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1978-02-08 第84回国会 衆議院 大蔵委員会 3号 公式Web版

  1. 昭和五十三年二月八日(水曜日)     午後七時八分開議  出席委員    委員長 大村 襄治君    理事 小泉純一郎君 理事 野田  毅君    理事 保岡 興治君 理事 綿貫 民輔君    理事 佐藤 観樹君 理事 坂口  力君    理事 永末 英一君       愛知 和男君    宇野 宗佑君       大石 千八君    後藤田正晴君       佐野 嘉吉君    坂本三十次君       津島 雄二君    林  大幹君       原田  憲君    堀内 光雄君       本名  武君    三原 朝雄君       村上 茂利君    森  美秀君       山崎武三郎君    山中 貞則君       伊藤  茂君    池端 清一君       川口 大助君    沢田  広君       貝沼 次郎君    宮地 正介君       高橋 高望君    荒木  宏君       永原  稔君  出席国務大臣         大 蔵 大 臣 村山 達雄君  出席政府委員         内閣法制局第三         部長      前田 正道君         経済企画庁調整         局審議官    澤野  潤君         大蔵政務次官  稲村 利幸君         大蔵省主計局次         長       山口 光秀君         大蔵省主税局長 大倉 眞隆君         大蔵省理財局長 田中  敬君         大蔵省理財局次         長       川崎 昭典君         大蔵省銀行局長 徳田 博美君  委員外の出席者         大蔵省銀行局保         険部長     貝塚敬次郎君         大蔵委員会調査         室長      葉林 勇樹君     ――――――――――――― 委員の異動 三月八日  辞任         補欠選任   池田 行彦君     津島 雄二君   小渕 恵三君     堀内 光雄君   小平  忠君     高橋 高望君 同日  辞任         補欠選任   津島 雄二君     池田 行彦君   堀内 光雄君     小渕 恵三君   高橋 高望君     小平  忠君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  決算調整資金に関する法律案内閣提出第一  号)  昭和五十二年度の水田総合利用奨励補助金につ  いての所得税及び法人税の臨時特例に関する法  律案起草の件  国の会計、税制及び金融に関する件      ――――◇―――――
  2. 大村襄治

    ○大村委員長 これより会議を開きます。  決算調整資金に関する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。宮地正介君。
  3. 宮地正介

    ○宮地委員 ただいま議題になっております決算調整資金に関する法律案、これは大変にわが国にとりまして、財政の健全なる運営という立場、また日本経済の運営という、まことに表裏一体の重要な関係にあるとともに、今日の経済のいわゆる悪化、また将来への経済の展望、こういう面から考えまして、私はこの法案は大変に重要な法案である、このように痛感をしているわけでございます。  そこで私はまず初めに、五十二年度の日本経済、この運営が国民の期待に沿って誤りなく行われてきたのかどうか、この点から論議をしてまいりませんと、いわゆる財政運営の健全化という立場に大変重要な決め手となっておりますこの法案に対しまして、私は大きな間違いを起こすのではないか、このように感じている次第でございます。  そこでまず経済企画庁に対しまして、果たしてこの五十二年度の経済成長率、当初は六・七%という実質経済成長を考えていたわけでございますが、いわゆる円高などのデフレ効果その他経済環境の変化という理由で、五・三%の下方修正をしたわけでございます。その点の最大のネック、またなぜこのように経済の見通しを変えなくてはならなかったのか、この点について最初にお伺いをしたいと思います。
  4. 澤野潤

    ○澤野政府委員 お答え申し上げます。  五十二年度の実質経済成長率につきましては、いま先生がおっしゃいましたように、当初の見通しである六・七%を五・三%に変更いたしました。これは実績見通しとして変更したわけでございます。この変更の理由は、もうすでに予算委員会等で申し上げたように三点ございます。  第一点といたしましては、五十一年度の実績、これは国民所得統計で出すわけでございますけれども、これが当初の見通しのときには出ておらなかったわけでございますが、その実績が五・八から五・七に下がったということが一つと、さらに五十二年四-六月の国民所得統計におきますいわゆるクイックエスティメーション、速報でございますけれども、それの確報におきましてこれがやはり当初の見通しよりは下方修正されたわけでございます。数字を申し上げれば、当初一・九という速報が出ておりましたのが、確報で一・七に下がった、これが第一点でございます。  それから、五十二年七-九月、これは速報でございますけれども、この速報が、当初五十二年度経済を見通しておった七-九月の見通しよりも、民間設備投資といったものを中心として非常に不振をきわめておりまして、内需の不振でございますが、したがいまして、これが〇・五という数字が出ましたので、これは年率に直しますと一・九か二%くらいのものでございまして、これでは実質成長率の年度間の見通しとしては低い感じを持ったわけでございます。  それから、第三点といたしましては、いま先生がおっしゃいました円高でございます。五十二年の秋、特に九月末以降でございますが、急激かつ大幅なる円高というものが心理的な影響を及ぼしまして、九月の三日に発表いたしました総合経済対策、この総合経済対策効果というものをかなり減少したということがいま一つの要因であろうかと思います。  この三点によりまして五・三%に修正をいたしたわけでございますけれども、この五・三について達成見込みはどうかという御質問だと思いますけれども、五・三につきましては、ちょうど十一月の新規住宅着工戸数が先般発表になりましたが、これではかなりいい数字と申しますか、かなり高い数字が出ております。それから、御承知のように公共事業が非常に進展いたしておりまして、これが着実な拡大を見せておる。さらに生産面では、夏以降一進一退を続けておりました鉱工業生産指数も、最近では在庫の調整がかなり力強く行われておりますので、生産活動にも結びつくと考えられる。こういったことを勘案いたしますと、五十二年度はかなりいいところへいっているんじゃないか。  さらに、先般御審議いただきました五十二年度の第二次補正予算、これが公共事業の追加等も含んでおりますので、今後の五十二年度の実績を押し上げる意味におきまして非常に効果があるのではなかろうか。すでに第一次補正予算効果が最近出ておりますことは御承知のとおりでございまして、それを合わせますと、五十三年度に対して持続的な景気回復を行うといった面で、五十二年度の五・三%というものは達成可能だとわれわれは考えているわけでございます。
  5. 宮地正介

    ○宮地委員 その辺の論議につきましては、予算委員会等で十分にされておりますので、特に焦点をしぼりまして簡単にお答えいただきたいのでございますが、そのような当初の経済見通しを下方修正しなくてはならない、この問題につきまして、一つはやはり経済運営の失政に対する責任、これをどの程度深刻に受けとめておられるか。すなわち、本日この法案を論議するに当たりまして、そのうらはらとしていわゆる租税収入の欠陥、租税見積もりにどうしても大きな見誤りが出てくる、こういう関係になるわけでございまして、その点のまた財政的な面における影響、その責任、こういうものについては経企庁としてはどのように受けとめておられるのか、この二点をお伺いしたいと思います。
  6. 澤野潤

    ○澤野政府委員 おっしゃいますように、確かに当初の見通しは六・七%でございましたのが、五・三%に下方修正されたということは、見通しが改定されたわけでございます。したがって、これに対してどういう責任があるかという問題かと思いますけれども、五・三%と申しましても、先進諸国の間では一番高い成長率、数字でございまして、やはりこれだけの成長をやってきておるんだという点と、また、六・七を五・三に改定せざるを得なかった非常に大きな理由は、これは当初予測のできなかった内外経済情勢の変化ということが非常に大きな影響を及ぼしておるわけでございまして、われわれとしては、例の総合経済対策で十分六・七%を達成できると思ったわけでございますけれども、そういった内外の経済情勢の変化という予測せざる事態によりまして、下方修正せざるを得なくなったということが実態でございまして、これはわれわれとしてはやむを得なかったことであろうかと考えているわけでございます。
  7. 宮地正介

    ○宮地委員 あと後者、要するに租税収入のそういう財政的欠陥にまで影響を与えているその責任。いまの問題も責任について一言言ってください。
  8. 澤野潤

    ○澤野政府委員 租税収入に影響を与えるものといたしましてはいろいろの点がございますけれども、経済見通しそのものの実質成長率が下がっているということは、確かに非常に大きな原因ではなかろうかと思っているわけでございまして、それはいま申しましたように、当初はあくまでも六・七%ということを達成いたすべく可能な限りの手段を講じたわけでございますけれども、予測せざる国際的な原因によりましてそうなったことにつきましては、まことにわれわれとしてもその数字が達成できないということに対して残念に思っておる次第でございます。
  9. 宮地正介

    ○宮地委員 残念に思ったとか、対外的な要因に押しつけるようで、謙虚な反省と責任がもっとあっていいのではないかと私は思うのです。どうもいまの答弁は、他に責任を転嫁するような逃げ腰な経済企画庁としての姿勢、態度で、そういう面に誠実さが余りないんじゃないか、私はこういう気がするわけであります。  私はそういう点を考えたときに、この法案がこうして現段階で国会に提出されてきたわけでございますが、大蔵省といたしまして、財政制度審議会が昨年十二月に建議をするという形で、本年一月に報告を受け、そして国会に提出してくる。普通ですと、大体大臣が諮問いたしまして、答申して云々、こういう経過をたどってくるわけでございますが、今回は、十二月に建議をし、一月に報告、そして国会、こういう経過の中で、何かもっともっと十分な審議と論議と検討の中で、やはりそれには相当の期間というものが私は必要だと思う。わずか二ヵ月ぐらいの短期間にわあっと何かどさくさに紛れて持ってきた、こういう感じがするわけでございますが、大蔵省としてはその点をどのように考え、また、なぜこういう土壇場でこういうような形の経過をたどらなくてはならなかったのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
  10. 山口光秀

    山口(光)政府委員 財政制度審議会での審議の状況でございますが、かねてから財政制度の諸問題については御議論いただいておりまして、たとえば五十一年の秋には小委員会もつくっていただき、決算制度の改善策についても御検討いただいておったわけでございますが、昨年の十二月、いろいろな観点から見まして、決算調整制度と申しますか、決算制度について一歩進める必要があるという御答申をいただいたわけでございます。
  11. 宮地正介

    ○宮地委員 どうも歯切れの悪い答弁であろうと私は思うのです。先ほどからお話ししていますように、これは財政運営の健全化という問題あるいは見方によっては御存じのように、財政法を本質から形骸化するかもしれないという懸念の非常にある法案であります。  御存じのように財政法というのは、昭和二十二年につくられたわけでございますが、当初は、いわゆる憲法九条平和憲法で、いわゆる財政面における軍事の拡張などといったそういうものが名目で赤字決算にして、放漫な財政運営になってはならない、そのために財政法第四条で、きらっと健全な財政運営をし、赤字決算をさせない、こういう基本のまことに重要な法律として財政法がつくられたわけであります。いろいろと経済の変化の中で、建設国債だ、あるいは特例公債だ、いろいろと財政民主主義については云々されてきておりますが、少なくともその原点は、財政民主主義を守るという立場からこの財政法がつくられたと私は思うのです。  今回の法案は、そういう意味合いにおきまして、財政法第四条との関係をどのように大蔵省は考えられておるのか、まず伺いたいと思います。
  12. 山口光秀

    山口(光)政府委員 財政法には、決算の上で不足を生じた場合にどうするかという規定がないわけでございます。それは現行財政法は、そういう事態にならないように財政運営をしたらどうかという物の考え方に立ってそうなっているんだと思います。実際問題といたしまして、ごく最近まではそういう運営が可能であったわけで、いわはそれは、高度成長に支えられたと申しますか、それが幸いしたと申しますか、結果的にそれでしのげてこられたわけでございますが、ここ数年来の経済の情勢あるいは財政状況を見ますと、それだけではとてもしのげないという状況になってきたわけでございまして、何らかの決算不足に対する制度的な対応を迫られている、先ほど申し上げましたように、財政制度審議会でも検討しておったわけでございます。  そこで、何らかの決算不足対策というものを講じます場合に、財政法が予定しておりますいろいろな諸原則がございます。財政民主主義というのもその一つかと思いますし、たとえば単年度主義の原則と申しますか、そういうものも一つの原則かと思います。そういう財政法が掲げております諸原則を乱さないやり方で制度が仕組めないかということを、財政制度審議会でも御検討いただいたわけでございます。  その結果、ただいま御提案申し上げ、御審議いただいております決算調整資金制度がいいんだということで御答申いただいたわけでありまして、われわれとしても、これが財政法のいわば補足的な制度ではございますけれども、財政法の諸原則をまげないで、財政法はそのままにして、その上に乗っけて運用できる制度であるということで、御提案申し上げている次第でございます。
  13. 宮地正介

    ○宮地委員 財政法の諸原則をまげないでと言っておりますが、現実にいわゆる赤字決算というものを認めないという大原則で第四条が運営されてきた。今度はこの新規立法によってそれができるようにしよう。昨日の当委員会においてのお話によれば、むしろ六条段階によってその補完的な制度というものをつくろうという意図がある。この辺が四条の精神を遵守していくと言いながら、片方では六条においてしりぬぐいを補完的にしていくというような観があるわけでございますし  それでは、実際問題健全な財政運営をしていくために今後どこに歯どめを置くのか、この点についてどういうふうにお考えなんですか。
  14. 山口光秀

    山口(光)政府委員 制度の仕組みについて、ちょっと補足してまず申し上げたいと思いますが、結局決算赤字を生じたという場合に、何らかの借金をいたしましてこれを補てんするようなやり方というのが、いまおっしゃいましたような四条の原則に真っ向からぶつかる解決の仕方ではないか。そうではなくて、この決算調整資金というのは、あらかじめ資金を造成しておいて、それは当然国会の御議決に基づいて造成しておくわけでございますけれども、その資金を緊急の事態の場合に取り崩して補てんするというかっこうでございますから、決算不足を補てんするやり方としては最も健全なやり方ではないか。  ただ、決算不足を生じないように努力すべきではないかという点は、まことにそのとおりだと思うわけでございまして、きのうもいろいろ御議論がありました際に大臣から申し上げておりますように、補正予算を組むいとまがあれは、当然そういうことで補正予算を提出して御審議をいただくということなんでございますけれども、そういういとまがない場合があり得る、そのときにはこういう制度でしか対応できないんだということを申し上げておる次第でございます。
  15. 宮地正介

    ○宮地委員 こういう制度しか対応できないということに私はひっかかりがある。たとえば一つの議論として、逆にこういう新規立法をつくらないで、財政法の一部の改正をするという方法もないだろうかという論議もあるわけです。そういう点についてはどういうふうにお考えですか。
  16. 山口光秀

    山口(光)政府委員 確かにおっしゃる考え方もあろうかと思うのですが、むしろ財政法の諸原則、これは先ほどおっしゃいましたように、健全財政を求めていかなければならないという基本的な態度に出たいろいろな原則があるわけでございます。それはやはりわれわれとしても守りたい。それで、その諸原則の範囲内で制度的な道具立てを考えるとどうなるかというと、私どもの考え方あるいは財政制度審議会での検討の結果というのは、こういう制度ではなかろうかということなんでございます。
  17. 宮地正介

    ○宮地委員 それでは、主税局長さんにお伺いしますが、昭和四十九年、このときの財政見積もりに対して、決算の処理をどのように行ったのか、どうか具体的にわかりやすく、財政見積もり額、そして決算の当初はどうなっている、それを種々政令改正などしてどういうふうにした、わかりやすく具体的に御説明いただきたい。
  18. 大倉眞隆

    ○大倉政府委員 計数的に申し上げますと、四十九年度は、税収では当初予算額で十三兆七千六百二十億という見込みを立てております。それに対しまして、補正で一兆六千億増額いたしまして、十五兆三千七百四十億という見積もりを立てましたところが、補正後に相当額の歳入欠陥が生ずるという事態になりまして、結局決算額は、制度改正をいたしませんと、補正後予算に対しまして七千七百十一億租税収入が減ってしまうという事態に遭遇したわけでございます。  そこで、まず税収の面におきまして、なお御質問があれば詳しく申しますが、年度所属区分を改正をいたしまして、いわゆる次年度取り込みということで四千三百三十億補てんをいたしました。しかしなお、補正後の税収見込みに対しましては三千三百八十一億の不足という状態でございました。それにつきましては、主計局からいまから申し上げるような手段を講じまして、何とかやっと決算をしたというのが当時の実情でございます。
  19. 山口光秀

    山口(光)政府委員 税収以外の面におきまして、税外収入で二千六百二十億の増収を確保した。それから、歳出予算の面で千七百七十六億円の不用額を立てることができました。合わせまして、財政効果としては四千三百九十六億円のプラスでございます。  税収面で年度所属区分の変更を行いました後におきまして、補正後予算額に対して三千三百八十一億円の減収があったわけでございますから、結局その差が剰余金になったということになろうかと存じます。
  20. 宮地正介

    ○宮地委員 もう少しわかりやすく国会答弁してもらいたいのですよ。  要するに、簡単に言いますと、当初の税収見積もりが十三兆七千六百二十億円、補正後の予算で十五兆三千七百四十億円になった。そして決算においては推測で七千七百十一億円の赤になった。この赤を処理するのに、一つはいわゆる政令を改正して、いままでの法定期限を納税義務成立というやり方によって四千三百三十億を持ってきた。それでも足りないので、日銀の納付金を運用したのでしょう。そういうやり方で四十九年をやった実例があるじゃないですか。その点について、今回のこの新規立法の提案との基本的考え方、過去のこの実例をどういうふうにとらえ、今回の提出になったのか、もう少しわかりやすく、何か聞いていても――私はわかりますけれども、言っていることは間違いないのですけれども、国民からするとどうもわかりにくい、そんな感じの答弁になるわけです。もう少しわかりやすく、具体的に考え方、現実はこうだ、そういう反省の中から、ぜひこうしてほしいのだ、こういう前向きの御答弁をいただきたいと思います。
  21. 山口光秀

    山口(光)政府委員 確かに税外収入の増徴も日銀の納付金その他図りましたし、それから、不用額も極力出せるものは出せるようにするという努力を払ったわけでございます。しかし税収面で、おっしゃいましたように七千七百億の減収があった。そこで、年度所属区分の変更ということを政令で当時できたわけでございますが、それを講じましてやっとしのいだというのが、その四十九年のときの現状でございます。それは大変な苦労をしたわけでございますが、いまやそういう年度所属区分の変更という道もすでにないわけでございます。今度こういう事態が起きました場合、どうしていいのかというのに対しまして見通しがつかないわけでございます。こういういま御提案申し上げておりますような制度を仕組んでおかなければ。これは緊急の必要がある制度ではないかというわれわれ思いでございます。
  22. 宮地正介

    ○宮地委員 そういうように初めから、過去にこういう大変な状況で赤字決算をするような事態になったのだ、日銀からも運用したり、いろいろ政令変更して努力したのだ、今回もうそういう手口がありません、だから何とかこういうことでいろいろ議論して、財政法の一部改正を検討したかどうかわかりませんが、一部改正をするという議論やあるいはこういう新規立法の議論やいろいろやって、そうして今回お願いをするのですという謙虚な姿勢をしてわかりやすくしてもらえば、私たちもこの問題についていろいろ検討をしていかなければならないというものが出てくるわけですよ。  そこで、いわゆる国債整理基金特別会計との関係、この第一条第二項に「国債整理基金ハ国債ノ償還発行ニ関スル費途ニ使用スルモノトス」こうあるわけですが、費途というのは大変古い用語だそうでございます。利払いと償還などと言われているわけでございますが、この問題についての明快なる御答弁、もう一つは、この基金特別会計法の第四条との関係について、今回の法案が国債整理基金特別会計との関係で、繰り入れとかそういう関係で運用されるわけでございますが、法的にこの特別会計法に抵触をしているのではないかという心配があるわけでございます。この点についてはどのように御検討されたのか、伺いたいと思います。
  23. 山口光秀

    山口(光)政府委員 まず国債整理基金特別会計法、条との関係でございますが、ただいまお話のございましたように「国債整理基金ハ国債ノ償還発行ニ関スル費途ニ使用スルモノトス」ということでございます。「国債ノ償還発行ニ関スル費途」と申しますと、いまお話のございましたように、元本の償還費利払い、それだけじゃございませんで、発行いたします場合の手数料でございますとか、それに伴います事務費とかというものを含んでいるかと思います。そういうものに使ってしまうことはこの第一条で可能なわけでございます。費消すると申しますか、使い切ってしまうということをこの第一条は認めているわけでございます。  それで、今度の御提案申し上げております制度で国債整理基金から一時繰り入れをお願いするという事態は、使い切ってしまうんじゃない、一年足らずの間にお返しするということでございまして、どちらかと申しますと、後段の方の御質問、つまり第四条でございますけれども、これは国債整理基金は国債をもって保有し、または資金運用部に預託して運用することができるという規定がございますけれども、運用の一形態、大ざっぱに申しますと、そちらの方の話でございます。でございますから、第一条には違反しないということが言えるかと思います。  それから第四条に関しましては、第四条の特則だと言えるんじゃないかと思います。
  24. 宮地正介

    ○宮地委員 特則というまことに頭のいいというかずるいというか、大変巧妙な新語を出していただいたわけでございますが、要するに私が言いたいことは、財政運営の健全化ということで、財政法の一部改正をするという議論や、あるいは新規立法をつくるという議論や、あるいはこの国債整理基金特別会計法の一部改正をして金利のない金を、ここでいう費途の問題、これを改正するかによっていわゆる繰り入れをするとか運用をするとか、いろいろ方法論というものが議論された――なぜこの新規立法にこだわって提案をしなければならないか、そこのところをもう少し明快に御答弁いただきたい。
  25. 山口光秀

    山口(光)政府委員 問題は、多分に財政制度としては技術的な側面を持っている話であると思います。先ほど来申し上げておりますように、財政法の諸原則をゆがめない範囲で決算調整に対する制度を仕組みますとどういうのが適当であるか、これはいろいろ決算対策としての制度は考えられるわけでございます。たとえて申しますと、地方団体でやっておりますような翌年度の歳出歳入を繰り上げ充用するというようなやり方もございます。それから、たとえば年度越しの借入金、あるいは大蔵省証券の発行権限の繰り越しのやり方、その他いろいろあろうかと思いますが、そういう考えられる諸制度を比較いたしまして、やはりこれが先ほど申し上げましたように、つまり財政法の諸原則をゆがめないやり方で考えた場合どうかということに一番適合しているというのが、私どももそう思いますし、それから、財政制度審議会でのやや専門的な方々の御意見もそうでございました。そういうことでこれを御提案申し上げているということでございます。
  26. 宮地正介

    ○宮地委員 では、なぜこれは恒久法にしたのか、いわゆる時限立法だってある意味ではいいんではないか。この間の財政収支試算によって、たとえば五十七年に赤字公債をゼロにするというなら、せめてその程度の期限で切るとか、なぜ恒久法にしたのか。それ自体がいわゆる財政の、皆さんのよくやる手ですが、法律を裏から見れば、これは放漫あるいは緩慢にする要因になる、そういう危険性があることは否めないと思うのです。その点についてどういうふうにお考えですか。
  27. 山口光秀

    山口(光)政府委員 決算制度といたしましては、もう一つ、お金が余りました場合にどうするかという制度があるわけでございます。これは剰余金の制度でございます。それはもともと財政法に規定がございまして、四十一条でございますとかあるいは六条でございますとか、そういうところで規定しておったわけでございますが、今度考えました制度、それが前提といたしております事態というのは、ちょうどその剰余金の裏側の制度と申しますか、マイナスの剰余金が出た場合、つまり赤字でございますけれども、マイナスの剰余金が出た場合の措置を考えておるわけでございまして、剰余金の制度というのが恒久的に講じておかなければならない制度でありますのと同様に、やはり同じようなマイナスの剰余金に対する措置につきましても、恒久的に講じておかなければならぬということでなかろうかと思います。
  28. 宮地正介

    ○宮地委員 大蔵大臣、いままでこういろいろ論議をしてまいりまして、やはりこれは大臣財政の放漫化防止あるいは財政運営の健全化のために、この法案に対しても何らかの大臣としての歯どめ的見解を伺いたいと思うのです。それをやっておきませんと、これは将来に問題を残すと私は思うのです。そういう点について大臣の御見解をいただきたいと思います。
  29. 村山達雄

    ○村山国務大臣 これは赤字国債の問題とは直接は関係ございませんで、決算に赤字が出たときにどうするかという問題並びにその歯どめの問題であるわけでございます。  従来こういうことがなかったということは、先ほど来申しましたように、従来は高度成長でございまして、どちらかというと、思ったよりもよけい弾性値がかかりまして税収が出たということでございます。しかし、ここ数年来減速経済になりまして足りないことがたくさんございまして、先ほど宮地さん御指摘のように、四十九年にはやりくりをして、さんざん苦しんだわけでございます。そこで今度は、その危険はまさに今年度においてもあるわけでございます。問題は、補正予算を組む段階で赤字が出るというようなことがわかれば、それは何とかやるわけでございますけれども、実際問題として補正予算はついこの間第二次を出したわけでございます。問題は、年度終了直前あるいは年度終了後、結果的に予見せざる事情によって赤字が出るということは事実問題としてあり得るわけでございまして、その場合に恒久的に備えようというのが今度の制度でございます。  そこで歯どめは何かという問題でございますが、第一、国会の御承認を得て二千億を入れていただく、これが一つの歯どめでございます。多いか悪いかは別にいたしまして、国会の御審議をいただくわけでございます。それからその次に、第二線といたしまして、附則に書いてありますように、足りないときには――まあ本文の方に、剰余金が出ますと今度は、その剰余金を国債整理基金に繰り入れざるを得ない、その金額以外は入れられると、こういうのがありますけれども、剰余金が出ない場合を想定いたしますと、第二線準備として国債整理基金から借り入れることができる、ただしその翌年度には必ず返しなさい、こういう規定を設けております。そして、その借り入れた場合に、そのことは後で国会承認を受けなさい、こういうことが全部出ているわけでございまして、法律でもってただできるというだけでなくて、そのことはやはり財政民主化あるいは歯どめという見地から国会承認を求めなさいということで、政府限りでむやみやたらなことができないように全部国会議決を経るようにいたしておるのでございます。  直接のお答えとしては大体そういうことなんでございますけれども、若干余分にわたるかもしれませんが、御案内のように、剰余金が出ました場合には二分の一を下らない範囲でそれは国債整理基金に入れなさいというのがあるのですが、今度のは法案で入れたわけでございますが、場合によったら、それは本来今度できたような決算調整資金にもやはり入れるのが本当ではないだろうか、これが実はわれわれの基本的な考え方であるわけでございます。黒字が出た場合にはこういたしますというなら、赤字が出た場合にもそのときに備えて剰余金を入れるという道が本当であろうと思います。したがって、それは出ておるわけでございますが、現実の問題として、ことし剰余金が出るなどとはとても考えられないわけでございますので、元金をつくらせていただきたい、こういうことでやっておるわけでございます。大体そういうことでございます。
  30. 宮地正介

    ○宮地委員 いわゆる元金を入れるところは国会なんですよ。入っちゃったら、後の管理から運営は今度は大蔵省が現実にやるわけです。結果に対する国会云々というのはありますけれども、その一番の大事な運営管理のそういう面においては、いうなら今度はチェックが遠くなるわけです。細部にわたる細則は大蔵省の方でいろいろとこれから詰めていくと思います。そういう点を考えたときに、今回のこの法案の、健全なる財政運営の立場から考えた場合に、決して大蔵省に不信を持っているわけじゃございませんけれども、その点についてやはり当委員会において厳重に大臣から責任ある御答弁をいただきたい、このように感じるわけでございます。
  31. 村山達雄

    ○村山国務大臣 お認めをいただきたいというこの決算調整資金は、最終的には赤字補てん以外には使えない、こういうことでございます。ですから、その意味で完全に歯どめがかかっているわけでございます。
  32. 宮地正介

    ○宮地委員 そこで、時間もありませんので、主税局長にお伺いしたいのですが、当面する五十二年度の一-三月、この見積もりは、第二次補正後で約十七兆千三百四十億、こういうふうになっておるわけでございますが、今後その差が約五兆二千二十一億、こういう数字を私たちは資料でいただいておるわけでございますが、これは全く傾向がわからないものなのかどうか。昨日いただいた資料によれば、十二月末では前年度比一〇六・六ということで、非常にいい傾向に出ておるわけです。問題は、この一-三月でどういう傾向になっていくか、これは非常に重要な問題であろうと思うのですが、内部的にはいろいろ御検討されていると聞いておりますが、その傾向について、見通しと言うと御答弁できないでしょうから、その辺について御説明をいただきたいと思います。
  33. 大倉眞隆

    ○大倉政府委員 ただいまの御指摘にございましたように、十二月末で税収として実現しておりますのが十一兆九千億でございます。第二次補正で先日通過していただきました補正後におきます見積もり額が十七兆一千三百億でございますから、あと五兆二千億、一月から四月までで収入ができれば、ちょうど補正後に合うわけでございます。  現状といたしましては私どもは、補正で減額いたしました八千六十億、つまり減額後の十七兆一千三百億というのに、そう大きな誤差なしにほぼ入ってくれるのではなかろうかという期待をいたしておりますけれども、しかしまだ何分四カ月もございますから、かなりの誤差があり得るということは申し上げざるを得ない。誤差があり得る最も大きなかたまりは、法人税収の四カ月分と、それから三月の申告所得税の分でございます。誤差は、少なくとも理論的には、私どもできるだけ正確にやるべき務めを負わされておりますから、理論的にはプラスのこともあり、つまり五十二年度はまだ八千六十じゃなくて、八千でとまったとか七千九百でとまったとかということはあり得る。しかし可能性としては、八千六十よりも大きいという危険の方が大きいのではなかろうか、ここは申しわけございませんが、一種の勘でございます。ちょっと見積もるべき科学的なデータは全くないわけでございます。  特に法人税収は、これから入ってまいりますのは、中小法人のウエートが非常に大きいわけでございまして、大企業につきましては、ある程度個別の聞き取りというものができますけれども、中小法人の場合には、そういう予測的なものがなくて、マクロの予測にしか乗りようがないものでございますから、まことに申しわけございませんが、達観して申しますと、五%くらいの誤差は考えておかないといけない。残り五兆円でございますから、二千五百億上下へのぶれというのは、万一の場合を考えますとどうしても予測しておかざるを得ない。しかし、補正予算を組みましたときには、まだ十月までしかわかっておりませんでした。それ以後十一月、十二月わかってまいりましたが、この二カ月がわかってまいりました以後の状況では、八千六十という第二次補正の減額分をさらに修正しなくてはならない要素はないように思っております。
  34. 宮地正介

    ○宮地委員 大倉主税局長は勘が鋭いから当たると思うのですが、問題は、五十三年度のいわゆる国税収納金、この改正によって二兆円というのを五十三年度に回してやるというのを見込んでおるわけですね。まずこの二兆円と積算した根拠、これを御説明いただきたい。  一年後の積算の根拠は一応明確にしてつくられた、この一-四月については何らかの傾向、これはやはりつかんでおられると思うのです。勘というよりもう少し科学的に大蔵委員会において、ベテランの主税局長らしい御答弁をいただきたい、こう思います。
  35. 大倉眞隆

    ○大倉政府委員 まず最初の、五十四年の五月分で五十四年三月までに納税義務が発生するものに相当する分としまして、二兆百四十億円という見積もりを五十三年度予算の中に含ましてございます。それが二兆百四十億以上であるかどうかという積算の仕方は、実は月別の収入見積もりというのは私どもは通常はいたしておりませんので、一カ月分だけをどうやって計算するか非常に苦慮いたしましたが、積算をいたしましたのは、実績がわかっておりますのは、五十二年の五月というのは実績が出ておるわけでございます。その五月の中で、それが五十二年三月までに納税義務が発生した分かそれ以後の分かというものは実績としてはない。そこをまず推計をいたしまして、推計をしたものを土台にいたしまして、各税目別に五十一年度の実績の総税収に対する五十二年度の補正後の見積もりの伸び率を掛ける、さらに五十二年度の第二次補正後の見積もりに対する五十三年度の伸び率を掛ける、二重の係数を掛けて推計をいたしておりますので、正直に申し上げまして、五十四年五月分としていま推計に入れております二兆円には、かなりの誤差があり得る数字でございます。かなりの誤差があり得ると申し上げざるを得ません、まだあと十数ヵ月先でございますから。それは率直にそう申し上げるよりしようがありません。  さて、それではことしはもうすぐなんだから、あと一月から四月までのももう少し正確にできるはずではないかというお尋ねでございますが、私どもが持っております限りのデータでできる限り正確に見たつもりのものが、その二次補正でお願いした八千六十億でございまして、それが時計の針のようにぴたっといくかと申しますと、それはやはりかなりの誤差を考えざるを得ない。その誤差がプラスの方であろうかマイナスの方であろうかという点に関しまして、申しわけございませんが、勘という言葉を使わせていただいたわけでございます。マイナス誤差の方ではなかろうかというふうに考えております。
  36. 宮地正介

    ○宮地委員 長嶋の動物勘じゃないですが、余り勘、勘と言いますと、勘がはやり出すと大変なことになりますので、余り軽率に私たちは勘というものは容認できないと思うのです。  そこで問題は、税収見積もりという問題のいわゆる責任の問題ですね。これは非常に予測しがたいいろいろと経済的な変動というものが起きます。しかし大蔵省は、言うならこれで国民の負託にこたえるというわけでございますから、全く責任がないということも私は言えないと思う。私はむしろこういう点について、税収見積もりという問題についてもやはり国民に大きな責任があると思う。その点は大蔵大臣、どういうふうにお考えになっておるか。
  37. 村山達雄

    ○村山国務大臣 前にこういうことをやったことがございます。大体経済企画庁経済見通しを立てますと、それとの整合性を持たねばならぬことは当然でございます。ただ、経済企画庁のその見込みというのはそのまま生で使えないわけでございます。したがって、ちょうどこの前収支試算で示しましたように、向こうの経済企画庁の暫定試算というものから翻訳して、そして収支試算を示したような応用筆法で、それを税収ベースで大体置き直すわけでございます。しかし、そこにはいわば所得率というような問題がございます。一体利益率はどうなるのか、これはなかなか出てまいりません。生産、物価というようなものは出ますけれども、利益率というようなものは直接には出てまいりませんで、この辺は大体大蔵省の方で見ているわけでございます。また、給与がどれくらい伸びるであろうかというような問題も、大体向こうの方の個人消費支出の伸びとかそういったものから翻訳して、ある程度のものはできるわけでございますけれども、それもやはり税収ベースに直さざるを得ないことは当然でございます。それぞれ過去の収入に対していつ納めろ、こういうことになるわけでございますから、全部税収ベースに置き直していくわけでございます。  したがって、もし経済見通しが変わってまいりますと、それによって直さざるを得ない部分も当然あるわけでございます。それからまた、主税局で独自で見ておるところもございます。かつて過去の実績をずっと見まして、誤差率はどっちが多いかというようなことをやってみたこともございますけれども、これはやってみても責任のなすり合いみたいなもので、大したことはございません。しかし言いますならば、両方の指標を使っておる、正直に申してそうだと思うのでございます。その意味で、もちろん大蔵省にも責任があることは当然のことでございます。
  38. 宮地正介

    ○宮地委員 当然のことであるということでございますが、私は時間が参りましたので終わりますけれども、今日の経済の情勢を見てまいりましたときに、財政運営の健全化また財政民主主義というこの基本の考え方、こういうものはますます厳格にしていくことが、経済の運営に対する国民の負託にこたえる道であろうと私は思うのです。いまいろいろとちまたでは、貯蓄性向が高まり、投資マインドがなかなか温まらない、消費インドが温まらない、不況が克服できない。来年度の経済成長率七%もすでに諸外国からも無理じゃないか、あるいは自民党の政調会長でもそういう発言をしておる。内外にわたってそういう危険な発言があるわけです。  国民はいま経済の不安に対して萎縮をしているわけです。そういう中で大蔵当局の健全財政の運営、これは私は重要な問題であろうと思います。はからずもいま経済企画庁経済見通し、また大蔵省税収見積もり、これは同じ責任であり表裏一体のものである、整合性のかなったものである、こういう大臣のお話があったわけでございますが、ぜひその線に沿って、国民の期待に沿った、また、将来万が一にも財政の放漫化あるいは財政の運営においての緩慢さ、こういうことがこの法案ができたからといって国民から批判を受けないように、厳重に厳格に、ぜひその点について留意していただきたい。このことを強く要望いたしまして、終わりにいたします。
  39. 大村襄治

    ○大村委員長 永末英一君。
  40. 永末英一

    ○永末委員 決算調整資金法案がこの一月の補正予算と同時に出されたわけでございますが、この一月にこういう財政制度の変更を内容とする法案を出された理由を第一に伺いたい。
  41. 山口光秀

    山口(光)政府委員 決算調整資金に関する制度につきましては、先ほども申し上げたわけでございますが、かねてより財政制度審議会、それから私ども事務段階でいろいろ検討していたわけでございますが、最近の財政経済の状況からいたしますと、五十二年度の決算においてもこういう制度の必要性があるのじゃないか。今度の第二次補正予算におきましては、税収を八千億ほど減らしておるわけでございますが、さらに年度末間際あるいは年度経過後に歳入不足が明らかになる事態も全くないわけではない。もしそういうことになりました場合に、どうにもならないということではこれまた申しわけないところでございますので、五十二年度からでもこういう制度をつくらせていただく必要があるのではないか。財政制度審議会におきましてもそういう結論でございまして、今回第二次補正予算におきまして、資金発足に当たっての元金といたしまして二千億を計上させていただき、この法案を補正予算の関連法案として提出させていただいたわけでございます。
  42. 永末英一

    ○永末委員 きょうある研究団体がアンケートを持ってきまして、その中で、政府審議会というのはどういう役割りをしておるか、公正妥当なる研究をしておるかどうか、いろいろ聞いているわけですね。私は、これは政府の、行政府の隠れみのやと言っておきましたがね。  いま財政制度審議会にもかねてより審議をお願いしておってと言うのですけれども、そもそも五十二年度予算を組まれた当初こういう制度が必要だと思っておられたのかどうか、第一次補正予算のときにそういう制度が必要だと思っておられたのかどうか、第二次を組まなければならぬときにこれが必要だと思われてやられたのかどうか。いつごろからそんな気がしたのですか。
  43. 山口光秀

    山口(光)政府委員 何らか決算赤字対策制度が必要であろうということは、もうかねてよりそう思っていたわけでございまして、それに対しましていい制度ができるかどうかというところに結局かかっていたわけでございます。いま御提案申し上げておりますような制度に議論は集約されてまいりましたので、これは財政法の諸原則にもかなった、恒久制度として御提案申し上げて恥ずかしくない制度である、こういう自信を得ましたので、御提案いたした次第でございます。
  44. 永末英一

    ○永末委員 いまもかねてよりというお言葉がございまして、先ほどもかねてより。かねてよりというのはいつごろからですか。
  45. 山口光秀

    山口(光)政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたが、四十九年度決算で私ども大変苦労したわけでございます。当時におきましては、政令をもちまして税収の年度所属区分を改定するという、いわば苦肉の策で切り抜けたわけでございます。それを契機にいたしまして、今後はそういう道もないから何か考えておかなければいかぬなということで、五十年ごろから財政制度審議会でいろいろ御議論を賜っておりました。
  46. 永末英一

    ○永末委員 この法案の提案理由の中で、予見しがたい税収の落ち込みがあると思われるからというような御見解のようでございますが、これから予見しがたい税収の落ち込みがあると予見しておるわけですか。
  47. 大倉眞隆

    ○大倉政府委員 先ほどのお答えと重複しまして恐縮でございますが、補正予算をお願いします段階でなおかっそのときにまだ期間が残っておる、これは補正で見積もりを改定しましたとおりに入ってきてくれない危険があるという状態、それが予見しがたいという状態であろうかと思います。その意味で、先ほども触れましたように、いままでわかっております実績からこの先、というのはやはり四カ月分ということでございまして、総量でそのまま入ってくれればというのが五兆二千億でございますが、五兆二千億にまだかなり流動的な要因があると申し上げざるを得ない。その大きなものは何であろうかと申し上げますと、やはりこれから四カ月分の法人税収、それから三月にかなりの大きさで入ってまいります土台の大きい申告所得、その二つでかなりの誤差を持ち得ると申し上げざるを得ないと思います。
  48. 永末英一

    ○永末委員 大蔵大臣予算というのはどういうものですかね。つまり、収入を予見し、そしてその予見に見合った、収入に見合う歳出を考えるわけですね。いまのお話は、予見しがたいものがあるということを前提にした歳入見積もりです。そういう場合に大蔵大臣としては、予見しがたい一つの危険の範囲、誤差範囲というものは、要するに一番望ましからざる条件において予算を組むというのが本当なんでしょうね。あなたの予算編成方針はどうですか。
  49. 村山達雄

    ○村山国務大臣 もちろんそれが理想であると思うのでございます。しかし、歳出の方にちょうど予備費がございまして、歳入がそのとおりいったとしても予見しがたい歳出の増があった場合には使わせてくれ、後で国会の承諾を得るわけでございます。同様にいたしまして、歳出はそのとおり出たとして、やはり歳入にも予見しがたい場合がどうしても理論としてはあるわけでございまして、もちろん途中で補正の機会がございますれば、そのとき歳入を削るなりあるいは歳出を削るなりあるいは歳入も補正するなりということは当然でございますが、実際問題として補正予算を組むいとまがない、こういう場合は当然あり得るわけでございますので、そういうものとして今度は恒久的な制度としてお願い申し上げたい、こういうことでございます。
  50. 永末英一

    ○永末委員 予備費の場合には、要するに項目に分かれた歳出以外に何か不時の入用があるかもしれないという意味で、いわば白紙委任状を政府に与えた形でその支出を国民が認めるわけですね。しかし問題は、たとえ一応予算の審議を経た支出項目といえども収入と見合っていくわけでございますから、その収入についてきわめて危険度が多いという場合には、あらかじめその支出を抑えていくというのが、われわれがいま持っておるこの財政法の単年度主義のたてまえであるししたがって、たとえその本予算ができましても、収入の傾向を見つつ補正予算が組まれるのは当然であって、何も一月じゃなくて二月にやったって構わないんですからね。その場合になおアローアンスを置いておるというのは、国民の立場から見れば、一たん支出項目を立てれば使っちゃえはいいんだというような立場で使われておるというのでは、やはり入るのを見て使ってもらわなければならぬという国民側からする予算の一番の原則に対するきわめて甘い範囲を政府に与えることになる、こういう感じがするわけですね。だから、あなた方の行政執行に対して、何といいますか、いわばそんなことが多いのなら予備費を増額したらいいだけのことであって、それは決算上何ぼでも操作できるでしょう。そうじゃございませんか。そういう甘い範囲をあなた方にこういう制度として与えるということについて、そういう意見をあなたはどう思いますか。
  51. 村山達雄

    ○村山国務大臣 予備費は御承知のように言うまでもなく、歳出権限であるわけでございます。したがって、予備費を使うというわけには、こちらの方に回すというわけにはいきかねるわけでございまして、こちらはあくまでも歳入の問題であるわけでございます。したがって、予備費を含めまして実際の歳出が決まってまいりますが、それに税収が不足するかどうかということが年度末あるいは年度経過後に初めてわかるという場合が多くあるわけでございます。その場合にどうするかという問題が、この決算調整資金を設けるかどうかというところのかなめの問題になるわけでございます。  そして実際問題として、きのうもお話があったのでございますが、そんならおまえ、足りないと思ったら年度末直前に補正予算を出したらどうか、こういう御意見もあったのですが、理論はそうでございましょうけれども、実際は国会の情勢はもう御案内のとおりでございまして、本予算が年度内に上がるかどうかというさなかにこれを出しましても、それはなかなか通るわけにはいかぬであろうということも多く想像されるわけでございますので、そして国会の十分なる監視のもとにこれは全部できておるわけでございますので、ぜひひとつこれを恒久的制度としてお認め願いたい、こういう趣旨で御提案申し上げているわけでございます。
  52. 永末英一

    ○永末委員 なるほど年度が終わってから最初の見積もりどおり税収が上がらないとこれは大変ですね。そこで、そのことについては大蔵当局、特に主税当局はきわめて精力を集中してお見通しを立てられるのですが、先ほどお話を聞いておりますと、勘だという話ですね。勘ですか。
  53. 大倉眞隆

    ○大倉政府委員 先ほど繰り返し申し上げましたように、八千六十億の減になるという見積もりが、勘だけでやったという意味で申し上げたのではなくて、何とか八千六十億であることを期待いたしておりますし、それだけの責任を持たされておるわけでございますから、できる限り努力をいたしておりますが、しかし、それがぴたりと八千六十億であるという可能性というものは、実はちょっと期待がし過ぎでありまして、それがどちらに狂うであろうかということを勘と申し上げたのであります。誤差率があるということをまず申し上げた。それがプラスの方であろうかマイナスの方であろうかと申し上げると、これはふたをあけるまでわからないわけでございまして、あえて申し上げますと、ぎりぎりの補正のチャンスというものが、昨日も御質問ございました、三月十日ごろであろうかというふうに質問者の側からおっしゃいましたけれども、その段階では申告所得税というものは全くわからない、年度末になりましても利どもにはわからない、四月にならないとわからない。そこのところは幾らデータを用いまして推計をいたしておりましても、やはり譲渡所得でございますとか、その他所得でございますとか、これは申告していただかないと、こちらが割り当て課税しているわけじゃございませんから、そこはひとつ御理解いただきたいと思います。
  54. 永末英一

    ○永末委員 納税者の方は、これは勘でやっておるわけじゃなくて、あなたの方が大体これぐらい収入があるだろうと言いますと、下へ下へ流れてくると、割り当て課税はされぬと言いますけれども、そんなことをやっておられるとは思いません、思いませんけれども、申告がそのまま認められなくて更正決定を打たれて、最後には団交ではございませんが、この費目、この費目とつるつると並べられて、いろいろ折衝の結果税収が決まっているのが現状なんですね。  そうするとあなたの方は、プラス、マイナスと言うけれども、私は先ほど予算の編成の基本点について大蔵大臣に伺ったのですが、予算を組むというのは、たとえプラスの方には誤差が出てもマイナスの方には誤差が出ない、こういう最低のところの税収見積もりを立てて、そして支出項目に対する配分をやる、これが予算じゃないかと思います。やはりマイナスも見なければいかぬのですか、大蔵大臣
  55. 大倉眞隆

    ○大倉政府委員 大臣からお答えいただきます前に。  割り当て課税というのはもちろんいたしておりませんし、仮に何かの理由で申告水準が低くて、それを正確に直さなくてはならない、それは国税庁の当然の職務でございますが、それは時間がかかる話でございまして、その分は当該年度の税収にはなりません、翌年度の方にいってまいりますということも御了解いただきたい。それだけ技術的な問題としてまず申し上げておきます。
  56. 村山達雄

    ○村山国務大臣 予算を組むときに、歳出、歳入をとういうふうに整合性を持って――歳出の方は決めますが、そのときにどの程度の整合性を歳入の方で持つか、こういうお話であろうと思いますが、答えから申しますれば、ぴったり合うようにやるのでございますが、どうしても歳入を見積もるときには少しはかた目に見る、少なくとも私が主税局長のときには少しはかた目に見ておったような感じがいたします。これは歳入当局としては、どうしてもそうなるし、その心理は働くと思います。  しかし、何しろ経済はこういうような状況でございますので、どんなにかた目に見ても、それにはおのずから限度があるわけでございます。ですから、どうしてもそこのぶれというものは当然出てくるのじゃないか。その都度、補正予算のたびに同じようなことで見積っておるわけでございますけれども、何しろ納税者の数を申しましても大変な数でございまして、個人が二千何百万人というわけでございますし、法人が百万、それもこのごろは欠損法人がずいぶん多くなっているわけでございます。それを、経済企画庁指数あるいはこちらの所得率、あるいはいろいろなそれまでの実績等々を勘案いたしまして将来を見込むわけでございますので、ある程度の誤差はどうしても出てくる。いままででございますと、高度成長時代でございますから、どうしてもその誤差は上の方に出てくるのでございますが、減速経済になってまいりますと、特に、いま減速経済といっても安定してはいないわけでございまして、非常に世界が変動しているときでございますので、どちらかといえば下目に出る傾向が、税率構造からいってもどうしてもそういうふうになるであろうと思うのでございます。これは私見でございますけれども、そのような感じがいたします。
  57. 永末英一

    ○永末委員 先ほど大蔵大臣は、主税当局で歳入見積もりをやっている、経済企画庁も大体経済計算をやるわけですから、わが国の政府収入というのはある意味で見積もられるだろうと思う、その両方突き合わしてみてもどっちがどうということはわからぬ、こういうことでございましたが、主税当局の方は最後の判断は勘に似てくるわけですな。経済企画庁も勘でやっているのですか。
  58. 澤野潤

    ○澤野政府委員 決して勘でございませんで、マクロ的に把握いたしております。これは「五十三年度の経済見通しと経済運営の基本態度」の最後に国民所得の表が書いてございますけれども、この表でごらんいただきますように、雇用所得とか個人業主所得とか法人所得とかいったものを計算いたしておりまして、それが国民総支出の計算と結びついておるわけでございます。したがいまして、先ほど大蔵大臣がお答えになりましたように、経済企画庁大蔵省というものが経済見通し及び予算につきましてはお互いに整合性を保ちながらその見通しを立てております。その限度におきまして、企画庁としても、見通しを立てるしにおきましてそれぞれ責任を負っているわけであります。
  59. 永末英一

    ○永末委員 五十二年度は見通しを何遍変えましたか。
  60. 澤野潤

    ○澤野政府委員 当初見通しは一昨年十二月につくりまして、それを、先般の総合経済対策をつくりましたときに改定見通しとして十月の三日に提出いたしております。それから、先般一月二十四日の閣議決定として提出いたしました実績見通し、三回でございます。
  61. 永末英一

    ○永末委員 その三回が全部狂っていますね。その狂っているのは、どこで狂ったかわかっていますか。
  62. 澤野潤

    ○澤野政府委員 最初の実質成長率で申しますと六・七%、二回目は改定見通しの六・七%でございます。三回目は五・三%でございまして、その六・七%から五・三%に下方修正いたしました理由は、先ほど宮地先生の御質問にお答えしたとおりでございます。  三点ございまして、五十一年度の実績と、五十二年四月から六月までの実績が下方修正されたということと、五十二年の七-九月が民間設備投資等の盛り上がりが乏しいということで、内需が弱いということで下方修正されております。それと昨秋以来の円高問題、この三つの点を理由として申し上げたわけでございます。
  63. 永末英一

    ○永末委員 その内需が弱いとか円高というものが前にやったときは予測されなかったわけですね。  あなたのところはコンピューターを使っておるかどうか知りませんけれども、要するにコンピューターを使うにいたしましても、それに対してインプットするデータというものの判断は人間がやっておるわけであります。そういう意味で、その人間の判断は何でやっておるかというと、大蔵さんの言葉をかりるとそれは勘でしような。だから間違うのじゃないですか。それで、一遍出したらこれでいくのだということだけれども、間違ってもしれっとしておるというのはその辺に原因があるのではないか。経済見通しが一年間に三回も変わるということは大変なことですね。ある誤差の範囲内でおさまるならよろしいよ、主税局長は誤差だと言っておるからね。決算調整資金法というのは誤差調整資金法かもしれませんが、あなたのところは誤差ですか、見込み違いですか。
  64. 澤野潤

    ○澤野政府委員 やはり内外の客観情勢を判断いたします見込み違いでございまして、ただし、経済見通しに関しましては、何・一%とか〇・五%というようなものの誤差が生じてくるということは、先進各国の経済見通しをごらんいただきますれば、当然それくらいの修正ばやっておるわけでございまして、決して日本だけではございませんで、むしろそういう意味におきましては、日本修正というのは一・四%の下方修正でございまして、非常に少ないわけでございます。
  65. 永末英一

    ○永末委員 〇・一四%ぐらいなら少ないけれども、一・四というのは大きいですよ、それは。  さて、この国債整理基金の運営に支障を生じない範囲でこの国債整理基金から借りるのだという話ですが、支障を生ずる限度というのは何ですか、それは。
  66. 山口光秀

    山口(光)政府委員 国債整理基金は、ただいまと申しますか、五十二年度末で約九千億ぐらいあろうかと思います。ただいまの国債は満期償還が原則でございますので、目下のところは償還はそうなくてたまっていくというような状況にございます。しかし、これは国債管理政策の問題でございますが、買い入れ償還をするというような事態も絶無ではないわけでございます。そういうのもこの国債整理基金を使うわけでございますから、これば理財局の方の御判断でありますけれども、そういういろいろな見通し――七月の末にそこからお金を借りまして、いわば一般会計決算の穴埋めに使いますと、九カ月ぐらい借りることになろうかと思います。もっと早く返すこともございますが、翌年度の当初予算で返すとしますとそういうようなことになろうかと思いますが、そういう期間におけるただいま申し上げましたようないろいろな運用の仕方、見込みを立ててもらいまして、それに支障のないようにということであると思います。
  67. 永末英一

    ○永末委員 内容は承りましたが、分量としてはどれぐらいこれは借りられるとお思いですか。
  68. 山口光秀

    山口(光)政府委員 先ほど申し上げたのはちょっと数字が違っておりまして、五十二年度末で九千九百億でございますが、この九千九百億の中に、剰余金繰り入れと申しますか、財政法六条の規定に基づいて剰余金がだんだん積み上がっていった分、それから予算繰り入れの分といろいろあろうかと思いますが、それを区別する手段がございませんので、先ほど申し上げましたような基金の方の都合さえなければ全体について使用が可能ではなかろうか、それがアッパーリミットではなかろうかと思います。
  69. 永末英一

    ○永末委員 いまの見込みでは、補正予算で二千億組んだ、現在この基金が九千九百億ある。そうすると、一兆一千九百億は使える、こういう御判断で考えておられますか。
  70. 山口光秀

    山口(光)政府委員 ちょっと条件をつけて申し上げているつもりでございますけれども、国債整理基金の方で買い入れ消却その他の予定がなければ、アッパーリミットとしてはそういう計算になるのではなかろうかということを申し上げたわけでございます。
  71. 永末英一

    ○永末委員 今後この剰余金というものが出る見込みがあるのですか。
  72. 山口光秀

    山口(光)政府委員 恐らく特例公債発行下で多額の剰余金が出るかという感じでおっしゃっておられるんじゃないかと思いますが、特例公債発行下では、これは特例公債の方の制度でございますけれども、出納整理期間内の発行という特例措置を講じておりまして、つまり特例公債を出し過ぎないような調整弁というのがあるわけでございますから、多額に剰余金が出るという事態は避けなければいかぬし、また、避けられる仕掛けになっていると思います。ただ、いま御提案申し上げております制度は、先ほど来申し上げておりますように、恒久制度でございまして、特例公債脱却後もこういう制度でいきたいと思っているわけでございます。そのときに剰余金がどう出ていくかというのは、ちょっといまのような安全弁がないだけにまた違った様相になってくるのじゃないかと思います。
  73. 永末英一

    ○永末委員 ことしは――ことしというか、この一月補正では二千億円というのを一般会計から頭金ということでこの資金を積み立てるというのですが、条件の話が出ましたが、要するに一兆一千九百億円程度税収が減ってもことしはこれでいける、それ以上だったらあかぬのですな。
  74. 山口光秀

    山口(光)政府委員 やや極端な想定であろうかと思いますが、私どもは、二千億という今度補正予算でお認めいただきました元金、これが第一線準備だと考えているわけでございまして、確かに理論的には、条件さえ許せば九千億余りの第二線準備があることになるわけでございますけれども、それはあくまで第二線準備であるというふうに考えております。また、その国債整理基金の方でも、いろいろこれから国債管理政策の面で工夫をこらす余地があるわけでございますが、それがすべて利用できるから一兆何がしというふうに単純にお考えいただくのはいかがかなという感じがいたします。
  75. 永末英一

    ○永末委員 私が伺いたいのは、すなわちこの資金には二手の金があるわけですね。一般会計から出す資金部分と、それから、すでに剰余金として出ておったものが基金として積み立てられておる、これを一時借り受けようという資金とある。先ほどからの御説明を聞いておりますと、剰余金と不足金がまあ言うならばうらはらの関係であって、不足金というのはマイナスの剰余金だという御見解がある。私は必ずしもそれは賛成ではございません。決して同じ価値のものでなくて、剰余金の方はなるほど努力しなくても、主税局長はそんなことはないと言われるかもしれませんが、余ってきたわけでございまして、不足金の場合にはむしろ国民の目から見れば、行政の努力は一体どこにあるのかということを問いたい意味合いのものになりますが、したがって、剰余金と不足金とはプラス、マイナス、同等の価値のものであると私は思いませんが、先ほどの御説明からすれば、同等のものであるとするならば、そもそも決算の不足があった場合には、いままで剰余で積み立てておいたものを第一に流用すべきものである、こういう結論になると思うのです。だといたしますと、最初の発想は、国債整理基金特別会計法を改正して何かやれぬかという発想が来べきものだと私は思いますが、いまの御説明は、頭金と称せられるものをまず使うのだ。どっちなんですか。
  76. 山口光秀

    山口(光)政府委員 剰余金、それからマイナスの剰余金と申しますか、これをお互いに調整いたしまして、年度を通じて収支の均衡を図っていくというやり方は、実は普通の会計でもやっているやり方であります。国の会計の中で特別会計の相当部分がそういう仕掛けになっているわけでございます。自然の発想でございます。ただ、一般会計の剰余金につきましては、財政法六条の定めるところによりまして、半分は少なくとも国債の償還財源に充てなければいかぬということで、いわばひもつきになっているわけです。そのひもつきの部分が国債整理基金に入っておる。そのあとの残りの半分、これがいわばひもつきでない部分の剰余金であります。いま特例公債の発行下でございますからちょっと事情が違うのですが、普通の状態で考えますと、これを積み立てていって決算調整資金の財源にする、これが自然の姿ではなかろうかと思います。
  77. 永末英一

    ○永末委員 最後のところは制度化したわけじゃないでしょう。つまり後の部分、国債整理基金に入れない部分の剰余金を積み立てたいということは書いてませんわね。それは書いてありますか。
  78. 山口光秀

    山口(光)政府委員 今度のいま御提案申し上げております法律に、剰余金のうちで国債整理基金に繰り入れる部分以外の部分については、予算の定めるところにより、この資金に繰り入れることができるという原則を掲げてございます。
  79. 永末英一

    ○永末委員 その部分は、この補正予算でやったように、あれは二千億を出すための――二千億というのは具体的な額ですが、一般会計から出すための条文じゃないですか。
  80. 山口光秀

    山口(光)政府委員 今回補正予算でお願いいたしました二千億は、むしろ四条二項の規定であろうかと思います。四条二項の規定は、その剰余金の残り半分のはかに、「特別の必要がある場合には、予算の定めるところにより、一般会計から資金に繰り入れることができる。」という規定でございます。
  81. 永末英一

    ○永末委員 剰余金のほかにでしょう。剰余金ではないでしょう。あなたがおっしゃったのは、国債整理基金に充てる部分のこっち側の半分の方の剰余金部分を積み立てたいとおっしゃったが、それをここに書いてあるのですか。
  82. 山口光秀

    山口(光)政府委員 ちょっと説明が舌足らずだったかとも思いますが、第四条第一項でございますが、財政法六条の剰余金のうちで国債償還財源に充てるべき金額、つまり財政法六条の規定によりますと、二分の一を下らざる金額、これは国債整理基金の方に行くわけでございます。残りの部分があります。残りの部分、その剰余金の半分とお考えいただいていいと思いますが、その部分につきまして、この資金への繰り入れを規定しているわけでございます。これが四条一項の規定でございます。
  83. 永末英一

    ○永末委員 今回の二千億はそれではないわけですな。
  84. 山口光秀

    山口(光)政府委員 さようでございます。四条二項の方の予算繰り入れの規定によるものかと思います。
  85. 永末英一

    ○永末委員 これは調整資金と言うのです。それから、ここへ入って来る、借りる金は国債整理基金から来るわけですね。その資金と基金とはどこか違いがあるのですか。
  86. 山口光秀

    山口(光)政府委員 いずれも財政法四十四条の資金に該当するかと思いますが、普通は、でございますから資金と呼ぶのが例でございます。そのほかに積立金というそれ自身の性格をつけたのもございますが、国債整理基金につきまして、これも財政法四十四条の資金でございますけれども、そう呼んでおりますのは、いわば呼びなれているからそういう名前を採用したという歴史的なものでございます。
  87. 永末英一

    ○永末委員 だから、基金と言おうと資金と言おうと、同じ運用をする対象物である、こういうことですか。
  88. 山口光秀

    山口(光)政府委員 財政法四十四条の観点からいたしますと、同じものでございます。
  89. 永末英一

    ○永末委員 この資金は、決算で歳入の見込みに狂いが生じ――誤差が生じですな。狂いなんて言うとぐあいが悪いかもしれませんね。誤差が生じて不足金が生じた場合には、この資金からひとつこれを補てんをしようというものである。私どもの党代表本会議でも申し上げたとおり、どうも村山さんが全部立てたわけじゃありませんが、五十三年度、これは村山さんの責任だが、水増しと言ったらいけませんが、要するに非常に過大な一つの予測をした財政支出が見込まれておる。全部消化できないのじゃないか。しかしそういう意味では、先ほどから指摘しておりますように、経済企画庁の見積もりというのは年に三回も変えなければならないようにいろいろな予見が変わってくるらしゅうございます。だとしますと、身動きならぬような一つの項目で資金を縛るのではなくて、何か機動的にそれが使えるような景気調整資金というようなものをお考えになった方が、一々補正予算をやらぬでもいいのではなかろうかという感じがいたしておるわけでございまして、これはきわめて使途が厳格に決められた、しかも幅としてはごく誤差範囲でございますから、資金量としても小さなもののようでございますが、しかし、景気回復を最大の眼目としておりますいまの財政の効用からいたしましたら、いまの景気調整資金みたいなものを考えたらどうかとわれわれは考えておりますが、大蔵大臣の御見解を承りたい。
  90. 村山達雄

    ○村山国務大臣 構想としてはそういうこともあるかと思いますが、この資金は全然別なことはもう御承知のとおりでございます。  今度の五十三年度予算でありますけれども、公共事業予備費というのを二千億積ましていただいておるのでございますが、結果におきまして恐らくそれが、予見しがたいような事情でどうしても公共事業費が足りないというような場合、しかも予算に不足を生じた場合、この二つの条件でお認め願えれば、これが五十三年度で同じ機能を果たすのではないかと思っております。  なお、竹本先生が言われたのでございますが、われわれ本当に謙虚に振り返ってみますと、過去に自然増収はずいぶん出たわけでございます。それは減税と歳出に全部使い切ってしまった。あの当時に景気調整資金というようなものをつくっておけば、こんなに苦しまなくても済んだんだがなと、後から反省しておるということを率直に申し上げておきます。
  91. 永末英一

    ○永末委員 この資金の運用につきましては、いろいろの段階で国会干渉しているというようなことがございましたが、これはいよいよ歳入へ組み入れまして、調書をつくって、国会の承諾を求めてきた場合に、国会が承諾しなかったらどうなりますか。
  92. 山口光秀

    山口(光)政府委員 もうすでにやってしまったことでありますから、それを変えるというわけにはいかないと思います。それは予備費でも同じでございまして、一遍支出してしまったものを取り戻すというわけにはいかないわけでございます。ただ、予備費でもそうだと思いますが、そういうことに対して国会が承諾しないということは、いわば政治的な責任解除していないということになるのではなかろうかと思います。ただ、予備費の方は憲法上の制度でございます。こちらは、この法律によって初めてつくられた制度でございますが、多少その制度としての重みが違うかなという感じはいたしますが、本質的には同じであろうかと思います。
  93. 永末英一

    ○永末委員 しかし、国民の側から見ますと、今度は先ほどの御説明ですと二千億円、税収入の一%程度が組まれておるわけでございますが、大体分量としてはどこまでやりたいのですか。大体税収の一%程度でやっていこうというお見込みですか、どんどんふくらましていこうというお見込みですか。
  94. 山口光秀

    山口(光)政府委員 今度の補正予算で一応そういう税収の一%程度というめどで二千億お願いしたわけでございますが、今後といえども第一線準備といたしましては、その程度のところが限界ではなかろうかというふうに思います。
  95. 永末英一

    ○永末委員 そこで、そういう一つの基準をもって発足しようとしておるのでございますが、われわれ国民の側からいたしますと、それだけのアローアンス、言うならば判断が甘くてもよろしいということを言っておるわけではないのですから、したがって、使っちゃったのだからしょうがないやというのでなくて、やはり政治責任の問題は残る。さて、そういう場合に、国会が不承諾だということになったら、大蔵大臣責任をとりますか、総理大臣責任をとりますか。
  96. 村山達雄

    ○村山国務大臣 これは直接責任はやはり大蔵大臣にあると思います。
  97. 永末英一

    ○永末委員 質問を終わります。
  98. 大村襄治

    ○大村委員長 荒木宏君。
  99. 荒木宏

    ○荒木委員 時間も余りありませんので、法案それ自体に即して早速お尋ねしたいと思います。  まず第一にお伺いしたいのは、この法律が仮に成立しないといいますか、ない状態で歳入不足が起こった、つまり財政赤字の決算をしなければならなくなったということになりますと、大蔵省としてはどういう処置をなさるのか、これを伺っておきたいと思います。いろいろなやり方があると思うのですけれども、いかがでしょうか。
  100. 山口光秀

    山口(光)政府委員 先ほどもちょっと申し上げましたのですが、四十九年に非常につらい経験をいたしました。そのときには政令改正で税収の年度所属区分を変更するというようなことをいたしまして何とかしのいだわけでございますけれども、いまもうすでにそういう余地がございません。したがいまして、もしもそういう事態を生じました場合には打つ手がないわけでございまして、そういう事態になりましたら、恐らく年度を越してある程度期間がたちましてから、特例的な措置を授権いただく法律をお出しするのかなと思います。多分そうではなかろうかと思います。
  101. 荒木宏

    ○荒木委員 特例的な立法手当てをなさるというお話なんですけれども、その決算そのものはどういうふうな作業、操作をなさいますか。
  102. 山口光秀

    山口(光)政府委員 何と申しますか、現行の財政法のやり方では適法に決算ができないという事態になるのじゃないかと思うのです。年度末、つまり三月三十一日の段階で、お金がそこでないから支払いができないという事態に必ずしもならないかと思いますが、七月三十一日の段階、つまり帳簿を締める段階で締め切らない、つまり赤字になってしまうという事態はあり得るわけでございまして、これはお金のつじつまが合うという話ではなくて、帳簿のつじつまが合わないという話でございますから、これを適法にそういうことをやるという余地はないわけでございまして、何らかの法的措置が必要になってくるのじゃないかというふうに思います。
  103. 荒木宏

    ○荒木委員 そうすると、七月三十一日に決算をしないで、その決算作成なり報告ということについてはしないままで漫然日を過ごされる――立法手当てはなさるというふうに後で聞いたのですが、法制局に伺っておきますけれども、いまの財政法は赤字決算報告を禁止しておるのですか、それとも法律上は放任行為として違法、適法という判断の外に置いておるのでしょうか。
  104. 前田正道

    ○前田(正)政府委員 財政法決算赤字につきましては特段の規定をしておりません。したがいまして、ただいま先生御指摘のような事態が生ずることが予想されるといたしますと、むしろ事後的にではなくて事前にどのような措置をとるべきかということをお諮り申し上げるべき筋合いのものと考えております。
  105. 荒木宏

    ○荒木委員 そこでもう一言法制局に伺いますが、事前に措置はとるべし、しかし、措置はとれども残念ながら結果として起こったという場合に赤字決算をした場合、財政法上の評価はどうなるか。違法なのか、適法なのか、あるいは放任行為なのか、それを伺っておきます。
  106. 前田正道

    ○前田(正)政府委員 財政法は特段の規定は置いておりませんけれども、財政法がその年度の財政処理につきましては、当年度限りで処理さるべきが理想であるという基本的な態度をとっております点から申しますと、そういう結果が生じましたことははなはだ望ましいことではないとは存じますけれども、財政法が特段の規定を置いておりません以上、その状態をもって直ちに違法状態と言うことはできないかと存じます。
  107. 荒木宏

    ○荒木委員 わかりました。  当、不当という評価はともあれ、違法ではないという法制局の見解のようでございますが、だとしますと、今度皆さんが御提案になったこういうやり方、資金を設ける法律、仮にこれをケースAといたしましようか、あるいは、それを設けないで、望ましくはないかもしれないけれども違法ではないと思われる措置をとる、つまり赤字決算をして、そして別途に単独の法律手当てをするというやり方、これを仮にケースBといたしましようか、そういういろいろな考え方があると思う。その中であえてこちらの方をおとりになったという根拠をお伺いしたい。これは私の質問の第一の点であります。  私は思いますのは、財政法の原則は財政民主主義である。つまり、国民財政の結果についても判断をするということが含まれると思います。ですから、いろいろ努力をされて、そしてはからずも赤字という結果が出た。その場合に、そのまま決算をして、国会に報告をして、そして国会でそのことが承認されれば、これは違法ではないんですから、承認されれば責任解除される。もし承認されなければ、その法律的な責任ではなしに政治的な責任をやはり論議をしなければならぬのじゃなかろうか。財政民主主義という点からいいますと、そうした立場も十分考えられると思いますが、大臣いかがでしょうか。
  108. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いま法制局が述べましたのは、直接それが違法でない、特段の規定がない、だから厳密な意味では違法ではないと言ったんだろうと思うのでございます。しかし、財政法が単年度主義をとっていることはもう御承知のとおりでございます。したがって、財政法の全体の仕組みから申しますれば、これはかなり重大な問題、単年度主義を破るということになることに間違いございません。したがってわれわれは、財政法の趣旨からいってどちらがベターかということになりますれば、るる申し上げているように、その見込みがある限り、その蓋然性が高い限り、あらかじめ今度御提案申し上げているような制度をつくる方がはるかに現在の財政法の趣旨に沿っている、かように思っておるわけでございます。  第二点は、財政民主化という問題に触れているわけでございますけれども、民主化というのは現行の憲法その他によりますれば、国会承認国民を、有権者を代表しております国会の審議を受けなければならない、つまり法律なりそういったことに規定いたしまして、国会国民の前で十分な論議をしていただきまして、そしてそれの承認を受ける、これが私は民主化というものの中身であろうと思うわけでございまして、その意味でも、われわれは財政民主化の立場でもこのことを御提案申し上げているわけでございます。
  109. 荒木宏

    ○荒木委員 財政民主主義並びに単年度主義という財政法のたてまえを損なうことになる、こういうお話がありましたが、しかし、しかくその財政法の原則が厳格に守られてきたであろうか。たとえば特例公債は文字どおり特例でありまして、別途の立法でもって財政法の原則外の措置をしておるわけですね。しかもそれは歴年のように行われている。私が言っておるのも、別途の立法でもって別途の措置を講ずるわけですから、これは形式的には法律じゅうりんという問題は起こらないわけです。物事は原則と例外があることはもう大臣よく御承知のとおりでございまして、したがって、法律的な形式整合性を持って別途の措置を講ずるからといって、そのことが原則じゅうりんということは当たらないのではないか。むしろ私はそれよりも、財政の健全化原則といいますか、このことの方が精神としては大事なのではないか。つまりその都度その都度真剣勝負をやって、そして事志と違った場合には率直に国民の批判を受ける。たまたまこうした資金が別途にありますと、そのためにやりくり、融通が可能だから作業、行政が甘くなるとは短絡的には申しませんですけれども、結果としては、やはりそれはいわば言葉はよくないかもしれませんがへそくり資金的な、俗な言葉で言えばそういう機能も果たすわけです。ですから、たとえばよくないかもしれませんが、スピードを出して車で走っている。だんだんスピードが出てきて、制限速度六十のところが七十になりそうになった。それを緻密にコントロールするんじゃなくて、制限速度そのものを上げてしまうというふうな、そうした健全化に適合しない方向に流れる危険はありはしないか。そういうことで、そもそも法律案が必要であるかどうかという点についてお尋ねしたわけですが、私はそういう意味からこの法案については賛成できないものがあるということを申し上げておきたいと思います。  それから第二の質問でございますが、先ほど来も論議ございましたけれども、歯どめの問題ですが、この調整資金の金額の限度額についてはどういうふうなお考えであろうか。特別調達資金は御案内のように、法律自体において七十五億円でございましたが、借り入れば九十億円アッパーリミットで切ってあります。経済基盤強化資金の方はこれも御承知のように、法律自体で二百二十一億三千万円と頭を切っておるわけですね。これは法律自体では底がないように思うのですが、法律的な歯どめの点についてはどのようにお考えでしょうか。
  110. 山口光秀

    山口(光)政府委員 今度の第二次補正予算で二千億を計上さしていただいたわけでございますが、これのめどのつけ方としては税収の一%程度というところをおおよそのめどにいたしたわけでございます。今後といえども第一線準備としては大体その程度のめどで運用していっていいのではなかろうかというふうにいまのところ考えておりますが、それはめどの話でございますので、ちょっと法律に書き込むというわけにはいかない。そこで毎年度と申しますか、積み立てる都度の予算の御審議の問題ではなかろうかと思います。
  111. 荒木宏

    ○荒木委員 法制局に伺いますが、この資金自体で底がどこまであるかあるいは頭がどこまでかという、これはないように思うのですけれども、そうしますと法律的な解釈としては、ここに手だてさえ講ずれば一兆円でも一兆五千億でも二兆円でも盛り込むことは可能なんでしょうか。
  112. 前田正道

    ○前田(正)政府委員 決算調整資金に関する法律目的自体が一条に書かれておりますように、「歳入歳出決算上不足が生ずることとなる場合において、この資金からその不足を補てんすることにより、」とございます。そこで、一応見込まれる不足額というのは一定額が予想されるわけでございますけれども、それは各年度によって推移があろうかと思います。そういうことに伴いまして、この目的にいたしながら四条の一項で、予算の額を定めるところによりその金額については国会の御判断を仰ぐ、こういう法律の仕組みをとっているわけでございます。
  113. 荒木宏

    ○荒木委員 ちょっと質問をあるいは正確におとりいただけなかったかもしれませんが、私が伺ったのは、この最初の元金自体も多少ゆとりを持つといいますか、アバウトな金額になる、それは歳入の一%というお話ですが、必ずしも自後歴年それが目安になるというわけのものでもない。そこで、実際の行政上の運用はともあれ、法律的な仕組みの限りでは、アッパーリミットというものがあるんでしょうか。ほかの資金は法律で金額幾らまで繰り入れと書いてありますから、これはだれが見たってそこでおしまいということはわかるのですが、これはありませんから、もしそのときの運用によっては、幾らでもどんどんこの袋の中に金を詰め込んでいける性質のものなのかどうかということを法律的に伺っているわけです。
  114. 前田正道

    ○前田(正)政府委員 決算調整資金が働きます場面といたしましては、年度末ないしはその年度末経過後に起こります事態に対処するためのものでございます。したがいまして、この決算調整資金が使われます前提には、歳出の節約でございますとか補正予算予算補正というような措置がとられた上でのことだと存じます。そうしました上で、なおかつ不足が見込まれるという条件が一つあるわけでございます。その条件との見合いにおきまして決まりますので、一定額の絶対額を持ちましたアッパーリミットというものはここに設定できませんけれども、それはそのときどきの経済情勢と財政運営の結果として出てくる。同時に、そういった各種の不足を生じないようにする努力をした後の最後のやむを得ないところにこの決算資金を使用するわけでございますので、そこにはおのずからなる数字の限度というものが考えられると存じます。
  115. 荒木宏

    ○荒木委員 どうもお話は余りよくわからなかったのでございますが、解釈精神のようなお話を伺いましたが、はっきりしたのは、数字の絶対額としてのリミットはない、これはもうはっきりしたと思うのですが、私はそういう意味合いからもこれには賛成いたしかねると思うのでございます。  そこで、第三のお尋ねでございますが、先ほども少し触れた質疑が同僚委員からありましたが、国債整理基金特会との関連でございます。  御案内のように、国債整理基金特会では、費途は国債の償還金に決まっております。これで附則の中に特則を設けることによって、その単一の費途の制限縛りはあるいは解除されるかと思いますが、整理基金特会の方の二条ノ三という規定で「国債ノ元金償還ニ支障ナカラシムル為」、前条を受けまして、公債残高の一・六%は繰り入れるべしという義務規定になっておりますね。この義務規定は、この新しい資金法案によって解除されるんでしょうか、その点はいかがですか。
  116. 山口光秀

    山口(光)政府委員 一・六%の繰り入れ、定率繰り入れと称しておりますが、この規定の働きと、ただいまの決算調整資金制度創設とは関係がないかと思います。(村山国務大臣解除されない」と呼ぶ)
  117. 荒木宏

    ○荒木委員 関係がないという表現の御答弁になったのですが、大臣が補足されまして、解除されないというお話がございました。そうしますと、先日提出されました収支試算によりますと、ケースAからEまでございまして、試算そのものには予算委員会でもいろいろな御意見があったようでございますが、大体五十七年公債発行残高は、いずれのケースを見ても九十兆から約百兆、したがって、一兆数千億円が元金償還のための特会基金としての保有義務を定めておるものではなかろうか。それが解除されないということになりますと、そこからの繰り入れということは、この資金法にかかわらず、事実上働かないのではないか、こう思いますがいかがですか。
  118. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いまの国債整理基金の方は、繰り入れの方を規定しているわけでございます。そして国債整理基金の方の費途は、その償還のほかには使えないことになるわけでございます。ただ、運用につきましては、先ほど山口次長からお話し申し上げたように、運用部とかあるいは有価証券を持つとかいう運用があるわけでございます。ですから、いわばこれは調整資金に最終的にくれてしまうというわけではございませんので、一時貸し付けという運用が行われる、こういう関係に立とうかと思うのでございます。  しかし、現在の整理基金法で決めております前年度の残高の幾ら幾ら、一・六%は積み立てろということは、これは依然としてずっと働くわけでございます。そして、ここで言っておりますその償還に支障のない範囲でもってやりなさい、こう書いてありますから、貸すにいたしましても、その制限は当然受けるわけでございます。そういう法律関係になると思います。
  119. 荒木宏

    ○荒木委員 解釈はいまお伺いをいたしましたが、国債償還を財政健全化という方向から重視する限りは、この繰り入れ義務解除されないということは、つまりその間の年度を越えた一時流用ということも解除するものではないというふうにするのが正しいと考えております。したがってそういう意味合いから、いま大臣初め政府委員のお話のように、後で手当てをすれば出し入れ自由というふうな考え方については賛成をいたしかねるというふうに思います。  先ほど来、短い時間でございますが、いろいろお伺いしてまいりました。両三点にわたって多少基本的な点にも触れながらお伺いをしたわけですけれども、私どもとしては、本法案に賛成をしかねるということがはっきりしたと思いますので、そのことを申し上げて、若干時間が残りましたが、質疑を終わらせていただきたいと思います。
  120. 大村襄治

    ○大村委員長 永原稔君。
  121. 永原稔

    ○永原委員 まず最初に委員長にお願いしたいのですが、これはもうすでに補正予算成立しておりますので、内容についての突っ込みが非常に迫力を欠くような状態になってしまうわけです。やはり並行審議をすべきだと思いますけれども、そういう点について御配慮いただきたいと思います。  先ほど来いろいろお話が出ております。四十九年度の決算で非常に御苦労なさった。やはりああいう政令改正というようなことでようやくつじつまを合わせるという点を考えますと、制度上の一つの欠陥ではないかと思うのです。健全財政、これは当然のことです。しかし、その健全財政を維持するために、財源が不足する場合の措置として、やはり法律でもって特例債を出すような道を財政法では決めていらっしゃる。また、歳出については繰越明許のようなことについてもはっきり書いていらっしゃる。年度区分の特例に関して決めていらっしゃる。しかし、歳入について決算上何も措置が出てないということは非常におかしかったと思うのです。やはりいままで非常に緻密な大蔵省の皆さんが計算をして、赤字には絶対しないのだという自負のもとにつくられた法律なのかどうか知りませんけれども、制度としてはむしろ欠陥があった、私はこういうふうに思います。  財政法の問題ではなかろうか、こう思うのですけれども、大臣も昨日からおっしゃっておりましたが、適法に処理する方法がないという状態に対応して、私はやはりこういう制度が必要だということはわかります。しかし、先ほども山口次長がおっしゃったけれども、五十年度ごろから検討を始めていた、こういうふうにお話しになりました。五十年度からすでに大分たっているわけです。あの財政審で答申している内容を見ていきますと、これは会計年度の独立とかあるいは会計区分の明確化とか、あるいは一時借り入れ、大蔵証券などによるのは法律上根拠はないとか、いろいろな理由を並べていらしゃいますけれども、これは財政に当たっている者としては当然の常識と思うのです。そういうものを考えながら、次算調整資金というものをおつくりになるのに余りにも時間がかかり過ぎたのではないか。赤字公債を発行するようになってから少し安易に考えていらっしゃったのではないかというのが一つ。  それから、財政法は根本的な基本法ですから、財政運営の基本法を直すというような考え方がしかるべきではないかというのが一つ。二点をお伺いします。
  122. 山口光秀

    山口(光)政府委員 長い間検討していたわけでございますが、なかなか意見の一致を見るに至らなかった、つまり、これなら恥ずかしくない制度であるというところに到達するのに暇がかかったわけでございまして、知恵が足りなかったと言えば足りなかったということなんでございます。  それから、財政法自身を改正したらどうかというお考えもあろうかと思いますが、私ども検討するに際しまして、財政法の原則はできるだけ貫きたい、ただ、その財政法を補足するものとして、財政法の原則を貫きながらいい制度ができないかということで検討したわけでございます。財政法自身につきましては、これも検討を進めてはおりますけれども、いまのような異常な財政状況のもとで基本的な制度にまで手を触れるのはいかがであろうかということで、これは長い目で検討を進めていくべき事項ではなかろうかと思っております。
  123. 永原稔

    ○永原委員 いま財政法二十八条によってこういうような参考資料をお出しになっていらっしゃいます。こういう中で五十二年度の決算見込みを見ますと、九百六十億くらい剰余金が出るという資料をお出しになっている。これは昨年からの繰越事業が入っておりますので、予算とは整合しませんけれども、それについてはまた別に伺いたいのですが、とにかく九百六十億ぐらい黒字を見込んでいるのが十二月末の資料でございます。  しかし、ここでもって補正予算をお組みになって八千六十億、こういう減額予算を組んでいらっしゃる。これはそれを含んだ決算見込みだと思いますけれども、その点については私もまだ十分調べてありませんからお聞きいたしますが、その中で、きのうも大倉主税局長がお話しになりましたけれども、今後の見込みとして経済変動に対応しながら一-四月の法人税の問題とそれから三月期の確定申告の分、これについて自信がないんだというお話だったのです。この二つについて、源泉徴収分は、これだけ減らしてあれば恐らくそう大きな変動はないかもしれない。それで、いま二つのお話をなさったと思うのですけれども、申告所得法人税の分で四千六百四十億減額なさっている。それに対して二千億程度まだ不足するのではないかというのは、これはパーセンテージにすると四三%に当たる。大倉主税局長の勘とさっきお話しになりましたけれども、それでは少し額が多過ぎるのではないかという気がしてしようがないのです。  これは本年度限りの措置ではない、今後の制度として置くんだ、こういうようなお考えだと思います。そういうことになるとすると、あえて五十二年度でおやりになるというのが私にははっきり解せないのです。しかも、きのう大蔵大臣はいろいろおっしゃっておりましたけれども、ことしが危険なんだ、だからことしやるんだ、こういうようにお話しになりました。しかし、四千六百四十億に比較してなお二千億というのは非常にウエートが高過ぎるのじゃないか。それでもなお心配だから減債基金からも当分の間は持ってくる、こういうようなお考えを法律の中に入れていらっしゃる。まさに年度当初にやるべきことではないか、こう思います。  そこで、まず、この九百六十億の黒を出しておられる決質見込みについて一つと、それから、年度当初にやるべきではないかということについて御意見を承りたいと思います。
  124. 山口光秀

    山口(光)政府委員 五十三年度予算の参考資料といたしまして、財政法三十八条に基づく五十二年度の決算見込みの書類をお出ししているわけでございます。そこで、決算見込みの歳入と歳出とを比べますと、ただいま御指摘のように、九百六十億円歳入の決算見込みが上回っておるという数字になるわけでございますが、その決算見込みは、第二次補正後の予算を前提にいたしまして、それに予算としては反映しない予算現額、つまり前年度からの剰余金、それから前年度からの繰り越しの歳出権といったようなものを加減いたしまして、それで決算見込額を出し、その剰余金の計算も自然とできるようなことになっているわけでございますが、九百六十億円と申しましても、一定の前提を置いた議論でございますが、大部分が剰余金、それから繰越財源というところで成り立っておるというふうにお考えいただいていいかと思います。
  125. 永原稔

    ○永原委員 片一方でこういう資料をお出しになって、片一方でなお決算上心配だというのはちょっと納得がいかないのです。やはりこういうような心配があることはわかります。だから、こういう制度をつくることも私は賛成するのです。しかし、五十三年度でいいんじゃないかという気がしてしようがないのですけれども、そういう点はどうでしょうか。
  126. 山口光秀

    山口(光)政府委員 これは第二次補正予算に二千億を計上して予算措置をお願いいたしましたところでもおわかりいただけるかと思いますが、ともかく今度の第二次補正で税収の減額を立てたわけでございます。そういう事態でなおそれで十分いけるんだというわけに必ずしもまいらないということは、先ほど来主税局長が説明申し上げているとおりでございまして、そういう必要性、これは万が一かもしれませんけれども、必要性というのが、ことしの五十二年度の決算についてもあり得るということでございますので、ことしの五十二年度からでもこういう制度をつくらせていただきたい。もしものことがあったら大変だというのがわれわれの気持ちでございます。
  127. 大倉眞隆

    ○大倉政府委員 補足させていただきますと、先ほどお答えいたしましたように、八千六十億の減額というのは私どもできる限り正確を期して推計してみたつもりでございます。ただ、率直に申し上げまして、税収の足取りのパターンが四十九年度と非常によく似ております。四十九年度は、永原委員御承知のように、進捗率というもので私どもいろいろ考えております。一つのチェックポイントでございますが、四十九年度の十二月末では実は進捗率はまだプラス二・五だった。ふたをあけてみましたら、年度が閉まったら三角五・〇、そういう経験がございまして、その経験を織り込んで今度の八千六十億という減を立てておりまして、それは先ほど来私は不用意な言葉を使いましたので非常に誤解を招きまして、できれは取り消させていただきたいとまで思っておりますが、私の立場からいたしますれば、八千六十億のほんの一億とか数億のオーダーしか狂いがないことを実は一番期待しておるわけです。ですから、この制度が取り越し苦労になってしまうことが私の負わされている責任としては一番ありがたいわけでございますが、しかし万一のことを考えますと、四十九年度と非常に似ておるという意味で、ぜひ五十二年度にこの用意をさせておいていただけないだろうか、そのように考えております。
  128. 永原稔

    ○永原委員 この四条を見てまいりまして、いろいろ積み立ての方法がありますけれども、先ほどからお話が出ていますし、大体税収の一%というのがめどのような受け取り方ができたのですけれども、しかし、これはだんだん税もふえていくわけですね。この額をふやしていくということが制度として本当に適当だろうか。やはり赤字になったときにはそれを補てんするような、赤字決算のときは補てんするということの方が必要なので、常時これをふやしていくという必要はないのではないか、こういうように思いますけれども、今後剰余金のうち一定の額を予算で定めて、二分の一以下の額でしょうけれども、それを定めて続けるような御意思があるのですか。
  129. 山口光秀

    山口(光)政府委員 先ほど来の御説明があるいはちょっと舌足らずであったかと思いますが、今度の二次補正で、税収の一%程度をめどに二千億という元金を入れることを認めていただいたわけでございますけれども、今後常にそれを維持するということを申し上げているわけではございませんで、その程度が第一線準備としてはアッパーリミットではないかということを先ほど来申し上げているわけでございます。  実際の積み立てをどうするかにつきましては、そのときの資金の残高、それから財政状況等々いろいろ総合的な判断が必要かと思うのです。それはきのうも申し上げた次第でございますけれども、総合的に判断いたしまして、予算をもって国会の御判断を仰ぎたい、こういうふうに考えているわけでございます。
  130. 永原稔

    ○永原委員 この七条二項の方に「決算上不足額の計算については、政令で定める。」これはどういうことをお考えになっていらっしゃるのでしょうか。
  131. 山口光秀

    山口(光)政府委員 財政法六条の規定に大体似たような書き方をさせていただいているわけでございますが、財政法六条の方は、剰余金の計算の仕方、これを政令にゆだねているわけでございます。決算上不足額につきましては、これは先ほど来申し上げておりますように、マイナスの剰余金という感じでございますので、財政法六条がプラスの剰余金の計算の仕方を定めておりますのとちょうど同じようなやり方で、政令決算上不足額の計算の仕方を定めたい。ちょうどプラス、マイナスの符号が逆だというふうにお考えをいただいたらよろしいかと思います。
  132. 永原稔

    ○永原委員 十条の関係ですけれども、これは決算調整資金に属する現金の増減及び現在額の計算書を作成して、決算のときに国会にお出しになる。これは国会にそのつど年度当初にお出しになる必要があるのではないでしょうか、現在高を。
  133. 山口光秀

    山口(光)政府委員 ただいまお話がございましたように、現在高につきましては、決算添付して毎年度お出しするということになっております。そういう制度にさせていただいておりますが、これは他の一般会計に属します資金の前例にならったものでありまして、制度的なバランスとしてはこんなところかなと思います。
  134. 永原稔

    ○永原委員 大分遅くなりましたのでちょっとはしょりますけれども、いわゆる財政審の答申に、やはり決算調整資金制度が一番いいのだ、こういうように書いてありますけれども、現在地方財政制度の中で繰り上げ充用ということが行われておりますが、これについて捨て切れないものを私は感ずるのです。というのは、翌年度の歳入を繰り入れる方が気持らの引き締めになっていくと思うのです。これは資金が絶えずあるというのが、先ほどお話が出ていましたように、安易に流れるおそれがある。財政運営を担当していらっしゃる大蔵省としては、赤字決算になるというのは、蔵相みずから自分の責任だとおっしゃるくらい厳しいものだと思います。そういう中で歳出予算の配賦は大蔵大臣がやっていらっしゃる。やはりそういう執行の責任がある大蔵当局が、絶えず片一方に赤字決算調整資金というのを持っていて、そして安易に流れるとしたら大変だ。むしろ翌年度の歳入を繰り上げて、そこで決算をつけて終わりにするというような厳しい態度の方がより好ましいものではないかと私は思いますけれども、こういう点についてどうでしょうか。
  135. 村山達雄

    ○村山国務大臣 私は、厳しさは同じじゃないかと思うのでございます。と申しますのは、この入れますことにつきましても、今度二千億入れさせていただくわけでございますが、国会の御承認を仰ぐわけでございます。そしてまた、国債整理基金から借りましてもそれは返さなければいかぬし、また、国会の事後報告で承諾を求めなければならぬわけでございまして、すべて国会の御批判をいただくわけでございます。そういう意味では私は、同じだろうと思うのでございますが、ただ、繰り上げ充用であるとかあるいは年度越しの大蔵省証券、こういうものを出しますと、現在の財政法が考えております単年度主義というものが崩れてしまう。そこにやはり大きな財政法との整合性を考えてやらせていただいているわけでございまして、厳しさにおきまして、責任におきまして少しも変わらないものではないだろうか。いささか永原さんと所見を異にいたしますけれども、私は責任は同じようなものではないか、そんな感じがいたしておるのでございます。
  136. 永原稔

    ○永原委員 この繰り上げ充用について、やはりいろいろ意見は違います。おっしゃることもわかりますけれども、年度区分からしましても、一度赤字を補てんしてしまえは、やはりその年度に今度は補てんをしていかなければならないわけです。ずっとそれが続いていくわけです。だから、年度区分の点だけでは、いま大臣のおっしゃる気持ちが必ずしもそのままストレートに了解できないのですけれども、結局はその年度に前年度の決算に充当していって、しかもそれがたとえば国債整理基金の方から流用されだとすると、それに返していかなければならない。そういうことになると、その年度が翌年度、翌々年度までに影響を及ぼすのではないか、こういう気がするので、必ずしも年度区分だけではない。地方においては、知事の専決処分とかなんとかある、しかし、国においてはそういう制度はないんだ、こういうことを言われておりますけれども、財政法の中には大蔵大臣専決処分する事項があるわけです。たとえば繰越計算書のようなものについては、これは大蔵大臣の専管する事項でございましょう。そういうような財政上の一つの制度としてやっていくならば、私は、財政法上の問題として考えてもしかるべきではないかという気がします。議論がもとに戻りましたけれども、そういう点についてもお考えを伺いたいと思います。
  137. 村山達雄

    ○村山国務大臣 同じような繰り返しになるかもしれませんが、先ほど申しましたように、今度の法案の第四条の一項で、剰余金のうち、国債整理基金に繰り入れるべきものを除いて繰り入れることができるというときに、その政令で繰り入れる金額については定めると言っている中に、事業繰り越しをした分に見合う財源、それは剰余金には入れませんよ。それからまた交付税がございます。三税については当然精算すべきものでございます。それはやはり剰余金の中に入れませんよ。そういう意味の財政法六条上の剰余金で、この剰余金からこの資金に入れる金額は計算するというのも、単年度主義というものを崩さない、そういう趣旨に出ておるわけでございますので、同じような意味で、やはり繰り上げ充用であるとかあるいは年度越しの大蔵省証券の発行ということは、財政法のいまのたてまえから言いますと、根本的に変わってしまって、財政法が考えているのとは全く違う特例をつくることになりますので、今度はそういう整合性のもとにつくらせていただきたいということでこの法案を出して、御審議をお願いいたしておるわけでございます。
  138. 永原稔

    ○永原委員 いずれにしましても、非常に制度としては五十歩百歩だと思います。大蔵省証券とかあるいは一時借入金で決算をするというのは、これはもう当然もってのほかのことなので論外だと思います。  いろいろありますけれども、非常に厳しい財政の中で、こういう制度が必要だということは私も承知しておりますので、そういう意味で質問を終わります。
  139. 大村襄治

    ○大村委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  140. 大村襄治

    ○大村委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  決算調整資金に関する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  141. 大村襄治

    ○大村委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決いたしました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 大村襄治

    ○大村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――      ――――◇―――――
  143. 大村襄治

    ○大村委員長 この際、昭和五十二年度の水田総合利用奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案起草の件について議事を進めます。  本件につきましては、先般来理事会で御協議願い、お手元に配付いたしましたような草案を得ました次第であります。  まず、本起草案の趣旨及び内容を御説明申し上げます。  本起草案は、昭和五十二年度に政府から交付される水田総合利用奨励補助金について、税制上、次の軽減措置を講ずるものであります。  すなわち、第一に、個人が交付を受ける同補助金については、一時所得収入金額とみなすとともに、転作に伴う特別支出費用等は、一時所得の必要経費とみなすこととし、第二に、農業生産法人については圧縮記帳の特例を設け、当該法人が交付を受ける同補助金については、交付を受けた後二年以内に、事業の用に供する固定資産の取得または改良に充てる場合には、圧縮額を損金に算入することといたしました。  なお、本特例措置による国税の減収は約三億円と見込まれます。  以上が、本草案の趣旨及び内容であります。     ―――――――――――――
  144. 大村襄治

    ○大村委員長 この際、本案は歳入の減少を伴うこととなりますので、衆議院規則第四十八条の二の規定により、内閣において御意見があれば発言を許します。村山大蔵大臣
  145. 村山達雄

    ○村山国務大臣 この法律案につきましては、稲作転換の必要性にかんがみ、あえて反対いたしません。
  146. 大村襄治

    ○大村委員長 お諮りいたします。  この起草案委員会の成案とし、これを委員会提出の法律案として決定するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  147. 大村襄治

    ○大村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、本法律案の提出手続等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  148. 大村襄治

    ○大村委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  149. 大村襄治

    ○大村委員長 次に、国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。沢田広君。
  150. 沢田広

    ○沢田委員 もう九時四十分にもなろうとしておる時間でありますから、簡潔に質問をしてまいりたいと思っております。また答弁の方も、同僚議員の手前もありますので、ひとつ簡潔にお答えをいただきたいと思います。しかし、国民の前に対しましては、中身としては濃い質問をしていきたいと思います。  第一点は、今回の地方財政計画の中における地方財政地方債、これはきわめて厳しいものがあると思うのでありますけれども、これに対応する大蔵省の措置、並びにこの地方債に対する許可の弾力性について、景気回復ともあわせてどのようにお考えになっておられるか、第一点としてお伺いいたしたい、こう思います。
  151. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いま地方債のお話でございますが、御承知のように、財源不足対策につきましては、一方におきまして交付税の特例措置を講じたことは御承知のとおりでございますが、他方におきまして、財源対策債を一兆三千五百億決めさせていただいておるところでございます。これによりまして財源的には地方財政の方は十分やっていけるのではないかと思っております。ただ、実際の資金手当ての問題がございますので、その点にも十分配慮してまいりまして、全体としては恐らく二六%ぐらいの伸びだろうと思いますけれども、政府資金の方は三二%ぐらい、それから公営公庫の方の資金も三一%ぐらい伸ばしております。     〔委員長退席、綿貫委員長代理着席〕 したがいまして、地方債の独自の資金といたしましては二四%ぐらい、一番問題になります縁故債の方は特に考えまして、これは九%ぐらいの伸びで、絶対額で去年より減っている、こういう状況でございます。  以上のような財源対策並びに資金対策によりまして、何と申しましても七割は地方が実際の公共事業を遂行するわけでございますので、自治省とも十分打ち合わせの上、万全の措置を講じたつもりでございます。
  152. 沢田広

    ○沢田委員 ただ、最後の弾力性を与えたらどうかという回答がありませんけれども、地方債については非常にそれぞれの市町村、県において受け入れ体制に相違、アンバランスもあると思うのであります。ですから、特に若干の弾力性を与えて、その政府の言う七%成長が実現できるためには、地方自治体が躍動できる基盤というものを与える必要があるのじゃないか、その点についてお答えいただきたいと思います。
  153. 村山達雄

    ○村山国務大臣 これにつきましてはもう御案内のように、財投におきまして弾力条項もございますし、また補正予算の道も――補正予算をいま組むことは考えておりませんけれども、いろいろな公共事業予備費等もございます。  起債につきましては、いま問題になっておりますのは、手続をできるだけ簡略化してくれということが中心問題になっております。そういったことで、財投の弾力条項あるいは起債の簡素化を目下検討中でございます。
  154. 沢田広

    ○沢田委員 これからは生命保険関係の問題だけについて主として質問をしてまいりたいと思っております。  現在、加入者、五十一年で七千五百八十万件、団体保険としては九千八百四十八万件、こういうふうに称せられるくらい、まさに国民人口に対して一・五倍というような加入者数にもなってきております。また契約金額は三百三十四兆、実に国の予算の十倍にも及ぶ保険契約額にもなっているわけでありまして、国民の関心もきわめて高いものがあるというふうに思いますので、これから簡単に聞いてまいりたいと思います。  第一には、保険審議会の答申が今日まで十何回か提示されているわけでありますが、これに対応した措置は行っているのかいないのか、その点ひとつお答えをいただきたいと思います。
  155. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 お答えいたします。  ただいま御指摘のありましたように、保険審議会の答申は十数回行われておりますが、一番新しいものは五十年六月に、最近の保険事業に関する答申が行われておりまして、これは生損保を通じまして、根本的に網羅的にあらゆる点を取り上げましたものでございまして、簡単に項目で申しますと……(沢田委員「いや、やっているかどうか」と呼ぶ)生命保険については九四%あるいは九五%の達成率に達しております。
  156. 沢田広

    ○沢田委員 次に、現在保険のお金を積んでいる人たちに一番不満になっております点は、いわゆるインフレによって、もとに契約された金額が今日においても変わっていない。そしてわずかに、昭和二十年ごろに加入をした金額百万円に対して、三十年たった今日においてせいぜいようやく三〇%程度の特別配当、特別加算がつく程度である。そういう状況で、昭和三十年から今日まで、これはサラリーマン給与国税庁調べで見ましても、昭和三十年、二十万七千三百円であります。ところが、昭和五十年にしましても二百三万、実に十倍になっているわけです。それから、国の予算でいきますと、昭和二十年度が二百九十一億に対しまして、現在三十四兆でありますから、実に千倍に近い金額になっているわけであります。さらに、戦後経済成長の実態からいって一番高いものがマネーサプライとして二十三・八であります。それに対して消費水準その他は二・二倍という形になっておりますけれども、いずれにしても零コンマ以下というのはないのであります。また一方、保険の資産勘定から見ますと、実に総資産が七十倍、それから不動産関係で五十五倍、こういうように膨大に水ぶくれ様にふくれ上がっている。一方被保険者については、わずかに〇・三、三割ぐらいの程度の配当しか回ってこない。このことはどうやっても、金融財政を考えていく上においても非常な不公正であり、妥当性を欠くものだと思うのでありますが、その点どのようにお考えですか。
  157. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 生命保険の物価上昇の対策につきましては、先ほど申しました昭和五十年六月の答申でも指摘されておりまして、これに基づきまして、十年以上継続いたしました生命保険につきましては、その継続した間に特別の配当をいたしまして、それから十年以上継続した生命保険契約が消滅した場合にも特別配当を行っておりまして、先生いまおっしゃいましたものをちょっと数字で申しますと、あるいは二十年代の特別配当を含めますと、たとえば三十年満期で二十二年に契約したもので計算いたしますと、五十二年に満期が参りまして、その間に払いました保険料は、配当を引きますと大体二万八千円でございますが、最後にもらえるものは大体二十二万一千円くらい、そういう計算になっております。
  158. 沢田広

    ○沢田委員 ですから、いま私が挙げた、もとの給与に対するスライド、あるいは国の予算の伸び率に対するスライド、それからいわゆる生命保険会社が大ぶくれにふくれ上がっていったスライド、あるいは不動産を持っているスライドになぜ被保険者の金額はスライドできないのか、スライドをさせることが当然ではないのか、そういう指導大蔵省指導ではないのか、その点を確かめているので、結果が三〇%程度の割り増しでいいということではない。なぜそこまで引き上げることはできないのか、できないとすればなぜなのか、その辺をはっきりお答えいただきたいと思います。
  159. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 それでは五十一年度決算につきまして御説明いたしますと、もうけたものは剰余金でございますが、剰余金はいろいろな源泉から出ておりますが、それが全社で、五十一年度で九千七百七十億出ております。そのうち九九・四%に当たります九千七百十三億を契約者に還元しております。
  160. 沢田広

    ○沢田委員 私の言っているのは、当時の百万円の金額は今日においても百万にしかなりません。それは国の予算のように一千倍にならなくとも、たとえば生命保険会社が持っている資産が七十倍になっている。この事実から見て七千万になる。不動産の五十五倍にしても五千五百万になる。こういう比例がどうしてとれないのかということなんです。たとえばその率にまで達しないにしても、それだけ一方の掛金を納められた側の資産というものはふくれ上がっているのですから、今年度においての状況はいざ知らず、少なくともその程度に近いものにスライドされてしかるべきじゃないですか。
  161. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 先ほど申しましたのは、十年以上長期継続したものでございまして、それ以外にも、物価指数保険でございますとか、あるいは転換制度、途中から転換するとか、中途から増額するとか、いろいろな制度を設けまして、物価上昇に対する対策は講じております。
  162. 沢田広

    ○沢田委員 でも、なってないでしょう、現実にいまのスライドは。そのなっていないものを、現在の保険業法八条、九条大蔵省はそれを指導し、監督をし、しかもそれぞれ報告を求める義務があるのですから、そういう指導をするべきじゃないのですか。いかがですか。
  163. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 先ほど不動産が非常にふえているというように言われましたが、不動産は、これは主として賃貸用でございます。営業用でございません。投資用でございまして、その投資から出た剰余を毎年、毎年契約者に返している、こういうことで対応していると考えております。
  164. 沢田広

    ○沢田委員 ここで行き来しても時間がたちますから、次に行きますけれども、あなたが言っていることが正しいのか、いま私が言っていることの方が本当の被保険者の声なのか、ぜひひとつその点をもう一回あなたの家族の奥さんにでも聞いてもらいたいと思う。あなたがここでどんなことを抗弁しようと、この現実は否定できないと思うのでありまして、そういう点をしっかりと確認していただきたいと思うのです。  次に、疾病の保険の入院の関係でありますけれども、現在二万三千四百十七件、百五十七億あるのでありますから、平均六十七万ぐらいになるのであります。ところが、実際に保険給付を受けている率はわずかに三・九%。いわゆる保険を納めている人たちに対して三・九という数字は、九〇%を超えているのですね、九〇%程度が保険料が言うならばプラスである、もうかっているということになってくるわけなんでありまして、これは余りにもひどい数字ではなかろうか。もう少し保険料率を下げるとか、何かをひとつ考えるべきじゃないだろうか。  続いて、もう一つ言いますが、いわゆる掛け捨ての問題であります。掛け捨ては、現在五年年金、十年年金というように、国家においてもそれぞれ福祉年金とあわせて掛け捨てにならないようにということで措置をしているくらいでありますが、この保険における掛け捨てについては、これからどのような指導をされようとしておられるのか、その点ひとつお聞かせをいただきたいと思います。
  165. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 第一点のパーセント、ちょっと私よくわかりませんけれども、申しわけございませんが、ちょっと仕組みを申し上げますと、保険料の中には、基礎率でございまして、予定利率、予定死亡率、予定事業費でとりまして、実際にそれを上回ったものを返す仕組みになっておりますから、ことし入ったものは、あるいは将来の死亡保険金、将来の養老保険金、そういうものの原資に充てられるわけでございますので、収入と、いまおっしゃいました給付金を比較するのはちょっと私わかりませんが、この点は保険のいわば仕組みでございますので、ことし入ったものは将来のために蓄積していく、そういう仕組みになっていると思います。
  166. 沢田広

    ○沢田委員 ある例では、年齢三十五歳、保証期間が二十年で五十五歳、保険金は一千万円、年払い七万四千円づつ、これは事故が起きたときは一千万円もらえる。ところが、五十五歳にまでなって何にもなかった、そのときにもらえない金額に百四十八万円掛ける。しかしこれは掛け捨てである。こういう事例に対して、百四十八万も、三十五歳に入って五十五歳、二十年間納めてきた。この当時の給料から比べてみたら厳しい条件であります。こういう掛け捨てになる制度についてもっと復元の措置を講ずるということは、当然考えられるべきではなかろうか。  続いて次に、同じ三十五歳で、今度は六十歳を終期としました場合に、一千万円を掛けた。年払いは一万三千二百円であります。ところが支払いは、ここで三百九十六万円、そうして終身になった場合に掛け捨てとして一千万円になる、こういうことが起きてくるわけであります。  いずれにしても、さらにもう一つの例を申し上げて時間を短縮しますが、現在の平均寿命は男が七十二歳、女が七十五歳、こういうふうに延びている。しかし、保険は全部七十歳で打ち切っている。七十歳で打ち切るということは、現在の寿命が七十二なり七十五に延びているということにかかわらず、七十でおしまいですよ。ということは、生きているうちにおしまいにさせるのであって、死ぬときには払わないで済むように保険会社は考えて、わざわざ七十を終期にしていると言われても仕方がないようなことじゃなかろうか。  加えてもう一つ、現在までの間に、日本人が非常に長命になってきた。長命になってきたということは、保険金がうんと浮いてきたということなんです。インフレによって浮いたことが一つ、それから日本人の寿命がうんと延びてきたから、うんと浮いてきた。その浮いてきた分が還元されるという仕組みが確実にされてないのじゃなかろうか、そういうふうに思われるのでありまして、この点、三つあわせてお答えをいただきたいと思います。
  167. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 掛け捨ては、いわゆる定期保険というのがございまして、実は生命保険文化センターというのがございまして、そこでよく世論調査をやるわけでございますが、一般の世論といたしましては、果たして蓄積していって十年後にもらうのがいいか、あるいは余り掛けないで死亡したときにもらうのがいいかという、いろいろ世論調査がありまして、最近は定期保険の掛け捨てにわりあいと人気と言ってはおかしゅうございますが、好むような傾向が出ております。したがいまして、先ほど申しましたように、保険料の中に占める部分が、危険部分と蓄積部分とございますから、危険部分が多くて、そうして幸いにして生き長らえた場合にはその分は掛け捨てになる、そういうことになっております。  それから年齢でございますが、先ほど先生おっしゃったのは、加入年齢のことではないかと思います。(沢田委員「終期です」と呼ぶ)終期につきましても、最近新しい保険を開発しつつありますので、まだ一般的にはなっておりませんが、そういう会社の申請もぼちぼち出ております。
  168. 沢田広

    ○沢田委員 これからは、時間の関係がありますから若干まとめて言っていきますが、さっきの傷害給付の入院の給付料は、千八百五十五億の納入に対して三・九%の収入にしかならない。いわゆる払いがそれしかならない。それから解約の返戻金、これはいわゆる保険を解約をしたというときの取り扱いであります。これは五十二年で五千二百八十九億二千万円、保険料に対しましては一一・二%の支払いにしかなっていません。これは保険というのはものすごく混合していますから、種類がものすごく多いということであって、非常に不明確で、国民に対してわからぬ、こういう状況になっている。  これもあわせて、現在保険の持っている四兆円に近い金額、あるいはまた、三百三十四兆円という契約高、まさに国民の上に大きな影響を与えるものですから、言うならば公共企業体みたいな形態を持たせる必要があるのじゃなかろうか、こういうふうに思います。  そういうような意味において、昭和五十二年度の経常収益でも六兆四千五百四十一億もある。それからまた税金の方でも、一般企業に対してきわめて甘いということになるわけです。大企業が収益が、一・二%くらいの収益率があるのに、生命保険の収益率は一四%の利潤率であります。ですから、きわめて生命保険会社はもうかる、こういう形態が出ているわけでありますから、これらの点についても、日本生命あたりは九十三億税金を納めておりまして、第一が四十四億納めておりますけれども、そういうような形において利潤率が高い。     〔綿貫委員長代理退席、委員長着席〕 こういうものに対して、もう少し指導というものが必要ではないか。  余り言うと覚え切れないかもしれませんけれども、それから決算公告、公に知らせる義務、損益計算書、貸借対照表等がまちまちですね。相互会社株式会社、それからそれぞれの生命保険会社は非常にまちまちでありますしもっと国民に知らせる義務というものを負わせるべきではなかろうか、こういうふうに思います。  以上、五点ばかりまとめて質問いたしましたので、お答えをいただきたいと思います。
  169. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 解約返戻金が少ないというお話でございますが、先ほど申しましたように、解約返戻金と言いますのは、いわば保険料の中の蓄積部分だけの何%かを返すわけでございますから、危険部分に対応するものにつきましては、もうすでにそこで――火災保険で言いますれば、一年間でいわば危険の反対給付、給付の関係は終わっている、そういう関係でございますので、あるいはパーセントが少なくなっているかと思います。  それから、税金のこと、私ちょっと数字がよくわかりませんが、いわばまた再びもうけ過ぎ論に入るわけでございますが、もうけ過ぎという言葉が、もうけというのが剰余金ということでございますれば、先ほども御答弁申し上げましたように、九〇%以上契約者に返している、そういう実態を申し上げておきたいと思います。
  170. 沢田広

    ○沢田委員 九〇%以上返していると言うならは、この資産勘定になって――これはここでやっているとまた時間がかかりそうですから、余りかからないようなやり方でやりたいと思うのですけれども、これは大蔵省財政金融統計表に載っている数字でさっき言った資産勘定を私は出しているわけですから、その資産勘定の中で、これだけの膨大な資産を抱え、不動産を抱えて、それで九〇%を返していると言うけれども、言うならば、簡単に言えば保険料の分だけもうかっているという形が結果的にはいま出てきているということなんですよ。保険料で、いわゆるみんな国民が納めた保険料の分だけはちょうど利潤率にぶつかっている、剰余金にぶつかってくる率になる。  最後に、もうこれで私は時間が、皆さんにも御迷惑がかかりますから、総括的に要望をしながら、とにかく生命保険というものが改めて見直されなければならない時期に来たということだけは否定できないだろうと思うのであります。大口融資の規制の問題にしましても、それからその他のいま還元率の問題にいたしましても、返戻金の問題にいたしましても、あるいはインフレ是正、転換の指導の問題にいたしましても、あるいは消費者対策にいたしましても、いずれにしても、死亡率が変更した、インフレが進んだ、こういうようなものによってそれぞれいま見直しが求められている時期に来ている、こういうふうに判断していいと思うのであります。  そういう意味において、この短い時間の中では、私も一生懸命になってむずかしい保険の内容を調べてみましたけれども、各所に理解に苦しむところがあるわけであります。でありますから、ひとつこれをもっと国民にわかりやすく、いわゆる外交の人によってごまかされるとか、あるいはその人によって言い含められるとか、そういうことでなくて済むような、国民の理解というものを深める一つの対策を講じていただきたい。そして同時に、保険相談所というようなものを国民に、どこの会社の窓口ではなくて、いわゆる国として、これは老後の保障というようなものを考えるわけですから、公正な立場でその保険の相談ができる、こういう窓口をつくって、そして損した、得した、不満がやはり政治の不信につながるわけですから、そういうことをなくしていくために、ひとつそういう措置を講じていただきたいと思うのですが、この点はいかがでしょう。
  171. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 公営の保険相談所となりますと、ちょっとあるいは保険部長権限を越えるかと思いますので、この点は答弁を差し控えておきますが、いずれにいたしましても、保険の仕組みとか保険の経理の内容が不明朗だということは、監督官庁といたしまして大変遺憾でございますので、いろいろな方法でこれはディスクローズする方法があると思います。たとえば総代会をもっと民主的にやって皆さんに知らせるとか、それから経理の内容をもっとわかりやすく知らせるとか、あるいは一線の外務員にもう少し教育を徹底してわかりやすく説明させるとか、いろいろわれわれの課題は多いわけでございますが、先生の御指摘を受けまして、今後も努力したいと思います。
  172. 沢田広

    ○沢田委員 これはそういう方向で検討しておいてもらえるということでよろしいですか。確約とか何とかじゃなくて、とにかくこれだけ、昭和五十一年度だけで五十七品目も新しい保険が出てきているのですよね。従来のに合わせたら、これはもう恐らく大蔵大臣だって、何種類あってどういうふうなものだというのはわからないでしょう。ですから、そのぐらい複雑な条件になっているものを、もっとわかりやすくしながら整合性をとっていくということ、同時に、そのことの過渡的な段階に、国民がどこへでも素直に行って、この問題はどうなっているんだという質問をし、苦情を申し入れる場所、それをとにかくつくって、当面、今日の国民の不満というものをなくすという措置を講じてもらいたい。この点はひとつ何とか抽象的な答えじゃなくて、もう少しお答えいただきたいと思うのですよ。
  173. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 五十年の答申を受けまして、五十一年の一月に生命保険文化センターというのが、生命保険各社の出資によって財団法人としてできまして、そこで各種商品の比較、それから保険のわかりやすい仕組み、保険知識保険に関する税金の問題、そういうパンフレットをつくっておりますとともに、そこでも苦情を受け付けておりますし、各社及び協会、それから地方生命保険協会というものがございますが、そういうところでも苦情の窓口をつくりまして、契約者の声を聞いているように指導しているわけでございます。
  174. 沢田広

    ○沢田委員 もう大変遅くなって(「気にするな」と呼ぶ者あり)いいですか。といっても、お世辞に乗ってやるわけにもいきませんから……。  次に、法律には保険契約者総会というものを開く義務法律上規定されているわけです。私はいまだかつてこの保険契約者総会、私も入っていますけれども、一回も通知をいただいたことはないのであります。それにかわるべき措置を講ずることができると法律には書いてあります。これはやはりただし書きでありますから、原則は契約者総会を当然法律的に開かなければならないと思うのであります。郵便料が高いとかそういうことはあるかと思いますが、また、後ろの紙の薄い小さな字で契約事項が細かく書いて虫めがねでなければ見えない、その中にはどこかに代理権まで与えちゃっていることになっているのかもわかりませんけれども、あれももう少しわかりやすく、契約書の裏の虫めがねで見なくても済むように、もしこの契約者総会が法律に決まっていて、それを、入ったときには委任状を渡しちゃっているということであったとするならば、これは私もうっかりしたということになるのかもわかりませんけれども、少なくともそういうことのないような措置を、片一方は法律ですから、そんな虫めがねで見るような文句で済まされるものではないと思うのであって、当然被保険者の権利が守られる措置が講じられなければならないと思うのですが、その点いかがでしょうか。
  175. 貝塚敬次郎

    ○貝塚説明員 二つございますが、第一点の、約款にはいまお申し越しのありました総会に対するいわゆる総代会の委任、そういうことはございません。  それから総会でございますが、ちょっと具体的な数字で、具体的な会社の名前を挙げませんが、ある上の方の会社で、いわゆる生命保険契約者イコール社員でございますが、社員が大体五十二年三月で七百三十三万七千人おります。これは日本一流の企業の製鉄会社が五十五万五千人でございますので、それの株式の数と社員の数イコール契約者の数を比べますと、やはり総会を開くというのはちょっと現実的じゃないと思っておりますので、ただし書きにあります総代会にかえている次第でございますが、その総代会の運営につきましては、これも繰り返しになりますが、五十年の六月の答申で細かく指示されておりまして、それに基づきまして、年齢地域職業、そういうものを一点に偏らないように、なるべくばらまくように、それから一人が長い間やらないように細かい指導がございますが、それにのっとってわれわれやっておるわけでございます。
  176. 沢田広

    ○沢田委員 いまの答弁で若干気になりましたから、これで大体終わりにしようと思っていたのですが、法律で決まっているものを、それが七百万もいるからできないからといって、私も全然知らないうちに委任状を出すということは、法律行為としてはあり得ないことなんであって、もしそういうことが自分の会社だけで勝手にやられるとすれば、それは少し法律上触れるんじゃないか。そういう答弁になるとやはり長くしたくないなと思ってもなるので、何らかの手続は、被保険者に委任状をもらうとか、一回でもいいから少なくとも、長期にはできないでしょうけれども、やはりそういう措置を講ずる必要があるんじゃないか。これは答弁要らないです。要らないですけれども、とにかくそういう措置で、いまの答弁で事が済むものではないというふうにだけひとつ理解をしていただきたいと思います。  いずれにいたしましても、私もわずかな日程でありましたけれども、これは一年ぐらい前から温めて勉強し、勉強してきた生命保険の問題なんですが、できれは小委員会でも置いて、生命保険のあり方、これだけ複雑多岐にわたった条件の中を、もっと国民に開けた生命保険というものにしていかなければいけない段階に来ている。しかも、これから公定歩合が下がって、資本、資産がそれほど利益を得ていく条件じゃなくなってきた。いままでのような高度成長のときには、インフレでうんともうかってきた。ところが、これからはそうはいかなくなってくる。そのときに、どこにしわ寄せが来るかというと、保険料の引き上げにしわ寄せが来る。やはり体質改善も相手にしてもらわなくちゃならない。それをだれが発言するのかと言えば、だれもいない。そういうことですから、結果的には、従来の惰性を変えて新しい体質改善をしていくためには、保険料を上げないでこの低成長下における生命保険行政というもののあり方をどう求めるかということは、これはわれわれも関心を寄せざるを得ないのであります。ですから、いままでの水ぶくれを解くことも一つであるけれども、これからの低成長下、金利でかせぐというわけにいかなくなってきた。客がいなくなるのですから、大口の融資でかせいでいくというわけにはいかなくなってくる。そういう条件を考えてみたときには、これは理事さんにもぜひひとつお願いいたしますけれども、小委員会でも持って、日本生命保険加入率は世界一ですから、そういう条件にある生命保険行政というものを、国民に開かれた生命保険としてぜひひとつ御考慮をいただきたい。そういう意味において大蔵大臣から御答弁をいただいて、私の質問を終わりたいと思います。
  177. 村山達雄

    ○村山国務大臣 いま数々の非常な貴重な意見を賜りました。私見ておりますと、保険はやはりいろんなニーズがあるものですから、いわば多種類の商品をいま開発しているのですが、おっしゃるように非常にわかりにくい、この点はもう争えない事実だろうと思うわけでございます。  それから、私もはたから見ておりますけれども、私、大蔵大臣になる前から、保険部で監査は厳重にやりまして、保険料の引き下げとかあるいは保険金の引き上げとか大分やっておりますけれども、まだまだおっしゃるようにたくさん問題があるのではなかろうか。特に非常にわかりにくいだけに、銀行でございますといま消費者ローンとか住宅ローンとかいろんな相談所がございますけれども、いま聞きますとそれをつくっているそうでございますけれども、さらにそういうPRが必要ではないか、こう思っているわけでございます。  結論といたしまして、いま沢田さんのおっしゃったような趣旨を十分踏まえまして、われわれも今後真剣に行政の運営に当たってまいりたい、かように思っているところでございます。
  178. 沢田広

    ○沢田委員 終わります。どうもありがとうございました。
  179. 大村襄治

    ○大村委員長 次回は、来る十日、金曜日、午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後十時十三分散会      ――――◇―――――