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1977-12-19 第84回国会 衆議院 外務委員会 1号 公式Web版

  1. 本国会召集日(昭和五十二年十二月十九日)(月 曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の とおりである。    委員長 竹内 黎一君    理事 大坪健一郎君 理事 奥田 敬和君    理事 塩崎  潤君 理事 毛利 松平君    理事 河上 民雄君 理事 土井たか子君    理事 中川 嘉美君 理事 渡辺  朗君       有馬 元治君    石原慎太郎君       稲垣 実男君    川崎 秀二君       川田 正則君    木村 俊夫君       鯨岡 兵輔君    佐野 嘉吉君       中山 正暉君    福田 篤泰君       福永 一臣君    井上 一成君       北山 愛郎君    久保  等君       高沢 寅男君    美濃 政市君       正木 良明君    渡部 一郎君       中村 正雄君    寺前  巖君       伊藤 公介君 ――――――――――――――――――――― 昭和五十二年十二月十九日(月曜日)     午後零時四十九分開議  出席委員    委員長 竹内 黎一君    理事 大坪健一郎君 理事 奥田 敬和君    理事 塩崎  潤君 理事 毛利 松平君    理事 土井たか子君 理事 中川 嘉美君    理事 渡部 一郎君       有馬 元治君    石原慎太郎君       稲垣 実男君    鹿野 道彦君       川崎 秀二君    川田 正則君       北川 石松君    佐野 嘉吉君       中山 正暉君    井上 一成君       北山 愛郎君    久保  等君       高沢 寅男君    美濃 政市君       瀬野栄次郎君    中野 寛成君       中村 正雄君    寺前  巖君       伊藤 公介君  出席国務大臣         外 務 大 臣 園田  直君         農 林 大 臣 中川 一郎君  出席政府委員         外務政務次官  愛野興一郎君         外務省欧亜局長 宮澤  泰君         外務省条約局長 大森 誠一君         水産庁長官   岡安  誠君         海上保安庁次長 向井  清君  委員外の出席者         外務省アジア局         次長      枝村 純郎君         外務委員会調査         室長      高杉 幹二君     ――――――――――――― 委員の異動 十二月十九日  辞任         補欠選任   木村 俊夫君     鹿野 道彦君   鯨岡 兵輔君     北川 石松君   正木 良明君     瀬野栄次郎君   中村 正雄君     佐々木良作君   渡辺  朗君     中野 寛成君 同日  辞任         補欠選任   鹿野 道彦君     木村 俊夫君   北川 石松君     鯨岡 兵輔君   瀬野栄次郎君     正木 良明君   中野 寛成君     渡辺  朗君 同日  理事中川嘉美君同日理事辞任につき、その補欠  として渡部一郎君が理事に当選した。     ――――――――――――― 十二月十九日  北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の  地先沖合における千九百七十七年の漁業に関す  る日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦  政府との間の協定の有効期間の延長に関する議  定書の締結について承認を求めるの件(条約第  一号)  日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁  業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共  和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に  関する議定書の締結について承認を求めるの件  (条約第二号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  理事の辞任及び補欠選任  国政調査承認要求に関する件  小委員会設置に関する件  小委員会における参考人出頭要求に関する件  北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の  地先沖合における千九百七十七年の漁業に関す  る日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦  政府との間の協定の有効期間の延長に関する議  定書の締結について承認を求めるの件(条約第  一号)  日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁  業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共  和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に  関する議定書の締結について承認を求めるの件  (条約第二号)      ――――◇―――――
  2. 竹内黎一

    ○竹内委員長 これより会議を開きます。  この際、理事辞任についてお諮りいたします。  理事中川嘉美君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 竹内黎一

    ○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、理事の補欠選任についてお諮りいたします。  これは先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 竹内黎一

    ○竹内委員長 御異議なしと認めます。  それでは、委員長は渡部一郎君を理事に指名いたします。      ――――◇―――――
  5. 竹内黎一

    ○竹内委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  本委員会といたしましては、国際情勢に関する事項について調査を行いたいと存じますので、この旨、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 竹内黎一

    ○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  7. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次に、小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。  国際経済の動向、特に多国籍企業の現状を調査し、必要な措置の検討を行い、わが国外交政策の樹立に資するため小委員十四名よりなる多国籍企業等国際経済に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  8. 竹内黎一

    ○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  なお、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 竹内黎一

    ○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  小委員及び小委員長は、委員長において指名し、公報をもってお知らせいたします。  なお、小委員及び小委員長の辞任並びに補欠選任に関しましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 竹内黎一

    ○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  次に、小委員会において参考人より意見を聴取する必要が生じました場合には、参考人の出席を求めることとし、その人選及び出頭日時その他所要の手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 竹内黎一

    ○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  12. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次に、北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件及び日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件の両件が、本日本委員会に付託になりました。  両件を議題とし、審査を進めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  13. 竹内黎一

    ○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。  北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件及び日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件の両件を議題といたします。  まず、政府より、それぞれ提案理由の説明を聴取いたします。外務大臣園田直君。     ―――――――――――――
  14. 園田直

    ○園田国務大臣 ただいま議題となりました北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件及び日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府どの間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件の二件につきまして、提案理由を御説明いたします。この二件は、それぞれ別個の案件ではありますが、経緯上も内容的にも互いに密接な関係にありますので、一括して御説明いたします。  政府は、本年五月二十七日にモスクワで署名された北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定及び本年八月四日に東京で署名された日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間がともに本年十二月三十一日に満了することにかんがみ、ソビエト社会主義共和国連邦政府との間にこの二つの協定の有効期間の延長に関するそれぞれの議定書を締結するため、本年九月末以来モスクワにおいて交渉を行いました結果、本年十二月十六日にモスクワにおいて、わが方重光駐ソ大使と先方ブイストロフ漁業次官との間でこの二つの議定書の署名を行った次第であります。  この二つの議定書は、いずれも二カ条から成っており、それぞれ右に述べました協定の有効期間を明年十二月三十一日まで延長すること、両政府の代表者は、明後年以降の問題に関して明年十一月十五日までに会合し、協議すること等を定めております。  この二つの議定書の締結により、一方では、わが国漁船がソビエト社会主義共和国連邦沖合い水域において引き続き明年末まで操業することが確認されることとなり、他方では、わが国は、ソビエト社会主義共和国連邦の漁船が、明年においてもわが国の漁業水域においてわが国の法令に従い操業することを認めることとなります。なお、漁獲割り当て等の実体的事項につきましては、ソビエト社会主義共和国連邦沖合い水域におけるわが方の漁獲についての沿岸国としての先方の立場にはきわめて厳しいものがあり、政府は先方と鋭意折衝を行いましたが、明年のわが方漁獲割り当て量として八十五万トンが定められました。他方、ソビエト社会主義共和国連邦に対する明年の漁獲割り当て量としては、六十五万トンを定めた次第であります。  この二つの議定書の締結は、互いに相まって、両国の二百海里水域における漁業に関する両国の間の円滑な秩序を確保するものであると考えております。  よって、ここに、これらの議定書の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
  15. 竹内黎一

    ○竹内委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。     ―――――――――――――
  16. 竹内黎一

    ○竹内委員長 これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川田正則君。
  17. 川田正則

    ○川田委員 初めに、非常に長期間にわたりましてきわめて厳しいモスクワの交渉を続けてこられました岡安長官初め関係者の皆様方に心から敬意を表するところでありますが、本年春の日ソ漁業交渉、秋のソ日交渉、これをめぐりまして、わが国の北洋漁業初め水産加工など関連の企業あるいは地方自治体など、一時は息の根がとまるかと思うほど、非常に大変な混乱を示したわけであります。従来魚のとれていたところが魚がとれなくなるということは、全く大変な問題を惹起しているわけであります。基幹産業の重要さということをしみじみ感じさせられたわけであります。  しかしながら、その後関係各省庁の努力もありましたし、また自民党においても北洋漁業問題特別委員会をつくり、本曲御出席の中川農林大臣が委員長になられて東奔西走の結果、不本意ながらもどうやら今日に至ったわけであります。  関係者の気持ちというのは、幾ら新しい二百海里時代を迎えたとはいえ、いつまでもこんな状態が続くものではあるまいと思っております。きっと国があるいは政治家が何とかしてくれるという、非常に強い期待を持っているわけでありますけれども、さて質問の第一点は、今回の交渉の結果、御存じのような、わが方は八十五万トン、ソ連は六十五万トンというふうに押し切られたという感じを受けております。漁民の場合は、厳しいという状態よりもむしろ苦しみを感じているわけでありますが、決まってからとやかく言っても仕方ありませんけれども、ここではっきりしておかなければなりませんことは、今回のモスクワの交渉の実情というものを関係者に十分知ってもらって、そうして理解と協力をしてもらわなければならない、かように考えるわけでありますが、今回の交渉のむずかしかった点についてお伺いをしたいと思います。ソ連側の事情もありますでしょうし、日本側の特殊な事情もあるのかもしれませんが、その観点について水産庁から御答弁をお願いいたします。
  18. 岡安誠

    ○岡安政府委員 今回の交渉、特にクォータ関係につきましてきわめて厳しい結果になったわけでございますが、その交渉の経過等についての御質問でございますので、私からお答えいたしたいと思います。  クォータ関係の交渉は、十一月二十一日から交渉をいたしたわけでございます。交渉の当初からソ連には二つの原則があったようでございます。その一つは、日ソ双方とも相手国に与えるクォータは等量原則を貫くということ、それから来年のクォータにつきましては、ことしのクォータについて取り決められました諸種の規制をそのまま来年に引き継ぐという、二つの原則があったようでございます。  最初の原則につきましては、私ども等量原則というものはもってのほかである、日ソの間におきましては伝統的な漁獲実績を比べましても大きな差があるわけでございますので、これを無視しては日ソ両国の漁業関係の将来を安定的に維持するわけにはまいらないということで、少なくとも従来の実績、わが国では最高百七十万トン、ソ連邦といたしましては最高六十六万五千トンと言われておりますが、これらの実績を踏まえたそれぞれクォータの量でなければならないということを私どもは主張をしたわけでございますが、結果的には、はなはだ申しわけなく思っておりますけれども、彼我のクォータの差は二十万トンということで落着せざるを得なかったわけでございます。これはやはりソ連邦が、等量原則は引っ込めたとはいいながらも、平等の原則と称しまして、できるだけ彼我のクォータの差を縮めたいというような強固な考え方がございまして、私どもこれを打破すべく努力はいたしましたけれども、このような結果になったのでございます。  もう一点の、ことしの諸種の操業の規制を来年に引き継ぎたいという点につきましては、私ども交渉の当初から、ソ連二百海里内におきますわれわれの操業について七つの水域に制限をされております。これをこのまま置きますと、特に底魚を中心といたしました漁労が非常な制約をこうむりますので、ぜひこの操業水域の拡大を図りたいということで努力をいたしたわけでございますが、ソ連邦といたしましては、すでに来年の操業につきましてはことしの規制をそのまま引き継ぐ、それは、日本の操業について操業水域の拡大その他を認めないと同時に、日本に対しましても、ソ連漁船が受けております規制の改善、拡大は求めないというような考え方から、これも私どもの希望、要望を最終的にはかなえることができませんでした。これもはなはだ残念に思っておりますが、私、今回の交渉を通じまして、この二つの原則のうち、等量原則は打ち破ることができましたけれども、なかなか厚い壁であったというふうに考えておる次第でございます。
  19. 川田正則

    ○川田委員 ただいまの長官のお話で、ソ連が等量主義といいますか、等量の原則というのを打ち出すというのはあらかじめ私ども何か予測せられたような感じもいたしますけれども、とにかく決まってしまった。操業水域の場合も七つの海域に限定をされたわけでありますけれども、この割り当ての八十五万トンというのがその七つの水域で果たしてとれるものかどうかという不安感が漁民にはあるわけであります。とれなかった場合はどうするのか、この点について長官の御答弁をお願いしたいと思います。
  20. 岡安誠

    ○岡安政府委員 ソ連の漁業水域内の七つの水域におきます操業の実績は、まだことしの六月以降しかないわけでございます。したがって、年間を通しまして果たしてどれだけとれるかということにつきましては非常に推定もむずかしいわけでございますが、従来の操業の実態から推定をいたしますと、この七つの水域ではおおよそ五、六十万トンの漁獲を上げていたのではあるまいかというふうに考えます。ただ、これは従来ソ連邦が漁業水域を設定する以前に、わが国の漁船がソ連沿岸におきまして、領海以外の公海におきまして自由に操業をいたしました時代、そのときにこの七つの水域の中で上げたと思われる漁獲量を推定いたしたわけでございます。そこで七つの水域が設定されました以上、この水域を極力有効に利用するという努力を今後しなければならないと思います。そういう努力をいたしますれば、私ども、今回設定を見ました八十五万トンは必ずしも消化でき得ないような数量ではないというふうに考えております。
  21. 川田正則

    ○川田委員 それでは観点を変えまして外務大臣にお答えを願いたいわけでありますけれども、この日ソ漁業交渉というのは一九五七年から毎年行われているわけであります。ことしで二十一年目を迎えているわけでありますけれども、その統計を見ますと、年々、操業水域にいたしましても漁獲量にいたしましても、下降の一途をたどっているわけであります。決まったものは、失われたものは決してもう戻ってこないというのがいままでのあり方でありますけれども、これは毎年やっておりましたから、ソ連の物の考え方であるとかあるいはやり方についてはわが方としても十分熟知をしているはずであると私は思うわけでありますが、結果がことしの場合も非常に厳しい。厳しいということがわかっているならば、単に水産外交だけに任さないで、日本とソ連の二国間の大きな外交の舞台の上であらかじめ手を打てなかったのかどうか。外務大臣おかわりになられた直後でありますから、こういう質問が当を得てないかもしれませんけれども、単に水産外交だけに任さないでもっと大きな舞台で日本とソ連とがやるべきでないか、このことについて御所信を伺いたいわけであります。
  22. 園田直

    ○園田国務大臣 仰せのとおりでありまして、漁業交渉が単独に漁業交渉としてのみやられることは賢明ではなくて、日ソ間には共通する利害がいっぱいあるわけでありますから、すべての問題の中の一環として漁業問題を解決するように努力しなければならぬと私も考えております。  ただ、この漁業問題の漁獲量でいろいろ御意見ありますけれども、交渉した農林省、現地の派遣団は非常に苦労したわけであります。世界各国ともいま共通した問題を抱えておるわけでありますが、その一つを取り上げてみても、ソ連の方では畜産業というものを維持するのに飼料その他の問題で非常に困っております。年々、牛、豚等の肉類の生産は下がっております。そこでソ連は、一方にはそれを補うために海上資源たん白というものを非常に有力視してきておって、一例を挙げると、いままでコンブ等は食べなかったのですが、いまでは海のキャベツという名前をつけて大型のかん詰めにしてこれを売っている。食生活まで改善をしてそういう努力をしておる。それから御存じの二百海里時代というのは各国に非常に衝撃を与えておるわけでありますが、その中でも一番大きな打撃を受けたのは、世界二大漁業国であるソ連と日本でございます。米国、カナダから締め出され、ECその他の北欧沖合いからは締め出され、しかも逆にソ連の方は、向こうの方では実績量を主張したにもかかわらず等量主義で押し切られるというようなかっこうで、ソ連にはソ連の苦しみがあるわけでありまして、しかし、それをそのままわれわれ納得するわけにまいりませんので、日本国内の漁業従事者の不安も十分踏んまえて、ソ連の立場にもなりつつ交渉を進めてまいったところでございます。
  23. 川田正則

    ○川田委員 重ねてお伺いいたしますけれども、そういたしますと、これからは単に水産外交だけでなくて、国の大きな外交としてもこの問題を取り上げていかれるということになりますでしょうか。
  24. 園田直

    ○園田国務大臣 御意見のとおりと考えております。
  25. 川田正則

    ○川田委員 それでは、また話を前に戻しまして、北洋漁業に従事している人たちあるいは関連企業の人たちは、本当に生きるか死ぬかの問題になっているわけでありますが、先ほど長官のお話にありましたように、そういうふうに決まったのであれば、これからその人たちに対する救済の措置をとらなければならないと思いますけれども、その点についてひとつはっきりした方針を述べていただきたいと思いますが。
  26. 中川一郎

    ○中川国務大臣 ことしの春のような減船あるいは加工業者に対する規制等はないと思います。減船は、限られたごく一部のものであります。しかし、一部でありましても、春にとりましたような対策をしっかりとって、漁民に不安を与えない措置をとってまいりたいと存じております。
  27. 川田正則

    ○川田委員 すでに民間では、やはり魚が欲しいという観点からもありますし、また減船を二度と繰り返されると、スクラップとなって漁礁のために海底に沈めなければならぬというふうな非常に悲惨なことまでも考えているわけでありますけれども、そんな中で民間では、独自で新しい漁場を求めて現在調査がなされております。たとえば稚内の機船組合、これはインドネシアの方に行きまして、アチエという特別区の知事さんなどとも会っていろいろお話を進めているようであります。現在、インドネシアと日本との間で合弁会社をつくる話が進んでいるというふうに聞いておりますが、その会社が設立された場合には、日本でも、どうかこちらに来て大いに魚をとってくれということを言われているそうであります。そこら辺は非常にマグロ、エビ、カツオなどの高級魚が生息しているということでありますが、もちろん施設の問題でありますとかあるいは魚価の問題でありますとか、採算上の問題はあるにしても、民間がそうやって積極的に新しい漁場を求めている時代になってきたわけであります。そんな中で、そういった民間が調査をした場合にあるいは試験操業をするような場合に、あるいはまたそういった合弁会社をつくるようなときに、国としては相当の援助をしてもらいたいという希望があるようでありますけれども、この問題についてひとつお答えをいただきたいと思います。
  28. 岡安誠

    ○岡安政府委員 漁業者が今後海外に進出をするというような場合におきましては、これは一般的な話でございますけれども、当然のことながら進出する先におきます漁業資源の状態がどうであるか、それから相手国の受け入れの体制がどうであるかということを、事前に綿密に調査をしなければならないというふうに考えております。そのような調査は、大手の企業ならば独自ででもできますけれども、中小の漁業者が調査をするという場合には、独力ではなかなかむずかしいということもございます。そういうようなことに対しましては、私ども現在海外漁業協力財団というものがございますので、財団の方から低利の融資をいたしまして、援助を申し上げるというような制度をすでに確立いたしておるわけでございまして、この制度は、今後とも充実してまいりたいというふうに思います。  それから、具体的に合弁の企業をつくるというような場合に当たりましても、私ども御相談を受ければそれぞれアドバイスもいたしますし、また合弁をする場合に必要な資金等につきましては、先ほど申し上げました海外漁業協力財団から必要な資金の融通ということも考えております。  ただ、私ども考えておりますのは、独自でいろいろ試験操業等をする場合でございますけれども、これは漁業者に御援助を申し上げるということよりも、現在は国みずからやるか、それとも海洋資源の開発センターというのがございまして、センターには国が援助をいたしておりますので、そういうような機関を御利用いただきまして、科学的、系統的な調査をいたしたい、その資料は提供を申し上げるというようなことを実は考えている次第でございます。
  29. 川田正則

    ○川田委員 時間がありませんので、簡潔にお話を申し上げますと、民間の場合は、国がなかなかやってくれないので、われわれの力でやろうということでありますだけに、その辺の気持ちをひとつくんでいただいて、積極的な御支援をしていただきたいと思います。  時間がありませんので、最後に、とにかくこういうふうに魚が足りなくなってきたということになりますと、水産都市としては本当に生きていけない感じになるわけであります。少しでもソ連との友好関係を深めて魚をとりたいということで、北海道の都市あたりでは、道北親善の船という構想が出てまいりまして、サハリン州などに行って友好を深めると同時に、貿易を促進して何とかそこで魚を買いたい、そういうことも私ども見聞しているわけでありますが、魚がとれなくなった場合に、何とか魚を買うという考え方が現在の国の方であるかどうか、それをお伺いしたいと思います。
  30. 岡安誠

    ○岡安政府委員 現在北洋関係につきましては、特にスケトウダラ等を中心にいたしまして、漁業者はもちろん、その関連の加工業者はいま非常に困窮をいたしておるということは伺っております。特にスケトウを材料といたしまして、すり身化並びに加工等の関係につきましては、ことしの需給状態がどうであるか非常に心配をいたしました。しかし現状におきましては、少なくとも年内、それから来年当初までは在庫の状態等は昨年に比へまして必ずしも悪くないということでございます。  ただ、今回来年のクォータも決まったわけでございます。そこで来年の需給状況等を検討いたしまして、もし加工業者その他の救済のために輸入をしなければならないというようなことが考えられますれば、御承知のとおり、スケトウは割り当て輸入、割り当て物資でございますので、国全体といたしまして、需要者の意向等を取りまとめまして、必要なときには対処いたしてまいりたい。できれば国全体として統制といいますか、秩序ある輸入というものを実現をいたしたい、かように考えておるわけでございます。
  31. 川田正則

    ○川田委員 これで終わりにいたしますが、先ほど農林大臣からも、今回の場合は、減船という厳しさはないかもしれないというお話でありましたけれども、いろいろ現地の実情を聞いてまいりますと、国の手当てというのは非常にスローモーであるということをよく言われます。関連企業その他に対する金融措置などにいたしましても、非常に手ぬるいというか、時間がかかり過ぎるということがございますので、どうかそういう場合にはもっとスピードアップをしていただきたい、これは要望であります。  それからもう一つは、やはり新しい二百海里時代を迎えて、沿岸漁業の場合でも相当の影響を受けるわけでありますが、沿岸の漁民の皆さんは、われわれの力でひとつ失ったものを取り戻さなければならないということで、大変な意欲を燃やしているわけであります。したがって、漁港の整備の問題あるいは沿岸漁場整備開発事業の促進などについて非常に国に対して期待を寄せているところでありますので、これからいよいよ予算の時期にも入るわけでありますので、担当大臣初め各省におかれましては、その意向をくんで、この二百海里時代に対処していただきたい。  要望申し上げまして、質問を終わります。どうもありがとうございました。
  32. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次に、美濃政市君。
  33. 美濃政市

    ○美濃委員 今回の協定につきまして、若干の質問をいたしたいと思います。  まず最初に、今回交渉に当たられました水産庁の皆さん、大変御苦労さんでした。前提として、こういうふうに決まってくれば、これを私どもとしては認めざるを得ないと思います。修正するといってみてもこれは外交の問題でありますから。そう考えます。しかし私はいままでの経緯から見て、どうしてこうなったのか、やはりよく言われておりますいわゆる力の関係で押し切られたのか。日本側が絶えず主張してまいりました実績主張、これは協定をやるごとに実績が大幅に減少されて、そしてソビエト側の主張するいわゆる等量体制へ物すごく近づいている。たとえば一九七六年のわが国のこの海域における実績は百五十三万トン。それが七七年、二百海里に入りまして、一月から二月、いわゆる協定前に約三十万トン、三月から十二月の協定に入りまして七十万トン、本年においても百万トンの漁獲をしておる。それが今回の協定で八十五万トンに減らされる。片やソビエトの方を見ますと、七六年の実績が六十六万五千トン、今年の実績が、一月から六月、協定前が大体四十一万五千トン、七月から十二月、協定に入りまして三十三万五千トン、いわゆる七六年の実績よりも約十万トン近い――九万トンという方が適正ですか、オーバーしておる、実績を上回っている。今回の協定が六十五万トンで、七七年実績は下がりましたけれども、しかし七六年の実績は協定の中でおおよそ確保されておる。わが国の方は実績を主張しながら半分になっておる。この三年間で半減されてしまう。これはどういうことなんでしょうか。全く外交に力がないのか。どういうことでこうなったのか。一体皆さん方はこれでよろしいという気持ちで、当初からこういう姿勢で交渉に入ったのか、このいきさつをちょっと聞いておきたいと思う。
  34. 岡安誠

    ○岡安政府委員 私ども今回の交渉を九月の下旬から始めたわけでございますし、クォータの具体的な交渉は十一月の二十一日から始めたわけでございます。  クォータについて申し上げれば、先生のおっしゃるとおり、北洋におきます最高の実績は百七十万トンでございましたし、昨年におきましてもサケ・マスを除いた数量は百五十三万トンぐらいはとっておったわけでございます。これらを踏まえて、私ども北洋においてはぜひそれらに近い数字を確保いたしたいというのが、もちろん交渉当初の心構えでございました。それからソ連側につきましても、ソ連は最近におきましてわが国沿岸におきます漁獲量を、漸次というか急速に増大をしてきたわけでございます。そのような経緯を踏まえまして、ソ連側に与えるクォータもほどほどにということを考えて交渉に当たったのは事実でございます。しかし当初におきまして両方がクォータを同時に提示をしたという段階で、ソ連側はわが国に七十万トン与える、日本側はソ連側に三十七万八千トン与えるということになったときに、ソ連側は、わが国がソ連邦に三十七万八千トンしか与えないのであるならば、ソ連側も三十七万八千トンしか日本側には与えられない、また日本がもし七十万トンをソ連側に与えてくれるならばソ連側としても日本の漁船に七十万トンを与える用意があるというように、全く等量の原則というものを堅持いたしまして、当初はそれに終始をいたしたわけでございます。私どもはこの等量原則を打ち破りまして、やはり伝統的な彼我の漁業実績というものを十分勘案したクォータにいたしたいということで交渉をいたしました。しかし最終的にはソ連の壁が、等量原則は打ち破り得ましたけれども、やはり平等性とかその他を言いまして、彼我のクォータの差をできるだけ圧縮をいたしたいという線、これを打ち破ることはなかなか困難で、もしこれを拒否をいたしまして交渉中断ということになりますと、わが国の漁船ももちろんそれからソ連漁船も一カ月ないしは二カ月間は操業ができない事態になります。それは北洋の漁民に対する打撃は当然のことながら、日ソ両国におきます漁業関係の安定的継続維持という立場を考えますれば、これは避けるべきではあるまいかというふうに判断をいたしまして、はなはだ満足のいく結果ではございませんでしたけれども、彼我のクォータの差は二十万トン、そこでソ連邦に対して六十五万トンを与え、わが国は八十五万トンをとるということで妥結せざるを得なかったわけでございます。従来からもソ連はサケ・マス交渉を通じましてできるだけ早い機会に彼我の漁獲量を等量に近づけるという主張を繰り返しておったわけでございますので、今後ともソ連との交渉をいたしますれば、やはり等量に近づける、できれば等量にしたい、そういう気持ちは変わらないと思います。したがって、今後交渉はますますむずかしくなると思いますけれども、しかし私どもは北洋に出漁いたします漁民の立場その他を考え、またわが国沿岸の資源の状態等を十分考えまして、やはり客観的に、また科学的に妥当な数字に落ちつけるように今後とも努力をいたしたいと、かように考えております。
  35. 美濃政市

    ○美濃委員 概要はわかりましたが、お話を聞いておると、やはり現実の漁獲量がソビエト側の主張する等量に近づいたことは間違いないわけです。やはりソビエト側の主張に近づけられたということは間違いないと思います。  そこでお尋ねしておきたいのでありますが、さらにこれから長期協定に入りますと、いま申し上げたように、一九七六年の実績が、七七年、それから明年度七八年の協定で約半分になったわけです。これから長期協定に入るようになると、やはりソビエトの主張するいわゆる等量という主張にだんだん寄り切られて、長期協定では全く等量になってしまうのではないか、こういう危惧を感じるわけです。いまここで、そうなる、ならぬという論議は、これはやはり外交上の問題で相手方のあることでありますから、それは避けたいと思います。ここで想定して等量になるかならぬかと言ってみたって、それは無意味なことであります。しかしこれから、これを持続するのに等量になるというのであれば、私は将来日本側として、等量の協定でなければ守れぬという時代が来た場合にはどうあるべきかということを考えておかなければならぬと思う。いわゆる遠い外国の海へ一部の日本の船が出ていって、その報復手段じゃございませんけれども、その代償として外国の船がわが近海へ来て等量の魚をとるというのであれば、協定は無意味になるのじゃないですか。今回は二十万トンでもありますから、今回を言っておるわけではないのです。将来全く等量を主張されて等量の体制の協定に入るということになれば再検討を要するのではないかと思います。経費的にも、あるいは漁業という、遠く海へ出ていくわけでありますから海難に対する危険的にも、お互い近い海でとった方が、コストも安くなるし、等量であればこの協定は意味がなくなってくるのではないかと思うのです。それはどうでしょうか。
  36. 岡安誠

    ○岡安政府委員 ソ連との関係におきましては、先ほど申し上げましたとおり、ソ連としては、等量という考え方を将来とも主張してくることは当然想像ができます。しかし先ほど申し上げましたように、私どもは、等量になった場合にはソ連邦に与えるべきクォータについては、当然日本近海におきます資源状態というものを十分勘案の上でなければ、これをできるだけ多く与えるというわけにはまいりません。しかし一方、ソ連邦沿岸における漁獲量につきましては従来の実績もございますし、また多数の漁民がこれに関係をしておりますし、その背後には加工業者その他の関係業者もおるわけでございますので、これはできるだけ大量に確保するという考え方ば捨てるわけにはまいらないわけでございます。そこに、今後の交渉において予想される困難性があるということで申し上げたわけでございまして、私どもは等量原則に賛成を表するというつもりは全くございません。  また、ソ連邦以外の国々につきましては、現在でも国連海洋法会議その他で議論されておりますように、余剰原則というものに支配されてくるだろうというように考えております。ソ連邦と日本の場合につきましては、両方とも盛んな漁業国でありますので、相手方に与えるべき余剰はないという立場から交渉をいたしておりますので、非常にゆがめられたといいますか、国連の海洋法会議におきます余剰原則というもの直ちにではなく、別の形のアプローチが行われておりますが、その他の国々につきましては当然余剰原則というような考え方によりまして、今後強力に折衝を進めるということ、これはぜひ私どもやってまいりたいと思っております。
  37. 美濃政市

    ○美濃委員 仮定の問題でございますからこれ以上答弁は要りません。しかし日本の政府として、これは両大臣にも聞いておいてもらいたい。あるいは日本の政府としてあくまでも等量しか協定ができないという時代が来たときに、ここでやはり決断をしなければならぬと思うのです。重要な外交を絡んでおる仮定の問題でありますから答弁は要りません。答弁するということはかえってまずい答弁になります。しかし私が申し上げておきたいことは、この協定が等量しか得られない。だんだんその危険が増大しておりますね。ですから同じ等量での契約しかやれないというときになれば、私はやはり日本政府としてその時点で日本漁業の安定のために、お互いの両国の資源確保のために等量の協定しか得られないということになった場合には、やはりそれを想定しても、また一年といってもすぐですから、長期協定に入るのもすぐのことですから、十分政府としてのそういう場合の腹構えというものをしっかりしておいてもらいたい。これは答弁は要りません。  次に減船についてお尋ねしたい。今回の協定の中身を見ると、総量は八十五万トンでありますけれども、昨年から対比をいたしまして、エビあるいはベニズワイそれからその他ツブ等、魚種によって漁獲量が大幅に制限される。それが一つ。  それからもう一つは、現地の漁業関係者が心配しておることは、協定は八十五万トンは八十五万トンとしても昨年に比較して魚をとる海域が狭められた。ですから協定量の漁獲ができるのか、できぬのかという不安の声が出ておる。この二点について今回の協定はどうなのか。これをお尋ねしたいと思います。
  38. 岡安誠

    ○岡安政府委員 まず御質問の第二点から先にお答えいたしたいと思います。  ことしのクォータ四十五万五千トンは、これは先生御承知のとおり六月から十二月までの分でございます。来年の一月から十二月、年間のクォータとして八十五万トンが決まったわけでございます。私ども北洋におきまして、ソ連との協定によりまして七つの水域に限定をされまして現在操業いたしておりますが、その水域におきます操業の実績というものは六月以降しかないわけでございます。したがって、年間を通してどれだけとれるかということは推定でしかできないわけでございますが、過去の漁業の実績から、七つの水域ではどれだけとったかということを大ざっぱに推定をいたしますと、ほぼ五十万トンから六十万トン程度とっていたというふうに私どもは考えております。ただ、それは領海を除きまして、それ以外のいわゆる公海の時代に、自由に操業をしていたときに、この七つの水域でとっていた量でございますので、操業水域が七つの水域に限定をされた場合にどれだけとれるかということは今後の課題であるわけでございます。その場合にはできるだけひとつ工夫努力をいたしまして、この水域内でできるだけの漁獲量を上げるというふうに努力をいたした場合には、この八十五万トンというものも必ずしも消化が不可能であるというふうには考えていないわけでございます。  それから二番目の、この八十五万トンの内訳として窮屈な漁業種類があるのではなかろうかという御指摘でございます。確かにこの八十五万トンの内訳といたしましては、カニ類、エビ、それからツブにつきましては非常に制約をこうむっております。特に花咲ガニ、毛ガニにつきましては、これは四島の周辺を主たる漁場といたしております漁業でございまして、約二十隻の船がこれに従事いたしております。それが来年はクォータゼロということになりますので、この関係の漁船は減船やむなしというふうに考えざるを得ませんが、それ以外のカニ、エビ、ツブ等の漁業につきましてはお手元の資料にも明らかなように、大体前年に比べまして八割前後の漁獲量は確保し得ているわけでございます。そこで、この程度の減少であるならば、必ずしも直ちに減船ということはないのではあるまいかというふうに考えております。ただ、今後この操業の実態をどうするかということにつきましては、関係の業界とも十分打ち合わせてまいりたい、かように考えております。
  39. 美濃政市

    ○美濃委員 いまお話を聞いても、やはり七つの海においてつける従来の実績は協定量に達していない、こういうお話ですが、そこにやはり現地における漁業者の不安というものが、これは推理をしてみなければわからぬ問題でありますけれども、これだけの漁獲ができるかどうかという不安がある。これが一点。  それから第二は、いわゆる四島周辺のカニ漁二十隻はゼロでありますから、これはもうはっきり減船の対象になります。それからエビについても、大体昨年の漁獲が五〇%ぐらいになるわけですから、ツブについてはすぐ減船が起きないかもしれませんけれども、エビについては起きるのではないですか。減船という必要が生じてくるのではないでしょうか。こういう小さい魚ですから国内の漁場に転換をして減船を避けるという方法はあるだろうと思います。しかし、この協定に基づく現実はやはり減船が起きるのではないか。これは日本海だけですね。従来とっておったところもなくなってきますから、締め出される部分が出てきますから、現実には減船が起きる。ただ、日本の国内の海に振りかえて現実の減船は避けられるかもしれないけれども、この協定そのもので、ソビエトの領域でとっておった船の隻数は減らさなければ、従来の二十三隻そのまま出漁ということにはならないと思う。どうですか。
  40. 岡安誠

    ○岡安政府委員 確かにエビにつきましてはことしのクォータが千二百トン、それから来年のクォータが五百トンでございます。  ただ、ことしの千二百トンのクォータのもとにおきまして、漁獲実績は三百トンであったというふうに私ども聞いております。三百トンははなはだ不満であったと思いますけれども、いろいろ調整その他を行ったようでございますけれども、何とかことしの操業は終えたと聞いております。  そこで、来年のクォータが五百トンの場合にはどういう操業形態になるのか等につきましては、業界とひとつ十分打ち合わせてみたいと考えております。
  41. 美濃政市

    ○美濃委員 いま決まったばかりですから、この項は大体この程度にしますけれども、いずれにしても減船が起きることには間違いない。これからいろいろ検討してみなければ、いまここではっきり何ぼの隻数を減らさなければならぬ――四島周辺のカニ漁は二十隻、これははっきりしている。その他については今後の推移を見た上でということになると思います。それはやむを得ないと思います。これは確認したいと思いませんけれども、これから長期協定に進み、協定があるごとにこの問題が出てくると思うのですね。  減船補償については、これはやはり法律措置が必要でないか、単に行政予算措置だけでは不十分だ、私は従来からこういう主張をし、前農林大臣は検討するということだったのだが、この関係はどうなっておりますか。きょうから通常国会に入ったのですから、筋を通した減船補償の法律をこの国会に出す用意があるかどうか、この際承っておきたいと思います。
  42. 中川一郎

    ○中川国務大臣 法律をつくることの方がいいのか、あるいは予算上の措置できめ細かく処置をした方がいいのか、いろいろと議論のあるところでございますが、どちらにしても漁業者に支障のないように最善を尽くしていきたい。現段階で法律をつくらなければ支障があるとは考えておりません。  なお、先ほど来、等量主義ならばもう協定は必要ないんじゃないか、簡単に言うならば、同じものなら地先のものをとったらいいのであって、相互乗り入れば必要ないんじゃないかというお話もありましたが、そう受け取られてもちょっと困るので、魚の内容、ソビエトの欲しい魚と日本の欲しい魚が同じ量であっても、質が違うわけでございますから、そう一遍には言い切れない問題があるということが第一点。  第二点は、何かやられまくってしまっているのではないかという感じのようでございますが、確かに外交を行う上において日本が弱い点もないわけじゃない。これは総合力判断として一方にあることは否めませんが、それではソビエトが単に力ずくで無理を言っているのか、全部そう解釈していいかというと、そうでもない。ソビエト自体が等量主義でヨーロッパ、EC等から厳しくやられておるということが第一点。第二点は、先ほど外務大臣からもお話がありましたように魚の資源について非常な関心を持ってきたということで、いままではそう関心のなかった魚に非常に深い関心を持ってきた。こういう二面から非常に厳しい等量主義が出てきておる背景もある。こういうことでございますので、それやこれや考えながら、できるだけの努力をして、海洋資源、外国からいただきます二百海里の資源をたくさんいただけるように、外務大臣の力もかりて権益を守ると同時に、それらの後の措置については万全を期していきたい、こう思っておるところでございます。
  43. 美濃政市

    ○美濃委員 この減船問題は単に日ソ間だけの問題ではございません。これから各国との間に起きてくる問題でありますし、長期的にかなりの年限にわたって起きてくると思いますから、私はあくまでも減船の立法措置を重ねて要請をしておきます。それ以上答弁は要りません。予算は同じであってもやはり国が補償するというのは法律根拠によるべきである、こう思います。  次に進みます。四島周辺、いわゆる領土問題との関連をこの際お尋ねしておきたいと思います。  確かに去年から二百海里という問題が起きまして、この協定に入っておるわけでありますが、去年の協定の姿勢は領土問題には触れないということで交渉が行われたこともよく承知しております。しかし、見ておると現実はどうですか。触れないということはわかりますけれども、現実は、この四島周辺はソビエトの主権として扱われておる。まだ平和条約ができないで四島周辺は未解決というのであれば、両国の権利が相互に認められた条件でなければならぬが、しかし、十五海里にしても、二百海里にしても、四島周辺は一方的にソビエトの領海、漁業水域として現実は扱われておるということですね。何かそこに両国の主権が相互に認められておる面がありますか。どうでしょうか。
  44. 岡安誠

    ○岡安政府委員 これは現在の暫定協定を結ぶに際しましていろいろ御議論があったところでございます。現状として申し上げますと、四島周辺につきましては、漁業水域の管轄権については日ソ双方ともそれぞれ自国の領土のたてまえ――わが国は固有の領土であるというたてまえから漁業水域を設定いたしておりますし、それに関します主権的権利はわが国にあるということ、ソ連邦もそのことは主張いたしておるわけでございます。したがって、重複をいたしているというのが現状でございます。  ただ、その主権的権利、管轄権等の実行に当たりましては、ソ連が北方の四島については現に占領いたしておりますし、その支配下にあるということが現実でございます。したがって、わが方の漁業水域が設定をされ、その主権的権利がわが方にあるには間違いございませんけれども、現にその管轄権、主権的権利の行使はでき得ない状態にある、そういうのが現実であろうというふうに考えております。
  45. 美濃政市

    ○美濃委員 そこで私は外務大臣にお尋ねしたいのですが、現状は岡安長官のいまの説明どおりだと思うのです。主張はしておるけれども、現実の姿はソ連の領土として扱われておる。それで、これからいまのままでさらに長期協定に進んでいくと、現実の実勢、いわゆるソビエトの既得権というものが長期協定によって追認されるような――追認されるとは私は申しませんが、だんだんと相手方の権利が認められる条件が高まっていく、こう思うのです。片や長期協定に入る。ですからもうことしあたりは本格的に、やはり困難な事情があることはよく承知しておりますけれども、政府としては、日ソ平和条約の締結、同時に領土問題の解決に全力を注ぐべきだと思うのです。それが解決できれば、日本側の主張が幸い実現できたとしたら、この四島周辺に限ってはこの問題は解消されます。昔から世界の三大漁場と言われたところであります。四島周辺が解消することによって日本の資源問題も大幅に解消される、こうなる。政府は全力を注ぐべきだと思うのですが、どうでしょうか。
  46. 園田直

    ○園田国務大臣 北方四島周辺の漁業規制が、現実にはソ連の方が規制をしておる。そこでわが方では、第八条において、領土問題に対するわが方の立場には影響がないことを留保はいたしております。なおまた、北方四島周辺水域におけるわが国漁船の操業の手続及び条件については、一般の、ソ連二百海里水域の場合と同様の手続及び条件にしているところでありますから、同協定を延長したりその他によって法的状況はそのまま維持されるが、御意見のとおり、これをこのまま続行するとやがて現状が固定化されるぞ、こういう御意見は十分拝承いたしております。したがいまして、来年早々私はモスクワに行って外相定期会議を行うつもりでございますが、この会議の重点もいまおっしゃったようなことに重点を置いて、平和条約交渉再開についても全力を挙げる所存でございますので、御意見はそのまま拝承し、この上とも御支援をお願いしたいと存ずるわけであります。
  47. 美濃政市

    ○美濃委員 よくわかりました。どうかひとつがんばってもらいたいと思います。できるだけ早期にこの問題を解決してもらいたい。  次に進みます。次は事故についてお尋ねしたいと思いますが、大体この協定に基づきまして操業日誌の問題がよく言われております。あるいは停船命令無視の問題、あるいは割り当て外の漁獲の問題等でしばしば日本の漁船――相手方の漁船は後から聞きます。日本の漁船が拿捕され、もしくは取り調べを受けて相当の罰金を徴収される。この問題につきましてまず第一点として、この協定後何件そういうのが起きておるか。それから、ソビエトから言い渡された罰金の総額は何ぼになっておるか。そして第三点としては、それは協定の事務的交渉の中での食い違いがどうなっておるか。たとえば操業日誌の記帳の問題とか、何か食い違いがあるんではないか。そういう問題について、今回の協定等を通じてどういう話をしてきたか。これは二年目に入るわけでございます。できるだけこれはなくした方が両国のためにも、また漁民もかなり高額の罰金を取られたのでは、特に割り当て外の魚の漁獲でも大幅にしておったというならこれはまあ別でありますが、単に操業日誌の問題で何十万という罰金を取られるということになれば漁民も大変だと思うのです。こういう点についてお尋ねをしたいと思います。
  48. 岡安誠

    ○岡安政府委員 協定の発効以来わが国の漁船がソ連邦の監視船によりまして臨検を受け、違反として指摘を受けた件数を十二月十日現在までの集計で御報告申し上げますと、これは百六十一件というふうになっております。このうちすでに罰金を支払ったものは百四十九件でございます。残りの十二件につきましては、いろいろ抗議をし、交渉の結果、罰金の徴収を取りやめさせた、また返還を受けたもの、または現在話し合い中であるものというのが入っております。現に罰金を支払った百四十九件の罰金の総額は約一億五千万円でございます。  これらを事例別に分けますと、操業日誌の記載方法または記載の内容などがおかしいというふうに言われておりますのが百件で、全体の六七%でございます。次が停船命令の無視ということで十三件、それから無許可操業などの操業違反、これが十件でございます。その他は、割り当てられた魚種以外の魚の混獲をしたというものが十件ということになっております。  このように多数の違反事件が起きましたのは、やはりこういうような事態になったのが最初の経験でございますので、両方非常にふなれであったとか、慣習が違うとかいうようなことがございましたけれども、何遍も打ち合わせをいたしました結果、最近におきましては幸いにして違反件数も減ってきております。たとえば八月には六十三件でございましたけれども、九月が二十七件、十月が三十五件、十一月は八件というふうになっておりますし、十二月に入りましての十日間では二件というような報告を受けております。  なお、さらにこれらの違反事例をなくすというたてまえから、現在私どものモスクワにおきます交渉と並行いたしまして違反事件トラブルの防止のための専門家会議を現在いたしております。そこで操業日誌の記載事項、記載手続等につきましては相当突っ込んだ話し合いをいたしまして、相当合意に達しました。今後そういうようなトラブル、そういう両方の考え方の相違とかいうことによるトラブルの発生を防止する意味合いから、両国が合意に達した事項につきましてはこの際文書にいたしまして確認をし、徹底を期するという努力を現在いたしておりますし、まだ話し合いがつかない事項につきましても、引き続き折衝を進めるということから、私ども代表団は帰りましたけれども、専門家はなおモスクワに残しておりまして、一週間から十日間ぐらいはこれに専念をさせるということをいたしております。できるだけ早くこのような事例がほとんどなくなるように私どもは努力をしてまいりたい、かように考えております。
  49. 美濃政市

    ○美濃委員 海上保安庁に来ていただいておりますが、反対に、ソ日協定ができて以来の、わが国が保安庁の手で同様の措置をしたものは分類別にどうなっておるか、お聞きしたい。
  50. 向井清

    ○向井政府委員 お答え申し上げます。  九月十八日からわが国の漁業水域にソ連漁船が操業を再開したわけでございますが、海域といたしましては、北海道の南岸水域から、現在では大分南に下がりまして、金華山沖から塩屋埼沖と東北南部の沿岸水域が操業場所になっております。一日平均で申しまして、大ざっぱに申しますと三、四十隻の操業があるわけでございます。私どもの方で確認いたしておりますソ連漁船の実数の純計でございますが、約百四十隻というふうに確認をいたしております。これが入れかわり立ちかわり一日三、四十隻ずつ操業をしておるというのが現状でございます。  海上保安庁の警備体制といたしましては、これらの海域に常時七、八隻の巡視船を配置いたしまして、厳重な取り締まりを行っておるわけでございまして、先ほど申しましたようなソ連の出漁漁船につきましては、これを外見上視認するとともに、外見上の違反の有無ということももちろん確認をいたしております。さらに、厳重な取り締まりの手法といたしましては、ボートをこぎ寄せまして船内に立ち入りまして、立入検査を実施しております。この件数がいままでの累計七十六件になっております。このうち違反のあったものについては当然検挙ということになるわけでございますが、この件数が現在までに十三件に達しております。その内容を申しますと、ことごとく操業日誌関係の違反でございます。操業日誌の記載漏れ、不実記載あるいは誤記等々というような操業日誌関係の違反で十三件の検挙をいたし、これに対しまして担保全と申しておりますが、担保全八百万円を徴収しておるというのがいままでの実績でございます。
  51. 美濃政市

    ○美濃委員 次いで、保安庁の次長さんにお尋ねしますが、あなた方がこの問題を取り扱って、何か事務レベルで、たとえば操業日誌の記帳方法なり何なり、やはり実際行われておる漁業と比較してみて、検討してみて、改善を要するなと感じた事項がありますか。それとも、もう記帳方法やそういういま決めておる、事務レベル交渉で定めておることは完璧である、違反となっておるものは、一方的に犯した者が悪いのだという解釈か。もう少し改善することが、もう時間の関係がございますから具体的にはよろしゅうございますが、多少改善した方がよいという感じを持っておる面があるかどうか、それをお尋ねしておきたい。
  52. 向井清

    ○向井政府委員 先ほど申し上げましたように、操業日誌関係の違反というのが全部でございまして、これは非常に細かい問題も含んでございます。これらにつきましては、結果的に違反になったかどうかは別といたしまして、ソ連の船上においていろいろのやりとりがあったということも事実でございまして、細かい問題につきましては、今回のモスクワでの交渉の場所におきましても問題が出たというふうに、私ども間接的に聞いておりますので、これらの技術的な問題につきましては、今後専門家会議等において十分詰めてまいりたいというように考えております。しかし、総じて申しまして、現在の状況では実際の取り締まり上のトラブルがあって円滑を欠いたというような実例はございません。
  53. 美濃政市

    ○美濃委員 もう一つ、せっかく出てもらったついでにお聞きしますが、昨年、わが国の二百海里その他を設定するに当たって、さらにこれから西の海の方にも二百海里問題は出てくると思います。さしずめ、これから起こる問題は別として、現時点においていわゆる保安庁の機動力、機能についてどういうふうにお考えになっているのか。十分間に合ったのか、それとも足らぬのか。それから概要ですね、明年度予算に要求しておるものがあればどういう考えでおるか、この点をお聞きしたいと思います。
  54. 向井清

    ○向井政府委員 お答え申し上げます。  先ほど御答弁申し上げましたように、現在ソ連漁船が操業しております海域には常時七、八隻の巡視船を配備いたしまして取り締まりを行っているわけでございますが、これはやはり当該地区の巡視船艇のみならず全国的に他管区からも応援派遣をいたしておるという状態でございまして、現在のところ、これも先ほど申し上げましたように円滑な取り締まりの実施に差し支えない状態でございますが、しかし長期間にこれがわたりますと、このような全国的な緊急応援体制というものの維持は困難になることは当然でございますので、私どもといたしましても長期的な体制整備ということに十分意を用いている次第でございます。五十二年度予算の分からすでに体制整備に入っておりまして、五十二年度当初予算並びに補正予算におきまして成立した分といたしましては、ヘリコプター搭載の三千トン型巡視船二隻、千トン型の大型巡視船五隻、三十メートル三十ノットの高速巡視艇四隻、それから大型飛行機三機、中型ヘリコプター三機等が整備の緒についておるということでございます。  これからの問題でございますが、いま申し上げました五十二年度の当初予算並びに補正予算分との調整というものを十分見きわめつつ、これらの大型巡視船、高速巡視艇並びにヘリコプター等の整備を中心といたしまして、量とそれから整備の時期と、これとの兼ね合いがございますので、その辺を十分勘案しつつ財政当局とも鋭意折衝を進めるという所存でございます。
  55. 美濃政市

    ○美濃委員 最後に、今回の交渉の中で、これは民間協定になっておりますけれども、最近ソビエトが、提示する要件が大体調えば従来どおりに漁獲をしてもいいというような意向があるやに聞いておるわけです。それは貝殻島のコンブの問題です。この問題について、今回の交渉の中で、長くソビエトにいたわけですから、政府間交渉でないにしても、せっかく行ったついでですから、何かヒントなり何かを得てきておるか、なければないでしようがないのですが、お尋ねしておきたいと思います。
  56. 岡安誠

    ○岡安政府委員 貝殻島周辺におきますコンブ漁につきましては、従来民間協定といたしまして大日本水産会とソ連の機関との間で協定が結ばれておったのでございますが、ソ連が二百海里を設定すると同時に、この民間協定につきましてソ連邦は締結する意思がないというようなことでございました。ところが先般、亀長大日本水産会会長が訪ソいたしました折にイシコフ漁業大臣とお会いいたしまして、この話が出たということは私ども聞いております。ただ私ども政府の代表が来年のクォータ等の交渉をいたしたわけでございますけれども、その交渉の中におきましては全くこの問題は出てきておりませんでした。したがって、この問題につきましても、やはり将来とももし解決ができるとするならば民間協定というラインでの解決が必要ではなかろうかというふうに考えております。
  57. 美濃政市

    ○美濃委員 この問題についても私は従来どおり民間協定の存続でいいと思う。政府として 民間協定となれば限度がありますから、十分相手方にも復活してよろしいという意見があるように聞いておりますので、政府としても可能な、何といいますか体制をひとつお考え願いたいと思います。  以上で、終わります。
  58. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次に、土井たか子君。
  59. 土井たか子

    ○土井委員 ただいま審議をいたしておりますこの協定をめぐりまして、日ソ両国間の基本的な政治問題というのは少し横に置いておきまして、この協定に事関して、技術的側面から見ました限りにおきましても、やはりこの有効期間を延長するということと同時に、重要課題は漁獲量の設定の問題であります。この漁獲量を割り当てするに際しまして、体世界の趨勢というのはどういう方向でこの問題に取り組もうとしているか。     〔委員長退席、奥田委員長代理着席〕 申し上げるまでもなく、第三次海洋法会議第六期非公式統合草案の六十二条によりますと余剰主義をとっているわけでございますが、日本といたしましては一体どういう考え方を持つべきだとお考えになっていらっしゃるのか、またどういう考え方に従って漁獲量の割り当ての問題に対しては交渉を重ねる必要があるというふうにお考えになっていらっしゃるのか、基本的姿勢にわたる問題でございますが、お聞かせをいただきたいと思うのです。
  60. 中川一郎

    ○中川国務大臣 海洋法におきましても、また二百海里の先鞭をつけましたアメリカにおきましても余剰の原則というのから始まっております。自国において必要なものをまず決めて、それ以外は話し合いの上でとらしてあげよう、こういう原則でございます。わが国はどちらかというと近海で外国にとってもらっておるよりは、むしろ外国に行ってとっておる方が多いわけでございますから、わが国としては実績尊重、実績だけは何とかしてとらしていただきたい、こういうことを主張しており、その間いろいろ交渉の過程で実績主義やらあるいは余剰原則やら、いろいろな苦しみの中に実績主義も貫いてきておる、これが今回二十万トン差の開いたゆえんであろう、こう思っておるところでございます。
  61. 土井たか子

    ○土井委員 外務大臣に重ねてこの問題の基本原則についてまずお伺いをしておいてから農林大臣にお尋ねするのが至当であったかと思いますが、一体世界の趨勢について外務大臣としてどのように認識をされておるわけでありますか。
  62. 園田直

    ○園田国務大臣 御案内のとおりに、二百海里時代によって各国とも非常に変化を来しておりまして、その第一は沿岸国の権限が強化されつつある、その第二番目にはやはり実績から等量主義に変わりつつある、これが状況であると考えております。
  63. 土井たか子

    ○土井委員 外務大臣少し認識がおかしいのではないでしょうか。海洋法会議がどういうふうな問題意識を持ってこの問題に臨んでいるかということはお調べの上での御答弁だと思いますが、実績主義では断じてありませんよ。これはいかがです。国連の海洋法会議でどういう討議が現になされているかということはいかがです。実績主義では断じてありませんよ。
  64. 大森誠一

    ○大森政府委員 海洋法会議の場におきましては、ただいまのところ非公式統合交渉草案というのがございます。その第六十二条におきましては、先ほど土井先生御指摘のように、沿岸国は二百海里水域内の許容漁獲量のうち、沿岸国の漁獲能力を超えた余剰分の範囲でのみ他国に入漁を認めればよいという、いわゆる余剰原則という考え方が一つございます。また他方におきまして、沿岸国がこのような余剰原則に基づきまして他国に入漁を認めるに際しましても、沿岸国としては、その沿岸国の経済その他の国家利益にとりまして二百海里水域の生物資源の重要性を考慮するとともに、また伝統的な漁業国の経済的混乱を最小限にする必要性等についても考慮しなければならないという形でバランスをとるというような規定ぶりになっておるところでございます。このように現在の海洋法会議におきましても沿岸国の規制が強まるという厳しい状況でございますけれども、わが国といたしましては、先ほど来申し上げておりますように、二百海里水域内での伝統的漁業国の実績ができるだけ確保されるように、なお努力を続けているところでございます。
  65. 土井たか子

    ○土井委員 ということなんです。外務大臣。  それで日本としてはこの実績主義というものを振りかざして今回の交渉に臨まれ、大変な御努力を積み重ねられたことも私は敬意を表するにやぶさかではありませんけれども、しかし来年度の漁獲量を設定するのに対して一体どのような根拠に基づいて算出をされたのか。どうも国民感情としてはイシコフ提案というものに対して、日本は曲げられてしまっているのではないか、日本はイシコフ提案を全面的にのんだ形になっているのじゃないかということに対して、今後のあり方を、何とかしてもらいたいという意味も含めて、非常に注目をしているいきさつがあることは御承知のとおりであります。ソビエト側は等量主義というものに基づいた考え方をお出しになったやに私たちは受けとめているわけでありますが、実績主義で臨んだ日本がソビエト側の等量主義に負けたという形に現実なっているじゃありませんか。したがって、来年度は一体本協定を締結できるやどうや、これもまたよくわかりませんが、また期間延長ということにでもなれば、これはまたまた交渉を重ねなければなりません。今回と同じような姿勢で事に臨むと、同じようなことの繰り返しか、いま以下にしかならないということだけははっきり覚悟の上でかからなければならないと思うわけであります。本来、多い少ないの問題よりも以前に、その姿勢は余剰主義の原則にのっとって相手方に臨まなければならないというのが世界の趨勢だと思われるわけでありますが、この点に対して農林大臣としての御意見、御見解というのをはっきり承らせていただきたいと思います。
  66. 中川一郎

    ○中川国務大臣 先ほども申し上げましたように、海洋法においても、また先鞭を切ったアメリカにおいても余剰主義でございます。そこでソビエトはどういう立場になっているかというと、実はソビエトもずいぶんアメリカにやられ、ECでやられ、少なくとも北洋においては余剰はない、したがって日本には上げられないという立場になりますから、そこで日本も、外国にやるものはない。同じない同士ならば、余剰主義が貫けない両国ならば等量ではいかがかなあと、こういうふうにソビエトが出てきておるところでございます。それが先ほど申し上げたECその他からいって、等量主義を言ってくるソビエトの根拠である。しかし日本は余剰主義はとれない。やはり何といっても実績主義を守っていかなければ日本の魚族資源は大変なことになるというので、岡安長官以下が血のにじむ努力をして、余剰主義そして等量主義、いろいろあった中で三十万トンという差をつけて、もっとつければよかったのでありますけれども、相手のあることでございますから、ぎりぎりの折衝をして、泣く泣く二十万トンで妥結せざるを得なかった。来年以降もそういったことで、厳しくはありますけれども、わが国の実績主義というものをますます理解してもらう努力をして、縮まらないように、むしろ拡大ができるならなあという姿勢で進んでいきたい、こういうわけでございます。
  67. 土井たか子

    ○土井委員 外交問題に対してはケース・バイ・ケースというのが必要だということは、私は百も承知の上で申し上げますけれども、そういう姿勢でソビエトに対しては交渉に臨み、国連の場においてはどういう立場を日本としては堅持されるかというのは、私としてはまことに興味あるところであります。外務大臣、大丈夫ですね。
  68. 園田直

    ○園田国務大臣 よく勉強してやります。
  69. 土井たか子

    ○土井委員 いままで政治的な実績がまことに高い外務大臣の御答弁としてはいただけないお言葉でありますけれども、先を少し急ぎましょう。  協定の一条二項に「千九百七十八年十一月十五日までに会合し、協議する。」という文面がございますが、この十一月十五日までと言われている日が設定された根拠はどういうところにあるわけでございますか。どういうわけで十一月十五日までということになったのでございますか。
  70. 宮澤泰

    ○宮澤政府委員 大体ソ連側の意向が一年ごとに延長するという方向でございますので、来年度のことにつきましてはすでに合意いたしましたので、再来年度のことにつきましては来年のぎりぎりになります前に一応の余裕を持ってソ連側と合意に達したい、その事務的な手続等考えまして一応十一月十五日までにという取り決めをいたしたわけでございます。
  71. 土井たか子

    ○土井委員 そうすると、事務的ないろいろ諸般の事情を考え合わせると、十一月十五日までにどうしても協議をするということが必要だ。単に事務的レベルでのいわば便宜主義的考え方から十一月十五日が算出されたというふうふうに理解してよろしゅうございますね。
  72. 宮澤泰

    ○宮澤政府委員 実務的に考えましてそのように設定いたしたわけでございます。
  73. 土井たか子

    ○土井委員 ところでこれは実務的な問題というのは先ほども御質問がございまして、すでに民間レベルの問題だということにもなっておりますが、例の貝殻島のコンブ漁の問題でございます。これについては今回水産庁長官の方からの御答弁の中には、来年のクオータの中には全く話としては出てこなかったという御答弁がすでに出ているわけでありますけれども、しかし片やその御答弁の中に申されましたとおりでございまして、大日本水産会の亀長会長あてに対しては、ソビエト側からすでにある条件を持ち出して、民間協定によって貝殻島のコンブ漁に対して認める用意があることも述べられていることが、すでにニュースで伝えられております。このいわば条件と言われるものが実は問題でございますけれども、それはさらにニュースによると、ソビエト側から、ソビエト側の漁船団に対して日本の港を利用させてほしいという考え方が出されているやに私たちは受けとめているわけであります。端的に言うと寄港の問題でありますね。このことは民間レベルの話だから、そういう話し合いがあった段階でというふうにお答えになるかもしれませんけれども、しかし、一応こういうことがもうすでに亀長会長を通じて伝達されているというやさきでもございますので、お尋ねをさらに進めたいと思うのですが、これは現に御承知のとおり外国人漁業の規制に関する法律の第四条に関係してくる問題でございますから、幾ら民間レベルで話を詰めましても、このことに対して認めるか認めないかというのは政府の問題であります。  したがいまして、そういう点からお尋ねをいたしますけれども、この外国人漁業の規制に関する法律からいたしまして、ソビエト側に対してこれを認めるとするならばいろいろな条件が一応考えられると思うのですが、少なくとも、いま政府として考えなければならない条件として一体どういうことをお考えになっていらっしゃるかをまずお聞かせいただきたいと思うのです。
  74. 岡安誠

    ○岡安政府委員 確かに亀長大日本水産会会長がイシコフ漁業大臣にお会いいたしました際に、ソ連側としては貝殻島周辺のコンブ漁について民間協定を締結する用意があるけれども、ソ連漁船に対しまして日本の港の施設の利用、それからサービスの提供等をしてほしいというようなお話があったやに私どもは承っております。もしそういうような事態を想定するとするならば、おっしゃるとおり法律関係といたしましては外国人漁業の規制に関する法律で措置をしなければならないわけでございまして、私ども、大日本水産会の側におきまして、今後貝殻島周辺のコンブ漁に対しましてどういう考え方で臨むかというような構想が固まりましたならば、政府に対しても何らかの意思表示があるかというふうに考えますので、そのような意思表示がありました際に慎重に検討をいたしたいというふうに考えております。
  75. 土井たか子

    ○土井委員 原則としてはいろいろこれは範囲が広い問題に広がってまいります。いわば国防上の問題までも含めて、この漁船団の寄港の問題などについては取り扱いが、事実上は必要になってくるのではないかと思います。したがいまして、どこの港へも寄港させるということは無条件ではできないはずでありますから、その点の詰めというのは大変私は重要になってくると思われるのでありますが、いままで過去において寄港許可をされたという例がどれほどありますか。どの国に対してどれほど寄港許可をしたという実績がおありになるかを、大まかな線で結構でございますから、一応お聞かせいただきたいと思います。
  76. 岡安誠

    ○岡安政府委員 過去の事例といたしまして、ソ連漁船に対しまして寄港を認めた例といたしましては、修理を目的とする寄港につきましては、ケース・バイ・ケースで認めた例がございます。
  77. 土井たか子

    ○土井委員 ソビエト以外の国もございましょう。
  78. 岡安誠

    ○岡安政府委員 それ以外の国につきましては、これもケース・バイ・ケースでございますが、認めた例はたくさんございます。
  79. 土井たか子

    ○土井委員 一番多く寄港を認めているという国はどこでございますか。
  80. 岡安誠

    ○岡安政府委員 最も多く数として寄港を認めておる相手国は韓国でございます。
  81. 土井たか子

    ○土井委員 韓国の場合というのは、私たちもこれに当たってみますと、概算七百から千隻くらいという数字が出たりいたしまして、これは抜群であります。ところで韓国ということになってまいりますと、これは寄港の問題についても、漁業の問題も含めましていわば政治的ないろいろな問題があろうかと思います。善隣友好というふうな点から考えましても、やはり抜きにしては考えられない問題があるわけであります。  実は外務大臣は御承知だと思いますけれども、ただいま東京におきまして社会主義インターの首脳会議が催されております。この社会主義インターを日本において催されるにつきまして、アジアの問題、特にアジアについても日本、朝鮮、中国、ソビエト、こういう問題を非常に重視し、さらにフィリピンも含めまして東南アジア全域に対しての平和とか、人権とか、エネルギーとか等々の問題を重要視して、今回東京にこの会議が催されることになったといういきさつがあることも外務大臣は御承知のとおりであります。したがいまして、開会をいたしまして後、議長である西ドイツのブラント氏が特に意見表明も含めてのあいさつの中で、韓国のデモクラチック統一社会党に対して特別の友好メッセージというものを送りたいという発言を特にされるということもございまして、実は昨日もこういう場面が展開したわけでありますけれども、韓国の統一社会党の顧問である金哲氏が、この会議の席上、韓国の現在における国内の人権抑圧の現状を披瀝された後、民主化を非常に強く訴えられたわけであります。  本日ニュースで伝え聞くところによりますと、金大中氏が晋州の刑務所からソウル大学の付属病院に病気療養のために移されたということを伝え聞くわけでありますけれども、これは事務レベルの話でなしに、政治家としての外務大臣に対してお尋ねをさせていただきたいと思うわけであります。  いかがですか、こういうことに対して正式に韓国から情報を得ておられるかどうかというのをまずお尋ねいたしましょう。
  82. 園田直

    ○園田国務大臣 いまのニュースは、私も情報として現地から聞いておりますが、正式に韓国からまだ通知がございません。したがってそういうことについてはこちらもまた関心を持っているところでありますから、事務当局から照会したいと考えております。     〔奥田委員長代理退席、委員長着席〕
  83. 土井たか子

    ○土井委員 その照会をするということを積極的に大臣言われましたが、ただいまニュースで伝えられるところによると、現状は金大中氏が刑務所から病気療養のために病院に移される。恐らくは御夫人を始め御家族の方に対する面会もそこで認められるのではあるまいかというふうなニュースとして流されております。そこで外務大臣個人とされましては、政治家としてお考えいただきたいと思うのですが、海外において韓国の人権政策に対する強い批判というものが今回のような措置を韓国政府をしてせしめたのではなかろうか、こういうふうな認識を持っている向きが非常に各国においても強いようでありますが、外務大臣とされては、今回の措置に対してどのような受けとめ方をされるわけでありますか。
  84. 園田直

    ○園田国務大臣 韓国政府では、近来政治犯の釈放の方向に向かっているような気がいたしますので、その一環であるかと考えております。
  85. 土井たか子

    ○土井委員 政治犯の釈放ということに対しても、海外における韓国の人権政策への反応ということと無関係ではございませんで、やはりそれに対応した一つのあり方として、韓国としては今回のような措置があるというふうに受けとめざるを得ないと私は考えているわけであります。  さて、外務大臣としては正式な情報というものを韓国から得たいということを先ほど御答弁をされました。正式な連絡をお受けになるに当たって、政府としては金大中氏についての取り扱い要求を韓国に対してなされるのであるかどうか。特にわが国にとってはこの問題は他人ごとじゃございません。ひとり日本のみならず、大臣も御承知のとおりに、アメリカを初めただいま韓国の人権政策に目を向けている各国の関心というものは大変であります。今回の社会主義インターの首脳会議においても、この問題に対しての関心は一方ではないわけでありますから、そういう意味において、ひとつ外務大臣からこの問題に対する御見解を承っておきたいと思います。
  86. 園田直

    ○園田国務大臣 土井委員から、個人的見解という温かみのある質問ではありますけれども、この問題については韓国の問題でありますから、外務大臣のコメントは避けたいと思います。
  87. 土井たか子

    ○土井委員 追って具体的な連絡があった上で、ひとつそれではまた再度この質問をするということで、今回この日ソ漁業暫定協定については、相手国であるソビエトに対して、追って一月の九日から開催が予定されております外相協議に大臣としては臨まれるということが現段階としてはございますが、その日ソ外相定期協議というものが開かれるに際しまして、主な議題はもうすでにお決めになっていらっしゃると私は憶測をするわけでありますけれども、いかがでございますか。
  88. 園田直

    ○園田国務大臣 日ソ外相会議はしばらくの間中断しておったわけでありますが、今度再開するわけであります。モスクワに行くに際しての日ソ外相定期会議の議題は、平和条約の問題が第一でございますので、共同声明をもとにして未解決の問題を含めて平和条約再開ということに全力を挙げることが第一でございます。  第二番目には、ソ連と日本の間には領土以外には共通した利害が非常に多いわけでありますから、お互いに相手の立場を理解しつつこういう諸問題について討議をしたい。  三番目には、国際情勢の分析をお互いにやって今後の日本外交の参考にしたい。  なおまた、そのほかサハリンからの韓国人の帰還問題あるいは漁業の問題等もろもろの問題がございますから、すでにモスクワでも発表しておりますが、九日から三日間数回の会談を行いたいと熱望をいたしております。
  89. 土井たか子

    ○土井委員 鳩山前外務大臣に、当委員会において、同じような訪ソの御予定に対してその議題をお尋ねしたところ、中ソ問題などについても、日中平和友好条約との関係があるので一つはただしてきたいという旨の御答弁を得ております。  大臣、その日中平和友好条約締結についてはすでに日程に入り、しかも詰めの段階だということも私たちとしてはニュースによって受けとめているわけでありますけれども、大臣、端的に、これはいかがなんでございますか。本日召集されました第八十四通常国会において日中平和友好条約締結が具体的に実現できるかどうか、どのようにお考えになっていらっしゃいますか。
  90. 園田直

    ○園田国務大臣 いま、仰せのとおりこの問題はだんだん煮詰まっておりまして、詰めの段階でございますから、これはすでに総理がしばしば言っておる方向で進んでおるわけでありますが、詰めの段階でありますから、いまここでいつどうということは申し上げない方が事の進捗上有利であると考えますので、御答弁はお許しを願いたいと思います。
  91. 土井たか子

    ○土井委員 第八十四通常国会というと長期にわたる国会でございますから、大変幅があるわけであります。したがいまして、そういう幅を持たせて私は一応御質問をさせていただいたつもりで申し上げました。それについてもいまのような御答弁ではどうも心もとないことでありまして、だんだん煮詰まっていっておるにもかかわらず、これはわかりますよ、慎重を期して、事に対してはこわさないように実現可能な方向に向けていくという御努力が、ただいまの段階では最重要な問題であるということはわかりますが、ただいまの通常国会の段階ででき得べくんば実現をさせたいというのが一つの執念としてなければこんなことはできるはずがないと思うわけであります。外務大臣いかがなんでありますか。そういう執念をお持ちですか。
  92. 園田直

    ○園田国務大臣 ただいまアジア大使会議を終了して在中国の佐藤大使はそのまま残っております。昨日、モスクワの重光大使も休暇ということで帰ってまいりました。そういうことからひとつ御想像を願いまして、ここで何か私が答弁をすることが委員のあれでございましょうけれども、これによって御想像を願う以外にございません。
  93. 土井たか子

    ○土井委員 そこで、ひとつそういう問題も含めて具体的なことをお聞かせいただきたいのですが、ソビエトで七五年の二月に発行いたしております国際関係史出版書というのがございます。その文書の中に「善隣協力の政策とその反対者」というタイトルの文書がございまして、その内容に、中国政府から日本政府に日中平和友好条約の草案が渡されたという事実が披瀝をされているわけでございますが、こういう事実があったのかなかったのかということをただしたいと思うのです。いかがでございますか。
  94. 大森誠一

    ○大森政府委員 一九七五年の春の段階におきまして、日本及び中国側の日中平和友好条約交渉に当たりましての草案というものが交換されたということはございます。
  95. 土井たか子

    ○土井委員 そういう事実があったという話でありますが、ただそのことをめぐりまして、ソビエト側については、ソビエトが、われわれを敵視しているというふうに見る根拠としてこの文書内でも披瀝されているわけであります。  それで外務大臣、ただいまこの日中平和友好条約については大詰めに来た段階でありますから、訪ソされて外相協議に臨まれる節、先ほど、だから私は、そこで主な議題はいかがでございますかというお尋ねをさせていただいたわけでありますが、中身では慎重に慎重を期して、外務大臣はいろいろな諸般の事情をおもんぱかってでしょう、具体的には中ソ問題等お述べになりませんでした。特に中国に対して、ただいまの平和友好条約の締結をめぐりいろいろな問題ということもおっしゃいませんでした。  ただしかし、すでに十一月十一日の当委員会の席で、この問題に対しては中ソ関係についてソビエトにただすということは避けて通れない。しかもソビエトに説明するというふうな、理解を求めるというような段階じゃなくて、むしろ説得を積極的にしていかないと、具体的に日中平和友好条約については締結をすることは事実不可能に近い。したがって、こういう問題に対しては相当思い切った態度で臨まなければ、できることもできなくなるというふうな意味も含めての質問であり、それに対する御答弁をすでに鳩山前外務大臣からいただいたといういきさつがございます。恐らくは一月九日のその定期協議におきまして、外務大臣はこの問題を避けてお通りになれるはずはないと私は憶測するわけでありますが、事この問題に対してはどういうふうな観点からただし方を進めていきたいとお考えでいらっしゃいますか、またソビエトに対しての説得を大臣はなさるおつもりでいらっしゃいますか。このことをお聞かせいただいて、質問を終えたいと思っています。
  96. 園田直

    ○園田国務大臣 先ほどの答弁で国際情勢の分析と私は片づけましたが、その中の重点は中ソの問題であります。なお、中ソの問題ばかりでなく、日本と中国の条約の問題をよその国に相談しようとは思いませんけれども、向こうから質問があれば、これに対しては私は当然的確に説明をしてくるつもりであります。  その基本は、日本は日ソは日ソ、日中は日中、善隣国としてそれぞれ共通する利害を持っているわけでありまして、ソ連とも友好を進めていきたい、中国とも友好を進めていきたい。少なくともソ連と中国は中ソ同盟条約によってはっきりわかるとおり兄弟の国であって、日本を敵とした時期さえあるのに、いまやその国が相争われることは、その隣国である日本が一番困ることであります。日本外交も世界外交もねらうところは平和であります。その平和の次に繁栄が来るわけでありますから、むしろ日本は進んでソ連とも交誼を深くし、相互理解を正しくし、日中とも関係を進めていって、中ソの関係が少しでも緩和の方向へ向かうべきことが日本にとっても世界にとっても大事でありますから、そういう方針で私は私なりにソ連に対して私の主張を理解してもらうように、全力の努力を挙げてくる所存であります。
  97. 土井たか子

    ○土井委員 重ねてのお尋ねは私はしないつもりでありますけれども、外務大臣がそういう態度で協議に臨まれる行方に、実はもうすでに日中条約に対して具体的に、覇権の問題が含まれるその含まれ方によりましては、ソビエト側は権威筋が報復措置というものを出して、これに対しての警告を日本に対して発したということも、私たちとしては情報として得ております。したがいまして、この問題に対しては外務大臣は相当な決意を固めてお臨みになるのは至極当然の話だと私は思うわけでありますが、この報復措置に対しても日本としては断じて屈しないということでお臨みになりますね。
  98. 園田直

    ○園田国務大臣 日本の方では事あるごとに、何かソ連の方が日本に対して牽制をしているとか恫喝をしているとか、こういう議論が言われますが、外務大臣としてはそのように考えません。ソ連の警告は、日本が中国と提携をしてソ連を敵に回せば承知をせぬぞ、こう言っているだけでありまして、日本と中国が正当なる友好関係を結び、これがひいてはアジアの繁栄につながっていくということであれば、恫喝はないと考えます。そもそもソ連ほどの国が人をおどすはずはありません。おどすということは、おどされる者がおるからおどすわけでありますから、その点は十分相手に理解を求めて帰る決意でございます。
  99. 土井たか子

    ○土井委員 終わります。
  100. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次に、瀬野栄次郎君。
  101. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 日ソ、ソ日両漁業暫定協定につきまして、外務大臣並びに農林大臣に質問いたします。  最初に農林大臣にお伺いいたしますけれども、今回の日ソ漁業交渉は、日ソ両国二百海里内での来年の割り当てと漁業区域の拡大が最も重要な問題であったわけでございます。結果的には日本八十五万トン、ソ連六十五万トンと決まり、日本の割り当て量が不当に少なく、これは政府の見通しの甘さからこのような結果になった、私はかように思っております。  言うまでもなく第八十四通常国会に、日ソ、ソ日漁業協定の承認を得て、来年一月以降わが国の北洋漁業に打撃を受けないための事情があったとはいえ、過去における日本の漁獲実績を見ても、ソ連二百海里水域内で最高の年は百八十五万トンを漁獲し、ここ数年のおおよその平均を見ましても百七十万トン。ちなみに五十一年、昨年の実績を見ますとサケ・マス、ニシン等を除いても一年間で百五十三万八千トンとなっております。御承知のとおりであります。一方、ソ連側は五十年が約五十万トンと言われ、五十一年が六十六万五千トン、こういうふうに推計されております。したがって、比率で言えば日本側は昨年に比較すると五五・三%であり、ソ連側は九七・七%を漁獲することになっております。大臣は、二十万トン差をつけた、等量主義に対して努力した。これは私どもはわからぬではありません。岡安水産庁長官初め皆さんの苦労はよくわかるわけでありますけれども、結果的にはまことに残念なことになっております。  また、本年度の漁獲量を見ましても、日本は一月から二月が三十万トン、ソ連が二百海里を実施した三月から十二月が七十万トン、合計百万トン。この間、四月、五月は操業できなかったわけでございますが、これを操業したとすれば約二十万トンの漁獲があったことになります。そうしますと合計百二十万トンという計算になります。こういったことで、本年の結果から見てもはるかに少ないということになる。一方、ソ連は一月-六月が四十一万五千トン、日本が二百海里を実施しました七月から十二月は三十三万五千トンと言われまして、これは明らかに数字はつかめないのが実情でありますけれども、合計七十五万トンとも言われております。  このように漁獲量がソ連は過去の実績に一〇〇%近く割り当て、日本側はこれまで北洋で水揚げしてきた量の約半分ほどでしかありません。これは日本政府の見通しの甘さと弱腰外交によってこのような結果になった、こういったことで私はまことに残念であると同時に、日本国民としてこういった問題を指摘せざるを得ませんが、農林大臣はこれに対してどういう見解をお持ちであるか、冒頭答弁をいただきたいと思います。
  102. 中川一郎

    ○中川国務大臣 御指摘のとおり農林省としても、また私としても、あるいは国民の皆さんから言ってみても、結果に対してこれが喜ぶべきものであったとは決して思いません。残念な結果であった、こう見るわけでございますが、ただ、先ほど来申し上げましたように、二百海里時代を迎えてそれぞれの国が余剰原則というものを強く主張している風潮の中で、ソビエトも余剰がないという事態を迎えたわけでございますから、したがって等量という主張が出てくることは前々から想像がついたことであって、決して甘く見ておったところではありません。そういったソビエトの背景はありましたけれども、わが国としてはやはり実績尊重、実績主義ということを強く主張いたしまして最後の最後まで粘り抜いたのでございます。しかしソビエトの壁は厚く、このままでまいりますと年内の協定成立、そして来年一月から操業が困難、こういうことになりますれば、これは一月、二月、大事な時期に休漁という非常事態にもなります。また、来年まで待ったからといって、この壁が破れるという、これまた確たるものはございませんで、この際はいろいろありますけれども、漁民のことを考え、日ソ間を円満な話し合いでやっていくという基本原則を貫くという立場から、忍びに忍んで妥結を見たところでございまして、この点は残念ではありますが、この際はいたし方ない、それでも二十万トンという、厚い厚い向こうの等量主義を破って差がついたということはせめても実績主義が幾らかでも貫けたかな、交渉に当たられた皆さんの並み並みならぬ御努力と、また御支援をくださいました国民の皆さんの世論がそうさしたものだと、せめて等量主義でない実績主義が、わずかではあったけれども貫いたことに評価もいたしておるような次第でございます。
  103. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 外務大臣にお伺いしますが、ただいま農林大臣から答弁ございました。また先ほどからもいろいろ論議されてきましたが、時間の制約もあるので、はしょって質問せざるを得ませんが、ここで外務大臣にお伺いしておきます。  日本は、過去の伝統的な漁獲実績を認めるべきだと主張してがんばられたこともよくわかるわけです。一方ソ連は、余剰配分の原則を貫いたということが言える結果になったわけです。しかもソ連は、今次交渉で等量主義を打ち出してきたわけです。結果的に見ると、ソ連側のガードがかたく、日本が大盤振る舞いをした、こういうような結果になったと私は指摘せざるを得ません。  いま関係漁民、また関係者の間で、いろいろ将来に向かって心配しておることは、このようなことであれば、わが国がこれまで主張してきた実績主義が等量主義や余剰主義に取ってかわりつつあることを物語るものであり、また海洋法会議の趨勢を見ましても、こういったことがうかがい知れるところでございます。そういったことから、いずれ遠からず頭を下げて交渉する必要がなくなる、こういうふうに関係者、漁民等は心配をしております。こういった悲痛な訴えに対して、外務大臣は一月訪ソされるわけでありますが、いずれにしても外務大臣として、こういったことについてはどういうふうに見ておられるか、強力に実績主義を進めていく自信があるのか、こういったことについて大臣の見解を承っておきたいのです。
  104. 園田直

    ○園田国務大臣 今度の交渉でソ連は、EC海域においては実績主義を主張しております。そして日本に対しては等量主義を主張しておるわけであります。世界の趨勢は、先ほどおしかりを受けたように、余剰の原則の方向に進んでおります。しかし、国の個々の関係においては、いろいろ問題があるわけであります。しかし、今度の日米経済会議でも、今度の日ソ漁業交渉でも、単に大国のソ連が日本を押し切ったとか、特別意地悪しておるとかそういう見方ではなくて、やはりソ連にはソ連の苦しみがあり、日本には日本の苦しみがある。その自分の国が余剰の原則という大きな波に洗われつつある時期に、どうやって逐次、自分の国の利益を守りつつ世界の流れの方向に持っていくか、こういうことが問題であると考えます。  したがいまして、外務大臣、農林大臣は、日本の北洋漁業の立場から、実績主義を主張しつつも、やはり世界の流れはながめながら、一方には、これに対する国内あるいは新漁場の調査、あるいはよその国との漁場の開拓、こういうこともあわせてやらなければならぬと思いますけれども、当面外務大臣、農林大臣が主張すべきことは、実績ということについてソ連の理解を求めるよう努力することが任務であると考えますので、今度参りましたなら、その点についてもよく相手の立場も理解しつつ、こちらの立場も理解してもらう、そしてお互いに助け合いながら新しい原則に向かって、両方の国が最小限度の被害で立ち直るように努力をしたいと考えております。
  105. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 岡安水産庁長官にお伺いしますが、今次漁業交渉で最も重要な問題であった漁獲割り当ての激減、特に操業水域拡大が現状固定になったわけであります。すなわち水域拡大が認められなかったのは、北緯五十度以北のオホーツク海、カムチャッカ沖合い漁場、サハリンの西側漁場でありました。北転船の漁場が少ないわけであります。本年は二百海里元年と言われてきましたけれども、来年こそが二百海里元年だ、こういうふうに言われるのもけだし当然のことでございます。よって、またぞろ減船に大きくつながるわけでございまして、私はこういった漁場の、いわゆる現状固定によって、減船の見通し等につき、その経過とどういうふうになるのか、長官から御説明をいただきたいと思います。
  106. 岡安誠

    ○岡安政府委員 今回の交渉、特にクォータ関係の交渉につきましては、クォータの総量もさることながら、わが国の漁船の操業水域につきましては、これを拡大をいたしたい。これは関係漁民の強い要望でもございますので、私ども交渉の当初からこの問題を持ち出しまして交渉いたしたわけでございます。しかし、ソ連側といたしましては、今年彼我の漁船がこうむっております諸種の規制は、これはそのまま来年に継続いたしたい。ソ連側としても、日本政府から課せられている漁場の規制につきましては、現場として非常な不満があるけれども、あえてソ連側から規制の緩和、漁場の拡大は求めないで、それに対し日本側にも操業区域の拡大は応ずることができないという主張に終始をしました。その結果、私ども最後まで粘り強く要望いたしましたけれども、残念ながら七つの水域につきましての漁場の拡大は実現をしなかったわけでございます。  そこで問題は、北転船等を中心といたします底魚を対象といたします漁業種類についてさらに減船があるかというお尋ねでございます。スケトウにつきましては、ことしの六月から十二月まで十万トンでございましたけれども、来年は年間操業といたしまして三十四万トン余りのクォータを確保してございます。北転船につきましても、漁場の制約からなかなか十分な操業はいたしかねる、非常に窮屈であるということは承知いたしておりますが、その水域におきます北転船の操業隻数については、ことしの二十二隻から来年は二十七隻というような操業隻数も認められました。したがって北転船につきましては、今後アメリカ水域におきます漁獲量の割り当てとの関係もございますけれども、現在私どもの考えております第一次及び第二次の減船、これは必要かと思いますけれども、さらにそれ以外の新しい第三次というようなそういう減船は必ずしも必要はないのではあるまいかというふうに考えております。  いずれにいたしましても、今後の来年の北転船の操業につきましては、業界ともその計画を十分打ち合わせをいたしまして、円滑な操業ができるように措置をいたしてまいりたい、かように考えております。
  107. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 いま岡安水産庁長官の答弁ございましたが、すでにあなたが帰国された次の日には恐らくモスクワから外電で入っていると思いますけれども、水域別に、漁船の漁法別隻数等はわかっていると思うのです。これは別途また資料でお出しいただけば結構です。けさほど照会しましたけれども、なかなか係が見つからずに、手元に資料がございませんが、この隻数がわかれば減船数が明らかになってくるわけです。そうすればこの問題でいろいろお尋ねをしようと思っておりましたけれども、なかなか資料をいただけなかったので、いずれ資料をいただきたい。  そこで、とりあえず問題になるのは、昨年のソ連の許可を見ましても、日本漁船の総数は六千三百三十五隻であったわけですが、これに対し水域別許可隻数がどうなっているか、こういったことを私はお尋ねしたいわけでございます。  ちなみに、長くなりますから、若干の点をさしあたってお尋ねしておきますが、北西太平洋のカニは昨年の隻数で六十七隻、北転船が昨年の隻数で十五隻、エビかご、これは日本海でございますけれども、昨年の隻数が二十三隻でございます。これは実績から見て配分量が少ないわけでございますから当然減船せざるを得ない、こう思うわけです。もちろん北転船は第一次で三十隻、第二次は二十七隻を予定しておられるわけですけれども、これらも当然影響を受けてくる、こう思うわけですが、これらについて、とりあえず問題のところでございますので、長官の交渉の経過を踏まえて国民の前に明らかにしていただきたい。
  108. 岡安誠

    ○岡安政府委員 それでは、御質問でございますので、それぞれの漁業種類ごとの隻数について昨年とことしを対比して御説明を申し上げます。  操業水域別という御質問でございましたけれども、これはいろいろ重複をいたしますので余り意味がございませんので、漁業種類ごとに申し上げます。  まず北西太平洋カニ漁業でございます。昨年は六十七隻でございました。これがことしは四十七隻でございます。差の二十隻は、これは北方四島周辺の花咲ガニ、毛ガニ等のクォーターがゼロになりましたので、それに従事しております船二十隻、これは減船やむなしと考えられますので、その差が六十七隻と四十七隻の差に出ているわけでございます。次に北西太平洋のツブ漁業、これはことしも来年も同じく三十隻でございます。それから北転船でございますが、これはことし二十二隻、来年は二十七隻でございます。それから沖合い底びき網漁業は、ことしは百八十一隻、来年は百九十八隻でございます。それからイカ釣り漁業、これはことしも来年も四千六隻同数でございます。それからサンマ棒受け網漁業、これはことしが八百八十隻、来年は九百隻となっております。それからまき網漁業、これはカツオ・マグロを対象とするまき網漁業でございますが、これはことし実績ゼロ、来年は五十二隻、新規参入でございます。それからエビかご漁業につきましては、ことしが二十三隻、来年は十五隻でございます。これはことしが二十三隻の許可隻数、操業隻数の枠を持っておったのでございますが、実績が十五隻でございましたので来年は実績どおりの十五隻ということで、特に減船を予定しての隻数ではございません。それからタコ漁業でございますが、これはことし三百七十五隻、来年は四百隻になっております。それからベニズワイガニ漁業、これはことしが三十九隻、来年が五十四隻でございます。次に底刺し網はえなわ漁業でございますが、これはことしが七百十二隻、来年は五百四十二隻になっております。ただし、これはことし七百十二隻の枠がございましたけれども、現にソ連側に許可を申請いたしました隻数が五百五十四隻でございます。したがって、来年は五百四十二隻でよろしいということで、私どもの要望どおり認められた隻数でございます。次にカツオ一本釣り漁業でございますが、これはことしゼロでございますが、来年は二百四十九隻、新規参入でふえた分でございます。それからマグロはえなわ漁業、これはサメ類を対象とする漁業でございますけれども、ことしがゼロ、来年は二十六隻、新規参入でございます。  以上の合計が六千五百四十六隻ということになりますが、それ以外に運搬船等の付属船がさらに計上されますので、総合計は六千七百十隻というのが来年の日本漁船の操業が許可され得る隻数ということになっております。
  109. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 いま長官からの答弁で私、メモをしましたが、いずれまた詳細な報告は別途書類でいただきたいと思いますが、これから見ましてもかなりの減船が起きてくるということは当然うなずけるわけでございますから、十分これに対しては対策を講じていただきたいと思う。  それからもう一つは、岡安水産庁長官にお伺いしておきますが、北方四島周辺にわたる三角水域、これは日本漁業水域として線引きしておるわけで、またこの三角水域は花咲ガニ、タラバガニ、ズワイガニの漁場でありますけれども、今年もついにゼロになったわけですね。ソ連は漁獲ができるけれども、日本側は主権が及ばないということでしょうが、ついにことしもできなかった。われわれは、これについては強い外交交渉でこの壁を破っていただきたい、こう思っていたわけです。ところが、ことしもまた昨年並みということになってしまいました。相打ちにならなかったわけですね、この点、どういうふうに交渉されたか、どういうふうな強い姿勢で臨まれたか、その点も明らかにしていただきたい。
  110. 岡安誠

    ○岡安政府委員 北方四島周辺の漁業につきましては、先ほども御答弁をいたしましたけれども、ソ連邦もあの周辺にソ連の漁業水域を設定するということ、しかし、これは領土問題その他には影響がないというたてまえでございますけれども、そういうことを主張いたしますし、わが国も北方四島周辺にはわが国の漁業水域を設定したということ、この主張をソ連に認めさせております。したがって、重複した水域でございますけれども、現にあの四島周辺につきましてはソ連が占領いたし、現実の支配下にあるわけでございます。そこで、わが国の漁船が四島周辺に出漁する場合には日ソ漁業協定によりましてソ連側の許可証を取得し、操業をするわけでございます。  ただ、今回三角水域におきます花咲ガニ、毛ガニのクォータがゼロになりましたのは、ソ連の主張は、あの水域におきます花咲ガニ、毛ガニの資源が非常に悪くなってきた、これ以上操業を続けるとわれわれ子孫にカニの資源を伝えるわけにいかなくなる、この際、こういう資源状態だから来年についてはクォータを与えるわけにまいらないという主張でございました。わが国はそれに対しまして資源状態その他を通じましてずいぶん反論いたしたわけでございますけれども、最後まで厚い壁が破れなかった、いわゆる資源論争の点におきましてソ連がどうしてもその主張を押し通してきたので、やむなくこれに従った、合意したという経過でございます。
  111. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 いまの北方四島周辺の三角地点の問題については中川農林大臣も当然北海道出身でございますから十分関心のあることだと思います。これについてはひとつ今後とも強力な交渉を進めていただくように要求しておきます。  時間の催促がありましたので余り詳しく申し上げている暇がございませんが、あと一、二点どうしても聞いておきたいことがございますので、明らかにしていただきたいと思います。  岡安水産庁長官にお伺いしますけれども、昭和五十二年七月二十七日付で水産庁通達、北洋漁業救済対策というのが出されているわけであります。政府交付金及び融資対象事業費の概要を見ますと、政府交付金総額七百九十七億円、減船隻数については総隻数三千百六十三隻中減船隻数が千二十五隻となっております。御承知のとおりです。その中で北転船については、第一次減船が三十隻で、先ほど申し上げましたように第二次減船が二十七隻となっておりますが、実績がどうなっておるか、現在実際に減船をした隻数、それから政府の交付金をどのくらい出しておるか、ひとつ簡潔にお答えください。
  112. 岡安誠

    ○岡安政府委員 簡単に申し上げますと、北転船の第二次減船分二十七隻を除きましてすべて交付決定を終わり、交付をいたしております。
  113. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 政府交付金の金額は幾らでございますか。
  114. 岡安誠

    ○岡安政府委員 北転船二十七隻分を除かなければならないのでちょっと計算はすぐできませんが、それ以外は全部交付済みということでございます。
  115. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 そこで、全部は交付済みということで金額はおっしゃらなかったけれども、さきに問題になりましたペーパー船主という問題がございますね。すなわち許可は持っているが操業実績がないのに交付金を払ったという問題があって、いろいろ論議したわけですが、水産庁は調査の上交付金は返還させると言っておられますけれども、これについては何件で、どのくらい交付金を返還されたのか、またその後どのような措置をされたか、簡潔で結構ですから明らかにしておいてください。
  116. 岡安誠

    ○岡安政府委員 すでに交付した交付金のうち、いわゆる私どもはペーパードライバーと称するような船主には、これは交付しないということにいたしておりますが、そういうような船主がいたという話がありましたので、私ども係官を派遣いたしまして、北海道庁職員と共同で調査をいたしました。その結果、明らかになりましたので、道庁からそれぞれ政府交付金を受けた問題の船主の方々にお話をいたしましたところ、問題の七隻につきましては自主的にこれを返還するということに決まっております。その金額の総計は約二億四千万円でございます。
  117. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 農林大臣、いまの件お聞きになったと思うけれども、今後も減船問題がいろいろ問題になってきますので、あなたも北海道出身であるが、十分この点注意していかないと、いろいろまじめにやっておる者たちがばかをみるというようなことになってもいけませんし、その点については農林大臣も十分反省して、大臣就任早々だけれども、十分監督、指導してもらいたいと思うが、どうですか。
  118. 中川一郎

    ○中川国務大臣 全くそのとおりでございまして、以後かかることのないように厳に注意してまいりたいと存じます。
  119. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 農林大臣にさらにお伺いしますけれども、日ソ漁業協力協定交渉についてでございますけれども、北洋公海における日本漁船のサケ・マス漁獲については、御承知のように昭和五十二年、ことしは六万五千トンでございました。五十三年度分については、漁業条約が五十三年四月末で廃止となるわけでございますから、いま政府としても漁業共同委員会をつくり、二百海里に即応したものとすべくいろいろ交渉中であることは承知しております。お互いの立場を尊重して、そうして問題を整理して、来年二月上旬、東京において交渉すべく、外交ルートを通じていまいろいろと交渉を進めておられるわけでございますが、ソ連側は、御承知のように自国の川で生まれ育ったいわゆる遡河性魚種は、二百海里の内外を問わず、母川主義が前面に出されて、禁漁といったような厳しい措置を強いられる可能性が強くなっておるわけでございます。こういったことではけしからぬわけですが、これらについて、外務大臣も一月訪ソされると、恐らくこういったこともあわせ議題になるのじゃないかと思って憂慮しておりますけれども、農林大臣としては強い姿勢でひとつ臨んでもらいたいのですが、これらに対する決意、見通しのほどをお伺いしておきたいと思う。
  120. 岡安誠

    ○岡安政府委員 その先に私が今回の協力協定交渉の概要につきましてお答えいたしたいと思います。  協力協定交渉は九月の下旬から始めたわけでございます。これはすでに御報告したと思いますけれども、私どもの案を中心といたしまして交渉いたしました。  それは三つの事項を柱にいたしております。その一つは、日ソ間の漁業協力を推進する事項に関すること、それから二つ目は、二百海里外のサケ・マスの漁業に関すること、第三番目は、それら関係の事項を処理するための共同委員会の設置、運営に関することでございました。  これらにつきまして、日ソ双方、クォータの妥結に至るまでの間、精力的に交渉いたしたわけでございますが、特に、やはり三百海里外のサケ・マスにつきましての日ソ双方の見解の相違といいますか、これが非常に大きかったため、確かにソ連といたしましては母川国主義をとりまして、ソ連の川で生まれたサケにつきましては、二百海里内はもちろん、二百海里外におきましても母川国であるソ連の管轄権下にあるべきもの、という主張を強く押し出しております。そういうこともございまして、今回はすべて交渉が妥結するというわけにまいらず、交渉が合意いたした事項、それからなお調整を要する事項の二つに分けまして整理をし、来年の早い機会に交渉を再開をするということにいたしたわけでございます。  確かに、サケ・マスの問題等につきましては、日ソ両国におきまして現在見解に相当な隔たりがございますので、これを調整することは容易ならざるものというふうに考えますが、やはり私どもといたしましては、日本の伝統的な漁業であるサケ・マス漁業、特に日ソ間の漁業交渉の歴史はサケ・マスを中心として展開をしてきたわけでございます。そのような歴史を踏まえ、私どもは、今後強力にこのサケ・マスを中心といたします問題、さらには日ソ漁業協力につきましては、日ソ双方ともこれを促進することに異存はないわけでございますので、それらを中心といたしまして協力協定の早期妥結、調印、これを図りたい、かように考えております。
  121. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 時間も迫ってきましたので、あと岡安水産庁長官と外務大臣に一つずつお伺いして質問を終わることにします。  岡安水産庁長官、今次交渉の柱というのは、クォータの問題さらには協力協定の問題それから取り締まり問題、この三つが柱であったと思うのであります。すなわち、漁業日誌の書き方とか許可証の様式、取り締まりの問題など、前々国会でも相当問題になって、委員会等で論議をしてきたところでございますが、今回の交渉によって、聞くところによると、意見交換をしていままでの慣習とか誤解というものを解くために、合意したものは文書化して確認する交渉をなされたやに聞いておりますけれども、これがまた拿捕につながるいろいろな問題にも関連してくるわけで、重要な問題であるということで、われわれも、強力な交渉をして漁民が安心して操業できるようにしていただきたいということで、交渉の過程でお願いしておったわけですが、これらの問題についてはどういうふうに煮詰まったのか、どういうふうな結論になりそうか、その点お答えをいただきたい。
  122. 岡安誠

    ○岡安政府委員 取り締まり関係グループにつきましては、御指摘のとおり、従来から双方の習慣の相違、ふなれ等から問題がたくさん出ましたので、特に操業日誌関係についてトラブルが大きかったということを踏まえまして、操業日誌の様式、記入の方法その他につきましてさらにソ連側と綿密な打ち合わせをいたしまして、合意に達した事項もたくさんございます。ただ、今後さらにトラブルの再発生を防止するために、御指摘のとおり、合意した事項につきましては文書にしてこれを確認をし、それぞれ指導をするということにいたしまして、現在その文書化につきまして、専門官をなおモスクワに駐在させましてそれをするように指示をいたしておるところでございます。  なお、残った問題につきましても精力的に解決を図るように指示してございますので、なお一週間ないし十日間の、成果が多数上がるように私どもは期待をいたしておるわけでございます。
  123. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 外務大臣に最後にお伺いして終わりますが、御承知のように、外務大臣は一月訪ソされるということで、日ソ平和条約の問題等いろいろ案件を抱えて行かれるわけです。時間がなくて、もう限られた時間の質問でございますので、十分意見を承ることはできませんが、われわれが農林水産委員会で大変心配している問題は、いよいよ日中平和友好条約が政治日程に上ってきました。いよいよこれも指呼の間に迫ってきたわけですが、われわれもまさに喜んでおるところでございます。  そうなりますと、覇権主義問題でソ連側が必ずいろいろ牽制を送ってくる、こういうことになりますと、われわれは、どうしても漁業に影響が起きてくる、いわゆる今後のサケ・マスの、先ほど論議しました漁業の問題にしても、将来の実績主義にしても、いろいろな問題に影響が起きてくる、こう思うわけです。まあ、そういうことのないように、外務大臣は、ソ連の恫喝はない、われわれは平和的に話していくということをおっしゃっているが、それはそれで結構ですが、どうかひとつ、そういった面で漁業に大きなしわ寄せがないために、覇権主義によって日本の漁業に影響を受けないために最大の努力をしていただきたい、そして日本の漁業を守ってもらいたい、かように思うわけです。  その辺の決意について最後に外務大臣からお伺いしておきたい、かように思います。
  124. 園田直

    ○園田国務大臣 いまの御注意は日本全国民の関心事でありますから、よく御注意を胸に体して全力を尽くす覚悟でございます。
  125. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 以上で質問を終わります。
  126. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次に、中川嘉美君。
  127. 中川嘉美

    ○中川(嘉)委員 私は、瀬野委員の質問に関連をいたしましてまず外務大臣に伺いたいと思います。  大臣は一月に訪ソをされると聞いておりますけれども、その際に北方領土の討議を重要課題として日程に当然入れておられると思いますが、私は、いままでやってきた日ソ間の論争ではもはや前進の公算というものはないのじゃないだろうか、いままでのやり方ではまず前進の公算はないだろう。そこで伺いますけれども、福田内閣において領土問題を前進させる新たな方策があるのかどうか、新外務大臣としての展望を含めてお答えをいただきたいと思います。
  128. 園田直

    ○園田国務大臣 今度参りますのは、平和条約交渉再開の問題で未解決の問題を含めてやるわけでありますが、その際に、いままでのままでは進展をしない、何か新しい案があるか、こういうことでございますが、誤解を避けるために申し上げておきます。いろいろ世間に言われておりますが、四島はあくまで日本のものである、日本の領土権があるということについては、以前と変わりなく的確にこれは言うつもりでおります。折衝の仕方その他についてはまたいろいろ考えてまいるつもりでありますけれども、モスクワへ行く直前でありますから、その点は御勘弁を願いたいと思います。
  129. 中川嘉美

    ○中川(嘉)委員 北方領土問題が解決をしない限ごたごたすることが絶えないと思うわけで、われわれもソ連が北方四島を返還するそのときまで気長に交渉をするのだということに異論はないわけですけれども、すでにわが国の一部には、二島返還、そして二島未解決のまま凍結ということで日ソ平和条約をという意向も実は起こってきておりますけれども、政府はこうした動向に対してどのように対処されようとしておるか、この点をお答えいただきたいと思います。
  130. 園田直

    ○園田国務大臣 二島返還、二段階論はあえてとらざるところでございます。
  131. 中川嘉美

    ○中川(嘉)委員 そうしますと先ほどの御答弁とも関連して、あくまでも四島という、これは当然と私も思いますけれども、どうも先ほどいただいた御答弁の段階ですと、具体的な新たな交渉の姿、こういったものがまだお答えをいただけない、こんな段階ですけれども、少なくともいままでのような交渉の仕方では、まずいままでどおりらちが明かないのじゃないかという立場から、ここではあくまでも先ほどの答弁を確信いたしまして、四島返還ということを前提として伺っていきたいと思います。  私が最も恐れるのは、いわゆる将来、世代の交代に伴って領土返還についての国民の意向というものがどうなっていくのだろうか、この問題であります。  そこで政府にいま一度ただしておきたいと思うことは、この四島返還というのは絶対条件であって、そしていかなる譲歩も変更もあり得ない、それからもう一つは、魚と取引することもあり得ない、こういうことで全く変わりがないかどうか、あるいは将来国内情勢とかあるいは国際的な環境の変化、こういったことによっては四島返還について何らかの条件つき、たとえて言うならば、返還後これを非武装地域とすることもあり得る、こういうような考えがあるかどうか、この点に対しての大臣の御見解を伺いたいと思います。
  132. 園田直

    ○園田国務大臣 四島返還は申し上げたとおりでありますが、その後のことについては、いまのところ答弁を御勘弁願いたしと存じます。
  133. 中川嘉美

    ○中川(嘉)委員 私はかつて、あれは昭和四十七年だったと思いますが、福田さんが外務大臣であった当時、沖繩北方問題等に関する特別委員会の席で、こういった質問をしたことがございます。そのときに福田さんが、このことに関連して、返還の暁には自衛隊の基地も置かないし、米軍基地も認めないと言われたことがあるわけですけれども、いまの内閣もこのような政治的交渉もあわせて考えておられるのかどうか。この点が、実は聞きたかったわけで、福田さんは以前そういうふうにおっしゃっておるわけですけれども、こういった福田さんの以前の答弁を踏まえて、もう一度大臣の御見解を伺ってみたいと思います。
  134. 園田直

    ○園田国務大臣 ソ連の方で占有しておる四島を領土権を認めて返還するということになれば、その後、ソ連の立場もあることでありますから、こちらも十分理解しておるところであります。しかし、いま現時点においてどうこうということを申し上げることは、ひとつお許しを願いたいと思います。
  135. 中川嘉美

    ○中川(嘉)委員 そうしますと、以前なされた福田さんの答弁を、一たんここでドロップしたと考えざるを得ないような気になってくるわけですけれども、北方領土問題は日ソ間だけの問題ではないわけで、これは新たな質問としてお聞きしますけれども、その淵源はヤルタ協定にあるわけで、当然この当事国は米英ソの三国であります。この意味で北方領土問題の完全解決までその責任というものは解除されないと私は思います。したがって、この責任において日本政府が改めて平和条約第二条(C)項――大臣も当然御承知と思いますけれども、この(C)項に、「日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する。」とあるわけですけれども、ここに言っているところの地域的見解というものを明らかにするように、米英両政府に申し入れるべきではないかと私は思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
  136. 宮澤泰

    ○宮澤政府委員 すでにその点につきましては、日ソ交渉の際に米国側にその見解を求めまして、米国側からは、日本が平和条約で放棄した千島列島の中には、この四島は含まれないという見解を表明しております。英国につきましては、その態度を留保したい、表明したくない、こういう見解を述べたことがございます。
  137. 中川嘉美

    ○中川(嘉)委員 米国が含まれないという見解を表明したという以上、果たして政府がその後どのような手をそのことに基づいて打たれたかどうか、この点はどうでしょうか。
  138. 宮澤泰

    ○宮澤政府委員 四島が、桑港平和条約で放棄いたしました千島列島の中には含まれていないということは、日本政府は一貫してソ連政府に対して主張しております。
  139. 中川嘉美

    ○中川(嘉)委員 ちょっと弱いような感じがしてならないわけですけれども、私は北方領土問題解決のために、たとえば日米英ソ、この四カ国の会議を日本側が提案してでも、米英ソ三カ国にこういった会議の開催を申し入れるということもこれまた考えられるのじゃないだろうか。あるいは特にアメリカに対して問題解決のための調停を依頼するお考えがないかどうか。特に対日平和条約の提案国であるところのアメリカにはその責任があるのじゃないかと思うわけですが、この点を踏まえて、大臣としてのお考えも伺っておきたいと思います。
  140. 園田直

    ○園田国務大臣 非常に困難な重大な問題でありますが、日ソの間の問題でありますから、他の三国の力をかりるとか、あるいは他の国々を誘って会議を開くということは、相手のソ連の意向もあることでありますから、日本側だけではいまのところ考えておりません。
  141. 中川嘉美

    ○中川(嘉)委員 日ソ間で話し合う問題である、この御答弁はよくわかりますけれども、そうしますと、この問題について、当事国であるアメリカ、私は当然アメリカにも責任があるというふうに受けとめておりますが、どうもいまの御答弁からいきますと、アメリカに全く責任がないというのがこの際政府の御判断であるかどうか。この点はいかがでしょうか。
  142. 園田直

    ○園田国務大臣 御質問の趣旨は私もよくわかりますけれども、現に四島のうちの国後、択捉がソ連にとってどういう地位にあるか、どういうことに使っておるか、こういうことを考えますと、これは困難であっても日本とソ連の間で、日本がソ連に理解、納得を求める以外に私はないと考えております。
  143. 中川嘉美

    ○中川(嘉)委員 この問題は、やはり今後の交渉の過程においてわが国としてまたいろいろとその方法論も考えていかなくてはならない問題ですので、たとえばアメリカに責任がないという断定的な御答弁を私はここで受けとめるつもりもないし、またそういったアメリカ自体にいわゆる調停を依頼するしないという問題についても、ここで問題をふっ切るような質問もするつもりはございませんけれども、きょうは時間が余りありませんので、最後に一、二点だけ伺っておきます。  経済関係の問題に関して伺うわけですけれども、政府は日ソ経済関係の緊密化ということが北方領土解決の呼び水となり得ると考えておられるのかどうか。ソ連の方は、経済関係と領土問題とは次元を異にする問題と見ているのではないかと私は思いますけれども、まずこの点はいかがでしょうか。
  144. 園田直

    ○園田国務大臣 経済問題では日本とソ連の間には共通する利害が非常に多いわけであります。しかし、領土問題と経済問題と交換条件になるほどのものではないと私は判断しております。
  145. 中川嘉美

    ○中川(嘉)委員 こういった経済関係の緊密化という問題、緊密化すればそれでいいんだというような甘い考えは当然通用しないわけですけれども、こういったことを政府は十分に見きわめて、そして今後も日ソ関係を考えるべきであると私は思います。  それで、日ソ経済関係は今日まで相当に進展しているにもかかわらず、大臣も御承知のとおり領土問題は一九四五年以来一歩も前進していない、このように私はこの点に注目をするものですけれども、政府はこういった関係性についてどのように受けとめておられるのか、終わりにこの点についてだけ伺っておきたいと思います。
  146. 園田直

    ○園田国務大臣 経済問題については、こちらから提案した問題もありますし、ソ連の方の意向もありますから、経済問題は経済問題としてこれをもつともっと緊密に、具体的に進めていきたいと考えております。その経済問題が双方の理解が深くなることによって影響があるかもわかりませんが、経済問題で協力したからといって領土問題が解決するという甘い考え方は持っておりません。
  147. 中川嘉美

    ○中川(嘉)委員 きょうは時間がございませんのでこの辺にしておきますけれども、大臣も就任早々でございますから、今後の委員会等を通じてぜひこの北方領土返還問題について、いまは時期的におっしゃれないこともあろうかと思います。しかしながら、私はやはりもっと建設的な、また具体的な大臣としてのお考えを聞かなければならない、このようにも思いますので、きょうのところはこれだけにいたしますが、一月訪ソに際して、どうかひとつ北方領土問題の討議に全力を尽くされんことを最後に要望いたしまして、質問を終わりたいと思います。
  148. 竹内黎一

    ○竹内委員長 寺前巖君。
  149. 寺前巖

    ○寺前委員 先ほど土井委員が、二百海里時代の問題としての日ソの協定だから、アジア各地の問題がいろいろ関係するのだということで金大中の問題を聞いておられました。私も気になりましたので、一言だけ最初に聞きたいと思います。委員長渋い顔をしていますけれども、関係があるらしいから、私はそれを受けて立ちます。韓国の朴政権に対して、人権じゅうりんの非難や問題が非常に国際的に問題になっております。アメリカの議会筋では、援助を打ち切れというところまで批判が強まりました。そういう国際的な世論も伴って、ついに情報によるとソウルの病院に移送した、こういう形で報道がされております。外務大臣はこの問題について、大体金大中氏の身柄の真の自由のためには、韓国からの出国を含めた真の自由の回復という方向をかち取られる必要があるというふうに私は思うのですが、この移送という問題についてそれでいいと考えておられるのかどうか、さきの質問に関連して私は聞いておきたいと思います。
  150. 園田直

    ○園田国務大臣 金大中氏を釈放して病院に入れたということは、人道的立場から結構だと思いますが、それから先の事実問題については事務当局からお答えをいたします。
  151. 枝村純郎

    ○枝村説明員 本日、金大中氏が晋州の矯導所を出てソウル大学の付属病院に収容されたということは事実のようでございます。最近、在ソウル大使館を通じて私どもも確認したわけでございます。ただ、それがどういう形で、どういう趣旨で移送されたのか、これが釈放につながるものか、依然として収監中の身分のまま病気の手当てのため移されたものか、その辺はまだつまびらかにしておりません。午後三時に、たしか韓国の法務省が何か重大発表をするということのようでございますので、あるいはその中に触れられるかと思っております。
  152. 寺前巖

    ○寺前委員 私は、さっきそういう質問がありましたので、受けて立っただけですが、それでは次に行きたいと思います。  日ソ、ソ日の今度の漁業協定を見ますと、一年間の延長で、もう一度明年末には再協議をするというふうに協定にはなっているようですが、漁民の側から言えば、これは長期の協定をやってもらうことによって安定した関係を確立してもらいたいというのが強い要求だと思います。そこで、今回のような短期協定になったという理由は一体どこにあったのか。報道によると、日中条約とも関連してこうなったとか、あるいは日本の側が日ソを片づけて日中だと述べたということが関係するとか、いろいろ言われておりますけれども、その真相はどこにあるのか。ソ連の側にあるとすれば、ソ連がそこに求めておるのか、御答弁いただきたいと思います。
  153. 宮澤泰

    ○宮澤政府委員 ソ連政府が日本側と交渉いたしますに当たって、ことし結びました二つの漁業協定、ソ連側のそのもとになりましたソ連邦最高会議幹部会令は暫定措置である、すなわち、まだ海洋法会議において結論も出ず、いわゆる新しい漁業秩序について世界にまだ新しい確固たる法規が存在しない現在は、ソ連邦最高会議幹部会令も暫定措置である、したがって、それのもとになるものはあくまで暫定的なものであるという立場から、でき上がりました二つの協定はいい協定であるが、そのようなもとになったものが暫定措置であるということにかんがみて、これは当座一年延長ということで、その後はまたその後で話し合うこととしたい、このように述べておりました。それで、ただいま御質問の日中関係云々につきましては、これはソ連政府の考え方でございますので、私どもがとやかく推断することはできませんけれども、私どもはそのような気配は直接には感じとったことはございません。
  154. 寺前巖

    ○寺前委員 千島太平洋水域のカニの割り当てが、きょう説明を聞きますと皆無になっている。これは、ソ連政府にしてもよく知っていることであるし、日本政府も、零細漁民の漁場であるだけに、これは大変な問題だということが言われております。そこで、どうしたっていやおうなしに千島問題、領土問題というのが重要になってくるわけで、そこで、新しい外務大臣としていよいよ来年の一月九日から日ソの協議を行われるようですから、私はこの際に、領土問題について一言聞いておきたいと思うのです。  園田外務大臣が、ことし特使となってソビエトへ行かれたときの内容について、週刊誌でこういうことが書かれていました。「迎賓館で私は鈴木君に会談の内容を報告し、領土のことはうまく逃げてきたからな、君とおれとはもう共同運命だ、お互い無事に帰れるようがんばろうとバトンタッチの握手をしたのですよ。」この言葉に見られるように、領土問題は日本が避けて、そしてあの交渉をやられたということはきわめて明確であります。  ところで、ずっと一連この領土問題については、どう考えても消極的な態度としてしか見ることができない。今月の十二日の外人記者クラブでの園田外務大臣の発言にこういうのがあります。「来年一月の訪ソの際、仮にソ連が、北方領土四島のうち二島を返還すると言っても、日本の年来の主張はあくまで四島返還であり、それによって日中関係に影響することは断じてない。」と述べておられる。とすると、ここには前提が二つ言われているように聞こえます。すなわち「三島を返還すると言っても」という「言っても」という言葉がついているのですから、外務大臣は、二島返還という動きが現に存在するということが前提なればこそ、こういう発言をされたのだというふうに思います。  そこで、現実に、先ほどからここでお話がありましたけれども、サンランシスコ条約においては、歯舞、色丹というのは明確に、いずれの国の立場に立とうとも、それは条約の放棄の中には入っていないと思うのです。この点について外務大臣はどう考えられますか。入っていないとすれば、そういう問題が具体的にすでに話としてあるという前提に立っているということについて、従来との関係で何かあるのかというのが第二番目に考えられる問題です。そして、入っていないということが明確なところの問題については、なぜ積極的にその条項について交渉の話をされないのか。私はそういう問題がこの発言をめぐって一つあると思いますが、その点について御説明をいただきたいと思います。     〔委員長退席、毛利委員長代理着席〕
  155. 園田直

    ○園田国務大臣 第一に、この前漁業交渉に参ったときの私の任務ば、漁業交渉の中に領土問題を引き出してこれが紛争の種にならぬように、領土問題は両方ともさわらない、言及しない、それで中断された漁業交渉を再開する、こういう任務で行ったことは事実であります。鈴木君と握手して話したということは事実ではありません。  それから二番目に、外人記者クラブでの私の答えは、二島返還の動きがあるという前提で言ったことではありません。質問が、もし二島を返還すると言ったらどうだという質問でありましたから、それだけではだめで四島であります。こういう答弁をしたわけであります。
  156. 寺前巖

    ○寺前委員 それで、二島返還ということについては、千島列島の放棄条項とは別の次元の話ではないのか、この点については日本もソ連も同じ立場に立てるのではないのか、その点についてどうお考えになるのか。とするならば、二島返還の話が出てくる、あるいは積極的に提起してもいいのではないか、この点についてどうお考えになりますか。
  157. 宮澤泰

    ○宮澤政府委員 日本政府は、サンフランシスコの平和条約二条(C)項におきまして放棄した千島列島の中には、歯舞群島、色丹島及び国後、択捉の四島は含まれていないという考え方をとっておりますので、このような立場から、ソ連と国交を回復すべく一九五六年にモスクワで交渉いたしまして共同宣言をいたしましたときに、この点を主張したわけでございますが、ソ連側がこの日本側の主張に同意することができませんでしたために、とりあえず共同宣言という形で国交を回復いたしまして、そして歯舞、色丹は平和条約ができたときに現実に引き渡す、こういう合意をいたしまして、残余のことにつきましては、国交を回復した後に日ソ間で交渉を続ける、こういう合意をいたしたわけでございます。  したがいまして、われわれの立場から申しますれば、国後、択捉というものの返還交渉が直ちに行われて、そして平和条約が結ばれるべきである、このような立場をとっておるわけで、一貫してそのような立場をとっております。
  158. 寺前巖

    ○寺前委員 日本側の主張を言っているのじゃなくして、少なくとも同一の解釈に立ち得るのは、歯舞、色丹については千島列島の放棄条項には関係ないという、その立場には立てるのだろう、そのことを聞いているのです。これが一つ。端的に言ってもらいたい。とするならば、一致できるところの問題をまずけりをつけてしまうということがあってもしかるべきじゃないか。外務大臣、私は重ねて聞きます。
  159. 宮澤泰

    ○宮澤政府委員 日本政府は、放棄しました千島の中には、この四島は入っていないという主張を一貫してとっておりますが、ソ連側は、国後、択捉は放棄したものだ、こういう主張をしております。
  160. 園田直

    ○園田国務大臣 今度参りましたら、こちらが主張しておる四島返還を私は要求するつもりでございます。
  161. 寺前巖

    ○寺前委員 もう時間がなくなってきますので、この問題は次に譲ります。  それからもう一つの問題指摘は、日中関係に影響するということを外人記者クラブで云々された、先ほど指摘したとおりであります。それでは、日中関係に影響するというのは、一体どういうところが影響するのか現に十一月二十六日のプラウダが、日本が覇権条項を含む日中平和条約を締結すれば日ソ関係が悪化するだろうという厳しい内容の論評をやっております。したがって、日中の覇権の取り扱いに対する牽制が強まってきていることは事実だと言わなければならないと思うのです。  そこで、今度日ソの協議が行われる。日中交渉の具体化の方針をソ連側はいろいろ聞くであろうということについては、先ほど外務大臣自身もおっしゃっておったわけですが、最近の新聞報道を見ますと、こういうことが書かれております。三点。他国に対し実力で侵略、支配、軽べつ、転覆をすること。二、日中両国がそれぞれの立場、考え方で行うことを意味する。三、反覇権は日中の共同行動を意味せず、その考え方も全くないなどというふうな解釈に、覇権という問題について中国側が位置づけてきているというような報道がありました。現在の中国の覇権の認識というのはこういうものになってきているのかどうか、これが一点。  それから、第二番目に、ここで共同行動という問題が出ておりますが、この共同というのは、軍事面における共同だけなのか、それとも、政治的内容においても共同行動というものを意味しているというふうになってきているのかどうか、この点についての見解をお聞きしたいと思います。
  162. 園田直

    ○園田国務大臣 私は、外人記者クラブの会見で、日中関係に影響ありと答弁した覚えはございません。私は、日中は日中、日ソは日ソ、日本と中国の関係に対して、それぞれコメントはあっても、第三国がどうこう言うべきじゃなくて、また、第三国のどうこう言うことによって日中関係も影響されるべきではないという考え方は一貫しております。クラブでは、そういう日中関係に日ソ関係が影響するという発言はいたしておりません。
  163. 寺前巖

    ○寺前委員 それじゃ、外務大臣に重ねて聞きますが、日中平和友好条約締結の交渉に当たって、第三国を敵視するような解釈が入るような取り決めはすべきでないという立場を日本自身が明確に持つのかどうか、この点が一つと、そういう点を、条約締結に当たっては、何らかの形で、条約上か別の形かで明らかにされるということでこの問題について取り組んでおられるのかどうか、お聞きしたいと思います。
  164. 園田直

    ○園田国務大臣 新聞記事については、私の関与するところではありませんから、答弁をいたしません。  第三国を敵視するかどうか、それは絶対にございません。第三国を敵視するような行動は日本はとらない、それだけはっきり言っておきます。  今後の交渉については、これから先のことでございますから、答弁はいたしません。
  165. 寺前巖

    ○寺前委員 日ソ両国の漁業協力を積極的に展開させるということにおいて、領土問題が重要な位置を占めてきたわけですが、さらに、私は、ことしの三月三十九日の参議院の予算委員会で、鈴木国務大臣が当時、共同管理方式の問題について提起したのに対して、ユニークな提案、理想の姿という答弁をなさっておりますが、この際に、私は、共同管理方式の問題について、もっと日本政府は積極的にこの千島周辺の問題においてやるべきではないかというふうに思いますが、外務大臣はどうでしょうか。
  166. 宮澤泰

    ○宮澤政府委員 共同管理方式というものがどのような形で行われますかによることでございますが、日本政府はあくまでその領土権を主張しております以上、何らかの取り決めによって、その領土権が多少とも損なわれるような、そのような取り決めはいたしたくないと考えております。
  167. 寺前巖

    ○寺前委員 ことしのその予算委員会で積極的に鈴木国務大臣が提起しておられる点は、この資源の保存と有効利用という観点に立って広く海洋の魚族資源は共同に管理していくということが理想の姿だ、そういう意味において、共同管理方式という問題については、ユニークな提案であり理想的な姿だ、考えていきたいということを提起しておられる。  だから私は、外務大臣が今度日ソ漁業交渉をするに当たられて、そういう方向を積極的により打ち出していかれようとしているのかどうかという意味において、このことしの通常国会の段階からの継続の問題としていま質問をしているわけです。私は、積極的にこの問題を発展させることが、今日、日ソ間の問題にとっても非常に重要だというふうに思うので、あえて外務大臣に聞いたわけです。いかがでしょう。
  168. 園田直

    ○園田国務大臣 領土問題に関与することがあるので、いろいろ検討しておりまするが、漁業資源の保護その他について共同でやることは、これはよいことでありますので、水産、農林省の方ともよく相談したいと考えております。
  169. 寺前巖

    ○寺前委員 領土問題を含めて、私はこういう方向を積極的にもう少し検討される必要があるというふうに思うわけですが、次へ行きます。  日本政府は、今回の交渉の中で、協力協定という形の問題を出しておられます。それが、まあソビエトの側からサケ・マス問題を理由にして退けられたというふうに聞いているわけですが、今後の交渉の上において、今度の漁獲量から言うたら、サケ・マスというのはゼロという形にあらわれているわけです。しかし、実際のサケ・マスの漁の時期というのは四月か五月という段階になると思うのですが、その間に私は、この漁の問題について積極的に、資源の保護という立場も含めて検討してやっていく必要があるし、恐らく皆さんも、そういうことで交渉を改めてやろうという意図を持っておられると思います。  そういう意味から言いますと、今度一月の定期協議に行かれるときに、私は先ほど報告がありましたように、協力協定など、そういう内容を含めて積極的にこの定期協議の段階に、期限の幕切れまで待つんじゃなくして、資源をどう守っていくかという問題と漁獲の問題とをあわせてこの際にしっかりと提起して申し入れてくるということをやってこられる必要があるというふうに思うのですが、外務大臣はこの定期協議に当たって、このサケ・マス問題について提起をしてこられる用意があるのかどうか、あるいは協力協定の問題について提起してこられるのかということについてお聞きをしたいと思います。
  170. 園田直

    ○園田国務大臣 漁業資源の問題に対する共同管理であれば、これは農林省とよく相談をして、もちろん漁業その他の問題も定期協議会で言うつもりでおりますから、ただいま事務的に検討いたしておりますから、その検討事項の中に加えます。
  171. 寺前巖

    ○寺前委員 私は、検討事項に入れますと、こうおっしゃっておるけれども、九日からやろうというのだから、もっと積極的に、このときに話をきちっと申し入れてこなんだら、どたん場まで引きずり込まれて、また軟弱外交だと言われるようになるんじゃないだろうかと心配するから、この協議会の中にしっかりと位置づけてこられる必要があるという立場をひとつぜひともとってもらいたいということを、重ねてお願いをしたいというふうに思います。  サケ・マス問題について、ソビエト、アメリカとも母川国主義を一方的に押しつけておられるような感じを受けるわけです。現に進んでいる国連海洋法条約の草案を見ると、その六十六条には、遡河性の魚種に対して母川国の第一義的管轄権を認めながらも、総許容漁獲量の確定に当たっては母川国と他の諸国との協議を求め、そして公海での規制については母川国と他の関連国との協定によるということが書かれていると思うのです。  そういうことになりますと、現に進められていくアメリカとの関係の、一月の中旬でしたか、十七日でしたか、日米協議でサケ・マス問題の話が出てきます。アメリカは現に、現行の西経百七十五度の抑止線を東経百七十度の新しい抑止線に持っていって、そして制限をさらに厳しくしてくるという方向が進んできております。国連海洋法会議の合意を待たずして二百海里を一方的に押しつけたところから、国際的にいろいろ今日の事態を生んできているというふうな進行状況から見ても、アメリカの一方的な母川国絶対主義のやり方が先行していって、国連の海洋法会議で現に進んでいるものに先手を打つやり方がどんどん進んでくるということを認めさしておいたら、これは大変だ。そういう意味において、国連海洋法会議で現実の到達点の範囲内において、アメリカとの交渉をサケ・マス問題で厳にやっておかないと、アメリカとの関係においてそれをびしっとせぬでおいてソビエトにだけ要求するということは、これはまた無理な話になるだろうという意味において、私は、一月九日からの日ソ協議のときの提起と一月十七日からの日米協議とは、きちんと一貫性を持ったそういう態度をとるべきだと思いますが、この日米交渉に当たってどういう態度をとられるのかをお聞きしたいと思うのです。
  172. 岡安誠

    ○岡安政府委員 日米の問題特にサケマス問題につきましては、ことしの十月、アンカレジにおきまして交渉をいたしました。大体、日米加の漁業条約をどうするか、その中心的な議題はやはりサケ・マス問題をどうするかということでございました。十月の会議におきましては、関係諸国それぞれの立場を主張するにとどまりまして、まとまった成果を得ることができず、引き続き、来年の一月中旬に東京におきまして交渉を続けるということになっております。  お説のとおり、アメリカといたしましては、すでに二百海里関係の国内法によりまして、アメリカを母川とするサケ・マスにつきましては、その管理権が自国の二百海里のみならず二百海里外にも及ぶというような立場から、強くアメリカの主権的権利を主張しております。  しかしながら、わが国といたしましては、従来から、アメリカ並びにカナダの沿岸におきますサケ・マス漁業の実績もあることでございますし、おっしゃるとおり、ソ連の沿岸におきましてもサケ・マスは重要な漁業でございまして、相当量の実績を持っておるわけでございます。したがいまして、このサケ・マスという魚はきわめて国際的な色彩を持っている魚でもございますので、私どもきわめて困難な交渉だとは思いますけれども、日米加の協議の場において、また来るべき日ソの場においても、われわれの主張が貫徹できるように最大限の努力をいたしたい、かように考えております。
  173. 寺前巖

    ○寺前委員 時間が来たようですので、最後に一言だけで終わりたいと思います。  それは、水産庁は、北転船の第二次減船二十七隻という問題は、予算は終わっている、現実には執行していないけれども。さらに今度の結果を見て、まあまあだ、こうおっしゃっているけれども、部分的に減船を余儀なくせざるを得ない部面も出てくるのではないかという心配が現に関係者の間では言われているわけです。そうなってぐると、第一次減船のときに、政府交付金は一隻当たり三億一千万円、共補償が六千万円という形で行われたけれども、実際に業界が協議し合ってはちょっと足らぬというので、共補償を上積みするという実態が現実に起こりました。  そこで、さらにこのような減船が起こって共補償せよと言われるようになってくると大変だというところから、共補償の結果にならないように、第一次減船を免れたが第二次減船の対象となった船主に対して、第一次減船の際の共補償負担分を政府が肩がわりをするというようなことにならないものだろうかという問題が、ここに提起されているわけです。これに対して最後に見解を聞いて終わりたいと思います。
  174. 岡安誠

    ○岡安政府委員 私どもは、先般の日ソ暫定協定を締結した時期におきまして、北転船が大いなる打撃を受けたということを認識をいたしまして、申しわけないことであるけれども、これは減船をしていただかなければならない。われわれは、北転船の将来を考えた場合には、どうしても第一次三十隻、第二次二十七隻、この減船は必要である。     〔毛利委員長代理退席、委員長着席〕 したがって、この第一次、第二次の減船をするというたてまえのもとにおきまして、共補償その他はよく御相談をくださいということをお願いしてあるわけでございます。  業界といたしましては、来年の日ソ交渉におけるクォータの行く末並びに日米におきます来年のクォータの行く末を見守ってから第二次減船に取りかかりたいから、とりあえずは第一次減船とし、第二次減船は交渉の結果を待って措置をするというお話でございましたので、減船の実施の時期につきましては一次、二次に分けるということに同意をいたしておりますけれども、私どもは、あくまでも一次、二次ともこれは減船が必要であるということで業界にお願いした経緯がございます。  今回、日ソ交渉もまとまりまして、また日米の間におきましても、底魚関係につきましては大体まとまりましたので、私ども考えますと、やはりこの際一次及び二次の減船は必要であるというふうに考えておりますので、混乱がないように、当初の考えどおり一次、二次減船をお願いをしてまいりたい、かように考えております。
  175. 寺前巖

    ○寺前委員 時間が来ましたのでやめますが、ぜひとも業界の皆さん方とよく話し合っていただいて、犠牲が大きくならないようにしていただきたいということを要望して終わります。
  176. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次に、伊藤公介君。
  177. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 先日、実は私も韓国に行ってまいりました。日本で報じられている韓国とはきわめて違うし、いろいろな実情を見て、特にきょうは金大中の問題が論じられましたので、私も緊急にその問題について触れたいと思ったわけでございますけれども、皆さんのいろいろな御意見の中で、ぜひ改めてこの問題についてはお尋ねを申し上げたいし、国際的にも関心のある問題でございます。特に委員会におきまして、委員長の公平な審議ができるような取り計らいをぜひお願いを申し上げたいと思います。  そこで、議題について御質問を申し上げていきたいと思います。  海洋秩序をめぐる世界の情勢は、現在きわめて流動的でございます。遠洋漁業に相当部分を依存をしてきたわが国にとっては、今後わが国の水産業をどのように位置づけをしていくかという問題はきわめて重要な問題だと思いますけれども、どのように対処をしていかれるのか、まずお伺いを申し上げたいと思います。
  178. 中川一郎

    ○中川国務大臣 数年来議論のありました海洋法、そして海洋法に先立って、アメリカ、ソビエト、豪州等々、二百海里の時代を迎えました。先ほど来議論がありましたように、二百海里はやはり資源論、余剰主義というものでございますから、わが国のように外国に依存の強い漁業にとってはまさに大変な時期を迎えたわけでございます。非常に厳しくはありますけれども、それぞれの国々に粘り強く実績主義を主張して、何とか理解をしてもらって、過去の権益、漁業権というものを確保するように努めてまいりたい。今回の対ソ交渉においてもそういった姿勢を貫いてきて二十万トンの差をつけてきた。同時に、こういった時代でございますから、育てる漁業、沿岸を初めとして日本海域の魚族の資源の増殖、活用、こういったことも真剣に検討していかなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。
  179. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 動物性のたん白質に占める水産物の割合は、昭和三十五年には七三・六%、昭和五十年には五〇・七%、多少低下をしているわけでありますけれども、日本人の食生活のパターンが今後基本的にそう大きく変わるとは考えられない、こういう状況の中で食生活の中に占める水産物の役割りは今後もきわめて重要であると考えますけれども、水産物をわが国の国民生活にどのような位置づけをしていくのか、基本的な考え方をお尋ね申し上げたいと思います。
  180. 岡安誠

    ○岡安政府委員 御指摘のとおり、最近におきますわが国の食生活におきます魚類たん白の占める地位は、すべてのたん白の中で半分をやや超えるという状態でございます。私どもも、先生のおっしゃるとおり、このパターンは余り大きな変化はないものというふうに考えます。したがって、国民が必要とするような魚の供給はぜひ確保しなければならない。確保するに当たりましては、やはり自給力を上げる、できるだけみずからの力でこれを確保するということが必要であるというふうに考えます。したがって、最近の二百海里時代になりまして遠洋漁業が相当な圧迫を受けますが、漁業外交の進展のほかには、できる限り新しい漁場の開発ということに努めると同時に、先ほど大臣から申し上げましたとおり、わが国の二百海里をさらに見直しをいたしまして、わが国の二百海里の利用、活用を図る。また同時に、現在たくさんとれておりますけれども、必ずしも十分に食用に回っておらない多獲性魚類、イワシとかサバ、そういうものにつきましては極力食用に回す、そうすることによりまして、食料としての魚類たん白の確保というものをぜひ図ってまいりたい。それでもなお不足する場合には、秩序ある輸入ということで対処しなければならないというふうに考えております。
  181. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 外国の二百海里内の水域での漁獲量を見ますと、ソ連の二百海里内において昭和四十九年には百六十三万トン、昭和五十年には百四十万トン、これは総漁獲量の一五ないし一六%を占めていたわけでございます。それが今回の協定によって年間八十五万トンということになりますと、年間六十万から七十万トンの減量ということになるわけでございます。  そこで、この減量した部分をどこで補っていくのか、国民の食生活にも大変大きな影響を与えると思うわけでありますけれども、水産庁の御見解をお伺いしたいと思います。
  182. 岡安誠

    ○岡安政府委員 確かに北洋、特にソ連の二百海里内におきます漁獲量につきましては、従来の実績に比べて大幅な減少になることはやむを得ないというふうに考えております。  ただ、問題はどういう魚が大幅に減るかということになりますと、スケトウを主としたものというふうに考えております。現在、スケトウの大部分はすり身原料として活用されております。そこで、私どもは、すり身原料としてのスケトウが減少をする、これに対処いたしまして、できる限り原料を転換する、まず原料を転換させたいというふうに考えます。先ほど申し上げましたように、従来はスケトウのみならず、ほかの魚を原料として練り製品をつくっておりましたけれども、そのような原料の再転換を図ると同時に、従来食用として十分利用されておらなかったサバ、イワシ等の赤身の魚を原料とする練り製品の製造というようなものにつきまして今後積極的に進めたいというふうに思います。  二番目につきましては、製造過程におきまして相当なロスがございます。たとえばスケトウダラをすり身にする場合に、大体歩どまりは陸上の場合には二五、六%、海上の場合には一七、八%というふうに言われております。これらの歩どまりをさらに向上させるということによりまして、漁獲減を幾分なりともこれはカバーをいたしたいというふうに考えております。そのような対策を講ずることによりまして漁獲の減少をある程度カバーできると思いますが、それでもなおかつ必要とする部分につきましては、これは秩序ある輸入ということによりまして国民の食料を確保すると同時に、加工業者等の生活を維持するということも考えなければならないというふうに思っております。
  183. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 外務大臣にお尋ねをしたいのでありますけれども、ソ連とわが国の置かれている政治的な立場はもちろん違いますし、政治的な理念も、あるいは社会的な体制というものももちろん違います。しかし、いずれにしても、ソ連は疑いのない隣国でございます。そのソ連との間に私どもは一つ一つ積み重ねて友好関係を打ち立てていかなければならないことももちろんでございます。そういう意味からいたしますと、北方領土の墓参の問題がここ毎年問題になってまいりました。昨年とことしの二年にわたって北方領土への墓参が認められなかったということでございますけれども、これは何ゆえに認められなかったのか、まず、その理由をお尋ね申し上げたいと思います。
  184. 宮澤泰

    ○宮澤政府委員 従前は、北方四島の墓参には日本政府の発行いたします証明書で参れたわけでございますが、昨年及びことしは、ソ連側が、旅券を持たせる、そうして査証を取らせる、こういう要求をしてまいりましたために、日本側の領土権の主張と相入れないという解釈のもとに、結局私どもでそのような措置をとりませんで、墓参が行われなかったわけでございます。
  185. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 かつては北方領土に墓参が許された、すでに九回にわたって墓参をさせていただいているわけであります。考えてみれば、日本の領土でありますから、それはあたりまえのことでございます。ところが、やがてパスポートを持たなければ墓参ができないということになってくる、あるいは、すでに昨年、ことしと、ミグ事件等があってその墓参すらも許されないという状況、あるいは漁業の問題では、漁業に限ると言いながらも、ソ連はこの北方四島に対してすでにその線引きをしたかの既成の事実をつくりつつあるということを考えますと、私どもは、北方領土問題というものについて、もう少しわが国の強い立場で主張していかなければならない時期が来ているのではないかと思います。  外務大臣は来年の一月初めに訪ソされると私も聞いておりますけれども、せっかくソ連においでになられるわけでありますから、たとえば墓参というような人道的な問題につきましては、ぜひ具体的に前進をさせていただきたい、こう思います。過去の、昨年、ことしと北方領土の墓参ができなかったという理由も、私どもそれなりに伺っておりますけれども、ぜひ今度の訪ソで北方領土への墓参を実現していただきたいと思いますけれども、外務大臣の御見解を伺いたいと思います。
  186. 園田直

    ○園田国務大臣 言われた御意見、十分わかりました。墓参の問題についても、先ほど説明しましたとおり、いままでは日本の領土として証明書で行っておったわけでありますが、今度は旅券を取らなければ許さないということで、遺族の方も旅券をもらって墓参したくない、こういう強い態度をとられておるわけであります。今度参りましたら、その件も必ず相手と交渉するつもりでおります。
  187. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 次の問題でございますけれども、ソ連側は、平和条約の交渉をする傍らでは、それまでのつなぎという形で、平和条約にかわるものを意図して、善隣友好条約あるいは善隣協力条約を結ぼう、こう言ってきております。これに対する政府の考え方をお尋ねしたいと思います。
  188. 園田直

    ○園田国務大臣 日本の政府はあくまで未解決の問題領土を含む平和条約の交渉再開に全力を挙げておるわけでありまして、領土問題をたな上げするがような善隣友好条約には応ずるつもりはございません。
  189. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 わが国の一部には、北方領土問題を国際司法裁判所に提訴して、そしてもしソ連がそれに応じた場合には善隣協力条約に応じてもよいではないか、こういう考え方があるかに伺っておりますけれども、この点についてはいかがでしょうか。
  190. 園田直

    ○園田国務大臣 そのような提案に応ずるはずもありませんし、またそれによって態度が変わることもございません。
  191. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 北方領土問題について一点お尋ねをしておきたいと思います。  ソ連の北方領土問題に対する考え方、主張というものはずいぶん変化がございました。たとえば鳩山内閣の時代には歯舞、色丹をもって平和条約を結ぼうという主張をソ連はしてまいりましたし、その後岸内閣の時代には、外国の軍隊が日本の中にある限り、北方領土は、歯舞、色丹といえども返還はしないという主張に変わりました。そして今度は、さきの田中内閣の時代に田中ブレジネフ会談では、領土問題は未解決だ、こういう発言をしております。しかしまた今度は、現状では領土問題はたな上げだ、むしろ解決をした問題だ、ソ連の主張は常にネコの目の変わるように一貫をしていない。しかし私が、たとえば在日のソ連の大使館にいる方々、あるいはソ連のイズベスチヤを初めソ連紙の日本にいる特派員の方々、いろいろな機会に個人的な話を聞いてみますと、北方領土問題については日本の国の中にはそれほど関心がないのに、特定の政治的な意味を持った人たちが、むしろ反ソ的な感情をあおり立てるために北方領土問題を一生懸命に国民に宣伝をしているんだ、こういう話を、正直を言ってずいぶん私は聞いてまいりました。しかし、いま日本の国内における北方領土問題はそんな政治的な問題ではなくて、北方領土の問題解決、返還はまさに一億日本の国民の悲願となってきておりますし、国民の世論はきわめて大きく高まってきていると私は思います。たとえば具体的に申し上げますと、北方領土返還要求の署名が一千万人を突破いたしました。また全国の二千六百十二の市町村のうち三分の二の千七百に及ぶ市町村が北方四島の返還決議を行っております。このような国民の北方領土に対する日ごとに高い関心を集めているという問題は、私は、かつての沖繩の日本への返還の問題を思い起こすわけでありますけれども、あの時点でもしアメリカが沖繩を日本に返還しなかったら、沖繩の問題を契機にして反米感情、反米運動というものが日本の全土にきわめて急速に広がった、きわめて危険な状態にあったと私は思います。同じように、いま日本の国の中で北方領土問題が、漁業の問題と絡んで、毎年同じような問題が繰り返されている。しかも日本の漁場は毎年毎年狭められ、漁獲量も減ってきている。現実にこうした問題を抱えながら、日本の国の中における反ソ感情はますます高まっていくのではないかという心配を、率直にしているわけであります。こうした国の中における置かれている現状というものをぜひ、かなり政治的には粘り強いと言われている新しい園田外務大臣訪ソに当たって、今日の北方領土問題のわが国における状況というものを十分にソ連側に伝えていただいて、強い立場で、北方領土問題を少なくとも一歩でも半歩でも今回の訪ソによって前進していただきたい。外務大臣の御決意をお伺いしたいと思います。
  192. 園田直

    ○園田国務大臣 御支援と御激励をいただいて御礼を申し上げます。おっしゃるとおりでありまして、日本とソ連の間には領土問題以外にはことさらに対立する問題はございません。他はことごとく円満、友好に進むはずであります。私が行ったときにも、日本の世論は世論ではなくて、新聞は政府が書かしているんだ、こういう話がじかにありました。そこで私は、私の国とおたくの国は違いますので、新聞に指図することなどは、全然力はない、もう少し黙ってもらいたいけれども黙らせる力さえないんだ、それは間違いだということを言いました。やはり漁業の問題でも領土問題に絡んで何かとソ連が意地悪している、あるいはいやがらせをしている、こういうふうにとられる可能性があるわけでありまして、漁業問題についてもソ連にはソ連の立場があるわけでありますから、そういう点は十分理解を願いたいと思っております。  なおソ連の国に対してわめき立てることだけではなくて、本当に日本の立場を理解してもらう、こちらも立場を理解する、相手の立場になって、領土問題がいかに日ソの問題に阻害を与えているか、こういう点は力説をして、全力を尽くす考えであります。ありがとうございます。
  193. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 外務大臣に、ソ連における、領土問題を含めてぜひ前進をさせていただきますことを強く要望して、私の質問を終わります。
  194. 竹内黎一

    ○竹内委員長 これにて両件に対する質疑は終了いたしました。
  195. 竹内黎一

    ○竹内委員長 これより両件に対する討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、順次採決をいたします。  まず、北西太平洋のソヴィエト社会主義共和国連邦の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件について採決をいたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  196. 竹内黎一

    ○竹内委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  次に、日本国の地先沖合における千九百七十七年の漁業に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定の有効期間の延長に関する議定書の締結について承認を求めるの件について採決をいたします。  本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  197. 竹内黎一

    ○竹内委員長 起立総員。よって、本件は承認すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました両件に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  198. 竹内黎一

    ○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。     ―――――――――――――
  199. 竹内黎一

    ○竹内委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十一分散会      ――――◇―――――