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1980-10-28 第93回国会 衆議院 運輸委員会 7号 公式Web版

  1. 昭和五十五年十月二十八日(火曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 小此木彦三郎君    理事 加藤 六月君 理事 関谷 勝嗣君    理事 楢橋  進君 理事 宮崎 茂一君    理事 福岡 義登君 理事 西中  清君    理事 中村 正雄君       阿部 文男君    木部 佳昭君       佐藤 文生君    桜井  新君       永田 亮一君    浜野  剛君       古屋  亨君    細田 吉藏君       三塚  博君    箕輪  登君       水野  清君    山村新治郎君       五十嵐広三君    井岡 大治君       小野 信一君    川口 大助君       久保 三郎君    小林 恒人君       関  晴正君    中西 績介君       山花 貞夫君   平石磨作太郎君       小渕 正義君    塩田  晋君       三浦  久君    四ツ谷光子君       中馬 弘毅君  出席国務大臣         内閣総理大臣  鈴木 善幸君         運 輸 大 臣 塩川正十郎君  出席政府委員         内閣法制局第四         部長      工藤 敦夫君         大蔵省主計局次         長       矢崎 新二君         運輸大臣官房長 杉浦 喬也君         運輸大臣官房総         務審議官    石月 昭二君         運輸省鉄道監督         局長      山地  進君  委員外の出席者         経済企画庁物価         局物価調整課長 長瀬 要石君         国土庁地方振興         局地方都市整備         課長      寒川 重臣君         文部省初等中等         教育局高等学校         教育課長    中島 章夫君         建設省道路局企         画課長     萩原  浩君         自治省財政局調         整室長     井下登喜男君         日本国有鉄道総         裁       高木 文雄君         日本国有鉄道常         務理事     吉武 秀夫君         日本国有鉄道常         務理事     加賀山朝雄君         日本国有鉄道常         務理事     吉井  浩君         参  考  人         (日本鉄道建設         公団理事)   藤田 雅弘君         運輸委員会調査         室長      荻生 敬一君     ――――――――――――― 委員の異動 十月二十八日  辞任         補欠選任   近岡理一郎君     桜井  新君   林  大幹君     細田 吉藏君   小林 恒人君     五十嵐広三君   関  晴正君     川口 大助君   浅井 美幸君    平石磨作太郎君   小渕 正義君     塩田  晋君 同日  辞任         補欠選任   桜井  新君     近岡理一郎君   細田 吉藏君     林  大幹君   五十嵐広三君     中西 績介君   川口 大助君     小野 信一君  平石磨作太郎君     浅井 美幸君   塩田  晋君     小渕 正義君 同日  辞任         補欠選任   小野 信一君     関  晴正君   中西 績介君     山花 貞夫君 同日  辞任         補欠選任   山花 貞夫君     小林 恒人君     ――――――――――――― 十月二十五日  国鉄運賃値上げ、ローカル線廃止反対等に関す  る請願(三浦久君紹介)(第四二三号)  同(四ツ谷光子君紹介)(第四二四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案(内閣  提出、第九十二回国会閣法第一号)      ――――◇―――――
  2. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、日本国有鉄道経営再建促進特別措置法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので順次これを許します。五十嵐広三君。
  3. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 わずかな時間でありますので、簡明直截に御質問いたしますので、お答えの方もひとつ簡明直截にお願い申し上げたいと思います。  運輸大臣に御質問申し上げますが、地域交通政策を立案し、実施する上で地方自治体の役割りをどうお考えになっているか、御所見をまずお伺いしたいと思います。
  4. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 産業構造の変化並びに道路の発達等がございましたし、さらには空港の整備という問題が交通問題を考える非常に重要な要因となってまいりました。そこで、従来のように国鉄一本に依存してきた交通体系というものが、これからは自動車、航空、海運というものを総合した交通体系を考えなければならなくなってまいりました。そういたしますと、それらの地域を含みます交通というものは、どうしても国と地方自治体が相協力して交通問題を考えていくべきだと思うております。その際におきまして、国が一貫的な交通体系、たとえば航空にいたしましても自動車にいたしましても、鉄道でもしかりでございますが、そういうものを指導監督してまいってきておりますし、その全体的な、全国的な交通体系の中における地方の特色というものはやはり生かしていかなければならぬと思うのですが、そういう場合に、どうしても地方自治体が中心となって自主的な地域交通政策というものを考えていただき、それに国も協力していくという一体体制をとっていかなければならぬと思います。
  5. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 そこで、お伺いしたいのでありますが、再建法の第八条三項及び四項で、国鉄が政令で定める基準によってバスに転換させることに選定した営業線を知事に通知をして、知事はこれについて運輸大臣に意見を申し出ることができる、こういうことになっているわけであります。第十条の四項についてもやや同じ趣旨になっているわけでありますが、知事からこれについて反対の意見が出たときにはどういうことになりますか。
  6. 山地進

    ○山地政府委員 八条の四項は、選定について運輸大臣に対して意見を申し出るということになっておりまして、選定につきましては基準の適用をするわけでございますが、恐らく知事の方からのお申し出というのは、この特定地方交通線が基準から見ると特定地方交通線に該当しないというような御意見がポイントだと思うので、その点について非常に明確にそういうことがあれば、国鉄の方で、言ってみれば選定について正確さが欠けるとかミスをしたとか、あるいは見通しを誤ったとか、いろいろなことがあり得るかと思いますけれども、その選定についての御意見でございますので、その限りでは、十分合理的なものであれば、私どもとしてはその選定が正しかったかどうかということについて考えるということになろうかと思います。  それから、十条の方は、国鉄の方からいいまして輸送の確保についての措置についての意見でございますので、これは基準の適用ということから見れば若干幅の広いいろいろの御意見があろうかと思いますが、これにつきましても、その措置が非常に具体的であり、その合理性があるという場合には、もちろん大臣の方でそれらの御意見についても十分配慮しながらとるべき措置について検討をするということになろうかと思います。
  7. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 つまり、そうしますと、選定等については運輸省、国鉄が一方的にやる、あるいは二年間の協議期間を経てその後の方途について出される場合も、これらについて関係の知事からそれに反対の意見といいますか、どうもそういう選定は適当でないというようなことなどの意見が出たときには、これらの意見については十分尊重しながら検討を加える、こういうことと解していいですね。つまり、そういう可能性が残されているといいますか、そう受け取っていいですか。
  8. 山地進

    ○山地政府委員 選定につきましては、政令の基準の当てはめの問題でございますので、幅のある考えということは非常にむずかしいのが普通でございます、政令で定める基準で選定するわけでございますから。ただし、知事から見て、たとえばそういうことは非常にあり得ないことかもしれませんけれども、総合的な開発計画があるとか、あるいは企業がもうすぐ誘致されるのだというようなことを非常に秘密裏にやっておられる場合もあり得るかもしれません。そういったようなことについて間違いがあった場合については選定についてよく知事の意見を承らなければいけないということはあるかと思います。
  9. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 つまり、まあ原則としてはそうだが、いまのお答えのような含みといいますか、そういう弾力的なものは残されているというぐあいにいまお聞きをいたしたわけであります。  次に、地方財政への影響というものも非常に大きいものがあるのじゃないかと思うのでありますが、ことに、なかなか事実上は引き受け手があるとは思えませんが、第三セクターなど新たな経営主体をつくってやるというような場合、事実上そこで発生する赤字を関係の地方自治体が負担するというようなことになっては、結局は国鉄の赤字を地方自治体が肩がわりするというだけになって、そういうことでは大変だと、こう思うのでありますが、これらについては自治省と十分意見の調整がなされておるものかどうか、お伺いしたいと思います。
  10. 山地進

    ○山地政府委員 法案作成に当たりまして、自治省と十分協議をいたしまして、この法律では、ごらんいただけますように、第三セクターをつくるという場合に、地方公共団体が何らかの負担を制度的にするということになっておりません。いま先生御指摘のように、事実上というお話がございましたが、制度的にはこの法律の中に地方公共団体が何らかの負担をするというたてまえになっておりません。したがって、この法律自体として地方公共団体の財政を圧迫するということになっておりませんで、その限りにおきましては十分自治省とその点については御相談したわけでございます。
  11. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 しかし、たとえば、この前、これは少し特殊な形ではあるとは思うけれども、野岩線等について運輸省は一定の見解を出しているわけですね。つまり、申し上げますと、一つには、これらの赤字について関係地方自治体が負担することを明確にすることが凍結解除の条件だというようなことになっていたと思うのでありますが、そういうことがあっては大変だと思うのですよ。いかがですか。
  12. 山地進

    ○山地政府委員 野岩線も含みましてAB線の建設第三セクターで引き受けることが確実なもの以外は建設の工事を中止しているわけでございます。第三セクターで引き受けることが確実なものということの中には、もちろん引き受ける意思があると同時に、経営について永続的な経営が可能であるかどうかということが一つのポイントになるわけでございまして、そのときにその赤字の処理についてどなたかが負担する、これはいま申し上げましたとおり、制度上地方公共団体が負担するということにはなっておらないわけでございまして、この営業成績のことにつきまして国は半分はその損失といいますか、営業補償といいますか、赤字について助成しようという考えでございますが、あとの赤字については第三セクターの方で借入金にして将来それを返すという御計画もあろうかと思いますし、いろいろな意味で御工夫をいただくということはありますけれども、直ちに地方公共団体の負担になっておりません。野岩線におきましても、地方公共団体が出資をするということは伺っておりますが、その赤字の処理について直ちに地方公共団体の負担になるというふうには理解しておりません。
  13. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 それでは、第三セクター等の場合でも、運輸省としてはそれが財政的な自治体の負担についての責任を明らかにしなければどうこうというようなことはない、これはしかし官庁速報等には出ているのですが、あれはしかしそうではないというふうに受けとめておきたい、こういうぐあいに思います。  それでは、運輸大臣にお聞きしたいと思うのでありますが、いま示されている政令の基準案によりますと、北海道に残る路線、これは一体何本ぐらいになりますか。
  14. 山地進

    ○山地政府委員 政令で基準を定めていくわけでございまして、その政令のできた後にその各線の実績を集めて、どの線がどうなるということを国鉄は選定するわけでございますので、いまの段階でどれくらいになるかということについては私どもとしてはまだ不確定といいますか、決まっていないという段階でございます。
  15. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 そうしますと、この基準も、基準は基準として、その基準に基づいて選定する作業の中でかなり幅があるというぐあいに考えていいですね。そうでなければ、基準が出された途端に数が出てくることになりますから、かなり弾力性があるというふうにいまのお答えでは受け取らさせていただきたいと思います。  そこで、それぞれの中身に入りたいと思うのであります。私、手元に道路法を持っているのでありますけれども、道路法の第二章「一般国道等の意義並びに路線の指定及び認定」という中で、第五条第一項一号に、国道とはつまり「国土を縦断し、横断し、又は循環して、都道府県庁所在地(北海道の支庁所在地を含む。)その他政治上、経済上又は文化上特に重要な都市(以下「重要都市」という。)を連絡する道路」、これがつまり国道というものの意義なのでありますが、今回示されているこの政令の基準案の第一、「幹線鉄道網を形成する営業線の基準」の一項で言う「都道府県庁所在地等の主要都市を連絡する部分を有する営業線」についても、その「等」というのは、当然道路法で言う場合と同じように北海道の支庁を含んだものと解していいと思うのでありますが、いかがですか。
  16. 山地進

    ○山地政府委員 この政令の基準案でございますけれども、この点につきましては今後各省と折衝し、これを決めていくわけでございますので、今後の私どもと各省との結果によりましてまとめてまいりたいと考えておりまして、いまの段階で支庁が入るかどうかということについては確言できません。
  17. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 まあお気持ちもわかるのでありますが、しかし道路法には明らかにそういうことになっているわけでありますから、一般的な解釈からいってもそういうことでないかと思うのですね。北海道は、御承知のように、人口は二十分の一でありますが、面積からいうと五分の一の面積があるわけですね。ここに支庁が十四ある。平均的にいうと十県分の面積であることになりますから、やはり同様の趣旨になるわけであって、したがって道路法でもそういう解釈だと思います。この面についてはこれから各省と検討するという御返事でありますが、その辺の実情を十分お含みいただきながらお決めをいただきたいと思いますが、大臣、何か一言いかがですか。
  18. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 先ほどから五十嵐さんのお話を聞いておりますと、何かこの選定が運輸省並びに国鉄の恣意的な方針で左右されるのではないかという懸念を持っておられて、その上での質問であるような感じもいたしますが、そういうことではございません。あくまでも基準は基準としてわれわれはそれを格守していきたい、こう思うておりますし、地域によって特別の基準をつくるというようなことは、実際は、国鉄が全国に路線を持っております関係上、やはりそういうことはいたしかねます。したがって、この政令をまとめる段階におきましては、各省庁間で実際にこの基準を当てはめ、これを地域の交通体系の実情と合わせて基準を決めるということになる。その中におきましては各省間の意見を十分尊重してわれわれ決めたい。しかし、私たちが示しております基準というものは、あくまでもこれは原則として、これによって運用していきたい、この考え方であることは間違いございません。
  19. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 格別基準を変えろと申し上げているのでは全くない。示されている基準の内容は、いま私も申し上げましたように「都道府県庁所在地等」となっているわけでありますから、これは国道における意義からいっても、北海道の場合には支庁所在地を含めるんだと、こう明記されているわけですね。だから、当然そういう解釈は可能なわけでありますから、可能というより通常なわけでありますから、それは基準を北海道に関して変えろということを言うんじゃなくて、そういう適用の可能性はあるのだなということをお聞きしているのでありますが、その点についてだけもう一遍お答えをいただきたいと思います。
  20. 山地進

    ○山地政府委員 主要都市を有する営業線、これは私どもとしては幹線網を形成する営業線だとまずは考えているわけでございまして、主要都市が何かということについては今後関係各省とよく御相談をするということでございまして、都道府県庁の所在地等と書いてありますのは、主要都市の例示といいますか、都道府県庁の所在地は入っておる、しかしその他に、都道府県庁所在地ではないけれども重要な、たとえば人口の非常に多いところとかいろいろあるわけでございまして、そこで都道府県庁所在地と主要都市ということで、現在これをもとにしまして関係各省と折衝するということでございます。
  21. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 いまのお話では、人口等いろいろな要素を含めてという御解釈のようで、したがって北海道の場合には支庁所在地というものもそういう解釈の中には含まれるというふうに解していいですね。つまり、その可能性はある。今後協議するというのだから、いまから確定というわけにいかないのでしょうが、協議の対象になるといいますか、そういうものには含まれているというふうに思っていいですね。
  22. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 先ほども申しておりますように、この原則に固執するわけではございませんが、原則からいきまして、主要都市というのはやはり人口を基準にいたしております。そうでございますから、これは政令を定める段階においてわれわれは議論をいたしたいと思うておりますが、その点はお含みおきをいただきたいと思います。
  23. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 この間示されたのは、人口を基準にしているものではないわけです。もともとの案はそうだったらしいのでありますが、人口十万以上の都市ということであったらしいが、今度出されているのは都道府県庁所在地などの主要都市を連絡するということになっておるわけですから、これは大臣、ひとつ間違ってもらっては困るのであります。時間がないので困るのですが、ひとつずばりとお答えをいただきたいと思います。
  24. 山地進

    ○山地政府委員 先ほどからくどく申し上げておりますように、政令案を関係各省で御相談するので、この段階で予断をするということについては差し控えさせていただきたいと思います。(五十嵐委員「しかし支庁が含まれますか」と呼ぶ)主要都市ということで、すべての都市が主要都市かどうかということについて関係各省で議論になるということはあるわけでございますが、支庁がそれに必ず入っているということをいまの段階で申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
  25. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 いまの段階では言えぬ、こういうことでありますが、時間がないから、心からひとつそれを期待を申し上げておきたいというふうに思います。  それで、最後でありますが、大臣、ひとつ考えていただきたいというふうに思うのです。これは北海道だけの問題ではないが、私なんかは北海道に生まれて育っているものですから本当に痛感するわけなのです。大体一人当たりの平地面積で言うと一北海道というのは全国平均の約六倍、東京圏から言うと約十七倍、神奈川県の約四十倍ぐらいになるのですかね。つまり、そういうところにまばらに人間が住んでいるわけだから、そこを鉄道を走らせて赤字なのは、これはだれが考えたってあたりまえじゃないか。しかし、そうであったって、開発上必要だからそこに国鉄を引いているわけであって、ぼくはそういう場合にはこれはやはり考えていただかなくてはならぬのではないかと思います。しかも、これから一体どうかと言えば、開発法があり開発計画があって、これからの人口増についても北海道では受け入れていこう、あるいは北海道の新開発計画では十年間で経済規模を二・二倍にしよう、こう言っているのですから、こういうような需要を考えていくということになれば、いままでもそうであるが、しかし、これからも当然北海道の場合にはこれに対応して国鉄の線路をしっかり守ってもらわなければどうにもならぬと思うのです。  私は旭川に住んでいるのですが、旭川は冬はマイナス三十度ぐらいのことが数日あるわけです。これはもっとひどいところもある。積雪も御承知のように大変だ。着る物だってよけいだし、家を建てるといったって坪当たり何割も高くなる。燃料費は何倍もかかる。そういう不利な状況の中で、しかし、それでもここはふるさとだと思って北海道の人たちは一生懸命働いているのですから、そこから鉄道の線路もはいでしまう、あるいはまたそういうところには特別の高い運賃制をしくというようなことであっては、それは大臣、かわりに北海道に住んでみろと言ってみたいぐらいのものになるのではないかと思うのです。地方では医者も少ないから、医者に行くのにはやはり国鉄を利用して通わなければいかぬ。高校だってないから、国鉄線で通学しなければいかぬ。こういうところの一本一本を切るということは、本当に血が飛び散るような地方線だということをよく銘記してほしい、こう思うのです。だからこそ、たとえば旭川の鉄道管理局内では六十九の市町村が国鉄沿線にあるのですが、このうち六十一までは反対議決を出してきているわけですね。こういう道民の血の出るような思いというものも、すでに何遍もあの住民は、あるいはそれを代表する自治体では、陳情に大臣のところにも行っていると思いますが、こういう実態というものを十分お考えの上、これからの御検討をいただきたい。  いまいろいろ御答弁いただきましたが、そこにある検討の可能性の中には十分そういう要素というものを入れてほしい、このことをお願いを申し上げて終わりたいと思うのですが、一音最後にお答えをいただきたいと思います。
  26. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 北海道の方々の要望というのは、私たちも十分承っております。北海道が経済社会あるいは国土問題から見ましても非常に重要な地点であることは私たちもよく承知いたしております。そういう北海道でございますから、われわれもできるだけ、いままで国鉄としても努めてまいりました。しかし、現在の国鉄の財政状況から見ましたら、なかなかいまおっしゃるような地元の意向だけで国鉄が維持できるようなことにもならないところに悩みがあります。しかし、仰せになっておることはわれわれも十分に察知できるところでございますから、意のあるところは私たちもくみたいと思っておりますが、国鉄の再建という至上命題を持っておりますこのときでございますので、御意見は尊重させていただきますけれども、やはり国鉄としての一つの再建のための努力は、この法案を根拠にしてひとつやらせていただきたい、こう思うておるのです。しかし、おっしゃることはよくわかっておりますから、これはこれなりに私は気持ちとして受けとめていきたいと思うております。
  27. 五十嵐広三

    ○五十嵐委員 どうもありがとうございました。
  28. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 川口大助君。
  29. 川口大助

    ○川口委員 立場を若干変えまして、財政上の問題からお伺いをいたしたいと思います。  運輸大臣、この法案は、これは二条にも書かれておりますが、六十年度までにその経営の健全性を確保するため、不採算性部門を経営改善して財政の再建を図る、こういうことなんですが、この法案が仮にこの国会で通った場合に、財政の再建は可能なのですか。簡単にひとつお答え願います。
  30. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 六十年度におきましては、国鉄の経営基盤を固めるということを目標にいたしておりまして、それに伴うところの経営改善計画、これを国鉄が提出することになっております。これを確実に実行さしていくことによって経営基盤の確立を図りたい、こう思うております。
  31. 川口大助

    ○川口委員 大蔵省はどなたかお見えになっておりますか。――大蔵省にもお聞きするのですが、この法案提出に当たりましては、当然十分な協議をして、大蔵省としてもその責任を果たす、その分担を果たす、こういうことだと思うのでありますが、いかがですか。
  32. 矢崎新二

    ○矢崎(新)政府委員 お答え申し上げます。  国鉄の現状は、五十五年度末の累積赤字が六兆円を超えるものと見込まれるような状況になっておるわけでございまして、国鉄の再建は目下の政府の最大の課題の一つであるということを十分認識をいたしておるわけでございます。したがいまして、財政当局といたしましても、昨年末の閣議了解に基づきまして、今後とも毎年度国の財政事情の許す範囲内で国鉄の経営改善努力に応じ、できる限りの支援に努めていきたい、こういう考え方を持っておるわけでございます。
  33. 川口大助

    ○川口委員 そこで、私が一番心配しておりますことは、不採算部門の改善もさることながら、いま国鉄経営にとって大きな問題は、年金や退職金の問題であろうと思うのであります。  いま閣議了解の話がありましたが、昨年の十二月二十九日、この閣議了解で、「年令構成の歪みから生ずる国鉄の年金問題の重要性にかんがみ、」云々とありますが、これにつきましては「所要の措置を講ずる。」こうなっておるわけですが、これはどういうことですか。心配しなさんなということですか、どういうことです。
  34. 矢崎新二

    ○矢崎(新)政府委員 ただいま御指摘の国鉄共済の年金の問題でございますけれども、国鉄共済の年金財政の状況を見ますと、他の共済年金制度に比べまして成熟度が非常に高くなっているというようなことから、きわめて厳しい状況になっているように思うわけでございます。  それからまた、現在の国鉄職員の年齢構成からいたしますと、今後退職者の増加によりまして成熟度がさらに高度化していくということが見込まれるわけでございまして、年金財政の面のみならず、事業主としての国鉄の財政の面からも看過できないというような事態になっているわけでございます。  この問題につきましては、他の共済制度との関連を抜きにしてはなかなか検討がしがたいというような問題がございますので、昨年十二月の閣議了解におきましても「関係省庁において抜本的な共済年金対策について検討を進め、早急に結論を得ることとし、これに基づき所要の措置を講ずる。」というふうにいたしておるわけでございます。これを受けまして、ことし大蔵省におきまして共済年金制度基本問題研究会というものを設けておるわけでございまして、共済年金制度の今後のあり方とも関連いたしまして、国鉄共済年金財政の問題についても御検討をお願いをしているところでございます。抜本的な共済年金対策につきましては、この研究会の結論を踏まえまして、関係省庁と十分協議しながら適切に対処していきたい、こう考えておる次第でございます。
  35. 川口大助

    ○川口委員 経緯と内容は十分承知しておるのですよ。ですから、いまのような答弁では答弁にならぬのですよ。現に私どもの調査によりますと、この積立金はもう間もなくゼロになります。ですから、来年度から早速これ始まるのですよ。年間四千億ぐらい不足するはずであります。ですから、いかにこの法律を出して不採算路線の改善をやっても、毎年年金四千億円以上の支出が伴うということになってまいりますと、この法律は何にもならぬことになるのですよ。ですから、いつまでも研究するということでは相ならぬのであって、閣議了解事項で、どこかで責任を負うのだ、来年のことはとりあえず心配しなさんな、こういうことでなければ、こんなものは砂上の楼閣、何ら意味をなさぬのですよ。もっと明確にひとつ答えてください。来年度、どうするのですか。
  36. 矢崎新二

    ○矢崎(新)政府委員 国鉄の共済年金財政の問題が大変厳しい状況にあるということは確かに御指摘のとおりでございます。ただ、先ほどもお答え申し上げましたように、やはり共済年金制度の抜本的な対策ということになりますと、やはり他の制度との関連を抜きにしては結論を出しがたいという面があることも、これまた否定ができない状況でございますので、先ほど申し上げましたように、共済問題研究会の場におきましていろいろ御審議をいただいておるわけでございまして、その御審議の結果を踏まえましてその後の対策を検討するということにせざるを得ないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  37. 川口大助

    ○川口委員 どうも納得できませんな。相談が調わなくても――それは相談する必要があるでしょう。しかし当面、来年度、その時期に至るまで協議が調えばいいんですよ。調いますか。来年度の支給の時期までにその協議が調うかどうか、その見通しはどうですか。
  38. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 川口さんのお尋ねの年金の問題でございますけれども、これは先ほど矢崎次長が言っておりますように、他の共済との関係がございまして、なかなか早急な結論は調いがたいと思っております。  そこで、実は国鉄再建法案の目標としておりますのは、とりあえず昭和六十年までに経営の基盤を確立する、これは何かといいましたら、要するに営業上の運転で上がってくる運輸収入と運輸のために必要とする経費それが均衡をとれて黒字になるようにする、これが一つの大きい目標でございます。そうすれば、経営がしっかりしてくれば、また将来にわたるそういう負担能力も国鉄自身も出てくるであろうと思いますし、そうして、先ほど来仰せになっております年金の赤字をどうするんだということでございますが、これはやはり国鉄の大きい負債として残ってきておりますけれども、こういうものもひっくるめて、六十年以降できるだけ速やかに均衡を保つように持っていきたい。ですから、当然その年金の問題も解決していかなければならぬのでありますが、国鉄再建法案の中で年金問題を見通してやる、解決をしていく、そういう目標は六十年までにはちょっと立ちにくい。でございますから、年金の、各共済年金間における調整なりあるいはその負担の責任ということについて現在研究しておりますのを私たちも鋭意詰めてはおります、また急いではおりますけれども、国鉄再建の目標としておる経宮の健全性を確保するというところまではなかなか至らないというところでございますので、御了解いただきたいと思います。
  39. 川口大助

    ○川口委員 大臣、事情をまだ十分承知していないのじゃないですか。六十年度までに経営基盤を整える、それはわかりますよ。しかし、その以前に、年金のために本体から支出が伴ってくるわけですよ。  では、国鉄にお聞きしますが、たしか来年度は年金の収支報告を提出する時期だと思うのですが、それについての見通しはございますか。
  40. 高木文雄

    ○高木説明員 来年度は、いまのままでは年金会計が赤字になるわけでございます。したがいまして、国鉄会計ではなくて年金会計の方の収支を現在専門家の間で見通してもらっております。そこで、六十年度を待たずして五十六年度から、年金会計自体がこの積立金の食いつぶしにならないように、とりあえず負担等についてやはり改定せざるを得ないということで、どのぐらい改定すべきかということを、労使を含めて、また専門家を含めて検討を開始をいたしております。
  41. 川口大助

    ○川口委員 総裁、それでいいのですか。いまこの法案が通りますと、結局三十五万人体制になりまして、組合員はだんだん減少するのです。一方、退職者は増加して給付額が多くなるのです。掛金が少なくなって給付が多くなる、その上積立金がゼロになる、こういう状態じゃありませんか。そういう実態のときに、まだかいもく先の見当がつかぬ、ただいま協議中だ、こういうことで職員に対しても安心できるような体制になりますか。もっと明確な答弁を求めたいと思います。
  42. 高木文雄

    ○高木説明員 私どもの部内に設けましたこの年金制度をどうしたらいいかという研究会におきましては、各公社それから各公務員を通じて一つの年金システムにしていただく以外に国鉄の年金を維持していく方法がないのではないかということになりました。それに基づいて、先ほど大蔵省から答弁されましたような研究会においても、私どもとしては年金制度の統一ということについてお願いをしているわけでございます。  しかし、そのことは言いかえれば、他の公社なり公務員の方々の負担に影響する問題でございますので、私どもの方の都合といいますか、からいいますれば、御指摘のように一日も早く解決をしていただきたい気持ちはやまやまでございますけれども、さりとて他の方面に多大の影響を与えることでございますから、やはりじっくり研究していただくということを――早く研究していただきたい気持ちはありますけれども、同時にじっくり研究していただくということについては、どうもよそ様に御迷惑をかける話でございますので、ある程度はがまんせざるを得ない。  そこで、来年度の問題いかんということでございますから、来年度の問題につきましてはやはりいまの年金会計、うちの中で独立した意味での年金会計としてどのように運営していくかという当面の問題を研究しているということを先ほどお答え申したわけでございます。
  43. 川口大助

    ○川口委員 大臣、お聞きのとおり、結局他人任せなんですよ。国鉄ではどうにもならぬのです。これ以上掛金を高くしても、組合員の負担に限度があるのですよ。他人任せのこの状態について、閣議の了解事項に基づく、どこかで責任をとるという体制がなければ、来年、再来年の見通しはないのですよ。このことを私は心配をしてお尋ねをしておるわけです。  時間がないからどうも思うようにお話ができませんが、たとえばこの法案についても、不採算路線をなくする、こう言いましても、いま東北の皆さんが渇望している東北新幹線も同様であります。十年先、二十年先は黒字になるかもしらぬ、しかし走らせると当面三十億の赤字が出るのです。これの資金繰りが困るのですよ。ですから、いま国鉄で一番困っておるのは、経営基盤を確立することもさることながら、資金繰りを、金繰りをどうするかという問題が一番困っておるのですよ。その金繰りについて、どこかの大臣が、どこかの省庁が責任を負いますというふうな一言がなければ大変心配じゃありませんか。そのために私は聞いているのです。  大臣、これはどうお考えになりますか。
  44. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 まず第一点に、年金について、それが資金繰りを非常に圧迫し、あるいは経理を不順にしていく、こういう御心配、これは私たちも持っておりますけれども、共済が国鉄だけの問題ではないということを再三申し上げておるとおりでございまして、といって国鉄に大きい負担をかけてもいけませんので、これに対する借入金の利子補給という手段をもって、一応国鉄共済には影響ないように措置をしていくということをやっておるわけでございます。  そしてまた、お尋ねの再建の収支の問題よりはむしろ金繰りだとおっしゃる点も、これも私もよくわかるわけでございますが、しかし一応公社として公共性と採算性、両方を責任を持たされておる事業体でございますので、やはり資金繰りについて、それじゃ国で全部をおんぶにだっこしていくというわけにもいかなくなってきておりまして、そこに私たちがいわば再建を目指して苦労しておるところがございます。しかし、必要なものにつきましてはいままでも資金手当てをしてまいったことでもございますし、これからもそういう絶対必要な額についての確保はいたしてまいりますが、しかし資金繰り全体につきまして、それじゃ何でもかんでも公的助成でとかいうようなわけにはいかないような、国の財政自体もそういう状況を許さないようになってきておりますので、そこらは私たちも厳しい態度でこの資金繰りにも当たっていかなければならぬということは当然であろうと思います。
  45. 川口大助

    ○川口委員 私は決して国鉄当局がルーズな資金繰りをやっているとは思わぬのですよ。やはり困るから――私は何か国鉄の立場になって物を言っているようで恐縮でありますが、やはりその点についてはいわゆる最悪のことを考えながら私はお尋ねをしているわけですから、心配しなさんな、それは最後の場合どうにかしますと、こういうふうなお考えであるというふうに受け取って差し支えありませんね、大臣。
  46. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 資金繰りはより一層厳しくしなければなりませんけれども、絶対必要な資金につきましては、これは国鉄も努力し、運輸省も、そうして政府全体といたしましても一層の努力をいたさなければならぬことは当然だと思います。
  47. 川口大助

    ○川口委員 時間がないから次に進みますが、いま定年制の問題がいろいろ論議になっているわけです。仮に百歩譲って六十歳定年ということに決まりますと、国鉄御当局はどうなされますか、右へならえいたしますか。
  48. 吉井浩

    ○吉井説明員 ただいまお尋ねの定年の引き上げの問題でございますが、御承知のように、私どもただいま五十八歳ということでやっておりますが、この問題につきましてはかねがね労使間でもいろいろ話をいたしておりますけれども、やはり今後における国鉄の経営改善の状況あるいはまた一般的な社会情勢、民間事業なりあるいは他公社、公務員等の動向を十分勘案しながら検討して対処してまいりたい、そのように思う次第でございます。
  49. 川口大助

    ○川口委員 やはり国鉄は国鉄としての一つの特徴があるわけでありますから、従来の慣行を尊重しながら、労使協議をして退職年限を決めることが私はよろしいと思うのです。共済からいうと、六十歳定年に延びますと給付は要らなくなりますから、共済年金の財政的には助かるのです。しかし、逆に新規採用ができないというかっこうになりまして、国鉄経営自体に大変な影響を及ぼすのですよ。ですから、私はいま一律定年六十歳ということについてそういう意味で一つの疑義を持っておるのですが、ひとついまお答えがありましたような方向で対処してくださることを私は要望しておきたいと思うのです。  時間がありませんので残念ですが、そういう気持ちでいろいろ私は心配をしておるのですが、総裁の再建にかける気構えがどうも私はまだ少し足りないのではないかと思うのです。私ども民間の場合は、金を借りる場合には個人保証するのです。幾らでもない財産を全部個人保証して、会社が倒れる前に個人保証した社長の資産がなくなるのですよ。ですから真剣であります。しかし、職員から見ると、こんなことを言っては総裁失礼でありますが、総裁は仮に総裁をやめられましてもちゃんと処遇が保障されているようなものですよ。それだけに私は何かそこに、親方日の丸と言っては恐縮でありますが、何か民間の経営者と違った心構えがあるのではないか、大変失礼ですが、そう思うのです。ですから、そういう点につきまして、もう少ししっかりやっていただきたい。  私はいろいろ理を申し上げようと思いましたが、きのうたまたま「いなほ」四号で帰ってまいりました。途中で事故がありまして、複線区間が単線運転になったのです。結果として二時間二十分おくれまして、私も二千四百円払いました特急料金を払い戻してもらいました。私は心配して車内をよく見ておりますと、車掌も一生懸命やっておる、駅員も一生懸命やっておる、機関士も一生懸命だと思うのです。保線区も一生懸命だ。ところが、事故現場を通過するときは二時間おくれていないのですよ。ところが、途中で高崎へ来ると二時間六分、熊谷へ来ると二時間十五分、大宮へ来ると二時間二十分、こういうふうになっておるのです。これは事故だから仕方がないと言ってしまえばそれまででありますが、それぞれの部署でそれぞれ専門に一生懸命やっておるということと、全体の経営の内容を考えながらやるのは別のことなのだ。もし、私が民間であれば、急行料金を払い戻ししないようにするにはどうするかということを配慮しながらやるのです。途中で貨物列車の交換がありました。あの貨物列車の交換がなければ二時間おくれなかったと私は思うのです。これはよくダイヤを調べてみなければわかりません。ですから、総裁が本当に国鉄経営というものを心配なされてやっている、その気持ちが職員に伝わって、職員も少しでもコスト、採算を考える、歩どまりを考える、こういう頭で運行なり運転なさるようになされば、大きなこういう法案を出す前に改善する余地が十分あると私は思うのです。そういう点について、私は非常に歯がゆく思うのです。そこで、私はそういうお尋ねをしておるのですが、私の考えはどうでしょうか。
  50. 高木文雄

    ○高木説明員 上野口と申しますか、東北、上越あるいは常磐線につきましては、まことに申しわけございませんが、今月もたびたび遅延事故を起こしております。私どもも何とかこれを解消する努力をいたしたいと思っておりますけれども、現在の線路のパイプの太さと輸送量というものがどうもアンバランスになっておりまして、東北方面についてはかなり難渋をいたしておるわけでございまして、最大限の努力はいたしますけれども、何しろ輸送力の少ないところへ輸送量があるという、国鉄全体としては輸送量が落ちておりますけれども、東北口についてはやはりまだまだ輸送力と輸送量にアンバランスがございますのでどうもそういうことになるわけでございまして、これは御指摘のとおりでございますので、なお重ねて何とか知恵を出しまして、こういう事故を起こしませんように一生懸命やってまいりたいと思います。
  51. 川口大助

    ○川口委員 私はいまの答弁も実は不満なのです。そういう言いわけを聞こうとしておるのではないのです。心構え、職員に対する物事の考え方、そういうものについての指導が足りない、つまりがめつさが足りないということを私は申し上げたいのです。  そこでもう一つ、時間がなくなりましたので一言だけ申し上げますが、やはりこれからの再建は、総裁だけ一生懸命になってもどうにもならぬ、どうしても職員の活力を引き出して、職員と一緒になってやらなければならぬのであります。そのためには労使の信頼関係なのです。今回の仲裁裁定なんかも、これは法案と関係のないことなのだ。スト権をとめられて、そして仲裁裁定という制度があって、そこにおいて労使の慣行をつくろうというところが本来の目的のはずなのです。それを法案と引きかえのような印象を持たせるようなことをして、職員に不安を与える、職員に不満を与える、こういうことではうまくないと思うのです。ですから、ひとつ今後ともいろいろ労使の中で不満があるような、あるいは不信感のあるようなものは一日も早く払拭をし、職員の活力を求めるような経営をぜひやっていただきたい、こうお願いを申し上げまして終わります。
  52. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 中西績介君。
  53. 中西績介

    ○中西(績)委員 時間がございませんので、簡単に。  まず最初に、高等学校における学習体系、その時間の配置、各学校にはそれぞれの校時があるわけです。この学校校時について理想的な体系というのはどういう体系を指しておるのか。たとえば特にホームルーム、さらにまた休憩時間、昼食を合わせての休憩時間等についてどういう時間帯をもって理想としておるのか、これが一つです。  それからもう一つは、このホームルームの重要性をいろいろ説いておりますけれども、この点についての認識はどうなっておるのか、この点についてお答えください。
  54. 中島章夫

    ○中島説明員 お答えをいたします。  高等学校の授業時間でございますが、学習指導要領におきましては、全日制の課程におきまして週当たりの授業時数というのは三十四単位時間ということになっております。これは月曜日から金曜日までは六時間、五、六、三十、それに土曜日の四時間を加えまして、大体三十四時間というのが標準になっているのでございます。いま私はたまたまここに埼玉県の高等学校の日課表の一例を持っておるのでございますが、朝八時半に始まりまして、ショートホームルームが五分間ございまして、後一時限目から四時限目まで、それぞれ五十分でございますが、間に十分ずつ休憩を持っている。そして、昼の時間は四十五分の昼食時間を持っている。そして、第五時限と第六時限が午後にございまして、これも間に十分の休み時間を持っておりまして、最後は清掃に十分ということで校時が組み立てられております。  御指摘のホームルームでございますが、実は高等学校の学習指導要領は国語、数学等の各教科等と各教科以外の教育活動というもので成り立っておりまして、各教科以外の教育活動というのは、ホームルームと生徒会活動とクラブ活動ということになっておりまして、このうちホームルームとクラブ活動につきましては、毎週一単位時間以上設定をする、こういうことになっているわけでございます。ホームルームといいますのは、学校におきます非常に基礎的な生活の場でございまして、教師と生徒との接触を密にしましたり、それから集団生活、学業生活、進路の選択決定、人間としての生き方等の諸問題につきまして適切な指導を行い、また生徒の自発的な活動を助長する、こういうことのために設けているわけでございます。     〔委員長退席、宮崎委員長代理着席〕 なお、各教科等で習いましたことをホームルームで話し合う、あるいはホームルームで話し合ったことが各教科の学習の動機づけになる、こういう相互補完的な意味を持っているわけでございます。  なお、学校におきましては学級の諸連絡等のために朝十分程度のショートホームルームというのを設けている場合が多いわけでございますが、この場合もいま申しましたような意味で教育課程にちゃんと位置づけてやっていただくということが大切である、こういうふうに考えているわけでございます。
  55. 中西績介

    ○中西(績)委員 そこで、簡単にお答えいただかなくては時間がありませんから、なんですが、このように重要視される学習体系が、いままでの中で、たとえば私の住んでおります福岡県全体を見てみましても、国鉄のダイヤ改正ごとにだんだん縮小されるために、通学の足が制限され始めてきたわけです。その結果、国鉄離れがだんだん起こってきて、バイクの使用あるいは私鉄バス、これに相当転換をし始めてきたわけです。そのために教育費がものすごく増大をしてきていることは事実です。ところが、それでもなお国鉄の方が安いということでもって、学校の事情等もあって三〇あるいは七〇%程度、特に旧産炭地、筑豊地区あたりにおいては国鉄を利用しておるわけです。ところが、いま言われた重要なホームルームにいたしましても、それから休憩時間の十分にいたしましても、全部切り上げちゃって大変な状況にいまなっております。朝のホームルームはほとんどなくなってしまう、こういう時間割になってしまっている。あるいは途中の休憩時間十分を五分に、それから昼の休みはいま言われた四十五分なり五十分というものが普通でありますけれども、これを二十五分ないし三十分に切り詰めて昼食をし、そして授業、こういうふうにむちゃくちゃになっておるわけです。ですから、こういう問題等について文部省としては、ダイヤ改正、そして、そのことによって起こってくることが教育面に大変大きな影響があるということは認めますね。もう答える必要はありませんが、いいですね。――そうなってまいりますと、そこで一つだけお答えいただきたいと思うのは、バイク使用で現在一つの地域で事故件数が表面に出ておるものだけで大体三十から四十件あります。それで、大抵一年に一人程度くらい死亡者が出ております。国鉄がちゃんと機能しておればこれはなくなるわけなんだけれども、この点についていかに考えておるか、この点だけ簡単に答えてください。
  56. 中島章夫

    ○中島説明員 いまお尋ねの件でございますが、遠距離の生徒の通学方法としましては公共的交通機関を利用するのが通常でございますが、バイク等の使用につきましては、通学距離や通学のための交通手段に代替的な方法がないということ等、その他地域の実情を各学校で総合判断をいたしましてこれを認めているというのが大方の実情である、こういうふうに考えております。
  57. 中西績介

    ○中西(績)委員 いまその実情を認めるという体制の中で、いま先ほど私が説明をしたような条件がずっと重なってきての結果、こういう状況が出ておるということであります。  そこで、国鉄にちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、もし、このような法案なりが通るということになってまいりますと、バイク使用の増大か、あるいはバス配置によって生徒が通学をするということになるわけでありますけれども、そうしたときに、バスになった場合、いまの国鉄の場合と比較して運賃がどのように――国鉄バスは現在であれば私たちの地域では約三倍です。それから、私鉄バスの場合は約四倍です。この点は、どうなるんですか。
  58. 加賀山朝雄

    ○加賀山説明員 現在のバス運賃と国鉄運賃の関係は、国鉄運賃は全国均一でございますが、バスは地域別にそれぞれ違っておりますので一概にどこが幾らということは申し上げられませんが、その地域におきますバス運賃というものは、普通運賃では約五割から倍くらい高うございますし、通学運賃は三倍から五倍くらいのいろいろなケースが出ております。
  59. 中西績介

    ○中西(績)委員 いま言われたので見ますと、通学定期の場合は三倍ないし五倍になる可能性があるということであります。たとえば私たちの地域でいま問題になっておるところを比較してみますと、宮田線というのがございますけれども、これがいま国鉄の場合であるならば月に約二千円です。国鉄のバスの場合であるならば六千八百四十円、西鉄という私鉄にかわりますと一万円をはるかに超える。ですから、いまこの三倍ないし五倍ということで計算をしますと、大体これが固定化するということになるわけです。いま先ほど出た係数が大体固定化する。みんなそうなっているんだ。  私がもう一つお聞きしたいと思いますのは、五十四年度の国鉄経営の実績等を見てみますと、地方交通線の赤字が二九%、二千三百十二億円になっています。そうしますと、特定地方交通線の赤字、いま指定されている二千人未満のこの線の赤字はトータルすると幾らになるのですか。
  60. 加賀山朝雄

    ○加賀山説明員 ただいま私どもといたしまして計算いたしておりますのは幹線と地方交通線、これは五十一年度に諮問委員会で御答申いただきました基準に基づきます計算をしておりますが、これは御指摘のとおり地方交通線は助成前で三千百億の赤字でございまして、さらにそれに地方交通線の補助金を入れまして二千三百十二億円という五十四年度の実績になっております。  それでは、このうち今回の法律によります特定地方交通線の分が幾らかということになりますと、先ほど来御答弁にございましたように、政令基準が定まりましてから正確な数字が出てまいりますので、現在の段階では正確な数字を申し上げるわけにはまいりませんが、およそ推定で比較的輸送密度の低い線を想定いたしますと、大体八百から九百億円ぐらいのところが赤字の額ではないかというふうに推定いたしております。
  61. 中西績介

    ○中西(績)委員 そういたしますと、もう一つお聞きしたいと思いますが、東北、上越新幹線、これは収支均衡を図るということが目的で今度の法案が提案をされておるんだけれども、その場合に、これから後、東北、上越新幹線はどのような経過を経て財政的なものは転化していくのか、この点についてお答えください。
  62. 高木文雄

    ○高木説明員 運行の仕方その他はまだ決めておりませんのではっきりした数字はつかんでおりません。しかし、大体の見当としましては、まず十年ぐらいしないと収支が償わないだろうというふうに考えられます。それから、一番財政的に負担になりますのは、営業開始後、当初におきまして償却なり利子なりの負担が非常に大きいということで、その額が三千億ぐらいということが考えられております。あと運転経費その他を考えて収支全体でどうなるかということについては、お客様の乗りぐあい、運賃の立て方等によっていろいろ変わってまいりますけれども、在来東北線と在来上越線及び東北、上越新幹線を総合いたしまして、少なくとも初年度には先ほど申しました償却、利子の負担というようなものが、ほぼそれに見合った額が全体としての収支負担として出てくることになりはせぬかということで心配をいたしておるわけでございます。
  63. 中西績介

    ○中西(績)委員 運輸省にちょっとお伺いしますけれども、そういう面からいたしますと、いま収支均衡は十年後に大体黒字に転化をする、こういう中身で言われております。いずれにしましても、いよいよ運行開始いたしますと、在来線とのかかわりからいきますと、この分がちっともプラスの要因にはなってこない。これに食われてしまうわけですからね。残るのはいま言った三千億、これが絶えずずっと残っていく、こういう結果になる可能性が非常に強くなるのではないかと思うのですね。並行しておる在来線とのかかわり、こういうことを考えあわせていきますと、これをいままで推進をしてきたその理由は何ですか。そして、いま改めてこういう法案を提起をしなくちゃならぬ、こうなった過程、大変問題なのですけれども。そして、なおかつこうして赤字になるということは明らかだし、解消できるという可能性は非常に薄いわけです。ローカル線の方はどんどんつぶしていく。金額からするならば大変な差です。それはどのようにお考えなのか、この点どうですか。
  64. 山地進

    ○山地政府委員 東北、上越の問題につきましては、いまの総裁のお答えは十年たてば収支均衡する。収支均衡するということは、在来線の分も含めまして、新幹線と在来線と合わせて、それから欠損を全部補てんして、十年後には収支が償ってくるということを御説明したわけでございまして、この東北、上越というのは国土の総合、均衡ある発展のために新幹線法に基づいてやっているわけでございます。片やローカル線の問題につきましても、地域の効率的な輸送体系、これはどういうものがいいのだ、道路の発達等が目覚ましい現在におきまして、国鉄の財政の負担とそれから今後の地域の効率的な輸送体系、そういうことを考えまして地方交通線の問題に取り組んでいるということでございます。
  65. 中西績介

    ○中西(績)委員 いまお答えになりましたけれども、これはどう見ても、十年後に在来線とのかかわりをすべて含んだ収支均衡ということだということでありますけれども、私は決してそうならないと思います。したがって、そういう意味で、地方交通線、特に特定地域について八百億、しかもこれは助成金など全部計算してまいりますと下がるわけですから、この点は私は大変不満を持つものであります。  時間がありませんから。そこで、いま言われましたように、地域における交通体系がこのような形になってまいりまして、バスあるいはそれにかわるものとして設定をされますと三倍ないし五倍の額になるということになるわけです。したがって、文部省に簡単に一言言ってほしいと思うのですけれども、こうした場合に、いま教育費はどんどん増額していますね。そういう状況にある中で、またここで改めて教育費の増額が、たとえばいまの金額で言いますと、一つの短い五、六キロの間の金額だけでも約三倍ないし五倍近くになるということになってまいりますと、これは望ましいことですか、どうですか。
  66. 中島章夫

    ○中島説明員 教育の機会均等という観点からいたしまして、できるだけ生徒たちが学習しやすい状況をつくるということが大切なことだと思っております。
  67. 中西績介

    ○中西(績)委員 ということになってまいりますと、機会均等ということになれば、これをどこかで助成するなり何なりの方策があればよろしい。しかし、考えてみますと、地方自治体では、こういう地域の過疎あるいは産炭地などにおける状態というのは財政力指数はもう最高に悪くなっているわけですね。ということになると、個々での措置はできない。ということになれば、どういうことをお考えになりますか。運輸省でもどちらでもいいのだけれども、運輸省に聞きましょうか。
  68. 山地進

    ○山地政府委員 当面の話をまず申し上げたいと思いますが、当面は、在学生につきましては、在校期間中は運賃の差額補助ということを考えたいと思います。私どもとしては、通勤、通学の方を含めてでございますけれども、その方々が従来の交通機関を利用するという期待権と申しますか、そういうものと国の財政、そういったものとの兼ね合いで、その辺で助成というものは勘弁していただきたい、かように考えているわけでございまして、以後の通勤、通学の問題につきましては、地域の輸送体系というものの中でこれをどういうふうにしていくかということをお考えいただかざるを得ない、かように考えております。
  69. 中西績介

    ○中西(績)委員 ただそれだけではないのですね。たとえばいま実際にそういうふうなことでもって均衡がとれるかどうかということを考えていただくと、たとえば二校ある場合を考えてみましょう、これは実際にあるのですから。そうしますと、いま最低の数になっています、将来的には産炭地の問題とかいろいろなことである程度の人口増等を考えられる地域なんだけれども。そうしますと、トータルしますと、いまの数は片道約七百。しかも、同じ時刻に学校が始まるということになってくると、これを輸送する場合に果たしてそういうものができるのかどうか、その点どうですか。
  70. 山地進

    ○山地政府委員 特定地方交通線の基準の中で、最混雑時の一時間当たりの輸送量が千人以上の路線については、これはバス転換が困難であろうということで、国鉄線として維持することを考えております。これはいま先生のおっしゃったようなバスに転換する場合の混雑というものを考えて、輸送ができるかどうかということから千人ということを考えたので、七百人というのがどの程度の混雑になるか、どうやったら輸送していけるかということは、私どもの現在のバスの輸送状況からいって、バスに転換して輸送可能であろうかと考えております。
  71. 中西績介

    ○中西(績)委員 いま可能だということを言っていますけれども、それでは一時間内にバスを何台走らせるのですか、お答えください。
  72. 山地進

    ○山地政府委員 バス輸送は、私どもとしてはバスストップにおける乗り降り等、そういうものを考えまして三分ヘッドでございますから、一時間の間に約二十台を走らせ得ると考えております。
  73. 中西績介

    ○中西(績)委員 いま言われるように、バスでそういう措置をした場合に、二十台なら二十台を走らせる。それに対する要員だとかいろいろな問題等からいたしてまいりますと、果たして、いま均衡なり何なりをということを言っておるけれども、本当にこれが成り立つものであるかどうか。しかも今度は、先ほどから私が指摘しておるように、教育面におけるいろいろな影響が出てくる。これを外されることは、精神的なもの、いろいろなものからいたしまして大きな問題が残ると思うのです。ですから、千人わずか切るぐらいで、簡単に、機械的にそれを措置するということをいま考えられておるのか、この点ひとつどうですか。
  74. 山地進

    ○山地政府委員 私どもの政令の中で、特定地方交通線に、つまりバスに転換することが適当なものという第八条の第二項の規定があるわけでございますが、一時間当たり千人を超えるものについてはバスに転換することが適切でないというふうに考えておるわけでございます。政令でそういうふうに書こうかと考えております。
  75. 中西績介

    ○中西(績)委員 ですから、千人以上あれば問題ないんだよ。それを聞いているわけじゃない。そこら辺に大変わずかだけれども切れる部分が出てくるわけですから、これをどうするかということをひとつ後で大臣にお聞かせをいただきたいということです。  最後になりますが、そこでこの地域は、これは北海道だって同じだと思います。特に北海道の場合には凍結して通学が不能になった場合にどうするか。これは実際にここにありますけれども、もう時間がありませんから一々挙げることはできません。したがって、そういう問題についてどうするかということが一つ。  それから、産炭地域におきましては、いよいよ来年産炭地域振興のための臨時措置法が切れることになるわけですね。この地域におきましては、いま必死になって工場の誘致だとかこういうことを図りながら、再生浮揚を図っています。ところが、こういう地域におきましては、そういうものが今度はある程度整えられていくということになってまいりますと、いまとっ外していくこのことが将来的にはどうなのかということを考えなくちゃならぬようになってくるわけですね。と同時に、いま時点で完全に落ち込んでいる地域から国鉄の線路まで全部外してしまうというようなことになってまいりますと、大変大きなショックがそこには出てくるし、そして将来的には、そこに鉄道便を利用して運んでいるところだって工場あたりにはあるわけですから、これを全部陸路ということになれば、また必然的に今度は何が必要かというと、道路の整備から始めなくちゃならぬということだってあり得るわけです。  こういうことになってまいりますと、総合的な施策として産炭地なら産炭地をどうするかということでもって建設省なり、あるいは文教関係で言うなら文部省なりあるいは運輸省なりという多元的にわたっての検討をしたことがあるのかどうか、この二点お聞かせいただきたい。
  76. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 地域の交通の体系が非常に多様化してきておりまして、中西さんおっしゃるように全部が全部これから国鉄依存ではなくして、バスに、あるいはまた近くの人はそれぞれ自分の力で交通の手段をとるだろうと思いますし、そういう多様化していくものにどう対応するかということ、これもやはり見定めなければならぬ要因だろうと思うのです。  お尋ねのように、この地域開発というものがどのように進んでいくかということは、私たちの方でも各省と連絡をとらなければならぬ問題だと思っております。しかし、いままで見てまいりまして、そういう地域におきましては、道路も同時に並行してりっぱな道路がついておりますし、したがって交通機関として何を基本的な交通にしていくかということ、これも意見を聞かなければ定められないことであろうと思います。そこで、国鉄がそういう不採算路線としてしておりますものを、それでは地域の振興とあわせて地域が中心となったいわば第三セクターで経営していただくという道も開かれておることでございますし、そういうことにつきまして、われわれもいわば地域交通についての御相談には十分に応じていきたいし、そして、それによって足の確保、これは絶対にわれわれ行政のベースにおいてでも責任を持っていかなければならぬと思っておるのであります。     〔宮崎委員長代理退席、委員長着席〕  しかし、その責任が全部国鉄なんだということは、これはちょっとわれわれといたしましても、現在の時点においては、国鉄のこういう状況でございますから、この免責は適当なところでお願いいたしたい、こういうことでこの法案を提出しておるのでございますから、地域交通の確保ということにつきましては、われわれも当然努力をいたさなければならぬ。これと国鉄の責任というものとは別個にひとつお考えをいただきたい、こういうことであります。
  77. 中西績介

    ○中西(績)委員 これで終わりますけれども、いま大臣がお答えになりましたこのことは、大変私は不満を持ちます。と申しますのは、これを廃止をするなら廃止をする、そうした場合、第三セクター云々と言っていますけれども、こういう地域で第三セクターでどこかがこれを引き受けてやるなんというのはとうてい考えられぬ。ということになれば、いまあるものを外すわけですから、そうしたときには施策として、いま言うように文教面からいたしましても、教育面からしても、地域のそういうものからいたしましても、それから道路が走っておるというけれども、道路は全部詰まっておるのだ、そういう面をどのようにしていくかということを総合的にちゃんとしたものを出していただかないとこれは納得できません。それがない中でいまこういうものを出してくるところに大きな問題があるわけでありますから、そして、いま言うように地域で負担できればいいけれども、財政支出は大変厳しい条件の中にあるわけです。子供に対する今度は負担率、負担額からいたしますと大変な差が出てくるわけですから、都会における子供とはうんと違いがあるわけですから、こういう点等がやはり総合的に考えられるところに政治というものがあるのだと私は思うのです。  この点が全然ないのが今度のこの案であるということを指摘をし、もう一度一考すべきであるということを意見を申し上げまして、終わります。
  78. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 小野信一君。
  79. 小野信一

    ○小野委員 私は国鉄の運賃料金問題にしぼって質問いたしますので、簡潔な答弁をまずお願い申し上げます。  国鉄の運賃値上げによって困るのは直接の利用者であることは言うまでもありませんけれども、卸売物価あるいは小売物価にはね返ることもまた国民にとっては大変な問題でございます。このこと自体は目新しいことでないことはもちろんでありますけれども、原油の高騰によってより大幅になり、経済全体に負担を負わせるという点で、従来より顕著になっております。今後ともに石油価格の高騰が続くものと考えますので、その都度公共料金の値上げによって不公平に国民に負担がかぶさっていくということになりますと、私は政府の施策あるいはそれを排除する政策が非常に大切になってまいる、こう考えます。  そこで、国民の合意に基づいて負担の合理的な配分が決まるような制度を早急につくる必要がある、私はまずそう考えます。財政が幾ら赤字であっても政府が負担すべきものは負担する、国民が負担しなければならないものに対してはその衝撃を緩和する、こういう政策というものは欠かしてならないと思います。  そこで、質問の第一は、過去の鉄道運賃の値上げがどのように卸売物価と消費者物価にはね返っていたかを調べてみますと、昭和五十一年度には五〇・三%の値上げで〇・五%の影響、五十二年度は運賃値上げはなくて、五十三年度には一四・八%の値上げで〇二一、昨年は八・八%で〇・一と発表されております。しかし、その後もまた原油が高騰いたしておりますので、わが国の物価はその当時の状態と比較して非常に不安定な状態にあります。少しの刺激によっても上昇する可能性をいま含んでおります。五十二年度や五十三年度の、物価が非常に安定しておる時期とは異なっておることは御承知のとおりです。  そこで、経済企画庁では、今回の五十五年度に値上げを予定しておる運賃値上げは、卸売物価と消費者物価にどのようにはね返ると計算をしておるのか質問いたします。  第二は、過去の運賃値上げと乗客員数との関係はどのような関係になっておるのか、今後はどのような趨勢になると分析しておるのか、まずこの二つを説明願いたいと思います。
  80. 長瀬要石

    ○長瀬説明員 御説明申し上げます。  運輸省、国鉄から八月末に大蔵省に提出されております五十六年度の予算の概算要求におきましては、増収率七・九%、増収額二千百億円、こういう内容の運賃改定が織り込まれております。仮に改定率が七・九%程度ということで仮定をいたしまして試算をいたしますと、消費者物価に与える影響はおおよそ〇・一%程度ではないか、こういうふうに試算をされております。  それから、お尋ねの第二の点でございますけれども、運賃改定と旅客輸送員数との関係がどうかという点については、ちょっといま具体的な数字を手元に持っておりませんけれども、運賃改定に伴って一層と申しますか、若干の旅客の減少ということが起こることが過去の動向からうかがえるように思っております。
  81. 高木文雄

    ○高木説明員 過去の実例で申しますと、五十年の運賃水準を一〇〇といたしまして、現在一八八になっております。その間旅客は五十年の輸送量を一〇〇といたしまして九〇%ということでございますから、倍近く上がって一割減ということの結果になっております。ただ、これは必ずしも運賃の水準が上がったことによってのみ減ったわけではないわけでございまして、この間に相当地方空港が整備されて飛行機が増便になっております。また、新しく高速道路ができることによって自家用自動車の利用者がふえ、それに伴って私どものお客様が減るということが地域的に見ますと非常にはっきりいたしております。それらを総合いたしました輸送実績のダウンが五十年対五十四年で一割、その間の運賃水準が一八八と、こういう関係になっております。
  82. 小野信一

    ○小野委員 過去の国鉄運賃の値上げと消費者物価指数との関係を見ますと、八%前後の上昇で〇・一%の消費者物価上昇と計算されます。もし、特別割り増し運賃制度が導入になって五十数%の値上げがあったとするならば、〇・八あるいは一%程度の消費者物価指数へのはね返りが予想されるわけです。現在のわが国の経済政策を考える場合に、まことに大きな影響と言わなければなりません。  九月五日に、政府はわが国の経済運営政策の基本方針として物価の安定を最重点に行うという方針を決めております。しかし、物価の安定は市場メカニズムを通して行われるべきものとして、できるだけ不介入の態度をとってきたことも事実であります。だからといって公共料金の値上げが物価上昇の引き金になっていいということにはならないはずです。しかも、してはならないはずです。  そこで大臣に、国民経済の安定という立場から、地方交通線の五〇%以上の特別運賃の値上げ・その上に毎年物価の上昇に見合う運賃の値上げという構想は、果たしてこれからの経済運営の中で好ましいものであるのか、もちろん好ましくないと考えておると思いますけれども、まずこれに対する所感をお伺いいたします。  特に国鉄経営の環境の悪化、資本費の増大、原燃料費の増大等の原因によって採算が合わなくなっておるときだけに、国民経済に果たす国鉄の役割りをいまどのように考えておるのか、大臣の所見をお伺いしますし、運賃の水準は、国民経済の観点から分析するときに低ければ低いほどいいということにはなりますけれども、実際問題としてそういうことはあり得ないわけですから、最低でもこの程度の水準は保っておくべきだ、あるいはこういう条件だけは満たしておきたいという考え方がありましたら、大臣の最低の基準の考え方をお聞きいたします。
  83. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 お尋ねの点でございますが、来年度何%運賃を値上げするかについては、まだ決定いたしておりません。ただ、概算要求の段階において、来年度二千百億円の増収を図ることは決定いたしております。運賃の上昇率を何%にするかについては、予算編成時において最終的に決定いたしたいと思うております。  もう一つの点でございますが、もちろんわれわれは運賃の引き上げによって再建を図ろうということを主体に考えておりません。できるだけ運賃は抑えていかなければならぬのは当然でございます。特に都会地においては、運賃の高騰によって国鉄離れという現象が起こっておることもわれわれは認識いたしております。ですから、今後においても運賃はできるだけ抑えたいと思うのでありますけれども、一方において毎年一兆円近くの国費が、これは一般の方からいただいた税金でその穴埋めをしていかなければならぬ。このことを考えますならば、国鉄を利用していただいている方に多少の御無理もお願いしなければならぬという気持ちで値上げの問題を考えておるということでございます。したがいまして、これから予算編成時に当たりまして、おっしゃるように物価へのはね返りをわれわれは極力心配いたしておりますので、そういう点を配慮しながら決定をいたしたいと思うております。
  84. 小野信一

    ○小野委員 鉄道運賃をめぐる問題は、現在の制度的枠組みや考え方の中では解決が非常にむずかしくなっておるのじゃないか、こういうことをまず感じます。  そこで、新しい観点から料金の決定原則、公費負担あるいは投資基準、減価償却等の検討が必要なのだろう。もちろん内部でも十分それらに対する配慮は行われておるとは思いますけれども、その中の一つとして、国民経済的視点からエネルギー消費率の低いものを使う輸送機関を育てるという観点が非常に大きな要素になってきておるのではないかとまず考えます。  現在、旅客輸送のエネルギー消費効率を調べてみますと、鉄道は一人一キロ当たり九十三キロカロリー、営業用バスは百五十九キロカロリー、自家用車、乗用車は七百四十二キロカロリー、飛行機が七百四キロカロリー、こうなっておるようです。もちろん交通手段を国民に自由に選択させますと、自家用自動車に移っていくことは過去のデータが示すとおりであります。この場合に、消費エネルギーの少ないものを社会的な効率が高いものとして育てていく、こういう観点が必要なわけですから、それに対する政策誘導が必要だろう、こう私は考えます。そこで、運送エネルギー消費率の高いものから応分な負担を求めて、率の低いものにこれを移行するという方法があらゆる政策を通して当然誘導されることが必要なんだろうと思います。こういうことはもちろん検討されておるとは思うのですけれども、こういうものに対するプラス・マイナス、あるいは将来これらを検討して早急に国鉄運賃の中に導入する、こういう方向がおありになるのか、お聞きいたします。
  85. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 私も小野さんのお考えにつきましては賛成でございまして、過去におきましていわゆる陸上特会という考え方を固めまして各界に協議もしたのでございますが、成案としてなかなかまとまる段階にまでは至っておりません。が、しかしながら、おっしゃるようにエネルギーの多消費のものからエネルギー効率のいい鉄道への利用を促進するための新しい投資に使い得るような、そういう考え方というものは私たちも今後努力していきたいと思うております。
  86. 小野信一

    ○小野委員 今回の国鉄再建法に対してわれわれが不満なのは、先ほどの先輩、同僚議員がおっしゃいましたように、総合運輸体系がないということ、国鉄運賃が上昇する、値上げになる、あるいは地方線が廃止になる、それにかわるべき国鉄以上の有効なる交通手段が準備されないままにこの制度が導入されるということに国民が大きな不安を持っておると同時に、将来エネルギー問題から考えて国鉄が非常に大きな大量輸送機関としての役目を果たすだろうとだれもが予想しているのに、廃止を中心としたことが提案されるところがあるわけですから、それらに対する対策を早急に立てた後に、これらの問題が検討されることを強く望みます。  今回廃止されるかあるいはバス輸送への転換が迫られておる地方線の所在地はいずれも低所得地域であります。私の岩手県は全国平均の八〇%に所得はすぎませんし、東京の六五%であります。まことに大きい社会格差、所得格差と言わなければなりません。国鉄運賃が公共料金としての性格を備えておるということは、公共料金は地域格差を縮める、解消するということは非常にむずかしい性格を持っておりますけれども、拡大することを阻止するという面でまことに大きい役目を果たしてまいりました。ところが、特別料金体系が導入をされますと、これらの所得の低い地域ほど運賃が高くなる、あるいは他の輸送機関に転換されることによって三倍ないし五倍の支出増になるということで、本来の公共料金あるいは公共輸送体系としての任務を放棄することになるわけです。私は、まことに大きな政治的な任務の放棄じゃないかと感じますけれども、それらに対する責任、考え方、大臣の所見をお伺いします。
  87. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 御承知のように、国鉄の運賃は全国一律を適用しております。でございますから、都会地におきましては他の機関に比べて非常に高いところも出てきておる。特に私鉄との競争におきましては非常に不利になってきておりますが、一方、地方に参りますと、国鉄は他の交通機関に比べまして比較的運賃が安い、こういう現象が出てきております。  そこで、国鉄の利用者全般につきまして、できるだけこれを公平に負担していただくという考え方をとるといたしますならば、一つは、特別運賃制という、地域による運賃の格差をやはり認めていただかざるを得ないと思うておるのであります。  ところで、運賃のあり方でございますけれども、特別運賃を、だからといって非常に高額な、全く原価を償い得る程度に高額なものにいたすということは現在の段階では考えておらないのでございます。しかし、一般の全国平均あるいは特に都会地と比べましても、少しの負担はやはりしていただかなければならぬ、そういう感じで特別運賃を設定していきたいと考えております。
  88. 小野信一

    ○小野委員 いま地方においては他の輸送機関よりも国鉄運賃の方が安い、こう答弁されましたけれども、国民の方は、地方沿線に住んでおる人間にとっては、安いから国鉄を利用するのであって、もしバス輸送その他の料金と同じ金額であれば、国鉄に乗らないということになってしまいます。したがって、もしこれらの改定が、特別運賃の導入が行われますと、逆にむしろ国鉄離れを起こすのじゃないか、こういう心配がありますし、収入悪化を来す要因になるのじゃないか、こう考えておることをまず強く申し上げておきます。  普通に赤字を解消して経営を再建するという場合に、最も赤字の発生源にメスを入れる、これが再建の常識だろうと思うのです。ところが、先ほど答弁を聞いておりますと、最も赤字の金額の大きいのは幹線であり、二千人未満の今度廃止しようとする路線の赤字は八百億円程度だ、全体の赤字のわずかに一〇%にすぎない。  そうしますと、幹線は大きな赤字を持っておって、国鉄が少々合理化をしても、乗客が転換する他の輸送機関がたくさんある。ローカル線、特に二千人未満のローカル線は他の輸送機関にかわることが非常に無理である。こういう二つの条件を考えますと、赤字の中の一割程度のローカル線はむしろこれを国鉄全体の財政の中で存続するという方が正しいのじゃないのか。赤字再建をする場合の方法としても、何か国民が納得でき、それに協力するという気持ちにならない再建方法ではないのか、私はこういう感じがいたします。  高木総裁の御所見を伺って、質問を終わります。
  89. 高木文雄

    ○高木説明員 現在、幹線と地方交通線に分けてみますと、幹線と申しますのは約一万二千キロでございます。それから、私どもが地方交通線と呼ばしていただいておりますのは九千キロでございます。幹線の方の収入と経費の関係は、収入を一〇〇といたしまして経費が一三一という数字を五十四年度の決算上は示しております。したがいまして、幹線につきましては経費を二割程度圧縮する努力をすることによって、一万二千キロの方は総体としては収支が償う、単年度では償っていくという形になろうかと思っております。その場合に、九千キロの方は、収入と経費の関係が収入、一〇〇対経費四三二という関係になっておりますので これはもういかに経費を節しましてもやりょうがないというわけでございまして、そういう意味において、やはり赤字の絶対額の大きい幹線について最大限の努力をいたすことはもちろんでございますけれども、さりとて、地方交通線についてはもうすでに人減らしはほぼ終わっておりますものですから、運賃水準の見直しというようなことも含めていただかざるを得ないのではないかというのが私どもの考え方でございます。
  90. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 山花貞夫君。
  91. 山花貞夫

    ○山花委員 交通政策は、現在起きている交通上の諸問題を解決すると同時に、進んで将来に向かって国民の福祉と経済の向上を図るものでなければならない。そのためには、国民の合理的な交通需要を十分に、しかも効果的に充足させるものとして、各種の交通施設がそれぞれの特性を生かした整合性のある体系として整備される必要がある。これがわれわれの従来から一貫して主張してまいりました総合交通体系の確立の要求であります。  今回のいわゆる再建法案についてみますと、その意味におきましては、個別政策それ自体にも多くの問題点があるのではないか。これはこれまで同僚委員が追及をしたとおりであります。  同時に私は、きょう、あと残された時間十数分ということでありますので、交通政策と不可分の関係にある国土利用、建設行政の観点についてお伺いをいたします。  時間の関係がありますので若干質問の中身を切り詰めなければならないと思うのですけれども、まず、直接大臣にお答えいただく前に、建設省及び国土庁の関係でお話をお伺いした後、質問をさしていただきたいと思います。  まず、建設省にお伺いいたしたいと思います。六十年までに廃線、廃止を予想される、こうした路線に沿っての特に代替輸送のための道路整備の観点でありますけれども、これは一体どうなると予想されているのだろうか。建設省の道路行政においてどのような準備がこれまでなされてきているのだろうかということについてお伺いをいたしたいと思います。  同時に、国土庁の関係につきましても同じ観点で、国土庁の本年度の地方振興対策の中核として、たとえば定住圏構想その他三全総に基づいた計画が打ち出されているわけですが、これも再建法で廃線、線路がなくなるということになりますと、そのことについての検討が当然必要ではなかろうかと思うわけでありますけれども、建設、国土両省庁からまずこの点についてお話を伺いたいと思います。
  92. 萩原浩

    ○萩原説明員 お答えいたします。  国鉄の特定地方交通線の廃止の問題でございますけれども、これにつきましては、現在のところ具体的に運輸省当局さんから説明を受けておりません。したがいまして、詳細な検討は行えない段階にございます。しかし、廃止に伴いまして必要となりますバス路線の確保という問題は非常に大きな問題でございますので、その観点から対象路線選定のあり方というものについても建設省としても検討いたしたいというふうに考えておりますし、具体的路線にかかわる所要の道路の整備については関係機関と十分協議をいたしながらその措置のあり方を詰めていきたい、こういう段階でございます。
  93. 寒川重臣

    ○寒川説明員 お答えいたします。国土庁におきましては、三全総に基づきます定住構想を推進いたしますために、政府施策の一環といたしましてモデル定住圏計画を推進しているところでございます。モデル定住圏計画は、圏域内の自然環境、生活環境及び生産環境を総合的に整備いたしまして、人口の地方定住を図ることを目的として推進するものでございまして、それぞれの地域の実情を踏まえまして交通体系の整備を図ることも非常に肝要なことであると考えておるわけでございます。  国鉄地方交通線の問題につきましては、特に地域の交通に大きな影響を及ぼすところもあると思われるわけでございますけれども、国鉄の経営再建も重要な課題でございますので、今後関係省庁との調整を図りながらモデル定住圏計画の推進にそごを来すことのないよう対処してまいりたいと思っております。
  94. 山花貞夫

    ○山花委員 建設省の関係でも、要するに、これまでアウトラインについてはそれぞれお話は伺っているけれども、まだ具体的な中身について不明であるから、今後の道路行政のあり方、そのことについては全く手がついていない、具体的な施策になって初めて手がつく、こういうお答えだと思います。国土庁についてもほぼ同じであるわけでありますけれども、たとえば定住圏計画ということでモデルとして設定されましたその地域を通過している、恐らく問題となるであろうという路線について見ますと、資料をいただいておりますだけでも、青森の津軽地域における黒石線を初めとして二十一路線があるわけであります。そうなりますと、それは国土庁が中心的に取り組んでいる定住圏計画、何といっても地域の生活基盤であり、そこでの交通体系がどうなるかということが非常に重要な役割りを担っておると私は思いますから、それがいざ事が進んだ場合には全く練り直す必要が出てくるのではなかろうか。こうして建設省の関係でも、国土利用計画につきましても、大変大きな影響を与えることになるのではないかと考えるわけであります。そういたしますと、いざ決定して二年間で調整するということを言っても、それではとても間に合わないような事態が国土、建設両省庁の関係でもたくさん出てくるのではないかと私は考えざるを得ないわけであります。したがって、この問題は二年間、見切り発車の問題とも関係するわけでありますけれども、この点については大変大きな問題として指摘しなければなりません。  そして、いまの両省庁のお答えを前提といたしまして次に質問いたしたいと思うのですけれども、今回の法案でも、先ほどの話でも建設省からありましたとおり、バス路線転換問題については一定の資料など私たちも拝見したりするわけでありますけれども、旅客の輸送と同時に物の輸送の関係もあるわけであります。貨物輸送につきましても、シェアをトラックなどに奪われているとはいえ、なお一定程度の輸送を引き受けているわけでありますけれども、この物の輸送についてのトラック転換の問題は一体どうなっているのか。かつても予算委員会で問題となりましたけれども足尾線の問題、これはもし廃止されるとなれば古河鉱業の濃硫酸を積んだトラックが町中を大量に走らなければならないといった問題、どうするかということで、このトラック転換の問題が議論されてきたりしているわけであります。  その観点から、地方交通線等選定基準案ということで私は資料を拝見いたしましたけれども、旅客の関係の次の物資の関係ということで、一つの基準、四千トン以上である営業線については幹線鉄道網を形成する営業線の基準に当てはまるとするけれども、四千トン以下については外すのだ、こういう内容だと伺っております。こういう基準は一体どうしてつくったのか、その基準をつくったあり方についてお伺いをしたいと思います。  もう一つの問題は、バス転換だけではなくトラック転換の問題についても、これは周到な準備をしなければ地域の生活環境破壊、大混乱を生ずるのではないかと思うわけでありますけれども、この点について大臣の所見をお伺いいたしたいと思います。
  95. 山地進

    ○山地政府委員 まず、大量定型輸送ということが、都市間の旅客輸送とあわせて私ども国鉄の今後のあり方として一つの考え方であろうかと思います。そこで、大量定型輸送というものがどういうものであるかということで、私どもの方で国鉄の現在の貨物輸送の状況から考えまして三百トン以上のものを十二列車ぐらい走らせるというのが大量定型輸送であろうかと考えて四千トンという基準をつくったわけでございますが、四千トン以下のものにつきましては大量定型輸送とは考えられませんので、それらについては、旅客の特定地方交通線の廃止に伴いましてその部分については第三セクターに移るなりあるいはトラック転換するなりその地域の効率的な輸送体系という観点からいろいろこれは考えていかなければならない、かように考えているわけでございます。
  96. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 いまお尋ねの中に特定の危険物輸送というようなお話がございました。これはやはり地域の住民にとりましても非常に重要な問題でございますが、しからばその危険物を生産し、それを搬送しておる企業、その企業が将来どうあるのかということとの問題もやはり国鉄としては煮詰めなければならない問題だと思うのであります。と申しますのは、過去におきまして、自動車輸送等におきましても、自動車輸送を契約でしておりながら企業の方でやはり都合によりというようなことが出てきた例もなきにしもあらず、そういたしますと、そういう危険物につきましては、われわれといたしましても輸送の責任は感じておりますけれども、そういう問題について十分先ほど言いました基準の問題とあわせて検討しなければならぬ問題だと思っております。  それから、仰せのように、地方におきます特定交通路線の問題でございますが、第三次全国総合開発計画におきましてもこのように書いてあるのです。「輸送密度の低い地域にあっては、地域の実情に応じた新しい交通体系の整備を図ることとし、鉄道輸送からバス輸送等道路輸送への切換えを検討するとともに、」云々と、こういう文言がございまして、やはり地域輸送というものの多様化は避けられないと思うのです。  そこで、御心配になっておられる道路との関係でございますけれども、これにつきましてはわれわれも十分に協議をしてこれからそそうのないようにいたしていかなければならぬと思っております。
  97. 山花貞夫

    ○山花委員 終わりに、いまの三全総の引用に当たりましてもやはり旅客中心の考え方がお話の言葉の中に出ておったと思いますけれども、同時に、トラック転換その他の問題となりますと、そのことを含めての地域の交通問題さまざまな観点で議論されなければならないと思いますし、そのためには地元の住民の意見などに徴するということについても大変重要なことになってくるのではなかろうかと思います。この法案にあります今後の関係行政機関ということにつきましても、たとえば運輸省、建設省、国家公安委員会、そして北海道は北海道開発庁という形で伺っているわけでありますが、もっともっと大衆の足という観点からいたしますと住民の意見聴取の形、あるいはトラック転換ということになりますならば民間の業者の関係もあるかもしれません。そういった観点での広い調整というものが必要ではなかろうかと考えるところであります。  時間ですからこれで終わりますけれども、建設、国土、国土利用計画という観点から見ましてもなお多くの問題があるのではないかという疑念を呈しまして、以上時間ですので質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。     ―――――――――――――
  98. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案について、本日、日本鉄道建設公団理事藤田雅弘君を参考人として出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  99. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――
  100. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 平石磨作太郎君。
  101. 平石磨作太郎

    ○平石委員 今回の国鉄再建法案が提出をされて、大変な交通体系あるいは特に地方ローカル線についての地方への影響、こういったことが非常に大きな問題となっておるわけですが、国鉄の再建ということについては理解ができるものの、地方におけるところの住民福祉あるいは産業の発展、こういった形から見たときに、余りにも片手落ちな今回の法案ではないか、このように私は思うわけでして、時間もございません、簡単明瞭にお答えをいただきたいわけですが、この法案を通して果たして再建ができるのかどうかということに対しても私は大きな疑問を持つわけでございます。したがって、いま他の議員の質問等を拝聴いたしましても、東北新幹線、こういった幹線においても十年を待たなければ収支相償わない、こういった答弁も聞かせてもらいました。そして、国鉄の監査報告を見ましても、地方交通線については国鉄の赤字の二三%、こういった報告がございます。こういうような状況の中で再建ができるかどうか、大臣にお伺いしたい。
  102. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 国鉄再建がこの法案によって完全になし得るかどうかということでございますが、御承知のように、この法案は国鉄が経営改善計画を出す、六十年までに経営の健全性を取り戻すということが一つ。そして、不採算線として国鉄がいかなる努力をいたしましてもこれが収支を償うことができないような路線、これにつきましての転換を考えること、並びに国としての財政負担を明確にすること、この三つがこの法案の骨子でございます。したがいまして、地方交通線だけで国鉄が再建できるかといえば、それはなかなかむずかしいことではあろう。しかし、再建への一つの大きい足がかりであるということには間違いございません。国鉄を再建しようといたします一番根本は、何といたしましても国鉄に従事する管理者も職員も一体となって国鉄を再建する意気込みに燃えてくれることが一番の根本であることは当然でございます。しかも、それを一つ一つ政策の中でこなしていくといたしますならば、不採算線として何としても国鉄の努力ではできないような地方、特に特定地方交通線につきましての国鉄の免責をお願いいたしたい。しかしながら、国鉄の免責はあったといたしましても、この地方の交通の維持ということにつきましては、政府なり地方団体が相協力して確保に努めるということがわれわれの考え方でございまして、その点は御理解いただきたいと思うのです。
  103. 平石磨作太郎

    ○平石委員 いま大臣の答弁の中で、もちろん地方といったもの、それだけではと、こういうようなこともありましたけれども、私が考えるに、地方にこれだけのしわ寄せを及ぼされる、しかも、それは二三%か二八%か、その程度のことを切り捨てて再建ができるかどうかということを聞いておった。それともう一つは、そういうような状況ではあるけれども、これは再建上やむを得ないと、しかも収支相償わない地方線については、やはり国鉄だけでは地方交通を確保することは困難だから、なお政府、地方団体等を通じてお互いにそういった面の交通確保は図るべきだ、こういま御答弁をいただいたのですが、そういう関係からいま新線について第三セクター云々ということが出ております。この第三セクターについては、その内容がどうも不明確である。極端な言い方をすれば、内容はわからない。そういう中で第三セクターで協力が願えるならば新線の建設をいたしましょうと、こういった条件が付せられておるわけですが、これを受けるということになりますと、内容もわからない、さらにはどのくらいの財政負担が出てくるものか、あるいは人員、車両その他、いろいろともう目の前に見えた問題があるにもかかわらず、内容を不明確にしておいて地方団体、県知事に対し受けるかどうかと、こういうことがいま出ておりますが、これについて私は、余りにも理不尽と言うたら言い過ぎでございますが、不親切なやり方ではないか、このように思うわけですが、この点お伺いをしてみたい。
  104. 山地進

    ○山地政府委員 現在の法案によりまして、在来線の動いている路線につきまして、これをバスあるいは第三セクターに転換するということを私どもとしてはお願いしておるわけなのでございますが、人が乗っている鉄道でも第三セクターに何とかして国鉄から離していただきたい、国鉄の責任から逃していただきたいと、こう申し上げておるわけでございますことと、建設している路線につきましても、つくったならば当然四千人以下になるような路線につきましては同じように第三セクターで何とか考えていただきたい。  ところで、いま先生のおっしゃるように、どういうのが第三セクターでどうやったら端的に言ってうまくいくんだということについては、各地各様、その鉄道によりましてさまざまな考え方があろうかと思うのです。今回、野岩線といって栃木県と福島県のものが出てまいりました。あれは鉄道とかバスとか金融機関、いろいろなことが入って第三セクターとしてできて、そこでいろいろの資金計画もできているわけなので、ただ鉄道だけで採算をとることは非常にむずかしいだろうと思うのです。やはりその地域の観光開発なり、いろいろなその土地特有の事情を絡み合わせて、どうやって全体的なコストを下げて収益を上げていってその鉄道の線路が維持できるのかと、これはもうまさに地元の創意と工夫と努力によってその第三セクターを盛り立てていただきたい、私どもの方ではそういう考えで、皆様にむしろ、いろいろ材料は提供いたしますし、何でも御援助はいたしますけれども、ひとつ地元の方で考えも出していただきたいと、かようにいまお願いしておるわけでございます。
  105. 平石磨作太郎

    ○平石委員 いま地元地元とおっしゃいましたけれども、地元で考える内容がわからないのですよ。当然採算性のない路線をやろうとするのですから、地方としても果たしてどれだけの財源が要るものか、あるいは運営によってどれだけの赤字が出るものか、この処理をどうするのか、こういったことが不明確なままで話をいたしましょうといいましても、これはなかなか応じ切れぬと思うのですよ。在来線についても一緒です。新設についても特にそうです。したがって、その内容が明らかでないときに、観光その他経営コストを下げるためにお話し合いを願いたいといっても、その状況がわからぬわけです。極端な話をすれば、あなたあの人と結婚しなさいと。写真も見ない、見合いもしない、そういう中で判をつきますか。どうですか、意思はどうですかと言われても、これは私は無理だと思うのですよ。だから、その内容は、少なくとも地方団体にとっては大きな負担になってくる、こういう心配を持ちながらおるのです。したがって、その内容はどうかということであります。
  106. 山地進

    ○山地政府委員 その路線の具体的な見通しと旅客輸送需要がどれくらいあるかということについては、私どもなりにあるいは鉄建公団なりにいろいろな計算の方法はあろうかと思うのです。ただ、その鉄道をどうやって利用するのだというその土地の方々の計画がなければ、どうもその需要も出てこないということになりますので、私どもとしては県なりそういう事務局とはいろいろ御相談をし、材料は全部出しながらお話を進めていきたい、かように考えております。
  107. 平石磨作太郎

    ○平石委員 私がいま申し上げていることは、結局地方は非常に心配をしているのです。自治省、おいでいただいておりますか。――非常に時間がないので急がしていただきますが、これは大変な地方負担を覚悟せねばならない、こう思うわけですが、自治省は、いまの地方財政の制度の上にこういったものが新たに出てくるのだろうと思うのですが、現在はありませんけれども、やはりそれを考えておられるのか、新たな制度を考えておられるのかどうか、お伺いしたい。
  108. 井下登喜男

    ○井下説明員 先生御指摘のとおり、地方交通線について地方団体が第三セクターに加入するというような場合にありましては、これは制度的にということではございませんが、その赤字が地方団体にしわ寄せをされる危険性というのは非常に大きいと考えているわけでございます。現在の国、地方を通じます事務配分なり財源配分なりから申しますと、そういったものについて全部地方団体がかぶるという前提にはないわけでございまして、それを無制限にやりますと、国、地方の財政秩序の根幹に触れる問題になると考えているわけでございます。したがいまして、自治省としては、これは制度的には可能ではございますけれども、地方公共団体がこういった第三セクターに加入することにつきましては、その採算の見通し等について慎重な配慮が必要であると考えているわけでございます。
  109. 平石磨作太郎

    ○平石委員 これも明らかになりません。そういったものがなぜ明らかにならないか。少なくとも私が申し上げたいことは、一つのモデルをつくる。第三セクターというのはAならA、BならB、二案、三案のモデルをつくって、これを示して、この中でどれか選定をして受けてくれぬか、こういったことがなぜできないのか。だから、あくまでもこの法律をつくるというので、そして地方へそれだけのしわ寄せをかけるというのであれば、やはり赤字の処理の問題、財源の問題、運営の問題、こういったものの一つのモデルをつくってやるべきであると私は思う。そういうことがなぜできないか、これを申し上げたい。そして、新線建設について現在百五十億のローカル線の予算がございますが、六十億が凍結になっておる、この根拠を示していただきたい。
  110. 山地進

    ○山地政府委員 予算の話でございますので、法律的な根拠ということになりますと、私どもとしては予算の効率的な使用を図るということ以外にはございませんで、法律的な根拠というようなものについては単に予算の執行の問題だと私ども考えております。
  111. 平石磨作太郎

    ○平石委員 いまの答弁はどうもいけませんね。  第三セクターで、内容も見せない、言わない。これは法律がないから現行法の中では言えません、こういう態度じゃないかと私は思う。そういう態度をとるのであるのなら、いまの新線建設について凍結する根拠もない。根拠がないのにこれを凍結しておくというようなことが果たしてできますか。新しい法律ができればこれはできるはずですよ。それは使わせない。何の根拠もない。それでやって、一方では新線あるいは既設線について、第三セクターへの移行についての内容も言わない。まことに不親切と言わなければならない。したがって、そういった該当の地域については、この点についてはっきりしてもらわぬと困る、こういう意見がある。なぜそういった理不尽な、まあ言葉が悪くて失礼ですけれども、昔の悪代官的なやり方と言わなければなりません。根拠のないのにそういうことができますか。  それから、鉄建公団おいでいただいていますね。鉄建公団はこれをどうして執行しませんか。
  112. 藤田雅弘

    ○藤田参考人 公団は認可予算によりまして工事をやっておるわけでございまして、御承知のように、政府といたしましてただいま国鉄経営再建法案をお諮りしている、そういう整合性の中で、AB線の予算の進め方ということにつきましては運輸省等とも御相談いたしまして私どもとしても進めている、そういうことでございます。
  113. 平石磨作太郎

    ○平石委員 私の方では新線建設があるのです。ところが、幾らお伺いをしてもいまのような話。鉄建公団の方も運輸省の方へそういった話を持っていっておるのか。ただ唯々諾々と――陳情がいっておるはずですよ。  私は時間がございませんのでこの程度で終わらしていただきますが、この法案を通そうとする姿勢が本当に親切であるのなら、いま申し上げたように、第三セクターはこういう内容のモデルです、そして新線建設についてはやらす、これが本当の行き方じゃないかと私は思うのです。そういうことを強く指摘をいたしておきます。  それから、この選定基準、これは既設線についてのことでございますが、この基準の政令事項をちょっと見させていただきました。これもまことに不明確と言わざるを得ません。そして、その骨子となるものは輸送密度、八千人とか四千人、二千人とか、輸送密度で画一的に決めていこうというお考えのようです。  私が申し上げたいことは、これは高知県のことでございますけれども、御案内のとおり、いま高知県には鉄道は土讃線が一本です。そして、大正十一年以来、県民の悲願として循環線の建設をずっと運動し、お願いをしてきた。そして、まあどうにかこうにか予土線が江川崎との間に六年前に開業されたわけです。そして、土讃線が一本でございますから、台風常襲地帯としてここに被害が出ますと、鉄道はとまる。そのサイドを国道が走っておる。鉄道がつぶれるということになりますと、国道も一緒に交通途絶になるわけです。海上も行けません。空路も飛ばなくなるというまさに陸の孤島になるわけです。  そういうことを考えたときに、やはり高知県は循環線としての予土線、これはあくまでも今回の第三セクターといった形でなしに、国の選定基準の中で国鉄の経営をもってやってほしいと思うわけですが、これについて明確にお答えをいただきたい。
  114. 山地進

    ○山地政府委員 予土線の具体的なケースでございますので、今後政令の基準が明確になりました段階で、これが特定地方交通線になるかどうかという判断をいたしたいと思います。(平石委員「もっとはっきり言わぬとわからぬ」と呼ぶ)予土線、バスに転換できるのかどうかというのは並行道路があるかどうかとか、そういったことを全部見て決定することでございますので、今後の問題だと思います。
  115. 平石磨作太郎

    ○平石委員 ここは、御案内と思いますが、三百八十一号線という道路があります。これは国道です。だが、悪路です。非常に悪いのです。いま改修をして、拡幅もしておりますが、二八%しかいっておりません。そして、この六十キロ、七十キロというものをバス運行ということは不可能なところです。だから、この基準の中にいわゆる除外するところのものがございますが、こういったその地域の状況等を判断をして、単なる人数の画一的なことではなしに、やはりそういった特殊事情を判断して配慮していただけるかどうか、一言お伺いしたい。
  116. 山地進

    ○山地政府委員 たびたび繰り返して申しわけございませんが、政令の基準という中に、いまのような並行道路があるかどうかという規定を私どもとしては設けたいと思っておりますので、その規定と、いまおっしゃった線の道路事情というものとを比べて、どういうふうになるかということを判断していかなければならない、かように考えております。
  117. 平石磨作太郎

    ○平石委員 そういった配慮をして、その基準の中で配慮する、いまこういうようなお答えと理解できたわけですが、特にこの線は、もちろん輸送密度の面については御心配かける点があろうと思いますが、特に西南地域の開発に一つの大きな、主要ないわば幹線になるわけですから、先ほども国土庁との論議がありましたが、そういったことを勘案の上、ひとつ予土線については国鉄で運営をするという方向に強く要望したいと思います。  時間が来ましたのでこれで終わらせていただきますが、また今度本会議後に質問、こういうことになりまして非常にやりにくいのですけれども、またよろしくお願いしたいと思います。
  118. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時五十二分休憩      ――――◇―――――     午後一時二十七分開議
  119. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。平石磨作太郎君。
  120. 平石磨作太郎

    ○平石委員 途中で休んだのでやりにくくなったのですが、先ほど私が申し上げましたように、高知県の国鉄関係は、いわば一本の線でもって、陸の孤島になっている、こういった地域的なあるいは地形的な状況があるわけです。そういった地形的な状況と、いままで余りにも国鉄の新線建設についての運びが遅かった、そしてさらには、在来線につきましても、ローカル線として輸送密度が非常に落ちておる。これにはやはり地域の事情だけでなしに、いままでの国鉄のダイヤを見るときに、非常に急行は多いのです。急行の本数は非常に多くなってきましたが、ローカル線については非常に少なくなってきた。そして、ローカル線を利用しましても、非常に時間がかかる。特に高知県の場合は単線でございまして、急行とすれ違うときは必ず一方の待機線で待機しなければならぬ。こういったような事情がありまして、非常に時間がかかる。だんだんと利用率が落ちるわけです。用事にならない、したがって車を、こういう形になってくるわけです。そういったいままでの国鉄の運営上からもお客さんを逃がしておる、こういうこともあるわけです。一方、いわゆる自動車網ができておるか、道路事情がよくなっておるかと申しますと、道路事情も全国ではまさに最下位です。それから、この前国鉄の資料をいただきましたが、これを見ましても、百キロ平米当たりの延長線を見ますと、全国で四十六番、まさに沖繩の次というような、国鉄においても延長が非常に少ない数字を示しておるわけであります。  そういう中で今回の措置がなされようとしておるわけですから、特に新線建設については、阿佐線の場合、徳島からずっと回ってくる循環線として予定をいたしておるわけですけれども、いままで高知県の後免から安芸市に至る間、この間には土佐電鉄の私鉄がありました。そして、国鉄がつくんだということでこの私鉄を取っ払った。四十九年に撤去してしまった。したがって、いままでずっとあったものがなくなったということで、いわゆる高知へ対する通勤、通学というものが全くできなくなった。そのためにお子さんたちを高知市に下宿をさせて通学させるといったような不便をかこっておるわけです。そして、これがもうつかない、国鉄の運営はできない、第三セクターでなくてはならぬ、こういった状況に追い込まれてまいりますと、私、最前言葉が荒くて失礼をしましたけれども、そういった問題が地元に出てくるわけです。そういうことで、私は今後の基準の設定、そういった面の配慮を特にお願いを申し上げたい、こう思うわけです。  また、宿毛線につきましても、御案内のとおり四国地方の西南開発の地域なんです。したがって、ここに鉄道が一本もない、こういう中で西南開発を云々と言いましても、地域の発展、そして国土の均衡ある発展、そして定住圏構想、こういった面から考えましても、線路が一本もないというようなことでは地域の発展は期せられません。  そのように高知県には特殊の事情がある関係で地元としては非常に関心が高いし、また、この法案に対する不満が非常に多いわけです。そういうことを十分考えてのこれからの選定基準なりあるいは第三セクターの内容等についても十分配慮をお願いしたい。この点について大臣のお答えをお願いしたい。
  121. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 いま地元の事情をお聞きいたしますと、それぞれの事情は私たちも深刻に受けとめておるわけでございますが、そうでございますだけに、われわれも地元の高知県のそれぞれの機関とより効率的な地域交通のあり方等につきまして今後とも協議をいたしたいと思っております。
  122. 平石磨作太郎

    ○平石委員 どうも話がすれ違うような気がしてなりません。法律が仕上がってからだ、こういったようなことをお考えではないかというような気がするわけですが、私は、ひとつ高知県の地方交通について、親切心を持っての確保を特にお願いを申し上げたい。  それから、鉄建公団にお伺いをするわけですが、用地買収にずっと協力をしてまいりました。この阿佐線につきましてもあるいは宿毛線につきましても用地の確保については大変な苦労を重ねてこられました。私も一、二件、地主さんとの間でむずかしい問題ができたので御協力を願いたいということで、そういったケースの中に入らせてもらったこともございます。そのように協力をしてまいりましたのですが、この阿佐線の状況を見てみますと、後免から奈半利、この間の進捗率、これが一体どれくらいになっておるか、ひとつ公団にお伺いしたい。
  123. 藤田雅弘

    ○藤田参考人 お答え申し上げます。  後免から奈半利につきましては、現在、総延長の約四三%が大体工事にかかっておるという状況を示してございます。
  124. 平石磨作太郎

    ○平石委員 前に私はいろいろお聞きしたことがあるのですけれども、十分に確かではございませんが、進捗率によって採用していく、今後継続工事を行っていくといったようなことも一部お聞きしたことがあるのです。ただ輸送密度だけだと今回は言われておるのですが、そういう進捗度等も考えて今後の工事継続といったようなものを考えられるかどうか、この点いかがでしょう。
  125. 山地進

    ○山地政府委員 おととしぐらいであったかと思いますけれども、進捗率の高いところ、それから輸送密度の高いところというものに重点的に予算をつけようじゃないかということで予算の配分をしたことがございます。現在の法律におきましては、先生御指摘の進捗率ということは考えませんで、現在は輸送密度だけで考えていきたい、かように考えておるわけでございます。
  126. 平石磨作太郎

    ○平石委員 そういたしますと、輸送密度だけでありますと、いままで四三%も進んでおる、そして地主さんは非常な協力をして鉄建公団に提供をした、そして、いわば上田の真ん中をずっと鉄道が通った、そして目の前に大きな構造物ができた、いままでこれに大体百四、五十億投資をしておると思いますが、この投資をもうそのまま捨ててしまう。これは国家的にも大きな損失であり、そして協力した地元の方々も、こういう結果に陥るのであれば協力しなかった方がむしろよかったというような意見も出てくるわけです。したがって、この用地買収に当たって苦労して集めたものを今後このままに放置せられるということになりますと、用地を返してほしい、原状回復をしてほしい、こういった問題が出てくるおそれがある。私は一部そういった相談も受けました。これは鉄建公団との契約に基づいて鉄道用地として提供したわけですが、こういう問題が起きてきたときにどう対処せられるのか。これは鉄建公団かあるいは国鉄か、お答えをいただきたいと思います。
  127. 藤田雅弘

    ○藤田参考人 AB線が今後どういう方向に行くかというようなことにつきましては、運輸省並びに関係各方面の間で決まっていくことと思いますが、もし先生がおっしゃいますように、建設が中止となった場合に既存の買収用地の今後の措置をどうするかということは、そのAB線の方向が決定次第、関係各方面の御指導を得まして、地元の皆様方の御希望も勘案しまして適切な善後措置を講じたい、さように考えております。
  128. 平石磨作太郎

    ○平石委員 大臣、いま鉄建公団は、後々地元の意向もお聞きをして対処していきたい、いわば全部この法律待ちという状態です。     〔委員長退席、関谷委員長代理着席〕 いままでいろいろな各方面からのお話を総合しましても、そういった先の問題についての検討が政府部内で全くなされてない。第三セクターでやるとしても財源の問題やらいろいろの問題がすぐ目の前に出てきますが、そういったことを示しもしてない。それはなぜかと言ったら、政府部内で話し合いを積んでないわけです。もし行かないということになりますと、いままでの用地についての事後処理の問題がまた出てくる。こういったこと等をも十分見通しを立て、そして、それらに対応のできるような、そして国会で十分説明のできるような体制で私はやるべきだと思う。だから、そこまでまだ十分な煮詰めの足らない中で一潟千里にこの法案が処理されるということについては、非常な不満と憤りを感ずるわけですが、大臣、その点についてひとつ所見を承りたい。
  129. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 用地の問題でございますけれども、これは先ほども鉄建公団の藤田理事が言っておりますように、地元の御意向を聞いて後処理をしなければならないことは当然でございますが、私たちといたしましては、できるだけ公共的な用途、すなわち、たとえばりっぱな道路をつくるとかいうことを私たちも期待いたしております。  また、どうしても買い戻しをさせいとおっしゃるような、そういうところにつきましては、その地域におきます御意見がまとまってきた場合にはそういう措置もとられることがあるのではないかと思うたりいたしておりますが、いずれにいたしましても、そういうような問題に対しましては誠意を持って当たっていかなければならぬと思うのであります。したがって、この問題は法案が成立いたしまして、なおいろいろと政府内において協議をしなければならぬ問題があることは当然でございますが、それらにつきましては、再三申しておりますように、政府としての政治的な行政の処理というもの、これは十分にわれわれも内部で協議を重ね、そしてまた地元の御意見も聞いて処理してまいりたいと思うております。
  130. 平石磨作太郎

    ○平石委員 そういうお気持ちはいいのですが、もし地元で調わぬ、誠意でもってやったけれども話がつかぬという場合は、二年間の猶予でもって見切り発車、こうなっているわけですね。だから、そのようないわゆる見切り発車をしてまで強行しようという姿勢がこの法案に見えておるわけです。私はそういうことで誠意を持って話ができるかな、そんないろんな事後処理の問題等もあるが、それができるかな、こういう心配を持つものです。これが話がつかないということになって一方的に放置されたといったようなことになりましたら、当然いまの問題が出てくるということを予想しておっていただきたい。そして、今後の運営その他についてのいわゆる国からの助成措置、さらには赤字が生じたときにはどのようにするのか、こういったこと等についても十分御準備をいただいて地元の対策協議会の中で話し合いをしてほしい。そして、高知県の置かれた状況というものをも十分勘案をして、単なる画一的な基準でなしに、在来線につき、新線について十分御配慮を賜るように特に要望をしたいと思うのです。  最後にひとつ大臣の決意をお伺いしまして、終わらせてもらいます。
  131. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 全国を見まして、そういう地域は相当地域それぞれに特性があり、また悩みもあることは私は承知いたしております。そこで、再三申し上げておりますように、それらはどうしてもそれぞれの地域におきます特性を生かした、特性に合った交通体制というものを早急に樹立していただく。それにはわれわれも全力を挙げて努力をいたさなければならないと思うのですが、その問題と国鉄自身がいま当面しております財政的な危機というものと、これをどこで調和してやっていくかということにわれわれ悩んでおる次第でございますが、とりあえず国鉄がそういう地方におきまして国鉄の努力ではいかんともしがたい路線につきましてはこの際免責をしてやっていただいて、そういう地域におきます足の確保ということにつきましては、国と地方自治体が協力をして何とかその地域の足は確保しなければならぬ。これは政治の責任でもあろうと思うておりますが、何とぞその点は御理解いただきたいと思うのであります。
  132. 平石磨作太郎

    ○平石委員 以上で終わります。
  133. 関谷勝嗣

    ○関谷委員長代理 次に、塩田晋君。     〔関谷委員長代理退席、楢橋委員長代理着席〕
  134. 塩田晋

    ○塩田委員 大臣並びに国鉄総裁、関係者の方に、主として物価対策との関連におきまして、国鉄再建法案の関連事項につきまして御質問を申し上げます。  運賃というものは国民生活に直接影響のあるものでございますし、また、他の物価に大きな波及効果、影響を与えるものでございまして、国民経済構造の基本的な要素であると考えられるわけでございます。  まず、国鉄運賃の値上げ、改定、これの過去の値上げ幅、ここ数年程度のものでよろしゅうございますが、これによる増収額の概算、実績、そしてまた期待額、こういったものの推移についてお尋ねいたします。
  135. 吉武秀夫

    ○吉武説明員 五十三年以降三年間の数字で申し上げます。  改定率は五十三年が旅客の場合に一六・四%改定いたしまして、増収額は二千四十四億であります。それから、五十四年は八・八%改定いたしまして千三百九十九億、五十五年は四・五%改定いたしまして七百四十六億となっております。これは必ず四月一日ということで改定が行われておりませんので、年度途中も入っておりますから、これを全部合計いたしまして直接増収額ということにはなりませんで、大体これが四千億強ということになるかと思います。  それから、貨物の場合は、五十三年が五%で百四億、五十四年が九%で二百十二億、五十五年が八・九%で二百五十九億ということで、これだけ足しますと五百七十五億になりますが、先ほど申し上げましたような理由で三年分を全部概算いたしますと約五千億程度じゃないかというふうに考えております。
  136. 塩田晋

    ○塩田委員 答弁漏れがございますね。増収の期待額幾らかということ。いまのは実績ですね。
  137. 吉武秀夫

    ○吉武説明員 これは実績といいますより、この改定を行った場合にこれぐらいの増収額があるだろうというものでございます。
  138. 塩田晋

    ○塩田委員 これは期待額ですか。
  139. 吉武秀夫

    ○吉武説明員 そのときの期待といいますか、そういったような額でございます。
  140. 塩田晋

    ○塩田委員 実績を聞いているのです。運賃を上げることによって期待されるという額と、そして実績がどれぐらい乖離しているかということを聞いているわけです。
  141. 吉武秀夫

    ○吉武説明員 ここに年度別に実績というものを持っておりませんが、大体これよりも三%ぐらい下回ったところかと思います。
  142. 塩田晋

    ○塩田委員 運賃の値上げをするということは収支を合わせるためという動機からであったと思うのですけれども、運賃を上げることによって国民が国鉄を利用しなくなる、高くなればモータリゼーションで他の交通機関を利用するということで国鉄離れが起こるということによって、期待されるほど実績においては収入が上がらないということであると思います。三%あるいはそれ以上になると私は思うのですけれども、そういった乖離が起こる。値上げは必ずしも増収にそのままならないということだと思います。  そこで、経済企画庁にお尋ねします。  消費者物価に対しまして、この国鉄運賃の値上がりはどのような影響をもたらしたかということと、それから、これは間接的な波及効果、これも推計したものを出してもらいたいのですが、直接と間接、分けて説明してください。
  143. 長瀬要石

    ○長瀬説明員 御説明申し上げます。  昭和五十三年の旅客運賃の改定二八・四%の消費者物価に与えます影響は〇・二%でございます。五十四年五月の八・八%の改定の消費者物価に与えます影響は〇・一%でございます。それから本年、五十五年四月の四・五%の改定の消費者物価に与えます影響は〇・〇六%でございます。  それから、国鉄運賃の値上げによります他物価へのいわば間接的な影響はどうかというお尋ねでございましたけれども、運賃改定によりますコストアップが価格にどのように転嫁されているかという点につきましては、物資なりサービスの需給事情あるいは各企業の合理化の程度、そういったことによって決まる面が強いかと思われます。もとより国鉄運賃の改定が他の物価に波及するということは全くないわけではございませんけれども、その影響を把握することはかなりむずかしいのではないかというふうに思っております。  いずれにいたしましても、運賃改定によりまして便乗値上げと言われるようなことが生ずることがないように十分な監視をしていくということは必要なことではなかろうかというふうに考えております。
  144. 塩田晋

    ○塩田委員 物価安定の基本方策は何かということにつきまして物価対策委員会でも関係の大臣にお伺いしてまいりましたが、その中で明らかになりましたことは、やはり自由競争経済を基盤にいたしまして安定的な物の面の供給、物資、サービスの供給の確保、これが必要であり、そして、いま言われました便乗値上げの監視、監督、指導、こういった方策、もちろん公取委の関係を公正に行うということがございますけれども、基本的には生産性の向上、これがわが国の物価安定に最も寄与する基本的な要因であるということは各委員会でも発言がなされておるところでございますし、また先般九月五日、経済閣僚会議で決定されました総合経済対策におきましてもこのことが特にうたわれておるわけでございます。     〔楢橋委員長代理退席、関谷委員長代理     着席〕 また、十月十六日の物価対策特別委員会でも経済企画庁長官がこのことについて、生産性の向上、これを民間のみならず各界に要請をするということを言明しておられるわけでございますし、また当日国鉄当局からも責任者の方が見えましてそのことをはっきりと確認をしておられるわけでございます。  そこで、輸送というサービスの価格としての運賃でございます。その輸送サービスの価格としての運賃の安定、値上げを極力抑えるというためには、基本的には生産性の向上が必要であるということにつきまして運輸大臣はいかがお考えでございますか。
  145. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 私も大体御意見のように思っております。
  146. 塩田晋

    ○塩田委員 国鉄総裁、いかがでございますか。
  147. 高木文雄

    ○高木説明員 最近のように油の値上がりというようなことがありまして、また過去ほどには人件費の上昇率は年率では高くはありませんけれども、現在でもやはり毎年賃金が上がっていくという現状でございますので、どうしても経費がふえてまいるわけでございます。  そこで、これをそういう状態のもとでなるべく運賃を下げるといいますか低目に抑えるといいますか、そういう趣旨からいいましても、またその前に私どもの場合には特殊事情として大変大きな赤字を持っておりますので、この赤字を縮小するということに取り組むことが何よりも大事なことでございまして、減量経営といいますか生産性の向上といいますか、これは私どもにとって非常に重要なことだと考えております。今回の再建計画におきましても、昭和六十年代までに減量経営なり生産能率の向上に努めるという趣旨でいわゆる三十五万人体制ということを言っておるわけでございまして、いまと同じ程度の輸送を確保するためにいまよりも約二割少ない人でやっていきたいというふうに考えておるわけでございまして、私どもにとりまして生産性向上というのはきわめて重要な大事なことだと考えております。
  148. 塩田晋

    ○塩田委員 国鉄総裁が生産性の向上はきわめて重要なことであるということをはっきりと言明されましたので、そのことを前提にしてこれから御質問申し上げたいと思います。  民間企業におきましては血のにじむような思いをして経営の合理化、減量経営に取り組み、そして世界的にも有数な生産性の上昇、資本のみならず労働生産性の上昇が非常に見られる、この中におきまして賃金、生活水準の向上、このキーになるものはやはり生産性の向上であるということで、国を挙げて生産性の向上に各分野で努めてきておると思うのでございますが、この生産性の向上はしないで、いま言われました赤字経営、このつじつまを合わせるために価格を上げていく、運賃を上げていくというのは、これはもう本当に言うならば便乗値上げの最たるものであると私は思うのでございます。これらは独占的な企業の性格がございますから、生産性を上げずに価格を上げられても、これは必需品として購入しなければならないサービス、通勤、通学あるいは貨物輸送でございますから、必需品だから高くても買わざるを得ない、こういう状況になってきている国鉄の運賃は、その便乗値上げの最たるものというふうに思います。おまけに違法なストまでやられて国民は非常に迷惑しておる。これはもう国鉄御当局が考えられている以上に国民は怒り心頭に発しております。最近も私のところに見えました中小企業の方が、国鉄はお客さんという考えじゃなしに乗せてやるという態度で臨んでくる、非常に不愉快だということを具体的な例を挙げて言われました。時間がありませんから申し上げませんが、体験をもって非常に怒りを込めて私に話をしておられました。そういった面につきまして、私もそういうことはあり得ると思いますし、周りの人々あるいは接触しておる人々の話を聞きましても、国鉄に対してはいろいろな事例がら非常に不信感と怒りを覚えておる。しかも、その上に乗っても乗らぬでも税金で穴埋めをしていっている。最近は、一時間に一億円の赤字と言われておったが、もっとそれ以上になっているそうで、むしろ税金で埋めているのがそのくらいになりつつある。こんな状態の中で国鉄は本当に再建されるのか、このような調子でいいのかという声がちまたに満ちておるということにつきまして、運輸大臣初め国鉄総裁、十分におくみ取りいただきたい、その上に立って国鉄再建に取り組んでいただきたいと思うのでございます。  そこで、次に、「地方交通線の運賃設定に当たり物価安定等に配意しつつ収支改善のために特別の配慮を払う」と運輸大臣は提案理由の説明で言っておられます。これはそのとおりだと思います。ところが、物価安定に配慮するということを言われたのはいいのですけれども、どのように配慮されるのか、具体的に御説明をいただきたい。  それから、「物価安定等」の「等」はどういうことを考えておられるのか。なお、これに関連しまして、改正法律案の第十三条におきましては「物価安定等」云々ということがないわけですね。規定されていない。この辺の事情をどういうふうに大臣はお考えか、お聞かせ願いたいと思います。
  149. 山地進

    ○山地政府委員 特別運賃の導入に当たりまして、物価、国民生活への影響を配慮いたしますという場合の私どもの考え方としては、当然のことながら急激な改定とならないというようなことを考えておるわけでございます。  それから、二番目の「等」ということでございますけれども、物価、国民生活というようなことでございます。  それから、十三条に収支の改善だけが入って物価等への影響について触れていないのは何かということでございますけれども、運賃決定原則が運賃法にはそもそもございますので、その中には「賃金及び物価の安定に寄与すること。」というのが国鉄運賃法に入っておりますし、いま申し上げましたとおりの運用を心がけたい、かように考えておるわけでございます。
  150. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 国鉄が来年度予算で相当大幅な増収を図らなければならないということでございまして、最低限増収を図らなければならない額を算定いたしますと、二千百億円という数字が出てまいりました。これを全部運賃率の改正で持っていくべきであるのか、あるいは営業努力を重ねることによって運賃率を少しでも下げることができるのかというようなこと、そういう点を私たちは物価の関係を考えまして極力営業努力で増収を図ることに努めたい、こういう気持ちを確認しておるようなことでございますが、この点につきましては予算編成時に決定いたしたいと思うております。しかし、現在物価が大変な時期でございますだけに、私たちも十分な配慮をして最終的に決定いたしたい、こういうことでございます。  なお、特別運賃につきましても、この制度が導入されまして、その地域の方々が一遍に極端な運賃の高率改正あるいはそれによるところの物価への、貨物輸送等のはね返りというようなことのないようにでき得る限りの配慮をいたしたい、こういう気持ちを申し上げておるわけであります。
  151. 塩田晋

    ○塩田委員 運輸大臣にはそういった基本的態度で十分に対処していただきたいと要望いたします。  そこで、運賃に関しまして、なおこの法案の中に地方交通線、それから特定地方交通線の関係でいろいろ規定がございますが、運賃の面では全国一律運賃制度から線区別の運賃制に移っていくというようなお考えがあるのかどうか、あるとすれば、特に国鉄が独占地域になっているような地域ほど運賃の上昇率が高くなるのではないかと考えられるのでございますが、この点につきまして総裁の御意見をお伺いいたします。
  152. 高木文雄

    ○高木説明員 御高承のように、都市部では国鉄運賃の方が私鉄運賃よりも高いという現状に最近なっております。一方、地方におきましては国鉄運賃の方が中小の私鉄運賃、また場合によりましたならばバスの運賃と比較いたしまして安いということになっております。これはなぜかといいますと、国鉄は非常に古くから全国均一運賃システムをとってまいりましたし、私鉄あるいは私バスにつきましては企業別の原価というものあるいは地域別の原価水準というものが基準になっておるわけでございます。したがいまして、国鉄と私営の民鉄あるいは民営バスとの間に地域によって水準差ができたわけでございます。そこで、長い伝統ではございますが、こういう状態では従来のように都市部でいささかの黒字を上げさしていただいてその黒字でもって地方部の赤字を埋めるということもだんだんできなくなってくるといいますか、限界が参りましたので、この際、運賃を均一運賃の考え方から変えていってはどうかというのが現在の私どもの考え方でございます。しかし、さりとていまお触れになりましたように路線別運賃というところまでは考えておりません。これは現在、一口に地方交通線と申しましても線区ごとにコストと収入の状況が非常に大きな開きになっております。それをきわめて律儀にと申しますか、神経質にコスト主義をとって運賃を決めようとは考えていないわけでございまして、現段階では全国をせいぜい二つくらいの段階に分けるかなというぐらいの考え方でございます。  それから、特別運賃を徴収することになるとそれだけ上がるではないかというお考えでございますけれども、全体としてはいま大臣から御説明ございましたように、五十六年度の概算要求では二千百億円の増収を図りたいと考えておりますけれども、仮に特別運賃制度を一部の交通線でとることにいたしましても、いわばその中の話でございまして、仮に運賃改定で二千百億円の増収を図らせていただくとしましても、それをどこの部分でどうやって上げていくかということの、一種の値上げ幅の配分のような問題になってくるかと思います。したがって、その問題につきましては私どもまだ十分案が練れておりませんけれども、運賃水準が全体として物価等に極度の悪い影響を及ぼさないようにということも考えますし、また同時に、地域ごとにおきましても余り大きな変化を来さないようにということを考えながら、具体的にはこの法律が成立しました暁において案を詰めてまいりたいと考えております。
  153. 塩田晋

    ○塩田委員 いまお答えございましたような考えで、国民生活への影響、そして地域産業への影響、経済の発展、地域開発、こういったものを十分に考慮をされまして、できるだけ値上げ幅を少なくするように、抑えるように御配慮願いたいと思います。続きまして、先ほど生産性の向上は重要なことである、これに取り組むということをおっしゃいましたが、過去に生産性向上運動、いわゆるマル生運動というものがございました。私は、これはすべてがいいとも思いませんし、すべてが間違っておったとも思いませんが、いまの段階におきまして国鉄総裁はこれをどのように評価し、現時点においてはどのような認識をお持ちであるかということについてお伺いいたします。
  154. 高木文雄

    ○高木説明員 いわゆる生産性向上運動でございますが、生産性を高めていかなければならないということは、先ほども申しましたとおり、絶対に間違っていない、また、どうしてもやらなければならないことであるわけでございますので、過去の時代におきまして、生産性を上げようということについてのいろいろな努力目標を持ったということは正しいことであることは言うまでもないわけでございます。  ただ、当時私おりませんでしたので、そう詳しい実態を存じておるわけではございませんけれども、そのやり方といいますか、進め方に多少問題がありまして大変に職場の荒廃を招いた、また労使間の信頼関係が失われた、さらには私どもの特殊事情としていろいろな種類の労働組合がございますけれども、労働組合間の紛争がまた激化をしたというようなことを通じて、結果としては、ねらいとした生産性の向上ということは期待できないのみならず、先ほどもお触れになりましたように、むしろいろいろな意味で利用者の皆さんからひんしゅくを買うような実態を招いたわけでございますから、生産性を上げようということは正しいことでありながら、結果としては上げ得ませんでしたし、またかえって紛争が生じたということで、非常に残念なことであったという、いまやそれは思い出の時代になりましたけれども、そういう感じで受けとめております。     〔関谷委員長代理退席、委員長着席〕
  155. 塩田晋

    ○塩田委員 この問題につきましては、私は若干違うところがあるわけでございます。ですから、この問題はこの程度にいたしまして、次に進みたいと思います。  違法ストによりましてどの程度の損失額があったか。これは赤字の増大あるいは運賃の値上げに影響があったと思うのですが、どのような状況でございますか。
  156. 高木文雄

    ○高木説明員 御存じのとおり、この前いわゆるスト権ストの際に、収入が減りました。その減りました収入の推定減少額、それと当時汽車が動きませんでしたから多少経費がかからなかったわけでございますが、推定減収額と推定経費減少額との差額、これを二百二億円と算定いたしております。そして、その二百二億円というのは現在関係組合に対して損害賠償の請求の訴訟を起こしておるところでございます。  しかし、これによるいろいろな意味での損失がどのくらいあったかということはとても数字では申し上げられない、はかり知れないものがあると思います。これによりまして輸送の安定が阻害されましてそのためにお客さん、特に貨物のお客さんが他の輸送手段を選択するようになったということでございますから、その損害ははかり知れないものがあると思います。  ただ、運賃にどういう影響があるかとおっしゃいますけれども、これはまた別の角度から運賃水準を決めておるわけでございまして、実はそれによって損害が幾らあったからそれを回収するために運賃を上げるということを意識してはやっておりません。御存じのように、現在赤字は一兆五千億ぐらいございますから、そのことが非常に問題であって、そのうちのどの部分が当時のストの影響を受けた分かということは算定不能でございますし、それを回収するために運賃の上げ幅を大きくしているという意識は持っていないわけでございます。
  157. 塩田晋

    ○塩田委員 次に、赤字線の解消についての質問に移ります。  整理対策によりまして期待されている赤字の減少額とそれに要する対策費ですね、補助金あるいは財政投融資、金融措置、それからまた減税措置等がございますね。それによって助かる分とそのために投資する分、投下する費用、この状況をお知らせください。
  158. 山地進

    ○山地政府委員 現在の国鉄の区分によって計算をしなければ出ませんので、それによって赤字額を推定いたしますと、五十四年度の地方交通線の赤字が三千百億、これは助成前でございます。それから、特定地方交通線についての赤字というのは、御承知のように、政令で定めてそれから選定するわけでございますので、どれが特定地方交通線になるかということは現在では不確定でございますが、非常に仮定を置きまして特定地方交通線になるものを推定してみますと、赤字額は約九百億円に上るだろうと思います。  それから、特定地方交通線の廃止後の国の具体的な助成額でございますけれども、これは現在考えておりますのはバス事業とかあるいは第三セクター等の運営費補助等があるわけでございますが、具体的な額は、過年度補助を予定しておりますので、どれぐらいのテンポでこれが進むかということにかかわるかと思います。  それから、税負担の減少があるわけでございますけれども、この特定地方交通線に係る市町村納付金の負担がなくなっていくわけでございますが、その負担の軽減額はおおむね四億円ではなかろうかと推定をしております。
  159. 塩田晋

    ○塩田委員 そこで、赤字線の切り捨てのための準備ではないか、故意にダイヤを編成しているのではないか、こういう疑いを住民が非常に持っている、また地元の新聞でも騒がれたことがございます。  具体的に例として申し上げますと、私の選挙区でございますが、山陽線、加古川線、これは加古川駅で到着した途端に山陽本線の列車が出ていく。これが実に八本もあるのです。それから、長いところは三十分も待たなければならぬ。こういうダイヤの編成ですね。これはおかしいじゃないか。利用しようと思ってもだんだん離れていくようなことをみずからつくっていっている。それから、通学も始業時間に間に合わないようなダイヤ改正をやって、学校では困って始業時間を延ばすというようなこともやっております。こんな事件がございます。それから、北条線、三木線等におきましても乗りかえ駅での待ち時間が多いとか、こういったことも言われておりますが、こういったことで赤字路線を故意につくっているのではないか、こういう疑いを持つ向きが非常に多いわけです。そんなことがあるのかどうか。これについてお伺いしたいと思います。  この赤字線につきましては、私の選挙区で四線も俎上に上っております。われわれは住民の立場、市町村挙げての反対でございまして、ぜひともこれを撤回してもらいたい、このような赤字路線の切り捨てをする以前にやるべきことはまだまだある、これが国民の多くの良識ある者の考え方であるということをこの際明確にしておきたいと思います。このような赤字路線を整理するというようなこそくな手段でやっても抜本的な赤字対策にならない。金額的に見ましてもいま言われましたようなことですから、ならないと思います。いま赤字であっても、これは将来の地域社会の発展の状況変動があります。それから、産業経済の発展あるいは工業の進出、住宅の建設、学校の建設等、そういったいろいろな変動要因がありまして、地域的、長期的な展望に立って鉄道の機能というものを見直す必要があると思います。また、環境汚染等の点から言いましても軌道の方がいいということを見直されてきております。こういったことと、民間の生産性との対比で多くの人々から指摘されておることがありますが、国鉄と同じ仕事を民間でやれば二倍にも三倍にも生産性が直ちに上がるというような分野があるはずです。たとえばメンテナンスの部門とかあるいは国鉄が持っておられる直轄工場、こういったものはやはり考える対象にすべきではないか。  こういったことを考えるわけでございますが、ひとつこういった問題に手をつける思い切った考えはないかということをお尋ねしますとともに、やはり国民に対するわびという気持ちで不退転の決意を持って国鉄再建に当たっていただきたい。これは国民の切なる願いでございます。みずからを正し、国から援助ばかり得るということを考えないで、親方日の丸の根性を捨てて自立自助の精神で総裁は陣頭に立ってひとつ思い切った減量経営、そして生産性の向上に取り組んでいただきたい。そのことを強く要請をいたしまして、質問を終わります。
  160. 高木文雄

    ○高木説明員 先ほど来申しておりますように、何としても能率的な経営を打ち立てなければいけないわけでございまして、ただいま御鞭撻と御激励を受けましたように、真剣に、かつ私自身先頭に立って取り組んでまいりたいと思っております。
  161. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 三浦久君。
  162. 三浦久

    ○三浦(久)委員 十月二十六日のNHKラジオの第一放送の正午のニュースで、概略次のような報道がなされました。国鉄地方交通線の廃止転換について運輸省の最終の基準案がまとまった。いままでの基準案では各省の反対が強いので、同省としては、さきに発表した三つの例外のほかに、経済的、文化的な影響を加味して、北海道の対象路線のうち極度に乗客の少ない路線を除いて各支庁を結んでいる路線は廃止路線から除外する。また、伊勢神宮参拝に利用する路線のような宗教的、文化的な要素をも加味する。だから、参宮線を残すということなんでしょうね。これらの配慮によって廃止対象路線がかなり減少するのじゃないか、こういう報道がなされたわけですね。  私はこの廃止対象路線が少なくなるということは大変結構なことです。われわれの立場としては地方ローカル線は残してほしいという、そういう要求ですから。しかし、いま私どもはこの委員会で審議して、そして最も重要な選定の基準案について、運輸省の考え方のみならず政府の考え方についてもそれを出してこい、こういう要求をしているわけですね。それにもかかわらず、それを隠して、そして全然この委員会に出してこないということ、私はその点について強い憤りを感じているわけです。ですから、この点ひとつわれわれのいままでの要望を入れて、こういう最終的な案がまとまったというのであれば、それをこの委員会に私はお出し願いたいというふうに思うのです。
  163. 山地進

    ○山地政府委員 NHKの報道を私見ておりませんからどういうのかあれでございますけれども、いまの内容のようなことは、私どもの方で何らかその後決めたとか、こう考えたとかというようなことはございません。したがいまして、NHKの取材の方がどういうソースでそれをおとりになったかよく存じませんけれども、私の関する限り、そういうことをファイナルに決めた、あるいは国会の方にお諮りしてないけれどもこんなふうに考えたというようなことは一切ございません。
  164. 三浦久

    ○三浦(久)委員 そうしますと、その放送、報道に対して訂正の要求などを私はするべきだと思うのですね。そういうことをしたでしょうか。また、したとすれば、どういう形でしたでしょうか。
  165. 山地進

    ○山地政府委員 初めてきょうの質問の際に伺った話でございますので、いま申し上げましたとおり、その放送を私は少なくとも見ておりませんですし、あるいは私の同僚からもそういう話は聞いておりませんでした。事実先生お聞きになったわけでしょうけれども、それについていま初めて伺ったわけでございます。
  166. 三浦久

    ○三浦(久)委員 いや、それはあなたの部下は知っておりましたよ。それは私はちょっと逃げの答弁じゃないかなと思うのですよ。天下に報道されているわけですからね。ですから、私はそういう御答弁があるとすればこれはやはり最終の基準案がまとまっているのだなというふうに思わざるを得ませんね。  たとえば大臣、きょう大臣は閣議の後、記者会見されていますね。その中でいろいろ言われておりますが、この基準の問題に関して言いますと、この法案に盛られている地方交通線、特定地方交通線の基準を定める政令について、来年度予算の審議が始まる一月中には政府案を決め、予算委員会に提出したいとの意向を示した、こういうふうに時事のファックスで流れてきているのですがね。そういう事実はございませんですか。
  167. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 一月の予算委員会に提出とは言っておりません。
  168. 三浦久

    ○三浦(久)委員 本来提出するという性格のものじゃないですね。提出するのはこの委員会に提出してもらわなければ私は困ると思うのですけれども、そういう一月中には政府の政令案を決めたい、そして国会で十分審議願いたいというような発言をされたのでしょうか。
  169. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 記者会見で政令はいつごろ決まるのですかという質問がございましたので、政令はできるだけ急がなければならない。めどとしてはいつですかということがございまして、一月、通常国会が再開されて予算委員会で当然この問題が議論になると思う、それまでにはおおむね政府として意思決定しなければならない、こういうふうに申し上げた次第です。
  170. 三浦久

    ○三浦(久)委員 そうしますと、政府の案をつくるというのにはかなり時間がかかりますね。これは秘密会での非公式な発言ですけれども、鉄監局長は、大体二、三カ月はかかると、こう言われているのです。そうすると、それは運輸省案というものが決まって、それから、これだけ強い反対があるわけですから、各省との折衝は大変だろうと思う。二、三カ月かかるわけですね。そうすると、一月に政府の政令案を決めるということになりますと、いまの時点で運輸省の最終案というものは決まっていませんと、これはなかなか作業が進まないと思うのです。そういう意味で、私は、運輸省の最終基準案というものが決まっているのじゃないかという推測を強く持つわけですけれども、いかがでしょうか。
  171. 山地進

    ○山地政府委員 私の知る限り、運輸省の最終案というのはどこにも決まっておりません。
  172. 三浦久

    ○三浦(久)委員 私は、この委員会にいわゆる地方ローカル線の選定の基準の政府案が出されていないということに対して、大変不満であります。それはなぜならば、地方ローカル線の選定基準というのは、この法案の最も重要な中身なんです。それは大臣もおわかりのとおりであります。ですから、一月中には決定して予算委員会の審議に供さなければならぬというふうに思われる、それは結構なんです。しかし、私は、予算委員会の前にこの運輸委員会に政府の案をぜひ出して、あらゆる角度から十分に専門的な立場で審議をするということが必要だったのではないかというふうに考えております。これは私の意見として申し上げておきます。  次に、前回にも質問をいたしましたけれども、営業線を起点と終点で区分するという問題ですが、前回、大臣並びに鉄監局長は、法律公布の日における国鉄線路名称に定められている区分で固定して考えたい、こういうふうに述べておられます。そうしますと、これは前回も私が述べましたように、たとえば同じ枝線でも、たまたま幹線の一部であったために廃止にならない、それよりも乗車密度の高い枝線が幹線に入っていないというために廃止になる、そういう不合理な結果を招来するということを指摘しました。前回は乗客についてだけ指摘したわけですが、貨物についてもそれは同じことが言えるわけなんですね。  たとえば清水港線というのがあります。これは清水から三保間八・三キロの貨物線です。これは恐らくいまの運輸省の基準案でいけば廃止対象路線でしょう。ところが、東海道本線の高島支線というのがあります。これは高島から山下埠頭間の貨物線ですが、輸送力とかそういうものはかなり少ないのですけれども、結局本線に編入されているために残るということになるのですね。こういう不合理が貨物でも出てくるということであります。  それからまた、新幹線ですね。国鉄の線路名称の中には新幹線という区分はないのです。御承知ですね。そうしますと、これは線区別経営成績では、独立して新幹線についてその成績を計算しているのです。この国鉄線路名称でやるということになりますと、いままでの線区別の経営成績というものはもう一回やり直さなければならない。たとえば新幹線の収入とかいうものを鹿児島線だとか東海道線だとかに割り振っていかなければなりませんね。そういうようなまた一つの大きな矛盾が出てきているということであります。新幹線というのは、社会的には走っているわけですよ。ところが、運輸省が区分をした線路の中には新幹線はないというのです。これもまた不思議な話ですね。こういう矛盾が出てくる。  それからまた、京葉線、これは貨物線ですが、京葉線は蘇我から千葉貨物ターミナル間の貨物線であります。これはやはり貨物密度等を見てまいりますと廃止対象線区になりそうですね。たとえば五十四年度だけ見てみますと、貨物輸送量が三千九十七トンです。そして、いわゆる貨物輸送密度、これは千三百五トンですかな、これはあと三倍以上輸送密度を上げませんと廃止対象の線区になってしまう。ところが、この京葉線というのは、大体大井埠頭の東京貨物ターミナル、ここまでずうっと延ばしていくという、そういう計画のある線なんですよ。そうですね。これは、計画を言いますと、総工事費は三千八百五億円です。現在までにはその半分も使ってないのですが、千六百億円工事に投入している。そういう状況ですね。そういたしますと、こういう京葉線についても、これからぐるっと東京湾を一回りして東京貨物ターミナルまで結ぼうという、こういう京葉線も、あの基準でいけば廃止、ぶっ壊す。そうすると、今度は新たに東京貨物ターミナルまでつくるというときにまたつくり直さなければいかぬというような、そういうような非常に不合理といいますか、そういう矛盾が出てくるわけですね。  ですから、私は、この前大臣や鉄監局長が御答弁になりました、いわゆる公布の日において国鉄の線路名称、これで固定して考えていくんだ、これで区分していくんだ、こういう考え方はいまのような大きな矛盾がたくさん出てまいりますけれども、その点についての御所見を伺いたいと思います。
  173. 山地進

    ○山地政府委員 前回はいま先生の御指摘のようなふうに申し上げたわけでございますが、私どもの方でいろいろ検討いたしました結果、営業線の区分については、国鉄が公示している線路名称に定めるところを基本といたしまして、今後政令で区間を決めていきたい、かように考えております。
  174. 三浦久

    ○三浦(久)委員 そうすると、前回の答弁を御訂正なさるわけですね。その問題はまた後から聞きますが、この京葉線の問題ですけれども、これはどうされるのですか。これは廃止対象路線に入ってしまうのですけれども、もしこれを残すとすればどういう基準で残すのかということを私はちょっと聞きたい。
  175. 山地進

    ○山地政府委員 いま私が線路名称に定めるところを基本として政令で決めたいと申し上げましたのは、線路名称に書いてあることというものを基本にいたしまして、いま先生御指摘のようなことについては、どういうふうな表現をするか、政令で書く段階で検討をしていきたいと、かように考えております。
  176. 三浦久

    ○三浦(久)委員 これはやはり貨物の輸送量が将来どの程度伸びていくかということを考慮に入れなければならないはずなんですね。そのほかの新たな基準というものをつくるわけにはいかないと思うのです。そうすると、やはりこのいわゆる千葉貨物ターミナルから東京貨物ターミナル、もっと先まで、塩浜操車場まで結ぶようですけれども、いつできるのかということは一つの大きな問題ですね。ということは、一般的に将来の交通需要、いわゆる国鉄に対する需要というものを、いつの年度まで先を見るのかということですね。五年先まで見るのか十年先までなのか、これは乗客の場合も同じことだと思うのです。地域開発の効果というものをいつの時点でとらえるのかということは一番大事な問題ですよ。この京葉線についてはどういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
  177. 山地進

    ○山地政府委員 個々の具体的なケースになりますと、先生の方が非常にお詳しい場合がありますので、私が間違える場合にはひとつお許しを願いたいと思います。  いまの私の理解では、京葉線の蘇我というところまでは貨物だけをやっておるわけでございまして、この法律に言うところの特定地方交通線というのは、旅客営業をやっているものを対象にして、その協議会を開いて転換を図っていくということを考えておりますので、蘇我だけは、いまのところについてだけ申し上げますと、貨物の一般的な、今後伸びるかどうかということは別にいたしますと、いろいろなものについて、貨物だけをやっているものについては貨物の近代化、合理化という観点から別途の政策をとっていかなければいけない線であろうか、かように考えております。
  178. 三浦久

    ○三浦(久)委員 そうすると、貨物の輸送密度が四千トン未満の路線は廃止対象線区にするのだという基準が出ておりましたけれども、それは貨物と旅客と両方輸送しているという場合に限定されるのであって、貨物の専用線といいますか、専用線という言葉はおかしいが、貨物のいわゆる貨物線、これはもうこの法律から全く除外されるというふうに聞いていいのですか。
  179. 山地進

    ○山地政府委員 地方交通線としての助成あるいはそれの転換のための特別措置、そういったものからは貨物線というものは除外しておりまして、いまおっしゃったように、貨物の幹線である場合は、旅客を営業している場合は同時に貨物幹線として残していくということが貨物の場合にはあるわけで、貨物だけを運送しているものについては貨物の合理化という観点から別途の政策を推進していく、かように考えております。
  180. 三浦久

    ○三浦(久)委員 あとの手当てについては貨物にはないでしょう。しかし、廃止対象には貨物線はならないのですか。そんなことはこの法律にどこにも書いてないのですから、営業線に変わりはないのですから、はっきりお答えいただきたい。
  181. 山地進

    ○山地政府委員 八条の二項にバスに転換することが適当な路線というふうに書いてございまして、貨物だけをやっているところというのは考えておりません。
  182. 三浦久

    ○三浦(久)委員 ますますこの法律の性格というものが浮き彫りになってきていると思いますね。  貨物の貨物線については大量そして定型的な輸送だけやる。結局、大企業の荷物だけは安く、たくさん運んでやりましょう、そのために国民の足は切り捨てましょうという法案になっているということがはっきりしてきたと私は思うのですね。  それで、ちょっとさっきの続きをいきますけれども、あれほどはっきり前回、大臣と鉄監局長が、国鉄線路名称で営業線を区分をするのだ、それを言っておきながら、その後検討したけれども、これは参考にする程度であって、政令で独自な考え方に基づいて決めるのだ、こういうふうに答弁を訂正されましたね。これは私は大変重要だと思うのですよ。  たとえば、どの線区が幹線に入っているのか、また外されているのか、またこれから外すのか、そういうことによって廃止の対象になるかならないかということが決まってしまうというほど、これは重大な問題なんです。それをいままで十分な検討もしないままこの法案を出してきたということ、私は重大な責任だと思いますよ。  それで、いま御答弁が前回と変わりましたので、ちょっと質問をさしていただきたいと思います。  法案の八条一項、二項には、線路名称とその起点、終点を決める方法とか基準、そういうものは何にも決まっていないのですね。ということは、たとえば私がこの前指摘しましたけれども、大垣から美濃赤坂までの支線、これは東海道本線であります。それでは、政令をつくる段階でこれを東海道本線から外してしまう、これはそういうことも可能になるということですね。そういたしますと、これは地域住民にとっては大変重大な問題です。いままでは東海道本線に入っているから決して切られることはないだろうというので、安心し切って、陳情にも行かなければ運動もしない。法律制定の段階まではそういうふうに安心しているわけです。ところが、いざ政令が制定される。されたのを見たら、おれのところは東海道本線から外されておった。これは全く地域住民に対する不意打ちじゃありませんか。地域住民に対して何ら防御の方法というものを与えていないということですね。これはさっき悪代官という話が出ましたけれども、まさに知らしむべからず、よらしむべしという封建時代の思想をそのままあなたたちは実行しているということになりはしませんか。この点はどういうようにお思いでしょうか。
  183. 山地進

    ○山地政府委員 この前の私の答弁を訂正させていただくことについては、まことに心苦しく、申しわけないと思っております。(三浦(久)委員「余り悪そうな顔していないな」と呼ぶ)いやいや、本当に申しわけないと思っております。  ただ、私どもの方でこの前から申し上げておりましたのは、線路名称というものがいろいろな変遷をしてきたということは私どもよく存じておるわけでございますが、それはそれなりのいろいろな理由があって、そういうものが社会に固定しているということが私どもとしては非常に大事な点であろうと思うわけでございます。この前いろいろ御議論がありましたように、営業線といいますと汽車が全国ぐるぐる回っているわけで、どこからどういうふうに切るかということについては、白紙の状態から、その線路名称というものを考えないで、ここからここまでということを決めるという場合の全国的な基準というのは大変むずかしい。私どもいろいろ考えました。運行系統とか、いわゆるどれぐらいきているとか、いろいろあったわけでございますけれども、私どもとしては、これだけ社会に固定し、長い歴史を有する線路名称でございますので、その線路名称の区分で全国統一的にこの営業線というものを規定して、その線路名称による区間について基準を当てはめていきたいと考えているわけでございまして、いまのような美濃赤坂とかが本線に入っている、それもいろいろな事情があろうかと思います。私も個々にその支線に入っているものについて調べなければいけないと思いますけれども、そういったものも検討の対象にできるように政令で考えていきたい、かように考えているわけでございます。
  184. 三浦久

    ○三浦(久)委員 答弁になっていないのですね。私は、地域住民に対して不意打ちを食らわすことになるじゃないか、そういうことはすべきじゃないじゃないかということを言っているわけですよ。ですから、いまの御答弁でもそういう矛盾が出てくるのです。  それからまた、逆の場合、たとえばいままで本線に入っていない、しかし政治家の圧力でこの線はどうしても残してほしいという場合には、大概幹線につながっていますから、それを幹線の一部に編入してしまえばいいのです。たとえば、あした調査に行く樽見線の問題でもそうです。あれを政令をつくる段階で東海道本線に入れてしまえば廃止対象から除外されるということになるわけですよ。そうでしょう。こういうような矛盾が出てくるのですけれども、これについてのお考えはどうですか。
  185. 山地進

    ○山地政府委員 そういったいろいろの問題が起こるから、私どもとしては、公布の日の線路名称というものを非常に固定的に考えたい、そして、それを政令に持ち込んできて先生の御指摘のような矛盾の問題については検討をしていきたい、かように申し上げておるわけでございます。
  186. 三浦久

    ○三浦(久)委員 法制局、来ておりますか。  質問いたしますが、現在の国鉄線路名称に基づけば、たとえば本線に入っている、そういうものを政令を制定する段階で本線から外してしまうというようなことは、法律上は可能なのでしょう。どうですか。
  187. 工藤敦夫

    ○工藤政府委員 お答え申し上げます。  法律案におきましては、第八条の一項あるいは二項におきまして、「政令で定める基準に該当する営業線」という形で書いてございます。一応政令の委任の範囲内において規定し得るものは規定する、こういうことだと思います。
  188. 三浦久

    ○三浦(久)委員 質問に答えてくださいよ。もう一回質問いたします。たとえば、いま国鉄線路名称に基づけば本線に入っている、そういうものを本線から外してしまう、また逆にいま本線に入っていない支線、それを政令制定の段階で本線に編入してしまう、そういう決め方をしてもそれは法律に違反をするということにはならないのでしょうというふうに聞いているのです。
  189. 工藤敦夫

    ○工藤政府委員 お答え申し上げます。政令案の中身につきまして、私ども実はまだ審査をいたしておりませんので、断定的なことは、あるいは結論めいたことは申し上げるのは差し控えさせていただきますが、いまお尋ねの点につきましては、「政令で定める基準に該当する」ということで、一応基準に該当する営業線というものは政令に委任されております。その委任されております範囲内におきましては、これは八条以下のこの制度の趣旨にかんがみまして、妥当な線を妥当な基準で決めていく、こういうことでございます。したがいまして、本線であるか支線であるかという点につきまして、私ども実態を運輸省その他からまだよく伺っておりませんので、その実態的な判断を含めましては保留させていただきます。
  190. 三浦久

    ○三浦(久)委員 法制局だから法律的な見解を聞いているわけですよ。妥当とか妥当じゃないとか、そんなことは政策の問題なんです。私は違法かどうかということを聞いているのです。ですから、政令で委任された範囲内で可能だというのなら、いま私が言った、たとえば支線を本線に編入したり、また本線に編入されているものを取り除いたりというような作業は、政令で委任されている範囲というふうにあなたたちは考えているのですかどうですかと言っている。
  191. 工藤敦夫

    ○工藤政府委員 お答え申し上げます。  基準の考え方自身をまだ私ども実は伺っておりません。そういうことで線路をそれぞれ決めるということ自身は、政令で該当するということで可能でございますが、どのように決めるかということについては、実は私どもまだ伺っていないということでございます。
  192. 三浦久

    ○三浦(久)委員 ですから、結局この法律には、線路の終点、起点、それをどういうふうに定めるかというような定め方についての基準を何も書いていない。ですから、それはまず政令で自由にてきるというふうに考えなければならない。そうすると、結局いままで廃止されないと思っていたものが廃止されてみたり、または廃止される対象線区が廃止されなかったりというふうに、自由自在に政令で操ることができるということになるのですよ。ですから、この法律というのは全く切り捨て御免の法律だと言わなければいけないのです。  それで私は聞きますけれども、それでは営業線の区分が法律によって政令に委任されていますか。こんなことがどこに書いていますか。ちょっとお尋ねしたい。
  193. 工藤敦夫

    ○工藤政府委員 お答え申し上げます。  第八条第一項におきまして「運営の改善のための適切な措置を講じたとしてもなお収支の均衡を確保することが困難であるものとして政令で定める基準に該当する営業線を選定し、」云々というふうにございますが、昨年の十二月の閣議了解を基礎にしまして私どもこれを審査いたしましたときに、輸送密度というものを考えてくれという話は運輸省の方から伺っているところでございます。  ところで、輸送密度につきましては、区間とそこにおきます輸送量、この輸送量を区間で割らなければ輸送密度が出てまいりません。そういう意味で、区間というものがそこに並行して出てくるということは当然であろうかと思っております。
  194. 三浦久

    ○三浦(久)委員 それは区分をされていなければ、乗車密度が何ぼだといってそれを当てはめて選定することはできない。そんなことはあたりまえです。しかし、それが必要だということと、それが合法性を持つということとは全く違うことですよ。あなたたちが必要だからといって、それが合法性を帯びるということにはならない。そうすると、法制局は、この八条の一項にしぼりますが、一番最初の「日本国有鉄道は、鉄道の営業線のうち、」云々と書いてあって、「政令で定める基準に該当する」とありますが、この基準というものの中には、そうすると四千人とか八千人とかという乗車密度、これは本当の基準、それと同時に線路区分も入っているというふうにお考えになっているのですか。
  195. 工藤敦夫

    ○工藤政府委員 お答え申し上げましたように、四千人、八千人という数字が出てくる前提がまず問題でございまして、輸送量と区間、営業キロ、この二つがもとになりまして、四千人、八千人という数字も出てまいります。したがいまして、それを決めます場合に、この区間における輸送量が幾ら、こういうことで政令に定める基準に該当するかどうかという判定もまたできるのではないか、かように思います。
  196. 三浦久

    ○三浦(久)委員 全然もう法律家の議論じゃないよ。そんなものはアプリオリに決まっておるというわけですか。この法律制定の前に決まっておるというわけですか。それだったら国有鉄道線路名称でやらなければならぬということになるじゃありませんか。  そうすると、私はあなたに、逃げの答弁をしておるから言っておきますけれども、八千人とか四千人というのは一つの基準、しかし線路区分というのはこれは基準じゃありませんよ。これはある基準によって区分されたその結果なんですよ。日本語であればそうです。基準というのは、多くのものの中からあるものを選ぶ、そういう場合のもとになる標準を言うのです。だから、この区分というのはこの基準には該当しないと私は思う。しかし、あなたに何ぼ言ってもそういうことをうんと言わないから、私はもう時間もないから私の見解を述べるけれども、たとえば私の考え方では、この基準に該当しないのです。これは委任していない。たとえば、道路法をあなた見てごらんなさい。道路法の第五条に一般国道の定義というのがありますね。この中で「一般国道とは、高速自動車国道とあわせて全国的な幹線道路網を構成し、かつ、次の各号の一に該当する道路で、政令でその路線を指定したものをいう。」その第二項で「前項の規定による政令においては、路線名、起点、終点、重要な経過地その他路線について必要な事項を明らかにしなければならない。」こういうように、道路法でははっきり法律によってその路線名と起点と終点というものが決められているのです。委任されている。これに基づいて決めているのです。ところが、この再建法はそんなことは一つも書いていない。結局どういうことかというと、あなたたちはまずこの法律をつくったときに、国有鉄道線路名称、これがあるからこれでやればいいのだ、そういうように思っておったということです。ところが、この国有鉄道線路名称によればいろいろな矛盾が出てくるということを指摘されて、それでやるというわけにいかなくなってしまって、それで結局いまのような答弁になっている。だから、もともとあなたたちはこの国有鉄道線路名称をもとに考えておったということなんです。ということは、結局明確な法律に基づく政令委任というものがないわけですから、この法律に基づいてはそういうことを決めることができないのですよ。ということは、私はこの法律の致命的な欠陥だというふうに思いますけれども、いかがですか。法制局どうですか。
  197. 工藤敦夫

    ○工藤政府委員 お答え申し上げます。  ただいまの道路法の規定は、先生御指摘のとおりの規定がございます。  ただ、今回のこの再建法と道路法とは、その趣旨においても異なりますし、したがいまして規定のしぶりもまた異なって当然かと思います。
  198. 三浦久

    ○三浦(久)委員 もう終わりますけれども、しかし営業線についての区分を決めるのは、何の縛りもないのですよ。法律による区分というものは、性格上適用にならないのですよ。結局これは政令委任のないことを勝手に政令でやろうとしているということにほかならないし、また自由に政令でもって線区を決めることによって、切り捨て御免というような結果をもたらしているというまさに欠陥法案だと私は思うのです。こういう法律が制定されて、そしてまた線区別運賃でも設定された場合に、住民の皆さんから、その線区別運賃は不当であるから不当利得の返還請求訴訟というものが起きるかもしれない。そういう訴訟にもたえられないような致命的な欠陥を持った法律なんだということを私は最後に一言申し上げて、時間が来ましたので、質問を終わらしていただきたいと思います。
  199. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 この際、午後三時二十五分まで休憩いたします。     午後三時一分休憩      ――――◇―――――     午後三時二十七分開議
  200. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。  これより鈴木内閣総理大臣に対して質疑を行います。  この際、質疑をなさる委員各位に申し上げます。質疑の時間は理事会において申し合わせたとおりでありますので、その時間の範囲内においてお願い申し上げます。したがって、答弁も簡潔にお願い申し上げます。  加藤六月君。
  201. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 鈴木総理はお忙しい中を当運輸委員会の質疑に御出席いただきまして、大変恐縮いたしておる次第でございます。  日本国有鉄道経営再建促進特別措置法、当委員会において営々議論を重ね、各党の委員、いろいろの角度から御質問されてきたわけであります。  私たちは、厳しい財政再建下に、三Kと言われておるそのうちの一つである日本国有鉄道問題に対して抜本的なメスをふるい、そして多くの国民の期待にこたえなくてはならないということで、昨年の閣議了解の線に従い、今回のこの特別措置法を必死で審議いたしておるわけでございます。そうして、この法案を提出いたしますときのわが党内における手続のときに、これまた大変多くの議論が諸先輩、多くの総務方から出されまして、大変かんかんがくがくの議論が展開されたことは総理も御記憶にはっきりいたしておるところだろうと思うわけであります。  私は、この法案のさきの通常国会の質問のときにこういう表現をいたしたのでありますが、わが自由民主党も財政再建と三K問題の解決のためには党自身も血を流し、肉を切らなくてはならない、その重要なる法案がこの国鉄の経営再建法案である。ある面では今回、ここ半年間ぐらい、地方公共団体、知事さんあるいは市町村長さん、各種団体を含めて陳情が一番多いのも、この法律の中に盛られておる、該当するやもしれないと思っておられる市町村長さん方の陳情というのも非常に多い。そういうときに、わが党の首脳部の先生方は、必ず答弁のときに、国鉄はどうしても有効にその機能を発揮さして生かし、そして省エネルギー時代、あるいは都市空間における交通手段の確保が困難になった今日、あるいはまた環境問題、こういうものを考えていくときに、国鉄を有効に機能させる、そして都市間の旅客輸送、大都市圏内における旅客輸送、そして大量定型貨物輸送、この三つの重要な機能を国鉄に発揮させていく、そのための措置法案である、したがって、そういう大前提に立って今回の法案を出したのだ、国民皆さん方も理解と納得をしていただきたい、ある面ではわが党の金城湯池と言われる地域も、事と場合によってはバス転換あるいは第三セクターに落とさなくてはならない、しかし、それも国民全体の生活と経済を守り、そして国鉄の機能を十二分に発揮していくためだ、こういう説明をしてきておられるわけであります。あるいは総理自身も、いろいろな陳情を受けたときにそういう御答弁をされておるのではないかと思います。  私は、今回この質問をやるに際しまして、冒頭まず総理に御質問しておきたいと思いますのは、ことしの二月十九日だったと思いますが、総務会における決議というのがあります。この決議に対して一部の労働組合あるいは一部の団体の中に非常な反発と、逆に誤解から発生した政府・自民党けしからぬというような意見等が生まれてきました。私自身はそういう団体や組合幹部の皆さん方にもできるだけお目にかかって、それは誤解であるということ等の説明をいたしたのであります。それは国鉄の破局的状況に対して経営再建を行って国民生活を守っていくんだという趣旨と、そして今回、この決議の文章を読みますと、一つは、三十五万人体制を確実に実施しろよという中身でありまして、これは去年一年がかりで、国鉄自身が三十五万人体制をどうしてもつくり上げます、そして民鉄並みの経営状態に持っていきます。これは国鉄自身が昨年八月までかかって営々辛苦築き上げてくれたものでありますが、それをわが党としましても再確認しまして、民鉄並みの業務能率を上げるようにしろという一つの大きな柱になったわけであります。  もう一つは、「国鉄の破局的経営状況にかんがみ、国鉄労使は、今回の再建計画が最後の再建機会であり、これを達成し得ない場合、残る方策は民営への全面的移管以外にはあり得ないことを十分認識し、不退転の決意をもって、その完遂を期すること。」したがって、後段の民営に移管するというのがねらいではなくして、労使が一致協力して、不退転の決意でもって今回出されておるこの法案の通過、成立を期し、その法案の中身に盛られているもろもろの問題を実現していかなければなりませんよという意味でありまして、国鉄切り捨て論でもなければ、また民営移管を中心としたものでもなくして、これをやることによって民鉄並みの経営能率を確保し、国鉄としての全国ネットワークの機能を発揮させていくのだ、こう私は解釈いたしておるわけでございますけれども、総理の御見解はいかがでございましょう。
  202. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 財政再建は当面の最大の政治課題でございます。その財政の再建を図ってまいります中におきまして、この国鉄の財政再建、三Kの問題、これはその中心課題であるわけであります。国鉄は、もう申し上げるまでもなしに累積赤字が六兆円を超える、また毎年七千億からの国の助成も受けなければならない、こういうような状況下にあるわけでございまして、いまこの財政の再建、そして国鉄の国民経済の中で担っておりますところの使命、これを図ってまいりますためには、どうしてもこの際、今回政府が提案をし、ただいま皆さんに御審議をいただいておりますこの法案の成立を期さなければならない、このように考えておるわけでございます。去る二月の中旬、自由民主党の総務会におきまして、当時私総務会長でございましたが、この法案を党として最終的に承認するに当たりまして、この法案の成否というのは国鉄再建の最後の機会である、ついては国鉄当局も、この経営の合理化、また労使一体となっての真剣な取り組みということが必要である。また、政府においてもできるだけ財政、行政の面でこれに対する公的助成も行って、そして相まって国鉄の再建を期すべきである、こういう決意を総務会として表明をしまして、政府並びに国鉄を鞭撻をしたわけでございますが、その私が今回総理の、内閣の責任者になったわけでございます。私は、この党の強い御意思というものを体しまして、この法案の成立を皆さんの御協力を得て実現をし、それによって国鉄の再建を期したい、このように考えておるわけでございます。
  203. 加藤六月

    ○加藤(六)委員 ただいま総理のりっぱな御決意を承りまして、われわれはますますいままで以上に国鉄再建のためにがんばらなくてはならない、この決意を強くいたしたわけであります。  総理、今回の委員会における質疑、非常に長時間やり、また、あす、あさっては現地調査、現地公聴会等もやるわけでありますが、いままで私たち、非常に当委員会を中心に議論しておりまして、まあこの法律は何とかして通さなくてはならないだろう、しかし政令のときにまあ何とかいろいろの方法を講じてやろうというような意見や魂胆があります。しかし、私は、やる以上は一定の基準を引いてこれを厳重にやっていく、それが本当の正しい国鉄の経営再建にも通じ、また、それがある面では国鉄が労使一体になって再建に励んでくれる大きな理由になると思います。したがって、今後この法案が衆参両院を通過、成立した場合における政令をつくる段階において、しり抜けやざるにならないように、そこら辺はひとつ総理として今後よろしく目を光らせておいていただきたいということをお願いしておきたいと思います。  さらに、私たち、今回のこの法、案は、国鉄の構造的問題として取り上げてきたわけであります。国鉄の構造的問題として、どうしても国鉄自身の力でできないものを、ある面は法律をつくって、ある面は国の財政で、ある面では国民の皆さん、利用者の理解と納得によっていこうといろいろな問題があるわけでありますが、今後私たちが国鉄の経営再建のためにさらに考えていかなくてはならない問題といたしましては、一つは、年金問題があります。そして一つは、公共割引の問題が今後残された問題としてあるわけでございます。退職金その他の問題については、曲がりなりにも政府の方でいま助成といいますか、利子補給をいただいておりますが、大量離職者時代を迎え、三十五万人体制を実現していくためには、この年金問題を解決していかなくてはどうにもならないわけでございまして、当委員会で超党派で各党の先生方がこの年金問題には言及されており、来年度予算その他において何とかして三十五万人体制を築き上げていくためにも、そして国鉄労使が安心して国鉄本来の機能を発揮してもらい、国民生活の安定と向上のためにがんばっていただくためにも、公的年金問題があるということと、公共割引問題その他まだ重要な問題があるということを申し上げまして、今後いろいろな場面において、総理の一段の御努力と御支持を賜りますようにお願いしまして、私の質問を終わらしていただきます。  ありがとうございました。
  204. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 久保三郎君。
  205. 久保三郎

    ○久保(三)委員 まず第一に総理にお伺いしたいのは、いま交通問題ではいろいろな問題がありますが、当面深刻な問題を抱えておりますのは、幹線の交通体系ではなくて、都市と言わず地方と言わず、地域におけるむしろ生活的な交通の問題だろうとわれわれは思っております。その点について総理はいかがお考えでありますか。しかも、これは民主的な手法によって、地域のニーズに合った体系をつくらせるというのが基本でなくてはいけないと思っておるわけであります。  そこで、長年当運輸委員会を中心にして地域交通の維持整備についてわれわれは議論をしてまいりました。あるときには当委員会の全会一致の決議によって政府に施策の推進を要求してまいりました。今回提案されている国鉄再建法でありますが、なるほど幾つかの問題を取り上げてはおりますが、中心的な課題は地方交通線の問題であります。手っ取り早い話が、国鉄の経営から地方交通線を切り離そうというのが主体であります。それだけに問題は深刻なんでありますが、地方ローカル線、地方交通線をどうするか、なるほどこれは大きな問題でありまして、国鉄経営だけの問題ではありません。そういう意味で、取り上げることについてわれわれはやぶさかではありませんけれども、取り上げ方と結論の出し方については、法案に盛られているような手法ではいけないというのが手前どもの考え方で一貫してまいりました。また、すでに運輸大臣が通達を出しておりまして、御存じないと思うのでありますが、先ほど申し上げました地域交通の維持整備計画を策定する要領について、この三日に政令を改正をしながらそれぞれの陸運局長に通達を出しております。地方自治体が何らの権限を持っておりませんから、この法案と同じように、その部分については木に竹を接いだようなぎこちないというか、一貫しないものがありますけれども、言うならば、この通達は、先ほども私が申し上げた、地域の交通をどうやって住民の手によって立て直すかというのが主体であります。  片方ではこういう通達を出しておきながら、片方ではこの法律で一定の基準をつくって、その基準に基づいて廃止をまず一つしよう、バスに転換というが鉄道の線路を外そう、それからもう一つは、国鉄営業線約二万一千キロございますが、その半分に等しいような一万キロになんなんとする地方交通線については特定運賃をつくろうということで法律案が用意されております。こうなりますと、国鉄の経営自体から見てもこれは大きな変革であります。運賃制度上も大きな変革であります。そういうものを、しかも政府の一方的な基準、査定によって処理をしようということについては、われわれは断じてこれは容認するわけにはいきません。問題はありますから、真剣に関係の皆さんの御討議をいただいていい結論を得る、もちろんその中には国鉄の主張も入るだろう、政府の主張も入っていいと思うのです。しかしながら、政府と国鉄だけの主張で地域住民にその処理を押しつけるがごときは断じてやるべきではないと私は思っているのです。  ところが、今度の法律案は、御案内のとおり、一定の基準を決めたならば、自動的にも等しいように線路を廃止してバスに転換する、なるほどそれで用の足りるところもあるでしょう。しかし、足りないところもある。いままで議論してきたのは基準について議論が集中しました。ところが、その基準は、御案内のとおり、これは大変なものです。ケース・バイ・ケースでありますから、これは百線あれば百基準をつくらなければ始末がつかぬような始末、だと私は思う。  いずれにいたしましても、地域交通の維持整備は緊急の課題である。それは民主的な手法によってどこまでもやるべきだと考えておりますが、総理のお考えはいかがでしょうか。
  206. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 近年、産業構造の変化一また過疎化の進行、さらに目を見張るようなモータリゼーション時代の進行、そういうようないろいろな社会経済上の変化に伴いまして、地方交通線がその鉄道としての特性、機能というものを発揮することができないような状況に相なっております。  私どもは、国鉄財政の再建という観点のほかに、また国鉄が本当に大量輸送機関としての機能を十全に発揮できるかどうか、そういう国鉄にしなければならない、こういうようなことを考えまして、今回の地方交通線の合理化、整理ということを御提案を申し上げなければならないわけでございます。現在の国鉄法におきましても、国鉄は運輸大臣の認可を得ることによりまして、地方交通線等の整理あるいはバスへの転換、これができるわけではございますけれども、しかし政府・与党、特に与党の自由民主党の方から、地元の承認、了解がなければそういうことはやるべきでない、こういうことを決議で枠をはめておるわけでございます。  そういうような状況下に、前段で申し上げたように、この地方交通線がもう機能を発揮できないような状況に来ておる。そこで、今回の法案におきましては、これをルールをきちっと決めまして、そうして、そのルールに基づいてこれを整理線として取り上げざるを得ない場合にはこれを取り上げる、その間におきましても、地元の知事の御意見等を十分聞く機会も持っております。また、その基準の設定につきましては、当委員会におきましてもその点が一番重要な問題だということで、各委員の皆さんから真剣にそこに御議論がなされておるということも承知をいたしております。したがいまして、運輸当局、国鉄におきましては、この当委員会の御意見というものを十分踏まえて、そして基準というものを適正に合理的に決めていく。そして、決めましたところの基準につきましては、政治的にこれをゆがめるというこ・となしに、きちっと折り目を正して実行に移してまいりたい、こう思っております。
  207. 久保三郎

    ○久保(三)委員 私の質問が少し幅広く申し上げたので、大変恐縮でありました。やはり国鉄問題にしぼってお尋ねした方がいいでしょう。  あなたのお話の中に出てくることは、言葉じりをとらえるわけではございませんが、従来やろうとしても法律はあるのだがやれなかった、それはいわゆる自由民主党の中で地元の了解がなければやってはいかぬという縛りがあったのでできなかった、こういうお話ですが、それは自民党の中でのお話でありまして、法律があるのならそれを振り切っておやりになってもいいのじゃないかと私は思うのであります。自由民主党のそういう約束を振り切るために今回法律を出すというふうに解釈するということは大変間違いだと私は思っているわけです。言葉じりかもしれませんが、考えのもとはちょっと違うんではないかというふうに私は思うのであります。  それで、言及されました基準についてであります。基準というのは政令にゆだねるということになっておりますが、この法律案は御案内のとおりことしの二月、国会にかかりました。解散までの国会で一応の審議が行われまして、そのときには私からも当委員会で、基準は地域住民の生活に密接に関係することであるからこれは法律事項ではないか、法律に盛るべきであるという主張をしたのであります。しかし、私はいまさら法律でなくちゃいかぬということにだけ固執するわけではありません。しかし、その中身についてはやはり固執せざるを得ません。これまで運輸大臣の御答弁の中では、運輸省としての基準案の案、案の案ということでしょうね、何かちょっとよくわかりませんが、不確定要素を多分に含んだ一応の案が当委員会で提示されました。これは特に二、三の省庁から反対がある、こういうことですが、挙げて言えば自治省とか通産省、それからきょうの答弁を聞いていると建設省あたりも余り同意していないようですね。あるいは国土庁もそういうことですね。最終的に同意をしていない。少なくとも案でありますから、すかっと全部整合したものでなくても私はいいと思うのです。しかし、こういう基準に従って政府はやるべきであるということをお示し願うことがこの法律案のまず第一歩だと思うのです。それがなければ大部分を占めるところの地方交通線の対策はどうなるかわからぬですね。  そういうことに関係して基準案について、政令案について総理はいかなる御責任をお持ちになりますか。  運輸大臣、先に。
  208. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 基準案につきましては政令との関係がございます。政令の策定につきましては目下各省庁間におきます意見の調整を図っておるところでございます。しかしながら、国鉄が自分の努力のみでは何としても採算をとりがたい路線等につきまして、その基準はおのずから国鉄並びに運輸省におきまして審議した一つの基準というものがございまして、その基準、これを中心にして政令を編成いたしたい、こういう考えでございますが、さりとて政令という形態で出しますまでにはまだ文言の問題もございますし、また各省庁間の調整もございましたので、そこで政令の基準となるもの、この案をわれわれが提示させていただいたような次第でございます。したがって、この法律案が成立いたしました時期からできるだけ速やかに各省庁間におきますところの意見の統一を図り、そして、これが公正にして真に国鉄の再建に寄与し得る政令といたしたいと思っておりますので、御理解をいただきたいと思うのであります。
  209. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 ただいま久保さんからお話がございました基準の問題は、この法律を円滑に効果的に実施してまいります上から一番重要な問題であると私も認識いたしております。ただ、いま運輸大臣からもお話がございましたが、現在運輸省、国鉄が中心になりまして、その政令案なりあるいは基準についていろいろ検討いたしております。また、関係省庁に協議をいたしておるわけでありますが、国会の皆さん方の貴重な御意見も踏まえまして、政府として近く政府全体が統一された基準というものをはっきりと決定したい、私の責任においてそれをいたしたいと考えております。
  210. 久保三郎

    ○久保(三)委員 総理の御答弁は当然だと思うのです。ところが、われわれ国会議員にしてみれば、いま重要なこの法案を審議中でありましてこの法案の行方が基準案の作成いかんによっては変わってくるということなんです。しかも、その変わり方は、地域住民の足を取る、あるいは先ほど申し上げたように、国鉄全線の半分に等しいようなところに割り増し運賃をつけようということがやってくる。これは大変重大なことでありまして、おおよそおぼろげながらもこういう線で大体基準はできそうだなというぐらいの話がなくては、これは話にも何もならぬと思うのですよ。大体基準案なるものが、運輸省から先般二十二日の委員会に出ました。しかし、各省庁でこの案についても異論がある、こういう話でありまして、これは大変なことだと思うのですよ。これはいつお詰めになりますか。先ほどの質問から言うと、来年度予算の原案編成のときまでには決めると。あたりまえの話ですが、これは大変なことだと思うのです。これが決まらぬうちにごり押しに押していくことは私はどうかと思う。私の方は別にかたくななことを言っているのではありません。国鉄も余り手暇がかかるから法律でばっさりやろうなんて考えを持っているとしたならば、これは誤りであります。地元の住民に対して説得なり理解を遂げていただくというためにはそれなりの努力が要るのであります。政府もそのとおり。そういうものを省略しく法律で二遍きちっと決めて、あとは自分たちが勝手に基準を決めましょうということについては、われわれとしては納得しがたい。残念ながらこの点だけでも納得しがたい。私は基準案の内容についてのいい悪いをいま言っているのではないですよ。いい悪いは別としても、その前提として基準案がどんなものであるかわからぬでは審議にも何もならぬではないですか、こういうことを申し上げているわけなんであります。  総理、いかがでしょう。あなたの御答弁は当然な話なんです。法律案が通ったら各省庁みんな合意が得られるようなものをきちっと決めます、あたりまえの話ですが、決めるコースはどうなんですか。先般この委員会に提示された地方交通線等選定基準案、これは運輸省のものですね。ところが、これもずいぶんあいまいなところがございますが、一つには、数字も入っております。ごらんになっていないのかもしれませんけれども、大体この基準案なるものを中心にして政令をつくるのかどうか、いかがでしょう。
  211. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 御承知のように、当委員会において基準の骨子となるものを提示させていただきまして、その間この基準の骨格をめぐりまして当委員会で活発な御議論をしていただいておりましたが、それによってほぼお察しいただいておると思うのでございますが、しかしながら、それではこの基準を具体的な線名にどうはめていくかということになりますと、それぞれの線区におきましてそれぞれの事情がございますし、また地域によりましては降雪地帯あるいはまた代替交通のとりがたいところ等もございます。そのこと自体がすなわち政令に盛りますところの具体的な線名とはなりがたいので、調整を要すると私たちが言っておりますのはそういう点にあるわけでございますが、しかし、ここで言っております基準につきましては、あくまでもこれを基本原則として、骨格として政令を作成いたしたいということでございまして、しかも、この中にまず一例として挙げられました「主要都市を連絡する」という部分につきましても、この「主要都市」というのはほぼ十万都市、人口十万というような基準を質疑応答の中に明示してまいったこともございますしいたしますので、それぞれにつきましての文言、これはさらに詰めなければならぬものはたくさんございまして、それをぜひひとつ政令をまとめます段階において慎重に審議いたして決めていきたいと思っております。
  212. 久保三郎

    ○久保(三)委員 運輸大臣とやりとりしてもこの間の話と同じになりそうなので、それでは、運輸大臣からいまお話がありましたが、少なくとも、基準案なるものを二十二日に提示されましたが、そういうものは余り骨子は変えないで政令案をおつくりになりますか。総理いかがです。
  213. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 現在、運輸当局、国鉄におきましては御説明を申し上げたような案を考えておるわけでありますが、当委員会の皆さん方の御意見等も十分しんしゃくし、これを踏まえまして最終的に結論を出したい、こう思っております。
  214. 久保三郎

    ○久保(三)委員 いや総理、お言葉ですが、その話じゃなくて、二十二日にすでに案の案は出ているのですよ、いま運輸大臣からお話しの。いままで何もなかったのですが、これが出てきたのです。出てきたのには、ちょっと出してきたという程度のものではないだろうと思うので、中身の問題は別としても、この基準案の案は――基準案の案だろうね、これは。案の案というのはいままで聞いたことがないけれども、これは案ではないでしょう。政府としては案の案だ。だから、そういうものをこれを基準にしてお決めになりますかということをお尋ねしているのです。そうではありませんというのでは、これはまたもう一遍委員会でもとへ戻って審議をし直すということになりますが、いかがですか。
  215. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、運輸省並びに国鉄におきましては、御説明を申し上げたものを現在考えておるわけでございます。最終的には委員会等の御意見等も十分踏まえまして結論を出したい、こう思っております。
  216. 久保三郎

    ○久保(三)委員 先ほどのお答えとちっとも変わりがないので、運輸大臣、この中の数字ですね。すでに去年の暮れの閣議了解事項で、中には六十年までに二千人未満、四千キロを転換し、廃止する、こういうことが書いてありますが、こういう基本線は同じですか、多少なりとも変わりますか。変わりましょうね、基準が定かではありませんから。いかがですか。
  217. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 現在とっております基準によりまして算定いたしますとそういう数字になるのでございまして、われわれはこれはやはり一つの原則として堅持してまいる予定であります。
  218. 久保三郎

    ○久保(三)委員 先へ行きましょう。新線建設について総理にお伺いします。  総理は長いこと鉄道建設審議会の会長もおやりでありますので、これは素人でなさそうでありますのでひとつお答えをいただきたいのですが、今度のこの法律の中には国鉄新線建設についての条項がございます。それは言うまでもありませんが、基準がどう出るかわかりませんけれども、基準によって、もしも開業をした場合には、この法律案で言うところの特定地方交通線、いわゆるバス転換あるいは廃止、そういうものになるだろうという国鉄の新線は、これは地方鉄道業者が、言うならば要請があれば、必要と認めた場合には国は従来どおりの建設方式と貸与の方式ですか、貸し付けというような方式で、国鉄に対すると同じような方式で新線を建設していきますというのが今回新しくつけ加わった条項であります。  そこでお聞きしたいのは、開業したならば特定地方交通線に類するものになるだろうというふうな線区については、これは国鉄新線として今後建設を続行するのかしないのか、いかがですか。
  219. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 今回の地方交通線、特に特定地方交通線の整理につきましては、先ほども申し上げましたように、国鉄の財政再建ということが一つございます。もう一つは、その地方の実情に合うところの交通を確保しなければいけない、住民の足を保障するということでなければならぬわけでございます。そういうような観点から、特定地方交通線として廃線にするという際におきましては、その後の地域住民のための足をどういう形で確保するかということが一番大事な問題だ、こう考えております。そういう際に、バスで結構だ、こういう地域もございましょう。また、地方公共団体等も含んだところの第三セクターでやろうではないかという地域もあろうかと思います。あるいはまた地方公共団体と民鉄業者のようなものが協力し合ってその運営に当たる、こういう場合もあろうかと思います。  いずれにいたしましても、地域住民の要請、これが私は一番大事なことだ。これに対しては国鉄としても政府としても、その特定交通線を廃止した後の足の問題を確保するという責任がございますから、私どもはそういう点を十分見きわめまして、地元のそういう受け入れ体制、第三セクター等でやるという体制がつくられ、そういう線でやろうという場合には建設を続行する、完成をさせる、こういう考えでございます。
  220. 久保三郎

    ○久保(三)委員 そうしますと、国鉄新線としては建設をしない、こういうことでありますか。そうだとすれば、これはやはり法律の中できちっと規定をするのが本当ではないでしょうか。いかがでしょう。
  221. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 これらの線区につきましては、目下鉄建公団が工事をしておるものが大部分でございまして、そのものにつきましては、現在工事が一応中止をされておるという状況になっておるのでございます。したがいまして、先ほど総理から答弁がございましたように、地元の協議を得て、地元と地元の企業、そういう関係との協議を待ちまして、この線路の工事をどう扱うかということ等につきまして協議をまとめていきたいと思っております。
  222. 久保三郎

    ○久保(三)委員 どうも総理も運輸大臣の御答弁も、第三セクターとか民鉄業者とか、そういうものにつくらせるということについてははっきりしているようでありますが、国鉄で引き続いてやらせないという御答弁はないのですが、重ねてお伺いしますが、国鉄新線というのはAB線についてはつくらせない、つくりませんということでありますか、それともその第三セクターでやるのかどうか、いかがですか。
  223. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 この法案の中に流れております精神をくんでいただければ御理解していただけると思うのでございますが、これが建設を完了したといたしましても特定地方交通線とみなされる線区につきましては、工事を続行するわけにはまいりません。
  224. 久保三郎

    ○久保(三)委員 わかりました。私もそうだろうと思うのですね。片方ではめくろうというのに、その先は建設していこうというのは、どうも理屈に合いませんからね。だから、結局、国鉄ではなくて民間あるいは第三セクターでやらせるというふうになりますね。わかりました。  だから、これは形を変えた政治路線を今後も引き続き敷設していくということに相なりはしないかというのが巷間伝えられるうわさであります。いかがでしょうか。
  225. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 久保さんの御質問の御趣旨が、あるいは私、間違った理解をするかもしれませんが、全然いま着手もしていない、用地買収もできてない路線、ただ鉄道敷設法に予定線として載っておる、そういうようなもの、現実に形も全然できてないというようなものを、民間業者がこれを経営したいから、そういう要請に基づいて新線建設をする、そういうようなことであればまさに久保さんがおっしゃる政治路線というようなそしりを免れない、批判を受けるかもしれません。しかし、ただいま運輸大臣も申し上げましたように、鉄建公団で現に建設を進めておる、工事半ばである、もう少しでこれが完成をする、そういう路線であって、そして国鉄としては、直接それが、この完成を見、運営をするということになりますと、特定地方交通線になりかねない。そういうようなものを第三セクターなり地方住民の要望にこたえて地元が受け入れ体制をつくってその運営に当たろう、こういう場合におきましては、私は決してそれは政治路線ではない、地域住民の足の確保の上から当然なすべきことである、このように考えております。
  226. 久保三郎

    ○久保(三)委員 四十線ほどございますね。これはいまの総理の御答弁だというと、全部そういう形を変えてやろうじゃないか、こういうお話にも受け取れますが、いかがですか。
  227. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 私は、バスあるいは第三セクター、地方と民間業者、そういうような形で、この特定地方交通線を廃止した後、足が確保されるということは望ましい、こう考えております。しかし、なかなか厳しい諸条件があろうかと思いますので、四十線全部そういう体制で受け入れられるかどうかということにつきましては非常に頭を痛めておるところでございます。どうしてもそういうことができない場合は、バスでもってこの足は確保してやらなければいけない。私どもの考えておりますのは、まずこの後の交通、足というものを必ず何らかの形で確保するということが必要である。それに向かって最善を尽くす考えでございます。
  228. 久保三郎

    ○久保(三)委員 この法律そのものもそうですが、いまのお話もずいぶん矛盾があるのじゃないかというふうに私は思うのであります。私は新線建設を全部やめてしまえということでもないのであります。ただ、片方の在来線はめくってしまえということが大体この法律の主要なる点であります。その先は、いま建設しているんだから、ひとつこれは第三セクターででもやったらいいじゃないかという話は、まさにこれは論理が一貫しないと思うのですよ。交通政策上からいっても、国鉄から切り離せばいいんだ、後はどうでもいい、まあ建設途中だからひとつ線路を敷こうじゃないかという話になりかねぬと思うのですね。こういうことは少なくともわれわれ、交通政策上からもおかしいと思うのですよ、はっきり言って。  それで、総理、総理に一番関係の深い地元の三陸縦貫はもう路盤はずっとできておりますが、これはそれじゃ、第三セクターででもおやりになるということになりましょうか。いかがでしょう、  一つの例として。
  229. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 ちょっとその前に。  先ほど総理の答弁にございましたように、AB線が建設を進めないとしても、その地域における足の交通については、何らかの方法でやはり行政の責任として確保しなければならない、こういうお話でございまして、それはAB線を完成する、しないの話ではなくして、完成していきたい、こういうことでございます。したがいまして、いわゆるAB線につきましては、あくまでも地元の意向を尊重しまして、地元が中心となって運営される、いわゆる第三セクターのような形式をもって運営されるというときにこの建設を再開するというこの原則は変わらないものと御承知いただきたいと思うのであります。
  230. 久保三郎

    ○久保(三)委員 いまのお話、それは地元で要請があればということでありましょうが、交通政策上からいって、特定地方交通線になるような線をいま資材を使って、そして、いま恐らくそこには並行したバス路線があると思うのですよ、そういう輸送力が配置されているところになお新しいものを配置していくことが、交通政策上妥当であるかどうかの観点をやはり考えなければいかぬと思うのですね。そういうものを考えないで、ただ地元から要求があるからひとつつくろうじゃないかということはどうかと思う。  それから、すでにこの委員会で審議中にも、自治省関係筋からは、第三セクターに自治体が金を出すことについて、あるいはそれに参画することについて、御案内のとおり疑問があるということを言っております。だから、そういうものも解決しないでは、私は、法律案をそのまま通そうと言っても現実にむずかしいではないかというふうにも思うのであります。  総理大臣、いかがでしょう。地方自治体に権限がないですな、交通については。そういう権限を全然与えないでおいて押しつけるということ自体にやはり私どもは問題があると思うので、運輸省の権限を多少なりとも地元、地方に分権するのがこの際必要ではないかというふうに思うのですが、総理の御所見はいかがでしょう。
  231. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 私は、地方の交通体系というものを決めてまいりますためには、やはり地方地方で交通体系を整備する、そういう地方交通計画というようなものがなければならない。したがいまして、いま運輸当局におきましても陸運局等を中心にしまして、国会の御意見等も踏まえて、そういう地方交通計画というようなものをいろいろ調査、立案を進めておる。したがいまして、その際におきましては、知事さんやあるいは市町村長、議会等の御意見というものを十分しんしゃくし、それを反映させるようにしながら、地方のそれぞれの交通計画というものをつくっていくべきである。また、今回の提案申し上げておりますところの法案におきましても、実態的には知事の意見、また市町村長の御意見というものを十分反映せしむるように、運用の面で配意してまいるつもりでございます。
  232. 久保三郎

    ○久保(三)委員 次に、国鉄再建の問題というよりは、再建の方法として経営の基盤をつくるということで、これはわれわれがかねがね主張していたところであります。てっぺんから財政再建と言ってもそう簡単なものではないので、むしろ経営基盤を確立することが先決ではないかということで、最近ややそういう傾向で、今回の法律の目的の方はそういうふうに書いてあります。必ずしもそのとおりではないとは思いますが、経営基盤の確立をしながら速やかに財政の収支の均衡を図れというのが今回の法律の目的のようであります。六十年度までに基盤確立ですから、そこで財政の均衡を図るというのは無理であろう、こういうふうに実はわれわれも思っているわけであります。  それについて総理に一言お伺いしたいのは、御案内のとおり、構造的欠損というのが先ほど加藤委員からもお話がありましたが、幾つかの問題があります。その中でも一番大きな問題はやはりローカル線の問題です。御承知のように、今回の法律案で正式に助成をするとなっている。助成をするというが、しかし現在でも欠損の大体二分の一の助成をしております。それを法律に引き直したのじゃないかというふうにわれわれはとっているわけなんです。しかし、考えてみれば責任区分を明確にしないところに、国鉄の再建がなかなか容易でない面が一つございます。政策的な責任、国鉄の経営の責任というものをきちっと整理することがまず一つだろうと思うのですが、それができない。そこで、ローカル線一つとっても、これはまじめに経営をやった場合でも赤字は出ますから、その欠損は相当額について助成すべきであろう、こういうふうにわれわれは思う。それから、公共割引についても政策的な負担をそれぞれの部局でちゃんとやるべきなんですが、いまだに話がついていないということで、非常に怠慢なというか、対策要綱などは閣議了解事項としてはりっぱにできているのでありますが、これがまじめに展開していないところに問題があります。  そこで、そういう問題を前提にして考えますと、今年度は償却後八千九百九十八億欠損ということで予算案が出ました。欠損を前提とした予算案というのは恐らく日本の国鉄くらいかもしれません。いずれにしてもそういうものが前提で、来年度予算要求では、仄聞するところによると償却後山兆一千億、大体こういう予定でやっていきますと、これだけでも五兆円近くになります。そのほかにこの財政再建の中に見込んでいないものは、上越、東北新幹線の開業後に伴うところの、ここで披露がありましたように年間三千億くらいの欠損額があるわけです。そのほかに、加藤委員からも御指摘がありましたように、退職金の問題は何とか片がつきそうでありますが、御承知のように、年金の問題が一つあります。  こういうものを考えると、まじめに三十五万人体制をやりましても、あるいは三十万人体制に切り詰めていっても、六十年度には今日現在と同じように十兆円、あるいはそれ以上出るかもしれませんけれども、残念ながらそういう程度の累積赤字が出てきはしないかと思うのであります。  そういうことを考えますと、あらかじめ赤字の処理をどうするということを考えるのも不謹慎な話でありますけれども、見通しのつかないことを押しつけていっても、これまたやる気がしないですね。だから、そういうものも含めて、総理としては、今後そういうものを率直に認めながらも十分経営体制を確立させるということで鞭撻をしていくことが一番いいのではないか。それは一切認めないよ、おまえの努力でやれといってもこれは限界がありますから、こういうものはお互いにやむを得ない前提は前提として踏まえながら経営を再建させるということだろうと思うのですが、いかがでしょうか。  またもう一つ、時間もありませんので恐縮ですが、最近新聞にも出ておりまして、新聞のことを取り上げるのはいかがか、われわれもそう思っておるのでありますが、今度の再建案の中にも運輸省のというか、運輸大臣の監督を厳しくする条項が一項目ありますので、私はいままでこれをとれという話をしておりました。ところが、これはそういうものがあることよりは、あるないということではなくて、むしろ最近におけるところの運輸省のやり方、国鉄の考え方、乖離、摩擦が多いのじゃないかと思うのです。そういう摩擦というのは、おまえはまじめにやってない、片方は権力に物を言わせて、こら、こう言う。こういうことであるから、私はこの前言ったのですが、運輸省の機構から、鉄道監督局の監督はやめろ、こう言っているのです。そして、国鉄に自主性を与える。もしもその責任でできなければ総裁は残念ながら途中でもやめてもらうというふうな仕組みの方が最も適切だというふうに思うのでありますが、いかがでしょうか。
  233. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 今回の御審議いただいております再建促進法案は、国鉄の健全な経営基盤を確立するということが一つ、それから国鉄の危機に瀕しておる財政再建を図ろう、この二つの大きな目的、柱からできておるわけでございます。国鉄当局が本当に真剣に労使ともに一体になって、みずからの自助努力によりまして国鉄経営の健全な基盤を確立する、こういうことをいたしましても、なお構造的にどうしても欠損が出るということを私どもは承知いたしておりますから、そういう面につきましては、政府としても五兆円を超える債務のたな上げあるいは毎年度の欠損に対する助成、さらにまた先ほど来問題になっておりますいろいろの公的な助成の問題につきましては前向きに誠意を持って努力する考えでございます。ただ、公共負担の問題でありますとか年金の問題は、いま関係当局、関係省庁の間で鋭意検討を進めておる段階でございます。
  234. 久保三郎

    ○久保(三)委員 時間でありますので、これで終わりにしますが、重ねて要望申し上げますけれども、政令にゆだねる基準案については、当衆議院が通過しても参議院という段階がありますから、せめて国会で成立する前に基準案は明確にお示しをいただくことが政治責任だろうと私は思うのであります。不明確なまま役人の手によってやられることについてはわれわれは断じて承服しかねますので、重ねて基準案を明確にお示しいただくように要求いたしまして、私の質問を終わります。
  235. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 西中清君。
  236. 西中清

    ○西中委員 わずか十四分で大変短い時間で残念なんですが、いま同僚委員からわれわれが危惧いたしておる何点かについて質問がございました。  重ねて御質問する部分もございますが、一番問題だと思うのは政令の問題だと考えておりまして、いわゆる運輸省の選定基準の案というものが出ておるわけでございますけれども、先ほどこれを厳正に守るか、とうかというような御質問がございました。現在出ております問題は、幹線鉄道網を形成する営業線の基準、それから地方交通線に関する基準、特定地方交通線に関する基準、こういった三つの柱で出ておるわけでございますけれども、ここに出ておる数値その他については一切守られる政令ができ上がるかどうか、まずお伺いをいたしたいと思います。
  237. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 骨子として示しましたその基準の線は、政令作成の段階におきましても、あくまでもこの原則は守って作成をいたす覚悟であります。
  238. 西中清

    ○西中委員 ただ、この政令の選定基準の案というものは、いろいろ解釈の仕方がありまして、各委員から疑問点が数多く出されておるわけでございます。やはり一つの線を例外的に扱うというような恣意的な扱い方というものがあってはならないと私は思う。やはり地元住民が見ても国民全般から見ても妥当であるという公平さを必要とすると私は思います。そういう点では、もしも法案が通りましたならば、政令をつくる段階において、国民の十分なる納得の得られる政令にお願いをいたしたいと思います。  それから、やはり問題になりますのは、日本の総合交通体系、これは輸送構造の変化によりましていろいろと考えなければならぬ問題がございます。エネルギーの問題もそれに加わってまいっております。そういう点からいきますと、やはりこれはある程度の中長期の観点からの見直し、新しい体系づくり、こういうものが必要な段階にあると私は考えておるわけでございます。現に国鉄もいろいろと努力をされておっても、飛行場を整備する、そうすればやはりどうしてもお客さんの足はそちらに向く。建設省はどんどんと道路を整備する、それによって国鉄はどんどんどんどんお客さんがとられる。一方、マイカーがふえる一方で、道路が整備されれば、マイカーで道路を通った方が便利だ、こういったいろんなことが関連をいたしまして、再建法をつくって五年たってまた情勢が相当変わってくるんじゃないかという気がしております。この辺のところ、各省庁の考えを聞いてももう少しはっきりいたしておりませんし、さらにまた国土庁では三全総からくるモデル定住圏構想、ここには先ほど問題になりました新線の継続建設が行われておる部分が何カ所かございます。こういう問題も詰めがなされておらないというような状況でございます。  大臣、そういう点で、総合交通体系といいますか、日本の交通体系、輸送体系についてどういうふうに取り組みをされようとしておるのか、お考えを伺いたいと思います。
  239. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 総合交通政策をどうやって推進をしていくか、こういう問題でございますが、それぞれの交通機関の特性というものを生かして、その特性を活用し、それを体系的に結びつけることによって効率的な交通輸送の体制というものをつくる必要があるわけでございます。  たとえば鉄道の面におきましては、都市間の旅客の大量輸送、それから首都圏等におけるところの旅客の輸送、定型貨物の大量の輸送、こういうようなものはやはり何といっても鉄道が持つ特性でございます。しかし、一方において地方ローカル空港の整備等によるところの飛行機による交通の確保ということも必要でございます。さらに、日本の場合は、こういう四面環海の国でございますから、海上輸送、こういうものも貨物輸送等におきましてはやはり大きなメリットがある。トラック、自動車も同様のそれぞれの機能を持っておるのでございますが、これらを十分組み合わせ、そして効率的に輸送交通体系をつくっていくというところに私どもねらいがあるのでございます。  そのためにいまそれぞれの面で道路特会でありますとか、あるいは鉄道の特別会計でありますとか、あるいは航空の特会であるとかいろいろやっておるのでありますが、これを一緒にして総合交通の特会にしたらどうかというような御意見も一部にあることも私聞いておるのでありますけれども、それぞれの交通機関の特性というものを生かすために特会があって、五カ年計画その他で着実にこれを行っておるということで、私は十分目的を達しておるのではないか、こう考えております。
  240. 西中清

    ○西中委員 六十年で収支健全性を取り戻す、こういう目標でございますが、先ほども指摘がありましたように、年金の問題等いろいろございます。その中で上越、東北新幹線は開業後の収支均衡が図られる見通しというものは十年後であるとか言われておるわけでありますけれども、それはなかなか困難ではなかろうかと私は考えておるわけであります。これが開業に伴う赤字、これは国鉄の財政をまたまた圧迫をする大きな負担になりかねないというように考えております。  こういう状況を考えていきますと、いわゆる整備五線、新幹線五線、この建設ということについては、もはや国鉄財政にとってはお話にならない計画ではなかろうかというように考えておるわけでございます。そういった点で、国鉄財政との関係から、この新幹線整備五線の建設整備計画については、総理はいまどういうようにお考えになっておるか、お伺いをしておきたいと思います。
  241. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 最初に、東北新幹線、上越新幹線の収支につきましてのお話がございました。確かに建設から何年か、数年間というものはあるいは収支が十分いかないという面はあろうかと思いますが、私は中長期的にはこの東北新幹線も上越新幹線も黒字経営に移行できるもの、このように承知をいたしておるところでございます。  整備五線につきましては、すでに閣議におきまして、整備五線についての方針というものを閣議了解として決めております。それに基づきまして、あるいは調査をやり、環境影響調査等も進め、いろいろな面から調査をやっております。しかし、これが建設につきましては、何といっても財源対策が一番大事でございます。いま財源対策につきまして政府並びに自由民主党の中でいろいろ検討を進めておる段階でございまして、なかなか財源問題あるいはその後の経済情勢等々を考えますと厳しい情勢下にはございますけれども、私どもは日本の将来を考えました場合に、この整備五線というものは閣議の了解事項というものを変える考えは持っておりません。
  242. 西中清

    ○西中委員 時間もなくなりましたが、地方交通線、地元の負担ということについても地方自治体は、特定地方交通線、これはいろいろと助成措置が講じられますけれども、一定の期限を切っておりますから、その後の心配は依然として除かれておらないわけでございます。同時に、これまで国鉄は、通学定期割引として、昭和二十四年から五十四年度を見てまいりますと六千八百四十億円、身体障害者割引で二百八十九億円、戦傷病者割引で十二億円、合計七千百四十一億円を負担してまいりました。五十五年度予算では、以上の三つの事項でさらに六百八十四億円を計上いたしておるわけであります。これは国鉄の経営の健全性を取り戻すという点について、今日まで委員会の附帯決議その他国鉄の諮問委員会の提案等々あるわけでございますけれども、やはりこれは財政再建の上では見逃すことはできない問題だと私たちは考えておる。と同時に、今回特別運賃というものが設定をされる話でございますし、しかも定期の割引率を引き下げる、こういうことも言われておるわけでありまして、これは通学生徒を持っておる御家庭、身体障害者その他そういった皆さん方の御負担というものは非常に過大になるわけでございます。  こういう点について各省庁間の意見がこれまたばらばらでございまして、何ら対応を考えておらないというのが当委員会における今日までの答弁でございます。やはりこれは本当に弱い立場にある方々をどうしても守るという観点から、総理の指導性において一日も早く解決を見ていただくということを私は強く要求をしたいわけでございまして、総理の決意のほどを伺っておきたいと思います。
  243. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 総理の答弁の前に私から一言御説明申し上げたいと思うのでございます。  確かに国鉄が過去におきまして公共負担、多額なものをいたしてまいりました。しかし、今日の国鉄の破局的な財政のもとにおいては、こういう負担はなかなかしんどいことになってまいりました。そこで、運輸省といたしましては、政策担当の各省庁に対しまして、これらの負担方の要請を強くいたしておるところでございます。しかしながら、各政策担当官署にいたしましても、国の財政が非常に窮迫しておるときでございますので、それぞれの省庁において努力はいたしておるのでございますけれども、その実効が上がってきておらないということは残念に存ずるのであります。しかし、われわれといたしましては、国鉄の再建との関係もございますしいたしますので、なお各担当省庁に対しまして強く要請いたしますと同時に、国鉄自身におきましてもまた公共負担が財政再建に支障を来さないような、そういう営業の努力も続けて、できるだけのカバーをしていくように努めなければならぬと思っております。
  244. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 公共割引の問題をどう処理するか、この問題は多年の懸案でもございます。国鉄の財政再建の問題と絡みましていま関係省庁におきまして鋭意話し合いをいたしておるところでございます。五十六年度予算編成までに結論を出したい、このように考えております。
  245. 西中清

    ○西中委員 終わります。
  246. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 中村正雄君。
  247. 中村正雄

    ○中村(正雄)委員 この法案について今日までこの委員会で討議いたしました。政府なり国鉄当局からいろいろと答弁がございました。その重要な点について、総理に確約を求めるという意味で二、三の点について質問をいたしたいと思いますので、ひとつ要点だけ簡単に御答弁願いたいと思います。  本法案は、申すまでもなく、国鉄の運営について政府が責任を負う分野と国鉄自体が責任を負う分野とを明確に区別いたしまして、国鉄が責任を負わなければならない範囲について、国鉄の経営改善に懸命な努力をすることによって昭和六十年度、収支の均衡を図ろうというのがこの法案の骨子であろうと思います。したがって、これは裏を返せば五十五年から五十九年度までは国鉄の赤字が続くということを十分認識の上で政府は提案されていると思います。したがって、この五カ年間におきまする赤字については、累積すれば三兆円になるか五兆円になるかわかりませんけれども、これは政府が責任を持って毎年予算において処置されるものだと私は確信いたしますが、総理がどうお考えになっているか、確約願いたいと思います。
  248. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 中村さん御指摘のように、この国鉄再建の問題につきましては、国鉄自体において努力すべき責任を明らかにしております。また、政府がこれに対して公的助成、構造的な欠損という面につきましては政府がこれに助成をしていくということで責任を明確に分かち合っておるわけでございます。私は、六十年度までに国鉄経営の健全な基盤を確立をしてもらいたい、そして国鉄が真に国民の足を確保するという観点から十全に機能を果たし得るような形に合理化を進めてもらいたい、体制を整えてもらいたい、このように考えております。そのかわり政府におきましても、構造的な欠損につきましては責任を持ってこれを助成をし、補てんをしていく、こういう考えでございます。  いま中村さんのお話では、国鉄が努力しても国鉄の経営分野において赤字が出た場合はどうするかというお話でございますが、私は国鉄の労使は、この厳しい置かれておる立場というものを踏まえて、そういう赤字が出ないように、構造的なものは政府が負いますから、経常的な収支については赤字が出ないようにがんばってもらいたい、こう思っております。
  249. 中村正雄

    ○中村(正雄)委員 政府の出しております案は、六十年度に国鉄の分野において収支の均衡を図る。したがって、五十五年度から五十九年度までは国鉄の努力によっても赤字が出るということは承知してこの法案を提案されておるわけですから、それは政府の責任において処置するのが当然計画の基礎になっておると思う。したがって、その点の確約を求めているわけで、総理の答弁はちょっと私の質問とは違った答弁になっていると思います。
  250. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 私は、六十年までに赤字が出ないように、財政の健全化ができるように、そういう計画に沿ってのことは政府としてはやるつもりでございます。
  251. 中村正雄

    ○中村(正雄)委員 今後地方線のうちで特定地方交通線として指定されるであろうこの法案の内容については、この委員会でも一番中心課題でいろいろと討議されました。それに対しまする基本的な考え方として、運輸大臣は、これらの地方交通の経営については日本国有鉄道の経営責任を解除して、国と地方自治体において責任を持って地方交通の対策に当たる、このように答弁されました。また、現在地域住民が受けておりまする交通の利便を現在よりも下げないということで国が責任を持ってやるのだ、このように答弁されましたが、これは政府の責任者としての鈴木総理として確約できますかどうか、簡単に御答弁を願いたいと思います。
  252. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 地方交通線問題、特定地方交通線の整理ということにつきましては、その裏づけとして後の地域住民の足を確保するということが一番大事な問題でございますから、その点につきましては政府、国鉄相協力をし、また地元の御協力を得まして足の確保については万全を期したい、こう考えております。
  253. 中村正雄

    ○中村(正雄)委員 ただ運輸大臣と答弁の違います点は、運輸大臣は国有鉄道の経営責任を解除する、国と地方自治体で責任を持つんだ、速記録にはっきり載っておると思いますから、この点は後からお読みになって確約を願いたいと思います。
  254. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 国鉄の責任を解除していただきたいと申しておりますのは、現に国鉄が鉄道として運用しておりますその鉄道としての運用の免除をお願いいたしたい、こういうことを言っておるのでございまして、国鉄が地域交通に何ら責任がない、そんなことは私は一言も申しておりませんし、ましてや代替バスを出そうと言っておるのでございますから、国鉄の責任はそういうことで明確にしていただきたい、こういうことでございます。
  255. 中村正雄

    ○中村(正雄)委員 この法案の趣旨は、先ほども言いましたように、破産に瀕しております国鉄の経営を改善するということが趣旨でございまして、結果として財政の均衡を図る、赤字の解消を図る、その根本はやはり経営の改善にあるということで、政府のやるべき問題と国鉄のやるべき問題とをはっきりと限界をつけて、国鉄は企業体として破産寸前の国鉄を再建する、そのためには一滴の血も流さないけれども、定員削減ということで人員の整理をやる。また、終局的には国民の税金で賄うことになりまする債務の六兆円のたな上げをやるということで、いわゆる減量経営の基盤をつくって、その上で国鉄自身が企業体として合理化の徹底をやり、企業の効率を上げて、言いかえれば企業としての生産性の向上を図って国鉄の再建をやる、これは民間の破産に瀕した企業の再建に当たる人から見れば非常に恵まれた再建の方策であろうと私は思います。私はこの点を運輸省も国鉄自身も十分認識して真剣に取り組んでもらいたいと思います。  したがって、この法案の趣旨が達成できるかどうかは、国有鉄道の総裁以下四十数万の職員が一体となって再建に立ち向かう姿勢ということが根本だと思います。これができなければ私は再建はできないと思います。いままでの答弁の中で、国鉄の総裁その他職員が一体となって合理化の徹底、企業の効率化、再建のために努力をするようにいたします、こういう答弁はいたしておりますが、そういう体制がつくれるという確約はいたしておりません。これが国鉄の現状でございます。  監督官庁でありまする運輸省、政府の責任者でありまする総理大臣に私は特にお聞き願いたいと思いますのは、国民の六兆円に近い血税をつぎ込んで国鉄を再建するわけでございます。したがって、四十数万の職員が一体となって国鉄の再建のために取り組んでいくという体制を国鉄に対してつくらしめると総理は確約できるかどうか、この点お尋ねしたいと思います。決意をお聞きいたします。
  256. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 中村先生御所見のとおり、私も全く同感でございます。これは国鉄労使が本当に一体になり、国民の犠牲の上にこれがなされることでございますから、そのことを十分踏まえてこの再建につきましては最善を尽くしてもらいたい。また、私どもも厳しくその実行につきまして指導し、鞭撻をしてまいる考えでございます。
  257. 中村正雄

    ○中村(正雄)委員 それに関連いたしまして、総理は恐らく国電やあるいは列車にお乗りになる機会はないから御存じないかもわかりませんが、われわれは国電に乗ったり列車に乗って沿線を見ておりますと、日本国有鉄道の建物の中に、合理化反対であるとか、三十五万人体制打破という字が相当書かれております。しかも、国鉄の現場の管理者はこれを見て見ぬふりをいたしております。恐らく総裁も御承知だと思いますが、総裁が現場の管理者にこのような違法状態は排除しろと指令されたということは聞いておりません。それが現在の国鉄の状態でございます。  また、いま総理がおっしゃいましたように、総裁以下四十数万の職員が一丸となって再建に取り組むとすれば、従来のようなサボタージュであるとかあるいはストライキというような違法行為は絶対今後やらさないということを総理に確約願いたい、この点を重ねてお尋ねいたしたい。
  258. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 大変強い御鞭撻をいただきまして、私ども肝に銘じまして御趣旨に沿うように最善を尽くしたい、こう思っております。
  259. 中村正雄

    ○中村(正雄)委員 私は最後に、先ほど加藤君からもちょっとお話がありましたが、国鉄の経営自体の再建という一つの方策はこれが最後の機会ではないかと思います。このことを政府も国鉄の役員も職員も十分考えて真剣に取り組み、少なくとも、この法案の骨子であります六十年度においては、国鉄の分野において収支の均衡がとれるように努力を願いたいということを要望いたしまして、私の質問を終わります。
  260. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 四ツ谷光子君。
  261. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 初めに、二問続けてお尋ねさせていただきます。  本法案の中にある地方交通線対策におきまして、廃止対象とする路線の選定は一方的に政令にゆだねられている。これはこの委員会でも大いに論議をされているところですけれども、その肝心かなめの政令につきましても、運輸省の考えと申しますか、案の案というふうな話がありましたけれども、わずかにそういうものが示されただけであって、これから関係各省庁で協議を重ねていくというふうな状態では、鈴木内閣としては国民に対して全く無責任な態度と言わなければならないと思うのです。先ほど三浦議員が質問をいたしまして、廃止対象路線を選定する際に非常に大切な個々の営業線の決め方が法律上全く欠落をしているという点が明らかになったのですけれども、そのときに鉄監局長が御答弁になりましたが、国鉄の営業線を区分し、特定する場合は、国鉄線路名称を基本にして政令で決めたい、このように御答弁になりましたが、これは営業線区分を政府が自由に動かせる、こういうことです。たとえば現在幹線の一部になっている枝線も抜き打ち的に廃止対象路線に入るかもわからない。そうすれば、地域住民にとってはまさに寝耳に水という重大な事態も起こりかねないということではないでしょうか。しかも、この法律では、営業線を区分し、特定することについて政令に委任していないという点でも全く欠陥法案と言うことができると思うのです。  内閣の総責任者としての総理大臣として、このような法律上致命的な欠陥を持ち、運用上も大変な矛盾と不公正をもたらすような欠陥法案は直ちに撤回をされるべきだと私は思いますが、総理の御所見を求めたいと思います。  もう一点は、政府が今回提案をされましたこの再建法案の内容、とりわけ地方交通線対策の問題が、いままで政府・自民党がとってこられました地方ローカル線に対する政策、言動の上から大いに矛盾がある、こういうことを私は指摘したいと思うのです。  今回の地方交通線対策におきましては、その地域における国鉄の果たしている役割りが、地域住民の暮らしやあるいは経済の上で非常に大きな役割りを果たしているということを非常に軽く見ている。ただ利用人員だとか輸送トン数が一定量以上か以下かということでふるいにかけている、こういうふうなところに非常に欠陥があると私は思うのです。  先ほど久保委員からも言われましたが、総理はかつて鉄道建設審議会の会長を歴任をされたことがございます。この鉄道建設審議会は、赤字に構わず、がばがばとローカル線をおつくりになった、そういう法律上重要な役割りを果たしてこられたところだと私は思っております。総理が鉄建審会長でいらっしゃいました四十八年の十月に、鈴木会長名で越美線と五新線の基本計画の組みかえと、それから宮守線を福知山まで延長するための鉄道敷設法の改正を建議していらっしゃるのですが、その後、五十年にこの建議を受けて宮守線延長のための法改正が政府から提案をされ、全党一致でこれは通過しております。ところが、このときはすでに国鉄は赤字になって再建をしなければならないというふうなことが出ておった。その中で赤字線を建設することの可否を政府は問われて、当時の運輸大臣はこのように答えていらっしゃるわけなんです。「しかし国鉄の持っております使命という点から考えまして、特に過疎地域にいる人たちの生活基盤を整備するという面から考えますと、その地方に鉄道を敷設していくということは国家的には非常に重要な意義を持つわけでございます。したがいまして、国鉄の持っております公共性という面からいきまして、こういう地帯にこういった鉄道新線を建設するということは、またやらなければならない使命の一つであろうと思うわけでございます。」こういうふうに当時の運輸大臣ははっきりとお答えになっているわけでございます。  しかも、この間の中央公聴会で公述人の方が、国鉄の特性について非常に具体的に述べていらっしゃるわけでございます。国鉄はバスに比べて非常に安い。それから、時間も正確である。もし降雪地域であれば、バス等に転換すれば交通事故も起こるであろうし、そういうことを考えると国鉄の果たす役割りは非常に大きい。今度の法案のようにただ運ぶ人数、そういうふうなものだけで地方ローカル線の対策を考えてもらうのは非常に困る。こういうふうな具体的な公述があったわけでございます。  いままで地方ローカル線の問題につきましては、各党派、各地域の人たちの大変な協力の中で進めてこられたし、また歴代の自民党の総務会長が、先ほど言いました鉄道建設審議会の会長を歴任してこられて、地方ローカル線推進の先頭に立ってこられたわけでございます。  そういうふうに考えますと、今度の法案と、いままでとってこられた政府・自民党の立場は非常に矛盾をしているというふうに私は考えるわけでございます。総理・総裁としての鈴木さんと、そして総務会長として、鉄道建設審議会の会長としての鈴木さんと別人格なのでしょうか。その点について総理の明確な御答弁をお願いしだいと思います。
  262. 塩川正十郎

    ○塩川国務大臣 最初に、政令の基準が明確でない、したがって、この法案は欠陥法案であるという御指摘がございましたが、私たちは決してこの法案そのものに何ら瑕疵はあるものとは思っておりません。ただ、この委員会の審議を通じまして私たちが感じておりますことは、要するに政令を制定するに際しまして、公平にして合理的な基準というものを明示するということでございまして、そのことは今後におきます政令づくりの中で必ず御要望に沿うように明確な政令を提示いたすようにいたしたいと思っております。したがって、政令の基準が定まってまいりますと、この法案におきます欠陥性というものはなくなってくるものでございますゆえ、そのようにひとつ御認識を改めていただきたいと思うのでございます。  それから、過疎地域と国鉄との関係でございますが、過疎地域に対する足の確保というのは依然として政府の基本政策の一つでございますから、それは私たちは今後におきましても行政措置をもって足の確保を努めてまいります。しかし、昭和四十八年、第一次石油ショック以降、産業構造の転換なり、あるいはその地方におきます道路の発達、そういう社会的な条件も変わってまいりましたし、また、省エネルギーという問題は国民のこれは必須の課題でございますが、その際にやはり省エネルギーの政策を勘案するならば、交通機関の効率という点から考えてまいりますと、どうしても過疎における足の確保ということと、それがために国鉄を鉄道として運用しなければならぬという問題との間には、やはり政策として考慮すべき点があるのは当然でございますし、そういう点から見ましても、今回国鉄再建の一つの方法といたしまして、鉄道としての特性を失っておるところ、この地域におきますところの鉄道は代替交通機関等に転換いたしたいということをお願いしておるわけでございます。でございますから、過疎におきます交通の確保という問題は、これは行政の責任として今後とも懸命の努力を進めていきますので、これは政策上から申しましても私は矛盾するものではない、こう思っておりますので、御了解いただきたいと思います。
  263. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 塩川運輸大臣からきわめて懇切丁寧な御答弁がございました。その答弁をもって政府の答弁とお受け取りいただきたい。
  264. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 ただいまの総理の御答弁はまことに無責任であります。塩川運輸大臣の答弁のとおりなどとおっしゃいましたけれども、私の質問はそういう質問ではなかったはずでございます。いままで政府・自民党が進めてきた政策と今度の法案の中身とは非常に矛盾をし、国民に対して無責任である、それに対して総理が的確に答弁をなさらないのはまことに無責任と思いますが、時間がありませんので、次に簡単な質問を一つさせていただきます。  総理はこの間の十月三日の所信表明で、物価の安定こそ国民生活を安定させる基礎条件である、このように政府の基本方針をお述べになりました。ところが、来年度以降の予算関連の公共料金の値上げを見てみますと、まずこの国鉄運賃の二千百億円を含め、厚生年金、国民年金、健康保険、郵便、米価など、各料金が軒並み値上げを予定しておって、約二兆円の負担を国民にかけよう、こういうふうな状態に追い込んでいるわけです。これは物価対策上から見ましても国民生活を直撃するものである、総理がおっしゃった物価の安定こそ国民生活を安定させる基礎条件である、この点から見てもきわめて遺憾なできごとではないか、このように思います。  ここで国鉄運賃の問題だけにしぼりますと、国鉄運賃の値上げ、しかも引き続きましてこれからもどんどん上げていくとおっしゃっています。先ほどから抑えるとおっしゃっているけれども、上げていく方向には変わりがない。それから、地方ローカル線についても、五〇%もの割高運賃を導入しようということがはっきりしてきたし、定期の割引率についてもさらに引き下げよう、まさに国民の国鉄離れを促進するような方向で国鉄運賃の値上げを進めていこうとしている。これでは物価対策上から見ましても、また国鉄を再建するという観点から見ましても、国鉄はますます国民から愛されなくなってしまう。これでは経営基盤を確立するということにほど遠いのではないか、さらに減量経営を進めていかなければならない、こういう事態に落ち込むのではないかというふうに思います。  その点、このような所信表明をされました総理として、物価対策上、国民の暮らしを守るという観点からと、それから国鉄を真に国民の足として、国民の足を守るために、国鉄運賃の値上げ、これを凍結されるお考えはないかどうか、これをお聞きしたいと思います。
  265. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 公共料金の問題につきましては、短期的な視野とまた長期的な観点、こういう点をよく考えなければならないわけでございます。当面これを抑える、それは目先はいいのでありますけれども、将来にわたって大変な禍根を残す。国鉄財政にしても御承知のような厳しい状況下にございます。私どもは国民の税金でそれを負担するのか、受益者に応分の御負担を願うのか、こういう観点でこの問題は御検討をいただきたい、こう思います。消費者物価等、国民の生活を守る点につきましては、私ども政府を挙げて全力を尽くしておるところでございます。
  266. 四ツ谷光子

    ○四ツ谷委員 どうもありがとうございました。
  267. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 中馬弘毅君。
  268. 中馬弘毅

    ○中馬委員 このところ交通面の時代的な背景がずっと大きく変わってきているわけです。高度成長時代のように利用者がどんどんふえるわけでもなければ、あるいは道路も山奥まで整備されて、農家の自動車の保有率はほぼ一〇〇%という状況になっています。また、鉄道が通ったら町が、あるいは村が発展するということでもなく、逆にス-パーあたりが一つ店を開いた方が町が発展するというようなことでございます。それから、新幹線が通ったからといって、逆にそれは場合によっては過疎化を促進させているかもしれません。一つのバキューム効果ということで地方からどんどん東京の方に管理機能が移ってしまって、地方は少しさびれるというような状況にもなってまいります。人の意識も変わってまいりまして、少々高くてもスピードが速かったらその方を利用するし、あるいは安くてもサービスが悪かったら利用しないというようなことになってきているわけです。  先ほど総理は、飛行機だとか鉄道だとか、あるいは自動車の特性を生かした効率的な交通体系を再構築するということを西中委員の御質問に対して答弁されたわけでございますけれども、今度の法律がただ単に国鉄の再建のための地方線の足切りではなくて、それぞれの交通の特性を生かしてバスに転換するということで、私たちはこれを評価しているわけですね。ところが、総理の御答弁の中で少しおかしいと考えられるところがありましたので、そのところを確かめさせてもらいます。  整備新幹線の問題が出ましたですけれども、それは閣議了解をしているからやるんだ、あるいは財源が調えばやるんだというお答えでございました。そうすると、本当に特性を生かした検討ということはもう聖域になってしまうのか。閣議で了解したからこのことは全く交通の特性に関係なく実施するんだというようにもとれてしまうのですけれども、そこのところはどうなんですか。そういうことも含めてもう一度一から交通の特性を生かした体系を組み立てるというおつもりではないのか、そこのところの御答弁をお願いしたいと思います。
  269. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 整備五線の問題は、わが国の将来の展望に立ったところの総合交通体系の骨格としてもともと立てたものでございます。ただ、現在その財源対策、また交通体系の形成に当たりまして他の交通機関との関連というものを十分配慮しながらこれを進めなければならないというのが私の考え方でございます。
  270. 中馬弘毅

    ○中馬委員 そういうことも含めて、本当に時代に合った交通体系を再構築されることを望んでおります。  それから、冒頭に加藤委員から御質問があって、お答えをお求めになっておりませんでしたけれども、今度の特定交通線の選定、これは大変むずかしい問題だと思うのです。それぞれの方々にも各地域、各団体から陳情がたくさん来ているのですね。そうすると、国鉄当局の厳正中立的な基準に基づいて、いささかも政治的な配慮あるいは国民の疑惑を招くような決定を絶対させないということを、加藤さんはお答えをお求めになっておりませんでしたけれども、総理からひとつここで明言をしていただきまして、質問を終わらせたいと思います。
  271. 鈴木善幸

    ○鈴木内閣総理大臣 この法律の精神に基づきまして最も適正合理的な基準を設定をいたしまして、それに基づき政令等がつくられた場合には、その運用に当たりましては厳正に、いささかも国民の疑惑、御批判を仰ぐことのないようなりっぱな運営をやってまいる、このことをはっきり申し上げておきます。
  272. 中馬弘毅

    ○中馬委員 終わります。
  273. 小此木彦三郎

    ○小此木委員長 次回は、来る三十一日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時十六分散会