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1977-11-16 第82回国会 衆議院 農林水産委員会 7号 公式Web版

  1. 昭和五十二年十一月十六日(水曜日)     午前十時三十一分開議  出席委員    委員長 金子 岩三君    理事 今井  勇君 理事 片岡 清一君    理事 山崎平八郎君 理事 竹内  猛君    理事 美濃 政市君 理事 瀬野栄次郎君    理事 稲富 稜人君       阿部 文男君    愛野興一郎君       加藤 紘一君    久野 忠治君       熊谷 義雄君    佐藤  隆君       玉沢徳一郎君    中野 四郎君       羽田野忠文君    福島 譲二君       向山 一人君    森田 欽二君       小川 国彦君    岡田 利春君       柴田 健治君    島田 琢郎君       新盛 辰雄君    野坂 浩賢君       馬場  昇君    松沢 俊昭君       武田 一夫君    野村 光雄君       吉浦 忠治君    神田  厚君       瀬崎 博義君    津川 武一君       菊池福治郎君  出席国務大臣         農 林 大 臣 鈴木 善幸君  出席政府委員         農林大臣官房長 澤邊  守君         農林大臣官房技         術審議官    川田 則雄君         農林省農林経済         局長      今村 宣夫君         農林省構造改善         局長      森  整治君         農林省農蚕園芸         局長      堀川 春彦君         農林省畜産局長 大場 敏彦君         食糧庁長官  大河原太一郎君  委員外の出席者         外務省経済協力         局外務参事官  大鷹  弘君         大蔵省主計局主         計官      古橋源六郎君         文部省体育局学         校給食課長   坂元 弘直君         海上保安庁警備         救難監     山本 了三君         自治省財政局地         方債課長    津田  正君         農林水産委員会         調査室長    尾崎  毅君     ――――――――――――― 委員の異動 十一月九日  辞任         補欠選任   武田 一夫君     浅井 美幸君   野村 光雄君     矢野 絢也君 同日  辞任         補欠選任   浅井 美幸君     武田 一夫君   矢野 絢也君     野村 光雄君 同月十五日  辞任         補欠選任   馬場  昇君     岡田 哲児君 同日  辞任         補欠選任   岡田 哲児君     馬場  昇君 同月十六日  辞任         補欠選任   津川 武一君     瀬崎 博義君 同日  辞任         補欠選任   瀬崎 博義君     津川 武一君     ――――――――――――― 十月二十九日  農地転用許可後放置されている土地の有効利用  に関する請願(井出一太郎君紹介)(第一三一  一号)  同(唐沢俊二郎君紹介)(第一三一二号)  同(倉石忠雄君紹介)(第一三一二号)  同(小坂善太郎君紹介)(第一三一四号)  同(清水勇君紹介)(第一三一五号)  同(中島衛君紹介)(第一三一六号) 十一月一日  農地転用許可後放置されている土地の有効利用  に関する請願(中村茂君紹介)(第二二三三  号)  同(原茂君紹介)(第二二三四号) 同月二日  水田利用再編対策等に関する請願(小沢辰男君  紹介)(第二六〇七号)  小麦粉への米粉混入反対に関する請願(相沢英  之君紹介)(第二六七九号)  同(石井一君紹介)(第二六八〇号)  同(市川雄一君紹介)(第二六八一号)  同(稲垣実男君紹介)(第二六八二号)  同(小此木彦三郎君紹介)(第二六八三号)  同(大塚雄司君紹介)(第二六八四号)  同(奥野誠亮君紹介)(第二六八五号)  同(鹿野道彦君外一名紹介)(第二六八六号)  同(粕谷茂君紹介)(第二六八七号)  同(鯨岡兵輔君紹介)(第二六八八号)  同(國場幸昌君紹介)(第二六八九号)  同(小泉純一郎君紹介)(第二六九〇号)  同(河野洋平君紹介)(第二六九一号)  同(左藤恵君紹介)(第二六九二号)  同(佐々木義武君紹介)(第二六九三号)  同外一件(志賀節君紹介)(第二六九四号)  同(塩谷一夫君紹介)(第二六九五号)  同(島村宜伸君紹介)(第二六九六号)  同(砂田重民君紹介)(第二六九七号)  同(地崎宇三郎君紹介)(第二六九八号)  同(友納武人君紹介)(第二六九九号)  同(中尾栄一君外三名紹介)(第二七〇〇号)  同(中西啓介君紹介)(第二七〇一号)  同(中村靖君紹介)(第二七〇二号)  同(中山利生君外二名紹介)(第二七〇三号)  同(中山正暉君紹介)(第二七〇四号)  同(灘尾弘吉君紹介)(第二七〇五号)  同(野中英二君紹介)(第二七〇六号)  同(原田憲君紹介)(第二七〇七号)  同(福田篤泰君外二名紹介)(第二七〇八号)  同(藤井勝志君紹介)(第二七〇九号)  同(藤波孝生君紹介)(第二七一〇号)  同(船田中君紹介)(第二七一一号)  同(古屋亨君外一名紹介)(第二七一二号)  同(細田吉藏君紹介)(第二七一三号)  同(前尾繁三郎君外一名紹介)(第二七一四  号)  同(増田甲子七君紹介)(第二七一五号)  同外一件(三塚博君紹介)(第二七二八号)  同外一件(村山達雄君紹介)(第二七一七号)  同(森喜朗君紹介)(第二七一八号)  同(山崎拓君紹介)(第二七一九号)  同(山下元利君紹介)(第二七二〇号)  同外一件(山田久就君紹介)(第二七二一号)  同(与謝野馨君紹介)(第二七二二号)  同(綿貫民輔君紹介)(第二七二三号)  同(木村武千代君外一名紹介)(第二七二四  号)  農業用水の汚染防止に関する請願(小川平二君  紹介)(第二八一四号)  同(下平正一君紹介)(第二八一五号)  昭和五十三年度稲作の生産調整に関する請願(  小川平二君紹介)(第二八一六号)  同(下平正一君紹介)(第二八一七号)  農林漁業金融公庫事務所の長野県内設置に関す  る請願(小川平二君紹介)(第二八一八号)  同(下平正一君紹介)(第二八一九号)  農畜産物の輸入規制に関する請願(小川平二君  紹介)(第二八二〇号)  同(下平正一君紹介)(第二八二一号)  農地転用許可後放置されている土地の有効利用  に関する請願(小川平二君紹介)(第二八三三  号)  同(下平正一君紹介)(第二八三四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  農林水産業の振興に関する件(米需給均衡化対  策等)      ――――◇―――――
  2. 金子岩三

    ○金子委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。森田欽二君。
  3. 森田欽二

    ○森田委員 私は、稲作転換、水田利用再編対策等につきまして御質問を申し上げたいと思います。  本年度、予想されていなかったような稲作の異常な出来高、そういったこと等から、かねてから懸念されておりました限度超過米を非常に多量に抱え込むといった状態になってまいっておりまして、来年度予定されております稲作の転換なり水田利用再編対策といったようなことが必要でございますことは十分承知をいたしておるわけでございます。しかしながら、農民なりあるいは農業諸団体等は必ずしもこれにもろ手を挙げて賛成するといった気持ちでなしに、むしろ拒否反応といった状態を示しておると言ってもあえて過言でないのが現実の姿でございます。私ども、やはりそうしたかかわり合いのございます地域に住んでおります者として、何とかして現在の状況を十分承知していただいて協力していただかなければならないという前提に立って、いろいろとお話は申し上げておるわけでございますが、過去行われてまいりました状況下におきます転換といったようなもの、調整といったようなものと違った意味で、非常な危機感を持って、現在の時点、農民がこれに対応しようとしておるという現実は避けることのできない状態のようでございます。  そこで、そういった前提を基礎にいたしまして、いろいろ直接そういった問題と取り組んでおります過程の中で、特にお尋ねを申し上げたい、また特にこういった点についてお考えをいただきたいと感じます諸点につきましてお尋ねをさしていただきたい、かように考えるわけでございます。  五十三年度の目標とされております百七十万トンあるいは四十万ヘクタールといった形というものは、五十二年度の約二倍に相当する量であり、面積であるわけでございます。このことだけを考えてみましても、これはなかなか容易なことじゃない。簡単にこの問題が実現できるという前提に立って取り組んでおっては必ず失敗に帰すのではなかろうかという感なきにしもあらずでございます。先般の委員会において稲富委員から、今回この方策については、戦後行われました農地改革に次ぐ農業の大変革を迎えておるんだというお言葉がございましたが、私も全くそういった感じがいたすわけでございます。それだけの、農業全体の根幹をゆさぶるような問題であるならば、もっと農林省自体、否むしろ政府が本腰で、本当に農民がここまでくればやむを得ないといったようなものをぶつけて、農民に協力をさせる。あるいはこれらの施策が講ぜられるに当たりまして、むしろ農林省自体よりも地方自治体、県を初め市町村、あるいは直接かかわり合いのございます農業諸団体、そういった第一線で説得をしなければなりません立場の人たちが、いかに苦慮されるか、いかに御労苦が多いかということは、これはあえて過言でないと率直に私は大臣にも申し上げたいのでございます。農民はこの問題をできるだけはね返そうといままで経営をいたしてまいりました。わが国の主食でございます。しかも農業の基盤ともいうべき米つくりが思うようにつくれないといったような状況に置かれておりますそうした農民の立場を十分理解しながら、何とかして説得をするということにいたしますためには、そうした第一線でやられておる方々が説得しやすい条件をまずつくり出すということが先行しなければならない、私はかように考えるわけでございます。  ところが、そういったような条件整備が、果たして、十分とはいかないまでもある程度行われて、この施策が実行に移されようとしておるのかどうなのか、私はあえてそれを是認するといった気持ちになれません。と申しますのは、たとえば条件整備等の中で、少なくとも、米をつくるよりもいささか悪いけれども、まあまあこれくらいのことであるならばがまんをして転作せざるを得ないだろうといったような条件が果たして整備されておるかどうか。私は、昨日小委員会におきますあの農産物の価格問題の審議の中でそういったことをふと感じました。と申しますのは、特に米に比較して他の作目に転換しにくいというのは、やはり価格の問題があると思うのです。もちろん米は非常に安定をしておる。つくって失敗することがない。いろいろな災害等の問題がございましても、価格等におきまして安定をいたしておりますし、昔からなじんできております農業でございますために、失敗がない、安定してつくれる。ところが、それを他に転換するということになりますれば、一体かわるべき米に次ぐような安定した作目があるかどうか、そういったようなものの手当てがなされておるかどうかといった点について、私はいささか危惧の念を持たざるを得ないのでございますし、昨日の価格小委員会に出ました、農林省がお取り組みいただいております農産物の価格等に対します審議がいかような形でとり進められておるのであろうか。本当に米というものが現在のような趨勢にあるということであるならば、当然、価格等に対する問題等も本気で取り組んでおられるならば、もっと何かここらあたりで農民を納得させられるようなものが打ち出されてしかるべきではなかったろうかという気がして私はならないのでございます。  きのう「農産物価格政策の検討状況について」という経過報告がございましたが、これは五十年の九月十三日に省内に価格政策検討委員会というのが発足されておるようでございます。メンバーにつきましては、次官を座長にいたしまして、幹部の方々ほとんど顔を並べておられるようでございます。もちろん、これらの問題が短期間のうちに安易に結論づけられるものだとは思いません。しかしながら、少なくともこういった農業の大きな変革期を迎えなければならないのではなかろうかというような情勢の中で行われるこの委員会の結論の出し方というものが、いまのような状態で果たして納得できるものであろうかという気がいたすわけでございます。昭和五十年の九月十三日に省内に設置されて、現在まだ何ら結論的なものは見出されていないようでございます。ただ、大筋は一応方向づけされておるといったにすぎないというのが現実の姿のようでございます。一体この間何回ぐらいこれらの会合をお開きになったのか、一体次官は何回ぐらいそういった会議に御出席になったのか、そういった点についてまず私はお尋ねを申し上げたいと思うのですが、このこと一つをとらえてみましても、私は本当に条件を整備して少しでも農民に納得のいく農政の形において、そういった中でこれらの問題を取り進めていこうという省を挙げての姿勢というものがその中から考えられるだろうかと言わざるを得ないのでございます。  さらに、いろいろ転換あるいは再編対策等について方向づけはされておりますけれども、そういったものに対して果たして一体どれだけの裏づけがなされようとしているのか、なされるのか、そういった点については何らいまの時点では具体的なものがないようでございます。ただ、いろいろな奨励金等については増額されておるようでございますし、その範囲等においてもある程度拡大されてまいっておるようでございます。しかしながら、これは本当に今後農家が農業と取り組みます場合の安定した農家経営、そういったものの裏づけに足るものであるかどうか。私は、あくまでこういった奨励金というのは暫定的なものにすぎない、そういった感じがするわけでございます。もちろん、そういった過程の中で、その十年間の歩みの中でそれらの裏づけをし、現実農家の経営が安定していくような方向づけをするという考え方で十年間という計画が立てられておると思うのですが、しかしながら第一歩が私は非常に大事だと思うのです。最初を誤ればせっかくのそうした十年計画の事業も思うような成果を上げ得ることができないのではなかろうかという気がするわけであります。  そういう点を考えますと、やはりこの五十三年度において、少なくともさきに申し上げたような考え方で問題をとらえた場合に、これだけ大きな問題と取り組みます政府の姿勢、農林省の考え方としては余りに甘過ぎるのではないか、こういう気がいたします。一体、今度の取り組みの中心がどこに置かれておるのか。恐らく御答弁は官房長だとおっしゃるかもしれないし、次官だとおっしゃるかもしれませんけれども、われわれが感じますところでは、農蚕園芸局の局長あるいは審議官のところが中心になってこれらの問題に取り組まれておるような感じだけしか受けない。そういうような状態でこの問題を見なければならないことを私ははなはだ遺憾に思う。もちろん、大臣は委員会のたびごとに御出席いただいて、真摯な態度で真剣に御答弁もいただいておりますし、大臣のこの問題にかけられております情熱というものにはわれわれは打たれます。しかし、農林省全体が火の玉となってこれだけの大事業を進めるという、そういった考え方に立って問題をとらえておるとは私にはどうしても思われません。そこらあたりを農林省自体についても、私ははなはだ申し上げにくいことだけれども、申し上げざるを得ない気がいたすわけでございます。  そこで、私はさらに大臣にお尋ねを申し上げたいと思うのですが、いろいろな作文はできておるけれども、その裏づけとなります財源問題、財政問題、それをどういうふうにお考えになっておるのか。これだけの大きな事業を、しかも第一年度において一歩を誤れば十年間その成果を上げることができない、そういったことにつながるのではなかろうかというような状態の中におけるこの問題を、閣議決定までなされて取り組まれておる、政府を挙げて取り組まれておる。だとするならば、少なくとも十年間に、あるいは十年間と言わなくても第一期の三年間には特別これだけの枠で別に予算措置をいたします。これくらいの取り組みの姿勢というものがあってしかるべきだという気がするのです。そういったものがあってこそ、それぞれの自治体、それぞれの農業団体の責任者が責任を持って農民を説得する、政府の施策に協力をさせる、そういった本当に責任を感じての措置ができるのではなかろうかと私は思うのです。そういったことはしないでおいて、ただいたずらに事を急いで、ここ二、三日のうちにはその目標を提示されるようなお話も聞きますけれども、いままで安易にと言えばあるいは過言であるかもしれませんけれども、転作ができてきた、生産調整ができてきた、こういった考え方の上に立ってこの問題をとらえようとされるならば、私は失敗に帰するのではなかろうかという危惧の念を抱かざるを得ません。  そこで、そういった点について大臣はどういうふうにお考えになっておるのか。ただ単に作文をつくっていただいただけでは腹はふくれません。農民は納得しません。米にかわるべき物はかくかくしかじかのものでありますと作文をつくりましたなら、その裏づけにこれだけのものをわれわれは考えます。そういったことがあってしかるべきだと私は思う。治山治水のああいった事業等については、第何次といったようなことで相当多額の金が別途前もって裏づけされて事業が推進されようといたしております。農家の経営を根本的に考え直してもらわなければならぬ。ただこれは一時的なものではないと思うのです。一時米つくりをやめておけば将来はまたもとに戻すことができる、そういったような状態ではないと思うのです。将来ともに、あるいはより以上のものを無理を言わなければならないかもわからない状況の中において、私はそれくらいの考え方を持ってなさるべきではなかろうかという気がいたします。  引き続きお尋ねを申し上げておきたいと思いますが、五十三年度の農林省の要求なさる予算、五十二年度と変わってこういった大きな問題を抱えておりますがゆえにどれだけの予算を要求されるつもりなのか、前年度に比してどれだけの増を見込んでの要求であるのか、こういった事業をやるために、その中にどれだけの配慮がなされようとしておるのか。土地基盤整備事業等におきましても、私は少なくとも稲作の問題としてでなしに農業全体の問題として考えるならば、単に奨励金を出したからこの問題は事足れり、そういったことではなかろうと思うのです。やはりそうした農業の根幹になりますような事業については、この際特別な配慮をして特別な枠組みの中で事業を推進していくといった考え方があってしかるべきだと思う。そういったような考え方が盛り込まれておるのかどうなのか。あわせて、大蔵省の方から御出席をいただいておると思いますが一それでは、大蔵省から見えておりませんので、私は大臣に、大蔵省にかわったつもりでそういった点についてひとつ御決意のほどをお願い申し上げたい、かように考えます。
  4. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 森田さんから日本の当面する農業、非常に厳しい状況に対して切々と御心配をなさっておる諸問題に触れられまして、今回政府が来年度からお願いをしようとしております米の需給均衡化対策、水田利用再編対策、これの実施についての私の決意並びにその裏づけとなる予算その他の施策について御質問がございました。  もう二回にわたりまして、当委員会においてはこの米の需給均衡化対策、水田利用再編対策につきまして、大筋について私の考えを申し上げ、委員各位の御意見も拝聴いたしたわけでございます。時間の関係もありますから、余り繰り返して申し上げるようなことは省略をいたしたい、こう存じますが、いま米の需給均衡化を速やかに回復をするということは、わが国の食糧政策の面からいっても、また食管制度を堅持してまいるという国民的要請にこたえるためにも、これはぜひ御協力を得て早急にその達成を図る必要があると考えております。  もうすでに御承知のように、今年度、豊作等もございますが、三百数十万トンの在庫米を抱えておる、来年は平年作でありましても四百数十万トンに相なるわけでございます。これを昭和四十六、七年当時のように、あるいは家畜の飼料に落としたりあるいは対外無償援助に回したりいろいろなことをやりますと、今日の米価をもっていたしますれば、五百万トン仮に処分するとしても、一兆数千億の国費を投入しなければいけない。私はそういうお金があれば、むしろ日本農業の体質の強化改善というような前向きの施策にこれを充てたい、このように考えております。  この需給均衡化対策を図りますためには、一方において米の消費拡大、これは今日までも各方面に御協力を得てやってまいりましたが、政府全体の問題として閣議決定をして、生産転換政策とともに、米の消費拡大の施策というものを二本の大きな柱として推進をする考えでございます。  そこで、一方における稲作の転換、これは御指摘のように約四十万ヘクタール、百七十万トンという相当大きな計画であり、農民の皆さんからいたしますれば、大変な目標である、計画である、こういうことも承知をいたしております。しかしながら、日本の農業として、一方においては麦、大豆、飼料作物等々、需要に見合って必要な作物の自給率もきわめて低い。でありますから、需給の動向に即して農業生産の構造改善というものをこの際思い切ってやらざるを得ない、これは私の時代にやらなくとも日本農業として避けて通れない大きな課題である、私はこのように考えております。  さて、これを実施するにつきましては、森田先生御指摘のように、十分そのための環境と条件を整備する必要がある、全く御指摘のとおりでございます。  まず第一は、米との対比における他の主要作物の価格の問題でございますが、これは先般来、麦であるとか大豆でありますとか、そういう戦略作物につきましての価格の改善方について努力をしておりますことは御承知のとおりでございます。しかし、一挙に米並みにいくというわけにいかない、今後毎年毎年これが改善、向上に努力をしていくということでございます。  そこで、そういう価格の動向を考えますと、いま価格だけで米並みというわけにまいりませんから、そこで、これを補完するという意味で十年計画を立て、前期三カ年まずやるということにいたしまして、転作奨励金を思い切ってかさ上げをする、そのために二千億、相当の予算でありますが、私はこれは絶対に来年度予算において確保するつもりでございます。また、土地基盤整備事業等につきましても大幅な予算の増額を期しておるところでございます。その他、農業生産の指導の問題いろいろな各般の問題につきまして予算の増額を要求しておるところでありますが、農林省のあらゆる部局の施策をこの世紀の大事業であるところの米の需給均衡化対策、日本農業の構造、体質を変える、この問題に集中をして、この実現、達成に全力を尽くしたい、こういうぐあいに考えておるところでございます。  なお、予算の問題につきましては政府委員から御説明を申し上げます。
  5. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 予算につきましての基本的なお考えは大臣がお述べになったとおりでございますが、二千億は来年度の要求額でございまして、これは水田利用再編対策の直接的な奨励金等の経費予算でございます。そのほか、この転作に関係をいたしますところの各種予算があるわけでございまして、たとえば圃場整備事業でも、転作関係のもの、第二次構造改善事業の活用分、あるいはまた新たに費目を起こします転作条件整備対策事業というようなもの、そういったものを総括をいたしまして、来年度予算におきまして総額で大体千百八十億くらいのものを別途に要求をしておるわけでございまして、これらの予算の確保につきましては、さしあたり三年間、数量も固定をし、奨励金単価も原則として決めたもので貫くというふうに考えておるわけでございまして、これら関連予算を含めましてそれらの予算確保に努力をしてまいるつもりでございます。
  6. 森田欽二

    ○森田委員 どうも私がお尋ねをした内容全部については御答弁がないようでございますが……(鈴木国務大臣「区切って御質問してください。いっぱいあるものだからちょっと困るのです」と呼ぶ)区切ってやれということでございますので、なるべくそういうようなことでやってまいりたいと思うのですが、農林省の中でお取り組みいただいております価格政策についての結論は、いつごろ少なくとも役に立つような形で結論づけられるものであるか、後でいいですから、それをひとつお願いを申し上げたい。  それからなお、条件整備の中でたとえば麦の問題一つとらえてみましても、なかなか湿田の多いといったようなこと、あるいは農業が機械化されてまいりまして田植えと麦の取り入れの時期が一緒になってなかなかやりづらい、そういった、これは技術的な面あるいは土地基盤整備の問題等に関連いたしてまいると思うのですが、やはりそういった一つ一つの問題を十分ひとつ御配慮願って整備をお願い申し上げたい。その点について、後で結構でございますので御答弁をお願い申し上げたいと思います。  なお次に、過去におきますいわゆる生産調整の目標割り当てについて非常に問題が残されてきているような気がするわけなんです。たとえば、まじめにこれを拳々服膺して実行してきたところ、たとえば西日本地区あたりは、私の福岡県を含めてでございますが、十分国のそうした方針に基づいてまじめに取り組んでまいったと考えておりますが、中には知事を初め挙げてこの問題に協力しなかったところもある、あるいは米どころと言われるところでなおかつそういったような目標に達しなかったところもある。そういったようなものがそのまま見送られてきておったんじゃないか、そういったようなことに対する不満というものが非常にあることは私は率直に申し上げておかなければならないと思うのです。そういった点についていかように考えられるか。  たとえば、いろいろな超過米の問題等お願いをいたしておるその過程において、一毛作地帯だからといったようなことでいろいろな特別な配慮のもとに問題をとらえられようとしておるやに感ぜられる節があったことを私は非常に残念に思います。心情においては私は決してそのことをとやかく申し上げようとは思いません。しかしながら、少なくとも国が目標を示して、それを実現しなければならない、そういった施策の中において、いま申し上げるような考え方で問題がおろそかにされていくといったようなことであっては私はならないと思うのです。また、そういった地帯であれば地帯であるべき農政の面で特別な配慮が別途なさるべきではないかという気がいたすわけなんです。  どうも西日本地帯におきましてはまともにやってきた。だから、割り当てが年々ほかのところに比べてむしろ安易に積み重ねられてきたのではなかろうかという感じすら持っておることを私は御承知おき願いたいと思うのです。だから、そんな安易な考え方で今回の割り当てをなさるということでありますならば、私は必ずしも円満に事が運ばないのではなかろうかという気がいたします。第一、そういった西南暖地等についての米はこれはやむを得ないんだ、切り捨てというような考えであれば別ですけれども、そういったことであってはなるまいと思うのです。一体、九州を中心にした稲作というものをどういうふうに全国の農政の中で、農業の中で、稲作の中で位置づけされようとしておるのか、そういった点を私は率直にお聞かせおき願いたいと思います。せっかく努力をしてきた、それが結果的にあだになった。農民はだまされたという感じで今後その指導についてこないといったようなことになるとするならば、私は大変な問題だろうと思うので、過去のそうした問題を踏まえて今後の御決意をひとつ承っておきたいと思います。
  7. 澤邊守

    ○澤邊政府委員 価格政策の検討についてのお尋ねについてお答えをしたいと思います。  まず、先ほどお尋ねがございました何回検討委員会をやったのかということにつきましては、正規なものといたしましては全体の委員会とその下に幹事会がございますが、合計で十七回やっております。ただ、これはそのほかに関係局で随時非公式に集まっては協議をいたしておりますが、全体の委員が集まって正規にやったのは十七回、こういうことでございます。  それから、これの結論がいつごろ出てどのように政策に役立っていくのかというような趣旨の御質問だったと思いますが、これは小委員会におきましても昨日御報告いたしましたように、当面の課題と長期の課題と分けて、当面の課題は一応処理しておるわけでございますが、長期の課題は四つの観点から、中核農家の所得がどのように価格政策によって確保されておるかというようなこと、あるいは需給事情というものを価格にどのように反映したらいいかということ、それから第三点といたしまして、現在出されております奨励金と価格政策の関連をどのように考えたらいいか、第四点といたしまして、農産物相互の相対価格関係をどのように適正に持っていったらいいか、この四つの課題を検討しておるわけでございますが、現在までにやりました点は、特に奨励金につきまして価格政策、行政価格とどのように関連づけたらいいかという点を重点にやってまいりまして、これは今年度の麦以下畑作物につきまして、価格性の強い奨励金につきましては行政価格の中に織り込むということを当検討委員会の検討の成果の一つとして実行しておるということでございます。  なお、その際、奨励金を価格に織り込むことによりまして米価その他の作物との相対価格関係の是正にも役立っておる、こういうことでございます。もちろん相対的価格関係の是正の問題につきましては非常に複雑多岐でございますし、多角的な検討も必要でございますので、これで終わったということではございませんので、今後も引き続きやっていきたい。  なお、中核農家の所得確保の問題につきましては、当面、農家経済調査等の組みかえをやりましたので、そのデータができ上がりましたところで着手をしていきたいというふうに考えております。  いずれにいたしましても、非常に複雑で多角的な検討を要する問題ばかりでございますので、私どもはすべての問題につきまして全部結論が出てから実行に移すということではなしに、息の長い検討を続けながらその過程で結論が出たものをその都度政策に織り込んでいきたい、実行してまいりたい、かような考えで進めておるわけでございます。
  8. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 まず第一点の麦についてのお尋ねでございますが、これにつきまして麦と土地の排水関係は非常に大きな関係がございます。そこで、まず品種の問題からいたしまして、雨害、湿害に強い、病害にも強い、こういう麦をつくり上げるということはきわめて重要でございます。そういう角度から、農林省といたしましても技術会議を中心といたしまして試験研究を一層拡充いたしまして、真剣に取り組むということをやっておるわけでございます。なおその際、これは麦に転作をするという関係でございますと、稲との関係ということを直接的に考えての品種改良ということはまたどうかということもございますが、麦一般につきましてこれは国内で需要があるにもかかわらず自給率がきわめて低いということもございますので、その辺も麦と米との関連も考えつつやる、試験研究も大いに強化をしていくということでございます。  それからなお、排水にかかわります直接的な事業の面でございますが、これは土地改良におきましてそういったことを十分念頭に置いた事業の展開をすでに図っているところでございますが、先ほど申しましたような転作条件整備対策事業というものの中でも、土地改良というような形でなしにしても簡易なる排水施設の整備というようなことによりまして表流水をできるだけ除去して麦が育ちやすい環境を、これは比較的短期間でできますので、そういう仕事も強力に進めるという心組みでおるわけでございます。  それから二番目に、従来の生産調整の、生産転換の目標未達成の地域についての扱いをどうするか、こういうことでございますが、これにつきましては、昨年のような場合を除きましておおむね単年度需給というものを全体としては達成してきておるというような姿の中で、おっしゃるように目標面積なり数量を超過して達成したところあるいは非常に達成率の悪いところ、いろいろございますわけでございます。そこで、こういったことに対しまして来年以降相当大幅な、約倍の規模の目標面積を設定して転換をしていただくということになりますと、この点についての御議論が、森田先生御指摘のとおりいろいろあるわけでございますので、私どもこれから先の目標設定は、あらゆる要素を慎重に配慮いたしまして、不公平感が出ることのないように極力適正な配分をすることはもとよりでございますが、その目標面積を達成できなかったというような場合におきまして、次年度以降においてその未達成分を目標面積として上積みする、限度数量はその分削減をするというような仕組みも導入をして、ある意味でははなはだきつい措置になるわけでございますが、不公平の出ないようにということに極力配慮をした仕組みを適切に運用するということにしてまいりたいと思うわけでございます。  それから、非常に努力をされまして目標達成をされるというところに対しましては、奨励金の面でも達成率に応じての計画加算をつけるとか、あるいはまた目標達成をされました県における米の扱いにつきましては、再々当委員会でも御論議がございまして、大臣からも御答弁されておるわけでございますが、天候の条件等で出ました超過米の扱いにつきまして、国が買い上げるということはなかなか困難でございます。困難でございますが、そういうものの適切な流通についての助成等、配慮すべき点は真剣に考えてまいるということにしておるわけでございます。今後の配分につきまして、実績主義というようなことで成績の上がったところに安易に積み増しをするという態度は、私ども絶対にとらないつもりでございます。  なお、九州におきまして、西南暖地の稲作、これは九州に限りませんが、稲作はやはり農業生産の根幹でございまして、各地域地域の稲作の状況、これは適地適産というような考え方もございますが、その地域の持つ重要性ということを十分認識した上で適切な配分を図るようにしてまいりたいと私ども思っております。
  9. 森田欽二

    ○森田委員 実は、十月三十日の西日本新聞に「隠れた農地が百万ヘクタール 国土庁調査で発見農業政策を修正へ これまで森林として処理」、こういった記事が出ております。国土庁に尋ねてみたのですが、国土庁はどうも言を左右にいたしまして、実はいろいろ調査はしておるけれども、そういった発表をしたことはない、こういうことで非常にあいまいでございます。ただ、その中にいろいろ記載されておりますことからいたしますと、全く根のないことではなさそうな気がするのです。もちろんまだ調査過程のようでございますので、結論づけられたものではないと思います。しかし、少なくとも百万ヘクタールからの土地に増減がある、こういったことになってまいりますと、いろんな農業計画、そういったものが根底から覆されることは火を見るよりも明らかだろうという気がするのです。これに対して農林省の方で何かキャッチされておることがあるかどうか。もちろん同じ政府の内部での話でございますので、全く知らなかったということでもないだろうと思いますし、西日本新聞の第一面に堂々と記載されておることでございますので、農林省の関係の方がだれ一人いままで見たことがない、こういうことでもなかろうと思うのです。この点についてお尋ねを申し上げておきたいということが一つ。  それから、一つ一つということでしたが、簡単な問題でございますので、次は局長にお願いなりお尋ねを申し上げたいのですが、農協等が行います管理転作、このことが水田利用についての今後の成否を占う大きな大事な問題点だろうと思うのです。こういった問題につきましては、水田預託者と借り入れ、転作希望者の仲介及び水田管理に多大の労力と経費を要すると思われます。そういったようなものなどについて、いわゆる農業団体、これは農協が主となってまいると思うのですが、その農協が主体性を持って取り組んでいくということにならなければ、ただ単にそういうことになっておるからというおざなりな取り組みでは事が成らないのではなかろうかと私は思うのです。これらの問題について助成等いかようにお考えになっておるのか。預託者については、これを管理委託する場合には、委託した者から農協なり団体に実費を支弁するようなことが書かれておったのですが、単にそういったことだけで事足れりということなのか、あるいはそういう点について別途十分配慮をされておるのか。私はすべきだと思う。それがなされなければ農協が本気になってやろうとしてもやれない、こういうことだろうと思いますので、その点についてお尋ねを申し上げたい。  次に、自治省からおいでをいただいておると思うのですが、県単独でこの大事業を進めていく上におきましては、やはりやってもらわなければならない施策があると思うのです。そういったようなもので一定の条件が整ったものについて財源措置、特に起債等の措置を認めていただくということが事業推進上必要ではないかと思うのですが、そういう点についていかようにお考えいただいておるのか、この点を自治省の方にお尋ね申し上げたいと思います。  以上三点についてお願いをいたします。
  10. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 まず、管理転作についてのお尋ねにお答えいたしますが、これにつきましては、先生御指摘のとおり、農協が主体的な取り組みをして真剣にこなしていただくということになりませんと困るわけでございます。私どもはそのことが特に重要だというふうに考えております。この管理転作は、一つには計画的な転作の推進ということにもつながってくる問題でございますから、私どもとしましては、費目といたしましては市町村指導推進費補助金というのがございまして、その中に管理転作推進費というものを特別に枠組みをしまして所要の予算を計上するということにしておるわけでございます。これは総体といたしまして、意向調査をする、調整のためのいろいろの会合を開く、集落に対して説明をする、それから集落の中で農協に御協力して推進員というものを設置して農家の取りまとめに当たる、こういったようなものが主になるわけでございます。  それ以外に、私どもといたしまして管理転作の奨励金というものを考えておるわけでございますが、これは直接的にはこの事業の取りまとめを行いますところの農協に交付されるものではございません。従来も御説明しておりますように、農協に土地を預けまして、使用貸借を中心にして転作をしてもらうというその土地の出し手、預託者に交付されるものでございまして、この額は一応四万円。それについて転作が計画的に行われるという場合につきましては、それぞれ作目に応じましてあるいは転作率に応じましての加算がつくということになっておりますが、これも土地の預託者に出るわけでございます。そこで、そういう管理転作の奨励補助金の中から、農協が土地を預かって良好な状態で管理をするのに要する費用、具体的に申しますと、耕運機を入れて耕起をするあるいは除草をする、そういった費用が主になるというふうに考えておりますが、その費用は、預託者がその奨励金の中から農協に地域の話し合いの結果に基づいて実費を出していただくということを考えておるわけでございまして、こういういろいろの奨励措置の総体を通じての運用において農協が管理転作に取り組みやすいような仕組みあるいは予算措置を考えているところでございます。
  11. 森整治

    ○森(整)政府委員 新聞でそういう報道がされておりますことについては承知をしておりますけれども、事の内容につきましては私どもまだ国土庁から詳細な連絡を受けておりません。したがいまして、内容につきまして、もしそういうことがあるとすれば、これは大変な問題でございますので、今後国土庁とよく連絡をいたしまして実態の究明に努めたいというふうに考えております。
  12. 津田正

    ○津田説明員 第三点の御質問でございますが、現在、農林省で進められております水田利用再編対策の中には地方単独事業というものは織り込んでいない、こういうふうに聞いておりますし、また地方団体の負担は前提としない、かように聞いておるような次第でございます。自治省としましてもこの対策がやはり米あるいは食管というような問題から派生しております関係上、たとえば水田利用再編計画等に織り込まれます事業はすべて国の、たとえば転換条件整備対策事業等をお考えでございますが、そのような事業で対処すべきもので、地方単独あるいは地方負担あるいは特別な起債措置というものは必要のないようなかっこうでやっていただきたい、かように考えておる次第でございます。
  13. 森田欽二

    ○森田委員 時間がないようでございますので締めくくらせていただきますが、この西日本新聞の問題ですね、これはいいかげんなものであればこんな大きな取り扱いはしないだろうと私は思うのですよ。いまの局長の話を聞きますと、国土庁の方から何も連絡かないので、知ってはおりましたかという、そういった御答弁の御態度から感ずるところは、どうも余り知ってなかったんじゃないかなというような気がする。また、連絡がなかったからというようなことで、もしお知りであったとするならば、安易に考えられる問題ではないような気がするのですよ。少なくとも自力開田でつくられております水田の問題も大きな問題ですこういうものがどんどん認められて稲作か行われていく、そういったものが放任されてきたということであれば、それ自体でもやはりこの割り当て等については相当考えてもらわなければならぬ問題があると私は思う。ましてやこういうような問題がいささかでもあるとするなら、この計画というものは根底から崩れてくると私は思うのです。だから、そんな安易な考え方でとらえられるような問題じゃないと思うのですが、その点、もうお尋ねしますまい、時間がありませんから。私はそういったことでは困ると思う。だから、その点だけは強く指摘をしておきたいし、時間がないのでこれ以上申し上げることができませんので、一応その要望だけ、気持ちだけを率直にお訴えをいたしておきたいと思います。  それから、私はいまの自治省の答弁については納得がいきません。これは形はそうかもしれない。しかし、少なくとも地方自治体がこういった大きな問題は県単独ででも何らかの形でやるべきだ、やらなきゃならぬというやつを、それは県でやるべき仕事じゃないのだ、すべて農林省の方の予算でやるのだ。それじゃ農林省の方ですべて県が満足するような、あるいは県民が納得するような施策が行われるやつをどんどん出してくれますか。そういったことがないから地方自治体としての存在があるし、その意義があるのです。それを通り一遍の考え方で、農林省がやるすべての仕事、すべてそれで賄うのでそういった県単の単独事業というのは認められないような御発言をなさったが、これは私はゆゆしき問題だと思う。それほど拘束する権限があるのですか。私はその言葉は撤回してもらいたい。それからなお、農協に対するいろいろな措置、それからこれは地方自治体についても同様だと思います。これは確かにいまお話があるように国がやる施策ではありますけれども、しかし国でやれない、たとえば災害でも国のやるものにはおのずから限度が決めてある。やはり小さい、手の届かないようなところに手を届かせる、そういった自治体としての仕事が私はあるはずだと思うのですよ。そういったものもすべて国がやってくれるというのであれば別ですけれども、私はその御答弁については納得しかねます。  なお、時間でございますのでこれで終わらせていただきますが、いずれにしましても、この事業というのは今後の農業の根幹を決定づけるものだという気がやはりいたすわけです。それだけに農林省自体本気で取り組んでいただきたいし、私どももこういった施策が講ぜられることは好みません。やはり農民には自分のつくりたいものをつくらしてやりたい、これが私は本当の形だと思うのですが、やむを得ずこれをやらなければならぬということであるならば、やはりできるだけの措置をとってやってやる、こういった考え方で今後ともひとつお取り組みいただくことをお願い申し上げて、質問を終わらせていただきます。
  14. 金子岩三

    ○金子委員長 野坂浩賢君。
  15. 野坂浩賢

    ○野坂委員 連日にわたりまして百七十万トン生産調整の問題が議論をされておるわけでありますが、いまお話がありましたように、与党自民党もきわめて批判的であり、本生産調整については異議のあるところをいま見解として述べられておったわけであります。  この生産調整は、農林大臣がいままでもお話しになっておりますように、いままでと違った意味を持っておる。いままでは緊急避難的な方式をとってきたけれども、今度はいわゆる構造改革という問題に触れてきたというところに大きな問題があろうかと思います。私は、いままでの生産調整と違った意味で本格的にやるとするならば、きのうも農林大臣は多くの農民の皆さん方の代表とお会いになりました際に、農民の皆さんは、もっと考えさせなければならぬ、余りにも時期が切迫し過ぎておる、こういうお話がございました。大臣はそれなりにいまの現状を述べられまして、できるだけ皆さんの期待に沿うというようなお話はありましたけれども、いますぐにというところは非常に問題がある、なかなか対応しかねるという農民の声は素朴にお聞きになったと思うのであります。これについて多くの農家の皆さん方が、来年度早急に百七十万トン実施は困難性が伴うということをるる述べられておりましたが、これについて再考をされるお考えはございますか。
  16. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 昨日、農民五団体の代表の方々ときわめて短時間で十分でございませんでしたが、お目にかかりまして、御意見、御要望等を拝聴したわけでございます。私はその際に率直に申し上げたわけでございますが、いま日本の農業は大変な厳しい段階に当面をしておる。農民の皆さんが、日本は稲作に適する温暖多湿の風土であるから稲作が一番やりやすい、また食管制度で守られておる、今後とも稲作中心でやっていきたい、こういう素朴な農民の皆さんの御意見というものは私はそのとおりだ、このように思っております。しかし、これをそのままに放置できるような状態であるかどうかという問題があるわけでございます。何といっても一方においては米の過剰基調、これは非常に根強いものがあり、消費は年々減退をしていっておるというようなことで、米の需給の均衡というものは大きく崩れております。三百数十万トン、来年は四百数十万トン、こういうような在庫が累積をしていくというような状況におきましては、いまのような赤字公債を発行して財政を賄っておるという国の台所からいたしますと、かつての一兆円の国費を投入して、これを家畜のえさにしたりあるいは外国に無償援助したりするようなことはできない。仮に五百万トンの米を処分するにしても、現在の米価でまいりますと一兆五千億を超えるであろうということも率直にお話をしまして、食管制度を堅持するためにもぜひこのことはひとつ御理解を願いたいということを申し上げた。  また、一方において、麦、大豆、飼料作物等々の国内の需要に見合ってぜひ生産を伸ばしてほしい、こういう重要な作物、戦略作物につきましても自給率は依然として低迷をしておる、こういうようなことでございますが、今後あらゆる施策をして稲作との相対的な収益性というものもできるだけ近づけて、そして計画的に転作を進めるほかはない。こういう消費の拡大の面とそれから稲作の転換の面と両方からこれを図って、そして米の需給均衡化を早く回復したい。また、日本の農業として将来ともそういう姿に持っていかなければ、いまのような状態では国際競争にも対応できない、こういうことも率直に申し上げた次第でございます。  農民の皆さんは、もっと条件整備をやって、じっくり取り組んだらどうかという御意見、これも私は拝聴したわけでありますが、この転作に対するところの条件整備、これは農林省が今後全力を挙げて努力をする責任があるわけでございまして、その点につきましては、私どももこれに農林省の全施策を集中して取り組んでまいりたいということも申し上げておいたわけでございます。  米価と他の麦、大豆、飼料作物等のこの相対価格、確かに格差がございます。そこで、ことしも一歩前進、改善に努力をしたわけでありますが、一挙には米のようにまいらない。その間において稲作との相対的収益性の均衡化を図るために転換奨励金というものを、従来のような奨励金でなしに相当のかさ上げをして、そして、その生産奨励金と、麦なり大豆なりその他の作物の収入と合わせれば、稲作との収入に大きな開きがないように、そういう条件整備をしてやってまいる。また、土地改良事業等につきましても、この転作ができるようにやってまいろう、こういうことも率直にお話を申し上げて、御協力をいただくようにお願いを申し上げたというのは、野坂さんにもお立ち会いいただきましたので、私はそのような気持ちで申し上げたことは御了解いただけると思うわけでございます。
  17. 野坂浩賢

    ○野坂委員 いろいろ述べていただきました。述べていただきましたが、私が聞いておりますのは、農民の声を聞いて、いま言われたように、農林大臣がいろいろと条件づくりなり収益性の問題をるる御説明になりました。ただ、私が結論的に聞きたいのは、農民の皆さん方の要望を聞いて、いまの百七十万トンなり三十九万九千ヘクタールの面積を再検討といいますか、再考してもらいたいとおっしゃったのですが、再考する考え方はございますか、こういうことの一点だけ、説明は結構ですから、その点どうですか。
  18. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 日本農業はいまそういう悠長なことを考えておるわけにはまいりません。でありますから、計画を変更する考えは毛頭持っておりません。
  19. 野坂浩賢

    ○野坂委員 それではなかなか議論がしにくいと思いますが、それではこれからいろいろなことを尋ねていきたいと思うのです。  外務省に聞きたいのですけれども、外務省は援助するたとえばインドネシア等に援助米を送っておりますね。それは五十一年度はどれだけ援助され、そこはどこの米であったかということを聞きたいと思います。
  20. 大鷹弘

    ○大鷹説明員 五十一年度にインドネシアに対して日本米の援助をしたという記憶はございません。
  21. 野坂浩賢

    ○野坂委員 だから、私はどこの米であったかと聞いておるのです。その他の外国に援助をする、米を買って、それを援助米として送ったという事実はありましょう。
  22. 大鷹弘

    ○大鷹説明員 それはいわゆるケネディ・ラウンド食糧援助、KR食糧援助というものでございまして、日本はタイとかビルマ、そういうところから米を買ってインドネシアに供与しております。
  23. 野坂浩賢

    ○野坂委員 何トンですか。
  24. 大鷹弘

    ○大鷹説明員 五万トンでございました。
  25. 野坂浩賢

    ○野坂委員 インドネシアだけですか。ほかにありませんか。この間の委員会ではもっとあったと思いますが。
  26. 大鷹弘

    ○大鷹説明員 そのほかにバングラデシュ、イエメン等相当な数の国がございます。
  27. 野坂浩賢

    ○野坂委員 だから、合計して幾らですか。ちゃんと一遍に答えてください、国々の名前を挙げて、それぞれの……。
  28. 大鷹弘

    ○大鷹説明員 五十一年度KR食糧援助の全貌について現在資料を持ってきておりませんので、対象国それから金額等全部まとめて提出させていただきたいと思います。
  29. 野坂浩賢

    ○野坂委員 総体的には幾らですか、全量は。
  30. 大鷹弘

    ○大鷹説明員 現在、その全量幾らかということについて資料を持ち合わせておりません。
  31. 野坂浩賢

    ○野坂委員 農林省は知っておられると思いますが、幾らですか。この間委員会で出たでしょう。当然、米の消費の拡大という意味で把握をされておるはずだと私は承知しておりますが。
  32. 大河原太一郎

    ○大河原政府委員 お答え申し上げます。  KR援助は資金の援助でございまして、総額千四百三十万ドルというのが五十一年度の援助額で、それはしかも米だけではなくて、相手国のあれによりまして小麦その他もございます。その内訳は現在私どもちょっと資料を持っておりませんが、その必要があれば資料としてお出ししたいと思います。
  33. 野坂浩賢

    ○野坂委員 インドネシア、バングラデシュ、イエメン等を含めて約二十万トン程度援助をされているのではないか、私どもはこういうふうに承知をしておるわけですが、十一月一日の閣議で鳩山外務大臣から、日本の米をそれぞれ援助輸出をしたらどうかということが提案をされておるはずですね。農林大臣としては、これだけ百七十万トンで非常に問題がある、だから何としても米の消費の拡大、そういうものを図りながら、それを輸出なら輸出にしてそれだけ生産者によけいつくらしてやる、これが親心だと思うのです。それについてはどのように検討され、進めようと考えられておるのか。
  34. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 いま野坂さんがお話になりましたように、閣議で鳩山外務大臣から、インドネシアが食糧借款をしたいということで、これは政府として応ずることに方針を決めておるわけでありますが、その金額は六十五億円でございます。インドネシアは当初、南方地域でございますので、自分たちの好みにも合うということで、タイ米を約十万トンそれによって買いたい、こういう考えであったようであります。ところが、ことしは作柄の関係で、タイには輸出余力がないということでございまして、日本米を何とかめんどう見てやる必要があるのではないか、こういうのが鳩山外務大臣の提案でございます。  そこで、農林省といたしましても、できるだけその御要請にこたえたいということで、いま検討を進め、またインドネシア側は日本米でもよろしいかという点、そういう点も交渉をいたしておるところでございます。これはKR援助、無償食糧援助でございませんから、お金を貸すわけでございますから、借りたインドネシアが選択権を持っておる、こういうことに相なるわけであります。  ちなみにちょっとつけ加えて御説明を申し上げますと、食管会計に仮に六十五億円の借款が入ってきて、それで十万トンといいましても、日本の米価は御承知のように、国際米価の五倍くらいに相なっております。国際米価はトン当たり大体六万円前後でございますが、わが国の食管の金利、倉敷、その他を入れますと、トン当たり三十二、三万円に相なっております。約五倍強であるわけでございます。そこで、日本からお米を、六十五億円に相当するものとして、しかし十万トン欲しいということでございますから、それをお出しいたしますと、食管会計において約百五十億の負担、赤字を出さなければいけない、こういうことに相なるわけでございます。  そういうような状況がございまして、いまいろいろ政府部内でも検討いたしておりますが、私は前向きでこれに取り組んでおる、こういうことでございます。
  35. 野坂浩賢

    ○野坂委員 この間、円高の集中審議もございましたが、その際に、農林省としてはいろいろ検討されて、小麦をアメリカで現地で買い付けをして現地で備蓄したい、こういう考え方が新聞紙上に出ておるわけですが、これについての計画と見通し、それについてお答えをいただきたい。
  36. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 細部にわたっては食糧庁長官からお答えしたいと思うのでありますが、アメリカから食糧庁が買い付けをする、つまり国家貿易になるわけでありますが、その場合には、指定商社を使いまして、指定商社はアメリカのグレーンメジャーが集荷をしたものを積み出し港において規格、品種、等級その他を検認をしまして、確認をして受け渡しが行われる。それを日本の港へ持ってまいりまして、日本の食糧庁がさらに現物を確認した上で代金の支払いを行う、こういう仕組みに相なっておるわけでございます。  これはアメリカの産地の倉庫に集荷をし、保管をするということになりますが、アメリカにおきましても大変な豊作である関係もありまして、アメリカのサイロなり保管倉庫というものはほとんど満庫になっておるというような状況、またこれらサイロ等に収納されておりますものは、アメリカにおいてもことしは小麦が豊作であるということで、御承知のように、二〇%程度の生産調整をやっておる。それに対して、日本でも予約限度数量に対して予約金を払っておるとかいろいろなことをやっておるわけでありますが、アメリカ政府でも、この生産調整に協力した数量に対しては、それぞれ手当てをしておるようでございます。そういうものが保管をされておるというような状況下でございまして、現地における保管、備蓄というようなことは、いろいろな面でむずかしい面がある、こういう状況にございますがとにかく食糧庁においても係官を派遣して、現地調査もやってみよう、こういうことでございます。
  37. 野坂浩賢

    ○野坂委員 輸入の麦は、小麦、大麦を通じて、予算では建て値は一ドル三百八円で予算を組んで、七十八億円の食管会計の赤字になっておりますね。いま御案内のように円高で、二百四十五円を割るというような状況でありますから、農林水産物で見ますと、たとえば一ドルを二百五十円に換算をしていまの時期でやれば、その差益なりあるいは価格変動で相当な差益が出てくるだろう、こういうふうに思われますね。いまの状況の見通しは、あるいは麦の備蓄も現地ではなかなかなかろうということが言われておりましたけれども、そういうことを推定をすると、赤字七十八億円というものは、価格変動と円高分によって、逆にどれだけ黒字が出ると今日農林省の方では推計をされておりますか。
  38. 大河原太一郎

    ○大河原政府委員 お答え申し上げます。  五十二年会計年度におきます外麦の国際価格の低下と円高による損益の変動という点につきましては、現在買い付け進行中でございますので、一定の前提を置いて推計をする必要があると思いますが、十月現在におきましては、われわれとしては、当初予算七十八億の輸入食糧管理勘定の損失が、損益変動が約六百三十億で五百五十億程度の黒字ではないか、そのうち円高の益分が百五十億程度ではなかろうかというふうに承知しております。
  39. 野坂浩賢

    ○野坂委員 いまの段階では、円高と価格変動によって六百三十億、差し引きで五百五十二億円だけは黒字になるであろうという御説明であります。農林水産物全体で見ますと、私はもっと多くなるだろうと思いますが、時間がありませんから多くを議論することはできません。  そこで、農林大臣にお願いといいますか、提言をしたいと思いますのは、当初輸入勘定で七十八億の赤字があるわけですから、それが最低と見積もっても、約六百億程度は黒字が出ることはまず確実なんです。だから、インドネシア向けに、日本の米が五倍も高いからそれを外国から買ってということよりも、やはり日本でつくられたものを送って、できるならばそれで了承してもらって、そして今後とも過剰基調であるという日本の米、いわゆる米が中心なんですから、それを送るような方向をとることが、いまの日本の国にとっても、金の面ではなしに、農民の期待に沿うという意味でも、私は非常に重要ではないかと思うのです。それについてはこれから積極的にわが国の米を、軟質米とか硬質米とかいろいろ議論はありましょうが、十分理解をしていただいて、われわれもいままで外米を食べたことがありますし、日本の米よりも外米はうまくないけれども、やはり外米でもやむを得ないというかっこうで日本の国民も食べたわけですから、よくインドネシアの皆さん、あるいは将来のバングラデシュなりイエメン等においてもそういう方向をとっていくことが、これは日本の農民の立場、いわゆる日本の農政の立場を考えて、銭金勘定だけでは処理できないのではなかろうかと思うのですが、そういう方向をこれから農林大臣は前向きに検討するとお話しをいただきましたが、その方向で努力をしていただけますか。
  40. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 これはケース・バイ・ケースで処理しなければならない問題でございまして、インドネシアの問題につきましては、農林省としては前向きでこれに取り組んでおるということでございます。  なお、外麦の勘定で食糧庁長官からお話を申し上げたように、五百五十億程度の黒が出るということでございますが、食管会計におきましては、相当赤字が累積をしておりますことは御承知のとおりでございます。と同時に、私はいまのような日本農業の構造を変えるという長期的な大事業に取り組んでまいりますためにも、いろいろ農政の面で食管の会計というものを健全化して、そこから浮くところの財源というものを土地改良事業なりあるいは内麦の生産の奨励なり、いろんな前向きの方向に使っていきたい。また、国会におきましても、先般とった売買逆ざやの財源等もこれはひとつとにかく前向きの農政に使うべきだという御意見、これはもう有力な御意見でありますが、そういうようなことで、食管会計の黒が外麦で五百数十億できたからといって、それを全部、十万トン当たり百五十億も百六十億も赤字を食管がかぶって、これを外国に援助するというわけにはいかない。これはケース・バイ・ケースで、何としてもやらざるを得ないというものについてはやってまいるということで処理していきたい、こう考えております。
  41. 野坂浩賢

    ○野坂委員 農家の皆さんは米をつくりたいとおっしゃる。また、つくらせなければならぬ日本の風土、そういう環境、そういう意味で日本の食糧政策の中心は米なんだ。これはいま農林大臣がお答えになったとおりなんです。その農家の皆さんが米をおつくりになっておるのに、外国に援助するのにタイ米を買って、それを回して援助する。それは問題は金なんだ、こういう政府の姿勢というものについて、私は農民の皆さんが拍手喝采をされるということは信じられません。だから、外麦を輸入をして、そして七十八億の赤字が予想されておったものが六百億、その程度黒字が出るということははっきりしておる。五千億もいま赤字があるんだから、これをなくして、余ったものは土地改良、土地条件の整備へ、それもありますが、一般の国の予算、そういうものを考えて、私どもはいまの農民の心情、どれだけ政府に協力しなければならぬか、その協力をさせる心理的な状態にしても、外務大臣がむしろ農林大臣よりもいいことを言っておるわけですね。  農林大臣は農民を守るという立場に立って、この対外援助の米輸出の問題については、現実にたとえば学校給食にしても三五%引きでやっておるわけですから、そういう点について私は国民の理解、コンセンサスが得られると思います。そういう点についてはやはり大胆に、この日本の過剰ぎみであるという米について、積極的にわが米を宣伝も含めて外国に食べてもらったらどうでしょう。私は、鈴木案と野坂案を農民の前に示された場合には、私の方が支持があるということを確信をしておるのですが、どうでしょう。
  42. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 この食糧援助の問題についていろんな問題があることは、野坂さんよく御存じのところでございます。大体、KR食糧援助の場合におきましてはお金でもってなされる。それから、借款の場合は、これは食糧用だということで借款がある、こういうことでありますが、このKR援助の場合におきましては、その援助国が仮に日本の十万トン分に相当する金額の援助をやろうとしても、相手国は食味の関係また価格の関係からいたしまして、日本の十万トンに相当する金額の援助を受ければ、他のカリフォルニア米なりビルマ米なりというものだと五十万トンのお米が買えるというようなことで、向こうの方としてもやはり南方民族である近いところから五倍の数量のものを買い受けられるわけでございますから、それを何が何でも日本のものをと言うわけにはいかない。また、借款等につきましても、最近の国際的な環境としてはひもつきでないようにしてくれ、アンタイでやってくれ、これが国際的な要請になっておるということで、非常にむずかしい面があります。  野坂さんのおっしゃることは私もよく承知しておりますので、ケース・バイ・ケースでできるだけやってまいる、こういうことで御理解を願いたい。
  43. 野坂浩賢

    ○野坂委員 できるだけ努力をしてもらうということで了承します。  そこで、いま環境づくりなり条件整備を非常に熱心に説いていただきました。それでは、四十八年から十兆円の総事業費で組んでおられる十カ年計画は、金額的に昭和五十二年で何%、面積的にはたんぼと畑ではそれぞれ何%遂行されておるのか、お尋ねをいたします。
  44. 森整治

    ○森(整)政府委員 土地改良長期計画の投資実績でございますが、五十二年の一応見込みでは全体で進捗率三四%ということに相なっております。五十三年以降、いままでの伸びからいたしますと、一応今後の五カ年での達成は可能ではないかというふうに私どもは考えております。
  45. 野坂浩賢

    ○野坂委員 いまのは金額ですよね。面積はどうなんですか。
  46. 森整治

    ○森(整)政府委員 ただいまの面積でございますが、それぞれのものによって若干の違いがございます。たとえて申しますと、農地開発で約二〇%と承知しておりますが、ちょっと詳細な数字は後ほどお示しいたしたいと思います。
  47. 野坂浩賢

    ○野坂委員 私が承知しておるところでは、金額的には五十二年度で大体三三・五%、しかし、たんぼの土地改良というものが進んでおるのは約二二%、畑の基盤整備事業というのは約一〇%、こういうことじゃないのですか。時間がありませんから、間違ったら後で訂正をしてください。  そうしますと、農林大臣はいま口をきわめて環境づくり、条件整備をおっしゃっておるわけですが、いまはこれからやる気かもしらぬ。しかし、四十八年からやって、五年間というものはすでに半分、金額でも五〇%程度、あるいは面積でも同じようにやっていかなければならぬわけですね。ところが、土地改良の場合は面積的にはたった二〇%、金額でも三四%、このことは過去、農林大臣と論争したことがあるのですが、これはいまやっておられる条件づくりということについてはほど遠いんじゃないか。これからやれるというと、土地改良事業というものは二兆円以上毎年平均してやらなければなりませんね。大体その程度はやらなければならぬ。農林大臣、大体そういう見通しがございますか。
  48. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 まあ農林省としても精いっぱいの努力をしてきておるわけでありますが、この土地改良長期計画、十年計画がこの前半において進捗率が鈍かったということは、これはもう専門家の野坂さんが一番よく知っておられることであって、昭和四十八年以降の石油ショックによって総需要抑制政策がとられ、また、公共事業は軒並みに前年度並みということで抑えられた。賃金、物価も上がったというようなことで、金額的には達成できるにしても実際の面積の面ではそれが十分いかなかったということでございますが、これから安定経済成長の中において、私どもはこの日本の農業の構造、体質を改善するということに全力を尽くすわけでございますから、この土地改良事業等につきましては国の予算のできる範囲内で予算を大幅に確保して努力をしてまいりたい、このように思っております。
  49. 野坂浩賢

    ○野坂委員 五十三年度、土地改良の予算要求は幾らですか。
  50. 森整治

    ○森(整)政府委員 六千八百四億、これは畜産局分を含む数字でございます。
  51. 野坂浩賢

    ○野坂委員 十兆円の土地改良計画で、金額として七兆円あと残るとすれば、一兆四千億はつくらなければできないわけですね。鈴木農林大臣はこの五年間で必ず目標を達成できる、また森構造改善局長もできるとおっしゃっておりますけれども、五十三年度にその程度ではできぬのじゃないですか。農林大臣どう思われますか。
  52. 森整治

    ○森(整)政府委員 ただいま私が申し上げましたのは、国費の予算ベースでございます。ですから、事業費ベースで申しますと、約倍以上の額になろうかと思います。
  53. 野坂浩賢

    ○野坂委員 それでも達成率としては、後の五年間で七割分、それから面積とすれば、いま農林大臣がおっしゃったように、石油ショックその他で物価が上がって面積と金額とは同じような比率にはなっていない。だから、面積を追いつかせなければいかぬ。あと八〇%ということになれば、この総体的な事業費、それはできませんよ、あなたは倍だとおっしゃるけれども。四五%が県営だ、あるいは国営もありますが、そういう程度になれば、五〇%若干割るのですよ。そうすると、総事業費で一兆五千億程度は絶対確保しなければこれからでき得ない。数字的に詰めればそういうふうに私は思うのですね。しかも、面積をやればもっと、二兆円程度に引き上げなければ、とても百二十万ヘクタールの土地条件整備というものは、農林大臣がおっしゃったようにでき得ないというのが現実じゃないですか。
  54. 森整治

    ○森(整)政府委員 御指摘のように、土地改良長期計画全体の実質ベースの達成という意味では先生御指摘のとおりかと思います。ただ、この中でも私ども今後重点を置いていかなければならない事業としましては、もちろん畑作の振興、と同時にやはり水田の転換、これにどれだけの基盤整備費を投入できるか、こういうことになろうかと思いますが、そういう分け方をいたしますと、たとえば圃場整備事業、それからこれに伴う灌排、それから土地改良総合みたいな事業、ことに排水改良、そういう面を今後充実していくという考え方で進むべきだと思います。  そういう意味で、この全体の計画の中でおのずから重点というものを考えていきますれば、私ども今後の新しい事態に対応するそういう運用というものは当然考えていかなければならない、こういうふうに考えております。
  55. 野坂浩賢

    ○野坂委員 わかりましたが、そうすると、これからこの土地改良の長期計画の問題なり、それから私たちに示していただいた昭和四十七年を基礎とした「農産物の需要と生産の長期見通し」というのは若干変更をしてよくわかるように書かなければならぬのじゃなかろうか、こういうふうに思うのですが、農林大臣はどうお考えでしょうか。
  56. 森整治

    ○森(整)政府委員 この長期計画自身が五十七年、先生御指摘のように、五十七年までの計画になっていて、前期の五年が終わったという段階になっておるわけでございます。今後、六十年見通しあるいは今後の転作十年というものとどういうふうに整合性を保っていくかということについては、今後の検討課題だというふうに私どもは考えております。
  57. 野坂浩賢

    ○野坂委員 それでは、前置きの話はこの程度にして、大臣にお尋ねをしたいのですが、いま毛頭ないとか、まことに議論をしても意味がない、こういうふうにさえ受けとれるような発言をされて非常に遺憾に思っておるわけですが、これを進められるに当たって、各府県あるいは末端の町村にはいつごろこの生産調整の割り当て等をされるつもりですか。
  58. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 目標面積の県別の配分並びに限度数量の県別の配分はできれば今週末までにやりたいというふうに考えて、鋭意詰めておるところでございます。県別配分ができますと、あとは市町村別の配分を県知事さんにやっていただくということに相なるわけでございます。この点はいま県のもくろみ等をいろいろ聞いておるわけでございますが、配分を受けた後、可及的速やかに所要の調整を経た上でやりたい。それにしても、二週間程度は最低かかるだろうと言っておる県がかなりあるようでございます。県によりましては、状況によって、ひょっとすると年を越すかもしれないと申しておる県が少数ながらあるようでございます。
  59. 野坂浩賢

    ○野坂委員 いままでに大臣初め皆さんが、首脳陣が農業団体なりあるいは知事会等に御説明なさいましたね。その説明をされたわけですが、大体どういう考え方であっただろうか。それから、それぞれ条件を出されただろうと思うのですね。その条件については大体合意をされたのか。農業団体なり知事会の考え方、そして、この要望はのみ取る、やるということを考えられた上で今週末に――もうぎりぎりですからね、今週末というと、きょうは水曜日ですからね、あと三日間でやる。こういう議論が私はふいになってくるということを非常に恐れるわけです。できるならば、議論をしていい結論を出して、みんなが理解するというかっこうでなければならぬのに、一応時間かせぎで、やればやるけれども、今週末にやるのだということについては、暴論、暴挙だと思うのですが、ずっとわれわれの意見というものは聞かれても、質疑、答弁というかっこうだけでは、やはり日本の農政は進展をしないと思いますが、農林大臣としては、十分に意見を聞かれまして、そして、とるべきものはとっていく。環境づくりだ、条件整備だ、土地改良だ、これはもういつも聞いたのですけれども、その具体論としては非常に弱い面があると思うのです。だから、この知事会なり農業団体については、協力を要請をされて、そして要望の出されたものについては大体それをのんだというような状況なのですか、どうでしょうか。
  60. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 この問題は、御指摘のように、日本の農業の構造を変えよう、さらに転作は緊急避難的なものでなしに、長期にわたって定着をしていかなければいけない、こういう問題でございますから、非常に重要でございます。そこで、もう二月以上前からいろいろ農業団体あるいは全国の知事会、あるいは町村長会、さらに各県の実際の農政の担当者、あるいは農業会議所、いろいろな関係方面に御説明も申し上げ、また御意見も伺い、御要望も聴取をいたしました。私も国会の合間を見まして、できるだけそういう会合に出席をいたしまして、じかにこれら各方面の御意見を伺う、こういうことに努めてまいったわけでございます。  それを総括をいたしますと、皆さんも、日本の農業の置かれておる立場、現在の米の需給の関係、いろいろな面からいたしまして、これは避けて通れない、やらざるを得ない、これは本当に好んでやる仕事ではないけれども、日本の農業の将来を考え、食管制度も守る、そういうような観点からやむを得ざるものである、これはやらざるを得ない、こういうことで、各団体、関係方面においては御理解をいただいておる、私はそのように確信をいたしております。なおまた、転作奨励金等の措置については、政府としても、いままでにない努力を農林省としてはやっておる、こういうことで評価もいただいておりますが、それで一〇〇%もう結構だというところにはそれはまいりませんでしょうけれども、おおむね価格の面とあわせてこの転作奨励金によって転作はどうにかやれる、こういうことが受けとめられたところである、このように考えております。  問題は、各都道府県別に転作目標をどのように配分されるか。総論はわかった、各論が問題だ、こういうことでございます。私どもはいろいろな条件、要素を総合的に勘案をいたしまして、適正、公平にこの配分をやりたいということで、鋭意いま作業を急いでおるところでございます。
  61. 野坂浩賢

    ○野坂委員 意見が一致したということですけれども、私は、それぞれ知事会なり農業団体の要望が出ておりますね、その要望は大体全面的に受け入れたということでしょうかということです。
  62. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 配分に当たりましては、知事会初め市長会、町村会、こういった行政系統では、適正かつ公平に配分をしてほしいというのが文書になって出ておるわけでございます。それからまた、農業団体からは、要請の段階で、過去の実績にとらわれることなく適正、公平にやってほしいということを、これまた文書でいただいておるわけでございます。具体的にその内容についてどうかということについては、こういった文書が出てくる過程でいろいろの御議論がございまして、大臣みずからもお聞き取りをいただきましたし、私ども事務当局といたしましてもあらゆる声に耳を傾けておるわけでございます。いずれにいたしましても、まだ配分の、どういう要素でどうやるかということを目下作業中でございますが、私どもとしては、そういう過程でお伺いした議論の主たるものは、適地適産的な要素、それから先ほど来御論議もございますような公平の実質的確保措置、こういったものが配分に当たっても実現をされておるようにということが主たる問題だったというふうに考えております。そういう点は十分念頭に置いて、配分を決定する際に配慮してまいりたいというふうに思っております。
  63. 野坂浩賢

    ○野坂委員 もう三日しかないわけですが、その公平、適正な原則という物差しはいろいろありますね。たとえば、北海道の立場、あるいは米どころ、単作地帯の立場、そして、いままで割り当てを消化をしてやったところ、消化をしないところ、そういうこれからの問題、いままでの実績、あるいは適地の問題、そういうことから考えて、その公平、適正な原則という物差しを、一般の農家の皆さんによくわかるように説明をしていただきたいと思います。
  64. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 私どもとしては、過去のその実績というものを、直接的に実績主義というような形で採用をする考えは持っておりません。そこで問題は、やはりこれまでもいろいろと御説明をしております農業の生産の地域分担、こういった思想をどういうふうに取り込むかということが一つの大きな課題になりますし、それから土地条件でございますとか、それから特に今回の施策では特定の作物に重点を置いて考えてまいりますから、そういった作物関係がどうか、その他お米の品質の問題、いろいろ考えるべき要素が多々あると存じます。そういう点を総合的に勘案してやってまいりたいというふうに思っておりますが、まだ具体的にここで御説明するほど固まっておらないわけでございます。これから日夜作業を詰めまして、できるだけ早期に配分をしてほしいというのがこれまた農業団体を初めとする関係地方公共団体等一致した要望であるというふうに私ども受けとめておりますので、できるだけ早期に適正、公平な配分をするように努めてまいりたいと思っております。
  65. 野坂浩賢

    ○野坂委員 「米需給均衡化対策の骨子」というのが出されておるわけですが、これについていろいろ議論がありました。ここに書いてあります四番目の「生産者米価水準は、本対策を実効あらしめるものとするとともに、継続的に米と畑作物との相対価格関係の是正を図る。」、これは十年間を展望して、ちょうどこういう生産の見通しなり需給の見通しと同じように、転作をした場合には一体どういうぐあいになりましょうか。いわゆる収益性、そういう点についての道筋をちょっと明らかにしてもらいたい。
  66. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 米と戦略作物、主要作物との間の価格の相対的な是正、これはそこに書いておるとおりでございますが、もう御高承のとおり一挙にはなかなか米並みというわけにはまいりません。これは毎年毎年そういう考え方で是正を図っていくわけでありますが、その間、一挙にまいりませんから、転作奨励金というものを一方において出しまして、それを補完的に考慮しまして、稲作経営あるいは麦あるいは大豆等の畑作の経営、転換の作物の営農、その収益性を均衡をできるだけ図るように、こういうことでやってまいるわけでありますが、米と他の作物との価格がだんだん縮まってまいりますれば、いまの生産奨励金はそれだけ助成額を減らしていくというようなことで、なだらかにその稲作の収益性と他の主要作物の収益性というものの均衡化を図るようにしていくというのが基本的な考えでございます。
  67. 野坂浩賢

    ○野坂委員 私は、この間農林大臣にお尋ねをしましたときに、いわゆる米と同等の金額、それだけの収益性は保証するかと言うと、すぐにはなかなかできません、だからまあ奨励金だ、こうおっしゃった。奨励金でもその差がある。その奨励金は補助金ですか。私は補助金だと思いますね。会議録を読んでみますと、よく奨励補助金、奨励補助金というお言葉を使っておられますが、私は補助金ではないかと思う。いわゆる格差是正金といいますか、そういうものなのですかということが一点。  それから、この畑作と米価との相対価格の是正を図るという意味で、米の値段をぐっと抑えて、そして相対価格をやっぱりやっていく、そういう危険性を農家の皆さんは心配しておりますね。だから、生産費所得補償方式と言っても計算の方式が一貫しておりませんですね。いつも毎年違っておる。米価の決定の諮問を見てもあるいは決定を見ましても、つまみ金で処理をするということがよくありますね。農林大臣は、一貫した米価の算定基準というものは出したい、こういうふうにおっしゃっておったわけですが、これを見ると、低米価に抑えよう、こういう意図がこの裏にはあるんではないかということを非常に心配しております。そういうことはないのかどうかということですね。それが一点。  それから二点目は、先ほどもお話がありましたが、このままでは生産調整の四十万ヘクタールもできない、これはもう法律でやるかということになれば別ですが、これだけで協力願いたいという立場ですから、できない。だから、農協の管理田対策というものがある、そういうふうに思うのですよ。だから、それができない場合は、また来年に押しかぶせるという半強制的なやり方については非常に問題が多いのではなかろうか、こう思うのです。それについてはできるところから進めていく、こういうふうに考えていいだろうかということが二点目。  それから、農協その他が出しております田畑輪換ができる圃場にする、そして麦をやる。言うならば、この麦づくりを奨励すれば、米の収穫というものは反当たり一俵くらい減るだろう、こう言われております。そうすると、それによって六十万トンぐらい出てくるのじゃないか。あるいは外国に対してこれから十万トンの輸出をやる、あるいはあなたのおっしゃる酒にも給食にもパンや菓子にも積極的に米が入っていくということになると、ここにあります百七十万トンにしなくても、調整量はもっと減量されるのではないか、こういうふうに私は思うのです。計算をしただけでも七十万トンぐらいは違うんじゃないかと思うのですよ。時間があと五分しかないから多くを言うことはできませんが、全部計算をしていただきますと、そういうことになってきますよ。そして、米で少なくなっても、農家の皆さんが麦である程度の収益をあげて、そして米の生産量も減ってくるということになれば、言うことないじゃないですか。そういう協力の仕方でなければ、毛頭考えておらぬとか、幾ら議論しても時間さえ来ればやるんだ、きわめて官僚的に、そして再検討も再考もしないというようなことでは、農民の皆さんに協力をしてもらうという鈴木農政にはならぬじゃないですか。ぜひ十分御勘案をいただいて措置をしてもらわなければならぬ、こう思いますが、どうでしょうか。
  68. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 第一点の米価の問題でありますが、これは野坂さん御指摘のように、いままで農林省が両三年とってきた算定方式、それに農業団体がとってきておる算定方式、算定要素、これとの間ではいろいろ考え方が違います。端的に言うと、物差しが違う、そういうことでございますから、米価決定の際におきましても、どうも議論がかみ合わないというようなことで、私は今年度の生産者米価を決めます際に、米価審議会の会長その他委員の皆さんに提案をいたしまして、米価の算定方式、算定要素についてひとつルールづくりをしてもらいたい、こういうことを諮問をし、それを受けて、審議会におきましては懇談会を設けて、二度にわたっていろいろ御議論を願っておる。また、その間においても、いろいろ資料等の提出もしておるわけでありますが、さらに近くまた米価審議会の懇談会においてそれを煮詰める作業をするというようなことに相なっております。私は、そういう国民的コンセンサスが得られるような米価算定のルールが確立することを心から期待をいたしておるということでございまして、政治的にこれを引っ込めるとかあるいは上げるとか、そういうようなことは適当ではないというのが私の基本的な考えでございます。  さらに、できるところからやったらどうかという御意見、これは野坂さんの御意見とも受けとめられない面もあるのですが、これは公平、適正にやってほしいというのが全国知事会なり農業団体なり町村長会のもう共通の御意見でございますので、これはできるところからやるというわけにはいかない。また、正直者がばかをみるようなことのないような行政の姿勢でなくてはいけないとも考えております。そういうようなことで今後私どもは取り組んでいきたい、こう思っております。
  69. 野坂浩賢

    ○野坂委員 では、終わります。
  70. 金子岩三

    ○金子委員長 午後一時より再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時三十分休憩      ――――◇―――――     午後一時五分開議
  71. 山崎平八郎

    ○山崎(平)委員長代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。竹内猛君。
  72. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 私は、先般、米の生産調整の問題について大臣に質問をしてきたわけですが、まだ問題が多く残っておりますので、その問題を中心に幾つかの質問をしたいと思いますが、先般も強く主張したように、生産調整という重要な問題に関する政治姿勢の問題がどうも不満足である、こういうことで、ここからまず質問していきたいと思うのです。  どういうことかというと、四十五年から始まった第一次と言われるべき生産調整に対して農民が協力をした。にもかかわらず、依然として米が過剰であり、しかもその処理について閣議の決定ということで、上の方から押しつけをするという形で知事会議やあるいは農協にかなり協力を求めるような形をとってきた。そして、最終的には各農家に割り当てをするわけだけれども、その問題を前にして、私たちは何としてもこれは閣議の責任者である総理大臣にぜひ出席を求めて、そして農政だけでなしに外務あるいは文部、そして大蔵、通産等々の諸問題にもわたって議論をしていかなければならない、それほど重要な問題だ、こういうことであったわけですが、総理大臣の出席がまだ未確定であるわけです。農林大臣だけでいいじゃないかというけれども、確かに農林省も所轄ではあるけれども、その取り扱う分野というものは大変広いわけでありますから、ぜひこれは委員長の努力で総理大臣の出席を求めて議論をするような機会をつくってもらいたいということをまず申し上げたいと思うのです。  それから、農民に対するそのような上からのいわば押しつけということだけではなくて、今度は消費者に向かっても、最近は消費拡大の名のもとに米粉をまぜたり、あるいはうどんの中に粉を入れたりというような形で、これまた大変世論を沸かしている。こういう形で、生産する農民には理解と納得がいかない。消費者もまたこれに対して上から押しつけられるという、これは両方が押しつけられたという形のものになっている。こういうようなことに対して、この政治姿勢が本当にいいと思うのか、どうなのか、まず、その辺から大臣から答弁をいただきたいと思います。
  73. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 この米の過剰基調、したがって米の需給均衡化対策、これはどうしても二本の柱で進めるほかはない。消費者の皆さんには、おいしいお米をこれだけたくさんつくっていただいておるわけでありますから、米をひとつ食べていただきたい。国内で十分生産されておるそういう資源を中心とした日本的な風土に適するところの食生活、これはもう当然考えていかなければならない問題であります。ただ、それを漫然とPRだけをしておってもなかなか進まない。でありますから、食糧庁としてはできるだけ可能な限りにおいてお米をたくさん食べていただくということをやるのは当然のことと思います。農業団体等もそれを強く要請しておる。一方において、稲作から他の主要な戦略作物、そういうものに転作をお願いする、生産調整をする、これは米の需給均衡化対策を進めるということになれば当然そうなるのであって、正しい政治姿勢だ、こう私は思っておるわけでございます。また、農業団体、知事会あるいは全国の市町村長会あるいは各県の農政の担当者、それらの直接このむずかしい事業をお進めいただくところの各方面の御意見なり御要望なりをできるだけお聞きをして、そして実行可能なものとしてこれを固めていく、そういう上に立って国会にもお諮りをして御意見も伺う、こういうことでございまして、私は本来岩手県の農漁村地帯の出身でございまして、根っからの政党人でございますから、官僚的な発想で、上から押しつけるなどというようなことは毛頭考えておりません。これが私の政治姿勢でございます。
  74. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 これは天下りで押しつけたということは、大臣の口が腐っても言えないだろう。そんなことを言ったら、これはおしまいになってしまうから、それは恐らく言えないだろう。ところが、十一月十五日、きのうの日本農業新聞では、岩手県の農協の組合長や生産者が、やはり米が余った事実は認めながら、末端にいけば賛成ができない、地元でちゃんとこういうふうに言っているわけだから、これだけ突発的に現在の割り当ての一五%というようなものを転作するということになれば、その転作の次の内容が明らかにされないで、そして農民の既得権とも言うべき米の収入というものが今度はきわめてあいまいな方向に行くということになれば、農家はこれに対して疑問を持ち、そして農協の組合長なり担当の町村長が悩むというのは当然だと思う。このことについても前に申し上げたから何遍も申し上げない。  そこで、百七十万トンという米を標準の価格で買い上げた場合に、それは総額で幾らになるか。これは長官、どのくらいになります。
  75. 大河原太一郎

    ○大河原政府委員 トン三十万円といたしまして五千百億ということに相なると思います。
  76. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 いま五千百億という計算が出ましたね。来年度農林省がこの作付転換、生産調整のために大蔵省に要求している金は二千億、こういうことですね。そこで、二千億の金によって四十万ヘクタール、百七十万トンの生産調整をしょう、四十万ヘクタールが米をつくらないということになるわけですから、農林省の想定によれば。それならば、三千百億の農家の既得権というものは何によってこれをカバーするのか、どういう形でこれを支えるのか。しかも、現在はインフレで物価が上がっているわけだから、それだけにとどまったものではない。それに対してはどういう方針があるか。
  77. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 農政の大家である竹内先生が、百七十万トンのこれを金目に換算すると幾らか、また転作に対してどれだけの金を使うか、こういうお話でございますが、これは銭金の問題だけではないわけでございまして、こういうような、一方においては自給率の非常に低い、外国からの農産物に依存せざるを得ないというような日本農業の体質、これはいつまでもこういう状態に放置できない。これは農業を愛する竹内先生は一番よく御存じのことであって、需要に見合ったところの均衡のある農業構造に持っていく、これが今後の農政のあるべき基本方向である、このように考えておるわけでありまして、私がいままで農業団体その他とお会いをして御意見を伺いました際においても、これは避けて通れない、ぜひやらなければならない大事業だ、ただ条件整備、こういう問題についていろいろ御要望もございましたし、各都道府県に対する割り当ては適正、公平にやってもらいたい、こういう御意見、これに集約されるわけでございまして、いまのままでいいという方は一人もいなかったということでございまして、私はそういう方向でいくのが国民的な御要望にも沿うゆえんだ、こう思っております。
  78. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 私は、米を中心にいつまでもいつまでも日本の農業を進めていけということを言っているわけじゃない。やはり日本の農業の自給力を高めて、米、麦、それに畜産物、果樹園芸という三本の柱を中心にして、重点の農畜産物の価格に対しては都市労賃並みの価格を保証して、農家が自主的に喜んで米から別なものに転作ができるようにということを主張してきた。にもかかわらず、現在の農畜産物の価格状況を見ると、米は不十分だけれども生産費所得補償方式という形で労賃部分が換算をされる。他のものに至ってはそこまでいってない。次いでたばこにややそのような形が見えるけれども、その他のものはそうではありません。その上にもってきて外国からの食糧の輸入が絶え間なくある。そして、常に脅かされている。こういう実情でありますから、農林水産委員会の中に価格問題の小委員会を提唱をし、これはいまつくっておりますが、それらも含めて、決して米だけに頼った農業になってはいけない。むしろ他の作物も加えて、そして複合的な経営をやっていけということを常に主張してきた。にもかかわらず、価格問題がおろそかにされて米に頼らざるを得ない状態がある。それが今日の農政の欠陥じゃないか、こういうふうに私は常に主張してきたけれども、その点は認められるかどうか。
  79. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 米価に対する麦、大豆その他の飼料作物の相対価格、これは確かに御指摘のように、私ども農林省としても努力をいたしておりますし、今年度におきましても米価あるいは大豆、てん菜その他の面でいろいろ前進をさせるように努力をしたことは御承知のとおりでございます。しかし、いまだに米価との間に価格差が存在をすることは御指摘のとおりでございます。これは毎年パリティその他で適正に引き上げてきたいと思っておりますが、一挙にはまいりません。  そこで、今回の転作につきましては生産奨励金を、従来のような転作とは違って相当高い水準にこれを引き上げて、米価との間に存在するところの価格差を転作奨励金等によって補完をしながらこれをやっていこう。それだけでない、また土地改良事業その他の諸施策も日本農業の構造を改善するためにこれに集約した農政、農林省の総力を挙げてそういう条件整備をこの三年間、十年間に整えて均衡のあるものに持っていこう、こういう施策をとろうということを御提案を申し上げ、御審議を願っておるということでございます。こういうことが解決をしませんと、いつまでたっても、御指摘のように、外国農産物の輸入攻勢の前に戦々恐々としてやっていかなければいけないというのが実態でございます。  また、私が申し上げるまでもなく、日本の高度経済成長のもとで、都市勤労者と農山漁村の勤労者の所得水準を均衡化するというような方向でやってまいりましたから、不十分とはいいながら、今日、農産物の国際価格に比べました場合においては、肉の場合でも、あるいは大豆の場合でも麦の場合でも、あるいは米価の場合でも軒並みに三倍、五倍、こういう状況にございます。したがいまして、私は、こういう日本農業の体質の強化がなされない段階においては常に外国農産物の輸入攻勢の前にさらされておる、こういうことであろうかと思うのでありまして、そういう意味でもわれわれは今後息の長い努力が必要である、こう考えています。
  80. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 前回にも私は質問をしたわけですが、近く三全総が閣議の決定を見て実施をされようということでもあるということですが、農林省が出した六十年を展望した長期見通しというものにかなりの狂いが来ているのじゃないか、これはどうしても再検討しなければならぬじゃないかということをこの前も申し上げて、ここでどう言おうとも、やがてこの二、三年の間には必ず再検討する時期が来るであろうということも申し上げたわけです。実際、新全総に続くその中で工業団地などが各地につくられて、あるいは農村工業導入法という法律によって各地に工場敷地がつくられて、私の県などを見る場合においてもそうですし、各地を見てもそうですか、工場が入ってこない。入ってきてもいまの不況で一番先につぶされる。しかも、そのときに、あのときの約束であった中高年齢層を地元で雇用する、これが行われておりません。こういうような状態がある。それだけではなくて、これは通産省の管轄になると思うけれども、工業団地ができている。この工業団地も、多くの土地が工業団地化されているけれども、そこに工場が入ってこなくて、草が生えてそのままになっているところがたくさんある。このようになっているにもかかわらず、三全総は依然としてまた工業団地をさらにつくっていこうということになっている。  ここらを見ても米と麦との関係、他の作物との関係においてもかなりの狂いが来ていると同時に、一方の工業導入についても狂っているということを考えるときに、やはり抜本的に見直しをしなければならぬじゃないかということを私は前から主張しているのですが、この点についてももう  一度見解を伺いたい。
  81. 澤邊守

    ○澤邊政府委員 五十年五月に六十年を目標年次といたします「農産物の需要と生産の長期見通し」を立てて、それにのっとって各種の施策を進めておるところでございますが、五十年でございますので、ことし二年ちょっとたったところでございますので、まだその線に乗っているかどうかという判定を下すところまでは行っていないと思いますけれども、これまでの経過を見ますと、米につきましては、あの当時、六十年を見通しました線から見ますと、当時想定しましたよりは需要が減ってきておる。生産は、最近、稲作志向が非常に強まっていることもございまして、六十年を見通した線から比べてみますとかなり伸び過ぎておるというように思います。  それから、他の国内生産をふやすべきものとして麦とか大豆とかその他のものを掲げておりますけれども、これらの普通作物につきましては、五十年当時まで急激に生産が減ってまいりましたのに対して、各種奨励措置を講ずることによりまして歯どめがかかったというところまでは来ておりますけれども、六十年の見通しの線に沿って増加の基調に乗ったというところまでは行っておりません。したがいまして、今後われわれといたしましては、その六十年見通しの線に沿ってさらに一層努力をしなければいけないと思っておるわけでございますが、現段階におきまして、需要につきまして、米については先ほど申し上げたようなことですが、作物ごとに若干の差はあるものの、六十年の見通しがそう大きく、現段階でやり直しましても、異なった見通しが出るというふうには考えられませんし、生産につきましては先ほど申し上げたようなことでございますけれども、やはり六十年の見通しは、努力目標としてはそのまま依然として努力目標として設定をして、それに現在そのラインに乗っておらない点についてさらに一層の努力をする。その具体的な例といたしまして、今回の水田利用再編対策を中心とする対策によりまして、米はふえ過ぎておる、需要は若干減り過ぎているという点につきまして、需要について一層の消費の拡大を図ると同時に生産は抑制をしていく、他の増加すべきものにつきましては、従来以上に増加基調に乗るように対策を講ずる、そのために水田も転作をしていくということで、目標といたしましては、現段階でいますぐに変えなければいけないというような情勢ではないというふうに考えております。  もちろん、六十年という長期の、つくりました当時、十年先のことでございますので、十年間そのまま据え置くというようなことはなかなかむずかしいのじゃないかと思いますので、時期を見まして、実績との対比をしながら、必要な場合には検討すべき時期が来ると思いますけれども、現段階において直ちにそのような必要はないのではないかというふうに考えております。
  82. 森整治

    ○森(整)政府委員 農村工業の件でございますが、四十八年以来ずっと毎年の動きを見てまいっておりますと、一応毎年操業を始める企業をとりますと、大体二百十四、二百四十一、二百三十九、二百四十七、五十二年三月までで大体そういう動きになっております。一応安定して企業が操業に入っておるということは間違いないのじゃないか。ただ五十二年、こういう時期に入りまして、今後非常に厳しいものがあるだろうという想定はつきますけれども、現在まで、ほかのデータでいろいろ見てまいりますと、たとえて申しますと、結局千六十三社導入企業があるわけですが、倒産が十件、工場閉鎖十二件ということで、最近の五十二年四月から九月までをとりますと、倒産が三件、工場閉鎖一件ということで、最近の情勢が相当厳しいのではないだろうかというふうに見ております。ただ、そういうことではございますけれども、いままでの実績にしますと、まあまあ、これで満足ということではございませんけれども、一応当初の考え方どおりに進んでおるのではないかというふうに思います。  それから、全体の三全総との関係につきましては、定住構想ということでやはり農村、地方都市、そういうものの今後の農業と他産業との雇用の機会というものを考えてまいりますと、やはりこの農村工業導入という一つの手法、われわれの持っております手法というのはまた今後も大いに活用し、またその目的どおり進めてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  83. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 いま説明があったわけですが、実際は計画と実態がうまく合っていないというのが実情だと思うのです。これはもう一度調査をしてもらいたいと思う。私のところにもいろいろな調査があるけれども、時間がないし、きょうはそれが目的じゃないから……。  それから、先ほど言ったように、明確に百七十万トンが調整をされれば、ことしの米価にして五千百億、だとすれば、来年からはそれより以上の部分が削減される。二千億は何とか予算化されるであろうが、三千百億ないしそれ以上という分はどういう形で農家が取得をするのか、その点がはっきりしないですね。これは事務的なところだから、局長の方から、何をどうしたらどうなるのかというふうに言わなければ説明かつかない。
  84. 澤邊守

    ○澤邊政府委員 百七十万トンの減反によります買い入れの減が五千百億という答弁があったわけでございますが、それに対しまして、二千億の生産奨励金を中心とする措置、それではなお三千億足らないのではないかという御質問かと思いますが、もちろん休耕するわけでございませんので、転作をしていただくというのが主でございますので、転作をしますれば、作物によってかなり収益の上がるものもございますので、地域差なり作物差はもちろんございますけれども、それらを含めて考えますれば、私どもといたしましてはおおむね均衡のとれるような線を念頭に置きながら、二千億という数字、もう少し具体的に申し上げますれば、転作奨励金の単価を算定をしておる、こういうふうに御理解をいただきたいと思います。
  85. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 そこが問題なんです。  じゃ、次の問題に関連をしてさらに質問をしますが、十八日あるいはまた今週中ぐらいに配分をやるというこの配分計画はどうだろう、できているだろうか、まずその辺から……。
  86. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 鋭意作業中でございまして、まだでき上がっておりません。
  87. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 市街化区域あるいは調整あるいは農振、こういうふうに分けられている。この市街化区域内におけるところの水田についてはどういうふうにされるのか。
  88. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 私ども、これまでお示しをしております基本的考え方によれば、十年にわたって長期的取り組みをする今回の施策でございますので、土地の利用上の性格について、いま先生のおっしゃったような地域性格区分がなされておるということについては、これを尊重して何らかのカウントをする必要があるというふうに考えておりまして、そういう市街化区域でございますとか、あるいは用途地域内にある水田面積といったものは、配分の際に何らかの形でこの考え方を取り入れて配分をしてまいるということで、目下鋭意検討中であるわけでございます。
  89. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 市街化区域内にある農地の総面積あるいは商社が買い占めている土地、そういうような面積等々を考えてみたときに、その面積というのはどれくらいあるか。一方は商社が買い占めた、思惑をして買ったのだからちょっと性格は違うけれども、この二種類ですね、市街化区域の中にある面積はどれくらいか、もう一つは、商社が買い占めているのはどれくらいか。
  90. 森整治

    ○森(整)政府委員 市街化区域内の水田面積につきましては、農林省が実施しました土地利用基盤整備基本調査、五十年の三月三十一日現在でございますが、約十三万ヘクタールの水田か含まれているというふうに理解をいたしておるわけでございます。このほかに、用途地域が約四万ヘクタールある。これはいずれも五十年でございます。  それから、商社の買い占めの土地かどうかということでございますが、これにつきましては、われわれ農林省自身もいろいろな努力をしておるのですが、いままで公にされておりますものは、国土庁の調査によります未利用地の状況ということで、商社が買い占めているというよりも未利用地ということでございますが、これが三十万ヘクタール、そのうち、いま直接関係する農地、ことに水田がどのくらいあるかということになりますと、つまびらかになっておりません。  私ども、米の生産調整なり水田の再編利用という観点ではございませんが、一応未利用地をもっと活用していくという観点から、新たに今年度からいろいろ調査をして実態の把握に努めておりますが、まだ結果についてははっきり出てきておらないわけでございます。
  91. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 八郎潟の干拓をやった、それで日本一すばらしい米づくりの機械化された近代的なものをつくろう、あるいはまた河北潟を干拓している、こういうように米づくりのために干拓をしてきた。これが先ほどの説明のように、公平にして適正な生産調整の配分ということになる。そうすると、人間の頭をバリカンで刈ったトラ刈りのような状態ができてくるでしょう。これは個人個人みんな割り当てをするわけだから、日本じゅうバリカンのトラ刈りのような農地があちこちにできてくる。せっかく機械化をしてやっていこうというのに、米づくりなら米でやっていこうというところに、一五%ないし十何%かの生産調整をやれということになったときに、トラ刈りにならないという保証はありますか。その辺はどうです。
  92. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 いま干拓地の例を取り出しておっしゃったわけですか、これはそれ以外の土地についても言えることでございまして、私どもか県別に目標面積を配分し、それから県知事さんが市町村長さんに配分をし、最終的には農家別に配分する。農家別に配分する際におきまして、地域の農業の再編ということにつながるわけでございますので、できるだけ地域の農家の方々が総意をもってその水田利用をどういうふうに持っていくのかということの話し合いを十分していただいて、畑作物と水稲では水利の関係がまるで違ってまいりますから、水利管理等についてもその集落の合意が得られた形でいくということが非常に望ましいと思っておるわけでございます。ある集落で、こちらから半分がべた一面に従来どおりで、その横っちょの方に全部まとめて、関係者の土地も散在をしておりますから、転作が行われるということは、実態はそうではないと思うわけでございますが、できるだけ転作物が定着し、つくられやすいような形に話し合いを行ってもらって、なるべくまとまったところに転作物をつくっていただく、それからさらに、転作物によりましては連作障害というような問題もございますから、何年か後に逐次圃場を変えていくということも必要になってまいります。必ずしも固定的にある圃場がずっと永久に、永年作物なら別でございますが、それ以外の場合に、固定をするということは実情に沿わない。その辺はどういうやり方がよろしいのかということは、部落の総意と改良善及員等の技術指導、経営指導というものをあわせまして適切にやってまいることが特に肝要であるというふうに考えております。
  93. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 総論としては、抽象的に話は出ても、具体的な問題になると、これは実際大変むずかしいです。先ほどから話を聞いていると、転作作物の麦であるとか大豆であるとか、あるいは飼料作物というような名前は出ているけれども、じゃ一体どこにどういう作物をつくるかというような指導は恐らくまだ余りされていない。しかし、私の県などは茨城県だから、麦の種を一生懸命集めて、もうすでに麦の種まきに入っていますけれども、これは技術的に見てもあるいは品種にしても、十分に整った上のことでなくて、非常に場当たり的な感じがする。だから、日本の農業の将来展望というものを農林省は示して、確固不抜の方向を示して、そして農家か安心をして転作ができるように、そういうふうに自主的にできるようにしていかなければいけない。ところが、最近の状況によると、新潟県でも、宮城県でも、あるいは北海道の各地でも、大会がこれに反対の決議をしている。もし反対をしたら、これはどうなりますか。これは大臣、どうですか。
  94. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 いままでどおりやっていければ農民の方々としては一番いいわけでございます。しかし、先ほど来申し上げておるような、急速に米の需給均衡化を図らなければならない、また一方において、必要な、需要に見合ってぜひつくっていただきたい作物の自給率は停滞をしておる、こういう姿をいつまでも持続するということはできない、これはもう皆さん御理解を願っておるところでございます。  そういうようなことで、ただいままで水田をつくっておって、これか食管に守られておって一番いいのだというそのお気持ちは、私はよくわかります。わかりますけれども、これは日本の農業生産に当たる農家として、こういう姿でいつまでもいけるものではないということもよく御存じのことでありまして、この点は今後とも農林省も、県も、あるいは市町村も、農業団体も、各方面の御理解、御協力を得て、その現状におりたいということはよくわかりますけれども、これを日本農業の将来展望に立って、やはり皆さんで、この苦難と申しますか、避けて通れない困難な道ではありますけれども、これはひとつ切り開いていかなければいけない、こういうことだと思います。
  95. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 では、今度は事務当局から聞くけれども、これに同意をしない、拒否した、そのときにはどういうことになりますか。
  96. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 もちろん、この再編対策は特別に法律を設定をしてやるというようなことではございませんので、あくまでも農家の方の理解、御協力を得ながら、自主的な創意を発揮していただいて転作に向かってもらうというのが趣旨でございます。  そこで、私どもは、協力をしない、目標面積の配分が来ても実行しないというようなことにならないようにまず全力を傾けるべきであるというふうに思いますが、これに対しまして、よくペナルティーという言葉を使われるわけで、私はそういう言葉は必ずしもよろしくないと思っておるわけでございますけれども、全国の農民の方々がある意味ではつらいところを忍んでやっていただくという要素もございますので、公平の確保措置といたしまして、目標未達成の際に、翌年度の目標面積の配分に当たってそれを上積みをしていく、その反面といたしまして限度数量は控除をしていく、こういうような措置を、全体の方々の、正直者がばかをみるような措置をとってはならないという声も非常に強いわけでございますから、そういう声の意のあるところをくみまして、仕組みといたしまして、そういう新たな仕組みを導入をしてやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
  97. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 英語でペナルティー、罰則を加えると、こういうことですね。  そこで、米の場合には、これは食管法によって処理をしてもらえる、農家としては一番安心をしてつくれるものであるということは最初に述べたとおりなんです。それ以外のもので米と同じように、あるいはより以上に安心をできるような作目が存在をしない。としたならば、いま四十万ヘクタール、百七十万トンというものを生産調整し、転作をする場合に、農家の側からすれば、これは一定の、雇用労働者なら、ある意味において完全雇用であったところから、今度はそれから離職をして、そして、たとえば二十万円給料をもらっていたものが十五万円ぐらいのところに移される、そしてあと二、三万の奨励金が出ていく、しかし、その企業はきわめてあやふやな企業なんだ、価格保証もない、将来性もない、そういうところに移される、つまり、既得権が剥奪されたという感じに農家もなるわけですね。だから、その既得権が剥奪されないような形で、よりこれが上積みをする、将来これがどんどん伸びていくというためには、もっともっと農林省としては従来の農政の責任を、この方面で、今度は別な方向に変えていくんだから、そういう措置をとらなければ、つまり生産条件あるいは価格問題その他土地改良等々に対する保証がなければ、これは移れといっても無理じゃないですか。
  98. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 竹内先生は極端な表現をお使いになっておりますけれども、しかし、そうでなしに、麦につきましても大豆につきましても、やはり一つの価格支持政策というものもとっております。先ほども申し上げたように、米価との間にはいまだ均衡のとれない不十分な点がありますが、今後とも引き続き、今年度に継続をしましてその改善を図っていく。しかし、一方におきまして稲作収益との間の所得を縮めるために、価格の完全な均衡化ができない現段階におきましては、補完的に生産奨励金等の水準を引き上げて、そして農家の方が転作をできるように農林省としてはあらゆる努力をいたしてまいりたいということを申し上げておるわけでありまして、私どもは、竹内先生がおっしゃったように、そう極端に無理なことでなしに、できるだけの条件整理をしながらお願いをするということに努力してまいる所存でございます。
  99. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 それなら、もう少し具体的なことをお尋ねします。  第一次生産調整のときに、山形県では、寒河江市を中心として、天童、東根、この方面では日本一のサクランボの産地になりました。それに続いて青森県でも、あるいは山梨県にも長野県にもサクランボはだんだん定着するようになってきた。せっかくいろいろな投資をし、施設をして、これで安心だと思ったら、貿易の関係もあるかもしれませんが、今度はアメリカのサクランボが入ってくる。時期がおくれるからいいじゃないか、しかし価格においてはアメリカのサクランボは半額で入ってくるわけですね。こういうものが入ってきたときに、その既得権というものは脅やかされるわけだ。あるいはまた、私の茨城県では、納豆の産地でありますが、納豆のための大豆をつくっている。これはいままでは奨励金が出ていた。これを基本価格に織り込んで、そうしてみると、やはり前の奨励金のときよりも少ないと、こういって陳情に来られた。あるいは米からトマトにかえた、そして、そのトマトがりっぱな一つの団地になったときに外国からトマトジュース等が入るということで、これについては大臣の努力によって抑えてもらったけれども、将来いつ何が来るかわからないという不安がある。同じように、牛肉の問題でもそうですね。福田総理は、ドルが余ったからそのドルを使うために外国から肉を買え、農産物を買えという形で、一億七千万ドルのその金によってそれを買い込んでくるというようなことをこの間農林大臣も言明をされたが、かなり農林省もがんばっているようだけれども、依然としてわが国を取り巻く諸般の情勢というものは厳しい。このように、せっかく四十五年ごろに転作をして、そこで生産が安定をして、まあ労働者で言えば完全雇用の状態になったものが、もう一遍波に洗われるということはどういうことなんだと、それはどうなんです。
  100. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 よくこういう御議論をする場合に、象徴的に取り上げるのがサクランボの問題でございます。これは御承知のように、昭和三十五年にすでに自由化されておるわけでありまして、稲作の転換はその後において出発をしておるわけでありますが、しかし、このサクランボにつきましては、自由化はされておるけれどもコドリンガという害虫が付着をしておる、こういうようなことで植物防疫上これは徹底的に駆除することが確認をされない限りは輸入するわけにはいかないということで、相当時間をかけてこのコドリンガの駆除の技術開発もアメリカに要求をし、今日まで数次にわたってそのデータ及び報告等の説明も伺っておりますし、わが国の方からも専門の技術者をやりましてその防疫体制が完全なものであるかどうか、こういうことを確認をしてきておったわけでありますが、これがあらゆる面から見て植物防疫土はこれをいつまでも抑えるわけにはいかない。     〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 御承知のように、植物防疫に関する国際的な取り決めがございまして、そういう駆除の方法が完全になった場合においては、それに籍口して自由化されたものをいつまでも入れないというわけにはいかない、こういうことに相なっておるわけでございます。私は、そういう点は産地である山形県のサクランボ生産農家の皆さんにもよくお話を申し上げております。  そこで、問題は、その国際競争力の問題であります。アメリカのサクランボが大変粒も大きい、値段も半分、そして非常においしい、こういうことでありますと、どうもやはり太刀打ちができない。消費者の方はおいしくて安い方かいい、こういうことになるわけでありますから、私はやはり何でもかんでも日本の保護政策といいますか、そういうことにいつまでもすがっておるのでなしに、品種改良その他もやってアメリカのサクランボに負けないようなりっぱなサクランボをつくるということになれば、これはもう対抗できる。  これは一つの例でありますけれども、御承知のように、韓国からノリがたくさん入ってきておりました、四億枚あるいは五億枚。相当日本の沿岸漁業者、養殖業者はこれに悩まされたわけでありますが、その後冷凍網等の技術開発が進みまして、この改良によって日本のノリ生産というものが非常に合理化された。もう韓国は日本のノリ養殖業に対抗できない。値段も安い、また日本のノリの方が良質であるということで今日では韓国ノリというものは日本の市場から影をひそめていっている。これだけの気概を持って今後取り組んでいく必要もある。全部が全部一挙にできるとは思っておりませんが、とにかくそういうことも私は必要である、そうでなければ外国農業に対抗できない、こう思っております。  しかしながら、オレンジであるとかオレンジジュースであるとか、こういうものは柑橘農家の皆さんが非常に御苦労なさって摘果をやり、改植をやり、生産調整をやり、出荷調整をやり、そして御苦労なさっておる際でありますから、私は断じてオレンジやオレンジジュースの自由化などということは、どなたがどうおっしゃっても認めるわけにはいかない。また、肉の問題にいたしましても、日本の肉は確かに高いわけでございます。アメリカに比べて二倍、ECに比べて三倍、あるいは豪州に比べて五倍というようなことでございますけれども、私は六十万の畜産農家のことを考えますと、これはやはりあくまでこれを守っていかなければならない。でありますから、肉の自由化はこれは断じて私は認めるわけにはいかない、こういうことでやっておるのでありますが、とにかく日本の農業につきましても、そういう関税障壁その他のことだけに頼らぬで、やはり生産の合理化、品質の改良、向上、そういう方面に、役所も一生懸命やりますが、生産農民の方々も力を注いでいただきまして、そして外国からの農産物輸入攻勢、これに対抗していくことが必要である、このように考えております。
  101. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 いずれにしても、農家の方から見ると大変心配なことばかり、安心することは一つもない、こういうことでありますから、よく大臣、これは肝に銘じておいてもらいたいと思うんですね。  やがて水田からこれは畑作にどうしても転換をしなければならなくなってくる。ところが、畑作に転換した場合に災害になった場合の補償制度というものがまだできていない。これは一体どうするんだ。これはどうします。
  102. 今村宣夫

    ○今村(宣)政府委員 転換先作物の共済の問題でございますが、畑作物共済あるいは園芸施設共済につきましては、本格的実施のための制度をつくるということで試験研究を実施してきたところでございますが、私たちは、この試験実施の実績を踏まえまして農業災害補償法等の一部改正案を次の通常国会に提出をいたしまして、幸いにしてこの法案が通過いたしますれば昭和五十四年度から実施をしてまいりたいと考えまして、目下鋭意この検討を取り進めておるところでございます。
  103. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 水田は、いろいろな問題があるけれども共済制度は浸透をしている。理解をされている。ところが、果樹であるとか畑作物についてはなかなかこれは理解がまだされていない、制度もないという状態で、これをまた転換をしようという、ここにも問題がある。来年制度をつくっても実施するのは五十四年でしょう。来年はこれは生産調整で畑作に転換をする、こういうことだから、だから問題がつながっておらない、こういうふうに私は言っておる。  あるいはまた、茨城県に高浜入干拓というのがあります。これはすでに十何億かの金をかけて大問題になったところなんです。県の中では、一体あれはどうしたんだということで県議会でも問題になっている。十二万町歩の水田があり、その中で生産調整をする。最近まではレンコンに調整したからかなり調整率がよかったけれども、それでも八割しかことしは茨城県は達していないはずだ。そういうような状態の中で、今度は、いやあれは水田じゃないんだ、今度は畑をやるんだ、えさをつくるんだ、こういうふうな形で説明はしてきたけれども、いまや水の問題を考えてきたときに、もうあれを干拓をしなければならないという客観的条件なんかない。農家の主体的な方から言えば、それはあのままにしてもらって水が欲しい。これなら理屈に合う。だから、これはもう残務整理をしてぼつぼつ切り上げをするというのが筋じゃないか。こういう行き方でなければあの問題を始末することはできないんだから、ぜひこれは中止をして残務整理をしてもらいたい。もちろん、それをするためには諸般の経過があるし、一挙にはできないだろうから、そういう準備に取りかかってもらいたい。どうです。これは。
  104. 森整治

    ○森(整)政府委員 御承知のように、高浜入干拓につきましては、事業に着手いたしましてから相当反対の運動が起こりました。混乱を避けるということから、県の要請も踏まえまして、現在まで休止ということにしておるわけでございます。  今後の対処の方針につきましては、御指摘のように、従来国としてもある程度の国費を投入したことでございますし、さりとていま先生御指摘のような御意見もあるわけでございますので、十分茨城県と協議して善処をしてまいりたい、こういうふうに考えております。
  105. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 やはり高浜入干拓千二百町歩は、この際、これを干拓する客観的情勢、主体的条件がないから中止すべきだということをなお私は主張をしながら、県にも話をして、もっと有効に霞ケ浦を使うべきだ、こういうふうなことを申し上げたいと思います。  最後に、来年度の米価及び農林予算に関して質問をします。  農林省はさきに三兆六十五億の予算要求を大蔵省にいたしました。その中で、来年の生産者米価は、先ほど野坂委員も質問したように、据え置きまたは微増だ。いままで消費者米価は、生産者米価の上がった分の二倍ぐらいは上げてきた。ことしもそうですね。四・六、九・八というのは、だれが考えたって二倍になっている。だから、食管の赤字は小さくなった。その小さくなった赤字を麦や大豆の方に回していって、ともかく食管の赤字を抑えて、今度はそっちの方をやっていこうというのが一つのねらいだろう。二重価格制度というのは、食管の生命に関する問題だ。にもかかわらず、そういう方向がとられている。  農林省の予算の中で食管の占めている比率、公共事業部門、非公、食管、この三つの中で食管は四十八年度ぐらいから何%になっているのですか。
  106. 大河原太一郎

    ○大河原政府委員 農林関係予算に占める食管特別会計繰り入れ等の割合でございますが、これは年次のとり方もございますけれども、四十年には二九・八%、それが累増いたしまして、四十三年には四〇・六%、四十九年には三八・七%でございますが、五十二年度におきましては二七・七%ということに相なっております。
  107. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 五十三年はさらに七百八十二億というものを繰り込む、つまり減らそうという見込みをしているわけですね。だとすれば、米の生産者価格は抑えるか微増だということになりませんか。
  108. 大河原太一郎

    ○大河原政府委員 方針の問題は別といたしまして、明年度予算要求の際のルールといたしましては、生産者米価なり消費者米価は、当年産に現在決まっておる価格で算定いたすということで、実行の場合とは別でございまして、据え置きその他とは一切関係ございません。
  109. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 私どもは、何としても米をめぐる農政の長期展望というものが不確定だ。農家にしてみれば、農政に対して信じられないものがある、心配でしようがない。どうしてももっともっとしっかりした柱を立てて、これでいけるのだという保証を明らかにしてもらわなければだめだという声が強い。後で美濃委員から恐らく提案があると思うけれども、わが党でもこの問題について一つの考え方を持っている。ただ、批判をしたり何かするだけが能じゃない。やはりこうすればこうなるではないかということです。  それで、文部省きょう見えておると思いますが、最後に文部省にお尋ねをします。  学校給食、学校給食と言って旗を大変高く掲げられるけれども、いま学校給食は四万トンぐらいでしょう。来年は四万五千トンですか、計画しているのは。農林省が望むように二十五万トンの米を学校給食する場合に、施設、それにかかる人件費、諸経費というものから見て、文部省は一体この学校給食に対してどの程度の熱意を持って準備をしておられるのか、それを最後にお聞きしたい。
  110. 坂元弘直

    ○坂元説明員 御承知のとおり、私ども五十一年度から、学校給食に米飯給食を本格的に導入しようということで、当面週二回を目途に施設、設備の整備等の計画を進めておるわけですけれども、いまのところ私どもの計画どおりに進んでおるのじゃないかというふうに考えております。二十五万トンというふうに先生御指摘でございますが、週二回の米飯給食を実施いたしますと、大体精米ベースで十万四千トンの消費量に相なります。  ちなみに、五十一年度の精米ベースの計画は一万一千トンでございましたが、それが実際には一万一千六百トン、本年度は二万トンの計画を持っておりますが、いまのところの推定数字ですと約二万二千トンぐらいに達するのではないか。来年度は四万一千トンの計画を持っておりますが、これもほぼ計画どおり進んでいくのではないかというふうに私ども考えております。
  111. 竹内猛

    ○竹内(猛)委員 時間がないからこれで終わりますが、ともかく、共済制度にしても学校給食にしても、目標は掲げてあるけれども、そこへ行く段階というものはかなり時間をかけなければできないようになっている。それから、農家の既得権が剥奪されないような保証というものは、先ほどからの答弁を聞いていて、私はまだこれを肯定するわけにはいかない。この生産調整というのは、これから具体的に各市町村の中で個々の農家に割り当てをされるわけですから、厳しい意見と反応が出てくるであろう。  きょうはこれで終わりますけれども、私は今後もこの問題に対する質疑というものはまだまだ続けなければならないと思っておりますので、ひとまず私の質問はこれで終わらしてもらいます。
  112. 金子岩三

    ○金子委員長 美濃政市君。
  113. 美濃政市

    ○美濃委員 最初に、大臣にお尋ねしたいと思います。  本委員会もこの会期中二つの法案を処理して、米の問題は農政上重大な問題でありますから、集中的に米の問題できょうで三日目の質疑だと私は思います。  そこで、私ども、どうあるべきかということでいろいろこの問題を検討してまいりましたが、今回政府は「農産物の総合的な自給力の強化と米需給均衡化対策について」という案を出しております。米が過剰だという現実、それを回避するためにこういう政策を立てておりますが、私は、米の生産調整という政策は農政対策としていい政策だとはどうしても受けとめられないわけです。回避できるものなら、こういう政策は、生産調整の方式でなく、もちろん米の需給の均衡は財政上も食管上も図っていかなければならぬ。しかし、生産調整以外の方法でやれるのでないかという考えも持ちます。生産調整という政策手段は農政として必ずしもりっぱな農政ではない。これ以外の方法でそういう問題が解消されて、そしてやれるのであれば、これ以外の方法を選ぶべきだ、こう思うのですが、いかがですか。
  114. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 美濃先生の御提案の内容、これをお聞きいたしました上で私の考えも述べたい、こう思うわけでございますが、確かに日本列島は温暖多湿の風土であり、稲作に適しておる。古来米飯を主食としてまいりました日本民族としてはやはり何とか稲作というものを基幹作物として守っていきたいという考え方、これは基本的には私は先生と変わらない考えを持っております。ただ、いまのように稲作だけに偏重をし、また一方において必要とする麦とか大豆とか飼料作物とかいうものがいかにも生産が停滞をしておる。その結果、米の需給均衡というものが大きく崩れておる。こういう状態では食管制度そのものを堅持することができない、守っていくこともできない、こういういわば日本の農業が曲がり角に来ておる。これをいかにして需給の均衡がとれた、本当に需要に見合った、バランスのとれた日本農業に構造を変えていくか、これが当面の大きな課題だし、これは長期に見てもぜひ実現しなければいけない問題だ。かつて昭和四十五、六年ごろのように、ただ緊急避難的に休耕をする、休耕補償を出す、たんぼを休ませるというようなことは、これはまさに反省をしなければならない問題だ、私はこう考えております。生産性の高い水田を利用して他の足らないところの主要農産物の生産にこれを向けていく、これはぜひやらなければならない課題だ、こう思っております。
  115. 美濃政市

    ○美濃委員 もう一つ別の角度からお尋ねをしておきたいと思いますが、これはいま緊急差し迫った問題というわけではございません。しかしながら、現時点においてもいっこの世界に戦争行為のような事件が起きないという保証もないわけですね。そういう問題が起きた場合、やはり一番問題になってくるのは食糧だと思うのです。いまは国際収支の黒字減らしとかなんとか言っておりますけれども、こういう状態とは全く違った現象が起きないという保証はないわけですね。あるいは最近、日本には六十年に一回大地震があるということで、また関東大震災以来やや六十年経過しておるからどこかに大きな地震が起きるのではないかという現実的な杞憂を持っておりますね。これも同じように、そういう問題が起きないという保証はない。起きた場合に――先ほど大臣も言われたように、日本の気候風土に適して、農作物であろうと畜産物を通してであろうと、十アールから求める食カロリーというものは、日本の米というものは世界に冠たるものだと思うのですね。少ない面積から多くのカロリーを取るということになれば、日本の米の右に出るものは、畜産物といえども要は食糧としてのカロリーでありますから、やはり日本の米の右に出る作物はないのじゃないか、世界に冠たるものだと私は思うわけです。しかも、日本は人口が多くて資源は少ない。こういう問題に対してやはりもう一本、ただ米が余るのだというだけでなく、あるいは国際収支が黒字だから牛肉をうんと買い付けなければならぬ、そういうことのみで農政を進めるという、まあ進めておるとも思いませんけれども、進めるわけにはいかぬ。その観点に立って米という問題に対してどういう考えを持つべきか、これをお尋ねしたいと思います。
  116. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 美濃先生の農政なり日本の農業はどうあるべきかという基本的な考え方、これはもう私と全く同じように承っておるわけでございます。食糧の問題に関する限りは、これは国民生活を守る安全保障の最大の要件でございますから、どうしても私どもはそこに農政の基本を置かなければならない、こう考えております。いま農林省におきましては、御承知のように、二百万トンの米を備蓄をいたしておるわけでございます。これはランニングストックで、新米が入れば新米と入れかえながら新米と古米をまぜて配給をするというようなことで、常に二百万トンぐらいはこれを備蓄をする。これは去年大変な冷害その他で不作でございましたが、その減収は大体四、五十万トンというようなことでございますから、現在のところ、非常時の際におきましても備蓄用として二百万トン程度のものが適正であろう、こう考えております。  それからもう一つ、最近、東海地震等がまたいままでの周期からいって近いのではないか、地震予報の問題だとかいろいろこれに対応する防災対策ということが言われておりますが、私はそういうことにつきましてもやはり備えが必要である、こう考えておりまして、それで御承知の京都大学で開発をしましたビニールの袋に米を詰めて炭酸ガスを入れていわゆる休眠パックをする。三日分なり五日分なりは各家庭でひとつ家庭備蓄をしていただく。一年、一年半たってもほとんど新米の状態と変わらない、こういうりっぱな技術も開発をされておりますので、私は、政府が備蓄をすると同時に各家庭においても備蓄をしていただきたい。これは今後強力に政府全体の問題としてひとつ取り組んでいきたい、このように考えておるわけであります。  それから、もう一つは、水田を、いままでもやってまいりましたが、今後におきましても田畑輪換ができるような方向で圃場整備、土地改良事業等もやっていきたい。こういう非常の事態に対応して、いま御指摘になりましたように、いつでも生産性の高いお米をつくれるように、しかし平時の場合においてはやはり需要に見合って均衡のとれたような姿の日本の農業構造、そういうものに進めることが必要だ、こう考えております。
  117. 美濃政市

    ○美濃委員 いま大臣のお話を承りましたが、もう一つあるのじゃないか。いま大臣のお話のあった一定量の備蓄あるいは田畑転換の措置、これを否定もしないし、そういう政策はだめだというふうにも考えません。そういう政策も進めるだろうが、もう一つあるのじゃないか。  そのもう一つは、たとえば食糧の不足現象が何かの原因で起きた場合、畑にしてつくっておるものをすぐ田にかえるというような政策も全然考えてはならぬとは申しませんけれども、この要綱の中にも、第1は「趣旨」、第2の「国内食糧資源依存型食生活への誘導」という政策を出しておるわけですね。その前にこれをもっと積極的に進めた方がいいのじゃないか。そうすれば、農民がいまの高い農機具や何かで――たとえば一つの例を申し上げます。北海道の私どものところは農業はほとんど専業です。兼業農家はまれにしかいないわけですね。そこで、たとえば六ヘクタールなり七ヘクタール田をつくっておる農家に、ことしの生産調整を示されたのが、北海道平均二五%であります。そうすると、農業経営というものは、やはり最近では播種機も成功しました。苗植えは全部機械でやっている。六ヘクタールなり七ヘクタールなり、個人であれあるいは共同であれ、膨大な設備投資をして機械を整備して、そのうちことしから、六ヘクタールであれば、去年の転作目標が平均で受けた農家は二五%でありますから、そうすると約二ヘクタール近いものは畑をつくれ。これはもちろん少し条件は違いますけれども、たとえば、いま行政改革という問題が出ておる。たとえば、農林省の定数が多い、八時間のうち、あるいは一週間のうち五日間は農林省へ来て執務をやりなさい、二日間はどこか民間の会社で働けというのと大体同じじゃないですか、質的にはちょっと違いますけれども。やはり農業構造にしても人間の労働にしても、ネコの目が変わるように、規模拡大を農政上推進し、そして、しかも実質が変わってきております。あの休耕政策を出したときに、全面休耕をやった方々は今日ほとんど休耕して米の生産労働から離れた。それが復元しないですね。また米をつくろうという意欲が復元しないで大幅に離農しております。復元した人もおりますよ。しかし、全面休耕をして他の仕事に働いて休耕補償金をもらった人はほとんど全面離農しております。あと筋金入りで米をつくろうとした農家がその跡地を引き受けて機械化の設備をしたわけですね。そこへ休めと言うのでありますから、こんなちぐはぐな、それを受け入れることによってこうむる所得上の損害、あるいは特に若い後継者等に与える営農に対する意欲の阻害、もうはかり知れないものがあるわけですね。でございますので、2の「国内食糧資源依存型食生活への誘導」、この政策はもっともっと積極的にやればいいのじゃないか。これは五十三年度一年度でできるとは私は思いません。だけれども、政府が計画を立てて年次的に進めれば一般消費の拡大で百万トンの消費の拡大ができるではないか。いろいろあります。これは醸造用にも入りますし、みそ、しょうゆ、たとえば白みそなんかは非常に味がいいですから、白みそというのは年々消費が高まっておるというようなこと、そういう方面、それだけでございません。ここにも書いてありますように、いろいろ米紛入りの麦製品の新規用途の開発とか、ここまで進めていけば百万トンの需要拡大は可能でないか。学校給食は、先ほどお話に触れられましたように、これも一斉にするとはいきませんけれども、これは通年米食にすれば二十万トンないし二十五万トン学校給食用途で米が消費できる。一つは一定量備蓄、貯蔵することは結構です。もう一つは用途を拡大することによって結局食糧の輸入量はそれだけ減るわけであります。たとえば、一般用途にそれが入れば、いわゆる麦の輸入量は百万トンの消費が拡大すればかなり減ります。いざというときも国内でとれておるものが常食化されておりますから、輸入量が少なくなっておるだけ安全である。  それから、もう一つの方策は、この方策に入っておりませんけれども、従来一番多かったときは日本の小麦の生産は六十万トンくらい生産されておりました。その当時は百二十万ないし百三十万ヘクタールに主として小麦の二毛作が行われておった。この二毛作をすることによって麦の生産は高まるし、私どもは通例十アール当たり一俵と考えておる、一俵ぐらい米が減収するわけです。そうすると、不足する麦の生産を拡大して米の生産を圧縮するということができるわけですね。これに対して政府は農業団体とも相談してもっと積極政策をとるべきではないか。いまいろいろ米作地帯を歩いてみても、完全二毛作をしておった時代と、工業が大きく入って二毛作地帯の要素も大分変わっておりますから、これも一遍に、六十万トン麦を生産したんだから直ちに復元せいと言っても一挙にはそうはならぬということは理解しております。しかし、この政策に力を入れて努力すれば、たとえば二十万ヘクタールでも三十万ヘクタールでも、あるいは五十万ヘクタールぐらいまではそう年限がかからぬで復元していくのではないか。それによって、片や不足する麦の生産を確保して、過剰である米の生産を抑制することができる、こういう両面の得を得られるわけですね。  こういう政策を積み重ねていって、いまいろいろの角度から前段に申し上げた食糧の自給という高度な政策その他の関連からいろいろ考えると、百七十万トンという生産調整量は多過ぎる。もっとこれは政策で減らし、あるいはいま申し上げたように、そういう用途拡大なり二毛作体制の確立なりを年次計画を立てて、いま食管との関連もあるから、生産調整量百七十万トンは多過ぎるが、全部一挙に生産調整を中止してやめてしまうというわけにもいかぬとしても、やはりこれをできるだけ圧縮して、さらに将来は十年計画でこれを固定化する。しかし、十年もかからぬで、五年くらいで、五年くらい先は生産調整はやめて、米作農家にはやはり米を日本の命の綱としてつくってもらって、それで需給調整ができていくのだという体制に持っていく必要がある。私は持っていけると思うのですね。それをやはりこうして論議した中から今回提起をしたい、こう思うわけです。  そして、これらの政策を完遂するためには、片や通産政策にわたります。片や学校給食は文教政策である。私は鈴木農林大臣は尊敬もしておりますし、鈴木農林大臣の所管事項の範囲であればいいのですけれども、やはりこれらの政策を進めるということになれば、所管事項から外へ出る。通産政策、文教政策、そうなると、所管事項が違いますから、確かに承知いたしました、五年間で学校給食二十万トンの体制はつくりますということを農林大臣としては言えないだろう。そういう答弁を求めることも無理ではないか。そこで、理事会では、総理大臣の出席を求めて、特に農林大臣の所管外の問題については、各省庁の大臣に農林水産委員会に来てもらえないので総括する総理に出席を求めて、福田総理の真意をただしたい、こう思うわけです。  そして、いま聞くところによると、明年度の限度数量は二十日ごろ、こう言っておりましたが、何か最近早まって、十八日ごろ限度数量を示すのではないか、こういううわさを聞いておるのですが、いずれにしても、本委員会でもこれだけ各党寄って三日、四日にわたって真剣な論議をしておるわけですから、やはり私どもの意見も政策の参考として可能な限り取り入れて、この問題に対する論議を深めて、そして政府全体、内閣で言うなら福田内閣全体の問題として、これをひとつ再検討してもらいたい、その期間中は限度量を示すことを避けてもらいたい、そんなにかからぬはずですから。どうしてもこの委員会に、きょう都合が悪ければ明日、明日悪ければ今週中と言って、私どもは与党の自民党の理事にきょうの理事会でも頼んでおるわけですね。土曜日でも結構です。出てもらって、こうした問題に一つのけじめをつけ、よく検討した上で五十三年度の生産量というものを公表してもらいたい。それまでは、これだけわれわれも真剣になっておるわけですから、生産量の公表を避けて、いつまでもというわけにいかぬ問題ですから、そんなに時間はかからぬわけですから、そういうふうにしてもらいたいと思うのです。  まず、その問題に対して、大臣の見解を承りたい。
  118. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 この米の需給均衡化対策、これは先ほど来申し上げるように、日本の農業構造を変えるというような、農地改革に匹敵するような大事業でございます。また、消費の拡大、これも日本で生産できる食糧資源を中心とした日本型の食生活をつくっていく、こういうようなことでございますから、農政以外に、国政各般にわたる問題もあるわけでございます。  そこで、私は、米の需給均衡化対策は、稲作からの転換の問題と、それから消費の拡大の問題と二本柱でやらなければいけない、これは政府全体で取り組む必要がある、こう考えまして、従来は水田総合利用対策等は、その面だけを閣議に諮ってやっておりましたが、今度は、消費の拡大を含めた二本柱を内容とした政策として、農林省だけでなしに、政府全体の方針ということで進める必要がある、また進めなければこの大事業は達成するものではない、こう考えております。  そこで、最高責任者の総理に農林水産委員会に出席を願って、総理に対していろいろ意見もただし、また各党の御意見を政府にもよく聞いてもらうというようなことは、私は大変結構なことだ、こう思っておりますが、これは各党の理事の皆さん、あるいは各党の国対等の国会運営その他の問題でもございます。総理もなかなか多忙な身でありましょうから、その辺は私だけでどうこうというわけにまいりませんが、どうかひとつ理事会あるいは各党の国対等で御協議の上で実現ができますことなら私も大変結構なことだ、こう思っております。
  119. 美濃政市

    ○美濃委員 いま大臣から御意見を承りましたが、私どももこのことは大臣の所管事項でありますから、一遍こういう話をして、大臣の了解も得ておくということは大切だと思ってお話ししたわけです。方向について大臣の意向を示されまして大変ありがとうございました。ぜひそういう機会を持ちたいと考えております。よろしくお願いいたします。  そういう機会もございますので、きょうここで学校給食の問題等、私どもの消費拡大の問題をいますぐ取り上げても、いま大臣の答弁も的確にできる時期ではないと思いますので、アウトラインだけ申し上げておきます。これは答弁は要りません。また後の機会もございますから、十分ひとつ掘り下げて検討していただく、こういうことでよろしいのでありますか、私どもの考えは、一般消費拡大が百万トン、学校給食が二十五万トン、それから酒造用の米ですね。酒のアルコールの混入率がいま五〇%ありますから、これを二五%に落とせば、酒造米で二十万トン大体入るわけです。酒の質もよくなりますから、こういう対策を進める。あとは市街化地域を宅地化する、これは田が壊廃されるのでありますから、この傾斜配分とか、あるいは土地改良の通年施行というような部分で、おおよそ前段に私が申し上げました設備投資をして、田専業農家としての体系を整えていけば、中途半端な、経営上惑わすような無理な生産調整をしなくても済むのではないか、このように考えられるわけです。これを申し上げておきますので、御検討賜りたいと思います。  さらに、各種作物の価格均衡対策については、先ほど申し上げた麦の二毛作の復活をどうしても強く進めたいと思います。これは戦時中を例にして申しわけないのでありますけれども、戦時中、米石換算というのをやりました。これは食管の中でやったわけです。あのときは食管は米だけではなかったです。野菜まで食管法で、最悪の食糧危機に陥ったときは、カボチャ、バレイショ、全部食管法の適用になったわけです。そういう時期に米石換算というのをやりまして、バレイショは五俵で米一俵、大豆は、米は一俵が四斗、大豆は一俵で米四斗二升という換算でありました。大豆の商品価値というものは米より二升高かったわけですね。価格もそういうふうになっておった。小麦、大麦等は七〇%であったわけです。戦後のいまの状態は少し下回っておりますから、小麦については大体七〇%、大豆は一〇〇%、対米との均衡価格ですね。こういう政策もあわせて進めていくことによって、麦の二毛作の復活、あるいは裏作大豆も、九州あたりごく気象条件のよいときは、わせ大豆が入るわけでありますから、そういう裏作というものの作付が促進されていくのではないか、その中から先ほど申し上げたような効果が出るのではないか、このように思うわけであります。したがって、これらの政策をぜひひとつ政府内部でも検討していただき、その実現を図っていただきたい、こう思うわけです。これはきょう申し上げておく事項であり、また後でそういう質疑の時間もございますので、よく検討していただきたい、こう思う次第であります。  次に、米以外のことで非常に心配な事項がございますので、多少時間が余りますけれども、大綱の質問ですから終わりましたので、一つだけ質問して終わりたいと思います。  過般、新聞を見ておりましたところ、農林大臣、あなたに総理から、いまのいわゆる黒字減らしの緊急輸入対策の中で大幅に牛肉を買い付けよという指示が行われたと新聞記事に載っておった。事実そのことが行われるとするならば、私自身も北海道の農業団体をやっておる一人でありますが、これはとてもいまの政府の政策では見通しが立たぬから牡犢の育成なんかやめろといってやめさせなければ、農民はかわいそうでどうにもならぬですよ。過去においても、半期に四万トン、通年して十万トン以上の牛肉が輸入され、大暴落してしまった。その痛手はいまだに治っていないわけですね。牛肉生産農家はそのときの膨大な借金が残っているわけです。回復しないで。その上またそんなことが行われたら、これはもうどうにもならぬわけですね。  これだけ一つ聞いておきたいと思います。
  120. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 お答えいたします。  総理から私に、牛肉の自由化をすべきだとか、あるいはもっともっと大量に入れるべきであるとか、そういう御指示はございません。ただ、アメリカに参りましていろいろアメリカ側と接触しておった外務省の担当官から、こういう要望があるということが先週土曜日の関係閣僚会議の際に披露されたというだけでございまして、総理からはそういう指示も意見の開陳もございません。  私は、この肉牛の生産にしても酪農にしても、日本農業にとってこれは非常に大事な産業であるという認識を持っております。あれだけの畜産危機をようやく乗り越えていま着実に生産が伸びてきておりまして、今年度は前年度対比一二%ぐらい肉の生産は伸びております。消費は、これも広がっておりますが、六%程度伸びておるということでございまして、消費の伸びよりも国産肉の生産は伸びておる、こういう状況にございます。  そういうようなことでございますので、先般下期の輸入枠を決定をいたしましたが、これは一般枠で四万トン、ホテル用あるいは学校給食、加工用の煮沸肉等を合わせまして一万トン、なお畜産事業団はその中から市場と隔離をしましてフローズンの肉を二万トンぐらい調整保管をしておる、こういうことでございまして、現在のところ国産肉の卸売価格は幸いにして安定帯の中を推移しておるということで私も喜んでおるわけでございます。  安い輸入肉につきましては、中間マージンをできるだけ排除するために調整金も課徴金も引き上げましたし、なお事業団の指定小売店舗、二千二百ございますが、これに直接事業団から配給をいたしまして、目安価格を指示いたしまして、大体七月に七・四%、十一月十一日から五・七%、合計一三・一%輸入牛肉は値下げを指定店舗にはいたしまして、これによって誘導するというようなこともやって、生産者の方には余り影響を与えず、消費者にもできるだけ円高のメリットを還元をする、こういう施策をとっておるわけでありますが、慎重にこの点はやってまいるということであって、決して自由化だとかあるいは大量に牛肉を輸入をするというようなことはいたしませんことをはっきり申し上げておく次第でございます。
  121. 美濃政市

    ○美濃委員 ひとつこの委員会で総理の所信を聞く間、生産調整の公表を待ってもらいたい。この点はどうでしょうか。お答えがなかったように思うのです。よろしゅうございますか。
  122. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 各党の国対なりあるいは当委員会の理事会なりで早急にそれか実現するということでございますれば私は結構だと思うのでありますが、とにかく各都道府県におきましては、やはり早くひとつ割り当て目標を示してもらいたい、県に割り当てがなされても、今度はそれを末端農家に割り振りをするには二週間以上かかるということであるので、早くしてくれという要請も一方においてございますので、総理の出席も今週中に実現するようにできれば大変幸いだ、こう思っております。
  123. 美濃政市

    ○美濃委員 それでは、この総理出席の問題は大臣の考えもお聞きのとおりでありますので、委員長の方においてもしかるべくお取り計らいをいただきますようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。  あと関連で若干ございますので、お願いいたします。
  124. 金子岩三

    ○金子委員長 小川国彦君。
  125. 小川国彦

    ○小川(国)委員 私は、同僚議員の残された時間をちょうだいいたしまして、米の生産調整の問題に関連いたしまして、農地の指導の問題について若干お伺いをしたいと思うわけでございます。これは特にいま鈴木農林大臣がおいででございますから、恐らく御答弁の準備等は十分なされていないのじゃないかと思いますが、フランクに、大臣がお考えになったままを御答弁願えれば、こういうふうに思うわけでございます。  米の生産調整の中で、日本全体の巨大開発というものがいろいろなところで行われているわけでございます。むつ小川原とか、あるいは鹿島の工業地帯とか、あるいはこれから行われる鹿児島の志布志湾の巨大開発の問題、そういう一連の開発の中の一つと言われております成田空港の開発をめぐって、米の生産調整とは直接関係ないと思いますけれども、一つの大きな国の工業化政策の中で大変な農地がつぶされていっている。現に成田空港の中でも、約一千百ヘクタールのうち六百ヘクタールぐらいは農地であったわけでございます。これが現実には、昭和四十一年七月の閣議決定で空港が決定されましてから、農地はいわゆる空港用地という形に変えられていっているわけでございます。そういう中で、六百ヘクタールのところで営農をしていた農民の営農権なり生活権の問題が、国策と言われる空港政策の中で置き去りを受けている、こういうふうに思うわけでございます。確かに米が余っている、国内で余っている農産物がかなりある。もちろんこれは輸入との関連があるわけですが、そういう中で失われていく農民の農地の問題について、農林省として、成田空港のような重大な国策の政策が行われたときに、どのように関与してきて、それらの農民に対する指導はどういうように行われてきているか、これは率直に、大臣がお感じになっているところをひとつお聞かせいただきたいと思うのです。
  126. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 成田国際空港の立地につきまして地元の農民の皆さんから大変反対の御意見等もあり、紆余曲折を経てきたわけでありますが、そういう際におきまして、騒音被害の問題、これは学校や保育所だとか一般民家等はもとよりでありますが、営農される農民の皆さんにとってもやはり騒音公害というような問題等もあるということで、あの成田国際空港周辺の農地につきましては、特別な国の助成、補助といいますか、一般よりも高率の手当てをしまして、騒音公害をできるだけ軽減するようにという観点で、農業用水の導入であるとか、灌排事業であるとか、土地改良事業であるとか、そういうものをやったわけでございます。また今回、従来想定しておった飛行経路よりもそれが若干変わってくるということで、当初の範囲よりもまた広がっていく、他の地域にも及ぶという問題が起こっているようでございます。  私は、農政の責任者としてそういう問題につきましても大変関心を寄せておるわけでありまして、成田国際空港周辺のそういう残された問題につきましても、あとう限り耕地を守っていく、騒音公害から農民の方々を守っていくということにつきましてはできるだけの配慮をいたしたい、こう思っておりますが、これも農林省だけでできる問題でございませんで、財布を握っておる大蔵省との問題もございます。いろいろございますが、私はそういう考え方で今後とも対処していきたい、こう思っています。
  127. 小川国彦

    ○小川(国)委員 昭和四十一年ごろは、大臣は何をなさっていらっしゃったでしょうか。
  128. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 昭和四十一年は、多分厚生大臣をやっておったと思います。その後は、党の総務会長をやっております。
  129. 小川国彦

    ○小川(国)委員 厚生大臣では直接の所管でないので、これは大臣を責めるわけにはまいりませんけれども、いま大臣の御答弁になった騒音地区の農民に対する対策、これは確かにおっしゃられるように九割近いいろいろな土地改良に対する補助、用水に対する補助がありまして、一般の地域に比較して非常に騒音を受けるという被害から、農民に対するそういう高率の補助が行われたことは事実でございます。いまおっしゃられたようなその後の範囲の拡大に伴ってそういう要望が出てきていることも事実だろうと思いますが、問題は飛行場にかかった約六百ヘクタールにおった六百戸の農民、一戸大体一ヘクタールでございますから、この農民の代替地対策というのは、政府の閣議決定で行われた事業であったわけですが、残念ながら肝心の農林省が主体になって代替地のめんどうを見てきてないわけです。ですから、六百戸おりました農民が、当初県の説明ですと、一町歩ある人には一町五反の代替地をやる、だから、こういう政策に協力しろということであったわけですが、それは先般、私、本会議で伺ったら、運輸大臣はそういう約束はないと言うのですが、当時千葉県の友納知事は、農民に対しては国が相当な対策を、代替地についてめんどうを見る、それは一ヘクタールに一・五ヘクタールの代替地をやる、こういうような話で地元に伝わっていたわけです。ところが、現実に行われた政策は、二ヘクタールの農家に〇・七ヘクタール、一ヘクタール以上の農家に〇・五ヘクタール、それから一ヘクタール未満の農家には〇・三ヘクタール、こういうことで、わかりやすく言うと、二町以上の農家には七反歩、一町以上の農家には五反歩、一町未満の農家には三反歩ということで、零細な代替地しか用意されなかった。結局、空港から追い出された形の農民は三分の一しか代替地をもらわず、出かせぎ、日雇いのような農民になってしまって、成田空港から追い出された六百戸の農民のうち、現実に農業をしている者は一割足らず、こういう状態に陥っているわけです。  私は、鹿島の工業地帯も、あるいはこれから行われるむつ小川原も同様な危険がありはしないかと思う。それからまた、成田空港の二期工事と言われますもう半分には二十三戸の農民が平均二ヘクタール以上の農地を持って悠々と営農をしているわけです。こういう者に対する代替地の対策とか指導というものは、この十一年間の成田空港の政府の取り組みを見て、残念ながらその重要な点が欠けておったのじゃないかというふうに私は感ずるわけです。これは今後にもつながる大きな問題でございまして、私は改めて農林省の農地の指導当局に代替地政策全体をただしてまいりたいと思っておりますが、大臣としていま私が申し上げたような事実をどういうふうにとらえ、また今後どういうふうにお考えになるか、その辺をお聞かせいただきたいと思います。
  130. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 成田空港に関連しての代替地の問題につきましては、私は直接タッチしておりませんでしたから、経過は構造改善局長等から御答弁をさせることにいたしますが、今後の問題についてでございますが、今回、御承知のように、三全総が閣議決定によりまして本決まりになったわけでございます。定住構想というものがその柱になっておりまして、やはり地方中核都市あるいは開発地域、その中にあってのこの農業あるいは林業の役割り、こういうものは三全総の中にはっきり取り上げられておりまして、農地の確保なり水の問題なり、そういう問題は、三全総の中でも十分大きな柱の一つとして配慮をされる、確保される、こういうことになっておりますから、今後は急にこの三全総を変えて、そこへ大工場を持ってくる、大飛行場を持ってくるというようなことがないとは考えておりますが、三全総の線に沿いまして、農用地の確保並びにそれに必要な諸般の農業用水の確保その他の問題につきましては、十分私どもは農家の皆さんに御心配かけないように努力をしてまいりたい、こう考えております。
  131. 小川国彦

    ○小川(国)委員 政府側に答弁の用意がないと思いますので、私は最後に農林大臣にもう一点だけ申し上げておきたいのですが、残念ながら、成田空港に焦点を当てますと、農民の代替地対策というのは運輸省や空港公団の手で行われてまいりまして、これに対して農林省が関与したということがきわめて乏しいわけです。ただ一つ関与いたしましたのは、印旛沼の干拓地を空港農民のために約四十ヘクタール、一農家四ヘクタール、十戸分だけ用意されたと思いますが、これ以外はないわけです。それから、後ほど触れますが、この印旛沼の干拓地も米の生産調整の関係かどうか、仮配分をしておりますが、本配分はいまだに終わらず、しかも非常にずさんな形で米づくりの干拓地ということで放置されている現状がございます。これはたとえば既存の後背地の農家が、自分の土地を処分すれば四ヘクタールもらって入植できるということで、印旛沼に四ヘクタールもらいましたが、いままで持っていた二ヘクタールとで六ヘクタールも土地を持って、両方持ったままの農家というものがかなり沼周辺に存在しているわけです。これはやはり農林省の干拓地の配分指導政策が徹底してないためにこういう問題が起こっているわけですが、それは今後の問題としていきたいと思います。  いずれにしても、こういう国が進めている成田空港、いまだにまだ約五、六十ヘクタール近い農民が敷地内におって、これが万一外に出るという場合の代替地政策というものに農民の最高の指導機関である農林省がタッチしてないということは、非常にいろんな問題を残しているわけです。そういった点では、農林大臣としても、これはやはり農林省も運輸省、空港公団に任せるのではなくて積極的に介入をしていただいて、農民の営農生活を保障していく、こういう対策を講じていっていただきたい、こういうように思うのですが……。
  132. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 成田空港の場合には、空港公団が用地買収に当たった、その用地買収をする場合に、代替地を提供するというような約束に基づいて、空港公団が中心になってやったことだろうと思います。しかし、いま小川先生御指摘のように、農林省が一番親がわりになっておる農家、農民のことでございますから、今後におきましては十分そういう点に配慮いたしまして、農林省も農民の立場に立ってできるだけのことをやってまいる、こう思っております。
  133. 小川国彦

    ○小川(国)委員 終わります。
  134. 金子岩三

    ○金子委員長 吉浦忠治君。
  135. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 農林大臣も長時間の審議でございますのでお疲れだと思います。いまの三時ごろが一番疲れるときじゃないかと思いますけれども、一呼吸入れて、ひとつ農民のために明快なお答えをいただきたいと思います。農林大臣に大変失礼でございますけれども、お名前からして善幸でございまして、善政を行う、幸せにする政治ということでございますので、もじっているわけではありませんが、どうか農民のために善政の行えるような御回答をいただきたい。きょうは大臣に最後だそうでございますので、私の考えておりますことを総括的にお尋ねをいたしますから、なるべく簡潔にお答え願いたいと思います。  国民の注目の的でございますこのたびの米の「需給均衡化対策」という名称で打ち出されましたことの意味が私は余りわからないわけでございますが、一つ一つ聞いていると時間がございませんけれども、「均衡化」の「化」というのは何だか余計のようでございまして、どのようになさるのか、この線がほぼ固まったというふうに言われておりまして、お話を伺いますと、十八日ごろに割り当てをなさるやにも聞いております。きょうは十六日でありまして、あした審議が終わりますとあさってということになりますが、国会における審議はないわけでございまして、全部終わったところで何か割り当てがなされるような気がしてなりません。大体煮詰めていらっしゃると思いますが、本日あたりできていなければ、十八日に割り当てができるはずがございませんので、そういう点を踏まえながら私はお尋ねをしたいと思うわけでございます。  農林省は、かつて緊急避難的な措置であるというので、四十六年から第一次の減反を行われました。農林大臣のお言葉ですと、このたびは緊急避難的な措置でなくて、長期的視野に立って行うということを言われておるわけでございます。一つ一つ何か言葉じりをとらえて質問するようでございますけれども、果たして長期的視野に立って大臣はこの計画を立てられましたかどうか。この問題は、第一次対策に対して農民の方々に一〇〇%の御協力を願ったのに、なおかつ米の過剰が出ている。こういう点について、農林省はどのように反省なさっていらっしゃるのか、この点から明快にお答えを願いたい。反省がなければ次の施策は立てられないと思うのです。そういう点で、農林大臣の明快な反省をひとつお願いしたいと思います。
  136. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 昭和四十五、六年ごろ米の過剰問題が起こりまして、御指摘のように、緊急避難的に、その際、生産性の高い水田を、休耕補償というものを出しまして休耕田として休ましたわけでございます。その結果、これは相当たんぼも荒廃をし、いろいろ被害も出てまいったわけでありまして、緊急避難的なやむを得ざる措置であったとは言いながら、この貴重な生産性の高い水田を休ませるというような政策は、いま振り返ってみまして本当に反省をすべき点が多々あった、このように考えておる次第でございます。  私どもは、そういう経験、経緯を踏まえまして、その後、御承知のように、三年間にわたりまして、水田総合利用対策というものを実施をいたしまして、できるだけ農民の皆さんの自主的な考え方でこれを他の作物に転換をしていただくというようなことを進めてまいったわけでございます。その結果、あるいは麦に、あるいは大豆に、あるいは相当量が蔬菜等に転換もしておりますが、しかし一方において休耕田がまた復活をした。また、その後における農業機械の導入あるいは天候等にも恵まれ、肥培管理等も進み、そういうようなことで、もともとございましたところの潜在的な米の生産力というものが、強くこれが出てまいりました。顕在化してきておるわけでありますが、一方におきまして消費は年々減退をしておりまして、かつて百五十キロくらい人口一人当たり食べていただいておったものが、現在では八十八キロというような状況に相なっております。そういうようなことからいたしまして、今日、今米穀年度におきまして三百五十万トン前後、来年は平年作であっても四百五、六十万トンの政府在庫がここに累積をする、こういう状況になってきておるわけでございます。  今後このような形に推移いたしますと、これは食管制度そのものを維持することができない、こういう重大な局面に立たされるわけでございまして、私どもはこの際米の需給均衡を早く回復をいたしますために、一方においてはさらにさらに米の消費拡大に努力をいたしますと同時に、今回は単なる休耕などというようなことでなしに、一方においては麦、大豆、飼料作物、その他需要に即しましてぜひ増産をしたいというものもたくさんあるわけでございます。自給率が四、五%という低位にございますから、この生産力の高い水田をそういう面に転作をして、そしてバランスのとれた日本の農業構造、農業生産体制というものを確立をしたい。そのためには、政府としても転作奨励金等のかさ上げをし、また今後は麦、大豆、その他の戦略作物につきましては意を用いて、この価格の改定、米価との相対価格の是正にも今後引き続いて努力をしていきたい。  こういうようなことで、米の需給均衡が早期に回復するように、そして日本の農業が総合的な面で自給力か向上するように、こういう方向で日本の農政を進めることが、これはぜひ必要である、このように考えております。
  137. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 第一次減反政策の過ちというものが、七年たった今日にまた大きな問題になってきたわけでありまして、農林大臣はるる説明をいただきましたけれども、私も二、三大きな反省を柱を立ててこの問題に取り組まなければならないのではないかというふうに考えて申し上げたいと思います。  一つは、稲作にかわるところの誘導対策が十分でなかったのではないかというふうに思います。結論的に申しますと、結果的にまた再び米作に傾斜しているという点であります。こういう点の反省が、大臣はどういうふうにとらえておられますか。いわゆる国内で不足している作物として今度の主な転作作物は述べられましたが、その裏づけになるものが明快でないとまた同じことを繰り返すのではないかというふうに考えております。今回の奨励作物であります飼料作物への転換でも、四十六年度は、たとえばの話ですが、五万七千ヘクタール、四十七年は六万六千ヘクタール、四十八年は六万八千ヘクタール、このときがピークでありまして、その後は減少の一途で、五十一年には何と四万八千ヘクタールまで落ち込んでいるわけであります。  このように当初奨励なさったときは、農民の方々は素直に受けてそれをなさる礼でしょうけれども、だんだん下がってまいりまして、結局はまた米というふうに傾斜をしていくのではないか。こういう点、大豆でも同じでありまして、このような点、一度は政府の呼びかけに応じてみても引き続き耕作する魅力に欠けるという点で、どのように大臣は今度の場合にそれを踏まえて計画をお立てになったのか、お尋ねをいたしたいと思います。
  138. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 確かに吉浦さん御指摘のように、米以外の転作作物に対する価格政策を初め生産条件の整備等、そういう環境条件づくりという面について不十分な点があった、これは深く反省をいたしております。したがいまして、今回の対策におきましては、そういう点、私ども反省の上に立って最善を尽くしてまいる。まあ大げさに言いますと、農林省の全施策をこの日本農業の構造を変える大事業の目的達成のためにこれを集中をして条件整備をやってまいりたい、こう考えています。
  139. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 お米の問題でございますけれども、非常にむずかしい点はよく私もわかりますが、ここで意欲的な転換ということで、いままで奨励なさったお米がいかにも悪いかのように、お米がだめなんだという――私ともの小さいときからの経験を踏まえましても、子供のころからお米を大事にしなければ、一粒だって大事にしていかなければ、また踏んづけたりすれば目がつぶれるなんということを私の地域では言われるほどお米を大事にしてまいりましたが、このたびはお米が要らないということで軽率な扱いをいたしますと、これからのいわゆる日本の農業の将来というものにとって大問題になりはしないか、この兼ね合いが非常にむずかしいと思います。  そういう点で、農家の生産意欲が減退するような転作であってはならない。こういう点で、荒治療みたいな、いわゆる農地改革と言えば大変革でありますから、それにも匹敵するということを先ほど大臣が述べられておりました。こうなりますと、わが国の農業は何といっても稲作中心でありまして、このことには大臣、変わりはないと思うのです。そういう点からいたしますと、一家の中でも、あるいは家にたとえましても、柱が揺らげば全部揺らいでくるわけでありまして、大黒柱は絶対に揺らぐべきものではない、私はこういうふうに考えますが、そういう点で、農業全体が動揺するような大変な危機を迎えている、こういう体質の改善である、こういうふうに思っておりまして、その点についてお米を軽視しない、しかも転作を十分にやっていけるという点における大臣の所信をお願いしたいと思います。
  140. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 吉浦さん御指摘のように、何といっても米、稲作はわが国の食糧の面においてもまた農業の面においても最も中心的なものでございます。日本はこういう温暖多湿の気候風土でございますから、稲作にも適しますし、またそれだけに、日本は長い間米飯を中心として食生活がなされてきておる。そういうようなことで、稲作農業というのは日本農業の中では最も根幹をなす基幹的作物である、農業である、これをあくまで守っていかなければならない、こういう認識については吉浦先生と私は全く同じでございます。  そこで、ただ、お米を大事にする、稲作農業を守っていくというその守り方につきまして、需要に対してもう本当に余って、三百万トンも五百万トンも余るという状態になってまいりますと、幾らこれは貴重なものだ、大事にせよといってもとかくそうでなくなる。また、そういうところから食管制度そのものも守れなくなる。国民世論からいってもそういういうことになる。だから、稲作農業を、基幹農業であるからこれはどうしても守らなければいかぬという認識の上に立って、私はこれを守るために食管制度もあくまでも守らなければいかぬし、また米の需給均衡も早く回復して、本当に稲作は日本農業の柱である、こういう立場を確立したいということでございまして、同じ認識の上に立っておるのですが、やり方、考え方がちょっと違うというだけでございます。
  141. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 第三点は、いま大臣おっしゃいましたけれども、国内的な要因だけでなくて国際的な要因の方が大臣も頭を痛めておられると思うのですが、輸入農産物の圧力がある。したがいまして、四十六年にはニクソン大統領の発したいわゆるドルショック、このたびの円の問題あるいは米国の輸入規制等で輸出が伸び悩んだというふうな面、それが輸入農産物の拡大につながっているわけでありまして、この前も大臣に今月の四日に申し入れをいたしましたときに、私は笑い話みたいに申し上げておりましたけれども、大臣が総理をなされば、これは私ども別な考えでありますけれども、先ほど質問もありましたように、全体的な枠の中でいわゆる農産物がしわ寄せを受ける、われわれがしわ寄せをされているような、そういう政治的な配慮というもので、この転作作物はことごとくまた輸入農産物と競合してくるだろうというふうに考えまして、こういう点で、どこまでも転作をいたしましても、米と同様な食べられるようないわゆる価格の保証、先ほど申されましたが、価格の保証なりあるいは輸入対策なりというものを、その原因を十分に克服してかからなければまた同じようなことを再び繰り返すことになりはしないか。  この輸入の農産物の点について、この問題についてお答えを願いたいと思います。
  142. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 私は、食糧の問題に関する限りは他力本願でやっていくべきものではない、あくまで国内で生産可能なものはこの生産を助長し、自給力を高めていく、そして足らない部分を安定的に諸外国から輸入をする、これが日本の農政の基本的な姿勢でなければならない、このように考えております。そういう意味で、黒字減らしだとか国際収支がどうだとか、こう言いますけれども、この基本というものを踏み外してはいけない。したがいまして、一部にありますところの国際分業論と申しますか、そういうようなものは、日本の安全保障の面からいって絶対にこれは排撃さるべきものだ、このように私は心得ております。  そういうような観点に立ちまして、外圧、内圧、いろいろ強いものがございますけれども、私も、微力ではございますけれども、日本農業を守り、日本の食糧問題を守っていくために身を挺して最善を尽くす考えでございます。
  143. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 御期待をして先に進ましていただきますが、大きな問題の第二点目としてお尋ねをいたしたいと思います。  五十三年から十カ年にわたる事業計画が発表されることになっておりまして、その将来のビジョンというものについてお尋ねをしたいと思うわけでございます。  お米の生産調整が百七十万トン、水田四十万ヘクタール、これを転作をしなければならぬということでありますが、これは全国の水田約二百七十万ヘクタールの一五%に当たると思います。福島県の水田の四倍でありまして、九州全体の水田と同じ面積であります。四十六年の場合とどこが違ってこの生産調整に取り組まれるのか。特に今度の場合は不景気でありますし、出かせぎ収入などが減っているときだけに、農民には大打撃であります。生産調整が始まったときは四十五年当時でございますが、高度成長期であり、農家も案外気楽であったようであります。ところが、ここ一、二年の不景気で兼業が思わしくなくて、農家に農業見直しムードが高まってきているときであります。そういうやさきに基幹の米の生産制限というものは農民にとってはこれは死ねと言われるような大問題だと思うのです。こういう時というものが非常に大事でありまして、農林省が示されておりますこれから十年先のことを明確にお答え願わなければ、農民の方も、この展望をお聞きにならなければ、不安な気持ちで取り組まなければならないと私は思うわけでございます。  第一次生産調整が五年計画だったことからすればその二倍でありまして、長期間にわたって転作作物を固定させていく。十年後に果たして奨励金はどうなるだろう、あるいは米から国内で不足しているところの麦、飼料作物あるいは大豆、なたね、ビートなどを奨励して果たしてひとり歩きできるようになるであろうか、また十年計画の内容について多くの疑問があるわけであります。この理由は、十年間で具体的に何をなさるのか、はっきりしない。総論だけは述べられておりますが、各論のない総論でありまして、十年後の農業のビジョンというものが私ども一向に浮かんでこないわけでありますが、大臣は十年後の農業のビジョンについてどのように描いていらっしゃるのか、大変大きな問題でありますけれども、お答え願いたい。
  144. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 いま計画を立てている官房長を呼びますから……。
  145. 澤邊守

    ○澤邊政府委員 十年後の農業のビジョンを明らかにすべきだ、こういう御趣旨の御質問でございますが……(吉浦委員「通告しておいたんだよ」と呼ぶ)伺っていました。五十三年から十年といいますと六十二年になるわけでございますが、私どもは、今回の対策はおおむね十年間ということで考えておるわけでございますが、十年後の農業のビジョンといいますと、農林省といいますよりは政府として正式に決めておりますのが、五十年に決めました「農産物の需要と生産の長期見通し」というものがビジョンに当たるわけでございます。これは御承知のように、各主要農産物につきまして、それぞれ五十年から十年後の六十年の展望といいますか、見通しを明らかにしたものでございます。  これと比べまして、現在、米等につきましては需要が十年先の六十年の目標に比べてやや伸び悩んでおる、減り方が大きいというようなこと、あるいは生産につきましては、米につきましては六十年見通しの線から見まして実績としてはやや過大であるという点がございますが、その他の農産物につきましては、若干の差異はございますけれども、需要につきましても生産につきましてもそう大きな食い違いは出ておらないと思います。  いずれにいたしましても、十年先のことでございますので、どんぴしゃり合うというわけにはまいらぬと思いますが、現段階で検討いたしましても、需要、生産とも米を除きますればそれほど大きな――需要の方は他の作物もよろしいのですが、生産につきましては、麦とか大豆とかというものにつきましては生産の長期見通しに比べてやや過小である、その線にまで十分に乗っておらないという面がございますので、米の生産を抑制をしながら他の増産すべき作物に転作をしていくということを含めまして、また畑作のそれ自身の問題としても、一層の生産を図ることによりまして、六十年見通しに即した政策を実施していくのが現段階では妥当ではないか、かように思っておるわけでございます。  十年後のこういう見通しにつきましては、これまでの例からいいましても十年間そのままでもっということは従来の例から見ましても余りございませんので、またこれから先、実績も見ながら改めて検討すべき段階が来るかと思いますけれども、二年数カ月たった現段階におきましては、いま直ちに六十年見通しを改定をするというような必要性はないというように考えておるわけでございます。  なお、それらの生産あるいは需要の見通しのみならず、この長期見通しにおきましては、たとえば耕地面積につきましては五百八十五万ヘクタールとか、あるいは耕地の利用率は一一四%、あるいは就業人口につきましては四百十万から四百三十万というようにそれぞれ参考として目標、見通しを掲げておりますが、これらにつきましても現段階について著しく食い違うというようなことはないものと考えておりますので、なお現段階といたしましては、このビジョンを目標として、ガイドポストとして諸政策を進めていくのが妥当ではないか、かように考えておるわけでございます。
  146. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 そうしますと、先ほど大臣が述べられました、私が最初にお尋ねをいたしました長期的展望というものは、どうやら農林省には余りない、大変不安な点を感ずるわけであります。先ほど大臣は、長期的展望に立って、長期的視野に立つものであるとおっしゃられましたけれども、いまお尋ねをいたしましても――私は、お尋ねをします。長期的ビジョンを示してくださいとちゃんと一週間も前から通告いたしておりますのに、満足な長期的視野ではなさそうでございます。こういう状態だからこそ再度にわたる生産調整をしなければならぬようになってしまう。大臣の責任ではないでしょうけれども、こういう面が当面の三年間の対策という感じがしてならない。農林省は何をもって十年間の長期対策というものを立てていらっしゃるのか、そういう面でもう一度大臣の方からお答えを願いたいと思います。
  147. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 いま官房長から申し上げましたように、米は何といっても国民食糧の中心であり、また基幹的作物でございます。これは需要に見合った生産量というものは絶対に確保しなければいけない。この生産量につきましても、減退傾向にあるものに歯どめをかけるのみならず消費の拡大も一方において図っていく、それに均衡のとれた稲作というものは絶対に確保するということが大前提でございます。そして、生産性の高いところの水田を活用しまして、国内の需要に見合って必要な麦とか大豆とか、あるいは先ほど来お話のありますように、てん菜であるとか飼料作物であるとか、いろいろな戦略作物に生産を向けていく、こういう方向でございまして、そうして総合的な自給率を食糧に関しましては七五%の線に確保する、これが基本的な考え方でございまして、各作物ごとの生産の計画、三年後にはこうなる、五年後にはこうなるというようなものは、いま鋭意各部局におきましてそれを立案をし、まとめておる、こういう段階でございます。
  148. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 くどくは申しませんけれども、大臣、やはり長期的な視野に立てば、初年度から十年後の将来にわたって明確な資料を作成した上で取り組むのが当然だと思うのです。いま鋭意やっているということでは、こういう問題をいますぐ来年から生産調整に取り組むということすらも危ないのじゃないか。私ども、瀬野委員を中心にしていろいろ話し合いをした結果、党としての申し入れを大臣にいたしましたときに、一年間は暫定的にもこの期間を置いて取り組むような大きな問題じゃないか、こういうふうに再三再四お願いをしたわけでありますけれども、そういうような不備な点も承知の上でおやりになるということは農民を軽視されたことになるわけです。いわゆる国民を軽視したことになるわけでありますから、大臣、何といってもそういうビジョンを踏まえて将来の計画を立てられた上で取り組まなければならないのじゃないか。くどいようでございますけれども、お願いいたしたいと思います。  続きまして、今度の生産調整の問題で、地域分担指標というものが明後日あたりに示されるようでありますが、現在の調整というものが西に高くて東に低いようであります。南北戦争なんという言葉を使っていらっしゃる方もありますけれども、地域によってかなり大きな開きがございます。山形、宮城、新潟、秋田等の米どころでは、水田面積に対して転作田はいままで二%から五%程度でありましたが、九州各県では一〇%前後、鳥取県では七・八%、高知県では約二〇%というふうに高い。畑作が盛んで耕地が広い北海道は約二五%、このように地域的に傾斜配分をされていますけれども、大臣、今後この地域分担指標というもののアウトラインはどのような線をお考えになっていらっしゃるか、一言お答えをいただきたいと思います。
  149. 澤邊守

    ○澤邊政府委員 近く行われます転作面積目標の都道府県別の配分の時期までに地域指標をブロック別にまとめたものを決めたい、公表したいというふうに考え、現在、鋭意最終的な詰めをしておるところでございます。  その内容でございますが、先ほど申しました五十年五月に政府が公表いたしました六十年を目標といたします「農産物の需要と生産の長期見通し」を各ブロック別に――ブロックと申しますのは、私どもは十三農業地域を考えております。十三農業地域に配分をする、こういうふうに考えます。したがいまして、地域指標の目標年次は全国ベースのものと同じように昭和六十年ということでございますので、五十三年、来年を直接目標にした地域指標ではございません。六十年でございます。  それから、対象作物は主要な農産物を考えておるわけでございますが、現在十作目を考えております。水稲、麦類、いも類、豆類、野菜、果実、桑、すなわち繭でございます。乳用牛、肉用牛、飼料作物と、十作目を考えております。これは作目によりまして基礎的なデータの整備状況に差がございますので精粗は若干あると思いますが、特に問題の稲作につきましては四十くらいの各種の要素を用いまして、それを総合化いたしまして全国ベースの千二百万トンという生産目標を各地域別に配分をするというようなやり方をしておるわけでございます。
  150. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 次は、農協等による管理水田についてお尋ねいたします。  地域ぐるみで計画的に行う転作等も新たに方法として考えていらっしゃるようでありますけれども、この農協に委託されますいわゆる管理水田の行き方に少々私は問題を感じております。いままで土地問題について農協等にお願いなさったことがありますかどうか。農業委員会というのは土地問題について終始心配をしていたところではないかと思うのです。そういう問題を外されて農協に委託なさっている理由、こういう点を先にお尋ねをいたしたいと思います。  簡潔に答えてください。
  151. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 確かに農業委員会は農地に関しますあっせん事業等も行う機関でございます。しかし、それ以外に法令によりまして、その権限に属せしめられた農地法上の許可権限の行使というような事業、権限行使を行う行政機関、行政委員会でございます。  農協は、これまた農地につきまして農民の自主的組織という面からタッチができるということになっておりまして、御案内のように、農地の信託の引き受けができるとか農地の管理ができるとか事業上も明記をしてあるわけでございます。  今回考えております農協による管理転作は、ぜひともそういった農家の創意工夫の結果、農協がお世話をいたしまして、兼業農家等転作がしにくい状況にある農家の水田を預かりまして、借り手である適当な中核農家たる転作者を探して、この方に転作をしてもらう橋渡しをするという仕事をするわけでございますから、農家の自主的組織でもある、またお米の問題は、農業団体といたしましてもみずからの問題としてこれを考えていくということも必要でございます。そういう意味からいたしまして、農協は、この種のお世話をする仕事を考えるについてきわめて適当な団体であるというふうに考えております。  農業委員会はもとより無関係ではございませんので、この管理転作を進めるに当たりまして、関係機関といたしまして、推進機構をつくりますから、その中に加わっていただいて、十分、市町村当局、農業委員会、土地改良区、そういった関係の方々の協議によって円滑に進められることを私どもは期待をしておるわけでございます。
  152. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 この農協というのは、自主的な判断によってこれから委託される方々あるいは預託される方々、そういうものをお探しになるわけでございますけれども、自主性というものは非常にむずかしい言葉でございまして、やはり行政的な面で責任を持たなければこういう転作はむずかしいのではないか。それでもむずかしい段階を迎えているのに、農協に自主的にお任せになるような行き方は、私は何だか休耕田のいわゆる隠れみのにするためのような感じがしてならないわけであります。国民から総批判を受けました荒れほうだいの休耕田、奨励金をいただいて荒れほうだいにしてしまうようなことはこれから相当考えなければならぬということで、いろいろ農林省当局も頭を痛められた結果こういうふうな再考された案が出てきたのではないかと思います。  それにしても農協の自主性というものに任される場合、行政的な面における責任というものが明確でない限りは、この転作は非常にむずかしいと私は踏まえておりますけれども、その点についてどういうふうにお考えになっているか、なるべく簡潔にお答え願いたい。
  153. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 転作をしますのはあくまでも農家でございますので、農家の組織としての農協が管理転作の形で関与をすることはきわめて適切である。これに対しまして行政機構は適切な指導を加え、また助成をする、こういう立場でいくことが機能分担としては適当ではなかろうか。  さらに、農業委員会は、この管理転作をします場合にも、使用貸借でございますから農業委員会の許可が要るわけでございます。自分がやることについて自分が許可をするということもいかがであるかというようなことも考えまして、農協をこの事業の主体――農協の体制か悪い等種々の事情がある場合に、農業委員会ではございませんで市町村がこの仕事をやるということも結構であるというふうに考えておるわけでございます。
  154. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 時間的な制約がございますから、余り問題をつくり過ぎたかもしれません。お尋ねしたいことがいっぱいございまして、お米の消費拡大、また、うまいお米なりその方法、学校給食等の大問題もございます。意見を述べているだけで時間になってしまいますけれども、農政審議会等の御意見等も十分お聞きになってこのたびの生産調整のことをお決めになったと思いますが、大臣、何としてもやはり国民的合意というものが大事でございます。こういう点について、来年度から実施される予定の大規模な生産調整というものに、いままで挙げただけでも大きな問題があるわけでございます。したがって、その実施というものが、開始の時期なり――農民の方々は、まさか自分の家はそんなに転作しなくていいだろうと気安く考えていらっしゃる。降ってかかって初めてこれは大変だと感ずるのが農民の方々だと思うのです。ですから、そういう点でどこまでもどこまでも農民の立場に立てば、先ほどから申し上げておりますように、国民的合意の形成というものを最後に大臣に一言だけ言っていただいて、別な問題に移りたいと思います。
  155. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 私は、今回の米の需給均衡化対策について、機会あるごとに農林省、政府の考え方というものを報道機関等を通じて訴えておりますし、また知事会あるいは全国町村長会あるいは農業団体、さらに各県の農政担当者、いろいろな関係各方面の御意見を聞き、また、われわれの考えを申し述べて、この趣旨が十分徹底するように努力をいたしております。なお、農林省が今日まで三年間にわたってやってまいりましたところの水田総合利用対策、さらに一歩踏み込んだ対策ということでございますから、これは卒然として出てきたものではございません。転作につきましてもすでに経験もあるわけでございます。要は、先ほど申し上げたように、その条件整備等の点が不十分であったということを私は深く反省もいたしておりますので、今回の施策の展開に当たりましては、環境条件整備には農林省としても全機能を結集いたしまして最善の努力を図るつもりでございます。  また、消費の拡大の面につきましては、これも農業団体等と一体になりまして進めておりますが、この実施に当たりましては閣議の決定、政府全体の方針として今回の需給均衡化対策を進めていく、国民各層の御協力をいただくように今後とも努力をしてまいる考えでございます。
  156. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 海上保安庁、お待たせいたしました。お尋ねをして終わりにいたします。  東京湾の浦賀水道航路は、航路が狭い上に巨大船の出入りが頻繁でございます。小型船舶が入り乱れておりますし、非常に危険な海域でございます。昭和五十年に、西ドイツの大型貨物船が千葉県安房郡鋸南町保田漁業協同組合所属のまき網漁船をひっかけて、一隻が沈没させられるし、網を引きちぎってしまったという御存じの磯辺網丸事件というのが起こりました。これは現在、高等海難審判庁で審理中でございますが、その後も巨大船に漁船が網を切られているような状態でございますし、いろいろ事故が発生をいたしております。この点について二点お尋ねをいたしたいと思います。  海上交通安全法、通称海交法と申しますが、この第三条二項の規定を明確にするために、漁船の避航義務を削除することはどうか。また、巨大船航行の時間帯の設定というものをお決めになったらどうか。漁業操業の安全を確保するためにどうしても第三条第二項の規定というものを明確にしなければいけないのではないかというふうに思いますが、この点について簡潔にお答え願いたいと思います。
  157. 山本了三

    ○山本説明員 浦賀水道の航路の航行につきまして航路において漁船の巨大船に対する避航義務、これを改正する必要があるのではないかという御質問が第一点であろうかと思います。  この問題についてでありますが、先生御承知のとおり、海上交通安全法と申します法律は昭和四十八年七月に施行された法律であります。約五年前であります。東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、こういったところで重大海難が続発した。そういった関係から、こういった海難を防ぐためにはどうしたらいいかということで航路を設けて、その航路における航行の規制を行うというのが趣旨であります。この海交法の一つの主眼は、東京湾等に入ります巨大船は、たとえば浦賀水道におきまして操船がきわめて不自由になるということであります。したがって、操業船舶、操業漁船を避航することが非常に困難であるということから、海上交通安全法の立法の趣旨は、そういう非常に狭い海域におきましての巨大船と操業漁船の調整といいますか、これは操業漁船が巨大船を避航するということで調整をするということででき上がった法律であります。したがいまして、私どもといたしましては、その規定を削除したらどうかという御質問に対しましては、この法律の趣旨がそうではないということを申し上げまして、なおしかし、この法律は、海上交通と漁業操業を調整いたしまして両立させていこうというのが立法の趣旨であります。したがいまして、私どもといたしましてはあらゆる手段を講じて、操業船舶の安全と航行船舶の安全を図ってまいりたい、このように考え、そういう施策を種々講じておるところであります。  次に、第二の点でございますが――失礼いたしました。第一点については以上のとおりお答えをいたします。
  158. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 聞かないことをお答えになろうとなさっていたのではらはらしていたのですけれども、私が第二点にお尋ねいたしたいのは、海上交通安全法は航行権と漁業権の調和がねらいでつくられたものだと思います。ところが、磯辺網丸事件というものは、今回の審判で御承知だと思いますけれども、航路内での漁業を実質的に奪うような結果になりはしないか。今回の審判について、海上保安行政の責任については全く問われておりませんで、海難事故防止の見地から特にこの第三条第二項の規定というものが実際運営上難解なものであります。適切な判断に立った海難事故防止のための指導、警戒業務の徹底を図られることが大事だと思うのです。いわゆる天下の悪法と言われるほどこの海上交通安全法というものは非難があるわけでありまして、政府の保証した航路内の漁業権は空手形であります。先ほど言われました四十七年の衆参両院の附帯決議等につきましても、このことは空手形でありまして、これを怠った政府の責任は重大だと思うのです。今後、被害を受けた場合の漁民に対する補償制度というものを明確に述べていただきたい。  この二点だけお答え願えば、私は質問を終わらしていただきたいと思います。
  159. 山本了三

    ○山本説明員 海上交通安全法ができます場合の附帯決議の第二項に「将来法指定航路におけるふくそうの増大化によりいかにしても船舶の航行安全と漁業操業とが実態的に両立しがたい場合においては、国の責任において漁業者に対する補償の制度を確立すること。」とあります。この点につきまして海上保安庁としての見解を申し上げます。  先ほども申し上げましたとおり、海上は、交通の場であるとともに漁業生産の場であります。したがって、現在、両者の互譲による調整を図るということでまいっております。海上交通安全法が施行されて、先ほど申し上げましたとおり、約五年を経過いたしております。それで、漁業と船舶交通が「両立しがたい場合においては、」というのが附帯決議の趣旨であります。  それでは、両立できないような状態になっておるかどうかということですが、四十八年ごろの浦賀水道航路の通航船舶は約六百十三隻とわれわれは見ておりますが、現在、五十一年度では、これが五百十一隻と若干減少しているというのが実態であります。したがいまして、船舶交通が必ずしもふくそうの状態に至っていないと私どもは考えておりまして、船舶交通の安全と漁業操業の安全、これは両立しがたい状態ではないと現在考えております。しかし、とはいうものの、今後とも漁業操業の安全につきましては、各種の施策を講じて安全を図ってまいりたい、そのように考えております。
  160. 吉浦忠治

    ○吉浦委員 最後にお尋ねをいたしましたこの磯辺網丸を含めまして、補償問題というものが明確になされていないわけです。今後十分な補償をするというふうに、こういう附帯決議にも、問題が起こった場合には政府が責任をとるというようになされているものについて、政府は何らそういうお答えをなさらないわけです。やはり地元の漁民の方々は、毎日不安な思いで漁業に従事しているわけでありますので、こういう一方的に不利になるような裁決にならないようにどこまでも私はお願いをいたしまして、質問を終わらせていただきます。
  161. 金子岩三

    ○金子委員長 瀬野栄次郎君。
  162. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 米需給均衡化対策、すなわち米の新生産調整について、農林大臣並びに大蔵省当局に質問いたします。  今回、農林省が計画を発表した米の新生産調整は、十カ年のうち、昭和五十三年から向こう三カ年間は、年間百七十万トン、四十万ヘクタールの生産調整を行うというものであるが、これは戦後の日本農業の構造の大転換を図るものであり、農林大臣も、今回の生産調整は農地改革にも匹敵するものであるというふうに言っておられるのであります。このように画期的な大転換をするところの計画でございますが、この実施については、生産調整の規模、実施の開始時期、具体的手法について見直しを図ることを含め、生産者、消費者の代表、学識経験者等により、少なくとも一年間程度の慎重な検討を行い、国民的合意を得ることを前提とすべきであるという考え方に立って、私は去る十月二十七日、当委員会で農林大臣に見解を求めたのであります。さらに、その後十一月四日、農林大臣に対し、六項目の申し入れを行ってまいりました。政府は現在、鋭意、生産調整の各県への割り当て配分について検討中であるわけですが、おおむね十一月十八日ごろには発表ということのようであります。いずれにしても、今週中に発表ということになると思いますが、昨十五日、農産物の価格等に関する小委員会においても、私の質問に対し、澤邊官房長は、今週中には配分をする考えであることを明らかにいたしております。  そこで、実はお尋ねでございますけれども、いよいよここ数日のうちに配分を行うということでありますと、農林省としても相当検討しておられると思いますが、実は全国知事会においても、去る十月二十九日、農林大臣に対し意見が出されて、それに基づいて、知事会としても新たに意見書を出すということが約束されていたわけでありますが、去る十一月十一日に九項目から成る要望が出されています。この九項目に対し、配分の発表まであと数日しかない今日、どう検討され、どのように対処される方針であるか。これは全国知事会の要望でございますので、ひとつ全国知事会に答える意味でも、農林大臣からまず最初にこれについて概要御答弁をいただきたい。
  163. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 全国知事会には私も親しく出席をし、各ブロック別代表の知事さんのところで集約をいたしました御意見、御要望を拝聴いたしたわけでございます。  これを要約いたしますと、各都道府県に対するところの配分については、諸般の事情を十分検討の上、適正、公平にやってもらいたいというのが第一点でございます。第二点は、この転作をやってまいります場合における価格政策その他生産対策、構造対策等、条件、環境を整備する、スムーズに転作が行われるような条件を政府の責任においてこれをやってほしいということであります。第三点は、米の需給均衡化を図ってまいりますためには、消費の拡大が大変重要な問題である、これについて政府全体としてこの米の消費拡大に力を入れてほしい。その他、地域の特産農産物等も対象品目に上げろとかいろいろの御要望がございましたが、要約をいたしますと、重要な点はいま申し上げたとおりでございます。  九項目の各項目につきまして農林省が検討いたしました内容につきましては、澤邊官房長から御説明を申し上げます。
  164. 澤邊守

    ○澤邊政府委員 十一月十一日に全国知事会から農林大臣あてに要望書が提出されております。九項目でございますので、順次それに対します農林省の考え方を御説明したいと思います。  第一の「農業者の理解と積極的協力を得るよう必要な措置を講ずること。」これは、これまで対策立案の過程におきましても、全中初め全国会議所その他各種農業団体に何回もできるだけ詳しく説明もし、御意見も伺いながら、それを通じて、農業者の御理解と積極的御協力を得るということについては特段の留意をしてきたつもりでございますが、今後、実行に当たりましても、引き続きこの点については特段の留意をして努力をしてまいりたいというふうに思っております。  それから、二番目に、消費拡大の問題でございますが、「米飯給食の拡充」につきましては、来年度は四万五千トンということで、今年度の約倍増の米飯学校給食を実施する、さしあたりの目標といたしましては、週二日米飯給食をやれるようにということで、十万トンぐらいを目標にして普及奨励をしてまいりたいというふうに思っております。  「清酒へのアルコール添加の抑制」につきましては、今年度から一部政府米の販売を行っておりますけれども、この問題につきましては、大蔵省の御協力も得ながら、業界の協力はもちろんでございますけれども、漸進的にふやしていくような努力を続けたいと思います。具体的にいつまでに幾らというところは現在まだ持っておりません。  その他、「新規用途の開発」につきましては、現在いろいろ論議もされております米紛のパンあるいはめん類への混入の問題、これも業界あるいは消費者の御理解も得ながら漸進的に実施をしてまいりたい。とりあえずは二%程度、十万トン程度を目標に置いて実現できるように努力をしてまいりたい、かようなことで検討をしておるところでございます。  なお、二の終わりのところに「今後の生産調整数量については最小限にとどめるよう努力すること。」ということで、消費拡大との関連で書いてございますが、私どもも、百七十万トンは第一期の調整目標でございますので、これは三年たった段階で新たに見直しまして、そのときの需給事情に応じて新たな目標を設定したいと思いますけれども、われわれの期待としては、百七十万トンが少しでも減らし得るように消費の拡大にも努力をし、転作の定着に努力することによって、漸次そういうふうに持っていきたいというふうに思います。  それから、第三でございますが、「転作目標面積および予約限度数量の配分」でございますが、これは地域分担的な考え方とあわせて、適正かつ公平に実施をすることは当然のことでございます。  なお、前段に書いてございます「配分方法を具体的に明示すること」といいますのは、国は都道府県別に配分するわけでございますので、その都道府県別の配分の根拠につきましては各都道府県に御説明をしたいというふうに予定をいたしております。  それから、第四項目でございますが、奨励金の大幅引き上げにつきましては、すでに御説明しておりますようなかなり思い切った引き上げを実施しております。  なお、それに関連をいたしまして、地域特認作物的なものを設けて、特定奨励作物と同じように一番高い奨励金単価を適用してほしいという御議論でございますが、これは私どもも真剣に検討をいたしましたが、現在の特定作物は、基本額におきましても計画転作の加算額につきましても一番高くしておるわけでございますが、それは国全体としての自給力の向上を図る上できわめて大事な作物である、また収益性につきましても、野菜とかその他たばこだとか、そういうものに比べまして反当所得が低い、したがいまして米作と比べて格差が大きいというようなこと、あるいはまた普通作物でございますから、うまく転作が軌道に乗りますれば相当大きな面積がこなし得るというような、三つの条件ぐらいを念頭に置いて高い単価を定めておるわけでございますので、特認作物ということでそれぞれ知事が選定されるものがどのような作物でも全部高くするということはなかなか困難でございますので、残念ながらこれは御要望に応ずることができないというふうに考えております。ただ、言葉が「特認制度を創設する等地域の実情に即した転作を推進しうる措置を講ずること。」と、「等」で、例示でございますので、いまも申しました特認制度は困難でございますけれども、何らか「地域の実情に即した転作を推進しうる措置」がないかということを現在検討しております。具体的にはまだ固まっておりませんけれども、何らかそういう知事さんがやりいいような方法も考える方法はないだろうかということで検討をいたしております。  それから、五番目の「相対価格関係の是正」は、かねて何回も申し上げておるとおりでございますので、これは来年だけということではなしに、これから時間をかげながら段階的に図って実行していきたいと考えております。  それから、災害補償制度につきましても、何回もお答えしておりますように、現在、試験実施中の六畑作物につきまして、次の通常国会に農業災害補償法の改正をいたしまして、五十四年度から本格実施に移りたいということで準備を進めておるわけでございます。  なお、価格安定対策として、基金等によります補てん基準額あるいは補てん率、野菜とか果樹、果実等でございます。そういうものの充実を図れというような趣旨の御意見も知事会議の際に強く出されておりますが、この点につきましても、来年度予算として、現在、基準額の引き上げ、補てん率の引き上げ等につきまして折衝をしておるところでございます。  それから、管理転作につきまして、できるだけ簡素化して弾力的にやれという点は、ごもっともな御意見でございますので、手続等できる限り簡素化をいたしまして、弾力的に図れるようにしたいと思っております。  七番目の基盤整備の問題につきましては、条件整備の重要な柱といたしまして、圃場整備、排水等を中心といたしまして、基盤整備事業を積極的にやりたいと思っております。  なお、公共事業による土地改良事業までに至らない簡易な排水事業につきましても、別途予算措置をいたしまして積極的に推進をし、畑作物のできるような土地条件を整えていくということについては努力をしていきたいと思っております。  それから、八番目に、優良種子の確保でございますが、これは麦等につきましては原種圃あるいは採種圃等の仕組みの中で優良種子が配付されておりますが、これのあっせん等につきましては国としても努力をいたしますが、どうしても優良種子が採種圃等から出ないという場合には、政府が持っております麦も種子用に転用するというようなことで現在対処をしておるわけでございます。その他、ソバの種あるいは大豆の種子等につきましても、各種団体が持っておる種子を含めまして、できるだけ不便をかけないように、全国的にあっせんをし、需給の調整に努力をしておるところでございます。  それから、九番目の、最後でございますが、「転作目標面積を達成し、なおかつ生じた超過米については、国において全量買上げの措置を講ずること。」これは残念ながらこのとおりの御要請にはなかなか応じかねるということでこれまでやっておりますが、自主流通ルートを通じて集荷、販売されるように奨励措置を講じてきておるわけでございます。そのような方式で対処せざるを得ないと思っておりますが、ただ転作の達成を奨励するという見地に立ちまして、そのような自主流通ルートで円滑に流れる場合に、達成をした農家が豊作のために超過米が出たというものにつきましては、特別に適切な配慮をするようにしてまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。
  165. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 知事会の要望の九項目について一応見解を承ったわけでありますが、さらに次の諸点についていろいろとお伺いをしてまいりたいと思います。  この生産調整は、農地改革以来の重要な問題であるということで、われわれも、大変重要な構造の大転換であるということから、福田総理にぜひこの委員会に出席をしてもらって質問をすると同時に、その後国会決議をすべくいま検討中でございますけれども、この審議が議了するまではこの新生産調整は配分を留保していただきたいというのがわれわれの見解でございます。そのためにも農林大臣から次の諸点についてお伺いしておきたいと思うのですけれども、まず百七十万トン、四十万ヘクタールのこの配分の基準でございますけれども、これはどういうふうに検討しておられるかということでございます。事務的な問題については明日細々と同僚委員から質問することにいたしておりますけれども、内聞するところによると、この配分基準というものは、現在、本年度行った九十万トンというものは、これは現状どおりということで、残りの八十万トンのうち五、六十万トンについては恐らく、いまも話がありましたように、適正かつ公平というようなことから一律配分をするやにも聞いておる。そして、その八十万トンの中の二、三十万トンを、いわゆる調整配分として、いろいろ地域の問題があるから考えるというようなことがわれわれにはどうも感触的に感ぜられるわけでございますけれども、先ほどから申しましたように、もうすでに日にちが詰まっておるわけですから、もう相当検討しておられると思うが、どういうふうなことでなされるのか、いずれすぐ二、三日後にはわかると思うのですけれども、大臣として、こういった配分についてもっと具体的に私はひとつ御見解を承りたい、こう思います。福田総理にもお伺いしたいし、今後いろいろ検討する材料にもなるので、いわば大臣に対して見解を承るのはきょうが最後のチャンスみたいになりますので、ぜひともひとつお伺いしたい。御答弁いただきたい。
  166. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 いろいろ配分についての瀬野先生の御意見を伺って大変参考になったわけでございますが、これにはいろいろの考え方があります。いろいろな要素をやはり総合的に判断をする必要があると考えております。要は、農産物、特に主要食糧に対するところの需給の動向に即した生産構造にこれを再編成をしなければいけない、これがやはり一つの基本でございます。  それから、やはり各作物への転作をお願いするわけでございますから、その地域の特性というものをやはり生かすように考えていかなければならない、これも大きな要素になる。地域の特性に立脚したところの、即したところの生産体制というものが確立されるようにする必要がある、これも大きな柱であろうかと思います。  その他、土地基盤整備が転作等の観点から見てどういうような進捗状況にあるのか、あるいは水田の排水その他の条件がどういうぐあいに進んでおるのか、いろいろ要件があるわけでございます。  そういう点を総合勘案をして、公平かつ適正にこの割り当てを決めていきたい、こう思っています。
  167. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 農林大臣、いずれにしても今週中には各県に配分をする、こういう考えですか。
  168. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 できるだけそうしたいと考えております。
  169. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 澤邊官房長もそう言っておりますから大臣もそのつもりだろうと思うのですが、それでも、大臣いろいろいまおっしゃるけれども、相当構想を練っておらなければ、これだけの重大な問題をいまごろからまた検討するというのじゃなくて、一応の案はあると思うのですが、なかなかおっしゃらないけれども、こういった問題を考えたときに、後にも質問いたしますが、大変な重要な問題を内蔵しておるわけでございます。  それで、いろいろお尋ねしたいが、もう一つつけ加えてお伺いしておきますけれども、市街化調整区域、約四十万ヘクタール近くあるわけですけれども、これについてはいろいろ関係の市からも意見が出ているようですが、一律配分か傾斜配分かというようなことになるわけですけれども、これについてはどういうふうに考えておられるのですか、これもあわせて御意見を承っておきたい。
  170. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 傾斜配分だとか、いろいろな御意見があることも承知しておりますが、いずれにしても、やはり線引きと今回の生産調整、この整合性が保たれていなければならないというようなことは考えなければならない、こう思っています。
  171. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 百七十万トン、四十万ヘクタールの生産調整は、一年間で一挙にこれを行うということは、諸般の情勢から私はできないのではないか、大変困難が伴う、こう思うのです。大臣はよく、困難であるが不可能ではないということをおっしゃるけれども、今度の場合は、これは実に農地改革に匹敵するような重大な問題であると受けとめておられるように、大変な問題である、こういうふうに思うわけです。  たとえば、農林省が五二農蚕第五六四三号、昭和五十二年九月二十七日付で農林省農蚕園芸局長名をもって出しましたところの「昭和五十三年産麦の作付推進について」という通達、中身は省略しますけれども、最後のくだりだけちょっと読みますと、「よって、今後、これらの施策を十分活用し、少なくとも貴県の作付計画か十分達成されるよう市町村、農協、麦作農家等に対する指導の徹底につき、格段の努力をお願いする。」こういうふうに書いてある。中身はもう御存じだから省略しましたが、二十七日に出された。九月の末ごろ文書が着く、それから検討する、また当該局または市町村においては立案をして徹底をするという、本当に一カ月ちょっとしかまだないわけですね。すでに麦作は始まっている。こういったことを考えましたときに、いろいろな問題があるわけですね。当局もそれは十分承知の上で進めておられると思うのですけれども、本当に農林大臣はこの百七十万トンの生産調整ができるという自信がありますか。
  172. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 私は常に申し上げておるのでありますが、この問題は、農林省だとかあるいは農林大臣だとか、そういう行政の面においてやる仕事としましては、転作あるいは消費の拡大、需給均衡化対策の生産、これが達成できるような条件整備等の問題について、行政当局としてはあらゆる努力をしなければならない、これが私どもの責任だ、このように考えておりますが、しかし実際にこれをおやりになるのは生産農民であり、その関係団体の方々の御協力、御指導にまつところか多いわけでございます。私は、今日の日本農業が置かれておる厳しい環境、事態というものを踏まえて、これは農林省のためにやるのでなしに、日本の農業、自分らの農業をこういうぐあいにやるのだという、この気持ちで取り組んでいただく、そのことを常にお願いを申し上げておるわけでございまして、これを一年先に延ばせば、二年先に延ばせば、こういう条件が整備すればというような、そういうような事態ではない。これは相ともに力を合わせまして、条件整備をしながらとにかく前進をしていく、こういうことで取り組んでいかなければならない問題だ、このように考えております。
  173. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 なかなか大臣も悲壮な答弁でございますが、そこで、いろいろ問題がございますけれども、農協の水田管理構想の問題をとっても、農協というのは耕作だとか牧畜だとか、こういったことは、いわば力がないわけですね。そこで、委託するというようなこともいろいろ考えておられるわけですが、今回のこの新生産調整は、政府は緊急避難でなく構造改善である、端的に言ってこう  いうふうにおっしゃっている。ところが、私は、やはり緊急避難的な休耕を含まなければ百七十万トン達成は絶対にできないのじゃないか、こう  いったことをしみじみ、検討の結果、考えるわけです。と申しますのは、いま言いましたように、農協管理ということは、りっぱでありますけれども、休耕がせいぜいである。果たしてどの程度初年度からこれを耕作者に貸し与えることができるか、問題であります。また、水田に水をためておくだけでもこれは管理になるというような話も出ておりまして、草を生やさなければいいのだ、こういうような言い方もありますが、従来、休耕によって大変問題を起こしたことは周知のとおりでありまして、私はこういった緊急避難的な休耕がなければ、とてもこれは農協が管理できないということになって、またぞろ従来から問題になったような休耕田がたくさんできるようになるのじゃないか、かように思うわけです。まして、転作奨励金も少ないし、私はこういったところに大変疑問を持つわけでございまして、その辺についても、もうあとわずかで発表ですから、検討しておられると思いますけれども、こういった指摘が当たらぬと結構でありますけれども、これが将来、現実となったときに問題が起きるということで、私たちはそういったことを大変憂慮するわけです。そういった意味で慎重に検討せよと、こういった言葉を言っておるわけですが、その点についても大臣はどうお考えですか。いまから検討じゃもう慎重じゃないわけですから、いろいろ検討されたと思うが、お答えをいただきたい。
  174. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 この管理転作の問題でございますが、管理転作の進め方につきましては、いろいろの考え方、やり方があろうかと思います。  しかし、私は一番大きい問題は、御承知のように、兼業農家、特に第二種の兼業農家の保有しております水田面積が四〇%余に上っておると思います。私は、今度の転作をやり、日本農業の体質を変え、構造を改善をしていくという観点に立ちますと、この二種兼業農家からできるだけ専業農家に耕地が集積をされまして、そして専業農家がその集積をした、新たに借り受けたところの農地を、これを麦であるとか大豆であるとか飼料作物であるとかいう特定作物、戦略作物の転作に充てていただくというようなこと、こういうことをわれわれはやはり真剣に考える必要があるのではないだろうか。  いま、全国的にこの実納地代というものを見ておりますが、大体二俵半とかあるいは三俵とかいうようなことが一般のようでございます。これは地域によって違いますけれども、そういう状況である。ところが、今回のこの管理転作奨励金というものは、十アール当たり四万円、さらに計画加算というものを加えますと五万円というようなことに相なります。私は、こういうものが、いまの一方においては月給取りをやっておる片手間に水田をやっておる、飯米をつくっておるというような農家等におきましては、そういういまの管理転作奨励金というようなものが二種兼業農家の方に入って、そして専業農家にその耕地が集積をされる。そうすると、専業農家はまあいわば土地代はただだ。そういうものをもって転作を大いにやる、こういうようなこと等が私は大変大事なことだ、こう思っておりますが、それには一遍に縁組みがなかなか進まない。そういう場合に、いまの管理転作等で農協あるいは農地委員会、農業会議所等が、また町村等がごあっせんをいただいてそういうことがスムーズに行われる、こういうこと等も考えまして、管理転作、ただ水を張って休耕するというようなことではなしに、そういう前向きの方向でひとつ取り組んでいただきたい、こう思っておるわけでございます。
  175. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 時間が詰まってきましたので、ひとつあと簡潔にはしょって聞くことになりますが、農林大臣、次にお尋ねしたいのは、消費者麦価は、御存じのように、十二月の末までにこれは毎年決めることになりますけれども、これについて大臣はせんだって記者会見でいろいろおっしゃっているようですが、当委員会で消費者麦価についての考え方を簡潔でいいですからお答えください。
  176. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 午前中に食糧庁長官から申し上げましたように、年初以来外麦の買い付けを食糧庁はやっておるわけでありますが、その間に外麦の値段もいろいろ変わっております。と同時に、一方において円のレートも変わっておるというようなことで、確かに五百五十億くらいの食管に黒が出ております。しかし、だからと言って消費者の麦価を、つまり政府の売り渡し価格を決める際に、その分を値下げをするというようなぐあいにはこの食管の制度というものは、食管法というものはできていないことは御承知のとおりでございます。輸入外麦のコストあるいは国内産麦のコスト、あるいは消費者米価との関連、こういうものを総合的に勘案をしまして適正に決めるということでございますから、輸入麦価がどうだとか円レートがどうだということが直ちに政府売り渡し価格にそのまま連動するものではない。かつて昭和四十九年に、御承知のように、麦価が大変な高騰をした。その際に政府は千四百億これに予算を投入をしまして、そして外麦は高騰しましたけれども、消費者には余り影響のないように処理した。昭和五十年にも八百億投入をしてやっているわけでございます。そういうようなことでございますので、また一方において、こういう米の需給均衡化を図る。そのために米の消費拡大を図らなければいかぬ、こういうこともやはり考慮の中に入れなければならない、こういうぐあいに考えております。  私は、ことしの消費者米価を決めました直後に大体消費者麦価も決めるわけでございますけれども、いろんな国外の麦の値段の推移、円レートの動き、そういうものを十分見きわめましてそうして決めたいということで、今日まで決定をいたしておりません。しかし、年内にはこれを決定しなければならないということで、来月にでもこの麦価は決めたい、こういうぐあいに考えておる次第でございます。
  177. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 大蔵省古橋主計官見えておると思いますが、いままでいろいろ論議をしてまいりました今回の画期的な、いわば過去の農地改革に匹敵する日本農業の構造大転換であるところのこの生産調整に対して、大蔵省は、いろいろいま質疑の段階でお聞きいただいたと思いますけれども、どういうふうにこれに対して認識をしておられるか、お答えをいただきたい。
  178. 古橋源六郎

    ○古橋説明員 お答えいたします。  いま御指摘のように、戦後農地改革以来の非常に大きな問題であるということにつきましては、私もまさに農地改革あるいは農業基本法の制定あるいは総合農政の推進、こういうような一つの時点の屈折点がございましたけれども、それと同じように大変重要なときに来ておると考えております。  特に、お米が本年十月末に三百五十万トンを超えるというような事態、さらに来年には四百五十万トンを超えるというような事態のときに、片方において米以外のもので国民が欲しいというものが不足をしておる、こういうようなときに、食糧の安全保障ということも考えながら、長期的にそういうことも考えながら、この事態にどうやって対応をしていくかということはわれわれも大変重要なことであるというふうに認識いたしておるわけでございまして、今後これらの点につきましては、将来あのときにこうやっておけばよかったということのないように十分よく検討する必要がある、そういうふうなことで、農林省ともよく協議をして遺憾なきを期したい、こういうふうに考えております。
  179. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 時間が短いものですからわずかしかございませんので、途中で少し質問をはしょったのですけれども、大蔵省に一応の認識を伺いましたが、さらに大蔵省にお尋ねしますけれども、麦を中心とした輸入食糧勘定は、五十二年度予算では一ドル二百八十円で見ておりますから、一月から三月の麦はこれから買い入れるわけですね。そうすると、現に六百三十億の黒字と言われておりますが、差益が円高によって相当出るわけです。来年三月まで買い入れる麦等を含めて、この差益金はどのくらい見ておられるか、大蔵省お答えください。
  180. 古橋源六郎

    ○古橋説明員 お答えいたします。  先ほど農林大臣からお答えございましたように、現在のところ考えておりますのは五百五十億の差益が出るということでございますけれども、いま来年三月までの食管の麦勘定の見通しということの御質問ではございますけれども、現在、米国におきましては小麦について二〇%の生産調整をやろう、セットアサイドという計画を立てております。さらにまた、新聞等によりますれば、千五百万トンの小麦というものをソ連がアメリカから買おうというような事態もございます。いろいろと流動的な事態でございますので、現在、年度末においてどういうふうになるかということにつきましてはちょっとお答えしかねるという事態でございます。
  181. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 主計官がお答えできないというのは、こういったことを積算していないと予算編成その他でもずいぶんとこれは影響する問題ですから、まあ差し控えられたようですけれども、われわれは、これは大臣からいまも答弁がありましたように、消費者麦価の値上げ等が仮にされるとすれば一千億近いものが出るのではないか、こういうふうに踏んでおります。そうしますと、農林省は転作奨励金へこの金を回そうという意図であるわけですから、現在約一千億、今度の計画では約二千億余りとなりますので、その増加の分の一千億を超えた消費者麦価、差益金等を充てるということではないかと思うのですが、私は先ほどから申しますように、国民の主食であり、こういった日本農業の構造の大転換、農地改革に匹敵するような大転換をする際に、こういった生産調整を行わんとする政府としては、食管会計、農林省の予算の枠内だけでこれを操作する、こういうこそくな手段はやめてもらいたい。生産調整をするならば、土地改良だとか、農業のためにこれを使うところはたくさんあるわけでございますから、農林予算、食管会計、この総枠をふやす、いわゆる純増によって当然これは見るべきだ。大蔵省も先ほど大転換であるという認識に立っておられるわけですから、農林省もしっかりそういった意味で予算折衝してもらいたいと思うと同時に、こういった大転換でございますので、大蔵省としても、こういった問題は単に農林省、食管会計だけの予算ではない、国民全体の問題であるという意味から、純増によってぜひとも枠を検討してもらいたい。また、農林省もそのようにがんばってもらいたいと思う。  これに対する大蔵省の決意というか、考え方をお聞きしたいのであります。
  182. 古橋源六郎

    ○古橋説明員 お答えいたします。  来年度予算の編成につきましては、現在このような経済情勢の中でどうするか、さらにまた片方において財政の効率化も進めなければいけない、こういうような二つの観点から、現在、鋭意検討中でございます。  そのような観点の中において、来年の農政費をどうするか、さらにまた、いま御指摘の生産調整という問題をどうするか、その規模あるいは内容等について現在検討中でございますので、現段階におきましてその具体的な内容等についてお答えするということについては御容赦をいただきたいと思います。  しかし、われわれは、先ほど一番最初に御答弁いたしましたように、これについて非常に重大な関心を持って、この機会をさらに将来の日本農政にとって福とするように、その契機となるような考え方で真剣に取り組んでいくということでございます。
  183. 瀬野栄次郎

    ○瀬野委員 農林大臣、いま古橋主計官からいろいろ答弁ございました。私、時間がないものだからはしょって申しましたけれども、どうかひとつ農林省としても、また大臣も、予算折衝に当たってはこういった問題を踏まえて、農民の期待にこたえて、農民の父として農林大臣も、こういった予算は純増によって賄うということで、ひとつ今回の予算折衝でも強力な交渉をしていただきたいし、大転換を図るためにもいろいろな施策をやっていただきたい、大蔵省との折衝に当たってもらいたい、かように思うわけであります。  最後に大臣の決意を聞いて質問を終わりたいと思います。
  184. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 瀬野先生のお考えのような気持ちで私も取り組んでまいる所存でございます。
  185. 金子岩三

    ○金子委員長 稲富稜人君。
  186. 稲富稜人

    ○稲富委員 私、米の需給の均衡化の問題について、この問題につきましては先般も農林大臣に基本的な問題につきましてはお尋ねいたしておりますので、ただ集約する意味において結論的なお尋ねをしたいと思うのでございます。  まず、私は、あなたにこういうことをまたお尋ねすることを非常に気の毒に思うのですよ。あなたは今度の内閣に入られて、あるいはむずかしい漁業問題に取り組み、また今回のこの米の生産調整、あなたのやったことじゃないもののしりぬぐいだけをさせられるというような、実に気の毒な状態に置かれている。そういうあなたにいやな質問をすることは何だか気の毒なような気がして、気も進みませんけれども、ただ成り行き上、自民党内閣としての長い間の農政の失政のしりぬぐいがあなたにやってきた、この苦悩もあるだろうと思うときに、私は非常に気の毒だと思いながら一応お尋ねをいたしたいと思うのでございます。  私は最初に申し上げたいと思いますことは、今回の米の需給均衡化対策をやるというような、こういう問題に当たりましては、まず生産者に、こういうことを政府がやらなければならない、本当にやむを得なかったのだ、こういう認識を持たして、理解と協力の上に立たなければこれが実施は不可能である、かように私は考えます。  私はこういう点から考えますときに、いままで政府は、そういう農民の理解するような手をどう打たれたかということをまずこの際お尋ねしたいと思う。すなわち、政府は、非常に過剰米ができたときに、口を開けば消費拡大をやるということを常に言われておった。しかし、その消費拡大というものが、どんな具体的な消費拡大の対策をやられたかというと、これはわれわれももちろんのこと、生産者も納得のし切れないような状態に置かれておるということは事実なんです。あるいは学校給食だ、こういうことを常に言われる。しかし、学校給食がまず消費拡大の一つの方法であると言いながらも、これも半端であって、本当の学校給食というものが全体に行われていないというもどかしさがあるということも大臣は御承知であると思うのでございます。あるいは、消費拡大をやると言いながら、御承知のごとく食管会計の赤字を気にされて消費者米価を上げられた。消費者米価を上げるということは、これは消費拡大にはつながらないということは素人でもわかることだと思うのでございます。こういう点も、消費拡大だと言われるそういう立場から、私は果たして本当にどこまで消費拡大というものに取り組んでおられるかということさえも考えられる。  また、本当に消費拡大を考えるとするならば、できるだけうまい米をつくるということを考えなくちゃいけない。それならば、うまい米をつくるためには品種の改良というものを当然やらなくちゃいけない。ところが、この品種の改良に対してどれほど政府が今日まで真剣に取り組んできたかということを考えますと、私たちは遺憾ながらこれに対しましても十分ではなかった、こういうことを言わざるを得ない、かように思うのでございます。  さらにまた、備蓄の問題が必要とされます。この米の備蓄対策としてどういう点をいままでやってこられたか。この点もやはり生産者として納得いかない点でございますので、この点に対してもこの機会に承りたいと思います。  さらに、未開発地帯に対する米の輸出問題がある。こういう問題に対して、政府は未開発地帯に対する米の輸出ということを考えたらどうか、果たしてどういう取り組み方をしてきたかということも、われわれはいままで政府のやられたことに対して非常に納得のいかない点があるのであります。  さらにまた、一番大きな問題は、すなわち農産物の輸入の問題、この外国から来る輸入の問題に対しまして、外麦の輸入その他の食糧輸入に対してどれほどの積極的な抑制策というものを政府はとられたか。こういう問題に対して、十分政府は、これほど手を打ったんだ、これほど尽くしたんだ、しかしながら米が余ったのだから今度はこういう手をやるんだ、こういうことになれば、私は生産者も納得し、すべての者がやむを得なかったとなると思うのです。果たしてこういう問題に対して十分な手が打たれたのであるかどうかということを、まず私たちはここで反省の上に立ちながら率直に考えなくちゃいけないと思うのでございます。これは大臣として何ならばほかの方からでもいいから、いま申しました問題に対してどういう処置をとってこられたか、これを国民の、しかも生産者の理解のできるようにひとつ御説明を願いたいと思うのであります。
  187. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 稲富先輩から御叱正をいただいておるわけでありますが、御指摘のように、米の需給均衡化対策、これを進めてまいりますためには、生産調整と、一方においては農民の皆さんが納得いくような消費の拡大というものについてどれだけの努力をやっているか、こういう問題があるわけでございます。これはもう御指摘のとおりでございます。そこで、いままで国民の価値観といいますか、あるいは食生活の多様化といいますか、いろいろなことからいいまして米からパン食へというような指向もあったわけでございます。そういう中での米の消費拡大の問題でございますから、よほどの努力をやらなければこれはなかなか前進をしないということでございます。  私は昨年就任をして五十二年度予算の編成に当たったわけでございますが、この学校給食の問題も端的に言いますと、昨年からむしろ本腰を入れて学校給食に取り組んだ、こういうことに率直に認めざるを得ない。私は今年度におきましてはさらにこれを前進をさせるということで、総理にも文部大臣にもしばしば機会あるごとにこの問題を申し上げております。私の学校給食に対する考え方としては、むしろ学校で炊飯をし、これを支給するのではなしに、弁当箱や保温器は政府なり農業団体と一緒になってこれを交付するから、お母さんに御飯を炊いてもらって御飯の弁当だけを持参をする。学校で副食物は給食をする。こうすれば朝から家族ぐるみで御飯を食べるということになるでしょうし、そういう方向でひとつ学校給食も思い切って進めたい。これが一挙にいきますかどうかは、これはむずかしい問題もございますけれども、私どもはそういう方向を目指して、学校給食にも努力をしたい。  また、食糧庁長官もいろいろ苦心をしておりますが、いま御指摘の日本酒に対するアルコールの添加率というものをうんと減らしていく、こういう問題もございます。  それから、パンに対する米の混入もやっていただく、あるいは新規の米の食品の開発もやる。こういう面につきましても、食糧庁としては大蔵省等と相談をしながらいろいろそれを助長するようなことに努力をしておるところでございます。  なお、次の問題、御指摘になりましたように、消費の拡大をするには食味のいい、おいしい米をつくるということがこれまた大事でございます。そういうような点に対する品種改良をさっぱりやってないではないかというおしかりでございますが、私どもはこの良質米をつくる、これがある程度生産率が下がると同時に消費の拡大にもつながるということで、良質米奨励金というものをことしは大幅に上げるような措置もとったわけでございます。  外国に対するところの食糧援助その他の面につきましても、私はケース・バイ・ケースでございますけれども、前向きでこれに対処してまいりたい、このように考えております。
  188. 稲富稜人

    ○稲富委員 私の質問に対して十分な、全部にわたっての御答弁はなかったのでございますが、要するに農林大臣としては非常に努力をした……(鈴木国務大臣「姿勢を申し上げた」と呼ぶ)そういう姿勢できたとおっしゃいますけれども、国か具体的に――私、最も遺憾に思いますことは、生産者がその政府の姿勢を受けとめていないということなんです。いかにも言うことは言う。あるいは消費拡大ということは口にされる。あるいはこの備蓄の問題もやられる。しかるに、一方には外国から麦その他の食糧品がだんだん輸入増大になってくる。これに対して一つも抑制してないじゃないか。米が余ったということはいま始まったことではないんで、数年前から米が余ったからといって生産調整をやって、その生産調整をやりながらも、いま言うような問題に対してはただ手をこまねいて口で言うばかりで、実際上は政府は一つもやっていないではないか。その不満が国民の、しかも生産者の中に横溢しているということは、私はこれは一応認めなければいけないだろうと思うのでございます。これは大臣はどう御認識なさっているか、承りたい。
  189. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 確かにいままで政府のやってまいりました米の消費拡大、これは不十分かつ不徹底であったということは御指摘のとおりでございまして、反省をしておるわけであります。したがいまして、先般来私申し上げておりますように、これは農林省だけでなしに政府全体の問題としてこれを推進をするということで、今回はこの米の需給均衡化対策でございますから、転作計画と同時に米の消費拡大計画というものもあわせて閣議で決定をいたしまして、政府全体の方針としてこれに取り組んでいく、やるつもりでございます。  それから、先ほど私、答弁で落としましたが、これだけ米が余っておるのに外麦が四百万トン、五百万トン、こういうことはおかしいではないかという御指摘、農民の諸君もこの点を強く指摘をされておるわけであります。しかし、私としては先ほど申し上げましたような食生活も多様化しているということで、これはパンをやめて米を食べろというような強制はなかなかむずかしい面がございます。もし、いまの段階で百万トン、百五十万トンの外麦の輸入を抑制をした、削減をした場合には、パン屋の前には行列をつくる、パンは高騰する、これはどうしても切符制にでもしなければいけない、こういうことに相なるわけでございます。私の気持ちとしては、おいしいお米があるのだからパンをやめて米を食べてもらいたい、これはやまやまでございますけれども、それをやるにはいまのような問題がございます。そこで、今回の稲作転換で麦等がそれだけ生産が伸びた場合、その生産増の分だけは外麦の輸入をそれだけ減らしていく、こういうことだけは絶対にやってまいる考えでございます。
  190. 稲富稜人

    ○稲富委員 私が申し上げたいと思いますことは、米が非常に過剰傾向をたどったということはことし始まったことではなくして、数年前すでにもう生産調整をやっておった。その時分から政府はこういうものに対して、いま私の申し上げましたような問題は口にはするけれども、積極的にこれに対する対策を一つもやってないじゃないか、これが生産農民の中に非常に不満があるのです。これを本当に政府がいままで、いま大臣のおっしゃったような誠意を持って尽くしてきておった、それでもやはり米はこういう状態になったのだということになれば、あるいは生産農民といたしましてもやむを得ないのだ、こういうようなことになっていると私は思う。その点に一つの不満がある。そして、いまにわかにこれだけの米の生産調整をやらなければいけない、ここに農民の理解のできない点があるわけなんです。  御承知のとおり、今回の問題は閣議で決定されて、そして先刻から大臣は知事会あるいはその他にも十分理解をさせたのだ、こうおっしゃっております。これは理解をしているのじゃないのです。困ったことだ、こう言っているのです。知事でもあるいは農業団体でも。政府から押しつけられて困ったのだ、こう言っている。今度、生産者である農民は何と言っておるかというと、そういうことを政府から農業団体なり知事なりあるいは市町村団体が押しつけられて黙っておるのかと、今度は生産者から突き上げられているというような状態なんです。これが実情なんです。こういう中で本当に今回の均衡化の問題がいけるかどうかということなんです。これほどの大きな事業、先刻からも話がありましたように、恐らくわが国の農地解放後における日本の農業の一大転換であるというこの重大な問題に当たりましては、本当にこれは生産農民あるいは生産農民の団体あるいは地方自治体、市町村及び県、こういうすべての人たちのやむを得ないのだというコンセンサスを得てこそ初めてこれは実行に移すことができると私は思う。この点が私は非常に不十分じゃないかと思うのです。先刻、大臣は、その方面の理解は受けているのだとおっしゃいますけれども、それはあなたはそういう解釈をしていらっしゃるかわかりませんが、私たちが知っておる範囲においては一つも理解いたしておりません。困ったものだ、こう言っております。そういう状態において、果たして思うような需給均衡化の対策がとれるかどうかということ、この点を私は疑うがゆえに、本当にこれに関係するすべての者のコンセンサスを得る必要が非常にあるのではないか。しかも、今度の問題は、御承知のとおり法律じゃございません。行政的な処置でやるのでございますから、もしもこれに応じなかった人がある場合には、政府はどういう措置をとられるつもりであるか、この点も承り、大いに参考にしなければいけない、かように考えております。
  191. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 全国知事会も全国町村長会も、あるいはまた農業団体も、各県の都道府県の農政担当者も理解を示しておる、私がこう申し上げたのは、現在の需給の均衡が大きく崩れておって、そうして、このような状態が続くのであれば食管制度の堅持もできないし、また一方においては、いつまでも外国から麦その他の農産物についても輸入をしていかなければならない。需給の均衡を図り、必要な作物の総合的な自給力を高める、これはもう日本農業として避けて通れない問題である、これは解決をしなければいけない。そういうぎりぎりの段階に来ておる、これはどうしてもやらなければならないやむを得ないものであるという理解、喜んでさあやろう、これは結構なことだというぐあいには私は簡単には受けとめておりません。しかし、関係方面では、これは絶対に避けて通れない問題である、こういう事態にまで来ておる、この際やむを得ないけれどもやらざるを得ない、こういう認識、こういう点では一致しておる、理解がいっておる、こういうことであります。あとはこれをいかにスムーズに、円滑に、所期の目的が達成できるような条件整備等を政府がやるか、この点についてはわれわれとしてもできるだけのことをやろう、全力を挙げよう、農林省の全機能を挙げてひとつ取り組んでいくのだ、こういうことを申し上げておる次第でございます。
  192. 稲富稜人

    ○稲富委員 大臣、私は非常にくどいようで申しわけございませんけれども、それは知事とか農業団体の幹部等はやはり大局的な目で見ておりますので、現在のわが国の米の生産過剰の状態も知っております。これを何とか処理しなくちゃならないという問題にぶつかっておることもわかっておる。それで、そういう立場の人は、政府から説明を受ければ、それはやむを得ないでしょう、そういうことにもひとつ努力、協力をしなければいけないでしょうと当然考えると思うのです。われわれも、現在の過剰傾向を見たときには、一面から見るとやはりやむを得ないのではないかという感じもする。ただ問題は、末端の本当の生産者にはそれが徹底していないということなんです。生産者は、今日米が余るような状態になったということは政府の――われわれは今日まで政府の指導によって農業を経営してきた、その指導が誤った結果がこういうような生産過剰になったんだ、米が余ったといいことは生産者のせいじゃないんだ、これをわれわれ生産者に転嫁するというのはどうも納得がいかないというのが生産農民の偽らざる声なんです。恐らくこれは農林大臣の耳には直接入らぬかもわかりませんけれども、そういうような状態がある。今日、その事情のわかる知事とか、あるいは町村長とか、農協の代表というものはそういう点から理解を得るかわからぬけれども、その末端の本当の米の生産者も理解し得るような情勢をつくることが必要である。そうしなければ完全なる実行というものはあり得ない。  私が申し上げましたように、生産調整をこうしろと言われた場合には、もしも生産者が、自分は知らないんだ、私はつくるんだと言ってつくった場合に、生産した者に対して政府はどう処置をとるのか、どういう制裁を加えるのか、こういう点も考えておかなくてはいけないと思うのです。こういう点もあわせて末端の生産者にコンセンサスを得る努力をどうなされたか、この点が一番必要ではないかということを特に申し上げて、政府のこれに対する考え方を承りたい、かように思うわけであります。
  193. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 御指摘もありますように、末端の稲作農民の諸君は現状維持が一番いいと考えておられることは、私もそのとおりだと思います。しかし、それではこのまま突っ走ってこういう状態でいって一体日本の農業はどうなるのか。食管制度は守れと言うのだけれども、とうていこれはやっていけない。五百万トンの過剰米を処分するとすれば、今日では一兆五千億の国費が要る。こういう赤字公債を出しているような国の財政ではとてもそういうことはできない。これは結局食管制度というものをやめろということにならざるを得ない。そこまで自分の問題として真剣に考えていただかなければならない問題だし、これを避けて通れない、そういうことでございますから、各責任ある都道府県知事さんなり、市町村長さんなり、農業団体なり、農業会議所なり、関係の指導者の皆さんあるいは農民組合の皆さんにつきましても、どうかひとつ農民の皆さんにそういう事情をよく御理解を願って御協力をいただくようにしたいということで、この数カ月来各方面の御意見も伺いながら、そのとるべき点はくみ入れてこの対策を進めてきた、こういうことでございます。  私は、いまのところ、罰則がどうだとか何だとかというようなことは、口にすることさえも遠慮しなければならないことでございますが、ぜひ農民諸君の御理解を得ながら、苦しいけれどもひとつこれを乗り越えて、日本農業の新しい体制を築いていくということで御協力をいただきたい、こう思ってます。
  194. 稲富稜人

    ○稲富委員 私は、大臣の気持ちはよくわかるのですよ。私がその立場だったらそう言うでしょう。ところが、実際にはそういうような状態にいってないということだけは大臣もくんでおいていただきたいと私は思うのですよ。私は、本来から言うならば、もっと準備期間があってほしかったと思うのです。     〔委員長退席、山崎(平)委員長代理着席〕 米の需給状況がこういうような状態になってくることはもう数年前からわかっておるのですから、本当言うならばもっと手を尽くして、そして政府はこういう点をいままでやってきたのだということを国民にも納得させ、生産者にも納得させて、でも、こういう結果が生まれたのだ、それだから、やむを得ないのだ、その理解を得せしめることが第一段階ではなかったかと私は思う。遺憾ながらこの点が欠けておるということは、私はあえて政府の手落ちとは申し上げません、非常に遺憾の点であった。われわれも今度の問題が余りにも唐突の問題で驚いた。閣議で決定された、そうして知事会に発表された。はなはだ失礼だけれども、農林委員会でさえも御説明がなかった。私、そのとき農林委員会に遅く来ました。皆さん質問されておるから、大臣から説明があったから質問があっておるのかと聞いたところが、説明がないのに質問しておった、こう言う。それで、改めて翌日になって大臣から説明を受けたというような、実に変則な状態になってしまった。余りにも安易に考えておられたのではないか。  そういう点から考えて、これはもっと長い期間における全体の関係者のコンセンサスを得るための準備期間というものが必要ではなかったか、この点は私は返す返すも残念である、こう思います。そうしたら、もっとこの問題に対して国民が理解の上に立って協力体制ができるじゃないか。これはどこまでも理解と協力によらなければできない問題でございます。その点を考えれば考えるほど、この唐突なる今度の仕打ちというものが余りにもみんなにそれが徹底する前にやられたということに私は非常に遺憾の点を考えます。それは恐らくあなたはそういうことはできないとおっしゃるでしょうけれども、願うことがあるならば、時期をずらしてでももう一つ再検討して、そうして本当にこういう事情なんだということをやはりすべての生産者に理解をさせるような、こういう努力というものが必要ではないか。そして、みんなが喜んでこれに応ずるような体制をつくる、これが私はこの目的を達成する最も必要なことではないか。こういう点を考えまして、喜んで農民が協力し得るような体制をつくるということが必要であり、これが日本の健全なる農村をつくるゆえんであり、農民が農業に希望を持てるような、こういう農政を確立するゆえんであるという立場から、はなはだ不愉快なことを言うなとおっしゃるかもわかりませんけれども、あえて苦い言葉を言って、何とかこれはひとつ再検討する必要があるんじゃないか、あるいはもっと手を尽くすべき点があるんじゃないか、足らなかった点があるんじゃないか、こういう点をひとつ考えられる必要はないかということを私は申し上げるわけなんです。その点をひとつ承りたい。
  195. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 農政の大先輩、長老からおしかりをこうむっておりまして、おっしゃることが一々私、身にこたえるわけでございますが、しかし唐突というお話がありましたけれども、今日まで、前回の生産調整、あれは緊急避難的なものでございましたが、その後におきましても水田総合利用対策、ことしも九十万トンの生産調整をお願いした。この厳しさに応じて逐次この需給均衡化対策というものをだんだん強めてきたというのが経過でございます。しかし、ことし九十万トンやりましたけれども、稲作に対する農民の志向、これは根強いものがあるし、消費も依然として低迷をしておる、こういうようなことでもう放置できない、この辺で思い切ってとにかくやらなければ大変な事態になる、こういうことでございますから、私としてはこういう立場に立ちました以上は、この際日本農業の将来のために、おしかり、御批判等もあろうかと思いますけれども、この問題はひとつ皆さんの御協力に訴えてでもこれを実行してまいらなければならない、こういう決意でございます。
  196. 稲富稜人

    ○稲富委員 私、大臣の気持ちもわかります。それで、もうこの問題に対しては重ねて申し上げません。ただ私は、願わくは、この間も申し上げたのでございますが、今回のこのことによって農民が農業に希望をなくしないような、こういうような健全な農村をつくるんだ、それがためにやるんだ、かえってこれによって農民がよかったというような結果を生み出すようなことになることを私はこいねがいながら、私の気持ちを率直に大臣に訴えて、そして今後対処してもらいたいということを私は申し上げて、この問題に対する質問は終わります。  ただ、最後に一言申し上げますが、こういうような米の生産調整が行われようというときに、長崎の南部地区における南部地域総合開発計画事業というものが、諌早の干拓が行われております。これは水産業者が非常に反対しておる中に、農地をたくさんつくろうという、こういうような計画が行われております。この米が非常に過剰になるというときに、今日、漁業の大切な中に、漁場を奪われるといって漁民が反対しておる中に、あえて農地の造成をやる必要がどこにあるか。  すべからくこういう問題は御中止になったらどうか、こういう点を最後に大臣にひとつ十分お聞きしたいと思うのでございます。
  197. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 その問題につきましては、いろいろの経過と事情もあるようでございます。ああいう農地を造成するというほかに、上水道、あるいは既耕地に対する農業灌漑の問題、いろいろ水不足という問題もあるようでございますが、しかし私は長崎県の知事さんにもあるいは関係漁民の諸君にも申し上げておりますが、地元で農漁民の関係者の皆さんの中で本当に話し合いがつかない限りはこれは実施に移すわけにはいかない、これを強行する考えは毛頭持っていない、地元のコンセンサスができた場合にやるけれども、そうでない限りにおいてはこれを押し切ってやるという考えは毛頭持っていないということを申し上げておるわけでございます。  なおまた、仮に地元のコンセンサスができまして干拓がされましても、それは水田でなしに、畑作なりあるいは酪農なり、そういう面でやっていただくほかはない、こう考えております。
  198. 稲富稜人

    ○稲富委員 最後に、ただいまの問題につきましては、今後十分慎重にひとつ取り扱って、御承知のとおり、二百海里問題等で漁業も重大な時期でございますし、これが農地造成ばかりじゃなしに他に目的があることも私は十分承知しております。しかし、あえてこのときに、農地を造成するというのが主体であるということを言われておりますので、その漁民の反対を押し切ってまでやる必要はないじゃないか、こういう点を重ねて希望を申し上げまして、私の質問を終わることにいたします。
  199. 山崎平八郎

    ○山崎(平)委員長代理 瀬崎博義君。
  200. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 これからの、農林省が進めようとしている新しい生産調整対策についてお伺いをするわけでありますが、農林省が出しております十月六日付の米需給均衡化の骨子案にいたしましても、また十月二十八日付の農産物の総合的な自給力の強化と米需給均衡化対策案や、同時に出ております水田利用再編対策の実施案等を見ましても、農民の納得を得る手だてについては何も触れられていないのであります。  そういうところから、これは結局、農林省の方針を農民の納得があろうとなかろうと推し進めていくのではないかという危惧を持つわけでありますが、いかがですか。
  201. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、米の需給均衡を回復するという問題は、農政上大変重要な避けて通れない段階に来ておりますし、また米以外の主要戦略作物とも言うべき農産物、これも外国にほとんど輸入を依存しているという状況でございますから、こういう面につきましては、転作等によって日本の農業構造を総合的自給力を向上せしむる方向に持っていくということ、これはやはり避けて通れない問題であるわけでございます。  そういうような観点から、私どもは、先般来、数次にわたりまして農業団体あるいは全国知事会、全国町村長会あるいは農業会議所、各県の農政担当者、そういう方々の御意見も聞き、農林省の考えも御説明を申し上げて、そして各方面の御意見、御要望等でこれを取り入れるものは取り入れて、そして、この案をいま最終的に固めつつあるわけでございまして、決して農民の方々、農業団体等の意見を無視して、独善的にこれが最善だといってやっているものではございません。十分各方面の御意見を吸収し、これをそしゃくをして、そして、この対策案というものを固めつつある、こういうことでございます。
  202. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 今後とも農民の方からいろいろと注文がついたり、意見が出たり、反発があったりした場合には、それには十分こたえていく、あくまで押しつける意思はない、こういうことですね。
  203. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 いろいろ、各県に対する割り当ても早くやってほしい、県内でそれを末端の各生産農家に理解を願い、また各部落、各集落でそれをどういうぐあいに進めるかという段取り、準備等の関係もあるから早くやってほしいという御意見もございます。したがいまして、これは今日までいろいろ各方面の御意見も伺っておりますから、今後におきましては、その実施段階において改善を加えるところは改善を加えながら進めてまいりたい、こう思っております。
  204. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私は、滋賀県から出ておりますので、その滋賀県の実情をここで訴えておきたいと思うのですね。実際に転作方針がどのように下におりていっているかという今日までの経過であります。  これは公式でもないようでありますね。非公式ではありますけれども、農林省の今回の生産調整の方針なるものを県が聞いたというのが九月九日であります。近畿農政局が関係各府県の農林部長を集めまして、ここで米需給均衡化対策の骨子案なるものを示して説明をしているわけですね。これは十月六日、全国知事会に出されたものと、てにをは等の訂正はあったにしても、ほとんど同文のものであります。ただ、違っているのは、十月六日、知事会に出されたものの九番目、十一番目、十二番目の項目が抜けている。それらの項目というのは、すなわち転作奨励金の内容に関する部分、それから転作目標面積の作物別配分に関する部分、それから自力開田に対する抑制措置というのがなかったわけですね。結局あるものは、とにもかくにも米をつくるな、転作せよ、転作しなかったら罰則があるぞという、まさに米退治の部分だけが九月九日に出されているところに一つの特徴があると思うのです。この部分については、いま申し上げましたように、その後いろいろ意見は出たと思うのでありますが、字句の修正以外に中身は何も変わっていない。今日まで一貫していますね。そういうわけですから、一体転作せいと言ったってどんな内容のものになるだろう、よく農林省の考えも腹の中もわからぬしというのが県側の受け取り方のようでありました。ただただ百七十万トンの転作大変だな、やれるんだろうかという戸惑いとか、自分の県ではどういう手を打ったらいいかかいもく見当がつかぬなという段階が九月であります。九月十六日には県の農政課長と農協中央会の幹部も懇談しているわけですが、結局、具体的内容がつかめないからなかなか手が打てないということに終わっているようです。  そして、十月六日、知事会でいわゆる正式の米需給均衡化対策の骨子案なるものが出て、ここでようやく対農民との関係に県は入っていく。行われた主なことは、一つは、「来年から思い切った転作を」という表題のビラをつくって、これをまいたというわけですね。もちろんこの内容というのは大きな字で書いてある宣伝でありまして、「なぜ転作が必要か」「来年からは厳しいぞ」「向こう十年間の計画だ」、こういうようなPR用のものでありました。これは農民がそれを読んだからといって、転作の具体的な内容は全く知る由もないというふうな性質のものでありますし、ビラでありますから末端農家自身にはきわめて不徹底で、私が聞いた範囲でも、これを読んだという人はほとんどいないのであります。  もう一つ県がやったことは、恐らく下部の意見を聞けという農林省の指示があったからでしょうが、県事務所が中心になりまして生産者の意見を聞くわけですが、何せ中身が十分徹底しないままやるわけであります。時間もないわけでありますから、結局は農協の営農指導員数人に集まってもらって話を聞くとか、あるいは市町村の農業担当職員の意見を聞くとかいうことに終わっておりまして、直接生産者の意見を聞いたということは一回もないわけですね。これはもうやむを得ないことだと思うのです。ようやく県がこの転作の内容も含めて下部へ説明を開始するようになったのは、十月二十五日の全国農業担当者からのヒヤリング、それから二十六日の知事会、二十八、二十九日の中央生産者対策会議、三十日の各県主管部長会議を終わった十一月四日でありまして、この日に初めて県は各県事務所の所長、それから農林関係課長を集めて説明を行う、農協はその翌日の五日に単位農協の組合長、幹部を集めて説明するというふうないきさつでありました。したがって、市町村あるいは単位農協の段階では、農民を区単位あるいは実行組合単位にある程度集めて話をしたところもあれば、まだそれもできていないところもあるし、説明会を開いたけれどもほとんど農民は集まってくれなかったところもあるということで、まちまちです。  こうした事情からいって、およそ農民の意見が出るどころか、まだ現在農民は国がやろうとしている方針も十分知らない段階と言わなければならないと思うのです。したがって、いま農林大臣が聞いたとおっしゃる意見というものは、せいぜい行政機関か農協幹部レベルの意見にすぎないのではないかと私は思うのですが、こういう点のいわゆる下部の実情を十分御認識なさっているのかどうか、この点を伺いたいと思います。
  205. 澤邊守

    ○澤邊政府委員 今回の対策につきまして、農林省として内部で案を順次固めながらくる過程におきまして、知事会、市長会あるいは町村長会という行政関係団体にももちろん数次にわたって意見を聞き、あるいはこちらの考え方を説明するということをやってまいりましたが、あわせて農業団体、中央会での全国の県の会長会議、これは大臣にも二回出席をしていただきました。あるいは全国農業会議所等、それぞれの段階におきまして、何回も会議を開いて説明をし、意見を求めるということをやってまいったわけでございます。  ただいま滋賀県の例で御説明になりましたけれども、私自身滋賀県の具体的な事情を存じておるわけではございませんけれども、八月の上旬から実は全国段階では非公式の話を始めておりまして、オープンな形で農業団体に話しましたのは九月の二日でございます。先ほどおっしゃいましたブロックでの県の部長会議よりも早目にやったわけでございます。その段階で、県によりましては、すぐ帰ってから九月中旬ごろにすでに農協の代表者の会議を開いたとか、あるいは各郡単位で、あるいは支所単位で、それぞれの会合を開くということをやられた向きも、現在逐一覚えておりませんけれども、かなり聞いております。  したがいまして、私どもは、農林省が直接農家まで入って多数の方の御意見を伺うということは、事実上なかなか困難でございまして、部分的にはやっておりますけれども、全面的にやったわけではございませんが、農業団体は農民の代表の方々であるわけでございます。それらの方々を通じて意見を吸い上げ、あるいはまたわれわれの考えるところを御説明し、それぞれの方法で農家の方々に浸透を図っていただいておるというふうに考えておるわけでございます。
  206. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 いまの答弁には矛盾がありますね。大体九月九日に農林省が近畿農政局を通じて説明したという内容には、さっき言いましたように、つまり何に転作したらいいのかということやら、あるいは転作した場合の奨励金の加算措置等がどうなるのやら全然載っていないわけなんです。だから、そういう時点で下部に説明するとか意見を聞くといっても、下部にはそのことは全然わかりようがないのですね。結局百七十万トンという大変な生産調整をやらなければいかぬぞというような、いわゆるおどかしみたいなものだけは徹底されたと思うのですよ。  それから、いまのお話を聞いておりましても、結局は、私が言ったせいぜい行政機関かあるいはまた農協の幹部の意見を聞いたにすぎないのじゃないかということが裏づけられたと思うのですね。それは確かにこれが公共事業で、地方自治体が工事を直接やるというならそれでいいでしょうけれども、今回実際やるのは農民でしょう。そこにどれだけ徹底するかどうか、これが一番大事な点だと私は思うのですよ。率直に言って、滋賀県の農民も同じです。政府の言うとおりにこれまでやってきた。それなのに、なぜまた農民が苦しめられなくてはいけないのか、こういう気持ちは、言葉に出すか出さぬかの違いで、非常に強いものがありますし、それが政府に対する不信になっております。百七十万トンにも及ぶこの大仕掛けな生産調整は、本当に農民の納得と意欲を基盤とすることなしには、私はとうてい推進不可能なことではないかと思うのです。この点については大臣のお考えを聞いたいと思います。
  207. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 先ほど来るる申し上げておりますように、これは生産農家の方々の理解と協力がなければできないことでございまして、これを強権的に押しつけてできるような事柄ではない。したかいまして、私どもは、知事さんにしても、あるいは町村長さん方にしても、農業団体、農協の指導者の方々にしても、農業会議所にしても、これは農林省が全部各農家を回るわけにまいりませんから、早くからこの趣旨を説明もし、また御意見も伺い、とるべき意見は取り入れて、そして逐次これを固めまして、末端の農家にこれを十分御理解いただけるようにお願いを申し上げて今日までに至っておる。今後、これは実践段階にだんだん入っていくわけでございます。来年の作付のときまで、あるいは麦等についてはすでに播種期も迫ったものは早目にこれを各県にお願いをして、生産農家にこれをお諮りをして進めておる、こういうようなことでございまして、これは上から押しつけてできるものではない、生産農民の方々の理解と協力があって初めてこの仕事はできるものである、こういう基本的な認識については、いまお話しいただいたように、私も心得ておるわけでございます。  ただ、この問題は、農林省のためにやるとか政府のためにやるとかいう問題ではなしに、日本の農業が避けて通れない構造、体質を改善しよう、これがまた今後の長期にわたる農家経済の安定にもつながる問題でございますから、自分たちの問題としてもこれを受けとめて、一体になってこれを進めてまいるようにお願いをしたいし、政府としては、これらの転作なりあるいは米の消費拡大を含めて、需給均衡ができるような条件整備等につきましては、全力を挙げて努力をしてまいる、こういうことで取り組んでおるところでございます。
  208. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 私は、大臣のいまの御答弁が本当に真意のあるものとするならば、私が説明しました、末端の農家は意見を言うも言わないも、政府がやろうとしている方針自体をまだほとんど知らない、この実情も率直に認めてほしいと思うのです。そうして、十分今後の対策を慎重にやってほしい。  いま麦の話が出ました。滋賀県でも、大幅な転作となりますと、どうしても麦重点にならざるを得ないというので、もうすでに麦の種まきも終わっているのでありますが、千ヘクタールの麦の作付目標を出したのですが、結局七百ヘクタールの作付にしかならなかったのです。こういうことになってきた原因を農林省はどう見ていますか。
  209. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 麦を今回の転作作目の重点作目にするという方針につきましては、かなり早く決定を農林省自身としてはしておったわけでございます。そういう趣旨の話はやってまいりましたが、奨励金の水準等の問題もございまして、農林省が農蚕園芸局長名で通達を発しましたのが、さっきもお話がございましたが、九月の末近くということでございます。それまでにいろいろと会議の連絡、その他各県の方々にお会いするときには、常にそのことを私自身としても、また担当官もお願いをしてまいったわけでございますが、やはり若干立ち上がりにおくれをとったかというふうにも思うわけでございます。  それからもう一つは、麦につきまして、これは所によりますけれども、品種問題についていろいろと早目に御注文を出していただいて、希望の品種が地元で調達ができないという場合には、よその県にないかということをあっせんをする、それでもないというような場合には、かわりの品種のもので適当だと思われるものを、たとえば食管の手持ちの麦の中からお世話をする、あるいはビール麦でございますと、ビール会社にごあっせんを申し上げまして、ビール会社から入手を図る、こういうことをやってまいりまして、そのプロセスで若干いろいろと不突合なども起こり、時間を食ったというようなこともあるわけでございます。  今回の教訓を私どもかみしめまして、麦を今後の重点作目として扱っておるわけでございますので、転作が円滑にいくように一層工夫をこらしてまいりたいと思っております。
  210. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 結局、これはそういうように農林省に責任があるわけでしょう。すでに近畿農政局が県の農林部長を集めて説明した九月九日の段階で、現行の水田総合利用対策では、麦については、滋賀県のような場合は米の作付期間と重複しないために奨励補助対象からはずされている、今度これを重点にすると説明しているが、果たして冬場麦を植えて夏場水田を遊ばせた場合に補助対象になるのかどうか、こういうこともちゃんと聞かれているにかかわらず、農林省はそのときには答えていないわけです。やっとその答えを出したのが九月の末、間に合わないよということをちゃんと聞いているはずなんですね。聞いていてそういう後手になったということは、いま答弁のとおりなんです。  滋賀県なんかが最近麦を県内で大体どのくらいつくっておったか、その作付面積とか、あるいは自県産の麦の種子として確保できておったのがどのくらいあったのか、御存じですか。
  211. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 いま手元に数字がございませんので、私ここで御答弁できませんが、後で資料にして御提出しても結構でございます。
  212. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 そういうことを概略でも御存じいただけてないところに、大変な認識の相違が現地と農林省との間に起こってくるんだと思うのです。といいますのは、事実上ほとんど麦はつくられていない。十二ないし十三ヘクタール、もちろんこれは食糧用にしたりいろいろしておりまして、結局、自県産の麦の種子として残っていたのはわずかに二十ヘクタール分の二トンなんですね。これで千ヘクタールをやろうというんですから、どだい最初から無理な話なんです。そこへ農林省の先ほどの指示が非常におくれている、これはもうみずからもお認めになっているとおりであります。県と農協が見切り発車で他府県からかき集めてやっと七十六トン集まった。二トンしかないところへ七十六トン集めるんだから大変な努力が要っただろうと思うのです。もちろん、これはほとんどがいわゆる食糧用とかビール用とかの転用種子であるために、種子の発芽率か非常に悪かった。通常八五ないし九〇%だそうですか、今回の場合は実際七割前後だったということであります。こういうところから、千ヘクタールを目標にしながらも結局七百ヘクタールに終わってしまったという現状ですね。したがって、末端のある市の説明会で、いろいろ農家から突き上げられて説明がし切れなかった職員が、苦し紛れに、とりあえず麦の種子だけまいてくれ、奨励金の手続をとるから、こういう説明をしたという。これは私は直接聞いているのですが、こんなことでいいんですか。
  213. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 転作のための麦栽培ということで、いわゆる裏転の麦を公文上認めたのは九月の末でございますが、その以前から、そういうことになるからよろしく頼むということは口頭ではいろいろと申し上げておったわけでございます。そこで、転作の面積配分は、御案内のように、いろいろの作業が要りますのでおくれるわけでございますから、転作と直接に結びつかないまでも、とにかく耕地の効率利用を図る上において麦をつくるということは必要なんだから、さしあたりまいておいていただきたいということは、私どもも口頭をもちまして、あるいは会議の席上等で、そういうことはいろいろと申し上げたことはございます。
  214. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 十年間の計画だというときに、農民は麦をまいてこの先どうなるのかさっぱりわからないまま、まいておけ、奨励金の申請はするから、こう言われているわけですね。ここまで末端は今回の問題では混乱しているわけであります。また、滋賀県でも、ことしの冬などは積雪二メートルに及んだ地域もあります。こういうところで果たして麦が生育可能なんだろうかとか、あるいは湿田地帯が圧倒的に多いのでどうしても畝をつくらなくちゃいけない、果たして機械作業が可能なのかどうか、こういうような疑問も出ております。  こういうときに、では、頼りにしなければならない滋賀県農業試験場はどうか。昭和三十八年までは麦についても平均収量などについてはデータか出ております。ところが、昭和三十九年以後、麦に関しては一切データがありません。もちろん、そういうものを対象からはずしたということです。営農指導も一切やっていないと言っております。これはまさに麦がこれまで転作の奨励対象でなかったこと、さらに加えて、いかに国が国内産の麦生産を軽視してきたか、こういうことの反映でもあろうと私は思うのです。  こんな状態が幾つも重なっているときに、急に麦への大転換を打ち出して、もし農林省が成功すると思っているとしたら、これこそ農民はえらい迷惑だと私は思うのです。果たして最初からこういう急激な麦への大転換は可能と思っていたのですか。
  215. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 麦を転作作目として取り扱う場合に、従来の扱いが水稲と作期が競合するものに限定をしておるというのが現行の扱いでございます。それを改めたいという考え方はかなり早期に出しました。しかし、具体的な扱いでどうするということを公に文書をもって表明したのは先ほど申し上げたようなことでございますが、私ども、麦につきましては、今後の三年間一応目標を固定してやります中で重点作目として考え、そして奨励金も一番優遇する奨励金の水準ということを考えておるわけでございます。そういうことでございますが、今後三年間に定着を図っていくそのプロセスにおいて、しかし早急に右から左へというわけにもまいらぬという要素もございましょうから、これは再々御説明も申し上げております農協の管理転作という仕組みも導入をいたしまして、この三年間の対応がしやすいように新しい工夫としてそういうものを加えたわけでございます。  初年度の立ち上がりということにつきましては、確かに麦は時期が切迫しておりましたので、不手際な面も私は率直に認めざるを得ない点があったと思うわけでございます。     〔山崎(平)委員長代理退席、委員長着席〕 しかし、三年間には麦の生産をできるだけ水田の生産力を活用した形でやっていただく、そして表作の米は生産をしないでいただく、なお米のかわりに適当な作目があれば入れていただいて、土地の高度活用を図っていただくことはもちろんより望ましいことでございます。そういう形で推進をしてまいれば、その一環として麦の生産が相当伸びるであろうというふうに思っておるわけでございます。
  216. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 米が余った、余ったと目のかたきのように言われるのでありますが、不足ぎみだった米が完全自給できるようになったことは、ある意味ではむしろ喜ばしいことではないかな、こういうふうにも思うのですね。農林省からいただいた資料を見ましても、昭和三十年前後は全国三百二十万ヘクタール前後の水田があって、ようやく生産量が一千万トンから千二百万トンですね。この米の生産が、今日では面積はうんと減って二百七十万ヘクタールで千三百万トンにも及ぶというふうになっているわけであります。これの喜ばしい方の主な原因はどういう点にあったとお考えですか。
  217. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 やはり稲作についての技術が非常に普及浸透をしてきたということが最大の原因であろうというふうに思っております。
  218. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 やはりそういうものが定着するのにはどのくらいの期間を要しておると見ていますか。
  219. 堀川春彦

    ○堀川政府委員 これは、今回の事態が何年の期間を要したことの集積によるものかということはなかなか申し上げにくいというふうに思うわけでございます。かつて四十年代の初めに過剰時代が来た、それから今日また過剰基調が非常に顕著にあらわれてきておるというところを見ますと、この生産力の向上につきまして相当段差がついたような形で、明確に申し上げるわけにいきませんが、ある時期に来ますとぐっと上がるというような傾向がどうもあるのではないかというふうに考えられます。これらは圃場整備事業その他土地基盤の整備が一段落をしまして、先ほど申し上げました技術の浸透と相まちまして、高度の生産力を発揮し得るような状態がある時期にぐっと出てくるというようなことも影響していようかというふうに思うわけでございます。
  220. 瀬崎博義

    ○瀬崎委員 だとすれば、圃場整備などは十年以上かかる事業ですから、今日の米の生産体制も相当な日時がかかっていると思うのですね。だから、そういう米の生産体制を簡単に崩してしまっていいものではないと私は思うのです。むしろ百年の計を考えるならば、当然転作は必要だけれども、この基本になっている米の生産体制だけはやはり崩さないということが農政の基本にあってほしいと思う。  そこで、問題は、米以外の農作物にもしこれだけの力を注いでおったら今日どうなっておるだろうか。逆に言えば、国が果たして米以外の農作物について米ほどの力を注いできたかどうか、ここを問われてくると思うのです。もしも、今日農民が進んで他作物を生産するような農政が行われておったら、農林大臣自身も今日苦しい答弁をされなくても済むと思うのです。そういう点からいっても、基本は、米を悪者に仕立て上げ、米退治をするというふうな構えではなしに、やはり第一にはだれでもが転作できるような、転作作物についてはある意味で米よりも有利な収益条件を設定していく、第二には需要の面で言われているところですけれども、麦から米にできるだけ自然な形で再転換をしていく。そのためには、小さい時分から米になじむという意味では、学校給食などは、当面の使用量はどうであれ、非常に大事なものだと思います。  第三には、米にはずいぶんと力を集中してきたから生産力が上がったといまおっしゃったわけであります。だから、これからは米以上に他の作物の栽培がしやすいように、品種であるとか栽培方法であるとか、機械などの改善、技術開発に力を入れるべきじゃないか。こうすれば農民の納得のもとに転作は可能になるんじゃないかと私は思っているのです。この点についての大臣のお考えをお尋ねしたいことが一点。  時間がありませんので、固めてもう一点は、先ほど来、いまの政府のやり方でいくと現場がどんなに混乱しているかというお話を申し上げたのであります。重点作物の麦一つにいたしましても、いままで麦はほとんどつくってない、種もない、技術指導も放棄されている、こういうことが自明なところへ、九月末に奨励対象の方針を出して、種子を確保せよ、作付せよと言っても、これはいわば無理の押しつけ以外にないと思うのです。また、麦以外ということになればなおさらのこと農家は経験もないし、昨今のように白菜がキロ四円とか、あるいはキャベツが七円とか言われてきたら農家は不安になると思う。  それから、市町村の職員も一様に言っております。せめて一年の猶予期間が欲しい、そうすれば、もう少し何とかスムーズにやれるのではないか。私はやれるかどうかは疑問でありますけれども、職員はそう言っています。また、十年間曲がりなりにも生産調整をやってきて、うまくいかなかった、米の過剰を招いているわけですから、そこには十分教訓の材料があると思うのです。こういうものをまとめて今後に生かすための検討期間がなくちゃならぬと思うのです。そうして、農民自身がともに協力してくれぬといかぬとおっしゃるのですから、やはり農民自身にも十分考えてもらう余裕の期間というものがあってしかるべきだと思うのです。これが納得の基礎だと思います。もしも、この生産調整が法改正を伴うような問題だったら国会で大問題になって、こんな臨時国会の短い論議で実行はできないとぼくは思うのです。そういう性質のものだし、ほとんどは来年度予算とかかわり合いのある問題でしょう。  そういう点で、これは具体的な提案なんですが、百七十万トン、四十万ヘクタールの目標を政府は出していますけれども、とにかくこれは絶対に押しつけないこと、そして、とにもかくにも来年一年間は暫定期間として、十年とか三年固定の長期間農民を縛るようなこういう対策については、この暫定期間に十分検討した上、再来年から出発でも遅くないと私は思うのです。そのくらいの大事業じゃないかと思っているのです。  この二点の大臣のお考えを聞いて、終わりたいと思います。
  221. 鈴木善幸

    ○鈴木国務大臣 稲作は、日本の温暖多湿の風土、自然条件等からいたしましても、また米食民族として米に依存してきておるというようなことから考えまして、食糧の問題としても、また営農の面からいたしましても、わが国農業の基幹作物中の最も重要な作物である。したがいまして、これが生産農民の方々の御努力によって今日のような増産になってきておる。こういうことで、これを目のかたきにするとか、これを征伐するとか、そういうことは毛頭考えておりません。ただ、今日、米の需給均衡がこのように大きく崩れておる、一方においては国内で需要に見合った必要な麦、大豆、飼料作物等々のいわゆる戦略作物と言われるものの自給率が停滞しておる、こういう日本農業の構造は何としても改善を必要とするということ、さらにまた需給均衡の早期回復を図るということを、今日、食管制度を守っていく上からいっても早目に達成しなければならない。  こういうようなことを総合的に勘案いたしまして、いままで水田総合利用対策とかいろいろやってまいりましたし、今年度も九十万トンの転作等をお願いしたということでございますけれども、こういう状況に相なっておりますので、この際さらに一歩を進めて、水田利用再編対策、米の需給均衡化対策ということを生産と消費の両面にわたってこれを進めていく、こういうことでございます。  米につきましては、何といっても基幹作物でございますし、一番大事な食糧でございますから、必要量は食管制度の堅持を中心としながら、あくまで稲作というものは守っていく、こういう考え方は毛頭変わっていないことをこの機会に申し上げておく次第でございます。  なお、転作等のための条件整備、価格対策の問題あるいは土地改良事業の問題あるいは品種改良、技術改善、そういうような問題等につきましては、米に注いできた情熱以上の努力を注ぐ、またさらに農林省の各部局が持っておる機能をこの目的達成のためにフルに動員しましてこれが達成できるように進めてまいりたい、このように考えております。  なお、第二段の御質問として、準備期間が必要であるからこれを延期したらどうか、こういう御提案でございますが、これはせっかく各都道府県、市町村あるいは農業団体、農業会議所等々、避けて通れない問題として取り組んでいただいておるし、私どもは、自治体なり農業団体なりの御協力のもとに末端農民の方々の御理解も得て、今年度からぜひ実施してまいりたい、このように考えておる次第でございます。
  222. 金子岩三

    ○金子委員長 次回は、明十七日木曜日午前十時理事会、午前十時三十分委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後五時五十九分散会