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1979-12-03 第90回国会 衆議院 予算委員会 1号 公式Web版

  1. 本国会召集日(昭和五十四年十一月二十六日)( 月曜日)(午前零時現在)における本委員は、次 のとおりである。    委員長 田村  元君   理事 小此木彦三郎君 理事 瓦   力君   理事 小宮山重四郎君 理事 渡辺美智雄君    理事 大出  俊君 理事 川俣健二郎君    理事 二見 伸明君 理事 寺前  巖君    理事 小沢 貞孝君       荒舩清十郎君   稻村左近四郎君       江崎 真澄君    奥野 誠亮君       海部 俊樹君    金子 一平君       倉成  正君    小山 長規君       始関 伊平君    塩崎  潤君       澁谷 直藏君    田中 龍夫君       根本龍太郎君    橋本龍太郎君       浜田 幸一君    藤尾 正行君       藤田 義光君    細田 吉藏君       松澤 雄藏君    村山 達雄君       阿部 助哉君    稲葉 誠一君       大原  亨君    川崎 寛治君       兒玉 末男君    野坂 浩賢君       八木  昇君    安井 吉典君       横路 孝弘君    岡本 富夫君       草川 昭三君    坂井 弘一君       正木 良明君    矢野 絢也君       工藤  晃君    不破 哲三君       松本 善明君    大内 啓伍君       岡田 正勝君    中野 寛成君 ――――――――――――――――――――― 昭和五十四年十二月三日(月曜日)     午前九時二分開議  出席委員    委員長 田村  元君   理事 小此木彦三郎君 理事 瓦   力君   理事 小宮山重四郎君 理事 村田敬次郎君    理事 渡辺美智雄君 理事 大出  俊君    理事 川俣健二郎君 理事 二見 伸明君    理事 寺前  巖君 理事 小沢 貞孝君       荒舩清十郎君   稻村左近四郎君       浦野 烋興君    江崎 真澄君       奥野 誠亮君    海部 俊樹君       金子 一平君    倉成  正君       小山 長規君    始関 伊平君       塩崎  潤君    澁谷 直藏君       田中 龍夫君    根本龍太郎君       橋本龍太郎君    藤井 勝志君       藤尾 正行君    細田 吉藏君       松澤 雄藏君    村山 達雄君       阿部 助哉君    稲葉 誠一君       大原  亨君    川崎 寛治君       兒玉 末男君    野坂 浩賢君       八木  昇君    安井 吉典君       横路 孝弘君    岡本 富夫君       草川 昭三君    坂井 弘一君       正木 良明君    工藤  晃君       中路 雅弘君    松本 善明君       大内 啓伍君    中野 寛成君       吉田 之久君  出席国務大臣         内閣総理大臣  大平 正芳君         法 務 大 臣 倉石 忠雄君         外 務 大 臣 大来佐武郎君         大 蔵 大 臣 竹下  登君         文 部 大 臣 谷垣 專一君         厚 生 大 臣 野呂 恭一君         農林水産大臣  武藤 嘉文君         通商産業大臣  佐々木義武君         運 輸 大 臣 地崎宇三郎君         郵 政 大 臣 大西 正男君         労 働 大 臣 藤波 孝生君         建 設 大 臣 渡辺 栄一君         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長         北海道開発庁長         官       後藤田正晴君         国 務 大 臣         (内閣官房長         官)      伊東 正義君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)         (沖繩開発庁長         官)      小渕 恵三君         国 務 大 臣         (行政管理庁長         官)      宇野 宗佑君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 久保田円次君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      正示啓次郎君         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      長田 裕二君         国 務 大 臣         (環境庁長官) 土屋 義彦君         国 務 大 臣         (国土庁長官) 園田 清充君  出席政府委員         内閣官房内閣審         議室長         兼内閣総理大臣         官房審議室長  清水  汪君         内閣法制局長官 角田禮次郎君         内閣法制局第一         部長      味村  治君         総理府人事局長 亀谷 礼次君         警察庁刑事局長 中平 和水君         行政管理庁行政         管理局長    加地 夏雄君         行政管理庁行政         監察局長    佐倉  尚君         北海道開発庁総         務監理官    大西 昭一君         防衛庁参事官  岡崎 久彦君         防衛庁参事官  佐々 淳行君         防衛庁参事官  多田 欣二君         防衛庁参事官  番匠 敦彦君         防衛庁長官官房         長       塩田  章君         防衛庁防衛局長 原   徹君         防衛庁装備局長 倉部 行雄君         経済企画庁調整         局長      井川  博君         経済企画庁国民         生活局長    小金 芳弘君         経済企画庁物価         局長      藤井 直樹君         経済企画庁総合         計画局長    白井 和徳君         科学技術庁長官         官房長     下邨 昭三君         国土庁長官官房         長       谷村 昭一君         法務省刑事局長 前田  宏君         法務省入国管理         局長      小杉 照夫君         外務大臣官房長 山崎 敏夫君         外務省アジア局         長       柳谷 謙介君         外務省アメリカ         局長      中島敏次郎君         外務省中近東ア         フリカ局長   千葉 一夫君         外務省経済局長 手島れい志君         外務省条約局長 伊達 宗起君         大蔵大臣官房長 松下 康雄君         大蔵省主計局長 田中  敬君         大蔵省主税局長 高橋  元君         大蔵省関税局長 米山 武政君         大蔵省国際金融         局長      加藤 隆司君         国税庁長官   磯邊 律男君         国税庁間税部長 小泉 忠之君         文部大臣官房長 宮地 貫一君         文部省初等中等         教育局長    諸澤 正道君         文部省大学局長 佐野文一郎君         文部省体育局長 柳川 覺治君         厚生大臣官房長 大和田 潔君         厚生省薬務局長 中野 徹雄君         厚生省社会局長 山下 眞臣君         農林水産大臣官         房長      渡邊 五郎君         農林水産省経済         局長      松浦  昭君         農林水産省農蚕         園芸局長    二瓶  博君         農林水産省畜産         局長      犬伏 孝治君         食糧庁長官   松本 作衞君         林野庁長官   須藤 徹男君         通商産業大臣官         房長      藤原 一郎君         通商産業省通商         政策局長    宮本 四郎君         通商産業省貿易         局長      花岡 宗助君         通商産業省産業         政策局長    矢野俊比古君         工業技術院長  石坂 誠一君         資源エネルギー         庁長官     森山 信吾君         資源エネルギー         庁石油部長   神谷 和男君         資源エネルギー         庁公益事業部長 安田 佳三君         運輸大臣官房長 杉浦 喬也君         運輸省船員局長 山元伊佐久君         運輸省鉄道監督         局長      山地  進君         郵政大臣官房長 小山 森也君         郵政大臣官房電         気通信監理官  寺島 角夫君         郵政大臣官房電         気通信監理官  神保 健二君         労働大臣官房長 谷口 隆志君         労働省職業安定         局長      関  英夫君         建設大臣官房長 丸山 良仁君         建設省都市局長 小林 幸雄君         建設省道路局長 山根  孟君         建設省住宅局長 関口  洋君         自治大臣官房長 石見 隆三君         自治省行政局長 砂子田 隆君         自治省財政局長 土屋 佳照君  委員外の出席者         警察庁刑事局保         安部長     塩飽 得郎君         会計検査院事務         総局第三局長  肥後 昭一君         会計検査院事務         総局第五局長  小野光次郎君         参  考  人         (日本銀行総         裁)      森永貞一郎君         参  考  人         (国際電信電話         株式会社取締役         社長)     古池 信三君         参  考  人         (日本下水道事         業団理事長)  吉兼 三郎君         予算委員会調査         室長      三樹 秀夫君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月二十七日  辞任         補欠選任   浜田 幸一君     村田敬次郎君 同月二十九日  辞任         補欠選任   中野 寛成君     佐々木良作君 同日  辞任         補欠選任   佐々木良作君     中野 寛成君 十二月三日  辞任         補欠選任   塩崎  潤君     浦野 烋興君   藤田 義光君     藤井 勝志君   不破 哲三君     中路 雅弘君   岡田 正勝君     吉田 之久君 同日  辞任         補欠選任   浦野 烋興君     塩崎  潤君   藤井 勝志君     藤田 義光君   中路 雅弘君     不破 哲三君   吉田 之久君     岡田 正勝君     ――――――――――――― 十二月三日       村田敬次郎君  が理事に当選した。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の互選  国政調査承認要求に関する件  参考人出頭要求に関する件  予算の実施状況に関する件      ――――◇―――――
  2. 田村元

    ○田村委員長 これより会議を開きます。  まず、理事の選任の件についてお諮りいたします。  さきの第八十九回国会の本委員会において理事一名の指名を保留いたしておりましたので、この際、その選任を行いたいと存じますが、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 田村元

    ○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  それでは、委員長は、村田敬次郎君を理事に指名いたします。      ――――◇―――――
  4. 田村元

    ○田村委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  予算の実施状況に関する事項につきまして、議長に対し、国政調査の承認を求めることとし、その手続等については委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 田村元

    ○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。  直ちに委員長において所要の手続をとることといたします。      ――――◇―――――
  6. 田村元

    ○田村委員長 これより予算の実施状況に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、日本銀行並びに公団、事業団等いわゆる特殊法人から参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 田村元

    ○田村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ―――――――――――――
  8. 田村元

    ○田村委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小宮山重四郎君。
  9. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 質問に入る前に委員長にお願い申し上げたいのでございますけれども、去る十一月の三十日に大蔵省から発表されました「五十五年度財政事情の試算」を、本委員会に提出していただくことをお許しいただきたいと思っております。
  10. 竹下登

    ○竹下国務大臣 その資料につきましては、委員長の許可をいただきますならば、直ちに配付させていただきたいと思います。
  11. 田村元

    ○田村委員長 さよう手配いたします。
  12. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 まず、総理に政治姿勢についてお伺い申し上げたいと思います。  第二次大平内閣ができ上がったときに、総理は、各閣僚あるいは党員に、綱紀の粛正、行政改革、政治倫理の確立というものを大変強く要求されております。私たちも総選挙を通しまして、国民がこの点について強く要望しておることを感じております。総理は、この問題に取り組むことについては大変強い決意を持っておられるようでございますので、これからどのような措置をとられ、どのように進めていかれるか、その点についてまずお伺いいたしたいと思います。
  13. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 御指摘のように、いま国民の政治に対する要請は、政策の問題も大事でございますけれども、政治の姿勢、とりわけ綱紀の粛正、政治倫理の確立ということを強く求めておられます。このことは、過般の総選挙におきましても非常に鮮明にあらわれておるところだと私も判断をいたしております。  したがいまして、政府はその施策を始めるに当たりまして、政策以前の問題として、綱紀の粛正の問題、行政簡素化の問題をとりわけ重大と心得まして、まず政府自体がそれに取り組む姿勢を確立しなければならないと存じまして、組閣早々、各閣僚に具体的な指示をいたしますと同時に、各省庁におきまして、これを受けて実施の細目を決めて実行に移しておるところでございます。すなわち、役所におきまして予算の計上、執行を厳正にすること、勤務体制を厳正にしてまいること、それから公費をもってする招待、贈答等を廃止していくこと、その他一連の具体的な申し合わせを決めまして、いま鋭意実行に当たっておるところでございます。  第二は、政府関係機関、公社、公団、事業団等につきましては、すでに御案内のように不祥事件も出てまいっております。不正経理も明らかになってきております。これに対しましては、まず事態の究明を急ぎまして、責任者は厳正に処分してまいらなければなりませんし、またその予算の執行等は適正にいたしまして、国民の納得のいく処理をしなければならぬと考えております。  一方、行政整理でございますが、これにつきましては、年内に各省庁に計画を策定していただきまして、五十五年度はそのうちどれから実施してまいるかということについて、目下政府部内で検討を重ねておるところでございます。五十五年度予算案の姿でごらんをいただくように、御審議をいただくようになろうかと思いますけれども、いま鋭意その具体的な策定にかかっておるところでございますので、しばらく時間をかしていただきたいと思います。
  14. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 いま行政改革についても、これから予算の中である程度出していくというお話でございます。  それとは別に、総理は予算編成時期に当たり、重要課題、重要政策等々については、野党とある程度話していくようなニュアンスの発言を衆議院の本会議の中でもやられております。たとえば、野党の協力を得ることは、権力の延命や補強でなく、国民本位の政策遂行のため厳粛な手段である、自民党が安定多数を占めようと占めまいと、野党の協力を得ないで政策の円滑な実行はできないということをおっしゃられております。そうしますと、五十五年度予算の中で、総理はある程度野党とお話しになって予算編成をされるのか、あるいはこれらはでき上がってから、予算編成をしてから野党との協力を求めるのかという問題が残ってまいります。その点について、総理から一言御答弁をいただきたいと思っております。
  15. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 自由民主党が安定多数をいただいておろうとおるまいと、野党の協力を得なければその政策の円滑な実行がおぼつかないことはわれわれの経験上よく承知いたしておることでございますし、そういうラインで歴代の自由民主党内閣も野党との協力を保持することについて努力をしてまいったつもりでございます。  野党の協力を得る方法といたしまして、私はたびたび申し上げておりますように、当委員会を初めといたしまして国会におきまして論議されましたこと、それは一つの知識、情報といたしまして政府に蓄積されてあるわけでございまして、政府が予算案をつくる場合におきまして、国会における論議というものを踏まえて次年度以降の予算案にこれを生かしてまいるということは当然考えておるところでございまして、明年度の予算におきましてもその方針に変わりはないのでございます。  第二は、予算編成前に野党の代表者の方々とわが党並びに政府の担当閣僚との間で事前に野党側の御意見を十分拝聴する機会を持つということを従来もやってまいりましたが、ことしも当然そのことをやらなければならぬと考えておりますが、従来は大蔵大臣が野党の御意見を聞くという形をとっておりましたけれども、ことしはそうではなくて、自由民主党の政調会長を中心にお聞き取りをいただいて、大蔵大臣が陪席するという姿で念を入れてお願いしようと思っておるわけでございます。  そうしてでき上がりました予算案につきましては、当委員会で御審議をいただきまして早期の成立をお願いしなければならぬと思いますけれども、これはそれから先のことに、当委員会の運営に係ることになりますので、私どもといたしましては野党の協力が得られるような予算案の作案にできるだけの努力を重ねてまいること、そういう決意で当たっておりますことを御了承いただきたいと思います。
  16. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 特に、総理が目指しております行政改革等については大変むずかしいことでございます。一昨年、農林省から農林水産省に変えた場合に、北海道内の営林局の統合、局が支局になる、それから人員削減も行わない、ただ単に看板を変えたということであります。かつその上、特別会計に一般会計から四十億程度の金が入っていく。そういうようなものは実際言ってなかなか行政改革にならぬ。この行政改革などは特に野党の諸君に十分協力を得なければでき得ない。  あるいは、五十年の十二月に特殊法人を整理しようということで取り上げたオリンピック記念青少年総合センター、これなどはまだでき上がっていない。いろいろな議論が尽くされて五十三年に廃止することになっておりましたけれども、それも昨年衆議院を通りましたけれども、参議院では審議未了になっている。解散国会でも流れて、本国会で四たび目の提出でございます。非常に小さなオリンピック記念青少年総合センターでさえも四たび国会に提出して流れるということ。これから大きな行政改革をやろうというときに、相当勇断をもってやらなければなりません。  特に、予算書の中に行政改革の結果を入れていきますと、予算だけは通り本体だけは通らないというようなことになったら国民の期待に大変背くものであります。ぜひこの辺について、国民が期待いたしておるのでございますから、行政改革――ただ単に行政改革と言っても、それは言葉の上では簡単でございますけれども、この国会内で審議し、統廃合するということは大変むずかしいことでございます。もう一度総理の御所見を、かたい決意を聞いておきたいと思うのですけれども、よろしくお願いします。
  17. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 仰せのように行政改革は言うはやすく行うはかたいものであることは御指摘のとおりだと思います。したがって、この行革を進めてまいるに当たりましては、与党、野党を問わず全幅の御協力をお願いしなければ実効を上げ得ないことはもとよりでございますが、さらに広く国民一般の理解と協力を仰がなければならぬ性質のものだと考えております。幸いにいたしまして行革の問題はいまや国民の声、天の声にまでだんだんと固まってきておりまするし、われわれが行革に手をつけていく雰囲気はだんだん熟しつつあるように考えられるわけでございます。  したがって、政府の方もこれを実行するに当たりましては、いま仰せのように予算案との調和と申しますか、その点には十分注意いたしまして、片手落ちにならぬように配慮しなければならぬことはもとよりでございますけれども、何としても国民の期待する方向で、実のある前進を実現しないと申しわけないわけでございます。内閣も全員一致して強力に進めてまいるつもりでございますので、本委員会におきましても、われわれの熱心さをお認めいただきますならば十分の御協力を期待してやみません。
  18. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 総理に対しての政治姿勢等についてはこの辺にいたしまして、竹下大蔵大臣にお伺いしたいのでございますけれども、ただいま御配付いただきました、十一月三十日に閣議において報告されました五十五年度のフレームについてお伺いしたいのでございます。  予算編成直前に大蔵省がこのような試算を示したということは大変異例なことであります。そのお出しになった趣旨、目的について大蔵大臣から御説明を願いたいと思います。一〇竹下国務大臣 お答えいたします。  ただいま委員長の許可を得てお配りをいたしましたものは、五十五年度の財政事情についてその概要を説明するための試算であります。これは総体的な枠組みを示す試算でありまして、予算の具体的な査定内容を積み上げたものではありません。これによって五十五年度の財政事情がきわめて厳しい状態にあることについて十分に御理解をいただける、その資料である、このように考えております。  したがいまして、これを閣議でもって閣議了解といたしましたのは、財政事情がきわめて厳しい状態にあるということをまず政府みずからがその認識の上に立たなければならない、こういう意味において閣議了解事項といたしたわけであります。
  19. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 この試算を見ますと、五十五年度のケースAとケースBがございます。この試算表を見まして一番感じますことは、ケースAというのが一番最低限でケースBが上限と見てよろしいのでございましょうか。
  20. 竹下登

    ○竹下国務大臣 大体そのように御理解いただいて結構だと思います。
  21. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 そうすると、このケースAで見ますと、明年度の税収は本年度当初見込みの二十一兆四千八百億のものが約四兆五千億ほど増加するわけであります。それで二十六兆ということで、この計算の根拠は何であったのか、これが第一点。  第二点は、本年度はいわゆる税収の見込みが相当伸びがよい、いわゆる自然増が相当量あったと見込んでいるのか。世上伝えられているように、今年度二兆円の自然増収があるとすれば、二十一兆ですから、あと二兆足しますと二十三兆五千億になり、その一〇%増しが二十六兆になったと考えてよろしいのでございましょうか。
  22. 竹下登

    ○竹下国務大臣 いま小宮山委員御質問のとおり、この試算は、まず公債発行額を一兆円減額するということを前提として、それでいまおっしゃいましたようにケースA、ケースBというものでお示しを申し上げたものであります。その中で、四兆五千百億円というものを来年度のフレーム試算の自然増収としておることについての根拠の問題であります。五十四年度の自然増収がおおむね一兆九千億というふうに今日見込んでおるわけであります。したがいまして、それのもとにおきまして、今日まだ経済企画庁等との来年度の経済見通しについての詰めはいま検討中という段階にございますが、政府の持っております各種諸指標でございますとか、あるいはそれぞれ法人等の聞き取り調査、そうしたものを根拠にして見込んだものであります。
  23. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 当然このケースAの場合、こういう予算編成をするとなれば――これは経済企画庁にお聞きしておきたいのですけれども、三十日のある新聞に来年度の経済成長率等々が書いてあります。そういうことは大蔵、経企両省間である程度お話し合いになって、ケースAの場合にはどのくらいのことが見込めるのか、おわかりになればお知らせいただきたいと思います。
  24. 正示啓次郎

    ○正示国務大臣 ただいま大蔵大臣からお答えがありましたように、この試算は、一兆円の、あるいは一兆円以上の国債を減らすということが主眼でございまして、それには自然増収はどのくらいになるかということをどうしてもめどをつけなければならぬ、こういう観点から出されたように承知をいたしております。本年度の自然増収一兆九千億円、来年度四兆五千億円、そのところに主眼があるようでございます。  仰せのとおり、来年度の予算の全体及び経済の全体像、これは相互に非常に関連が深うございまして、予算の全体が決まりますときはもちろん経済の全体についても見通しを立てまして、それに基づく歳入歳出のあり方、こういうふうなことで相互に十分連絡をとってやらなければならぬことは仰せのとおりでございます。しかし、いま申し上げたように、この試算のねらいは、とりあえず一兆円の国債を減らすというところに主眼がございますので、私どもといたしましては、自然増収の見方を中心につくられたものと承知をいたしておりまして、これから始まる五十五年度の予算全体の折衝過程と申しますか、編成過程において財政、金融、経済全般を見た見通しというものをせっかくつくり上げることにただいま努力をいたしておる、こういう段階でございます。
  25. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 そうしますと、大蔵省自身がケースA、Bそれぞれについては、まだ経済企画庁とお話しにならないで、経済成長率、物価の上昇等等についてはまだ十分な試算ができていないと理解してよろしいのではないかと思いますけれども、よろしいのでございますか。
  26. 正示啓次郎

    ○正示国務大臣 全般的にはこれから折衝し、固めていくわけでございますが、ただ一言申し上げますと、御案内のように、今日の卸売物価の非常な騰貴状況、これには日本経済全体の対外的信用ということが大きく関係しておることは申し上げるまでもございません。そこで、財政当局が来年度は何としても一兆円の国債の減額をするというふうな骨組みをお示しになったということは、これは経済に対して、日本の円の信用に対して大きな効果を持っておるものと考えております。そういうふうなことを柱にいたしまして、これから来年度の見通しを決めていきたい、かような考え方でございます。
  27. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 大体のことはわかりましたけれども、このケースAで見ますと、国債費、地方交付税というものを除いて一般歳出が一兆一千四百億、ケースBでいきますと、一兆七千億というような当然増の経費が出てまいります。一兆七千億のものは社会保障費、恩給費とか文教費とか給与改善費とか災害対策費等々いろいろなことで大体のことはわかるのでありますけれども、一兆一千四百億になりますと、その自然増、当然増というか、そういうものの内訳が十分わかりませんので、これを積算したケースAではどういうことを考えておったのか、ケースBではどのようなことを考えておったのか、御説明いただければありがたいと思います。
  28. 田中敬

    ○田中(敬)政府委員 御質問のケースBの場合の当然増と申しますものは、ただいま委員御指摘のような社会保障、恩給費等の増、平年度化増等積み上げたものでございますが、ケースAにおきます一兆一千億円と申しますのは、公債を一兆円減額し、来年度四兆五千億円余りの税の自然増収があるといたしますと、おのずから歳入総額が決まってまいります。その歳入総額から国債費と地方交付税の必要額を控除した残差が一兆一千億でございまして、その場合には当然増一兆七千億円をも賄い得ない形になるということをお示ししただけのものでございまして、一兆一千億円の場合の中身というものは積み上げたわけではございません。
  29. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 大体意味がわかりました。一兆円の公債を減額したことによって、歳入が自然増収を入れると二十六兆になる、その中で国債費、地方交付税はある程度算出できるから、その残が歳出になる。ですから、ケースBの当然増というのは、先ほど申しましたように社会保障費、恩給費とか文教費とか給与改善費、地方交付税特別会計などの利子補給とか災害対策あるいは参議院選挙、国勢調査等々の問題を含んで一兆七千億になったと理解してよろしいわけですか。
  30. 田中敬

    ○田中(敬)政府委員 委員御指摘のとおりでございます。
  31. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 そういたしますと、公共事業等の伸び率、社会福祉関係の予算はこのフレームの中ではどう考えておられるのか、お伺いいたしたいのであります。
  32. 田中敬

    ○田中(敬)政府委員 ケースBの場合の一兆七千億というものは、当然増という言葉が示しますとおりに、これは削減がほとんど困難な経費でございます。ケースBのような形で八千億円余の歳入増加を図らないとケースBの一兆七千億円の経費が賄い得ないといたしますと、それだけの歳入の確保が図られない限りは、この当然増経費を賄うために既定経費の削減を行って当然増経費を捻出するという形になってまいります。  そのように全体が非常にきつい中では、御指摘の公共事業の予算につきましては、私ども現時点では伸び率はゼロあるいはそれ以下に抑えざるを得ないというふうに考えております。また、社会保障関係費につきましては、たとえば年金の支給額が物価にスライドする、あるいは生活保護費につきましてその改善増を図るということは福祉の最低要件でございますので、これは既定経費を削っても何としても計上しなくてはならない。ただこのようなきつい財政事情にございますので、福祉といえども大幅な改善増は見込み得ないというふうに考えております。
  33. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 そうしますと、いろいろな削減をしなければいけない、補助金の整理についても、法律補助というのは八一・三%ほどあるように聞いておりますけれども、五十三年度は千四百二十二億円、五十四年度は千二百七億円ほど削減いたしました。制度の改廃、非常にむずかしいことはございますけれども、補助金等についても大幅な大なたをふるって整理をしていかなければならない、そうしませんと福祉等々いろいろなことができてこないと思いますけれども、その具体的な進め方についてお伺いいたしたい。いわゆる補助金の整理についていかなる手法をもってやっていかれるのか、その具体的な手法について御説明いただきたいと思います。
  34. 竹下登

    ○竹下国務大臣 ただいまの問題、まず基本的な考えでございますので、私からお答えをいたします。  小宮山さん御指摘のとおり、補助金が五十四年度予算で十二兆八千八百五十一億円、これは全体の三三・四%に当たるものであります。うち社会保障関係が三四%、文教、科学振興二一二%、公共事業二三%、それで三部門の計が大体八〇%。それからこれを法律補助と予算補助とに分けてみますと、これもまた大体八一・三%、大体同じぐらいになるわけであります。  したがいまして、たとえて申しますならば、この補助金の中で、先ほど主計局長も申しておりましたように、義務教育費国庫負担の問題でありますとか、あるいは生活保護の問題でありますとか、いわゆる一律削減等にはなじまないものがございます。しかしながら、まず五十五年度予算の査定の段階で、サマーレビュー等から今日継続しております見直し作業の中で削減、整理合理化していくものが一つあります。  それからもう一つは、私ども第二次大平内閣の初閣議のときに決定しました方針の中で、補助金の整理計画を策定するということになっております。この計画という問題につきましては、一律削減になじむなじまないという問題はそれぞれまた整理しなければならないところでございますけれども、年内にそれを策定するということになっておりますので、もとよりもうその奨励的意味を失ったもの等が削減の対象になるのは当然でございますけれども、政策的に奨励の意味を持つ補助金でありましても、ある終期を決めて、できるだけ整理合理化を図るための一つの措置として行っていこう。  それからいま一つは、団体補助等の中で一律削減になじむものがありはしないかということについては、なかなかむずかしい問題でございますけれども、いま鋭意その作業を進めておる、こういう段階であります。
  35. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 このケースBにおいて税収がケースAから八千四百億ほどふえる、これはやはり増税によらざるを得ないのだろうと思いますけれど、この辺についてはどんなことを考えているか、ちょっとお伺いしたいのでございます。たとえば法人税を三%ぐらい上げるとか印紙税を二倍にするとか、そういう税収の内容についてどういうふうにお考えになっておるか、お答えいただきたいと思います。
  36. 竹下登

    ○竹下国務大臣 総体的に申しますと、まず出るを制するという立場からいたしまして、いわゆる当然増経費も含め、これについて節減、合理化の方で努力をしていくということがまず第一点であります。  それでもなおかつどうしても不足する場合には、国民の皆さん方の理解と協力のもとに何らかの新しい財源措置を講じなければならないということであります。それを仮にもし税に負担を求める場合におきましては、いま作業しておりますのは、一つは租税特別措置の洗い直し等でございます。  いま小宮山委員は法人税とか印紙税とか、具体的な税目についての御発言でございましたが、それらのいかなる税目でもって国民の皆様方に御負担をいただくかということについては、いま政府の税制調査会等で審議が始まったばかりでありますので、その税目について申し上げる段階にはないというふうに御了解をいただきたいと思います。
  37. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 増税の中には高額給与所得者の給与所得控除の縮小とかいろいろあると思うのですけれど、総理は選挙前に低額所得者の課税のことをちらっと申されたことがあるやに聞いております。  所得が二、三百万の方に課税などはされないと思いますけれども、そういうことがあるのかないのか、なければ、はっきりいたしませんと言っていただければ国民も大変安心するのではないかと思います。
  38. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 選挙中の記者会見で、わが国の税制では低額所得のところの税負担は非常に軽くなっておりますということだけ申し上げたわけです。そこに税金をかけるなどということは申さなかったわけです。客観的に軽くなっているということは事実でございますが、私どもそういうところをねらっていま課税は考えておりません。
  39. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 予算の中でもまたひとつ大変問題になりますのはやはり所得税の問題であります。いま総理から低額所得者に対してはしないというような御発言をいただきまして、大変国民も一そういう心配がずいぶんございました。それがやはりある意味では選挙の得票にも影響したことは事実であろうと思います。  そして、そのほかに国家公務員の給与、また公務員数というか、そういうものがチープガバメントを目指す上には大変重要な問題であろうと思うのですけれども、これは行政管理庁なんでしょうか、この削減計画というものはどのようになっておるのでしょうか。
  40. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 明昭和五十五年度より第五次定員削減計画を推進していきたいと存じておりますが、その削減計画に従えば、おおむね三万七千六百人でございます。
  41. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 もう一つお伺いしておきたいことは、各省で特殊法人等十一以上のところは二つ、十以下のところは一つというようなことを漏れ承っておりますけれども、そのような基準で行政改革もおやりになる予定でございますか。
  42. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 今回の行革の柱は四つばかりございますが、そのうちの最重要課題といたしまして、特殊法人の整理統合を図りたい。特殊法人は百十一ございます。各省それぞれ持ち分がございましょうが、十以下のところは一つ以上、十一以上の法人を持っておるところは二つ以上、これをひとつ主務大臣の手元において十二分に検討して、来る十日までに出していただきたい。もちろん行管庁は十二分に資料を持っております。持っておりますが、やはり今回の組閣に際しましては、総理からじきじきに綱紀粛正と行財政改革に関する要請がございましたので、その趣旨を体しまして、各省庁においてみずから積極的にまず整理統合の案をつくっていただきたい、そういう趣旨でいま仰せのとおりの要請をいたしたところであります。
  43. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 行革の中でも、中央政府がそのようなことをやるのですけれども、地方公務員の数も大変多い。  後藤田自治大臣にお伺いしたいのですけれど、四十二年から五十三年まで、四十二年二百三十二万が五十三年で三百六万と、七十四万人の大変な増加が出ております。そのうち、三十七万人は警察とか消防とか教員とかという形で吸収されて、あと四十万人が純増になっておる。これがやはり地方財政を大変圧迫しておりますので、ぜひ――きょうの新聞にも、ラスパイレス指数が非常に高い。これは自治大臣として、今後地方自治体にやはり指導して、地方財政を軽減していく方向に向かわなければならぬと思うのですけれども、その辺についてぜひお答えをいただきたいと思っております。
  44. 後藤田正晴

    ○後藤田国務大臣 お答えを申し上げます。  小宮山さん御指摘のとおり、地方公務員の組織も人員も相当肥大化しております。したがいまして、この人員の縮減というのはここ数年非常な努力をしておる次第でございます。ただ、いまお話しの三百万という数は、地方公営企業関係も全部含めての数だと思います。  そこで、私どもとしては、年々縮減をしてもらう、同時にまた定員の増加もひとつ抑えていただこうということで努力をしておるのですが、その中身を見ますと、一般行政職等については福祉関係を除きましてやはり相当数縮減をしております。ただ、非常にふえておるのは、一般行政職では社会福祉関係でございます。それからもう一つは特別な関係で、御指摘にございました学校の先生、消防の職員、警察官、こういったものは国の法令によって基準が決められるわけでございます。そうしますと、地方団体はどうしてもその基準に合わして職員をふやさなければならぬ。こういうことになるものですから、一方で一般の行政職は減っておりますが、そういう面で非常にふえておるので、全体としては多少の増員の結果の数字が出るわけでございます。  したがって、自治省としましては、各地方団体にお願いをいたしまして、できるだけ人員の縮減を国家公務員の縮減に合わしてやってもらいたいということ、同時にまた、関係各省に対して人員増を来すような処置をひとつできるだけやめていただきたいというようなことを毎年お願いをしておるような次第でございますが、今後とも、こういう財政状態まことに厳しいときでございますので、一層定員の縮減、増加の抑制ということに努力をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
  45. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 行政改革あるいは来年度予算等々について、大変いろいろな疑問点が国民の中にございますけれども、きょうは日銀総裁も見えていらっしゃるので、円安というものも、なぜ円高にならぬのだろうか、大変不安に思っている方々が多い。原油の値上がりが十二ドル六十三セントから二十ドルになって、原油そのものの値上がりは五八・四%くらいでございますけれども、円安のために二倍以上の上がりになっている。これによって電力業界とか石油業界は大変な赤字を抱え込んでいる。最近は、日本はやはり石油に弱いということで、石油の値上がりが出れば円安になってくる、また経常収支が悪化してくるということが大変ささやかれ、またそれが神話になり始めてきたということを大変恐れております。  まず第一に、なぜ円安なんだということを国民にわかりやすく御説明していただきたいことと、この円安がやはりスペキュレートに向かってくる、ですから防止策は何があるんだというようなこともあわせてお伺いできればと思います。
  46. 森永貞一郎

    ○森永参考人 まず、本朝の為替相場を申し上げますと、二百四十九円七十銭でございまして、金曜日に比べて二十銭円安ということになっております。  このような円安傾向はこの二カ月ぐらい大変激しく起こっておるわけでございますが、その背景としては、何と申しましても日本の国際収支が一転してかなりの赤字に転じておるということ、特に石油の値上げの影響が重なってまいりまして、ここ四カ月ぐらいかなりの大きな規模での赤字が続いております。それともう一つは、資本収支の面で最近二、三カ月大幅な流出が続いておるわけでございます。  背景としてはそういう国際収支の状態があるわけでございますが、中には日本が石油に弱いというようなことからくる思惑的な取引もあるわけでございまして、私どもといたしましては、いまのこの円安は少し行き過ぎではないかというふうに考え、今後の成り行きを心配しておる次第でございます。  円安が直接重要物資の輸入価格に響きますし、また原材料価格の高騰を通じて卸売物価全般にも影響しておることは御承知のとおりでございまして、何とか早く円の為替相場が安定してほしいものと考えておるところでございます。  先週、大蔵省では資本の流出入に関する施策を中心にパッケージ的にいろいろな施策を講ぜられたのでございますが、すぐには効果が出ておりませんけれども、だんだんに効果も出てくるのではないか。また、輸出の方も徐々にではございますが増加してきておりますので、恐らくはいまが底ではないかというふうな感じでおるわけでございます。もちろん私どもといたしましては、余りにも行き過ぎた円安に対しましてはちゅうちょなくドルの売り介入で相場を静めることに努力しておるわけでございますが、今後もやはり為替相場の状況に即していろいろなことを考えていかなければならないのではないかと思っておる次第でございます。
  47. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 円安が長く続きますと、やはり卸売物価が大幅に上昇したり消費者物価が大変上がります。それはひいては預貯金の目減りであるし、賃上げの高率化になるだろうと思います。で、いろいろな説があります。マネーサプライを抑えろとかあるいは資本の流出を防ぐために金利を上げろというようなことを言っておりますけれども、アメリカが公定歩合が一二%、ちまたでは十二月には金利を上げるだろうといううわささえあります。この十二月の十七日にOPECの総会がございます。それもまた円安に拍車をかけやしないか。いま総裁は底だとおっしゃっていましたけれども、早く手を打ちませんと、やはり底が底にならない、もっと安くなるのではないかというように感じております。  それはそれといたしまして、これは通産大臣にお伺いいたしますけれども、通産大臣はIEAに十二月十日に御出席されるようであります。その後十七日にOPECの総会がある。これは一〇%-二〇%以上ぐらいの値上がりになるのではないかという、もっと上がるかもしれませんが、そういうようなことで、大変価格革命というようなことが四十九年以降行われ、かつ、その上来年度から、アメリカ系のメジャーが系列外に供給していた百四十万バレルを百万バレル削ってくるというようなことがございます。これはまたある意味では流通革命、いわゆる産油国とGGベース、DDベースでやらないと物ができなくなった。価格革命かつ流通革命という一つの大きな変革期に参りました。  まず、最近メジャー系が百万バレル削減することで来年の石油はどうなんだというようなことで、大変不安に思っております。それともう一つ、IEAでどのようなことを世界各国に表明する決意なのかお聞きいたしておきたいと思います。
  48. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 御承知のように、メジャーがわが国の非系列企業に対して大幅なカットをしてくることは事実でございます。しかし、本年度の下期では、十-十二月、第三・四半期、現在でございますけれども、大体七千万キロリッター程度の輸入は確保し得る見込みでございます。ただ五十五年度の一-三月、すなわち第四・四半期は、御承知のように産油国の生産水準がまだ不確定でございまして、はっきりした見通しは立ててございませんので、確実な輸入数量というものはまだ立ててございません。  それから、OPECの会議は御承知のように十七日にカラカスでやりますけれども、その前にパリでIEAの閣僚会議がございまして、私もお許しをいただければ出席しようかと思っておりますけれども、その趣旨は、石油の需要抑制策あるいは石油の輸入目標等が中心課題だろうと思います。そして、石油市場の安定化にどういうふうに対処しようかという点が主たるテーマだろうと思っています。
  49. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 残り時間が少なくなりましたが、通産大臣にお伺いしておきたいことは、来年の石油事情は大変厳しいと思っておるのです。かつ、イランとアメリカがあのような状況になっております。世界の経済、世界政治情勢というものも大変不安定になっております。日本は九九%外国の石油に頼っている国でございます。来年度は石油については絶対国民が安心していられるかどうか、安心していられるなら安心していられるということをはっきりここで申していただきたいのでございますけれども、よろしくお願いします。
  50. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 ただいま申しましたように、またお話しのように、流通の変革あるいは価格等非常な激変動を来しておる最中でございまして、来年度確実に安心だと言い切るのにはいささか尚早でございますけれども、しかし、わが国は備蓄が百日をただいま超しております。あるいは節約も予定に近い線でただいま実行をしつつございますし、海外からの供給源に関しましても、経済協力等を通じまして産油国との親交を深めつつ供給源の新しい確保を図りたいといったような方策等、あるいはスポットに対して、これは価格も御承知のように大変問題でございますけれども、数量といたしましてはスポットに回る比率が非常に多くなってきておりますので、そういう点等を考慮いたしまして、何としても需給がバランスとれるように行政を進めてまいりたいという考えでございます。
  51. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 本当に大丈夫なのか、はっきりしたお答えがないようなので、総理、どうでございましょうか、来年は体を張っても国民に供給する石油は確保するという明言をいただけませんでしょうか。
  52. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 ことしもこれまでのところほぼ予定どおり原油の確保には成功いたしております。これはできるかできないかということではなくて、しなければならぬことでございまして、全力を挙げて期待にこたえなければならぬと考えております。
  53. 小宮山重四郎

    ○小宮山委員 時間でございますので、これで私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
  54. 田村元

    ○田村委員長 これにて小宮山君の質疑は終了いたしました。  次に、安井吉典君。
  55. 安井吉典

    ○安井委員 私は、政治姿勢からまずお聞きしたいと思っておりましたが、日銀総裁の御都合もあるそうですから、そしてまた、いまちょうど小宮山委員から経済動向等の御質問もあって、私とダブる面もありますので、先に一つだけ伺っておきたいと思います。  もう少し経済動向の動き等について詳しく伺いたいところなのですが、それはひとつ省略いたしまして、公定歩合の引き上げの問題であります。  第三次公定歩合の引き上げは、例の政局空白のごたごたの中で、日銀だけが生きていたというような印象を与えるような一つの措置であったと思うのですが、預貯金金利の据え置きという問題はかなり問題を残しているように思います。そのことをどうお考えになっておられるかということが一つと、そして最近の経済変動に対して、第四次の公定歩合の引き上げは必至だという見方もあるわけなので、そのことについてのお考えもあわせて伺います。
  56. 森永貞一郎

    ○森永参考人 去る十一月の一日に第三次公定歩合の引き上げを決定し、翌日から実施いたしたわけでございます。さらに第四次を行うかどうかという御質問でございますが、目下のところ、この第三次引き上げの効果がいかに浸潤するかということを慎重に冷静に見きわめておるところでございまして、ただいまのところ第四次公定歩合の引き上げは考えておりません。すべて今後の事態の推移いかんによることではございますが、いまは考えておりません。  次に、預貯金金利についてのお尋ねでございますが、第三次の公定歩合引き上げに際しましては、大蔵大臣から預貯金についての発議がございませんでしたので、私どもといたしましても、そのように据え置くことにいたしまして推移いたしておるわけでございます。もともとこの預貯金の金利は公定歩合とは直接の関係はないわけでございまして、過去の事例に徴しましても、公定歩合の上げ下げに即して必ず預貯金金利を上げ下げしておるわけではございません。やはりそのときどきの経済情勢を考慮して預貯金をどうするかという問題を検討しなければならないわけでございまして、今般は大蔵大臣において預貯金金利に及ぼす必要がないという御判断を下されまして、それに私どもも従いまして今回はそれを見送っておるわけでございます。  将来どうするかという問題は、もっぱら今後の経済情勢の推移いかんによることと存じます。
  57. 安井吉典

    ○安井委員 もう公定歩合の引き上げの予告をきょう伺えるとは思っておりませんでしたけれども、しかし、きわめて激動を続ける経済状況の中でありますだけに、これから後、任期最後の御努力を期待しています。  まず、総理に伺いたいわけでありますが、このたび行われました解散、総選挙、それから特別国会の首班指名を中心としての国民不在の政局混迷、かれこれ二カ月に近い政治空白は、主権者である国民の激しい憤りを買っていると思います。この一連の動きの中で、野党の私たちにも批判がありますが、もちろん私たちも、いかなる事態にも有効に対応し得る十分な準備がなかった等、反省の余地があると思います。しかしそれにしても、大部分のこの責任というのは、政権党であり、常々責任政党と自称してこられました自由民主党にあるわけであり、とりわけ、自由民主党のトップリーダーである大平首相は、国民とそして歴史の批判を真っ向から受けてもらわなければならないと思います。  総理は、全く必然性の、ない解散を行ったということではないかと思います。その解散による総選挙で、自民党が二百七十一議席以上の安定議席をかち取って、あわよくば一般消費税についてのコンセンサスまで得よう、そういう過信のもとに臨んだ選挙戦であったが、結果は、自民党を名のる当選者は過半数を割るという実態であったわけで、しかも引き続くあの混乱、だからいまにして思えば、一体あの解散、選挙というのは何であったかということを一番問い直しをしているのは、大平さん自身ではないかと私は思うのであります。この際、率直な反省の言葉をお聞きいたしたいと思います。
  58. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 過般の解散でございますが、私は、その前の解散時から三年近くの時日を経過いたしておりますし、経済界の方もようやく不況からの立ち直りが見られておりますので、この機会に解散をお願いいたしましても、国民にひどく御迷惑をかけるような時期でないと判断いたしたわけでございまして、あの時期に解散を決断いたしましたことは間違いではなかったといまなお考えております。  この結果をどのように受けとめるかでございますが、私どもが予想いたしましたようなことではなくて、大変厳しい批判をわが党に寄せられたわけでございますので、この国民の審判は厳しく受けとめて、心にとめて政局運営に当たらなければならぬと考えております。  この選挙後の政局にもたらした空白につきましては、安井さんも仰せになりますように、自由民主党が何と申しましても最大の責任を負わなければならぬと考えておりまするし、自由民主党におきましては総裁である私の責任でございますことは、申すまでもないことでございます。私といたしましては、大変国民と国会に御迷惑をかけましたことを深くおわび申し上げますとともに、この行政の停滞というような事態を速やかに取り戻すべく、いま鋭意努力をいたしておるところでございます。
  59. 安井吉典

    ○安井委員 いまさらあの解散は間違いでしたとはおっしゃらないと思いますけれども、いささか強弁に過ぎるいまの御答弁ではないかと思います。私は、明らかに必然性のない解散、間違いの解散と言わざるを得ないと思います。  ところで、選挙の結果にあらわれた有権者たる国民の意思というのは、明らかに大平首相に代表される自民党内閣に対する不信任ということではないかと思います。これは自民党の党内でもそういう意見がありました。そして国民の意思というのは、大平はだめだが福田ならいいというものでもないと私は思います。そういうふうには読めないわけであります。ところが事態は、二人の首班候補があらわれるというような状態になり、それが党内でしほり切れずに、国会の選挙の中で一つの党から二人の首班指名候補が出てくる、党内抗争の決着を国会の場でつけようという国会私物化というあり方、これは私はわが国の憲政に対する一大汚点だと言わなければならないと思います。  自民党大会における総裁の選挙というのは、通常、大変お金が動くというふうに言われています。しかし今度は、大会ではなしに国会での首班指名ということになりますと、これは公の選挙であり、公務員である国会議員が当たるわけであります。ですから、刑法百九十七条以下の収賄罪、贈賄罪ともなるし、旧刑法二百三十四条の賄賂投票の罪も、これも今日なお生きているわけです。ところが新聞や雑誌では、今度もポストで投票をつり、金をばらまいて多数工作が行われたというようなことが報道されているわけであります。このような事態。  さらにまた、最終の結果というのは、五百十一議席のうち自民党はロッキード被告団を含めて過半数を持っている。ところが、大平首相は決選投票で百三十八票での当選と、こうなったわけで、私は、国政の最高責任者としての大平総理の行政能力を云々する前に、与党である自民党に対するあなたのガバナビリティーを疑わなければならない、これはもうきわめて残念な事態だと思います。  そういう中でこの第二次大平内閣がスタートするわけでありますが、いまもお話がありましたけれども、私がいま申し上げましたような事態に対して、新しい八〇年代の政治を本気で、しかも自信を持って展開をしていくというお心構えができているのかどうか、それを伺います。
  60. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 先般の総選挙後の事態の収拾でございますが、自由民主党がその党内民主主義の力量において問題を秩序正しく解決できなかったことは返す返すも残念でございまして、その責任は挙げて総裁である私にありますることは、本会議でも申し述べたとおりでございます。こういうことを繰り返さないように、これから厳重に戒めていかなければならぬと決意をいたしておるところでございます。  第二に、これから先のまさに迎えようとする八〇年代に臨む決意でございますが、これはたびたび所信の表明を通じて明らかにいたしておるところでございますが、八〇年代、いろいろ不安定要因、制約要因が重なってくることが予想されますけれども、しかし恐らく幅広い国際化時代が進むことでございましょうし、地方の時代も進むことでございましょうし、広く深く文化の時代が予想されるわけでございます。  そういう時代に政治としての対応力を発揮しなければなりませんので、この段階で私どもが用意しなければならぬことは、この八〇年代の激変に対応するだけの主体的な用意をしておかなければならぬ。財政再建もその一つでございまするけれども、さらに、八〇年代の展望をできるだけ明らかにしながら、これに的確な対応をしてまいる用意をあらゆる行政分野にわたりまして丹念につくり上げていかなければならぬと考えておるわけでございまして、そういう心構えをもって八〇年代には対応をしてまいろうという決意でおるわけでございます。
  61. 安井吉典

    ○安井委員 それでは二、三具体的な問題について、大平内閣の政治姿勢をただしてまいりたいと思います。  今度の第二次大平内閣の閣僚人事で、適任者でない大臣が多いという批判があります。私は、その第一人者が倉石法務大臣ではないかと思います、失礼ですけれども。十一月九日の組閣後初の閣議の後の記者会見で、ロッキード裁判について、これに関係のあると言われる人とは懇意な仲だし、公明正大で青天白日になることを友人として念願しているということをお述べになったと言われています。  ロッキード事件は、今日の自民党の長期政権の中で培われた金権腐敗という構造の中にひときわ大きく咲いた黒い花というふうに私は思うのですが、その被告に近い友人を法務大臣に据えた大平総理の見識が私はまず疑われると思います。注意をしておいたと言うだけで済む問題ではないと思います。この問題はきょうだけで終わる問題でなしに、後まで尾を引く問題であります。私は率直に申し上げて大平総理に、法務大臣をほかの方に更迭してはどうかということ、そのことをまず申し上げたいと思います。
  62. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 倉石法務大臣の御発言でございますが、これは、裁判の公正を疑うような意図は全然含まれていないものと承知いたしておるわけでございます。しかしながら、法務大臣の御発言はあくまでも慎重であってほしいと願うわけでございまして、私から倉石大臣にその旨御注意申し上げておいたところでございます。倉石大臣も、安井さんも御承知のように練達、経験豊かな政治家でございまして、その点につきましては万万遺漏がないことと確信をいたしておるわけでございまして、法務大臣を更迭するというような考えは持っておりません。
  63. 安井吉典

    ○安井委員 私は、倉石さんの練達の士であるということやら、国会での長い経験やらを否定するものではありません。しかし、ロッキード事件というものがいま法廷で争われているときの法務大臣としては、適格ではないのではないかということを私はいま申し上げているわけです。  倉石法務大臣にも伺いたいわけでありますが、不用意な発言であったと、こう言われるわけでありますけれども、裁判そのものは行政から独立した司法権の発動で行われているにいたしましても、その裁判の中で公益を代表して被告の有罪性立証のために一生懸命やっているのは検察陣、それへの場合によっては最高の指揮権を発動し得る立場にいる法務大臣があのような発言をするということでは、一体どうなるのかとわれわれ言いたいわけであります。ですから私は、ほかのポストならとにかく、法務大臣ということでは適当ではないのではないかと、そういうことを言っているわけであります。  どうでしょうか。みずからこの際潔く進退を決せられてはどうかと思うのですが、どうでしょうか。
  64. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 去る十一月九日、私が法務大臣に就任いたしました直後の記者会見におきまして、ロッキード事件の裁判について感想を求められて申し述べましたことについて、いろいろと御批判を受け、世間をお騒がせいたす結果となりまして、恐縮いたしておる次第であります。  こういうことを申し述べましたのは、質問者から、法務大臣と現に進行中の裁判とは直接関係がないがという前提のもとに、個人的な感想あるいは印象といったものを尋ねられたわけでありまして、私としては、法務大臣の立場から具体的裁判について所見を申し述べる意図は毛頭ございませんでした、とにかく就任のその日のことでございますので。わが国においては三権分立の制度が確立いたしておりますし、裁判所には厳正中立にして公正無私の伝統がございます上、制度的にもおよそ法務大臣が現に係属中の事件について裁判所の判断を左右するようなことはできません。しかしながら、法の執行の最高責任者であります法務大臣として、国民の誤解を招くような発言をいたしましたことはまことに遺憾でありますし、反省いたしておるところでございます。  今後このようなことがないように十分注意してまいる所存でございますので、よろしく御了承願います。
  65. 安井吉典

    ○安井委員 その閣僚人事の問題について、稲葉委員から関連発言を求めておりますので、お許しください。
  66. 田村元

    ○田村委員長 稲葉誠一君。
  67. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 いまの倉石さんの答弁を聞いていましたのですが、そうすると、友人として青天白日の身でありたいとかなんとかということは冗談に言ったの。どうなんですか。あなたの本心なんですか、どうなんですか。
  68. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 別に私、予期した質問でもございませんでしたけれども、考えてみますと、同じようにこの国会で議席を並べておった人たちが多いのでありますから、そういうことについて、ただ友人としてそういうことが友情が出たということだけであります。
  69. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 ちょっとそこに立っていて。  私の言うのは、本心かと言っているのですよ。あなたの答えは、いま聞いていると冗談ではないでしょう。本心からそういうことが出たことなんでしょう。それだけ答えればいいですよ。
  70. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 長年の間一緒にこうやってまいりました同僚でありますので、気の毒だなという感じは持っておりました。
  71. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 それから法務大臣、ついでだから聞きますけれども、自民党のこの政治綱領の中に自主憲法の制定というのがあるでしょう、ありますね。あなたはその自主憲法の制定ということについてどういうふうにお考えなんですか。なぜ自民党では自主憲法の制定というのを党の綱領にしているというふうにあなたはお考えでしょうか。
  72. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 ただいまこの席でそういうことを発言いたすことはいかがかと思いますので、御遠慮いたします。
  73. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 何で御遠慮するのよ、あなたは。自民党の綱領に自主憲法の制定が書いてあるでしょうが。だからそれについてあなたはどういう考え方を持っているのかということを聞くのを、何が御遠慮しなければならないのよ。こっちは何もあなたの言葉の中で、それをひっかけてどうこうしようというつもりじゃないのだから。いや、こっちは素直に聞いているのだから、あなたそれは答えなさいよ。何で答えられないんだ、そんなことが。何を言っているんだ。
  74. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 ただいま私は法務大臣としてここに来ておりますので、党の綱領等につきましては、いまここで私がそれを代表してお答えいたす立場にはございません。
  75. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 総理大臣にお聞きをするわけですが、あなたが国家公安委員長を任命されたときに、この国家公安委員長の後藤田さんの派がどの程度の選挙違反を前に犯しておったかということは、どの程度御認識あったわけですか。
  76. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 過去におきまして後藤田派が相当規模の選挙違反があったということは承知いたしておりました。
  77. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 相当規模の選挙違反があったということですね。そうすると、それをやっていた方、それは後藤田さんの派の選挙違反でしょう、これは自民党のレベルとしてはレベル以下のものなんですか。
  78. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 相当規模のものでございまして、激しい政争の中の選挙違反でございまして、当時世間の注目も引いた経緯がありましたことは承知いたしておりました。
  79. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 資料によりますと、四十九年の参議院選挙のときに後藤田正晴派、買収二百七十一、五十一年の衆議院選挙、買収四十四、五十四年十月四日、買収十五、こうなっていますね。これは自民党としてはもうレベル以下なのかレベル以上なのか、ちょっとぼくはわかりませんけれどもね、こういう方が、国家公安委員長というのは選挙違反や何か取り締まるんでしょう、それとして、おかしいというふうにあなた自身はお考えにはならなかったのですか。国民はそれで納得するだろうか、こういう点についてあなたは意識をめぐらさなかったのですか。
  80. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 後藤田君御自身も、この選挙違反につきましてはだれよりも真摯に反省されておることでございまして、私は彼が自治大臣としてその識見と能力においてすぐれておるという、評価のもとに、そしてそういった事件についての深い真摯な反省を持たれておるということを心して任命することにいたしたわけでございます。
  81. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 この人は敵に回すとこわい人ですよ。だから味方にするとなかなか心強い人だね、後藤田正晴という人は。だけれどもぼくの聞いているのは、これだけの選挙違反をやっている人が、じゃ来年参議院選挙があるでしょう、そこで警察本部長を集めて訓示するわけだね。どういう訓示をするのだろう。あなたはどういう訓示をしたらいいと思います、国家公安委員長が。ちょっと待ってください。それを一体国民はどう受け取ります、あなた。どう国民が受け取るかということをぼくは聞いているんですよ。どうなんです。この人が有能な人であるということはぼくも認めるんだ。どうです。
  82. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 いま申し上げましたように、後藤田君御自身も深い真摯な反省を持たれて御就任を御承諾いただいておるわけでございますので、今後の行動をもって評価していただきたいものと思います。
  83. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 後藤田さんにお尋ねするのですが、あなたは国家公安委員長になってくれというふうに総理から言われたときに、自分の過去の選挙違反のことを考えて、それについて抵抗を感じなかったですか。ああうれしいと思ったのですか。これはどうなんですか。  それからもう一つ、選挙違反の取り締まりについて、今後あなたは国家公安委員長として訓示するわけだ。あなた一体どういう訓示をするの。国民はどうとります、それを。
  84. 後藤田正晴

    ○後藤田国務大臣 私の選挙違反についてただいま厳しい御指摘、御批判を受けておるわけでございますが、すべては私の不明、不徳のいたすところでございまして、大変申しわけない次第だと考えております。  私が組閣本部に招かれましたときには、実は私も御承知のとおり政治経歴が浅うございます。したがって、これは大変だなという印象を持って組閣本部に入ったわけでございますが、総理から、自治大臣、公安委員長、北海道長官を担当をするように、こういうお話を受けました。御承知のように、私自身長い間治安行政、地方行政両方に携わってきておるわけでございますので、そういった仕事であるならば、微力ではございますが、過去の経験等もございますし、私自身政治の場に入りましてからも、地方行政、治安行政というのはいわば私自身のライフワークだと心得て研さんはいたしておったつもりでございまするので、過去のそういったことの十分な厳しい反省の上に立ってお務めをするならば、何とかお務めができるのではなかろうか、こういうようなことでお引き受けをいたしたような次第でございます。  これからの選挙等の際につきましては、もちろん選挙取り締まりあるいは自治省が担当する全国区の選挙事務、こういったところは従来から公正な取り締まりあるいは選挙執行等をやっておりまするので、そういった点は今後とも堅持をして、私自身の厳しい反省の上に立って、微力でございますが、精進を続けてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
  85. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 私の聞いているのは、国民の皆さんが、あなたが国家公安委員長に就任することについてどういうふうに感ずるだろうか、このことについてあなたはどう考えたかということが第一点。その結果として――あなたは自治大臣としては有能なこと、これはぼくも認めますよ。だけれども、国家公安委員長としてはこの際無理ではないか、国民から見てこれは余りひどいではないかというふうに考えて、国家公安委員長の方は、あなたはみずからこれはいまでも辞退する気持ちはあるかないか、こういうことですよ。
  86. 後藤田正晴

    ○後藤田国務大臣 私も、私が国家公安委員長であるということについて厳しい御批判のあることはわかっております。それだけに、その点を踏まえて警察の管理運営について誤りのないように今後一生懸命に努力をしていきたい、かように考えているわけでございます。
  87. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 総理にお尋ねをいたしますが、田中角榮という人、この人とあなたとは非常に親しい間柄なんですか、あるいは親しい間柄なのか、単なる友人なのか、どっちなんでしょうかね。
  88. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 友人の一人です。
  89. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 友人――だからぼくの言うのは、非常に親しいというのと、親しいのと、友人と、三つの段階に分けたんだ。だからどっちだ。一番下ですか。
  90. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 大体普通の友人です。
  91. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 普通の友人、そういうことはよく言えますね、あなた。あなたクリスチャンでしょう。神に誓って本当のことを言わないといけないんじゃないですか。  じゃお尋ねしますけれども、そうすると、衆議院選挙が終わった後から今日まで、田中角榮氏から電話がいろいろあったこと、それからあなたの方から電話をかけたこと、こういうことはあるんですかないんですか。
  92. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 田中君との間には、たまに電話で話し合うこともございますが、そう頻繁ではございません。
  93. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 そんなことを聞いてないでしょう。ぼくの言うのは、総選挙が終わってから今日までの間に、田中さんからあなたに電話があったかなかったかと、こう聞いているんじゃないですか。また、あなたの方から電話をしたかどうかということ。はぐらかしちゃいかぬですよ。
  94. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 だから、そういうこともありました。
  95. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 あったというのは、一つは、あなたが十月七日投票日、あるいはその後の日曜か何かのときに、責任をとってやめようじゃないかという弱気になったことがある。そのときに、田中さんから激励か何かあって、それはやめろ、中央突破しろという意味の電話があったというふうに巷間伝えられている。それが一回。いいですか。それからもう一回は、組閣に関連をして電話があったということが伝えられている。いいですか。だから、あったというのだから、あった電話の内容を、いつごろ、どんなことに関連して田中さんから電話があったのかということを、これは国民は非常に疑惑を持ち、注視をしておるのですから、お答えを願いたい、こういうふうに思うわけですね。決して私ごとではないと思いますよ。
  96. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 私の進退について電話もございませんし、私が相談を持ちかけたことでもございません。そういうことは絶対にございません。それから、党内がいろいろ、総選挙後首班指名に至る経過におきましていろいろな経過がございました。それにつきましては、電話で話し合ったことが一、二回あったと思います。
  97. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 だから、閣僚の人事についても田中さんからあなたに話があったのじゃないですか。後藤田君の話にしろ、国家公安委員長にするとかなんとかという話も田中さんからの希望じゃないですか、竹下君の大蔵大臣も。竹下君だって、大蔵大臣になるつもりなかったのでしょう、あなた、行ってみて驚いちゃったというのだから。だから、そういう意味の話があったのじゃないのですか。具体的な名前を挙げるのは――いま挙げたけれども、それに関連してかあるいは関連しないかはとにかく、田中さんからどういう話が、電話があったのですか。
  98. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 閣僚の人選は私一人で判断し、決意はいたしておるわけでございまして、どなたからも容喙は受けていないわけ戸ございます。
  99. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 そんなことはあたりまえな話で、あなたの責任においてやるのは。田中さんから電話があったということをいまあなた言ったでしょう。どんな電話がだからあったかと、こういうことを聞いているのです。何の電話があったか、はっきりしてくださいよ。
  100. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 だから、組閣に関してのことではなくて、党内の状況が混迷をいたしておりました段階におきまして、一、二電話で話し合ったことがあると記憶いたしておりますけれども、組閣につきましての御注文があったとか、それに受け答えをいたしたとか、そういう経過は全然ございません。
  101. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 だから、組閣とかなんとかということを言うとあなたは逃げるから、限定しないですよ。党内の混迷のことについて、田中さんから一体どうして――党員じゃないのでしょう、あの人。党員ですか、ちょっとぼくはよく知らぬけれども。その人から一体何であなたに電話があって、あなたの方からまたかける必要があったのですか。それを国民はみんな知りたがっているわけですよ。だからぼくは聞くのです。なぜそういう必要があるのか。
  102. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 一々詳細に記憶いたしておりませんけれども、まあどういう状況かというようなことについて尋ねられたということはありましたし、それについて私が簡単にお答えしたことはございますけれども、田中君といろいろ相談をしてはかりごとを練ったというようなことは全然ございません。
  103. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 だれも相談をしてはかりごとを練ったとまで質問してないでしょうが、あなた。そういうのを語るに落ちると言うのよね。そんなことはぼくは聞いておらぬよまだ、後から聞くがもわからぬけれども。そんなことは聞いてないのに、先回りしてそういうことを言うのは、これを世間に言う語るに落ちたということなんですね。  それで、また話は別のことになるが、竹下さん、あなたは、何かよくわからぬけれども、税金の申告を、四十八年から五十年修正申告を出しておるということで、約五千万円の申告漏れが見つかった。その間の経緯を簡単でいいですから明らかにしてください。
  104. 竹下登

    ○竹下国務大臣 御指摘のとおり、これは私にとっては古くて新しい問題であります。四十八年、九年、五十年にわたる私の修正申告を、五十二年の三月十四日でございますかに完了いたしておることも事実であります。ただ、新しい問題と申しましたのは、この八月二十四日に一斉に新聞に報道されたという意味においては新しい問題であります。  経過を簡単に申し上げますと、記憶ははっきりしておりませんが昭和五十一年であります。知人から、政治資金などの整理不十分の点を見直して身の回りを十分整理すべきではないか、こういう忠告を受けましたので、したがって五十二年三月十四日、修正申告を完了したものでございます。  内容につきましては、講演料そしてまた政治活動に関連して受け取ったと考えられていたもののうち、必ずしもそうでなく私の個人に帰属すると考える方が適切なものがあったという認識のもとに、私の身辺の整理を行いました。  もう一つの理由は、三十九年に佐藤内閣の内閣官房副長官になりましてから四十九年十二月十日まで、三千六百八十日ほど総理官邸とこのハウスとを行ったり来たりしておって、確かに自分の身辺を整理する必要があった、そういう認識をしたからであります。
  105. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 そうすると、それはあなたが自主的に申告したものではないですね。この友人とはだれかは知りませんけれども、そこまではいいでしょう。自主的に申告したものではないということが一点と、それからもう一つ、その申告した内容というものは、国税庁だと守秘義務だと言って出さないでしょうから、あなた自身が政治家の倫理としてそれを公開をするという気持ちが当然あってしかるべきだと思いますね、大蔵大臣として。その点をお聞きいたします。
  106. 竹下登

    ○竹下国務大臣 友人からの指示があったとはいえ、私の自主的な申告であったと私は理解しております。そしてその内容につきましては、たとえば善意の第三者から私が個人的に金を借りておったものだ、これを政治資金とみなして整理すべきであるというようなことになりますと、私なりに善意の第三者に及ぼす関係がございますので、すべて私の責任の政治資金とみなすべきものの中に私自身に帰属すべきものがあった、こう判断をして修正申告をしたというふうに御理解をいただきたいと思います。
  107. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 それはわかりました。だから、友人から注意されたということですね。三年間というのは、これはあなたが友人から注意されたから三年間というのが出ているのでしょう。三年間というのは時効の終わる問題でしょう。それから私が言うのは、政治家の倫理としてこういうふうなものが出ているならば、しかも自主的にあなたが出したとおっしゃるならば、それを国民の前に公開をしたらいかがですか、その気持ちはありますか、ありませんかと聞いているんですよ。
  108. 竹下登

    ○竹下国務大臣 守秘義務が存する――私は大蔵大臣でありますけれども、個人の問題でございますから、私にそのことは判断をさせていただきたいと思うのでありますが、明瞭に雑所得として修正申告をいたしておりますので、その内容を一つ一つ洗い出すという作業が私にできますかどうですか、まだこの場で稲葉さんにはっきり内容について公表いたしますと言うだけの自信はございません。
  109. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 そんなことを聞いているのじゃなくて、あなたが申告書を税務署に出したでしょう、その申告書を公表するつもりはありませんかと、こう聞いているのですよ。
  110. 竹下登

    ○竹下国務大臣 申告書と申しますと、雑所得幾ら、何年と、こういうものでございますので、申告書を提出するというよりも、私がいまそれを整理して持ってきておりますものを、この場で読み上げさせていただいても結構だと思っております。
  111. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 それは後の時間にしてください。読み上げないで書類で出してくださいよ。申しわけないのだけれども、私、関連質問で時間がないものですから。  そこで、時間の関係もありますので、もう一つ別のことをお聞きしたいのですが、ことしの十一月二十六日に新自由クラブで全国幹事会というのがあった。そこで幹事長の田川誠一君の名前で討議資料というものが出ておる。どうして大平派を選んだかということの資料が出ているわけだ。  そこで、大平さんにお聞きしたいのだが、大平さんと新自由クラブとの間の政策合意というのは四点ある、十一月五日に。電話でやったのかどうか知りませんよ。これはいまでも生きているのですか、もう効力はないものですか。
  112. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 そういう方向で努力するという信義は、私として切実に感じております。
  113. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 この中の討議資料の2を見ますと、たとえば「大平政権の方が、まだましであるという理由」の中で、「「福田」の方には1政権をとった場合、右傾化が強くなってくる2「連合の時代」に対する認識がない3首班指名に対する私たちへの対応の中で、“金権”的な態度が露骨に現われていた。」こう書いてある。それから「自民党の一党支配は他の野党の静観によるもの」云々という中で「「大平」「福田」両陣営からの要請」ということが書いてある。「「福田」陣営からは、安倍晋太郎、井出一太郎、宇野宗佑、大石武一、村田敬次郎、坂本三十次らが接触を求めて来ました。「大平」陣営からは、田中六助、佐々木義武氏らでありました。このほか電話では、坊秀男、松野頼三氏らも「福田」を頼むと言って来ました。」こうある。あって、その中の最後のところに「それよりも、なによりも、びっくりしたのは、「大平」側を「田中金権」がついている、と非難しながらグラマン・ダグラス汚職の渦中にある松野頼三氏などが、」――「などが」というのですよ、「「福田首班」に動いていたり、「福田」側を選ぶ代りとして、あたかも物的反対給付を与えるかのような態度を示したことであります。」こう出ているわけです。これは公党が幹事会で配った公式の資料ですよ。  総理にお尋ねするのですけれども、こういうふうに総理大臣の選挙に対して「あたかも物的反対給付を与えるかのような態度を示した」、その前のところでは「首班指名に対する私たちへの対応の中で、“金権”的な態度が露骨に現われていた。」一体何を意味するかということは、賢明な総理もおわかりになられた、こう思うのです。だから私は、こういうようなことが公党の幹事長の名前で幹事会に報告として出ている以上、これについてこういう事実があったとすれば大変なことですから、いま安井先生がお聞きになったように刑法の問題にも関連するかもわからぬ非常に大きな問題ですね。これは総理・総裁として、あなた自身が当然、こういうような方々に対し一体どういう働きかけを新自由クラブにしたのか。その中に、いま言うような「物的反対給付を与えるかのような態度」をとったのか、だれが一体とったのか。松野頼三だけとは書いてない。「松野頼三氏などが」と書いてある。「などが」というのは、いま私が読み上げた人が入っているかもわからぬ。常識的に見て恐らく入っているのでしょう。これは大変大きな問題だと思うから、あなた自身が総理・総裁として当然内部においてこの事実を調べて、こういう事実があったならあった、なかったならなかった、新自由クラブの言うことはうそならうそだ、こういうことをはっきり国民の前に明らかにする義務が私はあると思う。それが政治倫理確立の第一歩であるというふうに私は考えるのですね。あなたは総裁として、あるいは総理としてどういうふうにお考えでしょう、また、どうするつもりでしょうか。
  114. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 新自由クラブに対しましてどういう工作があったかということは、私はよく承知いたしておりません。首班候補としての私といたしましては、四項目にわたる政策の話がございまして、おおむねわれわれが考えておる方向と一致いたしますので、そういう方向に最善の努力を惜しまないという努力約束をいたしただけでございまして、金銭的とかなんとかいう、そういうこととは何らかかわりはないわけでございます。  その他、どういう工作が行われたかということにつきましては、私は承知いたしておりません。しかし、首班指名ということは厳粛にやらなければならぬことでございますので、私は、そういうようなことは恐らくなかったのではないかと考えております。
  115. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 あなたがなかったと考えるのは、それはいいのですよ。しかし、討議資料として配ってある一党の公文書の中に、はっきり名前まで挙げてちゃんと書いてあるのだから。そして「松野頼三氏などが、」この「など」がまた大きな意味があると思うのだけれども、「あたかも物的反対給付を与えるかのような態度を示した」とこれに書いてあるじゃないですか。それで「“金権”的な態度が露骨に現われていた。」こう書いてあるのだから、あなた自身の責任において調べて、こういう事実があったならあった、なかったならなかったということを国民の前に明らかにするのがあなたの義務ではないでしょうか。政治倫理の確立を叫ぶなら、それはあなたとして当然やらなければならないことだと私は思いますよ。やる気があるのかないのか、どっちなんですか。ぼくは、あなたにあったということを言っているのではないんだ。そういうことを調べて国民の前に事実関係を明らかにする、そういう気持ちがあるのかないのかと聞いているのですよ。どっちなんですか。
  116. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 いま申しますように、首班選挙は厳正にやらなければならぬことと思うわけでございまして、そういうことは万々ないことだと思いますけれども、御指摘の点につきまして調査するということにつきましては、承りまして検討をしてみます。
  117. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 検討すべき問題ではありませんよ。これだけの文書があって、これだけの名前が出ているのです。その人の名誉のためにも、これは単に検討で済まさるべき問題ではないですよ。当然あなたが調べて、国民の前に明らかにするべきですよ。そんなことはあたりまえのことじゃないですか。それでなければ、これは一方的に福田派だけが悪くなっているのだ。新自由クラブがなぜ大平を選んだかという態度の弁明でもあるからそういうふうになっているのかもわからぬけれども、これは検討するだけではないですよ。調べますとなぜ言わないのですか、あなた。ヒルトンホテルに行ったのがそこにいるじゃないですか。あなた行ったでしょう、十一月二日か三日に。佐々木義武さんも行ったし……。まあ、あなたいいよ、あなたに聞いているんじゃないから。ここに宇野宗佑さんの名前も出てくる。だから、彼らが一体何をしたのか。しかも福田派というものが、こういうような形で福田派として出ているのだから、調べますと言いなさいよ。そして、国民の前に事実を明らかにしますと、あなたはなぜ言わないのだ。あたりまえではないか、そんなことは。また、それは言えないのですか、党内事情からいって。そんなことをしたら自民党が真っ二つに割れてしまうのか。そんなことよりも、国民の前にこの事実関係を明らかにする方が大事じゃないですか。どういうふうに考えるのですか、あなた。
  118. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 だから、承りましたから検討をしてみます。
  119. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 それでは、法務省の刑事局長に聞きますけれども、いまの中で、総理大臣の指名で国会議員があれの場合に、刑法の適用、贈収賄があることは、これはもうはっきりしている。そうすると、「あたかも物的反対給付を与えるかのような態度を示した」ということは、場合によれば、調べた結果これは賄賂の申し込みに当たるということも当然考えられてくるのではないですか。どうなんです、これは。調べてみなければわからないかもしらぬけれども、どうなんです、法務省は。法務大臣わかるかな。
  120. 前田宏

    ○前田(宏)政府委員 ただいま御指摘のような事実があったかどうか、私どもといたしましては承知していないわけでございますので、事実関係が不明確なことにつきましては、何ともお答えいたしかねる次第でございます。
  121. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 事実関係が不明確なのだけれども、不明確といっても、ここに書いてあるだろう。物的反対給付というのは何だ。それでは、もし物的反対給付を与える約束をしたり、申し込みをしたら、これは一体どうなるの。
  122. 前田宏

    ○前田(宏)政府委員 同じようなお答えで恐縮でございますが、まあ抽象的なあるいは一般的な法律論といたしましては、御意見のようなこともあるいはあろうかと思いますけれども、何分にも事実関係が不明確でございますし、仮にあったといたしましても、非常に微妙なことであろうと思いますので、何とも申し上げかねるわけでございます。
  123. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 それじゃ、この点に関連して一般国民から贈収賄罪の告発があれば、ちゃんと調べますか。
  124. 前田宏

    ○前田(宏)政府委員 犯罪の容疑があるということになりますれば、それなりの捜査をすることは当然でございます。
  125. 稲葉誠一

    ○稲葉(誠)委員 それじゃ時間が来たものですから、私は関連質問ですからこれ以上長くやってはいけませんので、これで質問を終わらせていただきますが、最後に総理、あなたの気にさわるかもわからぬけれども、国民の一つの声として新聞紙上に出た川柳があるのですよ。これをひとつあなたに献じたいと思うのです。あなた、気にさわるかもわからぬけれども、これは国民の一つの声だ。「あ-う-のねばりヨッシャにささへられ」こういう川柳が出ているのですよ。非常に意味が深いし、実にいいことを言っている、国民から見て本当のことを言っているというふうにぼくは思うのだけれども、あなた、うれしそうに笑っているけれども、どういうわけだい。人間というのは本当のことを言われると笑うものなんだよ。そうなんだよ。みんなそうなんだ。図星を指されると照れ笑いをするというのが日本人の特性です。あなたもまだそういう点の特性を十分に持っている。しかし、きょうは関連質問ですから、来年また対決することを楽しみにして、きょうの関連質問を終わります。(拍手)
  126. 安井吉典

    ○安井委員 いま、関連での稲葉委員の質問に、総理が調査の問題についてもお約束になったし、私は、警察庁も法務省も、いま提起された刑事事件として立件可能かどうかということについてやはりきちっとお調べをいただいて、国民の前に明らかにしていただきたいと思います。  いずれにしても、きょうの答弁では大平総理がまずおわびを始めて、各大臣次々におわび、おわびの連続で、まるでおわび内閣のような第二次大平内閣のスタートのように思います。後で水田の減反問題を取り上げれば、これは武藤農水大臣も必ずおわびをするのではないかと思います。ひとつ、国民の期待にしっかりこたえるようなスタートを切ってくれなければ困ると思います。  そこで次は、最近、鉄建公団や国際電電などの特殊法人あるいは日本発馬機等の不正、乱脈経営、そしてまた政府機関の中で空出張だとかやみ給与、大蔵省の飲み食い等々が続々暴露されて、まことに目に余るものがあります。もっとも、職員団体の合法的な労使交渉の結果と、公金の不正使用や特殊会社の抜け穴づくりとが一緒くたに扱われているということはこれは間違いで、この点ははっきり別々のものとして理解されなくてはならないわけでありますが、政府機関におけるこれらの綱紀の緩みというのは、やはり長年の一党独占の自民党政権の存在、特に最近における高度成長経済を背景にして機構が著しく肥大したこと等に原因があるのではないかと思いますので、私は、これは単なる訓示などで解決できるような問題じゃないと思う、やはり行政の機構に対する構造だとか仕組みにも抜本的なメスを入れるところまでいかなければ本当の解決にならないと思います。  きょうは余り問題が多過ぎて、たくさん取り上げるわけにはいきませんけれども、KDDの問題を一つ特徴的なものとして、大出委員が調べておりますので、関連して質問することをお許しいただきたいと思います。
  127. 田村元

    ○田村委員長 この際、大出君より関連質疑の申し出があります。稲葉誠一君同様、安井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。大出俊君。
  128. 大出俊

    ○大出委員 KDDの、いま安井委員から話が出ておりますこの問題についてしぼって承りたいと思っておるわけでありますが、発馬機の話も出ましたが、時間が残れば一番最後に一、二問承りたいのであります。  国際電信電話株式会社に関する法律の第九条では「会社は、郵政大臣がこの法律の定めるところに従い監督する。」と明文がございます。つまり監督権が政府にある、しかも郵政共済の金が一・九九%出されていますし、電電公社の出資が一〇%あるわけです、現に。だから当然予算委員会に御出席を願わなければならぬということで、古池会長兼今日の社長、さきの社長の板野氏、また社長室長の佐藤という人、当時の参与である保田という方、この四人の方のこの委員会への出席を私は理事会で求めましたが、どういうことか、どうしても困ると言う。理事会の妥協の産物が、現在なお現職であるからという理由で、古池会長兼社長並びに保田参与、いま総務部付でございますが、この二人にしてくれという自民党さんの言い分でございます。これは私は不納得でございまして、真ん中の方々二人については継続協議と、こういうことになっておりますけれども、私は、これは後からお諮りをいたしますが、委員長にこれは申し上げたいのすが、どうしてもやはり証人として来ていただかなければいかぬ性格だというように思っておりますから、後ほど質問をして、もう一遍提起をいたしますのでしかるべきお取り計らいを、ひとつ御判断をいただきたいと思います。  大変にこれは残念でございまして、主役のいない審議になる、こういうことになりそうであります。板野豊前社長、佐藤陽一前社長室長、初めからこれはもう困ると言う。これは筋が通らぬ。国民注視の的であるKDDに関する大変な不正、疑惑、政治家に絡む、官僚に絡むと言われるものについて中心の二人が初めからだめだというのはどういうわけだ。  そこへもってきて、さて妥協の産物、会長兼社長と、当時の参与保田重貞さんという方お二人にということになったら、今度は一日待たしたあげくの果てに、その翌日十一時過ぎに委員部に対して、お二人とも出席できない旨の通告があった。私は記者の諸君に聞かれて怒り狂ったんですけれども、それが伝わったかどうか知りませんけれども、午後一時過ぎたら、一遍お断りになった古池会長の方だけ出席をさしていただきますと言うてきた。こういう経過ですね。これは非常に不明朗な話であります。  参考人というのは、国民の権利として出席しないということはあり得ていいわけでありますけれども、事の性格上、機会さえ与えられれば積極的に出てきて解明に協力をする姿勢が古池会長以下にあってしかるべきだと私は思うのでありますが、その意味で、最初に、何で一体何時まで待ってくれ、待ってくれと言って、最初の日は午後七時まで私も委員部を通じて待たされた。あしたの朝の一番でお答えすると言っておいて、今度、一番どころじゃない、十時過ぎるから私は催促しろと委員部に言った。そうしたら、十一時過ぎに断ってきた。私は怒り狂って新聞記者に物を言っておったところが、一時過ぎに、どういう風の吹き回しか、改めて出てくるという御連絡、しかも会長お一人。大悪人の一人である保田重貞君は出てこない。これは一体どういうわけですか、答えてください。刷新委員会の責任者でしょう、あなたは。何が刷新だ。
  129. 古池信三

    ○古池参考人 お答えいたします。  委員部の方から予算委員会が開かれるから出席をしてもらえないかと、参考人としての出席の要請がございました。最初は、私は、すでに去る十一月二十六日の逓信委員会におきまして集中審議が行われ、五時間以上にわたってるる詳細に御答弁を申し上げてありまするから、予算委員会の方はできれば御遠慮をしたい、こういうことを申し上げましたが、さらに再度ぜひ出席をするように、こういう御要請がありましたから、それでは出席いたしましょうというので、きょう出席してまいった次第でございます。  なお同時に、わが社の参与をいたしております保田についてでございますが、保田は、実は数日前から私に対して非常に頭が痛くて大変だということを訴えておりました。それから、事実私が見るところでは非常に疲労こんぱいをしておりまして、精神的にもまことに不安定な状態でありましたので、これはかわいそうな状態だなと思っておりました。そこで、十一月三十日までは会社に出ておったことは私は確認をしておりますが、一日になって会社の事務の者が自宅の方へ連絡をしてみましたところが、さっぱり自宅に帰っていない。奥さんも心配をして、どこに行っているかわからないのでということで、心当たりを捜してみたのですが、いまにおいてわからない、連絡がとれない、こういう状態でございます。これは私事実をそのまま申し述べた次第でございますから、御了承いただきたい。
  130. 大出俊

    ○大出委員 これは社員であって、いま給料を払っていて居どころがわからぬ、ふざけた話がありますか。そんな無責任な社長が一体どこにありますか。保田君が気の毒だと言ったって、気の毒なのは国民です。こんなKDDのとんでもない不正を見せつけられて、その張本人の一人じゃないですか。そんなところへ同情するなら、あなた責任を果たしなさいよ。保田という人がうっかり出てくると何をしゃべるかわからぬ状況にあるんだ。読売新聞の会見を見てごらんなさい。あなたのところの秘書室長が質問をして、保田さんは、読売新聞に会見をして言ったことは私の言ったとおりのことを読売が書いていると答えているじゃないですか。私は行って調べたんだ。そんなことをここで言われたら、ぼろぼろぼろぼろ名前が出てくるから困るのでしょう。そういう大悪人を逃がしちゃいけませんよ。社会正義に欠ける。  ところで承りたいのだが、あなた自身だってすねに傷があるじゃないですか。私は新聞記事を見て、後で全部これを関税局を呼んできて聞いてみた。いいですか、この記事は、「東京税関は二十九日までに、“運び屋”二十数人を割り出した。」関税法の百十一条というのは無申告だ、百十条というのは過少申告の脱税だ。運んできて無申告、脱税で入った。KDDの方々ですよ、現に三人告発をされているが、それ以外に二十数人。「現行犯として東京地検へ関税法、物品税法違反などで告発された佐藤陽一前社長室長ら三人のほか、古池信三」あなたのことでしょう、ほかにはいないのだから。「古池信三会長兼社長も含まれている」、こう書いてありますよ。私は、これはつぼだけかと思ったのだけれども、つぼだけじゃなくて花びんもあるというんだ。  五十三年の秋、あなたは中国へおいでになった。参議院の卒業生、OBとして行ったのだ、こう言うのだけれども、会社の金を持っていったのでしょう。これは会社の出張じゃないですか。それで買ってきたのでしょう。これは全く無申告ですか、脱税ですか、どっちですか。お入りになったのでしょう。後になってあなたの証拠書類が出てきたでしょう。これは一体何を買ってきたのですか。会社に証拠書類が残っていれば会社の金でしょう。これは一体何ですか、答えてください。
  131. 古池信三

    ○古池参考人 お答えいたします。  最初の部分ですが、確かに佐藤前社長室長ほか二名が関税法違反その他で告発を受けました。同時に会社自体も告発を受けております。したがって、その捜査において若干の旧社長室の社員が事情聴取を受けたことも事実だと思います。  それから次に、私自身のことについて申し上げましょう。私は、昨年の十月だったと記憶しますが、参議院協会主催の第二次日中友好親善の訪問団の団長といたしまして、これは自民、社会、民社の諸君十名とともに中国を訪問いたしました。その前に、私は前議員として訪中をするのであるから、会社とは関係がないから自費で行ってきたいということを取締役会で申しました。そうしましたら、社外重役で出席されておった方が、それはあなたの言うことも一応の理屈ではあるけれども、しかし今日、日中間は非常に重要な段階であって、特にこの際中国へ行って通信事情その他を調査するということは会社のために非常な利益にもなることであり、何も別に私費で行く必要はないから、会社の出張として行かれたらよかろう、こういう意見が出まして、他の取締役もみなこれに同意をして、会長は会社の出張で行ってきたらよかろうということで、私もそれに従って出張として行ってまいったわけであります。  それで、会社の費用は、私も詳細なことは忘れましたが、恐らく二十四、五万円会社のお金を持っていったと思っております。そうして二十二、三万使いまして、帰って申告しましたのが十何万と思っております。あとは向こうで、たとえば観劇に使ったりそういうふうなものに使う、それから免税点以下の、たとえば絵はがきであるとか、あるいは子供に対して、ちょっとした写真類であるとか、あるいはその当時桂林まで参りましたので、あそこの非常にすばらしい景色の写真帳などがありましたのでそういうようなものを買ってきまして、これは税関の調査を受けましたときによくその事情を話しまして、税関としては了承をされた次第でございます。  以上、お答えいたします。
  132. 大出俊

    ○大出委員 税関が了承していないからここで問題になっているのじゃないですか。言いわけするというのは、つい長い答えになるんですな。  これは税関で調べたんですよ、聞いたんです。私は、つぼを幾つも買ってきて、これが無申告、脱税で通ったのだと思った。そうしたら、いや実は花びんも、とこう言う。あと何があるのですか。しかもあなたは十月の中ごろに岐阜に帰ったでしょう。会社の金で買ったものを自分のところへ持っていてはどうもぐあいが悪いというので、整理に行ったのではないかというもっぱらのうわさだ。  いまだに税関の方は、この点については明らかに百十一条、百十条違反の容疑を持っていて、二十人の中へ入れているじゃないですか。税関の言っていることと大きな食い違いがあるじゃないですか。税関の方ひとつ答えてください。関税局、どなたかいませんか。お答えください。百十条、百十一条関連で一体どういうことになるのですか。
  133. 米山武政

    ○米山政府委員 お答えいたします。  先ほど告発しました三人以外につきましても、相当の数のKDDの職員初めそういった者につきましても、現在引き続き調査を行っております。
  134. 大出俊

    ○大出委員 古池さんも入っていますな。
  135. 米山武政

    ○米山政府委員 個別の問題でございますので、だれがどうということはお答え申しかねますが、相当多数の職員その他につきましても現在調査中でございます。
  136. 大出俊

    ○大出委員 否定なさいませんな。――よし。  あなたは会長だから余り細かいことは言いたくないと思うのでしょうけれども、私が直接担当者の方々を呼んでお聞きした。  この新聞記事に私は非常に不愉快に思っている点があるのですが、これを一片の追徴というようなことでごまかそうとなさるのなら、これは関税局長、ただじゃおきませんぜ。金が足りないから脱税の分だけお取りしますというようなことでけりをつけようというようなことにするとすれば重大な問題がありますよ、後から言いますが。いいですか。どうなんですか、そこのところの態度は。  百十一条だけでも告発はできるでしょう。先例があるでしょう。時間がないから先例を言っておきましょう。ダイヤモンドが無申告で通って、現物回収をしようとしたがなかなかできなかった。そこで、あなた方は百十一条だけで、つまり無申告で告発した例がある。現物回収というのは、これは非常にむずかしい。なぜかというと、贈答品で無申告で入れた、脱税、過少申告で入れた、それを人に配っちゃっている。政治家も入っているかもしらぬ、官僚が入っているかもしらぬ、配っている。その現物を全部洗い出して持ってこい、現物をここへ置いておかなければ評価ができないから過少申告の追徴ができない、脱税の追徴ができない。ところが、回収するとすれば、やった人のところへ行って、下さいと言って持ってくるのだから、それが一つでも二つでも三つでも出てくれば、これは一体だれのところへ行っていたんですかというので、一遍で贈答品の行き先はわかってしまうのですよ。古池さん、あなたは知っているんでしょう。政治家何のたれべえにやったというのはわかっているのでしょう。そこへ行って持ってくれば、出どころはわかってしまうでしょう、やった先が。  だから関税局に言うんだが、この贈答品で、政治家、官僚に渡したものを回収しろと命令してもなかなか出てこない、こういうことになる。そうすれば、残るのは、無申告で入っちゃったんだから百十一条で告発をする。先例があるじゃないですか、ダイヤモンドの例をいま一つ挙げたが。きちっとやらなければいけませんぞ。どうですか、きちっとおやりになりますか。
  137. 米山武政

    ○米山政府委員 関税法等の違反の立証、確かにその現物があるということが非常に望ましいことでございます。もちろん現物がなくても、いろいろの資料、領収証、申告書、その他いろいろございますので、絶対にそれがなければできないというものではございませんが、あることが非常に望ましい。したがいまして、現在、物品の回収等についていろいろ会社側にも要求しておるわけでございます。  それから百十条、これは脱税犯、百十一条は無申告犯でございますが、先ほどの例の場合は、現物もありまして、ただ一部にないというふうな例が多い。その場合に百十一条だけでやった例はもちろんございます。
  138. 大出俊

    ○大出委員 宝探しじゃないけれども、いま佐藤陽一なる人物、社長室長、この人は悪いことばっかりしているものだから大変に――後から申し上げますが、簿外資産と称するものを、今度は中間やり直し決算で三億五千万ばかりよけい出してきましたね。あれは氷山の一角ですよ。まだいっぱいあるんだ。外国にもある。佐藤陽一さんのやつもある。いま世の中の新聞関係の諸君なんというのは宝探しだ。あなたが言っている得意の写楽の絵なんというのはないと言うんだ。見たんだけれども、ない。写楽の絵だとか両手にはめ切れないほどのダイヤモンド、これは金庫に入れて隠しているというわけだ。朝の五時ごろまで張っている新聞記者の方もいるんだ。それが出てくると何だというと、これは佐藤さんの横領ですよ。一遍でこれは横領だ、背任横領。大変なものです、ダイヤモンドだけで一億を超えるという。写楽の絵は六千万だ。そういう状態だから、私ははっきりしなきゃいけないと言うんだ。  そこで、関税局長にひとつ承りたいのだが、五十年に犯則行為が二つ挙がっていますな。本来なら、この資料は三年保管だから、五十年が出てくるということはめったにないのだが、五十年に二つあるのだから五十年から始まる、こう見ていいんですか、今度の二十数名というこの件は。そして五十年から始まって、犯則行為が年どのくらいあって、そして犯則行為に該当する輸入物品の金額はどのくらいで、かつまた五十年以降今日までKDDが贈答用品として外国から買ってきた品物の総額はどのくらいと推定されるのかをお答えください。
  139. 米山武政

    ○米山政府委員 すでに三人につきまして十月二日、一日の分につきましては告発いたしまして、容疑は一応私どもとしては固まっておりますが、その他の者につきましてはまだ調査中でございます。いま御指摘のように、過去相当の長期間にわたり物件数、金額とも相当なものに上っているという心証を得ておりますが、まだ固まっておりませんので、御答弁は容赦させていただきます。
  140. 大出俊

    ○大出委員 私が来ていただいて聞いたらお答えになっておって、ここでお答えにならぬというのはどういうわけですか。先ほどどうも、私が質問しようと思った途端に休憩だなんて委員長が言ってきたり、これは冗談だが、これはもうちょっと真剣にやってくれなきゃ困りますよ。いまみたいじゃ答弁にならぬじゃないですか。私からまた言わせるのですか。答えてください。
  141. 米山武政

    ○米山政府委員 新聞等で容疑とされている人数、金額、物品数等いろいろ言われております。相当大きな数字が挙がっておるわけでございますが、何分まだ固まっておりません。ただ新聞等で言われているように、相当広範囲で相当の金額、相当の物品が容疑の対象になっているということは事実でございます。
  142. 大出俊

    ○大出委員 じゃ私の方から言うから確認してください。関税局長、余り出たり入ったりしないでそこにいてくれよ。  あなた方が犯則として押さえたのは二十七回。五十年が二回ぐらい。五十一年はなし。なしという意味は申告しているということ。贈答品の購入がなかったんじゃない。それから五十二年から急増。五十二年、五十三年、五十四年、合計二十七回という犯則行為、そのほかまだわからぬのが二、三あるから概数三十回程度、こういうことになる。そして犯則関連の輸入贈答品の金額は一億数千万円。したがって、最初からKDDが買い入れたやつを積算をしてくると、犯則でないものを含めて積算するとおおむね四億円。答えてください。
  143. 米山武政

    ○米山政府委員 ただいまお答え申しましたように現在調査中の案件でございます。したがいまして、まだ固まってもおりませんし、またここで申し上げるような筋合いのものではないと思いますが、なお新聞等相当方々からいろいろ情報をとりまして、いろいろの数字が言われておりますが、まあ御指摘のように相当な物件、相当な金額、相当な人数がいま容疑の対象になっているということは事実でございます。
  144. 大出俊

    ○大出委員 そこでもう一つ、会社にこの物品の回収を命じていますね。はっきり答えてください、声が小さかったから。
  145. 米山武政

    ○米山政府委員 先ほどお答えいたしましたように、容疑を確定する意味におきまして物品があるということは非常に重要なことでございますので、現在会社にその物品を提供するように要求しております。
  146. 大出俊

    ○大出委員 あなたの下僚の方が私に、会社側は協力的でないと言った。  古池さん、物品の回収に協力するのですか、しないのですか。KDDに物品を出してくれ。犯則行為がこんなにあるのだからあたりまえじゃないですか。そうしたら、KDDに協力の姿勢は見られない、彼の下の人が私に答えましたが、KDDは、税関に物品を集めてこういうぐあいですと言って協力する気持ちがあるのですか、ないのですか、刷新委員長に承りたい。
  147. 古池信三

    ○古池参考人 協力する気持ちはございます。
  148. 大出俊

    ○大出委員 佐藤陽一君、つまり室長がオディマ・ピゲなんという宝石入りのスイスの時計などをポケットに十幾つ忍ばして入ってきちゃった。翌日つかまった人のトランクの中から証拠資料が出てきた。そしてあなた方が取り調べたら、佐藤室長、入院されている方、この方は、現地で配ってきたからおれは持って入らぬと言った。次々に事実を突きつけられて追及されて、ついにポケットに忍ばせて前の日に無申告で通ったことを認めて、とうとう、どこに隠してあったか知らぬ、隠してある場所はむだだったのだけれども、持ってきて税関の方に全部差し出した、トランクも後から全部差し出した、こういうことですな。佐藤さんの方は片づいていますな。物品も出ていますね。
  149. 米山武政

    ○米山政府委員 十月十四日に告発いたしました分につきましては、証拠書類として私どもは持っております。
  150. 大出俊

    ○大出委員 そこで承りたいのですが、いまの点は後からもう一遍触れます。  ここで一つはっきりしていただきたいのは、商品券なんですな。この商品券、どこで買ったのですか。古池さん、御存じでしょう。金額おおむね二千万近い、二千万をちょっと欠けるが。私は三つのデパートを自分で調べてみた。全部わかっています。全く否定をなさらぬデパート、お認めになるデパート、金額が小さいからすらすらとおっしゃるデパートとございます。会長は刷新委員会の委員長でしょう。聞いておられるのでしょう。刷新委員会の委員長に刷新の気があるのなら、こんなものがわからぬはずはない。私はあなたほど能力がないかもしらぬけれども、私が刷新委員長なら、こんなものはたちどころに見つけちゃう。ものの半日もあればたくさん。私がこれだけ忙しいのに、ものの半日もあれば見つかったのだから。あなたの方から答えてくださいよ。商品券はどこのデパートで幾ら買ったのですか。  それで、商品金券リストは検察、警察の方へ出しましたか。商品券を配った人の名前を買いてあるやつ。リストでもいいし、覚書でもいいし、メモでもいい、名目は何でも。私がリストと言うと、リストじゃないと言うかもしらぬから。どうですか。
  151. 古池信三

    ○古池参考人 お答えいたします。(大出委員「本当のことを言いなさいよ」と呼ぶ)本当のことを言います。  これは少し御理解を深めていただくために社内事情を……(大出委員「短くていい、時間がないから」と呼ぶ)それを申さないとよくわからぬと思います。いまお話しになった問題は、すべてこれは板野前社長時代のことである、これはお認めになっておると思いますが、その当時に扱ったものは前社長室が扱っております。私が暫定的に社長に就任したのは十月二十五日である。その後、直ちに私はこの社長室を改編いたしまして、これを秘書室、審議室、総務部と二室一部に編成替えをしまして、従来は社長が直轄でやっておりましたものを私は常務取締役に担当さしたのであります。(大出委員「委員長、注意してくださいよ。そんなこと聞いているんじゃない」と呼ぶ)  そこで私は、この常務にいまの件を尋ねました。そして、至急調べるようにと申しつけたのでありますが、これが当時の社長室の関係者と認められる者について調べましたところ、さようなリストはない、存在しない、かように申しております。
  152. 大出俊

    ○大出委員 私が調べ方を教えてあげますよ。全く困ったものだね。知っていて言わないのならまことにもって問題だ。私が言いましょう。  一番よけい商品券を買ったデパートは西武デパートだ。時期を言いましょう。八月上旬、保田重貞なる人物が電話で、外商部の人もわかっています。すべて十万円券、一万円券なし。十万円券が九月の上旬に、同八月の上旬に分かれていますが、八月の上旬の方が大きい。八月の上旬は九百万円、九月七日の直前、こう言っておりますが、九月上旬が五百万円、合計千四百万円、全部十万円券、社長室に届けています。窓口は保田重貞さん。はっきりしている。調べ方を教えましょう。  あなたのところへ私初めて行ったんだが、あなたのところでお茶を一杯飲ましてもらってちょっと気になったのだけれども、私はあなたのところの関係ではお茶一杯も飲んでいないと言っているんだが、行ったらお茶を出したから気になったけれども、まあ先生お茶ぐらいと言うから一杯飲んだが、そこで話してみたら、何とこうなんです。大変なことですね。ここにやりとりを全部記録してある。言った人も全部書いてある。ちゃんと議事録になっている、メモなんです。必要なら読み上げますよ。こうなんだ。  ルートが二つある。強いて言えば贈答品購入ルートは三つになる。社長室ルートというのはすべてノーチェックなんです。板野、佐藤、特に佐藤さんの判があれば素通り。あとは保田さんの判でも通っているのがある。そして受け取りはないのだ。やり直し決算のあの発表はうそ。受け取りはない。社長室ルートはすべて同じ形です。どうなっているかというと、デパート等々、西武デパートから三億円買っているのですよ。冗談じゃないんだから。いいですか。すべて御品代、何月何日、括弧内訳なし、金額幾ら、これしかない請求書だ。品物の品名、その他何にもないが、デパートに記録がある。行って、この御品代の金額幾ら、何月何日のこれは何だったと言ってデパートに行って帳簿を見てごらんなさい、一遍でわかるのだから。ちゃんと商品券ありますよ。これは現金で払っているのじゃないのだから、月末に払っているのだから。振り込みです。記録がなければ振り込みませんよ。  それを調べていけばたちどころにわかる。それをやらないというのはあなたに隠そうという意思があるからだ。政治家との関係、官僚との関係を隠そうとする意思があるからだ。そんなことではいけませんよ。四の五の言うなら反論してごらんなさい。全部ここにやりとりが書いてある。いいですか。確かにべらぼうに多いことは認める。何と八千点あるのですよ。  どういうふうにやったかというと、社長は八日の記者会見で、ほとんど簿外のそういうものは、社長室ルートで買ったものはKDDの会社の中にあると言っている。うそばっかり、ありはしない。そんなことはあなたは知っている。騒ぎになってきてこれはいかぬというので、至るところから、昭島の倉庫から始まって、私宅から社宅からみんな集めた。集めてどこへ入れたかというと、役員室がずらり並んでいる二十七階の応接間二つ、十五階の倉庫、ここに入れた。  そこで、経理担当の秘書室の次長の内野さんその他の方々が調べようとしたが、物品経理に詳しい人でなければ調べられない。それを引っ張ってきて二週間徹夜で、みんな入れちゃった、包装してあるやつを入れちゃったから、手前から取らなければ手がつかない。しかも、やり直し決算、出し直し決算というので、あなた文書を出しているでしょう。郵政省へ出した文書だ。時間がないから読まないけれども、この文書の中で、二十二日までに出しますよということを約束しているだろう。だから、日にちは二十二日と限られている。一生懸命包装を解いて、これは一体何という品目だといってやっているうちに二十二日になっちゃった。八千点のうちで一割以上残っちゃった。手つかず、包装のまま。だから、あと包装を解いたら、いかに高価のものが出てくるかわからないのだ。そういう状態なんですよ。あなたは二十七階にいるんでしょう。あなたがいるところの応接室に封印して入れちゃったでしょう。十五階の倉庫にも入っているでしょう。わからぬなんて、いいかげんなことを言うんじゃないですよ。本当にけしからぬ話です。どうですか。  西武デパートが一つ、もう一つ三越、三越は木村さんというのですか、向こうの外商部の方は。中川さんという人もいますが。ところで、三越は一万円券ですよ。五百万円、外商部担当者が社長室に持っていっています。伊勢丹があります。これは小さい。八月に三十万円ずつ二回、六十万円。これも一万円券、こういうことですよ。  ここまで言って、あなたにもう一遍聞きますが、それでもおわかりにならぬというのですか。調べる方法も申し上げたのですよ。  もう一つ言っておきましょう。社長室ルートの中に、社長室が資材部に対して何十万円の絵を買えと言った。それは資材部を通しますから、正規の購入ルートですから、きちっと台帳に載っている。一点の非の打ちどころもない。資材部を通じて買っているものは正規ですから全部明確。だから、経理に共謀者がいなければ、こんなノーチェックでもって、いきなり振り込み、振り込み。品物の名前もない、こんなずさん経理は通りゃしませんよ。経理の共謀者がいるでしょう。ついでに答えてください。調べましたから、名前も私わかっていますよ。必要なら言いますよ。お調べになりましたか。しかるべき処分をしましたか。  もう一遍聞きますが、商品券、どこへやったのですか。一枚もないと木村常務が言っているならば、全部政治家か官僚に配った。だれに配ったか言ってください。
  153. 古池信三

    ○古池参考人 ただいまお答えしたように、贈答品のリストというようなものはございません。  それから、ただいまお話しになりました経理の方法については、私もまことにこれは遺憾なことであったと考えます。そうして、今後はかようなことが絶対ないように私はいたします。
  154. 大出俊

    ○大出委員 そんな刷新委員長がありますか。これだけ私が自分で調べて、いいですか、ずばりずばりそのものずばり言っているのに、それでも刷新委員長は逃げるのですか。そんなことなら、刷新委員長をやめたらどうですか。各デパートで買った枚数まで言っているじゃないですか。違うともそうであるとも言わないで、リストがないだけで逃げるとは何だ。無責任きわまる。もう一遍答えてください。
  155. 古池信三

    ○古池参考人 ただいまの点は、今後十分に調べます。
  156. 大出俊

    ○大出委員 わからぬという限りは、証人喚問だ。でなければ、これはだめです。これじゃ話にならぬ。しかも大悪人が出てこない、板野學だとか佐藤陽一だとかいう人は。しかも出ることになっておった。理事会は何のためにあるのだ。保田君は出てこないじゃないですか。  あなたは当時会長だったと言ったって、代表権があるでしょう。何でもかんでも板野學だと言って、みんな責任をおっかぶせるのですか。乗っかっているだけで、ただ給与をもらっているのですか、あなたは。冗談じゃない。ふざけちゃいけない。むちゃくちゃだ。  検察に聞きますが、つまり法務省は、パーティー券のリスト、リストが悪ければ覚書、メモ、何でもいい。書いてあるもの、だれとだれが買ったか書いてあるもの、入手しましたな。それからいまの商品券、これも入手したようだが、捜査中と逃げますか。お答えください。
  157. 前田宏

    ○前田(宏)政府委員 お尋ねのKDDの密輸事件につきましては、御案内のとおり捜査中でございますが、捜査の内容につきましては御答弁は差し控えさせていただきたいと思います。
  158. 大出俊

    ○大出委員 こういう人が刑事局長になると後ろ向いて走っているような気がする。解明どころではない。警察関係の方々がお見えのようですから、後でいまの点とあわせて承ります。  そこで、時間がありませんからもう一点承りますが、仮装隠蔽という意味で国税当局に聞きたいのです。  さっき私が説明したような仕組みでKDDの本社には八千点、何とこの中にははっぴなんというものが千五百点もある。金額にして千八百万円。冗談じゃないですよ。国民の皆さんからしてごらんなさいよ、公共事業であってこれは言わば国民の税金だ。外国のお客が喜ぶかどうか知らぬけれども、はっぴを千五百も買って千八百万円だ。そんなものを含めて八千点。そのうちの一割以上が残ってしまっている。しかも、私の調べた限りでは、やたら無性に買っていくものだから、御品代、御品代という括弧内訳不明の金額だけ書いてある西武デパート三億円みたいなものがどんどん行くものだから、経理はどうしようもないのだ。しかもその真ん中に共謀者がいるのだ。名前もわかっている。だから、これはいろいろなところに埋め込んだのだ。はっきり仮装隠蔽ですよ。  国税当局に承りたいのだが、これは一体どうするつもりなんですか。あなたのところは五十三年末までしか税務調査をしていない。五十三年の三月末で調べているのだから、これはまだ五十二年分だから、五十三年分の税務調査はまだやっていない。簿外資産になっていたのだが、交際費の面で税金は取っているからツーペイだという見方もあるが、必ずしもそうはいかない。いろいろなところに埋め込まれていなければこれだけの経理処理はできない。経理の中心人物にそれをやっていた人がいる。意図的にやっているのだから明確な仮装隠蔽。背任横領もごろごろしている。税務調査しないのですか。
  159. 磯邊律男

    ○磯邊政府委員 ただいま大出先生御指摘になられましたように、簿外資産の取り扱いを今後どういうふうに税務に反映させるかというのは今後の問題だと思います。御承知のように、すでに税金が払われた交際費等で購入したものでありますとツーペイになりますからそれは税務上の問題は起きませんけれども、経費支出によって購入した物品が期末に残っておるということになりますと、これはいわゆる簿外資産として計上すべきものでありますので、そこで税務上の問題が起こってくるわけでございます。  ただ現在、KDDにつきましては、そういった新聞紙上等で伝えられているところによりますと、非常に金額も大きい、それからまた物品も非常に多様にわたっておる。したがって、現在残されておると言われておりますもろもろの物品が交際費支出、つまり税金をかぶった後の交際費支出によって購入されたものかあるいは経費支出によって税金を払わずに購入されたものか、その点が明らかでないわけでございます。税務の問題といたしましては、明らかになった時点において当然必要な税務上の処理をしなければならないわけでございますけれども、御承知のように現在関税法違反で検察庁に告発されておりまして、司法当局の方で捜査に着手したやに承っておりますので、私どもはまず司法当局の捜査を待ってしかる後に税務上の処理を進めたいと考えておるわけでございます。
  160. 大出俊

    ○大出委員 気をつけないと危ないですよ。いま残っているけれども、押さえなければいろいろなことをするのだから。刷新委員長かどうか、余り刷新の気がないようだから。いけませんよ。御注意申し上げておきますよ。  ところで、いま関税法の問題が出ましたが、その前に一点だけ伺います。  中間決算で今年度、つまり五十四年度の半期の交際費は、古池さんが参議院でお答えになったように二十二億三千七百万でしたかな、あれに該当するものがかれこれ十二億五千万ですか、これが中間決算報告の説明のところに載っていますね。半期で十二億五千万というと、一年間二十二億、半分なら十一億でしょう、ことしはすでにそれよりも多いですよ。そうすると贈答品買い、官僚政治家に配りっ放し、ばかばかやり続けたことになる。板野さんは証人なら偽証だ。全くうそを言った。去年は二十五周年で外国のお客が千人だとか、東京帝国ホテル孔雀の間でパーティーをやったとか言っているでしょう。大変に金がかかった。べらぼうな金がかかった。だから二十二億になった。  冗談言っちゃいけませんよ。じゃ、ことし何だ。二十五周年でもなければ、京都のパーティーもなければ、外国の大変なお客もなければ、帝国ホテルの孔雀の間もないのでしょう。なくて何で半期で十二億五千万ですか。去年は二十二億、半分なら十一億、ことしは十二億五千万、べらぼうにふえたのは一体何ですか。答えてください。
  161. 古池信三

    ○古池参考人 ただいまの御質問はまことに私もごもっともだと思います。私自身もこれを調べてみて驚いているようなわけで、こんなに上期だけで十二億も使うということは、私もちょっと常識として考えられない。したがって、下期にはうんと締めますから、一年を通じればずっと減ると思います。
  162. 大出俊

    ○大出委員 私もどうもけしからぬと腹が立っているのですけれども、人のよさそうな会長に言われると会長も困っているのだろうなとつい惻隠の情忍びがたいところが出てくるのですがね。しかしこれは常識も非常識もめちゃくちゃですよ。あれだけ板野さんが天井の方を向いて、ぼくは傍聴していたんだから。あのとき後ろの方であくびをしていたり笑ったりしていた悪人の一人がそこにいるけれども、後になって聞いてみたら、二週間も徹夜したのだと言われればあくびの一つも出るだろうと実は思ったがね。つまり、ぬけぬけとよくも言いも言ったりと言うのだ、この板野學という大悪人は。逓信委員会の席上で、京都で大パーティーがございまして、二十五周年で外国のお客もいっぱい参りましてと、まことしやかに聞こえますよ。こういうことはだめですよ。  さてそこで、一つだけ会長に承っておきたいのですが、サンケイ新聞に、私のところの石野代議士に関する件で、小林進逓信委員長に文書で古池さんのところが報告をした。それによると、石野さんのところへ持っていったのは三百万円だとなっている。ところで承りたいのですが、KDDは小林進衆議院逓信委員長に、石野さんのところに商品券を持っていった件に関して、これはすぐ返されているわけですが、この件について文書で御報告なさいましたか。もう一つ。その文書なり、文書でないというなら口頭の場合であってもいいが、幾ら幾らという金額について触れておりますか。二つだけ聞きます。
  163. 古池信三

    ○古池参考人 お答えいたします。  小林逓信委員長への報告は文書ではなく口頭で私どもの常務から御報告をしております。また、金額については全く触れておりません。
  164. 大出俊

    ○大出委員 そうしますと、サンケイ新聞の記事に小林衆議院逓信委員長に回答文書と書いてありますが、これは事実に相違する、それから、金額については三百万だったことを認めているとあるが、金額については触れていない、これも事実に相違するとお答えいただけますか。済みません、答えてください。
  165. 古池信三

    ○古池参考人 ただいま御答弁申しましたとおり、委員長には口頭でお答えをし、また金額については全く触れておりません。
  166. 大出俊

    ○大出委員 事実に相違する、この点は明確になりました。あとは旧来から出ているとおりであります。  そこで、ただいま、時間がありませんので、大変細かいところで申し上げたいことがあるのですが省略をしますが、関税法の話が再三出ました。関税法について承ります。あわせて、外為法違反という話が一つも出ておりませんが、この件は三点にわたって明確な外為法違反である。関税法の現行犯という面で、三人でいきますと保存期間三年でもございますし、家宅捜索をやったってわずかな物しか持ってこられない。真相解明できないですよ。外為法違反だということを明確にしてなぜおやりにならないのですか。いろいろな当局がおいでになりますが、そういう意味で外為から入ります。  私は、大蔵省の国際金融局の方々ともお話ししまして、その方面の大変に優秀な方の御意見も聞きました。そこで、まず一点立証したいのは、会社の指示で四億円近い贈答品を買った。犯則だけで一億数千万、この点お認めになりますか、古池さん。会社の指示によって、会社の金で社命として、業として、累計で言うとおおむね四億円の贈答品を買った。そこで、過少申告なり無申告というものだけで一億六千万円ぐらい、会社が指示して、社命で業としてやっている、お認めになりますな。
  167. 古池信三

    ○古池参考人 品物を買ったことは、会社の金で買ったものと認めます。しかし、税関関係で会社が指示したということは事実に相違しておると私は思います。
  168. 大出俊

    ○大出委員 あなた方打ち合わせをして、口裏合わせをして、そこのところは逃げようということにしたというのが私の耳に入っています。だから立証しましょう。  郵政省の寺島KDD担当監理官に承りますが、刷新委員会は八日にできましたが、十四日に古橋、木村両常務がメモと称する文書を持って郵政省を訪れて、寺島さんに触書を出した。これは報告書です。その一に、通貨問題等調査小委員会、つまり成田の現行犯の問題です。ここに、関係書類が税関にあるので詳細不明であるが、調査の結果目下判明した点は、一、会社から贈答品購入の指示はあった、こう書いてある。会社が贈答品の指示をした、こう書いてある。きわめて簡明直截な文章です。二、過少申告、これは脱税ですが、これについて指示はなかった、つまり過少申告して入ってこい、こういう指示はなかった、こうなっておる。まだ以下ありますけれども、時間がありませんので、この二点。寺島さんおいでになりますかな。お答えください。あなたに読み上げていただいて私が書いたのだから間違わぬはずだが、いかがでございますか。
  169. 寺島角夫

    ○寺島政府委員 お答えいたします。  去る十一月十四日と記憶しておりますが、KDDから担当の重役が見えられまして、ただいまの件につきまして、文書ではございません、口頭で、ただいまおっしゃいましたようなことについての報告はございました。
  170. 大出俊

    ○大出委員 寺島さんに書いてあるものを読み上げていただいて私がここに書いたのですから、いまのお答えなら当然で、会社から贈答品購入の指示があったことはきちっとお認めになった。  そこで、この点は後で税関当局にも承りますが、お取り調べになった方々は、私が税関の担当者に承った限りでは、調書の面で、御本人たちも会社の指示であることを認めている、こういうことです。そこで、会社が指示をして、会社の金でずっと反復継続して買わせてきたとすると、ここに外国為替及び外国貿易管理法、つまり外為法がございますけれども、それから輸入貿易管理令がございますが、こういうことになっているのです。輸入貿易管理令の四条、八条というところで、通産大臣の許可を得て輸入するというのが簡単に言えば本筋なんですね。それを十四条の特例で外しまして、つまり「第四条及び第七条」云々と書いてありまして、こういう場合は本邦へ入国する際に四条、八条の手続によらなくてもいいという特例をつくって、そして渡航費用というものの概念がここで出てくるわけでありますけれども、輸入貿易管理令の別表の二の「備考」というところで、「「携帯品」とは、手荷物、衣類、書籍、化粧用品、身辺装飾用品その他本人の私用に供することを目的とし、且つ、必要と認められる貨物をいう。」と、ぴちっと定義がしてあります。  さて、今回のはイタリアでつくったこんなでかい黒革のカバンで、「KDD」と、こんなワッペンが張ってある。一目でKDDとわかる。これを羽田へ来てほうり出すのです。黒革のカバンだけ幾らするのかと思って聞いてみたら、何と一つ五十万円だと言う。これは特製なんです。さあ、あけてみたところが、それだけ持っていけば、夜店どころじゃない、一軒の店の商売ができるぐらい、ざらざらざらざらあふれんばかり出てくる。これが五個、そのほかスーツケースが十個、段ボールが六つか七つ、何であんな高級なハンドバッグを段ボールに入れてこんなになっちゃったのかわからないですけれども、それを当然のごとくほうり出した。そこで初めて調べられた。ずっと「KDD」というワッペンで持ってきて、ぽんぽんぽんぽん、それで全部終わりなんだ。私は、これがまずいいかげんだと言うんだ。いままでのとおりだと思って今度も入ってきたのだからね。  そこで、この状態は一体何かというと、反復繰り返して、会社が指示をして、つまり業としてずっとやらせていたのだが、これは携帯品ではない。税関で申告をするという形の渡航費用で買った貨物ではない。だから明確に五十二条違反である。外為法五十二条違反です。この点についてが一つ。まず、渡航費用をもらいに行くと、銀行に三通出しますが、ここからすでに違反。つまり社命で渡航費用じゃなく輸入に行っている。正規の通産大臣の許可が要るのにごまかした。明確に外為法違反。これが一点。  もう一つ外為法違反。ロンドンのKDDの出先で五百万単位の贈答品をどんどんどんどん買わした。これを三カ月に一遍ずつ本社で決済した。この決済の方法も、これまた外為法違反。居住者、非居住者の関係ですから明確に違反。非居住者、居住者の間の決済はできない。  もう一点。昨年四月までは渡航費用の頭は三千ドル、いまは外貨が多くなったというので青天井、日本円は三百万円ですね。三千ドルといえば、二百円で計算すれば六十万だ。そうでしょう。外国へ行ってKDDが買ってきた物というのは一回最低二百万円。だから、これまた制限からいって明確に違反。  外為法違反三点、お答え願います。
  171. 加藤隆司

    ○加藤(隆)政府委員 事実の点につきましてはしばらくおきまして、ただいまのようなケースが仮にあるといたしますと、一般論といたしまして支払いの制限、禁止という条項が二十七条にございます。それから債権に関する制限、禁止、これが三十条でございます。支払い手段の輸出入、これは四十五条でございますが、そういう外為法の条文に関連してくることだろうと思います。
  172. 大出俊

    ○大出委員 一般論として違反だと言う。これは警察、特に警視庁、それから法務省両方で外為法違反について、特に警視庁はお調べになっていますか、お答え願いたい。それで終わりにします。
  173. 塩飽得郎

    ○塩飽説明員 一連の事件につきまして十一月の十四日に関税法違反で当局から検察庁に告発がございましたので、現在その事実関係について警視庁防犯部で解明中でございます。
  174. 大出俊

    ○大出委員 総理に最後に申し上げますが、お聞きのとおりですよ。こういうふざけたことが公然と行われていて、しかも私がわざわざ商品券の購入場所から金額まで全部申し上げて、それが一つもないのなら政治家なり官僚に行っている、言えと申し上げ、かつ関係リスト、これも警察が持っているんじゃないかと言ったら、余りこれはお答えにならぬけれども、こういうことがいっぱい行われていて、仮装隠蔽の疑いももちろんある。これは本当に見られたものではないのですよ。しかも監督権は郵政大臣に明確にある、政府にある。そうでしょう。これだけでも本当にやり直し解散の総選挙ぐらいやらなければいかぬかもしれぬ、本当を言って。こんなむちゃくちゃなことばかりで、発馬機問題もあったりするけれども、だから、一体どういう責任を政府はお感じになりますか。総理、最後にお答えください。
  175. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 政府は監督上大きな責任がありますことは、御指摘を待つまでもございません。したがいまして、事態の究明を急がなければなりません。すでに捜査当局も取り上げておることでございますので、刑事責任を一方において明らかにいたしながら、われわれは行政面においてどういうことが行われておって、これをどのように是正してまいらなければならぬか鋭意検討いたしまして、国民の納得のいく処理をしなければならぬと考えております。
  176. 大出俊

    ○大出委員 時間がありませんでまことに残念ですが、これで終わります。
  177. 田村元

    ○田村委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三分休憩      ――――◇―――――     午後一時四分開議
  178. 田村元

    ○田村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。安井吉典君。
  179. 安井吉典

    ○安井委員 午前中の私の質問とお二人の関連質問の中で、いわゆる政治姿勢の問題を扱ってきたわけですが、その締めくくりに二、三伺っておかなければならない問題もあるのですけれども、若干予定をオーバーしておりますので、午後は主として国民の生活課題にかかわる問題につきましてお尋ねを続けたいと思います。  まず物価でありますが、午前中も問答のありました卸売物価の上昇、これが激しい勢いになっているわけでありますが、消費者物価指数はそれほどの上昇の姿を現在は見せていないとはいえ、卸売物価の消費者物価へのはね返りが心配されるわけであります。  そのほか、政府みずからが犯人になる公共料金の値上げが数珠つなぎに出てくることが予想されています。たとえば、国鉄の運賃が八%以上の値上げ、郵便料金は、はがきが四十円、封書七十円に値上げをするという考え方があるとか、消費者米価は六%程度の値上げ、同じく麦価は二〇%の値上げ、電力料金は、北海道電力三八・八三%、沖繩電力四六・四九%はもうすでに申請が行われ、他の八社も四〇ないし五五%の大幅値上げで追随しようとしているようであります。ガス料金の方も、すでに東京瓦斯が四五%から五〇%の値上げの申請をしていますし、航空運賃が二七%程度の値上げの要求、NHKの受信料も約二五%の値上げ、さらにいまの国会に提案されておりますたばこの法案が通れば、たばこは二〇%平均の値上げになるし、健保法案が通れば、診察料金等の値上げも出てくるわけであります。これらがまさにメジロ押しという状況に今日なっていて、政府の決定や認可を待っているという姿であります。これだけそろっての値上げというのは前例がないのではないかと思います。横綱も四人になりましたけれども、しかし公共料金の値上げのそろい踏みは、これは国民の生活の上で困ったものであります。  日本生活協同組合連合会の、すでに値上げ済みのタクシーやバス料金を含めて八つの公共料金の値上げが家計へどれだけ影響するかという調べがありますが、四十歳代の四人家族で月に五千百五十九円から五千三百十八円の出費増で、一年間に十一万円ぐらいこの公共料金の値上げだけでも家計に響いてくる、こういう数字も出ています。公共料金の値上げというのは、物価全体をつり上げる先導役になるのは御承知のとおりです。  総理は、本会議の質問に対する答弁で、やむを得ないものは仕方ないといったおざなりの答弁をなさっておられるわけでありますが、それでは私はだめだと思います。今度の原油の、OPECがどうなるかによってまた違ってまいりますけれども、とにかくかつての狂乱物価がすぐ再現するとは思いませんが、その予防のためにも、やはり公共料金についてはあくまで抑えるという姿勢を明確にしていただかなければならぬと思うわけですが、どうでしょう。
  180. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 消費者物価は比較的落ちついた動きを示しておりますけれども、御指摘の卸売物価の高騰ぶりは、より警戒を要するものがありますことは御指摘のとおりでございます。この卸売物価の高騰がやがて消費者物価を押し上げていくことになることも予想されるわけでございますので、なおさら警戒的に経済の運営をやらなければならぬと考えております。  そのためには、政府自体の物価政策、金融当局の金融政策はもとよりでございますけれども、端的に、いま仰せになりました公共料金政策というものが、極力抑えていくことによって物価の鎮静化を図らなければならぬことは、安井さんおっしゃるとおりでございます。われわれといたしましても、そのためにこれまでも努力をしてまいったわけでございますけれども、今後一層厳しい態度で公共料金の抑制には努めていかなければならぬと思っております。原油価格がことしの初め以来上がり続けてきておりまするし、十二月の中旬にはさらに値上げが予想されておるわけでございます。これはゆゆしい問題でございますので、それだけになお一層の努力が要請されておると考えております。  私が公共料金政策について自然体とも言える姿勢をとっておるのではないかというような御批判がございますけれども、私が申し上げておりますことは、海外の商品市況による海外高というものが国内物価にどのように影響を及ぼすかというこことにつきましては、海外高の分だけは円滑に転嫁することはやむを得ないとしても、これに対して便乗値上げを許すような物価政策では困ると申し上げておるわけでございまして、決して公共料金の上昇を放置するというような投げやりの態度でないことは、十分御理解をいただきたいものと思います。
  181. 安井吉典

    ○安井委員 本当は公共料金一般ということではなかなか議論しにくいので、一つ一つみんな事情が違いますから、その一つ一つについて私たちの党も次の通常国会に向けてこれから真剣に取り組んでまいりますが、いまの御答弁でももう少し積極性が欲しいと思うわけですね。原油の値上がりは抑えることはできないかもしれないが、公共料金の方は政府がまだどうでもできるという筋合いのものですから、政府みずからが新しい物価値上げの犯人にならないように、そのことをひとつ要求しておきます。  そこで、石油の問題でありますが、いろいろイランのことやらOPECの動きやら要求したいことがたくさんありますけれども、この場では、冬を控えて国民生活に最も関係の深い灯油の問題にしぼってお尋ねをしたいと思います。  ことしの夏から秋ごろまでは、灯油を欲しいというのに小売屋さんが五割か三割しか売ってくれないという供給不安の状態が続いてきたわけです。特に、冬を迎えたら一体どうなるのかということであったわけでありますけれども、最近は冬の家庭用の灯油は大丈夫というような政府の見通しもしばしば出されているようであります。ですから、冬の灯油の供給には不安がないということをここではっきり保証していただきたいと思います。
  182. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 灯油の需給の見通しでございますけれども、在庫はいま大変順調に積み増しが行われておりまして、十月現在、昨年に比べ約五%の増加で七百十万キロリッターとなっております。  必要に応じては備蓄の弾力的な活用等も考えられますので、石油の供給計画に関しましては大丈夫と私は確信を持ってございます。ただ、国民の冷静な対応と申しますかあるいは節約の徹底がさらに行われますれば、万全だというふうに考えております。
  183. 安井吉典

    ○安井委員 その言明を信頼しておきたいと思いますが、ただ転任などによって新規の需要者が灯油を買えないというような事態がよくあるものですから、こういうようなことのないような指導を十分にやっていただきたいと思います。  そこで、問題は価格です。昨年の十一月に一リットル三十三円ぐらいのものが、ことしの十一月には五十八円で七〇%以上のアップ、十八リットルの一かんもいまでは千百二十六円、間もなく千二百円になろうとしているような状況であります。これでは家計に響くことは当然で、さっき総理は自然体と言いましたけれども、今日まで原油の値上がりをそのまま放置するという政府の姿勢では、便乗値上がりもあったろうし、こんなような結果が今日できてしまっているということではないかと思います。これから後の値上げ、第六次の値上げだとかOPEC後の値上がりだとか、それを予想するとこれはもう大変なことになるのじゃないかと思います。  この値上がりが家計にどんな影響があるかということなのですが、日本じゆうで一番灯油を使うのは北海道でしょうけれども、これは統計がいろいろありますが、冬の平均消費量は二千百八十リットルという数字もあります。これは去年のリットル三十三円で計算すれば七万二千百三十八円。ところが、これから後六十円ぐらいになりそうですね。それで計算しますと十三万一千百六十円。去年七万円で一冬済んだものが、ことしは十三万円の灯油代がかかる。六万円近くの値上げになるわけですね。これは大変なことだと私は思います。これは北海道の例ですけれども、全国のどこでも同じような状態が大なり小なりあらわれるわけであります。  ですから、かつて物価対策特別委員会で小売段階でモニター調査をやって地域ごとに適正価格を示すようにしたいというような答弁もあるわけでありますけれども、このようなとめどない値上がりに対して国民生活安定緊急措置法の適用で、プロパンガスも上がっているわけですから、あわせて標準価格の設定をする、こういうようなことで国民の生活をしっかり守るということは大切なことだと思うのですが、どうですか。
  184. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 灯油の価格でございますけれども、お話しのように前よりは大分上がっておりますが、ただこれは原油代が大変上昇しておりまして、それは円安とも兼ね合いまして上がっておりますけれども、原油代に伴う値上がりはあるいはやむを得ぬのじゃなかろうかという感じがいたしますけれども、しかし便乗値上げ等がございますれば、これは許しておけませんので厳重に監視さしております。  ちなみに、私どもの持っている資料、若干違いますが、原油の輸入価格が去年の十月とことしの十月を比較いたしますと一九八・九、一九九、約二倍の値上がりになっておりますが、灯油の卸売物価は一五七、それから灯油のモニター調査による小売の方は一六四、おおむね六〇くらいになっておりますので、いまの段階ではお話しのようにまだ法の規制をするまでに至らぬといって慎重に見守っているところでございます。
  185. 安井吉典

    ○安井委員 その計算のとり方にもいろいろあるわけでありますけれども、もし発動するということになるとどの程度から、そのリミットをどうお考えですか。
  186. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 ただいまリミットということはもともと考えておりませんけれども、しかしお話しのように今後十二月十七日のOPECあるいはその他の要因でさらに原油がどんどん値上がるというような状態に立ち至りますれば、それに伴っていまの市場価格も上がっていくわけですから、そういう際を考慮してみたいと思っております。
  187. 安井吉典

    ○安井委員 便乗という言葉がいいのかどうかわかりませんけれども、いまもう、政府、民間合わせて備蓄百二日分になっているそうですね。少なくとも四カ月ぐらい前に輸入したものがいま製品になっているわけですよ。だから、いまOPECだからさあ上げるなんというのはおかしいのですよ。これはまさに便乗じゃないかと思う。だから、そういうふうに灯油の価格、正確な製品のコストを把握し、そういうようなことで私は適正な価格指導をすべきだと思うわけであります。そのことをひとつ通産大臣にお願いしておきたいと思います。  このことによって一番困るのはいわゆる社会的な弱者、そういう立場の人ではないかと思います。さっき北海道の例で言いましたけれども、七万二千円で済んだのが十三万円も冬の灯油代がかかるということは、これは金持ちも貧乏人も同じなんですから、公務員の薪炭石炭手当等にも問題があるわけでありますけれども、それはそれとして当然の措置が必要でありますが、生活扶助料の中の薪炭費の引き上げあるいは失対労働者に対する冬季加算金の増額、こういったような措置をやはりしっかり講ずる必要があると思います。厚生、労働、両方からの御答弁をいただきたいと思います。
  188. 野呂恭一

    ○野呂国務大臣 生活扶助基準でございますが、これは政府の経済見通しに基づいて、消費の動向及び物価の動向等を総合的に勘案して設定をいたしておるわけでございます。石油など個々の物価の動向について対応する仕組みになっていないということは、安井先生御承知のとおりでございます。しかしながら、異常な石油の値上げでございますから、これらの問題につきましては十分検討してまいらなければならぬと思いますが、現在のところでは、政府の経済見通しによる昭和五十四年度の消費者物価上昇率が四・九%の見込みに対しまして、昭和五十四年度の四月から十月までの消費者物価上昇率は、前年度対比三・四%にとどまっておるわけでございます。かつ、生活扶助基準の改定率は八・三%でございますので、現段階におきましては生活扶助基準の再改定あるいはまた特別一時金の支給を必要とする状況ではないと判断いたしますが、しかしながら、こうした石油価格を初めとする物価の動向には十分注意をいたしまして、大変流動的であり予断を許さない情勢にありますから、相当程度の物価の上昇がありました場合においては、これは改定をしなければならぬと思うのでございます。したがいまして、物価の動向に対しては機敏に適正な対応をしてまいりたいと考えております。
  189. 藤波孝生

    ○藤波国務大臣 冬の期間に北海道などの一部の地域で失対賃金につきまして若干の増額措置を講じておることは御高承のとおりでございますが、本来、失対の賃金は民間の類似の労働者の賃金を参考に考慮して決めているという経緯でございまして、灯油の価格など、物価の上昇と直接連動しているものではないことはこれまた御高承のところであろうと思うのでございます。したがいまして、灯油価格が上がったからといって、すぐに失対賃金の改定に結びつくということではないというふうには申し上げなければならぬと思うのでございます。  しかし、今後におきまして、失対賃金につきましては失業対策事業賃金審議会等の意見を十分聞きまして決定をしていくことになっておりますので、そういった意見を十分踏まえて考えていきたい、このように考える次第でございます。
  190. 安井吉典

    ○安井委員 原則論はなかなかむずかしいが、しかし、どちらも「しかし」というのが後についていますから、その「しかし」の方に私は期待をしていきたいと思います。  やはり生活の大きな問題は、雪国などではまず食べるものでしょう。着るものでしょう。しかし同時に、燃料がなかったらこれは暮らせないわけですからね。ひとつ十分な配慮を要求しておきます。  財政再建のことにも少し時間をとりたいわけでありますけれども、余裕がありませんので、特に私は、大平内閣の財政再建というのはどうも一般消費税をやってやるんだという印象をこの間の選挙やその後の動きの中で国民に与えているような気がするわけです。一般消費税がなくなったら一体どうするのだろうかとか、いややるためには、五十五年度はやめても、また五十六年度から一般消費税をよみがえらせるんだとか、そういうような話にどうも行きがちなのでありますけれども、私はそれは全然別物で、財政再建というのは、あるべき日本の国民生活、その国民のニーズにこたえるサービスをいかにして国が財政的に確保するかという観点からアプローチしていくというのが正しいやり方ではないかと思います。  そういう中で、国民のニーズということから考えれば、例の老人医療費の無料化の廃止だとか、第三子児童手当の廃止だとか、義務教育教科書の有料化など、金がないからすぐにそこに話を持っていくというような態度はおかしいので、政治の中の優先順位というものを明確にしていけば、福祉はふやしても減らすべきではない、こう思うわけであります。  その点、本会議でもいろいろ論議はされておりますけれども、政治の優先順位における福祉、そのあり方について、これは総理からぜひとも伺っておかなければいかぬのでありますけれども、福祉をどのような位置づけであなたはお考えになっているのか、それをひとつ聞きたいわけであります。福祉を切って防衛の方はそのままにしていくとか、そういうような福祉切り捨てというのはいたしませんということをここではっきり言明していただきたいと思います。
  191. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 財政再建は、安井さん仰せのとおり、国民のニーズにこたえる財政の体力を取り戻そうということでございまして、私もそういうことを考えの基礎に置いて取り組んでおるつもりでございます。  その中で福祉政策をどういう位置づけをしているかということでございますが、財政が国民のニーズにこたえる手段である以上、そして福祉という問題が国民のニーズの中で最大の課題でございますことも申すまでもないことでございます。したがって、財政力の許す範囲におきまして最大の配慮をしてまいらなければならない課題であることは申すまでもないことだと心得ております。
  192. 安井吉典

    ○安井委員 その後「しかし」というのはひとつおつけにならないで、そこで区切ったところで、福祉が非常に大切なのだという、最高の優先順位を与えるのだということだけは確認をしておきたいと思います。その結果をひとつ後の予算編成の中で見せていただきたいわけであります。  一般消費税の問題は、今度の総選挙で明確な国民の答えが出た。明らかにノーという拒否回答であったと思います。解散国会で大平総理は、新たな負担を国民にかけなければならないかもしれないという言明をなすって、総選挙を通しても何とか国民のコンセンサスを得たいという腹ではあったのだろうと思うのですが、しかし強烈な国民の反対でとうとう五十五年度はやらぬというような言明をせざるを得ないことで選挙は終わっているわけであります。  この間うちの本会議でも、すべての質問者がこの一般消費税の問題について質問をしているわけでありますが、五十五年度の一般消費税の断念について、現時点で国民の理解が得られないのでやめましたという答弁を総理は繰り返しておられます。そのことが断念の理由なんですね。
  193. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 断念というのは正確じゃないのでして、自民党も政府も一般消費税をやるということを決めたわけではないわけでございまして、将来導入に備えていろいろ準備をしようじゃないかというような心構えで検討をいたしておりましたことは事実でございますけれども、これを取り上げるということを決めたことはないので、断念ということは正確じゃございませんが、あらゆる政策がそうでありまするように、国民の理解と協力がなければ実のある成果が得られませんわけでございまして、この税目につきましてはいろいろまだ理解が至っていないということでございまするので、導入を差し控えたということでございます。
  194. 安井吉典

    ○安井委員 五十六年度以降についての質問に対して、これは竹下大蔵大臣も、今後増税の必要があるときは直接税よりも一般消費税を含めた間接税を考慮せざるを得ないというような意味の大蔵委員会の言明があったそうであります。総理もまた一般消費税について、五十六年度以降についてまだまだ未練がましいような御発言を続けているわけであります。五十六年度以降について一般消費税の問題は、私はもうこの間の総選挙の国民の意思で決まってしまっているような気がするわけでありますが、まだやはり未練をお持ちなのですか、その点ひとつ伺います。
  195. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 私は、そういう問題の提起の仕方についてお考えを願いたいということを申し上げたいわけでございます。すなわち、五十六年度の財政状況、経済状況はまだわかりませんで、そのときにどのように対処するかを具体的に一つの税目についてどうこうするというような取り上げ方は、余り財政を取り扱う場合におきましては適当ではないじゃないかと考えておるわけでございまして、そういう問題についてお答えするのは、一般消費税であれ何税であれ、それは余り適当でないということを申し上げておるにすぎないわけでございます。歳入歳出全体として取り上げて、そしてその中でどのように取り上げていくかということを問題にしなければいかぬのにかかわらず、一つの税目だけを取り上げて、いまからすぐ決定的な答えを出せというのがそもそも無理な御提起ではないかということを申し上げておるわけです、きわめて常識的なことなんですけれども。
  196. 安井吉典

    ○安井委員 大蔵大臣、どうですか。
  197. 竹下登

    ○竹下国務大臣 私が申し上げておりますのは、五十五年度は一般消費税の手だてによらないで財政再建の第一歩を足したい。将来の問題といたしましては、現在の財政収支不均衡の規模等を考えてみますと、中長期な観点に立ちますと、いま総理からもきわめて常識的な物の考え方としてのお答えがございましたが、財政再建問題に対処するに当たって新たなる負担増が必要であるという認識に立った場合、さてそれは国民の理解と協力を求めるためにいかなるものでそれに対応すべきでございましょうか、税とは、いろいろ比較がされますが、直接税と間接税というものもあります、また、対応するものとして所得税と消費税というものもあります、消費税の中には、一般消費税もあれば個別的消費税もあります、そういう国民との問答の中でおのずから理解を得るべき課題であって、いま直ちに特定した普通名詞、場合によっては固有名詞の税目に対して否定するとか肯定するとかいう状態ではない、こういう感覚で申し上げておるわけであります。
  198. 安井吉典

    ○安井委員 総理大臣もきわめて常識的な立場でのお答えだという。まあ常識としては私もわからぬわけではないです。  それじゃ私も常識論でもう一度お尋ねをしたいのは、国民の理解と納得がなかったから五十五年度は、断念という言葉は別にしても、やらなかったわけでありますからそれはわかるのですが、そうすると、いろいろな状況がありますね、いま大蔵大臣も言われましたいろいろな状況の変化、財政のいろいろな事情があります。あっても、国民の理解と納得がない限り、五十六年度以降も一般消費税なるものは私は浮上してこないと思うのですがね。きわめて常識的な質問です。国民の理解と納得がない限りは五十六年度以降においても浮上することはあり得ない、私はそう思うのですが、どうですか。常識的にお答えください。
  199. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 どういうことになりますか、あなたの御認識はわからないわけじゃありませんけれども、私が申し上げておりまするのは、どの政策にせよ、国民の理解がなければ成功するものでないことは、もうそれは財政の問題ばかりでなく、すべての政策について言える一つの公理だと思うのでございます。したがって、そういうことは私もよく心得てやらなければいかぬと思っておりますけれども、理解をどういう次元で考えるかということでございますね。技術的問題として一つの税目の是非を論ずるのか、そのときの客観的な財政状況の中で歳入歳出の関連においてどういう選択をするかというような次元において理解を考えてまいるのか、その理解ということにはいろいろとり方があるだろうことは、安井さんも御了解いただけると思うのでございます。  したがって、五十六年度の状況は五十六年度の、いま大蔵大臣も申しましたように、そのときの状況になりましていろいろな角度から考えていかなければならぬわけでございますが、そのうちの一つの点だけを特に取り上げてここで決着をつけておこうというのが、あなたは少し性急過ぎやしないか。つまり、一般消費税に執着して言っているわけじゃないのです。問題の取り上げ方として私は余り適当でないではないかということを申し上げておるにすぎないのです。
  200. 安井吉典

    ○安井委員 国民の理解と納得が必要だということは、公理としてはお認めをいただいたように思うのですが、それじゃもう一つ伺いたいのは、五十五年度からの導入については本年の総選挙において、国民の理解と納得がないということがわかったわけです。そうすると五十六年度の問題については、その前に一つチャンスがあるわけです。参議院議員の選挙がある。まあ五十五年の方は片づいたからそれまでにして、五十六年度のやつは、あるいはそれ以後全部のやつでなくてもいいですよ、少なくも五十六年度から導入するかしないかとかいうのは、参議院議員の選挙を通して国民の信を問うたらどうでしょうか。これは私の提案ですよ。そのときにはっきり政府として、五十六年度からやりたいのですがということをお出しになって選挙をおやりになったらどうですか。そうすれば私は、国民の理解と納得のそれが一つのバロメーターになるのじゃないかと思う。どうですか。
  201. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 それはあなたから御指摘を受けるまでもなく、財政全体の取り組み方につきまして、政府は答えを持って政治に臨み、選挙に臨まなければならぬと思うわけでございまして、したがって、財政全体の再建との関連におきましていろいろな問題を提示して国民の理解を求めていくということは、当然のわれわれの責任であると考えております。
  202. 安井吉典

    ○安井委員 ひとつ私の提案として心にとめておいていただきたいと思います。  不公平税制の是正の問題もあるわけです。私たちは、一般消費税にすぐにいくよりも不公平税制の是正を中心にして財源措置を考えることができるじゃないかという具体的な提案も、あの選挙戦の中でもいたしておりました。きょうはその総体論をやる時間はないのですけれども、配当利子分離課税の特例措置は何よりも先にやめるべきだと思うのですが、大蔵当局では、現在の分離課税を総合課税にするためには納税者番号法案をつくらなければいけないんだ、つまり総合化と納税者番号、私どもは俗に国民背番号と言っているわけですが、それをセットにして問題をお出しになろうとしているのではないかという報道を見るわけでありますが、どうですか。
  203. 竹下登

    ○竹下国務大臣 ただいまの問題でございますが、利子配当課税を総合課税としての方向でいわゆる租税特別措置の改正を行うその手だてをただいま税制調査会等で御検討を始めていただいた、こういう段階でございます。安井委員のおっしゃいました、その手だての一つにいわゆる背番号制度というようなものも御議論の中身として詰めていただいておる、こういう段階であります。
  204. 安井吉典

    ○安井委員 そういう段階ならそういう段階で私も意見を申し上げておきたいと思いますけれども、国民全部に背番号をつけて、大蔵省が全国民のそれを集中管理するというその仕組みは、私はこれはいろいろ弊害を持つと思います。プライバシーの侵害は憲法違反の疑いにも発展しそうだし、公安などのいろいろなことに使われてはたまらぬし、ずいぶん作製には金がかかるのではないかという見方もありますけれども、そういう問題のあるものをやらなければ総合課税ができないんだという、何か背番号制と利子配当優遇制是正を二律背反的にお出しになって、背番号を納得してくれなければ優遇税制是正はできないのですよという、そういう二者選択の出し方は私はぜひしていただきたくないわけであります。問題解決のためにはまだまだ方法があるのじゃないかという、つまり、そういう仕組みをやらなくてももっと分離課税をやめるための方法というのがあるのじゃないかというその有効な手段について、ひとつもう少し真剣に考えていただきたいと思います。よろしいですね。
  205. 竹下登

    ○竹下国務大臣 御説のとおりでありまして、名寄せのむずかしさということは委員御承知のとおりであります。その手だての一つとしての背番号制度という問題については、個人的にはいろいろな意見がございます。それにかわるべき一つの手だてというものはどんなものか、これもやっぱり大いに工夫する重要なポイントであるというふうに考えております。
  206. 安井吉典

    ○安井委員 ここでひとつ農政の問題を取り上げたいと思いますが、総理の施政方針演説の中で食糧問題や農政問題への言及が全くなかったということについて、総理の見識を疑うというまで批判があります。さっき総理は地方の時代と言われた、あるいは田園都市構想とか言いますけれども、それの基礎というのはやはり日本の農業をどうするかということじゃないでしょうか。それが基底に置かれて問題が発展していくのじゃないかと思うのです。施政方針演説に対するそういう批判に対して、一言おっしゃっていただきたい。
  207. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 この間の所信表明は、綱紀の粛正、政治姿勢というものに重点を置きましての所信表明を申し上げたわけでございまして、個々の政策領域につきましては、通常国会の施政方針に譲らしていただいたわけでございまして、農政を軽視するとかどうとかいうものでは決してございません。  それから、地方の時代におきまして農政が担わなければならぬ役割り、農政に期待するものという点は、同様私も大きな課題として考えていかなければならぬと思っています。
  208. 安井吉典

    ○安井委員 問題をいま全国の農村を大きく動揺させている減反問題にしぼります。  いわゆる水田利用再編対策の問題についてでありますが、五十三年度に転作の目標面積と事前売渡申込限度数量は三年間固定すると閣議決定をしておきながら、第三年度の五十五年度の改定計画を先日農林水産省は指示をしたわけであります。農民の側は転作目標をオーバーするほど政府の方針に協力をしている事実があるわけです。ところが、政府の需給の見通しの甘さが多量の過剰米を生じたというようなことで、ついにこの公約を踏みにじったという事態であります。農民は非常に憤激をしているわけですが、これはもう農林水産大臣が済みませんと頭を下げて済むことではないと私は思うのであります。責任をいかにしておとりになるのか、それをひとつお答えいただきたい。
  209. 武藤嘉文

    ○武藤国務大臣 お答えをさせていただきます。  確かに先生御指摘のとおりで、原則としては三年間固定をしていく、こういう形で転作をやってきたわけでございます。ところが、結果的には御承知のとおり、いま約七カ月分の消費に相当する六百五十万トン程度の在庫を抱えておるわけでございまして、今日まで生産調整に御協力をいただいてまいりました農民の皆様方、あるいは地方自治体、あるいは農業団体のことを考えれば、この固定してきたものを変えるということに対しては本当に申しわけがないことでございますけれども、しかし、現実にこの六百五十万トンをこれからまたいまの転作を進めないで万が一にでもやった場合には、一層在庫がふえていくということになりますと、今度は来年において食管の根幹を崩すような議論まで出てくるのではないか、こういう判断をいたしまして、大変申しわけがないけれども、ひとつこの際政府の改定をさせていただいて御協力を願いたい、こういう形でやらせていただいたわけでございまして、ぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。
  210. 安井吉典

    ○安井委員 きょうの一番初めに大平総理が申しわけないと言ってから、申しわけない、申しわけないが五人目ですか、しかし、その申しわけない内閣のきょうの私の最後の質問者である農水大臣のその言葉だけで農民は納得するというわけにはいかぬのではないかと思います。  転作目標は三十九万一千ヘクタールから五十三万五千ヘクタールへ十四万四千ヘクタール増加をし、新しい転作率は一八・六%になるわけですが、東北、北陸などの主産県は全体の水田の中の大体一〇%台、北海道は四三・六%という数字、これだけやめなきゃいかぬわけですね。ですから、もうそれぞれこのような割り当ては返上するというような不満の声がいま高まっています。  そこで、二点だけ伺っておきたいと思います。この前の割り当てのときも、これでいいのですと言って三年前お出しになったのが、いま間違っておりましたということで・計算違いでした、申しわけない、こう言っているわけですが、この割り当てで今度は間違いないのですか。また間違いましたと農林水産大臣が頭をお下げになるようなことにならぬのかどうか、そのことをひとつはっきりさせていただきたいし、それから、五十六年度以降の第二期の転作目標の基礎に先日お決めになった新目標はそのまま使われるのかどうか、この二点について伺います。
  211. 武藤嘉文

    ○武藤国務大臣 お答えをいたします。  いまの、見通しが誤ったから今度もまた見通しを誤るのではないかという御指摘でございますが、私どもいままでの見通しを誤ったことに対しては率直におわびを申し上げておりますが、そういうことを二度と繰り返すことがないようにという観点からいろいろと検討させていただいたわけでございまして、もしおしかりをいただくようなことのない形で改定をしていなければ、かえってそれは需給バランスがもっと崩れていく、こういう観点からあえて今度改定をお願いしたわけでございますので、この点について私どもは、米の消費拡大により一層努力をしてまいらなければならぬことは当然でございまして、そういう形をして何としてでもこの五十五年度においては単年度でひとつ需給の均衡を図りたい、こう考えているわけでございます。  第二点の公平確保措置の問題でございますけれども、五十六年度からどうするかということはいまのところまだ決めておりませんが、従来の三十九万一千ヘクタールに相当する分については公平確保措置をとらせてきていただいておりますけれども、今回の増加分については、この間の衆参両院の農水委員会においても、それはとるべきではないという御意見が大変強いわけでございまして、その御意見を尊重させていただいて公平確保措置はとらないことにしたわけでございます。
  212. 安井吉典

    ○安井委員 それからもう一つ私が聞いているのは、五十六年度以降の目標にことしの新しいものを使うのかどうかということです。
  213. 武藤嘉文

    ○武藤国務大臣 これは先生御承知いただいているとおり、いま農政審議会におきまして、五十六年度以降、いわゆる一九八〇年代の農政をどうするかということで検討いただいております。私どもといたしましては、日本人の主食である米の消費がもう少し何かふえないであろうかということも今後検討をより強めて努力していかなければならないと思っておりますし、そういうこととあわせて、農政審議会の今後の農政の見直しのいろいろな御意見を踏まえて決定をしたいと思っておりまして、五十六年度以降のことについてはまだ決めておりません。
  214. 安井吉典

    ○安井委員 公平確保措置、いわゆるペナルティーの問題について、この委員会も川俣委員などが去年の通常国会でしたか、いろいろ問題にした点でありますけれども、ペナルティーの問題は目標積み増し分には適用しないという御決定は、これは賢明な措置だと私も思います。  それなら転作奨励補助金の計画加算額、計画を達成したらこれだけ上乗せしますという仕組みがあるわけでありますけれども、その算定基礎である計画面積はいままでの古い目標面積で算定して支給した方がよいのではないか、それで筋も通るのではないかと思います。水田利用再編交付金の達成基準についても同様に思うのでありますが、これはどうですか。
  215. 武藤嘉文

    ○武藤国務大臣 御承知いただいておりますように、従来やってまいりました七項目の中に入っておるわけでございますが、今回はその比率を、いわゆる三十九万一千でございますから、それから五十二万五千に上がるその差額の分につきましていろいろ検討いたしましたが、結果的には、全体的にその分について従来の七項目以外にその約五割について、現在の七つの項目そのままを伸ばさないで、田の面積に比例した分を加える、こういう形でやらしていただいたわけでございます。
  216. 安井吉典

    ○安井委員 いや、私が言っているのはそうじゃないのですよ。転作奨励金の支給の問題です。局長、おわかりですね。
  217. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 お答え申し上げます。  地域ぐるみの計画転作をやりました際に、転作奨励金の基本額のほかに加算額を支給することに相なっております。その地域ぐるみの計画転作といいます際には要件が二つございまして、一つは、いまの団地化要件というのがございますが、そのほかに目標達成要件というのがあるわけでございます。その地域として、集落なら集落の全体としての目標、これを達成いたしませんと加算額がつかない、こういうわけでございます。  それで、三十九万一千ヘクタールベースの段階におきましては、当然それが集落の方におりていっているわけでございまして、そのベースでもって達成すれば計画加算がついた。今回は五十三万五千ヘクタールに増額改定をするわけでございます。しかし、この増額改定いたしました五十三万五千ヘクタールも正規の転作等目標面積であるというふうに私たちは考えております。したがいまして、これがだんだん県、市町村を通じて集落、個人といくわけでございますが、その際の計画達成要件としては、ただいま申し上げましたように五十三万五千ヘクタールはあくまでも正規の目標面積でございますので、計画加算がつくときの目標達成要件という際には、三十九万一千ヘクタールベースのものでなくて、五十三万五千ヘクタールベースの集落としての目標を達成しませんとこの加算金はもらえない、こういうふうに考えております。
  218. 安井吉典

    ○安井委員 積み増し分についてはペナルティーも課さない、こう言うのですから、そういうゆとりがあるのなら私の主張も間違いではないと思うのですが、どうですか。
  219. 二瓶博

    ○二瓶政府委員 五十三万五千ヘクタールといいますものは、正規の転作等目標面積であるということでございます。ただその際に公平確保措置、転作協力者と不協力者間の不公平を避けるという行政上の必要最小限度の措置と言われております公平確保措置、これは当然適用はしなくてはいかぬのですが、その際に、五十三万五千ヘクタールベースでやるか、三十九万一千ヘクタールベースでやるかというのが問題になるわけでございます。  いろいろ検討をいたしました結果、地方公共団体等によりましては、従来の経緯もこれあるし、三十九万一千ヘクタールベースにかけた方がむしろ五十三万五千ヘクタールの計画達成がしやすいという御意見もあり、また過般の衆議院、参議院の農林水産委員会での御質疑等を伺いますと、やはりそこはそうしてもらった方がむしろいいではないかという御意見もございまして、いろいろ考えた上で積み増し分には公平確保措置を適用しないことにいたしましたが、これは計画加算の目標を達成した場合に計画加算を払うという目標達成要件の目標も、必ずしもそうしなければならぬということでは私はないと思います。公平確保措置は公平確保措置、あるいは計画加算の要件は計画加算の要件ということで見べき筋合いのものである、かように考えております。
  220. 安井吉典

    ○安井委員 ちょっと時間が足りませんから、それはひとつ農林水産省の方への宿題にしておきたいと思います。  行政改革の問題あるいはいわゆるリムパックの問題等も取り上げたいと思ったのですが、もうあとわずかになりましたので、最後に、あさっていよいよ大平総理は訪中されるわけであります。その問題についてちょっとだけ伺っておきたいと思います。  日中友好のきずなを一層強めるということは至極結構であり、その意味での成功を祈るわけであります。三原則というのをお立てになっているとお聞きいたしますけれども、ASEANとのバランスの問題もあるし、ソ連との関係もあると思います。しかし、軍事協力にのめり込むようなことはやはり避けるべきであり、こういう意味において子々孫々までの友好関係を深めていくというその目的を達成してもらいたい、こう思います。  向こうに行かれるお気持ち、御決意、それからまた時間があれば例の借款の内容等も伺いたいわけでありますけれども、それらを含めて総理のお考えを伺っておきたいと思います。
  221. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 いま安井さん仰せになりましたようなこと全く同感でございまして、中国が日本並びに西側諸国と開かれた関係を持ちながら現代化を進めてまいるということは、日本、アジアばかりではなく世界全体のために望ましい方向であると思います。わが国といたしましては応分の協力をいたすことを明らかにしたいと思いますが、その場合は、仰せのとおり軍事的な協力にわたらないように十分戒めていかなければならぬと考えております。このことは先方もよく了承いただいておることと感じております。それから、周辺の諸国が日中関係に対して持っておる願いあるいは懸念、そういったものも十分念頭に置いて隔意のない意見の交換を遂げてまいるつもりでございます。
  222. 安井吉典

    ○安井委員 もう一つ、リムパックのこともちょっと伺っておきたいわけでありますが、これは私は日本の防衛の将来の問題について非常に重大な決定ではないかと思います。  時間がないのでそれに入る余裕はありませんけれども、いままでいろいろ国会での御答弁をなすっていらっしゃるようであり、新聞の記事等も見ているわけでありますが、これはもう言葉のやりとりだけではなしに、これらの問題についての政府の統一見解を文書で私はいただきたいと思います。それからまた、この計画書の中身も私ら何も知らされてないわけですよ。ひとつこれも計画書を文書で資料として国会の方に御提出をいただきたいと思います。その二点についてお願いします。
  223. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 承知いたしました。
  224. 安井吉典

    ○安井委員 これらの問題は、ひとつ後の審議の中で深めさせていただきたいと思います。  いずれにいたしましても、外国と共同の訓練の幅をどんどん広げていく、そしていままでのせっかく守ってきた仕組みをだんだんなし崩しにしていく、そういうことはこれは慎むべきことであり、このことを私たちは安易に許すわけにはいかぬと思うわけであります。その点問題点を将来に残して、私の質問を終わります。(拍手)
  225. 田村元

    ○田村委員長 これにて安井君の質疑は終了いたしました。  次に、二見伸明君。
  226. 二見伸明

    ○二見委員 国民が政治に求めているのは、私は、政治倫理の確立と綱紀粛正、それから行政改革、そして国民がいま心から憤りを感じているのは、財政再建を口実にして教科書の無償配付の取りやめや児童手当の廃止など、教育、福祉の切り捨てを行おうとしているいまの大平内閣の政治姿勢、政策ではないかと思います。  私は、最初に政治倫理の確立、綱紀粛正についてお尋ねをしたいわけでありますけれども、いわゆる政治倫理の確立、綱紀粛正というものは、私は大もとから姿勢を正さなければならないと思います。その点で最も責任を負わなければならないのは、私は大平総理大臣御自身だと思います。すなわち、野党はもちろん、与党の内部にすら反対があったにもかかわらず、あなたは衆議院の解散を強行した。しかも選挙後一カ月以上も、それこそ国民をほったらかしにして党内の権力闘争に明け暮れをしていた。国民はその醜さに憤りよりもあきれ返っているのが私は真情ではないかと思います。本会議であなたは「私の不明のいたすところであり、深く反省しております。」と表明されましたけれども、そうした表明で済むようなものではないと私は思います。  しかも、そうした中でやっとでき上がった第二次大平内閣というのは、午前中も稲葉委員からも御指摘がありましたように、欠陥内閣と言わざるを得ないと思います。ロッキード被告の無罪を期待している法務大臣がいたり、KDDにパーティー券を買わせるような閣僚が出たり、私はそうした大平内閣で果たして政治倫理の確立や綱紀粛正をやるだけの資格、力があるのだろうかと実は非常に疑問に思っているわけでありますけれども、この点について、また不心得な大臣がいるということに対して、総理大臣はどういうふうにお考えになっているか、お述べいただきたいと思います。
  227. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 綱紀の粛正は、もとから正してまいらなければならぬということは、二見さんが御指摘のとおりでございます。したがって、内閣自身、それよりも何よりも私自身の姿勢が正しくなければならぬと存じまして、不敏ながら十分戒めてかかる決意でございます。  総選挙並びに総選挙後の政局の混迷につきましては、たびたびの機会に釈明申し上げておるわけでございますけれども、しかし、これは仰せのとおり釈明をもって足れりとしないわけでございまして、これから私の内閣が何をするか、何をしないかで国民の判断を求めなければならぬと決意いたしまして、新たな決意で内外の諸問題に真剣に取り組んで国民の期待にこたえなければならぬと存じております。
  228. 二見伸明

    ○二見委員 午前中もいろいろ御指摘がありましたので、深くはきょうは申しませんけれども、ただ法務大臣に一点だけお尋ねしたいと思うのです。  国民はロッキード事件に対しては徹底した解明、徹底した究明を願っております。疑惑を一日も早く晴らせというのが国民の一致した政治に対する要求であります。したがって、法務大臣が就任されたときのごあいさつは、本来であるならば、こうした事件は徹底的に解明すると同時に、二度とこうした事件が起こらないようにするというのが、私は法務大臣の就任のときのあいさつであってしかるべきだと思うのです。それが午前中も、一緒に席を並べた仲間だからとかいろいろお話がありましたけれども、いかなる個人的な事情があるにせよ、ああした言動というのは許すべからざる言動だろうと私は思います。法務大臣、午前中もいろいろと言われておりますけれども、もう一度ここでお考えをいただきたいと思います。
  229. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 私が法務大臣に就任いたしました直後の記者会見におきまして、ロッキード事件の裁判について感想を求められ申し述べましたことについて、いろいろと御批判を受け世間をお騒がせいたす結果となりまして恐縮いたしております。  このようなことを申し述べましたのは、質問者から、法務大臣と現に進行中の裁判とは直接関係はないがとの前提のもとに、個人的な感想あるいは印象といったものを尋ねられたからでありまして、私といたしましては、法務大臣の立場から具体的裁判について所見を申し述べる意図は毛頭なかったのであります。わが国においては三権分立の制度が確立いたしており、裁判所には厳正中立にして公正無私の伝統がございます上、制度的にもおよそ法務大臣が現に係属中の事件につき裁判所の判断を左右するようなことはできないのでございます。しかしながら、法の執行の最高責任者たる法務大臣として国民の誤解を招くような発言をいたしましたことは遺憾であり、反省いたしておるところであります。今後このようなことがないよう十分注意してまいる所存でございます。どうぞよろしく御了承願います。
  230. 二見伸明

    ○二見委員 要するに、いまの法務大臣の御答弁は午前中の御答弁と恐らく一字一句違わない答弁だと思います。  私はもう一度重ねてお尋ねいたしますけれども、あなたは、あなたの発言の重大性というもの、どれほど国民がショックを受けたかという、その重大性というものはお感じになっておられますか。
  231. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 よく感じておりますので、先ほど申し上げましたようにお答えいたしたわけであります。
  232. 二見伸明

    ○二見委員 総理大臣にお尋ねしますけれども、実はいま新手の政治資金集めとして、〇〇君を励ます会という名称で会が設けられ、パーティー券が売りつけられております。実はこれは週刊東洋経済十月十三日付に書いてあるのでありますけれども、   自作自演の「〇〇君を励ます会」「出版記念会」などの名称で、議員秘書たちが一枚二万~三万円のパーティー券を押しつける。後援会や少しでもつながりをもつ企業へはもとより、各省庁や公社・公団がもっぱらの得意先。省庁ごとに一〇枚以上さばくのが普通だという。   各省庁には国会担当の窓口や、法案審議にかかわり合いをもつ担当の課長・補佐クラスへパーティー券が回ってくる。役所の交際費からは表向きには支出できないうえ、ポケット・マネ一からまかなえるはずもない。   そこで、その省庁と関係の深い公社・公団へ押しつけたり、業界団体や企業へ引き受けさせることになる。   これまでの大口の政治献金に代わる、あるいはそれを一部代行した格好のこのたくみな“錬金術”が、役所と業界団体を集金マシーンに組み込んだ政官財ゆ着の構造へと変容していく。鉄建公団の不正経理事件は、はからずも公社・公団がその官政ゆ着のパイプの役割を果たしていることを告知してくれたといえよう。   と同時に、鉄建公団のヤミ賞与は構造問題として根が深く、カラ出張、ウソ超勤は大なり小なりどこの官庁、公団それに地方自治体でもやっているという疑惑がもたれている。浮かしたカネの大半は官僚・職員の飲食費に使われ、一部が「裏金」としてプールされて、国会議員や大蔵官僚など外部との付き合いに回っているという。 こういう記事があります。  省庁や特殊法人は今後二度とパーティー券などは取り扱わないと厳しい指示を出していただきたいと思います。それを総理大臣にお尋ねしたい。  と同時に、もう一つ、総理大臣は所信表明の中で政治資金の明朗化ということをおっしゃいましたけれども、たとえばいま励ます会のパーティー券、私は励ます会でパーティーをしたことはないからわかりませんけれども、これは政治資金規正法上の盲点でもあるわけです。たとえばパーティー券を売って五千万円の収入が入る。どっかホテルでもってパーティーをやった。その経費が二千万円、残り三千万円であります。この残り三千万円を何人かの発起人が一人たしか資金規正法上百五十万ですけれども、二十人なら二十人の発起人が〇〇君個人に政治献金として献金した場合には、この三千万円については政治資金規正法上届け出の義務はないし、届け出をしなければならないような仕組みにはなっておりません。  これはパーティー券ばかりではありません。たとえばグラマンで問題になった松野頼三氏の五億円にしてもそうであります。政治家個人への献金であり、選挙運動その他政治活動に全部使ったと言えば、これは政治資金規正法上届け出の義務もないし、届け出る先もないし、また所得税法上捕捉するすべもありません。これは政治資金規正法上の盲点でありますけれども、あなたは政治資金規正法の政治資金の明朗化をおっしゃったのだから、この点についてはっきりと届け出の義務を課する、明朗にするように法改正をするお考えがあるかどうか。この二点をお尋ねしたいと思います。
  233. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 最初の御質問の励ます会のパーティー券の購入問題でございますが、ことしの十一月九日の閣議におきまして「綱紀粛正と行財政の刷新に関する当面の方針について」ということで十一項目にわたる具体的指示を各省庁にいたしました。その中で各省庁及び政府関係機関による政治家のいわゆる励ます会のパーティー券の購入、あっせん等は自粛するということを決めたわけでございまして、この趣旨に基づきまして各省庁において以後自粛してまいるものと考えております。  第二の個人の政治資金の明朗化の問題でございますが、二見さんも仰せになりましたように、個人の政治資金の規正はただいま仰せのとおりの状況になっておるわけでございます。私経済と個人の政治資金経済というものは本来別なものでなければならぬわけだと思いますし、先般政府に再発防止協議会を設けまして有識者の御意見も伺ったのでございますけれども、個人の政治資金の規正問題について、もっとこの明朗化を図る措置を講ずべきでないかという御提言もございました。したがって、それを踏まえて目下政府部内で検討をいたしておるわけでございまして、成案を得次第、政治資金規正法の改正案として御審議をいただきたいものと思っております。
  234. 二見伸明

    ○二見委員 ちょっとくどくなりますけれども、通常国会には提出できるでしょうか。それをひとつ重ねてお尋ねしたいことと、もう一つ、総理はやはり所信表明の中で制裁法規の整備強化をうたわれました。  そうすると、実は昭和五十二年二月に福田内閣の手によりまして刑法の一部改正案が国会に提出をされました。これはロッキード事件のような汚職が二度と発生しないようにということで提出されたものでありまして、その主な内容は、贈収賄罪の法定刑を一律に二年引き上げよう、これによって時効期間も二年延長するという内容の改正案をお出しになりました。しかし、この改正案は衆議院の法務委員会にかかりっ放しで審議されないで廃案になっております。それはほかならぬ自民党の一部にこの法案に対して消極的な意見があるために審議されず廃案になったと聞いております。制裁法規の整備強化というのは、この刑法改正案をもう一度お出しになるということなのかどうか、その二点をお尋ねしたいと思います。
  235. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 前段の政治資金規正法の改正案でございますが、政府で検討いたしておりまして、まず与党との事前の御相談をしなければならぬと考えております。先ほど申しましたように、成案を得次第、国会の御審議をいただく予定でございますが、通常国会にできるだけ間に合わすように努力はしたいと思いますけれども、これはこれから自民党並びに各党と御相談しなければいかぬ性質のものであろうと思いますので、いつごろになるかという見当はいまつきかねますが、できるだけ急いでやりたいと考えております。  それから、お尋ねの第二の制裁法規の整備強化でございますけれども、これは贈収賄罪の法定刑を引き上げることを内容とする刑法の改正法律案を次期の通常国会に提出する予定でございます。これは法定刑の引き上げによりまして、より強い一般的な予防効果を期待いたしますと同時に、収賄罪の公訴時効期間が自動的にそれによって延長されることを目指したものでございます。
  236. 二見伸明

    ○二見委員 実はこれが衆議院の法務委員会にかかって成立できなかったのは、先ほども申し上げましたように、自民党の一部に根強い消極論があったからであります。そして、私はこの刑法改正案が出されても果たして成立できるかどうかということについて一点の疑惑を持っているわけです。  というのは、福田内閣がこの法案を国会に出したときの自民党の幹事長は、ほかならぬ大平総理だったわけです。ですから、この法案が成立をしないで廃案になってしまった最大の責任は、私は大平総理にあると思うのです。今度は立場は変わって、あなたは総理大臣としてこの刑法改正案をお出しになる。通常国会で必ず成立させるだけの目算はおありなのか、それに対して与党である自民党に強い指導力を発揮することができるのかどうか、その点も重ねてお尋ねをしたいと思います。
  237. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 精いっぱい努力します。
  238. 二見伸明

    ○二見委員 綱紀粛正に関連して、やはり二、三具体的な問題でお尋ねをしたいと思います。  一つは、鉄建公団のいわゆる不正経理についてでありますけれども、会計検査院は鉄建公団の不正経理に対してこういうふうに報告をされております。   本年六月から九月までの間に本院が会計実地検査を行った本社、盛岡、名古屋両支社、青函建設局及び東京、新潟両新幹線建設局において、五十三事業年度及び五十四事業年度にこれらの現場調査旅費、工事監督旅費、測量及び調査試験費、普通旅費の各費目から職員に支払つた旅費の額はこの六箇所分で合計二十一万二千五百八十五件十三億三千六百三十五万円である。   この支払額について旅行の事実の有無を調査したところ、旅行命令書、旅費請求及び領収書等の関係書類を作為するとともに、これに合わせて出勤簿等の関係書類を整理するなどの方法により、旅行の事実がないのに旅行したこととしていたり、旅行の事実はあるが、日数及び宿泊数を付増したり、旅行先を実際の旅行先より遠方にしたりするなどして、不正に旅費を支出していたものが五十三事業年度において二万二千六百六十九件二億一千六百九十六万円、五十四事業年度において五千四百六十五件五千六百七十五万円、計二万八千百三十四件二億七千三百七十一万円の多額に上つていた。 これは御存じのとおりのものであります。  検査院にお尋ねしますけれども、ここで言う旅費というのは公費なのかどうか。そして、この旅費を支払う、鉄建公団の役職員が旅費の支出に関してオーケーと言っていろいろ出す行為ですね、これは公務なのかどうか、この点簡単にお答えいただきたいと思います。
  239. 小野光次郎

    ○小野会計検査院説明員 お答え申し上げます。  旅費については公費でございます。そして、これを支出いたしますのは公務でございます。
  240. 二見伸明

    ○二見委員 そういたしますと、この鉄建公団の不正経理、不当に支出された旅費、これは事実と違うわけですから、公の文書でもって旅費を請求し、もらっているわけでしょう。そういたしますと、この役職員のなした行為というのは、刑法百五十六条の虚偽公文書作成、刑法第百五十八条の虚偽公文書行使、こうした罪に該当するのではないかと思いますけれども、いかがですか。
  241. 小野光次郎

    ○小野会計検査院説明員 お答え申し上げます。  具体的なそういう刑法の関係につきましては直ちに結論が出せませんもので、ちょっと保留させていただきたいと思います。
  242. 二見伸明

    ○二見委員 直ちに結論を出せないのはどういうわけですか。そうすると、この行為というのは虚偽公文書作成でもなければ虚偽公文書行使でもないという判断をされているわけですか、検査院は。要するに、どうということない行為だ、そういうことですか。
  243. 小野光次郎

    ○小野会計検査院説明員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のように、そういうようなことで行使されているのは事実でございます。
  244. 二見伸明

    ○二見委員 事実であれば、刑法百五十六条、百五十八条が適用されるじゃありませんか。  それじゃ検査院にもう一点お尋ねいたします。  刑事訴訟法二百三十九条によりますと、一項では「何人でも、犯罪ががあると思料するときは、告発をすることができる。」とあります。そうして二項で「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」とある。鉄建公団が役職ぐるみで行ったこの不正経理というのは、まさにこれに当たってしかるべきじゃありませんか。検査院はどうしますか。
  245. 小野光次郎

    ○小野会計検査院説明員 お答え申し上げます。  この点につきましては、従来、会計検査院といたしましては決算検査報告によりまして明確に公表しているわけでございます。特に鉄道建設公団の今回の問題につきましては、先生先ほど御指摘された事実のとおり、私ども中間的ではございますが御報告してございます。そして参議院の決算委員会あるいは運輸委員会においては詳細に御説明申し上げてございますので、特に告発するまでもなくおわかりいただけたんだというふうに確信している次第でございます。
  246. 二見伸明

    ○二見委員 私は告発することを好むわけじゃありません。しかし、こうした不正は鉄建公団ばかりじゃないでしょう。住宅公団にもあるんでしょう。会計検査院は住宅公団にやみ手当が支給されているんではないかという判断をして、住宅公団に質問書かなんか提出されているんじゃありませんか。いかがですか。
  247. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 お答え申し上げます。  やみ手当というわけではございませんが、旅費の支給が適切でないとして、改善するように処置を要求いたしております。
  248. 二見伸明

    ○二見委員 具体的内容を言ってください。
  249. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 具体的に申し上げます。  住宅公団では、昭和五十三年度中に管内の工事事務所、それから開発局等に現場従務旅費として二億五千万円を支出しております。この旅費は、日本住宅公団の従務旅費規程というものによりまして、ただいま申し上げました局所に勤務する職員が公団の用務のために行程二百キロ未満で日帰りの旅行をする場合等に支給するものでございますが、その支給の実態を検査しましたところ、公団の運用方針によりまして、これは総体数でございますが、先ほど述べました支出額のうち、二億三百万円余りは従務地の全職員、これは千二百人ばかりでございますが、これに対しまして旅行の事実の有無にかかわらず、一カ月に十二日以上出勤した場合は一律に日当が一カ月一万四千二百六十円になるように支給しております。このような支給方法は旅費としては適切でないと認められましたので、このような取り扱いを改めて、短距離、短時間の旅行の場合にはこういうものを支給しないようにするなど、旅費の規程を整備して旅費の適正を期する要がある、こういう措置を要求しました。
  250. 二見伸明

    ○二見委員 旅費として適切ではないと言う。確かに言葉の上ではそうかもしれないけれども、実際には住宅公団もやみ手当を支給していたということでしょう。鉄建公団といい、住宅公団といい、いわば政府の監督のもとにある特殊法人にこうしたインチキなことがある。私は告発という荒っぽいことは好むものではありませんけれども、そのぐらい厳しい態度をとらなかったならば、要するにもらい得だという考えになったんでは、こうしたことはこれからも起こりますよ。だから会計検査院に厳しい態度をとれ、そうしなければだめじゃないかと私は言っているわけなんですけれども、検査院、どうなんですか。
  251. 小野光次郎

    ○小野会計検査院説明員 お答え申し上げます。  ただいまの刑事訴訟法によりますと、官吏はということになっているわけでございますが、私どもの役所としては、組織として調査官が調べてまいりまして、そして局で十分審議いたしまして、そして検査官会議の議を経てこれを検査報告に掲記しているわけでございますので、個人としてどういうふうに、どこの段階でそういう手続をとっていいのかということについては非常にむずかしい問題がございますので、検査報告で明確に公表することによりまして処置しているわけでございます。
  252. 二見伸明

    ○二見委員 それでは鉄建公団に対してもうちょっとお尋ねしましょう。これは運輸大臣に伺いたいと思います。  いわゆる不当経理のうち、職員、個人に支給した一億八千七百六十九万、これはどういうふうに処置するのですか。これは筋論からいけば全面返還させるのが筋ではないかと思いますけれども、いかがですか。
  253. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 現在詳しく調査中でございますが、大体において、一部税金で処理できるものがありますが、大体返還させるという方針で検討しております。
  254. 二見伸明

    ○二見委員 さらに運輸大臣にお尋ねしますが、行政改革が叫ばれている折でありますが、鉄建公団を直ちにというわけにもいかぬでしょうけれども、長期にわたって鉄建公団が存続する必要があるんでしょうか。大蔵省は地方の赤字線についてはもうやめたいという意向がある。そういう財政事情を考えた場合に、鉄建公団をむしろ国鉄に合併してしまう、そのぐらいのことをやってもいいんじゃないかと思いますけれども、鉄建公団を今後とも存続させますか、もう国鉄に合併させてもいいんじゃないですか。
  255. 地崎宇三郎

    ○地崎国務大臣 お答えいたします。  ただいま鉄建公団は、御承知のように世界的プロジェクトであります青函隧道あるいは新幹線あるいは過密路線対策というような非常に重要な仕事をしております。したがって、このような問題がある程度解決と申しますか、仕事が終わる時点において考慮したい、かように考えております。
  256. 二見伸明

    ○二見委員 では建設大臣にお尋ねします。  先ほど住宅公団のやみ手当の話がありました。恐らくこれから調査されるのでしょうけれども、調査してしかるべき処置はおとりになりますか。
  257. 渡辺栄一

    ○渡辺国務大臣 お答えします。  住宅公団の現場従務旅費の問題につきましては、まだ報告は受けておりませんが、不適正な点があれば是正をさせたいと思います。
  258. 二見伸明

    ○二見委員 KDDについてもお尋ねしたいのでありますけれども、参考人でお願いしている古池会長が公務のためにお見えになるのが三時半ごろになるそうでありますので、参考人に対する質疑はお見えになってからということにさせていただきますが、しかし郵政省に対して若干お尋ねしておきたいと思います。  KDDの今回の事件を見てしみじみ思ったことは、郵政省の監督と言いながら、まあ監督なんというものはえらく雑なものだという感じであります。しかも、KDDがこれだけのことをやっていながら実態が明らかにされないのは、会計検査院の検査の対象になっていないからであります。この際、国際電信電話株式会社法を改正して、会計検査を受けなければならないというふうに改正する、会計検査院の厳正な検査を受けられるように法改正をする必要があると思いますけれども、その点についての郵政大臣のお考えをいただきたいと思います。
  259. 大西正男

    ○大西国務大臣 お答えいたします。  御承知のとおりKDDは、KDD会社法という特殊な法律に基づいてできておる会社でございますが、同時にそれは株式会社でございまして、この会社ができました経緯等を見てみますと、やはり自主的な、そうして臨機応変の活動ができるという、そういう民間の活力にこの会社の存立を任せるということが……(発言する者あり)ですから、そういうことでできた会社でございますが、そういうことで、この法律によりますともちろん郵政省に監督権があるわけでございますが、その監督権は、この法律に基づいてその範囲で監督権を持っている、こういうことでございます。したがいまして、いままで郵政省におきましてはこの法律の趣旨に基づいて監督をしてきたわけでありますが、それは国際公衆電気通信事業という事業の適正な遂行を図るという趣旨において、それを主眼として監督をしてきておったわけでございます。今回、御指摘のような事件が生じておりますことは、監督の地位にある大臣としては大変遺憾なことだと存じております。  そこで、御指摘の点は、会計検査院にその会計その他を検査させるようにしてはどうか、こういうお話でございます。その点につきましては、いま私がその設立の経緯等について申し上げましたような点をも十分に勘案をしていかなければならない問題だと思います。したがって、これを法改正をしてやるかどうかについては、十分な各種、各方面からの検討をしなければ、直ちにそれを改正するということをここでお答えいたすわけにはまいらない、このように思います。
  260. 二見伸明

    ○二見委員 郵政大臣、冗談じゃありませんよ。それではもう一度角度を変えてお尋ねいたしましょう。  KDDは、昭和四十九年には交際費は五億六千四百万だった。これは国税庁に報告されている交際費ですよ。五十年が六億四千百万円、五十一年九億二千三百万円、五十二年十三億九千九百万円、五十三年二十二億三千八百万円、五十四年の上半期は十二億五千四百万円、これだけの交際費が使われたとして国税庁には報告になっている。  では郵政省の方にはどういう形でいっておるかというと、郵政省への報告資料は、四十九年は八千四百万円、五十年は九千四百万円、五十一年は一億五百万円、五十二年一億三千万円、そして二十二億三千八百万円使った五十三年は一億四千三百万円、この差額はどうしたのです。郵政省はこの差額をどうやって監督していたのです。しかもこの差額が問題の贈答品じゃありませんか。商品券とか贈答品はみんなこの差額じゃありませんか。これで監督してきたと言えるのですか。だから会計検査院の対象にしなければ、まともなことはできないと言っているのですよ。それもできなくて、行政改革なんてできるわけはないじゃないか。  いいですか、しかもそれだけじゃないのです。KDDはどのくらいもうかっているかというと、剰余金、配当から何から何まで全部差っ引いて、もう使いようがないくらい余っているお金というのがどのくらいあるかというと、四十九年には五百三億円あった。五十年には五百六十二億、五十  一年には六百三十五億、五十二年には七百九億、五十三年には七百八十七億円、これだけの剰余金があるのですよ。しかも監督する郵政省の方は何もわかりゃしない。だから会計検査院の検査の対象にしなければならないし、厳重な審査の対象にしなければこの問題はこれからも続きますよ。  まず、郵政省への届け出と国税庁への届け出の違いについて、郵政省はどういうふうに見てきたのか。中身を聞いているはずなんです、この違いは。
  261. 大西正男

    ○大西国務大臣 従来の監督の状況につきましては事務当局からお答えをいたさせます。
  262. 寺島角夫

    ○寺島政府委員 お答え申し上げます。  ただいま御指摘のありましたいわゆる税法上の交際費的なものと申しますか、その金額につきましては、ただいま御指摘のあったように私ども報告を受けております。それで、いま一つの交際費として御指摘のありました小さい方の金額でございますが、この点に関しましては、会社の経理上の区分によりまして交際費として計上されておる金額と、かように理解をしておるわけでございます。  それでは、なぜその辺のことがよくわからなかったのかという御指摘でございますが、先ほど大臣から概略的にお答えを申し上げましたように、現在の法律におきましては、郵政省が決算関係について認可の対象といたしておりますのは利益金の処分でございます。決算の結果出てまいりました利益金の処分。利益金の処分と申しますのは、主として株主への配当、そして年度決算におきましては役員賞与金でございますけれども、こういったことについてその配分、社外に流出する金でございますので、こういった利益金処分が適当かどうかという観点から郵政省は審査をし認可をいたしてきたわけでございまして、決算そのものを認可対象としてとらえてきたわけではないわけでございまして、その点で決算の細かい内容についてまで一々目を通しておらなかったということは、そのとおりでございます。
  263. 二見伸明

    ○二見委員 決算を審査しなかった。それでは一体何のために監督しているのですか。この交際費について、たとえば五十三年はKDDから郵政省への報告では一億四千三百万、国税庁には二十二億三千八百万、この違いがあるわけです。それでKDDに言わせると、一億四千三百万というのはいわゆる狭い意味での交際費を交際費として載せているのであって、いわゆる贈答品とかそういうものは税法上の交際費として国税庁の方に載せたんだ、そのことに対しては郵政省も説明を受けているわけでしょう。もし郵政省に報告する場合に、交際費の費目の中に二十二億三千八百万円と数字でぽんと出てきた場合には、郵政省はやはりそれでもこの交際費の中身はどうなんですかというようなことは言わないのですか、どうなんです。
  264. 寺島角夫

    ○寺島政府委員 お答えいたします。  先ほどお答え申し上げましたように、利益金の処分というのが認可の対象になっておりますので、それに付随してまいります書類と申しますのは、決算によります貸借対照表並びに損益計算書でございます。この書類につきまして会社の経営状況、財務内容等を見るわけでございますけれども、なおそのほかに、必要に応じてより細かい資料を任意にKDDから求めまして内容を当たることがございます。その中の一つにただいま御指摘のありました会社の経理区分によります交際費という項目で挙がっておる金額は、御指摘のとおりでございます。
  265. 二見伸明

    ○二見委員 これは細かいことをがたがた議論してもしようがありません。  総理大臣、KDDがここまで問題になった以上、そしていまのお話のように実際には細かいことは郵政省には監督権限がないわけだ、やはりKDDは会計検査院の検査対象にするように法律を改正していただきたい。そうしなければこの問題は解決しません。総理大臣の決断を求めたい。NHKだってちゃんと予算、決算は国会の対象になっているじゃありませんか。しかも通信事業というのは、これから非常に重要な分野にもなってくるのです。そういう観点から考えても、これは会計検査院の検査対象にすべきだと私は思います。そういうふうに法律改正をしてもらいたい。
  266. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 現在、総理大臣の意を体しまして、私からあらゆる特殊法人に関しまして各省大臣にその統合整理、廃止あるいはまた内容の大是正等を要請いたしておる最中でございます。したがいまして、私からも郵政大臣と近く話すチャンスがございます。私個人の意見を求められるのならば、特殊法人の今日の弱体な性格等々を考えました場合に、やはりKDDはいまのままの姿であってはならないという決意で私は郵政大臣と話を進めたいと存じます。
  267. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 会計検査院の検査の強化の問題は、先般来、このKDDの問題とはまた別に、国会を中心に議論が展開されておるところでございます。立法政策上の問題としていろいろ論議すべき問題がありますことは、二見さんも御承知のとおりでございます。その問題は一応別にいたしまして、KDDの再建に関しまして会計検査院の手を煩わすかどうかという問題につきましては、この問題ともあわせまして検討させていただきたいと思います。
  268. 二見伸明

    ○二見委員 断固たる決意で、会計検査院の対象にすることを心から期待をいたしております。  次に、先日三十日に大蔵省があえて発表した五十五年度予算の骨格ともいうべき二つの試算についてお尋ねをしたいと思います。  これは国債の一兆円減額を前提としたものでありまして、大蔵省の発表のケースAによると税収は二十六兆円で、歳入総額は四十二兆一千七百億円、ケースBによりますと税収は二十六兆八千四百億円で、歳入総額は四十三兆百億円であります。ケースAとケースBの相違点というのは、ケースBだと当然増経費は一兆七千億円になり、現行の当然増経費をまるまる見込むことができるけれども、ケースAでは当然増経費は一兆一千四百億円しか見込めず、ケースBより五千六百億円少なくなるというところに違いがあると思います。  私は、大蔵省が今回これを発表したねらいというのは、いろいろなねらいがあるだろうけれども、社会保障や文教予算を五十四年度並みにしたければ八千四百億円の増税を認めろ、増税がいやなら社会保障や教育を削るぞという国民に対するおどかしではないのかというふうに見るわけでありますけれども、大蔵大臣のお考えをいただきたいと思います。細かいことは要りませんけれども、おどかしなのか、おどかしでないのか。
  269. 竹下登

    ○竹下国務大臣 これはまさに五十五年度財政事情の試算でございまして、おどかしではなくして、国民の皆さん方にこの財政事情の実情をしかと御認識賜りたいという試算そのものでございます。
  270. 二見伸明

    ○二見委員 これは、新経済社会七カ年計画では年平均五・七%の実質成長率になっておりますけれども、その五・七%の実質成長率というものを意識してこの試算ははじき出したものでしょうか。
  271. 竹下登

    ○竹下国務大臣 このフレームにおきますところの税収見積もりに当たりましては、各界の意見等を参考として、また必要な経済諸指標について各種の想定を設けて作成をいたしたものであります。新経済社会七カ年計画は、昭和六十年度の中期的な経済の姿を描いたものでありまして、中期的な財政運営の指針たるものでございます。これに対して来年度の税収見積もりは、五十五年度の具体的な経済の姿の見通しに基づいて、今後の政府の経済見通しに即して作成するものでありまして、直接の関係はない、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
  272. 二見伸明

    ○二見委員 財政の厳しい事情を国民に理解してもらうために試算を出したのだそうでありますけれども、私も歳出で大なたをふるう必要はあると思います。だからといって、教科書無償配付や児童手当をやり玉に上げるというのは私は納得できない。これが出た途端に、何を削るか、教科書無償配付をやめよう、児童手当は廃止しよう、意識的に流されている。あなたは福祉や教育予算を本気になって削る気なんですか。国民の強い抵抗を、反対を受けながらでもおやりになりますか。私は、むしろ大型プロジェクトをおくらせることによって歳出を抑えるということも考えてしかるべきではないかと思います。いかがですか。
  273. 竹下登

    ○竹下国務大臣 財政再建が緊急の課題でございますので、昭和五十五年度予算におきまして、福祉、教育予算に限らず、すべての財政支出について厳しい見直しを行って財政再建の第一歩を足しなければならないというふうに考えております。  ところで、わが国の社会保障は、制度的には国際的に見ましても遜色のない水準に達しておりますが、今後高齢化の進展等に伴いまして、現行の給付水準をそのまま維持していくだけでもその費用負担は大幅な増大を予想されるわけであります。したがいまして、今後社会保障等を推進していくに当たりましては、従来にも増して制度の合理化、給付と負担の公平化等を着実に図っていく必要があります。  五十五年度予算編成に当たりましては、以上の基本的な考え方につきまして、国民福祉を配慮しながら制度の、施策の適正化の検討を行ってまいりたい。したがって、私はあえて申し上げますが、この予算全体の中で、特に強いものとか弱いものとか、そういうものを指摘するのではなく、社会福祉そのものが重大であるという認識に十分立っておりますが、現実に即応して、また将来を展望しながら、厳しい態度で査定そのものには臨まなければならない、このようなことを申し上げておるわけであります。
  274. 二見伸明

    ○二見委員 具体的な予算案、予算の顔ができ上がってきませんと細かい突っ込んだ議論はできませんけれども、ただ、教科書無償配付や児童手当を廃止することを前提とした歳出の削減、そうしたことは私たちとしてはとうてい容認できないということを大蔵大臣は知っておいていただきたいと思います。  なお、歳出の大幅削減というか、大なたをふるうわけでありますけれども、その場合には防衛予算も抑えるだけの勇気はございますか。
  275. 竹下登

    ○竹下国務大臣 防衛予算の問題につきましては、もとよりこれは国防の基本方針に基づいて、国力、国情に応じて逐次その整備に当たってきておるところでありますが、具体的な実施に際しましては、そのときどきにおける経済、財政事情等を勘案して、国の他の施策との調和を図りながら今日まで行ってまいっておるわけであります。したがって、これまた、防衛予算だから削るということではなく、各種政策の調和の中にこれが査定に当たりたい、このような考え方であります。
  276. 二見伸明

    ○二見委員 要するに、来年度はかなり厳しいんだから、防衛予算だからというのじゃなくて、防衛予算であっても抑えることにやぶさかではないということに理解してよろしいですか。
  277. 竹下登

    ○竹下国務大臣 防衛予算に限らず、すべての調和を求めて厳しい対応をしていく、こういう意味であります。
  278. 二見伸明

    ○二見委員 私は、歳出を考える場合に、行政改革と並んでやはり考えなければならないのは補助金の整理だと思います。午前中もそうした議論が若干あったようでありますけれども、五十四年度でも補助金は十二兆八千億円に上っております。補助金の整理というのはもう毎年言われてきておりまして、大蔵省もかなり努力をされてきたようであります。  その結果、五十四年度では補助金は千二百七億円整理された。しかしその反面、新しい補助金が九百七十億円ついて、従来の補助金の増額が一兆五千八百七十一億円もあった。一方では千二百億円ぐらい減らしておきながら、片方では一兆数千億円という補助金の増額がある。これでは、補助金は幾ら整理しても焼け石に水だろうと私は思います。  しかも補助金の中には、重複したり似たようなものがたくさんあるわけなんです。これがいいとか悪いとかということではありませんけれども、たとえば厚生省は、去年健康づくり振興財団というのをつくって、五十四年度に十億円の金を出している。一方、総理府などの所管で、国民健康・体力つくり運動協会というのが五十一年の四月にできて、これにも五十四年度には一億三千三百万円の補助金が出ている。それどころか、厚生省は市町村に対して国民健康づくり地方推進費補助金十億円、一市町村にすれば三十万かそこらの金になっちゃうだろうと思いますけれども、そういうものが出ておる。総理府は総理府で、国民健康体力増強費補助金というものを都道府県に二億円出している。こうしたものを一つ一つ洗い直しながら整理していけば、もっと少ない額で効率的な運用もできるんじゃないか。お役所の間のいろいろななわ張りもあるだろうけれども、そうした補助金の徹底した見直しというのは、私は本気になって取り組むべきだろうと思います。  もう一つ、補助金というのは、たとえば生活保護費みたいに、あるいは教員の給与みたいに、法律に規定されている法律補助というのがありますね。去年の場合ですと、十兆八千億円ぐらいが法律補助であります。残る二兆五千億円ぐらいがいわゆる予算補助というわけで、予算補助については、中央官庁の係長のいすに一つずつあると言われるくらい複雑でわけのわからないのがいわゆる予算補助であります。  そうすると、補助金の整理については、まず予算補助をゼロにしてしまうという、現実的にはゼロにはならぬだろうけれども、まずゼロベースから見直すという作業を私は予算補助に対してはしてもいいんじゃないだろうか。そうした形で補助金の洗い直しをしていかなければ、ことしみたいに、千二百億円整理はしたけれども片方で一兆何千億円ふえちゃった、ばかみたいなことになるんじゃないかと思います。  その点について、五十五年度予算では補助金に対しては徹底的な整理をお願いしたいと思います。具体的に予算委員会が始まるときに、五十五年度の補助金の整理は実質的にこうなりましたということを報告していただきたいと思います。いかがでしょうか。
  279. 竹下登

    ○竹下国務大臣 ただいまの二見委員の御発言の趣旨は、私にも十分理解できるところであります。したがいまして、私どもといたしましていわゆるサマーレビューから始まりましてその問題点の洗い直しというものを今日もなお継続いたしておるわけであります。いま二見委員おっしゃいましたように、目にして千数百あるいは目細にすると三千数百、こう言われておるそうです、これは私が大蔵大臣になってから聞いたことでございますけれども。したがいまして、それぞれをもとから洗い直していくという姿勢になれば、まあゼロベースという言葉が適当かどうかは別といたしまして、その方向には私どもも賛成であります。
  280. 二見伸明

    ○二見委員 確かに国民から見ればわけのわからない、効果のほどもわからない補助金を支給する、その補助金のための財源として増税をしなければならぬとか、福祉や教育が切り捨てられるというのではたまったものじゃないし、納得できないだろうと思います。その点は大蔵大臣に勇断を持ってやっていただきたいと思います。  次に、これからの経済の情勢について若干お尋ねをしたいと思います。  私は、やはりこれから来年度の経済というのはかなり深刻な問題になるだろうと思います。経企庁はまだ作業中でありましょうけれども、すでにアメリカやヨーロッパは景気は後退局面に入っておりまして、一方、物価だとか石油の情勢を考えますと、来年度の経済というものはことしよりも苦しいのではないかという感じがいたします。事実、大和証券では来年は実質成長率が二・一%ではないか、日本経済データ開発センターでは二・三から三・八%ぐらいではないかというふうに見ているわけであります。政府は新経済社会七カ年計画では平均五・七%の目標を掲げておりますけれども、来年度は、この五・七%の目標に政策努力をすることによって近づけるような目標値を設定するのか、目標は目標として、五%を割り込むような目標値でもしようがないというような判断をされているのか、この点はいかがでしょうか。これは経企庁でしょうか。
  281. 正示啓次郎

    ○正示国務大臣 御指摘のように、内外の情勢はきわめて厳しいものがあることは、本会議の質問に対しまして総理からもたびたび申し上げたとおりでございます。特にただいま二見委員御指摘のように、諸外国のインフレの進行その他、また何といっても世界的に大問題は石油を初めとするエネルギー問題、わが国にとっては円為替の非常に厳しい状況、これらをあわせ考えますると、来年度の経済の姿というものは私どもにとっては非常に深刻な問題でございます。     〔委員長退席、渡辺(美)委員長代理着席〕  しかし、萎縮してばかりはおられません。何としてもまず当面の物価問題、そういうものに対して全力を挙げて取り組んでおるわけであります。卸売物価はもう御案内のように大変上がっておりますけれども、これに対しましても石油の確保、また円レートの安定、そういう両面から全力を尽くし、さらにまた、卸売物価が消費者物価に及ばないようにということで先般、十一月二十七日でございましたけれども、関係閣僚の会議をまず開き、そこで決定しましたことを閣議に報告いたしまして、全閣僚が一致してこの大事な危局を乗り切ろう、こういうことを内閣としても決意いたしたような次第でございます。さらにまた、その基本的な方針に基づきまして年末年始の物価対策、先ほど来非常に問題になりました灯油その他の問題についても、全省庁、これは公取、日銀も入っておりますが、挙げて取り組んでおるような次第であります。  われわれは物価の安定、インフレの抑制、そしてエネルギーの確保と雇用の確保、こういう面を十分配慮しながら、来年度においても、新経済社会七カ年計画の目標というふうには私どもは必ずしも考えておりません。いろいろの問題が予想を超えて起こっておるわけであります。しかし基本的には、日本の経済をなだらかに成長させ堅実に発展させていく、そして雇用を確保していく。こういう面に主眼を置きまして、先ほど来まず大蔵大臣から、来年度は国債一兆円を減らそう、これによって円の信用を確保しよう、こういうふうな強い姿勢も示されております。私どもはこれから本格的に予算の編成に取り組みまして、的確な見通しのもとに来年度の経済見通し、物価等を定めていきたい、かように考えておる次第でございます。
  282. 二見伸明

    ○二見委員 大臣の御答弁は、来年の経済と同じようによくわからぬ答弁であります。いずれにいたしましても、私、来年度は物価対策が非常に大きな課題になると思います。  それで、これは日銀総裁にお尋ねいたしますけれども、私は物価対策というのはむしろこれからが本番だという感じがいたします。今月の中旬にはカラカスでOPECの総会がありますし、来年には電力料金を初めとする公共料金の軒並み引き上げが行われるということになりますと、ことしは卸売物価の上昇にもかかわらず消費者物価は比較的安定していたけれども、来年はことしのようなわけにはいかないのじゃないかという予感がするわけでありますけれども、日銀総裁としてはどういう判断をされているか、それをお尋ねしたいことと、特に電力料金、たとえば北海道電力は三八・八%、東京電力が五〇%前後、北陸電力では四〇から五〇%、中部電力でも四、五〇%程度、関西電力もやはり五〇%、中国電力は六〇%、九州電力では五〇%、沖繩電力では四六・四九%の値上げ申請をするものと考えられておりますけれども、電力料金が引き上げられるということは、これはある面では、いままで卸売物価は上がったけれども消費者物価は比較的安定してきた、しかしむしろ電力料金の引き上げは消費者物価にかなり大きな影響を与えてくるんじゃないだろうか。ただ単に家庭の電力料金の負担額が大きくなったというだけじゃなくて、産業全般に対する影響から考えて、消費者物価にはかなり深刻な影響が出てくるのではないかと思いますけれども、その点についての御判断もあわせてお願いをしたいと思います。
  283. 森永貞一郎

    ○森永参考人 お答えいたします。  卸売物価の現状につきましては、もう御承知のとおりでございます。昨今特に気になりますのは、円安の影響が見えておることでございまして、たとえば十一月上旬は〇・四のうち〇・二が円安でございます。中旬は〇・七のうち〇・四が円安でございます。そういう意味で、円の価値が安定することが当面非常に大切なことだと思いますが、その意味での努力も今後続けていかなければならないと存じております。幸い消費者物価の方は、たとえば十一月の東京都はマイナス〇一七とかなんとかいうようなことでございました。前年比は四・七ぐらいの騰貴になっております。まだ卸売物価の騰貴が及んでおらないのでございますが、しかし、これは今後必ず影響が出てくるわけでございますので、その意味で私ども、卸売物価並びに消費者物価双方にわたりまして今後の物価の推移を慎重に、冷静に、真剣に検討してまいらなければならないと思っております。  来年度どうなりますか、これは企画庁で経済見通しなどこれからお立てになるわけでございますのでその結果を待ちたいと存じますが、本年度に関する限りは消費者物価平均四・九、ほぼその前後でおさまるのではないか、来年度はもうちょっと影響は高まってくるのではないか。それも石油情勢がどうなるかという大きな問題がございまして、そのいかんによるわけでございますが、願わくは現状程度で落ちつくことによって来年は、前半は少し消費者物価も上がると思いますが、後半になりますればだんだんに落ちついてくるような情勢を私どもといたしましては期待いたしたいと思っておるところでございます。  もう一つ、お話しのように電力料金あるいはガス料金など来年噴き出すわけでございまして、その影響は私どももお話しのように決して楽観はいたしておりません。ただ、指数全体の中で占める割合ということになりますと、そう大きなものではございませんが、恐らく一%前後ないしはそれ以下かもしれませんですが、そういうこともございますので、いまから卸売、消費者両方の物価の推移につきましては、周到な配慮を持って臨まなければならないと存じておる次第でございます。
  284. 二見伸明

    ○二見委員 日銀総裁にもう一度お尋ねしたいと思いますが、先ほど午前中の質問の中で、第四次公定歩合の引き上げについては、第三次公定歩合の引き上げをやった段階なので、その状況を見きわめているので、第四次公定歩合の引き上げはないというお話がございました。ただ公定歩合引き上げについては、引き上げるということを事前に発表はできないことになっておりますので、そういう御答弁はそれはそれでよろしゅうございますけれども、しかし、今月中旬のカラカスでのOPEC総会の結論によっては、円安がさらに助長されることだって私はあり得るだろうと思います。第三次までの公定歩合の引き上げというのは、かなり早目に手を打ってきたために、それが消費者物価にもかなりよい影響を与えてきたわけでありますけれども、そうしたことから考えると、第四次公定歩合、もし引き上げるとするならば、これも早目に行うようなことになるのかどうか。  それとあわせて、いままでは長期金利は据え置いてまいりましたけれども、もし第四次をやるということになれば、長期金利は据え置きが可能なのかどうか。これは、長期金利の据え置きか引き上げかというのは、今度は物価とは別に景気との重大な絡みが出てまいりますので、その点についてもお答えをいただきたいと思います。
  285. 森永貞一郎

    ○森永参考人 一次から三次までの公定歩合の引き上げにつきましては、警戒的な観点と申しますか、できるだけ早目に経済の実勢に対処した方がいいというような心構えから手を打ってきた次第でございます。  今後公定歩合をどうするかということでございますが、やはり経済の情勢に対して機動的に対処しなければならぬことは当然でございますけれども、十一月の初めに上げたばかりでございますので、いまはその効果がどう出るかということを慎重に、冷静に見きわめておるところでございまして、目下のところ第四次公定歩合の引き上げは考えておりません。  次に、長期金利でございますが、先般の公定歩合の引き上げに際しましては、預貯金金利につきまして大蔵大臣の発議が見合わせられたわけでございまして、それはそれとして適切な措置であったと存じます。今後預貯金金利をどうするか。まだ問題が全然なくなったわけではございません。今後の物価、経済情勢全般の推移を見て、あるいは必要な場合もございましょうし、そうなりますれば長期金利にも響いてくるわけでございますが、現在のところは、物価、特に消費者物価も比較的落ちついておりますので、預貯金金利をどうこうするという議論をいたしますことは時期尚早ではないかと思っております。今後どうするかという問題はこれからあるわけでございますが、私どもといたしましては、あらかじめ予断を持って臨むことなく、そのときの経済情勢に即して適切に処理をいたすつもりでございますので、以上をもってお答えといたします。一〇二見委員公定歩合の引き上げというのは・短期的には総需要を抑制し、輸出ドライブがかかり、経常収支は改善され、円安に歯どめがかかる、そして物価上昇にも歯どめがかかるという効果があるわけでありますけれども、しかしその反面、民間設備投資、特に最近の民間設備投資というのは、不況のときに延び延びになっていた設備の更新のための投資だとか、省エネルギーのための投資だとか、あるいは新規の投資というのがことしは行われているわけでありますが、そうした投資意欲を一面では抑えることになりますね。それは中長期的に見ますと、供給能力が抑えられるわけですから、今度は需要に供給が追いつかないという形の構造的なインフレも逆にあるのではないか、そういう点も考えますので、公定歩合の引き上げのあり方というのはかなり慎重を要する筋合いのものではないかというふうに私は考えるわけですけれども、この点についていかがでしょうか。
  286. 森永貞一郎

    ○森永参考人 今後の日本経済の進むべき道は、やはり安定成長だと存じます。そのためには、設備投資につきましても安定的な拡大が望ましいわけでございます。過去五カ年間にわたる不況下、設備投資はどちらかと言えば沈滞ぎみでございましたが、幸い五年間の貴重な血の出るような努力の結果、少しゆとりも出てまいりまして、いまは循環的な設備投資の拡大傾向が起こっておるわけでございます。私ども、将来にわたりましてそのような傾向はやはり続けなければならないと思っておるわけでございます。  そのためには、金利も問題でございますが、ただ一つ最近の設備投資の動向で注目しなければなりませんのは、この五カ年間の間に企業が大分体質を改善いたしまして、いま私どもで調査いたしておりますいわゆる短期経済観測の結果によりますと、本年度はかなりの設備投資が伸びるわけでございますが、その中の金融機関からの借入金に依存しておる割合が比較的小さくなっておりまして、自己資金によるものが非常に大きくなってきておる、その情勢はきわめて望ましいものではないかと思っておる次第でございまして、今後ともそういう情勢のもとに安定的な設備投資の拡大を私どもとしても望んでいかなければならないと思っております。  公定歩合を上げますと、どうしても金利が上がる、また資金需給が逼迫するというようなことから、設備投資にも影響が起こってくるわけでございますが、現在の設備投資の動向から考えますと、昔に比べればよほどその辺の影響が緩和されておる、今後ともそういう情勢を続けなければならないと思っておる次第であります。
  287. 二見伸明

    ○二見委員 日銀総裁、どうもありがとうございました。  それでは、さらに物価問題について具体的な問題でお尋ねをしたいと思います。  実は灯油の問題でありますけれども、午前中通産大臣から、原油の値上がりが一九八%であり、それに対して灯油の値上がりが一五六%ですか、そのぐらいだから便乗値上げはないのではないかというようなお話がありました。しかし私は、現実的には灯油というのは便乗値上げが行われているという判断をしているわけです。  細かい数字の話になりますので、わかりやすいようにお手元に資料としてお渡しいたしましたけれども、たとえば原油が入着してから小売店に出るまでには約三カ月かかります。五十三年十二月に日本の国に入ってきた原油はキロリットル当たり一万六千九百二十五円、これは十八リットル当たりでは三百五円です。それが五十四年の三月には七百二十九円で小売店で売られておりました。五十四年七月入着の原油は二万五千六百十七円であり、十八リットル当たりに換算いたしますと四百六十一円、十二月に入着した分よりも百五十六円高いわけです。したがって、これが市場に出回ってくる十月には、七百二十九円より百五十六円高い八百八十五円、せいぜい九百円程度ならば、原油価格高騰分だけ高くなったと言うことができると思いますけれども、実際には十月の灯油というのは、十八リットル当たり千百四十九円で、計算値よりも二百六十四円も高い、明らかに便乗値上げが行われているわけであります。私はこうしたことから考えて、灯油というのは、実態的には便乗値上げが行われていると思いますけれども、通産大臣はそれでも便乗値上げはないというふうにお考えですか。
  288. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 けさほども申し上げましたが、私どもはまず、価格の根底は物そのものの需給関係が基礎だというふうに考えてございます。十月現在の灯油の在庫等は昨年に比べまして五%アップ、七百十万キロリットルという、去年から比較しまして非常に豊富に持っております。したがいまして、もし物の需給にそごを来して、それが原因で思惑等で値上がりだといいますと、これは大変でございますけれども、そういう物自体から値上がりということはまずあり得ないのじゃなかろうか。ただ、流通過程におきまして売り惜しみ、買いだめ等の傾向が見られまして、そういうものがネックになって便乗値上げというような傾向があれば、当然取り締まらなければいけませんけれども、根本はそういう考えでおります。  そうして実際の価格の形成を見てまいりますと、先ほども申しましたように、輸入価格はCIFで去年の十月とことしの十月を比較しますと約倍になっておりますが、灯油の卸は大体一五七%、小売は一六四%、おおむね六割程度のアップでございますから、まずまずこれは便乗値上げと見なくてもいいのじゃないか。当然元が上がりますればこれは上がるわけでございますので、その程度の値上がりはやむを得ぬのじゃなかろうかというふうに実は考えております。
  289. 二見伸明

    ○二見委員 通産大臣はこの程度の値上がりはやむを得ないのじゃないかとおっしゃいますけれども、その資料1をごらんになっていただきたいのでありますけれども、たとえば五十三年四月に入ってきた石油はCIF価格で十八リットル当たり三百四十八円、それが市場に出回ったときには七百六十一円で売られていたわけです。ですから、市場価格とCIF価格との間には四百十三円の差があった。五十三年七月に入ってきたのも同じような計算でいくと、市場価格との差は四百二十六円であります。五十三年十月のは、やはり十八リットル当たり二百九十一円で買ってきた原油は一月に七百二十六円で売られておりますので、四百三十五円差があります。  ところが、たとえばことしの三月に入ってきた原油というのは一キロリットル当たり一万八千七百七円、十八リットルに直しますと三百三十七円であります。それが、三月に三百三十七円で入ってきた原油は六月に八百八十七円で売られております。この価格の差は五百五十円であります。四月に入ってきた原油というのは十八リットル当たり三百六十八円であります。それが七月には九百六十八円で売られております。この差は六百円であります。五月には十八リットル当たり四百十円で日本に入ってまいりました。それが八月には、市場に出回ったときには千四十円で売られた。差は六百三十円であります。六月に入ってきた油は四百三十円で入ってきた。それが九月には千百円で売られている。六百七十円の差であります。七月に入ってきた油は十八リットル当たり四百六十円、それが十月に売られたときには千百四十九円ですから、差は六百八十九円であります。八月に入ってきた油は十八リットル当たり五百十七円で入ってきましたけれども、それが小売に出回っている価格では千百八十四円、六百六十七円の差であります。  かつては小売価格と原油の価格の差は四百二十円ぐらいで前後していた。それがことしの六月以降、五百五十円、六百円、六百三十円、六百七十円、六百八十九円、毎月ウナギ登りに上っていく、こういうのを便乗値上げというのじゃないのですか。  この実態を見ないで、それで原油価格が倍上がって小売価格は百六十何%だからこれは正常な値段でございます、それはちょいと理屈に合わないのじゃないでしょうか。むしろあなたが便乗値上げはないとおっしゃるならば、便乗値上げであるかないかというのは基準がなければいけない、国民がわかるような基準を出していただきたい。私たちはこういう形で、現在の灯油価格というのはかなり便乗値上げが行われている、実際の価格よりも高く売られているという判断をしているのです。これはうそのじゃない、ちゃんときちんとした数字で出ている数字だ。
  290. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 統計のとり方が私、実はよくわかりませんのですけれども、私どもの統計では、通関統計あるいは日銀統計、あるいは通産省で行っています灯油のモニター調査、最も基本になる調査といたしますと私の説明のとおりでございまして、なお、詳しい話は担当長官からお話しさしていただきます。     〔渡辺(美)委員長代理退席、委員長着席〕
  291. 二見伸明

    ○二見委員 統計がよくわからぬとおっしゃいますけれども、ここに出ているCIF価格というのは、通関速報からとったものです。それから灯油の小売価格は、総理府の小売物価統計・東京区部からとった数字です。こちらででっち上げた数字じゃない。
  292. 森山信吾

    ○森山(信)政府委員 ただいまお示しいただきました表を拝見いたしまして、幾つか感じている点がございますので申し上げたいと存じます。  第一に、原油のCIF価格と小売灯油価格の比隣をしておられるわけでございますが、CIF価格は当然のことながら元値でございまして、小売価格は小売の段階でございますから、そこには若干のマージンがあることは当然でございます。それが第一点。  それから第二点は、先生の比較されましたのが、原油の入着時期と小売価格の販売された時期が三カ月のずれがございます。私どもは大体二カ月のずれで価格のアップを指導しているということがございますので、一月おくれて比較されますとかなりの差が出てまいるわけでございます。  それからもう一点は、CIF価格で割り返しをしていただいておるわけでございますが、原油を買い入れるにつきましては、原油購入代金のみならず関連の経費がずいぶんかかるわけでございます。たとえて申し上げますと、ユーザンス金利等がずいぶんつくわけでございまして、その計算が入りますとこういうことになるということでございます。
  293. 二見伸明

    ○二見委員 そんなばかみたいなことを言わないでもらいたいのだな。小売価格とCIF価格の間に差があるのはあたりまえだ。その中にはマージンもあるだろう、いろんな経費もあるだろうから、それはあたりまえなんだ、そんなことは。その差が高いからいけないと言っているのじゃない。去年までは小売価格とCIF価格との間の差というのは四百二十円前後だった。それがことしになってから、五百五十円だ、六百円だ、六百三十円だと、差があり過ぎるじゃないか。毎月毎月労賃が上がるわけでもないだろうし、諸経費が上がるわけでもないでしょう。何言っている、一体。いい、時間もないのだから。  通産大臣、便乗値上げはありませんなんてお役人のつくった答弁じゃなくて、通産省としては灯油の値段はこれが適正な値段だと思います、だから便乗値上げはありません、基準、目印を国民の前に出したらいいじゃありませんか。そうしなかったら、わかりゃしないじゃないですか。しかも、これから灯油は最も需要の多い時期に入る。特に北海道の道民にとっては灯油の値上がりというのは深刻な問題なんだ。それは便乗値上げであるかないかのはっきりした、十八リットル当たり幾らならば、大体幾らぐらいの幅ならば便乗値上げではございません、これを超えた場合には便乗値上げでございますと、明確な数字を出してもらいたい。出せなかったら抑えることができるわけがない。
  294. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 先ほども申しましたように、私どもは、輸入価格が上がりました際、そのくらいの値幅で大体小売、卸が自然の市場の価格として上がっていくならば、これはあるいはやむを得ないんじゃなかろうか。まず物の需給を合わしておいて、そうしてその需給の範囲内で価格が決まっていくわけでございますから、自然におさまるところへおさまるということで見ておりまして、それを比較する一つの基準といたしましては、先ほど申しましたように輸入価格の超過幅と現在の卸、小売の上げ幅とをにらみまして、大体このくらいであればまず便乗と言わなくてもいいんじゃないか。法を発動いたしまして、法の発動のもとに統制経済的な行き方をとらぬでもいいんじゃなかろうか、こういう判断に立っているわけでございます。
  295. 二見伸明

    ○二見委員 総理大臣、この灯油の問題というのは物価問題の非常に象徴的な問題であります。通産大臣の答弁では話がよくわからぬ。灯油の便乗値上げを抑えるというのは政府の基本方針なんですから、便乗値上げを抑えるというならば一つの目安がなければ抑えるとか抑えないとかということにならない。需給関係で価格が決まるなんということはあたりまえの話だ。総理大臣としてはこれは何らかの目安というものを明らかにしていただきたいと思います。いまここでは出せないだろうけれども、何とか目安を国民の前に明らかにできるように努力をしていただきたいと思いますけれども、いかがですか。
  296. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 いま御提示いただきました資料がございますので、よく検討させます。
  297. 二見伸明

    ○二見委員 総理大臣、時間もありませんので、最後に質問の内容を変えたいと思います。行政改革についてお尋ねをしたいと思います。  私は、行政改革の中心というのは中央官庁の統廃合だと思います。たとえば国土庁と建設省あるいは国土庁と環境庁、いろいろな案があるようでありますけれども、そうした中央官庁の統廃合に行政改革の中心はあるだろうと私は思います。しかし、総理大臣はこれについては言及されませんでした。中央官庁の統廃合も行政改革の主要な命題として本気になってお考えになりますか。そこまでやらなければ肉を切らして骨に達するという言葉にはならないだろう。地方支分部局の統廃合程度ではこれはかすり傷みたいなものでありまして、本気になってやるならば中央官庁に大なたをふるってもらいたい。その決意ございますか。
  298. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 仰せのように、行政改革の目玉はやはり中央官庁の再編成、時代の要請に合ったように中央官庁の機構を適合さしてまいるような工夫がないと、行政改革の名にふさわしい改革とは思いません。ただ私どもいま考えておりますのは、さしあたって行政の簡素化、冗費の節約ということがいま当面の急務ではないかということでございまして、いま二見さんの仰せになりましたような本格的な中央行政機構の改革の問題というのは、世の中がもう少し落ちついた上で考えさしていただく問題ではないかと存じまして、ことしのテーマには私ども取り上げていないことは御了承いただきます。
  299. 二見伸明

    ○二見委員 行革の第二の目的はやはり特殊法人の整理統廃合、これは政府も打ち出されております。現在特殊法人というのは百十一ありまして、役職員は全部で九十四万三千四百四十五人。人件費は、政府関係機関の十五法人に限定しても八十万七千九百五十八人で三兆七千九百五十二億円であります。しかも補助金は五十四年度一般会計ベースで一兆五千八百八十一億円。大変な金食い集団が特殊法人であります。  十一月二十八日に行政改革本部は、特殊法人の統廃合について年内に方針をまとめることをお決めになりました。伝えられるところによりますと、農林省と通産省は各二つで、総理府を除くその他は一を目安ということでございますけれども、年内に間違いなくこれとこれはやりますと各省庁お答えいただけますか。また、すでに決めているものがあったならば、あわせてお答えをいただきたいと思います。伝えられるところによると、各省庁では総論賛成、各論反対だということでありますので、その点をはっきりしていただきたいと思います。
  300. 竹下登

    ○竹下国務大臣 先ほど来総理からお答えがございましたように、年内、昭和五十四暦年内に策定をするというその対象は特殊法人、こういうことになっております。  大蔵省では、日本専売公社、開発銀行、輸出入銀行、国民金融公庫、この四つを所管をいたしております。したがいまして、いま行政管理庁と協議をいたしまして、部内におきましても目下鋭意検討を重ねておる段階であります。
  301. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 私の省といたしましても、行政管理庁の示されました方針を遵守いたしまして、十二月十日までに出そうということで、ただいませっかく検討中でございます。
  302. 二見伸明

    ○二見委員 各省全部聞きますと時間がなくなりますので、総理大臣が内閣を代表して、必ず年内に方針をまとめる、このことだけ確認をしていただきたいと思います。いかがですか。
  303. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 総理の意思を体してやっております。しかも今回の組閣に際しましては、各閣僚、総理から呼び込みの際にそうした趣旨の協力、これを要請されております。各人さような意味で今日努力をしていただいております。
  304. 二見伸明

    ○二見委員 特殊法人の問題点の一つは天下り人事だろうと私は思います。百十一の特殊法人の役員というのは、五十四年一月一日現在千八十二名おります。そのうち天下りは某紙の調べでは六百四十八人です。約六〇%が元高級官僚であります。しかも総裁、理事長百十一名中官僚出身者は九十五人です。監督する現役の官僚が後輩で、監督される特殊法人の役員がかつての先輩では、これはなれ合いは当然の帰結だと私は思います。総理大臣は、この役員の官民比率、民間を起用すると言われておりますけれども、どの程度まで官民比率を高めるのか。
  305. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 私からお答えいたします。  いま二見委員のおっしゃったとおり、大体四割が公務員から直接役員になり、六割が民間でございますが、そのうちの二割は過去に公務員だった者ですから、両方で六割になるわけでございます、おっしゃるとおり。それで公団とか公社というのは、大体国のやること、業務を公団、公社がやるようにしましたので、公務員の知識とか経験とかを活用するということももちろん考えなければなりませんが、五十二年の十二月に閣議で、民間の有識者を積極的に活用するということを決めているわけでございますので、民間の方々の機動性といいますか、そういう知識も活用するということを積極的にやっていかなければいかぬ。その趣旨を体して今後やるつもりでございます。ただ比率が五割、五割がいいのか、四、六がいいのかは、これは仕事によって違いますので、しかしその精神は体してやっていくということでやってまいりたいと思います。
  306. 二見伸明

    ○二見委員 大平内閣の、民間人を登用するということについては、私は余り信用しておらぬのです。というのは、官房長官が仰せになりましたように、五十二年十二月に福田内閣当時に閣議で決めておりますね。一つは役員のたらい回し人事をやめようとか、民間から起用しようとか、在職期間は六年として、特別の事情でも八年にしようということを決めた。しかし、これをお破りになったのは大平総理大臣ですからね。ことしの二月、公営企業金融公庫総裁に元自治省OBを任命されたでしょう。二つの公団で八年と数カ月公団役員をやっている方を今度は公営企業金融公庫の総裁にされたのです。五十二年十二月の福田内閣のときの閣議決定をみずからの手でお破りになったのは大平総理大臣なんでありますから、私は余り信用しておりません。しかし、信用しておらぬ、信用しておらぬじゃ始まりませんから、そのとおり厳密にやっていただきたいと思うのです。時間もありませんので、これに対する総理大臣の御答弁は要りませんけれども、その点は肝に銘じて承知しておいていただきたいと思います。  特殊法人の第二の問題は、役員の退職金でしょう。現行では月収掛ける百分の三十六掛ける勤務月数、これで特殊法人の役職員の退職金が出ます。  特殊法人の役員の給料というのはどのくらいかというと、三公社の場合は、総裁で百十二万円、副総裁で九十六万五千円、理事七十七万五千円、監事六十万三千円。大規模公団では、総裁、理事長が百万五千円、副理事長、副総裁が八十二万五千円、理事六十九万円、監事六十万三千円。中小規模公団、大規模事業団の場合は、総裁、理事長が八十七万円、副理事長、副総裁が七十七万五千円、理事六十七万円、監事五十四万四千円。中小規模事業団の場合では、総裁、理事長は七十九万五千円、副理事長、副総裁は七十一万五千円、理事は六十二万五千円、監事は五十四万四千円。その他の法人の場合には、総裁、理事長は六十九万円、理事は五十八万二千円、監事が五十二万八千円であります。これがいまの役員の給与であります。  もしこれでもって退職金を算定いたしますと、たとえば大規模公団の理事の場合は、六十九万円掛ける寸分の三十六掛ける六年間勤務しますと七十二カ月、退職金は千七百八十八万四千八百円、これは私は高過ぎると思うのです。しかも、役員の退職金ではなくて役員の給料も私は高いと思う。常勤の役員が七百九十七名特殊法人の中にはおります。役員の人件費だけでも年間百億円にはなるはずです。財政困難の折、特殊法人が整理の対象になっている折に、この退職金の規定は見直すべきだと思うし、役員の給料も私はせめて事務次官クラス程度にまで下げてあたりまえだ。役員で年間に百億円も給料を払う。役員の数だって半分に減らしていいと思うのです。退職金の見直し、役員の数を減らす、給与も改定をする、総理大臣、どうですか。
  307. 伊東正義

    ○伊東国務大臣 いま御質問のありましたことは三つございました。  まず第一の退職金の問題でございますが、昨年の四月から人事院に調査を頼みまして、二割引き下げをやったわけでございます。その後もまた人事院に頼みまして、退職金の見直しということを実はやっております。  それから二番目に、役員の数の問題と現在の給料が多いのじゃないかという御指摘でございます。退職金の問題では、よく渡りなんといってあっちこっちで退職金をもらうというのは、普通の国民の常識からいきましてもおかしいなと感ずることがございますし、数あるいはいまおっしゃった給与の問題につきましては、やはり常識に合ったように考えてみるということは必要だと思いますので、政府で検討いたします。
  308. 二見伸明

    ○二見委員 時間もありませんので、これ一問で終わらせていただきますけれども、特殊法人と並んでやはり見直さなければならないのは認可法人だと思います。認可法人については法律上の定義はなくて、通例、特別の法律によって限定数設置されるが、特殊法人と異なり特別の設立行為によって強制設立されるものではなく、法律の枠内において民間等の関係者が任意設立し、主務大臣の認可を受けたものを指す、行政管理庁は審査権限を有しない、こういうことが認可法人だそうであります。  私が行管庁から認可法人についての資料を取り寄せたところ、行管庁の方では四十七あるということでございました。私が各省から認可法人についての資料を取り寄せたところ、私の手元に集まったのは三十六ございました。その三十六ある認可法人のうち政府出資額ゼロもあるし、補助金ゼロもあります。しかし全体で見ると、政府出資額は四百九十七億六千二百万円ありました。補助金は四百八十七億一千五百万円ありました。もちろん中には両方ともゼロの法人もあることは事実であります。  役員は三百四十八人、職員は五万六千百九十人、そのうち官僚出身は三十六人の理事長のうち二十二人、役員も大半が天下りであります。  特殊法人は曲がりなりにも行管庁が掌握しているけれども、認可法人は事実上全く野放しであります。この認可法人についても私は見直さなければならないと思います。しかも、特殊法人を整理してつぶせば、特殊法人ではまずいから認可法人という形で出てくる。こっちをつぶせばこっちがふえる。これでは行政改革、特殊法人の整理、統廃合もしり抜けになってしまうと思いますので、この点もあわせて、これは行管庁というよりも総理でございましょうか、いかがでございますか。
  309. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 仰せのとおり認可法人は主務大臣の認可によって設立されておりますので、行管の手の及ばないところにございますが、しかし、従米からこれは隠れ法人と言われている非難が強いのでございます。したがいまして、こうした機会に各省庁の主務大臣に認可法人に関しましても一応考えていただく、今後はいろいろ検討したい、私の権限じゃございませんが、そういう提唱をいたしたい、かように存ずる次第でございます。
  310. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 認可に当たりまして、いま仰せになりましたような点を十分配慮して厳正に対処いたすように、各省に要請をするつもりでございます。
  311. 二見伸明

    ○二見委員 以上で終わります。(拍手)
  312. 田村元

    ○田村委員長 これにて二見君の質疑は終了いたしました。  次に、寺前巖君。
  313. 寺前巖

    ○寺前委員 私は、率直に言って、新しい大平内閣というのは果たしてこれが国民に責任を持つところの内閣になるのだろうか。選ばれ方自身も異常でありました。しかし、選んだ大臣のお粗末さもまた異常だと言わなければなりません。  たとえば財政問題が大変な話題になります。しかし、考えてみたら、選ばれた大蔵大臣は三年間に申告所得が三千四十五万円で、申告漏れがその間に五千六十万円、申告漏れの方が多い。そういうようなことをやっている人たちが、果たして日本の財政についてあるいは所管の税務署に対して指導し得るのだろうか、だれもが思う問題です。  また、買収選挙だとか供応などをやるのはよくない、公明で正大な選挙を国民は願っている。また政府はそのことを声を大にして言われる。ところが、選挙を所管したりあるいは警察を所管している自治大臣・国家公安委員長、この方がまた国会の中でも買収、供応では一番ひどい結果を今日までつくってきた人ではなかったでしょうか。  綱紀粛正が最大の課題だと総理は言われるけれども、それでは、その所管の総務長官は政府が特別な法律で監督、めんどうを見ている特殊法人に自分のパーティー券を大量に売りつけるようなことをしたということが明らかにされてきておりますけれども、そういう人でやっていけるのだろうか。  あるいは、この十年間国会の中で最大の話題になってきたのは、その地位を利用して政治を食い物にしてきたあの航空機疑惑の問題であったと思うのです。そのロッキードの公判に対して、多くの人ははっきりと有罪を願って、政治家だからと言ってうまいことにならないようにと思っているのにもかかわらず、友人だから無罪を念願すると言わんばかりの話を公然と言い放つ、これが法務大臣。  こういうことになってくると、本当にいよいよもって異常な内閣だと言わなければならないと私は思うのです。  そこで、私はまず一番目に、先ほどから問題になっておりました倉石発言なるものについてであります。新しく大臣に就任されて初閣議、その終了直後に行った記者会見という公式の場です。そこでロッキード公判について法務大臣に感想を求められる、私は当然のことだろうと思う。その求められたことに対して、懇意な人たちだから公明正大、青天白日になられることを念願するんだと公言してはばからない。問題になってあたりまえだと思うのです。  そこで、私は法務大臣に聞きたいのです。本会議で聞いていましたら、総理は注意をあなたに与えたとおっしゃる。私は端的に聞きたい。どんな注意を受けたのだ。あなたは何を反省しておられるのか。率直に御説明いただきたい。
  314. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 私が記者会見をいたしましたのは、先ほどお答えいたしたとおりでありますが、その事柄について私からこういうことがありましたということを総理大臣に御報告をいたしましたところが、誤解を招くようなことのないように自後注意してもらいたいということの御注意を受けたわけであります。
  315. 寺前巖

    ○寺前委員 どの点が誤解を招いているのですか。
  316. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 改めて申し上げますが、いまお話のありましたのは去る十一月九日であります。私が法務大臣に就任しました直後の記者会見でありまして、ロッキード事件の裁判について感想を求められて、申し述べましたことに対していろいろと御批判を受けた。そのことについて、私の本意でありませんでしたがこういうことになりましたということの御報告をいたして、総理大臣は、それはこれから誤解を生ずるような発言のないように気をつけろということでございました。
  317. 寺前巖

    ○寺前委員 私は、いまのことではあなたは何を注意を受けているのか、誤解とはどの点なんだ、少しも明確になっていないと思うのです。  法務省の刑事局長に聞きたいのですが、この倉石発言なるものは、懇意な人たちだからというのですから、ロッキード事件の懇意な人と言えば、明らかに五億円の受託の収賄をされたという田中角榮や橋本、佐藤両代議士のことを言うことはだれでも考えることです。公明正大、青天白日になられる、要するに無罪を願っているということではありませんか。法務大臣のその所管の中にある刑事局長、検察、あなた方はこれらの諸君を公判で必ず有罪にさせるという立場で鋭意立証しているのではないのですか、お答えをいただきたい。
  318. 前田宏

    ○前田(宏)政府委員 お尋ねの点でございますが、検察当局といたしましては、起訴しました事件につきましては公訴の維持に最大の努力を尽くしているところでございます。
  319. 寺前巖

    ○寺前委員 有罪になることを願っているんでしょう。  刑事局長にもう一つ聞きたい。ロッキードの特別委員会で昭和五十三年十月十八日、当時の伊藤刑事局長はこういうことを言われました。公判係属中の事件に関連して、その事件に関連する事項について公の席で発言されるということは、一般的に刑事裁判についてはよくない影響を与えるから差し控えるべきだ。これはいまでもあなたたちはとっていられる態度ですか。
  320. 前田宏

    ○前田(宏)政府委員 いまお尋ねの点につきましては、一般的にはそのように考えておりますが、問題の発言につきましてはその後いろいろな機会に大臣から釈明されておりますし、その間に法務、検察当局に対しては最大の信頼を持っておるという御発言をいただいておりますので、私どもとしてはそのように理解しております。
  321. 寺前巖

    ○寺前委員 あえて後でつけ加えなければならないように、現実に影響を受けてしまっているということが言えるじゃありませんか。  そして、私は法務大臣にあえてもう一度聞きたい。検察は有罪を求めているんだ。法務大臣はその検察を指揮する。その指揮する人が無罪を公然と求めると言えば、いわば検察庁法の四十七条でしたか、指揮権の問題について触れていますが、個々の処分については検事総長のみを指揮することができる。検察が有罪を要求しているのに、あなたは公然と無罪を要求するし、その法規に照らしても個々の処分については検事総長を指揮することができる、こうなっているのに、個々の人々の無罪を要求するような発言をあなたはやっている。職責上許されないことだ、そのようにあなたは考えませんか。
  322. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 先ほどいろいろお答えいたしましたように、私は、当日の閣議の綱紀粛正等について総理大臣からお話のありました一般的な話をして、その後で質問があったわけであります。その質問の中で、先ほどもお答えいたしましたように、ロッキード事件について個人的な御見解でもいいから聞かしてくれと言われたときに、いま御質問になっておるような発言がありまして、そこでその意見のときに個人的なことを申し上げたことがそれだけ取り上げられたわけでありますが、私といたしましてはそのことが大変誤解を生ずるようになりましたことをまことに残念だったと思っておるわけであります。
  323. 寺前巖

    ○寺前委員 個人的な見解というものは、法務大臣がその職責についている以上は、公言をしてしまったならばそれは通用しない話じゃありませんでしょうか。何時から何時までが法務大臣で、何時から何時までは法務大臣でないと、社会的に総理大臣や皆さん方がそんなふうにはいかないでしょう。しかも公式の発言の場です。先ほど私、四十七条と言って、間違えました。十四条です。検察庁法の十四条で、その職責は指揮をすることができるようになっている。あなたは無罪を要求することを事実上指揮したことになってしまう。現に、先ほどのような影響が刑事局長の発言の中にも出ているわけです。  あなたが前に閣僚であったときに、やはり辞任させられた事件があったでしょう。あのときは一体何で辞任させられたんですか。
  324. 倉石忠雄

    ○倉石国務大臣 もう古いことで余り記憶もございませんが、これは私自身が辞任をいたしたわけでございます。
  325. 寺前巖

    ○寺前委員 古いことだから知らないと言う。これは私は大変なことだと思います。  今日まで、戦後失言問題で辞任をさせられた人というのは七件あります。その七件の中にあなたも入っているわけです。そのときあなたは、現行憲法は他力本願、こんなばかばかしい憲法を持っているのは、日本はめかけみたいだと発言をしている。閣僚たる者がそういうことを言うというのは一体何なんだ、憲法上も国務大臣は憲法遵守の義務を背負っているのにもかかわらず、とんでもないことだと言って批判を受けたんじゃありませんか。閣僚としての資格に欠けるという批判を受けたわけであります。  いま所管の省の指揮権を持っている法務大臣が、あのような検察が有罪を求めて鋭意立証中のものであるのにもかかわらず、無罪を要求するという水をかける、事実上指揮権の発動にも等しい性格を持っている発言をされている。いずれも閣僚としての資格を失うところの性格ではないでしょうか。  総理大臣、このことは一度や二度のことじゃないんです。いまだに閣僚としての責任を感じていないということが問題じゃありませんか。かつては、ある法務大臣が国会審議はお祭りの場だということを遊説、選挙応援の中で言って辞任をさせられた。あるいはある労働大臣が成人式に行って、感謝を忘れたら養老院に行けと言って辞任をさせられる。公式の場でなくても、こうやって閣僚たる者の責任は追及されているわけです。まして初閣議後の初記者会見じゃありませんか。そのときに、前にも閣僚としての資格を失うという問題で追及を受けた人が、それが何を追及を受けたか知らないと言う。あなたから注意を受けても、法務大臣の職責にある者はという点での問題だという自覚すら持っていない。これでもあなたは、この人はまだ信用することに足る人なんだということを言い切るのですか。あなたは本会議でも、発言した本人を信頼するということを言っておるけれども、閣僚の資格を欠くところの一番中心問題じゃありませんか。総理の見解を求めます。
  326. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 倉石法務大臣の御発言は、裁判の公正を疑わしめるような意図を表明したものとは私理解いたしていないわけでございます。ただ、法務大臣のお立場での発言といたしましては慎んでいただきたいようなものとして感じましたので、以後お慎みを願わなければならぬという御注意を与えたわけでございます。
  327. 寺前巖

    ○寺前委員 閣僚たる者はいかにあるべきかということを指摘することもできない注意というものは、あなた自身が総理大臣の資格を欠いている、私はそのように言ってもしかるべきだろうと思うのです。そんなことでどうして先ほどのような幾たびかの問題を持った大臣を正しく国民の負託にこたえるように指導をすることができますか。私は反省を求め、改めて倉石法務大臣の罷免を要求するものであります。  時間の都合もありますので次に行きます。  総理は、先ほども申し上げましたが、綱紀の粛正ということをずいぶん問題にしておられます。ところが、目に余るところの官庁の腐敗の問題やあるいは特殊法人の空出張などをめぐっての問題が出てきております。私はその一つの問題として、大蔵省の幹部諸君が高級料亭で政府の関係する特殊法人から予算をめぐって招待を受けているという問題、あるいは官庁同士の招待をやっているというような問題について、事実の認識について聞きたいと思います。すでに鉄建公団の腐敗問題については委員会でも問題になっておりますが、私は、一つの高級料亭、赤坂の大野というところで五十三年度にやった事実について聞きたいと思うのです。  会計検査院に問題を聞いた方が早いかと思いますので、直接検査院に聞きます。  五十三年三月三日、五月二十三日、八月二十八日、下水道事業団の経理担当者が大蔵省の主計局の幹部を接待した事実があるかないか、あるとするならば目的、費目、人数、総費用、一人当たりの金額は幾らだったのか、御説明をいただきたい。
  328. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 新聞報道はほぼ事実でございますが、個々の数字なり費目につきましては、事実関係でございますので、相手方が来ておりますので相手方から一応お聞き願いたいと思います。それをうちの方は確認いたします。
  329. 寺前巖

    ○寺前委員 それじゃ、下水道事業団来ているのですか、説明してください。
  330. 吉兼三郎

    ○吉兼参考人 ただいま先生から御指摘の件は事実でございます。
  331. 寺前巖

    ○寺前委員 内容は。(「中身を言え」と呼ぶ者あり)
  332. 吉兼三郎

    ○吉兼参考人 中身は、ただいま御指摘がございましたその新聞等に報ぜられました期間、私どもの方で三回にわたりまして大蔵省の幹部の方を御接待申し上げたということは事実でございます。金額等は大体新聞に出ておりますとおりでございます。
  333. 寺前巖

    ○寺前委員 大体というようなことでいいかげんにしておくのはよろしくない。質問点に対して明確にお答えをいただきたい。  会計検査院、わかっていますか。わかっていたら説明してください。
  334. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 三月三日の分につきましては、人数は三名でございます。支払い金額は十五万五千四百二十円、科目は一般管理費の庁費でございます。それから五月二十三日の分につきましては七名でございます。金額は三十二万三千百六十五円、科目は同様庁費でございます。それから、八月二十八日の分につきましては九名でございます。金額は三十九万八千七百十八円、科目は同様でございます。
  335. 寺前巖

    ○寺前委員 下水道事業団は他の料亭でもこのような接待をいろんな関係の中でやっているのですか。これは特殊ですか、どうです。
  336. 吉兼三郎

    ○吉兼参考人 お答えいたします。  ただいま問題になっておりますような大規模と申しますか、そういう場所での接待はほかにはないと思いますが、小規模程度の会合は若干あるんじゃないかというふうに私は聞いております。
  337. 寺前巖

    ○寺前委員 あなたのところの経理部長さんは四月一日付で大蔵省の主計局に行かれて、そしてまた大蔵省の主計局からあなたのところの経理部長さんに来ておられますね。間違いありませんね。
  338. 吉兼三郎

    ○吉兼参考人 大蔵省から経理課長として私どもの方に出向してまいっておるものでございましたが、ただいま恩給局の方に帰っております。
  339. 寺前巖

    ○寺前委員 私が大蔵省の方からいただいた記録によると、四月一日付でもって下水道事業団の石田栄一という人が主計局局付から経理部長として行ったということが書かれています。そして四月一日付でおたくの方の経理部長の青木弘という人が主計局の局付に復帰しておるというふうに資料で正確にいただいておりますが、大蔵省、これは間違いですか。
  340. 松下康雄

    ○松下政府委員 御提出申し上げました資料のとおりでございます。  ただ、お話しの主計局局付になりました後、総理府恩給局に出向したわけでございます。
  341. 寺前巖

    ○寺前委員 下水道事業団のこの例を見ると、一人当たり、三つのうち最初は五万二千円、次は四万六千円、その次は四万四千円。しかも、これは大蔵省の幹部諸君を大蔵省から行った男がめんどう見て、そして接待をし合っているのですから、計画は大蔵省の関係者自身がやっているようなものだと言わなければなりません。  次に、それでは住宅公団についてはどういうことになっているのか。公団お見えになっていないと思いますから、一月三十日にやはり大野で接待をやっておられるようですが、検査院に聞いた方が早いと思いますので、お答えをいただきたい。
  342. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 一月三十日の分は出席者八名で支払い金額は三十一万二千百二十円でございます。
  343. 寺前巖

    ○寺前委員 費目その他同じょうに。
  344. 肥後昭一

    ○肥後会計検査院説明員 費目は、債券発行諸費でございます。
  345. 寺前巖

    ○寺前委員 これも大蔵省に直接聞きましょう。住宅公団の経理部長は、主計局共済課長が六月十八日付で行っている。そして住宅公団の経理部長であった人は、大蔵省の四国財務局長として六月十八日に戻ってきている。ですから、大蔵省の諸君が経理を担当しておって、そうして相談事を組織している。この人事異動は間違いありませんね。
  346. 松下康雄

    ○松下政府委員 人事はそのとおりでございます。
  347. 寺前巖

    ○寺前委員 すでに問題になった鉄建公団でも、五十三年二月十六日、八月十七日、それぞれそこでも接待がなされておったということは委員会で明らかになっているところであります。しかもその鉄建公団の人事を見ても、やはり主計局の人が経理部の課長補佐なりに出ていっているし、経理部の経理課長になったり、そういうふうに行きつ戻りつ経理関係を握っておる。大野で問題になったこれらの特殊法人を見てみると、いずれも大蔵省の役人が出ていって大蔵省を招待し合っている。そしてしかもそこへ出てくる費目というのが、みんな債券発行諸費であるとか、あるいはまた庁費であるとか業務費であるとか、一体そういう接待に使われている費目なんだろうかと、だれが聞いてもわからない費目になってそこに載っている。  しかも、この間の総選挙の直後に参議院で委員会が開かれたときに、当時の大蔵大臣は、そういうようなことはまだありませんということでしたと、一人三万円でどんちゃんやるのも過剰接待と考えられないのかという指摘に対して答えているわけであります。そんなものは行われていないんだという認識です。また、新聞でも官房長は、接待一件当たりの金額は、大蔵省分で平均一万円、これはスナックなどでの軽い食事代であり、伝えられるような一人三、四万円かかる高級料亭の接待というぜいたくなもの、問題にすべき案件は特になかったとまで言っているわけであります。  こうなると、はなはだしく事実を歪曲して大臣に報告しているのか、また知っていても国会を欺いてきたのか。したがって、国民の前にはますますもってわからなくなってしまうではありませんか。わかっているのは、大蔵省の役人諸君たちの入れかわりをやりながら、お互いにあそこの高級料亭で何かやっているな、おかしいな、これだけは見逃すことのできない事実として見られているわけです。  私は、綱紀の粛正、こういうふうに最大の課題のごとく総理はおっしゃっているけれども、国会にうそをついておる、知らないからうそをついたのか、知っておってうそをついたのか、この責任を明らかにする必要がある。同時に、うそを言わなければならない事態であったということは、それはあからさまにすることは悪いことであるということを知っていたからなんだ。知っていてこれをやらしていた、大蔵省の役人同士がそのポストをかえてやっているのですから。ですから、大蔵省の幹部諸君たちの刷新をしなければならない。あるいはこういう特殊法人の経理の中枢に出ていってお互いの予算の査定をし合うというシステム、これを変えなかったならばこの問題は解決しないのじゃないか。  私は、綱紀の粛正というものは具体的なものだと思うのです。大蔵省の一つの部局に税務署があるわけです。税務職員が徴税に行く。コーヒー一杯出ることを、これは飲んでいいのだろうかどうだろうかと話題になっているじゃないですか。まして弁当はちゃんとお金を払ってきなさいよという指導をやっているのでしょう。ところが、大蔵省の幹部諸君が、自分とよく知った連中が公団の経理部に出ておる、その諸君に接待をさせて平気で受けている。させているのか、自分自身がやってきたんだから次はおまえの番だというのか、綱紀の粛正と言う以上は、一番ここのところにメスを入れなかったならばとんでもないことになるだろう。  大蔵大臣、どういうふうにこの問題を処理されますか、御説明いただきたい。
  348. 竹下登

    ○竹下国務大臣 およそ公務員の人事異動の問題は、諸般の公社、公団等との交流人事が行われる中に双方の切磋琢磨が行われて、職員の資質の向上に役立つというのが私は一般論としては言えると思うのであります。ただ、いま具体的な提案でございますから、私も就任早々日なお浅く、これから検討してみます。
  349. 寺前巖

    ○寺前委員 検討はやってください。だけれども、三万円や四万円、先ほども一人当たりの金額を言った。これは明確な事実として数字を出してもらったのですから、こんなものは受けるべき性格のものでないことはきわめて明確でしょう。それはどうなんですか。
  350. 竹下登

    ○竹下国務大臣 その問題につきましては、私が就任いたす前すでに次官、官房長みずから監督の責任に対して国家公務員法上の処分が行われておりました。そしてその具体的な接待行政の問題につきましては、常識の範囲を超えないものにしても各局の責任者、すなわち総務課長の判断を得た上でないとそれらに出ることはできないというところまで厳しい自己制約を行うことになった、このように承っておりますので、それはそれなりに趣旨を貫いていかなければならぬ、このように思います。
  351. 寺前巖

    ○寺前委員 このような事態というのは特殊法人だけではなくして、省間の問題としてもあります。大野を使った例の問題として、林野庁がやはり八月二十一日にやってます。私が調べてみたら六十三万五千九百五十五円、二十名が参加している。林野庁と言えば赤字です。聞いてみると、高尾山での伐採の死亡事故関係の出費が多いぐらいで、あとはこれが大きな予算の使い方になっていますとまで言われているわけです。何とこれが予算の大きな一因になってくるということになってくると、これはますますもってひどい話ではありませんか。乱脈もいいところだと私は強調したいのであります。  私は最後に、総理が綱紀の粛正を唱えられたけれども、事実はここまで腐敗が起こっているのだ。したがって、総理がそのことを強調されるのだったならば、鉄建公団の責任問題を一定の処分だけで終わらしておられるけれども、全面的に見直して厳正な処置をされる必要があるんじゃないだろうか。あえてそのことも提起をして、出向問題その他についても検討することを要求したいと思いますが、いかがですか。
  352. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 官庁、政府機関を通じまして御指摘のような不祥な問題が出てまいりましたこと、残念至極でございます。これは長い間の綱紀の弛緩を意味するものでございまして、事態を正確に解明いたしまして、責任ある者につきましては厳正な処分をしなければならぬことは仰せのとおりでございまして、同時に、予算の計上、執行、勤務体制の厳正を確保しなければならぬ、そういう方向で厳重な行政の執行に当たりたいと思います。  なお、内閣におきましては、そういう趣旨、そういう状況を踏まえて、公費による招待あるいは贈答を廃止することにいたしまして、厳重にいま実行いたしておることもあわせて御報告を申し上げておきます。  しかし、仰せのように人事管理の問題も含めまして、もう一度全体を見直さなければならぬではないかという御指摘でございます。私どもといたしましても、そういう方向でなお改めなければならぬ点を十分検討いたしまして厳重に措置してまいります。
  353. 寺前巖

    ○寺前委員 時間の都合がありますので次へ行きます。  KDDの問題。異常な高級品、贈答品の密輸あるいは脱税、異常な贈収賄とか交際費の支出。聞いておっても、これが政府が特別に法律をつくって監督をしている特殊法人としての会社の姿であろうかとだれでも考えるところであります。ところが、KDDの内部には経営刷新委員会を設けて真相を究明するとおっしゃる。総理もまたそれがまず先だということを盛んにおっしゃる。しかし、果たして真剣にこの事実関係を追及しておられるのかということになると、先ほどもここで問題になったようにそういうふうには見られません。特に私は、政界工作の手段として商品券の贈答とかパーティー券の購入とか絵画、美術品の贈答あるいは政治家への便宜、盆暮れのつけ届け、その他の接待などなど、政治がこれに絡んでいるという問題については特に重要なことだと言わなければなりません。政治は政治家や特定の人々や会社が利益を上げるためにあるのではありません。国民のためにあるのです。ところが、政治家がこのわざわざつくり上げてきた法律で特殊法人に利益を求めていくとするならば、これは政治家ではなくして利権屋と言わなければなりません。せっかくKDDの会長さんがお見えなんですから、率直に国民の前に事実を明らかにされることが大事だ。  まず、政治家絡みの問題として商品券について。これは選挙直前の八月、九月になさったことだから今度のこの政治の姿と直接関係があります。はっきりとみんなの前に説明をされる必要があると思うのです。特定の人の名前が出てくる。その特定の人はその人だけばかを見るのかということになっても、あなたたちは責任を負わなければならないと思うのです。全貌を明らかにすることによって責任をとることができるでしょう。  私は、まず具体的に聞いてみます、具体的に名前が挙がった人がおるんですから。石野さんがいつ、幾ら、どこの商品券をだれから届けられたか。報道によると、それが返ったと言われているわけです。だれがいつ幾ら受け取って、現在どう処置されているのか、まず明らかに世間で問題になっている問題を率直に報告してください。
  354. 古池信三

    ○古池参考人 お答えいたします。  その前に、法律をもって設立されておりまする当社が政治的にいろいろ利用されておるのではないかというようなお話がございました。それについて私は、当社が最近、かような不祥事件を起こしたことについて一言申し上げておきたいと思います。  当社の一部の者が不始末をして関税法違反によって告発されておることは、まことに遺憾千万でございます。また、前社長並びに社長室長が放漫な経理をして、交際費等に相当な支出の増加を見たということもまことに遺憾なことでございます。  ただいまお尋ねになりました商品券の問題であります。特に氏名を指摘されました石野久男前衆議院逓信委員長の問題につきましては、私の承知しておりますることをつまびらかにお話を申し上げたいと思います。  去る十一月二十六日、月曜日でありますが、この日の午後から逓信委員会が開かれまして、私も参考人として出席を要求されておりました。その朝某新聞に、石野久男氏がKDDから商品券を受け取ったが、これは受け取るべきものではないと思って、秘書が当社の常に国会に資料を配付しておる職員をつかまえて返した、こういう事実があるということが新聞の報道によって明らかになりました。私はそういう事実を全然知っておりませんでしたから、この新聞の報道を見て大変驚きまして、早速会社に出てこの調査をやりました。ただし、そのときは時間が余りありませんでしたから、私の考えでは、そういうことがもしあったとすれば、これを承知しておる者はこれこれの人であろうというので、さしあたって五人ばかりの人を選んで、その五人の人にただしたのであります。ところがその五人とも、そういう事実は知らない、こういう答えでありましたので、逓信委員会に出席をいたしましたところ、社会党の野口議員から早速その点の御質問がありましたので、私は、今朝の調査によっては会社の関係者はだれも知らないと申しておる、こういう答弁をいたして、追ってなお調査を続けてみましょう、こう言ってその委員会は終わったのでありました。  この逓信委員会が終わったのは六時半過ぎであったと思います。したがって、その夜は調査はできませんので、翌日の朝出社いたしまして、私はそのときに、国会によく資料を届けに行く職員ならば知っておるかもしらない、こう考えてその社員についてただしましたところ、その社員は、確かに封筒に入ったものを石野前委員長のところへ届けた、そういう事実があるということを、間接でありましたが私に答えたのであります。しかしながらその内容については、封筒に入ったままであるから知らない。それがやはり二、三日の後に返されたということもその本人は私に答弁をいたしました。そこで早速私は、そのことを現在の小林逓信委員長のもとに役員を派遣して報告をさせた、こういうわけでございます。したがってその内容については、その使いの者はこれを開披しておりませんので、どういうものがあったかということはわかっておりません。  以上が実際のことでございますので、率直に私はいま御報告を申し上げた次第であります。
  355. 寺前巖

    ○寺前委員 肝心なものは一つもわからない。届けたということは事実だ、返ったということも事実だ、中身はわかりません、そんな返ったという話はありますか。返ったというんだから、どこの商品券だ、金額は何ぼだ、見なければいかぬじゃないですか。あなた、社長じゃないんですか。いまこれはどこへ返っているのです。
  356. 古池信三

    ○古池参考人 私は、存じないことは存じないと率直に申し上げたのであって、そういうことを一々社長、会長が見るわけじゃないのでありまして、担当の役員もおれば実際の扱い者もおるわけで、その者は本社へ持って帰りまして商品券を扱うその当事者に渡した、こういうことになっております。
  357. 寺前巖

    ○寺前委員 あなたは先ほどここで追及を受けたときに、どこのところから何ぼ商品券を買うたか逆に追及されて、いまから十分調査しますという話でした、追及を受けて。あなた、本当にこれが配ったものかどうかということだったら、ぱっとそれを見たら商品券に、どこの商品券か出ているのですよ。そうしたら、どこの百貨店かすぐわかるのだから、関係する百貨店に行って、うちはどうしましたかと調べさしたらすぐ出てくるわけです。簡単だとさっきもここで指摘されたけれども、あなたは返ったという事実の問題すらとことん調べていない。  私、土曜日にあなたの会社の経理部長さんにお会いしました。返っていますかと聞いたら、受け取っていませんと言う。片一方では返したという話が出ている。受け取っていない、わからないところにあるとすれば、それは横領じゃありませんか。業務上横領でしょう。十年以下の刑に処せられるという処罰にかかわる事項でもあるわけでしょう。こんな不可解な話がありますか。あなた、それでも責任を持って刷新をしていくんだという刷新委員会を指揮できますか、どうです。
  358. 古池信三

    ○古池参考人 ただいま申し上げましたように、その者は開披しておりませんから、内容は使いの者は知らない。そうして、帰ってこれを扱っておる参与の保田という者に渡した。経理部長にお尋ねになったというお話ですけれども、経理部長はその現物を扱う役ではございませんから、これは知らないのは当然であろうと思います。  私が刷新委員長としての仕事がどうかというお話でしたけれども、私は一生懸命に刷新委員長の仕事をやっております。午前中に他の委員から、この商品券の問題をよく調べろ、こういうお話がありましたから、目下その調査を一生懸命にやっております。
  359. 寺前巖

    ○寺前委員 乱脈きわまりない。返したというんだったら、現物を見たらすぐわかる。現物がこれだけありますと、あなた見なければいかぬじゃないですか。  そうすると、全体は何ぼあって、現物いま返っているのは何ぼだ、返っていないのは何ぼあるか、そのリストはどうなんだ。返ってきた人は一体だれだったのか。もうほかには返っていないのですか、ほかに返っている人はあるのですか、どっちですか。石野さんだけですか、返したのは。
  360. 古池信三

    ○古池参考人 私が承知しているのは石野前委員長だけであります。
  361. 寺前巖

    ○寺前委員 そうすると、ますますもって不可解なことになるじゃありませんか。百貨店の方は出したということの二千万近くの話はもうずっと確認をさせられてきていますよ。私も知っているのです。  もっとひどい話は、これを換金した、商品券をかえに行ったという話まで明確に出てきているわけです。赤木屋プレイガイド、日本橋にあります。多くのお金を換金する場合には一五%引きということになるんでしょうか。そういうところまで話題が広がってきているのに、行方を一向に明確にされないということは無責任きわまりない、乱脈もいいところのままだと私は指摘をしなければならないと思うのです。  次に、パーティー券について聞きましょう。パーティー券を一体何人の政治家からあなたの会社にこの一年間持ち込まれましたか。一人一人が何一枚、金額何ぼ、おわかりになりますか。私はこの資料を提出するようにあなたの会社の人にも提起をしてあるわけですが、あなたも当然刷新委員会を握っておられるのだからこういうことはやっておられると思うのですが、いかがですか。
  362. 古池信三

    ○古池参考人 そのことにつきましては、午前中にも私はここでお答えをしたと思いますが、このパーティー券の問題はすべて前社長時代に行われたことでありまして、その当時の社長室の者が扱ったわけであります。その当時の社長室はいま改編いたしまして、秘書室それから総務部その他になっておりまするので、これをいま担当いたしておりまする常務取締役を呼んでその調べを申しつけましたところ、当時の社長室の担当者たちに尋ねましたところ、そういうものは、どこへパーティー券の代金を払ったとかあるいは購入したとか、そういう記録はない、こういうことを申しておりますので、そのことをけさお答えした次第であります。
  363. 寺前巖

    ○寺前委員 私は重大な発言だと思いますよ。経理部長さんは、小渕さんの百枚の問題については知っていますと言っていました、買いましたと。経理部の人はそういうことを知っているとおっしゃっていましたよ。それはそうでしょう、お金が出るんだから。だから、どの代議士さんからどれだけのパーティー券を持ち込まれたか、帳簿を調べれば、ひっくり返せば、それは形式的に表面に出てきたものはわかりますよ、こう言っていた。あなた刷新委員会やっているんでしょう、それが話題になっておるんだったらなぜそのことをすぐに、出ているものだけでも取り寄せないんですか。ここでもあなたは無責任だと言わなければなりません。本当に刷新をする気はあるのですか。  私は、次に聞きましょう。小渕さんのものは二万円の券を、前橋でパーティーをやる、ついては百枚頼むと持ち込まれた。現在総務長官です。これも名前は報道機関によって出されているのですから、明らかにしなければいかぬと思うのです。  さて、あなたの会社ではこういうものを買うことは、別に意にも介しないことになっているわけですか、これが一つ。もう一つは、百人の人を小渕さんのパーティーに連れていこうとされたのですか、お答えをいただきたい。
  364. 古池信三

    ○古池参考人 そういうことはもう前社長時代のことで、私はタッチしておりませんから存じません。
  365. 寺前巖

    ○寺前委員 前社長の時代のことをいま洗って刷新委員会やっているんじゃないですか。前のことは知りませんでは刷新委員会にならないじゃないですか。  さあ、私はここで総理に聞きたいですよ。総理は、まず真実を調べることなんだということをKDDの問題ではおっしゃった。現実はあんな調子で、前のことですから知りません。私がちょっと経理部長に会っただけでもそこまで出てくる、ちょっと百貨店に行っただけでもすぐ出てくる。それなのに一向にやらない。これで果たして事実を調査することができるとあなたは思っているのですか、現状の認識はどこにあるのですか、あなた自身。
  366. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 KDDの実態につきましては、いま捜査当局もすでに調査に入っておると思います。その場合は、刑事責任があるかないかが問われるのではないかと思いますが、政府はこれを指導監督する立場にございますし、したがって、この実態をできるだけ解明いたしまして、政府でなすべき処理はしなければならぬし、改善の方途につきましても考えていかなければならぬ立場にあるわけでございまして、それは政府の責任だろうと思います。したがって、この問題につきましては、今後鋭意そういう方向で努力をしてまいらなければならぬと思います。
  367. 寺前巖

    ○寺前委員 総理は鋭意努力しなければならぬ。直接の社長さん、会長さん、刷新委員会を指導している人は前のことはわからぬとおっしゃる。これでは進まぬじゃありませんか。  私は土曜日の日に会長さんにお会いいたしました。そのときに、服部前郵政大臣が時価数百万円の高級なつぼをもらったという事実を、これは報道機関にインタビューで答えた、あるいは在任中の白浜郵政大臣が現金二百万円を届けられたということが、これもインタビューで言われている、ところが、それではというので確認をしておられますかと聞いたらあなたは、いや本人に会いに行ったところが本人は否定をするんです。報道機関の人にはああいうインタビューをやりながら、あなたに対しては言わない。だから、あなたはそのときにおっしゃっていました。そういうふうに否認するのだから、それ以上いかないとおっしゃる、進まぬとあなたはおっしゃる。進まぬものをあなた自身ではもうこれから調べられない。先ほどの事実だったら、まだ私は調べられると思うのです。ところがこの話になってきたら、もうこれ以上いかないと土曜日の日におっしゃっていました。全くこれではあなたたち自身に真相を解明する力がない、あるいは気魄がないと指摘せざるを得ないと思うのです。  私が先ほど言ったようなパーティー券、商品券、全面的に調べますか。この否認をされた事実については、私でやれないと言うんだったら、それじゃだれに頼んでこの解明をやりますか。  あるいは最近、簿外資産の問題が発表されました。ことしの分が半分以下で、古いものがいっぱい置いてある。それはちょっと持っていてくれと言われたから置いてあるんだという理屈を言っているとあなたは言っておられた。そうしたら、だれが置いておいてくれと言っておったか、そうしたら、その人は帳簿にも載せないものを自分が横領しておいて預かってくれと回ったのか、あるいはその人たちとの間の共謀であったのか、これは刑事事件にもひっかかる問題じゃないでしょうか。厳正な気持ちで率直に、疑いのある人間に対して司直の手を煩わさなかったらできないというんだったら、みずから起訴をする、はっきりすべきではないのですか。自分でまだ調査できる範囲があるのかないのか、司直に煩わさなければならないのじゃないか、はっきり態度をお示しなさい。そうでなかったら今度はあなた自身が責任を問われることになるでしょう。いかがですか。
  368. 古池信三

    ○古池参考人 まことに残念なことでありまするけれども、会社も告発を受けましていろいろといま捜査を受けておる段階であります。したがって、今後の捜査の過程において、いま御質問のありましたような問題が明らかになっていくであろう、かように私は考えております。
  369. 寺前巖

    ○寺前委員 それじゃ明らかになっていくであろうということで、あなた自身はもうこれ以上調査しようはございませんという立場ですか。私がさっきから指摘した問題でも、あなたが内部をすぐ調べただけでも明らかになる。それがならないと言うんだったらいまだに乱脈だ。  郵政大臣、乱脈のままでほうっておくのですか。どうですか。
  370. 大西正男

    ○大西国務大臣 乱脈のままでほうっておくつもりは全然ございません。
  371. 寺前巖

    ○寺前委員 それでは政府としてもしっかりと指揮をして、そして刷新委員会なるものかどこか知りませんけれども、みずからの解明のために努力をし、そしていま指摘された資料を国会に出すようにちゃんと御指導を私はやっていただきたい。郵政大臣、よろしいか。
  372. 大西正男

    ○大西国務大臣 郵政省におきましては、いま刷新委員会というものがKDD内部にできておるわけであります。そこで、これを督促をしてやっておるわけでありますが、将来にわたりましても再びこのような事態が発生をしないように、郵政省としては十分監督をしてまいりたいと存じております。
  373. 寺前巖

    ○寺前委員 私は、最後に大平総理にお聞きをいたしますけれども、国会の中には逓信委員会があります。そして、いまのような調子を聞いておっては、責任持てない、当時のことに全部振ってしまう。それでは、当時の社長なりあるいは社長室長なりを国会に証人として出ていただいて、そして国会は国会なりの解明をやろうではないかということが提起されております。これに対してあなたの党の方から、証人を呼び出すことに対して反対だ、こういう態度をとっていることに対して、私はあなたは総裁なんだから正しいようにしていただきたい。これに対してのあなたの見解を求めたいと思います。
  374. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 国会運営のことでございますので、各党の間で十分御相談を願いたいと思います。
  375. 寺前巖

    ○寺前委員 自分の党はどういう態度をとるのかというようなことを総裁ともあろう者が言えないというようなことで、どうして本当にこの問題の解明をすることができますか。私は本当に証人喚問は国会の審議の上においては不可欠な問題であると思う。この際にあえてもう一度提起をしておきたいと思います。  いよいよ時間がなくなりまして、聞きたいことはまだ山ほどありますが、残念です。私は、政治家というのは約束したことは必ず実現をするようにしなければ、国民に対して申しわけないと思う。幾つかの問題がありますので、この際に時間の許す範囲聞きたいと思います。  その一つは、公営住宅法を改正して、一人暮らしの老人や障害者、中高年の単身婦人などが低家賃の公営住宅に入居できるようにすることについて、一九七五年の十月、第七十六臨時国会の本会議で三木総理が改正を進めるという旨の答弁をしておられます。一人暮らしのお年寄りの多くの人人が民間の貧困な低家賃のアパートで、冬でも一日じゅう太陽の当たらない劣悪なところで生活をしておられる。法律で一人暮らしもいいということを明確にしただけで、これらの多くの方々が救われるのだ。この約束をされてから四年有余になっているのに、いまだに宙に置かれたままにしてあるということは無責任きわまりない問題だ。総理がお答えになった話だから、いまの総理が引き継いでこれを処理される。わかりました、即刻改善させるという立場にあるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
  376. 渡辺栄一

    ○渡辺国務大臣 ただいまの御質問でございますが、建設省としましては、公営住宅への単身者の入居等につきましては、地方公共団体、学識経験者等の協力をいただきまして、その実情とまた希望、一人暮らしのための条件などにつきましてすでに調査を行ってきたところでございます。これらの調査の結果を踏まえまして、供給対象の住宅、入居の対象者、住宅の管理体制、入居継続の条件などにつきまして、関係行政機関、地方公共団体とも協議をいたしまして鋭意検討を行っておりますので、私といたしましては速やかに結論を出したい考えでございます。
  377. 寺前巖

    ○寺前委員 建設大臣本会議でやるという総理の発言になっているものですよ。速やかに検討して結論を出すと言って、やるという結論を出すということですか、やらないという結論ですか。正直に一言わなかったらいけませんよ。国民は怒りますよ。
  378. 渡辺栄一

    ○渡辺国務大臣 私は、ただいまのような経過を踏まえまして、鋭意検討を行ってまいります。
  379. 寺前巖

    ○寺前委員 やるという検討ですか。総理、どうなんですか。総理大臣が本会議でやるということを、改正したいということまで提起された問題ですよ。鋭意検討ではいけないんじゃないですか。当時の総理の発言を尊重して解決しますという立場を明確にすべきじゃないのですか。どうなんですか、あなたは。私は、総理大臣が答弁したものは国民に対して明確にしなければいかぬと思います。
  380. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 よく建設省と相談してみます。
  381. 寺前巖

    ○寺前委員 国民に対して総理が約束したものをきちんと処理しないというままに来ている。いまからまたよく相談してみます、情けない話だと言わなければなりません。私はこのまま聞き捨てにならない。今度の通常国会のときには、私は明確にこれに対する回答をしていただきたい。それまでに解決できるならばそれまでに解決していただいたら結構だ。総理、責任持ちますか。
  382. 渡辺栄一

    ○渡辺国務大臣 お答えいたします。  極力結論を出すように努力をいたします。
  383. 寺前巖

    ○寺前委員 必ず約束したことは約束どおり実施するように、あえて提起をします。  同じことは私は米の生産調整の問題についても言えるわけです。三年間いわゆるペナルティーなるものの問題をめぐっての固定的に生産調整、減反政策をやってきたのじゃありませんか。それを途中になって、四割からの面積拡大の割り当てをまたいま進めようとしている。ちゃんと責任を持っていわばペナルティーを農民にかけるというところまで問題を提起しておきながら、途中で自分がうまくならなくなったからと言ってひとつ御容赦願いたいでは、国民に対してだけは責任を求めて、責任ある計画を組んだ方は責任を放棄してしまう、ぼくは怒るのは当然だと思うのです。  私は率直に国民の前に、済まなんだなでは済まない、すなわち、そこには転作の上での転作条件の整備を国民にちゃんと示さなければいけないでしょう。あるいはまた、外国からの農産物の輸入を続けておいて何を言うんだという怒りを国民は持つでしょう。今日も豚の問題をめぐって、五千円なり一万円なり払わなかったならば、豚肉輸入ラッシュの中ではやっていけないということで大騒ぎになっているじゃありませんか。  こういうような問題についてどういうふうに処理するのか、責任を持ってこそ私は政府の仕事だと言わなければならない。国民にだけ責任を持たす無責任な政府だと言わなきゃならない。最後にこのことだけを聞いて、質問を終わりたいと思います。
  384. 武藤嘉文

    ○武藤国務大臣 お答えいたします。  豚肉につきまして、大変いま養豚農家が困っておられることはよく承知をいたしております。できる限り安定価格に達するように私ども努力をいたしたいということでございます。幸いいま自主的に保管調整もやっていただいておりまして、少しずつ価格が上昇ぎみでございますので、何とかひとつそういう線でうまくいくようにということで、私ども努力をいたしておるわけでございます。
  385. 寺前巖

    ○寺前委員 残念ながら時間が来ましたので終わります。(拍手)
  386. 田村元

    ○田村委員長 これにて寺前君の質疑は終了いたしました。  次に、吉田之久君。
  387. 吉田之久

    ○吉田委員 私は、初めに総理に、善良な一市民がいま日本の国政に対してどのような強い不信感を持っているかということを、事実を示して率直にお伝え申し上げたいと思うのです。  選挙が済みましたのは十月の七日でございます。二十日ほどたちまして、ようやく国会が召集されたものでございますから、私も上京いたしました。九段の宿舎からこの国会に来ようと思ってタクシーを拾いましたときに、そのタクシーの運転手が申しました。私は毎回選挙には一番先にこのような仕事であるから投票所へ行って、今度も投票所が開かれるのを待って第一番に投票いたしました。しかし、選挙が済んで二十日もたった今日、依然として国会が開かれそうにもないという事実は、一体何たることでありますか、私は再び投票には参りませんということを彼は申されたのであります。しかも、その後延々と続いたあの醜い抗争劇を目の当たりに見て、ひとりこの人だけではなしに、すべての心ある国民は、いまや政治に対して強い不信感を持っていると思います。そういう点では、まさに総理の責任と罪はきわめて大きいものがあると私は思うのでございます。こういう国民の政治不信に対して、今後どのようにこたえようとなさるか、まずこの点をお伺いいたしたいと思います。  さらに、今日のわが国の最大の国政の急務は、いかにして国の財政を再建するかということでございます。その財政再建のためには、何としても行財政の改革を徹底しなければならないというのは、わが民社党の多年の懸案でございます。  しかしながら、私はそこで一つ気になることがあるわけでございます。それは、去る二月五日の本委員会において、新自由クラブの西岡さんが質問されましたときに、たまたま総理のかつて書かれました「私の履歴書」という中の言葉を引用されまして、いろいろと質問をしておられるわけでございますけれども、このとき依然としてあなたは「政治家が軽々に改革なんかに乗り出して、これは勝負がつくはずはございません。役人の方が強いのです。」というふうにお答えになっております。さらに念を入れるように「私は華々しい行政改革というようなものにまだ手を染めるつもりはないのであります。」とお答えになっているわけでございます。もっとも今国会になりましてから、総理の並み並みならぬ決意のほどを間々私たちは伺うのでございますけれども、この際、総理は、さきに申しました国民の声にこたえる本当の真摯な態度、さらに行政改革を行おうとするに当たって毅然たる覚悟をもって臨まれようとしているのかどうか、まず初めにお伺いをいたしたいと思います。
  388. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 総選挙が終わりまして首班指名に至るまでの間、思わざる混迷を招きまして、大変国民の皆様に御迷惑をかけ、行政の停滞を招きましたことは大変遺憾でございまして、私は、自由民主党の総裁といたしまして非常に重い責任を感じておるわけでございます。  こういうことを繰り返してはいけないので、今後十分戒めてまいらなければならぬと存じておると同時に、おくれました行政の停滞を早く取り戻しまして国民に御安心をいただかなければならぬということで、目下鋭意努力を重ねておるところでございます。  第二の行政整理の問題でございます。二十年ほど前に書きました私の随筆がたまたま問題になったわけでございますけれども、この随筆につきましては、前段と後段あわせてお読みいただかなければいけないわけでございます。全体として行政整理はむずかしい、むずかしいけれども、そういう中にあって行政簡素化の実を上げるには、こういう心構えをもってやらなければいかぬということを後段には書いてあるつもりでございますので、私は、行政整理の必要とその意欲につきまして、どなたにもおくれをとるものではございませんで、精いっぱい内閣の最優先の課題として取り上げて渾身の努力を傾けて御期待にこたえたいものと、いま懸命に努力をいたしておるところでございます。
  389. 吉田之久

    ○吉田委員 私は、いまの総理のお話によりまして、過去に散見されました行政改革に対するためらい的な発言はことごとく取り消され、清算されたものだというふうに了解いたしたいと思います。  しかし同時に、確かにこの行政改革あるいは補助金の整理等財政上の改革、大変いやな仕事だと思います。また、当事者にとっても大変深刻な問題であると思います。しかし、いまや国民はそれを渇望いたしておりますし、それなくしては政治の信頼をつなぎとめることはできない。だとするならば、その一番いやな仕事を決断し命令するのは、私は総理以外にないと思うのです。私はそういう意味で、総理が異常なる決断をもってこれからの行政改革に当たられなければならないということを特に強く要請する次第でございます。  同時に、そうであるとするならば、去る九月二十一日に、ちょうど選挙中でございましたけれども、わが党は「行財政改革に関する公開質問状」というものを自民党に対して出しております。  その中身などをちょっとかいつまんで申し上げますと、「財政再建問題にからんで、いまや行政改革の断行は国民の声となっている。しかも、鉄建公団のカラ出張、ヤミ給与事件に象徴される公社・公団等の管理者と労組の馴れ合いによる税金の無駄使いは、国民のいきどおりの的となっている。」こういう前文から始まりまして、そしてまず第一番に「カラ出張、ヤミ給与問題について」詳しくいろいろと提言をいたしております。  まず、先ほど来いろいろ質問がありましたけれども、こうした不正きわまる事件に対しまして徹底した究明を行うべきことを述べております。  次に、二番目に「公社・公団等の整理について」という件でございますけれども、昭和三十年には当時まだわずか三十三にすぎなかった公社、公団等が、現在百十一と三倍にふくれ上がっているわけであります。その中には、すでに機能を果たし終えたものあるいは統合すべきものが数多く含まれていると思います。私たち民社党はこれを具体的にリストアップいたしまして、日本鉄建公団、京浜外貿埠頭公団、阪神外貿埠頭公団、日本学校給食会、まずこういうものを直ちに廃止すべきではないか。  あるいは統合すべきものとして、日本住宅公団と宅地開発公団、あるいは日本道路公団と首都高速道路公団並びに阪神高速道路公団、次に公害防止事業団と石炭鉱害事業団、さらに労働福祉事業団と雇用促進事業団、最後に日本電信電話公社と国際電信電話株式会社、いま問題のKDD、これを合併したらどうかということを申しているわけでございます。  さらに「国の地方出先機関の整理について」も事細かにその提案をいたしております。「公務員の人事管理について」「補助金の整理について」すでにごらんいただいていると思います。  当時におきましては、自民党は物理的に時間がないということで詳しい回答を拒否されておりますけれども、この時点におきまして、概括的にわれわれのこの公開質問状に対する総理の御見解を承りたいと思います。
  390. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 民社党から具体的な御提案をちょうだいいたしたことは、いまお読みのとおりでございます。しかし、たまたま選挙中でございましたから、党の方におきましても、明昭和五十五年度の予算編成の際に当然この問題は出てくるから、そのとき御回答申し上げたい、そのような趣旨でお話があったのではないかと私は考えます。  そうした気持ちをくまれまして、第二次大平内閣出発に際しましては、総理みずからが初閣議においても、行革は断行するということを申された次第でございます。したがいまして、その趣旨を体して、今日、各省庁のそれぞれ基準を示して、来る十二月十日までにひとつ自分たちの力でまず整理統合すべきものを出していただきたい、そういうふうに申しておりますので、恐らく各省庁におきましても、民社党を初め他にもいろいろな民間あるいは有識者の意見もございます、わが党の意見もございます、そうした意見がずいぶんと長年にわたりましてございますから、それを十二分にしんしゃくしながら、ただいま鋭意作業を進めておる段階でございます。当然、いま御質問の点に関しましても、いろいろの面で配慮されておるだろうと私は考えます。  もちろん行管みずからも幾つかのプランを持って臨んでおるということを申し添えておきます。
  391. 吉田之久

    ○吉田委員 行政管理庁長官がいろいろといま鋭意努力されていることは私たちもよく承っておりますけれども、わが党の佐々木委員長も本会議で申し上げましたように、まず隗より始めよ。何と申しましても、そういう点では行政改革を行う家元は大蔵省と行政管理庁であると思います。私はそういう意味で、大蔵省は各主要ブロックに置いてあります財務局を速やかに廃止される気持ちはあるか、あるいは各府県にあります財務部を直ちに廃止されるお気持ちはあるのかどうか。次に行政管理庁としては、管区の行政監察局あるいは地方の行政監察局、まずこの辺を直ちに廃止される御意思があるかどうか、その辺のところからお伺いいたしたいと思います。
  392. 竹下登

    ○竹下国務大臣 本会議におきましても佐々木委員長から、まず隗より始めよという前提の上に立ちまして、いま吉田委員の申されたような御提言があったことは事実であります。私どもといたしましては今日現在でお答えできるのは、昭和五十二年度の整理方針に基づきまして、そうして小樽財務部を一月一日にした、あるいは出張所を整理する、あるいは財務部における主計課というものをなくしていった。  そうは言ってみましても、財務局、財務部は関税と徴税以外の大蔵省の主たる業務をその地方において担当しておる重要な役所であるという認識の上に立ちますと、一概に直ちにもって財務局、財務部全部を廃止するということをにわかに決断する状態にはない。  しかし再三の御意見でございますので、地方支分部局の問題としてのみでなく、本体自体の問題として将来にわたって検討しなければならない課題である、このように考えております。
  393. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 今回の行革に当たりました私と大蔵大臣と官房長官の三者が行革の三者会談を常に開くことに相なっております。仰せのとおり、まず隗より始めよという言葉に対しましては、私たちは千金の重みをもって臨んでおるということを御了解を賜りたいと存じます。
  394. 吉田之久

    ○吉田委員 特に私は大蔵大臣に申し上げたいのでございますけれども、大体大蔵省というところは、特殊法人ができるときには最後まで強硬に反対なさっておる。ところが一たんそういうものができ上がりますと、公団や事業団に必ず大蔵省から人を送り込んでおられる。私は、現在ある日本の公団、事業団の中で大蔵省から人を送っていないところが一つでもあればお答えをいただきたい。大体大蔵省の性格そのものが、あるいはそういう態度そのものが今日の行政改革を最も阻んできた、あるいはむしろこういう数多い不必要な機構をつくり出してきた元凶ではないかというような感じがするわけでございますけれども、いかがでございますか。
  395. 竹下登

    ○竹下国務大臣 いわゆる特殊法人、公社、事業団等を新設いたしました当時の環境を申し上げますならば、積極的な、経営に活力を持つことによってその事業団そのものに意義あらしめるというような立場からそれぞれできてきたわけであります。それができる過程において財政当局として、それに対しての反対とか、あるいはむずかしいというようないろいろな議論をしたと思うのでありますけれども、それはそれなりに機能いたしてきておりますが、しかし先ほど来の行管長官のお話にもございますごとく、今回とりあえず特殊法人、公社、公団、事業団等につきましての統廃合を行う、その計画を近日中に策定する、こういう方針で臨んでおるわけであります。  そこで私も、公社、公団で大蔵省出身者が一人もいないところがあるかどうか、それは定かにいたしておりませんけれども、体質的に大蔵省の出身者が役職員にそれぞれの立場から出向なりあるいは任命されておるという事実は確かにあります。私もそういう問題を踏まえて、いわゆる一般的な人事管理の方向としてそれなりにお互いが人事交流することは切磋琢磨になるという前提は別として、具体的な問題として検討さしていただかなければならないではないかな、こういうふうにいま吉田委員の御質問を通じながら感じたところでございますので、十分勉強さしていただきたいと思います。
  396. 吉田之久

    ○吉田委員 大いに大蔵大臣としてその辺の姿勢を正し、まず大蔵省は範を示すという態度を堅持していただきたいと思います。  次に、私は、やはりまず隗より始めよの一つとして、特殊法人を整理する前に国自身の出先機関を整理する、このことに専念されるべきであると思います。宇野行管長官は、参議院の本会議においてわが党の質問に答えまして、出先機関については年内に案を策定する、三年ないし五年の間でこれを実施してみたい、こうおっしゃっておりますけれども、出先機関の統廃合についていろいろとお考えの点があればいま申されたいと思います。
  397. 中野寛成

    ○中野国務大臣 今回の行革は大体目標を四つにしぼりました。あれもやりたい、これもやりたいでは焦点がぼけてしまって、かえってできないおそれがございますから、四本の柱を立てた次第でございます。特殊法人、出先機関、許認可及び補助金、これが四本の柱でございますが、いずれもそれぞれ特色がございましょうけれども、三年ないし五年のプランを立てる、そのプランは年内に策定する、こういうふうに本会議で申し上げた次第であります。  特に地方支分部局に関しましては、これも一本の柱でございます。したがいまして、今日までも、その中におきまして特に事務的な機関に関しましては、どんどんとその整理統合を推進してまいりましたことは御承知のとおりでございまして、今後も、事務所であるとか出張所であるとか、そうしたものの整理を積極的に進めていきたいと存じます。  もう一つ考えねばならぬといま議論を呼んでおりますのはいわゆるブロックの機関でございまして、言うならば、これは機関的組織と申しましょうか、それぞれの省庁がそれぞれの政策手段として設けているものがございます。今日としてはおのおのその使命を果たしておると私は存じますが、しかし、これも今後鋭意検討いたしまして、その統合整理に関しましても意見の交換を積極的にやっていきたい、かように存じておるところであります。
  398. 吉田之久

    ○吉田委員 次に、私は総理に申し上げたいのですが、この際綱紀の粛正を図ることと行財政の改革を徹底していくこと、この二つを一つにリンクさせると申しますか、そういう方法も、大変異例のやり方ではあるかもしれませんが、一度とってみていい時期にあるのではないか。そういう意味で、いろいろ論議はあると思いますけれども、たとえば鉄建公団をこの際国鉄と合併させる、あるいはKDDを電電公社と合併させる。こういう不正きわまるいいかげんなことをやっている場合には、もうこの際統廃合の対象になるんだ。しかも、心機一転えりを正してもう一度再出発してみろ。その間に、国の機関としていろいろと欠点があったとするならば、この際これを訂正していこう。たとえば先ほど出ましたけれども会計検査の問題、NHKには予算、決算の国会承認を義務づけているわけでございます。KDDの場合もそういう方法も一つの方法でありましょうけれども、いろいろそういう措置を行いながら、この際非常に問題の多い特殊法人等については合併をしていく、あるいは整理をしていく。頂門の一針として、この際そういう手法を用いても決しておかしくないのではないかと私は考えるわけでございますが、いかがでございますか。
  399. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 行管庁を中心にいま構想をいたしておる特殊法人の整理方針でございますが、これは決して画一的に考えておるわけではございませんけれども、一応の目安といたしまして、多くの特殊法人を抱えておる省庁につきましては、それなりの奮発をしてもらわなければいけないというようなことでお願いをいたしておるようでございます。しかし、その場合に、いま吉田さんが御指摘になりましたような観点も、整理計画を立てる場合におきまして示唆に富む御提言であろうと思いますので、各閣僚もお聞き取りいただいたことと思うので、そういう点はいろいろ参考にさせていただきたいと思います。
  400. 吉田之久

    ○吉田委員 次に、建設大臣にお伺いをいたします。  あなたはいち早く日本住宅公団と宅地開発公団との合併を発表されましたけれども、私たちはその決意を高く評価いたしておりますが、同時に、日本道路公団と首都高速道路公団並びに阪神高速道路公団との合併も考えられる御意思はありますかどうか。
  401. 渡辺栄一

    ○渡辺国務大臣 お答えいたします。  宅地開発公団は、昭和五十年九月に大都市地域におきまして宅地の大量供給を図るということをねらいといたしまして設立をされたものでございまして、いまだ分譲の段階には至っておりませんが、設立後現在までに首都圏と近畿圏で合計六地区、約四千百ヘクタールの宅地開発事業を実施いたしておりまして、今後に期待するものがあるわけでございます。  しかし、現内閣の重要課題の一つであります行政改革の要請にもこたえますと同時に、住宅、都市対策の積極的かつ効果的な推進を図りたいと考えまして、日本住宅公団及び宅地開発公団を統合いたしまして新しい公団を設立いたしたいと考えておりますので、今後ともよろしく御協力を願いたいと存じます。  なお、ただいまの道路関係三公団の問題でございますが、御承知のように日本道路公団は全額政府出資でございまして、全国ネットワークを構成する高速自動車国道等を整備するものでございます。これに対しまして他の二公団は、おのおの首都及び阪神の二大都市圏におきまして、地元の出資を得まして、また地元と密着をいたしました都市高速道路の整備を行っておるわけでございます。このような状況でございまして、三公団はそれぞれ業務の目的及び運営の状態を異にいたしております。各公団とも今後実施しなければならない大量の計画がなお残っておるわけでございますので、これらの統合は、私といたしましては適当でないと考えております。よろしくお願いいたします。
  402. 吉田之久

    ○吉田委員 次に、先ほど二見委員からも御指摘がありましたけれども、特殊法人百十一の常勤役員が何と七百九十七名でありまして、どう計算いたしましても、合計いたします年間の人件費というものは百億近いものであろうと思います。私は、この際、先ほど伊東官房長官もお述べになりましたとおり、まずこの人件費を半分ぐらいに減らす積極的な努力をされることを要請いたしておきます。  次に、行政管理庁長官にお伺いをいたしたいのでございますけれども、日本学校給食会の場合、すでにその使命が終わったということで、これが学校安全会と一緒になって日本学校健康会というものをつくる運びになっているようでありますけれども、しかし、私はこの例を見ましたときに非常に危険なものを感じました。と申しますのは、日本学校給食会は役員が七名、職員が四十九名であります。一方、学校安全会は役員が三名で職員は二百五十八名でございます。したがって両方合計いたしますと、役員は十人であり、そして三百七人の職員がいることになります。ところが、この日本学校健康会なるものが五十四年度には三十一億五千三百十四万円の予算を要求いたしておりまして、今度は三十八億三千九百七十万円という要求をしているようでございます。しかも、その役員は十名から十三名にふやそう、あるいは職員は三百七人が三百二人、横ばいでございますけれども、こういうような合併というものはまさにナンセンスだと思うのです。骨抜きの改革、形だけの改革であって何ら行政改革にならない。  したがって、長官は、今後行政改革を進められるに当たりまして、ただ数を合わせればいい、合併さえすればいい、特殊法人の数が減ればいいんだ、出先が減ればいいんだということだけでは何にもならないということを、十分御承知でございましょうけれども、こういう例が現に出ておるわけでございまして、この辺のところをどう決断されますか、お伺いをいたします。
  403. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 学校給食会と安全会との合併はすでに決まっておったものでございますが、まだ実現に至っておりません。これと放送大学との関連があるわけでございますが、私といたしましては、やはり数を一足す一という問題ですべて解決するのではなくて、当然その中におきましても合理化を求めていかなければならない、かように存じておる次第でございます。  現に行管庁といたしましては、昭和五十一年の閣議決定に基づきまして、特殊法人の常勤役員に関しましてはその数を縮減しようというので計画的に進めてまいりましたが、三十四名、ほとんどこの縮減に成功いたしております。そういうふうな形において今後臨むべきであると考えておる次第でございます。もちろん、そのほかの新規増等に関しましてもわれわれといたしましては厳しく臨んで、そしてやはり特殊法人の数減らしだけではなくて、内容的にもりっぱな特殊法人として国民の期待にこたえる、そういう精神で今後は臨んでいきたいと存じております。
  404. 吉田之久

    ○吉田委員 いま仰せのとおり、あくまでも合併したところは当然役員が減るべきでありますけれども、何も合併しなくてもどんどん減らせるところは減らしていく、これも行政改革のりっぱな成果だと思いますので、その辺を特に御留意をいただきたい。要するに人員を減らすことに尽きると思います。そういう点では、五カ年間においてわれわれは三万六千人の人員削減をすべきではないかということを提唱しているわけでございますし、政府におきましてもそれぞれの考え方をお持ちのようでございますけれども、これを年々六千人ずつ減らしていくというようなやり方ではなしに、思い切って来年度に一挙に、三万六千人ならば三万六千人あるいは三万人なら三万人を定員としては減らしてしまう。そういたしましても、当然しばらくの間余剰人員は出ますけれども、余剰人員は余剰人員として置いておくことによってなおこの定員の削減というものがピッチが上がってくるのではないか、こういう感じを私たちは持つわけでございますが、その辺のお考えをどうお持ちになりますか。  それから、いかに定量を修正いたしましても、不補充の原則というものをはっきりしておかないと、これは結局どこまで行ったって同じことでございます。したがって、新規採用の抑制をあくまで徹底する、この辺のところをはっきりなさらなければならないと思うわけでございますが、いかがでございますか。
  405. 宇野宗佑

    ○宇野国務大臣 定員に関しましては、すでに昭和四十三年から年々計画を持って進めてまいりまして、いよいよ明年から第五次の定員削減計画に移るわけでございます。仰せの点も非常に私といたしましては参考になるんじゃないかと存じますが、いまのところは五年間に分けてやっていこうというふうな形でございますが、この点に関しましても今後できるだけ効率を上げるように配慮いたしたいと存ずる次第でございます。  時折申されますが、その十二年間に約十二万人減りましたが、また増も約十二万で、結論は差し引き八千ばかりであったのじゃないかという議論が絶えずございます。私もそのことに関しましては今後十二分に注意をしていかなければならないと存じております。私もそんなことで過去のことをいろいろと検討いたしましたが、減った中身は、特に一般職が三万七千人減っておるというふうな特色のあることで、この面におきましては非常に大きな努力が払われておったということも私は付言をいたしたいと思いますが、今後は新規増員も極力抑え、なおかつ、それによりまして定員の縮減、公務員総数の縮減、これをひとつ今後大きく推進をしたい、かように存じております。
  406. 吉田之久

    ○吉田委員 大蔵大臣に申し上げたいのでございますが、補助金とか負担金とか交付金とか、補助金等というのがございますね。これは総額で十二兆八千八百五十一億、総予算の三三・四%に当たります。ところが、この補助金等の一三%に当たります一兆六千八百五十三億というまことに膨大な金がいわゆる官僚植民地というべき特殊法人等に流れておる。特に一番でかいのは、日本鉄建公団事業助成費というのが七百八十四億三千五百五十四万円であります。さらに、同じく日本鉄建公団の補給金と称するものが百二十五億九千六百八万円であります。合計いたしまして何と九百十億、約一千億に近い金が鉄建公団に補助金として送られておるわけでございます。まさに国民の血税であります。このような血税をつぎ込みながら空出張されたのでは、国民はたまったものじゃないと思う。私は、この際思い切ってこういう補助金にメスを加えられなければならないと思いますが、大臣の所見をお伺いいたしたい。  なお、この後、関連質問を小沢さんから行います。
  407. 竹下登

    ○竹下国務大臣 今度の行財政立て直しのための四つの、項目の補助金の整理という問題は、まさに大蔵省自身の問題であります。ただいまも御指摘になりましたように、約三分の一に達するものが補助金であります。しかもその中には、法律補助がおおむね八〇%、あるいは社会保障、文教、公共事業等がまた別の角度から見て八〇%、それから地方を通して補助するものがこれまた八〇%、たまたま似ておるわけであります。したがって、その中にいわゆる一律削減になじまないものもそれは確かにございます。  しかし、仰せの趣旨に従いまして、いままず第一は、今年度予算でどうするか、こういう問題が一つであります。それから、政策的、奨励的時期をいつに設定して、ある時限を設けてこれを整理していくかという問題が第二でございます。それらの問題の中で、いま貴重な御意見として御指摘なさった問題につきましても鋭意検討中の課題でありますので、貴重な御提言として慎んで私どもは拝聴させていただきたいと思います。
  408. 田村元

    ○田村委員長 この際、小沢君より関連質疑の申し出があります。吉田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小沢貞孝君。
  409. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 きのうの読売の社説に「首相は野党の提言にこたえよ」こういうように出ているわけです。総理が最優先課題として全精力を傾けて取り組むという行革、これは宇野長官も、組閣の際に総理からよくよく言われた、こういうように言っているわけです。しかし、この行革は言うはやすく行うはかたし、大山鳴動してネズミ一匹、こういう結果にとかくなりがちであります。そこで私は、この社説にあるようなこういう問題からまず総理はみずからの姿勢を正して、こういうようにやっているのだという姿勢を示さなければならないと思うわけです。  その中身はこういうことであります。「福田前内閣が五十二年十二月の閣議で決めた特殊法人役員の基準を反故にしたのが、ほかならぬ大平首相である。この閣議決定は、役員のたらい回し人事の抑制、民間からの起用に加え、在職期間は「六年を原則とし、特別の事情がある場合でも八年を限度」とすることになっている。」閣議決定、ここにあるとおりであります。しかるに「大平首相は、今年二月、鈴木東京都知事が知事選出馬のため辞任した公営企業金融公庫総裁の後任に、すでに二つの公団役員を八年七か月も務めた自治省OBを起用した。」こういうわけであります。だから、総理みずからがこういうことをやっておって、どうして行革が進められるかということをこの社説は言っているわけであります。  総理どうですか。こういうことからまず改めて、こうやってしっかりやるのだという姿勢を示し得るかどうか、総理にお尋ねします。
  410. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 五十二年の十二月の閣議決定は尊重されるべきものでございまして、そういうラインで忠実にやってまいらなければいかぬと私も考えております。  ただ、御指摘の公営金融公庫の人事でございますが、私も大変苦吟をいたしましたけれども、この人事につきましては、中央地方を挙げまして大変要望された人材でございまして、この閣議決定にも例外が全然認められてないわけでもございませんので、各方面の要望もだしがたく、人材本位でそういう例外的な起用に踏み切ったわけでございますが、それは閣議決定というものをほごにするというような精神では決してなかったわけでございまして、今後の特殊法人の人事につきましては十分注意していきたいと思っております。
  411. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 行政改革を決意を持ってやる場合に、例外例外ということを言い出せば、これから何もできなくなってしまう。したがって、これはもう非を改めるに即日――私は人物を知らないわけです。決意を表明する意味においてもこれを改めなければならないのではないか、それが一点であります。  いま一点は、私たちは国会の中へ、仮称でありますが、行政改革推進委員会、こういうようなものを設けて、国会も一体になってこの天の声、国民の声である行政改革を進めていかなければならないという提言をいたしておるわけであります。朝からの各党の質問を見ても、おおむね方向はそういう方向にあると思う。これは、総理が総理という立場でなくて自民党総裁という立場で、自民党がそういう決意をすれば推進できるはずだ、こういうように考えます。総裁としての御答弁、以上二点について。
  412. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 国会に行革委員会を設けて推進に当たれという御提言は、示唆に富む御提言であると思います。ただ私は、いまの行政改革の問題は、国民の声としてほうはいと起こっておるわけでございまして、政府、国会挙げて全機能を動員して当たらなければならぬ国民的な課題であると思っておるわけでございます。したがいまして、各既存の機関が行革についてそれぞれの機能を傾けて御協力をいただく方向で考えるべきじゃないか。行革委員会を設けて、そこの仕事であるという、そこに限局するには余りに大きな問題ではなかろうかと考えておるわけでございます。  もっともこの問題は、国会の委員会の問題でございますから、国会で各党が、いやそれはそれとしても、国会が取り上げる以上はそういう委員会を設けて取りかかる方がよろしいということでございますならば、私はあえて異を唱えるものではないわけでございますが、あえて意見を求められるならば、いま申し上げたような国会、政府全体を通じて、また与党、野党全体を通じての課題としてひとつお取り上げいただき、御推進いただき、御協力をいただく方向でお願いできないかと考えております。
  413. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 いま一点の公営企業金融公庫総裁、この問題は、いまからでも決意を示すために処置できないか、こう言っている。それには答えていないわけです。後で答えていただきたいと思います。  それから、先ほど公明党の二見委員の質問に答えて、政治資金規正法の改正について政府に検討をさせている。それは質問の内容から、主として個人の政治資金の届け出義務等を中心に検討させている、こういうような答弁のようであります。政治資金規正法の改正に手をつけるにもこれは大変なことであります。五十年のときに参議院で可否同数で議長これを決する、こういうようなことがあったほど大変な問題であります。しかし、勇気を持って政府部内で検討させているということで、これは大いにやっていただきたいと思いますが、いま検討をさせている内容は、先ほど来の質問の個人の政治献金の届け出義務に関することだけか、それ以外にどういうことを検討させているか、この機会に御発表をいただきたい。
  414. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 五十二年末の特殊法人の人事に関する閣議の決定、これは尊重してまいります。  それから第二の御質問でございますが、政治倫理の確立という立場から、政府においてことしの夏から秋にかけまして再発防止協議会を設けて、各界の有識者の御意見も伺ってまいったわけでございます。その中には、けさほどから問題になりました贈収賄等の制裁法規の整備でございますとか、あるいは選挙制度の改正問題を国会と御相談しながら金のかからない選挙制度の検討に入るとか、これはすでに自由民主党が始めておりますけれども、そういう問題でございますとか、企業内部の監査機能を充実するというような問題でございますとか、そういうものもございますが、けさほどから問題になりました個人の政治資金の明朗化を図る措置を講ずべきである、すなわち個人の私経済と政治資金経済を別にいたしまして、個人の政治資金経済というのはガラス張りにする手だてを講ずることができまいか。いまはその点が、立法がその領域に入っていませんので大変むずかしい問題でございますけれども、政治資金規正法改正の形で改正案ができまいかということで、いま政府部内で検討をいたしておるわけでございますが、政府の方で要綱が出てまいりますならば、まず与党と相談し、また野党の御意見も伺うようにしたいと考えておりますが、政治資金規正法でいま踏み込んでいない個人の政治資金の管理の明朗化ということを図る趣旨で検討を始めておるということでございます。
  415. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 いまの答弁の中で、選挙制度の検討も政府にさせておる、こういうように私には聞き取れたわけであります。先般の新聞発表によると、久野忠治自民党選挙制度調査会長が、小選挙区比例代表制と参議院全国区比例代表制の導入の検討をも含めながら、公選法や政治資金規正法の改正案を年内にまとめて、政府提案の形で通常国会に提案するようにやっていこう、こういうように積極的に発表されたわけであります。これは、いま検討をしているのは小選挙区比例代表制等を含めて政府に検討させているわけですか、あるいは自民党の中だけで検討させているわけですか、この点について簡潔に。
  416. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 選挙制度の問題は、これは政府の方でイニシアチブをとることは適当でないと考えまして、自由民主党の方で選挙制度調査会の手でいろいろ御検討をいただいておるところでございます。政府の方がこれを取り上げて、政府部内で検討しておるというものではございません。
  417. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 それはわかりました。総理は、先般の選挙の結果を謙虚に受けとめて反省する、こういうようにたびたび言っているようであります。私は、これを自民党の中で、新聞の発表どおりだとするならば、これは謙虚に反省をせずして、選挙制度そのものを改正して小選挙区比例代表制を導入してやっていこうということは、これは国民の審判の結果に挑戦をするがごとき態度ではないか、こういうように考えます。総裁としてこのようなことを検討させないと言うならば、総裁としては、あるいは総理としては小選挙区比例代表制は考えていない、こういうように言明できますか。
  418. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 選挙制度の問題は各党の共通の土俵でございまして、政府がこれがいい、あれがいいというようなことを申し上げるつもりはないわけでございます。したがって、先ほど申しましたように、政府がイニシアチブをとってまいるという案件としてはふさわしくないと私は考えております。自由民主党が選挙制度調査会において、こういった問題について、金のかからない公明な選挙を実現する上におきましてはどういう方途があるかというような問題はいろいろ検討しておられることと思いますけれども、そしてそれは各党と共通の土俵をつくる上におきまして自由民主党としての考え方をまとめるわけでございまして、それを押しつけるわけではなくて、これはあくまでも各党の間で十分の御相談がなければできる相談ではないと私は思っております。したがって、こういう選挙制度がいいとかというようなことは政府から申し上げるつもりは私は毛頭ないのです。
  419. 小沢貞孝

    ○小沢(貞)委員 選挙制度の問題は大問題でありますが、時間の関係で後日またここで論議をいたしたいと思います。  きょうは時間がないので、米の消費拡大、先ほど来再三質問がありました、減反を三十九万一千ヘクタール、三年間固定するというものを、なぜ来年になって五十三万五千ヘクタール、農民をだますようなことをやったかということについてはたびたび質問がありました。これは重大問題でありますが、私は時間が足りないので、このことについてはこれ以上触れようとはいたしません。  それよりも、けさの農林大臣の御答弁で、消費を拡大する、こう言われました。あるいはまた文部大臣が就任の際に、学校給食をぜひ拡大をしなければならないというのが就任第一声であったと思います。そこで、消費拡大についてどのように来年度は具体的に考えておるか、このことについて三点お伺いいたします。  いま学校給食については六割の補助、七割の補助、その他施設に対して補助があるわけであります。これは週二日の給食を目標にして、予鈴で十一万トン前後の拡大を見込もうとしておるわけですが、文部大臣としては、この上に何を具体的に、週三日にするとか今度は八割の補助にするとか、どういうように拡大をしようとしているか、それが一点。  それから第二点は、お手元にお配りいたしましたように、米の消費を拡大するためには麦との価格比、対麦価との比較であります。この表にありますように、昭和二十五年度は米百円のときに麦の価格は八十四円三十銭、八四・三%であります。それがだんだん比が拡大をしてきて、昭和五十三年、一番下の欄にありますが四二・七%、麦の値段は対米価比において約半分になっているわけです。ことしになって、八月になればさらに四一・五、こういうわけですから、半分以下になってきているわけであります。私は、これで麦の消費者価格を上げようとか、あるいは米の消費者価格を下げようという具体的なことはいま提言をしようとはいたしませんが、米の消費を拡大するためには、これだけ離れてしまっているものをもとのさやにおさめる方向、少なくとも米一〇〇に対して麦は八四くらいでありましたから、そういう状態に戻すようにしなければ、これはもう価格誘導からも米の消費増はとうてい実現できない、こういうように考えるが、これを修正しようとする意思があるか、これが第二点であります。  第三点は、お酒を全部米でつくれば、お酒のために大体百万トンの米が消費されるわけであります。しかるに、アルコールの添加によってそれが五十六、七万トンになっているわけであります。アルコールの添加をやめれば、いきなり四十万トンから五十万トンの米の消費拡大ができるわけであります。これについては大蔵省の言い分あるいは農林省の言い分、いろいろあろうかと思いますが、これだけの減反を強制されておって、余った米を六年間か七年間に四百八十万トン、えさに渡す場合には一トン三十万円かかるものを二万か三万で払い下げるわけです。そういう犠牲を負うているぐらいならば、私はお酒のための消費拡大の手だては幾らでも出てくると思う。大蔵省は一トンの中にアルコールを幾ら入れてよいかという承認基準をつくってあります。つい四、五年前までは一トンの中に二百二十リッターのアルコールを入れてよろしい、こうなっておったが、いまはそれが二百八十リッターになっているわけであります。これは大蔵サイドだけでもできるわけです。それを百リッター以内にしろとか五十リッター以内にしろということは大蔵サイドでもできるはずであります。去年の一月二十日の閣議了解事項で、お酒で米の消費拡大を考えようということを申し合わせてあるばかりで、何にもやっていないわけであります。これだけの減反を強いる場合には、そのものに対してメスを加えていかなければなりません。これは大蔵大臣、農林大臣から御答弁いただきたいと思います。  以上であります。
  420. 谷垣專一

    ○谷垣国務大臣 学校給食の問題でございますが、いま御存じのとおりに、五十一年度から始めました学校給食週二回、これを五十六年度に達成したい、こういうことでやっておりますが、地域的にかなりばらつきがございまして、まだ週二回が完全にできていない、四四%ぐらいしか達成していない、こういう状況でございます。しかし反面、週三回あるいは非常によくやっていただいておるところは週六回の学校給食をやっていただいておる、こういう状況でございます。  ただ、これを考えまして、どういう形でそれを今後進めていくか。大都市における普及状況がよくございません。これはいろいろな理由があろうと思います。大蔵省というか農林省の方とも十分考えていかなければいけませんが、五十四年度におきまする助成状況が百五十四億に達しておりますが、その設備費の補助等においてもう少し考えていかなければならない。あるいは農林省当局にお願いをいたしておりますのは、農林省の方としては相当な値引きをしていただいておりますが、うまい米を食わしていかないとなかなかなじまないのではないか、ぜひひとつやってもらいたい、こういうふうに考えて突き進めていきたいと考えております。
  421. 武藤嘉文

    ○武藤国務大臣 お答えさせていただきます。  学校給食の問題につきましては、いま文部大臣からお話がございましたが、私どもといたしましては、学校給食で米の消費がふえることは、結果的にそれぞれの家庭における米の消費がまたふえることであるということで、ぜひ一層進めていただきたいとお願いしたいわけでございます。  価格の問題につきましては、大変貴重な御資料をいただきまして感謝申し上げますが、いま幸いと申しますか、麦の国際価格も上がってきておりますし、また円安で輸入の麦の価格も相対的に上がってきておるわけでございます。確かに家計費、物価という問題もございますけれども、その辺を踏まえて、今後米価、麦価を決めるときには十分御意思を尊重していきたいと考えております。  三番目の酒の問題でございますが、幸い大蔵大臣も私も酒屋出身でございまして、そういう意味においては酒米がより米になっていくことは大変ありがたい、これはもう品質においてもありがたいことでございます。ただ正直、コスト面があるものでございますから、そういう点が、今後在庫がふえてしまってえさなり何かに使われるよりは、かえってより適正な価格で新米を酒米に回すようなことができればそれも一つの方法ではないか、こう考えておるわけでございます。
  422. 竹下登

    ○竹下国務大臣 私も酒屋のせがれでございます。ただ確かに、いまの問題で四十二万トンの米の消費量がふえるわけでございますけれども、コストの問題とそれから消費者の嗜好の問題とそれに伴う技術、設備の問題、この三つの問題がございます。したがいまして、また大蔵省として考えてみますと、せんべいの場合はどうなるとか、いろいろな問題がありますし、財政当局としては、余剰米が生じて、そしてそれが工業用とかえさにまで使われるであろうという前提の上に立って計画を立てるというのもいかがなものだろうか。したがいまして、かなり専門的な話でございますので、私から十分にお答えするだけの自信がございません。もし詳しくとおっしゃるならば、後日また政府委員からでも少し詳しく答弁させたいと思いますが、きょうはその程度の知識しか持ち合わせておりません。
  423. 吉田之久

    ○吉田委員 あと三分でございますから、ちょっと急いで申し上げます。  大来外務大臣にお伺いいたします。あなたは中国へ行かれて、すぐにフランスのIEA閣僚会議の理事会に出られるはずでございますけれども、今日の事態の中で、資源とエネルギーについてどういう構想を持って臨まれますか。簡潔にお答えいただきたい。
  424. 大来佐武郎

    ○大来国務大臣 エネルギーの問題につきましては、日本のエネルギーの七割以上が石油でございますし、その大部分を輸入しておりますので、特に中東方面からの供給が大事だと考えております。もとよりエネルギー全般の問題は通商産業大臣の所管でございまして、今回ももしお許しを得れば二人、両方出席いたす予定にいたしておりますので、あるいは通産大臣にもお尋ね願った方がいいかと思いますが、いろいろイランの問題、あるいは石油の流通ルートがメジャーからほかのものに変わる問題、そのほか産油国における資源保全による供給減、むずかしい問題たくさんございますが、外務省としては外交面でも産油国との関係を非常に重視いたしまして、できるだけ経済技術協力その他もあわせて、これらの国々との対話を密接にすることによって、わが国に対するエネルギー供給を確保してまいりたいと考えるわけでございます。
  425. 吉田之久

    ○吉田委員 先ほど二見委員からもお話がありましたが、いまや灯油の価格はどんどん上昇いたしておりまして、きょうあたり関西で十八リットル千三百円の模様でございます。それから、工業用のLPGもことしの当初から見ましてすでに三倍に上がっております。私はこういう事態の中で、生活関連物資等の買占め及び売惜しみに対する緊急措置法並びに国民生活安定緊急措置法をそろそろ発動され、あるいは標準価格を設定される等の動きが必要であると思いますけれども、いかがでございますか。
  426. 佐々木義武

    ○佐々木国務大臣 先ほどもお答え申し上げましたとおり、現在の段階では法を発動してまで取り締まらなければならぬと私は思っておりません。いまの段階では通達、指導等でもって便乗値上げ等のないように考えたいと思います。
  427. 吉田之久

    ○吉田委員 時間がありませんので、最後に総理にお伺いいたします。  あなたは、一般消費税の問題で五十六年度以降できればやりたくないけれども、場合によったらやらなければならないかもしれない。いろいろ悩んでおられるようでございますけれども、過ぐる総選挙の国民の答えというものは、一般消費税に対して断じてノーであります。したがって、ここまで行財政等でいろいろ努力をしてみたけれども、やはり一般消費税をやらざるを得ない、これを導入しようとあなたが御決断になるときには、その導入の前に改めて信を国民に問われなければならないと私は考えるわけでございますが、総理のお考えはいかがでございますか。
  428. 大平正芳

    ○大平内閣総理大臣 吉田さんの貴重な御意見として承っておきます。
  429. 吉田之久

    ○吉田委員 終わります。
  430. 田村元

    ○田村委員長 これにて吉田君の質疑は終了いたしました。  本日は、これにて散会いたします。     午後六時五分散会