについていろいろ論議が行われたわけでございますが、先ほど申し上げました法律上も対象にしている、削除されたるもの、それから事実上機能を停止しているもの、そういうものがございますので、その扱いを協議するということにしたわけでございます。したがって、事業団としては、その協議を待って必要な措置をするということで、現在までその残った施設の廃棄の申請ということはいたしておりませんし、今後もその協議の結果によって行うことだと考えております。
  346. 中川一郎

    ○中川国務大臣 政府も、いま事業団が答弁したとおりでございまして、四者において話し合うと一いうことになっておりますから、四者の間で話し合った結果、残ったものを撤去するという決まりができれば撤去いたしますが、四者の話し合いの以前に私の方から進んでやる意思はございません。
  347. 日野市朗

    ○日野委員 四者協定では二年半で撤去ということになっておりますね。そうすると、その協議をするまでには撤去しなくたっていいというような解釈も成り立ち得るのかなと思うのですが、やはりこれは母港なり定係港を撤去するのだということになれば、これはもう必要もない陸上施設ですな、陸上設備。こんなものは早く廃止してしまわなくちゃいかぬのじゃないですか。そういった話し合いをするなんというのは非常に簡単なことでしょう。何でその話し合いをいままでしていないのでしょう。誠意がないとしか言えないのじゃないですか。
  348. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 入港後六カ月以内に新定係港を決定し、二年六カ月を目途に定係港を撤去する、こういう文章でございまして、このいずれも残念ながら守れない状態にございますので、そういう点も含めて四者でいろいろ御相談したい、こういうことを申し上げたわけでございます。それが守れなかったという責任については政府にあるわけでございまして、この点は中川長官からも再々、申しわけないとおわびを申し上げている次第でございます。
  349. 日野市朗

    ○日野委員 どうも無理に無理を重ねるとそういうことになっちゃうんですね。  それで、さっき瀬崎委員からも、実は定係港についてこれからどのぐらいの時間がかかるのかという質問がございました。私も、これは定係港を新しくつくっていくというためには、一年や一年半の仕事ではないだろうというふうに思います。  それで、現に修理の期限内に、佐世保に「むつ」を置ける期限内に定係港をつくることができないことは、これはもう既定の事実というふうに考えざるを得ないわけですが、先ほど御答弁のあった点をもう一度確かめたいのです。そのような場合は、やはり定係港が設備ができていなくても長崎からは出す、そしてその新定係港と思われる場所に係船をしておく、こういうことは間違いございませんね。
  350. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 そのようにしたいと考えております。
  351. 日野市朗

    ○日野委員 具体的な候補地、これは目安が立っておりますか。  能率的に言うためにもう一つ質問を追加しますが、大湊はそれには入っておりませんでしょうね。
  352. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 いまお願いしているところでございます。
  353. 日野市朗

    ○日野委員 大湊にもお願いしている、こういう趣旨ですか。
  354. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 大湊にお願いしているところでございます。
  355. 日野市朗

    ○日野委員 それから金のかかり方なのですが、これは新定係港をつくるという場合、一体どのぐらい金がかかるのだろうということは非常に注目せざるを得ないところなのです。一体どのぐらいの金がかかりますか。これは、全く新しい定係港をつくるという場合についてお答えいただきましょう。
  356. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 これは、新しい定係港を設置します場合に、その場所、またその港湾条件、環境条件等によりまして非常に変動があると思います。港湾のないところでございますと、港湾設備からつくっていかなければならないということでございますが、やはり数百億のオーダーではなかろうかと思います。
  357. 日野市朗

    ○日野委員 数百億というお答えですが、ニュアンスとして受け取れば、百億や二百億ではとまらぬというニュアンスにお聞きしてよろしいでしょうかね。これはいろいろな条件がありますから、一律に、いま確定的な額でおっしゃれないことはよくわかります。ニュアンスとして受けとめておきたいのですが……。
  358. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 新しいところでございましたら、やはり少なくとも三百億以上はかかるのではない一かと思います。
  359. 日野市朗

    ○日野委員 それだけの金が一応かかるということで、その財源的な措置はどのようになりますか。
  360. 石渡鷹雄

    ○石渡政府委員 現在の財源措置といたしましては、五十六年、五十七年の二カ年間の債務負担行為として六十億を用意しておりますが、これがもし大湊にお引き受けいただけます場合には、燃料交換施設の改修に充てる予定でございますし、それ以外の場合には、恐らく岸壁の整備といったような費用に充当されることになるかと考えております。
  361. 日野市朗

    ○日野委員 大湊にもし仮に持っていった場合、これはどのぐらいの金になりますか。
  362. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 現在、来年度予算としてお願いをいたしております六十億で、燃料の交換用のプール、現在許可から外されておりますものの建設を行うことになるかと思いますけれども、それ以外のものにつきましては現在の施設につきましての見直し等を今後行って、地元の方で快い御返事がございますれば、これについて今後どういうように整備をしたらよいかということについて、経費等もあわせて検討をしてまいりたいと思っております。
  363. 日野市朗

    ○日野委員 ここのところにばかりかかってもいられませんので、どんどん質問を進めてまいりますけれども、「むつ」というのは昔から非常に金を食う船でございますね。しかも、実際実行されてみると、予算で組んでいたものから倍ぐらい高い金にふくらんでいくのですね。まず第一船の建造予算なんというのは三十六億ぐらいで、始まってみたら六十億、それから六十四億ぐらいだったのが百二十四億なんといって、大山レポートにも、これは非常に嘆かわしいというムードで書いておりますけれども、これからさらにどのくらいの金がかかっていくかということについて、どうも私は、また同じようなことを繰り返していきそうな感じがしてなりません。  現在の佐世保重工で行われている補修作業、これについても第二期の契約がまだできていないのでしょう。これが一体どのくらいにふくらんでいくものか。これについて固まってきたような話でもあるのでございますか。それともこれからということで、現在のところ全く白紙というような状態でしょうか。こういう場合、坪内さんを責めるというような論法では通らぬと思うのですね。「むつ」というものが置かれてきたこういう状況というものを考えながら、これからの金のかかりぐあいを模索していかなければならない。大体どんなふうに考えておられますか。
  364. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 遮蔽改修工事につきましては、現在五十三億の予算をいただいて、その線で進めるべく努力を行っておるわけでございます。総点検の補修工事には大体三十億程度を要するということでございまして、なおその後、実験航海等を進めていかなければならないということでございまして、いろいろ検討等ございますから、まだこれについては具体的に出ておりませんけれども、大体百億ぐらいはかかるのではないかと思います。
  365. 日野市朗

    ○日野委員 ちょっとよく聞き取れなかったのですが、佐世保重工との二期工事についての、一期工事、二期工事、それから三期まで行くのですかな、これはトータルとしてどのくらいを見るということですか。
  366. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 一期工事、二期工事等を含めまして遮蔽改修工事に約五十三億、それから総点検工事に約三十億でございます。(「係船料は幾らなんだ」と呼ぶ者あり)
  367. 日野市朗

    ○日野委員 いま、係船料はどうなんだという声も聞こえておりますが、係船料だけだって非常にばかにはならない。しかも、二期、三期だって、これはこちらだけの目安、見込みでございましょう。どうですか。
  368. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 これにつきましては、現在メーカーの方と折衝をして、とにかく予算の中でおさめるべく努力をしたい、かように考えておるわけでございます。
  369. 日野市朗

    ○日野委員 この船の修理が一応できたとして、これは航海して歩くことになるのだろうと思うのです。どうなんでしょう、この船が航海をして国内の港に入るという場合、かなり多くの抵抗が予想されるのじゃないかと思います。または海外の港に入るときも、これはもう「むつ」というのはかなり有名になってきておりますから、恐らく外国でもすんなり受け入れてはくれないのではなかろうかというふうに思うのです。そういった場合、国内の各港に入る場合だって、もし何かトラブルがあったらどうするというような問題も考えなくちゃいかぬ。  外国なんかに参りますと、特に太平洋沿岸または太平洋の中の島々の国々なんかは、特に日本には原子力の関係では余り好感を持っておらないようですね、低レベルの放射性廃棄物の投棄の問題なんかも含めて。かなりきつい注文が、恐らく国内でも国外でも出てくるのじゃないかと思いますね。きょう午前中に外務省を呼んで聞いたら、外国の港に入るときの入り方なんかについては相談も受けていないというような答弁をしておりましたが、私は、これは大きな手抜かりだと思います。そういう外国の港なんかに入るとき、すんなり入れると思いますか。これは、場合によっては損害の完全補償などというきわめて厳しい条件がつけられたりするのじゃないかというような不安も持つのですね。そうすると、実際上外国の港には入れないというような事態すら想像できるのではないか。いかがでしょう。
  370. 野村一彦

    ○野村参考人 「むつ」が具体的に外国の港に入港するということにつきましては、現在まだ検討いたしておりません。ですが、一般的に申し上げますと、サバンナとかオット・ハーンの例に見られますように、相手国との二国間の話し合いによって協定を結んで入るということが必要になろうかと思います。その場合には、先般も外務省の方でしたかが説明されましたように、あるいは原子力安全局長ですかが説明されましたように、海上における人命安全条約という条約によって要求されておりまする安全説明書を提出するとか、あるいは相手国の立入検査権を認めるとか、その他放射性廃棄物処理等に関してのはっきりした目安を立てるというようなことについて、相手国の事前の同意を得なければならないということで、相当の事前準備並びに外国に対する根回しが必要であるというふうに考えております。
  371. 日野市朗

    ○日野委員 いまお述べになったのはSOLAS条約という条約ですが、その条約があっても、オット・ハーンにしてもサバンナにしても、かなり苦労したことはうかがい得るわけですね。両国間協定でこれはかなり苦労しております。日本の「むつ」の場合の困難性はさらに倍加するだろうと私は思うのです。特にそこで問題になっているのは、入港する先の国から完全賠償というような要求を突きつけられて、にっちもさっちもいかぬというような状況が非常に顕著に見受けられるのですが、そういうのを乗り切っていくだけの自信がございますか。いかがです。
  372. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 外国へとにかく参ります場合には、先ほどからお話しございますように、現在の時点におきましては二国間の協定を結んでいかなければならないわけでございます。その中には、ただいま理事長が申し上げましたような二国間の協定の中に入りますと思われますのは、受け入れ国の事前承認を得ないで領海に立ち入ることの禁止条項でありますとか、SOLAS条約、海上における人命の安全に関する条約の第八章の「原子力船」及びその付属書がございますが、それの遵守の問題、それからさらにSOLAS条約の中にございます安全説明書の事前提出の問題、また受け入れ国の立入検査権の問題、あるいは受け入れ国の事前承認を得ないで放射性廃棄物を廃棄し、または原子炉関係機器の修理を実施することの禁止の問題とか、両隣で事故発生の場合の通報及びとるべき措置について受け入れ国との協議の問題、あるいはまた、先生御指摘の原子力損害についての原子力船運航者の責任限度額及びその支払いについての原子力船の所属国の保証並びにこれについての裁判権の受け入れ国への帰属の問題等が、この二国間協定で定められて、その協定に基づいて事前の手続をとった上で入るということになるかと思います。  これらにつきましては、「むつ」について具体的にどこへ行くというようなことも、もちろんまだ現在の時点では考えられませんので、そういうようなことについてはまだ十分な勉強はいたしておりませんが、現在オット・ハーンあるいはサバンナ等について、またこの外国との協定等については国際的なモデル等もございますが、これらについての勉強はおいおいいたしでおります。
  373. 日野市朗

    ○日野委員 私は、国内の港に入るのだって、これは容易なことではあるまいなというふうに非常に心配をするわけです。ところで、この「むつ」は、これは船そのものとして定期検査を受けなければなりませんね。その定期検査は一体どこで受けることになりますか。
  374. 新藤卓治

    ○新藤説明員 現在、第一回目の定期検査の受検中ということになっております。検査は、製造する場所あるいは運転海域ということでございまして、検査するのは運輸省の検査官がいたします。
  375. 日野市朗

    ○日野委員 定期検査の場合はドックに入れなくてもよろしいのですか。
  376. 新藤卓治

    ○新藤説明員 定期検査の場合に、ドックに入れていただくことが必要でございます。
  377. 日野市朗

    ○日野委員 大湊にはドックはございませんね。どなたでもいいですよ。
  378. 野村一彦

    ○野村参考人 むつ港にはございません。
  379. 日野市朗

    ○日野委員 そうすると、定期検査をやるときには一定の期間、どこか国内のドックを持った港に入港させることが必要である、こういう結論にならざるを得ないわけですが、そういう定期検査をやる港なんかについても、定係港の次には問題が出てまいりますね。そういうところを当たっておられますか。
  380. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 定期検査を受けますのは、出力上昇試験を終わりまして原子力船としての安全証書をいただいた後に、一年ごとに定期検査を受けるということになるかと思いますが、その出力上昇試験を終わり、この安全証書を受けました時点につきましては、十分安全性も確認された段階に至りますので、この「むつ」の定期検査のための入渠につきましても、造船所の御同意が得られると思っておりますし、またこの原子力船の運航指針等におきましても、入渠いたしますときは冷態停止という状態でこれを行うという点から、安全性には何ら問題がない、このように思います。
  381. 日野市朗

    ○日野委員 午前中、新しく発足が予定されている研究の機構について若干伺ったのですが、新しい研究業務を持ったスタッフ九人ほどの研究部門、これが設けられるということなんですが、そのテーマは何ですか。
  382. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 この研究開発機構になりまして私どもに与えられます課題といたしましては、まず将来の原子力船の実用化を目指した目的としての原子炉についての研究開発であろうと思います。それで、まず来年度から着手いたしますものといたしましては、将来開発をするための原子炉の炉型をはっきりさせるための、いわゆる概念設計の前段階と申しますか試設計的なものを行い、それをさらに評価検討をして将来開発のための炉の設計をしぼっていくという、その第一段階の設計研究に入ることを現在は予定をいたしておるわけでございます。  さらに、これに関連をいたしまして、舶用炉の各種の解析研究といたしまして、舶用炉の動特性あるいは炉心特性、燃料挙動の問題、また遮蔽、伝熱流動等の問題についての研究開発、さらには、やはり舶用炉の研究開発の中心は、何と申しましても経済性のある燃料の開発でございますので、燃料についての試作試験を将来はやりたい、試作試験から照射試験までやりたいと思いますので、これの準備にかかりたい。その他、原子力船の開発についての各種の情報の収集を行っていきたい、かように考えております。
  383. 日野市朗

    ○日野委員 いろいろ並べましたけれども、ずっと私、注意をして聞いておりましたが、これは結局は「むつ」の炉から大きくはみ出すことはない諸研究でございますね。
  384. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 現在の「むつ」の炉は、特に「むつ」の炉として経済性等を考慮してございません。むしろ加圧水型の舶用炉としての実験研究のためのものとして、十分な余裕を持った炉になっておりますので、将来のものといたしましては、やはり経済性を持った炉というものをねらって研究開発をしていく。そういった点から見ますと、やはり燃料等も経済性の高い、現在陸上の発電炉等で使われておりますような、ジルカロイ被覆の燃料等を用いたようなものについての検討もあわせて行っていきたい、かように考えておるわけでございます。
  385. 日野市朗

    ○日野委員 最後の質問になりますが、そうすると、これは事業団としていままで考えていた延長線上の問題である、そういうことですな。
  386. 倉本昌昭

    ○倉本参考人 「むつ」を使っての次の開発として、いままで二次炉心等についての研究開発も一部調査等から手がけておったわけでございますけれども、それよりも、今後さらに改良された炉として「むつ」の型以外の型のものについても検討を進めていこう、こういうことでございます。
  387. 日野市朗

    ○日野委員 最後に、大臣に一言。  いまずっと話をお聞きになっておられて、かなり難解だったと思いますが、わざわざいままでの事業団にさらに「研究」という字をくっつけるだけの意味を、私はいまのお答えを聞いていて、ないと思った。あなたはいかがですか。
  388. 中川一郎

    ○中川国務大臣 先ほど項目を挙げて御説明申し上げましたように、「むつ」の開発の延長線のものもあれば新しいものもある、こういうことで法律をお願いしておるところでございます。どうぞよろしくお願いします。
  389. 中村弘海

    ○中村委員長 これにて内閣提出、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案に対する質疑は終局いたしました。     ―――――――――――――
  390. 中村弘海

    ○中村委員長 これより討論に入ります。  討論の申し出がありますので、順次これを許します。椎名素夫君。
  391. 椎名素夫

    ○椎名委員 私は、自由民主党を代表して、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案に賛成討論をいたすものであります。  イラン・イラク戦争の勃発等、中東情勢の緊迫化に見られるがごとく、石油供給がますます不安定になる傾向の見られる今日、とりわけ資源・エネルギーに乏しいわが国としては、他のどの国にも増してエネルギーの安定供給を確保するための努力を払う必要があります。石油代替エネルギー、なかんずく原子力の開発利用の促進は、このようなエネルギーの安定供給の確保という国家的課題に対処するために必要不可欠であり、さらに石油依存の低減を図ろうとする国際的な努力への協力という観点からもきわめて重要であります。  このような原子力開発利用の一環として原子力船の研究開発を推進することは、海運の分野におけるエネルギー供給の多様化及び安定化に大いに貢献するばかりでなく、世界有数の造船、海運国としてのわが国の国際的な地位を将来とも保持するという観点からも重要であります。  わが国における原子力第一船「むつ」の開発につきましては、まことに遺憾ながら昭和四十九年の放射線漏れの発生等の事情により、その開発計画が大幅に遅延しております。私は、すでに原子力船の建造、運航の経験を有する米国、西独等の先進諸外国におくれることなく原子力船の研究開発を進めていくためには、「むつ」について所要の修理、点検、新定係港の整備を速やかに実施、完了し、実験船として最大限の活用を図り、さらに、その成果を踏まえつつ、将来における原子力船の経済性、信頼性の向上を目指した研究開発を積極的に推進していく必要があると考えております。  このためには、昭和五十二年の第八十二回国会において、日本原子力船開発事業団法の一部改正法案の審議が行われた際に、わが党が同法案を修正するに当たって主張いたしましたように、現在の日本原子力船開発事業団を原子力船についての研究開発機関に移行する必要があります。  今回の法改正は、このようなわが党の主張に沿うものであり、かつ行政改革の理念にも合致し、改組後の日本原子力船研究開発事業団においては、長期的展望に立って一貫した体制により、わが国の原子力船研究開発が着実かつ積極的に進められるものと考えております。  以上の立場から、わが党は、本法律案に対して賛成するものであります。(拍手)
  392. 中村弘海

    ○中村委員長 日野市朗君。
  393. 日野市朗

    ○日野委員 私は、日本社会党を代表いたしまして、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案に反対の討論をいたします。  この法律案が今国会において提出されたのには、沿革があります。  すなわち、従前の日本原子力船開発事業団法、これの存続期限を延長した際には、当科学技術常任委員会の前身である特別委員会におきまして、この原子力船開発事業団を研究所に移行すべきであるという論議がなされました。そして、衆議院もまたその意を受けて、この研究所への移行をもってその意向としたのであります。また、政府もそれを受けて、今回の原子力船開発事業団法の一部改正の法律案を提出したわけでありますが、しかし、この法律案の内容を見ますと、これはそういった沿革に沿うものとはとうてい言い得ないのであります。  この事業団において研究すべきテーマも、従前の原子力船開発事業団が行ってきたテーマの延長線にあるものでありまして、また人員の配置、予算の面などを見ても、十分に検討されたものとはとうてい言い得ないのであります。  しかも、人員の面、予算の面を見るならば、国の財政事情や原子力船の開発が世界的にスピードダウンをしているという現状のもとで、その人員、予算の獲得が十分になされ得ようとはとうてい思えないのであります。  これらの諸点を見ますと、日本原子力船開発事業団が実質的に研究所として今後事業を継続することは、とうてい不可能と言わざるを得ないのであります。すなわち、ただいま問題になっているこの法律案は、当面を糊塗するための一時しのぎの法律案にすぎない、こういうふうに言わざるを得ないと思います。  また、原子力船「むつ」については、これは無理に無理を重ねてきているということを指摘したいと思います。  この原子力船「むつ」が、その炉からストリーミングを起こし、そしてその総点検の結果、七系統二十項目にわたる補修が行われようとしているところであります。この「むつ」の炉を存続すべきであるという政府の見解は、いわゆる大山報告書、大山委員会の報告書に基づいているものと思量されます。大山委員会は、この炉はかなりの水準に達している旨その報告書に記述しているのでありますが、これはきわめて疑問であります。  また、この総点検と保守については、いわゆる安藤委員会の示唆によって、上ぶたをとらずにこれを進めるということになって作業が進んでいるのでありますが、果たしてこれでいいでありましょうか。最も重要な原子炉の心臓部分である圧力容器内に十分なメスを加えずに、炉の総点検や補修を行うことはとうてい不可能であろうかと思います。  また、この「むつ」につきましては、修理港での五者協定の期限がありまして、その期限内にこの総点検と改修を行うということでありますが、五音協定に定められた期限のすでに半ばは空費されたという現段階で、十全な総点検、改修が行われ得るものとはとうてい考えられないのであります。  また、この「むつ」には定係港を定めなければならないのでありますが、この定係港は、現在の段階において、全くどこに定められるのか明らかでありません。  そして、この修理についても、定係港を定めるについても、これからどれだけの金を食うのかという点になりますと、だれしもそれを正確に計算することはできないというような現状であります。現在の国の財政状況から、膨大な支出をこの「むつ」に対して行うということは、ゆゆしい事実、ゆゆしい出来事であろうかと思います。  また、「むつ」は国のプロジェクトとして行われているのでありますが、このような国のプロジェクトをめぐっての不信感が国民の間に増大する、これもまたゆゆしいことであります。  私たちは、この「むつ」の開発は無理に無理を重ねて、どろ沼化しつつあると思います。われわれがいまここでとるべき道は、失敗を失敗として認識することであろうがと思います。そして、後退するその勇気がいま必要なのであって、これからさらに無理を重ねてこの「むつ」の開発を継続するというようなことは、すべきことではないと思います。  また、私は、ここで事業団の士気について指摘をしておきたいと思います。  私は、日本原子力船開発事業団が十分な士気を持ってこの「むつ」の開発に取り組んだとは考えられないのでありまして、しかもその後トラブルが連続し、現在の事業団は、まことに残念でありますけれども、原子力船の開発、また研究を十分にやりこなしていくだけの人的な能力、そして気魄、そういったものに大きく欠けるということを指摘せざるを得ないのであります。  こういった諸点を総合してみるとき、私は、この日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案、これに対しては、この法律案は否決されるべきが相当である、このように考える次第であります。(拍手)
  394. 中村弘海

    ○中村委員長 吉浦忠治君。
  395. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となっております日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行うものであります。  以下一賛成する主な理由を申し述べます。  その第一は、原子力船は石油への依存度を低下するために有効であるということであります。  現在、石油の需給状況は、主として世界的な景気の後退による石油需給の低迷から一時的に緩んでおりますが、長期的には石油の枯渇が叫ばれ、またすぐれて政治的商品としてその供給の不安定と価格の高騰に悩まされることは明らかであります。わが国は、一次エネルギーの七三%を石油に依存し、その九九・八%を輸入に頼っていることから、代替エネルギーを開発し石油への依存度を低下させることは至上命題であり、また世界に対する責任でもあると考えております。第二には、原子力船は航続距離の長さと高速性においてすぐれているということであります。  船舶に導入し得る石油代替エネルギーは、原子力のほかに石炭の活用や水素エネルギーの開発などが考えられております。エネルギーの多様化を目指して、それぞれの技術について研究開発を進めるのは当然必要であります。  その中でも、原子力船は少量の核燃料で長期間にわたって航海でき、また、容易に高速を得られる点において他にすぐれており、特に高出力船の分野においてその特徴が発揮されることは広く知られております。  ただ、原子力利用については、その安全性に対し、いまだ十分に国民の合意が得られておらず、原子力船に対する不信感は依然として根強いものがあります。したがって、安全性を確立し、国民の信頼を得ていくためには、より充実した研究体制を確立し、腰のすわった研究を行うとともに、国民に対する誠意ある対応が望まれるのであります。  したがって、第三に、研究機関への移行を目指していることを評価するものであります。  従来の事業団は、時限立法による組織であることが原因して、さまざまな問題を抱えておりました。原子炉の安全性の確立、経済性の高い舶用炉の研究開発を目指し、人材を集め、腰のすわった研究や作業を行うためには、恒久法による研究所の体制でなければその成果を得られないと考えており、わが党としては、早くからそのような体制への移行を提唱していたのであります。したがって、修理と実験を行い、五年後に研究所の体制に移行するとしたことは妥当であると考えるものであります。  以上、主たる賛成の理由を申し上げましたが、最後に、これまで原子力船については余りにも多くの行政上の不手際があったことを指摘し、政府に対して強く反省を求めたいのであります。  大湊港を強行出港し、放射線漏れを起こし、母港に帰れないまま五十一日間も太平洋上を漂流させたり、また新しい定係港が定まらず、したがって、いわゆる四者協定を破る結果となり、いままた、佐世保におけるいわゆる五者協定が守られないおそれが強いという現状であります。こうしたことの積み重ねが国民の信頼を失い、問題をこじらせているということについて、政府は厳しく反省すべきであります。  以上申し述べて、私の賛成の討論を終わります。(拍手)
  396. 中村弘海

    ○中村委員長 和田一仁君。
  397. 和田一仁

    ○和田(一)委員 私は、民社党・国民連合を代表して、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案に賛成の討論を行うものであります。  社会経済の発展のため、石油代替エネルギーの開発は、わが国が取り組むべききわめて重要かつ急務の課題であり、さらに先進国首脳会議においても再三にわたり強調され、世界各国共通の政策課題として認識されているところであります。  特に、原子力は石油代替エネルギーとして最も現実的なものであり、安全性の確保を大前提として、その開発利用を積極的に推進していく必要があります。  このような見地から、四面を海に囲まれ、資源のほとんどを海外に依存しているわが国としては、船舶が国の繁栄と存立にとって必要不可欠であるため、原子力を動力源に用いる原子力船の開発が重要な課題であると考えております。  原子力船の技術につきましては、すでに欧米先進国においては相当の蓄積があり、わが国との間ではかなりの技術格差があると考えられますが、この格差を急速に埋め、わが国独自の技術により原子力船の実用化を図ることは、海運のエネルギー源の多様化に資するだけではなく、将来の国益にかかわる重要な事業であります。  この意味で、一日も早くわが国の原子力第一船「むつ」の開発を軌道に乗せ、その成果を踏まえつつ、より経済性、信頼性のある多種類の舶用炉を研究開発するなど、原子力船の研究開発の強化充実を図っていかなければなりません。  特に「むつ」につきましては、わが国の原子力船研究開発の第一歩であり、今後の研究開発に重要な役割りを果たすため、政府においては、早急に新母港を決定されるよう強く要望いたします。もちろん、その場合には、地元の理解を得ることが不可欠であり、「むつ」の安全確保に万全を期すことはもとより、「むつ」開発と地元の振興との調和にも留意すべきであることは言うまでもありません。  以上述べました観点から、今回の日本原子力船開発事業団法の一部改正法案は、かねてからわれわれが主張してまいりました同事業団の研究開発機関への移行を実現するものであり、本改正法案に対し賛成するものであります。これによって、長期的展望に立ち、実質的に一貫した体制のもとでわが国の原子力船の研究開発が推進されることを期待いたします。以上で賛成討論を終わります。(拍手)
  398. 中村弘海

    ○中村委員長 長瀬崎博義君。
  399. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私は、日本共産党を代表して、政府提出の日本原子力船開発事業団法の一部改正案に反対の討論を行います。  反対理由の第一は、安全軽視の無責任な原子力行政が何一つ改められていないことです。  原子力船「むつ」の放射線漏れ事故は、それまでの国の安全審査体制の欠陥を浮き彫りにしました。そのため、行政権限を持った原子力安全委員会の新設による基本設計、詳細設計、運転前検査、定期検査など、すべての一貫した安全審査が求められたにもかかわらず、実用原子炉については、すべての安全審査権限を通産省などの開発官庁に与えるという大改悪が行われたのであります。また、一安全審査に当たる専門スタッフも、パート体制はそのままになっているのであります。  第二は、原子力船「むつ」は技術的にも欠陥船だということです。  「むつ」は、わが国では初めての原子力船建造であるにもかかわらず、一基礎研究もないまま開発に安易に取り組みしかも建造過程で実施された一定の実験等から、技術者が中性子ストリーミングの可能性を指摘していたにもかかわらず、あるいは遮蔽についての新しい発達した計算コードが後日開発されたにもかかわらず、さらにはウエスチングハウス社のチェック・アンド・レビューでも、遮蔽設計改良の指摘が出ていたにもかかわらず、事業団はそれらを検討し、「むつ」に取り入れ、生かす能力も意思も持ち合わせていませんでした。  そうした事情から、「むつ」の安全性を疑う声は、科学者や青森県漁民の間に強く出ていました。にもかかわらず、当時の森山科学技術庁長官は、「むつ」の安全性を疑う者は世界の科学に挑戦する者だなどの暴言を吐いて強行出港させたのですが、案の定、出力を一・四%上昇させただけで規定値の千倍という放射線漏れを引き起こし、欠陥船であることが事実をもって証明されたのであります。  第三は、佐世保で実施されている修理が、何ら安全性を回復するものではないということです。  佐世保での改修は、肝心の原子炉内部の点検には一切手を触れず、ただ原子炉を囲んでいる遮蔽装置を補強するだけであり、それによって安全性が保障されるわけではないことは明白です。  第四は、「むつ」が原子力船として存在する上で欠くことのできない母港問題解決のめどが全く立っていないことであります。  もともと政府がみずから四者協定を結んで大湊の母港撤去を約束しておきながら、これを何ら履行することなく、再び大湊に母港を押しつけようというのですから、青森県漁民の反発を受けるのは当然であります。しかも、四者協定の政府代表が現在の鈴木総理であり、その鈴木氏はかつて、大湊のようなホタテ養殖漁場の中心地を母港に選定したのが誤りと明言していたのですから、漁民たちを二重、三重にだましたわけです。  母港選定作業が難航するのは、そもそも「むつ」が安全を保障できない欠陥船であることが原因であり、したがって、今後も母港問題解決の見通しはきわめて暗いと言わざるを得ないのであります。  第五は、原子力商船の社会的必要性が考えられないということであります。  一九六〇年代において、八〇年代は原子力船時代というキャンペーンが張られたことは事実でありますが、その当時ですら、一方では専門家の間から、果たして原子力船時代は来るのかという疑問が出されていました。もともと原子力船時代が到来すると仮定しても、商船としては超大型、高速タンカー以外は考えられなかったのですが、第一次石油危機を境にそのわずかな可能性も失われ、わが国の造船会社、海運会社も一斉に原子力船開発体制の縮小化を図ったのであります。  こうした見込み違いについては、原子力委員会も「原子力船研究開発の進め方について」の中で認めているところです。現に、資本主義世界を見渡しても、運航中の原子力商船は一隻もないし、積極的に原子力商船開発に取り組んでいる国は一国もない状況であります。結局、原子力船の実用性は軍事用以外考えられないのであります。  第六は、国費の莫大な浪費だということです。  今後「むつ」につぎ込まれようとしている国費は、国会審議で明らかになった船体改修関係で約三百億円、さらに政府が確答を避けている母港整備の費用に約二百億円を要すると見込まれ、これまでにつぎ込まれた国費を時価に換算して合計すれば、総額一千億円に達するのであります。  安全性確保のめどもない、母港の見通しもない、原子力商船の必要性もないというのに、そして福祉、教育など国民生活が大きな犠牲を受けているときに、これだけの巨額の国費を「むつ」一隻に投入する意義が一体どこにあるのか、政府は検討し直すべきであります。  第七は、原子力船事業団には研究開発の能力、体制がないということであります。  原子力船事業団は、もともと造船会社、原子力メーカー、官庁からの出向者で構成され、主力の技術者は二、三年で交代するという最悪の寄り合い世帯であり、およそ技術の蓄積や継承性が図られるような体制ではなかったのであります。しかも、この体制の欠陥は、大山委員会を初め国会でもしばしば指摘されたにもかかわらず、今日依然としてそのままであります。  こうした研究開発の体制も施設も能力もない、単なる事務処理機関にすぎない事業団に研究業務を付与し、「研究」という名称をつけ加えるのは、事業団反対の世論の緩和をねらった延長のためのごまかしにほかなりません。  第八は、五年後の他の原子力機関との統合が全くの行き当たりばったりの便宜主義だということであります。  政府は、行政改革の一環として、五年後他の原子力機関と統合することとしておりますが、この事業団はもともと時限立法で設立され、解散が予定されている機関であり、実質的には行政改革の数合わせに利用したにすぎないのであります。  また政府は、統合先の意図を全く無視しているばかりか、原研が受け入れなければ動燃、動燃が受け入れなければ原研と、行き当たりばったりの態度であり、とにもかくにも既定方針どおり「むつ」を修理しさえすれば、あとは野となれ山となれの無責任ぶりと言わねばなりません。  私は、「むつ」が明らかにした原子力行政の欠陥を根本からえぐり出し、改革することをしないで、またまた事業団の若干の延長と機関統合でごまかそうとする自民党鈴木内閣の態度に強く抗議し、政府原案に断固反対の意思を表明して、反対討論を終わります。(拍手)
  400. 中村弘海

    ○中村委員長 これにて討論は終局いたしました。
  401. 中村弘海

    ○中村委員長 これより採決に入ります。  内閣提出、日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  402. 中村弘海

    ○中村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  403. 中村弘海

    ○中村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  404. 中村弘海

    ○中村委員長 この際、中川国務大臣から発言を求められておりますので、これを許します。中川国務大臣。
  405. 中川一郎

    ○中川国務大臣 ただいま日本原子力船開発事業団法の一部を改正する法律案につきまして、慎重、審議の上、御可決いただきまして、まことにありがとうございました。  私といたしましては、本法案の精神にのっとり、おくれておりました原子力第一船「むつ」の開発を積極的に推進するとともに、長期的展望に立って原子力船の研究開発を推進するため、体制の整備を図る所存でございます。  今後とも何とぞ御支援、御協力のほど、よろしくお願い申し上げます。(拍手)
  406. 中村弘海

    ○中村委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十七分散会