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1977-05-12 第80回国会 衆議院 物価問題等に関する特別委員会 12号 公式Web版

  1. 昭和五十二年五月十二日(木曜日)     午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 西宮  弘君    理事 青木 正久君 理事 加藤 紘一君    理事 砂田 重民君 理事 金子 みつ君    理事 武部  文君 理事 中川 嘉美君    理事 米沢  隆君       宇野  亨君    関谷 勝嗣君       中西 啓介君    中村  靖君       平泉  渉君    堀内 光雄君       佐藤 観樹君    宮地 正介君       藤原ひろ子君    依田  実君  出席国務大臣         国 務 大 臣         (経済企画庁長         官)      倉成  正君  出席政府委員         公正取引委員会         事務局経済部長 吉野 秀雄君         公正取引委員会         事務局審査部長 野上 正人君         経済企画庁国民         生活局長    井川  博君         経済企画庁物価         局長      藤井 直樹君  委員外の出席者         経済企画庁長官         官房参事官   阿多 忠明君         大蔵省銀行局総         務課長     宮本 保孝君         通商産業省立地         公害保安課長 飛永 善造君         通商産業省生活         産業局紙業課長 小野 雅文君         通商産業省生活         産業文化用品         課長      井上 宣時君         資源エネルギー         庁石油部計画課         長       田口健次郎君         資源エネルギー         庁石油部流通課         長       宇田川治宣君         郵政省貯金局第         一業務課長   森本 哲夫君         物価問題等に関         する特別委員会         調査室長    芦田 茂男君     ――――――――――――― 委員の異動 五月十二日  辞任         補欠選任   野口 幸一君     佐藤 観樹君 同日  辞任         補欠選任   佐藤 観樹君     野口 幸一君     ――――――――――――― 五月四日  物価値上げ反対に関する請願(東中光雄君紹  介)(第四五二九号)  公共料金の値上げ反対等に関する請願(林孝矩  君紹介)(第四五三〇号) 同月九日  公共料金の値上げ反対等に関する請願(浅井美  幸君紹介)(第四七五三号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  委員派遣承認申請に関する件  物価問題等に関する件      ――――◇―――――
  2. 西宮弘

    ○西宮委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐藤観樹君。
  3. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 私はきょう、段ボールのシート及びケースの原紙の値上げの問題について、若干関係の当局にその対策をお伺いしておきたいと思うわけであります。  シートなりケースのメーカーというのは、中小というよりむしろ零細の方が非常に多いわけで、不況の中でたび重なる原紙の値上げで今後も倒産に追い込まれるのではないかというすそ野の広い業界でございますので、その点を踏まえて少しく御意見をお伺いしておきたいと思うわけであります。  まず五十一年の段ボールの原紙の値上げが、通産省の資料によりましても、ジュートライナーが五十一年五月、七月、十二月と三回行われている。あるいはクラフトライナーも同じく三回、七、八カ月の間に行われている。その他のものにつきましても、同じように年三回近くも原紙の値上げが行われている。五十一年に限らず五十年でもほぼ三回の値上げが行われているわけですけれども、この三回目のところまで見てみますと、たとえばジュートライナーのB級等を見ますと、七九%のアップ、あるいはジュートライナーのC級のものについては五十一年五月がキロ当たり四十七円、五十二年五月をとってみますと、これはまだ値上げになっていないわけでありますけれども、非常に高いアップ率になっている。パルプのしんにいたしましても、五十一年の五月がキロ四十八円、五十二年の四月が八十八円、アップ率八八%、いずれにしろ非常にアップ率が高くて、しかも年度間における値上げの回数が余りにも多いのではないか。背後にある非常な原紙メーカーの不況ということもわからぬわけではありませんけれども、余りにもアップ率が高くて、しかも回数が多過ぎはしないか、この点についてまず関係する紙業課としてはどう見ているか、この辺から御意見をお伺いしていきたいと思います。
  4. 小野雅文

    ○小野説明員 いま先生御指摘のように、昨年三回にわたって段ボール原紙の値上げが行われたわけでございますが、それに先立ちまして、一月をピータとして、二月、三月、四月、五月と四回にわたりまして段ボール原紙が値下がりしておるわけでございます。したがいまして、三回の値上げといいますのも、大部分は値下がりした分をもとに復元するというような状況が実態でございます。  こういうふうに価格変動が激しいということにつきましては、需要業界からの苦情も多いわけでございますが、業界は非常に設備過剰でございまして、過当競争が行われておりまして、その結果、価格変動が非常に激しいということでございまして、私どもとしては、何とか価格の安定がもたらされないものかと考えておるわけでございますけれども、いずれにしても過当競争が非常に激しいというのが原因でございまして、現実にはなかなか価格の安定が実現しないというのが実態でございます。
  5. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 いまの紙業課長のお話の中には、四十八年の石油ショック時代の価格に戻らないと、ある程度市況の安定というか、いわゆる原紙メーカーの経営上から見ても生産の維持ができないというふうにもとれるのでありますけれども、果たしてあのときの需給関係というものが本当に正しいというか、適切な量だったのかどうなのか。過当競争の問題については後で若干触れさせていただきたいと思いますけれども、その辺が――確かに値段の推移を見てみますと、四十八年のオイルショック当時に戻るべくして動いている価格になっておるわけであります。五十一年の四、五月を一番最低値にして、それから何とか引き上げようという原紙メーカーの動きがあるわけです。しかし、それが単にオイルショックのときの価格に戻るというような、そういう認識だけで果たしていいのかどうなのか、やはり背後に過当競争あるいは生産過剰という問題が現存している限り、本当に安定した価格というのはできないのではないか、ただオイルショックのときの価格に戻ればいいんだということには、これは現在の段ボールシートなりあるいはケースの需給関係から言って、いかないのじゃないかというふうに私は思うのでありますが、その点についてはいかがでございますか。
  6. 小野雅文

    ○小野説明員 業界の方の考え方がオイルショック時の価格に戻すということで共通しているかどうかということは私はわかりませんけれども、ただ、現実にはその後、オイルショックのときに比べまして、たとえば重油ですとか電力ですとかいったエネルギー関係の価格は大体二倍強でございます。それから大きな原材料でありますチップですとかあるいは苛性ソーダですとかいったものも大体三、四割ぐらいの値上がりをしておるわけでありまして、そういったコストアップ要因というものを吸収できるだけの価格にしたいというようなことを業界としては考えておるのではないかというふうに思います。
  7. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 そこで、一番最近では五月十日の日経新聞にも出ていたのでありますが、もう段ボールの原紙メーカーが不況カルテルを結ぶことがかなり話として固まって、来週ぐらいに不況カルテルの申請が公取の方に出るのではないか、こういう報道もされておるのでありますけれども、その点についてはどういうふうに御理解なさっていますか。
  8. 小野雅文

    ○小野説明員 先生御指摘のように、現在、業界の方では、いまのままではとても価格の安定というものは図れない、過当競争が排除できないというようなことで、不況カルテルの申請を公正取引委員会にすべく準備しておるようでございます。私どもの方でも、現在、段ボール業界の経営状況等見ますと赤字であることは間違いないので、そういった不況カルテルの申請については、もしか公正取引委員会の方から私どもに協議があった場合には、何とか賛成の方向で検討したいというふうに考えております。
  9. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 それで、その不況カルテルの中身に入る前に若干御意見をお伺いしておきたいのは、すでにこの四月に中しんの値上げを強行してきているわけです。かなり生産数量もしぼっているようでありますし、しかも中しんを値上げして、もしそれに応じないところは製品を入れない、原紙を入れないというところまで来て、いま業界の中では中しんについてパニック的な状態になっているということを私たち聞いておるわけです。問題なのは、不況カルテルを出す、これはいま前半でお伺いをしたように、段ボールについての原紙メーカー自体がかなり赤字を抱えている、累積赤字も非常にふえてきている、段ボール原紙に限って言えば、そういう状況の中であるから、私もやむを得ないところもわからないわけじゃないわけです。  それで、不況カルテルという方向にいくわけでありますが、その前段で中しんについてすでに四月から値上げが強行され、それに応じないところについては原料を入れない、原紙を入れないというところまで来て、非常に中しんについてはケースメーカーなりあるいはシートメーカーの中で大変なパニック状態が起こっておる。このことについては、私は背後に不況カルテルの申請がもう来週かと言われるところまで来ているときに、片方ではこういったことが行われているということについては非常に問題が多いのではないかと思うので、このことについて文化用品課の方で実態を把握されているのかどうなのか、また原紙メーカーの方の行政指導をしなければいかぬ紙業課の方としてはどういうふうにこれを見ていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。
  10. 小野雅文

    ○小野説明員 去年の秋の景気中だるみ以来、段ボール及び段ボール原紙の需要が非常に落ちたために、在庫が非常にふえたわけでございまして、年末あるいは今年の一月、二月ぐらいにかなり在庫がふえたわけでございます。そのために原紙メーカーの方で生産を落とさざるを得なかったという実態はございます。しかし、現在まだ中しん関係でもかなりの在庫を抱えておりますし、先生御指摘のようなパニックといったような状態にはなっていないように私としては聞いております。
  11. 井上宣時

    ○井上説明員 中しんにつきましては、私ども聞いております限りでは、四月から値上げの通告があったということを承知しております。特に需給関係につきましては、中しんの三月の生産水準が比較的タイトな水準になっておりますので、全体に需給も相当締まってきているのではないかというふうには考えておりますが、ただ、先生のおっしゃったほどの状態ではないのではないかというふうに考えております。
  12. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 そのパニックという言葉の意味がこれは幅の広い意味ですから、いま文化用品課長が言われたように、かなりタイトに、しかもそれが製品を入れない、原紙を入れないというところまで実際にいま原紙メーカーと段ボールのシートなりケースのメーカーとの間がなっているというのは、背後に不況カルテルの申請ということが来週に控えているというところまできている状態の中で、私はこれは問題だと思うのですね。ひとつこれについては、現実に代金を払う時期の問題やら、いわゆる原紙メーカー側とそれを使う側との間の問題があるわけでありますから、これは恐らく紙業課と文化用品課との両方の指導になると思うのでありますけれども、全体的にいま原紙の需給関係をどうするということで不況カルテルの申請が問題になっているときに、それ以前に中しんについては値上げを強行し、そしてそれに応じない場合には製品をとめる、入れないということについて、私は非常に問題があると思います。この点については全体的にいま需給関係を不況カルテルという問題で考えているときでありますから、この中しんについてのこういう強硬的な態度といいますか、これについては、少し行政指導があってしかるべきではないかと私は思うのであります。その点について、おのおののお立場が紙業課と文化用品課と違いますので事は微妙かと思いますが、ここでお二人の御意見を一応お伺いをして、ぜひともこの不況カルテルの問題が片がつくまで、それも含めてひとつ不況カルテルの中で物を考えるべきだと私は思いますが、ぜひそうあるべく御両者の御意見をお伺いしておきたいと思います。
  13. 小野雅文

    ○小野説明員 現在、原紙メーカーの方から段ボール業界に対する出荷は、在庫が非常に多いために在庫減らしを行うということから、生産と出荷を比べた場合には出荷の方が多くなっております。しかし、生産は確かに減っておりますけれども、出荷はふえておりますので、先ほどお答えいたしましたように、需要家の方で必要な量すら確保できないというような実態はないと私は考えておるわけでございますが、しかし、現実に、原紙業界とダンボール業界というのは、言うなれば二つの業界というよりも一つの業界と考えていいぐらい密接な関係にある業界でございますので、原紙メーカーの方でダンボール業界に、いま先生御指摘になったようなことで、出荷しないといったような事態が起こることは私どもとしても大変遺憾な事態だと思います。表向きはそういうふうな強硬なことを言っていても裏では結構出荷するというようなことで、現実にはたてまえと本音とがかなり違っているのがこの両業界ではありますけれども、もしか先生御指摘のようなことが実態であれば、そういうようなことについては私どもとしては指導をしてまいりたいと思います。
  14. 井上宣時

    ○井上説明員 小野課長が答弁申し上げましたように、需給上そういった問題がいろいろ出てまいりますとすれば、先生の御指摘のようなお考えに沿いまして、十分対処していくように紙業課と十分相談してまいりたいと思います。
  15. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 私の言ったのは、小野さん、金さえ出せばある程度品物は入るわけですよ。問題は、先ほどちょっと触れましたように、五十一年は三回値上げが行われ、それはある意味では原紙メーカーの状況が私はわからないわけじゃないんだから、それはそれで、三回というのはいかにも多過ぎるじゃないかという気もするわけであります。そのこともわからぬわけじゃないんですが、いま中しんについて問題なのは、製品は確かにある、しかし一方的な値上げに応じなければ原紙は入れませんよという態度について問題があるということで、製品そのものの需給関係という問題でなくて、それに絡んだ値上げの問題、値上げを認めなければ入れないという状況で、しかも、さらに中しんについては二月、三月ぐらいから需給関係もかなりタイトになってきているという状況を踏まえて、四月から値上げだ、そして認めなければ品物を入れませんよということについて、背後に不況カルテルを申請しようという動きがなければこれはこれまでまた一つは別の考え方だと思うのであります。でも、全体的に不況カルテルをしていこうというときに、こういった強硬的なものについては、私は業界の態度についても非常に問題があるんじゃないかということであります。  そこで、まだ申請されていない、来週申請されるんじゃないかと私は聞いているのでありますが、不況カルテルについて、中身にそう入っても余り明確なお答えはできにくいかと思いますが、一応参考に、一体、原紙の生産量というものをいまどのくらいまで落とせばある程度需給関係が経常的にいい状態が続き、一応市価の安定というものができると考えていらっしゃるのか。参考までに、五十二年の一、二月がほぼ実績で原紙生産量三十五万トンまで落としているわけですね。いま在庫が大体一・三カ月分ぐらいあるんじゃないかと言われているわけでありますけれども、五月、六月までずっと三十五万トン体制というのを維持したとしますと、原紙の方の消費量、つまりダンボールの需要量からいってかなり供給不足という状態になってくるんではないかという気がするわけであります。その辺のところは、不況カルテルを結ぶ場合にどういうような生産体制というものを、まだ出てない時期でありますけれども、考えていらっしゃるのか、――考えていらっしゃるのかというのは正確な質問にはならないわけですけれども、業界を指導しなければいかぬ紙業課としては原紙の生産量というのはどのくらいまでの需給関係を見ていくというふうに、指導の原則と申しますか、考えていらっしゃるのですか。
  16. 小野雅文

    ○小野説明員 いまの生産量をどの程度までしぼるかという問題は、公正取引委員会の方が主体となって御審査されるのだろうと思いますが、ただいま業界の方で考えておりますのは、ダンボールの生産に必要なダンボール原紙の量の確保が必要でありますので、生産量をしぼる場合には、若干の過剰在庫がございますので、過剰在庫を減らすことを加えまして、生産量プラス在庫減らし量が、ダンボールの生産に必要な原材料の量に一致するような形で生産量をしぼることになるのではないかと思います。
  17. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 話としては、確かに数字を入れないで話せばそういうことになると思うのですが、現実には、いまのことを言われると、供給側としては生産量をどのくらいというふうに一応目安を考えていらっしゃるのですか。
  18. 小野雅文

    ○小野説明員 これは、不況カルテルの申請の期間を何カ月ぐらいにするかというのが、まだ業界の方から私ども聞いておりませんので、はっきりわかりませんが、それともう一つは、ダンボールの需要といいますのは季節によってかなり変動がございますので、月々のダンボールの生産量を見ましてそれに合わせて原紙の生産量を決めるということになりますので、ちょっと具体的な数字は、いま先生がおっしゃいました三十五万トンというのは月の生産量でございますけれども、恐らくそれよりも上回る数字になるのではないか。これは正確なことはわかりませんけれども、一応、最近ですと、ダンボールの生産量は六億平米ぐらいだろうと思います。六億平米ということになりますと、それに必要な原紙の量といいますのは四十一、二万トンぐらいになると思います。したがって、いま先生が御指摘になりました三十五万トンという量では恐らく少な過ぎるのではないか。したがって、もう少し多いような形になるのではないかと思いますが、この辺は、いま言いましたように、夏になってきますとまた需要なんかも減ってまいります。したがって、そういった夏枯れの時期も今度の不況カルテルの申請の時間の中に入るのかどうかによっても違ってくると思いますし、具体的なことはまだ聞いておりませんので、はっきりしたことはお答えできないわけでございます。
  19. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 そこで、公取に若干お伺いをしていきたいのでありますけれども、一番最初私が触れたように、五十一年をとってみても、事実上三回の原紙の値上げがされている。これは確かに建て値でありまして、実際に値上げがされたというのはそれから二、三カ月くらいずつずれているというのが実態でありますけれども、それだけ値上げをされてきますと、それを使うシートメーカーなりケースメーカーというのも全部が全部そのままエンドユーザーに吸収というか、エンドユーザーの方にその分だけ値上げをさせられるかどうかという問題も当然起こってくるわけですね。これについては後で若干お伺いしますけれども、そういう値上げについて一これは明らかに法律の違反でありますから、私は何とも申し上げませんが、昨年の十二月十五日に公正取引委員会の方でこのダンボールメーカーの方の立ち入り調査がされて、事実上本年の三月三十一日に協定は破棄されておるわけですね。これだけ見ますと、確かにかなり証拠もそろって協定破棄の勧告がされ、それを受け入れているわけでありますから、そのことについて私は行政的な行動について何も言うものではないわけでありますけれども、結果だけ見ますと、原紙の方は値上げをしてくる、しかしメーカーの方については事実上値上げができないということになってきますと、この不況下の中でとても立ち行きできなくなってくることになってくるのではないか。段ボールメーカーなりシートメーカー、ケースメーカーの話を聞いてみますと、公取というのは結果的に弱い者いじめになってしまうのではないか。初めからそうしているというふうに私は理解しているわけではないのですけれども、結果的には弱い者いじめになってしまうではないかという声がシートメーカーなりケースメーカーの中にあるわけですね。これはある意味では、結果的にはそうなっても、行政行動としては別に間違っておるということにはならぬかと思うのでありますが、そういうことも含めて、いま公取の方としては、不況カルテルが出されようとしているこの段ボールの原紙メーカーの状況について、どういうふうに御理解なさっているのだろうか。そして出されることが予想される。かなり新聞にも、減産率を四〇%ぐらいにするのではないかとか、約半年間続けるのではないかというようなことも報道されているわけでありますけれども、私が見る限り、過去の四十年の不況カルテル、あるいは四十七年の不況カルテルの在庫率から見ますと、これは恐らく申請が出された場合には、もちろん、おたくの方でこれをすれば、当然値上げになっていけばケースメーカーなりシートメーカーの値上げに響いてくる。そうなってくれば、果たしてそれがエンドユーザーの方に吸収できるかどうかという問題が起こってくるわけで、そうなってきますと、ケースメーカーなりシートメーカーというのはサンドイッチ産業ですから、エンドユーザーの方もかなり大手があるということで値上げが認められないということになっていきますと、途中がつぶれざるを得ないというようなことになってきますので、その辺のことについては、いま申し上げましたかなり長い幾つかの問題を含んでいるわけでありますが、公取としてはいまどういうように見ていらっしゃるのか。もちろん、不況カルテルが正式に出されない限りはなかなかお立場上言うことはむずかしい点もあろうかと思いますけれども、いまこの段ボールの原紙メーカーの状態というのは一体どういうふうに見ていらっしゃるのか、その点、公取の御意見をお伺いしておきたいと思います。
  20. 吉野秀雄

    ○吉野政府委員 不況カルテルの問題につきましては、御指摘のとおり、まだ公取には具体的な説明は参っておりません。したがいまして、現在、公取としてはいずれ近いうちに不況カルテルの申請があるものと考えまして、いろいろな情報の収集に努めておる段階でございます。その中には、ただいま先生御指摘のように、原紙メーカーとシートあるいは段ボールメーカーとの間にいろいろな問題と申しますか、昨年からことしにかけての値上げ要求に対するシートメーカー側の対応の仕方、それから昨年シートメーカーが独禁法違反事件に問われたという経緯、そういったものを十分に検討し、踏まえました上で、いずれ申請があった際には、その関連事業者としてシートメーカー側の意見も十分聞いた上で適切に対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
  21. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 そこで、これは公取からお答えをいただくのがいいのか、紙業課の方がいいのかわかりませんが、一番近い四十七年の不況カルテル、この場合には一体どのくらい在庫率があったのですか。
  22. 小野雅文

    ○小野説明員 ちょっとはっきり記憶がございませんので、後日お答えしたいと思います。ただ、うろ覚えでお答えいたしますと、在庫率で、現在の在庫率よりも当時の在庫率の方が低かったように思います。現在の在庫率が、大体出荷に対しまして五、六割ぐらいの在庫率でございますが、当時の在庫率といいますのは、三、四割ぐらいではなかったかというふうに記憶しております。
  23. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 私がちょっと調べたところでは、四十七年の一月、不況カルテルが認められる直前の在庫率が四四・八%になっているわけですね。ですから、恐らくいま紙業課長が言われたように、現在の在庫率を見ますとそれ以上高くなっているときもあるわけで、そういう状況から見ますと、公取に申請が出されれば、これはそんな単純なものではないにしても、在庫率が非常に大きなウエートを占めますので、もちろん他のユーザー団体から意見を聞いてもらわなければいかぬわけでありますけれども、これはほぼ不況カルテルは認められる方向にあると私は過去の実績から見て考えているのですが、これはなかなか、そうですとは、公取の方からは御意見がないと思いますが、いかがでございますか。
  24. 吉野秀雄

    ○吉野政府委員 公取といたしましては、現在どの程度の在庫を持っておるか、具体的な数字をつかんでおりませんので何とも御答弁申し上げかねますが、実際に申請が出た段階で慎重に検討させていただきたいと思います。
  25. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 それで二つだけ、私は公取の方に要望しておきたいのでありますが、一つは、いま申請するのではないかと業界等でいろいろ言われている値上げ幅が、キロ当たり十二円と言われているわけですね。これがアップ率としては非常に高過ぎるのではないか、大き過ぎるのではないか。国際価格から見ても、これを上乗せしますとかなり高くなってしまって、上げ幅が非常に多過ぎるのではないか。過去五十一年だけとってみても、三回値上げがされ、そしてここで不況カルテルの中でもう一回値上げをするという中で上げ幅がひとつ大き過ぎるのではないか。この点はひとつ十分留意をしてもらいたいということが一点であります。  それから二点目は、先ほどから私も言葉の端々に申したのでありますけれども、シートメーカーなりあるいはケースメーカーがそのまま、では原紙が上がった分だけエンドユーザーの方に値上げの分をかけられるかということになりますと、これは後でもう少し詳しくお伺いをしますが、そういうふうにはならぬのではないかということは十分予想されるわけです。公取といたしまして、もちろん法律的にもユーザー団体からの意見あるいは通産省の意見等を聞くことになっておりますけれども、ぜひともこれは十分――特にエソトユーザーのかなり力の強いものもありますから、サンドイッチ産業としましては、下手をすればまさにサンドイッチになって中が押し出されてしまう、つぶれてしまうという状況が十分考えられますので、ぜひその点を踏まえて、この二点を十分留意をして審査に当たっていただきたい。この点をひとつ公取に要望しておきたいと思うのですが、よろしゅうございますか。
  26. 吉野秀雄

    ○吉野政府委員 ただいまの先生御指摘の二点につきましては、十分留意の上、対処してまいりたいと思います。
  27. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 それから、肝心な問題でありますけれども、文化用品課の方として、これだけ原紙が上がった場合に、果たしていまのエンドユーザーとの力関係、あるいはエンドユーザーも電気機器とかかなり大きな企業があるわけでありますので、原紙が上がったからといって、じゃそのまますんなりと、ああそうですかといって段ボールのシートなりあるいはケースなりというものの値段を上げられる状況にあるのだろうかということについては非常に問題があるんだと私は思うのですね。その点についてはどういうふうに見ていらっしゃいますか。
  28. 井上宣時

    ○井上説明員 昨年の第一次から第三次までの原紙の値上げに伴いますシート、ケースの値上げにつきましては、若干のタイムラグのもとである程度連動してきたというふうに考えております。その結果、シートメーカーなりケースメーカー、経営的にそう楽だという意味ではございませんけれども、まあ何とかやってこれたという状況でございます。今回のいわゆる四次値上げと申しますか、今回の値上げに伴いますシート、ケースの値上げ問題、これは先生御指摘のように、非常に国内の景気全般も低迷しておるようでございますので、非常にむずかしい状況にあるというふうに私どもそれぞれ業界から聞いておるわけでございます。
  29. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 そこで、そういうことになってきますと、原紙は値上げになった、じゃ、それを製品にした場合に、製品を買ってくれるエンドユーザーの方は値上げを認めないということになってきますと、当然、これは間に入っている中小、むしろ零細ですね、零細なケースメーカー、シートメーカーというものはつぶれざるを得ない。それがいつになるかという問題は個々によっていろいろ違うにしても、またそんな短絡的にはいかぬにしても、そうならざるを得ないわけで、私はそこが一番問題だと思うのです。特に全国的に散らばり、非常に零細なシートメーカー、ケースメーカーが多いだけに、この問題はサンドイッチ産業としての宿命であることもかんがみて、十分公取にしても、紙業課にしても、文化用品課にしても対処してもらわないと、この不況の中にあってますますつぶれていく業者が多くなっていくと思うのであります。ぜひその点を十分留意して指導に当たってもらいたいと思うのであります。  それともう一つは、根本的な問題でありますけれども、小野課長の方から先ほどちょっと触れられましたように、設備過剰の問題ですね。このような状態であのオイルショックのときの価格を目指していつまでもこんなことをやっていてもイタチごっこで、いつやっても設備過剰だ、生産過剰だ、したがって値下がりをする、値崩れをする、値上げをするというようなイタチごっこをやっている。いま大体設備に対して生産量が六割から六割五分、あるいはそんなにないのじゃないかという人もいますけれども、そのくらいしか稼働してないわけですね。そうなってきますと、この設備過剰の問題を、不況カルテルを認めるなら認めるとして、制度的にぴちりと業界に機械をスクラップさせるのか、あるいは何らかの形で国が援助の手を出して、低金利の金融で何か手当てをするのか。何らか設備過剰対策というものを不況カルテルと一緒にやっていかなければ、いつまでたってもこの業界は価格が安定せず、非常に不安定な状況で、特に末端のケースメーカー、シートメーカーは値上げにおののかなければならないという状況から脱出できないと思うのです。この点については紙業課の方として、一体この設備過剰対策というものはどういうふうに考えられているのか。私はこの不況カルテルについて今度もし公取に意見を聞かれて言う場合には、ぜひともこの設備過剰対策というものを含めて対処すべきではないか、こう思うのでありますが、御意見はいかがでございますか。
  30. 小野雅文

    ○小野説明員 先生御指摘のように、現在、稼働率が六割とか六割五分とかいったようなことでございまして、この過剰設備がそれではいつごろ解消するのかということでございますけれども、私どもが去年の秋試算したところでは、あと五年くらいたたないと適正稼働率までいかないのじゃないかということでございます。したがいまして、あと五年間過剰設備を抱えているということになります。その間、去年行われましたように、価格の乱高下が相変わらず行われるというようなことで、需要業界であるシート業界の方でも非常に非難しておるところでございますので、何とか過剰設備対策ということは講じたいというふうに思います。  ただし、いままで段ボールシートあるいは段ボール原紙業界といいますのは非常に高成長でございましたので、こういった設備廃棄の経験が全くございません。そのために業界の方でもいまのところ考えが全くまとまっていないという状況でございまして、その辺の対策を今後指導してまいりたいと思います。ただし、設備の廃棄といいますのは、不況カルテルでは独禁法上できないことになっておりまして、そういうふうな設備廃棄について業界で話し合うことが独禁法上問題があるのかないのかといったような点もございます。したがって、この点については公正取引委員会の方とも相談しまして、そういった構造改善というものを進めていく必要があるのではないだろうかというふうに私ども紙業課では考えております。
  31. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 ちょっと私も誤解を与えるような発言だったと思いますけれども、不況カルテルの中でやれという意味ではなくて、片方では不況カルテルを――まあどれだけの期間とか上げ幅について私、若干御意見を言わせていただきましたけれども、過去の不況カルテルの状況からいって、恐らく状況によっては認めざるを得ないのだと思うのであります。そういう状態になるならば、片方の方ではやはり行政指導として本格的に――まだ本格的に設備過剰対策について、設備の廃棄について十分討議されたことがないようですので、いま不況カルテルを結ぶというところまでいくならば、片方の方では長期的な安定的な、価格乱高下のないような状況を私はつくるべきだと思うのですね。これは不況カルテルの中身に入るということではなくてやるべきだと思うのであります。  それともう一つ最後にお伺いしておきたいのは、いま言ったような状態でもし原紙メーカーの方が不況カルテルを結ぶ、それは強いて言えば、価格上昇、原紙の値上がりにつながってくるわけでありますけれども、先ほど申しましたように、エンドユーザーに全部おっかぶせるわけにいかないということになってきますと、今度はケースメーカーなりあるいはシートメーカーの不況カルテルということが当然問題になってくると思うのであります。この点については行政指導というわけにもなかなかいかないし、公取に私が言うわけにもいかない問題でありますが、こういったサンドイッチ産業の宿命を抱えたシートメーカーなりケースメーカーの立場というものを考えた場合に、彼らの不況カルテルというものは一体どういうふうに考えていらっしゃるのか。なかなか問題が微妙で聞く方もむずかしいのですが、答える方はさらにむずかしいと思いますけれども、非常に中小零細が多い業界だけに、その辺のきめ細かいことも考えていかないと、不況下の中で大変な倒産がふえてくるのじゃないかということを心配しますと、このような質問をせざるを得ないわけでありますが、その点についてはどういうふうに考えていらっしゃるのですか。
  32. 井上宣時

    ○井上説明員 シートメーカーの不況カルテルにつきましては、現在、業界の方でその可能性について研究しておるという状況でございます。いろいろ技術的にもむずかしい問題がございますし、この業種は受注産業という特有な性格もありまして、原紙のように数量を減らすといいますか、そういうことだけでなかなかうまくいかないという要素もございますので、カルテルができるかどうか、問題はあろうかと思いますが、現在検討を進めております。
  33. 佐藤観樹

    ○佐藤(観)委員 終わります。
  34. 西宮弘

    ○西宮委員長 佐藤観樹君の質疑はこれで終わりました。  次は、藤原ひろ子君。
  35. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 私は、石油の価格につきまして、とりわけガソリンの価格について、まず通産省にお尋ねをしたいと思います。  いま石油元売の各社は、一斉に価格値上げの交渉に入っております。通産省は、この価格交渉を見守るのだと今日まで再三言ってこられたわけでございますが、価格交渉のないガソリンなどについては一体どうなっているのでしょうか。全く一方的に高い価格を押しつけられる、こういう可能性が大変強いし、また現実にそうなっているのではないでしょうか。私は先日の質問でこの点につきまして御指摘を申し上げたわけでございますが、あなた方がこのガソリンの価格引き上げについて現状をどう把握しておられるのか、お尋ねをいたします。
  36. 田口健次郎

    ○田口説明員 御説明申し上げます。  第一に、現在の値上げ交渉の成り行きをどのようにフォローしているかということでございます。私どもは、石油製品価格につきましては、原油輸入価格の動向、それから石油製品の卸売価格の動向、また消費者価格動向等を常時把握するように努めております。同時に、交渉当事者から状況の説明を受けること等によりまして、的確にその動向をフォローするようにしております。  御質問のございました、特に消費者関係のガソリンあるいは灯油等についての現状でございますけれども、ガソリンにつきましては、元売各社と特約店等との間でなお価格交渉中であると聞いております。御存じのように、末端のガソリンスタンド相互間で非常に競争が激しいということで、昨年からことしにかけてむしろ値が下がってきた、指数によってもそういう状況になっているということでございまして、総理府消費者物価指数統計によりましても、四月の東京都区部ガソリン消費者価格は、わずかではございますが、若干下がっているということがございます。現実に、元売と特約店との間の交渉につきましては、まだ交渉中であるというふうに聞いております。  なお、灯油につきましては、私ども通産省行政指導によりまして、今需要期中は価格を上げるなということで抑制指導を行っておりまして、その結果、値上げは行われてないというふうに承知しております。
  37. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 いま走ってきていただいて、早速で大変でございますが、もうちょっと大きい声でお答えをいただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。  ガソリンの価格は、元売会社から特約卸売店、それから末端特約店あるいは代理店、こういうガソリンの流通経路に沿って決められていくというふうに考えられるわけです。そして、大もとの元売会社希望価格は、末端のところで価格が改定されることによって初めて完成するのだというふうに言えると思います。その間、消費者の意見の反映はどうなるのかと言いますと、そんなものは全く反映されないという仕組みになっております。  立場を変えて言いますと、各油種の中で、ガソリンは元売企業に確実に高収益を保証してきたし、今後もこの油種では高収益を上げたいというのが元売大企業の考えなのだ、こう思われるわけです。なぜかと言いますと、たとえば燃料油脂新聞を見ますと、「和歌山業界では、地元紙「和歌山よみうり」の四月二十二日付け紙面で、意見広告を掲載」している。その文面を拾ってみますと、「基幹産業保護の立場から、重油価格が低くおさえられている」また「この結果元売会社は利益率の高いガソリンの増版に乗り出し、給油所業界は、過当競争に追い込まれている」、こういうふうに書かれているわけです。そしてこの証拠がここにあらわれているというふうに思います。これは「旬刊セキツウ」の四月一日号によるものをコピーしてきたわけですけれども、「四十八年度以降の元売各社別、油種別販売構成推移」という一覧表です。これを見ますと、ガソリンについて言えば、構成比の低い九州石油で、昭和四十八年度五・八%から昭和五十年度八・九%になっております。一番高いモービルは一五・三%から一九・一%というぐあいに、約二割にもなっているわけです。このように元売の大企業にとりましては、高収益確保のためにガソリン値上げの条件整備、つまり足並みをそろえて力を合わせようという姿になっているのですけれども、通産省は、このような元売企業の動きについて把握をしておられるのでしょうか、お尋ねをしたいと思います。
  38. 田口健次郎

    ○田口説明員 先生御指摘のように、ガソリンにつきましては、消費者の数が非常に多数でございますので、元売会社が直接に消費者交渉するという形にはもちろんなっておりませんけれども、しかし、ガソリンスタンドの数が非常に多く、過当競争をやっておる。基本的には需要と供給との関係がございまして、需要が弱いときに余り値を上げることはむずかしい。現実にも昨年からことしの春にかけまして、重油の値段が、卸売価格で見ますと、若干上がる傾向を示しておりますけれども、ガソリン価格の方はむしろ過当競争を反映してじりじりと下がってきたということでございまして、買う方が消費者であるから、したがって、需要者側の意向を無視して元売が一方的に上げられるかと申しますと、現実に物価指数の推移から見ますと、どうしても過当競争があり、なかなか上げられないという現実があるかと思います。しかしながら、個人生活のためにガソリンあるいは灯油の価格というものが非常に重要だと思いますので、私どもも日夜、先ほど申しましたようないろいろな指標あるいは現実の元売の交渉状況の把握に努めておる状況でございまして、現段階では、まだ元売の値上げの交渉が決着をしたというふうには聞いておりません。一部の会社では、四月分について値上げのあれを撤回したという会社もあるように聞いておりますし、一応上げると言ったところも、末端では上げ切れないものですから、月末になって結局またもとの価格に調整するということで、元売価格に関する限りは、現在のところ上がっておらないというふうに承知しております。
  39. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 おっしゃるとおりならば幸いなんですけれども、ガソリンはじりじり下がっているというわけにもなかなかいかない。元売会社希望価格を実現するために、末端ではいまおっしゃっていることと逆の大変な問題が起こっておるわけです。  ここに一つの具体的な例がありますけれども、これは東京新聞で四月二十日と二十二日にも報道されたわけですが、四月十八日の朝、東京都台東区のガソリンスタンド佐藤商店に東京都石油商業組合台東支部北部十七日会の人たちが十四、五台の乗用車やライトバンで押しかけ、五リットルずつ給油させ、一万円札を出しておつりを請求するなど、営業妨害とも思われるいやがらせを行い、退去を求めたスタンド主と乱闘になるという事件が起きましたが、公正取引委員会はこの事実を知っておられるのでしょうか、お尋ねをいたします。
  40. 野上正人

    ○野上政府委員 お答えいたします。  そういう新聞記事が出ておるのも承知しております。それから、それにつきまして、現在関係者から事情を聞いております。
  41. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 この事件は、発端が価格カルテルにあるというふうに私は考えます。  以下、具体的にお尋ねをしていきたいわけでございますが、三月十七日午後一時から、東京都石油商業組合台東支部北部十七日会、この業者の方たちが日興信用金庫の三階の会議室で会合を持って、元売がガソリンの価格を一リットル当たり二円上げてくるので、一リットル当たり五円上げようという旨を決定した、このことを御存じでしょうか。
  42. 野上正人

    ○野上政府委員 本件につきましては、現在審査中でございますので、事実がはっきりいたしました段階でお答えいたしたいと思います。
  43. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 私の調べでは、これが行われましてこの発言があったわけです。そして十七日会に参加をするという佐藤商店が、独自の経営努力によって価格を据え置く、こういうチラシを、自分のお金を出してみずから新聞折り込みで配ったわけでございます。これに驚いた石油商業組合台東支部では、四月七日午後一時から支部長以下役員と、佐藤商店の取引先であります大協石油及び大協石油の卸売店でありますユニコも含めまして、また日興信用金庫の三階で会合を持って、佐藤商店に対して、価格維持、値上げは見送る、こういう方針を撤回せよ、こういうふうに強要をして、結局「五月一日より石油製品を値上げさせて頂きます。」こういうチラシを、前回と方法は同じですけれども、お金を出したのは佐藤さんではありません、この新聞折り込みという配布の方法は全く同じにして、まいた、こういう事実があるわけですけれども、これも公取委員会はまだ返事はできないわけですか。
  44. 野上正人

    ○野上政府委員 いろいろな妨害行為を行っておるということは私どもも承知しておりますし、現在これにつきまして関係者から事情聴取して、できるだけ早い機会に事実を確定いたしたい、それにつきましての法律の適用を検討いたしたい、こういうふうに考えております。
  45. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 いま調査中ですから、公取の方でもこのチラシも恐らく手に入れておられるだろうと思いますが、これが二種類のチラシでございます。――この第二号のチラシは、先ほどちょっと言いましたように、代金も、また新聞折り込みの手配も佐藤商店以外の人の手によって体制がとられているわけです。これを見ますと、第一号、第二号は同一人が出したように見えるわけです。しかし、実際はそうではないやり方で、第一号は自発的に出されたものです。第二号は、これではないという否定するチラシを、形式は同じようにして人の手によって出ている、こういうものでございます。四月十七日には、佐藤商店に対しましてこのチラシに異議はない、こういう趣旨の念書を佐藤さんはとられているわけです。こういうふうに言われているわけですが、これもお調べになってほとんど御存じだろうと思いますが、いかがでしょうか。
  46. 野上正人

    ○野上政府委員 佐藤商店の方からそういう話も聞きますし、お示しのチラシもわれわれの手元には参っております。
  47. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 初めに述べました四月十八日のいやがらせ、これを五リットル作戦、こういうふうに呼んでいるようでございますが、この事件は、第二号のチラシの内容を佐藤商店が実行しないことをおそれて、第二号のチラシの内容といいますのは、「五月一日より石油製品を値上げさせて頂きます。」ということです。第一号は、「本年も現価格維持、値上げは見送る予定です。」この第二号、つまり五月一日より値上げするんだということを実行しないと大変だ、こういうことをおそれる点が動機となって事件が起こっている。大変悪質な、常識では考えられない異常な事態と言わざるを得ないと私は思います。これまでずっと申してきました中でも明らかでございますが、これは価格カルテルの疑いが非常に強い、こういうふうに思いますが、公正取引委員会はいかがでしょうか。
  48. 野上正人

    ○野上政府委員 現在その点を含めまして審査を行っております。
  49. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 この十七日会での取り決めが実行に移されておらなければカルテルの問題は消えるわけですけれども、この異常な事態は単に十七日会、業者間のちまたの争いだ、これだけにはとどまらずに、その背景はもっと重大な問題があるのだ、こういうふうに私は考えます。これこそ私が最初に通産省に聞いた点だというふうに思うわけなんです。通産省の方では、スムーズにいっているというふうな感じの発言が初めあったわけですけれども、通産省はこういった問題に関して大協石油を四月二十日に呼んで報告を受けておられる、こういうふうに聞いておりますけれども、どんなことを一体お聞きになったのでしょうか。
  50. 宇田川治宣

    ○宇田川説明員 御説明いたします。  先生の先ほど御指摘のような四月二十日の東京新聞の記事を読みまして、台東区でガソリンスタンドに関連して暴力ざたが起こったという話を聞きましたので、その新聞記事の内容について、事実関係がどの程度正確に報道されているのかということで、大協石油東京支店の御担当の方においでいただいて、新聞記事の内容についてお話を伺ったという経緯でございます。
  51. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 呼んで聞かれたということで、中身はどんなことを聞かれたのですか。
  52. 宇田川治宣

    ○宇田川説明員 ただいま御説明申し上げましたように、東京新聞の記事が暴力ざたを起こしたということで、この記事の内容がどこまで事実であったかということについてお話を伺いました。
  53. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 聞かれたら、向こうはどう答えたのですか。この東京新聞の記事が事実だというふうに言ったわけですか。
  54. 宇田川治宣

    ○宇田川説明員 私の記憶では、東京支店の方の御説明では、細かい点はともあれ、大筋としては、暴力ざたを起こした前後の関係といいますか、十八日の朝起こった内容について、大体新聞の記事のとおりのようでございますという趣旨のお話があったというふうに記憶いたしております。
  55. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 大協石油は、四月二十日の夜に販売課長が佐藤商店を訪問いたしております。そしてこのように述べております。「いま業界の中では、値上げをやりたい意向があり、それは、われわれも認めねばならない。お願いをしたいとも思っている」、こういう発言をしております。また「自由競争がたてまえだが、あなたも大協の考え方に共鳴できるのが前提のはず」、こういうふうに誘い込んでみたり、さらには「値上げムードの中で大協としてもそうあってほしい。値上げ環境を整備していくことを考えねばならない。それに水を差すようなことはやめてほしいということだ」と、半ばおどしとも私には聞こえる発言をしているわけです。まさに石油元売会社自由競争はたてまえ、こういう考えを持って末端を締めつけている現在の石油企業の実態を余すところなく示した発言だ、こういうふうに思います。この中で何が起こっているのかというと、末端では業者同士がいがみ合い、果ては乱闘騒ぎまで起こしているのです。これは全く起こるべくして起きたトラブルであり、まじめに一生懸命努力して働けば安心して営業がしていける、こういう状態をつくるならばこんなことは起きないわけです。しかし、このまま放置しておけば第二、第三の乱闘騒ぎがちまたをにぎわす、新聞紙上をにぎわす、こういうことになるわけです。手をつなぎ協力し合わなければならないという石油商業組合員の営業と暮らしを守るエネルギーを、逆に撹乱をして分散させ、業者同士を団結しないばらばらにさせる、目をくらまぜている、これがまさに元売大会社だ、こういうふうに断定しても行き過ぎではないというふうに私は思います。この問題について一体どう考えておられるのか、また今後どう指導されるのか。呼んで、この新聞の事実はあったのかなかったのか、いや大体このようなことでございました、はいそうですか、それで終わりということでは、第二、第三の事件が起こってくる。これにどう対処されるのか、具体的にお考えをお聞かせいただきたい、こう思います。
  56. 田口健次郎

    ○田口説明員 先ほどお答え申し上げましたように、価格につきましては、やはり需要と供給の間で公正な競争状態が行われ、その過程において価格形成が行われるというのが好ましいことだと考えます。  御指摘の案件につきましては、個別問題でもございますし、独禁法上どういう取り扱いになるか等の問題は公正取引委員会にお任せをしたいと思うわけでございます。一方でガソリンスタンドも中小企業近代化促進法の指定業種になっておる等のこともありまして、価格問題は、これは相談してもらっては困るわけでございますけれども、同時に、先生御指摘のように、どうしても不況になりがちなガソリンスタンドの中小企業の経営を改善していくというためには、これは共同して力を合わせてやっていかなければいけない、こういうことだと思います。私ども、個別企業の具体的な個々の取引について介入するということは非常にやりにくいわけでございますけれども、特にガソリンスタンドについては近代化促進法の指定業種として近代化する過程におきまして、全体として協力して体質をよくしていく、そのためには元売も温かい目で協力をしていかなければいけないという一般的な指導もしたいと思います。価格についても、個別的な介入なりということはいたすわけにもまいらない、見守っていきたいと思いますけれども、独禁法に触れるのではないかといった問題については、これはまた公正取引委員会の御判断を見守っていきたいというふうに考えております。
  57. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 業界の近代化とおっしゃいますけれども、現実に起こっている現象というのは、全く原始的なひっかき合いをしているというふうなことが起こっているわけですね。  さらに通産省にお尋ねをしたいと思いますが、あなた方は石油卸店から末端に売るときの価格、仲間卸価格相場がほとんどの油種で各社とも完全に一致している、こういう事実を知っておられるでしょうか、いかがでしょう。
  58. 田口健次郎

    ○田口説明員 私ども一応個別の取引について全部監視している、あるいはその資料を取り寄せるということは非常にむずかしゅうございますけれども、やまり物価問題が非常に重要でございますので、先ほども申しましたように、元売価格の動向をできる限り中間ないし末端――末端になればなるほど非常に数が多くなってまいりますけれども、その価格の動向についても実態を把握するように努力しておるつもりでございます。  御高承のように、ガソリンを例にとりましても、ガソリンスタンドから消費者に販売される最終価格は、地域によりましてもあるいは同じ地域でも、スタンドによりまして非常に高低の差があるというふうに承知しておりますし、仲間卸価格についても個別の具体的な案件を全部承知しておるという状態ではございませんけれども、これが一律に全部同じ価格で全国的に取引されておるという実態ではないのではないかというふうに考えております。
  59. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 ここに、全く同じだという一覧表が出ておるわけです。これは新聞社でも知っておる。それじゃ新聞社が独自にいろいろ調べるのかというと、そうではなしに、やはり出るべきところからこの記事を教えてもらうというふうなものであろうと思うのです。これは後で、よかったらコピーでもいたしますが、燃料油脂新聞、これに出ているのです。皆さん方御存じない、まあそんなことはないだろうとおっしゃっても、国民や特に石油業界の人たち、小売店の人たちも一生懸命これを見て、すでにもう知っていることだと思うのです。ここにこそ私は問題があるのだ、こう言わねばならないと思います。私は最初に、ガソリンの価格は流通の経路に沿って決められる、こういうふうに述べましたが、その姿がまことに鮮やかに描かれているという事実だと思うのです。  石油業界については元売会社カルテルについて出光興産、日本石油など十二社に対して、公正取引委員会昭和四十九年二月五日に審決を行っておられます。また全国の石油商業組合連合会に対しては昭和五十年十月一日、警告を発しておられます。カルテルが摘発されて記憶に新しいところでございます。ところが、これに対してまるっきり石油業界では反省していないどころか、この五月六日付燃料油脂新聞によりますと、「神奈川県石商が二月中旬の理事会で「値上げを実施する前に安値看板を撤去し、二重価格の市場を一物一価とし、無印給油所や安売り業者への石油製品の供給をストップして、値上げし易い環境を作ってほしい」」こう元売に申し入れている。このように上から下までカルテル的体質で統一されていると言っても過言ではない、こう思います。通産省石油行政はこの点にこそ大なたをふるい、メスを入れていくべきだ、こういうふうに思いますが、いかがでしょうか。
  60. 田口健次郎

    ○田口説明員 まず御指摘の燃料油脂新聞だと思いますけれども、仲間卸相場の件でございますが、新聞記事について私どもで責任持って御説明するというわけにはいかないかと思いますが、私どもの拝見するところ、新聞に出ております仲間卸の相場につきましても、一応幅がある、あるいはその程度ということのように承知しております。なお、新聞に出ます相場で統一されるもののほかに、いわゆる業界で業転物と呼ばれておるいわば自由価格のものがございまして、実質的には全国通じて同じ価格で取引されているという実態ではないのではないかというふうに考えております。  それから、過去におきます独禁法問題等も御指摘あったわけでございますけれども、繰り返すようでございますが、独禁法につきましては公正取引委員会の御所管ではございますが、私どもも公正な競争状態のもとに価格の体系がつくり上げられていくということが基本的には必要であるというふうに思います。そうでないと、需要供給の方にもアンバランスが生ずるといったような石油政策上の問題にもなりかねないと思います。そういったことで、決して話し合って上げるということをよしとするつもりは私どもは全くないわけでありますけれども、同時にまた、個別案件に介入していくという権限も限られておるということでございますので、一般的に元売に対してもあるいはスタンドに対しても独禁法に触れるようなことはもちろんやってはならないと思います。公正な競争関係で価格取引をしていくという一般的な指導は行ってきたと思いますし、今後ともますます行ってまいりたいと考えております。
  61. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 燃料油の中で揮発油、軽油、灯油、こういったようなものは安値も高値もどの会社もずらりと、書く必要がないほど全く同じだ。もちろん潤滑油とかそういうことになると少々違いますけれども、いま質問しているガソリン、こういった点なんかでは全く一緒だというふうな一覧も出ているわけです。そんな点で、そうでない、食い違いがあるというのなら、ぜひ徹底的にお調べもいただきたいというふうに思いますし、この状態を一日も早く改めるように、ぜひ努力をお願いしたいと思うわけです。  最後に、経企庁長官にお尋ねをしたい、こう思います。  これまで聞いていただいていたわけですが、この討論を通じて問題は浮き彫りにされてきたというふうに思うわけです。それは、もうけ本位の大企業横暴、こういう中で小売業者や消費者営業と暮らしが脅かされている、そして仲間同士がけんかさせられている、破壊をされているのだ、こういうふうに思います。汗水流してまじめに働けばだれもが安心して暮らせるようにするために、そのことにこそ大臣のお力が必要だ、ここが政治だというふうに思うわけですが、大臣はどのようにこの問題をとらえて、今後どう対処しようとしておられるのか、責任ある御所見の披瀝をお願いしたい、こういうふうに思います。
  62. 倉成正

    ○倉成国務大臣 お答えいたしたいと思います。  正直者がばかをみないような世の中をつくっていくというのが、やはり政治の要諦であろうかと思います。ただいまだんだんお話を承っておりまして、佐藤商店のお話を伺いまして、これは現在公取の方で事実を審査し、そして適切な措置をしていただくものと確信をいたしておりますが、そのような事態が起こること自体が非常に遺憾なことと思っておる次第でございます。  なお、ガソリンの価格というのは庶民の生活に非常に密着いたしておるわけでありますので、私どもとしても非常に重大な関心を持っておるわけでありますけれども、非常にばらついておりまして、またある意味においては非常にスタンドが過当競争の状況にあるということも事実でございます。したがって、そういう過当競争の中から価格が出てきておるわけでありますけれども、また逆に言うと、余りの過当競争が行われるということによって、最終的にはまた消費者の負担になるような結果にもなりかねないということも現在のスタンドの状況ではあるのではないかということを率直に考えておる次第でございます。したがって、生産から流通に至るまでのものをどういうふうに持っていくことが最終的な消費者の利益につながるかということも、通産省の方でいろいろ検討していただきたいというふうに考えておるわけでございます。基本的には先生のお話のお考えと私の考えとは一致いたしておると思っておる次第でございます。
  63. 藤原ひろ子

    ○藤原委員 正直者がばかをみているいま現在の状態だというふうに思うわけです。ですから、大臣おっしゃいましたように、公取が徹底して調べていただくということをここでも改めてお願いをしたいし、それから、ガソリンについても過当競争でばらついているというお話もあったわけですが、それでは商店を整理してしまうというふうなことが起こったり、営業が逆に困難になるというふうな、末端営業が困難になるというふうな手の入れ方でなくて、卸のところ――前回私は為替差益の質問を申し上げたわけですけれども、為替差益にしても、国民に返すという立場で行うならばこの問題は解決をするであろうというふうに思うわけです。  大臣は私と全く同じ考えだということでございますので、これの具体化を強く要望いたしまして、終わりたいと思います。
  64. 西宮弘

    ○西宮委員長 藤原ひろ子君の質疑は終わりました。  午時一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。     午後零時七分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十五分開議
  65. 西宮弘

    ○西宮委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  物価問題等に関する件について質疑を続行いたします。  米沢隆君。
  66. 米沢隆

    ○米沢委員 御案内のとおり、ことしに入りましてから公定歩合等が二回も引き下げられまして、それに伴い金利体系も引き下げられ、きょうはそれに関連いたしまして、金利と消費者という観点から若干の質問をさせていただきたいと思います。その質問に入ります前に、当面の景気の動向について企画庁のお話を伺いたいと思います。  御承知のとおり、公定歩合が二回にわたって引き下げられましたけれども、景気の現状は楽観を許さないという感じがいたしております。鉱工業生産も昨年の十二月以降連続して前月比減ということになっておりますし、企業倒産も三月には千七百件余と史上最高を記録したと報道されておりますし、負債総額二千六百億という、これまた史上三番目の記録だそうでございます。四月以降倒産件数等は減るであろうという予測はなされておりますけれども、逆に負債総額の方は大きくなっていくのではないかということが予想されております。企業収益につきましても、本年度の上期は前期に比べて減益になる公算が大きいと言われておりますし、森永日銀総裁がおっしゃいますように、企業心理は冷え切っておって、これでは五十二年度予算公共事業を上期に集中支出をいたしましても、それに伴う民間投資というのは一体動くのかどうか。そういう意味では、政府がねらっております実質六・七%成長というものが達成されるどころか、後半には景気が息切れするのではないか、こういう認識が大方の認識のように伺っております。  そこで、経企庁として、今回のこの景気回復手段として行われました今年二回にわたる公定歩合の引き下げ効果というものをどのように判断されておりますか、そのあたりからお伺いをさせていただきたいと思います。特にこの公定歩合の引き下げによって内需をつくっていく効果というものがあるのかどうか、これを踏まえた上での御説明をいただきたいと思います。
  67. 倉成正

    ○倉成国務大臣 ただいまお話しのとおりに、現在稼働率が非常に低い状況にある、あるいは企業倒産もかなり高い水準にある、業種間の景況の格差が依然として解消していないという点は御指摘のとおりでございます。したがって、私どもも、さきに四項目を出しまして公共事業を上期に集中する、また金利の引き下げということをうたったわけでございますけれども、なお一層景気回復を着実にするためということで、四月十九日に公共事業の上期契約の目標を七三%にする促進措置を決定し、さらに日銀は公定歩合を一%引き下げて、三月、四月にわたりまして結局一・五%の公定歩合の引き下げということになったわけでございます。したがって、これらの措置によって今後の景気の回復が一層確実なものになるということを期待いたしておるところでございます。  もちろん、金利政策の面から申しますと、景気を引き締めるのには非常に効果があるわけですが、景気を刺激するという面で、このように稼働率が低い段階において、公定歩合を引き下げたからといってすぐ設備投資が出てくるというものではないと思います。しかし、御案内のとおり、いま企業の一番大きな負担は、過剰雇用の問題と金融機関に対する金利負担、この二つが企業の経営を非常に圧迫していることは事実でございます。もちろん稼働率の低下による固定費の増加という面もあるわけですけれども、金利の面での負担というのは、一般の金利水準が下がってまいりますと、企業の負担を軽くする明るい要素が出てくる、また全般的に見まして心理的にも、公定歩合の引き下げということによって政府の姿勢を示したわけでございますから、明るい要素が出てくるということで、おいおい景気が回復の方向に進むものと考えるわけでございます。  一方、公共事業の方は、暫定予算が四月に組まれたわけでございまして、昨年も暫定予算を四十日間組まれましたけれども、これには公共事業が若干組み入れられておりました。ことしの十六日間の暫定予算には公共事業が組み入れてないという点もありまして、その点が若干問題があったわけでございますが、関係各省を督励して公共事業を上期に七三%、そのうちの七割をまた四-六月に契約をする。したがって、七、七、四十九で大体全体の五割ということで、政府並びに政府関係機関を入れますと約十兆、地方、また地方公営企業等を入れますと十八兆に及ぶ公共事業並びにこれに関連する事業ということでありますので、この半分が四-六月に契約ができるようにということを目指しておるわけでありまして、私はこの効果というのはやはりかなりのものが出てくるのじゃなかろうかと思っておる次第でございます。
  68. 米沢隆

    ○米沢委員 さきにロンドン首脳会議に福田総理が出席をされて、その会議の中で、景気の早期回復に連帯して力を入れよう、こういうような話し合いが行われたと聞いております。そういう意味では、この会議の中で本年度の実質六・七%という日本の成長目標というものを、共同宣言という形にはなりませんでしたけれども、事実上日本が対外的にそれを公約してきたと言っても過言じゃないと思います。そういう意味では、国際的にも日本の今後の成長ぶりというものが、監視と言いましょうか、具体的に監視のもとに置かれると言っても私は言い過ぎじゃないと思うのでありまして、そういう観点から、いま当面の景気の問題について御説明いただきましたけれども、果たして今年度六・七%の成長というのは達成が可能なのであろうか、こういうことがまたいろいろと言われておりまして、ぜひこの際、長官としての御見解をお伺いしたいと思いますし、同じにまた、景気の動向を考えました場合に、何といいましても一番冷え込んでおります民間設備投資、この回復の動向いかんが今後の景気のかぎを握ると言っても言い過ぎではないと思います。そういう意味で、公定歩合そのものを引き下げることによって、こういう民間設備投資を刺激することには間接的にはなったとしても、直接的には効果がないというのが一般論でございますし、いろいろと公共事業等を早急に発注するとかの手段は考えられましても、今後の民間設備投資の回復の動きというものが何といっても景気回復の大きなかぎを握るのではないか、こう思います。そういう意味で、そのあたりを踏まえた上で六・七%の達成というものが本当に可能なのであろうか、現段階での御意見を聞かせていただきたいと思います。
  69. 倉成正

    ○倉成国務大臣 来月の初めになりますと一-三月のGNPの統計が出てくるわけでございまして、恐らく一-三月のGNPの伸びは年率にしますと五、六%程度は十分あるのではなかろうかというふうに考えておるわけでございます。四-六月は公共事業をこれだけ上期に集中するということでもございますし、また公定歩合もこのように大幅に引き下げたということを考えてまいりますと、間違いなく、かなりの水準の年率の成長を示すものと思うわけでございます。  問題は、その後どうなるかということですが、もちろん、財政だけの力で景気を浮揚するわけにはいきません。需要の半ばを占めます個人消費、これはやはり物価の安定ということ、あるいは今日多少生活必需品が充足したという関係もありまして、支出の中身が大変随意的な支出が多くなってきているという点もありますので、個人消費の動向を見きわめることは非常にむずかしいことでありますけれども、しかし、物価が落ちついてくる、全体の不透明さが少しずつなくなってくるということになれば、個人消費もある程度出てくるのではなかろうかと思いますし、また設備投資の方も、構造的な不況業種、よく言われておる平電炉であるとか繊維であるとか、あるいは造船あるいは合板、工作機械というようなものについてはやはり個別の対策が必要であって、構造的な要因を控えておりますから、これらのものがすぐ大きな、高い稼働率を示してくるとは考えませんけれども、いろいろな施策と相まちまして出てくるのではなかろうか、政府の期待している程度の設備投資あるいは個人消費というものは達成できるのではなかろうか、また達成できるように最善の努力を払ってまいりたいというのが、現在の私どもの考え方でございます。
  70. 米沢隆

    ○米沢委員 そこで、次に大蔵省当局にお伺いしたいと思いますが、いま御説明ありましたように、景気浮揚策として公共事業等を前倒し型で執行していく等々の施策がなされようとしておりますけれども、同時に、公定歩合の再引き下げというものを踏まえた上で、今後やはり機動的で多様な財政金融対策というのが非常に必要になってくるんじゃなかろうかと思います。そういう意味で、いまちまたでは、長短期の金利の引き下げを末端に浸透させる方策の問題とか、どうしても長期金利というのはまだまだ割り高感が残るとか、あるいは公社債市場がもう少し正常化されなければどうしようもないとか、あるいはまた第三次の公定歩合の引き下げをしなければ景気は回復できないのではないかとか、あるいは大型の補正予算を組まざるを得ないのではないか等々、いろいろ言われておりますけれども、大蔵当局として、今後の財政金融対策というものを、どこらに重点を置いてなされようとしておるのか、この点をお伺いしたいと思います。
  71. 宮本保孝

    ○宮本説明員 財政金融一般のお答えは、ちょっと私、金融担当でございますので、お答えしかれるわけでございますけれども、大蔵省といたしましても、景気の現状を踏まえまして精いっぱいの財政金融一体となりました政策をとった段階でございます。したがいまして、政策的には機動的、弾力的にということでございますけれども、当面は予算成立し、それから金利政策も打つべき手は打ったということでございますので、ここしばらくは景気の先行きを慎重に見守っていきたい、こう考えております。
  72. 米沢隆

    ○米沢委員 そこで、長官としても六・七%成長というのは大変期待をされておるような御返答がありましたけれども、六・七%成長といいますと、世界的に見ても、特に先進諸国の中ではやはり相当高度な成長でございまして、そういうものを無理して達成しようということになりますと、また出てきますのが、もろ刃のやいばのインフレという問題でございます。アメリカとか西ドイツ等におきましては、日本の成長率以下の目標であると聞いております。しかし、そういう国でも、インフレを懸念されるがゆえに、景気対策としては微妙にいろんな面で変化をし始めておる。特にアメリカ等はかなりのまたインフレ対策等が主要な政策の一部になりつつある、こういう報道に接するわけでありますが、日本として六・七%成長を達成される場合に、インフレの問題はどのようにお考えなのか、一体大丈夫なのかどうか、御判断をちょっと聞かしていただきたい。
  73. 倉成正

    ○倉成国務大臣 インフレなき成長というのが、日本のみならず世界の共通の課題でありまして、今回の先進国首脳会議の宣言の中にもその考え方が出ておるわけでございまして、日本としてもインフレの問題というのは絶えず政策の中心に置いておかなければならない問題と思います。  そこで、六・七%成長で物価上昇の懸念はないかというお話でございますが、現在の稼働率の状況、物資の需給関係ということで考える限りにおきましては、公共事業をかなり行いましても、あるいは民間の経済活動が出てまいりましても、物価を急激に押し上げるという要因はないと思うのでございます。ただ、一つ心配なのは、国際的な関係からの商品の値上がり、これは最近は円高で若干相殺いたしておりますけれども、国際商品による国内への波及という問題が一点と、それから、やはり企業としては稼働率が低いものですから、どうしても価格で勝負をしたい。苦しいものですから、何とか企業収益を上げるために、多少需要が出てくればその機会に価格を上げたい、そういう企業の気持ちがあろう。そういう誘惑に駆られることも間違いないことでございます。したがって、そういうことのないように、正規の稼働率を上げることによってコストダウンをしていく、そういう形で問題を解決していくようにという努力を企業にも期待いたすわけでございますし、また、いやしくも便乗値上げというようなことのないように私どもとしてもできる限りの努力をして、物価の安定を図ってまいりたいと思っておる次第でございます。
  74. 米沢隆

    ○米沢委員 次は、公定歩合の引き下げと預貯金金利の引き下げの問題についてお伺いしたいと思います。  まず最初に、一般的な銀行の金利の問題でありますが、御承知のとおり、五月六日から、再引き下げに伴いましてそれと連動する形で定期性預貯金の金利も下げられました。定期預金の金利の利下げに踏み切らざるを得なかったというその理由としては、公定歩合の下げの効果を末端の貸し出し金利の下げに結びつけるためにはどうしても預金コストを下げざるを得ない、そういうことはすんなりと説明を聞くことができるのでありますけれども、何もその下げ幅を公定歩合の下げ幅と同一でないといけないということはない、私はそう思うのです。そういう意味で、今回の場合、同一に下げられたわけでありまして、そこらの同一になった根拠とか理由というものをまず説明してほしいと思うのです。
  75. 宮本保孝

    ○宮本説明員 先生御指摘のとおり、四月の公定歩合の引き下げにつきましては、同率下げたわけでございますけれども、今回、三月、四月二回にわたりまして一・五%の公定歩合の下げを行っておりますが、それに対しまして定期性預金金利は一%でございましたし、それから要求払い預金金利は〇・五%にとどめておるわけでございまして、同率引き下げたというわけではございません。  それから、ただ四月だけに限って言いますと、確かに同率でございましたけれども、現在、金融機関の利ざやが非常に縮小してきておりまして、かつて都市銀等におきましては一%以上の利ざやがあったわけでございますけれども、いまや〇・三八%というふうに、非常にこの利ざやが縮まってきておりまして、自己努力だけではなかなか下がらないという点が一つございました。  それからもう一つは、三月の引き下げ前の一年ものの定期預金金利と長期のプライムレート、貸し出し金利がちょうど同じになっておりまして、同じように下げていきませんと、預金金利の方が高くなってしまうというふうなことがございまして、そういう状況がございまして、どうしても貸し出し金利を下げるためには預金金利も同幅下げざるを得なかったのでございますけれども、先ほど御指摘のように、一・五に対しまして預金金利一でございますので、いまや逆転現象が生じてきているというふうなことでございまして、実は金利体系上から言いますと、すでにアンバランスな状況でございますけれども、まあそこはひとつ金融機関の自主努力に任ぜるということで、〇・五の下げはいたさなかったということでございます。
  76. 米沢隆

    ○米沢委員 いま御説明の中に、利ざやがかなり縮小して、銀行はかなり経営的に影響が出てくる、こういう御説明でありましたけれども、御承知のように、利ざやといいます場合には、貸出金などの運用利回りとそれから預金などの資金コストの利回りの差ですね。しかし、その場合に、考えてみまするに、表面上これは数字としていろいろ出てきておりますけれども、実際は貸し出し金利などの表面上の数字には、たとえば歩積み、両建て等の、実質的には金利換算で三、四%になるかもしらぬというものは全然出てきてないですね。また銀行は、郵便貯金等にも張り合ってかなり過当競争で、預金集めのためにがんばっていただいておりますけれども、そういうものに対するいろいろな、マッチだとかカレンダーとか、ありとあらゆるそういう費用を費やして、郵政省も似たようなことをやっておりますけれども、たくさんやっておるわけで、そういう費用もやはりコストの中に入っておるわけですね。そういう意味では、表面上はきれいに出ておりますけれども、内実的にはもう少し掘り下げた利ざやの調査というものが必要じゃないかと私は思うのです。そういうものを、こういうものを判断される場合に、今回の場合どういうふうに考えておられるのか、ぜひお聞かせいただきたいと思います。
  77. 宮本保孝

    ○宮本説明員 利ざやの問題、先生御指摘のとおり、いろいろ歩積みの問題等ございますけれども、それはすべて、貸し出し金利の利回り、それから預金金利の利回り、歩積み、両建て等に関しましても全部数字として出てまいるわけでございまして、それが外れているわけではございません。  それから、第二番目の御指摘の経費の問題につきましては、確かにおっしゃるとおり、むだなことが非常に多いような気がいたしますので、そういう点につきましてはもう少し努力をさせる必要があると思いますけれども、現在の経費率の上昇というのは、主として人件費率のアップとそれから物件費率、これは価格のアップというふうなところがかなり響いておるようでございまして、確かに景品の問題とかむだな経費は、これはもう節減させるべきだと思いますけれども、大数的に論じまして、先ほど申し上げました利ざやの縮小というのが、それほど仮の数字ではなくて、実態をあらわした数字ではないかと私どもは見ております。
  78. 米沢隆

    ○米沢委員 そうはおっしゃいましても、まあ世間的には、大企業法人等の申告所得なんかでもしょっちゅう銀行が出ておりますし、かなりもうかっておるという感覚はみんな持っておるわけですね。そういうものが利ざやが縮小されたのでおかしくなっておるので、ある程度考えてやらなければいかぬ――それは全然考えるなという議論にはなりませんでしょうけれども、どうもそのあたりが弱いような感じがするのですね。  特に、この前も何か参議院で玉置先生が出されておりましたけれども、銀行マンあたりが住宅資金なんか借りる場合、福利厚生の一つの補助手段というような形でなされておったとしても、金利で末端一・一%というのがありますね。ある銀行で金を借りる場合、利子はわずかに一・一%です。確かに、企業内部の皆さんに奉仕するという意味で、福利厚生の充実されておる会社だ、こう言ったらいいかもしれませんけれども、そういうような夢のような話で、そういう形で企業内の社員に対して相当の優遇策等をとれるような内実にありながら、そしてまたかなりの利益を上げながら、どうもいまおっしゃることは過保護みたいな気がしてならぬのですが、どういうような感覚をお持ちなんですか。
  79. 宮本保孝

    ○宮本説明員 確かに、先日も国会の論議の段階でいろいろと銀行のもうけに対する批判が出ておりましたし、よく私どもも承知いたしております。ただ、たとえばこの五年間ぐらいの利益をとってみましても、経常利益で見まして、昭和四十六年度、大体都市銀行だけで見ますと二千三百億程度だったわけでございますが、去年の九月期で二千五百億程度であったということで、五年間たちましても、絶対額から申しますといわゆる利益の伸びというのはそれほど高くはございません。ただ、他の会社なんかを見ますと、二千三百億が千何百億というふうに非常に減っておるわけでございますから、金融機関自体をとってみますと、減ってはいないけれども、かなりの額が出ているじゃないかというふうな御指摘がございます。しかし、概して金融機関というのは非常に信用機構というふうな点もございます。最近は貸し付けなんかも非常に大型化しております。あるいは国際的な金融業務なんかも進展しておりまして、やはり金融機構の信用秩序を維持しますためには、どうしてもある程度利益を出しまして内部蓄積に努めておく必要がございます。その辺の兼ね合いでございますので、先生御指摘のように、もし仮に過当な利益であるとすれば、私どもとしても考えなければいけないわけでございますけれども、一方で、金融機関のあり方から言いまして、ある程度の利益が出るのはこれまたやむを得ないのではないかというふうに考えております。
  80. 米沢隆

    ○米沢委員 これは大変むずかしい問題で、私も余り勉強しておりませんのでここらでやめますが、その他、たとえば定期預金の金利を引き下げる以外に、資金コストを下げたり貸し出し金利を下げさせる政策というのは一体ないのかどうかという問題ですね。  いま金利を引き下げる理由を正当化されるようないろんな議論をされましたけれども、そのあたり万々譲歩をしてわかったと言っても、本当に預金者の立場から、特に目減り等の問題が大きな問題になっておりますけれども、どうも納得できぬというのがわれわれの感じなんですよ。特に四十八年度の消費者物価上昇率が二けたになって以降、この問題がとみに騒がれておるのであります。この前の五十年十一月のときにも大変問題になりましたけれども、そういう状況というものはまだ基本的には全然変わっていないとわれわれは認識すべきだ、そう思うのです。要するに、このように目減り等の問題が大きな問題としてあるにもかかわらず、本当に預金金利の下げ幅を縮小するように行政努力がなされたのかどうか、万般にわたっていろいろと不満があるのです。そういう意味で、一体どのような努力をなされておるのか、お聞かせいただきたいと思います。
  81. 宮本保孝

    ○宮本説明員 銀行の商売というのは非常に単純でございまして、金を集めてきまして、それにコストがかかる、それからそれを運用して利益が出るということでございまして、金を集め運用する際の経費を乗っけまして、そしてあと利益を出して商売しているわけでございます。したがいまして、努力といいますのは、要するに、預金金利はできるだけ高くしてお預かりし、そして貸し出し金利の方はできるだけ安くしてお貸しするということがまさに銀行社会的使命だと思うわけでございまして、そうするためには、どうしてもあとは資金調達コストを低くする以外には経費の胡題でございまして、この経費をいかに縮めていくかということでございます。したがいまして、私どもといたしましては、先年来、金融効率化といいますか、銀行経営の効率化というふうなことを徹底的に追求いたしまして、そしてできるだけ経営を合理化し、効率化する、それによりましてできるだけ高い金利で預金を預かり安い金利で貸し出しをするというふうなことで、経営の効率化につきましては、十分私どもといたしましては指導してまいってきているところでございます。
  82. 米沢隆

    ○米沢委員 そうおっしゃいますけれども、今度の金利の引き下げの問題を審議される金利調整審議会というのですか、あっという間に終わりますね。あんなのは本当に隠れみのですわ。そういう意味で、あの審議の中で一体まじめに目減りみたいなものを議論されたのかどうか。あれには経済企画庁も何か代表として入っておられますけれども、皆さんの立場から何かそんな問題を提起された事実があるのですか。
  83. 阿多忠明

    ○阿多説明員 経済企画庁事務次官が郵政審議会の委員として参加させていただいております。
  84. 米沢隆

    ○米沢委員 郵政じゃない。金利調整には入ってないのか、経済企画庁は。
  85. 阿多忠明

    ○阿多説明員 失礼しました。金利調整審議会につきましては、企画庁の調整局長がメンバーとして参加しております。  今回の預金金利の引き下げにつきましては、私どもも金利の引き下げ自体につきましては、公定歩合の引き下げに伴いまして預金コストを下げるという意味で賛成でございますけれども、ただ、それによりまして社会的に弱い立場にある人たちにつきましては、その立場を保護するというふうに配慮していかなければならないというふうに考えていたわけでございまして、そのために福祉預金というものを設けることにつきまして考えていただいたわけでございます。その結果、今回の預金金利の引き下げに際しましては、いわゆる福祉定期預金、各種の年金関係の受給者につきまして一年ものの定期預金金利につきましては今回の引き下げには影響されない、従来どおりの金利を実施するということで、その制度を認めていただいたわけでございます。
  86. 米沢隆

    ○米沢委員 私が申し上げるのは、結果を聞いておるのじゃないのです。その審議会の中で――あれは二日で終わったのですかね。ちょろっと終わった。一日で終わったのですかね。郵政審議会じゃないですよ。その中で経企庁は、いわゆる景気の動向がおかしいので、そういう意味では金利の引き下げに早く手を打ってもらわなければいかぬという立場で出てきたのか、それとも、目減りの問題も一つの大きな問題ですから、そのあたりを踏まえた上で、その会議の中で経企庁として目減りの問題を提起されたかどうかという議論をしておるのです。事実はどうですか。
  87. 阿多忠明

    ○阿多説明員 企画庁といたしましては、公定歩合の引き下げに伴いまして預金金利が引き下げられるということにつきましては、前々から、今回は従来の例もありますように、福祉定期預金につきましてはその制度をまた改めて考える必要があるというふうに考えておりまして……
  88. 米沢隆

    ○米沢委員 考えるじゃなくて、言うたかどうかを聞いておるのです。
  89. 阿多忠明

    ○阿多説明員 そういう趣旨でその制度を設けるかどうかということにつきまして、審議会の場におきましては調整局長参加したわけでございますが、その趣旨のことを私ども企画庁といたしましてはお伝えしたわけでございます。
  90. 米沢隆

    ○米沢委員 ただ賛成要員で行ったというだけですな。何も言うておらぬですな、事実は。
  91. 倉成正

    ○倉成国務大臣 三月の公定歩合の引き下げの段階ではまだ金融機関に――金融機関の中でもいろいろありますけれども、ある程度の余裕がある、しかし、さらにこれからもう一歩突き進んで四月の段階の公定歩合一%という段階になりますと、これは金融機関の内部だけでは解決できない、どうしても預金金利に手をつけなければならないという認識は私どもございまして、その際にはどういうことを考えたらよろしいかということは十分問題意識もあったのみならず、関係当局と実はあらかじめ打ち合わせておったところでございます。この福祉預貯金の問題の提起は、そもそも国民生活審議会で出てまいりました問題でございまして、この問題は、もうあらかじめそういうことを十分考えた上で公定歩合の問題というのが決断されたわけでございますから、この審議会の席でいろいろな議論を初めから持ち出すということではなくて、もう当然そういうことは前提としての審議会であったというふうに私ども聞いておるわけでございます。
  92. 米沢隆

    ○米沢委員 そういうものを聞いておりますと、審議会そのものは、もうその以前においてほとんど答えが決まっておるわけですね、根回しがずっとされて。だから、審議会というのは行われるけれども、それは結果的には形だけですね。そう考えていいのですね。
  93. 倉成正

    ○倉成国務大臣 そうではありません。こういうことはある程度審議会をやって、そこで大議論を展開して、そしてそこでまた決めていくという筋のものではないと思うのです。もちろん、ここでいろいろな問題が議論されることは当然のことでありますけれども、今回の場合におきましては、あらかじめいろいろそういう問題を含めてわれわれの間で議論はされておった。したがって、そういう配慮をされた審議が審議会で行われたわけですから、そこでの時間が余りかからなかったということじゃなかろうかと思うわけでございます。
  94. 米沢隆

    ○米沢委員 まあ平行線でしょうから……。私の理解としては、どうしてもいいかげんだということ以外に、どうも印象はほかに動きません。  次は郵便貯金の利下げの問題をお伺いしたいと思います。これもちょうど十日の日に物特の委員会がやる予定でございまして、その日に割り当てられておりましたが、ついきょうになってしまいました。  御案内のとおり、諮問がなされて即答申、これまたスピード審議で、大変能率のいい審議がなされたわけでありますが、ここで従来からの郵政大臣の発言内容等を新聞等でお読みしながら、彼の心の軌跡をたどってみますと、当初は、就任以来、郵政省というのは貯金者の保護の立場から貯金の金利の引き下げには絶対反対だ、そういう立場をとっておられましたし、そういう意味では三月の引き下げのときには引き下げに応じなかった。しかし、四月の公定歩合の引き下げの段階になりますと、その言葉の中に、一般の市中金利の動向や経済全般の情勢を見てからその立場で考えるんで白紙の態度だ、こうおっしゃっている。そして四月の十八日の夜になりますと、大変な問題だから慎重に対処したい、しかし国の金利体系全体との兼ね合いもあるのでいまは両者のバランスを考える時期に来ておる、という形で、貯金金利引き下げをもう認めざるを得ないという状況にずっと言葉が変化してまいりました。そして諮問の内容がまさしく大蔵省案と全く同一でございまして、そして即答申になる。それもほとんど無修正のままですね。ああいうのを見ていますと、零細な貯金者のものだからその保護のためにがんばるというような言葉だけが先走りしまして、内容は、結果的には大蔵省さんのおっしゃるとおりになるわけですね。一体、郵政省としての主体性みたいなのはどこにあるかという感じがするのですよ。そういう意味で、守ろうと言うたところから結果的には大蔵省さんのおっしゃるとおりになるという、このような結果にたどりついた経緯と理由を示してほしいと思うのです、郵政当局は。
  95. 森本哲夫

    ○森本説明員 郵便貯金の金利につきましては、先生御案内のとおり、一般金融機関の金利とは別な定め方になっているわけでございます。その金利のありようについては、預金者の利益に対する配慮と同時に一般金融機関の金利との均衡をあわせ考える、こういう原則になっておるわけでございまして、先ほど来お話が出ておりましたように、公定歩合が現にこれまでも一・五%と二回下がっておりまして、その間に銀行預金も普通預金、要求払いがまずレートが下がる、あるいは最近に至ってまた定期性預金が最高一%引き下がる、こういう状態になったわけでございまして、その間の時点における預貯金のありようについて大臣国会での発言が報道されておるものではございましょうが、基本的には、そういう状況の変化というものを受けまして郵便貯金の金利については対応をいたさなければならぬ、こういうことでございます。今回、そういった意味で、法律にあります金利のありようの基本について客観条件が大幅に変わっておるということ、それから預貯金の金利についても、運用のあり方についても、金利全般の低下が要請をされておる、こういう状況にもあること等々、いろんな総合的な判断から、この際郵便貯金の金利についても、好んでやるわけじゃないが、やむを得ないのだ、こういう次第で、先日の郵政審にお諮りして、またそこでもやむを得ないという判断をいただいた、こういうわけでございます。  なお、先ほども一回という御指摘がございましたけれども、今回のようなこうした形は、実は従前の郵便貯金の金利のありようとはちょっと異例な形になっておりまして、いわば従前は、郵便貯金の金利が下がるまで公定歩合も下がらないというような、いろんな客観条件の中で行われますために何度も審議が行われたわけでありますが、今回、ただいま申し述べましたような事情にあったということは違っておることは事実でございます。
  96. 米沢隆

    ○米沢委員 どうも客観的な情勢が大蔵省のおっしゃるとおりになったということで、一言もなく郵政省は結果的にはそれに同意した、そういう形になったわけですね。従来までは、諮問のやり方も二段階方式と言われるように丁重にやられた場合がありました。それが今度は、完全にもう同時諮問そして即答申でしょう。いままでのこういう答申ができ上がるまでの期間等もいろいろ教えていただきますと、一番早いときでも三週間、そういうのがもう半日で決まるのですからね。そういうのを見ておって、本当に郵政省として零細な預金者を保護しようなんという感覚があるんだろうか、これはもうだれしもそう思うんじゃないかと思うのです。一体審議会というのは何だろうか、そういう国民の批判に対して当局でどういうお答えをなされるおつもりなんですか。ぜひ聞かせてほしいと思います。帰ったらまたいろいろと説明しなければいかぬです、こういうのは。
  97. 森本哲夫

    ○森本説明員 今回の利下げをめぐっての郵政審のあり方について先ほども述べたところでございます。繰り返しのようで恐縮でございますが、四十七年あるいは五十年、こうした折の郵便貯金の利下げをいたす客観条件としては、公定歩合がまだ下がってもおらない、ましてや民間の預金者金利も下がっていない、こういう事情にあったわけでございます。そこで、一体郵便貯金の金利はこういった客観条件の中でどうあるべきかということを諮問いたしまして、そしていろいろ御議論の上、この状況の中では下げもやむを得ない、こういう御答申をいただいた上で改めてお諮りしたというのが、先生御承知のとおりでございますが、今回と従前とは非常に様相が違っておるということであります。
  98. 米沢隆

    ○米沢委員 しかし、いろいろと新聞情報等の流れをずっと読んでおりますと、一番最初は政府も日銀も、結局郵便貯金の金利の問題がどれだけ下げられるかわからぬので公定歩合の引き下げもまだわからぬ、こういうところから始まっているわけですね。結果的には公定歩合が先行して、その後一般の銀行の金利が下げられて、そして結果的には大蔵省さんのおっしゃるとおりの諮問案が結局答申案になった。そういう流れを見ておりますと、結果的には、政府が最初から言っておりましたように、公定歩合を引き下げる場合には、特に再引き下げの場合には預貯金の連動が絶対条件だ、こういうところから話が始まったわけです。そして結果的には大蔵省が言っておるようなかっこうで決まっしまいますと、結局、もう前、約束はできておった、こう見ざるを得ませんね。だから、審議会とかいろいろ形式的なことをやられて、いかにも審議会で議論されて結果的にはこういうものになったというふうによく説明をされますけれども、あれだけ公定歩合の再引き下げと預貯金の連動は絶対条件だと言われて、そして公定歩合がぽんと下げられて、その結果一般の銀行の金利も郵便貯金の金利もぽんと下げられるという姿を見ておりますと、審議会なんというのは完全にナンセンスだ、すでにおぜん立てば終わってしまった後のただ形式を整えるものにすぎない、こういう感じがするのです。そういう意味で、審議会というのは一体何だろうかという議論が国民の中にもたくさんあるし、私たち自身もどうもその批判を払拭できないのです。私は、郵政当局と大蔵当局に、そういう批判に対してどう答えられるのか、ここでぜひ明確に教えてほしいと思うのです。
  99. 森本哲夫

    ○森本説明員 郵便貯金の金利のありようについては、預金者の利益に対する配慮と同時に、市中の金融機関の金利のあり方との均衡をあわせ考える、こういう法律の定めになっておりまして、具体的には政令で定めるということになるわけでございます。その政令郵政大臣が発議して定めるには郵政審議会の議を経て決めるべし、こういうたてまえになるわけでございます。今回も郵政省の諮問に対しまして郵政審議会において相当長時間にわたりまして激しい議論があったところでありまして、最終的にはやむを得ないという判断をいただきましたので、私どもといたしましては、その判断を最大限に尊重して対処しなければならぬ、こういう立場にあるわけでございますので、御了解をいただきたいと思います。
  100. 米沢隆

    ○米沢委員 そういう意味では、一般の銀行金利と郵便貯金の金利があんなようなかっこうで同じように下げられるんだったら、金利なんか、郵政省が別に審議会なんかつくってかっこうをつくらぬでも、金利を下げる場合、上げる場合、一元にしてやったらどうかという意見が強くなっておりますね。特に、これは新聞記事でありますが、郵便貯金と銀行がかなりけんか状況になっておりまして、その意味で対等にするためにもう少し郵便貯金のいわゆる優遇されたところをカットせよ、少なくとも競争は対等にできるようにしろ、こういう議論もありますし、金利政策に機動力を確保するためには郵便貯金であれ普通の銀行の預金であれ同時に決めた方がいいんではないか、そういう意味では、零細な預貯金者を保護しようなんで口では言っても、どうせ結果的には何もせぬわけですから、郵政審で金利を審議するようなことはやめさせたらどうかという議論がいろいろ銀行筋からも出ておりますし、いろいろと云々なされておりますけれども、郵政当局、どうですか、どういう御見解ですか。大蔵省にもちょっと、金利の一元化、金利の自由化、そういうものについてどういうような御判断をなさっておるのか、この際聞かしていただきたいと思うのです。
  101. 森本哲夫

    ○森本説明員 今回の一連の金利引き下げの過程での議論かと承知いたしますが。郵便貯金の金利は一般の金融機関の金利の決め方とは別にしておるのは、これは別にしなければならぬだけの配慮がある、こういうことであります。そういう意味で、前回の民間における普通預金金利が下がりました場合にも、直ちに追随をいたさなかったわけでございまして、民間金融機関との均衡を配慮するということは直ちに右へならえという意味では決してなかろう、あくまでもそうした事情を勘案しつつ、その当時、その時点における情勢判断をして事に当たる、これが法律のたてまえ、また法律の言わんとしておるところではなかろうかと考えておる次第であります。  巷間言われる一元化というのは、いまの仕組みをもし変えるということでございますれば、それはそういう情勢にもないし、また必要性もない、かように考えておるところでございます。
  102. 宮本保孝

    ○宮本説明員 私どもといたしまして、金融政策、金利政策を運用していく立場から申し上げますと、やはり金融秩序、それから金利の体系、それから金利政策有効性、こういうような見地から申し上げまして、やはり金融秩序を乱さないで、そして金融政策有効性を保っていくということのためには、金利というものが大体同じように変動していくということがどうしても必要であろう、こういうふうに考えております。ただ、決定機構を一元化しろとかなんとかいう話はまた別の話でございますが、金融の理屈、経済の理屈から申しまして、郵便貯金を含めました金利がやはり弾力的に上げ下げが行われることが金融政策有効性を保つゆえんである、こういうふうに考えております。
  103. 米沢隆

    ○米沢委員 ところで、この答申には四つの条件が付記されております。もう御案内のとおりでございますから申し上げませんけれども、いつも第一の条件に、特に預金の目減りの問題を云々する場合には物価安定、インフレ対策が何をさておいても一番大きな課題なんだということが常に付記されておりますね。しかし、いつも書かれるけれども、むなしいのです、いつも裏切られるから。そういう意味で、私はこの際――いつも書かれてかっこうだけはとりますけれども、実際は、努力をされた割りには、特に金利よりも物価が上がっておるわけでして、常に目減りの問題を意識せざるを得ないような状況が今日の姿ではないかと思うのです。そういう意味で、長期計画なんかでも物価上昇を六%に抑える、五十五年の時点ですか、となっておりますけれども、一体、これから先、物価の上昇率が預貯金の金利よりも下がるときがあるのだろうか、一体いつごろ目途としてそういう物価対策をなされておるのであろうか、非常に大きな疑問を持つのですが、長官の御見解を聞きたいと思います。
  104. 倉成正

    ○倉成国務大臣 前期経済計画におきましては、計画の最終年度の昭和五十五年において消費者物価を六%以下に抑えたいというのが私どもの立てておる計画でございます。  それから、金利政策についていろいろお話がございましたけれども、われわれが政策を決定する際には、その政策のメリットとデメリット、この二つを考えまして、メリットの方がデメリットよりも大きいという場合にその政策をとるということにしておるわけでございまして、今回の金利の問題も、御承知のように、企業倒産もまだ相当多い、企業も気息えんえんとしておる、何とかここでひとつ企業に活力を与え、そして気迷いをなくしていこうというので、公定歩合をさらに一%下げるということにしたわけでございまして、これが企業の活動にも通じ、雇用の安定にも寄与すると思うわけでございます。これによって出てまいります目減りの問題とかいろいろな問題がございますけれども、そのデメリットよりもメリットの方が大きい、そう判断したわけでございます。したがって、できるだけデメリットの分をいささかでも少なくするようにということで、福祉定期預金の制度の創設であるとか、その他の配慮をいたしているというのが実情でございまして、われわれとしては物価の安定ということについては非常に困難ないろいろな問題がございますけれども、最善を尽くして努力をしてまいりたいと思っておるわけでございます。  ちなみに、アメリカ並びに西ドイツにおいては、日本より消費者物価は確かに低いわけでございますけれども、また一面において失業率という点から言いますと、西ドイツ日本の二倍以上、アメリカでは失業率が七・三%というようなことで、日本の三倍以上の失業率を持っているということもわれわれは参考にしておかなければならないと思うわけでございます。
  105. 米沢隆

    ○米沢委員 二番目の条件に、結局、貯金は預けるばかりで借りる制度が非常に未発達だ、こういう指摘の中から、郵便貯金による直接的な融資方式を検討すべきだ、こういう条件がつけられました。これで思い出すのでありますが、郵政大臣が前々から、奨学金制度にこれを利用して使いたい。そうなりますと、いままで財政投融資資金として大きな役割りを果たしてきた、そういう立場からは大蔵省からもいちゃもんがつくでありましょう。しかし、奨学資金をぜひ創設したい、そういう大臣の話には賛意を表するのでありますが、実現可能性としてどういうふうに感じておられますか、郵政当局の御意見を聞かせていただきたいと思います。
  106. 森本哲夫

    ○森本説明員 先生の御指摘のとおり、郵便貯金は現在、ゆうゆうローンと申します担保貸し付けのものを除きまして、一切資金運用部資金として預託をするわけでございます。これは公共の福祉の増進にも大いに役立っていることは事実でございますが、ただ、預金をしている人たちに直接の見返りというものはないのではないか、こういう御指摘はかねがねあるところでございまして、先生御指摘のとおり、今回の答申を受けてまいってもおりますし、またせんだっても大臣発言しているわけでございます。いずれにいたしましても、この資金の運用のあり方の問題については、既往の長い歴史的な経過の問題もございますし、法律上の制約も数多いわけでございます。こうした問題については、今後十分検討を重ねてまいらなければならない、こういう状況にあると考えておるわけでございます。
  107. 米沢隆

    ○米沢委員 最後になりますけれども、零細預金に対する施策ももう少し具体化を急げ、こういうことも付記されております。この内容が、今回の場合には福祉預金という形で、利率を現状のままにしてことしいっぱい、こんなものが大体福祉預金なんという名前に値するのかどうか大変疑問を持つのであります。社会政策的に零細なこういう預金者を本当に保護しようというならば、私は国の財政負担等も覚悟の上で、インフレが幾ら起こったとしても預貯金の目減りをしない、そういうもう少し突っ込んだ形の制度化というものがなされて初めて、いままで皆さんがずっとおっしゃった答弁で事足りる、私はそう思うのです。することをせぬで、現状を糊塗するような御説明ばかりをお伺いしておりますと、永久に目減りというのは解消し得ないし、またこの問題、常に大きな政治課題にのっていくであろうという感じがいたしてなりません。  特に、いろいろな資産がありますけれども、物価上昇等がたとえば年一〇%ずつ十年間ずっと続きますと、十年目には元本の三割八分にしかなりませんね。十万円預けても、利子を別にして、十万円の購買力と言いましょうか金の価値と言いましょうか、そういうものは物価上昇が続きますと十年目には三割八分の価値になってしまいます。利子つかずにですよ。九%の場合は約四割になってしまいますね。いま政府が長期計画で言っておられる六%の場合でも、十年物価が推移いたしますと、その元本は十年目には五割六分ですね。それに利子がつくからいいではないかとおっしゃるかもしらぬけれども、たとえば一年未満の定期預金の利子が六%の時代、五十年の前のときのもので計算しましても、郵便局からもらってきた利回りの計算表で計算しまして、十万円預けると十年目に二十一万九千円ぐらいになるのです。ところが、そういうかっこうでももとの価値が三割八分ぐらいに下がっていきますから、利子がついても十万円の価値はわずかの八万五千円です。結局物価上昇に食われて、実質価値は、十万そのものの利子を幾らつけられても、八万五千円の価値にしかならぬというのです。五%の場合で計算しますと、実質価値は七万五千円になりますね。六%のときにやっと十一万ついて、一万四千円ぐらい手取りがちょっとふえるというだけです。そういう実態の中で、物価上昇が六%だけではなくて、現にことしも裏切られましたし、今度も七・七%だとおっしゃる。実際五十五年に六%におさまると言っても、もう信じておりません。そうしますと、この目減りの問題は、貯金をされて損するのはわかっていても、せざるを得ないような社会情勢の中で、どうしてももう少し真剣に取り組んでもらわないと、完全に国民を裏切ると言われても仕方がないことじゃないか、私はそう思うのです。そういうことを考えるときに、経企庁、確かに物価問題は抽象的にはいろいろ言えます、大変むずかしい問題かもしれませんけれども、もう少し元気を出してやってほしいと思いますし、目減りの問題はそういう意味ではもう社会政策的に抜本的に取り組む政府の姿勢を明確にしていただきたいということを心から注文いたしまして、質問を終わりたいと思います。実は自治省の方にも来ていただいておりますけれども、時間がありませんので、御勘弁いただきたいと思います。
  108. 西宮弘

    ○西宮委員長 米沢隆君の質疑は終わりました。  次は、依田実君。
  109. 依田実

    ○依田委員 きょうは消費者行政の中の、最近よくニュースや何かで出てまいりますプロパンガスの爆発事故、そうしてまたこれに対する予防の政策について、いろいろ伺わせていただきたい、こういうふうに思っております。  四月の末だと思いますけれども、高圧ガス及び火薬保安審議会、これの方からいろいろ検討された結果が通産省の方へ出ておるのじゃないか、こういうこともありますので、それを含めながらいろいろ質問させていただきたい、こういうふうに思っております。  ここに三月、少し先になりましたけれども、大きいプロパンガスの爆発事故、一つは岩槻、これで十九棟被害に遭った、同じ三月十二日にも横浜で八人の重軽傷者を出した、こういういろいろ爆発のニュースが出ておるわけであります。最近はプロパンガスの爆発がありますと非常に被害が大きい。そしてまたマンションとかそういうところで起こるために、隣近所の部屋に非常な被害を及ぼす、こういうことが多いわけでありますけれども、いまプロパンガスを全国で約一千八百万世帯、これだけの方が御使用になっていらっしゃるわけであります。ひとつ最近の事故、どのくらい件数があるのか、そしてまたその原因は主にどんなところにあるのか、お答えをいただきたい。
  110. 飛永善造

    ○飛永説明員 お答えいたします。  昭和五十一年度の都道府県から報告がございましたプロパンガスの消費先における事故件数は五百八十一件でございます。これを原因別に見ますと、消費者が注意すれば防ぎ得たと思われるものが約七五%の四百三十七件、それから販売店の保安サービスが徹底していれば防ぎ得たと思われるものが約八%、四十八件、販売店の処置にミスがあったと思われるものが約三%、十四件、器具の欠陥が原因となったと思われるものが約一%、残りは、その他原因不明でございます。
  111. 依田実

    ○依田委員 いま約七五%は消費者の注意があれば防げたのじゃないだろうか、こういうことでございますけれども、消費者のミスによる事故、その原因をもう少し分類していただきたい。
  112. 飛永善造

    ○飛永説明員 具体的に二、三消費者のミスと思われるような事故の内容について例示的に申し上げますと、たとえば元栓等の不完全閉鎖によって事故が起こったものが五十一年度で九十一件ございます。その次に多いのがゴム管の緩みとか外れが六十五件、それから二口コックについて、一方だけしか使ってない場合、未使用コックを間違えて開いた、こういうのが六十四件、それから点火、着火のときの確認が不十分であったために生ガスが漏れたというようなケースが三十四件、主なものはこういうものでございます。
  113. 依田実

    ○依田委員 いま幾つか消費者のミスによる事故を報告していただいたわけでありますけれども、これまでに通産省なりが、消費者によるプロパンガス事故を未然に防ぐためのいわゆる消費者啓蒙活動、こういうものを行っていらっしゃるかどうか、そしてまた、どんな形でそれを実施されておるか、伺わせてください。
  114. 飛永善造

    ○飛永説明員 お答えいたします。  先ほどもお答え申し上げましたように、プロパンガスの事故の原因には消費者ミスが非常に多いということで、やはり消費者に何とかして十分注意をしていただく、そういうことで消費者へのLPガスの正しい使用方法等の保安啓蒙が私どもとしては事故防止の非常に重要な柱だと考えております。そういう観点に立ちまして、通産省といたしましては、従来から液化石油ガスの販売業者を通じまして事故防止に関する周知徹底を指導させる等によりまして、事故の防止に万全を期してきたわけでございますが、特に昨年の十一月からは毎月十日を液化石油ガス消費者保安デーということにしまして、高圧ガス保安協会あるいは都道府県あるいはLPGの販売その他関係業界の御協力を得まして、テレビラジオ新聞パンフレット、ポスター等を通じまして、毎月十日に繰り返しプロパンガスの安全使用についての保安啓蒙活動を強力に推進しているわけでございます。さらに、こういうマスコミを通じる保安啓蒙だけではございませんで、五十二年度におきましては、学校教育におきましてもプロパンガスの保安啓蒙というものを積極的に取り上げていただこうということで、小中高校の先生方を対象とした保安の講習会というものを考えて、消費者に対する保安啓蒙活動の一唐の強化を考えている次第でございます。
  115. 依田実

    ○依田委員 いま幾つか消費者の啓蒙活動のパターンをお話しになりました。販売業者を通してとおっしゃいましたけれども、販売業者の方は売ることだけが忙しくて、事故防止について消費者訴える、こういうことはなかなかむずかしいだろうと思うのです。そしてまた、消費者保安デーといいますか、毎月十日、こういうことでいろいろいまおっしゃいましたけれども、われわれ町におりまして実際問題としてポスターにも余り見当たったことはございませんし、通産省がやっていらっしゃる割りには何か末端には余り浸透してないような気もするわけでありますが、この保安デーはどのくらいの予算を割いておやりになっていらっしゃるのでしょうか。
  116. 飛永善造

    ○飛永説明員 五十二年度の事業計画では、現在約一億円の予算をもってスタートしておるわけでございます。そのうち約半分は国の補助金でございまして、残りは関係業界団体に負担していただいて、関係業界と協力してやっておるわけでございます。
  117. 依田実

    ○依田委員 そうしますと、半分が通産省、半分が業界、こういう割合でございますか。
  118. 飛永善造

    ○飛永説明員 そうでございます。
  119. 依田実

    ○依田委員 いまの物価のというか、いまの経済情勢から、年間一億円という啓蒙費ではとてもわれわれの目につかないのは当然じゃないか、こう思うのでありますけれども、こういう面もぜひもう少し予算をふやしてやっていただく。そしてまた、いま五十二年度は学校でというお話がございましたけれども、これは具体的にはもう進んでおるのでしょうか。
  120. 飛永善造

    ○飛永説明員 先ほど申し上げました学校教育に関連いたしまして、現在の準備状況を申し上げます。  学校教育、特に学校の先生を対象にいたしまして保安の講習会をやりまして、生徒の人にできるだけ小さいときからこの保安の大事さを覚えてもらうことが非常に効果的じゃないかということが前々から指摘されておりまして、五十二年度予算におきまして約一千万円の講習会の予算が認められたわけでございます。私どもとしては主として家庭科あるいは職業科の先生を通じて、具体的な使用の仕方をいろいろと御説明することを通じてやりたいと思っておりますが、大体時期的にはこの夏休みに、先生方の講習会がいろいろ行われる時期にほかの講習と合わせてやっていきたい、そういうことで具体的なプランを立てております。現在、文部省にも御協力を得る必要がありますが、文部省としてもこれに賛成していただきまして、近く関係の都道府県からも連絡していただき、あるいは関係の都道府県の中央での会合があるときに具体的なやり方につきまして私どもも御説明する、そういう形で準備を進めております。実際の実施はこの夏休みの時期に重点的にやることになっております。
  121. 依田実

    ○依田委員 それに関連しまして、去る四月の末ぐらいまでに出るはずになっておりますけれども、高圧ガス及び火薬保安審議会がプロパンガスの保安問題についていろいろ検討をされておったわけであります。その結果がきっと出ているはずでございます。これはずいぶん長いものになっておるはずでありますけれども、その中で消費者保安対策についてどういう点が案として出ておるのか、その辺を教えていただきたい。
  122. 飛永善造

    ○飛永説明員 初めにちょっとお断り申し上げたいのでございますが、たしかさきの予算委員会の分科会だと思います、私どもの局長の方から、四月末を目途にこの審議会の答申をまとめていただくという方向でお願いしているということを申し上げておりましたが、四月末に会合をやりましたところ、二、三もっと詰めようじゃないかという御意見が出まして、実はきょうとあしたも審議会をやっていただいて、残っている問題等を含めてさらに詰めていただくということで、まだいまのところ答申は受けていない状況でございますが、おおよその方向はまとまりつつあって、最後の詰めにかかっているというのが現在の状況でございますので、まず御報告させていただきます。  具体的にこの審議会の中で消費者保安対策はどうなっているかということでございますが、実はこの審議会の中で特に液化石油ガス消費者保安をどうするか、これだけに焦点をしぼって分科会を設けまして審議していただいているわけでございまして、その内容全部が消費者保安確保ということにつながるわけでございますが、特に重点的に委員の方々から御議論いただいている点は、四つぐらいに分けたらいいかと思います。  一つは、液化石油ガスの正しい使い方等の周知を徹底的に行うために具体的にどういう方策をとるかということで、先ほど御指摘の、単なる啓蒙だけでなくて、もっと本当に効果のあるやり方をどうしたらいいかということなどを検討していただいております。  第二に、やはり設備等がちゃんとしてないといかぬということで、設備の設置あるいは調査点検を確実に行う。その場合に、どういうやり方をやる方がより事故を防げるかという問題。  それから、設備を設置するに当たりまして、特に配管等の気密性の問題とかいろいろ問題がございますので、そういうものについて、現在は有資格者が一般的に行うことになっておりませんけれども、有資格者にやっていただくということで、問題のない設備を使って消費してもらうということも検討の対象にしていただいております。  もう一つの問題といたしましては、実際にプロパンガスを消費される場合における器具の安全性を高めないといけませんから、器具の安全性を高めるためにどういうふうにしていったらいいか。現在検定制度を持っておりますけれども、その検定制度をさらに改善をし、より安全な器具をお客様に提供できるようにする。そのための必要な改善策があるかないかということ等を議論していただいているわけでございます。
  123. 依田実

    ○依田委員 昭和四十九年七月三十日に、「今後の高圧ガス保安体制のあり方について」という案がいまの審議会で出ておるわけであります。その中に「液化石油ガス消費者保安対策」というのが出ておりまして、「問題点と基本的方向」、以下ずっと出ておるわけでありますけれども、その中に「ガス漏れ警報器の設置の促進」、こういう項目が出ております。今度出される予定になっておる答申の中でもその問題は触れられておるのでしょうか。
  124. 飛永善造

    ○飛永説明員 御指摘の四十九年にこの審議会で、消費者保安対策の答申の一つの項目として、ガス漏れ警報器の設置を促進するということがうたわれておりまして、私どもといたしましては、前回の答申を受けて、五十年度から、一般消費家庭において毎月少ない金額によりガス漏れ警報器が設置できるようにということで、リース制度というものを国の財政資金の援助を一部かみ合わせて設けまして、ガス漏れ警報器の普及促進にすでにスタートしているわけでございます。特に五十二年度からは、開発銀行からの融資でこれをやることを考えておりまして、ただ単にリース制度を活用していただくということだけでなくて、できるだけ御指摘のガス漏れ警報器の設置を促進するということで、いままでの対策に加えて、具体的にどういうふうにやっていったらいいかという具体策について、現在関係の諸団体にいろいろと検討を行っていただいております。関係諸団体と申しますと、もちろん役所も加わっておるわけでございますが、LPの販売業界あるいは器具業界というものだけでなくて、主婦連その他の消費者団体も一緒に加わっていただいております。そこでこういう形で設置促進のための協力体制をしいていこう、何とかして早くガス漏れ警報器を普及させていこうということで検討していただいておりまして、近く大体方向づけができて、実行に移るという段階になっております。
  125. 依田実

    ○依田委員 ところで、ガス漏れ警報器でありますけれども、最近までに、それがあったために事故を未然に防げたというケースが幾つかあるのでしょうか。
  126. 飛永善造

    ○飛永説明員 私ども、昭和四十九年から五十一年にかけまして、一般消費者等に対してサンプリング調査をやっていただいたり、あるいはLPガス販売店から事故例等の報告をいただくときに、事故を未然に防止し得たものがないかということを聞いておりまして、現在、千四百三十七件の事例の報告を受けております。これは報告を受けただけでございますので、実際はかなり多くのプロパンガスの漏洩事故を未然に防止していただいたのではないかと考えております。
  127. 依田実

    ○依田委員 千四百三十七件、昭和四十九年からそれだけの事故を未然に防げたケースがある、こういうことになれば保安の上から非常に有効な手段じゃないかと思うのです。  ところで、ガス漏れ警報器でございますけれども、名前を出すのは差し控えますが、以前は非常に不良品があった。あれはにおいや煙か何かで感知をして、それでベルが鳴るというようなものなのでしょうけれども、以前の製品は非常に悪い。たとえば魚の煙か何かで鳴ってしまった、そういういろいろな話題もございました。また、ガス会社からだということで、そういうものを押し売りみたいにして売りつけた、こういういろいろな事例もあったわけであります。そういう意味で、またガス漏れ警報器の不良品が出回ると困るわけでありますけれども、こういう製品について、国家検定方式とかそういうもので、消費者にかえって負担にならないような形を通産省の方ではお考えになっていますでしょうか。
  128. 飛永善造

    ○飛永説明員 先生も御存じかと思いますけれども、現在ガス漏れ警報器につきましては、先ほどちょっと触れました特殊法人高圧ガス保安協会におきまして自主検定という形でチェックをいたして、安全性のあるものを出すという形で実施しておるわけでございます。この高圧ガス保安協会でやっております検定につきましては、ただいま先生御提案の国家検定と違いまして、法的には強制力のあるものではございませんけれども、私どもといたしましては、実は業界あるいは高圧ガス保安協会等の協力を得まして、こういう保安協会でやった検定合格品のみが普及するように、液化石油ガス販売業者を含めまして関係業界を強力指導いたしておりまして、現在のところはまだ不良品等は出回っていないのじゃないかという気がいたしております。  今後国家検定を導入するかどうかということでございますが、ガス漏れ警報器は、御承知のように、ガスが漏れたのを検知するところに使用状況によって性能が微妙に変化する半導体を使っているという問題もございまして、適正な場所に設置するとか、使用時のメンテナンスということが非常に必要でございまして、この観点から、保安協会でやっております自主検定制度にはメーカーのアフターサービス体制あるいは販売店のアフターサービス体制、そういうものも組み込みましたような形の検定制度をとっておりまして、具体的に、その設置等につきましては、専門的な知識を持っておりますLP販売業者の方々に適正な個所につけていただく、あるいはその後もお客さんの相談に十分乗れるような体制をとるということで運用しているわけでございます。ただ、先ほど御質問がございましたように、現在、液化石油ガス消費先における保安対策を抜本的に強化するということで、高圧ガス保安審議会におきまして検討いただいておりますが、先生御提案の国検にするかどうかということを含めまして、その審議会の結論等も参考にいたしながら、私ども検討させていただきたいと思っております。
  129. 依田実

    ○依田委員 日本LPガス連合会から各都道府県へアンケートをいろいろ回している、その文書がここにあるわけでありますけれども、この中でガス漏れ警報器についていろいろアンケートを問いかけておるわけであります。その答えの中では、各都道府県ともそれぞれ推進したいという意見がわりあい多いのでありますけれども、それに付帯していろいろ意見がついております。普及はしたいのだけれども、リース資金の拡充を望みたい、あるいはまた業務用施設とか集合住宅、そういうところに行政指導ではなくて法的義務づけをしてくれないだろうか、こういう答えが返ってきておるわけであります。先ほどもちょっとリースのお話がそちらの課長から出ましたけれども、このリースの資金の拡充、制度あるいは資金量や何かの将来の見通しについて、ひとつ課長の方からお答えをいただきたい。
  130. 飛永善造

    ○飛永説明員 先ほどちょっと御説明いたしましたように、従来は財投資金の引き受けの形でございましたが、五十二年度からは開銀資金の中でリースの資金を確保するという形で再スタートしたわけでございます。この資金枠につきましては、開銀資金の中の安全対策融資という内数になっておりますが、この安全対策枠というのは約四百七十億円という数字でございます。私ども当初財政投融資要求をするときには、とりあえず約三十二億円程度要るのじゃないかと考えておりまして、この大きな枠の中でございますからリース資金が不足するということはないんじゃないかということを考えておる次第でございます。
  131. 依田実

    ○依田委員 現在はどのくらい利用されておるのですか。
  132. 飛永善造

    ○飛永説明員 五十二年度につきましては、これからということで数字はございませんが、五十一年度につきましては約四億六千万円の資金をリースのために融資いたした次第でございます。
  133. 依田実

    ○依田委員 もう一つ、この各都道府県から戻ってきておりますアンケートの中に、先ほど私も申し上げましたけれども、業務用の施設、ホールだとかそういうところでございますね、それに集合住宅、こういうところでは、行政指導ではなくて、これをつける法的義務、こういうものにしてくれないだろうか、こういう答えが多いわけであります。火災報知器などについてはすでにいわゆる集合住宅、業務用施設などには義務づけられるようになっておるわけでありますけれども、いま火災だけじゃなくて、プロパン爆発、これも非常に危険が多いわけであります。どっちかというと、こっちの方が瞬間的で非常に人身に対する事故が多いわけでありますから、これについてぜひガス漏れ警報器をつけるように、こういうふうに指導してくれぬか、義務づけしてくれぬかという要望だろうと思うのであります。これについては将来の方向はいかがでしょう。
  134. 飛永善造

    ○飛永説明員 先ほど触れましたように、私どもといたしましては、このリース制度を活用して、何とかしてガス漏れ警報器の普及促進を進めたいというふうに考えているわけでございます。  そして五十二年度、先ほど申し上げましたように、関係団体等と具体策を検討するに当たりましては、集合住宅、アパート、マンション等につきましても特に重点的に普及を先行させる、そういうことでいろいろ具体策を話し合っているわけでございます。  御指摘のように、アパート、マンションその他集合住宅等におきましてガス漏れ警報器の設置を法的に義務づけるかどうかということでございますが、これも私ども内部で議論の段階でございますが、いろいろ話し合っているわけでございます。ただ、ガス漏れ警報器は、先ほど申し上げましたように、その性能の維持に当たりまして適当なアフターサービスというものがどうしても不可欠でございますし、先ほど申し上げました設置場所そのものについても、ただつけなさいというだけでは十分ではなくて、やはり一番ガス漏れを感知しやすい場所、そういうところにつけるということで、アフターサービスないしはその設置の段階における販売店等の協力が必要だという点から、私どもといたしましては、現在高圧ガス保安協会というところの自主検定というシステムと関係業界の協力による普及ということで進めているわけでございますが、御指摘の点につきまして、今後ガス漏れ警報器の普及状況等も見ながら検討をさしていただきたいというふうに思っております。
  135. 依田実

    ○依田委員 ひとつぜひ早急に保安対策をしていただきたいのであります。  いま主にLPGのお話を承らしていただいたのでありますが、都市ガスの方も、これは数は少ないかもしれませんけれども、しかし一件当たりの被害というものはまた大きいわけであります。こちらの方の予防、警報器の設置というものは、いまどうなっておるでしょうか。
  136. 飛永善造

    ○飛永説明員 非常に申しわけございませんが、私の方はプロパンの関係でございまして、都市ガスの方のあれは十分承知してないのでございますが、都市ガスの中でもプロパンを直接使っております簡易ガス事業というものがございますが、これにつきましては全くプロパンと同じでございますので、私ども、先ほど申し上げました関係団体による普及促進につきましては、単にプロパンのボンベ売りだけでなくて、簡易ガス事業も対象といたしまして一緒に普及していくということで、現在合同で施策を進めている段階でございます。
  137. 依田実

    ○依田委員 最後に、繰り返しになるかもしれませんけれども、高圧ガス保安協会の方から通産省あてにいろいろ陳情が出ていると思います。「保安対策の一つとして、液化石油ガス漏れ警報器の設置促進を強力に進めることが重要である」という陳情書が出ているはずでございますけれども、これに対するお答えを含めて、今後の普及促進、そういう面について最後に課長の方からお答えをいただきたいと思います。
  138. 飛永善造

    ○飛永説明員 先ほど一番最初に申し上げましたように、現在のプロパンガスの事故というのは、約四分の三というのが消費者の方がもう少し注意していただいたら防ぎ得たということでございまして、何とかしてこの事故を減らしたいということで、私どもいままで努力してきたつもりでございますし、現に審議会に何か抜本策を考えていただきたいということでお願いしているわけでございます。そのための対策といたしましては、一つは、とにかく消費者の方々への啓蒙活動を強化いたしまして、何とかして操作ミスというものを、非常に簡単な間違いで事故が起こっておりますから、この点を改めていただくということ。しかし、やはり万が一にも漏れた場合にその被害を最小限に食いとめるため、このガス漏れ警報器の設置の促進ということは私ども非常に大事だと思っていまして、先ほど申し上げました関係団体協力を得て、近く具体的に行動に移るという状況でございます。今後ともこの方向で努力していきたいと思います。
  139. 依田実

    ○依田委員 終わります。
  140. 西宮弘

    ○西宮委員長 依田実君の質疑はこれで終わりました。      ――――◇―――――
  141. 西宮弘

    ○西宮委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  物価問題等に関する件、特に連鎖販売・ネズミ講に関する問題について、参考人の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  142. 西宮弘

    ○西宮委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。  なお、参考人の人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  143. 西宮弘

    ○西宮委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。      ――――◇―――――
  144. 西宮弘

    ○西宮委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。  物価問題等の実情調査のため、議長に対し、委員派遣の承認を申請したいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  145. 西宮弘

    ○西宮委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。  なお、派遣委員の人選、日時、派遣地等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  146. 西宮弘

    ○西宮委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたします。  次回は公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時八分散会