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1980-05-14 第91回国会 衆議院 商工委員会 22号 公式Web版

  1. 昭和五十五年五月十四日(水曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委長長代理理事 渡部 恒三君    理事 中島源太郎君 理事 野田  毅君    理事 堀内 光雄君 理事 清水  勇君    理事 渡辺 三郎君 理事 近江巳記夫君    理事 神崎 敏雄君 理事 宮田 早苗君       浦野 烋興君    越智 通雄君       大塚 雄司君    粕谷  茂君       原田昇左右君    深谷 隆司君       水平 豊彦君    粟山  明君       後藤  茂君    上坂  昇君       渋沢 利久君    中村 重光君       松浦 利尚君    山本 幸一君       長田 武士君    木内 良明君       中川 嘉美君    森田 景一君       小林 政子君    安田 純治君       中井  洽君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     橋口  收君         公正取引委員会         事務局取引部長 劒持 浩裕君         公正取引委員会         事務局審査部長 妹尾  明君         文部省大学局長 佐野文一郎君         通商産業政務次         官       梶山 静六君         通商産業大臣官         房審議官    神谷 和男君         通商産業省通商         政策局長    藤原 一郎君         通商産業省基礎         産業局長    大永 勇作君         通商産業省機械         情報産業局長  栗原 昭平君         資源エネルギー         庁長官     森山 信吾君         資源エネルギー         庁長官官房審議         官       児玉 勝臣君         資源エネルギー         庁石油部長   志賀  学君         中小企業庁長官 左近友三郎君         中小企業庁小規         模企業部長   廣瀬 武夫君  委員外の出席者         文部省大学局大         学課長     瀧澤 博三君         厚生省環境衛生         局水道環境部環         境整備課長   杉戸 大作君         農林水産省畜産         局牛乳乳製品課         長       芝田  博君         通商産業省通商         政策局経済協力         部長      田口健次郎君         資源エネルギー         庁長官官房鉱業         課長      山梨 晃一君         自治大臣官房地         域政策課長   末吉 興一君         自治省財政局財         政課長     津田  正君         商工委員会調査         室長      中西 申一君     ――――――――――――― 委員の異動 五月九日  辞任         補欠選任   上坂  昇君     川崎 寛治君 同日  辞任         補欠選任   川崎 寛治君     上坂  昇君 同月十三日  辞任         補欠選任   横手 文雄君     岡田 正勝君 同日  辞任         補欠選任   岡田 正勝君     横手 文雄君     ――――――――――――― 五月十二日  下請代金支払遅延等防止法の一部を改正する法  律案(安武洋子君外四名提出、参法第一五号)  (予)  伝統的工芸品産業その他の中小企業性産業を保  護するための輸入制限等に関する特別措置法案  (渡辺武君外五名提出、参法第一六号)(予)  官公需についての中小企業者の受注の確保に関  する法律の一部を改正する法律案(市川正一君  外五名提出、参法第一七号)(予) 同月十三日  公益法人及び会員の経営する結婚式場写真部の  地元優先委託等に関する請願(松木忠助君紹  介)  (第五八四五号) 同月十四日  金の先物取引に対する法的規制措置に関する請  願(鈴木善幸君紹介)(第六〇九二号)  天然ゴムによる無公害包装資材の開発促進に関  する請願(松浦利尚君紹介)(第六一七七号)  絹織物、絹製品の輸入一元化立法等に関する請  願(谷垣專一君紹介)(第六一七八号)  ハイヤー、タクシー等の燃料価格安定等に関す  る請願(加藤万吉君紹介)(第六一七九号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  小委員会における参考人出頭要求に関する件  通商産業の基本施策に関する件  経済の計画及び総合調整に関する件  私的独占の禁止及び公正取引に関する件      ――――◇―――――
  2. 渡部恒三

    ○渡部(恒)委員長代理 これより会議を開きます。  委員長の指定により、私が委員長の職務を行います。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  明十五日の流通問題小委員会において、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいとの小委員長からの申し出がございます。  つきましては、小委員会に参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選等につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 渡部恒三

    ○渡部(恒)委員長代理 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  4. 渡部恒三

    ○渡部(恒)委員長代理 通商産業の基本施薬に関する件、経済の計画及び総合調整に関する件並びに私的独占の禁止及び公正取引に関する件について調査を進めます。  これより質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長田武士君。
  5. 長田武士

    ○長田委員 初めに、石油問題についてお尋ねをいたします。  イランの対日石油供給は、イラン石油公社が求めていました原油価格の値上げにつきまして、日本の業界が政府の行政指導もありまして値上げに応じられないと拒否をしたために、去る四月二十一日から供給がカットされておるわけであります。これに対しまして、政府は総合エネルギー対策推進閣僚会議で、この問題は日本とイランの二国間の経済問題であり、今後もイラン側に再考を求めながら粘り強く交渉する、このような基本方針のようでありますけれども、そのため、イランの対日原油は依然として停止されたままで、現在進展を見ていないというのが現状であります。  イランからの対日原油輸入量は五十三万バレル・パー・デー、わが国の総輸入量の約二%に当たるとも言われております。このままイラン原油の輸入停止が長期化してまいりますと、当然わが国の対応といたしましては各国からの輸入を増大するとか、さらには省エネルギーを推進するとか、いろいろやらなくてはならぬと思いますけれども、この点については通産省はどういう認識でしょうか。
  6. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 ただいま長田先生からお話のございましたように、イランの原油の問題につきまして価格面で折り合いがついておりませんので、現在船積みが停止された状態が続いているわけでございます。五十三万バレル・パー・デーということでございますから、このイランの原油が日本へ入ってこない状態が長く続きますと大変な事態になるという認識は私どもも持っておるわけでございまして、何とか一日も早く価格面での折り合いがつくように、粘り強く交渉を続けておるところでございます。  ところで、その間どういう対応をするかという御質問に対しましては、御承知のとおり、現在日本にございます石油の備蓄が、民間備蓄と国家備蓄を合わせまして九十五日分ございますので、これは相当な強みになっておると思います。それからもう一つは、このところ私どもがとっておりました政策は、できるだけメジャーの依存度を低めていきまして、そのかわりに直接、取引、いわゆるDDとかGGとか、そういったベースの取引を強化していこうという政策をとってまいったわけでございまして、イランの問題が起こったからあわててそういった方向に政策を切りかえたというのではなくて、従来ともそういう政策をとり続けておったということでございます。中にはこれまでの努力がようやく実を結びまして、DDなりGGなりが増量をされる可能性の出てきたところもございます。そういったことを考え合わせますと、イランの原油の船積み停止の状態がある程度続きましても、国民の皆様方に御迷惑をかけるようなことにはならないのではないか、こういうような心積もりで現在取り組んでおるところでございます。
  7. 長田武士

    ○長田委員 森山資源エネルギー庁長官、やはり認識がちょっと甘いように思うのです。     〔渡部(恒)委員長代理退席、中島(源)委員長代理着席〕 私は、いたずらに国民の不安を駆り立てるような言動は慎まなくてはならぬとは思います。思いますけれども、やはり供給カットが一一%に当たる五十三万バレル・パー・デーですよ。量としては非常に大きいわけですね。その点で、むしろ政府みずからがこの点については行政指導も強化しなくてはならないし、さらには他の国の輸入拡大ということに積極的に取り組む、それについての見通しというものを明らかにしませんと、いまのところは大丈夫だ、備蓄が九十五日分ある、民間備蓄が八十八日分、国家備蓄がタンカーで七日分あるのだ、こう言っても現、実としては勢いだんだん取り崩されていく、それは原理は変わりはないのですから。  では具体的に聞きますけれども、他の産油国との交渉、具体的にどういう国で、具体的にどういう話し合いが進められておるか、これを答えてください。
  8. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 具体的にどういう国とどういう商談が進んでおるかという御質問でございますが、この商売と申しますのはなかなか機密を要するところもございまして、いまこの席で、どういう国とどういう交渉をやっておるということの答弁は御勘弁をいただきたいと思っている次第でございます。  一つはっきり申し上げられますことは、メキシコとのDD交渉が妥結をいたしておりまして、昨年までは全然入ってなかったわけでございますけれども、ことしは年末までに十万バレルの供給を受けるということで、すでに調印をいたしておりますので、これは申し上げてもよろしいのではないかと思う次第でございます。現在二万五千バレルということで恐らく第一・四半期は推移するのではないかというふうに考えております。すでに第一船はメキシコを出発いたしまして、現在日本に向かって航海中であるということでございまして、この二万五千バレルが、第二・四半期には五万になり、第三・四半期には七万五千になり、第四・四半期には十万バレルになるという期待を私どもは持っているわけでございまして、多分そうなるだろうということでございます。これは昨年まではなかったわけでございますから、その分は明らかに増量として確保できるという見通しがついたわけでございます。  そのほかの国々につきましては、中近東方面もございますし、あるいは南方の国もございますけれども、冒頭に申し上げましたように、その実態を明らかにいたしますと取引そのものに影響を与えかねないという心配もございますので、こういう公の席でございますので、明確な答弁をいたしますことは差し控えさせていただきたいということでございます。何とぞ御了承を賜りたいと思う次第でございます。
  9. 長田武士

    ○長田委員 イランの石油が今日まで約二十日間とまっておるわけでありますが、非常に莫大な量なんです。備蓄はどれくらい取り崩したのですか。
  10. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 イランの油は四月一日に価格の値上げを通告してまいったわけでございまして、それを受け入れられないという価格交渉をしておりましたけれども、その間に一部のものが船積みをされておりまして、大体千四百万バレルくらいは四月中にイランの油が入ってきておると思います。そこで、四月の二十一日以降船積みがとまったわけでございますけれども、その分につきましては備蓄の取り崩しの程度まで影響を与えたということではございません。現在各企業ともいわゆる不需要期に向かっておりますので、備蓄を取り崩してまで対応する段階ではないということでございますから、四月二十一日以降現在までのところイランの船積み停止による備蓄の取り崩しは行われていないというのが現状でございます。
  11. 長田武士

    ○長田委員 私も昨年七月メキシコへ行ってまいりまして、石油問題でいろいろ要人と会ってまいりました。  いま、メキシコは日量どのくらい生産していますか。
  12. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 メキシコ政府といたしまして公式の発表はいたしておりませんので、なかなか的確に申し上げるのは困難かと思いますけれども、私どもが判断しておりますのは、日量二百五十万バレルというふうに判断いたしております。
  13. 長田武士

    ○長田委員 ちょっとそれは甘いようですね。私たちが行きましていろいろ話し合ったところでは、日量百三十から百五十、そして国内で使っておりますのが八十万バレルと言っておりました。したがって、私は四十から五十くらい輸出しておるなという感触を得ております、それから多少伸びておるということでございますけれども。そこで、今年末には十万バレル日本に輸出するという話がありました。最終的には三十万バレルという話があったのでありますけれども、これについては条件があるのですね。二百五十から三百くらいの日量になったならば日本に三十万輸出をしても結構だというような感触を私たちは得て帰っています。その点、長官、認識が大分違いますね。
  14. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 確かについ最近までは百万バレル台の生産であったのではないか、こう思います。私が先ほどお答え申し上げましたのは、生産能力におきまして二百五十万バレル程度になる見通しを持っているという意味で申し上げたわけでございまして、石油の産出量は、能力ベースとそれから現実に産出されます量が絶えず変動するという特性を持ったものでございますので、先ほど私は能力ベースで申し上げたわけでございますが、長田先生がそういう感触をお持ちになったのは、恐らく御訪墨になられた時点での生産数量というものをおつかみになってこられたのではないかと思う次第でございます。  そこで、仮に生産能力が二百五十万バレルで、現実に二百五十万バレルの生産が行われる状態になったときに初めて三十万バレルの対日供給の増量に応ずることができるというようなことも、私どもも話としては聞いておりますけれども、これはメキシコ側の輸出体制、いろいろな国へ多角的に輸出をしていこうという考え方と非常に深い相関関係を持つということでございますから、メキシコ側の生産が増大したから直ちに日本向けに増量するというものでもないと思いますし、それから、メキシコの生産が増大しなくても場合によっては対日増量もあり得るのではないかということでございまして、要は日本とメキシコの間の経済的なつながりあるいは社会的、文化的なつながりというものによって対日供給量がだんだんと決まってくる、こういう基本的な考え方を持っている次第でございます。
  15. 長田武士

    ○長田委員 たしかメキシコの方も輸出についてはでき得る限り多くの国に輸出したい、多国間貿易をやりたい、そういう意見も私も聞きました。  それで、私はメキシコへ参りまして一番感じましたのはフランスですね。ジスカールデスタン大統領はもう何回となく訪問いたしておりまして、フランスの資本によるところの地下鉄建設、立て掘りでありますけれども、すでに私見てきました。そういう点では外交も積極的にフランスは展開いたしております。そういう点で、私は、日本は遠い国だなという感じを率直に抱いたわけなんです。去年ですか江崎通産大臣が行きましたし、天谷長官も行ったようであります。今回大平総理も参りましたけれども、日本の石油に対する輸入拡大、足を運ぶ率が非常に遠のいておるのではないか、そういう感じをほかの国と比較して私は持っておるわけでありますけれども、長官、そういう点はどうですか。
  16. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 確かに諸外国は首脳を初めといたしまして各階層の方々が産油国へ足しげく運ばれるという問題はございます。日本もそれに負けず劣らず一生懸命やるつもりでおりますし、現にいま長田先生からお話しのございましたように、昨年は江崎通産大臣、ことしに入りまして大平総理が訪墨されたというようなことで、いわゆるコミュニケーションの強化につきましては日本側は決して劣ってないということではないかと思う次第でございます。  それからもう一つ、よく言われて私どもが大変戸惑うことは、いま御指摘のようなことを私どもも問題意識として持っておりまして、いわゆる産油国とのコミュニケーションの強化を念願しつつ実施をしているわけでございますけれども、ともすれば油ごい外交はおかしいのではないかという御批判も違う角度からは受けております。そういう点をうまく調整しながらコミュニケーションの強化、つまり産油国との間の経済問題だけじゃない、本当に総合的なつながりというものの強化によって、いわゆる油ごい外交というような印象を与えないような交渉ぶりが必要になってくるのではないか、現在こういう対応で処理をしておるということでございます。
  17. 長田武士

    ○長田委員 そこで、イランの話になりますけれども、今後の見通し、粘り強く交渉を展開するということでありますけれども、その点については見通しとしてはどうですか。
  18. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 見通しはなかなか困難であるというふうに申し上げざるを得ないわけでございます。しかしながら、けさの新聞にも一部報道されておりますので申し上げてもよろしいかと思いますけれども、イランからのC重油につきましては値下げの通告も来ております。したがいまして、いまの世界の需給関係等々から見まして、ここで日本側が弱気になる必要は全くないということでございます。具体的に申し上げますと、代表的な油種でございますイラニアン・ライトの場合でございますが、三十二ドル五十セントでしか買わないという態度をとり続けることが肝要ではないかということでございまして、いま申し上げたような線で、いついつまでに解決しなくてはならぬというタイムリミットを置かずに、粘り強く交渉を続けていきたい、こういうふうに考えております。
  19. 長田武士

    ○長田委員 そうなりますと交渉が長引く。供給はカットされたまま。そうなりますと、日本の需給の適正措置といいますか、この点が問題だろうと私は思うのです。いま御答弁がありましたとおり、産油国との交渉によって輸入を拡大する、さらには省エネルギーを推進する、そういうことで適正化を図ろうということであると思いますけれども、適正化を図れる自信といいますか、その点はございますか。
  20. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 現在日本が買っております原油、一日当たりにいたしますと五百四十万バレルということでございまして、これを原油と製品に分けますと、原油ベースで四百八十万バレルということになろうかと思います。製品につきましては、これはいまの需給状況から見まして手当てをすることはそう不可能ではないと思うわけでございますので、あとは四百八十万バレルの原油をいかに調達するかということになろうかと思います。率直に言いまして、完全にこの一年間のめどがついたとは申し上げにくい状態にございますけれども、抽象的な表現になりますけれども、四百八十万バレルがどうやら見通しがつきかかっておるという段階ではないかと思います。これはイランの油が、ある程度いまの状態が長期化するということを前提にいたしましても、四百八十万バレルの確保は何とかしなければいかぬと思っておりますし、またある程度は何とかなる見通しもつきつつあるという状況でございますので、私ども資源エネルギー庁といたしますれば全力を挙げて四百八十万バレルの確保に最大の努力をするというふうに申し上げておきたいと思う次第でございます。
  21. 長田武士

    ○長田委員 次に、四月一日以降二十日までに輸入いたしましたイラン原油の代金の仮払いの問題、その点についてお尋ねするのでありますが、通産省は五月十二日にイランと取引がある石油会社や商社の関係者を呼んでこの問題について協議をしたようですね。これは事実ですか。
  22. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 協議と申しましょうか、意見の交換という意味で会合を持ったことは事実でございます。
  23. 長田武士

    ○長田委員 この協議の中で、通産省は四月分についてもイラン石油公社の値上げの前の価格、イラニアン・ライト一バレル当たり三十二ドル五十セントでの代金支払いを認めるようイラン側と粘り強く交渉することを石油会社や商社の関係者に要請したということでありますが、通産省はこの交渉でこの問題が解決されるというお考えでしょうか。
  24. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 やや専門的な話になりまして恐縮でございますが、まず油を買いに行く場合はLCを日本側が出すわけでございますけれども、このLCは当然のことながら三十二ドル五十でLCを仕切っておるわけでございます。そこでイラン側はこれに対しまして、いわゆるインボイスというものがございますけれども、インボイス価格は三十五ドルで送ってきつつあるわけでございまして、そこにLCとインボイスの間の価格のギャップが生じておるということでございます。問題はその価格のギャップが生じておるということをどういうふうに処置するかということにかかっておるわけでございまして、そういったいわゆる貿易決済上の問題が現在ございますから、それをどういう形で解決するのが一番いいのかということをめぐりまして、業界と現在意見の交換を行っておるということでございまして、その前提になりますものは、あくまでも四月一日以降におきましても新価格の申し入れは受け入れられないという立場で、つまり三十二ドル五十しかお払いできませんという態度でどう商業上の問題を解決するかということを現在検討中ということでございます。
  25. 長田武士

    ○長田委員 私はこの点については強い行政指導が必要だろうと思うのです。四月二十九日から積み増しを中止いたしまして三十二ドル五十セント、それ以上では買えないという態度をとってきたのですから、したがって、この仮払いを三十五ドルで払ってしまえばいままでの交渉は水泡に帰するわけでありますから、その点はどうかひとつ強い行政指導を要請をお願いしておきます。この点については、決着は大体どのくらいの期間を見ていらっしゃるのですか。
  26. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 この決着の見通しはなかなか困難でございますけれども、先生御承知のとおり、船積みが行われますと六十日のシッパーズユーザンスがついておりますから、大体二カ月後には決済の義務日が来る、いわゆるデューデートが来るわけでございますから、四月二十一日までに船積みされたものにつきましては、それから二カ月後に逐次決済日が来るということでございますので、その決済日ということを頭に置きながら問題の解決を図っていくということでございます。  それから強い姿勢で行政指導を望みたいというお申し入れがございました。私どももそのつもりで考えておりますけれども、要は、国際的に見まして現在のように需給関係が比較的緩やかなときに、一方的な値上げを受け入れるということは日本にとってもマイナスでございますし、それから石油会社あるいは商社にとりましても相当大きな問題でございますから、政府として考えることはもちろん当然でございますけれども、イランから油を輸入している業界の方もいたずらに妥協することのないようなビヘービアが望ましいということで、両々相まちましてこの問題の解決に取り組んでいきたい、こういうふうに考える次第でございます。
  27. 長田武士

    ○長田委員 次に、日米首脳会談についてお尋ねいたします。  今回の大平総理とカーター大統領の会談では、主題であります防衛問題や国際問題のほかに、エネルギー政策や自動車問題についても話し合いが行われたと聞いておるわけでありますが、その具体的内容について御説明いただきたいと思っております。
  28. 藤原一郎

    ○藤原政府委員 お答え申し上げます。  今回の日米首脳会談におきましていろいろの議題が出たわけでございますが、経済関係といたしましてはイラン関係の問題、それからアフガニスタン関連の問題、それから自動車関係の問題が大きな問題であったかと思います。  自動車の問題につきましてはかねてから事務的に折衝を続けておりまして、訪米前に専門家のミッションというものも派遣しておりまして、具体的に相当話が進んでおったわけでございます。先方からは、要するにアメリカ側といたしましては自由貿易主義というたてまえから、輸入制限というふうな方法は、法律的にもまた自主規制も求めないというふうなことをはっきりと向こうから、大統領から明言があったわけでございまして、それにつきましては総理から大いに高く評価するという返事をされたように伺っております。なおその他、投資問題につきましても要望があったようであります。  それから関税問題、いわゆる日本の市場開放問題というふうなことについて要望がありまして、それぞれ今回USTRのアスキュー大使が来ておりますが、アスキュー大使が行くのでそのときに一括して解決しよう、こういうふうなお話になったわけでございまして、現在鋭意来日しておりますUSTRのメンバーと折衝中というふうなことに相なっております。
  29. 長田武士

    ○長田委員 会談の中で、カーター大統領は日米の自動車メーカーによる共同生産構想を提案したと新聞に報道されておるのでありますけれども、このような提案が実際になされたのかどうか。もしこれが事実であるならば、その詳細について御説明いただけませんか。
  30. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 先般の日米首脳会談におきまして、カーター大統領から、自動車それからその部品に関しまして、いまお話しの共同生産が行われれば将来の自動車に関しますいろいろな問題の解決に非常に役立つだろうというような趣旨の話があったというふうに私どもは聞いております。ただ、その具体的な内容は先方からも触れておられないようでございまして、私どもも実態がどうであるのか、何を意味するのかという点については詳細承知しておらないという状況でございます。
  31. 長田武士

    ○長田委員 そうすると、通産省としてはまだ詳細はわかりませんか。この提案にどのような理解をされておるのか、あるいはこの件に関しましてアメリカの真意をただしたのかどうか。この点はどうなんですか。
  32. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 米国側の関係者、これは大統領直のお話ではございませんので、関係者からの話をいろいろどういうことであろうかというような意味におきまして聞いたことはございます。ただ、関係者も推測の域を出ませんので、明確にこういう意味であるということは申し上げられないという前提でございますけれども、この共同生産ということはかなり広い意味で使われているんではなかろうかというような印象を持ちますが、端的に共同生産という言葉から出てまいります言葉としましては、ライセンス生産みたいなものでありますとか、ジョイントベンチャーによる生産というものが出てくるわけでございますが、必ずしもそれに限られておらない、かなり幅の広い言葉ではなかろうかなという感じを持っておる次第でございます。
  33. 長田武士

    ○長田委員 現在来日中のアスキュー米通商代表からはこの件については何かあったんでしょうか。
  34. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 先般安川大使との間に会談も行われましたし、また、通産大臣ともけさほど会われたわけでございますが、その中におきましてこの言葉が使われたということは私ども承知しておりません。
  35. 長田武士

    ○長田委員 こういう問題はしっかり詰めてもらいたいと思いますね。  この共同生産構想については、過去に自動車部品について要求があったわけですね。今回のこの提案はこの段階にとどまるものなのか、それとも完成車を指すのか。この点についてはどういう感触を持っておりますか。
  36. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 部品だけを指すのか、完成車を指すのか、実はその点明確ではございません。私どももその真意ははっきりと承知をしておらないということでございます。
  37. 長田武士

    ○長田委員 もしか完成車を含むものであるならば、現実に共同生産が可能なメーカーがあるのかどうか。私、聞くところによりますと、一部には三菱自動車とクライスラー社の共同生産が話題になっておるわけでありますけれども、三菱自動車はきわめて消極的な行動をとっておる、そう私は聞いております。そこで、現実に共同生産が可能なのかどうか。この点は政府としてはどうですか。
  38. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 一般論といたしまして、部品などにつきましてたとえばライセンス生産というようなことは、これは相互の話し合いのいかんでございますけれども一考えられることではないかというふうに思っております。ただ、具体的に先生ただいま御指摘になりました三菱、クライスラーがどうかという話になりますと、これは全く商業的な話し合いの問題でございますし、お互いそれぞれの条件もございましょうし、提携関係にあるとはいいますものの、そういった相互の話し合いに基づいて企業が自主的に御判断になることでございますので、可能性があるかどうかについてはちょっとここでは申し上げにくいということだと思います。
  39. 長田武士

    ○長田委員 日米首脳会談の席上、カーター大統領からいま私が議題にいたしました共同生産構想、それと同時に対米投資や米国製自動車の輸入拡大についての要請があったのに対しまして、日本は今月中旬までに解決することを公約したと言われておるわけでありますが、現実にそのような約束があったのかどうか。もし事実とするならばどのような方向でこの解決に当たろうとしておるのか、この点についてお尋ねいたします。
  40. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 カーター大統領と大平総理との間の会談におきまして、日米の自動車問題をできるだけ早期に解決しよう、そしてお互いにいまの投資問題あるいは輸入の拡大の問題を通じまして納得のいく解決を図ろう、こういう話し合いが行われたということだろうかと思います。  投資の問題につきましては、すでに御承知のことと存じますけれども、日本側の三社がそれぞれの対応をいたしておるわけでございますし、私もワシントンに参りましてその間の事情を十分に説明してまいりました。  それから輸入拡大の問題につきましては、自動車の車検の問題、インスペクションの問題がございます。そのほかに部品関税引き下げの問題がございますが、こういったことにつきまして私どもといたしましてもそれぞれできるだけ日米関係を円滑にするということを前提に置きまして対応を考えておりまして、先方にこういう関係の対応ぶりを目下説明をいたして話し合いをしておるという状況でございますが、話し合いは順調に進んでおるというふうに考えております。
  41. 長田武士

    ○長田委員 けさの新聞によりますと、昨日アスキュー米通商代表と竹下大蔵大臣と会談していますね。それによりますと、関税の引き下げとかさらには品目の拡大、物品税の撤廃、そういった点が合意を見たような報道がされておるのですが、その点は間違いありませんか。
  42. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 部品関税の点につきましては、私どもとしましても、産業政策上特に問題がないという品目につきましてはゼロにするということも含めていろいろ検討しておるという状況でございます。ただ、この話し合いというのは、いわゆる交渉というよりも、先方の現在の困難な事情に対応してわが国としてどれだけ協力できるかといった種類での、協力の話し合いという性格のものでございますし、交渉で決めるといった話ではございませんけれども、私どもの考え方も先方に説明いたしまして、この点については御理解がいただけておるものというふうに考えております。
  43. 長田武士

    ○長田委員 御承知のとおり、わが国の自動車部品メーカーはそのほとんどが中小企業で占められておるわけであります。部品関税が撤廃されることによりましてわが国のメーカーに与える影響というのは大変大きいと思うのです。これについて通産省はどのように認識されておりますか。
  44. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 わが国の自動車産業、これは部品産業を含めまして、私としては一般的に見て非常に強い国際競争力を持っておるというふうに認識をいたしております。そういった意味におきまして、そういう観点からこれから品目選定を行っていくわけでございます。そういった実情にございますので、今回、仮に来年度以降の部品関税の引き下げを行ってまいりましても、わが国の部品業界にそう大きな影響を与えるということにはならないというふうに考えております。
  45. 長田武士

    ○長田委員 確かに狭義の自動車部品に大きな影響は出ないかもしれないと思います。しかしアメリカが提示しておりますタイヤとかカーエアコン、カーラジオあるいはガラスなどの自動車関連物品がそのまま認められますと、その影響ははかり知れないと思っております。通産省といたしましてはそこら辺の事情を十分考慮されて、まだ品目は具体的にこれから詰めるということでありますけれども、この点については十分検討していただいてその対策を講じていただきたい、そう思いますが、どうでしょうか。
  46. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 関税の引き下げに際しましては、一般的に申しまして特に国内産業に与える影響のいかんという点については、まず十分それを前提といたしまして検討いたしたいというふうに考えておりまして、そういった大きな問題が出るような形での解決は図りたくないというふうに考えております。
  47. 長田武士

    ○長田委員 タイヤにつきましては輸入関税を現行の七・七%を五・八%に引き下げるという報道ですね、カーエアコンとカーラジオについて現行の三・八%をゼロにする、そういうことでありますが、これによってわが国の業界への影響、この点は影響しないと見ておるのですか。
  48. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 具体的な品目につきましてはいま政府部内で検討中という段階でございますし、具体的にどの品目をどのようにするかという方針につきましては、今後関税率審議会等の議も経まして決定をするという手順を踏むことになっております。そういった意味におきまして、ただいま具体的な品目につきまして私の口から申し上げることは差し控えさせていただきたいというふうに考える次第でございます。
  49. 長田武士

    ○長田委員 今度アスキューUSTR代表が来ておりますけれども、大分先を急いでいるようなんですね。いろいろなニュースが入ってくるわけでありますけれども、十五日にはカーター大統領はワシントンで自動車業界の代表と会う、それについて日本の対応というものに対して説明をする、そして大統領選挙を有利に導こうというような、そういう思惑もあるようなんですね。そうなりますと、日本の姿勢というのは非常に軟弱で、向こうにまんまとはまってしまうような傾向というのはなきにしもあらずなんです。  私も先日、アメリカのSTR代表と会いまして、マクドナルドという大使に会いました。そのときに、日本の自動車あるいはテレビについては猛烈な勢いで批判をいたしておりました。私たち訪米団一行も、その点については日本の事情というものをよく説明しましたけれども、余り聞く耳を持たないような感じがいたしております。その中で、日本の貿易立国としての立場、そういう点も説明したのですけれども、どうしても納得できぬ、こういうような強い姿勢であったわけであります。たしか自動車産業においてアメリカでは二十万人の失業者が出ておる、この対策が非常に深刻であるということも私たちは理解できなくはないのです。ないのですけれども、何となく選挙戦に利用されるようなその対応というのは、日本の国民にとって余りすっきりしないのじゃないか、余り利益にならないのじゃないか、そういう感じも持つのですけれども、その点どうですか。
  50. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 ただいまの点でございますが、私はちょっと先生の御指摘と違う感じを持っているわけでございますけれども、米国政府がわが国の自動車輸出に対しまして、先ほど通商政策局長からも御答弁いたしましたように、今回は輸入制限的な措置、これは自主規制といった日本側の自主的な措置も含めて反対であるということをまず前提にしての話し合いでございます。アメリカ政府としては、もちろん省エネルギーなりインフレ対策というような意味合いもありますけれども、自由貿易主義的な立場に立ってのそういった決断をしたわけでございまして、むしろそれを、国内的にいろいろ議会なりあるいは業界の一部にも保護主義的な動きが高まっておりますので、そういった勢力に対抗するためにもぜひ日本に協力してもらいたい、こういう立場での、むしろ日米関係の円滑化なり自由貿易主義を擁護するという立場での話し合いであるという点におきまして、必ずしも御指摘のようなお話ではないというふうに考えておるわけでございます。
  51. 長田武士

    ○長田委員 それではもう時間でありますから終わりますけれども、私が申し上げているのは、いわゆる日本の立場も、通すべき筋というものはきちっと通すべきだという話なんですよ。言うなりになっちゃいかぬということなんです。そういう点を強く要請いたしまして終わります。(拍手)
  52. 中島源太郎

    ○中島(源)委員長代理 以上で長田武士君の質疑は終了いたしました。  次に、後藤茂君。
  53. 後藤茂

    ○後藤委員 きょうは通産大臣が出席をされておりませんけれども、きょう、私が短い時間でございますが御質問を申し上げたいのは、実は非鉄金属鉱業政策にかかわる問題でございます。  大臣は、一昨年緊急融資制度をつくる際に先頭に立って努力をされたわけでございますから、十分に非鉄金属鉱業政策の中身については御存じだと思います。きょうは長官にひとついろいろ考えていただきたい問題がございますので、質疑、討論のような形ではなくて、これからの非鉄金属鉱業政策を進めていく上においてぜひ検討をしていただきたい、こういった問題について率直な御見解をひとつお伺いをしたいと思っております。  本題に入ります前に、一昨年あの緊急融資制度をつくる際におきましては、御承知のような大変な危機的状況にあったわけであります。幸いと言ったらいいのか、本来メタルマインといいますか非鉄金属鉱業関係が持っております、つまり価格の乱高下ですね、この乱高下の高いところにいま来た。いずれまたこれは下落をしていくという、これまでの歴史というものを踏んでくるのではないだろうか、こういうように考えておりましたところが、昨年の好況と言うべきか、価格高騰も一息つきまして、どうも最近は少し下落傾向に入ってきているのではないだろうか。LMEの価格動向を見ておりましても九百ポンドを割っていくような状況等も出てまいっております。最近のこの金属関係にかかわる価格あるいは経済動向というものを長官はどのように御判断をされているか、また、これからの対策を進めていく上においてこの点は注意をしておかなければならない問題があるというようにお考えのものがございましたら、最初にその点をお伺いをしておきまして具体的な課題に入ってみたいと思いますので、ひとつ最近の情勢に対してどういう見通しを立てていらっしゃるか、お伺いをしたいと思います。
  54. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 非鉄金属の問題の重大性ということは私どもも十分承知をしておるわけでございまして、数年前にいわゆる備蓄制度を初めてつくらしていただいたわけでございますけれども、その後いま御指摘の緊急融資制度ということもフォローされてまいったわけでございまして、要は、いわゆるベーシックな、基礎的な物資でございますから、この価格の乱高下が経済界あるいは国民生活に与える影響というのは大変なものであるという問題意識が一つございますし、それから、何といいましても国産の貴重な資源を守っていくという姿勢もきわめて大事なことであるという問題意識を持っておりまして、そういった意味で価格の動きにつきましては十分なる注目をしていく必要があろうかと、こういうふうに考えております。単に十分なる注目をしておるというだけではなくて、その価格の動きに対しましてできるだけの対策を講じていく必要がある、こういう前提で私どもは対策を立てていこうということを考えている次第でございます。  現実の問題といたしまして、銅、鉛、亜鉛等のいわゆる非鉄金属の動きにつきましては、いま後藤先生から冒頭に言われましたように、五十四年度は大変な高騰があったわけでございますけれども、五十五年に入りましてやや落ちつきを示したのではないかということでございまして、御承知のとおり現在は銅がトン当たり五十万円でございますし、鉛が二十三万円、亜鉛は二十二万円と、こういった状態で推移しているわけでございます。今後はどうこの価格が変化していくかということを見通すことはやや困難でございますけれども、今年の世界の需給動向を見ますとほぼバランスがとれるという見通しもございますので、先ほど申し上げました現在の水準から大幅な高騰あるいは下落が生じる可能性は小さいのではないか、こういうような考え方を持っておる次第でございます。
  55. 後藤茂

    ○後藤委員 比較的楽観的な見通しを立てておられるようでございますけれども、私は、この問題はもう少しシビアにとらえておった方がいいだろうと思うのです。たとえば銅建て値等も見ますと、裸換算でいきますと、四十八万ぐらいと見ていいんじゃないだろうかという気も実はいたします。関税帯にこう入っていくんじゃないかと思っているわけですし、亜鉛にいたしましても、二十万を切ってくるというような状況がまだ進むんじゃないかという気が実はいたします。  そこで、二点ばかり、この問題についてお伺いをしておきたいのです。一つは、融資制度の発動価格ですね。この発動価格について見直しをしていくべきではないだろうかというように一点は考えております。それからもう一つは、価格が高いときは探鉱に対しても大変意欲的に取り組むことになるわけですけれども、価格がぐっと下がってまいりますと、探鉱意欲というものが下がってくるだろうというように素人考えでは思うわけです。したがって、探鉱補助金の問題ですけれども、これはこれからの予算の策定の過程におきましてもやはり問題になると思います。これまで確保いたしております探鉱に対する助成、この確保あるいは充実策というものをどのように考えておられるか。この二点をお聞きをいたしまして、なお価格の問題についてはまたもう少し掘り下げて私も申し上げてみたいと思っております。
  56. 山梨晃一

    ○山梨説明員 お答え申し上げます。  まず第一点の緊急融資制度の発動価格の問題でございますが、発動価格そのものをいますぐ動かさなければならない事態だというふうには実は考えておらないわけでございます。と申しますのは、実はこの制度は一年半限りという時限的な制度でございまして、本来ならば昨年度末、今年三月にこの制度は終わっているというものを、予算の消化が残っているということもございまして、今年一年限り延長したという制度でございます。しかも、昨年度価格が高騰したこともございまして、非鉄金属業界も昨年度累積赤字を相当消しているという事態もございますので、今年度中にこの発動価格を何が何でも動かさなければならないという事態はあり得ないというふうに現在考えております。ただ、こういう制度上の発動価格そのものは、国内の鉱山のコストと発動価格とが非常に遊離した事態では、こういうものは動かさなければならないのかもしれませんけれども、そういう事態だというふうには判断してない、こういうことでございます。  それから、二番目の探鉱助成問題でございますけれども、これは探鉱補助金だけではございませんで、金属鉱業に対する探鉱助成策というのは鉱業政策の基幹と申しますか、補助金だけを見ましても昭和十年に発足したという歴史の長い制度でございまして、この制度の運用の長い期間を通じましても、確かに先生おっしゃるように、価格が低くなったときには意欲が落ちてくる、一番最初にこういう探鉱作業にコスト節減をしわ寄せさせるというような、やむを得ずこういうことをやるわけでございますが、そういう歴史があることは事実でございます。それで、私どもとしましても、長年こういう助成を中心に鉱業政策を進めてきたわけでございますけれども、歴史的に見ましても探鉱補助金だけではなくて、探鉱補助金というのは中小企業にだけ適用されているわけでございますが、大手企業に対して融資制度を設けているということ、それから政府予算、一般会計予算だけではございませんで、税制においても減耗控除制度というようなものを導入したのも先生御存じのとおりでございます。  こういうことで、探鉱に対する助成というのは今後とも一層進めていくという基本姿勢は私ども持っているつもりでございますし、現に今年度の予算に当たりまして、実は基準価格を大幅に上昇して、実質補助率を今年度は相当アップできるのではないかと考えている次第でございます。
  57. 後藤茂

    ○後藤委員 いま課長が銅あるいは亜鉛融資発動価格と、それから各国内鉱山の粗鉱の価格というものの乖離の問題にちょっと触れておられたわけです。私も資料を見てみますと、銅粗鉱で見てみますと、高いところでは二万二千円台ぐらいのところがあります。また低いところで七千円台というところがある。亜鉛を見ますと、二万円から低いところで八千円ぐらいのところ、粗鉱価格の面を見ますとこのように非常に大きな開きがあるわけですね。そういたしますと、この粗鉱価格の違いというものをひとつ素材にいたしまして幾つかのランクに分けて、ランク別融資というような制度も考えてみる必要がないだろうか。これは後で国内鉱山のいろいろな、特に品位の低いところの開発等の問題についても触れてみたいと思っておりますので、これは答弁は要りません。ただ、これからの検討素材として、粗鉱価値の大変低いところに対しては配慮した価格発動というものが考えられないものかどうかという点をひとつ御検討いただきたいと思うわけです。  それと関連をいたしまして関税の問題がございます。私、過去二回この関税問題については取り上げました。特にシーリング枠が設定されているいわゆる特恵関税、ところがその枠をごくわずか超えて入ってくるんならともかくといたしまして、何倍あるいは何十倍というように集中して入ってくるわけです。ただ、最近非鉄金属の価格が大変上がっておりますから、四月一日ですか、三月の末ですかに締めた輸入の動向を見てみますと、私は、シーリング枠をそう大きく超えなかったんだろうと思うのですが、冒頭に申し上げましたように、非鉄金属の市況というものがまた悪くなってくるということになりますと、これを超えて入ってくるということも出てくるだろう。この問題はいつお聞きしましてもどうも十分に納得がいかないですけれども、これといわゆる関税の見直し、先ほどの長田委員の質問に対する政府の方からの答弁でも、関税の問題については国内の産業への影響というものを十分に配慮して考えていきたい、こういうように言っておられました。この関税の見直し等は現在考えているのかどうか。この問題につきまして最近の政府部内で検討されている点をお答えいただきたいと思います。
  58. 山梨晃一

    ○山梨説明員 お答えします。  まず最初に、特恵関税制度の運用の問題でございますけれども、先生御指摘がございましたように、昨年度におきましては、年度当初に銅地金の特恵輸入が著しく集中いたしまして、シーリング枠を大幅に上回ったのはそのとおりでございます。ただ、特恵制度の運用につきましては、緩やかなものについては月別管理とかそれ以上に管理を緩くしているものもあるわけでございますけれども、銅につきましては、管理状況は一番厳しい日別管理をやっているわけでございまして、そういう状態で上回ったということで、具体的な行政指導によってこれ以上運用を厳しくするのはなかなかむずかしいわけでございますが、今年度につきましては、昨年度のように大幅に枠を超えるような事態は避けようと私ども考えまして、関係方面にいろいろ要請してまいったということもございますし、また、先生先ほど御指摘ございましたように価格が非常に高騰したということもございまして、現在のところシーリング枠にまだ達していないというのが現状でございます。いままでの状況からしますと、今年度につきましては銅地金のシーリング枠の管理方式をこれ以上手直しする必要はいまのところないのではないかと考えているわけでございますが、来年度以降どうなるかということに対しましても、いまから適切な対応を考えていきたいと考えている次第でございます。  次に、一般的な関税制度の運用の問題でございますけれども、これも先ほど先生御指摘ございましたように、関税率につきましては非鉄金属の鉱種ごとに国内産業の状況とか価格形成の仕組みだとか内外の価格差等々といったものを考慮いたしまして、おのおの適当と思われる関税制度をいまとっているところでございます。銅、鉛、亜鉛につきましてはいわゆるスライド関税という制度をとっているわけでございまして、地金の輸入価格が一定のレベルを下回っている場合には地金に関税を課するというようなことをやっているわけでございます。また、輸入鉱石には関税が課されていないわけでございまして、そういった意味では国内製錬業者は関税相当分の利益が生ずる。それだけを見ますとそういう仕組みになるわけでございますが、この差額分は国内鉱山に対しましてその利益を還元するということで、国内鉱山の保護を図っているという制度にしているわけでございます。今後ともこういった国内鉱山の現状を踏まえまして、非鉄金属の関税制度を適切に運用していきたいと考えている次第でございます。
  59. 後藤茂

    ○後藤委員 先ほどそれぞれの鉱山における粗鉱価格の差の開きを一応指摘いたしましたけれども、これは海外の鉱石の品位を見てみましても言える問題でございます。ただ、お聞きいたしておりますと、海外の鉱石の大部分が露天掘り等で採掘条件が非常にいい。日本の場合にはほとんど坑内掘りになっているわけですから、その条件の悪さがコスト高を生んでいると思うのです。わが国は鉱石の博物館だというふうに言われているかと思います。大変多品種、多量に賦存をしているわけです。ただ、いま申しましたように自然条件、採掘条件等が悪い、また、これまでの政策を見ますと、採算面、経済性を非常に重視した開発を進めてきている、こういうことが言えるのではないかと思うのです。  そこでお伺いをしたいのですけれども、海外鉱山の品位、たとえば銅等におきましては大体どのくらいの品位を持っているのか。日本の場合に比べまして、いろいろな採掘条件なり経済性等は別にして、鉱石は日本よりも相当高品位なのかそれとも低品位なのか、皆さん方はどういうように判断されておりますか。私、調べたのを見てみますと、たとえばパプアニューギニアのブーゲンビル銅は品位〇・四八%なんです。カナダのローレックス鉱山は〇・四一五というような状況で、あちこち見ましても一%を超えているというのは非常に優良鉱山だと言われているわけです。この資料は間違いではないと思うのですけれども、国内鉱山の場合には一%を切ると非常に鉱石扱いにしにくくなってくるのじゃないかと思いますが、いかがでしょうか。
  60. 山梨晃一

    ○山梨説明員 ただいまの御質問でございますが、私の手元に詳しいデータがございませんので数字については明確なお答えはできないのですが、一般的に申しますと、海外の鉱山は先生おっしゃいますように、品位だけを見ますと確かに一%を割っているものは相当ございます。採掘できるかできないかという判断はまさに品位だけではございませんで、規模の大きさそれから鉱床のタイプ、露天掘りか坑内掘りかの差、それからバイプロと申しますか、副産物がどの程度出るか、立地条件がいいか悪いか、こういうことによって現実に経済的に採掘できる限界は非常に差が出てくるわけでございます。  日本の場合には一般的に鉱床のタイプが非常に貧弱だと申しますか低いということ、それから特に立地条件が悪いところについてはある程度品位がございませんと海外のこういう大きな規模の、しかも露天掘りでやるような鉱山には対抗するのはむずかしいということは言えると思います。
  61. 後藤茂

    ○後藤委員 品位の問題を私がこれから少し掘り下げて申し上げたいのは、今度は森山長官も代替エネルギーで大変御苦労なさったわけですけれども、近々二、三十年の歴史を見てみましても、たとえば石炭は現在千八百万トンで、二千万トンを超えて国内石炭を開発していくことはなかなかむずかしい情勢になってきている。昭和三十年にあの合理化法が出たころに、いまの情勢を見通して国内石炭鉱山をもっと大切に保護し、開発をしておれば今日のように二千万トンを切るような状況ではなかったのじゃないだろうかという気が私はいたします。あるいは石油の問題にいたしましても同じだと思うのですね。石油が大変安く大量に確保できる、すべて石油に変えてしまう、さあこれから代替エネルギーのために実は大変な投資をしていかなければならない。海外鉱山を見てみますと、先ほど課長から御説明がございましたように、また私も指摘いたしましたように非常に低品位である、ただ採掘条件が比較的いいのでコストに見合っているわけですけれども、わが国の例を見てみますと、一・五%から二・二%程度の幅での出鉱品位じゃないかと承知をいたしております。つまり一%をちょっと超える程度のものまでも鉱石ではなくて岩石に指定されてしまっているわけです。これを何とか有効に活用していく、こういうものを岩石にしてしまわない制度、政策をとっていく必要があるのではないかと私は思うわけです。なお細かくまた御指摘をいたしますが、わが国におきましては、高品位ではございませんけれども、一・五から二・二くらいということになりますと、外国の鉱石の品位から比べますと四、五倍の品位のものでなければ採算に合わない、経済性に適合しない、こういうようにしているわけです。鉱山に行きますとズリ山にこういった低品位鉱がたくさん捨てられているわけですね。これを何とか生かす方法というものを考える必要がないだろうかというように思うわけですけれども、長官、いかがでしょうか。
  62. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 先生御承知のとおり、鉱業関係につきましては、鉱業法で鉱業権の設定を行うことを前提にいたしまして鉱石の採掘が行われるわけでございます。それから法定鉱物以外のものにつきましては、採石法の規定によりまして権利関係が発生するということでございまして、その権利関係、どちらの権利の設定を望むかということは、それを採掘しようという方の御意思によって決まってくるという一つの前提条件があろうかと思います。したがいまして、いま品位の問題からこの問題をお取り上げになったわけでございますけれども、その前提といたしまして、いま私が御答弁申し上げておりますように、権利関係をどう見ていくかということからのアプローチも必要なのではないか、こういう気がいたします。鉱業法も非常に古い法律でございますし、採石法も比較的古い歴史を持っている法律でございまして、それの法定鉱物として見るかあるいは単なる岩石として見るかは、出願をされる方のどういう目的だということによって左右されてくるわけでございまして、それによって方針が決められてくるということが一つ言えるのじゃないかと思うわけでございます。  もちろん、先生のお考えに立ちますと、国がそういった低品位のものまでもいわゆる法定鉱物とみなす、しかるべき対策を講ずるんだ、こういうことによって権利を出願される方の意思も決まってくるという論理も成り立つと思いますので、その辺の因果関係は大変むずかしいというような気がしておるわけでございまして、問題の御指摘は私もよくわかります。低品位のものであっても、つまりいまの価値判断でいって経済的な採算がとれないと思われるものであっても、貴重な資源であるから大事にした方がいいのではないかという問題の御指摘はよく理解されるわけでございますけれども、現在の法体系といいましょうか、権利関係の法体系のもとからいきますと、ベースはあくまでも出願される方の御意思によって決まってくるということが前提になっておりますので、どういう対応を考えたらいいのかちょっとむずかしい問題ではないかなという気がいたしております。
  63. 後藤茂

    ○後藤委員 いまの長官の御答弁は、少し見当といいますか角度が違っているのではないかと思うのです。実は私が申し上げたいのは、ある鉱山においてはたとえば一%の品位であったといたしましても十分に採算可能なんです。ある鉱山においては一%ではズリになるのです。それは、いわゆる金、銀、銅、鉛、亜鉛等々の非鉄金属それぞれを単味で持っておる鉱石、あるいはいろいろな鉱種を含んでおる鉱石によって変わってくるわけですね。ですから、もし銅単味鉱山で一%前後の品位だといたしますと、銅価格が非常に高い場合には採算に合うわけですけれども、ちょっと下がってまいりますと、いろいろな助成なり支えなりがあったといたしましても結局ズリを採掘しているという状況になってくるわけです。  そこで、これと関連してちょっとお伺いをしておきたいのですけれども、鉱業課の方では鉱種別生産量の世界各国の生産量に占める割合を何か調べておられるというようにお聞きをいたしております。世界各国いろいろな鉱石が賦存いたしておりますけれども、やはり有用品種というものは偏在しているんですね。偏在しているということになりますと、セキュリティーの点から考えてみて、鉱石の静物館と言われているように多品種、多量に鉱石の賦存しておりますわが国においては、品位の悪いところでもあるいは現在では経済性に合わないところでもこれを放棄してしまう、あるいはズリとして捨ててしまうというようなことにしてはならないのではないか。セキュリティーの点から考えてみましても、単に鉱業権による出願の問題とは別に、低品位の鉱石等をどのように利用していくかということを実は考えていただきたいのです。  たとえば、私は昨年でしたか、北海道の下川鉱山に行ってまいりました。ここは銅単味の鉱山なんですね。埋蔵鉱量は現在でも約二百七十万トンぐらいのものを確認をしているのです。ところが、銅単味という悲しさから、採掘可能な鉱量というものは約五十一万ないし五十二万トンだと言われているわけです。二百七十万トンのうち、現在の価格ということになりますと、その中でも非常に品位のいいものだけを出していかなければならぬということになりますと五十一、二万トンになってしまう。そこで、約百八十万トンぐらいというのをズリとして捨ててしまわなければならない。こうなりますとこれは採算に合いません。採掘をしていけばいくほどこれは赤字になっていくわけですから、現在の市況から見ますとつぶしていかなければならないということになる。しかし、もし価格が昨年よりももっと高騰してくるということになりますとこれは生きるわけですね。     〔中島(源)委員長代理退席、野田委員長代理着席〕 それはもちろん、全く価格を無視し、採算を無視し、経済性を無視するというわけにはまいらぬでしょう。けれども数少ない資源ですから、この資源をなるべくむだにしないで開発をする、利用するという手だてをぜひ考えていかなければならないのではないかという角度から実は御指摘を申し上げておるわけです。  世界の鉱石の偏在状況、そしてまた、わが国において低品位であるけれども大変有用な資源をなおたくさん持っている。この関係で、いまの経済あるいは採算ベースでは合わない鉱石というものを何とかして開発可能にしていく。そのためには探鉱助成の問題からあるいは関税の問題から、融資発動価格の問題からたくさんの支えをしていかなければならぬわけですけれども、金や銀や鉛、亜鉛等々とうまくプールをしていきながら、一%以下のものでも十分に採算が可能な鉱山がある一方、単味鉱山の場合にはそれができないという苦労があるわけです。こういったものに対して、これはこれからの政策としてぜひ生かしていただきたいと思うのです。鉱山というのは一回閉山をする、つぶしてしまうということになると、もう再開発は不可能です。昨年までの価格の高騰によって、いままで閉山をしておった鉱山もあちこちでまたもう一度再開しているところがある。大変な投資コストがかかっているわけですね。この点、長官いかがでしょうか。
  64. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 先ほど私がお答え申し上げましたのは権利関係の角度から申し上げました次第でございまして、後藤先生の提起されました問題とややずれがあったのではないかと思います。先生の御指摘は、すでに鉱業権が設定されておりまして、法定鉱物を掘る際にそれから生じますいわゆるズリ的な物、低品位の物を放棄してしまうことは、国内資源保護の立場から大変もったいないのではないか、こういう御指摘だと思いますので、それは私も全く同感だと思います。石炭におきましてもいわゆる金属鉱物のズリに相当する物はボタでございまして、そのボタ山につきましても有効活用ということはずいぶん時代の要請として叫ばれたこともございます。これは価格の問題あるいは需給関係でそのときそのときの対応をとったということで、いわゆる一貫的政策ではなかったといううらみはございますので、石炭につきましては先ほど先生から御指摘のような事態になったことも否めない事実だろうと思っております。     〔野田委員長代理退席、渡部(恒)委員長     代理着席〕  そこで、先ほど申し上げましたとおり、国内の貴重な資源をできるだけ有効活用するという構えば当然のことでございまして、ベースになっております経済性あるいは採算性という問題からの対応だけでは国内資源が本当に活用されたということにはならないというふうに考えますので、できるだけそういった御趣旨に沿った対策を具体的にどうやったらいいのかというような問題を含めまして、今後の検討課題といたしまして検討をさしていただきたい、こういうふうに考えます。
  65. 後藤茂

    ○後藤委員 世界各国の鉱石の偏在状況等につきまして、ちょっと時間がございませんので結構でございます。後でまた資料をいただければ結構ですが、私が重ねて御指摘をしておきたいのは、長官、いまの制度だと佐々木通産大臣の地元であります秋田近辺、いわゆる黒鉱地帯と言われているところだけが生き残って、あとは全部だめになっていくのですよ。しかし、では鉱石にそういった有用な非鉄金属鉱物が含まれていないかというと、そうではない。これを生かす方法を考えろ、こういうように申し上げているわけです。たとえば単味鉱山といたしましては日立だとか釜石だとか、先ほど指摘をいたしました下川等は、それぞれ鉄だとかあるいは銅だとかというような単味の鉱山でありまして、これからも価格の変動いかんにかかわらず大変むずかしい状況に追い込まれていくのではないだろうか。したがって、こういった問題に対しましてズリとして捨ててしまわない、やはりこれを開発していくというために使っていくべきではないかということを御指摘を申し上げたわけです。  時間がございませんので最後にもう一点ひとつお伺いをしておきたいのですが、いわゆる希少資源の開発の問題です。これはこの前も私は実は取り上げて、これまた下川の例を申し上げて恐縮ですけれども、北海道の下川鉱山も見てまいりました。あのコバルトというのは大変希少資源でありますし、非常に価格が高い資源、また戦略物資だ、こう言われている。こういったコバルトが銅単味の下川の鉱石等には含まれているわけです。ただ、これを分離する技術というものが非常にむずかしいというように私は聞いておりました。しかし、最近の情報を聞いていますと、いや、分離技術というものは大体開発されたんだ、しかしこれを今度コバルトとして抽出をしていく、その設備投資というものに大変な資本が必要になってくるというような御説明等も聞いているわけです。こういった希少資源の開発につきましては、ちょうど代替エネルギーのためにこれから大変な国家投資を進めていかなければならないと同じような対策というものを講じていく必要があるのではないかというように考えておりますので、この希少資源の開発に対しまして長官からひとつ、これからの問題です、きょうあすではなしに。これからの対応策としてどのようにお考えになっているか、お答えをいただきたい。
  66. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 ただいま御指摘の下川鉱山のコバルトでございますけれども、一般論として申し上げますと、希少物資、これは世界的にも需給が大変むずかしいものでございますし、日本での入手も大変むずかしいというものでございますから、これを安定的にいかに確保していくかということは、単に鉱業政策という立場からではなくて、日本の産業政策、経済政策全般から見まして大変重要なことだという認識を持っております。  そこで具体的な問題といたしまして、コバルトの問題につきましては、いわゆる技術開発の促進という立場からこれを本当に有効に活用するための技術開発あるいはそれに対する助成措置というものが併用されていかないとなかなか実行は困難でございますから、御指摘のような線を踏まえまして今後の検討課題といたしまして十分勉強させていただきたい、こういうふうに考えます。
  67. 後藤茂

    ○後藤委員 時間が参りましたので、要望だけ申し上げておきたいと思います。  非鉄金属関係というのはほとんど大部分、約九〇%ぐらいは海外から輸入をしているわけですね。先ほども言いましたように、しかし国内に石油はほとんどないけれども、非鉄金属の場合にはたくさんの鉱山あるいは埋蔵鉱量を持っている。これを生かす道をぜひ考えていかなければならない。特にセキュリティーの観点から先ほども御指摘をいたしましたけれども、いまの制度というものはやはり採算性あるいは経済性というものを最優先に考え過ぎている。もっと地下資源の開発に対しまして、ひとつ発想を変えて取り組んでいく対策というものがどうしても必要になってくるだろう。いまの乱高下の問題から見ましても、これからもまた下がっていく傾向もありますし、高騰していく情勢だって否定はできないわけですから、この探鉱に対する、いわゆる減耗産業ですから、探鉱に対する手当て、それから備蓄に対する手当て、さらにはまた緊急融資価格の発動に対する手当てと同時に、先ほども指摘いたしましたように外国なら〇・数%の鉱石が十分に採算に合う。日本の場合には一・五%から二・二%あるいはもう少し高くなければこれが合わないというような制度というものは、どこかにおかしいところがないか。外国から簡単に輸入すれば済むという問題ではないと思います。鉱石、非鉄金属というものは非常に偏在をし、そしてそれは政治的に価格が決められてくるという性格を持っているわけですから、ぜひひとつ国内鉱山の開発、そして低品位鉱に対しても十分にこれが活用できるような制度をこれから真剣にひとつ考えていただきますように要望いたしまして、私の質問を終わります。
  68. 渡部恒三

    ○渡部(恒)委員長代理 清水勇君。
  69. 清水勇

    ○清水委員 きょうは久しぶりに一般質問ということでありまして、実はかねて中小企業事業団法の審議等の際にも、最近新しい課題となってきている国立中小企業大学の設立問題について若干お尋ねをした経過もございますが、きょうは少し掘り下げて意見を述べつつ御質問をしたい、こういうふうに思います。  中小企業基本法を見るまでもなく、中小企業は国民経済の成長発展と国民生活の安定向上に非常に大きな貢献をいたしておりますし、このことは今後も変わることはないだろう。こういうふうな評価をしているわけであります。経済的にもあるいは社会的にもいよいよ中小企業の果たすべき役割りは大きい、こういうふうに言われているわけであります。しかしながら、それにもかかわらず中小企業は、現実に大企業との比較で見れば一層顕著ですけれども、どうもその経済基盤が脆弱である、また、中小企業を取り巻く環境は劣悪である、このために、国民経済の上に大きな役割りを果たすべき中小企業の立場がきわめて問題を抱えているというふうに見なければならぬと思うのです。率直に言ってこうした状態を克服し、改善をしながら中小企業の均等発展を図っていく、こういうことでなければわが国の経済を今後長期にわたって安定的に発展をさせていくことができないのじゃないか、私はそういうふうに見ているわけでありますが、きょう大臣は参議院の関係でおいでにならぬようでありますから、政府を代表してひとつ政務次官から所信のほどをお聞かせをいただきたい、こう思います。
  70. 梶山静六

    ○梶山政府委員 先生御指摘のとおり、わが国の経済社会の健全な発展というものは、活力ある中小企業の育成を除いて考えることができません。この中小企業があればこそわが国の社会は健全であります。そういう観点で、これからも中小企業問題には取り組んでまいらなければならない決意を固めております。  厳しい環境変化の予想される八〇年代において、中小企業がこの環境変化に的確に対応していくために幾つかの要因があると思います。確かに一つには総合的な資本装備の問題があります。設備や運転やそういうものをめぐる自己ないしは他人資本をいかにこの中に充実をしていくか、それから今回も特に問題になりました人材をいかにして確保をしていくか、再教育をしていくか、それからまた新しい技術をどうやって開発、導入をし、企業化をしていけるか、こういう経営上の基盤になるべき幾つかの問題点が、大企業と比較いたしましてどちらかというと脆弱な基盤の上に立っているわけであります。そういうものを政府としては強力に支援をし、社会の健全な発展のために、中小企業にそういう役割りを十二分に果たしてもらうための施策をこれから強力に推進をしてまいる所存でございます。
  71. 清水勇

    ○清水委員 大ざっぱに言って、今日中小企業者は約五百三十万と言われております。これは、わが国の企業数の九九%を超えている、その従業員はすでに三千万人を超えているはずでありますし、雇用労働者全体のこれまた八〇%余り、大変な地歩を占めていると思います。古い数字ですけれども、五十二年度の出荷額を見ると、中小企業は八十一兆に余る製造出荷額を占めている、こういうわけですから、中小企業に対して政府がどんなに力を入れても入れ過ぎることはないと実は私は見ているわけです。  ところが、政府のこれまでの施策をずっと見てくると、どうも不十分と言わざるを得ない、そういう面がうかがわれるわけであります。なるほど今度の国会で五本の中小企業関係法案がかけられ、政府も一定の力を入れている、こういうことを私は評価もいたしますし、努力の姿と見ることを否定はいたしませんが、にもかかわらず、総括的に見ると多くの部分でどうも足らざる点を持っていると言わなければならない、こう思うのです。たとえば何が足りないかというと、いわゆる根本的な二重構造の問題、あるいはいろいろな施策が講じられておりますけれども、それはそのときどきの情勢の変化に対応する臨時的あるいは場当たり的というと言葉が悪いのかもしれませんが、そういう応急的な対策ばかりであって、科学的あるいは長期的な展望というものが欠けているのではないか。さらに言えば、そういう状況を反映をしながら中小企業の見通しがどうもよくない。不安定であり、不透明であり、したがって優秀な人材というものがなかなか確保できない。優秀な人材が確保できないというところから、どうも全体として中小企業の長期にわたる展望を確信を持って切り開いていくという意味での後継者などもなかなか得られない、こんな感じがしてならないわけです。こうした状況について、政府としてはこれまでの中小企業政策について何か欠けている点なり反省点なりがあったら率直に語っていただきたい、こう思います。
  72. 左近友三郎

    ○左近政府委員 中小企業に対する政策は、御指摘のように中小企業基本法においてその大方針が示されておりまして、それに従って各般の政策が講じられておるわけでございます。率直に申しまして、従来の政策は物的な面、つまり中小企業が大企業に比して資本装備がおくれているという点に着目いたしまして、物的な設備の増大あるいは集団化等々についての施策は相当完備してきたわけでございます。  しかしながら、現在のような世界情勢が変転をし、国内の経済情勢も非常に変化をするというようなときには、それだけではだめで、さらにそういう変化する事態に的確に対応できるような柔軟な対応姿勢が必要であるということでございます。そのためには、やはり情報を収集するとか技術を開発するとかあるいはその基本になります人材を養成するとか、こういうソフトな経営資源を充実するという点につきましては、従来もいろいろ着目はされておりましたが、政府の施策としてソフトな面でのいろいろな政策遂行がむずかしいという点もございまして、そのハードな面での政策に比してやや立ちおくれがあったということを率直に反省をしております。  そういうことから、五十五年度以降、そういうソフト面での充実、人材養成という点で、従来中小企業振興事業団にございました研修所を、中小企業大学校という形に拡大強化をいたしまして、これで中小企業の教育というものを画期的に充実させようということも考えております。そのほか情報化という点についてもいろいろな施策を講じておるところでございまして、そういう点で、今後は人材養成を中心としたソフトな経営資源の充実というものに力を入れなければならないということを考えておる次第でございます。
  73. 清水勇

    ○清水委員 いま長官の説明によると、物的な面にかなり力を入れてきていると言われるわけです。しかし、現実に中小企業問題を考える場合、私は大企業との間の著しい格差を冷厳に受けとめざるを得ないのではないかと思うのです。たとえば付加価値生産性で見れば大企業のそれに対して約六〇%前後、これを反映をして、賃金水準を見ても、また中小企業の利潤率等を見ても約六〇%程度である、こういうふうに大きな落ち込みを示しているわけですね。確かに欧米等でも大と中小との間の格差のあることは私も否定をいたしません。だがしかし、現実にはせいぜい一〇〇対八〇ないし九〇、こういうような水準であるし、なるほど企業規模は小さいかもしれませんが、しかし、質的な面で見ると余り大企業と中小企業の格差が見られない、こういう中小企業の強さというものがあらわれている。  そこで、私はつくづく考えるのですけれども、わが国は欧米諸国に伍して経済大国と言い、また先進国と言われるようになっているわけですけれども、現にそういう大きな格差が存在をしている。ということは何が原因なのか、こういう点についてこの際政府からの一定の判断をお聞かせいただきたい。
  74. 左近友三郎

    ○左近政府委員 中小企業と大企業の間に格差があるということは事実でございます。ただ、この格差につきましても、高度成長を体験いたしまして、その後の一九七〇年代の経済の変動の過程におきましていろいろ変化がございましたが、総じて言いますと、格差はだんだん縮小の経過をたどっておるということでございまして、たとえば従業員の賃金につきましても大体八割ぐらいに近づいてきた。ことに年齢階層別に申し上げますと、若年層ではほとんど並んできている、ただ中高年層での格差があるというようなことがございまして、これは今年の白書にもその分析がしてございますが、そういう事実でございます。しかしながら、いま御指摘のように、若干格差が縮まってきたとはいいながら、相当な格差がまだあるということは厳然たる事実でございます。また、中小企業政策というものがその格差解消に努力すべきであるということは基本法にも明記をされているところでございます。  そこで、その原因なり何なりでございますが、やはり一つ、格差縮小には、先ほど申しました物的な面、つまり個々の中小企業ではなかなか大きな設備がやれないというような面で、従来中小企業が集団化して設備を設置するというような面での対策が促進をされてまいりました。しかしながら、さらにやはり考えるべきは、中小企業の企画力、技術開発力というふうなものをもっと促進をいたしまして、そして新製品というものをどんどんつくっていくということになりますれば収益力も高まるわけでございますし、そういう実際の体験が一九七〇年代の不況の期間を通じて、やはり新製品、新技術を開発した企業がより不況の中でも生き抜いてきておるというふうな事実がございます。したがいまして、今後につきましては、そういう新技術、新製品の開発の可能なようないろいろな施策を講じていきたい。その施策の中で、やはり御説明申し上げましたように、人材の養成というものも非常に大きなウエートを占めておるというふうにわれわれは感じておるわけでございます。
  75. 清水勇

    ○清水委員 いま人材養成についてのお話がるる長官からなされているわけですけれども、いずれにしても今日の二重構造という問題を抱えている中小企業、あるいは親企業と言われる大企業に依存をせざるを得ないような弱点、こういったことから、いま言われるように新技術、新製品の開発を遂行できるような人的スタッフといったようなものを確保していくことがこれから重要な課題だというふうに言われるわけです。私はそのとおりだと思いますが、それにはやはり科学的にあるいは系統的といいましょうか、専門的に、そうした一定の中小企業問題についての理論を解明するといいましょうか、把握をする、そういう人材というものが送り出されていかなければならないときに来ているのじゃないか。情勢の変化に対応するというそのときどきの臨時的な対応だけでは、長い目で見ると結局その脆弱な基盤から脱却するそういう長期的な展望というようなものも見出し得ないのじゃないか、こういう感じがしてならないわけです。ですから、そういう点から言うと、事業団法の改正等を通じてことしから研修所を昇格さして中小企業大学校にする、関西にも分校を置く、これはこれで大いに推進をしていただかなければならぬ事業ですけれども、その前にやはり基本的な、いま私が申し上げたような人材の確保といったようなことが十分になされなければ、ぼくはどうも口頭禅に終わってしまうような気がしてならないと思うのです。  たとえば、私はいつも考えているのですけれども、現在中小企業に優秀な人材を確保したいと言っても、たとえば数多く存在する国立大学の卒業生一つを見てもそうですけれども、ほとんど卒業生は一流大企業なりあるいは官公庁にとられてしまう。とられてしまうという言葉はおかしいのですけれども、流れてしまう。中小企業へ就職を志望するなんというような者はもう皆無と言ってよい状況がある。ですから、そうしたことがどこに原因があるかといったようなことを考えれば考えるほど、中小企業の長期にわたる展望をしっかり把握をしていくような、そういうものがきちっと据えられなければならないのじゃないかというようなことを考えているわけなんです。  ともあれ、いま国立大学の卒業生等が中小企業に来ないということについて、長官どんなふうにごらんになっておりますか。
  76. 左近友三郎

    ○左近政府委員 御指摘のとおり、中小企業というのは人材が必要であるけれどもなかなか人材を集めにくいという情勢にある。これは、数年前の不況下におきまして、全体として雇用情勢が緩んでいるにもかかわらず、中小企業にアンケートを出しますと、やはり必要な人が集まらないというふうな答えの方が非常に多かったという事実からもあらわれておるわけでございます。ことに新規の学卒者につきましても、いま御指摘のように、現実問題としてなかなか中小企業に積極的に飛び込んでくるという人は少ないというのが遺憾ながら現状であろうかと思います。  これは一つには、中小企業における勤労条件というようなものにつきましていろいろな問題があるということで、これについてはわれわれもやはり中小企業の労働環境というものを働きがいのあるような労働環境にしていかなければならないということで、万般の施策を講じ、またPRに努めておるところでございますけれども、もう一つは、やはり中小企業のよさというものがまだまだなかなか一般の方にわかっていないのじゃないかという感じがいたします。  中小企業というのは確かに規模が小さいけれども、考え方によっては、人材が入ればその人材の考えていることを十分に生かすことができるというふうな特徴があるわけでございます。アメリカなどでやはり自分が自主的に行動したいという人が進んで、アメリカでは独立企業と言っておりますが、中小規模の自由にやれる企業に飛び込んでいく、あるいはみずからがそういう企業をつくっていくというふうな人が非常に多いと聞いておりますが、日本でもやはりこれからは単に大企業の従業員になって組織の中で働くというだけじゃなくて、もっと積極的に自分の能力を伸ばしていこうという気持ちを持っていただきたいと思いますが、ここ数年間は過去よりはそういう状態が進んでいると思います。したがいまして、一つには勤労環境の整備ということもございますが、もう一つにはそういう中小企業問題について十分関心を持っていただくということを、大学なりあるいは一般の方々、社会人にPRをするということがわれわれに非常に必要な点ではないかというふうに考えているところでございます。
  77. 清水勇

    ○清水委員 この点、文部省の大学局長お見えですが、いま中小企業庁長官からそういう御意見がございますが、文部省なり大学を所管されているお立場で、なぜ中小企業を大卒者が志望しないのかといったようなことについて、御所見があったらお聞かせいただきたい。
  78. 佐野文一郎

    ○佐野政府委員 やはりいま長官が御指摘になったような事情が新規学卒者の意識の中にあるということを率直に認めなければならないと思います。私どもは、新規学卒者の就職の状況というのは決して安易な状況にはない、むしろ非常に厳しいものがあるということを感じておりますし、そういう意味ではそれぞれの大学がそれぞれの学生の就職指導、ことに就職先を選んでいく場合の学生の意識というようなものについて十分に啓蒙をする、さらにいま長官も御指摘でございましたけれども、学生側に十分な就職先の企業に関する情報の提供を行う、そういったことによってすぐれた人材が自分の進路をより積極的に求めて出ていくような方向というものを、それぞれの大学において努力をしながら進めていっていただきたいということをかねてお願いをしているところでございます。
  79. 清水勇

    ○清水委員 いずれにしても、そういう状況を背景に持ちながら、かねて中小企業団体中央会等では国立中小企業大学の設立を要請する、こういう動きを起こしておりますが、私は一面そうした要請は合理性があるし、理解ができる、そういう立場を持っております。いずれにせよ国立大学と言えば、国が膨大な資金をつぎ込んで、わが国の長きにわたる経済なり産業なりをどう支えていくか、こういう意味で非常に重要な人材を養成をしているわけですね。しかも、先ほど私が申し上げたごとく、そうした面で中小企業の占める地歩というものは非常に大きい。大きいにもかかわらず国立大学卒業生が中小企業を志望しない。これは確かに、言われるように労働条件が悪いとか言われておりますけれども、私はそれだけじゃないと思うのですね。自分の力を中小企業に入って発揮する、自分の能力を生かそうと思っても、果たして中小企業は先行きどういう状況になるのかというようなことがよくわからない、つまり長期にわたって見通しが立たない。だから、そこに一生を託することができないといったような、そういう気持ちから中小企業への志望というものを忌避するというようなことにつながるのではないか。そういうことを考えると、優秀な人材を育成し、一面では中小企業の後継者という立場にもなるでありましょうけれども、そういうものだけではなしに、中小企業全体を担っていく、こういう人材を送り込んでいくということは、国の教育政策という点から見ても私は非常に重要な課題になってきているんじゃないかと感ずるわけでありますが、まず最初に中小企業庁長官の立場で、一体そういう中小企業大学の設立の要請というようなものについてどういうふうに受けとめておられるのか、お聞かせいただきたい。
  80. 左近友三郎

    ○左近政府委員 私どもも中小企業団体中央会の中小企業大学設立の御要請は聞いておるところでございます。中小企業政策といたしましては、われわれがいま整備をして今後推進しようとしておりますのは、中小企業の経営者あるいは中小企業の従業員に対して必要な教育を施していく、勉強していただく、こういうところを中心に、いわば成人教育という側面でのいろいろな教育活動というものを今後も充実していきたいというふうに考えておりますが、さらにいわゆる大学で将来中小企業の従業員になろうあるいは中小企業の経営者になろうというような方が、一つのそういう目的を持って勉強されるということは非常に結構なことだと思っております。したがいまして、そういうものが整備されることはわれわれとしても非常に望ましいというふうに考えておりますが、この大学の問題につきましては文部省の御所管でございますので、われわれは、われわれの方の希望はいろいろ申し述べて、そしてそれをどう持っていくかの御判断は、ひとつ文部省の方でいろいろ考えていただきたいというふうに考えておりますし、そういう点でわれわれが協力できることがあれば何でもいたしたいというふうに考えておるところでございます。
  81. 清水勇

    ○清水委員 それでは佐野大学局長に、いま長官はそういうふうに言われておりますが、あなたの方の所管ですから、どのように受けとめておられるかお聞かせいただきたいと思います。
  82. 佐野文一郎

    ○佐野政府委員 これまでもこの問題につきましては、中央会の関係の方々と幾たびかお目にかかって意見の交換をしたりあるいはお話を伺ったりしているわけでございます。いま御指摘のように、大学の卒業生が大企業志向という傾向が強い、一方中小企業は人材が不足のためにいわば危機に直面しているような状況にある、したがって中小企業に関する基礎理論を身につけ、かつ実践的な経営能力を持った中小企業の後継者なりあるいは中小企業の指導者の養成を目的とする大学を、国立をもって設置をしたいというのが中央会の方々の御要請であります。  現在のわが国の国立大学における経済学部、経営学部あるいは商学部等におきましても、もとより中小企業を含めて、企業において活躍をする人材を育成するという見地に立った必要な知識、能力の教育ということは行われているわけでございますけれども、確かに御指摘のように、いわば実践的な経営能力の育成という点において、いまの大学教育についてはさらに改善、工夫をすべき点があるということはわれわれも意識をいたしております。そういう意味において中央会の御指摘というのはわれわれも理解できるわけでございます。  しかし、率直に言って、それでは中小企業の問題をもっぱら対象とする単科の大学というものをつくることが、そうした御要請にこたえる最善の道であるかということになると、私どもはかなりその点については問題があるという認識を持っております。現在の経済学部、経営学部等における教育研究の内容というものを、より中小企業にシフトしたものとして改善をするという努力がまず行われるべきでございましょうし、さらにそうした既設の学部における努力ということが、実際問題としてなかなか既設の枠にとらわれてできないということであるならば、現在地方の大学を整備をする中におきまして、社会系の学部を新しくつくりたいという構想をお持ちの大学も幾つかあるわけであります。そうした新しい社会系の学部をつくる場合の構想の内容として、中央会がお考えのような方向というものを十分に検討するということは考えられるし、またきわめて現実的に対応できる方途ではなかろうかと思っているわけであります。私どもは、趣旨は十分に理解できますけれども、単科の大学をつくるということがいいかどうかについては問題意識を持っている、それはかなりむずかしい問題だと考えているということでございます。
  83. 清水勇

    ○清水委員 私もそれらの事情について仄聞をしておりますけれども、たとえば中央会の代表等と局長も行き会われたそうですし、事務次官等もたびたび行き会っておられる。そういう中で井内事務次官は、私の記憶に誤りがなければこういうことを言っておられるわけです。たとえば中小企業の後継者だけを育成するようなそういう大学はもとより無理じゃないか、広くその門戸が開放されてしかるべきである、私はそれはそのとおりだと思います。また同時に、卒業生についていえば、中小企業にだけ進路を向けさせるわけにはいきかねる、それはそうでしょう。最終的に卒業生がどういう進路を選ぶかという自由を持っているわけですから、そのことも何も否定しなければならぬ問題じゃないと思います。あるいは果たして中小企業学が成立するのかどうか、こういう御指摘もあるやに聞いております。しかしアメリカ等におけるビジネススクールという先例等もこれあり、また、現に今度東京女子大の学長になられた隅谷先生等も、カリキュラムのあり方等について具体的な提言をされているやに私も承知をしているわけでありますが、確かにいま局長の言われるようなむずかしさはあるにしても、しかしそのむずかしさというものは打開のできない性質のものでもないのじゃないか。事務次官が言われる、たとえば膨大な大学建設のための用地などが確保できるかどうか、こういうお話もあるようでありますが、これは後の問題でありまして、前提として果たしてそういうことを前向きにとらえようとするかどうかがまず先決なのではないかと私は考えているわけなのです。いずれにしてもいま局長が言われるように、既往の大学における経営学部等々の内容を多少改革をすることによって、要望にこたえる行き方も一つは考えられないことではないと思いますけれども、それではカリキュラムの編成等々について十全ではないのではないか。問題は中小企業の抱えている諸問題の科学的といいましょうか、そういうものの解明、それから今後の中小企業のあり方について理論と実践がしっかり結合して、すぐ社会に送り出して役に立っていくようなそういう人材の育成、あるいは中小企業の場合に、労働条件さえある程度そろえば大学卒業生が安んじてそこへはせ参じていくことになるのかというと、心ずしもそうではない。そういう当面的なことではなしに、長きにわたる将来展望が一体どうなのか、こういうこととの兼ね合いで選択をされる性質を持っているわけですから、中小企業に洋々たる前途を与えていく、こういうためにも国が中小企業大学まで設立をしたではないか、しようとしているではないかといったことが総合的に、とりわけ心理面に及ぼす影響は非常にはかり知れない大きさを持つのではないか、こういうことなどを考えてみると、もう一歩局長が言われた点に踏み込んで検討してもらうべき時期に来ているのではないか、こんなふうに私は思うのですが、いかがでしょうか。
  84. 佐野文一郎

    ○佐野政府委員 御指摘のとおり、中小企業の後継者養成だけを目的とするということであれば、それは大学の目的、性格にはなじみがたいものになるだろうと思います。また、中小企業学というものが一つの学問体系として成立するかどうかについても、専門家の御検討になおまつべきものが多いと思います。そういったことから、当面この問題について対応していくということを考えるとすれば、先ほど来申し上げているような、大学におけるたとえば経営学部というものの構想をどのように考えていくのかということを、その大学の教官に十分な問題意識を持って考えてもらうという方向が最も現実的な方向ではなかろうかと思うわけであります。中央会のおっしゃるそういうことはそれとしてもちろん大歓迎であるけれども、一つ単科の大学をつくることによって問題をさらに進めるべきであるという御指摘については、御趣旨は私もわからないではありませんけれども、実際問題として現在単科の中小企業大学を構想することは非常にむずかしいということをかねて申し上げているわけであります。
  85. 清水勇

    ○清水委員 実は経営学部であるとか商学部であるとか、いろいろな既往の学部を経てしゃばに出る有為な人材はたくさんあるわけですけれども、たとえば一つの例を申し上げますと、政府にも中小企業庁というのがある。都道府県には商工部があり、その中に中小企業課だとか中小企業にまつわるいろいろなセクションがございます。のみならず中小企業等協同組合であるとか商工組織であるとか、さまざまな分野がございますけれども、現実の問題として言われているのは、たとえばそういう人々、そういう人々というのは、いまの大学を出た諸君が入ってこられても、中小企業等の組織で見ると、三年なり四年なりの新たな教育なり訓練なり指導なりを加えないと、直ちに一線で活動をしてもらえるような状況にならない、こういうような一つの問題点がございます。それからさらに役所等の職員を見てみると、たまたま転勤で中小企業課なら中小企業課へ配属される、二年なり三年なり大過なくそのポストを過ごせば他に転じていくといったような傾向の諸君は必ずしも少なしとはしない、こういったような形で行政が行われたりあるいは組織が運営をされているということでは、まさに先ほど長官が言われるように、またECなりアメリカなりの中小企業が、大企業と伍してりっぱに基盤を確保しているといった、そういう条件をみずからの努力でつくり上げていくというような資質というものをちょっと期待できないのではないか、こういうような感じがどうしてもするわけです。ですから、たとえば歴史的に中小企業の置かれている立場、さらに重層構造等の問題が解明され、それを解決をしていくような理論、あるいはさっきも申し上げたように、わが国産業経済の相当の部分を担っている中小企業が、いまのような内部矛盾あるいは悪循環を繰り返していくというようなことは、わが国経済の将来にとって一体いかがなものであるのか、こういったことなどを総合的にあるいは科学的に見ていくならば、いますぐと言って仮に無理があるにしても、具体的にその無理をどうやって解決をしていくかといった前向きの取り組みが文部当局にあってもいいのじゃないのか。また同時に、中小企業庁等が中小企業問題等に大変な努力をされているわけでありますけれども、そういう努力の中で、たとえば先進的な事例、アメリカにおけるビジネススクール等の状況なり経験なりというものを見るくらいな配慮、そしてそこで吸収し得るものをわが国のこの種教育の分野にも受け入れていくというような努力、こういうものがあっていいのじゃないかという感じがするのですけれども、この点文部当局と中小企業庁と両方に所見をお聞きしたいと思います。
  86. 佐野文一郎

    ○佐野政府委員 もとより大学教育というのは、大学を出てすぐ役に立つ人材というものをもっぱら育成をするということだけを考えては大学教育にならない点がありますけれども、先ほどもお答えしましたように、いまの経済学部等における教育のあり方というものが、やはり率直に言って実践的な経営能力の育成という点については、大学にもっと反省をし改善をしてもらわなければならない点があるということもまた事実でございます。そういった点についての大学側の教育の内容、方法についての改善の努力というものを促すということは、私どももかねて配意をしてきているところでございます。また、御指摘のように一たん社会に出て中小企業の中で御活躍になる方が、その後いわゆる中小企業庁で御計画の中小企業大学校のようなところで勉学をされるということにとどまらないで、大学にもう一度入ってくるというようなこと、あるいは大学院に入ってくるというようなこと、そういったことについて大学がより広く門を開くということを考えなければならない、これまたわれわれがかねてこれからの大学のあり方を考えていく場合の基本的な方向の一つとして考えているところでございます。そういう形での努力というものを通じて、いま先生御指摘の中小企業が現在抱えている問題に、わが国の大学、高等教育がどうこたえていくかということをより積極的に求めていかなければいけないと考えているところでございます。
  87. 左近友三郎

    ○左近政府委員 中小企業庁が担当しております中小企業の経営者あるいは従業員の教育に当たりまして、中小企業大学校というものをつくりまして今後充実していこうと考えておりますが、教育の仕方につきましても、相当教育の方法あるいは教育の内容の勉強というふうな研究機能を充実させなければいけないということを痛感しております。残念ながら五十五年度はそちらの方についてはまだ充実が期せられておらないというのが現実でございますので、今後その充実を図っていきたいと考えておりますが、そういう点につきまして広く世界各国のいろいろな教育の状態というものを勉強いたしたいと考えておりまして、実はごく近々に何人かの専門家をアメリカに調査団として派遣をいたしまして、アメリカにおけるビジネススクールの状況とかあるいはそこで行われておりますケースメソッドのやり方とか、そのほかいろいろな問題について勉強してくるように考えておりますが、こういう点を今後充実して、中小企業庁が考えております中小企業者の勉強についてより充実を図っていきたいと考えておるわけでございます。
  88. 清水勇

    ○清水委員 いまの中小企業庁で考えておられるアメリカ等への先例の視察あるいは調査といったことについて、これは文部省等へも呼びかけて一緒にというような御計画はあるのですか、ないのですか。
  89. 左近友三郎

    ○左近政府委員 私どもの調査団の調査の内容は、先ほどから申し上げておりますいわゆる成人教育の分野での勉強ということでございますので、直接今回につきましては文部省の方の参加を求めるということは考えておりませんけれども、成人教育といわゆる通常の学校教育というものが完全に分断されているわけではございませんで、相互にいろいろ連絡なり協調しなければいけない点があるし、また相似通った点もあろうかと思います。したがいまして、そういう調査の結果につきましてはまた文部省にもよく連絡をいたしまして、いま文部省が考えておられる大学の教育自身の内容についても反映していただくように、よくお願いしていきたいと考えております。
  90. 清水勇

    ○清水委員 これはいずれにしても文部省にも考えていただかなければならぬことなんですが、たとえば八〇年代、あるいは八〇年代という短い期間だけではなしに、二十一世紀におけるわが国の経済のあり方というようなことを展望していく場合に、いずれにしても相変わらず中小企業の占める地位というのは非常に大きいと私は見ているわけです。二十一世紀になったら途端に中小企業が激減するなんということは残念ながら考えられない。そうであれば、私は少なくとも教育という場を通して中小企業の中でしっかり生きていく、この重大な役割りを果たすべき中小企業の分野の中でいまさまざまな問題を抱えているが、それを一つ一つ解決していく、そのために何をなすべきかといった、そういう実践を踏まえた理論、こういうものを身につけた次代を背負う者たちの教育あるいはその教育を通じて輩出される人材というものが、私は非常に重要な意味を持つのじゃないかと思うのです。たとえば最近の非常に厳しい、しかも複雑に変化をする国際経済環境、その中で日本の中小企業が生きていくためには何をするか。むろん新製品の開発とか新技術の開発とか、そういう面が十分強調されていかなければなりませんけれども、問題はそれを進めていく人材が確保できるのかどうか、こういうことなどを考えてみるときに、ぼくは教育の長い歴史をひもとけば、一朝一夕に中小企業専門の単科大学を設置できるかどうかということになると首をかしげられる、そういう事情のあることは否定をいたしませんけれども、やはりそういうこれからの展望というものに視点を置いて、教育のあり方自身も転換を図っていく、あるいは時代のニーズにこたえられるような新しいものを追求していく、こういうことがなければ旧態依然ということになるのではないかというふうに思うわけでありますが、この点どうなんでしょうか、いま局長お帰りになりましたが、大学課長としてどんなふうにお考えでしょう。
  91. 瀧澤博三

    ○瀧澤説明員 先般来局長がお答えしていることでもございますが、大学教育というものも大変に学生数もふえ、大衆化している状況でございまして、その内容も一非常に変化をしてきているわけでございます。そういう意味できわめて実践的な面で、もう少し大学と社会とのつながりを深めていかなければならないという問題意識は一般に強く持っている次第でございまして、一般的な大学教育のあり方として先生のお話を私どもよく理解しているつもりでございます。  具体的な設置、どのような方法でそういうことを実現するかということにつきましては、いろいろ問題もあり、先ほど来局長が申し上げておるような困難な問題もございますが、一般的な大学教育のあり方という意味では御指摘の趣旨もよく理解し、そういう方向で大学の関係者とも今後とも話し合いをしていきたいというふうに考えております。
  92. 清水勇

    ○清水委員 長官、もう一回ひとつ聞かしてください。
  93. 左近友三郎

    ○左近政府委員 人材養成の重要性については御指摘のとおりだと思います。そこで、大学教育については文部省の御意見、いろいろ御検討を今後もお願いをしたいと思っておりますが、われわれとしてその問題で大いにやらなければならないことは、一つは中小企業というものの重要性、将来性について一般の方に十分な認識を持ってもらうことが必要ではないかというふうに考えておるわけでございます。  実は、一九六〇年代の高度成長の時代には、大規模企業がどんどんできてまいりまして、何か将来は大規模企業が経済の中心になり、中小企業というのは少し減っていくのではないかというようなことを思われた時代があるわけでございますが、事実はその後の経済情勢の変化等々によりまして、実は一九七〇年代を通じてむしろ中小企業の方が増加をしておるということで、しかも経済の困難なときに中小企業の力が日本の経済を支えたという事実もあるわけでございまして、現実には中小企業というものが日本経済の中核であり、かつ非常な力を持っているものだということが認識されつつあるわけでございます。過去のそういうこともございますので、一般の方々、ことに大学生とかあるいはその父兄の方々にそういう認識を持っていただくということをわれわれも十分考えていきたいと思います。  若干余談になりますが、たとえば現在電気機械産業で資本金十億以上の大企業が百二十社ぐらいございますが、これは白書で分析したのですが、その百二十社のうちの半分ぐらいは昭和三十年には皆中小企業であったわけでございます。したがって、その当時大学を卒業して中小企業のそういう電気機械を選んで入られた方は、いまはむしろ非常に進歩し、かつ発展する企業の従業員になっておられるというような事実があるわけでございます。そういうことでございますので、そういう事実もよくPRいたしまして大学を設置する、あるいは設置してもそれを志望する方がなければいけませんが、そういうことについて中小企業の現実というものを十分認識していただくということもわれわれの務めではないかということを考えております。
  94. 清水勇

    ○清水委員 時間が参りましたから終わりにいたしますが、最後に政務次官からもう一回このことについて所信をお聞かせを願いたいと思うのですが、いま政府は中小企業における八〇年代の長期ビジョンというようなことについて諮問もされていると思います。先ほど来言われているように、ハードの面からソフトの面へという政策的な重点の転換というようなものも図られつつあるわけでありますが、特に中小企業の立場で見ると後継者難というような問題あるいは人材確保が非常に至難であるというような問題、これがこのまま放置をされていたのでは、いかにりっぱな作文ができてもわが国の経済を背負う中小企業の経営基盤をしっかり安定的に強化をしていくというようなことはできないのじゃないか、こういったようなことも考えられますので、それやこれやのことも踏まえて、この際政府として中小企業大学の問題について今後どういうふうに検討されていくか、お聞かせをいただきたいと思います。
  95. 梶山静六

    ○梶山政府委員 中小企業の抱える根幹的な問題、特に人材の問題について御熱心な激励をちょうだいしたことに対しまして、まずお礼を申し上げます。  確かに中小企業の位置づけ、これは大企業と比べて生産性の低さやあるいは経済効率の悪さ等、劣悪というか、条件の悪い面がございます。しかし先生が御指摘のとおり、日本の経済社会における中小企業の占める地位、そういうものを考えてみますと、むしろある意味で自由濶達な社会経済活動を支える根幹としての中小企業の位置づけ、これを考えますと、資本問題あるいは人材問題等、これから大いに努力を重ねていかなければならない問題が数多くあるわけでございます。その中で、端的に御指摘をされた専門的な高度な教育を受けるべき中小企業の経営者ないしは後継者、それに対する的確な配慮なり対策が講じられない限り、中小企業問題というものは解決しないという感じがいたします。ただいままで行われました討論を通じての貴重な意見というものをこれからの中小企業大学校に生かしていかなければなりませんし、むしろまた、本質的な教育出題でございますので言及を避けますが、これからそういう専門分化あるいはいままでのそういう形だけではない別個な業態をながめての教育があってしかるべきだというふうに私も考えます。そういうものをめぐっての新しい対応を迫るために、懸命な努力を払ってまいりたいと思います。
  96. 清水勇

    ○清水委員 終わります。
  97. 渡部恒三

    ○渡部(恒)委員長代理 午後一時四十分から再開することとし、この際休憩いたします。     午後零時五十七分休憩      ――――◇―――――     午後一時四十三分開議
  98. 渡部恒三

    ○渡部(恒)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。松浦利尚君。
  99. 松浦利尚

    ○松浦委員 もういよいよ会期末ですから、十二月五日の第九十臨時国会で質問した内容について、経過の御報告をまず冒頭受けたいと思います。  その一つは、御承知のように十二月五日に原発問題について質疑を交わしましたときに、例のスリーマイル島事故にかかわります安全問題、防災体制とか避難体制について、各省庁にまたがる問題ですから内閣で検討中だ、こういうお話でございました。その資料を、できれば速やかに本委員会に提出をするという大臣の御答弁をいただいておるわけでありますが、先般新聞紙上に、現在内閣で進めておられる避難体制、防災体制等の骨格が報道されておったわけであります。これはどういう形で報道されたかということを云々するつもりはありません。現在の経過について御報告を受けた上、本委員会にいつごろその資料が提出可能なのか、その見通しを含めて政府の方から御答弁をいただきたいと思います。
  100. 児玉勝臣

    ○児玉(勝)政府委員 お答えいたします。  先生昨年の暮れに御質問いただきましたとき、もうすでに原子力安全委員会におきまして、原子力防災専門部会におきまして鋭意検討が進められていたわけでございますが、その後も検討が進められまして、近く五月の末までにその成案ができるというふうに聞いておるわけでございます。したがいまして、その結果が出ました後、先生に御報告できるというふうに思っております。
  101. 松浦利尚

    ○松浦委員 五月末に成案が得られるそうでありますが、もうすでに九十一国会は終了しておるわけであります。しかし、できれば約束どおり、本委員会に委員長の御配慮で全委員に御提出をいただきたいと思います。それでは五月末に期待をいたします。  それから、同じく二番目の問題でありますが、御承知のように佐々木通産大臣も十二月五日の本委員会で御答弁いただいておるわけですが、耐用年数を終了した原発の廃棄処分をどうするのかということについて、今日まで技術的な開発が行われておりません。世界でもこの廃炉の扱いについての具体的な成果は得ておられないというふうに聞いておりますが、本問題につきましても、先般新聞紙上にある大学の教授が、これは実験プラントでありますけれども、多量の放射能を持った廃棄物を処理する具体的な方法を開発したという報道がなされておったわけであります。代替エネルギーとして政府が原発に傾斜をし始めておる状況でありますから、いつの日か必ず廃棄処分ということになるわけでありますが、この重要な問題について、まだ時間的な余裕があるという大臣の先般の御答弁でした。しかし、時間というのは刻々と経過をしてしまうわけでありますから、少なくとも安全ということを前提にするなら、耐用年数が終わった後の廃棄処分についてもどうするのだという具体的な方法がなければ私は地元住民の説得は不可能だと思います。そういった意味では、時間があるからということではなくて、現実どういう対応をしておられるのか、いつごろ研究成果が具体的に国民の前に明らかになるのか、そういった見通しについてお聞かせをいただきたいと思います。
  102. 児玉勝臣

    ○児玉(勝)政府委員 廃炉につきましては、ただいま先生おっしゃいましたように、世界各国におきましてもまだ十分な検討が進められていないわけでございますが、従来までには小規模なものにつきましては若干廃炉の実績がございます。したがいまして、こういう技術、それから情報を取り入れまして、今後の廃炉のあり方という問題について検討していきたいと思っております。  それで、資源エネルギー庁といたしましては、廃炉調査委員会というのを今年度発足させまして、そこにおきましてどういうような技術的なフィージビリティーがあるかというのを調査いたしました後、委託費といたしまして実際にその検討を進める、約五年くらいの期間をもちまして実際的な可能性を打診していきたい、こう考えております。
  103. 松浦利尚

    ○松浦委員 いまエネルギー庁から御答弁がありましたからそれで了解いたします。重要な問題ですからぜひ積極的に取り組んでいただきますように、前向きの御答弁をいただいておりますから、本問題については了解をさせていただきます。  続いて、エネルギー庁長官もおいででありますから、具体的な問題を含めてイラン石化問題について若干お尋ねをしておきたいと思うのであります。  率直に言って、今日のイラン政府のとっておる態度について、いろいろな見方があります。しかし、冷静に対処しなければならぬと思いつつも、やはり日本とイラン両国におけるイラン石化、特にわが国においては、二千五百億から三千億近くの莫大な投資をする、そういう犠牲を払っておるイラン石化についての今日のイラン政府の出方については、率直に言って国民感情というのがだんだん怒りに転化しつつある現状だというふうに思います。決してそういうことがあってはならぬのでありますけれども、どうも最近の世論調査あるいは国民の声を聞いてまいりますと、イランはけしからぬという空気になりつつあるわけであります。ですから、この際、冷静に判断をする上で正確に国民に知らせておくという必要も含めて、イラン石化問題について若干お尋ねをしたいと思うのであります。  その一つは、実はイラン石化工事再開の定義づけの問題でありますが、イランは工事は再開されておらないというふうに宣伝をしておるわけであります。しかし一方、わが国においてはすでに再開に踏み切っておるんだという言い方もあります。いずれが正確なのか、現実に工事再開に踏み切っておると言われる根拠は何なのか、その点を明確にしていただきたいと思います。  それから第二点の問題は、先般、あるニュース報道でありますが、テヘラン在住の記者からの報道がテレビに出されたわけでありますが、先般、こうした状況の中で技術者が二十名近く、三十名でしたか、イランに送られました、ところが出迎えもない上に、抱えておった書類を税関でひっくり返されて、そして設計図その他のものをまたもとどおり整理するのに大変時間がかかった、こういう報道がありました。また、一方では現在おるイラン在住の技術者の間から、身の危険を感ずる、もうこの際日本に引き揚げさせてもらえぬだろうかという意見が出されておったことも報道されておるわけでありますが、現実に技術者を送って、そういった身の危険すら感ずるような状態があるのか、そしてまた、工事再開に約三百人近くの技術者を五月末までにテヘランに送り込むわけでありますが、こうしたことについて、率直に言って派遣されたわが国の技術者については身の安全は完全に保障される状態にあるのかどうか、そのことについて第二点、お尋ねをいたします。  それから三番目の問題は、いずれにいたしましてもイラン石化はこれからもさらに進めていかなければならぬのでありますが、いま山下社長が現地に赴いておるやに聞いておるのですが、相手側の代表すらもわが国の代表と会おうとしない、会談に応じようとしない、そういう状況の中で、わが国が一方的に技術者を送り込むことによって一体本当にイランが言うところの工事再開というところに到達するのかどうか。  その三つについて、国民にとってきわめて重大な関心事でありますと同時に、派遣される技術者の問題でもありますから、政府の方から的確にお答えをいただきたいというふうに思います。
  104. 田口健次郎

    ○田口説明員 御説明申し上げます。  第一に、現実に再開となったかどうかといった趣旨の御質問かと思いますけれども、イランと日本側との関係では、この二月、三月もずっと交渉しておりましたけれども、やはり三百人くらいにならないと本格的な再開とは認めないというようなイラン側からの発言があったことはあったわけです。それから日本側といたしましては、やめておって再開するということではございませんので、むしろ一時細りましたけれども工事はやっておって、これを継続する、そして継続工事をさらに本格的なものにしていく、こういうような考え方の差があったことは事実でございます。御存じかと思いますけれども、現在イランに行っております日本側の技術者は約九十名に達するわけでございます。予定といたしましては今月の月末には約三百人というようなことにしたいということで、三井の関係の方も一生懸命やっておるわけでございます。ただ、イランの方もいろいろ事情はあるかと思いますけれども、やはり向こうも失業率が非常に高いとか、工事の方が向こうが期待していたほど早くは進まないというようなことかと思いますけれども、やはりいら立ちが見えてきている。これは交渉でございますので、交渉の詳細は公表しないということをイラン側も言っておりますので詳しいことは御勘弁いただきたいのですけれども、現在の段階では、いわゆる十三プラントと言われておりますが、十三分類あります全体の工場について全部再開しないといけないとか、三百人ではまだ本格的な再開とは認めないとかいう声が聞こえております。イランの方も、国内の方も非常にむずかしい状態にあるようには思いますが、あらゆる情報を総合いたしまして、イランの革命評議会といたしましてもイラン側として最も重要な、つまり原油だけ売っている国では終わりたくない、やはり付加価値をつけて工業化していきたいという政策の一つのモニュメントと申しますか、革命政府の一番威信のかかっているプロジェクトであるということで、一時東欧にやらせるとかいろいろなことが伝わってまいりましたけれども、私ども、本旨は日本が協力する限りぜひ日本との間でやりたいと考えているというふうにかたく信じておるわけでございます。再開になるならないというのは、向こう側の考えとこちら側の考えと、交渉でございますので多少の違った言い方もありますけれども、私どもはこれは誠実に工事をちゃんと継続していく、本格的に工事をするということで、三月末に経済協力基金の出資もいただいたということで、さらに工事の内容を充実していくというふうに関係者を指導しておるわけでございます。  それから御指摘の第二の点でございます。技術者が三十名最近行ったとか、先ほど御説明申しましたように、現在、月末には約三百人を目標として出ていただいておるということで、御当人あるいは御家族の身になって考えますと本当に御苦労なことで、よく行っていただいておるというふうに私どもは思いますけれども、私どもの日本の大使館からも特に日本人工事関係者の安全が懸念されるといったような情報は来ておりません。先ほど申しましたように、イラン政府もいろいろなことは申されますが、本プロジェクトが最大の威信をかけたプロジェクトであるということで大事にしておられる。それから山下社長も現在バンダルホメイニの現地におられるというふうに理解しておりますけれども、毎日のように連絡しておりますが、安全が脅かされておるというような情報には接していないということで、現在の時点におきまして御心配のような事態には特に立ち至っていないというふうに考えます。しかしながら、一人一人のことを思いますと、安全問題は御指摘のように大変重要なことでございます。今後とも現地の大使館との連絡をさらに密にいたしつつ、情勢を十分注視いたしまして日本人工事関係者の安全対策には特に万全を期してまいりたいと考えております。  それから最後に、これは本当に工事再開になるだろうかという御趣旨の質問かと思いますけれども、再開か再開でないかという点について、多少彼我の考え方に違いがあるということを申し上げたわけでございます。これは、少なくともイランの長期的な経済政策を理解してみますと、先ほども申したのですが、原油がなくなってみれば砂漠に戻ってしまうということではなしに、やはり付加価値をつけ、工業化を進め、多量の失業者に対する雇用機会をつくっていくということで大変大きなプロジェクトでございます。そういったことでぜひこれはやりたい。日本には任せておけぬ、東欧あたりとやるぞ、こういうことをおっしゃりながら、実は日本が協力する限りはぜひ日本とやりたいというような言葉も出てくる、こういう現状でございまして、やはり交渉でございますので、一遍に全部のプラントを再開しなければいかぬとかいろいろなことで山下社長初め交渉当事者は苦労をされておられると思いますけれども、私どもも、これは日本にとってイランとの最大のかけ橋で、従来の方針どおり本プロジェクトは中断しないでぜひ継続していく決心でございますし、イランの政府も繰り返し申しましたように、革命評議会にとりましても最大のプレスティージプロジェクトと理解しておりますので、交渉の経過におきましてはいろいろな御苦労があり苦しみがあると思いますけれども、結果として本当に工事が再開してこのプロジェクトが完成されることはかたく信じておる状況でございます。  以上でございます。
  105. 松浦利尚

    ○松浦委員 率直に言ってアメリカのカーター大統領の要請を受けたイランに対する経済制裁が実はイランを強固にしておると思うのですが、片一方では工事を進めながら片一方では経済制裁をしなければならぬという何か袋小路にこっちが追い込まれて、わが国だけが非常に弱みがあるように映るのです。私は、いまお話がありましたから理解をいたしますが、もし本当にイラン石化という問題が日本にとってもイランにとっても将来にとって重要なものであるとするなら、そのものについてもっと正確に率直に国民の前に明らかにしていただかなければならないと思うのです。工事再開の問題にいたしましても、いまお話しがありましたように、中断したことはなく今日まで継続されておるにかかわらず、新聞報道による限りは中断をされておると国民全体が理解をするということでありますから、内容等についての秘密事項についてここでオープンにせよということを言うつもりはありませんが、できるだけ的確にひとつ国民にお伝えをいただいて、正確に理解をさせるという、そういう行政の対応をぜひお願いしたい。そのことがなければ、一方的な報道だけが流れておる限りだんだんエキサイトして、国民性といえばそれまでですけれども、国民全体がイランに対する憤りを感ずるような事態が生まれない保証はないわけです。そういうものについてはぜひ冷静に行政の対処をお願いしたいということを要望しておきたいと思います。お願いいたします。  それから、同じくイランの問題でありますが、これはまた逆の意味でいろいろな報道がなされております。きょうの日経新聞の論説の中でも少しおかしく比喩して、「払うに払えぬ三十五ドル」とかいう記事が出ておったのですが、この問題についても国民が正確に知っておく必要があると思います。  そこでエネ庁長官にお尋ねするのですが、まずイランからの石油を三十五ドルは高過ぎるということで、経済ベースとしては採算に合わないことも含めて購入を断ったわけだという報道と、いや断ったのではなくて依然として話し合いは進んでおるのだという二つの言い方があります。現実に三十五ドルは断ったけれども、依然として現在も購入の話し合いをしておるのかどうか、三十五ドル以下なら買おうという話し合いが進んでおるのかどうか、経済制裁として三十五ドルであれ何ドルであれはっきり買わない方針であるのか、その点がきわめて不明確であることが第一点であります。その点について明確にしていただきたい。  それから二番目の問題は、一応三十五ドル原油は高過ぎるから購入できない、こう言っておられながら、すでに船積みした分、端的に言うと四月一日から四月二十日までに船積みした分については三十五ドルを承認したという報道が一遍なされました。ところが三十五ドルを支払うことが発表された後、アメリカ大使館等からの政府に対するクレームではありませんが、内容についての問い合わせがあった以降は、四月一日から二十日までの分についても三十五ドルで払う約束はしておらないのだ、従来どおり三十二・五ドルについては払おうという話になっておるのか、その点がきわめてこれまた国民の前に不明確でありますから、何か日本自体が右往左往しておるというような感じを国民全体が持っておるのです。日経新聞にはそういった比喩も含めて「払うに払えぬ三十五ドル」という書き方をしておると思うのですが、そういう点について二番目に明確にお答えいただきたいと思います。  それから三番目には、四月二十日までの船積みが終わっておるとすれば、現実にわが国に到着するのは一カ月後の五月二十日に最終の船積み原油が到着すると思うのでありますが、五月二十日以降は一切イランからの石油はわが国に到着しない、こういうふうに理解していいのかどうか、この三点についてまずお尋ねいたしたいと思います。
  106. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 まず第一点からお答え申し上げますと、いま松浦先生からお話しのございましたように、三十二・五ドルという従来の価格なら買いますという態度は明確でございまして、三十五ドル、つまり二・五ドル値上げをしたいということにつきましては、日本側としては応じられません、こういう立場ははっきりしておるわけでございます。  それから第二点の、四月一日から四月二十日までに現実に船積みされた分についてどういう処置をするのかという問題に関しましては、端的に言いますと、四月一日以降二十日までの分も日本側の主張は三十二・五ドルでしか買いませんという主張でございました。イラン側は三十五ドルでないと売りません、こういう主張の平行線でございます。ただ私ども、日本の業界も含めまして価格の交渉をしたいという申し入れをしたことに対しまして、イラン側がそれをアクセプトしたという事実がございます。現にこの期間内にテヘランで価格の交渉が行われたわけでございますから、日本側は三十二・五ドルになるというふうに期待をいたしまして交渉を続けておったわけでございます。その交渉が継続している期間内にも船積みが進行したということでございまして、それがいま実は問題になっているということでございます。  と申しますのは、いま申し上げましたように、日本側は三十二・五ドルでしか買いませんという立場でございますから、日本側が発行いたしますLC、信用状でございますけれども、これは三十二・五ドルで仕切っておるわけでございます。ところが、イラン側のポジションは三十五ドルというポジションでございますから、いわゆるインボイスは三十五ドルで送られてきているということでございます。これは通常の商取引の問題でございますから、LCとインボイスの価格が食い違いますと何らかの調整を要するということでございまして、現在その調整を行っているということでございます。あくまでも日本側は石油代金といたしますれば三十二・五ドルしか払う意思はありませんという主張を貫いておるところでございまして、二・五ドル、つまり三十五ドルと三十二・五ドルの差額の分がいろいろ取りざたされて報道されているのではないかということでございますが、基本的な姿勢は、原油代金としては三十二・五ドルしか払う意思はありませんということははっきりさせておるつもりでございます。  それから第三点に御質問のございました五月二十日以降につきまして、現実に船積みは入ってこないことになるのではないかという御質問に対しましては、まさにそのとおりでございまして、価格交渉が三十二・五ドルで妥結しない限りは船積みする意思はないということでございます。
  107. 松浦利尚

    ○松浦委員 そうしますと、四月一日以降四月二十日まで契約した分が一千四百万バレルとお聞きしておるわけですけれども、五月二十日以降は一切入ってこないということになれば、率直に言って備蓄との関連が出てくると思うのです。これからいよいよ夏のピーク時に入ってくるわけですが、備蓄の取り崩しの必要性というのは現在あるのかないのか、その点を明らかにしていただきたいということが一つと、仮にイランとの交渉が長引いた場合、イラン石油の代替、そういう手当てという見通しはすでについておるのか、あるいはこれから外交ルートを通じて行おうとするのか。メキシコに行かれた大平さんの話し合いも、これは即座にということにはならないわけでありますから、そういったものについてもこの際エネ庁長官からお聞かせをいただきたいというふうに思います。
  108. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 まず四月一日から二十日までに船積みされたもの千四百万バレル程度というふうにお話がございましたが、そのとおりでございまして、大体千四百から千五百ぐらいの間ではないかというふうに考えている次第でございます。それが入荷をしておるわけでございまして、先ほどお答えいたしましたとおり、その分の船積み以降につきましては、現実の問題といたしまして価格の交渉が妥結しない限りは入ってこないわけでございますから、その分は全く不足をするという事態になります。  そこで、御指摘の備蓄を取り崩す必要が出てきているのではないかということでございますけれども、端的に申し上げましていまの一いまと申しますのは不需要期に向かっておる現在という意味でございますけれども、この時期に備蓄を取り崩すことが果たして必要かどうかということにつきましては、私どもはむしろその必要はないというふうに了解をいたしております。  それから、イランの油が全く入ってこなくなったためにその分が欠落をしたかといいますと、必ずしもそうでもないことでございまして、従来からできるだけ各方面で広くいわゆるDD原油の確保に努めたいという政策をとってまいっておりましたことが、着々と効果を結びつつあるという段階でございます。その一例といたしますれば、メキシコの原油がこの第一・四半期から一日当たり二万五千バレルで入ってくるというようなことにもなっておりますし、その他の国々につきましてもほぼ商談がまとまりつつあるものもございます。したがって、五十三万バレルがそっくりそのまま欠落する状態には立ち至ってないわけでございますので、先ほど申し上げましたように、いまのタイミングから見まして備蓄の取り崩しを直ちに急ぐ必要はないのではないかということでございます。  問題は、しからばそのメキシコ以外にどういうところとの話が進行しておるかという御指摘だろうと思いますけれども、これはやや商売の機微に属するような問題でもございますので、いま具体的にどの国からどういった量の増量が可能であるということの答弁は御勘弁をいただきたいと思う次第でございます。しかしながら、できるだけその欠落分の穴埋めをするような、これは従来からの政策の延長でございますけれども、そういった努力を今後とも続けてまいりまして、今年度、五十五年度の石油供給計画で目指しております原油の輸入量の確保を図ってまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。     〔渡部(恒)委員長代理退席、堀内委員長     代理着席〕
  109. 松浦利尚

    ○松浦委員 端的に言えば、イランからの長期輸入見通しが立たなくても心配要りません、備蓄も取り崩す必要なし、そういうふうに理解してよろしいですね。
  110. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 商売の問題でございますから、イランの油はもう要らない、こう言い切ってしまいますと商売上差し支えがあるということもございますので、私どもの答弁も何となく歯切れの悪い答弁をいたしておるわけでございますけれども、私どもはいろんなケースを想定いたしまして作業いたしておりますので、いま松浦先生の御指摘のようなことも一部の考え方としては持っておるつもりでございます。
  111. 松浦利尚

    ○松浦委員 よくわかりました。  それではエネ庁長官お忙しいようですからどうぞお引き取りください。あと、質問の終わった方は、お仕事に差し支える方はどうぞお引き取りください。  それでは最後になりましたけれども、実は本問題はわが党の参議院議員であります福間知之さんが質問をされまして中途で終わっておりますから、それを受けて私が最終的に詰めさせていただきたいという問題でございます。  その内容は、いま各家庭に家電製品が大変に普及をいたしまして、しかもその取りかえあるいは買いかえ等による廃品がきわめて多量に出されてきつつあるわけであります。この問題がだんだん大きな社会問題になりつつありますので、会期末に当たって的確に政府の御方針を承り、また提起を申し上げて、解決策を御判断いただきたいというふうに思いますから、家電製品、一般家庭から出る粗大ごみについての質問をさせていただきたいというふうに思います。  通産省の機械情報産業局長にお尋ねをいたしますが、家電製品の廃品というものは年間一体どれくらい出るのか。的確な統計数字はないと思うので推定で結構ですけれども、どれくらいの家電製品の廃品というのが出されると通産省はお考えになっておられるのか、お答えいただきたいと思います。
  112. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 お答えいたします。  役所の関係の資料ではございませんが、家電製品協議会というところで調査をいたしておる資料によりますと、ここ数年の数字でございますが、冷蔵庫、洗たく機、テレビ、エアコンの四製品につきまして、廃棄量といたしまして毎年台数にして大体一千万台強、重量にいたしまして大体三十数万トン、こういった数字がございます。
  113. 松浦利尚

    ○松浦委員 ここに写真を撮ってまいりましたけれども、処理できない廃品が小売店の前に山と積まれるわけですね。これは御承知のように道交法違反であることははっきりしておる。ですが、道交法違反だからどこかに持っていけと言われても持っていく場所がない。したがって、整然と積み重ねておるというのが現状であります。  そこで、これは厚生省の環境整備課長にお尋ねをするわけですが、御承知のように廃棄物についての処理方法あるいは定義等が法律化されておるわけです。この中で一般廃棄物と産業廃棄物という二つに具体的に廃棄物が分かれるわけですが、この一千万台強と言われておるものは一般家庭廃棄物というふうに理解をすべきだと思うのですが、その点は間違いありませんですか。
  114. 杉戸大作

    ○杉戸説明員 お答えいたします。  一般廃棄物と申しますのは、人の日常生活から排出されるごみや屎尿でございまして、また事業活動から生ずるものも含まれておりますが、環境汚染上の問題がなくて一般的に市町村の処理能力をもって対処することが可能なもの、そういうものを一般廃棄物と定義づけております。それから産業廃棄物につきましては、これは事業活動から生じます廃棄物でございまして、量的あるいは質的に環境汚染の原因となり得るもの、そういったものを申しております。  先生御指摘の家庭電化製品につきましては、これは一般の家庭から直接排出されましたものは市町村の処理責任で一般廃棄物として処理をいたしておりますし、小売店が下取りしたような場合、これは家庭電化製品を販売するそういう企業が使用済みのものを商習慣として下取りすることがかなり多く行われておるのでございますが、それはやはり事業活動の一環でございまして、これを小売店とかあるいは販売店、問屋等が廃棄する場合は産業廃棄物ということで、原則としてこれは排出事業者の処理責任、事業活動に伴って生ずる産業廃棄物というふうに扱っております。
  115. 松浦利尚

    ○松浦委員 産業廃棄物という場合は政令で定めるわけでしょう。ですから、家庭電器製品そのものが政令で定められておるわけですか。
  116. 杉戸大作

    ○杉戸説明員 産業廃棄物は法律及び政令で十八種類のものを定めております。それは木くずとか繊維くずとか廃酸、廃アルカリ、廃プラスチック、いろいろなものがございますが、家庭電化製品というようなことでは法律、政令では定められておりません。したがいまして、これは金属くずと廃プラスチック、ガラスくず等の混合物の産業廃棄物というふうに解釈をいたしております。
  117. 松浦利尚

    ○松浦委員 課長さんのいま言われたことは大変苦しい御答弁で、少し腹を割ってお答えいただきたいと思うのですが、一般廃棄物と産業廃棄物の違いというのは、産業廃棄物と指定をする場合は政令に定められておるものであります。ですから、仮に小売店が消費者からの要請を受けてやむを得ず下取りをしたものについて産業廃棄物として処理をする場合は、その下取りをした業者自身が政令に指定されるものに分解して排出しなければならぬという義務を負わされるのじゃないですか。一般家庭から出した一般廃棄物が一遍中間段階に収集されたらそれは産業廃棄物になるという発想は、きのうはなかったわけですね。ざっくばらんに私は申し上げますが、きのう厚生省からおいでいただいて議論をしましたときにはそういうお話はなかったわけなんですね。ですから、その点はひとつ明確にお答えいただきたい。一遍家庭から出したものを収集した場合は、仮にそれが一般廃棄物であってもあくまでも産業廃棄物になるという定義があるのか、実際に法律解釈上可能なのか、その点はっきりしてください。
  118. 杉戸大作

    ○杉戸説明員 排出された段階では、まだこれは一般廃棄物かあるいは産業廃棄物かは明確ではございません。しかしながら、それが先ほど申しましたような商習慣によりまして下取りをされる、これはやはり事業活動に伴った行為ということで産業廃棄物と申し上げておるのでございますが、法律上は明確なそういう家電製品についての定義づけというものはございませんが、しかし廃棄物処理法の第三条の二項に、その適正な処理が困難とならないようということもうたってございます。これは市町村が置かれました状況にはいろいろな相違がございまして、市町村で十分にそのような廃棄物につきましての処理が可能な場合あるいは不可能な場合、いろいろな状態がございます。それで、その三条によって、市町村の清掃事業にとってその廃棄物を受け入れた場合に非常に深刻な状態になる場合もございますので、製品を製造販売する事業者に対して、この規定によりまして、その製品がごみとして排出される以前に消費者の手から回収して事業者が適正に処理できるように協力を要請することができる、そういうような規定もございます。そういうようなことで扱っておるわけでございます。
  119. 松浦利尚

    ○松浦委員 三条は処理困難にならないようにしなければならないと書いてあるわけですね。だから、処理困難にならないように処理しなければならぬということになれば、この家電製品を小売店がどこかへ行ってばらして、市町村段階で処理できるようにしなさいということに解釈をするとするなら、そういうことがそのあたりの小売店でできるというふうに判断されること自体がおかしいじゃないでしょうかね。処理能力を持っておるメーカーなら別です。小売店段階で第三条による市町村が処理困難にならないように処理しなければならぬという規定を押しつけられると、結局下取りをしないということに結果的になっていくわけで、消費者が非常に不便をこうむるという事態も起こり得る可能性があるんですね。ですから、極端に言うと一般家庭廃棄物として出されたものが、小売店段階に下取りとして持っていかれたら産業廃棄物になるという規定があるからということを理由にして問題の解決を図ろうとしても、一千万台、三十数万トンに及ぶ廃品の処理というのはできない、結局写真にもあるような山積みにする以外にない事態に終わるというふうに思うのです。  ですから、率直に言って厚生省は将来の展望としてそれでは、まあ定義論争は別にして、どういう解決方法を持とうとしておられるのか、それじゃ処理できないものを山積みにしておくことを認めるのか、あるいは処理できないとすれば一体どういう方法で本問題を解決しようとするのか、そういうことについて、もう時間がありませんから端的に具体的に、簡潔にお答えください。
  120. 杉戸大作

    ○杉戸説明員 お答えいたします。  先ほど申しましたように、この廃棄物処理事業というのは地域によって非常に市町村の受け入れ能力、体制に格差がございまして、その能力に応じて行っておるのが現状でございます。先ほどの三条の規定もそのようなことを言っておるのでございますが、しかし、厚生省といたしましても非常に社会的にも重要な問題でございまして、これまでにも都市清掃事業における適正処理困難物に関する調査研究などというもの、ほかにも幾つかの調査研究なども実施してきておるところでございます。今後もその廃家電製品の処理に関します調査を進めるとともに、家電業界あるいは業界を指導しておられる通産省等とも連絡をとりましていろいろ話し合いを進め、これに対処していきたいというとかうに考えております。
  121. 松浦利尚

    ○松浦委員 省資源という意味から考えてもきわめてこれはもったいない資源だと思いますね。ですから、そういった意味では当然資源の再利用ということをまず前提にして廃品回収というのを考えるべきではないか、この点が第一点だと思います。  それから第二点としては、これは昭和五十一年からだというふうにもお聞きをしたのですが、各市町村段階で整備計画をつくられるとするなら、破砕機械とか圧縮機械というものについて補助制度を設けて助成をしたい、そういう形で家電製品の廃品についての処理を行いたい、昭和五十四年度には約三十市町村にそういうものを設けた例があるというふうにもお聞きしておるのですが、そういう制度というのは現実に活用されておると理解をしていいですか。そういう制度を厚生省としては今後とも積極的に普及させようとお考えになっておられますか。その点をお聞かせください。
  122. 杉戸大作

    ○杉戸説明員 お答えいたします。  まず最初の再生利用についてですが、これは最終処分場の埋立地の不足対策としても非常に重要な課題でございまして、厚生省といたしましても、これまで昭和五十四年度及びこの五十五年度におきましてモデル都道府県に対して国庫補助金を交付し、減量化指導計画を策定することにいたしております。その中で、産業廃棄物の再生利用の方策を家電製品も広く含めまして検討することにいたしております。  それから、もう一点の粗大ごみ、これは粗大ごみの補助のことでございますが、市町村が処理すべき粗大ごみの処理対策につきましては、廃棄物処理施設整備五カ年計画に基づきまして計画的な施設整備を図ることといたしまして、先生がおっしゃいますような破砕機とか圧縮機に対しまして市町村に対する国庫補助を行い、整備を推進してきておるところでございます。五十三年度末までにすでに全国で三百五十一基の設備を整備しておるところでございます。市町村からのそういう施設整備の要望に対しまして、実態を勘案の上、いろいろそのような補助を行っておるところでございます。
  123. 松浦利尚

    ○松浦委員 資源の再利用ということになれば、当然粗大ごみ等についての選別機というのも装置せざるを得ないと思うのですが、そういう選別機についても補助対象になっておるのでございますか。
  124. 杉戸大作

    ○杉戸説明員 粗大ごみのそういう処理施設を新設する場合は補助の対象にいたしております。ただ、追加的に設ける場合は対象になっておりません。
  125. 松浦利尚

    ○松浦委員 これからますます、家電製品というのは買いかえ時期等を含めて大量に廃棄されてくると思うのですが、そういった意味では補助制度というのがあって、現実に整備計画にのせれば選別機、破砕機、それから圧縮機等の設置も認められるということですが、新設の場合だけというところに若干抵抗があるわけですね。ですから、現在ある設備に対して選別機とかあるいはいま言った破砕機とか圧縮機を増設する場合にも補助対象にするというような構想については、議論されたことはないのですか。
  126. 杉戸大作

    ○杉戸説明員 いろいろ議論いたしております。先生がおっしゃいますように、このような省資源、省エネルギーの時代を迎えまして、やはり廃棄物の有効利用、再生利用ということは私ども広く関心を持っておりまして、補助のそのような方面への拡大ということも現在検討いたしておるところでございます。
  127. 松浦利尚

    ○松浦委員 さらにお尋ねいたしますが、この補助率は四分の一だと聞いておるのです。たとえば四億円なら一億補助するというふうに聞いておりますが、間違いありませんか。
  128. 杉戸大作

    ○杉戸説明員 一般に四分の一でございますが、ただし公害防止計画地域におきましては二分の一でございます。
  129. 松浦利尚

    ○松浦委員 自治省の方にお尋ねをいたしますが、率直言って、最終的に一般家庭廃棄物を処理するのは地方自治体であります。それで、いま言われたような補助率で、借金を多額に抱えておる地方自治体が果たしてこれから創造されるであろう粗大ごみ、特に家電廃棄物等についての処理に積極的に対応できるかという可能性の問題ですね。資金的に実際可能なのかどうか。その点について忌憚のない意見を、きれいごとじゃなくてはっきり答えていただきたいと思うのです。
  130. 津田正

    ○津田説明員 ごみ処理施設につきましては、現在の財政措置としましていわゆる地方負担額の七五%を地方債に入れ、残りの部分を交付税で見る、また地方債の元利償還金の半分を後々償還の時期に交付税で見るというような体制で私ども財政措置をやっておるわけでございますが、先生御質問の、いわゆる四分の一という補助率がいいかどうかという点につきましては、私どもといたしましては下水道処理施設などが十分の六とか三分の二というような率になっておりますし、性格上ごみ処理あるいは下水道というものは地方自治体にとって同じような業務であるので、そういう下水道等の補助率まで上げるべきではないかという意見を持っておりまして、実は昨年厚生省が予算要求をする前に、私どもはそういう下水道並みの補助率アップという要請をしたわけでございますが、残念ながらまだ実現を見ておりません。来年度からまた新しい計画が入ると思いますので、厚生省にもその点を強く要請してまいりたい、かように存じております。
  131. 松浦利尚

    ○松浦委員 私は、率直に言って、これは新しく起こってきた一般家庭廃棄物の特異性ですから、行政側がその対応に若干のおくれをとっておったというのはやむを得ないことだと思います。しかし、制度として選別機から破砕機、圧縮機等の新設等については補助するという方針を出されてみましても、いま自治省の財政課長が率直に言われたように、補助率がきわめて低いためにやりたくてもできないというのが現状だと思うのです。一般家庭廃棄物の中の粗大ごみ、家庭電化製品の廃品というのはこれから大量に出てくると思います。それを、商慣行だからといって小さな一商店に、家電製品を売っている小売店に押しつけることは私は行政の姿勢ではないと思います。そういった意味からするならば、皆さん方全部の意見としてはどうにかしなければならぬということだけはほぼ一致するわけですから、率直に言っていまある制度の中で実行可能な方法を考えるとすれば、いま財政課長が言われたように補助率をアップするとか、あるいは当面過密都市を中心に、家電廃棄物が非常に多い地域を中心に設備の整備を図っていくとか、そういった計画性を持たせるという意味からいっても、つくる側の通産省、法律を監督する立場にある厚生省、具体的に実施をする自治省というふうに、それぞれの機関でそれぞれの立場で検討はいただいておると思うものの、やはり横の連携というのがどうしても必要じゃないか。しかも早急に解決しなければならぬ問題だと思いますから、この際、法律を持っておられる厚生省で通産省、自治省等と横の連絡を密にしていただいて、粗大ごみ、特に家電廃品についての具体的な方法、計画、こういったものについて御決定をいただきたい。一定の期間を区切って、どうすればこうした家電廃品についての処理が可能なのか、どうすれば国民のニーズにこたえ得るのかという問題等について、そういう協議機関あるいは審議会、いろいろな言葉はありますけれども、そういう横の連絡をもってやられるというお考え方はないのかどうか、なければぜひ持っていただきたい。その点についてのまず所管官庁である厚生省の御意見を聞かせてください。
  132. 杉戸大作

    ○杉戸説明員 廃棄家電製品につきましては、先ほど申しましたように非常に地域によってその処理方法が異なっておりまして、地域ごとに家電製品業界が中心となって、関係者とも相談の上適切な処理体系を確立していくことが望ましいと考えております。したがいまして、厚生省といたしましては、業界を指導する立場にある通産省と連絡を密にしつつ、地域の実情に沿って家電業界等を指導して、これらの問題の適切な解決に努めてまいりたいと思います。
  133. 松浦利尚

    ○松浦委員 整備課長さん、気持ちはわかるのですね。でもメーカーの意見も当然聞かなければならぬし、メーカーも指導してもらいたいということも含めて、先ほど言ったように、これはほっておくとますます家電廃棄物というのはふえるばかりですから、そして埋め立てるところもない、処理する場所もない、結局空き地に積み上げるということで、環境整備そのものにも影響を与えてくるわけですから、そういった意味では過去のそういったことにこだわらずに、思い切って厚生省がイニシアをとられるのも結構ですから、メーカー側を指導される通産省、そして具体的に一般家庭廃棄物を処理しなければならない自治省、この三者でそういう一つの連絡調整機関を持って検討されることはいいのではないですか。あなたちょっとこだわっておられるけれども、それはオーケーなんでしょう。
  134. 杉戸大作

    ○杉戸説明員 先ほどから何度も申し上げておりますが、これは非常に地域性のある問題でございますので、そういう機関を設けて関係各省で連絡協議会をという御趣旨はよくわかるのでございますが、やはり一番関連のあります通産省と私どもと、これまでにもいろいろ協議を重ねてまいったのでございますが、これからも一層緊密に連絡をとりまして、それからメーカーの方の意見も十分に伺いまして、いろいろ協議を重ねながら問題の解決に向かって努力してまいりたいと思います。
  135. 松浦利尚

    ○松浦委員 なぜ自治省を入れたらいけないのですか。具体的に一般家庭ごみを処理しなければならない、義務づけられなければならない――やらなくていいというならいいですよ。しかし、結果的に地方自治体の、やるところにしわ寄せがいくわけですから。地域的な特性があることはわかっております。だから、そういったものも含めてやはり地方自治体の意見も当然聞くべきではないですか。それは聞いてやりなさいよ。あなた方が、一方的に厚生省が押しつけたって受け取り拒否ですよ、そんなことを言ったら。
  136. 杉戸大作

    ○杉戸説明員 おっしゃるとおりだと存じます。必要のある事項につきまして、その際には関係各省あるいは地方自治体等ともよく協議を進めてまいりたいと思います。
  137. 松浦利尚

    ○松浦委員 これで終わりますが、通産省それから自治省、そういった意味も含めてぜひそれぞれ、どこが主管だなんて、余り厚生省が積極的でないなら地方自治体がイニシアをとってもいいと思うのですよ。自治省がイニシアをとってやってもいい。だから、そういった意味では自治省それから通産省の考え方もこの際お聞かせいただきたいと思います。  それで、こういう問題は三省にまたがっておるのですから、政務次官、三者の意見を聞いてみて、政務次官としてどう対応されるかということも政務次官会議等でやはり出してもらって、これは大変なことになってから、こういうふうに山のように積んでしまってからどうしましょうではもう間に合わぬわけですから、だから省エネ、再利用ということも考えて、最後に政務次官からもひとつお答えいただきたい。各省庁からひとつお答えください。
  138. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 ただいま先生のお話の御趣旨、特に関係各省それぞれの立場でそれぞれの施策を講じておるわけでございますので、そういった施策を総合的に、効率的にするために各省が協議をしていく、こういったお考えに私どもとしても基本的に賛成でございます。そういったことで各省よく連絡をとりまして対処させていただきたいというふうに考えております。
  139. 末吉興一

    ○末吉説明員 先生御質問の粗大ごみの処理、特に家電の問題につきましては、関係省庁において第一義的に御検討いただくのが中心だろうと思いますが、地方公共団体にとりましても、いろいろ議論がありましたように資源再利用の見地からあるいは捨て場所等の確保についていま非常に悩んでおる点がございます。そういうことでございますので、その対策等につきましては御相談がありますれば私どもの方も協議には当然応じてまいりたい、こういうふうに考えております。
  140. 梶山静六

    ○梶山政府委員 それぞれの省庁からお話がありましたように、これが有効、一体的に処理をされることが一番望ましいわけであります。それは先生御指摘のとおりであります。ただ、なかなか縦割りの行政の弊害でありまして、話を聞いていますとなかなかしっくりかみ合わない点を感じます。これから懸命にその努力を払ってまいりたいと思います。
  141. 松浦利尚

    ○松浦委員 少し時間を超過しましたが、おわびをして私の質問は終わります。ありがとうございました。
  142. 堀内光雄

    ○堀内委員長代理 これにて松浦利尚君の質疑は終了いたしました。  引き続いて中島源太郎君の質疑に移ります。中島源太郎君。
  143. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 私は、中小商業をめぐります情勢並びに商業の調整問題について若干御質問をしたい、こう思っております。  本日は五月十四日でありまして、ちょうど昨年、五十四年の五月十四日に改正大店法が施行されたわけでございます。きょうがちょうど改正大店法施行から一年目でございまして、私ども立法府といたしましては施行後は行政府の御努力にゆだねておるわけでございますが、立法の精神が現実の調整に果たして生かされておるかどうか。万一ふぐあいがあればまた法改正の努力もいたさなければならぬわけでございますので、その後の情勢を見定めていくということはやはり立法府に与えられました義務であろう、このように考えております。われわれ自由民主党といたしましては、やはり商業活動というのはあくまでも自由主義経済の中での自由競争にあるとは存じますが、しかし、自由競争というのはやはりそこには一定のルールがなければならない。ルールを無視したような自由競争というのはいたずらにあつれきを生じ、弱肉強食を助長することになると考えております。一般のスポーツでも一定のルールの中で全力をお互いが挙げるから清潔なスポーツと言われるのでありまして、ルールがなければちまたのけんかと同じことになる、このように考えておりますので、私どもはやはり調整のルールづくりは必要である。そのルールの確認をここにいたしてまいりたいと思っております。  そこで細かい問題になりますが、この商業立法はえてして法律文言は骨格のようなものでありまして、実際には行政通達によりまして運用が図られておるわけでありますが、この商業立法自身が調整法でありますから、調整の機関、ポジションというものが非常に重要だ、こう思っております。そういう中で、地域の調整をゆだねられておりますのが商業活動調整協議会、いわゆる商調協であります。その商調協の運用につきまして通達が出されておるわけですが、まず商調協の委員の人選について御質問しておきたいと思うのです。  昨五十四年五月十一日付の通達によりますと、商調協の委員は商業者、消費者、学識経験者、この人員比率は相互に均衡のとれるように選定をするということになっておるわけであります。しかし、実際面におきまして、通産局の指導は三者同数ということを指導しておるように聞き及んでおるわけであります。こうなりますと、やはりルールの曲解だと私どもは考えるわけであります。この点まず伺いたいのです。  それについては、ちょっとさかのぼりますが、旧法時代の四十九年二月二十八日付の「商調協の運用について」という通達の中では商業者の区分をいたしておるわけであります。その区分は、私が読み上げるまでもなく通産省の方は御存じでありますが、商業者の中を、いわゆる中小小売業者と大型小売業の経営者と卸売業者というふうに三つの区分をいたしております。これを含めて商業者代表といたしておるわけですが、その当時は、たとえば消費者三人に対して商業者代表はおおむね五人選んでよろしいというふうな通達内容であります。同時に学識経験者は、学識経験者三人と商工会議所役員一人、つまり消費者三人といたしますと、少なくとも学識経験者はプラス一、商業者代表はプラス二というような既得の人員があったわけであります。それが今度の新法の通達によりますと、商業者の中の中小商業者、大型商業者それから卸売業者の区分が撤廃されたわけであります。  この区分を撤廃した理由は、当時私どもはこのように考えておったのです。私どもが考えるだけでなく、行政府である通産省と打ち合わせをした精神は、大型小売業者あるいは卸売業者が必ずしも中小小売業者と同じ見解に立つ商業者代表とみなされるかどうかは疑問な点もある、むしろその区分を撤廃することによって、真に中小小売業者の代表者たるにふさわしい委員を選定できる道を開けるであろう、こういうことで区分が撤廃されたわけでありまして、区分が撤廃と同時にこの既得の人数が減らされるというようなことは、私どもは話し合ったこともなければ考えたこともなかったわけであります。しかし、いざ通達が変わってみますと、均衡のとれる人員の選定ということを、通産局は三者同数というふうに指導しておるというのは、私どもの考えた精神が曲げられておると言わざるを得ないのじゃないか、こう思いますので、この点について御答弁をいただきたいと思います。
  144. 神谷和男

    ○神谷政府委員 御指摘のように、法律改正に伴っての商調法に関連する通達の中では、表現は従来と同じでございますが、商調協の委員選定に当たっては、消費者代表あるいは学識経験者それから商業者の相互均衡という趣旨の表現がございます。これらの考え方は、この三者の意見が公平に反映できるような人数にするように、こういう趣旨でございます。したがいまして、原則としては人数的にこれら同数が目安になる、こういうことでございますが、地域の実情により、単に数の上で同数とすることが適当でないケースも存在すると考えられますので、これらに関しては実質的な均衡を失しないようなものであり、またそれが必要であるかどうかという判断を加えつつ、ケース・バイ・ケースで対処をしていく、こういう方向で指導をしておるところでございます。  御指摘のように、旧法の通達並びにその中に設けられております標準例の商調協の設置規則等では、商業者は五人ないし九人となっておりますし、消費者は三人ないし六人、学識経験者四人ないし七人、こうなっておりますが、商業者の中にはただいま御指摘のような内訳がございまして、小売業者は三人ないし五人ということで、消費者の三人ないし六人というものとおおむね均衡のとれた構成ということで指導がなされておったわけでございます。  しからば、今回の商業者代表の中に、この小売業者以外の大型小売業の経営者あるいは卸売業者をなぜ含めていないのか、こういうことでございますが、大型店の出店調整問題が地方に及んでまいるに従いまして、地方ではこれらの卸売業者あるいは大型小売業者の代表というような形で適切な者を人選することが困難になるケースも少なくないというような実態の問題もございますし、大型店の出店調整に関して大型店舗の代表者あるいは卸売業者を選定する必要は必ずしもないのではないか、こういう考え方等もございますので、委員の内訳を撤廃すると同時に、旧法時代の小売商業者と消費者、学識経験者の均衡という点に着目した指導を行っておるわけでございます。繰り返しになりますが、基本的にはこれらの意見が公平に反映できるように、こういう考え方でございますので、形式にはとらわれず、実質で判断してまいりたいと考えております。
  145. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 いまの御答弁で確認をしておきますが、そうしますと、商業者代表というものを、同数とは限らない、その地域の実情に応じて均衡がとれる内容であれば結構ということであろうと解釈をいたしますのと、それから、商業者代表の中に大型小売商の代表あるいは卸売業者の代表を入れるかどうかは地域の実情にゆだねるということでよろしいでしょうか。
  146. 神谷和男

    ○神谷政府委員 実質的に均衡を失するかどうかという判断をケース・バイ・ケースで行っていただくという点は御趣旨のとおりでございます。むしろこれらに関しての具体的考え方は、地元から具体的な問題として上がってくると思いますので、これを具体的にケースに即して判断をし、適切な指導をしてまいりたいと思っております。  それから、大型店舗代表者あるいは卸売業者等は、基本的には商調協の委員の中に特に選定する必要はないという考え方に最近では立っておりますが、それらの意見というものが調整の中で反映されることが適切であり、それらを適切なウエートでしかるべきところに組み込むことによってむしろ公正な判断あるいは識見その他を持った意見等が聴取でき、適切であると考える場合には、同様ケース・バイ・ケースで判断してまいりたいと考えております。
  147. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 次に、商調協の人選のチェックポイントというものがあると思うのです。商調協委員の人選は、地域の商工会議所あるいは商工会の会頭、会長が委嘱をするわけでありますが、同時に、各通産局のチェックがある。そのチェックというのは何かということにつきましても、当時私どもの理解をいたしておる範囲では、商調協の委員たる者は新規出店の大型店と利害関係があるか否かというのがチェックポイントの重要な点である。五十四年五月十一日の「商調協の運用について」という通達の一の四、これにやや実例が書いてありますが、たとえば「専属的納入業者等」というようなことであります。これには建物設置者あるいは土地の所有者あるいはテナントの内定者も含まれるというふうに解釈できるのではないか、こう思っておりますが、この点をひとつ明確にお答えいただきたい。  それから同時に、最初利害関係がなくとも、審議の途中で利害関係が生じた者はやはり委員から御遠慮願う、そしてその場合、必要とあれば新委員を補充するということが考えられると思うのですが、その途中で利害関係が生じた者のチェックはどのようになさるおつもりなのか、あわせてお伺いいたします。
  148. 神谷和男

    ○神谷政府委員 御指摘のように、商調協の委員に関しては公平が第一でございますので、ただいま先生御指摘のような特別な利害関係がある者は排除するように、そのほか小売業者を代表するような方をできるだけ選んでいただきたい、消費者その他に関しても同様でございます。地元の小売業者を代表するか、消費者を代表するか等々に関しましては、むしろ地元の判断の方が恐らく通産局の判断等よりはすぐれておるというケースが多いと思いますが、一応それらに関しても形式上の御説明は受ける形になりますが、基本的には利害関係があるかどうかについてはよりきめ細かな指導を行ってまいりたいというふうに考えております。  具体的な事例といたしましては、ただいま御指摘の「専属的納入業者等」ということになっておりますが、専属的納入業者のほかに、われわれとして従来具体的な利害関係ありと考えて指導しておりますものは、当然のことでございますが、大規模店舗の設置者あるいは当該店舗の建設予定地の地主さんあるいは土地関係の権利を有する者といったようなものを明示的に利害関係者として指導をいたしております。それから、具体的な利害関係に関しましてはこのような形で述べておりますので、利害関係者と言えるかどうか非常に判断に迷うようなケースもございますが、特殊な利害関係人と受け取られたりあるいはそのために不必要な紛糾を招くおそれがあるような場合には、むしろ審議に極力参加しないことが好ましいという方向で指導をしておるわけでございます。  それから、途中から利害関係が生じた場合等々という者につきましては、むしろ第一義的には商工会あるいは商工会議所等で自主的に判断し、委員の組みかえといったような形で通産局と御相談をいただく、こういうことでございますが、特別委員として通産局あるいは地方自治体等も参画をいたしておりますので、その審議の過程で委員の専属的なポジションに変化が生じたということを了知した場合には、しかるべき指導を商工会あるいは商工会議所等に行うということは当然あり得ることでございます。その際、新しく選定された委員に関してのチェックは、新委員と同様の考え方で進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
  149. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 次に審議のルールについてちょっと伺っておきたいのです。  新法施行後、三条届け出が出されました場合には三条審議、いわゆる五条の事前審議と申しますか、これを八カ月というふうに設定をいたしました。実際やってみますと、八カ月の事前商調協審議期間というのは短過ぎるという御意見もあるようであります。しかし、実際にはこれは三条段階の事前商調協と五条届け出後の正式商調協との兼ね合いだと私は考えております。  私どもは、立法に際しまして、三条段階八カ月でよろしいといたしました理由は、五条届け出後の審議期間を大幅に延長する。つまり旧法の土俵は狭過ぎたのではないかという反省に立って、正式商調協の土俵を広くしたわけであります。つまり旧法によりますと、正式商調協の審議期間は三週間程度というふうに行政指導されたと思っております。すなわち大臣の勧告まで三カ月しがなかったわけであります。それを新法に際しまして、政府案では四カ月プラス二カ月という形で出されましたのを、国会修正によりまして四カ月プラス四カ月、つまり正式商調協は大臣勧告までを含めて八カ月の土俵というふうにいたしたわけであります。したがって、三条届け出後、事前商調協が八カ月で短過ぎるかどうかということは、あと残されました五条届け出後の正式商調協の土俵をフルに使えるかどうかということと連動しておると思いますので、この際、特に五条届け出後の正式商調協の審議ルールについて改めて確認をいたしておきたいのです。というのは、各地域に入りますと、五条の審議期間が一体何カ月なのか明確に把握してないことが多過ぎると思いますので、五条届け出後の正式商調協の審議期間は一体何カ月なのか、改めて確認の意味を込めまして御質問いたしますから、お答えを願いたいと思います。
  150. 神谷和男

    ○神谷政府委員 御指摘のように事前商調協をできるだけ八カ月というところで煮詰めて正式の手続に乗せていただきたい、こういう指導をいたしております。正式の手続に入りました際の正式商調協の審議期間は、基本的には勧告まで四カ月、こういうことになっておりますので、二カ月程度で結論を出してお答えいただきたい、こういう形で通達で示しておるわけでございます。ただ、広域案件あるいは予期せざるような錯綜した案件の場合にはさらに勧告期間を延長できる、こういうことになっておりまして、これが四カ月の延長が可能でございますので、延長を行った場合にはさらに四カ月プラスが可能であり、その場合には合計して六カ月間の正式商調協の審議の可能な期間がある、こういうことになると思います。
  151. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 そうしますと、正式商調協は二カ月で意見をまとめてもらいたいということが主であります。そうなりますと、非常に問題の多い点があると思いますので、二カ月という審議期間を表に出されますと、正式商調協というのは短過ぎる。その事前の八カ月を何とか延ばしてもらわないと困るというような感じを地域商調協では持たれると思うのです。実際の調整に当たりまして、ともすれば各通産局から事前商調協で意見を一本化してもらいたいという要望というか、指導をなさっておるやに聞いております。これは通産局としては、その御努力はわかるのです。事前商調協段階で意見が一本化するならば一番明朗であることは否定はいたしません。しかしいままで相当長期間にわたりまして事前商調協あるいは事々前商調協が行われまして、それを八カ月に圧縮をいたしたという点は、長ければいいという問題ではない、ある期間を切って、そして意見がまとまらない場合にはむしろ三条はそこで打ち切って、五条の届け出をなされた後、正式土俵で各代表者が資料を持ち寄って十二分に討議をしたらいいではないかというのが私どもの立法の精神だったと思うわけであります。そういう面では審議官のせっかくのお答えでありますが、五条機関で、五条が出た後非常に複雑、錯綜した場合にはとおっしゃいますが、八カ月で一本化しろというのはあくまでも旧法時代のエンドレスに近い事前商調協、事々前商調協の習慣がいまだに残っておる指導であって、むしろ新法の精神は、八カ月間十分に討議をしていただいて、そして一本の線にまとまらなかった場合にはそのまま八カ月で切っても、五条の正式土俵でさらに検討を加えてもらいたいというのがそもそもの趣旨ではなかったかと私は記憶をしておるわけです。したがいまして、正式商調協は二カ月ですよ、こうかた苦しくおっしゃらずに、むしろ正式商調協は二カ月プラス四カ月、つまり六カ月間は十分に商調協委員で話し合っていただく機会がありますぞということをもっと徹底して地域に指導していただくことによりまして、商調協委員は安心して三条審議もでき、五条審議もできる機会を持てるのではないかと私は思っております。それが私どもの立法の精神だったと思うのです。ですから、言うならば三条段階は八カ月、五条段階は六カ月の審議期間がある。しかもプラス二カ月は大店審におきまして十分に審議がなされ、そして五条段階でも八カ月目には大臣勧告が出せればよろしいという土俵づくりをもう少し明確にされたらいかがかと思いますが、この点御意見はいかがでしょうか。
  152. 神谷和男

    ○神谷政府委員 事前商調協で八カ月間の審議を経て上がってまいります案件は、おのおの具体的なケースによってそれぞれ非常な特徴を持っておると思います。一般的なわれわれの考え方ないし期待は、その八カ月の中でできるだけコンセンサスができまして、若干の差はございましても議論は出尽くし、二カ月の正式商調協でしかるべき結論を出すなり、大店審の方にお任せするという形の案件に煮詰まることを期待しておるわけでありますが、八カ月もみにもみましても非常に意見の対立あるいは解明すべき問題についての議論が尽きないというケースの場合、別の言い方をいたしますれば非常にむずかしい案件の場合に、法律上は特殊な場合に限って延長できるのだとは書いてございますが、文理解釈に特にこだわることはなく、弾力的に複雑な案件に関して事実上六カ月の期間があるのだからそれを十分活用して、調整を目的にした法律でございますので、その法律の目的の方にウエートをかけた運用を行うことは、御指摘のように私ども十分考え得ることでもあるし、またその辺の弾力的な考え方を体して指導に当たるよう指導してまいりたいと思っております。ただ法律上のたてまえが別にございますので、原則と例外が逆であると明言するわけにはまいりませんが、原則と例外の差にそれほどこだわるよりも、むしろ調整の実を上げることに専念するよう指導してまいりたいと考えております。
  153. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 いまの御答弁で、弾力的に運用いただくということで結構だと思います。強いていえば、各通産局にもそのお考えを徹底していただくことを望んでおきます。そしていま申したように、八カ月プラス五条の六カ月がフルに審議期間として使われましてもなおかつ意見が一本化できなかったという場合に、これは大店審の審議にゆだねられることになるわけであります。そこで大店審のあり方がますます重要さを増してくるわけでありますので、大店審のあり方について御質問をしたいと思うのです。  大店審の委員の方々は、それなりに社会の良識ある方々であろうと思います。また逆に申すと非常に御多忙な方が多いわけであります。そこで、地域の商調協などで十分に討議されました資料あるいはその資料に基づきます説明は、大店審委員の方々に一堂に集まっていただいて十分に御説明できる時間が実際にあるかどうか、私どもは非常に心配をしておるわけであります。仄聞するところによりますと、大店審委員の方々は非常に御多忙でありますので、その委員の方々を一堂に集められる機会が非常に少ない。したがって持ち回りで御説明をしなければならない。大店審委員の方方がようやく集まったときには数時間で結論を出さなければならないのが実情のようにも仄聞するわけであります。大店審委員の方々がその短い時間内に集中的に御審議をいただくその御労苦に対しては大変敬意を表しますが、同時に八カ月もあるいは十四カ月も地域で審議されましたことが、大店審で数時間で結論が出てしまうということに対しまして、地域の方々はともすればそれでいいのだろうか、十分に審議されておるのだろうかというような御不審の念も抱きかねない。大店審のあり方に十分な信頼が置ければ、地域の商調協も、最後は大店審の良識にゆだねることができるのだという安堵感がどこかにあると思うのですが、最終段階の大店審の審議のあり方に万一不信感が残るようなことがありますと、地域で何とか一本化しなければ大店審に上がっても、要するに各商業者あるいは消費者あるいは学識経験者のそれぞれの意見が十分に反映されておるかどうかわからぬということになりますと、地域商調協の審議のあり方に逆に焦燥感が生まれてくる。そこにかえって商調協の審議の中にあつれきを生ずることもあるのではないか。私が申し上げたいのは、そういう面で大変な注目を集め、しかもますます重要な職務を遂行なさる大店審のあり方の実態について御答弁をいただきたいわけであります。
  154. 神谷和男

    ○神谷政府委員 御指摘のように大店審の委員の先生方は御多忙な方も少なくございませんので、すべての委員に一堂に会していただいて御議論を願う機会をきわめて頻繁に持つことは非常にむずかしい実態にございます。したがいまして、われわれの方といたしましては、大店審の審議案件に関しましては、事前に事務局が各委員に一対一という対応で出店の概要、商調協の審議の資料、商調協の議事録等も含みますが、それらの資料を事前に送付することはもちろん、必要に応じまして地域の実情あるいは地元関係者の意見、考え方といったものについて説明を行い、ケースによりますと、これは非常に多いわけでございますが、むしろ委員の方々から御質問を受けるというような形で、個々には十分内容の御理解と御検討をいただき、その上で大店審そのものの会議といたしましては、一般の通常案件でございますと一、二回の審議で結論を得ておる、ただ、非常に調整のむずかしい案件については数回にわたって審議を行うこともあるわけでございます。  このように、多忙な各委員を一堂に非常に頻繁にお集まり願うことがむずかしいという実情は踏まえながらも、最大限の審議を尽くしていただくよう事務局の方といたしましては従来最大の努力をいたしているわけでございますし、今後もその努力を続けてまいりたいと考えております。
  155. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 次に、大店法の精神でありますが、大店法は言うまでもなく中小小売業者の営業の機会確保が目的の第一であります。ただ、私どもが考えますのは、大型店の進出をとめればいいということだけではなく、逆に大型店の進出をとめるということはその地域の中小小売商の方々に近代化の努力、自助努力をむしろ促進していただくという反面がなければならぬのではないか。中小小売業者の方々にはきつい言葉かもしれませんが、私は中小小売業者はあくまでも弱者である、弱者だからお上の手で取り締まってくれというような、たとえば許可制に対して一抹の疑問を持っておるのはその点であります。弱者を弱者としてあくまでも保護しておればいつまでたっても弱者は弱者である。むしろ弱者が強者にかわるためには、弱者であればあるほどその組織化、近代化、自助努力をみずからしていただくということがなければならぬ、私はこう思っております。そういう意味で、実は大店法にはその反対の義務規定が欠落しておるというふうに思いまして、実はこの大店法の改正のときに大型店進出を阻止する、つまりゼロ出店もあり得るということの反面で、地域中小小売商の方々の自助努力を促すという義務規定が必要ではないか。中小企業の分野法にはこれがあるわけなんです。しかし、この大店法にはそれを入れ得なかったという点が一つの欠陥であるというふうに私自身は考えております。しかし、法律の文言にはございませんが、精神的には当然そうあるべきである。それをもって弱体の中小商業はみずから力をつけていく道が開ける、このように考えておるわけなんです。逆に、もしそうであるならば、今度地域の中小小売商業者が近代化の努力をしておる、つまり高度化資金あるいは特定高度化資金等を導入されまして近代化の努力をする、これも二・七%とか無利子とかいう低利の金融ではありますが、膨大な融資を受けまして商業活動の中でそれを返済していくということはそれなりに負担が多いにもかかわらず、中小の小売商の方々があえて近代化に踏み切っておられるという事例は各所にあるわけであります。そういう事例がある限りは、逆に近代化の努力をしておられる限りは、その近代化努力を踏みにじるような大型店の進出は断固として待ってあげさせるというような態度もこれまた必要であると私は思っておるのです。  いまの二点。つまり中小小売商は自分の努力をせずに、便々として大型店はいかぬよということはいかがかと思いますが、御自分で努力をなさっておるという努力中の場合には、大型店の進出は一平米たりともこれを阻止し、待ってさしあげるというような努力が地域の商調協にも芽生えるべきでありますし、大店審あるいはこれを指導なさる通産省の中にもあってしかるべきではないかというふうに考えるのですが、以上の二点について見解をお伺いしたいと思います。
  156. 神谷和男

    ○神谷政府委員 御指摘のように、大店法の調整は憲法で認められております営業の自由を法律によって規制することになるわけでございますから、当然その調整の相手方あるいはそれによって保護さるべき者というものが、現在の自由社会の中にあって行うべきたゆまぬ近代化の努力というものは法律上の規定の有無にかかわらずなされるべきであり、かつこのような調整がなされるということを考えれば、さらにその要請は強くなるものであろうというふうに考えておりますし、私どももまた現実に各地の中小企業はそのような近代化の努力をなされておるものと信じており、中小企業庁もそれに関しての行政上の全面的な応援を行っておるものというふうに了解をいたしております。  問題は、そのような近代化の努力、これはいろいろな形態がございますが、それを踏みにじるような大店舗の進出に関しては一平米たりとも認めるべきではないという御指摘がございました。ここのところはまさにこの法律の言わんとするところでございまして、近代化を進めておるおらぬという抽象的な議論よりも、大店舗が出ることによって、現在そのようなことを進めておる周辺の中小企業に具体的にどのような弊害が出てくるのか、したがって、それによって大型店舗にどのような調整をしなければならないのか、そういう実態に即しての商調協での御意見の交換あるいは大店審における判断というものが示さるべきものであろうというふうに考えております。
  157. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 いまのお答えでありますので再確認を申し上げておきますが、えてしていままで商調協あるいは大店審で審議が行われますのは、出店の店舗面積について何平米がいいかという点が審議の重要対象になってきたのは事実だと思うのです。たとえば一万平米で出店計画がなされた、三者協議の上商業者が血の出るような思いで御自分の意見を商調協で述べられる。しかし三分の一程度の意見でありますから、それじゃ三〇%削ればいいのではないか、そういう単純計算ではないでしょうけれども、二割か三割出店平米数を削ったからこれで仕方がないじゃないかということで、結局は平米数がやや削られましても出店はしてしまうということが往々にしてあると思うのですね。逆に申せば、それを見越して今度は出店計画の平米数を上乗せしてくるということも考えられないことではない。むしろいま御質問申し上げたのは、平米数の審議と同時に、この進出の時期がいつが適当であるか。つまりそれを大幅に待たせる、現段階では出店ゼロでありますよ、あと何年間は出店を見合わせるべきだという、出店の時期についてむしろ商調協並びに大店審はより多くの関心を持っていただくべきではないか、それが中小小売商の営業の機会の確保につながるというふうに私は考えますので、お答えはいただいたのですが、確認の意味でもう一度御答弁をいただきたいと存じます。
  158. 神谷和男

    ○神谷政府委員 法律の勧告の内容といたしまして、店舗面積の削減あるいは開店日の繰り下げという二つが明示されておりますので、御指摘のような形の調整というのは当然法律上想定しておるところでございます。ただ、現実の調整の中でそのケースが非常に少ない、あるいは若干開店日の事実上の繰り下げの調整が行われましても、あわせて店舗面積の削減といったものも要請されるというケースが多いわけでございますので、店舗面積の削減のみの勧告という事例が非常に少ないというのが現実の姿であろうかと思います。店舗面積そのものに関して異論はないが、開店日だけを何とかある程度調整するようにという小売商業者の意見が圧倒的な場合には、当然そのような調整は行われるものと考えております。
  159. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 次に進みます。  最近は広域商調協が持たれる場合が多いと思うのです。広域商調協は、店舗面積に応じましてその範囲が一キロメートル、二キロメートル、三キロメートル、五キロメートルと定められておりますが、これは非常に事務的な設定であると思いますので、施行後一年たちました時点で、商圏範囲はより正確を期すべきではないかというふうに考えておりますので、この点でも御答弁をいただきたいのです。  なお、商調協の編成であります。商調協の編成は、当該の商調協は全員でありますが、隣接の関係市町村からは商業者、消費者、学識経験者各代表一名、計三名が参加できるだけということでございまして、広域商調協の編成自体が非常に不均衡過ぎるのではないか。これは当初からそういう危惧はあったわけでありますが、実際上一年間運用されまして、この点は改善の御意思があるかどうか。つまり、三者代表各一名というのは非常に少な過ぎる。と同時に、たとえば消費者代表が一名で隣村に意見を言いに行く。その一名の方は非常な責任を感ずるわけでありますね。少なくともこれは複数の代表者、消費者、商業者、学識経験者のそれぞれから少なくとも最低複数の代表者に改善すべきではないかというふうに考えるのです。より正しくは、隣接市町村同士に同時に大型店が進出してくるような場合に行われます合同広域商調協、このような形に持っていく方がより公正で賢明な審議がなされるのではないかと考えますが、この点について御答弁をいただきたいと思います。
  160. 神谷和男

    ○神谷政府委員 広域商調協の設立に際しまして、店舗面積に基づいて商圏の範囲を設定しておくわけでございますが、一般的には、御指摘のようにその店舗面積の広さに従いまして、たとえば三万平米以上の店舗の場合には半径五キロメートルの範囲をとるというような形で、一定の円を描いて広域商調協を開く必要があるかどうかを判断いたしております。その場合でも、川であるとかあるいは非常に大きな道路であるとか、自然の地理的な状況、形態で切断されている場合にはそこまでとするとか、あるいはその他の特殊の事情でそのような形でとることが適切でない場合には地元の御意見で、県、通産局等と御相談をいただく、こういう形で設定をしておるわけでございます。  問題は、このような形で設定した広域商調協の隣接の商工会あるいは商工会議所の代表が三名では少ないではないか、こういう御意見でございますが、一般的に申し上げますと、地元の商調協にさらに隣接商調協を加えますと非常に多人数の商調協になりまして、審議そのものがむずかしくなるというのが第一点。第二に、一般的に申し上げればその設立の地元がやはり一番大きな影響を受けますので、そこの地元の商調協の人数を削るというのも非常にむずかしい。したがいまして、隣接商調協においては消費者、学識経験者あるいは商業者はおのおの代表という形で出ていただきまして、隣接の商工会あるいは商工会議所域内においてはそのおのおののグループというと語弊があるかもしれませんが、代表する範囲の方々の委員の御意見あるいはさらには関係者の委員の御意見を取りまとめて出ていただいて、意見を審議に反映していただく、こういう形を期待しておるわけでございまして、これらの商調協の結論につきましては、その場合、隣接商調協の委員の特定の意思あるいは意向というものを発言した者が一名であるか二名であるかというような人数にこだわらずに、むしろその実態、背景というものを大店審等では勘案した上で判断を下す、こういう形で行っておりますので、基本的に現在の体制のもとではまずまず最善の方法と考えておりますが、いま御指摘のように、一人だけで行ってなかなか発言する勇気がないとか、いろいろな御意見もございますし、またその影響の度合いというのも、隣接する地域と一般には言われますが、地域によって特性もあるというようなこともございますので、基本的にはまず個別のケースごとに適切な指導を行ってまいりたいと考えております。さらに多くの御意見を伺いながら検討は続けてまいりたいと考えております。
  161. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 いまのを確認いたしますが、そうしますと、出店地の商調協委員は代表商調協委員、隣接地の、いわゆる関係市町村からの代表者はその地域の意見を取りまとめて持ってこられるのだから一名でもいいはずだが、複数にすることも考える、複数でも結構だということでよろしいのかどうか。しかし、実際には「商調協の運用について」という通達の中での第四、「広域商調協の編成」という中には「商業者、消費者、学識経験者、各一名ずつ」というふうに明記されております。この明記されたものを改善されますか。あるいは明記はされておるけれども、一名ずつにはこだわらないということを明確に御答弁いただけますか。この点を再確認いたしたいと思います。
  162. 神谷和男

    ○神谷政府委員 隣接商工会あるいは商工会議所、地域に与える当該案件の影響度を勘案しながら、必要な場合には弾力的に対処してまいりたいと考えております。
  163. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 弾力的とは申しますが、一名ずつと書かれておりますと、一名ずつにこだわる方が多いと思いますので、この点は弾力的な運用というのをよく各通産局に徹底していただきたいと思うのです。  私が一番心配しますのは、広域商調協が持たれまして隣接市町村から代表者が参って、たとえば反対意見を伝えましても、さっき言ったように、結局出店地の商調協におきましては幾ばくか出店面積が削られましても、出店してしまうということが往々にしてあります。そうなりますと、隣接市町村は、たった一キロか五キロ範囲でありますから、いまの自動車時代には何分もかからずに隣接市町村に行ってしまうわけであります。そうなりますと、代表者が反対意見は言ったんだけれども、実際には出店地に出店してしまう。それならば、手をこまねいて隣接市町村に消費者を取られるよりは、むしろ反対してもだめなら自分のところにも誘致しようということで、広域商調協を持つということは逆に誘致合戦を現出してしまうという危険が多分にあるわけであります。私も実際にそういう経験を見ておるわけでありますが、こういう点も含めまして、これは御答弁は要りませんが、いま申したように、広域商調協の運営については十分に配慮をいただきたい、こういうように思うわけであります。  さて、この大店法は、出店まではいろいろと審議機関もあるわけであります。しかし、一たび出店してしまいますと、出店後調整というのは本当にほとんどここに規定されておらない。ただあるのは第十条の改善勧告だけであります。こうなりますと、出店はしてしまった。恐らくよかれと思って、商調協あるいは大店審で認められた範囲で出店はしたものの、その影響が予想外に大きかったという場合、どこに駆け込んで調整をしたらいいのか。本来ならば大店法に出店後調整規定を定めるべきであったと思うのですが、これが実は明確じゃありません。これを補充すべき法律といたしましては、小売商業調整特別措置法、いわゆる商調法を作動させる以外にないと思っております。商調法と申しますものは申し出制でありまして、あっせん、調停を初めとして相当広範囲に活用度のある法律であると思いますが、残念ながらいままで余りこの商調法が活用されたというデータを聞いたことがないわけであります。これは中小企業庁の分野でありますが、今後積極的に商調法が運用できますように一段の指導と徹底を図られることをお願いしたいと思うのですが、この点についていかがでしょうか。
  164. 左近友三郎

    ○左近政府委員 商調法の運用と申しますか、商調法を発動してあっせんなり調停をやるという件数は従来比較的少なかったというのは御指摘のとおりでございますが、最近では埼玉県で例のボックスストアの出店に当たって、商調法の適用をいたしましてあっせんを成立させたという例もございますし、われわれといたしましては、法律の要件を満たしたときに極力商調法を活用するということを今後指導いたしてまいりたいと考えておるわけでございますので、今後とも十分そういう運用を検討いたしまして措置をいたしたいというふうに考えております。
  165. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 いまの問題に関しましてもう一つ伺いたいのですが、たとえば出店後、それが周囲の環境の変化あるいは予測に反した、たとえばその地域に大型店が進出したといたしましても、実はその周辺に大規模な住宅団地ができるという予測のもとに出店を許可した、しかし何らかの都合でその大型住宅団地ができないとか進行がおくれておるという場合には当初の予測と変わってくると思うのですね。そういった外部の要因に対しましても商調法の発動はできるかどうかという点。  それから、各地で農協、生協のあり方が結果的に中小小売商を非常に圧迫しておるという事例がございます。この点についてももっと詳しく御質問したかったのですが、いまちょうど商調法の問題のところでございますから、農協、生協の問題につきましても、中小小売商にそれなりの影響がある場合は、これに対して要するに規制を作動できる法律としては商調法が活用できるというふうに考えておりますが、これの活用は可能かどうか、この点も明確に御答弁をいただきたいと思います。
  166. 左近友三郎

    ○左近政府委員 商調法の発動、運用自体については先ほどお答えしたとおりでございますが、大店法との関係ということになりますと、出店、増設そのものの可否とか店舗面積の規模、閉店時刻、休業日数というものは、これまた大店法で決められておるということでございますので、そのものを再度商調法の対象にすることができるかということになりますと、われわれとしてはそれは適切でないだろうということで、従来からのわれわれの解釈といたしましては、開店後の大型店の取り扱い品目が大幅に変わったとか、そういう商売の運用についての紛争について商調法の適用をやっていこうと考えておるわけでございます。  いまの御指摘の点につきましては、これはまたやや種類が異なる問題でございますが、確かにあり得る事例でもございます。この点については今後われわれも十分検討を続けたいというふうに考えております。  それから第二点の農協、生協の問題でございますが、農協、生協の、ことにそれぞれの法律で決まっておる事態を超えた過度の員外利用ということが中小小売商を非常に圧迫しておる、また紛争が生じておるという事実が残念ながら見られるわけでございます。これにつきましては、一昨年八月に当省から各主務省、農林水産省、厚生省にそれぞれ連絡をとって、それぞれの省からそれぞれの活動の適正化、つまり法律を超えた員外利用をしない等々の指導をやってもらっておるところでございます。  そこで、商調法との関係でございますが、いま申しました指導を超えた、つまり違法な員外利用とか、そういう事業につきましてはわれわれは商調法の適用があると考えておりますので、そういう事態が今後起こりましたならば、先ほどのような基本的な商調法の精神にかんがみまして十分措置をいたしたいというふうに考えております。
  167. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 時間も参りましたので回答は結構ですが、あと一つ落とした問題は審査指標の問題であります。昨年六月に、通産省は審査指標というものを発表されたわけでありますが、先ほどの広域商調協の商圏範囲の設定にいたしましても、この中のいわゆる修正ハフモデルなどをもっと適切に活用して、正確な商圏範囲の算定並びに審査指標の活用をより頻繁に行われることをこの際要望いたしておきます。  最後に、通産政務次官がおいででいらっしゃいますので、取りまとめ御意見を伺いたいのですが、いまお聞き及びのとおり、この法律はあくまでも調整法でございます。したがって、この運用につきましては、実際の行政当局の姿勢というものが非常に大きく反映されるわけですね。いま御質問申し上げたことに対しての答弁は、弾力的に運用するということが何度も言われましたが、これは結構なことだと思います。しかし、弾力的とは申しましても、通産局あたりを本省から指導される場合、そしてまた通産局が地域を指導する場合、えてしてその弾力性が枯渇してしまいまして、非常にぎりぎりとした厳しい指導に聞こえることが間々あるわけであります。  そこで、きょうの質疑の中からお聞き及びのとおり、今後通産局あるいは通産局を通して地域の指導とかPRをなさいますときに、どうぞきょうお答え願ったような弾力性をより持たせて指導いただきますよう、政務次官にも篤とお聞き願ったわけでございますので、政務次官の心構えと申しますか、御答弁をいただきまして質問を終わらせていただきます。
  168. 梶山静六

    ○梶山政府委員 立法の趣旨を踏まえての質疑をお聞きいたしまして、大変感動いたしております。自由競争と社会秩序の接点に立つ法でありますので、問題点が多いことは確かであります。そのために弾力運用というか、特に地域のそれぞれの特性に合った法の適用をしてまいりませんと、せっかくの法の趣旨が生きてまいりません。特にいまある地点で、ある企業の集中的な進出が行われている、地域の実情を全く無視するような現況もないわけではございません。まさにその意味での弾力運用というものは大切な要件でもございますので、その趣旨を踏まえてこれから指導してまいりたいと思います。
  169. 中島源太郎

    ○中島(源)委員 終わります。
  170. 堀内光雄

    ○堀内委員長代理 これにて中島源太郎君の質疑は終了いたしました。  引き続いて森田景一君の質疑に移ります。森田景一君。
  171. 森田景一

    ○森田委員 石油供給計画に関連する問題について質問をいたします。  本日、参議院本会議におきまして石油代替エネルギーの開発及び導入の促進に関する法律が可決、成立したということでございまして、いよいよ今後の予想される石油不足に対処するため、石炭液化、地熱発電あるいはLNGなどの代替エネルギーの開発や導入が本格的に推進されることになったわけでございます。しかしながら、いますぐ代替エネルギーが利用できるわけでないことは当然の話でありまして、エネルギーの主力は依然として石油であることは自明の理であります。したがって、石油の需給が今後の日本経済にとって最大の関心事であることも間違いないことであります。  そこでまず確認しておきたいことは、昭和五十四年度の石油需給の実績見込み、これはどうなっているかということでありますが、この点についてお答えいただきたいと思います。
  172. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 昭和五十四年度の原油の輸入につきましては、二億七千七百万キロリットル程度ということでございます。それから、製品の方でございますけれども、これは燃料油が中心でございますが、いわゆる内需量は二億三千三百万キロリットルでございます。前年に比較いたしますと、原油ベースで一〇二・六%でございますし、いま後段で申し上げました石油製品につきましては九九・三%ということでございます。  御承知のようにこの一年間五%消費節減対策を講じてまいったわけでございますが、その効果がだんだんに浸透いたしまして、いまお答え申し上げましたとおり、燃料油の合計は昨年より下回ったということになったのではないかというふうに考えております。したがいまして、民間備蓄は五十四年度中に一週間分ふえまして、五十四年度末には八十八日分ということでございます。  以上が、ごく大ざっぱに申し上げました五十四年度の需給の関係でございます。
  173. 森田景一

    ○森田委員 石油審議会の石油部会は、四月十四日に、五十五年度から五十九年度までの五年間の石油供給計画を通産省原案どおり答申したということであります。この石油供給計画の概要について御説明いただきたいと思います。
  174. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 御承知のとおり、石油供給計画は、毎年度初めに五年間のローリングプランといたしまして、石油審議会の意見を聞いた上で策定するわけでございまして、ただいま御指摘のとおり、五十五年度から五十九年度までの五カ年間につきまして、四月十四日に石油審議会から答申をいただきまして、翌日告示をした次第でございます。  内容を申し上げますと、この五カ年間の供給計画のポイントは五つございます。  まず第一点は、一九八〇年の石油輸入量の上限を決めるという問題がございます。これは森田先生よく御承知のとおり、国際的な合意がございますので、その合意の枠内に抑えるという前提が一つございます。それから、同じく国際合意の一つといたしまして、一九八五年の石油の輸入目標を決めようということがございますので、そういった国際的な合意との調整をどうするかという観点が第一点でございます。  第二点につきましては、何といいましても今後とも石油の消費節約を続行していく必要がありますので、そういった観点で、特に今年度は七%の消費節約をいたしたいということを前提にした供給計画を組んだわけでございます。  第三点につきましては、中間留分と申しますたとえば灯油でございますとか軽油等につきまして、供給量の確保を図るということが物価対策にもつながってまいりますし、いわゆる消費者対策に大変重要なことである、こういう配慮を十分したつもりでございます。     〔堀内委員長代理退席、中島(源)委員長代理着席〕  第四点は、先般電気料金の査定をしたわけでございますけれども、そのベースになりました電力向けの石油及び石油製品の供給の確保ということを考えた次第でございます。  それから民間備蓄、先ほどお答え申し上げましたとおり、昭和五十四年度末には八十八日分になったわけでございますけれども、これをできるだけ多くしたいという考え方から、九十日分の備蓄を五十五年度末に達成したい。  以上の五つのポイントを織り込んだ計画をつくったわけでございます。  一方、石油の内需量につきましては、御承知のとおり、五十五年度の経済成長が四・八%の見込みでございますし、鉱工業生産の伸びも同じく四・八%を見込んでおりますので、そういった成長及び鉱工業生産の状態を勘案いたしまして石油消費の枠組みをつくったということが、石油供給計画の大きなポイントではなかろうかと思っておる次第でございます。
  175. 森田景一

    ○森田委員 この石油供給計画によりますと、五十五年度の原油輸入量は前年度比〇・八%増の約二億七千九百万キロリットルとなっております。また五十六年度以降の輸入も微増で、五年間の伸び率は二・四%となっておりまして、この結果、五十九年度の輸入量は三億一千二百万キロリットル、このようになっておるわけでございます。それで、長官からもいまお話がありましたけれども、サミットの合意ということもありますが、石油供給計画は、先般審議されました石油代替エネ法案のときにもあの法律に定めるところの供給目標というものが出てまいりましたけれども、その供給計画は石油供給の長期見通しの原案と考えてもよろしいのかどうか、その辺のところをひとつお答えいただきたいと思います。
  176. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 先ほど御答弁申し上げました中で、昭和五十五年から五十九年までの石油計画の中身につきましてのポイントを概略申し上げたわけでございますが、数字につきましては、いま森田先生から御指摘のとおり、五十五年は原油の輸入で二億七千九百万キロリットル、五十九年までに三億一千二百万キロリットルにいたしたいというのが具体的な数字の中身でございます。  そういうものを前提にいたしまして、ただいま御指摘のございました石油代替エネルギーの開発導入促進法の第三条に規定いたします供給目標、これのベースになるかどうかという御質問でございますのでお答え申し上げますが、御承知のとおり、この石油代替エネルギー関係法律の供給目標は石油代替エネルギーの供給目標ということでございまして、一応石油にかわる石油以外のエネルギーの供給目標を決めるわけでございます。ただ、石油及びその他のエネルギーが各年度別にどうなってくるかということを前提にいたさないと、石油以外のエネルギーの供給目標もなかなか決めにくいということになりますので、供給目標それ自身は石油以外のエネルギーの目標になりますけれども、そのベースにはいま申し上げたような石油供給計画にございますような数字を頭に入れまして代替エネルギーの供給目標を立てていく、こういうことになろうかと思っております。
  177. 森田景一

    ○森田委員 この五カ年間の供給計画でございますけれども、果たしてこの計画どおり可能であるかどうか、こういう点について考えてみますと非常に不安な材料がたくさんあるわけでございます。以下、少しずつお尋ねしていきたいと思います。  一つはイランの問題です。イランからの対日原油が四月二十一日からとまっていることは先ほどから論議されておるところでございますけれども、この量は一日五十三万バレルで、日本の総輸入量の約一一%でありまして、このイラン石油をどのように計算したのであるか一この辺のところをひとつお答えいただきたいと思います。
  178. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 先ほど来お答え申し上げておりますとおり、昭和五十五年度におきましては二億七千九百万キロリットルの原油の確保を図りたいということでございますが、この原油を日量あたりに換算いたしますと四百八十万バレルということになります。よく言われております五百四十万バレル・パー・デーという数字は原油と石油製品を含んだ両方の数字でございますので、原油に限って申し上げますと四百八十万バレル・パー・デーということでございます。  そこで、イランから従来長期契約で買っておりました数字が五十三万バレル・パー・デーでございますから、御指摘のとおり原油ベースで一一%をイランから買っておるわけでございまして、これが現在価格交渉をめぐりまして紛争が続いておるということでございます。私どもは、一日も早くこの価格が円満に妥結いたしまして、再びイランからの原油の輸入が再開されることを望んでおるわけでございますけれども、果たしていつになればそういう状態になるかということは、いまの時点で明らかに申し上げることはなかなか困難ではないかということでございます。  そこで、年度間を通じまして四百八十万バレルをいかにうまく確保していくかということが問題になってくるわけでございますが、ただいま森田先生の御質問の御趣旨は、四百八十万バレルで年間計画を組む場合に、イランの分も入っておったはずだから、その分がなくなった場合にはどうするのかという御指摘ではなかろうかと推察する次第でございます。しかしながら、私どもはマクロ計算をいたしておりまして、供給計画をつくります場合に、四百八十万バレル・パー・デーのものが年度間を通じましてコンスタントに入ってくることを前提にいたしまして供給計画を組むわけでございまして、具体的にイランの油がこれこれあるいはサウジアラビアがこれこれといった細かな積み上げをやっていくという作業は、もちろんそういう作業はいたしておりますけれども、それだけで済ましているわけじゃございませんで、いわゆるミクロからの積み上げとマクロ計算と両方でやっておりますので、イランの分の五十三万バレルが欠落をしたから直ちにどうこうということにはつながっていないということでございまして、あくまでも供給計画上の四百八十万バレルというのはマクロとしてのとらまえ方をしていこう。したがいまして、もちろんミクロのアプローチは必要になっておりますけれども、現状におきましてイランの五十三万バレルが欠落するということを前提に、四百八十万バレルの供給計画を変えるような必要はないのではないかな、こういう考え方を持っているわけでございます。
  179. 森田景一

    ○森田委員 いまのお答えを聞きましたが、そうすると、イランの停止になった部分については補てんする能力は十分持っている、こういうふうに理解してよろしいわけでしょうか。
  180. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 これは四百八十万バレルを世界じゅうのいろいろなところから買ってくるわけでございますから、先ほど私がしきりにマクロのアプローチをすると申し上げましたのはそういう意味も入っておりまして、総合的に判断をいたしまして適正な価格で買えるところへのアプローチということは従来からも続けておりましたので、そういう対策を講ずることによりまして四百八十万バレルの確保を図りたい、こういう趣旨であることを御理解を賜れば大変幸いだと思う次第でございます。
  181. 森田景一

    ○森田委員 国際エネルギー機関閣僚理事会に提出される一九八一年、八五年、九〇年の石油需給見通し、IEA事務局案というのでしょうか、それによりますと、八一年はイランなど石油輸出国機構の大幅な生産減を予想し、日量二十万バレル程度しか余裕がないとしておりまして、さらに八五年には日量二百十万バレル、九〇年には日量五百七十万バレルの大幅な供給不足が起きると警告しておりますが、こういう点についてはどのような考えをお持ちでございましょう。
  182. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 まずOPECの生産能力をどう見るかということでございますけれども、このところOPECの生産がおおむね三千万バレル・パー・デーを上下するという線で動いておりますので、仮にある程度の増産が見込まれたといたしましても、そう大きな増産の見込みはないのではないかというのがまず一つの前提条件になろうかと思います。それから非OPEC、たとえばメキシコでございますとかあるいは北海、さらにはアラスカというようなOPECに属していない国国の生産能力というものをどう評価していくかということによりまして、ただいま御指摘の中長期で見た場合の世界の需給状況というのが決まってくるわけでございますが、現在私どもがつかんでおりますIEAの見通しでは、一九八五年には百二十万バレル程度の世界的な不足が生ずる。それから一九九〇年には六百二十万バレル程度の不足が生ずるという見通しがあるわけであります。もちろんこれは前提条件が変わってまいりますとその数字も変わってくるというふうに覚悟しなければいかぬと思います。  それにもう一つ加えて申し上げますと、ソ連、東欧圏の動きがきわめて大きな影響を持つのではないかという気がいたします。御承知のとおり、現在ソ連、東欧圏は石油につきましての輸出国に一部なっておるわけでございますが、これが一九八五年までの間に輸入国へ転ずる危険性がある、こういうことが言われておりますので、そういう事態になりますと、先ほど申し上げたような数字にさらに足りない量がふえてまいるわけでございますから、大変なことになるという問題意識を持っておりまして、くどいようでございますけれども、前提条件が変わってきますとその数字は違ってまいりますけれども、ただ、はっきり言えますことは、いまの需給状況あるいは産油国におきます新しい油田の発見状況等から見まして、それほど大幅な増産は期待できませんから、中長期で見ますと石油は逼迫化の傾向にあるということは明白な事実ではなかろうか、こういうふうに考えております。
  183. 森田景一

    ○森田委員 通産省はこの五月二日に、イラン原油が長期間日本に入らなくなった場合の対策案をまとめた、こういうことになっておりますが、いわゆる民間備蓄取り崩し等六段階の対応ということでございますけれども、その内容についてひとつ御説明いただきたいと思います。
  184. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 イランの問題に限らずに、いわゆる石油の緊急自衛対策的なものは、私ども昭和五十二年度以降鋭意検討を続けておったわけでございますし、それなりの対応策は現在あるわけでございますけれども、イランの問題が起こりまして、そういったことを従来検討しておりました石油緊急時の対策と直ちに結びつけて考えることが適当であるかどうか、この判断はむずかしいところではないかと思っておる次第でございます。そこで私どもは、基本的には現在の世界の需給動向あるいは世界の備蓄状況、日本の備蓄状況等から勘案いたしまして、いま直ちに緊急事態宣言をするほどの逼迫した状況にはないというふうに考えておりますので、いまここで森田先生の御質問にお答えいたしまして緊急時にどういう手を打つのだということを申し上げますと、逆に国民の皆様方に不安をあおるような結果になりましてもはなはだ不本意でございますので、その中身につきましての答弁は遠慮をさせていただきたいと思う次第でございます。ただ先ほど来お話のございます四百八十万バレルベースの原油をいかにうまく調達するかということにいま全力を挙げておりますので、いましばらく御声援を賜りまして私どもの動きをウォッチをしておっていただければ大変ありがたい。大変抽象的な表現で申しわけないと思うわけでございますけれども、何とぞ御了解を賜りたいと思う次第でございます。
  185. 森田景一

    ○森田委員 いまの答弁、とにかくそういう状況ならばそういう状況ということでこれ以上申し上げませんが、しかし、政府は、当面は石油備蓄の取り崩しで対応できる、国民が冷静に行動する限り不安はない、こういうふうに言っているわけでございますが、本当に大丈夫なんでしょうか。
  186. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 本当に大丈夫かと言われますと、私はエネルギー庁長官でございますから、大丈夫でございますとこういうふうに胸を張ってお答えをしたい、こう思う次第でございます。  それで、備蓄があるから大丈夫だという点、あるいはイランの油にかわり得る油もあるから大丈夫だ、一つ一つの項目をとりますとなかなか問題の点もございます。そこで、やはり総合的に判断をいたしまして、先ほど来たびたび申し上げております四百八十万バレル・パー・デーの確保を図るということが最大の課題ではないかということでございまして、備蓄も、これを取り崩しますと、次にもし仮に何か事件が起こった場合のときを考えますと、簡単に備蓄を取り崩しますと言うことは問題がございますので、備蓄をどの程度取り崩すことになるのかということにつきましては、余り私どもも軽々にはやらない方がいいのではないか、こういう気がいたしております。ただ、何といいましても九十五日の備蓄があることが大きな支えになっていることはもう間違いのない事実でございますから、その辺をよく勘案をいたしまして対策の遂行に遺憾なきを期したいというふうに考えております。  それから、イランの油の価格問題で紛糾している間そのほかの産油国からかわりの油を買うという政策も、これは私どもはイランの問題が起こったからほかのところへ買いに行くということではなくて、従来からそういう取引をやっておりましたものを、そういう政策を今後とも続けていくということでございますので、よく言われるのでございますけれども、イランの問題が起こったからあわてて買いに行ったって遅いじゃないかとか、あるいはそういうことはどろなわ式じゃないか、こう言われるわけでございますけれども、従来ともそういう政策はとっておるつもりでございますので、その点の強化をさらに一層続けるという姿勢をとることによりまして、石油全体につきましての国民の皆様方に対する供給責任はぜひとも果たさしていただきたい、こういうふうに決意をしている次第でございます。
  187. 森田景一

    ○森田委員 軽々に備蓄の取り崩しはしたくない、これは当然なことだと思います。  ここで仮定の論議になるわけでございますけれども、いま、長官非常に自信を持って石油の確保については大丈夫だ、こういうような姿勢でいらっしゃるわけですが、仮にこの備蓄を取り崩すようなことがあると仮定しますと、先ほど申し上げました、長官からも答弁がありました、五十五年度末の備蓄九十日分というのは大きく狂ってくることにもなるのじゃないか、こう思うのですが、その辺のことについてはどう考えていらっしゃいますか。
  188. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 年度間で見た場合の五十五年度末の備蓄水準を九十日にしたいということを考えておりまして、現に先ほどお答え申し上げました五十五年度の石油供給計画にもそれを織り込んだわけでございますが、ただ、現在は何といいましてもイランの油がとまっておりますので、先ほどお答えいたしましたとおり、備蓄につきましていま直ちにどうこうということは考えておりませんけれども、ある程度弾力的な運用はせざるを得ない状態になる危険性は感じておるわけでございます。しかし、私ども石油備蓄法上で言います備蓄水準は年度末をベースにして考えておりますので、ある程度の変動はございましても何とかこの危機を乗り越えまして、五十五年度末の九十日備蓄は達成いたしたいというふうに考えております。ただ、事態の動きが相当大きく変動する可能性もございますので、そういう点につきましての的確な判断はその時点その時点におきまして十分やっていく必要があるのではないか、こういうふうに考えております。
  189. 森田景一

    ○森田委員 いままで小康状態にありましたスポット価格が上昇していることは御存じのとおりだと思います。需給逼迫懸念が強まってくれば、当然国内で便乗値上げや狂乱物価再燃のおそれが強くなるわけでございます。われわれは生活二法、すなわち、石油需給適正化法、国民生活安定緊急措置法、この生活二法の発動が必要である、このように考えているわけでございますし、また主張もしておりますけれども、政府はこれに対してどのような対応をお考えになっていらっしゃるでしょうか。
  190. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 ただいま御指摘のございました石油関係の二法、石油需給適正化法あるいは国民生活安定緊急措置法、こういったものの発動を考えます場合に、一つの前提条件といたしまして、石油の供給に大変な不安が生ずるという事態が起こることがまず前提条件ではないかと思う次第でございます。そこで、先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、現在はイランの石油のストップはございますけれども、マクロで見た場合のバランスはそう大きく狂ってはいないというふうに考えておりますので、そういった関係から、いま御指摘の石油関係の二法を直ちに発動いたしますことはかえって今後の原油の安定供給に支障を来すのではないか、こういう考え方を持っております。したがいまして、いまの時点で適正化法あるいは国民生活安定法の発動をすることは避けたいというのが偽らざる心境でございます。
  191. 森田景一

    ○森田委員 答弁のとおりこの二法の発動を避けたいというのは国民全般の願いだろうと思うのです。しかし、現実にはどうかといいますと、石油二法発動の際に直接国民生活にかかわってくる石油の配給切符、これが五十四年度予算ですでに印刷済みである、このように言われているわけでございます。この間の経緯をひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  192. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 先ほどお答え申し上げましたとおり、昭和五十二年度から私どもは内々緊急時対策を作業をしておったわけでございます。いま直ちにそれを発動するという問題は別にいたしまして、治にいて乱を忘れずとでも申しましょうか、平穏な状態のときに緊急時の勉強をしておくという必要があろうかと思いまして、この二、三年来勉強を続けておったわけでございまして、いま御指摘の石油製品につきましての配給切符制の問題もその緊急時対策の一環として勉強は続けておったわけでございます。予算は五十四年度の予算と五十五年度の予算とついておりますので、予算の執行をいかにうまくやるかということで現在準備中ということでございます。
  193. 森田景一

    ○森田委員 準備中という答弁ですけれども、準備中というのはいろいろあるのじゃないかと思うのですね。印刷して準備しているとか。私の資料によりますと、すでに印刷されて大蔵省印刷局に保管してもらっている、こういうふうにあるわけでございます。この辺はどうでしょうか。
  194. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 大蔵省印刷局に保管をしてあるということは全く事実ではございません。先ほどお答えいたしましたとおり、これは切符だけ印刷いたしましても意味がないわけでございますから、総合的な緊急時対策ということの一環で準備を進めておるということでございますので、非常に抽象的なお答えを先ほどいたしまして準備中と申し上げましたことは、これを緊急時対策の一環としてどう位置づけるかという意味での準備中ということでございますので、印刷とは直接の関係はないということでございます。  ただ、森田先生に私どもがぜひ強調しておきたいことば、これは平時の場合に緊急事態を想定してそういうことが起こる危険性をあらかじめ察知して準備をしておるということでございまして、いまその状態が来たから直ちにその作業を急いで、配給制をとるという考え方を持っておるわけでは毛頭ないわけでございますので、ひとつその点をくどいようでございますけれども、私の答弁としてつけ加えさせていただきたいと思う次第でございます。
  195. 森田景一

    ○森田委員 長官の答弁は非常に上手なのです。けれども、さっきの答弁ですと、五十四年度予算と五十五年度予算で準備の対応を進めているという意味の答弁だったわけです。五十四年度予算というのは本来なら三月三十一日までに使わなければならない、これが国の方はいつまでなのでしょうか、地方ですと五月三十一日までは支払っていいということになっているわけです。そういうことを考えますと、もう印刷はされている、こう考えるのが常識なのじゃないでしょうか。別に私はいたずらに不安を助長させようというつもりはありません。しかし、いままで一連のやりとりで御存じのとおり、やはりこういう事態ですから国も一生懸命になっている、国民もひとつ真剣に考えてほしい、そういう点で明るみにしておいていいものは明るみにしておいて、そして協力を求める。みんなも、そのときになってそういうことがあったのかというよりは、準備があるということは非常に大事なことだと思うのです。そういう点でもう一度お尋ねするわけです。どうでしょうか。
  196. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 森田先生の御質問もなかなかお上手でいらっしゃいまして、少しずつ引き出されているような感じでございますけれども、五十四年度の予算は執行いたしておりますからそれで御判断いただきたいと思う次第でございます。五十五年度にも予算がついておりますので、それは今後の問題としてやりたいと思っております。
  197. 森田景一

    ○森田委員 備蓄取り崩しにも問題があるわけでございます。資源エネルギー庁の計画では、民間石油会社の備蓄分をまず放出する、こういうことであるようでありますけれども、各社の備蓄量にはばらつきがあって各社平等に放出できない、こういう状況であると言われております。この点についてはどうなのでしょうか。それから、将来値上がりすることが必至である、こういう状況であるのに政府の要請だからといって売り急ぐことはない、こういう見方もあるわけなのです。こうした点についてどのように判断していらっしゃるでしょうか。
  198. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 まず第一点の備蓄につきまして、各社にばらつきがあるではないかという御指摘はまことにそのとおりでございまして、先ほど来申し上げております民間備蓄八十八日分と申しますのは、日本の民間全体をマクロ的に見た数字でございますから、それぞれの各社につきましてはある程度のばらつきがございます。これはそれぞれの生産状態なりあるいは供給ルートの問題等々からそういう事態が起こってくるわけでございまして、そのところは私どもも石油備蓄法の運用上十分配慮すべき条件ではないかと考えておりますので、各社別に、いってみますときめの細かい備蓄水準の指示等を行うことによりまして、このばらつきの弊害が出ないような対策は考えておるつもりでございますし、また今後ともそういう対策を講じていきたいと考えます。  それから価格が値上がりする危険性があるので、そういった状態のときに備蓄の取り崩しをしろといっても民間の方でしたがらないのではないか、こういう御指摘に対しましては、これは石油業法上生産計画を私どもに提示を求めまして、そういった線での各社に対する指示が別途ございますから、将来の値段の上昇を見込んで備蓄の取り崩しはしないということに対しましては石油業法で十分な手当てができるというふうに考えておりますから、その危険性はないだろうというふうに考えております。
  199. 森田景一

    ○森田委員 通産省資源エネルギー庁は、四十八年の石油ショックや一昨年のイラン革命で、供給地の多様化が必要であるということを身にしみて感じておる、これは先ほどの長官の答弁にありましたけれども、それ以来エネルギー行政の重要な柱として原油供給先の多様化策を進めてきているということであります。この供給先多様化ということは、政情不安定な中東地区への依存度軽減という意味からは喜んでいいはずでありますけれども、何か伝えられるところによりますと、率直に喜べない理由があるのだ、こういうことでございますが、この点についてはどうでしょうか。
  200. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 石油の供給先の多角化、これは御指摘のとおり大変重要なことでございまして、従来から私どももそういう対策をとってきたわけでございます。何といいましても中東に対する依存度が時として八〇%近くになったり、あるいは時として七五%という状況でございまして、そのほとんど大部分を現在中東に依存しているわけでございますので、それをできるだけ分散していくという政策は非常に妥当なものではないかということでございます。具体的にそれではどういう地域を考えているのだということになりますと、たとえばいわゆる南方地域がございますし、それから中国もその対象に入ると思いますし、先ほどお話しいたしましたメキシコもその対象になろうかと思う次第でございます。幸いにいたしましてメキシコにつきましては一九八〇年、つまりことしから新たに石油の供給を受ける契約の調印ができまして、現在第一船が航海中でございまして近く入荷をする予定でございますし、量といたしますと恐らく第一・四半期は二万五千バレル程度の油しか入ってこないと思いますけれども、これが段階的に年末までには十万バレル・パー・デーになるということでもございますし、それから中東のうちの一部の国につきましても従来の努力がようやく実を結びつつあるということも事実でございますので、広い意味での多様化、多角化というものは着々進行がされておるという状況ではなかろうかというふうに判断いたしております。
  201. 森田景一

    ○森田委員 大平総理大臣が訪米しました四月三十日に、東京丸の内の日本工業倶楽部で開かれました講演会で、通産省の某高官が出席して講演しました。その発言をめぐって通産省が大あわてをしたということでありますけれども、その発言の内容と経緯について説明いただきたいと思います。
  202. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 大あわてにあわてたという御指摘でございますけれども、私はそういう問題意識は持っておりませんで、イランとの現在の交渉状態は、御高承のとおり価格をめぐりましてそのやりとりをやっておるわけでございまして、一日も早く価格を妥結させたいというのが基本的な私どもの念願であるわけでございます。これはいわゆる商取引の問題でございますから、いろいろ作戦を考えるわけでございます。そういったものの一つといたしまして、通産省某高官がそういった考え方の一端を話したということは事実でございますので、それは一つの作戦的な発言というふうに受けとめております。別に大あわてにあわてたというような問題意識はないつもりでございますが、ただ、若干あわてたかのごとき印象を持たれるとすれば、そういうものが新聞にキャリーされますとかえっておかしな状態になる危険性がありますから、そういった意味でのキャリーは余り望ましくないなという気持ちはございましたので、そういう意味での御指摘ではなかろうかと思いますけれども、問題の本質はいま申し上げたとおりでございますので、何とぞ御了承を賜りたいと思う次第でございます。
  203. 森田景一

    ○森田委員 発言の内容については説明がありません。説明してください。
  204. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 発言の内容につきましては、イランからの供給が全面的にストップいたしたとしても、ある程度のものはほかの地域から買える可能性はあります、こういうことを発言したというふうに私は承知いたしております。
  205. 森田景一

    ○森田委員 長官からはちょっと言いにくいだろうと思います。梶山政務次官の方からお答えいただきたいのですが、この某高官というのはどなたですか。
  206. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 某高官と申しますのは通産省の高官であることは間違いないわけでございますけれども、武士の情けと申しましょうか、私がここで具体的な名前を申し上げることはひとつ御勘弁を賜りたいと思う次第でございます。
  207. 森田景一

    ○森田委員 高官といいますといろいろいらっしゃると思うのですけれども、森山長官も高官の一人だと思うのですね。武士の情けということになりますと御自分のことではないような話ですけれども、勝手に憶測して、エネルギー関係の総責任者森山長官だと、こんなふうに推測しても構わないのですか。
  208. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 政府高官という言葉はいろいろ人口に胸策した時代がございますので、いろいろ解釈はあろうかと思います。いわゆるガバメンタルオフィシャルという表現でいろいろ言われた時代もございますので、果たして私はガバメンタルオフィシャル、ハイオフィシャルに該当するかどうか顧みてじくじたるものもございます。先生からごらんになって私が高官と思われるかもしれませんけれども、私自身はそういうふうに考えておりませんから、ひとつお許しを賜りたいと思います。
  209. 森田景一

    ○森田委員 長官とつくのですから高官と考えてもいいのではないかと思うのです。それでは、政府高官ということになりますと政務次官もそうなんですね。梶山政務次官はこういう御発言をなすったのですか。
  210. 梶山静六

    ○梶山政府委員 私もある場所ではしているかもしれません。しかし、そういう世上にうわさされるような場所で私はした覚えはございません。私も先生御指摘の政府高官の一人であるという自負心を持っております。
  211. 森田景一

    ○森田委員 時間がなくなりますので、私の方から資料に基づいて申し上げます。  この資料に基づきますと、「東京・丸の内の日本工業倶楽部で開かれた講演会に出席した通産省の矢野俊比古事務次官は、こう述べた。「イラン原油のストップ分」云々、それで「イラン原油がなくなっても大丈夫だ」、こう発言したというふうになっておりますが、これは事実ですか。
  212. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 講演会の、いわゆる講演の中身の一環といたしましてイラン問題、特に今後の石油の安定確保の問題に関連いたしまして、イランの油が来なくなったから直ちに大変な問題が起こるのではなくて、代替の、かわるべきところを考えておるということを言われたことは承知いたしております。先ほどお話しの、通産省某高官がそういう話をされたことは私も承知いたしております。
  213. 森田景一

    ○森田委員 ずいぶんこだわりますけれども、長官の武士の情け――私はなぜこう出したかといいますと、私個人的にどなたが事務次官だか率直に言ってわからないのです。けれども、先ほどからずっと述べてきたように、日本はこの石油をめぐっていま非常に重大な時期になっているわけです。それで私は、事務次官という立場は通産省の大黒柱だと思うのですよね、そう思いませんか。それは政務次官も大事です。大臣も大事です。しかし、いろいろと実務の方面で大黒柱になっているのが事務次官だと私は考えておるわけなんです。その大黒柱である事務次官が通産省を揺さぶるような、あるいは日本の輸入多様化対策が壊れるような発言をして、これで日本の政府高官と言えるのか、私はそう言いたいのです。一人の、個人の人情の問題じゃないじゃないですか。しかも、この矢野事務次官は前にもこちらの委員会で問題になりましたけれども、日本の養蚕農家は二年ぐらいやめてつぶれてしまえばいいなんて発言をして、いま養蚕農家から通産省にも抗議が来ている人物じゃありませんか。これは次官どうですか。
  214. 梶山静六

    ○梶山政府委員 日本工業倶楽部での発言でございますが、これはオフレコの話というふうに聞き及んでおります。聞く方と言う方の主観の相違があるかもしれませんが、そういう中での話を公式な場で、どなたがどういうふうに話をしたかということに関しては、先ほど森山長官も言われましたように、この公式な場での発言を差し控えさせていただきたいと思います。  そういうことが今後ありませんように、そして国際的な緊張や不安や、交渉が不利益にならないように懸命な努力を払ってまいりたいと思います。
  215. 森田景一

    ○森田委員 私、この名前を出すので思わず時間をとってしまいまして、時間が切れてしまいました。しかしいま申し上げたように、いま日本の政府も国民も石油という問題については非常に大きな関心を持っておるし、これからの日本経済がどうなるか、こういうことについてもみんな関心を持っている問題なんです。少なくとも通産省の大黒柱に当たるような人が軽率な発言、オフレコであったとしても軽率な発言は慎まなければならない。こういうことについて、まあ時間ですから、私は政務次官と事務次官、どっちがどうなんだかよくわかりません。政府高官はわかりませんけれども、大臣がいれば大臣に決意のほどを聞きたいと思ったのですが、残念ながらおりません。どうかひとつこの点をくれぐれも政務次官は大臣に伝えていただいて、通産省しっかりがんばれ、こういうふうに森田が言っていたと伝えていただきたいと思います。  以上で終わります。
  216. 中島源太郎

    ○中島(源)委員長代理 以上で森田景一君の質疑は終了いたしました。  次に、小林政子君。
  217. 小林政子

    ○小林(政)委員 私は、大規模小売店舗法に関する小売商業調整運用の問題について、若干の具体例も挙げながらお伺いをいたしたいと思います。  昭和四十九年、大店法が施行されてから第一種の大規模小売店、この届け出の状況というのは、いただいた資料によって見ますと、四十九年から五十三年千五百四件、それから五十四年四月から、これは現在までと言いたいところですけれども、いただいた資料は十二月まででございますので、四百六十一件、両方合わせて届け出数というのは千九百六十五件ということになっておりますけれども、その中から、大店法に基づく勧告だとか命令だとか、こういった措置がされた件数あるいはその内容、こういうものの実態はどうなっているのか、まずその点をお伺いをいたしたいと思います。
  218. 神谷和男

    ○神谷政府委員 大店法施行以降五十四年度まで、変更勧告を行いました件数は三十三件でございます。変更命令の件数は、勧告がすべて受諾されているので、ございません。
  219. 小林政子

    ○小林(政)委員 そうしますと、いま私が挙げた千九百六十五件、昨年の十二月までの件数ですけれども、約二千件ですね、その中から何らかの大店法に基づく措置を受けたというものは三十三店舗、これだけですか。非常に数が少ないんじゃないか。これは一つには、全体の中の二%弱ということになりますので、非常に少ないものだというふうに言わなければならないというふうに思うのです。そこで、地元商店が出店計画や商調協の結論に異議があった、その場合、では一体大店法でどういう救済の道があるのか、この点についてもお伺いをいたしたいと思います。
  220. 神谷和男

    ○神谷政府委員 最初に若干先ほどの答弁の補足をさせていただきますが、三十三件と申しましたのは、法律の手続に基づいての勧告を行った件数でございまして、先生御承知のように事前商調協というようなものが開かれまして、そこで現実に地元との調整がかなり行われます。そこで一般的に、商調協で全会一致で面積をもう少し減らしてもらわないと困るというようなこと、その他営業時間等について全員一致の結論が出ました場合には、通常三条届け出の後五条届け出をいたします際に、大店舗の出店者側がむしろその商調協の結論を尊重いたしまして、計画をそれに合わせた形で出してまいりますので、基本的には勧告まで至らずに、しかし当初の計画は事実上修正された、こういう形で出てくるケースが多いために先ほど申し上げましたような件数になっておるということを、補足して御説明をさせていただきます。  それから、地元の商店で問題があります場合には、通常の場合両論併記という形で上がってまいりまして、大店審において中立委員を主体とする審議会の委員の方々の御検討をいただき、それに基づいて変更勧告を行う。したがいまして、むしろ三十三件はそれらの異議があって上がってきたものというふうに御了解をいただきたいと思いますし、また異議のあるものも、その前の事前商調協の段階である程度その調整がなされたものに関しては、上がってこないで事実上の調整が済む、こういう形になっておる次第でございます。
  221. 小林政子

    ○小林(政)委員 そこで、この大店審へ五十四年一月以降持ち込まれたそういう件数というのは、具体的に何件ありますか。
  222. 神谷和男

    ○神谷政府委員 先生御質問の期間の数字が手元にございませんので、五十三年度、五十四年度をお答えをさせていただきますが、五十三年度では大店審で処理した件数が十六件、そのうち勧告が八件でございます。五十四年度は大店審で処理した件数が三十三件、うち勧告が十五件と、こういう状況でございます。
  223. 小林政子

    ○小林(政)委員 私は、大店審へ具体的に地元小売商から意見が正式に出された、こういう件数は何件あるのかということをいまお聞きしたのです。私がお話を伺ったところでは五十四年の一月以降一件であるというふうに伺っておりますけれども、この点は確認しておきたいと思いますけれども、間違いありませんか。
  224. 神谷和男

    ○神谷政府委員 先ほど申し上げました件数、十五件等と申し上げましたが、それらはほとんどすべての場合に商調協における各委員の意見が分かれておりまして、分かれるというのは、概して申し上げれば、商業者側としてはもっと店舗を減らせあるいは開店そのものを延期してほしいというような意見でございますし、消費者側がまた別の意見、学識経験者が別の意見というような形になっておるわけでございますので、大店審に上がってきたものはすべてそういう形で、何らかの形で地元の商業者等の意見が付されて、それらを参考にして審議が行われているというふうに御了解をいただきたいと思います。
  225. 小林政子

    ○小林(政)委員 最近のいろいろな主張なんかを見てみますと、大変最近スーパーの進出件数がとりわけここへきてふえてきている。こういう中で、出店に当たっていろいろと地元で調整がつかないとか、あるいはまたその調整が具体的に話し合いができないというような、こういう問題も相当出てきております。そして、その場合には、具体的にはこれが五条の届け出と同時に、それでもなお調整がつかない場合には地元の意見というものが大店審にかかるわけですね。ところが、こういった実態から見て、非常に何か件数そのものも少ないし、ということは、一つの考え方は、いまおっしゃったようにそれはもう商調協の段階で十分吸収されて、合意して、そしてその話し合いが円満にスムーズに行われているということが言えると思いますけれども、しかしその一面、これはやはりもうほとんどは地元商調協の中で、ともかく期日が迫ってきているんだとか、いろいろな条件の中で一般の人たちの意見が十分そんたくされないでどんどん進められている、こういうことにも受け取れるわけです。ですから私はこの問題についていま何店かということをお聞きしたし、非常に数が少ない。それほどスムーズに商調協で話し合いが行われているなどということは私はあり得ないんじゃないかと、こういうふうに思いますし、具体的に地元から異議の申し出が出まして大店審の結論が出た場合、しかしそれには地元側は納得できない、大店審の結論は私どもとしてはどうも納得ができない、こういう場合、じゃ果たして不服申し立てができるのかどうなのか、こういう点について、あるいは意見が反映されなかった場合の不服申し立てというものがどこまで法律の上で保障されているのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
  226. 神谷和男

    ○神谷政府委員 大店審の結論、さらにはそれを踏まえての通産大臣の勧告、先ほど申し上げましたように、通常でございますとその後命令が法律上のたてまえとしてはございますが、そこまで行ったケースはございませんので、実際のケースは勧告どまりでございますが、その勧告に関して異議の申し立てをなされたケースは、現在その取り扱いを審査中の一件のみでございます。それ以外は、行政不服審査法に基づく異議申し立てその他の申し立てがいままで行われたケースはございません。  それで、大店法に基づく勧告が異議申し立ての対象たる処分たり得るかどうかという問題は、私ども、実は現時点においてはまだ結論を出しておりませんので、いまそれに関して、異議申し立てができるともできないともお答えするのは差し控えさしていただきたいと思いますが、命令が出た場合には、これに関しては異議申し立てができると私ども行政府としては解釈をいたしております。勧告の処分性に関しては、学説上いろいろ意見のあるところでございまして、政府部内で専門的な方面と現在鋭意検討中でございます。
  227. 小林政子

    ○小林(政)委員 いまの答弁は、いわゆる出店側が異議の申し立てができるかどうかというふうにとらえてお答えになったのですか、それとも地元の、大店審の結論そのものに納得できないとか、あるいはまた意見が十分反映されたとは思えないということで、大店審に対して地域の商店から異議の申し立てが出た、この二つがあるわけですけれども、いまのお答えは一体どっちなんですか。
  228. 神谷和男

    ○神谷政府委員 まず、勧告に対しての異議の申し立てでございますので、法律上理論的には両方できるようにも考えられますけれども、出店者側は勧告に異議がある場合にはそれに従わないという形で、特に異議申し立てばする必要がございません。従わなければその場合に通常のケースとしては変更命令という命令が出ますので、その命令に異議申し立てをする形になろうかと思いますので、勧告に関して出店者が異議を申し立てるケースはまずないと思います。また、現実に現在私どもが検討中と申し上げました案件は、影響を受けるとする周辺の中小小売商業者からの異議申し立てでございまして、勧告段階でもし異議申し立てが行われるとすれば、恐らくそのようなケースに限定されるのではないかと考えております。
  229. 小林政子

    ○小林(政)委員 いままで一件もそういうことがやられたことがなかった、こういうことでもございますし、この前の委員会でも、私どもの安田委員が異議申し立てについての具体的な問題については質問をいたしておりますし、まだ結論が出ていない、こういうようなことも私も聞いておりましたので、この問題は深く追及しようとは思いませんけれども、行政不服申し立てというのは地元の商店街からも出たことがないということは、私など素人が見ましても、結局は大店審で意見を聞くというか、逆に言えば述べるだけであって、そして法律的な救済の方向というのはとられていない。あるいはまたその判断は審議会だとかあるいはまた最終的には大臣が判断を下すということになって、その意見がどこまで取り入れられるかというようなことも具体的には何ら保障もされていない中では異議申し立てもできない、こういう状況のもとでは救済措置ということは言えないんじゃないか、こういうふうに断ぜざるを得ないと思いますけれども、いかがでしょうか。
  230. 神谷和男

    ○神谷政府委員 地元の中小小売業者の意見あるいは全く別の意見になるかと思われますが、消費者の意見等は商調協において十分出尽くすまで鋭意議論をしていただきたい。いたずらに時間をかけるだけがよいわけではございませんので、効率的には行っていただきたいわけでございますが、できるだけ出し尽くしていただきたいと思いますし、それらがどうしても一定のところで歩み寄りがむずかしい場合には、むしろ中立的な観点から物の見られる方々の御意見を踏まえて勧告を行っておるわけでございますので、法律のたてまえ上といたしましては極力公正をあるいは公平を期するというたてまえでございます。実際の運用に当たりましては、調整法の運用というのはしばしば当委員会で御指摘を受けますように、非常にむずかしい問題でございますので、これでいいという限りはございませんけれども、常にわれわれできるだけ公正を持した調整を行うように進めてまいりたいと考えておるわけでございます。  小売商側の異議申し立て権そのものに関しましては、われわれ現在のところもっぱら解釈論として検討をいたしております。解釈論が出ました際に、また基本的な法律の性格あるいは仕組み等についての種々の御意見はあろうかと思いますが、現時点では私どもむしろ異議申し立てに至るような事態になるよりも、商調協でできるだけの意見を出していただき、公正な第三者の審議会で皆さんの何とかがまんし、納得していただけるようなラインで物事を処理してまいりたいと心がけておるところでございます。
  231. 小林政子

    ○小林(政)委員 いままでの論議の中でも大分明らかになってまいりましたけれども、大店法には小売商への救済の道というのはいままでの答弁の中では保障されていない、私はこのように受けとめざるを得ませんし、重大な欠陥だというふうにも思います。したがって、現大店法の実質審議の場になります商調協の運営だとかあるいはまた審議の内容とか、こういうものがきわめて重要な役割りを持つ、こういうことが言えるのではないかと思いますけれども、商調協の場合には、先ほど来も御質問がございましたけれども、申し出があった者の意見というのは聞かなければならないということになっているんですね。こういう中で具体的に運用面ではどのようなやり方がとられているのか、この点まずお伺いをしておきたいと思います。
  232. 神谷和男

    ○神谷政府委員 商調協の仕組み並びにその運営につきましては、非常にしばしば御意見をいただいておるところでございまして、われわれそれらを参考にしながらできるだけ完全なものに近づくように努力してまいりたいと考えておりますが、基本的には公正な調整を確保するために、委員の構成について商業者、消費者及び学識経験者のうちから相互に均衡のとれたような形で選定された委員で議論をしていただきたい。第二は、代表する各層の御意見が正しく反映されるような人選を行っていただくよう地元にお願いをしておるわけでございますし、さらに審議の適正を確保するため、特別委員として通産局や地方公共団体の職員を入れて、適切な指導や意見が出せるように配慮しておるわけでございます。それから審議のスケジュール、調整項目等に関しても、必要な場合、やや過保護的になるかもしれませんが、余り口出しをするばかりが能ではございませんが、適切な指導はしていきたいと考えております。  それから、申し出のあった者の意見に関しては、商調協の審議といったものの効率性を勘案しながらできるだけ十分反映されるように指導してまいりたいと考えております。  さらに、先般の御質問にも出ましたが、審査指標といったようなものを大店審ではいろいろ検討し、活用するようにいたしておりますので、商調協等でもそれらの活用できるものは活用しながら議論をしていただくよう指導しているところでございます。
  233. 小林政子

    ○小林(政)委員 ただいま意見の申し出があった場合には、それも効率的な運用を考えながら聞かなければならない、こういうことを言われましたけれども、私はやはり大店審そのものが非常に法律的には厳しい内容になっていますので、具体的な運用というのは商調協でやっているわけですね。そこには最大限のいろいろな意見も尊重して取り入れていく、こういうことにならなければならないんじゃないかというふうに考えておりますけれども、ところが、実際に公正な調整ということが言われながら、具体的にはそういった意見も十分聞かれないまま結審に持っていかれているという事実を私はこれから一、二点申し上げたいと思います。     〔中島(源)委員長代理退席、堀内委員長     代理着席〕  これは練馬区の西友と東映の大泉コミュニティーセンターの出店の件についてでございますけれども、いろいろと地域の働いている人たちや、婦人やあるいはまた業者の方々が、大泉学園コミュニティーセンター建設反対練馬区連絡会、こういうものをつくって、そして昨年の八月六日、東京商工会議所に文書によって、ここにもありますけれども申し入れ書を出しています。ところがもう一つの地元の反対協議会、ここではもうすでに合意がされている。しかし、こちらの組織の方々の意見を聞きますと、反対練馬区連絡会の人たちはまだまだ自分たちの要望を聞いてもらいたい、こういう申し入れを再三やっていたわけですけれども、ついにこの問題については、三月二十四日にも再度申し入れをいたしましたけれども、三月二十八日に結審が出てしまった。こういう問題などが、果たして意見の申し出があるものに対して十分に意見を尊重して聞く、こういうようなことになるのだろうか。しかもその中で、連絡会の人たちが本当にこれは大変だということで東京商工会議所に電話を入れて、そして私たちの申し入れをぜひ聞く機会を持ってもらいたい、こういうことを申し入れたところが、商調協は商工会議所会員間の調整を図るところであって、皆さんの御要望は参考意見として聞かしてもらいます、こういうことであったというふうに私のところにも話が来ております。こういうことで、私はやはり本当に商調協の果たす役割り、民主的な運営、こういうものが十分保障されているということが言えるのかどうなのか、こういった問題について商工会議所などに明確にこれはひとつ指導してもらいたい、このように思いますけれども、いかがでしょう。
  234. 神谷和男

    ○神谷政府委員 具体的なケースにつきましては、私どもその案件ごとにさらに詳細調べてみたいと思いますが、基本的には先ほど申し上げましたように、商調協の場というものは地元の意見をできるだけ集約する非常に大事な機能を持っております。法律上は、確かにたてまえ論としては商工会、商工会議所の意見を聞かなければならない、その意見を取りまとめるという機能を商調協で果たすというふうに考えられますが、その意見というのはやはり幅広く消費者、学識経験者あるいは域内の商業者の意見を吸い上げるような形で行われることが望ましいと思っておりますので、そのような指導を行っておるところでございます。ただ、具体的に商調協の審議の、先ほど申し上げました効率性という言葉は非常に抽象的でございますが、商調協でいろいろ意見を調整いたします際に、でき得れば商業者団体等の意見もまたその団体としてまとめていただけばより効率的な審議ができる、こういうことからそのような要請を行うというケースは間々ございますが、他に実質的に多くのまた別の意見がある場合は、それらを勘案して商調協で十分検討していただくことが必要と考えておりますので、そこらあたりには十分配慮をするよう指導してまいりたいと考えております。     〔堀内委員長代理退席、中島(源)委員長     代理着席〕
  235. 小林政子

    ○小林(政)委員 いま、できるだけ効率的にやっていくためにもある程度窓口を決めてというようなお話もございましたけれども、この窓口一本化というのは、これが大変な弊害をもたらしているのです。いまの場合も、これは一つの窓口の一本化というこういう中で起こってきた事実でもございました。また、私どもの地域の中でもこういう問題がいろいろと地元の商店の方々から意見が出されております。  こういった問題についてもう一つの例は、台東区の東上野に出店予定のマルエツという大型店舗の件でございますけれども、これは地元の十三商店街がマルエツ上野店出店阻止協議会、これは阻止協と言っておりますけれども、そこが商調協に出て意見を述べているわけです。その一方、肉屋さんだとかあるいは魚屋さんだとか、こういう業種の組合の方々が、マルエツが出店をすると相当影響が出てくる、こういうことで、ぜひ自分たちの意見もひとつ聞いてもらいたいということで、地元商調協はもちろんのこと、こういった連絡会がつくられて、商工会へも意見を出していたわけです。ところが実際には、この問題一つを見ましても特に問題だと思われるのは、マルエツの出店計画によりますと、年商が九億四千万円、こういう出店計画なんです。そのうち一四%が食肉販売、これは一億三千百六十万円の売り上げに売り上げ構成比がなるわけです。ですから、これでは商圏内に入っている十二店の肉屋さんが、これはもう大変なことになる、自分たちは年商二億四千万円の売り上げがあるわけだけれども、マルエツに出られますと、一四%で一億三千百六十万円も売り上げが出てくるという計画で見ていきますと、五四・八%は結局大型店の売り上げによって影響が出てくるということで、何とかこの問題を解決をしてほしい、こういうことで働きかけを行ったわけですけれども、しかし、この問題についても結局いまの商調協ではこういう問題はなかなか取り上げられない。そして結局四月二十五日ですか、商調協の学識経験者の方がわずか十五分だけ、午前中業者の意見を聞いてくれて、そして午後にはもう結審、こういうことがやられたということです。  私は、こういった問題、ただ意見を反映させたということにはなるかもしれません、しかし、本当にこの問題について何とか解決をしょう、こういうような角度から見ますと、これは形式にすぎないんじゃないか、このように思いますし、現行の大店法は店舗面積だけを対象にして調整がやられるわけですけれども、実際にはスーパーの出店に際して商品構成で影響を受けるという、こういう人たちも出てくるわけです。これからもこういう問題は相当ふえるのではないか、このように思いますけれども、こういった業種の救済の道、これは具体的にどのようにされているのか。商調法における十四条の二、調査の申し出だとか十六条の二の調整の申し出によって、調整も大店法とのダブル規定ということになると除外規定ということにもなっておりますし、何らかの形で商品構成による調整ができる道というのを検討する必要があるのではないか、このように私は考えますけれども、具体的な見解をお伺いをいたしたいと思います。
  236. 神谷和男

    ○神谷政府委員 大型店舗出店の調整に当たりまして、周辺の中小企業に与える影響を勘案いたします場合には、当然その大型店舗において取り扱われる商品、その具体的な商品をそこで販売することによって起こり得べき影響といったものに関して検討が行われる、こういうことでございます。基本的に、われわれといたしましては一〇〇%何ら異議のないような調整を理想としては期待いたしますが、ある程度がまんをしていただかなければならぬような、しかし大方あるところで全般の消費者の利便、流通の合理化等を勘案して一つの調整に落ちつくというようなケースもございますので、若干の御意見が出ることはあるかとは思いますが、できるだけそういう方々の御意見も勘案しながら調整が行われるべきものと考えております。その後、事後的に取扱業種等が大幅に変更されて、当初予期しなかった影響が出た場合等は、先生御指摘の商調法の問題になろうかと考えております。
  237. 小林政子

    ○小林(政)委員 ちょっと中小企業庁にもこの問題でお伺いをしておきたいと思います。  中小企業の事業分野協議会というのがございますね。そこからも私のところにも請願が出されておりますけれども、この内容は、商調法の十四条の二及び十六条の二より「大規模小売店舗において行われるものを除く。」こういう規定を削除してほしい、いわゆるダブル規定の除外を削除してほしい、こういう要望が出されております。こうした問題について中小企業庁としても何らかの対策をおとりになる必要があると思いますけれども、どんな点が検討されていますか。
  238. 左近友三郎

    ○左近政府委員 御指摘のとおり、商調法の十四条の二あるいは十六条の二という点につきまして、大店法の調整のものは除くことになっております。これは大店法で審議をして決めたものについて、同じものをもう一遍やるということについては疑義があるということで、そういう規定が入ったのだろうというふうにわれわれは考えておりますし、現在もそういう運用をしておりますが、いまお話しのように、出店をした後予期しない影響が出てくるとか、事情が非常に変わったというような点につきましてこれをどうするかという問題は、確かに問題として残っておると思います。それで、先ほど審議官が申し上げましたように、この大型店の取扱品目を大幅に変更するとか、そういうような大店法の対象にしない点についての問題については、この商調法を発動するということで現在も考えておりますが、ちょうどいまのような問題については、実は両法間の調整をどうするか、商品配分をどうするかというような問題でございますので、われわれとしても現在問題が残っているというふうに考えております。これについてはまた十分検討していきたいというふうに考えております。
  239. 小林政子

    ○小林(政)委員 その問題についてはひとつ十分御検討をいただきたい、このように思います。時間の関係もございますので先へ進ませてもらいたいと思いますけれども、ただ、私もう一つだけ具体例を出したいと思います。  これは私の住んでおります東京の下町で起こっている問題でございますけれども、大変最近はスーパー、いわゆる大型の店舗が出店ラッシュで出てきている。何とかこれをスムーズにやろうということで、ちょっと悪質だと思われるようなこういうものまでが出てきているのです。これは具体的には地方自治体などが中に入って、そしてある程度合意をしているような問題が全く守られない、こういうことなどもありますし、それからもう一つは、ダイエーが葛飾区の金町地区に進出をすることが予想されております。この計画を見てみますと、ボーリング場ダイヤレーン跡地に鉄筋四階建てで売り場面積一万六千平米であります。現在あの地域は東急もすでにもう出店をやっておりますし、あるいはまたイトーヨーカ堂も駅前に出店をしているし、丸興も金町店を出しておりますし、本当に大型店がどちらかというと集中している、こういうような地域でございます。したがって、すでに出ております大型店の出店の売り場面積は、地域の小売店の総面積に比較しても三二%もシェアを占めているということまで地元では調査をされまして、実際に地域全体の亀岡という商店街、それから金町の十六商店街、また地域の町内会、ここを挙げてダイエーが出てきては困るのだ、こういう反対運動が起こっているわけです。この問題について実際に私も現地を調査もいたしてまいりましたので、細かいことまである程度実態をつかんではきておりますけれども、しかし時間もございませんので、こういった売り場面積のシェアというものは、商圏との関係で既存店と大型店の売り場面積との関係は具体的にどのように検討をされているのか、こういう点についてまずお伺いをしたいと思います。
  240. 神谷和男

    ○神谷政府委員 ただいまの案件につきましては、具体的にどういうふうにそれを考えるかということでございますが、先生御指摘のように従来大型店舗がかなりあった。相当の密度ではないか。そのような既存の大型店がどのくらいあり、今度新しい大型店が希望の面積で出た場合には、全体としての大型店の面積の占有率はどの程度になるか、あるいはそれに対応する人口というのは単なる居住人口ではございませんで、商業的に流入する人口等も将来どうなっていくかといったような問題、あるいは類似した都市においてそれがどのようになっておるかという点等が商調協においても、もちろんそのほかに現実的な話も行われますが、議論をされることを期待しておりますし、私どもでは大店審に上がってまいりますれば当然その種の問題は参考の一つとして検討されるものと考えております。
  241. 小林政子

    ○小林(政)委員 次に、やはりこの地域の問題でございますけれども、ここにはいま三つも大型店が出ておりまして、とりわけ二百台駐車場というのが三カ所も四カ所もずっとございます。そこではイトーヨーカ堂の四ヶ所あるいはまた駐車場入り口付近というのは、二百メートルから三百メートル車がずっと並んじゃっているのです。非常に狭い道路なのですよ。こういうところへ実際に車が長い間ずっと行列をするというような、人も何か危なくて歩けないというような、こういう状況が出ております。そこへまたダイエーが今後進出を予定して、五百台からの駐車場をつくるという計画になっているわけです。私現地を見まして、こんなところにこんな状態が、いまですらパンク寸前のような事態のところへこういう大型店が出たらどういうことになるんだろうと、これは地域挙げて反対するお気持ちは当然だというような気持ちを持っておりますし、こういった問題が予想されておりますし、排気ガスの問題だとかあるいはまた公害の問題だとか、こういった問題等も当然出てまいりますし、こうした問題を本当に住民の方も非常に心配をされておられました。私は、交通問題とか環境問題について、これは地方公共団体が都市計画でやるんだから、いわゆる経済法である商調法なり大型店舗法では何ら関係がないんだというようなことにはならないんじゃないかな、こういうふうに思いますし、どんなに道路が狭くてもそこにどんどん建ってしまうというようなことが野放しにされるというようなことは許されないと思うのです。こういった点について見解を伺いたいと思います。
  242. 神谷和男

    ○神谷政府委員 大規模店舗ができました場合に、特にショッピングセンタースタイルのものができました場合の交通問題であるとか、それに関連した周辺の環境に与える影響等について、種々実際問題として御議論があるということは承知をいたしております。他の地域においてもございますが、法律の運用といたしましては、先生御指摘のように、もう十分御承知のことではございますが、大店法ではむしろ周辺の小売商業に与える影響という観点からの調整がわれわれに与えられておる権限でございまして、それを越えての調整を行うという権限は法律上与えられておらないわけでございまして、むしろ都市計画法あるいは交通関係の法規、規則あるいは条例等によっての調整、さらには事実上の地方公共団体の指導等が行われるというふうに割り切らざるを得ないわけでございますが、ただ現実問題として、商調協においてその出店をどうするかという議論がかなりホットに行われており、別途交通問題等が地元の問題として議論が行われております際に、別の法律に基づく議論だからといって、それに関しては全く素知らぬ顔で商調協の審議のみをどんどん進めていけばいいというふうには、しゃくし定規には考えておりませんで、当然それらに関しては地元でいろいろな御意見があり、地方公共団体もそれらの意見を反映し、あるいはさらに権限のある当局も必要な指導なりあるいは場合によりましては法律上、規則上の措置が行われる可能性もございますので、それらの進行の状況を見ながら審議を進めるということにいたしたいと考えております。  現実問題としては、なかなか法律のように区分しがたい一体的な地元問題でございますので、現実的な扱いというものが並行して行われるということになろうかと思いますが、それらの動向を十分注視しながら適切な運用を行っていくということが、この法律のもとにおいて許される最も現実的な対処方針ではないかというふうに考えております。
  243. 小林政子

    ○小林(政)委員 先ほど来出ております商調法の問題についてちょっと一、二点お伺いをいたしたいと思います。  最近ダイエーの子会社、ボックスストア、株式会社ビッグ・エー、これが都内に進出をしてきております。すでに六店舗というふうにもお聞きをしておりますし、私の住んでおります足立区にも近く四店舗が出てくるというようなことが新聞にも報道をされております。これは花畑、綾瀬、梅田、青井というように新聞に報道されておりますけれども、その出店面積は五百平米未満の二百から三百平米というようなものであるけれども、一定の地域内を面でずっとつぶしていくというようなこういうやり方でございますので、これはやはり地元小売商に与える影響は非常に大きいんではないか、このように考えます。こうしたビッグ・エー、これはさらにダイエーの子会社という点から見れば、商調法の適用をすることが当然のことではないか。すでに埼玉県の川口市ではやられているというようなお話も伺っておりますので、この点について一点お伺いをいたします。  それから、時間の関係で、次に牛乳に入ります関係もありますので、もう一点商調法で、十四条の二の調査の申し出あるいは十六条の二の調整の申し出、こういうものがございますと同時に、十五条のあっせん、調停の申し出というものもございます。結局ビッグ・エーなどが進出をしてくるという場合、進出地点の商店街、ここは振興組合に加盟をしていないいわゆる任意の商店街、こういったような場合にはやむを得ずこの十五条を適用してあっせん、調停の申し出をするわけでございますけれども、こうした場合、片一方は振興組合で、当然十四条の二、十六条の二の申し出で解決を図りたい、こういう申し出がされる。こういった場合の競合といいますか、この申し出が提出された場合どのようにこの両者を処理されていくのかということについて見解を伺っておきたいと思います。
  244. 左近友三郎

    ○左近政府委員 いまお話がありましたいわゆるボックスストアというものが最近大分開設をされております。これは、流通の近代化という点で一つのメリットはあるわけでございますけれども、場合によっては周辺の中小小売商に非常に大きな影響を与えるということがあり、また、現に出店に際して、そういう影響ということから地方自治体が両者の調整に当たっておるというふうなこともございますが、法律的に言いましても、いま御指摘のように商調法によって対処できることが非常に多いと思います。  現に、いまお話もありましたが、埼玉県では実はこの商調法の十五条のあっせん、調停の申請が出てまいりまして、これを受けて県が県、市、商工会議所、学識経験者、当事者双方というようなもので構成するあっせん会議を設けまして、双方のあっせんに努めて合意に達して、いわゆるあっせんが成立をしたということになっておりまして、大体四店、その出店についてのあっせんが成立したわけでございます。われわれの態度といたしましては、今後もこういう問題が起こりましたならば、このあっせんというものを十分活用したいと思っております。  いま御指摘のように、方法としてば十四条の二といういわゆる適格団体からの調査の申し出、それから調整の申し出によって処理をする場合もございますし、十五条のあっせんによって処理する場合もございまして、これはどちらで出てきてもわれわれとしては十分な処理をいたしたいと思っておりますし、同じ案件で同時に出てきた場合には、これはよく御相談をしてどっちでいくかは決めていただくということで、いずれにしても、このあっせん、調停をやる人それから調整をやる人は、いずれも都道府県知事で同じでございますから、それについてはよく相談をして、具体的な事案で適切な方法で解決を図るということにしていきたいというふうに考えております。  今後は、こういう意味での商調法の発動を、適法な申し出がありました場合には十分活用していきたいし、また、そういう点でいろいろ議論があるときにはこういう点を利用をしていただきたいということで十分指導をしていきたいというふうに考えております。
  245. 小林政子

    ○小林(政)委員 次に私、牛乳の問題についてお伺いをいたしたいと思います。  牛乳は、言うまでもなく、国民的な完全な栄養食品というふうに言われ、非常に大切な食品であり、その安定供給と消費の拡大を図ることは国にとっても国民にとっても非常に大切なものだと考えております。ところが、生産過剰だとかあるいは消費の伸び悩みだとかで宅配を主とする牛乳販売店の経営危機というものがいま非常に深刻になり、酪農民へのしわ寄せというようなことも出てきております。こういった事態の中で政府は、これは農林省にお伺いをいたしたいと思いますけれども、牛乳の生産、流通、消費の三つの段階全体を通してこのままの状態でよろしいというふうに感じていらっしゃるのかどうか。この点をまず第一にお伺いをいたしたいと思います。
  246. 芝田博

    ○芝田説明員 ただいまわが国の牛乳、乳業、酪農の状況につきましては、一言で申しまして供給過剰という状況のもとにいろいろな問題が起こっていることは御承知のとおりでございます。農林省といたしまして現在の状況に対する理解は、牛乳の需要は農産物の中でも今後もなお伸びていく分野である、いままでのような大きな伸びでないにしても今後も着実に伸びていく。それに対して、現在生産が需要の伸びを上回って進み過ぎている点がある。これを調整して、一方において消費を拡大しながら片方においては拡大された消費のテンポに合わせて生産を計画的に進めていく。そのことによりまして緊急に生乳の需給バランスを回復する。そのことによって流通面におけるいま御指摘のような乱売問題、宅配販売店の非常な経営危機の問題等も基本的には解決の方向に向かうのではないか、そのための諸施策をただいま講じておるところでございます。
  247. 小林政子

    ○小林(政)委員 そうしますと、三月二十八日に畜産審議会が答申を出しておりますけれども、これは六項目にわたる答申で、酪農政策全般については、当然のことでございますが販売なくして酪農なしという立場から、生産者の皆さんも強調されておられますとおり消費拡大に大きな力を注いでいくという点に力点が置かれたものだと私は思っております。結局こういう方向で政府がこれまでの牛乳政策の何らかの見直しをされていくのが当然ではないかなと思いますけれども、その点についてもう一言お答えをいただきたいと思います。
  248. 芝田博

    ○芝田説明員 御指摘いただきました三月末の畜産振興審議会の建議の内容は、「牛乳、乳製品の生産から消費に至る現状にかんがみ、不足払制度を含めて酪農政策全般につき速やかに検討を行うこと」ということでございまして、これは現在行われております不足払い制度が、端的に申しましてどちらかと言えば牛乳が不足状況にあった時代にできた制度である、それが現在のようなやや長期にわたる過剰状況に立ち至った状況のもとにおいて正当に機能していないのではないか、そのような認識のもとに出された政策の見直しの必要という御指摘でございまして、われわれといたしましてもこの御指摘を受けまして、生産、流通、消費の各段階にわたって検討を行うこととしておりまして、その中では当然飲用牛乳の問題、その価格の問題等につきましてもあわせて検討していきたいと考えております。
  249. 小林政子

    ○小林(政)委員 公正取引委員会にお伺いをいたします。  いまから何年か前、一九七七年の十一月に参議院の商工委員会で私どもの市川議員が、スーパーによる牛乳の不当廉売について質問いたしておりますけれども、公正取引委員会は警告を発したり書類をとったりして中止させているということを御答弁されております。具体的に、今日まで何件の取り扱いがされてきたのか、あるいは中止をさせてこられたのか、これで十分効果が上がったとお考えなのか、この点についてまずお伺いをいたしたいと思います。
  250. 橋口收

    ○橋口政府委員 牛乳の専売店等から、周辺の量販店等の牛乳の廉売行為によりまして影響を受けるということで、公正取引委員会に対しまして苦情の申告がございます件数は毎年累増いたしておるわけでございます。やや昔になりますが、昭和四十八年はわずか三十九件でございましたが、五十一年は二百三件、五十二年は三百六十七件、五十三年は二百八件、五十四年度になりまして三百八十四件ということで、大変な件数に上っておるわけでございまして、極端なことを申しますと公取委の電話は毎日牛乳問題で鳴り詰めであると申し上げても差し支えないわけでございます。  こういう事案に対しましては個別ケースごとに口頭で警告をいたしておるわけでございます。昭和五十四年度で申しますと、警告いたしましたのは二百九十二件でございます。調査の結果、違反の事実がないというのが八十六件、その他六件でございます。そういう点から申しまして、末端におきます牛乳の不当廉売問題につきましては、率直に言って公正取引委員会も大変頭を悩ましておるところでございます。
  251. 小林政子

    ○小林(政)委員 公取がスーパーに注意して中止をさせているというお話でございますけれども、その値段といいますか、どのくらいのところに不当廉売の基準を置いてやっていらっしゃるのか、その点について一言お答えをいただきたいと思います。
  252. 橋口收

    ○橋口政府委員 不当廉売につきまして一般的な原則は残念ながらまだできておりません。昭和四十八年に、通常の仕入れ原価プラス六%を下回る場合には不当廉売であるという基準をつくったことがございますが、これにつきましては消費者団体、学識経験者等から大変に強い反対がございまして、これは白紙還元にされておるわけでございまして、現在のところはっきりした基準は設けておりません。ただ、いま申し上げましたように申告等がございまして、これに対して何らかの行政上の措置をとっているわけでございますが、これはあくまでも指導の基準でございまして、その場合の考え方としましては、通常時の仕入れ価格を下回った廉売によって周辺の多数の小売店等に影響があります場合には注意をするという措置をとっております。したがいまして、通常時の仕入れ価格を下回った廉売行為につきましては何らかの注意の措置をいたしておるわけでございます。
  253. 小林政子

    ○小林(政)委員 私が調べたところによりますと、千ccの紙容器入りの宅配を中心とする販売店にはメーカーから百八十六円三十六銭で牛乳が卸されている。しかしスーパーでは、極端な例ではあると思いますけれども百二十円から百五十円というような価格で売られているのです。これは一般小売商へ高く卸してスーパーに安く卸しているのじゃないか、こういう差別代価の疑いがあるのではないか。参議院の市川議員もこの点については疑いがあると指摘いたしております。また、小売店に一律百八十六円三十六銭で卸しているのは、メーカーの優位的地位というのですか、そういうものとの関係で不公正な取引になるのじゃないか。あるいはまた三大メーカーから一律に百八十六円三十六銭という価格で卸されているということは明らかに価格協定がやられている疑いもあるというようなこともいろいろ言われておりますけれども、こういった問題はきのうきょう出てきた問題ではございませんで、もうすでに数年来論議もされておることでございますし、公取はこれについてどう見ているのか、この点をお伺いいたしたいと思います。  それから、東京都の牛乳商業組合が四月の四日から六日まで独自に調べたところ、スーパーで扱われているうちの三千百五十二件について見れば、その四三%が百九十九円以下で売られている、こういう調査がやられております。宅配による小売の標準価格というものは二百三十五円で売られているわけでございます。ですから、これは明らかに不当廉売といいますか、一般指定の範囲で措置をしてきたというふうに公取は言われていますけれども、なかなか解決ができなかった問題でもございますので、私はこの際、こういった不公正に該当すると思われるこれらの問題について公正取引委員会はどのような態度で臨まれようとしているのか、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
  254. 橋口收

    ○橋口政府委員 先ほど農林省から御答弁がございましたように、牛乳につきましての需給のバランスが大幅に崩れているというところに基本的な、また構造的な要因があるように思うわけでございますし、同時に流通の形態なり消費の態様につきまして大きな変化があるわけでございます。したがいまして、もろもろの問題が、流通、販売あるいは消費の段階において生じておるのは御指摘のとおりであろうかと思います。  いまお話がございました差別価格の問題でございますが、これにつきましても、供給者がいわば会社の方針として計画的、意図的、継続的に差別的な価格で、量販店には安く、専売店には高くという販売を行っておれば、これは差別価格に該当いたすということになろうかと思います。ただ問題は、事実の確認なり認定の問題でございまして、たまたまある時期にメーカーが安い価格で量販店に卸すということをもって、直ちに差別価格の問題として独禁法上問題ありというふうにすることはむずかしいことであろうと思います。  それから、メーカー系と酪農系と錯綜しておるわけでございますが、メーカー系が販売価格につきまして協定をしておるのではないかという御指摘でございます。仮にそういう事実があれば、これは当然独禁法に触れる問題でございますが、これもやはり事実の確認なり認定なりに困難な問題があるわけでございまして、われわれとしましては、現在伺っておる程度の情報で措置をとるということはむずかしいというふうに考えております。  それから、問題は、根本的に解決するために何か適当な方法はないかということでございまして、この点につきましてもわれわれはここ二、三年の間いろいろ考えをめぐらしておるわけでございますし、業界からの陳情等もあるわけでございますが、仮に特殊指定という方法によりまして不当廉売を規制するということになりますと、これは牛乳の取引の実態につきましてさらにより詳しく調べる必要があるわけでございますし、また特殊指定をいたします場合には、取引のもろもろの条件についての内容の限定が必要になってまいります。そういう点から申しまして、そのものずばりと申しますか、不当廉売そのものを取り締まるような基準を設けることはなかなかむずかしいのではないかという感じを持っておるわけでございます。ただ問題は、量販店等におきまして客寄せのために、おとり廉売行為の対象として牛乳を選ぶということがあるわけでございまして、こういうおとり廉売なりおとり販売の具になるような形での牛乳の販売は健全でないと思いますので、こういう点につきましてはさらに工夫を加えてみたいというふうに考えておるところでございます。
  255. 小林政子

    ○小林(政)委員 いま公取の委員長の方から、特殊指定の問題についてもいままでいろいろと検討してきたというお話でございますけれども、こういった事態の中で販売店が、何とかこういう不公正な取引を改めさせたいというところから特殊指定ができないかということで運動を続けてきたわけでございますし、この問題で公取は検討されていると言われるわけですが、実際には困難だというその根拠はどういうことなのか、それが私どもにはよくわかりません。具体的には牛乳の食品としての特殊性、栄養価の非常に高い完全な食品であるという点だとか、あるいはこの前消費者が反対をされて、一回案を出したけれども通らなかったというお話もございますし、牛乳の大量普及といいますか、そのために業者もあるいは消費者も、それこそ全体がこういった困難な問題を除去していくという方向で合意を図ることができれば、この問題についても公取は特殊指定が実現できるのかどうか、この点について再度お伺いをして、私の質問を終わりたいと思います。
  256. 橋口收

    ○橋口政府委員 最近の物価事情から申しますと、価格について何らかの形で下支えになるような施策をとるというのは、率直に申しまして大変困難であると考えております。したがいまして、量販店等におけるおとり販売の用具として牛乳が使われる行為について何らかの規制が可能かどうか、これは検討いたしてみたいと思っております。繰り返しになりますが、価格に対して拘束を加えるような形で特殊指定をするということは、現下の物価事情から見て大変に困難ではないかというふうに考えておるところでございます。
  257. 中島源太郎

    ○中島(源)委員長代理 以上で小林政子君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る十六日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時四十七分散会