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1978-06-13 第84回国会 衆議院 大蔵委員会金融及び証券に関する小委員会 1号 公式Web版

  1. 本小委員会は昭和五十三年一月二十七日(金曜 日)委員会において、設置することに決した。 三月十日  本小委員は委員長の指名で、次のとおり選任さ  れた。       愛知 和男君    宇野 宗佑君       大石 千八君    後藤田正晴君       坂本三十次君    高鳥  修君       野田  毅君    山崎武三郎君       川口 大助君    佐藤 観樹君       平林  剛君    坂口  力君       宮地 正介君    永末 英一君       荒木  宏君    永原  稔君 三月十日  野田毅君が委員長の指名で、小委員長に選任さ  れた。 ――――――――――――――――――――― 昭和五十三年六月十三日(火曜日)     午前十時三分開議  出席小委員    小委員長 野田  毅君       愛知 和男君    後藤田正晴君       高鳥  修君    山崎武三郎君       平林  剛君    坂口  力君       宮地 正介君    荒木  宏君       永原  稔君  出席政府委員         内閣法制局第一         部長      茂串  俊君         大蔵政務次官  稲村 利幸君         大蔵省理財局次         長       副島 有年君         大蔵省証券局長 渡辺 豊樹君         大蔵省銀行局長 徳田 博美君         大蔵省国際金融         局次長     宮崎 知雄君         中小企業庁指導         部長      豊永 恵哉君  小委員外の出席者         大蔵委員長   大村 襄治君         大 蔵 委 員 綿貫 民輔君         大 蔵 委 員 山田 耻目君         大蔵省銀行局保         険部長     貝塚敬次郎君         参  考  人         (日本銀行理         事)      中川 幸次君         大蔵委員会調査         室長      葉林 勇樹君     ――――――――――――― 六月十三日  小委員高鳥修君三月十五日委員辞任につき、そ  の補欠として高鳥修君が委員長の指名で小委員  に選任された。 同日  小委員愛知和男君三月十七日委員辞任につき、  その補欠として愛知和男君が委員長の指名で小  委員に選任された。 同日  小委員荒木宏君三月二十四日委員辞任につき、  その補欠として荒木宏君が委員長の指名で小委  員に選任された。 同日  小委員大石千八君及び坂本三十次君四月十二日  委員辞任につき、その補欠として大石千八君及  び坂本三十次君が委員長の指名で小委員に選任  された。 同日  小委員宇野宗佑君四月十九日委員辞任につき、  その補欠として宇野宗佑君が委員長の指名で小  委員に選任された。 同日  小委員平林剛君五月九日委員辞任につき、その  補欠として平林剛君が委員長の指名で小委員に  選任された。 同日  小委員永原稔君五月二十六日委員辞任につき、  その補欠として永原稔君が委員長の指名で小委  員に選任された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  金融及び証券に関する件      ――――◇―――――
  2. 野田毅

    ○野田小委員長 これより金融及び証券に関する小委員会を開会いたします。  金融及び証券に関する件について調査を進めます。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。平林剛君。
  3. 平林剛

    ○平林小委員 きょうは、金融行政その他最近の状況について若干の質問をいたしたいと思います。  初めに、最近景気の回復が緒についたといいますか一幾分経済の先行きに明るさが増してきたというような報道がちらほら聞こえてくるわけでございますけれども、この景気の回復に果たした金融政策、一連の金利政策はこうした傾向に対してどういう役割りを果たしたか、それについて金融当局、銀行局長の御見解を承りたいと思います。
  4. 徳田博美

    ○徳田政府委員 最近の経済の基調が漸次回復に向かっているということは、先生の御指摘のとおりでございます。これにつきましては昨年来、もちろん財政、金融各方面の施策が総合的に行われてきたわけでございますけれども、特に金融政策の面では御承知のとおり、金利面で数次にわたり公定歩合の引き下げが行われたわけでございます。五十二年から五十三年にかけましての公定歩合の引き下げの結果によりまして、五十一年末には公定歩合は六・五%でございましたが、五十三年の三月から三・五にこれが下がるという非常に大幅な低下があったわけでございます。これは短期の金利でございますけれども、これに合わせまして長期金利も引き下げが行われたわけでございまして、御承知のとおり長期プライムレートは現在七・一まで下がってきているわけでございます。  このような各方面の金利政策がとられるに至りましたほかに、住宅ローンの金利、その他個人の消費者金融にかかわる金利もすべて大幅な低下を見たわけでございます。  このような金利の低下によりまして、企業を含め個人一般の金融に対する資金の需要というのが次第に増してきますと同時に、また、これが特に企業を中心とした金利の負担軽減につながっているわけでございまして、この金利の負担軽減が、企業の収益の好転あるいは雇用の安定維持に大きな効果があったわけでございます。このような面で金利政策は、景気の回復あるいは景気の安定成長への軟着陸に大きな効果をあらわしてきたもの、このように考えております。  また量的な面におきましても、従来は引き締め期にはかなり窓口指導の枠を厳しくしていたわけでございますけれども、その枠を緩めて各方面で拡大を図っているわけでございまして、このような金利面あるいは量的な面での金融緩和政策が現在の景気の回復に大きく寄与していると、このように考えております。
  5. 平林剛

    ○平林小委員 そこで私、最近考えるのですけれども、たとえば円高だとか長期不況だとかいろいろ長い間暗いトンネルにありましたのが、これである程度景気が回復する方向に進んでくれればいいな、こう思うのですが、まだいろいろな不安材料がたくさんありまして、楽観は許さないと考えておるのです。  きょうは、いまお話しになった中で金利政策、公定歩合の引き下げによって企業に対する金利負担の軽減が図られた、それはある意味では雇用の安定とか景気回復の足がかりをつくったという御説明がございましたけれども、具体的にどんな程度の軽減だったのか、そこのところが私いろいろな資料を探してみるのですけれども、総合的に書いたものがないのです。今後のこともございますから、こうした金利負担軽減というものは産業界に具体的にはどういう影響を与えたのだろうか、できれば業種別に御説明いただければ、今後の資料になり得るかと思いますので、その点についてお伺いをいたします。
  6. 徳田博美

    ○徳田政府委員 企業の金利負担がどの程度減少したかでございますが、先般の公定歩合〇・七五%引き下げによりまして、いろいろな計算の方法はございますけれども、一定の前提を置きました企業の金利負担軽減額は大体三千五百億円、このように推定されるわけでございまして、これは約十三万人の雇用効果があったものと、このように考えられるわけでございます。  そのほか、御承知のとおり昨年には、さらに大幅な公定歩合の引き下げが行われているわけでございまして、このようなものを累積的に考えますと、具体的には雇用の維持効果もかなり大幅なものがあったと考えられるわけでございます。ただ、これを業種的にどのように見るかということでございますが、これは業種別の借入金の残高によってもちろん数字は出てくるわけでございますけれども、ただ個々の業種の借入金のほかに預金その他の金融資産もあるわけでございますので、それを差し引きませんとネットの――いま申し上げましたのは、支払いの利息と受け取りの利息の差し引きの数字でございますので、この差し引きの数字を出すのは業種別には、作業するのは現在ちょっとむずかしいのではないか、このように考えております。
  7. 平林剛

    ○平林小委員 〇・七五%の公定歩合引き下げ、すなわち企業に対する金利負担の軽減で、三千五百億円というお話です。一説には五千億円ぐらいになっているのじゃないかとかまちまちなんですね。  私は、政府の立場から言うと、財政、金融全般的な総合的政策をもってこの事態を招いたと言われるならば、もっと自慢していいのじゃないか。つまり、ここにはこれだけの金利負担の軽減を与えた、それだからこうなった、こういう意味の公開があっていいのじゃないだろうか。どうでしょうか、いまあなたがお話しになった三千五百億円の積算根拠というものを、何かデータとしてあれば提出をしていただきたい、こう思うのです。私の言いたいことは、そうした金利政策がどういう効果があったかということを、もっと自慢して公表してしかるべきじゃなかろうかというのですよ。何かこそこそやっているような感じ、後ろめたいことをやっているのじゃなくて、こうなったのだということを公開していいのじゃないのか。ですから、そういう意味で、資料があればお示しをいただきたいし、きょうは大略でもいいから、そうしたことについての解説、自慢、公開、そういうことをひとつお聞かせいただけないかと思うのです。
  8. 徳田博美

    ○徳田政府委員 ただいま申し上げた数字の積算の根拠でございますが、これは短期の借入金利が〇・七五%下がるとかいろいろな前提があるわけでございますが、追随率は七割強と見まして、そのほか、長期あるいは預金金利の引き下げも見込んでいるわけでございます。それから、企業の借入金残高を、これは資本金一千万円以上の企業でございますけれども、五十二年九月末で押さえまして、ただいまの金利の軽減率を掛けまして、支払い利息の減少額が約七千億円、これに対しまして受け取り利息の減少額が約三千五百億円、差し引き約三千五百億円のネットの金利負担軽減、このように考えているわけでございます。これはもちろん幾つかの前提を置いた試算でございます。  それで、このような政府の施策の内容についてもっとPRすべきではないかという御指摘は、まことにそのとおりでございまして、特に公定歩合政策の場合には、いま申し上げましたような実体的な金利負担の軽減、あるいは引き上げの場合には金利負担の増加になるわけでございますけれども、そういうもののほかに、やはり公定歩合が動いたということによる産業界あるいは一般の経済界に与える心理的効果というものは非常に大きいと考えているわけでございます。そういう意味でも、公定歩合の操作につきましては、これについて世間の一般の方に理解をしていただくということは非常に大事なことだと思います。この点につきましては、今後ともいろいろな面で努力をしてまいりたい、このように考えております。
  9. 平林剛

    ○平林小委員 当時公定歩合の引き下げがあったときに、新日本製鉄だけで大体七十六億円、鉄鋼産業全般では二百億円ぐらいの金利負担軽減で、沈みかけていた鉄鋼業界がその金利負担軽減でいまかくなったという、つまり政策の効果というものを絶えず確かめるということ、それから、いま心理的な影響があるとすれば、それはむしろ発表して公開をし今後の参考資料にする、こういう積極的態度があっていいのだということなのでありまして、いまお話しのことだけでは余りにも総括的でありますから、何か算出根拠の資料を後ほどで結構ですから、提出していただけますか。
  10. 徳田博美

    ○徳田政府委員 先生御指摘の資料、どのようなものができますか、検討させていただきまして、御説明に上がりたいと思います。
  11. 平林剛

    ○平林小委員 なるべく細かく、専門的なものを要求しておきたいと思います。  そこで、金利政策を行って、各企業の負担軽減がどの分野にどの程度あったかということは後ほど資料でまた御説明いただくことにいたしまして、私はちょっと町のうわさといいますか受け取り方といいますか、その声を代弁して大蔵省の見解を承りたいと思うのです。  こうした公定歩合の引き下げの波は、たとえば鉄鋼とか造船とか繊維とか、いわゆる不況業種といいますか構造的な産業に傾斜しまして、一般の中小企業には影響が薄いのじゃないかというような声を聞くわけでございます。それから、国民金融公庫とか中小企業金融公庫の窓口へ参りまして金融をつけてもらいたい人たちの声を聞きましても、政府の機関の方はちっともそういうことについて目立ったというか、新聞で伝えられたような効果がない、これはどういうわけなんだという素朴な声を実は聞くわけでございます。こういうことについてはどういうふうに説明をしたらいいのでしょうか、大蔵省銀行局の御見解を承りたいと思うのです。
  12. 徳田博美

    ○徳田政府委員 先生御指摘のとおり、公定歩合を下げましても、実際に末端における貸し出しの金利が下がりませんと、企業にとっては何の影響もないわけでございまして、実際の個々の金融機関の貸出金利が下がることが非常に大事なことでございます。  この点につきましては、公定歩合引き下げの場合に、各金融機関の団体の代表を呼びまして、公定歩合が下がったのだから末端金利の引き下げにも協力してくれということを依頼しておりますが、現実におきましても、各金融機関の実際の貸し出しの約定平均金利は非常に大幅に下がってきておりまして、もちろん全国銀行は最近の四十年度以降における最低になっているわけでございますけれども、相互銀行、信用金庫につきましてもこの引き下げ幅がいまかなり大きくなっておりまして、公定歩合引き下げ幅に対する追随率は、従来の引き下げ期、金融緩和期よりも上回るような状態になっているわけでございます。もちろん相互銀行、信用金庫の場合には、資金コストが高いということもございますし、また実際の貸し出しが非常に小口でございまして、コストのかかる面がございますので、大銀行あるいは都市銀行、地方銀行に比べての約定平均金利は、まだ相対的には高い水準にあるわけでございますけれども、引き下げの追随度合いは最近非常に大幅なものになっているわけでございます。  それから、政府関係機関でございますが、この政府機関の基準金利は、長期のプライムレートが下がるのに合わせて低下をしているわけでございます。特に政府関係機関の既往の貸し出しの金利につきましては今度、今般の引き下げに絡みまして既往金利の引き下げも実施しております。またその引き下げの幅も、中小金融機関は開銀よりも大幅な下げ、より低い金利に下げることになっておりまして、その意味で中小企業金融の面でも配慮をしておるところでございます。
  13. 平林剛

    ○平林小委員 国民金融公庫や中小企業金融公庫でも、既往の金融についても金利を下げているという御発言がいま含まれておりますが、間違いないですか。
  14. 徳田博美

    ○徳田政府委員 既往金利のかつての高い水準のものは、一定の水準まで下げるように各金融機関は実施をしております。
  15. 平林剛

    ○平林小委員 金融機関、特に全国銀行にしても都市銀行にしてもそうですけれども、新聞やいわゆる公表されておる公定歩合の引き下げに対しまして、そのとおりに下げてない、下がってない。追随率というのは現在の段階では何%ぐらいになっておりますか。
  16. 徳田博美

    ○徳田政府委員 公定歩合に対する追随率は徐々に下がっていくわけでございますけれども、これは五十三年四月で見ますと、五十二年三月以降の公定歩合の引き下げに対する追随率は、都市銀行で六一%、地方銀行で四八%、相互銀行で四二%、信託銀行の銀行勘定で七六%、このようになっております。これは公定歩合が下がりましてから、御承知のように手形の書きかえの都度金利が下がるものでございますから、これはまだ四月でございますのでその影響が全部出切っていないわけでございます。ちょっと数字は手元にございませんが、最近追随率はこれよりもっと上がっております。
  17. 平林剛

    ○平林小委員 私が持っておるのは昨年十一月末の資料でございますから、恐れ入りますが後ほど、最近の追随率について各金融機関の実情について御報告をいただきたいと思います。  次に、実は最近こういう話を聞くのですね。銀行局長もしばしばいろいろな座談会その他で、金融機関の公共性、社会性を強調されておりますね。私はそういう意味で、公定歩合引き下げによる一連の金利政策を考える場合に、もちろんいわゆる不況業種と呼ばれるものに対する手当ても重点であろうと思いますけれども、あわせて地方財政に対する寄与というものはいかがであろうか。ある地方の自治体の幹部の方々とお話をしたり、あるいは実際にそれと関係を持つ地方銀行関係者のお話などを総合いたしますと、そういう面の指導が少しおくれているのじゃないのか。たとえば地方財政は火の車である、起債その他で借金はかなり目いっぱいである、そのほかに借り入れをやった、公定歩合の引き下げが行われて一連の低金利政策があったのだけれども、そうした地方財政について、少しでもよくしてやろうというような配慮が欠けていやしないかというような声を実は聞くわけであります。これについて大蔵省の指導ぶりはどなのか、  それから、これを妨げているものにいわゆるシンジケートがあるわけなんですね。つまり、借りるときも、ある地方自治体に対して金融機関が協調融資という形で――協調融資というか、シンジケートをつくって融資をする。さて、今度金利政策が行われて、その率を下げなければならぬという要望が出てくる。そうすると、四つなり五つなりのシンジケートのたとえば一行でも、それに対して、おれのところはちょっと勘弁してもらえないかということになると、他の三行も、あそこがそうおっしゃるんじゃ何も無理してやることはないということになってほうりっ放しになるというケースもある、そんなような話が私どものところには頻々として入ってくるわけでございます。そういうようなことを含めまして大蔵省銀行局の指導ぶりいかんということであります。
  18. 徳田博美

    ○徳田政府委員 地方公共団体に対する資金の供給でございますが、これも公共部門に対する資金の供給の一環になるわけでございます。いま新しい金融効率化というような考え方のもとにいろいろ民間の金融機関を指導しているわけでございますけれども、その一つの大きな項目といたしましては、やはり公共部門への円滑な資金供給ということがあるわけでございまして、当然その中には地方公共団体の資金供給の円滑化ということも含まれているわけでございまして、この点についてもかねがね指導しているわけでございます。  それから、やはり地方公共団体だけではなくて、地元経済全般に対する、特に地方の金融機関の場合には、資金の還元ということが大きな問題になるわけでございますけれども、その点についても、やはり地元の産業の育成ということ、あるいは地元の経済基盤の充実ということが、これは各地方金融機関自体にとっても非常に大切な問題でございますので、その点についてもいろいろ指導しているわけでございます。  特に地方に対する資金の供給面は、たとえば銀行で言えば地方銀行が主体になるわけでございますけれども、この地方債だけを取り上げてみましても、五十二年の上期におきましては、引き受けベースで、預金の増加額が二千三百九十四億であるのに対して、地方債は六百九十四億円、大体七百億円近く引き受けているわけでございます。一方、国債も七百一億円で、ほぼ同額でございますけれども、国債とほぼ同額の地方債を引き受けているわけでございまして、これは預金の増加額のそれぞれ三分の一弱になるわけでございますから、これはこの意味で、引き受けベースだけで比較いたしますと、資金繰りの面からはかなり精いっぱいの協力をしているのではないかというふうに考えられます。  それから、シンジケートの問題でございますが、本来シンジケートは、そういう地方債等を円滑に消化するために結成されているわけでございますから、それが逆の方向に働くことは好ましくないわけでございます。もちろん、各金融機関としては、資金繰り面、経理面、いろいろの配慮、これは私企業のことでございますから、そういう面は当然あると思いますけれども、そういう点を配慮しながらも、やはり地方公共団体、特に地方金融機関につきましては、地元の経済のために精いっぱいの努力をしてもらうことが望ましい、このように考えております。
  19. 平林剛

    ○平林小委員 きょうは具体的な話はいたしませんが、お話しのとおり、ひとつ地方の財政を考慮した金利政策といいますか、当然行うべき社会性、公共性の追求という点で具体的な御指導もひとつお願いしたいと思います。また具体例をお示ししまして、大蔵省の指導を期待したいと思います。  次の問題に移りたいと思います。  最近、銀行局長の諮問機関である金融問題研究会の報告書が話題を呼んで注目をされておるようでございます。私も新聞とか雑誌でその内容を知ったのでございまして、まだ正式にはどういうものであるか承知はいたしておりませんけれども、この報告書が一応研究会で発表したということになっておりますけれども、かなり大蔵省銀行局の考え方が反映したものだという評判も高いようでございます。そこで、今回のこの金融問題研究会の報告書というものは、最近における金融政策全般について局長の諮問にこたえて回答したと思うのですけれども、一般的に見ると、どうも銀行局の意見の反映じゃないかというような声もございますだけに、銀行局長としては今回の報告書で何をねらっておるかというようなことは非常に興味があると思うのであります。  私は、たてまえとしては報告書は一応研究会のものでありますから、これに関して銀行局長の御見解はいかに、こういう形でお尋ねしたいと思いますから、お考えを、当然あると思いますけれども、聞かしていただきたいと思います。
  20. 徳田博美

    ○徳田政府委員 この金融問題研究会は、経済、社会環境の変化に対応した今後における金融機関のあり方について、いろいろ研究をしていただいてそれをお教えいただくということで発足したわけでございまして、メンバーの方は、いま現在第一線で活躍しておられる一流の経済学者あるいは言論界の方々でございまして、審議におきましては、もちろん大蔵省の幹部も同席したわけでございますけれども、発言はほとんど行いませんで、全く自由な御審議、御研究をお願いしたわけでございます。  その結果御報告をいただいたわけでございますが、その内容は、経済、社会環境の変化に対応した金融機関のあり方の基本的方向ということと、金融機関に求められる社会性、公共性はどのようなものかということ、そういうことを踏まえまして今後における金融機関の業務のあり方はどのようにあるべきかということでございまして、この内容はもちろん、行政面で直ちに実施することのできる面もございますし、また、金融制度調査会の方で御審議を願っておる面もあるわけでございまして、そういう制度の基本的な問題にかかわるものもあるわけでございます。したがいましてこの内容につきましては、十分大蔵省といたしましては検討させていただきまして、金融制度調査会の審議の結果ともあわせまして、これを今後の行政あるいは制度改革の参考としてまいりたい、このように考えております。
  21. 平林剛

    ○平林小委員 この研究会の報告書の中にいろいろな提言がされておりますが、かなり問題点が多いように承知いたしております。いまのお話ですと、この研究会の提言を受けて直ちに何かやるというようなお考えとは聞かなかったのですけれども、そうなんでしょうか。
  22. 徳田博美

    ○徳田政府委員 これは研究会で自由に御討議いただいた結果でございまして、今後の行政を実施する上で、また先ほど申し上げましたように、現在金融制度調査会におきまして金融機関のあり方についていろいろ御審議いただいているわけでございますから、そういう御審議の結果とも相まって、今後の行政のあるいは制度改革についての参考にいたしたい、このように考えているわけでございまして、これを直ちにすぐ全面的にこの実施に移るというようなことではないものと考えております。
  23. 平林剛

    ○平林小委員 金融制度調査会も同じような問題を討論しておるというふうに御発言ございましたけれども、それはいつごろまでに大体結論づけられる見込みなんでしょうか。
  24. 徳田博美

    ○徳田政府委員 現在金融制度調査会におきましては、銀行法の改正を主要な目的といたしまして御審議をいただいているわけでございまして、現在の審議の進行の状況でございますと、恐らく御答申をいただくのは来年に入るのではないか、このように考えております。ただ、その間におきまして、主要なテーマを次々と御審議いただいているわけでございまして、一つの主要なテーマが終わります都度、中間的な取りまとめも行われておりますので、場合によってはそのような中間的な取りまとめもわれわれの行政の参考にさせていただきたい、このように考えております。
  25. 平林剛

    ○平林小委員 来年に入るということになると、全部のはことしではちょっと無理ですということでありますが、主要なテーマというと、たとえばこの間も大蔵委員会でも議論されました、国債の金融機関における窓口販売といいますか、こういうようなものについては、たとえば途中である程度の結論といいますか方向というのが出たら行政面に移す、こういう意味に受け取れるのですけれども、いかがでしょうか。
  26. 徳田博美

    ○徳田政府委員 現在金融制度調査会におきましては、七つの項目について御審議いただいているわけでございまして、一つは、今後のわが国の経済構造及び金融構造について、二は、銀行の役割りについて、三は、銀行の資金配分機能のあり方について、四は、銀行経営上の諸原則について、それから五は、銀行の取引、サービス面における諸問題について、六は、銀行業務の範囲について、七は、銀行に対する監督について、こういう項目でございまして、現在はこの銀行業務の範囲についてという六番目のテーマに入っているわけでございます。  いままでこの一から五までのテーマについて御審議いただきまして、その都度取りまとめをいただいているわけでございまして、その取りまとめにつきましては、その都度行政上の参考とさせていただいているわけでございます。  この銀行業務の範囲につきまして御審議いただいている中には、実際にいろいろな現実の問題が含まれているわけでございまして、それにつきまして御審議いただいて、取りまとめが出ましたならば、これもその必要なものについては行政の参考にさせていただきたい、随時行政に反映させてまいりたい、このように考えております。
  27. 平林剛

    ○平林小委員 私は、しばらく大蔵委員会を離れまして、国会運営の方の衝に当たっておったものですから、財政経済の方は少し疎くなっておるかもしれませんけれども、最近一べつして、実はいままでの議論と百八十度違ったような議論が展開されておるのにびっくりするのです。どうしてそんなふうに変わっちゃったのかというふうな問題点もかなりございます。その一つは、いまお話がございました金融機関における国債の窓口販売でございます。  金融を取り巻く経済社会環境の変化だとかあるいは金融情勢の変化によりまして、金融機関の経営が非常にむずかしくなってきているようなこと、あるいは最近企業が不振でございますから、個人向けとか公共部面にいろいろな融資を振り向けるというようなことなどを初めとして、金融機関をめぐる環境が非常に厳しい状態になりつつあるということは、見当としては私はわかるのであります。わかるのでありますけれども、国債の大量発行を契機にして金融機関がこうした窓口販売に乗り出さざるを得ない、乗り出す、こういうことにつきましては意見を持っております。あなたの方も、研究会やあるいは金融制度調査会の意見を聞くだけでなく、広く国会における議論というものを踏まえながらこれに対処する必要があるのじゃないかと私は思っておるわけでございます。  そこで、これに関連して若干お尋ねをいたしたいと思いますが、金融機関における有価証券の保有の現状ですね。私の承知しておるところでは、最近は金融機関の有価証券の保有というものの比率が非常に高くなって、国債、地方債、公社公団債等合わせますと、その割合はかなり急上昇しておると承知しておりますが、現状は大体どのくらいの割合を占めておるのかという点につきましてまず御説明をしていただけませんか。
  28. 徳田博美

    ○徳田政府委員 これは五十二年度の上期の数字でございますが、資産に占めます有価証券の比率は、残高では一四・六%でございます。ただしかし、これは先生御指摘のとおり、最近非常に大幅に上昇しているわけでございまして、全国銀行の五十二年度上期における増加額の数字で申し上げますと、預金増加額に占める国債の増加額は、五十二年度上期では三八・五%でございまして、これを含めました公共債の増加額の比率は預金増加額の四九・三%になっているわけでございます。したがいまして、預金増加額の半分は公共債の増加に充てられている、このような数字になっております。
  29. 平林剛

    ○平林小委員 そこで、研究会もまた大蔵省当局の方でも、国債の大量発行を契機にして、半分受け身の形でありますけれども、それを引き受けざるを得ない金融機関の経理という点を重要視されて、いろいろなアイデアといいますか、施策を検討されておるわけであろう、こう思うのでありますが、今後の見通しですね。いま金融機関の窓口販売ということを考えられるその前提として、公社債の引き受けということが念頭にあろうと思うのでありますから、しからば今後の見通し。いまお話しになりました総資産に対する割合は一四・六%であるけれども、しかし最近の状況から見ると、預金増加のかなりの部分をこの引き受けに充てておる、預金増加の割合から見ると半分、五〇%にも近い、こういう推移をたどっておるわけでありますけれども、今後の見通し、この割合の推移、こうしたことについての考察はどうなっておりますか。そういう試算があっていろいろな御提言があるものと見なければならぬと私は思うのですが、いかがでしょうか。
  30. 徳田博美

    ○徳田政府委員 これは非常なマクロの数字でございますけれども、預金等の増加額に対します公共債等の増加額で申しますと、五十二年度は二十八兆円、預金等が増加しまして、これに対しまして公共債等の増加額が八兆円でございまして、その比率は二九%、このように見込んでいるわけでございますが、五十三年度でございますと、預金等の増加額が三十三兆円でございまして、これに対しまして公共債の増加額は十兆五千億円でございまして、その比率は三二%、このように見込んでいるわけでございます。このように公共債の比率はこれからだんだん高まってまいる、もちろん今後の財政の推移にもよりますけれども、残高比率は徐々に高まってまいる、このように考えておるわけでございます。
  31. 平林剛

    ○平林小委員 いま五十二年と五十三年しかお話がございませんでしたが、五十四年、五十五年、五十六年、少なくとも中期にわたっての見通しを示してほしいと思います。
  32. 徳田博美

    ○徳田政府委員 五十四年から先の問題につきましては、実は預金等の増加額につきましての推定が、いろいろな前提を置くことになりまして、計算が非常にむずかしいと思われますので、このような比率についての計算はまだ行っておりません。
  33. 平林剛

    ○平林小委員 ことしの国会で、衆参の予算委員会におきましては、国債の償還の問題が大変議論になりまして、大蔵省から、償還計画、五年間、中期にわたっての計画案が示されまして議論になったことがございます。政府としては、財政における国債の依存度というものをなるべく少なくする、それで、ある期間を設けて赤字国債のようなものはゼロにするとか、国債の依存率も下げていくとかというような方針である、こういう御説明があったことを私は承知いたしております。つまり政府の方針は、当然でありますが、国債の依存度を下げていくという方向にあります。大蔵省銀行局は、これから半年先になるか一年先になりますかわかりませんけれども、国債の大量発行を契機にして金融機関の消化を念頭に入れて窓口販売をやります。方向がすれ違ってはおらぬでしょうか。つまり、政府の大方針と銀行局が進めようとする金融機関の窓口販売の方向とは行く先が違っていやしないだろうか。すれ違ってないか、矛盾してないか、私はそういう点に一つの疑問を感ずるのでありますが、この点についての御見解はいかがでしょうか。
  34. 徳田博美

    ○徳田政府委員 今後の財政的な政策から申せば、国債の依存度はだんだん低下していくことが当然のことながら望ましいわけでございますけれども、しかしながら、依存度が低下するにいたしましても、これは四十年代の前半のような姿とは全く違ってきているわけでございまして、すでにこれだけの大きな国債が、これから数年の間はまだかなりの額で発行されることが考えられるわけでございまして、その国債の累積というものは毎年の発行額のほかにそれだけの金融資産が金融界に累積するということの金融政策上あるいはそのほかの金融面の諸施策での重さというのはあるわけでございます。したがいまして、そういうものを前提としてこれからいろいろな金融面の施策が考えられなくてはならないと思っております。  ただ、国債の窓口販売の問題についてこれを限りますれば、これは金融機関の業務範囲の問題であるとかあるいは証券界の業務範囲の問題であるとか、そのような次元でとらえられるべきものとはわれわれは考えておりません。つまり、国債がむしろこれだけ大量に発行された場合に、今後景気が回復過程に向かいまして企業の資金需要が出てきた場合に、それにどのように対応するかというクラウディングアウトの問題もございますし、それから仮に金利が上昇過程に回ったような場合に、現在保有されている国債が市場にかなりの量で出てくるというようなことも考えられるかけでございまして、そういう面は金融政策の面から見ますと好ましくないわけでございますので、やはり国債というのは安定した消化層にはめられることが望ましいわけでございます。したがいまして、現在問題になっております国債の窓口販売の問題につきましては、国債管理政策としてどのようにあるべきかという観点から議論がされ、また検討が行われ、結論が出るべきもの、このように考えているわけでございまして、仮に先生御指摘のように、これからむしろ国債はだんだん減っていくんだから、金融機関に何もこの際窓口販売させる必要はないじゃないかというような議論もこれから出てくることももちろん考えられるわけでございまして、そのような議論が結論としてなりますならば、それはそれでまた結構なことだとわれわれは考えているわけでございまして、この問題はもっぱら国債管理政策がどのようにあるべきかという観点から結論を出していただきたい、このように考えているわけでございます。
  35. 平林剛

    ○平林小委員 国債管理政策と大きな表題を与えれば話は別でありますが、いまお話しになりました局長の中身にかなり矛盾したことがあるんですね。あなたの御発言は、どちらかというと窓口販売を進めようというふうに受け取られちゃっていますよ。いままたお話しの中にございました、発行の額は別にして、累積する国債の処理だとおっしゃったけれども、それは窓口販売とは違うのでありまして、公社債市場の育成という方向がむしろ大事な到達点でありまして、窓口販売が到達点ではないんじゃないか、私はこう思うんですね。ですから、そういう点であなたの御発言は、管理政策というだけなら私はまだ十分研究しなさいよとこう言えるんですけれども、あなたの向いている方向が何か窓口販売の方に受け取られているものですから、心配になるのであります。いろいろな疑問を感ずるわけです。  たとえば私は多くの人に会って――一般の庶民ですよ。これについては金融機関あるいは証券関係、利害が違うのがございまして、それでお互いにかきねを高くしているという現状、ずいぶん勝手なことを言ってやがるなという感じをしておりますから、そういう人の意見じゃない。私のいまこれから述べたいと思うのは、一般の庶民の素朴な気持ちです。もう言わなくてもおわかりになっていましょうか。つまり、いま銀行局長は、将来景気が回復して金利が高くなったとき、これを引き受けている金融機関の経営の問題それから利ざや、そうでなくてもいま少なくなっている現状において、大きな負担になって経営に大きな影響を与えるだろう、したがって、いまから討議しようというふうにその検討趣旨を私はお聞きしましたけれども、庶民から言うと、何ということを言っておるんだろう、こう思っているんじゃないかと思うんです。なぜかと言えば、金融機関は、現状は不況時でありますから、国債を持つことによってむしろ歩がいいわけですね。それにもかかわらず先の先を考えてくださる。御親切きわまりないとは思うけれども、庶民の気持ちから言うと割り切れない。なぜかと言えば、一般の人は物価高で貯蓄の中身が目減りをしておるだけではなくて、金利政策で、お上の通牒一つでさらに預金金利が引き下げられる。そうしたことに対してはちっとも考えてくださらないのに、何で金融機関の経営のことを先の先、売らなければ売却損が出るわけないのでありますけれども、そうしたことについては先回りしてやってくれる、手厚い保護だ、われわれのことはどうしてくれる、こういうような声が聞こえてくるわけです。これは非常に高くなっている。  私はそういうことについて、一体今度の研究会でも全く触れてないということは、それは経済学者の偉い先生方でありましょうけれども、少し片手落ちなサイド、視点しかないのじゃないか。こういうことについてはかなり議論されて、そして大勢に押し流されているんだけれども、どうしてくれるという問題の結論は出ておらぬ。この報告書がどうも金融機関に色目を使うというか、金融機関のサイドでだけ物を考えてくれて、わが国民生活、国民経済、こういう点の視点というのが欠けているという批判は、専門家の中でも出ていますが、率直な庶民の気持ちがそういうこともあるのです。ですから金融機関の窓口販売の問題を何か推進していこうとする姿勢に対して批判が出てくる。銀行局長だからそんなことばかり言って申しわけないけれども、私も疑問に感じているのです。こういうことについてはいかがでしょうか。
  36. 徳田博美

    ○徳田政府委員 先ほど申し上げたところは説明が不足しておりまして、あるいは十分に真意か伝わらなかったのじゃないかと思いますが、私が申し上げましたのは、金融機関が保有している国債が引き締め期に市場に出るという意味ではございませんで、むしろ消化層によっては、たとえば機関投資家とか法人とかそういう層にはめた場合には、金融情勢の変化によってそれが市場に出てくる可能性がある、それがいろいろな撹乱要因になるということを申し上げたいと思っているわけでございます。したがいましてそういう意味では、安定した消化層に極力はめ込む、その比率が高まるということが国債管理政策から望ましいということではないかと考えているわけでございます。  それから、やはり公社債市場の育成ということが非常に大事であるということは、まさに先生御指摘のとおりでございまして、このためには、やはり広く国民大衆に国債が消化されることが望ましいわけでございます。その方が公社債市場の奥行きが広がるし、また安定することにもつながるわけでございます。そういう意味で、そういう観点からいろいろ御検討をいただいて、金融機関の窓口販売の問題につきましても、国債管理政策上それは好ましいということであれば、そのような結論はお出しいただくのは結構だと思いますし、国債管理政策上好ましくないということであれば、これは強いて窓口販売をすることは好ましくないわけでございますから、こういう考えを私たちとしては持っているわけでございまして、金融機関の窓口販売だけをただそれを推進したいということはわれわれとしては考えていないわけでございます。
  37. 平林剛

    ○平林小委員 庶民の気持ちもお伝えしましたけれども、お答えがなかったのですけれども、やはり金融行政を行う上においては、絶えずこの立場からの考えも含めて進めてほしいということを重ねて注文をいたしておきたいと思います。  なお、最近私、大蔵省からいただいた資料の中で、「金融機関の預貸金利ざやの推移」という資料についてであります。すでに私、質疑を展開中にも指摘をしておきましたけれども、金融機関の預貸金利ざやの推移を見ますと、特に都市銀行におきましてその計数というのは低下して、〇・〇〇だというような数字をいただきました。この傾向は、景気の回復あるいは企業の反発力が高まらないと、金融をめぐる環境からいきまして、さすがの金融機関も安泰ではないというような状況に見られるのでありますけれども、いかがですか、大丈夫なんですか。
  38. 徳田博美

    ○徳田政府委員 先生御指摘のとおり、いま預貸金利ざやは非常に狭まってまいりまして、都市銀行はこの三月期は恐らくマイナスになったと思います。これは、今回の一連の金融緩和過程において、公定歩合が五・五%下がったのに対しまして預金金利が三・二五%の下げでございまして、その差額が金融機関の負担になっているという金融政策の面からの要因もあるわけでございますけれども、より根本的には、やはり高度成長から安定成長への移行の過程におきまして、金融構造が大きく変わってきているわけでございまして、特に資金需要面でございますと、かつては資金の需要のうちの七割は企業が占めていたわけでございますけれども、現在はそれが四割程度に落ちているわけでございまして、一方、先ほどいろいろ議論のございました国債を含めて公共部門への資金需要も同じく四割の比率に上がってきております。また、住宅金融も含めて個人部門への融資が全体の二割ぐらいに上がってきているわけでございまして、このような公共部門への資金の運用あるいは個人部門への資金運用というのは、それぞれ非常にコストがかかり、あるいは収益性の低いものでございますから、こういう構造的な面から現在、金融機関の収益経理構造が非常に大きく規制されているわけでございまして、そういう意味で、このような利ざやの縮小あるいはマイナスに象徴されるような金融機関の経理面のむずかしさというのは、これからむしろかなり続いていくんじゃないかという面が考えられるわけでございます。  ただしかしながら一方、金融機関は、いままでに蓄積した自己資本もございますし、また経営の合理化努力もいま非常に行っておりますので、そういう面で、金融機関の経営に問題が起こるというような懸念は全くない、このように考えております。大蔵省といたしましても、検査その他で常に予防的な措置を講じておりまして、必要な措置を事前に打っておりますので、金融機関自体の経営に問題が起こる、このようなことはあり得ない、このように考えております。
  39. 平林剛

    ○平林小委員 私も金融機関の負担能力、これはかなり強いものがあると見ています。確かに最近、政策的にもあるいは社会性、公共性の面からいきましても、銀行が負うべき責任から不良債権というものもかなりふえておりますけれども、金融機関の持っている蓄積力あるいはまた経営の効率という点から見て、十分耐え得るものであるという理解をしております。  もう一つそれについて引き続いてお尋ねする前に、いま金融機関が非常に苦境に立っている一つの例として、公定歩合の引き下げが五・五%あったのに預金の金利は三・二五だというお話がありました。この間も何か大蔵大臣がその例を用いていましたけれども、この数字は、先ほども言いましたように、公定歩合が引き下げられると実際には期間的にずれがあるというようなことの計算、それから追随率も、たとえば半年、一年たたないと本当の数字が出てこないというようなこと、そういうものも計算に入れた例示なんでしょうか。私この間もちょっと聞いていて、どうなんだ。そういう計算をして一つの例示として用いているのかどうかはなはだ疑問に感じたのでありますけれども、いかがでしょうか。
  40. 徳田博美

    ○徳田政府委員 ただいま申し上げましたのは、公定歩合あるいは預金金利の一年定期の金利でございまして、実際に金融機関の約定の金利あるいは預金金利の平均の現実の金利というのは、必ずしもそのとおりには動いていないわけでございますけれども、傾向としてはそのような大勢のもとに動いているということは言えると思います。
  41. 平林剛

    ○平林小委員 いや私、大勢を聞いているのではなくて、その数字が正しいかどうかを聞いているのです。
  42. 徳田博美

    ○徳田政府委員 公定歩合は、実際には先ほど申し上げましたように五・五%下がっているわけでございますけれども、公定歩合に対する追随率というものがございますので、これほど現実には下がっていないと思います。  現実の数字でございますと、たとえば都市銀行ベースで申しますと、五十年三月の約定平均金利は九・五%でございまして、この四月は約定平均金利が、これは先ほど申し上げましたようにまだ全部は下がっていないわけでございますけれども、六・一%でございまして、この間の下がりが三・四程度でございます。これは途中計時でございますから、さらに全部一巡すればもっと下がると思います。
  43. 平林剛

    ○平林小委員 大蔵大臣あたりが例示として数字を言うのは政治的にいいですけれども、銀行局長はもっと正確なことを言ってもらわないと、私ら素人の委員ですから、誤解をしますからね。  それで、私はもう一度この窓口販売のことについて申し上げますが、CDの問題についても問題提起がございますけれども、この窓口の販売についてもこういう感じを持つのであります。それは、最近伸びつつある郵便局を対抗視すること、あるいは都市銀行の経営が他の金融機関から比べて非常に悪くなってきたこと、その中には、かなり都市銀行などが反省してもらわなければならない点が含まれておりはせぬか。そういうことの反省なくして、やれCDがどうの窓口販売がどうのというのは、私はやはり社会に対する説得力というものが欠けておるし、姿勢そのものが正しくないんじゃないかと思っているんですよ。  たとえばかなり今日まで不良債権が出まして、永大産業だとかあるいは今度は佐世保重工だとかチッソだとか、いろいろな点で苦慮しておる金融機関がありますけれども、しかし、それはことごとく各種の引当金、含み資産、そういうもので充当して償却されておる。それはまだかなり余力があるから、一般の方にも、御心配要りませんよと言えるだけの余裕があるのじゃないかと思うのであります。これは先を見越していろいろなことを言うが、それについてもう少しシビアな気持ちに立つべきだ。  郵便局に対抗するなら、郵便局は町の中に小さな店舗をつくってやっているから、庶民の人が買い物かごを持ちながら預金に来るのですよ、たとえ五千円でも一万円でも。いまの都市銀行を初め、都市における金融店舗を見ますと、駅の真ん前にでかんと座っていて、とてもおっかなくて入れないような、大理石でみがき上げて、入っていけば、はいどうぞと言って、まるで宮殿にでも入ったような気持ちで、一体預金者なのか預金犠牲者なのかわからないようなかっこうの経営ぶり、そういう点では郵便局にかなうわけないですよ。本当に経営がぐあいが悪くなってきたというなら、私は極端な例を言いますけれども、ああいうものを全部売ってしまったらどうかと言うんです。大都市の繁華街の中心であれば、一坪当たりの価格、相当の資産です。それでもう少し奥の方の安い土地を買って、あんなりっぱでなくたっていいけれども、本当に信頼性のある金融機関の支店をつくったらどうですかというくらいな大胆な発想がなくして、あるいはそういう姿勢がなくして、やれCDだ、窓口販売だと騒いでいること自体不愉快千万でならぬ。  ですから私は、むしろそういう姿勢が必要だ。伸びてくるものに対抗する経営の基本的な態度というものが必要だ。えらい苦虫をかんだような話ばかりして申しわけないけれども、本当にもう少しそういう角度から物を考えることが必要だし、金融行政もそうした角度を広げていってほしいと思うのですね。これはあなただけの責任ではなくて、金融機関全般に問われている問題点でありまして、私はそういう意見を持っておりますから、どうかひとつ政府においても、この金融行政を展開するに当たりましても、私のような意見の者、そしてまたそういう気持ちを抱く多くの国民がおりますよということを頭に入れて検討してほしい。今度のあなたの諮問委員会、そういう点が全く抜けているものですから、私、一読してがっかりしたのですよ。もっとも私は、新聞や雑誌だけで、大蔵省の方からいただいてありませんから、そっちに入っているかもしれませんけれども、そういう点をひとつ十分お考えいただきたいということを申し上げたいと思います。  それから次に、もう時間が迫ってまいりましたから、生命保険行政につきましてちょっとお尋ねしたいと思います。  最近の生命保険の契約高、世界一なんだそうですね。保有の契約高三百三十四兆、保有の契約件数一億七千万、世帯普及率は民間保険だけで七五%、簡易生命や農協の生命共済を加えますと八九・六%、一人当たりの契約高は約二百三十一万、これは世界四位であるが、国民所得に対する保有契約高の割合は二三一%、世界一だという結構な話でございます。  そこで、この生命保険行政の問題につきまして私、論じなければならないことは多々ありますけれども、きょうは少し問題をしぼりましょう。しぼりまして、生命保険会社の資産運用の状況について、まずお尋ねをしていきたいと思います。  生命保険会社の資産運用のうち、そのウエートの高いのは貸付金であると承知いたしておりますけれども、実情は、他のものと比較いたしましてどんなバランスになっておりましょうか。
  44. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 計数は、五十二年十二月の計数しかございませんが、御説明しますと、総資産が十六兆でございます。現預金がパーセントで申しますと一・二%、有価証券、これは株と債券両方でございますが、二五・一%、いま御質問の貸し付け、一般の貸し付けが六〇・四%、それから一般の貸し付け以外に契約者に貸すのがございますが、これが五・〇%、不動産が七・三%、その他が一%、こういう構成になっております。
  45. 平林剛

    ○平林小委員 聞き漏らしましたが、それはいつの……。
  46. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 五十二年十二月末でございます。
  47. 平林剛

    ○平林小委員 いまの数字を見ると、五十一年度よりは現金預金が減って、貸付金も減って、有価証券の運用が多くなっているというような傾向に見られますが、間違いないですか。
  48. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 一般的のことを申しますと、戦前の生命保険は貸し付けは余りしておりませんでした。九-十一年で一四%切りております。いま先生おっしゃった有価証券が六〇%ぐらいになっておりますが、御承知のように、戦後の高度成長で資金需要が切迫しておりましたので、生命保険会社も貸し付けの方のウェートが多くなりまして、その影響で高度成長の時代には貸し付けの比率が六〇%。大ざっぱな計数で恐縮でございますが、戦後四十五、六年から最近までの生命保険は大体六、三、一というふうにわれわれ理解しておりまして、六が貸し付け、三が有価証券、一が不動産と、非常に大ざっぱでございますが、そういうような傾向をとっておりますが、最近、金利の動向から貸し付けの方が減りまして、有価証券、特に債券の方のウェートが多くなっておりまして、恐らくことしの決算が終わりましたときには貸し付けば六〇%を割るんではないか、こういうふうに予想されます。
  49. 平林剛

    ○平林小委員 いずれにしても、戦後といいますか、昭和四十三年当時からの推移を見ますと五九%、五十一年度が六七%と非常に高い。いまの数字はやや六〇%程度に減ってくるということでございますが、貸し付けに当たりまして、生命保険会社の勧誘の中に融資話法というのがございますけれども、それについては御存じでしょうか。
  50. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 融資話法は絶対にあってはいけないのでございますけれども、残念ながら、われわれにありました報告の中に毎年数件入っていることは認めざるを得ません。
  51. 平林剛

    ○平林小委員 毎年数件どころじゃないのですよ。私は、いまお話がございましたように、生命保険会社の貸付金というパーセントが高ければ、保険会社は他の金融機関とはもちろん違いますけれども、ある意味では金融機関的な役割りも果たしておると思うのであります。金融機関に対しましては、この委員会におきましても、歩積み両建てという問題につきましてはかなり厳しい批判がございまして、その自粛を要求いたしておりますことは御承知のとおりでございます。同じように、金融機関の性格とそういう傾向を深めてまいりました生命保険会社におきましても、歩積み両建てと同じような意味合いで、生命保険に加入することを条件として貸し付けるということは、金融機関における歩積み両建てと軌を一にするものであると私は思います。  特に生命保険会社は、この貸し付けに当たりまして、みずからの調査機関を持ちませんから、金融機関の担保を求めて貸し付けを行う例が多うございました。しかし、最近のような状況になってきますと、金融機関の方も良質の貸付先だったら何も保険会社から貸し付けなくてもおれの方で貸してやるよと言いますから、結局保険会社の貸し付けは信用保証協会の方の保証取りつけという方向に走っていくわけですね。その信用保証協会の保証ということを取りつける場合におきましても、融資話法というのが非常に有効な保険勧誘の手段の一つにされまして、保険に入ってくれればこれだけ貸し付ける、そしてそいつの判こをもらって保険に加入させてその手続をやる。ところが、こういう状態になりますというと、今度は信用保証協会の方もそうそう一〇〇%応ずるわけにいかぬ。そうすると、保険には加入させられたんだけれども金融の方は貸してもらえない、不正契約じゃないか、こういうようなことになりまして、批判が出てまいったのでございます。  私は、これは融資話法、俗にこう言うのでありますけれども、こういう傾向は、いま年三、三件と言われましたけれども、もっと多いはずだと思います。いかがでしょうか。
  52. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 年に数件と申しましたが、これは先生、決してお言葉を返すわけではございませんけれども、判定が大変むずかしゅうございます。確実に融資をしてやるから保険に入れと言ったのと、それから、保険契約をして外務員がいろいろアフターサービスに行きますときに、そう言えば生命保険会社というのは金貸してくれるんだね、そういう話から融資したものがございます。ですから、時間的にくっついているからといって融資話法とも言えませんし、離れているからといって融資話法でないとも言えませんで、これはなかなか判定がむずかしゅうございます。  私たちやはり行政をやっておりまして、余り決めつけるのもかえって行政の権威が落ちますので、相当慎重にやっております。ですから、確実なものだけを拾い上げましたので、あるいは先生のお耳に入っているのは、私たちと調査といいますか判定が違っている数も入っているかと思います。決してお言葉を返すわけではありませんけれども、そういう微妙な問題があることだけ御理解願えればと思います。
  53. 平林剛

    ○平林小委員 争う気はありませんけれども、生命保険会社の信用保証協会の保証貸し付けの実例から見まして、二、三件というような御説、推定は当たらない。生命保険会社の信用保証協会の保証貸し付けがどのくらいあるかを、ひとつあなたの資料から御説明なさってください。それを見ればわかると思うのです。
  54. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 これも五十二年十二月末の残高でございますが、件数で千百九十五件、貸し付けの金額が百八十九億、こうなっております。
  55. 平林剛

    ○平林小委員 私は、その件数の中にかなりの実例を承知しております。私が直接知ったものでもかなりあります。二、三件ではありません。いまお話しになった百八十数億の中にどれだけあるかということは、もう少し御検討なさってしかるべき問題だと思います。  これについて、いわゆる融資話法等の不正契約の排除について、大蔵省はどういう措置をおとりになりましたか。
  56. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 実はわれわれの行政の基本となっておりますのは、五十年の六月に大蔵大臣の諮問機関であります保険審議会の答申がありまして、これは非常に微に入り細をうがっていろいろな事項を指摘されておりますが、その中で、いま先生の御指摘になったことがやはり指摘されておりまして、一口で申しますと、不正競争といいますか過当な競争からそういうことが起こるのだから、まず外務員の量を入り口で防いで少なくしなさい、四十六年には一年で、四十万も入って四十万もやめるようなことがあったので、それをやめなさいということで、まず流入を防ぎます。それで、われわれ三カ年計画をとりまして、三年後には純増をゼロにするあるいは少し少なくするようにという指導を行っております。同時に今度は、入ってきた外務員の質を高めなければいけませんので、従来は試験の前に登録しておりましたが、それを改めまして、試験に受かった者だけを登録させる、そういうことで教育をしていることが一つでございます。  これは一般的な話でございますが、不正契約につきましていま先生の御指摘のものにつきましては、すでに三十七年に保険審議会の答申が出ておりまして、そこで、外務員が約款上定められている以外に保険会社の負担による特別の利益の提供を契約者に約束して加入させたことが契約者の申し立てに基づき会社で調査の結果明らかになった場合、あるいは四囲の状況からそうした事実があったと認められる場合には、会社は契約者の申し出があればその契約を解除し、いままでいただいた保険料を全額返しなさいというような答申を受けておりまして、これを実行しております。五十年のいま申しました答申でも同じことが言われております。  われわれは、月に一遍社長が集まります理事会に出てまいりまして、随時注意しておりまして、この趣旨を誤らないように、問題の根源にさかのぼってよくよく考えるようにということを申しておりまして、それは議事にとどめて各社員に送るようにというような指導をしております。
  57. 平林剛

    ○平林小委員 昭和三十七年にそういうものが出されて、それがどのくらいあったか私は承知しておりませんが、少なくともことしに入って、いまの定例の会合でございましょうが、大蔵省から「いわゆる「融資話法」等不正契約の排除について」という注意を喚起をいたしました。そのときにも、「三十七年答申の趣旨に則り、契約を解除し既収保険料全額を返還するなど契約著利益の保護を第一義として事後処理が行われてきており、更に五十年答申の指摘に基づき、業界内で種々の改善策を講じて契約者利益保護の推進を図っていることについては、当局としても一応の評価はしているところであるが、この際更に問題の根源に遡ってその解決策を図られるよう要請したい。」こういう趣旨の注意をなさったと承知しておりますけれども、それはそのとおりでございますか。
  58. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 ことしの二月十七日の理事会で、いま先生がお読み上げになったような趣旨のことを私が発言いたしましたことは事実でございます。
  59. 平林剛

    ○平林小委員 その注意があって後もなおやまないというようなところがもしあったといたしましたならば、どういたしますか。
  60. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 実は先生御指摘のように、三十七年にこういう答申が出ながら依然としてこういう問題が起こるというのは、本当に問題の根源が非常に深いわけでございまして、われわれはいろいろな方面から、いま申しました代理店教育その他を通じてやりますが、根本的に考え直さなければいかねと最近痛感しております。  といいますのは、悪いのは外務員だというような態度を間々会社がとりがちでございます。それで、たとえば外務員を懲戒免職にしたりしますが、それは問題は外務員がしたのではなくて、あるいはでございますが、あるいはさせている会社があるのではないか。そこが問題であろうと思いますので、私は、相当上の方まで責任をとるような体制をとらなければ、これは直らないと思います。三十七年から同じことをやっていて、大変保険行政として恥ずかしいわけでございますけれども、われわれこの問題を深く考えますと、依然として絶たないということはそういうところに問題がありますので、私が理事会で「根源に遡って」と言ったのは、そこまで含めて皆さんに注意したわけでございますが、今後はそういう方面も踏まえまして、外務員のみならず監督者、その監督者も相当上の方まで責任をとる。結局、融資話法をやったことによって会社が、何といいますか、外務員だけにとどまらないで大変なことだということにしなければ、これはやまないのではないか。ちょっと私、若干いま思いつきのところがございますが、どういうふうに具体的にやるかは今後考えさせていただきます。
  61. 平林剛

    ○平林小委員 いまの保険部長の御答弁は、実態を御承知の上の御発言でございます。まさしくそのとおりでございますので、そのことを御承知であれば、これ以上質問する必要はありません。御注意をいただきたいと思います。  きょうの私の質問はこれで終わります。
  62. 野田毅

    ○野田小委員長 坂口力君。
  63. 坂口力

    ○坂口小委員 きょうは、金利の問題を中心にしていろいろ御意見をお伺いしたいと思うわけであります。  いま政治の一番関心事は、ことしの景気がどうなるか、果たして七%前後の成長率が達成されるのであろうか、こういうところに集中しているわけでありますけれども、この景気の動きというものを敏感にとらえて、それにおくれないようにまた新しい政策を立てていかなければならない。そのためには、どうしても実態をよく把握できるようにしていかなければならないというような意味から、金利の弾力化、自由化というような問題も、さらにいままで以上に真剣に検討されるような段階に立ち至っていると認識をいたしております。  この金利の弾力化という意味で、最近目新しい幾つかの動きがございました。その一つは、国債の売りオペを公募入札方式を採用するとか、あるいはまた新中期国債の発行につきましても公募入札方式を採用するとか、あるいはまたコール、手形レートの弾力化でありますとか、幾つかの動きが最近あったわけであります。これら一連の動きを見ておりますと、いよいよ金利自由化という目標に向かって助走を開始したという感を深くするわけでありますけれども、この辺、そういうふうに認識して果たしていいのかどうか、まず総論的なところからひとつお伺いをしたいと思います。
  64. 徳田博美

    ○徳田政府委員 お答え申し上げます。  いま先生御指摘のとおり、金利の弾力化につきまして幾つかの現実的な施策が行われているわけでございますが、金利の自由化あるいは弾力化という問題につきましては、やはり金利機能をいかに適正に確実に発揮させるかという問題が基本にあるかと思うのでございます。     〔小委員長退席、後藤田小委員長代理着席〕 先生御指摘のとおり、いま経済の運営を適正に行うためには、金利機能の一層の活用が必要になってくるわけでございますけれども、ただ、金利の機能を発揮させるという面において、金利の自由化がいいのか、弾力化がいいのかという議論はあろうかと思います。  それでこの場合に、金利の自由化という問題についてでございますが、その金利を現在の日本の経済的、社会的な実情からいって、一挙に自由化に持っていくことが適正かどうかについては非常に問題があるわけでございまして、金利機能につきましては、景気調整機能と資金配分機能と両方に分かれるわけでございますが、景気調整機能の面から申しましても、わが国のように間接金融が非常に大きな比重を持っておりまして、またそれ以外に諸種の制限や制約がございます場合には、金利の水準につきまして市場原理が適正に働くかどうかについては非常に問題があるわけでございまして、このような状況のもとに金利を自由化しても、資金需給の実勢を反映した金利水準の形成はかなりむずかしいという面もあるわけでございます。それから金利を自由化いたしますと、金利政策は債券市場においてのオペレーションを通じて行うということになるかと思いますが、間接金融のウェートの高いわが国におきましては、政策効果の即効性であるとか弾力性あるいは確実性という面から問題がございまして、必ずしもこれによって金融政策の有効性が増すとは言えないわけでございます。     〔後藤田小委員長代理退席、小委員長着席〕  それから、資金配分の面で申しましても、金利が自由化されますと、金利の高いところに資金が流れるということになるわけでございますけれども、現在社会的に見て金融をつける必要のある部門、公共的な部門であるとかあるいは社会福祉金融、公害防止金融というような面になりますと、これは必ずしも収益性の高い部門ではないわけでございますので、金利の高さだけによる資金の配分ということについてもまた非常に問題があるわけでございます。  このような面のほかに、現実の問題といたしまして、金利を自由化いたしますと、庶民の零細な預金の金利よりもむしろ法人の大口の預金の金利の方が上がるというような面もございますし、そのほか、零細な中小企業金融を対象にしている金融機関の経営が困難になるとか、そのような問題もあるわけでございます。  したがって、日本の場合には、一挙に金利の自由化ということに進むことは必ずしも適当ではない、このように考えておるわけでございまして、日本の場合にはむしろ、先ほど先生御指摘ございましたように、金利の弾力化ということが必要と考えられるわけでございます。そのような面から、先ほど先生御指摘のようないろいろ具体的な施策が行われているわけでございまして、このようなことを糸口にして、次第に金利の自由化の方向に進んでいくということが、日本の場合には現実に即したやり方ではないか、このように考えております。
  65. 坂口力

    ○坂口小委員 いまも御指摘のように、金利の弾力化にいたしましても自由化にいたしましても、それなりのまたメリット、デメリットというものもございましょうし、また、金利の弾力化あるいは自由化ということそれ自体が、そのときどきの金融面での動きを的確にそれだけで見るということもむずかしいというような見方も中にはあろうかと思います。しかしながら、いろいろの条件を勘案しました場合に、少なくともいままでよりも金利の弾力化というものについては進めていくべきではなかろうかという意見も多いわけでありまして、私どももその点については異論がないところでございます。  最近行われました、たとえばコール、手形両市場の金利弾力化の問題を一つ取り上げましても、まだこれに対する評価をするのにはいささか時間が短過ぎるかもしれません。始まりましたのが五日からでしたか、ですから、まだこの評価をしていただくのはむずかしいかと思いますが、これなんかも一つの手がかりとして、これが次のステップに対してどういう役割りを果たすのか、そういう評価を一応しなければならないと思いますが、お始めになって現在の時点でどのようにお考えになっておるか、一つだけお伺いをしたいと思います。
  66. 中川幸次

    ○中川参考人 まず一般論から若干申し上げますと、先生御指摘のようにあるいは銀行局長もお話しのように、金利機能の活用ということは非常に大切なことであると私ども思っております。日本銀行は、金融政策を運営するに当たりまして、何と申しましても資金の需要が適切に、つまり多過ぎも少な過ぎもしないようなかっこうにして、インフレにもデフレにもしないということが非常に大切だと思います。その場合に、金利機能をできるだけ活用いたしまして、つまり、金利が高くなれば資金の需要が減る、したがってバランスの方向に行く、あるいは、各市場間の金利に差があればそこで裁定が行われて、金が高い方へ流れるということで需給が調節されるわけでございます。その場合にいま銀行局長御指摘のようないろいろな問題もあるわけでございますけれども、大きく言えば、そういうふうな金利機能を活用していくということがこれからは大変大切なことではないかと思っております。  特に国債が大量に発行されて、現在までのところはきわめて円滑に消化されておるわけでありますけれども、今後仮に景気が非常に盛り上がってくるような状態になりますと、民間の資金需要が相当出てくる、そういうときに競合という問題が起こってくるわけでありますが、ここで金利が固定化しておりますと、どうしても金がよけい出過ぎるという危険が非常に強くなります。そういう事態を未然に防止するためにも、金利を一挙に全面的に自由化というのはいろいろな問題があってなかなかむずかしいことは承知いたしておりますが、できるだけ弾力化して金利機能が働くような環境をつくっていくということがきわめて大切であると私どもは考えておるわけであります。  いま先生御指摘のコール市場、手形市場の弾力化でございますが、これはまだ一挙に自由化したというわけではございませんで、たとえば手形を買った人が、いままでは大体満期が来るまで持っておりましたのを途中で転売することもできるということにしたわけであります。その結果、まだ一週間ばかりの実績でございますけれども、千億強の金がすでにそういう転売というかっこうで出ておりまして、手形市場の金利がいま四・七五%でございますが、その転売する手形は、期間も短くなっているせいもございまして、四・四%から四・二%弱といったいろいろな金利が出ております。いろいろな金利が出て、そういう需給が調節されるというのは、私ども大変結構なことであると思っております。  コール市場の方は、資金の需給に応じてそれができるだけ敏感にレートに反映するように指導していこうということでございます。まだ大きな動きはございませんけれども、これからは従来以上にその点が弾力的に動くようになるのではないかと期待しているわけであります。
  67. 坂口力

    ○坂口小委員 中川参考人から現在の実情をお聞かせいただいたわけでございますが、このコール、手形両市場の弾力化の次に来るべきものとしてどういうふうなものをお考えになっているのか。すなわち言葉をかえて言えば、今後金利弾力化を進めていくためのスケジュールと申しますか、それともかかわってくる問題であると思うのですが、そういう意味で、このコール、手形両市場の弾力化というのがどういう役割りを果たしていくというふうにお考えになるかということを少しお聞きをしたかったわけでございます。あわせて、もう一度お伺いをしたいと思いますが、この次にこういうふうなものを考えているというものがございましたら、この際明らかにしていただきたいと思います。なければ結構でございます。
  68. 中川幸次

    ○中川参考人 スケジュールとなりますと、なかなかむずかしいわけでございます。いまのところ臨金法を初めとしていろいろ規制されておる金利があるわけでございますが、これから何を弾力化あるいは自由化していくかということになりますと、そういうことをやった結果、どういう影響が出てくるかあるいは関係者がどういう意見を持っているかということが非常に大きな影響を持ってくるわけでございまして、私どもとしては、いまのところこれから何をやるかという具体的なスケジュールは持ち合わせておりません。  ただ、環境に応じまして、あるいは関係者がいろいろな努力をして、弾力化、自由化を一つでも進めでいきたい。先ほど先生もお話しになりましたように、いろいろな自由化のステップがございまして、私どもでもことしの初めに、主として国債でございますが、今後長期国債の売買をするに当たりましては入札方式で行うことを決めまして、ごく最近、最初の債券の買い入れをすることを決めましてオファーしておる段階でございます。それが具体的に進行中でございまして、幾ら応募がありますか、いまのところはまだわからない状況でございますけれども、これもごく最近政府でおやりになった中期国債の入札公募のかっこうと軌を一にして、弾力化、自由化への一つの前進であると私どもは評価いたしております。
  69. 坂口力

    ○坂口小委員 理財局次長にお聞きしたいと思いますが、三年ものの新中期国債が公募入札方式を取り入れて今回発行されることになったわけであります。短期の方はこれからどうなりますか。そういうふうな御計画はありますか。
  70. 副島有年

    ○副島政府委員 お答え申し上げます。  先生御案内のように、欧米諸国では短期、中期、長期を含めまして、国債の種類が非常に多様化が行われているわけでございます。わが国の場合も、国債の大量発行下におきまして国債管理政策を円滑に運用していくためには、国債の種類の多様化を図ることが必要であることは申すまでもございませんし、私どももそういう方向で今後とも検討を進めていきたいというふうに考えております。  ただ、先生御案内のように、国債の種類の多様化の過程におきまして、既存の金融商品との競合あるいは現在の金融秩序への影響というような問題もございますので、やはりこのところは慎重に進めていかなければならないと考えております。現在のところは、いま先生御指摘のように、三年の中期債の発行が行われたばかりでございますので、この三年債の定着をしばらく見守っていきたいと考えておりまして、新たな短期国債あるいは中期国債の発行は考えておりません。
  71. 坂口力

    ○坂口小委員 いま御指摘のように、普通銀行あるいはまた債券発行銀行等との摩擦の問題もございましょうし、今後解決をしてもらわなければならない問題はたくさんあると思います。先ほども議論になっておりましたが、そういった銀行と証券側との間のかきねの問題にもいろいろな問題がございます。先ほど問題になりました窓口販売の問題等もその一つではないかと思います。私も少しだけこの窓口販売の問題に触れさせていただきたいと思います。  これは、前回にも大蔵委員会で銀行局長の御意見は承ったところでございますが、非常に微妙な問題でございまして、それぞれお立場によりまして発言もまた若干ずつニュアンスが違うというところでございますので、あえて混乱をさせようという気持ちは毛頭ございません、それぞれの立場のお考えを率直にお聞かせをいただければいいわけでございますが、新聞等を拝見いたしますと、最近また谷村東証理事長が御発言になっておりますし、また、大蔵省の幹部の皆さん方にはいわゆる谷村メモというものをお配りになったという話も出ているわけであります。谷村さんは、この大蔵委員会の参考人としてお越しになりましたときにもいろいろ御発言になりまして、そして、現在の法律上は行われることには問題があるという発言もなさった経緯もあるわけでありまして、新聞を見せていただきますと、今回はかなり詳しくいままでの経緯等もお書きになって、そしてお示しになっているということが伝えられているわけであります。ただ、窓口販売というものをどういうふうな方法で行うかとかどういう範囲で行うかとか、いろいろ具体的な問題によってこれの法律解釈というものも変わってくるのかもしれませんし、その辺のところは非常に微妙ではないかと思います。  ただ谷村理事長は、国債の引受販売と既発国債を流通市場で売買する場合と二つに分けて主張しておみえになりまして、国債の引受販売については、長期信用銀行法によって長銀には認められるけれども、普通銀行は銀行法第五条の付随業務として解釈するのは無理である、こういうふうに発言をされているわけであります。また既発国債の方につきましては、銀行の本業を遂行する上で必要な付随業務と判断することはむすかしいのじゃないか、このことについてもまた御意見を述べておみえになるわけでありまして、この窓口販売なるものの内容、範囲、そういったことと並行してと申しますか、相前後して法律問題もここにまたクローズアップされているわけであります。このことについて、前回銀行局長さんには御意見をお伺いいたしましたが、証券局長さんの方、もしも御意見がございましたら先にお聞かせをいただきたい。
  72. 渡辺豊樹

    ○渡辺(豊)政府委員 先生がいま御指摘になりました問題は、特に東証の谷村理事長が指摘される問題は銀行法サイドの問題でございまして、銀行法サイドの問題につきましては、証券局長としてお答えするのは差し控えさせていただきたいと思います。
  73. 坂口力

    ○坂口小委員 銀行法の問題云々についてではなしに、窓口販売ということについての全体的な問題で結構でございます。
  74. 渡辺豊樹

    ○渡辺(豊)政府委員 先生御承知のように、去る五月二十六日に証券取引審議会を開催したわけでございますが、この証券取引審議会では、公社債市場の問題についてはすでに一昨年から昨年の一年間、基本問題委員会を設けまして、望ましい公社債市場のあり方について御検討願ったわけでございます。この基本問題委員会の報告書では数々の提言が行われております。このような提言とか基本的な考え方を踏まえながら、今後経済金融情勢に変化があった場合に国債を中心とした公社債市場がどうなっていくであろうか、そういう変化に対応してどのような対策を考えていけばいいかということを中心に御審議願おうかと思っております。  国債を中心とした流通市場の価格形成の問題もございますし、あるいは先ほど先生も御指摘になりました、日本ではまだ整備されていない短期債市場の問題、あるいは国債等の安定消化を図る場合にその消化構造、保有構造というものをどういうふうに考えていけばいいか、あるいは国債等の発行形態の多様化とかいろいろな問題があるわけでございます。そういう問題を御審議願おうかと思っておりますが、この審議に関連いたしまして、いま先生御指摘になりましたいわゆる銀行の窓口販売の問題もこの審議会で議論が行われようかと思いますので、私どもそういう御審議を踏まえてこの問題を考えていかなければならないというふうに思っております。
  75. 坂口力

    ○坂口小委員 この問題は、どういう立場から考えるかということによってずいぶん意見も違ってくると思うのです。金融機関あるいは証券会社の業務分担の問題としてとらえるのか、それとも、先ほどから議論のありますように国債管理政策の立場から考えるのかということによって、これはずいぶん違うのではないかというふうに思います。銀行局長さんはどちらかと言えば、国債管理政策の方を掲げて前回も御発言になったと記憶をいたしております。  そこで、証券局長さんにこれ以上お聞きいたしますのもはなはだ発言しにくい問題であるかとも思いますので控えさせていただきますが、しかし、谷村理事長さんという非常に影響力のある方が発言をしておみえになりますだけに、この法律論争というものをあいまいにしておくわけにもいかないと思うわけであります。そこで、条件によっていろいろ違うとは思いますけれども、法制局の方はこの問題をどういうふうにお考えになっているのかということをひとつお聞きをしたいと思います。
  76. 茂串俊

    ○茂串政府委員 私どもの立場上、一般的な解釈論ということでお答え申し上げることにならざるを得ないわけでございますが、現行の銀行法のもとにおきまして銀行の行える業務は、その第一条に規定する本来業務のほかに一定範囲の業務に制限されております。御指摘の国債の窓口販売につきましては、特に明文の規定はございません。したがいまして、結局はそれが銀行法第五条に規定する「銀行業ニ附随スル業務」に該当するかどうかという問題に帰着することになるわけでございます。  ところで、この付随業務というものはどういうものかと申しますと、これはもうその名があらわしますように、本来業務に対して従たるものにとどまるべきものであることは当然でございます。また、本来の業務を営む上で必要があるとかあるいは有用であるとかいうように、本来業務と関連性を持つものでなければならないということもまたこれ当然のことであると思うのでございます。ただ、その範囲は必ずしも固定的なものではございませんで、経済社会の進展に応じまして弾力的に判断するのが適当であろうというふうに考えられます。いずれにしましても、この付随業務の範囲なり限界なりを一般的、抽象的に決めることは困難でございまして、結局は個々具体的に判断をする必要がある問題であると思います。  そこで、いわゆる国債の窓口販売でございますが、現在のところまだその具体的な内容が明らかになっておりません。大蔵省の方といたしましても、実体面でいろいろ問題があるようでございまして、慎重に検討を進めていくということを伺っておりますし、また証券局長からも話がありましたように、証券取引審議会の場におきましても、関連する重要問題ということで論議が交わされることになっているというふうに伺っております。したがいまして、この法律面での問題は、これらの検討が終わりまして、その具体的な内容が明らかになった段階で実態に即して判断すべきものと考えておりまして、現時点で御質問の点につきまして具体的にお答えすることは差し控えさしていただきたいと思いますので、御了承をお願い申し上げます。
  77. 坂口力

    ○坂口小委員 非常にむずかしい御説明でございまして、どういうふうに理解をしたらいいのか、理解することもなかなかむずかしい御答弁でございましたが、この付随業務であるかどうかということの判断にかかってくるようでございます。  この辺のところは、今後議論を詰めていただいて、そしてどうかということになるということになりますが、これは銀行局長さん、局長さんの側としては、この問題を今後、する、しないは別でございますけれども、どのような方向で決着をつけていこうというふうにお考えになっているのか、お伺いしたいと思います。
  78. 徳田博美

    ○徳田政府委員 国債の銀行による窓口販売の問題は、いろいろな問題を含んでいるわけでございますので、慎重な検討が必要なことかと思われます。しかしながらこの問題は、本来的には先般も申し上げましたように、銀行であるとかあるいは証券会社の業務範囲の問題として考えるべきではなくて、国債管理政策の立場からどのようなあり方が一番望ましいかという判断が基本にあるべきではないか、このように考えております。
  79. 坂口力

    ○坂口小委員 そうしますと、銀行局長さんのお考えとしては、法律でどうこうということではなしに、国債管理上どうしても必要だということであるならば、現在の法律上それがむずかしいということになれば、法改正をしてでもそれはやらなければならない問題である、こういう意味でございますか。
  80. 徳田博美

    ○徳田政府委員 窓口販売が現実にどのような形式をとって行われるかということについては、まだ全然そういうような詰めが行われておりませんので、法制局からの御答弁のあったとおりのことかと思いますけれども、ただ金融機関、銀行が国債を販売するという問題について一般的に申し上げますれば、これは態様いかんによってはいろいろな問題が出てくると思いますけれども、銀行法第五条において銀行業に付随する業務を営むことができるものとされているわけでございますので、この付随業務の中に入るというふうに考えられるのではないかと思います。その付随業務の内容につきましては、先ほど法制局から御答弁申し上げたとおりでございまして、銀行法は「保護預リ其ノ他ノ銀行業ニ付随スル業務」と言っているのみでございまして、具体的な例示は一つしか挙げてないわけでございます。  そこで、具体的にどのような業務がこれに含まれるかということにつきまして判断するに当たりましては、そのときどきの銀行の持つ社会的あるいは経済的機能に即して考えるべきではないかと思っております。付随業務である以上、銀行が本来の業務を営む上で必要であるとかまたは有用であるとかいうことが基本であると思われますが、必要または有用ということにつきまして限定的に考えるべきものではないと思われます。経済社会の推移の中にありまして銀行に期待される機能であって、他業禁止規定との関係において銀行が営むにふさわしいというふうに考えられるものにつきましては、弾力的に理解するのが適当ではないかと思われるわけでございます。  現在の銀行法のもとにおきまして、銀行は戦前におきましても、社債の募集引き受けに従事していた実績を持っているわけでございまして、また現在の国債発行下におきましても、銀行はシ団メンバーとして募集引き受け契約の当事者となってきているわけでございます。したがいまして、国債の大量発行が続く中で銀行が国債を窓口で販売することは、銀行業務を営む上で必要または有用なものとして付随業務と認められるのではないか、このように考えております。  もちろん、先ほど申し上げましたように、窓口販売の実際の姿がどのようになるかということはまだ決まっておりませんので、そのような点の問題はあろうかと思いますけれども、一般的にはいま申し上げたようなことではないかと思っております。
  81. 坂口力

    ○坂口小委員 一般委員会で大臣でもお見えになれば、まとめとしての御意見を聞きたいところでございますけれども、きょうは小委員会でございますし、そういった立場からの御意見を聞くことができなくて残念でございますけれども、しかし、各局側のそれぞれの意見を異にするという形で進行することは、決して好ましいことではないと思うわけであります。ですから、その業務の内容というもの、いろいろの審議会等でも検討をしていただいているようでありますが、その審議会等の結果も待ち、しかしただ審議会に任せるだけというんじゃなしに、大蔵省全体としてもこの問題の意思統一を図り、そしてできるだけ早くその大蔵省としての結論というものを出されるべき問題ではないかというふうに思うわけであります。  銀行局長にはそういう意味で、大体この問題、どのくらいなスケジュールで目星をつけようとしておみえになるのかということをあわせてお聞きをしたかったわけでございますが、もしもそれにつけ加えていただくことがあればつけ加えてください。ございますか、なければ次に進ませていただきます。
  82. 徳田博美

    ○徳田政府委員 ございません。
  83. 坂口力

    ○坂口小委員 それじゃ、深追いしないことにいたしておきます。  それからもう一つお聞きをしたいと思いますが、これは銀行局長が金融問題研究会報告についていろいろインタビューに答えられているものがございますけれども、その中で銀行局長は、いわゆる垣根問題に触れられまして、「むしろ、ある程度相互乗入れをすることによって、それぞれの専門金融機関がさらに専門性を深めるということが考えられるし、そのことが金融制度全体の効率性を高めるゆえんではないかと思っている。」こういうふうにお答えになっているわけでありまして、相互乗入れということをある程度、積極的と言うとちょっと言葉が過ぎるかもしれませんけれども、かなり前向きに発言をされているわけでございます。  金利の弾力化あるいは自由化等が進んでいきますと、そういう意味でこれからいろいろの問題が出てくると思いますが、たとえば為替業務の取り扱い、特に外国為替等の取り扱いにつきましても、いまいろいろの意見が出ているわけでございます。相互銀行さんが為替業務を始められるようになりましてまだ日が残いと思いますが、この為替業務をお取り扱いになってどういう経緯をたどっているかということを知ることが、今後そういったいろいろの業務の相互乗り入れという問題を解決していくという意味で一つの重要な指針になりはしないか、こういうふうにも考えるわけでございます。  そういう意味で、まだ日が浅うございますけれども、相互銀行の側がいままでこれを取り入れられて今日までどういう問題があるのか、それともスムーズにいっているのか、あるいはまた、取り扱われている額は大体どれくらいになっているのかというようなことがわかりましたら、まずお聞きをしたいと思います。
  84. 徳田博美

    ○徳田政府委員 昭和五十二年度中の相互銀行全体の外国為替の取り扱い高は約二十一億ドルでございまして、為銀全体の取り扱い高のシェアはまだ一%に満たないわけでございます。  この相互銀行が外為業務を始めましたのは、昭和四十八年一月の金融制度調査会の答申に基づいたわけでございまして、その当時の答申におきましては、中小企業者等の海外取引の増大に伴って中小企業者等の外国為替取引の取り扱いに対する需要が高まっている実情にかんがみて、相互銀行にも外国為替取引を行わせるようにした方がいいのではないか、こういう答申をいただいたわけでございまして、四十八年七月に相互銀行法が改正されまして、四十九年一月から二月にかけて十一行が外為業務を始めまして、現在三十二行にふえているわけでございます。  このように相互銀行の外為業務が認められましてから四年半を経過したわけでございますけれども、近年、中小企業の海外取引が増大するにつれまして、相互銀行がこのような地場の為替取引の取り扱いを通じて地域経済の発展に貢献しているわけでございまして、相互銀行の取引先の中小企業、特にその海外取引をしている中小企業にとってみましては、大きな寄与をしているわけでございます。  ただ問題点でございますが、一つは、何分にも中小企業相手の取引でございますので、比較的小口の為替が多いわけでございます。この点で、採算面では必ずしも良好ではないという点が一つございます。それから、外為を取り扱いますには外為を取り扱いする要員の養成が必要でございまして、海外にトレーニング等に出すようなことが必要になってくるわけでございますけれども、現在のように金融機関の経営環境が厳しくなりますと、このような先行投資をするのがなかなかむずかしいというような問題もあるわけでございます。  しかしながら、先ほども申し上げましたように、これは海外取引をしている中小企業にとっては非常に利便がふえることでございますので、今後とも前向きに検討すべきものと考えておりまして、近い将来にもさらに数行あるいは十数行が外国為替業務を扱う準備を進めているところでございます。
  85. 坂口力

    ○坂口小委員 そうなりますと、相互銀行としてはいろいろ問題を抱えながらも、しかしやはりそれなりの実績は積みつつある、こういうことのようでございますね。  相互銀行の中にもさらにこの扱いをしようというところがふえていくようでございますが、今後の問題として、相互銀行だけではなしに、もう少しかきねを広げてはというような声もまた起こってくる可能性があろうかと思います。その場合に、全体としてのいろいろの立場から考えなければなりませんから、むずかしい問題はたくさん抱えているとは思いますが、そういうふうな声があれば今後も検討には値しますか。
  86. 徳田博美

    ○徳田政府委員 中小金融機関が外国為替取引を行うことについて、取引先の中小企業の利便上非常にプラスになることであれば、これは前向きに検討してまいりたいと考えております。
  87. 坂口力

    ○坂口小委員 たとえば信金あたりも、地域によりましてあるいはまた大小によりましてずいぶん差がございますから、一律にとかなんとかいうようなことは無理な話でございますけれども、中には、普通銀行でも小さいのもあれば、信金さんでも内容の非常に充実しているところもあるわけでありまして、そういった意味で、今後の問題として提起されるときがあるいは来るかもしれない、そういう気もするわけでありまして、いま少し触れさせていただいたわけでございますが、銀行局長さんとしては非常に前向きな御発言でございますので、今後いろいろと御検討をいただきたいと思うわけでございます。  もう少し窓口販売の問題はお聞きしたかったわけでございますが、現在のところまだ十分に皆さん方の側も煮詰まっていないようでございますので、この辺にとどめたいと思います。ありがとうございました。
  88. 野田毅

    ○野田小委員長 荒木宏君。
  89. 荒木宏

    ○荒木小委員 小委員会でございますので、多少実務的なことを主に伺いたいと思うのですが、政府系金融機関の貸付保証の問題でございます。  国民金融公庫の方で調査をされましたこの点についての調査がありますが、保証人制度が厳しいという意見がずいぶん強いようでございます。すでに公庫を利用した人の中でこの保証人制度が厳しいという回答をしたのが、製造業では二八・二%、小売業では二一%、これはいろいろなアンケート事項の中では一番高い比率の項目になっています。そしてまた、従業員規模では一人ないし四人といういわゆる零細規模の業者の方がその点の指摘が強い。製造業では二六・二%、小売業では一五・四%。それに対しまして、やや規模の大きい製造業では三十人から三十九人といいますところが一二・九%ですから、零細規模に比べると約半分ということになっています。小売業では十人から十九人が八・三%、これも約半分。これは国民金融公庫自体の調査でありますけれども、銀行局長はこういった調査結果について御存じだったでしょうか。
  90. 徳田博美

    ○徳田政府委員 ただいま先生御指摘の数字は、大蔵省ではいただいておりません。
  91. 荒木宏

    ○荒木小委員 それでは、そういう事実をよく御存じだということを前提に質疑をいたしますが、こうした保証人制度が厳しいということに対する対策の一つとして、いわゆる無担保無保証融資制度といいますか、特に小規模企業経営改善の補完措置としていわゆるマル経資金というのが、制度として設けられているところでございます。  ところが、本年二月十五日の大蔵委員会で私がこの点について質疑をいたしました際に、直接の問題提起は、五十一年度、五十二年度枠が約二割残されている。もちろんこれには、資金需要の関係がありますし、その需要に見合う枠の設定の問題があります。これは当時局長が答弁されているとおりでありますけれども、しかし、これは景気動向にも絡むことでございますので、その点はひとつ置くといたしまして、制度面では、商工会、商工会議所の経営指導のあり方、それからなお、広く他の機関にこうした補完措置を設けていくことの可否も検討したい、これは大臣の御答弁でございます。  そこで、こうした制度面についての検討をその後どのように進めておられるか。端的に言えば、他の経営指導、経営改善に対する補完措置の設定の可否、さらに貸付保証にかわる他の制度、こうした実態を踏まえての制度検討の推移というもの、あるいはまだ結論が出ていないかもしれませんし、これからの課題ということになっているかもしれませんが、本年当初における大臣の答弁、局長も出席しておられましたので、その後の経過を伺いたいと思います。
  92. 徳田博美

    ○徳田政府委員 先生御指摘のとおり、マル経の貸し出しにつきましては、五十二年度は実績が計画に対して七〇%にとどまったわけでございますが、ただ、実績の貸出額の伸びは前年度対比一八%でございまして、民間の金融機関の伸びに比較してもこれはかなりの伸びを示しているわけでございますけれども、しかし計画をかなり下回ったということは問題でございます。  この点につきましては、質的改善を図ることが消化の促進につながるというふうに考えられますので、御承知のとおり、本年一月から運転資金について貸付限度額の拡大、百五十万から二百五十万というふうにいたしましたし、貸付期間の延長も二年から二年六ヵ月にしたわけでございます。それから金利につきましても、これもやはり大きな条件でございますので、昨年十月に七%から六・八%に下げられたわけでございますけれども、ことしの六月一日からさらに〇・二%引き下げまして六・六%にしたわけでございまして、このような改善を図ったわけでございます。
  93. 荒木宏

    ○荒木小委員 経過は私も伺っておりますけれども、いまお尋ねをしましたのは、もちろんマル経ということもありますが、先ほどの公庫の調査結果によって、保証人制度の改善を求める声が強い。期間の問題、金利の問題、いろいろ改善の経過はありましょうけれども、それでは保証人制度の改善ということにはならぬわけでありまして、特にこうした景気動向の中で、従業員規模が一人ないし四人というのは一番零細な末端の業者の人たちだと思いますが、公庫に対する取引はかなり多い層の人たちであります。本来無担保無保証融資制度があれば、保証人制度についての問題は要望は出ないはずのものなんでありますけれども、にもかかわらずこうした高率を示し、要望の中のトップクラスを占めておるということは、なおいまのマル経の制度の枠が足らないのか、あるいはその仕組み自体に何かほかに補完措置を講ずべき必要があるのか、そういった点があると思うのですが、枠は御案内のとおり、むしろ二割も三割も余すくらいの状態になっている、もちろんその点の改善もあるでしょうけれども。だとすれば、この信用補完、貸付保証、こういった点で、いまの商工会議所、商工会の経営指導員の果たしておる役割り以外に、そういう役割りを果たし得る体制はいまの日本には全くないのかということでございます。  局長も問題提起の内容はよく御承知のとおりだと思いますが、中小企業庁にお尋ねをいたしますけれども、そうしたことを踏まえて、中小企業団体中央会が設けておる組合士という制度があるようであります。これの概要と、それから中小企業庁がどの程度にバックアップをしていらっしゃるかということ、これをさらに活用を図っていくという必要はないのか、いま銀行局長にお尋ねをしております点を踏まえて簡潔に御答弁いただきたい。
  94. 豊永恵哉

    ○豊永政府委員 お答えいたします。  全国中小企業中央会の中に中小企業組合士という制度がございます。これは経緯を申しますと、昭和四十四年に東京の中小企業中央会がまず始めまして、四十九年から全国中央会が全国一律に試験を行いまして、試験を合格した者に組合士の資格を与えているわけでございます。  この組合土の目的でございますが、現在中小企業の組合が全国で約五万ございますが、この組合の役職員、事務局を構成する人の資質を何とか向上したいということで、大体役職員を対象にしましてその能力の向上を図るというのが目的でございます。したがいまして試験の内容も、組合制度とか組合の運営とか組合の財務、経理とかそういうものを主として行っておりまして、個々の組合員の企業活動そのものを向上するということを目的としたものではなく、むしろ組合の活動を向上したいという趣旨のものでございます。  なお、中小企業庁といたしましては、この組合士活動によりまして中小企業の組織化が進みますことは大変よいことでございますので、毎年この試験及びそのPRのために補助金を中央会に交付しており、この制度の発展を図っておるところでございます。
  95. 荒木宏

    ○荒木小委員 ちょっと一言確認しておきますが、組合の業務には近代化資金の借り入れだとか、あるいは共同廃棄事業の推進であるとか、さらにはまた制度融資のあっせんだとか、そういうことも入るのではないでしょうか。
  96. 豊永恵哉

    ○豊永政府委員 お答えいたします。  もちろん組合の業務としては入りますが、設備廃業、高度化資金、そういうものを組合融資を受けますときに組合の業務になりますが、ここで組合士がやりますことは、中小企業政策とかそういう制度を勉強していただきまして、組合の皆様方かこれを借りようじゃないかという意思を持つに至るようなおぜん立てをする、いわば事務局員の役割りを果たす方々でございます。
  97. 荒木宏

    ○荒木小委員 なお、分野調整法でありますとか、あるいは円高の特別融資、円高対策、倒産防止共済制度、こういったことを扱っているのじゃありませんか。
  98. 豊永恵哉

    ○豊永政府委員 先ほどの制度金融とかあるいは倒産防止とかございましたが、個々の中小企業者を対象としたものは、この組合の事務局はおおむね関与いたしません。つまり、組合として借ります資金とか、あるいは組合として高度化事業を行うとか、そういうときの仕事に関与するわけでございまして、個々の中小企業の経営そのものには関与しないわけでございます。
  99. 荒木宏

    ○荒木小委員 ちょっと話があれなんですけれども、組合自体が別に営業をやっているわけではないので、組合が高度化資金だとかあるいは協業化のための資金を借り入れることは、結局はその金は組合員に行くのじゃないですか、借り入れる形態として協同組合という組織をつくると思うのですけれども。  ですから、いま指導部長の答弁で、中小企業庁がどういうふうに指導、育成しようとしておられるかということは大体わかりましたが、そういうことを前提に局長に確認をさせていただきますが、大臣が、無担保無保証融資を一つの例にとっておりますけれども、もっと広範ないろいろな機関を使って経営指導した方が有効なのか、こういう点も十分検討してまいりたい、こういうふうに答弁をしておられるのですが、もちろん局長は、この大臣の答弁の趣旨に従って検討を続けられる、こう確認させていただいてよろしゅうございますね。
  100. 徳田博美

    ○徳田政府委員 このとき大蔵大臣は、かなり幅の広いことを言っておられまして、枠の問題とか、あるいは商工会議所の指導員がどのようにやっているとか、あるいはそれだけじゃなくて、先生御指摘のように、もっと広範ないろいろな機関を便ってこの枠を残さないで有効に使えるのか、「そういったいろいろな問題が考えられますので、われわれとしてもこれを十分に検討してまいりたい、」こう申し上げたわけでございまして、かなり広い面にわたって検討をしたいということをお答え申し上げたわけでございます。  このような点から、われわれも検討してまいりまして、先ほど申し上げましたように、六月からは金利の引き下げを行ったわけでございます。
  101. 荒木宏

    ○荒木小委員 いや局長、私がお聞きしておるのは、この答弁の前段は、局長は、金利だとか期間だとか非常に狭く検討対象を限ろうとされた。それで私は政治的に大臣に、そんな狭い検討でいいのですか、これだけ保証制度が厳しいという要望が強い、それでいてその保証制度が緩和されている枠がうんと余っている、検討の対象はもっと広くした方がいいのじゃありませんか、こう質問して、大臣は、検討対象をいま局長が言われたように狭くしないで広くしていこう、こう答弁されておるわけですから、したがって局長も、先ほど金利や期間についての検討を進められたことはその後の報告で伺いました。あわせて、こうした経営指導のあり方、それから、広くほかの機関にもそういう貸付保証あるいは信用補完という機能を持たせることの可否も検討されるべし、これは大臣の方針に従った処置だと思うのですが、どうですか。
  102. 徳田博美

    ○徳田政府委員 大臣は、幅の広い検討ということを申し上げたわけでございますが、ただ先生御承知のとおり、マル経の貸し付けは、商工会または商工会議所の行う経営改善普及事業を金融面から補完するというところに本来の本質があるわけでございますので、その本質の範囲内において検討を行いたい、このように考えているわけでございまして、先ほど先生御指摘のような保証人の問題などもあるわけでございますが、この点は、たとえば商工会あるいは商工会議所に加入しているものでなければ借りられないのではないかというような誤解をしている向きもないとは言えませんので、そういう方面の普及宣伝も大いに行いまして、このような無担保無保証で借りられるという制度をもっと広く一般の中小企業者に、特に零細な中小企業者に周知徹底させるということも、やはり先ほどの保証人の問題を解決する一つの大きな手だてになるのではないか、このように考えております。
  103. 荒木宏

    ○荒木小委員 なかなか一度には、従来の制度との関係もありましょうから、大臣の趣旨を踏まえて、ひとつ前向きに検討を進められることを求めておきたいと思うのです。  なお、この機会にもう一言お尋ねをしておきます。これは中小企業庁の指導部長にちょっとお尋ねしますけれども、先ほど御説明をいただいた組合士の方と、それから商工会議所などの経営指導員の方の資格制度の違い、あるいは指導能力の差異といいますか、これはどういうふうにごらんになっているのでしょうか、試験制度のあるなしということもあると思うのですが……。
  104. 豊永恵哉

    ○豊永政府委員 お尋ねの商工会の経営指導員と中央会の中小企業組合士の違いでございますが、商工会の経営指導員には特別の試験はございません。中央会の方は、中央会自身がいわば自主的にやっております試験でございますが、いろいろ制約がございまして、たとえば三年以上の実務経験がある者で試験に合格した者ということで、大体現在組合の役職員をやっております経験者で相当質の高い方が現在まで試験に合格しておるというのが現状でございます。
  105. 荒木宏

    ○荒木小委員 そういうことを踏まえて、これはいろいろあると思うのですけれども、中小企業団体中央会の組合士の方に、近代化資金の保証人だとか、あるいは廃棄事業の監視役だとか、あるいは制度融資利用の際の手続の促進、そういったことにもっと効果的な役割りを発揮することができないだろうか。前にも私ちょっと触れたことがありますが、商工会議所は業種横断の組織でありまして、むしろいまの業種ごとの問題点がクローズアップされておるような経済構造のときには、こういう縦の協同組合、同業組合の関係の役割りというものをもっと見直していく必要もあるのじゃないか。そのために、この組合士制度の一層の活用を、内容はいろいろあると思いますが、求める声も高まっておるように聞いておりますが、それについて、具体的なことはまた追ってお尋ねするとしまして、検討を進められる方向にあるかどうか、その点を明らかにしておいていただきたいと思います。
  106. 豊永恵哉

    ○豊永政府委員 先生の御質問の御趣旨、まことにごもっともだと思うのでございます。しかし、組合士制度の現状をちょっと補足して申し上げますと、全国に中小企業の組合は五万ございますが、現在組合士になっております者が約千四百名でございます。現段階はどういうことかと申しますと、その五万の中小企業組合の中で、りっぱな組合もございますが、組合活動はまだまだというところが相当ございますので、組合士になるように各組合の役職員の方々に大いに勉強していただいて、組合活動についての能力を高めていただくという段階にまだあるわけでございます。したがいまして、組合士の方を使って特別の業務あるいは政策上の仕事をさせるということまで、人数的にも全国ベースで見ますと、まだまだそこまで組合士制度は発達してないというのが現状かと思います。  それから、先生が例に挙げられましたたとえば貸し付けの保証業務とかいうふうなことは、事務局員でございますので、なかなか組合士制度に乗りにくい面もあるかと思います。  しかしいずれにしましても、この組合士制度をもっともっと発展させまして、中小企業が団結を通じてその地位向上を図るということは大変大事なことと思いますので、中小企業庁としましても、この組合士制度の一層の発展には努力してまいるつもりでございます。
  107. 荒木宏

    ○荒木小委員 時間が来ましたので終わりますが、十分実体があり機能を発揮しておる組合と必ずしもそうでない組合、こういう指摘もありましたが、これは私はほかのいろいろな場面でもそういうことは言える面が多いと思うのです。いま庶民金融業の問題がいろいろ論議されておりまして、当委員会でもお話がありましたけれども、自主的に改善していこうという方々とそうでない人たちがあるという指摘もありますし、いまの到達点がどの程度であるかということはまたいろいろな見方があるところであります。方向としましては、部長が言われましたような方向での助成を積極的に検討していただきたい。  つきましては局長に、これはあるいは将来のことかもしれませんが、そういう中小企業庁の将来の助成の方向を含めて、金融面における活用ということも将来課題として念頭に置いていただきたい、これはひとつ要望を申し上げておいて、質問を終わりたいと思います。もし一言答弁いただけるようでしたら、将来方向についておっしゃっていただきたいと思います。
  108. 徳田博美

    ○徳田政府委員 そのような点につきましては、中小企業庁から何らかの要望がありましたら、これを検討してみたいと思います。
  109. 野田毅

    ○野田小委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後零時四十三分散会