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1980-04-24 第91回国会 衆議院 災害対策特別委員会 5号 公式Web版

  1. 昭和五十五年四月二十四日(木曜日)     午後二時八分開議  出席委員    委員長 藤田 高敏君    理事 天野 光晴君 理事 斉藤滋与史君   理事 高鳥  修君 理事 三ツ林弥太郎君    理事 米田 東吾君 理事 田中 昭二君    理事 中川利三郎君 理事 神田  厚君       逢沢 英雄君    有馬 元治君       鹿野 道彦君    高橋 辰夫君       東家 嘉幸君    原田昇左右君       堀之内久男君    保岡 興治君       斉藤 正男君    新盛 辰雄君       田口 一男君    吉原 米治君       渡辺 三郎君    武田 一夫君      平石磨作太郎君    薮仲 義彦君       山田 英介君    林  百郎君       横手 文雄君    田島  衞君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (国土庁長官) 園田 清充君  出席政府委員         国土庁長官官房         審議官     柴田 啓次君         農林水産大臣官         房審議官    塚田  実君  委員外の出席者         警察庁刑事局捜         査第一課長   加藤  晶君         警察庁交通局高         速道路管理官  榧野 敏雄君         行政管理庁行政         監察局監察官  増島 俊之君         厚生省社会局施         設課長     岡光 序治君         農林水産省経済         局保険業務課長 湯浅 昌治君         林野庁業務部業         務課長     田中 恒寿君         通商産業大臣官         房参事官    福原 元一君         通商産業省立地         公害局保安課長 柴田 幹夫君         資源エネルギー         庁公益事業部ガ         ス事業課長   緒方謙二郎君         資源エネルギー         庁公益事業部ガ         ス保安課長   石田  寛君         気象庁観測部地         震課長     渡辺 偉夫君         労働省労働基準         局安全衛生部化         学物質調査課長 加来 利一君         建設省都市局都         市防災対策室長 長谷川義明君         建設省河川局都         市河川課長   陣内 孝雄君         建設省河川局災         害対策調査室長 高畠 志朗君         建設省河川局傾         斜地保全課長  近森 藤夫君         建設省道路局路         政課長     山本 重三君         建設省道路局道         路防災対策室長 藤井 達也君         消防庁予防救急         課長      中島 忠能君         消防庁防災課長 山越 芳男君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     持田 三郎君     ――――――――――――― 四月十八日  佐賀市東部の水害復旧工事促進に関する陳情書  (佐賀市兵庫町兵庫公民館内兵庫町排水対策委  員会長柴田正清)(第一七一号)  山形県川西町の豪雪対策に対する財政措置等に  関する陳情書外三件(山形県東置賜郡川西町長  横沢三男外三名)(第一七二号)  山形県高畠町の豪雪に伴う特別交付税増額等に  関する陳情書(山形県東置賜郡高畠町長島津助  藏)(第一七三号)  南陽市の豪雪に伴う特別交付税増額等に関する  陳情書(南陽市長新山昌孝)(第一七四号)  米沢市の豪雪に対する特別措置に関する陳情書  (米沢市長長俊英)(第一七五号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  災害対策に関する件      ――――◇―――――
  2. 藤田高敏

    ○藤田委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  災害対策に関する件について、調査のため、本日、日本道路公団理事持田三郎君に参考人として御出席を願い、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 藤田高敏

    ○藤田委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。      ――――◇―――――
  4. 藤田高敏

    ○藤田委員長 災害対策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤正男君。
  5. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 最初に、去る二十二日十四時三十分過ぎ、関東、東北、東海地方に地震がありました。承りますと、この地震は地震の形としては珍しい、と言うとおかしな表現ですけれども、通常われわれが知っている地震とは異なった地震だというように承っておるわけでありますけれども、専門的な立場から説明をいただければありがたいと思います。
  6. 渡辺偉夫

    ○渡辺説明員 お答えいたします。  一昨日、二十二日の十四時三十五分に、震源地としましては東海はるか沖で、地震が起こりました。これは御前崎の真南の約三百キロの地点で、その位置から四百二十キロの深い地震でございます。この地域としては非常に深い地震でございます。  この地域の地震は、日本の全体の特性から言いますと、深い地震の起こる地域になってございます。といいますのは、これは太平洋側が非常に浅くて、日本海側あるいは西側に行くに従って深くなっていくという、日本の地震の特性を持っております。これは昨年の三月にも四百四十キロの深さの地震が起きておりまして、一年に一遍か二遍は起こる地域でございます。  こういう地域で、大体マグニチュードが今回の場合は七クラスで、比較的大きい地震でございました。従来ですともっと小さい、深くても小さい地震でございましたけれども、先生もおっしゃいましたように珍しいといいますか、非常に変わった地震でございますが、従来のいろいろな調査を調べてみますと、起こり得べきところにこの程度の深い地震が起こったということでございます。  以上でございます。
  7. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 地震の性質としてはよくわかりました。  たまたま報道に、私ども静岡県の中に掛川という市がございますけれども、「掛川の真南三百キロ」というようなタイトルがついた新聞もございますし、御説明いただきましたように「御前崎南方三百キロ」というような説明もございました。  私ども静岡県民は、静岡県南方海上に起きた地震はすべて東海大地震に関連をして考える傾向が強いわけであります。この二十二日の地震と、予想される東海大地震との関連はいかがでございましょうか。
  8. 渡辺偉夫

    ○渡辺説明員 お答えいたします。  結論的に申しますと、直接関係はございません。  その理由の幾つかを申し上げますと、距離が離れているということと、深いということが一つございます。もっと本質的なことは、一昨日起こりました地震は、最近の専門的な用語で言いますと、海洋底拡大説あるいはプレートテクトニクス、これは新聞によく書かれております。その学問的な判断といいますか、解釈から言いますと、太平洋プレート上に起こった地震が今回の深い地震でございます。起こり得べき東海地震は南海プレートでございまして、起こすべき板といいますか、プレートが違います。ですから、両方の間にはこれは直接の関係はございませんので、私たちは、先ほど申し上げましたように、直接の関係はございませんと申し上げました。  以上でございます。
  9. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 私どもはよく理解できました。もちろん、気象庁としましては、これらの地震の発表については慎重な発表をいただいているし、学問的な、しかも国民に理解しやすい発表をしていただいておることは十分承知をいたしております。ただ、報道関係等がやはり特に特定の地名を使いますと、ぴんとくるというのが県民の実態でございまして、気象庁の発表が悪いとかなどと申し上げているわけではありません。今後とも、この種の発表について正確な、迅速な発表をぜひとも的確にやっていただくようお願いを申し上げておきます。  突然のお尋ねで恐縮でございました。ありがとうございました。  続いて、残念なことでありますけれども、私ども静岡県は、昨年に引き続き、しかも同じ日に晩霜の害に遭いました。四月十七日夜半から異常な気温の低下が起こりまして、十八日朝、晩霜の被害が発生したわけでございますけれども、「八十八夜の別れ霜」という言葉を私どもは子供のころから承知をしております。八十八夜はことしは五月二日でございますが、八十八夜でも霜がおりるのだということはあり得ることでありまして、四月十八日の霜が晩霜と言えるかどうか、いろいろ議論のあるところでありますけれども、昨年もいみじくも四月十八日が第一回の、しかも被害が激甚であった晩霜であります。ことしもまた同じ日に晩霜がおりまして、昨年ほどではありませんけれども、茶を中心とした農作物に、産地としてはかなり甚大な被害を受けておるわけであります。  すでに一週間経過しようといたしておりますので、被害の実態について農林水産省では報告を受けている、あるいは調査をいただいているというように思いますけれども、その実態について御報告をいただきたいと思います。
  10. 塚田実

    ○塚田政府委員 お答えいたします。  御指摘のとおり、四月十六日から十八日にかけまして、移動性高気圧の影響を受けまして、全国的に冷え込みが厳しく、関東、東海、近畿、中・四国及び九州地域に霜がおりまして、農作物に被害が発生しております。  被害の状況につきましては、農林水産省におきまして統計情報部において鋭意調査中でございますけれども、都道府県からの報告、四月二十三日現在、きのうでございますが、それによりますと、関東地方を中心に、約三十億円の被害が発生しております。  最も被害が大きい県は静岡県でございまして、被害額は、茶、果樹、桑等を含めまして約十九億円となっております。そのほかでは、宮崎県が茶などで約四億円、奈良県が果樹を中心にしまして約三億円、そういう状況になっております。
  11. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 御説明をいただきましたように、全国各地に被害を及ぼしておりますけれども、三十億円のうち約二十億円、その三分の二は静岡県でございます。静岡県のうちでも、昨年は中・東部にかけてもかなり広範な地域で発生をいたしまして、その被害九十億と言われておりましたが、ことしは幸いにして県下全般というわけではございませんで、主として西部、中部の一部、こういうことでございまして、お茶だけでも十八億七千二百万程度の被害だと言われておるわけであります。  そこで、昨年は百億余の全国的な被害でございましたので天災融資法の適用も直ちにいただいたわけでございますが、ことしは全国の被害を集めても三十億ということで、天災融資法の適用については不可能というように私も思います。しかし、天災融資法が適用できないということは、現在の規定からいってそうなるのでありましょうけれども、気持ちの上では、やはり天災融資法を適用するだけの配慮が望ましいと私は思うわけでございますが、そこら辺の事情についてお答えいただければありがたいと思います。
  12. 塚田実

    ○塚田政府委員 お答えいたします。  天災融資法の発動でございますけれども、この法律の発動は、御案内のように、農作物等の被害が著しく、かつ、国民経済に重大な影響を及ぼすというような場合に行われるものでございまして、過去の災害の事例から徴しますと、先ほど申し上げましたように全体で三十億程度ということでありますると、御指摘のとおり天災融資法を発動することは非常にむずかしい事情にあります。  しかしながら、要は被害を受けた農業者に対してどのように援助するかということでございますが、天災融資法は御案内のように資金の供給を目的とするものでございます。そこで、私どもといたしましては、被害農業者が農業経営の維持継続のために利用可能な資金といたしまして、自作農維持資金というものがございます。そうした資金を活用してこの災害に対処してまいりたい、このように現在では考えておる次第でございます。
  13. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 お話にありました自作農維持創設資金は、最高貸付額が百五十万円、三年据え置きで、二十年償還というような形になっておりますけれども、先ほども申し上げましたように、昨年大被害を受けているわけであります。しかもこれらのことしの被害者の中には、昨年八月の台風による塩害を受けている農家も多いわけでありまして、昨年の晩霜の被害、そして台風による塩の被害、そして今度の晩霜の被害というようにダブルパンチを受けているわけでございましてここを何とか、重複借り入れができないような形になっておりますけれども、この自作農維持創設資金につきましての特段の配慮はできないものかどうか、お答えをいただきたいと思います。
  14. 塚田実

    ○塚田政府委員 お答えいたします。  今回の静岡県を中心にいたします凍霜害につきまして、自作農維持資金によって対応しようということでございますが、この資金は、御指摘のように年利四・六%と金利としてはかなり低い、それから償還期限も据え置き期間三年以内、二十年償還ということでございます。  そこで私どもといたしましては、被害の実態に即した資金需要額を確保するということで努力してまいる所存でございますし、県とも現に連絡をとりつつあるわけでございます。  そこで、貸付限度でございますけれども、現在限度額百五十万円ということになっております。私どもとしましては、県との調整では現時点ではこれで対応可能と考えておりますけれども、御指摘のような重複被害があり、それがその農家にとって相当な打撃であるということでありますれば、ケース・バイ・ケースの問題になりますけれども、検討する気持ちは持っておりますが、現在のところでは対応可能ではないか、このように考えている次第でございます。
  15. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 もう一つ、近代化資金の借り入れが盛んに行われております。茶の生産農家にいたしましても、十アールぐらいな茶園を大きなテント式で覆うというような、一面霜を防ぐための施設であり、一面茶の品質を向上させるためのみるめと申しますか、タンニン分を直射日光からさえぎって減らすための近代化の装置なども、莫大な金を借り入れてやっているわけであります。こりいういろいろな施策をやって、よりよい茶を生産しようとしている農家の熱意の出ばなをくじいたという形に、今度の晩霜はなっているわけでありますので、こうした近代化資金の借入農家に対して、償還期限を延長するとか、あるいは地方自治体、農業団体等が特別な配慮を払うというような形での行政的な指導等も強く要請をするわけでありますけれども、いかがでございましょうか。
  16. 塚田実

    ○塚田政府委員 お答えいたします。  災害によりまして被害を受けた農業者が、近代化資金など公庫資金も含めまして制度資金を借り入れるという場合には、償還が困難な場合がもちろん生じます。そこで私ども、農業近代化資金については従来から、法令の範囲内で償還期限及び据え置き期間の延長ができるということにしております。  個々の契約を見ますと、法令と実際の契約との間にはかなり差異がございます。たとえば静岡県について見ますと、農機具につきましては法令の償還期限が七年でございますけれども、現実の契約の平均は個人の場合で五・二年ということになっておりますから、その間は償還期限の延長ができるわけでございますし、同様に、建構築物ですと法令上の期限が十二年以内ということになっておりますけれども、個人は五・四年でございますからまだかなりの間がある。据え置き期間にいたしましても、建構築物の場合は期間が三年でございますが、平均的な期間は一・七カ月ということになっておりますから、そういう意味で、私ども、法令の範囲内で償還期限、据え置き期間の延長をそれぞれの農家の実情に応じて弾力的に措置するように、関係金融機関を指導していきたい。  現に今回の場合につきましても、所管局は関東農政局でございますけれども、関東農政局を通じて関係の県に、被害の実態に即して償還期限なり据え置き期間を延長するように指導しているところでございます。  以上は近代化資金でございますが、農林漁業金融公庫資金についても同様な措置ができますので、これについても指導を行っているところでございます。
  17. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 国におきましては十分な配慮をしていただいているし、なお今後もするというお約束で、大変力強く思うわけでございますけれども、個々の農家にとってみますと、やはり、関係団体あるいは自治体等を通じて要請するわけでありますけれども、こういう国の配慮が末端までなかなか浸透していないというような例も間々あるわけであります。今後関係自治体なりあるいは関係農業団体等よりそれぞれ強い要請があるかと思いますけれども、ぜひ的確な対応をお願いいたしたいと思うわけであります。  今回の晩霜の被害をつぶさに見て、やはり御指導、御援助をいただいている防霜ファン、霜を防ぐための扇風機、これ以外にもう決め手はないという結論を出しても差し支えないほど、防霜ファンの設置個所には被害が発生してない。タイヤをたいたり、あるいはほかのもので被覆をしたりというようなことをいたしましても、何の効果もないと言っていいほどです。決め手はもう防霜ファンしかないと思います。  年々多くの要望にこたえて順次補助をいただき、この施設がふえておりますけれども、まだまだ不十分であります。並んでいる茶畑でも、防霜ファンのあるところは何の被害もないのに、その隣で、ファンがないために真っ黒になってしまったという例が各地に散在しているわけであります。  私は、決め手として、今後この防霜ファンの設置を行政的にも指導いただくと同時に、補助の面でも特段の配慮をいただきたいと思うわけでありますが、何も茶の晩霜を防ぐための補助金という枠ではないんだということを説明で聞きました。なるほど、ほかにもいろいろある中の一部分であって、容易なことではないという認識は持っておりますけれども、この制度について、さらにこの防霜ファンの今後の助成について、当局の見解を伺いたいと思います。
  18. 塚田実

    ○塚田政府委員 お答えいたします。  茶園の防霜ファンでございますけれども、これは、いま御指摘のように凍霜害に対して非常に有効である、今回の災害につきましても非常に効果があったと、私どもも報告を受けております。  そこで、私どもといたしましては、従来から特産畑作振興対策事業というものによりまして、その設置を助成してまいってきたところでございます。昨年、五十四年の凍霜害を契機にいたしまして、産地から設置の希望が増大しているということであります。  そこで、五十五年度をどうするかということで内部でいろいろ検討したわけでございますが、五十五年度からは四カ年計画で、新たに特産畑作整備促進事業を実施することとしまして、この事業により、特産物の生産体制の整備の一環として、茶園の防霜ファン等の整備を促進するということにしたわけでございます。  また、今回の霜害につきましては、被害実態を十分把握しまして、今後とも災害の発生を極力未然に防止するということで、防霜施設、防霜ファンの計画的な設置並びに技術指導の徹底に努めてまいりたい、このように考えております。この施設、非常に有効でありますので、私ども、こうしたものの整備につきまして今後とも努力してまいりたいと考えております。
  19. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 特産畑作基盤整備事業の一分野として茶に対する防霜ファンの補助をやってきたし、さらにことしを契機に四カ年計画を立てて内容を充実していきたい、ありがたい配慮でありますけれども、いろいろな特産畑作物に対する基盤整備のための補助事業でございますから、防霜ファンだけではないということだと思います。しかし、お話にありましたようにやはり非常に効果がある、これが決め手だというところまで来ているわけでございますので、なお特段の配慮を要請しておきたいと思うわけであります。  最後に、災害は忘れたころやってくるという言葉がありますけれども、もう忘れないうちにやってきているのでございまして、私は、茶の生産農家のためにも、共済制度というものがぼちぼち日の目を見てもいいんじゃないかという気持ちがあるわけであります。しかし、お茶そのものが非常にむずかしい厄介な農作物でございまして、生産農家にもいろいろな気持ちを持っている人がおるし、団体もまた茶農家の意見をまとめるのになかなか困難しているという点もよくわかります。一体この共済制度はどの程度まで検討されているのか、伺いたいと思います。
  20. 塚田実

    ○塚田政府委員 まず私から茶の共済制度、昨年も凍霜害がありましてかなり要望があったわけでありますが、制度面についての御説明を申し上げ、後で、技術的な問題がかなりありますので、担当課長から御説明させます。  茶の共済制度につきましては、昭和五十四年度から畑作物共済について法制化がなりまして、本格実施になったわけでございます。したがいまして、茶について共済を行うということになりますと、法律改正ではなくて政令で追加するということでやれるわけでございます。  問題は、この茶の共済を実施しますのに、御指摘のように非常な技術的な問題があるということでございます。私ども農林水産省としては、農業共済によりまして、被害を受けた農家の経済的損失をできるだけ少なくできるわけでございますので、制度的に技術的に可能であれば、できるだけ早くこれを実施したいという気持ちでおります。そういう意味で鋭意検討しているわけでございますが、なかなかその技術的な問題が多いということでございます。  その点につきまして、保険業務課長の方から御説明させます。
  21. 湯浅昌治

    ○湯浅説明員 技術的な問題について若干御説明をさせていただきます。  現在畑作物共済で対象にしておりますのは、バレイショとかてん菜あるいは豆類、サトウキビというふうな六作物が対象になってございますが、これらの共済の仕組みは、収穫量が二割あるいは三割を超える減収になりました場合に共済金を支払う、そういう制度になっておるわけでございます。  先生先ほどお話ございましたように、お茶につきましては大変むずかしい問題がございまして、摘採、お茶を摘む時期でございますとかあるいはその方法によりまして、収穫量が非常に変わってくるという問題もございますし、また災害によりまして摘採時期がおくれますと、非常にまた価格が下がっていくという問題がございます。  したがいまして、収量保険というふうな基調になっております畑作共済にこれを乗せます場合に、一体収量だけでいいのか、品質低下はどうするのかという問題が絡んでまいるわけでございます。そういう問題につきまして、各主要県の担当者等を集めまして、いろいろ昨年来鋭意検討を進めておるわけでございますが、技術的に申しますと、基準収穫量の推定でございますとか、あるいは損害評価の際に収量をどういうふうにしてつかむか、あるいは品質低下をどういうふうにしてつかむかというふうな問題につきまして、目下鋭意検討を進めておる段階でございます。  以上でございます。
  22. 斉藤正男

    ○斉藤(正)委員 技術的に非常に困難だということは前々から承っておりますし、私もそう思います。しかし、こう頻発したのでは、やはり共済制度を確立する以外にないというようにも考えておりますので、なお関係者と協議の上、鋭意実施の方向で検討されんことを要望して、私の質問を終わります。  ありがとうございました。
  23. 藤田高敏

    ○藤田委員長 林百郎君。
  24. 林百郎

    ○林(百)委員 当災害委員会というのは非常に広範な災害問題について取り組んでおられますので、私は、きょうは長野県のような山国での道路に伴う災害、この問題について当局に質問したいと思うのです。  一般国道、地方道とも、長野県の場合を見ますと、その改良率は全国平均に比べて著しく低いわけでございます。  五十三年四月一日現在の改良率を見ますと、国全体では一般国道で八六・四%、長野県は一〇%低い七三%、都道府県道では全国五七・二%、長野県ではこれもまた一〇%ぐらい低い四六・一%、市町村道に至っては全国二四・五%、長野県は一七・六%ということになっております。  つまり、長野県の道路改良率が、全国平均と比べて著しく低いことが歴然としているわけでございます。これは決して長野県が道路改良を他の都道府県に比べて怠っているということではなくて、長野県の今年度の道路予算を見ますと、公共事業費で二百九十三億円、単独で百七億円で、計四百億円であります。五十四年度は四百二十九億円となっておりまして、これは全国都道府県中の最も予算額の多い部類に入っておるわけでございます。それにもかかわらず、長野県がこのように改良率が全国平均より低いというのは、何といっても、道路の延長が非常に大きい割りに国の補助が十分でないということも一つの原因だと思います。  特に長野県の場合、道路の占めているシェアは全国の四・四%と非常に大きいわけでございます。それに対する国の援助が十分でない、国の予算が限られておるということから、いろいろの災害が起きてきているわけでございます。  実はここに写真を持ってきておるわけでございますが、去る四月十八日に、長野県の下伊那郡喬木村というところで、大島阿島線という約九キロメートルぐらいの県道があるのでありますが、ここで学童を三十二名、そのほか運転手、車掌、村の主婦等を含めて、三十五人の人が乗っていたバスが川に転落をいたしまして、そして三十数名の学童が負傷し、車掌は肋骨が折れて肺臓へ入りまして重態になっておる、胸の骨を折って三カ月の重傷を負っている、こういうような事態が起きているわけでございます。  「小、中学生三十二人と一般客など合わせて三十四人が顔、頭や手足を打ったり、切って一週間から十日間のケガをし、飯田市立病院で手当てを受けた。筒井さんと腰を打った同村氏乗、主婦木下しげさんは入院した。」というような事態が起きております。  私がこれを重視するのは、将来成長を期さなければならない児童を部落から学校へ運んでおるバスが転落をするという状態について、これは放置するわけにはいかないというわけなんでございまして、建設省の方にちょっと写真を見ていただきたいのですが、これは現場は、喬木村の中心部から県道阿島大島線で約五キロ上った地点で、右側の方は切り立ったがけを回り込むように緩やかに右カーブ、幅員は三メートルで、バス一台がやっと通れる個所だ。「幅員は広いところでも四メートル程度で、全線にわたって乗用車のすれ違いも難しい。」というところであります。  子供たちの声を聞きますと、「前から三番目の右側座席に乗っていた同村大島の内山千鶴さん(喬木中一年)は「くるくるまわって、あっという間に落ちた感じ」と、打ったあごを痛そうに手で押える。頭を切って、縫ってもらったという同村桃添の富内晃君(喬木第一小一年)は、母親に抱かれながら、ポカンとした表情で、ショックから抜け切らない様子。「バリバリッと割れたフロントガラスから、やっと外へはい出した、もうバスに乗るのがこわい」と語る男子の中学生もいる。一通り負傷者の診察は一応終わっているが、小中学生たちは「もうバスに乗るのはいやだ、せめてガードレールでもあれば」と言うが、これもないという状態のところを毎日二十数名の小中学生が通っている、こういう状態なんです。  ところが、これに対して飯田の建設事務所は何と言っているかというと、「村からガードレールを設置してほしいという要望もあった。が、現在の幅員ではガードレールを取り付けると車体が長いバスは通れなくなってしまう。幅員を広げるには山側の斜面を削るしかないが、予算の問題もあって、早急というわけにいかない。交通量などを考慮しながら検討したい」、要するに、ガードレールを取りつけると車体が長いバスは通れなくなってくるから、ガードレールを取りつけるわけにいかない。幅員を広げるには山側の斜面を削るしかないが、予算の問題があってすぐというわけにいかない。こういうところを毎日毎日三十数名の小中学生が部落から学校へ通っている。  こういう事態に対して、国としては、県道ですけれども、県で予算がないといえば、ガードレールもつけるわけにいかないし、幅員を広げるわけにもいかないのでしょうか。国としてこれを何とか援助して、「再びもうバスに乗るのはいやだ、せめてガードレールでもあれば」と言うかわいい子供たち、そしてこの子供たちの父兄のこの心痛にこたえる、そういう措置はないのでしょうか、それをお聞きしたいと思います。
  25. 藤井達也

    ○藤井説明員 お答えいたします。  先生の御質問ありました一般県道大島阿島線につきましては、長野県下伊那郡の喬木村にあります延長八・八キロ、幅員につきましては三メーターから四メーターの県道でありまして、昭和五十一年四月に県道に認定された道路であるわけです。  昭和五十一年から、県におきましても、単独事業で、突角の切り取り、待避所の設置、それから落石の発生のおそれがあります個所に対して、防災工事を逐次実施してきたわけでございます。  国の補助事業といたしましても、昭和五十五年度に新規に突角芟除を目的としました特改二種事業を施行することにしております。  このように、本路線につきましては、全線未改良という状況でありますので、今後、現在実施しております県道の防災事業、それから局部改良事業を中心に進めているところでございますが、今回の事故の実情を踏まえまして、さらに整備を進めるよう長野県を指導してまいりたい、このように考えております。
  26. 林百郎

    ○林(百)委員 実はこれから指導するといっても、毎日通っておりますので、道の片側はもういまにも崩れそうな岩が露出している、それから左側の方は路肩がもう、ガードレールもないくらいですから崩れかけている。そういうところを毎日大型バスが通っているわけなんですからね。  それで、父兄から言わせれば、不安で子供たちを学校へ通わせるわけにいかないということになっておりますので、せめてこの個所については特二の事業で――カーブもありまして、見通しもきかないところなんだから、それで運転手に実情を聞いてみますと、石があったので、普通なら運転手がおりて石を除かなければならないのに、その石を除くのを省いて回ろうとしたらば、道路の一角が川の方へ崩れてしまって転落したということなんですが、部落民の人たちの気持ちから言うと、毎日ここへ子供を通わしているわけなんですから、そういう現実に事故の起きたところへは新たに特二の事業を、県とも相談して個所づけする、そういうことはできないですか。そうでないと、部落の人たちの不安、父兄の人たちの不安というものはたまらないものがあると思うのですね。
  27. 藤井達也

    ○藤井説明員 先ほど御説明いたしましたように、路線全体が非常に危険個所が多いわけでございます。被害個所につきまして県の方から聞きましたところ、全線の中で、危険はあるとはいっても、非常に著しい個所とは考えられないという話も聞いております。  いずれにしましても、事故原因の究明を待ちまして対処してまいりたい、このように考えております。
  28. 林百郎

    ○林(百)委員 危険個所が方々にあるから、ここはまだなるい方だと言っても、なるいところでバスが転覆して、通学の子供三十数名が負傷しているので、部落の人たちの感情から言えば一それは違うところには危険個所があるでしょう。私も行ってみましたけれども、約九キロメートル近くの間に幾らもある。しかし部落の人たちの感情から言えば、実際事故の起きたところへ国や県がすぐ手当てをして、子供たちの将来のことも十分考えて、将来はさらに改良はしていくということが道路行政上必要じゃないでしょうか。それは二千万かそこらのものでできることなんですから、それをここへ新しくつけるということは国としては考えられないのですか。部落の人の意見、村の意見、県の意見を聞いて、そういうことはぜひやってもらいたいと思うのですが、、どうですか。  そうでないと、部落の人たちの感情、八十戸ぐらいありますけれども、これはもう不安で、子供たちを学校へ通わせるわけにいかないのですから、他にもっと危険な個所があるからここは後回しだということで、部落の人たちの感情をおさめることはできないんじゃないですか。
  29. 藤井達也

    ○藤井説明員 長野県及び地元等の意見を聞きまして、よく事情を聞きまして対処してまいりたい、このように考えております。
  30. 林百郎

    ○林(百)委員 そうすると、新たに特二の改良事業をここへ個所づけするということもあり得るわけですか。
  31. 藤井達也

    ○藤井説明員 そういったことも含めまして、長野県の方ともよく相談しながら対処してまいりたいと思います。
  32. 林百郎

    ○林(百)委員 だから、あり得るかどうかということを聞いているのですよ。長野県の方で要望すればあるのですか、そこを聞いているのです。特二の事業を個所づけするかどうか。
  33. 藤井達也

    ○藤井説明員 いずれにしても、よく事情を聞きまして対処させていただきたい、このように考えております。
  34. 林百郎

    ○林(百)委員 それじゃ回答にならないのですよ。だから、国の方でやってくださるならば県の方も御協力します、部落民の感情、三十数名の子供が毎日通っている個所、そういう個所だから、国の方でも、県の方で要望すれば私の方も協力しましょうと言えば県の方はやると言っているし、私も行ってみましたが、村の方は、ぜひここを特二で、カーブを削り、突角を削り、そして幅員を若干広げてガードレールをしてもらいたい、こう言っているのですよ。  これは生活道路なんですよ。ところが、あなた方の道路行政を見ますと、大型プロジェクトにはものすごい金を使っているのですね。五十五年度の予算を見ますと、高速道路関係には七千億円、財政投融資も入れれば二兆円もかけているわけでしょう。これに対して都道府県道は五千二百二十八億円ですね。前年より下回っている。市町村道に至っては千九百五十三億円しか見ていない。高速自動車道路へ二兆円もかけているのに、市町村道路へは千九百五十三億円しか見ない。しかも、市町村道路というのは生活道路なんですよ。高速自動車道路というのは特定の人が使う特権的な道路ですよ。小さい子供が毎日学校へ通うなんという道路は、これは生活道路なんですよ。これに対して、あなたみたいに「バスが転覆しても、もっと危険な個所も方々にありますので、県の方とも相談して、どうなるかわかりません」という回答がありますか。特二でしょう。特二と言えば二、三千万じゃないですか。そのくらいのものが出ないということはないじゃないですか。
  35. 藤井達也

    ○藤井説明員 長野県とも相談いたしまして、すでに個所づけ等も終わっていることでありますので、十分状況を聞きまして、御先生の御趣旨のことも踏まえまして相談してまいりたい、このように考えております。
  36. 林百郎

    ○林(百)委員 先生の御趣旨も体してということは、もし国が協力してくれるならば、こういう地域住民の感情もありまして不安を解消しなきゃならないから、国の方で積極的に特二の改良事業でここをやってやれということがあれば、県の方もやりましょう、県の方の財政だって、個所づけをして相当厳しいものだと思いますけれども、国の方がそういう意図を持っているならば県の方もやりますと言ってますが、そういう私の趣旨に沿うというのですか。何だかはっきりしないのだがね。
  37. 藤井達也

    ○藤井説明員 お説のとおりでございます。
  38. 林百郎

    ○林(百)委員 それからもう一つ、林野庁の方は見えていますか。――林道で、具体的に言いますと、国道百五十二号線がなかなかできないものですから、いまスーパー林道を生活道路と同じように使っているわけなんですね。それで林野庁の方からは、これを併用林道にしたらどうかという申し出があるというのですよ。そこで私、当該の地方自治体へ行って聞きましたならば、併用林道となった場合の維持管理費はどうなるのかということなんです。どうせスーパー林道が通っているようなところですから、財政の豊かな市町村というわけではないわけですね。過疎債だとか辺地債等に依存している市町村が多いわけなんですから、併用林道にした場合のその林道の維持管理費というのはどういうことになるわけなんですか、説明してください。
  39. 田中恒寿

    ○田中説明員 併用林道にいたしますと、その林道の利用の実態、こういう場合で申し上げますと、国有林野事業で使われる車両の種類あるいは重量と一般利用との利用割合によりまして、それぞれ維持修繕費を比例案分するような協定を結びまして、お互いがその維持修繕にそれぞれの責任を果たしながら維持する、一部当該市町村の方にも維持費を出していただくということになります。
  40. 林百郎

    ○林(百)委員 一部というならわかりますけれども、スーパー林道ですから、もし崩壊などが起きれば何千万というような修理費がかかるわけですね。それを、生活道路として一般の使用が五〇%、そして林野庁の方が五〇%利用しておるとすれば、その五、六千万の修理費の半額は当該自治体が負担しなければならないわけでしょうか。そういうことになりますと、併用林道というようなことでは、スーパー林道とはいえ、こういう辺地の自治体のところを通っているわけなんですから、とても財政的に耐えられないわけなんですが、そういう大きな事故でも起きた場合あるいは崩壊等が起きた場合、そういう場合には林野庁と当該自治体との間の特別な話し合いによって、費用負担についての弾力性というものは持てるのですか。     〔委員長退席、斉藤(滋)委員長代理着席〕
  41. 田中恒寿

    ○田中説明員 このスーパー林道につきましては、現在の利用の実態から申しますとほとんど一般利用が主でございますので、いわゆる公道、県道として移管をするのが基本的なあり方であろうとは思いますけれども、事の経緯と申しますか開設から今日に至る経緯にかんがみまして、それに至る段階ではまず地元市町村との併用林道として維持するのが適当であろうということを考えまして、現在そのお話し合いを進めているところでございます。たてまえと申しますか筋から申しますれば、そういう利用の度合いによりまして維持修繕費を負担し合うのが筋ではございますけれども、先生からお話がございましたように、たとえば、そういう災害の態様によりましてはいろいろな規模のありさまもあるわけでございまして、その内容によりましては、私どももまたそれを必要として利用しておるわけでございますので、必ずしもしゃくし定規に、二対八だから二と八というふうに運用する考えは持ってございません。十分弾力的なことで対応をいたしたいというふうに考えております。
  42. 林百郎

    ○林(百)委員 いまあなたのおっしゃったようなことは、これを文書等で、林野庁と当該市町村との間に交換をし合うという例もありますか。ただ口で適当にやりますということでなくて、そういう例が全国的にありますか。
  43. 田中恒寿

    ○田中説明員 基本的には併用協定というものを結びまして、これは経費で何対何という受け持ちの割合を決めることもございますし、また区間を分けまして、この区間は国有林の責任、この区間は市町村の責任、こういうふうに分ける二通りがございます。  また、お話しのように大きな災害がありましたときに、それについてのみこれは何対何で負担し合おう、あるいは場所で負担し合おう、そういうふうに個別に協定をいたしましてやる場合がございます。  一般的な維持修繕は、年度初め等に一括しまして負担割合を決めるということでございます。
  44. 林百郎

    ○林(百)委員 これは速記録に載りますからなんですが、さっきあなたのお答えになったように、大きな災害が起きたような場合に、乏しい自治体の財政で負担させるということは現実的でないから、弾力的に、たとえばしゃくし定規で二対八と、一般の人が利用するのが八で林野庁が二だから、五千万の災害が起きてもその八割はおまえたちが見ろ、二割だけ林野庁で見よう、そういうような機械的なことで決めるということはないということは、これはもう一度確かめますが、いいですか。ということは、どうせスーパー林道の通っているような自治体というのは非常に過疎的な、財政的に乏しい、交付税と過疎債、辺地債等でようやく財政を賄っている実態ですから、そういう弾力性を持ってもらわないと、併用林道の話に乗っていくというわけにいかなくなりますので、そういう点は、さっきあなたがお答えになりまして速記録にも載っているから、何も私が言うように文書に載せなくてもいいですけれども、弾力的に御相談になるというように聞いておいていいですか。
  45. 田中恒寿

    ○田中説明員 先生御案内と思いますけれども、私どもも国有林の経営改善をいま鋭意進めておるところでございまして、決して楽な財政事情ではございません。しかし、国有林は地元の農山村から動かすわけにいかない、絶対にそこをどけられない存在として地域社会とともにあったわけでございますので、地域社会に寄与するという観点に立ちまして、やはりそういう事態になりました場合には十分弾力的なことを考えるのが筋だろうと思っております。  ただ、私の方の特別会計のたてまえからいいまして、やはりおのずと限度がございますけれども、その中での最大限の運用は図ってまいりたいというふうに考えております。
  46. 林百郎

    ○林(百)委員 時間ですから、最後に一問だけ聞いておきますが、これからは融雪期にもなりますし、それから梅雨期にもなりますので、地すべり災害についてお尋ねします。  去る四月七日に、新潟県西頸城郡能生町高倉地区で、百二十万立方メートルの土砂が千五百メートル下方に押し出されたという地すべりが発生しております。これは十三人の死者を出した、五十三年の妙高高原の土砂崩れの百万立方メートルをしのぐ大型なものだったわけですが、幸いに死者はなかったものの、住宅や牛舎が押し流され、肉牛二十九頭が生き埋めになり、被害額は五億八千万に上ったと言われています。  この地域は、建設省の地すべり指定区域内で、二十五年ほど前にもほぼ同じ場所で地すべりが発生しています。  また、長野県上水内郡小川村味大豆地区では、五十二年に建設省地すべり地域に指定され、対策事業も行われておりますけれども、実は昨年の暮れから新たに発生した地すべりによって、道路やあぜ、集会所などが危険にさらされ、稲作も断念せざるを得ないようになっております。いずれも融雪、梅雨期を前に不安な毎日をこの地域の人たちは送っているわけでありまして、地すべり指定区域として、両地区にどのくらいの予算でどのような調査対策を講じているか、念のために聞いてみたいと思うのです。  これは非常に限った質問でございますけれども、ただ心配なのは、全国的には、昭和四十八年で、地すべり指定区域が建設、農地、林野合わせて三千六百二十七カ所、十五万六千九百八十三ヘクタール、昭和五十五年三月で四千七百四十五カ所に及んで、危険個所と言われるものは一万カ所をはるかに超えておるわけでございます。これらの地域の状態を把握して、どういうようにするのか。  時間がありませんので、先に特定地域のことだけ聞いておきます。  一般的に、地すべりが非常に問題になっております。ことに融雪期、梅雨期にかけて問題になっております。五十一年度には五百六件、五十三年度には二百八十二件もの地すべりが発生し、大きな被害を生じています。しかも地すべり区域として指定し対策事業を行った個所でも起きておりまして、指定地外の個所での発生もあるわけでございますが、対策が十分とは言えないわけでございます。  去る四月七日に地すべりが起きて、現実に百二十万立方メートルの土砂を千五百メートルも下方に押し出したところ、それから長野県上水内郡小川村味大豆地区では、すでに道路やあぜ、集会所などが危険になって、稲作も断念しなければならないというようなことになっておりますが、いずれも地すべり地域に指定されている区域でありますが、問題を余り大きくしなくて、この二つの地域に対して具体的にどういう手だてをしておるか、これだけお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。
  47. 近森藤夫

    ○近森説明員 ただいま御質問をいただきました二つの地すべりにつきましては、かなり大きな規模のものでございまして、私どもの方でも現在対策を練っておりますが、苦慮しておるところでございます。  ただいま先生から百二十万立方メートルというお話がございましたが、百五十万立方メートルをちょっと超しておるのじゃないかと思っております。  能生町の高倉地区というところでございます。ここにおきましては、三十四年から四十三年まで工事をやってございまして、管渠工、暗渠工、ボーリング工あるいは床固め工などが施工されているわけでございまして、地すべりが非常に地下の明視できない地質構造等によっておるわけでございまして、一度やりますと、これが安全であるかどうかというのはなかなかわからないわけでございまして、こういった災害が再度発生しておりまして非常に恐縮しておりますが、地すべりの特性をお考えいただきますとやむを得ないことだというふうに御理解を賜ればありがたいと思うのであります。  また、小川村につきましては、御承知のようにここは明治十九年から工事が始まっておりまして、当時石の堰堤が五十八基とか、石の護岸が七基できておりまして、その後修繕工事等もやっております。また、地域の皆さんがこの工事を非常にかわいがっていただきまして、地域による維持補修等が続いてきた地域でございまして、私どもも昔から重要な個所というふうに思っておるわけであります。(林(百)委員「具体的にことしの予算措置だけ簡単に……」と呼ぶ)  小川村につきましては、年度当初より六千九百万円の予算をつけてございまして、これではいま御指摘がございました災害状況につきましては足りないというような現状でございます。この点につきましては、県道もございますので、私どもの方の防災課の災害復旧事業あるいは村道の災害復旧事業とあわせて対処してまいりたい。(林(百)委員「総計どれくらいになるの」と呼ぶ)まだちょっとはっきりしておりませんが、約二億七千万くらいにはなろうかと思っております。(林(百)委員「高倉地区は……」と呼ぶ)  高倉の方はまだ雪がございまして、実態がはっきりしておりませんが、かなり膨大なものでございますので、ここにつきましては道路災害、砂防施設災害に合わせまして、私どもの地すべり事業費を投入したい……(林(百)委員「額はまだ決まってないわけですね」と呼ぶ)決まっておりません。
  48. 林百郎

    ○林(百)委員 結構です。
  49. 斉藤滋与史

    ○斉藤(滋)委員長代理 薮仲義彦君。
  50. 薮仲義彦

    ○薮仲委員 私は最初に、先般四月の一日、清水市に発生しました東名高速道路上の土砂崩れの問題から質問をさせていただきたいと思います。  最初にお願いをしておきたいのでございますが、非常に限られた時間に数多くのことをお伺いしたいと思いますので、御答弁は極力要点だけお答えをいただくようにお願いをいたしておきます。  まず、先般の土砂崩れの現場、私も現地へ行かせていただきました。この土砂崩れの概要と、原因と考えられることについてお答えいただきたいのです。
  51. 持田三郎

    ○持田参考人 お答えいたします。  東名高速道路の袖師トンネルの西坑口付近で、四月一日に土砂崩壊がございました。午前六時四分に通行者の非常電話によって連絡を受けましたが、多分その時点に土砂崩壊が起こったのではないかと思います。  当地点は、石積みが四段階になっておりまして、全長約二十五メーターくらいの石積みの個所でございますが、そこに通ってまいりました四トンの貨物車、これは冷凍車でございますが、幸いに落ちてきた崩落土の上に乗り上げて、右手を打撲をしたということでございます。なお、その後続の車が、前方の車の状況を見まして急激にハンドルを切って、中央分離帯に乗り上げたというような事故でございます。  この事故の原因でございますが、現在いろいろ調査をしている段階でございまして、はっきり原因はつかめておりませんが、三月の二十九日から当地点では連続雨が降りまして、四月一日の午前七時までには毎日降った累計が約八十八・五ミリ。これは清水インターでございます。富士インターの観測では、同じように六十七ミリというような連続の降雨量がございまして、当地点の石積みに対しまして、その上のミカン畑が相当水が浸透しておった、そして表面水が石積みの裏側に回ったというようなことで、あるいは、その当時は十分な設計をして施工したわけでございますけれども、何分十年後のことでございまして、石積みの裏側の地質あるいは岩質、そういったような風化あるいは節理の伸展というようなことで、こういった事故が発生したのではないかと思います。
  52. 薮仲義彦

    ○薮仲委員 これは大臣にもお願いをしたいのでございますけれども、静岡県は御承知のように地震の強化地域でございます。それがこのようなちょっと連続した雨で高速道路が崩落をする。私も現地に行って関係の方から話を伺ったのですが、こういう言い方は非常に好ましくないかもしれませんけれども「事故としてはある意味では不幸中の幸いだった」ということを現場の方も申されました。というのは「もしこれが六時でなくて五時だったならば大惨事になっていたでしょう。大型の陸送のトラックが集中的にこの袖師の付近を通るのは、ちょうど東京へ規制された時間を過ぎて入るのに、一番ピークは五時前後ですから、ちょっと時間がずれたことによって被害が最小限で食いとめられた、不幸中の幸いでした」というお話をなさっておりました。私も現地に参りまして、なるほどそうだ、もしもこれが、すき間がないほど車が連続しているときにこういう事故が起きたら大変なことになってしまうと思いました。  現在の東名は日本の大動脈です。これが十年たった今日、通常道路公団の定期検査はどうなっているか。「走行中にのり面を検査しております。毎日必ずやっております。」こういうことでございますが、いま理事のお話にもございましたように、当時から十年たっておりますと、のり面もいろいろ時間的な経過もある、また地形上設計に無理があった、あるいはのり面の上の部分で、先ほどのお話のように農作業が行われて、あるいは宅地が造成されて、十年前と様子が変わっております。こういうようなことが今回の原因ではなかろうかと思うのです。  そうしますと、通常の走行による検査だけではなく、やはり地形的に問題がないか、特にトンネルの入り口は山合いのところへつくっておりますから、どうしてものり面は急傾斜です。あるいは、設計上どうしても急傾斜であったり設計に無理があったり、それは公団の方でもう何カ所かは心にかかっている点もあろうかと思うのです。  私は、この際、地震防災の見地からも、またこのような大事故を未然に防ぐ意味合いからも、十年たった東名高速の総点検、静岡地域だけではなく、高速道路上の危険個所についてはもう一度総点検をして安全を確認する、また将来にわたって定期的に地形上、設計上の問題点はチェックをしていく、こういうことが非常に大事だと思うのでございますが、これは一つは公団のお立場と、地震防災を含めた立場から、大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  53. 持田三郎

    ○持田参考人 先生には早速現地を御視察いただきまして、いろいろ御示唆をいただきましたことをありがたく、厚くお礼を申し上げます。  いま御指摘のように、長期的に異常がなかった個所が今回崩落したということで、そういった状況を十分認識いたしまして総点検を充実させていきたいと考えておりますし、四月二十一日から本日まで、これは富士管理事務所管内でございますが総点検を実施してございます。  なお、ただいま御指摘ございましたように、最近東名の沿線では非常に沿道開発が行われているというような実態を踏まえまして、当道路区域外におきましても、沿道開発の状況を十分つかみまして、関係機関との連絡協調体制を図りながら、高速道路への影響がないように、さらに入念な点検を実施してまいりたいと考えております。
  54. 園田清充

    ○園田国務大臣 ただいま当面の対策につきましては公団側から御答弁がございましたが、日本坂トンネルの事故等を反省しながら総点検を進めておるという答弁がございました。  私に対する御質疑は、地すべり、山すべりというか、こういう事故、これを災害防止の観点からどう取り上げて、善処していくのかということが趣旨だと思いますけれども、先生御承知のとおり、政令の指定事項の中に実は入っておりません。そこで、静岡県を中心とする関係六県の知事並びに関係市町村長から私どもに、この際政令の指定事業にぜひ入れろという強い要望がございますので、この点は関係県とも、大規模地震の対策の観点から、いろいろ関係省庁と検討を進めておるところでございます。
  55. 薮仲義彦

    ○薮仲委員 いま大臣がおっしゃった件については、後ほどもう一度詳しく大臣の所信等をお伺いしたいと思いますが、いまは高速道路の問題にしぼって先に質問させていただきたいと思います。  私は、その第二点に、これは大臣にも心にとめておいていただきたいのでございますが、警察庁お見えでございますか。――私やはり静岡に住んでおりますので、高速道路とは絶えず接しているというか、高速道路を愛用させていただいております。その立場でドライバーの側から申しますと、今後、高速道路は日本の重要な動脈であり、どんどん利用者はふえていくだろう、減ることはない。そのときにドライバーにとって一番必要なのは何だろう。ドライバーの側から申しますと、やはりいろいろな事態に対する正確な情報を的確につかみたい。いわゆる道路管理者とドライバーとの間のコミュニケーション、これが事故を未然に防ぎあるいは最小限にする非常に大切なことだと私は思うのですね。  いま道路管理者がドライバーに与えておりますいわゆるコミュニケーションというのは、インターの手前やインターとインターの中間、トンネルの入り口に設置してある掲示板でございます。この掲示板についても、昨日私は運輸委員会で、警察庁にも道路公団にも研究方をお願いいたしました。ボキャブラリー、語彙が非常に少ない。  具体的な例で言えば、私が先般富士方面から走って、静岡のインターの手前で「静岡-吉田間渋滞」というだけの表示で、ほとんどの車は突っ込んでいきました。行ってみたらもう車はすし詰めで、全然動かない。静岡のインターへ行きましたら「ここで出ろ」こういう表示です。だったら、もっと早く清水あたりで「ここで出なさい」と言えば、こんなに高速道路上で待たされることはなかったのに、情報の不足というか正確な情報が入ってこない。これが地震対策上もあるいは事故を未然に防ぐ上においても非常に大事な点だ。  そこで、これは私の提案でございますが、ドライバーに積極的に事態を知らせるために、私は日本坂トンネルにもラジオの再放送設備をつけてほしい、こういう要望をして、いまついているようでございますけれども、これからあの高速道路を全線的に集中管理するときに、高速道路全般にあのようなラジオ再放送施設のようなものが、あるいは発信できる装置ができないかどうか。  ということは、これは警察庁にお願いしたいのですが、自動車のラジオの中に受信できるものを強制的に標準装備して、高速道路上であるサイクルの音波を発信したときに、ラジオのスイッチを切っていようと切ってなかろうとその受信機は音を発信する。ブーでもピーでも結構です。その音が入ったらドライバーはラジオをオンしなさい、セットしなさい。そのときにたとえばNHKのバンドから、地震のときは地震についての正確な情報――警察庁は、地震のときには安定した形で走行して通り抜けていきなさい、警戒宣言が出たら安定走行で出ていきなさいという形がいま論議されておりますけれども、その誘導も、たとえばNHKのバンドで流せば正確にできる。どの地域がこうだ。またNHKのバンドでなくても、先ほど言ったように、いま日本坂の中は高速道路公団のアナウンスがずっと入ってきます。「ここは追い抜き禁止です」「七十キロです」というような放送が入ってくる。もしももっと正確にやるのでしたら、道路公団がラジオ再放送施設を使って、強制的にドライバーに正確な事故の原因等を知らせる。たとえば「吉田に事故が発生しました、お急ぎの方は清水のインターでおりてください」とか、そうすればドライバーは、少なくとも道路管理者とのコミュニケーションの中で安心して自分の行動がとれる。これが、地震が発生したときにただ簡単にインターにある放送設備でやっても、持田さんも御存じだと思いますが、インターの放送設備では聞こえっこないですよ。また、百キロで走っている車に掲示板一個でわかる、正確な情報が伝えられるなどというのはとんでもない話です。そんなに注意深く見ている方はいらっしゃいませんよ。ですから強制的にラジオの中に入ってくるようにする。  車の中にその標準装備が困難であれば、第二の方法として、インターに入るときに公団が、あのカードと同じように何か簡単な受信のセットを渡して、出口でとる、そのかわり高速道路上にあるものについては発信すれば音がする、そこでスイッチを入れる、正確な情報が流れてくるといった方法で、個々のドライバーに対して正確な情報を伝達することを、将来の道路管理のあり方として、警察にも道路公団にも私はお考えいただきたいのです。  これはいますぐにということではございませんが、私は、自分が高速道路上を走っておりまして、ドライバーに対して正確な情報を伝達することが、今後高速道路を管理する上で一番必要であり、最も安全に寄与することではないか、こう思うのですが、公団並びに警察庁、そして大臣のお考えを伺っておきたいと思います。
  56. 持田三郎

    ○持田参考人 お答えいたします。  ただいまの御趣旨につきましては、確かに有効な方法と考えられます。  ただ、この方法につきましてはいろいろ問題があろうと思いますが、公団としましては、建設省あるいは警察庁その他関係省庁と協議して、今後検討してまいりたいというふうに考えております。
  57. 榧野敏雄

    ○榧野説明員 お答え申し上げます。  ただいま答弁がありましたものと同趣旨でございますけれども、警察といたしましても、現行のカーラジオの関係あるいはまた可変情報板に加えまして、基本的には、御指摘のように警戒宣言の発令その他、緊急の情報が確実に受信できる方法をとっていく必要があると考えておるわけでございます。  したがいまして、今後関係省庁あるいは道路管理者等と十分連携をとりながら、どのようにすれば正確にドライバーに対して情報が伝達できるかということにつきまして検討を進めてまいりたいと考えております。
  58. 園田清充

    ○園田国務大臣 いま公団並びに警察からそれぞれ御答弁がございましたが、交通混雑をどうして防ぐかというような問題については、警察庁自体もすでに、強化地域内には入らないようにということでこの計画を指導なすっていらっしゃるようでございますし、私どもとしても、いま御指摘のとおり、車のラジオをかけていないような人たちに、こうした警戒宣言等いろいろなことの情報をどう伝達するかということは、非常に重要なことだと思います。  いま先生から御指摘がございましたような、公団でも検討したいと言っている問題の、音を発するようなものを次のインターで置いていくというような方法も一つの方法かと思います。  御指摘のとおり、十分前向きに、御提言の趣旨に沿うようなことで、各省庁と検討させていただきたいと思います。
  59. 薮仲義彦

    ○薮仲委員 それでは、きょうは日本坂のその後のことをちょっとお伺いしたがったのですが、時間の関係でこれはこの次に譲りまして、タンクの容量あるいは排煙、特に避難路の問題、避難路がわからずに一人の方がとうとい命を失われたというような問題も指摘されておりますが、それから耐熱のコードとか、あるいは漏洩同軸ケーブルを入れてほしいという消防隊からの御要望、それらの要望はすべてクリアいたしましたという話は伺っておりますけれども、しかし詳細な点について二、三私も伺っておきたいことがございますが、きょうは時間の関係でその問題は次回に譲ります。  そこで、公団さんに最後に伺っておきたいのは、地元の消防署あるいは地方自治体としまして、今後発生するであろう高速道路上の消火作業の問題について、これは地方自治体がその任に当たっておりますけれども、財政的な分担という問題で地方自治体のもちろん消防関係者から要望が出ております。この問題は、公団としてその地域との友好関係という立場、また道路管理者として財政的に十分な措置を講ずることが必要ではないか、こういう観点から検討する必要があると私は思うのでございますが、その辺のお考えをお聞かせいただきたい。  それからもう一つは、これは高速道路上でパンク修理のために停車している人の話ですが、あの三角板が見えないわけではございません。しかし三角板が見えないという方もいらっしゃいまして、あれをもう少しはっきりわかるようにしてほしいという希望がございます。  私はよくわからないのですが、パトカーには赤いランプがついています。それから公団さんのには黄色いランプがついています。そこで、これは一つの案でございますが、たとえばあれのもっと小さいのでも結構ですから、いまパンクを修理していますよというときに、ああいう黄色いランプが回転していますと、回転している部分については認識を新たにするわけでございますので、ここはいま路肩にトラックがとまっておりますよということを知らせるものを、通常の三角板のものではなく、点滅灯によって目に多少の刺激を与えてわかるようなもの等も含めてお考えいただきたい。パンク修理に非常に危険を感じておりますので、この辺は早急に御検討いただきたいと思いますが、それぞれ御答弁をお願いしたいと思うのです。
  60. 持田三郎

    ○持田参考人 お答えします。  日本坂の事故につきましては、いま先生からいろいろお話がございましたが、公団でもそのとおり実施してございます。  特に消防関係でございますが、消防庁あるいは地元からいろいろ要望がございまして、それに対応しまして、当初あのトンネルには百七十トンの貯水槽がございましたけれども、その後百トンの貯水槽を増加する、また現在六十トンの貯水槽を増加しましたし、引き続き焼津側に百トンの貯水槽を設置する予定でございます。そのように、消防庁あるいは各消防機関の要請にこたえまして、一応できるものはやっておるというふうにお答えいたします。(薮仲委員「分担金は……。」と呼ぶ)分担金につきましては、私どもの所管でございませんけれども、前回の日本坂のトンネルの後でいろいろ御質問がございまして、検討事項だということでいろいろ検討しておりますが、財政援助というよりも、むしろそういった施設関係でできないかというようなことを考えております。
  61. 榧野敏雄

    ○榧野説明員 お答え申し上げます。  そのような、パンク修理等で路肩に停車しておるものにつきましての危険性は、いま御指摘のとおりでございまして、この関係につきましては、停止標示器材といたしまして、現在、標示板の関係、さらには停止標示灯につきまして義務づけておるわけでございます。  それで、これがまだ必ずしも浸透し、徹底しておらないというような状況もございますので、まずその方の徹底方を図りまして、以後におきまして、これらの問題を関連させましてまた検討してまいりたい、このように考えております。
  62. 薮仲義彦

    ○薮仲委員 それでは時間の関係で次の問題に移りますので、高速道路の管理官と公団の方、ありがとうございました。  次に、一年前に発生しました藤枝のガス漏れ事故の問題について、質問をさせていただきたいと思います。  私は、この藤枝のガス漏れにつきまして、やはりこの災害の委員会で取り上げさせていただきました。これは非常に痛ましい事故でございまして、昨年の五月の二十日、ガスの本管が折損いたしまして、九人の方が亡くなられたという悲しい事故でございます。それから一年たとうとしておるわけでございますが、私は、このような事故が再び起きないようにその願いを込めて、何点か御質問をしたいわけでございます。  時間がございませんので、こちらで事故の概要を簡単に申し上げますと、これは、五月二十日の時点で住民の方から「ガス臭いですよ」と、当該の都市ガス会社に連絡があった。その係官が行って「異常がありません」と、帰ってしまった。それから、最初の通報が十三時三十分、夕方もう一度五時三十分に「まだにおいます」と言われ、二度目の調査に行って、初めてガス漏れがこの家だけでなく、どこかほかにもありますというときには、すでに向かい側のお宅で九人の方が亡くなっておられ、続いてあと一人の方が亡くなられ、十人のとうとい命が失われたということでございます。  これはやはり、何といっても、最初の「ガスが漏れているらしい」という住民の方の連絡があったとき、もっと真剣な対応があれば、私はこういう事故がもっと防げたんじゃないかと感じます。  その意味から、そのとき私は何点か要望いたしましたけれども、通産省として、こういうガス漏れに対してその後どのような対応をするように通達をしたか。また、こういうようなことの起きないように定期的な検査、こういう問題はどうなさっているか。  と同時に、これは建設省にもお伺いしたいのでございますが、これはいわゆる建設省の直接の問題ではございませんが、地方道上の問題でございますが、事業主体は市が行った区画整理事業でございますから、ガス事業者が直接行った事業でないということは私も十分承知でございます。しかし、ここで問題になっておりますのは、その工事を行った人とガス会社との立ち会いが必ずしも明確とは言えない、責任を明らかにした形で行われていない、そのことが大きな事故を引き起こしておりますので、いわゆるこの種の工事を行う場合に、ガス管に接するような場所に対し、建設省はいわゆる監督官庁の立場からどのような指導をなさって、あれから一年後、そのような事故が再発していないかどうか。これは要点だけで結構でございますから、通産省と建設省から御答弁いただきたいと思います。
  63. 石田寛

    ○石田説明員 御説明申し上げます。  ガス漏れの通報に対する適切な対応が、ガス漏れ個所の早期発見と事故の未然の防止のためにきわめて重要でありますことは、まことに先生の御指摘のとおりでございます。  当省といたしましても、まず緊急措置といたしまして、藤枝事故が発生いたしました後に直ちに、全ガス事業者に対しまして、消費者等からガス漏れ通報がありました場合には、ガス漏れの原因を徹底的に究明すること、不十分な調査、点検とならないよう厳しく注意を喚起するとともに、通報の受け付け体制等を見直しするべく、改善方を指示いたしたわけでございます。  また恒久的な対策といたしましては、ガス事業者の保安管理体制の整備等を図らせるため、ガス事業法の中に規定されております保安規程におきまして、通報受け付け体制の整備、警察または消防署への連絡要請、現場におきます処理の方針、それからガス漏れ通報を受けましたときの処理の仕方についての保安教育計画の見直しなどについて所要の改善を行うよう、保安規程のモデルを改正し、保安規程の変更届け出をいたさせるよう指示いたしたところでございます。  特に東海都市ガスに対しましては、文書をもちまして、ガス漏洩通報受け付け体制の整備、ガス漏洩通報受け付け後の出動態勢の改良、これは必ずガス検知器を携行することなどが含まれておるわけでございます。さらにガス漏洩の調査の方法、たとえば近隣等の徹底的な調査を行うことというようなことでございます。さらには、緊急時における職務分担の明確化などにつきまして具体的な指示を行い、これらの点について改善を行わしめたところでございます。  このような措置の実施を通じまして、今後とも、ガス漏洩事故の早期発見と事故の未然の防止に万全を期してまいりたいというふうに考えているところでございます。  さらに、御質問のございました定期的なガス漏れの検査はどのようにやっているかという点でございますが、従前から、ガス事業者に対しましては、ガス事業法の規定に基づきまして、導管は最高使用圧力が十キロを超えます高圧のものにつきましては一年に一回以上、その他のものにつきましても三年に一回以上漏洩検査を行って、漏洩の有無を確認しなければならないというふうになっているわけでございます。その漏洩検査の方法につきましては、具体的、技術的な検査方法がガス事業法体系の告示の中で詳しく決められているわけでございます。  さらに、藤枝市におけるただいまのガス事故が発生いたしました以降、ガス事業法における保安規程及びその細則におきまして、他工事がガス導官の周辺で行われている際は当然のことでございますし、さらに、埋め戻しを行った後においても一定の期間は巡回し、ガス漏れの有無を調べることなどといったような内容を定めせしめまして、これを実施させることによりまして、今後とも漏洩検査の徹底を図ろうといたしているところでございます。
  64. 山本重三

    ○山本説明員 道路に関する工事によりまするガス事故の防止につきましては、私どもたびたび通達を出しまして、道路管理者に対して指導しているところでございますが、昨年の藤枝市の事故の先生にかんがみまして、事故の防止の徹底をさらに図るように指導いたしますとともに、特に藤枝市の事故にかんがみ、ガス事業者の立ち会い等による事故防止対策につきましてそれを強化するよう、通産省とも密接な連携をとりながら、昨年八月に道路管理者に対して通達を発し、事故の防止の万全を期するように指導したところであります。  特に、御指摘ございましたガス事業者の立ち会いに関しましては、この通達におきましても、市街地で行われます道路の占用工事につきましては、たとえば占用工事の施行に際しまして、占用工事の試掘調査のとき、あるいはガス管に接近して矢板を打ち込んだりあるいは引き抜くとき、あるいはガス管が露出したとき、あるいはガス管の防護措置が完了したとき、あるいはガス管の下端まで土砂の埋め戻しをしたとき、あるいはガス管の周辺を埋め戻したとき、さらには路盤工事が完了したときという具体的な、特に保安上ポイントとなります時点を押さえまして、そういったときに、必要と見られるときはガス事業者が立ち会うこととするように、具体的な措置をとるよう占用工事者と事業者とは十分協議をし、その協議の内容を協議書として作成して、道路占用の許可申請時には道路管理者の方に提出するように指導しておるところでございます。  その後、かかるような事故が再度発生したことは私どもはいまのところ聞いておりませんが、今後とも機会あるごとに、事故防止については万全の体制をとるよう指導してまいりたいと思います。
  65. 薮仲義彦

    ○薮仲委員 警察庁お見えだと思うのでございますが、この事故によって刑事的な責任がいま問われております。概要を簡潔に御答弁いただきたいと思います。
  66. 加藤晶

    ○加藤説明員 お答えいたします。  御指摘のとおり、ガス漏れによりまして十人の方が死亡し、それからそのほか三十名の方が一酸化炭素中毒の傷害を負ったわけでございます。  これにつきまして警察が捜査をいたしました結果、死亡者を出しました住宅の前の道路の地下に埋設された都市ガスのガス導管に亀裂が発見され、そこからガスが漏出したということ、それから死者及び治療を受けた傷害者は、いずれもガスを吸引して一酸化炭素に起因して傷害を起こしたと認められること、亀裂した埋設ガス管付近の土の中、それに死者を出しました二つの世帯の家屋内において一酸化炭素が検知されたこと、さらには、五十四年の二月から三月にかけまして今回ガス管の亀裂を発見しました現場付近で下水道埋設の工事をして、その際にガス導管が掘り出されて露出していた事実があることなどから、都市ガス漏出による一酸化炭素中毒事故と判断いたしまして、所要の捜査を進めました結果、下水管を埋設した工事関係者等三名、これにつきまして過失責任が明らかとなりましたので、昨年の六月二十一日、業務上過失致死傷害で通常逮捕いたしまして、取り調べの後、静岡地方検察庁に送致いたしております。  内容を若干申し上げますると、市の下水道課に勤務しておりました職員は……(薮仲委員「内容は結構です」と呼ぶ)はい。そういうことでございまして、その後静岡地検におきましては、同年の七月九日、この被疑者三名を業務上過失致死傷害で静岡地裁へ起訴しておりますけれども、まだ判決が出ておりません。現在審理中でございます。
  67. 薮仲義彦

    ○薮仲委員 そこで私がお伺いしたいのは、通産省にお伺いしたいのでございますが、やはり事柄は、いま警察の手で、司直の手によって裁判にかかっております。直接その司直の手にかかりますのは、それを施工した、工事をなさった方々だと思うのです。しかし亡くなられた十人の御遺族に対する、これはやはり刑事上の問題だけではなく、民事上の問題も残されたと思うのでございます。この民事上の問題でございますが、これは藤枝市そしてまた当該都市ガス会社、この両者がやはり責任を持たなければならないと思うのですけれども、一年たとうとしている今日、この問題について、遺族に対する補償の問題が解決したのかしなかったのか、その点だけお答えいただきたいと思います。
  68. 石田寛

    ○石田説明員 刑事上の問題につきましては、ただいま御答弁がありましたとおりでございますが、民事上の責任につきましては、民法の規定等によって判断すべき問題ではございますが、このような法律上の問題とは切り離して、ガス事故に関係するガス事業者、自治体等が、不幸な事故に遭遇した被害者の早期救済を図るという観点から、補償問題について誠意のある姿勢を示すことが望ましいというふうに考えているところでございます。  本件の補償交渉につきましては、被害者の御遺族が入院中であったことなどもございまして、本格的な話し合いが開始されずに推移しておるわけでございますが、このほど東海都市ガスと藤枝市が、法律上の問題は別途処理するということで、共同で被害者に対する補償を行う旨の協定を締結したというふうに聞いておりますので、また、最近になって被害者遺族の代理人も決められたということでございますので、今後両当事者間で話し合いが円滑に進められるものというふうに期待しておるところでございます。
  69. 薮仲義彦

    ○薮仲委員 あなたがそんな紋切り型の答弁をしておるから、私が腹に据えかねるのですよ。そんなことじゃないのです。私が言いたいのは、かつて大阪でもこのような事故が四十五年に発生しました。そのとき、もちろんその市長さんもりっぱだったでしょうし、工事なさった方も責任を感じたのでしょう。あれは御承知のように大阪で、地下鉄の二号線の建設現場で、ガス漏れの検知に来たその検知車のセルモーターのあれによって大爆発を起こして、大惨事を起こしました。詳細は御承知だと思うのです。あのとき、自治体並びにその事業者は、刑事上の訴追であるとか民事上の責任の分担とか、それは別の問題でいたしましょう、亡くなられた御遺族のお気持ちを察して、そんな醜い問題でとやかくするのではなく、この問題は積極的に、少なくとも御遺族に対するできる限りの真心といいますか、本当に申しわけないという気持ちで誠意をもって、これは金にかえられる問題ではございませんけれども、民事上の問題はやむを得ざる問題もございます、その補償についてはもう積極的に取り組んで、一年を経ずしてほとんど、気持ちのいい解決を見ておるわけでございます。  私はあなたのそんな答弁を望んだのじゃないのです。こういう問題に対して、解決したのかしなかったのかと私は聞いたのです。まだしてないのですよ。一年たってもしてない。だから、通産省が今度新たな事業をやろうとしたって、住民の反対が多くてできない。少なくともそのことをきちんと解決して、その住民のいら立つ感情を抑えたい。そのために、私はきょうわざわざこの質問をしているわけです。そんな紋切り型の答弁を望んでいるのじゃないのです。してなかったらしてないで、やはり通産省は監督官庁ですので、責任はどうあれ、ガスによって十人のとうとい命がなくなったのだから、御遺族がどうのこうのと、そんなことは私は百も承知だ。ならば、その方のところに行って、誠意をもって、解決するために何回努力をしたか。してないじゃないですか。私は知っているから言うのです。そんなことはきょうは時間がないから言わないけれども、私は通産省が、このたった一人残された御遺族の方のためにも、ガスによって起きたのですから、その事業者が積極的に市側と話し合って、真心をもってこの解決のために努力しますと、この誠意がないと、今度通産省が都市ガスを引こうとかなんとかと言っても、これはできませんよ。そんなことを言うのじゃなしに、やはりもっと行政の中に温かい、再びこういうことは起こしません、そういう誠意があるような努力を私は望みたいと思うのでございますが、あなたに御答弁いただくと、またせっかく解決しようという問題が解決しなくなると残念です。  もう一人、事業課長が来ておるようですから、事業課長から、通産省としても当該事業者に話をして積極的にこの解決を図るようにしていただきたいと思いますので、いかがでございますか、簡単にお答えください。
  70. 緒方謙二郎

    ○緒方説明員 不幸な事故で亡くなられました御遺族に対しまして、誠意をもって当たるというのは当然のことでございますので、御指摘の方向で十分見守ってまいりたいと思っております。
  71. 薮仲義彦

    ○薮仲委員 どうか、この問題は、もう間もなく命日も参ります。亡くなられた方に対して何も誠意が示されませんと、非常に悲しい事件で終わってしまいますので、どうか通産省の責任ある指導を望んでおきます。  ここでなぜ私がこの問題を指摘したかといいますと、現在当該都市ガス会社が焼津、藤枝両市のガスの安定供給のために、器械の稼働能力に限界があるのでガスホルダーを設置しよう、こういう要望が出ておる。しかし、それを藤枝に設置しようとしたとき、藤枝市民は全部反対したのです。そして今度焼津に持ってきた。焼津へ持ってきても、住民の方はその不安が消えない。私は、そういう問題を解決するために、ここでやはり、一つはその事故を起こさないための万全な体制をとってもらいたいから、先ほど来長々と質問した。また、新しくホルダーをつくるについても、ホルダーも安全です、そしてガス管も安全です、という体制をきちっとつくっておきませんと、これは住民の了解はなかなか得られないだろうし、将来は設置することすら反対ということになったら、供給を受けている消費者の方々にとっても大きな禍根を残します。そういう意味で、この点はどうか心して、この設置についての安全については万全を期していただきたい、このことを要望しておきます。  それで、時間がもうほとんどないのですが、非常に困っておる問題が起きておるのです。そのもう一つの問題が起きておりますのは、その地域の方のプロパンの業界の皆さんと問題が起きておるのです。  なぜ問題が起きたかということをまとめてお話をしますと、当該都市ガスもそのホルダーを藤枝につくるときに反対された。そこで焼津へ設置して、通産省に申請した。しかし、藤枝でそのような事故を起こしておりますので、将来の非常に重要な課題でありながら、プロパンの業者との話し合いが少し欠けておる面があった。特に藤枝市のプロパン業者に対しては、ホルダーの許可がおりてから初めて話し合うということで、それも私が何回か通産省と話し合って、初めて話し合う空気が出てきたプロパン業者の方には何らその話し合いがなかったわけですよ。  私は、きょうは行政管理庁にもおいでいただいて、行政管理庁の行政監察勧告というものの重み等についてお伺いしたかった。  昭和五十一年十一月八日に行政監察の上で勧告がなされております。それはプロパン業者と都市ガス業者とのトラブルを未然に防ぎたい、そういう意味から、この勧告の内容としては「液化石油ガス販売事業者が営業不振を主張しているもの、液化石油ガス販売事業者において一般ガス事業者が事前連絡なしに切替え工事を行ったとするもの等で、その多くは、現在、両事業者が協定等を締結する」というような形で、円満にやりなさいよ、通産省もそれを指導しなさいとなっている。ところが、先ほどのように事前に協定もなければ話し合いもなされなかった。  また、きょうは建設省の方においでいただいて非常に申しわけないのですが、この藤枝市は日本住宅公団が四千戸の住宅を建てようとしておる。そこに入ることについては当然都市ガスを供給するということが前提になっているのです。そうしますと、この藤枝でこの次に起きてくるのは供給区域の変更です。十七条の申請が出てこなければならない。プロパンの方に何の事前の通告もなしにこのようなことを行いますと、当然プロパンの方から問題が起きてくる。なぜ問題かといいますと、この行政監察の勧告の回答にもありますように、通産省の公益事業部長が昭和五十二年五月二十四日に、八条の許可申請と十七条の認可申請は同時にさせなさい。ホルダー等を設置するときに、将来藤枝にそのような供給区域の変更をしなければならない事態が目に見えているし、これは藤枝は全部知っているのです。ならば、一緒に申請しなさいというのに、今回東海都市ガスは八条しか申請していらっしゃらない。十七条の場合は公聴会を開かなければならないので、そうすれば当然問題が起きてくる。こういう問題にふたをしながら許可をしたということについて、いま業界と鋭い対決といいますか反発を招いております。  一つは、先ほどの藤枝のガス漏れによる処理がまずかった。もう一つはプロパン業者とのトラブル。そしてまた、静岡県は地震の強化地域です。県からこのホルダーについて上乗せの基準が出ております。これらはすべてクリアするとおっしゃっておる。こういうことを踏まえて、私は要点だけ詰めて申しておきます。答弁をいただく時間がないので恐縮でございますが……。  行管の方の勧告、この勧告の重みというものはやはり守るべきだと思う。そういう意味で、行管の方がここにいらっしゃいますので一百御答弁をいただきたい。  それから通産省に、いまこのような起きているトラブルをまとめて、安全について、また補償について、さらにはガス事業者との円満な今後の共存共栄の関係性について、事業課長の方から御答弁をいただいて、時間が参りましたので、残念ながら質問をこれで終わりたいと思うのです。
  72. 増島俊之

    ○増島説明員 行政監察につきましては、私ども広く実態を調べまして、吟味をしまして改善の方向を出しておりますので、それにつきましては関係省庁において十分遵守あるいはその方向に従って措置をとられるべきだと思いますし、またいままでもとられてきているというふうに考えております。
  73. 緒方謙二郎

    ○緒方説明員 焼津、藤枝地区におきまして、プロパン関係の事業者と都市ガス事業者との間にかねていろいろ紛争がございまして、その間、それが原因となって今回の新しい工事につきまして支障を生じているというのは、先生の御指摘のとおりでございます。  私どもの方、通産省といたしましては、行政管理庁の勧告に従いまして、通常の供給区域の拡張などにつきましては、すでに八条の許可と十七条の認可を同時に処理するということは行っておるわけでございますが、今回のケースはやや違うケースでございまして、公聴会を同時にやれるような手続にはならなかったわけでございますが、おくればせではございますけれども、関係者、すなわち地元のLP事業者の方と都市ガス事業者の方との間で誠意を持って話し合いを進めて、話し合いによって円満解決ができ、将来、御指摘のような住宅公団の問題などが出ました際にも、問題が生ずることなく解決ができるような方向で、目下やっているところでございます。  私ども通産省といたしましても、そういう方向で、先生御指摘のように共存共栄の体制が成立しますように、今後十分指導してまいりたいと思います。  なお、安全性の問題につきまして、担当ではございませんが一言申し添えますと、静岡県の方で地震対策上基準の上乗せが出ておりますが、今回申請されております当該案件につきましては、その基準に十分適合するものというふうに担当の東京通産局の方では認定をしている次第でございます。
  74. 薮仲義彦

    ○薮仲委員 終わります。
  75. 斉藤滋与史

    ○斉藤(滋)委員長代理 田口一男君。
  76. 田口一男

    ○田口委員 実はこの委員会で取り上げるについてはちょっと場違いかと思ったのですが、事災害で、しかもその及ぼす影響が多岐にわたりますので、あえて取り上げてみたわけでございます。  それは、今日まで残念ながら数度にわたって事故を起こし、しかも本年四月一日に山口県徳山市にある出光興産徳山製油所、ここの爆発事故を中心に今後の対応、対策を問いただしてみたいと思うのです。  私はこの四月十四日、国会の会期中でありましたけれども、駆け足で現地の調査に行ってまいりました。駆け足でありますからなお不十分なところが多いと思うのですが、その中でもこことここは問題だなと思った点が四、五点ございます。それを順次申し上げてみたいと思うのです。  その前に、そういった製油所の爆発事故などについての監督官庁である通産省の方では、どういうふうにこの事故の原因また状況をつかんでみえるのか。ひとつ時間がございませんから簡潔に御報告をいただきたいと思います。
  77. 福原元一

    ○福原説明員 今回の出光の徳山事故の概況並びに今日までの処理状況につきまして、簡単に御報告申し上げます。     〔斉藤(滋)委員長代理退席、委員長着席〕  四月一日の午後十一時五十五分ごろでございますが、山口県の徳山市にございます出光興産の徳山製油所におきまして、第二接触水添脱硫装置の反応塔の破裂がございました。破裂いたしました反応塔は気密テストの実施中でございまして、当日午前十時ごろから窒素を注入いたしまして圧力を上げておりましたところ、午後の十一時五十五分ごろ、約五十五キログラム・パー・スクェアセンチ、これは常用圧力でございますが、常用圧力付近に達したところで破裂したということになっております。不幸中の幸いでございましたが、人的被害はございませんでした。  反応塔が全壊するということで、その破裂の圧力によりまして、付近の民家約九十戸の窓ガラスが割れたあるいは壁にひび割れが入ったということで、付近の住民の皆様に大変御迷惑をかけたということで、申しわけなく思っております。  これに対しまして、通産省といたしましては、翌二日でございますが、直ちに担当の広島通産局の担当官、さらに三日には本省から担当官を現地に派遣いたしました。一方、高圧ガス取締法第三十九条に基づきまして、県知事が破裂した装置及び関連装置につきまして緊急停止措置を講じてございます。  事故の原因究明のために、中国地域の産業防災対策本部というのが設置されておりますが、これに中国地域産業防災対策推進委員会というのがございます。これに出光興産株式会社徳山製油所反応塔事故調査分科会というものを設置いたしまして、これは四月四日でございますが、現在鋭意調査を進めておるところでございます。  一方、立地公害局といたしましては、局長から、出光興産の社長を呼びまして、原因の徹底究明並びに保安の確保に万全を期するように指示を与えました。これは四月の十日でございます。  さらに局長名で、関連の業界でございますが、石油連盟、石油化学工業協会、日本化学工業協会、全国石油工業協同組合、この四団体に対しまして、設備の安全点検の強化等保安の確保について、文書をもって指示をいたしました。傘下企業に対して、保安の確保に万全を期すようにということで指導するように、指示をいたしてございます。
  78. 田口一男

    ○田口委員 いま御報告がありましたように、不幸中の幸いとして今回の場合には人的被害がなかった。相当ガラスが割れたり、夜中のことでありますから、人心に大きな心配、そういった心理的な面でははかり知れない被害を与えたと思うのですが、私はちょっと、この調査に行って、関係者からいろいろな言い分を聞きながら疑問に思ったことを一つ申し上げますから、それぞれの所管庁でひとつ検討し、ここではっきりしたお答えをいただきたいと思うのです。  いまお話がありましたように、第二接触水添脱硫装置反応塔、これを高圧ガス取締法でやるとなる場合、そういう場合に、これはちょっと私は専門家じゃありませんからなんですが、この反応塔というのは高圧ガス取締法で言う第四章の「容器」に当たるのか。高圧ガス取締法の第四章に「容器」という条項がありますね。この反応塔は「容器等」という法律の中の範疇に入っておるのか、ちょっとそこのところを簡単に、イエスかノーかでお答えいただきたい。
  79. 柴田幹夫

    ○柴田説明員 お答えいたします。  今回の事故を起こしました反応塔は、高圧ガス取締法で申します製造設備に入ります。
  80. 田口一男

    ○田口委員 製造設備に入る。すると、「容器」も同じだと思うのですがね。  そこで、製油所の庄子所長のお話によると、いま言った定期補修をやっておる。ここで私は二つ疑問を感じたのですが、こういう言い方をするのですね。定期補修をやる。やった後は、リフレッシュという言葉を使ったのです、検査をするたびにリフレッシュですから、半永久的に新しいという状態だ。そうなってくると、すでに御存じのように、この反応塔の製造月日はたしか昭和三十八年、一九六三年と言っておるのですが、もうかれこれ十七、八年たつ。毎年毎年検査をするから、リフレッシュの状態にあるのですということから言えば、耐用年数とか償却年数という概念が全然ないのですね、製造設備というその物に対して。ところが、ある専門家に聞きますと、鉄にしたって何にしたって、金属の疲弊といいますか疲れといいますか、そういうものがあるわけだから、これは何年かたったら新規に取りかえるのは常識ではないでしょうかというお話を聞いたんですが、通産省の方では「容器」じゃないかというような、「容器」のそういう条項がないのですけれども、ああいった反応塔、それから高圧ガス取締法で言っておる「容器」などには耐用年数という概念は全く入っていないのか。これが一つです。  それから、二つ目は、この同じ法律の第三十五条と第三十五条の二、この関係について、どうなのかなと思ったのですが、この高圧ガス取締法は機関委任事務ですから山口県庁がやっております。そして第三十五条は、いまさら言う必要はないと思うのですが、保安検査については定期的に、機関委任をされた知事が行う。ところが第三、十五条の二の場合には「定期自主検査」と銘打って、定期に保安のための自主検査をやって、その検査記録は作成をし保存をする。となると、第三十五条で言う保安検査に県の職員が立ち会った場合に、この作成された記録を見ただけで終わるという心配がないのかどうか、こういう疑問が一つ起こります。  聞いてみますと、四月一日に事故が起きて、まあこれは偶然でしょうけれども四月二日に検査に行く予定でした。ところが前日に爆発をした。そういう話を聞いたのですけれども、この第三十五条の二と第三十五条との絡みをいいますと、予備検査、自主検査、こういったところに、実は知事が、実際は県の職員ですけれども、保安検査についても一緒にやるという状態にならないのか。どうも私は、第三十五条の二を設けたことは、書類で定期の保安検査を切り抜けていこうということで、後からつけたのじゃないかという気がするのですが、その辺のところはないのか。  この二つについて、お伺いします。
  81. 柴田幹夫

    ○柴田説明員 まず先生の御質問の第一点、高取法で耐用年数が定めてないのかどうかという点でございますが、この点につきましては、結論から申しますと、いまの高取法では耐用年数ということは定めてございません。  これはどうしてかと申しますと、いまのところなかなか、学識経験者の方々にも伺ってみましても、金属関係の耐用年数というのをどこで切るかということは断定しがたい状況にあるわけでございます。と申しますのは、補修の程度あるいはその使用方法、こういったところによりまして、その金属の耐用年数が長くなったり、あるいはひどい使い方をすればそれが短くなるというような形で、なかなか平均的にこの設備については耐用年数何年だと、こういった形で断定できないような状況になっておるからでございます。  そういったところを補いますために、毎年一回の保安検査というものを義務づけておるわけでございまして、こういった保安検査をやることによりまして、支障がなければそれをまた使っていく、こういう体制をとっておるわけでございます。  それから、第二点目の保安検査と自主検査の関係でございますが、年一回やることになっておるわけですけれども、高圧ガス関係につきましては、四十九年に高圧ガス及び火薬類取締法の答申が出ておるわけでございますが、そこにおきましても、わが国におきましては、自主保安とそれから政府の規制といいますか、こういったものを車の両輪として位置づけられておるわけでございます。こういったところから、国といいますか県といいますか、こういったところが行う保安検査と並べまして自主検査というものを法律で規定しておるわけでございますが、ただ、高圧ガスでございますので、保安検査と自主検査というものを別々に年間行いますと、たとえば年二回ということになるわけでございますが、この高圧関係のものを余りとめたりいたしましてしょっちゅうやっておりますと、かえって危ないといったような情勢もございますので、現実的には保安検査と自主検査というものを同時に行っておるわけでございます。  そういったところから、今回も、反応塔につきましては昇圧を一日の十時からずっとやっていきまして、午後の十一時五十五分に五十五キロといいますか、常用圧力に達したわけでございますが、そういった状態を維持しまして、翌朝、県の担当官が、そういった五十五キロで気密性に問題がないかどうかをチェックするというスタイルにしておるわけでございます。それで、県の職員といたしましても二週間ばかりずっと現地へ行っておるわけであります。  保安検査と申しますのは、たとえば出光の工場一つをとりましても非常に多くの施設がございます。また、検査すべき観点というのが非常に多くあるわけでございます。そういったところから、二週間ばかりずっとその職員は詰めておるわけでございますが、この反応塔につきましては、昇圧の準備段階といいますか、そういったところは会社の方がやっておりまして、五十五キログラム・パー・平方センチメートルの圧力に至った状況で、果たしてその気密性がいいかどうか、そういう状態になったときに県の職員が行く、こういうことにしておるわけでございます。
  82. 田口一男

    ○田口委員 三十五条と三十五条の二が並んで自主と保安、だから平たい言葉で言って、これは臭いぞ、そんな気持ちは私は持っておりませんが、えてして自主検査が先行し、しかも「記録があるから結構でしょう」ということでお茶を濁してしまうことになりはしないのか、こういう懸念といいますか危惧を持つわけでございます。  と同時に、耐用年数に絡んで、いま事故の調査を、山口大学とか広島大学で調査委員会をつくってその結果を待っておるそうですが、常用圧力五十五以下で破裂をしておるのですね。労働基準局なんかが調べたり、また現地の報告によりましても、常用圧力五十五以下で破裂をしておる。となると、これは科学的に分析をしてみなければ結論は出ないのでしょうが、私ども素人から見ても、許容設計のあれは六十五ですから、七十、八十になって過ってそこで破裂をしたのならば、これは設計上のミスとかなんとかということになるのでしょうけれども、常用圧力五十五以下で破裂をしておる。しかもその反応塔は十七、八年たっておる。だれが考えたってがたがきておるのじゃないか。人間だってがたがくるように、鉄だってがたがくるのじゃないかという常識的なことがこれには適用できないのか。  したがって、私は、研究調査の結果がまだ出ていない時点で決めつける言い方はなんですから、そういったものを見て、やはり耐用年数というものは、何といいますか、二十年ならばいいだろうということを十八年ぐらいにするとか、十八年ならば十六年にするとかいったような、用心に用心を重ねた耐用年数を、こういう高圧ガスの容器、製造設備などには決めていくことが今後の災害防止のために必要ではないのか、こう思うわけです。そういう点で、これはやぼな言い方かどうか、ひとつ御見解を伺いたい。
  83. 福原元一

    ○福原説明員 今回の事故は、従来の事故と比べまして全く例を見なかった反応塔の破裂の形態を示しておりまして、私どもといたしましても、その原因につきましてはきわめて重大な関心を持っておるわけでございますが、現在、破裂いたしました反応塔の鉄片を集めまして、その金属の分析に入ったところでございます。この結果がわかりますのは恐らく来月の半ば前後かと思います。  さらに続きまして、原因の究明に若干の日時を要するかと思いますが、事故究明対策委員会の結論を待ちまして、御指摘の点につきましても検討する必要があれば加えてみたい、このように考えております。
  84. 田口一男

    ○田口委員 後の方はちょっと語尾が濁ったのですが、ひとつはっきりと検討してもらいたい。  次に、これは通産省と消防庁共管事項だそうですから、コンビナート防災法の関係でお聞きをしたいのです。  私は皮肉を言うのじゃありませんが、何回も事故があるものですから、コンビナート防災法でいう事故通報義務ですね、実に手際がよくやられておる。  四月一日二十三時五十五分ごろ爆発事故が起こって、即座に所轄の徳山消防署に通報が行って、消防署の方は関係官庁に連絡通報しておる。これは何回も何回も演習しておるようなものですから早いと思うのですね。ところが一つ抜けておるのですね。私は行ってびっくりしたのですが、消防庁の方も通産省の方も御存じでしょうから言いますが、爆発した反応塔から百メートルも離れていないところに、新幹線と在来線が走っておるわけです。たまたま爆発したところから七十メートルぐらいのところへ、三トンと四トンの鉄のかたまりが吹っ飛んでおる。そうすると、過去にも何回かそういう事故があったのですから、コンビナート防災法の二十三条に通報義務があって、消防署は通報を受けたら関係監督官庁に連絡しなければならぬ。それで通産、労働基準局、県庁にはした。ところが国鉄に連絡をしてない。忘れたのかどうかは知りませんが、ここで聞いてみますと、通報の種類に一種、二種がございまして、一種の場合は義務的に通報しなければならぬけれども、二種の場合は「どうなんですか」と言って相手から問い合わせがあったら知らせるんだ、その「どうなんですか」という中に国鉄が入っておると言うのですね。これは、私が見た限りでは、何も政令とか法律で国鉄に言ってはだめだとかどうとかとは書いてないのですが、地域の自主性でやれるのか、監督官庁の指導によってやらさなければ動かぬものなのか。そこのところが一つ。  私はそれを強調するために汽車の時刻表を見ました。二十三時五十五分に爆発事故があって、それを基点として、大体六十分前後にその徳山工場のところを汽車が何本走っておるか。上りで見ますと二十二時五十五分に「明星」六号が走っております。零時十五分に「あかつき」四号が走っております。それから小郡を二十三時五十五分に発車した特急「なは」というのが、何時ごろかわかりませんが通過をしておる。同じく宇部を二十三時四十九分に発車した「彗星」四号がこの六十分前後に現場付近を走っておる。これが上りです。合計四本。それから下りは、徳山着零時三十七分「明星」一号、一時五十八分急行「屋久島」、それから柳井を零時三十八分に発車した「彗星」一号が一時間前後に通過をしておる。それから岩国を零時三十一分に発車した「明星」三号もこの事故があってから六十分前後に通過しておるはずです。  幸い直撃なり何なりがなかったから、後でこういう話ができるのですけれども、実はこういう事故がありましたので、新幹線の線路なり在来線の線路に鉄片が落ちておるかもわかりません。国鉄の方から会社に零時四十分ごろ問い合わせたと言っておるのですけれども、そこから検査した、異常がなかったというのですから結構なことでしたけれども、一つの盲点ですね。いぼまで何回も訓練、演習をやっておって、まあいいだろうと思ったら、国鉄が抜けておった、こういうことじゃないかと思うのです。ですから、一種、二種という事故通報の中に、これは法的根拠で国鉄を入れる必要があるのか、県の防災計画の中でそれは自主的に入れられるのかどうか、そういった点をもう少し見直し、指導をする必要があるのじゃないかと思うのですが、共管である通産省と消防庁、どうでしょうか。
  85. 山越芳男

    ○山越説明員 お答え申し上げます。  山口県石油コンビナート防災計画におきましては、特定事業所から消防機関に異常現象の通報がありました場合に、特定事業所または消防署の防災力によって、短時間にかつ迅速に応急対策が完了して、異常現象がなくなるという場合には第一種通報、それからその基準を超える異常災害が発生いたしまして、ただいま申し上げました特定事業所または消防署以外の機関も応急対策を実施しなければいかぬ、こういう場合には第二種通報というふうに、二段階に分けまして関係機関に通報することにしているわけでございます。  御質問のございました今回の出光興産徳山製油所の爆発事故につきましては、事故発生後に事業所から直ちに消防署に連絡がございまして、その後事業所から国鉄にも連絡があったと聞いておりますけれども、御指摘がございましたように、現行の防災計画におきましては国鉄は第一種通報の連絡先に入っておらない、第二種の通報先になっているわけでございます。徳山地区におきましては事業所と鉄道がきわめて近接いたしておるということは御指摘のとおりでございますので、今回の事故を教訓といたしまして、地域の実情に即して通報の連絡先の見直しを行うように、山口県とも十分協議をいたし、指導してまいる所存でございます。  以上でございます。
  86. 田口一男

    ○田口委員 じゃ、それをひとつ早急に指導をしていただきたいと思います。  これで最後にしますが、御存じのように四月一日にいま言った事故が起こった。三月二十五日にも起こっておるわけであります。そして、ちなみに昭和五十五年から十年ぐらいさかのぼって、何回ぐらい大小合わせて事故があったのか。そうすると、二十一回という人もあれば十八回という人もあるのですが、ともかく、あの徳山のコンビナート地帯で住民を心配させるような事故が二けたもあったことは事実です。その出光興産だけでもいま言ったように一週間に二度もあるのですから、何か原因があるのじゃないか。いまの反応塔の破裂はかつて予想もしなかった事故だということも強調しておりますけれども、もっと安全対策を考えた場合に、私どもが駆け足で行ってどうだこうだと言うよりも、そこで働いておる労働者が一番知っておるわけですね。あたりまえだと思うのです。  そういう意味合いで労働省の方にお聞きをいたしますが、労働安全衛生法の中に、第十七条に「安全委員会」の設置の項目がございます。何げなしに「安全委員会」は各企業においてつくっておるのだと思っておったのですが、この事故を契機に調べてみますと、どうもこの第十七条第四項は形式に過ぎるのじゃないかという気がするわけであります。これは専門ですからもうくどくど言う必要はないと思うのですが、安全委員会の委員は事業者が指名する。その指名をする形式としては、労働組合がある場合には、十人なら十人の安全委員の構成では、そのうち五名は労働組合があれば労働組合の推薦でやりなさいというのですね。これはいいと思うのですよ。ところが労働組合のない場合には、労働者の過半数を代表する者の推薦によって事業者が指名する。何も組織のない労働者が何で過半数でもって推薦するのですか。これは言葉の遊戯じゃないかと思うのですね。そして、かつて四十八年に出光興産が大きな事故を起こした際にそういう話が出ておりましたけれども、出光の社長がそこのところを追及をされて、「大切なことです、ひとつこの安全委員会の構成について会社の方も積極的に見直しましょう」とかと言ったそうです。「労働組合をつくりましょう」とは言わなかったそうですけれども、聞いた方では、労働組合をつくってこういう構成をし直すんだと受けとめたらしいのですが、第四項のこの労働組合のない場合には、どうしたって形式的に、まあ何々課長とか何々係長という者を指名するんじゃないか。となると、まあ会社の息のかかった者ですわな。ここが悪い、あそこが悪いなんということを言うと、首の心配がありますから適当にしておこう、そういう者ばかりで「安全委員会」をつくっておったら何になるのか。この第四項の労働組合のない場合はもっと機能するようなことにならぬのか。日本語の表現でこれ以上言いようがないと思うのならば、もっと現地の基準局あたりが、本当に労働者の過半数を代表したものになる、あるいは会社の息がかかっておらぬ、平たい言葉で言うなら、ずけずけ安全の問題を言えるような人、そうしないと、一週間に二度も三度も事故が起こると私は思うのですよ。私は言葉の遊戯じゃないかという気がするのですが、この辺のところは労働省の方としてどうでしょうね。
  87. 加来利一

    ○加来説明員 ただいまの件でございますが、安衛法十七条に決められております点につきましては、先生から御指摘いただきましたとおりでございます。  第四項についてでございますが、この「安全委員会」の趣旨、特に労働者の代表といいますかこれを入れました趣旨は、事業者が災害防止の措置を講ずる際に、労働者の意見を反映させるとともに、労働者の関心を高めて、労働災害防止対策を一層向上させる、このために、事業所における安全に関する重要事項について調査、審議をするこの「安全委員会」に労働者の代表に入っていただく、こういうことでございます。したがいまして、労働組合がない場合につきましても、この趣旨が当然生かさるように選任されなければならないということは、当然のことでございます。  ただ、この出光興産における安全委員の選任につきまして見てみましても、一応その趣旨は生かされておるというふうに私どもは考えておるわけでございます。といいますのは、私どもの調査では、現在職制の者は入っておりませんで、それぞれ各課ごとに、労働者から推薦をされました者が入っておるわけでございます。
  88. 田口一男

    ○田口委員 私は、この出光興産の「安全委員会」の構成が全部会社べったりだということは言おうと思いません。しかし、今度のように全く予想しない、厚さが八センチ、八十五ミリですか、そういった厚い鉄板が吹っ飛ぶような事故ですから、この事故に限って言えば「安全委員会」だなんと言ったって、これは想像の外ですから、予想の外ですからあれでしょうが、しかし、一週間に二度も起こっておるのですよ。これはたるみと言う以外にないでしょう。そうすると、このたるみということは「安全委員会」に何か問題があるのじゃないかと思うのは無理がないのじゃないか。そういう点で私は申し上げたわけでございます。  これはそれ以上言いませんが、そういったたるみも人間ですから時には起こると思うのですけれども、監督官庁としてもひとつ十分に御指導を徹底していただきたい、こういう要望をしておきます。  最後に、私は質問の通告をしていないのですが、災害は国土庁所管ですから要望だけ言って終わりますが、これは特に通産省あたりで考えてもらえればいいと思うのです。  地図を持ってくれば一番いいのですが、地名を言いますと遠石一丁目、一番今度の事故でガラスがよけい破れた地域ですね。国道二号線と新幹線とにちょうどはさまれた三角地帯です。そこのところの方とちょっと会いましたら「出光興産がどこか海に近い方に逃げてくれるか、われわれが逃げるか、二つに一つしかない。ところが、いまさら出光興産に出ていけと言ったって、町の発展とかなんとかを考えて不可能ですから、われわれが逃げるしかない。しかし逃げようと言ったって、家財道具を持ってどこに逃げるか、どこか替え地がなければならない。」と言うのですね。こういう点で、いずれ現地から県を通してそういう話も出てくると思いますが、そういう問題にひとつ積極的に対応をしてやっていただきたい。このことだけ要望しておきます。それに対する御感想があれば承って、終わりたいと思います。
  89. 福原元一

    ○福原説明員 先生おっしゃいました地域の方々につきまして、いわゆる住工分離ということを御希望の動きがあるという話も承っております。本来的には、住民の方々と出光との話し合いによるべきものであろうかと思いますけれども、そのような話が出てまいりました場合に、会社に対しましても、誠意を持ってこの問題に対処するように十分指導してまいりたい、このように考えております。
  90. 田口一男

    ○田口委員 終わります。
  91. 藤田高敏

    ○藤田委員長 中川利三郎君。
  92. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 今月の六日、七日に秋田県の全土を襲いました融雪災害についてお聞きするのでありますが、この被害は、昭和四十七年の米代川流域を襲った大水害に次ぐ災害で、大きいつめ跡を残したわけであります。その特徴は大雨と、それだけでなくて、ちょうど融雪期に入りましてこれが重なったというかっこうで、秋田県の県庁四月十八日現在の調べでも、被害総額が百四十四億六千九百五十万円、内訳は、農業災害で二十八億、林業で二億、土木で百十二億、こういう大きいつめ跡を残したわけですね。  私は、この十一日に被害の最も多かった県北部の米代川流域の能代、二ツ井、合川、こういう現地に入って、目の当たりに被害の状況をいろいろ見てきたのでありますが、その全体の印象から申しますならば、何といっても、「百年河清を待つ」という言葉がありますけれども、それと似たような国土政策、これはおくれているな、こういう感じでございまして、問題はやっぱり、昭和四十七年にあれだけ水害が起こった、その同じ流域にまた起こっているという問題ですね。  私は、四十七年の大水害のときは秋田県会の議員でございましたけれども、当時米代川は大変な洪水になりまして、その原因について国家賠償、そういうものを起こすという運動まで巻き起こったことを経験しておるのでありますが、その団体代表で建設省へ出てきて交渉した、そのときの建設省の河川局長であった川崎精一さんという方は、これはもう通常有意すべき安全性を欠くという河川管理上の瑕疵は何もないんだ、ただあれがあんなふうに起こったのは、百年に一回くらいの大雨の降ったせいだ、こういうことではねつけられた経緯もあるわけであります。  しかし、あれから十年足らずで、四十七年に次ぐ、同じような大きい被害が起こっているということをどう考えたらいいか。先ほど、百十二億の土木災害だけでもこうだと申しましたが、河川だけでも千五百七十三カ所やられたんですよ。道路が三百七十二カ所、橋が十九カ所という状況ですね。  そこで、まず第一に国土庁長官にお聞きしたいのでありますが、直接いまあなたの責任がどうだ、こうだということではありません。ただ、いま言ったとおり、百年に一回の大雨のせいでこういう堤防決壊だとかこういうことになったということを、四十七年当時、私たちが国家賠償の問題で国へ来たときに、そういうことではねつけられておりますけれども、それが十年足らずの間に再び同じ流域にこういう被害が起こるということについて、大臣は国土政策上の問題点としてどういう御認識を持っていらっしゃるか。先ほど来からあなた手持ちぶさたのようでありますので、まず最初にお聞きしたいと思うのです。
  93. 園田清充

    ○園田国務大臣 お答えいたしますが、本来、いまおっしゃったように時期的に、予測せざる時期に、こうした集中豪雨的な災害によって多数の罹災者を出したということは非常に気の毒なことでございまして、私どもとしても、国土の保全ということから、まず建設省自体も、大河川におけるいろいろな災害が除去されることで、なるたけ被害の大きい地域からということで、順次改修等を進めてまいりまして、今日では中小河川の改良復旧ということが当面の問題かと思います。  特に、いま御指摘がございましたように、通常十年なりあるいは十五年なりというところで、災害が思わざるときに発生をするということ、この辺が特に注意していかなければならないことでございますけれども、国土の均衡ある発展、と言うよりもむしろ防災的な観点からも、実施省庁である建設当局あるいは関係省庁が十分取り組んでいただくことを私どもは心から期待をし、また、さような方向での省庁間の話し合いを進めてまいる決意でございます。
  94. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 今度は建設省にお聞きしたいのでありますが、米代川流域の災害は、無堤防地区に圧倒的に被害が集中したという特徴があるわけであります。したがって、今度こそ抜本的な改修なりあるいは築堤を大幅に進める必要があると思うのです。個別的なことは後で申し上げますが、さしあたって原則的に、この点についてどうお考えなのかお聞きしたいと思います。
  95. 陣内孝雄

    ○陣内説明員 お答えいたします。  私ども建設省といたしましては、治水対策の重要性にかんがみまして、鋭意事業の推進を図っておるところでございます。  現在当面の河川改修の目標といたしまして、大河川におきましては戦後最大洪水に対処するということ、中小河川につきましては時間雨量五十ミリに対応する河川改修を行うという当面の目標を設定いたしまして、この目標にできるだけ早く近づきたいということから、第五次五カ年計画において治水事業の促進を図っておるところでございますが、それぞれ整備水準はまだそう高うございません。  しかし、そういった当面の目標を達成するためには、約三十兆円という莫大な投資が必要であるということから、私ども今後資金の確保について最大の努力を払ってまいりたいと思っております。
  96. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 では、地元の要求と個別の問題に入りたいと思うのです。  一つは、米代川の右岸及び左岸堤防の早期完成という問題であります。とりわけ米代川右岸の能代松原地区の堤防を早期にこの反省の中で建設してくれ、こういう要望が非常に強い、この点についてどうお考えになっているかということ。  二番目には、二ツ井町の薄井という場所から下流の右岸、同時に二ツ井町の仁鮒、そこの中台地区、これは五十五年から継続でやっているということでありますが、この築堤を急いでほしいということ。  それから二ツ井町左岸の掘削を、五十六年から掘削予定だという話を聞いておるのでありますが、早期に行ってくれということ。  それから、米代川の本川だけでなくて、小阿仁川だとか阿仁川だとかの支川、ここは堤防が最も大きく崩れたところでありまして、私も現地を見てきたわけでありますが、この決壊個所の応急工事をどうしても田植え前の五月十日ごろまでに完成してくれないか、こういうたっての要望がありますので、この点についてはどうか。  それから、二ツ井町の比井野川、同時に、能代市の悪土川及び桧山川運河がございますが、ここの水門にポンプを設置して何とか内水対策を強化してほしい、こういう要求が出されておるわけでありまして、きのう事前に事務当局の方に御連絡しておいたのでありますので、ひとつ簡潔にお答えいただければありがたいと思います。
  97. 陣内孝雄

    ○陣内説明員 まず第一点の松原地区の改修でございますが、これにつきましては、現在流下能力を向上させるために掘削築堤工事が計画されており、人家の連檐しておる左岸中川原や右岸向能代地区について、鋭意築堤工事を進めておるところでございます。  先般の融雪出水におきましては、堤防の設置された向能代地先等は幸い浸水被害を免れたわけでございますが、ただいまおっしゃいましたように、松原地先等では、今後改修を促進するように計画的に実施していくこととしております。  それから二ツ井町の左右岸のことでございます。右岸につきましては上流から計画的に堤防を下流へ向かって延ばしておりますし、対岸につきましても河道の掘削を進めておりますが、今後とも鋭意進めてまいる所存でございます。  次に、下流の桧山、悪土川にかかわる内水対策の件でございますけれども、これにつきましては、私どもといたしましては、やはり堤防ないしは掘削等を進めまして、本川の洪水をおさめることがまず第一に大事であろうというふうに考えておりまして、こういった本川の外水はんらんの防除の進みぐあいを考慮し、または内水被害の実態等を勘案しながら、今後これらの検討を進めてまいりたいと思っております。
  98. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 きのう一つ私の言い忘れておったのは、米代川の流域の本川以外の最も堤防決壊の激しい小阿仁川、阿仁川、これはいま初めてですから検討しているかどうかわかりませんが、できたらこの点もつけ加えていただきたい。  それから二ツ井町の比井野川、能代市の悪土川及び桧山川の運河のことをいまお答えいただきましたけれども、確かに順序から言いますならば築堤が先で、それから掘削、それから内水対策という関係になっていくということはわかるわけですね。お話を聞きますならば、四十八年からおたくでは内水調査をしていらっしゃるわけであります。現地の住民の声として、順序は順序で大事だということはわかりますけれども、何とかこれを急がせていただくようにがんばっていただけないだろうか、こういう意味で、もう一度御回答いただければありがたいと思うのです。  同時に、この点でもう一つつけ加えたいことは、雄物川の流域です。特に仙北郡の刈和野でも大変な災害を受けまして、私東京へ来るのに、汽車が全部とまって来れないという状況まで生まれたわけであります。この点の対策についても、これはきのう御連絡してありますので、あわせてお伺いできればありがたいと思います。
  99. 高畠志朗

    ○高畠説明員 前段の小阿仁川の災害復旧の促進でございますけれども、この点につきましては、従来災害復旧事業は三年で復旧ということになっておりますが、今回の秋田県の災害のように被害も大きく、また背後地の人命あるいは財産等に多大な影響を与えるようなところにつきましては、予算の範囲内におきまして早急に一年あるいは二年等、復旧年次を早めて施工するように努力してまいりたいと思います。
  100. 陣内孝雄

    ○陣内説明員 内水対策の点でございますが、これにつきましては米代川全川の改修の進みぐあい、こういうものを見きわめながら、被害の実態等勘案して、バランスのとれた治水対策を進めてまいりたいと思っております。  おっしゃいましたように、ただいま内水の調査を継続しております。今回の出水等も踏まえまして、さらにこの調査を進めるように努めてまいることといたします。  次に、雄物川の刈和野地先の件でございますが、これにつきましては、計画高水流量七千四百立方メートルを安全に流下させるということで、この地先を流れております本川の右岸堤とそれから支川の土買川の右岸堤、この両堤防につきまして、現在上流の方から計画的に築堤工事を進めておるところでございますが、今後も引き続き促進してまいりたいと思います。
  101. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 先ほどのような理由からしても、ひとつ積極的におやりになっていただきたいと思うのですね。  同時に、いまお答えがありましたように直轄河川は二年で復旧だ。問題はいまお話があった補助河川の場合です。これは三年でやることになっているわけでありますが、秋田県のような事情の場合には云々ということで、非常に好意的な御発言がありましたが、二年に縮めておやりになっていただけるというふうに理解してよろしいかどうか。  なぜかといいますと、市町村は住民と非常につながりを持っていますので、そういう点で自腹を切ってでも何とかしなければならないということで、現にしてきているという経緯もありますので、この点で再確認したいと思いますが、よろしくお願いします。
  102. 高畠志朗

    ○高畠説明員 ただいまの御質問の点でございますが、災害復旧事業は三年で復旧ということになっておりますが、これは三年のうち初年度に総事業の三〇%まいる予定でございます。その次の年に五〇%、そして最終年度に二〇%まいります。したがいまして、初年度と二年目とで八〇%の事業消化ができるようになっております。  これに対しまして、人命あるいは財産等の保全のために早急に復旧することが必要な、いわゆる緊急を要する個所、これはおおむね七〇%ぐらいで、急がない復旧工事があるのかというふうなことでもございますけれども、やはり早急に復旧する必要があるところと、必ずしもそれほどでもないというようなところと、おのずから分かれております。したがいまして、緊急に復旧を要するところは大体七〇%ぐらいでございますので、先ほどの初年度と二年目の合わせて八〇%の事業費でおおむね手当てできるのではないかと考えております。
  103. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 次に、農作物の被害であります。これは農林省の関係の方にお聞きいたしますが、西仙北町の促成キュウリが水害のために大変な被害を受けて、地元の新聞では大騒ぎして書いているわけでありますが、その立ち直りのための対策を立てていただきたい。もちろん共済に入っている方は共済金の支払いはあるでありましょうけれども、国においても融資の問題なんかについて極力やっていただきたいのですが、その関係でのお考えをお聞かせいただきたいということと、それからもう一つは農地、農業用施設の復旧ですね。これも早期に復旧していただきたいということに変わりありませんけれども、特にいま田植え期を前にしておりますので、この点、何とか間に合うようにやっていただけないだろうか。同時に、施設については三年かかるということではなくて、やはり早期にやっていただきたいということですね。  それから三つ目に、私が特にお願いしたいのは、今回私が現地を見てまいってわかったのは、物すごい土砂がたんぼを埋没させるほど流れてきているわけですね。同時に、わらくずだとか生活用品だとか木くずだとか、いろいろなものが一カ所、一カ所に点々と集中しているという状況があるわけでありまして、これが土砂とまじっていることは当然でありますけれども、これなども当然法律に見合う災害として認定してやっていただきたい。  この三つについて農林省から聞きたいわけであります。  同時に、水産庁の方も来ていると思いますが、秋田県の八龍町の浜口漁協というのがありまして、これは私は現地を見なかったのですが、私が町や組合の方からも聞いたら、この八龍町の近辺から男鹿半島にかけての海岸線一帯がずっとごみに埋まっているのですね。きのう現在でも船も出せないという状況がまだ続いているようであります。それで、県でも何とか対策を立てるということでいま一生懸命がんばっているようでありますが、何らかの救済策を講じていただけないだろうか。  こういう四つの点について、農林省関係からお答えいただきたいと思います。
  104. 塚田実

    ○塚田政府委員 それでは、御指摘の点について順次お答えいたします。  まず、災害を受けた農家の方々に対する金融措置でございますが、災害が全国的であり、かつ、国民経済に影響を及ぼすような大災害につきましては、天災融資法による天災資金の融資ということがございますけれども、今回の場合には、適当な資金は自作農創設資金であると私ども考えております。自作農創設資金は御案内のように金利は四・六%、据え置き三年、それから償還期限は二十年というふうに非常に低利で長期の資金でございます。  私ども、今回の災害に対しまして自作農維持資金を融通すべく、被害の状況に応じてその資金の枠の確保に努力してまいりたい、このように考えております。県ともよく相談して対処してまいりたいと思います。  それから第二点は、融雪災害に対する農地、農業用施設関係の復旧の問題でございます。このたびの融雪による被害は東北地方を中心に被害が発生しておりまして、私どもとしては、被害発生後直ちに係官を現地に派遣し、復旧工法の指導を行ったところでございます。また、御指摘のように春先の営農に支障を来すということではいけませんので、そういうような個所につきましては、査定前着工等の指導を行っております。また緊急を要する個所につきましては、先ほどもありましたように原則としては三年復旧ではありますけれども、初年度または第二年度で完了できるように措置を講じてまいりたい、このように考えております。  第三の御質問でございますが、確かに融雪等異常な天然現象によりまして、農地等に土砂、ごみがいろいろ流入しております。そうした流入した土砂または所有者が不明な雑物は、土砂排除と一体の作業でありまして、また土砂及び雑物排除につきましては、農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律に基づきまして、従前の効用が回復できますように対処できるということになっておりますので、私どもはこの法律に基づきまして対処してまいりたい、こういうふうに考えております。  最後に第四点は、漁場の区域内に流木等のごみが流入して操業に支障を来しているという御指摘でございます。私ども、流木等のごみが浮遊したり堆積などによりまして、沿岸漁業の操業上支障を来すというような漁場につきましては、漁場保全という立場から、これら障害物を除去することによりまして、効用の低下した漁場の回復を図るための事業に対しまして、助成することとしております。  御指摘の米代川河口から男鹿半島に至る沿岸漁場におきまして、流木等のごみが浮遊したり堆積し、一部、タコはえなわ及びカレイ刺し網漁業等の操業に、支障を来していると私どもも聞いております。現在のところ漁業被害についての詳細を十分把握しているわけではございませんので、先ほど申し上げましたような事業助成ができるかどうか、今後秋田県とも十分連絡をとって適切な措置をいたしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  105. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 次に、災害弔慰金の問題でお聞きしたいのでありますが、先ごろの小委員会の際にも私はこの点を申し上げたのですけれども、災害による死亡者に対する弔慰金は、七八年の三月改正で、厚生省ですね、現在二百万円です。ところが今国会で、地方行政委員会でありますが、そこで審議された犯罪被害者等給付金支給法では最高八百万円から九百五十万円ということになっているわけですね。この中には、国は一般的に憲法の第二十五条に定められた生存権といいますか、そういうものを基本的に守っていく、こういう意味合いも十分含まれているというふうに私は聞いているわけであります。災害が全くすべて国の責任一〇〇%だというわけではありませんけれども、見舞い金程度ということじゃなくて、やはり生存権も災害から守られるべきであるという観点から、弔慰金の額を抜本的に引き上げていくべきではないか。さしあたって、私は四百万円ぐらいをワンステップとして考えたらどうかということです。  なぜこういうことを申し上げるかということをもう一回重ねて言いますと、消防署の職員の殉職者の賞じゅつ金ですね、これは千三百万円から三千万円ですね。それだけ幅があるわけでありますが、それだけで単純に比較できるできないという問題もあろうと思いますが、通り魔殺人で不意に命が奪われるのと、災害で一瞬のうちに命が奪われるということは、似ている感じもしないわけではないわけですね。特に治山治水、防災対策が手抜かりで、その関係で災害で死傷に至るということは、国の責任がそれよりも私は強いという状況もあろうかと思うのですね。  この検討はそういう点を十分考えておやりになっているのか、どの程度の改定をいまお考えになっているのか、この点をひとつお聞きしたいと思います。
  106. 岡光序治

    ○岡光説明員 災害弔慰金の支給限度額の問題でございますが、この法律、四十八年に制定されておりますが、制定以来逐次改正が図られてきているところでございます。現在先生御指摘のように二百万ということになっておりますが、私ども、この額の問題につきまして、この法律の趣旨の問題が一つ考えられなければならないわけですが、基本的には、市町村が実施をする見舞い金という性格を持っているというふうに理解しておるところでございます。そういう前提と、それから他制度との均衡をやはり考えざるを得ないんじゃないだろうか、こんなふうに考えておりまして、先生いまお話がありましたように、消防関係の表彰規程でも三百万円から一千三百万円という幅でこの金額が決められておるようでございまして、基本的にどういうふうに考えるかというときに、こういった消防関係の方、たとえば災害救助に従事をされておってそのときに亡くなられた、こういうのが恐らく前提になって、こういう金額の幅が決められていると思うのですが、最低額三百万というふうなものもありますので、そういったものを前提にして、現在の額である二百万円というのはおおむね妥当なんじゃないだろうか、そんなふうに考えております。  しかしながら、過去四十八年制定当時五十万円でありましたものを、五十年一月に百万円、それから五十一年十月に百五十万円、それから五十三年三月に二百万円、こういうふうに改正をされてきているわけでありまして、これは法律で規定されておりますので、そういう意味で、国会で十分御審議をされたような経過もございますし、一方、この実施主体は市町村でございますので、そういう市町村の御意見も参考にしなければならぬと思いますが、全体にそういった状況を判断して今後対応していくべきもの、そんなふうに考えております。
  107. 中川利三郎

    ○中川(利)委員 最後に一括してお聞きするわけでありますが、いま先ほど私千三百万円から三千万円と言ったが、それは三百万円から千三百万円の誤りでしたからここで訂正しておきます。  消防の賞じゅつ金では、支給される遺族は兄弟姉妹も含まれているわけですね。しかし弔慰金の方は親子、祖父母、孫までとなっておりまして、兄弟姉妹というのは含まれていないわけですね。この点では、消防、警察、今度の犯罪者被害者のあれでもいずれもあって、その点は考え直すべきじゃないか、こういう問題が一つ。  それから、秋田県では独自に、たとえば水害の場合床上何ぼだとかいうふうに、それぞれ見舞い金を出すことになっているわけであります。それで私は、弔慰金の引き上げだけでなくて、家屋や家財の被害や負傷ですね、こういうものにも見舞い金を出すよう弔慰金法を改正しよう、これはわが党の従来からの主張でありますが、これについて、県任せにしないで、国も何ぼかの責任を持つように、そういう仕組みを取り入れるべきじゃないかということ。     〔委員長退席、米田委員長代理着席〕  同時に、ことしの豪雪で、秋田県では四名の方が雪おろし作業中亡くなっているわけでありますね。県からも当然報告が来ていると思いますが、この全員に弔慰金が支給になるのかどうか、この点の御回答をいただいて、私の質問を終わります。
  108. 岡光序治

    ○岡光説明員 まず、今回の豪雪の死亡者につきましては、これを支給するということで、すでに県当局には連絡済みでございまして、そういう方向で事務処理をいたしております。  それから、基本的な問題の御質問でございますので非常に答弁もむずかしいのですが、私どもは、いまの法律の制定の趣旨等考えまして、これを前提に考えておるわけでございますけれども、まず家屋の被害とかそのほか家財の滅失なんかにつきましては、やはり一時的な立ち直りということを考えますと、この法律の制定の趣旨にかんがみて、援護資金の貸し付け等で対応すべきものじゃないだろうか。それから、それで対応できないときには、たとえば世帯更生資金の活用とかそんなふうなことで、いまの制度を運用していくべきものと考えております。  先生の御意見、ひとついろいろとまた検討させていただきたいと思っておりますが、現在はそんなふうな考え方でございます。
  109. 米田東吾

    ○米田委員長代理 田島衞君。
  110. 田島衞

    ○田島委員 時間の関係で簡潔にお伺いをしますので、お答えの方もひとつ簡潔にお願いをしたいと思います。  まずお伺いをしたいと思いますことは、大規模災害対策についてであります。  現在の国、地方、それぞれ例外なく、大変厳しい財政事情の中にあるわけですけれども、特に国の場合、そのような厳しい財政事情の中で、災害対策基本法で求めるところの、いわゆる国は、「組織及び機能のすべてをあげて防災に関し万全の措置を講ずる責務を有する。」とありますが、そういうことはとてもいまの財政事情では望んでもできないことではなかろうか、こう思うわけでありますが、まずその点について基本的に大臣のお考えを聞かしていただきたいと思います。
  111. 園田清充

    ○園田国務大臣 災害も御指摘のとおり非常に多様化してまいりまして、実は、たとえば東海地震を予測いたしまして、大規模地震対策特別措置法ということで地域を指定するとか、あるいは、おっしゃったとおり国の財政が許す範囲内においてできるだけのことはしてまいりたいということが政府の考え方でございます。  しかし、非常に広範多岐にわたる災害の状況からして、おっしゃるとおり万全を期したいけれども、なかなかそれは容易でないというのが現実の姿でございます。
  112. 田島衞

    ○田島委員 まさにおっしゃるとおりで、できるならば法の求めるように万全の措置を国がとっていただければこれにこしたことはないわけでございますけれども、現実にはないそでは振れないのはだれもが認めなければならぬし、また理解しなければならぬと思います。  そこで、そのような現実の中で、私はこう考えるわけです。つまり、大規模地震による災害というものは未然に防止することはまず至難のことである。と同時に、これは必ずしも、巨額の投資をしたらその災害から完全に国民を守り得るという性格のものではないんじゃないか。確かにその地域、災害の種類によっては、これだけ投資をすれば、このくらい思い切った対策を立てれば相当それによって効果を期待し得るというものもあるでしょうけれども、大規模の地震災害の場合には、ちっとやそっとの投資ではそれによる効果というのは余り影響はないのではなかろうか。そういうことを考えたときに、それらの点も踏まえて、しからば現状の財政事情の中でどのような道を求めて、法の求めるところを満足させようとするか、そこが問題だと思うのですけれども、その点については大臣でなくても結構ですが、災害対策に関係のある各省庁で、金はない、財政事情は悪い、だからといって災害に対する対策は進めなきゃならぬ、その進める方途をどのように求めていこうとしておるのか、ひとつ簡潔に聞かしていただきたいと思います。
  113. 園田清充

    ○園田国務大臣 私の方から心構えだけ申し上げます。  いま御指摘があったとおり、非常に災害については、特に地震などの場合には予知情報ということで、これを予知することに科学的な全力を集中して、予知情報をキャッチするべく努力をいたしておりますが、いま御指摘のとおり、いずれにしても、災害が発生したという場合にはまず人命をいかに守っていくかということで、かつまた、最小限の被害にどう食いとめていくかということが、当面の私どもの努力ではないかというふうに考えておるわけでございます。  それぞれに、各省庁にわたりましてそれなりの努力、計画をいたしておりますので、順次各省庁からひとつ御答弁を申し上げたいと思います。
  114. 山越芳男

    ○山越説明員 特に地震の問題につきましては、地域防災計画の中で地震防災強化計画をつくりまして、その適切な運用を図りまして、大地震に対処していくという考えでございます。  なお、その際に、消防機関と同時に、地域の住民の方々が自主的に、自分たちの地域を守るという活動を行うことも大切だと思います。  そういう意味におきまして、消防庁といたしましては、自主防災組織の手引きとかテレビ、ラジオによる広報とか、さらにはコミュニティー防災センターの整備に対する助成とか、そういうものを通じまして、自主防災組織の整備を積極的に推進をいたしておるわけでございます。  以上でございます。
  115. 長谷川義明

    ○長谷川説明員 建設省の都市防災対策といたしましては、都市における建築物の不燃化を図ること、それから防災のための都市施設、たとえば避難地、避難路等の整備でございますが、そういった都市施設の整備を通じまして、都市の防災構造化を図ることが必要だと考えております。  建築物の不燃化の促進という観点から、現在都市計画法に基づきまして防火地域制という制度がございまして、商業・業務地域等におきまして建築物が密集する、あるいは高度利用を図るべき地区というようなところでは、防火地域を指定いたしまして、耐火建築物にしなければならないということを義務づけた地域制によりまして、相互の安全を図るということをやってございます。  五十五年度におきましては、さらに避難地、避難路の安全を確保するために、避難地、避難路の周辺の建築物の不燃化が急がれるわけでございますが、そういった自主的な不燃化を促進するという観点から、都市防災不燃化促進助成という制度を創設いたしまして、建築物の不燃化をさらに図っているところでございます。
  116. 田島衞

    ○田島委員 消防庁、建設省からそれぞれお答えをいただいたのですけれども、いまのお答えのようなそういう考え方だから、私は大変心配しておるわけなんですよ。いまお答えのような甘い考え方だったら、恐らく大規模地震が起こったらほとんど救済はできないのではないかと私は思います。  たとえば消防庁の方では自主防災を指導して云々と言っていますけれども、自主防災をやれと言っても、いまの新建材を多用している都市に踏みとどまって守りなさい、火を消しなさいと言ったって、煙に対応できますか。消防署そのものですら満足にマスクを持っていない。いわんや一般家庭なんか持っていもしない。そんな人たちに、煙の中で敢然と踏みとどまって守りなさいとよく言えますね。それをどういうふうに守らせるのか、聞かしてもらいたい。  それから建設省のお答えですけれども、不燃化云々というそれは一応わかりますよ。何年、何十年かかってそれをやるのですか。あしたにぐらっときたらどうする。少し甘過ぎるのじゃないですか。皆さん方それぞれだってそのようなパニック状態についての経験も何もないのでしょうけれども、幸か不幸か私どもは戦争という経験を持っておる。いざ異常災害が起きた場合になったら、いまのような物の考え方ではとうてい救済はできぬでしょう。恐らく消防署の署員ですら全員消防署に駆けつけることは困難だと思います。また事実、駆けつけることを無理に求めることは得策ではないと思うのです。消防署員といえども、災害の程度によっては、むしろ各自が自分の自宅の周りにいて、その近所の人たちを指導して防災に当たれということにした方が適切である場合もあり得るわけです。恐らく本当に大規模の地震が起きたら、たとえばこの東京で頼みになるのは自衛隊と警視庁機動隊ぐらいなものだと思うのです。役所の職員さんだって、かわいい女房、子供を置いて集まってこいと言ったって、それはとても無理な話です。それよりはむしろ自分の地元にいて、それぞれの地元の住民の先頭に立って防災に当たってもらった方が有効だと思う。それが現実だと思うのですよ。そういう現実から遊離した、いまみたいなお答えでは、とてもではないが、災害対策のいろんな法律もできておる、会議もある、組織もつくられた、だけれども、まさに絵にかいたもちだと言わざるを得ないのじゃないかと思う。  まず消防庁さんの方から、一体いまの新建材を多用している都市で、あっちにも火が出た、こっちにも火が出た、そこに有毒なガスが充満する、その中でどうやって住民にみずからを守れというのか、方法を聞かせてください。
  117. 中島忠能

    ○中島説明員 私は非常にむずかしい問題だと思います。大規模災害のときのみならず、大規模な防火対象物、単一の防火対象物が火災になった場合においても、実は同じような問題が現在ございます。  私たちの方は、先生もお考えになっておられると思いますけれども、やはり第一次的には、そこで初期消火に当たりなさいというふうに指導しておるわけでございます。ただ、初期消火に当たれと指導しますけれども、初期消火に本当に当たって、どの時点で避難した方がいいのかという判断というのは、これは画一的にもできませんし、非常に判断のむずかしい問題でございます。逃げおくれて、煙に含まれております有毒ガスで死亡するというのも間々あることでございますので、なかなかむずかしい問題だと思います。  そこで、現在開発されております空気呼吸器とか酸素呼吸器がございますが、そういうものを使用いたしますと、相当な期間というものは初期消火に当たれますけれども、これは非常に重うございますし、また着脱が非常にむずかしゅうございます。したがいまして、私たちといたしましては、一般の国民に対して、こういうものを使用して初期消火に当たりなさいということを言えるか言えないかということは、災害の態様によって非常にむずかしい問題でございますから、それぞれの地方自治体、それぞれの消防本部で、災害の実態に応じたような訓練というものを、住民組織にやってもらわなければならないだろうというふうに思います。  ただ、その過程におきまして、私たちの方で技術的にあるいは知識的に提供すべきものがあれば、積極的に提供して指導してまいりたいというふうに考えております。
  118. 田島衞

    ○田島委員 いまのお答えの中にも、地方団体にお願いをして訓練をと言うけれども、どういう訓練をしたら煙の中でみずからを守れるのですか。  それから、これは建設省も消防庁も両方に関連あると思いますけれども、たとえば逃げる、逃がすという、それにも関連があるから私は質問をしているわけなんですが、たとえばこの東京で、一部の例外の地区を除いて、逃げる道がありますか。本当に逃げられる適当な距離の場所がありますか。ないのですよ。ふだんだって大変混雑する道路、特に避難道路なんてないのですよ。また、これからやるといってもいまの財政事情ではつくれっこない。とすれば、避難場所と避難道路というものはほとんど有効ではないと考えなきゃならぬ。場所によっては、三キロも四キロも離れたところに逃げなさいなんていう指導をされているのですからね。年寄り、子供にそんなことできるわけがない。  そういうように、現実に使い物にならぬ避難場所と避難道路、しかも避難することは非常に困難であるというこの現実からすれば、特定の場所を除いては、避難させずに踏みとどまって守らせた方がいいのです。大変に地震に対して弱い建物の多い地区、この地区はもう文句なしに警報があったら早速避難をさせる指導をする、誘導する、これは必要だと思うのです。だけれども、それほどに耐震性の弱い地区でなかったならば、逃がすよりも、むしろ逃げずに守りなさいと指導した方が有効だと思うのですよ。ただし、そこに心配なのは煙があるわけです。だけれども、この煙は、逃げたってあるのですよ。だから問題は、その煙に対する対応をどうしていくか、そこへしぼっていくことが、私は、いまのような財政事情の中での大都市における災害対策としては、一つの急所だと思うのです。  建築物の耐震度、これを調べて、どうしてもこの地域は危ない、一定のマグニチュードの震度以上の地震が来たら危ない、そういうところはもうとにかくできるだけ早い時期にそこから退避させるのだ、それ以外のところは逃げろと言ったって無理なんで、逃がすのではなくて、むしろ各自の家からだけは火を出さぬというくらいの覚悟で守ってもらう。住民全部が消防団員なり消防署員になったくらいのつもりでやらなかったら、とてもじゃないが守り切れぬと思う。  そのためには、やはり最小限度の自主防災のできる器具機材は与えなければだめだと思う。それはそんなにりっぱなものでなくても、とりあえずは応急的な呼吸できる器具、そういうものを、いま現在なかったら至急に開発しなければならぬけれども、大体そういうものがありませんね。あるのは、大変重くて、装着がむずかしくてと、こうです。では、なぜやさしいものをつくらないか。どの程度むずかしいか知りませんけれども、現にそういうりっぱな呼吸器だってマスクだって、いま現在一体どのくらいありますか。たとえばこの東京都の消防庁管下にどのくらいの個数がありますか。各消防署にどのくらい配置されているか。全消防署員に渡っていますか。それをちょっと聞かしてください。
  119. 中島忠能

    ○中島説明員 いろいろ御質問を拝聴いたしておりまして、私なりに考えるところがございます。できるだけ、先生の心を心としてがんばっていきたいと思いますが、とりあえず、きょうの御質問に対しましては次のようにお答え申し上げたいと思います。  何といいましても、防災対策というのは私はやはり総合対策だと思います。したがいまして、いかにして火を出さないようにするか、地震が来たときにできるだけ火を出さないようにするということの、常日ごろからの住民に対するPR、そしてまた、住民一人一人が先生がおっしゃるように消防団員になる、消防職員になった気持ちでそれに対処していただくということが私は必要だと思います。  現に、五十三年の六月に仙台で大地震がございましたけれども、そのとき、事前に仙台の消防本部では住民に対してそういうPRを常日ごろからやっておりましたために、非常に火災件数も少のうございましたし、それに伴う被害も最小限に食いとめたというふうに私たちは評価しておりますけれども、まずそういう気持ちになって住民が当たっていく必要があるだろうというふうに思います。  ただ、そうは言いましても、やはり住民も人間でございますから、なかなか十分対処し切れないだろう。そのような場合には、先生が先ほどおっしゃいましたように、住民に火災が小さい間にできるだけ消火をやってもらわなければならない。そのために、やはり消火器というものも常日ごろから使い方も覚えておいていただく必要があると思いますし、現にそういうような消火器とか可搬式ポンプというものを住民組織が自分たちで備えておるような地域も、全国的に非常にふえてきております。私たちの方で住民組織に対しましてそういうような働きかけをいたしておりますけれども、私はそういうようなことをこれからじみちに積み上げていく必要があるだろうというふうに思います。  そういうことを重ねまして、できるだけ火を出さないようにする、火が出た場合には、できるだけ初期の段階において消火していくというようなことを住民に対してPRしていく、あるいは訓練をしていく。そういう過程におきまして、消防機関としても最大限の努力を払っていくことが必要だと思います。  なお、先生がおっしゃいました空気呼吸器、酸素呼吸器の話でございますけれども、私の記憶によりますと、東京消防庁は大体三千二百から三千三百のものを持っておるのじゃないかというふうに記憶しております。
  120. 田島衞

    ○田島委員 まあ、私の言い方が下手なんでしょうけれども、国の財政も地方財政も大変豊かで、必要なものはどんどん用意できる、また必要な避難場所も避難道路もどんどん整備できるというのならいいのですけれども、そうではない現状にある。だからといって、災害が来れば、その災害に対して最善を尽くして住民の生命、財産を守っていかなければならない。その道をどこに求めるかということをわれわれも一生懸命検討しておるのですよね。追求しておる。その追求しておる結果出てくることは、人間の姿勢といいますか物の考え方でその辺が大きく違ってくるということ、これはお金がかからぬのですよ。そんなことを言うと一般国民、住民の方に怒られるかもしれぬけれども、逃げなさいと言って背中を向けたら、大変屈強の人でも使いものにならなくなってくる。だけれども、逃げちゃいけないんだ、守るんだと言ったら、女の人だって結構りっぱに役に立つ。そこのところは、お金のかけ方じゃなくて指導の仕方なんですね。だけれども、そういう人たちに対しても、やはり持たせるべき最小限度の道具や自分の生命を守るための最小限度の器具機材は与えなければいけない。  そこで私がしつこいように言うのが、いま一番心配なのは火よりも煙なんです。だから、その煙に対する対策をもっと真剣に考えなければいけない。何とか軽便な、酸素何々と言うんですか、昔はマスクと言ったんですけれども、そのマスクを開発して、それが低廉に一般家庭にたとえ一つでも回るようにしなければならぬ。それができれば、大したお金をかけずに、相当強力な防災組織ができると思うのですよ。だけれども、いまの状況だったら官設の消防そのものだって、本当の異常災害が起こったらどれだけ役に立つか、私は疑問だと思う。  それから、建設省にも関係あることですけれども、いま現在の、たとえば東京都内における避難場所と避難道路、それから防災拠点なんかをやっていますけれども、恐らく全然役に立ちません。ではどうしたらいいのか。これは私の方で聞いておるわけです。
  121. 長谷川義明

    ○長谷川説明員 先生御指摘のとおりでございまして、大規模な地震が起こったときに、私どもの現在の対策では、恐らく財産の保全というところまではとてもいかないだろう、人命を守るためにいかなることができるかというようなことが、現在の対策の限度ではないかというふうに考えております。  避難地、避難路等は、東京都の地域防災計画におきましてすでに百三十四個所の避難地等が指定されておりますが、先生御指摘のように、三キロ、四キロ以上の避難路を逃げなければ到達しないというような実情にございます。かと言って、近くに直ちに避難地になるような広場があるわけでもないという実情にございます。  そこで、私どもといたしましては、大規模地震が起こったときに、先生が御指摘のように老人、子供、病人といったようなものを避難させなければならない。しかも道路ではかなりのラッシュといいますか混乱が予想される。そういうふうになりますと、逃げる距離は恐らく二キロメートルが限度だろうというふうに考えております。二キロメートルのところに避難地を配置して、皆が逃げれるようにしなければいかぬ。その場合の避難地の広さにつきましても、先生御指摘のように、煙でありますとか輻射熱あるいは炎といったような問題で、被服しょうの経験等もございますし、少なくとも十ヘクタール以上の広がりを持って、しかも周りが不燃化をしたものでなければ安全な避難地とは言えない。そうすると、そういった安全な避難地というのはどのくらいあるかということになると、非常にさびしい限りだということになるわけでございます。  私どもといたしましては、先生がいろいろ御指摘のような、自主防災あるいは住民の努力による初期消火というようなものができなくなった最後の段階でどこへ逃げるか、最終的な避難地、避難路、そしてとにかく人命の安全を確保するというようなことのための公共施設の整備を進めるという観点から、いま申し上げましたような基準で避難地、避難路を、少し時間はかかりますけれども、長期的な整備を行っていくというのが建設省の行政でございます。
  122. 田島衞

    ○田島委員 もう時間が一分ぐらいしかありませんから、きょうはこれで質疑を打ち切らしていただきますが、この問題については私はまだ了承できない。いずれまた機会をいただいて、もう一回同じような問題を聞きますから、ひとつ十分検討しておいていただきたいと思います。  質問を終わります。
  123. 米田東吾

    ○米田委員長代理 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十五分散会