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1978-03-02 第84回国会 衆議院 予算委員会第二分科会 4号 公式Web版

  1. 昭和五十三年三月二日(木曜日)     午前十時一分開議  出席分科員    主査 正示啓次郎君       片岡 清一君    渡部 恒三君       井上 一成君    大原  亨君       清水  勇君    横路 孝弘君       古寺  宏君    中川 嘉美君       二見 伸明君    大内 啓伍君    兼務 新村 勝雄君 兼務 竹内  猛君    兼務 大橋 敏雄君 兼務 田中 昭二君    兼務 工藤  晃君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 村山 達雄君  出席政府委員         大蔵大臣官房会         計課長     村上 哲朗君         大蔵大臣官房日         本専売公社監理         官       大槻 章雄君         大蔵大臣官房審         議官      米里  恕君         大蔵大臣官房審         議官      福田 幸弘君         大蔵省主計局次         長       山口 光秀君         大蔵省理財局長 田中  敬君         大蔵省理財局次         長       川崎 昭典君         大蔵省銀行局長 徳田 博美君         国税庁長官   磯邊 律男君         国税庁直税部長 水口  昭君  分科員外の出席者         法務省民事局参         事官      青山 正明君         厚生省年金局企         画課長     山本 純男君         農林大臣官房審         議官      小島 和義君         農林大臣官房企         画室長     佐竹 五六君         郵政省郵務局施         設課長     正幡 浩久君         自治省税務局固         定資産税課長  吉住 俊彦君         日本専売公社総         裁       泉 美之松君         日本専売公社原         料本部部長   竹山 賢治君     ――――――――――――― 分科員の異動 三月二日  辞任         補欠選任   藤田 高敏君     大原  亨君   横路 孝弘君     井上 一成君   二見 伸明君     中川 嘉美君   寺前  巖君     荒木  宏君 同日  辞任         補欠選任   井上 一成君     横路 孝弘君   大原  亨君     伊藤  茂君   中川 嘉美君     古寺  宏君   荒木  宏君     安田 純治君 同日  辞任         補欠選任   伊藤  茂君     清水  勇君   古寺  宏君     二見 伸明君   安田 純治君     寺前  巖君 同日  辞任         補欠選任   清水  勇君     藤田 高敏君 同日  第一分科員工藤晃君、第三分科員新村勝雄君、  竹内猛君、第五分科員大橋敏雄君及び田中昭二  君が本分科兼務となった。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和五十三年度一般会計予算  昭和五十三年度特別会計予算  昭和五十三年度政府関係機関予算(大蔵省所  管)      ――――◇―――――
  2. 正示啓次郎

    ○正示主査 これより予算委員会第二分科会を開会いたします。  昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算中大蔵省所管について質疑を行います。  質疑の申し出がありますので順次これを許します。井上一成君。
  3. 井上一成

    ○井上(一)分科員 まず、過日報道がなされておりました郵便貯金の脱税に対するおとり捜査の概要、中身、そしてその結果について、まず大臣からお答えをいただきたいと思うわけであります。     〔主査退席、片岡主査代理着席〕
  4. 磯邊律男

    ○磯邊政府委員 まず最初に、私もあの新聞を見まして、実は意外に感じたわけでございますけれども、おとり捜査という言葉を使っておりますが、このとおり捜査という言葉がどういう意味で使われたのか、私も全く理解に苦しむところであります。(「ああいうのをおとり捜査と言うんだよ」と呼ぶ者あり)言いません。全く言いません。ですから、まずその言葉が非常に不思議に感じたわけでありますけれども、ああいったことについては私たちまだ具体的な報告を聞いておりませんし、また、もちろん私、国税当局の方でそういった事実を発表したということを聞いておりませんけれども、ただ、あの新聞を見まして、いままで私たちが承知しておるいろいろな不正計算の内容等とほぼ近いような数字の事例が税務当局の調査でわかっておるということは申せるかと思います。
  5. 井上一成

    ○井上(一)分科員 新聞報道でありますので、私どもといたしましても十分その中身を報告をいただいて、国税当局が、いま表現をいたしましたおとり捜査というか、そういう形の中でやられるということは非常に好ましくないことだと思います。さらにこの問題については機会を改めますし、国税当局も十分実態を把握していただけるように特に要望しておきます。  さて、私は、不況の中で国家財源を確保するために第一線で、膨大な事務量の中で奮闘をしている国税職員の待遇の問題について若干の質問をいたします。  七十五、七十七通常国会の衆参大蔵委員会においては、附帯決議の中で、国税職員について処遇の改善あるいは定数の増加等を十分配慮すべきであるという決議がなされておるわけであります。その後、一定の改善は見られるわけでありますけれども、まだまだ不十分である、こういうように私は受けとめております。このことについて国税庁長官はどのようにお考えでいらっしゃるのか、まず長官の方からお答えをいただきたいと思います。
  6. 磯邊律男

    ○磯邊政府委員 私は、国税庁長官としまして、この職員の処遇改善を図るということ、これは私の最大の責務の一つだと自覚しておるわけであります。そういった意味におきまして、国会で税務職員の処遇の改善を図るべきであるということの附帯決議をいただいたことは、大変光栄に、また心強く存じておる次第でございます。  基本的に申しまして、税務職員の処遇につきましては、税務の仕事というものがきわめて重要かつ複雑困難な仕事であることは御承知のとおりでございますが、そういった複雑困難かつ重要な仕事の責務を担っております職員にふさわしい処遇の改善を図るべく、従来から私も懸命の努力をさしていただいております。とりわけ税務の職場は中高年層職員の数が他の職場に比較いたしましても多い職場であるわけでありますけれども、こういった中高年層職員の長年の労苦と重責にこたえるとともに、そういった職員の士気を高く保ちながら引き続き税務行政の中核を担ってもらうために、特に昭和五十年度からは、中高年層の豊富な知識と深い経験を生かすにふさわしい高いポストの新増設と既存のポストの上位等級への切り上げなどを図ってまいっております。ただ、これをもって十分だとは私たち決して思っておりませんけれども、今後におきまして、税務俸給表の改善等を通じまして中高年層職員の処遇改善に努めるとともに、税務職員全般の処遇の改善、士気の高揚を図っていく、そういうことに努めてまいりたいと考えております。
  7. 井上一成

    ○井上(一)分科員 昭和二十三年当時は特に二五%の税務特別手当が支給されていたわけでありますけれども、これが年々低下いたしまして、ここ四年間ぐらい、四十七年を底にいたしまして若干の改善がなされつつあるわけでありますが、それも非常に微々たるものであるわけであります。税務業務の現状はきわめて困難の度を増している今日、納税人口の増大あるいは取引の大型化あるいは複雑多様化による事務量の増大、また悪質な脱税等、非常に国税職員の事務量というものは増大の一途をたどっておるわけであります。国家財政確立の重要な位置にある国税職員の俸給表を早急に改善をすべきだと私は考えるわけであります。具体的には、いまも申し上げましたように、水準差を昭和三十二年のレベル、この年は十三・三%でありますが、当面はこの十三・三%に引き上げる考えを持っていらっしゃるかどうか。重ねてお伺いをいたします。
  8. 磯邊律男

    ○磯邊政府委員 ただいま井上先生の御質問で、特に税務の職場の実態というものを深く御理解いただいた上で職員の処遇の問題について御指摘いただきまして、大変私としても心強くまた光栄に存じている次第であります。  御承知のように、現在税務職俸給表と一般行政職の俸給表との間にはいわゆる水準差があるわけでありまして、これは御指摘のように昭和三十二年当時の一二・三%に比べまして、現在は五十二年度の人事院勧告の結果一〇・三二%というふうに、その当時と比較いたしましては下がっておることは御指摘のとおりであります。しかし五十二年度の勧告において見ましても、税務職俸給表の平均引き上げ率というものは行政職俸給表(一)表の平均引き上げ率を上回っておりまして、その水準差は、五十一年度一〇・二九でありましたのが五十二年度には一〇・三二というふうに、わずかではありますけれども、さらに水準差が拡大しておるところであります。私たち、これをもって決して満足すべき水準差とは思いませんけれども、少なくとも人事院当局におきまして、税務の職場というものの重要、困難性ということを御理解の上にこの水準差の拡大が行われたと思って感謝しておるところでありますけれども、さらに今後とも私たちはこの水準差の拡大に人事院に対してお願いをし、処遇の一層の改善を図っていきたいと考えておるわけであります。
  9. 井上一成

    ○井上(一)分科員 私は、さらに行政職の(二)表の俸給表適用者は標準職務表による格づけが厳しく、上位等級への昇格は非常に困難である。各等級とも昇給間差額が非常に少なく、全体として低賃金である、あるいは税務の職務を支え、その遂行を可能ならしめるいわば縁の下の力持ちである、そういう職場で十分な職責を果たしているのだ、そういう点を考慮すべきであるという考え方に立ち、税務の職場に働く行政職(二)表の俸給表の適用者に一定の調整手当を、当面は少なくとも四%ぐらいの調整手当を制度として導入してこれを実施すべきだと思うわけでありますけれども、この点について長官はいかがお考えでしょうか。
  10. 磯邊律男

    ○磯邊政府委員 先生御指摘のとおり、行(二)職員の処遇の改善問題、私もこの点については十分に努力してまいりたいと考えておるわけであります。特に税務職場におきましての行(二)職員は一般の行(二)職員と若干違いまして、単に行(二)職員としての仕事だけではなくて、それ以上にいろいろと税務の円滑な執行のために縁の下の力持ちとなって幅広い仕事をしてもらっておるということは御指摘のとおりであります。この点、私どもも人事院に対しまして、税務の職場における行(二)職員の職場環境の特異性、それからまた配置上の特異性ということにかんがみまして、従来から、先生いま御指摘いただきました調整額を適用するように要望しておるところでございます。まだ遺憾ながらその調整額を適用するということには至っておりませんけれども、今後私たちは引き続き努力を重ねていく考えでございます。
  11. 井上一成

    ○井上(一)分科員 このような著しい昇任、昇格の立ちおくれは国税職員の士気の低下をもたらす、私はこういうふうに思うわけであります。この点について大蔵大臣の御所見を承りたいと思います。
  12. 村山達雄

    ○村山国務大臣 ただいま委員から非常に御理解あるお話をいただきまして本当に感謝にたえないところでございます。  考えてみますと、昭和二十二年にいまの一般申告制度がしかれまして、あのときに税務職員が急膨張いたしたのでございます。私たちがちょうどまだ現役におったときでございますが、その人たちが、まあ言ってみますと、いまやようやくちょうど中堅の課長クラスに来ておりまして、そこが非常に詰まっているわけでございます。人事院には人事院の一つの考えがあろうかとも思うのでございますけれども、現実問題といたしまして、あれだけ困難な仕事をやっておる税務職員、しかもそれが定員の関係、いまの職階制度の関係でどうしても適当なポストが得られない。その結果として仕事に値する格づけなりあるいは俸給が与えられないということは大蔵大臣といたしましてはきわめて残念に思っておるわけでございます。ただいま井上委員から力強いまた御理解のある御発言をいただきまして、今後国税庁長官にも督励いたしましてこの処遇改善のために万全の措置をやりたい、かように決意している次第でございます。
  13. 井上一成

    ○井上(一)分科員 いま大臣からお答えがあったように、人生のすべてを税務にささげるのだというかたい決意のもとに努力していらっしゃる国税の職場に働くいわゆる四十歳以上の中高年層職員は、職員の構成比率から見ますと、約五二%の二万五千人にも及ぶわけであります。これは戦後の国家財政の確立のために、平年度ベースの二十年間分に相当する人員がわずか三年余りの短期間に採用されたためだと、いまも大臣もそういう御認識、そういう実情については十分御認識をいただいているわけです。そして多くの職員が調査官に据え置かれたままである。これは全く昇任、昇給の著しい立ちおくれではないでしょうかということであります。そういう点について改善すべきであり、また改善する意思がおありなのかどうか、それから、どうしていったら改善できるのであろうか、具体的には税務の特別専門職を四千名程度増員をしなければならないと思うのですが、その点についてはどういうふうにお考えなのか、あるいは増員の計画をお持ちでいらっしゃるのか、また特別専門職は税務職の俸給表の特三等級以上の等級に格づけをすべきであると思うのでありますが、この点についてもどのようにお考えでいらっしゃるのか、長官の方からお答えをいただきたいと思います。
  14. 磯邊律男

    ○磯邊政府委員 お答えいたします。  先ほど私もお答えいたしましたように、こういった中高年層職員の豊富な知識と深い経験を生かすために、税務署の課長級以上のポストの新増設を図ってまいりました。これは私たちのところのいわゆる税務の特三等級以上に格づけの可能なポストであります。特に国税関係の専門官、これは特別国税調査官あるいは徴収官という名前でありますけれども、その専門官の最高ポストである税務署の特別国税調査官あるいは徴収官につきましては、昭和四十九年度からその新増設を図ってまいりました。現在では相当な数が累積されてきておるわけでございます。さらにまた、ただいま御審議をいただいております五十三年度の予算におきましても大幅な増設を予定しておるところでございます。こういったことを通じまして、ポスト面について見ますと相当程度の処遇改善がなされてきておるわけでありまして、具体的な数字で申しますと、先ほど申しました行三等級以上の格づけ可能なポストというのは、昭和四十九年度の末で見ますと全国で六千八百二十三あったわけでございますけれども、ただいま御審議いただいております五十三年度予算が成立いたしましたならば、その後におきましてはこの数が一万五百五十二人になりまして、その三年間あるいは四年間におきましてのたとえばポスト数というのが三千七百二十九、四十九年当時に比較いたしまして約五割増しということになるわけであります。それからさらに税務署の特別国税調査官あるいは徴収官のポストでありますけれども、これは昭和四十九年度におきましては五名でございましたのが、五十三年度ではこれが千五百三十二のポストを予定しておるわけでございます。こういったことで累績から見ますとかなりの改善を見たと思うわけでありますけれども、今後とも私たちはこういった処遇の改善につきましてさらに一層の努力を重ねていきたいと考えております。
  15. 井上一成

    ○井上(一)分科員 重ねて大臣にお伺いをいたしたいわけでありますけれども、いままさに不況の中で、あるいは多様化する社会の中で膨大な税務の事務量を的確に処理をしていくためにもぜひ人員の増員が必要である、またその職務に見合ってそれにふさわしい処遇をすべきである、当然のことではあるわけなんですけれども、それがなされていらっしゃらないということで、特に今後の取り組みとして十分な手だてをするお考えをお持ちでいらっしゃるのかお聞きをいたします。
  16. 村山達雄

    ○村山国務大臣 重ねて御理解のある定員増員についても御発言いただきまして本当にありがとうございます。  ことしは国税庁長官が大いにがんばってくれまして七十一名の増員が予定されておるわけでございますが、これだけではなかなかいまの困難な多忙なかつ複雑な仕事を円滑に執行するにはまだ不十分だと思うのでございまして、定員法の中で、しかも計画的削減をやっておる中ではありますけれども、やはり人員の適正配分という点から考えまして、この上とも増員につきまして極力努力してまいりたい、かように思っておるところでございます。
  17. 井上一成

    ○井上(一)分科員 次に、私は、中小零細企業の税負担、とりわけ勤労性事業所得者に対する税負担の軽減について具体的に当局の方で政策をお持ちなのかどうかお伺いをいたします。
  18. 村山達雄

    ○村山国務大臣 御案内のように、中小企業につきましては法人団体あるいは個人事業といろいろあるわけでございます。個人につきましては、御案内のように、青色申告制度がございますし、また青色申告をとれない人については専従者控除をやっている。そしていま日本は課税最低限が世界で一番高いわけでございますので、まずまずのところにいっているのじゃなかろうかと思うのでございます。一方、中小法人の事業所得者でございますけれども、これも井上委員も御高承のことと思いますけれども、年所得七百万円以下の者につきましては二八という軽減税率を使っておるわけでございます。このような中小法人に対する軽減税率を使っておる国はいまアメリカと英国がございますけれども、七百万円という水準は恐らく問題にならないほど日本が高いわけでございまして、現在のところはわれわれはできるだけの配慮をいたしておるわけでございます。  また、租税特別措置におきましても、もう御案内のように、貸し倒れ準備金の中小法人の特例あるいは中小企業につきましては、取得する機械についてはその機械の種類を問わず全部初年度償却を実施している、こういうふうな国はほかにはないと思っておるのでありますが、この上とも中小企業の育成、日本では中小企業割合が世界で一番高いというわが国の特性にかんがみまして、今後とも留意を怠らないつもりでいきたいと思っております。
  19. 井上一成

    ○井上(一)分科員 ただでさえ不況で苦しむきょうこのごろの経済界であるわけであります。私は、わが党が中小零細企業の税負担の軽減措置として政府に要求いたしております。個人事業税は廃止していく、廃止されるまでの間は事業税にも事業主報酬制度の適用を認めてはどうか、あるいは白色事業専従者に対しては、帳簿による所得が立証される白色申告者に対しては控除制度から完全給与制を実施したらどうか、あるいは事業用資産の相続税については事業継続の範囲内で延納制度を設けたらどうなんだろう、あるいは中小零細企業に対して法人税の納税について不況期においては一定の特別延納措置を認めていくべきである、さらに資本金一億円以上の法人には欠損金の繰り戻しによる還付金は認めない、そういう政策を打ち出しておるわけでありまして、この機会にこれらの施策について当局はどうお考えなのか、お聞きをしたいと思います。
  20. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いま井上委員の御質問は非常に広範多岐にわたる問題でございまして、いずれも政府に設けられました税制調査会において、すでに検討されている問題もございますし、またこれから検討すべき問題も多々あると思うのでございます。  また、いまおっしゃった中で現行法の運用によって賄えるところもかなりあるように思うのでございますので、いまの御発言を頭の中に置きまして今後税制調査会で鋭意検討してもらうつもりでございます。
  21. 井上一成

    ○井上(一)分科員 中小零細企業者が十分納得のいけるように、そして事業を継続できるように特段の配慮を強く要望して、私の質問を終えます。
  22. 片岡清一

    ○片岡主査代理 次は大原亨君。
  23. 大原亨

    ○大原(亨)分科員 私は二つの点について質問いたします。一つは公定歩合引き下げと年金積立金の運用利子の関係、もう一つは、これは時間の関係もありますからずばり質問するのですが、政府が考えておる一般消費税、それから、最近御承知のように社会保障制度審議会が答申いたしました年金税、これについての考え方、こういう二つの点について質問いたします。  その第一は、公定歩合引き下げの時期が近づいておるといういろいろな報道があるわけですが、大蔵大臣は、近く公定歩合を引き下げる、そういう考え方があるのかどうか、お尋ねいたします。
  24. 村山達雄

    ○村山国務大臣 公定歩合の問題につきましては日銀総裁の所管にかかるわけでございますので、私から申し上げることはいかがかと思いますが、あえて個人的見解でもというお尋ねでありますれば、いまの資金事情から申しまして果たして適当な時期であるかどうか、やや疑問があるわけでございます。これから七%の経済成長を目標にいたしまして経済の運営が行われるわけでございますが、いま大きな政策手段として残っているものとしては、公定歩合の引き下げというのは大きな手段ではなかろうかと個人的には考えるわけでございます。したがって、その発動の時期あるいはタイミング、あるいは他の政策と総合してやるのかどうか、こういった点が非常に問題であろうと思うのでございます。  現在の資金事情も御承知のように非常に緩和基調でございますし、金利そのものは史上最低と言っていいぐらい下がっておるところでございます。それから考えまするに、恐らく、公定歩合を下げるということは貸出金利をさらに下げるということでございましょうけれども、その場合には、いまの金融機関の預貸の方の金利差から申しますと、多くの金融機関は、現行の預金利率をこのままにしておきますと、それだけでは恐らく赤字が出てくるというのが大部分であろうと思うのでございます。したがいまして、公定歩合の引き下げによる貸出金利の低下を予測してやるときには定期預金の引き下げが恐らく連動するのじゃないか、かように思っておるわけでございますので、そういった意味で、いま適当かどうか。消費者物価は大分下がっておりますけれども、世間一般に言われるように、目減り論があるわけでございます。金融機関はちょうど中間に立ちまして、貯蓄者と資金調達者、事業会社でございますけれども、そこの関係を調節しているわけでございますので、いまにわかに預金金利を引き下げて、そして貸出金利を下げるために公定歩合を引き下げ、それにもし預金金利が連動するといたしますと、家計部門の採算が事業部門の採算に移るという結果になるわけでございますので、いま適当な時期であるかどうか、私にはやや疑問が残っておるわけでございます。
  25. 大原亨

    ○大原(亨)分科員 いまの御答弁のとおりに、公定歩合引き下げをいたしますと、連動いたしまして家計から企業体に対しまして資金が移っていく、こういうことになります。したがって個人消費支出にはやはり大きな影響があるわけで、逆に言うならば、景気を後退させる、個人消費支出を抑制する、こういう面が出てくると思うのです。  その議論は別といたしまして、いままでの公定歩合の引き下げと、それから御承知の年金の積立金に対する運用利回りの引き下げはおおむね連動いたしておる、こういうふうに理解しております。たとえば先般、昭和五十二年の四月に公定歩合の五%を、五十二年九月四・二五%に引き下げをいたしましたときに、やはり年金の積立金については〇・二五%の運用利回りを引き下げている、こういうことですね。やはり今度公定歩合引き下げについては、いま大臣は個人的な見解として適当な時期ではないだろうと言われたわけですが、しかし、土壇場でどう変わるかわからぬわけで、打つ手がなくなると破れかぶれやるということになるかもしれない。公定歩合を下げた場合には一緒に年金の積立金の運用利回りを引き下げるのか、そういう方針で大蔵省は各省との話し合いを進めるのか、そういう方針であるかどうかをお聞きいたします。
  26. 田中敬

    ○田中(敬)政府委員 先生にもお渡ししました資料をごらんいただきますとわかりますとおりに、公定歩合それから郵便貯金金利、資金運用部資金への預託金利、この三つが傾向としては連動していることは事実でございます。しかしながら、過去四、五年の趨勢を見てみますと、公定歩合が一番高いのは九%、それが現在四・二五%で、その間に四・七五%の開きが起きております。郵便貯金が一番高いのが八%で、この期間二・五%の下げで五・五、これは公定歩合が四・七五下がったのに郵貯は二・五しか下がっておらない。それと同時に、今度は資金運用部への預託金利も最高が八であったものが現行六・五で、一・五しか下がっておらない。ですから、下がりぐあいにつきましては、私どもは、たとえば郵便貯金の金利の硬直性という問題も一方にございますけれども、資金運用部への預託金利につきましては、資金運用部へ預託されております金の六七%は郵便貯金でございますので、郵便貯金特別会計の赤字を生じてはならないという観点が一つありますと同時に、お預かりしている金の二七、八%は厚生年金、年金関係のお金でございます。年金関係につきましては、年金へ加入しておられる方の年金の掛金の負担を軽くするためには当然年金の運用利回りを高くしなければならないという要請がありますので、これら郵貯の特別会計の収支あるいは年金加入者の利益の両面を考えて、運用部の預託金利は考えていかなければならないと思います。現に六・五に下がっておりますけれども、八%時代あるいは七%時代がございまして、現在、厚生年金からお預かりしております総額が約十六兆円を超えておりますけれども、これの平均運用利回りは現段階におきまして、五十三年一月末では七・一八六になっておりまして、厚生省が試算をされました、五十一年度から五十五年度までは予定利回りを六・五にするという試算の数字がかつてつくられたことがございますけれども、それを現在大幅に上回っております。  今後につきましても、御指摘のようなことは十分頭に入れて考えていきたいと思いますが、これで預託金利をこれ以上下げないというお約束はいたしかねますが、そういう事情は十分勘案した上で決定してまいりたいと考えております。
  27. 大原亨

    ○大原(亨)分科員 いま国民年金にいたしましても、あるいは共済年金にいたしましても、厚生年金は若干積立金があるわけですけれども、財政問題で完全に行き詰まっておるわけです。パンク状況ですね。  そこで、共済の関係は、比較的資金の自主運営をやっているわけで、信託等もやっておりまして平均利回りが高い。しかし、厚生年金は、やはり庶民の金で、郵便貯金と同じような立場で議論することが一つ。  しかし、厚生年金の積立金はもう一つ独自性がある。というのは、厚生年金は、われわれは反対でありますけれども、現在、日本の制度では積立方式というのをとっておる。これは外国にも珍しいわけです。積立方式はインフレに対応できない、そういうことが一番大きな欠陥です。したがって、狂乱物価時代からの比較をずっといたしてみますと、何兆円の金が目減りをいたしておるわけです。そういたしますと、積立方式、二十年、三十年、四十年というふうな長期の資金計画のもとに、個人の金にいたしましても、積立方式で保険料を取っているという観点からいたしますと、この厚生年金の積立金を公定歩合に連動させるという考え方は間違いである。逆にむしろ利子補給をもいたしまして、そして物価が上がる以上に、最低物価プラスアフルァ、運用利回り、そういうものを想定しながら運用していくということが前提でないと、積立方式の原則は崩れる。これは外国の例でも全部そうです。ですから、大蔵省が握って、財政投融資で一本に運用しておるのはあたかも合理的なように見えるけれども、年金制度から言うならば、これは積立金の運用というものが年金の改善を妨げる、こういうことになって、年金全体のバランスがとれない、あるいは年金の改善ができない、足かせになる。だから、厚生年金の積立金を全部完全に離して自主的に運用すべきである。これは経営者が出した半分の金にいたしましても、永遠に経営者には、企業には返っていかないわけですから、労働者、被用者の福祉に使われるということがはっきりいたしておるわけでありますから、そういうふうに制度的にもぴしっとすることが大切である。したがって、公定歩合と連動して、長期的には連動しているわけですが、運用利回りを下げるという考え方はやめてもらいたい、やめるべきである、こう私は考えますが、いかがでございましょう。
  28. 田中敬

    ○田中(敬)政府委員 国が関与しております年金にいたしましても、あるいは一般の生命保険やその他にいたしましても、おのずからその保険会計における運用利回りというものは、そのときどきの経済情勢、金融情勢に応じて運用利回りが決まってくる問題でございます。そういう意味におきまして、先生の御指摘の御趣旨はよくわかりますけれども、一般的に金利が低下するという際には、いろいろ年金の官民格差等言われておりますけれども、総体とすればいずれも運用利回りは下がる、あるいは金利が上昇局面にあるときはいずれの運用利回りも上がっていくという、その大勢は阻止できないのだろうと思います。  厚生年金が積立金を一括運用部に預託をしておるということが、厚生年金の現在の積立方式において、その運用益を、期待益を失うということから、一つのガンであるという御指摘でございますが、この点につきましては、国家資金と申しますか、そういう資金を統一運用するというメリットの方に着目いたしまして、私どもといたしましてはこれの分離運用というものは考えられないと思っております。  ただ、分離運用か考えられないだけに、先生の御指摘の運用利回りの確保という点については十分配慮してまいりたいと存じまして、その配慮のあらわれと申しますのが、最初に申し上げましたように、公定歩合、郵便貯金が相当の金利の幅で下がっても、預託金利というものの引き下げを抑制してきて、十分配慮を図ってきたという過去の実績に照らして、私ども今後の将来も見守っていたたきたい、かような気持ちでございます。
  29. 大原亨

    ○大原(亨)分科員 大蔵大臣は余り細かいから知っておられぬと思うのですが、個人の保険料の予定利回りは何%ですか。-厚生省、知っていますか。というのは、こういうことです。一人一人が保険料を掛けるでしょう。そうして、積立方式でしたらその利子を計算するわけです。利子を計算して転がしていくわけです。そうして、自分が払った保険料と年金の給付との関係をやっていくのが積立方式でしょう。そうすると利子があるはずです。予定された計算上の利子があるはずです。それを予定利回りと、こう言うのです。運用利回りとは違って、予定利回り、こう言いますね。これを知っていますか。
  30. 田中敬

    ○田中(敬)政府委員 お答えすることが正確なお答えであるかどうかは確信が持てませんが、厚生省で出されました年金の収支見通しによります利回りの計算につきましては、予定利回りは、五十一年度から五十五年度六・五%、五十六年度から六十年度まで六・二%、六十一年度以降六・〇%と仮定して計算した、こういうふうな収支試算表はいただいております。
  31. 大原亨

    ○大原(亨)分科員 積立金がインフレで目減りをする、そうして積立方式自体の基礎が崩れる、それで個人個人の保険料に対する予定利回りも低い、こういうことになれば積立方式は成立しないから、単年度計算とか三年計算とかという賦課方式というふうな、いわゆる修正賦課方式、そういうものをやらなければやはり年金の計画は立たない、こういうのが実際上の事実であるけれども、日本の年金はそういうことをやらないで、そしてまあ大体のところでやっているわけです。ですから、言うなれば場当たりです。したがって、年金財政が全体として危機に陥っているということです。個人個人の予定利回りを運用利回りの七・一%に一致させるということをいたしますと、これはずいぶん違うのですよ。給付が違ってくるわけです。大違いになるのです。  だから、そういう年金の仕組みについて、大蔵省がそういう財政金融上の一般的な原則だけでこの問題を扱うということは私は間違いであると思うから、私は、これは議論する時間がありませんけれども、公定歩合を引き下げることについては、個人としてなおかつ慎重を期する、こういう考えです。しかし、公定歩合を引き下げるという問題が、七%の成長ができぬだろうから、倒産が三月危機あるいは七月危機が来るかもしれない、円高不況がもう一回来るかもしれない、そういうときには苦しまぎれに、やはり公定歩合を引き下げていくと一緒に年金の積立金の運用利回りも下げる、こういうことになるのではないか、しかし、その際にはその点を十分配慮をして、ここで、できるならば、そういうことは一切連動させませんという答弁をいただきたいけれども、十分考えてやるということについて御見解を伺っておきます。
  32. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いま大原委員からいろいろとお話がございました。先ほど理財局長からお話しいたしましたように、できるだけ高利回りでいくように配意しているところでございますが、今後とも、大原委員の御指摘の点も踏まえまして、その点を十分に考えてまいりたいと思っております。
  33. 大原亨

    ○大原(亨)分科員 時間も限られておりますが、大蔵大臣、一般消費税は昭和五十四年度は大蔵省はやるつもりですか。
  34. 村山達雄

    ○村山国務大臣 これは目下政府の税制調査会で鋭意検討をしているところでございまして、大分詰まってまいりまして、とにかく政府でもって具体案をつくってみろ、そうしてそれを世間に公表することによって国民的な論議を、どういうコンセンサスが得られるか、それを見た上で実施するかどうかを決めるべきである、こういう御答申をいただいておりますので、一遍、案をつくりまして、そうして世論に問うてみたらどうかといま考えておるところでございます。
  35. 大原亨

    ○大原(亨)分科員 その前に不公平税制の是正ということがあるわけです。問題となりました大蔵省の資料を見てみましても、日本の租税、所得税は低い。保険料の掛金をプラスいたしますと低いということですね。しかし、よく言われておるように、貯金と三つ合わせますと大体ヨーロッパ並みだ、こういうふうに言われておる。貯蓄率は一番高い。貯蓄の動機というのは、病気とか、あるいは住宅とか教育とかローン、こういうようなものですから、やはり社会保障をよくするために所得の再配分、富の再配分が必要である、公平税制も必要である、こういう議論に私はなると思うのですね。これはいろいろ議論があったようですが、私は時間の関係で簡単にはしょって言うわけですね。  そこで、やはり中期的な財政計画を立てる際には二つの方法があって、いま政府がやっているように調整インフレ政策がある。いまインフレでないと言うかもしらぬが、調整インフレ。二十兆円ほど公債を出しておるのですから、これがちょっとでも景気がよくなれば、資金が足らなくなれば、日本銀行券を一万円札を印刷しなければならぬような仕組みになるから、これはインフレ気構えです。明らかに。それはまあ議論は別においておきましょう。  そこで、大インフレをやるか、一般消費税をやるかということですね。それしかないということではないですか。これは議論があるでしょうがね。そこで、最近、社会保障制度審議会が年金税の構想を、目的税として年金税を取って、そしてこれを基本年金に充てる、そういうことで国民年金や共済その他、近くは厚生年金もそうなるだろう、だんだんとそうなりつつあるから。そういうものに対する年金の基礎を固めて、好不況にかかわらず、経済変動にかかわらず、しっかりした年金の基礎をやっていくという構想を一つ出したわけです。  年金税と一般消費税を対比してみていろいろ議論があるわけですけれども、私はそういう保険料の取り方、税金の取り方、あるいは制度の組み立て方で絶対にこれがいいというふうなものは、なかなかむずかしい。しかし、どれを選ぶかという議論はやはりある程度多面的にしていくことは、国会議員としては非常に必要であるということで、私は重要な関心を持っているわけです。一般消費税と年金税を対比して、年金税の構想について、これは国民所得の根っこで所得型の付加価値税と言われているように、そこで企業や自治体が払うということになります。分配以前の問題ですね。消費型の付加価値税に対しましてその所得型の付加価値税ですが、そういう年金税の構想について大蔵大臣は検討されたことがあるかどうか、あるいは大蔵省として、あるいは大蔵大臣としてどういうこれに対する意見を持っておられるか、これをお聞きいたします。
  36. 村山達雄

    ○村山国務大臣 社会保障制度審議会ですか、基礎年金の考え方、いまの年金制度を抜本的に改正して基礎年金制度を打ち立てるという話は聞いているわけでございます。しかし、この問題は非常にむずかしい問題だろうと思いまして、政府といたしましては、厚生省を中心に将来の年金制度のあり方の抜本的な改正をお願いいたしておるところでございます。  一方、消費税の問題は、御承知のように、現在の租税負担が一般的に大体先進国の三分の二というところにある、しかも消費税負担は一般的に申しますれば三分の一だというくらい低いところでございますので、租税体系として一般消費税というものを導入することがどうか、こういう見地でいま検討されておるわけでございます。  仮定の話でございますけれども、仮に一般消費税が何らかの形で導入されたときに、それを特定財源、たとえばいまの基礎年金の財源にするのかどうかという問題でございます。もちろん、一般財源にいたしましても、それは当然、現行のもとにおきましても国庫補助を年金についてはやっているわけでございますから、やはり考えてみますればその一般消費税の一部はそこに回されたと考えられると思うのでございますが、それを特定財源にするかどうかという問題、これはやはり消費税全体の構想を出した中で、国民的に一体どういう反響があるのか、あるいはそれはいま言ったように年金に、いわゆる特定財源にすべきであるという議論になるのかどうか。一方、地方財政においては、そういう場合にはこれを交付税の対象にすべきである、こういう議論もあるわけでございます。それらもろもろの問題が絡んでおりますので、今後国民的な反応を見まして、そして最も適切な措置を考えてもらいたいという、私がいま考えておりますところはその程度のものでございます。
  37. 大原亨

    ○大原(亨)分科員 お答えで、こういうことがはっきりしたわけです。社会保障制度審議会が内閣総理大臣に建議をいたしました年金税の構想については、ほとんど大蔵大臣の頭の中にない、頭のすみっこの方にもない、こういうふうに私は思っておりますが、そう理解してよろしいですか。
  38. 村山達雄

    ○村山国務大臣 お言葉でございますが、すみっこにもないというわけではございませんので、いろんな組み合わせの中で考えるべき問題であろう、こう思っておるのでございます。
  39. 大原亨

    ○大原(亨)分科員 一般消費税の一番大きな欠陥は、それは皆さんの方で言えば長所だというのですが、消費者にすぐ転嫁する、転嫁できる。しかし、それは人頭割である。そういうことにおいてすぐ物価に反映する。インフレの状況のもとにおいて、特にいま調整インフレ政策を客観的にはとっておると思うのですが、そういうもとにおいては、一般消費税をやると、下方硬直のいまの状況の中で物価をつり上げる。そういうことで、つまり税金というのはやはり政治の一つの中心、かなめであって、所得の公平な再配分を通じて国民生活を安定させるという機能を発揮しなければならぬ。そういう面から言うならば、生産の根っこである国民所得、賃金とか利潤、利子やあるいは賃貸料等の総額に対して一定率を課するというふうな、分配以前の企業負担において目的税を取っていく、あるいは税金を取っていくということが公平の原則ではないかという議論があるわけです。ですから、これはいろいろ、いまの限られた議論では尽きないわけですけれども、私は最後に質問したいのは、やはり一般消費税は、いまの状況においては非常にむずかしいだけでなしに、流通段階が非常に多岐にわたっている日本は、一方で言えばこれは雇用を抱えておるわけですけれども、この日本において一般消費税をやるならば、これは消費者にすぐ転嫁されて物価の上昇をあおることになるのではないか。そういう面において、一般消費税はやはり根本的に考え直す必要があるのではないか。大蔵省は非常にそれに固執して議論しているようですが、そういう点について、最後にひとつ大蔵大臣の見解を聞きたい。
  40. 村山達雄

    ○村山国務大臣 確かに、いま大原委員がおっしゃいましたように、一般消費税は消費者に転嫁を予定しているわけでございますので、その創設のときに一回限り消費者物価を上げるであろう、こう思うのでございます。     〔片岡主査代理退席、主査着席〕 したがって、その時期等については十分物価動向にも配意しなければならぬことは当然でございます。  所得配分についてはどういうふうになるかという問題でございますけれども、これは消費税の組み立て方いかんによるわけでございまして、現に、いまの物品税でございますと、大体所得に比例して消費税がかかっているような傾向にございます。これはもちろん、それぞれ特殊な物品だけを取り上げているわけでございます。したがって、その消費税、一般消費税と申しましても、どのような組み立て方をするか、これによってかなり所得再配分に及ぼす影響が違ってくるだろうと私は思っておるのでございます。  それから、租税体系全体としてどうかという観点、これが私は一番大事だと思うのでございますが、御承知のように、日本の直間比率は七割が直接税でございまして、三割がその他の流通税、間接税であるわけでございます。アメリカは御承知のように八十何%というものが直接税でございます。しかし、大体の国を見ますと、フィフティ・フィフティーというところ、あるいはラテン系統の方では逆に三割が直接税で七割が間接税その他である、こういうことでございますので、私は、租税体系全体として見ますときには、所得再配分機能は日本は世界の中で非常に高い租税体系を持っておると思うのでございます。ですから、一つの消費税の問題ももちろんございますけれども、全体としての租税体系をどのように仕組んでいくのか、その観点からもこの所得再配分の問題は考慮してまいらなければならぬと思うのでございます。しかし、いずれにいたしましても物価が上がることだけは、これは一回限りでございますけれども確かでございますので、十分その点は留意してまいりたいと思います。
  41. 大原亨

    ○大原(亨)分科員 これは序論の序論ですけれども、また別の機会に私は議論します。  あなたは社会保障制度審議会が答申しておる年金税、所得型の付加価値税と言われていますけれども、勉強していないじゃないですか、大蔵大臣。やはり一般消費税だけを念頭に置いて、そしてあらゆる機会にこれだけだというような議論はだめですよ。それだけ申し上げておきます。  以上です。
  42. 正示啓次郎

    ○正示主査 続いて、大橋敏雄君。
  43. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 最近の新聞報道でございますが、「サラ金に泣く大学生」「学生証一枚で 三万円から十万円 日歩三十銭」「学校で借りなさい見かねた近畿大“自腹”」というような大きな見出しで報道されておるわけでございます。  このサラ金問題は、サラリーマンあるいは主婦等にいろいろな悲劇をもたらし、大きな社会問題になってきているわけでございますが、この原因を尋ねてまいりますと、一口に言えば出資法第五条の制限いっぱいいっぱいの、いわゆる日歩三十銭の制限いっぱいいっぱいの高利で貸し付けること、それから複利計算で倍々ゲーム的にふくれ上がっていくこと、そういうことで、借りた方が身動きがとれなくなるということであろうかと思うのでございます。逆に申し上げますと、サラ金の悪徳業者のつけ目になっておるのが利息制限法の第一条第二項にあるのではないか。だから日歩二十八銭だとかなんだとかという高利が取れるものと思うわけでございます。ですから、私はこの利息制限法の第一条第二項がやはり問題だなということでいろいろ調べてみましたところが、もうすでに最高裁の判決が出ているのですね。これは非常に重要な判決だと思うのです。「利息制限法の最高利率を超えて支払われた部分は、任意性のいかんをとわず利息として無効」である、こうあるわけですね。ですから、結局、これを読んでいきますと、任意性のいかんを問わず利息として無効であるということです。したがいまして、元本に振り充てられた残りは借り手に返還しなければならないのだぞという結論であろうかと思います。したがいまして、この第一条二項さえなければ、サラ金業者が現在のような高利で貸し付け、そして倍々ゲームのうま味を吸うことはなくなっていくのではないか。社会問題も減少していくのではないかと考えるわけでございますが、初めに法務省の方、来ていらっしゃると思いますが、この点の見解をお伺いしてみたいと思います。
  44. 青山正明

    ○青山説明員 利息制限法の第一条は、第一項におきまして、そこに定めてあります利率を越える利息の契約は、超過部分につき無効であるというふうに規定しております。この無効という意味が完全な普通の意味における無効であるといたしますと、超過部分を支払ってもそれは不当利得ということになりまして、借り主は貸し主からその返還を請求することができるはずでございます。ところが、いま御指摘の一条の二項におきまして、任意に支払った場合にはその返還を請求することができないというふうに規定しておりますので、この一項における無効という意味が絶対的な無効ということではなくて、支払いをしてしまった場合にはもはや返還を請求することができないというようにも解釈できるわけでございます。実際、利息制限法が制定された当時の立法関係者の解説等を読みますと、立法関係者はそのように理解していたようにうかがわれるのでございます。しかしながら、御指摘の最高裁判所の判例によりますと、一条一項に定めてあります利率を超えて利息を支払った場合に元本があれば当然にその超過部分が元本の支払いに充当される、そのようにして充当が行われていきまして、元本が計算上完済になった後にも超過利息が任意に支払われたということになりますと、これは不当利得ということで借り主は貸し主からその返還を請求することができるというように、最高裁判所の大法廷の判決で解釈が示されておりまして、この解釈はすでに確定した判例となっているわけでございます。  そういった意味におきまして、一条二項が現在ある利息制限法の解釈といたしまして、最高裁判所がそのように言っておるわけでございますので、利息制限法一条二項かあっても債務者としては超過部分の支払いを拒むことができるわけでございますし、また超過部分の支払いが不当利得になればその返還も請求することができる、かような関係になっておるのでございます。
  45. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 一条二項は、「債務者は、前項の超過部分を任意に支払ったときは、同項の規定にかかわらず、その返還を請求することができない。」こうあるのですね。そこで、実は昭和五十二年の三月十八日の予算委員会で、香川政府委員、法務省の方だと思うのですが、その方がこういうふうに言っていますね。「つまり、一条二項は、知った上で払った場合には返還請求ができない、だから知らないで払えば不当利得の返還請求はできるのだ、かような判断を示しておるわけでございます。」こう言っております。だけれども、最高裁の判決は、知ろうと知るまいこということになりますね。知ろうと知るまいと、任意性のいかんを問わず利息としては無効ですぞ、だから超過部分は元本に繰り入れなさい、余った分は返さなければならないのですよ、こうなっているわけですから、私はこれは非常に矛盾を感ずるところだと思うのです。ですから、いまサラ金の被害を受けているような立場を何としても救済しようと思うならば、この点、第二項を何とか手直しした方がいいのではないか、このように考えるのですが、いかがですか。
  46. 青山正明

    ○青山説明員 利息制限法に関します最高裁判所の判例に出てまいりますケースは、利息制限法に違反していることを重々承知しておりまして、無効であるということを承知した上で払ったというケースではなくて、契約をしたのであるから支払い義務があるということで超過部分を支払ったケースのようにうかがわれるのでございます。御指摘の最高裁判所の判例、多数ございますが、たとえば昭和四十三年十一月の最高裁判所の大法廷判決におきましても、任意にその超過部分を支払った場合にはその返還を請求することができる、元本完済後は超過部分の返還請求ができるということを言っているのでございます。民法七百五条という規定におきましても、債務がないのにそれを知りながら支払いをした場合には返還を請求することができないという規定がございまして、それとの関係におきましても、債務がない、つまり利息制限法の規定を重々承知しながら、支払い義務がないということを承知しながら支払った場合でもなおかつ返還を請求することができるというふうに最高裁判所が言っておるかどうかについては、これは問題があるように思うわけであります。ただ、先ほど御指摘のように、一項で無効としながら、二項で任意に支払った場合には返還請求することはできないという規定のもとにおきまして、最高裁判所が一定の場合に返還を請求することができるという解釈を示しておるわけでございまして、利息制限法の文言と最高裁判所の解釈との間には必ずしも符合しない点があると思いますので、そういう意味におきまして、この最高裁判所の判例を踏まえまして、今後この一条二項を削除するかどうかということにつきまして私どもとしても検討してまいりたい、かように考えております。
  47. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 ぜひこれは検討して削除の方向でいっていただきたい。というのは、やはり同じ香川政府委員さんが「やはり二項は、かような利息制限法超過の貸し付けが現実に存在する、つまり、それだけのいわば必要悪的に需要があるという現実を踏まえての一つの妥協的な立法というふうに言われております。」こう答えております。というのは、いわゆる高い利子を払ってなおかつ自分の方が利益があると見通した人が、それを承知の上で借りる場合には必要な条項であるということだと思うのです。私、これは理解できる。しかし、私がいま言わんとするのは、サラ金から借りるような人は、そのお金を借りてさらに利益を生み出すような立場の人ではないわけですね。ですから、サラ金問題を解決するためにはこれは重要な検討課題である。いま検討するとおっしゃいましたので、そのことは終わりたいと思います。  そこで、法律上ちょっとおかしいなと思うことがもう一つありますので、この際、法務省の方が来ていらっしゃるのでお尋ねしておきますか、公益法人がその法的資格をなくした場合、その後において従来の看板を掲げても差し支えないのかどうかということをちょっとお尋ねしてみたいと思うのです。
  48. 青山正明

    ○青山説明員 民法には、公益法人でないものが公益法人であるという名称を使うとかあるいは看板を掲げることを特に禁止した規定は設けておりません。
  49. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 財団法人は公益法人であるわけでございますが、あの有名な財団法人天下一家の会は、かつて五十二年十二月八日に法人登記を職権抹消されておるわけですね。ですから、もう財団法人ではないわけでございますが、いまなお財団法人天下一家の会という看板を堂々と掲げておりますね。そうしますと、いまの民法の立場で言えばこれはどうしようもないわけですね。逆に言えば、何でもないものが財団法人何々、こう掲げても差し支えないということになるのですか。
  50. 青山正明

    ○青山説明員 財団法人でないものが財団法人という名前を使うことがいいということにはならないわけでございまして、民法には、それを禁止しあるいはそれに違反した場合にそれに罰則を加えるというような規定は確かにございませんけれども、一般に誤認、混同を生じさせるような名称を使うということは好ましくないことであろうと考えます。
  51. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 要するに、いまの民法上からいけば財団法人のその問題は手がつけられない。事実いま、財団法人天下一家の会の看板が掲げてあるわけですね。おろせというわけにもいかぬわけでしょう。法的にはどうしようもないわけでしょう。これは私は不備だと思うのです。これはやはり検討すべきものじゃないですか。
  52. 青山正明

    ○青山説明員 財団法人でないものが財団法人の名前を使うというケースがそれほど世間にあるのかどうかという問題もございますし、また、そのような財団法人でないものが財団法人という名前を使うことによって一般公衆が非常に迷惑を受けるというケースがしばしばあるかどうかという
  53. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 天下一家の会というのは、大変迷惑をこうむっておる人がいるのです。それがそのまま続いておるから言うのですよ。法の改正等も含めた前向きの検討の必要はないかと聞いておるのです。
  54. 青山正明

    ○青山説明員 そのような一般公衆が迷惑を受けるというようなケースがあるとすれば、これはやはり検討すべきものだと思いますので、今後十分検討させていただきたいと思います。
  55. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 最初からそうおっしゃれば、こんなに長く言わなくたって済んだわけです。ここが問題なんです。  では、またサラ金に変わりますけれども、利息制限法の第一条第二項の問題が、先ほど言われたように必要悪的需要者の一部のためには必要であるということですけれども、サラリーマンや、先ほど言った御婦人、学生などはこの対象ではないわけですね。いまの法体系の上からいくと、必要悪的な需要者がいるために必要な条文ということになれば、やはり小口金融のためには別建てで何か法律を仕立ててその問題を解決し救済していかねばならぬ、こう私は思うわけでございます。  そこで、大蔵大臣にお尋ねをいたしますが、サラ金の実態を早急に実施なさる考えがあるかどうか、大蔵省の見解をお伺いしたいわけでございます。また、実施なさるとすればどのような項目をもって調査なさり、いつごろ実施なさるお考えか、お示し願いたいと思います。
  56. 村山達雄

    ○村山国務大臣 サラ金の問題がいま非常に重要な社会問題になりつつありまして、先ほど委員からも法務省にお問いになったところでございますが、非常に必要悪と申しますか、それに対する法律的手当てあるいは解釈の問題、こういった問題が込み入っているわけでございまして、現在ではいわゆる自由営業に属するのでございます。そういった意味で、この複雑な、そしてまた被害者が出ておるこの問題にどう対処するかということで、いま内閣の中で六省庁が連絡会議を聞きまして、急遽この対策を立てるべく鋭意努力しておるところでございます。もちろん、実態調査問題を含めましていま詰めておるところでございます。
  57. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 詰めていらっしゃるのはよくわかるのですが、いつごろその実態調査に乗り出すかという、大体のめどは考えていらっしゃいませんか。
  58. 徳田博美

    ○徳田政府委員 実態調査の問題はいま大臣から申し上げたとおりでございますけれども、この問題は一応各省庁にかかわる事項が多いわけでございますし、特に実態調査をいたしますとなると、人員、予算等の面でも各都道府県に関連する問題が多いわけでございます。したがいまして、そういう点を含めまして、いま早急に詰めを行っている段階でございまして、まだ時期についてまではこの段階で申し上げるところには至っておりません。
  59. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 それじゃ大蔵省として、サラ金問題の対策としていま一体何をやろうと考えていらっしゃるのですか。
  60. 徳田博美

    ○徳田政府委員 サラ金問題は、先生御指摘のように社会的にも非常に大きな問題でありますので、いま申し上げましたように、六省庁の連絡会議で前向きに検討しておるわけでございますが、当面大蔵省といたしましては、御承知のとおり貸金業者の自主規制の助長に関する法律がございまして、これによって各地に庶民金融業協会並びに全国の連合会ができておりますので、これの指導をいま中心に行っているわけでございます。それから、サラ金業者の問題は、単なる金融の問題だけではございませんで、暴力事犯の問題あるいは高金利事犯その他、社会秩序維持に関連する問題が非常に多いわけでございますので、先ほど言いましたように、各省庁連絡会議におきまして、それぞれの問題を取り上げまして、いま懸命に問題を詰めておるところでございます。
  61. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 自主規制法に基づく庶民金融業協会への指導を強化しているというお話でございますが、都市銀行など一般銀行で無担保消費者ローンの受け入れ体制を整備するような考えはないのですか。
  62. 徳田博美

    ○徳田政府委員 先生御指摘のとおり、この消費者金融問題は、サラ金業者を規制すると同時に、一般の民間金融機関が消費者金融に積極的に乗り出すことが非常に大事でございます。その点につきましては、御承知のとおり、最近一部の都市銀行では非常に簡易な方式による消費者金融を進めておるわけでございますし、それから、ほとんどの金融機関教育ローンという形で取り組んでおるわけでございますが、さらにこれを基本的に体制を整えるために、消費者金融についての各金融機関相互間の情報交換機構あるいは各金融機関相互間の支払い保証機構、このようなものを整備させるようにいろいろ指導しておるところでございます。
  63. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 大体消費者ローンの受け入れ体制を整備していく方向で考えておると理解してよろしいですね。
  64. 徳田博美

    ○徳田政府委員 御指摘のとおりでございます。
  65. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 時間もたってきましたのですけれども、サラリーマン金融の実態というのは、先ほど申し上げましたように昭和二十九年に制定された出資法ないしは利息制限法、そういうものでは今日のサラ金問題は想定し得なかった事態であろうと思うのです。ですから、同法では対処できないものとわれわれは考えて、わが公明党といたしましては貸金業法という法律案をもうすでに提案しているわけでございます。これをぜひ参考にしていただきたいと思います。わが党がこうしたものを提案していることは御承知でしょうか。
  66. 徳田博美

    ○徳田政府委員 それはいろいろ勉強さしていただいております。
  67. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 時間があればわが党が主張している内容を申し上げてみたいところでございますが、特にその中で「貸金業とは、いかなる名義をもってするかを問わず、金銭の貸し付けまたは金銭の貸借の媒介をする行為を業として行うものを言うのでありますが、国及び地方公共団体が行うもの、銀行等、他の法律によって定められているものは除外しております。」そのほか登録の問題だとか「大蔵大臣または都道府県知事が業務に関し指示をなし得る」というような内容のものを提案しているわけです。ひとつしっかり内容を検討していただいて、大いに取り入れてもらって、サラ金問題を解決するために特別の立法措置をしていただきたい。これは大蔵大臣にひとつお願いしてみたいと思います。
  68. 村山達雄

    ○村山国務大臣 十分検討してまいりたいと思っております。
  69. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 最後に、物品税に関してちょっとお尋ねしてみたいと思うのですけれども、木工家具ですね、いろいろな材料、たとえばナラの木だとかヒノキだとか杉だとかキリだとかを使ってでき上がるわけでございますが、総キリ製家具とナラ製家具とは、比べてみて、一般的にどちらが高級になると思われますか、ちょっとお尋ねします。
  70. 村山達雄

    ○村山国務大臣 まあ値段からいったら恐らく総ギリ製の方が高いのじゃないかと私は思うものでございます。
  71. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 正しい判断だと思います。これは林野庁の林産課で調べたのですけれども、丸太の木代金が、一立方メートル当たり平均価格は、キリが九万円から十万円だそうです。ナラの木は四万円なんですね。ですから断然キリの方が高級になるわけですが、実は私がお尋ねしたいのは、そのキリ製品の家具が免税になっておりますね、非課税になっております。これは、非課税であることはいいのですけれども、非常に不公平ではないかという立場から聞くわけです。一方のナラ製の方はばちっと課税されて、高級な方が非課税なんですね。ここはどういうわけでしょうか。
  72. 村山達雄

    ○村山国務大臣 私の記憶によりますと、何年前でしたか、四十八年ごろの改正かあるいはもうちょっと前の改正じゃないかと思っているのでございますが……
  73. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 四十一年。
  74. 村山達雄

    ○村山国務大臣 四十一年でございましたかね、あのとき議論になりましたのは、物品税の徴税手続の問題、それから中小企業対策の問題が非常にやかましくなりまして、それで、仮にかなり高級なものであっても、零細企業あるいは中小企業がつくっておる手づくりのようなもの、これに納税義務を負わせるという物品税のあり方はどういうものであろうかと、その種の議論が非常に盛んになりまして、その点で、総ギリというようなものは全体の量が非常に少ない、そしてまた中小家具屋がやっておるとか、あのときたしか碁盤とか将棋盤だとか、一つとりますとずいぶん高いものもあるわけでございますか、そういう一連の思想のもとに、中小企業対策の一環として外されたように記憶しているところでございます。
  75. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 外されたことについて私も反対はいたしませんが、公平にしていただくために、いまから私が申し上げることをよく理解していただいて、今後対策を立てていただきたいと思います。  それは、福岡県に大川市というところがあるのですが、大川家具という木工家具の生産地で有名であります。ここも、おっしゃるとおり全く中小零細企業の町なんです。最近は、大手企業の進出と木材価格の急騰で、企業基盤が根底から覆されようとしているわけです。いま申し上げましたように、昭和四十一年の物品税法の改正で、漆塗りの家具、それから総ギリ製の家具、そして業務用の食器だな等が非課税となっておりますので、このような木製の家具にかかわる物は、物品税をこの際完全撤廃をしていただきたい、こういうことなんです。完全撤廃までいかなくても、免税点を引き上げてもらいたいというのが、公平の立場から主張できると思うのですよ。この点どうでしょう、大臣。
  76. 村山達雄

    ○村山国務大臣 お話はよく承りまして検討するわけでございます。ただ、物品税は、御案内のように、ずっと物価が上がってまいりますと免税点問題がしょっちゅう起きるわけでございまして、全部に関連することは委員御承知のとおりでございます。かなりむずかしい問題でございますが、しかし十分検討してみたいと思っております。
  77. 大橋敏雄

    ○大橋分科員 最後に一言要望しておきます。さっきおっしゃったように、キリ製品と一般のナラ等の材料を比べると、キリの方がうんと高級だ。その高級の方が非課税になって、そうでない物が課税されているということは矛盾である、これだけは承知していただいて、その上でいまの私の要求に対して善処していただきたいということを強く要望いたしまして、私の質問を終わります。
  78. 正示啓次郎

    ○正示主査 午後二時再開することとし、この際、暫時休憩いたします。     午前十一時三十二分休憩      ――――◇―――――     午後二時十八分開議
  79. 片岡清一

    ○片岡主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  大蔵省所管について質疑を続行いたします。中川嘉美君。
  80. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 私は、まず東京教育大学の移転問題に関連いたしまして伺いたいと思います。  東京教育大学の本部が筑波へ移転した理由についてですけれども、大蔵省はこれをどのように聞いておられるか、まずこの点からお答えをいただきたいと思います。
  81. 川崎昭典

    ○川崎政府委員 移転の理由でございますが、筑波学園都市建設ということで田園学園都市をつくるということが最大の理由でございます。また一方、首都圏における既成市街地の過密を解消するというような目的もうたわれております。私どもが、こういう教育大学が筑波へ移転するということを具体的な理由として伺っておりますのは、当時この教育大学が学部が分散しておって、一カ所に集中したいといったような御希望もあったというふうに伺っております。
  82. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 われわれとしてもただいま御答弁の中にありましたように、いわゆる過密の解消のためということを聞いておったわけです。過密にあえぐ都心にあって、この六・九ヘクタールという土地ですけれども、これはまことに貴重な土地であるわけです。現在すでに文京区の広域避難場所に指定をされ、災害時には数万の生命を救うかけがえのない緑地である。特にこのたび文京区民が十万三百六名の署名運動を展開いたしまして、教育大跡地を緑の広場に、また建設省土木研究所跡地の問題ともあわせまして、いわゆる払い下げに対する要請書を、昨日ですけれども大蔵省理財局に提出をしておられます。この際、国はこの筑波移転に伴う東京教育大跡地を都民の健康と安全を守るためにも東京都と文京区に払い下げるような決定をされてはどうか、このように考えるわけですが、この点に関する御見解を承りたいと思います。
  83. 川崎昭典

    ○川崎政府委員 ごもっともな御要望でございまして、実は昨日私はその御陳情を受けたわけでございますけれども、御承知かと思いますが、この財産は国有財産中央審議会にかかっておりまして、基本的な利用方針をそこで決めていただくということになっております。また、国有財産中央審議会で基本方針が決まりました後は、関東地方審議会にかけて具体的に措置をしていくということになっております。したがいまして、御要望の趣旨は、そういった御希望も十分しんしゃくいたしまして御審議をお願いいたしておるわけでございますけれども、何分にも非常にいろいろの要望が出ておりますので、現段階ではまだ先の見通しを申し上げるわけにはいかないような状況でございます。
  84. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 東京都も文京区も党派を乗り越えた住民の皆さんの要望に沿った方向で考えているわけで、国は都民とか区民の要望を無視するような動きというものは決してあってはならないと私は思いますけれども、先ほど御答弁の中にあったように、こういった要望以外にほかの目的に利用したいという要望があるのかどうか。いろいろな御要望がありますといういまの御答弁ですけれども、差し支えない範囲でそういった現状、内容について御答弁をいただければと思います。
  85. 川崎昭典

    ○川崎政府委員 いろいろの御要望がございまして、それを一々申し上げるわけにもいかないかと思いますけれども、いずれも公の立場から見て特に私にするということではございませんので、調整がむずかしいということを考えておるわけでございます。
  86. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 その中で、いま規模の点に関してもかなり大きなもの、あるいはかなり具体的に進展をしているもの、こういったものがあるかと思いますが、この点はいかがでしょうか。
  87. 川崎昭典

    ○川崎政府委員 御陳情という意味で何度かお話を伺ったものがございますけれども、先ほど申し上げましたように、特別のものについて具体的に進展をしておるという状況にはございません。
  88. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 私が伺った範囲では、いわゆる講道館が政財界のメンバーを結集して精力的な動きを進めているという、これは新聞報道で、ここで御答弁いただかなくとも、私たちは一応認識しているつもりですけれども、その計画によりますと、二千坪の土地に地上十一階、宿泊屋が百二室もある非常に大きな高層ビルを建てるという方向であることを私も承知しております。しかも、建築基準法には「国民の生命、健康及び財産の保護を図り、もつて公共の福祉の増進に資すること」このようにあるわけで、広域避難場所とか公園がいわゆる日陰になってしまうということ、あるいはこの地域が第二種の住居専用地域、また第一種の文教地域といったものに指定されていることからして、宿泊施設のたくさんあるいわゆるホテル並みの建築物を建てることはどうかと私は思うわけです。本来、広域避難場所に、しかも一番入り口に近いいい場所、ここに建てることを計画していることからも、災害時の生命の安全確保が図られなくなってしまうおそれが十分あるのじゃないかと思いますし、特定のスポーツのみに有利な高層建築物が建つことは、かけがえのない住民の避難場所を中途半端にしてしまうのではないか、こういうふうにも思います。いまの御答弁の中には講道館の問題は出てまいっておりませんけれども、こういったものがもう相当具体的に進んでいるということを私たちは明確に聞いているわけです。御答弁がないこと自体、私は若干理解に苦しむわけですけれども、国はそれでもこのような建物に教育大跡地を利用させる考えがあるのかどうか、この点をお答えいただきたいと思います。
  89. 川崎昭典

    ○川崎政府委員 先ほど申し上げましたように、御陳情という意味では二、三伺っておりますけれども、そのように明確な計画をもって進展しておるという状況ではございません。
  90. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 これは高層のりっぱな建築です。もうこういう構想がかなり具体化をしているやに私どもは受けとめているわけで、単なる陳情程度にお答えがありましたけれども、その辺に若干問題があるのではないだろうかと言わざるを得ないわけです。私たちがいまここで強調したかったという点は、先ほども御答弁にありました大蔵大臣の諮問機関である国有財産中央審議会、この答申が四十七年三月に発表されたわけですけれども、それによると、国有地を民間に売却することは原則としてやめ、公園、緑地など公共用地を確保する、このように規定して国有地の公用、公共優先をうたっているわけです。これはもう十分御承知のとおりだと思いますが、そういった点からすると、どうも、私は講道館だけを言っているわけではありませんけれども、講道館について見るならば、いわゆる特定のスポーツのみに限る団体であるということから、より民間に近い団体と見るべきではないだろうか、このように思うわけであります。この点についてどのような御見解を持っておられるか、御答弁をいただきます。
  91. 川崎昭典

    ○川崎政府委員 先生御指摘のとおりでございまして、国有地は公用、公共用に優先的に充てるということに現在方針を決めております。  そこで、公用、公共用とはどういう意味かということになりますが、民間の団体であれば公用、公共用ということに絶対にできないというようなものでもございませんで、たとえば公益事業というようなものがございまして、民間団体でも公用、公共用の用にできる場合もある。したがいまして、何が公用、公共用かということは、具体的に判断をしていく問題であろうかというふうに考えております。
  92. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 公益事業というような言葉もここで出てきているわけで、この点についての詰めは、いまここでやれる十分な時間はありませんけれども、これは当然別途行わなければならない大変重要な問題が出てきたのではないかと思いますが、この公用、公共優先の原則にのっとった点からも東京都と文京区に払い下げるのを優先すべきではないか。  御存じのように都の要請書の中に、取得理由を「都市施設用地をはじめ公共用地の取得は極めて困難な状況にある。都市施設の再検討・都市再開発等も含めて都などが直面する公害・災害などから住民の生活を守り、健康で文化的な都市づくりに活用する」このように挙げてあるわけです。区側の使用目的によると「近隣公園・総合体育館・運動場・文化センター・災害対策用備蓄倉庫の用地」と定められているわけで、公用、公共優先に一番沿ったものであると私は思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
  93. 川崎昭典

    ○川崎政府委員 おっしゃいましたような点、確かに公用、公共用に非常に適した御要望であろうかと考えます。そういう意味で、防災空間といいますか、それを広く取るということは非常に結構でございますけれども、一方で、広い空き地ができましてもそこへ行く道路がないといったようないろんな問題もございますので、どうしてもそういった広場を取って防災空地をつくる、それに関連の施設をつくるということとあわせて都市再開発といったようなことも検討しなければならないのではないか。いろいろな意味で空地は確保したいけれども、施設を絶対に排除するということもできないという状況ではないかと考えております。
  94. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 先ほど来の御答弁で、現実にいわゆる要請とか請願とかいう形でいろいろなところから受けているけれども、どうもそれほど具体的なものではないし、またそれに対して具体化しているものも余りないというふうに聞こえるわけです。先ほど来私が申し述べているように、あくまでも公用、公共優先ということを中心とした御決定をいただくようにこの際ひとつ強力に要望をしておきたいと思います。  次に、三分割有償方式ですね、地方公共団体と、国さらには政府関係機関、それから保留地、こういった三分割有償方式として持つという考え方を教育大跡地にも適用されるのじゃないかなという、地元民の中にこういう心配をする方もあるようですけれども、こういった三分割有償方式というものは適用されるのかどうかといった角度からもいまお聞きしておきたいのですが、この点はどうでしょう。
  95. 川崎昭典

    ○川崎政府委員 御指摘の三分割という方針は返還財産に関して出されております方針でございまして、返還財産と申しますと、この筑波移転跡地よりも一段と規模の大きい、非常に広いものでございます。したがいまして、筑波移転跡地には三分割という原則は考えておらないわけでございます。
  96. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 そうすると、考えておられないということを踏まえて、あくまでも先ほど来私が申し述べている公用、公共優先ということをさらに推進をしていただきたいと思います。こういったいままでの趣旨を踏まえて、文京区民を災害から守るということがまずやはり大事じゃないだろうか。それから健康で文化的な都市づくりという立場からもこれは当然優先されなくてはいけない、こういうことで、より速やかに東京都または文京区にこの教育大の跡地が払い下げ決定になるように今後とも鋭意努力されんことを強く要望いたすわけですが、この点ちょっと大臣の方から、どのようなお取り組みをなさるおつもりか一言お答えをいただきたいと思います。
  97. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いま中川委員から段々お話を聞いておりまして、やはり公共性の高いものにできるだけ充当するということが従来の方針のようでございますので、その点中央審議会においても、いまおっしゃった点をも踏まえまして十分検討してもらうつもりでございます。
  98. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 次に、筑波学園都市建設に伴う建設省土木研究所跡地について伺いたいと思います。  この跡地は文京区が取得または利用できるように、こういった要請書が昭和四十七年六月七日以来、四十八年、四十九年、五十年、このように再三にわたって出されていると思いますが、いまだにこの明確なお答えをいただいていない、こういう現状です。私も四十九年の、たしか二月、住民の代表の方々と大蔵省の理財局に要請に参ったわけですけれども、いつごろ回答を出されるのか、現況を含めて御報告いただきたいと思います。
  99. 川崎昭典

    ○川崎政府委員 御承知のとおり、筑波移転の計画が石油ショック等の事情もございまして、若干延びたことがございます。したがいまして、この土木研究所も移転が当初は五十年度とされておりましたが、現在では五十三年度というふうになっております。したがいまして、移転が完了した時点ではこの処理方針が基本的には明らかになっておりますように、そしてまた具体的にどうするかということもその後引き続いて処理できますようにということで現在検討中でございます。
  100. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 御存じのように、土木研究所跡地は、隣接する昭和小学校、これはよく御存じだと思いますが、これが校地拡張として強く要望してきたものである。昭和小学校の場合校庭そのものは八百五十平方メートルで非常に狭い校庭であるということ、学級数二十四、生徒数九百四十五名ですかち児童一人当たり一平方メートルない、こういう非常に狭い、いわば一平方メートルにも満たないという表現が当たるわけです。これは文部省の校庭設置の指導からすれば、二十四学級で一万二百平方メートルということになるわけですけれども、これから比べると十分の一にも満たない現状であるわけです。これでは、学校側とかPTAとかあるいは生徒が、こんなに校庭が狭くては健康上重大な支障を来すのだということで憂えているのは私も当然のことと思います。いままでも再三再四こういったことに関する署名とかあるいは請願等も繰り返してきたわけですけれども、このような立場からも、ここで最後に私、一つお伺いしておきたいのですが、大蔵省から建設省の土木研究所に対しても早く移転するように働きかけていただいて、速やかにこの昭和小学校に払い下げられるように大臣の方からも各方面に対してひとつ強力に働きかけていただきたい、このように思うわけですが、御答弁をいただきたいと思います。
  101. 川崎昭典

    ○川崎政府委員 御要望の趣旨は前々から大蔵省としても十分伺っておりますので、文部省とも相談いたしまして、現段階ではまだ、跡地の問題をこうするというふうに具体的に申し上げるわけにはまいりませんけれども、御要望の趣旨をよく踏まえて検討してまいりたいと考えておるわけでございます。
  102. 中川嘉美

    ○中川(嘉)分科員 現段階で申し上げられないというお答えも理解できないわけではないのですが、これは四十七年からたびたび行われてきているわけで、一歩も進展していないように思えてならないわけですけれども、昭和小学校に払い下げるという願望といいますか、これを何とか生かすように、これは私の最後の御質問ですが、この際大臣の御答弁をいただいて、終わりたい、このように思います。
  103. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いまの中川委員の御要望は十分承っておりました。善処したいと思っております。
  104. 片岡清一

    ○片岡主査代理 次は、竹内猛君。
  105. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 私は、米の生産調整を中心として、農林予算の中で特に二千百十二億という問題を軸にして質問をしていきたいと思います。  本問題はすでに予算委員会の本委員会でも、あるいは農林水産委員会でもかなり議論したことでありますが、なおはっきりしない面がたくさんあります。そこできょうは大蔵大臣にまず第一に、今日まで米の生産調整について、特に昭和四十五年から五十二年までの間米の生産調整、水田総合利用、稲作の転換、このために総額で一兆一千二百九十三億円を投じてきたにもかかわらず、米は五十二年の末では三百二十万トンの過剰、さらに生産力においては四十五年に千二百五十二万トンのものが、五十三年の末には千三百四十万トンの生産量があるであろう。ちっとも減っておらない。なお、水田面積に至っても、四十五年に二百八十三万ヘクタールあったものが五十一年には二百七十四万ヘクタールと、十万ヘクタールほどは減ったけれども、それは主として条件の悪いところであって、水田に適したところは依然として残っている。こんなに金を投じながら、目的を達しなかったというその理由について、大臣はどう考えられるか。
  106. 山口光秀

    ○山口(光)政府委員 米の需給を均衡させながら農産物の総合的な自給力の向上を図ってまいりますために、従来から水田総合利用対策等の稲作転換のための対策のほか、各種の対策を講じてきております。これまで稲作転換のための対策も、ほぼ計画どおり達成され、米の需給均衡もおおむね達成されてきておったわけでございますけれども、しかしながら、最近に至りまして、お米につきましては稲作志向の強まりと、他方におきまして需要の減退という現象が出てまいりまして、過剰の度合いが一段と強まってきたために、今回米の需給均衡化対策を強化することといたしたものであります。
  107. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 五十二年までの生産調整というか、これはかなり農家に自主性を持たせ、転換調整というようなものもあった。しかし、これからやろうとしている、五十三年から実施する、三年間あるいは十年間というそれは、いま議論しているように罰則であるかないかということは別にしても、事実上、農家から見れば、これは罰則と受け取らざるを得ないようなことになっている。このことはいずれまた、予算委員会に預かりがあるから問題は出すにしても、私はそういうふうに現段階では理解をします。  そこで、計画においては三年間、そして五十三年度の中で転換の予算というのは二千百十二億、それは端数がありますけれども、計画は三年で、ことしだけ単年度予算という、これはどういうことですか。来年も二千百十二億出すというのか、それとも来年はこれをもっとふやすのか、減らすのか、これはどうなんですか。
  108. 小島和義

    ○小島説明員 今回の第一期三年間の転作奨励金の水準あるいはその転作の目標、これは大体固定して考えるというつもりでございます。ただ、予算の額につきましては、予算積算上の内訳もございますので、全く同額ということになるかはいまのところ明確にはいたしかねますが、個々の単価のようなものは大体踏襲するという考え方でございます。
  109. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 それではお尋ねをしますが、二千百十二億円というものの予算をつくった積算の基礎はどういうことになっているのか。何をどういうふうにつくって、どのように積み上げて、この二千百十二億というものができ上がったのか、その点についてやや詳しく説明をしてもらいたい。
  110. 小島和義

    ○小島説明員 まず、二千百十二億の大きな内訳でございますが、水田利用再編奨励補助金、実際農家に配られますところの奨励金でありますが、これが千九百六十六億円でございます。端数は省略いたしております。それから、転作促進対策特別事業費、これが百二十億円でございます。ほかに都道府県、市町村等の指導推進額が二十六億円ございまして、合計いたしまして二千百十二億円ということに相なっておるわけでございます。  そこで一千九百六十六億円の内訳でございますが、これは今回の奨励金につきまして、単価を十アール平均五万五千円の口と、その他のものは四万円、こう大別してございますので、五万五千円の口につきましては、これは特定作物及び永年性の作物ということで、三十九万一千ヘクタールのうち約十四万二千ヘクタールというものは五万五千円口、それから残りの面積が四万円口、その中には土地改良の通年施行でございますとか、あるいは管理計画、こういうものは全部四万円口として織り込んでいるわけでございます。そのほかに、転作いたしましたものについては、地域ぐるみの転作につきまして計画加算というものを考えておりますが、これは初年度のことでもありますので、作物が乗っかりました転作地の二分の一程度ということを織り込みまして積算をいたしております。
  111. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 その千九百六十六億円の中身の中で、いま話があったように、若干の分類はできているようですが、なお、農林省が指導しているような、これは大蔵省も認めたと思うのですが、戦略作物として飼料作物、大豆、麦その他等々についての大筋の目標があるはずなのです。これはなければうそなんだ。六十年の長期展望とつながっていなければおかしい。しかも、十三地域の生産地域別の指標というものがある。これとも関連をするはずだ。そうしなければおかしいわけだが、これはどういうふうになっているのか。
  112. 小島和義

    ○小島説明員 御承知のように、今回の第一期の目標期間は五十三年度から五十五年度まででございますが、農林省のいわゆる長期見通し、これは六十年度を見通したものでございます。したがいまして、その六十年見通しの中間的な年度別の計画というものをわれわれ持っておるわけでございませんので、方向としては長期見通しの方向に沿ったものにする、こういう必要がございましょうが、長期見通しのどの段階の数字に完全にマッチする、こういうふうな中身のものではございません。もちろん、こういう計画を立てるに当たりまして、事務的な段階でいろいろ作物別の内訳というものを検討してみた経過がございます。最終的に決まりましたものとしては、作物別の内訳というものは決定していない、こういうふうに御理解いただければ幸いでございます。
  113. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 これはぜひ検討してもらいたいわけですね。四十万ヘクタール、百七十万トンというものを去年の米の価格で換算をすると、これは昨年の農林水産委員会で食糧庁長官の答えの中にもあるように、五千百億円になると言っている。その五千百億円と、いまから転作をするものの中で、それは奨励金も入るでしょう。去年は八百九十二億ですか、その奨励金が出ていた。今度はそれが千九百六十六億、それに諸般のものを入れても二千億ちょっと超したぐらいのことになるでしょうからね。そういうものを加えてみたところで、その転作の中身がはっきりしなければ、農家自体は、五千百億円を上回るのか下回るのかという目標が決まらなければ、これはどうにもしようがないじゃないですか。だから、それはどうなりますか。それを上回る自信があるのか、それともだめだということになるのか、この辺の計算は、農林省はしているはずだね。どうですか。
  114. 小島和義

    ○小島説明員 先ほども申し上げましたように、作物別の詳しい内訳はつくっておりませんものですから、きわめてラウンドの計算になるわけでございますが、私どもの考えをかいつまんで申し上げます。  昨年の秋の段階におきまして食糧庁長官が、百七十万トンの米は全体で幾らになるかというお尋ねがございまして、とっさに、トン三十万として計算して五千百億、こういうお答えをいたしてございますが、これはあくまでアバウトの数字でございまして、正確に計算いたしますならば、現在の政府買い入れ価格はトン当たり二十八万七千二百円であります。これに百七十万トンを乗じますと、四千八百八十二億円というのが正しい計算になるわけでございます。これはもちろん米の生産額でございますから、これを稲作所得ということに見てまいりますと、所得率を六五%といたしまして約三千二百億円という金額になります。これがもし米がつくられたとしたならば農家が得たであろう所得ということになるわけでありますが、一方転作奨励金が千九百六十六億、約二千億ございますので、この差は千二百億円相当、これを他の作物の所得でカバーしなければならない、こういうことになるわけでございます。千二百億円を十アール当たりに換算いたしますと約三万円ぐらいになりますが、転作物の中で一番収益性が低いと言われております大豆や麦をとりましても、生産費調査等から見ますと十アール当たり二万五千円程度の所得が出ておるもののように見受けられますので、ほかに野菜その他収益性の高いものもございますので、全体で千二百億円程度の所得は転作物でカバーできるのではないか、こういうふうに推算をしておるわけでございます。
  115. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 私のところは茨城県ですが、茨城県の場合には、これは農業改良普及所が指導している中で、大麦の場合には四百キロの場合に所得は一万九千三百三十一円、ビール麦が二万九千五百九十二円、ソバが一万九千七百六十五円、こういうぐあいになっている。いずれもいまの説明から見ると下回っている。これは現地で指導しているのですよ。だから、いま言われたような形のものが、面積として三十九万一千ヘクタールの到り当てをことしはしましたね。その中のどれぐらいにどういうものが転作できるのかというものは大蔵省でも積算をしているはずだ。これがなかったらおかしいじゃないですか、二千百十二億というのが出てくるはずはない。これは出しにくいかもしれない、出しにくいかもしれないが、時間もないからそれを一々出せとも言えないけれども、ないはずはないと思うのですよ。これは本当におかしいですよ。予算をつくるのにどういうものをどこへどれだけつくる、たとえば一般作物を何ぼで、その中には野菜とかあるいは麦、大豆、大豆以外のもの、飼料作物、それからどうしてもだめだということで農協の管理田というものを予想しているはずだ。これがないはずはない。そうでなかったら計算ができないでしょう。これはいずれその書類は出してもらわなければ、われわれもこれはちょっと説明しにくい話なんです。農林委員会でおまえ何をしたのだと言われたときに、いや、それは農林省も大蔵省も出さなかった、そんなことで黙っていられるか、こうなったときに、そういうわけにいかない。座長の片岡先生は農林水産委員会の理事だからよく聞いていてもらって、いずれこの問題については別な場所で話をしなければならない。  時間もありませんから次にいきますが、そこで問題は管理転作というものの面積をどれぐらいに見ているのか、どういう予想をされているのか。平均四万円、私の茨城県では生産力が低いから三万八千円だ、これはどのぐらいの面積を想定されているのか、これもわからないということになったとしたら、これはおかしいですね。大体わかっているはずなんです。
  116. 小島和義

    ○小島説明員 これは今回の約三十九万ヘクタールのうち、作物が何らかのかっこうで乗っかるものというものを大体三分の二ぐらい、こう見まして、管理転作に回るものは全体の中の三分の一ぐらい、こういうふうに一応見ておりまして、管理転作については十三万三千ヘクタール、こういうふうに見ております。
  117. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 十三万三千ヘクタールというと、前の調整のときの最高が二十八万のあれがありましたね。あのときのことから見て大体その程度と考えられると思うのですが、そこで今度は、問題はこの管理転作に三万八千円なり四万円を出すというわけですね。そこでそれをいつも物がっくれるような状況にするために耕起する、あるいは除草剤をやる、この費用というものを考えて、その所有者なり管理者には幾らの手取りが残る、どういうような手だてを考えているのか、そうしてそれは何が基準でこの三万八千円なり四万円というものを出したのか、これは大蔵省も一緒にやっているはずだから、どっちからでもいいから答えてもらいたい。
  118. 小島和義

    ○小島説明員 まず四万円をどういうことで出したのかということでございますが、これは従来の旧生産調整の時代におきまして、寄託休耕という仕組みがございまして、この場合の奨励金、当時三万五千円でございましたが、これが普通の転作の奨励金水準と見合いであったというふうなこと、さらには管理転作に土地を提供する農家の稲作所得、これは一般的に言って生産力の余り高くない農家層、こう思われますので、そういう者の稲作所得、そういったものなどを勘案いたしまして、一般の転作奨励金の四万円と水準を合わせて四万円ということにいたしたわけでございます。農家の実手取りは、御指摘のようにこの中から管理費が差し引かれる、こういうことになるわけでございますが、その管理の中身というのは、実はその水田の置かれております場所の地域条件気象条件などによりましてなかなか一律にはまいりません。また作業料金などを考えてみましても、地域によりまして非常に大きな差があるように思われます。そこで具体的にどの程度の管理をするかということは、もちろんいつでも転作に振り向けられる良好な状態に管理するというのが基本でございますが、除草を何遍やるかとか、耕起をどの程度やるかというふうな具体的な中身につきましては、それぞれの管理主体である農協にお任せする、こういう考え方でございます。  ただ実際問題といたしましては、そうは申しましても、どの程度のものが妥当かということについて、農協サイドも何らかの指針が欲しい、こういう要望がございますので、農協中央会あたりで一応の目安を定めまして下部の指導に当たっております。それによりますと七千円から一万二、三千円ぐらい、いろいろタイプを分けまして指導しておるようでございます。
  119. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 その中で、物をつくらないでただ管理だけすると言われるような土地はどのくらいあると考えられますか。それはわかりませんか。
  120. 小島和義

    ○小島説明員 これはあくまで予算の積算でございますから、それまでは必ず休耕しなければならぬという意味では決してございませんで、あくまで積算上の見込みでございますが、先ほど申し上げました十三万三千ヘクタールのうち、初年度でございますから、これは二年間は休耕状態が許されるということになると、十一万ぐらいは休耕状態であると考えております。
  121. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 これは大蔵大臣に質問します。  前回の生産調整のときにも休耕というもので金を出しました。今度も休耕が起こる、休耕とは言わないけれども、管理をして、それに植えつけをしなくても最低四万円なり三万八千円出る、こういう国民の税金が。これは農政の前回の失敗とあえて言わしてもらいますが、その結果、土地に物をつくるというのが大体土地の使命だ、それを休耕をしてそれに金を出すということぐらいむだなことはない、しかしそれも財政上の問題で、そこに米をつくらせればより金がかかるから、その比重からしてみればそれはやむを得ないのだ、こういう説明になるかもしれませんが、外国からはその他の食糧はたくさん輸入する、米だけは余っているからそれを抑えて休耕させるという、こういうむだなことに対して大蔵大臣一体どう思いますか。これはやむを得ないと思うのですが、それとも何とかしなければならぬと思いますが、この辺どうですか。
  122. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いまお話を承っておりまして、いわゆる農協による管理というのは、それは休耕のための管理ではなくて、やがてはやはり転作を目的にしておる一時的な管理ではないかと思うのでございます。したがいまして、その点は従来の休耕補償金のようなものとは根本的に性質が違うのではないかと私は思っておるのでございます。  それから、外国から食糧を入れているという問題でございますけれども、現在の各穀物の種類別の自給度から見ますと、そうかといって、いまの国民の食糧の消費を急に切りかえるということもまたいかがなものであろうか、こういう実際的見地に立って、やはり食糧の輸入も行われているのではないか。やかて今度の転作の施策か成功いたしますならば、おのずからその輸入量も変化してくるということであろうと思うのでございます。
  123. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 大臣のお言葉だけれども、四十五年から五十何年までやったあの問題について、一兆何千億という金を使って、依然として米の過剰傾向というものを抑えることができなかった。農家は喜んで他の物に転作をしなかった。だからそれは甘い考え方だと私は思うのですね。農業問題というのは、基本的にはこれは財政問題だと思うのですよ。だから本当に米から他の物に転作を求めるのであれば、もっと財政を思い切ってそこに投資して、思い切って転作をさせていかなければ、中途半端なことをしておったらいつまでたってもこれはだめだと思う。  そこで、国の予算を見た場合に三十四兆二千九百五十億円、その中の農林予算が三兆五百六十七億。これは八・九%ですね。去年は九・二%ありました。その前が一〇・二、そして昭和四十八年ごろには一二・何%かという、毎年毎年一年たつごとに農林予算の国の一般予算に占める比率が減ってくる。それはなるほど生産者米価を抑えて消費者米価を上げるから食管の方はだんだん縮まってくるけれども、それがなるほど土地改良の方に大幅に回りました、こういうふうに話をされますが、農林予算全体から見たらやはりこのように減っているわけだ。そして一方において、今度は米から別な物に転作しろと言っても農家がこれを承知しない。これはやはりペナルティーではないと言うけれども、結局応じなければ限度数量を考えますよ、あるいはまた地域におけるところの土地改良についても手心を加える、こういうようなことで、実際、いま農家は、言ってみればそれで恐れているわけだ。恐怖心を持っていますね。それで町村長から部落長まで動員して、上から来たから仕方がない、やれ、官尊民卑、上で決まったものにやむを得ず従う、こういうことでは農家はいけないと思うのですね。実際米をつくっている者は、新潟だから御存じだと思いますが、ササニシキやコシヒカリをつくれば、これは一反歩で十七万から二十一万の収入がある。それをいまの奨励金で最高の奨励金七万円をもらって、たとえば麦を五俵つくっても十二、三万にしかならない。これでは所得が減ることはわかっているじゃないですか。そういうときに喜んで転作をする者はないと思うのですね。  そこで、私はこの際、ここで何としても財政問題について思い切って一つの提案をしてみたいと思うのです。これはぜひ農林省も大蔵省も十分に研究をしてもらいたいと思うのです。われわれも米の過剰の問題については心配をしているのです。だからそれをするには思い切って次のことをやれないかどうか。  第一は、これは何といっても消費の拡大です。それは一億一千万の国民がもっと米を食べるようにすることも必要でしょう。  第二の問題は、土地改良をもっと徹底的に通年施行をやれないか。現在は二万ヘクタールぐらいの通年施行。これを年に五万ヘクタールぐらいやって、そして実際まだ長期計画も三四%ぐらいしか達成してない。そのうち水田が二二、畑が一〇%ぐらい、こういうぐあいに、まだまだ土地改良が進んでいない状態ですから、こういうものを通年施行を五万ヘクタールぐらいにして、農家の手取り、労賃をそこて保障する、それから田畑輪換の土地改良に変えていく、こういうことが次の問題。それからその次には、長期計画と十三地域の試算があるのだから、それに目標を合わせて基幹作目というものを明らかにして、プラスアルファの方式、複合経営、これを取り入れながら、同時に地域の生産、適地適作の方向を明確にしながら重要農産物の米、麦、畜産物、果樹、蔬菜、園芸、こういうものによって、それの価格を国が一定の支持価格によって支えていくということが当然必要じゃないか。そして、農家がその地域において自主的に転作の目標を選んでいくという自主転作の方向をとれないものかどうか。それにはいままでのようにだんだん予算を減らしていくのではなくて、もっと思い切って金を出していって、そうしてそこで転作を自信を持ってやらせるようなことができないかどうか、これをひとつ考えてもらえぬか、それはどうですか。
  124. 佐竹五六

    ○佐竹説明員 先生御指摘の消費の拡大、土地改良の徹底的実施、それに長期計画に即した転作の促進、その御主張は、私どもも基本的には同じような考え方に立っているわけでございまして、鋭意努力しているわけでございます。ただ、国の全体の予算の中での農林予算のバランスというものが当然あるわけでございます。もちろんそのときどきの財政事情に応じて、その範囲内で私どももできる限り財政当局にも御協力をいただきまして、先生御指摘のような方向に農政の運用を図ってまいりたいというふうに考えております。
  125. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 時間がありませんから、もう一言。  私は、大臣にも農林省にもぜひ研究してもらいたいことがある。それは補助金の問題です。私は、この補助金というものを全部だめだとは言っていない。補助金の中で研究し、検討しなければならない問題は、前々から指摘されているところだ。年末になりあるいは予算の編成期になると、地方から多くの農業団体の代表が集まってきて、自民党の議員たちにハッパをかける。そうして大蔵省や農林省にハッパをかけて、そうして補助金をもらって帰っていって上前をはねていく。これはある意味の堂々たる選挙運動だと見られるようなことさえ行われている。こういうことで、農林省の予算の三兆五百六十七億の中の九千二百十三億は大体補助金。七〇%は補助金でしょう。農林省はこの補助金をいろいろな形で分配をするために努力をされている。この補助金を割り当てられた地元では、それにまた、大体それと同額か、あるいは一定の持ち出しをして受益者としてそれに応じている、こういう状態です。だから、私はその補助金全体が悪いとは言わないが、やはり農家のためになる、あるいは農業の前進のためになるものと、それから団体屋をふやすような補助金は整理をしてもらいたいと思う。きちんとここのところを整理していかなければ、いつまでたっても中央に依存する、そうして団体だけを伸ばすようになって、これはいけない。この二点について、つまり、さっきの第一点の、思い切って予算を出して自主的な転換をさせるということ。それから補助金の見直しをして、そうして本当に農家のためになる補助金をつくる、こういうことについて最後に大蔵大臣、ひとつ答えていただきたいと思います。
  126. 村山達雄

    ○村山国務大臣 先ほど農林省から農林省の考えにつきまして述べられたところでございます。私たちもこの食糧自給の問題が非常に重要な問題だと考えております。したがいまして、苦しい財政事情の中にありますけれども、農林省から要求のあります合理的な要求に対しては極力前向きで善処してまいりたい、かように思っておるわけでございます。  次に補助金の問題でございますけれども、おっしゃるように、補助金というものはやはり効率的に、しかも目的を達するようにしなければならぬことは当然でございまして、今度の五十三年度予算につきましても、農林省の補助金は、全部私は見ておりませんけれども、恐らく統合メニュー化であるとかあるいは直接効果を出すようにいたしているわけでございまして、いま委員のおっしゃったことには基本的に賛成でございます。
  127. 竹内猛

    ○竹内(猛)分科員 終わります。
  128. 片岡清一

    ○片岡主査代理 次は、清水勇君。
  129. 清水勇

    ○清水分科員 去年私が質問をし、あるいはその後同僚委員等が質問をした結果、政府が豪雪を事実上災害である、こういう判断をするようになったことはある意味で一つの進歩である、私はそういうふうに評価をいたしております。同時に、それに伴って国税当局が除排雪費用を所得税法上の控除の対象にする、こういうことになったわけでありますが、こうした措置についても私は評価することを惜しむものではありません。しかし、それにもかかわらずなお大きな矛盾や問題を抱えている。そこで、以下具体的な指摘をしながら、この機会に政府、とりわけ大蔵当局の前向きの対応を求めたいというふうに思うのです。  まず私は、初めに確認をしておきたいことがございます。それは除排雪費用の税法上の取り扱いについてですが、第一は、自営業者、農業事業者等については所得税法の三十七条、これを適用して必要経費として全額を見ていく、第二は、勤労者世帯等については七十二条の適用で雑損控除の対象にする、こういうことであろうと思いますが、まずその点について間違いがあるかどうか、確認をしておきたいと思います。
  130. 米里恕

    ○米里政府委員 お話のございました除雪、排雪の費用でございますが、自営業者につきましては自営業者の方が支出されました除雪費のうち店舗用の事業用建物等、営業に関係のあるものにつきましては、全額が事業所得の計算上必要経費とされます。一方、個人の雑損控除につきましては御指摘のとおりでございます。
  131. 清水勇

    ○清水分科員 いわゆる自営業者の営業用の店舗その他というふうな限定をしたお話ですけれども、農業事業者等の場合にはどういう取り扱いになっていますか。
  132. 米里恕

    ○米里政府委員 農業の場合もやはり事業所得の算定上、農業に関係のある部分につきましては、これは必要経費として落とすことになっております。
  133. 清水勇

    ○清水分科員 そこで、後段に話のあったいわゆる雑損控除、このことについて尋ねてみたいと思いますが、これは被害の額が年間所得の一割を超える分というものが控除対象になっているわけですね。私はこれは大変不合理じゃないか、こういうふうに思うのであります。御承知のように、豪雪による除排雪費用を見ていくという同一趣旨でありながら、一方については必要経費として全額、片方は所得の一割以上の分しか見ないということは、関係当事者にとってみれば当然納得のいかない措置であるという不満がございます。そこで、勤労者世帯等に対する雑損控除、これも自営業者あるいは農業事業者と同様な扱いをすることが妥当ではないか、こういうふうに考えるわけですが、その点いかがでしょうか。
  134. 米里恕

    ○米里政府委員 先ほどお話しいたしましたように自営業者、農業などにつきましては、事業用関係の建物に係る部分は必要経費全額ということになりますが、こういった自営業者あるいは農業をやっておられる方につきましても、住宅などの非営業用の建物につきましては給与所得者の場合、勤労者の方の場合と全く同様に取り扱っております。
  135. 清水勇

    ○清水分科員 ところがなかなかそういうふうな器用な、政府がおっしゃるようにできない部分があるのです。どこまでが住居であってどこまでが事業に必要な場所であるか。ですから、総体的には住居の部分もひっくるめて当然その対象にすべきじゃないか、こういうふうな認識を持つわけなんであります。  そこで、私はひとつ雑損控除の問題に触れて申し上げて考えてもらいたい、こういうわけでありますが、仮にいかに豪雪地帯であっても個人のたとえば家屋、勤労者世帯なら勤労者世帯の個人の家屋、その除排雪費がたとえば一冬に二十万もあるいは三十万にも達するなどということはあったとしてもまれなケースじゃないか、こういうふうに私は思うわけです。ですから、年間所得の一割以上の分を見てやるよというこういう措置をしたとしても、言ってみればきわめて形式的に雑損控除の対象にしたというだけのことであって、ほとんどメリットがない。だからこの点は実態に合わないと思わざるを得ないので改めるべきじゃないか、こういうふうに思うのですが、いかがでしょうか。
  136. 米里恕

    ○米里政府委員 一つは、雑損控除制度は御承知のように異常な損失がありました場合に、その損失を受けられた方の担税力が非常に損なわれるという場合に税制上しんしゃくしようという制度でございます。ある程度までのいろいろな損失というものは日常生活を営んでいく上でやむを得ない避けがたいところがあろうと思いますので、その辺のボーダーラインをどこに引くべきかという問題かと思います。  それから第二に、雑損控除はこれまた先生よく御案内のところでございますが、火災、風水害などの災害がございます。あるいは盗難、横領といったようないろいろな原因を複合いたしまして、そういったような損失を通じましてどの程度税制上しんしゃくすべきであろうかという判断から総合的に考えなければならぬ、こういう問題でございます。いろいろこの問題はむずかしい問題でございますので、今後とも政府の税制調査会の御意見などを伺いながら引き続き検討してまいりたいというふうに考えております。
  137. 清水勇

    ○清水分科員 大蔵大臣も豪雪地帯の御出身なので、身に覚えがあるという言い方も失礼かもしれませんが、御存じだと思うのです。除排雪をするということは家屋を倒壊から守る、ある意味で言えば防災上の緊急避難行為なんです。  たとえばこの間も、私の選挙区に飯山市というのがございますが、ここでは徳川時代からの名刹と言われる光蓮寺というお寺が完全につぶれてしまった。そのほかに一般の民家でも大小の被害が出ておる。これはたとえば費用の問題もありましょう、あるいは人夫の問題もあるかもしれません。しかしまあいずれにしても、たとえば倒壊をしてから自治体等が心配をしたり、手当てをしたりするというようなことは第一経済的にも大変不経済だと思うのですね。ですから現実に人身事故などが起こるとよく大騒ぎをするわけなんですけれども、防災上緊急避難行為としてたとえば除雪をする、こういうことについてはいま言われるような軽い見方、取り扱いをされていたのでは、どうもこれは当を得ないんじゃないかと思うのです。     〔片岡主査代理退席、主査着席〕 なるほど火災とか水害とか地震による災害と例は異になるかもしれませんが、しかし重い雪をそのままほっておくということになると、いま申し上げたようにあの大きな寺院ですら倒れてしまうんです。こういうことに思いをいたせば、この際除排雪費用というものは仮に雑損控除の対象とするものであるにしても、まあ十分の一以上の部分だけを見てやるなんというようなやり方は余りにも実態にそぐわないのじゃないか、こう思わざるを得ないわけでございますが、もう一回その点お尋ねをしたいと思います。特に、やはり大臣がそういう豪雪地帯で生活をなすった経験を持っておられるのですから、付近の住民の感情から言ったって一定の認識を持っておられるだろうと思うのですが、この辺どんな所信を持っておられるのか聞かせていただきたいと思うのです。
  138. 米里恕

    ○米里政府委員 この制度は御承知のように昭和二十五年にスタートいたしまして、それ以来所得の一〇%ということで足切り限度水準がずっと続いてまいったわけでございます。その間、最初にお話がございましたように、豪雪の場合の除雪費につきましては雪おろし費用を対象としておったわけですが、昨年、今度の確定申告からということになりますが、範囲を若干拡大をさせていただいた。雪かき費用であるとか、あるいは雪捨て費用というものも対象とすることにしたというように検討を続けております。今後におきましても、先ほど申しましたようにいろいろ総合的な問題があろうかと思います。この制度自体が除雪費関係だけではございません。いろいろな損失というものを総合的に考えまして、それが所得のどのくらいが適当なのかということを真剣に検討してまいりたいというふうに考えております。
  139. 清水勇

    ○清水分科員 大臣、私所信を求めたいと思うのですけれども、どうでしょう。
  140. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いま清水さん御指摘のように、私も豪雪地帯で、この問題はしょっちゅう言われているのでございます。何とかうまい方法はないか、所得計算理論から言いますとなかなか必要経費というわけにはいかぬ点はよくわかるだけに、何とかこの問題がうまくいかないか。だから雑損控除はすべてに通ずるわけでございますから、雑損控除をどのように改めていくか、そっちの方で何か事実上現実にマッチし、そして負担の公平理論からも妥当になる線を見つけるべきではないかな、いま清水さんのお話を聞いてそういうふうに感じているわけでございますが、いずれにいたしましても、この問題は四分の一世紀そのままでおったわけでございますが、税制調査会に十分検討してもらいたいと思っておるわけでございます。
  141. 清水勇

    ○清水分科員 実は去年の三月三十一日だったと思いますが、参議院の大蔵委員会で同僚委員がこのことに触れて質問をした経過がございます。当時の坊大蔵大臣は、「政府としても真剣かつ具体的に検討」する、こういうことを約束をされております。ところが、その後一年たとうとしているわけですが、余り真剣かつ具体的に検討していないんじゃないか。大蔵大臣も困っておられるくらいに、何とか方法はないかなんて言って相変わらず旧態依然たることを言われているわけでありますが、特に去年の場合には大臣、単に真剣かつ具体的に検討してもらうというような抽象論だけでなしに、いま現にある百分の十、つまり一割以上というその足切り部分を思い切ってこの際引き下げる、たとえばそれを百分の五にするとか百分の三にするとか――本当は全額を残損控除として認めるということが一番望ましいことなんですが、それがすぐにできないとすれば、経過的にいま言うように足切り額というものを思い切って引き下げる。引き下げることによって七十二条の雑損控除を適用するという、そういうメリットが現実に関係地域住民に均てんされる、こういうことにならなければちっとも意味がないというふうに思うのでありますが、その点、前の大臣は何を言ったか、おれは知らないということでなしに、そういう確約をなすっているわけですけれども、村山大臣はいかがですか。
  142. 村山達雄

    ○村山国務大臣 坊大臣が参議院で述べられたことは私も十分速記録で承知しております。いま私が申し上げているのも、坊大臣に劣らず真剣かつ具体的に検討をしたいと思っておるところでございます。いまおっしゃった点も確かに一つの問題点であろうと思います。
  143. 清水勇

    ○清水分科員 それから、さっき審議官のお答えの中で、適用の枠を拡大をした、こういうふうに言われているのですけれども、たとえば具体的に豪雪地帯等の場合、御存じかどうか、どこの家屋にも雪を防ぐ防雪さくとでもいうのでしょうか、大変な費用をかけて施設を講ぜざるを得ないという状況があるわけですが、これは控除の対象になっていますか。
  144. 水口昭

    ○水口政府委員 現在のところは雪に関しまして、雪おろしの費用、それからその雪を捨てる費用、この二つを雑損控除の対象とするということにいたしておりますが、防護さくまでは対象といたしておりません。
  145. 清水勇

    ○清水分科員 対象とする考えはありませんか。
  146. 水口昭

    ○水口政府委員 雑損控除を災害を防止するための費用にまで拡大するということはいろいろ問題があると思いますので、慎重に検討させていただきたいと思います。
  147. 清水勇

    ○清水分科員 これはいずれにしても、どうも毎年毎年慎重に検討する、具体的かつ誠意を持ってというところで終わってしまうのですけれども、これは大臣、税調によしんば諮るにしても、五十四年度において何とかこの際抜本的に一定の答えを引き出すような、そういう前提で検討する、こういうお約束をしていただきたいと思いますが、いかかでしょう。
  148. 村山達雄

    ○村山国務大臣 検討はすぐ始めたいと思います。ただ、実際問題としまして、いままででございますと所得税法改正の機会にやるわけでございまして、恐らくいまのお話は、改正するとすれば臨時租税特別措置法の話ではなくて、基本税法の話であろうと思うのでございます。雑損控除はたしか本法に入っておったと思います。したがいまして、所得税法を改正する機会に恵まれますとそういったことが非常に入りやすいのでございますが、雑損控除だけいじるという所得税法の改正というのはいままで余り私どもは経験がないのでございます。しかし、そういう点をも含めまして、やはりどうしたらいいか、そういった点もあわせ検討してまいりたいと思っております。
  149. 清水勇

    ○清水分科員 いつまでもやっている時間がありませんから、残念ながら先に進みます。  そこでお聞きをしたいのは、除排雪費用についての税法上のいわば減免措置といいましょうか、軽減措置について、どうもまだ余り住民に周知をされていないのじゃないか。去年、谷口直税部長が、ことしの三月十五日、つまり確定申告期までに説明会を開催をするとか、チラシを配ってみるとか、その他の広報活動を行うなど適切な方法を講じて周知を図ると言われましたが、この点は約束どおり行われましたか。
  150. 水口昭

    ○水口政府委員 ただいまのお話の件につきましては、一つは、昨年の十月二十七日付で各国税局に対しましてこの件に関しましての通達を発してございます。それからいま一つは、いろいろ所得税関係の会議であるとかそういった席上で周知徹底を図っておる。それからまた、国税庁におきまして、いろいろ広報関係のパンフレットであるとか、あるいはその他の広報活動をやっておりますが、その中にも積極的に取り上げまして、広くこの面の周知が図れるように努力をしておるところでございます。
  151. 清水勇

    ○清水分科員 次に、固定資産税関係のことでお尋ねをしたいと思います。  私が言うまでもなく、豪雪地帯の降雪の多いのはあたりまえの話でありますが、実は一冬に十メートル以上ぐらいな降雪があるというのが普通の状況なんですね。そこで、こうした地域では、住宅であれ、工場であれ、倉庫であれ、店舗であれ、そうした豪雪に耐えられるような建築構造というものが要求をされる。それがために、耐雪構造用の建物というものは、たとえば木造の場合でも三寸角でいいものを五寸角を使わなければならない。あるいは鉄骨だとかブロックで補強をしなければならない。一口に言って、雪のない、あるいは雪の少ない地域と比べると、建築費というものが大ざっぱな言い方ですが三割方高い。これが普通の状況なんです。このことは理解をしていただけると思うのです。  そこで、問題は、相対的に建築単価が高い、そうなると固定資産の評価も高くなる、そして固定資産税も高くなる、こういう循環をしておるわけでありますが、これは仕方がないのだということでは済まない問題ではないか。少なくともそういう条件に対して何らかの税の軽減措置が講じられる、これは当然のことだというふうに私は考えるわけですが、そういうふうに思われないでしょうか。お尋ねをしたいと思います。
  152. 吉住俊彦

    ○吉住説明員 お尋ねの積雪寒冷地域あるいは豪雪地帯におきますところの建物の建築費につきましては、先生の御指摘のとおり割り高なものになっていようかと思います。ただ、御趣旨に反するかと思いますが、固定資産税の性格上、これは建築費に対して何%というふうにかかっていく税金でございますから、その割り高な部分を軽減するというのは率直に申しましてなかなかなじみがたいものでございます。ただ、そういう御趣旨もありますので、先生すでに御承知のことと存じますけれども、木造家屋につきましては最低五%から最高二五%の間でもって特別の減点補正率というものを使用いたしまして評価を減額しているところでございます。たとえて申しますと、これは一般的な家屋すべてに共通するわけでございますが、初年度二〇%の減価でございますので、そこへさらに二五%減価いたしますと、おおむね六割程度に減という水準になるわけでございまして、私どもといたしましては、それなりに実は考えているつもりでございます。また、非木造につきましては、これは木造と比べますと構造的にしっかりしているものでございますから、二五%などという法律はなかなか適用できない。バランスを考えましていまのところは五%あるいは三%といったような評価の減額を行っております。これは実は若干のモデル家屋につきましてある研究団体を煩わしまして実際にやってみた結果から割り出しておりますので、その数字自体は私どもとしては適当なものであろうとは思っておりますけれども、御趣旨のようなこともございますので、なお時期を見ては検討を続けてまいりたい、かように存じております。
  153. 清水勇

    ○清水分科員 そこで二つの点が問題になるのです。豪雪地帯というのは積雪級地が比較的高い。同時に、暖かいところにそんなに豪雪地帯があるわけじゃないものですから、寒冷についての級地もむろんついている。そういうわけで、たとえばこの間国体のスキー大会があった野沢温泉村という村がうちの方にあるが、これは合わせて百分の二十八になる。あるいは大臣の新潟県の場合、私のすぐ近所に妙高温泉というか妙高高原町というのがありますが、これは百分の三十三になるわけですね。ところが一律に百分の二十五で頭打ちになっている。これはやはり合理的な説得力を持たないと思うのですよ。どうしてもその頭打ちの部分はこれは改めるという、そういう意味での再検討を私は求めたいと思う。  それからもう一つは、たとえばブロックの場合、あるいは鉄骨の場合、鉄骨はこれはゼロですね。ブロックかゼロですか。――時間がないからいいです。いずれにしても、現実の問題として、たとえば鉄骨の場合でも、雪の多いところは三ミリのアングルで済むものを五ミリのアングルにしなければならぬというような現実の状況があるのです。そういうことで一定の耐久力を持っているわけですね。だから、頑強であるから木造ほどめんどうを見る必要はないというような言い方をされることはどうも当を得ないのではないか。したがって、ブロックについても鉄骨についても、木造並みの率というふうに私は言うつもりもありませんが、しかし、これに準ずる程度の減点補正率というふうなものがやっぱり検討されていいのではないか、こう思うのですが、いかがでしょうか。
  154. 吉住俊彦

    ○吉住説明員 鉄筋、鉄骨、コンクリートづくりのような強固なものにつきましては減点をいたしておりませんが、先ほど先生御指摘になりました軽量鉄骨造でございますとか、コンクリートブロック造でございますとか、れんが造でございますとか、鉄筋コンクリート造に比べましてひ弱いものに属するようなものにつきましては、実はその三%あるいは五%の減点補正を現に行っているわけでございます。これは、繰り返しになりますけれども、ただいまの状況では私どもはそれなりに均衡のとれた数字だとは思っておりますけれども、ただ、ほかにも、たとえば台風常襲地帯ならどうであるか、騒音振動のひどいところはどうであるか、いろんな問題もございますので、長い目で見ましてそれらの一環といたしましては十分検討していかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。
  155. 清水勇

    ○清水分科員 時間がありませんからこれ以上言いませんけれども、実際には市町村等の自治体の税務職員が固定資産の評価を通して非常に住民から苦情を言われているわけですよ。ひ弱なという言い方をなすっているけれども、いずれにしても豪雪地帯等の場合には、使わないでもいいものをあえて豪雪地帯なるがゆえに耐雪構造としてそういうものを使わざるを得ない。ところが、これは木造に比較をして非常に減点補正率が低い。これはどうもやはり理解がいかない、納得ができないといって住民の間に非常な非難がある。したがって、私はこの際見直すべき時期に来ているのじゃないかというふうに思うので、これらをひとつ総合的に洗い直してもらう、見直してもらう、こういう角度で、ぼつぼつなんというような悠長な構えではなしに、早急にひとつ検討をしてもらいたいというふうに思いますが、いかがでしょう。
  156. 吉住俊彦

    ○吉住説明員 お答えを申し上げておりますように、いろんなほかの問題との関連もありますので、その関連におきまして検討させていただきます。
  157. 清水勇

    ○清水分科員 終わります。
  158. 正示啓次郎

    ○正示主査 続いて、新村勝雄君。
  159. 新村勝雄

    ○新村分科員 私は主として地方財政の問題について大臣の御見解を伺いたいのですが、地方財政ならば自治省に聞けとおっしゃらずに、これは財政のすべてを握っていらっしゃる大臣の特に御見解と御理解を賜りたいわけでございます。  御承知のように、現在の行政組織は国そして地方自治体、この二つになっておるわけでありますが、地方自治体は国と並んで、いわゆる人間に基本的人権があると同じように自治権が憲法にも保障されておるわけでございます。そういう意味から言いまして、いわゆる地方自治の本旨という言葉が憲法にも規定をされておるわけであります。したがいまして、この地方自治の本旨を実際に具現をするためには、何といっても裏づけとなる財政の措置が必要でございますが、地方自治の本旨から、その考えからいたしまして、地方財政について大臣、どういうふうに基本的に御認識をなさっていらっしゃいますか、まずお伺いしたいと思います。
  160. 村山達雄

    ○村山国務大臣 地方自治の問題は、これは憲法上も考えているところであり、かつまた戦後において一番大きく地方制度として変わっておる点はその点であろうかと私は思うわけでございます。これが十分機能していきますように、われわれも等しく望んでおるところでございます。
  161. 新村勝雄

    ○新村分科員 たてまえとしては憲法にも規定をされ、あるいは地方財政をめぐる法体系、諸立法がございまして、地方自治の本旨を体現するような財政的な制度はできておりますけれども、これが実際にはなかなかそういっていないというふうにわれわれは考えるわけであります。私は長く地方自治の仕事をやっておりまして、特にこの点を痛感をいたしておりますが、地方自治が機能するためには、何といっても財政の基礎がなければならないわけでありますが、よく三割自治というようなことが言われるように、財政の面からいたしますと、地方財政ははなはだ心もとない。特に財源配分から言いますと、国が七で地方が三であるということは、これは常に言われておるわけであります。しかも財政が悪化いたしましてから、四十九年、五十年ごろからこの傾向が特に顕著になっておるわけであります。これはあらゆる数字的な指標から言えるわけでありますが、たとえば地方財政の中における自主財源――自主財源といいましても特に地方税でありますが、この地方税の全体の財政の規模の中に占める比率が逐年低下をしているというような事態がございまして、地方財政はまさに危機である、もちろん国家財政も危機でありますけれども、それ以上に地方財政は危機であるということが言えるわけでありますが、そういう点についての大臣のお考えを伺いたいと思います。
  162. 村山達雄

    ○村山国務大臣 二つの点を申し上げたいと思うのでございます。  一つは、地方税、国税と、こうありますけれども、おっしゃるようにいま非常に経済の状況が悪うございますので、ともに減っておるということは御案内のとおりでございます。したがって、なお財政が国の経済を引っ張っていかにやならないときに、両方とも税収入のウエートがだんだん下がりまして、そして公債費率が高まってくる、これはもう早く直したいということでいま一生懸命やっておるわけでございますが、これはいま経済の落ち込みのせいであろうと思うのでございます。  それからいま委員が御指摘になりましたいわゆる三割自治という考え方、これはどういうふうに理解したらいいのか。実は交付税制度があるわけでございます。また補助金制度もあるわけでございまして、この辺の仕組みが一番むずかしいのではないであろうか。一般財源といわれるもの、交付税それから地方税、これは一般財源といわれるわけでございます。今度は地方自治というものを形式的にとらえまして税財源をうんと配分するという考え方も一つありましょうけれども、そういたしますと、恐らくいまの税法の税の仕組みでございますと、実際問題として東京、大阪に全部集まってしまうと言っても過言ではないと思うのでございます。法人税あるいは所得税の集中度から申しますと、私はほとんどそうなると思うのでございます。それでも自治というたてまえでいいのか、そこにはやはり全体の地方自治というものを推進する意味ではおのずから調整機能がなければいかぬのじゃなかろうか、いまの税体系から申しますと。そういう現実的考慮から交付税の制度がしかれていると私は理解いたしておるのでございます。しかし、それならこのままでいいかという問題になりますと、やはり多く問題が指摘されておりますように、単に税源配分という問題だけではなくて、行政事務の配分というものも考えていかなければいかぬ。いわゆる行財政の配分という、見直しというこの根本問題が残っているわけでございます。いまはこういう非常に臨時異例のときでございますけれども、やがては、非常にむずかしい問題でございますけれども、この問題に手を  つけなければいかぬと思っておるのでございます。ただいまのところはなかなかそこまで手がついていない、このように私は認識いたしておるのでございます。
  163. 新村勝雄

    ○新村分科員 ただいま大臣から地方自治に大変御理解のある御答弁をいただいたわけであります。そうしてその中で特に地方交付税法の機能についてもお話があったわけでありますが、まさにそのとおりでございます。地方交付税法にも、「この法律は、地方団体が自主的にその財産を管理し、事務を処理し、」云々とありまして、そのとおりでございます。ところがこの地方交付税法が、実は地方団体の立場からいたしますと、現在この立法の精神が十分機能していないというふうに思われるわけであります。というのは、地方交付税法というのは、国税三税に一定の率を掛けまして、そして安定的に地方財源を確保するというのが法の基本的な精神であります。したがいまして、地方財政基準財政需要額と基準財政収入額との差があった場合には、これは当然差があるわけですけれども、その差をこの国税三税の一定税率で補てんをしていくというのが基本的な考え方であります。ところが昭和五十年以降、これは国も財政が大変苦しくなっておりますけれども、この財政収入と財政支出の差か地方財政におきましても大変に開いてまいりました。そこで当然この差は地方交付税法の精神に基づいて国税三税の率を引き上げてこれを補てんをしていかなければいけないわけであります。これは本来の法の精神でございますから。ところがこの数年間、この率が固定化をされまして引き上げが行われていないわけであります。そしてそのかわりの措置はもちろん国でやっていらっしゃいます。いらっしゃいますから、交付税額の総額については確保をしていらっしゃるわけでありまして、その御苦心のほどはよくわかりますけれども、やはり何といっても交付税法の精神というのは率をもって地方財政を保障する、安定的に保障するというのが精神でありますから、その率を上げていただかなければ地方団体は安心して長期的な計画にも取り組めない、あるいは安心して地方団体の運営ができないということになるわけでありますけれども、この点について特に御説明をいただきたいと思います。
  164. 村山達雄

    ○村山国務大臣 この問題につきましては、かねがね自治省ともいろいろ協議しているところでございます。今年度の予算編成につきましても自治大臣からその種の御要望もあったわけでございますけれども、いろいろ両省検討いたしまして、私は地方自治方の交付税の規定もよく承知しております。しかしいまの日本の経済というものを考えますと、やはりまだ安定していない。これはもう自治大臣も等しく認めているところでございまして、それであればこそ国も地方も大変な財源難に陥っているわけでございます。そしてことしは特にまた臨時異例の措置を講じようとしているわけでございます。  財政と申しましても、国の財政と地方財政は車の両輪のようなものでございまして、どちらが悪くなっても財政当局として使命が果たせないことは当然でございます。そこでこういう激動のときに恒久的制度である交付税率の改定という問題はしばらく待ってもらえないか、率直に申し上げまして。それにしても地方公共団体の方では、やはり何らか毎年毎年やりくりだけでは将来か心配だということをおっしゃるのはよくわかるわけでございます。  そこで、あの交付税法のところで一種の制度の改正かあるいは交付税率の引き上げか、こういうことをうたっているわけでございますが、その制度の改正の方にことしはまずやらしていただきましょうということで、もうすでに皆さん御承知のように、財源不足の分をことしは一兆七千億くらい交付税特会の方で手当てをするわけでございますが、そのうち特例交付金として千五百億、差し引きまして一兆五千五百億、これは運用部から借りるわけでございますが、その二分の一は今後国が全部持ちましょう、さらに、去年、おととしも同様の借り入れをしているわけでございますので、その分もさかのぼって持つことにいたしましょう、それから今後同じような事態が生じたら、特別交付金があれば別でございますが、実質的に運用部から借り入れた分の二分の一は国が持ちます。こういうルールをつくらしていただいて、しばらくはひとつこれでいこうじゃございませんかということで自治大臣の御賛成を得た、率直に申しましてそういうような次第でございますので、われわれといたしましてはある程度ルール化はもうできた、まあ十分かどうかはわかりませんけれども、この事態に対しまして一番現実的な方法ではないかということで両省とも合意に達した次第でございます。
  165. 新村勝雄

    ○新村分科員 この問題は、もう毎年繰り返される自治省と大蔵省との折衝の事実だと思いますが、自治省ではこれが決定する前には、ことしこそは率を上げるのだ、これは必ず上げますということを言われるわけであります。それが大蔵省との折衝が終わりますと、いつの間にか、つぶされてしまうと言うと失礼ですけれども、だめになってしまう。そして、確かに総額は確保されますけれども、その内容におきましては自治体の立場からしますと必ずしも満足すべきものではないわけであります。というのは、これは総額が交付税という形で確保されるわけではございませんで、その半分くらいは起債という方に回ってしまいます。この起債については後でまたお願いしたいと思いますけれども、何といっても率を上げるということがこれは法の基本的な精神でありますから、この点についてはひとつ大臣、まあことしは間に合わないかもしれませんけれども、来年は何とか御理解をいただかなければならぬではないか。そして一経済が変動期であるとおっしゃいましたけれども、この法律に「引き続き」というふうな言葉がありまして、この引き続きというのは何年かとは書いてありませんけれども、常識的に考えまして、引き続きと言うからにはまあ三年以上たてばこれは引き続きというふうに考えていいのじゃないかと思うわけでありますが、依然としてこれが実現をしない。経済が混乱期であると言いますけれども、現状でいいとは決して申し上げられません。税収等については、現状の業種間の不公平なりあるいは国民の税負担の不公平なりが是正をされて、そして安定成長の軌道に乗るということになったとしても、高度成長時代のような税収は期待できないわけであります。そうしますと、大臣のお話からいたしますと、昔のような景気のいい時代にならなければもう率で保障することはしませんというふうにもとれるわけでありますけれども、これでは大変困るわけであります。それと、この税法を読んでいただけば、もちろん大臣も専門家でありますからよく御承知でありますが、これは制度改正あるいは率の変更ということになっておりますけれども、この場合の制度変更というのは去年、ことしおやりになったような形ではないと思うのですね。半分を国が持ちます。これは大変にありがたいことではありますけれども、そういう形での制度変更ではなくて、ここで言う制度変更というのは、この法律を読んでみまして、当然国と地方との財源配分の大きな枠組みの中での制度変更というふうに考えなければどうもつじつまが合わないわけです。そういう国と地方との財源配分を基本的に考え直すか、あるいは率を上げる、こういうふうに読みかえないと、この交付税法は地方団体の死命を制すると言ってもいい基本法でありますから、そういうふうな読みかえをしていただかなければならないのではないかと思うわけであります。そういう意味で大臣、ことし措置していただきました、当分の間半分国が持ちましょうということは大変ありがたいのではありますけれども、そういう基本的な財源配分の点についてどうお考えであるか、ひとつ伺いたいと思います。
  166. 村山達雄

    ○村山国務大臣 法律的な解釈の問題から申しますと、制度改正にはいろいろな制度改正があります。いまおっしゃったような、抜本的な行財政事務の配分に伴って税源配分するのも制度改正でございます。今度のような、ある意味で言えば、暫定的な制度改正もやはり制度改正のうちには入るであろうと思っておるのでございます。内容的にどれくらい不十分であるか、それは別にいたしまして、やはり制度改正のうちの一つであろうと思っておるわけでございます。
  167. 新村勝雄

    ○新村分科員 とにかくこの法の精神からいたしまして、ぜひとも率のアップをしていただきたい。これは、実は最近の自治大臣の発言でありますけれども、来年、五十四年度は、もうぜひ六・五%の率の引き上げを大蔵省に認めていただくというようなこともおっしゃっておるわけでございます。これは、地方の実情を大臣も知っていらっしゃいますけれども、自治大臣は一番よく知っていらっしゃるわけでありまして、そういう実情を見るに見かねてこういうふうにおっしゃったと思うのですが、五十四年度からは六・五%上げていただく、大蔵省で上げてもらうというようなことを言っておるわけでありまして、これは自治大臣と御相談をいただいて、ぜひひとつ来年はこれが日の目を見るようにお願いをしたいと思うわけでございます。この議論についてはまだまだとても時間が足りませんけれども、時間がありませんので、次の問題に移りたいと思います。  それは、この問題に関連をいたしまして、いわゆる両省覚書というものがあるようでございますが、この覚書自体については、別に国会の審議を制約するというものではないと思います。これはあくまで行政のレベルにおける両省間のお約束だと思いますが、もちろんそういうふうに解釈しておるわけですが、その中で、この三項に「昭和五十二年度第二次補正予算において、国税三税の減収により減額されるべき地方交付税交付金が減額されないこととなったことに伴い、その減額されるべき額の二分の一に相当する額を前項の臨時地方特例交付金の総額から控除する」ということがございますが、これは、せっかく大臣あるいは自治大臣が地方行政に対する思いやりでああいう措置をとられ、先般国会でも決定をされたわけでありますが、大した額ではございませんし、これをまたキャンセルをするといいますか、控除するということでございますが、これはどういうお考えであるか、ちょっと伺いたいと思うのです。
  168. 山口光秀

    ○山口(光)政府委員 補正予算で国税三税の減収が見込まれまして、それを減額するという場合に、はね返りといたしまして、地方交付税交付金がどう取り扱われるかという問題があるわけでございますが、従来の例でございますと、自然減収というのは国において補てんしないというのが例であるわけでございますが、国もつらい状況にございますけれども 地方もつらい状況にあるというところから、実質的には二分の一に補てんするという考え方ではどうかということが最初にございました。ただ、正直に申しまして、いまの五十二年度の交付税の運用といたしましては、とても減額するということもできませんので、予算に計上してあります交付税はそのまま執行する。そういう意味で減額しないという特例措置を講ずる。ただ、将来このほかに、たとえば五十年、五十一年の交付税特別会計の借入金の償還をどうするかという問題もございますから、その問題を処理する場合に、あわせて実質的に解決したらどうだろうかということで、ただいまお話しの覚書の三項、それから二項もそういうことでございますが、二項についてもあわせて合意されたものでございます。最初におっしゃいましたように、二項も三項も、これはもう行政レベルの話でございますので、これで決まったということではございません。最終的にはそれぞれの段階において、法律によって決まってくる筋合いでございますから、あくまで行政部内の話というふうに御理解いただきたいわけでございますが、事実上はそういういきさつでございます。
  169. 新村勝雄

    ○新村分科員 両省覚書、これは行政ベルということはよくわかっておりますが、そうしてまた、来年度予算の決定に当たっては、またそのときの状況によってこれは考慮されるのだとは思います。しかし、これは何といっても覚書ということになっておりますので、これが骨格、基本になると思いますけれども、やはりそのときの状況も、これはこれとして十分御考慮をいただいて、地方財政のためになお一層の御理解を賜りたいわけであります。この問題についても、時間がございませんのであと一つだけお伺いしたいのです。  それは、これもまたかねてから懸案になっております地方団体金融公庫を新設をしていただきたいという問題がございます。これについては、先ほどからの関係になりますけれども、地方交付税で交付されるべき財源が大幅に地方債に振りかえられました関係で、その地方債の中で、特に質の悪い縁故債というものが大幅にふえておるわけであります。これは五十三年度におきましても銀行等の縁故債、これが二兆一千七百九十九億ということでありまして、これは巨額の縁故債を地方団体は消化をしなければいけないわけでありますが、これがまた地方団体とすれば大変な負担であり、また、負担というのは苦労もありますし、また、財政的にも金の上でも負担になるわけであります。特に都道府県の段階ではまだいいのですけれども、市町村の場合には、地元の金融機関と折衝してこれを消化することが大変なのです。同時にまた、その金利が政府資金に比べますとかなり高いということでありまして、これは全国市長会の調査でありますが、これは五十一年度の地方債のうちで、縁故債の消化の状況でありますが、縁故債のうちで八・一%というのが全体の一〇%、それから八・二が七・八、八・三が六・八、最高は一〇%を超えるというような実態があるわけであります。これはその後、御当局の指導によって若干訂正をされた向きがあろうかと思いますが、しかしこのまま残っているのも相当あるわけであります。こういうように、縁故債というのは消化に非常に苦労すると同時に、利子の上でも地方団体に大変な負担を与えるということであります。これを解決するには、何といっても全部政府資金でやっていただくことがいいのでありますけれども、これはなかなかできないと思いますので、地方団体金融公庫をぜひ設置をしてもらいたいということを地方六団体を初め、地方行政委員会でも毎年にわたって議論をし、担当大臣にもお願いしておるのですが、依然として実現をしない。五十三年度においては、ようやく公営企業金融公庫から三つの事業について出すということが決まりました。ところが、三つの事業というのは、これは地方の小団体には余り関係ないんですね。市町村の段階では、中規模以上、あるいは都道府県の段階では確かに有効でありましょうけれども、十万以下の市あるいは町村では余り恩恵がないわけであります。ところが、先ほど申し上げたような高金利で苦しんでいるのは小さい団体でありますから、せっかくのおぼしめしが余り恩恵がないということになりまして、これは大変残念でありますが、この辺の事情をひとつ大臣からお伺いしたいと思います。
  170. 村山達雄

    ○村山国務大臣 それじゃ私から概略御説明しまして、詳しくは理財局長から説明さしていただきます。  財源不足が大体三兆五百億でございまして、そのうち地方財源対策で一兆三千五百億をそちらに持っていったことは御承知のとおりでございます。資金の方もずいぶん苦労しておるのでございますが、全体で今度の地方債は公営債まで含めまして二三%伸びの六兆二千億ぐらいでございます。政府資金の方はできるだけつける意味で三二%ぐらいつけておるわけでございます。それから、おっしゃるように市町村が非常にお困りだということをよく知っておりますので、財源対策債の市町村債については全額政府資金でこれを引き受ける、運用部でもって引き受けるということを第一にやったわけでございます。  それから第二番目には、いま申しましたように公庫債の方の資金をうんと拡充いたしまして、そして御案内のような三事業をやることになったわけでございます。したがって、公営公庫でございますけれども全体の資金量は恐らく八千億ぐらいあると思いますが、本来の方の公営の分は五千億、あとはほとんど普通債の分にいっているわけであります。なおまた、全体の六〇%については政府資金と同じように利差補給をするとか、こういうことをやっております。  いま新村さんが一番御心配になった縁故債でございますけれども、これもできるだけ圧縮いたしておるところでございまして、多分消化についてはそんなに御心配は要らぬのじゃないか。それから、いま史上最低に金利は下がっておるわけでございます。そういったことを考えまして、われわれできるだけのことをいたしたつもりでございますが、詳しいことはまた理財局長から報告させていただきます。
  171. 田中敬

    ○田中(敬)政府委員 先生御指摘のとおりに市町村が非常に起債に困難を来しておるという実情があったことは事実でございますが、最近の金融情勢で金利面も相当低下してきたということも一方にございます。しかしながら、そういうことは別といたしまして、政府といたしましても地方の起債につきまして、都道府県分は別といたしましても市町村分につきましては特に配慮をするということで、五十三年度の地方債計画上政府資金を充て得る割合というのは、一般会計債の公共事業債につきましては市町村分につきましては九七%分ぐらいが政府資金が充当できると思います。それから単独事業、公営企業を入れまして、公共事業も全部含めましても、市町村分につきましては七三、四%の政府資金が充当できるようになっております。先ほど大臣が申しました財源対策債は一〇〇%でございますが、こういうふうに政府資金を重点的に市町村に配分するということでこれは十分賄い得る。あるいはまた先ほど金利差というお話がございましたが、それにつきましては、一般会計の方で政府資金並みにある程度の利子補給をするという措置もとっておりますので、私は現状においては地方の起債ということは余り問題がないのではないかと思っております。  ただ、先ほどお話かございましたように、市町村債の起債を容易にするために地方団体金融公庫をつくってはいかがか、こういうお話でございますが、これはここ両三年自治省からも御要求があったことは事実でございます。けれども、私どもといたしましては、地方債の消化というものは基本的に地縁的な仕組みと申しますか、地方公共団体がそれぞれ地元に金庫銀行を持っておる、そういう金庫銀行が引き受けて、そしてそれが公共事業等の支出を通じて地元に還流され、企業に金が参り、それがまた指定金融機関、公庫、銀行に入ってくる、そういう地縁的な仕組みがあってこそ初めて地方債の消化ということは円滑にいくのだろうと思います。こういう地縁的な仕組みを外したような地方団体金融公庫構想ということは、かえってそういう地縁的な金融の仕組みというものを乱していくのではなかろうかという点が第一点。  もう一つ、地方団体金融公庫構想ということになりますと、どこかから財源を調達してこなくてはなりません。その財源の調達手段といたしまして、自治省構想では特別公募債を発行するという構想がずっとうたわれておったわけでございますが、特別公募債というものは金融緩和期であればあるいは募集可能であるかもしれませんけれども、金融逼迫期におきましては当然資金不足を来して十分な調達ができない、あるいはこういう低金利時代に、あえてギャンブル資金その他で利子補給をするという前提で高利で中央金融市場からある程度の資金量を持っていくということになりますと、金融秩序が乱れますし、ひいては国債とか政府保証債その他の公共債への金利秩序を乱すということで望ましくないと思っております。  いずれにいたしましても、市町村の起債の消化というものは、従来続けてまいりましたような政府資金の十分な手当てあるいは金利差への利子補給による緩和、こういう措置でやるべきものと考えておりまして、大蔵省といたしましては地方団体金融公庫構想というものには基本的には賛成しかねるという立場でおります。
  172. 新村勝雄

    ○新村分科員 この問題については議論が続くと思いますけれども、時間がございませんので、最後にお願いしたいのです。国があっての地方でありますけれども、地方がよくなれば国の政治もよくなるわけでありますので、ひとつ大臣には地方自治に特段の御理解を今後とも賜りますようにお願いをいたしまして終わります。ありがとうございました。
  173. 正示啓次郎

    ○正示主査 続いて、古寺宏君。
  174. 古寺宏

    ○古寺分科員 最初に大蔵大臣にお伺い申し上げますが、専売公社の総裁が昨年十一月の基本問題会議の中で、消費税導入について見解を述べておられますが、財政当局としてはどのようにお考えになっているか承りたいと思います。
  175. 村山達雄

    ○村山国務大臣 この問題は専売公社の総裁もお話しになっておりますし、かつて、この前の専売の値上げのときにも税制調査会でもやはり問題にいたしまして、消費税を導入して、言ってみますれば、専売公社のいまの経営状態から申しますと一種の公共料金部分とそれから税部分、こう分けまして、税の方は歳入の必要が生じたときあるいはまた減税ができるとき、それはそのときそのときで何年かためて動かしていく。それから一方の方は公共料金でございますから毎年人件費も上がり、葉たばこの代金も上がるわけでございますから、それはその都度動かして――いまは財政法の規定によりましてその定価を動かすときには全部法律にかけろ、こういうことになるわけでございますが、もし分離できれば、租税に相当する部分は租税法定主義になりますし、片方の公共料金の方は恐らく外れることになりましょうから、その方がいいのではないかというような議論が行われたことがございます。しかしその後専売公社の経営形態の問題が出てまいりまして、御案内のように公共企業体の経営に関する基本問題調査会が発足しているわけでございまして、その形態がどうであるとか、あるいはそれとストライキ権というような問題が一緒になりまして、いま根本的な審議が行われているわけでございますので、その問題の解決を見ないと、こっちだけそれと無関係にいま解決することはやや無理ではなかろうか、答申を待って考えるべきではなかろうかというのが、私たちかいま考えているスタンスでございます。
  176. 古寺宏

    ○古寺分科員 そうしますと、財政当局としては消費税の導入か好ましいというふうにお考えになっていると受け取ってよろしょうございますか。
  177. 村山達雄

    ○村山国務大臣 一つの考え方、それから一つの合理的な考え方であろうと思うのでございます。
  178. 古寺宏

    ○古寺分科員 次に、やはり公社の経営に自主性を持たせる意味からも製造たばこ定価法について見直しをし、弾力性を持たせた方がよいのではないか、こういうような意見もあるようでございますが、この点について大臣のお考えはどうでしょうか。
  179. 村山達雄

    ○村山国務大臣 弾力性というものがどういう形のものか。あるいは、今度の国鉄の料金につきましては、法律に基づきましてある条件のもとに行政当局に委任いただきまして、運輸大臣の認可でいく、こういうような意味での弾力化であるとすれば、これはやはり検討に値する問題ではないだろうかと思うわけでございますが、何しろ、いま、その公共企業体の経営のあり方の基本問題が進んでいるものでございますから、これもまた、いますぐやるということがどんなことになるのか、向こうのタイミングがどのようになるのか、それとの兼ね合いで現実問題としては考えるべきではなかろうか、こんな感じがしておるのでございます。
  180. 古寺宏

    ○古寺分科員 私がいまお尋ねしている弾力性というのは国鉄運賃のような方式でございますが、その場合に大臣としてはどうでございますか。
  181. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いまの経営の問題を度外視して、純粋に制度としてどうかということであれば、私は好ましい制度だと思っております。
  182. 古寺宏

    ○古寺分科員 昨年の秋に新聞で、酒税との関連でたばこの値上げの報道があったわけでございますが、今回は見送られているようでございますが、国内たばこの価格改定についてはどのようにお考えでありましょうか。
  183. 村山達雄

    ○村山国務大臣 今度はいろいろな関係からたばこの方はお願いしなかったわけでございますが、今後はやはり検討を要する問題ではなかろうかというふうに考えております。と申しますのは、五十年に一遍値上げさせていただきまして、ずっと下がっておったいわば益金率をかなり上げていただいたわけでございますが、ちょうどあれが少し延びまして、実際は五十一年度から実施になったわけでございます。五十二年、五十三年と、またずっと益金率は下がっているわけでございます。一方、たばこ消費税の方は御案内のように、それとは無関係に定価に対してずっとかけていくわけでございますから、地方消費税の方はどんどん伸びていく、その分は国の納付金がどんどん減っていく、こういう形になっておりますものですから、やはり近い将来に検討問題として考えなくちゃいかぬ場合もあるのじゃないか、かような感じでおるわけでございます。
  184. 古寺宏

    ○古寺分科員 昨年の十一月に輸入たばこの見直しを行ったわけでございますが、その後さらに急激な円高になっているわけでございますので、差益還元のために価格をもう一度改定するというようなお考えはないのでございますか。
  185. 大槻章雄

    ○大槻政府委員 輸入製造たばこの小売定価につきましては、五十年の十二月に改定して以来据え置かれておったわけでございますが、五十二年年初来の円高の傾向にかんがみまして、五十二年の十一月一日から、英国製の紙巻きたばこを中心にいたしまして平均九・二%の引き下げを実施したわけでございます。  それで、いまの委員の御質問は、その後も円高の傾向があるから再度見直しをしたらどうか、こういう御質問の趣旨だと思うわけでございますが、米国製の紙巻きたばこにつきましては昨年十一月に引き下げをしなかったわけでございますが、五十一年、五十二年の単価契約の改定によりまして外貨建ての契約単価が大幅に上昇をいたしましたために、この間における円高にもかかわらず、五十二年十二月の円建ての契約単価は五十年十二月とほぼ同じような水準になっている次第でございます。また、英国製の紙巻きたばこについてみましても、これは昨年十一月に約一丁五%の引き下げをしたわけでございますが、五十二年十二月の円建て契約単価は五十年十二月と比較してみますと七・九%の下落にとどまっておるというような事態でございまして、こういうようなことを考えてみますと、現時点において輸入たばこの小売定価を再度引き下げるという余地はないものだというふうにいま考えておる次第でございます。  輸入製造たばこにつきましては、なお今後とも為替相場の変動を考慮しつつ外貨建て契約価格の推移等の諸情勢を総合的に勘案して、小売定価のあり方を検討してまいりたい、こういうふうに考えております。
  186. 古寺宏

    ○古寺分科員 輸入たばこは値下がりをしたわけでございますが、現在相当の外国葉を原料にしている国内産たばこ、この場合もやはり大臣は値上げの方向でお考えになっているようでございますが、私は相当差益が出ていると思うのでございますが、そういう面に対する配慮というものはないのでございますか。
  187. 大槻章雄

    ○大槻政府委員 円高の傾向によりまして葉たばこの購入が有利になるということは事実でございますけれども、円高が直接国産製造たばこの値下がりにはつながらないと私ども考えておるわけでございます。  その理由といたしましては、第一に、各マーケットから葉たばこを買っているわけでございますが、外貨建ての契約価格というのは相当上昇しておりますので、円高効果がそのまま価格の引き下げにはつながらないということでございます。  第二が、国産製造たばこの定価というのは五十年以来据え置かれておるわけでございますが、その間、国内産葉、外国産葉とも相当価格は上昇しておるということでございます。  それから第三が、国産製造たばこに使用される葉たばこに占める外葉の割合というのは約三割でございまして、円高による影響度は全体としてはそれほど大きくはないということでございます。  第四に、原料葉たばこは御案内のように購買後二十四カ月を経てから使用するものでございますから、その間には輸入原価以外の諸経費の上昇が見込まれる、こういうようなことがありまして、先ほど申し上げたように、直接の国産製造たばこの値下がりにはつながらないのではないかというふうに考えておる次第でございます。
  188. 古寺宏

    ○古寺分科員 スト権問題につきましては、先ほども大臣からお話があったように、政府の基本問題会議の中で現在議論されているわけでございますが、公社の総裁としてはどういうふうにお考えになっているのか、承りたいと思います。
  189. 泉美之松

    ○泉説明員 私どもといたしましては、昨年十一月に基本問題会議の席上、公社の意見を申し上げたわけでございますが、それと変わっておりません。つまり、私どもとしては、当事者能力等条件を整えた上で専売公社の場合にはスト権を与えて差し支えないのではないか、こういう考えを持っておるわけでございます。
  190. 古寺宏

    ○古寺分科員 その会議の中で経営形態論が議論されているわけでございますが、きょうの日本経済新聞にも載っておりますが、仮に民営移管論が答申された場合に、公社としては、総裁のお考えと見解が異なるわけでございまして、大問題になるのじゃないか、こういうふうに考えるわけでございます。さらにまた、職員とかたばこ耕作者に対する影響も非常に大きいと思うわけでございますが、この点についてはいかがでございますか。
  191. 泉美之松

    ○泉説明員 専売公社の経営形態をどうするかという問題は、本来、政府及び国会において御決定になることでありまして、専売公社当局がどうすべきだというふうに申し上げるのはやや穏当を欠くかと存じますが、ただ、いまお話しのような基本問題会議において民営というような御意見が出たといたしますと、お話のように、たばこ耕作者が十二万戸おりますけれども、恐らく、民営会社になりますと、国内産の葉たばこは高くて輸入葉の方が安いわけでございますから、国産葉たばこを購入しないということになりますとたばこ耕作者は大変困ることになると思います。それからまた公社に職員が約四万一千人、そのほかに配送会社とかいろいろな外郭の会社がございます。それらを合わせますと約五万人の職員がおるわけでございますが、これが果たして再雇用されるものかどうか、そういった点から大変大きな不安を起こすことになる、そういう意味では大問題になることだと思っております。現実にどういう御答申が出るのか私どもまだわかりませんので、よくわかりませんけれども、いまちょっと考えただけでも、こういった大きな問題が出てくるだろうというふうに予測いたしております。
  192. 古寺宏

    ○古寺分科員 先ほどの消費税導入あるいはたばこ定価法の弾力性の問題、これらはいずれも公社の民営移管につながるような気が私はするのでございますが、大臣は民営移管についてはどうお考えになっているか、承りたいと思います。
  193. 村山達雄

    ○村山国務大臣 消費税の導入あるいは価格の弾力化という問題は、理論的に申しますと、経営形態がこのままでもやはり一考の余地があるのではないかと思うのでございます。ただ、現実の問題といたしまして、経営形態が論じられておりますので、それを待った上でと、こう申し上げたわけでございます。  民営移管の問題についてどうかということでございますが、これはせっかくいま基本問題会議が検討しておるところでございますので、私たちはその結論を慎重に見守っておるというところでございます。
  194. 古寺宏

    ○古寺分科員 最近は、米の減反問題等もございまして、たばこ耕作者の生産意欲が非常に高まっているわけでございますが、作付面積については一向に拡大が図られない、むしろ減反の傾向にある。そういうことで耕作者の方々から非常に不満が出ているわけでございますが、もちろん、輸入葉が現在、昭和四十五年の大体倍くらいになっておりますので、そういう関係もあろうかと思いますが、私どもの青森県等におきましては、昭和六十年を目指した農業計画を見ますと、たばこの耕作面積は四千五百ヘクタール。当時算定に当たっては、専売公社の方からは五千にしてくれ、こういうお話もあったようでございますが、四千五百ヘクタールを見込んでおるのに、まだその半分もいっていないというような状態でございまして、こういう状態では耕作者は非常に不安なわけでございますが、この点について総裁の御見解を承りたいと思います。
  195. 泉美之松

    ○泉説明員 国内葉たばこにつきましては、昭和四十三年から減反の政策をとりまして、同時に、御承知のように農業をやめる人が大変ふえまして、当時、四十三年から四十九年まではどんどんたばこの耕作面積が減っていったわけでございます。そこで私どもは、このまま減っていっては困るので何とか歯どめをかけたいということから、昭和四十八年から設備近代化補助金というのを出しまして、近代化を行って労働時間を少なくする、設備投資を増大するというやり方をとったわけでございますが、しかし四十八年、四十九年も耕作面積は減る一方でございました。五十年になりましてようやく減るのがとまったわけでありまして、五十一年、五十二年、五十三年度は、それ以後だんだんと耕作希望がふえてまいったというような状況にあるわけでございますが、一方、五十年十二月にたばこの定価改定を行いました後需要が非常に減退いたしまして、たばこの売れ行きが減ったわけでございます。年々、数量で五、六%、価格で八%くらいふえるのが普通でございますけれども、五十一年度は実は数量で十一億本、五十年度より減ったわけでございます。五十二年度になりましてもその回復が余りはかばかしくないというような状況にありまして、そのために国産葉たばこは在庫過剰になっておりました。通常二十四カ月あれば足りるものが二十九カ月を超えるほどになっておるのでありまして、五カ月分以上の在庫過剰になっております。  そういったことから、五十三年度におきましては、御希望があったのでありますが、前年度の公示面積に比べまして九百ヘクタールを減らさざるを得ない。もっとも、これは毎年、耕作者の中で減反をされる人あるいは廃作をされる人がその程度、もっと多いわけでございますけれども、約二千ヘクタールぐらいは廃作されるし、あるいは減反される人がおりますので、その範囲内で公示面積を九百ヘクタール減らすという措置をとったわけでございます。そういう関係上、今後在庫過剰が続く限りは耕作面積を余りふやすことはどうもできそうもないという状況にあるわけでございます。  もちろん私どもとしては、たばこの販売がふえますれば、それに応じて耕作面積をふやすことにはやぶさかでないわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、五十年の定価改定を行いました後消費の伸びが非常に落ちておりますし、健康と喫煙の問題ということからいたしまして、なかなかたばこの消費の伸びということは余り期待できないという状況にございますので、そういう状況下におきましては、在庫過剰を抱えておる今日、なかなか耕作面積をふやしにくいという状況にあるわけでございます。
  196. 古寺宏

    ○古寺分科員 大臣、いまお聞きになったと思いますが、たばこの値段を上げますと、たばこの売れ行きが悪くなって専売益金が少なくなる。そして一方では耕作者が非常に困る。さらに円高の問題で、貿易収支の問題から外葉の輸入圧力が非常に高まってくるだろうと思いますが、こういう点を十分に配慮して今後価格改定の問題と取り組んでいただきたいと思います。  次に、たばこを収納する場合の買い上げ価格の問題でございますが、現在の価格体系が量目主義になっておりまして、専売公社の指導どおりに一生懸命やっていいものをつくっても、収入がいままでよりも下回るという結果になっておりますので、正直者がばかを見ないような価格体系を今後考えるべきだと思うのでございます。さらに、品種間の格差が非常に大きいわけでございますが、特にバーレー種なんかは一年くらいかかるわけでございます。こういう非常に苦労の多い品種が非常に低い価格に抑えられているという点についても見直しをする必要があるのではないかと考えるのですが、公社の方ではどうお考えですか。
  197. 泉美之松

    ○泉説明員 葉たばこの収納価格につきましては、先生御存じのように、たばこ耕作審議会に諮問いたしまして、その審議会の御答申によって決定をいたしておるわけでございます。その決定は必ずしも公社諮問どおりではなく、耕作審議会において審議の結果直される場合が多いわけでございます。私どもとしましては、いまお話しのように、いい品質の葉たばこをつくったならばその収益が大きくなるように、等級間の格差を大きくしたいという気持ちを持っておるわけでございます。ところが、耕作者の方々によりますと、一等、二等といういいものをつくるよりも三等、四等といったものを大量につくった方が、反当と申しますか、十アール当たりの収入はふえる、そういう点がございまして、どうもそこら辺がむずかしい問題になっておるわけでございます。私どもとしては、一等、二等に重点を置いた価格をつくっていきたい、こういう気持ちで、いまお話しのように品質格差を十分つけて、努力していいたばこをつくった人は収益が多くなるという形に持っていきたいと思っておるわけでございます。  なお、バーレーについてのお話がございましたが、黄色の中に一黄と二黄とございます。それから在来種が、いま一在はございませんで、二在、三在、四在、五在と四つあるわけでございますが、その葉っぱの間のバランスというのはいろいろ意見がございまして、なかなかむずかしい問題がございますけれども、バーレーについても、昭和三十五、六年当時に比べますと現在はかなり改善されてきておると思うのでございます。しかし、先生の御意見もございますので、そういった点につきましては今後さらに検討いたしてまいりたいと考えております。
  198. 古寺宏

    ○古寺分科員 この葉たばこの品質をよくするために葉たばこ乾燥施設近代化補助金というのがございますが、これが昭和五十二年度で打ち切りの予定が今年一年間延長したわけでございますが、ことしは非常に予算が下回っております。私調べてみましたところが、バーレー種の場合は近代化率が三六%でございまして、特に最近、ここ四、五年たばこ耕作を始めた方々の場合にはわずかに一〇%台であります。この制度を打ち切りますと、品質をよくしようと思ってもなかなか思うようにいかないわけでございまして、先ほど総裁からお話がございましたが、私はやはり品質の向上ができない一番大きな原因は、公社にあると思うのです。以前には、肥料をどんどんやる、農薬をどんどんやる、そして植えつけをどんどんふやさして大量生産をさせてきたわけですね。ところが今度は、たばこの在庫の調整が非常に進まぬというわけで、減反をしてまで抑えようとしている。ところが、こういうような近代化施設に対する配慮あるいは機械化等に対して十分な品質向上の対策がとられなかった。それが今日のこういう状況を招いていると思うのですが、今後この制度について、打ち切られた場合にどういうふうな対策をお考えになっているのか、承りたいと思います。
  199. 竹山賢治

    ○竹山説明員 原料部長の竹山でございます。技術的なことが先生の御質問のポイントになっているかと思いますので、私からお答え申し上げたいと思います。  ただいまお話のございました近代化施設整備事業は、四十八年から五十三年まで六年間の事業で実施をしているわけでございます。五十三年は六年目ということで、最終年次でございます。したがいまして、過去の五年に比べますと、かなり補助事業が進行をしておる関係がございまして、残っております計画の量が比較的少なくなっているという関係がございまして、ただいま御指摘のございましたような予算の面では前年に比べて下回っているというふうな状況でございます。それで私どもは、五十三年までの実施の結果を十分に検討をいたしまして、五十四年以降も品質の改善、生産性の向上を推進することを柱とする新たな構想のもとに近代化施設をさらに検討する考えでいるわけでございます。  なお、先生ただいまお話のございましたバーレーの近代化率が三六%というふうなお話がございましたが、青森県だけでそれを見ますと四八%というふうな数字でございます。  なお、五十三年は最終年次でございますので、産地の御希望を踏まえてその実施を検討する考えでございます。
  200. 古寺宏

    ○古寺分科員 時間でございますので、これで終わります。
  201. 正示啓次郎

    ○正示主査 続いて、田中昭二君。
  202. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 村山大臣には大変御苦労さまでございます。時間が短いので端的にお尋ねしますから、ひとつ明快にお答え願います。  まず、不公平税制の是正でございますが、はっきり申し上げまして、福田総理のこの問題に対する対応は、はなはだおかしい、疑問が残ると言わざるを得ないのですか、国民も大変理解ができないという声が多いわけでございます。  そこで、簡単に進めていきますが、わが国の税制の中で一番不公平と、国民からも指摘をされ、行政当局もその是正の必要性を認めてきた、社会保険診療報酬の特例でございます。これはもちろん健康保険の抜本改正と関連があるわけですが、その詳しい事情は省きまして、この診療報酬の特例を長い間見送ってきたことによって一番困ったのは、そこにいらっしゃる行政当局の皆さんである。そしてこのことが国民にさらに深い疑問を植えつけ、国民の納税意識を低下させてきた何物でもない。報道によりましても、開業医一人当たり七百万円の税金をまけてもらっておるという検査院の指摘などによる国民の意識にも明らかであります。これがひいては国民の信頼を失い、政治不信の増大となってきておるのであります。ここに至った一切の責任は、政府はもちろん、福田総理にあると言っても過言ではない、こう国民は批判しておるのです。所管大臣としていかがお考えになりますか。これは事務的なことよりも政治家として、いま国民が政治家に求めるものはまずその信頼性と責任感であります。そういう意味に立って、たてまえ論だけでなくて、本当に感じたこと、また胸を痛めておることをひとつ御披瀝をいただきませんと、私はなかなか納得しませんよ。どうぞ。
  203. 村山達雄

    ○村山国務大臣 これは田中委員御承知のように、昭和二十九年、議員立法でできた制度でございます。できたいきさつはもう御承知のとおりでございまして、一点単価との絡みであったわけでございます。その後診療報酬はしばしば改定されているわけでございますけれども、しかし、この税制は、税制調査会からしばしば是正すべきであるという勧告をいただいているにもかかわらず今日まで実現を見なかったことは、私は遺憾に存じておるわけでございます。  今年もこの問題を取り上げたわけでございますけれども、政府税調の方では、これはぜひ改めるべきである。党税調に諮りましたところ、この問題は自由民主党が責任を持って五十三年度限りの制度とし、それに対応する諸般の準備を整えて、いまの制度は五十三年度限りにすることに議員立法でもっていたします。こういうことを決定しているのでございます。本来議員立法でできたわけでございますから、やはり議員立法で直していただくということが私は一番筋が通っておると思いますし、そして今度は強い決意で今年度限りということを言っておりますので、われわれは現実的な解決方法として高く評価しているわけでございますが、政府も、党の検討と相呼応して同時に検討を始めて、この問題に何らかのピリオドを打ちたい、かように思っているところでございます。
  204. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 そう言われるけれども、先ほどあなたのおっしゃった中にもありました、この特例ができたときの模様から、その間政府税調においても十七回もこの是正が求められた。そして政府の最高の決議機関であります閣議決定においても、五十年度の税制改正のときには次の診療報酬と同時に実施を検討する、こういう合意事項ができておる。ですから、ここまではこう来たわけで、その後国民の世論というものも盛り上がって、そして例の昨年の野党、与党のトップの会談において約束したわけでしょう。だから、これは党の税調でそういうふうに決めたと言われますけれども、いま国民の意思を代表しているのは与党だけじゃないです。もとからですけれどもね。ですから、そういう背景から考えますと、私が最初と最後と指摘したように、福田総理は、この自民党の提案は妥当なものであるとこの予算委員会で言った。あなたもそれをお認めになった。党の言うことは、党の税調で決めたのは妥当であるというような方向、そういうことで行けば、今後もこれはどうなるかわかりませんよ。ここに福田さんがいませんから、おりますならば一言一言詰めていきますけれども、いない人のことを余り言うてもいけませんから……。だけれども、最後に言っておかなければなりませんが、政府というのは、行政機関というのは、仮に議員立法で悪いところがあったら、単純明快に国民の世論、国民の生活の中に――行政組織も困っている。そこにいらっしゃる国税の最高責任者の方も大阪で、何か不公平税制の最たるものであるとか、これがあるから余り徴税がうまいぐあいにいかぬとかいう趣旨のことを御発言になった。そういうことを言うと長くなりますから……。ですから、議員立法は議員立法ですよ。行政当局というものは国民の感情にマッチしたものに積極的に努力する。その努力する最高の責任者は総理でありましょう。どうもやはり、ここに総理に来てもらう以外にないみたいな感じになりますけれども、総理大臣と自民党総裁という二つの看板を掲げてやるところの、その何かお遊びみたいな感じがしてならない。しかし、昨年のあの与野党の合意ができました。あのことから見れば、五十三年度に是正ができなかったことは、はっきり言って、国民から見ればうそになったわけです。いまの政治家に求められているものは、指導性、うそをつくなということが一番問題ですから、同じことになると思いますが、もう一言大臣から、それじゃ五十三年度やめたならば、今後どうするか。まあ改正すると言いましても、五十三年度きりでやめると言っても、また五十四年度新しく始めれば何にもならぬわけです。この特例の根本的な欠陥というものはわかっておるのですから、もう一大英断でメスを入れる、こういうような御答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょう。
  205. 村山達雄

    ○村山国務大臣 自由民主党も、今度のような形で決意をしたのは実は初めてでございます。私も長年やっているわけでございますが、非常にかたい決意でやっているわけでございます。しかし、この問題の従来のいきさつもまた田中さん御承知のとおりでございまして、そして諸般のそれに対する対策をどういうふうにやりながら開始するかというところをこれから検討していくわけでございます。政府といたしましても当然政府なりの責任があるわけでございますから、自民党の検討と同時に検討いたしまして、そして、いま申し上げていることが実現されるように、全力を挙げてこの問題にピリオドを打ちたい、かように思っているところでございます。
  206. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 余り私は納得できませんけれども、次の問題もございますから次に移ります。  次は、これは唐突な話になりますが、大臣は新聞は毎日お読みになっていると思います。先月の二十六日と言えば二、三日前のことでありますが、二十六日に、郵便貯金の脱税という報道がございましたですね。お読みになりましたか。これは重大な問題を含んでおると私は思うのです。大臣もそうだろうと思いますが、その大臣がこれは重大な問題だと思われているものがありましたら、また、あの報道を読まれて大蔵当局としてどういう感じを受けたのか、お聞かせを願います。
  207. 村山達雄

    ○村山国務大臣 あの中には、二つのあるいは三つの大きな問題があると私は思うのでございます。  一つは、法人税あるいは所得税の不正申告をした人が郵便貯金という形でその資金を隠しておった、こういうことでございます。全部が全部ではないと思うのでございますけれども、この郵便貯金は御案内のように、いま財政投融資の最大の原資になっております。財政投融資が伸びていくということはきわめて重要な問題でございます。しかし、そういう形でやられているということになりますと、これはなかなか問題でございまして、われわれは郵便貯金の健全な発達を望むわけでございますし、また郵便貯金が健全に発展していくということは、やはり正常な意味で健全なものでなければ長続きはしないと思うのでございます。その意味で、われわれは、その運用というものがやはり本来の郵便貯金の趣旨に沿ったような形で伸びていくことを期待しているものでございます。  従来、その種の問題がありますときには、当然のことでございますが、税務官庁として反面調査を要する場合は郵便官署の方と連絡をとりまして、円滑かつ適正な税務執行ができますように、そしてまたそれが適正な運用をしておる郵便貯金者に影響を及ぼさないように大いに意を用いているところでございます。両省の協力関係は最近は非常にうまく行っていると私は思うのでございまして、その意味で、今後郵便官署との間には従来どおり円滑な執行を期していくわけでございますが、しかし、こういう形で利用されるということは、長い目で見て郵便貯金の伸びに影響するのではなかろうか。この問題につきましては、やはり大蔵省と郵政当局はさらに緊密な連絡をとりまして、そのようなことのないようにしたいと思っております。  それから第二点でございますが、あの中に税務官署の人間が、言葉は何かおとり調査とかなんとかいう話がありまして、これは非常に心配いたしましてその事実を確かめたのでございますが、そういう事実はないということがはっきりいたしました。この点は安心いたしたのでございますが、いやしくもそういう疑いは持たれないように、今後ともわれわれは自粛していく必要があろうと考えているわけでございます。
  208. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 ちょっとあれだけの報道に対する大蔵大臣としての認識は、確かにいまおっしゃったことは間違いありませんけれども、もう一つ大事なところがあったのじゃないかと思います。  まず、いまおっしゃった第一点の中で問題が残るのは、郵便貯金が健全であるのは、これはもう法が求めるところでございまして、これがなかなか世の中というのはそういうふうにいかぬもので、大蔵省の財政の中で郵便貯金の寄与率が大変大きくなって、そして、ことしの財投資金を見ましても、この不景気のときに、会社は倒産してみんなつつましやかな生活をやっていかなければいかぬようなときに、公共事業だけどんどんふえていますけれども、公共事業の金は郵便貯金にはいかぬでしょうから、六兆何ぼの資金に対して五千億も原資を見ている。それは当然、やはり郵便局の方にいわゆる期待といいますか目標額というものがいく。どうもいまの大臣の認識はあべこべであって、また、郵便貯金だけを見ましてもそれは健全にいくべきだけれども、一年間に健全でないものが数百億、数万件にわたるというのは、これはもういわゆる世の中の事実に沿った現状である。その辺の認識が問題だということと、それから大蔵省としてはいわゆる課税当局を持っておる。その課税当局がおとり調査というように書いてありますけれども、金融機関には、零細な郵便局が扱う郵便貯金から、都市銀行初め日本の財界の金でうなっているような金融機関もあります。こういうところは、それぞれ預金者保護、秘密保持ということで一般的な調査はなされてないのが現状なんです。そういう問題とうらはらに、おとり調査が悪ければ郵便局に課税当局がお客さんを装って行くというようなことは、大変心配したと大臣はおっしゃったけれども、どうもあの報道はその辺のことがある。これは私、指摘だけしておきます。ただごとではない問題が惹起する。もう時間も制限されておりますが、そう言えば大臣も大体おわかりいただいたと思います。  そこでもう一つ、その翌日に郵政大臣と、閣議の後でそれから前も何かお話しになったようでございます。そのときに郵政大臣からは実情の調査の申し入れがあっておるようでございます。それに対して大臣はどのように対応されましたか。
  209. 村山達雄

    ○村山国務大臣 まず前段の方から、ちょっとさっきの答弁が不足でございましたのでつけ加えさせていただきます。  いま郵政省との間で相互信頼関係でやっているわけでございまして、税務で個別調査によって郵便貯金の方に脱漏資金がいっていると思われるときには、向こうに協力をいただいておるわけでございます。しかし、何しろ預金のことでございますから、個別的の疑いなくて一般的に調査をして資料を集めるというようなことは、銀行と同じように、やらないことは当然でございます。また郵政省の方でも、限度三百万円というものがありまして、あれを郵政局でずっと名寄せしておりまして、服部大臣は去年一年で約百三十何億やったということでございまして……(田中(昭)分科員「大臣が言ったことに対して」と呼ぶ)それから、あの新聞が出まして、私はそのときまだ見ておりませんでしたが、閣議の後で郵政大臣が私のところに参りまして、例のおとり調査という部分を示しまして、これは重大なことだからひとつ調べてくれというお話がございました。私は、調べまして直ちに一遍御相談しましようということで、会談を約したわけでございます。それで調べましたところ、そういう事実がないとわかりまして、まだ会談いたしておりませんけれども、できるだけ早い機会に郵政大臣と会談いたしまして、そしてそのような事実がないこと、さらに両省間の協力関係を深めていくことをお願い申し上げよう、こういうぐあいに思っているところでございます。
  210. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 郵便貯金と税金という問題は、大体余り関係がないのですけれども、えらい世間をにぎわすことになることは、どうも私としても大変心配するわけです。  そこで、大臣は何かお忙しいものですから新聞もお読みにならなかった。それは大変だろうと思いますが、やはりああいう新聞は所管大臣として読んでもらっておきませんと、結局、大臣の方は財投も抱えておるわけでしょう。税金のことも抱えておるわけでしょう。そうしたら、やはり郵政大臣にも読んでもらって、お互い話し合ってうまいぐあいにやっているのですから、その辺のことは会談もやはり早くなさった方がいいのじゃなかろうか、こういう気持ちがあります。  ここで申し上げておきますけれども、ここ二年三年にわたって、本当によくない話ですけれども、郵便貯金と脱税の関係の記事が、どうしてか予算編成から成立するまでに集中するのですね。これは一遍、大臣考えてみてくれませんか。申し上げておきましょうか。ここ二年間で、十二月には三件あっているのです。それから一月は二件です。二月は六件です。三月が五件です。五月が一件です。あと八月に三件ございますけれども、二十件のうち十七件ですか、これがいまの予算編成の時期なんです。うなずいておられますから、これが何を示すものかはおわかりになっておると私は受け取りたいと思うのですが、これはわかりませんか。私もよくわからぬのです。何で郵便貯金と脱税というのがこの時期に集中してくるのだろうか。記事はずっと全部ここにございますよ、差し上げましょうか、大臣。私はこれは何か深い意味があると思うのですが、大臣から教えてくれませんか。
  211. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いま国税庁長官と、どういうことだろう、そんなことを意識してやるはずもないのだが、法人税の方の事務年度の関係ではなかろうかなということで話し合っておったところでございます。御承知のように事務年度が変わって、会計年度とは違う七月から始まって六月までやっておりますので、その間ずっと準備作業その他やっておりますので、調査の最盛期がたまたまそこにぶつかっておるのではなかろうかなと、二人で話し合っておったところでございます。
  212. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 これは調査とは関係ないのですよ。予算編成のときに集中している。だから、国民の世論の一つのあらわれが報道になってくると私は思うのですよ。全然わかってないようでございますから、これで議論しておりますと、これは一日じゅうでも、お互い納得できぬ。いまの御答弁では私は全然納得できませんよ。何月が何件と私は申し上げたのですから、そういうことがおわかりにならない大臣ではなかろう。いまのはたてまえだろうと思う。  本音が触れられませんから次の質問ができないのですが、それでは今度は全然変わりまして、自治省の方、来ておりますか。細かい問題でお尋ねいたします。  税の問題も、よく見てみますと、やはり権力や力のあるところには税金をかけないとか、それから弱い者には、郵便貯金するような人にはおとり調査までやるとか、本当にそういうところもあるのですよ。まだ表面に出てこないものもあるのです。私も経験がありますからよく心得でおるつもりでございますが、まあそれは自治省が何も特別なあれじゃないのですが、自治省にお尋ねしたいのは固定資産税の関係です。  これは率直にお尋ねしますが、私は福岡県でございますが、福岡県も離島とか辺地がありまして、県の一つの仕事として細かい診療所なんか建てますと、それから私はいま逓信委員でございますが、簡易郵便局という小さな郵便局があるのですが、これも建てますと、やっている仕事は国の仕事なんですけれども、固定資産税がかかってくるのですね。それはそれなりの法の定めによってやるわけでしょうけれども、まず、こういう診療所なんかの固定資産税をまけてやるということはできないのでしょうかね、簡易郵便局も含めて。
  213. 吉住俊彦

    ○吉住説明員 簡易郵便局の件につきましてお答えを申し上げます。  簡易郵便局は、その郵便局を国の委託によりまして経営なさる、業務を行われるわけでございまして、その資産はその方のものでございますし、その限りにおきましていまの税法上は非課税とはならない、こういうことになるわけでございますし、さらに、多少大きくなりまして特定郵便局になりましても、今度はその郵便局の局舎を有償で国に貸し付けている、こういうことに相なりますので、いまの税金のたてまえから申しますと、これは課税にならざるを得ない。同種のものは幾つかございまして、たとえば屎尿処理とかごみ処理をやっている業者の方がいらっしゃいますが、これはやはり地方公共団体の委託を受けてそういう仕事をやっていらっしゃるわけでございます。そういう資産に対しましてもやはり負担をお願いしているというような一般的な原則がございまして、その原則のもとで、簡易郵便局につきましても御負担をいただいておる、かようなことでございます。
  214. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 診療所がどうなっているか、お答えがなかったのですが、いま特定郵便局の話が出ましたけれども、特定郵便局は確かにそれは私有財産の場合に課税されていますが、それに対してはそれなりの家賃を郵政省の方が支払っておるのです。ところが簡易郵便局というのは、大臣、幾らぐらいもらっておるか知っておりますか。特定郵便局みたいな家賃は全然出ないのです。その証拠に、平均して大学卒の初任給もないぐらいですね。それで一軒構えて、昔は、簡易郵便局が発足したころは、自分のうちを改装してやっておったのですが、いまは一軒建てるのもあるのです。これは全部国の仕事をやっている。これはほかに使わないのですから、普通の郵便局と一つも変わらないのです。普通の郵便局は非課税じゃないですか。名義課税がずっとされていますからその点はまた別でしょうけれども……。だから私はさっき言ったのです。大企業はがばっと税金は抜けているのです。大臣、御存じでしょう。これは固定資産税であろうと何であろうと、御存じないですかね、主税局も来ていらっしゃるが。医師の特例の先ほどの話でも経費率をよけい見ているということでも、税率だと言って間違えて平気でおるのだから。その話は別にしまして、大臣、こういう細かい税金については、いまはできませんでも、将来自治省の方も考えていただく、また大蔵省としても進んでそういうものについては話を進めていくというようなことで、どうでしょうかね、いままでの課税の規定がありましょうから、そういうものは逐次、細かいそういう診療所とか郵便局で、国の仕事をやって、それ以外はそこはやらないのです。そこに寝泊まりも何もしないのです。個人の生活に使うわけでもないんです。そういうものぐらいは非課税にする。大企業が全然固定資産税も払っていないこともあるのですから。国の機関でもそうでしょう。固定資産税に相当する分を交付金でやっておると言うけれども、地元の市町村には、国の、公社関係の固定資産があっても、そのとおりには交付金は来ておりませんよ。まあ一般的な考え方として最後に大臣のお考えを聞いて終わりたいと思いますから、よろしく。
  215. 村山達雄

    ○村山国務大臣 質問が非常に広範多岐にわたっているわけでございますが、不公平税制の是正につきましては、われわれは財政当局といたしまして、今後ともできるだけこれを整理する方向に全力を挙げてまいりたいと思っております。  いまの固定資産税の問題は、直接には自治省あるいは税制調査会の問題でございますが、現在のたてまえから言いますとなかなかむずかしい問題は、田中さんも専門家であるからよくおわかりだろうと思います。したがって、この問題はさらに検討を深めていくということを申し上げたいと思います。
  216. 吉住俊彦

    ○吉住説明員 検討させていただきます。
  217. 田中昭二

    ○田中(昭)分科員 どうもありがとうございました。
  218. 正示啓次郎

    ○正示主査 どうも御苦労さまでした。  続いて、工藤晃君。
  219. 工藤晃

    ○工藤(晃)分科員(新自) この前、二月二十日、予算委員会の一般質問でやはり村山大蔵大臣に御質問をいたしました。その主たる内容は、いわゆる医師優遇税制と言われております社会保険診療報酬の所得計算の特例について御所見を承ったわけでございますか、本日はやはりそれに関連しまして、時間の都合で十分討議されなかったので、また時間の許す限りそういう問題について討議をさしていただきたい、かように思います。  ところでこの間私が質問申し上げました要旨は、いわゆる医師優遇税制と言われているものが、何をもって優遇と言い、何をもって不公平税制と言われているのかという、そういう素朴な質問をいたしました。先ほどの田中委員の発言要旨の中にも、これは不公平の代表的なものだから、重大決意を持って五十四年度には是正しろ、こういう御意見のように御発言なさっておりました。問題は、その不公平であるという、そういう問題点の原点を、それが本当に不公平なのか、どこをもって不公平と言い、どこをもって優遇されていると言うか、そういう点について国民が正しい情報を握らなければならない、またそれに関連してくる問題についても十分取捨選択しなければならない問題がたくさんあると私は思うのです。そういう上に立ってなおかつそれが不公平であり、是正されるべきだと言うなら大いにやらなければいけないし、それもいまも大臣おっしゃっておりましたが、重大決意をもってやりたい、こういうふうにおっしゃっている。だから期限はある意味においては切られたわけです。それまでにそれに関連する問題についても十分整合性のある配慮をしていきたいということもこの問の私の質疑の中で大臣はおっしゃっておられました。でありますから、私は、やることを前提に、それではどうすれば一番国民が納得できる解決方法か見出し得るかという点について、きょう私の考え方を交えながら御質問をさしていただきたい、かように考えるわけです。  私はどういう立場で発言をするかというと、私は職業は医師でございます。人の命を守るという立場に立ってこの問題について話し合いを進めたい、かように考えるわけで、だからといって何が何でもそういう立場だけを主張するわけではない。しかしながら医師優遇税制という名前がつけられている以上、医療問題に関係することは間違いない。それもまたいままでの健康保険制度と深いかかわり合いを持ってきたということも、歴史的背景から見て十分あるということを大臣もお認めになっていらっしゃる。そうすれば、一つの制度をいじる場合に、そのいじった結果どういうところへどういう影響が来るか、どういうメリット、デメリットが出てくるか。また元来その税をいじるだけでいいのだというのでは、これは話は別なんですけれども、医療制度という国民の命を守っていかなければならない、こういう制度の根本にメスを入れようという一つの問題でございますから、その税の公平を図った瞬間に国民の命が逆に不安な状態に置かれるということがあっては、これはもう本末転倒と言わざるを得ない。そういう立場で、私は与えられた時間の中で大臣に記憶をしていただいたり、あるいは判断していただいたり、お答えをいただいたりすることを求めたいと思います。  それでまず第一番に、私がお尋ねいたしましたときにもこういうふうにお答えになっていらっしゃいます。「昭和二十九年に議員立法をもって出発しましたいわゆる医師優遇税制につきまして、従来、不公平であるとか優遇であると言われたのは何かというお尋ねでございますが、従来言われておりますのは、私の理解では、収入に対する経費の割合、逆に申しますと所得の割合というものは、極端に申しますれば一人一人違うであろう、それを一律に経費率が七二%だ、それを法定しているところが、それが優遇であり、不公平税制だと言われていると私は理解しているのでございます。」こう大臣はお答えになっていらっしゃる。それからまた「税制としてはそういうことであろうかと思います。ただ、その結果として、どれぐらい所得が平均的に安くなり、税額がどれぐらいになるか、この問題はその結果として出てくる問題でございまして、先般の会計検査院が調査した、あれも一例であろうと思うのでございます。」こういう答えをされておる。その「先般の会計検査院が調査した、あれも」という例は、昨年の十二月十五日に新聞に大きく発表されました昭和五十一年度決算検査報告、会計検査院が出しましたこのものを対象におっしゃっていると思います。  ところが、この前、会計検査院に対して私は質問いたしました。この資料が果たして妥当と言えるのか、正しい資料と言えるのかどうか、こういうことについていろいろと議論をしたわけです。時間がありませんから結論として申し上げますけれども、公平なデータではないという御意見を述べておられます。もしそれが誤るといけませんので申し上げますが、五千三百七十二人のうち千五百五十三人のお医者さんは、経費率が七二%を上回るということでその恩典に浴していない、こういうことでありますし、それから高額所得者、一千万以上の所得者を対象にしたということ、一千万以下のデータは一切持っていないということ、そういうデータ。それはその書類の中でも、調べた中の三七%の対象者ですね。そういうふうなものでございまして、六三%に対して何も手を加えていない、何も調査していない、そういう資料をもって、それも歯科から医科から、すべて自由診療まで全部入れてしまって、込みにして、それから各診療科目も全部一緒にしてしまう、それも高額所得者だけを対象にして出てきた数字が総経費五二%というわけですね。それが七二%の間に二〇%の開差がある。この開差には課税対象になっていない、それが不公平である、あるいは優遇されているという、この争点の根拠というのはそこなんですね。ところが、どう考えても、それ以上オーバーする人は皆除外しました、そして所得の少ない人で経費率が高いだろうという人はみんな除外しました、もうかっている人だけを対象にして五二%の経費率で計算をいたしましたのがこの数字でございます。これが国民に発表されたわけですね。それをもって大臣も、一例としてこれが優遇されているというその根拠になっているわけですね。  そうなってくると、問題は、制度上の問題として不公平だということはよく理解できる、しかしそれをもってすべての医師が全部経済的な優遇を受けているということが当を得ない回答だ、こういうふうに私は申し上げたわけです。だからそういう意味において、国民がもし経済的に医師が優遇されている、そういう制度があるために経済的に優遇をすべて受けているのだというふうに解釈したとすれば、これは資料の出し方が悪いし、国民の方にも、それはそうではないのではないか、こういう資料でございますよということははっきりさせる必要がある。しかしながら、制度として、これは大臣がおっしゃったように不公平な制度だから是正しなければならぬということについては、私もごもっともな話だと思います。だからそこのところだけははっきりしておきたい。  それで私が申し上げたいのは、所得に対して当然税の申告をしなければならぬ、そのときに一律七二%として認めてもらうために、申告の義務が時間的に非常に軽便化されている、時間的に優遇を受けているのですね、そういう作業ができるだけ簡便にできるようになっているわけで、それは確かに医師としては優遇されていると思いますし、私もその点は本当にいい税法だと思っていた。しかしそれかいけないということになりますと、問題はすべてこれは申告していかなければいかぬし、また制度としては証拠主義ですから、そういうものに対してすべての証拠を集めていかなければ税の申告はできない、そういうことでございますね。  そうすると、ここに命の番人として申し上げなければならぬ大きな問題が一つあるわけです。それは何かと言いますと、皆さんも御存じのように、これは大臣も御存じだろうと思うのですが、健康保険の診療報酬を請求する場合に非常に細かい計算までしなければならない。何円何十銭という計算をすべてしていかなければいかぬ。一枚一枚のカルテのその月の請求を全部しなければいかぬ。大変な作業なんですね。自由経済体制の中において所得を得るためにそれだけの作業をしなければならぬ業種がほかにあるでしょうか。税の申告に対しては、確かにそういう意味において作業を免除されている。しかしながら、所得を得るそのときそのときに物すごい労働をし、神経あるいは精神をすべてそういうところに傾注していかなければならぬ、月末から月初めには大変なオーバーワークをしているという事実を国民の皆さんが全部知っておかなければいかぬ。そこへもっていって、なおかつ税の申告をしなければならぬという作業がまた倍加されるわけですね。医師は一体何のためにこの世の中に存在しているかというと、そういう作業をするために存在しているのじゃないのですよ。患者を診て人の命を助けるために持っている二十四時間を最高に使うことが社会資本の正しい使い方だと私は思うのです。いまでも、医療は荒廃して、三時間待って三分だとか、いろいろな医療サービスの低下に対して国民は物すごい憤りを持っている。そういうことをやれば、今度は三時間待って一分ですよ。最も不得手のところにすべての能力を傾注させて、そういうことをやることが社会的に公平なのかどうかということを私は改めて問題提起したいと思います。医師が医師たるゆえんは患者を診ることです。そして命を助けるために全力投球をすることが医師の任務だと私は思う。また社会がそれを認めなければならないと思います。ですから、そういうことも、私は税法上の問題を取り上げるときにはあわせて考えていただかなければならない大きな問題だと思う。  確かに医師優遇税制によって、あるランクの人たちには経済的には非常に恵まれた人もいるかもしれません。しかしながら、すべて恵まれているということは大きな誤りだ。なぜならば、この間から申し上げたとおりに、こういうデータのもとに出ている根拠ですから、そうでない人もたくさんいるわけです。しかし、時間的に優遇を受けているということだけは事実だけれども、逆に言えば診療報酬という決められた、完全に統制された経済あるいは管理社会の中でそういうものを全部一銭一厘間違いなく報告しなければならない。注射一本何点、お薬はこれだけの種類を使ったから、この薬一つ一つに何円何十銭掛けるの何倍の何のというのは大変な作業だと私は思う。そういうことを毎月毎月申告しているという事実もあわせ考えなければならぬと思う。そういう意味では二十四時間の持ち時間は、だれがどのように整合化しようと思っても、二十四時間は二十四時間なんです。その二十四時間だけは、いかに再生産しようと思ってもできない。そういう貴重な時間をそういうことのために費やさせることが国益なのか、国民の幸せにつながるのかどうかということも私は国民に問うべきだと思うのですね。そしていまの税制そのものがそれでいいと言うのじゃない。言うのじゃないけれども、そういうことに対して十分配慮をし、より整合化さしていくことが政治の重要な任務だと思うのです。大臣もまた政治家です。税の番人ではないから、そういう立場でこういう問題についてもお考えいただかなければならない、こういうふうにも考えております。  それからもう一つ申し上げます。  いかに会計検査院の資料が私に言わせれば整合性を欠く資料かということを申し上げたいのです。先ほども一人頭七百万だとかなんとかというような軽減を受けているというようなことをおっしゃっていますけれども、こういう資料をもとにして全般に一人頭幾らなどというようなこんな数字を出すというのは、全くもって数字の専門家のやるべきことではないと思うのです。完全な投影をしていない、実態をつかんでいない、そういう数字のもとにはじき出して、これを一人頭幾ら税が軽減されておりますよと言うのは、あえてそれが優遇されているがごとく国民に誤った理解をさせるために出した数字じゃないかというふうにも疑われるわけですね。そういう意味において大変大きな誤解を生んだとすれば、世の中に大悪を流したのじゃないかと私は思う。また大臣もそういうものを資料にして、これはもっともな話だなどとおっしゃっていたらえらいことですから、これははっきり申し上げておきます。  それからこの前会計検査院にも申し上げた。大臣にも申し上げたい。税の問題だけを云々するわけじゃないので、医療全般にわたってこの機会に申し上げたい。  国民が求める医療、人命が尊重される医療をどうやってつくるかということになると、これはいろいろな問題点がそこに起きてくるわけです。そういうものをすべて置き去りにして見切り発車してしまったらえらいことになると思います。だから、そういう意味において大臣にいろいろな資料をあえて提供し、できることなら国民にもそういう資料をあからさまに出して、そして国民に判断を求めることが正しい行き方だろうと思いますので、あえてここで申し上げるわけでございますけれども、たとえば健康保険制度の中に政府管掌健康保険と組合管掌の健康保険の二通りがワングループになっている。それは大臣も御存じのとおりです。ところがこれは全く負担、給付がアンバランスで、格差が非常に大きい。制度的に言えば一つのグループの中でお金のない人、貧乏な人は貧乏人同士が保険をし合い、お金持ちはお金持ち同士保険し合う、そしてまた健康な人は健康な人同士保険し合い、病気の多発するグループはその中で保険し合っている。それが、お金がない人で病気の多発層を抱えたのが政府管掌健康保険です。それから病人がいない、健康な人を対象にして病気になったときの保険料を取ろうというので、所得の高い人を対象にしてつくられているのが健康保険組合です。ところがこの財源が一つもプールされていない。全く別世帯でおれはおれ、おまえはおまえ、財布は全く別なんですよというのがいまの状態ですね。果たしてこれが社会保障と言えるのかどうか、私は大変大きな疑問を持っている。これは企業内保険であって、社会保障では決してない。だからこそ、この前も健康保険法の一部改正法案で野党も全部反対した、わが党だけはしようがないから賛成した。そういう問題があるわけです。それは何かというと、ボーナス保険料を政管健保にだけかけましょうという案が政府から出てきた。これは大蔵省も承知なさったはずです。これだっておかしいじゃありませんか。何のために社会保障をするか。金持ちを保障するのじゃなくて困った人を助けてあげるのが社会保障でしょう。ところが困った人がなおさら困るようにいまの制度はなっているじゃありませんか。そういうところへボーナス保険料を片方の中小企業の、所得が恵まれない、病気の人が多いところからだけ取る。ここにいらっしゃる方々も共済保険から定年退職すれば政管健保、国民健康保険という非常に財源が脆弱な、いわば貧しい組合へ移行するわけです。そういう人たちは、ふだん病気をしないときにはたくさん保険料を払って、その人が今度病気多発年齢、要するに定年退職してからのそういう時代になると、非常に給付率の悪い、財源の乏しい、貧しい制度の中で自分の命を預けなければいかぬ。ところがその間には何のプールもない、何の財源的なプールもないじゃないですか。だからこれをもって社会保障と言えるとは私は思わない。そういう問題についても、これは前から言われていることなんです。保険料を上げるときだけは、そんなことはけしからぬ、一パーセントのボーナス保険料を政管健保にかけるのは大変よくないということを全部言う。ところがそういうものをプール化しようと言ったら、だれもそれに対しては賛成しない。一体これはどういうわけなんですかね。私にはわからない。貧乏人を助けるのが社会保障だと私は思う。金持ちを助けるのが社会保障ではない。また健康保険制度というのは、大臣、やはり零歳から死ぬまでの間を一貫して保障していく、命を保障していくというのがそうだと私は思うのですが、そういう問題も一向に改善されようとしていないわけですね、反対反対と言って。だから私は、そういうこともはっきりとこの制度を改善するときには考えなければならぬ問題だと思うのです。  それからもう一つ、これは重要な問題ですから聞いておいてください。その健康保険組合が毎年毎年黒字になっていく。何百億という黒字を重ねながら、その保険収入に対しては非課税ですね。それからそういう財源をもとにして、保養所とか施設とかいろいろなところへ不動産投資をしていく。投資と言ったら厚生省は、いやそれは投資じゃないのだと言うから、改めて金を不動産に置きかえた、こう言うのが正しいそうですけれども、私は専門家ではないから投資と言いましょう。そういう不動産に対しても非課税だ、いろいろな意味で。一体何のためにそういうことをしなければならぬかというと、やはりそれなりの法律の大義名分があるからやっておるわけでしょう。やはり公共法人だから非課税だというわけですね。しかしながら収入があればそこに利益が計上されるというか、黒字になれば税金がかかるというのは一般常識です。ところがそういうところには税金がかかっていかない。なぜかといえば公共性が高いから、だからそういう面においては税金をかけなくてもよろしいと言う。だとすれば、診療報酬だって公共性のある仕事をして、その結果得た収益じゃないですか。それは不公平だと言う。そこにも私は何か納得しがたい、おかしな理屈が成り立つのじゃないかと思うのですね。だからそういうことも含めて、やはり制度を見直すとすれば、当然そういうところに整合性を持っていかなければ普遍性のある公論にはならないと私は信ずるからでございます。だからそういうこともはっきりと大臣の前に私は申し上げて、そういうことに対しても十分な御配慮をいただかなければならぬ。どうするかという問題を国民の前に提起し、またそれについて討論し、十分国民が納得できるようにしていかなければならぬと思うのですね、国会の任務としては。  そういうことをしゃべりまくって時間がなくなりましたが、大臣、こういういろいろなことがございます。ですから私が申し上げたいのは、最後に一言でいいのだが、大臣はそういうことについてはっきりと、私が言っておることは誤っているのか、あるいは私の言っていることはそれはそれなりの根拠を持った話であるかということについて大臣から所見を承って、そしてそれについて十分御配慮いただくと同時に、そういうことについても十分整合性を図ってもらわなければ納得しないだろうと思うのですね。やはり一番必要なことは一体何が大切かという、人命を尊重するというこういう社会をどうやってつくるかということだと思うのです。医師優遇税制に対して国民が非常に憤りを持っているのは一体何かというと 医者がもうけているということ、そういうことじゃなくて、医療の荒廃に対して腹が立ってしょうがないわけですよ。だから一矢報いたいという気持ちがそういうところへ行っているのじゃないかと思うのです。だから医師優遇税制と言われているそういう制度の中で、そういうものを是正したから、では医療はよくなるのか。私は、そういけものをちゃんと整合化していなかければ、かえって医療は荒廃すると思います。そういう中でやはり正しい整合性をどうやって見つけていくかということを早く急がなければ、あと一年しかありませんからね、大臣。だから私はこれについて厚生大臣にもこれからどんどん言っていくのだけれども、大蔵省の方でも十分検討されて、私が申し上げていることに納得のできる答えを出していただけますか。最後にこれをお聞きします。
  220. 村山達雄

    ○村山国務大臣 非常に広範多岐にわたる話でございます。  会計検査院の報告につきましては、私に関する限りは誤解ございません。会計検査院のこの報告は事実がそのまま書いてあるわけでございまして、これこれの適用除外を受けた者はこれこれ、七二%の適用を受けた人についてこういう調査をいたしましたところがこういう結果が出てまいりました。それからまたあれは選択でございますから、経費率がそれ以上の人はもちろん選択するわけはありませんから、そういったこともよく書いてあるわけでございます。これをもって全部を推しはかるということはそれはできないだろうと思うわけでございまして、克明にこれを読みますとどの程度のものであるかということは事実がよくわかるのでございます。  それからまた医療の問題が人の生命を預かる大事な仕事だ、もう全く同感でございまして、私もくにでよく知っておるわけでございます。非常にお忙しいお医者さんが非常に多くて夜中まで診療しておる。一々計算をやっておるのはなかなか大変だというお医者をたくさん存じておるのであります。そういう中で、私が申し上げたような意味の税制の改正というものをやはり税制としてはやっていかなくちゃならないが、それに関連する幾多の問題があると思うのでございます。先生のおっしゃったようなことも問題の一つかもしれません。またたくさんの問題があると思うわけでございます。医療保険の統合問題、これは大問題だろうと思うのでございまして、厚生省でいま抜本的な改正を考えているところであるわけでございます。  いずれにいたしましても、この医師優遇税制が二十九年に発足したということは、それだけの理由があって発足したわけでありますし、診療報酬との絡みの問題もよく知っているわけでございますから、そういった点に細かく配慮いたしまして、党の方でそれらの問題を総合的に考えて、そこで本制度、いまの制度は少なくとも五十三年度限りにしたい、こういう決意をいたしているわけでございます。したがって、政府もこれに呼応いたしまして、いまあなたがおっしゃったような問題も含めまして検討を、相協力しながら強力に進めてまいりたい、かように思っておるところでございます。
  221. 工藤晃

    ○工藤(晃)分科員(新自) 昨日であったと思いますが、会計検査院に対しまして私が申し上げたのは、この資料を発表された理由は、事業効果などの見地から問題を提起し、事態の進展を図り、または今後の事業運営、経理執行などの参考に資するために「特に掲記を要すると認めた事項」として、この「社会保険診療報酬の所得計算の特例について」という発表をされているわけです。だから私がいま申し上げましたようなことを含めて会計検査院にお願いしたのは、保険組合の方もそういう非課税という問題を、一体これが正しいのか、あるいは不公平ということになれば何をもって不公平と言うのか、私は、いろいろその申し合わせが違うのでしょうが、もし当然収入があれば、そこから税を取っていくのが税の根本の考え方だとするならば、非課税であるということはこれは不公平だという意見か出てもおかしくないという気がするわけです。だから非課税であるという原因が一体何かと言うと、公共性があるからそういうふうに非課税にしているのだと言うならば、だから公共性とは一体何ぞやということも検討しなければならない、こう思うわけです。だから制度として公共性があるかどうかをもう一遍検討していただかなければならぬからそういう資料を出してくれ、こう言いました。そうしたら、大蔵省にもいろいろ相談をかけなければわれわれにはできないと言うから、どうか大蔵省も今度はひとつ大いに協力して、そういう面の資料も出してください、そういうふうにお願いをしたいと思います。
  222. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いま健康保険組合の話が出ましたが、これは公法人でございます。したがって、これは当然非課税になる性質のものでございます。その点だけは申し上げておきます。
  223. 工藤晃

    ○工藤(晃)分科員(新自) ですから、私は法律上おかしいとかいいとか言っているのじゃなくて、概念として、そういう健康保険に絡む問題がいろいろある、その中にも矛盾点かいろいろあるという点を指摘して、法律上これは非課税あたりまえなんだと言ってしまえば、この医師優遇税制だって、いまはちゃんとそういうふうになっているのだから、違法行為ではないわけなんだから、だからそういう意味においては、私はそういうものをすべて洗い直して考えてみる時点に来ているのではないかということを申し上げたので、決してそういうふうな意味で申し上げたのではないということをつけ加えて、終わります。
  224. 正示啓次郎

    ○正示主査 以上で、大蔵省所管についての質疑は終了いたしました。  次回は、明三日午前十時から開会し外務省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十分散会