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1979-05-23 第87回国会 衆議院 大蔵委員会 22号 公式Web版

  1. 昭和五十四年五月二十三日(水曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 加藤 六月君    理事 稲村 利幸君 理事 小泉純一郎君    理事 高鳥  修君 理事 綿貫 民輔君    理事 佐藤 観樹君 理事 山田 耻目君    理事 坂口  力君 理事 竹本 孫一君       阿部 文男君    愛知 和男君       池田 行彦君    江藤 隆美君       小渕 恵三君    大村 襄治君       後藤田正晴君    佐野 嘉吉君       原田  憲君    本名  武君       村上 茂利君    森  美秀君       山崎武三郎君    伊藤  茂君       大島  弘君    沢田  広君       只松 祐治君    美濃 政市君       村山 喜一君    貝沼 次郎君       宮地 正介君    安田 純治君       永原  稔君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 金子 一平君  出席政府委員         大蔵政務次官  林  義郎君         大蔵大臣官房審         議官      米里  恕君         大蔵省主計局次         長       禿河 徹映君         大蔵省理財局長 田中  敬君         大蔵省証券局長 渡辺 豊樹君         大蔵省銀行局長 徳田 博美君         大蔵省国際金融         局長      宮崎 知雄君         大蔵省国際金融         局次長     平尾 照夫君         通商産業省貿易         局長      水野上晃章君         運輸政務次官  林  大幹君         運輸省鉄道監督         局国有鉄道部長 山地  進君  委員外の出席者         人事院事務総局         任用局審議官  白戸  厚君         法務省刑事局刑         事課長     根來 泰周君         大蔵省主計局共         済課長     山崎  登君         厚生省年金局企         画課長     吉原 健二君         通商産業省機械         情報産業局航空         機武器課長   畠山  襄君         資源エネルギー         庁長官官房省エ         ネルギー対策課         長       高沢 信行君         資源エネルギー         庁石油部計画課         長       箕輪  哲君         労働省職業安定         局業務指導課長 田淵 孝輔君     ――――――――――――― 五月二十三日  貸金業の規制に関する法律案(山田耻目君外八  名提出、衆法第二一号)  出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関  する法律の一部を改正する法律案(山田耻目君  外八名提出、衆法第二二号)  税理士法の一部を改正する法律案(内閣提出第  六七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和四十二年度以後における国家公務員共済組  合等からの年金の額の改定に関する法律等の一  部を改正する法律案(内閣提出第三七号)  昭和四十二年度以後における公共企業体職員等  共済組合法に規定する共済組合が支給する年金  の額の改定に関する法律及び公共企業体職員等  共済組合法の一部を改正する法律案(内閣提出  第六二号)  外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する  法律案(内閣提出第六八号)      ――――◇―――――
  2. 加藤六月

    ○加藤委員長 これより会議を開きます。  昭和四十二年度以後における国家公務員共済組合等からの年金の額の改定に関する法律等の一部を改正する法律案及び昭和四十二年度以後における公共企業体職員共済組合法に規定する共済組合が支給する年金の額の改定に関する法律及び公共企業体職員共済組合法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊藤茂君。
  3. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 ただいまの議題につきまして、幾つか御質問いたします。  昨今の報道を見ましても、年金あるいは健康保険などに関連をいたしまして、今度のこの法案に関係する公務員、公企体などの方々はもちろんでありますけれども、多くの国民の注目するところになっていると思います。そういう意味で私は、何か広いナショナルコンセンサスを形成していく過程の努力といいますか、そういうことが非常に求められているというのが今日の状況ではないだろうかと思います。そういう視点から幾つか質問をいたしたいと思いますが、まず最初に、関係の各団体の話し合いの経過、それから今度の法案提出に至る取り扱い、これについてお伺いをしたいと思います。  この問題は、長い経過の議論があるわけでございますけれども、国共審の答申あるいは共済年金制度懇談会、第九回まで労使代表を含めてせっかくの御論議があったわけでありますし、その経過をお話を伺い、また資料など読ましていただきますと、第九回の共済懇、この中で、もっと継続して論議をすべきであるという状況にあったにもかかわらず大蔵省の方から、この法案に盛られた内容、これを本年ぜひ国会にかけたいということで、労働代表などから見ますと突如として出されたというふうな印象になっているようであります。そうしてその後、懇談会も中止状態になっているということだと思います。  私はこれらの問題は、最終的にはやはり参加する組合員全体の大きな合意を図っていく、そのためには時間も努力も必要だろうと思います。そうしてまた、全体として今日の状況についても合意を求めていくという作業が、組合員の生活、ライフサイクルに関係をする問題でありますから、非常に大事なことではないだろうか。そういう意味で一つは、こういう経過があったにもかかわらず今回、国会上程ということになったその判断、それは、本年十月が国家公務員についての再計算時期に当たるというだけではない慎重な配慮が必要だろうと思いますが、にもかかわらず、こういう形で出てきたということの判断はどういうことだったのか。それから、懇談会も中止状態になっているというわけでありますが、やはりいまでも、これからでも粘り強く意見交換をして合意を求めていく、そういう姿勢が非常に大事なことではないだろうかというふうに思うわけであります。その辺のことをどうお考えになっているのかということが二つ目です。その二つ、まずお伺いいたします。
  4. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 ただいまお話がございましたとおり、私ども国家公務員共済、それから地方共済、公企体共済、その三つの共済の関係者によりまして、共済年金制度懇談会というのを昨年の三月に第一回を開きまして、以後九回にわたりましてこの懇談をいたしたわけでございます。その内容は、共済年金制度の共通的な問題を、その各制度の関係者がやはり一堂に集まりまして、忌憚のない意見の交換を行い、改めるべき点についての意見をまたお互いに申し述べることが必要であろうということでやったわけでございます。  そういたしました結果、第八回の会合におきまして、昨年の十一月の初めでございますが、共済年金制度改正の検討項目整理メモというのがまとまりまして、当面早急に取り上げるべきものとそれから今後さらに検討を重ねるべきもの、こういうことで、二十数項目にわたりまして問題を指摘、整理されたわけでございます。こういう懇談会の御論議を踏まえまして、私ども当面早急に取り上げるものということにつきまして種々検討を重ねまして、その大部分につきまして今回の改正法案に盛り込んだつもりでございます。  ただ、先ほどお話がございましたとおり、第九回の昨年の十二月の二十六日でございましたか、私どもの考え方をその懇談会に提示いたしましたときに、特に支給開始年齢の引き上げにつきまして関係の方々からさまざまの御論議が出されたことも事実でございます。もう少し期間を置いてみんなのコンセンサスを得てからの方がいいじゃないか、こういうふうな御意見も確かにございました。私どもといたしましては、そういう御意見は十分頭に入れなくてはならないわけでございますけれども、昨日も申し上げましたとおり、公務員共済の方が五十四年の十月に再計算時期を迎える。最近の高齢化社会への急速な移行状態ということは共済年金の場合も全く同様でございまして、将来の共済年金の財政を考えます場合には、この支給開始年齢の引き上げという原則を早く打ち立てて、そしてただし、移行に当たりましては無理のない移行をやっていかなくてはならない。そういたしませんと、将来の財政上非常に大きな制約が加わってくる。しかもこのままの形でいきますと、財源の再計算をいたしますと組合員等の負担も急激に上がっていくということが避けられない。そこの急激な負担の増加を緩和する方策といたしましても、支給開始年齢の引き上げをやった方がその面からもいいのではないかとかいうふうなことがございまして、いろいろ御議論はございましたけれども、私どもといたしましては、できるだけ早期にこの支給開始年齢の引き上げを行うべきであろうということで今回の法案にいたしたわけでございます。  なお今後、こういう懇談の場と申しますかコンセンサスを得る場というものをさらに継続して設けるべきではないか、こういう御意見でございますが、私ども過去九回にわたります懇談におきましても、大変裨益されるところも多かったわけでございます。関係の共済組合の審議会等とも御相談申し上げまして、今後この懇談会をさらに続けていくかどうか御相談はいたしたい、かように考えております。
  5. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 私は大変不満なんですね。要するに、政府の方がこういう提案に踏み切った。しかし経過としては、せっかく次長さんもおっしゃったように、私も議事録その他要旨を読んでみましても、大変勉強になる内容が議論されてきた、しかも関係者が網羅されてこういう場がつくられた、非常にいいことだと思うのです。極力合意を求める中でこういう問題を提起していくということを努力をすべきなんで、私は、一〇〇%それができるかどうかは別にして、やはりお互い気持ちがわかるまでこれをやっていくというぐらい必要なことではなかったかと思うわけでありますが、その点は大変遺憾だと思います。  それから、同じ形の懇談会を続けるかどうか、これは、関係者の御議論もあるかと思いますが、積極的にやはりコンセンサスを求める努力、これはもう何百万の人の生活設計にかかわる、人生設計にかかわる問題ですから、お互いにやはり今日の財政状態その他も含めて理解を統一させて考えていくという努力が非常に大切なことではないか。禿河さんの御答弁ですと何か前向きにやっていきたいがというふうに聞こえるわけでありますが、大臣にかわる次官、積極的に前向きに対応する、これは民主的なルールとして当然のことであろうと思いますが、姿勢だけ一言……。
  6. 林義郎

    ○林(義)政府委員 伊藤さんのお話でございますが、年金は国家公務員地方公務員公共企業体、それぞれあるわけであります。それを一堂に集めてやるということで今回、この懇談会が設けられましたし、お話しのように非常に精力的なお話し合いがあったと思います。  御説のように大変多くの人を相手にしている年金の制度でございますから、国民的なコンセンサスを求めるということはぜひ必要でありますし、審議を十分尽くしていくということは考えていかなければならない、こう思います。また、これからどうするかというような問題につきましても、私は基本的にはやはり前向きに考えていっていいのじゃないかと思うのです。ただ、それぞれの共済組合その他がありますからその利害というものがあるものですから、いま次長から御答弁したようなことになっていると思います。姿勢としては、私の方としては前向きに取り組んでまいりたい、こういうふうに考えております。
  7. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 いずれにしても、この問題の合意の努力をしていくということは、五年か十年のんびりお互い議論しましょうというのじゃなくて、行政全体からこの一年なり二年なり非常に短い期間に精力的にみんなが議論しなくてはならぬ。基本構想懇談会に出ておるように、そういうものが全体の国民生活の将来とかかわり合いを持ってされるということですから、次官おっしゃいましたが、積極的な御努力を姿勢をぜひ示していただきたい。それがまた、関係者の意見の違いがあっても、合意を形成していく道ではないだろうかと思います。  それからもう一つ、この経過に関連をして、禿河さんおっしゃいましたように整理メモ、当面早急にとりあげるもの九項目、その他今後さらに検討を重ねるべきもの、合計二十数項目というものがあるわけであります。私はこの当面早急にとりあげるものという九項目についても、やはりいずれが先かいずれが後かとは言いがたいテーマではないだろうか。しかもそれぞれがセットで絡んでいる、セットで解決をしなければならない性格のものではないだろうかというふうに思うわけであります。具体的には後ほど伺いますが、特にたとえば国庫負担の問題、それから法文とも関係いたしますが、懲戒処分者に対する給付制限の問題、あるいはまた、公共企業体職員共済組合議会の設置の問題とか、早くやった方がいいというものがあるわけであります。また、そういう見解なんかも広く明らかにするということがやはり必要だ。ところが、今回出された法案の内容を見ますと、大蔵省の都合のいいつまみ食いではないかという批判もあるわけであります。この当面の九項目それから将来検討すべきものの中の特に必要な問題ですね、これらはなぜ今回ドロップさせたのか、あるいは、これらの問題について鋭意精力的に早急に何か打開の道あるいは一致点を探していこうという姿勢なのか、そこを簡単に言ってください。
  8. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 懇談会において示されました「共済年金制度改正の検討項目整理メモ」の中で、後半の「今後更に検討を重ねるべきもの」というのがございます。これにつきましてはおっしゃいますとおり、非常に今日的な大きな問題も含んでございます。しかし実はそれぞれ大変むずかしい、また相互に関係をする問題が多うございます。さらに公的年金制度全般に強く関連する事項というものもございます。したがいまして、そういう他の公的年金制度の動向、今後の検討状況とかいうものも踏まえながら、こういう問題につきましてはさらに慎重に検討をすべきものであろう、私どもかように考えております。また、懇談会におきましてもそういう趣旨から、「今後更に検討を重ねるべきもの」、こういう分類をされたものであろうと考えております。したがいましてこれにつきましては、この四月十八日に年金制度基本構想懇談会、これは厚生省の方の諮問機関でございますが、そこから非常に広範な各方面にわたります年金制度全般につきましての御意見も出ております。そういうものもあわせ踏まえながら、関係者間におきまして今後十分な検討がなされるものと思われます。それとも非常に関係いたしますので、この辺のところは今後さらに重ねて慎重に検討してまいりたい、かように考えております。  それから初めの方にございました、「当面早急にとりあげるもの」ということで大きく分けまして九項目お示しを受けたわけでございます。今回の私どもの改正案では、実はその大部分を法案の中に取り込んだつもりでございます。ただその中で一部、私どもまだ十分なる検討ができずにこの法案に盛り込んでないものがございます。  簡単にその内容を申し上げますと、国庫負担関係のうちのいわゆる公経済負担の問題でございます。これは五現業等の特別会計につきましては、現在の一五%の国庫負担金を一般会計ではなくてそれぞれの特別会計で負担しておるのは、年金事業に対します国庫負担のあり方から見て再検討すべきではないか、こういう御指摘でございますが、この国庫負担の問題につきましては、五現業ばかりでございませんで、公企体とか地方団体の年金にもつながるような大きな問題でございます。それから、そもそも国の一般会計で持つべきかあるいはそれを同じ公経済の運営主体である国、地方、公企体というものがこういう負担をすることを果たして変えるべきものであろうかとか、いろいろ検討をしなくてはならない大きな問題がございますので、私どもなお今後の検討課題としたわけでございます。  それから、懲戒処分者に対する給付制限の問題がございます。この問題は、基本的には法律であるわけでございますが、国家公務員共済組合というものの性格を考えてみますと、やはりその中枢は社会保障としての公的年金制度ではあると思いますけれども、同時に、公務員制度の一環であるということは懇談会でも皆様の一致した御意見でございます。そういう公務員制度の一環であります共済組合制度の中におきまして、懲戒処分者に対します何らかの給付制限というものはやはりあってしかるべきだろうと私ども考えております。ただ、制限の割合等は政令で定めております。それを「当面早急にとりあげるもの」として御指摘を受けておるわけでございます。そういう意味で、これは政令でございますので、今後関係の審議会等々にもお諮りしながらどうすべきかを検討してまいりたい、かように考えております。  それからあと、年金受給資格の特例措置というのは、これは恐らく地方公務員共済独自の問題であろうかと思います。その他、各省の運営審議会委員の資格の問題、あるいは公企体共済組合の審議会の問題等がございますが、それぞれにつきましては所管のところでこれから御検討はなされることであろう、かように考えております。
  9. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 禿河さんがいろいろ御説明したい気持ちはよくわかりますけれども、短い時間ですから質問にだけ答えてください。  禿河さん、この早急に取り上げるもの九項目で残った問題、それから今後検討すべきもの、さらに慎重にと言われましたが、さらに慎重にじゃなくて、ぜひ精力的にという姿勢でいっていただきたいと思うのです。  最近、関係するいろいろな組合とか地域のいろいろな懇談なんかに出ましても、やはり健保と年金の問題というのは非常に大きな関心ですよ。確かにいま社会の大きな変化の時期にぶつかっていると思うのです。いままでの公的年金にしても八種類、その他非常に複雑な仕組みですから、それだけにこれをどうしていくのかということは、非常にたくさんの論議と努力をお互いしなければならぬということだろうと思うのです。そういうものを含めて、やはりナショナルコンセンサスをどうつくっていくのかということが、これは各団体の御都合を見るだけではなくて、政府の一つの指導力として求められるという問題ではないだろうか。そういう意味で言いますと、やはり急いで、しかも精力的にこういう問題と取り組んでいこうということでないと、問題がだらだらと濁っていくと思います。  そういうことで、端的に次にお伺いしたいのですが、支給年齢の引き上げの問題なのです。昨日も御議論ございましたが、その一つは、この懇談会の経過を読ませていただきましても、雇用保障の問題、国印負担の問題、支給年齢の引き上げの問題、これは相関連する政策上の問題なので、どれが先にということではなくて、やはり相連関したものとしてセットでやらなければならぬということを確認しながら審議をしてきたというふうにあらわれているわけであります。ところが今回は年金先行。確かに財政事情優先ということだと思いますが、そういう形は望ましくないと私は思うのです。その辺、セットでなくてまず支給年齢の引き上げの方が優先をするということの判断は、さっき言われたようなことかもしれませんが、それが一つ。それから二つ回に、今回の年金の改正の問題は公務員制度全体の改正の重要な一環である、これは言うまでもないと思います。そうでございますから、人事院の意見も聞いて立法化するというのも当然のことではないだろうか。何か聞いていないとか一週間前に聞いたとかいうようなお話を聞くわけでありますが、その辺は大蔵省サイドでもきちんと必要な努力をしたのかどうか。  それから、兼ね合わせまして人事院の方に一応お伺いしたいのですが、これも言うまでもありませんが、国家公務員法によりますれば年金制度については百七条、「本人及びその退職又は死亡の当時直接扶養する者のその後における適当な生活の維持を図ることを目的とするものでなければならない。」百八条には、「人事院は、前条の年金制度に関し調査研究を行い、必要な意見を国会及び内閣に申し出ることができる。」というふうに書いてございます。人事院の方では、雇用、年金、それは人事院制度全体との関連の中でどういう検討なり意見を言われたのか、それから、公務員制度全体としてどのように今回の改正をとらえておられるのか。むしろこういう問題も、公務員制度全体の問題でありますから、人事院の方でもイニシアチブをとられて、セットで解決をしていくという方向への提言をなさるということも当然のことではないかと思うわけであります。あるいはまた、いま問題となっている定年制あるいは週休二日、四週五休とか八月に提案というようなことも報道されているわけでありますけれども、こういうもの全体の人事院がいま考えておられることとどういうかかわり合いを持ってとらえておられるのか。これは大蔵省の方と人事院の方と両方から、済みませんが簡潔にお答えください。
  10. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 今回の改正に当たりましては、昨日もお答え申し上げましたが、人事院の方にも事前に御連絡申し上げ、その御意見等もちょうだいいたしました。その結果、基本的にこれについて異議はない、ただ、やはりいろいろ公務員制度ということにつながる問題でもございますので、改正案の作成に当たっては、他の公的年金との均衡もしくは年金財政上の視点にとどまらず、人事管理上特に支障を来すことのないように留意するとともに、経過措置、特例措置等について十分配慮するように、こういうお申し出もちょうだいいたしまして、そういう経過措置等も私ども十分考えたつもりでございます。
  11. 白戸厚

    ○白戸説明員 定年制の検討に当たりましては、ただいまの年金の問題は重大な関心を持っておりまして、その問題も含めましていろいろと総合的に検討を進めておるわけでございます。なお、年金自体の問題につきましては、所管外でございますので、お答えを差し控えさせていただきたいと存じます。
  12. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 所管外というのはどういうことなんですかね。さっき申し上げた「人事院は、前条の年金制度に関し調査研究を行い、必要な意見を国会及び内閣に申し出ることができる。」そういう規定があるわけですが、公務員、地方も含めて数百万の人たちに関連をする非常に関心の深い大きな問題。ですから、これは総裁の姿勢にかかわることかもしれませんけれども、やはりこういう大きな問題のときには大いに意見なり議論を出して、国会に出すこともできると書いてあるのですから、努力をするというふうにしなければならぬと思いますが、時間がありませんからそれは抜いておきます。  次に、先ほども禿河さんから話がありましたが、共済年金の性格、それから国庫負担その他いろいろかかわってくる問題の判断をお伺いしたいのです。  お話がありましたように、根幹は社会保障制度としての性格を持っている。それから、今日の構造あるいは歴史的経過からいたしましても、公務員制度という観点ですね、これは消すことのできない性格である。言うならば、社会保障制度プラスアルファとしての公務員制度という問題がずっとついて回っている。また、計量的にどっちが八でどっちが二とかいうこともなかなか言いにくい、そういう御説明があるわけでありますが、ただ、基本的あるいは根幹としては社会保障の性格ということはそれぞれ表明をされているところだと思います。  いろいろな問題があるわけでありますが、まず国庫負担の考え方をお伺いしたいと思うのです。今度当分の間、総財源の一%相当額を国庫でということになっているわけであります。そうしてまた、伺いますと、この説明については、公的年金制度全体に対する適正な国庫負担のあり方が合意されるまでの暫定措置として当分の間。一つは当分の間ということと、それから一%ということですね。何かやはり握りでやったわけじゃなくて、諸事情含めあるいは考え方としても当面こういうことでという判断があったのだと思いますが、その御説明を伺いたいことが一つ。  それから二つ目には、私は物の考え方があると思うのです。現在厚生年金二〇%、農林漁業、私学一八%、共済一五%ということになっている。これらについても、共済制度懇談会の議論の中でも、他の公的年金制度とのバランスを考えて是正していく、あるいは検討していかなければならない、そういう御意見がいろいろと多かったように伺っているわけであります。そういたしますと、財政事情、財源の問題という現実の問題は確かにあります。しかし、これから先どうしていくのかという、しかも大きな統合その他の問題も出ているわけですから、財政事情は現実にありますが、政策的に論理的に言って、基本的に社会保障的な性格であるとすれば、他の公的年金制度とのかかわり合いの中で一体どうしていくのか。被用者年金の一本化という声もまた意見もあるわけであります。基本構想懇談会の意見もあるわけであります。また、財源調整というものについての考え方もあるわけであります。そうなればどうしても物の考え方として、一体この二〇%、一八%、一五%というものをどうしていくのかということは検討しなければならないということだろうと思うのです。     〔委員長退席、小泉委員長代理着席〕 それから、現実の財政事情その他があるので、現実の判断をどこかでしなければならないということにもなってくる。物の考え方として、一体そこはどう考えるべきなのか。私はやはり前向きに是正していく、あるいはバランスを考慮して是正するという方向は当然だと思いますが、その辺の考え方はいかがなのかというのが二つ目。  それから三つ目、これはどうでしょうか、公企体、三公社の場合、今度の総財源の一%というものは企業負担の増大ということになるわけです。こういうものも、一本化あるいは統合化の方向へということで考えた場合に、あり方として将来とも企業負担という形でアップをカバーしていくという制度の問題、その辺の考え方を、時間もあとわずかですのでポイントのところを説明してください。
  13. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 公的年金制度に対します国庫負担のあり方というのは、大変大きな重要な問題でございまして、一曹にして御説明するのも大変むずかしい問題でございます。  まず第一に、今回の当面の措置といたしまして別途国庫負担一%をつけた理由でございますが、ただいま御提案いたしておりますとおり、私ども五十四年度におきまして、退職年金の支給開始年齢を現行の五十五から六十歳に引き上げる等々かなり大きな制度改正を考えております。それに伴いまして、従来から共済組合に対します国庫負担の割合が低いではないかという御意見もございました。これにつきましてはいろいろまた考え方もございますが、今回の支給開始年齢の引き上げ等の措置に関連いたしまして、当面の特別措置といたしまして、一%相当分を国庫で負担する、かようにいたしたわけでございます。  これを基本的にどうするのかということでございますが、私ども今後、公的年金制度全般にわたります検討がこれからなされていくことと思います。さきに出ました年金制度基本構想懇談会の御意見等も踏まえまして、全般についての長期的な観点からの検討がなされると思います。そういうことで、年金制度の今後の基本的方向、そういうものを定めていきます段階におきまして、共済の国庫負担の問題等もあわせまして、本来どうあるべきであるかというふうなことを全体のバランスを考えながら検討を重ねてまいりたい、かように考えておるわけでございます。  それから、こういう公的年金と申しますか社会保険に対する国庫負担のあり方がどうかということで申しますと、これはいろいろ御議論がございますけれども、国がそういうものに対しまして特別の国庫負担をするというのは、保険料だけでは妥当な給付水準を確保することができない場合とか、あるいは被保険者の範囲が低所得者層にも及ぶような場合とか、それから被保険者とか事業主だけに費用を負担させることが必ずしも適当でない場合等におきまして、その国庫負担の必要度というものにも差があると思いますが、そういう必要性あるいは緊要度というものに応じまして、しかも社会保険制度全体のバランスというものもあわせ考えながら検討すべきことでもあろう。また、一方におきまして国の財政力という問題もございます。そういう点を総合的に勘案いたしまして、重点はまず低所得者層に配意するというふうなことで、財源の重点的配分を図るべき性格のものであろうとは考えております。現在大体そういうふうな考えでございます。
  14. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 やはり現実の国の財政事情あるいは年金財政全般の問題はございます。そういう現実の問題と同時に、制度全体について、今日のままではいかんともしがたい、やはり何か国民全体のコンセンサスを得られるような大改革をしなくちゃならぬというのが今日の状況になっているわけであります。ですから、たとえばこういうのが筋だと思いますと同時に、今日の全体の事情からいってここまでとか、ここまで何とかしていきたいとかというのが政策論ではないだろうかと思うわけでありまして、そういう意味から、他の公的年金制度とのバランスを考慮して是正していくという言い方や表現が生まれているということだと思います。その辺もさらに努力していただくようにお願いしたいと思います。  それから、具体的なことでまとめてお伺いしたいのですが、その一つは、今回の法律がもし実施をされますと、関係女子組合員が厚生年金の五十五歳と格差が起きる、逆官民格差と申しますか格差が発生するわけでありますが、これらも公的年金として統一性を欠くという問題も出てくる。これは地共の問題になると思いますが、特に女子組合員が多い学校の先生、中学校の先生とかというのは非常に関心が強いところではないだろうか。その女子組合員の逆格差現象という問題をどうお考えになるか。それから、全体として組合員の負担、いまのままでいいかどうかは別にして、言われているのは、単位組合ごとのいろいろな状況がありますけれども、全体として千分の五十を超えない、これが限界であろうということがいつも言われているわけでありますが、その辺のお考え。それからもう一つは、特殊な重労働、いままでは蒸気機関車その他がございました。その辺、蒸気機関車はなくなっちゃったわけでありますけれども、同じように、老齢化して、老眼鏡をかげながら汽車や電車やバスの運転はできないだろうという現実もあります。その現実に対応したいろいろな現実の条件はあるということでありますけれども、その辺、細かく聞いたら時間もございませんので、考え方だけちょっと説明してください。
  15. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 今回私どもの方で支給開始年齢を五十五歳から六十歳に引き上げたいということに関連いたしまして、女子をどうするかという御議論はございました。ただ、これにつきまして私どもの考え方を申し上げますと、共済年金は先ほど来申し上げておりますとおり、国家公務員制度のやはり一環を担っておるものでございます。そういう点から申しますと、男女間で差をつけるということは、制度全体に与える影響も大きくて、その辺から問題があるであろうということ。それから、共済年金は保険数理に基づいておりますために、年金の支給開始年齢を女子について五十五歳に仮に据え置くといたしますと、相対的に女子には割高の掛金というものを負担していただかなくちゃならない、こういうことに相なるわけでございます。かたがた、私どもの今回の改正案では五十五歳から、減額ではございますけれども、減額退職年金の支給をできる道を開きたい、かように考えておることでもございますので、国家公務員等につきまして男女間で支給開始年齢に差をつけるのはむしろ好ましくないのではないか、かような考え方で一律六十歳を原則といたしているわけでございます。  それから、掛金の負担の限度はどうか、こういうお話でございますが、率直に申しまして、これほど急速に進んでおります老齢化社会というものを考えてまいりますと、受給者の数の増加あるいは平均余命の長期化というふうなことからまいりますと、やはり相当の負担をせざるを得ないということはもう否定できないところであろうと思います。日本の全体の租税及び社会保険料負担というものは、諸外国に比べてかなり低いということが現状でもございます。そういう点をあわせ考えてみますと、国はもちろんでございますけれども、組合員にもかなりの負担はやはりお願いせざるを得ないところであろうと考えております。  それから、第三点の特殊な職種について支給開始年齢をどうすべきかということでございますが、私ども国家公務員共済につきましてはまずそういうものはないであろう、むしろ公企体の方でその辺の御検討はなされているであろうと思います。
  16. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 もう時間もありませんから、最後にもう一つお伺いして、また大臣の御見解も伺いたいと思います。  具体的なことでもう一つ伺いたいのは、減額制度の問題です。私は、こういう制度をつくったこと自体は、姿勢として評価していいと思います。ただその現実は、課税対象金紙で六百万円以上、ほかに事業所得その他がある人ない人、大きくある人もあるだろうしということだと思いますが、六百万円以上、退職年金百二十万円以上について、百二十万円超の二分の一カットということであります。制度をつくったことはいいのだけれども、こういうことでいったら、現実の対象者というのは大きな公団の理事長か理事ぐらいで、非常にわずかなところでしかこの一部停止に該当しないということではないだろうか。他面では、生活保護にも及ばないようなそういう低額の受給者もたくさんいるわけであります。こういうもののときには、高額所得者については相当厳しいスタートをしてもいいのじゃないだろうか、その反面、非常に低額の者についてはやはり何か努力をしていく、そういう姿勢が社会保障という性格から言っても望まれる。制度をつくったことはいいのだけれども、その中身については私は非常に不満です、この内容では。その辺、さらにどんどん改めていったらいいのじゃないかというように思うわけでありますが、それが一つ。  それから、整理メモの中の早急に取り上げるべき事項の中に入っております、三公社について運営的な審議会ではなくて制度全体を議論していくという意味での審議会の設置、これは早急にやった方がいいのではないか。全体が大きく動く時期ですから、組合員の意見、関係者の意見を広くそこで検討しながら対応していくということが必要だと思います。早急に取り上げるというのに入っているわけですから、早急にそういうものはスタートさせる、これは御異論のないところではないかと思いますが、どう対応をとられるつもりか。  最後に大臣に伺いたいのですが、昨日も三つの柱を盛り込んだこの法案についての取り扱いの質問が同僚議員からございました。大変素直にといいますかそっけなくといいますか、ぜひ一本で御審議願いたいという大臣のお言葉でございましたが、もう国会の会期も二十五日延長でもあと二十数日、そしてまた、衆議院から参議院という状態を控えている。これは国会の方で決めるべき問題でもあると思いますが、提案者である政府の立場もあるだろうと思います。責任もあるだろうと思うのです。そういう意味で申しますと、いますぐはっきり大臣一言われるかどうかは別にして、やはり三・六%のベースアップの問題、いま議論させていただきました制度の問題、それから健保に関係する部分は、社労の方の審議も非常に難航しているというか、入っていないという状態になっている。政府側からも率直に、今回はこうしてこういうことをぜひやっていきたいというお考えもぼちぼち固めなければならぬ時期ではないだろうか、その辺のお気持ちを伺いたい。  それから今回は、各省庁の共済組合の統合についての現実的なプログラムをいろいろ考えなければならないということも出ているわけでありますし、基本構想懇談会の大きな答申も出ているわけでありますし、格差の解消、統合、いろいろな問題があるわけでありますが、姿勢として、格差解消、だから一方をダウンさせてならしていくとか、全体の既得権をダウンさせるという方向ではなくて、国民の御理解をいただきながら、また、いろいろな財源上の努力もしながら全体を改善していく、そういう姿勢で格差解消、統合という大きな問題に対応することが必要ではないだろうかと思うわけでありますが、その辺のお考えを一緒にお伺いして、質問を終わりたいと思います。
  17. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 第一の高額所得者に対する年金の支給制限の問題でございますが、恩給につきましては御承知のとおり、恩給以外の高額所得者に対する支給制限というのがございますが、現在の共済組合制度におきましてはそういうものはございません。と申しますのは、公的年金制度におきましては、これが保険システムによって構成されておるわけでございますので、保険集団からの離脱ということをもって年金を支給するのが、大原則と申しますかたてまえでございます。そういうことから、現在の共済にはそういう支給制限はないわけでございます。しかしながら、いろいろ考えてみますと、退職年金というものは、老齢によって稼得能力を一般的に喪失した場合に支給するという目的もございます。そういう点をいろいろ考えまして今回、高額所得者に対する支給制限の規定を設けたいということで御提案いたしておるわけでございます。  それで、その水準がいわば甘いではないか、こういうふうな御指摘でございますけれども、先ほど申しましたとおり、基本的には公的年金でございまして、それに対して、他の所得の水準いかんによって大きな差をつけるとか制限するとかいうことは、実は制度の根幹にもかかわってくる問題でございます。その辺の妥協点をどこに求めるかということで私ども大変苦労をいたしたわけでございますが、他の給与所得が六百万と申しますと、たとえば公社、公団の理事クラス等の所得に大体見合うかと思います。そういう程度の方々に対しましてはやはり制限を課してもいいのではなかろうか、かように考えたわけでございます。なお、その制限がかかりますのが、年金額百二十万円を超えたものについてそれの二分の一をカットする、その百二十万円でございますが、その辺の水準は、公的年金、たとえば厚生年金の通常の平均水準の年金額というものは確保いたしまして、それを超えるような場合にはこれをカットするというのが妥当なところではなかろうか、こういうところから、六百万円、百二十万円というのを選んだわけでございます。
  18. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 伊藤さんも御承知のとおり、年金制度は長期的な見通しのもとで運営していかなければなりませんし、また、組合員自体の将来の生活設計を立てるという見地からも、なるべく早く改革に着手する必要があると考えておるような次第でございまして、健保の問題等いろいろございますけれども、これはこれで私どももできるだけの努力を政府全体としていたしますから、今度提案いたしております共済関係の法案はぜひひとつ御審議を進めていただきたいと思う次第でございます。  ただ、お話もございましたようにわが国の年金制度は、発足の時期や沿革がいろいろ異なっておりまして、制度の仕組みがばらばらになっている点もございますので、私は現実の問題として、いますぐ一本化というわけにはなかなかいかぬと思うのです。しかし、それぞれの年金が共通の問題を抱えておることはそのとおりだと思うのでございまして、今後とも関係各省と協力しながら、御指摘のございましたように少しでも早く、一歩一歩着実に改革の実を挙げられるように、これからも努力してまいるつもりでございます。よろしくどうぞお願いします。
  19. 山地進

    ○山地政府委員 三公社の公企体の共済組合に審議会がないということにつきましては当委員会で、前の国会におきましても附帯決議で御指摘を受けた点でございますが、私どもとしましては、財政上の諸問題が非常に大きいものでございますから、ことしから国鉄共済に関する制度についていろいろと研究するために審議会類似のものをつくりまして、そこの場で専売、電電につきましてもいろいろと議論をしたい、こういうことで、もう七回ぐらいやっております。  それから今後の方向でございますけれども、社会保障制度審議会においても、こういう年金をもう少し広い立場から審議したらどうだ、個別の審議会ではなくてさらに土俵を広げたらどうだ、こういう御議論もございますので、そういった御議論等も勘案いたしまして、今後一体どういうふうなことで三公社の共済組合制度について議論していったらいいかということについては、関係方面といろいろ御相談しながら検討したい、かように存じております。
  20. 伊藤茂

    ○伊藤(茂)委員 時間を超過しましてどうも済みませんでした。終わります。
  21. 小泉純一郎

    ○小泉委員長代理 坂口力君。
  22. 坂口力

    ○坂口委員 共済二法の改正案についての質疑をするわけでございますが、きょうは基本的な問題を幾つかお聞きをするにとどめたいと思います。  私ども党内におきましても、今回の改正案につきましては、いろいろの角度からいろいろの議論があるわけでございまして、現在のところ、まだ賛否いずれとも決定しているわけではございません。これからお聞きしましたその内容によりまして決定をさせていただきたいと考えているわけでございます。  今回の共済年金制度の改正が日本の年金制度全体の中でどのように位置づけられているのか、どのように位置づけて行おうとしているのかということについて、私どもは余り明確にわかっていないわけでございます。もう少し言葉をかえて申しますと、共済年金といわゆる公的年金というものとの関係を将来どのように持っていこうという考え方のもとに今回の改正を行おうとしておみえになるのか、その辺のところを私どもはまず知りたいわけでございます。その辺につきまして、まずひとつ御答弁をいただきたいと思います。
  23. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 わが国の公的年金制度というものは、現在幾つかの制度に分立いたしてございます。たとえば共済につきましても、これは恩給制度から発達したものであり、あるいは旧令共済というものをまたそれに取り込んできたとか、いろいろ複雑な沿革がございます。民間におきましてもいろいろの沿革があったわけでございまして、この辺を総体として白紙で見ますと、公的年金制度が現在のような姿で分立しておるのがいいかどうかという御批判は確かにございます。しかし年金制度と申しますのは、そういう沿革、目的を踏まえて出てまいりますと、これを大幅に変更するというのは、それこそ国民の生活設計に非常に響くものでございまして、大変むずかしい問題でございます。  公的年金制度全般につきましては、この四月十八日に厚生大臣の諮問機関でございます年金制度基本構想懇談会から、現実を踏まえながら、しかも将来の展望についての御意見が出ております。全体の公的年金制度の今後のあり方につきましては、それをもとにいたしまして、関係者いろいろ意見を交えながら抜本的な検討を図るべきものであろうと思っております。  ただ、その中にもございますとおりに、現在の公的年金制度というものを急に一本化するのは現実的ではないであろう。むしろ現在の制度の分立を前提としながら、意味のなくなった制度とか、あるいは余り必要のないアンバランスな面とかいうものは改めていくべきであろう。それから共済組合につきましては、公的年金制度のほかに企業年金的色彩というものもあるのであるから、そういうことを踏まえて、他の公的年金制度と異なる面はあるけれども、共通の部分につきましては、制度間のバランスを考えながらそのあり方を今後検討すべきだ、こういうふうな御意見がございます。私どもも公的年金制度全般の中での共済組合の位置というものは、この御意見の中で指摘されておるとおりだと思います。  また昨年、私どもの国家公務員共済、それから地方と公企体等の三共済におきまして、懇談会でいろいろ議論をいたしましたが、その中でも、「共済年金の基本的性格」といたしまして次のような指摘がなされております。共済組合は「社会保障としての公的年金制度であり、厚生年金の代行とも考えられるが、そのほかに企業年金的なものが付加されている。なお、事業主が行う福祉代行的役割をも果たしている。また、公務員法を根拠法としていることに見られるように、公務員制度の一環でもある。」とありますように、非常に多面的な性格も実は持っておるわけでございます。したがいまして、他の公的年金制度と全く同じような、たとえば厚生年金と同じというわけにはいかない面もございますが、そういう公的年金制度の中で、その基本的性格を踏まえながら、妥当な姿をこれからさらに探求していくべきものであろう、かように考えております。
  24. 坂口力

    ○坂口委員 いまお話を聞きますとよけいわからなくなってくるわけでありますけれども、現在までの年金が八つに分かれておりまして、そしてそのそれぞれにいろいろの歴史があること、沿革のあることはよくわかるわけであります。また、これを一遍に一木化することがなかなかむずかしいこともよく理解のできるところであります。ただ、今回のこの改正案なるものが、遠い将来を目指してどのような方向に持っていこうとするための改正なのかわからないということを私は申し上げているわけであります。現在までの経緯につきましては、あなたがいまおっしゃったとおりと私も思います。しかし、これを今後どう持っていこうとするのか。先ほどからもいろいろお話が出ておりますけれども、ものによりましては恩給に合わし、ものによりましては厚生年金に合わしということで、その中がどうも一定化していないという感じを受けてならないわけでございます。  そういう意味で、再度お伺いをいたしますけれども、今回の改正というものが、共済はあくまでも職域年金で通すつもりなのか、それとも将来は、年金の一本化ができるできないは別にいたしまして、そういった方向で足並みをそろえるという方向に向けての一歩をここに踏み出そうとしているのか。たとえば五十五歳から六十歳に年齢を引き上げていこうということ自体につきましても、そのことによって意味づけはうんと異なってくると思うわけであります。そういうふうな意味で、今回の改正がどういう方向を向いているのかということについて、もう一遍ひとつお答えをいただきたい。     〔小泉委員長代理退席、委員長着席〕
  25. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 全体といたしましての公的年金制度の今後のあり方につきましては、先ほど来申し上げておりますとおり、これから厚生省を中心といたしまして種々検討がなされていくものだと考えております。その中において、共済年金というものをどう位置づけどのように持っていくかということもあわせて検討されると思いますが、大きな方向としては、公的年金に見合う部分、いわゆる厚生年金の代行の部分と思われるものについては、長期的にはその間においてそのバランスあるいは整合性を求めていく方向に行くべきであろうと私どもは考えております。  ただ、たとえば公的年金の支給開始年齢を厚生省においても、できれば来年度からでも現在の六十から六十五に持っていきたい、そういう方向で取り組みたいというお話もございますが、共済の方は、遠い将来において支給開始年齢が常に一緒でなくちゃならないのか、あるいは別々でなくちゃならないのかということも慎重な検討を要しますけれども、基本的な方向としては、共済組合についても支給開始年齢は六十よりはさらに高い方向にあるだろうと私は思います。しかし、現在の五十五歳の支給開始年齢を引き上げていく場合に、一気に大幅の引き上げということは現実の問題としてもなかなか大きな問題を生じますので、当面まずこれを六十歳に引き上げ、それの定着を図るべきであろう、かように私どもは考えておるわけでございますが、公的年金の大きな方向としては、制度間で社会経済情勢の変動等に応じまして意味がなくなったような差とかいうものもなくしていく、こういう方向でやるべきであろうと考えております。
  26. 坂口力

    ○坂口委員 そうしますと、年金懇の意見が出ておりますけれども、こういった年金懇の意見に沿うべく努力をしながらその一歩を今回踏み出している、こういうふうな意見にとってよろしゅうございますか。
  27. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 今回の共済法の改正案は、私どもことしに入りまして早々に中身を固めて御提案申し上げたものでございます。片一方、年金懇の答申はことしの四月十八日に出たものでございまして、今回の改正案は直接この年金懇の意見を踏まえてやったものではございませんで、むしろ三共済の懇談会等の場を通じて共済独自の改善を図るべき事項というふうなものを中心にしてこの改正を図ったものでございまして、直接には年金懇の意見を踏まえたものではございません。ただ全体の方向として、支給開始年齢の引き上げとか共済独自の制度の改善というものは年金懇の意見に相矛盾するとかそれに反するとかいうものではない、かように考えております。
  28. 坂口力

    ○坂口委員 私どもも年金については党内でいままでいろいろと議論をしてきたところでございまして、年金の一本化についての意見をまとめているわけでございます。いわゆる基礎年金構想をまとめているわけでございます。ただ、年金は長い期間掛金をしてきているものでございますから、現在までに掛金をなさった人の既得権あるいは期待権というものを損ねてはならない。ですから、すべての国民に共通する部分と、それからいままでそれ以上に掛金をなさったりあるいは年齢的なもの、職業的なもの、いままでの既得権というものはその上に上積みして、二階建て年金と私ども申しておりますけれども、そういう形で年金を一本化していく以外にないのではないか。ですから、たとえばこれから公務員なら公務員にお入りになるような方については最初からその一本の年金でやってもらわなければならないと思いますけれども、すでに支払いをしている皆さんについてはその既得権は認めていこう、そして一本化をしていこうという方向を私どもは打ち出しているわけでございますけれども、これはやってやれないわけではなくてやれるといういろいろ細かな計画のもとに私ども出したわけでございます。したがいまして、いろいろ歴史的経緯がございますからむずかしい面のあることはわかりますけれども、しかし、これはやってできない問題ではなくて、またやらなければならない問題であると私どもは考えているわけでございます。そういった意味で、すっきりいたしませんけれども、何となくいまのところは将来どちらにも転ぶという形になっていると理解をする以外にないわけでありまして、その辺のところは、局長もわかっていて核心に触れずにその周辺だけをお話しになっているのか、本当にまだそこまで煮詰まっていないのかよくわかりませんけれども、何遍聞きましてもここはどうも核心に触れられないようでございますので、この問題はこれだけにしておきたいと思います。  それで、先ほどおっしゃいました年金懇の中にも重要なテーマとして出ておりますけれども、将来年金の財源をどうするかということは非常に大きな問題であることは私たちも同じ認識を持っているわけでございます。今回この共済二法の改正案が出ましたのも一部には、これは財政的な問題が一番中心であるとも言われているわけでありますけれども、共済二法だけに限らず年金全体といたしまして、将来の年金の財源が大変な問題であることだけは事実であると思うわけであります。そこでこの年金懇も、社会保険方式でいくのか、それともいわゆる年金税の制度を取り入れていくのか、あるいは社会保険方式と年金税方式の両方を併用していくような形でいくのか、その辺の議論をしているわけでございますけれども、私は大蔵大臣に、この辺の確たるところを聞くのは大変むずかしいかもしれませんけれども、現在の大臣の心境として、この共済二法提出に当たる時点における心境として将来どの方向に向かうべきがいいか、個人的でも結構でございますが、どうお考えになっているかをお聞きしたいと思います。
  29. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 将来の年金のあり方に関係いたします大変むずかしい問題でございますが、先ほど先生お話しございましたとおり各方面から、将来の年金制度のあり方あるいはそれの負担のあり方について御議論ございます。たとえば社会保障制度審議会から基本年金構想というものも一昨年でございましたか出ております。それぞれいろいろございますが、一応私どもの考えと申しますよりは年金懇の先日の答申のあれでいきますと、ここにおきましてもたとえば負担につきまして、税方式をとるべきかあるいは社会保険方式でいくべきかそれぞれの面からの検討がなされておりますが、一応この年金懇の報告といたしましては、やはり社会保険方式を基軸としてやるべきではないか、こういう意見が出されております。こういう点につきまして、別に政府といたしましてもちろん、まだ方向を決めているわけではございませんけれども、こういう御意見等を十分踏まえてこれから検討なされていくべきことであろう、かように考えております。
  30. 坂口力

    ○坂口委員 将来に向かう重要な問題であるがゆえに政治家としての発言を求めているわけであります。重要でなければ次長に御答弁をいただいて結構でございますけれども、重要な問題であるがゆえに大臣の発言を求めているわけでございます。したがってこの際には、大臣の御発言をお願いしたい。
  31. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 いまも次長が申し上げておりますように、今後の年金全体の持っていき方をどうするか、その場合のいまの拠出の関係をどう持っていくか、これは大変厄介な問題でございまして、年金懇でもいろいろ御議論をいただいておりますが、先ほど次長の申し上げましたような社会保険方式が案外スムーズにいくのじゃないかという印象を私も持っております。これは大きな問題でございますので、年金全体をどう持っていくか、そういった立場から今後さらに総合的に検討させていただきたいと考えております。
  32. 坂口力

    ○坂口委員 私どもは一般消費税には反対をいたしておりますし、私の方から一般消費税の話を出すのはどうかと思いますけれども、これは遠い将来の問題といたしましては、そういった税制とも絡んでくる問題ではなかろうかと思うわけでございます。したがいましてこの際に、一般消費税に御熱心な大臣がどういうふうに思っておみえになるかということをお聞きをしておきたいというようなことでちょっと申し上げたわけでございますけれども、大臣の口からいずれとも判断しかねる御答弁でございまして、どちらかと申しますと社会保険方式で行った方がいいのではないかという、こういうお考えのようでございますので、一応この問題はこの問題としてお聞きをしておきたいと思います。  それから、もう少し具体的な問題といたしましては、何と申しましても今回の一番中心になりますのは、五十五歳から六十歳へ年齢を引き上げるという問題が一番大きな問題ではないかと思います。この年齢の引き上げにつきまして、これを二十年かかって五歳を引き上げるというこの行き方について、私ども党内におきましては、もう少し慎重にやらなければならないのじゃないかという意見もございますし、二十年もかかってやるのは長過ぎるのじゃないか、もう少し早くやったらどうだという意見もあるのは事実でございます。  ただ、何年かかってこれを引き上げていくか、あるいは何歳まで引き上げていくかということは、これは逆に言えばいわゆる定年制の問題と絡みの問題でございまして、これが今後どういう経緯をたどっていくのかということとあわせてのお話でございます。したがいまして、いわゆる定年制六十歳というのが、ことしじゅうにでもあるいは来年のうちにでも確立されるというのであるならば、私はこの上げ足をもう少し早めてもいいのではないか。ただ、先ほどからもお話が出ておりますように、いままでからのいわゆるそれぞれの家庭における設計というものもございますから、その面につきましての既得権というものにつきましては、やはり配慮しつつ改革に踏み切っていかなければならないのではないかと思うわけでございます。しかし、この定年制の問題がなかなか決着がつかないということであるならば、この二十年かかるということも決して長過ぎはしない、そういう気もするわけでございます。  労働省の方、お越しをいただいていると思いますので、これは労働省の方でございますから民間のことになりますが、現在の定年制の現状、そして将来における労働省としてお持ちになっている予測、その辺をひとつお話しいただきたいと思いますし、それから人事院の方もお越しをいただいておりますので、人事院の方で、現在の退職年齢というものが何歳ぐらいでどうかということは、人事院のお仕事の範囲外だそうでございますけれども、将来のどういう構想をお持ちかということと絡みの問題がございますので、少々はみ出すかもしれませんけれども、あわせて御答弁をいただければ幸いと思います。
  33. 田淵孝輔

    ○田淵説明員 民間企業における定年制の状況について御説明申し上げます。   一番新しい労働省の調査では、昭和五十三年一月現在でございますが、五十五歳定年制をとっている企業が四一・三%ございます。それから六十歳ないしそれ以上の定年制をとっている企業が三八・五%ございまして、それ以外は五十六歳から五十九歳にシフトしているわけでございます。これは十年前の昭和四十三年に比べますと、五十五歳定年は六三・二から四一・三に減ってきております。こういうことで、二年ごとに調査しておりますが、この不況の中でも、若干停滞は見られますが、定年の延長ということは進んできておる状況でございます。  将来の見通しとしましては、昭和六十年に六十歳定年の一般化ということを目標にいたしまして、鋭意行政指導を強めておるところでございまして、景気の停滞で若干定年延長の停滞も見られましたが、最近景気の回復に伴いまして雇用面でも明るさが出てきておりますので、この際労働省としても大いに定年の延長に力を入れて進めてまいりたい、かように考えております。
  34. 白戸厚

    ○白戸説明員 国家公務員の勧奨退職の年齢でございますが、この基準となる年齢につきましては、実は特に基準を設けていないというような省庁もございますし、また、これを設けておる省庁におきましても、その定め方とかあるいは年齢には差がございますが、行政職俸給表(一)、この適用を受ける職員について見ますと、おおむね五十五歳から六十五歳に分布しておりまして、比較的多いのは五十八歳と六十歳というようになっておるわけでございます。また、次に多い職種でございます行政職俸給表(二)の適用を受ける職員につきましては、おおむね六十歳から六十五歳までの間に定められているというようになっております。
  35. 坂口力

    ○坂口委員 大蔵省の方に戻ってお伺いをするわけでありますが、こういうふうに現在のところ民間におきましては、五十五歳に一つのピークがあり、また六十歳に一つのピークがある、二峰性を示しておるわけでありますし、人事院の方からお話を伺いますと、行(一)の方は五十八歳、六十歳のところにピークがある、それから行(二)のところは六十歳から六十五歳のところにピークがある、こういうお話でございますが、大体この辺の退職年齢というものを考慮に入れて今回の五十五から六十という年齢はお考えになったのでしょうか。ただ、これはあくまでも平均値の話でありまして、年金は個々にそれぞれお一人お一人の問題でございますから、この退職年齢の平均値だけで物を言うというのはまことに危険なことであろうと思います。そこで、その中から幾人かの人がこぼれ落ちるということがあってはならないわけでございますから、私もこの平均で物を言ってはならないと思う一人でございますけれども、しかしこのように大分、退職年齢というものがだんだん延びていっていることだけは事実でございます。この辺のところをどのようにお考えになって、五十五歳を六十歳ということになすったのか。また、今後の問題としてこの退職年齢というのが、私はさらに延びていかなければならないだろうと考えている一人でございますけれども、今後はどういうふうにお考えになっているのかをお聞きをしたいわけであります。それは、厚生年金の方が将来六十五歳に引き上げたいという考え方を持っているわけでありまして、これは私は早急に六十五歳というのは少し無理な話ではないかというふうに思うわけでございますけれども、そういう問題もございますだけに、どのようにお考えになっているかをひとつお聞きをしたいと思います。  それから厚生省の方、お待たせして申しわけなかったわけですが、私は官民格差というものをなくするという意味で、これは先ほども申しましたように退職年齢の問題もございますけれども、一応六十なら六十で足並みをそろえるということは大事なことではないかと思いますが、その足並みをそろえ終わらないうちに厚生年金だけまた六十五歳へというふうに歩き出してもらっては、官民格差はなかなか直らないわけでございますので、その辺のところ、ぜひひとつ足並みを合わすべきだというふうに私は考えておりますけれども、厚生省の方としてのお考えがどうかということをひとつお聞きをしたいと思います。  それからあわせて厚生省の方には、年金全体の中でこの共済年金というものをどのように位置づけておみえになるかということがございましたら、御意見としてつけ加えていただけば幸いと思います。
  36. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 私ども今回、支給開始年齢の五歳引き上げを考えました理由は、年金財政あるいは負担の問題というものが中心でございますが、ただいまお話がございましたとおり、公務員の雇用の実態というものを考えてみますと、たとえば昭和三十六年度におきましては、連合会に属しております公務員の一般的な退職年齢というものの平均が五十五・八歳でございましたのが、五十二年度におきましては六十・一歳、こういうことに相なっておるわけです。そういう雇用の実態というものも踏まえまして五歳の引き上げを考えたわけでございます。ただ、これは一気にいくわけにはまいりませんので、先ほどお話しございましたような経過措置を置くならば決して無理のない移行が図れるであろう、こういう考え方で御提案申し上げた次第でございます。
  37. 吉原健二

    ○吉原説明員 年金制度基本構想懇談会から先般、わが国年金制度全体の今後のあり方、改革の方向についてお示しをいただいたわけでございまして、そのことの中には五つの共済制度を含むわけでございます。私どもといたしましては、この懇談会の御報告、御意見の趣旨に沿って長期的に、段階的に改革を進めていきたいというふうに思っているわけでございます。  年齢についてのお尋ねがあったわけでございますけれども、厚生年金につきましては、やはり将来の財政の問題、費用負担の問題、それから、平均寿命の延長等の問題、そういったことを考えますと、長期的に被用者年金の支給開始年齢、老齢年金の支給開始年齢を六十五歳にすることは避けられないというふうに思っているわけでございまして、今後そういったことで段階的に引き上げの方向について検討をしてまいりたいというふうに思っているわけでございます。  共済制度につきましては、この法案で六十歳という御提案があるわけでございまして、当面の措置としては前進であるというふうに私ども考えておりまして、さらにその後、共済制度の性格の特殊性、そういったものも踏まえまして、長期的にはできるだけそろえる方向でいくのが望ましいというふうに考えているわけでございます。
  38. 坂口力

    ○坂口委員 少し意見を言いたいところがございますけれども、きょうは厚生省担当の委員会でもございませんしいたしますので、お聞きをするにとどめておきたいと思いますが、時間がなくなってまいりましたので、あと一、二だけお聞きをしたいと思います。  一つは、年金の支給制限でございますけれども、これは先ほども議論が出ておりましたが、年額六百万を超える人、それから年金の年間支給額が百二十万を超える人に限ってその百二十万を超えた部分の二分の一をカットする、こういう今回の案でございますけれども、今回のこの改正案の中で私どもの一番いただけないと思うのはこの点でございます。これは先ほど恩給にならってというふうにおっしゃいましたけれども、恩給にならって年金の問題を考えてもらっておってはこれは逆方向でございます。年金の将来を考えていただきますなら、年金懇に出ておりますような方向に向かって将来考えていただかなければならないのでありまして、恩給にならってもらっておっては年金の改革にならないわけでございます。その辺のところをどうも自分勝手に都合のいい方にみんな方向を別々にしてお考えになっている。私はこの点はもう修正でもしてぜひ変えてもらいたい。このままでは私どもどうしても受け入れられないという気がするわけでございます。この点をお答えをいただきたいのが一つ。  それから、時間がなくなってまいりましたのでもう一つ申し上げますが、いわゆる国庫負担率が公務共済の場合には一五%でございます。これを今回一六%に引き上げようという案になっているわけでございまして、これはそれなりに私ども評価をするわけでございますが、今後年齢がだんだん上がっていくにつきましてまたこのパーセントを一段ずつ上げていくというお考えなのか、それとも、これはこの五歳なら五歳の間は、六十歳になる二十年間の間は一六%でいくのか、その辺のところもひとつお答えをいただきたい。  厚生年金の方は、これは二〇%ということになっておりまして、パーセントで見る限りここに差があるわけでございます。ただ、これは内容にもいろいろございますしいたしますから、一概にパーセントで比較はできないであろうと思います。そこで、いわゆる公務員共済の方におきまして現在、一人当たり国庫負担額というものは大体どれだけになっておるのかということをできたらひとつお示しをいただきたい。それで厚生年金の方も、大体一人になったらどれだけになるか、わかりましたらひとつお教えをいただきたい。
  39. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 第一の高額所得者に対します年金の支給制限の件でございますが、あるいは私の先ほどの答弁で言い方が悪かったのかもしれませんが、恩給制度には支給の制限の規定がございますが、たとえば国家公務員共済、昭和三十四年に発足いたしまして今日に至っておりますが、やはり基本がそういう社会保険のシステムというものを用いております関係上、他の所得の金額いかんとかいうふうなことによる支給の制限の規定は現在何もないわけでございます。それで、今回私どもが高額所得者に対する支給制限をいたしたいというのは、決して恩給にならったという考え方ではございませんで、現在共済組合でそういうものはございませんが、やはり今後の財政も考えてみ、あるいは基本的には公的年金制度が保険システムをとっておるという面から着目いたしますと、こういう所得制限をすることは制度的に問題があるたてまえでございますけれども、やはり老齢者に対する所得保障という面に着目いたしまして、今回新たにこういう支給制限の考え方を導入いたしたということでございます。結果的には、やや恩給に似たような形になるのかもしれませんけれども、考え方におきましてはかなり違いがある、こういう点を御理解願いたいと思います。  それから、一人当たりの国庫負担額につきましては、共済課長の方から数字をちょっと答えさしていただきます。
  40. 山崎登

    ○山崎説明員 受給者一人当たりの国庫負担の比較でございますけれども、私ども共済組合は、在職年が三十三年でございまして、そのときの年金額が、五十四年度発生ベースでございますが、百八十万程度になっております。そういたしますと、一人当たり二十七万四千円ぐらいになっております。厚生年金でいきますと、これもモデルでございますが、二十八年の場合でいきますと十万八千円でございまして、二〇%でいくと二十六万円の一人当たりの国庫負担になっております。ただ、ここでは在職期間が二十八年と三十三年と違いますので、厚生年金を三十三年というふうにちょっとモデル計算いたしますと、大体三十万四千円ぐらいになっております。
  41. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 私の方で国庫負担の今後の問題のお尋ねにまだお答えしてなかったので、ちょっとお答えさせていただきます。  先ほども申し上げましたとおり、今回制度改正に伴いまして、当面の措置といたしまして特別に一%の国庫負担をいたしたわけでございますが、将来この国庫負担のいわば積み増しをどうするかということについては現在のところ、率直に申しまして明確な方向は私どもはまだ持っておりません。これはやはり公的年金制度全般にわたる検討の過程におきまして、その国庫魚負担のあり方というものを十分見きわめながら、他の公的年金制度とのバランスというものも考えながら最終的に結論を得べきものと考えております。そういう趣旨から私ども五十四年度におきまして、当面の措置として特別に一%の国庫負担をいたす、かようにいたしたわけでございます。
  42. 吉原健二

    ○吉原説明員 厚生年金の国庫負担でございますけれども、現在標準年金額は、先ほどお話しございましたように十万八千円でございますけれども、現実の受給着の平均年金額は五十三年度で八万一千円程度となっておりまして、それに対しまして二〇%の国庫負担が行われるわけでございますので、月額にいたしますと一万六千円程度の国庫負担になろうかと思います。厚生年金総額におきましては、遺族年金、障害年金を含めまして、五十四年度で約四千九百億円の国庫負担が行われることになっております。
  43. 坂口力

    ○坂口委員 両方からお聞きしたので、ちょっと数字が違うようでございますが、厚生省からお出しになったものでございますと、年間にいたしますと十九万二千円になりますね。大蔵の方からお示しになったのは二十六万ということでございます。大分差がございますけれども、時間がなくなりましたので、詳しい議論は今後のこの委員会における議論にゆだねたいと思います。ひとつこの辺のところをもう少し詳しい資料を双方とも御提出をいただければというふうに思います。それで御了解をいただければこれで終わります。
  44. 加藤六月

    ○加藤委員長 後刻資料を提出させます。
  45. 坂口力

    ○坂口委員 終わります。ありがとうございました。
  46. 加藤六月

    ○加藤委員長 竹本孫一君。
  47. 竹本孫一

    ○竹本委員 私が伺いたいことのポイントはほとんど同僚議員から御質問がありましたので、少し向きを変えて伺いたいと思います。政務次官から答えていただけば結構です。  最近、大蔵省がいろいろ考えられるあるいは提案をされるという場合において、大蔵省のことだから当然のことながら、財政優先ということになっておると思うのですね。しかし、大蔵大臣の立場で考えますと、政治が優先をしなければならぬというふうに思うのですね。そういう意味から言えば、たとえば財政優先、赤字財政克服第一主義ということでなくて、福祉国家というならば福祉が優先をしなければならぬ、あるいは教育その他の問題もあります。要するに、財政以上により大事なポイントがあるはずだ、政治のプライオリティーの問題としてそういう点を考えなければならぬと思うのだが、その点が財政一本やりになり過ぎて、その他の面の視野の検討が少し足らないような感じがするけれども、その点についてはどういうふうに思っておられるか、伺いたいと思います。
  48. 林義郎

    ○林(義)政府委員 当委員会におきましても、財政が大変な状況であるということを私ども繰り返し申し上げておりますし、また、当委員会の皆様方にも大変御理解をいただいておるところで、われわれも感謝をしておるところであります。  ただ、財政、財政と金のことばかり言っておったのでは国家としてはどうにもなりませんし、御指摘のように福祉の問題であるとかあるいは将来のことを考えた教育の問題であるとか、そういったものを本当に考えていかなければならないと思っております。そうした意味で、今回のこの共済法の問題におきましても私どもは、単に財政的な見地からということだけではなくて、共済制度が発足しましてから二十年ほどたっておるわけでありますし、二十年という月日はやはり社会情勢の変化等もありますし、先ほど来御議論のありましたように、退職者の年齢も相当に上がってきた、こういうふうなことで、この際再検討しました結果、こういうふうな御提案を申し上げているわけでございます。決して金がないからというだけでやっておるわけではないということは御理解いただきたい、こういうふうに思います。
  49. 竹本孫一

    ○竹本委員 要するに私が言いたいことは、金よりも大事なものがあるんだという一語に尽きるわけですが、それが金、金ということが中心になり過ぎておる、政治の哲学や理想やといったようなものが行方不明になりつつあるではないかということでございまして、これは政治の基本的な問題でございますから、この辺にとどめておきます。  第二は、財政当局が財政の問題を熱心にやられることはきわめて必然であって、われわれもよくその点は理解ができる。しかしそれならば三K赤字を初めとして、財政の立場から思い切って手術をしなければならぬ問題が幾つもある。それに対して前向きに取り組む基本的姿勢というものが少なくともわれわれにはうかがわれないのは一体どういうわけであろうか、この点をお伺いしたいと思います。
  50. 林義郎

    ○林(義)政府委員 基本的に申しまして、財政の大変な赤字というものが国民全体の経済の方から考えますと問題になりますのは、赤字によりましてインフレーション的な傾向をもたらす、生活の安定、経済の安定を損なうというところに私はあるのだろうと思います。そうした点からいろいろな問題を考えていかなければならないと思いますし、そういった赤字財政をなくしていくためには、いま御指摘のような三Kの問題というのはまさに解決をしていかなければならない大きな問題だろうと思います。しかし、長い間ある制度でございますし、これに手をつけるということはなかなか大変なことだということもまた御理解いただけるところだと思いますが、今度はサマーレビュー、こういうふうな名前をつけまして抜本的な解決策をやろうということで、先般も閣議で決めまして、各省等の協力を得ましてその改革の方向を見出していこうという決心を固めているところでございます。そうした意味で、こうしたすべての問題につきまして私たちは制度改革をやっていかなければならないだろう、こういうふうに考えているものでございます。
  51. 竹本孫一

    ○竹本委員 財政というものは政治の一つの集中的な表現でありますから、財政だけを責めるわけにはいかない。戦後の政治の乱れと混乱あるいはだらしなさ、破れといったようなものが全部いま財政の赤字という形になって集中的にあらわれてきておる、こう思うのです。いろいろ前向きに取り組もうというお考えがあることもわかるのだけれども、最近アメリカあたり、そしてアメリカだけではなくて、イギリスのサッチャーさんが勝利したのも、いろいろ理由がありますけれどもその一つに、いままでの財政のあり方に対する反省なり批判なり、われわれとサッチャーさんの立場は若干違いますけれども、しかし、それなりにそうした批判が込められていると思うのですね。だから、アメリカでそういう言葉があるそうだけれども、要するにいまは財政の無法状態である、予算もめちゃくちゃで無法状態であるという批判があるのだけれども、私はいまの三K赤字等も含めて、日本の財政も一種の無法状態であると言いたいのです。そう言うことは言い過ぎになりますか。
  52. 林義郎

    ○林(義)政府委員 いろいろな点の御批判は私はあるだろうと思いますが、われわれとしては、赤字はことしに始まったことではありませんし、赤字国債を出さなければならないというときからいろいろな点の経費の切り詰め、またいろいろな冗費の削減というものは常に心がけてやってきているところであります。まさにいま御指摘のありましたような無法な財政、こういうことまで御批判を受けるようなことでありますと、私はそれほどまでのことにはなっていないとは思っておりますけれども、そういった御批判があるということは十分にかみしめてこれからの財政運営に当たっていかなければならない、こういう決心でございます。
  53. 竹本孫一

    ○竹本委員 無法松という言葉がありますけれども、とにかく無法なんと言うのがいいか知らぬが、要するに田中さんのインフレ政策以来、特に戦後の経済の乱れというものが大きくなった、そのつけがいま回ってきているのだと私は思うのですが、そういう意味で、要するに第一段としては、財政以上に大事な政治あるいは政治の哲学がなければならぬということが一つ。次には、財政再建というならば、その財政がいま無法状態だということを徹底的に認識をした上で、本当の取り組みをやってもらいたいというのが第二段なんです。  次に、時間も余りありませんから今度は、いまの共済年金の問題に関連しますが、新しい角度が政治に必要だと思うのです。それは要するに、日本がまれに見る高齢化社会を迎えつつあることだと思うのですね。共済年金、定年延長の問題も何も皆それに関連してくると思うし、それから医療制度の改革の問題もこれに関係してくるし、年功序列の問題もこれに関連してくる。そういうことから言うならば、ただに共済年金等の問題についての総合的な視野が必要であるその前にもう一つ、高齢化社会に対して日本の政治はいまどう取り組もうとしておるのか。言葉が悪いけれども、高齢化社会対策基本法というか、そういうような基本構想が、高齢化社会全体としてこう取り組むのだというその取り組みがなければならぬと思うのですね。ところが、そういう姿勢はこれまた余りうかがわれない。断片的に高齢化社会という言葉が出るけれども、これは日本のこれからの政治の大きな断層だと思うのですね。  したがって、その高齢化社会に全体としてこう取り組むのだという総論があって、その一つとして共済年金の問題も取り上げるべきだ。これは先ほどの五十五歳、六十歳の問題とも関連しますけれども、ただにそれだけでなくて、いまの医療保険の問題もあるいは年功序列の問題もすべてに関係してくる。そういう視野をもう少し政府が出すべきではないかと思うのですけれども、どうですか。
  54. 林義郎

    ○林(義)政府委員 まさに御指摘のような、高齢化社会という時代に政治としてどう取り組むべきかというのは大問題だと思うのです。御指摘のありましたように、医療の問題であるとか年金の問題であるとか雇用の問題であるというような取り組みをしているわけでございますけれども、そういったことの前に、本当に人間これからどういうふうな社会をつくっていくかというのは、お互い政治家として考えていかなければならない大問題であることはもう言うまでもありません。  どういうふうな形でその問題を取り上げていくかということになれば、哲学をやるときにそれぞれの問題の中にある問題点をえぐり出して、その中から新しい方向づけをしていくということも一つのアプローチだろうと思いますし、今回のこの法案の問題だけでなくて、いろいろな点から私はやっていくことが必要だろうと思います。大変いい御指摘をいただきましたので、私も早速、大臣いまおりませんが、大臣とも相談いたしますし、またその他の方でも話をいたしまして、やはり何か取り上げていかなければならない基本問題だろうと思います。  もう一つ申し上げますけれども、高年齢社会というのと高学歴社会というのとありますし、こうしたものをどうしてやっていくのかというのがこれからの一つの大きな問題になりますし、教育の問題、福祉の問題、いろいろな問題にわたると私は思いますので、そういった点も広く取り上げてやっていくことが必要だろうと思っております。
  55. 竹本孫一

    ○竹本委員 次に、年金制度の問題に入るのですが、私はもう同僚議員から十分言われましたので、そういう点は触れないで、ただ私が疑問に思いますのは、これは共済年金だけの問題ではない、すべてそうなんだけれども、要するに初めに制度をつくるときに一これは税制だってそうです。初めに制度をつくるあるいは税制なら税制を考えるときに、こういう問題が将来プロバブルケースとして考え得るということを考えて路線を引くべきだと思うのです。ところがそうでなくて、思いつきによって次々にものをつくっていくということで、最後になってみると、もう一遍再編成し、もう一遍交通整理をしないとその制度全体が生きないという例が非常に多いと思うのですね。  たとえば自動車に対する税金だって幾つもあるでしょう、八つも九つもある。今度の年金問題も、あれこれ数えれば八つあるというように、そして後から今度は、先ほどからとらえられておる官民の格差の問題、それから相互の間の給付にしても年齢にしても非常なアンバランスが出てくる。制度をつくるときにもう少し統一的な考え方でスタートを切ったらいいし、将来的な展望の中でスタートをしたらいいのであって、ちょうど東京都の土木工事みたいなもので、一つ一つ、今度は電線をしくのだとか、今度は何とかをやるのだと言ってしょっちゅう掘り返しているでしょう、あれと同じですよ、いまの制度全体のあり方が。いかに科学性と総合性がないかというのがぼくはよくわかると思うのですね。  だから年金制度の問題もいまごろになって、八つあって大変混乱しました、何とか交通整理をしましょうということ自体が非常にふざけた話だ、政治に整合性が初めからなさ過ぎる、こう思うのだけれども、これも政務次官に言うよりも総理大臣に言わなければならぬことだと思いますけれども、政務次官の考えもひとつ承っておきたいし、それからもう一つ、これはとりあえず八つあるものは二つにともかく整理をしたらどうか、被用者年金と国民年金とに分けていったらどうかというふうに私どもは考えておりますけれども、そういう問題について基本的にどういう考えで、またどういうふうにそれを進めていこうとしておられるのか、官民格差の問題、ばらばらの調整の問題も含めて、時間もありませんのでまとめて御答弁をいただきたい。
  56. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 先生御指摘のとおり、八つの仕組みに分かれておる年金制度というものは、現状におきまして非常に多くの問題を投げかけております。厚生省の年金懇におきまして、将来の理想といたしまして次のようなことを言っておられます。「わが国の年金制度は、今後とも制度の分立を前提とし、基本的に被用者年金と国民年金の二本立ての体系を維持すべきである。この場合においても、数多くの保険者に分かれている共済制度については、条件の整うものから、漸次、財政等の一元化を図っていくとともに、職域年金的性格を有する部分を明確にし、公的年金的性格を有する部分については、被用者年金として整合性のとれた体系となるよう給付体系等を整備していく必要がある。」こういう御指摘をいただいております。そういう方向を目指しまして、私どもこれから関係方面とも検討を進めてまいるべきことであろうと思っておりますが、御指摘にもありましたとおり、発足時期とか沿革、目的等も非常に異なっております。あるいはまた、制度の仕組みにも差がございます。そういう中で、しかも制度の分立を前提として今後の改革を図っていくということ、なかなかむずかしい面もございますが、私どもそういう方向を目指してこれからせっかく勉強してまいりたいと思います。ただ、直ちにこの統合、一本化を行うことは現実から見てなかなかむずかしい問題であろう、かように考えております。
  57. 林義郎

    ○林(義)政府委員 竹本先生から御指摘を受けました点でございますが、制度がいろいろ発足をするというのは、やはりそのときそのときの要請があったのだろうと思うのです。いまから考えてみますと、何でこんなばらばらなことをやっているか、また、いろいろな問題が出てくるのにということでございますが、日本の社会がずっと戦後の時代、昭和二十年の敗戦以来三十四年たちまして、いろいろ変わってきたという中での出来事だと私は思うのです。そうした点を一気に改革するというのはなかなかむずかしいと私は思いますが、少なくとも先ほど御指摘のありましたような、これからの老齢化社会をどうしていくかということは、基本問題として考えていくべき大問題だろうと私は思いますし、その点は先生と全く同感でございますし、そういった方向でどういうふうな形で、いまこれだけふくそうしているし、また、いろいろな利害の相対立しているような問題を解決していくかということが、まさに政治家としてやっていかなければならない問題だろうというふうに私も認識しております。
  58. 竹本孫一

    ○竹本委員 最後に要望しておきたいのですけれども、福祉国家ということが言葉としてはよく言われるわけでありますね。その福祉国家の大事な柱は何本どういうふうに立てるかという問題も、やはりここで悔いを残さないように基本的に考えなければならぬ。御承知のように中国では生老病死、生まれること、老いること、病気になること、それから死ぬこと、四つの不安があるということをよく言う。そして、それに対して中国の新しい政治は意欲を持って取り組んでおる。  私どもの党では四つの不安ということを言っております。これは老後と病気と教育と住宅というふうに分けておる。その分け方はそれぞれ党の考え方があるわけですからいいが、しかし、恐らくどの党も通じて一番大事なことは、やはり老後の心配のないようにということだろうと思うのですね。それは、雇用の面からも生活の面からもあるいは自分の住む場の問題あるいは生きがいの問題、すべて含めて老後の問題が一つの社会保障あるいは福祉国家の大きな柱でなければならぬと思うわけです。  そういう意味でこの年金の問題で、五十五歳、六十歳という問題についても先ほど来いろいろと論議が闘わされておるし、これからまだ委員会においても審議が詰められていくと思うのですけれども、五十五歳で終わって六十歳までは年金ももらえないという大きなギャップができないように、そこのつなぎをどう考えるかということについてはもちろん弾力的に考えなければなりませんけれども、制度としてはきちんとしたものを考えていって、いささかも不安のないようにしてもらいたい、強く要望申し上げまして、質問を終わります。
  59. 加藤六月

    ○加藤委員長 安田純治君。
  60. 安田純治

    ○安田委員 わが国の公的年金は、低水準の上に制度も八種類に分類されておりまして、さまざまな格差やゆがみを残しておりますことは申すまでもありません。給与水準の改善と制度上の整備の必要性があるわけであります。  ことに高齢化社会の到来とともに、これらの抜本改革の検討がここ数年来進められてまいったところでありますけれども、政府は制度審の建議によるいわゆる基本年金構想、また、この四月には厚生省の年金懇も報告を公表しております。両者の共通する点を見ますと、主として財源対策の面から、給与水準は据え置き、増大する財源負担を労働者や国民にしわ寄せする方向で切り抜ける、そして支給開始年齢を六十五歳にすべて延伸する、そういう内容でありまして、いずれも国民の願いに逆行した年金改悪の抜本方向を示したものと言わざるを得ないと思いますので、私どもは政府の低福祉高負担路線に沿ったものとしか思えない、こういうふうに考えております。  このような中で出された政府提案による本法案は、毎年出される恩給絡みのアップ分や合理的な改正を除けば、年金制度の全面的な検討抜きにして重大な支給開始年齢の延伸が行われておる、これは多くの組合員の利益を後退させるばかりでなくて、さきに述べた政府の年金改悪に連動するものである、私どもは容認できないと考えておるわけであります。そしてまた、短期給付の制度改正について言えば、廃案の運命に陥ろうとしておると私ども見ております悪名たかい健保絡みの改正でありまして、この法律におんぶさせること自身に疑念を感じざるを得ない、こういう立場をとっておるわけでありますが、きょうは時間も非常に限られておりまして、この後また質問の機会があるようでございますので、問題点を大まかに指摘するという意味で質問をしたいと思います。時間の節約上、質問をある程度まとめて幾つかずついたしますので、ひとつ端的にお答えいただきたいと思います。  まず、今回の制度改正でございますが、現行法ができて二十年来初めてのものであります。社会保険制度のたてまえからして、掛金を払っている多くの組合員の合意や納得が不可欠であるというふうに思うわけです。そのためにどのような行政的措置を行ってきたか、その結果、各単位共済や組合員にまで納得された上で提案されたのかどうかという経過について御答弁いただきたいと思います。
  61. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 共済年金制度の改正につきましては、たとえば国家公務員共済組合の審議会におきまして三年ほど前から、会長でございます今井先生のいわゆる今井メモというものが出されまして問題点が指摘され、それについての検討を行ってきたわけでございます。さらに昨年の三月からは、国家公務員、地方公務員、公企体職員等の三つの共済組合の代表者による懇談会を設けまして、これまで九回にわたりまして、いろいろ検討すべき事項、改善すべき方向というふうなことにつきまして議論を重ねてまいったわけでございます。  その間におきまして、各種の議論はございましたけれども、たとえば支給開始年齢の引き上げを図るべき時期に来ておるということにつきましては、大方の御意見の一致はあったと思います。ただ、これにつきましても御批判があることは、昨日来の御審議でも出ておりましたけれども、私ども財政の問題その他等々諸般の事情を考慮いたしまして、やはり五十四年度から五歳引き上げの原則を打ち立てることが必要であろう、こういう観点から御提案申し上げたわけでございます。それにつきましてかなりの経過措置も設けまして、無理のない移行を図っていく、こういうことも考えておりますので、組合員の方々の御理解もいただけるもの、かように考えているような次第でございます。
  62. 安田純治

    ○安田委員 いまの答弁、お聞きしたいところですが、次の質問に移りたいと思います。後でこの問題をもう少し細かく別な機会にお伺いしたいと思います。  支給開始年齢の延伸問題でありますが、これはまとめてお伺いします。  まず、厚生省の方いらっしゃいますか。――五月八日の参議院社労委で橋本厚生大臣が、年金制度全体から見れば将来、共済も厚生年金と同じように、年齢の数字は挙げられませんでしたけれども、趣旨から見れば六十五歳にそろえていただきたいというような答弁をしているようでありますが、これに間違いないかどうかということと、それから、厚年で女子が男子より低い理由、将来どうする方向かということを厚生省に伺いたい。  それから大蔵省でございますが、あなたの方は何歳にするのか、延伸は官民格差是正のためか年金一本化のためか、伺いたい。それから、共済において女子と男子で区別しないで一律にしている理由、これをまず伺いたいと思います。
  63. 吉原健二

    ○吉原説明員 被用者年金の老齢年金の支給開始年齢でございますけれども、長期的には共済制度も含めまして六十五歳にすることが望ましいというふうに考えているわけでございます。ただ、同じ被用者年金と申しましても、厚生年金と共済制度では性格なり目的なりが若干違っている面がございますので、そういった面も考慮する必要があると思います。  それから、厚生年金の年齢の格差でございますか、男子と女子の場合に、男子六十歳、女子五十五歳という支給開始年齢の差があるわけでございますけれども、これも長期的には男女の差をなくしていく方向で考えていくべきではないか。懇談会の御意見もそういうことでございますので、そういう方向で検討を進めていきたいと思っております。(安田委員「現在違う理由」と呼ぶ)厚生年金ができましたのは昭和十七年であったわけでございますけれども、その当時におきましては、男女とも支給開始年齢が五十五歳であったわけでございますが、昭和二十九年に男子だけが五十五歳から六十歳に五歳引き上げられたという経緯があるわけでございます。そのときの男女の雇用の状況等が背景にあったのだと思いますけれども、そういった事情が現在の時点においてはどうかということを十分検討いたしました上で将来、長期的にそろえていくかどうか判断をいたしたいというふうに思っているわけでございます。
  64. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 共済の方で支給開始年齢の五歳の引き上げを図っておりますのは、今後の年金財政の問題を展望いたしますときに、このままでは大変大きな負担にもなってくる、あるいは最近の雇用の実態というもの等を踏まえまして、この引き上げを図っていきたい、かように考えたわけでございます。年金財政の面だけに着目いたしますと、支給開始年齢というものはうんと高い方がいいわけでございますけれども、現実に五十五歳で支給開始するという現在の制度を踏まえて、どこまで引き上げるべきかということで現実的な判断をいたしますと、これを一気に引き上げることは、組合員の将来の生活設計にも非常に大きな影響がございますので、私どもこの五歳の引き上げをまず定着させるべきであろう、かように考えたわけでございます。  それから、女子につきまして今回の改正案で同じく六十歳支給開始という原則を設けてございますが、従来から共済の場合五十五歳ということで、男女の差はございません。特に共済と申すのは、国家公務員制度の一環でもございまして、そこに年齢の差を設けることはいかがであろうかという問題、あるいは、保険数理に基づいて計算をいたしていきますと、支給開始年齢が低ければそれだけ掛金率も高くせざるを得ない、こういうふうな問題もございますので、男子女子を問わず支給開始年齢を六十歳にいたしたい、かように考えたわけでございます。
  65. 安田純治

    ○安田委員 時間がございませんので次に移りますが、六十歳への延伸が多くの組合員に大変な実害を及ぼすことにならないかどうかということで、各共済組合ごとの実態に即して述べていただきたいのです。国鉄、電電などもまぜていただきたいのですが、時間がございませんので、大変長い答弁になるといけませんから、これはこの次の質問に譲りますけれども、国鉄で退職勧奨が五十八歳にもかかわらず早くやめる人が多いように見えますが、この実態と、なぜそうなっていると理解しておられるのかということ。  それから、いまでも退職年齢と支給開始年齢にギャップがある。六十歳への延伸はそれをさらに拡大することになるのではないか、年金制度のたてまえに反することになるのではないか。やむを得ず早くやめている現業労働者危険有害業種、労働密度の高い特殊業務に携わる者にまで一律六十歳ということはどうもおかしいのではないかという点について、どう考えるかということを御答弁いただきたいということであります。  それから財源問題について、時間がございませんので一遍に質問をしてしまいますが、延伸の理由として年金財政が大変だからという点もあるようですが、どう大変であるのか、計数的に示していただきたい。  それから、国庫負担一五%を今回当分の間一%つけたということになりますが、これでは全く不十分である、もっと引き上げるべきではないか。公共企業体の負担分の再検討はどうなったかということをお答えいただきたい。  それから、労使折半方式の見直しについて、三対七に近い方式をとっている諸外国もあると思いますけれども、これは弊害が出ているのかどうかという点も伺いたいわけであります。  それから、年金財政の改革を抜きにそのしわ寄せを労働者国民に押しつけることは許されないと思うが、こういう考え方はどうかという点であります。  それから、高額所得者に対する年金の支給制限、先ほども質問ありましたけれども、給与所得で六百万円以上というのは収入ベースに直すと標準世帯で幾らになるかということでありまして、私どもの計算だとどうも高過ぎるように思うけれども、どういう基準で線を引いたか。  これだけ質問したいわけですが、あと五分という紙が回ってまいりましたので、これを全部答弁していただくと、答弁でえらく長くなってしまうと思うのです。ですから、とりあえず問題点の指摘ということで私どもきょう伺いたいことをいま述べたわけですが、その中で、退職年齢と支給開始年齢のギャップの問題、それから、業種によっていろいろ違うのではないか、一律六十歳ということについての考え方、それから、労使折半方式の見直しは必要ではないかという点などについてお答えをいただきたい。それからあと、高額所得者の支給制限の線ですね、六百万というのはどうも高過ぎるのではないかという点についてだけ、端的にお答えをいただきたいと思います。
  66. 山地進

    ○山地政府委員 国鉄職員につきましては、労使協約で四十九年に、それまでは五十五歳だった勧奨退職年齢を五十七歳に引き上げ、それから、来年の三月やめる方から五十八歳に引き上げたというのは御指摘のとおりでございまして、ほかの二公社につきましては、三十年代から五十七歳勧奨退職ができておりまして、ほとんど五十七歳、五十八歳ということで退職されているわけでございます。国鉄につきましては、四十九年にそういう制度といいますか勧奨退職が延びたものですから、従来から五十五歳でやめるという慣行が非常に定着というのでしょうか、慣行的にそういうふうになっておりまして、今後は私どもとしては逐次、経過措置を設けてありますので、年金の延伸に伴って、労使間でさらにこういう問題について、つまり開始年齢と雇用という問題について話し合われるものと期待しておるわけでございます。
  67. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 保険料の労使の折半方式、これを変えるべきではないかという点につきましては、これは保険システムをとっておりますたてまえから申しましても、やはり労使でまずこれを負担する、ただこれに対しましては、やはり制度に対する助成その他財政力等の問題から、別途公的な負担というものもかけております。現在共済の場合一五%とか厚生年金二〇%とか、それぞれの事由に応じまして公的な負担をいたしておるわけでございます。ただ、そういう負担を除いた一般的な保険料につきましては、これはもう社会保険全般を通ずる制度でございまして、私どもこの労使折半の方式というものをやはり今後とも続けるべきではなかろうか、かように考えております。  それから、高額所得者に対します支給制限の問題で、六百万というのは高いではないかというあれでございますが、私どものこの共済におきまして、他の所得が幾らであるからとかいうふうなことで制限をするというのは、社会保険の体系をとっておりますのに問題ではあるという、その制度本来の側面がございます。しかし、やはりこういう年金の財政、あるいは一般世論というもの等々を考えてまいりました場合に、何らかの制限をかけるのがこの際適当であろうということでこの六百万というものを用いたわけでございますが、これは大体年収におきまして九百万ぐらいに普通の場合見合うかと思います。これは特殊法人の役員の給料とか民間における役員の給料というふうなものを念頭に置いたものでございます。  それから将来の財源の問題でございますが、これにつきましてはいろいろ私ども検討は進めておりますけれども、前提となる条件というものをいろいろどう置くかというふうなことで大変むずかしい作業でございます。ただ当面の問題といたしまして、現行の制度というものを前提といたしまして、依然としてたとえば五十五のままで支給開始年齢を据え置くというふうなことをいたしますと、この十月に行います再計算ではかなりの負担の増を図らざるを得ない、こういう状態でございまして、支給開始年齢の引き上げはそういう負担の急激な増加というものを大体半分程度に抑えられるのではないか、かような試算はいたしてございます。
  68. 安田純治

    ○安田委員 時間が来ましたので、きょうは私どもの問題意識といいますか、問題点の指摘のみにとどめて、次回に細かい質問をしたいと思います。また、本日の答弁を納得したわけではございませんので、この問題についてはもっと細かくいろいろ質問したいと思いますが、きょうは時間でございますので、これで次回に残したいと思います。
  69. 加藤六月

    ○加藤委員長 永原稔君。
  70. 永原稔

    ○永原委員 国家公務員共済制度ですけれども、現職の間の賃金格差は、退職後の年金時代に入れば、これは生活保障という観点から相当縮められていかなければならないと思うのですけれども、いかがでしょうか。何か恩給時代には退職手当がなかった、ただ恩給法上はそういう退職手当的な考え方も含めた支給になっていたのではないかと思うのですけれども、それが共済制度になってもやはり引き続いて上厚下薄というような支給になっているのではないかという気がしてしようがないのです。というのは、国家公務員の場合には給料表が法定されている、そして一般職とそれぞれの職種によって給料表が違いますが、一般職の場合の昇給曲線それから労務職などの昇給曲線を見てみますと、大きな差があると思うのです。一応その勤続、勤務に対してあるいは職責の重さに対して俸給が決められていきますけれども、それに対する報償的なものは退職手当で償われる、あとの生活保障的な、社会保障的なものについてやはり年金で償うべきだと思います。余りにも格差が大きいのではないか、こういう気がしてしようがないのですけれども、是正する余地が残されているとお考えでしょうかどうでしょうか。
  71. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 いまのお話は、公務員給与全般あるいは生涯所得というもの全般に実はかかわる大きな問題でございます。特に御指摘がございました退職手当の問題等につきましては、確かに恩給時代と違った感じは私も受けますが、退職手当の方は実は私の所管でもございませんでこの席で何とも申し上げようがございませんが、いろいろ最近におきます状況から見ますと、公務員につきましても定年制を導入するという政府の方針が決まってございまして、現在それにつきまして人事院の方に御検討を依頼しておる、いずれその御検討の結果が政府の方に寄せられると思います。そういたしますと、給与の体系あるいは退職金のあり方の問題というふうな問題もあわせて検討されることになるのではないか、かように考えております。
  72. 永原稔

    ○永原委員 報償的な意味では退職手当で解決できるのですけれども、あとの生活保障的な意味の年金はそれでは解決できないのではないかという気がするのです。この問題をもう少し掘り下げていきたいのですけれども、きょうは別の問題を先に取り上げたいと思います。  一応長期給付、短期給付両方あります。長期給付においては上限で打ち切られている、しかし短期給付においても同じように打ち切られている。これは相互扶助的な観点からすると、高額な者がそれだけ負担を軽くしてもらって、実際に恩恵にあずかるのは同じように恩恵にあずかるわけですから、やはりいま言いました相互扶助的な観点からすれば上限を切るべきではないという気がするのです。国鉄の場合は理事さんになると一般職を退職して長期給付の対象にはならない、しかし短期給付の対象にはなる、その場合の保険料算定の基礎になる報酬は上限がないのじゃないかと思うのです。こういうような点について統一的に考えるべきではないかと思いますけれども、いかがでしょうか。
  73. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 国家公務員共済の場合と公企体共済の場合で仕組みが若干異なっておる面がございまして、ただいま御指摘がございました最高限度額の設定というのは、国家公務員共済にはございますが公企体共済にはない、これは年金の支給額にも影響はしてまいります。と同時に、逆に今度は、負担の面でも差が生じておるわけでございまして、これは従来から差がありまして、今後どういうふうに調整を図っていったらいいのか、検討項目の一つであろうかとは思っております。しかし、従来からの経緯等もありまして、それ以外の細かい制度の仕組みをひっくるめまして慎重な検討をしていかなければならない事項だと思っております。  ただ、いまお話がございました俸給に最高限度を設けておるのはむしろいかがか、こういう御指摘でございますが、国家公務員共済の場合には従来から長期、短期ともに同一法規をもとに算定してきております。確かに短期給付の面におきまして、長期の場合でもそうでございますが、負担の増を求めるという点では俸給制限がなくて高い方がプラスになるということはあろうかと思いますが、そういたしますと、保険システムをとってまいりますと年金の方に頭打ちをかけるというのもむずかしくなるわけでございまして、俸給に最高限度を設けておりますのは、支給の方でまたそこに頭打ちをかけるという面も作用しておるわけでございます。したがいまして一面だけとらえまして、片方には頭打ちをかけず片方だけは頭打ちをかけるとかいうふうなアンバランスなことになるのはどんなものであろうかという感じもいたします。この辺につきましては、今後とも慎重な検討を要する事項ではないか、かように考えております。
  74. 永原稔

    ○永原委員 ぜひ検討を進めていただきたい点であると思います。  先ほどからお話が出ていますけれども、七十歳未満の高額所得者、給与所得六百万以上の人に対して減額支給というような方法ですが、七十歳というのは一体どこから割り出された線でしょうか。それと給与に限定する意味。それから、これは申告制をとるのでしょうか。もしも申告がなされないでいたときに発見された場合、どういうように措置がされるのでしょうか。  それと、恩給の場合には六百六十万、これは給与所得ではないと思います。支給制限も、百三十二万を超える分について二割カットというような方法のようですけれども、そういう所得と比べて、六百万にし、百二十万を超えた分の二分の一を削減するというような考え方はどこから生まれてきたのか。数字から見ますと、ちょうど恩給の一割減というような数字がとられておるように見受けられますけれども、この相違の生まれたゆえんはどこにあるのでしょうか。
  75. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 高額所得者に対します支給制限を七十歳以上を外しました理由でございますが、そもそも基本的に共済年金といいますのは、社会保険と申しますか社会保障的な側面を大きく持っておるわけでございます。それに他の企業年金的なものとかあるいは公務員制度の一環とかいう性格も帯びておりますが、やはり基本的には共済年金というのは、社会保険というものを基本に置いておるわけでございます。したがいましてその面から見まして、七十歳以上の高齢者についてまで所得制限を行うということはやはりいかがなものであろうか、こういう観点から七十歳以上は外しておるわけでございます。現実に七十歳以上でそういう高額所得の方というのは余りいないかもしれません。その点からいけば別に七十歳で引かなくてもいいという見方もまたあるかもしれませんが、やはりそういう年金の社会保険としての性格に着目した点でございます。  それから、給与所得に限定いたしました理由は、共済年金はいろいろ性格を持ってございますけれども、やはり給与所得者であった者に対します所得保障の制度でございます。そういう点からいたしますと、給付の制限を行うという場合におきましても給与所得の金額というものを基準にするのが適当ではないか、かような観点でございます。同時に、給与所得以外の所得がこれだけあるからといってそこにまで制限を課していくということは、年金受給者に対します期待権と申しますか、ややそういうものの侵害にもつながるのではなかろうか、こういう考え方によるものでございます。  この前年の所得六百万円といいますのは、これはやはり申告によってやっていかざるを得ないと思いますけれども、その辺の取り扱いにつきましては、今後具体的にどういうふうにやっていくのか、これから検討をいたしまして政令で定めてまいりたいと考えております。まだ具体的に決まったわけではございません。
  76. 永原稔

    ○永原委員 何か七十歳以上という線が引かれておりますけれども、七十歳以上でも六百万というような高所得があれば、別にそれだけ体力、活動能力が低下しておるわけでもないし、金額だけを抑えればよかったのではないかなという気がするので、その点を伺ったわけです。  それと、時間がありませんので、本来保険財政が非常に悪くなっている、こういうようなことで、厚生年金にせよ、非常に窮迫してきている状態が訴えられておりますけれども、この国家公務員の共済組合も積立金三〇%は資金運用部に預けられていますね。そういう中で、資金運用部の金あるいは厚生年金の積立金の還元融資というような意味で政府が介入していますけれども、余りにも政府が介入した場合には低金利で運用していきますから、保険全体として見るともう少し有利に活用すべきではないだろうか。積立金をより有利に活用して給付内容を充実させ、また、保険料の引き上げをなるべく抑えるようにすべきではないかと思いますけれども、財投優先的に国がこれを使っておりますので、そういうところもこの保険財政を窮迫に陥らせる原因があるのではないか、そう思いますけれども、こういうものについてのお考えはどうでしょうか。
  77. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 厚生年金等の公的年金の積立金は、資金運用部資金法にも書いてございますけれども、確実かつ有利に運用しなければならないということでございます。と同時に、やはり国民のニーズに応じまして重点的にこれを配分するということによりまして、公共の利益の増進に寄与するような運用とすることが必要だろうと私は思います。こういうふうな各種の要請にこたえるため、類似の資金と合わせまして資金運用部資金におきまして統合管理するということにいたしているところでございまして、このような基本的な枠組みを崩すことは適当ではないのではないか、かように考えております。  なお年金資金につきましては、保険料拠出者の生活の向上、福祉の増進に直接寄与する分野に対します還元融資といたしまして少なくとも三分の一を配分するというふうに、保険料を出しました拠出者の福祉の増進等のためにも十分配慮いたしておるところでございますので、基本的にこの枠組みを崩すことは現在考えておりません。
  78. 永原稔

    ○永原委員 気持ちはわかるので、貴重な財源ですからよくわかるのですが、たとえば住宅建設の融資をするにしても、これは恩恵を受ける人は特定の人なんですね。やはり全体として給付内容を年金の額を維持し、また保険料を下げるという努力を国自体でやるべきじゃないかという気がするのです。国がこれを利用するとすれば、低利に回すということが原則になるでしょう。そういうような観点からあえて申し上げているのですが、いかがでしょうか。
  79. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 一面におきましてはそういう御指摘もあろうかと思いますが、先ほど申し上げましたとおり貴重な資金運用部資金でもございます。そうして、大きな公共的な利益のためにこれが使われておるというふうな観点から申しますと、いま直ちにこれを見直しをすると申し上げるわけにもなかなかまいりかねております。
  80. 永原稔

    ○永原委員 最後に、今度当分の間、一%国が負担をふやすようになっておりますけれども、一%というのはつかみでしょうか、数字的な根拠があるのでしょうか、それだけ伺って終わります。
  81. 禿河徹映

    ○禿河政府委員 大変むずかしい御質問でございますが、たとえば現在国庫負担いたしておりますのが、国家公務員共済組合に対しまして一五%、それから厚生年金で二〇%、その共済の中でも私学とか農林漁業共済等に対しまして一八%を原則とするというのがございます。そのこと自体もある意味で、見方によればつかみと言えないこともないわけでございまして、そういう観点から申しますと、今回の当面の措置といたします一%もつかみと言えるかもしれませんが、そういう諸般の情勢を考慮いたしまして一%という数字を出したわけでございます。
  82. 永原稔

    ○永原委員 終わります。
  83. 加藤六月

    ○加藤委員長 午後二時に再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五十五分休憩      ――――◇―――――     午後二時四分開議
  84. 加藤六月

    ○加藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。大島弘君。
  85. 大島弘

    ○大島委員 外為法の大改正につきまして、短い時間ですけれども御質問いたしますが、まず政務次官にお伺いしたいのですが、今度のようなこういう外為法という大改正はどうしてもせざるを得なかったという理由はどうでしょうか。
  86. 林義郎

    ○林(義)政府委員 現行の外国為替及び外国貿易管理法を改正する法律を今回御提案申し上げたわけでございますが、現在の外国貿易管理法の中にも再検討条項というのが入っておりまして、この法律及びこの法律に基づくところの命令は制限の必要がなくなれば逐次改廃をするものというふうな規定がございます。したがいまして為替管理というのは、本来自由な対外取引関係を必要最小限において規制をしていくというのがたてまえだろうと思いますので、そういった観点から、常に改正ということを考えていかなければならないのが私はいまの法律のたてまえだろうと思うのです。特に最近、いろいろの国際的な関係もございますし、昨年福田総理が発言をされましたようなこともございまして、今回の改正案を提出して御審議いただくことにしているような次第でございます。
  87. 大島弘

    ○大島委員 普通このような改正は二年ないし三年かかる、こう言われているのですが、この改正案は昨年八月から具体的に始めまして、また、外国為替・貿易法制懇談会でわずか六回だけ審議した、こう言われていますが、こういう簡単なところで果たして時間的に十分に間にあったのですか。
  88. 林義郎

    ○林(義)政府委員 先ほど申しましたように、この法律は常に改正を考えていかなければならない、法律の規定のみならず政省令につきましても、いろんな自由化を図っていくということでございます。そうした意味で、いま御指摘のありましたように懇談会におきまして審議が尽くされました。いろいろな点は私はあったと思いますが、やはり一歩前進であるし、少なくとも原則禁止のたてまえを原則自由というたてまえに変えたことにおきましては、大変な意義があったというふうに私は考えておりますし、また、私もいろいろな業界の方からお話を聞きましても、今回の改正については非常にいいことをやってくれた、こういうふうなことを聞いておりますので、私は大変意義のある改正ではないかというふうに考えております。
  89. 大島弘

    ○大島委員 いま申されましたように結局、東京サミットもありますし、急遽急いでつくられたと思うのです。  時間もございませんが、具体的なことは他の委員からお話があると思いますので、私は総括的に体系的に、主として一般論的にお伺いしたいと思うわけでございます。  この改正の趣旨いかんということでございますけれども、大きく分けて、金の流れと物の流れと二つがある、金の流れはいわゆる為替取引で、これには資本取引と経常取引があって、物の流れは貿易取引になっている、こういうことでございますが、為替取引のうちの経常取引、これはもうほぼ自由化された。それから資本取引というのは、有事規制を除いては原則的に自由化された。物の流れの貿易取引は、現状どおりある程度制限を加えていく。そうしてその方法論としまして、経常取引、資本取引ともに外為銀行を通じてその適法性を確認する、大体こういう大きな流れと思うのでございますが、これに間違いございませんですか。
  90. 林義郎

    ○林(義)政府委員 いろいろの細かな点は私はたくさんあると思います。ありますが、大体大ざっぱなところを申せば、いま先生の御指摘のとおりでございます。
  91. 大島弘

    ○大島委員 そうしますと、いまの体系に従って一般論的に質問させていただきたいと思います。  まず資本取引、これは先ほど言いましたように有事規制を除いて原則的に自由になった、こういうことでございますけれども、その有事規制とは何かといいますと、国際収支の均衡を害するような場合、あるいは短期的な貨幣価値の急激な変動をもたらす場合、三番目として金融市場、資本市場への悪影響があるような場合、いわゆるキャピタルマーケットに悪彫響があるような場合、この三つの柱がいわゆる有事規制、こう考えておられるようですが、私はこれにつきましてちょっとおかしいんじゃないかと思う点は、つまり一は、国際収支の均衡を破るような場合、これはストック面として破るような場合、二は、短期的な貨幣価値の急激な変動がある場合、これはフロー面としての場合、この一、二はいずれも国際通貨の侵害がある場合、こういうふうに解釈しておるわけですけれども、三の金融市場、資本市場への悪影響がある場合、いわゆるキャピタルマーケットに悪影響がある場合というのは、この一、二と少し次元が違うものじゃないかというふうな気がしているわけでございます。これは国際金融局の提出法案ですから、これはあくまでも国際金融的な物の見方をしないとおかしいんで、三のように包括的に金融市場、資本市場への悪影響となりますと、これはむしろ銀行局とかあるいは証券局とかあるいは日銀も絡むという、純国際金融的な規定の仕方じゃないと思うわけでございます。たとえばドイツ法におきましては、この三のような場合はドイツマルクの購買力の侵害というふうな、あくまでも国際通貨という観点から規定しているんですが、こういうふうな三番目のような包括的な規定とは少し次元が違う。果たしてこれでいいんでしょうか。
  92. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 御指摘のように有事規制が発動できる場合の要件といたしまして、国際収支の均衡、それから外国為替相場に急激な変動をもたらす場合と並びまして三番目に、「本邦と外国との間の大量の資金の移動により我が国の金融市場又は資本市場に悪影響を及ぼすことになる」場合という要件が定めてございます。これは端的に申しますと、国内の金融政策、たとえば国内で金融引き締めの政策を行っている場合に、これが外からの資金が大量に流入いたしましてその実効性が確保できなくなるというような事態を想定しているわけでございます。このことは確かに、国際収支の均衡確保あるいは外国為替相場の安定という見地とは若干視点は違いますけれども、法律が目的としておりますところの「通貨の安定を図るとともに我が国経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」というその法律の目的から言えば、こういう外からの資金の流入によって国内の金融市場なり資本市場なりが悪影響を受けるという場合も規制し得るというふうに私どもは考えておる次第でございます。  確かに御指摘のとおり、この法律は大蔵省の中では国際金融局が担当しておりますけれども、対外取引が国内経済に及ぼす影響というものは非常に広うございます。それぞれの影響が金融市場に出てくるかあるいは資本市場に出てくるか、あるいはまた国内産業にも影響を及ぼすということがあるわけでございまして、それぞれの具体的な判断に当たりましては当然、国際金融局だけで判断できるわけではございませんで、銀行局なり証券局なり、あるいはまた場合によりましては通産省その他の事業所管庁とも協議して、悪影響があるかどうかということを検討するということになっている次第でございます。  それから御指摘のとおり、確かにドイツ等におきましてもこのような観点からの規制が行われているのは御指摘のとおりでございます。
  93. 大島弘

    ○大島委員 確かに最近の国際収支の巨額な黒字累積、最近は大分減っているようでございますけれども、あるいは最近のような急激な円高というような、一、二の場合はある程度やむを得ないと思いますが、三のように包括的な非常に大きな規定があると、すべての場合が三に当たってしまうのじゃないですか。結局自由化ということが骨抜きになってしまうんじゃないかと思うのですが、その点いかがですか。
  94. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 国内の金融市場なり資本市場に悪影響を及ぼす、こういう規定の仕方自体は、確かに一般的な規定になっておりますけれども、この発動する場合の要件というものが法律に決めてございます。今度のただいま御審議いただいております改正法の二十一条の二項におきまして、何らかの制限なしに資本取引を行った場合に、先ほどのような国内の金融市場あるいは資本市場に悪影響を及ぼすという事態が生じて、この法律の目的を達成することが困難になると認められるときに限って、こういう一種の有事規制というものを発動できるというふうに、法律でもってこの発動の要件を厳しく規定しておりますし、また同時に、第一条におきましても、対外取引の規制というものは必要最少限度に行うという趣旨の規定が新しく設けられております。そういう点で、規制の発動というものは相当に法律上制約されているというのが第一点でございます。  次に第二点といたしまして、実際に有事の場合の規制を発動いたしますことにつきまして、私どもはこの法律におきまして外国為替等審議会を設けることとしております。これは現在ございます外資審議会もこれの中に含まれる仕組みになっておりますけれども、この外国為替等審議会におきまして、有事規制の運用の基本的な方針というようなことにつきまして十分御審議いただいて、そういう審議の内容に沿って有事規制の発動をやらしていただきたい、こういうふうに考えております。有事規制の発動自体は非常に迅速に行う必要がございますので、これは行政府の判断に任せていただいているわけでございますけれども、それを発動しました結果につきましてはまた外国為替等審議会に報告いたしまして、その御意見を伺うという仕組みにしておりますので、決してこの有事規制の発動というものが乱に流れるということはないというふうに考えております。
  95. 大島弘

    ○大島委員 それはすこぶるおかしいと思うので、たとえば今度の専売の改正にしましても、法定制の緩和の場合には専売審議会の意見を聞いて決めるというならば、本件だって外国為替等審議会ですか、それに諮って決めるべきが順序じゃないでしょうか。事後報告的な審議会ならこれは意味がないので、現状のままだったら行政府の判断で自由にできるということになるので、そういう場合にこそむしろ審議会、もちろんそれはメンバーにも関係がございますが、審議会に事前にかけるということが筋じゃないんでしょうか。
  96. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 対外取引につきまして有事に規制を発動する場合、これは迅速に発動する必要があるわけでございます。たとえば為替相場が非常に変動してきたという場合に、事前に外国為替等審議会を開催してそこで審議をするということになりますと、そのこと自体のニュースで外国為替市場がかえって混乱するというようなことになりまして、事前に審議会を開いてやるということは私ども適当ではないのではないかというふうに考えております。外国におきましても、たとえばドイツにおきましても有事規制の発動につきましては、そのような事前に何かやるということではなくて、行政府の判断で迅速にできるような仕組みになっているわけでございます。ただいまお答えしましたように、そのかわり私どもとしては審議会におきまして、有事規制の発動の基本的な方針というふうなことについて事前に十分御審議をいただいていくということ、またそれと同時に、事後にもその内容を報告して御意見を伺う、そういう過程を通じまして、有事規制の発動が適正に行われるようにしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
  97. 大島弘

    ○大島委員 私は要するに、自由化、自由化と言っても結局、仏つくって魂入れずといいますか、有事規制の第三番目の規制があるからこれほど執拗に言うのでして、そういうふうにして行政府の一存で決めてしまうということは結局、さっき言いましたように仏つくって魂入れず、自由化といえども本当の自由化ではないということになるのじゃなかろうかと私は思うわけであります。  それから、審議会を開くと言ったって、そんな三日も四日も開くのではなくて、開こうと思えば半日もあれば開けるので、なぜ事前にかけないのですか、もう一遍ひとつ……。
  98. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 審議会を開催する場合に当然、たとえば為替市場に非常に大きな混乱があって外国為替相場が動いている、世間ではいつ政府が規制するかというようなうわさが流れているような時期に実際問題としては、有事規制の発動が行われるということになると思うわけでございます。そういうふうな市場が政府が規制をするかどうかというふうな非常に不安な状態の中においてこの審議会を開催する。そうすると、審議会を開催すると申しましても、委員の方にお集まりいただくためにはやはり相当前広に御連絡申し上げなければなりません。そういたしますと、必ずこれは外に漏れるわけでございます。事前にこういうことが外に漏れますと、為替市場にとってはこれがまた一つの激化要因になるという問題があるわけでございまして、私どもとしてはそういうふうなことを考えまして、事前に審議会を開いてそこで審議するということは適当ではないのではないかというふうに考えております。
  99. 大島弘

    ○大島委員 この問題は、事務当局よりもむしろ大臣に聞いた方がいいと思うので、後から大臣に伺いたいと思います。  続いて、銀行局長来てもらっていますから、あなたに一点だけ伺いたいと思います。  この為替自由化に関してどういう問題が起こるかというと、御存じのとおり日本では金利の自由化が非常におくれている。それから、金融や資本市場が外国に比べて非常に未発達である。それからさらに、現先取引を除いて企業などいわゆる非金融機関の市場参加が認められていない、こういういろいろの垣根がある。証券と銀行の垣根、あるいは銀行の中でも都銀、地銀、相銀、信金の垣根とか、そういういろいろの垣根がある。こういう現状ですから、日銀が公開市場操作、オープン・マーケット・オペレーションができないで、現実の問題としていわゆる説得の窓口規制というのをやっているのは御存じのとおりだと思うのです。こういうふうな状況のもとに外資がどんどん入ってくるというようなことになりますと、日銀の金融調整機能というのは果たしてうまくいくのでしょうか、私はその辺非常に心配するものです。といいますのは、日本の金融市場、資本市場が非常に未発達であるというときにこういうふうに外資が自由化するということに対して、日銀のいわゆる金融調整機能というのがどういうふうになるのか、これをひとつお伺いしたいと思うのです。
  100. 徳田博美

    ○徳田政府委員 先生御指摘のとおり現在、日本の金融市場におきましては外国に比べて未発達の面が多いわけでございます。特に資本市場、長期資本市場、短期資本市場それぞれ諸外国に比べていろいろな問題点があるわけでございますが、短期資本市場の中でもコール市場、手形市場、あるいは先生御指摘のような現先市場等に分かれておりまして、いままでそういう金融政策の効果という点でいろいろな問題があった場合が少なくなかったわけでございます。これで外為法の改正が行われますと、資本移動が従来に比べて活発化するわけでございますから、したがって、従来のそのような市場のほかに短期資本あるいは長期資本の外資が流入するということは、金融政策の面から言うといままで以上にいろいろなむずかしさが増してくる面は否定できないわけでございます。これに対しましては、やはりこれに即応したような形で日本の金融市場を整備していくことが必要でございますし、また、金利の自由化、弾力化についてもいままで以上にこれを促進していくことが必要ではないか、このように考えておるわけでございます。  この点につきましては実は先般来、いろいろな施策が講ぜられておりまして、御承知のようにコール、手形市場の金利の自由化、弾力化が進められておりますし、それから最近、金利の全く自由な譲渡性預金ができたわけでございまして、こういう面を通じて資本市場の整備あるいは金利の弾力化が進むことによりまして、このような外資に対する対策が行われていくことをわれわれは期待しているわけでございます。  ただ、将来そのように金融市場が整備されあるいは金利の自由化、弾力化が進んだといたしましても、先ほど国際金融局長が申し上げましたように、たとえば金融引き締め期において日本の金利水準が非常に高騰するというような状態になりますと、外国からの資本の流入は当然予想されるわけでございまして、その場合のそのような流入が日本の金融政策あるいは経済政策に阻害要因となることは明らかでございます。したがってそのような場合にはやはり外為の、先ほど国際金融局長が申し上げましたような為替政策面での資本取引の規制等適切な措置によって対処をしていくことが必要だと考えておりますし、これはすでにかなり金利の自由化、弾力化が進んでいる諸外国においてもそのような方策がとられている、このように聞いております。
  101. 大島弘

    ○大島委員 政務次官、この原局は国際金融局ですが、こういう大きな問題につきまして、省議ですからもちろん、銀行局や証券局と打ち合わせは十分されていると思うのですが、日銀あたりとはこういういまのようなことに関しまして十分な接触を持っているのですか。
  102. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 今回の外国為替及び外国貿易管理法の改正に当たりましては、これは日本銀行も外国為替の管理の仕事を一つ担っております。それと同時に、先生御指摘のように内外の金融調整の問題というのが外為法の対象になってきているわけでございますので、従来から外為法の改正なり運用につきましては、日本銀行と密接な連絡をとり協議を行ってきているわけでございます。     〔委員長退席、稲村(利)委員長代理着席〕 今回の法改正に当たりましても、御承知のように外国為替・貿易法制懇談会を設けまして、そこでいろいろ御審議いただいたわけでございますが、その委員の方の中にも日本銀行の副総裁である前川氏を委員に任命いたしまして、いろいろ御意見をいただいている、こういう状況でございます。
  103. 大島弘

    ○大島委員 銀行局長、私の質問に関する限りは退席してもらって結構です。  続いて質問ですが、通産省いらっしゃっておりましたらお答え願いたいのですが、この前のような自動車、カメラというような集中豪雨的な輸出によって結局、円高を招いたというようなことですが、これは今度の改正にありませんから依然、四十八条でそういう場合には規制する、こういうことなんでしょうけれども、それはいわゆる貿易の規制なんですけれども、本改正法によっていまの三項目の有事規制がありますと、一体どちらが優先するのでしょうか。現行の四十八条、輸出の承認という場合とこの改正による有事規制とどちらが先行するのか、あるいは重複になるのじゃなかろうかという気がするのですが、通産省どう考えられますか。
  104. 水野上晃章

    ○水野上政府委員 通産省といたしましては、特定の地域に特定な商品が集中的に輸出されるということは、相手国に対しましても大変な摩擦を起こしてまいりますので、できるだけそういうことがないよう指導してまいっておりますし、また、現実的にも輸出貿易管理令等に指定をいたしまして、そういうものを規制してまいったわけでございます。この点につきましては、今後も同様なことができる仕組みになっておりますし、また現在、昨年来輸出動向監視委員会というものをつくりまして、この輸出がそういう集中豪雨的な形で特定の地域に伸びることのないよう監視し指導してまいっておるところでございます。  それで、先生御指摘の有事規制との問題でございますけれども、現在の御提案申し上げております法律での有事規制は、資本取引に関しましての有事規制の形になっておりまして、貿易に関しましては、国際収支の均衡あるいは国民経済、外国貿易の健全な発達のために規制ができるということで行っておるものでございます。
  105. 大島弘

    ○大島委員 金の取引を伴わない貿易というのはまず考えられないので、したがって、有事規制の立法があれば、現行の四十八条ですか、輸出承認は要らないじゃないかという考えなんですが、どうですか。
  106. 林義郎

    ○林(義)政府委員 物と為替との一体性という原則があるのです。為替管理をいまやっておりますが、今度の改正法の中でも、現行の体制でありますところの物と為替との一体性原則というのは、これは一つのことをするのに為替の許可をとる、物の許可をとる、そんな二度手間の許可をとるのは非常に困るということがありますから、これは一体的な許可でやるべきだろうと私は思うのです。現行法でもそうでございますし、新法におきましてもそういう考え方は踏襲されるんだろうと私は思うのです。  そこで、いまお話がありましたカメラであるとかなんとかという話、これは集中豪雨的なものの場合においての規制ということがありますし、それから、資本市場にどのくらい影響を及ぼすかというのはむしろ、外国に対する資本市場の影響なのかもしれませんが、リーズ・アンド・ラグズというようなことが起こります。そういったような場合は、現行で言いますと標準決済方法によるところの規制、そういったものでこれに対処していくという形になるんだろうと私は思うのです。むしろ輸入の場合に輸入代金の前払いというような形がありまして、一遍で二億ドルも三億ドルもばあっと入ってくるというような形がありますと、これはやはりそういった形の標準外決済とかなんとかという形の規制というものが出てくるんだろう、私はこういうふうに考えております。お答えになったかどうかよくわかりませんが、一体に管理して、しかも資本市場及び金融市場に対する影響というものは、そこで一体的なものとして管理をしていけばいいんじゃないか、私はこういうふうに考えております。
  107. 大島弘

    ○大島委員 政務次官は通産省におられて、通産のベテランだからあれでございましょうけれども、まだ依然として疑問は残るわけでございます。この点は何とかそのうちに解明していただけるだろうと思っておるわけです。  続きまして直接投資、ダイレクトインベストメントにつきましてお伺いしたいのですが、対外直接投資、これはわが国産業に悪影響を及ぼす場合には制限できる、こうあるのですが、具体的にどんな場合が想定されますか。
  108. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 対外直接投資につきまして、現在ほとんどの取引につきましてこれは届け出だけでできる、こういうことになっております。ただ一部の取引につきましては許可がいるということになっております。今度の新しい改正法のもとでは、対外直接投資はすべて届出制ということにいたしますけれども、そのうちで、一定の事項に該当する場合にはこれを規制することができるという仕組みをとらしていただいております。  その規制理由の一つといたしまして御指摘のように、わが国の経済の円滑な運営に悪影響を及ぼすような場合にということがあるわけでございますが……(大島委員「具体的に言ってください」と呼ぶ)具体的な例といたしましては、わが国の企業が対外投資をいたしまして海外で物を生産する、海外で生産された物がまたわが国に大量に流入してきましてわが国の産業に悪影響を与えるという、いわゆるブーメラン効果が出てくるような場合、そういうふうな場合を想定しているわけでございまして、たとえば業種で申し上げますと、繊維製品の製造加工業、それから皮革とか皮革製品の製造業、そういうふうな事業につきましては、直接投資の場合にこれに対して変更ないし中止の勧告ができるようにいたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
  109. 大島弘

    ○大島委員 時間がないので、なるべく簡単に答弁してください。  要するに、日本の企業が韓国へ行って繊維工場をつくって、それを日本へ逆輸入するような場合は、日本の弱小繊維業者が困るからということだろうと思うのです、一つの例としまして。そうしたら、ドイツの企業が韓国へ行って日本に逆輸入したらどうなりますか。
  110. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 御指摘のようなことは確かにあると思います。ただ現実の問題といたしまして、日本の企業が海外で投資をいたしましてその製品が入ってきます場合には、日本の市場の様子、そういうふうなことをドイツの企業よりもはるかによく知悉しているというようなこともあります。それから、物によりましては日本の技術の方がドイツの技術よりも優秀であるというような場合もございまして、そういうような場合には、日本の企業が海外に進出していった場合の方がドイツの企業が出ていった場合よりもなおわが国の国内の産業に与える影響が大きいという問題がございまして、現在までのところ規制をしてきているような次第でございます。
  111. 大島弘

    ○大島委員 これを見ても、いま私が質問しましたような理由からして妙な規定だとは思うのです。思うのですけれども、時間がありませんので、続きまして、経常取引の中の交互計算の質問に入りたいと思います。  交互計算につきまして、貸借記の範囲をどの程度に考えているのですか、あるいは、その期間は何カ月ですか。
  112. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 交互計算で貸借記できる項目というものは、現在も一定の取引に限定をしてきております。御承知のように交互計算につきましては、今後とも許可制のもとに置きますけれども、その貸借記できる項目につきましては、私どももなるべくこれを現在のものより広げていきたい、こういうふうに考えております。  具体的に現在のところ、どういうものが主要な貸借記項目になっているかと申しますと、代理店とか仲介の手数料、それから分与口銭、それから立てかえ金利等、これらの項目のものが約九割を占めている、こういう状況でございます。ただ問題は、貿易代金の貸借記を今後どの程度認めていくかということが政省令を規定する段階で検討するということになっております。
  113. 大島弘

    ○大島委員 それでは最後に、法務省に数点お伺いしまして、一番最後に大臣に一点だけお伺いしたいと思います。  法務省の刑事課長来られていますが、今回の日商岩井事件で、この交互計算というのはどういうふうに使われておったのですか。
  114. 根來泰周

    ○根來説明員 これはすでに公になっているのですが、日商岩井の副社長が海外に預金しておった金員を引き出して、そして、日商岩井とそれから米国日商岩井との交互計算にかけて相殺勘定した、こういうことでございます。
  115. 大島弘

    ○大島委員 金額はどのくらいかわかりますか。
  116. 根來泰周

    ○根來説明員 三十万ドルでございます。
  117. 大島弘

    ○大島委員 そうすると法務省としましては、今後これによって相当不正な金の送金が交互計算を利用してされるのじゃなかろうかという危惧の念は持たれませんか。
  118. 根來泰周

    ○根來説明員 法案の改正につきましてはいろいろ御相談も受けておりますけれども、国の政策の変更ということでわれわれもそれはよく了承しております。犯罪の摘発という面につきましては、またほかの面でいろいろ手段を考えるわけでございます。その辺は御安心いただければ幸いだと思います。
  119. 大島弘

    ○大島委員 いままで外為の規制がありましたので、検察当局も外為をずいぶん利用されたことはもう御存じのとおりでございます。ロッキードにしましてもあるいはグラマン、ダグラスにしましても大体事の初めは外為法だ。そうして贈収賄で犯罪の立証がつかめなくとも、最小限度外為法で起訴できたのがいままでの現状であるわけです。ところが、今回の改正によって検察の手がかりといいますか、俗な言葉で言うとおとり調査的な基盤も失われた、あるいは、もし本来の贈収賄が立証できなければ、外為法違反というのがないわけですから釈放しなければならない、こういうようなことで、非常に検察官自体が困惑しているのじゃなかろうかという感じがするのですが、その点はいかがですか。
  120. 根來泰周

    ○根來説明員 まず初めにお断りをしなければならないわけでございますが、表面的には外為法というのが一つの手段的に使われているという御指摘でございますけれども、実際はやはりその時点では、実質的に外為法違反は罰則でもって臨むべき事案だというふうに解釈して検察庁も捜査権を発動しておるわけでございます。その辺誤解のないようにお断りするわけでございます。  それでは手段的な面ではどうかとおっしゃる御質問につきましては、やはりそれは今後の政省令を見せていただかなければはっきり申し上げかねるわけでございますけれども、多少窮屈になるということは否めないと思いますが、先ほど申し上げましたように、捜査というのはいろいろ工夫してやるものでございますので、その辺はまたいろいろ隘路がありましたら検討してほかの方法を見つけるということに相なろうかと思います。
  121. 大島弘

    ○大島委員 ひとつ一案を提示しますが、外為法が自由化されたことによって、刑の公訴時効を延長する考えはありませんか、現在の特に贈収賄三年につきましては。
  122. 根來泰周

    ○根來説明員 御提案非常に傾聴すべき御提案だと思いますけれども、私どもの伝統的な考えというのは、公訴時効だけを延ばすというのはいかにも理屈がむずかしいという考え方でございまして、むしろもとになっております刑の引き上げをやって、そして、刑の引き上げに伴って時効を延ばしていくという考え方がよかろうということで、現在法務委員会で御審議いただいている贈収賄の刑の引き上げ、これはたとえば三年を五年にする、こういう刑の引き上げをお願いしておるわけでございますが、そういう結果、いままで三年の公訴時効であったものが五年になる、こういうふうなことが一番座りがよかろうということで現在お願いしておるわけでございます。
  123. 大島弘

    ○大島委員 そうしたらそれに関連しまして、今度税の時効をあわせて聞きたいのですが、これは法務省と大臣、ひとつ感触をお聞かせ願いたいと思います。  私、過日の大蔵委員会において、普通正常の単純の場合は三年、詐偽、不正の場合は五年という現在の時効は非常に短いのじゃないかということをここで申し上げましたところ、主税局の方では何かわけのわかったような答弁をしておりました。しかしこれとも関連しまして、確かに一般の場合を五年に延ばすのは事務量の関係がありますから私は無理だと思うのですけれども、詐偽、不正その他悪質の場合は現在の五年というのは非常に短過ぎる。たとえば松野議員が仮に五億円取ったいうことはあれですけれども、これをもし延ばせれば四億円は税金で入るわけです。その証拠にアメリカは三年ですけれども、詐偽、不正の場合は無期限である。イギリスもしかり、カナダもしかり。それから西ドイツ、フランスは悪質な場合は十年、こういう規定になっているわけです。なぜ日本の場合は五年というような短いものに区切っているのですか。  私は繰り返して言いますけれども、一般の場合の三年を五年に延ばせというのではないのです。これは事務量の関係がありますから大変だと思います。しかし、詐偽、不正のある場合の五年というのは余りにも短過ぎると私は申し上げている。この点、法務省とそれから大臣の御感触をお伺いしたいと思います。
  124. 根來泰周

    ○根來説明員 御承知のように所得税法、法人税法の逋脱犯というのは懲役三年ということになっております。そういうことから時効が三年ということになっておるわけでございますが、その辺の裁判の実情等を検討しなければ容易に結論が出ない。要するに、裁判で多少頭打ち現象になった場合に法定刑の引き上げということも考えなければならないというふうな見解もございますので、それは将来の検討事項だというふうに私どもは考えております。
  125. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 いまの三年、五年の時効を詐偽、不正の場合はもっと延ばしたらどうか、これは一つの御提案だろうと思います。ただ、現在の法律が三年、五年にしたのは、とにかく大変な事務量でございますから、なるべく早く経済取引の安定を図ってやろうということで三年、五年が決まったと思いますけれども、当面の課題として一つの問題であることは私もよくわかります。ただ、ほかの刑との時効のバランスがありますから、全体としてあわせ検討させていただきます。
  126. 大島弘

    ○大島委員 そうしますと大臣は、脱税の時効については検討を約する、こう言われましたが、法務省はどうですか。
  127. 根來泰周

    ○根來説明員 ただいま大臣の仰せのような見解に異論はございません。検討させていただきます。
  128. 大島弘

    ○大島委員 これは原局は主税局あるいは法務省でしょうけれども、何もかも外国のまねをすることが好きな主税局ですから、脱税の時効も外国のまねをしてもらいたい、このことを強くお願いしたい。  それから、先ほど伺ったのですが、最後に大臣にお伺いしたいのだが、有事規制というのが非常に乱用されるおそれがある。これはしかも行政府の認定に任せる。とするならば、為替の自由化というのは結局、自由化にならないのではないか。したがって、乱用をチェックするという場合には、何か審議会というようなものに諮ってから決めたらどうだろうか、あるいはその他の何かチェックする一いわゆる乱用をされるということは今後は非常に困るわけですから、その点、大臣何か名案はございますか。
  129. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 有事規制は一定の法律的条件に該当する場合に発動できるのですから、これは文字どおり有事規制でございまして、事があった場合に審議会の招集をかけて人がいなかったなどということになっても現実問題として困りますし、やはり責任政府に持たしていただいて、結果の報告を外国為替等審議会に報告をして、果たして妥当であったかどうかのチェックを受けるといういまの考え方でいいんじゃないかと実は私は思ったのでございますが、現実の運用に当たって、事があった場合には猶予できない場合もあろうと思いますので、それはひとつ政府を御信頼いただくようにぜひ御了承いただきたいと存じます。
  130. 大島弘

    ○大島委員 最後ですけれども、政府を信頼いたさないわけではないのですが、余りにも有事規制の第三項が広過ぎるということで、キャピタルマーケットに悪影響を及ぼす場合ということになると、場合によってはすべてのものがこれに引っかかってくるということが考えられますので、この点はまた他の委員からも質問があろうかと思いますので、ひとつ十分検討していただきたいと思います。
  131. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 発動に当たりましては十分慎重に、しかも果断にやらせていただきたいと思います。
  132. 大島弘

    ○大島委員 終わります。
  133. 稲村利幸

    ○稲村(利)委員長代理 沢田広君。
  134. 沢田広

    ○沢田委員 法務省がおられる間にいまの問題で若干追加をして質問をしておきたいと思うのですが、今度の外為法その他の改正によって、地域が非常に世界じゅうにわたって、資本もそうでありますし、為替もあるいは口座もそうでありますし、非常に範囲が拡大をすると思うのです。いま大島議員が言われたのは詐偽とかということに限られたようでありますが、私は捜査権の範囲の拡大に伴って当然、時効の限度が延ばさざるを得ないということが一つ問題があります。  それからもう一つは、これは法務省か大蔵省かわかりませんが、現在の書類の保存期間というものとこの時効の整合性はどこでチェックをされているのか、その点もひとつあわせてお答えをいただきたいと思います。
  135. 根來泰周

    ○根來説明員 先ほどもお答えしたわけでございますが、時効の問題というのは一つの制度の整合性といいますか、いろいろ日本のそういう法律制度、あるいは日本の法律制度の母体になっております大陸法系の法律制度あるいはその後導入されましたアメリカ法系の考え方、そういうものが一つの根本になって考えられておりますので、いま直ちに改正あるいは直すということは非常に困難かと思いますけれども、先生のお話も十分意味のあることだと思いますので、私たちは仕事の上で十分検討するべき問題だ、こういうふうに考えております。  文書の関係は、私どもちょっと所管でございませんので、お答えの限りではございません。
  136. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 文書の方の保存期間の規定でございますが、通常の保存期間といいますのは、この時効に合わせまして三年ということにしてございます。たとえば交互計算を行います場合に、その証憑書類を保存するようなことにしてありますが、その保存期間は三年ということになっております。ただ、そのほかの統計目的の資料につきましては、必ずしもその時効期間と合わせてないというのもございます。
  137. 沢田広

    ○沢田委員 いま二つの質問で、私はいわゆる捜査権の拡大によって、そう法務省にも予算がなさそうだし、アメリカに行くにも大変な騒ぎをやっておるのですから、それが世界じゅうに今度は自由化されてあっちこっち調べて歩くということになったら、これは大変な期間を要するのだと思うのですね。ですから、そういう意味においても、自動的にこれは延長せざるを得なくなってくる。いままでの国内的なものだけではなくなってくる、こういうことだと思うのであえて申し上げたわけです。  それで、五年に時効があるのに三年で消滅というのは、これはどういうことでそういう決めをしておられるわけですか。
  138. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 外為法の時効は三年ということになっております。
  139. 沢田広

    ○沢田委員 私が言ったのはそればかりじゃなく、すべての書類について、公文書関係についてのいわゆる時効との関連性というものをどこでチェックをしているのか。たとえば建築基準法で言えば三年で消滅、あるいは税金で言えば五年で消滅、こういうことにそれぞれなっておりますね。そういうような関係の、いわゆる罰則との関係においての、あるいは時効との関係における書類の保存期間の整合性というものはどこでチェックをしているのかということ。それで、結果的には書類がなかったということも起こり得たわけでありますから、その辺の整合性をいまただしておきたい、こういうふうに思います。
  140. 根來泰周

    ○根來説明員 大体法律案の制定あるいは改正というときには、罰則を伴うものにつきましては私どもの方に御相談がございます。私どもの方で事務的にいろいろ検討いたしまして、いわゆる書類に関する犯罪ということになりましたら、その書類の保存期間等を検討しまして、そういうことについて支障のないようにいたして、その関係の省庁にお返事いたしております。
  141. 沢田広

    ○沢田委員 では、それはそのままでいいのですが、二つ確認しますと、一つは、時効の延長については包括的な意味も含めて、捜査権の拡大はこれは私が言っているわけですが、捜査権の拡大ばかりでなくその他の性格を含めて、時効の延長については現在検討中である、こういうふうにまず一つ理解していいかどうか。  それからもう一つは、文書の問題については、時効との関連性において文書の保存期間というものをそれぞれ整合性を確立する、整合していないものもあれば整合性を確立する、そういう方向で進める、こういうふうに解釈してよろしゅうございますか。
  142. 根來泰周

    ○根來説明員 最初の問題につきましては、公訴時効を延長するということはなかなかむずかしい問題でございますので、先ほども答弁いたしましたが、いわゆる刑の重さを重くすることによって公訴時効を長くするということを検討しておりまして、たとえば贈収賄罪につきまして現在三年のものを五年にする、そうしますと、刑事訴訟法の規定によりまして刑の時効が三年から五年になる、こういうふうに相なるわけでございますので、そういう観点で検討し国会にもお願いをしておる、こういうことでございます。  それから第二番目の点については、従来からそういう書類の問題とそれから罰則の問題あるいは公訴時効の問題等について、検討といいますか一々研究はしておるつもりでございますけれども、なお遺漏のないように洗い直しをしてみたい、こういうふうに思っております。
  143. 沢田広

    ○沢田委員 では、最後に一つだけ、大変恐縮でありますが、これは大蔵省に聞きたいのですが、たとえば今度の松野さんがフランスにいるある女性の人に何億円か出した、そうした場合には、これは現在フランスに居住をしているとすれば、これは外為法違反にはならないということになるのですか、違反になるということになるのですか。
  144. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 外国へ向けて送金する場合でございますが、それは外国為替管理法の取り扱いの上におきましてはそれぞれの送金の目的が決まっております。送金の目的によって、あるものにつきましては外国為替公認銀行の限りでもって送金ができるということになっておりますし、ある種のものにつきましては日本銀行許可が要るということになっております。ですから、その送金の目的が何かということによるわけでございますけれども、通常の経常的な支払いにつきましては、現在のところ自由化が進んでおりますので、まず制限なく為替銀行限りで送金できるということになっております。ただ資本取引的な送金につきましては若干の規制が残っている、こういう状況でございます。
  145. 沢田広

    ○沢田委員 地下鉄の場合もアメリカの銀行を通じて日本の韓国銀行に入ってきた。ロッキードの場合も同じようにアメリカを伝わって日本に還流をする。そういうコースがなかなか発見できないで日本ではいわゆる全然消滅の状況であった。ところがアメリカの証券委員会から出てきた。これはほかの国だったら出てこないのでしょう。いまのところ出てこないところを見ると、あっても出てこないわけでしょう。だとすれば、これは法務省の方に間違いがあるのか外為法に間違いがあるのか、どっかに欠陥があるということだと思うのですが、その欠陥はどこにあって、どう直したらいいと思っておられるのですか。あるいはそういうことは許されるということの法律改正ですか。どちらです。
  146. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 今回の外国為替管理法の改正の趣旨ということになるかもしれませんが、私どもは現在の日本が置かれているこういう国際情勢、特にその中で日本経済力が非常に強くなってきているということで、そういう背景のもとに日本としての為替管理の必要性という観点から取引の自由化を進めてきている、こういう状況でございます。  それで、外国からたとえば御指摘のようにお金が入ってくるというようなことにつきましては、これは従来から日本の仕組みといたしましては、その原因の行為について特に許可が要らない限りは、為替管理法ができました当初から受け取る方につきましての規制は非常に緩やかになっている。支払いの方は、外貨が少なかったということもございまして比較的きつい規制があったわけでございますが、その後のわが国の経済力の向上に応じまして自由化をしてきている、こういう状況でございます。
  147. 沢田広

    ○沢田委員 いや、そういうことは後でやるのですが、こういう法律改正によって自由化をすることは結構だけれども、いままで起きてきたような事件が防止されるような措置というものをある意味において講ずることが法体系として必要なのではないか。それはどういう点で防止できる措置を講じたのか。あるいは、いままでの教訓は教訓としても、それは見捨てていって今後も起こり得ます一これはアメリカの証券委員会だから出てきたけれども、フランスイタリアイギリス、南アフリカなんかでは出てこないかもしれない。そういう条件の中で法律を整備することは、やはり不自然であるし怠慢じゃなかろうか。そういうふうな意味で、法務省も相談を受けたのならば、法務省はその場合にどういう見解を述べてこちらの法改正に臨んだのですか。
  148. 根來泰周

    ○根來説明員 これはもう釈迦に説法のような話でまことに恐縮でございますけれども、外為法について私ども門外漢でございますが、外為法というのはそういう犯罪の金の出入りを阻止するためとかチェックするために設けられたわけではないというふうに私どもは理解しておるわけでございます。それで、たまたまああいう金が日本に流れ込んだというようなことで、そういう場合に外為法の違反にもなるということで検挙したわけでございますので、そういう外為法違反ということが将来だめになるということも私どもは十分承知しておるわけでございますが、ただいま先生から御指摘のあったいわゆる多国籍企業との絡みの犯罪といいますかいわゆる国際犯罪といいますか、そういうもののチェックにつきましては、私ども知恵の足らないところがございますけれども、今後いろいろ各方面の御意見を伺い、あるいは国際的なそういうものの防止という観点でいろいろ国際会議も持たれておりますので、そういう点でいろいろ防止策を考えていきたいと思っておるわけでございます。
  149. 沢田広

    ○沢田委員 これだけに時間がかかり過ぎてしまったのですが、第九章の「罰則」にそれぞれの条項に関する罰則があるわけですよ。それで、いまあなたがおっしゃっているような条項の罰則をこの中に入れたらどうなんですか。たとえば外為法の法律の目的以外のためにその支払手段に利用したり、あるいは虚偽の申し出によって行った場合にはそれぞれこうという項目を入れれば、まあ私の言っている部分も、法制化するときには別として、いまの段階ではどういうふうになるかわかりませんけれども、そういう措置をこの罰則の中に入れることは不可能でないでしょう。
  150. 根來泰周

    ○根來説明員 お言葉を返すようで非常に恐縮でございますけれども、先ほど申し上げましたように、外為法の根本的な性格と申しますかそういうものに照らしまして、ただいま御指摘のあったような条項を外為法に盛り込むということは少し無理があるのではなかろうか、私どもはそういうふうにあさはかに考えているわけでございますが、そういう国外からの不正な金の流入ということについて、不正な金という点に力点を置いた何か立法を考えざるを得ないのではないかというふうに別途、私ども研究課題として考えておるわけでございます。
  151. 沢田広

    ○沢田委員 これは大蔵大臣の方にも要望ですが、今回は今回の改正としても、わざわざ第九章の第七十条以下大体三十二項目にわたって罰則を規定しているわけです。しかし、やはりいま言われているような罰則規定がないということは防止策にならないので、いま言った制度の改革を、閣僚会議もつくったそうでありますけれども、せめてそういう程度のものは今後検討の課題として、どういう法文が適切かわかりませんけれども、そういうことを阻止していくという取り扱いをしていく意思はあるかどうか、その点だけ確認しておきたいと思います。
  152. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 外為法の改正の問題としてそういったものを一々取り上げるかどうか、相当私も疑問があると思うのです。これは別の観点からチェックすること、根本は本人の政治家のモラルの問題ですけれども、何かいい手があるかないか、これは政府関係者で協議会をつくって専門家の意見も聞いてこれから検討しようということですから、その方でひとつしっかり勉強していただくようにしたいと思っております。
  153. 沢田広

    ○沢田委員 先ほども若干触れましたが、有事の場合の中身でありますが、「均衡を維持することが困難」というこの「均衡」の限界は、どこからどこまでを均衡の範囲内として解釈されておるのか。国際収支で言えば三十億ドルからはそう言うのか。これは物価の変動にもよりますけれども、現段階においてどういう解釈をされておるか。  それから「急激な変動」と言っておりますが、為替相場の急激な変動というのは、百八十円が二百二十円になった場合とか百八十円が二百円になった場合とか、解釈はいろいろあると思うのです。ただ、現段階において大体どの程度を「急激な変動」と定義づけておられるのか。  それから「大量の資金の流出入」、この「大量」という言葉もきわめて流動的な言葉なんでありますが、どの程度をもって大量と言うのか、現段階においての解釈で結構でありますが、明らかにしていただきたい。
  154. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 まず第一の国際収支の均衡の維持という点でございますけれども、私ども特にこの「維持」ということにつきまして何か数量的なものがあるというふうには解釈していないわけでございます。この場合の国際収支の均衡の維持ということにつきましては、国際収支について貿易収支、経常収支あるいは基礎収支、総合収支というようないろいろな見方があると思いますが、私どもとしては基本的には基礎収支の動きというものを中心に見まして、それにそのときの経常収支、さらには短資の移動を含みますところの総合収支、そういう収支の動きを見まして、それが急激にたとえば赤字がふえていくとかあるいは逆に黒字がふえていくそのスピードなりあるいはそのときの外貨準備の増減というようなものを総合的に見まして、国際収支の均衡が失われているかどうかという判断にしたいというふうに考えておりまして、十億ドルとか二十億ドルとかいうような具体的な数字を私どもいま考えているわけではございません。  それから第二番目の外国為替相場の急激な変動ということにつきましても、その「急激な変動」というのは、一日で二円動いたからあるいは一週間で十円動いたからというように何か数量的なものというのは考えておりませんが、そのときの相場の動きがいずれにしても相当急激であり、しかも市場自体が非常にパニックな状況に陥ってきて、市場の様子に市場関係者が非常に不安を持ち始めている、あるいはそれがさらに経済界全体に対しても非常に不安な状態を招いている、そういうふうな事態を全体的に考慮いたしまして、この外国為替相場の急激な変動というものを判断していきたいというふうに考えております。  具体的に申しますと、たとえば一昨年の秋に、実は九月の末から十一月にかけまして日本の円相場が急激に変動したわけでございますが、その当時は、九月の末が二百六十二円でございました。それが十一月になりますと二百五十円を割るというような動きになったわけでございますが、私どもは一つの例といたしましては、当時のような状態がここに言う「急激な変動」に該当するのではないかと考えております。  それから三番目の大量の資金の移動ということでございますが、この「大量」ということにつきましても、これは別に十億とか二十億とかいう数量的なものは持っておりませんけれども、この流入によりまして国内の金融市場の過剰流動性が非常に増加して、国内の金融政策の実効性が確保できなくなるというような状態を私ども考えているわけでございます。
  155. 沢田広

    ○沢田委員 これで何分損したかわからぬけれども、それは常識の解釈を述べられただけであって、いわゆる政府にゆだねるわけですから、その政府にゆだねた条件は、国民としてこの程度が有事の適用の開始になる時期なんだ、それが予期できるような条件は国民として知る権利があるのではないかと思うのですね。これは不特定な条件の中で、あなたの思いつきであるか大蔵大臣の思いつきであるかわからぬけれども、それで操作をされたのでは貿易をやる人であろうとなかろうと大変なことなんです。だから、こういう状況のときにだけ有事が施行される、そういうふうにある程度国民が予期できるものがなければ、安心して金の仕送りもあるいは金の受け取りもできないということになるでしょう。そういう不安定感を持たせた法律は不親切ということになると思う。あらかじめこの程度のといういわゆる現象的に予定できるものは明示をしておくことが必要ではないか、こういうふうに思います。これは大臣、お答えできますか。
  156. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 外為審議会で発動の場合の一定の目安を議論してもらって、それは全部網羅するわけにいきませんよ、こういうようなときは政府やっていいよということで発動するようなことにしたならば、国民の皆様も御安心いただけるのではないか、その準備をこれから検討してもらおうと私は考えております。
  157. 沢田広

    ○沢田委員 では、その検討の結果はぜひひとつ、パーセンテージとか金額であるとかそういうことになるとまた秘密事項になるでしょうけれども、概略は追ってお示しいただきたい。これは要望を申し上げて次に行きます。  わが国が今度法律を改正しなければならなかった理由、背景についてはそれぞれ、これからのサミットのあれもあるし東京ラウンドの結果もあるし、あるいはアメリカとの交渉もあっただろうと思いますが、その根本をなすものは石油を主体とする日本経済の体質がその原因であろうと思いますので、通産省においでいただいておりますから、五%制限の問題もございますが、石油の問題について若干お聞かせいただきたいと思うのです。  一つは、政府は石油の緊急輸入を決めましたが、その緊急輸入は五十三年度の結果として実態的にはどういうふうになったのですか、お示しいただきたいと思うのです。
  158. 水野上晃章

    ○水野上政府委員 五十三年度の緊急輸入でございますけれども、これは御承知のように当初四十億ドルを目標として努力してまいったわけでございます。結果的には三十一億ドル程度にとどまったわけでございますけれども、そのうちで、石油につきましては約五百万キロリットル、四億二千五百万ドルの輸入を行った次第でございます。
  159. 沢田広

    ○沢田委員 私は、三光汽船以下十隻、第二段として十隻、五百万キロリットルくらいの備蓄も緊急対策の中には入っていたはずだと思います。それらを簡単に概括的に、いま言った石油だけでなくウラン、鉄鉱石その他の緊急輸入を決められたわけですから、達成率の順にその結果についてだけ御報告いただきたいと思います。
  160. 箕輪哲

    ○箕輪説明員 ただいま先生から御指摘がございましたように、緊急輸入の一環といたしまして、石油類が緊急輸入の対象になりましたのは事実でございます。  いま先生御指摘なさいましたように、五百万キロリットルは輸入実行しております。この外貨は四億一千万ドル程度でございます。  なお、緊急輸入の一環としまして、修正されました緊急輸入では七百五十万キロリットル目標ということを実は言っておったわけでございますが、一月に入りましてから世界の原油事情が激変いたしまして、現状では二百五十万キロリットル積み増しが事実上不可能でございますので、いまのところは手をつけてはおりません。  以上でございます。
  161. 沢田広

    ○沢田委員 この緊急輸入を政府が決めた。いま二百七十億ドルから九十億ドルくらい外貨がたまっているわけですが、その関係については、いま言ったように達成率は結果的には八〇%ですかその程度で、努力が足らなかったのではないか。一〇〇%実績を果たす、約束を果たしていくという姿勢が足りなかったからこそまたこの法案が出てくる背景にもなったのではなかろうか、こういうふうにも思われますけれども、その点、どうしてそういうふうに立てた計画が崩れ去っていくのか、どこに原因があってそういうような結果を招いたのか、一応お聞かせいただきたいと思います。
  162. 水野上晃章

    ○水野上政府委員 ただいま石油部計画課長からも申し上げましたように、たとえば原油備蓄に関しましては、七百五十万キロリットルの目標がイラン情勢その他によります世界的な石油逼迫によりまして五百万キロリットルで終わったわけでございますし、またウラン濃縮役務等につきましても、約十五億ドル程度を見込んだわけでございますが、実際上はアメリカにおきます備蓄問題その他いろいろな問題がございまして、十一億ドル程度に終わったわけでございます。そういった対外的なさまざまな問題が起きてまいりまして、当初予想いたしました四十億ドルが三十一億ドル強に終わった次第でございます。
  163. 沢田広

    ○沢田委員 今日こういう事態を迎えてその責任は感じておられませんか。たとえばイラン情勢が変わったとしても、日本の輸入機構のパーセンテージで言えば、サウジアラビアが約三〇%ですね、そのほかイランが一六・九%、クウェートが八%、インドネシアが一二・八%、ほぼこういうような輸入機構の構造から見て、不可能ではなかった、何も中近東だけの問題ではなかったのではないか、努力が足りなかったのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  164. 箕輪哲

    ○箕輪説明員 確かに日本が引いております原油はイランだけではございませんので、各地から引けば引けるのではないかという御指摘でございますけれども、ことしの一月以降イランの輸出がストップいたしまして、三月五日に輸出が再開されたわけでございますが、その後現在に至るまで世界の原油事情は実はきわめてタイトでございまして、各消費国とも現在まで需要をそれぞれ備蓄を崩して賄ってきたのが実態でございます。したがいまして、いろいろなソースはございますけれども、世界で一番ウエートが高いのはいま御指摘のサウジアラビアでございますけれども、これもある時期から減産に転じておりまして、現在各国が非常に苦心をしておりますのは、次の需要期に向けましてこの冬場に食いつぶしました備蓄をいかに積み増すかということを各国努力しているのが実態でございます。したがいまして日本といたしましても、通常の備蓄の増加、あるいはカレントな需要を賄うための原油の輸入というのが実は精いっぱいの状態でございまして、さらに政府備蓄の積み増しということは事実上不可能であったというのが実態でございます。
  165. 沢田広

    ○沢田委員 外為法の関連で石油が一番大きい影響を受けるであろうということで一つ挙げたのですが、昭和五十年あるいは六十年、六十五年というものを想定しました場合に、石油の依存度というものはいやおうなしに下がらざるを得ない。そうすると、日本の産業構造というものも大変変わってくる。この外為法が変わっていくとともに、いま言った石油の危機というものと関連して、これは大蔵大臣に、通産でも同じでありますが、通産の方からお聞きしたいのですが、どういう方向に日本の産業構造というものを構成していこうとなさっておられるのかということをひとつお答えをいただきたい。  これを見ますと、昭和六十年で、水力は五十年に比べて大体五百万キロワットくらい増、地熱で、これはできるのかどうかわかりませんが、五十年が五万キロワットに対して百万キロワット、それから国内の石油、天然ガスが三百五十万を千百万、石炭を千八百六十万トンを二千万トン、原子力は六百六十二万キロワットを三千三百万キロワット、それからLNGを五百六万トンから三千万トン、それから海外の石炭、これを六千二百三十四万トンから一億二百万トン、輸入石油は、二億八千六百万キロワットルから四億三千二百万キロリットル、こういうような数字に通産では考えているようです。ですから、このままでいくと輸入石油は倍くらいに六十年度はふえるという見込みなんですが、いまの情勢ではそうはならないだろう。そうすると、その分の力をどこに振り向けていこうとなさっているのか。また、それに伴う産業構造の転換というものはどういうふうに考えておられるのか。その点ひとつ、これは長い話になるでしょうけれども簡単に、通商白書を読めと言われたのでも困りますけれども、とにかく一応お聞かせ願いたい。
  166. 箕輪哲

    ○箕輪説明員 非常に幅の広い御質問でございますので、的確にお答えできるかどうか自信がございませんけれども、ただいまの先生が御指摘なさいましたのは恐らく暫定見通しの数字であろうと思います。それで、将来とも日本のエネルギー需要というのは、国民生活が豊かになる、あるいは経済界が発展するということで、伸び率は問題でございましょうけれども、増加してくるのは間違いない、どう賄うかという御指摘だろうと思います。  いろいろな考え方があると思いますが、現在技術的にあるいは資源的にアベイラブルであると考えられますものは、まず期近では石炭である、あるいはLNGである、あるいは随伴ガスからつくられますところの液化ガス、つまりプロパン、ブタンというようなものがまず当面すぐに使えるわけでございます。それで中長期的な問題といたしましては、原子力発電所のウエートをもっと高める必要がある。あるいはさらに長期的には、水素をいかに活用するか、あるいは日光をいかに活用するかというような考え方があるわけでございます。  供給面で仮に多様化がされた場合でも、それが未来永劫、日本経済としてトータルの量としてふえ続けていいのかということになりますれば、世界の資源的な面から申しまして供給に限度があるというものはあるわけでございます。したがいまして、当面ももちろんでございますが、中長期にわたりまして、エネルギーが節約できるような産業構造というのを求めていかなければならないというのが基本的な考え方でございます。  そこで、産業構造と申しましてもいろいろなファクターあるいは見方があると思いますが、資源エネルギー庁といたしましては要するに、エネルギーが節約できるような一つの技術的あるいは社会体制あるいは経済体制としての構造というものをまずもって当面の目的としているというのが、現在の考え方でございます。
  167. 沢田広

    ○沢田委員 時間が大分過ぎたようですが、その次に若干大蔵省関係で戻りますけれども、買い持ち、売り持ちの限界を数%前回ふやしたわけでありますが、今度の法律改正に伴いまして、この為替の買い持ち、売り持ちの限界はどの程度まで置かれるつもりでいるのか、その点だけ概略をお聞かせいただきたいと思います。
  168. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 外国為替公認銀行の持ち高につきましては現在、市場の為替相場の状況ある  いは銀行の経営の健全性という両方の立場からポジション規制を、持ち高について規制を行っております。  私どもといたしましては、なるべくこの持ち高の範囲というものは広げていきたいというふうには考えておりますけれども、具体的に現在の新しい法律のもとでどれくらいにこの持ち高を広げていくかというようなことについては今後検討さしていただきたい。また、持ち高の内容につきまして、それを長期のものと短期のものに分けていくかというようなことも含めまして、今後検討していきたいというふうに考えております。しかし方向といたしましては、持ち高につきましてもなるべくその限度を広げていくというふうな方向で検討をしていきたいというふうに考えております。
  169. 沢田広

    ○沢田委員 この法律を提案する段階に至ってそういう抽象的な答弁では困るので、もう少し具体的に、五十二年の六月から大体やってきて、それで三割なり四割ふやして、そして全体としてやってきたのだ、その限度を、これからの自由化に備えてどういうふうな程度これからふやしていくのか下げるのか、その程度だけは、どっちつかずの答弁というのはきわめて困るのでありますから、  一応どの程度を基準として、下げていくのか上げていくのか、そのくらいの程度ははっきりしてもらいたいと思いますね。
  170. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 先ほど御答弁申し上げましたように、私どもとしては持ち高の範囲を広げる方向で検討していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  171. 沢田広

    ○沢田委員 では、まだエネルギー庁がいる間にもう一つだけ……。  五%の節約なんでありますが、これは今度の会議でもさらにまた強要といいますか要請されるだろうと思うのでありますが、政府の見解では、暖房で六百十万、冷房で百三十万、社用車二〇%で五十万ですか、それからコピーの機械を使わないようにして五万、マイカーで二百万、それから電気事業で三百万、こういうふうな五%の節約計画を立てられたようでありますが、私は前にも言ったのでありますが、ネオンなどはなぜ対象にならなかったのか。それから、これはマスコミその他から怒られるのかもわかりませんから皆言わないのかもしれませんが、午前中のテレビなどはニュースだけにしたらどうだろうか。特別の甲子園野球があるとか何かそういう場合は別としましても、そういうようなことは後でまとめてやるというくらいにしたら、それがどの程度減るのだろうか。それから午後も、フランスでもイタリアでもやっていないのですから、やっているのは日本ぐらいなものですから、どうしてそれが――そうすれば、家庭の婦人ももっと外に出るとか、本を読むとか、スポーツをやるとかあるいは職につくとか、雇用問題はさらに複雑になるでしょうけれども、それにしてもそれは政治的に解決をしていく。それが日本の再建になるのじゃないかと思う。そういう余ったエネルギーと言っては悪いですが、人間の余ったエネルギーを吸い上げて職場の中に生かしていく、これが日本の知恵だろうと思うのです。そういうようなことで、職場の問題はこれから考えるとしても、とにかくそういう方向へ進まざるを得ないんじゃないかと私は思います。だから本を読むことを怠ってきたり、あるいはどうもいろいろ世間とのつき合いというようなものが少なくなったり、かえって社会的には違ったデメリットも出てきているというようなことも否定できない一面だろうと思うのです。だからといって私は会社をつぶせなんて言おうと思っておりませんが、それはある程度まとめてやっていくというくらいに段階的に可能性を求めたらどうなのか。あなたの方では、これは口を出したらたたかれるからいやだといって言わないのか。その点は、ネオンサインなんかぐらいもある程度点滅だけはやめさせるとかくらいまでは踏み込んでいいのではないかと思いますが、これは大蔵大臣に答えてもらうのにはちょっとあれだと思うが、あなたの方でその程度はやっていくべき筋合いのものではないかというふうに思います。マイカーの節約をするならばその方がより効力がある、こういうふうに私は思うのですが、いかがでしょうか。
  172. 高沢信行

    ○高沢説明員 いまの御質問の件でございますが、三月十五日に御承知のとおり、千五百万キロリットル、これは石油の消費量との対比におきまして約五%の節約対策を決定したわけでございます。その中でいま御指摘のとおり、冷暖房温度の調整であるとかマイカー使用の自粛であるとか、あるいは電気事業における燃料転換といったことが主要な内容になっているわけでございますが、この三月十五日の決定の中身にいま御指摘のような、テレビの放送終了時刻の繰り上げであるとか、ガソリンスタンドの日曜、祝日の休業、それからネオンの点灯時間の短縮といった問題につきましても、さらに自発的な協力をしていただくように呼びかけを行っているわけでございます。  三月十五日の決定を受けまして関係省庁から文書をもちまして関係業界に対しまして、自主的な協力をするように要請をいたしまして、その結果、テレビにつきましては幾つかの社が近々、深夜放送時間の繰り上げについて自主的な措置をとる手はずになっております。それからガソリンスタンドにつきましては、昨日関係業界に指導いたしまして、二十七日からかなり大幅な休日休業が実施に移されるというような状況でございます。それからネオンにつきましては、オイルショックの後も引き続き点灯時間の短縮につきましての指導を継続してきておりまして、今回改めてその趣旨の徹底を図ったことによりまして、かなりの程度守られているというような私どもの調査結果が出ているわけでございます。今後とも御指摘のような線に沿って、石油の節約の実効を上げていく方向で努力してまいりたいと考えているわけでございます。
  173. 沢田広

    ○沢田委員 大体時間が来たようですが、最後にこれは大蔵省ですが、為替管理法というのは、あとはすべて政令で決めるという委任事項ばっかりなんですね。どの条文を読んでいっても皆政令で決める。何のことはないセミのからをわれわれは議論しているようなものであって、中身はどこへ飛んで行ってしまうかわからないというのが、この為替管理法の性格なんであります。だから、外国為替管理令あるいは輸出貿易管理令、輸入貿易管理令、その後に続く省令、通達、これが本体をなすものなんであります。言うならばこのことによってこの法律は要するに、いま言ったようにセミのからみたいものになってしまっておって、実際には省令なり通達が効力を持つという場合に、いろいろと間違いを起こす公務員が起きる場合があるだろう。一つには、たとえば有事の規定をされたことによって不当な倒産を受けるあるいは不当な損害を受ける、そういう場合もあるでしょうし、公務員の不注意によって取引上の損害を生ずる場合も起こり得るであろう。そういう場合の損害の賠償、罰則はたくさん決められているけれども、賠償の義務といいますか国家が背負うべき責任というものはこの法律の中には示されていない。故意あるいは作為がなくとも国家賠償法は適用することになっているわけです。ですから、この法律によっていろいろ施行令、通達がされますけれども、国家賠償法の態様にはこれは該当するというふうに理解してよろしゅうございますか。  それからまた通達その他に当たっては、そういう正当な業務運営を行っている業者、大光相互銀行みたいなものは別ですよ、ああいうものはどっちでもいいんですが、そうじゃなく、正常な業務運営を行っているものについては、損害を与えない、そういう体制と、損害賠償に甘んずるあるいは損害賠償の任に当たり得る、こういう体制はこの通達の中から生まれ出る、こういうふうに解釈してよろしいのかどうか、その点だけ確認をしておきたいと思います。
  174. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 外国為替管理法の規定でございますが、現在の法律につきましては非常に大幅に政令に委任をしております。しかし今回の改正におきましては、相当程度私どもとしては具体的な規定を法律に盛り込んできているというふうに考えているわけでございます。しかしながら限界はございまして、政令以下において相当細かいことを規定せざるを得ないということになっているのは事実でございます。  この法律の適用に当たりまして、たとえば有事規制を発動したために民間の取引に対して何か損害を与えるというような事態が仮に起きたといたしましても、私どもはそういう場合には、有事規制は一般の場合には既契約にまでそれが遡及して適用されるということはまずなからうというふうに考えておりますし、それからまた仮にそういうことが起きたといたしましても、それは一つの対外取引に伴うリスクということではないかというふうに観念しているわけでございます。     〔稲村(利)委員長代理退席、委員長着席〕 政策の変更によって取引の当事者が何か損害を受けるということによって直ちに、国家賠償法の適用が起きるということは私どもはないというふうに理解をしております。
  175. 沢田広

    ○沢田委員 では、そういう気持ちでこれからの政令なり通達を出していただくように要望を申し上げておきます。  最後に要望だけでありますが、除外品目の中に農林水産が入っております。日本の農林水産というものの現状はこのままでいいのかということを私は問われているのじゃなかろうかと思います。これは大蔵大臣に要望しておきますが、今日のような農林水産のような状態を継続しておいて日本の食糧の自給は果たして可能かといったら、これは可能ではなくなる。衰退の一途をたどるだけである。要するにもやしっ子になるだけである。やはり対外的な競争能力を持つという力を農林行政の中につくっていかなければならない。保護だけがすべての行政ではないと私は思っております。だから、部分的にでもやはり対外競争能力を持たせるような農林行政というものを一いまの農林はかさ持ちみたいなもの、ちょうちん持ちじゃなくかさ持ちみたいなもので、雨の降っているところへ一生懸命かさ差して歩いているようなものだと思うのでありますが、それが雨ざらしになろうがなるまいが、ともかくもっとたえられるような力、そういうものを持たせるような農林行政にしていただくように心から願って、私の時間が来ましたので終わりたいと思います。
  176. 加藤六月

    ○加藤委員長 貝沼次郎君。
  177. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 外国為替及び外国貿易管理法の一部を改正する法律案につきまして、若干の確認なり質問をしてまいりたいと思います。  まず初めに、先ほどもお話しになっておりましたけれども、国民の率直な考え方であります。今回外為法の一部改正によって、かつて外為法違反でいろいろな問題が問われたわけでありますけれども、こういうようなことが今後は緩くなるのではないかというような率直な心配がございます。そしてこの改正案がややもすると、そういう犯罪を見逃す穴になりはしないかというような心配もありますので伺っておきたいと思います。  いままで外為法違反で挙げられたことは幾つかあると思いますが、大体外為法のどの条項に違反をして挙げられたものが多いわけですか。
  178. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 外為法の違反としての態様別に見てまいりますと、一番違反件数として多いのは、支払の制限に対する違反の件数でございます。それからそれに次ぎまして、支払手段の輸出入に対する違反、この二つが件数としては非常に多くなっております。条文で申し上げますと、支払の制限の方は法律の二十七条でございます。それから支払手段の輸出入は四十五条でございます。
  179. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 それで、私は率直なことばかりお尋ねしますけれども、外為法は非常にややこしくできておりますから、いろいろあっちこっち飛ばなければならぬのですが、二十七条の一、二、三、四とありますが、その中で、二に違反した部分、最近ありましたね、それから三に違反した部分といろいろありますが、少なくとも現行法では、「この法律の他の規定又は政令で定める場合を除いては、何人も、本邦において左に掲げる行為をしてはならない。」原則は禁止であります。その二番目に「非居住者に対する支払又は非居住者からの支払の受領」というのがございますが、今回の改正によって、この二に違反したような事例は今後は外為法違反にはならないわけですね。
  180. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 今度の改正法案におきましても、第十六条におきまして一応、「支払等」という条項が設けられております。それでその内容につきましては、外国へ向けた支払い、それから非居住者との間で支払いし、または支払の受領をするという、いわゆる支払等というふうなくくり方でございますが、規定がございます。  ただ、この規定が発動されます要件というものが、今度の新法のもとにおきましては大幅に自由化されておりまして、その規制が適用になる範囲といいますのは具体的に申し上げますと、一つは、国際収支の均衡を維持するために必要があって、特に必要があるという、有事の上にもう一つ超有事というような事態が一つでございます。それと、それ以外にありますのは、この法律とかこの法律に基づく命令の規定によって規制が行われている、その規制を脱法するような支払いが行われたというような場合には、これはその支払の制限がかかる、こういう仕組みになっております。それからもう一つ付言いたしますと、今度は支払方法につきまして、特殊な支払方法についてはこれは許可が要るという仕組みになっておりまして、その三点につきましては規制が残るということになっております。
  181. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 いろいろ説明しておりますけれども、要するに、日本に黙ってお金を持ち込んだ場合は外為法違反になるのですか。
  182. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 日本にお金を持ち込むという場合に、これは携帯、持って入る場合とそれから銀行を通じて入ってくる場合とあるわけでございます。  それで通常の場合、現在の法律のもとでも、銀行を通じて標準的な方法で入ってくる場合、たとえば外貨でありますとかあるいは自由円を通じる方法で資金が入ってくるという場合には、これは許可が要らないということになっているわけでございまして、これは今後とも新法のもとにおきましても、支払の受領というのは広範に自由になるわけでございます。ただ規制がかかってきた場合、たとえば有事規制が起きまして、そのときにある借入金というものが許可の対象になっている、そういう場合のもとで資金が外国から許可を受けないで送られてきたという場合には、この支払の規定にも抵触するという仕組みになっております。
  183. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 そうすれば、どうも話があっちに行ったりこっちに行ったりするのですけれども、要するに最近起こった事例で、この二十七条の二に抵触して別件逮捕された者がありますけれども、そういう事例が再び起こった場合に、今後の改正法では外為法違反になりますか。
  184. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 最近起こった事例とおっしゃいますと、私どもが承知しておりますのは、実は二十七条の二ではなくて二十七条の第一項の四号ではないかというふうに考えておりますが、そういう前提で答弁させていただいてよろしゅうございましょうか。
  185. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 四号の方は私も知っているのです。これは大体十七条にいろいろ書いてあるようですから、私は十七条が恐らく該当するのではないかと思っております。ただこの場合に「特殊な方法により、」という言葉が入っておりますので、この「特殊な方法」がどういう方法なのかわかりませんけれども、これもお尋ねしたいと思うのでありますが、それ以前に、この二十七条でもって四号以外にされたものもあると聞いておるわけであります。  要するに、もう時間がありませんから簡単に申しますが、いままで摘発されたような二十七条違反というものは、この改正法によってすべてこれは従来と同じように外為法違反になる、漏れるものは考えられません、こういうふうに解釈していいのですか。
  186. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 御質問の趣旨が非常に抽象的でちょっとお答えしにくいのですが、一般論としてお答えいたしたいと思います。  二十七条の一項には四号ございます。一番目が外国へ向けた支払い、それから二番目には非居住者に対する支払い、三番目には非居住者のためにする居住者に対する支払い、四番目が非居住者との間の勘定の貸借記、こういうことになっております。  これは概括的に申し上げますと、新法のもとにおきましては、大体一と二、つまり一号、二号に該当する行為というものはほとんど自由になる、ごく例外的なものを除きまして自由になるというふうに御理解いただいて結構だと思います。それから第三号に該当するものにつきましては、これはそのときの情勢によりましてある程度有事規制がかかるとか、他の管理が強化されるというような事態のもとにおきましては、これは許可が要るという形になるケースがあり得ると思います。それから第四号の場合の貸借記でございますが、これは現在と同じように許可のもとに置かれる、こういうことでございます。
  187. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 それから、さっきちょっと言いましたが、十七条に「居住者は、勘定の貸記又は借記による方法その他の政令で定める特殊な方法により、」とありますが、この「特殊な方法」というのはどういうふうに読んだらよろしいわけですか。
  188. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 御承知のように現在の管理法それから今度の新しい改正法のもとにおきましても、私どもは外国為替公認銀行制度というものを存置いたしまして、その外国為替公認銀行を通じる支払いにつきましては外国為替公認銀行の確認を受ける、そこで取引の実態を把握し、また、取引が適正かどうかということの確認をするというシステムをとっております。ここに定めてございます「特殊な方法」といいますのは、そのような外国為替公認銀行を経由しないで決済が行われるようなもの、これが一つございます。それからもう一つは、たとえば貿易の場合に支払いがきわめて長期にわたる、たとえて申しますと輸出の延べ払いというようなもの、そういうふうなものを私どもはこの特殊な決済方法というふうに考えております。それが代表的なものでございます。
  189. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 いままでの経過から考えてみましても、この外為法にはきわめて合法的である、しかしながらその内容においていろいろ問題があるという犯罪があるわけですね。たとえばコミッションを送るその内容の問題、あるいはオーバーインボイスのやり方をしたりいろいろなことでやっておるようでありますが、そういうものは上手にやれば外為法そのものには合法的である、しかしながら実際に犯罪ということはあり得ると私は思うわけであります。したがって、こういうような犯罪を防止するために私どもも再発防止法というものを考えておりますが、政府の方も再発防止法を考え、そして大蔵大臣もその一員として入っておられるようでありますけれども、私はこの際、早くそういう立法がなされるように努力願いたい、こういうことを申し上げておきたいと思います。  それから今回の改正について、外国為替・貿易法制懇談会審議報告によりますと、今回の改正については「現行法の原則禁止の仕組み自体が諸外国から無用の批判や誤解を招くもととなっていること、六月に予定されている東京サミットその他最近の我が国を取り巻く国際経済環境を踏まえ、開放経済を目指す我が国の姿勢を対外的に明らかにすることが必要である」、こう言われております。特に東京サミットにおいては、開放経済を目指すわが国の姿勢を示すことに重点が置かれておると思いますが、この改正のみで十分にこの姿勢は理解してもらえると考えておるのかどうか。もしこの改正以外に必要な措置があると考えるならば、一体具体的にどういうものを考えておられるのか。ただ日本はいま原則自由の姿勢を示して今後もやってまいりますよ、御理解くださいというふうなだけではなかなか諸外国には理解してもらえないのじゃないか、やはりそれに相応した実体面においての何らかの措置、こういうことも講じてまいりますよというものがないと非常にむずかしいのじゃないかと思いますけれども、この点はどういうふうに考えておられますか。
  190. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 御承知のように東京サミットは東京で開催されるわけでございまして、開催国としましてはこの会議が成功に終わるということが必要だと思っております。そのためには、各国が現在当面しておりますいろんな問題がございます。インフレの問題、国際収支の調整の問題、さらにはエネルギーの問題といういろんな問題がございますが、その一つ一つをとりましても、これは各国がお互いに協力して、協調していかなければ解決できない問題であるというふうに考えられるわけでございます。また、保護主義の台頭という問題もございます。そういうふうなことに対して、やはり各国が協力していかなければならない。そういう見地から申しますと、このたびわが国が為替管理の全面的な見直しをして、原則自由の新しい法体系に改めるという積極的な姿勢を示すということは、市場開放という点からいって私は非常に国際的にも評価されるのではないかというふうに考えております。  しかし、この為替管理の自由化だけで事足りるわけでございませんで、そのほかいろいろな問題がございます。たとえば貿易の面で申しますと、やはり東京ラウンドの積極的な完全実施ということが必要でございますし、また援助の面におきましても、従来日本はODAの三年倍増という方針を出しておりますけれども、それを着実に実施していくということが必要でございます。また、エネルギーの分野におきましても各国との協調を保っていく。通貨の面でも、通貨の安定を目指すために積極的に日本が協力していくということが必要であろうというふうに考えております。
  191. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 それから、東京サミットについてちょっとお尋ねいたしますが、五月十八、十九日、ワシントンで開かれた東京サミットの第二回準備会議は、東京サミットで出される東京宣言の方向を煮詰めることを目的として開かれた。わが国もその起草国として参加しているようでありますから、東京宣言の内容はどの程度煮詰まっているのか、また、わが国に対してきわめて厳しい指摘もあるようでありますが、これに対してはどういう態度をとっていかれるのか、この辺のところを教えていただきたいと思います。
  192. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 先般、第二回目の準備会議がワシントンで行われたわけでございますが、その際には、各国がそれぞれの問題、五つの問題があるわけでございますが、第一が経済全体のマクロの経済問題、それから二番目がエネルギー問題、三番目が貿易問題、四つ目に南北問題、それから五つ目に通貨の問題、この五つの各項目につきまして各国がそれぞれの意見を述べ、その意見を全部総合いたしまして、主宰国である日本がコミュニケの原案というようなものをこれからつくっていくわけでございますが、先般の第二回目の準備会議におきましては、それぞれの項目につきまして各国が意見を述べ合ったということでございます。それを日本が取りまとめまして、この次の第三回目の準備会議においてそういう具体的なコミュニケの案の検討が行われるという段取りになっております。  それからなお、その第二回目の準備会議の過程におきまして、日本に対して特定の何か注文があったというようなお話でございますが、私どもはそういうふうな日本に対して特別の注文があったというような報告は受けておりません。
  193. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 それから、今回の改正の位置づけなんですけれども、私は原則禁止から原則自由になったことは評価しなければならぬと思っております。しかしながら、福田前首相の発言の趣旨、それから日本アメリカあるいは日本とEC間の交渉経過から考えると、これで果たして十分だったのかなということが疑問になります。今回の一部改正というものをどういう位置づけをして考えたらいいのかということなんですね。要するに、将来は米国や西独のように全面自由化を指向した、たとえば西独の対外経済法のようなものを指向しておるのかどうか、もしそうであるならば、今回の一部改正案は全面自由化への過渡的な措置として見たらいいのか、それとも、今回の改正でもう事足れりなんだというふうに見る方がいいのか、この辺はどう見たらよろしいですか。
  194. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 御承知のように今回の改正におきましては、現行の原則禁止のたてまえを原則自由のたてまえに全面的に改めたわけでございます。それでその内容につきましても、経常取引につきましてはほぼ全面的に自由化をする、それから資本取引につきましては、平時は自由有事の際にのみ規制をするということで、資本取引の規制についても大幅に自由化が進んできているわけでございます。それからまた対内直接投資の分野につきましても、これは従来外資法で規定していたわけでございますが、それを外為法に統合いたしまして、その運用につきましても自由化を進めていくということで、従来の認可制度を届け出制度に改めるというような実質的に相当大きな自由化を今度の法案では予定しているわけでございます。したがいまして今回の改正は、この法律ができましてから三十年来の大改正でございまして、法律の形式、また実質で大幅な前進があるというふうに私どもは考えております。  御指摘のアメリカとかドイツという例示がございましたが、アメリカの場合には為替管理を全然行っておりませんのでちょっと別でございますが、ドイツの場合には対外経済法という法律を持っておりまして、その法律におきましても、たとえば資本取引について申しますとこれは有事規制の規定になっております。それから経常取引につきましては、実は規定の仕方としましてはむしろ日本よりも若干きつい規定の仕方、運輸に関する役務契約であるとかあるいは保険に関する役務契約についても規制がかけられるようなそういう規定になっております。ただ日本の場合には、取引の把握、あるいは有事規制の実効を確実ならしめるために外国為替公認銀行の制度を置いておりますけれども、ドイツの対外経済法にはそういうものはないというような違いがございます。しかし、これを実質的に比べてみた場合には、今度の改正案の内容というものはドイツの対外経済法に非常に近いものになってきていると私は思います。  為替管理のやり方につきましては、それぞれの国の置かれている地理的な条件、歴史的な背景、あるいは対外取引というものに対して持っている国民性、そういうふうなものを総合的に判断して法律というものは決められていいのじゃないかというふうに考えておりまして、私どもは、これを単なる一時的な改正ということではなくて、今度の新しい法律のもとで相当程度対外的な調整管理が行われていくというふうに考えております。
  195. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 そうすると、わが国としてはこれはほぼ目的を達したものであるということで行くわけですね。  それから、先ほども有事規制の話が出ておりましたが、この有事規制のことでなるべくダブらないように私は二、三点お伺いをしておきたいと思います。  この法律によりますと、「次に掲げるいずれかの事態を生じ、この法律の目的を達成することが困難になると認められるときに限り、」と発動するときのことが決められておりますけれども、これは要するに、この三つの条件あるいは三つの条件のうちの一つが起こる可能性が出てきた場合、そういう懸念があるときに発動すると解釈すべきなのか、それとも、この三つのうちのどれか一つが現実に起こったそのときに発動を判断するのか、これはどういうふうに解釈したらよろしいわけですか。
  196. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 法律の解釈でございますが、この二十一条の二項に「次に掲げるいずれかの事態を生じ、」とございますが、その次に「この法律の目的を達成することが困難になると認められるときに限り、」その「認められるときに」というところまで続けてお読みいただきますと、この法律の規定の仕方といたしましては、必らずしもこの三つのうちのいずれかの事態が現実に生じている必要はなく、生ずるおそれがあるという事態も含んでいるという解釈でございます。  ただ、実際の運用に当たりましては、先ほどから御説明申し上げておりますように、その発動の基本的な方針というようなことにつきましては、この法律で決められております外国為替等審議会におきまして十分御審議をいただくという考えで行っております。
  197. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 先ほどの質問を聞いておりまして、私そこのところがはっきりしなかったのですけれども、いまの話では、この三つの事態が起こった場合もあるいは起こるおそれがある場合も両方入るということでございますが、それはそれで結構だろうと思います。  それで、いよいよ発動するときの手続ですけれども、このときはどういう手続でやるのですか。先ほどは事前に審議会を開くことは適当でないと考えておるというふうな発言もあったようだし、それから条文だけ見てきますと、何となく一いろいろなこの三つに該当するようなあるいはおそれがあるようなことが起こりつつあるというときに、この外国為替等審議会に諮問をして、そして調査審議をしてその結論を報告してもらって、その結論が、今度はどうなるのでしょうね、閣議かか何かにかかるのか知りませんけれども、そういうプロセスを経て発動という判断が下されるのか、それとも、そういったことはやらないで、ただ大蔵省なりあるいは関係の省においてこの二項に該当するようなことが起こり得ると判断をして発動をばちんとやってしまって、そしてその後に外国為替等審議会にかけて了承を得るのか、これはどっちの方の手続が正しいわけですか、その辺がよくわからなかったのです。
  198. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 有事の事態に規制を発動いたしますその方法でございますが、御承知のように、現在のように非常に国際情勢の変動が激しく、たとえば為替相場が非常に急激な変動が生じてきているあるいはそういうおそれがあるという場合には、規制をします場合にはこれを迅速にいたしませんと、これがいろいろ憶測を生みまして為替市場にもかえって悪い影響を与えるというおそれがあるわけでございます。したがいまして迅速果敢にこれを実施するためには、その判断は行政府に任せていただきたいというふうに私ども考えております。ただその発動の要件につきましては、先ほどから御説明申し上げておりますように、法律に一定の要件が規定されておりますし、また、その範囲内でさらに具体的な発動の方法、方針というものにつきましては、先ほど申し上げましたように外国為替等審議会におきましてその基本的な方針について十分御審議をいただく、その御審議の基本的な方針にのっとって私ども行政府として判断を下してこの規制を発動するということにさせていただきたい、こういうふうに考えております。それからまた、発動いたしました後におきましては、外国為替等審議会にその内容、また当時の情勢というものを十分に御報告してそこでまた御審議いただく、それをもとに私どもこの有事規制の発動の方針というものについて改善を加えていきたい、こういうふうに考えている次第でございます。
  199. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 判断は行政府が行いますということですが、行政府とは具体的にこれは各省で判断をするわけですか、たとえば大蔵省とか、省で判断するのですか、それとも閣議とかそういうところで判断をするということですか。
  200. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 この資本取引の規制につきましては、大蔵大臣の専管事項が大部分でございます。それから一部通商産業大臣の専管事項もございます。私どもといたしましては、大蔵大臣あるいは通商産業大臣の判断でもって規制の発動をさせていただきたい、こういうふうに考えております。
  201. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 判断のことはわかりました。  それから、この外国為替等審議会に事後報告をする場合には、その報告内容は公にされますか。
  202. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 従来から、たとえば外資審議会というのがございますが、これは外資の導入につきまして審議をしていただく機関でございますが、外資審議会におきましてはその審議の内容というものを後で公表しております。私ども今度の外国為替等審議会における審議の議題とかあるいは審議の内容、結果につきましても、従来の他の審議会の場合と同様に、必要に応じて対外的に発表を行っていきたいというふうに考えております。
  203. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 それからもう一点だけ、この審議会の内容について伺っておきたいと思いますが、外国為替等審議会は、これは外資に関する法律における外資審議会が内容として含まれるわけですね。先ほど答弁がございました。したがいまして、この外国為替等審議会の中には二つの性格があると思います。そういう場合に、審議会の中に二つの性格があるわけですから、部会をつくるとかそういうような考え方はお持ちなんでしょうか。
  204. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 外国為替取引、あるいは現在の外資法関係の対内直接投資あるいは技術導入契約というものについて二つの部会を設けるというようなことについては、現在のところ考えておりませんけれども、実際の運用に当たりまして必要に応じて、そういう分け方ではなくて、それ以外の分け方で下部組織、小部会というようなものが必要になってくるということはあるいはあるかもしれませんが、そういうようなことにつきましては今後検討させていただきたい、こういうふうに考えております。
  205. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 それでは、銀行局の方にお尋ねしておきます。  今回の自由化の問題でやはり一番影響あるいはこれから攻撃をされるであろうという点は、国内における金融の自由化の問題だろうと私は思います。そこで簡単に伺っておきますが、金融制度の自由化の将来に対する展望ですね、これを局長からお示し願いたいと思っております。それが一点。それからもう一点は、そういうような自由化の方向に従って、来年にも行われようとしておる銀行法の改正というものもその波に乗っておるのかどうか、この点を伺っておきたいと思います。  それから、これは銀行局とは直接関係ございませんが、たとえば日本国内で銀行業をやっておる、そしてその支店が外国で証券業をやっておる、そしてその証券業が日本に上陸してきたという場合には、日本の国内において銀行業と証券業を分離しておる証取法六十五条の精神にちょっとかかわってくる問題が出てくると思います。こういう場合にアメリカにおいては、その資本の流れをもともとまでたどってどこから出ておるかといういわゆるグランドファーザー条項というのが考えられておるそうでありますが、日本の場合はそういう心配は考えなくていいのか、こういう点。  それから、これは国際金融局の方にお尋ねしておきたいと思いますが、現在日本の外為も、だんだん外資資産が多くなってまいりまして、都銀でも一六%ぐらい占めるようになってきておる。ところが、イランの政治情勢から考えられますように、いわゆるカントリーリスクというのが出てきたというような点から、これからわが国の外為関係においても情報の収集網の充実というような問題が非常に大事になってくるのではないかという感じがするわけでありますけれども、この点をお尋ねしておきたいと思います。
  206. 徳田博美

    ○徳田政府委員 先生最初の御指摘の金融の自由化という問題でございますが、これは金融機関と申しますかあるいは金融制度に関する問題と、金利に関する問題とがあると思います。  金融の制度と申しますか組織に関連いたしましては、たとえばわが国の資本市場がコール市場、手形市場あるいは現先市場等に分かれておりまして、相互の有機的な結びつきがないという問題がございます。それから金融機関につきましては、各種の専門金融機関がありまして、その辺の垣根の問題をどうするかという問題があるわけでございますが、資本市場につきましては、御承知のとおり先般、CD、譲渡性預金ができまして、これは手形市場、コール市場と現先市場とを有機的に結びつける役割りを果たすわけでございまして、この点で市場の有機的な弾力的な一体化ということに非常に役立つのではないかということが考えられるわけでございます。  それから金融機関の相互の垣根の問題でございますが、これにつきましても、適正な競争原理を導入するという観点からいたしまして、それぞれの専門金融機関の本質に触れない範囲において垣根を漸次低くいたしまして、相互乗り入れを行っていくという方向でいろいろな行政が現在も行われ、これからも行われていくことになると考えられるわけでありまして、そういう意味での自由化と申しますか弾力化の方向がだんだん進んでいくのではないかと考えております。  それから金利につきましては、これも資本市場と申しますか直接金融の市場と間接金融の市場とではそれぞれ性格を異にするわけでございます。やはり金利の自由化というのは直接金融の市場から進んでいくのが適当と考えられるわけでありまして、その中でも特に短期資本市場から進めることが望ましいわけであります。そのためには、先ほど申し上げました譲渡性預金が初めて金利自由の商品となったわけでありまして、こういうものを端緒といたしまして金利の自由化は漸次進んでくることになると思います。ただ間接金融市場につきましては、いろいろな障害あるいは問題点もございますので、当面は弾力化ということで進むことが望ましいというふうに考えております。  なお、これらの措置と銀行法改正の問題でございますが、銀行法の問題は、銀行に対する監督であるとか規制であるとか、そういうものを主体に規制されることになっているわけでございまして、いま申し上げました自由化という問題は法律とはむしろ離れまして、そういう実体面の指導なりあるいは各般の施策によって進めていくことになるのではないか、このように考えております。
  207. 渡辺豊樹

    ○渡辺(豊)政府委員 御質問の一つは、日本の銀行がたとえばヨーロッパに現地法人を設立いたしますと、ヨーロッパの場合には銀行は証券業務を営むことができるわけでございますから、その現地法人がたとえば日本に支店を出すということがあり得るのではなかろうかという御趣旨かと思います。  その場合に現地法人は御承知のとおり、外国証券業者に関する法律というのがございまして、外国証券業者ということになるわけでございます。したがって、外国証券業者が日本に支店を出す場合には、外国証券業者に関する法律に基づきまして免許を必要とするわけでございまして、その場合に、親会社が金融機関である場合には免許の拒否要件に該当するということに相なりますので、御心配のような逆上陸の問題は、法律上の制限がございますので、そういうことには相ならないと考えております。
  208. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 対外貸し付けを行った場合のカントリーリスクの問題でございますが、御指摘のとおり最近、わが国の為替銀行の対外的な貸し付けというのは非常にふえてきております。しかし、先般のイラン問題を契機といたしまして、カントリーリスクの問題について各銀行とも非常に慎重な態度を示してきて、その判断につきまして内部体制を充実するような努力を続けてきております。  カントリーリスクの問題は、これは本来はやはり取引の当事者が自分の責任と判断において処理されるべきものだというふうに私ども基本的には考えます。しかし同時に、政府としましても、いろいろな国際機関、たとえばBIS等の場においていろいろな資料が作成されておりますし、また世界銀行等の資料もございますので、そういうもののうちで差し支えのないものにつきましては、なるべくこれを民間に利用していただくというふうな方向で対処していきたいと思います。
  209. 貝沼次郎

    ○貝沼委員 終わります。
  210. 加藤六月

    ○加藤委員長 竹本孫一君。
  211. 竹本孫一

    ○竹本委員 最初に、この法案の改正については、懇談会で去年の八月からいろいろ議論があったということでございますが、その懇談会の席上において特に問題になった点はどういう点であるか、お伺いしたいと思います。
  212. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 御承知のように、懇談会は五回にわたって開催いたしました。その中で、特に問題になりましたといいますか、いろいろな問・題について実は議論が行われたわけでございますが、この中の特に重要な事項について申し上げますと、一つは、資本取引の規制について有事規制を発動する場合に、有事という判断はどういうことかという問題、そういう点に一つの議論がございました。  それから、資本取引についてもう一つ申し上げますと、資本取引の中にもごく特殊な取引、たとえば非居住者が日本で、日本にそういう制度がないような証券を発行する、たとえばCDみたいなものでございますが、現在日本ではCDができましたけれども、これはまだ一応債権譲渡というような形で行われますので、必ずしも一般の証券のように流通自由な使用ができるという段階に至ってないわけでございますが、そういう証券のようなものを発行する、日本でそういう金融制度がないようなものを日本でつくろうというような動きがありましたときには、これを規制し得る体制をとっておるわけでございますけれども、そういうものについての規制のやり方ということの適否というような問題が二つ目でございます。大体資本取引につきましてはそういうふうなところが議論の中心でございます。  それから、貿易につきましては、貿易関係の決済方法というものをどの程度自由にできるか、あるいは貿易の場合の手続関係、それをどの程度自由にできるかというような点、そういうような点について議論が行われました。
  213. 竹本孫一

    ○竹本委員 承った範囲では、いまの複雑な国際経済情勢に対する問題意識がちょっと少ないのじゃないかというような感じがしますが、これは後でいろいろ伺います。  そこで、大臣にまず伺いたいのでございますが、日本の経済の立場から、基本的に原則自由ということに今度はなったわけですが、初めからこれは原則自由――要するに、日本という国の経済を発展さしていくには畠山貿易以外にはないのだという点、極端に言うと、いまごろ原則自由とは何事かということなんですが、そうでなくて日本の経済の伸びる方法があれば、それは議論があってよろしい。しかしながら、後でいろいろ申し上げますが、日本の経済を発展させるには自由貿易体制以外にはないということはわかり切っておるのじゃないか、それがいまごろ原則自由と言って騒がなければならぬのはどういうわけかということです。  それと関連して、私はこの席でもよく言っておるのですけれども、ヨーロッパにしてもアメリカにしても、日本の自由貿易体制への切りかえというものがさっぱりきちんと進まない。要するに、ステップ・バイ・ステップで進まない。いつかひやかして、ステップ・バイ・ノー・ステップとだれかが言いましたが、そういう印象を与えたということも非常にまずいことではないか。だから、原則自由というのをいまごろ言わなければならぬということは、従来確立していなかった、あるいは確立についての努力が非常にもたもたしておった、その辺はどういうふうに大臣は考えておられるかということでございます。
  214. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 竹本さんおっしゃるように、いまごろ原則自由というのは大変おかしいのでございますが、法律自体が三十年前のものでございまして、原則禁止のたてまえをとっております。しかし、それじゃ日本はとてもやっていけませんから、なし崩しに自由化を進めてきたわけでございますけれども、おくればせながら、たてまえもこの際直しますよ、そうして、本当の資本におけるオープン・ザ・ポリシーをとるのですということをこの際はっきりさせることが、国際協調の必要なこの時代に一審大切なことじゃなかろうかということで、数年前からこの問題が取り上げられたと伺っておる次第でございます。
  215. 竹本孫一

    ○竹本委員 おくればせながらというところが実は問題だとぼくは思うのですね。それは私はいつも日本の政府の経済政策は常にツー・レート、少しおそ過ぎるということを言っておりますから、覚えておいていただきたい。この法律の改正も、サミットにやっと滑り込んで間に合う程度であって、これは数年前にこういう問題が取り上げられておれば、あるいは外国の非難が少し変わったかもしれない。そういう意味で、やはり日本の経済のあり方としては、原則自由といったような立場以外にはないんだという点をはっきりさせたい、こう思うわけなんです。これは要望になります。  そこで今度は逆に、最近またジョーンズ・レポートでも何でもそうですが、日本に対して必要以上にというか、あるいは当を失したような批判も行われておる。あるいは誤解もある。日本銀行でも最近になって、それを誤解を解くような努力をしておられるようだけれども、政府の方ももう少しそれはこうなんだという特殊事情なら特殊事情も解明をして、必ずしも日本側は門戸を閉じておるわけではないのだという点を国民にも、もちろん外国にもわかるように、もう少しPRをするべきじゃないかと思うが、日本銀行の方も、これはちょっと専門的に読んでああそうかと思うだけの話で、要するに、たとえばわれわれが新聞で、外国から日本はけしからぬと責めたてられておるというふうなときに、外国の言う方がけしからぬのだという反発を感ずるような国民の常識はできてないですね。要するにPR不足だ。日本国民も、外国の話を聞けば、そうだろう、それはけしからぬなと思うような体制なんです。  そこで、政府にしても日本銀行にしても、原則自由の方向へこれだけ努力をしておるのだということをもう少し積極的にPRすべきであるし、すべきでなかったかという点はどうですか。
  216. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 それは全くそのとおりであると思います。私も及ばずながら、私の守備範囲におきましては極力その努力を続けております。ただ相手国さんによっては、その国の世論の形成の中心になっておるところが必ずしも政府首脳であるとは限らないのでございまして、議会の方が強いところもございますし、また、政府も省によって分かれておるところがありまして、なかなかやはりうまく手が打てなかったというような問題もあろうかと思いますが、だんだん話しておれば、やはり誤解だったかな、よくやっておるのだなということが最近、私はだんだんと事ECとアメリカについては理解が深まってきたというふうに考えております。大事なことは、こっちも言いたいことは極力言って現状を認識してもらい、向こうの痛いところは大いに突いてやるということが大事なことじゃないかという感じを持っております。
  217. 竹本孫一

    ○竹本委員 ジョーンズ・レポートその他で、日本は輸入カルテルをやっているのだというような誤解というか解釈というか批判というか、最近非常にあるようですが、それはどういう点を指しておるのであって、どういう誤解の上に立っておるということになるのですか。
  218. 水野上晃章

    ○水野上政府委員 アメリカの側ではいろいろな形でのノン・タリフ・バリアといいますか、非関税障壁のようなことが問題になっておりますが、そのうちで一つは、燐安等に関しまして輸入を抑制するための政府の指導なりカルテルがあるのではないかというふうな誤解があったわけでございますけれども、TFCの場におきまして実情をよく御説明をして理解をいただいておるところでございます。
  219. 竹本孫一

    ○竹本委員 時間がありませんからあれですが、もう一つ、これは大臣一つの大きな問題ですけれども、きのうの本会議においても大平総理は、アメリカに行っていろいろ話をされた報告があり、構造改善という言葉を何度か使われましたね。そして大蔵省も、前の大蔵大臣も、構造改善というのは坊君以来大分使っておられる。確かに日本の経済は構造改善をしなければならぬというのだけれども、言葉としてはよくわかるのだけれども、構造改善というのは一体どういうことをねらって言われておるのかということがまだぼくによく理解できない。しかし、これはまだきょうの本論ではありません。私が言いたいことは、構造改善というのは非常にむずかしい問題である、日本経済にとっては一番大きな手術である、それは普通に何々法律をつくるとかいう程度ではできないと思うのですね。そこで私が言いたいのは、輸入自由化ということ、あるいは輸入だけでなくても貿易自由化でもいいが、その自由化ということが一番構造改善を推進するてこになると思うのです。でありますから、自由化ということの位賢づけの問題になりますが、この自由化を通じてのみ本当の意味の日本の構造改善をやらざるを得ないところに追い込まれる。そうでもしなかったら構造改善というのはまず普通の常識では、抵抗の方が強いのですからできやしないと思うのですね。そういう意味で、自由化あるいは原則自由の体制というものは、それこそが日本の生きる道だと先ほど申し上げたけれども、それと同時に、これこそが日本の経済体質を最も近代的に最も国際的な調和のとれる方向へ持っていく、あるいは近代化を推進していく一番大きなてこだというふうに私は思うのですけれども、その点はどうですか。
  220. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 過去三十年間、たてまえ上貿易、資本の原則禁止の原則をとってきたのは、やはりその原則をいきなり取っ外しますと急激な変化を国内経済に及ぼすからだろうと思うのです。あなたのおっしゃることを裏返しに申しておるわけでございますが、やはりおっしゃることはまさに真理だと思いますが、政治家としては極力急激なショックを与えないように、漸次構造の改善と申しますか、これを図っていくことが私は大事なことだと考えております。
  221. 竹本孫一

    ○竹本委員 次へ進みますが、いまの問題と関連するのですけれども、今度のやつは有事規制だ、有事規制でいく、そのためには、有事とは「国際収支の均衡を維持することが困難になること」とかいうようなことをいろいろ書いてあるのだけれども、いまの構造改善と関連をするのですけれども、私は、日本の経済構造というか経済体質というものは、普通にしておれば輸出中心になり過ぎておる、したがって黒字をかせぐような方向になっておる。あるいは、最近における貿易の黒字もそうですけれども、そういう方向へ税制も金融も産業構造も規定づけられてきておる。したがって、普通なやり方でいけばむしろ日本は輸出中心、黒字体制の方向へ行くように構造的にできておる。そういう問題もアメリカあたりでもいろいろ指摘している点もあるように思うが、私は自由化を通じてそういうふうに構造を切りかえるという必要があることともに、普通にいけば、いまのままでいけば、要するに、黒字をかせぐような方向に日本の経済は向いておるのだという点を十分認識した上で施策を論ずべきではないかと思うが、この点もいかがですか。
  222. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 日本の経済構造としてはどうしても貿易でかせいできて、必要な油その他の原材料を買わなければならぬという宿命にあるわけですから、私はこの体質はある程度各国の理解を得なければいかぬと思うのです。もっともそのかせいできた黒字そのままため込んでおったのでは、これは非難の的になってしかるべきですけれども、最近日本はODAの三年間倍増を初め海外援助に大いに努力をいたしておりますし、同時にまた、海外の直接投資も続々とやっております。そういうことで、基礎収支はとんとんかマイナスになっているのだよ、そう簡単に貿易収支でプラス・マイナス・ゼロというわけにいかぬのだ、第一油がないじゃないかという点を私は大いに力説しておるわけなのですが、だんだんそういう点は理解されていくのじゃないかと思います。  ただ、貿易収支でとんとんという経済構造にまで持っていくのにはやはり相当年月を要することでございますから、今回のアメリカにおける話し合いで決まりました賢人会議と申しますか民間人の有識者で構成した会議で、そういう点はもう少しフランクに話し合って、なるほどこれはそう簡単にいかぬということを大いに認識してもらおうと思っておるわけでございます。
  223. 竹本孫一

    ○竹本委員 時間がありませんから余り議論もできませんが、次に資本の取引の方へ入ります。  この中で円建て外債の問題、それから、いまたまたまここで見たのだが、外国為替等審議会、五十五条の二、これにも「対内直接投資等」という言葉が入っておりますが、対内直接投資と対外投資との関係をどういうふうに見ておられるのであろうか。ということは、対外投資というものもいろいろ将来の日本の経済のあり方について、これは先ほども議論が出ておったと思いますけれども、国内競争と日本が対外投資をしたその競争と二つの日本同士の競争の方が大変むずかしくなるという点についてどれだけの配慮が行われようとしているのであろうかという点を心配しているわけです。たとえばこの審議会でも「対内直接投資」ということだけ特に言っているのはどういうわけか、それから、日本が対外投資をする場合についてはどういう考え方に立って見ておられるのかという点だけ承って最後にいたします。
  224. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 対外投資と対内投資に対する考え方でございますが、まず外国為替等審議会の規定からまいりますと、確かに「対内直接投資」という言葉はございます。「対外直接投資」という言葉は入っておりませんが、これは「外国為替」という方の中に対外の直接投資というものを読み込んでおるわけでございまして、当然外国為替等審議会の調査審議の対象になるというふうに私どもは考えております。  それから、対内直接投資、対外直接投資についての従来の規制の考え方からまいりますと、わが国の企業が海外に進出していく場合の対外投資の方の規制というものは非常に緩くなってきております。現に先ほども御指摘がございましたが、企業が海外に逸出していってその製品が日本に逆上陸してくるような特殊な場合には、許可ベースということで現在規制が残っておりますけれども、それ以外の対外直接投資というのは大体届け出だけで自由に行えるというふうになってきております。それに対しまして対内直接投資につきましては、やはり例外四業種といいますか、そういう規制がまだ残っておりますし、あるいは例外的に日本の産業に外資が進出してきた場合に悪影響があるというものについての規制は若干残っておりまして、どちらかといえば対内直接投資の規制の方が若干まだきついのではないかというふうに私どもは見ております。
  225. 竹本孫一

    ○竹本委員 終わります。
  226. 加藤六月

    ○加藤委員長 安田純治君。
  227. 安田純治

    ○安田委員 まず私は、今回の法改正のいきさつについてお尋ねしたいと思うわけです。  今回の改正の直接のきっかけは、昨年一月の稲田前首相の記者会見だと言われておるわけでございますが、その直後の牛場・ストラウス会談でも、共同声明の中に盛り込まれて対米約束となったわけでございますので、福田前首相が思いつきで言い始めたとは思えない。そもそも本当の発端は何だったのかということを伺いたいわけであります。もちろんこの法律は、敗戦直後の極端な外貨不足時代においてGHQの指導でつくられたもので、原則禁止の水も漏らさない法体系となっていて、その後OECDの加盟やIMF八条国への移行などを経て、政省令でかなりの程度まで自由化されてきたという過去のいきさつはわかった上で、それを抑さえた上でお伺いするわけですが、そもそもの発端は何であったのか、伺いたいと思います。
  228. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 対外的には、今回の改正の直接のきっかけは御指摘のとおり、福田前総理が昨年の一月に外国為替管理制度の全面的な見直しをするということをおっしゃったことがきっかけになっております。しかしながら、私どもとしましては実は、現行の法体系が現実の為替管理の実体にも合っていないではないか、原則禁止のたてまえをいつまでも残しておくことは実体にも合わないということで、従来からこの改正の必要性というものは感じていたわけでございます。また御承知のように、こういう法律をいまのまま残しておきますと、外からもいろいろ誤解や批判を受けるおそれもあったわけでございます。  いろいろ理由がございますが、たとえば一つの例を挙げますと、一昨年から昨年にかけまして円が非常に急騰いたしました。またその前に、日本に対していろいろ円安批判というような批判もございました。その後ろではいつもドイツと日本が対比されて、ドイツは対外的に原則自由の法体系をとっておる、それに対して日本は依然として原則禁止の法体系をとっておる。しかし、実体を並べてみればそれほど自由化に大きな差はないわけでございますので、私どもとしてはそういう誤解を避けるという意味からも、法律の全面点な改正は必要だというふうに考えていたわけでございます。  それと同時に、それを契機といたしまして一層自由化を進めていくということがまた、終局的に日本の経済というか、先ほどから金融の問題につきましても、たとえば金融市場の整備のきっかけになる、金利の弾力化、自由化がこれによって促進されるという私ども日本にとってのメリットがあるということで、今回の改正を行おうとしている次第でございます。
  229. 安田純治

    ○安田委員 いま答弁があったようないろいろな事実があったのでしょうが、どうも今度の改正のいきさつを見ますと、会期末ぎりぎりに閣議決定をしながら、東京サミットへのみやげにしようということで審議を急いでいるように感ぜざるを得ないわけであります。どうもこの法案は、きっかけから国会提案まで外向きの姿勢で貫かれているという気がしてならないわけであります。わが国の経済の基本を左右するいわば基本法をこのようなやり方で改正するということについては、強い疑念を感じます。十分な時間をとって国民の理解を求める努力をするべきではないかと思うわけであります。  たとえば事前の懇談会のあった段階でも、私どもの方で説明を求め、要綱段階でも説明を求めたわけですが、当時大蔵省の私に対する答えは、法案ができるまで待ってくれという話でございました。さて法案ができましたので、逐条的説明をせよと言ったところが、忙しくてしようがないということで電話で答える。こういうように、国会の審議はどうでもいいといいますか、そこまで言うと極端かもしれませんけれども、相当はしょって、外向けに、東京サミット向けに盛んに急ぐ、こういう姿勢が見られるのはきわめて遺憾だと思うのですが、その点について大蔵大臣からお答えを願いたいと思います。
  230. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 これは国会の本会議の冒頭におきまして私の財政演説でも、今度は提案いたしますからよろしくお願いしますということをお願い申し上げておりました。ただ、政府部内の調整に相当の時間がかかりましたことは事実でございます。通常の取引については完全なと言っていいくらい自由化できましたけれども、その他の面においてなかなか手が及ばなかったのは事実でございまして、調整に手間取りまして大急ぎで出したわけでございまして、決してサミット向けとかそういう気持ちでおるわけではございません。  承りますると、大変説明不十分で申しわけないことをしたようでございますが、十分これからでも説明をさせますので、御審議の方はお願いを申し上げたいと思います。
  231. 安田純治

    ○安田委員 ぜひそうしていただきたいと思うのです。われわれの方も、いろいろ質問の準備や法案の検討をしなければならぬわけですが、忙しいなんと言って電話くらいで答えられても非常に困りますので、そういう点、誤解を招かないようにひとつ十分なお考えいただきたいと思います。  次に、今回の改正で原則自由化すると同時に、有事規制の仕組みを導入することになったわけですが、ニクソン・ショックのときから最近の円高時の経験を見ましても、こうした有事には情報力のある大商社や大企業がいち早く投機行為に走って、巨額の利益をおさめるというようなのが常であるというように見られるわけであります。したがって、この有事規制の仕組みをだれが判断し、いつ発動し、どう運用していくかが、この法律が有効に機能するかどうかの試金石になる、こういうふうに思うわけであります。  先ほど来同僚委員がいろいろ伺っておるわけでございまして、これに対して大臣の方から、たとえば沢田委員の質問に対しては、審議会の方でいわば有事というものの大きな枠といいますか、大まかな枠組みみたいなものについては審議して決めてもらいたいというような御答弁もありました。それから大島委員の質問に対してのお答えでは、政府を信頼してくれというふうな答弁もございましたけれども、私ども有事規制の発動に際しましては、機を逸せず、しかも民主的に、こういうことを配慮する必要があるのではないかと思っております。  今回の法律を見ますと、有事規制の発動は法律上、この審議会の審議事項になってはいないわけでありますが、私どもとしては、この審議会の機能を真に働かせるためにこの審議会のメンバーを、利害関係者を除く中立、公正な第三者として、有事規制発動も審議できるものとすべきであると思うがどうかということをひとつ伺いたいわけでございます。  もう一つ、時間の関係でお伺いしておきますけれども、西ドイツではすでに有事規制の体制がとられているわけでありますが、資金の流出入をうまく規制できないということも言われておるようであります。西ドイツにおける最近の有事規制の発動事例とその効果についてどうであったかということも、あわせて御答弁を願いたいと思うわけであります。  なお、つけ加えておきますが、先ほど申し上げましたニクソン・ショックのときや円高のときのいわば投機行為といいますか、こうした事例を考えますと、ただ政府を信頼してくれと言われただけでは、いままでのニクソン・ショックの例や何かを見てどうもわれわれとしては、決して信頼しないというわけではございませんけれども、過去のそういうケースがございますので心配をするわけであります。こういうことを申し添えまして、御答弁をお願いしたいと思います。
  232. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 先ほども御答弁申し上げましたように、政府の責任で必要なときにはいつでも発動できる体制をひとつとっていきたいと考えておるのでございます。それから、審議会がありますから、事後報告をやりますということは局長も申しておるところでございますが、しかし、こういう場合にはもう有事規制に踏み切りますよというある程度客観的な柱と申しますかそれは、ぜひひとつ前もって審議会で御相談をして決めておいていただこうかというふうに考えておる次第でございます。  それから、審議会の委員についての御意見、御提言がございましたけれども、やはり専門的なことでございますので、一々相談してやるわけじゃございませんから、それは全く中立的なずぶの門外漢を集めてきて御審議いただきましても、効果が果たしてあるかどうか私ども懸念なしといたしませんので、最も公正な意見を吐ける人を極力集めるように努力をいたします。
  233. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 ドイツが有事規制の体制をとっておりまして、それの実施状況はどうかという御質問でございますが、ドイツも発動いたしました時期というのは幾つかございますが、代表的な時期を申し上げますと、ちょうど一九七三年の二月にこれは大変な国際的な投機が起きまして、ドイツが国内で金融引き締めをやっているときに、大量の外資が外から入ってまいりました。そのために、国内の経済が非常に撹乱する、また、その当時はまだ固定相場を維持しておりましたので、中央銀行が大変大量な介入をやって支える、それがまた過剰流動性の一つの原因になるというような事態が起きたわけでございます。そのときにドイツが対外経済法に基づきまして規制を発動している例がございます。その際には、たとえば七三年の二月に、非居住者によるすべての証券取得を許可制にするとか、あるいは居住者が外から借り入れる対外借り入れを全面的に許可制にする、さらにはもっと、預金準備率を一〇〇%に引き上げるというような措置を逐次打ち出してきております。  その効果でございますが、私どもが聞いておりますところでは、それなりに有事規制の効果はあったというふうに聞いておりますけれども、ただドイツの場合には、為替管理という見地からの支払い規制を全然やっておりません。そのために銀行の窓口で、その取引が本当に規制の対象となっておる取引かどうかということをチェックする要因が実はいなかったわけでございます。そのために、その効果が期待したほどのものではなかった、そういうふうに伝えられてきております。私どももそういうふうな理解をしております。
  234. 安田純治

    ○安田委員 残された時間がもうなくなってきましたので、またまとめて幅つかの質問を一遍にしたいと思います。  今回の改正で、直接投資の大幅な自由化を進める方向になるわけでありますが、これは日本経済の自主的発展にとって望ましくない結果をもたらすことになるのではないかと懸念もされるわけであります。対外直接投資について言うと、たとえば繊維産業などに見られるように、どんどん安い労働力を求めて海外に出ていくと、国内で雇用問題などが深刻な問題を生ずる、他方、安い製品の逆輸入で国内の中小企業が大きな打撃を受けることになる。現行では大蔵省の告示で繊維産業などについて許可事項とされておりますけれども、これまで大蔵省は繊維産業の海外進出についてどういう扱いをしてきたのかということが一つであります。  それから今回の改正で、これが原則自由となるわけでありますけれども、もちろん国内産業に著しい影響がある場合には、大蔵大臣の変更、中止勧告ができる仕組みになってはおりますけれども、この点、政省令段階で明確に業種を指定して、厳しいチェックをしていくべきではないかと思いますが、これに対する御見解はいかがか。  最後に、東京サミットでもいわゆる国際的な産業調整論がテーマとなっておるようでありますが、こうした対外、対内の直接投資の自由化は、わが国の中小企業や労働者へのしわ寄せを一層大きくするものになっているのではないかと懸念されるわけでありまして、この産業調整についての大蔵大臣の考え方をお聞きしたい、これが最後でございます。この三問についてお答えいただきます。
  235. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 対外直接投資につきましては御指摘のように、その進出企業が海外で生産しましたものが日本に逆上陸してくるいわゆるブーメラン効果ということで日本の産業に悪影響があるという場合には、現在も規制をしております。  御指摘のように繊維業の対外投資につきましては、これは許可制のもとに残しております。今回の改正法のもとにおきましては、許可制が全部届け出制に変わるわけでございますが、届け出制になりましても、その内容によりましてわが国の経済に悪い影響がある場合には、これを内容変更するとかあるいは中止をするという勧告が出せる仕組みになっておりますので、今後も繊維業みたいな特定の業種につきましては、これを政令あるいは省令の段階で明示することになるというふうに私どもは考えております。  それから、この自由化によりましてわが国の中小企業が非常に影響を受けるのではないかという御指摘でございます。しかしこの問題は、確かにそういう問題はございますが、世界の大勢といたしましては、わが国がこれだけ国際経済の中で力がついてきたわけでございまして、そういう国でいつまでも市場開放をちゅうちょするということであってはならないと思いますし、それは世界全体の進歩にもつながらないんじゃないか。むしろ強い国は市場をなるべく開放していって、そこで本当の意味での国際的な分業というのが進んでいくのが世界全体の立場から見て好ましい。技術の進歩も図れるし、国民の生活もそれだけ豊かになるんじゃないかというふうに私どもは考えております。ただその過程におきまして、現実の問題としていろいろ摩擦が起きる、そういう問題につきましては、これは別途の見地からそれに対する救済措置というものを考えるべきではないか、こういうふうに考えております。
  236. 安田純治

    ○安田委員 大臣は、同じですか。
  237. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 同じです。
  238. 安田純治

    ○安田委員 じゃ、これで終わります。
  239. 加藤六月

    ○加藤委員長 永原稔君。
  240. 永原稔

    ○永原委員 今度の改正について、私たちは基本的には賛成の方向にあります。ということになると、質問しなくてもいいということになるわけですけれども、ただ、疑問点を一、二お伺いしたいと思います。  いま問題は、先ほど沢田委員が指摘しましたように、手続的な政省令、これにあると思うのです。本当にいままで原則は禁止であって、いろいろな政令あるいは省令手続的に解除の方向で対応してきたということですが、今度の委任されている政省令で、緩和の方向のものと規制の方向のものと両方あります。規制の方向のものが強められていけばこれは意味がなくなるわけなので、こういうものに臨む大蔵大臣の態度というのをまず伺いたいのです。  時間がありませんので続けて言いますが、先ほど来質問が出ています資本取引の有事規制ですけれども、二番目の「本邦通貨の外国為替相場に急激な変動をもたらすことになること。」こういうような「急激な変動」というようなものについて、先ほど局長のお話は伺いました。日銀があのドルの買い支えとかあるいは円安について介入するような措置、これは「急激な変動」というようなことに該当するでしょうか、現在の情勢は安定しているものかどうか、こういうようなことについて伺いたいと思います。  と同時に、こういう有事規制をやる場合に、告示でもするのでしょうか、一体どの期間規制をしようとするのか。これは経済情勢によって変わってきますので、あらかじめ期間を予定することはできないと思いますけれども、解除についてはどういう手続をなさるのでしょうか、まずその点を伺いたいと思います。
  241. 金子一平

    ○金子(一)国務大臣 第一点の御質問は、基本的な問題でございますから私からお答えいたしますが、政省令で今後、せっかく法律では原則自由を打ち出しながら制限を強めていったんじゃ意味がない、これは全くおっしゃるとおりでございますので、今後文字どおり原則自由化の方向に、御意見に沿うように政省令の内容を持ってまいりたいというふうに考えております。  それから、どういう手続でいまの有事規制の発動をやるかということですが、これは先ほどもお答えいたしましたように、私どもとしては、あらかじめ審議会にいろいろ御意見を承りまして、これからの行き方を十分議論を尽くしていただいて、それじゃこういう基準でひとつ考えたらどうだというようなことであらかじめ基準をお示しいただいておいて、それに従ってやるような方向を考えていったらどうか、ただいまのところそう私は考えておる次第でございます。今日の状況がすでにもう有事規制に該当するかどうかというと、これはそう簡単にそうだと言うわけにもいきますまいが、そこら辺のことは十分審議会で議論をしていただいて発動の基準を決めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  自余の問題は局長から答えさせます。
  242. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 本邦通貨の外国為替相場に急激な変動をもたらす場合というのが、その為替の介入との関係がどういうふうになるのかという御質問だと思います。  その点につきましては、私ども御承知のように、為替相場の乱高下を防止するために介入を行ってきております。必要に応じて介入を行い、相場の動きがなだらかになるような介入を行ってきております。しかし、これにも実は限界があるわけでございます。  諸外国の例を見てまいりますと、たとえば介入を非常に大幅にやったために、相場自体は安定したけれども結局、国内の流動性が非常にふえてくる、それがまたインフレの原因にもなるというような状態があったわけでございます。そういうふうな場合に仮に介入をやめるということになりますと、これは相場がまた急激に変動するというような現象があるわけでございまして、そういう点は私どもとして、介入をやっているときの状況を見ながら、やはり相場の動きというものをやめたときにどういうふうになるのかというようなことも考えに入れて、それで実際の有事の規制を発動する必要があるのかどうかということを判断していきたい、そういうふうなことについては外国為替等審議会においていろいろ御意見をいただいていきたい、こういうふうに考えているわけでございます。  それから、その有事規制の発動を解除するときは今度はどういうことになるのかという御質問でございますが、従来私どものやり方からいたしますと、解除するときにはそれぞれ、まあ規制をするときもそうでございますが、対外的に新聞発表しておりますし、規制を解除する場合にも対外的にそういう発表をいたすつもりでございます。
  243. 永原稔

    ○永原委員 新聞発表だけですか。何か国として告示するようなことはなさいませんですか。
  244. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 これはまだ、政省令の規定の仕方にもよると思いますが、従来からこの現行法のもとでも規制を強化するような場合に、政令事項といいますか省令事項とかあるいは告示の事項がございます。今後も恐らく、この規制を発動する場合あるいは解除する場合に省令なり告示が必要になる、そういうものが出てこようかと思います。しかし、全部が政令で必ず対外的に周知されるようになるかどうか、その点につきましては、ちょっとまだ内容を細かいところまで詰めておりませんのでお答えしかねます。
  245. 永原稔

    ○永原委員 条文に関連するのですけれども、届けを要する資本取引の内容の、審査及び変更の勧告などについては大蔵大臣が専管でおやりになる、対内直接投資の内容の審査及び変更勧告は外為の審議会を経ておやりになる、これは迅速を要するというようなこともあろうと思いますので一応了解するとして、ただ、この取り消しの場合、対内直接投資の内容の審査及び変更勧告、これについては取り消し条項がありますけれども、これはどうして審議会の議を経ないで直接大蔵大臣や所管大臣がおやりになるのか。二十七条の八項です。  それから、国内直接投資に関連しましていま四業種、農林水産、鉱業、石油業、皮革製造業、こういうようなものが制限されるように聞いておりますが、この制限をする根拠法規はどこにあるのでしょうか。それと、こういうような業種については何か告示するのかどうか、また、どういう観点からマイニングとか石油業、皮革製造業というものがこの際取り入れられたのか、その点を伺いたいと思います。
  246. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 まず第一の、外国為替等審議会の議を経て対内直接投資の規制をする場合とそうでない場合とがあるという御指摘でございますが、届け出をした者にとって有利になる場合には、必ずしも外国為替等審議会の議を経ないで行うことができることにしております。その内容の変更あるいは中止の勧告をするというような場合は、必ず外国為替等審議会の審議を経て行うことにしております。  それから、対内面接投資の場合の例外四業種でございますが、現在この四業種は農林水産業、鉱業、石油業と皮革製造業でございます。この四業種について、告示はいたしませんけれども、閣議決定等の方法で対外的に周知できると私どもは考えております。  それから、それぞれの業種についてどういう理由でこれを規制するのかということでございますが、これはなかなか一概に言えないのでございます。たとえば農業の場合ですと、その経営基盤が非常に零細であるということもございますし、また食糧自給体制の確立という観点もございまして、これに外資の進出を許すのは必ずしも適当ではないのではないかという判断がございます。またたとえば石油業については、これは今後の日本のセキュリティーにも関係する業種でございますので、国としても外資の進出については相当慎重な配慮が必要である。それから鉱業については、天然資源は一極のその国の所有であるといいますか、ナショナリズム的な観念が諸外国においても一般的になっておりまして、特に国内に資源の少ない日本でございますので、その資源を外資に利用させるということになりますと相当慎重な配慮が必要である。このような観点からこの四業種については、現在規制を行っているわけでございますし、今後の新しい法律のもとにおいても、さしあたってはこれらの業種については従来と同じような規制が残ると考えております。
  247. 永原稔

    ○永原委員 根拠法規はどこですか。
  248. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 失礼いたしました。  根拠条文は、今度の新しい法律の第二十七条でございます。  第二十七条において、第一項の二号に「当該対内直接投資等に係る事業と同種の我が国における事業(関連する事業を含む。)の活動その他我が国経済の円滑な運営に著しい悪影響を及ぼすことになること。」というのが、その規制理由になっております。
  249. 永原稔

    ○永原委員 この二十七条の一項二号と三十条の一項二号、これが関連すると思うのですけれども、これはただ、そういう規制を言っているのではなくて、「届出を受理した白から起算して四月間に限り、延長することができる。」というだけではないですか。ですから、ここで規制、制限をすることはできないのじゃないかと思うのですけれども、こういう制限がどこから出てくるかわかりかねたので伺ったわけです。
  250. 宮崎知雄

    ○宮崎(知)政府委員 三十条のところをごらんいただきますと、第一項におきましては、その期間を延長することができるという規定になっておりますけれども、その第二項におきまして、大蔵大臣及び所管大臣は、前項各号に掲げるいずれかの事態を生ずるおそれがあると認めるときは、この届け出をした者に対してその一部の変更なりまたは中止を勧告することができるというふうに、その根拠は二項に規定してあるわけでございます。
  251. 永原稔

    ○永原委員 それから、むしろ霊力とかあるいは航空とかそういうものの方がより大きな影響を受けるのではないか、こういう気がするのです。きょう新聞に報道されているところによりますと、YXXの問題で三菱重工とか石播重工あるいは川崎重工とロールスロイスが技術提携して共同開発をやる、こういうものについてはどういう措置がとられるのか。  時間がありませんので、一つ最後につけ加えますけれども、地場産業に非常に結びついている信用金庫が外国為替の取り扱いができない。しかし、こういう状況の中で地場産業の望んでいるのは信金の外為取り扱いだと思うのです。こういうものについて銀行局は拡大するお考えを持っていらっしゃるかどうか、あわせて伺って質問を終わります。
  252. 畠山襄

    ○畠山説明員 航空機についてお答え申し上げます。  けさ新聞に出ておりましたように、ロールスロイスというイギリスのエンジンメーカーがわが国の石播、三菱、川崎の三社と提携をして、七トン、八トンから九トンくらいのエンジンの共同開発をしたいという申し入れが昔から来ていることは事実でございます。  私ども一般論でございますが、エンジン開発は日本の産業構造の知識集約化と申しますかそういう政策目的にも合致いたしますので、一生懸命推進しているところでございまして、大型プロジェクトという工業技術院の制度で独自のエンジン開発もやってまいってきているところでございます。  本件につきましては、むろんまだその具体的な申請とかそういう問題になっておりませんので、出てまいりました段階でいろいろ検討をさせていただくと同時に、審議会でいま航空機工業を今後どうするか、新聞でYXXとか出ておりますけれども、ああいった問題も含めまして検討させていただくことになっておりますので、さよう処理させていただきたいと思っております。
  253. 徳田博美

    ○徳田政府委員 現在の制度のもとでは信用金庫は外国為替業務ができないわけでございますけれども、日本の経済の国際化の進展に伴いまして中小企業の外国為替取引も非常に増大しておりますので、この問題については前向きに取り組みたいと考えております。ただ何分にも、これは法律改正を必要といたしますので、金融制度調査会において御審議を願うことになるのではないかと思っております。
  254. 永原稔

    ○永原委員 時間が来ましたので終わります。
  255. 加藤六月

    ○加藤委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。  次回は、来る二十五日金曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時二十分散会