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1978-03-07 第84回国会 衆議院 予算委員会 22号 公式Web版

  1. 昭和五十三年三月七日(火曜日)     午前十一時一分開議  出席委員    委員長 中野 四郎君   理事 小此木彦三郎君 理事 加藤 六月君    理事 栗原 祐幸君 理事 毛利 松平君    理事 山下 元利君 理事 安宅 常彦君    理事 大出  俊君 理事 近江巳記夫君    理事 竹本 孫一君       伊東 正義君    奥野 誠亮君       海部 俊樹君    金子 一平君       笹山茂太郎君    塩崎  潤君       澁谷 直藏君    正示啓次郎君       白浜 仁吉君    田中 龍夫君       田中 正巳君    谷川 寛三君       根本龍太郎君    藤田 義光君       古井 喜實君    坊  秀男君       松澤 雄藏君    松野 頼三君       渡部 恒三君    井上 普方君       石野 久男君    石橋 政嗣君       岡田 利春君    岡田 春夫君       川俣健二郎君    小林  進君       兒玉 末男君    藤田 高敏君       武藤 山治君    横路 孝弘君       大橋 敏雄君    草野  威君       坂井 弘一君    広沢 直樹君       二見 伸明君    大内 啓伍君       河村  勝君    柴田 睦夫君       寺前  巖君    正森 成二君       大成 正雄君    大原 一三君  出席国務大臣         内閣総理大臣  福田 赳夫君         法 務 大 臣 瀬戸山三男君         外 務 大 臣 園田  直君         大 蔵 大 臣 村山 達雄君         文 部 大 臣 砂田 重民君         厚 生 大 臣 小沢 辰男君         農 林 大 臣 中川 一郎君         通商産業大臣  河本 敏夫君         運 輸 大 臣 福永 健司君         郵 政 大 臣 服部 安司君         労 働 大 臣 藤井 勝志君         建 設 大 臣         国土庁長官   櫻内 義雄君         自 治 大 臣         国家公安委員会         委員長         北海道開発庁長         官       加藤 武徳君         国 務 大 臣         (内閣官房長         官)      安倍晋太郎君         国 務 大 臣         (総理府総務長         官)         (沖繩開発庁長         官)     稻村左近四郎君         国 務 大 臣         (行政管理庁長         官)      荒舩清十郎君         国 務 大 臣         (防衛庁長官) 金丸  信君         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      宮澤 喜一君         国 務 大 臣         (科学技術庁長         官)      熊谷太三郎君         国 務 大 臣         (環境庁長官) 山田 久就君         国 務 大 臣 牛場 信彦君  出席政府委員         内閣法制局長官 真田 秀夫君         内閣法制局第一         部長      茂串  俊君         防衛庁参事官  夏目 晴雄君         経済企画庁調整         局審議官    澤野  潤君         経済企画庁総合         計画局長    喜多村治雄君         国土庁計画・調         整局長     福島 量一君         国土庁土地局長 山岡 一男君         外務省アジア局         長       中江 要介君         外務省経済局次         長       溝口 道郎君         外務省経済協力         局長      武藤 利昭君         外務省条約局長 大森 誠一君         大蔵省主計局長 長岡  實君         大蔵省銀行局長 徳田 博美君         大蔵省国際金融         局長      旦  弘昌君         文部省体育局長 柳川 覺治君         農林大臣官房長 松本 作衞君         農林省農林経済         局長      今村 宣夫君         農林省構造改善         局長      大場 敏彦君         農林省農蚕園芸         局長      野崎 博之君         農林省畜産局長 杉山 克己君         農林省食品流通         局長      犬伏 孝治君         食糧庁長官   澤邊  守君         自治省行政局長 近藤 隆之君  委員外の出席者         会計検査院事務         総局第四局長  阿部 一夫君         予算委員会調査         室長      三樹 秀夫君     ――――――――――――― 委員の異動 三月七日  辞任         補欠選任   奥野 誠亮君     渡部 恒三君   石橋 政嗣君     武藤 山治君   浅井 美幸君     草野  威君   矢野 絢也君     大橋 敏雄君   河村  勝君     小平  忠君   正森 成二君     柴田 睦夫君   小林 正巳君     大成 正雄君 同日  辞任         補欠選任   渡部 恒三君     奥野 誠亮君   武藤 山治君     石橋 政嗣君   大橋 敏雄君     矢野 絢也君   草野  威君     浅井 美幸君   大成 正雄君     小林 正巳君     ――――――――――――― 三月六日  昭和五十三年度予算の組み替えに関する請願外  二件(草川昭三君紹介)(第一七〇九号)  同(玉置一徳君紹介)(第一七一〇号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和五十三年度一般会計予算  昭和五十三年度特別会計予算  昭和五十三年度政府関係機関予算      ――――◇―――――
  2. 中野四郎

    ○中野委員長 これより会議を開きます。  昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算、以上三件を一括して議題とし、総括質疑を行います。  安宅常彦君。
  3. 安宅常彦

    ○安宅委員 総理にぜひ聞いておきたいことがございます。  戦後最高の円高が現出をいたしました。きのうは一ドル二百三十五円二十銭にまでなったことは重大であると思います。このことは、各国通貨の総フロート制の崩壊は避けられないのではないか、こういう状態ではないでしょうか。さらにまた、五十三年度予算の基礎である七%経済成長率、これは二百四十円、累次の企画庁長官の発言にもあるとおり、のはずであります。また一面、アメリカの情勢から見て、あるいはマルクやスイスフランの動静などから見て、今後もこの情勢が続くと見るのが正しいのではないか。ある人は、円は一ドル二百二十円台まで上がるという分析さえもしておるのであります。わが国が輸出にだけ頼ってきた、そういう経済、その中ではさらにデフレ要素が濃くならざるを得ず、特に中小企業はこれに耐えられるのでしょうか。業種間の格差はますます広がっていくでしょう。そして失業と倒産はさらに激しくなる。こういう状態の中で総理はどうかじを取るつもりなのでしょうか。たとえばの話ですが、公定歩合の引き下げの問題、いつどれぐらいやるつもりなのか。またもう一つの方法、私ども五党が提案した、少なくとも一兆二千百億円の減税、この主張を入れるべきだと私は思いますが、少なくともそういう手段によって最終需要の喚起に努める、そういう意思はありませんか。私の主張は正しいと確信いたしますが、総理の見解を伺いたいのであります。
  4. 福田赳夫

    ○福田内閣総理大臣 ただいまわが国経済が当面する最大の課題は、何といいましても経常黒字、これを五十二年度のまあまあおおよそ半分ぐらいに五十三年度はする、こういうことを内外に宣言しているわけですが、これを着実にやってのける、また、これとうらはらをなしてわが国自体の経済成長、これを大方七%程度実現する、こういうことにあるだろうと思うのです。私は、いま世界の情勢を考えてみまして、そういうふうに考えましても、日本の国のよって立つところの世界経済、これがやはり健全でなければならぬ。わが国はいまや自由世界第二の経済、工業力を持つようになってきている、そういう立場から言いまして、わが国がどういう施策をとるかということがまた世界経済の動きに非常に大きな影響を持つ。そういうことを考えますときに、ただいま申し上げました黒字を減らす、また同時に国内の経済を活発な動きに転ずる、この二つの大きな目標、これはわが国自体の問題であると同時に、国際社会に対するわが国の責任でもある、このように考えておりまして、そういう方向の施策を強力に進めていきたい、このように考えておるわけであります。  そこで、安宅さん、いま具体的に公定歩合をどうするのだ、こういうようなお話でございます。私は、いま申し上げました二つの目標に向かいまして全力傾倒いたしますが、とにかく、ただいま皆さんに御説明申し上げてきた政府の施策、これをひたむきに強力に推し進めるという考え方をとる、そうして恐らく、この考え方は具体的に顕著な効果を上げるであろう、私はこういうふうに見ております。おりますけれども、世界経済の中の日本経済でありまするから、どういう動きがあるかもしれない、変化があるかもしれない。その変化に対しましては、これはもう本当に機敏にまた大胆に対応いたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。いま、財政中心で経済運営、これをやっていくという構えを示しておりますけれども、施策は財政面だけじゃありません。金融の問題もある、その他いろいろ各般の問題があるわけであります。その各般の問題をにらみまして、そしてその考えられるいろいろな施策がある、その施策の中でどういう施策をどういうタイミングで選択し、取り上げていくか、こういうことにつきましては、情勢をじっと慎重に見守って、機を失しないようにやっていきたい、このように考えておる次第でございます。  それからもう一つは、そういう中でいわゆる一兆円減税ですね、かような施策をどうするか、こういうような御見解でございますが、わが国の財政の状態というようなことを考えますと、なかなかこれは大規模な減税というようなわけにはいかぬだろう、こういうふうに思うのです。これは本委員会におきましてるる申し上げたとおりでございます。お気持ちはわかりまするけれども、ただいま減税を大規模に取り上げていくという考え方は、これはいかがなものであろうかという感じを持っております。
  5. 安宅常彦

    ○安宅委員 たとえば、大蔵大臣がですか、公定歩合の引き下げについて何か発言をしているようでありますが、総理はそのことについてどういう考え方を持っておりますか。これは、減税はやらないと言ったら、あなたはがんこだからやらないかもしれませんがね、上州人だから。しかし、国民が非常に困った状態になる。国際的な問題と国内的な問題と関連するとは言いますけれども、国内でやる経済政策の中で最終需要に期待をするということは非常に重要な要素ではないかというので、きょうは時間がありませんから、公定歩合の問題と減税の問題にしぼって質問したわけですが、公定歩合の方はどうですか。
  6. 福田赳夫

    ○福田内閣総理大臣 私は、先ほどの御質問にお答えしたつもりなんです。つまり、いま財政を主軸にして政策を進めておる。しかし、財政以外にもいろいろな景気のかじ取りの方策というものがあるわけなのでありますが、それらは景気の動き、世界経済の動き、そういうものをじっとにらみまして機動的にまた大胆にやってまいりたい、こういうふうに申し上げておるのです。公定歩合問題につきましては、せっかくのお尋ねでございまするけれども、これは非常にデリケートな影響のある問題でありますので、それ以上のお答えはできませんですな。
  7. 安宅常彦

    ○安宅委員 じっと、じっとと、あなた、何年もじっとばかり見詰めているのだけれども、見詰めたって国民の暮らしは楽にならないし、日本の経済がおかしくなっちゃうじゃないか。これは大変な問題だと私は思います。ここで論争しようと思いません。  それはそれとして、それでは、中国では華国鋒主席兼首相みずからが、全国人民代表大会の政府活動報告で、特に日中関係に言及して、日本が一衣帯水の隣国であり、子々孫々に至るまで友好であるべきで、日中平和友好条約を早期締結することは両国人民の利益だと発言しているのでありますが、これは非常に重要だと思います。この政府活動報告で特に発言をした、そういう意義というものを総理はどういう受けとめ方をしておられるのか、このことだけちょっとお聞きしたいと思います。
  8. 福田赳夫

    ○福田内閣総理大臣 今回の華国鋒主席の政府活動報告、これは私、まだ詳細には見ておりませんけれども、概見したところによりますると、大変結構な報告をされておる、こういうふうに思うのであります。特にわが国に関する部面、これがかなりありまするけれども、これも私どもといたしまして、妥当な見解を示しておられる、こういうふうに見ております。その中で、日中平和友好条約、これを両国の長きにわたる関係を規定するという意味において、早く締結したいという意向を示しておりまするけれども、これはまさに私が前前から言っているその考え方です。日中両国、これはもう再び混乱があっては相ならぬ。長きにわたって友好関係を確立しなければならぬ。その象徴といたしまして日中平和友好条約、これをなるべく早く締結をする、そういうことでありますが、とにかく、そういうためには条約締結交渉、これが順調に動くように、こういうふうに考えまして、その手順、段取りをいま両国間で相談をしておる、こういう段階でございますが、とにかく、日中両国それぞれが満足するような状態のもとにおきまして、祝福されつつ条約が締結に持っていかれるということを私は切望しております。ぜひそういうふうにしたいと思っております。
  9. 安宅常彦

    ○安宅委員 いままでの答弁とほとんど変わらない。つまり、向こうの華国鋒主席兼首相が特にそういう発言をしたことについて、いままでと変わった考えというか態度というか、向こうはいいですよ。妥当であると評価することは首相でいいですよ。あなたの決意というのは、さらに機が熟していく方向に努力するとか、そういうことにならないかという受けとめ方を聞いたわけですから、これもじっと見詰めている方ですか。
  10. 福田赳夫

    ○福田内閣総理大臣 中国に対する私ども政府の考え方、この基本は、内閣ができましてからずっと微動だもしない、こういうことで動いてきておるのであります。つまり、日中両国双方が満足し得る状態において、なるべく速やかにこの条約を締結をする、こういうことで、その基本的な考え方、これは日中双方においてそうだろうと思うのです。その方向に沿いましていま条約締結交渉の手順、段取りをどうするかということを詰めておる。そして交渉再開の環境というものはかなり熟しつつある、こういうふうに考えておる。それを踏まえまして年来の考え方をぜひ早く実らせたい、このように考えております。
  11. 安宅常彦

    ○安宅委員 わが党が党首会談を申し入れておるようでありますが、ぜひ応じて、そういうことについて総理の態度というのをきちっとしていただきたい、こう思います。  それでは、経済企画庁長官に伺いますが、これは農業問題であります。  第一番目は、福田内閣の言う経済成長率七%という立場で、これは経済成長率で国民が飯を食うわけじゃないから大したことはないなどと言う人もおりますけれども、それはやはり現実はそのとおりだと思いますけれども、この七%というのは、農林水産業の場合はどうなのか。二月十日の農林水産委員会であなたの方の田中誠一郎という審議官が、七%の成長の中で農林水産業の昨年度比が二・二%減、こういう状態になっている、これは実際に資料としては発表してないのだそうですけれども、これは結局マイナス成長じゃないのですか。それでも七%の経済成長率という、国家のすべての産業の総生産力、こういうものとの整合性を持つものでありますなどと答弁しておりますけれども、あなたはそれでいいのでしょうかね。どうなんですか。
  12. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 農林漁業生産指数によりますと、これは昭和五十年度を一〇〇といたしております五十一年度が九八・五、五十二年度の見込みは一〇三・四ぐらいと考えております。五十三年度は一〇一・一というぐらいに見込まれております。これは、五十二年度に非常な米の豊作がございましたが、ある程度それが平年作化するというようなこともございまして、指数といたしましては一〇一・一というふうに見込みをいたしております。
  13. 安宅常彦

    ○安宅委員 一〇一・一というのは五十二年度であって、そこからまた二・二ダウンする、こういう論議をたしか農林水産、委員会は、特にわが党の竹内猛君などを中心にしてやっておったように議事録では見ましたが、あなたのいまおっしゃった方が正しいと、そうですか。
  14. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 安宅委員の言われるとおりでありまして、五十二年度は一〇三・四と見ておりますから、五十三年度はそれに対して一〇一・一と考えた、こういう意味でございます。
  15. 安宅常彦

    ○安宅委員 どうもおかしいですね。それにしても、さらにこの審議官は、農林水産業の生産指数並びにその生産活動によってどういった経済循環にプラスをもたらすかという解明はしてございません、こういう答弁をしておるのですが、こんなばかなことがあり得るでしょうか。
  16. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 ただいま申し上げました農林漁業生産指数のほか、設備投資の中で農林漁業によるところの設備投資というものも勘定いたしてございますから、これは経済成長率の計算に関係がないというようなことはもとよりございません。一部分でございます。
  17. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなたの方の審議官がそう言っているのですから。あなたはマクロでしか物を言わない人で、それも一寸先はやみみたいな答弁ばかりいままでしてきた人ですから、なかなか信用しがたい。実際に手がけた審議官が、そういうことについて解明してございませんと議事録に載っているのですが、どうなんです。
  18. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 私の申し上げることを御信用願いたいと思います。
  19. 安宅常彦

    ○安宅委員 これは議事録に載っているのですけれどもね。それでは質問の仕方を逆にすればよかったのですか。そんな怒ったような顔をして、私の方を信用してくれと言ったって、それはおかしいじゃないですか。議事録にはっきり載っているのですよ。その審議官、きょうおいでになっていますか。統一してくださいよ。
  20. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 先ほどから申し上げておりますように、農業生産指数はこれだけの数字で計算をいたしております。それから設備投資についても、農林水産業の設備投資の金額は勘定いたしております。したがいまして、七%の成長と農林漁業が無関係だというようなことは、これはもうあり得ないことでございます。
  21. 安宅常彦

    ○安宅委員 関係ないなんて言ってないので、そういう解明はしておりませんという発言があると私は言うのです。議事録読んでみますか。こういうことを言っています。「経済見通しにおきましては、実は産業別の総生産を出してございませんで、」ここもおかしいのですが、「私どもは支出項目別に積み上げるという段階的接近法をとっておるわけでございます。したがいまして、先ほど申し上げました農林水産業の生産指数、そして生産活動によってどういった経済循環にプラスをもたらすかという点は解明してございません。」明確なんです。
  22. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それは解明ということの考え方だと思いますけれども、前から申し上げておりますとおり、個人所得の中には雇用者所得のほかに自営業者の所得があると何度も申し上げておりますが、自営業種の中には商工業、農林水産業が入る、これはもう自明のことでございますし、それから設備投資の中にも農林水産業による設備投資は当然計算をいたしておりますから、その解明云々という意味は、それを私どもがマクロに把握をしておるという意味で、農業のどの生産物からどれだけの生産があるというようなことはいたしておりませんけれども、こういうことを度外視して七%なり国民総生産の計算ができるはずはございませんから、それは解明という言葉の意味合いであろうと私は思います。現実にやっておりますことはただいま申し上げたようなことでございます。
  23. 安宅常彦

    ○安宅委員 まあ、とにかくあなたは口先でばかり言うから、審議官の方を信用したくなるのですよね、いつも。マクロ、マクロと言ったって、それはマクロになるのは下からの積み上げの計数が出て初めて大きなものになるのですからね。「解明してございません」と言う。これはゆゆしい問題じゃないでしょうかね。第一に、農林水産業というのは日本経済の中で一体何なのさということになる、こういうことでは。農業の日本経済における位置づけということ、それこそ基幹産業並みに扱うのか。これは国のもとであるとこの人も言っているのですから、そういうことが本当なのではないでしょうか。構造不況産業業種などという言葉が工業やそういうものでは盛んに使われますけれども、いわば農業自体が最もひどい、構造不況業種の最たるものではないでしょうか。そういう認識に立つべきではないでしょうか。これはどうですか。
  24. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 そのとおりであると思います。
  25. 安宅常彦

    ○安宅委員 五十三年度の分の分析さえ解明してない。そのような立場でこの予算委員会を、何かマクロでございますというようなことで乗り切ってしまえばいいというようなことがありありと見える。常日ごろのことですけれども、あなたの見解はそうなっているのですよね。あなたの見通しは、言うなればマクロであって、そういう小さいことは計算してないみたいな話ですか。これは言うならば砂上の楼閣じゃないですか。
  26. 宮澤喜一

    ○宮澤国務大臣 それは一般に経済見通しというものの性格がどういうものかということになるわけですが、将来の見通しはやはり最近までの実績を見ながらマクロ計算をいたすしかどうも方法がないものでございますから……。ただ、これはいいかげんなモデルを使うということは、単年度の見通しでは参考にしかいたしませんで、昨年あるいは一昨年までの実績がほぼございますから、それをいわゆる接近法というので積み上げてまいります。したがって、方法はどうも積み上げにならざるを得ませんことは御了承いただきたいと思います。
  27. 安宅常彦

    ○安宅委員 積み上げにならざるを得ないのはやむを得ないということを御了解願いたいという意味ですか、いまのはどうなのかわからないけれども。いまの言葉はどうも文法上も上と下とつながらないような気がいたしますが、とにかく、ここで論争したら時間がなくなりますから、きょうは総括の締めくくり、一番最後でございますから、論争いたしません。ただ、経済企画庁というのはどういうことをやる役所かということを国民は非常に疑っていると思いますよ。七%、七%、努力しなければならないが何とか達成するなんて言ったって、口と実際とは違うのじゃないかということをみんな疑っていますからね。ぜひひとつ気をつけていただきたいと思うのです。  次、国土庁長官にお伺いいたしますが、あなたの方でつくった三全総、これを作成する過程で水田利用再編事業、こういう計画があることを知っておったのでしょうか。
  28. 櫻内義雄

    ○櫻内国務大臣 承知しております。
  29. 安宅常彦

    ○安宅委員 せっかくあなたの方では、五十二年の十一月四日に閣議決定したばかりのところなんですが、この要素はほとんど入っていませんね。いろいろな条項を全部見ても再編事業なんというものはどこからも出てこないし、それに対する指数の変更なんというのは全然出てこないのですけれども、まあきょうは時間がないから……。  では聞きますけれども、いままで資本の要求にこたえたと言うと失礼なことになるかもしれませんが、大きな商社あたりが、あるいは銀行あたりまで不動産業に手を出す、そういうことで七十万ヘクタールの壊廃が農地の中で行われている。そういうことは根本的におかしいのじゃないかと思うのです。なぜならば、四十八年の五百六十九万ヘクタールという農地を六十年には五百八十五万ヘクタールに拡大する、こういうことになっていますね。これはできると思いますか。  それからもう一つついでに聞きますが、では五十二年度の段階では農用地は増加傾向にあるのか、これはぜひお答え願いたいと思います。
  30. 櫻内義雄

    ○櫻内国務大臣 三全総は、言うまでもなくここ十年ほどの総合計画でございまして、いまおっしゃった五十一年五月閣議決定の国土利用計画による昭和六十年の必要と見込まれる農地五百八十五万ヘクタール、これと三全総における計画とにおきましては整合しておるわけでございます。  ただ、お尋ねのように、それができるかできないか、こういうことはこれから十年間の私どもの努力によるわけでございまして、これは三全総としての計画でございますから、この計画をもとに各省庁の御協力を得て達成していきたい、こういう次第でございます。
  31. 安宅常彦

    ○安宅委員 農地は、たとえば五十年では五百五十三万ヘクタールになっているわけですね。四十八年度より減っているでしょう。だから、今日の段階で、いま増加傾向にあるのかどうかということも含めて……。あなたの方のは十一月四日だけれども、再編事業を総理と鈴木前農林大臣が了解したのが十一月七日ですよね。各県に再編事業のいろいろな配分をしたのが、省議決定が十一月十九日ですね。これはそういう意味で言うならば、いままでの緊急避難的な事業ではなくて、構造を相当変えるような、そういう腰を据えた事業だ、こう農林省は言っているのですから、そういう意味で、もう直ちにそれを改定しなければならないのではないかと私は思うから、あなたに聞いているわけです。
  32. 櫻内義雄

    ○櫻内国務大臣 安宅委員のおっしゃっていること、わかりました。県別に土地利用基本計画がつくられて、そしてその中で都市地域、農業地域、森林地域自然公園地域及び自然保全地域の五地域を定めることとしておりますが、いまおっしゃるように、この土地利用基本計画は現在見直し作業中でございます。
  33. 安宅常彦

    ○安宅委員 わかりました。  では次、これは農林省にお伺いいたしますが、農林省は水田利用再編事業及びその関連事業がたくさんありますね。それで農産物の需要の動向に即した総合的な食糧自給力の向上とかあるいは農産物の総合的な自給力の強化とか、これを言っている政府委員などは間違いなく、官僚の諸君は自給力という発言しかしないですね。農林大臣の言葉の中には自給率を高めるとかいう言葉が随所にあらわれておりますけれども、自給力という場合も相当あります。しかし、質問者などのをずっと聞いてみますと、すべてほとんど自給率というものを問題にしているのですね。そういう言葉を使っていますよ。だから、こういうところに食い違いがあって、何かコンセンサスができていないような気がするのです。特に農蚕園芸局長に聞きますが、違いは、簡単に言えばどういうところにあるのですか。担当者だから聞きます。
  34. 野崎博之

    ○野崎政府委員 自給率は、全体の生産量の中でどれだけ国内で生産できるか、自給力は、それをどういうふうにやって高めていくかという一つの施策の問題でございます。
  35. 安宅常彦

    ○安宅委員 ちょっとわからなかったのですが、自給力というのは何ですか。
  36. 中川一郎

    ○中川国務大臣 自給率というのは、数字であらわす食糧のそれぞれのもの、全体としてのパーセントでございます。力というのは、そういうことを含めた、率を含めた内容その他の力、食糧の自給の力ということでございますから、力は、率だけ、パーセントだけではありません。内容その他を含めた幅広い包括的な意味を持った言葉である、こういうことでございます。
  37. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなたが出てくるとそういう話になりますから。大臣、読んで字のごとしなんで、それは潜在生産力からいろいろあるのでしょうね。だから、この問題についてぜひ聞いておきたかったのですが……。言えないのじゃないかな、自給率というのは上がっていないから。だから、自給力でごまかしているのじゃないかというのが、私らみたいな素人衆の考え方になるわけです。  だから、ぜひ聞きたいのですけれども、私どもはそういう自給力の向上、こういうことをうたい文句にしているのですけれども、四十六年から五十年の五カ年間の生産調整、これは実績は、ほとんど農民は皆さんに協力して、一一一%、一二%までいった年もございまして、協力しているのですね。それでも、ことしはまだ余ったんだ、今度は腰を据えてやると言われたら、なるほど大臣は、政府が責任はないとは言わない、反省しているところは反省する、ただ、国も農家も皆全部責任があるのじゃないか、こういう総ざんげみたいな理論で話をしておられますけれども、農民の側に立てば、こんなにやっているのにと、中にはそれは承服しない人もおったかもしれませんよ、全体としてそうなっているのですから。大体、毎年転作面積は二十五万から三十万ヘクタールの実績を持っているのですね。それでも百七十万トン余るというのは一体どういうことなのか。果たして三十九万一千ヘクタールで自給率は何%向上できるのか。私どもの計算によると、ずっと過去五年間のものを計算してみたら、この寄与率というのは大体一%か二%ぐらいなんです。そういう意味で言うならば、十カ年計画の結果の自給率というのは、ではどこまでそれでいくのですかというのも、素朴な意見として農民の側から出てくるのではないでしょうか。そして、穀物自給率の具体的な数字というものを出せないのでしょうか、年次別にこういうふうになる予定だと。しかし皆さん努力してくれというようなことで、何遍協力しても、また余った余ったと言われたらかなわないのですから、そういうことをひとつ出せないものでしょうか。
  38. 中川一郎

    ○中川国務大臣 安宅委員御承知のように、昭和四十五、六年ごろに七百万トンから余り、単年度では二百三十万トンも余るという、戦後の日本にとっては想像もできない事情になったわけです。そうなって生産調整をやってきた、言うとおりやってきたんではないかということだったのですが、最近の米の生産意欲が非常に強くなったこと、自力開田が各地で見られる、特に東北に多い、消費は予想以上に減るということから、過剰米がまた出てきた。そこで、将来の数字を出せということでございますが、将来の数字としては、六十年度の長期見通しがございますので、何が何ぽかということについては、事務当局から出させます。
  39. 松本作衞

    ○松本(作)政府委員 ただいま大臣からお話ししましたように、農林省としては、六十年を目標とした長期見通しを立てまして全体としての自給率の向上を図っておるわけでございますが、御指摘がございました穀物につきましては、小麦、飼料穀物等どうしても輸入に依存せざるを得ないものが大きいわけでございますので、穀物自給率自体として上げていくということにつきましてはいろいろ問題があると考えております。昭和六十年の穀物の自給率につきましては、五十一年が三七%でございますが、ほぼそれと同水準の三七%を穀物の自給率の目標にしまして、これ以上余り下げないでいきたいというふうな考え方をとっておるわけでございます。
  40. 安宅常彦

    ○安宅委員 きのうかその前の日あたりだったですかな、農林大臣が答弁したのですが、たとえば質問者に対する結論が、土地改良を思い切ってやる、努力してできる限りのことをやる、そう大臣が言う。それじゃうまくないから、その資料というものを出してもらえないか。それから、いま一人の米を食べる標準が八十一キログラムという状態になっているが、そういうことについても一体どういうケースからそこまで下げたのか。これも、そうならないように、食べる人をふやすためにも拡大運動をやるとか、それも努力すると言うんだけれども、そういう数字になった内容、あるいはまた、酒はビール、ウイスキーあたりにやられて、たとえばアルコール添加の問題にしても酒屋さんが困るのじゃないかということで、これも、そういうことを必死にやっているから努力をいたしますと。それから、野菜とかそういう特定作目でないところの価格の問題等についてもかなりの改善を行う、そういうことについて答弁しているのですが、この内容は大体どういうことをやるのかという内容もひとつ資料として出していただけないでしょうかと、大臣がおるところで私言ったら、大臣はいい、あなたもいいと言ったはずです。いまだに出てこないですね。だから、そういう状態の中で答弁されても困るのです。私はあと言いませんよ。きょうは締めくくりの総括だから、なるべく早い機会に、この資料というものを本委員会に、特に私を含めて提出をしていただきたいと思います。  私、なぜそういうことは出せないのかというと、皆さんは何か物を中心として経済を見るのではないでしょうか。農業者が人間として、そして職業選択の自由、憲法に保障されたそういう立場から、農業のことは何も官僚やそういう者の指図でやるのではなくて、農民自身がやるのですから、そういう物の考え方というところで違うのかもしれませんけれども、そういう立場から言うならば、自立的な農業の確立、これは国際分業論なんというのがはやっておった時代があるのですが、いま世界が食糧危機だから何とかするというのではなくて、もともと日本の自立的な農業の確立ということが本来本当のことではないでしょうか。ただ米減らしさえすればいい、こうではだめなんで、民族の将来にとってゆゆしい問題ですから、そこであわてふためいてどうのこうのと言っても遅いわけですね。こういう立場に立つのが私は本当だと思うのです。もともと、農民あるいは農業を抑圧して栄えた国家は歴史的にない。とのことは真理なんですから、ぜひひとつそういう意味で、事に当たった官僚の皆さんほとんど職務が変わっただけで、この案を練った諸君は現在そこで健在なんですから、それははっきりしていただきたいと思うのですね。時間がありませんから宣言みたいなことを言ってしまいましたけれども、このことをはっきりしていただきたいと私は思うのです。どうかひとつ、そういう意味で後で一つ一つ確認をしていきたいし、私の意見も入れさしていただきたいと思いますから、このことだけははっきりしていただきたい。どうも米減らしさえすればいいんだというような気持ちがあるような気がしてなりませんから、後でこの問題は触れます。
  41. 中野四郎

    ○中野委員長 この資料は出せますね。――出せるそうですから。
  42. 安宅常彦

    ○安宅委員 だから、前から言っているのに出さないんだもの。出す出すとあなたは言って、石山のタケノコみたいじゃないか。  ところで、自治大臣にお伺いをいたします。  あなたは一月二十八日、わが党の川俣健二郎委員の質問に答えて、水田利用再編成事業は機関委任事務ではないのでありますが、大切な仕事なので地方団体においても理解、協力をいたしておる。さらに、自治省にほとんど相談がなしに農林省が県知事や県の農政部長などをじゃかすか集めて、これでいいのかな、一月二十日の閣議で初めて相談をかけられた、それでこれはそんなことになったら好ましいことかという川俣さんの質問に、こういうふうに答えているのですよね。これははっきりしたところだけ言いますと、そういうことでございますけれども、前提は、農林省はあくまでも農民自体の盛り上がりに期待している、理解と協力をお願いしているという立場なんです。そういう中で国家行政――議事録を見たら行政というのは抜いておりますが、つまり国家行政組織法のことでしょう、これによって私は協力をしているのです、正式に言えば「自治省に正式に協議のあったものではないのでありますけれども、先ほども申しましたように、非常に大切な仕事であることはよく理解をいたしておるところでございます。そこで、国家組織法によりまして、各省庁はその所掌事務につきましては指導監督をなすことができるのでありますから、当然行政指導に応じて協力をいたしておる、かようなことでございます。」こういう答弁をなさっているのですが、機関委任事務でないものを、国家行政組織法の第何条にそういうことができると書いてあるのでしょうか。私は見当たらない。どういうことでしょう。
  43. 加藤武徳

    ○加藤国務大臣 御指摘がございましたように、川俣委員の御質問に対しまして、私は二回お答えをいたしておるのでございます。  そこで、前段の答弁は、水田利用再編対策のことでございましたから、これは再編成事業といたしましては明らかに機関委任事務ではないのでございますから、前段ではそのことをお答えいたしたのでございます。  そこで、いま御指摘のございましたのは、二回目に私が答弁をいたした点でございますけれども、二回目の御質問に対する答弁の際の私の気持ちは、農林次官通達とは明確には申しておりませんけれども、私は次官通達についての御質問だ、かような判断をあのときにいたしたのでございます。そこで国家行政組織法に触れておるのでありますけれども、このことが若干誤解を生んでいると思える節もございますし、また二回目の答弁の前段と後段とに表現の食い違いが若干あるように思います。ただ、私が国家行政組織法をあの際に引用いたしましたのは、この農林次官通達を見ますと、最後の方に「水田利用再編対策の推進を図ることといたしております。が、このうち、貴県(都道府)の転作等目標面積及び事前売渡申込限度数量を下記のとおり内定いたしましたので、上記の趣旨を十分御理解の上、本対策の推進につき格段の御配慮をお願いいたします。」かようなことで、「記」といたしまして、転作等目標面積何万ヘクタール、それから「事前売渡申込限度数量」としてウルチ米が何千玄米トン、モチ米が何千玄米トン、計何千玄米トン、かようなことで都道府県知事に具体的な事前売り渡し申し込み限度数量を示して通達をいたしている、このことが明らかになってまいったのでございます。  ところで、地方自治法によりますと、食管法に関しますことは、市町村への米の割り当て数量の決定にいたしましても、これは実は機関委任事務になっておるのでありますから、そこで、この限りにおいては主管の大臣が指揮監督できることが国家行政組織法に書いてある、かような趣旨で私は申したのでございまして、その間が前後若干の食い違いがあり、表現が不十分であった点はおわびをしなければならぬ、かように思う次第でございます。
  44. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなたは知事さんもなさった方ですから、そういう言い方もあるでしょうが、このたびのは、限度数量の割り当ての分はこれは食管法に基づいてやったのは知っている。だから通達行政といいますか、そういう問題で川俣さんはあのとき質問しているのでございますよ。後で調べたらそうなっておったとはいま言いましたけれどもこれは農林省はお願いでございます。お願いでございますと言うのですから、お願いをしている通達の分について質問しているのですよ。だから、そういうことならば結局組織法の第十五条、この機関委任事務を前提にした条文しかない。だからおかしいということを川俣さんは言っているのですよ。それは二つに分けて誤解があったなんていまさら言われても困るのですよ。  では、その限度数量の問題以外はどうなんですか。
  45. 加藤武徳

    ○加藤国務大臣 水田利用再編対策なり、あるいはまた今回の農林次官通達それ自体は、新たな機関委任事務を設定いたしたものではない、かように判断いたしております。ただ、食管と関連がありといたしますならば、事食管に関しては自治法に基づきまして機関委任事務になっておる、このことを申したかったのでございますから、さように訂正いたします。
  46. 安宅常彦

    ○安宅委員 訂正いたしますと、十日も二十日もたってから言われたって困る話なんで、こんなことで、これもまた論争を繰り返していたら時間がなくなりますから、私はこれ以上言いませんけれども、自治大臣、なぜそんなことを私がこだわるかと言いますと、つまり限度数量の問題は別として、それだっておかしいのですよ。農林省の通達は、限度数量と面積の割り当てと一緒にして通達を出していますものね。そうしておいてお願いだ、お願いだと言うのですから、これも本当はおかしな話なんです。だけれども、機関委任事務以外は市町村あるいは県の固有の事務になってしまうわけですね。だから、固有の事務として執行しなければならない市町村長というものは、たとえば自力開田の非協力者に対しては共済をつけないとか、とても転作できない人にはペナルティー方式をやるとかーペナルティー方式でないと言うから、みたいなものぐらいにしておいても結構ですが、後でまたこれもやります。  たとえば、ある市の個人あてに出した文書があるのですよ。これははっきりしていまして、「五十年産水稲の収穫期後の自力開田については、抑制措置がなされておることはご承知のことと思います。」抑制措置というのを法律でやれば、これは財産権に及ぶ憲法の問題です。ところが、抑制措置がどういうようになっているか、憲法に触れるから法律的な措置でやらないけれども、実質上やっているということをここで明らかに書いてあるのですね。そういう意味ではもっとたちが悪いと思うのです。「この抑制措置が昭和五十三年からは、益々厳しくなりこの面積に作付すれば、市全体の限度数量がその相当数量を差し引かれることになります。貴殿の五十年以降市調査による、自力開田面積は下記のとおりですので、昭和五十三年以降水稲を作付されないよう通知します。」そして「記」になって、面積をちゃんと何アールと書いた欄がありまして、「上記の自力開田は、限度数量の配分はもちろん、転作等を実施しても対象になりません。」こういうように文書で言っているのですね。これは農蚕園芸局長から答えてください。ぐらぐらしていますが、私は重たいから大丈夫です。局長、専門家から、これはどうなんですか。
  47. 野崎博之

    ○野崎政府委員 いまのお話、直接は私は存じておりませんが、自力開田につきましては……(安宅委員「私が読んでも、あなた、見ておりませんが、なんということを言わないでよ」と呼ぶ)いや、市町村長のその書類は見ておりませんが、自力開田につきましては、翌年度その二倍の面積を加算をするというふうな方針になっているわけでございます。
  48. 中野四郎

    ○中野委員長 わかるかい。わからないよ。ちょっと局長、いまの答弁はわからないじゃないか。もう少し明確に言いたまえ。君、地震なんかに驚いていることはないよ。
  49. 野崎博之

    ○野崎政府委員 自力開田につきましては、この前の通達の中で、自力開田をやった場合翌年度の面積に二倍を加算をして上乗せをしますと。われわれとしましては自力開田は厳に抑制をしていただきたい、これは前から言っておったことでございますので、そういう措置をとっているわけでございます。
  50. 安宅常彦

    ○安宅委員 いただきたいというお願い。こっちはそうじゃない。「作付されないよう通知します。」しかも、今度は「限度数量の配分はもちろん、転作等を実施しても対象になりません。」これはお願いじゃないです。完全にお願いじゃない。これがあなた、問題なんですよ。ここが問題なんです。だから、固有の事務として地方自治体の長は、県知事にしても市町村長にしてもやるでしょう。そうしますと、これはその人が責任を負わなければならないことになるのですか。あなたの方はお願いなんですから責任ないのですか。結果的にだれが責任をとるのですか。  あなたの方の閣議了解事項の通達を見ますと、農民から計画書を申し出させて、そうしてそれをあなたの方針に合わせてやるようになっていますよ。つまり、自主的な盛り上がりというのは、農林大臣はそこを言うのでしょう。通達はそういうことになっているのですから、はっきりしているじゃないですか。そうですね。それだったら、結局最後には地方自治体だって、固有の事務だけれども、予算はないし、そんなこと言われたって、通知はしたけれどもだめだ、おれは責任を負わないと言われたら、農林省からお願いされたから言ったので、固有の事務と言えば固有の事務だけれどもどうもおかしいのだよなんて言われたら、農民自身が責任を持つことになるのでしょうか。県知事なんですか、市町村長なんですか、農民なんですか、どこです。
  51. 中川一郎

    ○中川国務大臣 仕組みはこういうことになっているのです。百七十万トンが余る。それを各県、本来ならば農家の皆さん方が余らぬようにしてくれれば結構なんでございますが、余るという結果は国としても困るし、農家の皆さんも過剰米を抱えて大変なことになる。そこで、みんなで考えようではないか。まず、国としては県の努力目標をお願いする。(「責任はどこだ」と呼ぶ者あり)いや、責任はちゃんと申し上げますから。ですから、県にいきました分は県で責任を持ってもらう。たとえば北海道に三五%いっておりますから、北海道が一〇%しかできなかった、その二五%はまじめにやった県に次の年責任をもらってもらうようでは公平確保の措置がとれませんので、それぞれの県において、やり方はそういう強い文書のところもありましょうし、宮城県のように、やってくれる人手を挙げてくださいと言ったら達成できるところもありましょうし、県のやり方については県の自主性にお任せして責任を持ってもらう。県はまた町村に無理にお願いするところもあるかもしれません。そのときには町村にまた責任を持ってもらう。町村はまた農家に責任を持ってもらうということが原則ではありますけれども、それはあくまでも話し合いの中に部落懇談会をやるなり町村長の責任でやるなり、そういうことで、それぞれ県も町村も農家も国も全部で責任を持ち合ってこの仕組みを全うしたい、こういう仕組みでございます。
  52. 安宅常彦

    ○安宅委員 それは一般論なんで、常識論ですよ。だから、固有の事務になっているのですから、これは執行した方が責任を持たなければならないでしょうね、私から言わせたら。そうなるのじゃないですか。だから、みんなで責任を持つといったら、これはみんなで責任を持つのだったら結構ですよ。だけれども、具体的にこういうふうに割り当てをぴしゃっと「通知します。」と明確に出しておいて、そうした場合にこの人が、こんなばかなことあるかといって、おれの財産権をどうしてくれるんだなんというので訴訟を起こしたら、だれが訴訟の相手になるのですか。これは執行した市長なんですかどうなんですか、はっきりしなければならないと思うのですよ。
  53. 中川一郎

    ○中川国務大臣 でありますから、理解と協力によってお願いしているだけであって、できなかった場合に罰則を加えるような性格のものではない。その米はどうなるかというと、自主流通ルートによって政府が助成をしてさばくようにする、こういうことであって、できなかったからといって罰金をかけるとかいうような罰則はない。できないものは仕方がない、こういうことでございます。
  54. 安宅常彦

    ○安宅委員 それはいいんです。それはいいんですけれども、この市ではそういうふうにぴしゃりとやられているんでしょう。  それから、そんなことを言うんだったら、事前の売り渡し申し込みの限度数量通知書というのは、法律に基づいて様式がちゃんとありますな。これは異議の申し立て権がちゃんとあるのですよね。これは様式第一号、それから第三号、第五号でしたかな、これは三つある。これによってやることになっていますわな。限度数量の問題だって異議の申し立て権があるのですからね。単に市長が法律に基づいてやる限度数量だって異議の申し立て権がある。市長からですよ。農林省はやった覚えはない、これはお願いだから。市長がそういうふうにぴしゃりと「通知します。」おまえは何ヘクタール、これには転作を実施してもだめだ。もっと言うならば、農業共済もだめだというふうにたくさんあると思うのですけれども、たとえば抑制措置がなされていることは知っているはずだ、今度ますます厳しくなった、それで植えつけはしないよう通知しますということになったら、お願いではなくて、そこから公権力の行使が行われているわけですから、そこのところをはっきりしてくださいと言っているのです。
  55. 中川一郎

    ○中川国務大臣 それも公権力じゃありませんで、それに従わなかったときにはどうするこうすると書いてあればまさに公権力でございますけれども、ぜひこうしてください、そういう数字はこういうことでございます。通知します。しかし、これはやり方としては、そういうやり方がいいのかどうか、妥当性があるかどうかということについては議論があるところでございますから、円満に部落懇談会その他をして納得のいくように、町村町村の立場でひとつ話し合いでやっていただきたい。全国それぞれやり方があるようでございますので、そういう公権力のようなやり方は全体としてはなじまないものであるなあという感じはいたします。
  56. 安宅常彦

    ○安宅委員 それでは、法制局長官、そのときにだれが責任を負うのか、ちょっと簡単に答えてください。訴えられたり何かしたときにはだれが責任を負うのですか。
  57. 真田秀夫

    ○真田政府委員 問題になっておりまする水田の利用再編の割り当てといいますか、いわゆる転作の協力を御依頼している、その事務そのものは、先ほど来明らかになっておりますように、機関委任事務ではございません。つまり団体事務でございます。団体事務でございまするが、しかし、それは同時に国全体としてのお米の生産量を調整したいという、国としても非常に関心のある事務でございまして、結局、先ほど来農林大臣がるるおっしゃいますように、国と地方公共団体とがお互いに話し合って協力して転作を達成しよう、こういうことでございます。  そこで、私に答弁をお求めでございますが、その責任責任とおっしゃいますのはどういう責任のことを言っておられるのかがはっきりいたしませんので、それをはっきりさせていただいてから御答弁を申し上げます。
  58. 安宅常彦

    ○安宅委員 もういいよ。何回も言っているのに、どういう責任だなんて無礼な話があるか、あなた、何ですか、そん言い方ありますか。おかしいじゃないですか。――まあ、いいよ、後で大臣と話しするよ。  それでは、さらに質問を続けますけれども、農林省はペナルティーという言葉を使っているのです。このペナルティーの問題について川俣さんが質問したことから問題になりまして、理事会預かりになりましたときに、これは予算委員長みずからも大変な関心を持っておられまして、私自身重大な関心を持っているが安宅君どうなんだろう、地方自治団体がペナルティーつきですという文書を出しておるようだ、なるほど出ているようだ、しかし農林省はペナルティーとは言っていないのではないかね、どうだろうかねという発言があったのですね。私、調べてみました。そうしたらこういうのがあるのですね。ここに全国知事会が出しています「都道府県展望」十二月号があります。各知事さんが鈴木農林大臣と何回かにわたって懇談をしています。ところが、その中で提案をしているのが――第一回目あたりは、知事会の農林商工調査委員会というのが開かれておりまして、そのときに次官があいさつして、担当の局長が提案理由の説明をやっておるのです。それは非常に簡略化されていまして、そして知事さんの質問の発言内容の要旨というのは案外詳しく出ているのですよ。その中でやはり言っています。その証拠には、澤邊官房長というのはいまは長官になったのでしょう、そうですな。あなたも言っていますよ。読みますか。澤邊官房長と堀川農蚕園芸局長の説明の後の意見発表というか質問なんですが、竹内さんという茨城県知事の発言、これは十二月号の十二ページに載っています。これはどういうことを言っているかといいますと、「転作目標未達成に関し、その年にできなければ加算して、予約限度数量から差し引くということでございます。そのペナルティを加えなければ底抜けになるというお話ですが、」だからそういうお話しをしたわけですね、提案理由の説明の中で。「こういう考え方とは逆に、よくやれば褒美をやるとか、目標を達成したら全量買い上げるとか、そういうやり方で導いていただけないか、そういう点もご検討いただきたい、」と言っているのですね。「ペナルティを加えなければ底抜けになるというお話ですが、」というのですから、提案の中にそういうお話をだれかが、どっちかがしたことになるわけですよ。それから中田さんという富山県の県知事さん、この人も言っています。「ペナルティの話は、あまり賛成はできませんけれども、」と。ペナルティーの話が出なければ「賛成はできませんけれども、」なんという言葉は出てこない。また、当時の大河原長官の発言の中にも、意味は違いますけれどもペナルティーという言葉が出てきます。澤邊さんの分はこういうふうに言っていますよ。「自己開田の抑制、これは法的な規制はとれないかと、各方面から非常に強い意見がありまして、検討しましたが、財産権を規制することになりまして、残念ながら、法的措置まではなかなかいきがたい次第です。これを抑制するために、転作面積の配分上、従来以上にペナルティ的な要素を加え、厳しくすることを検討しております。」だから、農林省は言ってないんじゃない。あなたの方から言ったわけなんですね。市町村だけが一部に間違ってそういうことを考えておる人がいるから通達を出し直す、通達を出しましたよ。これは農林大臣、あなたのサイドに立てばなかなか勇気のある通達ですから、決して悪くは言いませんよ。あなたにこにこしているし、私もにこにこしていたい。だけれども官僚はちゃんと言っているじゃないか。これは重大なことではないですか。さっきのだって、要すればペナルティーですよ。通知します、作付してはいけません、これはペナルティーですよ。どだい、びくびくして、そして話し合いだとかなんとかおっしゃるけれども、市長からぴしっと身動きとれない通知が来ているのですから、農民のサイドに立てばえらいことなんですよ。だから、そういうお願いではないというのが私の断定です。これは発言なさった方、特に澤邊さんから、当時おっしゃったかどうか聞きたい。たった一言、言いました、言いません、これだけで結構です。
  59. 澤邊守

    ○澤邊政府委員 正確には記憶をいたしておりませんけれども、ペナルティー的という言葉を使ったことは事実だと思います。  実は九月の初めごろから関係団体、地方公共団体等に、口頭、それから引き続きまして文書等で説明をいたしておりますが、そのときに実は私どもは注意深く、ペナルティーという言葉は農林省としては使わないことにしておるのだがということを念をつきながらやってきたつもりでございます。ただ、ペナルティーという言葉が通常、質問等につきまして一般的に――一般的とまで申し上げられませんけれども、ある程度使われて質問等が出まして、私自身は、自己開田、自力開田の問題に関連いたしまして法律で規制をすべきである、自力開田をやってはいけないのだということを法律で立法すべきであるというような議論がかなり熱心に出されておりまして、そういうことと関連いたしましてペナルティーでもかけてやらなければいかぬじゃないかというような趣旨のことがあったと思いますので、ペナルティー的という言葉を使っております。
  60. 安宅常彦

    ○安宅委員 あなた、ペナルティー的なことを厳しくしてやりますと。的だなんて、何かロッキードの証人みたいなことを言わないでよ、記憶にございませんなんて。責任ある立場の人は責任をとらなければいけませんよ、役人というのは。行政指導でおやりになるのですから。そういうことであなた方、予算の委員会というのは言い逃れして適当にやればいいのだなんと考えたら大間違いだ。必ずこの問題は後へ尾を引くだろうと私は思います。  残念ながらそう運ばざるを得ないから、私はこのまま続けるのですよ。いいですか、あなた方、おれの力で幾らでも何でもできるというふうに図に乗った考え方をなさらないでくださいよ。  ここで、私の態度もときどき表明しながら確認しておきたいことが何点かございます。  まず第一点は、麦は北海道とその他若干の地域を除けば冬作作物なんですね。なぜ麦を減反した後の表作というか耕作の重要な作物に指定したのでしょうか。私は、二期作ができるところの麦作というものを大きく奨励した方が、この表作の米の収量が少し落ちますから、同じそういう金を使うのだったらそっちの方にやったらいい。ただ今日、米づくりの技術が進んで収穫量の減収は期待されないという論もありますけれども、この「都道府県展望」などを見たり、あるいは技術者のいろいろな意見も学者の意見も聞いてみました。そうしたらそれは、そういうことはあってもまだやはりありますと言うのですね。だから、何回も言うのですけれども、単なる米減らしだけをねらって農業を縮小再生産の方向に持っていく、こういうことは私はいけないことだと思うのです。  これはまたあなたのサイドですから私出すわけではございませんが、農林漁業金融公庫で出している「公庫月報」というのがあります。ここには、ある学者の論文を最初に載せていますね。農林省はそういうきらいがあると堂々と批判していますよ、そういうことを。これは一月号です。そしてここには重要なことを書いてありましてアメリカ当局者がそういうことを日本の政府がやったことについて非常に芥満足の意を表したと言わんばかりのことが言われているというようなことも書いてありまして、私どもは、やはり安保条約の経済協力条項があって、それ以来惰性的に何か麦というのは、そういうものはアメリカから輸入するものだというふうな、どうもそういう点があるような気がしているのですね。  たとえば昭和五十年八月に発表した「総合食糧政策の展開」というのがありますね。この中でも輸入依存ということを言っているし、今回の日米経済交渉でも夏作作物がみんなねらわれて犠牲になっていますね。私は山形ですから、私の居住地がまたサクランボの主産地なんですよね。前の減反で、そのかわり何を植えたらいいか、サクランボを植えろという奨励作目になっておったのが、福田さん、あなたが何か参議院の選挙のときに山形に来て、ちょっとごまかしたみたいな発表をしていったけれども、そういう外圧というのでしょうか、そういうために奨励作物であったサクランボが一刀両断にやられてしまった。これは私は忘れられないと思うのですね。こういうことを今後ねらわれるとするならば、それは、果樹などの永年作物は、リンゴといわず桃といわずブドウといわず、これはニュージーランドあたりでも相当の関心を示していますから、私だけではなくて農民は大きな警戒心を燃やしているのですね。政府を信頼していないのですね。こういうことは私はどうもいかぬと思うのです。  さらに、この事業では飼料作物は触れていますが、穀物についてはほとんど触れていないですね。これは三十年代に四〇%以上を自給していた、こういう時期もあるのですから工夫をすべきだと思うのです。自給率を下げているのが元凶の一つなんですから、私どもはお互いに工夫をして、どうすれば自立した日本の民族を守る農業にできるかということについては、私もそうですし、日本社会党は協力を惜しむものではないですよ。重大なことはそこなんです。それが総合自給率やなんかで言うならば、麦は大豆などとともに、特に飼料穀物は国際的な競争に耐えられぬと初めから決め込んではいけないのではないでしょうか。そんなことを言ったら、米だって麦だって大豆だって、程度の差こそあれ、日本の農業の特性から言って、国際競争力に太刀打ちできるなんというものはないですよ。だからこそ大きな投資をして何とかしようという農林大臣の意向というのは、わからないわけじゃないのです。ただ、やり方の問題だと思うわけなんでございまして、このことについて私は本当に残念だと思っているのです。だから、どうもアメリカの顔色をうかがうそういうやり方だなということ――これははっきり、「公庫月報」の一番最初の論文ですよ、公庫が載せているのですからね。そういう意味で、公庫というのは私はなかなか民主的なところだと思っているのです、こういう月報を編集した公庫の人たちがそういう論文を載せるくらいなんですから。  さらにもっと言うならば、私いろいろ調べたのですが、去年の十二月十六日八時十五分ごろから九時までNHKの放送があったのですよ。これを見ておりまして、「豊作の経済学」という中で小倉武一さんというのですか、あの有名な、米審の会長もした、税制調査会なんかやっているあの人でさえ、法的根拠なしにやるのはおかしいと発言しているのですよ。私らじゃないのです、あなた方のサイドの人ですね。こういうことから言って、協調と連帯と総理おっしゃいましたけれども、どうも話が違うのだということを、そういう傍証だけかもしれませんけれども挙げて、私がいま心配していることを、これは主張だけしておきます。答弁は要りません。  それで、確認したいことはたくさんございまして、澤邊さん、それから今村さん、お二方に聞きますが、どっちでも代表して結構ですが、農業共済制度を水田利用再編事業等に適合させるために農業災害補償法の改正を今国会に提出するということを弁解していますね、そのことでおかしくならないかと言ったら。これは特に役人の立場から言うならば逆立ちした議論じゃないでしょうか。そういう法体系をきちっとしておいて、それからやるのだったら理屈は合うのですよ。どろなわ式にやって、ああそうかというので、今国会中に出すつもりでございますということを言っている。これは私は、逆の立場が正しいのではないか、こう思います。官僚独善で行政先行で国会軽視、本当にそういう気がしてなりません。まだあります。農地法を今日の事態に即応させるためにと言って――農地法上、農業委員、知事認可権などが非常に微妙な立場にあるのですよ、役割りが。それで、本計画を実施するに当たって一部を改正する準備をこれからやるつもり。なぜかならば、二月の十八日の日本農業新聞、「農委制度の改正に全力」と書いてありますね。そして農業委員会制度改正の主目的は何かというと、「最近の農業・農村情勢の変化にあわせて農委制を整備しよう、というもので、従来の〃土地と人〃対策から、新たな構造政策推進の機関としての役割をになっていくための法改正をめざしている。」こうはっきり書いていますね。そして「今年末の次期通常国会に改正案を提出できるよう、運動」しようじゃないか、そういう会議をしているのですね。それはお認めになるでしょうな。だから、そういうのは主客転倒だと思うのですね。農業委員会のいろいろな問題、県知事の認可権、そういうものがおかしくなる。たとえば、この議事録全部読んだのですが、こういう問題はみな全部共同してやるのですから、農協に任せますという答弁を堂々としている役人がおりますよ。こうなると、あなた、恥になると悪いから名前は言いませんよ。そんなことをしていいのかということですよ。まず法律を出しておいて、ただ、いままでの議論、中川さんと私らの性格の問題もあるでしょうが、法律を出すということは即法律で締めつけると大臣おっしゃるのですよ。そうではなくて、保護する法律を準備してやったらどうかとわれわれは言っているのだけれども、あなたはなかなか政治家だから、それをやられたらかなわぬから、法律で締めつけるよりも話し合いでやった方がいい、こういうふうに言う。残念ながら議論が行き違いになっているのです。そういう意味で言うならば、こういうやり方はまずいんじゃないかと私は思いますが、澤邊さんで結構ですから、簡単に、いいか悪いか答弁してください。
  61. 今村宣夫

    ○今村(宣)政府委員 お話のございました主要な転作作物のうち、麦及び果実につきましては、御存じのとおり……
  62. 安宅常彦

    ○安宅委員 いや、ちょっと待ってください。これは好ましいか好ましくないかだけ答弁してください。時間があと十分しかない。
  63. 今村宣夫

    ○今村(宣)政府委員 バレイショ等の畑作物につきましては……
  64. 安宅常彦

    ○安宅委員 手なんか突っ込まないで、それだけ言ってくださいと言っているのです。
  65. 今村宣夫

    ○今村(宣)政府委員 今国会に法案を提出いたしまして御審議をいただきまして、できるだけ早く施行いたしたい、かように考えております。
  66. 安宅常彦

    ○安宅委員 それがいいか悪いか、好ましいことかと聞いているのです。
  67. 今村宣夫

    ○今村(宣)政府委員 同時並行的に行いますことは一番好ましいことでございますが、御存じのとおり、共済制度は保険でございますから、私たちとしましては鋭意検討いたしまして、最も速やかな時期が現在の時期だというふうに理解をいたしております。
  68. 安宅常彦

    ○安宅委員 鋭意検討するのはこっちの方よ、事業計画の方じゃないかと言っているのです。あなた、反省の色が見えませんね。いいでしょう。そういう人たちがやったんだということだけ確認しておきましょう。  それから、大場さんという人おられますな。優良農地の壊廃が進んでいる、造成がおくれていると、あなたはわが党の竹内猛さんの質問に対して答弁している。どうですか、それを防止するためには農地法の転用許可を厳正にするとか、それを履行させるとか、農振地域内の開発制限を厳しくする、いろいろ言っていますが、いままで、いままででさえも、口は悪いようですけれども大資本の気ままな振る舞いをそのまま見過ごしてきた、あなた方はそういう実績を持っているのですから、その具体的な手段をここで申し述べてもらわなければ、抽象的ではだめです。ですから、それを防止するための具体的な案はどういうものかということを私は聞きたいのです。それで、時間がありませんから、どうでしょう、後でこれも、さっきと同じように資料として提示していただきたい。  大場さん、もう一つ。農地法第三条の許可条件、これは耕作するということが条件なんですね。農地取得資金の融資条件なんかもこれは響くのですけれども、つまり他人に預けてしまったならば過去三年間以内の営農が縮小したことになりまして、そういう場合には取得資金をとれないのですよ。だから、そういう人々はどうなるんだという質問に対して、不利益にならぬよう、まだ打ち合わせ中だというのです。そんなことはおかしいじゃないでしょうか。打ち合わせ済みましたか。もし、これはどろなわの標本みたいなものですから、打ち合わせの結果できておったんだったら大至急やって――きょうは責任問いませんよ、もう時間がないから、本委員会にこれも資料として出してください。具体的なやり方です、どういうふうにするのか。  それから、同じようなことが農地法で、今度改正するのだそうですけれども、どっちみち、いままで自立経営農家ということで、受託耕作者ですね、そういう人がピンチに立つのですよ。片一方は奨励金が入るのですから、農協へ持っていくなんて言われたら、営々として農地をやっておった人がぽんととられたらえらいことになる。こういう解消を申し出てくる人もいるということも想像されますね。そしてまた、そういうことになりますと、あなた方が法令に基づいてやっている標準小作料というのがびんとはね上がりますよ。大した差はないようだとあなたは言っておられるのですが、必ず矛盾が出てきますね。これも詰める時間がないのです。大したことにならないだろうと言っているのですが、大したことにならない見通しを、大したことにならない理由をきちっと書いたものを資料として出してください。いいですね。ようございますか。
  69. 大場敏彦

    ○大場政府委員 資料として提出いたします。
  70. 安宅常彦

    ○安宅委員 今度は小島さんというのでしょうか、農業者年金の受給資格が失われる者が出てくるということで、これは野党の質問に対して、ひっかからない範囲内で預託させるように指導するという答弁をしているのです。ひっかからない範囲内でというのは何でしょう。脱法行為をやるのでしょうか。方法を具体的に当委員会に、どういう指導をするのか、これを資料として出してください。詰まってないです皆。  それからさらに相続税、贈与税の納税猶予制度について特例農地の二〇%以上の貸し付けの場合がありますね。それから未満であっても問題が残りますね。こういう場合に、抵触しない範囲内で管理転作をさせる指導をするとか、いろいろ言っているのですよ。そういうことで農林水産委員会を逃れているのですね。予算委員会はそうはいかないですね、これは。ですから、どういうことをするのか、範囲内でとは。抵触をしない範囲内でやる。割り当てが来るでしょうが。それより少なくなったらやられるのでしょうが。資格は失うでしょうが。それをどういうふうにしてやるのですか。この詳報を末端に知らせなければなりません、こういうものは、年金だとか税金なんというものは。これはあなたがうまくやるつもりらしいのですけれどもね、ぜひひとつ私に、本委員会にこれも資料として出してください。ようございますか。
  71. 大場敏彦

    ○大場政府委員 お尋ねの件、資料として提出いたします。
  72. 安宅常彦

    ○安宅委員 これは時期は、少なくとも参議院の予算委員会の審議に支障ないような時期に、これまでの全部の皆さん出してください。  委員長、そういうことでお計らい願えませんか。
  73. 中野四郎

    ○中野委員長 後ほど出しますね。――出すそうですから。
  74. 安宅常彦

    ○安宅委員 時期は参議院の予算委員会の審議に支障にならないことを条件に……。
  75. 中野四郎

    ○中野委員長 きわめて早い時期に資料を出してください。
  76. 安宅常彦

    ○安宅委員 それで、あとよけいなことを余り言っていると時間もないものですから、大体それで私はいいのです、農林省の場合はね。  それで、文部省に質問いたしますが、大臣、米飯による学校給食について、農林大臣は国会で、ぜひひとつ協力してもらいたいと文部省に言ったけれども、教育の問題等もそれぞれいろいろあるようで、完全な協力という言い方はしていませんが、完全にはいっていないのだ、一歩前進はしているのだ、努力して。私察するに、人件費初め施設費、いろいろあるだろうと思うのですね。この際だから、いまのところ一週二日ぐらいになっているようですが、週五日を目標にして協力してもらえないだろうか、これで二十万トンから二十五万トンの影響があるのですから。それが一つ。  それから、ついでですから、時間の関係で大蔵省にお伺いいたします。  今日、日本酒のアルコール添加をやめる酒造家も非常に出てきている情勢です。だから、大蔵省、米不足のとき、あなたの方の努力でアルコール添加というのをやった、そういう功績は私認めますよ。しかし、時代は変わっているのですね。今日、酒造家は中小企業が多いですよ。だから、ビール、ウイスキーあたりの大資本に押されている。そうした場合に、添加を抜くということになりますと、コストなどで非常に苦労するだろうと思うのですよ、醸造家は。そういう立場を理解して、何らかの手段をきちっとやって、税金取るだけが本務じゃなく――それは本務でしょうけれども、たとえばそういうことを誘導するための政策というのは、大蔵省持ってもらいたい。農民にだけばあんと百七十万トンというのじゃなくて、国民もみんな責任があるのだと農林大臣は言っているのですよ。それだったら、そういうことをやってもらいたい、こう思うのです。  学校給食だって、自治省の交付税の問題がひつ絡んでくる。しかし、もともと根本は、昔陸軍今大蔵、あなたのところが協力しなければ、これは自治大臣だって容易じゃない話です。どうですか。こういうことで協力できますか。  それから、外務大臣、ケネディ・ラウンドなどで経済協力用の米、過去においても今日も相当外国に出ているのですね。相当の量に達します。しかし、全部私調べてもらい、私、経済協力の方は案外詳しいつもりなんですけれども、それで調べてみましたら、いずれも日本米が相当いっているのですよ。韓国になんか日本米を無償で供与したことがありますよ。金でなくて、現物供与したこともありますよね。そんなことがあるかといって福田さん、前に私やったことがあるでしょう、総理になるずっと前でございますが。そういうことを調べてみたら、最近はほとんどビルマ米であるとか、それからパキスタン米であるとか、エジプト米であるとか、タイ米であるとか、アメリカ米まで含めて、それを向こうの国から買って、そして援助しているのですよ。それは外交上のいろいろな問題もあるでしょう。それはあるでしょうけれども、全部とは言わないまでも、少なくとも日本のようなねばねばしたような米は食わないなんと言う人がおりますが、そうじゃありません。ことしインドネシアに六十五億円の食糧借款をやっていますよ。これは向こうの希望でわが国の米を国際価格で緊急に供与願いたいと来ているのですね。そういうことから言って、何か固定観念を持たないで、外務省、ひとつそういうことを三角貿易みたいなしちめんどうくさいことをやらないで、いま倉庫に山ほどあるのでしょう。これは大体どれくらいあるかと言ったら、倉庫に詰まっている米が、四十二年、四十三年、四十七年、それは余り多くありませんよ、少ないのですけれども、しかし四十八年から四十九年、五十年はこれは動くでしょうが、とにかく現実にいま倉庫に入っている分は二百五十億三千二百六十四万九千九百十七円、これは大体の推算でしょうけれども、そうなっているのです。しかも、保管料がトン当たり八千六百九十七円、金利がトン当たり一万一千九百五十円、それで合計してトン当たり二万六百四十七円。そうしたら、古い米なんかは国際価格で売るのは惜しいなんというよりも、金利と倉敷料で、何を言ったって、ためてけちんぼやっていたって、かえって損するみたいな状況でしょう。  会計検査院にお伺いいたしますが、こういうものはあっさり、それは会計検査院としては、まずいのじゃないかなということを各省に言うぐらいのことはできるのじゃないでしょうかね。勧告というのでしょうか、協議というのでしょうかね、やわらかくても結構なんですから、そういう見解は持っておられるかどうか、このことをお伺いいたします。
  77. 園田直

    ○園田国務大臣 米が余って困っている国から、なくて困っている国にやればよいというお考え方は非常にりっぱでございますが、それは簡単にいかない理由が三つほどございます。  一つは、御承知のとおりに、日本の米は国際価格よりも五・五倍くらい高い。二つ目には、ビルマ、タイ等開発途上国から米を買い上げてそれで足らぬ国にやっておりますから、一方には輸出の援助、一方には食糧援助と、一億の金を二億に使う方法を講じておるわけであります。三番目には、先ほどおっしゃいましたように、日本の米はどうも好まないという国もある。さらっとして長い米がいい、そういう理由がありますけれども、いろいろな観点から財政上の負担をしてそして国際価格でやるということも一つの考え方でございまして、これも研究しなければならぬと思っております。しかし、そういう理由があってなかなか困難であることだけは御理解を願いたいと思います。
  78. 砂田重民

    ○砂田国務大臣 安宅委員は、もう学校給食に導入しました米食の回数その他御存じでございますから、省略させていただきます。  米飯給食の回数につきましては、最終的には学校給食の実施主体であります学校設置者が判断すべきことでございます。文部省といたしましては、当面、主食としてパン、米飯、めんなどという食事内容の多様化ということで、設置者を初め各給食関係者に働きかけて同意を得て実施をしているところでございますので、御指摘の、いま直ちに五回というようなことには大変困難な事態がございます。
  79. 村山達雄

    ○村山国務大臣 日本酒につきましては、自主流通米に対する補助、それから政府管理米の払い下げという方法による補助を通じまして、米の使用をいま拡大しつつあるのでございます。五十一酒造年度に比べまして、五十二酒造年度は大体六万トンぐらいふえる見込みでございます。  なお、酒造組合中央会あるいは国税庁を通じまして、アルコールを使わない酒を、少し高くつきますけれどもやはりそれもひとつ考えてみたらどうかということで、いま試みているところでございます。
  80. 阿部一夫

    ○阿部会計検査院説明員 過剰米がふえてまいります事態は重大な事態だと思っておりますので、これをどうしたらいいかということにつきましては、先生御指摘のような方法も含めまして今後の検査で十分検討してまいりたいと思っております。
  81. 安宅常彦

    ○安宅委員 最後にちょっと総理の決意などを……。  私、日本社会党という立場で言うならば、この問題、やはりこういう事態になるだろうということを早くから予想をしまして、たとえば、主要農産物に対する価格保障であるとか、できるだけ広範囲なその他の農産物の支持価格制度なり、それから全額国庫負担、きちっとした土地改良、圃場整備、こういうことをやることとか、あるいはいろんなことを申し述べればたくさんありますが、たとえば、いままで系統資金を借りている農家の債務というのは一時たな上げして、そして再起ができるようにとか、こういうことを含めて、私どもはいろいろと世に問うているところなわけです。  ただここで、私ぜひ申し上げたいことは、ここはさっき言ったのですが、法律で規制するのではなくて、法律に保護されながら、国家という立場で言うならば民主的に今日のような事態を切り抜けるために、われわれはそれは努力するつもりです。農林大臣は、特に野菜の問題なんかは非常に、この問題うまくいくかなと指摘している。それで悩んでいるということまで農林水産委員会で答弁なさっていますね。これは正直でいいと思うのですよ。したがって、このまま行けば、農民というのは数世紀抑圧されてきたそういう感情というのは抜けませんよね。  たとえば、福田さんの地元でコンニャクをやろうと思って、いまこれは禁止になっているそうだけれども、コンニャクやったら、いままでコンニャクを植えておった人は補助金も奨励金もない。新しく参入してきた人のために皆荒らされてしまうのですよ。今度は補助金持ちでやっているのですから気は楽ですね。そんなことを言っちゃ失礼だけれども有利ですよ。こういうことを含めて奨励金制度で何年か続けるでしょう。初めは目新しいものですからいいなと思う人がおるかもしれません。ある程度うまくいくかもしれません。しかし、農民というのは役人衆が決めたものをそのままやるようなことは、ペーパープランなんかは心の中で軽べつしておっても表だけは服従していますよ。しかし基本価格に入れていかなければならない、そうすればまた食管制赤字になる。いろいろな問題があると思うのです、問題は。しかし、そのときに余り抑えつけますと、農民が幾世紀にわたって抑圧されたそういう図太い巨大なエネルギーというものを、これを見落としてはならないと思うのですよね。必ず支持価格制度というきちっとしたものでないというとなかなかもって手を出さない、そういうあれですからね。この問題でこのままでは失敗するのじゃないかと私は思っている。農林大臣が特にこのことについては、わが党などを含めて、欠陥が出たり思いがけない事態があったり、そういうときにはぜひ協議をしてもらいたい。そういう機関をつくろうではないかという私提案をいたします。  いま、畑作の問題で言うならば、生糸は事業団に、倉庫に満杯でしょう。あふれるようですね。鶏卵だってだぶついて困っていますね。米の菓子の米菓なんというのは、輸入は野放し状態でしょう。ECやニュージーランドの圧力は必ず来るでしょう。これは大変な事態であって、私どもは、そういう意味で言うならば、本当に米減らしだけさえやればいいという考えはないとは思いますけれども、そういうものではなくして、総合的な、本当に自給率を高めていくような、そうして自立した日本の民族農業というものができるように私ら協力したいと思っているのです。どうかひとつ決意のほどを農林大臣、特に総理の方からお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
  82. 中川一郎

    ○中川国務大臣 安宅委員御指摘のように、日本の農業は非常にむずかしい幾つかの基本的な問題を抱えております。一つは、土地に制約があること、あるいは少ない土地でありながら条件が悪いこと、気象にも問題があること、地域性が広いこと、いろいろあります。その中に一町歩程度でこれだけの農業をやっていくということは、非常に厳しい状態にあります。しかも外圧もあります。また、消費者からは安いものを食べたいという問題もあります。その中に主食である米が余ってこういう事態になって、議論をいただいておるわけでございますが、一つだけお願いしたいのは、過剰のときに農家でも中小企業でもいかに苦しむかということであって、米だけがいかなる苦労にも耐えられないというものではなくして、米であるからこそこれだけ補償もすれば、いろいろな土地改良もやれば、制度仕組みもやっているということも理解をしていただいて、国も一生懸命やっていきますので、いろいろ困難な点はあろうとも、過剰米ということがいかに農家みずからにとって大きな問題であり、また食管制度そのものの根幹にも触れる大きな課題であるということで御協力をいただいておりますし、国会においても、この上ともの前向きの御議論をいただきたいと存じます。  したがいまして、農林水産委員会におきましても、各党から出られました専門家において十分の議論をいただくと同時に、公式の議論だけではなくて、ひざを交えて各党間でも話し合おう、こういう前向きの話もありましたので、もう公式の速記録でない話もひざを交えて、いい農村をつくるために努力していこう、こういう決意もいたしております。  どうかひとつ、むずかしい中に一生懸命、農林省も農家をいじめるのではなくて、農家が将来あるのにはこうした方がいいということで、たまには苦い虫も飲んでもらうこともある、親心だと思って御理解賜りますようにお願い申し上げます。
  83. 福田赳夫

    ○福田内閣総理大臣 全く農林大臣のお答えしたとおりであります。これはもう、親心というか、農村に対して深い愛情を持ってこの問題を処理すべきである、このように考えます。
  84. 安宅常彦

    ○安宅委員 どうもありがとうございました。
  85. 中野四郎

    ○中野委員長 これにて安宅君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして締めくくり総括質疑は終了し、昭和五十三年度総予算に対する質疑はすべて終了いたしました。  午後一時十五分より再開することとし、この際、休憩をいたします。     午後零時四十分休憩      ――――◇―――――     午後一時二十二分開議
  86. 中野四郎

    ○中野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  日本社会党の安宅常彦君外十一名から、また公明党国民会議及び民社党共同で近江巳記夫君外八名から、さらに、日本共産党・革新共同の寺前巖君外一名から、それぞれ昭和五十三年度予算三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議が提出されております。  これより、各動議について順次その趣旨弁明を求めます。武藤山治君。     ―――――――――――――  昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予第につき撤回のうえ編成替えを求める動議     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  87. 武藤山治

    ○武藤(山)委員 私は、日本社会党提案者を代表して、ただいま議題となりました予算三案について動議を提出し、その理由及び概要を御説明いたします。  まず、動議の主文を朗読いたします。  昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算については、政府はこれを撤回し、左記要綱によりすみやかに組替えをなし、再提出することを要求する。  右の動議を提出する。  まず第一に、編成替えを求める理由について申し述べます。  経済の福田を任ずる福田首相は、就任一年にして経済見通しの大幅な狂いを招く結果となり、不況は長期化する情勢にあります。福田内閣にはこれらの厳しい経済に対処するための発想の転換も見られず、構造改革を迫る政策のシステム化も放棄されている。昭和五十三年度予算編成は従来のパターンから抜け出せず、ただ公共事業費の大幅増額で、古い感覚に貫かれていると言わざるを得ない。政治家に求められる情熱、ロマン、勇気は片りんすら見られないのであります。政府は、予算編成に当たって広く国民の意見を聞くと言いながら、野党党首の要求をほとんど取り入れておらず、五党共同の申し入れ事項についても配慮していない。  このため、政府の予算案は多くの矛盾と欠陥を持っているのであります。  一つには、日本経済の現状を見ると、資本主義自由経済の矛盾が多くの分野で露出をしております。したがって予算額の膨張のみで今日の事態を克服しようとしても不可能であり、制度、構造、発想の転換が最も必要な時代となったのであります。しかしながら、政府・自民党の経済見通し及び予算は旧来の惰性から一歩も抜け出ておらず、その政策は展望のない、その日暮らしの後手後手に終始しております。  二つには、政府が財政運営に当たって最重点目標としている七%の実質経済成長は達成困難であるとともに、無理すれば物価上昇、業種間格差の拡大など多くの悪影響を引き起こす危険をはらんでおります。まして、今日大きな問題となっている構造不況業種に対しては何らの救済にもなりません。しかも、公共事業支出の三四・五%増は、地方財政の窮状、全体的施行能力などから見て消化不良となることが懸念されるのであります。  三つには、今日の緊急政策課題となっている雇用対策として、わが党が提案した雇用創出プランにもこたえておりません。また、産業転換についての政策も前進が見られず、中小企業、農業は一層苦境に追い込まれる予算であり、その上円高の圧力はことしも起こりつつあり、この結果雇用不安は最悪の局面を迎える心配があり、特に失業多発地域に特別な措置が必要であるが、この点も政府案には欠落をしております。  四つには、政府案は減税、社会福祉、農業、中小企業などに配慮が足りません。特に、酒税の引き上げ、国鉄運賃、健康保険料、大学・高校の授業料、公団住宅家賃等の値上げに加えて、石油税の新設などによって国民負担増は一兆二千億円を超えるものとなり、庶民収奪の予算と断ぜざるを得ません。  さらに一方、ドル減らしと不況産業対策に便乗して防衛費を一二・四%増額し、きわめて問題の多いP3C、F15などに多額の血税を浪費することは許されないのであります。  以上のような展望なき国民生活犠牲、庶民収奪の予算を容認することはできません。日本社会党は、ここに政府が昭和五十三年度予算を撤回し、次の基本方針及び重点組み替え要綱に基づき、編成替えすることを要求するものであります。  次に、予算編成替えの基本方針を明らかにいたします。  日本経済は四年間に及ぶ長期停滞が続き、倒産、失業は高水準にあり、構造不況に加えて円高不況という二重の不況局面にある今日の経済危機を克服するためには、中期的展望に立って富と所得の再分配を行い、個人消費支出の増大、福祉の充実による経済構造の転換、不公正な税財政制度を改革する必要があることは言うまでもありません。特に、現在の需給ギャップはかなり長い期間均衡点に達しないであろうと予測されるのであり、そのため今日の財政危機も、中期財政計画を明示し、計画的改革に着手しなければ打開できないのであります。  今後の財政運営に当たってはこれらの課題に取り組むことを前提にしつつ、この三年間完全失業者百万人を超えるという深刻な雇用情勢を踏まえ、当面の緊急課題として雇用確保、国民生活防衛を基本目標に置き、諸政策を推進しなければなりません。  したがって、昭和五十三年度予算は、この基本目標のもとに、次の基本方針に基づいて編成替えすることが必要であります。  なお、主な点について申し上げ、詳細はお手元の動議の文案を御参照されたいと存じます。  最初に、歳入関係でありますが、公正公平な税制による所得の再配分機能を十分に生かさなければなりません。特に不公平税制の是正と財源の確保が重要であります。  一つは、給与所得控除のいわゆる青天井は高額所得者優遇の制度であるので、控除限度額を百九十万円とする頭打ち制度を設けること。  二つは、高額所得者、資産所得者の課税を強化するため、所得税の課税所得一千万円以上の部分に対しては一〇%の付加税を課し、利子所得、配当所得の分離課税は廃止し、総合累進課税とすること。  三つは、会社臨時特別税を復活すること。  さらに、法人税制を改革し、大企業の税負担を強化するため、法人税率を段階制に改める。  また、大法人の貸し倒れ引当金、退職給与引当金などを縮小するとともに、大企業が独占的に利用している準備金等は廃止する。なお、社会保険診療報酬課税の特例措置を廃止すること。  最後に、土地の含み益課税を行うため土地増価税を新設することなどで、歳入構造の転換を図る必要があります。  なお、国債については、年度末残高で四十三兆四千億円に達することにかんがみ、その発行を圧縮することが必要であります。  第二に、雇用確保を最重点政策とし、雇用機会を創出し、雇用増加を図ることであります。  一つは、二十万人の雇用の創出を図るため、地方自治団体が雇用増大、新規雇用のための独自のプランを策定した場合には、国はそのプラン実施に必要な財源を全額保証する。特に、沖繩等失業多発地帯においては、失業者の救済、地域開発のための開発就労事業を興すことが必要であります。  二、公共事業支出は、雇用効果を重視して、生活に密着した公共施設の建てかえ等、用地買収費の少ない事業に重点を置くこと。  三、災害復旧事業は、改良復旧を基本に置き、初年度三〇%の方針にとらわれず、三年継続を二年に短縮するなど、年度内に可能な限りの工事を進めること。  四、農業基盤整備事業を積極的に進め、雇用の創出を図る。また、沿岸漁場整備開発事業に関連する雇用対策事業を創設し、漁業離職者を優先雇用すること。  五、労働基準法等を週休二日、週四十時間労働に改正し、時短を実質賃金の引き下げなしに実現すること。  六、失業給付日数を一律に九十日延長し、給付率を八〇%に引き上げ、広域延長、全国延長の発効基準を緩和することであります。  第三として、国民生活防衛のため個人所得税の減税、社会保障の充実を進めることであります。  その一つは、インフレによる実質所得の目減りを補償し、あわせて個人消費の増大に資するため、所得税減税及び住民税減税合わせて一兆円減税を行う。なお、減税方式は低所得者層に効率の大きい税額控除で行い、住民税減税財源は、国が地方独立税源を付与して措置すること。  二・国民生活の防衛と年金格差の是正のために、福祉年金を五十三年四月分から月額二万円とし、五年年金、十年年金をこれに準じて引き上げる。無年金者に対して国民年金制度による救済措置を講ずること。  三、医療保険及びその関連制度の総合的抜本的改革を図るため、差額ベッド、付添看護、歯科、薬価差額等に関する患者側の調査など、正確な実態調査を行うこと。  四、予防活動の拠点並びに健康・環境保障行政の拠点として、保健所再建五カ年計画を策定し、保健所を再建すること。  五、高齢化社会に対応するため、国公立病院にリハビリテーション科を必置すること。  物価対策の強化については、  一、独占禁止法の適切な運用を行うとともに、独占価格、管理価格の規制、値上げに際しての原価公表の制度化等を図ること。基礎資材、日用品の在庫調査を実施する等寡占体制の監視を強化をすること。  二、物価に関する各種審議会の構成を民主化し、労働団体、婦人団体、農民団体、消費者団体、生協等の委員を増員する。なお、委員の創意性、発想をできる限り併記答申させ、官僚先行を改めること。  教育文化向上対策については、  一、公立高校新設について国は建設費の二分の一を補助し、起債についてはその枠を確保し、利子補給をすること。  二、私学助成をふやし、授業料の公私立間の格差を縮める。私大、短大、私立高校、幼稚園への補助率を引き上げ、学費値上げを抑えることであります。  第四には、内需を拡大して景気回復を図るため、生活環境整備投資の増大、農林漁業基盤の整備、中小企業対策を強化することであります。  住宅、生活環境の整備については、  一、住宅難打開のための公的土地開発の推進、公共賃貸住宅建設用地の借り上げ方式の採用により、宅地の確保を図る。住宅公団への国費の投入、銀行住宅ローンの金利引き下げ措置、関連公共施設への国庫補助の増額等、公共借家建設のネックの解消と国民の高負担を解消すること。  二、上下水道、公園等生活環境整備のための投資を拡大し、文教施設、保育所、病院建設などを積極的に進めることであります。  公害、環境保全対策については、特に開発行政による公害、環境破壊を未然に防止するため、住民への手続と公開を原則とする環境影響事前評価による開発事業規制法を制定することであります。  農林漁業の再建対策及び中小零細企業対策の強化については、  一、米問題解決のため、一般消費拡大、酒米、給食米飯導入の拡大、酒米のアルコール添加抑制など政府の財政支出によって消費拡大を図ること。強権的な罰則を伴う百七十万トン減反政策、買い入れ制限などをやめること。  二、林業の崩壊を防止し、国土と自然環境を保全するため、国有林野事業再建整備特別措置法を制定し、林野事業の健全化を図り、同時に国営分収造林法の制定、山林労働者の労働条件の改善等によって治山、治水の完備、木材の安定供給が図られるようにすること。  三、漁業の国際環境の急変に対応するため、沿岸漁業振興を図ること。  四、中小企業向け官公需については、発注枠を当面五〇%まで拡大するとともに、受注者が下請発注を行う場合、下請単価、支払い手形等について監督する。また、競争入札指名業者の新規登録受け付けや審査制度を改善すると同時に、可能な限りの分離分割発注及び協同組合などの中小企業者の自主的組織に対しての発注を行うこと。  五、中小企業倒産防止共済制度への出資を増額し、連鎖倒産や販売不振、売掛金回収難による倒産など、外因性の強い倒産を防止することであります。  円高・構造不況・産業構造転換対策としては、  一、中小企業為替変動対策緊急融資制度による政府系三機関の融資について、貸出金利の引き下げ及び償還期間の延長措置を行う。また、政府系中小企業金融機関の既応貸付分の返済条件を緩和すること。  二、産地型輸出関連企業の非価格競争力をつけるため、技術やデザインの向上、新製品の開発に対する指導措置を行うことであります。  特に産業構造転換対策は現下の急務であります。  その一つは、屎尿、家庭廃棄物、畜産ふん尿、事業廃棄物を総合的に処理し、再資源化、土壌還元、再生利用、温室利用などを図る廃棄物総合処理資源化事業を国、自治体、民間で共同で行う体制を確立すること。  二、地域小規模水力発電と地熱発電の開発を促進することは、現にわが国にある資源の活用であり、地熱利用については、その賦存量は十億キロワットと推定されている。これに思い切った開発援助が必要であります。また、太陽、波力エネルギー利用の研究開発と実用化のための助成措置を講ずる。ソーラー施設の公共施設への積極的設置、省エネルギー施設導入に対する融資措置を行うことが重要であります。  三、住宅建設、都市再開発、プラント輸出等を積極的に促進し、知識集約型産業の育成を図ることが必要であります。  四、構造不況業種の過剰設備廃棄のための助成を行うとともに、事業転換のための助成を行うことといたします。  資源エネルギー政策については、  一、省エネルギー対策を推進するため、エネルギー・リサイクル・システムの開発、省エネルギー技術開発を促進するとともに、産業ごとのエネルギー有効利用基準の設定、低燃費交通自動車等の普及、耐久財や建築物の省エネルギー化を進める措置を実施すること。  二、総合エネルギーにおける国内炭の位置を明確にして、石炭合理化法を廃止し、石炭資源活用法を制定し、生産力拡大のための十分な予算措置を図る。海外石炭の輸入の拡大を図るとともに、一手買い取り機関が行い、国内炭とプールするなどの措置を行うことであります。  第五は、高度成長型財政構造を改めるため、既定経費の洗い直し、税制改革案を含む中期財政計画を策定することであります。  防衛関係費の削減については、防衛力整備計画を中止し、兵器装備費、防衛増強費を計上しないこと。特に、問題の多いP3C、F15の購入費を削除すること。定員増、欠員補充を行わないこと。  不要不急経費の削減及び予算の効率的使用については、  一、公共事業等予備費を全額削除すること。  二、高度成長型財政構造を改めるため、五カ年計画で既定経費を洗い直し、初年度には五%程度の経費削減を行うこと。  三、補助金支出は、予算補助を法律補助に改め、整理、改廃するとともに、財政の民主化を図ること。  地方財政対策の強化についても多くを語らなければなりませんが、一項目だけ申し上げることといたします。  一、地方交付税法にのっとり、交付税率を引き上げて総額を確保し、公共事業の自治体負担分の起債振りかえは行わないことなどであります。  財政投融資計画の改革については、一、財政投融資計画の大企業中心の運用を国民生活優先の運用に改める。特に、主要な原資である年金積立金は主として福祉年金として活用し、社会福祉施設の整備などのため、地方自治体、年金福祉事業団等へ重点的に貸し付ける。なお、財投計画は全体として国会議決にすることを要求いたします。  以上、日本社会党が提案いたしました昭和五十三年度予算につき撤回のうえ編成替えを求める動議の理由及びその概要を申し述べました。  これらは、多くの国民が期待し要望するものであり、政府はいさぎよく予算案を撤回し、速やかに組め替えを行い再提出するよう強く要求いたしまして、趣旨弁明を終わります。(拍手)
  88. 中野四郎

    ○中野委員長 次に、坂井弘一君。     ―――――――――――――  昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  89. 坂井弘一

    ○坂井委員 私は、公明党・国民会議並びに民社党を代表いたしまして、ただいま議題となりました昭和五十三年度予算三案について、政府がこれを撤回し編成替えを求めるの動議につきまして、共同提案理由とその概要を御説明いたします。  動議の内容につきましては、すでにお手元に配付いたしてありますので、御参照いただきたいと思います。  初めに、動議の主文を朗読いたします。   昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算については、政府はこれを撤回し、左記要綱により速やかに組替えをなし、再提出することを要求する。   右の動議を提出する。  以下、所得税減税、年金の増額、住宅対策の充実などを求める動議を提出するに至った理由を要約して申し述べます。  昭和五十三年度予算編成に当たっては、当面する内外の経済情勢から考えて、内需の拡大を主柱とする景気回復を最優先しながらその中で失業、倒産、所得の伸び悩みなどで苦悩する国民生活の防衛と安定成長への中期的展望が開かれることが強く望まれていたのであります。  しかしながら、政府の昭和五十三年度予算案では、この期待にこたえるには多くの問題があります。  その第一は、政府が景気回復に必要だとして掲げた実質七%成長の達成について大いに疑問があることであります。  それは、公共事業偏重から減税、福祉の充実など個人消費の喚起策が十分にとられていないことを初め、公共事業関係費についても、水増しと呼ばれるほど伸ばしたものの、地方財政や技術者難から事業消化が危ぶまれていることからも明白であります。  第二は、国民生活がますます困窮化することであります。すなわち、三千億円程度の減税では昨年の戻し税を確保したにとどまり、実質増税は避けられません。社会保障関係費も予算案の平均伸び率以下に抑えられています。また、雇用の安定についてもその具体策に欠けるなど、福祉対策が事実上後退しているのであります。  第三は、財政運営の節度を失っていることであります。これは国債依存率が実質三七・八%という未曾有の赤字財政に追い込まれながら、行政改革、歳出の節約、不公平税制の是正、国債管理政策の整備などを糊塗的な処置で事足れりとし、しかも中期的な財政運営の展望を明確にしないことから指摘できるのであります。  以上のような多くの問題を抱える政府予算案は認めがたいものであります。  公明党・国民会議並びに民社党は、予算審議を通じ、それぞれの立場から政府に具体的に施策を要求してまいりましたが、景気回復、生活防衛を確実ならしめるために、政府三予算案撤回の上再編成することを要求したのであります。  次に、予算組み替えの重点項目について申し上げます。  初めに歳入関係でありますが、それは所得税減税七千六吾十億円の実施であります。  その内容は、第一に、生活防衛、景気対策から考えて所得減税五千五百億円を実施することであります。方法は税額控除方式とし、控除限度額は本人一万一千円、配偶者五千五百円、扶養者一人五千五百円とすること。  第二は教育減税です。方法は、対象が私立高校生を持つ世帯とし、税額控除方式によって高校生一人につき三万円を限度とすること。  第三は住宅減税です。一つは、家賃控除減税であり、民間の借家及び借間の居住者を対象とし、税額控除方式によって一世帯一万五千円を限度とする控除を行うこと。  二つは、住宅ローン減税であり、対象者は民間の金融機関から住宅ローン融資をすでに受けている者とし、減税額は年償還金額のうち三十万円を超える部分の五%相当額、最高限度三万円とすること。なお、対象者には中古住宅を取得し、住宅ローン融資を受けている者を含むこと。  次に、以上の減税に対する財源措置についてでありますが、減税実施による税収の減少は次の不公平税制の是正等によって行うこととしております。  一、有価証券取引税を現行の三倍に引き上げること。  二、少額貯蓄の非課税制度を除き、利子配当所得については分離課税を廃止し、総合課税とすること。  三、現行の給与所得控除を年収八百五十万円で頭打ちとすること。  四、退職給与引当金の積み増し率を現行の二分の一に縮小すること。  五、交際費課税については、超過限度額に対する一〇〇%課税を行うこと。  六、会社臨時特別税を復活すること。  七、価格変動準備金は現行の積立率を三〇%縮小すること。  八、政府関係機関の貸し倒れ引当金を縮小すること。  次に、歳出関係について、増額を求めるものについて申し上げます。  その一つは、年金等の増額について次に述べる措置を五十三年四月分より実施することであります。  一、老齢福祉年金を二万円に引き上げること。  二、障害福祉年金を一級三万円、二級二万円にそれぞれ引き上げること。  三、母子、準母子年金を二万五千五百円に引き上げること。  四、五年年金を二万一千四百八円に引き上げること。  五、福祉年金の増額に連動する六制度についても所要の措置を行うこと。  六、生活保護費を一五%引き上げること。  七、社会福祉施設の措置費を一五%引き上げること。  八、生活保護費の引き上げと連動する三制度について所要の措置を行うこと。  その二は、住宅対策を拡充するため、民間ローン利用者への利子補給並びに公共住宅及び公共公益施設整備費の補助増額を図ること。  三は、公共施設整備の促進のため、危険校舎、老朽社会福祉施設等の改築を推進すること。  四は、雇用対策の強化として、職業訓練費の支給対象の拡大、就職促進手当及び職業訓練手当の引き上げ、定年延長奨励金の引き上げを実施すること。  五は、所得減税に伴う地方交付税の減収額については全額補てんすること。  以上、歳出の増額は合計で七千七百億円としております。  次に、この歳出の増額は次の減額によって賄うことといたしております。  一、公共事業関係費の削減、四千二百億円。  二、公共事業等予備費の削減、二千億円。  三、行政経費の節約、五百億円。  四、予備費の減.額、、一千億円。  なお、われわれが要求しました歳入、歳出の組み替えによる修正総額は一兆五千二百九十六億円となりますが、政府案と同額の予算規模において措置することとしております。  以上、公明党・国民会議並びに民社党が共同提案いたしました組み替えを求める動議の理由と概要を御説明申し述べましたが、これらは当面する状況から考えまして、緊急に行わなければならない最小限度のものであると存じます。  したがいまして、政府は昭和五十三年度三予算案を撤回の上、再提出されることを要求するとともに、委員各位におかれましても御賛同をいただけることをお願いいたしまして、提案の趣旨弁明を終わります。(拍手)
  90. 中野四郎

    ○中野委員長 次に、寺前巖君。     ―――――――――――――  昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算につき編成替えを求めるの動議     〔本号末尾に掲載〕     ―――――――――――――
  91. 寺前巖

    ○寺前委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、政府提出の昭和五十三年度予算について、政府が速やかにこれを撤回し、編成替えを行うよう求める動議の趣旨を御説明いたします。  動議の案文はすでにお手元に配付してありますので、簡単にします。  まず、動議を出す基本的立場であります。  五年来のスタグフレーションに昨年来の円高危機が追い打ちをかけ、日本経済と国民生活に未曽有の困難が続いております。来年度の財政運営の最大の課題が、この困難を打破し経済を立て直すことにあることは言うまでもありません。  いま問われているのは、日本経済再建の方策をどの道に求めるのかという問題であります。選択の道は二つしかありません。その一つの道は、予算を大膨張させて金をばらまき、まず大企業のもうけを保障して、そのおこぼれを中小企業や国民に回すというやり方であります。政府予算が引き続き選んだこの道を進めば、仮に一時的に目先の景気好転があったとしても、インフレと重税をもたらし、国民に低福祉と高負担を押しつけて、国内市場を逆に狭くし、不況を長引かせる結果に終わらせることは目に見えております。  もう一つの道は、国民のふところを直接にも間接にも豊かにして、これを土台に景気を本格的に回復するやり方であります。日本共産党・革新共同はこの道を主張します。そして、この道を進むためには、当然大企業本位にでき上がっている日本経済のゆがみそのものにメスを入れなければなりません。野党の一部には政策選択の幅は広くないなどとおっしゃる向きもありますが、それは政府と基本的に同じ土俵に立っておられるからであります。  次に、編成替えを行うべき主な点について申し上げます。  第一は、減税と福祉の充実で国民の購買力を向上させることであります。  国内市場の過半を占める個人消費を高める施策こそ内需拡大の中心に据えなければなりません。そのために、少なくとも国税、地方税で七千二百億円の所得減税を実施すること、老齢福祉年金を月額二万円に引き上げること、大型公共料金を凍結すること、労働時間の短縮などにより大企業の雇用を拡大させることなどであります。  第二は、公共投資を生活密着型中心に転換することであります。  発注の大部分が大企業に行き、でき上がる施設の利用も大企業中心となる石油の国家備蓄や重要港湾、さらに高速道路などの産業基盤投資を大きく削減し、かわりに景気対策としても効果の大きい住宅、学校、福祉施設、下水道、公園などをふやすべきであります。特に、小中学校の増設は四十人学級制の実現とあわせて行うべきであります。四十人学級制は教育条件の改善のために必要であるばかりか、新たに七万人の雇用を創出し、経済対策としても重要な意義を持つのであります。  第三は、中小企業と農漁業対策の強化であります。  中小企業については、金融面の手当てを拡充するとともに、競合商品の輸入規制、分野法の厳正な実施、官公需の五〇%以上の発注など、市場確保のための積極策をとらなければなりません。特に構造不況業種対策に関しては、今日の危機の原因をつくり出した大商社、銀行、関連大メーカーの責任を明確にし、応分の費用負担をさせるべきであります。また、日本農業の危機を一層進行させることが明らかな米の新生産調整の押しつけをやめ、主な農産物に米並みの価格保障を実現して、稲作のみに頼らずとも済む条件をつくることであります。  第四に、地方財政の確立であります。  福祉にしても、生活密着型公共投資にしても、その実際の担い手は地方自治体であります。少なくとも三五%以上への交付税率の引き上げ、超過負担の解消などにより、地方財政の危機を打開することが不況対策上もかぎとなるのであります。  第五に、国債発行を縮減し、財政健全化へ一歩を踏み出すことであります。  十兆九千八百五十億円、実質依存度三七%を超える長期国債の大増発は、財政の救いようのない破綻、激しいインフレ、国民への大増税をもたらす亡国の道と言わなければなりません。軍事費、大企業向け補助金、公安調査庁などの弾圧スパイ費を初めとする不要不急の経費を大胆に削減し、一方、大企業、大資産家を優遇する不公正税制を改革して新たに二兆円程度の財源を確保し、国債依存度を引き下げるべきであります。また予算規模も圧縮しなければなりません。  最後に、成長率問題について触れておきます。  政府予算は、アメリカの圧力によってGNPの七%成長を掲げ、これを利用して規模を超大型にふくらませておりますが、大事なことは、成長率の高さではなく、その中身であります。現に五十一年度には、輸出の急増や在庫投資による成長率追求で製造業の雇用が減り、個人消費支出も微増にとどまったではありませんか。日本経済の現状に見合った五%程度の適度の成長率で、その中身を、雇用がふえ、勤労者の所得と消費がふえ、生活改善に役立つ公共投資が伸びる、こういうように改めることをわれわれは提言しているのであります。  以上で動議の説明を終わります。どうか委員各位の御賛同をお願い申し上げます。(拍手)
  92. 中野四郎

    ○中野委員長 これにて各動議の趣旨弁明は終了いたしました。     ―――――――――――――
  93. 中野四郎

    ○中野委員長 これより討論に入ります。  昭和五十三年度予算三件及びこれに対する撤回のうえ編成替えを求めるの動議三件を一括して討論に付します。  討論の通告がありますので、順次これを許します。小此木彦三郎君。
  94. 小此木彦三郎

    ○小此木委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております昭和五十三年度一般会計予算外二件について、賛成の討論を行うものであります。  昨年のわが国経済は、過去四年にわたる不況からの脱出を図るため、春以来公共事業の前倒しや再度にわたる公定歩合の引き下げを行うなど、財政、金融両面にわたり諸施策を講じたのであります。しかし、個人消費、設備投資等の民間需要は回復の兆しを見せず、それがため、秋には公共事業を中心とする二兆円規模の総合経済対策を決定して、第一次補正予算を編成し、景気の回復、雇用の安定、対外均衡等に対処したのであります。  その間、わが国の経常収支は当初の見通しに反して大幅な黒字を示し、ために、米国を初めとする諸外国の批判が高まり、これが円相場の急騰を引き起こして、わが国の輸出関連産業に大きな打撃を与え、せっかくの政府の施策も、その効果が半減したのであります。  その後のわが国の貿易をめぐる各国の動向を見ると、米国との関係においては、本年一月の日米交渉により、わが国の経常収支の均衡化への努力、製品輸入の拡大、経済成長七%の達成の意向表明等を含む両国の共同声明が発表され、また、これと相前後して行われたEC諸国との貿易交渉においては、わが国に対し、輸出の規制と輸入拡大が強く主張されるなど、自由貿易主義をたてまえとするわが国にとって、国際環境はきわめて厳しいものがありました。  このような内外諸情勢のもとにあって、内需の拡大、国民生活の安定確保及び対外均衡の回復のため、財政が積極的な役割りを果たすべしとの観点から、昭和五十三年度予算を作成するに当たり、これを国債の大量発行を含む景気刺激型とするとともに、公共事業費につき五十二年度第二次補正予算とあわせ、十五カ月を通じての執行を図るなど、まことに時宜を得たものとして賛意を表するものであります。  次に、本予算について簡単に賛成の意見を述べることといたします。  まず第一は、景気の回復についてであります。  今日、国民が求めているこの緊急課題に対し、政府は、五十三年度予算において、一般公共事業費を前年度当初予算に対し、過去最高の三四・五%と大幅に増額しております。  また、その資金配分については、国民生活に密接に関係のある住宅、下水道、生活関連道路等を重点とし、補助事業の八〇%を受け持つ地方公共団体に対しては、円滑な事業執行が図れるよう財源対策を含め万全の措置を講じていることは、これを高く評価するものであります。  わが国の社会資本の整備水準は、諸外国に比べ非常なおくれを見せており、たとえば下水道はすでにイギリス初め先進諸国が一〇〇%に近い普及率を示しているのに対し、わが国はわずか二四%であるにすぎません。  景気回復に対する公共事業の役割りは重要であり、また、この機会を逸せず社会資本の一段の充実を図ることが国民生活の向上のために必要不可欠であると確信するものであります。  公共投資の需要創出効果は減税による効果よりも大きく、約一・五倍と言われております。私は、この公共投資が雇用を創出し、個人消費を拡大し、現在冷え切っている民間企業の投資マインドを刺激して、その結果、経済成長七%の目標が達成されることを強く期待するものであります。  第二は、国民生活の安定についてであります。  今回の予算が公共事業費のみに重点を置いたがごとき論議を聞くのでありますが、民生の安定向上に対してもでき得る限りの資源配分を行っております。  たとえば、社会保障関係費は、公共事業予算を約一兆三千億円上回る六兆七千八百億円余であり、その伸び率は、五十二年度の一八・四%を上回る一九・一%となっております。  また、その内容について見ると、生活保護基準の二%引き上げ、老齢福祉年金の一〇%引き上げなどは、消費者物価指数の上昇率を上回っており、さらに、寝たきり老人などに対する在宅福祉対策、難病対策等について温かい、きめの細かい配慮が払われております。  さらに、最近の経済事情にかんがみ、不況業種について、離職者手当の支給等を行うとともに、失業防止及び職業転換のための雇用安定資金制度の拡充、中小企業倒産防止共済制度の創設等の措置を講じていること、その他、文教、エネルギー対策、食糧確保、物価対策等、国民生活の安定を図るため、厳しい財源の中にあって、できる限りの措置をとっていることに賛意を表するものであります。  第三は、財源確保についてであります。  わが国の財政は、四十八年秋の石油ショック以来、法人税を中心とする自然増収の減少により、五十年度からは毎年度建設公債のほか特例公債を発行することにより歳入不足を補ってきたのであります。五十三年度予算においても、歳入の三分の一を占める約十一兆円の公債発行を必要とする状況であり、五十三年度末の公債残高は四十三兆円以上と見込まれるのであります。  しかし、一方、今日のごとき不況下にあって、財政の第一に果たすべき役割りは、速やかな景気の回復であり、国民生活の安定でありますので、特例公債の発行は緊急避難的措置として万やむを得ないものであると考えます。  ただ、特例公債については、建設公債のごとく社会資本としての財産を後代に残すことはできず、その負担のみを残す結果となりますので、早期にこれから脱却する方途を真剣に検討する必要があります。  他方、税収の面では、酒税及び有価証券取引税の税率を引き上げ、新たに石油税を創設し、租税特別措置の整理合理化を進めるとともに、五十三年度内に納税義務が成立し、五十四年五月に収納される税収の年度所属区分を変更して、辛うじて財源の確保を図っているのが現状であります。  過去四年間の税収は年間平均九%の伸びであり、同期間の財政支出は年平均約一九%の増加を示しており、今後とも国民の財政に期待する課題は多く、これが解決はすべて財源の問題に帰するのであります。  わが国の個人所得に対する所得税負担率は、イギリスの三分の一、米国、西ドイツの二分の一の状況であります。  今回、政府は財政収支試算を提出し、将来に対する一応の目途を示したことは、財政に節度を保つためには増税が不可避であることについて、国民の理解と協力を得ようとする点からも、評価するものであり、同時に政府みずからも経費節減のため一層の努力を尽くされることを心から期待するものであります。  最後は、予算修正問題についてであります。  去る二月二十日に五野党から提示された所得税減税、福祉年金の増額等を含む一兆二千億円に上る共同修正要求については、その内容について種種問題があり、また、わが国の財政がきわめて厳しい状況にあるにもかかわらず、諸般の事情を考慮し、誠意をもって野党側と折衝を重ねたのであります。  その結果、わが党は、今日の経済情勢のもとでは、予算が年度内に成立することが緊要であるとの見地から、戻し税方式による所得税減税約三千億円、低所得層に対する一時金として約四百億円の計三千四百億円の支給を行う用意がある旨を明らかにしたのであります。これに対して、必ずしも全野党の賛同を得られなかったことはまことに遺憾であります。  他方、政府においては、今後この問題について関係委員会で十分審議が尽くされた上で結論が得られた場合には、その結論を踏まえ、適切に対処してまいりたいとの考え方を明らかにしております。  私は、今後関係委員会において十分審議の上、わが党の考え方に賛同いただけるよう期待しており、また、この問題について結論が得られた場合には、政府において速やかにこれを実施に移されるよう要請するものであります。  なお、本予算に対する編成替えを求める日本社会党の動議、公明党・国民会議及び民社党提出の動議、日本共産党・革新共同提出の動議については、できる限りの施策を行っているばかりでなく、別途に、ただいま述べたような措置を今後とろうとするときでもありますので、これら三動議については反対であります。  以上、私は、本予算が早期に成立することを期待して、賛成の討論を終わります。(拍手)
  95. 中野四郎

    ○中野委員長 次に、横路孝弘君。
  96. 横路孝弘

    ○横路委員 私は、日本社会党を代表し、政府提案の五十三年度一般会計予算、同特別会計予算及び同政府関係機関予算に反対し、わが党提案に係る予算三案につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議に賛成の討論を行います。  いまや、わが国の経済は、歴代自民党内閣の政策の破綻により全く行き詰まり、前途はますます暗さを増すばかりであります。  国民は、こうした状況の中で、五十三年度予算に多大な期待をかけたのでありますが、昨年末に編成された政府予算案は、相変わらず国民生活無視の超赤字財政と従来の公共投資一点張りの政策で、そこには、各界各層の国民が熱望し、期待していた発想の転換や構造の変革は、その片りんすらうかがうことができず、いたずらに臨時異例の予算と言われても、これでは五十二年に歩んだ道を再びたどることになるのではないかと、多くの国民が失望と危惧の念を禁じ得ないでいるのであります。  総理は、昨年十月の予算委員会で、とにかく公債依存度三〇%というものは、この際守っていく、またそれによって健全な社会経済の維持発展ができるのだ、と発言されましたが、それから三カ月をたたずして、実質公債依存度三七%にも及ぶ五十三年度予算を編成されたのであります。国民は、少しもみずからの責任を感じておられない総理の政治姿勢と、またもや公共事業でこの事態を切り抜けようとする総理の経済感覚にただ驚き入るばかりであります。  国民がいま、何よりも求めているのは、信頼できる政治であり、経済の前途の明るさであります。  われわれは、この国民の要望にこたえるために、五十三年度予算の審議を通じ、政府に対し、その見通しの甘さと、政策の矛盾を指摘しつつ、政策の転換を求めてきたのであります。  しかし、福田総理を初め政府は、これら野党の要求に耳をかそうとせず、ただひたすら逃げの姿勢に終始したのは、まことに遺憾と言わなければなりません。  こうして、予算審議を通じて明らかになったことは、政府が目標としている実質七%の経済成長も、経常収支の黒字を六十億ドルに抑えることも根拠薄弱な数字であって、この予算では、景気の回復、雇用の安定は全くおぼつかないということであります。  そこで、野党五党は、景気の回復を目指すには個人消費の拡大を図ることも同時に必要であるとの見地から、総額一兆二千億円余りの最小限度の修正要求を取りまとめ、与党に提示しましたが、自民党は、原案に執着してこれを取り上げようとはせず、われわれの要求にこたえたとは言えない、きわめて少額なものでごまかしてしまったのであります。この自民党の態度こそは不誠意きわまるものだと、心から残念に思う次第であります。  以下、本予算に反対する理由を申し上げたいと思います。  第一に、七%成長の経済見通しが、全く根拠がないということであります。  五・三%から始まり七%に変わっていく過程は、まさにアメリカの外圧に屈したものにすぎず、したがって、七%成長の裏づけとなる各需要項目についても、十分の納得のいく根拠の説明がなかったのであります。  中でも、設備投資については、政府は電力投資に多大の期待をかけておりますが、電源立地問題が、地元住民の不安や安全環境審査の遅延により解決を見ていないのに、五兆円もの投資を企業に要請しても実現は困難であり、設備投資九・九%の伸びはきわめてむずかしいと思われます。  また、個人消費支出については、経済の明るさが出てくるに従って消費性向の改善が見込まれると答弁をされておりますが、家計の冷えは今日まで依然として回復せず、要するに経済が七%伸びるから個人消費も伸びるだろうと逆算した、数字のもてあそびにすぎないのであります。  第二に、今回の予算審議を通して明らかになったことは、雇用政策が皆無に等しいということであります。  この予算は、雇用安定を目指すと称しているにもかかわらず、公共投資の雇用効果について政府は満足な答弁ができず、提出された資料を見ても、雇用に余り寄与しない道路関係の伸びが大きく、しかも臨時的な不安定雇用が大部分で、公共事業が雇用の創出に役立たないことが明らかになったのであります。  第三に、われわれが反対する点は、政府が財政計画の策定を避けていることであります。  以前からわれわれは中期財政計画の策定を要求してまいりましたが、政府は、それは困難であり、勉強すると称して、以前と同じパターンの財政収支試算を提出し、ごまかそうとしたのであります。  この国会の議論の中で再提出されてみれば、財政収支試算は相変わらず増税か福祉切り下げかの選択を国民に無理に押しつけるもので、むしろこの両方を国民に求めている内容と言ってもよく、問題に全然ならないものであります。  五十七年度末には、公債残高は九十兆円から百兆円を超えるものと試算されています。このような残高を抱えるにもかかわらず、これをどのようにして将来に向かって返還をしていくのか、償還計画も、その名に値するものとは言えないのであります。  第四に、四十八年度列島改造予算顔負けの五十三年度予算における公共事業費の消化は、地方自治体の能力を超えたものであるという点であります。  政府は、きわめて困難であるが、特段の配慮をしているので消化は不可能でない、と述べていますが、投資総額は中央を含め二十五兆六千億円に上り、そのうちの八割を地方自治体で消化するのであります。  地方自治体では、職員の配置転換まで行って、土地買収を進めるような状況まで生まれ、国以上に深刻な財政危機にある地方財政が、借金に苦しめられつつ公共事業を推進するという悲劇が演じられようとしているのであります。  第五に、五十三年度予算は、公共事業偏重で、不況下に最も重要な福祉が忘れられているという点であります。  公共事業費の伸びに比べれば、その伸びははるかに低く、むしろ受益者負担の名のもとに健康保険料や患者の一部負担を引き上げるなど、国民の負担は全部で一兆二千億円にも増大し、このことは、個人消費の拡大、ひいては景気対策上も大きなマイナスになることは明らかであります。  第六に、農民の合意を得ないで、水田利用再編対策を強行しようとしている点であります。本委員会でも議論されましたが、米の生産調整の問題は、農民の権利と生活にかかわる重要な問題であり、百七十万トンに及ぶこの減反政策を、農民の意思を無視して強行しようとする政府の態度は、特に強く批判されるべきであります。  第七に、地方自治体に対し、さらに借金財政を押しつけている点であります。  政府の地方財政対策は、交付税率を引き上げよという当然の要求を拒否し、一方で、膨大な補助事業が地方自治体に押しつけられるため、超過負担が必然的に増大し、これでは地域住民の要望する単独事業が施行できなくなるおそれがあるのであります。地方自治を犠牲にし、ひいては地域住民の生活を脅かすものであると言わなければなりません。  最後に、総額一兆九千億円に上る防衛費の問題であります。  いまほど国際政治の中で軍事の比率が下がっている時代はありません。そのときに、一機七十億円もする足の長い、給油装置を持つF15戦闘爆撃機や、まだロッキード事件未解明の折、あえてP3Cオライオンなどの採用を決め、周辺国家に脅威を与えなければ防衛にはならないなどという議論が堂々とまかり通り、軍事大国の道をひたすら歩む、この防衛予算を認めるわけにはいかないのであります。  この予算が何をもたらすのか、半年もたたぬうちに明らかになるだろうと思います。  輸出は減少せず、輸入は伸びず、大幅黒字は再び円の切り上げを引き起こし、不況をさらに深刻なものにするでありましょう。  セメントなど建設資材関係は、価格の高騰をもたらす一方、産業間のばらつきが大きくなり、雇用問題はより厳しく、不況感や先行きの暗さは変わらず、したがって、家計の消費も、企業の設備投資も伸びることにはならないでありましょう。  そして、残るものは国と自治体の膨大な借金だけとなり、不況下で国民の負担増だけが将来重くのしかかることになることは明らかであります。  以上、私は政府三案に反対し、わが党提案の組み替え動議に賛成をして、討論を終わります。(拍手)
  97. 中野四郎

    ○中野委員長 次に、広沢直樹君。
  98. 広沢直樹

    ○広沢委員 私は、公明党・国民会議を代表して、ただいま議題となりました政府提出の昭和五十三年度予算三案に反対、公明党・国民会議並びに民社党の共同提案の予算三案の編成替えを求める動議に賛成、日本社会党、日本共産党・革新共同からそれぞれ提出されております予算三案の編成替えを求めるの動議に反対の態度を明らかにして、討論を行います。  本予算三案に反対する主な理由の第一は、政府予算案は不況脱出のための臨時異例の予算と称しながら、その内容は国債依存率を実質三七・八%にも高め、財政規模を膨張させただけで、最大の課題である不況克服、景気回復には多くの矛盾を持っていることであります。  すなわち、実質経済成長率七%が内外を通じて公約視される中で、景気対策をもっぱら公共事業に集中させ、生活防衛と個人消費の喚起に目をつむっていることは、これまでの政策の失敗を繰り返すおそれを持っているのであります。  もちろん、生活関連公共投資の拡大は、われわれの主張するところでもあります。しかし、五十三年度において実質七%の経済成長を実現し景気回復を図ろうとすれば、五十二年度に比べはるかに悪条件の中で、個人消費の実質伸び率五・九%を確保する具体的措置を講じなければならないことは当然のことであります。  しかるに政府案は、所得税減税等を回避し、われわれの減税要求に対しても所得減税三千億円の回答のみであり、これでは政府見通しの個人消費の伸び率はとうてい達成できません。  ここに、われわれが景気回復のために大幅所得税減税を主張する根拠があるのであります。  一方、公共事業費の拡大と言っても、公的住宅の削減等に見られるように生活関連公共投資を軽視し、反面、産業基盤整備の公共投資を最優先しておりますが、それさえも地方財政の窮迫から事業の消化が懸念されているのであります。  こうした政府の態度と予算案では、とうてい所期の景気回復と経済成長は実現できないと考えるのであります。  また、国債依存率を実質三七・八%にも引き上げながら、五十二年度予算修正の際における与野党合意事項である不公平税制の是正に積極的に取り組まないばかりか、かねてからの懸案である国債管理政策の確立に手をこまねいていることも納得できません。  反対する理由の第二は、政府予算案は、国民生活への配慮が著しく欠如していることであります。  景気回復の実現と国民生活の防衛から要求した減税に対し、政府は三千億円の減税を約束していますが、たとえそれが実現されたとしても、年収二百三十万円の標準世帯で五%のベースアップがあったとして、物価上昇分約一万円を含め所得税、住民税を合わせ二万四千円もの実質増税を押しつけられることになるのであります。  したがって、教育減税、住宅ローン減税などを含め、所得税減税七千六百十億円程度の減税をすることは当然の措置であります。  また、酒税の引き上げ、国鉄運賃等各種の公共料金の値上げが物価上昇の要因となり、国民生活へ重くのしかかってくることは必至であり、これら各種公共料金の大幅引き上げはとうてい認めることができません。  反対理由の第三は、国民福祉と逆行し、また緊急課題である雇用の安定及び中小企業対策にきめ細かな具体策を講じようとしていないことでございます。  長期不況と物価高の中で、老人、身障者、生活保護世帯の生活が想像以上に深刻な状態に追い込まれておるにもかかわらず、社会保障関係費の伸び率は一般会計の伸び率を下回る一九・一%に抑えられております。老齢福祉年金にしても、依然として低水準にあり、国民年金その他の社会保障給付の引き上げも、物価上昇分にも満たない程度に抑えられています。社会保障関係施策は、不況のときこそ、社会的に弱い立場の人たちの生活を守るために拡充されなければならず、予算案はこれに逆行するものと言わざるを得ないのであります。  雇用対策についても、実質成長率や鉱工業生産指数が伸びながら、逆に失業者が増大している現実は、雇用対策の無策を鮮明にしているものであり、政府の雇用対策の強化を強く要求するものであります。  倒産の増大、大型化の中で中小企業関連予算は、一般会計の伸び率を下回るのみならず、倒産を防止するためのきめ細かな具体策がとられておりません。こうした中小企業の切り捨て政策に通ずる予算案は、認めることはできません。  反対理由の第四は、公共事業と不可分である地方財政対策がきわめて不十分であることであります。  本予算案における地方財政対策は、地方財政が三兆五百億円もの財源不足を生じているのに対し、二兆九千億円を地方交付税特別会計の借金と地方債の増発という安易な借金に押しつけようとしているのであります。この結果、五十三年度末の地方債と交付税特別会計の借金は、実に四十兆円を超える膨大な額に上ろうとしているのであります。  もともと地方交付税法には、地方財政が連続して著しい財源不足を生ずる場合に、交付税率の引き上げか地方行財政の抜本改革を行うことが明確にされております。五十年度以来、三年連続二兆円以上の地方財源不足にもかかわらず、この地方交付税法の趣旨をねじ曲げ、交付税率の引き上げや制度改革を行おうとしていない態度は、断じて見逃しにできません。  最後に、一言申し添えておきますが、予算委員会でわが党か問題とした中期財政計画について、政府は速やかに策定するよう、強く要求するものであります。  以上、要約して申し述べました理由により、政府三案には反対、公明党・国民会議並びに民社党の共同提出の編成替えを求める動議に賛成をいたします。  なお、日本社会党、日本共産党・革新共同の編成替えを求めるそれぞれの動議については、若干意見を異にいたしておりますので、反対いたしまして、私の討論を終わります。(拍手)
  99. 中野四郎

    ○中野委員長 次に、大内啓伍君。
  100. 大内啓伍

    ○大内委員 私は、民社党を代表し、ただいま議題になりました昭和五十三年度一般会計予算、同特別会計予算、並びに政府関係機関予算三案に対し、一括して反対の討論を行うとともに、公明党  国民会議及びわが党から提案されている五十三年度予算組み替え案に対しては賛成、社会党並びに共産党・革新共同からそれぞれ出されている同組み替え案に対しては反対の討論を行わんとするものであります。  まず、私が政府予算三案に反対する第一の理由は、今回の予算編成の基本態度として、過去の政策失敗に対する反省姿勢が政府に全く見られないことであります。  すでにわが国の経済は一九七三年の石油ショック以来、四年半にわたる長期不況の中に呻吟しておりますが、このように不況を長期化した最大の原因は、政府の景気対策が常に手おくれ、かつ中途半端に終始した結果であります。  昨年、政府が内外に公約した実質成長率六・七%は五・三%に落ち込み、経常収支マイナス七億ドルに至っては、プラス百二十五億ドルにも膨張し、日本の数字は信頼できないという定評を世界じゆうに喧伝するところとなりました。また、円高についても見通しを完全に誤り、一年間に五十二円、二三%にも達する大幅な円高を招来し、輸出関係中小企業に甚大な被害を与え、その倒産も戦後最高の年一万八千件を超える結果を招来しました。失業者は、構造不況産業対策のおくれとともに、年間百万人から百三十万人にも達し、深刻な雇用不安を引き起こしております。さらに、百六十五億ドルに達した貿易収支の黒字は、米国、ECとの間に貿易不均衡問題をめぐって厳しい対日不信感や保護貿易主義の危険を生み出し、国際面でも深刻な事態を発生させました。  このように内外にわたる経済困難をもたらした最大の原因は、常に楽観的な経済見通しと後手後手の政策に終始した福田内閣の経済政策の失敗の結果であり、今日の不況はまさに福田内閣による政策不況と言っても過言ではありません。  しかるに、福田総理は、こうした事態を招来したことに対していたずらに弁解に終始し、反省の色もなく、責任の所在を明らかにしようとしてはおりません。このような政府の予算編成の基本姿勢そのものに重大な欠陥があることをまず指摘しておきたいと存じます。  反対の第二の理由は、今回の政府予算案の根幹をなしている経済成長率七%、経常収支六十億ドルの達成という基礎数字に全く信憑性がなく、この状況では、不況の克服、国民生活と雇用の安定、黒字減らしの達成といった内外の諸課題を実現することはとうてい困難だと考えるからであります。  民間の九つの研究機関がこぞって政府の言う七%実現は困難だと断定していることは、決して理由のないことではありません。福田内閣は昨五十二年度の予算編成に当たって、五十三年度予算と同様、公共事業中心の大型予算を編成し、九月までに公共事業の七三%前倒し実施まで図って景気の浮揚を図ろうといたしましたが、結果はみごとに失敗しました。  それは高度成長時代の公共事業一辺倒の景気対策に対する厳しい教訓でありました。周知のように、政府資本支出はGNPの一〇%に過ぎません。また、その乗数効果も大幅に低下してきていることは、経企庁でも明らかにしているところであります。  しかるに、五十三年度予算に示された政府の景気浮揚策は、旧態依然たる公共投資中心で、GNPの六割近くに達する個人消費支出、民間住宅投資、その他の民間設備投資など直接国民生活と結びついた多様な政策を総合的に組織化して実施しようとする努力が見られません。  減税についても、初年度の乗数効果が公共事業より少ないことを強調するだけで、三年後には逆に減税の乗数効果が大きくなる事実をあえて無視し、原案で減税を全く見送った態度がまさにそれであります。  経常収支六十億ドルについても、本委員会の論議で明らかにされたように、それは昨年、一昨年と二度にわたって失敗を犯した単なるマクロ計算上の数字であって、貿易主要国との輸出入見通しを全く持たない、いいかげんな数字であったことが暴露されました。民間設備投資九九%増、鉱工業生産六・八%増といった主要指数も、それらと大同小異であります。また、五十三年度予算は雇用の増大を最大の目標とすると言いながら、政府が実施する個々の公共事業からどのくらいの雇用が生まれるのかについて、数字的根拠を持っていないことも本委員会で明らかにされました。  このような根拠薄弱の数字の積み重ねで、どうして実質成長七%、経常収支六十億ドルが達成されると言えましょう。このような無責任な予算にわれわれはとうてい賛成することはできません。  反対の第三の理由は政府予算には日本経済の中期展望が全く示されていないことであります。  すでに十五カ月予算編成に見られるように、単年度予算制度は事実上崩壊しつつあります。わが国にとって至上の命題となりつつある経済の安定成長を実現するためには、成長率の管理が必要であり、それは財政面で中期計画を持った予算編成の必要性を提起しております。  わが党はこの立場から、昭和五十三年、五十四年を不況克服の期間として位置づけ、国債依存率三〇%にこだわることなく積極的な財政政策を展開して内需の拡大を図るべきことを昨年以来提唱してまいりました。  第二に、予算の使途は、国民生活並びに日本経済の中期課題を念頭に置いて減税、年金、住宅、雇用などの諸対策に重点を置くことを主張してまいりました。  第三には、昭和五十五年以降、財政の健全化を実現するためにも、不公平税制の是正、行政改革を強く求めてまいりました。  しかしこのわが党の提案は、減税問題から行政機構改革に至るまで、何一つ満足できる状態で実現されず、われわれの期待は完全に裏切られました。その予算編成は中期的展望を欠いた場当たりのものとなり、中期経済・財政計画の欠如を初め、公債償還計画、雇用創出計画、構造不況産業に対する中期政策、さらには、財政硬直化対策など、予算の裏づけとなるべき中期的対策が何一つ準備されていないことが露呈されました。これでは責任ある予算編成とは言えません。政治の重要な任務は、国民に対して将来計画を示し、その協力を求めることにありますが、政府の五十三年度予算は、この重要な課題を全くおざなりにしていると言わざるを得ません。  最後に、われわれが政府案に反対する最も重要な理由は、前述のような政府予算の欠陥を補うために、われわれ野党五党が真剣に提案した予算修正案を政府が全面的に拒否したことであります。それは明らかに福田総理の言う連帯と協調を踏みにじる行為であります。所得税減税、老齢福祉年金など社会保障給付額の引き上げ、住宅対策費の引き上げなどを骨子とした野党修正案は、現在の厳しい財政状況においても十分実現可能な国民の最低限の要求にほかなりません。しかし政府は、こうした国民のささやかな要求をも無視し、国会通過料とさえ公言して、わずか三千億円の所得税減税と四百億円の一時金支給の予約によって、お茶を濁そうとした態度は、当面を乗り切れればなりふりは構わぬといった旧態依然たる姿勢であり、伯仲時代に即した新しい議会運営についての哲学も責任もない態度と断ぜざるを得ません。  われわれは、こうした政府の予算編成態度をもってしては、今日の深刻な不況と国民生活上の各種の不安を超党派的協力によって打開することはできないと存じます。  ここに、政府が、さきの通常国会でせっかく与野党の建設的努力によって確立した予算修正のよき慣行を簡単に踏みにじったことに対し、強い反省を求めるとともに、もし不況脱出に失敗した場合には福田内閣はその責任をとるべきことを厳しく指摘し、私の政府予算三案に対する反対討論、公明党・国民会議、民社党の共同組み替え動議に対する賛成討論を終わる次第であります。  以上であります。(拍手)
  101. 中野四郎

    ○中野委員長 次に、柴田睦夫君。
  102. 柴田睦夫

    ○柴田(睦)委員 私は、日本共産党・革新共同を代表し、ただいま議題となっております昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算各案について、一括して反対の討論を行うものであります。  本五十三年度予算案は、五年来のスタグフレーションに昨年九月末からの円高危機が追い打ちをかけ、年間一万八千五百件にも上る史上最大の中小企業の倒産、百万人台の完全失業者など不況が一層深刻化し、日本経済と国民生活がかってない重大な危機に見舞われている中で編成されました。  ところが、政府は、このような危機に見舞われている日本経済と国民生活の危機を打開する方向ではなく、逆に国民に犠牲を一方的に転嫁し、大企業本位の従来型の予算をさらに一層推し進めようとしているのであります。  すなわち、第一に、円高危機を口実にした臨時異例の財政運営を理由に、編成前に強調した安定成長、財政再建の方向を完全に放棄し、アメリカと財界の要求に忠実にこたえた七%という経済成長率を掲げて予算規模を膨張させているのであります。  そして、予算の配分では大企業本位の景気刺激に役立つかどうかを最高の基準にし、列島改造予算さえはるかに上回る三四・五%増もの産業基盤中心の一般公共事業予算を組みながら、一方、生活保護基準はわずか一一%、老人の強い願いである老齢福祉年金はわずか千五百円の引き上げで月一万六千五百円というように、社会保障や中小企業対策、教育関係の経費を予算の伸び率以下の低い水準に切り詰めているのであります。  さらに、国立学校授業料の五〇%アップ、国鉄運賃一四%引き上げなどが盛り込まれている上、農民に犠牲をしわ寄せしたままで米の新減反政策を強行しようとしているのであります。  第二に、わが党は、ロランC基地の問題、在日米軍の朝鮮半島を想定した演習、核配備を前提にした訓練の実態を明らかにしましたが、このことはその後のわが党の調査によっても、またブラウン国防長官の証言やクレーター米海軍長官の発言、さらに現在行われている米韓軍事演習でも、その重大な危険性が裏書きされているのであります。そのような中で、本予算に憲法第九条の上から許されないF15戦闘攻撃機やP3C対潜哨戒機の導入をしていることは、カーター政権の日本に対する軍事力の増強と負担の増大の要請にこたえたものであると同時に、日米軍事同盟の一層の強化につながる危険なものであることは明らかであります。さらに、今国会の政府答弁にも見られるように、戦術核まで保持できるという驚くべき解釈、改憲を図っていることは、断じて容認できないのであります。  第三に、本予算案の財源として、政府みずからが強調していた国債の依存度三〇%という危機ラインを大きく超えて、実質依存度三七、八%にも上る国債大増発を行っていることであります。これは国際的にも異常な高さであり、またわが国においても千九百三、四十年代、侵略戦争にのめり込んでいった時期の水準に匹敵する異常な高さであります。しかも問題なのは、このような多額の国債発行に対して、その償還の見通しさえ明確にできなかったことであります。この借金財政は、やがて国民への大増税となって大きな犠牲を強いるばかりか、インフレを激化させ、財政破綻を一層救いがたいものにすることは明らかであります。  最後に、政府予算案は、将来の財源を先取りする国庫債務負担行為の大幅拡大、公共事業等予備費の復活、決算調整資金制度の継続など、予算の国会審議を軽視し、財政民主主義の形骸化する危険な方向を強めていることも指摘しないわけにはいきません。  以上の理由により、政府提出の予算三案に反対するものであります。  野党五党は、予算審議の過程において、七千百九十億円の所得税、住民税減税、さらに年金の改善など総額一兆二千百億円の共同修正要求をいたしました。これに対し自民党は、三千億円の所得税減税などをすると回答しましたが、これは内容の点でも問題にならない少額であると同時に、手続の上でも憲法の原則に反するとも言うべき、予算書を一切修正しないという財政民主主義の原則に真っ向から反する態度であります。このような野党五党の限られたぎりぎりの要求でさえ拒否する自民党の態度は、最も苦しいのは財政であり、次に企業だという言葉や、さらにソウル地下鉄をめぐる日韓の政財界の黒い疑惑、昨日東京地裁で行われたロッキード公判の証言で明らかになった事実は、政府・自民党の従来からの大企業本位の姿勢の結果であることを明らかにしたと言わざるを得ません。  今日、政治に求められているのは、言うまでもなく民生安定であります。そのためには、少なくともすでに日本共産党・革新共同が提出している予算編成替え動議の内容に即した減税と福祉の充実を行い、国民の購買力を向上させること、公共投資を生活に密着した住宅、学校、福祉施設などの建設を進める方向に転換すること、地方財政を確立するとともに、国債増発を抑え、不要不急の経費の思い切った削減、不公平税制の是正などによる財源の確保を行うべきであります。  改めて委員各位に日本共産党・革新共同提出の動議に賛意を表されんことをお願いして、私の反対討論といたします。  なお、社会党提出の組み替え動議については、内容上多くの点で評価できますが、なお若干の点で見解を異にしていますので反対、公明、民社提出の動議については、政府案どおりの国債発行を認めていること、軍事費の削減を主張していないことなど、重要な点で考えを異にしていますので反対といたします。(拍手)
  103. 中野四郎

    ○中野委員長 次に、大原一三君。
  104. 大原一三

    ○大原(一)委員 私は、新自由クラブを代表して、ただいま議題となりました昭和五十三年度予算三案に対し、賛成の立場から討論を行おうとするものであります。  まず初めに、賛成の立場を表明する理由を要約いたします。  第一の理由は、当面の不況の深刻さに由来するものであります。昭和五十三年度予算案は、予想される未曽有の失業の多発、累増する倒産、深刻化する特定業種の構造不況の根本的打開のためには決して十分なものではないが、しかし、有効需要創出のため、旧来の国庫優先主義をとりあえずたな上げし、当面の不況打開のため、ようやく積極的に取り組もうとする姿勢が評価されるからであります。われわれとしても、切れ目のない予算の執行によって、三十四兆円の政府需要が国、地方を通じて速やかに連動し、冷却し切った国民経済の浮揚力として作用することを期待するものであります。  わが国経済には、いま約二十兆円近いデフレギャップが内在し、それが国際的不均衡、国内的不完全雇用の基本的要因となっております。経済の現段階においては、私が予算委員会において指摘したいわゆる在庫調整の動向についても、政府の見通しは楽観的に過ぎ、また雇用につながる企業の生産動向も、ようやく四十八年水準に比べ水面上に頭を出しただけであります。一方、企業の設備投資に動意が見られず、ついに企業収益は再び水面下に低く沈んでしまいました。この段階において最も重要なことは、雇用不安、失業の多発であります。それは深刻な社会不安の温床ともなる問題でありますから、政府は特に雇用問題に配慮しながら、きめの細かい、しかも弾力的な予算の執行を機を失せず実行に移すべきであります。  第二に、減税問題でありますが、さきに政治決着を見た三千億円の減税は、物価上昇に見合って所得税の負担の増加が実質所得の減少をもたらさない、いわゆる物価調整見合いの減税であること、さらに五十二年度の一年限りの戻し税減税が五十三年度ゼロに戻るため、実質増税をもたらさないという意味でそれなりに評価したいと思います。  しかし、この程度の減税では、景気浮揚のための消費刺激効果は期待できません。われわれが一兆円規模の減税を提案いたしましたのは、国際的公約と受け取られている七%成長、さらに予想以上の円高の進行状況を踏まえ、一方における公共投資、他方における消費刺激、つまり投資と消費の両面作戦がこの際ぜひとも必要であると考えたからであります。われわれも政府財政の苦しさは十分存知しておりますが、緊急避難的財政政策のいま一歩の前進を要請したものであります。総理は昨日の予算委員会において、新自由クラブの小林正巳委員の質問に対し、今後の経済政策について、状況の推移を見ながら大胆かつ前向きに対処したいと述べられましたが、この際われわれとしても、経済の推移によっては金利政策はもとより、減税を含む補正予算を機を失せず実行に移されることを改めて提案いたしておきます。  第三に、低所得者対策については、われわれも法律上疑義のない予算修正という形式をとるべきことを主張いたしたのでありますが、今後政府としても、国会審議の状況を踏まえ、適切な対応をされることを要望いたします。  次に、特にわれわれが主張した教育減税、住宅ローン減税並びに雇用対策については、可及的に実現を目指し検討するとの政治的判断を政府の側においてもしっかりと受けとめられたものと認識し、その解決に重大な関心を払うものであります。  以上、本予算案に賛成しつつ若干の要望を申し上げましたが、この際、予算編成のあり方について意見を申し上げてみたいと思います。  ここ両年度の予算修正に顧み、政府はしばしば窮地に立たされましたが、このような事態は今後とも繰り返し発生することが予想されます。これを可及的に回避する道は、われわれが常に主張しておりますとおり、予算編成の段階において、単に形式的ではなく、政府を交えて与野党が実質的な討議の場所を持つことであります。そして、可及的に共通の土俵を見出すためのあらゆる努力が傾注される必要があります。それが予算審議における不測の事態を回避する唯一の道であると考えるからであります。以上、重ねて御提案申し上げる次第でございます。  最後に、本予算の修正を求める日本社会党の動議、公明党・国民会議、民社党の共同提出の動議並びに日本共産党・革新共同の動議については、若干考えを異にいたしますので反対いたしまして、本予算案に対する賛成の討論を終わります。(拍手)
  105. 中野四郎

    ○中野委員長 これにて討論は終局いたしました。     ―――――――――――――
  106. 中野四郎

    ○中野委員長 これより採決に入ります。  まず、安宅常彦君外十一名提出の昭和五十三年度予算三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議を採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  107. 中野四郎

    ○中野委員長 起立少数。よって、安宅常彦君外十一名提出の動議は否決されました。  次に、近江巳記夫君外八名提出の昭和五十三年度予算三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議を採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  108. 中野四郎

    ○中野委員長 起立少数。よって、近江巳記夫君外八名提出の動議は否決されました。  次に、寺前巖君外一名提出の昭和五十三年度予算三件につき撤回のうえ編成替えを求めるの動議を採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  109. 中野四郎

    ○中野委員長 起立少数。よって、寺前巖君外一名提出の動議は否決されました。  これより、昭和五十三年度一般会計予算、昭和五十三年度特別会計予算及び昭和五十三年度政府関係機関予算、以上三件を一括して採決いたします。  右三件に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  110. 中野四郎

    ○中野委員長 起立多数。よって、昭和五十三年度予算三件は、いずれも可決すべきものと決しました。(拍手)  お諮りいたします。  委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  111. 中野四郎

    ○中野委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。     ―――――――――――――     〔報告書は附録に掲載〕     ―――――――――――――
  112. 中野四郎

    ○中野委員長 これにて昭和五十三年度総予算に対する議事は全部終了いたしました。  この際、一言ごあいさつを申し上げます。  去る一月二十六日より総予算の審査を開始いたしまして以来、終始真剣なる論議を重ね、慎重審議を尽くし、本日、ここに、審査を終了するに至りましたことは、ひとえに委員各位の御理解と御協力のたまものでありまして、衷心より感謝の意を表する次第でございます。  ここに、連日の審査に精励されました委員各位の御労苦に対し深く敬意を表し、感謝の意を申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)  本日は、これにて散会いたします。     午後二時四十九分散会      ――――◇―――――