運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1980-05-06 第91回国会 衆議院 商工委員会 19号 公式Web版

  1. 昭和五十五年五月六日(火曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 塩川正十郎君    理事 中島源太郎君 理事 野田  毅君    理事 堀内 光雄君 理事 渡部 恒三君    理事 清水  勇君 理事 渡辺 三郎君    理事 近江巳記夫君       天野 公義君    大塚 雄司君       辻  英雄君    橋口  隆君       原田昇左右君    深谷 隆司君       水平 豊彦君    渡辺 秀央君       石野 久男君    後藤  茂君       上坂  昇君    渋沢 利久君       中村 重光君    松浦 利尚君       山本 幸一君    長田 武士君       木内 良明君    中川 嘉美君       森田 景一君    小林 政子君       横手 文雄君  出席国務大臣         通商産業大臣  佐々木義武君  出席政府委員         公正取引委員会         事務局取引部長 劒持 浩裕君         公正取引委員会         事務局審査部長 妹尾  明君         経済企画庁調整         局審議官    廣江 運弘君         経済企画庁物価         局長      藤井 直樹君         経済企画庁調査         局長      田中誠一郎君         通商産業大臣官         房審議官    神谷 和男君         通商産業省通商         政策局次長   真野  温君         通商産業省貿易         局長      花岡 宗助君         通商産業省機械         情報産業局長  栗原 昭平君         通商産業省生活         産業局長    児玉 清隆君         資源エネルギー         庁石油部長   志賀  学君         資源エネルギー         庁石炭部長   高瀬 郁彌君         中小企業庁長官 左近友三郎君         中小企業庁計画         部長      中澤 忠義君         中小企業庁指導         部長      植田 守昭君         中小企業庁小規         模企業部長   廣瀬 武夫君  委員外の出席者         大蔵省銀行局中         小金融課長   小田原 定君         労働省職業安定         局雇用政策課長 野見山眞之君         中小企業信用保         険公庫総裁   小山 雄二君         参  考  人         (中小企業共済         事業団理事長) 越智 度男君         参  考  人         (中小企業共済         事業団理事)  勝岡 保夫君         商工委員会調査         室長      中西 申一君     ――――――――――――― 四月二十五日  公益法人及び会員の経営する結婚式場写真部の  地元優先委託等に関する請願(上坂昇君紹介)  (第四八八〇号) 同月二十八日  電力、ガス及び石油原価の公開等に関する請願  (則武真一君紹介)(第五〇三二号)  ハイヤー、タクシー等の燃料価格安定等に関す  る請願(岩垂寿喜男君紹介)(第五〇八三号)  同(新盛辰雄君紹介)(第五〇八四号)  同(関晴正君紹介)(第五〇八五号)  同(山口鶴男君紹介)(第五〇八六号)  同(渡部行雄君紹介)(第五〇八七号) 五月二日  ハイヤー、タクシー等の燃料価格安定等に関す  る請願(小川省吾君紹介)(第五一六八号)  同(木間章君紹介)(第五一六九号)  同(沢田広君紹介)(第五一七〇号)  同(新村勝雄君紹介)(第五一七一号)  同(小野信一君紹介)(第五二二七号)  同(北山愛郎君紹介)(第五二二八号)  同(久保三郎君紹介)(第五二二九号)  同(佐藤観樹君紹介)(第五二三〇号)  同(柴田健治君紹介)(第五二三一号)  同(井岡大治君紹介)(第五二六七号)  公益法人及び会員の経営する結婚式場写真部の  地元優先委託等に関する請願(渡辺朗君紹介)  (第五二六六号) 同月六日  ハイヤー、タクシー等の燃料価格安定等に関す  る請願(大出俊君紹介)(第五三二七号)  同(島田琢郎君紹介)(第五三二八号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  中小企業信用保険法の一部を改正する法律案  (内閣提出第六八号)  中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律  案(内閣提出第六九号)  中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律  案(内閣提出第八九号)      ――――◇―――――
  2. 塩川正十郎

    ○塩川委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、中小企業信用保険法の一部を改正する法律案及び中小企業倒産防止共済法の一部を改正する法律案の両案を議題といたします。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  両法案審査中、中小企業共済事業団から随時参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その人選につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 塩川正十郎

    ○塩川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――
  4. 塩川正十郎

    ○塩川委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。後藤茂君。
  5. 後藤茂

    ○後藤委員 法案の審議に入ります前に、大臣はせっかく中国を訪問されたわけでございます。お聞きしますと、日程は一週間足らずで、大変短い日程でございますけれども、エネルギーの問題とかあるいは通商の課題等に関して非常に重要な案件がたくさんあるわけでございますので、一般質問でお聞きをすべきかと思いますが、最初に、訪問されました中身について簡単にお伺いをしてから本題に入っていきたいと思います。
  6. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 北京に参りまして、それぞれ要路の皆様にお会いいたしまして討論を重ねたわけでございますけれども、華国鋒総理に対しましてはむしろ表敬訪問と言った方が適切かもしれません。それ以外は、余秋里副総理それから康世恩副総理、李強対外貿易部長、唐克冶金工業部長、高揚文石炭工業部長、これら二人の副総理と三大臣にお会いいたしまして、約四日にわたりまして午前、午後と非常にハードスケジュールでいろいろお話し申し上げました。  基本的にはほとんど合意に達した事項ばかりでございますけれども、合意に達しない事項に関しましても今後とも検討を約することにいたしまして北京から引き揚げたわけでございますが、上海でただいま新日鉄と向こうと合弁でやっております宝山の製鉄所の建設状況を視察いたしました。再来年には完成でございますけれども、大変スケールの大きい近代的な銑鋼一貫の大製鉄所が向こうへできる、その現場を見せてもらいました。それが主な内容でございますけれども、その中で主たる事項を申し上げます。  まず、石油開発でございます。これに関しましては、従来は海外、外国企業との開発協力は、皆さんも御承知のように海上中心と申しますか、海洋油田の開発が主であったわけでございますけれども、私どもはそれにはほとんど参加しておりますので、今度はぜひ陸上の方にもひとつ参加させてもらいたいということで、大港油田及びその他の渤海湾陸上の油田の探査、開発に協力方を申し込みましたところ、向こうは原則的に賛成いたしますということで、合意いたしました。これは大変大きい収穫だったと思っております。それ以外の奥地の方も、日本で申し込みがあれば自分の方では受ける用意があるということで、石油の開発に関しましては将来とも大変希望を持てるのじゃなかろうかと思っております。  それから石炭開発に関しましては、ただいま輸銀の開発ローンで七つばかりの対象個所があるわけですが、そのうちの三つは合意をいたしまして、それはよろしい。その残りの四つと、それから輸銀のローンじゃなしに、合弁あるいは補償貿易方式という方式で四カ所ばかり向こうから協力方の要請が来ておりましたけれども、その地点と、八カ所、それに大同等の新しい地点も加えてもらいたいとこちらから申し込みいたしまして、その点等ひっくるめて新しい調査団を出して調査させてもらいたいという話を申し上げましたところ、向こうの方は、輸出入銀行のローンに関してまず調査をしてそれを決めようじゃないかというお話でございまして、それでは今後具体的に両方で相談し合いましょうということで実は別れてまいりました。ですから石炭関係といたしましては、三つだけはすぐかかりますけれども、それ以外は調査団を出す、その出し方、時期、どこそこといったような問題はこれから相談をして、検討した上で決めていきましょう、こういうことにして帰ってきました。  それから石炭液化に関しましては、向こうもぜひ共同でやりましょうというお話でございましたので、六月に日本からミッションを出します。  それから長期貿易取り決めでございますけれども、この中で、石炭に関しましては八九年に一千万トン日本としては引き取りの用意があるので、日本側の需要家の希望に合わすような炭種、炭質等考えてもらいたいというお話をしましたところ、向こうは、それではこちら側からそういう資料をひとつ出してもらえないか、それに応じまして自分の方で輸送状況等も勘案しながら考えてみましょうということで、これは具体的にはさらに今後進めることにいたしました。  それから石油の八一年、八二年の取り決めした量がございますけれども、これに関しましてはいま中国側で非常に困難な事情があるようでございますが、最大限の努力は払います、八一年、来年の分でございますけれども、これに関しましては今年下半期に協議に入りましょうということで、ちょうどいま中国は、いままでの開発計画に調整期と称しまして調整を加えておりまして、その結果、新しい五カ年計画、十カ年計画あるいは十五カ年計画でございますか、長期の計画をただいま検討中の由でございますので、それとの見合いもあろうかと思いますのでそういうことにいたしてまいりました。  それから技術協力に関しましては、技術協力センターを設置してはどうだろうという話と、あるいは向こうからの研修生の受け入れ、あるいはこちらから専門家を派遣したりあるいは水力開発のフィージビリティースタディーの調査団を派遣したりという技術協力のたくさんの問題がございましたけれども、そういう話はほとんど合意に達しまして、向こうも大変その点では感謝しておりました。  それから、先ほど申しましたように向こう側でちょうど調整期でございますので、その長期計画樹立に関しまして、私も今度参ったのですから、できますればわが方から事務次官以下そういう計画に多識の方を中国に派遣してお役に立てたいがどうでしょうかと申しましたら、華国鋒総理は、大変結構だ、ぜひひとつ早くよこしてくれ、いままでの日本の経験もいろいろあろうし、また、最近ビジョン等もつくったそうですから、そういう点もあわせて自分らの計画の参考にいたしたい、ぜひひとつ早く送ってくれと二回ばかり繰り返して申しておりましたので、その点は実施したいと思っております。  以上、大ざっぱでございますけれども、今度の訪中で私は大変成功をおさめてまいったというふうに考えてございます。
  7. 後藤茂

    ○後藤委員 いまお聞きをいたしましたのは、信用保険法の改正と関連をいたしまして御質問をしてみたいと思ったものですから冒頭にお伺いをしたわけです。  早速法案の中身に入ってみたいと思います。  倒産防止共済法改正案が提起をされているわけでございますが、最近見ておりましても、依然として中小企業の倒産の状況というものはどうも高い水準で推移をしているようでございます。とりわけ連鎖倒産の状況がいまどういうようになっているのか、今後の倒産の推移等につきましてもどのように判断をし、見通しを立てているのか、まず最初にこれらの点につきましてひとつ長官にお伺いしたいと思います。
  8. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 ちょっと一言だけ。先ほどの発言で、石炭の一千万トン引き取り問題でございますけれども、年度を八九年と言ったそうでございまして、これは八五年でございますので、訂正しておきたいと思います。
  9. 左近友三郎

    ○左近政府委員 最近の倒産、とりわけ連鎖倒産の動向、それから今後の見通しということでございますが、中小企業の倒産件数は五十四年のちょうど年央くらいまでは前年の同月水準を下回るというふうな傾向でございましたけれども、昨年の年央以降、ことに十月以降は倒産件数がふえてまいりまして、一応危機ラインと言われております月間千五百件というラインを突破いたしました。ただ、五十五年に入りますと若干低下をいたしましたけれども、最近の、五十五年三月の実績では大体千四百件余りということで、いわゆる危機ラインには達しませんけれども、相当高い水準ということでございます。  なお、五十四年の累計は一万六千件でございまして、五十二年の一万八千件に次ぐ史上第二位という高水準でございます。こういうふうなことでございますので、先行き大変心配をいたしております。  四月についてはまだ正確な集計は出ておりませんが、その調査をしておるところに形勢を聞いてみますと、四月は三月とほぼ横ばいかちょっと多い程度ということのようでございますので、心配が実現して非常に悪化するというほどにはなっておりませんけれども、客観的な経済情勢を見ますと、原材料価格の値上がりとかあるいは金融の引き締め等々心配な要因もございますので、これについてはやはり先行きを十分監視しながら対策を進めていく必要があろうというふうに考えております。  なお、連鎖倒産でございますが、これは倒産件数の中で大体二、二%を占めておりまして、この比率は最近若干増加の傾向を示しているということでございます。  いずれにいたしましても将来十分警戒をしながら見守ってまいりまして、適時適切な対策を講じていきたいというように考えております。
  10. 後藤茂

    ○後藤委員 長官、いまの御答弁ですが、二月と三月に公定歩合が引き上げられたわけですけれども、これが相当影響を与えてきているというように判断をしていいでしょうか。
  11. 左近友三郎

    ○左近政府委員 公定歩合の引き上げということは、結局金融引き締めということで中小企業の経営に影響が出てくるわけでございますが、現在のところ、三月までの事態はそれほどこの引き締めが現実化しておるという数字は出ておりません。ただ、この三月時点くらいで調べてみますと、この四月から六月にかけて相当引き締まるのではないか、それが非常に不安であるというふうな調査結果が出ております。また、われわれが考えましても、これからがいよいよこの影響が出てくる時期ではないかというふうに判断をしております。
  12. 後藤茂

    ○後藤委員 共済事由発生率も大分高いようで、いまの一万六千件のうち約二千五百件くらいというように聞いているわけですけれども、共済制度がこの倒産防止に果たしてきた役割りというものをどのように見ておられるのか。  それから加入者で、連鎖倒産で倒産してしまったという事例があるのでしょうか。あるいはまた、加入者の取引先企業の倒産の特色はどういう傾向を見せているのか、こういった点についてお伺いをしたいと思います。
  13. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 中小企業倒産防止共済に絡めた数字でございますけれども、加入者が二年間で約二万一千件を超えておりますけれども、そのうちで二千件強がいわゆる共済事由発生として共済金の貸し付けを受けているわけでございます。もちろんこの貸し付けを受けた者は、幸いにして連鎖倒産にかからなくて再生の道を歩んでいるわけでございますが、手元にはたまたまその連鎖倒産の結果、不幸にして倒産してしまったという数字はございませんけれども、倒産防止共済制度のおかげで二千件以上の企業が救われているという点は制度の効果があったものと私ども考えているわけでございます。  なお、加入者の取引先企業の倒産の特色を統計的に見ますと、この共済制度の運営でございますけれども、倒産形態として、いわゆる銀行取引停止処分の例が一番多うございまして、二千件以上のうちの八〇%を超えております。これに次ぎましては、和議開始の申し立てが八・四%でございます。このほか破産の申し立てが五・三%等でございます。  なお、参考までに業種についてみますと、相手先の倒産の業種は製造業が三六%強、卸売業が二三%強、建設業が二〇%強でございまして、この三つの業種で全体の八〇%を占めているわけでございます。
  14. 後藤茂

    ○後藤委員 お伺いしますと、加入者で連鎖倒産の被害にあった、倒れてしまったということがなかった、それからまた先ほどの御答弁をお聞きしますと、この制度が発足したということは非常によかった、倒産防止に大きな役割りを果たした、こういうように理解できるわけですけれども、そういたしますと、この法律案が審議をされておりました五十二年、その際に当時の児玉次長は、二年間で十万くらい、五年間で七十万件ぐらいの加入を一応見通しをしているのだ、こういうように答弁をされておりました。これだけ私どもが期待をしておった制度であっただけに、その当初の見通しから見ますと、相当努力はされているのでしょうけれども、いまの実績の二万一千件というのは余りにも加入率が少ないように思うわけです。なぜこの加入がこんなに低かったのか、当初の見通しが高過ぎたのか、あるいは何かほかに欠陥があったのかどうか。二十一条で見直しの条文がございますけれども、その見直しが、二年でこの改正案が提起をされるというところになってきたわけですが、この加入が余りにも少ないということに対してどのように考えておられるのか。それから今度の改正案でこれからの加入者がどのように見込まれるのか、どういう見通しを立てておられるのか、お伺いをしておきたいと思います。
  15. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 まず最初の御質問にお答えいたしますが、御指摘のとおり、倒産防止共済制度の加入者が当初の見通しをかなり下回っているわけでございますけれども、私どもその理由としまして、大きく分けて二つ考えております。  その第一は、そもそも倒産防止共済制度というのは世界に例のない制度でございまして、この新制度の発足当初におきましては、やはり普及の不足とか加入促進体制が十分に整わなかった、こういうような理由がかなり大きく効いているものと思います。あわせて、この制度をつくりました五十二年度の後半あるいは五十三年度の前半には倒産が非常に多うございました。したがって積極的な加入があったわけでございますけれども、その後若干倒産件数が下火になったということも影響しているものと思うわけでございます。  しかし、第二の理由としまして、私ども基本的な事柄と考えておりますのは、中小企業者の要望あるいはニーズといったものにこの新しい制度が十分にマッチしていたものかどうか、その点を深く反省するわけでございます。私ども昨年の初め以来、中小企業関係者からいろいろ制度の改善について要望を伺っておりますけれども、その内容を伺ってみますと、新しい制度だけに改善すべき点が多々ある、このように考えたわけでございます。  なお、今後の加入の見通しいかんということでございますが、御指摘のとおり従来は年間十万件と考えておりましたけれども、五十五年度につきましては八万件を目標に加入を促進してまいりたいと考えております。
  16. 後藤茂

    ○後藤委員 八万件といいますと、五十五年度に約四倍に上げていかなければならない。いまのような宣伝の体制ではいささか心もとないのではないだろうかという心配もいたしておりますけれども、その中で二点ばかりちょっとお伺いしておきたいのです。  一つは、倒産防止という名称について、もう少しいい知恵がないのだろうかという声をあるところで二、三の中小企業者からお聞きいたしました。恐らく皆そういう気持ちを持っているのではないだろうか。これは加入する側もそうでしょうし、それから親企業といいますか元請の場合も、その下請の企業が倒産防止共済に入るのだということに対して、いかにもおまえのところは倒産の危機があるから、心配だから加入しておくのだと言わんばかりの受け取られ方をされはしないだろうか、そういう感じがするわけです。そこで、この倒産防止という名称について、ほかにいい名称が考えられなかったのかどうかはよくわかりませんけれども、どのようにお考えになっているかということが一点。  それから、五十五年度に八万件にしていくというのは大変な努力が要ると思います。やはり親企業なり元請なりに対する指導がこれからは特に必要になってくるのではない、だろうかと私は思うのですね。むしろ親企業の方が加入することに対して圧力をかけていくというような心配がないだろうか。そういう意味で、親企業、元請に対する指導をどのようにお考えになっていらっしゃるのか、お伺いをしてみたいと思います。
  17. 左近友三郎

    ○左近政府委員 まず名前の件でございますが、確かに倒産防止というと倒産しそうだということに連想がいくのも一つの御意見だろうと思います。ただ、この制度は、直に申しましてお互いに共済制度でもって倒産を防止するということでございますので、その実態をあらわしたということだろうと思います。しかし、これは要はPRの問題で、これもなれてしまえばこういうまさかのときに備えた制度だということで御理解願えるのではないかということでございますので、私どもは当面この制度を、名前も含めて中小企業の方々によくなじんでもらえるような努力をやってみたらどうだろうかということを考えまして、今回の改正についても名前の変更は考えなかったわけでございます。  それから第二点でございますが、おっしゃるとおり親企業のこれについての理解がなければ下請企業等についてこういうものの制度がなかなか普及しないということは事実でございますし、また、この連鎖倒産が下請関係に非常に起こりやすいということはわれわれ考えております。したがいまして、この親企業に対するPRについては、御指摘のとおりわれわれも十分努力をしていきたいと考えておりまして、これは政府あるいは商工会議所、その他いろいろな団体にもPRを委託しております。ことに商工会議所などは親企業も入っておるわけでございますので、そういう点で、そういったPRを今後十分進めてまいりたいというふうに考えております。
  18. 後藤茂

    ○後藤委員 委託団体の数ですね。まあ、商工会議所、商工会あるいは中小企業団体中央会等があるわけですが、その中で、特に中小企業団体の傘下組合が大変多うございますけれども、これがどうも少ないのではないかというように思います。こうした傘下組合に対する委託先の拡大が必要じゃないかと思いますけれども、いかがでしょうか。ちょっと少ないように思いますが、数についてもお答えをいただきたいと思います。
  19. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 協同組合等の組合を通じます加入が容易となりますように、中小企業中央会が事業団の承認を得まして、会員であります協同組合等に加入申し受けの受け付け等の業務を再委託、これを複託と言っておりますけれども、再委託をしております。こうすることによりまして制度の普及、加入の促進を図っているところでございますが、ことしの三月末現在の複託組合数は三百五十九組合でございます。本制度の趣旨にかんがみますと、加入者の増大を図っていくことが中小企業者の経営の安定に寄与するわけでございますので、今後ともこの複託組合の増加に努めてまいりたいと考えております。
  20. 後藤茂

    ○後藤委員 私のいただいております資料を見ますと、五十四年の十二月末で掛金総収入額が約百十億円、貸付金額が約九十五億、こういうように承知をしておるわけですけれども、先ほど長官の御答弁にもありましたように、総需要抑制ということを考えてみますと、これからも倒産に関しては大変厳しい情勢ではないか。そういたしますと、これからの収支バランスというものが逆ざやになってきはしないだろうかという実は心配をするわけであります。そういたしますと、せっかくの制度というものが機能しなくなってくるわけですから、この運営の基盤強化のためにどのような対策を考えておられるのか、お答えをいただきたい。
  21. 左近友三郎

    ○左近政府委員 倒産防止共済制度は、中小企業の方々がお互いに掛金を出し合って不測の事態に備える、こういう制度でございます。そしてこの掛金が集まりますけれども、必ずしもその掛金額でいざという場合の貸付額を賄えるというふうにはわれわれは考えておりませんで、必要があれば適時借入金をいたしまして、そして長期的な期間でもって収支相償うというふうにいたしたいと考えております。また、事務的な経費は一切事業団に対して国が補助をしておりますので、まさに実際の共済掛金と貸付金の運営というところで長期的には収支のバランスをとるようにということで考えております。しかしながら、やはり不測の事態に備えましてこの事業団に出資金を出そうということで、現在合計たしか四十億の出資を出しております。そういうことでございますので、今後の運営を見ながら必要な場合には出資等の措置を講じていくということを考えておりますので、これの運営も今後も円滑に推移していけるというふうに考えておるわけでございます。
  22. 後藤茂

    ○後藤委員 いまの見通しと関連をいたしまして、今回完済手当金制度が創設をされたわけですけれども、これは私は評価をしたいと思っております。ただ、いまのような運営状態が続いてまいりますと、先ほどの御答弁では八万件あるいは十万件への意欲を持って加入を促進していけば、またこの運営面においても比較的ゆとりが出てくるだろうと思いますが、この完済手当金制度、これを、「長期にわたる収支の均衡が保たれ、なお余裕財源が生じていると認められる場合」、こういうようにしているわけですけれども、この「余裕財源が生じていると認められる場合」というのは具体的にはどのような場合なのか。これは一応の線というものを考えていらっしゃるのでしょうけれども、どの辺を「認められる場合」としているのか、お答えいただきたい。
  23. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 「長期にわたる収支の均衡が保たれ、なお余裕財源が生じていると認められる場合」とは、その判断時以降の共済事業の収支状況の推移を予想しまして、その予想から一定の財源、具体的に申しますと余裕財源を処分しても共済事業の収支状況が悪化しない、収支相償うものと予想される事態を言うわけでございます。すなわち、一定の財源を処分しても以降の共済事業の運営に支障を生じないと判断し得る場合でございますが、現在の状況におきましては、共済事由発生率が非常に高うございますので、余裕財源が生じているとは判断できないわけでございます。しかし今後加入者が増加する等あるいは共済事由の発生率が低下するという事態が予想されますので、そういう事態になりました暁には、将来予想を含めてしっかりした計算をして判断をしたいと考えているわけでございます。
  24. 後藤茂

    ○後藤委員 大臣にちょっとお伺いをしたいんですけれども、この倒産防止共済法というのは、一方においては緊急避難的な性格も持っておったと思うのです。金融面におきましてのいろいろな制度がある上に、中小企業者自身の共済としてこういう制度がつくられてきたわけです。その制度加入の際に特例の前納制度というものを設けたわけですね、一年間。この加入者の率を見ますと、約六割が特例前納制度で加入している。先ほどの御答弁をお聞きいたしておりますと、新たに発足した制度なので、二年間で十万件くらいの一応の予想を立てておったけれども十分に理解が得られていなかったので大変下回った件数であった、こういうふうに言っているわけですけれども、私はこうした倒産防止共済というものについては、一年に限らないでこの特例前納制度というものはぜひやはり残しておくべきではないだろうかというように考えるわけです。  前回五十二年の審議の際には、中小企業庁は、悪意によって特に危ないものだけが持ち込まれてくる、こういう心配がある、あるいは逆選択の余地を封じておきたい、そういうような考え方でこの年限を切ったと思うのですけれども、私はどうも、中小企業が今日大変な努力をしていきながら、もちろん経営の努力をしなかったというところもあるかもわかりません。けれども、努力をしていきながら連鎖倒産をしていく、こういうものに対しては特例前納制度というものは認めていってやるべきじゃないだろうか。そしてより加入者をふやしていくということがこの運営にゆとりを持たせることにもなっていくわけですから、どうも人を見ればどろぼうと思え的に、中小企業者というのは悪いやつばかりで、みんな悪意によって前納して、そして掛金だけをもらおう、こういう意識を持っているやつばかりだから、そういう連中を相手にする共済制度というのは、これはそういう特例の年限というものはなるべく短くしておいて、そして自分たち自身で掛けて、そして自分たち自身で共済しなさいというようにすべきだというんなら私は政治は要らないだろうと思うのです。そういった考え方を私は持っているわけですけれども、この特例前納制度を復活していくということを考えていくべきじゃないだろうか、あるいはこれまでのいろんな中小企業の要望の中にもこういうものが強く盛り込まれていなかったかどうか、大臣からひとつお答えをいただきたいと思います。
  25. 左近友三郎

    ○左近政府委員 大臣の御答弁の前にちょっと経緯を御説明させていただきます。  確かに前回といいますか、新しく制定をしたときにこの逆選択がきくということも御説明を申し上げたことは事実でございますが、何か悪意防止というのが一番の目的でこの特例前納を一年に限ったというふうなつもりはわれわれはございませんで、実は共済制度といいますのは、やはり加入者がある年限掛金を積み立てておきまして、その積み立てた額に応じてそれ相応の共済の利便を得られるというのが共済制度の本体でございます。したがいまして、共済制度の趣旨からいいますと、やはり何年間かの掛金を掛けるということが本来の趣旨であるということでございます。ただ、あの際特例一括前納制度を特に置きましたのは、ちょうど倒産が非常に頻発いたしまして何とか対策を講じなければいけない、しかも共済制度でございますとすぐに措置を、つまり貸付金を得られないということから、いわば緊急避難的な意味で特例前納制度というものを、共済の本旨にはそぐわないけれども一年間だけ置くということにしたわけでございます。  それからまた、現在の時点で五年間共済金を掛けないと満額の貸し付けは受けられないということが一つの批判でございましたが、これについては確かに中小企業の方の御批判もごもっともということで、今回の改正をいたしますればこの当初の共済金額というものは大体二年で満額になりますので、そういう意味では早く貸付金が受けられるという趣旨にも合致するかというように考えますし、また今回二千百万円まで貸付金額をふやしましたが、その二千百万の貸し付けを受けるためにも三年半で到達するということで、前回の五年よりもずっと短くなっておるというようなことから実質的な改善も図られておるというのが事実でございます。
  26. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 お話しのように、特例一括前納制度というのはいわば文字どおり特例でありまして、それが本質でないことはいまお話しのとおりだと思います。このたびの改正によりまして掛金の月額の引き上げとかあるいは期間の短縮等で相当そういう点の是正もできますので、そういう例外的な措置を一応復活するというのはやはりやめまして、正道な方法でこれを進めるというのが筋でなかろうかと私思います。
  27. 後藤茂

    ○後藤委員 倒産防止という性格から考えてみまして、逆選択という言葉を使っておられますけれども、やはり一括前納制度と同時に、また毎月何万円の積み立て、両方あっていいと私は思うのです。そんなにしゃくし定規にする必要ないじゃないですか。皆さん方の方はこの制度というものは十分に熟しておって、そしてこれを利用すれば倒産の際には大変なメリットがあるんだというように理解をされておりますけれども、たくさんの中小企業者というのは毎日そのことを考えていないのです。ただ、さてという緊急事態になって初めて何かいい制度はないだろうかというのが実情だろうと私は思います。どんなにいい制度がありましても馬耳東風という事態というものを考えていかなければならない。法律をつくったんだ、制度があるんだ、みんな国民はあるいは中小企業者は知っているんだという前提がそもそも間違っているんじゃないか、こういった選択、逆選択というのじゃなしに、どちらかをとり得るんだという方法は考えていっていいだろうと私は思うのです。それが一年間、最初つくられましたあのとおりでいいかどうかということについてはもっと検討していっていいと思いますけれども、いきなりすぱっと切ってしまうということについては再検討する必要があるんじゃないだろうかということを考えておりますので、これはぜひひとつ検討してもらいたい。倒産防止だということ、いわゆる一般の共済制度ではないということをぜひ念頭に置いておいていただきたいということ。これと関連をいたしまして据え置き六カ月、五年以内償還、前回の質疑討論の際にも償還期間を延ばしても収支の赤字発生がそう懸念すべきものではないというときになったらこの償還期限というものを延ばすということも検討してみたい、十分検討に値する、こういうような答弁を当時児玉さんでしたか、答えているわけです。これもまたしゃくし定規に、いやほかの制度がたとえば信用保証特例制度が三、四年、あるいは三機関の特別貸付制度、運転資金、これが五年、したがってというようなことを言っている。倒産防止共済というようなことを考えていきますと、いわゆる緊急な事態ということを考えてみますと、ほかの制度と違ってもう少しこの制度にメリットをかけてやっていいんじゃないだろうかというふうに考えるわけです。したがって、この償還年限ですね、この延長の問題、これをぜひひとつお答えいただきたい。  それからもう時間が余りございませんのでもう一点、今度はメニューが十段階になっていく、そのために最高貸付限度額が二千百万円ということになっている。この二千百万円というのはどういう根拠をもって二千百万円になっているのか。この前の論議の際にも、何も十倍にしないで十五倍あるいは十七倍にしていっていいじゃないかという議論がなされております。この点についてどのように論議をなされたのか。  それから三点、一括してお伺いをしておきたいと思いますけれども、附帯決議の中にもやはり保険制度というものを強く主張しております。私ども社会党も保険制度がとれないかということを主張をいたしました。この保険制度の導入というものについてはこの委員会における附帯決議があったわけですが、これが今回もあらわれていないわけです。なぜこの保険制度が、一顧だに顧みられていなかったのかどうかはわかりませんけれども、今回も顔を出してこなかったのか。この前の論議では保険掛金が大変高い、それにたえられないんじゃないだろうか、こういうように言っておられましたけれども、こういう緊急な倒産という事態というものは、保険という制度が一方において担保されている、こういうことが必要だろうと私は思います。これは社会党も特に強く保険制度というものは言っておりましたので、この点につきましてどのように検討しこれからどう考えていく、特に二十一条の見直しというのはこの問題が非常に大きくひっかかっておっただろうと私は思うのです。そのこともあわせて三点、時間がございませんから簡単にお答えをいただきたいと思います。
  28. 左近友三郎

    ○左近政府委員 まず総括的に申し上げますと、いま御指摘のとおりこの法律は五年ごとに見直しということになっております。ことに類例のない制度でございますが、やはり実績を見て、その実績の上で判断をするということでございますので、いまの御指摘の諸点についてはわれわれも今後も十分検討を続けていきたいというふうに考えております。ただ、実は二年たって特に今回改正をお願いをしたというのは、そういう五年ごとの定期の改正をするに先立って、やはり実施してみて当面非常にふぐあいな点、また中小企業の方々の非常に要望の強い点をとりあえず修正をしよう、そうしてこの制度の基本にかかる問題は絶えず検討を続けて、五年ごとの定期の見直しのところでまた逐次解決をしていきたい、こういう姿勢をとっておるわけでございます。それで、その償還期限の問題につきましても今後のこの経理の状態等々を見まして、これはやはりその貸し付けを受ける人にとってみれば長い方がいいわけでございますから、経理が許せば可能な限りそういうふうな配慮を考えていきたいということでございますので、これはやはり今後検討を続けて、そういう事態になりますれば改正をいたすというふうにいたしていきたいというふうに考えております。  それから、二千百万円にいたしました理由は、大体最初に千二百万円に決めましたときに、取引先の倒産に伴いまして回収困難額がどの程度共済金によって救済されるかということを試算をしたわけでございまして、実例から見れば大体九〇%程度の人が共済金の上限額で回収困難額を賄えるという試算になっておったわけでございます。その後経済の状態が変わってまいりまして、同じような試算をいたしますと、大体二千万円ぐらいでそういう九〇%に達するという計算になってまいったものでございますので、この際二千百万円ということにいたしたわけでございます。二千百万円にいたしましたのは、月々の掛金で三カ年半というきっちり計算ができるということで、二千万円でありますが二千百万円にしたということでございます。  それから、保険制度の問題でございますが、これは確かに制度制定の当初から問題になっております。われわれもいろいろ考えてみましたわけでございますし、今回もいろいろ考えたわけでございますが、やはり保険制度にした場合に、通常の保険ということで掛け捨てにいたしますと、掛金額が非常に大きくなるというような問題もございますので、やはり今回の制度改正ではまだ結論が出ないということになったわけでございます。ただ、この点については全然将来とも保険制度にしないというふうにわれわれは決めたわけではございませんので、今後の検討にゆだねて、法律で規定しております見直しの時期にまた結論を出していきたいというふうに考えておるわけでございます。
  29. 後藤茂

    ○後藤委員 一点長官にお伺いしておきたいのですが、この掛金の月額を引き上げられてまいりましたけれども、従来と同じように税法上の損金算入扱いがなされるわけですね。
  30. 左近友三郎

    ○左近政府委員 従来どおりでございます。
  31. 後藤茂

    ○後藤委員 まだたくさんお聞きをしたいと思いますけれども、時間がございませんので保険法の方に移っていきたいと思います。  今度の保険法の中で、新技術企業化保険が創設をされたわけでございますけれども、いろいろ調べてみますと、中小企業の新技術企業化関係に関するいろいろな制度というのはたくさんあるのですね。中小企業新技術企業化等融資制度、公庫の方からの融資制度がありますし、それから技術改善費補助金がございますし、さらに重要技術研究開発費補助金あるいは発明実施化試験研究費補助金あるいは技術開発事業専用機械試作費補助金、研究開発型企業の育成等々のいろいろな融資制度なりあるいは助成策等が考えられているわけですが、これに新しく保険制度が創設されている。これまでの制度とこれから新たに創設されますこの保険制度との関係というのは一体どういうように理解をしていっていいのか。どうも中小企業というのはたくさんの分野がありますから、そのサービスをより強化していくためにはいろいろな制度が必要なんでしょうけれども、どうも調べておりますとメニューが余りにもたくさんございますから、どれをどう当てはめていっていいのか理解に苦しんでいるわけでございますけれども、交通整理していただきまして、こういうようなために創設をされたのだというように御説明をいただきたいと思います。
  32. 左近友三郎

    ○左近政府委員 技術開発の促進というのは中小企業対策の大きな一つの柱でございますが、それが幾つかに分かれておりまして、一つは中小企業者に技術を指導するという事業、それから技術を研修させるという事業がございますが、もう一つが技術を開発するということを促進するという事業でございます。  それで、技術開発を促進する事業の中に二つの側面がございまして、一つは試験研究を促進するという研究開発段階でございます。これが技術改善費補助金等々のいわゆる技術開発の補助金でございます。そして、研究開発が終わりまして、いよいよこれを実用に当てるということで試作をするとかあるいは新規の設備を導入するという、企業化段階と言っておりますが、実際の生産をこの技術によってやるという段階が技術の企業化に対する対策ということでございます。  それで、従来はこの対策については主として融資でやっておりまして、いま御指摘のありました新技術企業化等の融資制度というのがございます。これは中小企業金融公庫がそういう企業化段階に対して特別の融資をするという制度でございます。ところが、中小企業の技術を促進するためには、単に国の金融機関の資金に依存するだけじゃなくて、やはり広く民間の金融機関の資金も導入いたしまして、そしてこの事業をやるという必要があるというふうな感じがいたしております。ことに現在の中小企業金融公庫の融資は、やはり技術的に優秀であるというものを主体にやっておるわけでございますが、さらに一般の中小企業の方々に、中小企業ではまだ実際に行われていないというふうなものを相当幅広く企業化する場合に民間資金を活用いたしたいということで、新技術企業化保険というものを創設いたしまして、信用保証協会がこれによってこういうものに対する保証をするということで民間資金を活用する、しかも、先ほど申しました政府資金よりはより幅広い範囲で貸し付けをやるというのがこの制度でございます。
  33. 後藤茂

    ○後藤委員 新技術というのは、たとえば特許あるいは実用新案等の登録がなされておるものは、これは素人にも一応理解ができるわけですけれども、この新技術というのをだれが一体認定をしていくのか、これに対して不安を持つわけです。信用保証協会等で行っていくとすれば、それはだれが一体やるのか。あるいは新技術で片一方は認定し片一方は認定しないというものが起こりはしないか。こういったことに対しまして、そういう新技術の認定というものが十分にできる制度、体制をとっているのだというようになっているのか、この辺をお伺いしたいと思うのです。  あわせて、本年度技術アドバイザーという制度が設けられて、各都道府県に二十名ですか、置かれるということをお聞きしているわけですけれども、この人々とこれとの関係は全くないのか。単なる指導なのか。いわゆる認定の業務はないのでしょうけれども、この新たに創設されました保険制度との関係というものはあるのかないのか、そういったことにつきまして御答弁をいただきたいと思います。
  34. 中澤忠義

    ○中澤政府委員 お答え申し上げます。  先生御質問の新技術企業化についての個別の認定をどのようにするかということでございますが、現在の法案では、この保険の対象となる新技術につきましては通産省令で定めることとしております。しかし、その省令の中身がどのようなものになるかということは大体考えておるわけでございまして、先生お話しになりましたような特許あるいは実用新案の登録されたものを初めといたしまして、現実の問題としては、それ以外にも相当幅広く新しい技術を企業化するという申請が出てくると思われます。したがって、原則としては信用保険公庫の認定を受けたものとするわけでございますけれども、すべての案件を信用保険公庫に持ち込むということでは大変な煩瑣な手続になりますので、審査能力を持ちましたところの保証協会が認定したものにつきましては、新技術の対象とするという運用にいたしたいと考えておるわけでございます。  その場合に、保険公庫と保証協会との見解に食い違いが出て、現実に保険が働かないのではないかという御質問でございますけれども、保証協会が設けましたところの審査会の基準というものを明確にしておきまして、十分な審査能力を持った保証協会が認定したものにつきましては保険公庫が再保険に当然応ずるという運用をすることによって、その矛盾が生じないようにしていくということになるかと思います。そのような形におきまして、中小企業の中で広く普及されておらない新技術を企業化するということにつきましては、今回の制度の対象として幅広く取り上げていくということになると思います。  また技術アドバイザー制度との関係でございますけれども、いまお話しいたしましたように各県に設けられました保証協会で、新しい技術の企業化に対する申請が出た場合に一定の審査能力を持った審査会でこれを審査するということになるわけでございまして、各県の中で採用されます技術アドバイザーがその審査会のメンバーとして入ってくるかどうかということは、今後の運用の段階で検討していくことになると思います。
  35. 後藤茂

    ○後藤委員 時間がございませんので、大臣と長官に最後に一点お伺いをしておきたいのですけれども、今度の五十四年度の中小企業白書、年次報告を読んでみまして、私が一番興味を持ちましたのは中小企業の海外進出、海外投資の問題なんですけれども、ここではこれまでの一応の動きというものについては大変克明に報告がなされております。ただ、非常に食い足りないのは、それではどうやってこれに対応していくかということがさっぱり出ていないわけですね。今度の新技術企業化保険という制度ができまして、近代化保険、公害防止保険が出てきているわけですけれども、海外投資、海外進出というものは、特に中小企業の場合には信用度の面におきましてもあるいは資金面におきましても、さらにまたいろんな情報収集の面におきましても大変だと思うのですね。こういった中小企業の海外進出のリスクを考えていってみますと、これからこの海外進出のための中小企業の保険というようなものも考えられはしないだろうか。特にこれからは資金量も大口になっていくでしょうし、それからこの白書の中にも書かれておりますけれども、経営資源というものを海外に転移をしていく、より国内における付加価値の高い高度化された企業に転換をしていく等のメリット等も考えられる。あるいは、かつてわが国が今日の工業国家になっていく過程における歩みを見てみましても、これから低開発国に対してわが国の中小企業の能力なり技術なりというものを、特に西欧化したこれまでのあり方から変えまして、低開発国に対してそうした海外経済協力というものを進めていくべきだろうと思うのです。ただ、その意欲を持っておりましても、どういう手当てをしていっていいかということがもう一つつかみにくいというのが今日の中小企業者の悩みであると思います。そういう意味で、これからの中小企業が海外へ出ていくのに対する保険の側からの対策、あるいはまたその他の点からもどのように考えておられるか。白書では指摘をされておりますけれども、どうするのだということがこの白書からは全く読み取れない、これからの大きな課題だと思います。  冒頭に、大臣に中国訪問のお話をお伺いいたしました。あるいはまたこの前の論議の中におきましても、私は垂直分業から水平分業に入っていかなければならない、そうしてまた、特に中小企業の持っておる能力なり技術というものをこれから低開発国に転移をしていく、そのことによってより市場を拡大していく道につながっていきはしないかという観点から指摘をいたしました。特に私は、ただプラントなり技術なりを向こうに送り込むということだけではなくて、これからは一緒に事業をしていくということが求められてくるのではないか。そのことは、単にコマーシャルベースだけではなくて、その国の技術なりあるいは民族なりあるいは民情等についても十分理解をしていく、文化についても理解をしていくことが、これからのわが国の中小企業の海外進出において大変大切ではないか。それを支えていく保険制度なり対策なりというものにつきまして、長官と大臣からお答えをいただきたい。  それとあわせて、先ほどの議論の中で保険の問題、共済の場合など幾つか問題を指摘をいたしました。あるいは償還年限の問題あるいは一括の前納制度の問題、これはこれからまた各委員の方々もこの点を指摘をされると思いますけれども、ぜひひとつ十分に掘り下げて考えていただきたいということを要望をいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
  36. 左近友三郎

    ○左近政府委員 中小企業の海外投資の必要性につきましては、全くお説のとおりであるというようにわれわれは考えております。白書はそういう意味で現実の分析をいたしましたが、実は現在中小企業政策審議会におきまして八〇年代の中小企業政策のビジョンというものを検討いたしております。実はその中で、白書の分析を踏まえて具体的な政策をどう打ち出すかということを検討中でございますので、いずれ発表されます段階においてそういう今後の対策についての方向が出てくるというようにわれわれ考えておりますが、御指摘のようにこの信用保険制度につきましても、中小企業が海外投資をする場合にやはり政府が大きな支援をしなければいけませんから、この信用保険制度も大いに活用するべきであるとわれわれも考えております。今回は、新技術企業化というものについて新しい保険を創設したわけでございますが、今後も必要に応じて新しい保険制度をつくっていくというつもりでございますので、いまの問題も十分検討してまいりたいというように考えておるわけでございます。
  37. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 この一月にインドネシアに参りました際、向こうの大統領を初め首脳部は大変日本からの中小企業の進出を希望しておりまして、今度中国に参りましてもやはり合弁法などをつくって合弁してやっていこうという気構えでございますので、中小企業の産業分野の調整と申しますか、それ以前にやはりどうしてもこちらにおるよりは向こうの方に進出した方がよろしいという企業がたくさん国内としてもあるはずでございまして、向こうがそれに対してまた受けようという構えでございますから、まだ現在ではそれほどではございませんけれども、今後はだんだんおっしゃるような方向が進んでまいると思います。したがって、その際に私ども参りまして常に申し上げましたのは、投資保証協定のようなものをつくろうじゃないかということを相手国に申し上げるのでございますけれども、これはなかなか言うべくして簡単にいかない。そうだといたしますれば、いまも御指摘ございましたような保険制度等を国内でつくってこれをカバーするということは大変重要なことじゃなかろうかと思います。まだそこまでいっておらぬようでございますけれども、十分検討に値することだと思いますので、検討をいたしたいと思います。
  38. 後藤茂

    ○後藤委員 終わります。
  39. 塩川正十郎

    ○塩川委員長 これにて後藤茂君の質疑は終わります。  引き続いて中村重光君の質疑に入ります。中村重光君。
  40. 中村重光

    ○中村(重)委員 通産大臣にお尋ねするんだけれども、アメリカの商務省の発表によると貿易収支は三十一億五千八百万ドル、前月が五十七億七千三百万ドルというように発表していたんだから大幅改善ですね。アメリカの場合はいま申し上げたような大幅改善の状態だけれども、特に対日赤字は七億二千九百万ドルと、全くいままでの状態とすると予想だにしなかったような状態ということに実はなっているんだろう。これに引きかえて日本の場合の経常収支は、五十四年は百三十九億三千百万ドルの赤字、五十三年度は百十八億ドルの黒字であったんだから、まさにさま変わりだ。こういうことを通産大臣は予想していましたか。
  41. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 日本の場合は御承知のように原油の輸入量が大変多いばかりでなしに、それが非常な値上がりをし、また円安というのが加わって輸入面では大変な状況になっておることはもちろんでございます。これを輸出でカバーしようといたしましても、余り急激な輸出ドライブをかけますと、相手国に対する経済撹乱といいますか、といったような状況を招きかねませんので、それもなかなか行えないとなりますと日本の貿易関係の対策というものは大変むずかしい状況にあるわけでございまして、これをどうするかという問題は非常に検討を加える要のある問題だと思います。  予測しておったかと申しますと、当然考えられ得ることでございまして、いまのような、主として原油の値上がり等が急激である場合には、当然そういう問題は起きてくると考えてはおりました。
  42. 中村重光

    ○中村(重)委員 さま変わりの状態になっているんだけれども、アメリカからはずいぶん苦情を言われていますね。何でアメリカからいろいろと苦情を言われなければならないのですか。自動車の場合だってあるいはその他農作物なんかの場合だって、日本があり余っている米をただでやったりあるいは輸出をしたりいろいろすると文句を言われる。どうもアメリカさんは自分の気に入らないことは、こういう数字なんて問題にしないでただ文句だけを言う、全く日本は属国になっているような感じがしてならないんだが、産業大臣としてのあなたはどうお考えになりますか。
  43. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 アメリカの考え方がどうということを私批判するわけじゃございませんし、むしろ日本が、先ほど私が申しましたような状態にございますから、各国との経済調和というものも考えながら今後どういう対策で臨むべきかという方がむしろ緊要だと思いますので、お話のようにアメリカ自体の対日態度と申しますか、そういう点に対して、先生のおっしゃるように端的には私は考えておりません。
  44. 中村重光

    ○中村(重)委員 どうもいまあなたの答弁では、余り大臣に、何を言っているのかわからぬなんという失礼なことを言うほど私は横着じゃないからそうは言わないんだけれども、もっと歯切れよく、けしからぬならけしからぬとアメリカに向かって聞こえるぐらいにひとつ言われなければ……。おかしいでしょう。だから、もっとしゃんとしてやりなさいよ。特にあなた産業大臣で、佐々木通産大臣の肩にかかっている問題というものは私は非常に大きいと思っているのです。経済の情勢がもう大変化もしているんだから。最も重大なときにあなたは通産大臣になった。それはやはりあなたの能力、識見、手腕というものを買われているんだ、こうあなたは認識しなければならない。それだけの自信がありますか、やっているんだという。
  45. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 余り国対国というふうなそういう問題のとらえ方でなくて、集中豪雨的な輸出をすれば、やはりそれは、幾ら相手が貿易収支が改善しておったにしても問題が起こることは事実でございますから、そういう面に対しましてはそれなりにそういうものは起こらぬように事前の防止もし、起こった場合には対策を講ずるというのは当然であります。ただし、国対国の問題に関しましては、やはりそれはその国なりの考え方がありましょうし、こちらの方といたしましてもそれ以外の対処方法、たとえば中近東に対する輸出をふやすとかあるいはオイルダラーの導入を考えるとかいうふうにしてそれぞれ考えを進めるべきであって、一方的に余りに問題を取り上げてやるべきでなかろうというふうに私は考えてございます。
  46. 中村重光

    ○中村(重)委員 それは集中豪雨的な輸出をして、自分の国のことを考えて相手の国のことを考えないなんというようなことはよろしくないですね。たとえばカラーテレビなんか国内には高く売って、そして外国には安く売る、そして国民の犠牲の中で集中豪雨的な輸出をしてきた、そして今度はダンピング税なんというような、びっくりするような罰金を向こうから取られる、こういうことはいけないですよ。だけれども、あなたがいまお答えになった集中豪雨的なことはいけない、その言葉は私そのとおり受けとめるが、集中豪雨的な輸出はどういうものをやっているのです。どれがいけないのですか。
  47. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 カラーテレビ等に対するダンピング問題等も御承知のように一応決着を見まして、これはこれなりに問題は生じましたけれども、しかし、争いを起こさぬようによく話し合って進めてまいりますれば、おのずから片づくものは片づくわけでございますから、お話しのように、向こうの国の政策はいかぬというふうなことをまず頭から考えてやるということは私のとらぬところだ、こう申しておるのでございます。
  48. 中村重光

    ○中村(重)委員 機構局長、いまのカラーテレビの問題、新聞報道によってもいま決着したように伝えられているんだけれども、あれは二期にわたっておったんだな。前段の関係、その最初のダンピング税で問題になって請求されたものと、後の、たしか五億ドルか幾らだったか、金額は私の記憶が違うかもしれぬが、それも含めて解決したのでしょうか。
  49. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 今回決着を見ましたテレビのダンピング問題でございますが、いま先生お話しのように二期と申しますか、最初の段階は七二年及び七三年の六月までの分が第一期といえば第一期でございます。この分について先方の計算によりますと、その一年半だけで四千六百万ドルという金額をダンピング税相当というふうに考えておったと言われております。それ以降昨年までの分を含めれば、円高にもなっておりますし、その金額はさらにふえまして、これははっきりした数字ではございませんけれども、全体として五億ドル以上になるのじゃないかというふうに言われておったわけでございますが、それらを一括含めまして、昨年の三月末までの分について今回決着を見たというのが今回の和解の内容でございます。
  50. 中村重光

    ○中村(重)委員 それでは後の分がまた問題になるんだな。
  51. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 七九年の四月以降につきましては、これは従来問題とされておったような米国の物品税方式という非常に評判の悪い計算方式があるわけですが、それは採用しないということを今回の和解の条件といたしております。それが第一点。  それから、昨年の後半以降につきましては、御承知のように円安にもなっておりますし、ダンピングの疑いを受けるような事態にはなっていないというふうに私どもは思いますので、そういった点から考えますと、問題はまずなかろうというふうに考えております。
  52. 中村重光

    ○中村(重)委員 向こうも評判の悪いものは改める、為替レートが変わってきた、だから二期分というのか、後の五億ドルの問題、これはダンピング税として向こうから要求されることはなかろうという、それはあなたの主観なんだね。起こりませんか。
  53. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 ただいま申し上げましたように、客観的に見てもまず起こり得る状態にはなかろうというふうにも思いますし、算定方式自体も物品税方式ではないということでございますので、私どもとしてはまず問題はなかろうというふうに考えておるということでございます。
  54. 中村重光

    ○中村(重)委員 問題は、そのことだけを考えるのでなくて、後がどうなっているかということだ。ダンピング税を賦課されたということは、先ほども申し上げたように、日本で生産する品物を日本で売る値段よりも外国で安く売っておったということです。ここへ目をつけられたわけだから。  それでは、現在小売価格は、同型のテレビで国内価格とアメリカで販売している価格とはどういうことになっていますか。
  55. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 ダンピングであるかないかにつきましては、これはなかなか計算がむずかしゅうございます。と申しますのは、同じカラーテレビでございましても、海外向けに出されている品物と国内向けのものとは仕様がかなり違います。国内に出されておるものはかなりデラックスなもの、いろいろなものがついているものが市販されておるわけでございます。物がかなり違うということもございますし、それから国内の場合にはテレビの販売に当たりまして販売店に対していろいろな形でリベートであるとかそのほかの販売促進費用というようなものも出されておりますし、そういったものも含めて総合的に判断をしなければいかぬという状態でございますので、単純には比較できない。むしろその辺の事情を考慮した本当のところの実情をひとつ見てもらって、ダンピング問題を正確に把握してもらいたいというのが従来からのわが方の主張だったわけでございまして、その結果、今度の和解におきましては、これは別にペナルティーでもなければダンピング税でもないという前提で、シロでもなくクロでもない、したがって、わが方としてはダンピングをしたという事実を認めたわけではないという前提で和解をいたしたわけでございます。そういう実態にございますので、まず過去においては問題がなくなった。それから今後におきましては私どもとしてはダンピングマージンが発生しているような事態にはないというふうに考えております。
  56. 中村重光

    ○中村(重)委員 いままでそういう主張であったんだ。しかし、向こうは向こうの法律に基づいてやったわけだから、それはメーカーによって違うけれども、全くパアになったものがあるし請求されたものがある。いずれにしても日本の主張にある程度耳をかしてくれたんだろうけれども、従った金額は要求よりもずいぶん下がったけれども、メーカーによっては支払いをしているところもあるわけだ。だから、主張は必ずしも一〇〇%通ったということではないわけなんだ。だから後の問題もそのとおりで、尾を引いていると思わなければならぬ。私が聞いたのは、そういういろいろな条件が違うだろうけれども、現実に値段はどの程度で売られているのかということを聞いているんだ。これほど大きな問題だから小売価格は幾らだということがわかっているはずだ。だから同型のものが国内ではこの程度で売られています、向こうではこうです、ただし条件はこう違うのです、こうわかりやすく教えてもらえぬかな。
  57. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 ただいま手元に資料がございません。後ほど御報告させていただきます。
  58. 中村重光

    ○中村(重)委員 いじめることが目的ではないから後で結構です。しかし、このくらいのことはあなたの頭の中に入っておるのが本当だろうと思うけれども、いいです。資料でも参考になりますから私だけじゃなくて皆さんの方へ回してください。     〔委員長退席、野田委員長代理着席〕  それから大臣、自動車の現地生産に踏み切る、調査をしようとか、日産はトラックだけは向こうで現地生産するということに踏み切った、こう言っているんだが、現地生産をするということになってくると、アメリカの二十万人の失業者、こう言われているんだけれども、これがどういうようなことになるか。また二十万人、確かにそのとおりだというように調査をしておられるかどうか。向こうの主張は正しい、確かにそういう影響が出ているというようにあなたは判断をしていらっしゃるのか。それから現地生産をすることになってくると下請とか関連中小企業、それに基づくところの働いている労働者はどういうような形になると考えていらっしゃいますか。事務当局からでも結構です。
  59. 栗原昭平

    ○栗原政府委員 いまお話しのように、わが国の本田は小型乗用車工場をつくろうということを発表したわけでございます。この雇用人数は約二千人というふうに言われております。それから日産自動車につきましては小型のトラックの現地生産をしようということを決めたわけでございます。これの直接の雇用人数が二千二百人、こういったオーダーの雇用になるわけでございますが、それ以外にも現地生産比率、部品購入等もございますから、現地の雇用でそれぞれ何がしかの増加があるということはこのほかにも考えられるわけでございます。そういった意味におきまして、いま直ちにレイオフを解消するような効果が出るというわけではないと思いますけれども、将来にわたりましてはアメリカ国内での雇用改善には寄与し得る、こういうことであるというふうに考えております。
  60. 中村重光

    ○中村(重)委員 私のいまの質問に対して労働省はどのような見解をお持ちになっていらっしゃいますか。
  61. 野見山眞之

    ○野見山説明員 企業の海外進出の問題につきましては、基本的にはわが国の対外的な経済協調という観点から、国の経済の発展にとって好ましい方向にあるというふうに考えますが、進出の方法なりあるいはその形態あるいは時期等によっては、国内の企業、なかんずく雇用に影響を及ぼす場合もございますので、その点につきましての調査研究等を進めますと同時に、万が一国内の雇用に影響が出るというような場合につきましては、関係省庁とも有機的に連携を図りつつ関係労使の方々に相談をしていくということを考えているわけでございます。
  62. 中村重光

    ○中村(重)委員 失業の状態は。
  63. 野見山眞之

    ○野見山説明員 最近の雇用失業情勢につきましては、五十四年度につきましては、企業の生産活動が活発化しましたことを反映いたしまして求人態度がかなり積極化したこと、それから雇用の調整が一昨年から昨年春ごろまで進みましたけれども、この雇用調整が一段落いたしました関係で、雇用失業情勢はかなり改善をいたしまして、五十四年度の有効求人倍率は〇・七四倍ということで、五十三年度の〇・五九倍に比べましてかなり改善を見たというふうに考えております。また、完全失業者につきましては五十四年度百十四万人でございまして、五十三年度に比べて八万人程度低くなっております。五十四年度改善はいたしておりますが、特に最近の状況につきましては、公定歩合の引き上げあるいは景気の先行き等の見通しが必ずしも十分でないこともございまして、求人態度にやや慎重な動きが出てきているということがうかがわれております。
  64. 中村重光

    ○中村(重)委員 ぼくが尋ねたのは、いまの自動車の現地生産の問題等に対して、アメリカのいまの失業の状態であるとか、それから、現地生産をする場合にはどういうようなことになるのだというので労働省は関心を持っているだろうから、やはりそういった点から労働省なりの調査等をされたであろうから、それを尋ねたのだけれども、結構です。  経済企画庁長官はきょうは出席ができないらしいのですが、日銀の総裁の談話というのか、考え方は物価最優先ということであるのですが、それはわかるのですけれども、また、財政的にも五十五年度の予算を一部留保したり、それから削減をしたりするというような、金融、財政両面から物価に対する取り組みをせざるを得ない。卸売物価が驚くような状態で値上がりしているし、これが消費者物価にはね返ってきている。  そこで、経企庁としての把握している物価の動向、それから景気基調というものは、日銀総裁が言うように依然として根強いというようにお考えになっていらっしゃるのかどうか。  時間の関係がありますからあわせてお尋ねするのですが、設備投資とか個人消費の動向、労働者一人当たりの生産性というものは一二、三%鉱工業の場合も上がっている、春闘では八%の賃金を共闘会議で要求したが、実際はそれほどの賃金の上昇にはなっていない、これらの点は、賃上げが低いということはコストがそれだけ低くなるが、しかし、一方また個人消費というものにそれだけはね返らないということになってくると、これはマイナス要因としても働くわけなんだから、それらの点に対しての経企庁としての考え方、見通し等を含めてひとつお聞かせいただきたい。
  65. 廣江運弘

    ○廣江政府委員 まず景気の現状をどのように見ているかということにつきまして、日銀総裁の御発言との関連でお尋ねがあったわけでございますが、私どもは、最近の生産等の指数、それからそのほかいろいろのデータ等に徴しましても、かなり景気の底はかたい、こう見ております。それを支えるものは設備投資であり、輸出であり、それから最近の二月の家計調査等に徴しましても、お尋ねの中にございました消費等もまだまだ根強いものがあると見ております。その中で、消費の動向等に多少の問題があるかと思いますが、基本的には消費も根強いと思っております。そのような動向を踏まえて、景気の動向を私どもは先ほど申し上げましたようにかなり強い、こう見ていると申し上げたわけでございますが、やはり問題は物価でございまして、先生も御心配になっておりますとおり、一番物価に問題があるわけで、卸売物価が急騰しておりますし、四月に多少頭を打ったというようなところもございますけれども、物価が問題で、それが消費者物価に徐々に及んでくるのではないか、及んできつつあるという点が一番問題である、したがいまして、このような状況下で政策運営の態度といたしますと、物価の安定を図ることが経済の安定的な成長を持続させる上でも一番のポイントだと考えて、特に物価安定を最重点の政策課題としてやっているというのが現状でございます。  それじゃそういう景気判断に基づいて一体現在及び今後をどのように見ておるのかということに多少触れさせていただきますと、五十五年度全体といたしますと、先進工業国がアメリカ等を中心といたしまして景気の鈍化傾向が否めない、それから石油情勢は依然として不安定、不透明な要素がかなりあるというような国際環境が厳しい中でございますので、景気の拡大テンポ自体は前年度と比較をいたしますとやや緩やかなものになるということは否定できないと思いますけれども、先ほど来申し上げましたように、現在から見ます景気の基調自体はまだまだ強いものがあると見ておりますので、政府が当初見通したぐらいの経済成長は遂げていくものと私どもは考えておるというのが現状でございます。
  66. 中村重光

    ○中村(重)委員 金融引き締めによって設備投資はどうですか。鈍化しているのですか。それから、これは中小企業庁長官からでも結構ですけれども、中小企業の設備投資動向、それから金利が大企業と中小企業と比較をしてどの程度の金利差ということになっているのか。引き締めによって中小企業には手痛い打撃というものが、これは弱いだけに覆いかぶさってきているわけなんですが、それらの点も経企庁に続いてひとつお聞かせをいただきたい。
  67. 廣江運弘

    ○廣江政府委員 たび重なります金融の引き締めというのが、設備投資に対しまして影響を持たないことはないということは事実だと思いますが、先生も御承知のとおり、たとえば日銀の調査、それからそのほかの調査機関の調査等に徴しましても、かなり期を追うに従いまして設備投資は強いということを示しております。その間に、お尋ねの金融引き締めがあったにもかかわらず、それを乗り越えたといいますか、かなり設備投資の動向は強いものを示していると思います。この裏にあるものは何かということをいろいろ考えなければいけないと思いますが、あるいは設備が業種によりましてはある程度のもう更新期に来ている、循環期に来ているという考え方もございましょうし、より基本的には石油の値上げ等から誘発されます合理化、省エネルギー的な要請というものもございましょうし、さらに一部には景気の動向を基調といたしまして能力もふやさなければいけないといったような要素があることだと思います。そういう面で、私どもがいろいろ業界等からお話を聞きましても、まだまだ設備投資はかなり強い基調を維持していると思っております。金融引き締めの中にあってもそういう基調を維持していると思っております。  中小企業等につきましては、これから後通産省の方でお答えがあると思いますが、大企業の場合と中小企業の場合とでそれぞれ金融引き締めの及び方等もニュアンスが変わってくるということは事実でございますが、それほど弱いといいますか、急に落ち込んでいるというふうにも私どもは考えてないというのが実情でございます。
  68. 左近友三郎

    ○左近政府委員 最初に最近の中小企業の設備投資の動向でございますが、中小企業の設備投資につきましては、昨年以来、その以前に比べまして相当高まりを見せておりますが、現在も、たとえば商工中金とかあるいは中小企業金融公庫というふうなところの貸出状況を見ますと、依然底がたいものがあるというふうに見ております。ただ、投資の内容は、数量を増加するというふうな投資は余り多くございませんで、相当不況が続きましたので、設備の更新がおくれておったということで、設備の更新投資とかあるいは合理化投資というふうなものが多いというふうにわれわれは感じておるわけでございます。  それから、金利の点でございますが、金利につきましては、発表されております貸出約定平均金利で見ますと、たとえば都銀について五十五年の二月は七・二三九%ということでございますが、中小企業向けの機関として、たとえば相互銀行をとってみますと、七・五四五ということで、過去におけるほど都銀と相銀との金利の差が出てないというのが現状でございます。したがいまして、これは推測でございますが、金利は公定歩合の引き上げに伴いまして逐次上昇しつつありますけれども、過去におけるほど大企業と中小企業の格差が大きくは現在まではまだ出ていないというのが現実ではないかというふうに考えております。
  69. 中村重光

    ○中村(重)委員 時間の関係があるから、私が調べている資料をもとにして具体的にお尋ねをしたいと思うのだけれども、そうもいかないのですが、設備投資は、おっしゃるようにこれは大企業にも共通して言えることだろうけれども、設備の更新の問題ですね。それから中小企業の場合は省エネの投資というのが大企業と比べて非常におくれているわけだ。これは積極的にやらなければいけない。それと同時に、経済構造の変化に基づく中小企業の近代化、合理化等の設備投資を含めて、いろいろな強力な体制をつくり上げるための取り組みが必要になってくる。それに対して、相互銀行等の金利についていまあなたのお話があったのだけれども、実勢金利というものはいまあなたがお答えになったような数字ではないですね。相当高金利で苦しんでいるのです。後で公取あるいはあなたの方からも、大蔵省からもお聞かせをいただくのだけれども、担保力が非常に低い。それに対して歩積み両建てというようなものも最近また非常に強く要求されている傾向を私どもは聞くわけなんです。それらのこと等を考えてみると、設備投資の意欲を阻害しないような金融政策、その他の諸政策というものが推進されなければならぬと私は考えるのです。また、これは避けられないことではあったのだろうけれども、中小企業の金利、それから三機関の金利も引き上げることに決まったわけですね。若干引き上げ幅が開銀とすると低いという配慮をされたということは、当然のことながら私はこれを評価をするわけですけれども、お尋ねしましたそういった必要な設備投資を行う意欲を阻害しないための金融政策はどうあるべきか、あるいはどう進めていこうとしているのかということをお聞かせいただきたい。
  70. 左近友三郎

    ○左近政府委員 確かに現在の経済政策として、物価対策という面から金融引き締めということが必要であるということはわれわれも理解をするわけでございますが、過去の金融引き締めの例を考えてみますと、どうも中小企業にしわが寄りがちであるということでございました。この点はやはり中小企業も大企業も等しく金融引き締めという政策は受けざるを得ないけれども、これが過度に中小企業にしわが寄ってはいけないというのがわれわれの気持ちでございまして、そのためには、一つは民間の金融機関でも、ことに中小企業の健全な投資についてはやはりめんどうを見てもらいたいということで、これは金融行政当局を通じていろいろお願いをしておるところでございますが、特に政府系の中小企業金融機関につきましては、この際必要な資金は十分供給をするという体制をとりたいということで、第一・四半期の資金枠につきましても、前年に比べて三割以上高い数字を用意をしておるわけでございます。また金利につきましても、長期のプライムレート、つまり大企業の最優遇長期金利が現在九・五%でございますが、中小公庫とか国民金融公庫の金利は現在九・一%ということにいたしておるわけでございます。こういうことで中小企業に対していろんなショックが急に及ばないように措置をいたしたいということでございますが、今後も金融の動向を見ながらこの対策を続けてまいりたいというように考えております。
  71. 中村重光

    ○中村(重)委員 三公庫の場合〇・五%引き上げて九・一%に五月一日から実施をしたわけですね。これはどうですか。私は九%ぐらいにするんだろうと思ったところが、九・一ということになったんだけれども、通産大臣、大蔵省との折衝等で、まあ三公庫は九%ぐらいで抑えようというような強力な折衝でもおやりになりましたか。九・一%はやむを得ないという考え方ですか。
  72. 左近友三郎

    ○左近政府委員 われわれもいろいろ検討いたしましたし、また大蔵省ともいろいろ相談をしたわけでございますが、御案内のとおり中小公庫、国民公庫等の原資を構成しております運用部の金利が現在八・五%という段階でございます。したがいまして、運用部の金利と中小公庫、国民公庫等の貸付金利との差が大体一%以上でございまして、これが一応通常の健全な運営ができるという範囲でございますが、今回は特にいまのようなことで貸付金利を抑制したわけでございます。したがいまして、できれば低いのに越したことはないけれども、やはり九・一%というのはやむを得ない線であろうということで、そういう決定をいたしたわけでございます。
  73. 中村重光

    ○中村(重)委員 大蔵省お見えだけれども、歩積みの問題と、先ほど中小企業庁長官からお答えになった、これは中小金融課の課長がおいでですから、所管になるんだろうと思うんだけれども、政府機関じゃないんですよ、中小企業関係の金融機関、たとえば相互銀行とか信用金庫とか信用組合、これらに対して中小企業融資というものは低利で融資ができるような資金手当てというようなものもやった、私はそういうようなことに受け取ったんだけれども、現実にそういったような努力をしているんですかね。実績としてひとつお聞かせいただきたい。特に今回の金融引き締めに対してそのような措置をおとりになったのかどうか。  それから先ほど申し上げました歩積み、これは拘束預金とにらみ預金、いろいろ拘束預金も先般来からにらみ預金という形になっているんだけれども、最近非常に露骨になってきたという感じがするのです。それぞれひとつこの点をお聞かせいただきたい。それから公取もおいでですから、公取からもお聞かせいただきたい。
  74. 小田原定

    ○小田原説明員 まず、金融引き締めに伴いまして、中小企業に対する貸し出しの関係でございますが、中小企業庁長官から各金融機関の連合会並びに私ども銀行局長あてに、中小企業の融資の確保のために相当な御配慮をいただきたいという書類をちょうだいいたしましたので、私どもといたしましてもその趣旨を体しまして指導いたしているところでございます。ただいま私、相互銀行、信用金庫、信用組合の経営者の皆様方から意見を徴しておりますが、都市銀行を含めまして、前回四十九年、五十年の引き締めのときに比べまして中小企業への融資は、かつては都市銀行等は、こういう引き締め時代になりますと中小企業融資を引き揚げていくという傾向があるのでございますが、最近の状況を見ますと、むしろ都市銀行、地方銀行ともそんなに融資を引き揚げるというのはかつてのほどはないようである。むしろそういう関係から私の所管いたしておる相互銀行、信用金庫、信用組合の経営者方は、公定歩合引き上げに伴って中小企業向けの貸し出し金利を引き上げにくいという感じをお持ちのようでございます。ということは、とりもなおさず都市銀行、地方銀行等は中小企業金融についてかつてよりは御配慮をいただいている。このことは先日も大蔵委員会で全国銀行協会会長等各協会を、信用金庫協会長まで参考人としてお呼びになりまして意見の聴取がございましたが、そのような感じが受け取れるということでございます。  次に、こういう情勢になりましたので、先生御質問のとおり歩積み両建て等が問題になるのじゃなかろうかということを関心を持っておりますが、私どもといたしましてはそれがどのような状況かというのは、御存じのとおり各財務局を通じまして苦情の状況というのを把握しておるわけでございますが、あの五十二年当時のかなり金融が緩んだ時代でも、財務局ベースでとりました苦情の状況ですと、五十二年度でございますと年間全国二百九十九件。この当時大蔵省といたしましては歩積み両建てを厳しく行政指導いたしたわけでございますが、その結果五十三年度には苦情の状況八十七件と減ってまいりました。昨年度は約五十件程度になっておりまして、かなりの効果を見たかなというふうに判断いたしておりますが、こういう公定歩合引き上げの状況になってまいりましたので、今後ともなおこの歩積み両建て問題については注目して行政指導してまいりたい、かように考えております。
  75. 劔持浩裕

    ○劒持政府委員 拘束預金につきまして昭和三十九年以来公正取引委員会の方で毎年調査を行っておりますが、最近時点の調査結果といたしましては、昭和五十四年、前年の五月末現在の数字を把握しております。それによりますと、狭義の拘束預金と申しますか、明確な手続で拘束されております拘束預金でございますが、これが一・四%程度、それから先生先ほどおっしゃいましたにらみ預金といいますか、事実上の拘束預金が八・二%程度でございまして、両方足しますと九・六%ということで、前回が一〇・三%でございますので、やや低下をいたしております。それからさらに、何らかの拘束預金があるというふうに回答いたしたものも、企業数、借り入れ件数ともに前回に比べましてやや減少しておりまして、全体として見ますと、最近の拘束預金の実態は改善の傾向にあるのではないかというふうに見受けられるところでございます。
  76. 中村重光

    ○中村(重)委員 最近拘束預金の問題についてお尋ねするといまのようなお答えがあるのですよ。実は、具体的な例として、金融機関の名前だけはきょうは挙げませんけれども、相互銀行で実にけしからぬ例がいままでも幾つかあったわけですが、四、五日前に私はある友人からビルを建てたいということで相談を受けたのです。どこか条件よく金を貸してくれるところはないだろうかということなんです。それで、担保はあるのかと聞くと、土地はあるのですけれども、実はビルを建てるところの土地は担保に入っているのですと言う。どこに入っているのだ。〇〇相互銀行に担保に入れている。そうか、そうするとそれはその担保を抜かなければ無理だろう。実は三千万円預金をしているのです。借金は幾らだいと言ったら、三千万円強ですと言うのです。三千万円預金しているという。それじゃ何で相殺をしてもらわないのか。銀行が聞いてくれないのですと言うのです。どうですか、こういうことが現実にまた行われているということ。これでもって拘束預金というものが最近減少の傾向だということが言えるかどうか。通産大臣、これは常識の度を超えておるのじゃないか。またこういうことが現実に起こってきている。うわさ話で言っているのではない。四、五日前に私自身が相談を受けたのです。余りにもひどいから、しかも相当大きい相互銀行ですから、日本銀行から信用取引を受けているところの相互銀行だ。それにしていま申し上げるようなきわめて露骨なやり方が行われてきている。こういうことが許されてよろしいだろうか。これでもって最近非常に減少の傾向だと言うことができるだろうか。私はそれほど露骨なのはほかにはないと思う。しかし、依然としていまも指摘したような状況にあるということだけは真剣に受けとめて調査もし、指導もしていくということでなければならぬ。いかがでしょうか。だれからお答えしていただくのかな。大蔵省が一番いいのだろうか。
  77. 小田原定

    ○小田原説明員 ただいま先生おっしゃいました個別の事案は、内容をよく聞いてみないと私すぐここでお答えできませんが、昨年実は歩積み両建て関係の通達を整理いたしまして基本的な通達というのを出しました。これは十一月からでございますが、その際に指導いたしておりまして、そういうお客様は当局の方へお申し出をいただくようにというシステムをつくりましたので、検討してみたい、また後でお伺いいたしたいと思います。ただ、先ほども後半に、こういう引き締め時代に入っておりますので、民間金融機関で過度な歩積み両建てが行われないよう十分配慮したいということは申しましたが、私どもそういう問題意識を持っておりますので、今後ともそういう面について十分な配慮をした行政をしてまいりたい、かように考えております。
  78. 中村重光

    ○中村(重)委員 中小企業庁長官、いま申し上げたような具体的な事実があるのです。あなたは中小企業庁長官だから、特にひとつ関心を持って調査もし要求もする、そしてこのようなことを抜本的に改善をしていくということでないといけないと思います。  この金融引き締めの問題と関連いたしまして、下請関係の問題で公取と中小企業庁一緒になっていろいろ改善策を講じておるようでございますが、最近の動向としてどのようなことが――時間の関係がありますから、例証的にこういうことがある、これをひとつ改めなければならぬという点を一、二例として挙げて、考え方をお聞かせいただきたいと思います。
  79. 左近友三郎

    ○左近政府委員 金融引き締めあるいは原材料の値上がりというような事態になってまいりまして、下請企業に対する親事業者の態度というものがだんだん厳しくなるということが予想されるわけでございます。過去の第一次石油危機以後の不況あるいは円高という時代に、大変そういう点で下請企業が、たとえばいろいろな資材費等々の値上がりにもかかわらず単価を上げてもらえなかったというような例とか、あるいは買いたたきを受けたというような例が幾つもございます。それをわれわれといたしましても通産局を通じまして調査をいたしまして、是正を図っておるところでございますが、この実態を見ますと、やはりこういうものについてどういうことをしたらいけないのだということが十分徹底されていないという例がございました。したがいまして、公正取引委員会と御相談をいたしまして、去る四月二十四日付で、この下請企業の不当な値引きとか買いたたきというようなものについて、こういうことが法律に言う不当値引き、買いたたきというふうなことに該当するんだという運用基準を明らかにして、周知徹底を図るということにして関係の方面に連絡をしたわけでございますし、また、公正取引委員会の地方部局にも流していただいて、公正取引委員会としてもそのラインに沿って取り締まっていただくということにしたわけでございます。今後はこういうことを十分周知させまして、そうしてこの取り締まりを厳正にやっていくということにいたしたいと思っております。  先ほど言いました調査件数は、五十四年度の実績では、書面調査が約三万六千件ございました。立入検査も約千八百件を数えておりまして、この立入検査の結果いろいろな指導をやっておるわけでございます。五十五年度につきましては、書面調査について約四万件実施するという予定でおりますが、今回は、いま申しましたように運用基準もはっきりしたことでもございますので、そういう具体的な事例につきまして十分徹底的な取り締まりをやってまいりたいということでございますし、公正取引委員会においても十分な取り締まりをやるということで、お互いに協力をしながらこの問題の解決を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
  80. 中村重光

    ○中村(重)委員 ともかく下請企業というものは弱いし、それから、大企業に納入する中小納入業者というものは大変惨めなんです。だから、本当に真剣に取り組んでいくということでないといけないのですよ。  いまあなたが例として挙げられたことについて、私もその資料を見て、積極的に取り組みをしようとしているということで評価をしたいのですが、それらに挙げていないことで露骨なことは、不当な工賃、それから不当な見積もり入札。これは建設省は見えていないんだけれども、長官からも、特に大臣から、建設省その他関係省とも、閣議等において私はそれを問題にしてもらわなければいけないのだけれども、前渡金というもの。前渡金というのは親企業が下請に回さないのですよ。ましてや孫請に回さないのですよ。自分で前渡金を握ってこれを運用していく。こういうでたらめなやり方というものは改善されないといけない。何回もこの問題は申し上げているのだけれども改まらないということです。  それから不当見積もり入札というのは、入札をやりますね、そうするとそのとき開かないといけないから、これはもう工作のしようがない。ところが見積もりを下請からとる。そうすると、あの下請はこれだけでやるというんだぞ、こう言うのです。それでもうぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう締める。そうしてもう泣くに泣けないような形でやらなければいけない。これは不当な見積もり入札、悪質です。  それから不当人事というものが依然として行われている。下請の共同団地なんかの協同組合なんかにしても、理事長は今度はあれはだめだぞ、理事長をかえなさい、あれはやめさせなさい。いろいろつけ届けもあるだろうし、いろいろなこと、情実だってあるんだろうと思う。そういう中小企業の組織に対してまで親企業が干渉するというような前時代的なことが依然として改められていないという実態をひとつつかんでもらわないといけない。  これらの点に対してどう今後改善をしていこうとされるのか、答弁を求めなければならない関係各省がいるのだけれども、時間の関係がありますから、これはひとつ大臣、いま私が挙げたようなことは許されない行為だから、閣議なんかで問題にしてもいい行為なんだから、あなたからお答えをいただきます。
  81. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 具体的な一つ一つの事情がわかりませんので一般的な答えしかできぬわけでございますけれども、おっしゃるようなことがありますればそれは余り歓迎すべきことでなかろうと思います。
  82. 中村重光

    ○中村(重)委員 具体的なことでお尋ねをするのだけれども、保証協会の保証つき融資というものは、危険負担というものが全く貸し付け側においてはない。だから、これは金利を安くしなさいという当委員会における特別決議が行われている。実績はどうですか。
  83. 左近友三郎

    ○左近政府委員 御指摘のとおりでございまして、保証つきの融資については、保証によってリスクがカバーされておりますから、金利のうちのリスク分というものは引き下げられるわけでございます。これについては従来から金融機関に対して当方からあるいは大蔵省から指導をされておるわけでございます。また、現に五十年三月には、各金融機関の団体におきましてもこの保証つきの貸出金利について優遇するという自主決定も行っておるわけでございます。その実績につきましては、財務局の調べによりましても、大体〇・三%なり〇・四%金利が低いという数字が出ておるわけでございます。
  84. 中村重光

    ○中村(重)委員 どうも質問をするといかにもいいことずくめで、院の決議なんというようなものを本当に尊重されているようなことで、文句のつけようがない答弁ばかりだ。これは長官、私どもは現場にいるのですよ。特にこの商工委員の諸君というのは、中小企業の人たちに密接につながっているのですよ。いろいろな苦情、涙ながらの訴えを受けるのですよ。残念ながら、どこから上がってきた資料か知らないけれども、まあ皆無だとは私は言わないけれども、改善されていない。  大蔵省、ひとつあなたの方で真剣に、これは調査をいままでもおやりになったんだろうけれども、改めて調査をやって、厳しく改善させるというようなことにしてほしいと思うのだけれども、いかがですか。
  85. 小田原定

    ○小田原説明員 私どもの方では、保証つきの貸し出しと保証なしの貸し出しの状況について、都市銀行、地方銀行、相互銀行、信用金庫について、各年度末過去五年ぐらい、四十九年以降とっております。それは、いま中小企業庁長官からも御答弁がございましたように、数字を見ます限りにおきますと、保証つきの貸し出しと保証なしの貸し出しとでは〇・三%から〇・四%程度の金利差がございまして、しかもこれは金融が緩んでいた時代でございますので、順次金利も毎年年を追って低くなってきている事実はつかんでおりますが、ただいま御指摘のように、その状況について今後とも私どもといたしましてはその状況はどうであるか、さらに引き続き指導を強化して調査を進めてみたい、かように考えております。
  86. 中村重光

    ○中村(重)委員 保険公庫は大蔵省と中小企業庁の共管になっているのですね。いま課長のお答えだと院の決議を尊重して、そしてそういうことが実施されるように調査もし指導もするというお答えなんだけれども、現実には保証料の引き下げについて大蔵省と中小企業庁は意見が食い違っているのではありませんか。大蔵省は反対、中小企業庁は引き下げろ、共管だものだからどうもそこらあたりそごがあるような気がしてならないのだけれども、食い違いはありませんか。
  87. 左近友三郎

    ○左近政府委員 現在保証協会の保証料については、大体一%というところで各保証協会の保証料の率が一致してきておりまして、それを上回るものはたしか三つぐらいの協会にしかすぎなくなりました。現在の状態は非常に代位弁済も多いわけでございますので、この一%というラインを守っていくというのが現在の状態でございます。もう少し金融情勢が緩和すればまた保証料率を下げていくことも必要かと思いますが、現在の時点の大体一%に合わしていくという点については、大蔵省と中小企業庁の意見の不一致はございません。
  88. 中村重光

    ○中村(重)委員 大蔵省に御意見を伺いますが、保証協会の性格と位置づけの問題について、保証ということは、最近は代弁が非常にふえてきているようだけれども、代弁は目的ですか手段ですか。
  89. 小田原定

    ○小田原説明員 大変むずかしい質問でございます。  代弁は目的か手段か、これは保証の結果起こった、こういうことであろうかと思っておりますから、目的か手段か、要するに信用保証協会として、中小企業の民間金融機関からの融資を円滑にするために保証協会の保証がございまして、その結果不幸にして代弁が発生するということでございますから、目的か手段かというのはちょっとなかなか答えにくいので、これは御勘弁願いたいと思います。
  90. 中村重光

    ○中村(重)委員 信用保険制度が創設されたときの認識というのか、それはどう把握していらっしゃいますか。――あなたに答弁しろというのは無理ですね。実はこの制度が創設をされたときは、信用力の弱い零細企業に対して保証するのだから焦げつきは当然だ、これを存続せしめるためにはやむを得ないという社会政策的な面からこの制度は創設されたのです。したがって単に融資の円滑を図るためにというのが保証協会の目的ではありません。中小企業自体の存続、充実、ここに保証協会の目的があるということをお考えにならないと、単に貸し付けを円滑にするためだというような手段と目的を取り違えるようなことをやりますと、代弁に対して文句を言うようになる。現に大蔵省は文句を言っている。基本財産に対して何%だということで、それを超えると保証協会を呼びつけて、おまえの方は代弁が多過ぎる、もっと代弁をやらないようにしろ、こう言っているじゃありませんか。これは明らかに代弁の目的と手段の取り違えなんです。だから私は基本財産と、それに対しての定款というのか、保証枠をもっと緩和していかなければいけない、このように実は考えるのです。その点に対して大蔵省はどういう見解をお持ちですか。
  91. 小田原定

    ○小田原説明員 大変むずかしい質問でございますが、信用保証協会は最終的に御存じのとおり中小企業信用保険公庫、ということは、つまり逆にいえば国が最終的に負担の関係にある、そういう意味において保険公庫の財政の健全化をどう図るかというところもあろうかと思います。ただ、すべて中小企業に個々に融資して、それが支払い不能になった場合はすべて国庫が見る、そこまで極端にもなかなか言いにくいところでございまして、その辺は保険公庫の財政の健全化と、あわせて個々の各県にございます信用保証協会の基本財産並びにその経営の効率化というようなことも一方では考えなければならないことではないか、そういう面で私どもは考えておる次第でございます。
  92. 中村重光

    ○中村(重)委員 大企業に対しては、倒産するということになってくるとその及ぼす影響は非常に大きいので、大蔵省も一緒になって元金のたな上げをやったり利子の減免をやったり、いろいろ手厚い措置を講じられるでしょう。中小企業の場合はそういう温かい配慮が行われていないでしょう。この保証協会の保証というものは、大企業に対するそういう手厚い措置を講じておると同じような性格の役割りを果たすものです。そういう考え方の上に立つならば、代弁の枠によって目くじらを立てて、いま大蔵省がやっていらっしゃるようなそういう厳しい指導というか指示、そういうものはやるべきではない。代弁がどんなにあってもよろしいという無責任なことを私は言うのではない。ある団体などは無担保、無保証をやるだけやらせろ、お貸しくだされ、そういうような無責任なことをやる団体もなきにしもあらずだから、私はそういうことを言っているのではない。ともかく保証協会の性格を十分認識して、目的と手段を履き違えないようにしなければいけない。だからいまの基本財産の問題と保証枠の問題、いわゆる代弁枠の問題、そういったようなことに対しても十分弾力的に、特にいまのような激動の時代、経済が非常に混乱をしている時代には弱い者がしわ寄せを受けるのだから、そういう点を十分配慮していく必要があるということを申し上げているわけです。これには私は異論なかろうと思うのですが、いかがですか。
  93. 小田原定

    ○小田原説明員 今日のような経済情勢でございまして、先生御指摘の中小企業の金融の問題は今後十分配慮していかなければならない、そういう意味において信用保証協会の業務についても、信用保証協会が協会としての健全な経理をしながら、御質問の趣旨をよく体して私どもも行政を進めてまいりたい、かように考えております。
  94. 中村重光

    ○中村(重)委員 代弁の場合も、代弁をするということは傷がついた、いわゆる前科者になった、それを完納しないと次の保証もしてやらないのです。税金でもこれは吸い上げるべきではない、くみ取るようにしていかなければならぬということと同じように、弱い中小企業はいろいろな環境変化の中で、むずかしい条件の中で倒産をしたり代弁を保証協会にしてもらったりする、そういう場合ですよ。     〔野田委員長代理退席、委員長着席〕 やはり中小企業というものを再建せしめるというそのことが先行していかなければならぬと私は思う。代弁した金額を完納してしまわなければ次の保証をしてやらないというのではなくて、ある程度援助もし誘導もし、そして代弁金を分割して、それは保証協会は現実には分割払いをやったりいろいろ苦労をしておると思う。そういうようなことで上向きになってきたならば、完納しなくても保証をまたしてやるということ、育てていくということがなければいけないと私は思う。その点に対してはどのような見解をお持ちであるのか、またこれからどう指導していこうとお考えになっておられるのか、この点は大蔵省からも中小企業庁長官からもひとつ考え方を聞かしていただきたい、現実に行われるように、ここで答弁したことが実施されるように。
  95. 左近友三郎

    ○左近政府委員 いまの御趣旨大変ごもっともであろうとわれわれ考えております。現実の運営は、やはり代位弁済した後の完済を待って次の保証をするという運営になっておるようでございますが、しかしながらいまのように、実態を見て将来立ち直るという機運があれば、そういう点にも配慮していいのじゃないかといういまお話を聞きまして感じがいたします。これについては、われわれも十分検討いたしまして実施をいたしてまいりたいと思います。結局、保証協会というものは公的な機関でございますから、これの健全な運営というものもまた一方必要でございますが、また保証協会の設立の趣旨にかんがみまして、中小企業の困っているときに十分情理にかなった取り扱いをするということも必要でございます。この二つの側面をどのように調和さすかというのがこれからの行き方だと思いますが、この点については大蔵省もわれわれも全く同じ考えでございます。ただ、具体的にどういうふうにやっていくかという点については十分相談をしながら進めていかなければいけないと思いますので、ただいま御指摘の点については、われわれとしても十分検討させていただきたいと思います。
  96. 中村重光

    ○中村(重)委員 保証協会の基本財産をふやしていくということは大切なことだから、出捐金とか――都道府県、市町村かやるのが出捐金でしょう。それから銀行の場合は負担金ということになっているのですね。出捐金と負担金というものの違いはどういうことなのか。負担金ということになってくると当然義務的なものになる。出捐金ということになればこれは一種の寄付のような形になってくる。これは地方自治体が中小零細企業を守るためにできるだけ出捐金を増額していくということは当然だろうと思う。また、銀行にしても保証協会の保証によって危険負担を免れるのだからして、これに協力していくということは当然でなければならぬ。ところが負担金ということになってくると、できるだけ多く保証をしてもらった者が、その保証の額に応じて負担をするという性格のものであるとするならば、その負担金によって保証協会を牛耳る、そういったようなことになりかねない、弊害というものが出てくる可能性もなしとしない。この点に対して、今後負担金、出捐金ということについて、信用保証協会の基本財産を大きくしていくためにどう取り組みをしていこうとお考えになっているのか。  それから融資基金にしても準備基金にしても増額をしておるようですけれども、今日中小企業に対する制度融資というものが無数にでき上がっているということになってくると、いま予算化しているような融資基金、準備基金なんというものでは間に合わない。それから保証協会に対する基金の補助、これも本当にいい制度なんです。ところがこれを増額していこうとする考え方ではなくて、むしろ減額するといったような傾向すらある。これでは言葉だけの中小企業の育成であって、本当に中小企業というものを守っていこう、あるいは活力を与えていこうというような考え方の上に立っているとは考えられない。これらの点に対して今後どう取り組みをしていこうとお考えになっているのか、それぞれお答えをいただきたい。
  97. 左近友三郎

    ○左近政府委員 信用保証協会の基本財産の構成部分として出捐金と負担金というものがございます。負担金という名称になっておりますのは、やはり銀行については保証をしてもらう、代位弁済をしてもらうというふうなことがあるわけでございますので、その分の負担というふうな色彩でそういう名前がつけられたものと考えるわけでございますが、いずれにしても協会の基本財産であることは変わりはないわけでございまして、その場合に、こういう時代でございますから信用保証協会がなるべく活動が大きくできるように、出捐金、負担金とも増大することが望ましいわけでございます。ただ、御指摘のようにそういう負担金の増大ということによって、何か銀行が信用保証協会に対して力を持ち過ぎるというようなことがあり得るということであればこれは望ましくないわけでございますが、これについてはわれわれの指導監督、それからまた金融機関に対する大蔵省の御指導ということによりまして、こういう問題のないようにいたしたいというふうに考えるわけでございます。  それからまた政府といたしまして、それでは信用保証協会の経営基盤強化を図るためにどういうことをやっておるかということでございますが、これはお話がありましたように基金補助金というものを置きまして、必要な場合に補助をするという制度をやっておりまして、今後も必要に応じて考えていきたいというふうに考えておりますが、さらに融資基金によりまして、この融資基金の運用ということがまた信用保証協会の力をつけるわけでございますのでこれを増大していくということでございますが、現在約二千億円に上っておりますが、五十五年度においてもさらに二百八十億円の新規出資を行うということにしております。もちろん保険金を出しました後、つまり代位弁済の後の保険金の支出に伴いまして保険準備金は逐年支出をしておりまして、制度発足以来現在まで大体千七百億ぐらいの保険準備金を支出しておるわけでございます。そういうことによって保険の運営が円滑になり、ひいては保証協会の経営基盤が強化されておるということでございます。  それから、先ほどございました地方の自治体の出捐金、銀行の負担金につきましてもわれわれの方からいろいろ指導いたしまして、そういうものが確実に、また円滑に出していただけるようにわれわれも大いに応援をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  98. 中村重光

    ○中村(重)委員 小田原課長、いまのともう一つ質問しますから、あわせて答えてください。  いまの点と、それから風俗営業が保証協会の保証の対象になっていないのだな。これを対象にすると保証協会の基本財産というものが崩壊してしまうというので、保証協会は反対なんですよ。ところが政府関係の金融機関というのが融資をするんだな、三機関ともに。保証協会だけが保証の対象としないというのはどうもわからないのだ。しかし、これは業種が非常に多いから数も多い。業種も多いし業者の数も多い。これは大変だろうと思う。しかし避けて通れない問題だから、これに対してはどうお考えになるかという点もひとつあわせてお答えをいただきたい。  それから時間の関係がありますから、中小企業庁長官にはこの共済制度の問題について、倒産防止共済制度で私どもは保険制度と併用しろということを言ってきた。ところが、見直し条項をそのために入れたのだな。今回の改正はその見直し条項によっての改正ではないと私は理解をしているので、当然五年以内に見直し条項を入れているのだから、見直し条項、いわゆる保険の併用という問題をあわせて当然おやりになる、改正案をお出しになるであろうと思っているのですが、そのとおりに理解してよろしいか。  それから商工中金は取り扱いの団体にするということに了解し合っておったところが対象から外しているから、これはなぜに外しているのか、この点もひとつお答えをいただいて、それで納得がいったらば終わることにいたしますが、まず先に大蔵省から。
  99. 小田原定

    ○小田原説明員 お答え申し上げます。  金融機関の負担金の件でございますが、これは信用保証協会の方は負担金と言っておりますけれども、これはしょせん金融機関が出損する金でございまして、負担金という名称を使っているわけでございますが、信用保証協会の全国の団体の方からも、各金融機関あてにその出捐の金をふやしてほしいという要望がございまして、私ども全国銀行協会、相互銀行協会、信用金庫協会、全国信用組合中央会等の連名で、各金融機関に対して信用保証協会の基本財産を強化するという観点からも、各金融機関の事情の許す限りその負担をふやすようにということを指導してまいっております。  次に、ただいまおっしゃいました風俗営業の件でございますが、バー、キャバレー等の風俗営業は、保険公庫の公共的性格にかんがみまして保険対象に含めることは適当ではないというふうに従来考えてやってきております。しかしながら、風俗営業の許可を受けているものであっても、食事の提供を主とした目的としておりますすし屋などにつきましては、保険の対象としておるということから信用保証協会の保証もつく、融資もする、こういうことになっておる次第でございます。
  100. 左近友三郎

    ○左近政府委員 倒産防止共済制度の見直しの件でございますが、これは法律に五年ごとの見直しというのがございます。ただ今回は、実はそういう基本的な問題についての検討を続けておりますけれども、制度発足以来二年の実績を踏まえて、とりあえず修正すべき点を取り上げまして改正をお願いしたわけでございますので、当然定期的な見直しは実施するというつもりでございまして、五年たちましたならば過去の実績を十分検討をいたしまして、懸案になっております保険制度の問題その他いろいろな問題について十分検討いたしまして、必要な改正をまた御提案申し上げたいというふうに考えておるわけでございます。  それから、商工中金がこの制度の取り扱い機関になっていないという点でございますが、われわれといたしましては金融機関一般についてこれを取り扱い機関にしてはどうかということをいろいろ検討しておる最中でございます。この検討が進みますれば金融機関も倒産防止共済のいわば窓口になり得るということにいたしたいということで、現在いろいろの場合を想定して検討中でございますので、そういう点でわれわれもこの問題については前向きに対処いたしたいというふうに考ております。
  101. 中村重光

    ○中村(重)委員 終わりますが、小田原課長、環衛公庫をつくるときに、実はキャバレーとか高級料亭とか、それからアベック旅館だね、こういうものは対象とすべきではないということを強く主張した私は一人なんです。それで大分文句がつきまして、附帯決議の中には大衆的でないものは除く、そういうことで実は妥協したという経緯があります。だから私も、キャバレーであるとか高級料亭であるとか、いわゆる何とか旅館とかというものが信用保証協会の保証の対象というのは好ましくない、こう思います。その点は意見が一致するので、しかし風俗営業というのは非常に小さいものから範囲が広いので、風俗営業というのは余りかっこうのいい名前じゃないけれども、業種は零細なたくさんの業種も風俗営業になっているのがありますから、検討はされる必要があるだろうということを申し上げておきます。  それから、もう答弁は要りませんが、神谷審議官にお越しいただいているのだけれども、フランチャイズであるとかボックスストア、それから五百平米ぎりぎりの四百九十九なんという脱法行為でやって、本当に中小企業はお手上げの状態にあるので、申し出団体というものの範囲を現実に即してもう少し何か拡大をする必要があるのではないか、そういうようなことを検討されるように申し入れをしていることがあります。ですから、きょうは答弁は要りませんが、ひとつ速やかに検討して、そして実情に即するような行政指導をおやりになる、あるいは法的整備をする必要があればやる、そういうことにしてほしいと思いますが、そうするかどうかということだけをお答えをいただいて、質問を終わります。
  102. 神谷和男

    ○神谷政府委員 非常にむずかしい問題でございますが、中小企業庁と商調法との関係を御相談をさせていただきながら、いずれにいたしましても問題一つ一つ出てまいります場合には非常な重大な問題として受けとめ、処理をしていくとともに、全般的に基本的な問題は研究をさせていただきたいと思います。
  103. 塩川正十郎

    ○塩川委員長 午後二時から再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午後一時八分休憩      ――――◇―――――     午後二時一分開議
  104. 塩川正十郎

    ○塩川委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。長田武士君。
  105. 長田武士

    ○長田委員 法案の質議に入る前に、このたび通産大臣が中国を訪問されました、その点について二、三お尋ねをしたいと思っております。  通産大臣は、華国鋒首相、それから中国首脳とお会いになりまして、石炭の共同開発と対日供給量の拡大については話がスムーズにいったということが報道されております。石炭の一九八五年、五年後ですね、対日供給量の一千万トンは確保できたという報道ですけれども、これは間違いありませんか。
  106. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 八五年に一千万トンの石炭をというお話をいたしました。その内訳はどうだというので、大体一般炭と原料炭半々ぐらいだというお話をしましたところ、向こうでは、炭量、数量の大きさ自体は問題ないのですけれども、炭種あるいは炭質等をもう少し具体的に教えてもらえないだろうか、それから、石炭のことですから、要は鉄道とか港湾、輸送の整備状況にもかかわる問題なので、日本側から炭質、炭種等を詳しくお示しいただけば検討したいというお話でございました。
  107. 長田武士

    ○長田委員 石炭問題については前向きな話し合いが行われた、私はそう思っているのですけれども、一方、日本側が保証を求めました日中長期貿易取り決めに基づく一九八二年の対日石油供給量千五百万トン、これについては、報道によりますと相当難航しておるということでありますけれども、中国も即答を避けたということでありますけれども、その点はどうですか。
  108. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 これは長期取り決めの問題がございまして、その長期取り決めの今後の扱い方も議論になりましたが、ただいま中国ではいままでの長期計画の再調整の時期に入っておりまして、その調整はまだ終わっておらぬようでございまして、恐らくことしいっぱいぐらいかかるのじゃなかろうかという見通しでございました。したがいまして、今後どれくらい中国が油に関して生産増強するかという見通しは、まだ発表もしておりませんし、できておらぬのじゃなかろうかと思います。したがいまして、私の方としては、八〇年度は大体前の長期取り決めの際の数量どおり出してくださるようですけれども、八一年、八二年に対してはどうだという話をいたしましたところ、向こうの生産の状況は大体横ばいのような状況なんですね、原油に関しましては。国内の消費が大変増加しているというので、国内的には大変困難な事情だけれども、しかし最大限の努力をいたしましょうということでございました。なお、油に関しまして、その問題もさることながら、むしろいままでは海洋油田の探査あるいは開発しか対外的には許していなかったのですけれども、今度は内陸関係の開発、探査に、私どもこれが一番大きい望みで行ったのですけれども、申し入れましたところ、大港並びに渤海陸上関係の開発、探査はよろしゅうございます、ひとつ具体的に話し合いましょうということで、付加するに、さらに奥地の方のまだ膨大な埋蔵地点があるわけですから、そういう地点の探査も日本側で希望であれば話し合いましょうということでございまして、これは数量としても大変膨大でございますし、その確約と申しますか、つけていただきましたことはまことにありがたいことだと思いました。いまお話しの八二年に関しましてはその程度のことでございまして、具体的には恐らく今年の秋かあるいは、前は八一年になって再度長期計画の改定の話をしようということになっておったのですけれども、私ども、もっと早くその交渉に入れぬものだろうかという希望を申しましたところ、向こうは早くてもいいということでございましたので、そういう時期とかあるいは数量とかの長期計画の問題は、恐らく今後お互いに検討し合って、しかるべき時期に話し合うということになると思います。
  109. 長田武士

    ○長田委員 二年後の原油の供給問題は、中国側といたしましては確約を避けたわけでありますが、わが国といたしましても、中国原油が確保できないということになりますと非常に不安な要素といいますか、それが出てくるわけでありますから、今後一層ひとつ御努力をしていただきたいと思っております。  訪中問題の最後に、大臣は日中経済閣僚による定期協議の場をつくることを提案されたようでありますけれども、中国側の回答はどうだったのでしょうか。
  110. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 華国鋒総理のお話によりますと、先ほど申しましたようにいま長期計画の改定の作業中でございますというようなことでございまして、それではわが方としては、特に通産省は、いままで何遍となくそういう長期の計画には携わっておりますし、また最近八〇年代のビジョンなんというものをつくったという話をして、ついてはわが方のチャンピオンを中国に送りたいと思うが、一緒に話し合ったらきっと参考になるんじゃないだろうかという話をしたら、ぜひひとつよこしてくれということで、恐らくこの夏くらいには実現すると思っております。
  111. 長田武士

    ○長田委員 次に、本法案に関連いたしましてお尋ねをいたします。  信用保険制度が担保力、信用力に乏しい中小企業者からは大変喜ばれておることは私も存じ上げておるわけであります。しかし、制度のあることは知っておっても、保証料や、担保をとられることから、これを利用することに二の足を踏む中小企業者が見られることもまた事実なんですね。そこで、まず基本保証料の料率といいますか、現状はどうなっておるか、お尋ねをいたします。
  112. 中澤忠義

    ○中澤政府委員 基本保証料率の現状でございますが、保証協会によって若干の差異はございますけれども、大部分の保証協会が年一%となっております。現在五十二協会ございますけれども、五十協会のうち四十九協会は年一%の料率になっております。なお、その他の倒産関連保証でございますとか小口保証等、低い保証料率が好ましいものにつきましては、基本保証料率よりも低い保証料率を適用しております。
  113. 長田武士

    ○長田委員 保証料率を下げることに相当努力されておるようでありますけれども、私は、この問題についてまだまだ努力できる余地が残されているんじゃないか、そういう感じがいたしております。しかし、保証料の収入は保証協会の経営基盤に大きな影響を与えるわけでありますから、これ以上保証料率を引き下げることは困難であるという意見も一部ではあるようであります。そこで、保証協会の経営基盤を強化するためにどのような対策を講じてこられたのか、簡単に説明してください。
  114. 左近友三郎

    ○左近政府委員 この信用保証協会の活動を拡大いたしまして中小企業者の金融を円滑にするというためには、どうしてもこの信用保証協会の経営基盤が強化されなければいけないということでございまして、第一の対策といたしましては基本財産の増強を図るという意味から、基金補助金を必要に応じて交付をしておりまして、五十五年度においても四億円の基金補助金を交付することにしておりまして、合計いたしましても四十八億円の基金補助金が出されておるということでございます。  それから第二には、中小企業信用保険公庫への出資金、融資基金でございますが、これを出しまして、これを全国の信用保証協会に低利で貸し付けておるわけでございます。これが各信用保証協会にとっては、この貸し付けられた金をもって民間金融機関に預託をするということで、金融機関に対する発言力が増大し、あるいは預託の金利が経費に充当されるという利益があるわけでございます。現在、この保険公庫の融資基金は約二千億円になっておりますけれども、五十五年度にはさらに保険公庫の融資基金といたしまして二百八十億円を新拠出することに決まっておるわけでございます。  こういう施策が政府から直接保証協会に対する経営基盤の強化策でございますが、さらに協会の基本財産を増強するために、地方庁が出しております出捐金の増額とかあるいは金融機関が出しております負担金の増額というようなものをそれぞれ要請してきたところでございますが、今後もこの基本財産の強化という意味において、これの協力要請をさらに推し進めてまいりたいと考えておりまして、以上のような対策を総合いたしまして保証協会の経営基盤の強化に努めておるところでございます。
  115. 長田武士

    ○長田委員 保証協会の経営基盤を示す指標といたしまして収支差額率というのがありますね。この資料、私いただいたのですけれども、見てまいりますと、保証協会の経営基盤は五十三年度から向上しつつあると私は見ておるのですが、この点どうですか。
  116. 中澤忠義

    ○中澤政府委員 先生がいま御引用になりました資料は、恐らく保証協会の収支状況を示す資料といたしましての収支差額に関する収支差額率の資料ではないかと思われますが、五十三年度、先生御指摘のように保証協会全体の収支差額につきましては、回収率の改善あるいは経費率の低下によりまして百六十億円という黒字を出しておるのは御指摘のとおりでございます。ただこれを、全体の保証規模、約五兆六千億円になるわけでございますが、保証規模全体に対します差額率、収支差額の率で申しますと〇・二八%という水準でございまして、絶対水準としては必ずしも高い黒字率ではないと見ております。
  117. 長田武士

    ○長田委員 五十三年度には収支差額率は全国平均、いま御答弁ありましたとおり〇・二八%ですね。これは過去五年間では最高の状況となっておるわけです。現在全国に五十二の保証協会があるわけでありますけれども、このうち全国平均を上回っております収支差額率を示しておる協会はどのぐらいあるのでしょうか。また最高の収支差額率を示しておるのはどこの協会で、収支差額はどのぐらいになっておるのか、お尋ねをいたします。
  118. 中澤忠義

    ○中澤政府委員 全体の平均した収支差額率でございます〇・二八%を上回っている協会数でございますが、これは五十三年度におきましては二十一協会でございます。  最も高い収益率を出しておる協会あるいはその絶対水準はちょっといま資料に当たってみたいと思います。
  119. 長田武士

    ○長田委員 資料をいただいたところによりますと、最高は東京なんですね。二十七億七千万円、〇・四二。それから最低が新潟の八十万円でゼロ、こういうことになっております。  そこで、私が答えちゃいましたから続けますが、約四〇%以上の保証協会が全国平均の収支差額率を上回っておるわけです。二十一ありますね。最高のところでは、いま申し上げましたとおり東京の〇・四二。こうした保証協会の経営状態を見てまいりますと、現在の基本保証料率の一%を引き下げても経営基盤を圧迫されるようなことにならないんじゃないか、圧迫されたとしても数少ない協会ではないか、そのように私は考えるわけでありますが、通産省どうでしょう。
  120. 左近友三郎

    ○左近政府委員 御答弁する前に、ちょっと先ほどの御答弁の誤りがございましたので修正をさせていただきます。  信用保証協会の基金補助金でございますが、五十四年度までに累計五十四億出しておりまして、五十五年度にさらに四億をつけまして合計五十八億になるということでございます。  それからいまの御質問でございますが、確かに五十三年については収支が好転をしてまいりましたが、御案内のとおりそれ以前の時期におきましては不景気その他で代位弁済が非常に多くなりまして、信用保証協会の経営も一時相当むずかしくなったことがございます。また、現在もやはりだんだん金融引き締め等々の状態によって先行きについてやや心配があるという時期でございます。したがいまして、この保証料率というのはなるべく低い方が望ましいわけでございますが、現在の時点ではもう少し景気の状態その他を見て考えてしかるべきじゃないかと考えておるわけでございますので、もう少し検討の時期をかしていただきたいというふうに思います。
  121. 長田武士

    ○長田委員 全国の保証協会の料率がいままで違っておりましたね。それではまずいということで直して、全国四十九ですけれども一%に直した。そのために、先ほど申し上げましたとおり、全体で五十二あるわけですが、まあ四〇%の協会が経営基盤の好転を見ているわけであります。  そこで私は、こういう状況下でございますから、次のステップとしては料率を引き下げる、そして中小企業者のいわゆる負担を軽くしていくということが努力として必要だろうと思うのですけれども、その点どうでしょうか。
  122. 左近友三郎

    ○左近政府委員 御指摘のとおり、中小企業者の負担をできるだけ軽減していくということは必要であろうかというように考えるわけでございますが、この保証料率につきましては、先ほども申し上げましたように景気の推移、経済の実態というものを考えながら処理をいたしたいというように考えておりますので、長期的にはだんだんこの保証料率を下げていくという方向で対処してまいりたいと思いますけれども、いま直ちに、ではこれをすぐに下げるかということになりますと、もう少し検討の余地があるのではないかと考えるわけでございます。
  123. 長田武士

    ○長田委員 料率を引き下げる努力を重ねていただいて、どうかひとつ実現をさせていただきたいと思っております。  次に、この保証料率を引き下げるためには、現在中小企業信用保険公庫に支払う保険料ですね。これの保険料の引き下げも同時にやらなかったらいけないんじゃないかということなんですが、この点はどうでしょう。
  124. 左近友三郎

    ○左近政府委員 この保証料率を引き下げるというためには保険料を引き下げるということが必要であるということもお説のとおりでございます。実はそういう点で、過去において昭和四十六年以降逐次保険料率も引き下げてまいりまして現在に至ったわけでございます。  ただ、最近の保険公庫の収支は、保険金の支払いが非常にふえまして、そういう点で残念ながら赤字がずっと継続をしておるわけで、昭和五十一年以降二百億とか三百億というふうな赤字が発生しております。したがいまして、もう少しこの収支が好転をいたしませんと保険料を引き下げるわけには現在はいかないという段階でございまして、現在は政府出資によって赤字を消しておるという段階でございますので、もう少し時期をお待ち願いたいというように考えておるわけでございます。ただ、政策的に保証しなければいけないというようなもの、たとえば倒産関連特別保険というふうなものにつきましては、政策保証を推進する意味から保険料率を通常の保険料率の三分の二にするというような軽減もいたしておりますので、こういう政策的な要請に伴う保険料の引き下げという点も今後あわせ考慮していきたいというふうに考えておるわけでございます。
  125. 長田武士

    ○長田委員 中小企業信用保険公庫総裁にお尋ねをしたいと思っております。  公庫は五十三年度に四百十六億円の赤字を計上しておるようでありますけれども、五十四年度の見通しはどういう見通しを持っていらっしゃるか、さらにそれはいかなる原因による赤字であるか、さらにこうした赤字を解消するためにはどのような施策を講じておられるか、この三点についてお尋ねをいたします。
  126. 小山雄二

    ○小山説明員 ただいまお話しのとおり、五十三年度には四百十六億赤字を出しました。五十年度以降、信用保証協会の代位弁済が非常に急増いたしました。これは申し上げるまでもなく、四十八年のオイルショック、その後長期にわたる不況、景気の低迷等がありまして、中小企業を取り巻く環境が非常に厳しくなりまして、その影響を受けて代位弁済が急増したわけでございます。これに伴いまして当公庫の保険金支払いも非常にふえまして、五十一年度以降赤字となっております。五十三年度はいま御指摘のとおり、四百十六億の赤字になったわけであります。  私といたしましては、赤字の幅をできるだけの努力をいたしまして少なくいたしましてやってまいりたいと考えておるわけでございます。五十四年度、いまお尋ねのところでありますが、信用保一証協会の代位弁済も前年度に比べまして横ばいという傾向になっておりまして、これに伴って保険金の支払いもほぼ前年度並みということになっておりますが、水準としてはまだ相当高いわけであります。しかし回収金の増強を図りまして、大幅な増強になっておりますが、当庫の収支も赤字が約三百五十一億と縮小する見込みを立てておるわけであります。まあ、少しずつ赤字の幅を減らしていくということにいたしたいと思っておるところでございます。
  127. 長田武士

    ○長田委員 ただいま小山総裁からお話がありましたとおり、中小企業信用公庫は経営基盤が非常に不安定な状況にあるようであります。そこで通産省にこのような事態にどうやって対応していかれるのか、お尋ねをいたします。
  128. 左近友三郎

    ○左近政府委員 残念ながら現在保険公庫の収支は赤字になっております。これにつきましては出資によってその赤字を解消しておるという状態でございます。公庫といたしましては回収金等々について非常に努力をしておられますが、政府といたしましてはそういうものを応援しながら、そしてまたやむを得ない場合には出資を年々出していくという形でこの問題を解決をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  129. 長田武士

    ○長田委員 次に、保証協会が保証を行う場合、担保を徴求しているわけでありますけれども、大体一般の民間の金融機関で恐らく貸し出しが断られるというケースが多いと思うのですね。その理由といたしましては、担保力がないとかあるいは経営についてちょっと問題があるとか、いろいろあるでしょう。しかし、そういうせっぱ詰まった中小業者が借り入れをする。そこへ持ってきて今度信用保証協会に依頼いたしますと担保を提供しろということになるわけです。順位としては二番でも三番でも四番でもいいということでありますが、そうなりますと、担保力がないのに二番、三番、四番なんというのは実際取ってみたところで私は無理だろうと思うのですね、恐らく担保物件の評価は貸し出しの方が上回っているに決まっているのですから。こういう手数をかけたりあるいはこういう形式的なことをやる必要はないのじゃないか。むしろ担保を徴求するよりも保証人のがっちりした人をつけてもらう、そういう方が中小業者は喜ぶのじゃないか、そういう点を私はずいぶん感ずるのですが、どうでしょうか。
  130. 左近友三郎

    ○左近政府委員 信用保証制度の目的が担保力、信用力の不十分な中小企業に対しまして信用保証協会が債務保証を行うということでございますから、物的担保でなかなかはかれない中小企業者の経営能力や事業の将来性というものも十分評価をして保証をするということが保証協会としてとるべき策であろうと思います。また、政府といたしましても、無担保保険とか特別小口保険というような制度も設けまして、無担保で貸し付けるあるいは無担保無保証で貸し付けるというようなことがやりやすいようにしておるわけでございまして、その結果、現在保証協会の全保証承諾の残額に占めます無担保保証の割合は、件数で八割、金額で六割ということになっておりまして、担保を取っておる方がむしろ少ないということになっております。しかも、これは先ほど申しました特別小口とか無担保とかいう制度のみならず、一般の保証、普通保証と言っておりますが、これについても担保を取る必要がないものについては無担保で保証しておるということが相当ございまして、この件数で見ますと、普通保証でも件数で四割、金額で三割が無担保ということになっております。したがいまして、こういう形でなるべく担保を徴求しないでやるというふうな保証の形態が今後も続くことをわれわれは期待をしておるわけでございます。ただ、非常に金額の大きいものとか返済期間の長いものとかというものになりますと、保証が要るということで担保を徴求する場合がございますけれども、いま申しましたように、実態は金額で見ましても半分以上、六割が無担保であるというのが現状でございます。
  131. 長田武士

    ○長田委員 私はそういうケースを何件も見てまいりまして、債権保全のためにはどうしても担保か保証人だろうと思うのですね。そういうケースの場合、たとえば担保を要求される、しかし利用者としては担保の徴求を拒否した場合どう対応されているのですか。そういう場合は保証人だけでいいというふうにやるのですか、それともあくまでも他人の担保を提供しろなんて要求するのですか。
  132. 左近友三郎

    ○左近政府委員 いまも申し上げましたように、保証の内容にもよりますけれども、中小企業者の一経営手腕がすぐれておる、事業計画が良好である一という場合には必ずしも担保を徴求しないということでやっておるわけでございますし、その実態に応じて、たとえば仮に担保を徴求するにしても、その担保の評価等々について十分配慮するということで、保証の申し込みがありました実態に応じまして極力御便宜を図るということでございまして、単に担保がないからもうだめだということに一義的にいってしまうということはしてないというふうにわれわれは考えておるわけでございます。
  133. 長田武士

    ○長田委員 そういうケースがずいぶんあるのですね。確かに銀行としましても、これは危ないなと思えば保証協会の保証をつけてくれ、私は金融機関にいましたからずいぶん言ってきました。そうなりますと銀行と同じような要求を保証協会だってやるのです。債権保全のために私はいたし方ないとは思いますよ。だからそういうケースの場合、何らかの対応策というものをやはり示さないと中小企業はやっていけません。これから金融が詰まってきますし、高金利時代ですから、うっかり高利の方に手を出すとか、そういう中小企業の業者はふえるのですね。そういうことがないためにも一ぜひそういう役割りを果たしていただきたいということなんです。どうか協会の方に適宜な指導をひとつしていただきたいと思いますが、どうですか。
  134. 左近友三郎

    ○左近政府委員 これは信用保証制度の趣旨にかんがみまして、いまのように無担保であっても極力借りられるような指導をわれわれも続けておるわけでございますが、今後もそういう点で中小企業者の方に十分要求にこたえられるような体制をやっていくように指導いたしたいと思っております。もちろんこの保証協会の運営というのはまた健全性を維持するという面も必要でございますので、その点についてはわれわれもいろいろな基準を示しながらそういう指導をやっておるわけでございますが、今後も十分そういう点を徹底してやってまいりたいというふうに考えております。
  135. 長田武士

    ○長田委員 金融ベースに当然乗る貸し付けでも、場合によっては、これは銀行ですけれども、保証協会の保証をしてほしいという要求をするのですね。私はそういう点ではちょっと不合理だなという感じも実はするわけですけれども、こういう金融機関に対する指導はどうされておるのですか。
  136. 左近友三郎

    ○左近政府委員 金融機関が信用保証を必ずしもつけなくても貸せるというものについて、あえて保証協会の保証づけにするということは、これはまた中小企業の方に過度の負担を強いることになりますので、われわれとしてはそういうことがないようにということで逐年指導をしておりまして、過度な保証依存の是正ということで、各金融機関の団体にわれわれも連絡をし、また金融機関の団体自身が傘下の金融機関に何らかの連絡をしておるわけでございますので、今後もそういう指導をいたしまして、過度の保証をつけるということを自粛させたいというふうに考えております。われわれの考えでは、金融機関はお得意先についてはそう御負担をさせないというのが本来であろうというふうに思うわけでございますが、いずれにいたしましてもそういう事態が必ずしも絶無であるとはわれわれも言い切れませんので、今後も十分指導を続けていきたいというふうに考えております。
  137. 長田武士

    ○長田委員 どうかひとつ指導の徹底を図っていただきたいと思っております。  次にもう一点、私が信用保証協会の保証制度について疑問を持ちます点は、保証協会の保証がついた場合は当然金融機関も利率をきちんと下げて貸し付けを行うのが本来の筋じゃないかと思うのです。ところがそういう事例はありません。そういう点で当然一%の保証を取られる、さらには抵当権を取るということになれば当然設定料も取られる。そうなりますと中小企業としては金利負担のほかにそういうお金がかかるわけです。そういう意味で、金融機関としましても債権保全の完璧な体制になったわけでありますから、当然低金利で金を貸し出せという私は意見なんですけれども、どうですか。
  138. 左近友三郎

    ○左近政府委員 御指摘のとおりでございまして、信用保証協会の保証がつきますれば、金融機関としては貸し出しのリスクがそれだけカバーされるわけでございます。したがって金利は相当分減額できるということにわれわれは考えております。したがいまして、従来から中小企業庁と大蔵省とが連名で金融機関の団体に対しまして、保証つきのものについては相当分の金利を引き下げなさいという通達を出して指導しておるわけでございます。また、金融機関の団体におきましても、五十年の三月に、保証つきの貸し出し金利については優遇をするという自主決定もやっております。したがって、その自主決定に従って今後金利を引き下げてくださいということで、指導をわれわれは絶えずしておるわけでございます。大蔵省の財務局のアンケート調査によりますと、毎年決算期ごとに調査をしておられるわけでございますが、保証つきの貸し出しの金利と保証なしの貸し出しの金利とでは約〇・三%から〇・四%の差があるというデータも出ております。ただ現実の場合になってみますと、必ずしもそうなってないという事実もないわけじゃございません。したがいまして、これについても今後指導を徹底さしていきたいというふうに考えております。
  139. 長田武士

    ○長田委員 次に本法案についてお尋ねをいたします。  改正点の一つは付保限度額の引き上げであります。この法案によりますと、普通保険が七千万円、組合の場合は一億四千万、無担保保険が一千万円、特別小口保険が三百万円にそれぞれ引き上げられるわけであります。しかし、最近における中小企業者の資金需要はだんだん大型化しているのですね。さらに、長期にわたる不況の影響から、担保力についてはすでに限界に来ておるというのが実態だろうと私は思うのです。こうしたことから今回中小企業金融の円滑化を図るために引き上げられたわけでありますけれども、今回の引き上げによって十分対応できるというふうに考えておりますか。
  140. 中澤忠義

    ○中澤政府委員 お答え申し上げます。  今回付保限度の引き上げを行うに際しまして、当然のことでございますけれどもその目的別に中小企業者の現実の資金需要あるいは保証の実績等等を調べまして、それをベースにそれぞれの保険限度額を決めたわけでございますけれども、先生御指摘のように資金需要の大型化という問題もございます。それで、普通保険の設定を行いました七千万円に例をとりましてその根拠を御説明申し上げますと、過去数年逐次中小企業の一企業者当たりの借り入れ残高がふえておるわけでございますけれども、五十三年度の借り入れ残高の水準を製造業の中小企業者当たりで見ますと、六千五百八十二万円という数字になっております。もちろん五十三年度以降現在までこの規模が伸びておるわけでございますが、三カ年の伸び率の平均をとりますと一〇五%になりますので、これを現時点で見ますと五十五年度には恐らく七千二百万円程度になるのではないかというふうに推定されます。そういたしまして、この普通保険を七千二百万円に引き上げますと、無担保保険が今度の場合一千万円に引き上がりますので、合計して八千万円の限度で普通の中小企業者にとりましては利用できますので、当分の間は普通保険と無担保保険の合計額の八千万円の金額の枠を設定いたしますれば、中小企業者の資金需要にはあるいは保証の需要には応じられるのではないかというふうな根拠で七千万円というふうに引き上げ枠を決めたわけでございます。
  141. 長田武士

    ○長田委員 そこで、特別小口融資、この制度を利用する金融機関からの融資が損なわれやすい小規模事業者の小口保険の問題であります。そのため信用補完制度の機能を負っている東京都の制度融資においては、五十三年度より特別小口保険の一企業当たり限度額をいままでの三百万円から三百五十万円に引き上げておるのですね。この結果、利用者に大変喜ばれておるという報告を私受けております。このように特別小口保険については、限度額を三百五十万円で実施しているところもあるわけですから、今回の改正では三百五十万円まで引き上げたらどうかというふうに私は考えますが、その点どうでしょうか。
  142. 中澤忠義

    ○中澤政府委員 特別小口保険の付保限度額はそれぞれの保証協会によりましてばらつきがございます。東京都の場合には確かに現在すでに三百五十万円の限度を設定しておるわけでございますが、全国の保証協会の保証状況、特別小口に関します保険限度額の状況を見ますと、十四の協会が二百五十万円超となっておりますけれども、三百万円を超えております協会は東京都を含めまして三協会でございます。したがいまして、全国全体の大勢を観察いたしますと、今回三百万円に引き上げますれば全国のほとんどの協会はカバーするということになるわけでございます。もちろん東京都のように限度額を自主的に引き上げることは好ましいわけでございますけれども、全国一律にこれを、ほかの協会も含めまして仮に保険限度額を上げました場合に、この限度額を引き上げたことによりまして無担保、無保証人によります保証の事故が多発する、あるいは回収が悪化するということが全国的に及ぶようになりますと、保険限度額の引き上げがとの特別小口保険制度自体の安定的な運用に障害をもたらすということも考えられます事情もございまして、今回は大部分の協会がカバーできます三百万円に限度額の引き上げをとどめておる、こういうことでございます。
  143. 長田武士

    ○長田委員 次に、新技術企業化保険制度の創設についてお尋ねいたします。  中小企業を取り巻く環境は非常に厳しい状況ですね。原材料の高騰であるとか発展途上国の追い上げあるいは資源エネルギーの制約の高まり、または国民のニーズの多様化、さらには国内需要や産業構造の変化など、至って厳しい状況に置かれているわけであります。そのため、中小企業者はこうした環境変化に的確な対応を当然迫られるわけでありますけれども、そこで中小企業の技術振興を積極的に進めることが大事になってくるわけであります。政府はどのような技術振興対策を講じておるのか、また技術振興のためには人材育成が基礎となるわけでありますけれども、技術者養成施策は十分なのかどうなのか、その点お尋ねいたします。
  144. 左近友三郎

    ○左近政府委員 御指摘のとおり、この現在の厳しい経済環境の中で中小企業が生き抜いていくためには、技術力の強化というものが非常に重要になってまいります。したがいまして、昭和五十五年度におきましても大変厳しい財政下ではございますけれども、中小企業の技術対策については前年対比二一%増という経費をつけました。大体三十二億弱でございますが、その経費をつけて技術対策を強化しようということでやっておるわけでございます。  内容といたしましては、一つは技術指導を充実していくということで、これは従来都道府県の公設試験研究所が中心になって中小企業の技術指導に当たっておったわけでございますが、その技術指導に民間の方の知恵をかりようということで、技術アドバイザー制度というものを五十五年度から導入をいたしました。民間の人をいわば嘱託にお願いいたしまして、そういう民間の人の知識、経験を技術指導に生かしていこうということでございます。  それからもう一つの対策は、技術の研究開発、それから企業化というものを促進するということでございまして、これは技術改善費補助金という試験研究をやる場合の補助金がございますが、これを地域産業技術枠ということで、比較的簡易な形でも補助金を出し得るというものを五十五年度から新しく創設したわけでございます。  さらにこの技術の今度は企業化段階、つまり先ほどは試験研究の段階でございますが、企業化段階につきましては、従来は中小企業金融公庫の特別融資があったわけでございますが、それに加えまして今回この法律の改正でお願いしております新技術企業化保険制度というものを創設したわけでございます。こういうことによりまして技術開発を促進しようというわけでございます。  さらに、先ほど御指摘のありましたように技術については人材の養成ということも必要でございます。これについては中小企業大学校というものを五十五年度から創設をいたしまして、その中の一部門といたしまして技術に関する中小企業の研修を充実するということを考えておりますし、また、各都道府県におきましても技術に関するいろいろな研修制度もございます。それの助成を強化してまいりたいというように考えておるわけでございます。
  145. 長田武士

    ○長田委員 この保険制度の対象となります新技術というのはどういうものなんでしょうか。
  146. 中澤忠義

    ○中澤政府委員 新技術企業化保険の対象になります新技術の内容でございますけれども、新技術の具体的要件につきましては通産省令で今後定めていくことにしております。その内容につきましては、中小企業の技術向上に資するという観点から、特定の試験研究の成果でございまして、かつそれが中小企業の分野では商業的規模でいまだ十分に利用されておらないという技術を対象にしていくということを考えております。  具体的には、その技術の利用によりまして中小企業の製品の品質の向上あるいは生産工程の改善、品質管理の改善等々中小企業の事業の改善に期待が持たれる技術を対象とするわけでございますけれども、実際問題といたしましては、技術の対象をなるべく広く認めていきたいというふうに考えておりまして、特許あるいは実用新案等々、近年におきまして認められたような技術はもちろんでございますが、そのほかの技術でございましても、中小企業信用保険公庫あるいは信用保証協会にしかるべき認定をするための組織を設けまして、その審査会等によりまして認められた技術につきましては、この保険の対象として取り上げていくというふうに運用する予定でございます。
  147. 長田武士

    ○長田委員 これは具体的な例で大変恐縮なんですけれども、去年の八月、私のところに新技術の企業化を図りたいために資金が必要だという人が見えたのです。いろいろ相談に乗りましたけれども、ところが現在ではどうにも対象にならないということでだめになってしまったのですね。この新技術といいますのは、急速脱水機といいまして、含水率九〇%前後の汚泥を一気に一五%程度に脱水する装置なんです。この装置を研究するために通産省からは援助も受けたわけでありますけれども、このような業種ですね、開発は、今回の保険制度では対象になるのでしょうか。
  148. 左近友三郎

    ○左近政府委員 端的に申しまして、対象になるというふうに考えております。  従来、なかなか新技術の企業化というのは、リスクが多いものですから金融機関等も難色を示したという例が確かにあるわけでございます。したがいまして、こういう保証をつけましてリスクをカバーするということにいたしまして、そのような新技術を実際に中小企業に取り入れるというケースをどんどんふやしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  149. 長田武士

    ○長田委員 最後に、いま御答弁がありましたとおり、どうか対象を余りしほられないで、せっかく開発した新技術の企業化を推進ができるような措置をぜひとっていただきたい、これを要望しておきます。  この点を要望いたしまして、私の質問を終わります。
  150. 塩川正十郎

    ○塩川委員長 これにて長田武士君の質疑は終了いたしました。  引き続いて、木内良明君。
  151. 木内良明

    ○木内委員 本日私は、この倒産防止共済の法案について質問を行うわけでございますけれども、この中小企業の問題は、通産大臣としては、日本経済の今日までの発展を支えてきた屋台骨そのものに関する重要な問題であるというふうに受けとめていただきたいと思いますし、また、そうした観点から本日私は質問を行いたいと思うものでございます。  特にいまいろいろ厳しい経済環境の中で、中小企業は倒産の危機にさらされているわけであります。倒産の実績等についての論及もいろいろな場で行われているわけでございますが、この審議に入る前に、たとえば、昨年の上期において一万二千件の倒産があった、昨年末においては一万六千件の倒産の実態というものがあったわけであります。こうした倒産の実績について、あるいは推移について論ずる場合に、政府関係者初め大臣の御答弁の姿勢でありますけれども、どうも倒産があってしようがないのだ、ごくごく日常的に倒産の数字というものが私から見れば安直に語られている。たとえば、ことしに入ってから一月に一千件以上あった、二月も一千件以上あった。それぞれの倒産のケースについて、中小企業経営者並びにその現場に働く者の悲惨な実態というものに目を向けるならば、もっともっと最高責任者の大臣としては真剣に、ほかにいろいろな国民的緊急課題も抱えておられますけれども、同時に、中小企業の問題には最大の情熱を傾けてしかるべきだというふうに思うのです。  そこでお聞きするわけでございますけれども、申し上げたように、昨年上期の一万二千件、それから末における一万六千件、多少景気上昇の事実が出てきているということで、ことしに入ってどういう推移をたどるかということを私は大変問題意識を持って見ておりました。実際問題としては、長官の手元にも具体的なデータがあると思いますけれども、依然として横ばい状態、一月に千百八十八件、二月に千二百七十六件、三月に千四百五十五件、依然厳しい実情というものが見られるわけであります。いわゆる昨年当初からの公定歩合の引き上げに伴う市中銀行の選別の強化あるいは大手商社によります取引見通しの問題、さらにまた原油高騰による価格の上昇、原材料の高騰、さらに採算割れといったいろいろな原因は考えられると思います。  しかしながら、まず、この法案の審議に入る前に、倒産の実態について大臣初め政府の関係者の方はどういう掌握をなさっておられるか。たとえば資本金別あるいは負債総額といった点に触れて、そこからまず議論を出発させたいと思います。初めに長官、それから大臣にお願いいたします。
  152. 左近友三郎

    ○左近政府委員 この倒産の動向については、私たちも現在大変心配をしておる段階でございます。  いま御指摘がありましたように、一月、二月は、昨年の暮れが千五百件を超えましたのに比べまして多少落ちましたけれども、三月は千四百件余りということでございます。それから四月はまだ出ておりませんが、調査当局に感触を聞いてみますと、三月の横ばいかやや多い程度ということで、例年は一月、二月は比較的少なくて、三月、四月が相当高くなる、それからまた若干下降をいたしまして、十月以降高くなるというのが例年のパターンでございますので、実は四月を大変心配しておりましたのですが、急上昇はないということのようでございますけれども、まだまだ油断ができない。ことに先行きにつきましてわれわれ考えておりますのは、昨年の暮れ以来の原材料高、それから金融の引き締めということからいいますと、例年のように四月を越えて落ちるのではなくて、横ばいないしは上昇するのではないかということを大変心配をしておるわけでございますが、いまのところ、四月の状態はそのようなことでございますので、今後どうなるかを絶えず注視していきたいというふうに考えておるところでございます。  資本金別の構成比等々いろいろ分析をしておりますが、やはり資本金の小さいところ、大体百万以上五百万というようなところの規模が一番多くて、全体の大体五割弱を占めております。それからまた、それよりも小さい部分、百万円未満とか個人というのが大体三割弱、それから五百万以上一千万というところが一割強というような順になっておりまして、やはり小さな法人というようなところが一番多いということで、この辺が景気の波がいま一番強く及んでおるところではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから、業種別の分析をいたしますと、五十四年の累計では、商業が五千九百四十六件、建設業が四千七百六十八件、製造業が三千百六十八件、サービス業その他が二千百四十八件ということになっておりまして、商業とか建設業というものが比較的多いということでございます。  それからまた、製造業の中ではやはり繊維関係などが比較的多いということでございまして、これがやはり現在の景気の状態をそのままあらわしておるわけでございますので、今後も景気の推移を見ながら、この状態を十分見て、それに応じてこれに対して適切な対策をとっていきたいというふうに考えているところでございます。
  153. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 私も選挙をやっている一人でございますから、この問題にどれほど胸を痛めているか、よくわかっております。また、土曜、日曜は大概地方のパーティーとかいうので出かけますけれども、陳情されますのは大概この問題でございまして、大変深刻な問題だと受けとめております。  いま全般的には大変好景気だという反面、中小企業のみは倒産が史上何番目なんという不名誉な数字も出ているわけでございまして、何とか早くこういう問題を解消したいものだという念願は、私も大変強く持っている次第でございます。
  154. 木内良明

    ○木内委員 大臣はいまいろいろな会合で中小企業者の要望等をじかにお聞きになっておられるということであります。  しかしながら、いよいよ時代も八〇年代に入ってまいりました。そうしたやさき、大平内閣の主要閣僚の一人として、後世に名を残す名通産大臣として、私は幾つかの評価基準があると思いますけれども、その一つがやはりこの中小企業問題に対する手厚い保護育成、血の通った政治を具体的な制度としてどのくらい充実し、あるいはいろいろな制度を創設したか、これも大きな判断基準になると私は思うのです。そういった意味から考えますと、恐らく大臣もお聞きかと思いますが、資本金百万から五百万までの一番大変な零細の企業に、たとえば先ほどのデータからも倒産の傾向というのが一番強い。さらにまた、現場で経営の才覚等いろいろみがくチャンスに恵まれない製造業、そうした小規模であってなおかつ業種別にも立ちおくれが目立つ業種において、そうした特色のある倒産傾向が見られているわけでありまして、具体的に、総花的に何でもかんでもということでなくても結構だから、大臣の在任中にとにかく中小企業問題これだけはやっておいた、こういう目玉になるものをぜひとも残していただきたいと思うわけです。大臣はよくおれはエネルギー問題の権威であるということをおっしゃるわけですけれども、この際中小企業問題の権威にもなっていただきたい、このことを要望するわけです。  いま申し上げた資本金別百万から五百万までのベルトラインに非常に強い倒産傾向が今日まであった、また今後もあるであろうという見通しが先ほどの長官の答弁からも感じられるわけです。それから、製造業についての率直な感想といったものもひとつ長官からおっしゃっていただき、なおかつ大臣からお願いしたいと思います。
  155. 左近友三郎

    ○左近政府委員 先ほども御説明申し上げました、倒産の企業の中で資本金百万円から五百万円というふうな、法人ではあるけれども小規模なもの、またこういうものは下請企業なども非常に多いわけでございます。こういうところが倒産も一番多いということは、今後いろいろな景気の風当たりが強いということでございます。これに対する対策が今後充実されなければいけないということでございますし、製造業につきましては、御指摘のとおり繊維業だとかあるいはいろいろな伝統的な産業というところが最近の経済構造の変化ということをもろに受けまして、いろいろ苦労をしておるところでございます。したがいまして、こういうところに倒産対策を集中して実施しなければいけないということでございまして、融資制度その他十分考慮をいたしたいということでございます。
  156. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 先ほど申しましたように、中小企業問題というのは日本の最大の難問題と申しますか、重要問題でもございます。したがいまして、私もできる限り渾身の勇をふるってこれに対処したいと思っております。
  157. 木内良明

    ○木内委員 私は、今後名通産大臣たり得るお立場だというふうに申し上げたにしては、どうも心情的な御答弁に終始して残念な思いでございます。  そこで長官、今日までの中小企業の倒産の実態の中で、倒産原因についてお聞きをしたいと思うのです。一つにはやはり放漫経営あるいは販売不振、いろいろあると思います。特に今回問題にいたします連鎖倒産という点に目を向けなくてはいけないわけでございますけれども、この倒産原因の割合はどうなっているか、さらに連鎖倒産の実情、内容、どのように把握をされておられるか、これは長官からお聞きします。
  158. 左近友三郎

    ○左近政府委員 昭和五十四暦年の倒産の件数を原因別に調べてみますと、販売不振という原因のものが約四割ということでございます。続いて放漫経営、連鎖倒産というような順序になっておるわけでございまして、連鎖倒産の比率は、五十四年では企業倒産全体に占める比率が一二・三%ということで、五十三年の一一・七%よりやや多いという段階でございます。ごく最近の数字で見ますと、一月、二月、三月はそれぞれ一三・六、一三・二、一一・七というふうな状態で、三月はやや減少しておりますが、そういう姿になっております。  ただ、この原因というのは、たとえば先ほど申しました放漫経営とか売れ行き不振とか、いろいろなことが調査機関では類別されておりますが、実際は一つの原因ということではなくて、いろいろな原因が複合するというのが実は一番多いわけでございます。したがって、これをこういうふうに分けてしまうのは必ずしも適当かどうかという問題もございます。したがいまして、連鎖倒産にいたしましても、これだけが連鎖倒産かということになりますと、まだあるかもしれないというふうにわれわれ考えておるわけでございますので、今後連鎖倒産がどうなるかということにつきましては、単に数字だけによらず、今後の状態を考えてみますと、先ほどから申しましたように原燃料価格が高騰しておる、あるいは金融引き締めがだんだん浸透してくるということになってまいりますと、どうしても行き詰まる企業が相当多くなるであろう。そういたしますと、それに取引を持っております連鎖倒産も当然ふえざるを得ないということでございますので、これはやはり警戒を怠ってはいけないなということを考えておるというのが現状でございます。
  159. 木内良明

    ○木内委員 確かに長官言われるように、倒産の原因を類型化して単純なデータを求めることは、こうしたケースの場合非常に困難ではあろうかというふうに思うのです。しかしながら、たとえば具体的に一つの倒産の実例を分析してみた場合に、いろいろな方面からの倒産に至ったファクターというものが見出されるわけでありまして、それらの要因をまめにチェックをして、各制度でこうした問題点にネットをかけていくということ、そうした複合作用というものが中小企業の倒産防止を行う上から大事なことだというふうに思うのです。そうした点を考え合わせていろいろな制度、措置がいま講じられているわけであります。  具体的に連鎖倒産、いまもお答えが若干ございましたけれども、五十二年に二千百八十八件、これは総件数に対して一二・四%だ。五十三年は千八百六十四件で一一・七%。五十四年は千九百六十七件で一二・三%。いわば大変な高率データが出ているわけであります。みずから大変な経営努力をされながら、外部的要因によってあるいはまた環境を取り巻く経済的構造の要因によって倒産を余儀なくされるというのがこれらのほとんどのケースだと私は思うのです。いずれにしてもここ数年全体の一割強を占めるというのは重大な問題であるというふうに思います。  そこで、先ほど申し上げた制度上の措置として、今回審議する倒産防止共済制度を初めとして、倒産対策貸付制度あるいは倒産関連特例保証制度などが実施されているわけでありますけれども、現実問題としてはいままでるるやりとりをさしていただいたように、倒産の実情は少なくとも計数的に言う限り、解決あるいは前進の形をあらわしていない、こういうことが言えると思うのです。見方を変えて言えば、総合的にこういう制度、措置があったとしても、これが果たして効果あらしむる内容になっているのかどうか。ただ制度だけそろえたからそれでいいんだ。追及されたときに、これとこれとこの制度はやっていますよ。やっているけれども、実際にデータを見てみると割合も倒産件数も減ってはいない、大きな幅で見た場合ですよ。何のための制度なのか。制度化しているから、実施しているからいいという問題ではないと思うのです。実際にこの倒産の窮状が救済され切っていないというところに基本的な問題があると私は思うのです。この点どうでしょう。
  160. 左近友三郎

    ○左近政府委員 御指摘のとおりでございまして、倒産防止対策は、倒産対策貸付制度とかあるいは倒産関連特例保証制度とか、あるいは今回御審議願っております倒産防止共済制度とかあるいは倒産防止特別相談事業というふうな各面の対策をやっておりますけれども、残念ながらいま御指摘のように、たとえば連鎖倒産比率にしてもその著しい改善を見ておるというわけにいかないわけでございます。ことに連鎖倒産については、中小企業がいわばまじめにやっておってもある日突然倒産のやむなきに至るという大変不幸な事件でございますので、こういうものは極力減らすというのがわれわれの使命であろうと考えております。そしてまた、大口の企業が倒産いたしますとすぐに対策を講じまして、地方の通産局を中心に各出先機関が集まりまして、具体的に各企業に対して連鎖倒産の及ばないようにこの特例保証制度の指定等々を通じて金融機関にも要請をして対策を講じておりまして、そういうものにつきましては比較的連鎖倒産が防がれておるわけでございますが、そういう大口でないような場合にはなかなかその手が及んでないというのが実情でございます。そういうことでございますので、われわれといたしましては、一つはこういういろいろな制度があるというPRをいたしまして、いざというときにすぐに御連絡願って、そしてすぐに措置がとれるようにいたしたいということを考えております。  そういう点で、第一次の窓口といたしましては、五十四年度から実施しております倒産防止特別相談事業という、各県にございます商工会議所に窓口を設けまして、危なくなったら相談に来ていただくというような制度を今後ももっと活用いたしまして、こういうときにはこういう対策があるんだということを周知徹底することも一つであろうかというように考えておるわけでございますし、また、今回のように倒産防止共済制度の改正ということで、なるべく中小企業の方々にお役に立つ制度にこの制度を変えていくという努力も惜しんではならないというように考えておるわけでございますが、こういう制度を総合的に実際に生かすということがわれわれの任務でございます。したがいまして、中小企業庁のみならず都道府県、商工会議所あるいは中小企業団体というようなところを動員いたしまして、こういう事態に対して的確に対処できるように今後も努力をしてまいりたいというように考えております。
  161. 木内良明

    ○木内委員 私が聞いておりますのは、確かに倒産防止のためのいろいろな施策を講じ、御努力をなさっていることはよくわかるのです。しかしながら、実際に中小企業を取り巻く環境、倒産の状況というものは前進がない。いま私が三つ四つ実施されている制度を挙げたわけでありますけれども、にもかかわらず解決の見通しが立たない。これは果たして制度そのものに欠陥があるのかあるいは制度そのものの量的なキャパシティーというものが不十分なのか、さらに運用上の問題があるのか。いずれにしても政府の講ずる中小企業の倒産防止対策というものが不十分なのかどうか、この辺をまず認識していただきたいと思う。何回も申し上げるようにそれはいろいろおやりになっているでしょう。だけれども、いま中小企業者の窮状は救われ切っていないわけですよ。私は、基本的な姿勢の問題としてこの制度で十分なのかどうか、これを確認したいわけです。いまちらっと未熟、不備、不徹底な点については今後改善をということもありました。これは毎国会審議の場で繰り返されているのです。何をやれば実際にこの倒産防止ができるのか、何が欠陥なのか、予算が十分ついていないのか、それを運用する人間が問題なのかあるいは制度の本数が少ないのか、いろいろ原因はあると思うのです。これはひとつ大臣聞かせてくれませんか、基本的なことだから。
  162. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 やはり基本的には日本経済の隆盛と申しますか、成長が一番根本であると思います。ただ、全般的に景気が上昇しておるにもかかわらず、いまのように倒産の事故がふえるというのは大変問題かと存じます。先ほど来お話ございましたように、いろいろ複合した原因でこうなっているようでございますけれども、やはりその間には経営者自体の態度と申しますか、そういう問題もありましょうし、あるいは防備に対する不用意という点もあろうかと思います。いずれにいたしましても個人の態度のみに問題を帰してこれをやるわけにまいりませんので、いままでの制度等で不十分な点が指摘されますれば、さらにこれを補強するあるいは新しい制度をつくるということも重要かと存じますけれども、いずれにいたしましてもいまのように倒産がふえているということは大変反省を要することかと思っております。
  163. 木内良明

    ○木内委員 この問題で余り議論していますと時間がなくなります。ただ私は、いまの大臣の御答弁で心配になりましたのは、中小企業、特に零細企業の皆さんも含めてだと思いますけれども、経営者の態度の問題だということも確かにいま言われました。私は大臣のおっしゃる気持はよくわかるんですよ。だけれども、中小零細企業の皆さんというのは毎日毎日それこそ朝から晩まで、経理から営業から製造の現場まで汗みずくになって働いておられるわけですよ。それでいてなおかつ経済の見通しであるとかあるいはまた有能なスタッフをそろえて何とかこの窮状を打開しようなどという方策を講じられないのが現場の状況なんです。当然そうした実態というものを勘案された上で手厚い保護が必要なんであって、この原因は何かと聞かれたときに、経営者の態度も一つ問題なんだということではなくて、そういう状況を踏まえた上での血の通う施策を具体的に講じていく必要がある、このことを私は要望しておきたいと思うのです。  加えて、わが党は、今日に至るまで中小企業の倒産防止あるいは融資の拡大等の問題については、政府のそうした施策については当然一定の評価をしながらも、まだ不十分であるということから各種の制度の実現というものを主張し続けてまいりました。たとえば小規模事業者のための無利子、無担保、無保証融資制度を創設すべきである、これを長い党の歴史の中で、現場に根差したいろいろな生の御意見を聞いた上で訴え続けてまいりました。さらにまた、小企業等経営改善資金の融資枠の拡大と融資条件、融資方法の改善もさらに精力的に進めるべきである、加えて中小企業関連倒産防止保険制度、これも創設すべきであるということも言ってまいりました。さらに下請中小企業手形割引融資制度の創設も行わなくてはいかぬ、信用補完制度の強化充実も必要である。こうした各制度の充実強化を図るとともに、制度については創設も行うべきだ。先日も法案審議で触れたわけでございますけれども、政府関係機関の融資枠の拡大、融資条件の改善等も当然含まれるわけであります。こういう中小企業の倒産の実態というものが前進を見ない中で、わが党が主張し続けております制度に当然政府としてももう一度目をこらして実現に向けて努力をされるべきである、私は公明党の一人としてこのことを強く訴えるものでありますけれども、具体的な審議に入る前に、この点もひとつ御所見をお伺いしたいと思います。
  164. 左近友三郎

    ○左近政府委員 中小企業の倒産を防止する、ことに連鎖倒産を防止するという点につきましては、やはりいろいろな側面からの対策が総合的に講じられなければいけないということを考えておりまして、実は中小企業庁といたしましても倒産防止対策の抜本的なあるいは総合的な視点から一遍この対策を基本的に考えてみようということで、昨年八月以来中小企業倒産対策委員会という私的な懇談会をつくりまして、そこでいろいろな学識の持ち主あるいは中小企業の経営の実態をよく御存じの方にお集まりを願いまして、いろいろ検討しております。それは、倒産防止対策自身どういうものをやるべきかというようなことあるいは現在のたとえば会社更生法とかその他の法制度が中小企業にとってどういう意味を持ち、またどういうふうに運用を考えていくべきかというような点とか、いろいろな点を検討しておるところでございます。この倒産防止共済制度の改正その他についての御意見も伺いながら、今回のような改正案も実はできたということもございます。したがいまして、今後もそういうところで総合的な施策を検討していくということから、抜本的な対策を考えていきたいという点を現在考えているわけでございます。
  165. 木内良明

    ○木内委員 それで、実はいま抜本的な改善策を講じていきたいというお話がございました。一つお聞きするわけでありますけれども、せめて、長期的とは言いませんけれども、単年度当たりの倒産の見通しというものを、いろいろな経済状況の流動的な変化等あると思いますけれども、見通しを立てた上で、政府としてはこれとこれとこの制度を円滑に有効に運用することによって、たとえば五十五年度は恐らくこれだけ倒産の危機にさらされる企業が出るであろうけれども、これだけの政府の具体的な施策によって何%までは倒産を防止できるのだというふうな具体的な数字を挙げての短期見通し、計画というものが、単年度当たりで結構ですから、今後立てられないものかどうか。私はそこまでやっていただく必要があると思うのです。これは、長官どうです。
  166. 左近友三郎

    ○左近政府委員 実はわれわれも、この施策を整備する上において、見通しというものを、なるべく確実なものを得たいということでいろいろ検討しておるわけでございますし、また、この倒産の統計をつくっておる調査機関にもいろいろ相談をしておるわけでございますけれども、いまのところなかなかはっきり、ことに公的にこれぐらいだというふうなことを表明できるような自信がわれわれも持てないというのが現状でございます。しかしながら、いまの御提案のようにそういう予測をして、それに対して対策を具体的に立てていくということは非常に重要な点だろうと思いますので、先ほど申しました委員会でもひとつ検討課題にのせまして、十分検討をしていきたいというふうに考えております。こういう点ではやはりもう少し調査の内容も細かにしなければいけないというふうな点もございますので、その実態調査の内容、それから予測の手法というふうなものを開発すべく検討さしていただきたいというふうに思います。
  167. 木内良明

    ○木内委員 いま長官から前向きな答弁をいただきましたので、私も納得をしております。確かに不確実なファクターが当然プッディングされるわけですから、単年度当たりにしても見通しを立てることは大変な御苦労かと思います。しかしながら、やはりその見通しに基づいた制度の実行効果というものを浮き彫りにし、それがまた事務当局の方、さらにまた中小企業事業団初め各関係者の方の励みにもなるのじゃないか、これを私は実感するわけです。どうかひとつ答弁のとおり、大変な作業だと思いますけれども、またじみな議論ではありますけれども、ぜひともそこまでやっていただきたい。それをまたこうした審議の材料として、私たちも一つ一つ着実にこの問題の解決を図っていきたい、こういうふうに思うわけでありますので、この点をまず要望しておきます。  具体的にこの倒産防止共済の点に入ってまいります。  いままで申し上げた意味からも、この倒産防止共済制度の強化充実ということは私は重要な意義があると思います。先日も、きょうお見えになっております政府のお役人の方といろいろお話をしたときに、大変自信を持っておられた。私も実際この制度には一定の評価を行うものでございますし、これが現実の場において中小企業を倒産の危機から救ったという実例も、パンフレットではなくて私のこの目で見聞をしております。評価しているわけであります。しかしながら、量的にもまた制度の内容面からも、いろいろ今後改善すべき点が多いわけでありますけれども、その一つが実はこの利用状況の問題であります。  昭和五十三年四月の発足当初、加入者について中小企業庁や事業団は初年度十万件を見込んでいたにもかかわらず、実際には一年後の五十四年三月で一万六千七百三十八件にとどまっている。私はここに大きな問題を感ずるわけでありまして、制度はつくったけれども十分中身が伴わない結果になってしまっている。確かに発足初年度ということで見通しどおりいかなかったということは、私はやはりお立場になれば十分わかるわけであります。  そこで聞くわけですけれども、発足当初十万件と見込んだ算定基準、同時に当時対象として考えられた中小企業数、これがどのくらいであったか。加えて実際にいま見通しより大変下回って二割にも満たなかった加入だったわけですけれども、これについてはどういう受けとめ方をしているか。こうした点についてまずお聞きします。
  168. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 発足当初におきましては、加入対象となり得る中小企業者の数を三百五十万企業と見込んだわけでございます。そのうちの何%かがこの制度に加入する、こういう前提で制度を考えたわけでございます。しかしながら、御指摘のとおり五十三年度の実績を見ますと非常に少ない現状でございます。  この原因は何かということでございますけれども、委員御指摘のとおり、確かに新制度発足の当初におきましては制度の普及が必ずしも十分ではない、あるいは加入促進体制が不整備であるということもあったかと思います。しかしながら、この二年間の制度運営の実績から振り返ってみますと、やはり草々の間につくりました制度でありますために、この制度が中小企業者のニーズに十分適応していなかったのではないか、こういう点を反省するわけでございます。各方面から寄せられました制度改正の要望を取り入れまして、特に早急に改善すべき事柄をしぼって今回御提案を申し上げた次第でございます。
  169. 木内良明

    ○木内委員 きょうの午前中の質疑で、廣瀬さんは加入者が少なかった原因を二つ挙げられました。一つはいま言われたこと、もう一つは倒産件数が下火になった、確かにおっしゃいました。私はいまそこで御説明された原因だと思うのです。倒産件数の下火等いろいろあるかもしれません。しかしながら、一番問題になるのは、いまおっしゃったような理由だと思うのですよ。それを時間がたち、ある一定期間の加入状況というものもここで峻別できるようになった段階で、当然過去のそうした実績状況というものを教訓として、今後この利用状況をもっと増幅していかなければいけない、こういうふうに思うわけです。  それで具体的にお聞きするわけでございますけれども、加入促進協議会というのが設置されておる。ちょうだいした資料を拝見すると、どうも加入状況がふるわない、この原因についていろいろ分析もされておったわけでありますけれども、加入促進協議会を設けて、ここで今後の対応を練っていくというふうなことになっているわけであります。しかし、実際には中小企業庁が監督責任としてこの責任を負わなくちゃいけないのに、加入促進協議会という、カムフラージュのための隠れみのをつくったのじゃないかというふうなニュアンスを私は大変強く受けるわけであります。  そこで聞くわけでありますけれども、加入促進協議会の構成メンバーは一体どうなっておるか。また、その内容はどんなものか。さらにそれが今日までどのように生かされているか。細かい問題にわたるわけですけれども、広範に触れるよりも、私は細かな問題で直接、着実に確認をして進めていきたい、こういうふうに思います。  もう少し申し上げますが、昭和五十三年七月二十八日、加入促進協議会が設置されているわけです。構成メンバーは、中小企業関係団体、金融機関及び知事会というふうになっているのですね。意見は一応出し合っておられるようであります。しかしながら、五十三年の七月につくられているわけでありますけれども、よく考えてみると五十二年の第八十二国会でこの法案が通った、翌年の五十三年四月にこの制度が発足しているわけです。そうして発足したところ、当初年間の見通し十万件に対して、毎月どのくらいの加入が必要かということで恐らく懸念をされておったと思うのです。ところが、十万件であるためには相当数の月別の加入がなければならないにもかかわらず実績が上がらない。おくればせではあるけれども、実施されてから、その年の七月に入って加入促進協議会が、経緯を見る限り設置されているのです。私は、少なくともいわゆる加入促進協議会というものは、発足の前からこの協議会で行うべき協議、検討、分析というものが行われていなくちゃならなかったと思う。それが発足してみた、一年間で十万件の見通しだった、ところが実際に現実問題としてはなかなかその量には到達し得ない、これは大変だというので促進協議会が持たれたんじゃないかということを、経過で見る限りそういうふうに感じられるわけですよ。この点どうですか。
  170. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 加入促進協議会の第一回の会議が五十三年の七月に開催されました点は御指摘のとおりでございます。しかし、当初の目標十万件の加入が恐らくうまくいかないであろうという意味で、急遽七月に開催したというものではなくて、新制度でございますのでいろいろ準備がございます。その準備が整った段階で具体的な計画を確認の意味で御審議をいただいた、このように私ども考えております。
  171. 木内良明

    ○木内委員 構成メンバーとか第一回の五十三年七月の内容についてはお触れいただかなかったので、いまお聞きすることとあわせてお答えをいただきたいと思うのですけれども、この協議会はどういう立場、どういう性格のものですか。
  172. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 この加入促進協議会の設置の趣旨は次のとおりでございます。  倒産防止共済制度の効果的な加入促進を図るために、中小企業者をその構成員としている商工会議所等の中小企業団体、その他中小企業者の企業経営に深くかかわり合いのある関係者の意見を徴して、毎年度具体的な加入目標を設定するとともに、その実効を確保するため設置されたものでございます。  構成メンバーにつきましては先ほど御指摘いただいたとおりでございますけれども、重ねて申し上げますと、全国中小企業団体中央会、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国知事会事務局、商工組合中央金庫の代表者をメンバーとしているわけでございます。     〔委員長退席、堀内委員長代理着席〕  なお、第一回の加入促進協議会では、本制度の普及、加入促進活動の方策と中小。企業関係団体、金融機関及び都道府県等の役割り分担について審議をいたしました。  以上でございます。
  173. 木内良明

    ○木内委員 審議もしました、検討もされました、五十三年七月に。そうですね。これは当然毎年実績を振り返って、現状を分析、吟味、検討して翌年度に生かすという性格があるわけですね。そう思います。五十三年度行われました。五十四年度の加入実績状況はどうですか、反映されているのですか。当然前年度に比べてその促進協議会で行われた協議の内容というものが反映されて増加してしかるべきですね。そう思います。――資料が手元にないようですから申し上げます。これはしかしこの問題を議論するときに大事な資料なんですよ。この法案は加入状況が十分でないというのが大きな問題の一つなんですから。いいですか。  申し上げます。確かに五十四年度のこの加入促進計画がいろいろ練られた形跡は感じられます。ところが、その後の、五十四年の加入実績はどうだったかといいますと、五十四年四月三百八、五月二百三十九、六月二百四十、いずれも二百台から三百台、五百件を超えたのはわずか三回しか認められない。これは少なくともいまあなたが言われたように、五十三年度の促進協議会の内容が十分反映された内容と私には思われません。どうでしょう。
  174. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 五十四年度に入りましてからの月別の加入実績は先生御指摘のとおりでございます。ただ、五十二年度におきまして、一年間特例前納制度というのがございまして、かなり、一万六千件強の加入がございました。その特例制度が終了いたしました後の、いわば反動減という事情もこの数字に含まれているものと私ども考えております。
  175. 木内良明

    ○木内委員 反動減ですね。ということは、毎年度十万件は加入するであろう、ところがスタートであるから一括前納制度は一年間、時限でもってこの制度を設けた、こうですよね。ところが、先に一万六千入っちゃった、だから次年度から、五十四年度は余り入らなかったということでしょう、言えば。見通し甘かったですね、それは。どうでしょう。
  176. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 五十四年度の月別の実績を見ますと、年度当初におきましては三百件、二百件とわりに低うございましたけれども、その後、年度の後半に入りまして、制度の普及、PR、加入促進に努力をいたしました結果、若干月別の数字は上昇しております。しかし十万件に対して五十四年度六千件程度というのはいかにも実績が少ないという点は御指摘のとおりでございます。いま考えますと確かに十万件というのはやや大きかったかなと、このように反省をしております。こういうこともございまして、五十五年度におきましては目標を八万件というように若干下方修正をしておる次第でございます。
  177. 木内良明

    ○木内委員 反省はしている。私申し上げたのは、何も数字だけ挙げてあげつらうわけでは決してない。しかしながら、過去の取り組みの姿勢、見通しが甘かったという、この一定の時点における認識をまずお持ちいただいて、それはそれとして、新しい制度なんですから今後への新しい対応をしていけばいい、こういうふうに実は申し上げていっているわけで、これはもうお役人式の答弁ではなくて、確かに当初甘かった、だから下方修正するということでいいと思うのです。初め十万件だった、八万件になった、どうも八万件行きそうもない、来年七万件、翌年度六万件、そのうち年間二、三万件になって先細りになるんじゃないか。どうでしょう。心配しています。
  178. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 私どもといたしましては、この制度を中小企業者にとりましてより魅力のあるものにしていく、それが利用促進になるものと考えているわけでございます。そういう意味で、今回御提案申し上げております倒産防止共済法の改正も魅力を高めるという意味でかなりの効果があると思います。五十五年度八万件と見込んでおりますけれども、私どもは改正後早速新たに普及促進のための大きな努力をいたしまして、目標達成に努力をしてまいりたい、このように考えております。
  179. 木内良明

    ○木内委員 いずれにしましても加入の促進が行われないことには、時間の関係できょうは触れられないかもしれませんけれども、完済手当金でございますとかあるいはこの共済制度そのものの財源の余裕の問題ですとか、出てこないわけでありまして、ぜひともこの加入促進は、ほかのいろんな改善点もあるかもしれませんけれども、行っていただきたい。さらにまた、制度そのものの魅力を今後付加すると同時に、PR活動等も当然これは進めていただきたいというふうに思います。  まとめて何点か、時間の関係でお聞きしますのでお願いします。  まず、一括前納制度についてでありますけれども、制度化の当初一年間だけで、その後昨年四月以降は毎月払いということになっているため、まとまった金を借りるにはかなりの年月がかかるという指摘がこの制度にはあるわけですね。こうした事情から、一括前納制度を復活延長することを検討してみてはどうかと私は思うのです。いまも加入促進の問題で何点かお聞きしたわけでございますけれども、具体的に中小企業者が加入しやすい土壌、制度をもう一回洗い直してつくる必要があるのじゃないか。初年度であれだけの成果があったわけです。再度この一括前納制度を検討されるお考えはないかどうか。当然この難点として皆さんおっしゃるのは、駆け込みの状態で加入することが予想されるという懸念もあると思いますけれども、それはそれでやはり具体的な歯どめなり配慮を加えて、一括前納制度というものを再度検討するお考えはないかどうか。  それから完済手当金制度の問題でありますけれども、実はこれはゆっくり議論したかったところなのですが、時間がないので大変残念です。この内容がどうもあいまいでありまして、長期にわたる収支の均衡が保たれ、なお余裕財源が生じていると認められる場合には、共済金の貸し付けを受けて完済した者に完済手当金を支給することができるというふうになっている。これが先ほどあなたが言われた制度上の新たな改善点の一つだと思うのです。これは、少なくとも中小企業者がぱっとこの内容を見たときに、そうか、まじめに積み立ててまじめに借りて、そしてまじめに完済をすれば完済手当金というフィードバックがあるんだなということで、恐らくなお一層言われるような魅力を感じられると思うのです。しかしながら、確かにこういう条文があるけれども、果たしてどういうときが長期にわたり収支の均衡が保たれて余裕財源が生じている状況なのか、また、いつごろからそうなのか、この法改正が行われた、加入した、では完済手当金というものがつくのだというところで入ったところが、余裕財源が全然生じていないのでもらえなかったということも当然起こるわけでして、羊頭を掲げて狗肉を売るものだとは決して言いません、そこまでは言いませんけれども、少なくとも現実的にはいまこれができないのでしょう。これはいつごろできるのですか。そして具体的にどういう説明を利用者にされるのか。五年かかるかしれない、十年かかるかしれない、いずれやりますというのでは新たな改善点の魅力にはなり得ない、こういうふうに思うのです。  時間の関係で大分積み残しが出てしまいましたけれども、先ほどの一括前納制度復活の検討が第一点、それからこの完済手当金の制度の内容のいま申し上げた点、この二点をお聞きして私の質問を終わります。
  180. 左近友三郎

    ○左近政府委員 第一の一括前納制度でございますが、この共済制度というのは中小企業の方々が相互扶助で、掛金を毎月掛けて、必要な場合にその貸付金を受けるという制度でございます。一般のいろいろな共済がございますが、それもやはり一定の額を掛けて、その掛けた期間に応じて一定の給付を受け取るという制度でございます。したがいまして、期間を経ずに一気に高額のものを掛けて給付を得るというのは共済の本旨に反するのではないかということで、実は法制定の当時も非常に問題になったわけでございますけれども、当時は倒産が頻発し、何らか手を打たなければいけない、しかも初めてでございますから、当時の制度では掛けて五年たたないと全額、つまり最高額の貸付金が受けられないということでございまして、五年間も待っておれないというようなこともございまして、いわば緊急避難的に制度発足後一年を限って認めたものでございます。そういうことでございますので、やはりこの際はそれを復活するというのは大変むずかしいというふうに考えております。しかしながら、中小企業の方々が五年間掛けなければ貸付金の最高額を受けられないということについて、大変御不満なこともまた理由のあることでございます。そこで今回考えまして、掛金としては最高額を二百十万円にし、しかも月々の掛金額を五万円にいたしましたので、この最高額二百十万円を掛けまして二千百万円を借りられるにも三年半で済むということになりました。さらに、現行制度の百二十万円を掛けて千二百万円を借りるということに対しましては、月々五万円掛けますと二年でそれが実現することになります。したがって、二年で現在の制度と同じ貸付金を受けられるということにもなりますので、中小企業の方の、満額になるまでに時間がかかるという御要望に対しましては何とかおこたえができるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  それから、完済手当金でございますが、これについては、要するに共済の収支がバランスがとれて、完済手当金を払っても収支が非常に悪くなるという見込みでないということになれば出すというのが趣旨でございますが、実際問題といたしましては共済金の貸し付けが多くて、しかも加入者が比較的少ないということになりますと、共済金を貸し付けるために外部から資金を借り入れなければならないことになります。そういたしますと借入金利息というのが会計の経費になるわけでございます。これが一つの会計の支出の要因でございますし、もう一つは貸し付けた金が貸し倒れになりますと、貸し倒れというのがまた共済の会計のマイナス要因になるということでございまして、この二つが減少いたしますと貸し付けの共済の経理がよくなるわけでございます。そのためには、一つはやはり加入者を非常にふやしていくということが一つと、それからまた貸付金を借り入れた方々に完済を促すということ、これは完済手当金ということで、この制度自身も完済をしようという意欲をいわば促進することになろうかと思います。したがいまして、こういうことが当初の計算よりはよくなれば当然完済手当金は出せるということでございます。それで、現在貸付金は期限が五年でございますので、最初にお借りになった方の完済時期というのも昭和五十八年になるわけでございます。したがいまして、五十八年度になりまして見通しをつけて制度を確定いたしたいというふうに考えておりますし、またその後条件がよければさらにその手当金の条件を改善していくことも考えておりますが、現在の状態はまだ二年で、しかも最初の一年は特例前納制度があったりいたしまして事故の発生率が相当高いので、平常状態とは言えないものですから、もう少し状態が落ちつくという時期を見て、これを計算して決めたいというふうに考えておりますが、この点についても先ほどからお話がありましたように、加入者がふえるということが共済の会計を非常によくすることになりますので、こういう完済手当金が十分支給できるためにも、先ほどの加入促進の努力をわれわれは一生懸命にやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  181. 木内良明

    ○木内委員 いまの二点は大事なことですが、十分納得ができませんけれども、時間がありませんので、以上にいたします。
  182. 堀内光雄

    ○堀内委員長代理 これにて木内良明君の質疑は終了いたしました。  引き続いて小林政子君の質疑に移ります。小林政子君。
  183. 小林政子

    ○小林(政)委員 今回改正しようといたしております中小企業倒産防止共済法の内容につきましては、その一つは、共済掛金の最高限度額を従来の百二十万円から二百十万円に引き上げる、共済の貸付限度額を、これまでの千二百万円を二千百万円に引き上げるということであり、さらにまた、第二には掛金月額の最高額を二万円から五万円に引き上げ、積み立て期間を六十カ月から四十二カ月に短縮を図ろうとするものでもございます。そしてまた、第三には、現行では共済金を借りて完済しても、借りた額の十分の一相当額が掛金手数料として金庫というか、共済の手数料として納められる、こういう点を改めて、長期にわたる収支の均衡が保たれ、なお余裕財源が生じた場合には完済手当金を支給する、以上の三点についての主な改正でございます。  私は、共済加入者の人たちの一定の要望が取り入れられ、さらに加入者の促進を図ろうとする今回の改正であると思いますが、この制度は、ただいまいろいろと論議が行われておりましたように、五十三年四月一日に発足をいたしましてから今日で二年を経過いたしております。当初は十万人の加入者を目標といたしておりましたけれども、実際には五十五年二月末現在で二万一千人の加入者、こういう現状になっております。ただいまいろいろと御答弁がございまして、結局もっと魅力をつけなければならない、加入者の立場に立っての魅力ある共済年金、こういう立場からの今回の改正ということでございますけれども、私はこの問題について、先ほど、五十五年度は八万人の加入者を目標としているということでございますが、結局これはこれまでの二万一千人の四倍という事業量になるわけでございます。したがって、これに対しての特別の体制あるいはまた職員の増加など、こういった特別の体制がどのようにとられているのか、まずこの点についてお伺いをいたしたいと思います。
  184. 左近友三郎

    ○左近政府委員 いま御指摘になりましたように、五十五年度はこの制度改革を機に、従来の加入実績を飛躍的に増大をさせようということで八万件という目標を立てまして努力をするつもりでございます。これはなかなか容易なことではないことはわれわれも覚悟をしております。こういうことに対しまして事業団の方も、わずかではございますが、二名の人員の増も予算的には措置をいたしました。そのほか、このPRの経費も十分確保いたしております。やはり現状から考えますと、八万件というのは大変大きな数字でございますから、この制度の改正ということで内容がよくなったということを十分PRすることが一番大切だろうと思います。そして現在中小企業団体、商工会議所、商工会等に事務をお願いをしておりますが、そういう窓口を通じまして十分なPRを徹底させたいということを考えております。また、この窓口の問題につきましては、さらに、金融機関について窓口をお願いするかどうかという点も現在検討課題でございまして、先ほど御質問もございましたが、われわれといたしましては条件が整えばそういう点についても考慮をいたしまして、この窓口も拡大をするということによって加入件数の増加も図られるのではないかというようなことを考えておりますが、こういうふうな各般の情勢を総合いたしまして努力をいたしていきたいというふうに考えております。
  185. 小林政子

    ○小林(政)委員 体制の問題につきましては、商工会議所あるいは商工会その他の委託をする団体についてお願いをするということでございますけれども、この体制は、具体的には今回事業量を四倍ふやすという実態から見て、どのような対策がとられているのでしょうか。
  186. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 現在、倒産防止共済制度の業務委託をしております団体は、全国で三千七百七十五でございます。かなりの数に上っていると私ども考えております。しかしながら、私どもはこれで必ずしも十分とは考えておりませんで、ただいま長官から御答弁申し上げましたように、今後金融機関につきましても業務委託すべきかどうか、種々の点を考慮しながら前向きに考えていきたいと思っている次第でございます。
  187. 小林政子

    ○小林(政)委員 中小企業の倒産防止共済制度というのは、結局は座っていたのでは加入者はふえない、そのためには積極的に加入のための活動を行わなければならないということを、私のところに説明に来られた方はおっしゃっていらっしゃいました。私は、そうだとすればそれ専門のあるいはまたそれを担当する窓口がしっかりとしていたり、あるいはまた事業団が加入のためにどれだけ努力をするか、こういう姿勢にかかってきているのではないかと思いますけれども、少なくとも八万人の加入者を目標にするという以上は、相当の体制がとられなければできないのではないか、このように大変心配をしているわけでございますけれども、この点についてお伺いをいたしたいと思います。
  188. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 加入促進が本制度をますます実りあるものにするための大きな主動因であるということは御指摘のとおりでございますが、私ども加入促進計画についてその実施を図っているわけでございますけれども、その内容をごくかいつまんで御説明申し上げますと、まず第一には普及活動の充実でございますが、ポスター、パンフレット等を作製し、中小企業団体、金融機関等を通じて中小企業者に渡るように努力をするということであります。そのほかマスコミを通ずるPRを実施するとか、中小企業団体、地方公共団体等に対し共済制度の紹介記事を公報紙に掲載されるよう依頼するといったようなことも実施をしているわけでございます。これが普及活動でございます。  その次には、中小企業関係団体とかあるいは金融機関、都道府県に対しまして本共済制度の紹介、加入促進を目的とする説明会の開催を依頼するとか、あるいは共済事業団の役職員がみずから中小企業者を歴訪いたしまして、加入促進を依頼するといったようなことも実施をしているわけでございます。  このほか、毎年全国加入促進強調月間、これは十月と十一月でございますが、強調月間を設置いたしまして全国的規模で普及活動を実施しているものでございます。  その他きめの細かい加入促進計画を実施いたしておりますので、今後その成果が徐々に上がってくるものと考えているわけでございます。
  189. 小林政子

    ○小林(政)委員 次に、制度発足の当時一年間に限定されて実施されておりました、先ほど来から問題になっております特例掛金前納制の問題についてお伺いをいたします。  特例による申し込み加入者件数と、五十五年二月末の特例加入者による貸付利用額は具体的に幾らになっているのか、お伺いをいたしたいと思います。
  190. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 数字について御説明を申し上げます。  加入状況でございますが、制度発足以来二年間、ことしの三月までの実績で二万一千五百四十八件でございます。これを一般と特例に分けますと、特例が一万二千四百三十三件、一般が九千百十五件でございます。  共済貸付の件数でございますが、三月までの累計を申しますと、二千七百三十一件でございます。
  191. 小林政子

    ○小林(政)委員 私がお聞きしたのは、これは質問の通告には入っていなかったので準備をしていただいてないと思うのですけれども、いわゆる特例加入の方が借りた五十五年二月末現在の貸付額の総額はどのくらいになりますか、こういうことでございますので、もし調べてなければ後で資料をちょうだいしたいと思います。
  192. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 正確にお答えいたしたいと思いますので、後ほど資料として御説明に上がりたいと思っております。
  193. 小林政子

    ○小林(政)委員 五十五年二月末の貸付総額と掛金総額との関係を見てみますと、結局貸付総額が百十二億八千四百万円、掛金収入総額が百三十四億三千二百万円となっております。このままでは貸し付けの方が上回りそうな勢いでございますし、特例制度による前倒れ、こういう影響もあってこのような事態が起こったというふうにも思われますし、これらの関連について御説明をいただきたいと思います。
  194. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 御指摘のとおり、ただいま二年間累計の掛金の総額は百二十一億八千万でございます。一方、共済貸し付けが非常にふえております。このままでいきますと近々のうちには掛金のみで共済貸付金を充当させるということはむずかしくなってくるわけでございますが、この倒産防止共済制度といたしましては、当初からある一定の期間、時期におきましては、外部からの資金借り入れをして共済貸し付けに回すということも考慮しておりますので、一時的な金融機関からの借り入れば当然今年度にも導入されるものと考えております。  なお、特例前納制度によりますいわゆる貸し付け事由発生率は比較的高うございまして、九%を超えておりますけれども、この特例の貸し付け発生率は今後徐々に下がっていくものと予想されますので、全体としての共済事由発生率も下がっていく、このように見込んでおるわけでございます。
  195. 小林政子

    ○小林(政)委員 先ほど来いろいろと論議がされておりますように、今後倒産件数の、激増とまではいかないまでも、やはり非常に上回っていくのではないかということが言われておりますときだけに、私はやはりこの共済制度の今後の本当に中小企業の立場に立ってのあり方、そしてまた真に喜ばれる、入っていてよかった、こう思われる制度の内容の改善というのは一段と重要になってきているというふうに考えております。したがってそういう立場から、結局は特別制度などもあって、掛金というものが少ない中で貸付額だけがふえていくというような今日のこういう情勢というのは決して短期の現象ではないであろう、このように考えておりますけれども、この点についてはっきりとしたお答えをいただきたいと思います。
  196. 左近友三郎

    ○左近政府委員 われわれといたしましても現在の状態というのは、当初予定しておった見通しから考えますと、やはり加入者が比較的少なかったということがこういう事態を生み出しておるというふうに考えております。  そこで、やはり加入者を増加させなければいけない、そのためにはPRとかその他いろいろな普及活動をやっておるわけでございますが、制度を実施いたしまして二年間たちまして、制度を利用した方あるいは制度についていろいろ御意見のある中小企業の方々の御意見を聞きますと、やはり制度自身にもう一つ魅力がない、もっと魅力を増せば加入するのであるがというふうなお話があったわけでございます。そういうことでございますので、やはり現在の状態を打破するためには、法律では五年ごとに見直しということになっておりますけれども、緊急必要な場合ということで、われわれといたしましては二年間の実績を踏まえてとりあえず改正すべきことを改正しようということで今回の案を出したわけでございますので、今回の貸付金額がふえるあるいは積立額が早く実施できるというふうな点を踏まえまして、中小企業の方々の加入件数を増大させまして、そして現在のような共済収支の不安定を除去いたしたいというふうに考えておるわけでございます。     〔堀内委員長代理退席、委員長着席〕 そういうことでございますので、われわれといたしましては、現在の状態でしばらくの間借入金をいたしまして貸付金を賄うということもやむを得ないということで考えておりますし、制度自身もそれを前提に考えておりますので、当面はそういうことで乗り切りまして、そして抜本的には加入者の増大ということで対処いたしたいということで、われわれはこの法改正をお願いをしておるというのが現状でございます。
  197. 小林政子

    ○小林(政)委員 先ほど共済への加入の目標についてはお伺いをいたしましたけれども、今年度の貸付金総額というものについてどのくらいの見込みをお立てになっているのでしょうか。
  198. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 五十五年度の共済金貸付金額の予想でございますが、率直に申しまして正確に推計することはなかなかむずかしいと考えております。ただ、現在月間八億から九億程度の貸し付けがございますので、この程度の月間貸し付けが続くものとほぼ予想いたしますと、年度間では百億前後の貸し付けになるものと考えております。
  199. 小林政子

    ○小林(政)委員 事業団からいただいた資料で見てみますと、私は、この財政収支の問題、ただいま年間百億程度の貸し付けになるのではないかというお話でございましたけれども、その資料の中身を見てみますと、五十三年度の加入件数が一万六千七百三十八件で掛金収入が百十九億三千二百万円に対して、貸付金は四百四十八件で二十四億円ということでございます。五十四年度は、調べてみますと五十五年二月末現在の加入数が四千二百四十件、そして掛金収入が十五億円に対して、貸付件数二千四十四件、貸付金八十八億七千六百万円、こういう数字が出ております。この二年間の掛金収入は百三十四億、貸付金総額は百十二億八千四百万円と、その差はもうすでにわずか二十一億円しかなくなってきている、こういう状況でございます。したがって、今後加入者の増加いかんによっては、年間百億からの貸し付けということになりますとこれは完全に赤字を出す、共済制度そのものがこのままでは赤字を出していくのではないか、このように思うわけでございますし、五十五年度の基金として政府は十億円の追加出資をいたしておりますけれども、この五十五年度共済加入者が本当に少なかった場合、そして実際には百億からの貸し付けが必要である、こういった事態が起こった場合には、この共済制度そのものが今後一体どうなっていくのだろうか、これは一時的に穴埋めができるのだろうか、そしてまたこれについて、事業団や政府は十億円の出資だけでは足らなくなる可能性も出てくるというふうに見ていらっしゃるのか、それとも貸し付けのための資金を調達するのに銀行から金利のつく金を借りて一時立てかえでやっていけばこの十億円で十分だ、このようにごらんになっているのか、この点について明確にお答えをいただきたいと思います。
  200. 左近友三郎

    ○左近政府委員 この倒産防止共済事業の仕組みといたしましては、収入は掛金でございまして、それに対しまして経費といたしましては借入金の金利とかあるいは貸し倒れによるマイナスとか、こういうものを経費として見込んでおるわけでございます。それから、事務的な経費は、これは中小企業のためということで実は事業団がやっておりますが、事業団の事務的な経費は一切国庫補助で賄っておりますので、事務的な経費は国が負担しておるというふうな形で運営をしております。そしてその収入といたしましては、先ほど申しました掛金のほかに今度は完済手当金というようなものが出ておりますが、要するに貸し付けをいたしまして、完済をいたしましても積み立てた掛金相当額はいただいております。それが収入になるわけでございます。  そういうことで運用しておりますので、当面この借り入れをいたしましてもそれは共済事業の運用として当然考えておるところでございますので、ここしばらく借り入れが続いても問題がないというふうに考えておるわけでございますが、しかし不測の事態が生じてはいけないということで制度発足の当時三十億の出資をいたしました。五十五年度も十億の出資をいたしまして、不測の事態によって事業団の運営が悪くならないようにという、いわば準備としての基金を積んであるわけでございます。それでございますので、今後の運営によりますが、先生の御指摘のように将来また運営について非常にむずかしい問題が仮に出てくるといたしますれば、やはり政府といたしまして必要な出資をいたしましてその手当てをするということになろうかと思いますが、われわれといたしましてはこの三十億プラス十億、四十億円の出資をもって当面は乗り切れるというふうに考えておるところでございます。
  201. 小林政子

    ○小林(政)委員 これは先のことになるかとも思いますけれども、結局中小企業に対する倒産防止の共済制度でございますので、したがってできるだけこの出資は足らなくなった場合には行うとか、あるいは当面金利を、銀行から借りてきた分だけでも補助金という形で見ていくとか、こういったようなことをやっていくことが非常に大事ではないかというふうに思いますけれども、通産大臣、この点についてどのようにお考えでございましょうか。
  202. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 いろいろ問題を指摘していただきまして、今後もさらに検討してみたいと思います。
  203. 左近友三郎

    ○左近政府委員 大臣のお話にちょっと追加させていただきたいと思いますが、御案内のとおりこの法案に五年ごとにいろいろな制度を見直すということがございまして、この倒産防止共済制度というのはまさに世界にも類例を見ない新しい制度でございますので、いろいろ考えて発足したのでございますけれども、やはり実際にやってみましていろんな状態がわかるというのが真実でございます。したがいまして、今回とりあえず必要な改正をいたしましたけれども、今後の運営は十分この検討を続けまして、そして必要な事態のときには政府の援助措置も十分考えていきたいというふうに考えておりますので、いまのところ先ほど申しましたように当初の予定した運営でいけると思いますけれども、絶えずこの制度の見直しというものは法律に基づいて実施をしていきたいというふうに考えております。
  204. 小林政子

    ○小林(政)委員 加入者からいろいろと要望をお聞きになって今回の改正がされたというふうに伺っておりますけれども、その中で、先ほど来から問題になっておりますこの倒産防止共済制度を利用したい方々にとって一刻も早く利用できる資金が欲しい、こういうことから特例一括前納制の要望もきわめて強かったというふうに伺っておりますけれども、これについて実施をしていくということはなぜできないのでしょうか、この点についてお伺いをいたします。
  205. 左近友三郎

    ○左近政府委員 およそこの共済制度というものの趣旨は、加入者が一定の年限資金を積み立てまして、その年限の経過に応じて必要な給付を受け取るというのが本旨でございます。したがいまして、あらかじめ多額の金を納めたからすぐに給付を受けるということでは、たくさんの人が集まってお互いに助け合うという共済制度の趣旨からいいますと、金をたくさん出したからすぐに給付がもらえるということでは成り立たないというのが本来の考え方でございます。ただ、この制度発足の当時緊急に資金の必要な人に、当時倒産が多発したという事情から見て、緊急避難的に、この本来の趣旨に反するけれども、一年間を限って設けたというのが実情でございます。したがいまして、制度が軌道に乗りました上はやはり本来の趣旨に沿って運営をするのが至当かというふうに考えるわけでございます。  ただ、いま御指摘がありましたように、五年も掛けないと必要な金額が借りられないということでは当座の間に合わないではないかというふうな中小企業の方々の御意見もまことにごもっともでございます。したがって、われわれといたしましてはこの制度の趣旨を生かしながら、しかも中小企業の方々の御要望に沿えるという意味で今回この掛金額を増加し、かつ毎月の掛金の額も二万円から五万円というふうに増加いたします。その結果、従来の制度の千二百万円を借りるためには二年掛金を掛ければ済むということになっておりますし、二千百万円を借りるについても三年半ということで、当初の五年よりも大分短縮するということになりましたので、特例一括前納制度は実施はいたしませんけれども、中小企業の御要望にはかなり沿い得たのではないかというふうにわれわれは考えておるところでございます。
  206. 小林政子

    ○小林(政)委員 それでは次に月額掛金の問題でございますけれども、これはその増減、たとえば五万円の口に入った、それでずっと毎月五万円続けていく、あるいは五万円で入ったけれども、実際にはいまの話のように、二年たてばこれでもう前回の二万円を五年間掛けたと同じぐらいの掛金が借りられるというようなことから、二年目からは二万円にしたい、こういったような場合も出てくると思いますけれども、こういった場合について、具体的には自由に選択ができるのですね。
  207. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 御指摘の点については加入者の意向に沿いまして、具体的には、減額をする場合には中小企業共済事業団の承認を得て、ある時期から減額することは可能となっております。
  208. 小林政子

    ○小林(政)委員 それは自由にそういうことをやって差し支えないというふうに受けとめます。  それからもう一つの問題は、加入者は倒産の被害を受けるかもわからないということで、その心配が大きい人ほど早く借りられるようになりたいと思って、したがって共済に入っているわけです。五年積まなければ必要な額が借りられないというのでは間に合わない、必要な額が借りられる権利がつくまでは、何としてでも早く借りられるようにしたい、こういうことは私は当然のことだと思いますし、したがって減額についてももっと弾力的に、事業団のいろいろな規定でもって、こういう場合だけは認めるとかこのようなときには認めないとか、八条で定められておりますけれども、こういうことは心配ないのでしょうね。
  209. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 最初に、第一の御質問に関して御返事を申し上げます。  先ほどの御返事をさらにもう少し正確に申し上げたいと思うわけでございますが、掛金の増減につきましては、増加については加入者の自由意思と申しますか、に従って自動的にできるわけでございますが、減額については共済制度加入者全体に対する影響も考慮いたしまして、特定の事由がある場合において共済事業団の承認を得てできることになっております。たとえて申しますと、その加入者の経営が非常に悪化して、従来どおりの掛金を続けて払うことができないといったような事情に限定されるわけでございます。
  210. 小林政子

    ○小林(政)委員 特定のそういった事情ということになりますと、これは自由にということにはならないことになりますね。ところが事業団が出しております「取引先企業の倒産にそなえて」というのを見ますと、この中には「加入後、増・減額ができます。」とはっきりうたわれておるのです。ほかのパンフも見てみましたけれども、「加入後、増・減額ができます。」このようにはっきりうたっております。特定の事情あるいは病気になったとか企業を縮小したとか、そういう場合に限定してということではなくて、加入者の人たちが魅力を持って加入ができるという点から考えても、この点については弾力的に配慮していくことが非常に重要ではないだろうか、私はこのように考えております。特例一括前納制の復活をなかなか認めがたいということでありますので、この点では中小企業の皆さんの要望にこたえてもよいのではないか、このようにも考えますけれども、佐々木通産大臣、この点についてどのようなお考えをお持ちでしょうか、お伺いをいたします。
  211. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 先に事務的な御説明を申し上げたいと思います。  法律の第八条に掛金月額の変更の規定がございますが、「事業団は、共済契約者から掛金月額の増加の申込みがあったときは、これを承諾しなければならない。」「事業団は、共済契約者からの掛金月額の減少の申込みについては、通商産業省令で定める場合を除き、これを承諾してはならない。」こうなっておりまして、省令の第九条では、たとえて申しますと、共済契約者が掛金の納付を継続することが著しく困難であると認められる場合、具体的に申しますと、事業経営の著しい悪化、疾病または負傷、危急の費用の支出等の場合に限って減額が認められる、このようになっております。
  212. 小林政子

    ○小林(政)委員 そうすると、このパンフレットは間違いなんですね。このパンフレットには「加入後、増・減額ができます。」とはっきり書かれております。
  213. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 このパンフレットに書いてございますように増減ができるわけでございますが、減の場合には特定の条件があるということでございます。
  214. 小林政子

    ○小林(政)委員 一般の方は、これをごらんになりますと、いままでは二万円までの四コースでしたね。五千円、一万円、一万五千円、二万円。今回は十コースで五万円から五千円ということになっておりますけれども、一般の方が――これはこれだけじゃなくて、私、二、三冊ここへパンフを持ってきておりますけれども、そのどれを見ても加入後は増減額ができますとだけしか書いてないのです。そうしますと、ふやすことは可能だけれども、掛金を減らすということについては、いま言われたような第八条によって云々と言って解説を一々しなければわからないというようなパンフでは、これは私は間違いではないかと思うのです。  実際問題として、この問題についてははっきりと増減ができるとパンフにうたわれているように、五万円でもって加入をした人が一年間で六十万円、そして実際には二年間だと百二十万円、これだけ、二年間だけ五万円を納めれば、後はいろいろと事情もあって二万円の口にしたいとか一万円の口にしたいということで、それを自由に選択をすることがなぜ弾力的にできないのでしょうか。通産大臣、この問題については、一括前納制というものを今回おとりにならなかったわけですから、せめてこの加入の掛金の増減、これは弾力的に扱って、業者の皆さんの要望にこたえるということが非常に大事ではないだろうか、このように思いますけれども、大臣の見解をお伺いいたしたいと思います。
  215. 左近友三郎

    ○左近政府委員 いま法律的な内容については担当部長が御説明したとおりでございます。ただ、いま御指摘のように、なるべく早く自分の必要な貸付金を受けられる資格を取りたいということで、たとえば最初五万円掛けて、ある時期に必要な額に達すれば後は減額をするという考え方も一つ成り立ち得ると思いますし、いまおっしゃいますように、制度としては違いますけれども、趣旨において特例前納制度というものがない場合に、そういう点を考えたらどうかという御提案も一つの意味のある御提案であろうと私は考えます。ただ、現在そういうふうな制度になっておりますので、これについてはもう少し検討させていただきたいと思います。当初決めましたときには、必要な額を当初の掛金で考えて、そしてその期間の間に充当するというのが通例であるという前提からいまのような仕組みになっておりますけれども、いまのような御趣旨について、われわれといたしましてもひとつこれから勉強させていただきたいというふうに考えておりますので、今後の検討課題にさせていただきたいと思います。
  216. 小林政子

    ○小林(政)委員 検討をしてみたいということでございますので、せっかくのそういうことについては十分弾力的な運用を図って、魅力ある制度として育てていくべきではないか、このように考えております。  次に完済手当金についてお伺いをいたします。  この問題についても先ほどから何人もの方々からいろいろと御意見が出されておりました。政府の説明も同じことの説明が何回かございましたけれども、私は何度聞いていてもやはりよくわからない、こういう感を深くいたしているものでございます。具体的に完済手当金については、長期にわたる収支の均衡が保たれ、なお余裕財源が生じたと認められる場合に、共済金の貸付金を受けて完済した者に完済手当金を支給する、こういうことで、同じことが何回か御答弁でございましたけれども、完済手当金が支給できる条件、それは何回説明を聞いてもよくわからないのです。数字も出てきませんし、具体的にはどういう事態、どういう条件のときに完済手当金を支給するのか、これがはっきり数字か何かになって出てこなければ私どもとしてはどうもよくのみ込めません。具体的には八万件を超した場合のことを言っているのだろうか、それが一つの目安になっているのだろうか、あるいはまた五十八年の完済者が出る段階に実施を確実にするというたてまえを述べているのだろうか。あるいはまた完済手当金とは一体どういうときにどのような形で出されるのか。たとえば貸付総額の十分の一を、借りた場合には利息といいますか、一つの事業団の手当ということで差し引かれるわけでございますけれども、その全額が戻ってくるのか、そのうちの何割が戻ってくるのか、あるいは一割なのか二割なのか五割なのか、こういった点もかいもくわからないのです。法律を改正して今回こういう措置がとられるわけですから、こういった点について具体的に国民にわかるような、中身についてきちっとしたお答えをちょうだいしたいと思います。
  217. 左近友三郎

    ○左近政府委員 いままでの制度は、共済の収支につきまして、要するに貸し付けをいたしますと必要な場合には貸付金を外部から借りるという場合が先ほど申しましたようにあるわけでございますが、そういう借入金の金利というのが一つの費用になります。それから貸し付けました後借りた人が貸し倒れになる、これは不幸なことではございますが、やはり現実に資金を貸しますと貸し倒れというのが一定の比率で出てまいります。その貸し倒れを補てんする経費がまた経費になります。したがいまして、この共済金の運営の中で経費として貸し付けの場合に出てくるのは、その貸し付けの原資の利息とそれから貸し倒れの費用ということになるわけでございます。それで、従来はそういう経費を賄うために貸付金を貸し付けました後、その貸付金の十分の一だけを経費としていただくということになっておったわけでございますが、われわれといたしましては十分の一を固定して経費としていただくというのは不本意である、これはやはり先ほど申しましたように借入金の金利をわれわれが十分いろいろ努力をして低下させることができる、さらにまた加入者をふやせば借入金をほとんどなくすることも可能かもしれないというふうなことで、この加入者が非常に増加をいたしますと借入金というものの金利が非常に節約できる可能性が大いにあるわけでございます。それからまた貸し倒れにつきましても、借入金を借りた方の御努力によって相当貸し倒れというものも減少ができるというふうなことがございますので、これを貸付金の十分の一、つまり積立金額というものを経費としていただくというふうに固定するのは不本意であるということから、その努力をいたしまして、ことに完済者が非常に増加をいたします、つまり貸し倒れが減少すれば、その分だけはやはり金を借りた人にお返しをしようというのがこの制度でございます。ところが、この制度が発足をいたしましてまだ二年でございますし、まだまだ昭和五十八年にしか完済の時期が参りません。したがいまして、貸し倒れが幾らあるかということもなかなか判断がつかないわけでございます。したがって、これはもうしばらく実績を見ました上で、大体貸し倒れ率がこのくらいになるだろうということがわかると思います。それからまた加入者がある程度増大をいたしますと、借入金というのが大体この程度でいいだろうということがわかります。そのわかったところで計算をいたしたいということでございます。  それからもう一方、完済手当金でございますから、完済した人があらわれたところでお返しをするわけでございますので、これは昭和五十八年に完済者が初めてあらわれるわけでございます。つまり貸付金の期間が五年でございますのでそういうことになるわけでございますが、その時期までにそういういろいろなデータを収集をいたしまして計算をして、そして手当金を算出いたしまして、それでこれをお返しする、こういうことにいたしたいと思っております。実際の額といたしましては、その積み立てた積立金の何割というものをお返しするというふうな比率でそういうものを決めて、そして積立金のうちの、従来であればまるまる経費としていただくものの一部をお返しする、こういう形にいたしたいということでございます。  計算方式等については、いま申しましたようにまだ経験を積んでおりませんので、もう少し期間を置かしていただいて、そして大体貸し倒れ率が幾らであろうというようなことが推算がつきましたときに数字化いたしまして、またお目にかけたいというふうに考えております。
  218. 小林政子

    ○小林(政)委員 大変私不満ですし、納得できません。具体的にはどのようなことを指しているのか。法律が今回改正になったのです。法律を改正するということは、やはり一定の方針を持って改正が行われるということがしかるべきだと思います。それが何もされないまま、その時点になって勘案をいたしましてなどというようなことでは、これは大変私としては不満であり納得ができませんけれども、時間の関係もございますので先へ進みたいと思います。  この完済金に続きまして解約手当金というのは現在どうなっているのでしょうか、この点についてもお伺いをいたしたいと思います。  さらにまた、自治体の窓口を利用して加入者を促進していく、こういう問題についても私は積極的にこれを取り入れていくべきではないだろうか、このように考えておりますけれども、この点について、先ほど銀行についてのお話はございましたけれども、自治体についてはお話がございませんでした。具体的に自治体の場合には、東京都の場合をちょっと調べてみますと、関連融資制度というのを見てみますと、中小事業環境整備等の経営安定資金融資というのがございますけれども、これは東京都の労働経済局金融部金融課が倒産企業の代表者からの届け出を受けまして、そしてそれを今度は市区町村にその資料を送付をして、そして関連中小業者に証明書を自治体の窓口から発行をしているわけでございます。こういう点などを考えますと、関連倒産の場合には、自治体の窓口というのが、やりようによっては非常に大きな役割りを果たしてくれるのではないか、私はこのように思いますけれども、この二点についてお伺いをいたしたいと思います。
  219. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 お尋ねの第一点の解約手当金の制度でございますが、法律第十一条によりまして比率を決めております。掛金を納付した月数に応じまして、また事業団解約か任意解約かによりましてそれぞれ比率が異なっておりますけれども、一、二例を申し上げますと、掛金納付月数が十二カ月以上二十四カ月未満の場合であって事業団解約の場合には七五%、任意解約の場合には八〇%、また四十八カ月以上六十カ月未満の場合で事業団解約の場合には九〇%、任意解約の場合には九五%、また六十カ月以上掛金を納付した場合には、任意解約でありますと一〇〇%戻ってまいりますが、事業団解約の場合には九五%となっております。  第二点の、窓口を特定の団体に限定せずもっと拡大すべきではないか、たとえば自治体にも広げるべきではないかという御質問でございますが、倒産防止共済制度の委託を行う団体は、委託業務の内容が公的性格を持つことにかんがみまして、中小企業関係の経済団体であります商工会及び業種別団体を会員といたします中小企業団体中央会の組合に限定しているわけでございます。この業務を市町村等に委託することは、制度の性格上果たして適当かどうかという問題でございますが、中小企業者であることの確認とかあるいは回収困難となった売掛金債権等の額の確定等、種々の確認事務や証明事務あるいは加入者が管理事務といった業務を伴うために、これを市町村等、いわゆる地方自治体にまで広げるということは必ずしも適当ではないと私ども考えている次第でございます。ただ、本制度の普及については、都道府県、市町村を初め、絶大な御協力をいただいておりますので、この点に関しましては今後とも引き続き協力をお願いしたいと考える次第でございます。
  220. 小林政子

    ○小林(政)委員 この点についてもまだまだ論議をしたいと実は思っておりましたけれども、時間が参ってしまいました。もうあと五分しかございませんので、きょうはほかにもおいでいただいている方もいらっしゃいまして、質問を予定していたのができなくなりましたので、この次に行いたいということを申し上げ、一つだけ公正取引委員会の方にお伺いをいたしたいと思います。  吉野石膏株式会社など十七社及び石膏ボード工業会に対して、五十五年三月二十七日に公正取引委員会が独禁法違反の疑いで立入検査を行っておりますけれども、この違反の内容はどんな疑いがあるということで立入調査がされたのでしょうか。
  221. 妹尾明

    ○妹尾(明)政府委員 石こうボードの業界につきましては、共同して石こうボードの販売価格を引き上げた疑いがあるということで、先生御指摘のように本年三月二十七日に石こうボードのメーカーの団体である石膏ボード工業会及びそのメンバーである石こうボードのメーカーの事務所等合計三十六カ所につきまして立入検査を行いました。このカルテル行為につきまして、その主体が事業者団体であるということになりますと、事業者団体のカルテル行為を禁じました独占禁止法の第八一条第一項第一号に違反するということになります。それから個々の事業者の行為ということになりますと、事業者のカルテル行為を禁じました第三条に違反する、こういう疑いがあるということでございます。
  222. 小林政子

    ○小林(政)委員 吉野石膏は四十八年、これも日本石膏ボード工業組合と一緒に、公正取引委員会で、独禁法第八条第一項第一号の違反として審決が行われておりますけれども、このときの同工業組合の理事長さんというのは恐らく吉野石膏の社長ではなかろうか、このように思いますけれども、四十八年当時のことについてお伺いをいたしたいと思います。
  223. 妹尾明

    ○妹尾(明)政府委員 石こうボードの価格のカルテルの関係につきましては、先生御指摘のように、昭和四十八年四月に日本石膏ボード工業組合に対しまして八条一項一号に違反するということで勧告いたしまして、五月十日に審決になっております。ただ、ちょっと手元に資料を持っておりませんので、当時の理事長がどなたであったかということについてはただいますぐにはお答えいたしかねます。
  224. 小林政子

    ○小林(政)委員 二回にわたってカルテル行為あるいは価格引き上げなどのこういった独禁法違反行為を行いました吉野石膏株式会社の須藤恒雄代表取締役社長は、五十四年の十一月政府から勲三等瑞宝章が贈られています。通産省は、同氏に対する叙勲の推薦を行った事実がありますか。  さらにまた、吉野石膏の須藤恒雄代表取締役社長のこの会社は職場の中でもいろいろと問題を起こし、労働委員会は三度にわたって、解雇を撤回し、解雇者を原職に復帰させ、そして未払い賃金を払うよう、組合員に謝罪をしなさい、こういう命令を下していますけれども、吉野石膏はその命令を守らず、しかも争議の解決交渉さえいまだ拒否し続けております。休憩時間や休みも満足にとれないで、労働強化を強制されている三交代制のこういった製造現場では本当にひどい状態が起こっております。全体の三割にもなる人たちが悲惨な健康被害に悩まされています。こういった企業の外では価格のつり上げをやり、企業の中では低賃金、そしてまた労働強化を押しつけているようなこういうところに対して何で通産省が勲三等瑞宝章の推薦を行ったのか、私は中小企業政策の基本姿勢についてお伺いをいたしたいと思います。
  225. 児玉清隆

    ○児玉(清)政府委員 お答え申し上げます。  独禁法違反事例の審決につきましては、先ほど公取の方から四十八年の事例について及び今回のことについてお触れいただきましたけれども、いま御指摘いただきました昨年十一月三日の瑞三の勲章の推薦につきましては、これは私ども通産省の原局といたしまして、須藤恒雄氏の過去の団体歴及び会社その他の事情を十分勘案いたしまして、事実行為をもとにいたしまして、たとえて申しますと、日本石膏ボード組合の理事長として、木材資源代替産業としての石こうボード産業の確立のため、あるいは防火建築材の認定取得とかあるいは製品の実質価格の制定等々の事例を客観的に調査いたしました。特に昨今において技術開発の面におきまして、この会社ないしこの業界の発展に須藤氏の尽くされました功績、これをもとにいたしまして推薦を実施いたしたものでございます。
  226. 小林政子

    ○小林(政)委員 納得できません。時間ですから、これでやめます。
  227. 塩川正十郎

    ○塩川委員長 これにて小林政子君の質疑は終了いたします。  引き続いて横手文雄君の質疑に入ります。横手文雄君。
  228. 横手文雄

    ○横手委員 私は、まず信用保険法並びに倒産防止共済両法案の一部改正に係る質問の前段として、中小企業の定義について意見を交えて御質問を申し上げます。  中小企業の定義は、たしか昭和四十八年でございますかに改正が行われたと承知をいたしておりますが、すでに六年が経過し、しかもこの間、特に前半は日本の経済が猛烈なインフレに見舞われて貨幣価値がうんと下がってしまった、こういったことで、今日では製造業における資本金一億円、従業員三百人、こういった規定では少し中小企業としての定義が低過ぎる、こういった意見を聞くわけでございますし、私もそうだと思いますが、これに対する見解をお聞かせいただきたいと存じます。
  229. 左近友三郎

    ○左近政府委員 現在、八〇年代の中小企業のあり方あるいは政策の方向ということにつきまして、中小企業政策審議会で御議論を願っておりまして、近く結論が出る模様になっておりますが、その審議の過程でも現在の中小企業の範囲が妥当かどうかということが問題になりまして、いま委員の方々のいろいろな御意見を取りまとめ中でございます。まだ決定的に決まっておりませんので、この席ではっきりは申し上げられませんけれども、恐らくいま御指摘のように資本金の基準等はやはり一億でいいのかというふうな声が相当強いわけでございます。したがいまして、この政策審議会で中小企業の範囲というものについてたとえば見直すべきであるというふうな御提言が出てきますとすれば、われわれといたしましてもそれに応じて検討を始めたいというふうに考えております。いずれにしましてもこれは今月末か六月中には御意見が出ると思います。その御意見に従いまして、われわれも検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
  230. 横手文雄

    ○横手委員 卸売業の資本金三千万、従業員百人あるいは小売、サービス業のそれぞれの定義あるいは小規模企業等の定義についても私は見直すべきだ、こういうぐあいに考えており、いま相談がなされておるということですが、中小企業庁としてはその審議会の答申が出たらということもそうでしょうし、企業庁としてこれはやはりそぐわないからこれを見直すべきだ、こういう積極的な御意見がありますか。
  231. 左近友三郎

    ○左近政府委員 われわれもこの政策審議会の委員の方の御意見も伺っております過程でございますけれども、中小企業庁自身といたしましても、この範囲についてやはり時代の変化に応じて範囲を考えていくべきだという考えを持っております。  ただ実際に、いまおっしゃいましたように製造業のほかに卸売業、小売業、サービス業というようなものもございますし、どの範囲をどのように改めたらいいかという問題については、やはり各般の御意見を伺わなければいけない、あるいはわれわれ自身も相当勉強しなければいけないと思いますので、仮に政策審議会の変えるべきであるという御意見が出ても、その御意見の上に立って今度は具体的にどのような改め方をすべきかという点について、何カ月かの検討は要るのではないかというふうにわれわれは考えております。
  232. 横手文雄

    ○横手委員 それでは、この中小企業の定義について中小企業庁としてもこれは見直すべき時期にきておる、こういうのが基本的にあるということを確認をさせていただきたいと思います。  次に、信用保険法の一部改正について二、三御質問を申し上げます。  付保限度額が引き上げられるわけでございます。これは中小企業の要望に従ってその業界の要望にこたえる、こういうことでございましょうが、特にその理由がほかにございましたらお聞かせをいただきたいと思います。
  233. 中澤忠義

    ○中澤政府委員 今回の限度額の引き上げにつきましては、御指摘のように中小企業者の要望もございますし、また客観的な統計等の事実から見ましても、貸付規模の増大がこの数年ございます。したがって、大多数の中小企業者の要望と申しますか、ニーズにこたえるために限度額を引き上げるということでございます。その他の理由は特にございません。
  234. 横手文雄

    ○横手委員 限度額が引き上げられるということになりますと、いわゆる保証協会の保証額の総額も上がってくるということにつながってくるわけでございます。地方の保証協会は基金に対する保証の限度枠、こういったものが大変窮屈になってくる、これをふやそうと思えばその基金をふやしていかなければならない、こういうことにつながってくるわけでございますが、地方自治体の財政難の折から出捐金の増額等は大変むずかしい問題ではないか、こういう気がしてならないわけでございますが、これに対して政府としての対処の措置、方針がございましたらお聞かせをいただきたいと思います。
  235. 左近友三郎

    ○左近政府委員 信用保証協会が中小企業の資金需要に適切にこたえられるというためには、協会の経営基盤が強化されなければいけないわけでございまして、そのためにもいまお話しのように地方公共団体からの出捐金あるいは金融機関からの負担金というものを増額をいたしまして、そして信用保証協会の基金を強化するということが必要であります。これについては各地方公共団体あるいは金融機関にたびたびお願いをしておりますが、今後もいろいろお願いをいたしまして充実を図りたいというふうに考えておるわけでございます。  なお政府自体といたしましては、四十六年以来基本財産の増強というために、必要に応じて基金補助金を交付をしてきたわけでございまして、昭和五十五年度におきましても四億円の基金補助金を交付するということにしております。その結果、当初以来合計で五十八億の基金補助金が支出されることになるわけでございますので、これが信用保証協会の基本財産の強化になるというふうにわれわれは考えております。  それから、さらに中小企業信用保険公庫への出資金、これは融資基金でございますが、これを支出いたしまして、これを保険公庫は全国の信用保証協会に非常な低利で貸し付けておるわけでございます。そういたしまして、信用保証協会といたしましてはその資金を中小企業金融機関に預託をいたしまして、その金利収入でまた経費を賄っておる、あるいはまたそういう預託をすることによって民間金融機関との関係を良好に保っておるということがあるわけでございます。この融資基金の額も現在約二千億ございまして、さらに五十五年度には二百八十億新規出資を行うということになっておりますので、こういういろいろな手段を通じまして信用保証協会の経営体質を強化いたしていきたいというように考えておるわけでございます。
  236. 横手文雄

    ○横手委員 それでは確認をいたしますけれども、政府としてはことしもそういうことで非常に低利の貸し付けを行って、そして協会はそれを運用し、その運用益金をもって基本財産をふやしていく。そしてその貸し付けの保証の枠を拡大をし、もって協会のいわゆる経営安定を図っていく。これで足りる、この増額に十分こたえられる、こういうぐあいに見通しておられる、こういうことでございますか。
  237. 左近友三郎

    ○左近政府委員 現在、信用保証協会全般といたしましては運営としても利益が出ておりますので、現在の事態としてはこれで十分であろうと思いますけれども、景気の状態によりましては信用保証協会が代位弁済を多額にしなければいけないという事態も将来予想されます。したがいまして、必要に応じて先ほど申しました政府としての対策を強化をしてまいりたいということを考えておるわけでございます。
  238. 横手文雄

    ○横手委員 いまは御指摘のとおり各単協といいましょうか、保証協会はそれぞれの運営をなされておりますが、こういうぐあいに増額をされてくる、しかも中小企業の経営状態が大変むずかしい時期に入ってくる、あってはならないことでございますけれども代位弁済がふえてくる、こうなりますと、それぞれの単協は大変むずかしくなってくる。そうすると、勢い貸し付けに対して保証をとるあるいは担保をとる、こういうことになって、それがやがては中小企業の皆さん方に保証協会は銀行よりもまだきついではないか、こういうような批判を浴びるようなことになりかねないというぐあいに思うわけでございます。そういったことにならないように、それぞれの単協が十分に中小企業の皆さん方の御要望にこたえて保証能力ができる、こういうことを政府としても確実に行っていただきたいということを、さらに事に応じてこれらのものをふやしていきますというようなことでございますので、その辺について御期待を申し上げておきたいと思う次第であります。  次に、この中で新しく新技術企業化保険の創設が提案をされておるわけでございます。この提案の趣旨あるいは利用手続、このことについてまず簡単に御答弁をいただきたいと思います。
  239. 中澤忠義

    ○中澤政府委員 新技術企業化保険の創設の趣旨でございますが、最近の厳しい環境下におきまして、中小企業者にとって新技術の企業化を図ることが従来にも増して必要であるということでございます。ただ、従来もろもろの補助金あるいは融資制度をとってきたわけでございますけれども、やはり企業化を大胆に行います場合にはどうしても民間資金の導入が必要である。その場合に、新技術の企業化に伴うリスクをカバーするために、保証の限度額及びてん補率につきまして特段の優遇措置を持ちました新しい保証制度をスタートすることが必要であるとうことから、新技術企業化を導入する中小企業者に対しまして、新しい保険、保証制度をスタートすることにしたわけでございます。  具体的な手続につきましては今後通産省令で定めることにしておりますけれども、最近におきまして取得されました特許権あるいは実用新案権に基づきます技術を企業化する場合を初めといたしまして、広く中小企業者が新しい技術を企業化する場合に、保険公庫あるいは保証協会の認定を受けました技術につきまして、これに必要な企業化のための資金につきまして保証をする、設備資金あるいは市場開拓のための資金もこれを対象とするというふうに考えておるわけでございます。
  240. 横手文雄

    ○横手委員 現在、先ほどの質問の中にもございましたけれども、中小企業の新技術開発に対する助成措置、補助あるいは貸し付け、こういった制度がたくさんあるわけでございまして、現に通産省がそれぞれ中小企業のために新技術開発のための必要資金の四分の二から四分の三、さらに一千二百万円を限度額とした補助金制度を行っておられるわけでございます。それぞれ地方では、県と国それから自己負担、こういうことで、小企業の開発に対しては三百万円を限度額として、これは融資ではなくして補助をしておられる制度がございます。これらとの関連についてはどういうことになりましょうか。
  241. 左近友三郎

    ○左近政府委員 中小企業庁がやっております新技術の開発補助金でございますが、これは試験研究段階に対して補助金を出すということでございます。その試験研究の成果が実りましてこれを実際に企業化、つまり実際に設備をつくってみるというときに今回の保証を適用するということでございますので、まず技術を開発する段階に補助金を交付する。できた技術について、それを実際に実用化する場合の設備費あるいは市場開拓費というような経費についての資金を借りるときの保証というのをこの保険制度で実施するということでございます。  なお、実際に企業化する場合にはもう一つ制度がございまして、中小企業金融公庫に融資制度がございます。これは国の資金を貸すということでございますが、国の資金だけではやはり範囲も限定されておりますし、比較的高度の技術についてその貸し付けをやるということになっておりますが、この保証の方は民間資金を活用するわけでございますので、範囲も広くいたしたいということで、借りやすくいたしたいということがこの制度のねらいでございます。
  242. 横手文雄

    ○横手委員 この制度を導入をし、そして御要望に応じて保証するということになりますと、御指摘のとおり普通の貸し付けと違って成功するかしないか、それだけの市場を開拓できるかどうか、こういうことで大変リスクが大きい、こういうぐあいに思うわけであります。こういったときにもしこれが行き詰まって代位弁済等の問題が起こってきた、そういったときに保険公庫の監査が行われるのでございましょうが、こういったときに新技術かどうか、その認定をめぐって意見が分かれる。たとえばいまおっしゃいましたように新案特許だとかあるいは実用新案、こういうはっきりしたものならいいのでしょうけれども、中小企業が開発する技術の中には、たとえば福井県でこの問題をやった、ところが隣の石川県ではすでにそのことは行われていた、それを知らずに新技術だということでこれを開発し、実用化する、そして保証した、そしてこれが不幸にして代位弁済だった、こういうようなことがあるのではないか。そんなときに保険公庫の方でこれは免責である、こういったような決定がなされると、いわゆる単協としては、地方の保証協会としては恐ろしくてちょっと手が出ぬ、こういうような気風があるようでございますが、その点についてお聞かせをいただきたい。
  243. 左近友三郎

    ○左近政府委員 先ほど担当部長からも申し上げましたが、この技術の中に、特許とか実用新案の取れているものについてはこれは問題なく入れておるわけでございますが、さらにもっと範囲を広くする意味において、技術が新規であると認定したものであればいいということにしておりますが、その認定は保険公庫が通例行うということで、保険公庫が審査会を持ちまして、あらかじめ必要な技術の審査をして認定をするということにいたしますので、その認定を受けたものについては保証するということでございますから、後で問題が起こることはないという運営にいたしたいと思っております。  ただ、信用保証協会の中には実際の技術を認定する実力のあるところもございますので、信用保証協会でも自分の方で技術の人をそろえて委員会を置いて認定ができるというところについては、信用保証協会での認定にゆだねるということにもいたしたいと思っておりますが、これについては制度発足いたしましたならばそういうことにいたしまして、いずれにしても、あらかじめ認定を済ませれば後々そういう問題が起こらないようにいたしたいということで考えております。
  244. 横手文雄

    ○横手委員 そうしますと、私がいま、単協の中で多少心配の向きがございますよというようなことを申し上げたわけでございますが、事前に認定をし、それを保険公庫あるいは地方の単協が行うことであって、それを通過したものであれば、たとえそれが後で代位弁済になっても、監査の中でこれは免責だ、こういうことはあり得ない、こういうぐあいに理解してよろしいわけでございますね。
  245. 左近友三郎

    ○左近政府委員 そのように運用いたしたいというふうに考えております。
  246. 横手文雄

    ○横手委員 次に倒産防止共済法について、法案の内容並びに関連をすることについてお伺いを申し上げます。  まず私は最初に、最近における中小企業の倒産の動向がどうなっておりますかということをお尋ねをいたします。
  247. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 中小企業の倒産は、負債金額一千万以上に限った統計で御説明を申し上げますが、その動向を見ますと、件数、負債金額ともに五十四年央までは、一年余りにわたりまして前年同月水準を下回る傾向が続いておりました。しかし、件数は五十四年の八月から、負債金額は六月から、それぞれ前年同月比増加に転じておりまして、その後も増加傾向をたどっております。特に年末以降は件数、負債金額ともに前年同月水準を大幅に上回っている次第でございます。その結果、件数の五十四年の累計は一万六千三件で、五十二年の一万八千四百四件に次ぐ史上第二位の記録となっております。また、負債金額につきましては、五十四年の累計は一兆九千四百九十八億円となり、史上四番目の水準となっております。
  248. 横手文雄

    ○横手委員 中小企業の問題、大変重要なことだと思います。  これも先ほど来触れられておることでございますが、本制度が発足をして二年間、加入件数、五十四年十二月現在で約二万件、全国四百五十万中山小企業者から見ればまだまだ少ない、こういう感じがいたしますが、このことについて一言お伺いを申し上げます。
  249. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 倒産防止共済制度の最新時点、つまり三月末の実績を申し上げますと、加入件数が二万千五百四十八件でございます。これを年度別で見ますと、五十三年度におきましては一万六一千七百三十八件、五十四年度では四千八百十件となっております。  御指摘のとおり、中小企業者の数は膨大なものでございますが、その間にあってわずか二万件程度しか加入していないという点におきましては、まだまだ努力が足りないと考えているわけでございます。しかしながら、制度発足わずか二年でございます。また、年度間の加入目標件数も先ほど来御議論がございますように年間十万と設定しておりまして、膨大な数の中小企業者が直ちにこの制度に加入するとは私ども予想はしていないわけでございます。しかしながら、今後の制度改正あるいはそれを踏まえての普及促進、加入促進によりまして、この制度がより魅力を持ったものとしまして中小企業者に歓迎されることを期待しているわけでございます。  なお、加入者は二万一千件強でございますが、この二年間の共済金の貸付状況について見ますと、昭和五十五年三月末現在で二千七百三十一件、金額にしますと百二十一億八千万円余に上っておりまして、本制度は、取引先企業の倒産に遭遇しました中小企業者の連鎖倒産の防止に貢献しているものと考えている次第でございます。
  250. 横手文雄

    ○横手委員 今回の改正によって掛金がふえる、それに伴って共済金の貸付限度額もふえて、さらに掛金の期間も短くなっておる。これは業界の意向を体してこれにこたえた、こういうことであろうというぐあいに思うわけでございますが、しかし、業界や関係団体の中にはせめて限度額が三千万ぐらいまでになぜならなかったのだろうか、こういう意見がございます。さらに強い意見として、据え置き期間がせめて一年ということになぜならなかったのだろうかと、つまり半年の据え置き期間では、新しい取引先を探したり、あるいはまた新しい取引先の注文に応じるための設備、技術の改良には大変無理だ、こういうような立場から、せめて一年据え置き期間、こういうぐあいに言われておりますが、これらの要望に対して御意見を聞かしていただきたいと思います。
  251. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 まず、最初の御質問にお答え申し上げます。  共済金の貸し付けを二千百万とするわけでございますが、これは、取引先企業の倒産によりまして生ずる回収困難額が二千万円程度以下の中小企業者の数が九〇%程度と見込んでいるわけでございます。繰り返しになりますけれども、回収困難額に対しまして、この制度によりまして中小企業者の数で九〇%程度が救済されるというところに目標を置いているわけでございます。そこで、この二千百万円が妥当かどうかという議論でございますが、制度発足以降のいろいろな統計数字から見ますと、二千万円程度にすれば九割がカバーできるという実証ができるわけでございます。そういう意味で、二千百万という数字を設定したわけでございます。もっと多額の貸付規模をという御希望があることは承知しておりますけれども、統計上からもそれでほぼ十分だという判断と、もう一つは、貸付金額を増加させますと、返済金額もそれに応じてふえざるを得ないわけでございます。償還額が多くなることに伴いまして償還事故、つまり返済事故がふえますと、この共済制度の運営に支障を来すものと考えられますので、現状におきましてはこの二千百万で何とかしのげるものではないか、このように考えるわけでございます。  それから、第二番目の御質問の返済は、現在五年ということになっております。据え置き半年でございますが、その据え置きの期間を一年に、こういう御要望でございますけれども、私どもいろいろ計算をいたしまして、返済金もこの共済制度の運用のために必要な資金というように計算をしておるわけでございますので、据え置き期間が半年から一年に延びるということは、現状におきましては共済収支に悪い影響、つまりマイナスの影響を与えるものと考えておりまして、当面はこの期間でやってまいりたいと考えておるわけでございます。
  252. 横手文雄

    ○横手委員 事業団の方から見ればそういうことになるのでございましょうが、中小企業の皆さん方――先ほど来の答弁の中で、世界に類のない制度でありますということで胸を張っておられるわけでありますし、出しておられるこのパンフレットの中にも大変喜んでおられる事例がたくさんあるわけでございます。収支も大変大事なことでございましょうけれども、ここまで来たのであるとするならば、中小企業が不渡りをもらった、その見返りとしてお金を借りてもそれだけでいくわけではない、次の取引先を見つけていかなければならないし、技術あるいは設備の改善も行っていかなければならないのだ、こういう精神的にも、また技術的にも資金的にも非常に苦労をされるわけでございます。そういった人たちから、せめて一年、そうしたらもりとりつばに立ち直れるんだという強い要請があるわけでございますので、そういったものにこたえてあげるのがまた政治の基本姿勢ではないかと考えますが、いかがですか。
  253. 左近友三郎

    ○左近政府委員 この貸し付けの制度の内容につきましては、中小企業の方々のなるべく御納得のいくような制度が必要であることは事実でございますが、いま担当部長も申し上げましたように、そこをよくすればまた全体の経理に響いてくる、全体の経理に響きますと、今度創設いたしました完済手当金をどれだけ出すかというところの選択ということにも相なります。したがいまして、これは全体の共済の経理とも関係をいたしますし、実はこれについては法律で五年ごとにそういう実態を踏まえて見直せということになっておりますので、われわれといたしましては今後そういう点は十分検討させていただきたいと思いますが、とりあえず今回はいろいろな御要望の中で一番要望が強くて、かつ現在の経理状態の中で何とかやれるものを選んで、大きく言って三点の改正を準備したわけでございます。したがいまして、中小企業の方々の御要望はその他にもいろいろあるわけでございますので、そういう点については今後経理の実態を踏まえて、見直しの時期もございますので、そういう点でわれわれも制度の改善を長期的に図ってまいりたいと考えております。
  254. 横手文雄

    ○横手委員 将来的にはそういったことの検討の余地があるということでございますので、私どもの方としてもまた具体的な御提案も申し上げていきたいと考えるわけであります。  次に、この制度は、取引先が倒産をし、受取手形が不渡りになったというときに適用されるわけでありますが、その際に、「「倒産」とは」ということで解説がなされておるわけでございますが、法的に認められた手形交換所以外のものはこの対象にならないということを現地の方で聞いたわけでございます。しかし、事務局の方に聞いてみますと、そうではないというような返事でございますが、ここに出されておりますパンフレットを見ますと、そのように書いてあるわけでございます。もしこのとおりであるとするならば、手持ちの手形が不渡りになってもこの対象にはならない、こんなことになるし、大変不合理であると思うわけでありますが、ここらについてお聞かせをいただきたいと思います。
  255. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 本制度の対象といたしまして、共済貸し付けの対象にいたしておりますのは売掛金債権ということになっておりまして、売掛金債権は必ずしも手形でなくてもいいわけでございます。先ほど御質問の手形交換所がない場合あるいは手形交換所が存在しましても不渡りを公表しない地域がございます。そういう地域につきましてこの制度をどう適用していくか、いろいろ検討したわけでございますが、私ども運用といたしまして、交換所がない場合あるいはあっても公表しないような場合には、たとえて申しますと金融機関の不渡りの証明等があれば対象にする、こういう弾力的な運用をしているわけでございます。
  256. 横手文雄

    ○横手委員 そうしますと、手持ちの手形あるいは手形になっていなくても売掛金として明らかに証明されるものについては適用される、こういうことでございますか。
  257. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 本制度におきましては、原則として、貸付対象は手形被害に限らず一般の売掛金債権を対象としているものでございます。そういう意味で、手形被害に限らず、もう少し広く被害を取り上げているということでございます。
  258. 横手文雄

    ○横手委員 そうしますと、先ほどもこのパンフレットのことで多少指摘がございましたけれども、これはパンフレットは変えていただかないと、このことについては注一、注二でそういうことが明示されておりますので、ちょっとそういうことにはとれないのじゃないかという気がするわけでございます。そういう運用になっておるのなら説明書なんかについてもきちっと変えていかなければいけないのじゃないですか。
  259. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 ただいまの御質問の対象になったと思われます案件は、この制度が発足しました当時認められておりました特例前納制度に基づく貸し付けの問題であったかと思います。この特例前納制度によりまして共済貸し付けを行います場合にはその対象を限定しておりまして、割引手形被害に限っていたわけでございます。ところが、特例以外に、一般制度におきましては、割引手形被害に限らず、もう少し広く売掛金債権という形でとらえておりますので、現時点におきましては御質問のような御心配はなくなっていると考えるわけでございます。
  260. 横手文雄

    ○横手委員 よくわかりました。ただ、パンフレットを見ますとそういう印象があります。私も、あるところでこれはきわめて不合理なんですというようなことを聞きまして、パンフレットを見たらなるほどそういう解釈になるわけです。実際はすべての売掛金に適用しますよということであればそういった点の徹底を欠かれているのじゃないか、こんな気がします。少なくとも先ほど来一生懸命になってこの制度を拡大していきます、いろいろな団体を使いますと言われているのですから、一面まことに不合理なんだという言葉が聞かれるのは大変残念なことだと思いますので、ひとつ気をつけてやっていただきたいと思う次第であります。そういった意味で、先ほどの指摘もあわせてPRに多少親切味がないような感じがします。そういうことと同時に、内容を含めてこの制度のPRの不足が感じられ、そのことがまた思いどおり加入者がふえてこないことにつながっているのではないかということを御指摘申し上げておきたいと思います。  さらに、加入促進の手だての一つとして前納制度が大変有効であったということがいろいろなところで聞かれるわけでございまして、これの復活がなされていないのは大変残念に思うわけでございますが、先ほど皆さんが触れられておりますけれども、私も確認の意味でそのことについて御質問申し上げたいと思います。
  261. 左近友三郎

    ○左近政府委員 特例一括前納制度につきましては、先ほどからしばしば申し上げておりますように、制度発足時に限った、一年間の、本当の緊急避難的な措置としてこの法律が認めておったものでございますので、われわれといたしましてはこれを復活するというのははなはだむずかしいというふうに考えておるわけでございます。ただ、貸付金を満額貸してもらうのに非常に時間がかかる。たとえば、従来の制度でございますと、千二百万円を借りるのに五年かかるというのでは当座の間に合わないという中小企業者の方々の御意見はごもっともでございますので、今回は、これについては、毎月の掛金額を二万円から五万円というふうに非常に大きくいたしました。その結果、従来どおりの千二百万円を借りられる資格を得るためには二年で済むというふうな制度にもいたしました。二千百万円を借りる資格を得るにも三年半で到達するということで、従来の五年に比べまして非常に早い期間にそういう資格が得られるわけでございます。こういうことで中小企業の方々の御要望に沿いたいというように考えておるわけでございます。
  262. 横手文雄

    ○横手委員 この制度の健全な運営のためには、貸付金の債権管理が大変重要な問題だということは先ほどから述べられておるとおりでございまして、債権の管理体制がどうなっておるかということと、さらに今日の収支の均衡ということが、また新しく提案をされております完済手当金の具体的な実施の見通しの一つの柱になる、こういうぐあいに思いますので、その一連の動き、完済手当金はいつごろから発動できるか、収支がどこら辺まで来たときにこれを発動するのか、こういうことも含めて御答弁をお願いいたします。
  263. 廣瀬武夫

    ○廣瀬政府委員 最初の御質問の、貸付金の債権管理につきましてまず御説明を申し上げたいと思います。  事業団の債権管理体制といたしましては、五十五年度から新たに債権管理課を設置しまして、償還金の請求及び収納業務並びに償還遅滞となった債権の管理及び回収に当たらせることにしているわけでございます。また、共済事業団には東京以外に事務所がございませんので、債権管理につきましては商工会議所等の業務委託団体の協力が必要でございまして、貸し付けを受けた者の地域にある業務委託団体に債務者の実情の報告をさせ、これにより具体的な債権管理のための措置を講じることにしているわけでございます。なお、被貸付者に破産、和議その他の諸事情が生じ、取り立て債権につき法的な解決を要するものも多いと予想されますので、このような事態解決に関しましては弁護士の協力を得る体制をとることも考え、所要の予算措置を講じているところでございます。
  264. 左近友三郎

    ○左近政府委員 完済手当金の問題について御説明申し上げます。  完済手当金は、共済の会計が必要とする経費と実際に得られる収入というものを見込みまして決めるわけでございます。それで現在の時点で不明なのは、一つは借入金の規模がどの程度におさまるか、これは非常に加入者がふえますと、貸し付け原資を借入金でそう賄わなくても済むということがございます。もう一つは、貸し付けた貸付金の貸し倒れがどのくらい発生するかということが一つの要因になりますが、これも少し期間がたってみないとなかなか推測ができないというふうな二つの要素がございますので、現在の時点としてははっきりいつまでということは言えないわけでございます。ただ法律で、余裕財源が生じているときということが書いてございますが、われわれの解釈しておるところでは、現実に何か利益が出ないとやれないというふうには思っておりませんで、そういう必要な完済手当金を払っても将来の収支が均衡する見込みが出てきたときには、完済手当金をやってもいいというふうにわれわれは解釈しております。したがって、利益を出してから完済手当金をつくるというほどのことをわれわれは考えておるわけじゃなくて、将来の計算をして完済手当金を一定の比率支払っても何とかやっていけるということになれば、はっきり幾らにするということができると思います。したがいまして、五十八年度に完済者が出てまいりますので、その前に従来の実績をにらみながら幾らにするということを明らかにしたいと考えております。
  265. 横手文雄

    ○横手委員 この制度は、将来に向かっては貸し付け制度から保険制度へ発展をさせるべきじゃないかという気がするわけでございますけれども、将来的展望を含めてそうあるべきということをお考えになっておられるのかどうか、お聞かせをいただきたい。
  266. 左近友三郎

    ○左近政府委員 実はこの法律制定当時から、この倒産防止共済制度というのを保険制度にすべきではないか、あるいは保険制度と併用すべきではないかというようないろいろな御意見があったわけでございます。そういうこともございまして、法律に運営の実態に応じて五年ごとに見直すという条項が入ったのは、このことも一つの原因であろうというふうにわれわれは考えておるわけでございます。今回も保険制度の導入の可能性について検討したわけでございますけれども、現在の共済制度における事故の発生も相当多くなっておりますので、現在のような事故率でございますと、保険にいたしますと相当多額の保険料を、たとえ掛け捨てにいたしましても出さないと収支が合わないというふうな計算になっております。したがいまして、現在の時点では保険制度を取り入れることははなはだむずかしいということで、今回の改正の時点では見送ったわけでございますけれども、そういう法律制定当時の御趣旨もございますので、これはやはり絶えず検討を続けまして、見直しの時期もございますので、見直しの時期にそういう点の可能性を絶えず探って、必要があればそういう点の対策も考えていきたいというふうに考えておりますが、残念ながら今回の改正ではなかなか成案が得られなかったというのが現実でございます。
  267. 横手文雄

    ○横手委員 将来的展望として、法の制定のときからそういう趣旨であるとすれば、今後それを十分に検討課題にしていただきたいと思います。  私は、先般、四月一日でございましたか、中小企業事業団の設立に関する法案審議の際にも申し上げたのでございますが、事ほどさように中小企業は多くの問題を抱えておる。したがって、倒産をしたというときに救済をしてあげる、こういうことも大変大事なことでございますけれども、その原因といいましょうか、そういった倒産の要因を除去する、つまり中小企業の足腰を強くするという政策も大変重要なことであろうと思うわけであります。  そういった関連で、先般、四月二十四日に、公正取引委員会取引部と中小企業庁計画部は、中小企業に対する下請代金支払遅延等防止法等について通達を出されておるわけでございます。不当な値引き、不当な返品、不当な買いたたき、こういったものの規制を強化していく、あるいはこれら不当な値引き、返品、買いたたきについては積極的な規制を図り、関係職員に周知させ、一層の徹底を図る。このようなことが規制をされ、中小企業の皆さんにとっては大変力強いことだというぐあいに思うわけでございますが、ただ関係職員の皆さん方に周知徹底させるという通達だけでは、中小企業の取引改善、非常に弱い立場にある中小企業の皆さん方に政治が救いの手を差し伸べたといいましょうか、てこ入れをしてあげたということになかなかならない、実際に中小企業の人たちが、われらのために中小企業庁でここまでやっていただいたんだということが実感として私の手元にもあった、こういうのが大変親切な中小企業政策だと思うわけであります。この通達はまさに時を得たことであろうと思いますが、具体的にこれにどうやって花を咲かせていかれるのか、このことについてお伺いを申し上げます。
  268. 左近友三郎

    ○左近政府委員 いま御指摘のようにこの通達を出しましたが、これは内部の、つまり取り締まり機関が取り締まりをするときの準則でございますので、通達の一番正式なものは、私の方でございますと通産局とか、公取でありますと地方支分部局というような、実際の取り締まりに当たるところに出すわけでございますけれども、これはやはり広く知っていただいた方がいいということを考えておりまして、われわれの方からは親事業者の団体とかあるいは中小企業者の団体にもこういうことを決めたよということは連絡をしておるわけでございます。  さて、これをどういうふうに生かすかということでございますが、これは中小企業庁といたしましては地方の通産局にお願いをいたしまして、年間五十四年度では三万六千件、五十五年度の目標では四万件の書面調査というのをやっておりまして、その書面調査の結果また立入検査等々をやっておりまして、五十四年度は千八百件くらいの立入検査もやっておりますが、そういう具体的な調査、検査の過程でその基準に従ってチェックしてみるということを実施いたしまして、そうしてこういう事態に触れるならば下請代金遅延防止法の違反であるということで指摘をいたしたいということでございます。  なお、こういうことをやはり親企業の方々にも十分周知させるということが法の趣旨にも即することでございますので、実は昨年から下請問題についての周知徹底をする月間というのを設けまして、その月間内に大企業の下請関係の担当者を集めまして、こういう法律になっており、こういうことが問題ですよということを十分教育をするということを始めております。本年もその月間を開きまして、親事業者の担当職員にもこういうことをやれば法律違反になるということを十分徹底させるということをやりまして効果を上げていきたいというふうに考えております。
  269. 横手文雄

    ○横手委員 いつも申し上げることでございますが、政治は何を言うかということよりも、何をなすかということが大変大事なことであろうと思いますし、そういった意味で中小企業が、法律はあっても親企業に対してなかなか腹いっぱいのことが言えない、こういうような弱い立場にあるこれらの業界に対して、積極的な指導あるいはそういった法律違反があった場合に適切な、しかも姿勢を正した非常に強い指導なりをしていただき、それらの中小企業の救済、援助に当たるべきであるということを申し上げたいと思います。  私に与えられた時間はあと少しでございますので、以下三つの御質問を申し上げてそれぞれ御答弁をお願い申し上げたいと思います。本日のこの法案に直接関係のないこともあろうかと思いますが、時の話題としてお願いを申し上げます。  一つは、中小企業が輸入増によって倒産の危機に瀕しております。こういうことで、絹織物業の輸入規制の問題について各種団体からすでに通産省あるいは大臣のところにも陳情が行っておると思いますし、私のところも同様のものをいただいておるわけでございます。これに対する通産省としての見解、そして今後の対策について大臣に御質問を申し上げます。  それからいま一つ、これも前回の委員会で御指摘を申し上げ、適切な答弁はもらえなかったわけでございますけれども、中小企業救済というようなことも含めて現在、中小企業関係だけではございませんけれども、業種によって電気税の減免措置がとられておるわけであります。その中で、繊維産業を中心にいたしまして紙業界等に電気税の軽減措置が行われております。これは、来年度はこの法律が切れる、こういう法律でございますけれども、まだこれから検討がなされることでございましょうけれども、これらの制度については中小企業関係の皆さんは大変喜んでおられる制度でございますので、今後ともにこれを存続すべし、こういうぐあいに考えておりますけれども、いかがでございましょうか。  最後に、日本からのアクリル紡績糸の輸入をめぐってアメリカの業界といいましょうか、アメリカのITCが日本製アクリル紡績糸の対米輸出品に対してダンピング、クロという判定を下した。これに対して日本の業界は、これはまことにけしからぬということで、対抗策として米国の関税裁判所へ提訴を決定されたわけでございます。これに対する通産省のバックアップ態勢といいましょうか、そういった見解を含め、あるいはガットの中にありますアンチダンピング委員会に対する申し立ての問題、こういったことについて通産省の見解、大臣の見解をお聞かせをいただきたいということを申し上げて私の質問を終わります。
  270. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 私から一つ申し上げたいのは電気税の問題でございますけれども、これはお話しのように五十六年の五月末で一応期限が到来します。そこで、その延長問題でございますが、私どもといたしましては前向きの姿勢で関係方面と折衝いたしたいと考えております。  それから絹織物並びにダンピング問題に関しましては、それぞれの担当官から御説明申し上げたいと思います。
  271. 児玉清隆

    ○児玉(清)政府委員 補足説明をさせていただきます。  まず第一にアクリルのダンピングの問題でございますが、これにつきましては化繊業界におきましてアメリカの関税裁判所に提訴するという態度を決定いたしまして、期限であります五月九日までにその所要手続をとることになっているのは御存じのとおりでございます。これを踏まえまして政府といたしましてもガットの場におきまして言うべきところを十分言おうという腹構えでおるわけでございますが、前提になります業界側からの資料がまだ提出されておりませんので、その正式な資料を十分吟味いたしまして、言うべき根拠その他を全部整理をいたしまして、そして交渉方針を確立するということで今後この件について強力に対処してまいりたい、このように考えております。  それから第一の絹織物の関係で秩序ある輸入をやるということでございますが、この件につきましては、従来も相当強力な手段によりまして秩序ある輸入というものの確立に努力してまいっておりますけれども、この際、なお一層の内需の増進と、それから外国からの輸入の秩序化という両面から問題を処理していこうということで、きめの細かい対処措置を現在さらに検討をいたしております。したがいまして、この輸入の秩序化という問題につきましても、先ごろ来申し上げておりますように、絹業の発展のために輸入に関する相当きめの細かい措置をやるということと、さらに二国間協定の問題がございますので、これにつきましても極力その実情に即した数量に持っていきますための努力をやってまいりたい、このように考えております。
  272. 横手文雄

    ○横手委員 終わります。
  273. 塩川正十郎

    ○塩川委員長 これにて横手文雄君の質疑は終了いたしました。      ――――◇―――――
  274. 塩川正十郎

    ○塩川委員長 この際、内閣提出、中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案を議題といたします。  趣旨の説明を聴取いたします。佐々木通商産業大臣。
  275. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 中小企業等協同組合法等の一部を改正する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  わが国の中小企業等協同組合等は、中小企業者の公正な経済活動の機会の確保、その自主的な経済活動の促進にきわめて重要な役割りを果たしておりますが、最近における経済情勢の変化等により、現在、早急に対応すべき幾つかの重要な問題に直面しております。  すなわち火災共済協同組合が行う火災共済事業の事業範囲につき、最近の中小企業を取り巻く危険の多様化等に応じ、その拡大が要請されております。また組合活動の円滑化を図るため、事業協同組合等の役員選出方法として、従来の選挙制に加え選任制を認める必要性が高まっております。さらに永年にわたり活動をしていない、いわゆる休眠組合の増大にかんがみ、その整理をする必要があります。  この法律案は、以上の諸点につき検討を重ね、成案を得たものであります。  次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。  第一に、火災共済協同組合が行う火災共済事業につき、その事業範囲の拡大を行うこととしております。すなわち従来の火災共済事業に加え、いわゆる総合共済事業を行い得ることとするとともに、組合員の使用人及び組合員たる法人の役員も本共済事業を利用し得ることといたしております。  第二に、事業協同組合、商工組合等の組合運営の円滑化を図るため、役員の選出方法について、従来の選挙制に加えて選任制をとり得ることといたしております。  第三に、休眠組合の整理を行うことであります。すなわち、最後の登記をしてから十年を経過した中小企業等協同組合等は解散したものとみなすとともに、解散の命令の通知の特例を設ける等、今後の休眠組合の整理を円滑化するための措置を講ずることといたしております。  本法律案は、これらの事項について所要の措置を講ずるため、中小企業等協同組合法、輸出水産業の振興に関する法律、中小企業団体の組織に関する法律等関連諸法律について、それぞれ所要の改正を行うものであります。  以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同くださいますようお願い申し上げます。  以上でございます。
  276. 塩川正十郎

    ○塩川委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。  次回は、明七日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十四分散会