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1977-04-15 第80回国会 衆議院 地方行政委員会 14号 公式Web版

  1. 昭和五十二年四月十五日(金曜日)     午前十時三十分開議  出席委員    委員長 地崎宇三郎君    理事 大西 正男君 理事 木村武千代君    理事 高村 坂彦君 理事 中村 弘海君    理事 小川 省吾君 理事 佐藤 敬治君    理事 小川新一郎君       相沢 英之君    井上  裕君       石川 要三君    谷  洋一君       渡海元三郎君    中村喜四郎君       中村  直君    西田  司君       堀之内久男君    与謝野 馨君       岩垂寿喜男君    加藤 万吉君       柴田 健治君    新村 勝雄君       田口 一男君    権藤 恒夫君       斎藤  実君    和田 一郎君       川合  武君  出席政府委員         警察庁長官官房         長       山田 英雄君         警察庁刑事局保         安部長     吉田 六郎君         警察庁交通局長 杉原  正君         大蔵省理財局次         長       戸塚 岩夫君         自治政務次官  中山 利生君         自治大臣官房長 近藤 隆之君         自治大臣官房審         議官      石原 信雄君         自治大臣官房審         議官      福島  深君         自治省行政局公         務員部長    石見 隆三君         自治省財政局長 首藤  堯君         自治省税務局長 森岡  敞君         消防庁長官   林  忠雄君         消防庁次長   田中 和夫君  委員外の出席者         青少年対策本部         参事官     石瀬  博君         大蔵省主計局主         計官      矢崎 新二君         文部省管理局教         育施設部助成課         長       倉地 克次君         海上保安庁警備         救難部長    久世 勝巳君         自治省財政局財         政課長     関根 則之君         地方行政委員会         調査室長    日原 正雄君     ――――――――――――― 委員の異動 四月十五日  辞任         補欠選任   岩垂寿喜男君     柴田 健治君   細谷 治嘉君     田口 一男君 同日  辞任         補欠選任   柴田 健治君     岩垂寿喜男君   田口 一男君     細谷 治嘉君     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件      ――――◇―――――
  2. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 これより会議を開きます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  地方自治、地方財政に関する件の調査のため、四月二十二日午前十時三十分より、日本賃金研究センター研究主任孫田良平君を参考人として委員会に出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。      ――――◇―――――
  4. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。相沢英之君。
  5. 相沢英之

    ○相沢委員 きょうは地方財政に関しまして、地方財政計画、交付税、地方税、地方債の問題等について御質問を申し上げたいと思います。  冒頭にお願いしておきたいのは一なかなか与党は質問の時間を与えられませんので、この二時間の間に盛りだくさんの質問を申し上げることになりますので、御答弁はぜひ簡潔にお願いいたしたいと思います。  最初に、地方財政計画について伺いたいのでありますけれども、毎年度地方財政計画というのがつくられておりますが、地方財政計画をつくる意義について伺いたいと思います。
  6. 首藤堯

    ○首藤政府委員 地方財政計画は、御承知のように毎年度の地方財政の収支の均衡状況を図るために作成をいたしておるわけでございますが、この意義は大きく分けまして二つございます。一つは、この計画の策定を通じまして、当該年度の地方財政の収支状況がどうか、それに対してどのような、財源不足が生ずるなりなんなりした場合には措置をする必要があるか、こういったことを策定をするための効果でございます。それからもう一点は、標準的な財政規模をとりました場合の地方財政の状況をあらわすものでございますので、この策定の内容を通じまして、たとえば公共事業の伸びの状況、税収入の伸びの状況、こういったような基準的なことが示されることになりますので、そのようなことを通じて、地方公共団体に財政運営の一応の基準的な指針と申しますか尺度と申しますか、目の子と申しますか、そういったものを与え得る、こういった効果を持つものと考えております。
  7. 相沢英之

    ○相沢委員 地方財政計画が地方財政に関しての基準的な尺度あるいは目安というものを与えるという意味を持っているとすれば、地方財政計画と地方財政の実績とができるだけ近づいているということが私は望ましいのだろうと思うのです。ところが、過去におきましては、地方財政計画の収支と実際の決算の収支とにはかなり大きな相違がある。昭和五十年度について、その計画と実績との関係はどのようになっていますか、まず伺いたいと思います。
  8. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御指摘のとおり、できる限りこの計画と実態は近い方が望ましい、また近くなければならぬ、そのような考え方をとっておりますが、実際は御指摘のように若干の乖離がございます。  昭和五十年で申し上げますと、計画と決算との間では、歳入におきまして約四兆四千億余りの差がございますし、歳出におきましては約四兆一千億程度の差がございます。しかし、これは単純な差でございまして、その後の補正予算の措置あるいは繰越金の操作、こういうものをやりますと、純計といたしましては、歳入において約二兆八千億、歳出におきまして約二兆九千億、こういった程度の差がございます。
  9. 相沢英之

    ○相沢委員 その歳入におきまして二兆八千億、歳出において二兆九千億余りの違いが出ている一番大きな原因はどこにありますか。
  10. 首藤堯

    ○首藤政府委員 歳入面におきましては、地方税におきまして二千億余りの増収がございましたこと、それから地方債におきまして六千八百億程度のいわゆる枠外債の発行、これがございましたこと、それから使用料、手数料関係、雑収入関係で約一兆七千八百億程度の増収がございましたこと、こういったことでございますし、歳出面におきましては、給与費におきまして約一兆三千八百億、計画以上の支出がございます。それから一般行政費において約一兆四千億の歳出増がございます。それから投資的経費におきまして約三千億の増がある。そのほか減の点もありますが、そういったものが主な点でございまして、これを両方照らし合わせますと、一般行政費におきます一兆四千億の増は、使用料、手数料、雑収入等の増に支えられておりますが、実態的には年度末の貸付金そのほかのものが非常に大きなウエートを占めておると思います。それから地方債の増収に伴いまして投資的経費の増加が出ておる、こういう状況でございます。給与費の計画以上の支出は、そのほかの税収入ないしは雑収入、こういったものの引き当て、あるいはその他のやりくりで賄われておる、こういう実態ではなかろうかと思っております。
  11. 相沢英之

    ○相沢委員 たとえば地方税の計画と決算との差異、乖離の原因の一つとしては、地方財政計画においては標準税収において税収を算定する、しかし決算においては、たとえば超過課税あるいは法定外普通税等の収入が当然これに計上されてくる、かように理解してよろしゅうございますか。
  12. 首藤堯

    ○首藤政府委員 ただいま申し上げました二千三百億余りの増収のうち約千億、九百八十二億ほどでございますが、これが御指摘の超過課税その他でございます。
  13. 相沢英之

    ○相沢委員 歳入の各項目を計画と対照してみると、一番差異のはなはだしいのは雑収入だというふうに承知しておりますが、先ほどの御説明の中で、雑収入については繰り出し金その他の関係もあるという御説明でしたが、もうちょっと詳しく御説明願いたいと思います。
  14. 関根則之

    ○関根説明員 雑収入につきましては、いわゆる年度内貸し付け回収金の関係が計画規模以上に地方団体において行われておりますので、収入の面におきまして五十年度の年度内貸付金の回収金が一兆八十八億円ございますけれども、計画では三千七百九十五億円計上いたしておりますので、その差が六千二百九十三億円になっております。歳出につきましてもほぼ同額の差が出ているものというふうに考えております。
  15. 相沢英之

    ○相沢委員 従来ともこの計画と実績との乖離はできるだけ縮めるようにということで努力が行われてまいったと思うのでありますけれども、たとえば五十二年度の地方財政計画において、その点はどのような措置をとっておられますか。
  16. 首藤堯

    ○首藤政府委員 毎年、御指摘のように決算との乖離をできるだけ詰めるという努力をいたしておるわけでございますが、こういった、ただいま申し上げましたような年度内回収金等の額につきましては、収入、支出の実質的な差に余り影響がございませんものですから、完全にこれを直すというところまでは立ち至っておりません。ことしはこのような雑収入を前年度より約五%程度近く伸ばして実態に近づける、このような措置をとったところでございます。
  17. 相沢英之

    ○相沢委員 雑収入について五%程度ふやすことを計画面においてされたということであります。しかし問題は、その程度ではこの大きな乖離というのは縮まらない。先ほどお話がありましたように、昭和五十年でいいますと二兆八千億というのはパーセンテージにすると大体一三%に該当するわけです。およそ地方財政計画というものが冒頭御返答いただいたような意味を持っている計画であるとすると、それに対して実績が一三%も開いているというのでは、計画自体の意義を疑われてもやむを得ない点があるんじゃないかと私は思う。したがいまして、もし地方財政計画において当初から見込むことが無理な経費が決算においてあらわれる、それがやむを得ないということであるならば、決算をする際におきましてもそういうような経費については、発表の際にはあらかじめ控除をして計画との対照が可能になるようにするとか、あるいは逆にもっと従来よりもはっきりと実績との対照ができるように、地方財政計画面においてもこれを反映をしていくという努力が必要なんではないかと思うのです。いかがですか。
  18. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御指摘のとおりこれはできるだけ双方相対照し得るような措置をとることが望ましい、私どももそう思っております。したがいまして、このような雑収入関係等の対比につきましては、将来機会あるたびに大幅に修正をしてこれを実態に近づけていくべきだ、このように考えておるわけであります。  ただ一点、たとえば給与費関係等を申しますと、これは標準的な財政状況における計画ということになりますので、給与費の単価におきましても公務員並みのラスパイレス一〇〇の場合を想定した人件費の額を計上いたしております。これを上回る金額は、この計画の性質上なかなかこの計画に盛り込んで財源不足額を算入をするというわけにまいりがたいのでありまして、その点の乖離は計画の性格上やむを得ないのではないかと思っておりますが、その他の点についてはできるだけこれを詰めていく、こういう措置をとりたいと思っております。
  19. 相沢英之

    ○相沢委員 この地方財政計画の計画と実績との乖離を問題にいたしましたのは、実はこれから申し上げる地方交付税の基準税収の算定に関連をいたしておりますものですから特にこのことを申し上げたのであります。そしていまの人件費の問題につきましては、これも後ほど御質問を申し上げたいと思いますけれども、地方公務員の給与について、これは国家公務員の給与を標準とするということが地方公務員法の規定にもございますけれども、そういうような地方公務員法の規定にある地方公務員の給与についての基準が実際にどの程度守られてきておったか、今後またどうなるかということが一つの問題であります。  それからさらに私は問題としてぜひ御検討願いたいと思うのは、そういう給与の水準の問題だけではなくて、人員の問題です。御承知のように国家公務員については総定員法等の制定がありまして、管理においてはかなり厳しくなっていると思いますけれども、地方団体の人員の問題については、特にそういうような国としての指導、規制という努力が足らなかったのではないかと思われる点があるものですから、この点は後に御質問申し上げますが、とにかく計画をつくるというからには、その計画に冒頭に御答弁がありましたような意味を持たせるようにしていただく努力をぜひ願いたいと思う次第でございます。  次に、地方交付税の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  自治省は五十二年度の予算の編成におきまして交付税率の引き上げを要求されたと思うわけでありますけれども、その要求の根拠について伺いたいと思います。
  20. 首藤堯

    ○首藤政府委員 地方交付税の率は五%アップしてほしいという要求をいたしました。この五%の根拠でございますが、御高承の去年つくりました国及び地方の中期財政収支試算、これにおきましては、御承知のように昭和五十五年度までに国民の租税負担率を三%アップという前提が一つあるわけでありますが、この五十一年度の試算におきまして租税負担率のアップが税制改正で行われない場合の地方財政に対する影響、つまり五十二年度から大幅な税制改正を行うことが非常にむずかしくなったという時点におきましてこれは要求をいたしたわけであります。そのことに伴います地方交付税の減収、それから地方税の減収、これを試算いたしまして五十二年度と五十三年度の平均値をとったわけであります。これを同じく五十二年と五十三年の国税三税の税率アップのない場合の収入見込み額で割り返して得ました数字が五%と少し、こういう率になりましたので、このような要求をいたしたわけであります。つまり、税制改正が行われないことによる地方税及び地方交付税の減収分を交付税をもって皆賄うとすれば五%に当たる、このような意味で五%の要求をいたしたのであります。
  21. 相沢英之

    ○相沢委員 これはすでに再三質問をされたことでありますけれどももう一度伺います。  地方交付税率の改定に関する地方交付税法の規定、それからその現状との関係について御答弁を願いたいと思います。
  22. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御指摘の地方交付税法六条の三第二項の規定は、地方交付税の額が引き続き著しく不足をしてくる、こういう場合には地方行財政制度の改正または地方交付税率の変更、こういうことをしなければならないという規定でございます。この「引き続き」と申しますのは、この法律制定当時の昭和二十九年度からの一応の有権解釈といたしまして、二年間引き続き赤字で三年度以降も赤字が見込まれる、つまり三年以上引き続き、こういうように解釈をされております。それから「著しく」と申しますのは、交付税の所要額の一割を超えるような場合には「著しく」に該当するだろうというように解釈をされておるわけであります。  ただいまの地方財政の状況を振り返って申し上げますと、昭和五十年度では二兆一千億余りの財源不足が生じましたし、昭和五十一年度は二兆六千億余りの財源不足でございましたし、五十二年度もまたこの財政計画策定当時二兆七百億という財源不足を生ずることが確実という事態に相なりましたので、ただいま申し上げました「引き続き」「著しく」の事態に該当する、つまり六条の三第二項の発動を要する時点になった、このような観念に立っておったわけでございます。
  23. 相沢英之

    ○相沢委員 「引き続き」「著しく」というその規定の従来の解釈につきましては、私もいま御答弁のようなふうに理解をしているのでありますけれども、五十年度の補正予算におきましての当時の松浦財政局長の答弁では、この三年度以降も云々というところについて、三年度目においても見込まれる場合というふうに従来の解釈を変えられたように伺っていますけれども、その点はいかがですか。
  24. 首藤堯

    ○首藤政府委員 三年目というような言い方をしたように承っておりますが、まあ表現の差でありまして、基本的な考え方が二十九年度当時の国会における答弁と変わったとは私ども理解をいたしておりません。
  25. 相沢英之

    ○相沢委員 いや、その点は細かいことを言うようですけれども、三年度目以降も不足するという場合と三年度目が不足する場合とは違うと私は思うのです。ですから、同じことを松浦局長が答弁されたんだとは思わない。その点はいかがですか。
  26. 首藤堯

    ○首藤政府委員 二十九年度制定当時に政府としてお答えをいたしましたこと、これがその後変わらなければならぬという理由は何も承知をいたしておりませんので、やはり制定当時に公にされたことがいわゆる有権解釈ということで残っているのではなかろうか、私はそのように存じております。
  27. 相沢英之

    ○相沢委員 それならそれで結構です。  そこで、いまの地方交付税法の第六条の三に該当する場合になったときは、「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正又は第六条第一項に定める率の変更を行うものとする。」かように規定はなっておるわけです。そうしますと、昭和五十二年度においてまさにそのような事態に該当しているとすれば、その法律のたてまえから言えば、交付税率の変更をするか、あるいはただいま申し上げましたように、「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正」を行わなければならない、かようになるわけであります。交付税率の改定が行われなかったわけでありますから、当然「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正」は行わなければならない、かように法律から言えば解釈をされるわけですが、その点はいかがですか。
  28. 首藤堯

    ○首藤政府委員 そのとおりに存じております。
  29. 相沢英之

    ○相沢委員 それではどういうことが行われたわけですか。
  30. 首藤堯

    ○首藤政府委員 単年度限りの措置ではございましたが、いわゆる行財政制度の改正、これを行ったということでございます。
  31. 相沢英之

    ○相沢委員 そういう解釈がとり得るものかどうか、私は非常に疑問に思うのです。ここに言う「地方財政若しくは地方行政に係る制度の改正」というのは、やはり地方交付税率の変更の前提となる事態が、いまのお話のように地方の財源不足が二年生じた、さらに三年度以降も生ずるということが見込まれるという場合でありますから、当然これに対応するところの財政または行政に係る制度の改正というのは単年度の措置ではないはずです、解釈としては。あるいは常識的な判断としてはそのようになるんじゃありませんか。
  32. 首藤堯

    ○首藤政府委員 ここに言います地方行財政制度の改正、これは通常のケースであればいわゆる恒久的な制度の改正、これを予想をしておると考えるのが常識的であるのかもしれません。しかしながら、同項の規定のしぶりからもうかがわれますように、どのような内容の行財政制度の改正を行うか、これについては法律は広い選択を許しておると思うのであります。そこで、たとえば経済情勢が非常に変動期にあって、将来に向かっての的確な財政の見通しが予測しがたい、こういったような状況にあるような場合には、さしあたり当該年度の地方交付税の総額を確保する、またいろいろな措置を講ずる、こういう措置を講ずるということも、これは恒久措置ではございませんけれども、単年度であってもここに言う地方行財政制度の改正に該当する、このように私ども解釈いたしておるわけでございまして、この法文解釈につきましては法制局等ともいろいろ打ち合わせをいたしたのでありますが、こういった事態においては、単年度の改正といえども、ここで言う制度改正に全然当たらないということにはならないという考え方をとっておるわけでございます。
  33. 相沢英之

    ○相沢委員 法制局がそういう解釈をされたということも私は実は承っております。それを承知で御質問をしているのでありますけれども、しかし常識的に考えれば、単年度の措置でこれはいいのだというふうにはとても読めないと私は思うのです。私の意見を申し上げて、これはこれ以上お聞きいたしません。  次に、地方交付税における基準財政需要の算定に関しましてであります。基準財政需要の算定は測定単位と単位費用との掛け合わせから成っているわけでありまして、測定単位に関しまして現在いろいろな事項が立っておりますけれども、自治省としてはこれで大体現実の基準財政需要の算定に即しているというふうにお考えですか。
  34. 首藤堯

    ○首藤政府委員 先生御案内のように、交付税の需要算定に当たりましては、一つは、あくまで的確に財政需要の、実態を把握するための精緻な方法をとるべしという要請もございますとともに、片方また何とかできるだけこれを簡素化、単純化しろという要請もあるところでございます。この二律背反の中でいろいろと検討をいたしておるわけでありますが、ただいま設定をされております経費の種類、これにつきましては、現在の事態としては、ほぼこの程度のもので相当的確に需要が把握をできるものではなかろうかと考えております。ただ、ことしあたり例の地方税の減収補てん債とかあるいは特別事業債とかこういう起債の償還費、これを交付税を通じて措置をしなければならぬという事態も生じておりますので、こういう費目は新たに起こしたところでございます。
  35. 相沢英之

    ○相沢委員 私はひとつここで例をとりたいと思うのです。それは教育費についての「その他の教育費」。「その他の教育費」は、御承知のように測定単位は経常経費については人口であり、投資的な経費も同じく人口。人口一人頭幾らという単位費用で計算をすることに相なっているわけであります。問題は大学及び幼稚園について。御案内のように、大学につきましては各県に一様にあるというものではない、数もごく限られている。それから公立幼稚園に関しましても、幼稚園の多い県と少ない県とがある。これはただ数ではありません。人口に対して非常に公立幼稚園の多いところと少ないところとがある。公立幼稚園の少ないところは逆に保育所が多い、公立幼稚園の多いところは保育所は少ないというような関係になるかと思います。そのような現実を前提として考えた場合に、大学及び幼稚園の経費についても、このような人口一人頭の測定単位を用いることは私は著しく現実に即さない不適当なことではないかと思うのでありますけれども、いかがでございますか。
  36. 首藤堯

    ○首藤政府委員 「その他の教育費」において大学、幼稚園等については、人口のみを用いれば御説のとおりの事態が出るわけであります。したがいまして、幼稚園、大学につきましては密度補正、これの手法を適用いたしまして、実質上幼稚園、大学の需要が反映をするように、補正係数でもって人口を補正するという措置をとっております。
  37. 相沢英之

    ○相沢委員 密度補正で補正をするということは、これも私は承知しております。承知しておりますが、しかし大学につきましてはごく数も限られているということからしまして問題もあると思うのですけれども、少なくとも幼稚園に関しましては、高等学校あるいは小中学校と同じように測定単位としてこれを立てていく必要があるのではないかと思いますが、いかがですか。
  38. 首藤堯

    ○首藤政府委員 密度補正のやり方でございますが、たとえば幼稚園の場合等は実質的に幼稚園の園児数、これが数値になって出てきますような手法で密度補正をしております。幼稚園費という費目を設けるかどうかという問題は、これは別途あろうかと思いますが、ただいまの算定の仕方で内容的には著しく不合理であるという批判は受けておりません。
  39. 相沢英之

    ○相沢委員 幼稚園についての問題は、従来幼稚園と保育所との関係等々からいろいろと議論をされております。これは私の見解、私見になるわけでありますけれども、私は将来の問題としては、現在の小学校六年、中学校三年という義務教育を幼児教育にも延長をして、満五歳がいいか四歳がいいか、それは問題でありますけれども、少なくとも幼稚園教育というものを義務教育として持っていくことがぜひ必要なのじゃないか、かように考えております。その問題は、保育所の関係もございますし、それからその行政が厚生、文部両省にまたがるというようなこともありまして、根本的な解決はなかなかむずかしい点もあろうかと思います。あろうかと思いますけれども、少なくとも公立幼稚園が今後において発展をしていくような対策を地方交付税の面においても考えていかなければならないと思うのです。  現実にはどうかといいますと、幼稚園については、地方交付税法上、ただいま答弁がございましたように、密度補正等によって幼稚園の経費が大体現実に近いところで配分上配慮されているということでありますけれども、しかし実際はどうかといいますと、なかなか公立幼稚園というのは御承知のとおりできない。施設費についての国庫の補助はございます。ございますけれどもなかなかできない。できないのはどこに原因があるかというと、一つは、保育所については御承知のように人件費等の運営費の補助金がある、公立幼稚園についてはそれがない。給与費については交付税の算定上配慮しているといってもなかなかそれははっきりしないんですね。だから幼稚園の教育関係の方々は、特に人件費についてこれを国庫補助の対象にしてもらいたいという要求を毎年出しているわけです。ですから、私はただいまお話しのように、幼稚園の経費についても密度補正を行って、そして大体実情に近いところにおいて配慮できるようなことを交付税の算定上しておられるというなら、それならもう一歩測定単位において幼稚園を立てて明らかにしても一向差し支えないじゃないかと思いますが、いかがですか。
  40. 首藤堯

    ○首藤政府委員 この点につきましてはいろいろな御指摘があろうかと思いますが、交付税の内容はいわゆる一般財源の所要額、これを各費目ごとに分けて算定をするという手法でございまして、交付税を通じて一定の政策なり奨励すべき事柄を地方に押しつけていくと申しますか、指示をすると申しますか、そういう性格でないことは先生御案内のとおりでございます。したがいまして、あくまで実態的に所要経費をならしたかっこうで、できるだけ近く算定をしていく、こういう使命は一応一方に持っておりますが、ただいま御指摘をいただきました幼稚園教育のあり方等の政策的問題、これはむしろ交付税の面から言えば、そういった制度立てなり何なりが一応先行すべき問題であって、もしその点についてそのような改正が行われてくるならば、それに対応した費目立て、こういうことも考えてしかるべきものではなかろうか、逆にそのように考えておる次第でございます。
  41. 相沢英之

    ○相沢委員 それはおっしゃるとおりだと思います。おっしゃるとおりだと思いますけれども、しかし地方交付税の算定上、基準財政需要にどのように経費が見込まれているかということは、都道府県なり市町村においてはやはり一つの財政運営のめどになるということは、これは私が申し上げるまでもなく十分御承知のとおりだと思うのです。  もちろん、交付税は地方の一般財源でありますから、その使い道について国において指示をするということはできないものでしょう。できないものでしょうけれども、算定の基礎がこうであるということは、実際の財政運営においていろいろな面からそれがめどになっているということは十分御承知だろうと思うのです。それでありますだけに、私は、一つの例でありますけれども、幼稚園の経費のように、従来も交付税の面において事実上配慮しているというのであれば、それを表面的に明らかにするということをしても差し支えないじゃないか、かように思うわけです。もう一度御答弁をお願いいたします。
  42. 首藤堯

    ○首藤政府委員 現在、「その他の教育費」の内容につきまして分析をいたしますれば、大学についてどのような見方をしており、幼稚園につきどのような見方をしておるか、こういうことはわかるわけでございます。したがいまして、そういうものを一つの基準に置きながら、行政運営を地方団体がしていただく、こういうことは、御指摘のようにそれはそれとしてあり得るものだと考えております。  ただ、この「その他の教育費」の中を細かに分類をいたしまして、たとえば大学費、幼稚園費、こういったような費目に分けますかどうかにつきましては、形式上ではございますが、それだけ算定のやり方も複雑化をするわけでございます。幼稚園の制度のあり方につきまして、たとえば先ほど御指摘のように、人件費等について補助制度が設けられるとか、あるいは義務的な色彩が何らかであらわれてくるとか、こういったような制度改正のあり方、これに対応して将来検討してまいりたい、このように考えております。
  43. 相沢英之

    ○相沢委員 私の質問に対しまして、しきりと政務次官はうなずいておられましたけれども、重ねて政務次官から御答弁を伺います。
  44. 中山利生

    ○中山政府委員 この問題については、高度の経歴と識見をお持ちの相沢委員と自治省の幹部のやりとりでございまして、それぞれに大きな理屈があるわけでございますが、自治省といたしましては、従来も先生の御趣旨のような立場で努力をしてまいりまして、地方各団体のいろいろなニュアンスの違い等に対応しながら、できる限りその地方の財政の円滑な運営ということに努力をしてまいったわけでございまして、今後も、いろいろ社会情勢の変化、また、経済情勢の変化等に伴った算定の基準等の変化等にも十分に対応しながら、地方財政が十分に円滑に運営できるように努力を続けてまいるつもりでございます。
  45. 相沢英之

    ○相沢委員 そのいまの幼稚園の問題、例としてでありますけれども、につきましては、それでは、私のこの提案と申しますか考え方についても、今後引き続き検討をしていただくということに理解をしてよろしゅうございますか。
  46. 中山利生

    ○中山政府委員 そのとおりでございます。
  47. 相沢英之

    ○相沢委員 ぜひそのことが実現をいたしますように検討をお願いいたしまして、次に移ります。  交付税の総額のうち六%が特別交付税になっておりますが、従前はこれはたしか八%で、これがいつでしたか、二%下げて六%になったわけでございます。この六%の特別交付税というのは、交付税の総額が現在のように四兆円を超す巨額なものになってきている時代におきまして、六%は大きいのではないか、これをもっと下げるべきではないかという意見がありますが、いかがですか。
  48. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御指摘のように、特別交付税の率につきましていろいろな御意見があることは私どもも承知をいたしております。しかし、特別交付税は、その地方公共団体の特殊財政需要が普通交付税の算定になかなかなじみがたいものがいろいろあるわけでございまして、地域偏差だとか予見困難性だとか、こういったことでいろいろ問題がございます。  したがいまして、これに対応するために、ただいま御指摘のように、かつては八%という特別交付税を準備をいたしておったのでございますが、需要額の算定のやり方の進歩等に伴いまして六%に引き下げて今日に至っておるわけでございます。地方団体からの各種の特殊財政需要のあり方等に対する要望も非常にしきりでございますし、最近はまた災害、豪雪、冷害、こういったような予測しがたい財政需要もたくさんございます。それから景気の変動等に伴います税収入、基準収入の算定のあり方についての誤差、こういう問題もいろいろございます。したがいまして、毎年こういったものに対する要望の額は非常に膨大な額になっておりまして、現在の実態としてはこの六%の額で、まあやっとこさっとこ、何とかかんとかやりくりをしておる、これでもって地方団体に御了解をいただいておる、こういう状況でございます。しかし、この財政需要算定の、特別交付税の需要算定の中には、完全に一定のルールに従って算定することが可能であり、しかもなお、事態が発生した後になるたけ早く交付をする、こういうことが望ましいものもございますので、前年度からですが、五十一年度から、御承知のように十二月に三分の一の額程度を交付する、残りの三分の二を三月にまとめて交付をする、こういう制度に切りかえさしていただいたのでありまして、こういう措置をもちまして、特別交付税の率につきましていろいろある御意見の御趣旨にも沿うようにいたしたところでございます。したがいまして、現在の実態としてこの六%の額を引き下げ得る事態にはなかなか立ち至っていない、このように考えております。
  49. 相沢英之

    ○相沢委員 特別交付税は普通交付税の算定の基礎となる基準財政需要に算入しがたい特別な財政需要、これを賄うために交付されるものというふうに承知しているわけでありますので、そのルール化されている分、毎年大体において決まって需要として算定をしなければならないものは、当然それを普通交付税に組みかえるべきではないか、こう私は思うわけです。  そこで、いまお話のありましたルール化されているものについては十二月に交付をするということでありますけれども、そのルール化されている分については、私はこれは普通交付税の算定基礎に、つまり基準財政需要に織り込んでも一向差し支えないじゃないか、かように思うわけです。その点についていかがですか。
  50. 首藤堯

    ○首藤政府委員 たとえばルール化をされて、十二月に交付をすることにいたしておりますものの大部分、ほとんど大きな額は災害関係でございます。これはなるほど災害が起これば災害の額に応じてルール化がしてございますが、災害が起こらない前から、八月からルール化をして普通交付税に入れて算定をする、こういうわけにはまいりかねますので、そういったようなものは、起こり次第、そのルールに従って算定をして、早い機会に、十二月に配る、こういうことをもちまして両者の中間的性格とでも申しますか、そういったような機能も兼ね備えるのではなかろうかと思っておるわけであります。
  51. 相沢英之

    ○相沢委員 災害に対する分のように、発生しなければわからないものをルールに入れろということを私は言っているのじゃない。それ以外に、毎年大体決まり切った算定方式によって算定している特別交付税の部分があるはずなんです。その分を普通交付税の方に入れたらいいじゃないか、かように言っているわけです。特別交付税の中で、災害以外について、つまり事実が発生をしてからでなければ対策が対応できないような部分を除いて、ルール化している部分があるはずであります。その点について御答弁を願います。
  52. 首藤堯

    ○首藤政府委員 そういう分野もございます。しかしながら、普通交付税の算定になじみますもの、これはいわばかなり全国的に均てんをした状況でございまして、一定の測定単位の数値、こういうものを代表して普通交付税の場合はルール化して計算をするわけでありますから、かなりどこにもポピュラーなもの、こういうことで、しかもその数値のあり方等が、御承知のように指定統計そのほかではっきり出てくるもの、こういうものが主体になるわけでございます。特別交付税の場合は必ずしも、算定の仕方としてはルール化をいたしておりましても、全国にそう均てん化をしていない。それから採用する数値そのほかにつきましても、指定統計云々といった完全に公表性を持ったかたいもの、かた苦しいもの、こういうものによらなくても算定できるもの、こういうたぐいのものを取り上げなければならぬ事態がたくさんあるわけでありまして、できるだけルール化して、普通交付税になじむものは毎年少しずつでございますが方法の固まり次第、普通交付税に入れてはおりますけれども、なおそのようなものがたくさん残るという点は御了解いただきたいと思うのでありす。
  53. 相沢英之

    ○相沢委員 それは一年や二年ではなかなかルール化しないということはわかるのです。しかしながら、少なくとも何年間か継続して毎年同じように見込んでおるものがあれば、いまお話しのように当然これは普通交付税の方に組み入れてしかるべきだと思う。そしてそういうような部分が多くなってくれば、当然その六%の部分を九四%の普通交付税の方に移していかなければならない、かように私は思うのです。具体的にその事項とか金額をどのくらいかということは伺いませんけれども、そういう考え方はそれでいいのじゃないかと私は思うのですが、いかがですか。
  54. 首藤堯

    ○首藤政府委員 従前ございました特別交付税の算定項目の中でルール化をしてできるものをできるだけ普通交付税に取り入れていく、この考え方はそれでよろしいと思います。そういうことが一面にございますとともに、最近の激しい経済情勢、社会情勢の変化でございます。新しい地方団体にとっての財政需要、こういうものも次から次に出てまいります。よく議論になりますように、ごみ、屎尿関係についても、いままでのような基準ではいかない、一定の地域で特別な事態が起こる、こういうこともまた出てくるわけでございまして、その点ではこの内容が入れかわるのかもしれませんが、新しい事態も生じてまいります。しかるがゆえに、特別交付税に対する地方団体の要求需要は非常に大きいわけでございまして、現在直ちにこの六%を削り込めるほど、普通交付税に持ち込んでこれを減らしていくという事態はなかなか困難ではないかと思っております。
  55. 相沢英之

    ○相沢委員 御答弁は大体そういうところだろうと思って聞いておるわけでありますけれども、しかし、この問題は決していまの御答弁でなくなったわけではない。そこで、今後も引き続きこの点については御検討をいただくというふうに理解してよろしゅうございますか。
  56. 首藤堯

    ○首藤政府委員 もちろん、普通交付税、特別交付税、こういうものの算定のあり方、やり方、これら等については、なお引き続き検討はいたします。
  57. 相沢英之

    ○相沢委員 政務次官、よろしゅうございますか。
  58. 中山利生

    ○中山政府委員 先ほどからお答え申し上げておりますように、これは必ずしもパーフェクトなものだというふうには考えておりません。実情に即したように検討を加えていくつもりでございます。
  59. 相沢英之

    ○相沢委員 次に、自主財源と交付税との関係でございます。よく、三割自治行政ということが言われて、地方団体の財政需要を賄う柱となるところの地方税その他の自主財源が財政需要の三割程度しかない、そういうことでありますけれども、地方税の収入の地方財政収入に占める比率というのは、大体三割台、三割四、五分とか五、六分というところでずっと推移をしていると思います。そこで私は、自主財源の充実とそれから交付税との関係についてひとつ考えてみたいと思うのであります。といいますのは、地方交付税交付金というのは平均的な財政需要を前提として財源不足を補うという考え方になっているわけでありますけれども、現実問題として、団体にいわゆる富裕団体、財政力のある団体、それから貧弱団体、財政力のない団体という格差があるということは、これは現実であろうと思いますが、この点はいかがですか。
  60. 森岡敝

    ○森岡政府委員 地域的に産業構造なり経済構造に差があるわけでありますから、税源がそういう差に基づきましてある程度格差が出る、これは当然のことでございます。しかし反面、財政需要も、企業が集中したり人口が集中いたします場合には、当然それに相応した財政需要が膨大に上るというわけでありますから、いま御指摘の偏在の問題は、端的に申しますれば、特定の団体にあり余る財源が行き、特定の団体は財政需要を賄うだけの財源が付与されない、そういう場合に偏在の欠陥というものが本当は出てくるのだろうと思うのであります。  私どもがいま御指摘の三割程度しか税収入がないというところで一番問題にしておりますのは市町村の問題であります。一番生産や富や所得が集中しておる指定市でございますが、指定市ですら、現在市町村の税収入の占める割合は、五十年度決算で見ますと三六%であります。しかもその最高をとりましても四七%、その結果二千二百五十億円に上る交付税が指定市に交付されておる、こういう実態を見ますと、いま御指摘の偏在の問題よりも、むしろ総体としての市町村に対する税源付与が足りないという方がこの際は問題ではないかという感じを税務局長としては強く感じておる次第でございます。
  61. 相沢英之

    ○相沢委員 持ち時間には限度がありますから、ぜひ質問に対して的確に短くお答えいただきたいと思います。お聞きしてないことは答弁は要りません。  次の質問は、そういう団体に、財政的に見て富裕なところといいますか、財政力のあるところとないところという差があるわけであります。その格差は自治省がいろいろ努力されて縮めてきておられると思うのでありますけれども、現実はどうなっておりますか。
  62. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御承知のように、交付税算定の手法をもってこれを詰めてまいっております。したがいまして、単純に人口割り等にすることが正しいかどうかは若干問題がございますが、たとえば府県の例等を申しましても、むしろ貧弱団体と言われる団体の方が、人口割りにした場合の一般財源のあり方等が高くなっておるという状況程度まで均衡化を図っております。
  63. 相沢英之

    ○相沢委員 質問は、そういうような格差は過去に比べてそういう交付税の配分等を通じて縮まってきているかという質問です。
  64. 首藤堯

    ○首藤政府委員 過去に比べて相対的には縮まってきておると思います。
  65. 相沢英之

    ○相沢委員 そこで問題になってまいりますのは、法定外普通税あるいは超過課税、公営競技の収益金等であります。法定外普通税あるいは超過課税はこれを基準財政収入額に見込まないことになっておりますが、私は、その法定外普通税につきましてもこれを取る理由がある、あるいは超過課税についても、団体としてはその超過課税を賦課するところの理由があると思いますけれども、やはりこの法定外普通税あるいは超過課税を取れるところの団体というのは概して財政力がある県あるいは市町村ではないか、こう思うのです。そこで、この法定外普通税あるいは超過課税について、その収入を基準財政収入に算定をするというお考えはないか、承りたいと思います。
  66. 首藤堯

    ○首藤政府委員 法定外普通税それから超過課税、これは地方団体が特別の財政需要に充てるために起こす税、つまり、特別の財政需要がある、いわば濃密な行政をする、そのために住民の理解を得て特に税負担を重くしていただく、こういう了解づきのもとで起こす税金でございます。したがいまして、標準的な行政に要する財源を保障するという意味の地方交付税、これにはやはりなじみがたいのではないかと思います。もし万一どうしても入れるということであれば、こういった物定外普通税や超過課税を行います団体の普遍的でない財政需要、これもまた基準財政需要の中に算入しなければならぬという事態が当然出てくるわけでありまして、これは地方税法の定め、現在の地方団体の財政的な自主権の保障、こういう観点から、やはりこれは算定外として残しておいてしかるべきものではないか、こう私は考えております。
  67. 相沢英之

    ○相沢委員 法定外普通税については、これを起こすところの理由としていまおっしゃるようなことがあると思うのです。しかしながら、超過課税についてはそういう条件はないと思いますが、いかがですか。
  68. 森岡敝

    ○森岡政府委員 超過課税につきましては、いわゆる税源の豊富な団体、それから税源の貧弱な団体によって差があるとは必ずしも思いません。しかし、両方通じまして特別の財政需要がある場合に、他の府県なり市町村が求めております標準税率による負担よりも重い負担を求めるわけでございますから、やはりそれぞれそれに応じた特別の財政需要があるという前提で超過課税が行われておる、かように考えます。
  69. 相沢英之

    ○相沢委員 いや、私の申し上げているのは、法定外普通税については規定上こういうときに課するということで、特別な財政需要ということは言っていますね。しかし、超過課税についてはそういうことは言ってないわけですよ。こういうときに課せられるのだということは言ってないわけなんです。そのことをお聞きしているのです。
  70. 森岡敝

    ○森岡政府委員 地方税法では、標準税率というのは、通常地方団体がこれを用いるべき税率であり、特別の理由がある場合にはこれによらないことができる税率である、したがってまた、基準財政収入額の算定の際に標準税率を用いるんだということを書いておることは御承知のとおりでございますが、その特別の理由がある場合にこれによることを要しないというのは、まさしく財政上の特別の必要という考え方で規定されておるものと考えております。
  71. 相沢英之

    ○相沢委員 その法定外普通税と超過課税について、それに対応する厳密な意味においての特別な財政需要があるかどうか、このことについて自治省は検討されておりますか。
  72. 森岡敝

    ○森岡政府委員 法定外普通税と超過課税との場合の充てるべき歳出の違い、これは法律上は差がないと私は思いますけれども、しかし現実の運用としましては、どちらかと申しますと、法定外普通税は目的的な使い方をすることによって特別の税負担を求めるわけでありますから、納税者の理解を得る努力がなされておる。超過課税の場合は、やはり一般的な財政需要の増高というものを頭に置いて超過課税が行われる。こういう区分が全体としてはあるのではないか、かように考えます。
  73. 相沢英之

    ○相沢委員 私は、一般国民、住民の立場から言えば、原則として税負担は公平であることが望ましいと思うのです。ですから、住民税にしてもその他の税にしましても、できるだけ税率は全国の市町村が同じ税であることが望ましいと思うのです、たてまえとして。その点はいかがですか。
  74. 森岡敝

    ○森岡政府委員 実はここのところは両論あると思います。十分御承知のところだと思いますけれども、一面において税負担の地域間のバランスというものが要請されますと同時に、やはり地方団体の財源でありますので、ある程度自主的に運営を行いまして、他の地方団体よりも高度の財政支出をいたします場合には、住民、納税者の理解を得ながら税負担の増加を甘受していただくということがあることも、やはり地方税の制度としては必要な仕組みではないか、かように思うわけであります。
  75. 相沢英之

    ○相沢委員 ですから、いまの御答弁にもありますように、特別の財政需要がある場合において住民の理解を得つつということがありましたでしょう。だから、原則はやはり同じ税率であることが望ましい、望ましいが、しかしそういうような特別な財政需要があるときは、いわばやむを得ず、法定外の普通税なり超過課税をするのだという考え方はそういうことじゃないのでしょうかということをお聞きしておるのです。
  76. 森岡敝

    ○森岡政府委員 超過課税についてはまさしく御指摘のような考え方を基本とすべきと思いますが、法定外普通税については、御承知のように、特殊な税源がある場合ということが一つの前提になっておりますので、そこのところはややニュアンスが違うのではないかというふうに思います。
  77. 相沢英之

    ○相沢委員 法定外普通税につきましては、私、ちょっといま手元に条文がないのですが、それを起こす場合は当然自治省の許可が要ると思います。しかし、超過課税についてはそれはないのですね。地方団体が決められるようになっている。同じような特別な財政需要に対応するための、いわば原則に対する例外的な課税としての法定外普通税あるいは超過課税が、その取り扱いが違っているということはどういうことですか。
  78. 森岡敝

    ○森岡政府委員 いま申しましたように、まず法定外普通税について申しますと、特殊な税源がある場合にその地域限りで特別の税を起こすということでございますから、法定税目との間で重複をして負担が過重になったり、あるいは税法で書いておりますように、地方団体間の物の流通に阻害を与えたり、あるいは国の経済政策に照らしてまことに適当でない、こういうふうなケースもあり得るわけでございますので、その場合には許可をしないという条件をつけておるわけでございます。しかし、超過課税につきましては、一般的に地方税法上認められております法定税目についての超過課税でありますので、その負担の過重を求める場合にはむしろ法律でもって、御承知のように制限税率という形でそのアッパーリミットを決めまして、税負担が余りにも過重になって納税者がそれに呻吟をするというふうなことでは困るということで、一般的な制限税率制度によりまして、それをコントロールしていくという形をとっておるということでございます。
  79. 相沢英之

    ○相沢委員 特別な税源があるということですけれども、じゃ、法定外普通税は、実際どういうものに対して賦課されているんだということを見てみますと、たとえば市町村において多いのは、商品切手発行税、広告税、林産物移出税、文化観光施設税、砂利採取税でしょう。広告や商品切手やあるいは林産物――林産物は東京なんかないかもしれませんけれども、大体においてどこの市町村にもあるものですね。だから、特別な税源があるといっても、それは要するに賦課するかしないかということだけなんですね。実際の税目を見てみますと、特別な税源があるときというのにそれほどの意味があると私は思わないのです。その点はいかがですか。
  80. 森岡敝

    ○森岡政府委員 地方税法では、その税収入を確保できる税源があることという表現になっておりますが、考え方としましては、若干の広告物件があるとかいうふうな場合には、その税収入というのはきわめて少額でございます。しかし、大都市について見ますれば、広告物件はきわめて多い。そうしますと、必要な税収入の分量というものが、また確保できる税収の分量というものが他の市町村に比べればかなり大きい。それから商品切手につきましても、田舎の町村で商品切手発行というふうな事例はほとんどないわけであります。砂利採取に至りましては、これは地域的に特定しておるというふうなことでございますから、税源が全く特定しておる場合と、それから各市町村にもあるけれども、しかし特定の市町村に課税対象物件が非常に集中して、税収入を上げ得る税源があるというふうに理解すべきものと考えておるわけであります。
  81. 相沢英之

    ○相沢委員 時間がありませんから、余りこの問題にこだわる余裕もありませんが、しかし、いまおっしゃいましたように、たとえば広告税あるいは商品切手発行税は田舎の団体には少ないんだ、だから、そういうものは賦課しようと思ってもなかなかできないということでしたね。ですから、そこが問題だと私は言っておるのです。つまり、田舎の団体でないところにおいて、広告税とかあるいは商品切手発行税というものが賦課できるというところは、財政的に見れば大体において財政力のあるところだと思うのですね。その点はいかがですか。
  82. 森岡敝

    ○森岡政府委員 いま御指摘の商品切手発行税などは、確かに大都市でありますから、税源はあるところだと思います。ただ、いまお話しの商品切手発行税なり広告税というものは、先ほども申しましたように、かなり限られた地域でありますので、これを法定税目とすることは、地方税法の、普遍的な税目を法定税目とするというたてまえから見ておかしい。そうなりますと、法定外普通税という形で起こし得る道を開いておくということは制度として適切なことではなかろうか、かように私どもは思っております。
  83. 相沢英之

    ○相沢委員 いまおっしゃるように、特別の財政事情があっても、そういう賦課するところの税源がなければ取れない。それはそのとおりでしょう。しかし、その税源のあるところというのはきのうきょうできるわけじゃないので、団体としては大体決まっているわけでしょう。もっとも課税する意思がなければ別ですよ。ですから、法定外普通税にしても超過課税にしても、特別な財政事情があるから即課税できるというものじゃないので、課税できるような力がある、あるいはそういう対象があるところだろうと思うのですね。そこで、そういう超過課税とか法定外普通税というものを賦課できるところの団体については、これを基準財政収入に算入すれば、それだけ交付税としての配分機能が高まるのじゃないか。それは普通の地方税のように基準税率の八十とか七十五でもってやるということについては、片方に特別な財政事情があるということを前提にして考えますと、無理かもしれません。しかしながら、百分の八十、百分の七十五でなくても、たとえば二分の一を見込むとかいうような方法があるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
  84. 首藤堯

    ○首藤政府委員 先ほども申し上げましたように、交付税の性格から考えてみまして、標準的な行政に要する財源を保障する地方交付税というかっこうになっておるわけでございます。そこで、現在の法体系上、先ほどから御議論が出ておりますように、特別の財政需要のために起こすという性質の法定外普通税及び超過課税というものを収入に持ち込むというのは、やはりどうしても性格的に問題があろうかと思います。先ほども申し上げましたが、もしそのような措置をとるならば、そういった特別の財政需要をやはり基準財政需要額に見込んでいかないと片手落ちになるということもあろうかと思いますので、この問題はきわめて困難な問題ではなかろうかと思っております。
  85. 相沢英之

    ○相沢委員 いや、私は財政需要を基準財政需要額に見込んではいけないとは言っていないのですよ。だから、そういうものを基準財政需要額に見込まなければむずかしい、それはそのとおりでしょう、基準財政収入に立てるのはですね。しかし、基準財政需要に見込めばいいのじゃないですか。
  86. 首藤堯

    ○首藤政府委員 法定外普通税や超過課税を特別の財政需要のために起こしておる地方団体、その財政需要、これはもちろん普遍的なものでございませんから、それを普通交付税の基準財政需要額に見込め、こうおっしゃいましても、これはテクニカルに非常にむずかしい問題になる。先ほど特別交付税の御議論が出ましたが、そのような捕捉の仕方をすべき性格のものであって、なかなか技術的にむずかしいわけでございます。
  87. 相沢英之

    ○相沢委員 基準財政需要に見込んでいない市という答弁があったから、私はその点を指摘しているわけなんです。もともと見込むことができないというものであれば、その需要を基準財政需要額に見込んでいない市という答弁はおかしいのじゃないですか。
  88. 首藤堯

    ○首藤政府委員 こういうことでございます。もし御説のように、法定外普通税や超過課税を基準収入に据えよというのなら、そういう特別財政需要を基準財政需要額に見込まなければなりませんが、その見込むことははなはだ困難でございますので、その面から見ても法定外普通税や超過課税を基準収入に見込むことは実際上困難でございます。これが後段の論旨でございます。
  89. 相沢英之

    ○相沢委員 公営競技の関係について伺います。  公営競技を地方団体がやっております。そしてその収入は、それぞれの実施市町村の非常に大きな財源になっているところもあるわけであります。公営競技については、今後の問題としてできるだけ制限的に、つまり抑えていくという考え方なのか、そうでないのか、その点について伺いたいと思います。
  90. 首藤堯

    ○首藤政府委員 公営競技のあり方につきましては、先生御案内のように、いつでございましたか、長沼答申というものが出ておりまして、その方針に基づいて現在運営をされておると存じております。したがいまして、競技場の個所数そのほかについていわば不拡大方針、しかし現在あるものは、これを廃止するという態度ではなくて適正な運営を図っていく、こういう考え方に立っておるようでございますので、私どももその運営のあり方についてはそのような考え方でおります。
  91. 相沢英之

    ○相沢委員 この公営競技の収益金の標準財政規模に対する割合を昭和四十九年度の決算において見てみますと、実施団体数が四百八でありますけれども、そのうちの二百九十七というところでありますから大体四分の三は、標準財政規模に対しまして一〇%以内ということであります。しかし、一〇%から二〇%のところが四十三、二〇%から三〇%のところが十八、三〇%から四〇%のところが六、四〇%から五〇%が九、五〇%から六〇%が八、以下五〇〇以上というところが一団体あります。つまり、収益金が標準財政規模に対しまして五倍以上というところが一つあるわけです。  私がここで問題にしたいのは、公営競技を実施するところの団体は、当然特別な財政需要に対してこれを賄うという見地でやっているのだろうと思うのですが、いかがですか。
  92. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御承知のように、各競技ごとにこれを行い得ます団体の指定基準、こういうものがございまして、自治大臣が指定をいたしておるわけでございます。しかし、こういった競技場の所在市町村等におきましては、初めから開催権を持っておるというような規定もございますので、そのような団体が主に、先ほど御指摘になりましたような非常に大規模の、多額の収益金を生ずる、こういうかっこうになっているのではないかと思います。
  93. 相沢英之

    ○相沢委員 最近の一番新しいところで、公営競技による収益金の額、それからそのうち公庫に納付した金額、それから特別交付税によって調整をした金額あるいは地方債によって調整をした金額等について承りたいと思います。
  94. 首藤堯

    ○首藤政府委員 五十年度におきます実績を申し上げますと、競馬の場合が売り上げ金が六千八百七十二億、収益金が五百十五億、自転車競技が売り上げ金が一兆九言二十八億、収益金が千百二十五億、それから小型自動車が売り上げ金が千六百五十六億、収益金が百五十六億、モーターボートが売り上げ金が一兆二千百二十五億、収益金が千二百億、こういうことになっております。  御指摘のように、特別交付税におきましてこれを減額項目に立てることにいたしておりますが、その減額項目に立てました額は、五十一年度の特別交付税において六百八十七億円でございます。それから地方債もなお制限をいたしておりますが、これの引いた額が幾らか、ちょっと集計したものをいま持っておりません。それからもう一つ、公庫の納付金は約二百億でございます。
  95. 相沢英之

    ○相沢委員 公営競技の収益金は公庫の納付金、それから公庫の納付金をしました上に、特別交付税による調整が行われることになっておりまして、いまお話しのように、六百八十九億円というのは何年度ですか。
  96. 首藤堯

    ○首藤政府委員 五十一年度です。
  97. 相沢英之

    ○相沢委員 手元に四十九年度のがありますが、四十九年度は九百六十八億円という数字が出ております。これはどうして減ったわけですか。
  98. 首藤堯

    ○首藤政府委員 当該団体におきます収益が最近は落ちてまいりまして、その額が減ったわけであります。
  99. 相沢英之

    ○相沢委員 四十九年度の収益は四百八十団体、三千二百四十一億円です。五十年度が二千九百九十六億円とすれば、その落ち込みは二百五十億程度ですから、八%です。しかし、特別交付税による調整額が九百六十八億円から六百八十七億円に落ちているというのはどういうわけですか。
  100. 首藤堯

    ○首藤政府委員 これは理由が二つあると思います。  一つは、減額項目の立ち得ます団体における減額額でございますから、それが一つ。それからもう一つは、減額のやり方を基準財政需要額に対する一定割合を超えます額、それについて控除いたしますので、基準財政需要額が全般的に伸びてきておりますと、その減額額が、収益が伸びない限り若干落ち込む、こういう事態もあり得るわけであります。
  101. 相沢英之

    ○相沢委員 地方債による調整、これはどういうふうにして行われておりますか。
  102. 首藤堯

    ○首藤政府委員 地方債におけるギャンブルは充当率に差をつけることにしております。たとえて申し上げますと、収益金の基準財政需要額に対します比率が一〇〇%を超しますと許可をしないか、ないしは許可をしても十分の五以内、二分の一しか起債を許可しない。たとえば三〇%から五〇%未満の団体でありますと、許可をしましても査定許可所要額の九割しか許可をしない、こういうやり方をやっております。
  103. 相沢英之

    ○相沢委員 その金額はどの程度になりますか。
  104. 首藤堯

    ○首藤政府委員 先ほど申し上げましたように、この減額額を集計をいたしておりませんので、いま手元に持っておりません。
  105. 相沢英之

    ○相沢委員 それは後ほど承ることにいたしたいと思います。  ところで、この公営競技の収益金につきまして、これは事業を実施している団体については、特に財政上相当な財源となっているところがあることは明らかなんですね。     〔委員長退席、木村(武千代)委員長代理着席〕 そこで、この公営競技の収益金は、当然にこの基準財政需要額に算入をすべきではないかというふうに私は思うのですが、いかがですか。
  106. 首藤堯

    ○首藤政府委員 公営競技の収益金をでき得る限り均てん化をすべきだという主張は、これは非常にごもっともなことでありまして、いろいろ方法論を検討いたしておるわけであります。その中で、こういった収益金について、その一定部分を基準財政収入に算入してはどうかという御意見がありますこともよく存じております。この点、いろいろ検討いたしておるのでございますが、現在のところ、法定外普通税や超過課税と同様の理由で特別の財政需要に当たっておるというのが基礎的な考え方でございますので、いま直ちに基準財政収入に算入をするということについては踏み切っていないわけでございます。またもう一方では、基準収入に算入をいたしましても、不交付団体の場合には全く効果がなく、このような方法をとりますと、ただいまとっております公営企業金融公庫等に対する納付金制度、そのほか起債、特別交付税、こういうものとの調整措置との関連もいろいろ出てくるので、現在これは慎重に検討中でございます。
  107. 相沢英之

    ○相沢委員 私は、それはせいぜい基準財政収入の数%という程度であれば、特に問題にすることはないかもしれないと思うのですけれども、先ほど申し上げましたように、ごく一部ではありますけれども、財政規模について百から二百とか五百以上とかいうところがあるわけなんですね。そういう団体にそれほど大きな財政需要があるだろうとはなかなか思えない。それであるがゆえに、私は、特にこの点については御検討をお願いしたいと思うのです。そしてまた、公営競技については、先ほどの御答弁からいたしますと、今後は余りふやすという考え方ではないんだ、できるだけ制限的にいくんだ、こういうことでありますから、なかなかふえないでしょう。ふえないということは、逆にいま実施しているところの団体は、大体において今後も実施していくということになり得る点が問題なんですね。だから、すでにやっているところは、毎年毎年相当多額な財政収入が入ってくる。しかし、やってないところは全然入らない。その状態でいくから、同じような団体であっても、公営競技をやって収入があるところとないところと非常な差が生じてくるだろうと私は思うのです。やはり地方の交付税というのは、財源的には公平に配分するというのがたてまえであるとすれば、金額的にそれほどのことはないんだ、こうおっしゃれば別ですけれども、やはり考え方としてはできるだけそういうものも基準財政収入額に取り込むことによって、財源配分の公正を期するということが考え方としては当然じゃなかろうかと私は思うのです。その点についてはいかがですか。
  108. 首藤堯

    ○首藤政府委員 お説のような考え方も当然あろうと思います。とともに、これの均てん化のやり方についてはいろいろな方法論があり得るわけでございます。一つには施行団体、最近は許可を更新をいたしましたりします場合に、できるだけ組合営でやれ、つまり収益金そのものが施行団体の根っこから分散をする、均てん化をしていく、そういう方法も一つの方法だと思いますし、また、先ほども申し上げましたように、公営企業金融公庫への納付金、これもただいま率を引き上げ中でございまして、五十四年度までには一%に、一昨年までの倍になる、こういう方策も講じておりますし、なお、特交、地方債、こういう調整措置も講じておるわけであります。御指摘のような問題も含めまして均てん化の問題、これはいろいろ検討しながらまいりたい、このように考えております。
  109. 相沢英之

    ○相沢委員 政務次官にお聞きいたします。  五十年七月二十一百、第十六次地方制度調査会の答申というものがございます。これに公営企業の「収益金の地方交付税の基準財政収入額への算入、施行権の均てん化等についても引き続き検討を加えるべきである。」こういう答申があるのです。これに対して自治省はその後どういうような措置をとられたか、あるいは、それをどういうふうに考えておられるか、これを伺いたいと思います。
  110. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御指摘のように、五十年七月にそのような意味の御答申をいただいております。したがいまして、先ほど申し上げましたように、この施行団体の組合営等によります均てん化の問題それから公営企業金融公庫に対する納付率の引き上げの問題、こういったような問題はすでに実施に移しましたし、その他につきましては、なおいろいろと検討を続けておる状況でございます。
  111. 相沢英之

    ○相沢委員 公庫の納付金というのはもともと――いま伺ったところによっても五十一年度で二百億なんですね。引き上げて倍にしても四百億でしょう。しかし、根っこの収益金は五十年度で二千九百九十六億、三千億円あるわけですよ。だから、それでもって改善措置をしたんだというのは、私はしなかったとは言いませんけれども、不十分じゃなかろうかということになると思うのです。  この点につきましては、重ねてお聞きいたします。この地方制度調査会の答申というのを今後とも尊重して、この点については検討を加えられる用意があるかどうか、政務次官に伺いたいと思います。
  112. 中山利生

    ○中山政府委員 公営競技、これが発足しましたときの事情と、その後大分年数もたっておりまして、性格も非常に変わってきていると思いますし、その答申は十分に尊重をいたしまして、今後とも検討をしていきたいと存じます。
  113. 相沢英之

    ○相沢委員 私は、公営競技をやめたらいいとか極力制限したらいいとかという趣旨で申し上げているのではないのです。そういうことじゃなくて、このことによる財源の配分が非常に偏っている、偏っているから、これを調整することを当然考えるべきじゃないか。この地方制度調査会の答申にもあるわけです。その方法はないかと言えば、あるのですね、現に。たとえばこの答申にもありますように、基準財政収入額に算定する、基準財政収入額に算定するということなれば、それはまた方法としてできるわけです。ですから、そういうようなことを当然自治省としては考えるべきじゃなかろうか。そういう公営競技をやっている団体に特別な財政事情が今後もずっと継続するということじゃないと思うのです。すでに相当長いことやっているところが多いわけですね。ですから、私は、その財源配分の公平を期するためにも、特にこのことについては検討していただきたい、こう思うわけです。  以上、法定外普通税あるいは超過課税、公営競技の収益金について申し上げましたが、いずれも特定の団体にあるところの財源である点については、私は同じだと思うのですよ。これに対応するところの特別な財政需要はあるいはございましょう。それは否定いたしません。否定いたしませんが、ただ、それだからといって、無条件にそれらの団体のいわば余禄みたいな形になったのではいけないのじゃなかろうか。特に地方団体の財政が苦しいという現在であります。そういう時期においてこそ私は、財源配分の公平を期するという見地においても、いまの法定外普通税、それから超過課税あるいは公営競技の収益金、これらについて基準財政収入額への算入その他、この適正な措置を引き続き検討をしていただきたいと思うのであります。政務次官の御答弁をお願いいたします。
  114. 中山利生

    ○中山政府委員 公営競技の収益金の均てん化につきましては、今後とも引き続き検討をしていくつもりでございます。
  115. 相沢英之

    ○相沢委員 法定外普通税と超過課税はいかがですか。
  116. 中山利生

    ○中山政府委員 これは財政局長の方からお答えいたします。
  117. 首藤堯

    ○首藤政府委員 先ほどから申し上げておりますように、法定外普通税及び超過課税の成り立ちの仕組み、これから考えてみまして、先ほど申し上げました二つの理由によって、これはなかなか難問ではなかろうかと思っております。
  118. 相沢英之

    ○相沢委員 そういう御答弁だろうと思いますが、しかし、私はまだ納得いたしませんので、引き続きこの問題については今後もなお自治省に検討をお願いすることにいたしまして、次に進行いたします。特に、最近、地方団体の財政というものは厳しい情勢にございますだけに、この点についての検討をお願いしたいわけであります。  大蔵省の主計局の方、おいでだと思いますけれども、これについてお考えをお聞かせ願いたいと思います。
  119. 矢崎新二

    ○矢崎説明員 ただいま自治省からもいろいろとお答えがあったのでございますが、法定外普通税あるいは超過課税につきましては、その税の性格から見まして、直ちに全国的に画一的な基準に基づいて算定します基準財政収入額に算定することにつきましては、慎重な検討を要するものと考えておりますけれども、交付税制度の機能を充実していくということにつきましては、今後ともいろいろと配慮していかなければならないのではないか、全体としてはそのように考えておるわけでございます。  それからまた、公営競技の益金の問題でございますけれども、これを基準財政収入額に算定することにしてはどうかという問題につきましては、全国の地方団体が普遍的ではないといったような事情から、現段階においてはなかなかむずかしい問題もあるかと思っておりますけれども、地方債の許可とか特別交付税の算定に当たりましては、必要な財源調整措置を講ずるといったようなことによりまして、財源の均てん化に配慮しているというふうに私どもは聞いておるわけでございます。いずれにいたしましても、この財源の均てん化の問題につきましては、今後とも十分検討していく必要があるのではないかというふうに考えております。
  120. 相沢英之

    ○相沢委員 いまのは想定問答の答えみたいな話でありますけれども、やはりこの点については、大蔵省の地方財政担当者としてもぜひ今後検討をお願いしたいということの希望をしておきます。  それから、最近の財政事情でございますから、特に財政力の弱いいわゆる貧弱団体につきましては、財源配分の適正化を期すべきであるという要求が強いと思います。五十二年度の地方交付税の配分上どういうような措置をとっておられますか。ごく簡単に御答弁をお願いいたします。
  121. 首藤堯

    ○首藤政府委員 過疎団体あるいは財源貧弱団体、こういうものに対します財源措置は、最近非常に意を用いて強化をしておるところでございます。補正係数におきまして段階補正のあり方もこれでございますし、それから人口が減少しておりますような団体に対する人口急減補正の問題もそうでございますし、それから交付税以外にも過疎債、辺地債、こういうものについて相当多額の措置をいたしておりますし、各方面からそのような措置を講じておるところでございます。
  122. 相沢英之

    ○相沢委員 私は鳥取県で、特に辺地または過疎地というものを抱えております。最近は人口の社会減の現象もややとまってまいりまして、人口はわずかながらではありますけれども、ふえております。しかし、つぶさに県内を歩いて、特に過疎地、辺地を歩いて感じますことは、やはり国なり地方団体なりが財政上の配慮をしなければ、とてもこれは、今後も過疎化現象というものは食いとめることはできないということを痛感するわけなんです。特に過疎債、辺地債その他の財源対策というものは、いろいろな面において効果を発揮しておりますことを目で見ております。なお、今後そういう過疎地、辺地を抱えているところの地方団体、またそういう団体に対しましては、交付税の配分上、特に御配慮をお願いしたいと思うわけでありますが、いかがでございますか。
  123. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御指摘のような面、多々ございますことを私どももよく承知をいたしております。そこで、過疎対策としての交付税上の措置、過疎債、辺地債、こういったものを通じましていろいろ措置をいたしておりますが、たとえば五十二年度の状況を交付税上から申し上げますと、道府県分で七百十四億、市町村分で三千九十八億、合計三千八百十二億ほどの交付税上の傾斜措置を講じております。五十一年度に比べて二三・五%の増でございますから、計画上の伸びよりずっと優遇しておるということに相なろうかと思います。今後とも実態に応じて、過疎、過密両面の目立った需要の増があるわけでありますが、そのそれぞれに対処いたしていきたい、こう思っております。
  124. 相沢英之

    ○相沢委員 次に、補助金と交付税の関係についてひとつ議論をしてみたいと思うのであります。  各省からは例年のように、予算上、補助率の引き上げ要求あるいは新しく補助対象に加えてもらいたいという要求が出ております。片や自治省からは、地方の一般的な財源、自主財源あるいは交付税を充実すべきであるという要求が出ております。両方ともふえればこれは問題はないわけでありましょうけれども、しかし、なかなかそうはいかない。そうはいかない場合に、一体国からの助成の方法としては、補助金を充実する方がいいのか、あるいは交付税を充実する方がいいのか、その選択があるんではないかと思うのです、これはごく一般的に言いましてですよ。その点について、自治省のお考えをお聞きしたいと思います。
  125. 首藤堯

    ○首藤政府委員 原則論的に申し上げますならば、地方の財源、財政運営上の自主性、こういうものも考えますならば、一般財源、これを増加をしていく。この一般財源の配分を交付税措置等を通じて各団体の実情に合うように配分をしていく。そのための一般財源の増強、地方税及び地方交付税であります。これが原則であろうと思います。しかし、補助金の場合は、補助金それぞれの機能が先生御案内のとおりあるわけでございまして、特殊の社会経済情勢の変化、住民のニーズの変化、あるいは国における行政の必要上起こす事務の必要性、そういった問題に絡みまして、補助金を通じて財源措置をする方が適正な場合もあろうかと思います。したがいまして、これはケース・バイ・ケースの問題でございましょうが、一般論、原則論として言えば、やはりそれはなるたけ補助金よりは一般財源、こういうことになろうかと私どもは考えております。
  126. 相沢英之

    ○相沢委員 まさにそういう考え方もありまして、御承知のように昭和二十五年度において、シャウプ勧告によって地方財政平衡交付金制度が設けられましたときに、地方税四百億円の増収措置とあわせて、大幅な補助金の整理というものが行われたわけです。補助金を整理して、これを地方財政平衡交付金に組み入れるということが行われたわけです。金額にいたしまして、私、うろ覚えでありますけれども、たしか二百五十何億円か、これはちょっと間違いかもしれません。いまの物価に換算してみますと、恐らく一兆円を超すような数字じゃなかろうかと思うのですね。相当大規模な補助金の整理というものが行われた。そのときに、たとえば義務教育費国庫負担金でありますとか、保育所に対する国庫負担金その他の大きな補助金というものが地方平衡交付金に組み入れられることになったわけです。しかし、その後の経緯をごらんいただくと明らかなように、義務教育費国庫負担金を初めとして、当時整理した補助金のかなりのものが復活をしているわけですね。これは、それらの事業を担当している各省の非常に強い要求がその背後にあったことは明らかであります。明らかでありますけれども、補助金を整理して、そして交付税に組み入れる、一般財源にこれを振りかえていくというその努力が実らなかった一つの例であると私は思うのです。この経緯については、自治省はどういうふうにお考えでしょうか。
  127. 首藤堯

    ○首藤政府委員 御指摘のように、できるだけ補助金を整理して、これを一般財源に振りかえていく、これは原則論的にはそれが望ましいことであるということは、私、先ほど申し上げたとおりでございまして、過去のその具体的な問題の経緯、これにつきましては、そのときそのときの事情があったと思いますので、私、ここで論評することは差し控えさせていただきたいと思うのでありますが、その後の国と地方との財源配分の問題、これが地方財政法に規定してございます例の負担区分論、これに基づきまして国と地方との負担が定まり、それに応じた体系で、税及び交付税を通じましての国との財源配分のシステムが一応いまでき上がっておる、こういう状況でございますので、補助金を整理をして一般財源に振りかえる、このことはもちろん望ましいことでございますけれども、そういった財源配分のあり方等との基本的な問題とも絡んでまいりますので、そういう関連も十分考えながら今後検討していただくべき問題ではなかろうか、そういった観点から、今後の地方財政のあり方等について、抜本的な考え方の諮問をいま地方制度調査会等にもお願いを申し上げておるところでございます。
  128. 相沢英之

    ○相沢委員 補助金につきまして、補助率の調整を行うということが過去においても何度も試みられて、また実際にそれが行われているわけであります。後進地域に対する補助率のかさ上げはその代表的な例だろうと思いますけれども、逆に、財政力のある団体に対して補助金を不交付または減額交付、あるいは補助率を下げるという措置も何回となく行われてきたわけでありますけれども、なかなかこれは抵抗が多くて実現をしない、また、実現をしてもそれがまた逆戻りをするということが過去において多かったと思うのです。私は、どうも現実のこの行政のあり方から見ますと、そういう補助率のかさ上げはできても、その補助率の切り下げ、まあ調整といいますか、あるいは補助金の不交付、減額交付というような措置は、実際問題としてとりにくい面があるのじゃなかろうかと思いますが、いかがでございましょうか。
  129. 首藤堯

    ○首藤政府委員 これは私がお答え申し上げますより、むしろ先生の方がよく御承知ではないかと思うのでございまして、御案内のように、各省各省それぞれ、いわば、言葉が適当ではないかもしれませんが、縦割り行政的な事柄もあろうかと思います。いろいろな情勢がございまして、補助金の削減は実質上なかなかむずかしい抵抗に遭遇をすることが多いというのは事実であろうと思っております。
  130. 相沢英之

    ○相沢委員 私が申し上げたいのは、そういう意味におきまして、とにかく国からの直接的な補助であるところの補助金、負担金というものはできるだけ整理して、これを地方の自主財源に振りかえる、そして自主的な財政運営を図るべきだというその考え方はわかります。わかりますが、現実の問題として、なかなかそういかない面がある。そしてまた、そうしようと思っても、それが必ずしもその努力が実らないという面があると思うのです。したがいまして、私は、その補助金が結構だということを言おうというのじゃありませんが、実際の行政の運営の円滑化を考えた場合に、あながち地方に対する財源措置が、その交付税あるいは自主財源としての税の強化ということだけによってはなかなか解決しにくい面があるんじゃないかということを申し上げたいわけなんです。この点についていかがですか。
  131. 首藤堯

    ○首藤政府委員 実態上そのような事柄もあろうかと思います。したがいまして、これは原則論的には一般財源の増強によることが地方自治を育成するために大事なことである、これは原則論はそうでございますが、実態的には税、交付税、それから補助金等を通じます負担区分の問題、こういうものはそれぞれ相かみ合って検討されなければならぬ問題、それが実態的だろうと思います。
  132. 相沢英之

    ○相沢委員 補助金につきましては、特に超過負担の解消ということが問題になっております。過去においても、この超過負担の解消につきましてはずいぶん政府側におきましても努力が行われてきたと思います。そしてその努力を評価するものでありますけれども、しかしながらいつまでたってもいわゆる超過負担というものは解消しない、ここに一つの問題があるわけであります。  私はひとつ、時間も余りございませんので、ごく簡単にお聞きいたしますが、義務教育諸学校の補助につきまして、従来単価差あるいは数量差ということが問題になってまいっております。単価差の点は、これは実績を考慮して毎年度改定が行われてきておりますから、私は問題があるとしてもそれほどのことはない。特に現在は数量差が問題があるんじゃないか。これは学校施設の基準の問題にも関連をいたします。その点について文部省側の見解を承りたいと思います。
  133. 倉地克次

    ○倉地説明員 いま先生からお話ありましたように、五十年度の補助対象事業を見ましても、若干実施面積と補助対象となりました面積の間に差があるのは事実でございます。その原因は、何と申しましても管理施設などが私どもの考えている基準よりやや広くとられておりますとか、危険改築を行う際に、建物の配置計画などによりまして健全建物まで取り壊すとか、そういういろいろな事由があるわけでございますが、これに対しまして私ども、四十八年には校舎につきましては特別教室を中心といたしまして約二〇%の基準改定を行い、屋体につきましては四十九年度に小規模学校の屋体の基準を改定いたしまして、さらには五十年度には球技ができるように平均の標準規模で二〇%程度の基準の改定を行っている次第でございます。それで五十二年度におきましても、屋体につきましては積雪寒冷地につきまして、冬季におきまして屋体の中で体育ができるようにということで、標準規模で約三〇%の基準の改定をいたしているわけでございます。その結果、五十一年の五月の校舎につきます不足面積を見てみますと、九百五十八万平米という数に達しておるわけでございますので、私どもといたしましては、当面は不足面積の解消に最大の努力を傾注してまいりたい、さように考えておる次第でございます。
  134. 相沢英之

    ○相沢委員 学校の義務教育施設費に対する国庫負担、これは市町村にとりましては財政的に非常に大きな問題でありますから、今後とも私は、特にその基準の問題ですね、これについては文部省としても努力をしていただきたいと思うのです。昔は児童、生徒一人頭〇・七坪から始まってきたわけでありますけれども、一般の生活水準というものが上がってくる、学校の教育内容が充実するに従って、当然そういう基準の面積の改定というものも考えていかなければならない。過去はその歴史であったわけでありますけれども、今後もぜひそういう点において、単に超過負担の問題ということでなく、教育の実情に合うような基準の改定をひとつ努力していただきたい、かように思うわけであります。  また、特にことし工作物、門やさくやへいなどの工作物についても補助の対象になるようになったようでありますけれども、これが果たして義務教育諸学校施設費国庫負担法の対象になるところの対象に入るものやらどうやら、その辺もどうも、お聞きいたしましたらはっきりいたしておりませんけれども、これなども私はやはり国庫負担法の対象にはっきりなるようにすべきじゃなかろうか、かように思いますが、いかがでしょうか。
  135. 倉地克次

    ○倉地説明員 校舎、屋体の基準の問題につきましては、現段階といたしましてはひとつ将来の課題として慎重に検討さしていただきたいと思う次第でございます。  それからいま先生の御指摘のありましたように門、さく、へいの問題でございますが、それは私ども本年度予算におきまして十五億計上していただいたわけでございますが、法律に基づく負担ということではなくて、ひとつ予算補助に基づく補助ということでやってまいりたいということで、目下その補助基準などを検討している段階でございますので、いま先生の御指摘の点も含めまして十分検討させていただきたい、こう思います。
  136. 相沢英之

    ○相沢委員 そういう予算補助ということでついているのではないかというふうに聞いておるのですけれども、やはり義務教育施設費国庫負担法という法律があるわけです。そして学校に門やへいやさくは要ることは明らかなんですね。裸の校舎ということはないんですよ。だから当然要るものであれば、これを法律補助の対象に加えるようにすべきじゃなかろうかということを私は申し上げているのです。引き続きひとつ大蔵省と折衝をお願いいたします。  もう一つ、五十二年度の交付税の問題なんでありますけれども、三千億円の追加減税ということが所得税において議員立法で行うことが決まったわけであります。そこで、その三千億円の追加減税をすれば、当然交付税の算定基礎になりますところの三税収入が三千億減る。ですから、その三二%の九百六十億円は交付税としては減額になるということが予定されているわけであります。この点にはどういうような対策をされるのか承りたいと思います。
  137. 首藤堯

    ○首藤政府委員 三千億円の追加減税措置がとられたわけでございますが、先生御案内のように、この措置は歳入面におきます国税の歳入見積もりを修正をするという措置に出ておりません。したがいまして、現在の法体系上、現在国が予算に計上いたしております国税三税の三二%の額、これは交付税として確保される。つまり予算上減額をされない、こういうことになるわけでございます。しかし将来の問題でございますが、もし年度内に補正予算、そのほかの時期で国税三税が減額修正をされるというような事態が生ずるといたしますれば、そのときはこれの補てんについてしかるべき措置をとってもらう、このようなつもりでおります。
  138. 相沢英之

    ○相沢委員 三税の追加減税に伴う財源対策として、大蔵委員会において大蔵委員長提案で対策が講ぜられるように聞いておりますけれども、その措置が講ぜられることになった場合におきまして、この交付税はどういうふうになりますか。その点はどういうふうにお考えでしょうか。
  139. 首藤堯

    ○首藤政府委員 まだ大蔵委員会における措置が決まっていないように承っておりますが、ただいまの時点では、いま申し上げましたように国の歳入予算を修正されておりませんので、私どもとしてはこの額が確保されるという前提に立っております。将来、先ほど申し上げましたように、もし減額になるという事態が出れば、これは財政運営ができませんので、との補てんはその時期でお願いをする、こう考えております。
  140. 相沢英之

    ○相沢委員 大蔵省はどういうふうにお考えですか。
  141. 矢崎新二

    ○矢崎説明員 ただいま自治省の方からお答え申し上げましたのと同じでございますが、御承知のように交付税交付金の算定の基礎が、毎年度の予算で定めた国税三税収入ということに相なっておるわけでございますので、予算が動かない限りにおきましては交付税の減額という問題は起こらないわけでございます。したがいまして、現段階ではそういった具体的な措置は考えておりません。  将来の問題といたしまして、仮に三税収入の予算額が動くというようなことになった場合には、それに伴います地方財政の財源措置につきまして、地方財政の運営に支障を生じないように、自治省とも協議いたしまして適切な措置を講じてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
  142. 相沢英之

    ○相沢委員 もう時間が余りありませんので、ごく簡単に以下御質問をいたします。  地方税につきましてでありますけれども、どうも地方の自主財源を充実するという考え方は結構でありますが、具体的な税目として考えた場合に、そういう団体の財政需要に最も合うような税目というものは考えられるかどうか、つまり偏在しない税源というものが考えられるかどうかです。今後ですよ。その点について伺いたいと思います。
  143. 森岡敝

    ○森岡政府委員 見方によりましていろいろあると思いますが、偏在という問題は、先ほどもちょっと申し上げましたように、財政需要との見合いでやはり考えていただく必要があるのだろうと思います。そういう問題を一応離れまして、現行の税制で考えました場合に、最も普遍的な税源帰属があるというのは、これは土地、家屋に対する固定資産税だろうと思います。それから次いで、個人所得課税ですね。法人所得に対する課税というのは、どちらかというと地域的にかなり偏るというのが一般的な評価であろうと思います。しかし、先ほど来申し上げておりますように、財政需要との見合いで考えねばなりませんから、かなり普遍的な税源と、ある程度偏るけれども、その地域の財政需要に見合った税源というものを組み合わせて地方税制というものを組み立てるのが合理的であって、一方に片寄せて考えるということはいかがであろうか、こんなふうな考えを一般論としては持っておるわけです。
  144. 相沢英之

    ○相沢委員 そういう御答弁だろうと思うのですけれども、私はやはり財政需要にマッチした税源というものを見つけるのはむずかしいのじゃないかと思うのです。地方税の収入の各項目を見てみますと、たとえば自動車税とか自動車取得税というのは、最近は地方も非常に自動車が多いものですから、人口当たりに見てみましても、同じような金額になっておる。ところが、その他のどの税をとってみましても、いまあなたの方で所得税を挙げられましたが、これだってかなり税源としては偏在すると言わざるを得ないのですね。だから、私は今後、地方財政の財源配分の公平ということを念頭に遣いで地方の山主財源を考えた場合に、そういう地方税自体の税目を新たに起こすとか、あるいは地方税そのものの税源を増していくということよりも、考え方としては交付税を充実するという方が、財源の配分の面から言いますと、よりいいのじゃないかというふうに思うのです。私はそう思っておるのです。この点につきましては、御返事を承りますと長くなりますから、私はそう思っております、ぜひそういう方向でお考え願いたいと言うにとどめます。  それからもう一つ、利子配当課税の問題です。利子配当について今後総合課税の方向で検討すべきではないかということでありますので、もしそういうことで総合課税の対象になれば、この問題は解消することになるわけでありますけれども、それが実現するまでの間は、少なくともこの地方の住民税の対象外になるという点について問題があることは私が申し上げるまでもないわけですね。ことしの臨時交付金はそういうようなことに対する配慮も含めているということでありますけれども、私はこの利子配当課税に対する住民税の問題は、総合課税となります間にぜひ何らかの対策が講ぜられますように、これもひとつお願いを申し上げておきたいと思うのであります。御返事は、そういうふうに努力いたしますということだろうと思いますので、結構であります。  それから、公営公庫の問題をひとつここに取り上げてみたいと思います。余り時間がございませんのであれでありますけれども、公営公庫の対象を普通債に広げる問題、つまり公営公庫の改組につきまして自治、大蔵両省の覚書にもうたわれているわけでありますけれども、あれはどういうふうに読んだらよろしいのでございますか、質問をいたします。
  145. 首藤堯

    ○首藤政府委員 今後、地方債制度を現在の財政危機の状況に応じまして運営をしていく場合に、どうしても民間資金の消化、これに多くをよらざるを得ない、その消化対策が特に市町村等においては大変むずかしい難渋な問題を起こす、こういう実態がございますので、民間資金を円滑に融資を受ける、あるいはそれにかわりまして良質の資金というものを地方債に持ち込む、こういう問題を今後やはり大きな宿題として考えていかなければならぬと考えております。そういう問題の中の一環といたしまして公庫改組問題を私どもは提案をいたしたわけでありますが、これは両省一致をするに至らなかったのでありますが、そのような資金確保対策の一環として公庫の改組問題もあわせまして今後引き続き検討をしていく、このように私ども了解をしております。
  146. 相沢英之

    ○相沢委員 自治、大蔵両省の覚書によりますと、「公営企業金融公庫の改組についての法律改正は、昭和五十二年度において行わないものとする。地方債の消化の円滑化については、引き続き、大蔵・自治両省で方策を検討し、できる限り速やかに結論を得るものとする。」ということになっております。そこで、「昭和五十二年度において行わないものとする。」という表現は、反対の解釈とすれば、昭和五十三年度以降はこれを行うことがあり得るというふうに読まなければならないと思うのです。この点について大蔵省の御見解を承りたいと思います。
  147. 戸塚岩夫

    ○戸塚(岩)政府委員 覚書の趣旨につきましては、自治省から御答弁があったとおりでございます。  公庫の改組問題について五十三年度以降はあり得るかという御質問に対しては、私ども地方債の円滑な消化について引き読いて大蔵、自治両省で検討するということでありまして、その検討の中身としてあるいはそういう問題が検討の一つのテーマになり得るというようには考えております。
  148. 相沢英之

    ○相沢委員 公営企業金融公庫は所管としては銀行局になると思いますが、この点について――この点というのはつまり公営企業金融公庫の対象を普通債に広げることが不可なる理由について銀行局から承りたいと思います。――銀行局が来ていなければ理財局から承ります。
  149. 戸塚岩夫

    ○戸塚(岩)政府委員 公庫を改組しまして公庫から普通会計債の資金も供給するという構想は、五十二年度の予算として自治省から要求がありましたことは先生御承知のとおりでありますが、私ども大蔵省といたしましては、その公庫構想の中にある資金の調達方法に大変問題がある、並びに普通会計にまで広げていくということにも問題があるということで、公庫の改組構想に対しては、別途の措置を講ずることによって五十二年度の地方債の円滑な消化を図ることとしたわけでございます。
  150. 相沢英之

    ○相沢委員 そういう御答弁だろうと思いますが、私は、この公営公庫の改組の要求の基礎にあるものは、やはり地方団体が最近の情勢においてかなりの地方債、わけて縁故債を発行しなければならない、その縁故債の消化についてなかなか困難が生じてきておる、何とかこれを解決する一つの方法として――あくまで一つだろうと思いますが、一つの方法として、それを公営企業金融公庫の対象とする、そして公庫の資金調達によって地方団体が普通債の起債も容易ならしめよう、こういうことだと思うのですね。私は、公営企業金融公庫が昭和三十二年に創設されましたときに、その対象は公営企業に限るということに相なったわけでありますけれども、その経緯も十分承知いたしておりますが、その当時すでにやはり地方債公庫の構想はあったと思うのですね。ですから、これは足かけ二十年余りの間の論点だったわけですね。地方団体のそういう地方債の消化というのは、現在それじゃ縁故債が引き受けてくれないところがあって消化できなかったか、こういうふうに聞かれればそれはあるいはなかったかもしれません。それは特に金庫、銀行あたりは少々の無理は聞かなければなかなか困るというようなこともあるものですから、縁故債もある程度引き受けるということにもなりますし、また、地元の団体といろいろな形において金融機関というのは接触がありますから、そういう面においての配慮もあって消化は何とかなっておると思うのです。しかし、それだからいいということかどうか、このことは私は大蔵省もぜひ検討をしていただきたいと思うのです。いまここで公営企業金融公庫の改組について、それでは五十三年度以降ぜひ前向きで検討しますというような御答弁は得られないと思います、いろいろ経緯があることでありますから。そのことは言いませんが、しかし、やはり今後私は地方団体の財政運営において地方債というものはなくなるものじゃないし、また大きな役割りを当然果たしていいものだと思うのです。とすれば、地方債が円滑に消化発行されるために大蔵省も自治省も、これの方法について大いに努力をする、協力をしていくということが必要だと思うのです。  そういう意味におきまして、この公営企業公庫の改組の問題については、つまり公営企業金融公庫が普通債についてもその引き受け対象とすることについてなお今後両省において、希望としては前向きにひとつ御検討願いたい。もし公営企業金融公庫の改組というような、つまり普通債を公営企業金融公庫が引き受けるというような形がむずかしいとするなら、それにかわるべき何らかの地方債の円滑な消化の方法について適確な対策をぜひ講じてもらいたいと思うのです。この点につきまして自治省、大蔵省、特に政務次官からの御答弁をお願いいたしたいと思います。これで終わります。
  151. 中山利生

    ○中山政府委員 相沢委員の先ほどからのいろいろな御指摘、また御意見、十分に踏まえまして、地方財政特に地方税、交付税、地方債また超過負担、その他いろいろな問題につきまして、これからも円滑な地方団体の運営ができますように努力を続けてまいるつもりでございます。
  152. 戸塚岩夫

    ○戸塚(岩)政府委員 御承知のように、地方債の円滑化な消化というのは、私ども国の財政と地方の財政が両輪のごとく健全で、充実されていくということが必要だと思っております。本年度も、地方債の政府資金充当率を五十一年度に対しまして七%上げまして三六・九%というように充実したつもりでございます。数年前までずっと大体六割は政府資金で地方債の資金を見ていくということができたわけであります。そういった面で地方債の消化、地方財政の充実ということを前向きに検討してまいるというように思っております。
  153. 相沢英之

    ○相沢委員 よくわかりました、努力します、そうおっしゃればいいのです。重ねて御答弁をお願いします――どうもありがとうごさいました。
  154. 木村武千代

    ○木村(武千代)委員長代理 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十六分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十四分開議
  155. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について質疑を続行いたします。柴田健治君。
  156. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 消防に関して六点ほどお尋ねをしたいと思います。  まず、毎年毎年われわれは国の予算編成また県、市町村の予算編成の時期に消防団の団員の報酬なり手当、要するに処遇改善について長年改善策を求めてまいりました。自民党政府の消防団に対する物の考え方というものは敷石だという考え方、犠牲奉公で勤労奉仕というこの奉仕精神を盾に、改善策というものが遅々として進まない。どうもいま社会的の位置づけというもの、非常勤消防団員間においての幹部諸君の悩みというのは、ほかの団体と比べてどれだけ地域に貢献しておるかというその貢献度のぐあいから見て、処遇改善についてはどうも理解ができないという考え方が強い。幹部会をしてもその都度われわれは追及を受けるわけで、これらについて市町村のそれぞれの、市町村消防であるから、自治体消防であるから、市町村長に要求を求めても国の方の財源措置、要するに交付税の中における基準財政需要額の単位費用、これが非常に低く抑えられておる。人口一人頭の消防費、そしてそれに合わせて十万という人口規模において標準を出している。それを基本に予算査定をやるものですから、人口の非常に少ない町村、市の方はどちらかいうとこれは常設消防という消防署があるわけですから、それはそれとしても、町村側の人口の非常に少ない地域、そしてまた山林面積の非常に多い町村では、山火事が起きると相当の人海戦術をとらなければならぬ。そういうことで山火事が起きた場合には一週間も十日もかかる、後の残務整理を含めて。それから普通の普通火災においても、都市ならもう消したら後はどうなってもいい、消しさえすればいいんだ。農村はそうはいかない。農村は消しても後片づけをしてやらなければならぬ。それが一日も二日もかかる。仮住まいをこしらえてやらなければならぬ。そういうことで農村の消防団員は、普通火災においても家屋火災においても、相当長時間にわたる奉仕作業をしなければならない。ただ火災を消しさえすればいいのだ、ただ三十分か一時間の勝負だ、そうではないのであって、後の残務整理、片づけから仮住まいをつくってやる。相当の時間がかかるわけですね。そういうことで農村と都市との考え方を変えてもらわなければ困るので、そういう点で消防庁は非常勤消防団に対して今日の団員の任務というものをどう理解しておるのか、その点をひとつ御答弁願いたい。
  157. 林忠雄

    ○林政府委員 消防団に関して長い経歴と功績をお持ちの先生からの御質問でございまして、私がお答えするのもまことにおこがましいようなものでございますけれども、私たちは現在の消防団というのは、端的に言わしていただければ、非常に健全なる精神の残っている唯一の団体ではないかと思うくらいでございます。実は物質的には大変豊かな生活になりましたけれども、精神的なものでの荒廃といいますか公徳心の欠如といいますか、自分の権利だけ主張して義務を忘れるという風潮の強い世の中で、消防団ほど昔ながらの健全な精神、それは一つは部落共同体というものに支えられた、公共の、公の精神というものに支えられている残されている唯一の団体ではないか。言ってみれば、これから先の精神的な荒廃に対して、それを救う宝庫になる団体ではないかというくらいに考えております。もちろん国民の生命、身体、財産というものを火災から保護する、水害、地震等の災害を防除してこれらを軽減すること、これ自体が消防団の任務でございます。  常備消防を普及することを私たちの方は勧めておりまして、現在町村数において八〇%、それで人口においてはすでに九五%の地域を常備消防がカバーしておりますけれども、しかし常備消防ができたからといって消防団が不要になるものではない。常備消防のある区域では常備消防と一体的に協力をして火災を消し、いま御指摘のように、その地域の実情に応じた後片づけから何から全部奉仕的精神でやっていただく。  さらにこれに加えて申しますれば、消防団の一番重大な任務というか消防団に期待することとしては、災害のときだと思います。大災害、風水災、大火災といった場合にとうてい常備消防に頼れるものではない。震災ということも考えた場合に、道路は途絶し、水利は途絶してしまうというようなところでは、常備消防というのはほとんどその力を発揮し得ない。そういったその地域一帯の大きな災害時における消防団の任務というか、もうそれは消防団が唯一のそれに対処する団体である。その意味で団の健全なる育成と申しますかあるいは待遇の改善――本来は欲得づくでなくてみずからの身を捨てて公のために尽くす団体でございますが、それらが安心をしてその任務に邁進できるように常々から待遇の改善とか、そういった非常事態に対する十分の手当とかいうことは、もう一刻も欠かせない喫緊のことであると考えております。  あるいは後ほど御質問いただくことになると思いますけれども、その意味での財源措置その他が足りないではないか。端的に言わせればそういう御指摘だと存じますが、これは数字的に申し上げれば逐年その改善には一生懸命努力をしておりまして、なお不十分であるか、まあいまの財政状況でこのぐらいかというような議論になるかとは存じますけれども、それらの改善は消防庁としては力を尽くして図っておるつもりでございます。しかし一方には、そういった団体であるがゆえに金銭づくではないんだ、むしろ待遇を余り改善すると、いまが十分だとはもちろん申し上げませんけれども、待遇の改善そのものがそういった基本的な、何と申しますか奉仕的精神というようなものに対して、むしろそれをゆがめるということもあるかもしれない。つまり金だけではないんだ、むしろ金は問題ではないんだというところに消防団の心意気を見出すということも、こういった団体では必要なのではないかと実は存じております。たとえば訓練のための出動には十分な手当を出す、実際の出動のときには原則としてただというような考え方も場合によれば必要なのかとも存じておりますので、金銭づくではないという面も私は非常に大事だと思います。  かといって国の消防庁が、金銭づくでないんだから改善をおろそかにするということは実は毛頭ございませんので、それはもう苦しい地方財政の中でもできるだけ改善をしていきたいし、地方団体の需要を見るにつけましても、それぞれの市町村が困らないように十分な需要を見るよう、これは財政当局と緊密な連絡をとって逐年改善に努めている、こういった段階にあるわけでございます。
  158. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 精神訓話みたいなことをあんた言うんだけれども、現実の問題として、訓練に一回出た場合、たとえば山林火災であるとか、民家の火災であるとか、水害であるとか、除雪作業であるとか、いろいろなことで使い便利がいいものだから、何でも消防を引っ張り出してきて使ってくれる。何も出ることをきらうというような人はいないわけですが、しかし最小限度必要経費だけは認めてくれ、これがいまの声なんですよ。最小限度というのは、あなたの方が考える最小限度と末端で考えている最小限度は違うかもわからぬ。違うところにこういう算定基礎が出てきていると思うのですね。  私たちが一番困るのは、団員が公務死される、正直言って、いまの基準からいって一番低いのが消防なんですよ。たとえば団長、副団長が公務災害で亡くなられた場合に、いままでからいうと十年未満は六千二百円の標準でしょう。そうすると、千日分で六百二十万円ですね。消防団員というものは中堅層なんですからね。それで、子供を一人か二人残して亡くなられる。非常に気の毒なんです。遺族年金の方も大したことないし、とにかく公務災害は恐らく警察官よりは消防団員の方が年間を通じてたくさん死んでいる。消防団員の方が殉職が多い。それだけ危険を冒して奉仕しておるわけですね。  それから出動手当ということについては、それはいろいろ町村の財政もあるでしょうけれども、せめて公務災害の場合だけは大幅に見るべきじゃないか。この点は認めてやらないと、それは気の毒でしようがない。  それから社会的な地位というものから考えて、殉職された消防団員については、いまの日当額、一日の支給額六千二百円というのを今度は改定されて十年未満が六千六百四十円、十年から二十年のものが七千百七十五円。これを公務災害の場合には最低限を幾らにする。一万円なら一万円にする、あるいは一万円から一万五千円、下限と上限の標準を決める、このくらい思い切った措置をしてやらないと、亡くなられた人は非常に気の毒だ。この点の改正をする意思があるのかないのか、まず聞いておきたい。
  159. 林忠雄

    ○林政府委員 さっき御答弁申し上げたようなところで、なお不十分かと存じますけれども、毎年基礎額は引き上げる努力をしておりまして、ことしもいま御指摘になりましたように、わずかながら引き上げております。この引き上げを今後も続けてまいりたいと思いますが、抜本的にこれら全部をまた見直して、たとえば最低一万円からということ、こういうことも、消防という立場からは私たちもぜひそうしていただきたいと実は十分思うわけでございます。  ただ公務災害補償の額につきましては、ほかの一般の公務員あるいは労災その他とのいろいろな均衡もあるようでございますので、そういうのを十分にらみ合わせて事務的に決めてまいりますと、先生おっしゃるようになかなか一気に改定というわけにはいかない事情もございます。  そこで、私たちもそれだけに甘んじておってはいけないと思いますし、消防の任務、最初御質問に出ましたようなところから考えれば、それは補償の均衡も均衡ながら、ひとつ消防の特殊性を考えてくれということでさらに努力を続けてまいりたい、こういうふうに考えております。
  160. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 あなた勘違いしてもろうてはいけない。これは正直言って、ほかの公務員とは違うのですよ。公務員なら月給をもろうて、基準額でさっと出る。非常勤消防団員はほかに職業を持っている。そして適正な出動手当なり報酬をもらっているものならいざ知らず、正直言って低いのですよ。たとえば今度の改定で見ると団長が三千円上がって一年間に四万二千円へ副団長が二千円上がって三万三千円になる。分団長が今度は千五百円上がって二万一千五百円。幹部というものは何回出たって出動手当は取れない。年間の報酬だけです。この報酬も領収証には判を押すけれども、正直言って幹部というものはもらえない。ぼくは三十年団長をしておるけれども、一遍ももろうたことはない。判だけは押している。消防団の団長には交際費がない。十万以上の都市にはある。五万以上の都市にもあるかもしれぬ。けれども、貧弱な町村には団長の交際費なんてありはしないのです。みんな団長の報酬から使われるわけですね。そういうのが現実の姿なんですね。それを月に四万も出しているんなら、それはもう公務災害でも公務員の基準でやってもいいと思う。けれども、ここだけを低く抑えておいて、あとは公務員だ、こう言う。これはあなたの逃げの言葉だ、誠意のない言葉だ、長官。
  161. 林忠雄

    ○林政府委員 もちろんこの団長の年の四万二千円とかあるいは団員の一万円とか、これが基礎になっているわけじゃございません。公務災害の場合は、非常勤であり、当人が月給をもらっていないだけに、仮に常勤であって月給をもらっていたら幾らかというその基礎額が、ここにある六千二百二十円とか六千六百四十円とかいうことであると存じます。  したがって現に消防団の通常の勤務、出動、訓練、その他によってもらっておる報酬を基礎にしているわけではない。そういう意味では一種の仮定の基礎額だと存じます。その基礎額自体が高いか低いかという問題であれば、やはり普通の公務員との比較なり何なりということは基準にしなければいけないことであろう。ただ先生御指摘のように、本当に特殊な任務であり、しかも通常月給をもらっているのではない、一種の奉仕活動であるというところに、せめて災害でも受けた場合には通常の公務員よりも何割増しかよけいなものを基準として考えてほしいということは、われわれが主張できると思うのでございます。  しかし、この基準を、もらっていないものをある程度もらったものと仮定して基礎額を決めるということはやはり必要でございますし、その場合も他の方との均衡というのはやはりこれを決める場合には問題になるので、その議論を踏まえながら消防の特殊性を反映していただくように努めてまいりたい、こういうのが私の答えの要旨でございます。
  162. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 ほかの報酬や手当が少ないのだから、せめて公務災害で犠牲になった人だけは、ほかの公務員だ何だという言葉は出さずに、これは思い切って一日一万円、最高一万五千円だ、こういう上限と下限を明確に出すべきだ。それが本当に愛情のある思いやりのある施策だと私は思うのです。公務災害は別だと思う。それなら、いま年間通じてほかの団体で何人殉職しているのですか。消防団員が年間を通じて一番殉職が多いのですよ。戦後三十年の歴史を持つ、自治消防三十年の長い間何人殉職が出ておると思いますか。それだけ命をかけてやっているのですよ。やはりそれにこたえるためには、国が抜本的な方向を出すべきだと私は思う。きょうは大臣来ておらぬが、次官、どうですかこの考え、あなたも団長だ。
  163. 中山利生

    ○中山政府委員 先生も長い間消防団のためにいろいろお骨折りをいただいて、本当の実態というものをよく御承知での御論議だと思います。私もまことに同感でございまして、先生と何か八百長をやっているような感じもいたしますけれども、先ほど長官からお答えいたしましたように、消防団の活動というのは全くボランティア活動で、本当に社会、住民を守るために命をなげうって奉仕をしている。いまのところその奉仕と善意にだけ頼っているようなところが多分にあるわけでございまして、ただ長官からお答えしましたように、そういう奉仕に対して、その精神が崇高であるだけに金銭だけで、物質面だけで報いるということはどうであろうかというような議論もございますけれども、やはり社会一般とのバランスということもございますし、それから何よりもいま先生が御指摘になりました公務災害補償というものが公務員並みということでなくて、多少であっても公務員よりも上回るというようなことで、その精神といいますか、消防団員の誇り、名誉、そういうものにお報いをするということが大切なんではなかろうか。  それと、いろいろな報償制度、叙勲といったようなことでその精神におこたえをするのが一番いい方法ではなかろうかと私は考えております。
  164. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 時間が来るからいずれまたこの問題について論戦をしたいと思う。  次官もああいうある程度の理解をされた答弁なんですよ。長官も――大体消防庁の長官というのは腰かけ論をわれわれは言うのですけれども、じきに転々転勤してしまって、もう三年もおりはしない。おるときだけは理解するようなかっこうするだけで、はなはだしいのは二カ月で長官がかわったりする、そんなことじゃ本当の消防行政はできないと思うのですね。これは国全体としても消防庁の任務というものをもう少し理解をして、長官であろうと何であろうと余りころころと腰かけで、あっちにちょっと行って腰かけておけ、いずれまた次官にしてやるとか、そんなことはもうやめてもらいたいと私は思う。余りにもふざけておると思う。  次に、表彰の問題なんですが、ほかの省を見ると大臣の表彰というのがある。ところが消防に関しては消防庁の長官が、林長官が最高の表彰者だ。大臣の表彰というのはない。たとえば団の表彰ですが、竿頭綬なり表彰旗をもらって十年も十五年も一生懸命やっておる。非常に優秀な団がずつと続いておる。そういう団には、全国に何団あるかわからないけれども、ひとつ適正な審査をしながら、大臣表彰の制度ぐらい設けたらどうか。大臣杯であるとか、大臣の何らかの形で表彰制度をこしらえたらどうか、こういう声も強いわけですね。この点についてどうですか。個人表彰よりか私がきょう申し上げるのは団の表彰。この制度をつくったらどうか。長官だけでなしに、上に、大臣表彰。これは長官でなしに次官どうだね。大臣代理だからやってくれぬか。
  165. 林忠雄

    ○林政府委員 いま先生の御示唆いただいたような御意見というのは、実はたびたび耳にするところでもございます。十分に検討に値する御意見だと思いますが、いきさつを申し上げますと、この国民の生命、財産を守る上に消防それから警察、それから似たような仕事では海の上で海上保安庁という、一種のこういった実際の活動によって国民の生命、財産を守る制度がございますけれども、これらがいずれもここ三十年来ぐらい所管大臣の表彰ではなくて、警察の場合は警察庁長官表彰が国レベルの最高なもの、それから海上保安庁であれば海上保安庁長官の表彰が最高なものとしてひとつ定着してきておりますし、消防も同様でございまして、三十年来県のレベルでは知事表彰、そして国のレベルでは長官表彰という形で実は来ておるわけでございます。さらにこれらを踏まえて、今度は全国的なものとしまして安全の日とか防災の日あたりに、特に災害現場で功労顕著だというようなことに対しては内閣総理大臣表彰というのがございます。  そこで、ここで一つ、大臣表彰は長官表彰よりも上のレベルとして新たに設けるということになりますと、逆に言えば長官表彰がいままで最高の表彰であったのが二番目の表彰になる。そうすると、いままで長官表彰を受けた団体も何も、あのとき最高だったのだからひとつ大臣表彰ができればもう一つ上でなければいかぬという議論も当然起きまして、前後の均衡の問題も大変いろいろ複雑な問題を生じますので、現在はむしろ長官表彰、これが一応国のレベルとして消防としては最高の表彰ということになっておりまして、特別なものであれば内閣総理大臣表彰がありますけれども、これはちょっと防災の日とか筋が違うものですから、その長官表彰について枠が少ない、もっと枠をたくさんつくって、その表彰をもらって励みになるチャンスをもっとふやしてくれという議論の方が、現在、より一層強いような気がしております。  そこで、ほかの似たような警察とか海上保安庁ともにらみ合わせてさらに今後十分検討はいたしますけれども、現在の段階では、いまの先生のような御指摘の御意見もたびたび耳にしておりますけれども、この形をさらに続け、枠をもっと拡大していくという方をひとつ先立って努力してみたいと実は思っている次第でございます。
  166. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 あなたはやる意思ない。たとえば県の表彰が済んで、日本消防協会の表彰が済んで、そして消防庁の表彰、それで消防庁の竿頭綬をもらって五年たたなければ旗がもらえぬわけですね。それで旗をもらってたとえば十年たったとか十五年たって、依然として成績優秀なのには何か上の方の表彰をやる。それからいま竿頭綬をもらって五年経過しなければもらえないわけでしょう。五年間一生懸命やって初めて資格ができる。いま言われるあなたの、枠がない、その枠をふやす方がいいのだ。それも一つの前進の道ではある。けれどもわれわれは、もう表彰旗をもらって十年も十五年もたったのに一生懸命やらしている。それに対する表彰の道というものはこしらえたらどうか。これはきょう結論を出せとは言わないけれども、ひとつ十分検討して、実現の方向で前向きで――役人はじきに前向きで検討しますと言ってそれでしまいだ。けれども、とにかく前向きで検討してもらいたいと思うが、どうですか。
  167. 林忠雄

    ○林政府委員 十分前向きに検討いたしたいと思います。  ただ、一番最高のものができると、やはりまた次のものがということで、ある意味ではイタチごっこみたいな点もあるのでございますけれども、おっしゃるようにもう長官の表彰までもらって十年、十五年さらに一生懸命やったものに対して何らかの道ということは、これは当然考えてしかるべきだと思いますので、たとえば大臣表彰というのも方法でございましょうし、そこに新たにまた木杯とか銀杯とかいうような別の方法を考えてもいいかと存じますが、そういった方々の励みになるようなことについては研究を十分やってまいりたいと思います。
  168. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 十分検討してもらいたいと思う。  次に広域消防、先ほどあなたは八〇%の進捗率と言われた。広域消防の一部事務組合方式で大分奨励されて、自治省は広域行政、広域行政と言っているが、いまわれわれが見たら、本当に広域行政でやっておるのは何かと言ったら、屎尿処理とじんかい処理と消防だけです。消防をくそとごみくずと一緒にしてしまった。われわれどこに行っても、とにかく広域行政というものはくそとごみと消防、この三つが大体国の方針だからあきらめてくれ、こう言っているのだが、本当に広域消防をつくって、財源的には一〇%論で〇・四を非常勤の方へ残して、〇・六を持ち寄って一部事務組合で広域消防をつくった。ところが施設の起債をやった、それが償還年限に入ってくるし、一年一年人件費もかさんでくるし、諸雑費はふえるし、要するに管理費がふえるわけですが、財源措置から見ると、たとえば救急業務でも、もっと市町村で――交付税の中で救急業務のものはある程度見てやるけれども、町村の方はそれを組合の方へ出そうとしない。だからいまの〇・六の中で持ち寄った分で救急業務だとか火災だとか、いろいろな任務を全うするための活動をやっているのですけれども、この標準を見ると非常勤消防職員、吏員の方は人口十万で八十六人ということを基準に置いて、それで、そのうち消防吏員が八十四名、事務職員が二名、救急業務が十五名、こういうことで十万の都市については基準を出している。ところが消防吏員の年間の給与というものは二百七十四万円と押さえたですね。それなら、学校の先生も任務が重い、警察官も任務が重い。学校の先生、小学校、中学校、それから警察官、年間何ぼ出しているのか、何ぼ予算を組んでいるのか。
  169. 林忠雄

    ○林政府委員 警察官についての具体的な数字は実は私存じておりませんけれども、一般的な待遇では警察官に準じた待遇をお願いしているはずでございますから、平均年齢が若いとかその他で、実際の計上単価はあるいは違うかもしれませんけれども、待遇としては警察官並みの待遇を消防職員にお願いして、そのとおり交付税上に組んでいるはずでございます。
  170. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 あなたもうちょっと勉強しておかなければいかぬです、正直言って。消防の方は装備というものが非常にかかるから、どうしても人件費に食い込んでくるのですね、もうぎりぎりです。それから、要するに本俸は削るわけにはいかないけれども、いろいろな手当なんかも削減されているのですね。警察の方はある程度十分出ているのですよ。それから、あなたの基準、意見からいうと、われわれの調べたところでは警察職員の方がはるかに多いですよ、年間一人頭。  そういうことで、時間がないから前へ行きますが、要するに、広域消防の財政の危機が来ていることは間違いないのだ。あなたはそういうことを認識しておられるかどうか、それに対する改善策をどうしてやるか。これもまた、きょう答えを出せと言ったって、そう簡単に出ないと思うから、こっちから答えを出すような質問をしているのですけれども、とにかくこれも早急に解決してやらないと、無理やりにこしらえた、生んだものを殺してしまうことになる。殺したら何にもならぬので、これを何としても育成強化していく、そういうことをやらないと大変なことになると私は思うので、もう少し消防費の中で広域消防を――いままでのたとえば大阪だとか東京だとかいうのは正直言って十分見てある、調べてみて。ところが広域消防の方、一部事務組合の方がいま財政難に陥っているのですね。これの方を私は申し上げているのです。全国一律にあなた方が物を考えてもらっては困るので、貧弱な町村が寄ってこしらえておる一部事務組合の消防本部というものについての財政危機をどう救ってやるか、これを十分配慮してもらいたいと思うのですね。どうですか、次官、これは政治的にもっと考えてやらにゃいかぬ。
  171. 林忠雄

    ○林政府委員 一部事務組合で広域消防をやるということ自体には、その地域の道路事情がぐんぐん改善されてよくなってまいります以上、それ自体には合理的なものがあると存じます。できるだけ常備消防を広げるためには、組合消防というものが必然的にそこに浮かんでくることは間違いございません。それに対する財政措置が不十分ではないかということで、交付税上は十分とは言い切れるかどうかは別といたしまして、必要な額をほぼ完全に計上して財源手当てはしておるという自信は、私たち同じ省の財政当局とよく打ち合わせてやっておりますから、十分自信を持っているつもりでございます。  ただ問題は、いま先生の御質問の中にちょっと出ました六、四という数字がやや無理があるということをよく聞きます。これは常備消防をつくったときに何らかの基準でもってそういう数字が出たのが、金科玉条というか、その後ずっと伝えられておりますけれども、実際問題としては常備消防で常勤の職員を抱えて装備を強化しますと、計上された財政需要のうちの六、四ではちょっと無理なんで、たとえば七、三とか八、二とかいうようなことを再検討する必要がある。それを再検討していないがために組合消防が財政難に陥っているということは実はしばしば耳にいたしますので、その辺は十分指導してまいりたいと存じております。  そのほかに、おっしゃいましたような新しい時代に即した需要も今後――いま十分見ているとは言いがたいかもしれませんので、十分見るように努力をいたすわけでございます。  それと、交付税というのはあくまでも算定の基準でございまして、それ自体を町村が使ってくれないと本当に組合は困ってしまうわけでございます。そういう消防に関する意欲というものももっと町村当局に持ってもらうという努力をまた地道に続けてまいる。その両面から攻めてまいりまして、組合消防もせっかくつくった以上、おっしゃいますように殺すことがないように、さらに発展していくように、県その他を通じて十分関心を持ち、指導を続けてまいりたいと思っております。
  172. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 あなたの答弁の中でちょっと気にかかることは、いままでどおり一〇%出して、いま四、六でやっている。それを今度は片一方を七にして片一方を三にするなら、何にもならない。今度は非常勤の方が怒りますよ、そんなことを言うたら。もとをふやさないとどうにもならぬわけですからね。それは一升ますの水を半々に分けたり七、三に分けてみるだけであって、全体から言うとこの予算が増大するということにはならぬわけですから、その点は十分考えてもらわないといけないと思いますので、ひとつ十分お考え願いたいと思う。  次に、いま好ましい姿ではないのですが、日本の火災発生件数が依然として減らないし、焼死者が多い。人命の損失というか、自殺する者は、これは始末が悪いんだから仕方がないんだけれども、雑居ビルその他で――昔は焼けても焼死者というものは余りなかった、正直に言って。いまなせこんなにすぐ焼け死ぬんだろうか、こういうことをいろいろ科学的に研究してみても、やはり有毒ガスというものが非常に大きな障害になっておる。いまの家屋構造、住宅構造が新建材、何と言うか合板の製品が多い。だから、あの煙を吸うと、医学的に言うと三分間超したら神経がいかれてしまう。煙を吸わぬ方法を考えなければならぬ。たとえば、いま地震対策でいろいろ論議をしておるわけですが、日本の東京なら東京に地震が起こって火災が発生したら相当の有毒ガスが発生するだろう。それを吸うたらもう足が立たない。そのままへこたって意識不明になって焼け死んでしまう。こういう恐るべき事態にいま来ておる。これらの防止対策をどうしたらいいのか。消防にやれと言ったってなかなかできやしない、正直言うて。火を出さぬのが一番安全なんです。ところが、なかなかそうはいかない。どうしても火災が起きてくる。それからそういう人命を守るという立場の防止対策、予防対策をどうするのがいいのか。火災が出たらすぐ防毒マスクをかけさせるのかというような問題、もう逃げるが勝ちだというて、防毒マスクをしてどんどん逃げること、物が惜しいと思うたらいかぬ、命が惜しいということで逃げる訓練をさせるか、要するに避難訓練を最重点的にやらせるのがいいのか、その点で第一線の消防団の悩みがあるわけですね。焼けてもしようがない、火が出たら覚悟して、丸焼けでもいいから逃げることに一生懸命になれという指導をした方がいいのか、家財道具一つでも出せ、資材の少ない国だから、資源の少ない国は燃やさないようにとかなんとかということでやったらいいのか、とにかくその点の指導というものが、当面われわれは困っている。その防止策をどういう方法で指導をしたらいいのか。住宅構造を変えろといったってなかなかそう変わらないし、新建材を使うなといってもなかなかそうはいかない。どうしたらいいのか。この点のお答えを願っておきたい。
  173. 林忠雄

    ○林政府委員 確かに、昔は普通の木材でございますので、発生するガスによる中毒、それによる意識不明ということが非常に少なく、したがって焼死者というのは少なかったと存じます。現在は新建材その他がどんな建築にもほとんど使われておる。こういったところがいざ火事を起こしたときには、従来と違って非常に警戒し、おっしゃるような逃げるということを真っ先に考えなければならないということも大切なことではないかと存ずるわけでございます。かといって、こういう新建材を全部使用禁止にするというわけにはとてもいかないわけで、あらゆる家庭が必ず火事になるという前提であればよろしゅうございますけれども、まずほとんどが火事にならないケースが大半だということになれば、新建材を一切使うのを制限するというわけにもまいらない。結局、現在の建築基準関係では、一般の家庭では火気を使うような、たとえば台所というようなところについてはこういうものを使うなという一応の基準がございますが、そのほかの部屋にまでそういうものを使うのを禁止するわけにもいかないとなれば、結局PRを十分にいたしまして、そういうものを使っておる家は、使っておるんだぞということを住んでいる人にいつも考えておってもらう。そして、いざとなれば普通のいままでの木造の火事とは違って早く逃げなければいけないということを頭のすみに置いておいてもらうということをしてまいらなければならない。つまり、そういった防煙とかガスとかいうものに対する知識と、それに対するいざというときの行動というものを十分にのみ込んでいただく、そういったPR活動が、地道ではございますけれども、やはりいま一番大切であろうと考えております。
  174. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 消防団員が年に春秋の予防査察をやる。可燃性の、危険性の高いものだけを査察して帰ってくる。たとえば電気、ガス、そしてまた石油類の貯蔵庫、いろいろ危険性の高いところだけを査察して、いいか悪いか、せいぜい査察証明書を張って帰ってくるのですが、その時点において、現場で、あなたの方はいい家ですが、火災が起きたら早く逃げなければ、どうも新建材をたくさん使っておられるようだから煙を吸ったらだめですよ、こういう指導をしたらいいのかどうか。それから、まさかの時分には防毒マスクを用意しておいて、それをかぶって逃げなさいよ、今後各家庭ごとにおける人命尊重というか、物なんかより人間の方が大事なんだからというように、予防査察の段階でどう指導したらいいのか、そういう点の科学的な指導要綱というか、建物の構造をどう登録しておくのがいいのかという、いろいろこれから一つの検討を早急にしなければならぬ問題だと私は思うのですね。これらについて消防庁はどう取り組んで、行政のルールに従ってどう将来指導を強めていこうとするのか、その考え方を聞かしていただきたい。
  175. 林忠雄

    ○林政府委員 予防査察と申しましても、一般家庭全部まではとても行き渡らないわけでございまして、人が多く集まるとか、一応防火規制のあるようなところが中心になってしまうわけでございますから、結局、予防査察の際の指導も大切でございますけれども、それ以上にたとえば震災とかいうことに絡めまして、一般の住民の耳に全部届くようなPR、つまりテレビ、ラジオその他を使ったもの、これによってそういう新建材や何かに関する知識その他をも、現に自分の住んでいる家については知識を持ってもらう、そういう方向の指導を強めてまいりたい、またこれしか道がないのではないかと存じております。
  176. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 そういう問題について今後全国的に統一したPRの方法、たとえばスローガン的な文章でどう指導していくのか、春秋の予防週間にポスター一つつくるのでも、もうちょっと創意工夫したらどうかという気がする。チラシを配るにしても、もう少し創意工夫したらどうか。私はこれは消防庁に責任があると思うのですね。そういう工夫をしてもらいたい。公式論でなしに、工夫をして知恵を使ってもらいたい。大体日本人は、知識は進んだけれども知恵のない国になってきているから、もっと知恵を使ってもらう。その点は予防課長の方も真剣になって取り組んでもらいたい。これはお願いしておきます。  これも中途半端な論戦になったのですが、次に、自治消防法が制定されて、明年三月七日で三十年ということになる。三十年を迎えてどういう心構えでこの行事をやろうとするのか、ひとつその点を聞いておきたい。
  177. 林忠雄

    ○林政府委員 御指摘のように自治体消防発足三十年記念、来年といいますか本年度でございます。それで各地においてそれぞれ実情に応じた記念行事をやってもらいたいと思っておりますし、国自体は、実は九百万ほど予算をいただきましたので、来年の三月に武道館かどこかを借りまして、これに関する、三十年の意義を強調し、今後の心構えを固める記念式典をやるというつもりで現在おります。まあ来年三月のことでございますので、まだ具体的な詳しい準備にはかかっておりませんが、もう夏ごろからかからなければいけないと思っておりますけれども、三十年式典をやるつもりでございます。
  178. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 まあやられるだろうが、予算を見ると九百万ほど、九百万でどの程度できるのか、本当にささやかな、しめやかな行事になるだろうと思う。だから、やるならもっと思い切って、三十年を迎えるに当たって、新たな決意で日本の将来の消防行政をどう向上さしていくか、そういうねらいがなければならない、展望がなければならない。ただ三十年が来たから武道館に人を集めてささやかにしておくか、これじゃ何にもならない。ちょうど日本がいままでやってきた外交、日ソの漁業交渉を見てもわかる。思いつきばかりやっているからこういうことになる。だから、思いつきでなしに、展望を持って一つの行事をしなければならぬと思うわけです。ぼくは九百万で何ができるのだろうかという気がするのだ。  だから、この際全国民に、日本列島は宿命的に災害の多い国なんだから、災害予防に全力を挙げるという心構えを持たして、資源の少ない国であるがゆえにもっと資源を大事にするという立場からいっても、予防消防や防災対策に全力を挙げなければならぬ。その認識が足らない。その認識を高めるための役割りを持っておるのは消防庁なんだから、思い切って宝くじを売ったらどうか。それで宝くじの券の裏に文句を書いたらいいじゃないですか。そうすれば全国民が知ってくれるから、国民も宝くじを一枚買うてひとつ協力しよう、こういうことで三十年の記念とあわせて宝くじを出して、資金をこしらえて都道府県の財政を援助してやるとか、たとえば基金として殉職した消防団員の遺族を救済してやるとか、遺児の奨学資金をもっと大幅に出してやるとか、何らかの形で記念事業をやるべきではないか。方法は幾らでもあると思う。三十年を迎えるに当たってそういう構想ぐらい出したらどうか。次官、答弁願います。
  179. 中山利生

    ○中山政府委員 私が言いますと、みんな先生と同じようなことになってしまいますので、役所の方から役所の考え方を申し述べます。
  180. 林忠雄

    ○林政府委員 九百五十三万という予算でございますが、これは相当たくさんの人を集めたいと思っておりますので、大きな会場を考えておりますので、このうちの五百万が会場借り上げ費になってしまいます。残りを印刷費その他で三百三十万ほど、それから記念出版物、これは百万弱でございます。それから、そのときの表彰記念品の褒賞費が三十万、これだけのことを現在考えておりますので、御指摘のようにささやかだといえばささやか、決してしめやかなつもりはございませんけれども、これ自体はささやかなことでございます。これも従来二十年、二十五年とやってきておりますので、さらに新しい工夫を加えましてこれから十分知恵をひねりたいと存じます。  それから、このほかにいま先生宝くじをという御示唆もございましたが、宝くじは現在は地方団体が売ることになっておりますので、やるとすれば、府県の事務組合がございますから、そういうところにも相談をかけなければいけないと思いますが、宝くじに限らず、その他御示唆いただきましたので、いろいろ知恵をひねりまして、一人でも多くの国民にこのことに関心を持ってもらうということを重点に知恵をひねってまいりたいと存じます。御示唆は十分に研究させていただきます。
  181. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 次に、六つ目にお尋ねしたいのは、今度新たに消防操法の実施要綱というものを消防庁が決めて各都道府県に示した。いままでは、自動車ポンプは指揮者を入れて七名、可搬のポンプは五名、今度は、自動車は五名にして、可搬は四名にした。なぜこれを減らしたのか、われわれはちょっと理解できない。そして、操法訓練といっても常に実戦というのを考えてわれわれはやらざるを得ない、そういう任務を持っておる。ただ百メートル走って優勝を決めてというようなものではない。操法というものは訓練といっても常に実戦なんだ。今度自動車を五名に減らして筒先を一名でやれという。常識で考えて一名でやれるかね。都市で、アスファルトの道で、勾配のない平たん地で、たとえば消火栓だけ使ってやる、水圧が同じである、そういう場合にはひょっとしたら一名で筒先が持てるかもしらぬ。けれども、四キロ以上上げた場合に、傾斜地の農村地域ですよ、農村地域で足元は水が流れてくるわ、もう滑るような状態の中で、常識の問題で筒先一名でやれるのかどうか。私は消防庁には常識があるのかなと思う。ただ訓練であれだけのことをしたので、実戦は違います、こう言うなら別ですよ。われわれにはそんなむだな方法は考えられぬ。訓練即実戦だから、実戦で役立つように指導をしなければならない。筒先が一名でやれるというのはだれが考えたのか。これは長官が考えたのか、大臣が考えたのか、答弁を願いたい。
  182. 林忠雄

    ○林政府委員 この点に関しましては、三十年の経験を持っておられる柴田先生に対してとても答弁能力はございませんが、ただ、実施要領でございますか、消防庁でポンプもいじったことがない、筒先も持ったことがないというわれわれが頭の中で考えてやったものでは毛頭ございません。常々実戦に役立つような訓練即実戦でなければならないということは十分心得ておりますし、これは今回五十一年四月に改正しておりますが、この改正につきましては、消防本部、消防団、消防学校といういままで何度も実戦を経ておる人たちに集まっていただきまして消防操法研究会をつくりまして、そこの意見を参酌して決めたものでございますので、私自身は筒先を持ったことはございませんけれども、これらの過程を経まして出ました現在の操法というものは、実戦にも十分たえ得るとわれわれは確信を実は持っておるわけでございます。しかし、三十年の経験をお持ちの先生が一人で持てるかと言われると、私自身はそれは持てると言う自信は十分ございませんけれども、それらの自信がないものを決めて本当に実戦に役立たなかったらこれの責任は大変なものでございます。そういった責任の重さを十分考えながらこの改定を行ったという経緯を踏まえて、私は現在のものは十分実戦にたえ得ると確信しておるわけでございます。
  183. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 あなたにだれが入れ知恵をしたか知らないが、できるはずがないです。やってごらんなさい。火災の場合に何キロ水圧が上がりますか。火災の場合には、距離にもよるけれども、何キロ上げるのですか。大体火点が三十メートルの火点として何キロ水圧を上げるつもりですか。
  184. 林忠雄

    ○林政府委員 標準的には四キロと心得ておりますけれども、それが最高八キロまで上げるととても一人では持てないということは聞いております。
  185. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 平たん地で消防学校でやった。私はこの間日本消防協会の役員会で、こんなことをおまえたち役員は納得したのか、こんなばかな実施要綱は実戦に役に立たないというようなことを言ったら、われわれの意見を一つも聞いてくれないのだと日本消防協会は言う。あなたの答弁と違う。関係者はどこにおる。都会を基準に物を考えてくれたらだめなんだということを私は言うのです。消火栓を使って平たん地へホースを引っ張っていって。農村はそういう民家の実態じゃないのです、偏在をして。足元は悪いし、平たん地はたんぼがある。日本は土地が少ないからどうしても民家というものは山のふもとに多いのです。新しい住宅団地ができるのはそれは都市の付近であって、農村は依然として山ろくにある。みんな勾配がある。足元がみんな悪いのです。そういうところで筒先を振る。そして実施訓練は左右に振ることになっている。右、左、そしてまた中心に戻すことになっている。一人であんなことできるのですか。ようやっと抱えて、ちょっと振られたらもうどうにもならぬですよ。向こうを見ておるどころか抱えておるだけでいっぱいなんですよ。それが左右に振ってまたもとへ戻すような実施要綱なんです。なぜ七人を五人にしなければならないのか。日本列島の市町村、また過疎地域、急傾斜地域におけるそういう地域性というものを考えて実施要綱というものを考えるべきであって、なぜ七人を五人にしなければならないか。結局交付税を減らすためでしょう。体裁のいい首切りじゃないか。実際に向かないやり方なんですね。吸管のつなぎのひもを結ぶもやい結び。あなた、もやい結びをいま結んでごらんなさい。あれは船乗りがやるのです。何で陸用にももやい結びをしなければならないか。そんなにもやい結びをしなければならないほどの水の流れで吸水管を流れると思いますか。だれがこんなばかな実施要綱をこしらえたのか。一遍長官、一人で持って三鷹の消防学校で私立ち会うから実際にやってごらんなさい。あなたそれで自信を持つと言ったのだから、絶対持ってくれないと困るよ。私はやって申し上げたのだから。現場の団長でやって、実際これはやれない。これをやった連中を一遍呼んできてくれ。あなたにそんなことだれが入れ知恵をしたのか。もう一遍答弁してくれ。
  186. 林忠雄

    ○林政府委員 最初に申し上げましたように、三十年の実務体験をお持ちの先生に対して、私自身としては答弁能力がございませんことは確かでございます。しかし、申し上げたのは、これらを何にもしない者が勝手にやったものではないということを申し上げたので、これについては十分実務を経験した者からの意見をまとめたものでございますが、ただいま先生おっしゃいましたように、消防協会でございますか、何か聞いてくれなかったというようなことが仮にありとすれば、これは実は重大な問題だと思います。交付税を減らしたいためにやるということであればまさに本末転倒でございまして、住民を火災から守るということは金の面にかかわらず優先的にすべきことでございますから、御指摘のような欠陥がもしこの操法実施要領にありとすれば、これは当然直さなければいけないものであろう。ただ無責任に金を削りたいために勝手にやったのではないということを申し上げたので、申し上げた以上、恐らくそこには十分やれるという自信が実務経験者の体験を通じてあるということは私は確信しておる次第でございますから、もしやれないとなれば、過ちを正すことにはやぶさかであってはいけないので直さなければいけないことであろうと存じます。さらに十分徹底した研究をしてまいりたいと思います。
  187. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 日本消防協会という団体があることは御承知でしょう。各都道府県が皆加入している。日本消防協会に相談なしで決めたのか、相談に乗ったのか。その会議にだれが出たのか、出たけれども一切取り合ってくれなかった。何か聞くところによれば、横浜か神奈川かどこかの消防署の職員と、消防学校の職員と、消防庁のだれかの三人ほどで決めた、確認してないからそういう事実かどうか知りません。私が言うのは、都市なら一人で十分、二十分、三十分持ちこたえるかもしれませんが、農村地帯でこんなことをしたら振られてけがさせる。団員にけがさせたら正直言って大変なことになる。それから、あの実施要綱は訓練用です、実戦用ではありませんというようなら別ですよ。われわれは訓練も実戦も同じだという立場でいままでやってきた。今度は違うのです、あれは訓練用で、東京に全国の代表選手を集めて競技をするのですから競技用です、実戦用ではありません、こう言われるのならそれなりの割り切り方でわれわれは理解できる。しかし、われわれはいままでの慣例からいうと、訓練も実戦も同じでなければならない、そういう立場で取り組んできたと思う。そういう考え方で質問申し上げておる。  それから、長官は余り人の意見を尊重しないが、正直に言ってわれわれの意見も聞いてもらわなければならない。自信があるようだけれども、素人ならあなたの答弁でごまかされるかもしれないが、私はあなたより経験が長い。消防を四十五年やっている。団長を三十年やっている。月に一、二回訓練をやっている。また十七日に訓練をやる。自分で水を出して、自分で筒先を持ってみてわかる。正直に言って水を出さなければ一人でも何ぼでもできる。子どもでもぞろぞろ引っ張ってくるけれども、本当は実戦用でなければならぬということを考えたら、もう少し実情に応じた実施要綱をこしらえてやる、手直しをしてやる。早急に関係者が一遍やってごらんなさい。たとえば日本は山間地が多いのですから、勾配が二十度、三十度のところもある。それで足元が悪い。要するに水が出てくるわけですから、足元はいつもずるずるしているわけでいつ滑るかわからない状態なんですから、筒先が離れて振られたら、そこら四、五人は足の骨を折らなければならぬ、けが人を出すわけです。そういう場合には指揮者の判断、責任というのは重大なんだから、それを一名でやれ、四キロ出せ、五キロ出せといっても、四キロ以上出したらちょっと一人じゃ無理だということを申し上げているのです。長官、余り自信のあるようなことを言うたら後で責任を問われますよ。
  188. 林忠雄

    ○林政府委員 まさに長い御経験からの御質問に対して、経験の何もない私が個人的に自信があるとは一つも申し上げておらないわけでございますが、これをつくるにつきましては、十分それなりの手続を経た、その手続に遺漏があろうとは思わなくて、したがって自信があると申し上げているわけでございまして、いまおっしゃったことは大変重大なことでございまして、もし先生のおっしゃったとおりであれば、この要領も平地で足場のいいときは五人、少し地域その他を考えれば六人とせざるを得ないことでございましょう。その点大変貴重な御示唆をいただいたと思っております。十分研究をいたします。
  189. 柴田健治

    ○柴田(健)委員 終わります。ありがとうございました。
  190. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 田口一男君。
  191. 田口一男

    ○田口委員 私は、前回十二日にこの委員会で、地方公務員の給与の適正化ということに絡んで実例を挙げてお尋ねしたのですが、その最後のくだりで、これはちょっと失礼をしたかと思うのですが、大臣は私の質問にやや唐突の感を抱かれたようでありますけれども、地方公務員を指導する自治省の立場で、自治省の職員の言うならば等級格づけ、そういった実態がどうなっておるのか、これをお尋ねしたのですが、急なことであるからというので、では調査をしてみましょう、こういうお話があったのです。前回に引き続いてという意味から、その後お調べになった内容、中二日置いただけですから全部ということは無理だと思うのですが、おおよそで結構ですから、その結果をお答えいただきたいと思います。
  192. 近藤隆之

    ○近藤政府委員 先日、十二日の御質疑におきまして、自治省の課長級、一等級、二等級の振り分けはどのようになっているかという御質問をいただいたわけでございますが、手持ちの資料がございませんで十分なお答えができなくてまことに申しわけございませんでした。  課長職で課長という名前がはっきりついておる者につきましては、一等級二十二名、二等級十一名、合わせて三十三名ということになっております。ただ、これは私どものみならず、国家公務員どこでもそうだと思いますけれども、参事官、企画宜、情報管理官といったような官のついております課長相当職、私ども課長と同等に取り扱っておるわけでございますが、そういう者を含めますと、一等級二十五名、二等級二十四名、合わせて四十九名、ちょうど半々程度ということになっております。
  193. 田口一男

    ○田口委員 これは公務員部長にお尋ねをしたいのですが、時間の関係で前回のことを復唱しませんけれども、そういった実態からいって、いまの地方公務員の問題になっておる渡り、職員の処遇、国公地方含めて、それは自治省の一つの知恵ではないのか。言葉をかえて言うならば、自治省も渡りとは言ってないけれども、それに類したことを現にやっておるのではないのか、こういうことを私は言いたかったわけでありますが、それについて部長はどういう御見解を持ってみえるのか。
  194. 石見隆三

    ○石見政府委員 自治省内部の等級格づけにつきましては、ただいま官房長の方からお答え申し上げたとおりと思っております。この点につきましては、ただいま御指摘ございましたように、いわば国においても一職一等級を原則にしながら、実態的には渡りのような状態があるのではないかという御指摘であったと存ずるのであります。この点につきましては、国の人事管理全般につきまして前回の御質疑の際に人事院の方からも御答弁がございましたように、もっともこれは国の問題でございますので、私の直接所管ではございませんけれども、人事院とされましては、国の等級格づけをいたします場合には、等級別の標準職務表に定める基準にのっとりまして、しかも等級別定数というものを設定し、さらに等級別の資格基準表に定める基準に従ってそのような格づけをしておられるようであります。ある意味では、きわめて厳格な管理のもとにそういう人事管理をなさっておるというふうに私ども理解をするわけであります。  なお、そのときも人事院の方から御答弁がございましたように、何分にも、自治省は他省庁と違いまして企画立案官庁でございますので、どうしても上位等級に格づけされる度合いが非常に高いということは事実であろうという御答弁があったと存ずるのでありますが、その結果が、ただいま官房長が御答弁申し上げましたような結果として出ておるのであろうと思っておるわけであります。私ども、地方公共団体において現実の問題としていわゆる渡り運用をなさっておるのと、ただいま申し上げ、あるいは人事院の方から御答弁がございましたような国のいわば等級管理とは、おのずと違うものであろうというふうに理解をいたしておるのでございます。
  195. 田口一男

    ○田口委員 そういうお考えは前回もお聞きをしたのですが、ずばり言えば、いま官房長がお答えになった課長ないしは課長相当職、こういったことで、官で言うと一等級、二等級半々ですね。だが、厳格な意味で言えば、課長という名前がついておれば一等級、そうでなければ二等級ということになるのですが、相当職ですから、これは一等級というのもあるだろう。こういうことをせざるを得なくなった理由というものは、前回、人事院の角野さんがお答えになってみえたように、実質、公務員の人員構成というのですか、年齢構成、こういったものが、人員抑制ということもあって年々ローテーションが悪くなってきた、それをそのままにはしておけない、だから、何とかいい方法はないかというさっきからの話もあるようですが、知恵を働かして相当職、こういったものをつくって、一等級なり二等級上位等級に渡らせる、これは現実にいま言った課長相当職という参事官、企画官、こういったような名前をつけて一等級なりに昇格をさせておる、こういった知恵が、地方自治体の場合にはいわゆる渡り、私はこれだと思うのです。ですから、私は隗より始めよとこの前も言ったのですが、いろいろな自治省から出されておる通達なんかを見ますと、地方公共団体がやっておる渡りはすべて違法、不当だともう断定しておるのですね。そこまで断定しなければならぬのか、自分の方で規模が大きいものですから、また、他の省庁に比べて多少の事情が違うにしても、そういった――あえて渡りとは私は言いませんけれども、渡りに似たようなことをおたくの方でもやっておりながら、相手に対して不当だ、違法だと断定するのはちょっとおかしいという気がするのです。そこのところをもう一遍、全然違います、自治体がやっている渡りと、自治省がいまとっているような官房長が答えたような内容と本質的に全く違うのですということが言い切れるかどうか、そこのところをお答えいただきたいと思います。
  196. 石見隆三

    ○石見政府委員 先ほども官房長が御答弁申し上げましたような結果になっておりますにつきましては、国におきます等級の格づけが標準職務表を設定し、そして、それの内容をなすべき等級別の定数を確定し、さらに等級別の資格基準、すなわち何等級にはどのような要件を満たす場合に限って格づけをされるというような等級別資格基準表を定めての運用の結果だろうと思うわけであります。  これに対しまして、いま先生の御質問にございましたように、地方の実態とそれがどう違うのかということでございますが、地方団体におきましては、そのようないわば標準職務表をつくり、あるいは等級別定数をつくり、さらには等級別の資格基準表をつくって運用しておられる団体というのは、私はまだ承知をしていないわけであります。簡単に申しますれば、そういう運用をなさっている地方団体というのはまずないと理解をいたしておるわけであります。  実際の地方団体においていわゆる渡りと称されて運用いたしておりますのは、もう御案内のとおり、一定の等級あるいは一定の号俸に達した場合、さらにはまた、一定の経験年数を踏みました場合には、いわば自動的にその職務に対応する等級よりも上位の等級に格づけをしていくというような措置をとっておられるわけでありまして、このようないわゆる地方団体においてとっておられます渡りというものと、先ほど申し上げました国の運用というものとはかなりかけ離れておるものであるというふうに理解をいたしておるわけであります。  私どもが、なお渡りは違法ではないかというふうなことを申しておりますのは、いわば条例あるいは条例の委任に基づいて定められました規則に定められた標準職務表に違反していわば格づけをなさっておるものにつきましては、当然これは条例ないしはそれぞれの規則に反しておるということを事実として御指摘申し上げておるということでございます。
  197. 田口一男

    ○田口委員 そうしますと、標準職務表、こういったものがなくて、仮にあっても、それに定めのない一等級なり二等級なり三等級というものに格づけをすることが違法なのだ、縮めて言えばこういう言い方にもなるわけですね。  前回の話を私はいま思い出しておるのですが、そういった標準職務表というものがあって、一等級から七等級、八等級まである。それに一等級は何々、二等級は何々とモデル的に職名を書いてある、一職一等級というふうな表現もある、そういったのに当てはまらずに、いま部長が指摘になったような渡りは、もう自動的にある等級の何号給かに来ればすぐ上の方に行ってしまう、また、そこで何年かたてば上へ行ってしまう、こういう自動的な措置は違法、不当であると指摘をするのだ、こういうお答えでありますから、当然職務給ということが原則にならなければならぬ、こういうことですね。となりますと、これは極端な言い方をするかと思うのですが、ちょいちょいあるのですが、A市とB市という二つの自治体を比べて、人口規模も職員構成も大体同じだ、ところが、たまたまA市の総務課長が五十歳、B市の総務課長が四十歳、こうなった場合に、類似の公共団体ですから、総務課長という職の責任の重さも一緒だ、五十歳の総務課長も四十歳の総務課長も、給与の額としては同じであってしかるべきだということになるわけですね、いまの話をずっと突き詰めていくと。そういう場合でも、これはあたりまえだ、いたし方ないという御見解ですか。
  198. 石見隆三

    ○石見政府委員 現在の国家公務員、地方公務員を通じまして、給与はいわば職務給の原則ということを基本のたてまえにしておるということは間違いないと存じます。そのことは、先般人事院の方からもその旨の御答弁があったと思うわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、いわば標準職務表なり、あるいはそれを具体に運用いたします場合の等級別の資格基準表等等設定をされまして、課長の職についた者についてはどのような格づけをしていくかということを、そのような各種の根拠に基づいて格づけをされていくということであるならば、これは私どもはきわめて適正であり妥当であろうというふうに考えているわけでございます。その場合にたまたま五十歳の課長があり、たとえば総務課長さんというのは必ずしもすべて五十歳であるとは限らないわけでありまして、その場合、年齢的には五十歳があり四十五歳があり四十八歳の方もおられようかと存じます。それはそれとして、その職の職務の内容と責任に応じた標準職務表によって格づけされていかれるということであるならば、私はそれはそれとしてひとつ成り立ち得るものではないかというふうに存ずるわけであります。
  199. 田口一男

    ○田口委員 私が例として申し上げたのはA市とB市という二つの類似団体ですね。ところがそれを今度一つの市に見た場合に、同じ学歴、同じ経験年数、こういったものを持っておりながら一方は何々課長、たまたま課長の職というのは限定がありますから、それが課長でない、こういう例も往々にしてあると思うのです。私は一つの例として申し上げたのです。そういった場合、一方は課長になるから五十万としましょう、五十万というのはありませんけれども。ところがなってない者は三十万だ。こういうことがあっても、同じ経験、同じ学歴であってもそれはいたしかたない。今度は同じ自治体ということで見た場合それは当然なんだ、こういうことになるわけですね。
  200. 石見隆三

    ○石見政府委員 もちろん各地方団体におかれましては人事は適材適所の配備をなさっておるものと存じます。したがいまして、年齢の高い者必ずしも上位の職につくとは私、限らないと存じます。年齢の下の者が部長の職につき、あるいはその人よりも年齢の高い人がその下の課長の職につくことはあり得ようかと思います。あるいはまた同一学歴でありましても、本人の能力あるいは適材適所というような観点から、そういう事態が起こり得ることもあろうかと思っております。したがいまして、そういう場合にはせんじ詰めて申しますれば、年齢はもちろん逆転をいたしておりましても、その本人がつきます職の内容あるいは責任の度合い等によって、標準的に定められました標準職務表によって格づけをされていくということはあり得ることだというふうに理解をするものでございます。
  201. 田口一男

    ○田口委員 全体的に見て二、三歳の年齢の差、違い、それが若い者の方が上位にあり、年とった者が下にあるということもあることは私も承知しております。しかし、一般的に言って同じ職場内、同じ自治体内と言った方がわかりが早いと思うのですね。そこで同一学歴、同じ年齢、こういったものが二人も三人も複数あって、この前も言ったのですけれども、そこでポストが一つしかない。ただその能力の差とかどうとかいうよりも、甲乙断じがたいような状態の中でポストが一つしかない。そういうところから働かした知恵というものがあなたの方では違法と言う渡り、こういうものをやっておる。ところが自治省の方はさっきのお答えがあったように、私はそれが理由だとはそこまで極言はしませんが、大体似たような理由で相当職というものをつくった。せんじ詰めれば、繰り返して言いますけれどもこれと同じじゃないのですか、処遇という面から見れば。
  202. 石見隆三

    ○石見政府委員 国の方におきましてただいま官房長が御答弁申し上げたような結果があり、あるいはまた、先般人事院の方で御答弁がございましたような措置をとっておられますことは、私どもといたしましては一つはやはり人事管理上の要請もございましょうし、一つはやはり最近の社会経済情勢の中でございますので、行政がきわめて複雑化し、多様化しあるいはまたきわめて専門高度の技術化してきていることも事実であります。そういう意味におきまして、たとえば同じ課長と申しましても、いわゆるきわめて高度の技術、能力を要する重要な業務を所管する課長としからざる課長、その辺区分は非常にむずかしかろうと存じますけれども、そういう差が出てくることもまたこれは事実だと思うのであります。  そういう意味におきまして、たとえば国の標準職務表を例にとって申し上げますれば、一職一等級の原則からしますれば、課長というのは二等級に格づけを原則としていたしておりますけれども、本省におきまして特に重要な業務を所掌する課長は一等級ということにいたしておるわけであります。これとただいまお話にございましたように、地方の渡りとは同じではないかという御指摘であろうかと存ずるのでございますけれども、繰り返し御答弁申し上げておりますように、私ども地方におきますいわゆる実際現実に行われておる渡りといいますものとこれとは、必ずしも実態は同じであるというふうには存じておらないわけであります。  繰り返し御答弁申しておりますように、国におきましてはいろいろな標準を設けましてそれの中での運用をしておるわけであります。私も一つの方法として地方公共団体におかれまして、それぞれの職員規模あるいは人口段階あるいは業務の内容等を国と十分比較されまして、それでたとえば特定の県におきまして標準職務表を設定し、あるいはまた等級別定数を国の制度等見合いながらおつくりになり、あるいは等級別資格基準表をおつくりになって国のような運用をされるという場合がありますれば、私はそれは一つだろうと思うわけであります。しかし、地方の実態といたしましては前段も申し上げましたように、そういう運用をなさっておる団体は私どもまだ知らないわけでありまして、先般から申し上げておりますように、いわゆる一定の等級に達した場合あるいは一定の勤続年数を経た場合には、このような標準職務表とかあるいは等級別定数とか等級別資格基準とかいうようなものではなくして、いわば自動的に上位の職に格づけをしていくという措置をとっておられますのでこれを私どもは違法である。しかもその中身がいわば定められております条例あるいは規則に反する場合には、少なくとも条例あるいは規則に反する昇任行為ということになるということを申し上げておる次第でございます。
  203. 田口一男

    ○田口委員 そうしますとこういうことはいいんですか。自治省のまねをするという意味じゃないのですが、たとえばそういった職員の処遇を何とか考えなければならぬ、前回専門職という言葉も出ましたけれども、私が調べたある県でこういう職名がどんどんできておるのです。いま雇いというのはありませんけれども一般主事というのが一番下ですね、主事補それから主事、その上に主任という言葉をつけて主任主事、兵隊の位で言えば。その主任主事の上に従来から言ったら係長しかなかったものが係長相当職ということで主査、係長から上へ行きますと課長補佐ですよ。ところが課長補佐はよくあって一課にせいぜい二名ですから、その課長補佐相当職を主幹、それから課長補佐の上へ行くと課長でしょう。そうすると課長の職務は決まっておる。いまの自治省の企画課の参事官のまねをするのじゃないですが、課長相当職で副参事という名前をつけてある、それから主監というふうな名前をつけてある、こういうのがあるわけです。そういったことを標準職務表といいますか、そういったことでやれば自治省ではそれは好ましいことだ、仕方がないでしょうとお認めになりますか。
  204. 石見隆三

    ○石見政府委員 私どもは一般的には国家公務員についてとられておりますように、それぞれの地方団体において明確な標準職務表をおつくりになり、そして等級別定数を設定され、あるいはまた等級別にどう当てていくかという資格基準をおつくりになって運用なさることはもちろん結構だと存じております。ただその場合先ほども御指摘にございましたように、国におきまして審議官とか参事官とかいうふうな職名があると同じように地方におきましても主幹とか参事とかあるいはまた参与とかいろいろな名前でスタッフ的な職務をおつくりになっておることも事実であります。私どももそういうものを標準職務表の中にどう位置づけていくかという問題が残るにいたしましても、そういうものをおつくりになった場合にはこれは必要があっておつくりになったと思いますから、そういうものをそれらの標準職務表の中に的確に位置づけされ、そして運用なさっていかれるなら結構だというふうに思っております。ただ、いまの実態をちょっと申し上げますと、たとえば全職員中に占めておりますそれぞれの等級別の職員数を見ました場合には、たとえば一等級をとりました場合には、地方団体の場合には、これは数が少のうございまして、全職員中に給与上一等級の号俸格づけをされております者が〇・四%、国も〇・四%、この辺は似ておると思うのであります。二等級もほぼ同じであります。三等級になりますと、国におきましては三等級の号俸を受けております者が四・七%、これに対しまして地方では七・六%。四等級につきましては国は一三・五%おるのに対しまして地方では三〇・六%というふうにいるのであります。こう見てまいりました場合に、少なくとも国の人員構成比率に比べまして地方の場合には三等級、四等級あたりに相当集中しておるということがうかがえるわけでありまして、私どもはこれがいわゆる渡りというものの運用上こういう形になっておるのだろうというふうに思うわけであります。私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、地方におきます主幹とかあるいは参事とかいいます者をどのような等級に格づけするかということはまだ問題があろうかと思いますけれども、少なくともそういうものを厳格に格づけされて運用なさるということはあり得ていいだろうというふうに存じておる次第であります。
  205. 田口一男

    ○田口委員 いま部長がおっしゃった国と地方の給料表の各等級に在籍というのですか、在等級というのですか、人員構成の比率をおっしゃったのですが、前回も昭和三十三年ごろと昭和五十一、二年ごろの国家公務員の各等級の比率、これを申し上げましたね。それによっても、またこれはおたくの方の出した「地方公務員給与問題ハンドブック」というのですか、これの二百二ページの「等級別職員数と構成比でみた分析」これにいま部長がおっしゃったようなことが書いてあります。これは昭和五十年ですから、ここに出てくる数字は四十九年ごろの数字じゃないかと思うのですが、一等級から地方が六等級、国が八等級までの人員構成をずっと見ると、いま言ったような傾向は確かにあります。ありますが、じゃ国の場合を見た場合、数字をずっと追って見た場合に、ここに載っておる昭和四十九年ごろと類推される数字で五等級が三一・五、それから六等級が二三・四、いま申し上げる数字は国家公務員ばかりですが四等級が一一・四、三等級が三・九。ところがそれから二年ほどたった五十一年の数字を見ますと、六等級の二三・四は二二・九になっておる。五等級三一・五が三二・八になっておる。それから三等級、四等級の合計が古い四十九年ごろが一五・二、ところが五十一年は一八%、数字の動きは微々たるものかもしれませんけれども、だんだん下から上へ押し上げておる。ただこういう数字が地方は三等級、四等級の方にかたまっておるからそれが渡りをやって不当なんだと一概に断定はできぬでしょう。国家公務員の場合でも、年を経るたびにだんだん上の等級に押し上げておるという実態を見れば、専門職をつくったり相当職をつくったりいろいろな知恵を働かしておる。さっき言った主査であるとか主幹であるとか主監であるとかいったものをつくって、人員構成がおたくの方から見てやや異様に感じられても、全体的な人員構成なりローテーションから見た場合には仕方かない、そうなってもやむを得ない措置だと認めなければならぬのじゃないでしょうか。私はそう思いますが、どうでしょう。
  206. 石見隆三

    ○石見政府委員 私、ただいま手元にお示しのございました資料を持っておりませんので、いまお示しのございました数字に即してお答え申し上げることは御容赦願いたいと思うのでございますが、一般的に申し上げまして、国の場合でもこの長い間をずっと振り返ってみますと、次第に下位の等級の者の数が減ってまいっておりまして、上位等級へ次第に寄ってきておるということは事実だと存じます。先ほど申し上げましたように、国におきましても、職務の内容が最近の社会経済情勢の変化に対応いたしましてスタッフ的な職種が必要となり、またそれが徐々にふえてきておるということによって上がっておることだというふうに存ずるわけであります。しかしそれはそれといたしましても、そのような状況と地方団体のそれとを対比いたしました場合に、地方団体におきましてもやはり主幹、参事というようなスタッフ的な職が多くなってきておりまして、そういう形で上の方に押し上がっておること、その辺は同じだろうと私思っております。これは職務内容の変化あるいは人事管理上の要請が地方、国を通じてともにあるのであろうということはわかるわけでございます。それにいたしましても私申し上げたいのは、地方の上位への寄り方がきわめて著しいということだと思うわけであります。先ほど四等級まで申し上げたわけでありますが、以下五等級から八等級までを申し上げますと、この辺の下位等級になってまいりますと今度は逆転をいたしまして、たとえば八等級等を見ますと、これは五十一年四月一日現在の調査でありますが、国は一〇・四%のシェアを占めておるのに対して地方では五・六、七等級では国が一四・六に対して地方は一四・二、ここら辺は大体似ております。さらに上の方の六等級になりますと、国が二二二に対して地方は一七・五ということで、下位等級については国に比して地方の場合には相当下の方が薄くなり、上の方、先ほど申しましたように三等級、四等級の方に相対的に集中しておる率が非常に高いわけでございます。
  207. 田口一男

    ○田口委員 俸給表の等級別の分布状況を見れば、多少の差異があっても大筋としては年々上の方に押し上げていかざるを得ない実態にある。そういう現実を見て地方が、ない知恵とは言いませんけれども、それぞれ知恵を出し合って、渡りというようなことをやったり、渡りという言葉を使ってはまずいから相当職とか主幹とかなんとかいうものをつくってきておるのだと思うのです。それも異様に多いとかどうとかというふうに今日まで指摘をされてきておる。私はその指摘をする側の姿勢を問いただしたいわけです。一言にして言うならば、一方的に三千三百余もある自治体に対して、自治省がかくあらねばならぬと言って国の一つのモデルケースを無理やり押しつける、こういったところに今日のいろいろなトラブルが起こる原因があるんじゃないかと思うのです。  そこで、私はいま給与の問題を主にして言っておりますけれども、国も同じ、地方自治体も同じなんですが、公務員制度、行政ばかりではやっていけぬということはわかります、財政ということもあるんですからね。しかも、いまの地方財政の現況を見れば、三割自治と言われたり、ことさら今日は苦しい、だから財政の方も考えなければならぬということは、これはわかりますよ。しかし、いままでの公務員部長の御答弁なり、御答弁だけでなくて、いろいろ各県、市、町村に対する通達、指導のやり方は、本来の地方公務員制度というものを引っ込めて財政が先行しているんじゃないか。財政が苦しいから人件費を抑える、人件費を抑えるためには渡りが不法だとかどうだこうだといって抑える。どうも両々相まっていくべき指導が、財政の方が先行し行政指導の方が後になる、行政というか公務員の方のあれが。ここのところを問題にしたいのですよ。そういう反省はありませんか。
  208. 石見隆三

    ○石見政府委員 私、公務員部の職員でございますので、公務員部という立場で申し上げさせていただきますれば、私どもやはり問題にいたしておりますのは、地方公務員における現在の給与制度あるいはその運用につきまして、なお残された問題があるということは事実であると思っておりますし、またそういう認識を持っておるわけであります。したがいまして、やはり地方公務員給与につきましては、法の定める原則にのっとって適正な制度がつくられ、適正な運用がなされるということを私どもとしては期待をいたしておるところであります。しかし、私どもが、もちろん先ほども申し上げましたように私は公務員部の職員でございますが、そのような公務員の行政、給与管理問題は、もちろんこれは給与管理の本質論だろうと思うのでありますけれども、申しましても、やはり財政問題を離れては物は考えられない、全く財政とは無縁の話ではないわけだと思うのであります。やはりこのような厳しい財政状況の中におきまして人件費をどう扱っていくかというのは、これは一つの大きな問題でありましょうし、しかもその原資はすべてこれ住民の負担において賄われておるという面から見ましても、この問題は財政面を無視してかかるわけにはまいらない、私どもそういうものであろうというふうに理解をするわけであります。  後段申し上げましたことは、これは直接私の所管ではございませんけれども、私といたしましては、やはりそういう財政問題は財政問題として処理をお考えいただくと同時に、給与制度のあり方というものについていろいろと問題点を持っておるということが実態でございます。財政がすべて前に出て、これだけが唯一無二であるというふうには私どもさらさら考えておらない次第でございます。
  209. 田口一男

    ○田口委員 さっきも言いましたように、私は地方公務員、国家公務員もそうですけれども、地方公務員の賃金水準だけで、財政のことはどうでもいいのだ、高ければいいのだ、それに自治省はつべこべ物を言うなという言い方じゃないんですね。財政ということの兼ね合いも考えなければならぬ。その兼ね合いの中で、前回申し上げたと思うのですが、多少のやりとりがあったにしろ、自治体の労使が長時間知恵を出し合って話し合いがまとまった、そしてその具体例として、さっき申し上げたように相当職というものを相当つくっている。国家公務員に比べればやや異常に見えるような点があるかもしれないけれども、何とか属人的な要素も含めながら上に押し上げるような人事管理、給与制度というものを地方で考えておる。よほど常軌を逸したやり方というなら問題ですよ。いまのようなそれぞれの地方自治体でやっておる長年の経験の結果として制度化したものについてまで違法だ不当だと言うことは、公務員部長としてどうも財政ばかりの財政主導型ということに言われても仕方がないのじゃないか、そこのところを言いたいのです。ですから、両々相まってと私は言いましたが、財政との兼ね合いということを考えて、何でもかんでも不法だ違法だということで抑えつけてくる今日までの態度というものは、平地に波を起こすようなものになりはしないか、そこのところなんです。
  210. 石見隆三

    ○石見政府委員 御指摘のございました点につきましては、私ども地方公務員給与は地方公務員給与としてどうあるべきか、その水準はどうあるべきか、あるいはその制度はどうあるべきか、さらには運用は法の定める原則に従って運用するとするならばどうであろうかというふうな問題として、給与問題というあるいは給与水準問題というのはとらえておるつもりであります。一方、先ほど申し上げましたように、とは申しましても、それのみによってだけ、もちろんそれが給与制度本来の問題でございましょうけれども、財政問題というのも、これは全く無視してかかるわけにはまいらない問題であり、財政当局としてもこの給与問題については重大な関心を持つと申しますか、この人件費をどうするかというのは、やはりこれからの地方財政を運営していきます場合の大きな問題点であることもこれもまた事実であると思うのであります。そういう立場で、財政当局としてはこの問題についての大きな関心を持っておるということは事実だと存じます。ただ先ほども申し上げましたように、財政問題だけでもってこれをすべて処理していくべき問題だというふうには私ども理解をいたしておらないわけでございます。
  211. 田口一男

    ○田口委員 最後の言葉は、それはこれからも忘れずにやってほしいのですが、ただここではっきりと、当面の部長から、またやりとりをお聞きになった次官からお答えをいただきたいと思うのですが、国の物差しですべて全自治体すぱっと割り切るということはできない、これはむずかしいことですね。やろうと思えば、地方公務員給与法といったような単独法でもつくらぬことには無理だと思うのです。つくれという意味じゃないのですよ。いまの実態は、ことほどさように千差万別だ、その千差万別を何とか近代的な公務員制度にしようというのが地方公務員法でしょう。それで、おたくの方の指導指導よろしきを得て、今日二十五年たって、まあまあ前の大臣の福田大臣がおっしゃられたように定着したというところまできた。ですから、そういう認識の上に立って、公務員給与がずば抜けて、今日の地方財政なんというものをもう無視をして度外視して、地方公務員の給与というものがべらぼうに高いという状態はない。ただ、おたくの方は、さっきから繰り返して言いますけれども、何でもかんでも国家公務員のいまの状態を当てはめようとするから、そこに無理がある。無理があるということを御認識いただいて、さっき三等級、四等級が相当ふくらんでいると言うけれども、それはその自治体自治体ごとの特殊事情といいますか、そういった事情を勘案して労使の話し合いでできた一つの制度なんだから、そこまでは不法、違法と私の方は断定しません、こう言うくらいの雅量といいますか考え方がなければならぬと思うのですが、そう点いかがでしょうか。
  212. 石見隆三

    ○石見政府委員 私ども何でもかんでも地方公務員と国家公務員とが全くイコールでなければならないと言うつもりはございませんし、また御指摘ございましたように、そのようなことを考えておるものでもございません。また法律の規定からしましても、そのような理解はできないと思うのであります。ただ、いずれにいたしましても、たとえば給与水準一つをとりました場合でも、やはり地方公務員の給与は、その制度あるいは運用につきまして国家公務員に準じて取り扱っていただくことが、これが少なくとも地方公務員法の予定をしておるところであろうというふうに理解をいたしております。と同時に、国家公務員も地方公務員も、いずれもともに公共の事務に携わっておるものであります。そして、その給与財源はすべて国民の負担で賄われておるという点から見ましても、その給与水準が大体同程度、いわば地方公務員の給与が国家公務員に準ずることが、納税者である国民の理解と納得を得られるゆえんでもあろうかと存ずるわけであります。  と同時に、先ほどお示しにございました等級別定数につきましても、私どもは、先ほどお示ししました国家公務員の等級別定数の割合がこのとおり地方公務員にあらねばならないとも考えておりません。やはり地方には地方のそれぞれの実態がございましょうし、国と地方とは必ずしも同じでないと存じます。しかし、そうはいたしましても、現在のこの実態というのは余りにもかけ離れておるではないかというふうに存ずるわけであります。たとえば四等級一つを見ましても、国が一三・五に対して地方が約三〇・六、倍を超えるシェアを持っておる。国もなるほどいわばスタッフ職がふえております。が、地方もふえております。しかし、この実態というのは、私どもはこれが全くこのままでいいんだというふうにはちょっと理解をしにくいんでございます。  私どもといたしましては、五十年、五十一年に引き続きまして、地方団体におかれてはそれぞれ給与の是正あるいは適正化のためにいろいろな努力をなさったことは非常に評価をいたしております。しかし、これでもって問題がもうすべてなくなったとはちょっと理解をいたしにくい。あるいは、まだまだ問題点が残っておるではないかというふうに考えざるを得ないわけであります。それで、私どもといたしましては、先ほど申しましたようにすべてイコールにとは考えておりませんけれども、しかしもうすべて問題がないということでもないというふうに理解をいたしておりまして、今後とも地方団体がいろいろな意味での御努力をしていただくことを御期待いたしておるような次第でございます。
  213. 田口一男

    ○田口委員 もう時間が来ましたから何ですが、いま国に準ずるということをここでやれば、もうこの間の蒸し返しになりますからね。私はこれはもう蒸し返しをやりません。国に準ずるという根拠がいかにおたくの方に弱いかということを言いたいんですが、これはあえて言いません。ただ、前段がいつでもいいんですね、部長の答弁というのは。それだけで終わればこちらは後を言わぬのですが、「しかしながら」ということで結局くるりと引っくり返す。後でよく聞いてみると中身が何にもなかったというような答弁です。そういう答弁の仕方も、私ども、これから政権をとったときのあれにいまから習っておく必要があると思うんですけれども。(笑声)それはそれとして、国そのものをぴたっと押しつけてはいないと言いますけれども、確かにおっしゃるように、役付の比率とかそれから専門職の比率というものは国と地方とは違いますね。そういったところでなじまないという言葉があるのですが、そうぴったりいかないから、役付にならなくとも、処遇という面から一定の給与水準にまで到達するようにしよう、しかもその処遇ということを考える場合に財政を無視してはやっていない、これは前にも申し上げたとおりであります。そういう処遇、役付にならなくとも一定の給与水準にまで到達できるためには、このような調整措置ということは必要であると私は思います。それは先ほどからの御答弁でもそうむげに否定をなさってはいないと思う。  現に、ちょっと古いのですが、昭和三十六年二月でしたか、自治省の方で出した通達で、次官通達だったと私は思いますが、属人的な扱いということを認めた通達もあったように記憶をしております。そういった長年の、今日まで二十何年かの積み重ねの中で、渡りということに例をとりますが、それが制度化して、そのことによって人事管理というものがうまくなってきておる。それをそう目つぼにとる必要はないし、さっきから「しかしながら」の後についてくるのですが、飛び抜けてというか極端に変なところは、それは自治省の公務員法による技術的な助言、こういうことも必要でしょう。それは私もそこまでは否定はしませんけれども、その指導、助言がちょっとのりを越えているのではないか。一律に全部、これもいかぬ、あれもいかぬということをやっておるところに今日のトラブルの原因がある。ですから、財政と行政との兼ね合いを十分に考えて、地方の実態ということも十分考えて、その上での自治省の権限に基づく技術的な指導、助言ということ、これはおやりになってもいいでしょう。ところが今日まで私どもが見聞きするのは、どうものりを越えておる感を深くいたします。その点をひとつ十分反省をして、いま言ったたとえば等級別の多少のふくらみ、そういうことについてはそこまで目つぼにとらぬようにしてもらいたい。これを申し上げて終わりたいと思いますが、次官、さっきのやりとりで、十二日に約二時間やったものですから簡略にした部分があるのですが、私の言わんとするところは御理解いただいたと思う。そういう点についてお答えをいただいて、終わりたいと思います。
  214. 中山利生

    ○中山政府委員 先ほど公務員部長からお答えを申し上げましたように、地方団体あるいは地方公務員は地域の住民のサービスに当たるという大きな職務を持っておりますし、自治省も、地域住民へのサービスをいかに最小の投資で最大の効果を上げるかということに日夜努力をしているわけでございまして、給与ということは公務員の生活にもかかわってくることでありますし、財政状態が許せば、できるだけ豊かな給与で大いに活躍をしていただくということが理想的でございますけれども、この給与が、先生もおっしゃいますように地方の財政を圧迫して、本来の住民サービスにその分が食い込んでしまう、住民サービスが十分にできないというようなことがあると大変困るわけでございまして、自治省がこの給与の問題を大変気にしておりますのは、そういう逸脱をした面が出てこないように、また特にこの渡り制度に神経質になっておりますのは、この渡りの制度がしばしば地方団体の財政を圧迫している実例があるということで、非常に神経質になっているわけでございまして、先生がおっしゃいますようにのりを越えないような――本当に必要なそういう制度が自治体ごとに制定されるということであれば、そんなに自治省の方も神経質にいろいろと指導するというようなこともなかろうと思うわけでございます。  まあ、地方団体は、おっしゃいますように団体によっていろいろな特殊事情がございますし、住民サービスその他、国家公務員とはまた違った職種もたくさんあるわけでございますから、そういう実態に応じた、これからも弾力的な指導をしていきたいと思っております。
  215. 田口一男

    ○田口委員 では、終わります。
  216. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 次に権藤恒夫君。
  217. 権藤恒夫

    ○権藤委員 私は、警察行政の中で特に交通問題についてお尋ねをいたしたいと思います。  ここ数年来、交通死亡事故が激増したということで、各都道府県の警察の方々が、それこそ総力を挙げて事故防止、それから死亡事故撃滅ということで御苦労していらっしゃいます。その御苦労には深く敬意を表する次第でございます。     〔委員長退席、高村委員長代理着席〕 しかしながら、その努力によりましてかなりの成果が上がっておりますものの、これは交通勤務員の取り締まり、監視、こういうことが先行いたしまして、今日の車のはんらん、モータリゼーションといいますかそのような中にあって、交通網、道路あるいは安全施設が若干おくれておるのではないか、こういうふうに思うわけでございます。  順を追って質問をしてまいりたいと思いますが、昭和五十年度、五十一年度におきます事故の件数、それから死者、負傷者、これが一体どのくらいあったかお聞かせいただきたいと思います。
  218. 杉原正

    ○杉原政府委員 五十一年中におきます交通事故の死者は九千七百三十四人、負傷者が六十一万三千九百五十七人。これを五十年に対比をいたしますと、死者では千五十八人減、パーセントにして九・八%減。負傷者につきましては八千五百十人、パーセントにしまして一・四%の減ということになっております。
  219. 権藤恒夫

    ○権藤委員 その中で、車同士、対物ですか、それから歩行者あるいは自転車というふうに分類できると思うのですけれども、この歩行者の死傷者、それから自転車に乗っておってけがをした人、これはどういうふうな数になりますか。     〔高村委員長代理退席、委員長着席〕
  220. 杉原正

    ○杉原政府委員 九千七百人余の死亡事故について見ますと、この中で、歩行中の死者、歩行者でございますが、これが三千二百六十七人、構成比にしまして三三・六%、自転車利用中の死者、いわゆる自転車乗りの死者は千百三十二人、全体の中の構成比にしまして一一・六%、合わせまして四六%が自転車と歩行者の死亡事故ということになっております。
  221. 権藤恒夫

    ○権藤委員 いまの数字が示しますように、この死者の数が要するに輪禍、車の事故のために犠牲になった方々でございます。これはどうしても防いでいかなければならぬわけであります。しかしながら、急に安全施設、道路網を拡張しましょうと言いましても、予算の問題もありましょうから、そう急にというわけにいかないと思いますが、この事故の原因ですけれども、居眠りもありましょうし、飲酒もありましょう。その他いろいろあると思うのですけれども、死傷者を出した事故の大きな原因はどういうところにありましょうか。
  222. 杉原正

    ○杉原政府委員 死亡事故の原因につきまして大きなものから申し上げますと、自動車のスピードの出し過ぎ、いわゆる最高速度違反でございますが、これが全体の一七・七%でございます。これがトップでございます。二番目がわき見運転、これが構成比で二二・七%、その次に多いのが酔っぱらい運転による死亡事故、これが一一・五%、第四番目が先ほど先生からお話ございました居眠りその他の過労運転、これが五・六%、主なものを申し上げますとそういうことでございます。
  223. 権藤恒夫

    ○権藤委員 これは昼間、夜間に統計がとってあると思うのですけれども、主に飲酒、酔っぱらい運転ですね、これは昼間か夜間か、そのところはどうでしょうかね。
  224. 杉原正

    ○杉原政府委員 昨年の死亡事故について見ますと、昼間が四八・五%に対しまして夜間の死亡事故が五一・五%、これは年々夜間の死亡事故の構成比の方が高くなりまして、昨年はついに半分以上が夜間の死亡事故になったということであります。
  225. 権藤恒夫

    ○権藤委員 そのように夜間の事故が際立ってふえてきているということは統計の上で示すとおりでございます。このように交通事故の激増によりまして、各都道府県の交通勤務員の勤務状態というのはきわめて多忙をきわめているわけです。私が申すまでもなく、皆さん方はよく御承知だろうと思うわけです。たとえて申し上げますと、事故が起きたということで引き続いてそのまま勤務をさせる。これはやはり警備員の不足ということが問題である。そうしますと、前日働いてまた徹夜で勤務する、その翌日もまた勤務をしているとなりますと、これはきわめて過重な勤務状態である。これは警察でございますから使命感でありますとかというようなことで勤務していきますけれども、一般の企業であれば大問題になるというようなことも考えられるわけです。そこで、このような交通勤務員ですね、警察官の増員でございますけれども、これはどういう計画があるかお聞きしたいと思います。
  226. 杉原正

    ○杉原政府委員 交通量の増加、それに伴います交通事故の多発というこの数年、長い間の情勢に対応いたしまして、先生方にいろいろ御理解をいただいて、四十七年から今日まで六年ほどの間に交通警察官約一万名の増員を年々積み重ねてやってまいりまして、いま全国で交通警察官が約三万二千余おります。これを今年度、五十二年度につきましても予算面で地方警察官の増員をお願いをしている、その中で五百四十名の交通警察官の増員もお願いをしているところでございますが、これらの増員分の配置等につきましては、先ほど言いました夜間の死亡事故が非常にふえているというふうなことでございますものですから、夜間にどういうぐあいにうまく配置をするかというようなことも考え、勤務制度の改善、早出の警察官、遅出の警察官、そういうふうなものを勤務制度で改善をしていく。それから超勤等の問題につきましても、そういう実態にあるものですから、この勤務実態に対応したような手当額が支給されるように都道府県の段階で要求をいたしておるところでございます。
  227. 権藤恒夫

    ○権藤委員 私も、地方議員のときに警察委員会に八年間ほどおりましたので、その実態はよくわかっておるわけであります。私どもの第一線の警官がどういうふうな勤務状態であるかということで、一回行こうじゃないかということで一晩おつき合いしたことがあるのですけれども、これはとても大変ですね。酔っぱらいは来るわ、一一〇番はじゃんじゃん鳴るわ、夫婦げんかの仲裁までしなければならぬ、事故が起きた、飛び出していく、やはり事故のことでありますから後で法律問題になりますので、検分もしなければならぬというようなことで、一晩おつき合いいたしまして本当にグロッキーになってしまった。ですから、おっしゃったように夜間の事故というようなことで飛び出していく、跡ががらがらになっていくというようなことで、やはり人的不足というようなことは決定的なものである。第一線で働いている人などは大変御苦労をなさっておるのです。やはり警察庁におきましても、そういうところは十分ひとつ配慮する必要はあるのではないか。いまも相当配慮していらっしゃると思うのですけれども、まだまだ問題があろうと思うわけであります。そういうような点から、また勤務者の待遇の問題、その翌日の問題等も十分ひとつ配慮していっていただきたいというふうに思うわけでございます。  それから、やはり何といいましても道路網を整備することは最大の急務でございますが、それとあわせましてこの監視体制の強化、特に施設、これも十分にひとつ措置をしていく必要があると思うわけであります。マーキングでありますとか標識でありますとか、これはもう都道府県が措置することでありますので警察庁の知るところではないと思いますけれども、中央監視センターでございますとかあるいは交通安全施設、特に信号機ですね。これは要求はかなり多い。たとえば繁華街でどうしても信号機が必要であるというような要請がございますね。それを設置するのに当年予算ではとても間に合わない、二年も三年も待たなければならぬというようなケースが余りにも多過ぎるわけなんですね。それで都道府県の方も積極的に、やはり人命尊重のことでございますので予算措置をしようという努力はしておるわけでございますが、何といいましても警察庁からの予算が来ないと都道府県も予算がつけにくいということが実情であるわけなんです。したがいまして、早急に道路網の整備というものが、これは実施するといってもなかなかむずかしいわけでございます、五カ年計画というようなものがあるようでございますけれどもなかなかむずかしいのですね。そういう中で、せめてこの安全施設、こういうものについては私は積極的な予算をつけていくべきだろうと思いますが、この実態についてお伺いしたいと思います。
  228. 杉原正

    ○杉原政府委員 安全施設の整備につきまして、過去この安全施設の整備計画をつくりましてやってまいっておりますが、昨年、五十一年度に始まります交通安全施設整備五カ年計画がつくられまして、これは目標としまして、いままで交通事故によります死傷者が最高であった年が四十五年でございます。このときに一万六千七百六十五人の人が亡くなっておられたのですが、これを五年間でこのときの半分にしよう、約八千四蔵人、これはゼロであることが当然必要なんですが、当座の目標として八千四得人以下に抑えたいということを目標にしましてつくった計画でございますが、一応昭和五十五年までに、国がいわゆる十分の五、二分の一補助をいたしますのを特定事業といっておりますが、これは千五百億、交通反則金にかかる交通安全対策特別交付金等を中心にしております地方単独事業、これが二千三百億、合わして三千八百億の五カ年間の安全施設整備事業を発足させ、ことしはその第二年度になるということでございます。  この二分の一補助でいきます特定事業は、例の信号機、これが中心でございますが、これを約三万七千基ほど設けよう、それから例の二十八の全国の都市に交通管制センターを設けよう、それからバスの感知信号機とか列車の感知信号機とか、盲人用信号機、それから中央線変移の装置、それから大型の標識、これなんかがいずれも十分の五の補助対象、それ以外の道路標識、それから例のペイント、道路標示、これがいわゆる地方単独事業ということでございますが、この地方単独事業につきまして国として関与いたしますのは、先ほど申します交通反則金にかかる交通安全対策特別交付金、それから一般的な地方交付税でこの措置をするというふうな形で、これを財源にして地方でやっていただいているというふうな形になっております。
  229. 権藤恒夫

    ○権藤委員 いろいろと事情があると思いますけれども、やはりひとつ早急に対策を立てていくべきである、こういうふうに思います。  それから補助金の方もいろいろあると思いますけれども、やはり富裕県は――富裕県というのはないですね、単年度収支でほとんどが赤字でございますから、ないですが、余裕のある県は予算も回せますけれども、厳しいところはなかなか単費というものも回りかねるわけでございます。したがいまして、そのような問題についてもやはり今後きめの細かい配慮というものが私は必要だろうと思いますので、強く要求しておきます。  それから警察施設でございますけれども、先ほど申し上げましたように特にこの派出所、俗に言う交番ですね。この交番の統廃合というものが必要じゃないかと思うのです。それから非常に老朽派出所が多いですね。こういうものは何とかならぬものですか。夜、夏場はまあまあ過ごしやすいですけれども、冬の寒いときなんか、ストーブをたいても、表をぴたっとふさいでしまうわけにいかない、びゅうびゅう風が入ってくる。そうして何か灯油のストーブなんかが一、二台置いてある。裏の方にずっと入っていきますと、バンコといいますか、一枚の板の下に足をつけた、ああいうのが二つ裏の方に並んでいる、土間のがたがたしているところ、そこで待機しておるわけです。これは私は、勤務状態も厳しい中に、せめて一服しているときに、もう少し心身ともに疲れがとれるような、そういう施設にするべきだと思うのです。非常に予算が少ないときにいろいろ問題はありましょうけれども、またそこに参考人が来たときも、やはり明るいところの方が雰囲気がよろしゅうございますね。土間のこっぱげたみたいなところで座ってやりますと、いかにも何か取り調べをされているというふうな、そういう雰囲気にもなりましょうし、また仕事の内容からしましても相当かんかんがくがくの仕事の実態であるわけですね。そういう中で、少しでも休憩がとれるような、疲れがいやせるような施設の改善をするべきだと思うのです。ひとついかがでございますか、九州あたりへ行って僻地の交番なんか見て回られる必要があると思います。どうかひとつ、そういうようなことも御存じだろうと思いますけれども、この統廃合並びに施設の改善、これは早急にやる必要があると思います。こういう御計画がおありかどうか、ひとつお聞きしたい。
  230. 山田英雄

    ○山田政府委員 第一線で働く警察官の勤務環境、これをよりよくせよというお立場からの御質問で大変感激しております。私ども、日夜大変いまの厳しい環境の中で犯罪と事故に対決しておる、そういう一線の警察官の高い士気と健康を維持する、これは最大の急務であろうと思っております。そういう意味で、御指摘の派出所、駐在所、大変老朽化したところもあるわけでございますが、その改善、整備ということにつきましては常に配意しておるところでございまして、昭和五十二年度の予算におきましても、派出所、駐在所につきまして三百十カ所を改築するということにいたしております。この派出所、駐在所と申しますのは、全国で約一万五千七百ばかりございまして、すでに整備済みのものは、そのうち一万三千カ所でございます。残り約二千七百カ所の派出所につきましては引き続き整備が必要とされるわけでございまして、これらの設備の改善につきましては、御指摘の劣悪な老朽化した施設も多いわけでございますので、引き続き推進したいと思っております。  お尋ねの環境の点につきましては、ただいま申し上げました改築ということの以前に、部分的な修繕ということで措置できる点もあるかと思います。そういう点につきましては、たとえば騒音とか大気汚染のないような仮眠室というものを整備するとか、あるいはシャワー室のようなもの、さらには細かいことでございますが、畳の表がえとかふすまをかえるとかいうようなこともあろうかと思いますが、そういう細かい点につきましては、各都道府県警察とも警察本部長の手元で十分、予算の限度もございますが、配意しておるところでございまして、そういったことの配慮がさらに徹底いたしますよう、私どもとしても各都道府県警察と連絡をとり合ってまいりたいと思います。
  231. 権藤恒夫

    ○権藤委員 予算もたっぷりつけて、ひとつ配慮してやってください。かけ声だけじゃなかなか二年も三年も待っておらなければならぬということが実情でございますので、その点もあわせて御配慮願いたいと思います。  それから、駐在所の俗に言う奥様手当、これはどのようになっておりますかね。過去どういうふうに上げてこられたか、その点ひとつ経緯を。
  232. 山田英雄

    ○山田政府委員 ただいまお尋ねの駐在所の奥さん手当についてでございますが、これは予算上の正式の名称は駐在所報償費というふうに言われておるわけでございますけれども、これは昭和三十四年度に月額一千円でスタートしたわけでございます。その後、公務員の給与ベースアップに見合いまして三十八年に二千円、四十二年度に三千円、四十五年度に四千円、四十七年度に七千円、四十八年度に一万円、五十年度に一万二千円、さらに五十二年度におきましては一万四千円になるように予算でお願いしておるところでございます。そういうことで逐年増額は図られておるわけでございますが、私どもといたしましては駐在所の家族というもの、これは勤務員ともども日夜御苦労いただいておるわけでございまして、その御苦労に報いるためのこうした駐在所報償費、これにつきましては今後とも公務員の給与のアップあるいは物価指数の推移によりましては各方面にお願いいたしまして、今後とも増額の実現を図ってまいりたいと思っております。よろしく御指導賜りたいと思います。
  233. 権藤恒夫

    ○権藤委員 この報償費でございますけれども、これもやはり実情に合うように、これは非常にありがたがっている、こんなにしていただいて光栄であると喜んでいらっしゃいますけれども、やはり使命感だけではどうにもならぬこともあるわけです。あるいは厳しい予算の中ではございましょうけれども、とにかくこれはもう奥様といいましても二十四時間勤務にあるわけです。その精神的なものはとても御苦労が多いわけであります。そのようにしてとにかく待遇は待遇でする、そのかわり日本人の生命や財産、治安は断固として維持する、こういうような体制で進んでいってほしい、私はこういうように思うわけであります。  最後に政務次官にお願いでございますけれども、本日は大臣が欠席でございますので、次官の方から国家公安委員長の自治大臣に、予算の獲得なりそういうことについて、ひとつ強力に今後措置ができるようにぜひともお伝えいただきたいと思います。
  234. 中山利生

    ○中山政府委員 私どもは国家公安委員会の方は直接関係がございませんけれども、先生の御趣旨、先ほどからの御論議の警察官の処遇の改善また施設の改善等につきまして予算獲得について、特に国家公安委員長である大臣に申し伝えます。
  235. 権藤恒夫

    ○権藤委員 次に、青少年の犯罪、特にその中で少年非行問題についてお伺いをしたいと思うわけでございますが、時間があと十五分くらいしかございませんので、項目的にざっと申し上げていきますので、ひとつそれに対するお答えを願いたいと思うわけであります。  申すまでもありません、青少年の育成というものはきわめて国家的に大事なことであるわけであります。しかしながら、年々青少年の犯罪、非行、これが増大の一途をたどっているということは悲しいことであると思うわけであります。戦後三十年の中で、第一のピーク昭和二十六年ごろ、それから昭和三十八、九年、それから昭和四十七、八年というようなことで、いろいろとその報告の中で言っておりますが、このような刑法犯あるいは特別法犯、それから触法犯あるいは道交犯というような中で、五十一年度で補導されたその数、件数についてお伺いしたいと思います。
  236. 吉田六郎

    ○吉田(六)政府委員 道路交通関係での業務上過失致死傷事件を除きました刑法犯で補導した犯罪少年、これは十一万五千六百二十八人で、その件数は十八万八千六百四十六件ということになっております。
  237. 権藤恒夫

    ○権藤委員 その中で、最近きわめて新聞紙上あるいは世論の的になっておりますのが、いわゆる殺人でありますとか粗暴犯ですね。その中で非行性犯が多いように思います。この性非行者というものはその中で一体どのくらいの割合を占めているか。
  238. 吉田六郎

    ○吉田(六)政府委員 女子中高校生による性非行の実態について申し上げますと、性犯罪、強姦とかわいせつ罪は女子の関係でほとんどないわけでございますが、売春防止法上に言う売春あるいは児童福祉法上に言う淫行、それから都道府県の青少年保護育成条例によるみだらな性交、その他不純な性交の反復により、全国の警察で補導した昨年中の女子中高校生は四千五百八十七人に上っております。  このような性非行に至った動機を見ると、大多数が好奇心によるもので八五%ぐらいというように考えておりますが、その内訳は売春が百九十一人で、あと淫行、それから条例によるみだらな性交、その他不純な性交反復、こういうものを加えますと四千三百九十六人という状況になっております。
  239. 権藤恒夫

    ○権藤委員 これはある県の統計でございますけれども、ある県と言ったって私が出ているところですから、大体わかりそうなものですが、補導した数が八千六百人ですね。その中でやはり性非行というのが五百五十七人、その中で中学生が六十一人補導された。ですから、要するに第一次の都会に集中したハイティーンの少年非行が、第二次のピークごろ、これが全国的に蔓延していった。これは道路網、通信網、ああいう情報の拡散ということが原因だろうと思うわけであります。それが今度はずっとローティーンに変わってきているということなんです。  そこで、このような不純異性交遊、こういうものをいろいろと取り締まる必要があると思うのです。これは警察の取り締まりだけでこれが絶滅するということは考えられません。けれども、余りにもそういう青少年を刺激するようなものが多過ぎるというふうに考えるわけなんですね。したがいまして、営業権の問題でありますとか、あるいは表現の自由の問題ということが、こういうことにもかかってくると思いますけれども、少なくともこのような少年が学校に行く道路、通学道路でありますとか、あるいは面接販売でないコインをちょっと入れると何でも自由に買えるというようなものでなくして、やはり面接販売ができるような体制が私は必要じゃなかろうかと思うわけなんですね。  そこで、これは昨年、一昨年、ことしあたりにかけまして、各地方公共団体あるいは地域団体というものが何とかしてそういうものを少なくしていこうじゃないかという運動を起こしているのは御承知のとおりであります。そしてこれが富山県でありますとか奈良県でありますとか、各県が条例を制定しまして、またことしに入りましても、二月それから六月の議会等では、かなり多くの地方公共団体が条例でもって何とか規制していこうじゃないかというような動きが出ておるわけであります。したがいまして、やはりそういう刺激をするようなものを少なくしていくという、そういうことが私は必要だろうと思うわけでございますが、そういうことについて何か対策がおありかどうか、お聞きしたいと思います。
  240. 吉田六郎

    ○吉田(六)政府委員 都道府県と十分連絡をとりまして、ただいま御指摘のございました青少年育成条例の制定あるいは改正、ことに最近自動販売機の規制につきまして多数の県がいま検討中でございます。五県は改正いたしておりますけれども、そういういろいろな関係機関と協力いたしまして、青少年を守るために、有害環境の浄化ということに警察といたしましてはいま最大の関心を持って取り組んでおるところでございます。  なお、ちなみに、ポルノ雑誌が青少年育成条例によりまして有害指定をされるというようなことがあるわけでございますが、必ずしも多い数ではございませんけれども、昨年九千四百四十七件有害指定をしておるとか、あるいはまた広告物につきましても条例によりまして有害なものであるという指定を行うなど、最近そういうような動きが活発になってきておりますので、私どもも意を強くするところでございますが、さらに関係機関と協力いたしまして、そういう面に一層努力していきたいと思います。
  241. 権藤恒夫

    ○権藤委員 次いで、総理府の方にお伺いしたいわけでありますけれども、青少年対策本部といたしましては、こういうような問題につきましては各都道府県とどういう協議をしていらっしゃるか、具体的にお伺いをしたいと思います。
  242. 石瀬博

    ○石瀬説明員 自動販売機によるポルノ雑誌等の販売につきましては、現在それぞれの地域でそれぞれの地域の実情に応じた形で、業界の自主規制とか住民の地域活動が非常に活発に行われておりますが、いままでお話がございましたように、最近ではこういった自主規制とか地域活動を促したり、あるいは支えるものとして、青少年の保護育成に関する条例の制定あるいは改正が行われておるわけでございます。すでに六県制定または改正しておりますが、今後さらにふえていく見通しでございます。私どもといたしましては、自動販売機によるポルノ雑誌等の販売、その他青少年をめぐる有害環境の実態にはかなり地域差があるようなふうにも感じております。現在それぞれの地域の実情に応じたような形での取り組みがなされておりまして、相当成果もおさめつつあるわけでございます。当面総理府といたしましては、関係の行政機関とか団体とも連絡をとりながら、これらの対策の推進を支援したり指導したり、あるいは助言したりということで、その推移を見守ることにいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  243. 権藤恒夫

    ○権藤委員 その推移を見守るだけでは、青少年対策本部ができてすでに七、八年の時期を経過しておるわけです。ですから、もう少し積極的に総理府が腰を上げてもらいたいと思うのです。と申しますのは、先ほど申し上げましたように、表現の自由でありますとかあるいは営業権の問題というようなことで、地方公共団体は相当苦しんでおるわけです。だから、総理府の方でがちっと全国的な統一見解を出して、そして業者の方に協力を願うところは協力をお願いするというような姿勢からまず持っていかなければならないかと思うわけですよ。それは地方では一生懸命やっておる。これはいじらしいぐらいにやっております。  これは一例でありますけれども、ポルノ雑誌自動販売機は大体いいので八十万ぐらいするわけです。最初はこんなポルノ雑誌はなかったのです。ところが週刊誌でありますとか月刊誌というのは、時期が過ぎていきますと、これは無用なものになってくるわけです。ところがポルノ雑誌なんというのは月々なんか関係ないわけです。目的を達すればいいわけですから。だから、いつまでも入れておいてよろしい。機械が八十万もする。品物が売れない。そうすると、償還するのが非常に厳しい、損をするじゃないかということで、だんだんと売れるようなものを置かざるを得ないというようなことになってきておるわけです。そういうところから急激にポルノ雑誌がはんらんしてきているということが事実なんです。でありますから、こういう販売機メーカーあたりと相談されて、やはり協力をしてもらうところは協力してもらう。各地方公共団体が各メーカーに一々相談しましても、力がないとは言いませんが、弱い。しかし、それが政府として交渉されると、これは青少年の健全育成のためには大いに協力をするということになる。そうしますと、都道府県の青少年対策室は非常にやりやすくなるわけです。成果が上がるわけです。同じ十の努力をしていましても、成果がいまよりもうんと上がってくるというようなことで、総理府としては、もう少し強力に地方公共団体が推進できるように配慮する必要があると私は思うのですが、その点につきましては、どういうお考え、見通しがございましょうか。
  244. 石瀬博

    ○石瀬説明員 ポルノ雑誌の自動販売機による販売の問題につきましては、私どもいまお話がございました内容と同じような認識に立っておりまして、各府県に対しましても必要な指導等やっておるわけでございます。ただ、条例の制定あるいは改正につきましては、必ずしもそれぞれの地域の気運が熟しておるというばかりでもないような点も地域にはございますものですから、条件の整ったところから条例の制定あるいは改正をするような指導をやっておるわけでございます。ことしも三月の二十八日に条例運用研究会というようなものを開きまして、各府県の自動販売機による有害図書の販売の実態、それに対する取り組みの状況、条例制定あるいは改正の必要性、そういったものにつきまして十分討議もいたしまして、その結果を各府県にも流したりいたしておりまして、各府県につきましても、そういう私どもの指導なりあるいはまた資料をもとにしまして、そういう改正の方向あるいは制定の方向に向かいつつある県が非常に多いわけでございます。  それからまた、私どもに関係しております団体で社団法人青少年育成国民会議というのがございます。ここと十分連絡をとりまして――この青少年育成国民会議というのは、各都道府県に青少年育成都道府県民会議というのがございます。自動販売機による有害図書の販売問題をどうするかにつきましては、行政が前面に立っていくというよりは、地域の住民の方々が中心になって盛り上げて、そういった有害環境を排除していくということが非常に実効ある方法だと考えておりますので、私どもとしましては、そういう国民会議とも連絡をとりまして、本年も二月の十七、十八日でございましたか、マスコミ関係者の方にもお集まりいただきまして、もちろん自動販売機の全国の自主規制団体もお呼びしまして、各府県の代表の方方、それから私どもも出まして、自動販売機による有害図書の実態がこういうことで非常に困る、だから是正してほしいというような申し入れも強くしておるわけでございます。
  245. 権藤恒夫

    ○権藤委員 一々反論するようでございますけれども、各地方公共団体におきましてそういう機運が十分に盛り上がっていないということじゃないのです。先ほどから申し上げております、これは昭和三十七、八年ごろから盛んにやってきたのです。ところが、地方議会でやりましたところが、営業権の問題でありますとかあるいは表現の自由の問題でありますとかということで、総反撃がきたのです。だから手をつけ切らなかった。そういう意味でやはりコンセンサスというものがより必要であろうということで、地域住民の優秀な方々の運動が盛り上がってきているのですよ。それをバックにしてこの青少年対策室あたりが何とか法的措置を決めようじゃないかということで、条例を制定するまでになってきたのです。それでもなかなか厳しいところがあるのです。だから、先ほどから申し上げますように、こういうような問題についてはいろいろ微妙な問題がございますので、国で統一見解なんか出して安心しておやりくださいというようなことが必要であろうかということを私は申し上げておるわけなんですよ。青少年の非行というものがこういうものだけで減少するとは思いません。したがいまして、その後、対策室として幅広くなさっておろうと思いますけれども、なお一層力を入れて今後の対策を講じてもらいたい、こういうふうに申し上げまして、私の質問を終わります。  以上です。
  246. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 次に、和田一郎君。
  247. 和田一郎

    ○和田(一)委員 消防行政に関しまして若干の質問をさせていただきます。  最初に、石油コンビナートの事故についてお尋ねいたしますけれども、石油コンビナートは全国で六十一地帯にも及んでいるということでございます。ところが五十年ですか、石油コンビナートの災害防止法ができましたけれども、しかしながらコンビナート自体の事故は依然後を絶たない。ちょっと調べましたところ、これは水島コンビナートですけれども、四十六年には三十一件、四十八年には五十六件、四十九年には五十六件そして五十一年に三十一件とずっと続発している。また千葉の市原コンビナートでは、四十九年には二十一件、五十年に八件、このようなデータがございますけれども、消防庁はどのような対策またはお考えでしょうか、お知らせ願いたいと思います。
  248. 林忠雄

    ○林政府委員 あの大きな水島の石油流出事故に対応いたしまして、いま御指摘のように、石油コンビナート災害防止に関する立法それから消防法の改正は了したところでございます。それに基づきまして、また石油タンクの検査のための特殊法人も設立が終わりまして、順調に業務を開始しておりますが、法律の改正それからそれが歩み出したばかりというの、が現状だと思います。おっしゃいますとおり、石油コンビナートの災害というのは近隣の住民に非常に不安を与えるものでございますし、これの絶無を期するための法体制の整備は現在整った。しかし、さらにそれの運用その他になれて、これが順調に動き出すまでの間にまだ若干の時間を要する。その間、おっしゃるとおりの災害はなお続発しておりますが、その通報がおくれたとかいうことでその運用のふなれの面がまだ見えるわけでございますけれども、これは、力を尽くしまして、この一両年の間に少なくともこれらの法的措置を実施に移すための諸措置について遺憾のないように指導してまいりたい、こう考えております。
  249. 和田一郎

    ○和田(一)委員 具体的にその絶滅に対してはどうすればよいか、こういう点、質問したいわけでございますけれども、お答え願いたいと思います。
  250. 田中和夫

    ○田中(和)政府委員 この事故の原因を大別いたしますと、単なる操作ミスというようなものが三分の一ぐらいございまして、あとは装置の構造が不良だとかいうようなものが大部分でございますが、単なる操作ミスというようなものは、企業側が完全な操作をするように、教育訓練を徹底してやるようにということで、企業側の自覚にまつ以外にないわけでございますが、構造の不良の問題につきましては、私どもの方で防災診断項目というようなものを現在検討いたしておりまして、そういう防災診断項目に基づいて企業側も点検をする、消防機関も点検をするというようなことで、絶滅ということはなかなか困難でございますけれども、事故の発生を少しでも少なくしようという努力を今後も継続してまいりたい、こう考えております。
  251. 和田一郎

    ○和田(一)委員 私、これは新聞記事から勉強したわけでございますけれども、一つ一つの事故の原因を見ますと、たとえばタンクのゆがみであるとか、または内部の腐食であるとかという小さい問題がどんどん出てきますね。ですからこれはあくまでも未然に防止できるようなことがほとんどであると思うのですよ。そういう点でもう少し厳しくこの点の取り締まりはできないものでしょうか。
  252. 田中和夫

    ○田中(和)政府委員 現在、消防機関に立ち入り検査の権限があるわけでございますから、これもフルに活用するということで、しかし、非常に複雑なコンビナートのプラントでございますから、消防機関も企業側も一体になってその点検を十分やってもらうということ以外にはないと思います。ただ、先ほど御質問の中にございました事故の件数でございますが、小さなちょっとしたミスといいますか、そういうのが非常に多うございまして、百万円以上の損害額というようなことで線を引きますと、現在七十五コンビナート防災地区がありますが、その七十五特別防災区域の中で年間大体三、四十件というのが現在の状況でございます。
  253. 和田一郎

    ○和田(一)委員 小さな事故といまおっしゃいましたけれども、ガスが付近に充満して住民が避難したということもあるわけですね。それも、いま額からおっしゃいましたけれども、金額から言えばずっと低いかもしれない。そういう点で、もう少し適確に手をお打ちになるようにお願いしたいと思うのです。  塩酸タンクですね。これは、三月の二日に水島のコンビナートで塩酸のタンクが漏れたという事故がありましてね。これは大事には至らなかったわけでございますけれども、しかし中に張られておるゴムの間の継ぎ口が腐食したということで大騒ぎをしたらしいのですけれども、塩酸タンクというのは警察の取り締まりまたは消防などの取り締まりの対象外だ、このように聞いておるのですが、これは本当ですか。
  254. 田中和夫

    ○田中(和)政府委員 私どもの方で石油類の危険物の取り締まりをいたしておりますが、これは引火性でも発火性でもございませんので、危険物の対象に入っておらない、毒物、劇物の分野に入ると思います。しかし、同じコンビナート地域の中にこういったものがあるわけでございますから、先ほど申しましたコンビナートを一体とした防災体制の中で、防災診断、防災計画、そういう中でこういったものも取り込んで重点を置いて今後も指導してまいりたい、こう考えております。
  255. 和田一郎

    ○和田(一)委員 地域の防災計画の中に取り込むのか、または防災法の中で全体的に指導していくのか。確かに引火性はないかもわからないけれども、しかし住民にとっては大変な問題になってまいりますから。毒物、劇物ですからね。そういう点、どうなんでしょうかね。
  256. 田中和夫

    ○田中(和)政府委員 現在、毒物、劇物につきましては厚生省の所管ということに一応なっておりますので、厚生省の方ともよく連絡をとりながら、プラントは一体でありますから、十分遺漏のないようにしたいと思います。
  257. 和田一郎

    ○和田(一)委員 もう一つ、通報が非常におくれておる。一つの事故では六時間もおくれたという。会社の方でわかっておるのだけれども一一九番しなかった、そういうのもずいぶんあるようでございますけれども、その点についての指導は一体どうなっておりますか。
  258. 田中和夫

    ○田中(和)政府委員 これは、コンビナート防災法にもありますように、異常な事態を発見した場合には、直ちに消防機関その他へ通報しなければならぬということに法律上なっておるわけでございます。ただ、企業側とすればなるべく早く自分の力で食いとめたいというような気持ちが働きますのか、いろいろな事情で、現在までにも何件かおくれて通報したという例がございます。今後厳しく指導してまいりたいと思いますが、先般も通達を出しまして、そういうことの絶対ないようにということを厳しく指導したところでございます。
  259. 和田一郎

    ○和田(一)委員 四月の三日に京葉コンビナートのある会社で、また油タンクの火事がございまして、これも付近の住民がタンクの上から炎が上がっているとびっくりして電話で通報した。それから、市の消防署の望楼からも見えた。飛んでいったところが、会社は全然通報しないで、自分の方で消火しておった。こういうことがございまして、とにかく秘密主義に徹しているような感じですけれども、これは四月の三日というとついこの間ですから、通達をお出しになってもなかなか聞かないんじゃないかと思うのですが、こういう具体的な例があるわけですね。どうですか、消防庁長官、コンビナートですから爆弾を抱えておるのと同じでございますので、もう少し厳しく徹底した指導ということをお願いしたいと思うのですが、いかがでしょう。
  260. 林忠雄

    ○林政府委員 まことにお説のとおりでございまして、指導をうんと強化していかなければならないと存じます。恐らく企業の方では、自己の内部においてなるべく処理したいという意識がどうしても先に働くということで、先ほど申しましたように、法制体制はでき上がったけれども運用はスムーズにいってないというところは、そういういわば企業の本能的なものというのをやはりどけてもらって、結局地域の住民に安心感を与えながらやっていかなければ、企業もやっていけないという意識のもとに立って積極的に協力するという姿勢を、多少時間がかかっても仕方がございません、繰り返し繰り返し指導してつくり上げてまいりたい、こういう方針でやってまいりたいと存じております。
  261. 和田一郎

    ○和田(一)委員 時間がございませんので、また、この問題は次の機会にもう少し詳しく論議させてもらいたいと思うのです。  最後に、次官の方からいままでの質問の中でお気づきの点、また改良しなければならない点、または自治省として力をお入れになる点をひとつお伝え願いたいと思います。
  262. 中山利生

    ○中山政府委員 先ほどからの御論議にありましたように、石油コンビナートというのは大変な膨大な量の危険物、石油であるとか、LPガスであるとか、ただいまお話のありました毒物であるとか、そういうものを抱えているわけでございまして、一朝事があると大変な大事故に結びつくわけでございますし、また、地域住民に与える心理的な影響、それから実際的な災害というものもはかり知れないものがあるわけでございます。先ほどから御答弁申し上げておりますように、コンビナート防災法等がようやく日の目を見まして、いろいろな形でこれの規制、災害の防止というものに努めているわけでございますけれども、いまお話がありましたように、コンビナートにもいろいろありまして、新しいコンビナートは比較的保安設備、防災設備も完備しておりますけれども、川崎のような非常に都市に密接をしているコンビナートもございますし、それから、新しいものについてはいろんな消防法の改正その他で対応ができますけれども、古いものの検査というものは、なかなか実際的に言うべくしてむずかしい、こういうところがあるわけでございますし、また、危険物そのものはそれほど秘密ではありませんけれども、そういうものをつくるノーハウが企業秘密であるとか、なかなか部外者には見せたがらない。また、高度な科学技術といいますか、そういうものの知識が必要だというようなこともありまして、いろんな困難が横たわっているわけでございますが、先生のおっしゃるように、これはわが国の防災の中では大変な問題だと思います。自治省、消防庁を挙げてできるだけ災害の起きないように、絶滅ということはなかなかむずかしいと思いますけれども、起きないように、また起きたときにどう対処するかということについて、努力をしてまいりたいと思います。
  263. 和田一郎

    ○和田(一)委員 最後と申し上げたのは消防の方の最後ということで、申しわけございません。  海上保安庁の久世部長さんにお伺いいたしますけれども、例の四月六日の夜に起きましたアストロレオ号の衝突事故、これは新聞が物すごく大きく報道しておりますのでよくわかりましたけれども、これは大変な事故でございまして、火災が発生した。聞くところによりますと、船が接岸している間は消防庁の管轄だけれども、動いている間はおたくの方だということでありましたので来ていただいたのですけれども、時間が本当にないものですから、この措置について、それから最近五カ年間にタンカーの事故が物すごくございますが、それに対しての防止対策について、ちょっと述べていただきたいと思います。
  264. 久世勝巳

    ○久世説明員 簡単に事故の概要を申し述べますと、去る四月六日の午後九時二十三分ごろ、四国の松山沖の釣島水道というところで八万三千トンの原油を積載しておりましたパナマ船籍のアストロレオ号と貨物船の幾春丸がぶつかりました。そして、この衝突によりまして、アストロレオ号のタンクから原油が約千二百キロ流出いたしました。そして、その原油のガスに火がつきまして、私どもの推定ではそのうち約七〇%ぐらいは燃えたのであろう、三百五十キロ以下が海上に流出したのだろう、このような結果になったわけでございます。  この情報入手とともに、海上保安庁では直ちに巡視船艇十九隻を出動させまして、消火作業、船舶交通の安全確保のための交通警戒を実施いたしました。  その後、巡視船艇あるいは民間船の協力によりまして、翌四月七日の午前二時三十分ごろ、約五時間燃えましてアストロレオ号付近の海面火災は消えましたけれども、まだ船橋とか船室が燃えておりまして、午前五時半ごろには完全に鎮火したわけでございます。そして、引き続き油の防除作業をいたしまして、四月十二日には対策本部を解散いたしまして、一応の防除作業を終わったわけでございます。  それから、最近五カ年間におけるわが国周辺におきますタンカー事故の統計でございますけれども、大体私どもの確認しております救助を要すべき海難事故というものが毎年約二千五百件程度ございます。そのうちタンカー事故は、昭和四十七年では百二十九隻、四十八年が百六十隻、四十九年が百四十八隻、五十年が百十九隻、昨五十一年は百十八隻、このようになっております。
  265. 和田一郎

    ○和田(一)委員 数を聞いただけで物すごいということがよくわかりますけれども、特に瀬戸内海なんか、海の銀座と言われておるということでございますが、明石海峡で五十年一年間で二十二件もあった、備讃瀬戸では二十一件、来島海峡では十一件、それから釣島海峡で二件。交通ルールだとか、これはおたくの方の所管だと思うのですけれども、これに対しての対策ですね。もっともっと減らせないのですかね、この問題は。
  266. 久世勝巳

    ○久世説明員 先生のお尋ねはタンカー事故の防止についての徹底化ということでございますので、それにつきましてお答えいたしますけれども、いまお話がありました瀬戸内海のように非常にタンカーのふくそうしますところ、これはほかに東京湾、伊勢湾がございますが、この海面につきましては、海上交通安全法という特別のルールをつくりまして、一方通航等を行うとともに、特別の規制をしております。そして、特に原油とかLPGタンカーが航路を通航するに際しましては、事前に海上保安庁航路管制官というものに通報することを義務づけまして、その動静を私どもは大きなものにつきましては全部把握しております。そして、通航する際には、巡視船艇、あるいは必要によりましては航空機を飛ばしまして、安全通航の指導、進路の警戒に当たっているわけでございます。  それからまた、特に大きなタンカーあるいはLPG船が通るときには、その積み荷の種類に応じまして、消防能力を備えました進路警戒船というもの、これは民間のものでございますが、これを必ず随伴させる、このような法律的な義務を課しております。  さらに、港に入りました場合には、港則法というのがございまして、これに基づきまして、各港に置かれました海上保安官がやっております港長というものがおりまして、これが指揮しまして、危険物の荷役をする許可あるいは荷役場所の指定、そういうふうな港におきますいろいろな安全対策というものをとっているわけでございます。  さらには、特に具体的に申しますと、タンカーが、荷役が終わりました後、空荷になった場合、これも危険でございますので、過去の事例にかんがみまして、タンククリーニング等危険物作業をするときには実施場所とか、あるいはその方法を指示するなど大変きめ細かな、実際のタンカー等危険物積載船の事故防止対策を講じているところであります。  このほかに、東京湾等船舶の交通のふくそうしておるところには、総トン数二万五千トン以上の液化ガス、これはLPGとかあるいは天然ガスがございます。あるいは二十二万重量トンという大きな原油タンカーが就航する場合には、事前に狭水道あるいは港内航行時の安全対策、あるいは停泊中、荷役中の安全対策というものにつきまして、船主の方から確約書を出させまして、大型タンカーが着桟して荷役をしているときには、バース警戒船というものをつけさせるとか、あるいは離着桟基準、荷役基準の作成ということ等を指導しまして、事故の防止の万全を図っておるところでございます。
  267. 和田一郎

    ○和田(一)委員 時間がありませんので質問を終わりますけれども、アストロレオ号の場合、水先案内も乗せていなかったという、こういうことらしいですね。ですから、ひとつ全力を挙げて海難事故防止のために尽くされることを望みまして、質問を終わります。
  268. 地崎宇三郎

    ○地崎委員長 次回は、来る十八日午後二時より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。     午後四時三十二分散会