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1977-02-25 第80回国会 衆議院 外務委員会 1号 公式Web版

  1. 本国会召集日(昭和五十一年十二月三十日)(木 曜日)(午前零時現在)における本委員は、次の とおりである。    委員長 竹内 黎一君    理事 有馬 元治君 理事 鯨岡 兵輔君    理事 毛利 松平君 理事 山田 久就君    理事 河上 民雄君 理事 土井たか子君    理事 渡部 一郎君 理事 中村 正雄君       安倍晋太郎君   小此木彦三郎君       川崎 秀二君    川田 正則君       木村 俊夫君    佐野 嘉吉君       中山 正暉君    福田 篤泰君       福永 一臣君    三池  信君       宮澤 喜一君    井上 一成君       伊藤  茂君    岡田 春夫君       川崎 寛治君    松本 七郎君       中川 嘉美君    正木 良明君       渡辺  朗君    松本 善明君       伊藤 公介君 ――――――――――――――――――――― 昭和五十二年二月二十五日(金曜日)     午前十時三十五分開議  出席委員    委員長 竹内 黎一君    理事 有馬 元治君 理事 鯨岡 兵輔君    理事 山田 久就君 理事 河上 民雄君    理事 土井たか子君 理事 渡部 一郎君    理事 中村 正雄君       稲垣 実男君   小此木彦三郎君       川崎 秀二君    川田 正則君       中山 正暉君    福田 篤泰君       三池  信君    宮澤 喜一君       井上 一成君    岡田 春夫君       高沢 寅男君    松本 七郎君       寺前  巖君    伊藤 公介君  出席国務大臣         外 務 大 臣 鳩山威一郎君  出席政府委員         防衛庁防衛局長 伊藤 圭一君         外務政務次官  奥田 敬和君         外務省アジア局         長       中江 要介君         外務省アメリカ         局長      山崎 敏夫君         外務省欧亜局長 宮澤  泰君         外務省経済協力         局長      菊地 清明君         外務省条約局長 中島敏次郎君         外務省国際連合         局長      大川 美雄君         外務省情報文化         局長      柳谷 謙介君         水産庁長官   岡安  誠君         海上保安庁次長 間   孝君  委員外の出席者         法務省入国管理         局登録課長   山下 善興君         外務委員会調査         室長      中川  進君     ――――――――――――― 委員の異動 一月十四日  辞任         補欠選任   安倍晋太郎君     浦野 幸男君 同月十六日  委員浦野幸男君が死去された。 同月二十二日             補欠選任              稲垣 実男君 二月四日  辞任         補欠選任   伊藤 公介君     山口 敏夫君 同日  辞任         補欠選任   山口 敏夫君     伊藤 公介君 同月五日  辞任         補欠選任   松本 善明君     不破 哲三君 同月七日  辞任         補欠選任   不破 哲三君     松本 善明君 同月十二日  辞任         補欠選任   正木 良明君     矢野 絢也君 同日  辞任         補欠選任   矢野 絢也君     正木 良明君 同月十七日  辞任         補欠選任   伊藤  茂君     高沢 寅男君   川崎 寛治君     塚田 庄平君 同月十八日  辞任         補欠選任   中川 嘉美君     貝沼 次郎君 同日  辞任         補欠選任   貝沼 次郎君     中川 嘉美君 同月二十五日  辞任         補欠選任   松本 善明君     寺前  巖君 同日  辞任         補欠選任   寺前  巖君     松本 善明君     ――――――――――――― 二月二日  戦争犯罪及び人道に反する罪に対する時効の不  適用に関する条約の締結に関する請願(藤原ひ  ろ子君紹介)(第一二九号) 同月九日  軍縮及び平和的国際秩序の確立に関する請願(  横山利秋君紹介)(第一九六号) 同月十六日  朝鮮半島の自主的平和統一促進に関する請願(  椎名悦三郎君紹介)(第三四六号) 同月二十一日  韓国の金大中氏に医師団派遣等に関する請願(  塚田庄平君紹介)(第五八八号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  国際情勢に関する件      ――――◇―――――
  2. 竹内黎一

    ○竹内委員長 これより会議を開きます。  議事に入るに先立ち、この際、謹んで御報告申し上げます。  当外務委員会の理事として長年にわたり審査のため尽力され、また、さきに院議をもって永年在職議員として表彰されました元議員堂森芳夫君は、去る一月十三日、逝去されました。まことに哀悼痛惜の念にたえません。  ここに、委員各位とともに故堂森芳夫君の御冥福をお祈りし、黙祷をささげたいと存じます。  御起立をお願いいたします。――黙祷。     〔総員起立、黙祷〕
  3. 竹内黎一

    ○竹内委員長 黙祷を終わります。御着席ください。      ――――◇―――――
  4. 竹内黎一

    ○竹内委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  本委員会といたしましては、国際情勢に関する事項について調査を行いたいと存じますので、その旨、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 竹内黎一

    ○竹内委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  6. 竹内黎一

    ○竹内委員長 国際情勢に関する件について調査を進めます。  この際、昭和五十二年度外務省関係予算について、その概要説明を聴取いたします。外務政務次官奥田敬和君。
  7. 奥田敬和

    ○奥田政府委員 昭和五十二年度外務省予算につきまして、お手元に配付いたしました昭和五十二年度外務省予算重点事項の各項目に沿って御説明を申し上げます。  まず、一番上の欄外にございますように、昭和五十二年度外務省予算は総額一千七百七十六億六千万円が計上されておりますが、これは前年度に比し百九十九億九千万円の増加で、一二・七%の伸び率になっております。  第一の外交実施体制の整備についてであります。  外務省定員につきましては、本省及び在外公館を含め百五十名の増強を図ることにいたしておりますが、このうち本省及び在外公館の増員九十一名、他省からの振りかえ分二十五名及び業務量の増加に伴う振りかえ分三十四名となっております。なお、五十二年度外務省分の計画削減は三十名となっております。  本省及び在外公館の機構整備につきましては、本省において、大臣官房に総務課及び条約局に海洋担当の書記官を新設することとし、また、在外公館については、在ウガンダ大使館、在ペナン総領事館及び在エンカルナシオン領事館の新設を要求いたしております。  次に、瘴療癘地、すなわち主として中近東、アフリカ地域に見られる勤務環境の厳しい地に存在する在外公館の職員の勤務条件の改善につきましては、館員住宅の整備、健康管理、福祉厚生の改善を図るための予算が大幅な増額を見ております。十一億二千六百万円が計上されております。  第二の国際協力の拡充強化についてであります。  開発途上国と関係の深いわが国といたしましては、経済技術協力を可能な限り拡充強化していくことが急務となっております。経済協力関係予算は、外務省予算中最大の比重を占め、総額九百四十七億八千六百万円が計上されておりますが、その重点といたしましては、水産関係援助も含めた二国間無償資金協力を推進するほか、技術協力拡充のため国際協力事業団交付金を大幅増額することといたしております。  第三の広報文化活動の推進につきましては、国際文化交流の拡充を図るため、昭和五十二年度において国際交流基金に対し五十億円の追加出資を行うこととしたほか、外国人留学生の勉学環境の改善を図るため、国際学友会の日本語学校改築に補助金を交付することとし、文化事業の充実に努めることといたしております。  また、対外広報活動につきましては、シカゴに新たに広報文化センターを開設することとしたほか、対日批判に対する啓発資料の作成など対外特別広報事業の充実を図ることといたしております。  第四の海外子女教育の充実強化につきましては、現在海外在留邦人の同伴子女で義務教育年齢にある者は約一万八千人の多数に及んでおり、これらの子女の教育がきわめて切実な問題となっているため、昭和五十二年度においても海外子女教育の充実強化を積極的に推進することといたしました。そのためアルジェ、バグダード、ボコダ、ブカレスト及びグアテマラの五つの都市に全日制の日本人学校を新設することといたしております。また教員の増員、その待遇改善等もあわせ行うことといたしております。  以上が昭和五十二年度外務省予算案の重点事項についての説明でございます。
  8. 竹内黎一

    ○竹内委員長 以上で概要の説明は終わりました。
  9. 竹内黎一

    ○竹内委員長 国際情勢に関する件について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河上民雄君。
  10. 河上民雄

    ○河上委員 本日は鳩山外務大臣が就任されましてから最初の国際情勢に関する質問の日でございますので、外務大臣より当面の幾つかの重要な問題について率直正確な御答弁をいただきたいと思います。  まず初めに、今朝の新聞でも報道せられましたが、ソ連の二百海里経済水域が、三月一日より実施されるという報道に接したのでありますけれども、外務省ではこれを確認しておられますか。まずそのことを初めにお伺いいたします。
  11. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 本件はタス通信社の報道によって知ったわけでございまして、わが在モスクワ大使館からも、通信社の発表として知ったわけでございます。
  12. 河上民雄

    ○河上委員 二百海里の宣言というものはすでに昨年末なされているわけでございますし、その後水産庁の松浦さんが訪ソされまして、そこで国内的にもすでに手続が全部完了している、こういうことを知って大変驚愕をしたというようなことも伝えられておるわけでありますが、あの宣言が発表されました後、外務省としてはソ連の二百海里について具体的にどういうふうになっているかということをいろいろ調べられましたですか。それとも、全くいまお話がありましたようにタス通信を通じて初めて知ったというのが真相なんですか。
  13. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 昨年の十二月十日の最高幹部会令によってすでにソ連が二百海里の漁業専管水域を設定する意思のあるところは、私どもも当然のことながら承知をいたしておった次第でございます。それが今回の日本の漁業に対しましていかなる影響を及ぼすかという点につきまして、わが方といたしましても極力先方の意向を知りたいと思ったのでございますけれども、松浦部長が行かれましてもなかなか先方の意向というものがわからないまま今日に及んでおりまして、鈴木農林大臣とイシコフ漁業相との会談においてこの話をしよう、こういう経過になっておるのでございます。
  14. 河上民雄

    ○河上委員 それでは、今回の発表によりまして日ソ漁業交渉に大きな変化があると予想されますか。
  15. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 今回の漁業交渉におきまして、ソ連の主張しております二百海里漁業専管水域を設ける――主張というよりすでに設ける意思を表示しておりますので、この二百海里漁業水域のもとで従来の日ソ漁業条約がどのような関係になるかという点が、わが方としても最大の関心事でございます。この点につきましてまだ先方の意向は全くわからないということでございます。
  16. 河上民雄

    ○河上委員 いま大臣のお答えでは、この二百海里問題はすでに日ソ漁業交渉に臨むに当たって政府としてもこれを織り込み済みである、こういうふうに受け取られるのでございますけれども、今回の交渉に当たりまして、従来の漁業交渉だけではなく北方領土問題も大きな焦点となるというふうに見てよろしいのでしょうか。
  17. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 今回の鈴木農林大臣とイシコフ漁業相との会談におきまして、北方四島の問題が漁業の面であるいは関連が出てまいることも予想されるわけでございます。しかし北方領土問題といたしましては、これは一漁業の問題ではございませんので、この領土問題と漁業交渉とは別個の観点から交渉さるべきものであると私どもは考えておる次第でございます。
  18. 河上民雄

    ○河上委員 そういたしますと、領土問題と漁業交渉とはなるべく切り離していきたい、こういう御意向のように承るわけでございますけれども、きょうの新聞報道によりますと、ソ連側はわが国の二百海里と先方の二百海里との関係というものを考慮したと見られる節があるわけでありますが、わが国も二百海里宣言をやる方針でございますか。いかがでございますか。
  19. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 御説のように、先方の発表を見ますと、たとえば日本海あるいは太平洋等で隣接しております地域につきましては、ソ連は中間線をとるということを言われておるわけで、その点は将来のことも考えた上の線引きであるということも言えるかと思います。しかし、わが方といたしましては、二百海里の漁業専管水域を設けるかどうかということはまだ何ら決定を見ておりません。現在のところは何ら決まってないわけでございます。しかし、先々どうするかということになりますと、現在までのところは、国連の海洋法会議におきます決定がどういうふうになるか、結論を見ながら対処ぶりを考えるという態度でございます。
  20. 河上民雄

    ○河上委員 けさ新聞で私ども初めて、初めてといいますか、報道に接したわけでございますので、この問題はさらに今後大臣のお考えも承りたいと思いますが、きょうはこの程度でとりあえずの外務省の態度、お考えを承った次第でございます。  それでは少し話題を変えますけれども、先般来予算委員会その他におきましていわゆる領海十二海里の問題が熱心に討議されておりますが、あのいわゆる鈴木案、政府案につきまして、わが党の藤田高敏議員の質問に対しまして、これは世界に類例のないものであるというような答弁をされておりますけれども、どうしてこういうものを設けたかというその根拠につきまして、外務大臣から重ねてお伺いいたしたいと思います。
  21. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 二月十四日の衆議院の予算委員会で藤田高敏委員から御質問がありまして、それに対しまして政府としての統一見解を出すようにということでお出ししたのは御承知のとおりでございまして、ここでこれを朗読いたしますと時間がかかりますので省略をさせていただきます。  私ども領海を十二海里に広げたいということは、もっぱら沿岸漁業者の、主としてソ連の大型漁船によるところの被害と申しますか、こういったものから守るという趣旨でございます。昨年のたしか一月だったかと思いますが、政府は領海を十二海里に広げる、あるいは漁業専管水域をどうする、こういう問題につきましては、国連の海洋法会議の結論を待って措置しよう、こういう方針をとって、一応閣議の了承もあったわけでございます。しかし今回、この海洋法会議の結論を待たずに十二海里にぜひ広げたい。それは沿岸漁民をこれ以上待たすわけにいかないという趣旨があったからでございまして、そういったときに、いわゆる国際海峡の扱いをどうするかということが、これは最大の問題点でございますので、このいわゆる国際海峡の問題につきましては、国連の海洋法会議でどのような結論が出るかということを見守りたい、それまでの問、現在の状況のままにしておきたいというのが根本的な考え方でございます。
  22. 河上民雄

    ○河上委員 かつて前任者の小坂外務大臣は、領海決定について幾つかの問題点がある、これについて自分も悩んでいるのだ、特にその中で問題が二つあるのだ、一つは非核三原則と抵触するという問題、もう一つはマラッカ海峡等、日本の経済的動脈とも言われておるそうした外国の海峡における自由通航を確保したい、こういう二つの問題がある、こういうように言われたのでありますけれども、今回の政府案というのはこの二つの難点を避けるための案というふうに考えてよろしいのですか。
  23. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいま御指摘になりました小坂前大臣の御発言でございますけれども、これらの問題が国連の海洋法会議でやはり大きな関心事であることは私も承知をいたしております。これら海峡の通過をどうするかということが、これは世界、特に主要な工業国と申しますか、日本を含めましてそれらの主要な工業国にとりましては、国際海峡の通航をどうするかということ、これはいま河上先生がおっしゃいました点も含めまして大変な問題になっておるということでございます。そしてわが国といたしましては、やはり主要先進国と申しますか、あるいは海洋国家と申しますか、貿易、海運に非常に依存をしておる国である、こういう観点から、国際海峡は、仮に十二海里に領海がなった場合におきましても、一般の領海よりはより自由な通航制度が好ましい、こういう立場をとっておる、こういう経過でございますので、今回海洋法会議の結論が出るまで現状のままにしておこうというのが最終的な考え方だと思います。問題を避けて通っておるではないか、こういう御指摘でございますけれども、その問題自体が国連海洋法会議の問題点であるというふうに私どもは考えておるわけであります。
  24. 河上民雄

    ○河上委員 鳩山さんはいま、まあ河上さんが言われたことを含めてと言われましたが、それは非核三原則との問題、抵触を避けたいというふうな意図があったというふうに私どもは解釈してよろしいわけですか。
  25. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 国連の海洋法会議におきまして、海峡の通過という点につきましていろいろ問題がある、その問題の中には非核三原則ということは直接的な問題にはなっておらないと思いますが、しかし、いわゆる大型タンカーであるとかあるいは特殊な艦艇であるとか、危険物を積載しておる船でありますとか、軍艦でありますとか、そういったものの通航につきまして、これが海洋法会議で問題になっておる、こういうことを申し上げたのでございます。非核三原則自体はわが国独自の問題でございますので、この海峡通過という問題が重大な関係があるということは私は否定するものではございません。しかし今回の趣旨は、国連海洋法会議の結論が出るまで現状どおりにしておこうというところでございまして、それ以外の何物でもないのでございます。
  26. 河上民雄

    ○河上委員 非核三原則の問題でここで議論いたしておりますとまだまだ時間を食いますので、非常に簡単に答えていただきたいのです。  非核三原則の問題は、当委員会におきましてもまた衆参両院の本会議におきましても、これは国是として世界に向かって主張する、そういうことがうたわれ、また国内的にも約束されているはずであります。私は、いまの外務大臣の御答弁からは、どうもそういう気魄を感ずることができないのですが、外務大臣、これはやはり国是というふうに信念を持っておられるのかどうか。
  27. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 非核三原則は、もうわが国の最も重要なる政策として主張しておるわけでございます。そしてわが国といたしましては、非核三原則はこれは日本といたしまして権限の及ぶ限りにおきましてこれを厳守するという姿勢は全く変わりはないわけでございまして、その点は私どもも機会あるごとに周知徹底を図っておるところでございます。
  28. 河上民雄

    ○河上委員 マラッカ海峡の沿岸三カ国が最近公害防除という立場から通航制限協定というものを結んでおる。それぞれの沿岸国が国際海峡という問題について最も切実な問題をあらゆる機会に世界に訴えているわけです。そういう点から見まして、海洋法会議でいまあらゆる機会に訴えると言われましたけれども、一体海洋法会議の国際海峡の審議の過程で、日本国政府の代表が非核三原則という問題について強く訴えたことがあるのかどうか、私は、そのことをいつ、だれが、どう言った、それが国際的にどういう反響を呼んだか、そういうふうなことをここで報告していただかなければならぬと思うのです。いま外務大臣は、あらゆる機会に訴えている、こう言われたのです。一体いかがですか。
  29. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 国連の海洋法会議の席上におきましては、わが方は小木曾代表が演説をしておるわけでございます。その中には、抽象的ではありますけれども、国の安全という観点ですか、安全保障上の諸問題もここで十分に考慮さるべきだという主張で、はなはだ抽象的な表現でございます。しかし、非核三原則自体はわが国が国是として採用しておるわけでございます。これを海峡通過の問題としてどう考えるかという点につきまして、一体国際海峡というところは核積載艦は一切通航さすべきではないというような主張はわが国としてはなかなかし得る情勢ではないだろうという、これは私の推測も入りますけれども、いまわが国としては、自由なる通航という方がより国益に沿うゆえんであるということで、そのような主張をしておるわけでございます。そしてその他の核軍縮であるとかあるいは軍縮であるとか、そのような核に関する政策につきまして、日本はあらゆる機会をとらえまして日本の非核三原則というものの周知徹底を図っておるということでございます。
  30. 河上民雄

    ○河上委員 いまの外務大臣のお言葉はこれは大変な問題でして、いわゆる国際海峡の商船、タンカーの自由通航の方が非核三原則よりも重要なんだと、私の聞き方が悪ければあれですけれども、そういうふうに聞こえますけれども、これは大変な問題で、これはひとつ取り消していただかなければいかぬと思うのです。これをまず取り消しておかないと、これはもう本院全体の問題になりますよ。
  31. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 わが国といたしまして非核三原則を、これは最も重要な政策として厳守をする。わが国の権限の及ぶ限りにおきましてこれは厳守をするということは、これはもう当然のことでございます。先ほどのお尋ねは、国連海洋法会議におきまして非核三原則――わが国がいわゆる領海が拡大した場合に、あらゆる海峡につきましてこの非核三原則は厳守いたしますという方針には変わりはないわけでございますけれども、この海洋法会議の席上におきましてそういう主張をしたかと、こういうお尋ねでありましたので、そのような慣習別の規制というものを国連海洋法会議の席上に持ち出すことは、これはわが国としては、いろいろなたとえば大型タンカーに対する規制というようなこととすぐ関連をしてまいりますので、そのような主張は差し控えておった、こういうことで御了承をいただきたいわけで、非核三原則がそういう重要性におきまして一般の通航より劣るとか、そういった趣旨の問題では全くないわけでございます。
  32. 河上民雄

    ○河上委員 それは外務大臣、非核三原則の問題を、海洋法会議の中における国際海峡の定義づけの中でやはりそれぞれの国が沿岸国の立場からいろいろ主張しているわけです。わが国としては、それはマレーシア、インドネシアからすれば、日本の二十万トン以上のタンカーが大変大きな問題になっておる。祥和丸という一隻の船が座礁しただけでそれだけの関心を呼んでいるわけです。その点から見まして、わが国が非核三原則というものを国是として確立をするに至った経過を考えますならば、これは国際会議の中でもっと真剣に主張すべきものではないかと思い、少なくともそれでは、たとえばスリランカなどが一九六四年に国際海峡といいますか領海に核積載艦の通航を禁止するという国の方針を世界各国に申し入れておる。そしてそれに対して了解をする国も、回答は来ているわけです。そういう努力はやはり日本政府はやらなければいかぬと思うのです。しかも、すでに日本政府がマラッカ海峡における自由通航をほしいがゆえにという、その一点でいろいろ努力をしてきたというふうに言われますけれども、二月の二十四日マニラで調印されましたマラッカ海峡関係三カ国の通航制限協定の内容から見ますと、これは日本政府として予期した以上の厳しさがきているわけですね。ですから、そういういままで政府がこのためにがまんをしているのだという議論は、もう現実の具体的な事実の前に崩れ去っておると私は思うのですよ。これは、マラッカ海峡沿岸三カ国とはこの問題について今後協議をされるのですか。
  33. 中江要介

    ○中江政府委員 御質問のマラッカ海峡について沿岸三カ国と協議していくかという点でございますが、日本政府はいままでも、沿岸三カ国とは協議をしておりましたのみならず、この沿岸三カ国と協力いたしまして、マラッカ海峡の海底の測定その他の国際技術協力をやってまいったわけでございまして、今回の沿岸三カ国の合意の内容は具体的にまだ公表されておりませんけれども、日本政府の関心の度合い、その問題点、また沿岸諸国が持っている心配、そういったものについては相当相互理解が進んでいる、こういうふうに了解しております。
  34. 河上民雄

    ○河上委員 そういたしますと、この三カ国の通航制限協定というものが海洋法会議における国際海峡の理念の枠内における制限よりも厳しくても、日本政府としてはそれを受け入れる覚悟はおありなのですか。
  35. 中島敏次郎

    ○中島政府委員 お答え申し上げます。  ただいまアジア局長からもお話がありましたように、今回の沿岸三カ国による合意の内容というものは、実は必ずしもまだつまびらかにしておらないわけでございまして、ただ一点、沿岸三カ国はこれからも三カ国の間でその具体的な実施について協議をしていくということでありまして、現実にどのような具体的なものになるかという点は、なお今後の発展を見なければならない状況にあるわけでございます。  そこで、ただいまお尋ねの海洋法会議との関係でございますけれども、ただいまの段階におきましては、それが海洋法のコンテストとの関係でどのようなことになるかという点は、いま申し上げましたように沿岸三カ国の合意そのものの具体的な実施ぶりが明確でないものですから、ちょっといまの段階で評価がしにくいという事態がございます。  ただ、一般的に私どもが理解しておりますのは、よく新聞報道などにもございますいわゆるUKC規制、アンダー・キール・クリアランス規制というものは、先生御理解いただけると思いますが、私どもが最も心配しておりますところの、要するに巨大タンカーのねらい撃ちというような、船舶の特定の種類について規制をかけるというような考え方ではなくて、一般的にああいう水深の浅いところの航行の安全が問題になる海峡において、具体的な船舶の航行の態様、航行の仕方について、どうやったらば船舶の航行の安全が確保できるか、どうやったら汚染の防止が確保できるか、そういう考え方に基づいて沿岸三カ国の話し合いが進んでおる。そういう意味におきまして、私どもが心配しておるような種類の規制というようなものとは違うのではないか。今後わが国といたしましては、沿岸三カ国がその具体的な実施ぶりをどのように持っていくかという点を非常に注視いたしまして、またわが国自身の利益も念頭に置きながら、できる限りわが国の利益がその中に反映されていくように努めていきたい、こういうふうに考えております。
  36. 河上民雄

    ○河上委員 端的に伺いたいのですけれども、日本政府は海洋法会議のコンテスト以外にはこれを受け入れないというのか、それとも、やはり関係沿岸三国の切実な願いというものに対しては十分な理解を示すというのか、その点だけ一言伺いたい。
  37. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 本件はマラッカ海峡におきます公害の防止でありますとか、安全の確保、こういう観点から話し合いが行われておりますので、これは、先般起きました事故などを考えますと、わが国といたしましても、いま伝えられておるような内容であるならば、私はむしろ受け入れて差し支えないとこう考えておる次第であります。
  38. 河上民雄

    ○河上委員 なかなか外務大臣、私が伺いたいことについて十分お答えいただいておらないのでありますけれども、この問題は、私が考えますのに、日本政府の希望的観測というものは、領海十二海里の問題でも、二百海里経済水域の問題でも次々破られてきておるというこの状況の中で、政府が考えておられるようなことにはならないのじゃないか、私はそう思うのでありまして、ひとつそういう点宿題として、この問題、これ以上時間を費やしてもなんですから、残させていただきたいと思うのです。  領海に関連いたしまして、先般来竹島の問題が俎上に上っておりますので、ひとつここで伺って確認をさせていただきたいのでありますが、竹島につきまして十二海里の領海を設定するというのが外務省の方針ですか。その点答弁が余りはっきりいたしませんので、もう一度この委員会において確認をいたしたいと思うのです。
  39. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 本件は鈴木国務大臣が責任をおとりになっておられますので、私から申し上げるのはどうかと思いますが、昨日の内閣委員会で鈴木国務大臣が御答弁をされておるわけでございます。いま領土問題で、まだいわば紛争中と言われますものに北方領土あるいは竹島、こういったものがあるわけで、わが国といたしましては、当然のことながらわが国固有の領土であると考えております領海の幅員を拡張する場合に、北方四島及び竹島についても十二海里の領海の設定を行うということを申し上げたわけであります。  私は、わが国として主権を主張しているのであるから、国際的に領海についても主張することが当然である、こう考えておる次第でございまして、この表現の、設定をするとかしないとかいうことで答弁上の食い違いがあるではないか、こういう御指摘があったのでありますけれども、そのようにわが国として、当然従来三海里のものが十二海里になるのだ、こういうことにつきまして何ら差異がないと御了承いただきたいのでございます。
  40. 河上民雄

    ○河上委員 いま鳩山さんは、領海の問題は鈴木さんが担当大臣だから私は答弁できないというようなお話ですが、私はこれからちょっと自衛権の問題を伺うのですけれども、これも防衛庁長官でないと答えられないということになるのですか。いまの非常に大きな問題について担当の外務大臣からお答えいただけないというのは、本委員会としてこれは非常にさびしい限りでございまして、いまの御答弁はまことにまずいと思うのです。
  41. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいま鈴木国務大臣の御担当と申し上げましたのは、ただいま法案を作成中でございます。そして、この法案の取りまとめを鈴木国務大臣がなさっておりますので、そういう意味で、私から申し上げるのは適当かどうかということを申し上げた次第でございますので、他意のないことを御承知いただきたいのであります。法案の作成によりましてどういう表現が使われるか、これはまだ固まったものがないのでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。
  42. 河上民雄

    ○河上委員 まあ、鈴木国務大臣と鳩山外務大臣の任務分担の話は福田内閣の身内の話でして、国民に対する答弁としては、はなはだ無責任なことじゃないかと私は思うのであります。  余り時間がないので先に進みますけれども、竹島には自衛権が及ぶというふうにお考えですか。拡大された領海にも自衛権が及ぶと考えられますか。
  43. 中島敏次郎

    ○中島政府委員 御質問が自衛権というお話でございますが、まずお答え申し上げさせていただきたいのは、安保条約第五条におきますところの、いずれか一方の、締約国の施政の下にある領域という、安保条約第五条発動の要因たる規定におけるところの施政の下にあるという地域には竹島は含まれておらないということでございます。
  44. 河上民雄

    ○河上委員 そうすると佐藤内閣時代に、施政のもとにない地域として、当時北方領土とまだ返還されていなかった沖縄とそして竹島が挙げられておったのですけれども、いまの御答弁は大体その御答弁を踏襲しておられると思いますが、施政のもとにないところに自衛権が及ぶのかどうか、いかがですか。
  45. 中島敏次郎

    ○中島政府委員 御承知のように竹島自体に対しましては、わが国としては、これはわが国の固有の領土であるという領有権の主張を持っておるわけでございます。ただ、しかしながら現実の問題といたしまして、竹島が韓国によって占拠せられておる、その限りでわが国の施政が及んでいないという現実が続いておりまして、これが両国間の紛争になってきておるわけでございます。そういう事態がずっと続いておるわけでございます。したがいましてこの事態というものは、私どもといたしましては、日韓間の紛争の問題という見地からとらえて、この紛争を、日韓間にありますところの紛争解決の交換公文に従いまして、両国間の状況を見ながら粘り強く解決していこうということでございまして、現実の問題としてあそこにわが国の自衛権に対する侵害があったというような事態でとらえるべき問題ではないであろう、これは両国間の紛争の問題としてその紛争の解決に努力をする、こういうことになるであろうというふうに考えます。
  46. 河上民雄

    ○河上委員 施政のもとにないという地域、先ほど佐藤内閣時代に三つ挙げられたのでありますけれども、その竹島を除く二つにつきましては、それぞれ日ソあるいは日米間のある種の条約的な取り決めがあって、しかしわが国としては返還を要求していると、こういうものだと思うのですね。ところが竹島につきましては、そうしたわが国が施政権を放棄しているというような事実はないわけですね。したがって、自衛権が及ぶか及ばないかという場合に、他のようにある取り決めに基づいて施政下にないということを日本政府が認めている場合と、竹島の場合はちょっと違うのじゃないかと思うのです。竹島の現状につきましては、これは侵略と見ているのですか。
  47. 中島敏次郎

    ○中島政府委員 法律的な根拠のないところの他国による占拠が続いておる事態というふうに考えております。
  48. 河上民雄

    ○河上委員 昭和二十九年、自民党の福田篤泰議員が質問しておられるのに対して、当時の増原防衛庁次長が答弁しておられますけれども、不法入国という形と見るのが適当ではないかと答えておるのです。いまの条約局長の御答弁は、その不法入国という表現と大体合っているものでございますか。それを踏襲されるというふうに考えてよろしいのですか。
  49. 中島敏次郎

    ○中島政府委員 まことに申しわけございませんが、当時の不法入国とお答えになられた趣旨を私ただいま的確につかんでおりませんので、そのことについてどう理解すべきか、私よく存じないのでございますが、いずれにしろわが国の立場から見れば、竹島においては韓国によるところの法律上の根拠のないところの占拠が続いておる、その占拠を担っておるところの要員がいる、その事態を何と表現するかということであろうかと思われますが、それを恐らく当時、不法入国という、入管令その他のわが国内法令上の表現、概念をもって御説明になったことではなかろうか。そういう意味においては、法律的根拠なきところの占拠という意味においては、実態的に同じであろうというふうに考えます。
  50. 河上民雄

    ○河上委員 防衛庁の方も来ておられますけれども、竹島並びに拡大された領海に自衛権があるというふうにお考えですか。今度の予算の中に領海拡大に伴っていろいろ防衛費を要求しておられるようですけれども、その中にその部分が入っておるのかどうか、どういうふうにお考えでいらっしゃいますか。
  51. 伊藤圭一

    ○伊藤(圭)政府委員 いま先生がおっしゃいました領海が十二海里になった、そのために自衛隊がそれに必要な装備を要求しているというお話でございましたが、これは実は、領海を維持するという責任は海上保安庁が持っているわけでございます。防衛庁といたしましては、海上におきます有事の際の行動というのは、領海だけではなく自衛に必要な範囲の公海においても行動することになっておりますので、そのための防衛力というものを整備してきておりますので、今回の三海里、十二海里というものに直接結びつくような形の装備というものはないわけでございます。  それから自衛の措置といいますか、自衛権を行使するに当たっては、先生も御承知のように三つの原則がございまして、急迫不正の侵害があったとき、それから他に手段がない場合、そしてまた必要な最小の範囲でやるということでございますが、竹島につきましては、いま外務省の方からも御説明がありましたように、外交経路を通じてこの問題の平和的解決に努力なさっておられますし、現実に竹島が施政のもとにございませんので、自衛隊としては特に措置していないというのが現状でございます。
  52. 河上民雄

    ○河上委員 そういたしますと、自衛隊法七十六条による防衛出動の対象とは考えていないというふうに理解いたしますが……。
  53. 伊藤圭一

    ○伊藤(圭)政府委員 さようでございます。
  54. 河上民雄

    ○河上委員 最後にもう一度、外務大臣、この自衛権というものは竹島とその領海にはあるのかどうか。それを最後に伺って、実はもう一問だけ、またお願いをしたいと思うのです。
  55. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 わが国が主権というものを主張しておるわけでございます。主権というものは、あらゆる国の権限を主張している、こういうふうに当然理解さるべきものと私は考えるわけでございます。しかし、この主権の主張を韓国もしておるわけでございまして、それ自体が紛争中、こういう状態であると私は認識しております。したがいまして、個々の権限がどうのこうのということになりますと――これは主権というものは包括的なものであるというふうに理解すべきが正当であろうと思うわけでございます。
  56. 河上民雄

    ○河上委員 まだ自衛権について明確なあれが――自衛権という言葉がまだ竹島の問題について明確になっていないのでありますが、いまの御答弁の中で主権と主権の主張のぶつかり合いというようなお考えを示されたのでありますけれども、国際司法裁判所などに提訴するというような道もあるはずですけれども、これはいまお考えではない。お考えにならぬのですか。
  57. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 国際司法裁判所によりまして明快な結論が出るということは、これは最も望ましいことであろうと思うわけでありますけれども、司法裁判所にはどうしても先方が応訴をしなければ、これは裁判にならないわけでありますので、しかも韓国はこの応訴の意思は全くないということが察知されますので、いま直ちにそのようなことは考えておらないわけでございます。
  58. 河上民雄

    ○河上委員 それではもう時間が参りましたので、最後に一問だけ伺いたいのでありますけれども、今度は福田総理が訪米をして、カーター新大統領と会談される。鳩山外務大臣も当然随行されると思うのでありますけれども、その中でいわゆる韓国条項というものをどう取り扱われるのか。一九六九年十一月二十一日の佐藤・ニクソン会談、そして一九七五年八月六日の三木・フォード会談、それぞれ表現は若干違っておりますけれども、韓国条項というものが取り上げられております。そして、鳩山外務大臣は上原議員に対する答弁として、これは歴史的事実として尊重さるべきだけれども、新しい時代に備えるつもりだ、こう言いながら、民社党の大内議員に対する答弁として、韓国条項は踏襲したい、こういうふうに言われておるのでありますが、そこで、もう余り時間がないので結論を急ぎますけれども、カーター政権、それからこういう共同声明ですね、共同声明というのはその政権の一つの約束であるというふうに解釈されますか、共和党から民主党にかわっても、これが一貫して一九六九年、一九七五年、そして一九七七年というふうにそれがずっと続くものだというふうにお考えになっておられるか。それともカーター政権は私どもの考えるところによれば、そうした民主党政権が、特にカーター新政権が共和党政権の声明を下敷きにして今回協議に臨むというふうには考えられないのであります。外務大臣はどういうようにお考えになっておられますか。この共同声明、韓国条項というものを踏襲したいと言われたけれども、そういう向こう側は主体が変わってきているわけです。
  59. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 私が韓国条項を踏襲したいということを申し上げたような御説でございますが、これは私も速記録を確かめておりませんが、そのようなことを考えておりませんので、何だか一これは私も確かめてみます。しかし、そのような表現は使った記憶はないのでございます。佐藤・ニクソン共同声明あるいは三木・フォード共同声明というものは、そのときどきの両国の首脳が会談された後の共通の認識を表明されたものであると思いますし、その限りにおきまして、私は当然のことながら両国政府間の認識を表明したものとして尊重さるべきものであると考えております。現在でもそのように考えております。しかし、この三月に福田総理とカーター大統領が会われまして、現在の情勢でありますので、朝鮮半島の問題につきましてもいろいろ、話し合いが行われるであろう、これは私が推測をいたすわけでございます。そしてそのときに朝鮮半島の問題につきまして両首脳がどういう認識を持たれるか、これは私の口から申し上げるべきことではございませんので、そういう意味で今日の事態あるいは佐藤さん、三木さんのそれぞれのそのときどきの情勢というものと今日と私は基本的にそれほど大きな変化というものは現在のところまだ起こってないように思いますけれども、今日の情勢におきまして、両首脳がいかなる認識で一致されるかということは、これは新しい今日の問題であるというふうに考えるわけでございます。
  60. 河上民雄

    ○河上委員 もう少し詳しくいろいろ伺いたいのでございますけれども、時間もございますし、きょうはこれで私の質問を終わりたいと思います。
  61. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次に、井上一成君。
  62. 井上一成

    ○井上(一)委員 私は、昭和三十一年十月に不自由な体をもってモスクワまで日ソ平和条約を締結するために出かけられた元総理大臣鳩山一郎先生の平和に傾けられた情熱に対して心から敬意を表するものであります。その教えを受けた鳩山外務大臣は、世界平和推進のためにさらに一層の情熱を傾けられることを期待して質問をいたしたい、こういうふうに思います。  いま人類に生きる望みを失わせあるいは世界を破滅に導く世界最大の暴力は、まさに核と差別だ、私はこのように信じておるわけであります。とりわけ平和外交を推進していく基本的な日本の外交方針、そして日本国憲法の前文にうたわれた恒久平和、その崇高な理想を達成して、いわゆる平和な世界を実現するためにも、私自身は、ここで明確に日本政府が広く内外に永世中立平和宣言をすべきだと信ずるわけであります。とりわけ世界で被爆を受けた唯一のわが国がどこの国よりも先駆けて中立平和宣言を強く宣言することは、日本国民の義務でもあり、私は責任である、当然なすべきことだと思うのであります。そういう私のかたい信念を持っているわけなんですけれども、外務大臣の所見をまず承りたいと思います。
  63. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいま井上委員は核と差別ということをおっしゃったかと思います。わが国が平和憲法と申しますか、世界に例のないような憲法を持っておるということにつきまして、わが国が今後国際社会に生きていく上にも、しっかりと平和に徹するという精神で臨むという点につきましては、私は井上委員とその点につきまして何ら意見を異にするものではございません。ただ、いまおっしゃいました永世中立宣言ということにつきまして、私もこの永世中立宣言というもののいろいろ内容につきまして、どういうものであるべきかということにつきまして、まだここですぐお答え申し上げるだけの自信を持たないものでございます。  しかし、わが国の態度としては、あくまでも平和に徹する、そしていま核の問題にお触れになりましたが、わが国といたしましては、非核三原則というものをわが国の権限の及ぶ限りにおきまして本当に厳守する、こういう姿勢におきまして、私どもは断固として貫くべきであると考える次第でございます。
  64. 井上一成

    ○井上(一)委員 私は先ほども申し上げましたように、平和を愛するというこの一点をとらえても、永世中立を、平和宣言を、広く内外に宣言することが平和外交の原点である、こういうふうに思うわけであります。さらにお考えをいただいて、その線に沿って御努力を願いたいと思います。  次に、人間に対するあらゆる差別、私はこれまた世界からなくすべきだ、こういうふうに考えるわけであります。  そこで、一九六六年に採択された国際人権規約が十一年たった今日、わが国ではまだ批准がなされておらない。なぜ批准がなされないのか。いわゆる人種差別だとか、あるいは偏狭な民族主義が戦争をもたらすのだ、戦争の原因になるのだ、そういう強い反省から国際人権規約がつくられた、そういう経緯から考えても、わが国のいわゆる平和憲法を遵守していくという基本的理念に立っても、一日も早い批准を私は求めるわけであります。とりわけ日本の憲法の前文及び九条、十一条から十四条、あるいは二十二条の趣旨からすれば、むしろ世界のどこの国よりも先駆けてわが国がその国際人権規約を批准することが当然であるというふうに考えるわけであります。なおまた、いろいろとわが党の先輩議員がこの問題についてはすでに御質問をなされておるわけでありますけれども、その折に、国内法との関連において大変困難な理由を答弁していらっしゃるわけですけれども、もし一歩譲るとして全面的な批准が無理であるとするならば、スウェーデン等のように一部を留保した形の中で批准をすべきであるというふうに私自身は考えるわけであります。この点についてどうお考えでございましょうか、お尋ねをいたします。
  65. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいま人権規約にお触れになりました。この人権規約の批准がおくれておるという点につきましては、従来わが国といたしましては、国内の法制が完全にとれた後にこういうものを批准するというような、そういう非常に厳格な態度がとられてきたと承知をいたすわけでございます。そして、今日におきましてわが国の国内法体制が必ずしも十分でないという点は、なおそのままに残っておるわけでございます。しかし私自身、いま井上委員がおっしゃいましたこういったものが批准できますように、国内体制の整備に私自身ももっと努力すべきであるというように思います。わが国が現実に国内でとっておりますいろいろな、たとえば社会保障上の措置などにつきましても、私はやはりもっと真剣に対処してまいらなければならない。ただ、これにはいろいろ財政問題その他も絡みますので、これから私どもも粘り強く努力をしてまいりたい、こう思う次第でございます。
  66. 井上一成

    ○井上(一)委員 外務大臣、いわゆる国内法の社会保障の問題についてはまだ十分御承知がないのではないか。ただ財政的な問題ということにはつながらないと思うのです。たとえば一例として在日韓国人に対する社会保障の問題、この問題についても、憲法三十条で明確にされた納税の義務、国民は納税の義務があるのだというそういう義務は課しておるわけなんですね。片一方、受けるべき権利というものが十分でない。だから、国民年金法だとか国民健康保険法だとか、児童手当法だとか、あるいは生活保護法だとか……。しかしながら、法の運用によって、生活保護法あるいは国民健康保険法については、外国人でも適用を受けているわけなんです。だから、世界のすべての人々にひとしく生きる権利を保障していこうという日本の基本的な政治に取り組む姿勢だと思うのですね。そういうことを外務大臣が率先して福田内閣の中でその牽引力になるお考えがあるかどうか、こういうことをお聞きしたいと思うのです。  なお、時間がありませんので、続いて私はさらに、今日国際人権規約というものは、戦争や差別をなくしていこう、そうしてそういう扇動をすることを禁止しているわけなんです。禁止する法を設けるべきだとの規定がB規約の二十条にあるわけなんです。この規約を批准するためにも、戦争あるいはわが国にだけある事実上の差別、部落差別ですね、部落差別をあおったり、扇動したり、そそのかしたり、そういうことをすることを禁止する法律をつくるべきだと私は考えるのですが、いかがでございましょうか。そのような法律をつくるべきだ。なぜなのか。いわゆる部落差別の解消というものは国民的課題だ、あるいは政府がその特別措置法をもって政府自体が真剣に取り組むのだ、まあ実際には同和予算を見てもまだまだ十分だとは言えないわけですけれども、そういう意味で、現在の政府当局の取り組む姿勢が差別を温存、助長する考え方にもし向くならば、これは国際人権規約批准への取り組みを妨げておることにつながるのだと私は思うのです。そういう意味で、国際人権規約を批准するためのあらゆる障害を取り除くためにも、外務大臣がこの同和問題についても真剣に内閣でその役割りを果たして果たしてもらえるかどうか。そしてそれが国際人権規約を批准する道につながるのだという御認識を持っていただきたいと思うのですが、御所見を承りたいと思います。
  67. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 福田内閣としてこの社会保障上の外国人の取り扱いについて努力せよという仰せでございます。私自身も当然努めるべき重大な責任があると感じております。この点は十分今後とも努力をいたしたい、こう思います。  後段におっしゃいました戦争あるいは差別の扇動というようなことを禁止するという点につきまして、これは国内的な法制といいますか、その点をいまここでつまびらかにできませんので、はなはだ申しわけないのでございますが、答弁をもう少し検討させていただきたいと思うわけでございます。
  68. 井上一成

    ○井上(一)委員 国際人権規約の批准に取り組む姿勢というものが即人権尊重のバロメーターになるのだということを十分御認識いただきたいと思うわけであります。  続いて、一九七三年十二月十八日朴東宣氏が、アンカレッジ空港で米国に対するいわゆる献金リストが税関で没収されたわけなんです。私の聞き及ぶところによれば、そのリストの中に――そのリストは、いわゆる二月六日のAP通信にも日本に対する献金がなされておらなかったという否定はされておらないわけです。それで、極秘文書として外務省に日本人リストが報告されたと聞き及んでおるのですが、そういう事実があるのかどうか。そして、朴東宣氏が日本に出入国をした回数、頻繁に日本に出入国をしているわけなんですけれども、どれほど日本に来られたかお聞かせをいただきたい。そして、極秘文書として報告を受けておるかどうか。
  69. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 私自身そのような報告に接しておりませんので、アジア局長から御答弁申し上げます。
  70. 中江要介

    ○中江政府委員 昨年の十月に、いま先生御質問のようなことが報道されたことは私ども承知しておるわけでございますけれども、あそこに言われております献金リストが極秘文書として日本政府に渡されているのではないかという御質問の点については、そういうことは全然ございません。  それから、朴東宣氏の出入国につきましては、入国管理局の方から御答弁があると思います。
  71. 山下善興

    ○山下説明員 いま来ましたばかりで御質問を聞いておらなかったのでございますが、申しわけございません。
  72. 井上一成

    ○井上(一)委員 ではそれは後からでも私に、もう時間がありませんので協力をしなければいけないから。  私はもう一点最後にお聞きをしたいと思うのです。現在、韓国を日本の企業活動で排出される廃棄物の掃きだめにしておる。日本で処理に困っている廃油を中心とした廃酸、廃アルカリ、いわゆる産業廃棄物を韓国に大量に輸出をされておるわけなんですね。この問題については現在一部通関を拒否され、釜山の保税区域に大量に野積みにされたままに放置されておるわけなんです。そして、その野積みが二次公害を発生しておる。日韓両国の内々の折衝の中で、その責任をとることにおいて政治問題化しつつあるわけです。なぜこのようなことが起こったのか、あるいは日本から積み出すときの問題等もありますけれども、外務省はこのことについて御承知なのかどうか、まずそれを聞かせていただきたいと思います。
  73. 中江要介

    ○中江政府委員 御質問の実質のところは恐らく通商産業省の方が御担当と思いますけれども、外務省が承知しているかという御質問でございましたので、外務省として承知している部分を申し上げますと、ソウルにございます日本の大使館を通じての調査によりますと、一九七五年の八月から七六年の七月まで、約一年でございますが、その間に韓国は合計約二千トンの廃油スラッジを日本から輸入した、こういうふうに承知しております。韓国政府はその後その七六年八月二十一日付で期別輸入公告を改正いたしまして、産業廃棄物というものを輸入制限対象品目にした、こういうふうに承知しております。
  74. 井上一成

    ○井上(一)委員 七六年八月二十一日からはそのような輸入がないといういまの御答弁です。私は非常におかしいと思う。現にそのような廃棄物が頻繁に韓国に輸出をされておる。この問題についてはその背景に非常に複雑なものがあります。こ  のことについては委員会をかえて質問をいたします。先ほどの出入国の問題の答弁を待って、そしてこの問題については複雑な背景があるということをここで明確にし、外務省が七六年七月以降は存知しないという答弁をいまいただいたわけですけれども、決してそうじゃない、改めて委員会をかえて質問をいたします。  以上をもって私の質問を終えます。
  75. 山下善興

    ○山下説明員 朴東宣氏の出入国状況を御説明申し上げます。  朴東宣氏は、昭和三十九年以前に二回、昭和四十年から四十九年までの間に十二回、昭和五十年に六回、昭和五十一年一月以降十月二十八日入国までに十二回、合計三十二回出入国しております。最も新しくは、昨年昭和五十一年の十月二十八日に入国いたしまして、十月三十日に出国したのが一番新しい出入国経歴でございます。
  76. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次に、渡部一郎君。
  77. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 鈴木国務大臣に対する要求、質問がございますので、大臣が来られない間、その質問の部分についてまず留保させていただきたいと思います。  それでは質問をいたします。     〔委員長退席、有馬委員長代理着席〕  まず、このたび十二海里領海を画定するための法案の設定が行われている模様でございますが、これははなはだ立法技術上においても困難性があり、かつわが国の権益を侵害することがはなはだ多い問題であるというふうに私は考えるものでございますが、先日の予算委員会以来いろいろと指摘をしているのでありますが、一向に統一的な見解が明示さておりませんので、予算委員会において指摘した問題点をさらに少し突っ込んでお尋ねをしたいと存じます。  まず、防衛庁に伺うわけでございますが、十二海里領海あるいは領空時代を迎えた場合に、わが国の政府側の申される自衛対策はどのような対策を立てられるおつもりであるか、新たな変更を来す部分について防衛庁から御説明をいただきたい。
  78. 伊藤圭一

    ○伊藤(圭)政府委員 防衛の立場から見ますると、三海里が十二海里になったということが直ちに防衛力整備あるいは運用面で影響があるというふうには考えておりません。と申しますのは、御承知のように、平時におきます領海の秩序維持につきましては海上保安庁が責任を持っております。海上におきます行動といたしましては、有事の際には海上自衛隊は、自衛に必要な範囲におきまして公海上でも行動することになっておりまして、それに必要な装備、運用を考えておるわけでございます。したがいまして、三海里が十二海里になったということが直ちに影響があるというふうには考えていないわけでございます。
  79. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 領空についてはいかがでありますか。
  80. 伊藤圭一

    ○伊藤(圭)政府委員 領空につきましては、領空侵犯措置、すなわち平時におきます領空に侵入してくるもの、あるいは近寄ってくるというものに対しましては、領空侵犯措置によりまして緊急発進をいたし、領空に入ってくるような状況になりましたら退去するように警告を発し、誘導をする等の措置をいたしております。これが三海里が十二海里になったということになりましても、実は領空侵犯措置についておりますジェット機というのは、この三海里、十二海里の幅というものは時間的にいたしますとわずかなものでございますし、現在アンノーンのいわゆる識別不明の飛行機が、ADIZといいますか識別圏の中に入ってまいりましたときに、その識別不明の飛行機に対しましては直ちにスクランブルを開始いたしておりますので、三マイルが十二マイルになったために生ずる問題はないというふうに考えているわけでございます。
  81. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 ただいま海洋法会議の審査中において領海が自由航行というような結論が出る可能性はきわめて高くなりつつございますが、そうした場合においては、わが国の特定海域を指定してここでいう国際海狭に指定した場合には、該当地域の防衛計画は重大な支障を来すものと思われますが、御見識を承りたいと存じます。
  82. 伊藤圭一

    ○伊藤(圭)政府委員 国際海峡の問題は現在海洋法会議においていろいろ議論されているというふうに伺っております。しかしながら、わが国の立場といたしましては、安全保障を含めた大局的利益を図る立場から総合的に判断し、設定されるというふうに伺っております。したがいまして防衛庁といたしましては、現状よりも問題が生ずるような形ではなく国際海峡が設定されるというふうに理解している次第でございます。
  83. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 現状よりも問題なくとおっしゃるのは、国際海峡における三海里保有というものが堅持されるように希望をする、こういう意思表示と受け取ってよろしいのですね。
  84. 伊藤圭一

    ○伊藤(圭)政府委員 現在の三海里の領海のもとで行われております通航状況というものが維持されるというふうに理解しているわけでございます。
  85. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 外務大臣、ただいまの表明は非常に穏やかになされましたが、重要な案件を含んでおります。予算委員会のときに私がるる申し上げたのもまさにこの点でございますが、国際海峡を自由航行にして、そこにおける航行帯が自由航行になって、飛行機も自由に飛べるようになるといたしますと、津軽海峡の場合には、従来は航路が曲がりくねっているために軍用機の進行が不可能でございました。ところが、今度の場合には津軽海峡に軍用機が直線でかなり大量に入ってくることが可能です。そうしますと、自衛隊は津軽海峡周辺に関しては、私は自衛隊を容認している立場で言っているのではないのですけれども、この地域における防空あるいは領空保全という能力に関しては全く計画的にも意味をなさないということを考えておられる向きがあるわけであります。私はその辺を何回も問いただしましたが、大臣からの御答弁は明快でなかったわけであります。いま本日はその辺の見解をまとめていただくようにお願いしまして先ほどから御質問いたしておるわけでありますが、この地域において、したがって国際海峡の自由航行というようなものが従来の権益よりも害する形で行われる、そしてまた軍用機がどっとあそこを通るようなことになりますと、もう形式的にも実質的にも意味のない問題になってくる。海洋法会議で目下外務省当局者はそれに対して論議を展開されているところでありますが、これらの希望が表明されていることを十分御配慮の上審議に当たっていただきたいと、私は長い前提ですが、思っておるわけでございますが、大臣の御意見を承りたい。
  86. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 渡部委員の御心配の点につきまして、よくわかりました。いわゆる国際海峡の通航制度がどうなるかということはまだ決まってないわけでございますが、御趣旨の点につきまして十分な配慮をすべきであろうと思います。従来の三海里であったものが、仮にこれが、国際航行が従来よりもその部分についても自由になるものかどうか、その点につきまして私も大変問題があろうと思いますので、その点は十分配慮すべきことであろうと思います。  なお、条約局長から補足させて御答弁申し上げます。
  87. 中島敏次郎

    ○中島政府委員 基本的な趣旨におきまして、いま外務大臣からお答えになられましたとおりの態度で私どもこれから臨みたいと存じます。  事務的な点を二、三、先生もうすでに御承知のことでございますが、この際御報告させていただきますと、ただいまございましたように、海洋法会議におけるところの国際海峡における通過通航制度というものはまだ固まっていないわけでございます。いま非公式単一草案の改訂版を基礎にしてこれからも審議が行われる、そういう意味でどういうことになるかという点は現段階でわからないわけでございますが、現状におきますところの非公式単一草案の規定は、先生、もうこれは釈迦に説法でございますけれども、いずれにせよいわゆる国際海峡の上空においては継続的かつ迅速な通過ということだけを唯一の目的とする、そういうフライトが許されるということで、これはぶらぶらしていくということではなくて、真っすぐに――真っすぐにというのは航路という意味ではございません、もっぱら通過するだけの目的で通す制度であるということが一つと、それからいま大臣からもありましたように、この通過通航制度そのものが、本旨が、もともと従来は公海帯で自由な通航ができることになっているようなところが、領海が十二海里に広がることによって通航ができなくなるということでは国際交通にとって問題があるというのが制度の本旨でございますので、従来通航することがなかったようなところがこれによって通航することになるというふうには考えられないのではなかろうかという気がいたしますけれども、ともあれ、制度そのものがまだ流動的でございますので、いま大臣が言われたような精神をもちまして海洋法会議に今後も臨んでいくということでございます。     〔有馬委員長代理退席、委員長着席〕
  88. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 十二海里に領海を設定するに当たって、一部を変則的に三海里のままにしておくというような御方針が政府の間から出ているわけでありまして、この問題について疑義が多いだけでなく、今度の日ソ交渉を前提とされた鈴木大臣のその取りまとめの方式に対しては、私どもは反対をいたしておるところでございます。  十二海里を全面的に広げる、そして交渉の結果によっては下がることもあるかもしれないというのならわかりますが、交渉の前から十二海里の部分を一部遠慮しておいて、そうして十二海里法案をつくろうなどということは話が逆転しているのではないか。国際外交の場合には要求は大きく、そして結局は妥協が行われて後ろへ下がるのは従来からあることでありますし、十二海里は先に全部とっておく、そして異議のある国については通過のために交渉に応ずるとか、トルコの例を見てもわかりますし、そうしたやり方をとるとか、あるいはスリランカにおける例に見るがごとく、自国の政策を周知せしめて、各国に通達をするとか、いろいろなやり方があると思います。  マラッカ海峡の通航問題については、これを取引の交渉の要件として、国際海峡の自由航行を認める立場を表示して交渉しなければならぬかのごとく言われておりますが、マラッカ海峡の自由航行は、これは商船の通航問題であり、マラッカ海峡三国の方針はここのところ明らかであります。そうするならば、この点を顧慮して一部三海里にする必要はないのではないかと、この間からるる申し上げているわけでありますが、一向にはかばかしい御返答がございませんし、きわめて論理的でない決断しかお答えが戻ってこないわけでありますが、この辺に関する大臣の御見識を承りたい。
  89. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいま全部十二海里にすべきでないか、こういうお話でございました。私ども国連の海洋法会議につきまして、今日まで世界各国とともにこの早期妥結を進めてまいったものでございます。そして今日領海を十二海里に拡張する、こういう考え方と、いわゆる国際海峡の通過問題、これが非常に密接な関連性を持って論ぜられておるところでございますことは、渡部委員もよく御承知のところと思います。そういうわけで、この二つは切り離せない問題になっておりますので、したがいまして、沿岸漁民の要望にこたえようというために一般の領海は十二海里に、国連海洋法会議の結論が出る前にわが国としては実施しようではないか、こういう結論を出したわけで、したがいましてそれと密接不可分の関係にありますいわゆる国際海峡につきましては、海洋法会議の結論が出るまで現状どおりにしておきたい、これがわが国としての国連海洋法会議におきます協力の仕方ではないか、こういうふうに考えておる次第でございます。
  90. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 その御議論何回も承ったのですが、それは違うのじゃないでしょうか。私どもが日本の海峡において問題にしているのは、商船の航行問題ではない、軍艦の問題であり、なかんずく核搭載軍艦の通航問題であります。言ってみれば、軍艦の無害航行に関する問題であると限定していいと思います。それを主張しているのに対し、マラッカ海峡の通航問題は商船の通航問題であります。これを一緒の交渉場裏で、分けられないということは私は考えられませんが、いまの御説明ははなはだ不本意な御答弁ではないかと私は思います。いかがですか。
  91. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいまの議論になりますと見解がどうも一致しないということになろうかと思うのでございますけれども、海洋法会議におきます今日までの経過というもの、これは私もにわか勉強で渡部先生の足元にも及ばないわけでございますけれども、私自身が考えましたところによりますと、一般に領海が十二海里になぜすぐ広げられないかという点は、これは国際海峡の通航問題がかかっているからではないかと私は考えざるを得ないのでございます。そういう次第で、まことに、十二海里の部分と三海里の部分ができますことは、これは制度として余り好ましいことではないということは私自身もよくわかりますし、この点は先生のおっしゃるとおりであります。しかし、現状におきまして沿岸漁民の心配を除くためには、どうもそういった措置をとるほかないのではないかという結論に達した次第で、これはどうか御理解を賜りたいのでございます。
  92. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 津軽海峡の沿岸漁民は十二海里全面実施に賛成であり、一部三海里にすることや津軽海峡の自由航行には反対であります。沿岸漁民の利益をおっしゃるのでございましたら、こうした陳情書まで持ってきてやってこられた津軽漁民あるいは対馬漁民、大隅海峡漁民等の意向も十分配慮さるべきではないかと私は思います。  これは幾ら申し上げてもいまの段階としてはお答えがしにくかろうと思いますから、次の問題に移らせていただきます。  先日の政府の御提示になりましたものによりますと、日本の海峡が六十九海峡あるわけであります。そのうちで外国軍艦の通過を従前認めた例あるいは無害航行として許可した例につき、どのような措置がとられ、どういう例があり、どういうケースであったか、すでに質問は通告してございますので、これに対してお答えをいただきたいと存じます。
  93. 中島敏次郎

    ○中島政府委員 外国軍艦がわが国の近辺に参りますのは、具体的にはわが国の港湾に入港するという場合が恐らくほとんどであろうと思いますが、そのような場合に、国際慣習に従いまして、わが国に入港の許可を求めてまいりまして、その都度それに対して答えをしておるということでございますが、ただいま先生の御質問が、どの海峡を通ってきたかという点でございますと、私、申しわけございませんが、いま把握いたしておりません。恐らく海上保安庁なり防衛庁なりに伺ってみないと的確な答えができませんかと思います。
  94. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 ぼくは質問は通告していたのですから、わかる省庁が御答弁願います。
  95. 間孝

    ○間政府委員 海上保安庁といたしましては、日本の近海――海峡、水道を含めましてでございますが、近海におきますところの船舶の通航実態というものを統計的に把握はいたしておりません。過去におきまして、ある一時点を限りまして、または幾つかの水道あるいは海峡についての通航の実績を調べたことはございますけれども、この調査は主として海上交通の安全対策を考えるという意味で調査をいたしたものでございますので、その内容が、たとえば日本船が何隻、外国船が何隻あるいは軍艦が何隻という、そういう分類にして調べておりませんので、ただいま先生の御質問の外国の軍艦が何隻通っているかということにつきましては、正直申し上げまして、海上保安庁としてはこれをつかんでおりません。
  96. 伊藤圭一

    ○伊藤(圭)政府委員 私どもの方は一般的につかんでいるというわけではございませんけれども、宗谷海峡あるいは対馬海峡、津軽海峡にはそれぞれ監視所を持っております。そこで艦艇の通航状況というものを見ているわけでございますけれども、これ二十四時間ずっと監視はいたしておりますが、夜とか天気の悪い日というのは軍艦か船かというようなことは的確にはわかりません。で、三つの海峡とも毎年船舶が七千隻あるいは八千隻というようなオーダーで通っているというのは把握いたしておりますが、その中でも特に艦艇というものを視認できましたものにつきまして御報告いたしますと、対馬におきましては過去五年間、毎年平均いたしますと約百二十隻でございます。その百二十隻のうち二十隻がアメリカの艦艇でございまして、残りがソ連の艦艇でございます。同じように津軽につきましては、年間約五十隻ソ連の艦艇、アメリカの艦艇が約十隻でございます。それから宗谷海峡につきましては、アメリカの艦艇はほとんど通っておりませんで、何年かに一回ぐらい一隻が通る程度でございまして、ソ連の艦艇が毎年百隻ないし百十隻程度が通過しているようでございます。
  97. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 このような状況を見ますとき、わが国は無害航行を許可するためのルールは一体どこにあるのかを私は伺っておきたいわけであります。というのは、私が調べた限りでは、わが国に入港する場合は、保安庁の方でおっしゃいましたように、明らかに許可を与えることが港の方からできるようでありますが、海峡を通航する場合、これから無害航行の件も問題になりますし、あるいは自由航行としても無害航行としてもこれは掌握をしなければならぬと思います。そうすると、まず話を分けまして、こういうものをチェックするのはどこがなさるのか、それから無害航行を実施させるための権限局、担当はどこがお持ちなのか、どういうルールでやるのか、それを伺いたい。
  98. 間孝

    ○間政府委員 海上保安庁は、先生御承知と存じますが、海上における法令の励行、犯罪の予防鎮圧その他公共の秩序の維持に任ずる役所でございます。したがいまして、領海内におきますところの秩序維持、たとえば外国船で無害でないような状態での通航、こういったものにつきまして、これに対してしかるべき措置をとるというのが海上保安庁の任務になっております。これが一般的に海上保安庁の任務になっております。
  99. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 海上保安庁のどこの部局が当たられるのか。
  100. 間孝

    ○間政府委員 これは、本庁におきましては警備救難部でございますが、地方におきましては、全国に十一の管区本部がございまして、その下にさらに保安部、保安署がございます。それぞれただいまの任務に当たっておるわけでございます。
  101. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 あなたがおっしゃるようなら、どうしてこれまでに許可した無害航行についての資料をあなたはお持ちになっていないのですか。この数年間何もしていないという意味ではないのですか。また竹島において韓国軍艦の通航往来を許し、武装兵力の上陸を許したのは海上保安庁の責任ではありませんか。あなたは無害航行なんておっしゃったけれども、担当部局はないのでしょう。やる気がないのか、部局がないのか、責任が決まってないのか、それはどうなんです。
  102. 間孝

    ○間政府委員 先ほど私、たとえば外国軍艦などの海峡通過の数を把握しておらないというふうに申し上げましたのは、無害通航を行っておるものはたくさんおるわけでございまして、これを統計的に把握はいたしておらないということでございます。実際には、海上保安庁は現場におきまして巡視船あるいは航空機によりまして領海内の巡視、警戒をやっておるわけでございまして、その範囲におきまして、私どもはいままで外国の軍艦について無害でないような状態は発見してはおりません。しかし、軍艦以外の商船についての無害でないような通航につきましては、その都度これについてしかるべき処置をしておる、こういうことでございます。
  103. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 実際に取り締まりに当たられておったら、数ぐらいは出るのが当然だと思います。いまのはごまかしだと思います。私は、海上保安庁のこれに対する明快な資料提出を求めます。いままでどういう基準で無害航行問題について取り扱ったか、そして外国軍鑑の通航その他について自分の方が責任があるのかないのか、あるのだったらそれについての統計的なデータの提出を求めます。委員長よろしくお願いします。
  104. 竹内黎一

    ○竹内委員長 海上保安庁よろしいですか。
  105. 間孝

    ○間政府委員 ただいまの御質問に対しましては、繰り返して申し上げるようでございますけれども……(渡部(一)委員「提出できるかできないかだけ言えばいい」と呼ぶ)そういういわゆる統計的な数字はございませんので、そういう資料を御提出申し上げるということはできかねます。
  106. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 そんならうそじゃないですか。防衛庁の方がデータを持っていて、海上保安庁は何も持っていなくて、それで竹島には悠々と海賊船みたいなのが横行していて、それを全然取り締まらないでおいて、無害航行についてはしかるべき処置をしますと言って、何もしてなくて何が取り締まりをしているんですか。それで、防衛庁は取り締まりの任に当たっていないのに外国軍艦が何隻通ったかちゃんと調べていて、これはどういうことなんですか。どっちが担当官庁なんですか。そんなごまかしを委員会でしゃあしゃあとおっしゃるというのは許しがたい。無害航行の許認可についてだれが責任を持つのかと私はさっきから聞いているのです。海上保安庁であるなら海上保安庁でいい。そんならデータを出せと言っているのです。データも持っていないようなら、私の方は責任ありませんと言いなさいと言っている。いままでやっていませんでした、済みませんでしたとここで言いなさい、ごまかしなんだから。竹島に海賊船みたいのが横行している一つをとってみたって何もしてないことは明らかじゃないですか。そうでしょう。竹島に何がいるんですか一体。責任はあなたの方でしょう。海上保安庁じゃないんですか、あれは。大規模なゲリラ活動と見てあなたの方は自衛隊の出動を要請するんですか。これはごまかしだ。どっちなんですか。答弁なさい。
  107. 間孝

    ○間政府委員 海上保安庁が外国の軍艦の日本の領海内の通過について把握いたしておりますものは、日本の港に入るような船、これについては当然それを把握をいたしております。それ以外の外国の軍艦の領海内の通航につきましては、これまでそういう事態を海上保安庁として見たという例がないということでございます。  それから竹島の問題につきましては、これは一つの領海内の秩序維持に関連する問題でございますけれども、先生御承知のように、竹島についてはいろいろと外交上のデリケートな問題がございますので、竹島に関するいろいろの措置につきましては、外務省と十分御相談の上で海上保安庁としては対処しておるわけでございます。
  108. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 これはけしからぬのであって、御答弁が行われていない。いままでのところ港に入る分については海上保安庁が見ておったと、いま明快におっしゃった。無害通航で通り抜ける分についてそれをただ要するにながめておった、こういう御答弁だろうと私は思うのです。これであるならば担当部局が明快でないことは明らか。担当部局が明快でないということは、無害航行のルールができていないということを示しておるから、私は領海画定の問題と一緒に論じているんじゃありませんか。それに対して明快な答弁が海上保安庁からない、それから自衛隊の方からもない。そうすればだれがやるんですかと私は言いたいわけです。これは政府の統一見解をちゃんとつくっていただきたい。恐らくあの方は、自分がそこまで決断をなさる担当にはないと私には思われます。  委員長、その辺よろしくお計らいいただきたい。
  109. 竹内黎一

    ○竹内委員長 委員長におきましても、政府の統一見解をしかるべき機会に提出するよう要望しておきます。
  110. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 竹島の問題についてと漁業権の問題を聞かなければなりませんが、私は、このたび訪ソされる鈴木善幸大臣が何をおっしゃるかについてきわめて不安を抱いている日本国民の一人であります。外務省と鈴木善幸大臣は十分なお打ち合わせをなさいましたかどうか、まず伺います。
  111. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 鈴木善幸農林大臣がイシコフ漁業相との会談のために明後日出立されるに当たりまして、本日の閣議後に関係閣僚が集まりまして、総理、官房長官にこの会談に臨む態度につきまして鈴木大臣から所信の表明がございまして、総理、官房長官も了承されたわけでございます。しかし、先方の主張がなかなかつかみがたい現段階でありますので、鈴木大臣に全力を挙げて従来の伝統的な漁業実績を極力確保していただく、こういうことしか現在のところ申し上げられないわけでございます。
  112. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 漁業実績のことについて要望なさるのはほかの大臣の所管だろうと思いますから、私はあえて余り詳しく伺うつもりはありませんが、まず外務大臣として、北方領土四島返還の問題がこれにもう密接に絡んできて、北方四島の周辺領海域設定の問題と漁業権の問題がこれに絡んでくるものと思われます。これに対してわが国民の圧倒的な意見は、北方四島の放棄は望ましくないという点ではわが国のほとんどのコンセンサスというものはあると思われます。また北方四島の領海を設定すると総理大臣は先日の予算委員会でおっしゃいました。事の当否はともかくとして、そうおっしゃった線を守られるかどうかについても、これは第二の問題であります。第三の問題は、この北方四島の周辺海域における漁業権の確定の問題でありますが、それを断固として確保してほしいというのが、これは北海道漁民の強い要望であります。第四は、一般的に言って北方海域における漁業権の確保というものを何とかしてほしいというのが大きな交渉の要点であろうかと思います。  私はわざわざ分けて申しましたのは、その一、二、三の申し述べた主として高度に政治的な、そして外交的な諸問題に対して、政府のコンセンサスとして、それはがんばるよと言っていただいているのかどうか、非常に心もとないのでお伺いをしているわけであります。まさかお魚のために領土を売るとか、そうしたようなとんでもない事態は起こらないだろうなとは思うのですけれども、何とも話がわからない。当委員会の御出席も要求いたしましたけれども、勉強するからという理由で出てこられない。これでは質疑にも何にもなりませんので、特にお伺いいたします。
  113. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 けさの新聞に載っておりますソ連側の二百海里の線引きにつきまして、北方四島がその中に含まれておることは先ほど申し上げたとおりで、これに対しまして官房長官談話をもちまして、政府はこれを承認することはできないという声明を政府としては出した次第でございます。鈴木農林大臣がイシコフ漁業相と会談なされます問題は、いままでのいわゆる北洋漁業についての問題を論議をされるということで、万一それ以外の問題が提起をされましても、これは鈴木農林大臣の交渉すべき問題ではないと、こう思う次第でございまして、そのような問題が仮に――これは万々ないと思いますけれども、これは当然まあ外務省並びに総理大臣の問題になるわけでございますので、鈴木大臣はもっぱら従来の北洋漁業に関します交渉のみに当たられるというふうに確信をいたしておる次第でございます。
  114. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 北方四島を含む二百海里線をソビエト側が設定して、そうしてこの線を認めない限り漁業権を認めないというふうに主張されたら、その北方四島をソ連側に含んだ二百海里線を引いて、この線を認めない限りは北方漁業を認めないという立場でこられたら、政府はどちらをとられるように鈴木大臣に要望されておられるのですか。これはまさに問題点だと思います。
  115. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 鈴木大臣が、北方四島の領有権に関する事項につきまして、何らかの約束をされるということは絶対ないと確信をいたしておる次第でございます。
  116. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 時間がなくなりましたので、くどいようですが、もう一回。北方四島をソビエト側に含んでいる二百海里線――両方とも認めたかどうかはそのときに明らかに言っているわけではないけれども、それを含んでいる二百海里線、漁業専管水域というものを設定した場合、その線を認めることはあり得るか、あり得ないのか。それは間接的には北方四島はソビエトの領有下にあることを承認するものになると思います。わが国としては、それをまだ交渉中で完全に認めたことにはならないという理論も立てられないわけではないとは思います。ですが、そこでがんばるかどうかですね。そこがまさに交渉の要点だろうと思うので、特にお伺いします。
  117. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 政府といたしまして、きょう、ソ連政府が北方四島に関します線引きを決めたということは日本政府としては承服できないということを、官房長官談話をもって発表いたしたわけでございまして、この大方針が曲げられるということはないものと信じておる次第でございます。
  118. 渡部一郎

    ○渡部(一)委員 ありがとうございました。
  119. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次に、寺前厳君。     〔委員長退席、有馬委員長代理着席〕
  120. 寺前巖

    ○寺前委員 時間が短うございますので、端的にお聞きをしたいと思います。  いま、「ソ連「二百海里」に北方領土絡ます」というけさの報道をめぐって、各党の皆さんから問題が出ております。私どもの党は、「歴史的に日本の領土であることが明白な南北千島列島全域については、二百海里漁業専管水域の実施を保留するよう、ソ連と交渉すること。」という問題を昨日提起いたしました。政府は、これに対してどのように措置されるのか、端的にお聞きしたいと思います。
  121. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 条約局長からお答えさせていただきます。
  122. 中島敏次郎

    ○中島政府委員 とりあえず申し上げなければなりませんことは、いま先生、南北千島ということをおっしゃられまして、南北千島ということの意味が必ずしも、私、明確につかんでおらなかったかと思いますが、御承知のように、政府の立場といたしましては、歯舞、色丹、国後、択捉という四つの島がわが国固有の領土であって、これがわが国に返還されるべきである、こういう立場でございまして、いま先生のおっしゃられた南北千島ということがそれ以外の諸島をも含んでおるとすれば、それ以外の諸島につきましては、まず政府の立場が異なっておりますので、それらの島を基点としたところの二百海里の漁業水域について、日本政府としてこれを取り上げて領有権主張との関係で云々するということはないというふうに考えます。  他方、南の、北海道近辺の国後、択捉、歯舞、色丹、四島につきましては、御承知のようにこれはサンフランシスコ平和条約でわが国が放棄いたしました千島列島には含まれていないというのが政府の立場でございまして、したがってそれらの島々はわが国に返還されるべきであるというのが政府の立場でございます。  したがいまして、それらの島を基点といたしますところの二百海里の漁業水域が設定されるということがソ連側の意図であるとすれば、それに対してわが方としては、それに承服し得ないということで今度の会談に臨む、こういうことになるかと思います。
  123. 寺前巖

    ○寺前委員 昨日の申し入れの件について改めて再検討していただきますように、この場をかりて外務大臣に申し上げておきたいと思います。もう少し全面的にいろいろ言っておりますから。昨日内閣の方に渡してありますから。後でお答えいただいたら結構です。  その次に、この問うちから予算委員会で領海問題に対する論議がいろいろございました。二月十四日の予算委員会の質問に答えられての統一見解なるものも出ました。そこで、すでに論議になっている点ではございますが、私からも改めてお聞きをしたいと思うのです。  「当面の対応策として、いわゆる国際海峡のような水域については、当分の間、現状を変更しないでおくものである。」というふうに、この文章をいただくと書いてありますが、国際海峡というのは、日本の国ではどこをお指しになっているのか、改めてお聞きしたいと思います。
  124. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 国際海峡を日本の周辺のいわゆる水道とか海峡のうちどこを決めるかということにつきまして、ただいま関係省庁間で議論を詰めているわけでございます。いわゆる国際海峡というのは国際航行の用に供されておる海峡、公海と公海を結ぶものということになろうかと思いますが、このどこをするかということ、まあいわゆるいままで議論に出ております主要な、津軽海峡であるとか対馬海峡でありますとか宗谷海峡でありますとか大隅海峡でありますとか、そういうようなところは恐らく国際海峡となるのではなかろうかということで、それ以上の点は目下成案を詰めている段階でございます。
  125. 寺前巖

    ○寺前委員 対象にして検討しているところはどれだけあるのですか。どこでしょう。
  126. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 現状ではおおむね一けたくらいのところが検討の対象になっておるということで、まだ具体的に決まってないわけでございます。
  127. 寺前巖

    ○寺前委員 何を基準にして決められることになりますか。
  128. 中島敏次郎

    ○中島政府委員 補足させていただきます。  ただいま何を対象にしているかという御質問がございましたが、御承知のように、今回政府がとろうとしております措置は、従来――今般領海を十二海里に拡張することによって公海部分が消滅するか、または国際航行に十分な公海部分が残らないような海峡であって国際航行に使用されるものというのが概念としての対象と申せば対象でございます。  ただ、具体的にそういうものを拾っていくと、日本の周辺には六十とか七十とかあるという話も私ども聞いておりますけれども、航行の実態その他に照らして、それらのうち今回どの海峡について現状どおりとするかという具体的な問題につきましては、これは各省にわたる問題で、内閣におきましてこれを統一して検討する組織をつくりまして領海法の法案の準備を鋭意やっておるわけでございまして、その作業の大きな問題として現在検討中であるということを承知しておりますが、それ以外の実態は私どもはまだ把握しておらない、恐らく作業そのものがまだそこまで進んでおらない、こういうことであろうと思います。
  129. 寺前巖

    ○寺前委員 もとへ戻りまして、この統一見解を読ませていただきますと、「マラッカ海峡等の国際交通の要衝たる海峡における商船、大型タンカー等の自由な通航を確保することが総合的国益の観点から是非とも必要である」。そうすると、マラッカ海峡等でわれわれとしてはどうしても自由通航をさせたいから、われわれの方に幾つかの難点があっても、それはここのためにはやむを得ないのだ、こういうふうにこの「総合的国益の観点」というのは理解させていただいてよろしいでしょうか。
  130. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 「マラッカ海峡等」と書いてございまして、マラッカ海峡だけということではないわけでございますが、特に御理解賜りたい点は、先ほども申し述べたとおりでありますが……(寺前委員「結構です」と呼ぶ)よろしゅうございますか。
  131. 寺前巖

    ○寺前委員 私のいまの見解でよろしいかと聞いているのです。
  132. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 「総合的国益」という点は、わが国としてはマラッカ海峡が相当大きなウエートを占めていることは事実であろうと思います。
  133. 寺前巖

    ○寺前委員 重ねてお聞きいたしますけれども、マラッカ海峡等がわが国の上において非常に大きな位置を占めている、そこで幾つかの難点が日本の側にあったって、それは大きな位置を占めているから、総合的に勘案してこういうふうに自由通航の方がよろしいのだという理解でよろしいねと聞いているのです。簡単にお聞きしている。
  134. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 マラッカ海峡がわが国として非常に重要な関心のあることは、そのとおりでございます。しかし、今日海洋法会議で問題になっておるものは、マラッカ海峡ということで問題になっておるのではなくて、領海を十二海里にするという問題と世界じゅうの海峡の通航をどうするかというそれが問題になっておることは申すまでもないことでございます。
  135. 寺前巖

    ○寺前委員 私の聞いた質問は、いいのか悪いのか、そう解釈してよろしいかと聞いているのです。
  136. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 これはひとりマラッカ海峡だけに限らず、世界じゅうのいわゆる国際海峡の通航問題が関心事である。わが国としてはマラッカ海峡が一番関心が深いというふうに御理解を賜りたいわけです。
  137. 寺前巖

    ○寺前委員 それではもう一度聞いてみます。  この間、福田総理が予算委員会でこう言っておられたのです。よその国の船は通さない、うちの船は通せでは通用しないではないか、こういう発言をしておられたように私は聞いておりました。この発言でよろしいでしょうか。
  138. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 表現が、いまおっしゃいましたような表現だったかどうか、私も記憶がはっきりしておりません。御趣旨は、日本は海運に非常に依存しておるということでありますので、総合的な国益という意味でより自由な通航が好ましいのだということを申し述べておられたと思います。
  139. 寺前巖

    ○寺前委員 私はもっと簡単に聞いているのです。こういうふうなことを言っておられたけれども、よろしいのですねと聞いたんだ。簡単に答えてくださいよ。それは間違だというなら、間違いですと言ってもらったらいい。どうです。簡単でいいですよ。
  140. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 もうその表現でいいんだなということで、そしてそうだと、またおかしいじゃないかというような話になるのじゃないかと思って、まあ若干警戒したわけでございますけれども、非常にわかりよく言えば、やはり日本も、日本の列島の中で国際海峡を持っておるわけでありますし、また世界のいろいろな海峡も通らなければならない、そういうことから申しますと、まことに簡単に申し上げればそのようなことも言えるのではないかと思います。
  141. 寺前巖

    ○寺前委員 それではお聞きしますが、さきにもこれは話が出たわけです。私たちが国益としてマラッカ海峡を通したいという大きな位置というのはタンカーになるだろうと思うのです。商船であり、タンカーです。一番大きなのはタンカーでしょう。そこを通す。われわれはあそこをタンカーを通したい、大型商船を通したいという要求だ。われわれの方が向こうを通したいと言うのに、われわれの方は通ってもらったら困ると言うのは言いにくい。われわれの方を通る船というのは一体何が問題になっているのでしょう。マラッカ海峡の方は明らかにタンカーです。われわれの方で問題になるのは何でしょうか。日本の国民が問題にするのは何でしょうか。大臣は何だと思われますか。
  142. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 それぞれの海峡でどういう船が一番通るかということは、いろいろ差があると思います。しかし、いま問題になっておりますのは、海峡を領海の通航ということにしてしまうかどうかという点でありまして、それはいかなる船種であるということで問題になっておるわけではないのでございます。
  143. 寺前巖

    ○寺前委員 私は、日本の方で問題になるのは何ですかと聞いているのです。いろいろな憶測をする必要はないのです。現実に日本の国際海峡で問題になっているのは何ですか、そう聞いたわけです。マラッカ海峡ではタンカーが問題になっています。日本では何が問題になっているのですかと聞いたのです。どうです。大臣。
  144. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 それは皆様が問題にされておるので、私どもは、通航の通り方の問題でございますので、これはどういう船が問題であるとか、そういった考え方は出てこないわけでございます。
  145. 寺前巖

    ○寺前委員 沿岸国が何を問題にするか、それぞれの沿岸国で問題になるようなことが起こるのは私は当然だと思うのです。日本で問題になっているのは核積載艦の問題が問題になっている。そうすると、核積載艦とタンカーとを比較して、タンカーを通すためには核積載艦を通さなかったらやむを得ない、これでは比較が全然違う問題じゃないかと思うのです。ここに国民の批判があるわけですよ。私はこの問題について政府が率直に再検討されることを要望して、この話もう時間がありませんので、次に移ります。  そこで、海洋法会議の米首席代表として出ているジェームズ氏はこう言っているのですね。「海の資源と国際」という中で、十二海里にすれば日本周辺の海洋においてわが艦隊の作戦能力を阻害するであろう、こういう発言をこの海洋法会議のアメリカの首席代表が言っているのです。そういう扱いを受けているということについて、あなたは御存じですか。
  146. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 私は読んでおりませんので、条約局長からお答えいたします。
  147. 中島敏次郎

    ○中島政府委員 申しわけございませんが、私も読んでおりませんので、詳細わかりませんということだけとりあえず……。
  148. 寺前巖

    ○寺前委員 それじゃ読んでもらって、これが事実だということになったら、外務大臣どう思われますか。
  149. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 そのようなことをお考えになる方もあるということは――当然あるいは軍の関係の方は軍の面からいろいろな問題をお考えになるということはあり得ることであろうと思います。
  150. 寺前巖

    ○寺前委員 あり得ることで、これで済まされたら困るから、繰り返して再検討を要求しているわけであります。  そこで、もう時間がございません。昨日行われましたASEANの外相会議、そこでインドネシアなど三カ国外相が沿岸三カ国声明というのをお出しになったようですが、先ほどからもお話がありました例のタンカー問題をめぐって、これは黙っておくわけにはいかないという経過が今日まであったと思うのです。この声明について、外務大臣は当然のこととお考えになるのか、それとも、これはちょっと困る問題だとおっしゃるのか、その点について端的にお答えをいただきたいと思います。
  151. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 この三カ国の共同声明につきまして、これは技術的な問題にずいぶん触れておりますので、あるいは詳細の点は条約局長から御答弁申し上げます。  私ども、このマラッカ海峡自体につきましては、これはいろんな事故が現に起きております。日本の大型タンカーが座礁したりしていることが起きておりますので、これにつきまして安全対策あるいは公害対策、公害を予防する見地から、何らかのこの通航方法の改善なりということが必要な事態であるということは、これは十分認識をしておることであり、またわが国民としてもみんなわかっていることであろうと思うのでございます。そういう意味で、三カ国が関係の国に対しましてこの安全保持、公害防止のためにこのようなことをひとつやろうじゃないかということを勧告されるということにつきましては、それ自体として私は歓迎すべき要素が多いのではないかという感じを持っていることを申し述べさせていただきます。
  152. 寺前巖

    ○寺前委員 それでは、この三カ国が違う形において以前に問題を提起しております。一九七四年の七月二十二日、マレーシア、モロッコ、オーマン、イエメンの四カ国が、第三次海洋法会議第二会期、いわゆるカラカス会期において、国際航行のために使われる海峡を含む領海の通航についての条約案というのを提出しております。その第八条を見ると、特殊性格を持つ船の航行の中で、沿岸国は以下の船舶の領海通航を規制できると、原子力推進船及び核兵器運搬船、放射線を運搬する船、そういうものをずっとそこで列記して、そしてこの規制を提起しております。     〔有馬委員長代理退席、委員長着席〕 また、この関係国が、一九七三年の第三次海洋法会議の開催直前に、海底平和利用委員会で八海峡国が同じような提案をやっております。ここでは、中心は、沿岸国は原子力船、核兵器運搬船、核物資または沿岸国を脅かしあるいは海洋を著しく汚染するおそれのあるその他の物資を運ぶ船、海洋環境を調査する船の領海通航を規制できる云々という形で問題を提起しております。  こういうふうに、沿岸諸国が自分の国の国益のために問題を提起するということは当然起こり得る問題であって、私は、沿岸国の規制権というのは主権の問題としても認めなければならないことになる問題だと思うのですが、それに対する御見解と、これらの提案に対して日本政府はどのような態度を今日までとられたのか、御説明をいただきたいと思います。
  153. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 従来の経過につきまして条約局長から御答弁さしていただきます。
  154. 中島敏次郎

    ○中島政府委員 ただいま先生から御提起のありましたような八カ国の主張とか提案があったことは私どもも存じております。御承知のように、今次の海洋法会議は、いま先生御指摘の、国連におきますところの拡大海底平和利用委員会、これが会議の準備をいたしまして、七三年からそのニューヨーク会期が始まりまして、七四年にカラカスでの第二会期が始まった。カラカスでの会期におきましては、これは最初の実質的な討議の会期でございまして、各国がそれぞれ各国のイニシアルなポジションをその会期において述べた、また提案も行った、こういう特徴を有するものでございます。その会期におきまして、いまお挙げになりましたような沿岸諸国から、私どもが後々国際海峡と呼んでおりますような海峡における通航制度として、沿岸国の立場から、沿岸国の規制を非常に強く及ぼし得るような制度にすべきであるという考え方、ことにその際に、規制を及ぼすべき船舶の種類を特定いたしまして、いま先生お挙げになりましたような原子力船とか核兵器の搭載艦だとかタンカーを含むととろの危険物を運搬する船とか、そういう特殊な船を特記いたしまして、そのような特別の船舶については特別の規制を行うべきなんだ、こういう考え方が基調になっていまのような提案になったこと、これはまことに事実でございます。  そこで問題は、その後カラカスから何次かの会期を経まして海洋法会議自体が進展していったわけでございますが、そのいま先生御指摘の提案にありましたような沿岸国の主張と、それから他方、米ソ、イギリスとかドイツとかそういう先進海運国を含みましたところの――日本もこれらの点については立場は同じでございますが、そういう先進海運国の、国際海峡においては船舶の自由な通航制度が確保さるべきだという主張がありまして、それらの主張がいろいろ議論の過程を経まして、双方歩み寄りを見せ、そして現在討議が収斂されておりますのが、ただいまの海洋法会議の討議の基礎になっておりますところの非公式単一草案でございまして、その非公式単一草案において定められておるところの国際海峡の通航制度は、いわゆる妨げられざる通過通航制度ということになっているわけでございます。長々とあれいたしましたが、いわば沿岸国の主張、それから海運国の主張、その他もろもろの主張が、いろいろの討議の過程を経ていまいわゆる通過通航制度というところに収斂されつつある、まだ最終的な固まりは見せておりませんけれども、いまお挙げになりましたような沿岸国も含めて、その通過通航制度ということでいこうという方角で審議が進んでおる、こういう実態でございます。
  155. 寺前巖

    ○寺前委員 お約束の時間が過ぎておりますので、私の聞いた質問にだけ答えていただいたら結構なので、政府の宣伝の場にはしてほしくないと思うのです。私はもうこれで終わりです。要するに、いまいろいろお話しになりましたけれども、日本としてはどのように受けとめたかという話はないのです。国際的にこういう方向に進んだというだけです。私の聞きたかったのは、日本としてどう受けとめたのか、特に非核三原則という国是を持っている日本だけに、このような核の問題を提起している国があるのに、これに対してどのような態度をとられたのか、日本は今度の国際法会議においてこの核の問題についてどういう態度をもって臨まれるのか、そこを聞きたいから、歴史の経過とその点を聞いたのです。私は改めてそのことをお尋ねをして終わりとしたいと思います。  あわせてもう一つつけ加えてお返事をいただきたい。それは、昭和四十二年の四月に当外務委員会において核通過に関する統一見解が出されております。また、四十九年の十二月二十五日にも統一見解が出ております。これらの統一見解は、要するに核を装備しているようなもの、外国軍艦の領海通航は許可しないという方針がそこでは明確にされているわけです。そうすると、国際海峡になって自由通航になったときには、この統一見解は死滅するのかしないのか。これで私の質問を終わりたいと思います。お答えをいただきます。
  156. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 非核三原則はわが国の国是として厳守をするということはたびたび申し上げておるとおりでございます。わが国の権限の及ぶ限りにおきまして核の持ち込みは認めないわけであり、また、領海も含んで、核の領海通過もこれは核の持ち込みになるんだという従来の政府の見解が示されております。これらの方針を厳守するということをたびたび申し上げている次第でございますので、その点は御理解を賜りたいと思います。
  157. 寺前巖

    ○寺前委員 もう一回ちょっと明確に言ってください。自由通航の地域についてこの統一見解は死滅するのかしないのか、そこだけです。
  158. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 領海が三海里から十二海里になるという点につきまして、領海もわが主権の及ぶところでありますので、これは従来の見解から言えば、非核三原則はこの面では当然拡大されるということのもとに、私どもは非核三原則を厳守するということを申し述べておるのでございます。いわゆる国際海峡につきましては、これは国連海洋法会議におきましてこの結論がどうなるかということによりまして決まってくる問題であるというふうに私は思います。そういうことで、いわゆる国際海峡の通航制度というものが海洋法会議の結論でこういうものになるのだということになれば、私はそれに従うべきであろう、こう思う次第でございます。
  159. 寺前巖

    ○寺前委員 はっきりしないのだけれども、自由通航になったら死滅するのか死滅しないのか、それを聞いているだけ。国際海洋法会議がどうなろうと。
  160. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 わが国の非核三原則を厳守するという立場には変わりないのでございます。わが国の権限の及ぶ限りにおきまして非核三原則を厳守するということでございます。そして、いわゆる国際海峡がどういう通航制度になるかということが問題になっておるわけでございますので、その点は、やはり海洋法会議の結論を待ちませんと、いまここで予断をするわけにいかないというふうに思うのでございます。
  161. 寺前巖

    ○寺前委員 お約束の時間が来ましたのでやめますが、無責任な態度だと言わざるを得ないと私は思うのです。この話は引き続いてやります。留保します。
  162. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次に、伊藤公介君。
  163. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 私ども新自由クラブは、これから私どもの地球上のあらゆる貧困やそして人権問題には勇敢に立ち向かい、そして外交の場面においても積極外交を展開をすべきであるという立場から、きわめて限られた時間の中で一、二外務大臣に御質問申し上げたいと思います。  ここ数日来、特に昨日もアメリカの大統領カーターは人権問題にかなり具体的に触れてまいりました。こうしたアメリカのカーター外交に対して、わが国の外務大臣としてどうこれを認識をし、お考えになっているか、まず簡単に御意見をいただきたいと思います。
  164. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 カーター大統領の人権問題に対する御関心は、私は大統領御自身の大変強い信念に基づくものというふうに理解をいたしております。そして、国際社会におきましてもこの人権問題を表面に出されて主張されていることは、私はまことに勇気のあることであるというふうに考えます。ただ、私自身外交に当たる者といたしましては、やはりそれぞれの国におきましてはそれぞれの国の内政というものがあるわけでありますので、わが日本としてそれにどういう態度をとるべきかという点につきましては、これはほかの国が内政干渉にわたるような非難を受けないようにという点につきましては十分な考慮を払わなければならないものというふうに考えている次第でございます。
  165. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 アメリカのカーター大統領はその言明の中で、具体的な国名を挙げて、たとえば韓国の中にも人権問題があると言明をしておりますけれども、日本の外務大臣としてはどうお考えになっていらっしゃるでしょうか。
  166. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 韓国におきましての人権問題をアメリカの大統領が指摘をされるということにつきまして、まだ詳細に伺っておりません。日本としては、韓国との友好関係にかんがみまして、しかも、非常に一衣帯水の間にある隣国のことでありますので、その問題につきましては慎重に考えたいと思います。
  167. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 昨今、金大中事件を初めとして、日韓の問題はきわめて重要な問題だと私どもは受けとめているわけでございます。すでにこうした問題については、事件をきっかけにして日本の政府でもいろんな調査を続けてこられたり、金大中事件についてもその経過があるわけでございますけれども、そうした中で、現段階で日本の外務大臣としては、韓国の中に人権問題があるとお考えになっているでしょうか。もう一度お聞きをしたいと思います。
  168. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 ただいまの御指摘でございますけれども、何分友好関係にありますことでありますので、私どもとしては発言は慎重にいたしたい、こう思う次第でございます。  なお、金大中事件に触れられましたけれども、この金大中事件につきましては、外交的には一応の決着を見ておりまして、いま刑事事件といたしまして引き続き捜査中のことでございます。したがいまして、この席におきます私の発言は慎重にさしていただきたいと思う次第でございます。
  169. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 時間がありませんので、日韓のこの一連の経過については改めて私どもはお聞きをしていきたいと思っています。  関連をしまして、アメリカのカーター大統領は、韓国からの撤兵に積極的に踏み出してまいりました。日本の政府はこの問題について、バランスを大きく崩さない範囲においてと、こういう答弁をされているかと思いますけれども、一体そのバランスとはどういうバランスを意味しているのでしょうか。
  170. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 先般、ただいまのお尋ねのようなお尋ねに対しまして、福田総理大臣から、南北問のバランスというものは、一つは軍事上の問題が大きいけれども、軍事上だけの問題ではないというふうに御答弁をされております。そういう意味に私どもも解すべきであろうというふうに思います。  南北間のバランスというのは、果たしてどういう状況がバランスがとれているかということになりますと、これはなかなか表現はむずかしかろうと思うのでございますけれども、あらゆる点を考えたバランスというふうに考えたいと思います。
  171. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 大別をすれば、軍事、経済そして政治等々あると思いますけれども、アメリカの撤兵を補うものとして、経済的な安定ということが考えられると思いますけれども、この撤兵を補って日本の韓国に対する経済援助というものに大きな変動があるのかどうなのか、これを質問したいと思います。
  172. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 経済協力を今後どういうふうにしてまいるかという点につきましては、これは何分両国間のいろいろな交渉ごとにもなろうかと思  いますので、ここではっきりしたことは申し述べられませんが、従来から韓国の国民の経済的な安定あるいは福祉の向上と申しますか、こういった観点で経済協力を実施しておるものでございます。そして、私ども、米地上軍の削減というような問題につきまして、これと経済協力がどのように関連をするかという点につきましては、私どもは関連をさせて考えるということはいままでのところ考えてないと申し上げた方がよろしいかと思います。一〇伊藤(公)委員 私ども新自由クラブは、朝鮮半島の平和と安定ということが、今後わが国の外交にとっても、また、私たち国民にとってもきわめて大きな問題だと考えているわけでございます。したがって、いずれを支持するとかしないかという立場ではなしに、いずれにしてもわれわれはかなり具体的に、そしてかなり急速にこの朝鮮半島の問題について、私たち日本の国なりの外交を展開していかなければならない、こう考えているわけでございますけれども、一体、現状の中で私たちは朝鮮半島の新しい対処の仕方があるのかどうなのか、出てきた問題についていつもその場しのぎの対処しかできない。大臣は、新しく今回この内閣の中で、今後朝鮮半島を具体的にどういう形で、南北を問わず友好関係を生み出すことができるのか、こうした基本的な考え方について御答弁をいただきたいと思います。
  173. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 わが国といたしまして朝鮮半島の平和というものを心から願う立場におきまして、これは国民のひとしくそう考えるところであろう、こう思うわけでございます。  しからば、具体的に現在の朝鮮半島の状態というものをいかにしたら打開できるか、改善できるかという点につきましては、これは現状の見通しとしてなかなか見通しが立てにくい状況にあるということもまたこれは事実であろう、こう思います。われわれといたしましては、朝鮮半島の緊張というものが次第に緩和されていくこと、そして南北の対話というものが一九七二年に行われました。南北がいよいよ対話の時代に入るのではないかということで大いに期待されたわけでございます。しかし、それも本当にあわのように消えてしまった。そういうことが過去にあったわけでございますが、何よりもまず、とにかく同一民族の南と北でもうちょっと対話をなるべく早く始めることが、何よりも先決ではないかというふうに考えている次第で、私ども外交の当局者といたしましては、そのような情勢をつくり出すことに努力をするという考えでおるわけでございます。
  174. 伊藤公介

    ○伊藤(公)委員 最後になりましたけれども、朝鮮半島というものがわが国にとって大変大事な問題だと考えているからこそ、私たちは積極的に、また勇敢にこの問題に取り組まなければならないと考えているわけでございます。しかし私たちは、そういう見通しの中にありながらも、ここしばらくの間、日本と韓国の関係、特に国民を代表する国会議員の具体的な名前が挙がってくるなどというような大変残念な状況を私たちは見るにつけて、日韓のこうした癒着の問題については、具体的にもっと私たちは国民に対してはっきりした形でこれを明らかにし、そして私たちは新しい時代に立ち向かわなければならない、こう考えておりますけれども、現状で政府は今後のこのいま取りざたされている日韓の癒着の問題についてどういう考え方を持っているのか、最後に御質問をして私の質問を終わりたいと思います。
  175. 鳩山威一郎

    ○鳩山国務大臣 予算委員会の場面で、日韓に関しますいろいろないわゆる癒着というような表現を使われていろいろな御指摘があったわけでございます。しかし、これらの問題はこれは何ら確証のないような話が非常に多く出ておるわけで、こういうような問題につきまして、私はやはり事実を本当に明らかにして、この日韓関係のわだかまりというものを吹き飛ばしていただきたい、こう本当に心から思っております。いろいろなことが言われることはまことに残念に思う次第でございます。そういうことが私どもは万々ないことと存じておりますが、そういうお話が後を絶たないので、これにつきましては疑念を一日も早く吹き飛ばしていただきたい、こう思う次第でございます。
  176. 竹内黎一

    ○竹内委員長 次回は、来る三月二日水曜日午前十時理事会、十時三十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時三十二分散会