運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1978-05-11 第84回国会 衆議院 科学技術振興対策特別委員会 13号 公式Web版

  1. 昭和五十三年五月十一日(木曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 岡本 富夫君    理事 小沢 一郎君 理事 大石 千八君    理事 佐々木義武君 理事 中村 弘海君    理事 日野 市朗君 理事 貝沼 次郎君    理事 小宮 武喜君       伊藤宗一郎君    原田昇左右君       安島 友義君    田畑政一郎君       馬場猪太郎君    近江巳記夫君       瀬崎 博義君    中馬 弘毅君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      熊谷太三郎君  出席政府委員         科学技術庁長官         官房長     半澤 治雄君         科学技術庁原子         力局長     山野 正登君         科学技術庁原子         力安全局長   牧村 信之君         科学技術庁原子         力安全次長  佐藤 兼二君         資源エネルギー         庁長官官房審議         官       武田  康君  委員外の出席者         運輸省船舶局検         査測度課長   辻  栄一君         参  考  人         (動力炉・核燃         料開発事業団理         事)      中村 康治君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関  する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第  四二号)      ――――◇―――――
  2. 岡本富夫

    岡本委員長 これより会議を開きます。  核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出があります。これを許します。田畑政一郎君。
  3. 田畑政一郎

    ○田畑委員 きょうは、議題となっております法律案につきまして、私社会党として御質問させていただきたいと思います。したがいまして、きょうの質問の内容は総括的、全般的に疑問の点についてお伺いをいたしたいと思うわけでございます。  まず最初に、今日提出されておりますこの改正案がわが国においてどうしても必要なんだという確たる理由につきまして、一応提案理由には書いてございましたが、もう少し詳しくお伺いをいたしたい、かように思うわけでございます。大臣からお伺いした方がいいようでありますから、よろしく。
  4. 山野正登

    ○山野政府委員 わが国におきまして原子力平和利用を進めてまいります基本的な問題点と申しますのは、国内に天然ウラン資源が乏しいということでございまして、そういう観点から今後石油代替エネルギーとしての原子力利用というものを進めますためには、海外に求めますウラン資源というものを最大限に有効活用をしなければならないということがあるわけでございます。海外に求めるウラン資源を最大限に活用するという点から考えますと、燃料サイクルのうち再処理事業というものをぜひ早くわが国の国内に確立する必要があるわけでございまして、現在のところは先生御案内のとおり動燃事業団が東海村に設けております再処理工場におきまして、日産〇・七トンの実証試験をする程度の規模のものしかないわけでございます。そういうことから、やむを得ず必要な再処理というものは海外に委託しておるわけでございますが、できるだけ早くこの海外依存型というものを脱却しまして、実質的な国内自立体制というものをつくる必要がある。しかもこの再処理工場建設と申しますのは非常に長年月を要するものでございますので、現在海外に委託しておりますものに引き続きまして、わが国でもってこれを処理いたしますためには、現在からその建設準備に着手する必要があるというふうに考えておるわけでございます。そういう意味で、現在の規制法では再処理事業というものは動燃事業団と原研とにその行う者というのは限定されておるわけでございますが、第二再処理工場を民間で至急に建設準備に着手できますように規制法を改正いたしまして、民間にその門戸を開放したいというのが本法案を提案いたしました背景でございます。
  5. 田畑政一郎

    ○田畑委員 私が一番聞きたい点は、本法の改正は、これは民間にやらせたい、こういうことでございます。民間にやらせるということでなぜ法律の改正をしなければならないのか、この理由でございます。この辺が実は納得できない点でございます。  御案内のとおりこの再処理工場なるものは大変大きな放射能の汚染というものの危険性を伴っておると言われておるわけであります。したがってこういうものについては国が直轄で、あるいは国と不可分の関係を持つ公社みたいなもので処理することが、もしつくるといたしましても、その方が適当かつ安全なのではないかという疑問が国内には非常に強いわけでございます。それをあえて民間にやらせるためにここに法改正を提案されておるという理由につきまして広く疑問があるわけでございまして、その点はどうかということをお伺いしているわけでございますので、ひとつお答えいただきたいと思います。
  6. 山野正登

    ○山野政府委員 この再処理事業というものを将来国ないしは国にかわる政府機関が行うという道も確かにあろうかと存じますけれども、わが国におきます産業体制は大体私企業体制というのが基本になっておるわけでございまして、私企業でどうしても対応できないものに限って政府ないしは政府機関がこれに当たるということになっておるわけでございます。電力事業と申しますのは御案内のとおりこれは純然たる私企業でやっておるわけでございまして、今後このような再処理事業をするに当たりましては私どもとしては同じような体制のもとで、あくまでも民間機関としての効率的な運用を期待したいと考えておるわけでございまして、アメリカとか西独のような日本と同じように電力事業を民営でやっておる国々も、同じく再処理事業も民営でやっておるわけでございまして、そういうふうな進め方をしたいと考えておるわけでございます。  再処理事業をいたしますればお説のとおり確かにプルトニウム等取り扱いに格段の注意を要するものが出るのは当然でございまして、そういうふうな観点から今般の規制法の改正におきましては単に再処理事業を行い得る者を拡大するというだけではございませんで、そのような観点から安全確保のための規制を強化することもあわせ行うということにいたしておるわけでございます。
  7. 田畑政一郎

    ○田畑委員 御答弁ではございますが、この再処理工場は核燃料サイクルの一環ではございますけれども、たとえば直接電力を起こすとかあるいは直接電力を配給して利益といいますか利潤を得るとかというものではないわけですね。なるほど電気事業は民間企業が中心でございますから、個々の企業あるいは家庭に電気を送ってそして収入を得ていくということは電力会社の基本ではあるかもしれませんが、しかし、それの原料といいますか核処理の問題、こういうものは必ずしも民間会社にやらせなければならないというものでもないと私ども考えるわけでございます。したがって、私いまおっしゃることについては納得できない、どうしてこれを民間にさせなければならないのかという確たる理由づけがまだ十分じゃないのじゃないかと思うのですが、再度あなたの御答弁をいただきたいと思います。  それから、この問題に関連いたしましていま御答弁ございましたが、外国におきましてはこういう再処理工場等につきましては民間にやらせておるということでございますが、私の調べましたものによりますと、純然として民間でやらせているところの国はないというふうに聞いておるわけでございますが、この辺もう少し詳しい事情がわかりましたならばひとつ御答弁いただきたいと思います。
  8. 山野正登

    ○山野政府委員 電力事業というものを考えます場合に、単に電力を発生する部分だけというとらえ方ではございませんで、電力のもとになる核燃料サイクル全体を考えまして、そういう一体のものとして電力事業と先ほど私ども申し上げたわけでございますが、これを行います際に、全体おおよそ民間私企業形態でやっておる中に一部分だけ政府機関でやるものを挿入した形がよろしいのか、あるいは全体をすべて私企業体制で一貫してやるのがよろしいのか、これはいろいろ議論のあるところかと存じますけれども、先生の御指摘というのは、私企業体制よりも国ないしは国の機関がやる方が放射性物質等を扱う関係上安全管理等が十分行い得るのではないかという御配慮からの説かとも存じますが、その点は規制法の運用によりまして安全を十分に確保し、周辺には絶対に迷惑をかけないということを確保しておいて、その上で私企業体制でできるだけ効率的な運用を図るということを考える方がいいのではないかと考えております。  また、これまでの諸外国の開発の成果及びわが国におきます東海工場の建設、運転の経験というものから、民間が行い得る技術というものは十分に蓄積されておるというふうに理解いたしておりますし、また現に電力会社を中心にいたしまして産業界においてもぜひ自分たちで第二再処理工場をやりたいという気持ちがわき上がっておるところでございますので、そういう状況下においてこのような方向で本件を進めるのが最も妥当ではないかというのが私どもの考え方でございます。
  9. 田畑政一郎

    ○田畑委員 原子力年鑑というのがございますが、この原子力年鑑に「再処理とプルトニウム利用」というのがございまして、この中に「海外の情勢」というのが書いてございますが、商業用再処理工場で稼働中のものはないというようなことが出ておるわけでございます。外国におきましてはいわゆる再処理工場がうまくいっていないというような資料がいろいろ出ておるわけでございます。したがって、そういうことを考えますと、いま局長のおっしゃったように民間主導のもとにこれをやらせる、あるいは政府主導のもとにやるということを考えた場合、民間にこれをやらせるということは非常に危険性があるのではないかというふうに考えるわけでございます。  それといま一つの問題といたしましては、民間の場合には商業秘密というのがございまして、原子力基本法にいうところのいわゆる公開といったものがどうしても阻害されるおそれがあるのではないかと思うわけでございます。現に東海村にあります再処理工場のいわゆる視察、内容の検査というようなものにつきましてはかなり厳密な制約が加えられておりまして、購入した会社との関係で一番重要なところは視察させないということで、アメリカの視察団ですら入れなかったという情報をわれわれ聞いておるわけでございますが、今度新たにこういう法律ができまして民間会社による再処理工場ができますと、ますますそういう可能性は深まると考えるわけでございます。再処理工場における危険を強調されている側にはそういった点が強くあるのじゃないかと思うわけでございますが、そういった点をどう考えられるか、お伺いしたいと思います。
  10. 山野正登

    ○山野政府委員 まず諸外国における再処理工場の現状でございますが、アメリカにおきましては数社、これはいずれも民間会社が工場を建設あるいは工場を拡大ということを企画しておるわけでございますが、種々の理由によって現在いずれも停滞しておるというのは先生御指摘のとおりでございます。これは一つには多分にカーター大統領の新原子力政策、つまりここ当分の間は民営による再処理事業並びに高速増殖炉の開発は停止をするという新原子力政策が大きく反映しておると思うのでございます。  それから、現在世界の再処理工場で運転中のものは、まず天然ウランを再処理する工場としてはイギリス、フランス等にあるわけでございますが、今回問題になっている濃縮ウランの再処理についても運転中のものはございまして、フランス核燃料公社のラ・アーグにございます工場において現在ホット試験を進めておるものがございます。それからさらにドイツのケバ社がカールスルーエに持っております工場、これもパイロットプラントでございますが、現在運転中でございます。  それから、知的所有権に関する御質問でございますが、産業機密についての保護と申しますのは、経営形態が民営であれあるいは政府機関が行うものであれ、最小限必要な知的所有権というものは保護されるべき性格のものでございますが、私どもはそういう美名のもとに公開の原則が不当に損なわれるということがあってはならないと十分に意を尽くしておるところでございまして、政府機関でやればこれがなくて民営でやればあるという性格のものではないと考えております。また、将来再処理事業に限らずあらゆる原子力の産業活動につきまして産業機密の保護が過保護になってしまうおそれのないようにという注意は十分にいたしていくつもりでございます。
  11. 田畑政一郎

    ○田畑委員 アメリカにおいては再処理工場が停滞をしておるということは存じております。ただ、ここで私がお伺いしたいのはイギリスあるいはフランスでございます。そういった国々においては純然たる民間会社として運営されているのか、あるいは政府の統制と管理のもとにおいて公社とかそういったものによって運営されているのか、その点はっきりお答えいただきたい。
  12. 山野正登

    ○山野政府委員 これは、イギリスとフランスにおいては電力自体がいわば国営でございまして、そういう形の中で再処理事業というのも国が中心になって行っておるということでございます。
  13. 田畑政一郎

    ○田畑委員 そういう点を考えますと、これは局長に議論を吹っかけるわけではございませんが、なぜ日本は民間でこれをやらせなければならないのか。もっと積極的に国自身が国自身の責任においてこれを行っていく。しかも、エネルギー問題は、口を開けば、わが国の将来を決する最大の問題だ、こう言っておるのに、あえてこの問題を民間でやらせるというための法改正を行うということについては、私は納得ができないわけです。だから、いまおっしゃったように、 ヨーロッパでは、国がこういう面には積極的に乗り出しているわけなんです。だから、この点はやはり法律改正の基本的な問題でございますので、これは大臣からお伺いした方がいいのじゃないかと思うので、ひとつ御答弁をいただきたい、こう思います。
  14. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 いま、いろいろお尋ねやらお答えやらいたしました点について、専門的なことは政府委員からお答えしたとおりでございますが、御承知のように、日本は、いろいろな事業をなるべく民営化しまして、民間の活力を十分生かしていくというような、すべての事業にわたってそういうたてまえをとっているわけかと思っているわけでございます。したがって、特にこういう原発等の問題につきましても、経済的な面で十分引き合わない研究開発といった面はもちろん政府がやっていきますが、一応経済的なある程度のめどがついていきますならば、こういう事業は民営化しまして、民営としての民間の活力を十分生かしていく、政府は政府でそういう経済的な問題に制約されないような新しい分野の研究開発を進めていく、こういうことをたてまえとして、その結果、こういう再処理の事業も、これから非常に広範に盛んにやっていかなければなりませんので、民営に移したい、こういうことでございます。  そこで、やはり田畑議員の御質問の中にございました、民営では安全の確保、特にプルトニウムなどを使用する安全の確保について懸念がある、政府みずからやっていけばそういう安全の点も十分確保できるのではないかという御心配、御懸念があったようでございます。この御懸念も、現在までのいろいろな経緯をたどってまいりますと、あながち杞憂と申し上げるようなわけにはいかぬかと考えるわけであります。したがって、こういう点についてはえりを正してよく反省、検討しなければならぬと考えますけれども、しかし、原子力につきましては、たびたび申し上げておりますように、再処理はもちろん、あらゆる面にわたりまして安全ということが第一でありまして、この安全性を守るために原子力基本法を初めいろいろな法令がありまして、これを厳守いたしまして安全性の確保に努めてまいらねばならぬわけであります。したがって、特にこのような再処理等の問題について、民間でやるから安全が確保できないという、そういう政府のやり方なり態度では、少し飛躍したことを言えば、そんなようななまぬるい安全性の管理では、たとえ政府がやりましても、やはりいろいろな欠陥が生じてくるのではないか。特に、安全規制に関します限りは、やはり民間にやらせましても、民間でやるという特色を生かしましても、政府がやるのと同様の管理的な規制を徹底させなければならぬわけでありまして、また、われわれとしましてもそういう考え、信念を持って臨むつもりでございますので、そういう点もいろいろ考えまして民営ということに踏み切って、そうしてこの再処理の事業を盛んに活発に、需要に合うようにやっていきたい、こういうように考えているわけでございます。
  15. 田畑政一郎

    ○田畑委員 これは大臣からお話しでございましたが、この安全管理については厳格にやっていただく、これはもう当然だと思います。ただ、問題は、非常に危険度の高い再処理工場問題でございますので、結局のところは、その責任の体制ということがやはり重要になるのじゃないかと思うのでございます。     〔委員長退席、貝沼委員長代理着席〕  この五月一日のアメリカ下院政府活動委員会の決定を見ますると、アメリカにおきましては、原子力発電所でさえ、現在運転中の原子力発電所を、年限が来まして処分するときには、日本の金にいたしまして一基当たり二千億以上の処理費がかかるというようなことからいたしまして、原子力発電所自体をこれ以上建設することは好ましくないという決定をいたしておるわけでございます。まして、これが再処理工場ということになりますれば、さらにこれは大きな問題を含んでいくものというふうに想像せざるを得ないわけでございます。したがって、この種の問題を企画いたします際には、やはり念には念を入れて、民間よりは政府が責任を持つという形のやり方の方が正しいのではないかというふうに私は思うわけでございますが、この問題につきましては、これから私どもの党といたしましても順次問題を詰めてまいりたいというふうに思っておるような次第でございます。  さらに、次いでお伺いをいたしたいと思いますのは、こうした本法改正案が出てきているわけでございますから、この裏打ちとなる再処理工場の建設構想があると私は思うわけでございますが、その点についてここで明確にしていただきたいというふうに思います。
  16. 山野正登

    ○山野政府委員 第二再処理工場の具体的な構想につきましては、もちろん、最終的にはまだ煮詰まっていないわけでございますが、従来は、電力会社を中心にいたしまして濃縮・再処理準備会という組織がございまして、これが昭和四十九年以降、第二再処理工場の建設に必要な諸調査というのを進めてまいっておるわけでございます。現在までのところ、立地候補地点といったふうなものを各種資料によって調査をいたしましたり、それからまた、将来必要となる技術につきましていろいろ調査をするといったふうな活動をしておるわけでございますが、最近、この組織が発展的に解消されまして、電気事業連合会の中に再処理会社設立事務室というものが設けられまして、この組織が新しくその任務を引き継いだわけでございまして、将来、このいまお願いをいたしております法律の成立を待ちまして積極的な第二再処理工場の建設準備作業というものが始められることになろうかと考えます。ごく大ざっぱに申し上げまして、将来の需給を考えてみますと、現在海外に委託しておりますもので大体一九九〇年程度までの需要は賄い得るわけでございますが、それ以降の処理を考えますと、また世界の最低の商業規模といったふうなものを考えますと、まあ年産にしまして千トンないし千五百トンばかりの規模のものがこの第二再処理工場のおおよその規模になるのではないかというふうに考えております。
  17. 田畑政一郎

    ○田畑委員 いまいみじくも第二再処理工場というお言葉をお使いになったわけでありますが、この法律は第二再処理工場の設立に必要なもの、これは二十年後、三十年後は別でございますが、ともかく当面第二再処理工場に必要なために本法改正案が出ているというふうに理解していいんでございますか。ということは、建設される再処理工場は一カ所であるというふうに理解していいんでございますか。
  18. 山野正登

    ○山野政府委員 第二再処理工場と私が申し上げましたのは、わが国におきましてはすでに動燃事業団が東海村に小さな規模とは言いながら再処理工場を持っておるわけでございますので、これを第一再処理工場と仮に呼べば、将来できるでありましょう民間主体の再処理工場というものはいわば第二再処理工場と呼べなくもないという意味で第二再処理工場という表現をしておるわけでございます。これは当面は一九九〇年時点におきまして日産五トンばかりの規模があればおよその需要は賄い得ると目算しておりますけれども、これに加えて、原子力平和利用というものがさらに進んでまいりまして、増設の必要があれば、同じサイトに増設していくのか、あるいは別のサイトに増設するのか、それは全く今後の問題でございます。
  19. 田畑政一郎

    ○田畑委員 これははっきりしていただきたいと思うのですね。たとえば最近、成田新法などが出ました。これは成田空港周辺に限ってのものでございます。あるいは騒音対策補償、これも成田空港に限ってのものというふうに大体はっきり政府の答弁が出ております。それから大規模地震に対する対策法、これは東海地震に対してのみ提起をされておるわけであります。ここで出ておりますところの民間によるこの再処理工場は将来幾つも展望をされておるものか、あるいはいわゆるいまおっしゃったような規模のもの一カ所だけを展望されてここに法律案として出ているものか。これによってこれはずいぶんわれわれの審議の内容も違うし、国民のこの受けとめ方も違うんじゃないかというふうに思うんですね。だから、いま局長のおっしゃったように、また将来は第三、第四だというようなつもりで抱いていられるならば、それはここで本法が出てきたときにはっきりしていただきたいと思うのです。幾つもできる。いわゆる年間千五百トン、これを幾つの工場にも分けてやる。東海村は二百十トンですが、これを五つの工場、六つの工場に分けてやるというのならばやはりそのように明確にしていただかなければならない。しかし一カ所でこれを処理するためにこの法律が必要であるために出したんだというならば、それはまたそれできちんとしていただきたいというふうに思うのです。これは法律でございますから、二十年、三十年後までを私言っているわけじゃありません、少なくともこの法律の目指すものはこうなんだということはここではっきり答えていただきたいと思います。
  20. 山野正登

    ○山野政府委員 まず将来再処理事業を行う者でございますが、これはめったやたらとふやしていこうということは考えていないわけでございまして、今回の法律改正案におきましても、将来は内閣総理大臣の指定する者がこれを行うことになるわけでございまして、そういう意味で、許可制ではないわけでございますから、事業主体そのものをかなりしぼっていこうということを考えているわけでございます。  それから将来つくります再処理工場というものは、当面私は、一番最初に出ていきますものを頭に置きまして、千五百トン程度の規模のものが最初に建設されるでしょうという見通しをお話しいたしておるわけでございまして、わが国の将来の原子力発電規模というものを考えました場合に、千五百トン規模のものが一つあればこれで未来永却にわが国の原子力発電に必要な再処理というものは十分国内で賄い得るというわけのものでもございませんので、これは当然に需要の増大に応じて規模の拡大というものはあり得る、つまり、その第一工場のたとえば千五百トンというものを第二再処理工場と呼べば、第三、第四というのは当然にあり得るというふうに考えております。
  21. 田畑政一郎

    ○田畑委員 それではもっと具体的にお伺いいたしましょう。  これから先十年間に、いまのここに出されている法律案に期待されるところの再処理工場を第二再処理工場と呼ぶとするならば、第三、第四の再処理工場が建設される可能性があるのですか、ないのですか。
  22. 山野正登

    ○山野政府委員 いま仮に第二再処理工場と呼んでおりますものの建設スケジュールを考えますと、ただいまから建設準備に入りまして、運転開始に入り得る時期というのは大体一九九〇年ごろ、つまりいまから十年以上先のことでございまして、御質問のこれから十年以内にという時点では残念ながら国内の再処理工場というのは動燃の東海工場以外にはあり得ないわけでございます。その間、これから十数年をかけまして第二再処理工場の建設に鋭意励んでまいるわけでございますが、将来の原子力発電規模というものの確たる見通しがつけば、また第二再処理工場の建設を進めながら次の計画について立案をしていくといった運びになろうかと思います。
  23. 田畑政一郎

    ○田畑委員 そういうことになりますと、私はこの法律はかなり重要な問題を含んでいると思うのですね。だから、第三、第四というものがあるならば、その点は全国に与える影響は多うございまして、それならばさらにお伺いしたいと思うのですが、第二再処理工場というのは、立地条件などを検討されているそうでございますが、一体どういうところへつくるのですか。御案内のように東海村もかなり人口密集で、もし事故が起こったならば相当広範囲に被害が及ぶというような研究があちこちで発表されておりますが、この第二再処理工場というのはどういうところへ建設されようとしておるのかということですね。  それからもう一つお伺いしておきますが、私は十年という期間を区切りましたが、十年以内に第三再処理工場が計画される可能性があるのですね。
  24. 山野正登

    ○山野政府委員 立地地点につきましては、先ほども申し上げましたように、濃縮・再処理準備会が資料等によります調査を続けてきておるわけでございますが、将来はこれをさらに現地につきまして選定を進めていく必要があるわけでございまして、これまで私どもの聞いておりますところでは、地図上のみではまだ相当数の候補地点を挙げておるというふうに聞いておりますが、将来これを具体的に詰めていく作業が必要でございまして、いまの段階ではまだ先生に御答弁できるまで煮詰まっていないという状況でございます。  それから第三再処理工場というもの、これは相当先の問題になりますので全く仮定の問題になりますけれども、今後、一九九〇年ごろを目指して第二再処理工場を建設する過程におきまして、第三再処理工場についての計画の立案といったふうなことはあり得ようかとも思います。
  25. 田畑政一郎

    ○田畑委員 第二次再処理工場は、たとえて言えば東海の再処理工場でございますが、あの程度の人口密集地帯、あれよりももっと人口密集地帯の地点につくられるのか、あるいはもっと人口密集が希薄な地点につくろうとなさっておるのか、この点いかがですか。これはただまだ地点が明らかにできないんだというだけでは、私は、国会答弁としては問題にならぬと思うのですね。これは少なくともアメリカでは全部とまっておるのです。だから、いまのここにつくるということは明らかにできないならできないでいいのですが、少なくともこういうことだけはきちんと踏まえて、第二再処理工場についてはやりたいんだということぐらいはここではっきりしてもらわないと、これは法案に賛成しろ、反対しろといったって、はっきりできないんじゃないんですか。だから、私は、その点をぜひもっと詳しくお伺いをしておきたいというふうに思います。  それから、このごろは立地問題でかなり原子力発電所が建設がおくれているわけですね。まして再処理工場ということになれば、これは原子力発電所とは比較にならないくらい立地問題では困難に逢着をするということになる。そうしますと、年間千五百トン、これは大き過ぎるということからいたしまして、この第二再処理工場が幾つかに小さく区切って、一九九〇年計画で一挙に幾つかの再処理工場に分断される。たとえば福島にもつくる、福井にも置こう、こういうことになる可能性だって、この法律案だけ見ていればなるわけですね。局長、そういうことはあるのですか。
  26. 山野正登

    ○山野政府委員 まず、立地地点の要件でございますが、まだまだ目見当の段階でございますが、先ほど申し上げました工場の規模で申し上げますと、敷地にしまして大体二百万坪程度のものが必要であろうかと考えております。その周辺の人口の密度といったふうなことにつきましては、ほかの諸要件とともに、いずれ設定されます安全審査上の技術基準に合致するような地点を探す必要があると考えておるわけでございます。  それから、この立地地点があちらこちらに、第二再処理工場だけをとりましても分断されて設置することがあり得るかという点でございますが、これは理論的にはあり得ることでございますけれども、しかし、現在私どもが考えております方向と申しますのは、やはりこの工場の採算規模、商業規模というものが当然にあるわけでございまして、現在のところは、その規模というのは日産にしまして大体五トン程度、年産千トンなり千五百トン程度が最小の採算規模であろうというふうに考えておるわけでございまして、そういう観点からすれば、この第二再処理工場というものがあちこちに分断して建設される可能性というのはまずないのではないかというふうに考えております。
  27. 田畑政一郎

    ○田畑委員 まずないのではないかということではなくて、ないならないとはっきり言ってください。
  28. 山野正登

    ○山野政府委員 これは、第二再処理工場が計画が確定しておるわけではございませんので、断言ができないので、そういう表現をしておるわけでございますが、先生のおっしゃるのと大体同様な意味で申し上げておるということでございます。
  29. 田畑政一郎

    ○田畑委員 大臣にお伺いしたいと思いますが、先ほど、東海村と比較いたしまして、これ以上の人口密集地帯というような表現をとりました。そういうところへ建設される可能性があるのかどうかということを例をとりましたが、たとえば一つ例を申し上げたいと思いますが、福井県は全国第一の原子力発電県でございますが、福井県に再処理工場ができる可能性があるかどうか、大臣からお伺いいたしたいと思います。
  30. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 考え方によっては大変むずかしい問題だと思いますが、可能性があるかないか。第一に、この問題は、再処理工場はもちろんでございますが、原子力関係の施設というものは、特に立地の住民の方々の御理解と御納得がいかなければできないわけであります。そういう点から申しますと、非常に広大な面積を要する施設であり、それに住民の御理解と御納得がいくというような条件も加わってまいります。第二の点は別としまして、広大な面積を要するということを考えますと、余り可能性はないんじゃないかと私は考えますけれども、しかし、やらぬと言った、そしてやるようになったのはうそつきじゃないかと言われると困りますから、それは申し上げませんが、そういう点から可能性は薄いんじゃないか。  それから、いま原発がたくさんあるが、原発がたくさんあるところにはそういう再処理工場の施設が考えられやすいんじゃないかというふうにもお考えになっているかもしらぬと思いますが、これはそういうこととは全然関係ない。日本国内でありますならば、原子力発電所がたくさんあるから、そこが場所的に非常に便利だから、近いから、そこへ再処理工場を持っていくということは、これは私の知っております限りはあり得ない。可能性ということにつきましては、さっき申し上げたとおりですが、いまの原発がたくさんあるからということには関係はないというふうに思っております。
  31. 田畑政一郎

    ○田畑委員 それでは、次の問題に移りたいと思います。  先ほど御説明のございました、いわゆる九電力でつくります再処理会社設立事務室の素案によりますと、この再処理工場をつくりますためには四千億円の建設費が必要である、こういうふうに新聞では報道せられておるわけでございます。恐らくそれ以上の金が必要なんじゃないかと思うのでございますが、こういった建設資金はどういう形で賄うことになるのでございますか。政府といたしましては、この建設資金についてどの程度のバックアップをされるおつもりなのか、その点お伺いをいたしたいと思います。
  32. 山野正登

    ○山野政府委員 第二再処理工場の建設に必要な建設資金というのは、いずれ電力業界を中心にしまして算定されるわけでございますが、この調達につきましては、基本的には、電力業界と関連の産業界が中心になって調達すべきものだと考えますけれども、その時点で、国の低利の融資といったふうなこともあるいは考慮しなければならないかもしれないわけでございまして、その時点において、できるだけ円滑に事が運び得るように配慮してまいらなければならないというふうに考えております。
  33. 田畑政一郎

    ○田畑委員 これは局長、余り衣を着せた話は私は聞きたくないのですよ。これは御案内のとおり、政府と九電力との間には、この再処理工場建設について意見の相違がありますね。再処理工場をつくるということについては意見が一致していますけれども、通産省の計画によりますと、再処理で得られたプルトニウムを燃料加工するという工場を隣接してつくりたい、こういうことですね。ところが九電力の方ではそれは困る、こういう計画で事を進めているわけです。この点、きょうは通産省からもお見えになっていると思いますが、その辺の話し合いは一体どうなっているのかということもお聞きしたいと思います。同時に、こういった政府の主導というものを発揮されるということになれば、これは相当な政府からの借り入れといいますか融資あるいは援助を期待してのことなんでしょう。政府が一文も出さないのに何で再処理工場をつくるのですか。私は恐らくこれには相当な政府資金が入らなければできないと思うのです。だから一体どれくらいこれを胸算用として持っておられるのかということは、やはりこの法案審議に当たってわれわれは聞いておく義務があると思う。だからある程度はっきりしたことを言ってもらいたいと思うのです。
  34. 山野正登

    ○山野政府委員 まず再処理工場に隣接いたしまして燃料の加工工場をつくるとかあるいは貯蔵施設をつくるというふうないわゆる燃料センター構想というのは、核不拡散の観点からもPP上の観点からも大変意味のある話でございまして、今後官民で検討していかなければならない問題だと考えております。むしろ前向きに検討すべき問題と考えますし、また電力業界がこれに格段の異論があるとは聞いておりませんし、そうも考えません。恐らくはできるだけそういうふうな方向で事を運ぶといったふうなことになろうかと思います。  再処理工場の資金調達、これは資金の規模にしまして恐らく御指摘のように四千億ないし五千億といったふうな金が要るということになろうかと思いますが、これの調達をどうするか、調達の中身までは現時点ではまだきまっているわけでもないわけでございますので、いましばらく時間をおかりしたいというふうに考えております。
  35. 田畑政一郎

    ○田畑委員 先ほども質問をいたしましたが、政府が資金上において相当な腰入れをする、そういうことが前提条件になっておるなら、私は民間会社で再処理工場をつくらなければならぬという理由はだんだん希薄になると思うのです。政府は金を出さない、出してもほんのわずかだというなら民間会社でつくる理由はあると思うのですが、民間はそのうちの三分の一で、三分の二なり半分は国が出すのだというなら、何も民間につくらせなければならない理由はないわけであって、国がつくればいいのです。だからその辺がこの法律が必要なのか必要でないかという一つの決め手になるわけです。だから、将来この計画書が出てきたときに考えますなどということを言わないで、大体いま想定される、政府としてはもう民間でやらせる以上は限界はこれだけですというふうなものがなければいかぬと私は思うのです。これはどなたにお答えいただけるのか知りませんが、ぜひひとつはっきりしていただきたい。
  36. 山野正登

    ○山野政府委員 この数千億の資金調達につきましては、先ほども申し上げましたように、一義的にはもちろん電力業界と関連業界とが調達すべき資金でございますが、その重要度に応じてどの程度国が低利の融資について配慮するかということにつきましてはまだ現時点では決まっていない問題でございますので、その点につきましては、先ほども申し上げましたようにいましばらく時間をかしていただきたいというふうに考えております。
  37. 田畑政一郎

    ○田畑委員 くどいようでございますが、もちろん何億何円まで決まっていることで答弁を期待しているわけじゃないのです。ただ問題は、政府がほとんど金を出すのなら何もいまの話は民間にやらせなければならぬことはないわけなんですよ。だから、後になって政府が全部肩がわりして金を出してやって、そして民間にやらせるというのならば、これは初めから言っておいていただかないと私は困ると思うのです。だから、はっきりしないというだけではこれは審議が進まないというふうに私は思うのです。これはもう国会議員として当然聞いておかなければならぬ義務があると私は思います。だから、くどいようですが、もう少しこれは明確にしてもらいたい。ただ将来の問題だからそのときに考えるというだけでは、余りにも答弁が不誠意だと思います。
  38. 山野正登

    ○山野政府委員 現在考えております方向と申しますのは、民営と申しておりますように、あくまでも民間が全資金を出資しましてやるわけでございまして、政府が共同出資をするというたてまえではないわけでございます。しかしながら、その資金調達の段階におきまして国がどの程度低利資金の融資につきまして協力をするか援助をするかということはまだ現時点では決まっていない、これから計画の進行に応じて官民でいろいろ相談をしていかなければならない問題であるということを申し上げておるわけでございます。
  39. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 資金の問題について大変重要にお考えいただきましていろいろのお尋ねがあり、それに政府委員が答えております。そのとおりであると思いますが、いま四千億といいましても五千億といいましても一定した金額でもございません。したがって、援助するかしないか、あるいは援助するとすればどの程度までかというふうな具体的な額につきましてはもとより、政府委員も答えましたように、率直に言ってはっきり申し上げることのできない問題だと思っております。  ただし、いまお話しのように、今回の法案でお願いしております。いわゆぬ第二処理工場をつくるということになりますが、民営であります限りにおきましては民営たるにふさわしいような資金の調達の仕方をしてまいらねばならぬ、この点だけははっきり申し上げておけると思います。そのときにおきましてこれはこうこうこういう事情でこういうふうにするということについて、もし援助をするとすれば御納得のいくような、理由のつく援助しかできない、こういうふうに思っております。これだけは申し上げられると思いますが、具体的に幾らかという問題になりますと、くどいようですが、そのような状態でございます。
  40. 田畑政一郎

    ○田畑委員 これは、出資は民間でやることは間違いないのです。ただ、出資だけではこれは建設はできませんからね。その建設費の大部分を国が出してやって、そして形だけは民間だというようなことだけは、いま大臣もおっしゃったけれども、出てくることのないように、仮にこの法律が通っても民営にふさわしい形でやってもらわないと、何のためにこういう危険なものを民営に移すのかということになるわけですから、この点は強く注文をしておきたいと思うわけでございます。  それから、先ほどもちょっと御答弁がございましたが、九電力の方では、いわばプルトニウムの燃料加工工場をつくるということにつきましては好ましくない、民間の企業でそこまでやらなければならぬことはないじゃないかということが新聞等で盛んに流布されておりますね。御案内のとおりです。しかし一方政府の方では、そうはいかぬのだ、いまおっしゃったように、核燃料センター構想で進むのだということで、これまた一方的に新聞がたくさん出ているわけです。これから調整なさるのかしれませんが、いまの局長のお話によると、政府案でいくことはほぼ決まりであるという御答弁でございますね。電力業界も特段の異存はないということでございますね。そういうふうに、もうこれは政府案でいくということが決まっておるなら問題ないわけですから、これはここではっきりしていただきたいというふうに思うわけです。ただ、そういうふうになりました場合に、政府の言うことを聞いたのだから金の方はひとつ政府の方で持ってくれ、国家で持ってくれ、こういうことになるんじゃこれまた困るわけです。だから、その辺のところをもう少し詰めてお答えをいただきたい、こう思います。
  41. 山野正登

    ○山野政府委員 燃料加工事業そのものを電力会社があわせ行うといったふうなことは考えていないわけでございまして、燃料加工事業の事業主体というものはまたおのずから別にあろうかと思いますが、それらのものが一カ所に集まって、できるだけ物的防護の観点等から有利な形にしようというのは非常に意味があるということを私は申し上げておるわけでございます。  しかしながら、政府として燃料センターという構想で進めるということもまだ決めたわけではございませんで、恐らく通産省で云々という話も、通産省の方がしかるべきシンクタンクか何かにそういう委託調査をした結論が出たという話であろうかと思うわけでありまして、これは今後政府部内あるいは原子力委員会におきまして、鋭意こういう燃料センターのあり方といったようなものにつきまして詰めて決めていかねばならない問題でございまして、現在しかじかの構想があるという問題ではまだないわけでございます。電力会社に格段の異論がないであろうというのは私の予想でございまして、一々回って確認したわけではないわけでございます。そういったふうなものがPP上の観点等から一カ所に立地をするということについて、特に電力会社に不利になるような要因というのが思い当たらないので、そうではないかというふうに申し上げておるわけでございます。
  42. 武田康

    ○武田政府委員 ただいまの山野局長の御答弁のとおりなんでございますけれども、当通産省といたしましては、総合エネルギー調査会という諮問機関がございまして、その中で原子力関係のもろもろの問題を、どちらかといえば事業というような観点あるいは事業家というような観点が主体になろうかと思いますが、検討してもらっております原子力部会といいます下部組織を持っております。そこで、俗称でございますけれども、たとえば第二再処理工場あるいは民営の再処理工場というのはどんなかっこうになるのだろうかというようなことをいろいろ勉強をし、議論をしております。その議論の過程では、これは電気事業の代表者的な人も中には入っておるわけでございますけれども、再処理とプルトニウム燃料の貯蔵なり加工というようなものは、物理的な意味で、先ほど山野局長言われたように一緒の場所にある、俗称で、人によりましてはこれを核燃料パーク構想と言ってみたりいろいろな言い方がありますけれども、そういうような方向がいいんじゃなかろうか、とは言いながら、それでは個々具体的にこれがどうなるんだろうというところを詰め切っておるわけではございません。そういうような方向で議論が進行しております。その限りにおきましては、電気事業者の方と私ども通産省との間で特に大きな見解の開きがあるとか、そういうものではございません。ただ、何分検討の過程でございますから、これはさらに今後とも詰めて、この法改正ができました後におきまして本格的な準備を始める状況になり得るわけでございますけれども、そうなりましたらそうなったで、またさらに具体的に詰めていくというようなかっこうであろうかと思います。  もう一点、ちょっと先ほどの科技庁の方からの資金に関しての御答弁を補足させていただきたいと思います。  実はきょう現在でもエネルギー関係は、たとえば発電あるいは石油等々いろいろな関係につきまして、民間事業ではございますけれども、その事業の資金調達につきまして財投というような形で、物に応じまして、政策的に促進しなければいけないものについて、しかるべき金利、しかるべき融資比率のいわば政府ベースの融資をいたしております。もっとも融資でございますから、その事業者は何年か後に全額を返すし、また金利を支払うわけでございます。再処理の民営事業というものが、この法律の改正ができ準備ができて実現いたしたと仮定いたしますと、これはやはりエネルギー政策上あるいは原子力の開発という観点から促進すべきものかと思考されますので、そういった意味では、しかるべき金利、しかるべき融資比率、政府ベースといいますか財投的な意味の融資が民営事業ではございますけれども、あってしかるべきものかと考えられるわけでございます。先ほどの原子力部会でも、そういう意味ではある意味のコンセンサスを得ております。ただ具体的に幾らで、具体的にどうという点につきましては、まだ建設費そのものが決まっていないことでもございますし、それから事業の実態ももう少し詰めなければなかなか判断できない、その時点にもよるわけでございますので、その点につきましてはこれからもさらに詰めた検討が必要というような段階でございます。
  43. 田畑政一郎

    ○田畑委員 だんだん答弁が進んでまいりますので大変進行がしにくいわけですが、さっき申し上げましたように、再処理工場は民間でやらせなくてもいいのじゃないかというのが私の基本的見解なんです。そういう立場でいくと、民間ではやらせるけれども、金は政府が全部出す、あるいはほとんど出すというなら、何も民間にしなくていいんじゃないかということを申し上げているわけです。それに対して大臣から答弁があったわけです。そこはそういう形にならないように、ひとつ民間らしい色彩というのは十分持ってもらいたいと言っておられるわけです。それを今度は、また別に金は普通でも出しているんだからこれだって出していいじゃないかということで積極的に出す姿勢を示されると、これは非常に困るわけなんです。私は、やはり大臣の言ったとおり、そういう形で民間としての色彩を十分発揮できるような資金調達方法を努力してもらうことを前提条件にこの法案の審議を進めているということでお聞きしておきたい、こういうふうに思うのです。それでよろしいのでしょう、大臣
  44. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 はい、結構です。
  45. 田畑政一郎

    ○田畑委員 そこで、この電力会社のつくっております準備会というのですか、そこと、それから政府の構想しておりますところの核燃料センターですか核燃料パークですか、こことの間には基本的な違いといたしまして、プルトニウムの燃料加工工場を併設することについて意見の違いがある。これは九電力が非常に難色を示しているということが新聞で報道されているわけです。新聞だけではわからないかもしれませんが、恐らくこれはパーク構想というものに対して九電力は反対している、金はどこから出るかということもあるけれども、それ以上に一緒に建てるということに対して反対しているんですね。なぜ一緒に建てることに反対をしているのか、これはどういうところに原因があるのか、私はわからないのです。そして、一緒に建てるとすれば建てるようになるというふうに政府としては十分説得ができる見通しがあるのかどうか。そういうことも私ははっきり確信が持てないわけです。だからその辺のところを聞きたい、こういうことでございます。
  46. 山野正登

    ○山野政府委員 核燃料サイクルのセンターあるいは核燃料パークといったふうな構想の中身自体、先ほど通産省の御答弁の中にもありましたように、まだ固まっているわけではございません。基本的には今後官民の関係の者がいろいろと検討を進めていかなければならない問題でございますので、ただいまの時点で、だれが反対だれが賛成ということは、私もしさいに承知しておるわけではございませんが、できるだけコンセンサスのある方式を探しましてやってまいりたいと考えております。ただ、第二再処理工場というのは、このようなセンター構想あるいはパーク構想というものがそういう方向でまとまればその中に立地されますし、そういう方向でまとまらなければ、第二再処理工場は第二再処理工場だけで立地されるという問題であろうかと考えております。
  47. 田畑政一郎

    ○田畑委員 東南アジア各国参加によるところの地域センター構想というのが第三再処理工場建設の目標として世間に流布されているわけでございますね。これは先ほど来議論になっておりますが、第三再処理工場として構想せられてきておるものであるかどうか、なぜこういう形のものが構想されなければならないのかという理由についてお伺いしておきたいと思います。
  48. 山野正登

    ○山野政府委員 私が先ほど第二再処理工場に続く第三再処理工場、第四再処理工場と申し上げておりますのは、あくまでも国内におきます再処理工場を頭に置いて話をしておるわけでございまして、ただいま先生御指摘の新聞記事は私も見ましたけれども、それは多分現在検討の進められております国際核燃料サイクル評価の中の検討の一環として出ておる問題であろうかと考えます。つまり国際核燃料サイクル評価計画の中で、一国ベースの再処理にかえまして多国間共同で再処理工場を持つ、またその一形態としまして地域センター的な再処理工場を持つというごとについての評価というのも進められておるわけでございまして、その検討の構想をたとえば第三というふうな名前をつけて呼んだのではないかと考えておりますので、私が先ほど来説明しておる第三工場という概念とはまた違う概念でございます。
  49. 田畑政一郎

    ○田畑委員 これは、通産の側はどういうふうなお考えでございますか。
  50. 武田康

    ○武田政府委員 私もその記事は読んだ記憶がございます。ただ、私の理解といたしましては、内容的には山野局長の御答弁と全く同じでございます。
  51. 田畑政一郎

    ○田畑委員 そうすると、これはただ記事に出ているだけであって、政府部内としては検討の材料になっていないのですか。
  52. 山野正登

    ○山野政府委員 先ほど申し上げましたように、現在これは国際核燃料サイクル評価の中のきわめて重要な検討項目の一つでございまして、INFCEに参加しておりますわが国といたしましては、もちろん非常に重要な問題として検討いたしております。
  53. 田畑政一郎

    ○田畑委員 国際核燃料サイクル評価の中で、一体なぜ地域センター構想というのが出ているのですか。それはどういう理由なのか一遍お聞きしたいと存じます。
  54. 山野正登

    ○山野政府委員 ただいま行われておりますINFCE自体が平和利用を進めながらしかも核拡散の危険を最小にしぼっていこうというのがINFCEを進めます基本的な考え方でございまして、そういう核拡散を防止するという観点からいろいろな構想が打ち出されておるわけでございます。たとえばプルトニウムの国際管理といったようなこともその一環でございますが、それとあわせまして多国間で再処理工場を持てば、そこで精製されますプルトニウム等につきましても核不拡散上有利ではないかというのがその発想の原点だろうかと考えております。
  55. 田畑政一郎

    ○田畑委員 いわゆる核拡散防止ということあるいは平和利用ということは、わが国の原子力問題の開発についての基本方針ですね。こういう国際的な地域センター構想というのが出ている、それにかかわらず科学技術庁や通産省はどんどんと第三、第四の再処理工場を国内で独自につくろうとしておる。一体これからの再処理問題についてどっちの方向をあなた方は重要視していこうとしているのか、その点もひとつ御検討の結果をここではっきり御答弁いただきたいと思います。
  56. 山野正登

    ○山野政府委員 わが国におきます原子力平和利用の推進ということのために必要な大前提は核燃料サイクルの確立であるというのは、冒頭に御説明申し上げたとおりでございますが、その観点から考えまして、再処理核燃料サイクルのかなめでございます再処理工場というものはぜひ国内にこれを建設したいというふうに考えておるわけでございます。  一方、御指摘のとおり核の不拡散についての国際的な努力に協力するということもわが国の一つの基本方針でございますが、国内に再処理工場を建設いたしましてもわが国の場合は原子力基本法によりまして平和利用ということははっきりうたわれておるわけでございますし、また非核三原則という最高の国の方針によりましてわが国の原子力に対する基本的な姿勢は内外に明白に示されておるわけでございます。この核の不拡散という問題はおのずからその国の国情、政情といったような背景が大きく影響する問題でございまして、わが国の場合は国内に再処理工場をつくりましても核の不拡散という方向で十分国際的に協力し得るという立場でございまして、そういう意味で国際的な地域核燃料再処理構想が優先か国内の再処理工場構想が優先かという点につきましては、私どもは基本的に国内に自主的な核燃料サイクルを確立するという観点から、必要最小限度のものは国内につくりたいと考えております。
  57. 田畑政一郎

    ○田畑委員 核不拡散あるいは平和利用というのは一国のみの努力では達成できないのですよ。いわゆる総合管理か各国によるところの共同監視体制といったようなものが基本になって初めて核不拡散なり平和利用なりの実を上げることができる。いま局長のお話を聞くと、わが国はわが国だけでやればそれで十分目的に沿うのだ。なるほど日本は目的に沿うかもしれませんね。しかし東南アジアを考えた場合におきましても、将来は原子力を持つだろう、将来は再処理工場を持ちたいという希望も持つに違いない。いろいろなことを考えてみますと、わが国はわが国の壁の中でととまっていただけでは世界の核拡散を防止したいという希望には沿うことができないと私は思うのです。そうなれば、共同管理のもとにおける地域センターというようなものを考えてもいいのじゃないか。日本に第三、第四、第五と次々と再処理工場を独自につくって、いわゆるよそはよそでつくってくださいというようなことであっては、私は世界の大勢に非常に立ちおくれていくことになるのじゃないかと思うのです。東南アジアにおける地域センターという構想もなかなかむずかしい問題です。口で簡単に言ってすぐできるものではありませんけれども、いま局長のおっしゃったように、核問題に対してわが国ということだけにとらわれるという姿勢は、これからの将来について日本が世界から批判を受けるということになるのじゃないかと思うのです。だからその点は、いまあなたは国内体制だけを第一義的に置いて、第二義的にいわゆる地域センターというか国際体制を置く、こういうことでございますが、私は、少なくとも国際的な環境に順応していくということを第一に置かなければならぬのではないか、こう思うのですが、この点あえてもう一回御答弁をいただきたい、こう思います。
  58. 山野正登

    ○山野政府委員 わが国の原子力活動というものが国際的な動きとは全く無縁に存在し得ないというのはお説のとおりでございまして、再処理事業というものを国内につくりました段階でも、これは仮定の問題でございますが、たとえばプルトニウムの国際管理といったふうな重要な問題もINFCEの場で討議されているわけでございますが、そういった枠組みの中に入る可能性もあり得るわけでございます。それからまた国内に再処理工場をつくる、必要最小限のものは自主的に国内体制をとりたいということを先ほど申し上げましたが、一方、地域センターの重要性というものを無視しておるわけでは決してないわけでございまして、そういう意味から、それはそれとして重大な関心を持ち、かつINFCEの場で、わが国も重要なメンバーの一人としまして国際的な検討に協力してまいりたいということを申し上げておるわけでございまして、先生の言っておられることと私の主張とそれほどの差はないというふうに考えております。
  59. 田畑政一郎

    ○田畑委員 今度この法改正が提案されるに当たりまして、民間企業によるところの再処理工場ができました場合において、今日のアメリカの核政策でございますね、そういったものの了解といいますか、関係はどうなるのか、その見通しをはっきりさしていただきたい。
  60. 山野正登

    ○山野政府委員 まず一つは日米二国間の問題として、第二は多国間の問題として御説明しようと思います。  まず、日米二国間の問題としてとらえた場合には、先生御承知のように、昨年の九月に動燃の東海再処理工場につきまして試運転に入ることについての日米共同決定ということが行われたわけでございます。その際に、共同決定に先立ちまして、日本の原子力平和利用の事情というものをわが方から十分に先方に説明いたし、また、先方もそれに十分な理解を示したのでございますが、その中の一つに、日本としては自主的な核燃料サイクルをつくる必要があり、その観点から第二再処理工場というものの具体的な検討に入りたいという考えを示したのに対しまして、具体的には再処理工場についての地点の選定作業でございますとか、あるいは会社設立等の準備作業というのはやられて結構ではないですかという意味の理解を示されておるわけでありまして、そういう理解のもとに現在東海の再処理工場というものは運転されておるわけでございます。したがいまして、今後第三年次以降の運転につきましても、いろいろ技術的な検討によりまして、運転方式についての双方の検討というものはあろうかと存じますが、日米間で昨年同様の理解というものが十分に得られるというふうに考えております。  それから、多国間の場で考えました場合に、カーター大統領の新しい原子力政策でございます再処理等高速増殖炉の期間を定めぬ延期ということに象徴されます。いわば核不拡散強化にポイントを置いた原子力政策というものと、それから日本、西独、フランスといった、どちらかといえば核不拡散強化の方向には協力するが、かといって、原子力平和利用がそのもとで不当に損なわれてはならないとするグループと、大きく分けましてこの二つのグループ、それに発展途上国という第三のグループがあるのが現在のINFCEの現状でございますが、そういう国際的な場で今後十分に検討を尽くしまして、核不拡散を進めながらも平和利用を進めていく方法、これは技術的なあるいは制度的な両方の解決案があると思いますが、そういったようなものがこれからつくられるわけでございますので、そういう場におきましても、わが国の先ほど来申し上げております主張というものを十分に話しまして、国際的によく理解を得たいというふうに考えております。
  61. 田畑政一郎

    ○田畑委員 この問題につきましては、英仏に対する委託、あるいは東海村の再処理工場の開始、こういった問題についてアメリカとの十分な了解と打ち合わせが必要であったわけでありますね。まして今度自前でもって大規模な再処理工場をつくるということになりますと、なるほど工場建設に必要な計画を立てる、あるいは敷地を購入する、工場の建設にかかるということ、これはアメリカ側は了解するかもしれません。しかし、実際運転開始という場面になったときにいろいろな制約が加わってくるということは当然予想されることでございます。その辺までの詰めがきちんとなされているのかどうかということです。実際運転を開始する、作業を開始するという作業開始の状況を見通して向こうと話し合いが十分なされているのかどうか。新聞報道でございますが、九電力か十電力か知りませんが、なるほど建設についてはまあよかろうという感触を得ておるということは私も承知しておりますが、操業の段階でどうなるかということです。
  62. 山野正登

    ○山野政府委員 わが国の原子力利用に対する米国の理解を求めるに際しまして、現在第二再処理工場の建設準備という段階について米側が十分な理解を示しておるというのは先ほど申し上げたとおりでございますが、かといいまして、十数年先の運転開始につきまして、日米原子力協定上結構ですということを米側がまだ言う時点でないということはこれまた自明の問題であろうかと考えるわけでございまして、日米間の問題、特に協定に基づく両者間の合意というものは、事態の進展に応じまして、そのときそのときで先方の合意というものを求めていく必要があるわけでございます。まだ工場建設の準備を始めたばかりにおきまして、十数年先の操業時点の了解をとるということは、これは言うべくしてできない話でございますので、じみちにその時点その時点におきまして相手方の理解を得ていくという努力をしたいと考えております。
  63. 田畑政一郎

    ○田畑委員 その点、われわれとしては非常に不安を感ずるわけでございます。これも、この法律が出てくるに当たりましてある程度見通しをつけていただかないといけない問題ではないかと私は思いますね。だから、さらに同僚議員によってこの問題は詰めてまいりたいと思うのでございますが、私は次の問題に移りたいと思います。  きょうは運輸省から来ていただいておると思うのでございますが、その前にもう一遍局長にお伺いしたいのは、もし再処理工場ができるということになりますと、輸送上の問題が生ずると思うのでございます。したがって、燃料あるいは廃棄物等の輸送につきましては、海上輸送を中心とされるのか、あるいは陸上輸送を中心とされるのか。いま東海村は海上輸送が中心でございますね。だから簡単に言えばそういうところに立地するということですね。そういう海に近いところに立地するのか、山の中に立地するのか、これは前提条件で一遍聞いておきたいと思います。
  64. 山野正登

    ○山野政府委員 具体的な立地点につきましては先ほど申し上げましたようにまだ煮詰まっていないわけでございますが、これはいささか私見でございますが、使用済み燃料の輸送というのは海上輸送が恐らくは中心になると思われますので、そういうことが可能な地点というのが有望な地点になることは否め得ないかと存じます。
  65. 田畑政一郎

    ○田畑委員 そういう前提条件に立って運輸省の方にお伺いをいたしたいと思うのでございます。  いま使用済み燃料の輸送はだんだんふえているわけでございますね。これからもふえていく可能性がある。まして今度新しい第二再処理工場ができるということになれば大変な輸送量になると思うわけでございます。この場合にいろいろな問題が生じます。たとえばシージャックというような問題が生じます。これはこれなりに大変な議論になる問題だと私は思うのでございますが、もう一つは、船が衝突をする、あらしに遭う、あるいは何らかの事故で船が海の底に沈むというような場合も予想しておかなければならぬと思うわけでございます。そういたしますと、いわゆる死の灰あるいはプルトニウム等が大量に海を汚染する場合があるわけでございまして、外国には全然例がないわけじゃありません。水中に沈んだという例があるわけでございます。  ところで、使用済み核燃料を入れるキャスクは深さ十五メートルの水中――ごくわずかなものですね。深さ十五メートルの水中で八時間耐えればいい、温度は摂氏八百度の火災で三十分間耐えればいいということが運輸省令で定められておるのでございます。しかし、実際、これからこういった輸送がふえていくことを考慮いたしますと、この程度のキャスクでもって、海上を絶対に汚染しない、事故が起こらない、起こっても大丈夫だということが果たして言えるのかどうかということについては、これは各方面から非常に心配をされておるところであります。この点について運輸省あるいは科学技術庁はどのように考えておるかということをお伺いしたいと思います。
  66. 辻栄一

    ○辻説明員 使用済み核燃料の海上輸送につきましては、先生御指摘のように本年度以降非常に大量のものが出てくるということはかねてから私ども予測をしておりました。これが安全対策につきましては、昭和四十九年以降科学技術庁と私どもとの間で寄り寄り協議いたしましてその準備を進めてきたわけでございます。基本的には、キャスクの部分については科学技術庁の方でチェックをする、それから運輸省の方ではこれを運搬する船舶の安全性及び積みつけ方法その他についての安全規制をやろうという分担を取り決めまして、諸般の研究を進めてきたわけでございます。     〔貝沼委員長代理退席、小沢(一)委員長代理着席〕  まず、キャスクの点につきましては、これは一九七三念にIAEA、国際原子力機関が使用済み燃料を輸送する場合の容器あるいは輸送方法についての国際的な基準をつくろうということで勧告が出されております。これが今日世界で唯一無二の国際的な安全基準になっておるわけでございまして、世界じゅうの使用済み燃料の輸送はこの基準に従った容器あるいは輸送方法によって行われているわけでございます。キャスクの点につきましては後ほど科学技術庁の方から詳しい御説明があると思いますが、こういうようなことで科学技術庁と運輸省と協力いたしまして、実は昨年の十一月にこの輸送関係のキャスクの要件あるいは輸送方法についての規則改正を全面的に一斉に行いまして、ことしの一月一日からこれを実施しているわけでございます。これらの規則は先ほど申し上げましたIAEAの勧告に全く従ったものでございまして、同時にこれらの基準は原子力委員会においても検討されて、国内的にもこの基準を使うべしという御意見をいただいておりますし、省令を改正いたします際には放射線審議会の方にも諮問をいたしまして御検討をいただき御了解をいただいて行ったわけでございます。  その安全規制のやり方と申しますのは、キャスクはここに書いてある要件に従ったもので運ぶ、そしてそれに所定の使用済み核燃料を封入する、ここまでのチェックを輸送物の安全確認ということで科学技術庁が実施するわけでございますが、これを船舶で持ってまいります場合には、船主から諸般の積みつけ状況、運航状況等についての計画書を提出させて輸送の安全の確認をやった上で輸送を認めるというような措置をとっているわけでございます。  それから、これを運搬します船舶につきましては、御指摘のように船が沈没して海底にキャスクが沈むということは大変好ましくないことでございますので、これをできるだけ沈没しないような船にしようということで、運輸省におきましては昭和四十九年度に学識経験者の方々からなる委員会をつくりまして、安全基準をつくったわけでございます。これはもうすでに実施されておりまして、ただいま東海村から諸般の内航輸送に使われております日の浦丸はこの安全基準に準拠してつくられたものでございます。この専用船はたとえば耐衝突構造にする。T2タンカーというサイズのタンカーがどてっ腹にぶつかりましてもそれで船が折れてしまうようなことはない十分な吸収エネルギーを持つように船側の補強をする、及び一定の区画に水が入っても直ちに沈没しないような構造にしてある、その他いろいろなシビアな基準を設けております。実際にこの船は船体が二重構造になっておりまして少々のことでは沈没しないように設計されておるわけでございまして、この基準は国際的な基準にはまだなっておりませんけれども、国際的な基準よりははるかに高い、シビアな基準になっておりまして、沈没するようなことはまず心配ないのではないかというふうに私ども考えております。  キャスクにつきましては、科学技術庁から御説明を願います。
  67. 牧村信之

    ○牧村政府委員 使用済み燃料を輸送するキャスクの基準について運輸省の方から概要の説明がございましたけれども、技術的な基準についてやや詳しく御説明させていただきます。  この基準につきましては、昭和五十年一月二十一日に原子力委員会が「放射性物質等の輸送に関する安全基準」というものを決定しておりまして、それに基づきまして、先ほど運輸省からも御答弁がありましたように、法規に記載する場合に、放射線審議会の議を得た上で所要の改正を行ったわけでございます。  この基準につきましては、先生御指摘のように、浸漬試験を水深十五メートル以上、それから八時間以上行った後においても内容物のリークが無視し得るものであることを要求しておるという御指摘でございますが、確かにそうではございますけれども、この基準をつくり、それに基づいて設置者等がその確認を求める段階におきまして、私ども原子力委員会の中に核燃料安全専門審査会を持っておりますが、そこでこれらの基準以上のいろいろな安全解析を行っておるところでございます。  それで、現在のところいままで確認し許可を与えたものにつきましては、キャスクにつきましては約二千数百メートルの水深でも圧壊しないという解析データも得られておりますし、キャスクの中に収納されます使用済み燃料は、先生御存じのように、被覆管に密封されておるわけでございまして、いろいろな試験あるいは解析の結果も、水深五千メートル程度の水圧には十分耐え得る、しかも相当長期間密封性を保持できるという見通しを安全解析の中で持っております。したがいまして、キャスクが万々一海没して腐食等により密封性が破られたといたしましても、また放射線の漏洩による人体への影響というようなこともいろいろ解析されておるわけでございますが、許容値以下であるというふうに見込まれておるわけでございます。このような安全評価を核燃料安全専門審査会で行っておるところであり、その確認をするというふうな手順をもっていたしておりますので、万一のそういう海没のときにおきましても、現在のキャスクというものは、相当の水深に沈められたとしても十分健全性を保ち得るというふうに判断しておるところでございます。
  68. 田畑政一郎

    ○田畑委員 この問題もいろいろ問題になっておりますので、ひとつ厳格にやっていただきたいと思います。時間がございませんから、これ以上は追及いたしません。  さらに次の問題といたしまして、原子力発電所をつくる企業の側でございます。これは今度再処理工場ということになれば、まだまだ大きい問題が出てくるのじゃないかと私は思うのでございますが、原子力発電所の建設予定が出ました段階において、会社側が地方自治体に対しまして相当多額の協力金を出しておるわけでございます。これはもうすでに各官庁で御案内かと思います。通産省も科学技術庁も知っておられると私は思うのでございますが、たとえば私の福井県で大変問題になっておりますのは、高浜三号、四号炉増設問題が出まして、まだその建設が決まらない先におきまして、設立者であります関西電力から浜田高浜町長に対しまして、昭和五十一年十月一億円、五十一年十一月一億五千万円、五十二年六月に六億五千万円、総計九億円になるわけでございますが、町長個人にこれが渡されておる。個人の預金通帳に入っておりまして、その後この増設問題が県議会等で決議されました以降におきまして、地域振興対策費あるいは漁業振興対策費として支出をされておりまして、まだ約五、六千万円の金は町長の個人通帳になっておるということが、これは新聞に出ておるわけなんですね。盛んに問題になっている。  それからまた敦賀市におきましては、五十二年度動燃から一億円、五十三年度動燃から二億円、日本原電から同じく五十三年度一億円の金が出ておるわけでございます。この敦賀の場合は、学校建設に伴う寄付金、こういう目的をもって金が出ておるわけでございます。  率直に申し上げまして、原子力発電所、あるいは再処理工場も同じでございますが、これを地元に設置をいたします場合においては、地元は相当な迷惑をこうむる。そういうものにつきましては、法律をもって発電に応じて金を配分するという会計が設置をされているところでございます。しかし、それ以外に何億円というような、小さな町でございますと町の自主財源に匹敵する、あるいはそれ以上の金が頼めば次々と出てくる。しかも、原子力発電所ができる前にこの金が出てくる。そしてそれを決定されるまでは町財政に支出するわけにいかぬから、町長個人の通帳に納めておく、こういう非常に不明朗な問題になっているわけですね。こういうことは、私はやはり非常に不明朗であると思います。言うならば一つの買収的な性格を持った金であると思うのですが、こういう金は一体どこから出るのか。官庁はそういうものを監督しなければならぬ立場にあるのだが、きちんと会計監査しているかどうか。あるいはだれがこの金を負担するのか。この金は電気会社の特別会計から出て、いわゆる電気を消費している諸君は負担しなくてもいいものかどうか。実際には電気料の中に含まれるのでしょう。電気会社の会計はちゃんと原価主義で決まっているわけですから、結局消費者の負担になるわけなんです。こういう不明朗なことを繰り返し繰り返し行っておると、結局は原子力発電所は金でたたいてつくるのだということになるわけなんですね。町村自体の正常な政治感覚をも麻痺させてしまうということになると思うのです。こういう点について一体どういう処理をしようとしているのか、ひとつお伺いしておきたいと思います。
  69. 武田康

    ○武田政府委員 先生からお話のございました高浜の件につきまして、私も先月下旬新聞で読んで承知しております。ただ内容につきましては実は目下調査を進めているところでございまして、これが明らかになりました段階で先生にまた御説明をさせていただきたいと思います。  それから、こういった企業が地方公共団体に協力金というような形でお金を出すこと自体でございますけれども、この場合は電気事業者でございますが、電気事業者が地域社会におきまして発電所の立地というようなたぐいの諸活動を行っていきます過程で、地方公共団体等に資金なり施設等の協力を行うこと自体、一概に悪いということではないと考えておるわけでございます。しかし、もちろんその場合におきましても、特に資金の提供といったようなことにつきましては、会社内部の経理上の処理なり、あるいは会社と地方公共団体との間の金銭の授受の手続、そういったものにつきまして適正に行うなど、公正に運用されることが必要であると考えておるわけでございます。
  70. 田畑政一郎

    ○田畑委員 電気事業法の第十九条によりますれば、電気の料金は通産大臣の認可を要することになっておりますね。そしてそこに、料金とはどういうものかというと、「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの」、こうなっております。いわば能率的な経営のもとにおける適正な原価でございますね。百万円とか二百万円なら別でございますが、こういうように九億とかあるいは四億とかというような莫大な金額をどんどん出していくということが適正な原価なのかどうかということですね。通産省はこれは監督しなければならないんでしょう。これはお認めになっているんですか、ある程度やむを得ないとあなたはおっしゃるんだから。もしお認めになっているとするならば、前にこういうことがありましたね。特定政党に政治献金をするならば、その政治献金の分だけは消費者は払わぬでおこう、一円だけ払わぬでおこうという運動が東京に起こったことがあるでしょう。そのときに電力会社はどうしましたか。もうこれからは特定政党には寄付はいたしませんという方針をとったですね。こういうような金がつかみでどんどん出ていくということになれば、発電に応じて地域に対して金を返すんだという法律を何のためにつくったのかと私は言いたいですね。一方ではそういう法律をつくっておいて、まだその上にいわゆる金をどんどん出すということでは、これは私筋が通らないと思うのです。どっちか一つにしていただきたい、こう思うのですね。この点いかがですか。
  71. 武田康

    ○武田政府委員 二点あるかと思いますけれども、電源三法によります交付金の関係でございますが、電源立地に際しましては環境安全問題を十分やる、これはもちろんでございますけれども、地元の御理解を得なければいけないわけでございます。ところで、電源立地というのは非常に大規模なプロジェクトでございますが、しかし、それがそのまま直接当該地域の経済の振興とかあるいは雇用の拡大、建設工事中はちょっと別の面がございますけれども、運転に入りますと雇用人数等も少ないというようなこともございまして、いわば直接その発展に好影響を及ぼすという程度が非常に低いわけでございまして、そういったような意味で、やはり先生のおっしゃるとおり迷惑な方ばかりであるというような要素があるわけでございます。それで、電源立地を進めるという観点からいいますと、やはり電源立地の振興と当該地域の発展というのが調和的に進められなければいけないわけでございまして、そういったような意味で電源三法を活用いたしまして、発電所の周辺地域につきまして公共的な施設の整備を充実させる、それからそれで地元の福祉の向上を図るというようなことが行われているわけでございまして、これが電源立法の趣旨かと思われます。  ただ、電気事業者もその当該地域の中で地域社会の一員として一緒に生活していくわけでございますので、そういったような観点から、法律による交付金等々の措置はそれはそれといたしまして、当該地域におきまして当該地域社会の一員として活動を行っていく過程で先ほどのような当該地方公共団体に対する協力というものが行われるということが一概に悪いということは言えないというようなことを申し上げたわけでございます。  それからもう一つ、電気料金の御指摘がございましたけれども、電気料金につきましては、ある時点で料金認可申請が出てまいりますと、その時点以降、現在では二年間がベースになっておりますけれども、二年間につきまして原価の計算をいたします。その原価の勘定におきましては、適正な原価と公正報酬の原則、それで適正な原価というのはしかるべき能率的な経営というようなことが前提になるわけでございます。その過程におきましていろいろなことを検討いたすわけでございますが、これはこれで適正に検討するわけでございまして、あるいは厳格に査定するという表現をとっていいかと思うのですが、そういう点ではおかしな料金が設定されるというようなことはないのではないかと思っております。
  72. 田畑政一郎

    ○田畑委員 この電気事業というのは非常に厳格な規制があるわけですね。たとえて申しますると、電気料金につきましては、通産大臣の認可を受けますとそれはそのまま利用者に適用されるわけです。そうでしょう。だから利用者はいやおうなしにその料金を納めざるを得ないわけですね。それだけの規制を持っておる。ところで、これはいわば公共事業でございますから、たとえて言うと、土地を一坪買うにいたしましても一つの規制がございまして、閣議了解によるところの公共補償の規制に基づいて買わなければならないのである。余り高い値段で、三倍も五倍もの値段で買うわけにはいかないという規制があるわけです。そのかわり、また電気事業につきましては土地収用法の適用が認められておりまして、公共の意に沿わないものに対しては強制的に土地を収用することができるという権限も与えられているわけです。いわばこういう公共的な事業がつかみ金で金が出せる。それもお祭りの寄付まで出すなというわけではございません。九億とか四億とかというような莫大な金が、いわゆる原子力発電所をつくる前提条件と申しましょうか、その前にどんどん出せる。それに対して通産省は、これはある程度は社会常識上やむを得ないのじゃないか、こう言っておる。私はこれでは通らないと思うのですね。だからこの辺はやはり通産省としては厳格にやってもらわなければならないと思う。これは、調べていらっしゃるというのはいつ報告が出てくるのですか。
  73. 武田康

    ○武田政府委員 先ほど、四月下旬に高浜の件、私も新聞で見ましたということを申し上げましたが、連休等もございましてちょっとおくれておりますが、これから一、二週間の間に答えが出るかと思っております。
  74. 田畑政一郎

    ○田畑委員 ひとつこの問題、あなたの方も態度を決めて、いまあなたがおっしゃったようにこれはやむを得ないのじゃないかということでは困るんですよ。だから、やむを得ないんだということでこれからもどんどんお出しになるんなら、出されるということを天下に公表してください。これはぐあいが悪いんならばこういうふうにしますということも公表してください。そういう結論はきょうは出ないのでしょう。
  75. 武田康

    ○武田政府委員 先ほど申し上げたとおりでございまして、一言で申し上げますと一概に悪いと言うことはできないと考えておる、しかしその場合、もろもろの手続あるいは運用につきまして公正であることが必要であると考えておるわけでございます。
  76. 田畑政一郎

    ○田畑委員 それではさらに聞きますが、動燃というのが出ておりますね。動燃が学校建設に三億円寄付しています。学校の建設はだれがやるのですか。国家がやるのでしょう。その国家がやる学校建設に対しまして、動燃は民間会社でありませんね、そういうものがまた金を出すということはどうですか。
  77. 山野正登

    ○山野政府委員 動燃事業団が敦賀市の学校教育施設に対して協力金を支払ったという件でございますが、この点につきましては、御承知のように敦賀市にATRの建設をしておりまして、このATRの建設について地元の格段の協力を得ておるわけでございます。これに加えまして、動燃事業団としても、動燃事業団職員の子弟約五十名が敦賀市内の小中学校に在学しておるといった事情もありまして今回の協力金を支払ったというのが経緯であろうかと考えております。  これは、先生御指摘のように、電源三法といったふうなものもあるわけでございますので、それ以外のこのような支出というのはできるだけしぼるべきであるというのは私も全く同感でございまして、安易にこのようなものを出してはいけないと思いますけれども、しかし、一方、従来の動燃事業団の新型炉の建設、運転という事業を円滑に進めますためには、また地元の協力というのも不可欠なものでございますので、若干のものはある程度やむを得ないというふうに考えております。
  78. 田畑政一郎

    ○田畑委員 動燃が出しております三億円は若干のものですか。なるほど、原電に通っておられる職員の方の子供を五十人預かっておる、それで三億円出す。そんなことをしたら、国鉄の人は国鉄から金を出さなければならぬし、電通の人は電通から金を出さなければならぬということになりますよ、そういうことを認めたら。そうでしょう。私は、そういうことをしているから、原子力発電所は、これは将来の再処理工場にも関係することだけれども、いわゆる札束でやっていくという批判が国民の間から出てくるんじゃないかと思う。学校に生徒が行っているからその企業が金を負担しなければならぬ、そういうしきたりをこの原電を先頭につくっていくということは、これは国の政治のために決して明るい方向じゃありませんよ。私は非常に問題だと思う。  関電の場合もそうです。地域振興対策費なんという何かはっきりしない名目ですね、それで五億も九億もの金を出していくということは、これは私は問題だと思う。だからその辺の姿勢は、これから原子力問題を進めていく上においては、これはやはり明確にして、きちんといわゆる姿勢を正してもらわなければならないというふうに思うわけでございます。     〔小沢(一)委員長代理退席、委員長着席〕  時間が参ったようでございますので、きょうは大臣しかお見えになっていませんから、熊谷さんからひとつ、あなたの毅然たる姿勢をお聞きしたいと思います。
  79. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 いろいろいま御発言になりました中には、あるいは多少事情も調べなければならぬ点もあるかと存じますが、その御趣旨につきましてはごもっともであると考えております。今後そういうことがなるべくないように、先生の御趣旨に沿った措置を進めていきたい、このように考えております。
  80. 田畑政一郎

    ○田畑委員 終わります。
  81. 岡本富夫

    岡本委員長 本会議散会後直ちに再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十三分休憩      ――――◇―――――     午後一時四十三分開議
  82. 岡本富夫

    岡本委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。日野市朗君。
  83. 日野市朗

    ○日野委員 動燃の再処理工場がホットランに入ってからもかなりの実績を積み重ねているわけですが、どうも私この再処理工場については余り好意的には見てはいないわけです。何しろ再処理工場といいますと最後には高レベルの廃棄物が残されるということになるものですから、それの手当てがどうなっているのかということ、これを究明しないと再処理工場そのものの運転ということについてはみんな戸惑いを若干感じるのではないかと思います。  それで、まず廃棄物処理の方法について低レベルのものと高レベルのものとこの二通りに分けまして、現在低レベルのものはどのような処理をやっておられるか、それについて伺いたいと思います。
  84. 牧村信之

    ○牧村政府委員 低レベルの廃棄物の処理の状態でございますが、気体はごく微量の低レベルのものを空気中に放出しております。それから液体状のものは海中に放出しておるわけでございますが、その際希釈放出をしておるわけでございます。それから固体状のものにつきましては、固化をいたしましてドラムかんに入れましてサイトの敷地内に保管をするということで処理をしておるわけでございます。
  85. 日野市朗

    ○日野委員 その低レベルのものをドラムかんに入れて放置してあるということですが、現在どのくらいまでたまっておりますか。概算で、大ざっぱな数字で結構ですから。
  86. 牧村信之

    ○牧村政府委員 現在各施設等から出ました低レベルの放射性廃棄物は、ドラムかんに入れまして十一万一千本全体で廃棄されております。
  87. 日野市朗

    ○日野委員 かなりの数になっていると思うのですが、この低レベルのものの処理について、いつまでもそういうふうにほってもおけないわけですが、これについては陸地処分と海洋処分、これをあわせて行うということにしているわけですね。
  88. 牧村信之

    ○牧村政府委員 現在その処分の方法として海洋処分と陸地処分の二つの方法を考えておりまして、その安全に処分する方法について研究開発を進めておる段階でございます。
  89. 日野市朗

    ○日野委員 財団法人原子力環境整備センター、これに委託するという計画は具体的に進んでおりますか。
  90. 牧村信之

    ○牧村政府委員 先生御指摘のセンターはすでに設立されておりまして、所要の調査研究等につきまして科学技術庁からも委託をされております。
  91. 日野市朗

    ○日野委員 財団法人原子力環境整備センター、これはどの程度までの仕事を委託するお考えなのか、そこをただしておきたいと思います。
  92. 牧村信之

    ○牧村政府委員 当面は試験研究をさせるつもりでございますが、将来組織を増強いたしまして海洋処分あるいは陸地処分の実施の責任者になってもらいたいというふうに考えております。
  93. 日野市朗

    ○日野委員 これは財団法人として設立されているようですが、具体的にどういうふうな寄付行為があってそれがなされているのか、そしてどういう人たちによって役員技術者などが構成されているのか、概要だけで結構です。
  94. 牧村信之

    ○牧村政府委員 まず役員あるいは職員は、電力会社それから原研、動燃に籍を置いたことがある者、あるいは官庁におる在職者が行って仕事を進めております。それからメーカーからも原子力事業者からも人が出されております。
  95. 日野市朗

    ○日野委員 現在何名ぐらいおりますか。
  96. 牧村信之

    ○牧村政府委員 ちょっと正確な数字を持っておりませんが、約四十名程度で構成されております。
  97. 日野市朗

    ○日野委員 これが廃棄物の処分を具体的に行うということになると、当然もっと人数はふやさなければならないと思いますが、現在は研究主体であって、廃棄物処分の実施は、これはまだ主体ではないというふうに伺ったわけですが、実施を行うということになると、もっといろいろ人数を拡大するというお考えは当然お持ちですね。
  98. 牧村信之

    ○牧村政府委員 おっしゃるとおり、処分を行う段階には、さらに陣容を整備しなければならないと考えております。  そこで、いまのこのセンターの中心業務は、当面私ども科学技術庁が計画しております海洋の試験投棄の委託を受けて、それを実施すること、それから陸地処分の事前のいろいろな調査研究、そういう点を実施しておる段階でございます。
  99. 日野市朗

    ○日野委員 これは現在ある再処理工場からの低レベルの廃棄物、これの処理をも当然やることになるんだろうと思うのですが、まずその点明確にひとつお答えをいただきたい。  もう一つは、第二再処理工場ができるということになると、これはかなりの規模の廃棄物が出てくる。これはもちろん低レベルですよ。それについても処理をこの財団法人に任せるという意向であるかどうか。
  100. 牧村信之

    ○牧村政府委員 低レベルのものにつきましてはここで行わせたいというふうに考えております。
  101. 日野市朗

    ○日野委員 次に、今度は、高レベルの廃棄物の処理について伺っていきたいと思うのですが、高レベルの廃棄物について確固たる方針というものは、現在立てておりますか、策定されているでありましょうか。
  102. 牧村信之

    ○牧村政府委員 高レベルの廃棄物が出てまいりますのは、主として再処理工場からでございます。そこで、その主な種類といたしましては、再処理によってウラン、プルトニウムを抽出しました抽出溶媒等の高レベルの廃液あるいは使用済み燃料の被覆管のくず、こういうものがその主なものでございます。これらの高レベルの廃棄物は、固体は容器に入れまして貯蔵する、それから液体も冷却装置を持ったステンレスの二重の容器に入れ、その回りをさらにコンクリートで囲うというようなことで、工学的に十分安全性を確認した上で当分貯蔵するということで考えております。
  103. 日野市朗

    ○日野委員 当分貯蔵するということは、これらの廃棄物についてそれをどういうふうに処理していくかということは、貯蔵以外にはいまのところちょっとまだ手がないというふうに伺ってよろしいのでしょうね。
  104. 牧村信之

    ○牧村政府委員 現在のところは、先生おっしゃるとおりでございますが、将来は、ガラス状に固化するというような技術を現在研究開発を進めておりまして、その技術が完成後、その健全性を十分に実証した上で、これは地層の中に処分するという方針のもとに研究開発を進めておる段階でございます。
  105. 日野市朗

    ○日野委員 この処理、処分の対策として、原子力委員会放射性廃棄物対策技術専門部会、ここがまず中心になってその研究や開発をやっていると思うのですが、これが昭和五十年の七月に設置されて、そうして五十一年の六月に放射性廃棄物対策に関する研究開発計画中間報告が取りまとめられたという経緯にあると思います。この間主にどのような事項を検討してきたのでありましょう。
  106. 牧村信之

    ○牧村政府委員 この放射性廃棄物対策技術専門部会は昭和五十年九月から開催しておりまして、三回にわたりまして全体部会が開かれて結論を出したわけでございますが、そこで出されました中間報告につきましては、放射性廃棄物対策の推進方策という名前で出しておりまして、対策の進め方、それからその対策を進めるに当たりまして研究開発が必要でございますので、プロジェクトの目標あるいはその推進体制を審議していただいております。  そのうち、高レベルの放射性廃棄物対策につきましては、これは十年間に固化処理あるいは工学貯蔵のパイロットプラントを完成させて、昭和七十五年ごろまでに見通しを得るように、地層処分を中心に調査研究、技術開発を図るということ。それから海洋処分については、五十二年度ごろから海洋処分の環境への安全評価をした上で、五十三年ごろに実際の海洋投棄の研究を行うというようなことでのタイムスケジュールを含めて中間報告がなされております。  なお、陸地処分については、五十六年度ごろから本格化できるようにいろいろな基準整備、立地選定あるいは選定された、それに必要な研究開発についての必要事項を答申で出されております。
  107. 日野市朗

    ○日野委員 全体部会が三回だというお話でしたが、いつといつといつであったのか、そうして出席したのは何名であったのか、明らかにしていただきます。
  108. 牧村信之

    ○牧村政府委員 専門部会の全体部会は五十年の九月の第一回、それから第二回は十二月の十六日、第三回は五十一年の六月十九日それぞれ開催されております。
  109. 日野市朗

    ○日野委員 何名の出席を得ておりますか。何名というのは、専門部会の構成員ですね、十五名で構成されているはずでありますが……。
  110. 牧村信之

    ○牧村政府委員 第一回が専門委員十三名、それから第二回も十三名、第三回は十二名でございます。このほかに事務局並びに御担当の原子力委員が御出席になっております。
  111. 日野市朗

    ○日野委員 どうも全員出席というわけには行っていないようなんですが、これはどういうことで欠席になっているのでしょう。そして、これは再処理をやる場合の最も重要な部分に関する、これからの計画の策定でありますから、全員の出席が望ましいことは間違いないと思うのです。構成員十五名というふうに定めて、そうして、十五名にこれを委託して、全員が出席されていないということは、責任体制に若干問題があるのではなかろうか。また専門部会の構成員の方々の責任感といいますか、そこらに若干問題があるのじゃなかろうかというような感じがするのでありますが……。
  112. 牧村信之

    ○牧村政府委員 それぞれ委員におなりいただいた先生方が会議に一〇〇%出ていただくことは望ましいことではございますけれども、いろいろお忙しい先生も中にはいらっしゃるわけでございまして、一〇〇%の出席率を確保するというのはきわめてむずかしい問題ではないかと思っておりますが、大体八〇%以上の出席率をいただいておりますし、お休みの先生には事務局が当日の審議状況等を逐次報告して、次回においでいただくときにも差し支えのないような措置をとっておるわけでございまして、一概に、御欠席が何人かあったから審議に差し支えるということではないと私ども思っております。
  113. 日野市朗

    ○日野委員 これは十五名で全体部会を構成するわけですが、さらにその細かい専門担当の部門というようなものを定めてやっておりますか。やっておりましたらその担当の部門をひとつ列挙していただきたいのです。
  114. 牧村信之

    ○牧村政府委員 この作業を進めますに当たりまして、ただいま全体部会の御説明をしたわけでございますが、その下にワーキンググループを設けまして、この委員のほかにいろいろ調査に参画していただく方をさらにふやして審議を進めたわけでございます。  そこで、専門部会は十五名でございますが、この下に研究開発分科会があり、さらにその下に高レベル廃棄物ワーキンググループ、それから中低レベル廃棄物ワーキンググループ、それから陸地保管・輸送ワーキンググループ、この三つのワーキンググループをつくりまして審議を進めた次第でございます。
  115. 日野市朗

    ○日野委員 高レベル廃棄物のワーキンググループ、これは何人で構成されて何回くらい会議を開いておりますか。     〔委員長退席、小沢(一)委員長代理着席〕
  116. 牧村信之

    ○牧村政府委員 十三名のメンバーで八回にわたって開催しております。
  117. 日野市朗

    ○日野委員 これは非常に細かいことになりますが、煩をいとわずに伺わしていただきたいと思います。  この八回の会議、これの日取りと出席者数を……。
  118. 牧村信之

    ○牧村政府委員 ただいま手元に出席者数は持ってきておりませんが、開催日はわかっております。第一回が五十年十一月十九日、第二回が十二月九日、第三回が十二月二十三日、第四回が五十一年一月十九日、第五回が二月十六日、第六回が三月一日、第七回が四月五日、第八回が四月十九日でございます。
  119. 日野市朗

    ○日野委員 ここで話し合われた内容、それから出席者、これは後で資料としてお出しをいただけますか。
  120. 牧村信之

    ○牧村政府委員 報告書にまとめられておりますので御提出いたしたいと思います。
  121. 日野市朗

    ○日野委員 それから五十一年十月に放射性廃棄物対策に関する基本的方針が決定されておりますね。その概要、まず第一に「原子力施設において発生する放射能レベルの低い固体廃棄物については、当面、原子力事業者の施設内での保管で十分対応できるが、今後の発生量増大に対処するため、最終的な処分方法として、海洋処分及び陸地処分を組み合わせて実施することとする。」こういう項目が一つございますね。そこで、まず「当面」ということで出ているわけですが、これはどの程度の期間を見ておられるのか。
  122. 牧村信之

    ○牧村政府委員 研究開発が終了して実際に安全に処分できる期間を「当面」と言っておるわけでございますが、私ども現在考えておりますのは、約十年間を考えております。
  123. 日野市朗

    ○日野委員 そうしますと、大体概算で結構ですが、十年間にドラムかんで何本分ぐらいの低レベルの廃棄物が出るというふうに見通しておられますか。
  124. 牧村信之

    ○牧村政府委員 原子力発電所から出ます低レベルの廃棄物は、ドラムかんに直しまして五十五年度末で約二十六万五千本ぐらいになろうかと想定しております。ただ、現在電力会社の一部ではこの量を減らす研究が進んでまいりまして、固体に処理する前に一時的な処理をいたしまして、その量を減らそうという努力が進められておりますので、あるいはこれよりも下回った数字になろうかとも考えられます。
  125. 日野市朗

    ○日野委員 これはどっちにしてもかなりの量になるわけですが、海洋処分という場合の海洋というのは公海を指しておられましょうか、それとも領海内または経済水域、そういったものを想定しておられるのか。また、陸地処分ということになりますと、これは海洋処分と組み合わせてもかなりの部分が陸地処分にならざるを得ないわけでありますけれども、それだけのたとえ低レベルとはいえ、放射性廃棄物を日本の狭い国土の一体どの辺に処分されようというふうにお考えになっておられるのか、ある程度具体性を持った計画をお示しいただけませんか。
  126. 牧村信之

    ○牧村政府委員 海洋処分につきましては公海を現在考えております。ただ、考えておるというのは、当面科学技術庁が中心になりまして試験的海洋処分を行うという際の候補地点を数カ所選定して、そこでの安全評価をやっておるわけでございまして、その地点が現在考えられるのは沿岸から約九百キロから千キロ前後のところの公海を対象にいろいろ調査をしておるところでございます。
  127. 日野市朗

    ○日野委員 陸地の方はどうですか。
  128. 牧村信之

    ○牧村政府委員 陸地につきましてはまだ具体的な地点の調査というところまで進んでおりませんけれども、一つの――これも試験をまずして、どういうふうなところに捨てられるかということでございますが、いま議論に上っておりますのは、非常に古くから炭鉱などが行われて廃坑になっておるようなところで、地下水が全然しみ通っていないところで試験研究をしてみることについていろいろ調査を進めておるという段階でございます。
  129. 日野市朗

    ○日野委員 長官、そろそろ出番が出てまいりますから、よく聞いておいてくださいね。  私、いま概略のプランを伺ったわけなんですが、どっちにしてもかなり膨大な量の廃棄物の処理が必要になってまいりますね。そして、これは公海まで運ぶといっても容易なことではないし、それからどこか陸上に廃棄物を処理する場所を探すといっても、まず立地の問題から考えてみて、これは容易なことではないと思います。そうすると、財団法人というような機関にこういうことを任せてしまうと、どうしても採算が先に理事者たちの頭の中にしみ込むような感じがしてならないのですね。このごろは国も一生懸命採算のことばかり言って、ほんとうはもっと金をかけるべきところにかけないという不満をわれわれも持っておるところなんですが、特に民間に処理を受託させるということになりますと、まずそろばん勘定が頭の中を支配してしまうというおそれが非常に強いと思うのですね。そういうところからも廃棄物に対する強い不信感というものが出てくるのじゃないかというような感じもするのですが、どうでしょう、これは財団法人のようなものにやらせるのではなくて、きちんと国で管理するというのが大筋だというふうに考えなければならないと私思うのですが、この点についてはいかがお考えになっておりますか。
  130. 牧村信之

    ○牧村政府委員 先生の御指摘ではございますけれども、私ども、民間事業者あるいは設置者にばらばらにやらせることは、先生御指摘のようなおそれがあろうかと思いまして、公益法人というような非常に中立的な機関をつくって、そこにやらせるというのがこのセンターを考えましたときの基本的な考え方でございます。     〔小沢(一)委員長代理退席、委員長着席〕 しかも、この廃棄をいたします際には、廃棄の基準というのをつくりまして、そこで規制法に基づきまして十分な安全規制を行うということを考えておる次第でございます。  なお、基準の整備につきましては、現在作成中でございまして、この専門部会におきまして中間答申が出た後、また別のグループをつくりまして作業を進めておるという段階でございます。
  131. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 もうそろそろ出る番かと思いますので……。  大体現在の方針では、いま政府委員から申し上げましたとおりで進んでいるわけでございます。しかし、これは仰せのようにきわめて重大な問題でございますから、永久不変にそれを貫くというものでもなかろうと考えておりますが、現在は一応そういうことで万全を期してまいりたい、こういうことでお答えしているところでございます。
  132. 日野市朗

    ○日野委員 低レベルの問題、これは問題がないわけでありませんけれども、まずそういうふうに伺っておいて、では高レベルのものについては、これも先ほど私が指摘しました昭和五十一年十月に策定された基本方針によると、「使用済燃料の再処理施設等で発生する放射能レベルの高い廃棄物については、ホット試験後、当分の間は、慎重な配慮のもとに施設内で保管させておくこととする。」こうなっておるわけですが、これはさっきお答えがありましたように、まだ抜本的な対策というものは立っていないというようなお話なのでありますが、そのこととも関係はあると思いますが、この「当分の間は、慎重な配慮のもとに施設内で保管させておくこととする。」というのは、この基本方針を考えてみますといかようにでも読めるわけですね。  それで、まず、もう少し細かく区切って伺っていきたいのですが、「当分の間」というのはどのくらいを見ておられるのですか。
  133. 牧村信之

    ○牧村政府委員 この高レベルの研究開発につきましては約十年程度行うつもりでおりまして、その処理の方法が完成いたしますと、ガラス固化にして当面、また当面と申して失礼でございますが、十分地層処分ができるまでは、そういう形で再処理工場の中に保管させるということを考えております。
  134. 日野市朗

    ○日野委員 いま地層処分ができるまでの間というふうにおっしゃったのですが、この高レベルのものもやはり地層処理ということを考えておられるわけですか。
  135. 牧村信之

    ○牧村政府委員 地下の安定した地層の中に永久貯蔵するという構想でございます。
  136. 日野市朗

    ○日野委員 この高レベルのものについては、各国とも非常に悩んでいるわけなんですが、特に日本の場合は非常に地震も多い。特に日本列島というのは大陸の一番東端にあって、しかも太平洋の方からのかたい部分と触れ合ってしょっちゅう地層が動く、したがってそれによって地震も起こりやすいという非常に不安定なところでありますから、こういうところで地層処理をやってしまうというのは、何か人の目に触れなければいいではないかというような感じで処理されているのではないかとすら実は私考えざるを得ないのですが、この点はもっと別の方法を十分に考え抜いていく、開発していくということは考えられないのですか。
  137. 牧村信之

    ○牧村政府委員 この地層に処分するというのは、高レベルの廃棄物につきまして現在世界的に研究開発されておる段階でございます。日本におきましても、先ほど申し上げましたけれども、これから二十年近くかけて、先生おっしゃいましたようないろいろな心配もあるわけでございますので、十分な調査研究をし、またモデルによる貯蔵というようなこともあわせ行いつつ、その成果を踏まえて本格的な処分に持っていくという、きわめて慎重な計画で進めるつもりであるわけでございます。
  138. 日野市朗

    ○日野委員 地層処理の方に先に話がいってしまったのですが、それはガラスで固定してしまうという方法をおとりになるのだと思いますけれども、そのガラスで処理することについての欠陥は、高レベルの放射能廃棄物はそれ自体が熱を出すわけでして、特に地中に埋めると、内部と外部との熱の差によってガラスがひび割れをしてくる、そしてさらに粉末化していくというような欠陥があることはもう十分御承知のとおりだと思うのです。そういうことを考えると、やはり私は非常に危険だと思うのですが、いかがなものでしょうね。
  139. 牧村信之

    ○牧村政府委員 再処理から出ましたこのような高レベルの廃液をすぐガラス固化いたしますと、先生おっしゃいますように、いろいろな問題が起きます。したがいまして、世界的なこの問題に対する考え方は、少なくとも五年から十年ぐらいは冷却いたしまして、この熱の放出というようなもの等も低減化した段階でガラス固化をいたしまして、ガラス固化されたガラスをさらに、たしかステンレスであったかと思いますが、その容器の中に入れて処理するというような方法がとられるものと考えられております。
  140. 日野市朗

    ○日野委員 この問題については二つの大きな思想の分かれがあると思うのですね。高レベルの廃棄物については常にきちんと監視をし続けていくのか、それとももうある程度の処理をしたら、それを余り人が近づかないところにぶっ飛ばしてしまうというか、ほうり出してしまうというか、そういう二つの思想があると思うのです。現在考えていられるのはどちらですか。
  141. 牧村信之

    ○牧村政府委員 現在の考え方は、先ほども御説明いたしましたように、相当期間はサイトの中に十分管理して保管しておく、そこでガラス固化をされたものが十分地層に処分できるという技術的な確信を得た後はこれはできるだけ人間環境から隔離された場所へ処分するという考え方でございます。その際に隔離された場所をどういうふうに管理するかというような問題につきましても、今後の研究課題として残されておる問題だろう、かように考えております。
  142. 日野市朗

    ○日野委員 ちょっとおかしいのじゃありませんか。まず、人間環境から隔離した後それをさらに管理する方法は現在検討中だということですけれども、日本という特殊な地域を考えてみた場合、これはアメリカのような広大な砂漠を持っているとか何かという場所とはかなり違いますし、また、ドイツや何かの岩塩層があるというようなところともかなり違いますので、人間環境から隔離された場所というのは本来日本にはあり得ない、こう考えるべきではないでしょうか。
  143. 牧村信之

    ○牧村政府委員 ただいま諸外国でも検討されておりますのは、先生御指摘の岩塩層がよく言われるわけでございますが、そのほかにも花崗岩層あるいは粘土層、こういうような地層に廃棄することが各国でいろいろ研究されておるわけでございます。その際、日本の場合には、岩塩層というのは望めませんので、いまの場合は安定した花崗岩層であるとか粘土層を対象にせざるを得ないのではないか、かように考えております。
  144. 日野市朗

    ○日野委員 まず、日本の場合花崗岩層といっても、日本というのはプレートの周辺にあるということが一つ問題です。そうすれば花崗岩層というのは非常に安定しているとはとうてい言いがたい。また、粘土層といっても、日本は非常に多湿なところでございますから、全く地下水の影響を受けない粘土層などというものは考えられない。こういう点から言ったら、人間が居住する環境外に、環境に無影響な、影響がほぼゼロに等しいような場所というものは日本の国土内で確保することは不可能だというふうに私は断言せざるを得ないと思うのですが、そこのところはどうでしょうか。
  145. 牧村信之

    ○牧村政府委員 地層中の処分というのは相当深いところを考えておるわけでございます。それと、いろいろな地層等、日本は確かに複雑な地層を持っておる国であることは事実ではございますけれども、必ずしも全然ないということではない、安定しておるあるいは地震等のおそれがないような地層も必ずあると思っておりますし、その辺も含めて慎重にこれからいろいろな調査を進めていきたいというふうに考えておる段階でございます。
  146. 日野市朗

    ○日野委員 先ほど伺ったところによると、いま使用されていない炭鉱とか鉱山の坑道というようなことを考えておられるということですが、日本の場合は炭鉱またはそういった鉱山というものも、人里離れた山奥、これは狭い日本のことですから山奥といっても知れているのでありますが、必ずしもそういった人里離れた山奥にあるわけではないので、そういうところを十分考慮しなければいかぬと思いますが、これからの立地調査についてその当てがあるのかどうか、そして、その周辺住民の協力を得るということが何よりも大事なことであろうと思いますが、その協力を得られる見通し、これはどのように持っておられるのでしょうか。
  147. 牧村信之

    ○牧村政府委員 先生ただいま炭鉱の廃坑と申しましたのは、試験的な陸地処分をする低レベルの廃廃物についてそういう構想があるということを申し上げたわけでございまして、高レベルの地層処分につきましては、どういうふうに地層処分をするかというような構想につきましてはまだそれほど進んでおりません。今後動燃等を中心にいたしましてその調査研究を進めるわけでございます。したがいまして、そういう点がある程度具体化された段階で先生御指摘のような地域住民との関係その他もいろいろと配慮していかなければいけないということに相なろうかと思います。したがいまして、現段階ではまだ調査にとっかかった段階でございますので、いますぐそういう構想があるかとの御質問でございますが、いまの段階ではまだそこまで固まった構想を持っていないというのが実情でございます。
  148. 日野市朗

    ○日野委員 確固たる構想ができて着手できるようになるのにはどのくらいの年月を見込んでおられるわけですか。
  149. 牧村信之

    ○牧村政府委員 六十年代に入ってからと考えております。
  150. 日野市朗

    ○日野委員 大体これから七、八年は少なくともかかるというふうに伺ってよろしゅうございますね。
  151. 牧村信之

    ○牧村政府委員 おっしゃるとおりでございます。ただ、試験をする予定地等を選んで評価していかなければなりませんから、候補地としてはできるだけ早く考えてみたいということで作業は進められるかとも思います。
  152. 日野市朗

    ○日野委員 ちょっと順序が逆になりましたが、今度は施設内保管について伺いたいと思います。  施設内保管というのは具体的にどういうことを考えておられるのですか。
  153. 牧村信之

    ○牧村政府委員 施設内の保管は、高レベルの廃棄物についてのお尋ねだと思いますが、液体につきましては貯蔵タンクに入れて貯蔵するということを考えておるわけでございます。
  154. 日野市朗

    ○日野委員 現在の再処理工場の貯蔵タンク、これは現在の再処理工場の何年分ぐらいを貯蔵できますか。
  155. 牧村信之

    ○牧村政府委員 現在動燃が持っております貯蔵タンクは五年間のものが完成しております。したがいまして、逐次必要に応じてこのものを増設していく必要があるわけでございます。
  156. 日野市朗

    ○日野委員 それから、もし第二再処理工場をつくるという場合、この場合は貯蔵タンクもやっぱりかなり数多くつくらなければならないという思想がおありなのか、それまでには廃棄物処理の方法が考えられて一応成案を得るであろうから貯蔵タンクは数少なくていいというふうに考えておられるのか、いかがでしょう。
  157. 牧村信之

    ○牧村政府委員 私どもの最終処分を行う地層処分の目標としておりますのが二〇〇〇年の初頭ぐらいを考えておりますので、第二再処理工場ができましても当然貯蔵する必要があるわけでございます。  それからもう一点、ガラス固化をいたしますのにしても、五年ないし十年の間冷却してその上で固化し保管するということでございますので、相当の廃液の貯槽は必要であろうかと思うております。
  158. 日野市朗

    ○日野委員 この点についてはもっと聞きたいこともあるわけですが、次に進みたいと思います。  先ほど指摘した基本方針には、また、「高レベル廃棄物の処理については、再処理業者が行い、処分は国が責任を負うこととし、必要な経費については、発生者負担の原則によるものとする。」ということがございますね。そこで、再処理業者というふうになっているわけですが、これは民間の業者を考えておられることだろうと当然私は読んだわけでありますが、一体どういう形態のものを考えておられるのでしょうか。
  159. 山野正登

    ○山野政府委員 将来再処理事業を民営化します場合の事業主体としてどういったふうな出資構成でこれが構成されるだろうかということは未定でございますが、現在電気事業連合会の中に再処分会社の準備事務室というものをつくりまして、この間の準備を進めようとしておるわけでございまして、私どもの予想では、恐らく、電力業界等が中心になり、これに化学工業等の関連業界も参加して新しい経営主体というものをつくってこれに当たることになるのではないかというように予想いたしております。
  160. 日野市朗

    ○日野委員 そうすると、これはいまのところは民間に行わせることが構想であるけれども、具体的にはまだ煮詰まってきていない、こういうことに伺ってよろしゅうございましょうね。
  161. 山野正登

    ○山野政府委員 民間産業界が中心になって進めるということは、民間も決心し、私どももそれを了としておるところでございまして、私の申し上げておりますのは、電力業界、化学業界等関連業界がどのような出資比率の持ち分で、またどのような経営参加の仕方で新会社をつくっていくであろうかということがこれからの問題であろうということを申し上げておるわけでございます。
  162. 日野市朗

    ○日野委員 核燃料サイクルの一番のウイークポイントというのは何といってもここだと思うのですがね。いかにしてこの廃棄物処理を行っていくかということであろうと思うのですが、これはいまだ世界的に方法としては確立しておらない。しかも、これからそれが確立していくめどもいまのところはっきり言ってついていないというのが実情ではないかと私は思うのですが、もしこの再処理を国の政策として推進するというからには、やはり廃棄物の処理についてきちんとした国の責任を持つということが確立されていなければこの再処理はやるべきじゃないんじゃないか、こんなふうに私には思えてならないのであります。この点についてどのように考えておられますか。ここはやはり大臣の出番だと思うのですが、いかがでしょう。
  163. 牧村信之

    ○牧村政府委員 先生おっしゃるとおり、この廃棄物の対策につきまして国の方針を明確にすることはきわめて重要なことだと思っております。そこで、先生も御指摘なさっておりました、原子力委員会としては、五十一年に当面の研究開発を中心とした方針並びにそれはどこが分担すべきであるかということを含めました基本的な考え方を出しておるわけでございます。したがいまして、これを踏まえまして科学技術庁として今後所要の研究開発を進め、実際に処理、処分を行う段階におきましてはさらにその時点におけるいろいろなことを配慮し、国として明確な考え方をさらに決定して行っていくというふうなことになろうかと考えております。
  164. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 一応具体的にいま申し上げましたとおりでございますが、基本的に安全に関する責任は国が負うべきだということ、これは再処理はもちろんでございますが、原子力全般にわたりまして一から十まで安全に関する責任は全部国が負うべきものであると考えているわけであります。ただ、安全責任の持ち方についていろいろな問題がありますれば、これはわれわれも反省しますし、またいろいろの御指摘があればそういう点については十分検討いたしまして、要するに基本的には国が全責任を持つという態度で臨まねばならぬ、考えていかねばならぬというふうに思っているわけでございます。
  165. 日野市朗

    ○日野委員 いまの大臣の御答弁では、原子力については国が積極的に政策を推進している以上、そこから出る問題については国が全責任を負うというのは、これは非常に当然と言えば当然、いままでの態度を確認した御発言だろうというふうに思います。それはそれでいいんですが、問題は、何かの事態が起きた、それによって国民が非常に苦しんだ後でそれに対して損害賠償をするんだとか何かで埋め合わせするでは間に合わないことが非常に多いわけですね。何しろ失われた人命というものも返ってこないし、場合によっては放射能なんかの影響によって日本民族の将来に遺伝的な悪影響を残していくなんという問題になったら、それはもう取り返しがつかない問題なんであって、もしそれがその危険があるのであれば開発を見合わせる、開発を手控えるという政策的な決定が必要なのではないかというふうに私は思うのです。特に再処理については何といっても最大の落とし穴といいますか、サイクルが完成していない、廃棄物処理というウィークポイントがあるわけでして、その点についての解決のための研究をなさるのは結構だ。もちろん進めていただかなければならない。しかし、それがめどもつかないままに第二再処理工場をつくって民間にやらせよう、また最もウィークポイントである高レベルの廃棄物処理を民間にやらせよう、こういう思想は非常に危険だと私は思うのですが、いかがなものでしょうか。
  166. 牧村信之

    ○牧村政府委員 高レベルの廃棄物の処理につきましては、たとえば動燃事業団が現在のところやるわけでございますが、その規制につきまして国が責任を持って行うということでございます。また、民間再処理事業者が行います再処理工場につきましては再処理事業者が行うことになるわけでございますが、国が責任を持ってその規制を行うという考え方でございます。
  167. 日野市朗

    ○日野委員 どうもお役人の方々は、規制の基準を決めておけば国民は皆守るであろう、関係者は皆守るであろう、こういうふうにお考えになっていらっしゃるようですね。ところが現実には、国に対するそういった思惑だとかこういう規制があるからこれを守っていこうというような心構えよりは、どうも採算の方が先行するというのが現在の業界の現状なんですよ。現実に、現在の原子力発電所だってそういう事例はいっぱい見受けられるわけだ。その最も極端な例は美浜の原子炉の燃料棒の折損事故、これを関電がずっとひた隠しにして、科学技術庁にも教えないでずっと来たということでしょう。しかもこれは内部告発みたいなことがあって初めて明るみに出たという現状であります。また原子力発電所での労働者の被曝ですね。これだって現実に被曝の実態があるにもかかわらずこれをひた隠しにしているという業界の状況。こういうようなモラルの低さで再処理の関連業務を民間にやらせるということは私は非常に危険が伴うと思います。大臣、そういうことに危惧をお持ちじゃありませんか。
  168. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 いままでの引き合いに出されます美浜一号炉の燃料棒の欠陥問題、あるいは従業員の被曝がある程度ある場合、うやむやにされていたというふうな御指摘でございまして、われわれとしましては、そういう点の事情、具体的な点は別としまして、そういうふうな点があったことは遺憾でもあり、また、言い方が適当じゃないかしれませんが、それ以上に一般に御不安を与えたということについてもよく考えてみなければならぬと思います。ただ、それであるから安全に対する責任を回避してきた、あるいはいやしくも回避してきたというつもりでは決してありませんし、今後もそういう点がないように努めてまいらねばならぬ。これは当の科学技術庁だけではなしに、通産省にいたしましても、そういう原子力を取り扱われる点については同様の考えを持っておられると考えるわけであります。  それから、民間にやらせることは非常に危険でないかということでございますが、これは御承知のように、午前中もお答えいたしましたが、大体わが国の現状といたしましては、多くの事業を民営にいたしまして、そして、たとえば原子力のような場合には、採算のめどが全然つかないといったようなそういう試験研究については、その研究開発については国がこれに当たり、ある程度のめどがつきましたならば民間の活力を最大限度に活用しまして民営でやっていくということが一応たてまえになっているかと思うわけでありますが、それであるからこの民間というものは信用できない、そういうことでありますと、たとえ国営にいたしましても、やはりこれは当事者の心の持ち方でありますから、そういう危険があり得るわけであります。私は、よほど考えていかねばなりませんが、しかし民営であるから直ちにそれが危険につながる、国営であれば直ちにそれが安全であるというわけのものでもなかろうかと思っているわけでございます。
  169. 日野市朗

    ○日野委員 特にいま大臣の発言ですが、国がやれば安全であって、民営では安全ではないという考え方はおかしいんだというふうにおっしゃられたと思うのですが、先ほどの基本的方針の中にも、必要な経費については発生者負担の原則だと、こう書いてあるのですよ。必要経費については発生者負担の原則である。そうしますと、これはもう何といっても営利法人であれば利潤を追求するのは当然でしょう。これは資本主義の大原則だから、営利を目的とするものは利潤を追求していくというのは当然のことです。そうして、そこで支配的なのは、人間同士の持っている倫理観というようなものよりも、むしろ金の論理が先行する、採算の論理の方が先行するのですよね。そういう観点から見ると、こういうまだ研究途上にある、しかも成案がきちんと得られているわけでもない一つのプロジェクトにあって、これが営利を追求することを目的とする機関がこれに介在するということ、そのことの危険をいま私は指摘しているわけなんですが、いかがお考えになりますか。
  170. 牧村信之

    ○牧村政府委員 この基本方針で、特に高レベルの廃棄物の処分、これにつきましては、先生御指摘のようにまだこれから研究開発を進めるわけでございますので、ここにおきましては基本的な考え方を示しておりまして、安全につきまして国が責任を負うこと、しかしその必要な経費については発生者が負担すべきであるという、二つのことを示しておりまして、今後その具体的な進め方等は研究開発の進展を見て検討することにいたしておるわけでございます。  そういうことでございますが、私どもの考え方といたしましては、動燃が行います試験研究あるいは実証試験等々の評価を踏まえて厳重な規制基準をつくるつもりをいたしておりますので、民間が行おうということといたしましても、その基準あるいは規制を受けるわけでございますので、十分な安全管理をし得ると確信しておるところでございます。
  171. 日野市朗

    ○日野委員 どうもここのところは水かけ論みたいな話になりますので、話をまた別な話に進めますが、いま、経費は発生者負担の原則ということが一応基本方針として出されているようであります。それと関連してちょっと伺っておきたいのですが、現在、再処理をし切れない部分については外国と再処理契約をなさっているわけでありますね。英国核燃料公社、それからユナイテッド・リプロセッサーズですか、それからフランス核燃料公社、こういったところと再処理の契約を結んでおられるようでありますが、これの日本側の当事者は一体だれでしょう。そしてまた、その経費負担はだれがやることになっていますか。
  172. 山野正登

    ○山野政府委員 日本側の契約当事者は各電力会社でございまして、当然のことながら電力会社が必要経費を支弁するということになっております。
  173. 日野市朗

    ○日野委員 それから今度は、気体となって発生する廃棄物ですね、ガス中の廃棄物について伺いたいと思いますが、これはどのような処理になりますか。この気体中のものはかなり超ウラン元素を含んでいる。キュリウム245なんというのは一万二千年の半減期、ネプツニウム237ですか、それなんかは二百二十万年の半減期という、これは考えようによってはとんでもない放射能物質ですね、超ウラン元素が廃棄されているわけですが、これらは一体どのように処理されているのでありましょうか。
  174. 牧村信之

    ○牧村政府委員 気体として放出されるものは、先生御指摘の核種のものではなくて、主としてクリプトン並びにトリチウムでございます。したがいまして、これらのものは希釈して大気に放出しておるわけであります。この放出に際しましては厳重な規制基準に基づいて行っておるというのが現状であります。  それから特に、再処理工場におきましてはクリプトンが相当大量に出るわけでございまして、現在の安全審査をいたしました結果でも、クリプトンというのはベータ線を出す核種でございまして、ほとんど皮膚被曝にとどまるわけではございますけれども、できるだけそれを低減していこうということで、現在、動燃におきまして除去装置を開発中でございます。この装置が完成し、性能が確認されれば、現在の再処理工場の施設として運転するという方向で研究開発が進められておるわけでございます。
  175. 日野市朗

    ○日野委員 失礼しました。気体中のものはクリプトンでしたね。クリプトン85、これは、現在は言うなれば、煙突からたれ流しにしているわけではありませんか。
  176. 牧村信之

    ○牧村政府委員 決してたれ流しにしておるわけではございませんで、一定の貯槽にためまして、そこで希釈をいたしまして基準濃度以下にいたしまして、それで風向等を考えつつ大気に放出しておるということでございます。
  177. 日野市朗

    ○日野委員 一日の放出量は大体八千キュリーくらい、そうですね。
  178. 牧村信之

    ○牧村政府委員 先生御指摘のとおりでございます。しかし、先ほども申し上げましたが、クリプトンというのはベータ核種であるということも十分配慮した安全審査がなされておるわけでございます。
  179. 日野市朗

    ○日野委員 ベータ線であれば、比較的透過力は少ないわけでありますけれども、かといって非常に軽視はできないわけであって、やはり皮膚がん等の因子になるということも一応指摘されているところですね。
  180. 牧村信之

    ○牧村政府委員 きわめて濃いものを被曝いたしますときにはそういうことでありますが、そういう点の防止対策として、一定量を十分希釈した上で放出するという管理を行っておるわけでございます。
  181. 日野市朗

    ○日野委員 前のお答えで言っておられましたろ過装置、これは現在開発中のものですか、ある程度のめどがついているものでしょうか。また、これが一応完成するまでには、完成したものとなるためには、どのくらいの年月を要するものでしょうか。
  182. 牧村信之

    ○牧村政府委員 もう基礎試験は済んでおりますので、実証プラントを建設中でございまして、これの完成は五十六年を予定しております。再処理工場のフル操業に入りますのがたしか五十六年ごろだったと思いますので、その時点に備えて、いま鋭意建設を進めておるという段階でございます。
  183. 日野市朗

    ○日野委員 現在動いている再処理工場、これは順調に動いているかどうかということになりますと、私たちは報道等によって知るほかはないわけでありますが、まず二つの段階で、いろいろトラブルについて伺いたいと思うのであります。  ウラン試験をやったわけでありますが、そのウラン試験であったトラブル、それを幾つか挙げてもらえませんか。
  184. 牧村信之

    ○牧村政府委員 再処理工場の建設が済みまして、御指摘のように通水試験をいたしまして、その後天然ウランを使いましてウラン試験というのを実施したわけでございます。これが昨年の初めに終了したわけでございますが、ここで起きましたトラブルは、二十五件のトラブルが発生いたしました。これらは、性能試験をするために当然予想しておったある程度のトラブルが出たときに直ちに手直しするという試験過程中に起きたものでございます。しかし、その起きる状況も――したがいまして、この試験を三次に分けて行ったわけでございますが、第一次試験中の最初の三カ月で二十件、また第四月目から第一次試験終了時までに二件ほど出てまいりまして、これを手直しし、それ以降は第二次試験で一件、第三次試験で一件、第三次試験以降五十二年三月末までに一件ということで、後半におきましてはトラブルは非常に減ってきたということでございます。そういうような結果を踏まえて、原子力委員会に設けました核燃料の安全専門審査会において、いろいろ実績の調査あるいは評価を行いまして、現在使用済み燃料を使ってホットテストを実施しておるというのがいまの状況でございます。
  185. 日野市朗

    ○日野委員 特に第一次試験で起きたプルトニウム溶液蒸発管及び脱硝工程におけるウラン溶液の漏洩、このトラブルはどういうトラブルでしょう。具体的にわかりやすく説明していただけませんか。
  186. 牧村信之

    ○牧村政府委員 これも五十年十一月に起きたものを御指摘と思いますが、これはプルトニウムの溶液を蒸発して濃縮する装置のところでございますが、そこの計装配管のフランジ部から硝酸ウランが漏れたというトラブルでございます。その結果、プルトニウムの溶液蒸発管の計装配管上部へ硝酸ウラン溶液が流入したということでございます。  この事故の原因は、硝酸によりましてフランジパッキングが腐食したということであろうというふうに考えられております。
  187. 日野市朗

    ○日野委員 これはかなり大量の溶液が漏れましたね。そうではありませんか。
  188. 牧村信之

    ○牧村政府委員 正確な数字をただいま持っておりませんが、数十リッター程度であったかと思います。(「二百リッター」と呼ぶ者あり)
  189. 日野市朗

    ○日野委員 二百リッターくらいじゃありませんか。
  190. 牧村信之

    ○牧村政府委員 ただいま調べますので、ちょっとお待ちを……。
  191. 日野市朗

    ○日野委員 それでは時間も追ってきましたので、その点は必ず後にお答えをいただくことにいたしまして、次に進んでまいりましょう。  本来であれば、プルトニウムの溶液が漏れたということになると、これはかなりの重大事故であるというふうに言わざるを得ないのではないですか。
  192. 牧村信之

    ○牧村政府委員 操業に当たりまして、そういうことがないようにウランテストというのをやっておるわけでございます。そこで、フランジ部のパッキング等が腐食するとか、いま、私も技術的にはわかりませんけれども、ウラン溶液が突沸現象を起こしたというようなことが原因であろうということで、本操業に備えて腐食されないようなフランジをつくってやる、あるいは逆支弁をつけるというようなこと等の対策を立てて補修したということでございます。
  193. 日野市朗

    ○日野委員 結局、そういうトラブルが発生した原因というのは、技術的に見ると、高放射能下ではいろいろな物質の化学変化が起こりやすい。その化学変化の起こり方というのが十分に解明されていないというところに問題点があるというふうにお考えになるべきではないでしょうか。
  194. 牧村信之

    ○牧村政府委員 基本的には当然そうでございますので、そういう故障が初期に試験中に起きてくれたことはかえって幸いであるわけでございますし、そのための試験をやっておったわけでございます。したがって、ホット試験をやるときにはその辺の対策を十分に講じたということでございます。  なお、先ほどのどのくらいの液が漏れたかというのは、御指摘いただきましたように、二百から二百三十リットルと見込まれております。
  195. 日野市朗

    ○日野委員 ホットランが始まってからのトラブル、それは何件ぐらいで、どんなものですか。
  196. 牧村信之

    ○牧村政府委員 昨年の秋からホット試験をやっておりますが、現在までに七件のトラブルが報告されております。  中身を御説明いたしますと、まず脱硝塔のノズル配管からの微量ウランを含んだ水の漏洩、それから槽類が置いてあります換気室での溶解オフガス、これはクリプトンでございますが、フランジからの漏洩、三番目に燃料剪断点の分配器内での詰まり、四番目に分析所における作業員手袋のプルトニウム汚染、五番目に廃棄物処理場におけるバルブ補修作業中の汚染、六番目にクレーンホールにおけるキャスク水中用つり具による管理区域の汚染、七番目に小型試験設備、OTLといっておりますが、ここにおける放射性ミストの漏洩、この七件があるわけでございますが、このうち作業者に若干の付着をするというような被曝に関係するものは四件でございます。しかしながら、これらのトラブルはいずれも管理区域外に大量に放射線が出たというようなものはないわけでございますが、その性質も施設のふぐあいあるいは故障というようなものではなくて、作業管理上の問題あるいは不備がもとで起きたものが大部分でございます。
  197. 日野市朗

    ○日野委員 いま伺ったトラブルについては、きょうどうも時間が少しなくなってきたものですから後でまた質問をやらせていただくということにいたしまして、別の問題を伺います。  再処理会社が現在企画されているわけですね。現在考えられているわけですが、その内容を少し御説明いただきたいと思います。
  198. 山野正登

    ○山野政府委員 現在、再処理会社、東海再処理工場に次ぐ第二再処理工場としての再処理工場でございますが、これについての準備作業というのは電力業界を中心に進めておるわけでございますが、昭和四十九年ぐらいから準備調査を行っておりまして、立地の地点についての調査でございますとか、あるいは工場の建設等に必要な技術についての調査といったふうなことを従来やっておったわけでございますが、いよいよ本格的な準備段階に入る必要が出てまいった。かつ、政府の方もいま御審議をお願いしておる法改正を国会に提案したといったふうな背景を受けまして、電気事業連合会の中に再処理事業の準備のための事務室をつくりまして、その機関が今後第二再処理工場の準備活動を行うことになろうかと思います。これから本格的な組織づくりをし活動を始めるわけでございまして、その組織自体が何ら物事を決めておるわけではございませんが、私どもの想定いたしますところでは大体いまから十数年先、一九九〇年ぐらいを目標にいたしまして、年間千トンから千五百トン程度の規模のものをまずつくるといったふうな方向で立案されるのではあるまいかというふうに考えております。
  199. 日野市朗

    ○日野委員 どの程度の資本金を見込んでいるのかというようなことなんかはまだわかりませんか。
  200. 山野正登

    ○山野政府委員 どの程度の資本金にするか、これはもちろん未定でございますが、先ほど申し上げました年間千トンないし千五百トン、一日にしまして五トン程度の規模の工場で、現在おおよその見積もりで四千億円ないし五千億円と言われております。
  201. 日野市朗

    ○日野委員 これはかなり膨大な投資になると言わざるを得ないわけですね。これだけ膨大な設備投資をすると、それの回収にはまず利益を上げなくちゃいけない、こういうことになるのだろうと思うのです。そうすると、これからの原子力事情というものをずっと見通した場合、必ずしも前途洋々というわけにはいっていないんじゃないかと思うのです。特にアメリカのカーター大統領が打ち出した原子力政策の問題もありますし、核不拡散の問題もありますし、そういったいろいろなネックがある。また、各国の民間でやろうという再処理の企画が余り成功していないように見える。こういった状況から見ますと、ここから利益を上げていくのは非常に容易なことではないのではないかというような見通しを私は持たざるを得ないわけなのであります。そうすると、この再処理業務そのものから余り利益が出てこないということになると、勢いコストの軽減というようなことで、そのコストを軽減していくためには、さっきも言った非常に金がかかるであろう廃棄物の処理、処分、こういったものについて手を抜いてくるというような危険、そういったものは考えられませんか。
  202. 山野正登

    ○山野政府委員 将来、この再処理施設を含めまして、原子力施設のための設備投資というのは、これは軽水炉にしても高速増殖炉にしましても非常に膨大なものになるということはお説のとおりでございますが、利益と申しますか採算上、経済性上はどう考えられるかという点につきましては、これは設備投資が膨大であるということとはまた別次元の話だと考える次第でございますが、ごくごくマクロな見方でございますけれども、再処理をしてウラン、プルトニウムをリサイクルするケースと、そういったふうなリサイクルをしないでウラン資源を使い捨てにする場合と比較した経済計算を、これはアメリカのNRCでもやっておりますし、私どもの部内でも、また通産省委託でもいろいろやっておられますが、そういったふうな結果を見ますと、ごくマクロで見まして大体一割前後の経費がリサイクルによって節約されるのではないかというふうに言われております。つまり、原子力発電事業を燃料サイクルまで含めまして全体としてながめた場合には、やはり再処理をする方が有利であるという結論が出ておるわけでございますし、これは原子力発電原価の原価構成を見た場合にも、資本費が六五%ないし七五%ぐらい、逆に燃料費が二割ないし三割というのが現状でございまして、その燃料費の中のさらに二割とか三割というのが再処理事業費であろうかと思うわけでございますので、先ほど先生が御指摘のように、採算割れになるのでコストを軽減する必要がある。また、そのために非常に重要な高レベル廃棄物の処理について手抜きをするといったふうな羽目にはなってはいけませんし、事業者自体もそのような不心得はしないと思いますが、国の方でも十分な規制管理をしていくというふうに考えております。
  203. 日野市朗

    ○日野委員 別に山野局長と論争するつもりもありませんけれども、会社の経営というのは、まず電力会社が原子力発電をやる、そしてそこから出てきた廃棄物を再処理をする、そうやればそれは電力会社がもうかることはわかるのです。では、そこから金を出したり何かしてやっている再処理会社はそのあおりを食ってマイナスになっても、全体から見れば黒字だからそれでいいわというふうには会社の経営というものはならないわけですね。やはり再処理会社は再処理会社で利益を上げる、このことを必ずやるわけです。私はそういうものだと思うので、私がさっき言いましたような危惧を持っているわけです。私は、外国では民間でやっているところがどうもうまくいっていない、民間では結局やれないということがそのことを物語っているのではないかというふうに思うのですが、どうでしょう。外国では民間でやって成功している例がございますか。
  204. 山野正登

    ○山野政府委員 まず一つ、再処理事業会社の採算というのも考えなければならないというのは先生お説のとおりでございまして、私、先ほど電力事業体系全体としての経済性というときにお話し申し上げておるのは、再処理会社も採算をとった上での燃料サイクルコストというものを頭に置いての話というふうに御理解をお願いしたいと思います。  それから各国の再処理事業の現状でございますけれども、民営でこれを進めておりますのは米国と西独でございます。フランス等も国営と申しましても国営企業でございまして、やはりある程度日本の企業のような企業努力といったものも期待した形にはなっておりますが、しかし国営企業でございますので一応こういうふうなものを除外しますと、米国と西独が民営でございます。  米国におきましては四つばかり大きな計画があるわけでございますが、これらは、一つは技術的な理由により、また一つは安全審査基準の変更等によりまして、停滞していることは御指摘のとおりでございます。これにはなおかつアメリカのカーター大統領の新原子力政策というものが大きくその背景にあるという点を見逃してはいけないと思うのでございまして、しばらくは民間における商業的な再処理事業というものは無期延期したいのだという政府の方針というものが、現在停滞をしている背景にあると考えております。  それから西独におきましては、カールスルーエ原子力研究所におきまして、わが国がいま東海村で進めておりますのと同じようなピューレックス法による濃縮ウランの再処理事業が現在運転中でございます。  それからこれは国営企業ではございますが、フランスのラアーグにおきましても、同じくピューレックス法による再処理工場が二回のホット試験というものを終了しまして、現在本格操業に入る準備をいたしておる、こういうふうな状況でございます。
  205. 日野市朗

    ○日野委員 どうも時間がなくなってまいりましたので、確認だけしておきたいと思います。  カールスルーエはいま操業しておるというようなお話ですが、そのほかは、完全な民間は一応全部余りうまくいってはいないというふうに大ざっぱに見て言えるのだと思いますが、どうでしょうか。カールスルーエだって必ずしも一〇〇%操業ではなかったというふうに私ちょっと認識しているのですが。
  206. 山野正登

    ○山野政府委員 ただいま私が申し上げておりますのは、あくまでも軽水炉燃料、濃縮ウランを対象にした再処理工場についてのお話を申し上げておるわけでございまして、天然ウランを用いたものについての再処理は、現在運転中のものがございますが、これは捨象いたしまして濃縮ウランだけを申し上げますと、確かに米国におきましては現在商業ベースの再処理工場というのは一件も動いておりません。
  207. 日野市朗

    ○日野委員 余り時間がありませんので少しはしょって、今度はこれは大臣にひとつお答えをいただきたいのですが、日米原子力交渉が行われて、そして最終的には昨年の九月十二日に共同声明が発表されたわけであります。その中では、やはりかなりの関心がこの再処理工場について払われております。  共同声明の第二項の中で、「日本国及び合衆国は、軽水炉へのプルトニウムの商業利用に関する決定を少なくとも、今後二年間続くと予想される国際核燃料サイクル評価計画の間、延期する意図を有する。日本国は、この期間中、数キログラムのプルトニウムを用いた関連の研究開発作業を行う計画である。」こう書いてあるわけですが、それに続いて「更に、日本国及び合衆国は、上記の期間中プルトニウム分離のための新たな再処理施設に関する主要な措置はとらないとの意図を有する。」こういうふうに書いてあるわけです。ここで見なくてはいけないのは、「今後二年間続くと予想される国際核燃料サイクル評価計画の間、」「再処理施設に関する主要な措置はとらない」、こういう合意が日米間でなされていると思うのであります。  そこで、この再処理施設に関する主要な措置というのは一体何を指すのか、この点について伺いたいのですが、これは私は決して単に現在の再処理工場に関するものだけではなくて、将来建設されるであろう再処理工場の計画等をも含めて再処理施設に関する主要な措置はとらない、こういう合意がなされたのだと思うのですが、ここらの観点はどのようにお持ちでしょうか。
  208. 山野正登

    ○山野政府委員 この新たな再処理施設に関する主要な措置についての御説明の前にちょっと一言申し上げますが、このパラグラフは、第二項の冒頭にある文章、すなわち「合衆国は、原子力の開発が日本国のエネルギー上の安全保障及び経済発展にとって重要であることを認める。合衆国は、日本国の原子力の平和利用が引き続き発展することを強く支持する。」という大前提が書いてあるわけでございますが、これを受けていま御指摘のような表現があるわけでございます。つまり、米国は日本がエネルギー政策原子力の平和利用というものを進めなければならないという事情を理解し、かつ、日本が原子力の平和利用をするに当たっては核燃料の有効利用というものが不可欠の要件である、したがってプルトニウムの軽水炉への利用とかあるいは高速増殖炉への利用ということのために再処理施設というものを新しくつくることも必要であろうということを理解しました上に立ってこの文章はあるわけでございまして、そういう意味で、新たな再処理施設に関する主要な措置といいますものの意味は、まさに現在の東海工場に引き続きまして新しくつくる再処理施設というものについてはこのINFCEの行われます二年間主要な措置はとらない、その主要な措置とは何ぞやという点につきましては、その際に日米間で話し合いをしまして、これは第二再処理工場建設作業といったふうなものが「主要な措置」の中身であるという理解になっております。この文章にはあらわれておりませんが、その裏としまして、主要な措置でない措置、すなわち第二再処理工場の地点の設定でございますとか、あるいは第二再処理工場の会社設立の準備作業といったふうなことはINFCEPの期間中といえども進められて結構ではないかという理解があるということを申し添えさせていただきます。
  209. 日野市朗

    ○日野委員 それは何か公文のような形で取り交わしでもあるのですか。
  210. 山野正登

    ○山野政府委員 これは、交渉の経緯でそういうふうな話があったということでございまして、公文等には残っておりません。
  211. 日野市朗

    ○日野委員 その経緯でその話があったというのは、日米間の交渉のどの部分でありましたか。
  212. 山野正登

    ○山野政府委員 この共同決定をするにつきましては、まず双方の事情というものを十分に理解し合う必要があったわけでございまして、日本は、今後の原子力平和利用を進めるに当たっての基本方針はどう考えておるかということを十分に話し合いをしたわけでございますが、その節、いま申し上げたような話し合いがあったということでございます。
  213. 日野市朗

    ○日野委員 私が危惧しているのは、原子力交渉というのは何回も何回もこれは真剣に話し合われていろいろな微妙な段階を経てこの共同決定、共同声明に至っているわけです。この間のいろいろな出来事、いろいろな会談の内容、それは必ずしも全面的にオープンにされているわけのものでも何でもないわけですね。その間、日本側の非常に強い要望が当時宇野長官などからアメリカ側に伝えられた。これは私たちもよく承知をしているところでありますけれども、このような、いま局長が言われたような具体的な話し合いというものがその経過から見ると私たちにはちょっとあったとは思えないのですよ。むしろ、この共同声明がなされた一番根底にある、つまりプルトニウムを拡散させるべきではないという強いカーター大統領意思ですね、それと、ここに出てきた文章面をながめると、とにかく少なくともこの再処理施設に関する主要な措置というもの、これは再処理施設をさらにつくろうというプランの策定をも含めてそういう措置はとらないのだと読むべきが国際信義に合致するのではないかというふうに私は考えているのですが、どうでしょうか。反論する資料があったらそれをお示しいただきたいと思います。
  214. 山野正登

    ○山野政府委員 これはたしか英語ではメジャームーブメントという言葉を使っておったと思うのでございますが、あえてそのような言葉を使った裏には、メジャーでない活動はよろしいという理解があるからこそメジャームーブメントはとらないという表現になっておるわけでございまして、この字句をどう解釈すべきかという御質問に答えまして私は若干日米交渉の内話というものを申し上げたわけでございます。ほかにもこのような疑問点がございますれば、私の判断で差し支えないと思う限りにおいて交渉でやりとりされた中身についても説明させていただきますけれども、議事録のようなものを提出するということは、外交交渉の中身でございますので、ひとつ御容赦いただきたい。  ただ、そのような話があったということは、私は決してうそを申し上げているわけではないのでございまして、その点は御信頼いただきたいと思います。
  215. 日野市朗

    ○日野委員 そうするとその交渉の過程で、これはメジャームーブメントという語句だっていろいろな理解が可能であろうと思います。  そのほかに、こういう再処理工場をつくろうという準備的な行為であれば構わないというような逃げを許さない合意が日米間で取り交わされているのかどうか。解釈をすればこういう準備行為をやることは構わぬのだという結論に当然いくというような合意が行われたとすればそれはいつであって、だれとだれとの話で行われたのか、お知らせいただきたいと思います。
  216. 山野正登

    ○山野政府委員 これはあくまでも当時の日本側の代表者であります宇野前長官と米側のスミス大使との間の話で出たことでございまして、そのような理解が示されたということでございますから、合意をして判とを押したという性格のものではないわけでございます。日米協定上、将来第二再処理工場をつくってそれを運転してもいいかどうかといったふうな法的な意味での了解というのがないことはこれは当然でございまして、これは将来また別の機会に、そういう時点になって、協定に基づいて公に先方の了解を取りつけるという運びになるわけでございますから、現時点においてはそれはあくまでも双方のそういう理解であるというだけでございまして、向こうの理解を示した証拠としましてこのような活動をしてもよろしいといったふうな書きつけをもらったというものではございません。
  217. 日野市朗

    ○日野委員 いまの段階では水かけ論になるでありましょうから、私の方も英文をその辺読み直してみて、もう一度伺う機会を留保しておきたいと思います。  時間が来ましたので、残念ながらこの辺で終わりますが、どちらにしても、この再処理工場に踏み切る、しかも民間でやる、そういうことについてはまだまだ私としては非常に強い危惧の念を持っていて、真っ向からこの法案には反対せざるを得ないということを表明いたしまして、私の質問を終わらせていただきます。     ―――――――――――――
  218. 岡本富夫

    岡本委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本案審査のため、本日、参考人として動力炉・核燃料開発事業団理事中村康治君から意見を聴取したいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  219. 岡本富夫

    ○岡本委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ―――――――――――――
  220. 岡本富夫

    ○岡本委員長 質疑を続けます。瀬崎博義君。
  221. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私はまず、今回再処理事業の民間への拡大の法改正を政府が出してきたのに対して、これは去年の臨時国会で本委員会で修正されて削除されたものですね、これをまた半年たつやたたずで直ちに出してきたこと自身も非常に大きな問題だと思うのですが、同時に、何といってもいま科学技術庁の原子力行政が国民から厳しい批判を受けている。原子力船「むつ」の解決についてすら国民の納得のいくような解決策が立てられない、そういう問題つまり足元も固めずしてより問題の多いこの再処理事業を民間に拡大するなどという法改正を国会に出す資格があるのかということをまず問いたいのですね。しかも、その「むつ」問題についてはまたあわただしい動きを示してきたわけです。特に、先月の二十七日の本委員会で、私どもがこの「むつ」の改修、総点検に当たって、長崎県知事が核封印という案を出してきた、これに政府が一体どう対応するのかということをただしたときに、何を聞いても、すべて原子力船開発事業団で検討中であってわからないの一点張りだった。大体今後いつ事業団の案がまとまるのか。  それから、「むつ」総点検・改修技術検討委員会にかけるのかかけないのかということについても、多分かけるであろう程度のことでいつかけるかそういうことはわからない、こう言っておったにかかわらず、五月の八日にはちゃんとこの検討委員会の検討結果なるものも出てきたわけですね。しかも、その間は休みが多かったわけです。しかも、その正式の事業団の改修工事についてという答えみたいなものは五月八日に出ている。一体、この事業団の正式の答弁書を受け取って、検討委員会の先生方に招集通知を出したのはいつですか。
  222. 山野正登

    ○山野政府委員 これは私の記憶でございますが、この開催の一週間ばかり前であったかと存じます。
  223. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 一週間前ということになれば、まだ事業団から正式に政府には回答が出ていない段階ではないのじゃないですか。
  224. 山野正登

    ○山野政府委員 私ども、この事業団の検討結果案を見たのはそれよりかなり後ほどでございまして、五月八日程度であれば、十分事業団の意見を出し得るからいうことで招集はした次第でございます。
  225. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 大体五月の一日、二日ごろと想定されるのですが、連休をはさんでその直前の本委員会でわからなかったのですか。
  226. 山野正登

    ○山野政府委員 これはきわめて純技術的な問題でございまして、余り軽々に確定的なことを申し上げて、またうそをついたといったようなことになっても困る話でございますので、慎重にお答えをしたということでございます。
  227. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 後ろで安全局長が笑ってるよ。二十七日の委員会のときにわからなかったものが、転々に言えなかったものが、一日にはちゃんと招集状が出せるぐらいはっきりした、そんなことだれが信用しますか。全く国会までペテンにかけて、何とかこの「むつ」の修理だけしたいというふうな態度がありありと見えておると思うのですよ。  そこで、今日まで、つまり一年ほど前になるわけでありますが、長崎県の久保知事が核抜き修理案というものを出した。これは決して単なる思いつきではなかったわけでしょう。わざわざ知事の諮問機関として「むつ」の安全性に関する研究委員会というものをおつくりになった。そこで相当長期間の検討を重ねた結果として、核分裂生成物の放射性レベルも低く、取り外しは技術的にも容易である、これが一点。  それから第二点は、燃料体の検査も十分行えるということもあって、この際核燃料抜きで修理することがよろしい、安全性を確保するためには燃料体を取り外すべきである、こういう結論が出た。これを尊重した久保知事の案がいわゆる核抜き案だったと思うのですね。これについては、政府側は一年近くたっているのになかなかこれは受け入れようとしなかった。今度、その核つきでもない、核抜きでもない第三案として核封印の案が出たらきわめて敏速にこれには対応して今回その案の受け入れを決めた、こういう政府側の対応の違いが出てきたそもそもの原因はどこにあるのですか。
  228. 山野正登

    ○山野政府委員 政府の五十一年初めの地元への要請というのは、これは先生御承知のように核燃料棒を装荷したままで遮蔽の改修並びに安全性の総点検を行うということであったわけでございますし、またそういった修理方法で十分に安全は確保できるということでお願いをしておったわけでございます。     〔委員長退席、日野委員長代理着席〕  昨年の四月に、市議会の方では燃料棒をつけたままで修理してもよろしい、つまり政府の要請どおり受け入れてもよろしいという結論をお出しになっておるのに対しまして、県議会の方は、確かに先生御指摘のように核燃料棒を抜いて入港することを条件に受け入れを決定するという結論を出されたわけでございますが、そのベースになっております県の研究委員会の結論を見ましても、私どもがその結論を見る限りにおきましては、全体として政府の要請しておる方法によって修理することは安全とは思うけれども、しかし、社会的に見れば燃料棒を抜いてくる方がより安全だと思うという感じの提言があるわけでございまして、やはり背景には、私どもがお願いしておりました燃料棒をつけたままでの修理ということについてもある程度の理解を示されておったと思うわけでございます。  その後、私どもは、佐世保市と県議会との両方の意見の相違というものを調整する必要があるわけでございますので、核燃料棒を抜くことについての検討というのももちろんいたしたわけでございますが、これは技術的には可能であるものの、社会的にきわめてむずかしいという結論になりまして、何とか燃料棒を装荷したままでの修理というもので受け入れていただくように再度御再考を願う必要があるというふうに考えておりましたやさきに、久保知事の方が燃料棒を取り出さないで燃料棒を装荷したままで、圧力容器の上蓋を取り外さないで遮蔽の改修をするという御提案がありましたわけでございまして、これは私どもが五十一年にお願いした案にきわめて近い案でございますので、鋭意検討を進めてこの安藤委員会の結論を得た、こういうことでございます。
  229. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 その長崎県知事の核抜きで修理するという案の根拠になった検討委員会の結論、つまり核抜きでやる方がより安全である、同時にその理由も、先ほど言ったように二点、三点ほどはっきりと付しているわけですね。そういうことについての技術的な検討、つまりこの方がより安全だと言われるその検討はしたわけですか。
  230. 山野正登

    ○山野政府委員 私どもの立場としましては、五十一年にお願いした一番最初の要請の中での修理の仕方というもので十分安全は確保できるという安藤委員会の結論を得ておるわけでございますから、それ以上の特段の手当てをしないと安全は確保されないと思っていないわけでございます。したがって、県の研究委員会でいろいろ言われていることについての検討というのはいたしておりません。
  231. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 結果的には、県民を代表する知事がつくった諮問委員会であります研究委員会の真剣な検討結果を今回政府は無視する態度をとっているわけですね。そのことについてその研究委員会に参加していた先生方、あるいはまた一応知事が代表している長崎県民に対して、科技庁としての説明はどういうことになるわけですか。結局核抜きは社会的にむずかしい、この一語に尽きるわけですか。
  232. 山野正登

    ○山野政府委員 経緯は先ほど申し上げたとおりでございますが、県の研究委員会というものはこれは県知事の諮問機関でございまして、私どもがその結論についてとやかく言える立場にはないわけでございます。したがいまして、県の研究委員会の方から、御疑問があればこれは一義的には県の方から御説明があろうかと思いますが、もし私どもの方に直接説明をしてほしいということであれば、いつでも喜んで御説明をいたします。
  233. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 先ほど山野局長は、当時核つき案が出たときには、その前にすでに核つきで安全に修理できるという方針を政府が出しておった、だからそれを曲げる必要はないと考えた、こういうお話ですね。そのときの山野局長の本委員会での答弁を見ますと、こうなんですね。これは民社党の小宮さんの、上ぶたを取り外すことなく本工事ができるのか、こういう質問に対しての局長答弁です。「ただいまの上ぶたを取り外すか外さないかという問題でございますが、私ども従来は、安全性の問題というよりも、できるだけ上ぶた上部の遮蔽改修工事がやりやすいようにという配慮で、上ぶたを取り除いて、そのかわりに仮のふたをして作業するということを申し上げておったわけでございまして、この上ぶたをつけたままでの作業が全く不可能であるわけではございません。ただ、きわめて非能率になります。したがいまして、私どもの従来考えております線では、上ぶたを取り除きまして、取り除いた状況で上ぶたの上の遮蔽改修工事をし、」こういうふうに言っているわけです。当時のこの方針を国会でも確認しておるわけなんですが、なぜこれを最後まで貫く努力をしないで、今度国会答弁を翻してまでわざわざ非能率だとあなたが言っているその上ぶたつき修理に踏み切ったのですか。
  234. 山野正登

    ○山野政府委員 私どもは、私どもの立場で申し上げれば、現時点でも上ぶたを取りまして、船外に取り外して修理をする方が作業性もよろしくて望ましいというように考えております。しかしながら、そういうふうな方法では長崎県の地元で受け入れかねる、もし作業性を若干犠牲にして圧力容器の上ぶたをしたままで修理をするということについて国がのめるのであれば県知事の方は地元関係者を十分に説得できる自信があるというふうなお話でございますので、そういう地元の事情というのも考慮に入れる必要があるわけでございますので、今回、これから決める話ではございますが、前向きにこのような検討をしたということでございます。
  235. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そうしますと、結局核抜き案を受け入れることができなかった点でも、また今回核封印という新たな方式が提案された、これに過去の国会での答弁を曲げてまで従うことにしたのも、すべて長崎県の事情、言葉をかえて言えば科学的、技術的な一貫した方針ではなしに、そういう政治的配慮が優先して変わってきたのだ、こういうことですか。
  236. 山野正登

    ○山野政府委員 私どもは長崎県にお願いしております以上、長崎県知事とか佐世保市長という相手の方々の御意向というのを全く無視することはもちろんできないわけでございますので、そういう意味で先方の責任者と相談をいたしまして、できるだけ双方が納得し得る最善の方法を探すという努力もまた一方しなければならぬわけでございますので、このような安藤委員会の結論を得ましたので、今後どのように地元と相談して進めていくか、政治的な配慮とおっしゃいましたが、できるだけ地元の受け入れやすい工夫というのはやはり必要かと存じますので、そのようなことをした上で進めていきたいというように考えております。
  237. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 大臣にお聞きしたいのですが、日本で初めての原子力船の研究開発でしょう。だからこれは本来純粋に科学的な、技術的な検討に基づいて総点検、修理というものが行われてしかるべきではないかと私は思うのです。それが常に、地元の事情と言えば言葉はいいですけれども、結局政治的な条件に左右されて方針が二転、三転、四転、五転している。こういうことが正しい原子力船の開発研究の態度と言えるでしょうか。もし本当に政府に、これこそが初めての原子力船の開発研究にとって正しい方向なんだ、科学者も認めている方向なんだという自信があるならば、あくまでそれで納得をいただく努力をすべきではなかったのですか。いかがですか。
  238. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 ただいま先生は、二転、三転、四転して、科学性を、純粋な科学的なたてまえを崩してまでそういうことをすべきであるかどうかというふうなお話でございまして、事実が、先生の言われるように三転、四転しているということであれば、その点は考えなければならぬと思っております。ただ私どもの理解しておりますところは、第一にわれわれが考えましたことは、上ぶたを取り外して修繕しても修理が可能である、安全には少しも差し支えないというたてまえをとっているわけでございます。しかし、地元とされては、その上ぶたを取り外さないでやってもらった方が、安全上県民の納得を得られる道ではないか、こういう考えで、そういうお話があったのに対して、それではそういたしましょうということは、私は別に科学技術的なそういう本質、たえまえを二転、三転、四転したというふうにも――これは見解の相違かもしれませんけれども、そういうお言葉に当たる事実というふうにもちょっと思いかねるわけでございます。
  239. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 とにかく現在科学技術庁原子力行政の一つの試金石とも言われるこの「むつ」問題の解決が結局――私どもは決して当初の事業団、科技庁の総点検、改修方法がいいとちっとも思っていませんが、その科技庁や事業団の方針すら貫けないような状態で政治的に漂流しながら長崎へ持っていこうとする、こういうような状態にあることだけは厳しく批判をしておきたいと思うのです。  そこで、今度は直接の再処理工場の問題に移るわけでありますが、現在の動燃事業団の再処理工場が果たして民間に拡大していってよいほどの成果を上げているのかどうか、ここが一つ大きな問題になると思うのです。動燃事業団の東海事業所に安全衛生委員会というのがありますね。ここでは五十一年の二月二十七日に「安全衛生委員会再処理問題検討調査報告書」というのが出されているわけでありますが、この報告書の調査対象となった事案はどういうことであったわけですか。
  240. 中村康治

    中村参考人 ただいま手元に持っておりませんので、正確には申し上げられませんが、その前にあったウランテストの段階で発見された幾つかの指摘が書かれていると存じております。後ほどまたお届けいたします。
  241. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 その中で、結局この報告書の対象になっているのは、要修理個所八十二カ所となっているわけですね。問題は、この八十二カ所は一体だれが指摘した要修理個所であったのかということなんですね。いかがですか。
  242. 中村康治

    中村参考人 いまの八十二カ所の指摘というのは、再処理の担当の内部の者と従業員と一緒になって考えた提案でございまして、そのうちいろいろ手当てをしてまいりましたけれども、その八十二カ所以上の数にわたって手当てはしてございます。
  243. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 もともとこの八十二カ所というのは、これは国会でも問題になったわけでございますが、その前年五十年の八月、ちょうど閉会中の審議だったと思いますが、動燃の労働組合がこのままウランテストに入るのは非常に危険である、少なくともこういう個所については手直しが必要だと提案しておる。ところが当初事業団側は、これはためにする労働組合のでっち上げであるとか、あるいはウランテストに入ってからでも改造が可能であるのだとかあるいは材料が入らないとか、いろいろ言を左右にして取り上げようとしなかった問題ではなかったのですか。そういうことで国会でも問題になったと私たちはいま記憶をよみがえらしているのですが、いかがですか。
  244. 中村康治

    中村参考人 八十二カ所の中には、いま先生がおっしゃいますように、ものによっては誤解に基づく指摘も幾つかはございました。しかしながらその中身を検討いたしますと、なるほど現場の担当者でなければわからないという細かい指摘もございました。いま調べてみますと、八十二カ所のうち、全く誤解に基づくというようなことで措置の必要がないというふうに、組合、担当者とも了解いたしましたものは十二カ所でございます。すでに措置済みのものが六十九カ所、そのほか一カ所は、少し再処理とは離れたところの問題の指摘である。  ついでに申し上げさしていただきますと、八十二カ所の指摘のある前から、担当者ベースとしてはいろいろ直したいところを感じておりました。きょう現在で申し上げますと、ウランテスト中に手を打ちましたのは百八カ所でございます。そのうちまだ二つが現在進行中で、現在も手を打っているのが十六カ所ございます。これはいずれもメーンプラントの本操業にはかかわりなく、追加施設その他の数を含めてのものであります。
  245. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 誤解に基づくものが十二カ所あった、これはいいでしょう。しかし八十カ所のうちの大半は指摘された手直しが必要だったということなんだから、当初十把一からげに、労組何を言うかという態度をとったこと自身については反省しているわけですね。
  246. 中村康治

    中村参考人 私どもといたしましては、従業員の組合と相対する立場をとっているわけでは決してございません。ただ、行きがかり上、物の言い方はいろいろあったこともそれはございます。ただ、いま申し上げたように、たとえば分析所のグローブボックスにちょっと高いところに窓がございまして、それをやるためにはいすの高さがちょうど合ってない、これじゃ仕事がしにくいという指摘もございました。私どもこれはまとめて操作性をよくするためのものだというふうに了解しております。  それからまた、作業環境ということで一つの例を申し上げますと、先生も御承知のように通路が非常にわかりにくい建物でございます。そこで、新人も多いことだから床に通路がわかるようにしろ、こういう指摘がございました。これはもっともだということで、指摘のとおりに処置してございます。  それからまた、多少技術的に本質的な問題を指摘しているのもございました。たとえば溶媒抽出のミキサセトラの界面の維持が非常に扱いにくい、こういう指摘がございました。これは技術的にいろいろ検討いたしまして、バルブを追加するというような措置をいたしました。  こういうふうに、私どもといたしましては素直に、やはり担当者でなければわからないという問題もございますから十分受け入れて、措置するべきものはした、そのかわり誤解に基づく指摘があったとすれば、これは誤解に基づくものだということで組合も了解して、その措置をしないでも済むということを了解しているつもりです。
  247. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 先ほど日野先生の御質問の中で、安全局長の答弁は余りにもお粗末かつ無責任過ぎると思うので、私一言言っておきたい。実はいま申し上げているこの報告書の中にも日野先生が指摘された事故のことが出ているわけです。報告書の中ではウランテストの第一キャンペーン中に生じた事故等のうちで、一、プルトニウム蒸発かんからのウラン溶液の漏出、これがそれなんですよ。二、脱硝塔から高濃度ウラン溶液の漏出事故は特に問題と思われる。今後徹底した原因究明、対策が肝要であり、要修理個所の未処理検討中の個所とあわせ検討されたい。  つまり、こういう報告書ができた段階でもなお原因が解明されなかったんですよ。この委員会でもさて何回問題になったでしょうか。当時のたしか所長の中島さんも何回かこの問題では国会に呼び出されて足を運んでいらっしゃいます。当時特にこれが問題になったのに、安全局長がこういうものも承知していらっしゃらないというのは遺憾であり、今後の安全上に不安を感ずるので申し上げたいのです。私も正確な数字は記憶がやや薄れておりますが、漏れたのが大体二百リッターでしょう。蒸発かんの容量自身が大体四十リッターぐらいだったと記憶しておるのです。それで、そこへ送り込まれてくるウラン溶液のスピード等から換算して、二百リッターも受けざらにたまること自身がおかしかった。一体どこから漏れたんだろうか、このこと自身が大変な疑問なんです。  さらに、いろいろな計装器がついているのですね、圧力計だとかあるいは濃度計、これのチャートを見ますと、普通だったら時間経過と同時に連続して上がっていかなければならない圧力であるとか濃度が、上がっては下がり、上がっては下がり、のこぎり状を示していたわけです。明らかにこの計装器にも異常があらわれておった。なぜそれが八時間かな、気がつかなかったのだろうと思いますが、それは体制に問題があったのか、それとも測定器の方に誤りがあったのか。こういう問題もある。  とどのつまり、これは何も蒸発かんだけの事故ではなさそうだ。漏れた溶液が臨界状態になるのを防ぐためにボロン溶液を入れます。このボロン水の系統に問題があったのではないか、あらかじめ締めておくべきバルブが締められていなかったのではないか、こんな問題まで出てきた。パッキングの不良という話も最後には出てきた。これはこういう性質の非常に大きな事故であって、全体のスケジュールをおくらせてでもこの原因は解明しますと事業団側は約束せざるを得なかった問題なんです。こういう点についてあなたの先ほどの軽率な答弁については、ここではっきり反省をしておいてほしいと思うのですがね。
  248. 牧村信之

    ○牧村政府委員 私先ほど申し上げましたのは、その点について軽率である、そういうつもりで申し上げたわけではなかったわけでございますが、私その当時を担当しておりませんので、事情に非常に詳しくなかった点もあったかということで勉強不足を反省しておるわけでございます。いずれにいたしましても、この問題がその後の原因の究明等をいたしまして措置をしたというふうに聞いておりますし、その辺の改修の結果は、原子力委員会核燃料安全専門審査会の方でも報告を受け、その対策でいいのだという御結論を得た上でホット試験に入っておるわけでございますので、その間、役所側が十分その問題に対処して安全に運転させるようにさせておるということだけは御了解いただきたいと思います。
  249. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 先ほど、そういうものがウランテストでわかったからこそ幸せだったのだ、こういう話を言われた。当時は、幸せどころか、大変深刻だった。場合によっては蒸発かん装置全部の取りかえが必要な場合もあり得るという答弁も、たしか当時残っているはずであります。つまりこの再処理工場のいわば命運にかかわるような事故要因、いわゆる未解決な技術というものが入り込んでいたということをこれは示しておったのでしょう。先ほど来、装置関係の改善のお話がありました。それは私どもも、今後労働組合と対立する関係ではなしに、安全に関しては少なくとも謙虚に第一線の技術者の意見を聞いて改める態度は継続してもらいたいと思うのです。  同時に、教育訓練の問題についてもやはり改善が必要だということをこの報告書は指摘しておりますね。たとえば再処理工場の運転が構造上非常にむずかしく、かつ現有施設がかなり人的に頼らざるを得ない側面を持っていることの認識が肝要であろう。これらの問題は講義による解説、それから実施の訓練等で解決されつつある面もあるが、今後少なくとも作業者の理解、習得できる内容で進められることが望まれる、こういうふうになっている。  そこで伺いたいのでありますが、ウランテスト開始当時の再処理工場の従業員の総数と、その中に含まれている出向者の数、これが当時で幾ら、そして現在はどういうふうに変わっているのか、お答えをいただきたいのです。
  250. 中村康治

    中村参考人 当時の数、いま正確に持っておりませんので、約という言葉をつけ加えさしていただきますが、当時全体で約四百名を少し下回っておったと覚えております。その中で出向者はその当時は百十名を切っておったと記憶いたします。三月末現在で申し上げますと、再処理関係で四百五十四名でございます。うち建設室という、先ほどお話が出ましたクリプトンだとかいろいろなものをまだ増設しなければいけません、建設室に配属しておるのが三十九名でございます。出向者は全体で現在百七十七名でございます。うち電力から来ているのが三名でございます。     〔日野委員長代理退席、委員長着席〕
  251. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 動燃の個人被曝線量測定結果表を見ますと、やはり五十二年度なんですが第二・四半期では自社員四百十八人、自社員外八十二人、合わせて五百人となっておりますね。第三・四半期を見ますと自社員四百二十七名、自社員外が七十三名、合わせて五百名となっております。ここのいわゆる自社員以外というのは、いま言われた出向者に当たるのですか。出向者でない何かまた別の部類に属する従業者の方がいらっしゃるのでしょうか。
  252. 中村康治

    中村参考人 従事している者に対しては全員被曝管理をやっていることは先生も御承知のとおりであります。自社員と自社員以外を区別いたしますと、自社員以外にはいま御説明いたしました出向者も含まれております。そのほかに、たとえばメーカー関係で長期間現場に入って作業するという者も被曝管理の対象にしております。それから部分的に、たとえば清掃作業、下請の形で利用しているメンバーもございます。ここら辺はその所属のいかんにかかわらず管理区域に作業する時間の十分長いもの、これは保安規程で区別してございますが、これは全部被曝管理をしている、こういうことでございます。
  253. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そうなりますと、ちょっと数字が合わないのですね。先ほどは、たとえば現時点の数字四百五十四名中百七十七名が出向者だとおっしゃったのですが、五十二年度の場合は自社員外が七十三名ということになると、これが出向者だとしますと、えらく、百名も出向者がふえた、こういうことになりますし、全体の人員が減ってきているということになりますか。ちょっと矛盾しているようですね。
  254. 中村康治

    中村参考人 いまの先生御指摘の数字、五十二年八月でございましょうか――現在のところその出向者以外のところでの、たとえば常陽産業という外郭機関がございますが、そこで使っているような工事関係の人たちも入っております。  最後に先生御質問の、全体の数が減っておるかという御指摘に対しては、それはそうではございません。少なくとも、主工場で再処理作業に従事している人数はむしろふやしているという状態でございます。いま過渡的に出向者の数が多いのは、先生も御承知のようにある期間で交代するということであります。この交代の過程での教育訓練というのが一つの問題でございます。そこである期間オーバーラップさせるというようなことも措置をしております。そんな関係で、数はときどき動くということになります。
  255. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 結局、被曝線量測定結果表でいう自社員の中にいわゆる派遣社員が入っておるのであって、自社員以外というのはいま言われている常陽産業とかなんとかということを意味するのでしょう。確かにそういう点では、去年とことしを比べますと派遣社員の数と自社員外の数が非常にふえておりますね。こういう人々は、いま一定の回転があるんだというお話なんですが、大体何年ぐらいで出向期間を終えて帰っていかれるのですか。
  256. 中村康治

    中村参考人 特別に規定はございませんが、常識的に二年交代ということでやっておりましたが、特に再処理施設のように訓練が非常にきくというところでございますので、それぞれ親元にお願いいたしまして、およそ一年ずつ延長しているというのがいまの状態でございます。
  257. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 先ほどの安全衛生委員会の報告書の指摘では、特に現在のピューレックス法の工場は人的に頼らざるを得ない側面が多いということ、それから工場の中が構造上非常に複雑であるということで教育訓練のむずかしさを訴えているわけです。それが二年が一年延長しても三年で次々に交代していくわけですね。そういうことで、今後本格運転を目指しているわけですが、こういう危険な作業が本当に安全にできるのだろうかどうかという疑問を私は持ちます。  それからもう一つは、確かにいままでの建設時代からずっといらっしゃる方ならセルの中身なども大体皆現物で熟知はされていると思います。しかしこれはもう運転に入ってしまっていますから、そういうセルの中は見ることも経験することもできませんね。こういうことに対するカバーがそういう三年やそこらで一体どうしてできるのだろうかという疑問を持っているのです。こういう点では現在のこのような大量の出向者、全体の約三分の一が出向者だというような体制で今後の運営が果たして大丈夫と言えるのだろうかどうか、この点どうですか。
  258. 中村康治

    中村参考人 先生も御承知のように私ども動燃事業団の使命は初期の開発を担当いたしまして、炉の場合でもこれは同じでございますが、その後に産業化されるということを期待しているわけであります。そういう意味で、かなりの割合の人たちについては日本全体での人口をふやすという意味においての出向者の受け入れ、これは組合の諸君も理解をしております。しかしながら、先生御指摘のように再処理というのは非常に複雑な施設でございまして、そこの教育訓練は確かに問題でございます。そこで従業員についての教育訓練カリキュラムをつくりまして、各個人個人がどういうふうな教育を受けているかというのは全部コンピューターコントロールをしてございます。またこの間の事情は、先ほど安全局長が御説明いたしました各キャンペーンごとにその後核燃料安全専門審査会でキャンペーンの実績を評価していただくことになっております。その中の一項目として教育訓練をどうやっているかというのも毎度御報告しておるわけでございます。
  259. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それは報告であって、実際作業をやる人が確信を持って安心してやれるような状態にわずか二年や三年交代で教育が行き届くかどうか、こういう点について非常に困難だということは安全衛生委員会が指摘しておりながら、現在依然として出向者に頼るというこの体制を改めていませんね、こういうこと自身について事業団として改善する必要を感じているのかいないのか、この点だけお答えいただきたいと思います。
  260. 中村康治

    中村参考人 先ほども申し上げましたように、日本におけるこの分野の総人口をふやすために産業界からの参画を求めなければならないというのはいまでもそのとおりだと存じております。教育訓練のあり方を改善するとすればまだ余地が残っているのではないかと考えております。
  261. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それから同じく安全衛生委員会の報告書の中では、八十二項目以外にも改善、改良を必要とする個所があると思われるので摘出し積極的に進められたい、こういうことが指摘されておるわけです。先ほど言われたように確かに百八カ所ですか、二カ所ほど残っているけれどもそういうことは改善してきている、こういう話ですね。  そこで、先ほど安全局長の答弁だったと思うのですが、いわゆる今度のホットランに入ってから事故が七回あったという答えだったですが、その個々は先ほど説明がありましたからもういいですが、これは大体当時摘出した中に入っておったんですか、それとも摘出しておった個所以外に新たに加わってきた問題ですか。
  262. 中村康治

    中村参考人 非常に率直に申し上げますと、残念ながらまだ従業員のふなれがありまして、装置上、原理上、本質にかかわってトラブルを起こしたものはございません。
  263. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 いや私が聞いているのは、装置上新たに八十二カ所以外にも摘出しておく必要がある、そういう中にそれは入っておったかどうかということを聞いているわけです。  たとえばその七つの中には、勇断機の分配器の詰まった問題というのもいま出されているわけです。それからOTLでの被曝事故の問題も出ているわけです。こういうものがいわゆる安全委員会の摘出した項目の中にあったかなかったのか、ここだけお聞きしたいのです。
  264. 中村康治

    ○中村参考人 両方とも当時の安全委員会の指摘にはございません。ホット試験をやって初めて経験したことでございます。
  265. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 さらに、七カ所の中には入ってなかったように思うのですが、二月二十五日と私は聞いているのでありますが、勇断機の油圧駆動軸にプラスチック製のブーツをかぶせているのですか、そのとめ金が壊れたという事故があったと聞いておりますし、これで運転が一時とまっている。それから清澄工程というのがあって、そのフィルターが目詰まりを起こして一時運転がとまったということも聞いているのです。こういう事実はあったのですかなかったのですか。
  266. 中村康治

    ○中村参考人 いずれも先生御指摘のように事実はございます。
  267. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 では、先ほどの安全局長、なぜこういうあった事実を率直に報告しないのですか。
  268. 牧村信之

    ○牧村政府委員 剪断機のブーツの保守についてのトラブルがあったわけでございますが、これは当初の設計ではブーツはなかったわけでございますが、それを設置した方がごみを除くのにもベターであろうということでつけておりましたが、先生御指摘のように金具のふぐあいが出たということでございます。それで、直ちにこれを取り外して運転しても何ら差し支えないものでございましたので取り外したということでございます。  そこで、これをトラブルにするかしないかということでございますが、動燃の御意向もいろいろ説明を聞きました結果、トラブルではなかろうということで私どもの方はその数の中に入れていないわけでございます。  それから、フィルターが詰まること自体、これは当然予測しておることでございます。それで、ある期間、詰まってくれば取りかえるという作業が行われるわけでございます。そこで非常に短期間に詰まったということは事実でございます。これはBWRの燃料をやりまして初めてその経験を得たわけでございます。したがって、詰まり現象は常時監視して、必要があれば取りかえるということで作業を進めておるというふうに聞いております。
  269. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 事業団の方に伺いますが、そうしますと、ブーツをかぶせた方がよかろうということで事業団プロパーでやってみたけれども結局これは芳しくないというふうなことであるとか、いまのフィルターが比較的短期間に詰まった、これはBWRを処理するとそういうことが起こる、こういうことは今度のホットランに入って初めてわかったことですか。
  270. 中村康治

    ○中村参考人 最初のブーツの問題は、その前の剪断機の詰まりの補修作業の段階で発生いたしましたので、私ども社内的にはそれをまとめて取り扱っております。  それから二番目のフィルターの詰まりは、いま安全局長が申しましたように、本来ろ過というのが必要になってまいりまして、フィルターがついております。ただ、それがJPDRの燃料の場合にはほとんど全く経験がございませんでした。BWRの燃料になったところで経験が出てまいりました。これは本来交換するべきものということで施設もそのように用意されておりますけれども、はからずも今度のBWRキャンペーンの中で実際の訓練ができた、こういうふうにわれわれは考えております。
  271. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 はからずもという言葉はいま逆説的に使われたのだけれども、結局はからずもというのは、こんなに短期間に目詰まりが起こるであろうとは予測していなかったということもまたあらわしているのだろうと思うのですね。私どもは技術者の方からはそういうふうにも聞いております。これらが重要なのは、いずれもレッド地域だとかアンバー地域だとか言われている、修理等に当たっては放射線の被曝の危険性の強いところで起こっているのが特徴ではないのですか。
  272. 中村康治

    ○中村参考人 先生御指摘のようにレッド区域でございまして、大部分のところはリモートメンテナンスという遠隔取り扱いが最初から手当てはされてございます。
  273. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 しかし、実際には全部がリモートコントロールできたのではなくて、エアラインスーツというのですか、全身を防護服で覆って、かつ呼吸用の空気もホースで外から送るという、まさに戦争に備えるような構えで入らなくてはいけないような補修も必要だったのでしょう。その補修は何回あったわけですか。
  274. 中村康治

    ○中村参考人 まず遠隔装置でできるだけのことはやります。そしてその後でできるだけの除染をやります。そして被曝の程度を評価する。実はこれは保安規程にも計画被曝ということで認められている作業でございますが、元来こういうホットの作業の場合にはある程度こういうことは予測せざるを得ない、これも訓練の一つだというふうにわれわれは考えております。
  275. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 何が起こっても訓練に役立つという言い方しかされませんが、では、そういう特殊なスーツを着て作業に入る方と外との連絡などはつくようになっているのですか、それとも作業中は連絡がつかない状態になっているのですか。
  276. 中村康治

    ○中村参考人 全般的に申しまして、かなりレベルの高いところでの作業を一人でやることは一切禁じております。その横にグリーンハウスという防護区域を設定いたしまして、常にそこと連絡をしながら作業をする、こういうたてまえになっております。
  277. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 いや私は、スーツを着てその中で作業をしている人が常時連絡がとれるような状態で入っているのですかと聞いているのです。
  278. 中村康治

    中村参考人 常時監視をしながら連絡しております。
  279. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 常時監視というのは外からの監視のことを言っていらっしゃるのだと思うのですが、私の言っているのは、作業者が自分の意思を外へ伝えたいと思えば、別に外へまた出ていくとか外の人に来てもらうとかいうようなことをしなくても話が通ずるあるいは合図が通ずる、こういうふうな連絡ができるのかということを聞いているのです。
  280. 中村康治

    中村参考人 まず最初にそういう仕事をやる場合にモックアップと申しまして予行演習をやります。したがっておよそのことは全部了解した上で作業ができるようになっておりますが、それにもかかわらず作業者から連絡しなければいけなければ横にいる者とは連絡でるきような形で作業をしております。
  281. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私が聞いているのでは、つまり常時われわれがこういうように話をするような形での連絡がつくようにはなっていない、そういう装置がないと聞いておりますが、そうではないのですか。
  282. 中村康治

    中村参考人 先生から最初に御指摘がございましたようにエアラインスーツというのをかぶっている、そういう意味で声をかけたりすることには不便がございます。これは事実でございます。ですが、横に必ず責任者がおりまして、そこに合図をする。これは体全体を使ってのいろいろな合図もございましょうし、近寄ってからの発言もございましょうが、合図ができるようにはなっております。
  283. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 現在まだわずかなテストをしただけの段階でこういう危険な作業が必要な故障が起こっているのも事実なんですね。今後さらに処理量がふえてくれば、いまの状態でいけば恐らくこのような修繕というのはしばしば起こってくるだろうと思うのです。起こらないと言う方がむしろ無責任だと私は思うのです。そういうときに、最も危険な作業をする人が安心してできるような状態というものはこれまた大いに研究しなければならない課題ではないかと私は思っているのです。こういう点でも一定の不安を感じているということを率直に私どもは聞いているわけであります。  次に、五十三年度の動燃東海事業所の計画を見ますと、第二スラッジ貯蔵場の建設計画が出ておりまして、一千立米二基と二百立米一基の増設計画があるわけでありますが、この増設の理由は何ですか。
  284. 中村康治

    中村参考人 いま先生御指摘のスラッジ処理というのは、廃液を放射能水準を下げる意味で化学添加物を加えて沈降させる。この底にたまったものをスラッジと言います。現在すでに五百立米のタンクを三つ持っておりますが、だんだんにいっぱいになってくる。このスラッジのままでは不安定あるいはかさが高い。そこである時期になりますとアスファルトで固めるということを計画しておりますが、このアスファルト固化施設は設計ができてすでに一部建設に着手しておりますが、これができるまでのつなぎに用意をする必要がある、そういう予備の施設でございます。
  285. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 このアスファルト固化の施設は、ではなぜ当初から入っていなかったのですか。安全審査書などを見ても、結局年間二百十トンの処理を前提にしてこれは廃液処理のスラッジとして認めたのだと思いますね。これがまだ半年ちょっとしか、それも本当にちょっぴり処理しただけでそういうスラッジ増設が必要になってきた。そうしますと、この安全審査自身にもちょっと問題があったのではなかったかなという感じがするのですが……。
  286. 中村康治

    中村参考人 基本的な考え方として、いろいろな廃棄物が出てまいりますが、五年間は施設内に貯蔵できるだけのボリュームを持っておこう、その間に減容あるいは固化という施設が追っかけて入ってくる、その計画に沿って用意をしておるわけでございます。
  287. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 結局、現在再処理した使用済み核燃料の量は何トンですか。
  288. 中村康治

    中村参考人 ホットテストとして最初にやったのが昨年九月から開始いたしました原研のJPDRの使用済み燃料であるのは御承知のとおりでございまして、これを三・三トン処理いたしました。未処理の分が八百キロばかり残っております。それから、二月に入って東電福島一号炉のBWRの燃料を四・七トン処理をいたしました。それから、ごく最近でございますが、昨日、関電美浜のPWRの燃料の勇断処理を開始いたしております。したがって、いまどれだけ処理をしたかと言われますと、三・三足す四・七ということになります。
  289. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 その八トンの処理をして今日スラッジの貯蔵場が不足だということがわかってきたようでありますが、では現在このスラッジのどのくらいを満たしておるわけですか。
  290. 中村康治

    中村参考人 まず、廃棄物の発生の量をできるだけ少なくするという努力も勉強の一つでございます。いま、たまたまスラッジの話が出ましたのでお答えいたしますと、現在持っているのは約百三十立米でございます。これがもし二万八千メガワット・デー・パー・トンという標準設計のものをやったとすると、御承知のようにそれだけ核分裂生成物の量も多い、それで推定いたしますと七百立米ばかりであったはずである。これがバーンアップが少ないのでいま百三十立米である、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
  291. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そうしますと、もともとのこのスラッジの施設そのものが年間二百十トンに対してはきわめて少なかったということになるのですか。
  292. 中村康治

    中村参考人 先ほど百七十とか百三十とかいう数字を申し上げましたが、その前のウランテストの段階で発生しているスラッジがございます。これが約五百立米でございます。  先ほど全体の考え方として申し上げましたように、定常操業をやれば五年分は一応貯蔵できる施設は一通り持っておるつもりでございます。
  293. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 数字が合わないじゃないですか。このウランテストで五百立米なんでしょう。ウランテストでは一体何トンやったのか、これを言っていただきたいですね。現在、とりあえず燃焼度が低いJPDRが入っているから、本来なら七百立米たまるところが百三十立米で済んでいる。だから、これは普通にいけば七百立米出てくるところでしょう。合わせて千二百立米になってしまうわけでしょう。とてもじゃないが五年分という余裕はないじゃないですか。
  294. 中村康治

    中村参考人 ウランテストのところで幾ら処理をしたかという御質問にまずお答えいたしますと、ウランテストの段階では、施設の中に持ち込みましたのが約十トンでございます。この十トンを、繰り返し繰り返し作業しておりましたので延べスループットすると、およそで申しわけございませんが、その約四倍くらいの数字になると思います。  それからいまの、発生量が勘定が合わないではないかということで御指摘がございましたが、一般的にいろいろな施設の廃棄物は五年分を目標にしておりました。ただ、比較的当初からこのアスファルト固化という計画がございましたので、二年分ということで間に合うはずだと考えておりました。
  295. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 だから説明が、一体五年分なのか――それで数が合わなくなって二年分に縮めているわけでしょう。そういう点では当初の計画が、そういう廃棄物の処理も含めてきちっと、二百十トン処理、少なくとも五年間はやれるようになっておったのかどうか。大臣、私はこれははなはだ疑問だと思うのです。この点はよく注意しておいてほしいと思うのです。  次に、同じく今年度の増設計画を見てみますと、廃溶媒貯蔵施設の増設計画がありますね。つまり、勇断した使用済み核燃料を硝酸で溶かして、三〇%のトリブチル硝酸と七〇%のドデカンの溶媒で処理しますね。この廃溶媒施設の増設計画の規模は一体どの程度でしょうか。
  296. 中村康治

    中村参考人 廃溶媒の貯蔵施設をふやさなければならなくなった理由は、当初はこれは焼却してしまうつもりでございました。ところが少しやってみますと、この廃溶媒の中に、有機溶媒でございますが、これは燐酸系の化合物でございまして、耐火物との共存の関係でそのままは燃やしにくいという経験をいたしました。     〔委員長退席、貝沼委員長代理着席〕 一方、この廃溶媒をいかにして燃やすかという技術開発も現在やっておりますけれども、その見通しのつくまでにこの廃溶媒の貯蔵タンクをふやさなければならぬということで現在、二十立米四基を持っておりますが、それを倍増するという計画でございます。
  297. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私が安全審査のを見たのでは、二十立米二基ではなかったのですか、四基ですか。
  298. 中村康治

    中村参考人 先生御指摘のように、安全審査の当初は二基でございました。その後、二基をつけ加えました。現在持っているのは四基でございます。
  299. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 大臣、この点も注意しておいてほしいのです。安全審査の段階では廃溶媒は燃やせるということで政府側も認めておったのだと思いますね。ところが簡単には燃やせないということになってきた、結局いま、廃溶媒の増設計画に踏み切らざるを得なくなったと思うのです。  こういう点について、事業団側の計画も計画だけれども、科技庁の方はきょうは原子力委員会おいでになっていないので、委員長は長官なんで長官にお尋ねする以外にないのですが、われわれから見れば、少なくともフランスの技術を持ってきているのだから、こういう廃溶媒が燃やせるのか、燃やせないのか、あるいは燃やそうとすれば燃やす方法くらいはちゃんと承知の上で安全審査を行ったのだろうと思うのです。それが今日、だめだということになり、かつ燃やす方法がまだ見つかっていない、こういうことなんですが、こういう政府安全審査自体について長官どうお考えですか。
  300. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 どうも先ほどからお話を承っておりまして、私から見ますと非常に専門的なやりとりでございますので、十分理解し得ないところも率直に言ってありますが、先生の言われましたことをよく専門家と検討いたしまして、先生の御指摘に従わねばならぬ点はひとつ十分に従うことにいたしたい、このように考えております。
  301. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 それでは答弁にならないですね。じゃこれは答えられるとすれば科技庁の安全局長の守備範囲になるのですか。  つまり、スラッジについて言えば、事業団はもともと五年分の計画として組んでおったと言うのですが、アスファルト固化等の関係で後の答弁からすれば二年分だと言うのです。安全審査は五年分として安全審査をしたのか、二年分として安全審査をしたのか、一体どちらだったのか。また安全審査の段階で、アスファルト固化というものは安全審査の審査対象になっていたのか、なっていなかったのか、この点が二つ目。それから廃溶媒の問題については、これは当時、事業団は焼却できるものとして計画しておったと言うのです。安全審査もまた焼却できるものとしてこれは認可したのですか。この三点答えてください。
  302. 牧村信之

    ○牧村政府委員 スラッジの貯槽につきましては、申請書で二年分ということで受け付けております。それから、廃液貯槽につきましては、四年分として申請を受け付けております。
  303. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 もしスラッジの貯槽が二年分だとすれば、当然それはアスファルト固化が前提になっている、こういうことなんです。では、アスファルト固化というのは安全審査の対象になっておったのですか。この点はどうですか。
  304. 牧村信之

    ○牧村政府委員 アスファルト固化につきましてはまだその処置をするということでの変更申請は出てきておりませんし、申請当時は後の計画としては聴取をしておりますけれども、安全審査の段階では審査の対象にしておりません。
  305. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 アスファルト固化という技術が未開発のまま、いずれやっているうちに何とかなるだろうということで二年分のスラッジで認めたけれども、実際やってみたらなかなかアスファルト固化の技術開発がむずかしいので結局スラッジの増設に踏み切らざるを得なくなってきた、こういうことではないのですか。
  306. 牧村信之

    ○牧村政府委員 現段階で安全審査をやっておりますのはコンクリート固化をするというたてまえでやっておるわけでございます。ところが、その後の動燃の方の計画等からは、アスファルト固化の方が技術的にいいんだということで検討されておるというふうに聞いておりますが、その申請はまだ受けていないということでございます。
  307. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 では、事業団に聞きますが、コンクリート固化で安全審査を出したのですか。初耳ですが。
  308. 中村康治

    中村参考人 主工場の安全審査にはこの付属施設はついておりません。ちなみに申し上げますと、スラッジは二年ということで考えておりました。それから、高レベル廃液が五年、中レベル廃液が三・三年、高レベルの固体が七年、低レベルの固体が二年云々というふうに、それぞれが計画されております。  それから、第二の問題、私どもはスラッジはアスファルトで固めるというふうに最初から考えておりました。
  309. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 事業団はアスファルトで固めるという方針を最初から持っている。科技庁はコンクリートで固めるという方針でこれに臨んでいる。大体政府と事業団でこんなに方針が違って一体どうなるのですか。こういう大事な計画について、事業団、科技庁、原子力委員会、この間に一致のないまま、ある意味では見切り発車みたいになっているわけだし、また、そういう状況のままわずか二年分のスラッジ貯槽で安全審査をパスさしている、こういうような点は非常に大きな問題だろうと思うのです。  そういう点で、私が、この際、最後に長官に指摘したい点は、民間に今後再処理施設を拡大していこうというのでしょう。ところが、現在いわばテストの入り口に入ったにすぎない動燃事業団のこの再処理工場、これが運転した段階でまず装置の面でも改善をしなければならない点が多々あった。いろいろと改善はあらかじめ予測してやっていたけれども、先ほど安全局長が挙げた七点とか、それに含まれていなかった私の挙げた二点、こういうふうなトラブルはホットにならなければわからない性質のものであった。だから、こういうものは今後どんどん出てくるだろうと思うのですね。  それから、教育訓練の問題についても、現在出向者の比率が非常に高い状態でこの施設が運転されていく。こういう点では従事している人自身に非常に大きな不安を与える。こういう問題の解決がまだはっきりしていない。  それから、いまの廃棄物の処理について言えば、わずか十トン足らずのものを処理した段階で、ウランテストを含めたところでせいぜい五十トン未満のものを処理した段階で、次々と増設計画に踏み切っていかざるを得ない。燃やせると思ったものが燃やせない。あるいは燃やす方法がなかなか見つからない。また、アスファルト固化をするつもりだけれどもこの技術がまだ確立してこない。そういうことはまだ安全審査にもかけられる段階にない。にもかかわらずどんどん運転の方だけが先行する。このこと自身が現在の再処理技術の未確立を物語っていると思う。  そういう点では、私は、政府自身がもっと謙虚にこの再処理工場の現在の段階というものを見直して、それをさらに責任が持ちにくい民間に拡大するような法改正はこの際潔く撤回すべきだと思うのですね。いかがですか。
  310. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 撤回すべきだと思うがいかがかと言われますが、これはいろいろ言い分はおありでございましょうし、われわれも言い分はありますが、しかし、一つの理由としましては、これは計画をいたしましてから実際これが動き出すまでには十数年の歳月も要するわけでありますし、いろいろ未熟な点はありますが、一生懸命にそういう点を克服しまして研究開発を進めている段階でもございますので、これは撤回するつもりはございませんので、ひとつ十分また御検討の上御理解をいただきたい、このように思う次第でございます。
  311. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 法案そのものを撤回する意思はないということでありますが、しかし、現在の動燃事業団のこの再処理施設において当初予期せざる事態が次々起こってきている。また、安全審査自身の段階でも十分見通し得なかったような問題、いまのスラッジの増設問題あるいは廃溶媒の貯蔵施設の増設問題、こういうのはそれに当たると思うのですね。こういうことが起こってきたという事実はお認めになりますか。と同時に、今後この調子でいけば相当これまで未知であった分野が表面化してきて次々といろいろな改良に取り組まざるを得ない面も出てくるであろう、こういう点については大臣もお認めになりますか。その点だけお答えいただいて終わりたいと思います。
  312. 熊谷太三郎

    ○熊谷国務大臣 御指摘の点もどこまで認めていいのかわかりませんが、先ほど申しましたように私なりにいろいろ判断していることもあります。ただ、ここで、非常に技術的な問題でありますから、私がそういうことを検討しないで、いま考えたままで、認めたということも言いかねますけれども、認めないということも言いかねますので、よく検討いたしましてその点はまたお答えする機会を得たいと思っております。  それから、今後いろいろこういう点にかんがみて技術の改善なりいろんなことはすべきであるというような御意見でございますが、これは、私は、十分技術もいろんな点も研究改善をしていかねばならぬことは御意見どおりであると考えます。
  313. 牧村信之

    ○牧村政府委員 ちょっと先ほど答弁いたしました点で間違いがございますので修正させていただきます。  スラッジの貯槽に関連いたしましてどういう固化を考えておったかということで、低放射性の廃棄物の焼却灰のコンクリート固化をやっておるわけでございますが、私そちらと間違えて御答弁いたしましたが、これは将来アスファルト固化を考えておるということを前提に二年のスラッジ貯槽で審査をしておりまして、コンクリート固化を考えておったと申し上げましたが、これは誤りでございます。
  314. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 大臣は事の本質を十分理解していらっしゃらないようなので、改めて、事業団は当事者ですから最後の答弁をいただいておきたいと思うのです。  二年分のスラッジで計画が立てられたということは、少なくともその間にアスファルト固化技術についてはめどがつく、こういうことだったと思うのですね。しかしそれが、早々に増設に踏み切らざるを得ないということは、そういうアスファルト固化技術が案外困難で、当初の予定どおりには開発され得ない、そういう事態を示すもの。それからもう一つ、やはり廃溶媒についても当然焼却でやれるものと思っていたのが焼却するのが困難だ。また焼却技術がそう簡単にはめどがつかないところから、やはり増設に踏み切らざるを得なくなってきた、こういう事実は、やはり事業団なら認めていらっしゃると思うのですね。この点と、そういう点からいっても、やはりこういう日本で全く最初、世界的にいってもまだ未知の分野である再処理工場の今後の運転等についてはよほど慎重な上にも慎重を期す、やはり研究心旺盛に十分研究を積み重ねて次の段階に進んでいく、こういうことが必要だろうと思うのですね。そういう点についての事業団側の考えを聞いて、今度は終わります。
  315. 中村康治

    中村参考人 アスファルトの技術がまだ確立してないのではないかという御質問でございますが、私どもは固化については一応確立に近い状態だというふうに判断しております。ヨーロッパで連合体が処理をする施設ももうすでにでき上がって試運転を開始しております。その間の情報は十分取り入れているつもりでございます。  それから、廃溶媒の焼却について思わざる経験をいたしましたと、率直に先ほど申し上げましたが、その対策として中和剤と一緒に燃やすということも試験研究を進めておりまして、ある程度めどは立っておりますけれども、それで全部処理ができるというまでいま確信を持って申し上げられる段階までは行っておりません。     〔貝沼委員長代理退席、委員長着席〕  それから最後に御指摘いただきました、これはむしろ御激励だというふうに受け取りましたが、私どもは始めての経験でありまして、この大事な問題をやるについて、単に決まったものをやっているというような了見はございません。まさにわれわれは旺盛な研究心を持って取り組んでいかなければいかぬとつくづく考えております。
  316. 岡本富夫

    岡本委員長 次回は、来たる十七日水曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開催することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時四十二分散会