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1980-04-01 第91回国会 衆議院 決算委員会 11号 公式Web版

  1. 昭和五十五年四月一日(火曜日)     午前十時十五分開議  出席委員    委員長 高田 富之君    理事 津島 雄二君 理事 原田昇左右君    理事 新村 勝雄君 理事 林  孝矩君    理事 庄司 幸助君       天野 光晴君    石田 博英君       久保田円次君    羽田  孜君       春田 重昭君    部谷 孝之君       楢崎弥之助君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (内閣官房長         官)      伊東 正義君  出席政府委員         内閣官房内閣審         議室長兼内閣総         理大臣官房審議         室長      清水  汪君         内閣官房内閣調         査室長     森永正比古君         国防会議事務局         長       伊藤 圭一君         人事院事務総局         給与局長    長橋  進君         内閣総理大臣官         房会計課長兼内         閣参事官    京須  実君         環境庁企画調整         局長      金子 太郎君         環境庁水質保全         局長      馬場 道夫君         中小企業庁次長 相沢  均君  委員外の出席者         大蔵省主計局司         計課長     石井 直一君         大蔵省主計局法         規課長     塚越 則男君         会計検査院事務         総局次長    松尾恭一郎君         会計検査院事務         総局第一局長  岩井  毅君         決算委員会調査         室長      黒田 能行君     ――――――――――――― 委員の異動 四月一日  辞任         補欠選任   永末 英一君     部谷 孝之君   楢崎弥之助君     阿部 昭吾君 同日  辞任         補欠選任   部谷 孝之君     永末 英一君   阿部 昭吾君     楢崎弥之助君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和五十二年度一般会計歳入歳出決算  昭和五十二年度特別会計歳入歳出決算  昭和五十二年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和五十二年度政府関係機関決算書  昭和五十二年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和五十二年度国有財産無償貸付状況総計算書  (内閣所管)      ――――◇―――――
  2. 高田富之

    ○高田委員長 これより会議を開きます。  昭和五十二年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、内閣所管について審査を行います。  この際、伊東内閣官房長官から発言を求められておりますので、これを許します。伊東内閣官房長官。
  3. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 委員会の御質問に先立って一言おわびを申し上げます。  去る三月五日の委員会で私が出席御要求をされておったのでございますが、ちょうどかぜで高熱を出しまして出席ができませんで、委員の皆様に御迷惑をかけたことがございます。おわびを申し上げる次第でございます。
  4. 高田富之

    ○高田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。新村勝雄君。
  5. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 官房長官にお伺いをいたします。  まず一つは、いま政府・自民党で検討されておると伝えられる選挙違反の裁判について、二審制を採用しよう、こういうことが検討されておるようでございますが、その検討の状況、それからまた、長官の基本的なその問題に対する考え方をまず伺いたいと思います。
  6. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  いま御質問があったのでございますが、御質問の件は、自民党の選挙制度委員会の小委員会で、政治浄化に関する事項ということで検討が行われたことを承知しておるわけでございます。これはいわゆる百日裁判ということが公選法で言われているわけでございますが、それを思い切って三審制を二審制にして早くしたらいいじゃないかという趣旨で党で検討が行われたのでございまして、これは小委員会でございます。まだその後はこれを委員会それから上にというふうにはなっておらぬというふうに聞いております。  この問題は、もちろん選挙犯罪事件早く処理するということは望ましいことでございますけれども、しかしこれは裁判制度の仕組みと関係があることでございますから、軽々にこの問題に結論を私どもが述べるということは問題があると思うのでございますので、これは党の方でやっていられることでございますが、私の方としましても、これは各方面の意見を聞いて検討すべき問題だ。党の小委員会でそういう小委員会の結論が出たということを承知しておりますが、これはずっと進んで党の中で上の方まで上がって検討されるということはまだ聞いておりませんし、党から政府には来ておりませんが、これは私どもも本当に重大な問題でございますので、関係者の意見を十分聞いて、やはり検討してから結論を出しませんとならぬほどの非常に重大な問題だというふうに思っております。
  7. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 党で検討されておる、まだ上部に上がってこないとおっしゃいますが、長官は自民党員であるし、現在の内閣の中枢におられるわけでありますから、何らかの御見解をお持ちであろうと思いますし、この問題についての今後の扱い方、あるいはまた、それが今国会で成案を得て提案をされるようになるのかどうか、それらの見通しはいかがですか。
  8. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 これは公職選挙法の問題でございますが、党では公職選挙法とそれから政治資金規正法と両方検討してもらっておるところでございます。それで、政府案というものといたして御検討願うということは実はいままではまだやっておらぬ、党の中で検討しておられるということでございます。政治倫理の問題に関連しまして、政治資金規正法、個人に入ってきた政治資金を団体にやる、あるいは個人のところへ残す、残ったものについては課税をしたらいいじゃないかとかいろいろ問題があるわけでございますが、そういう政治資金規正法をぜひ今国会に御提案して御審議をしていただきたい、成立を期したいということを毎々総理は言っておりますし、選挙法につきましても、いまいろいろな意見があるわけでございますが、これは与党だけではなくて野党とも非常に関係がある選挙の問題でございますので、恐らくそういう相談もする段階があると思うのでございますが、最大公約数、話し合いのついたものは公職選挙法も出して御審議を得たいということを総理は言っておるわけでございます。  ただ、いまの三審制度を二審制度に直すかどうかは非常に重大な問題でございます。早く結論を出さなければいかぬということについては私は同感でございますが、そういう手段を講ずるのかどうかということにつきましては、これは非常に問題のあることでございますので、まだ案がまとまるというところにいきませんし、政府ではそういうものを提案する予定はしておらなかったわけでございますので、これは今後、党の中でいろいろ御相談になることだというふうに私どもは考えておるわけでございます。
  9. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 いま伝えられる考え方は、公選法の改正あるいは政治資金規正法の問題とは別の問題だと思うのです。現在の選挙制度を改正しなければいかぬという問題がございますし、特に政治の腐敗ということが言われておりますので、これに対する規正、特に政治資金規正法の改正は焦眉の急だと思いますし、選挙法の中にも改正をしなければならない問題がたくさんあるわけでございますけれども、その中に含まれておるいわゆる二審制という考え方、これは、憲法で保障されておる裁判を受ける権利、これは基本的な人権の重要な部分でありますけれども、それとの関連があるわけできわめて重大だと思いますし、前に提案をされまだ決定をしておりませんが、弁護人抜き裁判と同じような発想ではないかというふうにわれわれは見ておるわけです。国民の基本的な権利である裁判について軽々にその権利を侵害するような発想はきわめて危険なわけでありますので、これは公選法や政治資金規正法とは次元の違う問題であると思いますので、この点についてもう一回、ひとつ長官の明確な考え方を伺いたいと思います。
  10. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 いまの百日裁判というのは公職選挙法にあるわけでございますが、選挙法の改正の中で党の中で議論が出たことは先生も御承知のとおりでございます。先生のおっしゃるように、この問題は裁判を受ける権利の問題と関連する非常に重大な問題で、いまも高等裁判所を第一審とする裁判というのは、刑法で「内乱二関スル罪」ですか、そういうものがあったり、あるいは独占禁止法でこれは若干別な意味で二審制のような形になっているものがございますけれども、これは本当に特殊な場合でございまして、一般的にはそういうことはないわけで、これは裁判制度そのものと非常に関係することでございますから、先生のおっしゃったように、われわれも非常に重大な問題だというふうな認識を持っておりますので、党の方でどういう結論を出されるか、いま見守っておるところでございますが、先生おっしゃったように、この問題は非常に重大な問題だというふうに受けとめておりますことはそのとおりでございます。
  11. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 そうしますとこれは、そういう考えはない方がいいんですけれども、仮にそういうお考えを持つにしても、事前に各党の完全な了解がなければ強行しないというお約束ができますか。
  12. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 これはいま党の方の問題でございますので、私が党の方のことにくちばしを入れることは問題でございますので、私の個人的な意見としてお聞き願った方がいいかと思いますが、選挙法の改正になりますと、あるいはいまの問題含めて、恐らく与野党の相談があって最大公約数ができてやっていくのが一番望ましい。全国区の問題なんか実はいろいろ意見があるのです。そういうような問題もございますので、これは選挙のルールづくりでございますので、恐らく与野党で御相談になると私は思っておりますし、それが望ましいことじゃないかというふうに思っております。
  13. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 ぜひそういうことに願って、強行されないようにお願いをしたいと思います。  次に、これはかねてから幾たびか取り上げられた問題でありますけれども、会計検査院法の改正の問題であります。  この点については、この前の委員会で副長官がおいでになって副長官からいろいろ答弁を願ったのですけれども、やはり長官でないと、明確な答弁がなかったわけでありまして、さっぱり要領を得なかったわけです。そこで再びお伺いするわけですが、長官には初めてですけれども、会計検査院法の改正についてはすでに御承知のように長い経過がございます。五十二年五月十九日に衆議院の決算委員会で「会計検査の強化充実を図るための所要の措置を講ずるよう万全を期すべきである。」というような議決がされております。それから同じく五十二年五月二十四日の衆議院本会議でもやはり同じ趣旨の議決がされておるわけです。それから五十三年、五十四年と同じような趣旨の議決が何回も決算委員会あるいは本会議でなされておるわけであります。こういう状況を受けて会計検査院におきましても院法改正の基本方針を検査官会議で決定をしまして、これを内閣に送付をしてしかるべき処置をするようにということを内閣に要請をされておるわけでありますが、その後一向に具体的な手続が進んでいないようであります。その間の事情をまずひとつお伺いをしたいと思います。
  14. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答えを申し上げます。  私が官房長官になりましたとき、決算委員会で御質問がございまして、その当時、十二月ごろでございましたが、私まだその問題に手をつけたことがなかったので、取り組んでみますというお答えをしたことがございます。一月に二度、実は私のところに会計検査院あるいは関係省庁に来てもらいまして協議をしたわけでございます。私が就任します前にも、私の方の翁官房副長官が中心になりまして相談したのでございますが、なかなかまとまらないという経緯がございました。私も一月に二度やったのでございますが、いままでのところはなかなか話が両方一致しないということで、何か現実にそういう法案をつくったと同じこと、いまも肩越し検査と言われる検査をやっておるわけでございますが、できないかどうかということもいま模索しているところでございますが、いままでのところは申しわけございませんが法案を提出するところまでは至っていないというのが現状でございます。
  15. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 政治の浄化、特に行政当局の姿勢をこの際厳に反省をして、公務員あるいは行政執行の姿勢を正してもらいたいというのが国民の広範な世論になっておるわけであります。そういう中で選挙法の改正や政治資金規正法も大切でありますけれども、まずもって会計検査院法を改正して会計検査院の権威を一層高めると同時に、その権限を拡大し、特に会計面での厳正正確な執行を期するということは、これは絶対必要な要件だと思うのですね。そういうことで、従来もこういう経過をたどって、もう本来ならばこの国会あるいはもっと早い機会に国会に提出をされて成立存しておるのが当然だと思うのですが、内閣の怠慢というか熱意が不足というか、そのために依然としてそれが日の目を見ないということはきわめて遺憾であります。  一体、検査院からその要綱が要請されてからどういう具体的な検討をされたのか。内閣においてどういう具体的な検討をされたのか、そしてまたどこにどういう隘路があるのかないのか、それをもう少し詳しくお願いします。
  16. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答えを申し上げます。  いま綱紀粛正の意味で検査院法のお尋ねがあったのでございますが、その前にちょっと御報告がけしておきます。  一つは、行政監察がある特定の特殊法人しか及んでおりませんでしたが、これが全部の特殊法人を行政監察できるように法案を出しましてお願いを申し上げるところでございます。  それからもう一つ、これは個々の問題として国際電気通信、KDD、ああいうところも会計検査を受けるようにというような法案も実はこの国会にお出ししてお願いを、郵政省関係でございますが、しておるというふうに、個々の問題としてそういうことをやっておるわけでございますが、検査院法全部の改正は先ほど申し上げましたようにまだ実現をしておらないわけでございます。私の就任します前には、副長官あるいは審議室というところで各省庁の意見を聞くということをやっていたのでございますが、私になりましてから、私自分から乗り出して検査院も来てもらい、関係各省も来てもらって、何とかこの一致点を見出して法案提出できないかということを実はやったわけでございます。  要するに、行政官庁側の言い分は、調査権の法定化ということになりますと、これは借入者に対する心理的負担といいますか、非常に大きいのだ、特に中小企業とか農民等にとりましては、政策金融をやるわけですが、それを忌避するというような空気になって政策金融が目的を達しないことがあるのだ。だから検査院から言われればできるだけそれは肩越し検査に協力はいたします、しかし法定してやるということにつきましては、やはりお金を借りる方の特に中小企業、農民等、いつでも検査院から批難事項が出るのはそこが一番大きいわけでございますが、開銀とかそういうところは調査してもいままではないということでございます。そういう人が政策金融面でやろうとするとそれは検査を受けるのだというようなことで、中小企業でありますとお店の信用にかかわることがあるんだとか、いろいろな理由を言われまして、なかなか検査院の要望されるところと一致しないというのが、私が自分で直接タッチしましてまだできないでおります一番大きな理由でございます。
  17. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 融資を受ける先の立場からしてまずいとか、企業活動を制約するというようなことがあるいはあるにしても、現在の資本主義は野放しの資本主義ではないわけですね。政治あるいは政策とも密接な関係があるし、いわゆる管理された資本主義であるわけですし、企業の経済活動なりあるいは秘密なりというものも、公共の福祉に反して無制限に認められるものではないはずですね。そういう点から言って、いま検討されようとする、会計検査院から出ている要綱なるものも決して過酷なものではないわけです。いままでの最近の政治経済の経験からしてこの程度のものは少なくとも必要だということで検査院の方でもまとめられた案でありますから、これさえも認められないということでは、これは企業あるいは企業サイドに立つ人たちのエゴと言わざるを得ないと思います。だからそういう点で、政治の浄化あるいは公的資金の有効な運用という面から言って、政府としても決断をされる時期ではないかと思いますね。もう決断の時期には遅いぐらいなわけですから、ぜひ決断をされたいと思うのですけれども、今国会にこれを提出されるお考え、あるいは見通しについて伺います。
  18. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 御質問はよくわかるのでございます。私も取り組んでやってみまして、なかなかできませんで、どうも自分の非力を恥じているところでございますが、いまこの国会に必ず出すかという御質問でございますが、正直言っていまアセスメントとか週休二日とかやっておりますけれども、そういうものよりもはるかにおくれているということだけは確かでございまして、私も引き続き努力をしようと思っておりますが、いまこの国会に出すか、こうおっしゃいますと、お約束してなかなか実行できないということになることを私は恐れるのでございまして、鋭意また努力をしてみますということを申し上げる次第でございます。
  19. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 これは第一次大平内閣の一つの公約みたいになっておるのですね。五十四年六月四日の決算委員会で大平総理はこのように言っておられるわけです。「せっかく会計検査院がお出しになった案でございますし、みずからのとうとい経験から割り出された御見解でございますから、十分それは承り、真剣な検討をしなければならぬと思っております」「官房の方では、仰せのような検討の手順は今後踏んでいくものと期待しますし、おくれるようでございますれば私から注意します。」こういうふうに大平さんは言っておるわけです。ですから、第一次大平内閣の公約とも言える。そこまでおっしゃっておるわけでございますので、現在の大平内閣にとってもこれは大きな責任あるいは政治的な責任ではないかと思います。そういう点でひとつ官房長官も真剣にこの問題を検討されて、一日も早く国会に提案をされますように御努力をいただきたいと思います。  次に、オリンピックの参加問題について伺いますが、オリンピックはもちろん政治とは別のものでありまして、万国が平和を目指して一堂に会して平和の祭典を行うということでありますから、本来これは政治とは全然別の次元のものであるはずであります。ところが、ソビエトのアフガン侵入に関連をしてこれがきわめて政治的に扱われておる、これは世界じゅうがそういう傾向があるようでありますけれども、それではいけないと思うのですが、現在の長官のお考えについてまず伺いたいと思います。
  20. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  オリンピックが平和の祭典であり、世界の若人から――世界の若人だけじゃなく、世界じゅうから祝福されて平和友好裏に行われることが必要だということは先生のおっしゃったとおりだと私は思います。それで、実は政府は二月一日にちょうどレークプラシッドに役員あるいは選手が出かけられる前に、政府の意向が全然わからぬということではいかぬじゃないかということで政府の意向をJOCに伝達をしたわけでございます。あのときの精神は、オリンピックというのは先生のおっしゃったとおりの平和の祭典である、ところがソ連のアフガニスタンへの軍事介入ということ以来、世界では非常に厳しい世論が起こっておる、そういうことについては政府も無関心ではあり得ない、それでJOC、国内のオリンピック委員会もそのことはよく踏まえて、各国の国内委員会とよく連絡をして結論を出すようにしてもらいたい、ただ、参加するかしないか、最終決定はJOC、国内委員会が世界の委員会とよく相談をしてみずから決めることであるという趣旨の意向を伝達をしたわけでございます。その後世界的にいろいろな動きがあることは先生も御承知のとおりでございますが、政府としましては、あの意向を伝達しました後はじっと様子を見守っておる、基本的なあのときの考え方は変えていないということでございまして、その後世界の動きで、オリンピックボイコットの会議があるから参加しないかというようなこともよく言われますけれども、そういうところにも参加はしないで、いま国際世論あるいは国内世論というものを見守っておるというのが現状でございます。
  21. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 この問題が起こってからアメリカの政府がボイコットを表明したわけですね。それに呼応するようにすぐに日本が対応したということは、これはわれわれ国民にとってきわめて不自然な印象を与えておるわけですよ。またアメリカ追随かという印象はぬぐい切れないと思うのですね。こういう問題については、それほど緊急に直ちに決定しなくてもいいわけでありまして、もう少し情勢を静観して、世界の大勢を見きわめた上で、熟慮の上で政府の見解を発表してもいいはずです。また、政府が見解を発表したって、日本のオリンピック委員会が参加するということを最終的に決めれば、これを阻止することはできないはずです。そういうことで、なぜああいう、国民からすれば軽挙盲動とも言えるようなことをおやりになったのか、それをひとつお聞きしたい。
  22. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 上月一日という時期については先ほど先生に申し上げたようなことがあったのですが、ソ連のアフガニスタン侵入以来世界でいるいろな動きがあったのは先生御承知のとおりだと思うわけでございますが、われわれもアフガニフタン侵入以後一カ月はじっとあれを見ていたわけでございます。ちょうどレークプラシッドに役員、選手が出かけて、メキシコでも会議があり、それからレークプラシッドでも会議があったわけでございますが、向こうに行かれる際に日本政府の考え方というものもお伝えしておくことは、向こうでいろいろ発言されるでしょうが、恐らく各国とも政府はどう考えているんだということが問題になることは間違いないと思いまして、私どもとしましては、あの時点でああいうことを申し上げるのは、先生のおっしゃったように軽挙盲動だとは受け取っていないのでございますが、そういう判断をして意向を伝えたわけでございます。ただ、その後につきましてはまたいろいろな動きがあることは確かでございますし、五月十九日といわれ、あるいは二十四日といわれるのですが、最後に参加するかどうかの通告をする時期があるわけでございます。それまでにはまだ日があるのでございますので、国際世論あるいは国内世論の動向というものをわれわれとしては十分見守っていきたいというふうに思っておるわけでございます。
  23. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 三月二十四日の報道では、西欧十六カ国の五輪委がモスクワを拒否せずという声明を発表しておりますね。それから、続いて二十五日ですか、イギリスの委員会が参加を決定しておる。そしてUSOCもやはり三月二十八日にはモスクワ参加に傾いておる、こういう報道があるわけです。本家本元のUSOCさえも参加に傾いておる、こういう空気ですね。こういう中で日本がいち早く不参加を表明したということは、日本の平和に対する考え方、あるいは日本の基本的な外交姿勢さえも問われる結果になるのではないかというふうに思うのですけれども、その点はいかがですか。
  24. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 二月一日の意向というのを読んでいただけばおわかりだと思うのでございますが、まず、オリンピックというのは先生のおっしゃるように平和友好の間に行われるべきだという原則、それからソ連の軍事介入をめぐって厳しい国際世論があるということを申し述べまして、最後はJOCがそういう状態を踏まえてどう判断されるか、各国の国内オリンピック委員会と十分に打ち合わせて結論を出すべきだという意味を言ったのでございまして、これはいろいろ行間ににじみ出ている気持ちはあるのでございますが、私はあの時期でああいう意向を伝えたということ自身につきましては、そう間違っているのではないんじゃないかなと思っているわけでございます。JOCがあのときもすぐに声明を出されたのでございますが、JOCの声明も御承知だと思いますが、他の国のNOCとよく相談するんだという意味のことを実は言っておられるわけでございます。その後の情勢につきましては、先生おっしゃったように、イギリスでは政府や議会まで反対と決めたけれども、国内のオリンピック委員会は出ると言っているとか、実はいろいろな動きがあるわけでございます。  私どもはいま、二月一日に出した気持ちは変えておりません。ただじっと国際世論あるいは国内世論というものも、皆さんどういうふうにお考えになるのかなということで――これは実は新聞や何かもまちまちでございます。新聞によりましても、まちまちな社説があったり解説があったりしているということで、まだむずかしい問題があるのじゃないかというふうに私は思います。まだ時期がありますので、いまのところはじっと、二月一日に出した気持ちをもって見守っているというのが現状でございます。
  25. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 もとよりソ連のアフガン侵入については厳しく糾弾をされなければいけないということはもう世界の世論でありますけれども、オリンピックというのはソ連の国家主権の発動ではないのですね。これはIOCとそれから各国のOC、が開催をするわけでありまして、たまたまモスクワでそれをやるということでありますから、そういう点でソ連の主権の発動ではないわけです。しかも、権力を主体とする国家間のカの対立あるいは政治問題とは全く違う次元の問題でありますから、そういった点をもう少し認識を新たにされて対処される必要があるのではないかと思います。  そして最近、総理府で世論調査をされたそうでありますけれども、その世論調査によりますと、モスクワ五輪への参加に賛成の者が五〇%を超えているということでありますけれども、これは事実ですか。
  26. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  いま細かい数字はちょっと覚えておらぬのでございますが、レークプラシッドの前にやったときは、むしろ参加すべからずの方がどっちかというと多かったのです。レークプラシッドを終わりましてからまたやったときは、先生のおっしゃるように参加した方がいいというのがよけいだった。たしか先生のおっしゃった五一そのままでしたか、覚えておりませんが、確かに多いことは先生のおっしゃるとおりでございます。ですから、一回の調査だけでなくて、これはまた五月の最後のエントリーまでには何回か政府でも調査をしてみなければいかぬと思いますし、また新聞、テレビ等でも調査があることと思いますので、われわれはそういうものをよく頭に置いて見ているということを申し上げる次第でございます。
  27. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 ひとつ慎重に対処をしていただきたいと思います。  それから次に、成田空港の二期工事についてお伺いをいたします。  細かい点あるいは技術的な点については運輸省の所管だと思いますが、広く航空政策、その中で成田空港がどういう位置を占めているのかということは長官としてももちろん御承知でありましょうし、その中で二期工事がいま非常な問題になっておるわけですね。この二期工事について政府はどういう態度で臨まれるのか。成田空港のいままでの経過については御承知のとおりです。しかし、あの当初からの問題は依然として全く解決がついていないわけです。一期工事は政府の力を背景とする強硬策によってどうやら開港はいたしましたけれども、問題は全く解決をしていない。こういう中で二期工事についてどういう基本的なお考えを持っておられるのか、まず伺います。
  28. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答え申し上げますが、成田の問題は私、所管でございませんで、運輸大臣でございますので、その点はひとつお含みおきを願います。  二期工事の問題は、私は、国としてはやらなければならぬ工事だというふうに思っております。ただ、工事をしますときには、先生おっしゃるように地元の了解とか、いろいろ必要な手続があることは確かでございます。私、昔、農地局長をやっていたとき、いろいろなああいう工事があるときに、農家の方は農林省とよく話してもらいたいとか言われて、私も、百里の基地へ行ったり、あっちこっちへ農地局長として行ったことがございますが、そういう関係省がいろいろあるわけでございますから、みんなが協力して、そして地元の了解を得てやっていくということが必要だと私は思っております。  いま、それがいつごろになるか、いつから始めるかということは、私は担当でございませんので、申し上げかねますが、そういうような準備というものが必要だということはよくわかるわけでございます。御質問のことは運輸大臣の方へもよく伝えます。ただ、国としては二期工事は必要なものだということは、私はそう思っておるわけでございますが、手段あるいはタイミングという問題につきましては、運輸大臣の方へまた御質問をお願いしたいと思うわけでございます。
  29. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 空港が必要だということはわかるわけです。これを否定するつもりはないのですけれども、成田空港の事業の当初からのやり方、それから現在の政府の態度は、全く地元の農民を納得させる何物もないわけですよ。こういう中で、二期工事は全く実行不可能ではないかというふうに見ておるわけです。  その一つは、法的にきわめてあいまいな手続をとっておるわけです。たとえば二期工事の収用手続にしても、すでに収用手続は失効しているというのが、これは専門家の見解であります。  たとえばその一点を申し上げますと、二期工事については、当初建設大臣の認司によって事業決定がされておりますけれども、事業を決定したままで何一つ審理もしなければ裁決もしない、こういう状況の中で十年を経過しておるわけです。土地収用法によりましても、四年以内に権利取得裁決を終了して、そして明渡裁決を四年以内に完了していなければその事業認定は無効であるというふうにこれは解釈されるわけです。ところが、そういう状況の中で十年を経過しておるわけでありまして、そういう、技術的な面でありますけれども、土地収用に関する事業決定はもうすでに失効しておる、こういう有力な見解もあるわけであります。そして、地元の農民については何ら了解工作をされておらない。それどころか、現在二期工事の中に住んでおる方が十軒ほどあるわけですけれども、その二期工事の中に住んでおる方々に対する過剰警備というか、機動隊のきわめて過剰な、人権無視とも言える警備を続けておるというか、農民に対する不当な圧迫を続けておるというのが実態であります。こういう状況を長官、御存じですか。
  30. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 せっかくの御質問でございますが、私は余りそういう事情、成田のことを詳しく存じませんので、まことに申しわけございません。  いま収用手続の法解釈の問題等、お話しになりました。これも有力な意見があるというお話でございましたが、恐らく、政府は別なことを言っているのだろうと思いますが、これも私、専門でございませんので、その問題あるいは農民の了解ということは、私も役所にいて経験がございますので、その農民の了解等については、やはりもっと積極的に了解を受けるというようなことをやる必要は当然あると私は思いますので、こうしたこと、法律の問題あるいは実務につきましては余り詳しく存じませんので、ひとつ答弁を御勘弁を願いたいと思います。運輸大臣あるいは建設大臣、まあ県、公団もやっているのでしょうけれども、そこへは必ず伝えます。
  31. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 これは、細かい問題については、あるいは運営の問題については確かに運輸大臣の所管であろうと思いますし、長官にお伺いしてもこれは無理であろうと思いますけれども、成田空港の将来をどうするかということは、これは単なる運輸省だけの問題ではなくて、内閣としても重要な懸案であり、課題であろうと思うのです。そういう中で、今後のこの問題の対処をどうするのかということを伺っておるわけでありまして、そういうような法律の解釈等についてはこれはおいて、そういうこととは別に、第二期工事の問題あるいは今後の空港に対する政府の基本的な方針はどうなのか、こういうことであります。こういうことを伺っておるわけであります。
  32. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 基本的な問題でお尋ねでございますが、成田空港はやはり国際空港として完全なものに仕上げたい、日本が世界の中に入って、あそこは日本の表玄関といいますか顔になるわけでございますので、ひとつ国際空港としてりっぱに仕上げたいというのは、これは政府の基本方針であることは間違いございません。そういう意味で、二期工事もお話し合いがつけばやっていくということでございますが、その前提は、先生のおっしゃったことがいろいろあるということはよくわかりますので、その点はひとつ担当の方へ私からもよく伝えて、二期工事も何とか実現できるようにというふうに、私は、願望といいますか、ここで申し上げる次第でございます。
  33. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 将来、二期工事について問題になった場合は、これは運輸省限りの決定ではなされないと思うんですよ。恐らく閣議にかけられると思うのです。内閣の決定として、これはやるかやらないかを決めると思うんですがね。その場合に、少なくとも、いままで一期工事において繰り返されたようなああいう状況を繰り返さないように、ひとつ万全の御配慮をいただきたいと思うわけであります。そのためには、何といっても地元農民との話し合いを完全につけることが絶対の要件でありまして、政府は、よく暴力集団というようなことを言うのですけれども、暴力集団とそれから地元農民とは、これは別でありますから、地元農民の立場に立って、完全な了解をその前につけていただくということは絶対必要であると思いますが、その点はお約束をいただけますか。強行しない、あくまで地元住民との納得の上で仕事を進めるということをひとつお約束をいただきたいと思います。
  34. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 いま先生が御質問になりましたように、私もテレビで見るわけでございますが、あの覆面をした人々とそれから農家の反対の人とが全然別なことは、私もあのテレビを見ていてよくわかります。でございますので、二期工事を進めたいというのは政府の強い願望でございますが、その前提として、農家の方々とよく話し合いをしていくということも先生のおっしゃったとおりでございますので、いまの先生の御質問は、これは運輸大臣にも伝えますし、われわれとしましても、農家の方々となるべく話し合いをして、円満にやっていくのが一番望ましいことだ、これはそういうつもりでおります。
  35. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 その点は、なるべくではなく、必ず地元の農民とひとつお話し合いをいただきたいのです。地元農民は決して覆面をいたしておりませんし、正面から政府に相対しておるわけです。この点は、ひとつ間違いのないようにお願いをしたいと思います。  もう一つ伺いたいのですが、最近のアメリカの上院の外交委員会の報告の中にこういうことがあるんですね。防衛費の増額については、従来日本では非常に拒否反応があった、ところが、最近になってこの傾向が非常に変わってきた、日米間の防衛問題に関する意見の相違は、全部とは言わないけれども、ほとんど解決しかけている、こういう言い方をしていますね。それで防衛問題、特に防衛費の増額についても、いま日本では真剣にアメリカの期待にこたえようとしている、こういうことが上院外交委員会の報告書の中に書かれておりますけれども、われわれ国民は、少なくとも防衛問題について政府が急角度に新しい方向に向かいつつあるというふうには考えておりませんし、そういう必要もないというふうに考えておりますけれども、最近の大来外相の訪米、あるいはそれに伴って一%を達成するとかしないとかいうようなことを約束したとかしないとかいうことが伝えられておりますけれども、防衛費の問題についての政府の基本的な考え方あるいはアメリカとの交渉の内容において、特に従来と著しく変わった点があるのかどうか、方向転換をしたのかどうか、しようとしているのかどうか、その点をまず伺いたいと思います。
  36. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  いま防衛費の御質問でございますが、アメリカの人々が、たとえばブラウン長官でございますとかバンス国務長官とかそういう人が、ブラウン長官が日本に寄った、今度大来外相が行ってお会いしたというようなことのありますときに、日本の防衛費の着実な、そして顕著な増額をしてもらえぬかというような話が出ておることは確かでございます。  ただ、いま先生おっしゃった、一%をどうするというような数字は、今度大来外相が行きましても、一%というGNPの対比でございますが、子ういう数字は出ておりませんが、着実にして顕著なというふうなことを向こうから要望があったりしたことは確かでございます。ただ、日本としては、日米安保条約というものは何も変わるわけじゃないわけで、それは拡大するとかそういうことじゃない。日米安保の解釈の中で、日本側が負担すべきものは負担する、あるいは日本の、これは専守防衛でございます、日本の防衛上必要だと思うものは着実に増加していくということはあくまで日本の自主的な判断でございまして、だれがどう言ったからどうということではなくて、まず日本人が日本を守るためにどう考えるかということが必要だというのは、総理もいつも言っていることでございます。総理、外務大臣も、顕著というようなことはなかなかできない、日本の財政事情から考えて、増税もそんなにできもしない、赤字公債ももうそんなにふやすわけにはいかぬし、むしろ減らそうとしている。一般の社会福祉その他文教でございますとか、それをうんと切っていくというようなわけにもいかぬ。そういう中で顕著な増加ということはむずかしい。しかし、日本として自分が守るためにはどうしたらいいかということは判断をしていく。一%というのは、あれは一%を超えないところにとどめておくというような閣議決定を五十一年にしているわけでございまして、日本としましては、日本の国民の皆さんのコンセンサスを得て、財政の許す限りのことをやっていこうというのがわれわれの態度でございます。アメリカの上院が、日本の防衛に関する考え方が変わったということを言っているというお話でございますが、これは衆議院にも委員会がきょうから発足するわけですが、委員会ができる。この間、予算をやりましたときにも予算の修正が問題になったのでございますが、あのときも防衛費の削減というようなことは三党の申し合わせにも出てこなかったというようなことを、恐らく向こう側がとらえてそういうふうに見たのかもしれませんが、そういうことは別にしまして、財政の許す範囲あるいは国民のコンセンサスを得られる範囲で防衛努力をしていくというのがわれわれの態度でございます。
  37. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 アメリカ側が、最近日本は防衛についてのアレルギーがなくなったというふうな見方をしておるわけでございまして、これは非常に問題です。これは改めて防衛庁長官あるいは外務大臣にお伺いします。  時間が参りましたが、政府は、平和憲法とそれから安保条約の正確な解釈をし、逸脱を絶対に避けて、国民に無用の疑惑と負担を与えないように御努力をいただきたいわけであります。時間でございますので、終わります。
  38. 高田富之

    ○高田委員長 林孝矩君。
  39. 林孝矩

    ○林(孝)委員 先ほど来議論のありました院法改正問題について、最初にお伺いしたいと思います。  昨年十二月に本委員会で、この院法改正問題について官房長官と私は議論をいたしました。そのときの官房長官の御答弁を見ますと、新しい角度でこの問題とも取り組んでみるということを明言されているわけでございます。二月四日の予算委員会でのこの問題に対する総理の答弁、これは、できるだけ早く結論を急ぐ、今国会中には見当をつけて報告する、このように表明をされております。この官房長官の取り組む姿勢、態度、それから総理のことし二月の予算委員会での答弁、この二つの政府の表明から考えますと、非常にこの院法改正問題について積極的に取り組み、かつ今国会中に見当をつけて報告するという表明でございますから、注目をし、また関心を持って見ていたわけでございます。正直な印象として、遅まきながら政府が前向きの姿勢を示した、こういうふうに見ておったわけです。ところが、二月十三日の本委員会での加藤官房副長官との議論におきまして、今国会提出の結論が出せないという答弁があった。また、政府部内で合意に達し得る時点に自信がないという意味の答弁もこれあり、一体どうなっておるのかということが、私のみならず本委員会の委員の気持ちであったのではなかろうかと思うわけでございますが、その辺をまず明確にしていただきたい点が第一点です。  もう一つは、今回の問題とされている改正案の要綱、この要綱の内容というものをいろいろな角度から検討しますと、これは必要最小限の内容にとどまっておるわけですね。ですから、それ以上のことをやるためにまとまらないというのか、現在考えられている、たとえば会計検査院から明示されたような内容でもまとまらないというのか、副長官の答弁の姿勢と関連して、実際に政府としてはどういう考え方に現時点で立っておるのか、御答弁を願いたいと思うのです。
  40. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  確かに昨年の十二月に、先生のおっしゃったように、ひとつ役者を変えて取り組んでみますということを私はお答えをしたわけでございます。その後加藤副長官の答弁があった。大平総理からは「できるだけ早く結論を急ぎたいと思います。今国会中には見当をつけて御報告するようにいたします。」ということを予算委員会で御返事をしている。先生おっしゃったずっと一連のお答え、そのとおりでございます。  実は私は二度、関係者を呼んでやったわけでございますが、検査院の考え方というのは、先生がおっしゃったような案に基づいた考え方でございます。それについていろいろ私も質問したり、意見を言ったり何かしたことがございますが、それにつきまして行政庁の方で非常に強い反対がございまして、いままでまとまっておらないというのが実情でございます。加藤副長官は恐らくそういう見通しを率直に言ったのじゃないかというような気がしますが、私が責任者として、これは何とかまとめようということでやっているわけでございまして、どこかでひとつ妥協点を見つけたいと思って苦慮しているというのが実情でございます。今国会といいましてもだんだん日がなくなるわけでございますので、ひとつ何とか結論を得られぬかと苦慮して努力しておるというのが現状でございます。
  41. 林孝矩

    ○林(孝)委員 そこで、非常に苦労しているという中身につきまして、これは前官房長官時代のいきさつがあるわけですね。各省庁の中でどうしても困るというところがある、会計検査院が当時根回しに回って、とても力及ばざるところというところで、政府に対してバトンタッチされた、前官房長官が内閣において検討するという約束をしてそれを受け取られた、こういう経緯がある。その後そういう事情が大平総理の方に伝わっていなくて、国会の本会議における二回の答弁は、全くそういう状況を踏まえない形での答弁であったわけです。これも昨年の十二月に指摘をいたしましたけれども、いまの段階で考えますと、非常に苦労しておる内容のネックというのは改正案の中のどこなんだという点、それから、どの省庁が合意がないものでまとまらないということになっておるのか、それをより一歩具体的にしていかないと、われわれは本委員会で決議をしている関係から、積極的に応援すべき点はしていかなければならない、かように考えておるわけですが、ただ抽象的な一般論として苦労しておるということだけであれば、これは前に進まないわけです。ですから官房長官も、より一歩それを前進させるために、雨をしぼっていく意味からも、具体的にこういう省庁がこういう内容に関してこの点がこうあるべきだという主張をしておる、しかし政府としてはこうあるべきだという主張に対して、その省庁に対してこういう内容の説得をしているのだとか、その辺まで言わないと、一回、二回の検査院との証し合というのはよく存じ上げておりますけれども、二回行われたということで足れりというものではないのでありまして、やはりそこまで積極的に前進を示していかないといかぬと思いますので、その具体的な内容に関して本委員会で明ららにしていただきたい、このように思うわけです。
  42. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  先生、私らが二回やった内容知っている、こうおっしゃいますから、もう御説明しなくてもおわかりだと思うのですが、ただ一点でございます。いま行われておりますいわゆる肩越し検査といいますか、担当の省庁、たとえば農林漁業金融公庫の融資先ということでありますれば、たとえば農協をかあるいは土地改良区に融資しているというようなところへ検査院が行かれる場合に、いまは農林省の了解も得、農林省も応援をし、そして農林漁業金融公庫も一緒になってそこを協力して検査しているという形の、いわゆる肩越し検査と言っておるわけでございますが、それを法定化しようしいうところにかかっているわけでございます。仁政庁の方は、いまも肩越し検査で御協力申し上げていて、何もそう困って検査できないというところもないじゃないですか、現状でちっとも差し支えなく協力できていると思います、片っ方でこういう主張があるわけでございます。片っ方では、検査院の方は、それは協力を求めるとかそういうことを一々しなくても法律ですぱっといける、しかし実際は相談してやられるんだと思いますが、そういうことでいいじゃないかというところ、私企業といいますか、そういう自由濶達にやるべきところに公権力が介入してくるということは、政策金融をやっているのに、政策金融がそういうことがあるならもう借りない、金利が高くてもほかだということになってはまずいじゃないか、せっかくの政策金融が円滑に行われなくなるおそれがあるというようなところ、争いの焦点もかかってそこにあるわけでございます。そういうところでなかなか、限定しても妥協案ができないかとか、いろいろな案を私は言っているのですけれども、まだまとまっておらぬというのが現状でございます。国が全額出資しているような融資機関はたくさんございますので、そこの関係省の了解をなかなかまだ得られないというところがいまの問題点でございます。かかってそこだということを申し上げておきます。
  43. 林孝矩

    ○林(孝)委員 そういう内容に限られていま壁になっている。いま農林省ということで話をされたのですけれども、農林省以外にそういう省庁はあとどういうところがありますか。
  44. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 いま私いろいろ調整しておりますので、各省、ここがどうだこうだということを申し上げるのはあまり好ましくないのですけれども、いま一つの例として農林漁業金融公庫のことを申し上げたのですが、そういう関係は各省に相当あるわけでございますので、その主管省の意見は大体それに似ているということでございます。
  45. 林孝矩

    ○林(孝)委員 わかりました。  それで、これもまた本委員会でも重ねていろいろな省庁のときに指摘をしてきたことですけれども、いまのいわゆる行政改革等で問題になっております特殊法人、この特殊法人の問題にしてもあるいは認可法人の問題にしても、また特殊法人から出資されておる先のいわゆる民間企業、いわゆる特殊法人として法律によってできている法人ではなしにあくまで商法的な意味で設立されておる法人、しかしそれは国からお金が特殊法人に行き、そこから民間会社へ行っているという例も指摘しておるわけでありますけれども、こういう現在の行政改革に取り組んだ場合にどうしても改革していかなければならないというところに出てくる問題があるわけですね。これを改革しなかったならば行政改革の本当の意味の成果を上げられないというようなことを考えてきますと、肩越し検査という言葉の意味はともあれ、実際会計検査院が国の予算、国民の税金、これがどういう形で使われているかということに対してその金の流れを追っていけるような法律に改正をしておかないと真実がつかみ得ないということがありますから、官房長官、いまの時代というものあるいは将来というものを考えていただいて、その辺は積極的にリーダーシップを発揮されるべきではないかという点を申し上げたいわけです。いかがですか。
  46. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 先生のおっしゃったことは、融資をしているということだけでなくて、特殊法人の場合とか特殊法人がさらに出資をしているものとか、あるいは認可法人――認可法人といっても日本銀行から始まって日本商工会議所とかずっといろいろ百ぐらいあるわけでございます。おのおのそれぞれの性格があるわけでございますが、そうしたものにも会計検査ができるようにひとつ考えていけということでございます。これは御趣旨はよくわかります。特に政府が出資しているものとか、あるいはそこからまた出資をしているというようなところにつきましては、特に国の金が出資になって出ているというようなことにつきましてなるべく検査ができるようにしていくという考えで問題と取り組むという態度は、私は先生のおっしゃることよくわかりますし、そういうことを極力やるように考えます。ことしも、先ほどもお答えしたんですけれども、KDDや何かに新しく会計検査院が検査できるというような、これはたしか国の出資はないわけでございますけれども……(林(孝)委員「電電公社は株を持っております」と呼ぶ)それはありますが、そういうところにもなるべく必要な場合には検査ができるということにやっていく態度は政府としてもとっていこうというふうに思います。
  47. 林孝矩

    ○林(孝)委員 それで、今国会中に提案するという、これがいつの間にか消えてしまうというような状態であっては困るのでして、官房長官の決意を確認しておいて次の問題に入りたいと思うのです。
  48. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 御質問でございますが、この前私も衆議院の予算委員会で答弁したことがあるのですけれども、そのとき、いま調整をしておる最中でございますが、なかなか法案の提案までに現在至っておらぬというのが実情でございますということを答弁したのでございますが、総理は、この国会中に見当をつけて御報告する、こういうことを言っているわけでございます。どういう結論になりますか、私もいまのところは、はっきり申し上げるほど自信がないわけでございます。ほかの方といろいろやっておりますが、この問題が一番むずかしいという感じが実はするわけでございますが、極力これは努力はいたします。しかし、必ず出せということになりますと、私はいま、きょう現在なかなかそこまで言い切るだけの自信はないということだけは申し上げておきます。
  49. 林孝矩

    ○林(孝)委員 委員会答弁をずっと横に並べてやったものだから、予算委員会の答弁とまた同じ答弁をしておかないといかぬという配慮があろうかと思うのですが、そういう言葉のことじゃなしに、必要性という面でやはり考えてもらいたいと思うのです。  次に、環境アセスメント法案に関する質問に入りますが、過去四回、政府部内の反対で流産してきたわけであります。ところが、世論の強い要望等もあって、先月の予算委員会でようやく総理が法案の形で取りまとめるよう最善の努力をするという約束をされて、その後、関係閣僚会議が開かれて要綱がまとまったという段階に来ていると伺っておりますが、いよいよ大平内閣として最大の課題であるこの環境アセスメント法案の国会提出ということになろうかと思います。そこで官房長官、最大課題に対して、また関係閣僚会議を運営してこられた立場から、基本的にどのような取り組みといいますか、結論を出そうとされておるか、伺いたいと思います。
  50. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 アセスメント法案の問題は、総理も予算委員会で御答弁を申し上げましたとおりでございまして、その後、数回関係閣僚会議を開きまして、先週ようやく要綱の了承を得たわけでございます。その要綱に基づきましていま法律案をまずつくってみる、そしてその法律案をもう一回閣僚会議で見て、その上で党の方へ相談をするというところがいまの段階でございます。法案を政府内で要綱に基づいてつくって、今週中に何とか党の方へ持ち込んで了解を得るように努力したいというのがいまの現状でございます。なるべく早く党の了解を得て国会へ出したいという気持ちで、今後とも努力をしてまいるつもりでございます。
  51. 林孝矩

    ○林(孝)委員 そうしますと、今週中に法律案ぶでき、そして党でその法律案を討議する。要綱については党の討議ではもう了とされておるわけですね。
  52. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 私どもとしましては、環境庁がいろいろ党の方とは連絡しておると思うのでございますが、要綱が一つできました、この要綱で党で御相談願いたいというところまでは実はまだやっておらぬわけでございまして、要綱に基づいて法案をつくってみないとわからぬという意見が出はこの前も閣僚の中から出まして、それではもう一回、この要綱に基づいて法案をつくって、そして閣僚に皆見てもらって、それから党へ出そうしいうことにしましたので、要綱の段階では、正式には政府として党に、こういうものでございますという相談はまだしておりません。
  53. 林孝矩

    ○林(孝)委員 そうしますと、法律案が直接ぶっつけられる、それで討議される。今週中に一切、討議するまでの作業は終わるわけですね。いままでの調整作業といいますか、部内折衝といいましか、そういう折衝の感触として、この法律案が今週中にできて、そして討議に付される、その過程で、見通しとしてまとまるか、まとまらないかというのは、過去の部内折衝あるいは調整作業というものを通して、官房長官としては、問題点も、またどの省がどういう点について反対しておるかということについても、十分御存じのことだと私は受けとめるわけです。そういう今日までの経緯から、また経緯を通して、今週じゅうにでき上がる法律案が今国会に提出されるという形で国会の舞台にあらわれてくる、こういう見通しについて、官房長官はどのような感触をお持ちになっておるかを聞きたいのです。
  54. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  要綱まではみんな了解にこぎつけたわけでございます。問題が出たのは、公聴会の中の書き方とか、どういう性格のものにするかとか、そういうものを法律で書いてみないと最後までわからぬことがあるから、法律に書いてもらって見ようじゃないかということでこの間の閣僚協は終わったわけでございまして、政府部内は要綱で了解を受けましたので、何とか政府の一つの法律案としてまとめることができるのではないかと私は思っております。ただ、私、座長ということでやっていますが、そんな偉いのじゃなくて、進行係みたいなものでございますから、そう誤解をしないようにしていただきたいのでございますが、何とか今週中に法案をつくって党へ持っていくということをやりたいと思っております。  ただ、党の方は、それにつきまして意見がなかなか活発に出るのじゃないかというふうに思っております。まだ過去四、五年間一回も政府案として相談したことはないわけでございまして、今度初めてでございますから、いろいろな意見が出るだろうというふうに思っておりまして、政調会長にも頼んでいるというのがいまの状態でございます。
  55. 林孝矩

    ○林(孝)委員 その次の問題に入りますが、時間がございませんので、問題をしぼってお伺いいたします。  総合的安全保障の確立ということに関しまして、今日における安全保障政策、こういうものを考えていきますと、経済、外交、資源・エネルギー、食糧科学技術、文化、そうしたことを含む総合的な、また立体的な観点からの安全保障というものが、あるいは平和保障といいますか、そういうものを確立していくということが、日本の国として考えた場合に非常に急がれる政治テーマであろうと私は思うのです。このことに対して長官の見解を伺いたい、これがまず第一点です。  それから防衛庁という一省庁だけでそれだけの総合的な安全保障あるいは平和保障というものを立案するということには私は限度があると思うのです。アメリカなんかで見ますと、国家安全保障会議というようなものがアメリカにはある。しかし、日本においては国防会議というようなものが設置されておるわけですけれども、それは、いま私が言いましたように、あくまでも防衛庁の案というものを持って検討するといういわゆる非常に狭い範囲の安全保障ということで、それがひいてはこの国防会議の内容が今度はへんぱなものになって、いわゆる狭い意味での防衛議論というものがイコール軍事問題の議論でしかなくなり、いわゆる軍事力一辺倒の政策として国民にイメージづける結果になってしまっておるということも事実です。そういう段階はもう終わっておるのではないか。これからはもう冒頭に申し上げましたような形での保障会議というものを政府が持って積極的に取り組まなければならないのじゃないか、そういう時期ではないか、このように考えます。この二点についてお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
  56. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 一緒のお答えになるかもしれませんが、前段の総合安全保障という問題は、単に狭義の防衛、防衛庁が分担する防衛というようなことだけでなくて、たとえば国際的な平和な環境をつくっていくというのは外務省の仕事かもしれませんし、あるいは資源その他経済運営がうまくいくということになりますと経済各省の問題かもしれません。あるいは文教でも社会保障でも、要するにそういう経済の運営、社会運営なんかもうまくいっている、資源が足りない日本としても世界の中で資源の確保とかそういうこともうまくいっているとか、あるいはもっと言えば議会政治までも入ってくるのかもしれませんけれども、みんなで国がうまくいっているということが総合的な安全保障ということになるだろうという先生の御意見は、そのとおりだと私は思います。単に狭義の、防衛庁がやられる防衛だけではない。もちろんそういうことは中心になっていくわけでございますが、もっと広義のものなんだ、各省にみんな関係あるんじゃないかとおっしゃる先生のお考えには私は同感でございます。それをどこか、国防会議だけでなくて何か考える必要があるんじゃないかという先生のお考えもわからぬではございませんが、さてそれではどういうものを考えていくのか。昔、私の若い時代には五省会議、インナーキャビネットですか、陸、海、大蔵とか総理とか外務とか、これで五省になりますか、そういうことがあったことを覚えております。そういう形のものは過去においてあったわけでございますが、いまの内閣制度のもとでそれはどういうふうに考えたらいいのか、閣議を活用していくというのが一番の道だと私は思いますけれども、どういうものがいいかは、いまここではわからぬ。機構の問題になりますと、すぐにお答えすることはちょっとできませんが、先生のおっしゃる、そういう総合安全のことを考えるものが何か必要じゃないかという御意見、これは確かに一つの卓見でございますので、これは研究をさせていただきたいというふうに思います。
  57. 林孝矩

    ○林(孝)委員 終わります。
  58. 高田富之

    ○高田委員長 庄司幸助君。
  59. 庄司幸助

    ○庄司委員 私は、内閣官房の報償費の問題で、その出し方について若干会計法上の疑義があるので、これは内閣官房だけではありませんが、お伺いしたいと思うのです。時間がございませんので、大変恐縮ですが、私が一問一答のかっこうで最初進めてまいりますので、御答弁をひとつ簡潔にお願いしたいと思います。  最初は会計検査院に伺いますが、報償費等の一部については計算証明規則の第十一条、これに基づいていわゆる簡易証明が認められております。現在会計検査院が承認しているのは十一件だと伺っておりますが、そのとおりですか。
  60. 松尾恭一郎

    ○松尾会計検査院説明員 現在認めておりますのは十一件でございます。
  61. 庄司幸助

    ○庄司委員 それらについて証拠書類にかえて検査院に提出するもの、これは取扱責任者の領収証書、それから同じく支払い明細書、それから支出決議書と伺っていますが、そのとおりですか。
  62. 松尾恭一郎

    ○松尾会計検査院説明員 そのとおりでございます。
  63. 庄司幸助

    ○庄司委員 それで、一つ代表的な事例として内閣調査室の報償費についてお伺いしたいわけ下す。  この内閣調査室の報償費、この取扱責任者は内閣調査室長と聞いておりますが、そのとおりですか。
  64. 森永正比古

    ○森永政府委員 お答えいたします。  御指摘のとおりでございます。
  65. 庄司幸助

    ○庄司委員 支出決議書はいつつけるか、それから必要な書類は何々かという点ですが、この決議書は調査室長の請求があったとき、それから必要な書類は室長の請求書であって、内容は金額と目的、たとえば情報収集のためとか、そういうことになっておりますか。
  66. 森永正比古

    ○森永政府委員 ただいま先生御指摘になったとおりでございます。
  67. 庄司幸助

    ○庄司委員 内閣調査室長が請求なさる場合、月二回と聞いていますが、そのとおりでございますか。
  68. 森永正比古

    ○森永政府委員 月一回請求をいたしております。
  69. 庄司幸助

    ○庄司委員 この請求の中身ですけれども、すでに支払うべき外部の相手方や金額が確定しいてる分についてのみ請求なさるのか、それとも一定期間の見込み額の請求も含むのか、これはどうでございますか。
  70. 森永正比古

    ○森永政府委員 その月の見込み額を含めて請求をいたしております。
  71. 庄司幸助

    ○庄司委員 それに基づいて交付された資金ですね、これは私金ではない、こう私は思いますが、そのとおりですか。
  72. 京須実

    ○京須政府委員 内閣の調査室長から請求がございまして交付いたしました金でございますが、それにつきましては、会計手続上から申しますと一応公金であることを終わっておるものと考えております。
  73. 庄司幸助

    ○庄司委員 もう一度言ってください、いまはっきりしないので。公金であることを終わっていると答えたのですか。
  74. 京須実

    ○京須政府委員 そのとおりでございます。
  75. 庄司幸助

    ○庄司委員 そうすると、それは公金が終わったとなれば私金だということになるのですか。
  76. 京須実

    ○京須政府委員 会計法規から申しますと私金でございます。
  77. 庄司幸助

    ○庄司委員 それが一つおかしい問題になるのです。  それからもう一つ伺いますが、室長のところで一定額の資金が一定期間管理されることになるわけですが、内閣調査室には予算執行職員はいらっしゃるのですか。
  78. 森永正比古

    ○森永政府委員 予算執行官はおりません。
  79. 庄司幸助

    ○庄司委員 私は、私金の問題だとおっしゃると大変問題が出てくると思うのですよ。相手がまだ確定していない、それが内閣調査室長に一時保管されるようなかっこうになるわけですね。それが内閣調査室長の私金だということになってしまうと、会計法上大変疑問が出てくると私は思うのです。やはりあくまで未確定の人に支払いがなされない間はこれは公金だ、こういうふうに思うのです。公金であってしかも予算執行職員がいないとすれば、その金の管理について会計法規上の責任を負う者はいるのかいないのか、その点が一つ大事な点じゃないかと思うのですが、どうですか。
  80. 京須実

    ○京須政府委員 報償費と申しますものは、国が、国の事務または事業を円滑に行うためにやるものでございますので、その都度の判断で最も適正と認められる方法によりまして機動的に使用する経費でございます。したがいまして、そのような報償費の性格から申し上げまして、調査室長等取扱責任者といたしまして、この責任者を債権者といたしまして、その責任に基づきまして資金を交付しております。したがいまして、その責任者に対する交付をもちまして国の予算の支出は終わるわけでございます。
  81. 庄司幸助

    ○庄司委員 これは会計検査院と大蔵省の法規課長、いらしていますね。まだ相手が確定していないものに対して仮払いみたいなかっこうで報償金として支出をする。これは相手が未確定ですから、これが私金扱いになっちゃって、いわゆる支出行為はもう終わってしまったのだというのは、私は非常に疑問がある点ですが、その辺、会計法上どうなるのですか。大蔵省、会計検査院どうですか。
  82. 塚越則男

    ○塚越説明員 お答え申し上げます。  先ほど内閣の会計課長からお答えがありましたとおり、報償費の性格でございますが、これは国が、国の事務または事業を……(庄司委員「それは読まなくていいです、わかりますから」と呼ぶ)そういう性格のものでございますので、調査室長等取扱責任者が債権者である、その債権者に対して所要資金を支出するということで国の歳出としては終わっているわけでございます。  御質問の、これは保管になるかどうかという点でございますが、すでに支出は終わっているわけでございますので、国の経費として消費されたものと解されるところでございまして、保管ということが行われているものとは考えられないわけでございます。
  83. 庄司幸助

    ○庄司委員 それでは、ちょっと別な観点から伺いますけれども、会計法では、大体日銀に対する場合のほか、資金前渡官吏に対する場合とそれから繰りかえ使用した現金の補てんの場合、これは会計法の十七条、十八条、それと二十条ですね、これしか資金の交付を許していないわけです。したがって、それ以外の交付について、交付後の資金の取り扱いに定めがないのは法規上当然だと私は思うのです。会計法の十六条によりますと、小切手の振り出しは、さっき申し上げた資金交付の場合を除いては債権者のためにしかできないことになっている。この債権者だと、いま室長がおっしゃいましたね。しかし、正当な債権者であるためには、それに対する――国に対して一定の給付をなしたそれの代償を権利として保有するのが債権者だと私は思うのですよ。ところが、いまだ確定していないものですね、見込み分、これについてまで債権者であるという考え方は、私は会計法の根本にかかわる問題じゃないかと思うのですよ。いわゆる支出負担行為担当官が、本当ならいわゆる契約や何かをよく検討する、そして支出官に対して支出を命ずるとか、こうなっていくわけですが、内閣調査室長が見込みの問題まで債権者であるという考え方は、私はどうにも納得できないですね。確かに報償費は機動的に運用する必要があるだろうとは思いますけれども一機動的に運用するからといって、それでもって会計法に抵触するようなことをやったのでは、国家財政の監督ができない、こういうふうに私は思うのですけれども、会計検査院はどう思いますか。
  84. 松尾恭一郎

    ○松尾会計検査院説明員 先ほどから大蔵省からも説明がありましたけれども、報償費の性格からしまして、その都度の判断で責任者が支出するものでありますので、また、その金はあらかじめ交付しなければ立てかえというようなかっこうになるわけでございまして、その意味から、取扱責任者に交付するというのが最も適切な方法であると考えております。
  85. 庄司幸助

    ○庄司委員 そういう点では、資金前渡の方法も別途定めているわけですよ。これは遠隔地にある場合とか船舶の場合とか、いろいろあるのです。その点で会計法の十六条では、小切手の振り出しは、さっきの資金前渡官吏に対する場合であるとか、そういう債権者のためにしかできないことになっているわけであります。私は、調査室長に許する小切手の振り出しは会計法十六条に違反しているのではないか、こういうふうに思うのです。  それで、当時大蔵省の法規課長であった上林英孝さんの書いた「会計法」という本がありますが、これによると、「「債権者」というのは「法令または契約に基づいて国に対して一定の金額を不当に請求し得る権利を有する者」」こういうふうに書かれております。調査室長がここで言っている債権者でないことは明確だと私は思うのですよ。もう少し述べますけれども、上林さんの「会計法」の解説によりますと、「「債権者のために」というのは「支払の効果が正当債権者に及ぶように」というような意味であり、債権者から正当に代金受領の委任を受けた者に対して小切手を振り出すこと」になる、こういう例示もなすっているわけですね。だから私は、内閣調査室――きょう、内閲関係ですからやっていますけれども、ほかの場合でもこういうことはあり得る。だから、室長が報償を出す人から委任を受けたようなかっこうで、それでお金をもらってその人に与える、こういうかっこうでやっているのだろうと思うのですけれどもね。そういう場合、委任状ももちろんこれはおとりにはならないだろうと思うのです。だから、何ぼ考えても、この点で私は疑問が消えないのです。一体、正当な債権者という上林さんの「会計法」の解説、これは大蔵省の法規課長をやった方ですから、現職中に書かれたものですから、この点から見て、どうにもこの点は納得できないのですね。内容の問題は、使い方の問題はきょうは別段触れませんけれども、ただ会計法上疑問がある。そういう点で会計検査院は全然疑問を感じておられないのですか。それから、大蔵省の法規課長さんもそういう疑問は一点の曇りもなく全然感じていらっしゃらないとすれば、私は、これは会計法上の問題じゃないか、こう思うのですけれども、その点それぞれお伺いしたいと思うのです。
  86. 松尾恭一郎

    ○松尾会計検査院説明員 お答えします。  国の債権者というのは、支出官でございますけれども、国に対しまして、一定の行為をなすべきことを要求し得るものとなっております。この場合、取扱責任者が所要の経費を支出官に対して要求するものでございますので、別におかしい点はないと考えております。
  87. 塚越則男

    ○塚越説明員 お答え申し上げます。  この報償費は結局先ほど来申しましたような特殊な性格を持っているものでございまして、調査活動に充てるためということで、取扱責任者を債権者として交付するものでございまして、この点につきましては、会計法上問題はないというふうに考えております。
  88. 庄司幸助

    ○庄司委員 見込みの分まで債権者になるのですか。債権者というのは、一定の契約をやって、前払いは別ですが、ある工事を完了した、これを認めて債権が正当に発生するものでしょう。それが、内閣調査室長が今度これぐらい出す見込みだというのまで債権者になるというのは、これは納得できないのですが、その点、見込みの分はどうなんですか。
  89. 塚越則男

    ○塚越説明員 調査活動に充てるということで、取扱責任者が交付の請求をいたしまして、その請求を必要と認めまして、支出を行うということでございますから、いずれにしましてもこの場合、調査室長、取扱責任者が債権者というふうに観念されると思います。
  90. 庄司幸助

    ○庄司委員 最終的に、だれがどういう給付をして、だれに払うか、この点が明確になっていないものまで債権者だというのは、私はどうにもおかしい話だと思うのです。  それから、最後に私はお伺いしたいのは資料の問題なんです。実はこの間内閣調査室に資料の要求をしたのです。それは内閣調査室が委託している事項があるのですが、内外情勢調査会とか共同通信社とか世界政経調査会であるとか、いろいろあります。この情報調査委託費、団体別の委託事項、それから年度別委託額調べ、これを出してほしいと言ったら、これは昭和五十二年の決算のときまでは出していたのですよ。ところが、伺うところによると、今度の調査室長になってから、出せません、委員会の御方針ならば出しますということの御答弁をもらったのですが、これは議員が質問する場合、これくらいのことは何も機密でも何でもないのです。それも出せないというのは私はおかしいと思うのですけれども、これは長官、ひとつ出すようにやってもらいたいのです。何も委員会の決議をしないでも出せる筋合いのものです。質問の準備のために聞くわけですから。長官、その点どうですか。
  91. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  先生御質問の点は、委託先とか、その金額とか、そういうことだと思うのですが、委託事項というのがございまして、いろんな委託先に対してニュースの速報の問題だとか、外国通信の翻訳だとか、整理だとか、そういう事項はありますね。この事項はたしかお出ししていると思うのですが、一々その事項の内容を詳しくはお出ししていないので、事項はお出ししているということだと思いますが、事項を出しておりませんでしたら、これは出すように調査室の方に話します。
  92. 庄司幸助

    ○庄司委員 最後にしますけれども、実は外務省の委託調査の問題でも、新聞に書かれているのですよ。非常に簡単なものまでアメリカ側に頼んでむだな金を使っている。だから、中身の問題だって問題になるのです。そういう点で、決算委員会らしい質問ですから、ひとつ遠慮しないで出していただくことを強く要望して、私の質問を終わります。
  93. 高田富之

    ○高田委員長 部谷孝之君。
  94. 部谷孝之

    ○部谷委員 私に与えられました時間は十八分、論議を深めることができないのが大変残念でありますが、まず官房長官にお尋ねをいたしたいと思います。  けさの新聞、ラジオは一斉に、地価が急騰いたしまして、六年ぶりに二けたにはね上がったという国土庁の土地鑑定委員会の発表を大きく報道しておるわけであります。去年一年間に全国平均で一二・三%、東京圏では一八・三%、住宅地の価格が高騰したというものであります。このことは、公庫の融資額をふやしてばんばん貸し付けをしたのが実は政府でありまして、土地対策なしに持ち家政策を推し進めた政府こそ、実は地価高騰の仕掛け人である、こういう批評がされておるのもまたむべなるかな、こういうふうに思うわけであります。  そのほか、内政面におきまして、卸売物価の上昇は三〇%に近い大幅な上昇を示しております。そのことがまた消費者物価の高騰を呼びまして、国民の生活を著しく圧迫しておるわけであります。また、企業の倒産件数を見ましても、五十四年に比べましてやや減ったとはいっても、なお五十五年に入って千二百件前後を数えておるのでありまして、依然として高い水準にあると思います。  こうした問題に対処していくためには、問題が多岐にわたっておるわけでありますから、幾つかの行政機関の連絡調整が必要であることは論を待たないと思うのであります。そうした機関が内閣の中にいろいろと設置されておりますが、こうした内閣に設置されております連絡調整機関が十分に機能を発揮しておるのかどうか、いささかの疑問を持っておるわけであります。たとえば四十八年に、オイルショックのときに内閣総理大臣を本部長といたしまして、関係国務大臣と内閣法制局長官をもって構成されました国民生活安定緊急対策本部、これが四十八年十二月に内閣に設置されまして、四十九年に二回会議を開いただけで、以後開催されておりません。この対策本部は、四十八年のオイルショックだけを対象として設置されたものであるのかどうか。もしそうであるとするならば、現在、すでに御用済みの機関であって、こうした機関が存置されておることはおかしいと思うのであります。しかし、さっき申しましたように、このたびのオイルショックによりまして、四十九年当時のように物価は乱高し、公共料金も一斉に大きく値上げ傾向を示し、また公定歩合も、四十九年当時と同じように九%にまで引き上げられておるのでありまして、国民の生活は決して安定しておるとは思えません。こういうときこそ国民生活安定緊急対策本部の出番だと思うのでありますが、最近この対策本部の会議が開かれたということを聞いておらないのでありますが、一体これはどういうことなのか、まず御答弁をいただきたいと思います。
  95. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 お答え申し上げます。  内閣に先生のおっしゃるようないろいろな会議があることは、おっしゃるとおりでございます。いま先生のおっしゃった国民生活安定緊急対策本部というのは、第一次石油危機に際してつくったのでございますが、その後、経済の緊急状態を脱したということで、ずっとこれは開かれておりません。ただ、これと似たようなと言ってはなんでございますが、実は物価関係の閣僚会議というのをやっておりまして、この間もその会議で総合物価対策や何かを相談したのでございますが、どの会議でやるのが一番いいかという問題がございますが、最近は、この会議は開かないで、物価関係の閣僚会議あるいは経済関係の閣僚会議というふうなところで、先生がおっしゃったような問題をいま取り上げているのが実情でございます。
  96. 部谷孝之

    ○部谷委員 ここ二年間全く開催されておらない同種の機関をちょっと調べてみましたら、いま申しました国民生活安定緊急対策本部、それから随時中小企業対策推進本部、臨時繊維産業対策推進本部あるいは労働問題連絡協議会、このような機関が、全くここ二年間開催されないままになっておるわけでございますが、時間がありませんので、これらのことについて一々お尋ねしてみたかったのでありますが、そのうちでひとつ、また例を挙げてお尋ねしてみたいと思います。  この連絡調整機関、いま二年間全く開かれておらない機関の中で、頭に臨時という言葉のついた機関が二つあります。一つは臨時中小企業対策推進本部でありまして、もう一つは臨時繊維産業対策推進本部であります。これはいずれも四十六年に設置をされておるのでありますが、中小企業の方は、アメリカの輸入課徴金制度の実施及び円の変動相場制への移行に伴いまして、中小企業救済のために設置されたものでありまして、そういう意味での直接的な目的は完了したと言えないことはないと思います。また、繊維の方も、四十六年に対米輸出自主規制及び政府間協定の実施に伴う効果的な対策を推進するために内閣に設置されたものでありますが、しかし中小企業も繊維産業も、たとえば繊維産業に例をとりますと、輸出の行き詰まりだとか、あるいは韓国、香港、台湾等々のいわば発展途上国からの追い上げなどによりまして、依然として危機に直面しておる、危機を脱していないと言えると思うのでありますが、重ねてひとつお尋ねをいたしますが、なぜこれらの二つの機関はなお存置されておるのか、これが一つ。  二つ目には、この臨時という呼称がつけられた理由は何なのか、また、臨時というものはどういう意味を持っておるのか、これが第二点。  三つ目に、現在の経済情勢からいたしますならば、中小企業もまた繊維業界も、なお抱えておる課題は山積しておるわけでありますが、これに対処するためのそうした連絡調整の機関、これをさらに改組する、あるいは設置する、そういうお考えがないのかどうか、この点をお尋ねいたします。
  97. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 確かに先生のおっしゃるとおり、いろいろな会議とか本部とかございまして、五十三年、五十四年にも開いていないというものがあることは御質問のとおりでございます。  それで、その中で特にいま先生は、臨時中小企業対策推進本部、臨時繊維産業対策推進本部、二つをお取り上げになりまして、臨時というのはどういう意味か、あるいはいままで残しているのはどういう意味か、今後問題は別な角度から必要じゃないか、三点御質問になったわけでございますが、確かに臨時というものをつけましたのは、両方とも昭和四十六年でございますか、先生のおっしゃった課徴金とか円の変動相場移行の問題とか、あるいは繊維でございますと、対米繊維輸出規制の非常に問題になった繊維戦争のときでございますので、私は、臨時というのは、その問題として取り上げる課題が終わったら、本当はやめていいものだと私は思います。臨時というものは、本来はその問題を片づけるためにつくったのが臨時だと、私はそう思いますので、これを特に残しておるのは、先生のおっしゃいましたように、やはり中小企業の問題あるいは繊維の問題というのは、そういう課徴金の問題とか、繊維戦争がなくなっても、やはり問題が何かあればそこを使ってという意味で残っていると思うのでございますが、しかし、先生から御質問をいただくと、率直に言って、私、官房長官になりましてから、これを一つ一つ見て、これは残しておいた方がいいのか、どういう役割りをしているのかというようなことの検討を、ざっくばらんに申し上げまして、いままでしておりません。いま御質問がありましたので、これはもう行政改革本部とかインドシナ難民対策の会議とか実際開いていろいろやっているものもございますので、何年間もやらないようなものはどうしたらいいんだということをひとつ内閣で検討しまして、またいずれかの機会にこれは御報告申し上げたいと思います。
  98. 部谷孝之

    ○部谷委員 いま御答弁にありましたように、開いていない機関の方が多いのです。現在、なおそうした機関が消滅したかどうかということの判定の内部でまだ十分理解されていない面を私は多々感ずるわけであります。同時にまた、いま臨時という言葉は、何かいろいろな統一見解は、二年ぐらいというのを目途にしておられるように私は聞いておるのですけれども、二年ということになりますと、四十六年でありますからもうほとんど十年近く、一昔前のものがそのまま存置しておるというわけでありますから、ひとつこの辺の整理をやっていただかないと、そのことが行政の大きな推進力になると思いますので、ぜひそうした形で御推進を願いたい、このように思います。  続いて人事院の方にお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、いま人件費のうちで調整手当の制度がございます。この調整手当を支給される趣旨等についてお尋ねしたかったのですが、もう時間がございませんのでそれは省略いたしまして、この調整手当が百分の八、百分の六、百分の三、この三段階に分けられておるのでありますが、いま最高百分の八、こうした調整手当が一体妥当なものであるのかどうか。五十二年度の職種別民間給与の実態調査によりますと、京浜地方では民間給与の地域差の状況が一〇・五%、阪神地区が一〇・一%、中京地区が九・七%、一〇%前後を示しておるのでありまして、こうした現行の八%、六%、三%、この支給率を見直す必要があるのではないか、この点についてひとつお答えを願いたいと思います。
  99. 長橋進

    ○長橋政府委員 お答え申し上げます。  八%といたしましたのは、昭和四十五年の民間給与調査におきまして、民間企業におきます地域差関連手当を調べましたところ、京浜、中京、阪神地区におきましてはやや高くなっておる、格差が拡大しておるということがございまして、従来甲地六%としておりましたところを一部引き上げまして八%としたということでございます。したがいまして、現在八%、六%、三%という区分がございます。御指摘の最近の交通、経済事情の変化、都市化の現象から考えまして、この支給区分について見直す必要があるのではないかというお尋ねでございますけれども、先生御指摘のように、確かに四十五年以来の交通、経済事情の変化、都市化現象等を見ますと、現在支給地域区分とされている地域につきましても、一部には必ずしも実情に適さないということもあることも承知しております。しかし、この全般的な手直しということになりますと、制度の大幅改正ということになりまして、したがいまして、現在の官民格差が大変少ないようなことになりますと、なかなかむずかしいという問題もございます。さらにまた、上げるところを考えますと、当然引き下げという問題も起こってくるわけでございまして、そこで全体的に国家公務員の調整手当の支給状況というものを見てまいりますと、確かに御指摘のように、一部にはどうかなと思われる点もございますけれども、全体的に見ますと、まあまあ民間の地域差関連手当に対比いたしまして一応均衡がとれているのではないかというふうに考えております。ただ、京浜、中京、それから阪神地区につきましては御指摘のような事情もございますので、なおいろいろ資料等も今後十分精査しながら検討はしてまいりたいというふうに考えております。
  100. 部谷孝之

    ○部谷委員 時間が来たようですから、最後に一点だけお尋ねをいたします。  私は、人事院がまだほかにもいろいろ、たとえば東京と千葉が、江戸川一つ越して八%と六%、同じ公務員宿舎におりながら、勤務する官署によって三%もある、いろいろ問題があるのです。そうしたことを含めて私は御検討賜らなければならぬと思うのですが、いま非常に消極的な一つの理由に、四十二年に決議された附帯決議、これをいろいろなところで盾にとっていらっしゃるのですね。その四十二年の附帯決議は、「調整手当の支給地の決定に際しては、法改正の趣旨にかんがみ、現在の暫定手当支給地区分を十分考慮の上、差し当り現状を変更せざるよう配慮すべきである。」こういう附帯決議があるわけです。「差し当り」というのが当分の間と同じような取り扱いになるのでありましょうが、四十二年ですから、いま五十五年なんです。十二年たっておるのですね。十年一昔と申しますし、また、子、丑、寅、卯と干支で言ってももう一回り回ってその先へ行っておるわけでございますから、さしあたり、当分の間というのはこの辺でお考え直しになる時期に来ておるのではないか。いまほかをいろいろ調査してみたけれども、全体的にはそれほどアンバランスはないとおっしゃるけれども、具体的に勤務をしておられる公務員の皆さんの中にはいろいろな不平、アンバランスに対する不満、そういうものがあることは十分御承知だろうと思うので、その辺もひとつ積極的にお取り組みを願いたいと思いまして、私の質問を終わります。
  101. 高田富之

    ○高田委員長 次回は、明二日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時二十八分散会