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1978-06-15 第84回国会 衆議院 石炭対策特別委員会 8号 公式Web版

  1. 昭和五十三年六月十五日(木曜日)     午前十一時三分開議  出席委員    委員長 細谷 治嘉君    理事 田中 六助君 理事 楢橋  進君    理事 野田  毅君 理事 山下 徳夫君    理事 岡田 利春君 理事 中西 積介君    理事 西中  清君 理事 稲富 稜人君       大坪健一郎君    篠田 弘作君       藤田 義光君    山崎平八郎君       岡田 春夫君    中村 重光君       野村 光雄君    津川 武一君       中川 秀直君  出席国務大臣         通商産業大臣  河本 敏夫君  出席政府委員         資源エネルギー         庁石炭部長   宮本 二郎君         労働政務次官  向山 一人君         労働省職業安定         局失業対策部長 細見  元君  委員外の出席者         労働大臣官房審         議官      松井 達郎君     ――――――――――――― 委員の異動 六月十五日  辞任         補欠選任   安田 純治君     津川 武一君   田川 誠一君     中川 秀直君 同日  辞任         補欠選任   津川 武一君     安田 純治君   中川 秀直君     田川 誠一君     ――――――――――――― 六月五日  石炭産業安定対策及び産炭地域振興に関する陳  情書外一件(夕張市議会議長斉藤直巳外一名)  (第四四一号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  閉会中審査に関する件  石炭対策に関する件(北炭問題)  石炭政策の確立に関する件  請 願   一 炭鉱離職者緊急就労対策事業の継続実施     に関する請願(野田毅君紹介)(第四〇     三四号)      ――――◇―――――
  2. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 これより会議を開きます。  石炭対策に関する件について調査を進めます。  北炭問題について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。篠田弘作君。
  3. 篠田弘作

    ○篠田委員 きょうの予定は、北炭問題と石炭の一般政策についてやられるということは大体承知いたしておりますが、全般の問題に入る前に、北炭の問題についてちょっとお尋ねしたいのであります。石炭部長がいらっしゃいますから、ひとつ。  北炭の問題は何か非常に切迫しておりまして、毎日のように夕張から当事者が陳情に来ておるのでございます。内容につきましては、詳しいことは報告も受けておりませんし、また北炭側から陳情も受けておりませんので、よくはわかりませんけれども、しかし、非常にせっぱ詰まったという空気だけは感じられるわけでございまして、この問題についてまかり間違えば夕張の火を消さなければならぬかというような心配もしている人があるわけですが、そういうことにはならぬと思いますけれども、どういうふうな経過と努力を続けておられるかということを、ちょっと通産当局にお専ねします。
  4. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 ただいま篠田先生から御質問のありました件につきまして、お答え申し上げます。  北炭の企業の再建問題につきまして、最近の情勢、先生のおっしゃる地元の事情、よく承知しておる次第でございます。北炭問題につきまして若干の経緯を述べさせていただきたいと存じますが、御承知のとおり、五十一年の十月、三笠市の幌内炭鉱の火災事故がございまして、水没いたしました幌内炭鉱を復旧するということで、これをどうするか、政府として災害復旧に特別の助成をしよう、それと同時に表面化いたしました北炭の経営危機の問題につきまして、再建計画をつくるということで推移してまいったわけでございます。北炭の再建の基本となります夕張新鉱の出炭計画がございますが、これが当時日産五千トンということで、再建計画の中核をなしておったわけでございますが、夕張の炭層自体、地盤的にいろいろむずかしい問題がございまして、その五千トンの計画がなかなか達成できないという事情から、その再建計画をもう一度見直さざるを得ないという状況になりまして、昨年来、再建計画のもう一度見直しという状況になってまいったわけでございます。  その再建計画の見直しの基本となります問題は、夕張新鉱が、日産五千トンはむずかしいにしましても、一体どのくらいの安定した出炭量になりますか、その辺が一番の問題でございまして、昨年末から一月にかけましては約三千トン台に出炭量が落ちるという問題もございまして、全般的にもう一度、政府といたしましても改善すべき点、問題点等をいろいろお話し申し上げまして、労使一体となって経営改善に努力してもらっておる状況でございます。おかげさまで三月半ば以降、大体四千二、三百トンぐらいで非常に安定的に生産が推移してまいっております。こういう状況下におきまして、ようやくそれを土台に置いて再建計画を描くことができるという状況になりまして、四月以降再建計画の問題を急速に煮詰めてまいった次第でございます。それによりまして、五月以降、まず政府といたしましては、労使関係の意見が一致して、しかもその意見に金融機関の支持を受けたもの、これを政府に御提出願いたい、それでこれを鉱業審議会の経理審査委員会において御審議願いまして、この再建計画につきまして、政府といたしましても、現行制度の運用の範囲内であるけれども、最大限の助成をいたしたいということで、その時期を待っておる、これが実は現状でございます。  ただ、先生のおっしゃいますとおり、問題がだんだん煮結まってまいりまして、関係各方面におかれまして、特に地元におかれましては非常な心配をしておられることは事実でございます。私といたしましてもこの一月には夕張に直接参りまして、いろいろやってまいったわけでございまして、それ以降、実はこの問題にかかり切りになっておるような次第でございます。先生の御意向は重々よくわかる次第でございまして、私といたしましては、最大限の努力をいたしたい、このように考えておる次第でございます。  計画のまとめにつきましては、会社を督促いたしまして、一日も早く計画が出てくることを期待しておる状況でございます。
  5. 篠田弘作

    ○篠田委員 ありがとうございました。
  6. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 岡田利春君。
  7. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 北炭の本来の災害の復旧が、水没炭鉱としては世界に類例のない復旧が行われた、これも一つには二千万トン体制を維持をしていく、さらにまた、地域経済を十分配慮する、こういう中でとられた措置であったと私は思うわけであります。しかし、一年足らずして、今日再び北炭の再建問題が重大な局面になっておる、これはやはり、いま部長からも説明がありましたけれども、新鉱の五千トン体制が、当時四千トン体制をすでに割っている、ようやく四千三百トン体制になってきた、この企業の責任はきわめて私は重大である、こう思うわけであります。しかし、企業の責任を厳しく追及するとともに、今日、地域の不安、動揺を一体どう解決をしていくのか、それにはやはり北炭の再建計画というものがぴちっと打ち立てられて内外に示されなければならない、こう思うわけです。私は、そういう観点から、以下北炭の問題について御質問をいたしたいと思います。  まず第一点は、いま部長が答弁されましたように、北炭の再建計画、すでに会社、組合、いわゆる労使の間では一応の再建の協定が行われておるわけです。しかし、それだけでは通産省にその計画を出しても受理をするという状況にはない。とすれば、再建計画を受理をして、鉱業審議会に付託をするという要件は、一体何々の要件がそろえばこれは受理がされてそして鉱業審議会に付託をされるものか、この点についてまず第一点、承っておきたいと思います。
  8. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 お答え申し上げます。  北炭の再建計画につきましては、再建計画が出ました以後、その会社が本当に再建できるような前向きな計画である、これが最大の問題であろうかと思います。  そういう観点から判断していくわけでございますが、そういう点から考えるならば、まず労使が一致協力して案を支持しておられることが大切であろうかと存じます。その上で、やはりその計画について金融機関のバックアップを受けておる、こういうものであることが、政府といたしましては鉱業審議会において御審議いただく前提ではなかろうか、そのように考えておる次第でございます。
  9. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 そういたしますと、北炭の再建計画の基本については、一応労使の合意協定が行われた、したがって今日の段階は、北炭企業とメーンバンクである三井銀行、この間で協議が調わないために提出が行われないで、また通産省としては、その協議が調った後の結果に基づく計画書の提出を待っているというのが今日的状況ではないかと私は思うわけであります。  そういう考え方に立ちますと、この一月、二月、特に三月――三月末までには再建計画を決める、こういうような前提で動きがずっとあったわけでありますが、もう六月半ば過ぎるのに、依然としてまだ提出の段階に至っていないという状況でありますが、今日時点で、一体この再建計画の、金融機関との協議が調って通産省に提出をされる目途というものはいつごろになるのだろうか、非常にここが問題だと思うわけです。今日時点における通産省としての判断についてお伺いいたしたいと思います。
  10. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 北炭の再建計画につきましては、先ほどお答え申し上げましたように、計画を描きます夕張新鉱の生産ベースがどの程度になるかというのが、まず最初の計画の土台でございました。この土台ができましたのは三月の下旬以降、四月に入ってからでございました。それで、その上で再建計画についでの労使交渉が行われてまいったと存じます。たしかまとまりましたのが五月の下旬ごろではなかったかと存じます。その上でいよいよ、金融機関だけではございませんが、金融機関その他いろいろ関係市中会社もございます。そういうところとの交渉に入ってまいっておるわけでございます。  いつごろまでに出る目途か、こういう仰せでございますが、私どもといたしましては、もう早くから出るよう実は待っておる次第でございまして、一日でも早くと期待しておる次第でございますが、なお若干の時日を要するのではなかろうか、このように感じておる次第でございます。
  11. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 この再建の議論がなされてから非常に時間がたっているものですから、そういう状況の中で、企業の状況というのはやはり悪化していくという傾向をたどっておる、こう思うわけであります。五月末の北炭の手持ち資金は三億円で、これが六月に持ち越された。資金不足は六月、二十億と想定される。そうして賃金の支払いは、きょう支払いされるのを二日間延期をして十七日に賃金が支払いされる。しかもその賃金は七〇%支給で三〇%カット、これは後に回す、こういう会社の意向のようであります。こういう状況の認識については、通産当局と私がいま述べた認識については全く一致しているかどうか。  同時にまた、石炭政策始まって以来、いろいろ困難な道はあったけれども、労働者の働いた賃金をカットして支給するという事態はきわめて少なかったわけです。たとえば杵島やあるいはまた麻生、明治等の再建の場合であっても、当月支払い分の賃金をカットせざるを得ない、こういう事態はいままでの政策の中では避けてきたわけであります。  そういう意味でわれわれは非常にゆゆしき事態だ、こう認識をするわけですが、こういう状況の認識については、私と同じ認識に立っておるかどうか、伺っておきたいと思います。
  12. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 北炭の資金繰りの問題でございますが、私といたしましてはできるだけ早い機会に計画がまとまることがきわめて重要である、それでないとなかなか資金繰りの点につきましても苦しい事態が出てくるのではあるまいか、このように考えておった次第でございますが、そういう状況につきましては、ただいま先生から六月についての御指摘がございましたけれども、いままでもいろいろ側面から応援して今日まで参っておる次第でございます。その事実の状況については私よく認識いたしておる次第でございます。  賃金のカットと先生申されましたわけですが、現在までのところ、北炭におきまして賃金の払いが遅延したことはあったかと存じますが、完全にカットしたということはなかったのではなかろうか。まあボーナスにつきましては、大手水準の六割とかなんとか、こういうようなことはございましたが、賃金については、たしか二月だったかと思いますが、一時期遅延したことはございました。賃金をカットするという事態ではないのではないか、このように感じておる次第でございます。
  13. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 賃金問題は、今年、北炭の場合には再建途上でありますから、賃上げはゼロということですでに合意をしておることを承知いたしております。七〇%支給というのは、いわゆる賃金支払いの遅延、三〇%は遅延をする、こういう事態もいままでの石炭政策には非常に珍しいことであるわけです。そういうところまで状態は悪化しているという認識をせざるを得ないのではないか、こういう意味で実は申し上げたわけであります。  そこで、五十三年度上期はすでに六月で三カ月間経過する、残される期間は三カ月である、そして再建議論が労使で行われた中では、上期は大体五十一億円の資金不足をする、こういうことが説明されておるわけであります。そうしますと、六月中にもし再建計画が提出できないとすれば七月にずれていく、この間の態勢がとれなければ、問題の結論が出ない前に北炭は倒産をするという事態に追い込まれることも予想されるわけです。そういう意味では、この点に対する対応策は、もちろん、主力銀行、企業の話し合いもあるでしょう。だがしかし、そういう議論の過程において、そういう事態を避けなければなりませんし、避け得ると理解してよろしいですか。
  14. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 私、昨年現在のところへ着任しまして以来、北炭問題に大半の時間を費やしてまいっております。先生のおっしゃるように、これは再建できなければいままでの努力は水泡に帰するわけでございまして、最大限の努力をするつもりでございます。
  15. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 今回の北炭の労使の再建協定について若干承りたいと思うわけです。  この再建の基本的な態勢は、三社分割をする、こういう案で、本社機能そして単独の会社として三炭鉱が独立をする、このように示されておるわけであります。そして、北炭夕張炭鉱株式会社の清水沢は、昭和五十五年度上期末までに閉山をする、こういう内容がすでに含まれておるわけであります。したがって、北炭の場合には、いま空知鉱が北炭の子会社であるわけです。その出炭規模体制からいっても、大手に当然準ずる体制にあることは御承知のとおりであります。したがって、こういう体系が変更される場合の本社機能というものは、一体どういう機能になるのか。三社が分割をされるということは、すでに子会社である北炭空知炭鉱の位置は一体どういうことになるのか。労使の再建協定には空知炭鉱については触れておりませんので、この点についてどういう理解をされておるか、承っておきたいと思うのです。
  16. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 ただいま先生から空知炭鉱の扱いとか、北炭の本社機能の問題、御質問ございましたが、私どもの方に再建計画は正式には提出を受けておらぬわけでございます。最終段階でいろいろと動く可能性もないとは言い切れないというぐあいに考えております。そういう状況でございますので、その辺がどういうぐあいになりますか、北炭の本社の機能につきましては、石炭新会社の石炭販売及び資材購入委託業務を行う、こういうようになっておるのは十分承知しておるのでございますが、大体そういう業務を行いつつ、生産会社の負います債務を軽くするような役割りを担うのではあるまいか、こういうように考えておる次第でございますが、まだそれがどういうものであるということまで十分お答えできないような状況でございます。  空知炭鉱の扱いにつきまして、今度分離いたしますれば空知炭鉱もきっと似たような状況になるのではないかというぐあいに、これは一つの推測ではございます。まだそこまで詰めたお答えができるような状況に私置かれておらない段階でございます。計画全体の内容を十分審査検討した上でないとお答えできない、そういう段階でございますので、ひとつ御了解いただきたいと存じます。
  17. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 そうしますと、北炭夕張炭鉱株式会社の出炭ベースは年間百二十七万トン、五十五年以降は百三十四万トンベース、そうして清水沢が先ほど申し上げましたように五十五年上期末の閉山を目途とする、北炭真谷地炭鉱株式会社は四十七万トンの生産ベース、北炭幌内炭鉱株式会社は五十四年以降は百三十万トンのベースで、今年度は日産四千トンの一応のベースで推移をする、こういう一応の構想になっておると承知をいたしておるわけですが、再建を議論する場合の生産規模ベースとしては一応これが妥当なところだ、これが安定的に確保されることがもちろん絶対的な前提条件でしょう。しかし、これは生産規模ベースとしては一応の基礎的なベースである、こういう認識でよろしいでしょうか。
  18. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 再建計画の土台になります生産ベースにつきましては、大体先生のおっしゃるようなベースである、このように私どもも理解いたしております。
  19. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 仮にこの北炭の新しい機構というものを前提にして考える場合に、石炭再建整備法の適用がすでにされておりますから、経理についても分割規制が行われておるわけであります。したがってこのような場合には、その経理監査等の及ぶ範囲は、個々に独立した炭鉱会社及びすでに分離している空知炭鉱株式会社、この四社に限られる、したがって、本社はもう炭鉱を分離してしまうわけですから、本社には及ばない、こういう法の適用になると思うのですが、そういう理解でよろしいですか。
  20. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 先生の御説のとおりでございます。
  21. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 私はかつて大分前に、当委員会で閉山交付金のあり方について意見を述べたわけであります。各資本別にずっと分析をしますと、数多くあった山が漸次縮小されて、現在三井で三山、三菱で二山。三菱はかつて二十近い山があった、三井は六山もあった、半分になった。北炭の場合には炭鉱数の減り方は他の企業に比べて非常にスローテンポで来ておるわけであります。この点がまた北炭の他の企業と違っている一つの特徴点でないか、私はこう思うわけであります。そしてすでに昨年は二鉱の閉山が行われて、閉山交付金の支給はまだされていない。そして今回の再建協定の中には、清水沢炭鉱の閉山がすでに協定をされて、閉山は好ましくないという決議が本委員会でも行われているわけですが、現実の問題としてすでにもう具体的に名前が挙って日程に上ってきている。しかし、いまの閉山交付金の制度は新方式で、従来の方式を変えて新しい方式に転換して以来、六年若干を経過をいたしておるわけです。経済事情の変動等も考えて、また本委員会で私が労働省に退職金等の動向についても質問したように、これらは、現実にこういう日程に上ってくる以上、やはり検討すべきだ、検討されなければならないものと思うのですが、検討されますか。
  22. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 閉山交付金の内容といいますか、特に交付金の算定基準の問題であろう、このように存ずる次第でございます。前にも先生から御指摘ございましたように記憶しておりますが、たしか六年も改正されておらない。これにつきましては、五十年七月の第六次答申の中で、国内の生産体制の維持という見地から、今後の閉山に係る債務処理は極力企業に負担させる方向で検討すべきである、やはり閉山交付金が会社負担に対する一つの助成という効果を持っております関係でこういう指摘が出たということでございまして、そういう点から考えますと、助成強化という観点を中点に見るならば、これは閉山対策というよりは、別途生産体制の維持と申しますか、合理化と申しますか、そういった本質的な方向で助成すべきであろうという気持ちも私自身ございますが、炭量その他減少いたしまして閉山となった場合の助成問題ということになりますと、先生の御指摘になる問題確かによくわかる次第でございます。清水沢炭鉱――特定の炭鉱の名前を対象にして考えるわけにはまいらぬわけでございますけれども、なおこれにつきましては時間的にも若干余裕がございますので、御指摘の点、今後十分検討して対処いたしたい、このように考えております。
  23. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 今日時点における北炭企業の退職手当の未払い、定着奨励金の未払いは総額どのくらいになっておるのか御説明願いたいと思います。
  24. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 北炭の未払い労務債は、私ども会社側から聞いている報告では六十二億七千万というように聞いております。中身を申し上げますと、退職金が五十三億何がし、定着奨励金が七億六千万、五十一、五十二年度におきます有給休暇、特定休日等の買い上げ分が約一億七千万程度、合計六十二億七千万、このように報告を受けておる次第でございます。
  25. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 退職手当の未払いのうち、たとえば夕張二鉱から新鉱に継続雇用になっておる、この継続雇用者の退職手当未払い金と、すでに北炭企業から完全に退職をしている退職手当の未払いの内訳はいかがですか。
  26. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 夕張新第二炭鉱の退職金の中で移行者の分が二十一億三千四百万、それから退職者の分が三億三千八百万、両方合計いたしまして二十四億七千万、こういうように承知いたしております。
  27. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 継続退職金の未払いが十四億、すでに退職した者の未払い金が三十四億という数字があるのすけれども、この点は違いますか。
  28. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 どうも失礼申し上げました。いま夕張新第二炭鉱の数字かと思ったわけでございますが、一般の退職者その他全部を含めますと、先生御指摘のような数字になると思います。
  29. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 そこでお伺いいたしたいのですが、夕張二鉱が閉山になり、継続雇用になる者は継続雇用になり、退職する者は退職しておる、こういう状況であります。この場合の北炭企業の夕張二鉱の閉山対策としての退職金の支払いの状況については、どのように措置されたかを通産省は把握をいたしておるでしょうか。
  30. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 退職金のうちの三分の二につきまして労働金庫から組合が借り入れて支払っておりまして、三分の一が未払いになっておる、こういうように聞いております。
  31. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 そこで、夕張二鉱の退職金の発生状況と、いま部長が答弁された労働金庫を通じて三十一億支払っているという面と、それから夕張一鉱はすでに閉山しておりますから、いずれ閉山交付金が支給されるわけですが、私の資料によれば、北炭の退職金、加給金の発生総額は五十三億九千万、そして近く交付をされるであろう退手及び加給金に対応する交付金は二十五億二千万円、こう理解しておるのですが、こういう理解で大体よろしいですか。
  32. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 大体そういう数字でなかろうかというように聞いております。
  33. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 そうしますと、退職手当で見れば、退職手当総額が四十一億二千万でありますから、これに見合う交付金は十九億七千六百万で四八%、それから加給金を含めて総額で五十三億九千万に対応する二十五億二千万、これは四七%、こういう数字になるわけであります。  そこで、私は次の問題をお聞きいたしたいわけですが、今日の交付金の支給のあり方ですね。退職金というのは四百万でいわば頭打ちされておるわけです。そして加給金その他について基準で決められておる。したがって、先ほど清水沢でも問題にしたのですけれども、今日労務債の関係で退職金関係で見ると、交付金というのは大体五〇%を切っている。出発当初は六〇%強というところをめどにして出発しておるわけですが、すでにこういう実態になっておることが夕張二鉱の場合の数字によって証明され、明らかではないかと思うわけです。  そこで、労働金庫というのは会社に直接金を貸す機関ではないわけです。労働組合が出資をして労働組合に貸し付けをするわけであります。これを会社側がいわゆる保証をする。いままで石炭政策あるいは再建の中でも幾たびかこういう手法がとられて危機を乗り切ってきた。たとえば期末手当の場合にもこういう方法で乗り越えてきたという数多くの経験を実は持っておるわけであります。  しかし、現行合理化事業団が交付をするという場合には、四十六年ですか、十二月協定に基づいて個人別の計算をして、そして代位弁済をやるわけであります。しかしまた一方において、交付金は出ないのだけれども、労働組合が労働者の組合の決定に基づいて退職金を代払いというかっこうで会社側が保証する、こういうことで閉山あるいは新夕張への移行をスムーズにしていく、こういう前提でこういう措置がとられた。この実態の認識というものをぴしっとしておかないと、今後問題が起きるのではないかと私は思うわけであります。そしてまた、個々に検討してまいりますと、交付金というのは、七百万の人は四百万で頭打ちなんですから、四百万円以下の場合には一〇〇%交付金の中で支払われる、個人個人によってずいぶん違いがあるわけであります。したがって、総額があるからといって、たとえばある個人が特定に請求をしても、それはそういう個々の計算に基づいているわけですから、個々の計算以上にはみ出すことはない、こう理解されるべきだと思うのですが、いかがでしょう。
  34. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 その辺になりますと、私ども実は細かいデータを全然持ち合わせておらぬ次第でございまして、いろいろそういうでこぼこや何かが生ずるであろうことは観念的には私どももわかるわけでございますが、それが具体的にどういうような状況になっておるのか、よくわからぬのが正直のところ現状でございます。
  35. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 私は、現地で多少の混乱がある、こう聞いておるものですからきょう一応質問を申し上げておるわけです。たとえば一千万の退職金のある人は四百万、加給金をプラスしても大体五百万くらいでしょう。そうすると、あとの五百万というのは、個人の権利に対して会社が別途に払う、交付金で計算しているのはそういう内容になる、そうしてトータルすると先ほど言ったように五〇%を切っておる、こういう状況でありますので、この点、二鉱の退職金の支払いの実態を正確に把握をする、後からごたごたのないように、問題全体がすっきりと解決できるような方向に、十分いまから実態把握をしておいていただきたいということを特に希望いたしておきます。  同時に、ここで問題になるのは、退職金の支払いについて、すでにそれぞれ権利発生者が基準監督署に対して支払い方を督促するよう行政指導を要請した。したがって、労働省はこれに基づいて退職金の支払い計画を出しなさい、こう命令した、こうわれわれは承っておるわけですが、北炭の退職手当の支払い計画についてすでに提出をされておるかどうか、承っておきたいと思います。
  36. 松井達郎

    ○松井説明員 お答えいたします。  先生の御指摘の支払い計画は、五十二年度以降退職者分の支払い計画だと存じます。五十一年度につきましてはそれが提出され、この計画が若干遅延いたしましたが、支払いが完了しておるという状況でございます。問題は五十二年度の退職者分の支払い計画でございますが、これにつきましては、実はつい六月の初めに第二回目の勧告をいたしたわけでございますが、いまだ提出されていないわけでございます。最初に勧告いたしましたのは三月九日、ここで退職金の未払いがある、それから社内預金の未返還分があるというようなことでもって支払い計画を早期に出してください、社内預金につきましても早期返還を期しなさいというようなことでもって要請をいたしたわけでございますが、依然として支払い計画が提出されないという状況でございますので、六月一日に再び、退職金の五十三年三月末現在の金額を計算いたしまして、また、社内預金につきましても三月末現在の金額を計算いたしまして、この計画書の策定、早期提出を要請したわけでございます。
  37. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 私は、その支払い計画書を現地の方で提出をしたと承っておるわけですが、いまの答弁では提出してないということなんですけれども、現地出先に問い合わせられてのいまの御答弁でしょうか。
  38. 松井達郎

    ○松井説明員 そのとおりでございます。  実は、六月十三日でございますから一昨日でございますが、一昨日、本社の労務部次長、人事課長が署へ来署されまして、いま支払い計画書の策定について一生懸命努力しておる、それで、これは再建計画とも見合いであるので懸命の努力の最中なので、これにつきましてはしばらくの間猶予願いたいというお話があったわけでございます。
  39. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 今回の北炭再建の労使協定の内容によれば、すでに退職しておる者の退職金の支払い計画は今後二カ年間で支払いを完了する、継続雇用の方の場合には勤続年数も通算されておりますから退職時に支払いをする、こういう大まかな協定をなされておりますことを労働省は御存じですか。
  40. 松井達郎

    ○松井説明員 いま先生のおっしゃいました中身の詳しいことについては実は私よく存じていないわけでございまして、私ども手元に持っておりますのは、先ほどからお話に出ております五十三年の一月十八日付の協定書でございますが、それを見ますと、退職金の分については特に言及していないのではなかろうかというふうに存じておるわけでございます。
  41. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 今日置かれておる北炭の実態の中で、金融機関の協力を得て、企業はもちろん重大な責任がありますから、相当思い切った、ぎりぎりぎっちょんの姿勢を示して、最終的に金融機関との協議が調わなければ再建はできないと私は思うわけであります。協議が調っても、なおかつ今日の石炭政策で相当バックアップしなければ北炭の再建、経営の安定、雇用の安定というものは不可能だ、こう私は見ておるわけであります。  そうしますと、一方において、退職金総額は先ほど石炭部長の方から明らかになったように、そういう負債を抱え、なおかつ再建をし、それぞれの雇用の安定を図っていく、非常に至難なわざだと思うのです。ですから、一面的に言いますと、基準法の立場から言えば、これは当然法に定めておるわけですからこれを支給しなさい、退職したら三日間以内に返還しなさい、当然のことであります。ところがそれがすぐ支給できない。支払い計画は、二カ年なら二カ年間で退職者に対しては支払いをする一応の計画だ。しかし、個人の権利に帰属するものでありますから、個人としては全額欲しい、企業は現実に存在しておるのだからすぐくれ、こういう請求はできる。できれば支払い命令を出さなければならない。支払い命令を出しても、マクロ的に見ればそういう大綱的な再建計画の中に組まれている。そして今日の石炭の置かれている現状は、十五年間石炭政策の中で支えられてきておる、こういう実態は政府施策の中ではっきりしておるわけです。こういう場合には、個人の権利と労使の協定、そして再建計画が組まれて、幸いにして一時に支払いされればいいわけですが、支払いされないで二カ年なら二カ年になるとすれば、それを含めて、今度は合理化法で定めている鉱業審議会で再建計画を論議して、この再建計画でやむを得ない、こういう決定をする、これは政府の一つの審議会でやる。その答申を受けて、通産省はこの計画でいこう一そういう方向で行政指導していく、こうなるわけです。冷静に問題を考えると非常にむずかしい問題なわけです。基準法上の個人の権利の問題 一方においては石炭関係法規における一つの再建の方向というものが計画的に決まってくる。それにはユーザーも企業も裸になってやってもらいたい、金融機関も相当踏み出してやってもらわなければ成り立たない、こういう措置の問題については、労働組合は一応その代表団体として協定が理解でき、調印をする、個人は納得できないという場合もあるわけです。こういう場合、いままでもいろいろなケースがあったと思うのですが、一体どういう感想をお持ちですか。
  42. 松井達郎

    ○松井説明員 先生のお話しのとおり、個人の権利として考えてみました場合には、退職金につきましては、御存じのとおり、基準法で退職後七日以内に、請求があった場合においては支払うという規定がございますので、権利が発生しておる。会社にしてみれば義務を生じておるという状態になっております。それを改めてまた督促するかどうかという問題はもちろんございますけれども、法律的に言えば、退職した方で請求が出てまいりますと、七日たてばもう権利が発生するというのが基準法の二十三条の解釈ではなかろうかと存じます。  そこで、そのような基準法違反が生じました場合にどういうことになるか、民事的な効力としては、いま申し上げましたとおり、権利義務の問題が出てくるわけでございます。そこでさらに、基準法には罰則があるわけでございまして、それで刑事上の責任を問うかというのが基準法自体の問題としては出てくるのではなかろうかと思います。  私どもといたしましては、こういう賃金未払いの問題退職金も含めまして賃金未払いの問題につきましては、経営者が真剣に経営の立て直し、退職金の支払い、賃金の未払いを支払うという問題も含めまして、経営の立て直しに真剣に努力しておるかどうかという点がポイントなのではなかろうかと思います。やはり刑事責任を追及するに急の余り、肝心の経営が立ち直らない一その結果、まだ雇われている人の雇用についても問題が生ずるということも当然出てまいるわけでございますから、それで、先ほどから申しておりますとおり、基準法違反というような事態が生じておることに対して、それではこういうようなことで支払いしなさいよというふうな勧告をいたしておるわけでございまして、こういうような問題につきましては、私どもとしては、そういう会社の状況それから経営者の努力、そういうようなことも考えまして、そしてその努力がいかに遂行されているかということを考えつつ、まず勧告をやっていく、それで経営者の誠意を見るというような考え方でやっておるところでございます。
  43. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 石炭部長にお尋ねしますけれども、労働省基準局の見解はいま示されたとおりであります。  そこで、現在なぜ北炭の再建計画の提出がおくれているのかというと、結局、企業とそれからメーンバンクの関係ですね。最終的な資金の関係が完全に詰まらないというところがおくれている理由だと私は見ておるわけであります。それ以外にも若干問題があるかもしれません。しかし、本質的な問題はそこにあるのじゃないかと思うのです。そして、北炭の債務の内容については、通産省の方もこれは当然経理監査を行っているわけでありますから、十分承知しているだろうと思うのです。法律的に監査をするわけでありますから、その内容は明らかだと思うわけです。しかし、企業というものは関連グループもありますから、いろいろな関係で、最終的な金融機関は金融機関の関係で詰まっていくのでしょう。だから、そこまでわれわれは云々できませんけれども。そう考えてみても、いまの石炭政策の中で、あるいは金融機関との話し合いの中で、先ほど説明された退職金や定着奨励金の支払いというものが一年なら一年、今年じゅうに一括して支払って、なおかつ再建計画が可能だと思われますか、それとも、やはりこれはできるだけ早く支給しなければならぬけれども、計画の中で一括処理することはむずかしいと判断されていますか、非常に微妙な問題ですが、見解を承っておきたいと思うのです。
  44. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 まだ再建計画が最終的に煮詰まりましたものが出てこない状況でございます。したがいまして、私の一つの感触としてお聞き願いたい、こういうことでございますが、昨年来一応再建計画のたたき台ができまして、それを何度か見直しながらやってきておるわけでございます。再建計画の期間は、一応五十三年から五十六年というものを対象にしておるというぐあいに理解しておりますが、その間の資金不足、もちろん先ほど来の退職金の未払い分も含めました全体での資金不足が相当膨大なものになろうかと思います。再建計画は、一つの生産をしながらやはり徐々にほぐし、解消し、再建していく次第でございまして、一気に膨大な金を投入いたしまして済ますというようなわけになかなかまいらぬ、担保も過去において十分出しておるような関係もございまして、やはり徐々にやらざるを得ない。全般にわたってそういうような感じがする次第でございまして、なかなか先生のおっしゃるように一気にはまいらぬのではなかろうか。退職金の未払い問題の方が、いま出ましたように相当の額でございまして、これを一気に処理しますならば、生産体制の方が今度は相当苦しい状況下に置かれるのではなかろうか、そういうような感触を持つ次第でございまして、これがどの程度の期間で処理できるのかまだつまびらかにできないのでございますが、全体の計画が一応四年間として考えておるようでございますので、その前の方の段階において何とか処理するような計画で努力しておるのではなかろうか、こういうように推察しておる次第でございます。
  45. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 これは二月の資料でありますけれども、北炭の債務は一千二百六十八億、うち第一次から第三次の政府肩がわりの借入金が百四十八億、新鉱開発関係の債務が百八十八億、差し引き非肩がわりが九百三十二億、合計一千二百六十八億程度の負債がある、この数字はこのとおりだ、こう理解してよろしいですか。
  46. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 債務の合計額につきましては、どの時点をとるかで若干の移動がございますが、およそのラウンド数字で見ますれば、先生のおっしゃる数字とそう変わっておらぬのではないか、このように存じます。
  47. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 私は、退職未払い金関係について質問してきたのですが、私の気持ちを述べますと、ここまで追い込んだ企業に対して非常に腹わたが煮えくり返るような思いがするわけであります。しかし、冷静に今日的な石炭政策の内容というものをさらに精査をし、いろいろ検討してみて、なおかつ、この問題をどう処理をするかということになりますと、会社をつぶしたのではまた大混乱があって、退職金の支払いも恐らく完全にいかないということは、交付金と債務発生額を比較しても五割を割っているという現状から、この結末というものは予想にかたくないと思うわけです。そして、四山体制、四つの山があってそこに労働者が働いている、地域経済が存在をしている。だから二千万トン体制の中でこの山を安定させていくと同時に、その労働者の雇用の関係、また労働条件の関係、そうしてまた、その退職金の支払いというものがぴしっと計画に組まれていく以外に解決の道はないだろうパアになってしまえばむしろ大混乱が発生するという事態だと私は思っておるわけです。そういう意味で、残念ながら冷静にこれは対処しなければならない。したがって、時間はいつになるか知りませんけれども、いずれにしても再建計画が労使の合意、そうして金融関係との協議が調って再建計画が通産省に出される。通産省は石炭鉱業審議会に再建計画を付託をする。ここにおいて答申が行われる。この計画でいきましょう、そうして通産大臣が言明しておるように、これに現行法上可能な限りの対応策をとろう、こういう方向で問題はまず乗り切る以外にないし、そのことが最大多数の最大幸福という言葉にならざるを得ない。残念ながらそう理解をせざるを得ないわけです。そういう点について労働省が、今日、北炭の動向を見られておる関係から言っても、結局現行制度では、それぞれの権利を守るのはそういう方向以外にないのではないかという点についてはどういう御認識ですか。
  48. 松井達郎

    ○松井説明員 私どもは、この問題については非常に重大な関心を払っておるところでございます。それで北炭の労組の代表の方、それから会社の代表の方、この方々にも何回か、本省自身といたしましても――私の申しておりますのは出先だけではございません、本省自身といたしましても、来ていただいて御意見を伺い、また通産省との間でも密接に連絡をとりまして、そして北炭全体の事情がいまどういうふうになっておるのかという点につきましても、常々関心を払っておるところでございます。それで片方、先ほどから申しておりますとおり、労働基準法違反というのは厳然たる事実でございますので、この違反の事実はぜひ是正してもらわなければならない。しかしながら、是正してもらう方途につきましては、やはり現在経営の立て直しということで一生懸命努力中であるというふうにに伺っており、また、先ほど来石炭部長のお話を聞いてもさようではなかろうかというふうにに私どもも推察しておるところでございまして、先ほど申しましたとおり六月一日に再度の是正勧告をいたしたわけでございまして、それにこたえて一昨日、本社の労務部次長さんがおいでになって、その事情説明をされて、そのときにも、いま一生懸命努力中である、そして近く石炭鉱業審議会や株主総会も開かれることであり、そこでまたそういう問題も議論されるところであるから、そういうバックグラウンドも見守りながら一生懸命やっていきたいという御説明をいただいておるところでございまして、私どもといたしましても、そういうような再建の努力の過程であるということを認識しまして、いま本社の方で申しておるようなこともあり、もうしばらく事態の推移を見てみたいというふうに考えておるところでございます。
  49. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 この機会に石炭部長にちょっとお聞きいたしておきたいと思うのですが、合理化法が制定されてもう十四年目になるわけであります。そして長年の石炭政策の過程の中で企業の存廃の状況が出て、これを再建する、そして再建はできない、閉山を認めざるを得ない、個々の閉山では社会混乱が起きるので、企業ぐるみの閉山の制度をつくる、いろいろな流れがあるわけであります。したがって、過去においても炭鉱の再建、このためには厳しい指導が行われた。労働条件についても、言うなれば一つの基準的なものも示された、こういう経緯があるのではないかと私は思うわけです。私の認識では、明治、杵島、麻生などの場合には、賃金の値上げ、あるいはボーナス、これらについてはもう他の炭鉱の六割平均、こういうような形で抑える。もちろん当時は雇用の状況というのは賃金の遅払いをすれば、労働者が山から離れてしまう、こういう厳しい環境にあったことも事実であります。そういう流れから言えば、幾ら炭鉱を再建するからといったって、労働条件はがたがたで、もう賃金も極端にやられる、ボーナスも半分も払えぬなんということでいったのでは、今日の少なくとも地下労働の炭鉱で、労働者が安定的に意欲を持って再建に協力するということにならないのだと私は思うのです。そうしますと、石炭政策の従来の流れから言えば、労働者の協力といっても、おのずから一定の一つの水準というものがあるのではないか。そういう水準を十分考慮しながら再建計画を組み立て、そして安定化の方向を結局は決定していかなければならぬのではないか、こう言わざるを得ないわけです。だからといったって、今日の情勢ではいろいろな企業が大変な状態で倒産もしているという客観情勢は、高度経済成長時代の石炭企業の置かれた実態とまた客観的に相違があることは、私は十分承知いたしておるわけですが、しかし地下労働という特異性から言えば、やはり一定の水準というものは見定めていかなければならないものだ、私はこういう考え方を持っておるわけですが、この点についてどういう考え方を持っておられるか、承っておきたいと思うのです。
  50. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 再建計画におきます労働条件の問題についての考え方、こういう御質問でございますが、この辺は私ども元来とやかくコメントできる立場にございません。まず労使間で協議いただき、その上で金融機関との、いろいろバックアップしてもらえるかどうか、その辺の話し合いを勘案しながら、最終的に落ちついていく問題ではなかろうか、こういうように思うわけでございます。要するに関係者全体の一つの環境情勢を含めました常識と申しますか、そういうものを前提にしたコンセンサスというものが、その過程でできてくるのではなかろうかと、私ども注目いたしておる次第でございますが、現段階でこれについてコメントできるような状況にないことは、申しわけないとは存じますが、お許し願いたいと存じます。
  51. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 今日の北炭企業の資金繰り、そういう面を考慮して、通産省としてもいろいろ対策を講じられているようであります。特に他の炭鉱は、貯炭は三池のごときはもう百八十万トン近いと言われておりますし、貯炭が激増するという傾向にあるわけです。したがってこの機会に、今日北炭の貯炭状況というものは一体どういう水準にあるのか、承っておきたいと思うのです。
  52. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 先ほど来申し上げましたように、北炭はいろいろ再建計画がおくれております関係で、資金繰りその他いろいろ努力しておる次第でございまして、私ども正確な数字を覚えておりませんが、理解しておる点で申し上げますと、現在適正在庫、要するに回転しております段階での貯炭を除きまして、すでに売れておるか、あるいは売れる予定になっておろうか、こういうように理解いたしております。
  53. 岡田利春

    ○岡田(利)委員 時間がありませんから質問を終わりますけれども、私は最後に申し上げたいのは、以上ずっと質問をしてまいったわけですが、そういう質問を総括して申し上げますと、やはり再建計画はできるだけ早くその条件を整えて通産省に提出をされ、通産省は速やかに審議会の意見を聞いて早期に決定すべきだ、迅速に対応することがやはり今日一番重要である、こう私は理解をいたしています。そして北炭の場合には、従来は萩原会長一人が代表権を持っていて、社長のいない会社であった。今回さらに代表権を神野氏が持って、二人が代表権を持つ、こういう体制になっている。いわば、今日まで栄光ある北炭を指導してきた萩原会長は、そういう意味でこの再建について本当に裸になって北炭の歴史を守っていく、こういう真摯な立場に立ってこの問題のまとめをやる責任があると私は思うのです。同時にまた、メーンバンクである三井銀行においても、これらの経過を踏まえて、社会的な責任、また北炭の今日の地域的な状況、石炭政策に占める位置、こういうものを配慮して早期に結論を出すように努力してもらいたい、こういう気持ちでいっぱいであります。そういう意味で特に通産省としてもそれぞれ法律の定めに従って、その内容についても立ち入ることができるわけでありますし、強力な指導のもとに早期に再建計画を立ててほしいということを、特にこの機会に強く要請しておきます。  要は、遺憾ながら今日の現行制度、石炭政策の中ではやはり北炭の企業の再建計画を立てて、そしてこれを生かしながら労働者の生活を守っていく、地域経済に果たしていく、こういう面で、やめられておる人々の退職金についても結果的に保証が完全にできる、このことをやはりいま早目に示すことが一番重要ではないか、こう思いますので、最後に通産省のせっかくの努力をこの機会に要望して質問を終わりたいと思います。
  54. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 この際、暫時休憩いたします。     午後零時十一分休憩      ――――◇―――――     午後一時十八分開議
  55. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  この際、委員長の手元に、山下徳夫君外四名より、自由民主党、日本社会党、公明党・国民会議、民社党及び新自由クラブの五派共同提案に係る石炭政策の確立に関する件について決議されたいとの動議が提出されております。  この際、本動議を議願とし、提出者から趣旨の説明を聴取いたします。山下徳夫君。
  56. 山下徳夫

    ○山下(徳)委員 ただいま議題となりました決議案につきまして、提案者を代表して私からその趣旨を御説明いたします。  まず案文を朗読いたします。     石炭政策の確立に関する件   最近の石炭産業には、円高不況等による石炭需要の減退、北炭問題など依然として多くの問題があり、特に、頻発災害の多発は憂慮にたえないところである。   よつて政府は、次の諸点について適切な措置を講じ、石炭政策の一層の充実を期するべきである。  一、貯炭の増大にかんがみ、石炭火力発電所の新増設を積極的に推進して一般炭の需要拡大に努めるとともに国内原料炭引取りの円滑化を図り、石炭企業の自己努力を前提に所要資金の円滑な調達が行えるよう配慮すること。  一、炭価については輸送費等のコスト増を含め、ユーザーの理解と協力を得て、一定水準の確保に努めること。  一、二千万トン体制維持のため、現有炭鉱の安定化を図り、特に北炭問題について企業の自己責任を明確にし、その対策を迅速かつ適確に指導推進するとともに急傾斜採炭対策を強化すること。  一、海外炭開発については、その国際環境を考慮し、自主的開発を促進するため積極的に施策を推進すること。  一、石炭の利用技術の研究開発を積極的に推進し、早急にその実用化を図ること。  一、深部移行に伴い、保安及び安定出炭の確保のため、骨格坑道の整備対策を更に推進し、深部開発技術と保安機器の研究開発を充実すること。  一、重大災害の撲滅と頻発災害を防止するため、保安管理機構と安全確認機構の充実並びに保安教育の強化による自主保安体制の確立を図ること。  一、産炭地域振興対策、鉱害復旧対策及び炭鉱離職者対策を引続き強力に推進すること。右決議する。 以上であります。  決議案の内容につきましては、案文によりまして御理解いただけると存じますので、詳細な説明は省略させていただきますが、石炭政策を一層充実するために、決議案として取りまとめたものであります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
  57. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決をいたします。  山下徳夫君外四名提出の動議のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  58. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 起立総員。よって、山下徳夫君外四名提出の動議のごとく決しました。  この際、政府から発言を求められておりますので、順次これを許します。河本通商産業大臣。
  59. 河本敏夫

    ○河本国務大臣 ただいま御決議になりました石炭対策の確立に関する件につきましては、御決議の趣旨を尊重し、できる限りの努力をいたす所存でございます。
  60. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 向山労働政務次官。
  61. 向山一人

    ○向山政府委員 ただいまの決議につきましては、その御趣旨を尊重いたしまして、今後の炭鉱離職者対策の推進に努めてまいる所存でございます。
  62. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 なお、本決議の議長に対する報告及び政府への参考送付等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  63. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  64. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 北炭問題について質疑を続行いたします。野村光雄君。
  65. 野村光雄

    ○野村委員 私はただいまから、与えられました時間内で、通告いたしておりますとおり、ただいま北海道の産炭地域におきまして大きな問題になっております北海道炭礦汽船株式会社の再建計画並びに石炭産業の最近の重要課題、こういう問題にしぼりまして質問をいたしたいと思います。  去る六月の五日に夕張に参りまして、北炭株式会社関係者代表並びに同炭鉱の労働者の代表の方々と長時間にわたりまして懇談をいたしてまいりまして、そのつまびらかな現地のいろいろな実態調査に基づきまして、ただいまから具体的に質問いたしたいと思います。  まず最初にお尋ねいたしたいことは、基本的な問題といたしまして、具体的な質問に入る前に二点ほどお尋ねをいたしたいのであります。  まずその一つは、北炭株式会社の位置づけに対して政府はどういう基本的な考えを持っているかということを最初に確認をしておきたいのであります。  私が申し上げるまでもなく、北炭はわが国の石炭生産量二千万トン体制の中で三百万トン以上の生産を上げてまいりました、しかも長い伝統と歴史を持ってまいりました炭鉱でございまして、この北炭会社の盛衰というものは、この関係いたします夕張、三笠、歌志内三市約十万に及ぶ従業員並びに家族、また関係企業、こういう大幅な方々に対する経済の大きな負担、そして影響を及ぼしていく。北炭の再建というものに対しては、この地域経済にとりましても、わが国の二千万トン体制という目的達成の上からも、北炭の再建、すなわち盛衰というものは非常に重要な立場に置かれている、こういうふうに認識しているわけでありますけれども、基本的な北炭に対する位置づけに対してどのように認識していらっしゃるのか、まず基本的にお尋ねをしておきたいのであります。
  66. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 ただいま北炭の位置づけにつきまして野村先生から御質問いただいたわけでございますが、私ども、先生のおっしゃるとおりのように考えておる次第でございます。  先生御案内のとおり、現状でわが国の石炭生産量の大体一五、六%を占めておろうかと思いますし、特に夕張地区の石炭はわが国で一番良品質の原料炭でもございます。また、埋蔵されております今後の炭量につきましてもまだ相当のものもございます。やはり今後の石炭政策の中で何としても生かしていきたい炭鉱である、このように考えておる次第でございます。
  67. 野村光雄

    ○野村委員 次に、基本的な問題でもう一点お尋ねをしておきたいのは、北炭再建の見直しに対する背景についてどのように認識をしていらっしゃるか、こういうことでございますが、午前中岡田委員の質疑を通しましてこの問題に対しては触れられてもおりましたけれども、御存じのとおり先般来の幌内炭鉱の災害、こういう問題の遭遇によりまして、再建の見直しに対する背景というものは種々さまざまな予想もしない問題がのしかかってきたことは事実であります。しかし、先ほど申しましたように、これだけの長い伝統と歴史を持ってまいりました北炭会社、しかも昨年石炭鉱業審議会に提出されましたこの計画、こういうものが日を出ずして実施が困難に立ち至った。わずか一年そこそこ、一年足らずにして再びこういう苦境に遭遇せざるを得なかった、こういう背景をどのように認識していらっしゃるのか、この点を確認をしておきたいと思います。
  68. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 北炭の再建計画を見直すに至りました背景と申しますか、原因と申しますか、直接的に申しますれば、幌内炭鉱の災害復旧の際の再建計画の中心課題は、夕張新炭鉱の五千トン出炭体制でございました。この五千トン体制というものが、いろいろな点があるのでございますけれども、結局昨年度の平均を見ますると四千トン弱でございました。七月に一時五千トン出た日数も若干ございますけれども、平均で見ますとそういう状況でございまして、計画をかなり下回っておる状況でございます。そういうことになりましたために、結局再建計画の全体の展望と申しますか、そういうものが当初と大分変わってこざるを得ない。そういうことで、再建計画全体の見直しが必要になった、こういうのが直接の原因であるわけでございます。
  69. 野村光雄

    ○野村委員 ただいまの御答弁によりますと、再建計画を見直さざるを得なくなった最近の最大の問題といたしましては、夕張新鉱の五千トンの出炭計画が昨年度において五千トンどころか四千トン台も割らざるを得なかった、こういう実績が北炭行き詰まりの大きな原因である、いまこういう御答弁をいただいたわけでございます。当初から私は、会社並びに労働組合の幹部のいろいろなお話をお聞きいたしてまいりましたけれども、五千トン体制ということでずっと来たわけでありますが、だんだんそれが四千五百トン、そして四千二百トンヘと見直しをせざるを得なくなってきた、こういうことを考えましたときに、日産五千トン体制というものにもともと無理があったんじゃないか。現在の科学の推移、技術陣を通して、出炭量というものが大幅に目算狂いをするほど科学なり技術陣というものは幼稚なものではない、私はこういうようにいままで信じてきておったわけですけれども、それでは翻って反対に、五千トン体制という計画で今日まで出炭してまいりまして、五千トン以上上回ったのは実績としてどれぐらいあるのですか。この点も確認しておきたいのです。
  70. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 たしか昨年の七月の中旬ごろだったと存じますが、十数日ぐらいが五千トンを超えたかと思います。
  71. 野村光雄

    ○野村委員 夕張新鉱が開聞以来、五千トン体制という目標を掲げてやってきておりながら、事実上五千トンを上回ったのはたった二週間そこそこ、こういうことになると、先ほど私が指摘をいたしておりますとおり、もともと五千トンというものが無理であったのか。また五千トンというものを確実に掘れるという科学的、技術的根拠というものがあるならば、平均五千トンと言うならば、少なくとも五千二、三百トンから五千五、六百トン、これぐらいの日が相当続きませんと平均五千トンということは不可能なわけでございます。それがここ開鉱以来わずか二週間そこそこしかこの実績を満度に出炭をした実績はないんだ、こういうことからいきますと、もともと五千トンという目標自体に誤りがあったんだ、こういう認識なんですか。どういう認識していますか。
  72. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 ただいま、もともと計画が誤りではなかったかという先生の御質問でございますが、確かに山を開発していく過程におきまして多くのそごが出てまいりました。当初と大分変わってきた次第でございますが、最初から間違っていたというよりは、やはり基本的に夕張地区の炭層というものは非常に日本の国内におきましても軟弱でございまして、むずかしいという大きな要素が一番決定的な要素ではなかろうか、こういうように思う次第でございます。もちろんこれだけで後は全く関係なしというようなことを申し上げておるわけではございませんが、そこの影響が、だんだん開発し、計画が進行するにつれ、その実態というものを認識せざるを得なくなってきた、端的に申すとそういうことではないか、そのように思うわけでございます。たとえば五千トンと申します計画も、切り羽四つで五千トン、こういう計画でございますし、その切り羽につきましては、自走枠それからドラムカッターでこれを採掘する。現在日本の坑内掘りでは最新鋭の装置でございます。こういう装置を使っております炭鉱はほかにもあるわけでございますが、そういうところの能率というものは相当に高能率でございます。夕張地区におきましては、それよりは若干地盤がやわらかいし、能率が落ちるであろうということも十分勘案いたしまして、四切り羽五千トン、こういう計画でございました。四切り羽に完全に自走枠が入りましてそういう体制になりましたのは、たしか昨年の七月ごろだったかと思いますが、それ以降その体制でやってみますると、その地盤の炭層の軟弱さかげん、そこにおきます自走枠、ドラムカッターというシステムの稼動率、そういうものは当初の見込みを相当に下回るものであるということが現実問題としてはっきり出てこざるを得なかった。確かに昨年の七月半ばにおきまして、とにかく五千トンを掘ろうということで相当の人力を投入いたしまして懸命にやったわけでございますが、五千トン出るには出ましても、今度はほかの掘進とかそういった問題が非常に達成ができない、そういう全体のバランスがとれなくなってくる。全体のバランスを見ながら、適正な切り羽の操業を考えながらやっていきますと、一切り羽で日産千二、三百トンというのはどうやっても無理である、こういうことが時日とともにはっきり明確になってきたということでございます。  そういうことで、結局これを根本的に見直しまして五切り羽にいたしておるわけでございます。それで、五切り羽にいたしまして、その切り羽が三方でフル操業せずに、五切り羽で十二方で操業いたしておりますので、切り羽がときどき休む時間がございますが、その間に切り羽を整備いたしまして、採掘の方が入りますときにはそれでちゃんと作業ができるようにしながら五切り羽で運営していく、こういうことによりましてやっと四千三百トン程度が安定的に計画的に出炭できる、こういう確認を現段階では得たという状況でございます。その点の見通しが足らなかったと申せば確かにそのとおりではございますが、日本の現在稼働しております炭鉱の中でこのような地域は非常に少なかろうかと思います。  そういう意味におきまして、夕張地区の山の特性と申しますか、そういうものを前提にして考えますと、もちろん企業の計画達成の責任を無視するつもりはございませんけれども、基本的にはやはり自然条件というものが大きく支配しておった、このように私は痛感しておる次第でございます。
  73. 野村光雄

    ○野村委員 私は、出炭計画の見直しをすることが悪いというのではなくして、むしろ遅きに失したのではないかという感を深くいたして帰ってまいりました。ただ、なぜ私が今後の課題としてこれをしつこくお尋ねをするかといいますと、五千トン体制を堅持できなくなった、この出炭計画の見直しをせざるを得なくなった原因、理由というものをこの際明らかにして、その最大欠陥を補っていかなければならない、これが再建に対する最大の課題だと私は思っているからです。  そこでもう一つ、私は、現地の労働者の幹部の皆さん方の率直な御意見を伺ってきたわけでございますけれども、当初から労働者人員は一千二百九十六名で五千トンは掘れるのだという考えできておった。しかしながら、だんだんやってみますと、現在一千九百名でさえも五千トンは無理だ、行く行くは、五十七年以降に対しましては約二千二百名ぐらいの陣容を整えなければこの計画を満度に実施することは不可能である、こういう労働者側の御意見もお伺いしたわけでございます。  そういうことで見直しをせざるを得なくなった、計画どおりの出炭が不可能になった。その最大の原因は、炭層そのものに対する予想外の問題が起きてきた。また技術面の脆弱さというものも幾つかはあると思いますけれども、五千トン体制に対する労働者陣容の体制に対しては見通しの誤りはなかったのでございますか。
  74. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 労働者の数の見込み違いというお話でございますが、その見込み違いの一番大きな理由は、やはり地盤が軟弱であったということだと存じます。私、技術者ではございませんので、少し怪しい点があろうかとは存じますが、私、あそこの山に入りますと、石炭のない岩盤の坑道でございますが、一たん掘りました坑道も、一月か二月たちますと底がだんだん盛り上がってきまして、坑道がどんどん小さくなってくる。運搬坑道そのものも絶えず維持、拡充をしておかなければならない。そのために当初は考えられないような人員が要るようでございます。それから切り羽におきましても、ドラムカッターと自走枠というのは最も省力化された装置なのでございますが、やはり天盤がばらばらと落ちてくる。自走枠が思うように進まない。したがって人力でその自走枠を進めるように炭をのけねばならぬ、こういう人員がまたまた要ってくる。そういったところで自走枠及びカッターの稼働率を高めるためには、それの障害となる崩れてくる石炭をのかす人員をまたふやさねばならぬ。こういう輪に輪をかけていくような形がございまして、その辺が労働者の数が大分狂ってきた大きな原因であろう、このように私どもは理解いたしております。
  75. 野村光雄

    ○野村委員 最大の原因は地盤の軟弱さにある。確かに、目に見えない深部の採炭をやるわけでございますから、そう計画どおりいかない。炭層が理想どおりの状態でなかった。私自身は全くの素人でございますけれども、長い伝統と歴史を持っている北炭の技術陣また労働者は身をもって体験しておられますが、石炭のみならず、すべての企業が何でも理想どおり、考えどおりにとんとん拍子にいけばこれにこしたことはない。ましてや目に見えない深部の採炭をやるわけでございますから、ある程度最悪の事態というものを予想しながら計画をしておくべきものを、全く順調に、絵にかいたように、理想どおりに、何年掘っても計画どおり出炭できるのだという見通しの甘さ、こういうものが避けられない大きな反省の課題であろうと私は思います。  そういうことで労働人口も、先ほど言ったように当初の計画について必然的に対応が迫られている、こういうことのようでございますが、いずれにいたしましても、この問題だけで時間をつぶしておるわけにもいきませんので、そういう欠陥は欠陥として、見通しの甘さは甘さとして、反省すべきことは反省した上で、すきっとした気持ちで新しい体制に臨んでもらいたい。私は何もここで石炭部長をやり込めさえすればいいというのではなくて、願わくば計画どおり、明るい見通しに立って再建をしてほしいという考えがあるからこそ執拗に、この原因の究明をしておく必要があるということで質問を申し上げたわけでございますので、その点は十分意を体して、今後現地の労働者団体の声もぜひ聞いて対応していただきたいということを特に要求いたしておきます。  次に、何と申しましても北炭再建の最大の課題は資金対策であろうと思います。私は、会社並びに労働団体の協定書の内容を見て痛切に胸打たれる気持ちで帰ってまいったわけでございますけれども、お聞きするところによりますと、北炭は大体一千三百億程度の借金を抱えておりまして、この返済計画というものが明確に立っていかない。しかも聞くところによりますと、五十三年度上半期において、さしあたりとにかく二十五億程度の資金の調達の見通しが立たない限り、まず再建の見通しが立たない、こういう切々たる実態を私はお聞きをいたしてまいりました。しかし、今日までの北炭の取引してまいりました金融機関におきましてはすでに限度が来ておりまして、いずれにいたしましても、この資金対策の最大の、北炭の再建の根本は政府の財政的裏づけ、こういうものがない限り、経済的な、資金的な行き詰まりの打開の道はないんじゃないか、端的に言って。そういう感を新たにしてきたわけでございます。すでにこの急場の対策のために現地の北海道庁におきましても二億円の融資対策を行っておりまして、こういうようなさなかで国としてのこの北炭の経済的な見通し、認識、どういうふうに見ていらっしゃるのかということと、この資金の救済対策に対して具体的にどのような提案なり対策を持っていらっしゃるのか、この際ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
  76. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 再建計画につきましては、現在北炭、会社側は労働組合と協定が一応できまして、いろいろ金融機関と折衝しておるわけでございまして、再建計画のいろんな点につきましてもその折衝の結果によりましては影響を受ける点もあろうかと思います。そういう意味でまだ政府の方まで提出を受けていない状況でございますので、なかなかその中の具体的な問題について私どもまだお答えできるような状況にない点、まことに申しわけないと存じますが、お許しいただきたいと思っておるわけでございます。  政府といたしましては、これは先般うちの通産大臣が答弁申し上げましたように、現行制度の枠内で最大限の助成をいたしたいと大臣申し述べておられますが、その意向を体しまして、何も示さずに、ただ企業側と金融機関あるいは労働組合と話し合えと言いましても、なかなかまとまりづらいのではあるまいか。ある程度の、こういうことぐらいであればできるであろうという幾つかの点につきましてすでにサゼストをいたしておる次第でございます。やはり全般の計画がまとまってきませんと、その問題についても明確なお答えが、まことに申しわけないんでございますが、できないような事態になっておるわけでございます。  いずれにいたしましても、私どもといたしましては、現行制度のもとにおきまして最大の運用をいたしたい、このように考えておる次第でございます。もちろん政府といたしまして、いろいろ援助、努力するつもりでございますけれども、やはりあれだけの大きな企業でございますし、金融機関の今後のバックアップ体制なしに政府だけでこれを維持するということも現実問題としてできないわけでございまして、やはり金融機関それから企業内部におきます労使の一致体制、こういうものは皆さんの御協力を得なければどうにもならない次第でございます。そういうものを前提にいたしまして、側面から最大の努力を払っている次第でございます。
  77. 野村光雄

    ○野村委員 御答弁をお聞きいたしておりますと、再建再建といっても、金融機関と折衝した、金融機関のバックアップの裏づけというものをつけた上で会社自体の再建計画というものを出してもらわない限り、政府として対応の仕方がない、こういう言い方でございますけれども、金融機関がこの再建に対して具体的なバックアップがちゃんとできる、こういう時点でございますとまだまだゆとりがあるわけでございまして、部長みずからも現地へ何回か御心配なさっておいでいただいておるようでございまして、私がいま改めて北炭の行き詰まりの実態を切々と訴えるまでもなく、金融機関自体のバックアップというものはすでに見通しが立たない。ただ、関係金融機関として見通しをつけられるとするならば、裏づけとして政府の債務保証があるならば、関係金融機関のバックアップは望みが出てくるのではないか、こういうふうに私は認識をして帰ってきたわけであります。ですから、そういう立場に立って考えたときに、いま関係金融機関のまずバックアップの裏づけをとってきなさい、その裏づけがなければ政府としても考えることができないんだ、金融対策はできないんだ、こんなゆとりのある実態ではないということを踏まえていただいて認識を改めていただきたい。そういう中で、もう一つば大臣が先般来おっしゃっておりますところの現行制度の最大の枠を通して援助したい、こういう先ほどの御答弁でございますけれども、それじゃ現行制度の最大の枠とは、ただいま申しましたような金融機関がバックアップできない、こういう行き詰まりの中での現行制度の最大の援助対策とは具体的にどういうものがあるのですか、ひとつ明確に示していただきたい。
  78. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 先ほどからお答え申し上げておりますように、金融機関と会社側といろいろ折衝しておる段階でございます。率直に申しまして、いま先生が御質問の際に述べられましたような状況になっておるのかどうか、いろいろとまだ完全にそこの結論が出ておるような状況ではないと存じます。私ども、何もせずにただ話し合えと言っておるのではなくて、話し合う過程の種になりますような、こういうことを政府ですればこういう話し合いもうまくまとまるのではないか、こういう前提でいろいろのものをすでにサゼストして投げかけておるわけでございます。  要は、現在だんだんと話が煮詰まりつつある過程でございまして、私どもやはり大臣の申されました範囲で最大限の努力をし、また、これをまとめ上げていきたい、また、それが可能なのではあるまいかと現時点では考えておる次第でございます。
  79. 野村光雄

    ○野村委員 石炭部長、最大限の努力とかなんとかいう抽象的なことでは困るのですよ。私の聞きたいのは、現行制度におけるところの最大の枠というのは具体的にどういうようなのかと言ったら、いや、最大の努力をする、ただ努力では絵にかいたぼたもちのようなもので、具体的なものが出てこないと一つも効果が起きないのではないですか。ただ私は、もう私から説明を申し上げるまでもなく、ここにございますけれども、労使間の協定書というものが再建案としてできております。私ばこの協定書の内容を会社側からも説明いただきましたし、労働者の団体の皆さん方からもお聞きをいたしました。石炭部長御存じのとおり、協定書の中に、労働条件の中に書かれておりますけれども、昭和五十三年度はベースアップは行わない、また五十三年度期末手当は大手四社の妥結額の五〇%とする、労働者としてはベースアップも遠慮をしましょう、期末手当も、ほかの会社がたとえば百万出ても、うちは五十万で遠慮しましょう。まあ私はこの協定書を見まして、本当に深刻なまでに北炭再建のために自分の身を犠牲にしてでも山を守ろう、こういう熱意というものに対して頭の下がる思いで私は帰ってまいりました。労使ともに手を相携えて北炭再建のためにいま立ち上がろうとしている。しかし、労使間の力だけではいかんともしがたい資金対策は、先ほど言いましたように、金融機関もそう簡単に裏づけとしてバックアップできるような体制になっていないのだ、だからこそ最後の手として、国によってこの危急を救済する以外ない、こういう事態に立ち至っているのじゃないか、こういう現地の行き詰まった実態から考えて、石炭部長もその立場で御心配はいただいておりますけれども、現地の深刻な実態からいたしまして、もう一歩私は具体的な裏づけを明確にこの際出していただきたい。また石炭部長という立場だけでは、当然大蔵省というものと連係なり許可なりなければできないから言えないというのか、こういう考えはあるけれども、現時点ではまだ言えないのか、出せないのか、将来ともそんなことは考えられないというのか、単なる努力ということでなくて、もう少し具体的な対応策を示していただきたい。
  80. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 先生、具体的な対応策と、こういう御質問でございますが、私、決して抽象的な文句で逃げようとしておるつもりではございません。現在は企業と金融機関、いろいろ関係方面と折衝の過程にございます。この段階でいろいろあれこれ申し上げる状況に現在はまだないと答えざるを得ない段階でございます。  いずれにいたしましても、私、昨年就任以来、この北炭の再建問題にずっとかかずらっております。特に十二月以来夕張新鉱三千トン台に落ちまして、これではいかに再建といってもどうにもならぬのではあるまいかという時期もございましたし、私自身、自分の行政の、これも任務であると思いまして、現地に参り、会社側、職員組合、銀行の方と、三者にはっきり問題点も指摘し、訴え、それで今日までとにもかくにも生産ベースを、再建計画を描けるようなところまで関係方面の協力を得てやってきた次第でございます。決して事ここに至りまして抽象的な言辞でもって回避しようとしているつもりは私は一つもございません。文字どおり現在はそういう折衝の過程で、微妙な段階にあることをひとつ十分御理解をお願い申し上げたいと思います。
  81. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 関連質問の申し出がありますので、これを許します。篠田弘作君。
  82. 篠田弘作

    ○篠田委員 宮本石炭部長の話を聞いていますと、先ほどは大分私の質問に対して前向きだったようですが、資金の問題は、銀行がやってくれれば政府もやれる、銀行の方は、政府がやるべきことがまだあるんじゃないか、だからそれをやってくれれば銀行も出すというような両てんびんのようなかっこうになっています。ただここで、私が知っている範囲内においてちょっとお聞きしたいのは、北炭の株主総会は六月二十七日に行われる。そうすると、六月二十七日というと、もうあと幾らもない。その株主総会に労使の話し合いの結論、あるいは銀行にしろ、政府にしろ、どういう形でこれを救うかということが決まらなければ、結局その結果はどうなるんでしょうか。これはちょっと石炭部長さんに聞いておきたいのですが、私もよくわからない。二十七日に行われる株主総会、それに結論をかけて株主総会の承認を得て再建計画というものができていくわけなんだが、その株主総会にかける原案がおじゃんになってしまったのではどうにもならないということで、ちょっと関連質問としてお聞きしたいと思うのです。
  83. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 会社側からの報告ではございますが、今度の株主総会には会社の分割案が入っておるようでございます。これは確かに、それまでに再建計画ができておる方が適当であるわけでございますし、それが本来筋であろうかとは存じますが、大体会社の株主総会の決議、これはいままでに企業再建整備法上の再建整備計画の認定という手続がございます。いままでに三井でございますとか三菱でございますとか、いろいろ会社分割の関係がございますが、すべて株主総会は企業再建整備法上の再建整備計画の認定を受けてどうこうする、必ず条件つきでやっておるようでございます。このことは単に再建整備法上の問題だけでなくて、いろいろ会社分割につきましては何か独禁法上の手続を要する場合もあるとかで、すべてそういう条件つきで処理を図る。もちろんそれまでに計画ができることが適当であることは確かでございますが、そういうことで、ともかく案をその中に入れてやっていきたい、こういうふうに承知いたしております。
  84. 篠田弘作

    ○篠田委員 そうしますと、株主総会を二十七日にやっても、いろいろ法律上の関係でそれに原案が間に合わなくても差し支えない、こういう判断ですか。
  85. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 結論から申しますと、そういうことではないかと思います。会社側もその辺は十分承知の上でいままでの手続を進めておる、こういう次第のように聞いておる次第でございます。
  86. 篠田弘作

    ○篠田委員 もう一遍聞きます。  そうしますと、いまの部長さんのお話では、株主総会は再建案とは関係、もちろんありましょうけれども、とりあえず直接の影響はなくて、諸般の手続を済ませた上で株主総会にかけても差し支えない、こうですか。――いや、私はそういう方面の知識は余りよく知ってないのです。だから、再建案というものが株主総会にかからなければ、株主総会の承認を得なければ、後で株主総会で何も議さないで――株主総会というのは大体年に一回です。そうしますと、その次に株主総会を開くまでには大体一年かかる。そうすると、いまの株主総会にかかるべき議題がかかっておらなければそれはおじゃんになるのじゃないか、こう思って聞いているのですよ。もうちょっとはっきりわかるように説明してください。
  87. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 株主総会で特別決議を得る必要がある条項は、今度の再建計画の中で株主総会と関係があるものといたしますならば、その部分は会社の分割という部分でございます。したがいまして、会社は六月二十七日の段階で再建計画の中の一つの部分でございます会社分割について決議を受けたい、こう思っておるのでございますが、その決議はあくまでも再建整備法上の計画の認定、独禁法上のその他の諸手続を得る、こういうことを条件として株主の同意を得る、こういうことでございます。それで、もしその段階でそれが決められなかった場合には別途株主の特別総会を開くことも可能である、こういうように聞いております。
  88. 篠田弘作

    ○篠田委員 関連質問をいたしまして長くなるのはあれだと思いますが、いまの石炭部長のおっしゃったことで大体株主総会との関係はわかりましたから、どうぞ続行してください。
  89. 野村光雄

    ○野村委員 ただいま関連質問で篠田先生の方からさらにお尋ねがあったわけでございますが、いずれにいたしましても、北炭の再建は何をもって再建するのか。労働者さえたくさん集めれば再建できるとか、そういうことでございますと、いま労働者の団体がたくさんありますから、これは現在の一千九百名を三千名でも五千名でも集められるのですけれども、そういう労働問題とか技術面とか、こういう面で再建が可能になるというのではなくして、先ほど来私がしつこいように政府に具体的な回答を迫っておりますのは、裏づけとしての急場を救う最大の根拠は金融対策だ、これなくして北炭の危機を再建する道はないんだ。であればこそ、先ほど申しましたように、この協定書の内容からいいましても、労働者みずからがもらいたい金を半分に減らしてでも、この急場を救うためには、北炭の行き詰まりは経済の行き詰まりなんだとわかればこそ、労働者がこれだけの譲歩をして協定書を結んだのじゃないですか。この涙ぐましい労働者の北炭救済のための経済援助というもの、労働者みずからが身をもって犠牲になろうとしている。それに対して国がいまだに具体的な金融の援助対策というものを示されない。  そこで、私は改めてここで確認をいたしますけれども、それでは現在あなたの立場で、具体的な金融対策というものはいろいろな関係があってこの場で明確に示すことはできないけれども、いずれにしても北炭の再建に当たっては、最終的には国が全責任を持って対策を必ず講ずる、安心してこの労使協定の実現に向かって努力してほしい、具体的なことはいま言えないけれども、国が最後まで全責任を持つ、こういう立場で言えないのか、全く最後まで、最悪の場合倒産しても、こういうことに対してはまだ考えていない、こう言うのか、具体的な裏づけが言えないとしてもその最終的な国の責任の所在、これを明確にしていただきたい。
  90. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 元来、この北炭の問題に関します政府の立場と申しますか考え方を御理解得たいと思うのでございますが、現在石炭の第六次答申実施ということで、先生御承知のとおり炭価もここのところ引き上げ、いろいろ施策を講じまして、現在の石炭企業の経理というのはいつときとはさま変わりに改善いたしておるのが現状でございます。その中におきまして北炭だけがこういう事態になっておる。これには北炭特有の問題があると考えざるを得ないのでございます。結局北炭特有の問題とは何か。これは夕張新炭鉱の計画出炭の未達成が直接の原因ではございますけれども、もちろん先ほど来、自然条件が一番基本的には問題である、こういうことは申し上げた次第でございますが、そこには企業の自主的な経営責任の問題があろうかと思います。したがいまして、北炭の再建問題と申しますのは、自主的な努力と、これに伴います取引金融機関の支持なかりせば、いかに政府がやりましても企業の効率的な運営というのは困難でございます。やはり金融機関の協力を得て、それでこれに政府も現行制度で最大限の助成をし、こうやっていかなければ、今後労使協定のように会社分割いたしまして再建整備会社が発足するといたしましても、その企業はきわめて不安定なものにならざるを得ないのでございます。いわばこういう関係者の協力の中でこれを達成しなければならぬ、そのために私ども石炭政策の中の中核的な企業という位置づけのあるこの企業を最大限の努力をもってやっていく、こういう立場、私、自分自身の行政官としての責務と思ってみずから飛び込んでやっておる次第でございます。ひとつそういう私自身の気打ち――私は政府委員でございますので、偉そうな言動、大きな言動はできない次第でございますが、私の所信をひとつ御理解いただきまして、とにかく、私は最大限の努力をいたしたいと存じます。
  91. 野村光雄

    ○野村委員 いずれにいたしましても、石炭部長がだれよりも最高の現場の実情を知っている政府側の代表者でありますし、われわれも、石炭部長のお考え、また気持ちというものが、大きな北炭再建のかぎを左右するんじゃないか、こういうことで声も大きくなりましたけれども、先ほど来実情をるる訴えているわけでございます。  そういたしますと、石炭部長、労使間の協定というものはできてはいるけれども、石炭部長の立場としては、この労使間の協定だけでは、ああそうか、わかったということで――この内容からいって、どうも石炭部長としては適当でない内容もある、こういう立場に立っていらっしゃるのですか。やはりこの内容については不満足な――不満足と言ったら言葉が悪いかもしれませんけれども、この協定書の内容だけにおいては、まだ政府が責任を持って全面的にバックアップするということに対しては至れない、こういうことに解釈していいのですか。
  92. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 先ほど来たびたび御説明申し上げた次第でございますが、企業の再建計画は労使協定がまず第一の出発点でございます。当然再建計画には、いろいろの投資計画を初めとする資金計画を詳細に展開せねばならないわけでございまして、労使協定はまずその出発である。労使協定ができて初めて、企業はその案を企業外に持ち出す、こういうかっこうでございます。  それで、いま、その資金計画、その中には設備投資計画もあれば、人件費、労働者の人員その他いろいろの労使協定の内容をもちまして、これで金融機関がそれを支持してくれるかどうかを折衝しておる段階でございまして、私、その労使協定につきまして、まだ計画も何も出てこない段階におきまして、実はこれにコメントする立場にないのでございます。ひとつその点を十分御理解いただきたいと存じます。
  93. 野村光雄

    ○野村委員 具体的な再建計画を正式に提出せざる以前にコメントをここで出すわけにはいかない、こういう苦境のようでございますので、私は、ぜひその暁におきまして、責任を持ってひとつ再建計画に対して国がバックアップをしていただきたいことを強く要求をいたしておく次第であります。  いずれにいたしましても、私の持ち時間はあとわずかになってまいりまして、私はここで、長い間石炭産業というものに携わってこられました石炭部長に、ざっくばらんに今後の最大の課題としてお伺いしたいわけですけれども、今回の北炭の行き詰まり――私は衆議院に籍を得させていただきまして以来、石炭対策特別委員会の中でいろいろ勉強いたしてまいりまして、最近しみじみ意を新たにいたしておりますことは、石炭鉱業の将来の公的化ということについてであります。  だんだん石炭産業というものが深部炭坑ということにもなってまいります。そういうさなかで、なおかつ石油と石炭との価格の上での競争、こういう問題は、もうすでに私が申し上げるまでもなく、これは価格の面で競争し出したのでは、もうとうてい太刀打ちできない、こういう時代になってきた。しかし、企業である以上は、利益を無視してやるわけにはいかない。そういうさなかになってまいりまして、石炭が石油価格に対抗し得ない時代、さらに、石炭の将来の対応策から考えて、石炭産業というものは、私企業で今後経営することに対しては大体もう無理な時代がやってきた。そういう観点から、公明党はかねてより基本的な政策といたしまして、石炭産業の公社、公団方式、こういう方向に転換すべきだということを早くから提唱いたしてまいりました。私もその一人でございますけれども、私はしみじみと、この北炭企業の再建問題を通しまして、果たして一時的に急場をしのいだとしても、これから長い将来、五年、十年、百年の大計に立って見ましたときに、私企業の立場において石炭産業を運営していくということはやはり無理な状態ではないかと、率直に意を新たにしてきたわけでございます。長い間専門的に携わってまいりました石炭部長の立場として、今後さらにいろいろな難題課題がぶつかってくると思いますけれども、私企業としての行き詰まり、限度、こういうものに対しては、まだまだ明るい見通しがあるというのか、この点について率直な御見解をひとつ承りたいと思います。
  94. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 ただいま先生からの石炭鉱業の一種の公社化と申しますか、それに類したようなお見通しの御意見を拝聴した次第でございますが、これが、日本の採掘可能な石炭の量を掘り尽くしてしまう事態のような何十年先ということになりますと、私、何ともわからない点、余りにも不確定要因が多い感じがするわけでございますけれども、私は、ここで展望できる将来におきまして、先生がお考えになるほど悲観的な感じでは見ておらないのでございます。やはり石炭産業の今後、これは国際的なエネルギー価格の推移問題と非常に関係あろうかと思います。私ども知る限りにおきましては、一九九〇年代というものにつきまして、やはり石油は相当上がっていくのではないだろうか。エネルギー価格というのは上がっていくのではないだろうか。その中におきまして、やはり石炭というものが見直されていく。ここ、オイルショック後三年間ほど――三年間と申しますか、つい昨年、このところまで炭価をこうやって上げまして、石炭企業は各経営者とも非常に経営意欲に燃えておる、これが現状であります。オイル価格がここちょっとだぶついておる状況で、エネルギー価格の問題もちょっと緩んでおる状況から、今日やはりもう少しがまんをし、施策を充実していく必要がある、このようには考えておりますが、長期的に展望できる範囲で見ました場合に、やはりその長期的傾向は変わらない、このように思うわけでございます。その中で、国内石炭は人件費の上昇その他からいきますとやはり輸入石炭よりは高いし、オイル価格が上がりましてもそれとの競争関係というのは微妙なものがあろうかとは存じますけれども、とにかく掘り尽くすまで現在の石炭政策の中でまだまだやっていける、私はそのように感じておる次第でございます。  先生がそのようなお気持ちになられましたきっかけがどうも北炭ということでございますが、そういう点から見ますと、北炭は北炭だけの特有の問題であると私は確信いたしております。今度の再建計画でもし労使協定のように山が分離されて発足する、それがきわめて健全な形で発足できるのであれば、北炭といえども十分やっていける、このように私信じて疑わないのでございます。そういう意味におきまして、まだまだそういう姿勢で今後とも施策を充実していく必要がある。需要の確保対策を初め深部化対策、技術の開発、利用技術の進展、こういうものにつきましてまだまだやるべきことは多い、このように痛感しておる次第でございます。
  95. 野村光雄

    ○野村委員 最後にもう一点だけお尋ねをいたしまして、時間でございますので終わりたいと思いますが、これは前回の本委員会におきましても若干触れた課題でございますけれども、石炭の需要対策という問題につきまして端的に最後にお尋ねいたします。  いずれにいたしましても、本委員会のたびごとに二千万トン確保という問題は各委員からも提唱されてまいりましたが、いかんせん二千万トン達成は不可能、こういう状態の中で続いてまいりました。しかし、今日の需給の状態を見ますと、二千万トンの目標が掘れていないのにもかかわらず非常に石炭が余ってきた、こういうところが労働者としての労働意欲を喪失していく原因にもなってきております。そういうことで、将来の需要の対策としては、先ほども、ただいまも申しましたように、石炭と石油の価格の対抗ではもう勝負がついているわけですから、石油と石炭の役割りを明確に分離をする、これが一つと、今後のこの貯炭がふえておりますところの需要対策に対して、ここでひとつ具体的な需要の拡大なり見通し、対策を立てていく必要があるのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、最後に石炭の需要の対策、見通し、これについてお答えをいただきたいと思います。
  96. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 石炭の需要対策についての御質問でございますが、原料炭につきましては鉄鋼業界がその需要の最たるものでございますし、一般炭につきましては、まだ比重が圧倒的とは言いがたいのでございますが、やはり将来とも電力用炭を基本に据えていく、こういうことであろうかと思います。その意味におきまして、鉄鋼業界自身は現在国内で生産いたしております原料炭以上の需要を持っております関係で、鉄鋼業界がこれを円滑に引き取れるような対策、これにどういう施策があるかをいろいろ今後とも検討してまいりたい、このように思っております。  一般炭の方につきましては、現在国内で生産しておる一般炭より電力、石炭火力の需要は少ないわけでございます。やはり石炭火力の需要を現在国内で生産しております一般炭の供給力以上に持ち上げていく、バックアップを輸入炭に求めて石炭火力を推進していく、こういう努力を今後とも充実いたしたいし、それについて何か施策がなかろうかと現在いろいろ検討しておる最中でございます。  いずれにいたしましても、施策をいたしましても、石炭の需要、現在の生産量が貯炭もなく完全に引き取られていくというような事態、これは基本的にはやはり石炭火力の建設の時期おくれが非常に響いておるわけでございまして、五十三、五十四、この二年ぐらいはやはり何としても耐えざるを得ない。需要確保対策をいろいろ講じつつも、この二年につきましてはひとつ耐えるような施策を何か検討し、助成を考えていく、こういうことではないか、このように考えておる次第でございます。
  97. 野村光雄

    ○野村委員 時間でございますので以上で終わりますが、一つ最後に石炭部長に強く御要請申し上げておきますけれども、先ほど来の北炭再建対策につきましては、多くの地域の住民にとりましても、北海道にとりましても、関係市町村にとっても最大の関心事でございまして、最近の不況のさなかにおきましての北炭の行き詰まりという問題は、われわれの想像を絶する以上の深刻な問題でございまして、ぜひひとつ現地の実情に即して再建対策に特段の御配慮を賜りますことを心からお願いいたしまして、私の質問を終わります。
  98. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 津川武一君。
  99. 津川武一

    ○津川委員 私たちは、日本のエネルギーをできるだけ国内でよけい手に入れる、自給率を増す、こういう意味合いから、石炭の利用に対しては非常に大きなウエートも置いているわけでございます。     〔委員長退席、岡田(利)委員長代理着席〕 ただいまも議論になっておりましたが、その需要の拡大を図ってエネルギーの自給率を高めていくということに国民的な話し合い、合意、それを得て、政府にさらにさらに強く迫っていかなければならないと思っております。  きょうは北炭の再建に対して若干の質問をさせていただきます。  北炭の再建は、もちろん第一義的には会社自身の責任だと思います。計画を立てられるには、それが実行できるように、働く労働者がそこに意欲を燃やしてやっていけるように、そういう労働者の合意、協力を得たものでなければならない。一番大事なことは、機械も資金も欠かすことのできないものですが、そこで働く労働者の再建意欲、これこそが再建を決めていくものだと思います。  そこで、北炭の労働者がいまどんなことで働いておりますかというと、相次ぐ災害で命を失う、こういうことでございます。たとえば、夕張新鉱では日産五千トン達成をスローガンで出炭をあおっています。地下約千メートルの深部での採炭の夕張新鉱では、激しい盤圧、高温と悪条件が多く、労働者は昼飯も十分くらいで仕事にかからないと作業量がこなせない。高温と炭じんでへとへとになっております。盤圧で坑道がつぶされ、はって歩くことも多い。そういう中で目標のものを達成するにがんばっておりますが、かなり苦しい状態であります。これが働いている労働者の実態。これに対して再建の責任ある経営者陣が、これを指導する責任ある政府が、この労働者の汗みどろの労働にこたえているかどうかという点なのです。私は、政府も経営者を命がけで指導、鞭撻し、政府もそういう意味での再建の衝に当たるべきだと思いますが、この点はいかがでございます。     〔岡田(利)委員長代理退席、委員長着席〕
  100. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 政府といたしましても北炭の再建に全力を投球いたしたい。先ほど来申し上げましたように、日本の石炭産業における北炭の位置づけから見まして、これは石炭政策の中で生かしていきたい炭鉱でございます。現在の北炭の再建問題の状況を見ますと、先ほど来申し上げましたごとく北炭特有の問題もございます。そういう点もございますわけで、企業の自主的な努力、これなくすればどうやりましても再建はむずかしいわけでございまして、その努力をもとに据えて金融機関を初め政府の大きな助成をここに加えまして、これを何とかして再建していきたい、これが現在私自身の持っておる任務でございます。そういう認識をもとにいたしまして今後とも努力いたしたい、このように考えております。
  101. 津川武一

    ○津川委員 私はここでの前からの論議を拝聴すればよかったのですが、ほかの委員会とも兼ねておりまして、来まして、繰り返しになる部分があるかもわかりませんが、許していただきたいと思うのです。  そこで、再建計画は、とにかく働く人たちの同意と情熱を得るものでなければならないと同時に、しっかりしたもの、経営者のやり抜くという決意と気魄がみなぎっている、そして揺るぎない確信に立っているものでないと労働者を納得せしめるに不十分だと思います。その点で、五十一年十月十九日、五十二年一月十二日、五十三年一月十八日と再建の方針なんか変わってくる、これでは私は労働者もついていこうとしてもついていけないと思うのです。どうしてこんなふうに変わっていくのか。いま再建のいろいろなことがきのうかおととい出されたというふうに聞かれましたが、そこいらが何か非常に心配なわけです。その上さらに、必ずしも何か労働者の承認も得られていない一方的な部分があるのじゃないかなというふうな気がするのです。  これは昭和五十三年三月、夕張新炭鉱が従業員家族各位に出しましたチラシです。御存じかと思います。「いまこそ、全力をふりしぼって緊急事態を克服しよう」、これは何と言っています。まず出勤率を上げること、職場規律、作業能率に問題があるからこれを正すこと。問題があればこれはそれでよろしい。ところが困ったことには、休憩時間を規定どおり取らなくてもいい、変更することがある。昼抜き残業をやっていただきたい。負傷ゼロを目標に予防保安の充実を最重点としてやっていく。教育指導を強化する。負傷頻発者に対する個人指導の徹底をやる。負傷者個人の指導の結果によっては不適格者として排除する、こういうことがあります。またひどいのは罰則ですね。前二カ月の出勤率が基準未満の者から福利関係諸経費の一部として月額三千五百円を徴収するという。そして御自分たちの努力方針は打ち出さないのです。これでは問題になりますよ。私も自分の経験から言うと、いま五百ベッドばかりの病院を持っております。かつて破産しそうになったときは、裸になって全部一緒にやりました。こういうことはしませんでしたよ。やるとすればどうするか、こういうことを労働省、政府は御存じなのか、御存じであればこれをどう指導されるのか、そしてこれを克服して労働者の積極的な意欲を引き出していくにはどうすればよいか、お答えを願いたいのです。
  102. 松井達郎

    ○松井説明員 お答えいたします。  先生の御指摘の問題幾つかございますが、私どもといたしましてこのようなことがあったという指摘がありまして、それで現地の局署におきましてはこれを調査したわけでございます。  まず第一点は、先生御指摘の昼抜き残業の問題でございます。それで、どうもこれが係員の指示によって実施するというふうにされておったようでございます。そして中身としましては「二十分は休憩し作業時間並びに賃金支払いは四十分を限度とする。」こういうふうになってまいりまして、本当にそのとおりであるということになってまいりますと御存じの労働基準法三十四条の問題が出てくるわけでございまして、六時間を超える労働時間の場合には少なくとも四十五分、これが法律の定めでございます。それで実際に調査いたしてみますと、個人の時間の記録が徹底しておりませんので判然としないわけでございました。それで私どもとしましては、三十四条違反の疑いがあるところから、個人の労働時間、休憩時間の記録をまずしっかりしておくようにということで指導いたしております。  それからその次に第二点の問題、これは出稼手当の問題というふうにに言われておるようでございますが、福利関係の取り扱いにつきまして、出勤率を基準にいたしまして一定限度以下の者につきましては三千五百円を徴収するというようなことが書いてあるわけでございます。さて、これがいかなることに違反になるかという問題でございますけれども、そのこと自体は、当否は別にいたしまして、直接基準法のどこにさわるかという問題がございますが、私ども、仮にこのような事実があるとするならば、福利関係のこのような経費につきまして、就業規則の定めがなされていないということから、そういうことについては就業規則をしっかり、労働条件の変更であるということから、そういうことは明らかにすべきであろう。しかしながら、その届けが出ていないということでもって、その辺は明確にするようにというふうな指示をいたしたわけでございます。
  103. 津川武一

    ○津川委員 指示した後、どうなりましたか。変わっていなければならない。そこのところなんです。そして、出勤率が低い人から、福利関係費の一部として三千五百円徴収する、これは罰則ですよ。だから問題は、法規上でどうあるじゃないのです。労働者をどうして再建に参加させるかという問題なんです。あなたたちは、法律だけ守っていればいい、基準法違反を許すわけにはいかない、そこだよ、問題は。本当に溶け合うか、溶け合わないかということなんです。この状況に対して、労働基準局だけに預けておいていてもだめなんです。そんなことは私もわかります。あなたたちに預けると、規則しかやらないんだ。そこで、政府、エネルギー庁はどうです。もっと経営者に、ずばりと再建の方針を話し合わなければならない、これが私は、いま非常に問題になっていると思うのです。もう一度、労働省には、指導してからどうなったか。政府には、こういう経営者側の態度をどうするのかという点。
  104. 松井達郎

    ○松井説明員 指導いたしまして、その方につきましては、私、いま正確な情報をここに持っておりません。私どもといたしましては、指導いたしましたとおりに守られておるのではないかというふうに期待しておるところでございます。  それで、法律の違反があった場合には、もちろん私どもは、これにつきまして監督、指導ということでやりますし、また、仮に法律の違反がないということであっても、決して労働条件の切り下げということは好ましいことではないというふうなことは承知いたしております。機会あるごとにその点については指導しておるわけでございますが、直接法律違反の責任を問うというわけにはまいりませんけれども、このような問題につきましては、私どもといたしましては、指導と同時に、また労使の間におかれましても、このような問題につきましては、ひとつよくお話し合いになって、たとえば就業規則の定めをしっかりするとか、あるいはこういうような労働時間の取り扱いについても、お互いにその結果がはっきりするようなルールを確認していこうとか、こういうようなことをやはり労使自身の問題としてもお進めになっていただきたいというふうに期待しておるところでございます。
  105. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 細かい点、私、実はつまびらかにしないのでございますが、先生の御質問の日付の時点から察しますると、北炭の夕張新鉱の生産が一日三千トン台に落ちまして、北炭の企業再建の見通しと申しますか、展望がまだ暗い段階におきましての時点のお話であるように存ずる次第でございますが、確かに一月の時点、私も夕張に参りまして、結局、先ほど御説明した次第でございますが、四切り羽、五千トンの計画を五切り羽に変えて、とにかく何トン出るか、ひとつやっていこう、こういう時期でございまして、いわばその段階で労働者をふやしてしまえば、また経営は苦しくなる要因にもなります関係上、現在の労働者の方々でこれをこなし、とにかく生産を四千トン台に乗せるべく、最大限の努力をしよう、私どもが参りまして、労使双方にお願いをし、話し合っていただきたい。その結果、労使交渉をされまして、その努力についての協定をまとめられたというように聞いておるわけでございますが、細かい点について法律違反があれば、私としても何としても困った次第で、それは行き過ぎでございますけれども、とにもかくにも夕張新鉱の生産べースを計画が描けるようなベースに乗せること、これが北炭再建問題の一番土台石でございまして、そういう時点でそういう労使の協力体制をつくる上での過程の話ではないか、行き過ぎがあったら、私としても十分労働省の方からお聞きして、経営者に注意申し上げ、是正いたさせたいと思います。
  106. 津川武一

    ○津川委員 法律違反があったとか、そういうことじゃないの。再建のためには資金も必要だ。出炭量を上げることも必要だ。だが、一番の基本は、経営者が労働者を信頼して、労働者とともに歩むという姿勢でなければならないのに、これで水をぶっかけている。だから、こういう姿勢を直すことが、政府には、その気になれば、能力があるから、そのことが必要だ、私はこう言っているわけです。重ねてその点にまた、質問を進めながら、触れていきます。  労働者は何のために北炭で働くか。賃金をもらって生活をする、ここに労働者が北炭で働く一番大きなあれがある。同時に、われわれは日本の石炭を掘っているんだという誇りがある。情熱がある。それがまた、北炭で働かせているいろいろな理由になってくる。そこで、労働者に対する賃金や退職金の不払いが続いている。これがまたひどいんですよね。この続いているのを、仕方ない、不況に陥ればなるわ、これに至ったに対して、ともに悩めばよろしい。その姿勢のところに問題が出てくるわけね。賃金や退職手当などで合理化の政策にしているのじゃないか。幌内炭鉱のガス爆発後、二年半の間に、不払い賃金、不払い退職金など、総額百四十億円、一人当たり百万円の未払いになっている労働者もおります。未払いをもらうために働いたのじゃない。ここのところに問題が出てくるわけね。この点はやはりどうしても解決しなければならない重大な課題になってくるわけです。この未払いのものに対して、今度はまた、五十三年六月三日、これも夕張新炭鉱「従業員並びに家族各位」、「新二鉱閉山の際に約束した通りの支払いができないことについて、再び皆さんに心からのお詫びを申し上げます」、このお金は「約束通り交付金入金後に別の資金を用意して残額を支払うことができないので、」そちらに使わしていただきます。と。労働者に払うものはまずお払いなさいよ。それで、炭鉱が若しいから、皆さんひとつ出資してくださいとか、いろいろな金を出してくれると言えばいい。私のところの病院なんかは、いま二十億ぐらいの仕事をしている中で、そういう人たちの組合債が何と十億。やはりこういう点で資金を集めようと思ったって、こういう点で労働者を納得させようと思ったって、できっこない。しかも、このチラシはもっとひどい。「この問題を解決しなければ」、来たお金の三分の一かを未払いにしなければ、「政府・銀行等関係各方面の支援体制もとざされます」と恫喝してきているんだ。これは恫喝です。政府はこういうことをやらせているのか。この文書に書いているとおり政府も支援体制を閉ざすのか。銀行も支援体制を閉ざすのか。まず労働者に行くべきものは労働者にやって、そこで労働者の協力を得て資金獲得のために当たる、政府はそういう方針をとる、政府は銀行にもこの問題を労働者に払わせるように指導して援助をさしていく。そうでなければならないのに、政府も銀行も支援体制を閉ざす、こういうことを炭鉱が書くのだな。ぼくはこれに対して政府も責任あると思いますよ、彼らは政府をそう思っているかもわかりません。ここらで政府自身のこの問題に対するお考え、この問題を労働者に正しく解決する上においてどう銀行、金融機関に依頼するか、指導するか、こういう点答えていただきたいのです。この点は労働基準法にも違反になるし、ここでそういう違反のことも摘発していくということではなくて、そこをもっと大きく進めていく方針が必要だとぼくは思います。政府の御見解を伺わせていただきます。
  107. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 その退職金、いまの先生のお話でございますと、その問題が解決しないと政府、金融機関、道を閉ざす、若干語弊があるような印象は受ける次第でございますが、そういう情勢というのを私実はいま初めてお聞きする次第でございます。  今回の再建計画、対策を先ほど御説明したところでございますが、労使交渉をやりまして、まとまった上で金融機関とお話をする、こういう段階でございます。私どもその労使協定の中身がどのような状況であり、現状がどういうかっこうになっておるのか、とにかくまとまったというように聞いておるのでございますが、現在の段階におきまして労使交渉の中身の問題を――私どもさっきも申し上げたわけですが、とやかく言えるような状況もございませんし、また実はその中身の細かい点、よくわからないのでございます。
  108. 松井達郎

    ○松井説明員 お答えいたします。  いま拝見しているところでございますが、すでに先ほど来の御質問でほかの先生方にもお答えしておりますように、会社の方としましては、いままでの退職金につきましては未払いということで基準法違反の事実はすでに生じておるわけでございます。そういうことでございますので、私どもといたしましてはこのような基準法違反をどのような形で是正するかということで、ひとつ支払い計画を出しなさいというふうにやっているところでございます。それにつきましては、会社の方が、六月十三日、おとといでございますが、岩見沢の署に本社から見えまして、お答えは、いま鉱業審議会なり株主総会なりを控えて非常に努力して情勢が煮詰まっている最中であるので、しばらく猶予を願いたい。私どもとしましても、そういう情勢であるならば、当面大いに努力しておるということであるので、ひとつその結果を見たいということで考えておるところでございます。  いま先生が御指摘なさいまして、いま私拝見しております問題は初めての問題でございますが、会社側の努力の過程におきまして、こういう一つの方策もあるいは考えておるのではないかというふうにこの書面を見ますと思うわけでございますが、何にしましても、これは今後、違反となっております退職金の未払いをどのように解消していくかという問題でございますので、今後会社側を指導していくに当たりましては、この点をさらに聞き取りなどをしまして調査し、必要な指導をいたしてまいりたいと思っております。
  109. 津川武一

    ○津川委員 この点で何か恫喝みたいな、一方的に労働者にだけ犠牲を強いる空気がないわけではありません。  これは炭労北炭対策委員会、北炭労連の配っているチラシです。それによると、北炭KKとの交渉に引き続いて、七日午後四時から通産省宮本石炭部長との交渉を行いました。その中で宮本部長は、新二鉱の退職手当をめぐる問題は重大である。いま北炭は文字どおり生死の関頭にある、この事態を認識して解決に当たれ、こういうことなんですね。これはどうとればいいのかということなんです。  新二鉱の労働者九百五十人の退職金はこれまで三分の二が払われただけ、このほか百人の職員の退職金は一円も払われていません。北炭は、会社には金はない、政府の閉山交付金が出る六月まで待ってほしいと、千三百億九千万円、これを今度会社で使うという。これに今度宮本石炭部長が、重大だと言って労働者に圧力をかけている。  もう一つは、夕張の市長さん、これは皆さんが非常に心配してくれて、北炭問題対策会議を開いて、議長が吉田夕張市長になっておりますが、ここでも、再建資金のかぎを握る三井銀行が北炭から手を引きたい、こう伝えられている。これは新二鉱の退職手当の問題だ。これを労働者がどこまでも全額払えというふうに要求すればそういうことになる。こういう回りから、政府から、あそこの地域で北炭を何とか解決しよう、再建しようという動きは非常に大事なんです。大事だから、この人たちのやることを私たちは大いに頼むし、期待する。だが、こういう形ではいけないということです。したがって、宮本部長のこういう見解や、地域に本当に――私はきょう労働者一辺倒の味方みたいなかっこうに質問したけれども、そうじゃないのです。問題をよくわからせようとすれば、銀行も入っていかなければならぬ、地域もそうでなければならぬということを言いたいからなんです。こういう方針をまとめて宮本部長の見解に対して答えていただいて、こういう空気をまとめていただいて再建に乗り出していただきたい、このことを要求し、政府に答弁があれば答えていただいて質問を終わります。
  110. 宮本二郎

    ○宮本(二)政府委員 確かに六月七日、北炭の労組の方々、お見えになりまして、いろいろ陳情ございました。その中で細かい中身、先生のお話のような中身につきまして私存じないのでございますが、労使とにかくまとまったというように聞いておるのでございますが、何か夕張炭鉱の中でごたごたがある、何か退職金の問題らしい、いわばこの問題が出まして、結局北炭の労使がまとまって金融機関と話し合っておる段階でございまして、労使関係がこれまでまとまってないような事態になる、それを私、重大である、このように申し上げ、話がみんなもとに戻ってしまうではないか、ひとつ円満に解決して、労使一致協力しておるような体制をつくっていただきたい、こういう意味で私申し上げた記憶がございます。私といたしましては、とにかく企業の中の労使が一致しておりませんからには、企業の再建というのはいかにしても成りがたい、やはりこれは核であると存じております。そういう意味におきまして申し上げた次第でございまして、それが若干何か圧力をかけたような印象に受け取られましたら、はなはだ申しわけないことと存じます。
  111. 津川武一

    ○津川委員 終わります。      ――――◇―――――
  112. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 次に、請願の審査を行います。  本委員会に付託されました請願は、本日の請願日程に掲載してありますとおり一件であります。  まず、請願の審査の方法についてお諮りいたします。  その趣旨につきましては、すでに文書表等によって御承知のことと存じますし、また、昨日の理事会においても御検討いただきましたので、この際、紹介議員からの説明聴取等は省略し、直ちに採否の決定を行いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  113. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 御異議なしと認めます。よってさよう決しました。  採決いたします。炭鉱離職者緊急就労対策事業の継続実施に関する請願は、採択の上、内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  114. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書等の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  115. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 御異議なしと認め、さよう決しました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  116. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 また、本委員会に参考送付されました陳情書は、産炭地域環境整備のための炭鉱住宅改良促進等に関する陳情書外二件でございます。念のため御報告申し上げます。      ――――◇―――――
  117. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 次に、閉会中審査申し出の件についてお諮りいたします。  石炭対策に関する件について、議長に対し、閉会中審査の申し出をいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  118. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、閉会中審査案件が付託になりました場合、審査のため参考人から意見を聴取する必要が生じました際には、参考人の出席を求めることとし、その人選、日時等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  119. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。  閉会中審査案件が付託になり、委員派遣を行う必要が生じた場合には、議長に対し、委員派遣の承認申請を行うこととし、派遣委員の人選、派遣地等の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  120. 細谷治嘉

    ○細谷委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後三時十四分散会