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1980-03-27 第91回国会 衆議院 決算委員会 10号 公式Web版

  1. 昭和五十五年三月二十七日(木曜日)     午前十時十五分開議  出席委員    委員長 高田 富之君    理事 津島 雄二君 理事 原田昇左右君    理事 森下 元晴君 理事 井上 一成君    理事 新村 勝雄君 理事 林  孝矩君    理事 庄司 幸助君 理事 中野 寛成君       石田 博英君    久保田円次君       東家 嘉幸君    上田  哲君       小川 国彦君    鳥居 一雄君       春田 重昭君    岩佐 恵美君       楢崎弥之助君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 地崎宇三郎君  出席政府委員         環境庁企画調整         局長      金子 太郎君         運輸大臣官房長 杉浦 喬也君         運輸大臣官房総         務審議官    永井  浩君         運輸大臣官房会         計課長     熊代  健君         運輸省港湾局長 鮫島 泰佑君         運輸省鉄道監督         局長      山地  進君         運輸省自動車局         長       飯島  篤君         運輸省航空局長 松本  操君         海上保安庁長官 真島  健君         気象庁長官   窪田 正八君  委員外の出席者         警察庁警備局警         備課長     依田 智治君         科学技術庁研究         調整局宇宙開発         課長      鈴木  晃君         大蔵省主計局司         計課長     石井 直一君         労働大臣官房審         議官      倉橋 義定君         建設省計画局総         務課長     川合 宏之君         会計検査院事務         総局第三局長  肥後 昭一君         会計検査院事務         総局第五局長  小野光次郎君         日本国有鉄道総         裁       高木 文雄君         日本国有鉄道常         務理事     山口 茂夫君         日本国有鉄道常         務理事     吉井  浩君         日本国有鉄道常         務理事     半谷 哲夫君         日本国有鉄道監         察局長     長井  茂君         参  考  人         (日本道路公団         理事)     大竹 達哉君         参  考  人         (新東京国際空         港公団総裁)  大塚  茂君         決算委員会調査         室長      黒田 能行君     ――――――――――――― 委員の異動 三月二十七日  辞任         補欠選任   上田  哲君     小川 国彦君   春田 重昭君     鳥居 一雄君 同日  辞任         補欠選任   小川 国彦君     上田  哲君   鳥居 一雄君     春田 重昭君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  昭和五十二年度一般会計歳入歳出決算  昭和五十二年度特別会計歳入歳出決算  昭和五十二年度国税収納金整理資金受払計算書  昭和五十二年度政府関係機関決算書  昭和五十二年度国有財産増減及び現在額総計算  書  昭和五十二年度国有財産無償貸付状況総計算書  (運輸省所管、日本国有鉄道)      ――――◇―――――
  2. 高田富之

    ○高田委員長 これより会議を開きます。  昭和五十二年度決算外二件を一括して議題といたします。  本日は、運輸省所管及び日本国有鉄道について審査を行います。  この際、お諮りいたします。  本件審査のため、本日、参考人として新東京国際空港公団総裁大塚茂君、日本道路公団理事大竹達哉君、以上の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 高田富之

    ○高田委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――
  4. 高田富之

    ○高田委員長 それでは、まず、運輸大臣から概要の説明を求めます。地崎運輸大臣。
  5. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 昭和五十二年度の運輸省所管一般会計及び特別会計の決算につきまして、その大要を御説明申し上げます。  まず、一般会計について申し上げます。  第一に、運輸省主管の歳入でありますが、歳入予算額十八億四千八百十三万円余に対し、収納済歳入額は二十三億八千九百六十万円余であり、差し引き五億四千百四十七万円余の増加となっております。  第二に、運輸省所管一般会計の歳出でありますが、歳出予算現額一兆四億七千百六十万円余に対し、支出済歳出額は九千七百九十三億六千七百二十八万円余でありまして、その差額二百十一億四百三十一万円余のうち、翌年度へ繰り越しました額は百五十五億九千四百七十四万円余であり、不用となりました額は五十五億九百五十七万円余であります。  次に、特別会計について申し上げます。  まず第一に、自動車損害賠償責任再保険特別会計でありますが、保険、保障及び業務の三勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は一兆一千七百七十一億五千七百二十一万円余であり、古出済歳出額は二千六百八億六千三百三十万円余でありまして、差し引き九千百六十二億九千三百九十一万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。  第二に、港湾整備特別会計でありますが、港湾整備及び特定港湾施設工事の二勘定を合わせて申し上げますと、収納済歳入額は二千五百四十八倍七千九十三万円余であり、その支出済歳出額は二千四百七十四億七千四百八十一万円余でありまして、差し引き七十三億九千六百十一万円余の剰金を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。  第三に、自動車検査登録特別会計でありますが、収納済歳入額は二百五十四億八千六百六十七万円余であり、支出済歳出額は二百十三億三千夫百七十五万円余でありまして、差し引き四十一倍四千九百九十二万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。  第四に、空港整備特別会計でありますが、収納済歳入額は一千二百五十三億五千二百四万円余であり、支出済歳出額は一千百六十八億七千五百下十三万円余でありまして、差し引き八十四億七手六百五十一万円余の剰余を生じ、この剰余金は、翌年度の歳入に繰り入れました。  以上が、昭和五十二年度の運輸省所管一般会計及び特別会計の決算の大要でありまして、このうち重点施策につきましては、お手元に配付いたしました昭和五十二年度決算概要説明書をごらんいただきたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。  引き続き、昭和五十二年度日本国有鉄道の決算の大要を御説明申し上げます。  昭和五十二年度における日本国有鉄道の運輸成績は前年度に比し、旅客収入は約一九%、貨物収入は約一〇%とおのおの増加しましたが、損益勘定におきましては、収入済額は二兆八千九百十八億七千四百二十六万円余、支出済額は二兆九千三百五十三億九千四十九万円余となり、支出が収入を超過すること四百三十五億一千六百二十二万円余となりました。これは予算上の区分による収支決算の結果でありまして、いわゆる損益計算上では八千三百三十九億三千七百五十一万円余の純損失となり、昭和五十二年度末の繰越欠損金は一兆八千八十一億六千二百六十万円余となっております。  次に、資本勘定におきましては、収入済額は一兆八千三百七十三億八千四百七十二万円余、支出済額は一兆八千五百十九億一千八百六万円余であり、工事勘定におきましては、収入済額は一兆三百十二億二千九百四万円余、支出済額は九千六十三億二千九百五十八万円余となっております。  また、特定債務整理特別勘定におきましては、収入済額は二千四百四十億七千五百四万円余、支出済額は二千四百四十億七千五百四万円余となっております。  最後に、昭和五十二年度の予算の執行につきまして、会計検査院から不当事項として指摘を受けた点がありましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督してまいりたいと考えております。  なお、詳細につきましては昭和五十二年度日本国有鉄道決算概要説明書によって御了承願いたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほどお願い申し上げます。
  6. 高田富之

    ○高田委員長 次に、会計検査院当局から検査の概要説明を求めます。肥後会計検査院第三局長。
  7. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 昭和五十二年度運輸省の決算につきまして検査いたしました結果、特に違法または不当と認めた事項はございません。  なお、昭和五十一年度決算検査報告に掲記しましたように、防波堤等築造工事におけるグラブ付自航運搬船による中詰め工費の積算について処置を要求しましたが、これに対する運輸省の処置状況について掲記いたしました。  以上、簡単でございますが説明を終わります。
  8. 高田富之

    ○高田委員長 次に、小野会計検査院第五局長。
  9. 小野光次郎

    ○小野会計検査院説明員 昭和五十二年度日本国有鉄道の決算につきまして検査いたしました結果の概要を説明いたします。  検査報告に掲記いたしましたものは、不当事項四件、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項一件及び特に掲記を要すると認めた事項二件でございます。  まず、不当事項について説明いたします。  検査報告番号八二号は、盛り土工事の施行に当たり、土工機械の機種の選定等が適切でなかったため、契約額が割り高になったものであります。仙台新幹線工事局が施行した東北新幹線仙台総合車両基地新設に伴う敷地造成工事の盛り土工事の積算におきまして、土の運搬距離は五十五メートルから千五百九十メートルといたしておりますが、この盛り土作業に使用する土工機械は土の運搬距離が百メートル以下の場合はブルドーザーにより押し土し、百メートルを超える場合はバックホー及び補助ブルドーザーで掘削積み込みしてダンプトラックにより運搬することとしていたものであります。しかし、本件工事のように土量が大量でしかも土質が砂質土であり、運搬距離が五十五メートルから千五百九十メートルに及んでいるものについては、短い距離はブルドーザーで、中程度の距離はスクレーパーで、また、長い距離はダンプトラックを使用して経済的に施工するのが通例でありまして、国鉄本社制定の土工積算要領においても同様に各機種の使用区分を示しているところであります。したがいまして、本件工事において作業条件を考慮いたしますと、運搬距離が七十メートル未満のものについてはブルドーザー、七十メートルから二百四十メートルのものにつきましては被牽引式スクレーパー、二百四十メートルを超えるものについては、ダンプトラックをそれぞれ使用して積算すべきであったと認められるものであります。また、本件工事のように多数の切り取り個所と多数の盛り土個所とが現場内に散在しています場合は、できるだけ近接している個所の間で運搬することとして経済的な運搬経費を見込むべきでありますが、この工事におきましてはこの配慮が十分でなかったと認められたものであります。  この二点が適切でなかったために予定価格が割り高になったと認められるものであります。  また、検査報告番号八三号は、のり面改良工事の施行に当たり、場所打ち鉄筋コンクリート格子枠を設計と相違して施工したものであります。天王寺鉄道管理局が防災のために施行した河内堅上駅旅客ホーム下ののり面改良工事におきまして、場所打ち鉄筋コンクリート格子枠は設計図書によりますと、幅三十センチメートル、厚さ三十センチメートルの鉄筋コンクリートのはりを縦横それぞれ二メートル間隔で格子状に設置した枠の中に平板コンクリートブロックを張るものでありますが、はりは径十六ミリメートルの主鉄筋四本を二十センチメートル間隔に正方形に配筋しまして、主鉄筋の継ぎ手部を三十二センチメートル以上重ねて結束し、さらに、径十ミリメートルの帯鉄筋を主鉄筋に対しまして直角方向に二十一センチメートル間隔で結束してかご状としました上、コンクリートを打設することとしていたものであります。しかし、この格子枠の施工につきまして調査いたしましたところ、四十一カ所のうち二十九カ所におきまして、主鉄筋の継ぎ手部の重ねの長さが不足していたり、結束されていなかったため分離していました個所が相当数ありまして、格子枠の一体としての機能が著しく損われることとなり、また、格子枠のコンクリートは所定の強度を下回っていたり、厚さが不足している個所も見受けられまして、結局、格子枠全体の強度が著しく低くなっていて、のり面工としての目的を達していないと認められたものであります。  また、検査報告番号八四号は、携帯用灯器に用いる蓄電池の充電に当たり、簡便で経済的な充電器を国鉄本社で開発し規格化しているのにこれを使用しないで、外注によって行っていたため不経済となっていたものであります。  門司鉄道管理局では、合図用などの携帯用灯器の電源として使用している小型蓄電池の充電に出たって、管内の駅など二百三十五カ所の使用個所別に取りまとめた蓄電池を十一カ所の検修作業場に持ち込み、部外委託により充電作業を行っております。しかし、この方法にかえて昭和四十三年に開発された小型充電器を使用個所に配備して充電する方法によることとすれば、蓄電池を入れたままの灯器を充電器の充電台の上に置いておくだけで充電ができますから、蓄電池の出し入れや運搬などの作業が不要となるなど経済的であるため、仮に充電器を配備するなど必要な投資額を考慮しましても、初年度から相当額の節減ができ、次年度以降は充電作業費が不要となると認められるものであります。  また、検査報告番号八五号は新幹線電車の清掃作業料金の支払いに当たり、昼夜間作業の区分を誤ったため、支払い額が過大となったものであります。  この作業は、新幹線総局大阪第一運転所名古屋支所の検査庫内または名古屋駅構内で新幹線車両の清掃を行うもので、作業料金は昼夜間作業別に区分し、支払うこととなっていて、作業が昼間作業料金と夜間作業料金の分界である二十二時または五時の前後にまたがって行われているものについては、昼夜間作業別に車両数を案分することとなっているのにこれを行うことなく、一編成列車の作業時間のうち一部でも夜間作業に該当する場合にはこのすべてを昼間作業に比べて割り高な夜間作業で行ったものとして処理していたり、昼間作業で行ったのに夜間作業として処理したりしていたものがあったため、作業料金の支払い額が過大となったと認められるものであります。  次に、本院の指摘に基づき当局において改善の処置を講じた事項について説明いたします。  これは、東北新幹線高架橋工事における排水設備の設計及び鉄筋加工組み立て費の積算に関するものであります。  まず、排水設備の設計について説明いたしますが、排水設備の主材料は硬質塩化ビニール角型管でありまして、これを使用することとした経緯について見ますと、東海道新幹線では住宅設備に使用する丸型の薄肉管を使用していたところ破損が多く発生したことから、山陽新幹線では高架橋に密着するように取りつけて管を安定させることを理由に国鉄特別規格の角型管を使用する設計に改めたものであり、その後東北新幹線にもこれを使用していたものであります。  しかし、硬質塩化ビニール管としては高架橋の排水設備としても使用できる丸型の一般管が市販されていまして、これは国鉄が使用している角型管より排水機能、強度ともすぐれ、価格も安く、高架橋を設置するに際して、とめ金具を工夫することによりこれを使用することが可能であることからこれを使用する経済的な設計をしたとすれば工事費を相当程度節減できたと認められました。  第二点の鉄筋加工組み立て費の積算についてでありますが、これらの高架橋構造物の鉄筋加工組み立て費の積算に当たっては当局制定の積算要領の歩掛かりを適用して算定しておりました。  しかし、その作業の実態を見ますと、高架橋の設計は標準化されているため、鉄筋は同一寸法のものを多数使用したり、定尺物を切断することなく使用しており、また、構造物が大きいため太径の鉄筋が大量に使用されていて機械使用による作業の効率化が著しいことなど作業の実態は大幅に変化していて、その歩掛かりは当局の積算要領の.歩掛かりを相当下回っており、このような施工の実態を考慮して積算したとすれば積算額を相当程度低減できたと認められましたので、当局の見解をただしましたところ、国鉄では、五十三年十月に排水設備の設計及び鉄筋加工組み立てについての積算要領の歩掛かりを改める処置を講じたものであります。  次に、特に掲記を要すると認めた事項について説明いたします。  その一は、日本国有鉄道の経営改善に係る投資設備等の建設状況、稼働状況及び投資の効果に関するものであります。  日本国有鉄道は、経営の近代化、合理化を行い輸送設備を改善し、旅客と貨物の輸送力を増強するなどの目的で線路、駅、貨物ターミナル等の設備の新増設を行ったり、業務改善のための機械、装置等を購入するなど毎年多額の投資を行っており、これを五十二年度の工事勘定に計上された金額で見ると総額で九千六十三億二千九百五十八万余円の多額に上っております。また、これら経営改善のための設備投資は、数年を目途に計画が進められているものも多く、一連の施設、設備等が完成するまでの間未竣工または未稼働の施設として建設仮勘定に計上されておりますが、この勘定の五十二年度末残高を見ても東北新幹線東京-盛岡間の建設費九千六百六十三億六千七十四万余円を含め一兆四千五百四十五億二千三百三十万余円に及んでおります。  これらの投資のうち貨物関係の施設、設備を中心にその建設状況を調査し、あわせてすでに完成したこれらの施設、設備やすでに各部局に配備されている機械、装置等についてその稼働状況を調査するとともに、これらの投資についてその効果を検討いたしましたところ、東京貨物ターミナルほか三貨物ターミナルなど貨物関係の施設、設備等を建設する工事が計画に比べて著しくおくれていたり、完成した施設、設備がきわめて非効率に使用されているものが、五十二年度末までに支出された工事費で千四百五十七億三千七百九十三万余円、携帯用無線機等各部局に配備された機械、装置等が全く使用されていなかったり、きわめて非効率に使用されているものが財産価額で百二十四億七千二百五十一万余円見受けられたものであります。  このように多額の資金を投じて建設され、または配備された施設、機械等がその効果を発揮しないままいたずらに年月を経過し、これらの投資に対する利息等の経費も年々累増し多額に上っている状況であります。  このような事態を生じた主な原因としましては、施設、設備の建設工事については、用地の取得、支障物件の移転、損失の補償等の交渉及び設計について地元地方公共団体等との協議が難航していること、土地収用法に基づいて行う事業認定の手続が停滞し、工事を計画どおり行うことが困難になっていることによるものと認められ、また、機械、装置等については、その使用について労使間で合意が得られず、その調整に時日を要していることによるものと認められるものであります。  国鉄では、近年多額の損失を生じている財政を再建する方策の一つといたしまして、貨物を初めとする多くの分野で経営の近代化、合理化のための設備投資を行う一方、輸送需要の変動に対処するための線路設備等の増強や整備などに対する投資が必要となってきております。ただいま申し述べましたような貨物関係等の投資や機械、装置等の導入の場合に見られるように、毎年多額の投資を行いながらその効果が十分発現されない状態が今後も継続することになりますと、経営の改善が進捗せず、目下の急務とされる財政再建にも支障となるばかりでなく、輸送需要の変動に対応した的確なサービスの提供もできないことになると懸念される事態を生じている状況にかんがみ、特に掲記したものであります。  その二は、日本国有鉄道の直営病院の運営についてであります。  この直営病院の経常収支の状況について見ますと、毎年度大幅な赤字でありまして、昭和五十二年度の経常収支率は二九・一%であり、決算上収入に計上されていない健康診断料金相当額を仮に収入に加えましても経常収支率は四六.四%となり、これは、国家公務員共済組合連合会直営病院の一〇〇・五%に比べて著しく低率となっております。  また、職員等の利用状況について見ましても逐年低下の傾向を示しており、また、五十二年度における平均病床利用率四五・三%は国家公務員共済組合連合会直営病院の八〇・一%、全国病院の平均七九・九%に比べて低率となっております。  このような事態は、診療料金が低廉であることや、全国的に医療水準が向上し職員が他の医療機関を利用する傾向が強くなったことによるものと認められますが、職域病院としての特殊性を考慮してもなお問題があると考えます。  今後このような状態のまま推移しますと、日本国有鉄道の多額の財政負担が依然として継続することとなりますので、特に掲記した次第でございます。  なお、以上のほか、昭和五十一年度決算検査報告に掲記しましたように、雨量警報器の配備等について及び日本鉄道建設公団が日本国有鉄道に有償で貸し付けている鉄道施設のうち不用となっている用地について、それぞれ処置を要求しましたが、これに対する日本国有鉄道の処置状況についても掲記いたしました。  以上、簡単でございますが説明を終わります。
  10. 高田富之

    ○高田委員長 次に、日本国有鉄道当局から、啓金計画、事業計画等について説明を求めます。高木日本国有鉄道総裁。
  11. 高木文雄

    ○高木説明員 昭和五十二年度の日本国有鉄道の決算につきまして、ただいま運輸大臣から予算の区分に基づく収入支出決算状況の御説明がございましたが、日本国有鉄道法第四十条に基づく財務諸表により、経営成績の概要を補足して御説明申し上げます。  日本国有鉄道の計理につきましては、昭和五十一年度から一般勘定と特定債務整理特別勘定の二つに区分して計理いたしております。  まず、一般勘定につきましては、営業収入は、旅客収入一兆八千二百三十七億九百十万円、貨物収入三千六十九億九千十九万円、雑収入七百九十七億二千六百二十九万円、助成金千五百八十五億七千八十八万円、合計二兆三千六百八十九億九千六百四十六万円となっております。  なお、助成金は、工事費補助金、地方交通線特別交付金、地方バス路線運営費補助金、大都市交通施設運営費補助金及び臨時補給金であります。  この営業収入を前年度と比較いたしますと、旅客収入二千九百四十六億八千四百八十七万円、率にいたしまして、一九%の増加、貨物収入二百九十億六千二百十二万円、率にいたしまして一〇%の増加、雑収入八十三億四千五百四十三万円、率にいたしまして一一%の増加、助成金四百三十七億九千三百八十八万円、率にいたしまして三八%の増加、合計三千七百五十八億八千六百三十万円、率にいたしまして一八%の増加となっております。  旅客収入及び貨物収入の増加は主として昭和五十一年十一月に実施いたしました運賃改定によるものであります。また、助成金が前年度より大幅に増加しておりますが、これは工事費補助金及び地方交通線特別交付金が増額されたこと並びに地方バス路線運営費補助金、大都市交通施設運営費補助金及び臨時補給金が新たに助成されたことによるものであります。輸送量につきましては、旅客輸送量二千二十九億二百六十四万人キロ、貨物輸送量四百十一億九千五百九十二万トンキロとそれぞれ前年度に比べますと旅客は六%の減少、貨物は一一%の減少となりました。  営業経費は、極力経費の節約に努めてまいりましたが、仲裁裁定の実施、退職人員の増加等による人件費の増加のほか、物件費の増高並びに借入金の増大に伴う利子の増加等がありました結果、営業経費の合計は三兆二千百四十六億八千七百八十九万円と前年度に比べまして一〇%の増加となりました。営業経費の内訳は、人件費一兆五千三百一億七千五百三十九万円、動力費千三百四十七億九千六百三十三万円、修繕費五千五百十五億五百四十二万円、業務費二千五百二十七億四千二十一万円、租税及び公課二百三十六億七千八百十四万円、営業費計二兆四千九百二十八億九千五百四十九万円、利子及び債務取扱諸費四千十九億四千八百五十万円、減価償却費二千七百億九千六百九十万円、固定資産除却費二百十八億八千六百九十七万円、繰延資産償却費二百七十八億六千三万円、資本経費計七千二百十七億九千二百四十万円、合計三兆二千百四十六億八千七百八十九万円であります。  以上の結果、営業成績は、営業損失八千四百五十六億九千百四十三万円、営業外利益百十七億五千三百九十二万円、純損失八千三百三十九億三千七百五十一万円となりました。  このため、繰越欠損金は前年度から繰り越された欠損金九千七百四十二億二千五百九万円と合わせて一兆八千八十一億六千二百六十万円となりました。  次に設備投資の概要を御説明申し上げます。  昭和五十二年度は、東北新幹線、大都市圏の輸送対策、主要幹線の電化及び複線化、安全対策及び公害対策、合理化等の諸工事を実施いたしました結果、設備投資額は九千六十三億二千九百五十九万円となりました。  なお、昭和五十二年度の設備投資額の事項別内訳は、新幹線三千五百六十一億四千四十一万円、大都市圏輸送九百八十四億九千二百二十万円、幹線輸送九百四十四億九千四十一万円、安全・公害対策、合理化等三千五百七十二億六百五十七万円、合計九千六十三億二千九百五十九万円であります。  これらの設備資金等のために、新たに長期負債の増加となる外部資金調達額は、資金運用部等からの借入金九千五百四十一億円、鉄道債券発行額八千八十六億五千五百三十万円、合計一兆七千六百二十七億五千五百三十万円であります。一方、長期負債の償還に伴う減少額は三千三百四十三億五千百二十一万円でありまして、この結果、長期負債は前年度に比べて一兆四千二百八十四億四百九万円増加し、昭和五十二年度末において六兆八千八百六十六億六十万円となりました。  なお、新たに助成された地方交通線特別貸付金二百十四億円は、長期負債に、大都市交通施設設備費補助金百六十八億八千三百十五万円は、その他負債に、それぞれ計上いたしております。  これにより、負債・資本総額のうちに占める負債の比率は、前年度の九四%から一〇六%となりました。  次に、特別勘定につきまして御説明申し上げます。  昭和五十一年度末の特別勘定の長期負債残高は、特定長期借入金二兆四千八百十三億二千二百万円、財政再建借入金五百九十億八千三百万円、合計二兆五千四百四億五百万円でありますが、このうち、特定長期借入金六百三十四億五千七百万円を償還いたしました一方、その財源として、新たに同額の財政再建借入金を借り入れました結果、昭和五十二年度末長期負債残高は特定長期借入金二兆四千百七十八億六千五百万円、財政再建借入金千二百二十五億四千万円、合計二兆五千四百四億五百万円で、合計では前年度末と同額となっております。  また、特定長期借入金に係る利子につきましては千八百六億千八百五万円でありますが、この利子は同額の財政再建利子補給金の受け入れにより支出いたしております。  最後に、昭和五十二年度の予算執行につきましては、会計検査院から不当事項四件の御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところでありまして今後、さらに予算の効率的運用に一段の努力をいたす所存でございます。
  12. 高田富之

    ○高田委員長 これにて説明の聴取を終わります。     ―――――――――――――
  13. 高田富之

    ○高田委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。井上一成君。
  14. 井上一成

    ○井上(一)委員 五十二年度の運輸省所管の決算審議に当たり、冒頭に私は航空需要の問題、航空交通の問題について二、三質問してみたいと思います。とりわけ関西における大阪国際空港、さらには新関西国際空港、この問題について問いをしていきたいと思います。  冒頭に環境庁にお伺いをしたいと思います。  環境庁としては、地域環境の公害をいかになくしていくか、浄化等に御尽力をいただいておるわけです。大阪国際空港、現空港の抱える問題、地域破壊、環境破壊、騒音公害、このことについては十分御承知をいただいておると思いますし、たくさんの地元住民がこの問題で日々の生活に大きな支障を来し、悩みを持っている、そういうことから出発して関西国際空港、新空港の建設問題が提起されたというわけであります。そういう観点から、環境庁としては新空港とのかかわり合いで現空港に対する対応の問題をどのように考えていらっしゃるのか、まずこれを聞いておきたいと思います。
  15. 金子太郎

    ○金子政府委員 伊丹空港の騒音公害の問題は、私どもといたしましても非常に深刻な問題であるとかねがね認識いたしておりまして、重大な関心を持っているところでございますが、伊丹空港の将来のあり方というものは運輸省がお考えになる問題であろうというふうに考えております。しかしながら、騒音公害といいますか、あの激しい騒音の問題を考えますと、何といたしましても、航空機騒音に係る環境基準の達成ということを最大の問題として私ども今後とも取り組んでいかなければならない問題だと考えております。  新空港との関連でございますが、現在までのところ私どもは、まだ関係方面から新空港について意見を求められているという段階ではございません。しかしながら、いずれ意見を求められる段階が来るであろうということも十分予想されておるところでございます。それにつきましても、伊丹空港の今後のあり方について関係方面においてなるべく早く検討していただく、もしも支障がないならば支障のない範囲内においてなるべく早く検討していただくということが望ましいというふうに考えております。
  16. 井上一成

    ○井上(一)委員 なるべく早くとは具体的に、たとえば計画が最終的にまとまった、そういう時点、あるいは地域、地元の合意を得て着工に踏み切る着工時点、いろいろあるわけなんです。あるいはずっと後なのか。そういう意味で環境庁としては、決定権は運輸省がお持ちなんですけれども、どのような時点が、どのような形が望ましいのか、これは環境庁としてのお考えを私はここで聞いておきたいと思うのです。
  17. 金子太郎

    ○金子政府委員 新空港につきましては、恐らく閣議レベルにおきましてゴーサインを出すか出さないかという決定をされる段階があると思っておりますが、そのときに環境庁といたしましても何らかの判断を下さざるを得ないのではないかと思っております。ですから、その段階で伊丹のあり方についてもう少し突っ込んだ御検討があれば、私どもとしても判断の資料としてそれが非常に大きな役割りを果たすのではないかということでございます。
  18. 井上一成

    ○井上(一)委員 そういたしますと、新空港建設が閣議決定をされる時点に現空港の対応は決めるべきである、よりそのことが環境庁としては望ましい、こういうふうに理解をしてよろしいですか。
  19. 金子太郎

    ○金子政府委員 そういうことが客観的にできるのかどうかということについては、私ども詳細に存じませんけれども、もしも支障のない範囲でそういうことができるならばそれが望ましいというふうに考えているということでございます。
  20. 井上一成

    ○井上(一)委員 環境庁の見解がよくわかりましたので、環境庁については私の質問はこれで結構でございます。  いま環境庁から、環境庁としての一定の見解が述べられたわけです。今度は運輸省について、関西新空港をめぐる基礎的な見解、まずこれからひとつお尋ねをしたいと思います。
  21. 松本操

    ○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。  関西新空港の計画そのものが基本的に考えられましたのは、さかのぼって三十年の終わりごろからぼちぼち検討が始められておりました。しかしそれが実質的な議論としてまとまり始めましたのは四十年代の半ばごろからでございます。その理由は二つございました。一つは、関西地区における空港の需給関係、これを見ました場合に、現在の大阪空港のありようからいってこれを拡張するとかいうふうなことはとても考えられない、そうだとすれば今後日本を代表する一つの大きな地域であります関西地区の空港というものをどうするべきであるかという点からのアプローチがございました。もう一つの考え方は、ただいま前段の先生の御質問にもございましたが、現在の伊丹空港というもの、現在の大阪国際空港というものの騒音問題、これについて私どもは全力を挙げてその軽減方に取り組んではおりますが、しかし、あの地形的な状況からいいまして完璧を期するということはなかなかむずかしいかもしれない、そうだとすれば、今後相当大規模な輸送需要に対応する空港をつくるとすれば、いずれか別のところに場所を求めざるを得ないのではないか。  こういうふうな考え方が基本になりまして、何がしかの検討を踏まえた上で、昭和四十六年十月に航空審議会に位置及び規模についての諮問をいたしたわけでございますが、審議会は慎重に各方面からの検討を加えられた結果、四十九年八月に答申をいただきました。それ以後この答申の趣旨というものを踏まえまして、その方向でいろいろと調査研究を継続しておるわけでございまして、現段階におきましては、改めてまた航空審議会の部会に御議論を願っておる。なかんずく工法の問題については小委員会まで設けて委細の検討をお願いしておるわけでございます。したがって、この答申と申しますか、御見解を踏まえて空港の基本計画なり、あるいはこの空港の当初のころから非常に問題となっておりました環境影響評価案なりこういうふうなものを取りまとめる、さらには最近地元において強く御希望のございます地域整備計画をどうするかという基本的な大綱、こういったようなものも取りそろえて地元に対して相談を持ちかけるという形になることを第一段階の最後の目標ということで、いま鋭意作業を進めている状況でございます。
  22. 井上一成

    ○井上(一)委員 四十九年八月の航空審議会の答申は当然尊重するという精神は持っていらっしゃるわけですね。それは念のために確認をしておきます。
  23. 松本操

    ○松本(操)政府委員 あの答申に盛られております基本的な考え方、その精神、そういったようなものは尊重してまいりたい、こう考えております。
  24. 井上一成

    ○井上(一)委員 いま、二つの大まかな理由、環境公害、航空需要、そういうところからの発想が新空港建設だと言う。私は一点抜けているんじゃないだろうか、それだけで新空港建設の要求が盛り上がったということではないと思います。さらにもっと強い要因があるわけなんですね。そういうことはお気づきになられませんか。
  25. 松本操

    ○松本(操)政府委員 先生の御指摘がどういう要因でございますか、ちょっと私思い当たりませんが、ともかく地域において航空需要をさばいていく必要があるとすれば、それは地域社会と共存できるような空港がそこになければならない。その空港が現在の空港の変貌によって対応できないということであれば、やはり新しくつくっていくというふうなことを当然考えていかなければならないだろう、その結果どういう形になるかは再び地域社会の人々の御意見なども伺いながら最終的な形を決めていくというのが私どもの考え方でございました。
  26. 井上一成

    ○井上(一)委員 航空機事故の一番発生しやすい状態はどういうときなんですか。
  27. 松本操

    ○松本(操)政府委員 ICAOの統計等によりますと、一般的に着陸前あるいは離陸後、このあたりのところが総事故の六割以上というふうに言われておるようでございます。
  28. 井上一成

    ○井上(一)委員 そのとおりなんですね。離着陸時の事故というのは一番多いわけです。現大阪空港では、年間十三万回もそういう離着陸があるわけです。統計では、事故の比率というのは五十方回に一回だというふうにあらわれているわけなんです。そういうことを考えれば、四、五年目に一回、事故の統計的な数字的な問題からいけばそういうことがあり得るということなんです。現空港の周辺あるいは現在位置の状況というものは、御承知のように市街地の中にある、こういうことでしょう。そこから何も考えられない、何も考えないという運輸省の対応では私は困るんじゃないか、こういうふうに思うのです。全くもって、そこに何が起こるか。私が指摘をしたいのは、市街地における航空機の墜落の危険、これは当然起こり得る、予測しなければいけない状態である、統計的に。そんなことをお気づきになりませんか。
  29. 松本操

    ○松本(操)政府委員 航空の安全の確保は、私どもの主たる任務でございますので、いま先生のおっしゃいましたことは、私どもも十分心得ておるつもりでございますし、また現空港におきましては、地元住民の方とのいろいろな話し合いを通じてそういう点をしばしば指摘をされ、それに対して私どもも及ばずながら何がしかの前向きの措置はとってきておる、こういう状況でございます。
  30. 井上一成

    ○井上(一)委員 運輸大臣、少し私との質疑で流れがわかったと思います。環境と事故はいわば背中合わせにあるということなんですね。現空港がそういう厳しい状態の中にあるということに考えを及ぼせば、私は基礎的に騒音問題、環境問題、航空需要の問題、さらに市街地における航空機の墜落の危険性、これはたくさんの国民がそこに居住しておるのですし、大変なことになるわけです。そういうところから、新関西空港の建設が提起されたんだ、こういう理解をしているんですが、大臣いかがですか。私は三本の柱というこの原点を、基礎的な見解を持っているのです。
  31. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 おっしゃるとおりの発想でこの計画が始まったものと存じます。
  32. 井上一成

    ○井上(一)委員 そういうことになりますと、関西新空港については、すべて国の責任というものがここに明確になってくると思うのです。だから、多くを申し上げませんけれども、関西新空港の建設については国がすべて責任を負わなければいけないし、責任を持って国がこの問題に対処していかなければいけないというのが私の見解なんです。大臣、いかがでございますか。これは第三者いわゆる民間人とかあるいは財界人とかあるいはただ単に地域の人に押しつけてという問題じゃないと思うのです。国の政策として政治としてこれは当然取り組まなければいけない、すべてが国の責任で行わなければいけない問題であるということを、ひとつ運輸大臣から、そうであるのかないのかをここで確認をしておきます。
  33. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 ただいま航空局長から御説明申し上げましたように、関西新空港の問題につきましては航空審議会に答申を求めておるところでございます。この空港を建設するに当たりましては、地域の整備計画あるいは環境評価その他、関係自治体の御理解を得て着手しなければならないわけでございますが、何と申しましても関西における日本の代表的な空港になるわけでございますので、国の代表的なナショナルプロジェクトとして採用してまいらなければならない、かように考えております。
  34. 井上一成

    ○井上(一)委員 そういう形の中で国の政策を遂行していくわけです。それじゃ一体現状はどうなんだろうか、流れはどうであるのだろうか、こういうことを振り返ってみたいと思うのです。  いまも申し上げたように、現空港の及ぼす影響あるいは現空港の周辺の人々の受ける環境破壊、そういうことから新空港の建設が持ち上がってきた。あるいは航空の利便なんというものはすべての国民が、それはもう日本の中だけじゃなく国際的にも世界じゅうがこの航空の利便を享受するということはだれしも否定しないのです。この航空需要という問題。これは成田では一定のパイプライン等によっての給油の問題の制約があり、大阪では環境公害の問題での時間的な制約がある。そういうことで、われわれは、現状で言えば十分な手だて、政策を打ち立てないから、まさに空の交通は鎖国状態であると言っても過言でないと思うのです。  そういうことから、航空審議会に答申を願い、それぞれ小委員会等を設けて取り組んでいるんだ、常にそういうお答えが返るわけですけれども、もう答申が出てから六年にもなりますし、なおかつ話が出てからもう十五年以上たつわけなんです。さらに、現空港の周辺では公害に苦しむたくさんの国民がいらっしゃる、それに十分な対応もし切れてない、こういうことがあり、片面、新空港の周辺では一定の反対運動が四十年代半ばに起こった。これは何を意味するのか。それは、その人たちは受ける公害のおそれというものをもろに意識します。当然であります。そういうことから、なぜ計画が進まないのか。あるいは運輸省がお考えになっているものが十分国民に理解できるように、あるいは考えを持っていないのかもわからないが、そういう点で、なぜ計画どおりにというのでしょうか、一定の予定をしている期間に事が運ばないのか、それはどういうふうに受けとめていらっしゃるのか、このことについても聞いておきたいと思います。
  35. 松本操

    ○松本(操)政府委員 まさに先生御指摘のように、新関西の計画というものは当初考えられておりましたのに比べますとかなりおくれていると言うべきかと思います。そもそも四十六年に航空審議会に諮問をいたしまして、四十九年の八月に答申をもらったわけでございますが、実態は、四十五年ごろから、空港が来るであろうと考えられました大阪湾の周辺の相当多くの自治体において反対決議がなされたことは御案内のとおりでございます。  そういう環境の中での議論でございましたので、四十九年の答申を踏まえて、私どもは、まず大阪湾内における各種の調査を始めたいということで関係府県にお願いをしたわけでございますけれども、それについての御了承を得られるのにも実は意外に長い期間がかかりました。もちろん私どもの説明の不行き届き等、そういった点もございましょうけれども、一般的な雰囲気が、空港というものはやはり害悪と言うと言葉が適当でないかもしれませんが、周辺に問題をもたらす、それは伊丹を見ればわかるではないか、こういう思想が非常に強うございました。私どもがこの審議会の議論の過程を経て、何で沖合い五キロのところへ空港を持っていったかということは、まずそういった空港がもたらすであろう直接的な問題というものを住民が密集して住んでおられるようなところには及ぼさないようにしたい、これを大原則にいたしたいということにあったわけでございまして、騒音の問題にいたしましても、恐らくWECPNLで七十という線を引いてもこれは陸岸にかかりませんでしょうし、また、いま強く先生の御指摘のありました着陸、離陸にかかる飛行経路というものもすべて海上にとられるわけでございますので、安全性の向上という点についてもそれなりの効果が出てくる。そういう点をいろいろと御説明を試みたわけでございますが、なかなか御理解を得るに至らず、結局海上一カ所、陸上三カ所の観測塔を立てるのにもうほとんど二年以上の年月を費やし、五十三年の一月からやっと定点観測ができるという状況になったわけでございます。  一方、四十九年には、私ども騒音防止法を大改正をいたしまして、民家防音という問題についても取り組むようにいたしました。さらにこの問題は、五十四年度からは全室防音という形に中身を切りかえて対応を広めていったわけでございます。こういうふうなことが逐次地元の方にも御理解を願うところとなってまいったと私どもは思っておるわけでございますが、最近に至りまして、地元の方では、依然として基本的には反対という態度をおとりになりながらも、しかし話は聞かぬではないというふうな感じになっておいでなのではないか、このように考えております。つい昨日でございますか、大阪府あたりでも別途の決議が出たように聞いておるわけでございますが、私どもとしてはそういったような客観的な変化をも踏まえ、しかし、これだけの時間をかけたことでもございますので、十分に資料の内容を練り上げて、地元住民の方々が容易に理解し得るようなものを提供してお話し合いを進めていく、こういうふうな形で取り組んでまいりたい、こう考えております。
  36. 井上一成

    ○井上(一)委員 私はさらに、おくれた理由を少し明確にしておこうと思うのです。  これは一に運輸省に対する不信感、地元の国民の不信感だ、一言で言えば。なぜそういう不信感が起こったか。それは生活破壊をされる、自然が破壊される、あるいは社会的な破壊変動が起こってくる、人口が急増された中でのそれぞれの自治体の財政負担が増加している。それに対して運輸省がどのような手だてをしたか、どのような対応をしたか。まさにもう数え上げれば切りがないほど、不信感の要因が随所にばらまかれておる。これは話し合いあるいはその他の現空港並びにそれにかかわるところの新空港の問題への取り組みの運輸省の粗雑さ、ここに原因がある、こういうふうに思うわけです。このことについては、もし弁解をされるのなら聞きましょう。全くそのとおりであると言うなら、次に質問を続けますが、いかがでしょうか。
  37. 松本操

    ○松本(操)政府委員 私はあえて弁解する気はございませんが、非常に残念だとは思っております。つまり不信ということの中に、私どもが約束をしながらそれをたがえてやらなかった、あえてやらなかったというふうなことはなかったと私は信じております。ただ、予算の獲得なりあるいは制度の適用なり、そういう点について私どもの力及ばず、心だけははやっても結果論的になかなかできなかったというふうなことがあって、それが先生御指摘の不信感の種になっているということは痛いほど承知をしておるわけでございますが、意図的なサボリということは少なくともしない、誠心誠意取り組んできたという点はお認めいただけるとして、不信感のあったことは残念ながら認めざるを得ない、このように思っております。
  38. 井上一成

    ○井上(一)委員 私もさらに追い打ちをかけるつもりはありませんけれども、制度だとか予算だとかいうものによって、国民の受ける公害あるいは犠牲をそのままにしていいということはあり得ないのです。制度を変えていくとか、新しくつくっていくとか、予算を増額するとか、そういうことから、公害から国民の生活を守るのだという対応が必要であり、そういうことをやらないから不信感がさらにつのるわけです。そうでしょう。  まあそれはそれとして、弁解をせずに認められたわけですけれども、私はやはり運輸省への不信感というものを一日も早く取り除いていかなければいけないと思うのです。そういうことの必要からも、何をいまやらなければいけないのか。あるいは過去も含めて不信感をなくするためにも何が必要なのか。運輸省、何が必要だと思われますか。何が不信感をなくす一番早い道だとお考えになりますか。
  39. 松本操

    ○松本(操)政府委員 現空港あるいは新空港、その他の空港問題等をも含めまして、何がいま一番やらなければならない問題かと言えば、やはり地元の人たちの意向を私どもはいままで十分に承ってきておるわけで、それに対応するための仕事をしていかなければならないわけでございますから、仕事をするために必要な金なりあるいはやり方なり、こういうふうなものをお約束した範囲内で少しでも早く完璧に近い状況に持っていくというために、単なる努力ではなくて、それを具現していくということが必要であろうか、このように考えておるわけでございます。予算の問題にいたしましても、そういった制度上の問題にいたしましても、ここ数年の間はいろいろとそういう点に毎年のように何らか新しい考え方を持ち込み、これを具体化させるという形で対応してきておりますので、これは私どもの手前免許かもしれませんけれども、ようやくにして一部のそういった考え方が解けてきているのではないかというふうには思っております。
  40. 井上一成

    ○井上(一)委員 私はさらに地元の人々の合意、了解――これはすでに文書で明確に新空港建設については了解なしに進展をさせることはあり得ないという約束事がなされている。ここでもう一度確認をしておきますけれども、地元の国民の了解、地域の人々が了解しない限り新空港の進展はあり得ないという理解はよろしゅうございますね。
  41. 松本操

    ○松本(操)政府委員 新空港の計画が定まるのは地元の理解が得られてからであるということは、答申の中にも触れられておりましたし、先ほど申し上げましたように、この答申を私どもはその精神として尊重をしてまいります。また、われわれ自身も、文書をもって地元の方に全く同様のことをお約束しておりますし、これを変える気はございません。
  42. 井上一成

    ○井上(一)委員 そうしたら、地元の人が了解をでき得るような努力、そして具体的な行動、そういうものが不信感をぬぐい去っていくと思いますが、それは一体何なのですか。
  43. 松本操

    ○松本(操)政府委員 現在のところ私どもとしては、まず空港の基本計画というものをはっきりさせたい、これをお示しいたします、こう申しているわけですが、むしろ地元の方は、その前に、従来の経緯もこれあり、環境影響評価案というものをまず持ってこい、それがはっきりしないと、空港そのものが公害をまき散らすのかそうでないのかの判断がつかない、そこからスタートが始まる、こういうお考えのようでございます。さらにそれに加えてもう一つ、空港ができることによって地域がどう変わっていくのか、変えようとしていくのか、そういう点についてのはっきりとした大筋、これも見せてもらわなければ、公害はないがそれっきりよというのではこれは困る、こういうふうな御意見を私ども十分に承りておりますので、ここら辺のところをきちっと筋の通るような形で取りまとめたものをなるべく早くごらんに供する、またそれを単に一片の作文ではなくて、十分な裏づけ資料をつけて納得できるような形に仕上げていくというふうなことが当面の急務であるというふうに考えております。
  44. 井上一成

    ○井上(一)委員 そのことはとりもなおさず事前調査であり、事前調査というものがいかに大切であり重要な役割りを持つかということを私はここで指摘をしたいのです。工法がどうだとか、いや何がどうだとかという以前に、そこに空港を建設する、そしてそのことによって環境がどう変化をする、地域がどう変わっていく、そしてどういうような影響をそこにつくり出していくのだ、事前調査じゃないのですか。そのことによって地元の人々は判断ができるのですよ。事前調査をおろそかにする、あるいは事前調査が十分でなければ、あるいはこれがインチキな事前調査であれば、地元の人が何が了解できますか。そして、もし仮にそんなインチキな調査で地元民を納得さそう、了解さそうとしたら、これはもってのほかだ。そういう意味で私は事前調査が一番大事であり大切であるということを指摘したいのですが、これはいかがですか。
  45. 松本操

    ○松本(操)政府委員 結果を出す前に、必ずその前提があるわけでございますから、先生のおっしゃりをもってすれば事前調査、これは当然のことであろうかと思います。
  46. 井上一成

    ○井上(一)委員 それではその事前調査がどのような方法でどのようになされてきたのか、どれだけの予算を投入したのか、そして、その投入された予算は効果を生んだのかどうか、この点について答えてください。
  47. 松本操

    ○松本(操)政府委員 古くはこの事前調査と言える範疇に入りますものが四十三、四年ごろからぼつぼつと手をつけられておりましたが、この古いものは抜きにいたしまして、五十一年度から私どもは本格的に調査に取りかかってまいっておるわけでございます。五十一年度九億六千万、五十二年度十七億、五十三年度二十一億、五十四年度二十三億、合計七十億六千万円の調査費を投入いたしました。  調査の内容は大きく分けて四つ、自然条件、社会条件、空港条件、環境影響というふうに分類をいたしました。さらにその自然条件、空港条件、環境影響調査等を、たとえば環境につきまして、騒音、振動、大気汚染、水質汚濁、景観、植生等への影響、海岸利用への影響、水産への影響、海上交通への影響、こういうふうに分けまして、この中分類をさらに分類するという形で細かな調査を進めてまいっておるわけであります。現在この中で環境影響調査というものが最も大きな意味を持つものと私どもは考えておりますが、これの最終的な取りまとめという段階に入っておるわけでございまして、ここ一、二カ月ぐらいの間にきちっとまとまった形でこれを作成いたしまして、現在開かれております審議会にももちろん提示いたしますし、審議会の議論を通して一般にも公開もいたしますし、そういう形で最終的な環境影響評価案というものをまとめるようにしたい、こう考えております。
  48. 井上一成

    ○井上(一)委員 それらの資料はすべて地元の人々に対して公開をされていますか。
  49. 松本操

    ○松本(操)政府委員 まずどういう調査をするかということにつきましては、五十二年の二月に調査の全体計画という形で公表をいたしたわけでございます。その後の調査、いろいろな調査をやっておりますが、たとえて申しますならば、騒音、大気汚染に関する現地調査の結果、気象、海象の観測月報、あるいはこれらのものを一部まとめました関西国際空港調査の実施状況について、あるいは、実機飛行調査を二回しておりますが、その結果、あるいは大気汚染に対するやや大規模な測定をいたしました調査結果、こういったようなものはすべてその都度、まとまった限りにおいて公表をしてまいっておるわけでございますが、先ほど申し上げました環境影響等にかかわります全般的な調査で非常に細かに分けてしまって一つ一つの調査が行われているものがございますので、これらについては、総合的に取りまとめた形で皆さんにごらんに供するようにいたしたい。その部分部分のものは私どもがまだ自分で勉強中というふうなものも中にまざっておるものでございますから、そういうふうなものは最終的な取りまとめができた以降、何らかの形で閲覧に供するなり何なり、ともかく皆さん方どなたでも御希望の方には読んでいただけるようにしたい、このように考えております。
  50. 井上一成

    ○井上(一)委員 いま、閲覧に供するなり、まあその方法は別として、すべての人に読んでいただけるような機会をつくるということです。実は私はこの事前調査委託の一覧表の資料要求をしたのです。しかし持ってきたのはほんの薄っぺらなもので、私が持っているのにも及ばない。こんなことだけを地元の人にお見せしたって、地元の人はわかりませんよ。いま指摘のあったように、自然条件だとか社会条件とか空港条件、環境影響条件、そういうことを民間一般法人へ何件、財団法人へ何件、府県レベルへ何ぼ、国公立研究機関へ何ぼ委託、こう書いてあって、それでこれは調査の結果どういう結果が出たか、あるいは出つつある、まだ判定はしないけれども、こういう結果が出た、そういうことを地元の人あるいは関係者に公表しない限り、何が了解できますか。何が判断の材料になるのですか。ただ単なる漠然としたフィーリングで、いや賛成だとか反対だとかということは、私は非常に非現実的であるし非科学的だと思うのです。非近代的な方法だと思う。むしろ、もっと事前調査の結果のデータを事細かに皆の前に明らかにして、その中からよりよい方向を求め、その中で正しい判断をしなければいけない、こういうふうに思うのです。  余り時間がありませんから、このことについてさらに詳細にわたる一覧表を私あてに出していただけますか。
  51. 松本操

    ○松本(操)政府委員 こういった各種の調査は、本省が直接行うもの、大阪航空局が行うもの、第三港湾建設局が行うもの、そういうふうに三カ所で実施しております。したがいまして、現時点で本省として私どもの手元に全部一括した形できれいに整理がされていないのが実情でございます。したがって、いま御指摘のございました点については、多少のお時間をいただければ全部整理をいたしまして、どこにどういうものを調査委託をしたか、概要はこういうことであるというふうなものを取りまとめることは可能でございますので、御要望に応じ得るというふうに考えます。
  52. 井上一成

    ○井上(一)委員 さらに私は、私の調査ですでに明確になっているのでここで指摘をしておきます。  委託先は、何々協会だとか何々会だとか、そういう名称をつけられておりますけれども、中身は企業の合体に等しい、こういうことです。さらに、当然それらの企業は、新空港がスタートすれば恐らく工事その他を含めて受注するであろうと予測される企業が大半である。さらに天下り役人、そういう人たちが随所に絡んでいる。何かそういうところの受注が多いと見受られる。いわば新空港を推進する方向の資料が優先されてつくられるような観があるということです。これはどういうふうに運輸省はお考えなのか、私はわかりませんけれども、最初から推進の方向、いわゆる悪いところは余り表に出さぬでいいところばかり出して、そしてこれを推進していくんだという姿勢が見られると思うのですが、その点について、実態はどうなのか、少し聞いておきたいと思います。
  53. 松本操

    ○松本(操)政府委員 私どもが調査を委託いたします場合には、その受託先がわれわれの意図しますような調査が十分できる能力があるかどうかというふうなことをいろいろな面から検討いたしまして調査の委託をしているつもりでございます。したがいまして、いまの御指摘の中に、将来受注するようなところが入っているというふうなこともございました。たとえば、私いまふっと表を見ていて思いついたのは、施工計画にかかわる試験の中で、振動破壊試験装置の試作というふうなことを住友金属に三千百万円で出しております。しかし、これは住友金属が受注するかどうかということは別にいたしまして、このような振動破壊試験装置をつくるということになりますと、どこででもできるというわけでもございませんので、おのずからこういうところが選ばれたのであろうかと思います。したがって、たとえば同じ項目の中でも、コンクリート中の塩分と劣化調査といったようなものを委託しましたコルバックという会社、わずか三百十万円で委託しておりますが、これらは実は受注するといっても、大して大きな会社ではございますまい。ですから、御指摘のようなことがあってはならないと私は思いますので、十分に配慮をしながら、そういう点に気を使って今後ともやってまいりたい、こう考えております。
  54. 井上一成

    ○井上(一)委員 私はさらに具体的な事例を出しますけれども、むしろ公正な第三者の専門的機関にあなた方がチェックさせているのかどうか、こういうことなんです。どうなんですか。恐らくあなた方の答えでは審議会に諮っているとか、審議会に相談しているとか、小委員会でどうのこうのというお答えが出ると思うのですけれども、それ以外に、専門的な第三者機関にチェックさせているのだということがあれば、その機関あるいはその調査のメンバーを指摘してください。
  55. 松本操

    ○松本(操)政府委員 たとえば気象のような問題でございますと、気象協会というのはかなり専門的な知識経験を持った人たちの集団でございますので、そういうふうなところにまとめていろいろなことを頼んでいるという例はあるわけでございます。  それから、漁業の問題等になってまいりますと、これも水産資源保護協会というのが、いろいろとある中で農林省等とも御相談を非公式にいたしました結果、やはり一番権威のあるそういった組織体であるというふうなことでございましたので、そういうところにまとめて漁業問題というふうなものは検討をお願いするということをいたしておるわけでございます。  そのほかに、環境の問題で申しますと、いろいろと具体的なものがありますので、そういったところに頼んだものを私どもがもう一度見直す、最終的には関西空港調査会という、これは大阪府の財団でございますが、そこに一つのグループを持っていただきまして、個々のデータとして出てきたものは、ここにお集まりの先生方、委員会でございますが、ここでもう一度専門的な立場からチェックをしていただく、こういうふうな形をいまとっておるわけでございます。
  56. 井上一成

    ○井上(一)委員 私は後で指摘をしようと思ったのですが、日本水産資源保護協会の名前が出ましたから、このことについては、私の方からさらにどういうような内容かということを指摘をします。さらに、関西空港調査会、このことについても指摘をしたかったわけです。しかしいま名前を出されたから、この調査会にしたって、船舶振興会から二千六百万円も寄付をもらっているとか、いろいろな意味でのかかわり合いが、本当に純粋な第三者の公正な機関だと私は受けとめられないから、実はそういうことをきっちりとやるべきだ、最後に検査院に私は要望をしますけれども、そういうことをいま指摘をしたわけです。  その水産資源保護協会に入るまでに、それでは一つ尋ねますが、新空港建設に絡んで、この建設はどうしてもだめなんだという、そういういわゆる反対的な資料は出ていますか。
  57. 松本操

    ○松本(操)政府委員 大変申しわけございませんが、私、全部をつまびらかに承知しておりませんが、現在までに私が報告を受けております限りでは、いろいろむずかしい面についての指摘はございますが、これが絶対的な条件で動きがとれないのではないか、こういう意見はないようでございます。
  58. 井上一成

    ○井上(一)委員 私が指摘したとおり、俗に言う推進派、推進を望む人たちの調査なんです。私は、いいことも悪いこともあって当然だと思うのです。だから、私の見解はきょうは申し上げません。ただ、事実関係と、それから運輸省の取り組みだけを指摘をしているわけなんです。  水産資源保護協会の報告なり、あるいはこれにかかわる関係のてんまつについては審議会に報告していますか、すべてを出していますか。
  59. 松本操

    ○松本(操)政府委員 実は、審議会と申しますか、関西部会の審議がまだ環境問題を正面から論ずる段階に至っておりませんので、この水産資源保護協会に委託いたしましたのは、大阪湾内における漁類への影響という大きな環境問題の一つのテーマでございますが、まだこれを取りまとめて審議会にごらんに供するという段階まではいっておりません。
  60. 井上一成

    ○井上(一)委員 さて、それでは具体的にその水産資源保護協会ですが、ここの会長は、もう私から指摘をしてもいいのですけれども、いわゆる水産庁の天下りであるのかどうか、あるいはこの協会にそういう人材がおるのかどうか、あるいはこの協会の年間の予算はどれくらいなんですか。さらに、その予算に対して、運輸省がこの協会に委託をした金額はどれくらいなんですか。そうして、もしわかれば人員、そういうことについてもお答えをいただきたいと思います。
  61. 松本操

    ○松本(操)政府委員 日本水産資源保護協会は、農林水産省の所管いたします公益法人、社団法人でございます。会長である理事庄野五一郎さんという方が先生のおっしゃるような経歴の方かどうか、ちょっといま私、承知をいたしておりません。  財源といたしましては、五十三年度の例で申し上げますと、国庫補助金約三千万円、国庫委託費が約五千万円、会費が約二千五百万円、受託事業費約四億六千万円、その他を含めて六億何がしという形で仕事をしておるようでございます。この中で人件費が八千六百七十何万円という段階でございまして、理事のほかに十数名の事務局というものは持っておりますが、これ自身が研究機関というわけではないと私は思います。したがって、こういった作業の実施に当たっては、その都度委員会組織を設けて、その委員会の形でいろいろな作業を進めるということをやっておるようでございます。
  62. 井上一成

    ○井上(一)委員 この事前調査について委託をした場合に、再委託を原則として禁止いたしておりますね。
  63. 松本操

    ○松本(操)政府委員 先ほどもちょっと触れましたように、委託契約をいたします場合に、本省が行います場合、その他いろいろと多少の違いがございますが、この水産資源保護協会に委託をいたしましたのは第三港湾建設局でございまして、第三港湾建設局が取り交わしました委託契約におきましては、再委託を禁止し、再委託する場合には承認を得ること、こういう契約になっております。
  64. 井上一成

    ○井上(一)委員 私は、再委託を禁止することは当然だと思うのですよ。しかし、運輸省の見解としては、いま第三港湾局ということだけに指摘をされましたけれども、では運輸省の方針はどうなんですか。運輸省は委託契約をして、さらにそれを再委託することに同意をされるのですか。原則論ですが、いかがなんですか。
  65. 松本操

    ○松本(操)政府委員 原則的には、先ほども申し上げましたように、調査委託の相手を選びます場合にはそれなりの能力のある者ということが前提でございますので、再委託というものが仮にあるとしても、きわめて限られたものであるべきだろう。ただ、それを禁止して承認にかけるか、あるいは届け出でとどめているかといったような違いが契約条項によって違う、こういうことでございます。
  66. 井上一成

    ○井上(一)委員 それでは、この水産資源保護協会が委託を受けて再委託をさしているわけです。それは当局に文書でちゃんと申し入れをしなければいけないということが委託契約書の第四条に明記されているのですが、運輸省はそういう申し入れを受けておりますか。受けておるとするなら、どことどことどことに再委託をやらすことを了承しましたか。
  67. 松本操

    ○松本(操)政府委員 この水産資源保護協会に対する委託契約は第三港湾建設局がしたわけでございまして、委託条項の中には、再委託に関し原則禁止、しかし承認によって解除、こうなっております。  そこで、水産資源保護協会の方からは、幾つかの再委託をいたしたいので承認を求めるという書類が出てきたわけでございます。それに対して、その時点におきます第三港湾建設局の考え方というのは、これは再委託、つまり三建がまとめて委託したものを一部ちょん切って、それをどこかに頼んでしまおうという形の再委託というのではなくて、委託された事業をするのに当たっていろいろと資料なり材料なりといった素材が要る。その素材を外注で取りまとめてもらう、あるいは実験をやってもらうというふうな考え方をとる方が妥当ではないか、このように判断したようでございます。  したがって、そういった再委託の承認に係る申請が第三港湾建設局に出たのは事実でございますが、第三港湾建設局としてはそれに対して特段の措置をとらないまま、つまり申請を受理しないという形で、俗な言い方をすれば放置をした、こういう形になっております。
  68. 井上一成

    ○井上(一)委員 現時点でいわば契約不履行なんですよ。契約にのっとった手続をしていないわけです。それをそういう形でやらした。さらに私は、ちょっとこれは大臣に尋ねたいのですが、運輸省が委託をしますね、いま答えがあったように、すべてを今度さらに下請に出すのじゃなくして、部分的なこと。その受けた委託の中に、その仕事の中に、水産庁の、農水省の関係機関が加入をする、それに対して加わる。そういう場合だったら、別にこの水産資源保護協会を通さないでも、運輸省から農林省に言えばいいわけですよ、私の言っているのは。これは一例ですよ。具体的にいま金額も出しますけれども、そういうことがあり得たとしたら、この事前調査に費やした費用、これはまさにむだではないだろうか。なぜここを通さなければいけないのか。片方は国の機関ですよ。国の機関を手伝わしてやるのですよ。仮にその部分だけを下請に再委託をするならば、ここの協会を通さなくても運輸省から言えばいいわけです。大臣はそういうことについてどういうふうに考えていらっしゃるか。私は、それはむだと違うだろうか、こう言う。違うというよりむだだ、こういうふうに決めつけているのですが、大臣いかがですか。
  69. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 調査の実態については私はよくわかりませんが、内容を調査して検討さしたいと思います。
  70. 井上一成

    ○井上(一)委員 事前調査に百億以上の予算が投入されているので、すべて運輸省が責任を持って調査報告を上げていただくということを――後刻でいいから、ひとつ私に報告書を提出していただけるかどうか。いま調査をするということですけれども、調査をしてその報告を私にいただけますね、大臣。
  71. 松本操

    ○松本(操)政府委員 まず、どの機関がどの機関にどういう内容の委託をいつ、幾らで、したか、それに対して、いつ、どのような内容の報告が出てきているか、ここまでの段階でございますれば、多少時間をいただきますと、本省、それから第三港湾建設局、大阪航空局、これらを全部横並びにいたしまして調査資料をつくることが可能でございますので、それによって御説明ができると思います。  それから、いま大臣がお答え申し上げました件につきましては、これはまた別の議論もあるわけでございまして、その部分だけ委託しても、その受け取った運輸省としては、なかなかもって後始末がしにくいというふうな面もございます。議論の余地のあるところでございます。したがって、第三港湾建設局はそこら辺のところは委託ではない、こう判断したようでございますが、先生の御指摘もあって、これは今後の問題として私ども少し真剣にここら辺のところをはっきりさせるというふうにいたしたい、このように考えます。
  72. 井上一成

    ○井上(一)委員 第三港湾建設局が委託でないということであれば、私はきょうここに三点、契約書のコピーを持ってきているわけなんです。金額は八百七十万とかあるいは一千五百万とかいう契約書があるわけなんです。相手名は申し上げませんけれども、研究委託契約書という契約書が、日本水産資源保護協会を甲として、以下、ある株式会社何々を乙という、ということで契約書を書いているのですよ。これは明らかに再委託なんです。これについては、私はけしからぬということなんです。調査をされるということですから、時間も余りありませんので、指摘だけをしておきます。  さらに、保護協会が総額予算六億近い中で、その大半が受託事業である。五十三年度の場合は、四億六千万と国庫委託が五千百万、約五億が国費にかかわる予算なんです。がっぽりと、退職積立金というものは一千万も二千万近くもその予算からちゃんと取っているわけなんです。こんなむだなことがあっていいんだろうか。本当に、地元の住民が生きる、その毎日の自分たちの生活にどう影響して――命をかけてこの問題に真剣に取り組んでいるやさき、事前調査だというきれいな言葉で予算が消化されていく。その中で百億以上の金がこんなにむだな方法で費やされていくということには、行政改革を叫ぶ今日、本当にむだな行政だ、こんなことでいいんだろうか、こういうことなんです。さらに、国家公務員がその委託を受けた中で、チーフ、いわゆるキャップになってその研究調査に参加をしている。これは悪いとは私は申し上げませんけれども、そのことによって役務費を得ているとなるならば、これは国家公務員法に抵触するのじゃないだろうか。さらに、いま申し上げた日本水産資源保護協会の二億九千六百万円の委託費のうち、再委託に近い形で消化されたのが八千二百四十二万一千四百円。私は、あとのものすべてを、保護協会の俗にいう維持管理運営費、あるいは悪く言えば何か中抜き、むだな経費、こういうことですべてを包括しようとは思いません。思いませんけれども、いま言ったように二億以上の金が一体何に使われたのかわからぬ、そんなことでこれは本当に事前調査を真剣にやっておるのか、こういうことになるわけです。さらに私は、これは検査院にもひとつ強く要望しておきますし、ぜひこの事前調査の投下された資金経路、いわゆる資金の流れというのでしょうか、消化、執行については十分把握をしていただきたい。これは強く要望しておきます。そして、大臣に重ねて、私がいま指摘をした日本水産資源保護協会だけででもこのような矛盾あるいは疑問があるのです。そういう折に、ひとつ調査費がむだでないように――さらに発注を受けて、いわゆる運輸省から注文を受ける、そしてある個所に委託をする。そこには発注を受けたものとかかわり合いのあるものが入っておるわけです、再委託の受注先に。ときには国家公務員が関与している。そんなことで、これはいわば発注のたらい回しだと思うのです。本当にそれならダイレクトで、直接に委託をしたらいいし、必要経費は、そういうところへ二億であろうが三億であろうが事前調査に金を出すことについては、私は大いに結構だと思う。そのことが地元の人たちの判断になり一つの地元の人たちのめどになるための予算投入でなければいかぬということを言っておるわけなんです。私の考え、そしていま指摘をしたそういう点について詳しく調査をしていただけるかどうか、このことについて再度大臣から確認をしておきます。さっき調査をされるとおっしゃられましたけれども、いま私は少し余分に指摘をしましたから、そういうことも含めて調査をしていただけますか。
  73. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 御指摘の件について、よく調査をして検討いたします。
  74. 井上一成

    ○井上(一)委員 この点については、調査報告を待って、さらに質問を続けます。  最後に、空港関係の問題で運輸省に伺いますが、先ほどは環境庁の金子局長から話されたように、一定の前進した、いわゆる閣議了解がとられた時点で現空港についての検討を明確にすべきである。それで航空審議会の答申では、少なくとも大阪国際空港の廃止を前提としてということが明確にされているのですけれども、いま地域のいろいろな声が運輸省の方にも上がってくるであろうし、もっと端的なことを言えば、十一市協の中でも一部、身近な空港であったし、あるいは空の玄関口がそばにあるのですから、一つの利便さ、そういうことにも考えを及ぼす、あるいはいろいろとそこから生まれてくるであろうところの税収もあるかもわかりませんし、いろんな意味でこれは残したらどうだろうかとか、あるいは現空港についてはいろんな意見があるわけなんですけれども、規模を縮小するあるいは存続をする廃止をする、そんなことを聞こうとは思いません。そういうことは軽々に言うべきではありません、論議をすべきじゃありません。航空審議会の答申を尊重するという大前提に立っているのですから。要は、現空港は新空港に非常に深いかかわりがあるのですから、新空港との絡みでいつの時点にそういうことを明確にするか。いままで完成後ということを言われてきておったわけです。環境庁はそんなことじゃだめだということ、閣議でやるかやらぬか決めるときに現空港をどうするかということを決めればよかった。運輸省はいかがですか、これは大臣からひとつ答えてください。
  75. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 先ほど環境庁からの見解が発表されたわけでございますが、運輸省といたしましては、開港の時点において現空港の廃止を含めて地元の意思を尊重して検討いたします、こういうことにしております。したがって、今後調整をしてまいらなければならない、かように存じております。
  76. 井上一成

    ○井上(一)委員 大臣、それはずっと言い古されてきた言葉なんですよ。開港のときに決めるというようなことではもう遅いわけです。たとえば現状のままで存続するということになれば、公害の二元化ですよ。南と北に公害を二つつくって、公害を二元化していく、そういうことにもなるわけなんです。だから、どうするのかということは、遅くとも着工時に検討しなければいけないわけで、明確にしなければいかぬわけです。だから、環境庁の意見を尊重しながら、そういう方向で部内の統一を図るという意味ですね、大臣、いかがですか。
  77. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 環境庁の意見をきょう伺ったわけでございますから、運輸省といたしましても、その点を十分踏まえて検討いたしたいと思います。
  78. 井上一成

    ○井上(一)委員 その点については、環境庁の見解等を十分尊重して、対応については関係住民に理解を得られるように、早い時点で決められるように、これは私から強く要望しておきます。  さらに、海洋不法投棄の問題で、出光のタンカーがせんだって不法投棄をしたということがすでに報道されているわけです。海上保安庁にまず今回のこの件についての調査の実情を報告をしていただきたいと思います。
  79. 真島健

    ○真島政府委員 御報告いたします。  徳山丸事件でございますが、私ども三月二十一日に、出光タンカー所属のタンカー十三万六千総トンの徳山丸、この船からスラッジが海洋に不法に投棄されたという情報を入手をいたしたわけでございます。これが事実といたしますれば、当然海洋汚染災害防止法違反でございます。そういうことで、直ちに二十一日以降捜査を開始したわけでございます。  私どもの得ました情報の概要を申し上げますと、徳山丸が二月二十九日に徳山港を出港いたしまして、三月六日に相生に入港をいたしたわけでございますが、その間、四国沖合いにおいてタンククリーニングを実施をした。その際に、このタンククリーニング作業を請け負った内外産業という会社でございますが、この従業員がクリーニング作業の結果発生いたしました、油分を相当含んでおります油性混合物でございますが、スラッジ、これを袋詰めにして投棄した、こういう情報でございました。  その後私どもは、この海域が第五管区海上保安本部の担当水域でございますので、当本部の神戸海上保安部におきまして捜査を続行しておる状況でございます。ただいままでに、徳山丸それからタンククリーニング作業を請け負いました内外産業株式会社、さらに、内外産業株式会社に作業員を手配いたしました山水商事株式会社、このあたりを捜索をいたしまして証拠品を押収するほか、さらに二十四日以降徳山丸等の検証を実施いたしまして、現在、関係者すなわち投棄をしたと情報に出ておりました内外産業の従業員、徳山丸の乗組員等の事情聴取、取り調べということを現在実施しておる段階でございます。
  80. 井上一成

    ○井上(一)委員 海上保安庁として、このことについて関係省庁に連絡をとっておりますか。
  81. 真島健

    ○真島政府委員 関係省庁には、私どもから御連絡をいたしております。
  82. 井上一成

    ○井上(一)委員 どの省に連絡をとりましたか。
  83. 真島健

    ○真島政府委員 法務省、環境庁等でございます。
  84. 井上一成

    ○井上(一)委員 労働省には連絡をとられなかったわけですか。
  85. 真島健

    ○真島政府委員 私どもから労働省にはとっておりません。
  86. 井上一成

    ○井上(一)委員 労働省は、今回のこの問題について、何か手だてを講じられましたか。
  87. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 お答え申し上げます。  徳山丸の廃油投棄事件に関連いたしまして、船倉内におきます洗浄作業に従事した労働者の労働条件につきまして種々問題があるという報道がなされたわけでございますが、私どもといたしましては、早速、現地の兵庫労働基準局及び所轄の労働基準監督署におきまして、関係事業所に対しまして、労働基準法ないしは労働安全衛生法等に基づきます事実関係につきまして、捜査ないしは事実関係の把握を現在いたしているところでございます。  なお、現地におきましては、関係の行政機関と連絡をとりながら、それらの事実関係の究明に現在当たっているところでございます。
  88. 井上一成

    ○井上(一)委員 私は、海上保安庁の取り組みが手抜かっていると思うんですよ。もちろん、海洋投棄、不法投棄をした、それは海洋汚染防止法等に照らして取り組みはしていらっしゃいますけれども、そこで働かされておった者に対しての対応ですね、いち早く関係省庁である労働省に、これは報告というか連絡をしなければいけない。そんなことをせぬと、そこで働かされておる労働者の立場というか、労働者に対する対応というものをどのように考えておるのか、そういうことについては非常に遺憾だと思います。しかし、素早く労働省がそういうことで調査に入りたということですね。調査の基本は、労働者名簿であると思うのです。労基法によってもそういうことがちゃんと義務づけられておるわけですけれども、出光タンカーあるいは下請会社が、そこで働いておった人たちの名簿を十分具備しておったのかどうか。
  89. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 先生御指摘のように、労働基準法で、労働者を雇い入れた場合につきましては労働者名簿に所定の事項を記載することになっているわけでございますが、現在、関係事業所をこれらの問題を含めまして調査中でございまして、当該乗船者について名簿の中に登載してあったかどうかについては、まだ本省において把握しておりません。
  90. 井上一成

    ○井上(一)委員 そういう名簿がなかったということですね。
  91. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 名簿につきましても現在調べてございますが、何せ関係者、特に責任者につきましてなかなか接触をすることが困難でございまして、現地におきまして、その有無を含めましてまだはっきりしない段階でございます。
  92. 井上一成

    ○井上(一)委員 海上保安庁は、その乗組員の労働者の名簿というものは把握されましたか。
  93. 真島健

    ○真島政府委員 現在、捜査中でございまして、ただいまのところ一部はつかんでおりますが、今後の捜査の進展によってもう少しわかってくるかと思います。
  94. 井上一成

    ○井上(一)委員 これは本来労働省なのですけれども、問題が起こったから、海上保安庁もそういうことは、乗船者名簿の中で労働者も乗っているんだという、労働者名簿が一部だけわかって、あとわからぬということはおかしいのであって、それは労働者ではなくて、乗船者、乗組員なのか、そこもちょっと明確にしてもらいたいと思うのですが、労働省の方は、それじゃ労働者名簿はわからぬということですね。
  95. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 現在のところ、そのとおりでございます。
  96. 井上一成

    ○井上(一)委員 これは義務づけなのですから、わからぬということはなかったということなのですから、それは労働基準法に違反するわけですね。そういうことでしょう。
  97. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 現在、労働者の雇用関係等につきましても必ずしも明確になっておりません。雇用関係があることは確かでございますが、それが日雇い形式であるのか、それ以外のものであるかによりまして、労働者名簿の中に記載すべきかどうかということが変わるわけでございまして、雇用関係も明確化した上で、それらに違反するかどうかを判断いたしたいと思っております。
  98. 井上一成

    ○井上(一)委員 これは、そこで働かされた労働者がみずからの仕事ぶりをレポートしたわけなんですね。非常に部分的な個所を読み上げると、「作業は実に23時40分まで続けられた。早朝4時から始まった重労働である。それにしても、これだけきつい長時間の労働を出光興産の労働者に強いたらどういうことになるだろう。労働組合の反発は必須であろう。とすると、こうした労働を下請けに流すことは、一種の組合対策なのだろうか。」云々、「二重、三重に労賃はピンハネされているに相違ない。またそれが、廃油スラッジ不法投棄の隠蔽システムにもなっているとしたら、これは実に巧妙に仕組まれたシステムといわざるを得ない。」「もう動けんぞ、もうやめだ。監督が来ても誰も起きるな。電気は消してしまえ」とか、十年選手であっても限界だ、いわばもう早朝から深夜までの長時間労働。さっき答弁の中にあった有機溶剤の中毒による生命の危険性、あるいはその食事、宿泊等の劣悪さ、さらに「西成組と新開地組とでは日当が異なるようだ。」西成組、これは大阪ですね、「西成組は日当九七〇〇円だが、新開地組」これは兵庫です。「新開地組は九二〇〇円らしい。」云々と書かれて、「新開地組は仕事が流れて来る段階、すなわちピンハネ段階が、西成組に較べて一段階多いために」こういうことがある。そういうことが指摘をされて、作業員の仲介業者による賃金のピンハネなどがあり、これはまさに動くタコ部屋である、こういうふうに指摘をしているわけです。こういうことの、いわゆる労働者の実態を、労働省はさっき、まだ名簿等については、ないという形の中で、日雇いであるのかどうであるのか、その辺も含めて、雇用関係も含めて調査中である、今日時点でどの程度その実情を把握しているのか、あるいは今後どういうふうにこれに対応していくのか、労働省としての見解をここで聞いておきます。
  99. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 先ほど申しましたように、事実関係につきましては鋭意現在調査中でございます。なお、先生から御指摘のありましたように、労働者名簿のほかに過酷な作業ということで労働時間の問題さらにはそれに関連する賃金の支払いの状況等の労働条件一般の問題のほかに、作業環境であります取り扱い物質なり等の関係につきましても鋭意事実関係を調査いたしているわけでございます。  これらにつきまして、事実関係が明確化しました段階におきまして、労働基準法、安全衛生法の適用条文と比べまして、私ども、これらの法律に違反の事実があった場合につきましては厳正なる法的措置を講じてまいりたいと考えております。
  100. 井上一成

    ○井上(一)委員 現時点で、いま私が指摘したように、動くタコ部屋であるという、そういう劣悪な労働条件であったということはおおむね把握されたわけですね。
  101. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 本省におきまして具体的な労働時間の長さ等についての報告は受けておりませんが、現地におきまして把握したところにおきましては、時間等につきましては一日の労働が法定の時間を超えていたというようなことは確かでございます。
  102. 井上一成

    ○井上(一)委員 今回の件で関係機関、出光も含めてすでに事情聴取をされているということです。これは、ただ単に今回のこの一件だけに終わらないと私は思うんですね。こういうことが通常起こりつつある、起こり続けてきたというふうにも推測ができるわけです。そういう意味で、同様な業務をしている関係企業に対して労働省としては、今回のこの事件を契機に何か申し入れをする、こういうことのないように、劣悪な労働条件の中で働かせてはいけないとかあるいは労働者名簿は明確にすべきだとか、ごく基礎的なことについて通告というかそういう知らせをとるべきだと私は思うのです。そのことについて労働省はどうですか。
  103. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 私ども、労働条件の不安定な労働者に関しまして、当該産業なり当該業種の使用者団体に対しましていろいろ、労働条件の改善、法的の措置の履行確保等を絶えず要請しているわけでございますが、今後とも、この事件を契機といたしましてこの種の業界、会社、企業に対しまして特段の法律の遵守をするようなことを強く要請してまいりたいと思っております。
  104. 井上一成

    ○井上(一)委員 非常に具体的なことですけれども、内外産業の本社はどこにあるんでしょうか。
  105. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 内外産業の本社といたしましては、東京都の中央区八重洲にあるように把握いたしております。
  106. 井上一成

    ○井上(一)委員 法人登記にはそこにはありませんね。
  107. 倉橋義定

    ○倉橋説明員 私どもまだ法人登記簿の方まで調べてございませんが、内外産業は株式会社であるというようなことで、事実上の本社は中央区にあるというふうな把握でございます。
  108. 井上一成

    ○井上(一)委員 さらにこの事件については、とりわけ運輸大臣にお尋ねをしたいと思います。  廃油の処理施設については、運輸大臣が許認可を持っていらっしゃるわけだし、それの監督権があるわけですね。海上に船舶から出るところの廃油ですね、陸上でない。これは御承知でしょうね。当然だと思います。今回のことについて、運輸大臣としては、責任ある企業に対して何らかの措置を講じられましたか。
  109. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 徳山丸の事件に対しましては、大変遺憾に存じておるわけでございます。したがいまして、この事件発生と同時に私から事務当局を通じて、船主あるいは航海責任者等に対して十分注意を喚起する通達を出すように手配をしております。
  110. 井上一成

    ○井上(一)委員 さらに私は、どのような通達を出されたのか中身についてはわかりませんけれども、法を犯しているということについては、ただ単に直接不法投棄に携わった関係者だけに限るものではないと思うのですね。出光の事業者の責任、これは陸上では、厚生省の中では企業責任というものが明確にされているわけですけれども、海上におけるこういう産廃に属する廃棄物の処分については運輸大臣は、企業における責任を明確にさすべきだ、そして、ただ単にそれは精神的なものにとどまってはいけないと私は思うわけです。そういうことが四条あるいは十条、十八条という海洋汚染防止法の精神にもあるいは法にも反するんだという見解を私は持っておるんですけれども、運輸大臣はいかがですか。そういうことについて、企業に対する取り組みをなされますか。
  111. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 不法投棄に関しましては、実行当事者だけ追及をするような形になっておるようでございますが、私としましては、先般道路交通法によって過積み積載の問題が決められたわけでありますが、これは荷主まで処罰されるというような形になっております。この精神を十分解釈いたしまして、当然責任を問われないという立場の船主あるいは運航当事者等にも十分これを徹底して、今後このようなことのないような指導をしていきたい、かように考えておるわけでございます。
  112. 井上一成

    ○井上(一)委員 最後に、いまのお答えは、さっき私が精神的責任ということで表現しましたけれども、そういうことを企業に求めるということでございますね。法だけの解釈に終始するのじゃなくして、企業の船主の責任を問うという形での指導をするということですか。
  113. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 行政責任者としてそのように考えてまいりたいと思います。
  114. 井上一成

    ○井上(一)委員 これで私の質問を終えます。
  115. 高田富之

    ○高田委員長 この際、午後一時三十分まで休憩いたします。     午後零時十九分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十一分開議
  116. 高田富之

    ○高田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。新村勝雄君。
  117. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 私は、最初に大臣に対して、航空政策の基本についてお尋ねをしたいと思うわけであります。  航空政策は、もちろんこれは交通政策のうちの一環でありますが、交通政策の中で航空政策がどういう位置を占めるのか、それからまた、現在政府が持っておられる基本的な方針、そしてその内容の概要をひとつ伺いたいと思います。
  118. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 航空機輸送は、戦後、日本の輸送の体系の中で非常に大きなウエートを占めてまいったわけでございます。いまや大衆交通になってきたわけでございます。したがいまして運輸省といたしましても、御要望にこたえて、飛行場の整備あるいは運航管理、これらについて十分に配慮しながら、交通の体制を整えていくという考え方を持っているわけでございます。飛行場の設置等については、環境問題あるいは公害対策、こういうものを十分考慮しながら飛行場を設置し、運営をしていかなければならない、かように考えておるわけでございます。
  119. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 きわめて抽象的でありまして、内容がわかりにくいのでありますが、従来、成田空港にいたしましても、また午前中論議をされた関西空港にいたしましても、空港の建設についてきわめて大きな問題を提起をいたしておるわけです。  そこで、この交通政策の基本、そしてまたその中における空港の位置づけ、新東京国際空港はどういう位置づけがされておるのか、関西空港についてはどうであるかというようなことが基本的に決まっているのかいないのか。われわれの目から見ると、どうも場当たり的に空港を設置をしようとするような印象をぬぐい得ないわけであります。こういう点で、ひとつ空港の計画についても、長期の計画はこれは別としても、少なくとも当面の、あるいは中期の政策、これが確固たるものがなければならないと思うのですけれども、その点はいかがですか。
  120. 松本操

    ○松本(操)政府委員 お答え申し上げます。  先生仰せのとおりに、航空輸送というものは、空港があって初めて成り立つものでございます。空港の基本的な考え方は、古く四十二年に第一次の空港整備五カ年計画をスタートさせました時点から、空港問題というものについては私どもとして真剣に取り組んできたつもりでございますが、ただ、残念ながら、空港一つつくるということは、用地の獲得、空域の獲得、さらにはそれに伴う工事の実施、それから空港へのアクセスその他を含めました周辺問題、こういうふうな問題について一つ一つけじめをつけてまいりませんと、満足に機能する空港というものがなかなかできない、こういう情勢にあるのは御承知のとおりでございます。  そういうことで、第一次の空港整備計画から第二次を経て、現在第三次の空港整備計画をやっておりまして、その中で、御指摘のございました成田の空港の問題でございますとか、あるいは午前中御議論のございました関西空港の問題でありますとか、こういうふうな問題が計画の中に載っておるわけでございますが、基本的には、やはり日本の空港として関東地区と関西地区にそれぞれしかるべき空港が必要ではないか、それが国内的にも国際的にも基幹空港となるものとなるのではないか。そこを中心としてローカル空港との間に航空路が結ばれ、さらにはまた、ローカル空港との間に相互に航空路が結ばれてネットワークが形成されていく。この場合に、その路線に応じた空港の機能というものが十分に発揮されるようになっていかなければいけないということから、今後どの地区にどの程度の規模の空港をつくっていくか、それをいつごろまでにつくっていくかというふうな点につきましては、第四次の長期計画の中において具体的に取り組んでまいりたい、これが現在までの状況でございます。
  121. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 そうしますと、いまお話しの四次というのは、いつ完成の予定ですか。完成といいますか、その政策がまとまるのはいつですか。
  122. 松本操

    ○松本(操)政府委員 第三次の計画が五十五年をもって終わるわけでございますので、私どもといたしましては、五十六年度から向こう五年間ぐらいを当面の目途といたしました第四次の計画を起案いたしたい、こう考えておりますが、現在、この点につきましては、航空審議会において御検討願っているところでもございますし、さらにまた、政府の財政事情等をも踏まえて、どの程度の規模のものにするかということは、これから詰めていく問題ということでございます。
  123. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 従来の政府の航空政策から考え  て、現在の成田空港の現状、これをどういうふうに認識をされますか。
  124. 松本操

    ○松本(操)政府委員 成田空港の計画が立ちました昭和四十年の初めの時点におきましては、現在の羽田空港というものの能力が、四十五、六年あたりでもう目いっぱいになるということを踏まえて、国際線を分離する基幹空港としての成田空港ということを頭に描いたわけでございますが、残念ながら計画どおりに事は運ばず、したがって羽田空港は四十六年以来、五十三年の五月に成田が開港しますまでの間、一日四百六十機という不本意な形で便数を凍結しなければならぬ、こういう状態でもございました。幸いにして五十三年の五月に成田空港が開港されまして、国際線がほぼ全面的にここに移転をいたしました。その後の羽田につきましては、国内の基幹空港として、目下整備を急いでおる段階でございますが、なお工事等も残っておる状況でございます。  一方、成田の方は、さしあたっての四千メートル一本の滑走路による運用を、現在特段の支障なく行ってはおりますが、基本的には、御案内のように二千五百をあともう一本、横風用の三千二百をそろえた、本当に日本の表玄関たり得る空港に、なるべく早い時期に整備をしていくということが必要であるというふうに考えております。
  125. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 そうしますと、現在の成田空港の現状は、日本の表玄関たるに足りないということですね。そうして、滑走路は一本である。そうしますと、これは政府の見込みとは大幅に食い違っておりますし、現状からすれば、いわゆる欠陥空港と言われても仕方のない現状だと思いますけれども、それらの点はこれからどうなされるのか、将来の見通しを伺いたいと思います。
  126. 松本操

    ○松本(操)政府委員 欠陥空港という仰せでございましたが、私ども、欠陥と言うのは少し酷ではないか。ただし、先ほどもお答え申し上げましたように、平行滑走路もまだできていない状況でございますから、当初考えたような形になっていないのは事実でございます。しかし、現状におきます限りにおいては、しかじかの安全施設その他を踏まえて十分な日用の運航にたえておるというのが実情ではございますが、しかし、なるべく早い時期に現計画どおりのものに仕上げていくということがどうしても必要であろう。ただし、そのためには空港が末永く周辺と一緒に栄えていく、周辺に喜んで受け入れられる空港になる、こういう性格づけができ上がってまいりませんと、空港だけができましても満足な運用ができないということになってもまいりますので、現在のところ、いたずらに今後の拡張整備計画ということを急ぐことなく、現在の運用の開始に当たりましていろいろと地元にお約束したことなり、あるいはその後御相談をしながら決めてまいりましたことなり、そういうふうなものを一日も早く実行に移していくことによって、大方、周辺の皆さん方から、そろそろもう二期の工事をするころですなと、こういう感じで迎えられるようなそういう時期の一日も早く到達することを念願しつつ諸般の施策を進めている、こういう状況でございます。
  127. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 残念ながら周囲の状況は決してそうではないわけでありまして、これは周囲の状況から言いましても、あるいは手続の点あるいは法的な点から言いましても二期工事は実施が不可能であろうとわれわれは見ておるわけであります。後で手続の問題等についてはさらにお伺いをいたしますけれども、この二期工事云々という点について総裁はどうお考えですか。
  128. 大塚茂

    ○大塚参考人 ただいま航空局長からお答えを申し上げましたように、成田空港は日本を代表する国際空港として計画をされたものでございます。それには、やはり平行滑走路あるいは横風滑走路、それに対応する諸施設というものがぜひ必要でございまして、第二期工事はぜひやらなければいけない。ただ、これを実施するにつきましては、これもまた航空局長から先ほどお話ありましたように、地元との関係を十分に調整をいたしまして、話し合いの上で実施をしていくというふうにしなければいかぬというふうに考えております。
  129. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 地元との完全な話し合い、地元農民の完全な了解なしにはこれは一歩も先に出ない問題だと思います。そういう点で地元との話し合いはその後どうなっているのか、あるいはまた、五十五年度、当面の空港の建設に対する予算はどうなっておりますか。
  130. 大塚茂

    ○大塚参考人 御質問の地元との関係でございますが、これは市町村との関係と、それから二期工事区域内になお住んでおられます農民あるいは周辺の農民の方々との関係、この二つに分かれると思いますが、周辺の市町村との関係におきましては、二期工事をやるについては地元と相談をしてほしいというような御希望がすでに出されております。私どもはそうした御希望に沿うべく十分話し合いをするように、また、第一期の開港に当たりましていろいろお約束をしたことがございますが、これらについては二期までに全部実行する、あるいは少なくとも実行のめどをつけて地元の納得を得るという方針でいま進めております。  地元の農民の方々、ことに二期工事に用地を持っておられる方々に対しましては、ぜひ話し合いの上でその用地を譲っていただくようにということで、私どもとしては、それらの方々の今後の生活が従前どおり、あるいはそれ以上に安定した姿で続けられるようにということを目安にしまして、それらの方々の御希望を聞いて代替地を探す、あるいは移転補償等についてもできるだけの考慮を払うというような線で話し合いを進めることにいたしておるわけでございますが、なかなかその話し合いを十分にやれないといういろいろの制約がございますけれども、いまできる限りにおいて話し合いを進めておるという状況でございます。  そのほか周辺の農民の方々には農業振興策というものを政府の方でおつくりをいただきまして、目下周辺の方々と農業振興策について具体的な進め方といいますか、具体的に話し合いの上で進めておるという段階でございます。
  131. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 この事業いわゆる二期工事ですね。これについては地元農民の方々の完全な了解と同意がなければ実はできないはずであります。というのは、公団当局が進めてこられた法的な手続、これは明らかに失効しているというふうに私どもは見ておるわけでありまして、建設大臣による事業認定に基づいて一連の手続を進めてまいったわけでありますけれども、この手続はすでに失効しておるというふうに私どもは見ておりますけれども、それで間違いございませんか。
  132. 川合宏之

    ○川合説明員 お答えいたします。  土地収用法で買受権についてのお尋ねかと存じますが、二期工事につきましては、(新村(勝)委員「買受権まだそこまで言っていない」と呼ぶ)失礼しました。事業認定の手続は、すでに裁決申請をいたしておりますので、依然としてその部分につきましては、事業認定は失効していないと考えております。
  133. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 事業認定それからその後の手続とも公団は細切れ的に手続をやっておりまして、一括しておりませんね。その中で小川さんという方がいるんですけれども、この方の土地について一応議論してみますけれども、四十四年十二月十六日に空港建設の事業認定が建設大臣の手でなされた。これに対する土地収用法に基づく裁決申請書が提出をされました、四十五年十一月三十日であります。これは法の命ずるところによって提出をされております。さらに同じ案件に対して四十八年十一月三十日には明渡裁決の申請が同じくなされておるわけでありますけれども、この二つの手続だけで、その間全く収用委員会においてはそれに対応する何らの処置もしていない。そうして十年を経過をしておるわけですね。こういう法の運用が果たして適法なものであるのかどうか、これを伺います。
  134. 川合宏之

    ○川合説明員 先生御指摘のとおり、土地収用法によれば収用委員会は裁決申請を受けましたときは速やかに審理を開始すべきこととなっております。ただ本件につきまして裁決申請後相当の期間を経過しておりますのは、収用委員会におかれましても何らかのお考えがあってのことと存じますし、また御承知のとおり、土地収用法第五十一条によれば「収用委員会は、独立してその職権を行う。」ということになっておりますので、収用委員会に対しまして、建設省として指導あるいは指示をする立場にないことも先生御承知のとおりであります。
  135. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 収用委員会が独立の機関であることは言うまでもありませんけれども、少なくとも収用法については、建設省はその法の番人でなければならないと思います。収用法が適切に運用されるということを監督指導する責任があるはずであります。ところが、本件の場合は、一年以内に裁決申請が出され、四年以内に明渡裁決の申し立てが出されておる。これは適法にやられておるわけでありますけれども、その間、今日に至るまで、それに対する何らの対応を委員会はしていないということであります。そうなりますと、明らかに四十七条の二の趣旨にも違反をしてくるし、法の運用上これは明らかに不当であると言わざるを得ないわけであります。というのは、事業認定から一年以内に裁決申請が出され、そうして四年以内に明渡裁決の申請を出せと規定しているということは、当然四年間のうちには裁決申請に対する審理をしていなければならないはずです。ところが、その審理をしていないわけです。審理をしていないで、明渡裁決の申し立てが出された、これに対しても審理をしない、そうして十年を経過しておるということはどういうことでしょうか。これは全く法の趣旨に沿わない、法の精神を理解をしていない態度であると言わざるを得ないわけでありますが、その点はどうでしょう。
  136. 川合宏之

    ○川合説明員 お答えいたします。  事業認定後一年以内に裁決申請がなされ、また四年以内に明渡裁決の申し立てがなされていることは先生御指摘のとおりでございます。その後、収用委員会の裁決に至っておりませんのは、先ほども申し上げましたように、収用委員会におかれて何らかのお考えがあることと存じますし、実際収用委員会においては、土地所有者、関係人と起業者との話し合いによる解決を期待され、万一不可能な場合には、法令に従って慎重に対処していくという意向を表明しておられるように建設省としては承知いたしております。
  137. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 そういう状況あるいは現地におけるいろいろ複雑な状況があったことは御承知のとおりであります。そういう状況の中で、収用委員会としてもこれを裁決することができなかったわけですね。できなかったということは、そういう状況の力がそうさせたわけですから、できなかったということは、この土地収用法を適用して土地を収用することができなかったということですよ。状況がそれを許さなかったということであります。そういう中で十年を経過したということですね。そうしますと、この四十七条を初めとする土地収用法の法の体系から言っても、これは無期限にどこまでも事業認定が有効であるとは、どう考えても解せない。その辺はどうなんですか。無期限に土地収用法は有効であるという解釈ですか。
  138. 川合宏之

    ○川合説明員 お答えいたします。  法律の解釈といたしましては、法定の期限内に裁決の申請がなされ、また明渡裁決の申し立てがなされておりますから、事業認定は失効していないものと考えております。また、収用委員会が法に従いまして速やかに裁決手続を開始することは、法の趣旨にはかなうものと存じますが、起業者及び土地所有者、関係人等のいろいろな関係を見ておられるのだと存じますし、建設省といたしましてはしばらくこの推移を見守りたいと考えております。
  139. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 そういうあいまいなことを伺っているのではなくて、四十七条の二によって規定された一年以内及び四年以内、これがなされておれば、あとはもう未来永劫に土地収用法は有効であるのか、土地所有者を拘束する力があるのかということを伺っているわけです。
  140. 川合宏之

    ○川合説明員 お答えいたします。  期限内に所定の手続がなされておりますので、収用手続としては有効であると考えております。  なお、土地所有者といたしましては、法に従いまして、補償金の支払い請求という道がありますことも先生御承知のとおりであります。
  141. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 そういうことじゃなくて、手続がこういう手続で有効であるかどうかということですよ。一年以内に裁決申請がなされ、四年以内に明渡裁決の申請がなされ、それだけで未来永劫に所有者を縛っておけるかということです。
  142. 川合宏之

    ○川合説明員 土地収用法の手続といたしましては、裁決申請は有効であると考えております。
  143. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 その点は理解できませんけれども、時間がありませんので次に移ります。この点については、また続いて別の機会にお尋ねをします。  次に、買受権の発生の問題でありますけれども、土地収用法には、十年を超えて収用した土地の全部について使用していないという場合には買受権が発生するということが規定してございます。本件については、全部を使用しないという見方には二つあると思うのです。被買収者の立場からして全部使用しないという場合と、起業者の立場からしての全部不使用という二つがあると思うのですけれども、被買収者の立場からして全部不使用ということだとすれば、明らかにこれは全部不使用であります。それから起業者の立場からしての全部不使用という点についても、これは全部の土地を一期工事と二期工事に分けておりますから、しかも一期工事と二期工事とは、現地に行ってみるとわかりますけれども画然と区画をされ、その周りは一期工事については鉄条網をめぐらしておるわけですね。しかも、一期工事と二期工事では収用の際の適用法律も違っておるということでありますから、明らかに一期工事と二期工事は別のものであるというふうに見ざるを得ない。そうなりますと、起業者の立場からしてもこれは全部不使用という理論が成立すると思いますけれども、その点はいかがですか。
  144. 川合宏之

    ○川合説明員 新東京国際空港の事業認定につきましては、先生おっしゃったとおり、昭和四十四年十二月十六日にその全体につきまして事業認定の告示をいたしたところでありますが、そのうち特に四千メートルのいわゆるA滑走路の関係につきまして、昭和四十五年十二月二十八日に特に緊急に事業を行う必要があるものとして認定いたしたものであります。
  145. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 その経過はよく知っておるのですけれども、その後この事業は画然と二つに分けられている。これはそういう理論上じゃなくて、事業上も、手続の上でも二つに分けられたという事実があるわけですけれども、それはお認めになりますか。
  146. 川合宏之

    ○川合説明員 建設省といたしましては、新東京国際空港の全体を一つの事業として認定いたしたものでありまして、いわゆる特別措置法の認定はその一部についてなされたものというふうに理解いたしております。
  147. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 法の適用が違っておるわけですよ、一期工事と二期工事では。それから現状も、事実上の現地の状況も違っておる、こういう中で一つであると言うことはまさに詭弁だと思いますがね。二つに分けられておるわけです。現地も分けられておるし、法の適用も違った法律を適用されておるということですね。これで一体をなすものであるか、一つのものであるか、この点はいかがですか。
  148. 川合宏之

    ○川合説明員 建設省といたしましては、全体の事業につきまして、その公益性、それから土地を収用する必要性等を審査いたしました結果、一つの事業として土地収用法に基づく事業認定を行ったものであります。
  149. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 それでは伺いますが、一期工事についての手続の経過と、それから二期工事の経過を御説明願います。
  150. 川合宏之

    ○川合説明員 先ほど申し上げましたように、事業認定の告示は昭和四十四年十二月十六日、特定公共事業の認定の告示が昭和四十五年十二月二十八日であります。四十五年の三月三日から十二月にかけまして、六次にわたりまして裁決申請がなされ、一次分といたしまして昭和四十五年十二月二十六日に六件、六筆につきまして裁決がなされております。これに次ぎまして昭和四十六年二月に緊急裁決の申し立てが十五件、三十三筆について行われ、緊急裁決は昭和四十六年六月十二日に十四件、三十筆について行われております。
  151. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 そのように一期工事は特措によって緊急裁決が行われたというのですね。二期工事については、事業認定は行われているけれども、その間何ら裁決が行われない。また適用の法律も、二期工事予定地については一般の収用法であるということですね。適用の法律が違うわけですよ。現地の状況も全く違う。一期工事については、すでに空港として使用されておる。二期工事は、法的にも現実の上でも全く手がつけられていないということですね。これで果たして一体の事業と言えるのか、一体のものと言えるのか、それを伺います。
  152. 川合宏之

    ○川合説明員 本件の土地収用につきましては、いずれも土地収用法に基づきまして裁決申請を起業者から行い、その一部につきましては通常の裁決、他につきましては特別措置法に基づく緊急裁決の申し立てもありましたので、緊急裁決を行ったという次第であります。
  153. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 この問題についても全く納得できませんので、また引き続き別のところで議論をしたいと思います。  時間がございませんので、次の問題に入ります。  警察庁、現地の状況は残念ながらまだ数千人の機動隊によって警備をされておるという状況であります。こういう状況はいつになったら解消いたしますか。
  154. 依田智治

    ○依田説明員 お答えいたします。  極左暴力集団は、二期工事絶対阻止ということを唱えて、また、相当闘うという姿勢で、近くも三・三〇闘争というようなことを構えております。そういうことで、暴力主義的なこういう破壊活動、反対闘争が続く限り、警察としてはこれに対する警察の責務として警備を続けざるを得ないということでございます。
  155. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 私が言っておるのは、善良な農民、その土地に先祖代々住んでおる善良な農民に対して、きわめて残念なことでありますけれども、人権侵害あるいは過剰警備といわれる事実が広範に現地には存在しておるわけであります。  中の一つ、これは小川さんという方でありますけれども、この方も二期工事予定地の中にずっと前から住んでいらっしゃるわけですけれども、この人の日常の生活に対してきわめて不当な検問なり取り締まりが行われているという事実があるわけでありますけれども、課長、御存じですか。
  156. 依田智治

    ○依田説明員 いまお尋ねの小川さんにつきまして、特にねらい撃ちして人権侵害しているというような事実は承知しておりません。ただ、機関紙等にいろいろ書いてあるような事態、私の方も承知しておりまして、いろいろ調べておりますが、警察としましては、現在まだ二期工事区域内にもいわゆる極左暴力集団等による団結小屋が十三カ所もあるような状況でございまして、この地域には絶えず極左暴力集団等が出入りしておる、こういうような事実から、その区域内に居住している方々に対しましてもひとついろいろ御協力をいただいて警備を実施しておるという状況でございます。
  157. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 一定の警備については、これは全部否定するわけにはいかないと思いますけれども、少なくとも善良な農民に対して過剰な警備あるいは検問をするということは、これはきわめて重大な問題だと思います。小川さんの場合のごときは、屋敷に出入りするたびごとに検問を受けて、十分、二十分と取り調べの時間をとられる、こういうことで、たとえば朝、子供さんを学校に送っていく、これは空港ができたために学校が遠くなっちゃったわけですね、そこで送っていく場合に、車で送っていこうとすれば、すぐにとめられて検問される、二十分もそれ以上も時間をかけて取り調べをされる、こういう事態があるわけですけれども、御存じですか。
  158. 依田智治

    ○依田説明員 小川さんの場合、木の根地区から出られるわけでございますが、どうしても七Gの方並びに新五Gの方を通られるという状況でございまして、警察の場合、現在、空港周辺においての検問、大体七Gとか新五Gのところでは通常検問いたしておりますので、小川さんが通られる場合に検問をするということもあるように聞いております。
  159. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 検問が必要であるとすればこれはやむを得ないとしても、そこに住んでおる善良な農民でありますから、たとえば通行証を交付してもらうとかによって、十分も二十分も調査に時間をかける、こういうことは改善できないですか。
  160. 依田智治

    ○依田説明員 千葉県本部長としましても、幼児とか居住者等はっきりしておる者についてはできるだけ時間をかけずに、確認されればすぐ通す、こういう方針で検問やっておるわけでございますが、残念ながら居住者の場合でも御協力いただけない、たとえば免許証をちょっとお示しくださいと言っても拒否するというような状況が頻繁に起こっているような状況でございますので、私どもとしては、拒否しているような状況下ではもうちょっと、果たして何か不審なものを積んでいないだろうか、変な人が乗っていないだろうかというようなことを見過ごすわけにはいかないという状況で、若干不本意ながら手間取るような状況があるわけでございまして、たとえばパス等を居住者に対して出した、こういう場合にしましても、パス等を持っている本人が本人であるか、ほかに不審の人は乗っていないのか、不審の物件はないのか、これを確認する必要があるというようなことになりますので、現在の写真のついている免許証を持っている方々に御協力いただいているのと全く同じことになりますので、今後ともそういう面で御協力いただければというように考えておるわけでございます。
  161. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 現状は、明らかにこれは不当なあるいは過剰な警備あるいは過剰な検問であることは間違いない。だれが見てもそうなんですよ。だから、それをもう少し改善できないかと伺っているわけですよ。現状を少しも改善できないと言うのですか。
  162. 依田智治

    ○依田説明員 毎日やっておられるということでございますが、極左暴力集団の方は連月連日闘争というので毎日闘争をやっておりますので、警察の方としましてもそれに対する検問をする。ただ、住民の方々と極左暴力集団を一緒くたにするということはいろいろ問題がありますので、警察としても不審の状況その他でできるだけこの住民の方々の場合には手間をとらせないで御協力いただくということでお願いしたいと考えておるわけでございまして、無差別に過剰にやっておるという状況ではございませんので、この点ひとつ御理解いただければと思うわけでございます。
  163. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 大臣あるいは総裁にも伺いますが、こういう状況で果たして農民の納得が得られますか、どうですか、大臣、伺います。
  164. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 過激派のクリスマスツリー爆弾とか三菱重工業の爆破事件だとかいろいろなことで、全く無関係な無事の人がいろんな大きな被害を受けておるわけでございます。したがって、空港周辺の警備についても、全く関係のない人がいろんな災害に遭うということを厳しく排除してもらうということは、警察としての当然の行為だと私は存じております。
  165. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 それは逆なんですよ、大臣。無辜の人が過剰な警備やあるいは過剰な検問を受けているということですよ。間違わないでくださいよ。
  166. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 どうしても、安全にして厳格な警備をするということになると、その無辜の人もいろいろ被害を受けることはやむを得ないことで、むしろそのために事故を起こすことを防ぐためにはやむを得ないこともあるのではなかろうか。もちろん過剰な警備という御批判もあるかもしれませんけれども、私は、とにかくそのために全く関係のない人が事件に巻き込まれることのないようにしていただきたいものだと考えております。
  167. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 大臣、ひとつ現地をよく調査をされて、無辜の住民、もともとそこに住んでおった住民ですよ、その住民の人権については極力守るように努力してくださいよ。いいですね。守るように努力してください。それ一言答えてください。
  168. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 私も近く参りたいと思っておりますので、そのときに状況をよく見てまいりたいと思っております。
  169. 新村勝雄

    ○新村(勝)委員 終わります。
  170. 高田富之

    ○高田委員長 小川国彦君。
  171. 小川国彦

    ○小川(国)委員 いまの新村委員の質問に関連しまして警備課長にもう一遍確認をしておきたいのでございますが、木の根の小川源さん、それから、そこにある三戸の家族に対する人権じゅうりんとも思えるような検問状況というのは連日行われているわけです。これは空港の一期工事の金網の外にあって一般の住民の生活と変わりない状況のところにあるわけですね。そして空港ができたために子供さんが、従来は歩いていけた三里塚小学校に、大変時間がかかるということで毎日家族が交代で車で送り迎えをする。農家で朝忙しい時間ですから、時間ぎりぎりになって車で子供さんを送っていく。ところが毎日、顔を接している家族でありながら、それを引きとめて免許証を出させて十分も十五分も検問をやる。そういうことのために子供さんはいらいらして、毎日学校に遅刻するような状況になる。あるときには、免許証を置いていくから学校へ行ってきてから事情を聞いてくれと言っても聞かないで十分も十五分もやる。それから、お嫁さんが農作業に行くのにトラックをとめてまた免許証を見て検問をやる。空港警備隊も二千名近くおられるのですから、常任の人がおればそこに住んでいる人の顔とか家族状況というのはしっかりした警察なら掌握されるはずなんですね。それをいやがらせのように毎日やる。いやならここへ住まなければいいじゃないか、こういう言い方で言う警察官もいると言うんですよ。そういう第一線の現地の状況というものを警備課長もしっかり掌握されて、そういう過剰警備、人権じゅうりんにわたるような警備が起こらないようなしっかりした警備対応をしてもらいたい、こういうように思いますが、その点もう一度答弁を願いたい。
  172. 依田智治

    ○依田説明員 小川さんの住んでおられる木の根地区には、いわゆる成田新法等によります、多数の暴力主義的破壊活動者の集合の用に供しておるというようなことで使用禁止にかかったような団結小屋もあり、多数のいろいろな関係者が出入りしているというようなことから、そこから出てくるいろいろな地元の方々につきましても、ごめんどうですがいろいろ御協力いただいて検問しておるという実態はございます。ただ、けさ方も私は、実はこういう国会があるということで、三月三十日の警備会議に午前中行ってここへ折り返し帰ってきたんですが、その際その席上、警備部隊の幹部の諸君にも、少なくとも人権侵害と言われることのないように、それから気はやさしくて力持ちというのが警備部隊であるというようなことから、本部長にもそのようにお願いし、今後とも努力をいたすということで言っておりますので、その点、ひとつ今後の警備の状況等を見守っていただければありがたいと思うわけでございます。
  173. 小川国彦

    ○小川(国)委員 それでは、警備課長にはいわゆるそういう過激行動を行う者と一般の住民の区別だけはきちんと識別をしてやっていただきたい、そのことについては新村委員からも篤と申し上げられましたので、今後の推移を見守りたい、こういうふうに思います。結構でございます。  次に、大臣にお伺いをしたいと思いますが、三月六日の予算委員会の第五分科会における質疑の中で、成田の石油中継基地の状況について大臣としてできるだけ早く現地においでになる、こういう御答弁をいただいているわけでございます。三月六日の予算委員会第五分科会の会議録によりますと、「先生おっしゃるように、私も近く体が少しあきましたら現地を見てまいりたい、かように存じております。」こういう地崎国務大臣の答弁がありまして、私の方から、体があきましたらでは困るので、大臣、六億という予算は国民にとってみれば血税なので、できるだけ早く行ってほしい、こういう要望に対して国務大臣は「できるだけ早い機会に視察いたします。」こういう答弁をなすっているわけなんです。これは現在進行中の六億一千万という巨額の工事が本当に必要なものなのかどうなのか、こういうことを大臣に政治的な判断を求めているわけでありまして、これからもうすでに二十日余り経過をしているわけでございます。体もあくということを大臣自身おっしゃっておられて、おいでになるつもりならばふだんの日の朝早くおいでになるとか、休日においでになるとか、御多忙な大臣でいらっしゃると思いますが、国の予算に関する問題であれば、検討なすって日程を組まれて当然じゃないかと思いますが、その点の御相談はすでに終わっておりましょうか。
  174. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 先般の分科会で委員から御質問がございましたので、早急にお伺いする、視察に行くということを申し上げたわけでございますが、現在参議院の予算委員会等が開かれ、また早朝から週休二日の法案とか環境衛生法案の閣僚会議とかいろいろなものがございまして、なかなか体があかないわけですが、来月早々にでも出かけてまいりたい、かように考えております。
  175. 小川国彦

    ○小川(国)委員 それでは、先ほどの新村委員の質問の現地の状況等も含めて、来月早々に現地をごらんになって、できるだけ早い時期に政治的な、政治家としての大臣の対応をこの委員会なりあるいはまたしかるべき機会において御答弁を願い、あるいはまた御返答賜りたいと思いますが、そうしますと、私ども四月十日ぐらいまでには大臣が現地を見た結果でこの問題に対する大臣の見解を承れる、こういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  176. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 十日ごろまでには行ってまいると思います。
  177. 小川国彦

    ○小川(国)委員 次に、空港公団のタンクが完成して供用できるのが九月、終了が来年の三月ということになっておりますが、それまでの間に増便とか新規乗り入れ計画というものがあると思うのですが、運輸省として増便ないしは新規乗り入れ計画をこの九月から来年の三月までの間に許可をなさるという方針はおありになりましょうか。
  178. 松本操

    ○松本(操)政府委員 便数等についてまだ詰め切れてない国もございますけれども、バングラデシュ、フィジー、フィンランド――フィンランドは先の方になるかもしれません。ニュージーランド、スペイン、こういう国につきましてはすでに航空協定ができておりまして、今年中に乗り入れを開始したい、こういうふうなことを強く言うてきております。  その中にはすでに一日何便かについて話し合いを進めつつあるところもございますけれども、このほかに、すでに乗り入れております国の中で増便の要求の出ている国も幾つかあるわけでございますので、いまのところ私どもの見積もりといたしましては、機材の大型化等をも含めまして約四百キロリットル程度が増量として必要になってくるのではないか、このように考えております。
  179. 小川国彦

    ○小川(国)委員 四百キロリットルの根拠については、いま認められる増便、それから入国、その根拠を明確にお示し願えますか。
  180. 松本操

    ○松本(操)政府委員 大ざっぱに申し上げますと、長距離について八十キロあるいはそれ以上、近距離が五、六十キロということで便数をはじき、掛け算をして出した数字でございますが、現在私、手元に克明な資料は持っておりませんので、追って御説明するようにいたしたいと思います。
  181. 小川国彦

    ○小川(国)委員 公団総裁に伺いますが、この増便の資料は受け取っておりますか。
  182. 大塚茂

    ○大塚参考人 私どもも、春ダイヤについて希望がある程度出ておるということは聞いております。
  183. 小川国彦

    ○小川(国)委員 ある程度聞いているではなくて、あなたの方が前回の答弁ではこのタンクの必要性を二点挙げられているのです。増便と新規乗り入れ。ですから、それは航空局の方から、あるいはあなたの方からお出しになって航空局が認めた、どちらでもいいのですが、どれだけの乗り入れを認め、それから増便を認めた結果これが必要であるという根拠がなければならないのだ。それは航空局の方から認可なり見通しの文書を受け取っておりますか。
  184. 大塚茂

    ○大塚参考人 増便とかあるいは機材を大型化にかえるというようなことは、これは政府の方で認可といいますかお認めになる事項でございまして、私どもはある程度の希望が出ておることを一応計算に入れて、油の増量は、先ほど局長が申し上げましたように、多い月で四百キロないし五百キロというふうな計算をいたしておるわけでございます。
  185. 小川国彦

    ○小川(国)委員 航空局長に伺いますが、この五百キロリットルの根拠というものは、私資料請求ですでに出しているのですね。皆さんの方から提出にならないのですが、現在ここでお持ちにならないのですか。それから、そういうものは確定したものとしてないのですか。
  186. 松本操

    ○松本(操)政府委員 先ほど私申し上げましたように、試算したものは持っておるわけでございますが、これをなかなか確定という形で申し上げかねておりますのは、二つ問題がございます。  一つは、二国間協定の中で便数を決めます場合に、その便数の決めようについては、実は正直申しましてかなりの駆け引きがございます。そこで、どこそこの航空企業に何便認めるそうだということを余り早く私どもは確定した形で言いたくない、しかし、いろいろな状況からこんなことになるだろうというのはわかっておる、こういうふうな数字がございますので、そこら辺が不確定になるというのが一つございます。  もう一つは、チャーターをどうするかという点について、私どもはまだ最終的に腹を決めかねております。もちろんチャーターを全部成田から締め出すというわけにはまいらないと思いますが、しかし各チャーター企業が希望するように自由にチャーターを入れさせるというわけにもまいらない。せっかくローカル空港からのチャーターというものがここ一、二年定着してまいりましたので、われわれとしてはなるべくならそれを推進したい、こういう気持ちもございます。  その二つの事由がございまして、確定した数字でございますと言って責任を持って申し上げかねておるわけでございますが、たとえて申しますならば、いま総裁も答えておりましたように、この四、五月ごろが大体三百キロ足らずぐらい、そして八、九月のピークのときには四百七、八十キロあるいはそれ以上ぐらいの追加が必要になってくるのではないだろうか。ざっと平均しまして月平均が三百九十キロぐらいの数字になりますので、したがって先ほど月四百キロ程度の増量が必要であろうと推定しております、こうお答えを申し上げたわけでございますが、もう少し内容が詰められますれば先生の方に資料として提出することは可能であると考えております。
  187. 小川国彦

    ○小川(国)委員 現在の施設能力と稼働状況から見て、増設の必要性というものはこの四百キロないし五百キロのために必要だ、そういう根拠で増設を皆さんは踏み切られたわけですか。
  188. 大塚茂

    ○大塚参考人 土屋の増設をしましたのは、もともと第三次空港整備計画というものに基づいて計画をしたわけでございますが、それがいろいろの事情でおくれてまいったわけでございます。しかし、昨年の十一月に着工に踏み切った段階では、第三次空整計画どおりにはいかぬにしても、四、五百キロぐらいの増量の必要はあろうという判断のもとに踏み切ったわけでございます。
  189. 小川国彦

    ○小川(国)委員 あなた方の方は、現在三千四百五十キロリットルの容量を持っておられるわけですね。しかもそれはフル稼働しているのではなくて、列車も運休させる、それから運休の本数も、皆さんの方で五十四年の五月から五十五年の二月まで鹿島口では百八本の運休、それから京葉口では三十二本の運休、合計百四十本も列車を運休させるほど余裕があるんですよ。そこでこの五百キロのために六億一千万の金をかけなければならないという、それほど差し迫った必要な工事であるのかどうか、この点は大臣いかがですか。大臣はこの問題について、その後御検討されたと思いますが、いま必要な数字を聞いてみると、三百九十キロから四百七十キロ、それだけのために――これだけの容量があれば、現在のところでも十分賄える数量なんですね、いまの輸送状況から見ますと。それをあえてわずか半年間の必要性から六億一千万かける必要が果たしてあるのか。
  190. 松本操

    ○松本(操)政府委員 これらの施設の増備は、公団がいろいろ考えた上で公団の判断でやっておることで、私どももその経緯については一応承知をしておるわけでございます。いま先生御指摘のような燃料の増加ということが一つの大きな理由である、これは私どもももっともであろうというふうに考えております。  さらにもう一つの問題といたしまして、土屋のヤードにおける作業能率をもっと改善をいたしたい、これも一つの大きな理由であると私どもは考えておりますわけで、これができますことによって、たとえばいろいろと周辺の方に御迷惑をあるいは及ぼしておるかもしれません深夜作業等をもっと短くする、あるいは夜間の列車を昼間に持ってくる、こういうふうなことも可能になるわけでございまして、暫定輸送というもののありようについて考えました場合に、基本的には、空港の運営というものに支障なからしめるための必要な量が的確に運べるということが第一でありますとともに、暫定輸送によって起こります諸般の問題についても、少しでもいいから改善の方向に向かうという努力をせいということを公団には常日ごろから言っておりますので、そういうことも勘案して公団としてはこの機会に踏み切ったというふうに私どもは理解しておるわけでございます。
  191. 小川国彦

    ○小川(国)委員 全く航空局長の答弁も無責任です。公団の予算については運輸省航空局がやはり認可をしているわけでしょう。予算として認めているわけでしょう。当然六億一千万についてもチェックしているはずですよ。あなたの方で増便と新規乗り入れの根拠を明確に出せない。出せないなら、まず予算が必要であるという増便は何便か、新規乗り入れは何便か、その便数を出していただきたいと思います。総裁の言っている理由は増便と新規乗り入れなんですから、それが何国で何便になるのか。私はあえて国名は遠慮してもいいですから、あなたの方で半年後、一年後に明確になる事実ですから、便数と国数を挙げて、増便と新規乗り入れの根拠をまず明確にしてもらいたい。  それからもう一つ、深夜にわたる作業があると言うのなら、なぜ国鉄がこれだけの輸送計画をつくっているのに運休をするのか。五十四年の五月からずっと今日まで、少ない月で二日、五十五年に入っては一月が六日、二月が五日、それから運休の便数も鹿島口から五十五年一月では十五便、京葉口では七便、それから五十五年の二月は鹿島口から二十便、京葉口から四便、こんな運休をしているのですよ。国鉄が輸送体制をつくっているのに運休をさせている。この日に輸送をすれば、いま局長の言うように何も深夜にわたって作業をしなくて済むはずなのです。運休をさせながらなぜ深夜の問題を云々するのか、全く解せない答弁なんです。ですから私どもは、あくまで六億一千万はむだ遣いだと言わざるを得ないのです。皆さんの方にこの半年間にこれを使用しなければならない必然性の明確な根拠というものが示されてないのです。  ですから私もう一度資料要求いたしますが、あなた方で、公団から今後の増便、新規乗り入れについての資料の提示、それから、この面から暫定輸送施設増強の必要性、これをひとつ資料でお出し願いたい。  それから、現在の暫定輸送量と施設増強後の輸送量、この比較を出してもらいたい。  それから、現在の施設能力とその稼働状況から見た増設の必要性の検討。この三点について文書をもって――半年間のために皆さんが六億一千万の工事が絶対必要だという根拠を、この席でのいいかげんな答弁ではなくて、第三者にも、国民にも納得できるように文書で提示を願いたいと思いますが、いかがですか。その文書の提示を願えるかどうか。私の資料請求はきわめて正当なことを主張していると思いますが、大臣から資料提出ができるかどうか御答弁を願いたい。
  192. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 調査をさせて資料提供をいたさせます。
  193. 小川国彦

    ○小川(国)委員 この資料の提出は一週間以内に願いたいと思いますが。
  194. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 間に合わせるようにいたします。
  195. 小川国彦

    ○小川(国)委員 最後に会計検査院に。現地調査をなさることになっておりまして、すでに終了したと思いますが、この問題の経過について会計検査院としてどういうような検査結果をお待ちであるか、ひとつ御発表願いたいと思います。
  196. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 先々週ですか、一週間行ってまいりましたけれども、検査に当たりましては、現在の暫定輸送量と施設増強後の輸送可能量との比較、これに関連いたしまして現在の施設能力とその稼働状況から見た増設の必要性とか計画の妥当性、それから公団の本施設増強による収支見込みをいろいろな面から検討いたしました。  現在、まだ検査に行ったばかりでございまして、これを総合的に検討いたしまして、特に投資効果の面については詳細に現在調査しているところでございます。
  197. 小川国彦

    ○小川(国)委員 皆さんの方の調査は一週間の予定で検査を終了するということになって、もう終了しているわけでございますし、それから問題は、この工事が進行中でございまして、予算の投資効果が妥当であるか妥当でないか、その是非の検討が時期がおくれてしまってはその効力を失するわけでありますから、できるだけ早い機会に会計検査院の回答を願いたいと思いますが、そのめどは、いつまでに会計検査院の結論が出ますか。
  198. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 検査院のやり方としましては、検査しましたら局、課で検討いたしまして、それで自分の結論を出しまして、照会を出します。それから相手の回答を待ちまして、最終的な結論につきましては検査官会議の議決を経ませんと検査院の意見というものは出せませんから、そういう点では早急には間に合わないと思いますが、局、課で検討した結果公団に対して照会するという点については、なるべく早く照会したいとは思っております。ただ、それはまだ途中でございますので、検査院の最終意見として申し上げる時期はちょっとわかりかねます。
  199. 小川国彦

    ○小川(国)委員 くどいようですけれども、もうすでに皆さんの方は一週間の検査を終わっているわけですね。照会文書をこれから出すわけでございますか。
  200. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 検査と申しますのは、公団のいろいろな資料を見たり、現地の話を聞いたり、そういうことをしてまいりまして、その結果を総合的に局、課へ帰りまして検討して、それから照会を出すわけでございますので、これから問題が煮詰まりますれば照会を出すという段階になります。
  201. 小川国彦

    ○小川(国)委員 照会の文書はいつお出しになりますか。
  202. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 まだちょっとわかりません。なるべく早く出したいとは思っておりますが、それはわかりません。
  203. 小川国彦

    ○小川(国)委員 決算委員会において、会計検査院のそういう作業の能率というか、スケジュールが明確でないというのも大変残念なことなんですが、常識的には、そういう照会を出して検査官会議の結論が出るまでには大体どのくらいの期間を要しているわけですか。
  204. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 問題が簡単でございますれば、たとえば照会を出しましてから相手方の回答は普通一カ月余裕を持っております。相手方の回答を見まして事態がはっきりしますれば局の委員会ということになりまして、それを三回経まして検査官会議ということになりますので、急いでやっても昨年の鉄建の例ですと二カ月ぐらいかかっております。  それから、むずかしい問題になりますと、照合しまして回答が参りましても、その回答がわれわれの満足いくものでない、また、回答に疑問点が多いということになりますれば、もう一遍再検査ないしは再照会という段階を踏んでやることになります。
  205. 小川国彦

    ○小川(国)委員 照会して回答をもらうのに一カ月二カ月かかって、そしてむだな工事ができ上がってしまったら、会計検査院が予算のむだ遣いを検討するという意味がなくなっちゃうのじゃないですか。会計検査院の本来的な機能というものは、工事ができ上がってしまってから不当であった、あるいは是正事項であったといっても、それは後の祭りなんじゃないですか。
  206. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 検査院の本来の職務は決算検査でございまして、事後検査でございまして、終わってからやるのが本来でございますけれども、こういう問題につきましては、五十四年度中に発注した工事でございますので、いま現在検査をしているわけでございますが、工事が終わらない段階でも照会を発するというのは普通の場合やらないことでございますけれども、今回の場合にはそういうことも検討するということでございます。
  207. 小川国彦

    ○小川(国)委員 時間が参りましたので、これで終わりたいと思いますが、私は、少なくともこうした決算委員会で予算のむだ遣いをなくそうとやっているさなかにいまのような会計検査院のスローテンポでは、問題に対する的確な対応ができないというふうに思いますので、これは会計検査院としても、最大限期間を詰めて照会から回答へ、また検査官会議の結論も出すということを願いたいと思いますし、決算委員長からも当委員会の理事会などでひとつ御検討願いまして、こうした問題の決算委員会の機能、会計検査院の機能というものを高めていくような、そういう方向で御配慮を願いたいと思います。
  208. 高田富之

    ○高田委員長 理事会で十分検討をしてみたいと思います。
  209. 小川国彦

    ○小川(国)委員 以上をもって終わります。
  210. 高田富之

    ○高田委員長 林孝矩君。
  211. 林孝矩

    ○林(孝)委員 最初に、午前中徳山丸のことに関して質疑がございましたので、内容の重複を避けて別の角度から問題を指摘したいと思います。  この海洋汚染という問題について、一つの重大な実態を最初に指摘したいと思います。  これは私の方の調査で実態を明確にしたいのですが、廃油処理の実績がどういう実態になっておるか、これを全国の廃油処理施設について調査をしてみました。そうしますと、そこに大きな問題が存在しておるということが明確になったわけでございます。端的に申しますと、処理能力に対して処理実績というものがきわめて低い、こういう実態でございます。たとえば港名、事業者名、処理実績の数字で見ますと、釧路港が年間六立方メートル、こういう処理実績しか残していない。しかし処理能力は一時間について二立方の処理能力を持っておる。一時間について二立方の処理能力を持っておる処理施設が年間で六立方しか処理していない、こういう実態。こういうのが一カ所ではなしに、全く処理実績ゼロのところが、たとえば福井県の敦賀であるとか茨城県の那珂湊というようにある。非常に処理能力を持っておるところにおいても、たとえば茨城県の鹿島、時間に換算して三百立方の処理能力を持っておる、そういうところでも年間七万五千七百三十二立方という実績で、これはパーセンテージに直しても約一一%しか稼働していない、こういう状態です。こうして見ていけば、全国の約四十カ所の港における廃油処理施設の中で本当に満足に稼働しているというところは一カ所もない。  こういう廃油処理施設というものが全国的につくられた背景、それから今日に及んでどうしてこういう処理施設が全く実績として稼働しないような状態に放置されておるのか、この四十カ所に投資された財政投資というものは一体どれほどになるのか、これは決算上非常に問題のあることでもございますし、私はこの実態というものをつぶさに見まして、これを放置できない。そうした処理施設が稼働しない一方、徳山丸のような事件が起こって海域の汚染という問題が提起されておる。こういう実態にメスを入れない限りにおいては第二の徳山丸、第三の徳山丸というものがすでにあるのじゃないか、これはもう推測にかたくないわけでありますが、まず大臣、こうした実態を御存じかどうか、お伺いしたいと思います。
  212. 鮫島泰佑

    ○鮫島政府委員 お答えいたします。  最初に、先生いろいろ御指摘いただきました廃油処理施設の稼働率の状況でございますけれども、おおむねそのとおりでございます。それをまとめて全国的に申し上げますと、昭和五十三年度の廃油処理施設に受け入れました処理実績は約一千二百万トンになっております。これは、年間の処理能力約七千二百万トンと計算されますので、全国的な数字でございますが稼働率としては一七%になっているというのが実情でございます。  私どもといたしましては、このように稼働状況が悪いという実態でございますけれども、その原因といたしましては、昭和四十八年の石油危機以来の石油製品等を初めといたします海上貨物輸送量の伸び悩みであるとか、廃油処理料金が低廉な金額での処理への移行であるとか、あるいは、特に港湾管理者の設置しております施設につきましては、これはもともと民間の事業者では引き受け手のないところで公共的な必要で整備をされてきたというような点もあるのではないかと思っているわけでございます。  そこでその次に、いままでどういう投資をしてきたかというお話がございましたので、それも全国的な数字を申し上げますが、港湾管理者がこういう廃油処理施設を設置いたしますときに国庫補助をしているわけでございますけれども、これは昭和四十二年度から始まっておりまして、今年度、五十四年度までの数字をトータルで申し上げますと、港湾管理者がこの施設設置に要しました費用は約六十億円、これに対しまして行ってまいりました国庫補助は約三十億円となっているのが実情でございます。
  213. 林孝矩

    ○林(孝)委員 大臣、いまの説明にもありましたように、港湾管理者に限って考えた場合でも、五十三年度で一七%しか稼働していない。大臣、これはどう思われますか。
  214. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 事情はいま港湾局長から御説明申し上げたような理由ではなかろうかと思います。
  215. 林孝矩

    ○林(孝)委員 港湾局長が答弁したことを聞いて、大臣はどのような所見をお持ちになっておるか。これは非常に重大なことなんです。いま実態が明らかにされただけであって、実態はそのとおりだ、これでは大臣の答弁にはなっていない。それに対してどういう受けとめ方、認識、問題意識を持っておるか、それをお答え願いたい。
  216. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 船舶等から海洋に油を排出することを規制し、海洋環境の保全等に資するため、昭和四十二年度以来廃油処理施設の整備を行っておるところであります。  現在、石油危機等の影響を受け、これらの施設の稼働率が低下している状況であるが、施設運営の合理化等についてさらに強力に事業者を指導するなどして、海洋汚染の防止に努めてまいりたいと存じます。
  217. 林孝矩

    ○林(孝)委員 強力に指導する、これはただ言葉だけで終わったのでは、一七%はいつまでたっても一七%であるとか、あるいは一〇%にさらに下がっていくとかということに終わってしまう。もっと具体的に、たとえばこの四十カ所の施設について、これは一カ所一カ所やはり事情が違います。全く稼働していないゼロの地域もあれば、あるいは平均一七%といいますけれども、その中でも半数がコンマ以下という状態の港湾処理施設の稼働率、ですから一%に満たないというところが半数近くある、こういう実態であるということ、また、その一カ所一カ所について、なぜそういう状態になっているかという実態が違うわけですから、強カに指導するという以前の問題として、運輸省がどういうふうに実態を把握するか、これが前提にならなければ指導は的を外れてしまうわけです。画一的に、全国をおしなべて同じ状況の指導であってはならないわけです。その地域その地域の、その港湾その港湾の廃油処理施設に的が合った指導がなされなければ、また整備がなされなければこの問題の抜本的な解決にならない、私はその指摘を大臣に申し上げたい。いかがですか。
  218. 鮫島泰佑

    ○鮫島政府委員 多少具体的になりますので、私からお答えさせていただきたいと思います。  現実に、私どもこういう施設につきましては立入検査をするというようなこともございますし、特に港湾管理者等につきましては、常時いろいろ状況を調査するということが行われているわけでございます。したがいまして、個々の港の施設につきまして、それぞれの状況に応じていろいろ指導をしているところでございます。  しかし、具体的にどのようにこれが改善できるかということになりますけれども、最初にお答え申し上げましたように、特に港湾管理者におきましては、いわゆる民間の事業として成り立たないところでも、そういう事業に対して受け入れる能力を持ちたいという気持ちが先行している面も一つございます。  そこで、施設の面もさることでございますけれども、私どもの具体的な指導といたしましては、その運営面、経営面と申してもよろしいかと思いますけれども、そちらの方での節減というものをできるだけやってほしいというようなこと、あるいは施設が設置されましても必ずしもその存在というものが十二分に行き渡っていないというような面を感じたところもございまして、そういうような場合には、できるだけそれを周知徹底させるということで、事業者がその施設へ持ってくるということを喚起していくというようなことを個々の港ごとに指導すると申しますか、相談しながらやっていくということをやってきているところでございます。
  219. 林孝矩

    ○林(孝)委員 余り答弁になっていないですね。  会計検査院に私は申し上げておきたいのですが、いま問題を指摘しているのは運輸省の港湾のいわゆる廃油処理施設ですけれども、過去において、農林省の所管の漁港に対して、同じような実態があった、それで会計検査院として特記事項で問題を指摘され、農林省はそれに対して改善の措置を講じたという事実が過去にあるわけですけれども、運輸省所管のこの港湾の廃油処理施設に対して会計検査上問題がある、私は、国からこれだけの、約三十億の金が出ておる、先ほど答弁がありました、こういうことについて、全然稼働してない、これはやはり会計検査上重大な問題がある、したがって会計検査院は、この港湾の廃油処理施設に対して検査をするべきであると思いますが、検査院としてはどのような受けとめ方を現在されておりますか。
  220. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 昭和五十二年に、三局関係の運輸関係におきましても水産庁と同じような事態があるのではないかということで検査いたしまして、その結果、たしか全然利用されてないという事例がございましたので照会を発しましたところが、運輸省並びに県の方では、この問題については少し時日をかしていただきたい、船主に対するPRとか行政指導とか、そういうことで時日をかけて徹底していきたいということなので、われわれは一、二年見守ろうということでおりましたが、本年はこの問題について、過去のものについて見る予定でございます。
  221. 林孝矩

    ○林(孝)委員 大臣、会計検査院もいつまでも見守っているわけにいかないということで、検査を行うということでございます。そういう事態に立ち至っている、こういう現在の実態、こういうものに対して、まだまだその問題意識が低過ぎるのではないか。だから私は、こうした徳山丸のような海洋に投棄するという実態がほかにも必ずある、こう思わざるを得ない。  運輸行政の一つの大きな問題として、この四十カ所に及ぶ港湾の廃油処理施設の有効な稼働というものに対して、一つのスケジュールを決定して、その中でこのようにして解決していく。いま話を聞いてみますと、時間をかしてもらいたいということが過去にあったらしい。その時間をかしてもらいたいということが過去にあったということなんかの話を聞きますと、いま私が指摘するまでもなく、検査院から指摘されてきたということであって、それにもかかわらず、こういう実態が全然改善されていない。行政の怠慢といいますか、そういうことであってはならないと思うのですが、大臣いかがですか。
  222. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 せっかく多額の国費の助成などをいたして設備をした施設がむだになっていることは大変残念でございますので、積極的に船主等に周知徹底をして利用の効果を上げるように指導してまいりたいと存じます。
  223. 林孝矩

    ○林(孝)委員 それでは次に、国鉄に関連する問題でお伺いしますが、国鉄の投資活動の現状についてまずお伺いいたします。  国鉄の出資事業についての基本的な取り組み姿勢というのは一体どうなっておるのか、最初に伺っておきたいと思います。
  224. 山口茂夫

    ○山口説明員 大きく三つに分けて考えられると思います。一つは、国鉄の本来の旅客、貨物の営業を助ける、運賃収入の助けになる会社に出資をする。具体的には貨物の物資別会社でございますとか臨海鉄道というようなものもこれに当たりますし、旅客関係では交通公社等の旅行あっせん事業等もこれに当たるかと思います。二番目には、国鉄の持っております資産を有効に活用して、関連事業収入そのものを目的としている会社に出資をする。駅ビル等はこういうものに当たるかと思います。三番目は、これはまだ数は少ないのですが、先般の出資条項の改正を国会で御審議いただきましたときに加わった条項でございますが、国鉄の経営の経費を節減するために、国鉄が自分でやらなくてもいいような仕事は、会社をつくって業務を代行してもらう会社に出資できる。大きく分けて大体この三つになろうかと思います。その線で出資を進めたいと思っております。
  225. 林孝矩

    ○林(孝)委員 そこで、現在国鉄が出資している会社、数字を私の方から申し上げますから、もし間違っておれば訂正してください。八十一社、資本金の額にしますと四百四十億九百万、出資額百八十億六千三百万、これが現在の状態であると思うのです。この数字は間違っておりますか。
  226. 山口茂夫

    ○山口説明員 そのとおりでございます。
  227. 林孝矩

    ○林(孝)委員 この数字を見ますと、いろいろな特殊法人の中で出資をしている実態がありますけれども、国鉄がやはり最高、八十一社という出資会社を持っておる。特殊法人の中では最高です。また資本金四百四十億九百万、これも最高です。そうした国鉄が出資している会社の経営内容というものが果たして満足し得る状態にあるのかどうか、これは非常に問題だろうと私は思うのです。いわゆる国鉄出資法人八十一社の中で経常利益を上げていない会社というのは何社あるか。それから繰越損失となっている会社は何社あるか。これは国鉄当局として十分わかっておられると思うのですが、数字を明確にしてもらいたいと思います。
  228. 山口茂夫

    ○山口説明員 出資会社は、お話のとおり八十一社でございます。このうち、まだ建設中のものがございまして、開業いたしておるのは五十一社ございます。五十一社のうち、繰越損失を持っている会社は二十三社、それから単年度赤字を出している会社が九社でございます。
  229. 林孝矩

    ○林(孝)委員 これもまた、特殊法人の出資会社の実態としては非常に問題であります。たとえばその中でも、こちらのデータを見ますと、名古屋ターミナル、これはもう設立されて六、七年たっておりますが、このターミナルビル株式会社、五億八千万円の繰越損失。新宿のターミナル株式会社、一億一千万円。それから株式会社小倉ステーションビル、これは三億六千万円繰越赤字を計上しておる。四十六年度設立の衣浦臨海鉄道株式会社、これは二億五千万の経常欠損、八億九千万円の繰越欠損。三十五年設立の株式会社広島バスセンター、これは七億五千万円の繰越損失。アトランダムに取り上げただけでもこうした実態なんですね。こんな実態を、これは国鉄当局、当然運輸大臣も実態を十分認識してもらいたいのですが、これはどうするのですか。どういう取り組みをするのか、お答えを願いたい。
  230. 山口茂夫

    ○山口説明員 いま御指摘の会社個々について御説明を申し上げます。  名古屋ターミナルビルは昭和四十七年に設立されて七年たつわけでございますが、ビルを建てますのに二年半かかっております。したがいまして、開業後はまだ四年ちょっとというところでございます。累積はまだ五億八千万ございますけれども、五十三年度では三億の黒字を出しております。したがいまして、五十五年度には累積が消えるはずでございます。  それから新宿ターミナルビル、これは昭和四十七年に設立しておりますが、三年三カ月工期がかかりまして、開業いたしましたのは五十一年でございます。したがって、この会社も累積は持っておりますが、五十三年度では一億一千万以上の黒字を出しておりますので、あと二年ほどで解消する予定でございます。  それから小倉ステーションビル、これは実は昭和三十二年ごろにできた会社でございまして、配当をいたしておった会社でございますが、四十八年に、非常に陳腐化しましたのと狭隘化いたしましたので、国鉄が出資をいたしまして建て増しをいたしました。そのとき、ちょうどオイルショック等の経済変動がございまして建設費が非常に高くついたということで、一両年、予定よりおくれておりますが、これも五十四年度では単年度黒字になる、五十七年度では解消できるという見通しに立っております。  それから衣浦臨海鉄道でございますが、これは愛知県、それから国鉄、それから半田、碧南、高浜、常滑等の四市と八十社余りの荷主さんが株主になってつくりました臨海鉄道でございます。これは工業団地の造成を行ったわけでございますが、経済の変動の結果、思ったほど荷主さんの工場が集まりませんために経営が非常に苦しくなっております。このことは県それから市、国鉄、すべて認識いたしておりまして、昨年から人件費その他を落とす、経費を切り詰める努力をする一方に、荷主さんに対する出荷要請等行いまして、前年三十二万トン程度の輸送量でありましたのを、二五%増しの四十万トンにまで引き上げてまいりまして、まだ赤字が出ておりますが、漸次好転の兆しが見えております。これからは工場の進出を招致することと、会社の経営を兼業などをやりまして収入を上げ、経費を落とすことに一生懸命になろうということを県、市、会社と相談をいたしております。  それから広島のバスセンターでございますが、これも昭和三十年に設立されて、すでに配当を行っていた会社でございますが、町並みが変わりまして、町の中で交通の妨害になる状況もできましたために、地上十階、地下三階の大きなビルに建てかえをいたしました。したがいまして、その金利等で現在赤字を出しておりますが、単年度の黒字がもう一億以上出ておりますので、これも予定どおり経営が進んでいくものと思っております。  なお、ちょっと御質問の趣旨と離れるのでございますが、名古屋、新宿、小倉等の駅ビルの場合には、会社の黒字、赤字とは別に、会社が営業をやりますことによって国鉄が収受します構内営業料金というものがございまして、名古屋には三億六千万の出資をいたしておりますが、開業以来十九億近い営業料金を国鉄は収受いたしております。同じように、新宿のターミナルビルも二億弱の出資でございますが、開業以来六億余の構内営業料金を収受いたしております。小倉につきましても、同じように六千万円の出資でございますが、構内営業料金としましては、すでに二億五千万収受をいたしております。
  231. 林孝矩

    ○林(孝)委員 いずれにしましても、今回の私の問題指摘は、国鉄の八十一社に及ぶ特殊法人として最高の出資会社を持っておる。これはさらに時間の許す限り今後にこの問題をもう一歩深く取り上げていく予定でございます。次の問題がございますので、この問題指摘にとどめておきたいと思うのです。  次に、日本自動車ターミナル株式会社という特殊法人がある。これは五十二年度に十四億四千五百万円の増資をしているわけですが、この出資金を見ますと、政府はその中で五億五千万の出資をしているわけですね。この増資は日本自動車ターミナル株式会社が葛西のトラックターミナル建設に充てる資金調達のためのものである、こういうことであるわけですけれども、政府出資金五億五千万円、これの使途内容、内訳、これはどうなっておりますか。
  232. 飯島篤

    ○飯島政府委員 お答えいたします。  いま先生御指摘の予算につきましては、葛西のトラックターミナルの建設工事分と、それから北陸の金沢のトラックターミナルヘの出資の分でございます。
  233. 林孝矩

    ○林(孝)委員 五十二年度一般会計の日本自動車ターミナル株式会社出資金五億五千万円のうち四億五千万円は、他の株主の出資金とともにターミナル建設費用に支出された。残りの一億円は子会社への出資にそのまま充てられた、この事実に間違いはございませんか。
  234. 飯島篤

    ○飯島政府委員 恐縮ですが、先ほどの答弁を訂正させていただきます。  先ほどのは五十四年度の分を申し上げてしまいました。いま先生御指摘の点については、そのとおりでございます。
  235. 林孝矩

    ○林(孝)委員 いま私は五十二年度の例として話をしました。いわゆる日本自動車ターミナル株式会社というのは、ちゃんと根拠法があって、その根拠法に基づいて設立された。法律の名前は日本自動車ターミナル株式会社法、いわゆる特殊法人ですね。その特殊法人に政府から五十二年度の場合に五億五千万円の出資がなされておる。その中で一億円が子会社というのがあるのですね。いま子会社はたしか四つあると思うのですが、子会社を挙げてくれませんか。
  236. 飯島篤

    ○飯島政府委員 五十五年一月一日現在で日本自動車ターミナル株式会社から各高速道路ターミナル株式会社への出資をいたしておるわけでございますが、まず東北高速道路ターミナル株式会社、次に北陸高速道路ターミナル株式会社、それから兵庫高速道路ターミナル株式会社、それから九州高速道路ターミナル株式会社、この四つでございます。
  237. 林孝矩

    ○林(孝)委員 いま明らかにされましたように、これは完全なる民間会社です。東北高速道路ターミナル株式会社、北陸高速道路ターミナル株式会社、兵庫高速道路ターミナル株式会社、九州高速道路ターミナル株式会社、こういう四社に日本自動車ターミナル株式会社から、先ほど例に挙げました、五十二年度においては一億円の出資がなされておる。五十三年度の出資の場合はどうでしょうか。
  238. 飯島篤

    ○飯島政府委員 五十三年度におきましては、東北高速道路ターミナル株式会社へ二千百万円、それから兵庫高速道路ターミナル株式会社へ五千三百万円、合計七千四百万円を出資いたしております。
  239. 林孝矩

    ○林(孝)委員 確認します。五十四年度の場合は、五十五年の一月一日現在で言いますが、結局六千四百万円増資されておりまして、一般会計からの支出がそのすべてである。この場合に六千四百万円が日本自動車ターミナル株式会社からさらに北陸高速道路ターミナル株式会社に調達されておる、この事実も間違いないですね。
  240. 飯島篤

    ○飯島政府委員 そのとおりでございます。
  241. 林孝矩

    ○林(孝)委員 私は一つの問題として、いわゆる特殊法人があって、特殊法人には政府から予算化されてそして出資される。しかし、この日本自動車ターミナル株式会社というのは、根拠法を見ますと、出資することができるということにはなっていないわけです。出資の面に関しては非常に不明確な法律に基づいて設立されておる。ところが、してはいけないとも書いてない。非常にあいまいな状態、それが今度は、先ほど挙げられました四つの会社に出資されておる。そうしますと、政府が直接その会社に出資、これはできない。やっている仕事の内容とか、あるいはこの四つの企業の実態、これはもう日本自動車ターミナル株式会社が特殊法人であり、こちらの方は、私は先ほど民間会社と言いましたけれども、その内容については準特殊法人と言っていいような実態である。そういうところに政府の金が、結局日本自動車ターミナル株式会社というところをトンネルズとして流れていっておる。五十二年度はその額が一億。こういう状態が認められるとするならば、行政改革が片一方で叫ばれて、特殊法人の状態というものに対していろいろな形で、財政再建の意味から、あるいは行政改革の意味からメスが入れられようとしておる。しかし、その特殊法人の先のところまで目をやると、政府の出資が特殊法人を通して、そうした、この場合四つの株式会社に国の金が流れていっておる。全くこれは特殊法人を隠れみのにして営まれている企業の実態である。これはやはりルールをはっきりさせるべきではないか。会計検査上もそうあってしかるべきだろう、私はこう思うのです。これはいわゆる政府からの出資の問題。  それから、道路公団もこの四つの会社へ出資をしておりますね。その実態はどうなっておりますか、道路公団。
  242. 大竹達哉

    ○大竹参考人 お答えいたします。  日本道路公団から各高速道路ターミナル株式会社に対する出資の条件につきましては、先ほど運輸省からお答えがございました、日本自動車ターミナル株式会社から各高速道路ターミナル株式会社に出資しておられますのと同額の金額が出資されております。念のため申し上げますと、東北高速道路ターミナル株式会社に対しましては合計で一億一千四百万円、北陸高速道路ターミナル株式会社に対しましては一億一千二百万円、兵庫高速道路ターミナル株式会社に対しましては九千二百万円、九州高速道路ターミナル株式会社に対しましては一億一千六百万円、四社合計いたしまして四億三千八百万円でございます。  以上でございます。
  243. 林孝矩

    ○林(孝)委員 日本自動車ターミナル株式会社、道路公団、合わせてこの四社の資本金のそれぞれ二〇%ずつ、実質上一般会計あるいは公団からの支出となっているわけですね。こうなってきますと、この四つの会社というのは、民間会社であってもこれはもう特殊法人に準ずる存在になっておると言わざるを得ない。そうすると、ここに一つの問題、先ほどからも指摘をしておりますけれども、民間会社への出資に当たって直接政府が支出を行わない。これはもう民間会社へ直接出資するということは非常に大きな問題です。特殊法人を出資の一つの介在として、そしてその四つの会社に支出されておる。この理由は一体どこにあるのか、大臣、どう思いますか。
  244. 飯島篤

    ○飯島政府委員 日本自動車ターミナルが行いますその高速道路関連ターミナル株式会社への出資は、大都市のトラックターミナルの利用の高度化、円滑化に資するだけではなくて、高速道路関連物流施設の整備によりまして、全国的な物流ネットワークの形成を通じまして、ひいては日本自動車ターミナルのトラックターミナルの物流拠点としての機能を一層充実することができる。すなわち、日本自動車ターミナルのトラックターミナルとこれらの高速道路関連ターミナルとの間で有機的な関連性、整合性を持たせながらネットワークをつくり上げていくことができるというふうに考えられると思います。また、日ター通じて出資いたしておりますのは、トラックターミナルの運営についての日本自動車ターミナルの豊富な経験を生かしながら、その指導のもとに経営の改善を図っていきたいというふうに考えたからでございます。
  245. 林孝矩

    ○林(孝)委員 私の指摘している問題点は、国が特殊法人に一般会計から支出しておる。それが四つの企業に行っているでしょう。いままでもう明らかにしたことだ。それはもう二度と言う必要がない。これは民間企業じゃなくて、特殊法人に準ずるような状態になっているわけです。そういう特殊法人を介在させて、そういう形になっておるという根拠はないじゃないか。これは四つの企業から言えば、融資の心配もないわけだ。企業経営の中で占める資本金の比率にしても、日本自動車ターミナルという特殊法人、それから道路公団がそれぞれ二〇%ずつ持っている。まして、いろいろな事業について日本自動車ターミナルというところを通って国の金がおりてくる。これは予算の執行の流れとしても非常に不自然なのです。法律上、日本自動車ターミナルが出資事業を行えるという法的根拠がありますか。この法律を見ますと、どこにも明記されていない。この日本自動車ターミナル株式会社法という法律、これには、この日本自動車ターミナル株式会社が、特殊法人は出資ができる、こういう明示がなされていない、それに出資をしているということ、これはまた一つの大きな問題だと私は思います。これを改めて、出資ができるようにするならする。また、それでも問題が残りますが、そのような全くあいまいな状態の中で実態的に、先ほど来指摘されているような事実がある。大臣はこうした問題に対して、行政改革、財政再建のための取り組みがこれほど重大な問題になっておるときに、こうした実態を聞いてどのようにそれを受けとめられるのか。先ほどから大臣の答弁を聞いたら、必ずその事実関係の説明に終始するような答弁を事務当局がされる。大臣どうですか。
  246. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 トラックターミナルの事業は、物流あるいは交通の渋滞の改善等に非常に大きなプラスになっていると考えております。御指摘の面についてはいささか問題があると思いますので、この自動車ターミナル法についての検討をいたしたいと存じます。
  247. 林孝矩

    ○林(孝)委員 法律を検討するということであるわけですね。  それじゃ、時間が来ましたから、この問題についても、あと留保させていただいて、質問を終わりたいと思います。
  248. 高田富之

    ○高田委員長 鳥居一雄君。
  249. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 民鉄線の鉄道路線免許について伺いたいと思います。  鉄道建設に関しましては、免許申請、受理、こういう形式を踏んだ手続がとられておりますが、これは認可を前提として事前にさまざま協議がなされている点を考え、つまり間もなく認可――一定の時間が必要でしょう。しかし、認可をするんだという前提で申請がなされる。申請したけれども、しっ放しで認可にはならない、こういうようなことは路線の免許決定というこの行政の中にはない、私はこのように実は受けとめているわけであります。ですから、むしろ申請は必ず認可になるからその手続をとる。申請前に見通しが持てるような話し合いがなされて、そうして免許の申請がある、こう言って間違いありませんね。
  250. 山地進

    ○山地政府委員 法律上の話といたしましてはいつでも申請できるということで、先生の御指摘は日本の法律の運営上、申請をする前にいろいろと調整をし、申請を持ってくるというのが慣行的である、こういう御指摘だろうと思うのでございますが、わが鉄道監督局におきましてもそういうのが通例でございます。
  251. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 昭和四十七年三月、当時は都市交通審議会、現運輸政策審議会でありますけれども、いわゆる十五号答申というのを出しております。これは昭和六十年を目標とした十三路線、五百数十キロに及ぶ都市高速鉄道網、これを答申いたしております。十五号答申を修正するような審議会答申はその後ありますか。
  252. 山地進

    ○山地政府委員 四十七年にできて以来現在まで、その十五号答申に沿いまして施設の整備というものを行っているのが現状でございます。
  253. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 十五号答申が現在の鉄道監督行政で生きている、こういうことですね。
  254. 山地進

    ○山地政府委員 四十七年といいますとオイルショックの直前でございますので、情勢においてはいろいろと変動しているかと思いますが、大都市、特に東京の計画でございますので、その六十年の目標に向かいまして現在十五号答申をベースにいたしまして整備をしている。まさに先生のおっしゃるように生きた計画でございます。
  255. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 そうすると、運輸省鉄道監督局は四十七年三月、十五号答申が出て以来一貫してこの方針に沿ってやってきた、こう理解してよろしいですか。
  256. 山地進

    ○山地政府委員 十五号答申を基本的な方針といたしまして、一貫してその線に沿って現在整備を行っておるところでございます。
  257. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 ところで、この十五号答申の背景となりましたいわゆる緊急対策の必要性つまり首都圏近郊の人口増、予測をはるかに上回る通勤通学者の急増、十五号答申の中で需要予測をいたしておりますけれども、私の調査によるとそれを上回る現状、答申が四十七年でありますから、今日どのような推移をしてきているか。これは時間の経過とともにまた改めてこの点について着目しなければならない、そういう要素があるだろうと思います。それで、運輸省はこの十五号答申の中で需要予測をいたしましたけれども、これをどういうふうに評価あるいはどう受けとめていらっしゃるか伺いたいと思います。
  258. 山地進

    ○山地政府委員 先ほど四十七年オイルショックの直前ということで情勢の変化が現在までのところ非常にいろいろの方面で起こっているということを申し上げたわけでございますが、この四十七年の十五号答申の背景となります需要予測につきましては、東京駅を中心といたしまして五十キロ圏内、これで二千九百万人というような需要予測をいたしておるわけでございます。ところで、これも先生の御案内のとおり、三全総における六十年の予測人口というのは三千百万になっているわけでございます。その三千百万という数字がどんな地域かと言いますと、先ほどの都交審は五十キロ圏内でございます、それからこの三全総の方の三千百万のベースになっておりますのは、東京都、千葉県、埼玉それから神奈川の一都三県でございます。したがって、その区域につきまして若干違っているという点はございまして、これを都交審の十五号答申のベースつまり五十キロ圏というのに焼き直して計算いたしますと、約三千万ぐらいでございます。したがって、二千九百万と三千万ということで、全体的な数字としては、四十七年の予測でございますから若干下目ではあったと思いますけれども、この計画自体を全面的に見直すというほど違いがないというふうに思っていいんじゃないかなというように私どもは思っております。
  259. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 もちろん伸び率にばらつきがあると思います。具体的な事例として、この十五号答申の中の十三路線の中で五号線についてしぼって伺いたいと思うのです。この答申の中にある五号線の沿線の地域、この人口の伸びをどういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
  260. 山地進

    ○山地政府委員 おっしゃるように地域のばらつきというのがございまして、千葉方面が全体の中で非常に思ったよりも伸びているというのは先生御指摘のとおりだと思います。数字はちょっと私もいま失念いたしましたけれども、ほかの地域から見ると格段に伸びが高いということは私ども承知しております。
  261. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 具体的に申しますと、いまの五号線の沿線地域でありますが、八千代市が人口四倍です。昭和四十年をベースにいたしまして五十五年現在で八千代市が四倍、船橋市が二・二倍、ともかく爆発的にこの沿線に関しては伸びております。ところでこの十五号答申の意味でありますけれども、十五号答申ではきわめて緊急的な対応を要求しているわけです。「今回の答申で確定した路線は、緊急度の高いものに限定しており、すみやかに実施される必要がある。」それから「運輸省においては都市高速鉄道網の計画について常時検討を行ない、効率的な実施を図るよう留意されたい。」こう答申で指摘をいたしております。この答申に沿って営団が免許の申請をいたしました。四十七年三月一日の答申に沿って、四十九年三月三十日に五号線についての免許の申請をいたしました。それ以来、答申から八年、免許の申請から六年、これは全く放置されたままです。この申請はお手元にお持ちだろうと思いますが、申請理由として、「沿線がこれ以上都市化が進んだ段階では、高速鉄道の建設は困難をきわめると予想されるので、開発途上にある現時点で地域開発計画にあわせて高速鉄道の建設を行うのが適策」つまり時期を外したらできなくなってしまう、こう申請時に理由の中で営団は指摘をしております。そして、添付書類によりますと、この五号線、西船橋から勝田台間、総工費九百五十五億、当時計画どおり進んでいれば九百五十五億でできたというものなんです。現在はざっと二千五百億かかると言われている。二倍半に及ぶ総工費、こんなむだな話はないのです。当時は九百数十億でできた。十五号答申に沿った免許の申請が、答申以来今日まで八年間なぜ放置されたままなのか、私はこれを率直に伺いたいと思います。
  262. 山地進

    ○山地政府委員 四十九年三月に営団から免許の申請がございましたのはいま御指摘のとおりでございますが、その申請のときに私どもの方で指摘した点というのは、こういった高速鉄道が都市計画とどういうふうにマッチするのかということが一つ、それからこれだけの多額の資金を要するものでございますので、地元、つまり地方公共団体の負担がどうだろうかということ、これはつまり補助制度との関係でございます。それからもう一つは、既存の事業者との関係がどうなのだろうか、この三つを私どもとしては問題にいたしまして、それらの諸点について現在に至るまで調整に時間を費やしてきたのが現状でございます。
  263. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 これはちょっとおかしいのです。これまでの八年間の経過をたどってみますと、この一貫した十五号答申を守っていこうという気持ちが一体鉄監局にあったのだろうか、こう疑わざるを得ないのです。実はこの免許の申請の前の段階で、地元の県、沿線の八千代市、船橋市、営団、この間でさまざまな協議がなされております。ルールに基づく負担を願いたい、あるいは沿線住民のコンセンサスを得る必要がある、そのために都市計画の決定をしてほしい、こういう要求を地元にし、しかも地元はそれを受けてこの手続を進めてまいりました。ところが五十三年の三月三日、突然従来の免許をしていこうという方針と全く逆の方針の変更があったと私は見ているのです。方針の変更はございませんでしたか。五十三年六月九日、地元千葉県、沿線の船橋市、八千代市当局が当時の鉄監局長を訪ねております。鉄監局長としては、早期実現の要望を受けて、それに対しましてこの五号線の延伸というのはできないという理由を挙げているのです。当時の鉄監局長はだれですか。
  264. 山地進

    ○山地政府委員 住田正二だったと思います。
  265. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 その五号線の免許のむずかしい理由を三つ挙げております。在来の私鉄線への影響、それから営団による延伸の法的な問題、三つ目は建設補助方式。そして免許はできない、むずかしい、これは方針の変更じゃありませんか。
  266. 山地進

    ○山地政府委員 六月九日に八千代市と船橋市でございますか、鉄監局長の住田正二のところにおいでになったという記録はございますが、そのときにそういったかなり否定的なことであったかどうかということについては、私存じておりません。ただ、私その後もう一人局長が入って、住田さんから考えると三代目でございますが、私が引き継いだ時点に、その六月九日の先生の御指摘のような線でこれを引き継いではおりませんので、過去においてそういうことがあったかどうかということについては、余りいま私の頭の中にはございません。あるいはそういうことがあったのかもしれませんけれども、私、その点については存じておりません。
  267. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 ふえる一方の利用者、この現状は、在来の私鉄線だけを頼りにしているために大変な混雑率です。五十二年の一年間を平均しまして、船橋-大神宮下駅、七時半から八時半、つまりラッシュ時には二二五%、これは五十二年です。今日では二五〇%を超えております。こういういわば利用者不在、鉄監行政不在と言えるような状態、あの十五号答申が出て八年ですよ。一体何が障害で、免許の申請があり内容の検討をしながら、運輸省としては認可をしないのか、私も疑問でならないのです。  それで、三つの理由を挙げていらっしゃるわけでありますが、在来の私鉄線との関係というのは、これは影響がないということは言えないと思います。確かに影響があるだろうと思います。しかし、影響があるからといって免許を握りつぶしたまま、利用者不在のままどこまでいけるのか、こういうふうに考えてみますと、これはとんでもないことだと思うのです。免許申請時には、在来線の経営の問題は出ていなかったはずなんです。五十三年以降起こってきた問題であるにもかかわらず、それを一つの奇貨として免許を認可しない、こういうふうに私は受けとめておりますけれども、免許は認可しませんか。
  268. 山地進

    ○山地政府委員 三つの条件といいますか、私どもの指摘の点についていま御指摘がございましたように、その後私鉄の京成が非常に経営内容が悪化して、いまや銀行の管理会社みたいなかっこうになってきているわけでございます。私どもよく御指摘を受けることといたしまして、そういう並行の私企業の保護に非常に専念する余り、旅客のニーズというものを放置しがちである、こういうような御指摘を受けて、私どもとしてもそういうことについては非常に注意をいたしているわけでございますが、私どもの立場からこれを見ますと、京成というのが、バスまで含めますと、新古成まで含めますと、やはり京成があるということが千葉県の方の足の確保ということの第一前提だろうと思うわけでございます。そこで、いま先生も御指摘なさいましたように、新しい路線を引けば何がしかの影響があるだろうということの何がしかの影響というのが、現在の京成の経営にどういった問題を投げかけるのだろうかということは、五十三年あるいは四十九年の私どもの意識よりもさらに激しくなっているというのが現状でございまして、私ども現在の立場はどうなのだ、最後の認可するのかしないのかということを質問されれば、私どもとしては、これを何らかの京成に対するインパクトを弱める方向でいい方法はないだろうか、つまり認可の方向で検討しているというふうにお答えをしたいと思っておるわけでございます。
  269. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 運輸省は都市計画の決定、つまり住民のコンセンサスを得たことのあかしとして都市計画を決定してきなさい、これを条件につけましたね。事実関係はどうですか。
  270. 山地進

    ○山地政府委員 明文で、文書で条件はついてないというふうに私は報告を受けておりますが、申請の際にそういったものを、これは都市計画との調整というのに時間がかかるから、その分について地元の方とよく御調整をいただくことが認可を促進するのに非常に大事なことであるということをお願いしたのは事実でございます。
  271. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 それじゃ都市計画を決定してくることを条件にしたと言って間違いありませんね。現に、この都市計画の内容につきましては西船橋―勝田台間の区間十六・三キロメートルの経過地をあるいは高架か地下の別にするか、あるいは高架部分と地下部分、こういう具体的な免許の申請内容に基づいて沿線住民に対する公害対策はこうやりますよ、どこに駅ができますよ、路線はどういうふうに通るんですよ、こういうところまで話が決まった。それを白紙撤回を要求するような動きがあるじゃないですか。地元千葉県、船橋市あるいは八千代市、これに対しまして何かいい案はないのか、こういう白紙撤回を要求するような、つまり事業主体が営団とかわって第三者が免許を受ける。つまり営団の免許は出し直し、免許自体白紙撤回、こういう方針を持っていらっしゃるのじゃないですか。
  272. 山地進

    ○山地政府委員 先ほど私が申し上げましたように、この船橋と勝田台の間の路線というもの、これはもう利用者の方のニーズが高い、これはよくわかっております。それから、これを引くときに既設の私鉄事業者に与える影響というものをできるだけ少なくすることが特に現在の京成の状態を考えると必要だという判断から、その線路は引くけれども、その経営の考え方において、営団ということで申請を受けておるわけでございますけれども、営団も含めて、関係の地元の市も含めまして、経営のあり方について何かいいものはないだろうかということで各方面といろいろ御相談をしているということでございまして、その御相談が成り立てば、申請の出し直しということは私どもとしてはあり得る、かように考えておるわけでございます。
  273. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 そうすると、条件としてつけた都市計画そのものを白紙に戻してという、地元との話し合い、約束、これは一体どうなっちゃうのですか。そんなことが運輸省として地元に要求できるとでも考えているのですか。五号線の延伸なんというものは空文化しちゃいますよ。そういう意味で、運輸省の考え方というのは非常に甘いと私は思うのです。免許をして、そして五号線の延伸については十五号答申に沿って実現をさせよという方針、これは結構な話だと思います。しかし、一貫して十五号答申が鉄監行政の中で貫かれてきたかというと、さっき指摘しましたとおり、ある日突然方針が変わってみたり、一貫したものがないわけです。現鉄監局長はどういう方針でこの実現のために見通しを持っておられますか。免許の見通し、いつまでに結論を出すのか、このあたりをひとつ明確にしていただきたいと思うのです。
  274. 山地進

    ○山地政府委員 先ほどから私の希望的な意見ということを申し上げてきたわけでございますが、この路線に、何か経営主体というものが、既設の私鉄業者のインパクトをできるだけ少なくし、かつ地元の方の便利なような形でこの路線というものの運営ができないだろうかということを現在模索中でございまして、そのためには、営団のほかに第三セクターというものをつくって、そこに営団も乗り入れるという形でいくほか、京成の方の上野の方に行く路線を別途つくってそこで船橋のところで乗りかえる案とか、あるいは三線軌条で営団の方も乗り入れるし、京成の方も乗り入れるというような形ができないだろうかとか、技術的な面あるいは財政的な面、いろいろな面でそれぞれいろいろな長所、欠点があるわけでございますが、私どもとしてもそういったものを、案を御提示といいますか、御相談をしてみて、何らかこういったことについて打開案がないだろうかということで各方面には御相談をしているわけでございます。そういったことがいつまでにできるかということにつきましては、これは私どももここだけで申し上げているのじゃございませんで、折に触れてそれぞれの市長さんにもお会いをいたしますし、関係の方々からもいろいろお話を聞き、それから京成にも、一体京成のいまのような破滅的な状態というものについてどう考えるのか、各方面に非常に気を配りながらこれを御相談している段階でございまして、ひとつそういった面で私どもの方の立場についても御理解をいただきたい、むしろお願いをしたいような気持ちでございます。
  275. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 八年にしてやっと動き出したという感を免れません。ひとつ実現へ最大の努力を払ってもらいたいと思うのです。  さらに京葉線について二、三伺っておきたいと思うのですけれども、京葉線の西船橋-蘇我間、この旅客化の開通の見通し、進捗状態はどうなっていますでしょうか。
  276. 山地進

    ○山地政府委員 京葉線の蘇我-西船橋、京葉線というのはもっと大井の埠頭の方まで全部延びて、貨物線で四十六年に工事実施計画が認可された路線でございます。その認可のときは貨物線であったわけでございますけれども、千葉の方を中心にいたしまして団地が張りついて、むしろ旅客需要というのが非常に強くなりましたものでございますから、五十三年の九月に旅客輸送を行うための工事実施計画の変更認可を行ったわけでございまして、その後鉄建公団が建設を進めているわけでございます。これは大都市交通線ということで鉄建公団の中の最重要路線、金額的にもCD線の中で非常な割合を占めてこれを促進しているということでございます。  完成の時期につきましては、一部で列車騒音等で地元の方々としてもなかなかこれに直ちに賛成できないというような向きもあるというお話でございますので、できるだけ地元の方の御納得を得るような努力をしつつ早い時期に完成をしたい。これは船橋の方に入っていくことになるわけでございます。
  277. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 一部に一年ずれ込んで五十八年だということが懸念されておりますけれども、この点についてはどうなんでしょうか。運輸省としても当初の見込みどおり五十七年完成、この線でがんばれますか。
  278. 山地進

    ○山地政府委員 工事の完成の時期ということにつきましては、私どもとしては、こういう席でございますので必ず完成しますと言うのは非常にむずかしいのでございますが、できるだけ早い時期に完成するように最善の努力をする、財政的にも工事の技術的にもそういったことで努力させていただきたい、かように思っております。
  279. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 京葉線の都心乗り入れについてはどういうふうに実現させていきますか。
  280. 山地進

    ○山地政府委員 さらに西船から大井の方の道があるわけでございますが、この路線、蘇我から船橋の近くを通って都心に来る場合どういった路線を通って都心のどこに乗り入れるかというのが今後の非常な課題かと思うのでございますが、この路線につきましては、造成地、埋立地をどんな形で使うのかということ自体もまだ不確定なところがある。工場にするのかあるいは住宅にするのか、そういった利用の動向についても若干計画がまだ決まっていないというようなこともございまして、旅客の需要動向がどうなるかということを見きわめまして、その時期あるいは乗り入れ地点等も今後検討してまいりたい、かように考えております。
  281. 鳥居一雄

    ○鳥居委員 ありがとうございました。私の質問を終わります。
  282. 高田富之

    ○高田委員長 庄司幸助君。
  283. 庄司幸助

    ○庄司委員 気象庁の方もお見えですね。  最初、私は例の気象衛星「ひまわり」の件でちょっとお伺いしたいのですが、現在回っている「ひまわり」は、寿命と言いますとちょっとあれですが、いつごろ寿命が尽きるわけですか。
  284. 窪田正八

    ○窪田政府委員 現在上がっております「ひまわり」は寿命大体四年と考えております。したがいまして、次の第二号の予定は五十六年というふうに考えております。
  285. 庄司幸助

    ○庄司委員 五十六年には寿命が尽きる、こういうふうに考えていいんですね。
  286. 窪田正八

    ○窪田政府委員 現在はそういうふうに考えております。
  287. 庄司幸助

    ○庄司委員 そうしますと「ひまわり」の二号、と言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、跡継ぎの衛星、これの打ち上げの問題でちょっと気がかりになるのですね。科学技術庁においで願ったのですが、これの打ち上げはいわゆる事業団に打ち上げてもらう予定ですか。
  288. 鈴木晃

    ○鈴木説明員 打ち上げは事業団を予定しております。
  289. 庄司幸助

    ○庄司委員 それでお伺いしたいのですが、「あやめ二号」の失敗がこの間あったわけです。それでこの原因究明をなさっていると思うのですが、きょうの新聞を見ますと、宇宙開発委員会第四部会が二十六日に調査結果を中間報告した。問題はアポジモーター点火後に集中しているのでアポジモーターに失敗の最大の原因があったというふうに報告されたやに聞いておりますが、そのとおりですか。
  290. 鈴木晃

    ○鈴木説明員 お答えいたします。  昨日いただきました報告は中間的な御報告でございまして、いわゆる中間報告というものではございませんが、中間的にいただきました御報告によりますと、ロケットの部門につきましては正常に推移したということでございまして、原因がアポジであるという御報告ではございません。
  291. 庄司幸助

    ○庄司委員 何か新聞報道ですとアポジモーター点火後に異常が集中したというふうに書かれております。そういうことで、詳しい原因究明のため三人の専門委員をアメリカに派遣する、衛星メーカーやNASAから情報収集に当たる、こうなっておりますが、そのとおりですか。
  292. 鈴木晃

    ○鈴木説明員 原因としてロケット部門が一つ範囲が外れるわけでございますので、今後の原因追求といたしましては衛星部門に入るわけでございます。衛星のどこかということでございますが、これは最終的な結果を待たないと判明しないわけでございますが、現在までに調査しておりますデータでは、アポジの近辺のデータに従来と比べまして一、二異常が見られるということで、そのアポジにかなりの疑いが持たれているわけではございますけれども、まだ完全にアポジだということは断定できない状況でございます。アメリカに行きましていろいろ調査するわけでございますけれども、アポジが中心であるわけでございますけれども、それに限った調査ということではございません。
  293. 庄司幸助

    ○庄司委員 「ひまわり」は国民にも非常に親しまれている衛星ですね。これは毎日毎日テレビの画像で拝見させてもらっているわけですが、「ひまわり」の二号と申しますか、跡継ぎが回らなくなると気象観測上も非常に重大な影響があるわけです。そういう点で打ち上げが成功するかどうか、この点が非常にわが国の気象観測上重大な影響を持ってくるわけです。そういう点で「ひまわり」の二号、この打ち上げは、五十六年に打ち上げる確信を技術上お持ちなのですか。
  294. 鈴木晃

    ○鈴木説明員 現在の計画でございますと五十六年度の夏季に打ち上げるという予定を持っております。
  295. 庄司幸助

    ○庄司委員 そうじゃなくて、確信ありますか。
  296. 鈴木晃

    ○鈴木説明員 それに関連いたしましてちょっとGMS2の進捗状況を御紹介いたしますと、一応現在までに設計を終わりまして、各部の部品構成、コンポーネントといいますか、そういったものの作製も大体終わりまして、それの試験をやっている最中でございます。今年度に入りましてそういった部品類の組み立てを始めまして、その組み立てを行いながら試験を慎重に行っていきたいと思っております。私、いままでも順調に推移しておると聞いておりますので、成功裏に打ち上げることが期待できるというふうに思っております。
  297. 庄司幸助

    ○庄司委員 この間の決算委員会でもアポジの問題で質問があったわけです。やはり問題点は、アポジがブラックボックスでもってわが国の検査が独自にできない、ノーハウもあるという点、その辺の自主性を確保しろ、私なんかはそういう意見を述べたわけですが、その辺で、今度の打ち上げに使うアポジの、わが国が独自にこれなら大丈夫だというような検査できるような状況になっていますか。つまりブラックボックスは外れちゃったという状況になっていますか。
  298. 鈴木晃

    ○鈴木説明員 アポジの問題につきましては、ECSのアポジとGMS2のアポジとブラックボックスの程度という点では必ずしも特段の改善はないかと思うのですけれども、いずれにいたしましても、検査等につきましては米国側、日本側両者立ち会いまして慎重に検査いたすわけでございます。検査方法の改善等図りまして進捗したいというふうに思っております。
  299. 庄司幸助

    ○庄司委員 これはぜひこの間の「あやめ」のような失敗のないように、わが国の科学陣がこれなら大丈夫だという検査ができるような自主性を持っていただきたい、これは強く要望しておきたいのです。  それから気象庁長官、「あやめ」は二回失敗していますからね。その点では五十六年度夏の打ち上げですか、これは私は予断を許さない問題だと思っているのです。そういう点で気象庁長官としてもこの「あやめ」の失敗の問題については重大な関心を持って、やはり気象庁は打ち上げてもらうわけですから、やっていただきたい、こういうふうに思うのですが、いかがでございますか。
  300. 窪田正八

    ○窪田政府委員 この問題に関しましては、気象庁としても大変関心を深めております。特に国際協力あるいは国内の非常に中心的な業務になっておりますので、われわれの計画あるいは希望を、ある場合には本省を通し、ある場合はわれわれが直接いろいろ意見を申し上げてお願いするといったようなことを進めております。しかし基本的には宇宙開発委員会が全体を見て、事業団がそれぞれ技術に応じて進めるということでございますし、われわれは打ち上げそのものについては余り知識を持っておりませんので、その辺の要望を申し上げるということはしております。
  301. 庄司幸助

    ○庄司委員 運輸大臣、これは運輸大臣も非常に重大な関連があるわけですから、その点で閣僚会議や何かもありますから、その辺でがんばっていただきたいと思うのですが、いかがですか。
  302. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 「あやめ二号」の失敗は、国民の一人として非常に残念に思っているわけでございます。先般の閣議でも科学技術庁長官からもいろいろお話がございましたが、ぜひ今度はりっぱな打ち上げをして成功していただきたい、かように存じておるわけでございます。
  303. 庄司幸助

    ○庄司委員 それじゃ科学技術庁の方、お帰りになって結構です。  それでは本題に入らせていただきますが、地震、津波の観測体制の強化の問題です。現在の管区気象台の体制を見ますと、地震、津波の観測の体制はどこの管区気象台を見ても、札幌、仙台-東京はまた別格ですから別ですが、大阪、福岡、それから沖繩の気象台、いずれも一掛ける四といいますか、四交代制で一人、こういう定員の配置になっているようであります。体制は一人夜勤なんですね。これで緊急時の対応が保障されるかどうかという点、私は非常に疑問があるわけです。  気象庁が五十三年に出した「気象庁における地震業務の将来像」という印刷物、私いただいておりますが、この中でも組織の問題で「管区気象台の体制強化」というのがうたわれております。ここでは「管区業務を円滑に遂行するため管区機関に要員を整備する。」こういう言葉もあるわけだし、「データの収集処理」の問題で「中枢体制」のところでも「管区気象台に地震データの処理解析に必要な周辺装置を整備し、毎日の地殻活動状態図等の作成を業務化して地方官署に還元し、適切な情報発表が行える体制を確立する。」とか「観測データの収集・解析、防災情報の伝達等を円滑に行うために、管区気象台の体制を強化する。」あるいは「これらと並行して、人材を育成するための必要な研修を行う。」こういうことが五十三年に出されております。ところが、これに対して依然として一人夜勤の状態で、しかも非常に過密な労働を伴う四交代制が続いている。  それで私は、一昨年、七八年の宮城県沖地震、これは記憶も新たなわけですが、このときの仙台管区気象台の状況を少し述べてみたいと思うのです。  私も管区気象台のそばに住んでおりますからよくわかるわけですが、このときは非常に幸運に見舞われた側面があるのですね、管区気象台としても。私どももそうなんです。この対応上どういう幸運に見舞われたかというと、十七時の退庁時間直後だった。十七時六分に予震、前震があって、そして十七時十四分に本震が発生したわけです。マグニチュード七・四で震度五ですね。現業部門では交代時間に当たって、日勤者と夜勤者と平常のほぼ二倍の人員がいらっしゃったわけです。これが幸運だったのですね。それからもう一つは、十七時六分に前震があったために、これは大変だというので態勢をとれた。あの前震は震度二で、津波判定作業のためのメンバーが業務規程どおり集まって直ちに臨時編成がとれた、こういうのが一つの幸運の要素だったのです。もう一つは、断水にならなかったので発電機の冷却水が不自由しなかった、だから停電後数分で機器や照明が復旧した。それから六月ですから屋外が明るくて、これが好結果を生んだ。それからもう一つは、あの庁舎が大変古い庁舎で、いわくつきの庁舎ですが、あれが柳に風折れなしで、ゆさゆさゆれたけれども倒れなかった、こういう幸運もあったのです。  ところが一方、障害になった面はどういうことが起こったのかというと、本震直後に停電になって、いわゆる広域地震監視システムが使えなかった、こういうこともあったのです。それから送画のテレファックスが使用できなかった。さらに外部情報伝達が手間取ったわけです。もう一つは電話が、これは私も経験あるのですが、電話局の交換機がまさに地震で殺到して過熱状態になったのですね。これで電話が不通になったのです。そういう点では、津波警報の伝達が困難な面が出てきた。それから庁舎内では書架が倒れました。それから消火器材が紛失してみたり、水道管が破裂する、こういう状況にあって、まあ一般民家も同じような状況は起きたのですが、特に津波予報の伝達、これをやる気象官署がこういう状況にあった。だから幸運な面と障害になった面の両側面あらわれておるわけですね。  そういう状況について、私は気象庁としても今後の地震、津波対策上、これは当然七八年宮城県沖地震で気象官署としての教訓をいろいろ学んだだろうと思うのですよ。その辺はひとつ、どういう学び方をなすって、それをどう生かしていかれようかという点での問題点をちょっと簡単に聞かしてもらいたいのです。どういうふうに踏まえられたか。
  304. 窪田正八

    ○窪田政府委員 詳しい仕事のやり方は、先生御指摘のところでかなり尽きておると思いますが、多少重複する点もございますけれども、一名の職員で四交代というのは、これは初動的な津波業務を主体――津波というのは地震が起こってから余りのそのそしておりますと間に合いませんので、まさに十分ぐらいで作業を進める、これは大変重要なことだと思います。その作業量は、われわれが考えても大体一人でいいのではないか。そのほか、先生がいま言われましたような問題、たとえば通信あるいはそのほか情報を伝達する人たち、こういうのは実は一掛ける四以外の方がいろいろな形で応援をします。確かにあのときはいま御指摘のような幸運の点もございましたので、これまでも仕事の要領というものをつくっておりまして、それに基づいてやっておりますけれども、あのときの教訓を生かして、その要領の見直しということをやっております。  それから、現在、地震があの程度のものの津波の予測というのは大変むずかしいと考えております。これはわれわれとしても他省庁あるいは大学などと協力して技術を高めるというのは大きな問題ですが、ただ、津波の予測の場合には実は現在、計算機が使えませんので、人である程度地震の深さを仮定したりそういうことをして作業を速めるということをやっております。つまり震源の決定そのほかかなり精度が悪うございますために、実は津波予報というのはときどき注意報を出しては皆さんに御迷惑をかけるというようなことをやっておりますが、これは現在、伝送網計画という形で予算が認められました。それによりますとかなり早い作業で正確な震源の決定あるいは深さの決定ということができますので、その辺の仕事は進むだろうと考えております。  幸いに、それまでの情報を伝達したり処理する仕事は、これは実は当初計画では予報主体でございましたので、大阪あるいは関西の方からスタートするということでございましたけれども、庁舎の問題あるいは地震の問題ということがございますので、これを大蔵説明の段階で変えていただきまして、仙台それから北海道といったようなところを先に整備するということになって、これは技術的にはかなり向上されるだろうというふうに考えております。  それから、われわれちょっと恥ずかしいようなことですが、いろいろの設備をほうっておいたために、それが倒れたりあるいは動いたりといったようなことがございましたので、そういうこともやる。あるいは食べ物などについても、なるべく仕事のやりやすいようにするというふうに、対応措置を考えております。  しかし全体としましては、幸運に恵まれたということもございますけれども、やはり職員の方がいろいろやってくださって、私としてはかなり円滑に作業が進んだのではないかというふうに考えております。  以上でございます。
  305. 庄司幸助

    ○庄司委員 もし日勤者がいなくなった午後八時ごろであるとか、真夜中であるとか、こういう場合だったらどうなったですかね。
  306. 窪田正八

    ○窪田政府委員 現在仕事をしておりますのは、そのほか高層観測あるいはレーダーあるいは通信といったような方が二十四時間じゅう作業を進めております。先ほど申し上げました要領というのは、こういう方たちの応援体制という問題も含まれておりますので、情報伝達とかそのほかのごたごたの問題は日勤でやるとかいうようなこともございますけれども、基本的な問題については現在対応はできるというふうに考えております。
  307. 庄司幸助

    ○庄司委員 ちょうど津波の予報を出す人が書いた手記があるのですよ。「一九七八年六月一二日一七時〇六分、仙台で震度二の地震を観測した。」その後のいわゆる判定を下す人の行動が書いてあるのですが、これをよく聞いていただきたいのですよ。十七時六分の前震、これで「震源地、震源の深さ、津波の有無、各地の震度などを地震情報として発表し、NHKを初め放送・報道機関、直庁、警察、消防などの防災機関をふくめると二〇ないし二三カ所へ連絡する。津波のおそれある場合は、地震が発生してから二〇分以内」これは業務規定にありますね。「以内に津波予報を発表することが義務づけられている。」途中省略しますけれども、この仙台管区の建物は「戦後の業務増大から何度かにわたる庁舎増築で、地上・地震・通信各現業室は別棟となり、」そのとおりなんです。「それぞれ一五〇から三〇〇メートル離れてしまい、地震・津波の緊急作業をするためにはきわめて不便な状態におかれてしまった。地震検測のために地上観測当番が地震計室へ走り、」これは協力ですね。「津波当番は情報、警報、管内への指示報を発表あるいは指示するため通信現業室へ走る」といった状態で、流れが逆になるのです。つまり地震計をながめて判定する人が、二十分以内に津波の警報やなんか発表するため、逆な方向へ走り出して通信室へ行かなければならない、あるいは判定室へ行かなければならない。判定室が非常に離れている、こういう状況です。「津波当番は情報、警報、管内への指示報を発表あるいは指示するため通信現業室へ走るといった現状となり、二十分という時間制約のなかでやる作業にとっては支障をきたす原因ともなりかねない。」ところが六分の前震で、作業を進めるためいろいろやっていたわけですね。「津波当番と地震担当者一名とが、通信現業室へ移動した直後一七時一四分の地震が発生した。」そこで「一七時〇六分の地震にかんする作業を中止し、一四分の地震について作業を始めた。」この津波担当の人はそのときは通信室にいたわけですね。そこで十四分の本震、これは地震記録を見なければならないのですから、地震計室へ飛んで返した。走って一分半の距離だったというのですね。「予報現業室入口にあった戸棚が横転しており、飛び越えて走った。レーダー塔と事務室とのあいだの水道管が破損し、天井から水が滝のように流れ落ちていた。地震計室では地震担当者一名と地上当番者二名がいて記録の読みとりをしており、飛び込むと同時に「地震計振り切れ、初動東、ピーエス一二秒」とデータを大きな声で連絡してくれた。数値を確認、津波判定室へとって返した。」  この人はこうも言っているのです。「十七時〇六分の地震と同じ宮城県沖と推定した。沿岸から近いところで発生しているので、十数分で津波が来そうであり、津波警報を急がねばと作業をすすめた。一七時二一分「ツナミ」の警報を発表した。つぎの作業はこれを各機関へ伝達することで、最も人手を必要とする作業である。地震で停電となり、送画装置は使えなくなった。一般加入電話も話中音が入るだけで使えず、専用電話による各機関個々の伝達となった。」「一七時すぎから始まった一連の作業が一段落したのは翌朝三時であった。」「津波警報の発表作業は、津波当番一名だけでは不可能であり、応援者をどうするかに努力している。気象台には夜間でも予報課をはじめ、観測・通信・高層各課の当番者十数名がそれぞれの担当業務をおこなっており、」これは長官おっしゃったとおり。ただ、「地震発生時の緊急時には各課も応援する体制をつくっている。」ここもおっしゃるとおりなんですね。「しかし大地震が発生すると、予想されない事態が発生したり、台風・洪水予報などの緊急事態と併行する場合には、それぞれの担当業務の遂行が優先してしまうため、応援を確保することがむずかしい問題となる。」その日はちょうど日勤者と夜勤者の交代時間だったために十七名確保できた、こうは言っていますけれどもね。だから、いつでもこういう人員を確保することは困難なんだ、こう言っているのですよ。  私は何も東北、北海道だけが地震の巣だとは申し上げませんけれども、東北の三陸沿岸というのはリアス式海岸で一番津波の発生率の高い構造です。それから北海道だって同じような個所があって、十勝沖の地震で津波で大分やられました。こういう点で、夜勤者を一人にしておいて、そういう体制にしておいて、もしこの夜勤者が何らか体の調子が悪い、あるいは下痢、腹痛をなすってトイレにいらしたときにベルが鳴ったらどうするんだ、これは非常に過酷な問題じゃないかと私は思うのです。その辺やはり要員の確保の問題は、確かに行管がいろいろ言うだろうとは思いますけれども、どうしても必要なものは確保しておいていただいてやってもらわないと。津波の被害でどれだけ死んでいるか。明治二十九年の三陸の津波から三万二、三千人死んでいますよ。それから家屋の流失もあります。船の損害もあります。こういう損害の総体を金に換算したら一体何ぼの損害なんだ。これをやはり未然に防止するために人件費はいろいろかかるだろうとは思いますけれども、この被害による損害と国が人件費を出す経費と比べてみた場合は、はるかに効率的なことじゃないか。だから、行政改革に当たっても、定員削減、定員削減、これはむだなところはいいですけれども、必要なところは確保していく、私はこの点が大事だと思うのです。  そういう点で、私は、気象庁長官だけの判断でも大変だろうと思いますから、運輸大臣、こういう実態に照らして、地震、津波の観測なり判定作業、こういうものに部下の一人や二人定員配置をふやすということは、国家的見地から見て非常にメリットのあることだと思うのですが、大臣の所感をひとつお伺いしておきます。
  308. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 確かに御指摘のように、日本は地震国、火山国でございます。この予知、予報体制は国民の生活に非常に密接なものでございまして、迅速でしかも正確に伝える業務を続けていかなければならないわけでございます。いま一般的なムードは行政改革ムードが非常に徹底してまいりまして、何でも行政改革をしなければならないというような空気が強くなってまいっておりますが、おっしゃるように、私も、国民の御要望にこたえる行政サービスは省くものではない、少なくとも御要望にこたえた行政サービスをしなければならないということで、的確な判断をしながら行政改革を進め、いまのような地震、津波の予報体制などは、観測体制の整備、機器の整備、要員の配置というようなものについて、十分配慮していかなければならないと考えております。
  309. 庄司幸助

    ○庄司委員 大臣から大変積極的な御答弁をいただいて、気象庁長官も大変御安心だろうと思います。ひとつそういう点で気象庁長官も、これは何も気象庁内部だけの問題じゃなくて国益の問題ですから、ぜひ五十五年度の定員の問題についても前向きに検討し直していただきたい、こう思います、大臣はああいう答弁をなさっていますから。  それで私はもう少し、一人夜勤の問題といいますか、一掛ける四とあなた方申していますから、一掛ける四の問題を申し上げてみたいのです。  業務規程の第九条を見ますと、第一種の地震後五分以内に第一報を出す、これは地震の場合ですね。それから、十分以内に第二報を出す、こうなっています。そして、十三条を見ますと、二十分以内に津波の予報なり警報なり、あるいは津波なしなり、こういうものを出す。その場合、十四条の二で、上司の承認を受けてから出すんだ、こうなっています。これは、一人の場合、上司がたまたまいなかったというような場合、どうすればいいのかという問題もあるのです。  それから十五条を見ますと、少し正確にしますけれども、「津波予報中枢」これは管区ですね、「においては、津波予報のため、常時少なくとも」となっています。「少なくとも一名を当直させなければならない。」これは「少なくとも一名」で御満足なさっているのが現状なんですね。だから、これは、「少なくとも」と言っているところに、私は大臣の御答弁と絡み合わせて、私がさっき申し上げたような点で御考慮いただきたい。  それから、十六条では伝達の問題が書いてあって、十七条では伝達の方法が書いてあります。  それで、この一人夜勤なさっている方は、日曜日なんか昼間でも当直はやはり一人になりますね。こういう方々の緊張感というのが大変だということです。一人で判定するというのは、なかなか緊張を伴う仕事だろうと私は思うのです。間違って津波の警報なんか出してしまって、後で津波が来なかった、あるいは今度は、いや来はしないだろうというような津波なしの警報を出して大津波が来たなんという場合は、大変重大な責任になるわけですから、こういう場合は、やはり複数でやるのが私は一番いいと思うのです。それから、同時に肉体的な疲労もやはり相当なものです。仙台なんか見てみますと、五十九歳の方もいらっしゃるのです。それから五十五歳ぐらいの人もいます。  そういう点で、一つは、一人夜勤をやめていただくのと、四交代というのは大変またきつい仕事なんです。これは少し申し上げてみたいと思うのですけれども、大体この四交代の勤務割り振り制度を見ますと、現業日勤というのがあります。それから夜勤というのがあります。それから非番と公休とあります。それから、官執勤務というのが二色あります。ある一人の人について見ますと、この現業日勤をやって、次の日は夜勤をやって、その次の三日目は非番になって、四日目公休で、五日目また現業日勤、六日目が夜勤やって、七日目が非番やって、八日目は今度官執日勤の四時間、これをやる、こういうサイクルで進むのです、あと七時間も出てきますけれども。この状況を見ていますと、現業日勤は朝の八時三十分から十七時まで、夜勤の場合は十六時三十分に出勤して朝の九時三十分まで勤務する、しかもこの夜勤の間に休息が一時間と休憩が一時間、仮眠が一時間入っています。実働十五時間で拘束十七時間、あとは官執勤務です、これはそれぞれ七時間とか四時間とかありますけれども。  問題はこの夜勤の場合です。休息一時間、休憩一時間、仮眠一時間と、こうなっていますけれども、大体休憩と言えば持ち場を離れてもいいような解釈だと私は思うのですよ。よく官庁の方が昼休みになるとお昼御飯を食べに外に行かれたり、パチンコ屋に行かれる方もあるかもしれませんが、この夜勤の場合の休憩一時間というのは持ち場を離れられるのですか、こういう地震、津波の判定をやる場合、こういう疑問もあるわけです。  それでもう一つは、やはり高齢化していますから、気象庁の人員を見てみますと大分高齢化社会です、跡継ぎをつくらなければならないでしょう。跡継ぎをつくるためには研修をやらなければならない、あるいは気象学の最近の情報も自分で仕込まなければならない、そうして自主的に高まっていく努力もしなければならないわけですが、そういうものがこの四交代制の状態あるいはこういう夜勤が四日に一遍も回ってくるような状況の中でやれるのかどうか。長官はお年ですから、いずれ近いうち御引退なさるなんというお話も開いていますけれども、やはり跡継ぎをしっかり育てて、日本の気象業務をやはり確立していってもらいたいと思うのです。いつおやめになるか私はわかりませんけれどもね。  仙台なんかの場合を見ますと、四名じゃなくて現在は六名はいるそうですけれども、しかしこの二名の人は、結局はこういう研修にだれか行くという場合の補充をやっている。大体は四交代制の中に組み込まれているそうです。  それからもう一つは、この状況では年休をとれるかどうかの問題もあるのですよ。しかも管区気象台の場合は、いつでも何か異変があれば駆けつけるという非常に自主的な、私は高く評価するのですけれども、気風もおありなんです。そうすると、年がら年じゅう、年休も満足に消化できないような状況で、そして夜は夜で一人夜勤で緊張して、不安にさいなまれて、その上に今度は最新の気象学の到達点も踏まえていくということになると、これは大変な問題がここにあるのだと思うのです。  そういう点で、長官、私はきょう地震、津波だけ申しますけれども、それは機械も大事ですが、やはり大事なのは人なんですよ。そういう観点での人の確保、要員の確保をひとつ前向きに進めていただきたい。せっかくの大臣の御答弁もありますから、これを踏まえて、ひとつ御答弁をお願いしたいと思うのです。
  310. 窪田正八

    ○窪田政府委員 いろいろ御理解いただいてどうもありがとうございました。  どの点からお話ししていいか、ちょっと整理がいまできておりませんけれども、たとえば一人の問題でございますけれども、実は一人が二人になりましても、津波のときに相談をしながらというわけにはまいりませんので、これは確かに職員に非常に緊張を与えますけれども、これは現在、人でやらせる限りは、非常に緊張しておりましても一人で決断をしていく、したがって作業量もそれに見合う作業量にしておるはずでございます。作業量が非常に多くなって、しかもだれと相談をしたらいいかという問題でございますと、これは人数をふやしたらいいということがありますけれども、現在はそういう余裕はございませんので、先ほど申し上げましたように計算機でこれを処理して、きちっと自動的にやって、人間の神経はなるべく休ませるという方向をとりたいと思っております。ただ、前向きの姿勢、これは大臣の答弁、そのほか先生のあれも非常にありがたいと思います。  これは多少御質問の趣旨とは変わるかもしれませんが、われわれ、現在、法律的にはマグニチュード八という大きなものだけに責任を負っておりますけれども、将来はマグニチュード七、宮城沖地震のような問題についても予測に近い情報がとれたらということを考えております。そういうふうになってまいりますと、これは現在、一般の気象の場合に予報をやっていくという体制でございますから、したがって作業もかなり変わってまいります。そういうときまで一人でやれということは私も考えておりません。やはりその段階になりますと、人の問題というのはかなり重要になる。  研修の場合でも、実は現在気象庁の判定というのは大学の先生方にやっていただいておりますけれども、なるべく早い機会に気象庁の中から予報官というのは育っていくべきだという考えがございます。こういう点で大臣も前向きに――これは五年になるか十年になるかはわかりませんが、われわれもやるべきであるというふうに考えております。  それから、先ほどもう一回御理解をいただきました通信関係とそれから地震の観測とが離れている問題、これは実は宮城沖地震の教訓として私たちも大変重要に考えております。そのために要領そのほかで協力体制をいろいろ組んで、一応津波の情報を出し終わって責任が終わっても、そのほかいろいろな問題があるわけですから、情報の伝達そのほか十分にこなすためには、要領を生かすためのフロアの問題というのが大変重要だ。     〔委員長退席、井上(一)委員長代理着席〕 しかし現在、明年だったと思いますが、新しい庁舎に入るということで、庁舎の設計上あらゆる人が協力しやすいようなワンフロアのシステムにしていきたいということで、教訓に学んでおります。  それから、先生の中に四交の問題がございましたが、四交というのは大きく言いますと、人間の考えている価値観ということもございますし、仕事のやり方の内容――――実はつい先日までは気象庁というのは三交がかなり多かったのです。われわれとしても三交というのはかなり厳し過ぎるという感じは持っておりまして、多少仕事を詰めてもなるべく四交にすべきではないかということで、四交の体制がようやく確立されてきたというのが現状でございます。  参考までに申し上げますと、国によりましては実は一交――――二交というのはおかしいのですが、二十四時間勤務をして、そして二日ぐらい休むといったようなところもございます。それはそれぞれの社会のいろいろな考え方に対応して進めております。気象庁としましては、一応いま、少し改善の緒についたという感じでこの問題を考えております。  それから、質問の細かいことでちょっと忘れましたので……。
  311. 庄司幸助

    ○庄司委員 いまの長官の答弁、まとめて言うと、大臣答弁もあったから、将来はふやす方向で考える、ただ、いまは考えないというような御発言の趣旨だったと私は思うのです。将来の問題というのは予測が入ってくるからと。予測というのは、これはいま特別観測区域、強化地域の東海ですか、この辺はまあ予測もしなくちゃならないということになって、実際、東京管区とそれから本庁が協力し合って、やりつつあるわけですね。だから予測になれば、もちろん本庁だって十人ぐらい地震課はいらっしゃるのですから、これは当然だろうと思うのですよ。そうじゃなくて、私が申し上げているのは、予測になればそれはもちろんふやしてもらわなくちゃならないけれども、現在の段階でもふやしてもらいたいというのが私の意見なんです。大臣は、その点は答えられたのだと私は思うのですよ。どうも気象庁長官、本省に対して何かちょっと遠慮がちなところが前から私はうかがえるのですがね。皆さんの方は科学者ですからね。科学者が憶病になってはだめだと私は思うのです。寺田寅彦さんの随筆なんかをちょいちょい読んでみますと、これは国防と天災の問題とか、地震・津波考であるとか、いろいろ科学者の意見を言っていますよ。そういう点で、やはり科学者が科学的に考えたことを政治に反映さしていくというのが科学者のあるべき姿だと私は思うのです。そういう点で私は、いまの体制の一掛ける四というようなものは非常に不安がある。特に日本海溝を抱えて、しかも太平洋プレートが、東北だけじゃありませんがもぐり込んでくる、このプレートテクトニクスの理論からいっても、こういう点ではますます要員を確保して、日本の災害を未然に防ぐ、この点で勇敢であってほしいと私は思うのです。  しかも、そういう中で、これは大臣にも聞いていただきたいのですが、気象庁、五十五年度で定員削減があるので、仙台管区、現在一掛ける四なんだけれども、それに二名が入って、常時四交代制で六周期でやっている。これを今度は一人、何か農業観測の問題で調査課の方へ持っていくというような話も私は聞いているのです。これはまさに時代逆行だと私は思うのですね。たった一人、こんな問題で、一年間四百万か五百万の問題ですね、こういう人員削減をやる、これは時代逆行もはなはだしいと私は思うのです。この間私は、三陸の市町村長さんの御意見も若干漏れ承りました。こんなことになったらどうなるのだ、明治二十九年ですか、あの津波で三万二千人失って、昭和八年の津波で三千二百名くらいの人命を失った。十勝沖でもやられている。この方々は、定員が一名減るという問題についてはきわめて敏感です。だから私は、地元の心配をやはりもっと考えてほしいと思うのですよ。  しかも仙台管区の場合は、松本台長さんが昭和十六年ごろいらっしゃって津波の予測を先駆けてやった歴史がある場所なんですよ。しかもリアス式の三陸沿岸を抱えている気象台として一名減らすというのはけしからぬ話だと私は思うのです。  そういう点で私は、長官と大臣からそれぞれ、この点で減らさないという勇断を示していただきたいと思うのです。
  312. 窪田正八

    ○窪田政府委員 観測課から一名の削減というのは地震の常時監視あるいはそのほかの常時監視の部分の削減にはなっておりません。一般業務、先ほど先生が少し触れられたような一般的な仕事の中の再配置といったような形で一名の減を考えております。
  313. 庄司幸助

    ○庄司委員 大臣、こういう逆行的なことをやるわけですよ。私は、これは一遍大臣と長官、協議していただいて五十五年度の定員問題についてもう一遍再検討していただきたいと思うのですが、その点ひとつ大臣から御答弁をお願いしたいと思うのです。
  314. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 気象庁の業務は長官を中心にして運営を任せておるものでございますから、気象庁の考え方を支持してまいりたいと思いますが、一応よく意見を聞いてみたいと思います。
  315. 庄司幸助

    ○庄司委員 時間がありませんので、次に進まざるを得ないので、私は、これは地震、津波だけじゃなくて、あとは地上観測の問題からレーダーから火山の問題もありますから、これはいつかまた機会を見て、ひとつ徹底して分析してみたい、こう思っております。長官も大臣のせっかくの御答弁もありますから、その辺もう一遍大臣と御相談の上でひとつ練り直していただきたいと強く要望しておきます。  最後に、私は、国鉄線の問題で一つだけ簡単に伺います。  実は私の地元の問題で恐縮ですが、大臣の地元も大分赤字線があるようですが、私の地元で丸森線というのがあるのですよ。これは東北本線の槻木駅から福島までのバイパス的な観点で建設された路線です。これが北側の槻木駅から丸森駅までは営業運転開始しましたけれども、丸森駅から南の福島まで路盤はもうできてしまった、レールも敷かれた、若干立体交差の部分を残しているだけだ。これが中途半端な路線のために赤字路線にいまなっているようでありますけれども、全線開通をやれば状態が変わってくると思うのですよ。このため投入された国費もたしか百二十億ぐらいだと私は記憶していますが、もうちょっとというところで、いわゆる電化を除けば気動車を走らせるなら開通するというところまで来ているわけですよ。これを放置しておいてさっぱり通らない。これはまさに国費のむだ遣いだと思うのですよ。気になさっている密度の問題にしても、いまのような中途半端だから密度が上がらない問題があるのですよ。これを通してみる、そうすれば密度も上がってくるはずだ。しかも国鉄当局の考え方は、第二次計画で、東北本線が勾配が急だ、形が悪いというのでやった仕事なんですよ。だから、その考え方からいけば、当然私は、全線開通をまずやってその上でひとつ判断してみたらどうだ。しかも地元に対する協力要請も大分行っていまして、地元でも期成同盟会をつくったり市町村長会をつくったりして大分御協力申し上げてきたのですよ。その点で、路盤もレールも敷かれて丸森線の全通はもうちょっとです。矢ノ目の立体交差を除くだけなんです。これをひとつやっていただきたい、こう思うのですが、この点だけ御答弁願って、私の質問を終わりたいと思います。
  316. 山地進

    ○山地政府委員 丸森線については、いま御指摘になったとおり、ほとんど路盤も完成して、矢ノ目立体交差のところができていないというのが現状でございます。ところで、現在私どもの方でいろいろ考えております地方交通線対策、これは現在すでに長い歴史を持っている在来線のローカル線でございますが、そういったものが国鉄の再建上非常に問題があるということで、その線について地元の方の御理解を得てこれをバスに転換するなり、あるいは第三セクターで運用するなら、それは鉄道として残すというような方策をいま考えているわけでございますが、同じような考え方は、やはり新しくつくりつつある路線についても適用するというのがいいのではないだろうかということで、いまおっしゃったような、すでに建設資金を投入しており、しかもできかかっておる、相当できているという点について、AB線なりCD線なりについて、これは地元が鉄道として残すという場合であれば、これは第三セクターという形で残して、さらに建設を進めて、その線を有効に運営をするということが一つの考え方ではないだろうかということで、現在各地のAB線なりCD線なりについて地元の方々の御意見も十分拝聴して、どういった形でこれを考えていくかということを御相談している段階でございます。したがいまして、この丸森線の路盤が非常に完成度が高いという事実と、これをどういうふうに使っていくかということにつきましては、今後の御相談でやっていかざるを得ないというのが現状でございます。
  317. 庄司幸助

    ○庄司委員 一問だけ、済みませんが。問題は、私聞いたのは、全部開通させなさいと言っているのです。後の相談は私は知りませんよ。しかも、まだ法律も通っているわけじゃないし、あの法律だって通るかどうかわかりませんよ。自民党さんの中だって、総論賛成で各論反対という声もありますから。だから、まずあれだけつくって、ちょっとのところをまだ通さない。もうちょっと投入すれば開通できるのですよ。まず開通させなさい、私はこう言っているのです。それはどうですか。
  318. 山地進

    ○山地政府委員 おっしゃるように全通したらどういうふうになるかということも見込みの問題だと思います。丸森線については、一部営業しているから、よけい、完通した場合にはどうだろうかという将来の見込みについて御関心が高くなるのは当然だと思うのでございますが、新しくつくりつつあるAB線すべてについて、利用状況の今後の推定旅客はどのくらいだろうかというのは、全部のところにあるわけでございます。そうすると、利用状況というのは、おれのところはこうだというような地元の見込み数字と、われわれの方でいろいろ考える見込みということとの間に食い違いが起こってくるし、また、実際にやってみたら違うような数字になるということも起こり得ると思うのでございますが、いずれにいたしましても、見込みがどれくらいになるかということについては、一つの判断を考えなければいけないので、これをつくってしまってからこの線をどうするかというふうなことにはなかなかいかないのではないだろうか。丸森線だけでございませんで、全国の路線についてやはり判断を下さざるを得ないのじゃないだろうか、かように考えております。
  319. 庄司幸助

    ○庄司委員 後でまたやることにして、終わります。
  320. 井上一成

    ○井上(一)委員長代理 中野寛成君。
  321. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 私は、五十二年度決算を審議するに当たりまして、最近といいますよりも今日国家財政の大きな問題点の一つとして、全国民の関心の的であります国鉄の再建、この問題に絡めながら幾つかの問題点についてお尋ねをしたいと思います。  今年度いわゆる五十四年度予算を見ましても、なお政府助成金六千百八十一億円、これを加えまして、純損失八千九百九十八億円を計上するという事態であります。五十二年度どころか五十三年度、五十四年度、年度を経るにつけても、決して好転をしているとは見られないわけであります。このような事情を踏まえて、国鉄は昨年七月に、国鉄再建に関する基本構想案というものを策定をされました。そしてこの国会では、先ほど来話題に出ておりますが、国鉄経営再建促進特別措置法案を提出をされているわけであります。国鉄の赤字、こう簡単に言ってしまうと、一兆五千百七十九億円、こういうことでありますが、これは大変な問題であります。  そこで、何をしなければならぬか。そのときに、やはり私どもが考えることは、当事者である国鉄の労使がどのような姿勢で再建に当たるかということがきわめて重大だ。当事者能力を敢然として発揮して、そしてこれに対応していく、そういう決意を強く持ってほしい、これが私どもの今日までの強い要望でもございました。国鉄総裁も昨年の七月四日に、「国鉄が明日に向かって生きていくためには、職員諸君の旺盛な士気が何よりも大切であります」と述べておられるわけであります。これは、決して違法ストをやるための職員の士気ではないはずであります。むしろ、いかに再建に当たって正しい職員の士気が高揚されるか、そのことがきわめて重要であると思います。そういう意味で、この際、職員の協力を求め、士気を高めていく、そのことのために総裁はどのようなことを行っておられますか、まずお聞きをしたいと思います。
  322. 高木文雄

    ○高木説明員 国鉄は、公社になりましてからいろいろな経緯がございまして、全体として職場の中の雰囲気というものが、私の見るところ、必ずしも十分うまくいっているというふうには思えないわけでございます。そうなりましたにつきましては、いろいろな経過があったわけでございますけれども、ここまでの経営状態になってまいりますと、いわば最後の立て直りの機会ではないかと思うわけでございまして、そのためには、四十万人を超える大ぜいの職員諸君が、現状をよく認識した上で、心からこの問題に取り組むという気持ちを持つことが重要であろうと思います。そのためには、何よりもわれわれの現在置かれている立場を、運転士さんの場合でも車掌さんの場合でも、あるいは保線の人の場合でも、それぞれの職場職場のことにまず専念しなければならないのは当然でございますけれども、同時に、いま国鉄の置かれている現状というものを、企業としての国鉄がどういうことになっているかということについて、一人一人よく認識するということが大事だろうと思っております。そのことについて、しかし残念ながら今日まで、経営者側といいますか、私どもがそういう行き届いた教育といいますか、そういうことをしてきたかと言えば、決して十分でないわけでございまして、まず私どもがその点についての認識を十分腹に持ちまして、そして職員の一人一人に呼びかけていくということではないかというふうに思っております。いまお示しのありました案を立てましてまだ半年余りでございますが、そうしてその間、いろいろ多少とも努力はいたしておりますが、まだ十分な結果をもたらすに至っておりません。御存じのように、いまもって主要組合は、この再建について現段階では反対という立場をとっておるわけでございまして、そういうことではなかなかうまくいかないわけでございますが、しばらく時間をおかりしまして、上からも下からもそういう空気が盛り上がってくるように誘導してまいるのが私の仕事だというふうに考えております。
  323. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 いま総裁御自身がお認めになりましたように、国鉄の労使関係が必ずしも改善されているとは思えないわけであります。特に私どもが見る限り、職場規律の乱れというものは、ひとしく国民の目から見ても一向に改まっているようには見えない、これが指摘されていると思います。  そこで、幾つかのことをお聞きしたいと思います。  きょうも、会津若松で駅を中心にしてストライキが行われたようですけれども、そのことに具体的に触れようとは思いませんが、昨年六月一日に国鉄当局は、運輸大臣の助言を受けて国労、動労の違法ストライキに対する行政処分を凍結をしたわけであります。あくまでも凍結ということであります。果たして、その凍結した処分の内容は、はっきりと把握をした上ので凍結であるのかどうか。もしその凍結を解除するという事態が生じた場合には、即座に処分が実行できる状態の把握というものはきちんとできているのかどうか、その内容を含めてまずお聞きしたいと思います。
  324. 吉井浩

    ○吉井説明員 お答えいたします。  昨年の六月一日、運輸大臣の助言を受けて処分の凍結を行ったわけでございますが、その凍結の対象となりました事案と申しますか、これにつきましては、主たるものは四月二十五日、賃金紛争に絡みまして行われました約半日のストライキでございました。ただ、それに先立ちまして、三月六日に地方交通政策要求あるいは地交線廃止反対ということを旗印に掲げまして、一部ローカル線で二時間ないし四時間のストライキを行っております。また、三月から四月にわたりましてそれぞれの地区で、短時間ではございましたが、勤務時間に食い込む職場集会というふうなことを行っておりまして、これらに参加いたしました人員、個別の、期日別、闘争別もございますが、総体といたしまして、約一万七千五百の者は参加をいたしておるという事態は掌握をいたしておりまして、その段階で処分の凍結を行ったということでございます。
  325. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 そういたしますと、処分を凍結するからといって、その違法行為の内容等についての調査、または処分がもしなされるとすればこういう処分に該当するというふうなことについての最終の詰め、こういうものをおろそかにはしていないということですか。それはきちんと確定をしておいて、ただ処分の執行のみを凍結している、こう判断してよろしいか。
  326. 吉井浩

    ○吉井説明員 ただいま申し上げましたように、事態の認識はございました。また、これに対する、たとえば組織責任というふうなものがどういう系統に流れるということは把握をいたしております。ただ、最終的な量刑の問題は最終的な詰めでございまして、その段階において凍結ということになりましたので、まあ基礎資料は十分に持ち合わせておりますけれども、先生お尋ねの、たとえば解除すれば、あすにでも発令できるかという段階にまでは立ち至っておりませんというのが実情でございます。
  327. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 それではお聞きしますが、処分凍結を発表いたしましたときに、当時の森山運輸大臣は記者会見で、処分を凍結するとはどういう意味かと聞かれたことに対して、今後このような違法ストをやれば処分する、そういう趣旨だ、こう答えているわけであります。それは、前回の凍結しているものも含めてのことであろうと思いますが、いまもその考え方に新しい大臣は変化はないか、確認をしておきたいと思います。
  328. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 前大臣が処分凍結をいたしました趣旨を踏まえて実行したいと考えております。
  329. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 あわせて、国鉄当局は吉井常務理事が記者会見で、凍結するというのはたな上げという意味じゃない、今度ストがあれば凍結は解除することになろうと述べておられるわけでありますが、これも変わりはございませんか。
  330. 吉井浩

    ○吉井説明員 その考えに変わりはございません。
  331. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 それでは続いて聞きますが、昨年処分凍結以降、違法なストライキは行われていませんか。
  332. 吉井浩

    ○吉井説明員 昨年六月以降でございますが、地域的に小規模な紛争は行われております。全国的な大規模な違法ストというものは行われておりません。ただ、それぞれの合理化事案等々をめぐりまして紛争が生じておることは事実でございます。
  333. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 処分の凍結の問題と地域的にそういう事案が起こっていることとの関連はいかがですか。
  334. 吉井浩

    ○吉井説明員 昨年処分凍結の際の運輸大臣の御発言並びにこれを受けまして総裁の発言の趣旨といたしましては、やはり再建に向かって組合の協力を求めるということに力点が置かれたわけでございます。ただ、再建を進める過程におきまして、もちろん何ら紛争なしにまいることはわれわれの理想でございますが、やはり若干のあつれきは避けることはできないであろう。そのあつれきの一つ一つによりましてこれが処分凍結の事由に該当するかどうかということは、私ども十分に慎重に検討いたしたいというふうに存じたわけでございまして、昨年来の闘争のあるものにつきましては、すでにその闘争に対しては処分を発令いたしておりますが、冒頭申し上げました処分凍結後これを解除することあるべしという条件にこれが該当するかどうかということについては、なお個々の事案について慎重な検討を要する、このような考え方でございます。
  335. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 たとえば、地域的に一見単発的に見れるような闘争行為というものが、それぞれ地域的に行われていく。しかし、それが総括されれば大変大きな争議行為であるということはあり得るわけであります。そしてまた、そのようなやり方であれば中央からの指令なり命令によって行われていったのではない、または統一的に行われたのではないという解釈であの処分凍結の問題と切り離して考えられるとするならば、今度は新しい戦術を生み出すきっかけになるだろうと私どもは思います。このようなことに十二分に配慮をして毅然たる態度をもって当局が臨まなければ、新しい抜け道を講じた戦術によって国民が大きな迷惑を受ける闘争行為というものがこれから頻発をするということは十分に考えられることであります。このような考え方に対していかがお考えでしょうか。
  336. 吉井浩

    ○吉井説明員 確かに先生御指摘のような問題は発生するおそれなしとしないのであります。したがいまして、私ども、先生がおっしゃいますことに対して毅然たる態度を貫くということが大原則でございまして、そういう立場に立った上で個々の内容を具体的に検討いたしまして、果たしてこれが再建に対する協力に対する完全な違反であるかどうかということを検討したいと申し上げておるわけでございまして、決してこれが、地域散発的なものを戦術として採用するならば、それによってわれわれの考え方を緩めるというふうなことではございませんので、その点は十分に自戒してまいりたい。先生の御指摘、十分に自戒してまいりたいというふうに考えております。
  337. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 われわれが心配しているのは、結局統一行動でなければ、いわゆる地方での闘争はどれだけやってもいいんだという解釈が成り立ったり、またそういうことが行われたりということがあってはならぬということを心配をしているわけであります。たとえば、国労の場合に、三月の下旬に十二の地方本部で地方闘争と称する違法闘争を行っていると指摘する向きもあるわけであります。果たしてこういうものが地方闘争と言って片づらけれるのかどうか、これはきわめて重大な問題だと思います。  あわせまして、ある現場で集団交渉が行われている。これは恐らく全国的な一つの戦術にのっとって地域で行われたことであろうと思うわけでありますが、たとえば現場長との集団交渉の資料がここにありますけれども、あえてどことは申し上げません。ただ、あのスト権スト賠償の訴訟の問題につきましても、訴訟を取り下げるべきだ、こういう主張を行い、これに対して現場長は、現場長として解決できる問題ではないが、皆さんの気持ちはよく理解するので、賠償請求を取り下げるよう上申すると答えてみたり、公労法は時代にそぐわないと考えるので春闘等国労の行動について理解すると答えてみたり、このようなことが管理者の口から出ている、果たしてこれで職場の規律は守れるのか。先般の参議院の予算委員会で、わが党の井上議員に総裁がお答えした際に、この訴訟について国鉄当局はこれを、訴訟を取り下げるというふうなことは私どもは考えておりませんと明言をされておられますけれども、とするならば、総裁のお答えと国鉄当局の中における意思の一致というものが、その中には幾らかのそごがあるのではないか。行き届いていないのではないか。そのことを強く心配します。これは一現場だけの問題ではない。国鉄として毅然たる態度をとり、基本方針をきちんと固めて、そして対応していくところにこそ国民の信頼がかち取られる。たとえアリがつくった小さな穴のようなものでも堤防が壊れるがことく、私は一つ一つの事案を、決して取り越し苦労ではなしに心配をするわけであります。総裁いかがお考えですか。
  338. 吉井浩

    ○吉井説明員 総裁お答えの前に、私ども事実について調べました結果の御報告をさせていただきたいと存じます。  現場長に対する集団交渉といいますか、いわゆる現場協議でございますが、その席上におきまして、一部地域損害賠償につきまして組合がしきりに現場長に迫ったということは事実でございました。ただ、その国労側の組合の文書に書いてありますような答えは、私どもの調べました限りでは現場長はいたしておらない。つまり詳細に申し上げますと、組合が損害賠償を取り下げろ、こういうことを執拗に申しました。現場長は最終的には、皆さんがそういう話をしてきたそういう事実については上局に伝えようということでありまして、現場長自身の意思として損害賠償を取り下げるべきであるというふうなことを上局に伝えるという約束は全くいたしておらない。その組合の文書に対しましては、当該現場長は直ちに抗議を申し入れたということを申しておるわけでございます。ただ、私ども数ある現場でございますので、現場管理者の中にもしも総裁と異なる考え方というものが多少でもございますれば、先生ただいまおっしゃいましたように、確かにアリの一穴から大きな堤も壊れるというおそれがございますので、現場管理者はまず末端の一人一人に至るまで心を一にすることが肝要であろう、こういう教育並びに趣旨の徹底にはさらに全力を挙げてまいりたいというふうに存ずるわけでございますが、事実についてはただいまのようなことでございますので、一言お答えをさせていただきます。
  339. 高木文雄

    ○高木説明員 私が別の委員会で井上先生にお答えしたのはそのとおりでございまして、一向に変わっておりません。  それから、各現場の状況でございますけれども、これは物すごい数の場所があるわけでございまして、またいろいろな形での話し合いといいますか交渉といいますか、そういうものはきわめて頻繁に行われておりますから、どこでどういうことがあったかということは、残念ながら私一々承知はいたしておりません。しかし、その全体の空気が少しずつ締まってくるということが大事なことでございまして、そういう私どもの持っております気持ちが次第次第に末端に徹底してまいりますことを私は強く希望し、期待をいたしておるわけでございまして、確かにおっしゃるような心配がありますので、私も十分気をつけてまいりたいと思っております。
  340. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 現場長がその内容についてははっきりと虚偽であるということを認識して抗議をされたということを確認されておられる、そういうことでございますから、あえてこれ以上申し上げませんが、少なくともそういう誤解を招くようなこと、または相手にそういう言質を与えたように思わせるあいまいな言動というものは避けなければなりません。やはりそこに明確な表現における拒否というものがなかったがゆえに、そういうつけ入るすきをもし与えたとすれば、これはよほど注意しなければならないことだと思います。  次に移ります。昨年十二月一日から二十二日にかけまして、静岡鉄道管理局管内の富士駅においてサボタージュが行われ、延べ百二十三本の列車、電車が遅延し、この期間、富士駅の建物などに六百六十枚のビラが張られていた事実、そのことについて知っておられますか。知っておられるならば、簡単に事実関係をお聞かせをいただきたいと思います。
  341. 吉井浩

    ○吉井説明員 昨年十二月一日から二十一日まで、実は富士駅におきまして、これは他の駅でも進めておりますが、手小荷物の業務をいわゆる三十五万体制の遂行ということで要員合理化のために請負にする、こういう交渉を、これは全国的に行っておりますが、その時点で静岡の管理局は組合を相手に行っておりました。それに対しまして、関係の富士駅がこの業託に反対をいたしまして、年末の荷物輸送の時期にちょうど差しかかりましたが、これに対して臨時の作業を行わない、あるいは荷扱いの列車に対しましてきわめて短時間の積み込み、積みおろしを要するわけでありますが、それについて敏速な作業を行わない、こういったことがございまして、そのために御指摘のような列車の遅延があったという報告を受けております。また、この時点できわめて多くの横断幕等々が掲出をされた。これに対しまして駅長は、対応いたします富士駅の分会長あるいは支部役員等々に再三その行動の中止方を警告いたしておりました。ただ残念ながら、結論的には、二十一日までそのような事態が続いたということでございます。
  342. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 報告をお聞きになっているということですからお聞きいたしますが、これに対する処分はいかが相なりましたか。
  343. 吉井浩

    ○吉井説明員 その後におきまして、この事実関係の調査等々、静岡の局に指示をいたしておりますが、率直に申し上げまして、静岡局は、二十一日までの闘争を経まして、荷扱い作業の外注化その他合理化案件につきまして目下組合と取り組んで、連日その方の交渉を鋭意進めておるという状況でございます。もちろんこの事態を私ども看過する意思は毛頭ございませんし、静岡局もそのような意思は持っておりませんけれども、処分の時期等々につきましては、やはり合理化ということをまず済ませて、しかる後にいたしたいということで、現在調査、準備の段階、そのように報告を受けております。
  344. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 昨年の十二月一日から二十二日にかけて起こった事案であります。目下調査中ということですが、こういう内容のものの調査というのはそんなにかかるものですか。
  345. 吉井浩

    ○吉井説明員 調査と申し上げますのは、必ずしも事実の調査のみではございません。具体的な処分をいかにすべきか、このような判断を含めて現在やっておる。それと、先ほども申しましたように、ともかく現在非常に合理化を進めておるさなかであるという事情があるわけでございまして、これは決して合理化をするために違法な行為に対してあいまいな態度をとるということでは決してございませんけれども、ただ時系列に申しますと、目下静岡としては合理化のための交渉に忙殺されておる、このような事態でございます。
  346. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 質問を次に移しますが、ただいまの問題も、最初からお聞きしている一つ一つの事案に対して、当局が国鉄の規律のあり方について毅然たる態度を持つということが基本でありますから、その立場を決してあいまいにすることなく、明確な態度をおとりいただきたいし、そしてそのことを私どももあえて国民とともに注目をしておきたいと思います。  次に、最近国鉄の建物及び敷地内に、国労、動労によるビラ張り、落書き、横断幕、立て看板、中には近く行われる参議院選挙対策の目的を持ったものと明らかに思われるもの、そのようなものも含めて、このようなものが汚らしく張り出されております。国民の目に何と映るか申し上げるまでもないと思います。私は、こういうものに対して国鉄当局はどのような確認をしているのかをお聞きをしたいと思います、が、お尋ねをするに当たって、どういうものがあるのか、少々現場を見て写真をとってまいりました。恐らく御存じではあろうと思いますけれども、大臣並びに総裁にもこの際ごらんをいただいておきたいと思います。  それは一部分ですけれども、それは決して一つや二つの駅だけに限ったことではありません。全国各地の多くの駅でそのような姿が見られるわけであります。国鉄当局が現在確認している個所、数、このようなものを明らかにしていただきたいと思います。
  347. 吉井浩

    ○吉井説明員 本来、駅舎その他、国鉄の用地内におけるこのような許可を得ない横断幕あるいは立て看板等々は、施設管理規程等々によりまして禁止しておるところでございまして、にもかかわらず先生御指摘のように昨今特にこのものの数はふえておるということは、まことに私ども汗顔の至りに存じておるわけでございます。特に最高裁の判決によりまして、職員の服装あるいはこのような一つの管理権というものにつきましての判例も確立いたしたということで、私どもとしては参加に対しまして、このような事態を放置することのないように、そしてまたこのような事態が発生した場合には、対応の組合員にも厳に警告をして措置をとるようにということを指導をいたしておるのでありますが、残念ながら大変にお見苦しい状態をいまだ展開をいたしておりまして、この点につきましてはまことに申しわけないと存じておるわけであります。  ただ、もちろん言いわけではございませんけれども、重点的にはまず車両に対しては絶対にこのような落書き等々をするな、これは事前におそれある場合には十分に警戒をいたしまして、そのような事態を未然に防ぐようにということを特に重点的に指導いたしております。と申しましても、もちろん駅舎等々は手抜かりをしてもよろしいということでは決してございませんけれども、重点をまずそちらに置いてやってまいったわけでございます。ただ、これも率直に申しまして散発的に車両の落書きも起こるということでございまして、なかなか効を見ないわけでございますが、私ども特に今後とも現場に対して強くこの点を指導してまいりたいというふうに考えております。ただいま一体全国何カ所でやっておるかということでございますが、率直に申しまして本社で全体の個所数は把握いたしておりませんので、申しわけございませんが、お答えはいたしかねます。
  348. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 その実態の十分な確認も行われていない、把握していない、私はそのことがこれらの問題に対する当局の認識をあらわしているように思えてなりません。せっかく昨年十月三十日に最高裁で判決が出ました。判決が出ても、それを執行しようとする、またその判決の趣旨をその後あらゆる場において実行していこうとする当局の姿勢がなければ、判決はなかったものと同じです。何のために裁判を行ったかわかりません。あの裁判自体が、その一つの事案だけを解決するための裁判であったはずはありません。むしろそのような事例を今後再び起こさないようにという目的意識も、あわせて持っておられたはずです。いまお答えのような姿勢で、また今日までのような対応で臨まれるとするならば、そのような一つ一つ積み上げてきた実績や、またこの場合は判決一つにしても、何の意味を果たすのか問われてしまうことになると思います。私は、そのビラ張り等に対する実行行為者に対する現認、そしてその行為者に対するきっぱりとした処分、張られたポスター、ビラ、その他汚らしい数々の立て看板等々、このようなものについてはっきりとこれを排除させる。実行行為者が排除しなければ、それを国鉄の責任において、当局の責任において排除する。それにかかった費用はきちっと請求をする。やるべきことをきちんとやることによってその判決の趣旨もこれから実効が上がってくるのではないでしょうか。私は、このような一つ一つの内容について明確に、毅然たる態度をとって臨まれるかどうか、総裁にお聞きいたします。
  349. 高木文雄

    ○高木説明員 こうした問題は、本来あるべきものと、それからそれに対してどうやって全体を誘導していくかということ、非常にデリケートだと思います。それで、五年前どういう状態だったか、三年前どういう状態だったか、今日どういう状態であるか、全部きれいになったというところまでいってないのは残念でございますけれども、私は大きな流れを見ながらしかるべく対処をしていきたい。今日ただいま全国に一カ所もそういうことがないという状態をつくれと言われましても、なかなか現実にそれができないのでございます。大きな流れとして見ていただいて、そして私も、一つ一つの問題としてでなしに、全体の流れとして誘導してまいりたいということでございます。  なお、判決につきましては非常に長い経過がございまして、大変りっぱな判決をいただいて喜んでおるわけでございますが、そのことはやはりそのこととしてすでにそれなりの大きなメリットがあったというふうに考えております。また、この判決の趣旨を十分のみ込んでわれわれの具体的な施策に反映していかなければならぬと思いますが、いまおっしゃいますように、いまどこにどういう看板があったではないかということについては、もう少し長い目で見ていただきたいと思います。
  350. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 その総裁の御答弁の趣旨そのものが、あの処分の凍結にもつながった同じ趣旨でしょう。精神だと思います。しかし、そのことが戦術を変えて、現実に今日もいろいろな闘争行為が行われている。それによって国民の足が奪われている。そして国鉄に対する信頼が失われている。そして実害がないと先般新聞におっしゃられたように書いておられたけれども、実害が現実には起こっている。人がけがするところまでいっている。金銭に換算をする経済的な損失を含めれば、国鉄当局の損失ではありませんよ。それは言わずもがなです。むしろ経済活動を行う国民のその一つ一つの行動の中でどれだけのロスが生じているか、多くのことを考えるときに、公共機関としての国鉄の姿勢というものは決しておろそかになされておっていいはずがありません。私は先ほど来、あの処分の凍結以後に起こった争議行為はありませんかとお尋ねしたとき、本当は私は、現在私自身が調査してつかんでいる一つの事例についてすべて申し上げたかった。時間もありませんからあえてそのことは触れませんでしたけれども、しかし本当はそのすべてを申し上げて一連の流れを分析をすれば、それは明らかに統一的な意思のもとに行われたことがはっきりしたでありましょう。そういうものに対する国鉄当局の毅然たる姿勢がなければ、かえってつけ込まれるだけです。国民の信頼を失うだけです。私は、いまの総裁の大きな流れを見てくれとおっしゃられた、そのお気持ちわからないでもありませんけれども、しかしそんな悠長なことを言っている事態ではないはずです。国民の気持ちは、明らかにその総裁のおっしゃったことと反している、遊離している、私はそう申し上げないわけにはまいりません。総裁の現状認識そして現在起こっているいろいろな事案に対して、私どもはより一層監視の目を強くしていきたいと思いますが、いまのような総裁のお言葉では、私ども納得できません。改めて大臣及び総裁の御見解をお聞きしたいと思います。
  351. 高木文雄

    ○高木説明員 おっしゃるとおり、まことに遺憾な事態が続いております。しかし、それをどうやって解決していくかというところに目的があると考えております。いまお示しのありましたような御意見はずいぶん多くの方々から寄せられておるわけでございまして、私も日夜どういうふうにしてそれに対処していくかということは、漫然といたしておるわけではないのでございまして、どうかひとつ長い目で見ていただきたいというのは、そういう意味でございます。御意見は貴重な御意見として拝聴をいたします。
  352. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 大臣にお答えいただく前にもう一回申し上げたいと思います。  国民はもう待てません。むしろ待ち過ぎるぐらい待ったと申し上げたい。いろいろな事案の起こるたびに国民は大きな迷惑を受けています。最近の国民の声を聞けばあきれ果ててむしろあきらめかかっている。しかしそれは、あきらめたから、批判の声が小さくなったからそれでよしとしておったのでは大変です。それが実は国鉄離れにつながり、政治不振につながり、そしてより一層大きな混乱を招くことにつながっていくのではないかと、私どもはきわめて重大な政治問題として関心を持っているわけであります。大臣、いかがですか。
  353. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 国鉄一家という言葉をよく聞くわけでありますが、現在の国鉄の内容は全く自分の職場に対する愛情がないのではないだろうかというような感じさえしておるわけでございます。いまや国鉄は危機的な状態で、もうこれ以上後に引けないという状態でございますので、国鉄総裁以下責任者の一層の努力を望んで、そして何としても労使の理解を求めながらこの危機状態を解決していくように期待をしておるわけでございます。
  354. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 国鉄当局の努力とそして運輸省のより一層厳格な指導を期待をしておきたいと思います。  時間の都合で次に進みます。  次に二つほど、すでに会計検査院から指摘をされたこともある部分もございますけれども、お聞きをしたいと思います。  国鉄当局はいろいろな機材を購入しておられます。それが正しく活用されているかどうか、その用途の目的を発揮しているかどうかは、せっかくの国民の税金やそして運賃を使う国鉄から言えば、また、現在財政再建を最もやかましく考えなければならない国鉄としては、最もシビアでなければならぬと思います。このことに関連してお聞きしますが、まず第一点は、いわゆるマルタイ、マルチプルタイタンパー、この導入に関連をいたしましてまとめてお聞きします。現在何台保有をしておられて、そしてどれだけ稼働しておられますか、お聞きいたします。
  355. 半谷哲夫

    ○半谷説明員 お答え申し上げます。  現在マルタイの保有台数、全国で四百六十二台ございます。このマルタイの稼働の実績が非常に低いためにいままでいろいろ御指摘を受けた点もあったわけでございますが、今日、ただいま現在で稼働状態に入っている、実際稼働しているというのはこの全数でございます。四百六十二台が現在稼働している状況にございます。
  356. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 それはいつから全数稼働し始めたんですか。経緯を簡単に説明してください。
  357. 半谷哲夫

    ○半谷説明員 大変遅くなりましたのですが、本年度に入りましてから全数が稼働するようになったわけでございます。
  358. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 おくれた理由は何ですか。
  359. 半谷哲夫

    ○半谷説明員 マルタイ導入に当たりまして一番大事なのは、やはりこの機械に習熟させるということでございまして、それにずいぶん努力してきたわけでございますけれども、この機械になれるのに時間がかかったという点が一点でございます。それからもう一つ、この機械化作業に変えていきますために、それに合った組織体制に変えていかなければいけないということがあるわけでございますが、それらにつきまして組合側といろいろ協議を重ねましてこの導入についての調整を図ったわけでございますが、それに多少時間がかかったという点もございます。それからもう一つ、マルタイは相当大がかりな機械で、これを入れて保守をするということは非常にでき上がりがいいわけでございますが、そのためには列車と列車の間合いが相当必要でございます。その間合いを十分に設定できる区間と設定できない区間とございまして、その設定のむずかしい区間につきまして保守間合いを確保する、これをダイヤ改正の都度図ってまいりまして、その結果今日全部動き出したということでございます。
  360. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 同じような目的を持っている機械に操重車ソ六〇型というのがあります。これを操縦する、また使うためには、いま御答弁がありましたけれども、事前に幾つかの前提条件の作業をしなければなりません。そのために労働組合との労働協約、そういうものも昭和四十七年に締結をされておられます。このようにして入れた機械が七台、こう聞いております。これはどこに配置され、どのような稼働状況ですか。
  361. 半谷哲夫

    ○半谷説明員 ソ六〇というのはレール等の取りおろしのためのクレーンを備えつけた自走できる車でございまして、これが現在七編成ございまして、入っておりますのは、仙台の管理局、高崎の管理局、東京南管理局、東京北管理局それから名古屋管理局、大阪管理局、岡山管理局、以上の七管理局でございます。それで、現在この七管理局にそれぞれ一編成配置してあるわけでございますが、現在のところ稼働しておりますのは仙台の管理局のものと高崎の管理局のもの、この二編成でございまして、あとの五編成につきましてはまだ稼働するまでに至ってないという状況でございます。  これにつきましてはいろいろ問題があるわけでございますが、その問題を解決してレール取りおろしの機械を使って効率的な作業ができるようにということで、その問題を一つ一つつぶしまして実施に移るようにということで検討しているわけであります。また、これらの機械につきましては、一局で一編成で運用いたしますので、広範囲な運用ということになりますと、現在営業用の列車、電車を走らせている中で動かすものですから、それらにつきましてなかなかむずかしい点もありますので、使える場所それから使う作業につきましても検討いたしまして、これらの機械が十分生かされて使うようにということを検討している段階でございます。
  362. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 現在七編成のうち二編成のみがやっと稼働し始めた。膨大な金を使ってこれを購入して、そして先ほど申し上げたように労働協約は昭和四十七年に締結をして、それでいま昭和五十五年、今日そのような状態であるということは何を意味するのか。使われていないことにいろいろ問題がある、それをつぶしているとおっしゃるけれども、その問題は国鉄当局のその購入段階、導入段階における対処の仕方、見通し、そのようなものが甘かったのではないか、むしろそれだけではない、今日もそれを使おうとする熱意とそれを使うための対応の能力の問題が問われているのではないか、決して小さな金額ではありません。  もう時間がありませんからはっきり申し上げますけれども、七編成で約三億六千四百万、私の調査ではかかっているということになっている。先ほどのマルタイにいたしましてもそうです。決してこれだって安くありません。国産にしたって七千万円、四百六十二台やっと今年度に入って稼働し始めた。私の調査では、実質上はまだ三分の一は実際の稼働はしていない、こういう数字も出ています。これらの問題の中にやはり労使関係というものが絡んでいることもそれなりに私たちなりに承知をいたしております。冒頭に、なぜ私は職員諸君の士気が何よりも大切だという総裁のお言葉を引用したか、労使関係がいかに大事か、職場規律の乱れがどんなに問題であるのかを申し上げたのは、これらのこと一つ一つに及ぶまで影響があるからであります。このことについてはっきりと、私は事務的な御答弁ではなくて総裁の確固たる認識と今後の決意を聞きたいと思います。
  363. 高木文雄

    ○高木説明員 国鉄ではかなり長いこと、どうやって省力化するか、機械化を進めていくかということに取り組んできた事跡がございます。その中では非常にスムーズにいったものもありますし、あっちこっち突っかかってうまくいかないものもあるわけでございますが、概してやはりもろもろの準備不足ということがあるようでございまして、少し機械化の導入について手順を急ぎ過ぎたということがどうも見受けられます。同時に、職員諸君にそういう機械の使い方といったような問題についてももう一段と理解をはっきりさせるということが必要でありまして、先ほどのマルタイなんかも本当に動き出すまで大変時間がかかった事実がございます。それに取り組んで、私が国鉄に関係いたしましてからちょうど四年目でございますが、四年前にはかなりマルタイの問題もむずかしい問題がございました。やっと最近に至って全部稼働するというところまで参ったわけでございます。それらにつきましては、冒頭申しましたように、大いに士気を高めるということも必要でございますし、同時に、大いにそういうことについてふだんから十分の意思疎通を図り、理解を求め教育をしていくことが必要ではないかということを具体的な事案を通じて痛感をいたしております。  今後はぜひともそういうことを起こしませんように心してまいりたいと思っております。
  364. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 時間が参りましたので締めくくりたいと思いますが、まず、このソ六〇及びマルタイについても現在はすべてが稼働しているという御答弁でありましたけれども、このことについても私どもの調査では必ずしも納得ができません。ソ六〇の問題についてはなおさらであります。会計検査院に要求をしたいと思いますが、改めてこれらの稼働の内容、そしてその購入のあり方等々問題がないのかどうか御調査をいただきたい、これについて要望をしたいと思いますが、お答えをいただきたいと思います。  また、もう一つ大臣にお尋ねいたしますが、大臣御自身が企業の経営者としての豊かな経験をお持ちであります。そしてその内容も建築、土木等に関連をするお仕事をされておられたことも、大変個人的なことで恐縮ですが承知をいたしておりますが、このような機械の導入等に当たって、現在のような国鉄のあり方というものが果たして民間で許されるものかどうか、大臣の今日までの御経験とともに御見解をお聞きしたいと思います。
  365. 小野光次郎

    ○小野会計検査院説明員 お答え申し上げます。  先ほど概況説明のときに施設設備等で千四百五十七億、それから機械設備で百二十四億、こういうものが非常に投資の効果が悪いということで、私ども昭和五十二年度決算検査報告に特記事項として掲記したわけでございます。その後、私どもはこれの是正状況につきまして年二回にわたってその処置の状況を確認している次第でございますが、大体においては事態は非常に好転していると思います。特に先生御指摘のございましたマルチプルタイタンパーについては、先ほどお話がございましたように、従来稼働してなかったものが稼働してきたことは事実でございます。ただ、おっしゃるように、それが当初の計画どおり有効に稼働しているかどうか、これについてはやはり問題がございます。これについては、私どもも今度はその稼働状況について十分確認してまいりたいと思います。  次に操重車のソ六〇でございますが、これは御指摘のとおり、全くまだ稼働してないようでございますので、十分その稼働の状況についてこれから見守ってまいりたいと思っております。
  366. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 民間企業で一番真剣に考えることは、近代化、機械化、省力化の問題でございます。しかし、その新しい機械設備あるいは新しい工場等の開発に対しては非常に慎重に対処をしていかざるを得ないわけであります。  国鉄も、組合がいささか前近代的な感じがするわけでございますから、なかなか省力化、近代化、機械化に対して受け入れ体制ができないので苦労していると思うわけでございますから、こういう省力化、機械化体制をとるときには十分慎重に計画を立て、組合とも話し合いを進めて実行してもらいたい、私はかように考える次第でございます。
  367. 中野寛成

    ○中野(寛)委員 終わります。
  368. 井上一成

    ○井上(一)委員長代理 次回は、来る四月一日火曜日午前十時理事会、午前十時十五分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時八分散会